JP6678177B2 - 二項分類に対するエキスパート判断のキャラクタライゼーションおよび再現 - Google Patents

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Description

本出願は、フローサイトメトリ(flow cytometry)による分析の分野、より具体的には、特定の1つまたは複数のマーカーに対応する細胞の量と種類を評価するための自動分析方法に関する。
有利には、この方法は、細胞内サイトカイン染色(ICS:Intracellular Cytokine Staining)アッセイ用に設計される。この種のアッセイは、通常、ウィルス、バクテリアまたは癌細胞に由来する抗原(αγ)で培養された血液サンプルに対して実施される。この培養の後に、抗原(αγ)を認識することのできる細胞(Ce)が、抗体(αC)を使用して検出される、様々な分子(Mo)(通常はサイトカイン)を生成し始める。各抗体(αC)は、所与の分子(Mo)に対して固有であり、所与の蛍光プローブ(fP)に結合される。このメカニズムが図1に図式的に示されている。すなわち、細胞に関連する蛍光の分析によって、この細胞によってどの分子が生成されたかを識別することが可能になる。流体流およびレーザビームが、フローサイトメータ(flow cytometer)、すなわち各細胞と関連する蛍光を読み取ることのできる機器、の主たる構成要素である。今日では、フローサイトメータは、細胞当たり最大18の蛍光プローブを検出することができる。
蛍光プローブに結合した抗体は、所与の抗原に対応する分子に対して、(Mj)で表示される、マーカーを形成する。
ICSにおいて、細胞(Ce)が、「検出可能な」量、すなわち所定の閾値より大きい量で、対象となる少なくとも1つの分子(Mo)を生成した場合に、それは、陽性であると宣言される。「陽性」である、したがってマーカーの少なくとも1つと反応している、細胞を識別するために現在使用されている方法は、エキスパートの視覚判断に頼っている。分析対象サンプルのデータセットは、実際に、多次元空間内で、マーカーの数で与えられる次元の散布図の形態で表わすことができる。各点は、細胞に対応し、この細胞に対するすべてのマーカーの表現(expression)で構成されている。図2に示すように、ユーザ、すなわち、一般的にはエキスパートは、この多次元空間における別のマーカー(Mj’)に対して、マーカー(Mj)の1つの2次元区域を視覚化し、すべての細胞が陰性である、培養前の、「基準」と呼ばれるサンプル(すなわち、知られている陰性のサンプル)を参照する。次いで、エキスパートは、陽性の細胞がそのまわりにあると判断する、すなわち2軸の一方または他方に沿った、したがって表わされた2つのマーカーの一方または他方に沿った、散布図から視覚的に区別される、選択区間を手作業で線引きする。これは、例えば、図2における点線によって表わされる。
この手順の欠点は、主観的であって、異なるユーザまたは実験室による結果を、比較することが困難になることである。さらに、そのような手順は再現するのが困難である。
上記の欠点を少なくとも部分的に解決するために、本出願の主題は、特に、フローサイトメトリによって得られる蛍光応答の分析をロバストで再現可能にする、自動化された分析方法を提案することである。
この目的で、第1の態様によれば、少なくとも1つの特定のマーカー、特には、少なくとも2つの特定のマーカー、またはさらに一般的には、d≧2さらにd>2、例えば、d≧10、さらにd≧20、さらにd≧50として、d個の特定のマーカー、と反応するサンプルの細胞を分析する方法であって、
− 基準サンプルおよび分析対象サンプルを提供するステップと、
− 分析対象サンプルの細胞の中から、エキスパートによって陽性と宣言された、細胞の集合(E)を提供するステップと、
− 分析対象サンプルと集合(E)とからベクトル係数(θ)を決定するステップと、
− 基準サンプルにおける陽性細胞の少なくとも1つの集合を、ベクトル係数(θ)に応じて決定するステップと、
− 基準サンプルの陽性細胞の数から、基準サンプルにおける偽陽性率(α)を計算するステップと
を含む方法が提案される。
第2の態様によれば、少なくとも1つの特定のマーカーと、特には、少なくとも2つの特定のマーカー、またはさらに一般的には、d≧2さらにd>2、例えば、d≧10、さらにd≧20、さらにd≧50として、d個の特定のマーカーと、反応するサンプルの細胞を分析する方法であって、
− 基準サンプルおよび分析対象サンプルを提供するステップと、
− 基準サンプルにおける偽陽性率(α)を提供するステップと、
− 基準サンプルと、偽陽性率(α)とから、ベクトル係数(θ)を決定するステップと、
− ベクトル係数(θ)に応じて、分析対象サンプルにおける陽性細胞の少なくとも1つの集合(S)を決定するステップと
を含む方法も提案される。
ここで、陽性細胞とは、したがって、マーカーの少なくとも1つと反応したと考えられる細胞である。
そのような方法は、次のことを可能にする:
− 一方では、エキスパートが、基準サンプル(陰性細胞だけを含む)に対して、サンプル(陽性細胞を含む可能性のある)を分析することによって到達する視覚的分類を、「エラー率」によって表わすことすなわち、このエラー率は、基準サンプルが信用される場合に、偽と検出された偽陽性細胞の率である。
このように各エキスパートの「目」は、そのエキスパートに固有の「エラー率」によって特徴づけすることができるとともに、同一サンプルについての異なるエキスパートの判断、すなわち、分類プロセスにおいて自身が受け入れることができる、「偽陽性細胞」の率、を比較することができる。
