以下に添付図面を参照して、管理システム、管理方法および搬送システムの実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る管理システムを適用可能な自動倉庫システムの概要を示す。図1において、自動倉庫システムは、自動倉庫1と、管理サーバ3および管理データベース(DB)4と、出荷元6におけるコード生成装置20とを含む。
自動倉庫1は、ローカルシステム2と、無人搬送車(AGV)40と、入庫ゲート50と、仮置き場100と、在庫エリア110と、用途別エリア1201、1202、…(図では用途別エリア#1、#2としても示している)と、カメラ130、131、1321、1322、1323、…とを含む。自動倉庫1は、出荷元6から出荷された物品30が入庫され、入庫された物品30を在庫として管理する。
管理サーバ3は、ネットワーク5を介してローカルシステム2と通信可能に接続される。また、図1の例では、出荷元6におけるコード生成装置20も、ネットワーク5を介して管理サーバ3と通信可能に接続されている。ネットワーク5は、例えばWAN(Wide Area Network)である。これに限らず、ネットワーク5をインターネットとしてもよい。
管理サーバ3は、管理DB4に接続され、管理DB4に対する情報の登録や検索などを行う。管理DB4は、自動倉庫1に入出庫される物品30の情報を管理する在庫管理テーブルと、自動倉庫1内の少なくとも在庫エリア110の各領域に対応する番地を管理する番地管理テーブルを含む。
ローカルシステム2は、それぞれネットワーク11に接続される在庫制御システム12と、カメラシステム13と、AGVサーバ14とを含む。ネットワーク11は、接続経路10を介してネットワーク5と接続され、これにより、ローカルシステム2が含む在庫制御システム12、カメラシステム13およびAGVサーバ14は、管理サーバ3と通信可能とされる。在庫制御システム12、カメラシステム13およびAGVサーバ14は、それぞれ、1台以上のコンピュータを用いて構成される。在庫制御システム12、カメラシステム13およびAGVサーバ14を1台のコンピュータを用いて構成することも可能である。
在庫制御システム12は、管理DB4における在庫管理テーブルおよび番地管理テーブルに登録される情報に基づき、自動倉庫1における物品30の入出庫などを制御する。また、在庫制御システム12は、自動倉庫1内の地図を予め記憶する。AGVサーバ14は、例えば無線LAN(Local Area Network)などの無線通信によるアクセスポイント(AP)15が接続され、在庫制御システム12からの指示に従い、無線通信によりAGV40の動作を制御する。
カメラシステム13は、各カメラ130、131、1321、1322、1323、…による撮影動作などを制御する。カメラシステム13は、各カメラ130、131、1321、1322、1323、…から出力された各撮影画像を受信し、受信した各撮影画像を解析する。
カメラ130は、入庫ゲート50に設けられる。カメラ131は、仮置き場100の例えば天井に設けられ、仮置き場100を俯瞰した撮影画像を出力する。カメラ1321、1322、1323、…は、在庫エリア110の例えば天井に設けられ、在庫エリア110を俯瞰した撮影画像を出力する。この例では、複数のカメラ1321、1322、1323、…の撮影画像に基づき、在庫エリア110の全体を俯瞰する。なお、仮置き場100においても、カメラ131を複数設けて、複数のカメラ131の撮影画像に基づき仮置き場100の全体を俯瞰するようにしてもよい。さらに、用途別エリア1201、1202、…や、各エリア間の通路となる領域にも同様に、全体を俯瞰して撮影可能なカメラを設けることができる。
図1において、出荷元6では、出荷する物品30、30、…について、各物品30、30、…を識別する識別情報を取得する。識別情報は、例えば各物品30、30、…の機種およびシリアルナンバを用いることができる。出荷元6において、コード生成装置20は、各物品30、30、…から取得した各識別情報を所定のエンコード方式に従いエンコードして、光学シンボル21の画像を生成する。
また、コード生成装置20は、各物品30、30、…から取得した各識別情報を、ネットワーク5を介して管理サーバ3に送信する。管理サーバ3は、コード生成装置20から送信された各識別情報を受信し、受信した各識別情報を、自動倉庫1への入庫予定の各物品30の識別情報として、管理DB4に登録する。
コード生成装置20は、生成した光学シンボル21の画像を表示媒体22上に形成する。表示媒体22は、例えば紙媒体であって、コード生成装置20は、プリンタ装置を用いて表示媒体22上に光学シンボル21の画像を形成する。光学シンボル21の画像が形成された表示媒体22は、物品30の例えば上面に貼付され、物品30に添付される。
図2は、第1の実施形態に係る光学シンボル21の画像が形成された表示媒体22が物品30に添付された様子を示す。このように、表示媒体22は、光学シンボル21の画像が形成された面を上にして、物品30の上面に添付される。
光学シンボル21は、例えば光学シンボル21を含んで撮影された撮影画像から容易に抽出および識別可能なように構成される。詳細は後述するが、第1の実施形態では、光学シンボル21を、所定サイズのセルを連結して構成し、セル間の色の遷移を検出することで、光学シンボル21に含まれる情報を取得可能としている。また、第1の実施形態では、連結された各セルにより櫛型を形成して光学シンボル21が構成される。
出荷元6において、光学シンボル21が形成された各表示媒体22が、出荷予定の物品30、30、…にそれぞれ添付されると、当該表示媒体22が添付された各物品30、30、…が出荷元6から出荷される。表示媒体22が添付されて出荷された各物品30、30、…は、自動倉庫1に運送される(図1の経路A)。
各物品30、30、…は、自動倉庫1に到着すると、1つずつ入庫ゲート50通過して自動倉庫1の内部に運ばれる。このとき、入庫ゲート50を通過する物品30を、上方からカメラ130により撮影する。この撮影は、カメラ130により、撮影画像に、物品30に添付される表示媒体22に形成される光学シンボル21が含まれるように行われる。光学シンボル21を含んだ撮影画像は、カメラ130からカメラシステム13に供給される。
カメラシステム13は、カメラ130から供給された撮影画像を解析して、当該撮影画像に含まれる光学シンボル21を抽出する。カメラシステム13は、撮影画像から抽出された光学シンボル21における各セル間の色の遷移を検出し、検出された色の遷移に基づき光学シンボル21をデコードする。カメラシステム13は、光学シンボル21をデコードして取得した識別情報を、ネットワーク5を介して管理サーバ3に送信する。
管理サーバ3は、コード生成装置20から送信された識別情報を受信し、受信した識別情報を、自動倉庫1に入庫した物品30を示す識別情報として、管理DB4に登録する。
入庫ゲート50を通過した物品30は、仮置き場100に運ばれる(図1の経路B)。仮置き場100は、自動倉庫1に入庫された物品30が一時的に置かれる領域である。ここでは、物品30は、例えば人手にて入庫ゲート50から仮置き場100まで運ばれる。物品30は、仮置き場100の任意の位置に置くことができる。
仮置き場100に設けられるカメラ131は、所定の時間間隔、例えば1秒乃至数秒の間隔で仮置き場100の撮影を行う。カメラ131による撮影画像は、カメラシステム13に供給される。カメラシステム13は、カメラ131から供給された撮影画像を解析して、当該撮影画像から光学シンボル21を抽出する処理を行う。
カメラシステム13は、当該撮像画像から光学シンボル21が抽出された場合、抽出された光学シンボル21の当該撮像画像内での位置を取得する。また、カメラシステム13は、抽出された光学シンボル21をデコードし、当該光学シンボル21に含まれる識別情報を取得する。カメラシステム13は、光学シンボル21から取得した識別情報と、当該光学シンボル21の撮影画像内での位置を示す位置情報とを関連付けて、在庫制御システム12に渡す。
在庫制御システム12は、カメラシステム13により渡された、カメラ131により仮置き場100が撮影された撮影画像に基づき取得され、互いに関連付けられた識別情報および位置情報を受け取り、受け取った識別情報および位置情報を、入庫され仮置き場100内に置かれた物品30の情報として記憶する。すなわち、第1の実施形態に係る自動倉庫システムでは、仮置き場100において、カメラ131による撮影画像から取得した、物品30の位置を示す位置情報と、物品30を識別する識別情報とが関連付けられて管理される。
在庫制御システム12は、管理サーバ3により管理DB4に登録された、出荷元6のコード生成装置20から送信された各識別情報と、仮置き場100を撮影した撮影画像に含まれる各光学シンボル21から取得した各識別情報とを比較する。在庫制御システム12は、出荷元6のコード生成装置20からの各識別情報のそれぞれと、仮置き場100を撮影した撮影画像に基づく各識別情報のそれぞれとが全て一致した場合に、入庫予定すなわち出荷元6において出荷予定の全ての物品30の自動倉庫1への入庫が完了したと判定する。
在庫制御システム12は、入庫が完了したと判定した場合、仮置き場100に置かれた物品30の、在庫エリア110への移動を開始する。在庫制御システム12は、管理DB4に登録された、仮置き場100内の物品30の識別情報および位置情報に基づき、仮置き場100内で移動可能な位置に置かれた物品30を検出し、検出された物品30から移動対象の物品30を特定する。
在庫制御システム12は、管理DB4に含まれる番地管理テーブルに基づき、在庫エリア110において物品30が置かれていない番地、すなわち空き番地を取得する。なお、番地管理の詳細については、後述する。
在庫制御システム12は、AGVサーバ14に対して、仮置き場100に置かれている、移動対象として特定された物品30を、在庫エリア110の空き番地に対応する位置に移動させるように指示する。このとき、在庫制御システム12は、例えば、予め記憶する自動倉庫1内の地図と、在庫エリア110の空き番地とに基づき、AGV40の移動経路を示す地図情報を作成し、AGV40の移動指示と共にAGVサーバ14に送信する。
AGVサーバ14は、この指示に応じて無線通信により、AGV40の走行経路を示す情報を含む地図情報をAGV40に送信し、AGV40に対して、仮置き場100内の移動対象の物品30の位置に移動するよう指示する。AGV40は、移動対象の物品30の位置に到達すると、物品30を連結する。
