以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態に係る遊技機の外観斜視図及び正面図である。図3は、本実施形態の遊技機に用いられる遊技盤の正面図である。図4は、遊技盤の一部拡大斜視図である。図5は、遊技機の入賞装置機構を示す図である。図6は、遊技盤に設けられたLEDユニットの正面図である。本実施形態の遊技機は、一例としてパチンコ遊技機に適用したものである。
[遊技機の構造]
まず、図1〜図6を用いて、遊技機としてのパチンコ遊技機の構造について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、遊技球が転動流下可能な遊技領域を有する遊技盤1(図3参照)が着脱可能に設けられた本体枠ベース板2a(本体枠ベースともいう)を備えた本体枠2と、遊技盤1を視認可能な開口部3h(以下、表枠開口部という)が設けられた表枠ベース板3a(表枠ベースともいう)を備え、本体枠2の前方(遊技者側)において当該本体枠2により回動可能に支持された表枠3と、所定の演出表示を行うための液晶表示装置4(図3参照)が着脱可能に設けられた後枠ベース板(図示略)を備え、本体枠2の後方(反遊技者側)において当該本体枠2により回動可能に支持された後枠(図示略)を備えている。
本実施形態に係るパチンコ遊技機は、外枠6を介して島設備(図示略)に取り付けられている。本体枠2は、本体枠ヒンジ2bを介して外枠6に回動可能に支持されている。なお、図1には、表枠3が本体枠2に対して閉じられているとともに、本体枠2が外枠6に対して閉じられた状態が示されており、かかる状態において、後枠は、外枠6内に収容されるため、図示されない。
表枠3は、表枠ベース板3aと、表枠ベース板3aに備えられる種々の表枠構成部材とを有している。表枠構成部材には、保護ガラス7、皿ユニット8、操作ユニット9、スピーカ10a〜10b、各種装飾部材(トップ飾り14、右側装飾部材15、左側装飾部材16)などがある。なお、表枠構成部材は、これらに限定されるものではなく、表枠3を構成する部材が全て含まれるものである。また、皿ユニット8は、後述する係止構造を介して表枠ベース板3aにそれぞれのカバー部材(上皿上部カバー8a、下皿カバー8bなど)が取り付けられている。
表枠3において、上記した表枠開口部3hには、透過性を有する保護ガラス7が設けられている。保護ガラス7は、表枠3に備えられた表枠ベース板3aに設けた表枠開口部3h(窓部)に対して、表枠ベース板3aの裏面側(背面側)から着脱自在に取り付けられており、当該表枠3を本体枠2に対して閉じた状態において、遊技盤1の表面(前面)側に対向し、かつその表面(前面)側を覆うように構成されている。表枠3の上部には、表枠開口部3hの上方両側に、音による演出を行うためのスピーカ10a,10bが設けられている。
また、表枠3の表面(前面)には、表枠開口部3hを囲むように、美観を向上させるための装飾部材が設けられている。なお、装飾部材の一例として、表枠開口部3hの上側には、後述するパトランプ役物を内蔵したトップ飾り14が設けられているとともに、表枠開口部3hの左右には、発光表示態様を変化させることが可能な右側装飾部材15(例えば、右上レンズ15a、右中レンズ15b、右パネルカバー15cなど)と、左側装飾部材16(例えば、左アウターレンズ16aなど)とが設けられている。
右側装飾部材15および左側装飾部材16の内方には、後述する副制御回路70(図7参照)によって制御される発光手段(例えば、ランプ・LED27等)が設けられている(図7参照)。ランプ・LED27から発せられた光は、右側装飾部材15および左側装飾部材16を透過し、当該右側装飾部材15および左側装飾部材16から美観に優れた例えば放射光や拡散光などとして感知される。これにより、光による表示態様に変化を与えることができるため、遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、表枠3の表面(前面)には、表枠ベース板3aの表枠開口部3hの下側に、皿ユニット8が設けられている。皿ユニット8は、貸出球や賞球を貯留するための上皿17と、上皿17の下方側に設けられ、例えば上皿17が満杯時に溢れた遊技球などを貯留可能な下皿18とが設けられている。
下皿18は、遊技球を貯留可能な下皿本体18pと、下皿本体18pの上部を覆うように取り付けられた下皿カバー8bとを備えている。一方、上皿17は、遊技球を貯留可能な上皿本体17pと、上皿本体17pの上部を覆うように表枠ベース板3aに対して着脱可能に取り付けられた上皿上部カバー8aと、上皿17の美観を向上させるための上皿装飾部材とを備えている。なお、上皿装飾部材の一例として、上皿本体17pには、上皿上部カバー8aを囲むように、上皿左飾り17a、上皿前飾り17cなどが設けられており、上皿前飾り17cは、上皿上部カバー8aの左側から前側を経由し、右側へ向かう途中から下皿18に向けて屈曲した形状を成している。
表枠ベース板3aには、遊技球を上皿17に払い出すための払出口20と、上皿17に貯留された遊技球を表枠ベース板3aの背面側に排出する排出口(図示略)と、排出口から排出された遊技球を下皿18に供給する供給口21とが設けられている。表枠ベース板3aの背面側には、払出装置83(図7参照)から払い出される遊技球の球通路や、排出口と供給口21とを連通させて球通路を構成する球通路カバー(図示略)が設けられている。払出装置83から遊技球が払い出されると、当該遊技球が払出口20を介して上皿17へと送られる一方、遊技球が払い出されるものの払出口20付近に遊技球が滞留するほど上皿17が満杯状態にあるときや、上皿上部カバー8aに設けられた球抜きボタン22が押されると、上皿17に貯留された遊技球が排出口から球通路、供給口21を介して下皿18へと送られる。
本実施形態では、遊技機の前面の装飾にメッキ部材を使用しており、上皿17の前面部分を装飾する上皿前飾り17cにもメッキ部材17bを使用している。このメッキ部材17bの使用により遊技機外観デザインの装飾効果を高めて遊技者の興趣の向上を図っている。
上皿上部カバー8aには、球貸しを受けるための球貸ボタン23、図示しない遊技球を貸し出すためのカードユニット84(図7参照)からカードを返却するための返却ボタン24などのほか、所定の遊技中に遊技者が操作(押圧操作、回転操作)することで各種演出の表示態様に変化を与えるための操作ユニット9が設けられている。なお、操作ユニット9の配置構成(位置、向き)について、特に制限はないが、図面では一例として、上皿上部カバー8aから垂直方向に押下操作ボタン9Aが突出させられ、押下操作ボタン9Aの外周にジョグダイヤル9Bが配置されるように構成された操作ユニット9が示されている。
なお、表枠3については、その表面(前面)のうち、遊技者側から向かって左側(すなわち、本体枠2に回動可能に支持されている側)における部分に、例えばピアノ線などの不正部材を侵入させ、その部分の裏側近傍における当該表枠3の裏面に構築された各種構成に対して、当該不正部材による不正行為が行われる事態を想定することができる。