− 他方では、異なる源のサンプルを分類するために、1つの同一の判断、すなわち1つの同一のエラー率、を体系的に使用すること。ICSに適合されると、この方法は、ウィルス、バクテリアおよび/または癌細胞と接触して配置された、細胞の免疫反応を自動的に分析することを可能にする。
言い換えると、異なるユーザによって生成される分類に基づく、異なる分析を比較するために、分類を代表する変数、率(α)を決定することができる。
この率(α)と、分析対象サンプルの陽性細胞の分類との間の相関は、さらに実質的に全単射(bijective)であり、すなわち、ユーザによって実施されたソーティングから決定された率(α)を課することによって、また本発明の最適化手順によって、ユーザの初期ソーティングと非常に強く対応する、陽性細胞の集合(S)を求めることが可能である。言い換えると、本発明による方法は、一意の解を求めることを可能にする。
言い換えると、特に有用な実現例において、第2の態様による方法において使用される、偽陽性率αは、第1の態様による方法の終了時に決定された、偽陽性率αである。
すなわち、第1の態様による方法はしたがって:
− 基準サンプルにおける偽陽性率(α)を提供するステップと、
− 基準サンプルと、偽陽性率(α)とに基づくベクトル係数(θ)を決定するステップと、
− 分析対象サンプルにおける陽性細胞の少なくとも1つの集合(S)を、ベクトル係数(θ)に応じて、決定するステップとを含む。
2つのアプローチが並列であることを注記することが重要である。
第1の場合には、本方法は、入力において、基準サンプル、すなわち知られている陰性細胞と、分析対象サンプルとに加えて、エキスパートとも呼ばれるユーザによって陽性と判断された、分析対象サンプルの細胞の部分集合(すなわち、Eと呼ばれる集合)も使用する。次いで、本方法は、マーカー各々に対して、それより上では細胞は考慮されるマーカーに対して陽性であるとみなされる、閾値(または、一般的に関心のある値)を決定するステップを含む。これらの閾値は、分析対象サンプルについてのエキスパート判断を、出来る限り良く再現するために決定される。出力において、本方法は、基準サンプルにおける分析された偽陽性率と、分析対象サンプルの分類、すなわち陽性細胞の集合(S)と、陰性細胞の集合(S)とを返す。細胞は、少なくとも1つのマーカーに対するその表現が、このマーカーに対して採用された閾値よりも大きい場合に、陽性と決定される。
第2の場合において、本方法は、入力において、基準サンプル、分析対象サンプル、加えて許容される偽陽性率αを使用する。次いで、本方法は、マーカー各々に対して、それより上では細胞が、このマーカーに対して陽性であるとみなされる、閾値を決定するステップを含む。これらの閾値は、基準サンプルにおいて課せられる偽陽性率の再現に供される、分析対象サンプルにおいて検出される陽性の数を最大化するために、決定される。出力において、本方法は、分析済みサンプルの分類、すなわち陽性細胞の集合(S)および陰性細胞の集合(S)を返す。
両方の場合において、細胞のサンプルの一方(分析対象サンプルまたは基準サンプルのいずれか)に基づき、かつ追加のパラメータの一方(分析対象サンプルの細胞の中からエキスパートによって陽性と宣言された細胞の集合(E)か、または基準サンプルにおける偽陽性率(α)のいずれか)を用いて、ベクトル係数(θ)を決定し、次いでそのベクトル係数を細胞のサンプルの他方(分析対象サンプルを考慮することが問題である場合には基準サンプル、または基準サンプルを考慮することが問題である場合には分析対象サンプルのいずれか)に適用することが問題である。第1の場合には、したがって、率(α)を決定することが可能であり、これに対して、第2の場合には、本方法は、分析対象サンプルの細胞の中から、少なくとも、陽性と考えられる細胞の集合(S)を返す。
したがって、「ベクトル係数」とは、本明細書においてはマーカー各々に関係する1組の係数を含む、ベクトルを意味する。
両方の場合に、したがって、本方法は、ベクトル係数(θ)に応じて、その他のサンプルの細胞の、陽性細胞の集合と陰性細胞の集合への分類に導く。図を参照して後述するように、特に有用な実施形態において、したがって、本方法は、第1の場合に集合Eに最もよく重ね合わせられる、集合Sからαを決定することを可能にするか、または本方法は、率αが入力として課されるとき、率αから集合Sを決定することを可能にする。
勿論のこと、分析対象サンプルおよび基準サンプルを使用することは、ここでは、ユーザが(ユーザ自身の分類を生成するため、または本方法を実現するために)、マーカー各々によるサンプル各々の細胞各々の表現を使用することを意味する。したがって、関心のある値(ここでは、マーカー各々の表現)の事前測定値が生成される。
したがって、そのような方法は、検出方法の再現性をよりよく確保することを狙いとし、バイオアッセイに固有の変動性に対してロバスト、すなわち適合性がある。さらに、本方法は、異なるサンプルについての異なる科学者の結果を、これらが共通の「エラー率」値を採用している場合には、比較することを可能にするか、または特定のサンプルについて、その偽陽性率がエキスパート団体によって許容される値を超える場合には、科学者の結論を相対化することを可能にする。
両方の場合に、すなわち本方法は、例えば、数学的モデルを識別するステップと、実現されたバージョンに従って、基準サンプルおよび/または分析対象サンプルから、ここではθと呼ばれるベクトル係数を決定するステップとを含む。