図3および図4を用いて、第1の実施形態に適用可能なAGV40の一例の構成について説明する。なお、図3および図4において、AGV40は、図中の矢印の方向を走行の前進方向とする。
図3は、第1の実施形態に適用可能なAGV40の外観を概略的に示す一例の斜視図である。図3の例では、AGV40は、測域センサ400と、コントローラ401と、ドライバ402と、バッテリ403と、底面に設けられる車輪404、404、…と、表示灯405とを備える。AGV40は、連結機構410により物品30を連結する。
測域センサ400は、例えば赤外線レーザなどのレーザ光線を用いて対象物の空間位置情報を取得する、レーザスキャナを適用することができる。コントローラ401は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)といったメモリと、各種のインタフェースと、AP15と無線通信を行うための無線通信ユニットと、を含む。また、コントローラ401は、自機のAGV40を識別するための識別情報を、例えばROMに予め記憶する。
なお、AGV40を識別するための識別情報を、さらに光学シンボル21として作成してもよい。この場合、AGV40を識別するための識別情報を含む光学シンボル21を表示媒体22上に画像として形成し、この表示媒体22をAGV40の例えば上面に添付する。こうすることで、AGV40をカメラ130、131、1321、1322、1323、…にて撮影した撮影画像に基づきAGV40の識別情報を取得することができる。
ドライバ402は、AGV40の底面に設けられた車輪404、404、…を駆動するためのモータと、モータを駆動制御するための駆動回路とを含み、コントローラ401の指示に従いAGV40を走行させる。なお、この例では、AGV40は、車輪404、404、…のうち左右何れかの車輪の組を駆動し、他方の車輪の組を停止させる信地旋回や、左右の車輪の組を互いに逆方向に駆動する超信地旋回を用いて走行方向を変更するものとする。これに限らず、AGV40は、方向転換の方式として、前側または後側の車輪の組の角度を変更することで方向転換を行うステアリング方式を採用してもよい。
バッテリ403は、AGV40の各部に電源を供給する。表示灯405は、コントローラ401から出力される制御信号に応じて、AGV40の状態を示す表示を行う。
コントローラ401は、AGVサーバ14から送信された移動指示および地図情報と、測域センサ400の出力とに基づきドライバ402を制御して、AGV40を、地図情報に示される移動経路に従い走行させる。
図4は、第1の実施形態に適用可能なAGV40と連結機構410とを上面から見た図である。なお、図4において、図3と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。連結機構410は、AGV40に装着されジョイント部413aを備える部品411と、物品30に装着されジョイント部413bを備える部品412とを含む。ジョイント部413aとジョイント部413bとを接合させることで、AGV40と物品30とが連結され、物品30がAGV40の走行に従い移動する。ジョイント部413aおよび413bは、既存の構造を適用することができる。ジョイント部413aおよび413bは、例えば、ジョイント部413aおよび413bを所定の方向にて互いに接触させて圧力を加えることで自動的に接合される構造になっている。これに限らず、ジョイント部413aおよび413bは、人手により接合させる構造でもよい。
図1の説明に戻り、AGV40は、物品30が連結されると、地図情報に示される経路に従い走行し(図1の経路C)、物品30を在庫エリア110内の指定された空き番地の位置に移動させる。在庫エリア110は、自動倉庫1に入庫された物品30を収納するための収納エリアである。在庫エリア110に収納された各物品30は、例えば、自動倉庫1における在庫として管理DB4に登録され、管理される。AGV40は、物品30の移動が完了すると、連結機構により物品30の連結を解除して物品30を切り離し、所定の待機位置に移動する。
在庫エリア110に設けられるカメラ1321、1322、1323、…は、上述したカメラ131と同様に、所定時間間隔、例えば1乃至数秒の間隔で在庫エリア110の撮影を行う。カメラ1321、1322、1323、…による撮影画像は、それぞれカメラシステム13に供給される。カメラシステム13は、カメラ1321、1322、1323、…から供給された撮影画像を解析して、当該撮影画像から光学シンボル21を抽出する処理を行う。
カメラシステム13は、当該撮像画像から光学シンボル21が抽出された場合、抽出された光学シンボル21の当該撮像画像内での位置を取得する。また、カメラシステム13は、抽出された光学シンボル21をデコードし、当該光学シンボル21に含まれる識別情報を取得する。カメラシステム13は、光学シンボル21から取得した識別情報と、当該光学シンボル21の撮影画像内での位置を示す位置情報とを関連付けて、管理サーバ3に送信する。
管理サーバ3は、カメラシステム13から互いに関連付けられて送信された識別情報および位置情報を受信し、受信した識別情報および位置情報を、在庫エリア110に追加された物品30の情報として、管理DB4に登録する。すなわち、第1の実施形態に係る自動倉庫システムでは、在庫エリア110において、カメラ1321、1322、1323、…による撮影画像に基づき取得した、物品30の位置を示す位置情報と、物品30を識別する識別情報とが関連付けられて管理される。
在庫制御システム12は、例えば上位システムからの指示に従い、在庫エリア110に置かれた物品30を用途別エリア1201、1202、…のうち指定されたエリアに、AGV40により移動させる(図1の経路D)。用途別エリア1201、1202、…に置かれた物品30は、例えば上位システムからの指示に従い、自動倉庫1から出荷される。
また、在庫制御システム12は、例えば上位システムからの指示に従い、仮置き場100に置かれた物品30を、用途別エリア1201、1202、…のうち指定されたエリアに、AGV40により移動させる(図1の経路E)。
なお、用途別エリア1201、1202、…は、自動倉庫1に入庫された物品30を、当該物品30の用途に応じて収納する収納エリアである。物品30の用途は、例えば物品30がMFP(Multi Function Printer)といった電子機器である場合には、部品抜き取り、再資源化などである。自動倉庫1から出庫される物品30の出荷先は、例えば用途毎に異なる場合がある。用途別エリア1201、1202、…に収納した各物品30も、在庫エリア110の場合と同様に、例えば管理DB4に登録し管理することができる。
出荷元6から出荷された物品30は、出荷元6において物品30毎に用途が指定される。出荷元6では、指定された用途を物品30の識別情報に関連付けて、管理サーバ3に送信する。管理サーバ3は、出荷元6から送信された識別情報および用途を受信し、受信した識別情報および用途を管理DB4に登録する。
なお、上述では、自動倉庫1が在庫エリア110と、用途別エリア1201、1202、…とを含むように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、第1の実施形態に係る自動倉庫1は、在庫エリア110と、用途別エリア1201、1202、…とのうち一方を含むものであってもよい。
例えば、自動倉庫1が在庫エリア110を含み、用途別エリア1201、1202、…を含まない場合、在庫エリア110に収納された各物品30は、在庫制御システム12により、例えば上位システムからの指示に従い在庫エリア110から直接的に出荷される。
また例えば、自動倉庫1が在庫エリア110を含まず、用途別エリア1201、1202、…を含む場合、在庫制御システム12は、仮置き場100に置かれた各物品30を、例えば上位システムからの指示に従い、仮置き場100から直接的に、各用途別エリア1201、1202、…に移動させる。このとき、在庫制御システム12は、仮置き場100に置かれた各物品30を、各物品30の光学シンボル21に含まれる識別情報に基づき、各用途別エリア1201、1202、…のうち例えば上位システムから指定されたエリアに移動させる。
(第1の実施形態のより詳細な説明)
図5は、第1の実施形態に係る自動倉庫システムにおけるローカルシステム2の機能を説明するための一例の機能ブロック図である。ローカルシステム2は、在庫制御部200と、AGV制御部201と、ID・位置取得部202および203と、在庫管理部204とを含む。また、在庫制御部200は、入出庫管理部210と搬送制御部211とを含む。
これらのうち、在庫制御部200および在庫管理部204は、図1の在庫制御システム12に含まれる。AGV制御部201は、AGVサーバ14に含まれる。また、ID・位置取得部202および203は、カメラシステム13に含まれる。これら各部(在庫制御部200、AGV制御部201、ID・位置取得部202および203、ならびに、在庫管理部204)は、それぞれが含まれるコンピュータ(在庫制御システム12、カメラシステム13およびAGVサーバ14)上で動作するプログラムにより実現される。これに限らず、これら各部を、互いに協働して動作するハードウェア回路により構成してもよい。
なお、図5において、在庫エリア110を撮影するカメラ1321、1322、1323、…を、カメラ132で代表させて示している。また、在庫管理テーブル205および番地管理テーブル206は、それぞれ、管理DB4に含まれる。ローカルシステム2は、在庫管理部204により管理サーバ3と通信を行うことで、これら在庫管理テーブル205および番地管理テーブル206に登録される情報を取得することができる。
在庫管理テーブル205は、物品30を識別する識別情報毎に物品30の情報を管理する。表(1)は、第1の実施形態に適用可能な在庫管理テーブル205における、識別情報毎のレコードに含まれる各項目の例を示す。
各レコードは、「ID」、「表示項目#1」、「表示項目#2」、「印刷対象」、「格納エリア」、「格納位置」、「状態コード」、「用途区分」、「作成日」および「更新日」の各項目を含む。
項目「ID」は、物品30を識別するための識別情報が格納される。識別情報は、例えば物品30のシリアルナンバを用いることができる。項目「表示項目#1」および「表示項目#2」は、それぞれ物品30の機種を示す情報が格納される。これら項目「表示項目#1」および「表示項目#2」の各値と、項目「ID」の値とを組み合わせて、物品30を識別する識別情報としてもよい。
