以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。本実施の形態では、遊技領域7の左側の領域への遊技球の打ち出し(いわゆる、左打ち)が行われた場合に、遊技球が第1始動入賞口13へ入賞可能であるよう構成されている。
また、演出表示装置9の右方には、遊技球が通過可能なゲート32と、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。本実施の形態では、遊技領域7の右側の領域への遊技球の打ち出し(いわゆる、右打ち)が行われた場合に、遊技球がゲート32を通過可能であるとともに、第2始動入賞口14へ入賞可能であるよう構成されている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数および第2保留記憶数のうちいずれか一方を表示する保留記憶表示部18cが設けられている。例えば、保留記憶表示部18cは、低ベース状態では第1保留記憶数を表示する一方、高ベース状態では第2保留記憶数を表示する。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示するものであってもよい。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成した場合に、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成してもよい。
以下、保留記憶表示部18cと、保留記憶表示部18cを囲っている範囲とを「インターフェース画像」と総称することがある。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果が導出表示されたとき、特定遊技状態に制御される。特定表示結果とは予め定められた表示結果であり、例えば、本実施の形態では、大当り図柄がある。特定遊技状態とは、遊技者にとって有利な第1状態と遊技者にとって不利な第2状態とに変化可能な可変入賞手段を第1状態に変化させることであり、本実施の形態では、開状態と閉状態とに変化可能な特別可変入賞球装置20を開状態とする大当り遊技状態がある。例えば、特定表示結果として大当り図柄が導出表示されたとき、特定遊技状態として大当り遊技状態に制御される。各特定遊技状態において、閉状態とされている開閉版がソレノイド21によって開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。本実施の形態では、右打ちが行われた場合に、遊技球が大入賞口へ入賞可能であるよう構成されている。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる高ベース状態へ移行することがある。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。本実施の形態では、1分間に100球(0.6秒に1球)の発射が可能な打球発射装置が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値(4つ)に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値(4つ)に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、15R確変大当りまたは4R確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。
「4R確変大当り」とは、4ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。また、音声合成用IC703は演出制御基板80から所定の要求を受け付けた場合に音声を生成しスピーカ27に出力する。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS43)。また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図5は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。具体的に、CPU56は、大入賞口が閉鎖状態であるにもかかわらずカウントスイッチ23の入力を検出した場合、異常が発生したことを示す異常検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
ステップS24の後、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
なお、各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R確変大当り、4R確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
(6)ランダム6(MR6):普通図柄当りの種類を決定する(普通図柄当り種別判定用)
(7)ランダム7(MR7):普通図柄変動パターン(変動時間)を決定する(普通図柄変動パターン判定用)
ステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、(4)の普通図柄当り判定用乱数および(6)の普通図柄当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3、ランダム7)または初期値用乱数(ランダム5)である。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S39(ステップS31,33を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチしない場合に使用される非リーチPA1−2の変動パターンは、短縮変動用の変動パターンであり、演出図柄の変動時間が短い時間(本例では、3.0秒)に短縮される。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−6の変動パターンが用意されている。
また、図6に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、スーパーリーチ演出として、味方キャラクタがボスキャラAと対戦するスーパーリーチAと、味方キャラクタがボスキャラBと対戦するスーパーリーチBとが設けられている。いずれのスーパーリーチであっても、味方キャラクタが勝利すれば大当りとなり、敗北すればはずれが表示される。なお、スーパーリーチAは、後述するインターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を除く画像(例えば、背景画像)を視認困難とする演出であり、スーパーリーチBは後述するインターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を含む画像を視認困難とする演出である。
また、リーチする場合に使用される変動パターンのうち、スーパーPB3−5〜スーパーPB3−6を用いる場合には、対応するスーパーリーチを経てからはずれとなることを一旦表示した後、救済演出を経て大当り表示がなされる。
救済演出とは、はずれであることが示唆された後に、大当りとなることを報知する演出である。なお、本実施の形態では、はずれ表示がなされる直前にいずれのスーパーリーチが実行されていたかにかかわらず、共通する救済演出を実行することとするが、これに限るものではない。例えば、スーパーリーチAが実行されていた場合には、ボスキャラAに勝利する救済演出を実行可能であり、スーパーリーチBが実行されていた場合には、ボスキャラBに勝利する救済演出を実行可能であることとしてもよい。
なお、本実施の形態では、救済演出を伴う変動パターンとしては擬似連を伴わないスーパーPB3−5〜スーパーPB3−6のみが設けられているため、擬似連の後にスーパーリーチに発展してはずれ表示がなされた場合には救済演出が発生しないことを遊技者が認識してしまうこととなる。そこで、擬似連と共に救済演出を伴う変動パターンが設けられていることとすれば、擬似連の後にスーパーリーチに発展してはずれ表示がなされた場合にも救済演出の実行に対する期待感を遊技者に与えることができる。
また、本実施の形態では、スーパーリーチが終了してからはずれ表示を行う場合、スーパーリーチが終了してからはずれ表示を開始するまでの間に、スーパーリーチの終了を遊技者に報知するための通常復帰表示を演出表示装置9の全画面に表示する通常復帰演出を実行するようになっている。スーパーリーチAが終了してからはずれ表示を開始するまでの間には、全画面を暗転させる通常復帰表示Aを表示し、スーパーリーチBが終了してからはずれ表示を開始するまでの間には、所定のキャラクタを表示するとともに該所定のキャラクタの周囲を暗転させる通常復帰表示Bを表示する。以下、通常復帰表示Aを表示する演出を「通常復帰演出A」、通常復帰表示Bを表示する演出を「通常復帰演出B」ということがある。
図7は、スーパーリーチを伴う変動パターンにおける演出内容を示す説明図である。ここでは、擬似連を伴わない変動パターンの演出内容について説明する。図7(A)では、スーパーリーチAを経て大当りとなるスーパーPB3−3と、スーパーリーチAを経てはずれとなるスーパーPB3−1と、スーパーリーチA後にはずれである旨を一旦表示し、その後、救済演出を経て大当りとなるスーパーPB3−5との演出内容を示している。
例えば、特別図柄の変動を開始するタイミングT0からリーチ前の表示が行われ、リーチとなるタイミングT1からノーマルリーチの表示が行われ、リーチが発展するタイミングT2からスーパーリーチAが実行される。その際、変動パターンがスーパーPB3−3である場合には、味方キャラクタがボスキャラAに勝利するスーパーリーチA勝利演出が実行され、変動パターンがスーパーPB3−1,3−5である場合には、味方キャラクタが敵キャラクタであるボスキャラAに敗北するスーパーリーチA敗北演出が実行される。
そして、変動パターンがスーパーPB3−3である場合には、スーパーリーチ演出が終了するタイミングT3から特別図柄の変動が終了するタイミングT5(変動開始から22.75秒後)まで大当り表示が行われる。変動パターンがスーパーPB3−1である場合には、スーパーリーチ演出が終了するタイミングT3から所定のタイミングT4まで通常復帰演出Aが行われた後、特別図柄の変動が終了するタイミングT5(変動開始から22.75秒後)まではずれ表示が行われる。変動パターンがスーパーPB3−5である場合には、スーパーリーチ演出が終了するタイミングT3から所定のタイミングT4まで通常復帰演出Aが行われた後にはずれ表示が行われ、タイミングT5(変動開始から22.75秒後)にて救済演出が開始され、該救済演出が終了するタイミングT6から特別図柄の変動が終了するタイミングT7(変動開始から32.75秒後)まで大当り表示が行われる。
なお、本実施の形態では、スーパーリーチA勝利演出の後に大当り表示を行う演出パターンAに対応する変動パターンと、スーパーリーチA敗北演出の後にはずれ表示を経てから救済演出および大当り表示を行う演出パターンBに対応する変動パターンとが、それぞれ異なる変動パターンであることとしたが、共通の変動パターンであることとしてもよい。例えば、該共通の変動パターンにおける変動時間を32.75秒とし、演出パターンAの演出時間は22.75秒であり、演出パターンBの演出時間は32.75秒である場合、演出パターンAの演出を実行する際には、該演出パターンAの演出が終了するタイミング(変動開始から22.75秒後)から変動が停止するまでの期間において、大当りを開始することを示す大当り開始前動画を表示することとしてもよい。これにより、変動パターンの数を増加させることなく演出パターンを増加させることができるため、記憶容量を節減することができる。
図7(B)では、スーパーリーチBを経て大当りとなるスーパーPB3−4と、スーパーリーチAを経てはずれとなるスーパーPB3−2と、スーパーリーチA後にはずれである旨を一旦表示し、その後、救済演出を経て大当りとなるスーパーPB3−6との演出内容を示している。