有用な例によれば、ベクトル係数(θ)は、マーカー各々の表現に対する閾値のベクトル、すなわち、その各々を超えると細胞が陽性であると宣言される、マーカー各々の表現に対する閾値の集合である。このベクトル係数θの決定は、以下の最適化方法によって実施することができる:
− ユーザによって行われた分類を再現する方法(第1の場合)、または
− 基準サンプル内で与えられる偽陽性率を考慮して、分析対象サンプル内で検出された陽性細胞の数を最大化する方法(第2の場合)。
言い換えると、ベクトル係数(θ)を決定するステップは、例えば、分析対象サンプルにおいて、偽陽性の量を最小化すること、および偽陰性の量を最小化することを含む。
または、例えば、ベクトル係数(θ)を決定するステップは、所与の偽陽性率(α)を考慮して、分析対象サンプルにおける陽性細胞の量を最大化することを含む。
有用な実現例によれば、ベクトル係数(θ)を決定するステップは:
− マーカーj各々に対して、s分位数
Figure 0006678177
、すなわち分析対象サンプルにおけるj番目のマーカーの周辺分布を平滑化することによって決定された、平滑化確率分布関数
Figure 0006678177
と関連づけられた、累積分布関数
Figure 0006678177
の分位数、を定義するステップと、
− 分析対象サンプルにおいて各マーカーjに対するs分位数
Figure 0006678177
について、陽性と宣言された細胞の集合(S)を定義するステップと、
− SとEの間の対称差の基数を定義し、決定するステップと、
− すべてのマーカーに対して、区間[0,1]における各マーカーjの値sに対する、基数を最小化することによって、マーカー各々のベクトル係数(θ)の最大値各々を決定するステップとを含む。
別の有用な実現例によれば、ベクトル係数(θ)を決定するステップは:
− マーカーj各々に対して、s分位数
Figure 0006678177
、すなわち基準サンプルにおけるj番目のマーカーの周辺分布を平滑化することによって決定された、平滑化確率分布関数
Figure 0006678177
に関連づけられた累積分布関数
Figure 0006678177
の分位数を定義するステップと、
− [0,1]から[0,1]へと増加する、基準サンプル内の陰性細胞率を表わす、関数F(s)を、
Figure 0006678177
によって定義するステップであって、ここでVNは、VN={i=1,...,n、但し各j=1,...,dに対して、
Figure 0006678177
}によって定義され、その測定値がすべてのマーカーに対して対応するマーカーのベクトル係数(θ)の値より下にある基準サンプルの細胞の集合である、定義するステップと、
− sの最小値を、F(s)>1−αとなるように決定するステップと、
− ベクトル係数(θ)の値を決定するステップとを含む。
有用な実現の形態によれば、本方法は、少なくとも1つの細胞がそれと陽性に反応する、少なくとも1つのマーカーが識別される、分析ステップを含む。
必要であれば、本方法には、混同行列(confusion matrix)を評価することによって検証を行うステップを含めることができる。このことは、学習の品質を検証することを可能にする。例えば、基準サンプルに対して、ベクトル係数θのある値に対して、例えば、それが、それより上では細胞が陽性であると宣言される、マーカー各々の表現閾値の集合を含むことを考えると、混同行列は次のとおりである:
Figure 0006678177
混同行列は、観察値を、数学的モデルによって予測されたものと比較することを可能にする。実際に、基準サンプルに適用された、完全なモデルは、真陰性だけを返すべきである。そのような行列は、基準サンプルは、定義により、陰性細胞を含むものとだけ想定されるが、数学的モデルは、このサンプルが陰性細胞および陽性細胞を含むという事実を反映する。モデルによって陰性と識別された細胞は、したがって、真陰性とみなされ、これに対してモデルによって陽性と識別された細胞は、定義より基準サンプルは何も含まないので、偽陽性とみなされる。すなわち、これにより、基準サンプルにおける偽陽性率を定義することが可能になる:
Figure 0006678177
ここで、両者とも基準サンプルにおいて、FPrefは偽陽性の数を表わし、VNrefは真陰性の数を表わす。
したがって、完全なモデルにおいて、この率αはゼロである。しかし、2つの実施形態において使用された学習ルールは、欠陥があるこの結果に導く、すなわち、αの値がゼロと異なること、例えば、区間[0;0,5]に含まれることを許容する。
第1の場合において、分析対象サンプルに対するユーザの判断は知られており、すなわち、分析対象サンプルについて、陽性細胞の集合(E)と、陰性細胞の集合とが、ユーザによって決定される。次いで、本方法は、ベクトル係数θを決定して、このユーザの最善の分類を求めることを可能にする。分析対象サンプルに対する混同行列は、次のとおりである:
Figure 0006678177
ベクトルθを決定するステップは、次いで、分析対象サンプルのFP(偽陽性)とFN(偽陰性)の値の合計、または偽陽性率FP/(FP+TN)と偽陰性率FN/(FN+TP)の率の合計、を最小化することで構成することが可能であり、これは、FP+TN=FN+TPのとき同じ量になる。
この最適化の問題は、(分析対象サンプルが十分に大きく、その予測が、サンプル内の細胞数に加えて、考慮されるサンプルの情報コンテンツの両方に依存することを条件として)単一の最適ベクトルθを有すること、およびこの最適値は、基準サンプルにおける偽陽性率αによって、すなわち先に決定された最適ベクトルθを有する方法を基準サンプルに応用することによって特徴づけすることができることが明らかである。