項目「印刷対象」は、その物品30が光学シンボル21を添付する対象であるか否かを示すフラグが格納される。項目「格納位置」は、その物品30が置かれる位置の座標情報が格納される。項目「状態コード」は、その物品30の状態を示す状態情報が格納される。状態情報は、その物品30に関し、少なくとも搬送中か否かを示す情報であって、例えば、入庫待ち状態、仮置き場100、在庫エリア110、各用途別エリア1201、1202、…の何れに置かれるか収納された状態、AGV40に連結されて搬送中の状態、などを示す。項目「用途区分」は、その物品30の用途の区分(部品取り用、再資源化用、など)が格納される。項目「作成日」および「更新日」は、当該レコードの作成日および更新日がそれぞれ格納される。
番地管理テーブル206は、物品30を収納するための在庫エリア110の番地を管理する。番地管理テーブル206に登録される番地は、カメラ1321、1322、1323、…により撮影された撮影画像上の座標に基づく。番地管理テーブル206に登録される番地のより具体的な例については、後述する。カメラ1321、1322、1323、…の画角および撮影方向が既知であれば、撮影画像上の座標を、撮影画像に含まれる在庫エリア110の実際の座標に変換することは、容易である。
番地管理テーブル206は、さらに、用途別エリア1201、1202、…の番地を管理してもよい。一方、仮置き場100は、番地による管理がなされない。
ID・位置取得部202は、カメラ131の撮影動作を制御し、仮置き場100の撮影を行う。ID・位置取得部202は、カメラ131により仮置き場100を撮影した撮影画像から光学シンボル21を抽出し、抽出した光学シンボル21の撮影画像内での位置を示す位置情報と、当該光学シンボル21に含まれる識別情報(ID)とを取得する。ID・位置取得部202は、取得した位置情報および識別情報を、在庫制御部200における入出庫管理部210に渡す。入出庫管理部210は、ID・位置取得部202から渡された位置情報と識別情報とを関連付けて記憶する。
ID・位置取得部203は、カメラ132の撮影動作を制御し、在庫エリア110の撮影を行う。ID・位置取得部203は、カメラ132により在庫エリア110を撮影した撮影画像から光学シンボル21を抽出し、抽出した光学シンボル21の撮影画像内での位置を示す位置情報と、当該光学シンボル21に含まれる識別情報(ID)とを取得する(第1の情報取得部、位置取得部)。ID・位置取得部203は、取得した位置情報および識別情報を、在庫管理部204に渡す。在庫管理部204は、ID・位置取得部203から渡された位置情報および識別情報を管理サーバ3に送信し、在庫管理テーブル205に登録するよう管理サーバ3に依頼する。
なお、入出庫管理部210は、入庫ゲート50においてカメラ130で撮影された撮影画像から抽出した光学シンボル21に含まれる識別情報も、渡される。入出庫管理部210は、カメラ130の撮影画像に基づく識別情報を記憶する。
入出庫管理部210は、在庫管理部204に対して、仮置き場100に置かれた物品30の格納先として、在庫エリア110の空き番地を問い合わせる。在庫管理部204は、この問い合わせに応じて番地管理テーブル206から空き番地を取得し、取得した空き番地を入出庫管理部210に渡す。また、入出庫管理部210は、在庫管理部204から、在庫エリア110から出庫する物品30の識別情報を含む出庫要求を受け取る。
在庫管理部204および入出庫管理部210は、光学シンボル21から抽出された識別情報と、当該光学シンボル21の位置を示す位置情報とを関連付けて管理し、在庫エリア110に対する物品30の入出庫を管理し、また、入庫ゲート50において光学シンボル21から取得された識別情報を管理する管理部として機能する。
搬送制御部211は、入出庫管理部210からの指示に従い、AGV制御部201に対して、AGV40に物品30を搬送させるための搬送指示を出す。例えば、搬送制御部211は、入出庫管理部210に記憶される仮置き場100における物品30の位置を示す位置情報をAGV制御部201に渡す。また、搬送制御部211は、入出庫管理部210が在庫管理部204を介して番地管理テーブル206から取得した空き番地に対応する、在庫エリア110の実際の位置を示す位置情報をAGV制御部201に渡す。
AGV制御部201は、搬送制御部211から渡された、仮置き場100における物品30の位置を示す位置情報と、空き番地に対応する在庫エリア110の位置情報とに基づき、物品30をAGV40が搬送するための経路を示す走行用地図を作成する。AGV制御部201は、作成した走行用地図をAGV40に送信し、AGV40に駆動指示を出す。
また、AGV制御部201は、各AGV40の識別情報と、状態を示す状態情報と、走行用地図とを関連付けて、AGV管理情報として管理する。状態情報は、例えば、そのAGV40が物品30の搬送中か、物品30の搬送を伴わない移動中か、待機中かの何れかの状態を示す情報を含む。
AGV40は、AGV制御部201から送信された走行用地図を受信し、受信した走行用地図を記憶する。AGV40は、駆動指示に応じて、測域センサ400の出力に基づき、記憶した走行用地図に示される搬送経路に従い駆動される。AGV40は、測域センサ400の出力をAGV制御部201に送信することもできる。
次に、カメラ131および132による、仮置き場100および在庫エリア110の撮影方法について説明する。ここでは、在庫エリア110の撮影を例にとって説明する。例えば在庫エリア110は、広さが、1つのカメラ132による撮影可能範囲よりも広い場合が有り得る。この場合、図1に示したように、複数のカメラ1321、1322、…を用いて在庫エリア110を分割して撮影する。
図6は、第1の実施形態に適用可能な、在庫エリア110の全体を、複数のカメラ1321、1322、1323および1324を用いて撮影する例を示す。各カメラ1321、1322、1323および1324は、それぞれ撮影範囲1331、1332、1333および1334を持つ。各カメラ1321、1322、1323および1324は、各撮影範囲1331、1332、1333および1334により在庫エリア110を4分割した各領域を撮影する。
なお、図では、説明のため、各撮影範囲1331、1332、1333および1334の辺をずらして示している。
各カメラ1321、1322、1323および1324により各撮影範囲1331、1332、1333および1334を撮影した各撮影画像は、ID・位置取得部203に供給される。ID・位置取得部203は、各撮影画像を解析して各撮影画像に含まれる光学シンボル21、21、…を抽出し、抽出した各光学シンボル21の撮影画像内での位置を検出する。
ここで、各カメラ1321、1322、1323および1324の在庫エリア110に対する位置と、各カメラ1321、1322、1323および1324の撮影方向および画角とが既知であるものとする。この場合、撮影画像内の各位置と、在庫エリア110の実際の位置とを対応付けることが可能である。
例えば、入出庫管理部210は、各撮影範囲1331、1332、1333および1334を撮影した各撮影画像内の各位置(画素座標)と、在庫エリア110の実際の位置(座標)とを関連付けるテーブル(位置対応テーブルとする)を予め記憶する。これに限らず、入出庫管理部210は、各撮影画像内の各位置と、在庫エリア110の実際の位置とを関連付ける計算式を予め記憶してもよい。これにより、入出庫管理部210は、要求された番地に対応する、在庫エリア110の実際の位置を示す位置座標を取得できる。
なお、上述した、各撮影範囲1331、1332、1333および1334を撮影した各撮影画像内の位置と、在庫エリア110の実際の位置との関連付けは、カメラ131により仮置き場100を撮影した場合にも、同様に適用できる。
すなわち、カメラ131の仮置き場100に対する位置と、カメラ131の撮影方向および画角とが既知であれば、例えば入出庫管理部210は、仮置き場100を撮影した撮影画像内の各位置と、仮置き場100内の実際の位置とを関連付ける位置対応テーブルを予め記憶する。この場合も、上述と同様に、各撮影画像内の各位置と、仮置き場100の実際の位置とを関連付ける計算式を予め記憶してもよい。これにより、入出庫管理部210は、要求された撮影画像内の位置に対応する、仮置き場100の実際の位置を示す位置情報を取得できる。
カメラ131、ならびに、カメラ1321、1322、…は、ズーム機能を用いて画角を狭めて撮影することも可能である。光学シンボル21は、撮影画像内により大きな画像として含まれていると、撮影画像からの光学シンボル21の抽出処理が容易となり、好ましい。例えば、各カメラ1321、1322、1323および1324において、ズーム機能を用いて画角を小さくすることで撮影範囲が狭まり、撮影画像内に含まれる光学シンボル21の画像を拡大することができる。
図7は、第1の実施形態に係る、ズーム機能により画角を狭めた場合の撮影方法の例を示す。ここでは、カメラ1321を用いて在庫エリア110の一部(図6の例では左上の部分)を撮影範囲1331として撮影する場合の例を示している。ズーム機能によりカメラ1321の画角を狭めた場合、撮影範囲1331が、在庫エリア110における、カメラ1321が撮影すべき領域の全体をカバーできない場合がある。この場合、カメラ1321の撮影方向を図中に矢印aで示されるように移動させ、撮影範囲1331を、撮影範囲1331-1、1331-2、1331-3のように移動させる(図中に矢印bで示す)。
これにより、カメラ1321においてズーム機能を用いた場合であっても、カメラ1321により所定の領域の全体を撮影することができる。また、カメラ1321の在庫エリア110に対する位置が既知であって、且つ、撮影時の画角とカメラ1321の撮影方向とを取得することで、撮影画像内の各位置と、在庫エリア110の実際の位置とを対応付けることが可能である。この場合には、入出庫管理部210は、画角と、撮影方向と、撮影画像内の位置と、在庫エリア110内の実際の位置とを関連付けるテーブルまたは計算式を予め記憶する。
次に、第1の実施形態に係る自動倉庫システムにおける処理について、概略的に説明する。図8は、第1の実施形態に係る自動倉庫システムにおける入庫処理を示す一例のフローチャートである。ステップS10において、在庫管理部204は、入庫する物品30の識別情報のリストを、在庫管理テーブル205から取得する。在庫管理部204は、取得した識別情報のリストを入出庫管理部210に渡す。