そこで、かかる不正行為を未然に防止するために、表枠3の裏面において、上記した不正部材による侵入行為が行われる部分には、配線保持機能付きカバー部材(図示略)が設けられている。配線保持機能付きカバー部材は、ハーネス等の配線を保持する配線保持部と、表枠3の裏面に構築された基板(図示しない)を被覆する基板被覆部と、例えばピアノ線等の不正部材の侵入を防止する不正防止部とを一体化させて構成されている。これによれば、配線保持、基板被覆部、不正防止の3つの機能を兼ね備えた単体の配線保持機能付きカバー部材を実現することができるため、これら各機能毎の部材をそれぞれ別個に用意する必要がなくなり、その分だけ低コスト化を図ることができる。
本体枠2は、本体枠ベース板2aと、本体枠ベース板2aに備えられる種々の本体枠構成部材を有する。本体枠構成部材には、発射装置26、スピーカ10c、各種制御基板・中継基板などがある。本体枠構成部材は、これらに限定されるものではなく、本体枠2を構成する部材は全て含まれるものである。
本体枠2において、上記した表枠開口部3hに対向した本体枠ベース板2aの所定位置には、当該表枠開口部3hとほぼ同形状を成した本体枠開口部(図示略)が設けられているとともに、当該本体枠ベース板2aの表面(前面)において、本体枠開口部の右下側には、遊技球を発射するための発射装置26が設けられている。
発射装置26は、当該発射装置26を本体枠ベース板2aの表面右下側に配設するためのパネル体26aと、パネル体26aの前面側に配設された発射ハンドル26bと、パネル体26aの背面側に対向した本体枠ベース板2aの表面右下側に配設され、遊技球を発射するための発射駆動装置(図示略)とを備えて構成されている。付言するならば、発射装置26は、発射手段を実現している。
なお、表枠3の右下側には、発射装置26(パネル体26a、発射ハンドル26b)を遊技者側に露出させるための切り欠き3pが施されている。表枠3を本体枠2に対して閉じると、発射装置26(パネル体26a、発射ハンドル26b)は、当該表枠3の切り欠き3pを介して露出し、上記した皿ユニット8に隣接して位置付けられる。このような発射装置26(パネル体26a、発射ハンドル26b)と皿ユニット8とは、相互に連続して一体化されているかの如き美的外観を呈する。
発射ハンドル26bは、支持部(図示略)と、支持部に対して回動自在に取り付けられ、時計回り・反時計回り方向に回動可能なハンドルグップ26dと、支持部内に備えられ、遊技球の発射を停止させる発射停止スイッチ(図示略)と、発射停止スイッチをON/OFF操作する発射停止ボタン26e(操作部材ともいう)と、ハンドルグリップ26dの開口上を覆うように配設されるハンドルキャップ26hとを備えている。
発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dを時計回り方向に回動させると、その回動量(回転角度)に応じて発射駆動装置の駆動力が増減変更され、そのときの駆動力によって、上皿17に貯留されている遊技球が、遊技盤1の遊技領域1p(図3参照)に向けて打ち出される。このとき、発射停止ボタン26eを操作すると、発射駆動装置が停止制御され、これにより、遊技球の発射を停止させることができる。
なお、本実施形態において、発射停止スイッチや発射ハンドル26bの操作制御にあっては、主制御回路60(図7参照)に接続されている払出・発射制御回路82(図7参照)が行う。発射装置26の内部には、ハンドルグリップ26dを、常時、反時計回り方向に弾性的に付勢するためのバネ部材(図示略)が設けられており、遊技者は、このバネ部材の弾性に抗してハンドルグリップ26dを時計回り方向に回動操作することにより遊技球を発射させる。遊技球の発射間隔は、0.66秒となっている。
また、遊技者が遊技を中断してハンドルグリップ26dから手を離すと、ハンドルグリップ26dは、バネ部材の弾性によって開始時点位置に戻される。このとき、ハンドルグリップ26dの突起(図示略)によって発射停止ボタン26eが押されることにより、遊技球の発射が停止される。
ここで、遊技球の発射強度を増減変更させる方法として、発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dの回動量(回転角度)に応じて、発射ボリューム(図示略)の抵抗値を変化させ、発射ソレノイド(図示略)に供給する電力を変化させることにより、遊技球の発射強度を増減変更させるものが知られているが、本実施形態の発射装置26には、発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dの回動操作に連動する図示しない発射用ばね(図示略)と、発射用ばねの巻き上げ(締め上げ)用ギヤ機構(図示略)とが設けられている。発射装置26においては、発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dの回動量によって巻き上げ用ギヤ機構の回動量が調整されて発射用ばねの巻き上げ(締め上げ)の程度を強めたり弱めたりすることにより、遊技球の発射強度が増減変更されるようになっている。
スピーカ10cは、本体枠2の下部中央に、音による演出を行うように設けられている。スピーカ10cから発せられた音は、表枠3の皿ユニット8の部位(具体的には、上皿17と下皿18との間の部位)に設けられたスピーカカバー10kを通して放出されるようになっている。
遊技盤1は、保護ガラス7の後方に位置するように、後枠(図示略)の前方に配設され、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域1p(図3参照)を有している。なお、遊技盤1は、透光性を有する材質(例えば、ポリカーボネート等)で形成されているが、例えば、ベニヤ板等のように透光性を有しない材質で形成されていてもよい。
図3〜図6に示すように、遊技盤1は、ガイドレール30、ステージ31、第1始動口32、第2始動口33、第2始動口33を開閉する羽根部材34、通過ゲート35、第1大入賞口36A、第1大入賞口36B、第2大入賞口37A、第1大入賞口36Aを開閉する第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口36Bを開閉する第1大入賞口シャッタ361B、第2大入賞口37Aを開閉する第2大入賞口シャッタ371A、第1大入賞口36Aの下方側に位置する特定領域38A及び非特定領域38B、排出口38X,38Y、特定領域38Aを開閉する変位部材39、複数の一般入賞口40、アウト口41、上側可動演出部材42A、下側可動演出部材42B、カバー部材43、カバー部材43に設けられる転動領域372、液晶表示装置4、及びLEDユニット5を備える。なお、本実施形態のパチンコ遊技機では、第1始動口32、第2始動口33、通過ゲート35、第1大入賞口36A、第1大入賞口36B、第2大入賞口37A、特定領域38A、及び一般入賞口40により入賞領域が形成される。なお、図3は、カバー部材43を取り外した状態を示している。本実施形態では、第1大入賞口36A及び第1大入賞口36Bを適宜第1大入賞口36と称する。