第2の場合には、許容できる偽陽性率αが課せられる。分析対象サンプルに対する混同行列は、ユーザの分類が事前に知られていないので、その時には提示することができない。次いで、提供される基準サンプルにおいて、課せられた、偽陽性率αを考慮しながら、分析対象サンプルにおいて検出された陽性の数を最大化する、ベクトル係数θの決定が探索される。この方法は、同じ偽陽性率αを生成する、ユーザが視覚的に行うことができたであろう、分類を求めることを可能にする。
両方の場合に、本方法は、分析対象サンプルの細胞を分析すること、すなわちそれらを定量化するだけでなく、どの細胞がマーカーの少なくとも1つと反応したかを識別することを可能にする。
本発明は、実現例によれば、よりよく理解され、その利点は、添付の図面を参照して、例として与えられ、いかなる意味でも限定ではない、以下に続く詳細な説明を読めば、より明白になるであろう:
抗原(αγ)によって励起された細胞(Ce)によって、蛍光プローブ(fP)に結合された抗体(αC)を使用して検出可能である、分子(Mo)を生成するメカニズムを示す模式図である。 基準サンプルおよび分析対象サンプルの細胞の分布の、第1のマーカー(Mj)および第2のマーカー(Mj’)を表わす、2次元での表現を示すグラフである。 基準サンプルおよび分析対象サンプルにおいて実施された測定値に応じて、マーカー(j)に対して得られた平滑化された確率密度の例を示すグラフである。 基準サンプルおよび分析対象サンプルにおいて実施された測定値に応じて、マーカー(j)に対して得られた累積分布関数の例を示すグラフである。
本明細書は、例として、細胞内サイトカイン染色(ICS)アッセイに言及する。勿論のこと、本明細書の範囲内において記述される分析方法は、任意のタイプの細胞の分析、またはさらには多次元分類の任意の問題に適用可能である。
ICSアッセイは、通常、ウィルス、バクテリア、または癌細胞に由来する、抗原(αγ)によって培養された、血液サンプルについて実施される。図1に示すように、この培養の後に、抗原(αγ)を認識することのできる細胞(Ce)は、抗体(αC)を使用して検出される、様々な分子(Mo)(通常はサイトカイン)を生成し始める。各抗体(αC)は、所与の分子(Mo)に対して固有であり、所与の蛍光プローブ(fP)に結合されている。すなわち、細胞に関連する蛍光の分析によって、どの分子が、この細胞によって生成されたかを識別することが可能となる。
ICSにおいて、細胞(Ce)は、「検出可能な」量、すなわち少なくとも1つの関心のある分子(Mo)において、所定の閾値よりも大きな量で、それが生成された場合に、陽性と宣言される。「陽性」である、すなわちマーカーの少なくとも1つと反応する、細胞を識別するために現在使用されている方法は、エキスパートまたはユーザの視覚的判断に頼っている。
分析対象サンプルのデータセットは、実際に、マーカーの数によって与えられる次元の、多次元空間における、散布図の形態で表わすことができる。各点は、細胞に対応し、この細胞に対するすべてのマーカーの表現で構成されている。
図2に示されているように、ユーザ、すなわち一般的にエキスパートは、多次元空間において、別の(Mj’)に対する、マーカーの1つ(Mj)の2次元区間を可視化して、培養の前に、すべての細胞が陰性である、「基準」と呼ばれるサンプル(すなわち、知られている陰性のサンプル)を参照する。
次いで、エキスパートは、陽性細胞がそのまわりにあると判断する、すなわち、2軸の一方または他方に沿った、したがって表わされた2つのマーカーの一方または他方に沿った、散布図から視覚的に区別される、選択区間を手作業で線引きする。これが、例えば、図2において点線輪郭によって表わされている。
この手順の欠点は、主観的であって、異なるユーザまたは実験室による結果を比較することが難しくなることである。さらに、再現するのが非常に困難である。
上記の欠点を少なくとも部分的に解決するために、本発明の実現例による、方法は、第1は知られている陰性細胞の基準サンプルであり、第2は未知の細胞の分析対象サンプルである、2つのサンプルを分析する。この方法は、分析対象サンプルにおける陽性細胞を識別する。言い換えると、この方法の入力データは、2つのサンプルによって構成される:
− 例えば、「n」を用いられる情報の大きさ、または点の数として、n個の陰性細胞のサンプル(この場合に、細胞が影響を受けていないので、表現されたマーカーはない)の(蛍光の)測定値を含む、行列によって表わされた、基準サンプル。各細胞に対して、数dのマーカー(例えば、Mj,j=1...dで識別される)が測定され、したがって「d」は陰性細胞の次元である。
基準サンプルは、例えば、大きさn×dの行列、
Figure 0006678177
で表示され、ここで
Figure 0006678177
、xref ijは、i番目の細胞に対するj番目のマーカーの(蛍光の)測定値に対応する。
− 例えば、陽性と陰性の細胞(その中で、あるマーカーが表現され;細胞は影響を受けて、あるものは反応している)を含む、m個の細胞のサンプルの(蛍光の)測定値を含む行列で表される、分析対象サンプル。各細胞に対して、同じd個のマーカー(蛍光)が測定される。
分析対象サンプルは、例えば、m×dの大きさの行列、
Figure 0006678177
で表示され、ここで
Figure 0006678177