例えば、特別図柄の変動を開始するタイミングTaからリーチ前の表示が行われ、リーチとなるタイミングTbからノーマルリーチの表示が行われ、リーチが発展するタイミングTcからスーパーリーチAが実行される。その際、変動パターンがスーパーPB3−4である場合には、味方キャラクタがボスキャラB勝利するスーパーリーチA勝利演出が実行され、変動パターンがスーパーPB3−2,3−6である場合には、味方キャラクタが敵キャラクタであるボスキャラBに敗北するスーパーリーチB敗北演出が実行される。
そして、変動パターンがスーパーPB3−4である場合には、スーパーリーチ演出が終了するタイミングTdから特別図柄の変動が終了するタイミングTf(変動開始から25.50秒後)まで大当り表示が行われる。変動パターンがスーパーPB3−2である場合には、スーパーリーチ演出が終了するタイミングTdから所定のタイミングTeまで通常復帰表示Aが行われた後、特別図柄の変動が終了するタイミングTf(変動開始から25.50秒後)まではずれ表示が行われる。変動パターンがスーパーPB3−6である場合には、スーパーリーチ演出が終了するタイミングTdから所定のタイミングTeまで通常復帰表示Aが行われた後にはずれ表示が行われ、タイミングTf(変動開始から25.50秒後)にて救済演出が開始され、該救済演出が終了するタイミングTgから特別図柄の変動が終了するタイミングTh(変動開始から35.50秒後)まで大当り表示が行われる。
なお、本実施の形態では、スーパーリーチB勝利演出の後に大当り表示を行う演出パターンCに対応する変動パターンと、スーパーリーチB敗北演出の後にはずれ表示を経てから救済演出および大当り表示を行う演出パターンDに対応する変動パターンとが、それぞれ異なる変動パターンであることとしたが、共通の変動パターンであることとしてもよい。例えば、該共通の変動パターンにおける変動時間を35.50秒とし、演出パターンCの演出時間は25.50秒であり、演出パターンDの演出時間は35.50秒である場合、演出パターンCの演出を実行する際には、該演出パターンDの演出を終了するタイミング(変動開始から25.50秒後)から変動が停止するまでの期間において、大当りを開始することを示す大当り開始前動画を表示することとしてもよい。これにより、変動パターンの数を増加させることなく演出パターンを増加させることができるため、記憶容量を節減することができる。
なお、本実施の形態では、はずれである場合の方が大当りである場合よりもスーパーリーチAを伴う変動パターンが選択されやすいよう構成されているとともに、大当りである場合の方がはずれである場合よりもスーパーリーチBを伴う変動パターンが選択されやすいよう構成されており、すなわち、大当りに対する信頼度はスーパーリーチB>スーパーリーチAとなっている。
図8は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
始動口スイッチ通過処理(ステップS312)では、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンであり、第1保留記憶数が上限値(4個)に達していない場合に、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。具体的に、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
また、第2始動口スイッチ13bがオンであり、第2保留記憶数が上限値(4個)に達していない場合には、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。具体的に、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
また、特別図柄通常処理(ステップS300)において、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。具体的に、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
なお、変動パターン設定処理(ステップS301)において、CPU56は、変動を開始する特別図柄に応じて、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す第1図柄変動指定コマンド、または第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。また、また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する変動パターンコマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
具体的に、CPU56は、15R確変大当りとなるときには15R確変大当りになることを示す表示結果2指定コマンドを送信し、4R確変大当りとなるときには4R確変大当りになることを示す表示結果3指定コマンドを送信し、はずれとなるときにははずれになることを示す表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
また、特別図柄変動中処理(ステップS303)において、CPU56は、第1特別図柄の変動を開始した場合には、第1保留記憶数が1減少したことを指定する第1保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、第2特別図柄の変動を開始した場合には、第2保留記憶数が1減少したことを指定する第2保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
また、特別図柄停止処理(ステップS304)において、CPU56は、大当りとなる場合には、大当り遊技の開始を指定する大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。具体的には、大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が4R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
また、大当り終了処理(ステップS307)において、CPU56は、大当り遊技の終了を指定する大当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。具体的には、大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。大当りの種別が4R確変大当りである場合には大当り終了2指定コマンドを送信する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
ステップS706の後、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図10は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9および図10参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図11〜図13は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。上述したように、変動パターンコマンドは、変動パターン設定処理(ステップS301)においてCPU56が送信するコマンドである。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618A)。上述したように、表示結果指定コマンドは、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)においてCPU56が送信するコマンドである。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。上述したように、図柄確定指定コマンドは、特別図柄変動中処理(ステップS303)においてCPU56が送信するコマンドである。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。なお、この実施の形態では、ステップS622でセットされる大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。上述したように、大当り開始指定コマンドは、特別図柄停止処理(ステップS304)においてCPU56が送信するコマンドである。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS679)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS680)。上述したように、通常状態背景指定コマンドは、特別図柄通常処理(ステップS300)においてCPU56が送信するコマンドである。
そして、確変状態であることを示す演出確変フラグがセットされている場合には、該演出確変フラグをリセットし(ステップS680AのY,S681)、遊技領域7の右側の領域への遊技球の打ち出し(いわゆる、右打ち)を遊技者に促す右打ち促進報知を終了し(ステップS681A)、確変状態の残余回数を示す演出確変カウンタ表示を終了し(ステップS681B)、保留記憶表示部18cに表示する保留表示を第2保留表示から第1保留表示に切り替える(ステップS681C)。
なお、ステップS681Aでは、更に、遊技領域7の左側の領域への遊技球の打ち出し(いわゆる、左打ち)を遊技者に促す左打ち促進報知を行うこととしてもよい。具体的には、演出表示装置9に「左打ちに戻してください」または「ハンドルを左に回してください」といった表示や、左向き矢印の表示を行う。スピーカ27や発光部材を用いた左打ち促進報知を行うこととしてもよい。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS682)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS683)。上述したように、確変状態背景指定コマンドは、特別図柄通常処理(ステップS300)においてCPU56が送信するコマンドである。
そして、演出確変フラグがセットされていない場合には、該演出確変フラグをセットし(ステップS683AのY,S684)、右打ち促進報知を開始する(ステップS684A)。具体的には、演出表示装置9に「右打ち」、「右打ちしてください」または「ハンドルを右に回してください」といった表示や、右向き矢印の表示を行う。スピーカ27や発光部材を用いた右打ち促進報知を行うこととしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、確変状態の残余回数を示す演出確変カウンタに「50」をセットし(ステップS684B)、保留記憶表示部18cに表示する保留表示を第1保留表示から第2保留表示に切り替える(ステップS684C)。その後、演出確変カウンタ表示を行う(ステップS684D)。また、ステップS683Aにおいて演出確変フラグがセットされている場合、ステップS684Dに移行する。
上述したように、通常状態背景指定コマンドおよび確変状態背景指定コマンドは、特別図柄通常処理(ステップS300)においてCPU56が送信するコマンドである。
また、受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS652)。上述したように、第1保留記憶数加算指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)においてCPU56が送信するコマンドである。そして、通常状態であれば(演出確変フラグがリセットされていれば)、第1保留記憶数表示を更新する(ステップS653)。具体的には、第1保留記憶数表示を一つ増加させる。
また、受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS655)。上述したように、第2保留記憶数加算指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)においてCPU56が送信するコマンドである。そして、確変状態であれば(演出確変フラグがセットされていれば)、第2保留記憶数表示を更新する(ステップS656)。具体的には、第1保留記憶数表示を一つ増加させる。