ガイドレール30は、外レール30Aと内レール30Bとによって構成されている。外レール30Aは、本体枠2に設けられており、遊技領域1p全体を囲むように配置されている。内レール30Bは、外レールとともに遊技球を遊技盤1の上部に案内するためのものであり、遊技盤1の左側において外レールの内側に配設されている。なお、遊技盤1は、本体枠2に対してその背面側から取り付けられている。
ステージ31は、遊技領域1pにおける遊技球の流下領域を振り分けるものであり、液晶表示装置4の下縁部に沿って配置されている。
発射装置26によって発射された遊技球は、遊技盤1に打ち込まれた遊技釘(図示略)やステージ31等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤1の下方に向かって流下する。この過程において、遊技球は、第1始動口32、第2始動口33、第1大入賞口36A、第1大入賞口36B、第2大入賞口37A、一般入賞口40のいずれかに入賞することで回収され、また、入賞しなかった場合や、通過ゲート35を通過してその後入賞しなかった場合にアウト口41から排出されることで回収される。
なお、入賞とは、遊技球が入賞領域を通過すること、又は入賞領域に入球することを意味する。具体的には、遊技球が入賞領域を通過又は入賞領域に入球することにより、遊技者にとって有利な状況(例えば、後述する第2始動口33の開放、図柄抽選、賞球など)を付与することを意味する。この際、遊技球による入賞領域の通過は、単なる通過を意味し、遊技球による入賞領域の入球は、アウト口41とは別に遊技球を回収することを意味するが、何れの場合も後述するセンサスイッチにより遊技球が通過することで入賞が検出されることから、通過も入球も実質的には同義である。したがって、入賞領域に対する遊技球の通過も入球も入賞につながるため、以下の説明においては、特に断りのある場合を除き、入賞領域に対しては「通過」と「入賞」とを同じ意味で用いる。また、遊技球が特定領域38Aを通過することについては、「V入賞」という場合がある。
発射ハンドル26bの回転角度が比較的小さい場合、遊技球に与えられる打ち出し力が総じて小さいため、遊技球は、主としてステージ31の左側を流下する。また、発射ハンドル26bの回転角度が比較的大きい場合、遊技球に与えられる打ち出し力が総じて大きいため、遊技球は、主としてステージ31の右側を流下する。なお、一般に、ステージ31の左側に遊技球を流下させる打ち方は、「左打ち」と呼ばれ、ステージ31の右側に遊技球を流下させる打ち方は、「右打ち」と呼ばれている。「右打ち」により発射された遊技球(所定方向に発射された遊技媒体の一例)は、基本的には、ステージ31の右側を流下し、第1大入賞口シャッタ361Aに到達し、第1大入賞口シャッタ361A、第2大入賞口シャッタ371A、及び第1大入賞口シャッタ361Bが閉鎖しているときには、第1大入賞口シャッタ361A、転動領域372、及び第1大入賞口シャッタ361B上を順次に転動することとなる。
第1始動口32及び第2始動口33は、遊技球が入賞(進入)することを条件に抽選の契機を与えるとともに、抽選の結果をLEDユニット5や液晶表示装置4の表示領域4Aに表示させる契機を与えるものである。付言するならば、第1始動口32及び第2始動口33は、通過領域を実現している。
第1始動口32は、遊技盤1の中央で概ね下方位置に設けられている。第1始動口32に遊技球が入賞すると、予め設定されている数の遊技球が払出口20又は供給口21を介して上皿17又は下皿18に払い出される。第1始動口32への遊技球の入賞は、第1始動口スイッチ320(図7参照)により検出される。
第2始動口33は、第1始動口32の直下に設けられている。第2始動口33に遊技球が入賞すると、予め設定されている数の遊技球が払出口20又は供給口21を介して上皿17又は下皿18に払い出される。第2始動口33は、普通電動役物としての羽根部材34によって入賞困難性が決定される。第2始動口33への遊技球の入賞は、第2始動口スイッチ330(図7参照)により検出される。
羽根部材34は、遊技盤1の前後方向に前傾姿勢・後退姿勢をなすように開閉動作するものであり、第2始動口33への遊技球の入賞を可能とする開放状態と、第2始動口33への遊技球の入賞を不可能又は困難とする閉鎖状態とを切り替える、いわゆる普通電動役物である。羽根部材34は、羽根部材ソレノイド340(図7参照)により駆動される。付言するならば、羽根部材34は、開閉部材(移動部材)を実現している。
なお、普通電動役物としては、羽根部材34を前後方向に開閉するように動作させるものに限らず、例えば遊技盤1の左右方向に回動することで始動口を拡開するいわゆる電動チューリップ型のものや、遊技盤1の前後方向に水平移動することで始動口を開閉する舌状部材であってもよい。
通過ゲート35は、第2始動口33を開放する契機を与えるものである。通過ゲート35への遊技球の入賞は、通過ゲートスイッチ350(図7参照)により検出される。なお、この通過ゲート35に遊技球が入賞しても、賞球は発生しない。
第1大入賞口36及び第2大入賞口37Aは、遊技者に有利な遊技状態である当り遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態)のときに開放される。
第1大入賞口36は、遊技球が1個ずつ入賞し得るように比較的縦横寸法が小さい開口としてカバー部材43の上端面一部に形成されている。第1大入賞口36Aの近傍には、これを開閉するための第1大入賞口シャッタ361Aが設けられている。第1大入賞口36Aへの遊技球の入賞は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A(図7参照)により検出される。第1大入賞口36Bの近傍には、これを開閉するための第1大入賞口シャッタ361Bが設けられている。第1大入賞口36Bへの遊技球の入賞は、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B(図7参照)により検出される。
第2大入賞口37Aは、複数の遊技球が同時に入賞し得るように比較的横長寸法が大きい開口として遊技盤1に形成されている。第2大入賞口37Aの近傍には、これを開閉するための第2大入賞口シャッタ371Aが設けられている。第2大入賞口37Aへの遊技球の入賞は、第2大入賞口カウントスイッチ370(図7参照)により検出される。