次のステップS11で、入出庫管理部210は、入庫ゲート50において、入庫された物品30のチェックを行う。より具体的には、カメラシステム13は、入庫ゲート50を通過する物品30を上方からカメラ130により撮影し、撮影映像に含まれる光学シンボル21を抽出する。カメラシステム13は、抽出した光学シンボル21に含まれる識別情報を取得する。取得された識別情報は、例えば入出庫管理部210に渡される。
また、入出庫管理部210は、在庫管理部204を介して在庫管理テーブル205から入庫予定の物品30の識別情報のリストを取得する。入出庫管理部210は、取得した識別情報のリストと、入庫ゲート50からの撮影画像に基づく識別情報とを比較して、入庫された物品30のチェックを行う。
次のステップS12で、入庫ゲート50にて入庫チェックがなされた物品30を仮置き場100に移動させる。この物品30の移動は、例えば人手にて行われる。次のステップS13で、入出庫管理部210は、入庫予定の物品30の識別情報のリスト上の全ての物品30の入庫チェックが完了したか否かを判定する。完了していないと判定した場合(ステップS13、「No」)、処理がステップS11に戻される。一方、完了したと判定した場合(ステップS13、「Yes」)、図8のフローチャートによる一連の処理が終了される。
図9は、第1の実施形態に係る在庫処理を示す一例のフローチャートである。なお、ここでいう在庫処理とは、仮置き場100に置かれた物品30を在庫エリア110の所定の番地に移動させる処理を示す。また、この図9のフローチャートによる処理は、上述した図8のフローチャートによる処理が終了し、仮置き場100への物品30の移動が完了した状態から開始される。
ステップS20で、入出庫管理部210は、仮置き場100に置かれた各物品30の、撮像画像内での位置を示す位置情報と、識別情報とを、ID・位置取得部202から取得する。例えば、ID・位置取得部202は、光学シンボル21の形状の重心を光学シンボル21を代表する位置とし、当該位置を、光学シンボル21の撮影画像内での位置と見做して位置の検出を行うものとする。
次のステップS21で、入出庫管理部210は、在庫エリア110の空き番地を取得する。より具体的には、入出庫管理部210は、在庫管理部204に対して空き番地の問い合わせを行う。在庫管理部204は、この問い合わせに応じて、番地管理テーブル206から空き番地を取得し、取得した情報を入出庫管理部210に渡す。
次のステップS22で、入出庫管理部210は、移動させる物品30の識別情報を、空き番地に関連付ける。より具体的には、入出庫管理部210は、ステップS20で取得した仮置き場100内の各物品30の識別情報と、ステップS21で取得した各空き番地とをそれぞれ関連付ける。
次のステップS23で、入出庫管理部210は、仮置き場100内の指定した物品30の位置にAGV40を移動させる。より具体的には、入出庫管理部210は、搬送制御部211に対して、仮置き場100内の指定した物品30の位置にAGV40を移動させるよう指示を出す。ここで、移動対象として指定する物品30は、仮置き場100に置かれている各物品30の位置情報に基づき、仮置き場100の外部からAGV40が接近して連結可能なものから選択される。
なお、ステップS23において、入出庫管理部210は、仮置き場100内に置かれた物品30の位置を示す最新の位置情報に基づき、移動対象の物品30を選択する必要がある。既に説明したように、カメラ131は、所定の時間間隔で仮置き場100を撮影している。ステップS23で、入出庫管理部210は、ID・位置取得部202から、カメラ131による当該所定の時間間隔の撮影タイミングに応じて取得された、仮置き場100内の物品30の最新の位置情報に基づき、移動対象の物品30を選択する。
各物品30の位置を示す位置情報は、カメラ131にて仮置き場100を撮影した撮影画像に基づきステップS20で取得した、撮像画像内での位置を示す位置情報に基づき、上述した、仮置き場100の位置対応テーブルを参照して取得することができる。
搬送制御部211は、入出庫管理部210からの指示に従い、AGV制御部201に、移動対象の物品30の位置を示す位置情報を付加して搬送指示を出す。
AGV制御部201は、待機中のAGV40から移動に用いるAGV40を指定し、指定したAGV40の位置を示す位置情報と、移動対象の物品30の位置を示す位置情報とに基づき、当該AGV40を移動対象の物品30の位置に移動させるための経路を示す走行用地図を作成する。AGV制御部201は、作成した走行用地図をAGV40に送信し、AGV40に駆動指示を出す。AGV40は、この駆動指示に従い、移動対象の物品30の位置まで移動される。
次のステップS24で、入出庫管理部210は、移動対象の物品30に連結されたAGV40を、当該物品30の識別情報に関連付けられた空き番地に移動させる。より具体的には、入出庫管理部210は、搬送制御部211に対して、AGV40を、移動対象の物品30の位置から空き番地に対応する在庫エリア110内の位置に移動させるように指示を出す。空き番地に対応する在庫エリア110内の位置は、空き番地に基づき、上述した、在庫エリア110の位置対応テーブルを参照して取得することができる。
搬送制御部211は、入出庫管理部210からの指示に従い、AGV制御部201に、移動対象の物品30の位置を示す位置情報と、空き番地とを含んだ搬送指示を出す。
AGV制御部201は、搬送指示に含まれる、移動対象の物品30の位置を示す位置情報と、空き番地に対応する位置を示す位置情報とに基づき、移動対象の物品30に連結されたAGV40を空き番地に対応する位置に移動させるための経路を示す走行用地図を作成する。AGV制御部201は、作成した走行用地図をAGV40に送信し、AGV40に駆動指示を出す。AGV40は、この駆動指示に従い、空き番地に対応する位置まで移動される。
次のステップS25で、入出庫管理部210は、仮置き場100に置かれた全ての物品30の在庫エリア110への移動が完了したか否かを判定する。例えば、入出庫管理部210は、ID・位置取得部202から渡された情報に基づき、仮置き場100を撮影するカメラ131による撮影画像から光学シンボル21が抽出されなくなった場合に、仮置き場100に置かれた全ての物品30の在庫エリア110への移動が完了したと判定する。
移動が完了したと判定された場合(ステップS25、「Yes」)、図9のフローチャートにおける一連の処理が終了される。一方、入出庫管理部210は、ステップS25で、移動が完了していないと判定した場合(ステップS25、「No」)、処理をステップS23に戻す。
このように、第1の実施形態では、入庫ゲート50を通って入庫された物品30を、一時的に仮置き場100に移動させる。入庫予定の全ての物品30が仮置き場100に移動された後、仮置き場100に置かれた各物品30の、仮置き場100から在庫エリア110への、AGV40を用いた移動が開始される。そのため、入庫された各物品30の在庫エリア110への移動は、夜間など時間に余裕がある時間帯に実行できる。そのため、少ない数のAGV40を繰り返し運行させることで移動作業を完了させることができ、低コストで入庫作業を実行できる。
なお、上述のステップS20で、入出庫管理部210は、ID・位置取得部202から取得した、物品30の位置情報と識別情報とを関連付けて記憶し、仮置き場100内の物品30の管理を行う。このとき、入出庫管理部210は、仮置き場100内で静止している物品30について、対応する位置情報および識別情報を関連付ける。換言すれば、入出庫管理部210は、仮置き場100内で移動している物品30については、位置情報および識別情報の関連付けを行わず、当該物品30の停止(静止)を認識すると、当該物品30位置情報および識別情報の関連付けを行う。
より具体的には、ID・位置取得部202は、カメラ131から供給された、所定の時間間隔で撮影された撮影画像を記憶する。ID・位置取得部202は、あるタイミングでカメラ131から供給された撮影画像から光学シンボル21を抽出する。また、ID・位置取得部202は、この光学シンボル21が取得された撮影画像を取得したタイミングを起点として過去に遡った1以上のタイミングで撮影された撮影画像を、記憶した撮影画像から取得し、取得した各撮影画像から光学シンボル21をそれぞれ抽出する。
ID・位置取得部202は、このように複数の撮影画像から抽出した各光学シンボル21の、撮影画像内での位置および当該各光学シンボル21から取得した識別情報を、複数の撮影画像における各光学シンボル21間でそれぞれ比較する。ID・位置取得部202は、比較の結果、各光学シンボル21間で識別情報および位置が一致する光学シンボル21を、静止している光学シンボル21であると判定する。ID・位置取得部202は、静止していると判定した光学シンボル21の識別情報および位置情報を、入出庫管理部210に渡す。入出庫管理部210は、この識別情報と位置情報とを関連付けて管理する。
図10は、第1の実施形態に係る、在庫エリア110の管理方法を示す一例のフローチャートである。ステップS30で、ID・位置取得部203は、カメラ132を制御して在庫エリア110を撮影し、撮影画像を取得する。なお、カメラ132は、ID・位置取得部203の制御によらず、自律的に撮影を行ってもよい。
次のステップS31で、ID・位置取得部203は、ステップS30で取得した撮影画像から光学シンボル21を抽出する。次のステップS32で、ID・位置取得部203は、ステップS31で抽出した光学シンボル21の撮影画像内での位置を検出する。ID・位置取得部203は、検出した位置を示す位置情報を入出庫管理部210に渡す。
次のステップS33で、ID・位置取得部203は、ステップS31で抽出した光学シンボル21をデコードし、光学シンボル21に含まれる識別情報を取得する。ID・位置取得部203は、取得した識別情報を入出庫管理部210に渡す。
次のステップS34で、入出庫管理部210は、ステップS32でID・位置取得部203から渡された、光学シンボル21の撮影画像内での位置を示す位置情報と、在庫エリア110の番地とを関連付ける。次のステップS35で、入出庫管理部210は、光学シンボル21の、在庫エリア110における番地と、ステップS33で当該光学シンボル21から取得された識別情報とを関連付ける。