また、受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS658)。上述したように、第1保留記憶数減算指定コマンドは、特別図柄変動中処理(ステップS303)においてCPU56が送信するコマンドである。そして、通常状態であれば(演出確変フラグがリセットされていれば)、第1保留記憶数表示を更新する(ステップS659)。具体的には、第1保留記憶数表示を一つ減少させる。
また、受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS660)、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS661)。上述したように、第2保留記憶数減算指定コマンドは、特別図柄変動中処理(ステップS303)においてCPU56が送信するコマンドである。そして、確変状態であれば(演出確変フラグがセットされていれば)、第2保留記憶数表示を更新する(ステップS662)。具体的には、第2保留記憶数表示を一つ減少させる。
また、受信した演出制御コマンドが異常検出指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、異常が発生した旨を報知するための異常報知表示を開始する(ステップS664)。このとき、ブラックアウト予告の実行の有無と、実行しているブラックアウト予告の種類に応じた表示態様により異常報知表示を行うものである。具体的に、いずれのブラックアウト予告も実行されていなければ表示範囲の小さい小異常報知表示を表示し、第1ブラックアウト予告が実行されていれば小異常報知表示より表示範囲の大きい中異常報知表示を表示し、第2ブラックアウト予告が実行されていれば中異常報知表示より表示範囲の大きい大異常報知表示を表示する。上述したように、異常検出指定コマンドは、入賞報知処理(ステップS24)においてCPU56が送信するコマンドである。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS691)。そして、ステップS611に移行する。
図14は、図9に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)のいずれかに対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図15は、図14に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図16は、図14に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、擬似連を指定する変動パターンも用いる場合に、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図17は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図17に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「4R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
そして、演出制御用CPU101は、予告演出を設定するための予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。ここでは、例えば、開始する変動が大当りであるか否か、大当りである場合はいずれの大当り種別であるか、または読み出した変動パターンなどにもとづいて、所定の予告演出(例えば、大当りに対する信頼度に応じた段階まで発展するステップアップ予告、遊技者から操作部材への操作を受け付けることにより演出画面が切り替わるボタン演出など)の実行の有無について決定する。
そして、演出制御用CPU101は、ブラックアウト予告に関する制御(ステップS3901〜S3912)を実行する。ブラックアウト予告とは、演出表示装置9を暗転させ、表示画像を視認困難とすることにより、ボタン演出(変動中に遊技者にプッシュボタン120を操作させる演出)やリーチの発生を示唆する演出である。具体的に、ブラックアウト予告を実行する際には、表示画像に対して該表示画像より表示優先度の高い黒色画像を重畳表示することにより該表示画像を視認困難とするものであるが、黒色画像を表示するとともに表示画像を消去することにより該表示画像を視認困難とすることとしてもよい。本実施の形態におけるブラックアウト予告は、段階的に発展するよう構成されている。例えば、演出表示装置9に表示されている画像を視認困難とする度合いの低い第1ブラックアウト予告を第1段階として実行し、演出表示装置9に表示されている画像を視認困難とする度合いの高い第2ブラックアウト予告を第2段階として実行することが可能である。具体的に、第1ブラックアウト予告は、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を除く画像を視認困難とするブラックアウト予告であり、第2ブラックアウト予告は、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を含む画像を視認困難とするブラックアウト予告である。
なお、本実施の形態では、第2ブラックアウト予告では、第1ブラックアウト予告で視認困難とする全ての画像を含む画像を視認困難とする構成とするが、これに限るものではなく、第1ブラックアウト予告においては視認困難とされるが第2ブラックアウト予告においては視認困難とされない画像が存在することとしてもよい。例えば、第1ブラックアウト予告では演出図柄を視認困難とするが、第2ブラックアウト予告においては演出図柄を視認困難としないものであってもよい。同様に、演出用キャラクタ、背景の一部または全部、予告画像などを第1ブラックアウト予告では視認困難とするが、第2ブラックアウト予告においては視認困難としないものであってもよい。
本実施の形態では、第1ブラックアウト予告をおこなったものの、第2ブラックアウト予告に発展しなかった場合には、リーチおよびボタン演出も発生しないものである。すなわち、第1段階までしか発展しないブラックアウト予告は、いわゆるガセ演出として設けられている。以下、第2段階まで発展してボタン演出の実行を予告するブラックアウト予告を「ボタン演出用ブラックアウト予告」といい、第2段階まで発展してリーチとなることを予告するブラックアウト予告を「リーチ用ブラックアウト予告」ということがある。また、第1ブラックアウト予告を行うが、第2ブラックアウト予告に発展しないブラックアウト予告を「非示唆ブラックアウト予告」ということがある。
まず、演出制御用CPU101は、ブラックアウト予告に関する制御として、ボタン演出を実行するか否かを決定するためのボタン演出実行抽選を行う(ステップS3901)。ボタン演出とは、変動中の所定のタイミングにて遊技者にプッシュボタン120を操作させ、有効期間中に該操作を受け付けた場合に演出表示装置9に特定画像を表示する演出である。ステップS3901では、図18(A)に示すボタン演出実行抽選テーブルを用いて、ボタン演出の実行の有無を決定する。
図18(A)は、ボタン演出実行抽選テーブルを示す説明図である。図18(A)に示すボタン演出実行抽選テーブルは、可変表示結果毎にボタン演出の実行の有無の選択割合が対応付けられている。
例えば、可変表示結果が大当りである場合、ボタン演出を実行することが80%の割合で、実行しないことが20%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がスーパーリーチはずれである場合、ボタン演出を実行することが70%の割合で、実行しないことが30%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がノーマルリーチはずれである場合、ボタン演出を実行することが60%の割合で、実行しないことが40%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果が非リーチはずれである場合、ボタン演出を実行することが10%の割合で、実行しないことが90%の割合で決定される。
なお、大当りの場合であっても、実行する演出に応じて異なる割合でボタン演出の実行の有無を決定することとしてもよい。例えば、スーパーリーチおよびノーマルリーチのいずれを実行するか、いずれの種類のスーパーリーチを実行するか、救済演出の実行の有無、擬似連の実行の有無、または擬似連における再変動の回数にもとづいて異なる割合でボタン演出の実行の有無を決定することとしてもよい。
演出制御用CPU101は、ステップS3901の後、実行することが決定された場合には、ボタン演出の実行を設定する(ステップS3902のY,S3903)。例えば、ボタン演出を実行することを示すフラグをセットする。その後、演出制御用CPU101は、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行するか否かを決定するためのボタン演出用ブラックアウト予告実行抽選を実行する(ステップS3904)。ステップS3904では、図18(B)に示すボタン演出用ブラックアウト予告実行抽選テーブルを用いて、ボタン演出用ブラックアウト予告の実行の有無を決定する。
図18(B)は、ボタン演出用ブラックアウト予告実行抽選テーブルを示す説明図である。図18(B)に示すボタン演出用ブラックアウト予告実行抽選テーブルは、可変表示結果毎にボタン演出用ブラックアウト予告の実行の有無の選択割合が対応付けられている。
例えば、可変表示結果が大当りである場合、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行することが80%の割合で、実行しないことが20%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がスーパーリーチはずれである場合、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行することが70%の割合で、実行しないことが30%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がノーマルリーチはずれである場合、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行することが60%の割合で、実行しないことが40%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果が非リーチはずれである場合、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行することが30%の割合で、実行しないことが70%の割合で決定される。
なお、大当りの場合であっても、実行する演出に応じて異なる割合でボタン演出用ブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。例えば、スーパーリーチおよびノーマルリーチのいずれを実行するか、いずれの種類のスーパーリーチを実行するか、救済演出の実行の有無、擬似連の実行の有無、または擬似連における再変動の回数にもとづいて異なる割合でボタン演出用ブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。
ステップS3904の後、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行する場合には、ボタン演出用ブラックアウト予告を設定し(ステップS3905のY,S3906)、ステップS8004へ移行する。ステップS3906では、例えば、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行することを示すフラグをセットする。