第1大入賞口36A、第1大入賞口36B及び第2大入賞口37Aは、第1始動口32の概ね右側に設けられている。第2大入賞口37Aは、第1大入賞口36Aと第1大入賞口36Bとの間に設けられている。より具体的には、第2大入賞口37Aは、第1大入賞口36Aの左側かつ第1大入賞口36Bの右側に設けられ、第1大入賞口36A及び第1大入賞口36Bよりも上部に設けられている。なお、第1大入賞口36A、第1大入賞口36B、及び第2大入賞口37Aが配置される位置については、上述した位置に限らず、遊技機の仕様などに応じて適宜変更することができる。
次に、各大入賞口において遊技球が通過可能な位置関係(球入賞可能位置の関係)について説明する。第1大入賞口36Aを通過可能な位置(高さ)は、図5(a)に示すように「球」が示されている位置、換言するならば、第1大入賞口シャッタ361Aが閉じた状態の上面の高さとなり、第2大入賞口37Aを通過可能な位置(高さ)は、図5(c)に示すように「球」が示されている位置、換言するならば、第2大入賞口シャッタ371Aが閉じた状態の上面の高さとなっている。また、第1大入賞口36Bを通過可能な位置(高さ)は、同様に、第1大入賞口シャッタ361Bが閉じた状態の上面の高さとなる。つまり、本実施形態では、第1大入賞口36Aを通過可能な位置と第2大入賞口37Aを通過可能な位置とが同一又は略同一の高さとして設けられ、この高さより低い位置に第1大入賞口36Bを通過可能な位置が設けられている。また、各大入賞口において遊技球が通過可能な位置から各大入賞口までの経路(領域)については第N通過領域(N=1、2、・・・)と称する。なお、各大入賞口の球入賞可能位置としては、上述した位置関係に限られるものではない。例えば、第1大入賞口36Aの球入賞可能位置、第2大入賞口37Aの球入賞可能位置、第1大入賞口36Bの球入賞可能位置の順に低く設けられていてもよい。
第1大入賞口シャッタ361Aは、遊技盤1の前後方向に水平移動することにより、換言するならば、第1大入賞口36Aへの遊技球の通過を容易とする第1位置と、困難とする第2位置とに変位することにより、第1大入賞口36Aを開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものであり、閉鎖状態において第1大入賞口36Aを覆うように配置されている。すなわち、第1大入賞口シャッタ361Aは、第1大入賞口36Aへの遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように第1大入賞口第1シャッタソレノイド3610A(図7参照)により駆動される。
第1大入賞口シャッタ361Bは、遊技盤1の前後方向に水平移動することにより、換言するならば、第1大入賞口36Bへの遊技球の通過を容易とする第1位置と、困難とする第2位置とに変位することにより、第1大入賞口36Bを開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものであり、閉鎖状態において第1大入賞口36Bを覆うように配置されている。すなわち、第1大入賞口シャッタ361Bは、第1大入賞口36Bへの遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように第1大入賞口第2シャッタソレノイド3610B(図7参照)により駆動される。
また、第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bにおいては、同時に開閉制御が行われ、第1大入賞口36A及び第1大入賞口36Bは同時に開放状態及び閉鎖状態となる。
第2大入賞口シャッタ371Aは、遊技盤1の前後方向に前傾姿勢・後退姿勢をなすように開閉動作することにより、換言するならば、第2大入賞口37Aへの遊技球の通過を容易とする第1位置と、困難とする第2位置とに変位することにより、第2大入賞口37Aを開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものであり、閉鎖状態において第2大入賞口37Aを覆うように配置されている。すなわち、第2大入賞口シャッタ371Aは、第2大入賞口37Aへの遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように第2大入賞口シャッタソレノイド3710(図7参照)により駆動される。
特定領域38Aは、第1大入賞口36Aに入賞した遊技球がその後通過可能な領域であり、非特定領域38Bは、第1大入賞口36Aに入賞したが特定領域38Aを通過しなかった遊技球、及び第1大入賞口36Bに入賞した遊技球がその後通過可能な領域であり、カバー部材43で覆われている。第1大入賞口36Aに入賞した遊技球は、特定領域38Aを通過した場合には、排出口38Xを通過して遊技盤1の背後へと導かれて回収される。第1大入賞口36Aに入賞したが特定領域38Aを通過しなかった遊技球、及び第1大入賞口36Bに入賞した遊技球は、排出口38Yを通過して遊技盤1の背後へと導かれて回収される。
第1大入賞口36Aに対応して、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aが配置されており、第1大入賞口36Aへの遊技球の入賞は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aにより検出される。第1大入賞口36Bに対応して、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bが配置されており、第1大入賞口36Bへの遊技球の入賞は、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bにより検出される。
特定領域38Aに対応して、特定領域スイッチ380Aが配置されており、特定領域38Aへの遊技球のV入賞は、特定領域スイッチ380Aにより検出される。非特定領域38Bに対応して、非特定領域スイッチ380Bが配置されており、非特定領域38Bへの遊技球の通過は、非特定領域スイッチ380Bにより検知される。また、特定領域38Aの近傍には、これを開閉するための変位部材39が設けられている。
変位部材39は、遊技盤1の前後方向に水平移動することにより、特定領域38Aを開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものであり、閉鎖状態では特定領域38Aを覆うように位置する。すなわち、変位部材39は、特定領域38Aへの遊技球のV入賞が容易な開放状態(容易状態)と、V入賞が不可能又は困難な閉鎖状態(困難状態)とに変化するように変位部材ソレノイド390(図7参照)により駆動される。特定領域38Aが閉鎖状態にある場合、V入賞が不可能となった遊技球は、非特定領域38Bを通過することとなる。