、xtest kjはk番目の細胞に対するj番目のマーカーの(蛍光の)測定値に対応している。
本方法の主たる出力データは、陽性であると宣言されている、分析対象サンプルの細胞の集合である。分析対象サンプルの細胞は、マーカーの1つの、すなわちマーカーの少なくとも1つの、正規化された表現が、後に詳述する第3のステップにおいて推定される対応する閾値よりも大きい場合に、陽性と宣言される。
第1ステップ:データの準備
任意選択である、第1のステップの間に、基準サンプルおよび分析対象サンプルに対するマーカーの表現(測定蛍光値)は、例えば、最初に正規化され、次いで拡大される。言い換えると、準備のステップは、例えば、正規化のステップおよびデータの拡大のステップを含む。これによって、縮尺および測定器具の較正と独立して測定値を描写することが可能となる。問題のそのような条件調整をすることにより、分類を正しく実施することを可能にしながら、さらに本方法を簡略化することを可能にする。
なお、例えば、先に定義された行列
Figure 0006678177
および
Figure 0006678177
は、
Figure 0006678177
および
Figure 0006678177
によって正規化されており、ここでyref ijおよびytest kjは、マーカーの表現(蛍光の測定値)xref ijおよびxtest kjの正規化された値である。これを行うために、測定値は、単位区間[0,1]内の値に参照されて、次いでそれらは対数尺度で表現される。
例えば、各マーカーj(jは{1,...,d}に含まれる)に対して、本方法のデータを準備するステップは、例えば、以下のステップを含む:
− 基準サンプルおよび分析対象サンプルにおいて考慮されるマーカーの測定された表現の最小x{j,min}と最大x{j,max}を決定するステップ、
− 基準サンプルおよび分析対象サンプルのデータの正規化と拡大を行うステップであって、以下のように実施されるステップ:
ref ij=f(xref ij);i=1,...,n;j=1,...,d
test kj=f(xtest kj);k=1,...,m;j=1,...,d
ここで、f(x)は、例えば、以下の拡大関数である:
(x)=log10((x−x{j,min})/(x{j,max}−x{j,min})+ε)
ここで、(x−x{j,min})/(x{j,max}−x{j,min})は、厳密には、正規化に対応し、この場合にεは拡大パラメータであり;jが{1,...,d}の範囲で、εが、例えば10−3および10−6の間に含まれ、この数字は適合させることができる。それは、例えば10−6である。
第2ステップ:サンプルに対して得られた値の分布の平滑化
このステップは、考慮されるサンプルのマーカーの確率密度を平滑化することを狙いとし、例えば、それらが連続的になり、離散化の影響を受けなくなるように、本明細書において詳述された例に対する基準サンプルが正規化される。言い換えると、これによって、測定の結果である離散値に基づく、連続確率密度関数を得ることができる。例えば、「カーネル推定子(kernel estimator)」とも呼ばれる、Parzen−Rosenblatt法を使用することができる。
一次元確率密度(すなわち、一時に1つのマーカー用)は、例えば、平滑化パラメータと呼ばれる、カーネルの幅に対して、例えば、ガウスカーネル(Gaussian kernel)と、Silvermanルールとによるカーネル推定方法を使用して得られる。例えば、これは、ステップ1において決定された、基準サンプルの正規化データ、すなわちyref ijに適用される。
各マーカーj(jは{1,...,d}に含まれる)に対して、本方法の平滑化ステップは、例えば、以下のステップを含む:
− カーネルK、例えばガウスを選択するステップ、
− 例えば、以下のSilvermanルール:
Figure 0006678177
を使用して、平滑化カーネルの幅に対応する、平滑化パラメータhを決定するステップ、
ここで、σおよびirqは、それぞれ経験的標準偏差および集合{yref ij,i=1,...,n}の四分位数(interquartile)である。
− 基準サンプルのj番目のマーカーの周辺分布関数の密度確率関数を次式で定義するステップ、
Figure 0006678177
ここで、Kはカーネル、例えば
Figure 0006678177
で定義される、ガウスカーネルである。
この段階において、分析対象サンプルに対する正規化された測定の結果、および基準サンプルに対する各マーカーに対する結果の確率密度は、このように知られている。
これらの確率密度は、例えば、マーカーjに対して図3に示されている。
次いで、本方法は、例えば、以下のような単変量カーネルの積:
Figure 0006678177
に対応する、多変量密度の推定値を定義するステップを含む。
全次元に対してK=K、またはさらにh=hであるとみなすことによって、この表現を簡略化することが、さらに可能である。
実現されている、以下に定義された、本方法のバージョンによると、平滑化ステップは、基準サンプルの代わりに、少なくとも分析対象サンプルについて実施される。
第3のステップ:閾値の推定
以下のステップ、この場合には第3のステップは、それより上では、細胞が陽性であると宣言されるマーカーの表現に対する、閾値の値を決定することを狙いとしている。
各マーカーに関連づけられた閾値を決定するために、2つの場合がここでは想起される。
バージョン1と呼ばれる、第1の場合には、補助入力は、ユーザが陽性と判断する分析対象サンプルの細胞の部分集合Eを含む。次いで、本方法は、ユーザの判断に対応する偽陽性率αである、補助出力を生成する。