ボタン演出を実行しない場合(ステップS3902のN)、またはボタン演出は実行するがボタン演出用ブラックアウト予告を実行しない場合(ステップS3905のN)、演出制御用CPU101は、リーチ変動であるか否かを判定する(ステップS3907A)。リーチ変動である場合、リーチ用ブラックアウト予告を実行するか否かを決定するためのリーチ用ブラックアウト予告実行抽選を実行する(ステップS3907B)。ステップS3907Bでは、図18(C)に示すリーチ用ブラックアウト予告実行抽選テーブルを用いて、リーチ用ブラックアウト予告の実行の有無を決定する。
図18(C)は、リーチ用ブラックアウト予告実行抽選テーブルを示す説明図である。図18(C)に示すリーチ用ブラックアウト予告実行抽選テーブルは、可変表示結果毎にリーチ用ブラックアウト予告の実行の有無の選択割合が対応付けられている。
例えば、可変表示結果が大当りである場合、リーチ用ブラックアウト予告を実行することが80%の割合で、実行しないことが20%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がスーパーリーチはずれである場合、リーチ用ブラックアウト予告を実行することが70%の割合で、実行しないことが30%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がノーマルリーチはずれである場合、リーチ用ブラックアウト予告を実行することが60%の割合で、実行しないことが40%の割合で決定される。
なお、大当りの場合であっても、実行する演出に応じて異なる割合でリーチ用ブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。例えば、スーパーリーチおよびノーマルリーチのいずれを実行するか、いずれの種類のスーパーリーチを実行するか、救済演出の実行の有無、擬似連の実行の有無、または擬似連における再変動の回数にもとづいて異なる割合でリーチ用ブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。
ステップS3907Bの後、リーチ用ブラックアウト予告を実行する場合には、リーチ用ブラックアウト予告を設定し(ステップS3908のY,S3909)、ステップS8004へ移行する。ステップS3909では、例えば、リーチ用ブラックアウト予告を実行することを示すフラグをセットする。
リーチ変動でない場合(ステップS3907AのN)、またはリーチ変動ではあるがリーチ用ブラックアウト予告を実行しない場合(ステップS3908のN)、非示唆ブラックアウト予告を実行するか否かを決定するための非示唆ブラックアウト予告実行抽選を行う(ステップS3910)。ステップS3910では、図18(D)に示す非示唆ブラックアウト予告実行抽選テーブルを用いて、非示唆ブラックアウト予告の実行の有無を決定する。
図18(D)は、非示唆ブラックアウト予告実行抽選テーブルを示す説明図である。図18(D)に示す非示唆ブラックアウト予告実行抽選テーブルは、可変表示結果毎に非示唆ブラックアウト予告の実行の有無の選択割合が対応付けられている。
例えば、可変表示結果が大当りである場合、非示唆ブラックアウト予告を実行することが80%の割合で、実行しないことが20%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がスーパーリーチはずれである場合、非示唆ブラックアウト予告を実行することが70%の割合で、実行しないことが30%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果がノーマルリーチはずれである場合、非示唆ブラックアウト予告を実行することが60%の割合で、実行しないことが40%の割合で決定される。また、例えば、可変表示結果が非リーチはずれである場合、非示唆ブラックアウト予告を実行することが30%の割合で、実行しないことが70%の割合で決定される。
なお、大当りの場合であっても、実行する演出に応じて異なる割合で非示唆ブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。例えば、スーパーリーチおよびノーマルリーチのいずれを実行するか、いずれの種類のスーパーリーチを実行するか、救済演出の実行の有無、擬似連の実行の有無、または擬似連における再変動の回数にもとづいて異なる割合で非示唆ブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。
ステップS3910の後、非示唆ブラックアウト予告を実行する場合には、非示唆ブラックアウト予告を設定し(ステップS3911のY,S3912)、ステップS8004へ移行する。ステップS3912では、例えば、非示唆ブラックアウト予告を実行することを示すフラグをセットする。
ステップS8004において、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。なお、変動パターンに応じた演出図柄の変動や、予告演出のような変動中に実行される演出を「変動中演出」ということがある。
図19は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
図19に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS8004などの処理で予告演出を実行することに決定された場合には、予告演出に対応したデータが設定されているプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
ステップS8005の後、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LEDおよび役物)を制御する(ステップS8006)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。 そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図20は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
そして、演出制御用CPU101は、ボタン演出の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップS4501)。具体的には、ステップS3903にてボタン演出が設定されている場合に、予め定められたボタン演出実行タイミングに達したか否かが判定される。ボタン演出実行タイミングとしては、変動パターン毎に異なるタイミングが設けられていることとしてもよいし、いずれの変動パターンであっても一律のタイミング(例えば、変動開始から3秒後)が設けられていることとしてもよい。
ボタン演出実行タイミングである場合、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120への操作を促すボタン操作促進画像を演出表示装置9に表示し(ステップS4502)、プッシュボタン120への操作の有効期間であることを示す有効期間フラグをセットする(ステップS4503)。
その後、演出制御用CPU101は、有効期間フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4504)、セットされている場合には、プッシュボタン120への操作を受け付けたか(ステップS4505のY)、または有効期間終了タイミングである場合(ステップS4506のY)に特定画像を表示し(ステップS4507)、有効期間フラグをリセットする(ステップS4508)。有効期間終了タイミングとしては、変動パターン毎に異なるタイミングが設けられていることとしてもよいし、いずれの変動パターンであっても一律のタイミング(例えば、ボタン操作促進画像の表示開始から3秒後)が設けられていることとしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、第1ブラックアウト予告の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS4509)。具体的には、ステップS3906にてボタン演出用ブラックアウト予告の実行が設定された場合、ステップS3909にてリーチ用ブラックアウト予告の実行が設定された場合、ステップS3912にて非示唆ブラックアウト予告の実行が設定された場合のいずれかであって、予め定められた第1ブラックアウト予告の開始タイミングであるか否かが判定される。第1ブラックアウト予告の開始タイミングとしては、変動パターン毎に異なるタイミングが設けられていることとしてもよいし、いずれの変動パターンであっても一律のタイミング(例えば、変動開始から3秒後)が設けられていることとしてもよい。また、設定されているブラックアウト予告がリーチ用ブラックアウト予告であるか、ボタン演出用ブラックアウト予告であるか、非示唆ブラックアウト予告であるかによって異なることとしてもよい。
第1ブラックアウト予告の開始タイミングである場合、演出制御用CPU101は、第1ブラックアウト予告を開始する(ステップS4510)。
そして、演出制御用CPU101は、第1ブラックアウト予告の終了タイミングであるか否かを判定し(ステップS4511)、第1ブラックアウト予告の終了タイミングである場合には第1ブラックアウト予告を終了する(ステップS4512)。具体的には、ステップS4510にて第1ブラックアウト予告を開始した場合であって、予め定められた第1ブラックアウト予告の終了タイミングであるか否かが判定される。第1ブラックアウト予告の終了タイミングとしては、変動パターン毎に異なるタイミングが設けられていることとしてもよいし、いずれの変動パターンであっても一律のタイミング(例えば、変動開始から3秒後)が設けられていることとしてもよい。また、設定されているブラックアウト予告がリーチ用ブラックアウト予告であるか、ボタン演出用ブラックアウト予告であるか、非示唆ブラックアウト予告であるかによって異なることとしてもよい。
その後、演出制御用CPU101は、第2ブラックアウト予告が設定されているか否かを判定する(ステップS4513)。第2ブラックアウト予告が設定されている場合、すなわち、ステップS3906にてボタン演出用ブラックアウト予告の実行が設定された場合、またはステップS3909にてリーチ用ブラックアウト予告の実行が設定された場合、第2ブラックアウト予告を開始する(ステップS4514)。
そして、演出制御用CPU101は、第2ブラックアウト予告の終了タイミングであるか否かを判定し(ステップS4515)、第2ブラックアウト予告の終了タイミングである場合には第2ブラックアウト予告を終了する(ステップS4516)。具体的には、ステップS3514にて第2ブラックアウト予告を開始した場合であって、予め定められた第2ブラックアウト予告の終了タイミングであるか否かが判定される。第2ブラックアウト予告の終了タイミングとしては、変動パターン毎に異なるタイミングが設けられていることとしてもよいし、いずれの変動パターンであっても一律のタイミング(例えば、変動開始から5秒後)が設けられていることとしてもよい。また、設定されているブラックアウト予告がリーチ用ブラックアウト予告であるか、ボタン演出用ブラックアウト予告であるかによって異なることとしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8111)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8112)。