次のステップS36で、入出庫管理部210は、ステップS34およびステップS35で関連付けを行った位置情報、番地および識別情報を在庫管理部204に渡す。在庫管理部204は、入出庫管理部210から渡された位置情報、番地および識別情報を、番地管理テーブル206に登録する。また、在庫管理部204は、入出庫管理部210から渡された識別情報に基づき、在庫管理テーブル205に登録される情報を更新する。
次のステップS37で、入出庫管理部210は、ステップS30で撮影された撮影画像に含まれる全ての光学シンボル21について処理が終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合(ステップS37、「No」)、処理がステップS31に移行され、撮影画像から次の光学シンボル21が抽出される。一方、終了していると判定した場合(ステップS37、「Yes」)、図10のフローチャートによる一連の処理が終了される。
なお、上述では、ステップS31〜ステップS36の処理が、ステップS30で撮影された撮影画像に含まれる各光学シンボル21について、1つずつ順次実行されるように説明したが、これはこの例に限定されない。すなわち、ステップS31〜ステップS36の処理は、撮影画像に含まれる各光学シンボル21のうち複数の光学シンボル21に対して、並列的に実行することも可能である。
このように、第1の実施形態によれば、在庫エリア110を撮影した撮影画像上に在庫エリア110の番地を定義している。そして、この番地に対して、在庫エリア110の当該番地に対応する位置に収納される物品30の識別情報を関連付けている。そのため、在庫エリア110に対して識別タグなど番地を示す標識を設けること無しに、在庫エリア110に収納された物品30の管理を行うことが可能である。
また、第1の実施形態によれば、物品30を収納する在庫エリア110の空き番地を、当該物品30の識別情報と関連付けて管理している。そのため、在庫エリア110に対して識別タグなど番地を示す標識を設けること無しに、空き番地の管理を行うことが可能となる。
(第1の実施形態に適用可能な番地の管理方法)
次に、第1の実施形態に適用可能な番地の管理方法について説明する。図11は、第1の実施形態に適用可能な、番地の第1の管理方法を示す。なお、以下では、1台のカメラ132により在庫エリア110の全域を撮影可能であるものとして説明する。
図11において、カメラ132が在庫エリア110を撮影した撮影画像1320を所定サイズの分割領域132111、132112、132113、…、132121、…、132131、…に分割する。分割した各分割領域132111、132112、132113、…、132121、…、132131、…にユニークな番地を与える。
図11の例では、撮影画像1320のx方向(横方向)およびy方向(縦方向)の各方向に、原点から撮影画像1320の分割単位でx番地およびy番地を与え、x番地およびy番地の組み合わせを、各分割領域132111、132112、132113、…、132121、…、132131、…の番地として用いる。例えば、分割領域132111は、x番地「1」、y番地「1」であり、y番地「1」を先頭の記載として番地「1−1」が与えられる。また、分割領域132122は、x番地「2」、y番地「2」であり、番地「2−2」が与えられる。
また、図11の例では、撮影画像1320の左上隅の画素位置を原点の座標(1,1)とし、x方向およびy方向それぞれに向けて画素単位で座標が定義されている。例えば、番地「1−1」が与えられた分割領域132111は、当該領域132111の左上および右下の頂点の座標を用いて、撮影画像1320内の座標(1,1)−(25,25)で示される領域となる。同様に、番地「2−2」が与えられた分割領域132122は、撮像画像1320内の座標(26,26)−(50,50)で示される領域となる。
図12は、第1の実施形態に係る、撮影画像1320が物品30の画像を含む例を示す。図12の例では、光学シンボル21が形成された表示媒体22が添付された、1台の物品30の画像が、1つの番地で示される分割領域に含まれている。例えば、物品30および物品30に添付された表示媒体22の画像と、光学シンボル21とが、番地「1−1」、「2−1」および「2−2」がそれぞれ与えられた各分割領域132111、132121および132122に含まれている。
このように、第1の管理方法においては、在庫エリア110を撮影した撮影画像の1つの番地に対応する在庫エリア110の位置(領域)に、1つの物品30が収納される。また、光学シンボル21が抽出されない番地(図12の例では番地「1−2」、「1−3」、「3−1」など)は、空き番地として管理される。
表(2)は、第1の管理方法に適用可能な番地管理テーブル206の例を示す。
表(2)に示される番地管理テーブル206は、番地毎のレコードを含み、各レコードは、「番地」、「収納可能個数」、「空き」、「座標#1」、「座標#2」および「ID」の各項目を含む。項目「番地」は、番地が格納される。項目「収納数」は、その番地に対応する在庫エリア110の領域に定められた物品30の収納数が格納される。
項目「空き」は、その番地に対応する在庫エリア110の領域に現在収納可能な物品30の数が格納される。この項目「空き」の値が「0」の場合、その番地が空き番地ではないことを示す。項目「空き」の値は、項目「収納数」の値から、その番地に対応する在庫エリア110の領域に実際に収納されている物品30の数を減じた値となる。
項目「座標#1」および「座標#2」は、それぞれ、分割領域の左上および右下の頂点の座標が格納される。項目「ID」は、その番地に対応する在庫エリア110の領域に収納された物品30の識別情報が格納される。この識別情報は、その領域に含まれる光学シンボル21に基づき取得される。
図12を参照し、在庫エリア110を撮影した撮影画像の1つの番地に対応する在庫エリア110の位置(領域)に、1つの物品30が収納されるため、項目「収納数」は、各レコードにおいて値「1」が格納される。
図12の例では、例えば番地「1−1」、「2−1」、「2−2」に対応する在庫エリア110の領域に、それぞれ1つの物品30が収納されおり、これら番地「1−1」、「2−1」、「2−2」は、空き番地ではない。表(2)に示す番地管理テーブル206において、これら番地「1−1」、「2−1」および「2−2」における項目「空き」の値がそれぞれ値「0」となり、これらの番地が空き番地ではないことが示される。
一方、例えば番地「1−2」、「1−3」、「3−1」に対応する在庫エリア110の領域には、物品30が収納されておらず、これら番地「1−2」、「1−3」、「3−1」は、空き番地である。表(2)に示す番地管理テーブル206において、これら番地「1−2」、「1−3」、「3−1」における項目「空き」の値がそれぞれ「1」となり、これらの番地が空き番地であることが示される。
撮影画像1320の各分割領域132111、132112、132113、…、132121、…、132131、…において、光学シンボル21が領域の境界に跨っている場合が有り得る。図13は、第1の実施形態に係る、光学シンボル21が分割領域132122と、その右側の分割領域とに跨っている例を示す。この場合、当該光学シンボル21の中心座標23が含まれる分割領域を、その光学シンボル21が含まれる分割領域であるとする。
図13の例では、当該光学シンボル21の中心座標23が分割領域132122に含まれている。そのため、例えば在庫管理部204は、当該光学シンボル21が分割領域132122に含まれていると判定する。したがって、当該光学シンボル21は、分割領域132122に対応する番地「2−2」が対応付けられる。中心座標23は、例えば光学シンボル21の重心位置の座標を適用することができる。これに限らず、中心座標23として光学シンボル21内の他の座標を適用してもよい。
なお、この場合、当該光学シンボル21に対応する物品30が、在庫エリア110において、隣の領域にはみ出て収納されていることになり、この隣の領域における収納作業に支障が生じるおそれがある。そのため、例えば在庫管理部204は、撮影画像1320から、分割領域の境界に跨った光学シンボル21が抽出された場合に、何らかの通知(アラートなど)を出力すると好ましい。
次に、第1の実施形態に適用可能な、番地の第2の管理方法を示す。第2の管理方法では、各番地に対して収納可能な数を設定する。換言すれば、第2の管理方法では、各番地に対応する在庫エリア110の領域に対して、複数の物品30を収納可能とする。第2の管理方法は、例えば、番地に対応する在庫エリア110の領域に収納される物品30を、識別情報ではなく数量管理する場合に適用することが考えられる。
図14は、第1の実施形態に係る、1つの番地に対応する在庫エリア110の領域に複数の物品30が収納される例を示す。図14の例では、撮影画像1320がそれぞれ1つの番地が割り当てられた分割領域132211、132212、132213、…、132221、…に分割されている。番地の割り当て方法は、図11で説明した方法と同様である。各分割領域132211、132212、132213、…、132221、…は、対応する在庫エリア110の各領域にそれぞれ4つの物品30が収納可能となっている。
表(3)は、第2の管理方法に適用可能な番地管理テーブル206の例を示す。
表(3)に示される番地管理テーブル206は、上述した表(2)の番地管理テーブル206と同様に、番地毎のレコードを含み、各レコードは、「番地」、「収納可能個数」、「空き」、「座標#1」および「座標#2」の各項目を含む。各項目の意味は、表(1)の対応する各項目と同一である。また、第2の管理方法において、番地に対応する物品30を数量管理する場合、表(2)のように、項目「ID」を省略することができる。
図14の例では、番地「1−1」の分割領域132211に4つの物品30の画像が含まれ、番地「1−1」に対応する在庫エリア110の領域に4つの物品30が収納されていることが分かる。すなわち、この分割領域132211に含まれる4つの物品30は、それぞれ同じ番地「1−1」が対応付けられる。表(3)に示す番地管理テーブル206において、番地「1−1」の項目「空き」の値は、項目「収納数」の値から実際に収納されている物品30の数を減じた値「0」となり、この番地「1−1」が空き番地ではないことが示されている。