付言するならば、第1大入賞口36A、第1大入賞口36B、第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、第1大入賞口第1シャッタソレノイド3610A、第1大入賞口第2シャッタソレノイド3610B、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、特定領域38A、特定領域スイッチ380Aは、第2可変入賞装置を実現している。第2可変入賞装置は、遊技媒体を受入れ易い第1状態と、遊技媒体を受入れ難い第2状態とに変位可能であると共に、遊技媒体が通過可能な特定領域を有する。
第2大入賞口37A、第2大入賞口シャッタ371A、第2大入賞口シャッタソレノイド3710、及び第2大入賞口カウントスイッチ370は、第1可変入賞装置を実現している。第1可変入賞装置は、遊技媒体を受入れ易い第1状態と、遊技媒体を受入れ難い第2状態とに変位可能である。
変位部材39、及び変位部材ソレノイド390は、変動部材を実現している。
一般入賞口40は、遊技盤1の適宜位置に一つ以上設けられている。この一般入賞口40に遊技球が入賞すると、抽選が行われないものの、払出装置83(図7参照)により所定数の賞球が払い出される。一般入賞口40への遊技球の入賞は、一般入賞口スイッチ400A,400Bにより検出される。
本実施形態のパチンコ遊技機では、図7に示すように、後述する主制御回路60により制御される通常遊技状態として、非確変・非時短遊技状態と、特別図柄抽選の当選確率が非確変・非時短遊技状態よりも高くなる確変遊技状態(特別遊技状態)と、普通図柄抽選の当選確率が非確変・非時短遊技状態よりも高くなる時短遊技状態とが存在し、通常遊技状態において特別図柄抽選に当選した場合、大当り遊技状態(特定遊技状態の一例)に移行する。
時短遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率が高確率状態となるため、普通電動投物としての羽根部材34のサポートによって第2始動口33への入賞が容易となる。この状態は、いわゆる「電サポ」と呼ばれる状態であり、後述する特別図柄ゲームの保留球が貯まり易くなるとともに、第2始動口33への入賞により遊技球の目減りを抑制することができる。より具体的には、時短遊技状態とは、普通図柄抽選の当選確率が相対的に高い状態(第1時短遊技状態)、特別図柄や普通図柄の変動時間が相対的に短い状態(第2時短遊技状態)、普通電動役物としての羽根部材34の開放時間が相対的に長い状態(第3時短遊技状態)のうち少なくともいずれか一の状態を意味する。例えば、時短遊技状態には、上記第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、及び第3時短遊技状態が任意の組み合わせをもって同時進行する状態も含まれる。このような時短遊技状態においては、大当り遊技状態に移行する可能性が向上する。
大当り遊技状態において特定領域38AへのV入賞に成功した当該大当り遊技状態の終了後は、確変・時短遊技状態(確変遊技状態であり、時短遊技状態である通常遊技状態)に必ず移行し、非確変・非時短遊技状態(非確変遊技状態であり、非時短遊技状態である通常遊技状態)に移行しないようになっている。一方、特定領域38AへのV入賞に成功することなく、非V入賞のまま大当り遊技状態が終了した場合は、当該大当り遊技状態の終了後、非確変遊技状態かつ時短遊技状態である通常遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施形態では、大当り遊技状態の終了後、例えば確変・時短遊技状態で70回の特別図柄抽選(70回の特別図柄の変動表示又は停止表示)が行われたことを契機に、非確変・非時短遊技状態に移行するようになっている。さらに、大当り遊技状態の終了後、例えば非確変・時短遊技状態で30回又は70回の特別図柄抽選(30回又は70回の特別図柄の変動表示又は停止表示)が行われたことを契機に、非確変・非時短遊技状態に移行するようになっている。なお、大当り遊技状態の終了後、次の大当り遊技状態に移行するまで、確変・時短遊技状態を維持するようにしてもよい。
以下では、本実施形態のような所定回数の特別図柄抽選を行うことで終了する確変遊技状態のことを、ST(Specia1 Time)遊技状態とも記載する。
上側可動演出部材42A及び下側可動演出部材42Bは、非作動時に遊技盤1の背後に退避した状態にあり、特定の演出を行うときに液晶表示装置4の表示領域4Aの前方に出現するように配置されている。上側可動演出部材42Aは、特定の演出が行われる場合に表示領域4Aの中央部の前方に出現し、回転動作及び発光を行う。下側可動演出部材42Bは、特定の演出が行われる場合に表示領域4Aの下部の前方に出現し、発光を行う。
カバー部材43は、第1大入賞口36A、第1大入賞口36B、転動領域372を形成するために設けられており、通過ゲート35の下方に取り付けられている。カバー部材43は、その上端面の一部を開口することによって第1大入賞口36A、及び第1大入賞口36Bを形成している。また、カバー部材43の上端面には、第1大入賞口36Aと第1大入賞口36Bとの間に転動領域372が設けられている。カバー部材43が遊技盤1に取り付けられた状態において、第1大入賞口36Aに対応する開口には、変位部材39が位置する。このようなカバー部材43は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、特定領域スイッチ380A、及び非特定領域スイッチ380B等を覆うように配置される。
なお、転動領域372は、カバー部材43に設けられる構成に限られるものではない。例えば、遊技盤1に設けられる構成であってもよい。
[入賞装置機構]
ここで、図5を用いて、本実施形態に係るパチンコ遊技機の入賞装置機構について説明する。
図5(a)は、第2大入賞口シャッタ371Aが閉じた状態(閉鎖時)の入賞装置機構の正面図であり、(b)は、(a)における入賞装置機構上部の左側面図であり、(c)は、第2大入賞口シャッタ371Aが開いた状態(開放時)の入賞装置機構の正面図であり、(d)は、(c)における入賞装置機構上部の左側面図である。
図5(a)に示すように、本実施形態において、入賞装置機構は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、第2大入賞口シャッタ371A、転動領域372、特定領域38A、非特定領域38B、排出口38X,38Y、及び変位部材39を含んで実現される。
本入賞装置機構においては、一番右上に、第1大入賞口36Aを開閉するための第1大入賞口シャッタ361Aが設けられている。そして、第1大入賞口シャッタ361Aの下方(本例では真下)には、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、変位部材39、特定領域38A、及び排出口38Xが順次に設けられている。