バージョン2と呼ばれる、第2の場合には、補助入力は、本方法が、陰性細胞のサンプル、例えば、基準サンプルに適用されるときに、本方法によって陽性であると検出される細胞の割合に対応する、許容できる偽陽性率αである。
デフォルトにより、補助入力が提供されない場合には、本方法は、課せられた値α=0で、バージョン2を実施し、このことは、基準サンプルの全ての細胞を陰性であると宣言するアルゴリズムに従って、閾値の値を最小化することに対応する。これは、「バイアス無し」と呼ばれる、本方法のバージョンである。
言い換えると、本方法は、追加のパラメータが指定されない場合には、追加のパラメータを提供するステップは、α=0とみなすことからなることを知りながら、集合Eであるか、または偽陽性率αである、追加のパラメータを提供するステップを含む。
言い換えると、両方の場合において、計算の原理は同じである。第1の場合には、これらは基準サンプルにおいて予測するために、分析対象サンプルに適用されるのに対して、第2の場合には、それが逆である。
第3のステップ−バージョン1
バージョン1において、ユーザは、分析対象サンプルの細胞の中からのソーティングを最初に実施する。ユーザによって陽性と判断された細胞は、分析対象サンプルの0からm個の細胞を含む、Eと呼ばれる集合を形成する。
このバージョンにおいては、閾値は、分析対象サンプルについてのユーザの判断をより良く再現するように推定される。
言い換えると、バージョン1による第3のステップは、例えば、以下のステップを含む:
− 値s(すなわち、確率に対応する)に対して、s分位数
Figure 0006678177
、すなわち各マーカーjに対して、ステップ2において決定された平滑化確率分布関数
Figure 0006678177
と関連づけられた累積分布関数
Figure 0006678177
の分位数、を定義するステップ:
Figure 0006678177
これは、例えば、マーカーjに対して図4に示されている。
したがって、s分位数
Figure 0006678177
は、ここでは、考慮されたマーカーjに対する正規化された表現の閾値に対応し:それより上では、細胞はマーカーに対して陽性であるとみなされ、それより下では、このマーカーに対して陰性であるとみなされる。
− 分析対象サンプルにおける各マーカーに対して、s分位数
Figure 0006678177
に対して陽性であると宣言された細胞の集合を定義するステップ:これらのd個の集合を組み合わせることによって、集合S={k=1,...,m、但しj=1,...,dに対して
Figure 0006678177
}が得られる。これは、集合Sが、陽性とみなされる分析対象サンプルの細胞の集合、すなわちそれに対するマーカーの表現(測定蛍光値)が、少なくとも1つの所与のマーカーに対して、
Figure 0006678177
よりも大きい、分析された細胞を含む。言い換えると、集合Sは、少なくとも1つのマーカーに対する閾値よりも大きい、マーカーの正規化された表現を有する、すべての細胞を含む。
したがって、この段階において、2つの定義された集合:ユーザによって陽性と判断された細胞の集合Eと、本方法によって陽性と定義された細胞の集合Sとがある。Eが知られている場合には、Sは、決定しようとする各マーカーの閾値の値に依存するので、これから決定されなくてはならない。このSの決定は、以下のステップに従って実施される:
− SとEの対称差の基数を定義して決定するステップ。これは、Eに属するがSには属さない細胞の数と、Sには属するがEには属さない細胞の数の合計、すなわち集合SおよびEの両方に同時には属さない細胞の数を決定することを意味する。
− 次いで、本方法は、すべてのマーカーに対して、区間[0,1]におけるマーカーjの値sに対して、この基数を最小化するステップを含む。このことは、基数を最小化する値の中から、マーカー各々の最大閾値を決定することを意味する。言い換えると、このステップは、最大数の細胞が、EとSの両方に属するように、マーカー各々に対して、閾値
Figure 0006678177
を決定することからなる。例えば、「完全な」場合において、EおよびSは、重なり合い、同一となる。
こうして、各マーカーjに対する、値sとs分位数
Figure 0006678177
が知られる。
簡略化は、例えば、すべての値sは同一であり、例えば、値sを有するとみなすことを含み、よって、マーカー各々に対応する
Figure 0006678177
を決定することが問題である。
− 別のステップは、例えば、次いで、
Figure 0006678177
によって関数F([0,1]から[0,1]に増加する)を定義することを含み、ここでVNは、VN={i=1,...,n、但し各j=1,...,dに対して、
Figure 0006678177
}で定義され、すなわちマーカーの正規化された表現が、マーカーの閾値より下である、基準サンプルの細胞の集合が、すべてのマーカーに対応している(すなわち、基準集合のすべての細胞が理想の場合にある)。この集合の基数を決定することにより、陰性と宣言された、これらの細胞を計数することが可能となる。nを基準サンプルの細胞の合計数として、この基数をnで割ることによって、基準サンプルにおける陰性細胞率が与えられる。
− 最終的に、本方法は、式α=1−F(s)によるα、偽陽性率を計算するステップを含む。
関数Fを定義して決定するのに対する代替案として、偽陽性率を決定するために、先に詳述しように、混同行列を決定することも可能である。