一方、番地「1−3」の分割領域132213には3つの物品30の画像が含まれ、番地「1−3」に対応する在庫エリア110の領域に3つの物品30が収納されていることが分かる。表(3)に示す番地管理テーブル206において、番地「1−3」の項目「空き」は値「1」となり、この番地「1−3」が1つの物品30を収納可能な空き番地であることが示されている。また、図14において、その他の番地の各分割領域は、物品30が収納されておらず、表(3)に示す番地管理テーブル206においてそれぞれの番地の項目「空き」は値「4」となり、各番地が4つの物品30を収納可能な空き番地であることが示されている。
なお、項目「収納数」の値は、適宜に設定することができる。項目「収納数」の値を「1」と設定した場合、レコードの項目「ID」を有効にする。項目「収納数」の値を「2」以上として撮像画像1320に含まれる番地数を減らし、管理を簡便化することができる。項目「収納数」の値を「2」以上とした場合には、例えばレコードの項目「ID」を無効とする。また、1つの番地管理テーブル206に、項目「収納数」の値が異なるレコードを混在させることも可能である。
このように、第1の実施形態では、在庫エリア110内での位置管理を行うための番地が、在庫エリア110を撮影した撮影画像上に定義されているため、在庫エリア110におけるレイアウトの変更が容易である。
(第1の実施形態に適用可能な走行制御方法)
次に、図15および図16を用いて、AGV40の走行制御について説明する。AGV制御部201は、自動倉庫1内の床面に並行な平面に対して仮想的に座標を与えた地図を予め記憶する。
図15は、第1の実施形態に適用可能な地図の例を示す。図15において、地図150は、自動倉庫1内の床面に並行な平面に格子を当て嵌め、各格子点1500、1500、…を格子内の座標として表現する。各格子点1500、1500、…は、例えばテーブルなどにより床面の実際の座標と関連付けられる。また、地図150は、平面上に存在する構造物の形状151aおよび151bを示す情報を含む。さらに、地図150は、仮置き場100に現在置かれている物品30や、在庫エリア110に現在収納されている物品30の情報を含むことができる。
図16は、第1の実施形態に適用可能な走行用地図の例を示す。図16において、走行用地図150’は、移動開始点152と移動終了点153とが示され、移動開始点152から移動終了点153を結ぶ移動経路Rが、各格子点1500、1500、…に従い設定される。このとき、移動経路Rは、構造物の形状151aおよび151bを示す情報に基づき、当該構造物を避けて移動可能に設定される。
搬送制御部211は、入出庫管理部210からの指示に従い、物品30の搬送に用いるAGV40を指定する。搬送制御部211は、指定したAGV40の座標と、AGV40の移動先を示す座標とを、搬送指示に含めてAGV制御部201に渡す。
AGV制御部201は、搬送制御部211から渡された搬送指示に含まれるAGV40の座標と移動先を示す座標とに基づき、地図150に対して移動開始点152および移動終了点153を設定する。AGV制御部201は、地図150に設定した移動開始点152および移動終了点153、および、構造物の情報などに基づき、移動開始点152および移動終了点153を結ぶ移動経路Rを設定して、走行用地図150’を作成する。
AGV制御部201は、作成した走行用地図150’を、指定されたAGV40に送信する。AGV40は、AGV制御部201から送信された走行用地図150’を受信して例えばRAMに記憶する。AGV40は、測域センサ400の出力と、記憶された走行用地図150’とに基づくコントローラ401の制御に従い、走行用地図150’の移動経路R上を移動する。このとき、コントローラ401は、測域センサ400の出力と、走行用地図150’とに基づき、構造物などの位置を確認し、自機のAGV40の走行方向などを修正しながら、AGV40の走行を制御する。
(第1の実施形態に適用可能な光学シンボルの例)
次に、第1の実施形態に適用可能な、コード生成装置20において生成される光学シンボル21の例について概略的に説明する。図17は、第1の実施形態に適用可能な光学シンボル21の例を示す。図17では、光学シンボル21の画像が表示媒体22上に形成された状態で示されている。
図17において、光学シンボル21は、主コード部2100と、副コード部2101とを含んで構成される。主コード部2100は、順次隣接する複数のセルが1次元に配列されたセル列により構成される。副コード部2101は、主コード部2100の両端のセルを除く各セルにそれぞれ接続される、複数のセルが順次隣接して1次元に配列された各セル列により構成される。図17の例では、主コード部2100は、開始セル2102および終了セル2103を含めて10個のセルを含み、副コード部2101の各セル列は、それぞれ4個のセルを含んでいる。
副コード部2101に含まれる各セル列は、互いに所定の間隔を開けて配置され、光学シンボル21は、全体として櫛型の形状とされている。光学シンボル21を櫛型の形状とすることで、撮影画像からの光学シンボル21の抽出や、抽出した光学シンボル21の向きの特定を容易とすることができる。
光学シンボル21は、隣接するセル間での色の遷移に基づき情報を表現する。換言すれば、光学シンボル21は、色の遷移を用いて情報をコード化する。光学シンボル21は、主コード部2100の各セル、および、副コード部2101に含まれる各セル列の各セルにより、それぞれ異なる情報をコード化して表現することができる。
主コード部2100および副コード部2101を構成する各セルに割り当てる色は、隣接するセル同士で同一色とならず、且つ、予め定めた複数の色から選択される。図17の例では、各セルは、例えば予め定められた変換テーブルなどに示される所定の規則に従いR(赤)色、G(緑)色、B(青)色およびK(黒)色の4色から選択された色が割り当てられている。各セルに割り当てる色は、R色、G色、B色およびK色に限られない。また、各セルに割り当て可能な色数は、4色に限られず、3色または5色以上でもよい。
コード生成装置20は、図17に示されるように生成した光学シンボル21を、プリンタを用いて表示媒体22としての印刷媒体に印刷する。
第1の実施形態に適用可能な光学シンボル21のデコード方法について、図18を用いて概略的に説明する。先ず、例えばID・位置取得部203は、撮影画像から、光学シンボル21の形状に対応するテンプレートや、画素毎の色判定などにより光学シンボル21を抽出する。ID・位置取得部203は、抽出した光学シンボル21から、例えば各画素の色情報に基づき各セルを認識する。ID・位置取得部203は、認識した各セルの、隣接セルとの接続数を用いて、光学シンボル21に含まれる主コード部2100のセル列と、副コード部2101に含まれる各セル列とを認識する。
すなわち、図18に示されるように、主コード部2100のセル列において、開始セル2102および終了セル2103には副コード部2101のセル列が接続されない。また、主コード部2100のセル列は、開始セル2102および終了セル2103に挟まれる各セルには副コード部2101の各セル列が必ず接続される。
開始セル2102および終了セル2103と、副コード部2101の各セル列の終端のセルは、それぞれ接続数が「1」である。一方、副コード部2101の各セル列の終端以外の各セルの接続数が「2」であるのに対し、主コード部2100のセル列の、開始セル2102および終了セル2103以外の各セルは、接続数が「3」である。したがって、接続数「3」のセルに接続される接続数「1」のセルが開始セル2102または終了セル2103であると判定できる。
ID・位置取得部203は、光学シンボル21から各セルを認識すると、隣接するセル間の色遷移を検出する。ID・位置取得部203は、検出した色遷移に基づき、例えば上述した変換テーブルを参照して色遷移を情報に変換して、光学シンボル21に含まれる識別情報を取得する。
なお、第1の実施形態に適用可能な光学シンボル21は、図17に示した構成のものに限定されない。すなわち、第1の実施形態は、光学シンボルが形成された表示媒体がそれぞれ添付された複数の物品を俯瞰して撮影した撮影画像に基づき各光学シンボルを認識可能であれば、他の構成の光学シンボルを適用してもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、上述した第1の実施形態に係る自動倉庫システムに対して、AGV40による物品30の搬送動作の異常を検知する機能を追加したものである。
先ず、第2の実施形態に係る、AGV40による物品30の搬送動作の異常について説明する。以下では、下記の4種類の異常を検知の対象として考える。
(1)AGV40と物品30との連結外れ。
(2)AGV40と物品30との誤接続。
(3)物品30の盗難の可能性。
(4)AGV40の故障または走行不能。
(1)の連結外れについて、図19を用いて説明する。連結外れは、AGV40と物品30とを連結する部品411および412の接合が、AGV40が物品30を搬送中に外れた状態である。この場合、物品30はAGV40により搬送されないので、目的の位置まで到達せず、異常となる。連結外れは、カメラ132による撮影画像から抽出した、物品30に対応する光学シンボル21とAGV40に対応する光学シンボル21’とに基づき、AGV40と、AGV40が搬送している物品30との距離を測定し、測定した距離に基づき判定することができる。
なお、第2の実施形態では、各AGV40は、ユニークな識別情報を与えられてAGV制御部201に管理されるものとする。また、各AGV40について、識別情報を含む光学シンボル21’を生成し、生成した光学シンボル21’を表示媒体22’上に形成する。この光学シンボル21’が形成された表示媒体22’を、AGV40の例えば上面に添付する。
(2)の誤接続について、図20を用いて説明する。誤接続は、AGV40が、指定された物品30とは異なる物品を搬送している状態である。この場合、物品30は、本来搬送されるべき位置とは異なった位置に搬送されることになり、異常となる。誤接続は、カメラ132による撮影画像から抽出した光学シンボル21および21’に基づきAGV40と物品30とを識別し、識別したAGV40および物品30の組み合わせが正しい組み合わせか否かを判定する。
(3)の盗難の可能性について、図21を用いて説明する。物品30がAGV40の連結無しで単独で移動し、且つ、所定のエリア70を越えた場合に、当該物品30が盗難された可能性があると判定できる。すなわち、人60の手により物品30が単独で移動される場合、その移動が所定のエリア70内での移動であれば、作業員などによる指定の作業のための移動であると考えることができる。一方、カメラ132による撮影画像から抽出した光学シンボル21に基づき、人60手により物品30が単独で移動され、物品30が所定のエリア70外に移動されたと判定された場合は、当該物品30が盗難された疑いがある。