図21は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS861)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS867に移行する。この実施の形態では、後述するように、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS866で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS868で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS861で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS862の演出図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS867に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS862)。なお、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄確定指定コマンドの受信に応じて演出図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS862で大当り図柄を表示する場合には(ステップS863のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS866)、演出確変フラグをリセットし(ステップS866A)、ファンファーレフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する(ステップS867)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS867のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS868)とともに、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS869)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS870)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS871)。
また、ステップS863で大当り図柄を表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS863のN)は、演出制御用CPU101は、演出確変フラグがセットされている場合には、演出確変カウンタを1減算し(ステップS3201のY,S3202)、所定のフラグをリセットする(ステップS864)。例えば、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS865)。
図22は、ブラックアウト予告を実行する場合の表示例を示す説明図である。図22では、非示唆ブラックアウト予告を実行するパターン、リーチ用ブラックアウト予告を実行するパターン、およびボタン演出用ブラックアウト予告を実行するパターンにおける、タイミング毎の演出表示装置9の表示例について説明する。
いずれのパターンであっても、まず、図22(A)に示すように、確変状態にて変動が開始された場合、演出表示装置9にはインターフェース画像211、演出確変カウンタ画像212、および右打ち促進報知画像213が表示されている。そして、図22(B)に示すように第1ブラックアウト予告が実行される。このとき、演出表示装置9におけるインターフェース画像211、演出確変カウンタ画像212、および右打ち促進報知画像213以外の画像の視認が困難となる。
その後、非示唆ブラックアウト予告を実行するパターンである場合には、図22(E)に示すように、第2ブラックアウト予告に発展することなく変動が終了する。
なお、非示唆ブラックアウト予告を実行するパターンであっても、第1ブラックアウト予告の終了後に直ちに演出図柄が停止するのではなく、通常の変動状態(例えば、図22(A)に示したように、いずれの図柄表示エリアにおいても図柄が高速変動しており、なんらかの予告演出を実行可能な状態)に戻るものであってもよい。
第1ブラックアウト予告の実行後、リーチ用ブラックアウト予告を実行するパターン、またはボタン演出用ブラックアウト予告を実行するパターンである場合、図22(C)に示すように第2ブラックアウト予告に発展する。このとき、演出表示装置9におけるインターフェース画像211、演出確変カウンタ画像212、および右打ち促進報知画像213を含む画像の視認が困難となる。
そして、リーチ用ブラックアウト予告を実行するパターンである場合には、図22(D)に示すように第2ブラックアウト予告が終了したタイミングで、演出表示装置9におけるインターフェース画像211、演出確変カウンタ画像212、および右打ち促進報知画像213を含む画像の視認が可能となるとともにリーチとなっている。
また、ボタン演出用ブラックアウト予告を実行するパターンである場合には、図22(F)に示すように第2ブラックアウト予告が終了したタイミングで、演出表示装置9におけるインターフェース画像211、演出確変カウンタ画像212、および右打ち促進報知画像213を含む画像の視認が可能となるとともにボタン操作促進画像が表示され、ボタン演出が開始されている。
なお、本実施の形態では、ブラックアウト予告の終了時にリーチの成立やボタン演出が行われることとしたが、これに限るものではなく、ブラックアウト予告中からリーチの成立やボタン演出が行われることとしてもよい。その場合、リーチの成立やボタン演出がブラックアウト予告により視認困難とされていないものであってもよい。
また、図22(B)に示した第1ブラックアウト予告の実行時では演出図柄の表示についても視認困難となる構成であるが、これに限るものではない。例えば、演出図柄を演出表示装置9の表示領域の隅に縮小表示することとしてもよい。その場合、図22(C)に示した第2ブラックアウト予告の実行時では縮小表示した演出図柄(以下、「小図柄」ということがある)は視認困難になる(消去される)こととしてもよい。
図23は、スーパーリーチA後にはずれ表示を行う場合における演出表示装置9の表示例を示す説明図である。例えば、確変状態にて変動が開始された場合、図23(A)に示すように、演出表示装置9にはインターフェース画像211、演出確変カウンタ画像212、および右打ち促進報知画像213が表示されている。そして、図23(B),(C)に示すようにスーパーリーチAに発展するが、味方キャラクタがボスキャラAに敗北する。このとき、発生しているスーパーリーチがスーパーリーチAであるため、演出表示装置9におけるインターフェース画像211、演出確変カウンタ画像212、および右打ち促進報知画像213を含む画像の視認が困難とはならない。なお、図23(B),(C)に示すように、スーパーリーチAに発展するときは、演出表示装置9の表示領域の略右下に演出図柄が移動して小図柄となる。
なお、小図柄については、一時的に表示するものに限られず、ブラックアウト予告中であっても常に表示するものであってもよい。
その後、図23(D)に示すように通常復帰表示Aが表示されることにより、演出表示装置9におけるインターフェース画像211、演出確変カウンタ画像212、および右打ち促進報知画像213を含む画像の視認が困難となる。なお、このとき、演出図柄(小図柄)の表示が消去される代わりに第4図柄の変動表示が行われることとするが、図23(C)と同様に小図柄を表示するものであってもよいし、第4図柄も小図柄も表示しない(全画面暗転する)ものであってもよい。
そして、図23(E)に示すように、通常復帰演出Aが終了することにより、演出表示装置9におけるインターフェース画像211、演出確変カウンタ画像212、および右打ち促進報知画像213を含む画像の視認が可能となり、はずれ図柄が搖動表示される。実行中の変動の変動パターンがスーパーPB3−1であれば、図23(F)に示すようにはずれ図柄がそのまま停止表示される。実行中の変動の変動パターンがスーパーPB3−5であれば、図23(G),(H)に示すように救済演出が実行され、大当り図柄が停止表示される。
図24は、スーパーリーチB後にはずれ表示を行う場合における演出表示装置9の表示例を示す説明図である。例えば、確変状態にて変動が開始された場合、図24(A)に示すように、演出表示装置9にはインターフェース画像211、演出確変カウンタ画像212、および右打ち促進報知画像213が表示されている。そして、図24(B),(C)に示すように、スーパーリーチBに発展するが、味方キャラクタがボスキャラBに敗北する。このとき、発生しているスーパーリーチがスーパーリーチBであるため、演出表示装置9におけるインターフェース画像211、演出確変カウンタ画像212、および右打ち促進報知画像213を含む画像の視認が困難となる。
その後、図24(D)に示すように通常復帰表示Bが表示される。
そして、図24(E)に示すように、通常復帰演出Bが終了することにより、演出表示装置9におけるインターフェース画像211、演出確変カウンタ画像212、および右打ち促進報知画像213を含む画像の視認が可能となり、はずれ図柄が搖動表示される。実行中の変動の変動パターンがスーパーPB3−2であれば、図24(F)に示すようにはずれ図柄がそのまま停止表示される。実行中の変動の変動パターンがスーパーPB3−6であれば、図24(G),(H)に示すように救済演出が実行され、大当り図柄が停止表示される。
図25は、異常報知表示が行われた場合における演出表示装置9の表示例を示す説明図である。図25(A)には、いずれのブラックアウト予告も実行されていないときに異常報知表示が行われた場合の表示例を示している。このとき、図示するように、表示範囲の小さい小異常報知表示25aが表示される。
図25(B)には、第1ブラックアウト予告が実行されているときに異常報知表示が行われた場合の表示例を示している。このとき、図示するように、小異常報知表示25aより表示範囲の大きい中異常報知表示25bが表示される。
図25(C)には、第2ブラックアウト予告が実行されているときに異常報知表示が行われた場合の表示例を示している。このとき、図示するように、中異常報知表示25bより表示範囲の大きい大異常報知表示25cが表示される。
このように、第2ブラックアウト予告が実行されているときの異常報知表示が最も視認しやすく、第1ブラックアウト予告が実行されているときの異常報知表示が次に視認しやすく、いずれのブラックアウト予告も実行されていないときの異常報知表示が最も視認しにくいようになっている。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技を実行可能な遊技機であって、画像を表示可能な表示手段(本例では、演出表示装置9)と、表示手段に遊技に関する情報(本例では、保留表示を含むインターフェース画像、演出確変カウンタ画像、および右打ち促進報知画像。他にも、制御されている演出モードに関する情報(本例では、モード名)、出力されている音声に関する情報(本例では、曲名)、通信端末を用いたサービスに関する情報(本例では、獲得ポイント、アイテム、二次元コード)、可動役物を駆動させることに伴うエフェクト表示、ミッションを達成したことを示すミッション表示(本例では、「スーパーリーチAを見た」、「リーチを連続で見た」といった表示)、実行中の変動に対応するアクティブ表示、操作促進表示などであってもよい。)を表示させることが可能な表示制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS653,S656,S659,S662を実行することにより保留表示を表示する部分と、ステップS684Dを実行することにより演出確変カウンタ画像を表示する部分と、ステップS684Aを実行することにより右打ち促進報知画像を表示する部分)と、表示手段に表示された所定画像を視認困難な視認困難状態とする視認困難演出(本例では、ブラックアウト予告)を実行可能な演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS4510,S4514を実行する部分)とを備え、演出実行手段は、視認困難演出として、遊技に関する情報を視認困難としない第1視認困難演出(本例では、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を除く画像を視認困難とする第1ブラックアウト予告)と、遊技に関する情報を視認困難とする第2視認困難演出(本例では、インターフェース画像、右打ち促進報知画像および演出確変カウンタ画像を含む画像を視認困難とする第2ブラックアウト予告)とを実行可能であることとした。このように、遊技に関する情報を視認困難としない第1視認困難演出が視認困難演出に含まれることにより、遊技に関する情報を認識できないことにより遊技者が混乱することを防止し、遊技興趣の低下を防止することができる。