第1大入賞口シャッタ361Aの左下方には、転動領域372が設けられ、転動領域372の左下方には、第1大入賞口シャッタ361Bが設けられている。そして、第1大入賞口シャッタ361Bの下方(本例では真下)には、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bが設けられている。
本入賞装置機構において、最下部には、非特定領域38B、及び排出口38Yが順次に設けられている。
第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、及び第2大入賞口シャッタ371Aが閉じた状態では、第1大入賞口シャッタ361Aが上段、転動領域372が中段、及び第1大入賞口シャッタ361Bが下段というように各構成要素が階段状となる。よって、各シャッタが閉じた状態では、遊技球は、第1大入賞口シャッタ361A、転動領域372、及び第1大入賞口シャッタ361Bの順に転動可能である。なお、本パチンコ遊技機においては、「右打ち」の開始(発射操作の開始)から2〜2.1秒で遊技球が転動領域372の略中央部に到達するように構成されている。
次に、遊技球が第1大入賞口シャッタ361A、第2大入賞口シャッタ371A、及び第1大入賞口シャッタ361Bの各々に到達した際に、各シャッタが開いている場合の遊技球の流れについて説明する。
(遊技球が第1大入賞口シャッタ361Aに到達したときに、第1大入賞口シャッタ361Aが開いている場合)
遊技球は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aを通過し、変位部材39に到達することになる。この際、変位部材39が開いている場合には、遊技球は、特定領域38A、及び排出口38Xを通過することとなる。一方、変位部材39が閉じている場合には、遊技球は、特定領域38Aを通過することなく、より下方に設けられている非特定領域38B、及び排出口38Yを通過することとなる。
(遊技球が第2大入賞口シャッタ371Aに到達したときに、第2大入賞口シャッタ371Aが開いている場合)
図5(c)及び(d)に示すように、遊技球は、第2大入賞口37Aを通過し、本入賞装置機構の裏側に導かれ、特定領域38Aや非特定領域38Bを通過することはない。
(遊技球が第1大入賞口シャッタ361Bに到達したときに、第1大入賞口シャッタ361Bが開いている場合)
遊技球は、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bを通過した後、より下方に設けられている非特定領域38B、及び排出口38Yを通過することとなる。なお、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bを通過した遊技球は、特定領域38Aを通過することはない。
次に、図6を用いてLEDユニット5について説明する。LEDユニット5は、各遊技状態や抽選結果を遊技者等に報知するものであり、図6に示すように、普通図柄表示部51、普通図柄保留表示部52、第1特別図柄表示部53、第2特別図柄表示部54、第1特別図柄保留表示部55、第2特別図柄保留表示部56、及びラウンド表示部59を有している。
普通図柄表示部51は、通過ゲート35に遊技球が入賞したことを契機に普通電動役物としての羽根部材34を駆動して第2始動口33を開放するか否かを決定する「普通図柄ゲーム」に対する抽選結果を表示するものである。普通図柄表示部51は、1つのLEDランプ511を含んでいる。LEDランプ511は、例えば赤色の点灯及び青色の点灯が可能であり、普通図柄ゲームにおいて、当選の場合に赤色で点灯する一方、普通図柄ゲームにおいてハズレの場合に青色で点灯する。普通図柄表示部51におけるLEDランプ511の点灯態様として例えば赤色の点灯態様となったときには、羽根部材34が所定のパターンで開閉駆動され、第2始動口33への遊技球の入賞を許容する。なお、普通図柄ゲームの当選及びハズレに応じた点灯態様としては、他の点灯態様であってもよく、例えば当選の場合に点灯状態あるいは点滅状態になる一方、ハズレの場合に消灯状態となるようにしてもよい。
普通図柄保留表示部52は、4つのLEDランプ521,522,523,524の点灯又は消灯によって、普通図柄表示部51が変動表示を行っている最中に新たな遊技球が通過ゲート35に入賞した場合に次回以降の普通図柄表示部51による変動表示を行うために保留された普通図柄の変動表示の実行可能回数を表示する。4つのLEDランプ521,522,523,524は、普通図柄表示部51の左側に位置し、LEDランプ511とともに列状に並んで配置されている。LEDランプ521,522,523,524による保留表示において、例えば保留数が「1」の場合には、LEDランプ521が点灯し、LEDランプ522,523,524が消灯する。保留数が「2」の場合には、LEDランプ521,522が点灯し、LEDランプ523,524が消灯する。保留数が「3」の場合には、LEDランプ521,522,523が点灯し、LEDランプ524が消灯する。保留数が「4」の場合には、LEDランプ521,522,523,524の全てが点灯する。
第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54は、「特別図柄ゲーム」に対する当り抽選の結果を示すものであり、例えば、7セグメントLEDを含んでいる。第1特別図柄表示部53は、第1始動口32への遊技球の入賞を契機として識別情報となる図柄(以下において、「第1特別図柄」と称する)の変動表示を行うとともに、第1始動口32への入賞に基づく当り抽選の結果を第1特別図柄に係る停止図柄として停止表示するものである。第2特別図柄表示部54は、第2始動口33への遊技球の入賞を契機として識別情報となる図柄(以下において、「第2特別図柄」と称する)の変動表示を行うとともに、第2始動口33への入賞に基づく当り抽選の結果を第2特別図柄に係る停止図柄として停止表示するものである。付言するならば、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54は、識別情報表示手段(表示手段)を実現している。
第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54による図柄の変動表示は、例えば、7セグメントLED等を用い、各セグメントが個別に点灯・消灯を繰り返すことにより行われる。当り抽選の結果は、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54の各セグメントの点灯・消灯によって形成されるセグメントパターン(図柄)によって表示される。この際、第1特別図柄で表示される複数の当り図柄と第2特別図柄で表示される複数の当り図柄とは、それぞれ異なる態様となっている。第1特別図柄の当り図柄としては、大当り遊技状態への移行契機となる図柄であって、当該大当り遊技状態終了後に確変遊技状態に移行し得ることを示す「確変1」、「確変2」といった名目の大当り図柄と、当該大当り遊技状態終了後に非確変かつ時短遊技状態に移行し得ることを示す「時短1」、「時短2」といった名目の大当り図柄とがある(図8参照)。第2特別図柄の当り図柄としては、大当り遊技状態への移行契機となる図柄であって、当該大当り遊技状態終了後に確変遊技状態に移行し得ることを示す「確変3」〜「確変5」といった名目の大当り図柄と、いわゆる小当り遊技状態への移行契機となる「小当り1」、「小当り2」といった名目の小当り図柄とがある(図8参照)。なお、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54は、7セグメントLED等に限定されず、例えば2つ以上のLEDランプの点灯・消灯の組み合わせによるものでもよい。