(4)のAGV40の故障または走行不能について、図22を用いて説明する。上述したように、AGV40は、走行用地図150’に設定された経路に従い走行する。ここで、例えばカメラ132による撮影画像に基づき、走行用地図150’に設定された正しい走行経路である経路F(図16参照)に対して、AGV40が誤った走行経路である、経路Fと異なる経路Gを走行していることが検知された場合、走行に異常が発生したと判定できる。また、カメラ132による撮影画像から抽出した光学シンボル21’に基づき、移動しているべきAGV40が、一箇所に所定時間以上、停止している場合、当該AGV40が故障あるいは走行不能に陥ったとして、走行に異常が発生したと判定できる。
図23は、第2の実施形態に係る自動倉庫システムにおけるローカルシステム2’の機能を説明するための一例の機能ブロック図である。図23に示されるローカルシステム2’は、上述した図5に示したローカルシステム2に対して、異常検知部250と提示部251とが追加されている。
また、ローカルシステム2’において、ID・位置取得部203’は、カメラ132から供給された撮影画像から、静止している光学シンボル21を抽出し、抽出した光学シンボル21から識別情報(静止ID情報と呼ぶ)を取得する。ID・位置取得部203’は、取得した静止ID情報と、当該静止ID情報の撮影画像上での位置を示す位置情報とを在庫管理部204に渡す。
この場合、静止ID情報は、第1の実施形態でカメラ132にて撮影された撮影画像に基づき光学シンボル21から取得された識別情報に対応するもので、在庫管理部204は、ID・位置取得部203’から渡された位置情報および静止ID情報を管理サーバ3に送信し、在庫管理テーブル205に登録するよう管理サーバ3に依頼する。
ID・位置取得部203’は、さらに、カメラ132から供給された撮影画像から、移動している光学シンボル21を抽出する。ID・位置取得部203’は、抽出した光学シンボル21に基づき、物品30の識別情報(移動ID情報と呼ぶ)と、当該光学シンボル21の撮影画像内での位置を示す位置情報とを取得する。
なお、光学シンボル21が移動しているか否かは、ID・位置取得部203’が、例えばカメラ132により所定の時間間隔で撮影された複数の撮影画像からそれぞれ光学シンボル21を抽出し、抽出した各光学シンボル21を比較することで判定できる。
例えば、ID・位置取得部203’は、カメラ132から供給された撮影画像を記憶する。ID・位置取得部203’は、あるタイミングでカメラ132から供給された撮影画像から光学シンボル21を抽出する。また、ID・位置取得部203’は、この光学シンボル21が抽出された撮影画像を取得したタイミングを起点として過去に遡った1以上のタイミングで撮影された撮影画像を、記憶された撮影画像から取得し、取得した各撮影画像から光学シンボル21を抽出する。
ID・位置取得部203’は、このように複数の撮影画像から抽出した各光学シンボル21の、撮影画像内での位置および当該各光学シンボル21から取得した識別情報を、複数の撮影画像における各光学シンボル21間でそれぞれ比較する。ID・位置取得部203’は、比較の結果、各光学シンボル21間で識別情報が一致し、位置が異なる光学シンボル21を、移動している光学シンボル21であると判定する。
また、ID・位置取得部203’は、比較した各光学シンボル21のうち、時間的に最も後に取得された光学シンボル21について、撮影画像内での位置を示す位置情報を取得する。
同様に、ID・位置取得部203’は、カメラ132から供給された撮影画像から、移動している光学シンボル21’を抽出し、抽出した光学シンボル21’からAGV40の識別情報(移動ID情報)と、光学シンボル21’の撮影画像内での位置を示す位置情報とを取得する。
ID・位置取得部203’は、上述のように取得した物品30の移動ID情報と、当該物品30に添付の光学シンボル21の位置情報とを関連付けて、異常検知部250および入出庫管理部210’にそれぞれ供給する。同様に、ID・位置取得部203’は、上述のように取得したAGV40の移動ID情報と、当該AGV40に添付の光学シンボル21’の位置情報とを関連付けて、異常検知部250および入出庫管理部210’にそれぞれ供給する。
なお、光学シンボル21(物品30)や光学シンボル21’(AGV40)の移動が検知されなかった場合には、対応する移動ID情報は、異常検知部250および入出庫管理部210’に供給されない。
AGV制御部201は、各AGV40の識別情報および状態情報を含むAGV管理情報を、入出庫管理部210’に渡す。また、AGV制御部201は、各AGV40の走行用地図150’を入出庫管理部210’に渡す。
入出庫管理部210’は、AGV制御部201から渡されたAGV管理情報に基づき、入出庫の対象となる物品30に連結されるAGV40を指定する。指定されたAGV40の識別情報は、搬送制御部211において搬送指示に含めてAGV制御部201に渡される。また、入出庫管理部210’は、入出庫の対象となる物品30の識別情報と、当該物品30と連結するように指定したAGV40の識別情報とを関連付けて、連結情報として異常検知部250に渡す。
異常検知部250は、上述のようにID・位置取得部203’および入出庫管理部210’から渡された各情報に基づき、後述する判定処理に従い、AGV40による物品30の搬送動作が正常か否かを判定する。異常検知部250は、判定の結果、搬送動作に異常が検知されると、その旨を提示部251に通知する。提示部251は、通知に応じて、異常の発生を提示する。提示の方法は、特に限定されないが、ディスプレイに対する表示や、警告音の発生が考えられる。
また、異常検知部250は、異常が検知されたAGV40の識別情報(移動ID情報)を提示部251にさらに渡してもよい。提示部251は、異常検知部250から渡されたAGV40の識別情報をAGV制御部201に送信する。AGV制御部201は、提示部251から送信されたAGV40の識別情報に応じて、当該識別情報を持つAGV40に対して制御信号を送信する。当該AGV40は、この制御信号に応じて例えば表示灯405を点灯させる。
第2の実施形態に係る異常検知部250および提示部251は、例えば、ローカルシステム2’内のネットワーク11に接続される検知装置上で動作するプログラムにより構成される。
図24は、第2の実施形態に係る異常検知部250および提示部251が構成される検知装置の一例の構成を示す。図24において、検知装置16は、CPU160と、ROM161と、RAM162と、グラフィクスI/F163と、ストレージ165と、データI/F166と、通信I/F169とを含み、これら各部がバス170により互いに通信可能に接続される。このように、第1の実施形態に係る検知装置16は、一般的なコンピュータを用いて実現できる。
ストレージ165は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリといった不揮発性の記憶媒体であって、プログラムやデータが記憶される。CPU160は、ストレージ165やROM161に記憶されるプログラムに従い、RAM162をワークメモリとして用いて、検知装置16の全体の動作を制御する。
グラフィクスI/F163は、ディスプレイ164が接続され、CPU160によりプログラムに従い生成された表示制御情報に基づき、ディスプレイ164が表示可能な表示信号を生成する。データI/F166は、検知装置16の外部から供給される外部データに対するインタフェースである。また、データI/F166は、マウスといったポインティングデバイス167や、キーボード168を接続することができる。データI/F166は、外部データを入力することもできる。データI/F166としては、例えばUSB(Universal Serial Bus)を適用することができる。
通信I/F169は、ネットワーク11と有線通信または無線通信により接続され、ネットワーク11を介した通信を行う。
第2の実施形態に係る検知装置16の異常検知部250および提示部251の機能を実現するための検知プログラムは、インストール可能な形式また実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)、フレキシブルディスク(FD)、DVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供される。これに限らず、検知プログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、当該ネットワークを介してダウンロードさせることにより提供してもよい。また、検知プログラムをインターネットなどのネットワークを経由して提供または配布するように構成してもよい。
検知プログラムは、上述した異常検知部250および提示部251を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては、CPU160がストレージ165などの記憶媒体から当該検知プログラムを読み出して実行することにより、異常検知部250および提示部251がRAM162などの主記憶装置上にロードされ、異常検知部250および提示部251が主記憶装置上に生成されるようになっている。
図25は、第2の実施形態に係る搬送動作の判定方法を示す一例のフローチャートである。この図25のフローチャートによる一連の処理は、異常検知部250により所定の時間間隔、例えば、カメラ132による撮影のタイミング(1秒乃至数秒間隔)に応じて実行することが考えられる。
ステップS100で、異常検知部250は、ID・位置取得部203’から渡された物品30およびAGV40それぞれの移動ID情報および位置情報と、入出庫管理部210’から渡された、入出庫の対象となる物品30、および、当該物品30と連結するように指定したAGV40それぞれの識別情報とに基づき、移動体の検知を開始する。ここでいう移動体とは、物品30とAGV40とを含む。
異常検知部250は、AGV40の検知と、物品30の検知とを並列的に実行する。
先ず、ステップS100での移動体の検知開始後の、AGV40の検知について説明する。ステップS110で、異常検知部250は、AGV40の移動ID情報に基づき、移動中のAGV40が検知されたか否かを判定する。例えば、異常検知部250は、ID・位置取得部203’からAGV40の移動ID情報が供給されている場合に、移動中のAGV40が検知されたと判定する。異常検知部250は、移動中のAGV40が検知されないと判定した場合(ステップS110、「No」)、図25のフローチャートによる一連の処理を終了させる。