なお、視認困難状態は、視認困難状態でない状態と比較して、演出表示装置9に表示された画像を視認しにくい状態であればよく、視認の可否は問わないものである。
なお、本実施の形態では、「視認困難演出」としてブラックアウト予告を実行することとしたが、演出表示装置9に表示された画像を視認困難とする演出であればこれに限るものではない。例えば、可動役物を備えた遊技機であれば、演出表示装置9に重複する遊技者側の位置に該可動役物が進出することにより、演出表示装置9に表示された画像の視認が困難となる役物演出を「視認困難演出」として実行するものであってもよい。その場合、遊技に関する情報の表示領域と重複しない位置に可動役物が進出する役物演出を「第1視認困難演出」とし、遊技に関する情報の表示領域と重複する位置に可動役物が進出する役物演出を「第2視認困難演出」としてもよい。また、ブラックアウト予告および役物演出のうち、いずれか一方を「第1視認困難演出」とし、他方を「第2視認困難演出」としてもよい。また、上述したように、表示画像に対して該表示画像より表示優先度の高い被覆画像(本実施の形態における黒色画像。他の色や模様の画像であってもよい。)を重畳表示することにより該表示画像を視認困難とする視認困難演出を実行するものであってもよいし、被覆画像を表示するとともに表示画像を消去することにより該表示画像を視認困難とする視認困難演出を実行するものであってもよい。
また、本実施の形態では、演出実行手段は、第2視認困難演出よりも高い頻度にて第1視認困難演出を実行する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2ブラックアウト予告を実行する前には必ず第1ブラックアウト予告を実行するとともに、第1ブラックアウト予告を実行した場合であっても第2ブラックアウト予告を実行しない場合がある構成とすることにより、発生頻度は第1ブラックアウト予告>第2ブラックアウトとなっている)こととした。これにより、遊技興趣の低下を防止することができる。
なお、本実施の形態では、第1ブラックアウト予告と第2ブラックアウト予告とを一連の演出として実行可能であることとしたが、これに限るものではなく、それぞれ独立した演出として実行可能であることとしてもよい。例えば、第1ブラックアウト予告の実行の有無を決定するための第1抽選と、第2ブラックアウト予告の実行の有無を決定するための第2抽選とを独立して実行することにより、それぞれのブラックアウト予告の実行の有無を決定することとしてもよい。その場合に、第1抽選の方が第2抽選よりも実行割合が高いこととすれば、「第2視認困難演出よりも高い頻度にて第1視認困難演出を実行する」ことを実現可能である。
また、本実施の形態では、演出実行手段は、第1視認困難演出を実行した後に第2視認困難演出を実行する第1演出態様(本例では、ボタン演出用ブラックアウト予告、リーチ用ブラックアウト予告)と、第1視認困難演出を実行した後に第2視認困難演出を実行しない第2演出態様(本例では、非示唆ブラックアウト予告)とのうちいずれかの演出態様にて視認困難演出を実行可能であることとした。これにより、遊技興趣の低下を防止することができる。
また、本実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、演出実行手段は、視認困難演出として、有利状態に制御されることを示唆する特定演出(本例では、スーパーリーチ演出)を実行可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スーパーPA3−1〜PA3−4,PB3−1〜PB3−6のいずれかの変動パターンが選択された場合に、ステップS8004,S8105を実行可能である)、特定演出の実行が終了される際に、少なくとも第1特別演出と第2特別演出とを含む複数種類の特別演出(本例では、通常復帰演出Aと通常復帰演出Bとを含む通常復帰演出)のうちいずれかを実行可能な特別演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、スーパーPA3−1,PA3−2,PB3−1,PB3−2,PB3−5,PB3−6のいずれかの変動パターンが選択された場合に、ステップS8004,S8105を実行する部分)と、特別演出が実行された後に、有利状態に制御することを報知する報知演出(本例では、救済演出)を実行可能な報知演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、スーパーPB3−5,PB3−6のいずれかの変動パターンが選択された場合に、ステップS8004,S8105を実行する部分)とを備え、報知演出実行手段は、特別演出実行手段により第1特別演出が実行されるときと第2特別演出が実行されるときとで異なる割合により報知演出を実行可能である(本例では、スーパーリーチ演出が示す大当りに対する信頼度はスーパーリーチA<スーパーリーチBであるとともに、実行されるスーパーリーチの種類がスーパーリーチAであるときに通常復帰演出Aを行い、スーパーリーチBであるときに通常復帰演出Bを行う構成であることにより、通常復帰演出Aを行ったときよりも通常復帰演出Bを行ったときの方が高い割合で救済演出を実行する)こととした。これにより、遊技興趣の低下を防止することができる。
なお、本実施の形態では、通常復帰演出の実行の有無や実行する場合の通常復帰演出の種類が変動パターン毎に予め決定されていることとしたが、これに限るものではない。例えば、通常復帰演出の実行の有無や、実行する場合の通常復帰演出の種類を抽選により決定するものであってもよい。
また、いずれの通常復帰演出が実行されるかにもとづいて、大当りとなることに対する信頼度や、記憶されている保留記憶に大当り保留記憶が含まれることに対する信頼度が異なることとしてもよい。例えば、救済演出を実行するか否かにもとづいて異なる割合にて、通常復帰演出Bを行うこととしてもよい。
また、本実施の形態では、異常を検出する異常検出手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100における、閉鎖状態であるにもかかわらず大入賞口に遊技球が入賞したことを検出する部分)と、異常検出手段により異常が検出された場合に、異常が検出されたことを示す異常検出画像(本例では、小異常報知表示25a,中異常報知表示25b,大異常報知表示25c)を表示手段に表示させる異常表示手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS664を実行する部分)とを備え、視認困難演出を実行しているときに表示される異常検出画像の方が、視認困難演出を実行していないときに表示される異常検出画像よりも視認が容易である(本例では、図25に示すように、ブラックアウト予告を実行しているときに表示される中異常報知表示25b,大異常報知表示25cの方が、ブラックアウト予告を実行していないときに表示される小異常報知表示25aよりも視認が容易である)こととした。これにより、異常の発生を好適に報知することができる。
なお、本実施の形態では、いずれのブラックアウト予告も実行されていないときと、第1ブラックアウト予告が実行されているときと、第2ブラックアウト予告が実行されているときとで異常報知表示の大きさが異なることにより該異常報知表示の視認しやすさが異なることしたがこれに限るものではない。例えば、異常報知表示の色、文字表示の内容が異なることにより、異常報知表示の視認しやすさが異なることとしてもよい。
また、本実施の形態では、ブラックアウト予告の実行の有無および実行しているブラックアウト予告の種類に応じて異常報知表示の表示態様が異なることとしたが、これに限るものではなく、ブラックアウト予告の実行の有無および実行しているブラックアウト予告の種類にかかわらず共通の表示態様にて異常報知表示を行うこととしてもよい。この場合であっても、ブラックアウト予告の実行中には異常報知表示の周囲が黒く縁取られる状態となるため、他の表示により視認が妨げられることがなく、ブラックアウト予告を実行していないときよりも異常報知表示の視認性を高めることができる。また、暗転している範囲が大きいほど、他の表示により視認が妨げられることがなくなるため、以上報知表示の視認性をより高めることができる。従って、第2ブラックアウト予告が実行されているときの異常報知表示が最も視認しやすく、第1ブラックアウト予告が実行されているときの異常報知表示が次に視認しやすく、いずれのブラックアウト予告も実行されていないときの異常報知表示が最も視認しにくいようになる。
また、上述した演出表示装置9における異常報知に代えて、もしくは加えて、スピーカ27から音声を出力したり、所定の発光部材を発光させたり、所定の振動部材を振動させたりすることにより異常報知が行われることとしてもよい。その場合、音声出力の有無や音量、発光の有無や光量、振動の有無や強弱により異常報知の認識しやすさを異ならせることとしてもよい。また、音量が同じであっても音域や音響効果を異ならせることにより異常報知の認識しやすさを異ならせることとしてもよいし、発光部材の発光や演出表示装置9における画像の表示により異常報知を行う場合には発光色や表示色により異常報知の認識しやすさを異ならせることとしてもよい。具体的には、他の色と対比させると近くにあるように見える進出色(暖色系の色や明度の高い色。例えば、赤色。)であるか、または他の色と対比させると遠くにあるように見える後退色(寒色系の色や明度の低い色。例えば、青色。)であるかにより異常報知の認識しやすさが異なるものであってもよい。
なお、本実施の形態では、ブラックアウト予告により、リーチとなることおよびボタン演出の実行が示唆されることとしたが、示唆対象の事象についてはこれに限るものではない。例えば、擬似連となることが示唆されることとしてもよい。また、示唆対象は単一の事象であってもよいし、3つ以上の事象であってもよい。
また、本実施の形態では、リーチに発展する場合およびボタン演出を実行する場合には、非示唆ブラックアウト予告を実行しない構成(つまり、リーチに発展する場合およびボタン演出を実行する場合に実行されるブラックアウト予告は、常に第2段階まで発展する構成)としたが、これに限るものではない。例えば、ブラックアウト予告が第1段階までしか発展させないことにより、リーチやボタン演出が行われないものと遊技者を一旦落胆させた後に、リーチやボタン演出を実行することにより興趣の向上を図ることとしてもよい。
また、可変表示を実行可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を、少なくとも、通常態様と、通常態様よりも期待度の高い第1特定態様と、演出内容を示唆する第2特定態様とを含むいずれかの表示態様にて表示可能な特定表示手段と、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出を実行可能な演出実行手段とを備え、特定表示手段は、第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたときに該特定表示の表示態様を第2特定態様から第1特定態様に変化可能であることとしてもよい。具体的には、以下の変形例1を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
変形例1において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出を実行可能である。先読み予告演出とは、未だ開始されていない変動を予告対象とする演出である。具体的に、変形例1では、保留表示の表示態様を変化させる保留表示変化を実行することにより、該保留表示に対応する変動において大当りとなることに対する信頼度や、該保留表示に対応する変動における演出内容を示唆可能な構成となっている。