このバージョンにおいては、率αは、したがって、集合Sに基づいて決定されて、本方法は、出力に対して、率αに加えて、決定された集合Sを応答して返す。
言い換えると、このバージョンにおいて、集合Sは、点を分類することを可能にする、各マーカーに対する閾値
Figure 0006678177
を求めるように、任意で首尾一貫したsの値から、次いで、最適化手順から、構築される。
第3のステップ−バージョン2
バージョン2において、ユーザが許容できると判断する偽陽性率αが、入力値(本明細書では、追加パラメータとも呼ばれる)として課せられる。この率αは、陰性細胞のサンプル、例えば基準サンプルに適用されるときに、アルゴリズムによって陽性と検出される細胞の率に対応する。先に注記したように、デフォルトによって、アルゴリズムは、α=0としてバージョン2を実施し、このことは、アルゴリズムは閾値を最小化して、基準サンプルのすべての細胞が陰性と宣言されることを確実にする。
バージョン2に対する第3のステップは、例えば、次のステップを含む:
− 各マーカーjに対して、
Figure 0006678177
、すなわちステップ2において導入された平滑化確率分布関数
Figure 0006678177
と関連づけられた、累積分布関数
Figure 0006678177
のs分位数、を定義するステップ。

Figure 0006678177
によって関数F([0,1]から[0,1]に増加する)を定義するステップ、ここでVNは、VN={i=1,...,n、但し各j=1,...,dに対して、
Figure 0006678177
}で定義される。
− 例えば、二分法によって、F(s)>1−αとなるように、sの最小値を決定するステップ。
したがって、値sがわかると、マーカー各々に対する関連する閾値を決定することが可能である。
すなわち、バージョン2において、許容できるか、または0に等しいαを固定して、マーカー各々に対応する最小閾値が探索される。
したがって、決定された閾値を分析対象サンプルに適用することによって、本方法は、以下に説明する第4のステップに詳述するように、陽性細胞の集合Sを決定することができる。
すなわち、このバージョンにおいて、集合Sは率αから決定される。
バージョンが何であれ(1または2)、先述のステップ3の終了時には、いくつの細胞が、そしてどれが、分析対象サンプルにおいて陽性とみなされるか、および基準サンプルにおいてどの程度の偽陽性率(α)か、したがって、マーカー各々に対して考慮すべき、値sおよびs分位数
Figure 0006678177
がわかっている。
第4のステップ:分析対象サンプルの分類
次いで、第4のステップは、分析対象サンプルの細胞を、一方では陽性細胞の、他方では陰性細胞の集合に分類することを狙いとしている。
分析対象サンプルの細胞は、マーカーの1つの、すなわちd個のマーカーの少なくとも1つの、正規化された表現が、第3のステップにおいて推定された対応する閾値の値よりも大きい場合に、陽性と宣言される。
第4のステップは、例えば、S={k=1,...,m、但し各j=1,...,dに対して、ytest kj<y }によって、分析対象サンプルにおいて陰性と宣言された細胞の集合を、定義して決定するステップを含む。
陰性と宣言された細胞の集合Sは、このように定義される、すなわちマーカーのすべての正規化された表現が、マーカーの対応する閾値より低いものである。陽性と宣言された細胞の集合Sは、Sの補集合(complementary)である。
すなわち、先述のステップは、例えば、第3のステップのバージョン2に関して、特に有用であり、これに対して、バージョン1においては、例えば、αを計算するために、集合Eに基づいて決定された集合Sの補集合をとることによって、集合Sを直接的に決定することが可能である。
第5のステップ:陽性細胞の分析
分析対象サンプルにおいて陽性と検出された各細胞に対して、本方法は、その表現が対応する閾値よりも大きい、少なくとも1つのマーカーを指示することができる。
これを行うために、第1のステップは、X={(k,j)、kはSに含まれる、およびj=1,...,d、但しytest kj≧y }となるように集合Xを定義することを狙いとする。すなわち、Xは、細胞が分析対象サンプルにおいて陽性と宣言された細胞であり、マーカーが、その正規化された値が、細胞に対する対応する閾値よりも大きいマーカーである、(細胞、マーカー)対の集合を表わす。結果として、陽性と宣言された細胞の集合に対して、特に1つのマーカーを考慮することによって、ある細胞は、その正規化された表現が、対応する閾値よりも大きいマーカーを有し、それに対して、その他は、対応する閾値よりも低い表現を有することが可能であり、後者は、別のマーカーの閾値より上の表現により、陽性と宣言されている。
すなわち、陽性と宣言された細胞の中から、例えば、何回、マーカーが表現されたかを計数することができる。これを行うために、ステップは、各マーカーjに対して、Z=card(kはSに含まれる、但し(k,j)はXに含まれる)の値、これはZ=card(kはSに含まれる、但し
Figure 0006678177
)に等しい、を決定することを含む。言い換えると、本方法は、例えば、マーカーの発生数を計数するステップを含む。
例えば、各マーカーの発生を知ると、例えば、重要性の順に、それらを等級付けすることが可能であり、より重要(頻繁)なものが、表現
Figure 0006678177
によって与えられる。本方法は、例えば、マーカーを、その発生に応じて、すなわち細胞によって表現された回数に応じて、等級付けするステップを含む。