一方、異常検知部250は、ステップS110で移動中のAGV40が検知されたと判定した場合(ステップS110、「Yes」)、処理をステップS111に移行する。ステップS111で、異常検知部250は、検知された移動中のAGV40の位置および状態を、AGV情報として取得する。
例えば、異常検知部250は、ステップS100でID・位置取得部203’から渡された光学シンボル21’の位置情報を、当該AGV40の位置を示す位置情報として取得する。また、異常検知部250は、当該AGV40の移動ID情報に基づき、入出庫管理部210’に対して当該移動ID情報に関連付けられた状態情報を要求する。入出庫管理部210’は、この要求に応じて、AGV制御部201から渡されたAGV管理情報を参照して、移動ID情報に関連付けられた状態情報を取得し、取得した状態情報を異常検知部250に渡す。
次のステップS112で、異常検知部250は、ステップS110で検知されたAGV40の現在位置が正しいか否かを判定する。
例えば、異常検知部250は、当該AGV40の移動ID情報に基づき、当該AGV40に対応する走行用地図150’を入出庫管理部210’に要求する。入出庫管理部210’は、この要求に応じて、AGV制御部201から渡されたAGV管理情報から移動ID情報に関連付けられた走行用地図150’を取得し、取得した走行用地図150’を異常検知部250に渡す。異常検知部250は、入出庫管理部210’から渡された走行用地図150’と、ステップS111で取得されたAGV40の位置を示す位置情報とを比較する。異常検知部250は、比較の結果、位置情報が示す位置が、走行用地図150’に設定される移動経路に対して所定範囲内にある場合に、AGV40の現在位置が正しいと判定する。
ステップS112で、異常検知部250は、位置情報が示す位置が、走行用地図150’に設定される移動経路に対して所定範囲外にあり、現在位置が正しくないと判定した場合(ステップS112、「No」)、異常が検知されたとして処理をステップS113に移行させる。この場合、異常検知部250は、故障などAGV40に何らかの障害が発生したと判定する。これは、上述した「(4)AGV40の故障または走行不能」に相当する。
異常検知部250は、異常が検知された旨と、異常が検知されたAGV40の識別情報(移動ID情報)と、異常の種類(AGV40の障害)とを提示部251に渡す。提示部251は、異常の発生を所定の方法で提示する。ステップS113の処理の後、この図25のフローチャートによる一連の処理が終了される。
ステップS112で、現在位置が正しいと判定した場合(ステップS112、「Yes」)、異常検知部250は、処理をステップS114に移行させる。ステップS114で、異常検知部250は、ステップS111で取得したAGV40の状態情報が「搬送中」を示しているか否かを判定する。
異常検知部250は、当該AGV40の状態が「搬送中」ではないと判定した場合(ステップS114、「No」)、この図25のフローチャートによる一連の処理を終了させる。一方、異常検知部250は、当該AGV40の状態が「搬送中」であると判定した場合(ステップS114、「Yes」)、処理をステップS130に移行させる。
次に、上述したステップS100による移動体の検知開始後の、物品30の検知について説明する。ステップS120で、異常検知部250は、物品30の移動ID情報に基づき、移動中の物品30が検知されたか否かを判定する。例えば、異常検知部250は、ID・位置取得部203’から物品30の移動ID情報が供給されている場合に、移動中の物品30が検知されたと判定する。異常検知部250は、移動中の物品30が検知されないと判定した場合(ステップS120、「No」)、図25のフローチャートによる一連の処理を終了させる。
一方、異常検知部250は、ステップS120で移動中の物品30が検知されたと判定した場合(ステップS120、「Yes」)、処理をステップS121に移行する。ステップS121で、異常検知部250は、検知された移動中の物品30の位置および状態を物品情報として取得する。
例えば、異常検知部250は、ステップS100でID・位置取得部203’から渡された光学シンボル21の位置情報を、当該物品30の位置を示す位置情報として取得する。また、異常検知部250は、当該物品30の移動ID情報に基づき、入出庫管理部210’に対して当該移動ID情報に関連付けられた状態情報を要求する。入出庫管理部210’は、この要求に応じて、在庫管理部204を介して、在庫管理テーブル205から当該当該移動ID情報に関連付けられた状態コードを取得する。入出庫管理部210’は、取得した状態コードに対応する状態を示す状態情報を、異常検知部250に渡す。
次のステップS122で、異常検知部250は、ステップS121で取得された物品30の状態情報が「搬送中」を示しているか否かを判定する。異常検知部250は、物品30の状態情報が「搬送中」を示していると判定した場合(ステップS122、「Yes」)、処理をステップS130に移行させる。一方、異常検知部250は、物品30の状態情報が「搬送中」を示していないと判定した場合(ステップS122、「No」)、異常が検知されたとして処理をステップS123に移行させる。
この場合、異常検知部250は、ステップS120で検知された移動中の物品30が盗難に遭っている可能性があると判定する。すなわち、当該物品30は、対応する状態情報に基づき本来は搬送(移動)中ではないはずのものである。したがって、物品30は、AGV40が連結されていない状態で移動していると考えられ、盗難の可能性が疑われる。これは、上述した「(3)物品30の盗難の可能性」に相当する。
異常検知部250は、異常が検知された旨と、異常が検知された物品30の識別情報(移動ID情報)と、異常の種類(盗難の可能性)とを提示部251に渡す。提示部251は、異常の発生を所定の方法で提示する。ステップS123の処理の後、この図25のフローチャートによる一連の処理が終了される。
ステップS130で、異常検知部250は、ステップS110で検知された移動中のAGV40と、ステップS120で検知された移動中の物品30との距離が予め定めた距離以内であるか否かを判定する。例えば、異常検知部250は、ステップS111で取得されたAGV情報に含まれる位置情報と、ステップS121で取得された物品情報に含まれる位置情報とに基づき、AGV40と物品30との距離を求める。
異常検知部250は、AGV40と物品との距離が予め定めた距離を超えていると判定した場合(ステップS130、「No」)、異常が検知されたとして処理をステップS131に移行させる。予め定めた距離は、例えば物品30を連結したAGV40が主に直進移動するもの見做し、連結機構410の長さに基づく距離とすることが考えられる。
この場合、異常検知部250は、ステップS110で検知された移動中のAGV40と、ステップS120で検知された移動中の物品30との連結が外れていると判定する。これは、上述した「(1)AGV40と物品30との連結外れ」に相当する。
異常検知部250は、異常が検知された旨と、異常が検知された物異常が検知されたAGV40および物品30の識別情報(移動ID情報)と、異常の種類(連結外れ)とを提示部251に渡す。提示部251は、異常の発生を所定の方法で提示する。ステップS131の処理の後、この図25のフローチャートによる一連の処理が終了される。
ステップS130で、異常検知部250は、AGV40と物品との距離が予め定めた距離以内であると判定した場合(ステップS130、「Yes」)、処理をステップS132に移行させる。ステップS132で、異常検知部250は、ステップS110で検知された移動中のAGV40と、ステップS120で検知された移動中の物品30との組み合わせの情報を取得する。より具体的には、異常検知部250は、ステップS110で検知された移動中のAGV40の移動ID情報と、ステップS120で検知された移動中の物品30の移動ID情報との組み合わせを取得する。
次のステップS133で、異常検知部250は、ステップS132で取得されたAGV40および物品30の移動ID情報の組み合わせが正しいか否かを判定する。
例えば、異常検知部250は、入出庫管理部210’から渡された連結情報に含まれるAGV40および物品30の識別情報の組と、ステップS132で取得されたAGV40および物品30の移動ID情報の組み合わせとが一致する場合に、当該組み合わせが正しいと判定する。異常検知部250は、組み合わせが正しいと判定した場合(ステップS133、「Yes」)、異常が検知されなかったとして、この図25のフローチャートによる一連の処理を終了させる。
一方、異常検知部250は、連結情報に含まれるAGV40および物品30の識別情報の組と、ステップS132で取得されたAGV40および物品30の移動ID情報の組み合わせとが一致しない場合、組み合わせが正しくないと判定し(ステップS133、「No」)、異常を検知したとして処理をステップS134に移行する。
この場合、異常検知部250は、AGV40が誤った物品30を連結していると判定する。これは、上述した「(2)AGV40と物品30との誤接続」に相当する。
異常検知部250は、異常が検知された旨と、異常が検知されたAGV40および物品30の識別情報(移動ID情報)と、異常の種類(誤接続)とを提示部251に渡す。提示部251は、異常の発生を所定の方法で提示する。ステップS134の処理の後、この図25のフローチャートによる一連の処理が終了される。
このように、第2の実施形態では、搬送中に異常が発生したAGV40および物品30を、カメラ132により撮影された撮影画像に基づき特定できる。
なお、上述では、(1)AGV40と物品30との連結外れ、(2)AGV40と物品30との誤接続、(3)物品30の盗難の可能性、および、(4)AGV40の故障または走行不能、を一連の処理として全て検知するようにしているが、これはこの例に限定されない。すなわち、異常検知部250は、これら(1)〜(4)の異常検知をそれぞれ単独で実行してもよいし、(1)〜(4)の異常検知のうち2以上を任意に組み合わせて実行してもよい。
なお、上述の実施形態は、本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形による実施が可能である。