具体的には、始動入賞時に抽出されたランダムR(大当り判定用乱数)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)にもとづいて、該始動入賞に対応する変動にて大当りとなるか否か、およびいずれの変動パターンを用いた変動を行うかが、該変動が開始されるよりも前の時点(例えば、始動入賞時)にて判定され、該判定結果にもとづいて先読み演出を実行可能に構成されている。以下、始動入賞時にて大当りとなるか否か、およびいずれの変動パターンを用いた変動を行うかが判定された場合における判定結果を「入賞時判定結果」ということがある。入賞時判定結果は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されるコマンドにもとづいて遊技制御用マイクロコンピュータ100が特定可能となる。
変形例1において、保留記憶表示部18cにおいて表示される保留表示の表示態様として、大当りとなることに対する信頼度を示す通常表示態様と、所定の演出の実行を示唆する演出示唆表示態様とが設けられている。通常表示態様には、白色で表示される「白」および赤色で表示される「赤」が含まれており、大当りとなることに対する信頼度は、金>赤>白となっている。演出示唆表示態様には、「特殊?」という文字を表示することにより特殊ゾーン演出の予告対象であることを示唆する特殊示唆態様が含まれる。特殊示唆態様は、特殊ゾーン演出の予告対象であるか否かにかかわらず選択され得る表示態様である。
なお、特殊ゾーン演出とは、1回の変動または複数回の連続した変動にて、通常の背景とは異なる特殊背景を表示する演出である。また、特殊ゾーン演出は、実行回数が多いほど大当りに対する信頼度が高い構成となっている。以下、特殊ゾーン演出の実行を開始することを「特殊ゾーンに突入する」ということがある。
特殊ゾーンに突入する直前には、突入成功演出が実行される。突入成功演出は、特殊ゾーンに突入することを示唆した後に、特殊ゾーンに突入することが確定した旨を示す演出(例えば、「特殊ゾーンチャンス!」と表示した後に「成功!」と表示する演出)である。
図26は、変形例1における、特殊示唆態様にて保留表示を表示する場合における表示例を示す説明図である。まず、(1)アクティブ表示51と2個の保留表示52,53とが表示されている変動中に、(2)新たな保留記憶が発生して該保留記憶に対応する保留表示54が特殊示唆態様(「特殊?」)にて表示される。このとき、該保留記憶を予告対象とする特殊ゾーン演出を実行することが決定される。また、このとき、「白」から「赤」に変化する保留変化パターンが決定され、変化タイミングとして1個目(予告対象の変動に対する保留表示が1個目の保留表示であるタイミング)が決定されたこととする。
そして、(3)はずれ目で変動が終了し、(4)次の変動が開始される。このとき、新たな変動に対応するアクティブ表示51が表示されるとともに、保留表示がシフトする。そして、突入予告演出が実行される(画像Pが表示される)。それから3秒が経過すると、(5)突入成功演出であったことが報知され(画像Pが切替表示され)、特殊ゾーンに突入する(画像Qが表示される)。それから5秒後のタイミングで、(6)特殊示唆態様にて表示していた保留表示53の表示態様が「赤」に変化する。これは、仮に特殊ゾーンに突入してからも継続して特殊示唆態様の保留表示53を表示し続けた場合には、更に特殊ゾーンに関連する何かがあるのではないかといった誤解を遊技者に与え、混乱させてしまう虞があることから、役割(特殊ゾーンに突入することの示唆)を終えた保留表示の表示態様を変化させるものである。
以上に説明したように、この変形例1において、可変表示を実行可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示(本例では、保留表示、アクティブ表示)を、少なくとも、通常態様(本例では、「白」)と、通常態様よりも期待度の高い第1特定態様(本例では、「赤」)と、演出内容を示唆する第2特定態様(本例では、特殊示唆態様)とを含むいずれかの表示態様にて表示可能な特定表示手段(本例では、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ100における、「白」や「赤」や特殊示唆態様にて保留表示を表示可能な部分(図26参照))と、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出を実行可能な演出実行手段(本例では、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ100における、特殊示唆態様にて示唆された特殊ゾーン演出を実行可能である部分(図26(5),(6)参照))とを備え、特定表示手段は、第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたときに該特定表示の表示態様を第2特定態様から第1特定態様に変化可能である(本例では、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ100は、図26に示すように、特殊ゾーン演出が開始された5秒後に、特殊示唆態様にて表示していた保留表示53を「赤」に変化可能である)こととした。これにより、特定態様に対する期待感を高めることができる。
なお、所定演出の実行を示唆する特殊示唆態様にて保留表示を表示しているときにブラックアウト予告を行う場合、ブラックアウト予告が終了したときに所定演出(特殊示唆態様が示唆する演出)を実行していることとしてもよい。その場合、ブラックアウト予告が終了した時点から所定演出を開始することとしてもよいし、またはブラックアウト予告の実行中から所定演出を開始していること(制御的には所定演出を開始しているが、ブラックアウト予告が実行されることにより視認困難な状態)としてもよい。また、特殊示唆態様にて表示されていた保留表示は、ブラックアウト予告が終了する時点で他の表示態様(例えば、「白」、「赤」)に切り替わっているものであってもよいし、ブラックアウト予告が終了してから所定期間経過後に他の表示態様に切り替わるものであってもよい。
また、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を表示可能な特定表示手段と、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を変化させる変化演出を実行可能な変化演出実行手段とを備え、変化演出実行手段は、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様に変化させる演出を実行可能であるとともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様に変化させる演出を実行可能であり、第3態様により表示される特定表示は、第1態様により表示される特定表示よりも第2態様に変化する割合が低いこととしてもよい。具体的には、以下の変形例2を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
変形例2では、始動入賞が発生したときに先読み予告演出の一種である保留予告演出の実行を決定すると、保留表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)とは異なる特別表示態様(本例では、青色や赤色の丸形表示)に最終的に変化させる保留予告演出を実行する。なお、この変形例2では、保留予告演出を実行する場合、保留表示が通常態様から特別表示態様に直接変化するのではなく、保留表示が特殊表示態様(本例では、三角形表示や矩形表示)に一旦変化し、その後の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて予告対象の保留表示がいずれかの特別表示態様に変化する演出が実行される場合がある。以下、通常態様により表示された保留表示を「通常保留」ともいい、特殊表示態様により表示された保留表示を「特殊保留」ともいう。また、特別表示態様のうちの青色の表示色により表示された保留表示を「青色保留」ともいい、赤色の表示色により表示された保留表示を「赤色保留」ともいう。
例えば、変形例2では、演出制御用CPU101は、始動入賞が発生したときに、図27および図28に示す最終表示態様決定テーブルを用いて最終表示態様を決定する。そして、後述する「通常保留(特殊保留経由なし)」以外の表示態様が最終表示態様として決定された場合、演出制御用CPU101は、最新の入賞時判定結果、第1保留記憶数および最終表示態様にもとづいて、予告対象の保留表示の変化パターンを決定する。具体的には、図29および図30に示す変化パターン決定テーブルを用いて変化パターンを決定する。
図27および図28は、最終表示態様決定テーブルの具体例を示す説明図である。図27および図28に示すように、この変形例2では、最終表示態様決定テーブルにおいて、保留表示の最終表示態様として、通常保留(特殊保留経由なし)、通常保留(特殊保留経由あり)、青色保留、および赤色保留に対して、それぞれ判定値が割り振られている。なお、このうち、「通常保留(特殊保留経由あり)」とは、始動入賞の後の保留シフトのタイミングにおいて特殊保留に一旦変化した後、さらにその後の保留シフトのタイミングで最終的に通常保留に戻るものであり、最終表示態様自体は通常保留であるが保留予告演出は実行されるものである。一方、「通常保留(特殊保留経由なし)」とは、全く特殊保留にも変化することなく、その保留が消化されて保留表示が消去されるまで通常保留のまま変化しないものであり、保留予告演出自体を実行しないものに相当する。
なお、第1保留記憶数が2である場合には、始動入賞の後の保留シフトのタイミングで保留表示を変化させる機会は1回しかないのであるから、保留表示を特殊保留に一旦変化させる余地がない。そのため、図27(A)〜(C)に示す第1保留記憶数「2」用の最終表示態様決定テーブルには、通常保留(特殊保留経由なし)、青色保留、および赤色保留に対してのみ、それぞれ判定値が割り振られ、通常保留(特殊保留経由あり)に対する判定値の割り振りはない。
また、図27および図28に示すように、この変形例2では、入賞時判定結果が非リーチはずれ、スーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りである場合に、保留予告演出を実行可能に構成されており、入賞時判定結果がそれ以外である場合には、演出制御用CPU101は、そのまま保留表示の最終表示態様を「通常保留(特殊保留経由なし)」に決定し、保留予告演出を実行しないことに決定する。
演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「2」である場合には、入賞時判定結果が非リーチはずれを示すものであれば、図27(A)に示す保留2個且つ非リーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれを示すものであれば、図27(B)に示す保留2個且つスーパーリーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りを示すものであれば、図27(C)に示す保留2個且つスーパーリーチ大当り用の最終表示態様決定テーブルを選択する。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「3」または「4」である場合には、入賞時判定結果が非リーチはずれを示すものであれば、図28(D)に示す保留3〜4個且つ非リーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれを示すものであれば、図28(E)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りを示すものであれば、図28(F)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチ大当り用の最終表示態様決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した最終表示態様決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、最新の保留表示の最終表示態様を決定する。