すなわち、例えば、事後処理装置が、出力集合Xの統計的分析、例えば、マーカーの等級付けを提供することができる。

Claims (9)

  1. 少なくとも1つの特定のマーカーと反応するサンプルの細胞を分析する方法であって、
    − 基準サンプルおよび分析対象サンプルを提供するステップと、
    − 分析対象サンプルの細胞の中から、エキスパートによって陽性と宣言された、細胞の集合(E)を提供するステップと、
    − 分析対象サンプルと集合(E)とからベクトル係数(θ)を決定するステップと、
    − 基準サンプルにおける陽性細胞の少なくとも1つの集合を、ベクトル係数(θ)に応じて決定するステップと、
    − 基準サンプルの陽性細胞の数から、基準サンプルにおける偽陽性率(α)を計算するステップと
    を含む方法。
  2. ベクトル係数(θ)を決定するステップが、分析対象サンプルにおける、偽陽性の量の最小化と、偽陰性の量の最小化とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. ベクトル係数(θ)を決定するステップが、
    − マーカーj各々に対して、s分位数
    Figure 0006678177
    、すなわち分析対象サンプルにおけるj番目のマーカーの周辺分布を平滑化することによって決定された、平滑化確率分布関数
    Figure 0006678177
    と関連づけられた、累積分布関数
    Figure 0006678177
    の分位数、を定義するステップと、
    − 分析対象サンプルにおいて各マーカーjに対するs分位数
    Figure 0006678177
    に対して、陽性と宣言された細胞の集合(S)を定義するステップと、
    − SとEの間の対称差の基数を定義し、決定するステップと、
    − すべてのマーカーに対して、区間[0,1]における各マーカーjの値sに対して、基数を最小化することによって、マーカー各々のベクトル係数(θ)の最大値各々を決定するステップと
    を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. − 基準サンプルにおける偽陽性率(α)を提供するステップと、
    − 基準サンプルと、偽陽性率(α)とに基づいて、ベクトル係数(θ)を決定するステップと、
    − ベクトル係数(θ)に応じて、分析対象サンプルにおける陽性細胞の少なくとも1つの集合(S)を決定するステップと
    を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 少なくとも1つの特定のマーカーと反応するサンプルの細胞を分析する方法であって、
    − 基準サンプルおよび分析対象サンプルを提供するステップと、
    − 基準サンプルにおける偽陽性率(α)を提供するステップと、
    − 基準サンプルと、偽陽性率(α)に基づいて、ベクトル係数(θ)を決定するステップと、
    − ベクトル係数(θ)に応じて、分析対象サンプルにおける陽性細胞の少なくとも1つの集合(S)を決定するステップと
    を含み、
    ベクトル係数(θ)を決定するステップが:
    − マーカーj各々に対して、s 分位数
    Figure 0006678177
    、すなわち基準サンプルにおけるj番目のマーカーの周辺分布を平滑化することによって決定された、平滑化確率分布関数
    Figure 0006678177
    と関連づけられた、累積分布関数
    Figure 0006678177
    の分位数、を定義するステップと、
    − [0,1]から[0,1]へと増加する、基準サンプル内の陰性細胞率を表わす、関数F(s)を、
    Figure 0006678177
    によって定義するステップであって、ここでVN は、VN ={i=1,...,n、但し各j=1,...,dに対して、
    Figure 0006678177
    }によって定義され、その測定値がすべてのマーカーに対応するマーカーのベクトル係数(θ)の値より下にある基準サンプルの細胞の集合である、定義するステップと、
    − s の最小値を、F(s)>1−αとなるように決定するステップと、
    − ベクトル係数(θ)の値を決定するステップと
    を含むことを特徴とする、方法。
  6. ベクトル係数(θ)を決定するステップが、所与の偽陽性率(α)を考慮して、分析対象サンプルにおける陽性細胞の量を最大化することを含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. ベクトル係数(θ)が、その各々を超えると細胞が陽性であると宣言される、マーカー各々の表現の閾値の集合であることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  8. 少なくとも1つの細胞がそれに対して陽性に反応する、少なくとも1つのマーカーが識別される、分析ステップを含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  9. 混同行列の評価による検証のステップを含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
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