第1特別図柄保留表示部55は、4つのLEDランプ551,552,553,554を含んでおり、これらのLEDランプ551,552,553,554の点灯又は消灯によって、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54が特別図柄ゲームに対する図柄の変動表示中に第1始動口32に新たな遊技球が入賞した場合の次回以降の特別図柄ゲームに対する第1特別図柄の変動表示のために保留された第1特別図柄表示部53の変動表示の実行可能回数(保留数)を表示する。
第2特別図柄保留表示部56は、4つのLEDランプ561,562,563,564を含んでおり、これらのLEDランプ561,562,563,564の点灯又は消灯によって、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54が特別図柄ゲームに対する図柄の変動表示中に第2始動口33に新たな遊技球が入賞した場合の次回以降の特別図柄ゲームに対する図柄の変動表示のために保留された第2特別図柄表示部54の変動表示の実行可能回数(保留数)を表示する。
第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56のそれぞれは、上下に並んで配置されており、普通図柄保留表示部52の上側に位置する。第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56での保留数の表示態様は、普通図柄保留表示部52による保留数の表示態様と同一である。
第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56は、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54が変動表示しているときに、第1始動口32へと通じる球通路に設けられた第1始動口スイッチ320(図7参照)、又は第2始動口33へと通じる球通路に設けられた第2始動口スイッチ330(図7参照)によって遊技球が検出された場合、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54の変動表示の実行(開始)を保留する。第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54において変動表示されていた図柄が停止表示された場合は、保留されていた第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54における図柄の変動表示が開始される。
ここで、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、本実施形態においては、第1始動口32及び第2始動口33への遊技球の入賞による第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54の変動表示の保留数は、それぞれ最大で4個としている。第1特別図柄表示部53に対する第1特別図柄ゲームが4回分保留されている場合には、変動中の第1特別図柄表示部53に対応する第1特別図柄ゲームの情報が、メインRAM63(図7参照)の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶(始動記憶情報)として記憶され、保留されている4回分の第1特別図柄ゲームの情報は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。第2特別図柄ゲームについても同様に、4回分保留されている場合には、変動中の第2特別図柄に対応する第2特別図柄ゲームの情報が、メインRAM63の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回分の第2特別図柄ゲームの情報は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。したがって、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54の双方、すなわち第1始動口32及び第2始動口33への入賞保留数は、合計で最大8個となる。
なお、第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56に代えて、あるいは第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56に加えて、液晶表示装置4において、第1始動口32への入賞及び第2始動口33への入賞の保留の保留を表示するようにしてもよい。
ラウンド表示部59は、当り図柄停止中に点灯するものであり、大当り遊技状態が実行される際の後述するラウンドゲームに関する回数として、ラウンド数を示すものである。ラウンド表示部59は、3つのLEDランプ591,592,593を含んでおり、これらのLEDランプ591,592,593の点灯又は消灯によって、大当り遊技状態が実行される際のラウンド数を示す。本実施形態では、例えばラウンド数が16ラウンド(以下において、「16R」と表記する場合がある)の場合、LEDランプ591が点灯し、LEDランプ592,593が消灯する。ラウンド数が14ラウンド(以下において、「14R」と表記する場合がある)の場合、LEDランプ592が点灯し、LEDランプ591,593が消灯する。ラウンド数が8ラウンド(以下において、「8R」と表記する場合がある)の場合、LEDランプ593が点灯し、LEDランプ591,592が消灯する。ラウンド数が2ラウンド(以下において、「2R」と表記する場合がある)の場合、LEDランプ591及び592が点灯し、LEDランプ593が消灯する。なお、ラウンド数(回数)は、ラウンドゲーム(ラウンド遊技)が実行される回数全体を意味する場合と、ラウンドゲームが順次実行される際の順番を示す順序数を意味する場合とがある。ラウンド数について、前者を意味する場合は、例えば「16ラウンド」あるいは「16R」、「12ラウンド」あるいは「12R」等と記し、後者を意味する場合は、例えば「16R目」、「12R目」等と記す。また、以下の説明においては、「ラウンド遊技」を単に「ラウンド」という場合もある。