図27および図28に示すように、この変形例2では、スーパーリーチはずれやスーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれとなる場合と比較して、最終的に通常保留よりも青色保留や赤色保留に変化する割合が高くなっている。従って、この変形例2では、保留表示が最終的に青色保留や赤色保留に変化する場合には、最終的に通常保留となる場合と比較して、スーパーリーチに対する期待度(リーチ信頼度)が高くなっている。
また、図27および図28に示すように、この変形例2では、スーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合と比較して、最終的に通常保留よりも青色保留や赤色保留に変化する割合が高くなっている。また、図27および図28に示すように、この変形例2では、スーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合と比較して、最終的に青色保留よりも赤色保留に変化する割合がさらに高くなっている。従って、この変形例2では、予告対象の保留表示が最終的に赤色保留に変化した場合が最も大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高く、最終的に青色保留に変化した場合が次に大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高く、最終的に通常保留であった場合が最も大当りに対する期待度(大当り信頼度)が低くなっている。
図29および図30は、変化パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。なお、図29および図30において、特殊△とは三角形表示の特殊保留を示しており、特殊□とは矩形表示の特殊保留を示している。
演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「2」である場合には、決定した最終表示態様が青色保留であれば、図29(A)に示す保留2個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が赤色保留であれば、図29(B)に示す保留2個且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「3」である場合には、決定した最終表示態様が通常保留(特殊保留経由あり)であれば、図29(C)に示す保留3個且つ通常保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が青色保留であれば、図29(D)に示す保留3個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が赤色保留であれば、図29(E)に示す保留3個且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「4」である場合には、決定した最終表示態様が通常保留(特殊保留経由あり)であれば、図30(F)に示す保留4個且つ通常保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が青色保留であれば、図30(G)に示す保留4個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。また、決定した最終表示態様が赤色保留であれば、さらに、入賞時判定結果が非リーチはずれまたはスーパーリーチはずれを示すものであれば、図30(H)に示す保留4個且つ非リーチはずれ/スーパーリーチはずれ且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りを示すものであれば、図30(I)に示す保留4個且つスーパーリーチ大当り且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
図30に示すように、この変形例2では、第1保留記憶数が「4」である場合には、始動入賞時には予告対象の保留表示を通常保留で表示し、1回目の保留シフトのタイミングで特殊保留に変化させ、3回目以降の保留シフトのタイミングで通常保留や青色保留、赤色保留に変化可能に構成されている。従って、この変形例2では、保留記憶表示部18cにおいて予告対象の保留表示が4つ目の位置に表示されているとき(始動入賞後の状態)と3つ目の位置に表示されているとき(1回目の保留シフト後の状態)には、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留や青色保留、赤色保留に変化することはない。また、図29(C)〜(E)に示すように、この変形例2では、第1保留記憶数が「3」である場合にも、始動入賞時には予告対象の保留表示を通常保留で表示するので、保留記憶表示部18cにおいて予告対象の保留表示が3つ目の位置に表示されているとき(始動入賞後の状態)には、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留や青色保留、赤色保留に変化することはない。従って、この変形例2では、予告対象の保留表示が4つ目および3つ目の位置に表示されている期間においては、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留に変化しにくくなっている。そのため、予告対象の保留表示が早い段階で特殊保留から通常保留に変化して遊技者が落胆することを防止し、保留予告演出を実行する場合の演出効果の低下を防止できるものとなっている。
また、この変形例2では、特殊保留が表示された後の保留シフトのタイミングで作用演出が実行可能となり、作用演出が実行されても予告対象の保留表示が特殊保留のまま変化しなかったり、通常保留や青色保留、赤色保留に変化したりする場合がある。例えば、図30(F)に示す変化パターン401,403では、1つ目の保留シフトのタイミングで特殊保留が表示された後、2回目の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に変化可能である。また、例えば、図30(F)に示す変化パターン402,404では、1つ目の保留シフトのタイミングで特殊保留が表示された後、2回目の保留シフトのタイミングでは作用演出が実行されるものの特殊保留のまま変化せず、3回目の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に変化可能である。そのように、この変形例2では、1回の作用演出で特殊保留から通常保留に戻ってしまう場合だけでなく、複数の作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に戻る場合もあるので、保留予告演出を実行する場合の演出効果を向上できるものとなっている。
また、図29(C)〜(E)および図30(F)〜(I)に示すように、この変形例2では、特殊保留として三角形表示の特殊保留と矩形表示の特殊保留との2種類があるのであるが、矩形表示の特殊保留が表示された場合には、三角形表示の特殊保留が表示された場合と比較して、最終表示態様として赤色保留が表示される割合が高くなっている。また、逆に、三角形表示の特殊保留が表示された場合には、矩形表示の特殊保留が表示された場合と比較して、最終表示態様として通常保留に戻る割合が高くなっている。
また、図30(H),(I)に示すように、この変形例2では、特殊保留から通常保留に戻っても最終的に赤色保留が表示される(すなわち、一旦通常保留に戻ったと落胆させてから赤色保留が復活して表示されたように見せる)変化パターン(変化パターン411,414)が設けられており、スーパーリーチ大当りとなる場合にのみ、この復活パターンの変化パターン411,414を決定可能に判定値が割り振られている。従って、この変形例2では、特殊保留から一旦通常保留に戻った後に最終的に赤色保留となった場合には、大当りが確定することになり、単に特殊保留から赤色保留となった場合よりも、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
また、演出制御用CPU101は、保留記憶の中に作用演出(保留表示に作用するような態様により実行され、保留表示の表示態様が変化することを示唆する演出)の実行可能タイミングとなっているものがある場合に、作用演出を実行するようになっている。なお、作用演出の実行可能タイミングとなっているか否かは、例えば、保留予告演出設定情報格納領域格納されている変化パターンを確認し、今回の変動開始(保留シフト)のタイミングで特殊△→特殊△や、特殊△→通常保留、特殊△→青色保留、特殊△→赤色保留、特殊□→特殊□、特殊□→通常保留、特殊□→青色保留、特殊□→赤色保留となっているものがあるか否かを確認することにより判定できる。
以上に説明したように、この変形例2によれば、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を表示可能な特定表示手段(本例では、変形例2の演出制御用マイクロコンピュータ100における、保留表示やアクティブ表示を表示可能な部分)と、第1態様(本例では、特殊保留)により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を変化させる変化演出(本例では、作用演出を伴う保留予告演出)を実行可能な変化演出実行手段(本例では、変形例2の演出制御用マイクロコンピュータ100における、図29および図30に示すいずれかの変化パターンにて保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させる部分)とを備え、変化演出実行手段は、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様(本例では、青色保留や赤色保留)に変化させる演出を実行可能である(本例では、図29(D),(E)に示す変化パターン33〜36および図30(G)〜(I)に示す変化パターン405〜414にもとづく保留予告演出を実行可能である)とともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様(本例では、通常保留)に変化させる演出を実行可能であり(本例では、図29(C)に示す変化パターン31,32および図30(F)に示す変化パターン401〜404にもとづく保留予告演出を実行可能である)、第3態様により表示される特定表示は、第1態様により表示される特定表示よりも第2態様に変化する割合が低い(本例では、図29および図30に示すように、特殊保留から通常保留に変化した後にさらに赤色保留に変化する変化パターンは、始動入賞時に第1保留記憶数が4個でスーパーリーチ大当りの場合にのみ選択可能な変化パターン411,414しかなく、判定値の割り振りが極めて少なく、通常保留のまま変化しない変化パターン31,32,401〜404の方が判定値の割り振りが多い。なお、特殊保留から通常保留に変化した後は赤色保留に変化する場合がないものであってもよい。)こととした。これにより、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。
なお、この変形例2では、第1態様として特殊保留を表示するとともに、第3態様として通常保留を表示し、特殊保留から通常保留に変化させる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、通常保留を第1態様の位置づけで表示するようにし、第3態様として保留表示の表示態様の変化済みであることを示す済保留(例えば、「済」の文字表示を含む丸形表示)を表示するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
なお、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において適用することとしてもよい。
また、本実施の形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)や変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。