液晶表示装置4は、図3に示すように、遊技盤1の後方に配置されるとともに、その略中央に遊技者が目視可能となるように表示領域4Aが配設されており、第1始動口32及び第2始動口33への遊技球の入賞に基づく当り抽選の結果のほか、遊技に関する各種の画像、例えば演出用の識別図柄、通常遊技状態での演出画像、大当り遊技状態中の演出画像、デモ表示用の演出画像等を表示するものである。すなわち、液晶表示装置4は、遊技球が第1始動口32又は第2始動口33に入賞したことを条件に識別情報の変動表示を行うようになっている。付言するならば、液晶表示装置4は、表示手段を構成しており、この液晶表示装置4、スピーカ10a,10b,10c、及びランプ・LED27が所定の報知を実行可能な報知手段(演出実行手段)を構成する。
[遊技機の電気的構成]
次に、図7を用いて、本実施形態に係るパチンコ遊技機の制御回路について説明する。なお、図7においては、「スイッチ」を「SW」と略記し、「ソレノイド」を「SOL」と略記している。
図7に示すように、パチンコ遊技機は、遊技に係る各種の制御を行う主制御手段としての主制御回路60と、遊技の進行に応じた演出などの制御を行う副制御手段としての副制御回路70とを有する。
主制御回路60は、メインCPU61、読み出し専用メモリであるメインROM62、読み書き可能メモリであるメインRAM63、初期リセット回路64、I/Oポート65、コマンド送信手段としてのコマンド出カポート66、及びバックアップコンデンサ67を備えている。主制御回路60は、LEDユニット5を含む各種のデバイス(機器やスイッチ等)と接続されている。
メインCPU61は、メインROM62及びメインRAM63と接続されており、メインROM62に記憶されたプログラムにしたがって、各種の処理を実行する機能を有する。付言するならば、メインCPU61は、特定遊技状態移行判定手段、遊技状態制御手段、特別遊技状態制御手段、及びラウンド遊技実行手段(第1ラウンド遊技実行手段及び第2ラウンド遊技実行手段)、有利遊技実行手段(第1有利遊技実行手段及び第2有利遊技実行手段)などの各種手段を実現している。
主制御回路60には、第1始動口32の後方に配置された第1始動口スイッチ320が接続されている。第1始動口スイッチ320によって遊技球が検出されると、当り抽選が行われる。
主制御回路60には、第2始動口33の後方に配置された第2始動口スイッチ330が接続されている。第2始動口スイッチ330によって遊技球が検出されると、当り抽選が行われる。
これらの第1始動口スイッチ320及び第2始動口スイッチ330は、第1始動口32及び第2始動口33に遊技球が入球したことを検出した場合に入賞したとして、所定の検出信号を主制御回路60に供給する。
主制御回路60には、通過ゲート35の後方に配置された通過ゲートスイッチ350が接続されている。通過ゲートスイッチ350によって遊技球が検出された場合、通過ゲート35に遊技球が入賞したとして、普通図柄抽選が行われる。この普通図柄抽選の結果は、普通図柄表示部51において表示される。なお、普通図柄表示部51において特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽選の結果が当選であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置4の表示領域4Aに表示されるようにしてもよい。
通過ゲートスイッチ350は、通過ゲート35を遊技球が通過したことを検出した場合に入賞したとして、所定の検出信号を主制御回路60に供給する。これにより、通過ゲートスイッチ350は、第2始動口33を開放する契機を与えるものである。
主制御回路60には、遊技盤1の左側及び右側に位置する一般入賞口40の後方に配置された一般入賞口左スイッチ400A及び一般入賞口右スイッチ400Bが接続されている。一般入賞口左スイッチ400A及び一般入賞口右スイッチ400Bによって遊技球が検出されると、払出装置83により予め設定されている数の賞球が行われる。
主制御回路60には、第1大入賞口36Aに対応して配置された第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aが接続されている。第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aは、第1大入賞口36Aへの遊技球の入賞数をカウントするためのものである。第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aにより遊技球の入賞が検出されると、払出装置83は、予め設定されている数の遊技球を賞球として払出口20又は供給口21を介して上皿17又は下皿18に払い出しを行う。
また、主制御回路60には、第1大入賞口36Bに対応して配置された第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bが接続されている。第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bは、第1大入賞口36Bへの遊技球の入賞数をカウントするためのものである。第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bにより遊技球の入賞が検出されると、払出装置83は、予め設定されている数の遊技球を賞球として払出口20又は供給口21を介して上皿17又は下皿18に払い出しを行う。なお、本実施形態では、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A及び第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bを第1大入賞口カウントスイッチ360と適宜称する。
主制御回路60には、第2大入賞口37Aの奥方に配置された第2大入賞口カウントスイッチ370が接続されている。第2大入賞口カウントスイッチ370は、第2大入賞口37Aへの遊技球の入賞数をカウントするためのものである。第2大入賞口カウントスイッチ370により遊技球の入賞が検出されると、払出装置83は、予め設定されている数の遊技球を賞球として払出口20又は供給口21を通じて上皿17又は下皿18に払い出しを行う。
これらの第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、及び第2大入賞口カウントスイッチ370は、第1大入賞口36A、第1大入賞口36B、及び第2大入賞口37Aを遊技球が通過した場合に、所定の検出信号を主制御回路60に供給する。
主制御回路60には、特定領域38A及び非特定領域38Bに配置された特定領域スイッチ380A及び非特定領域スイッチ380Bが接続されている。特定領域スイッチ380Aは、大当り遊技状態において特定領域38Aを遊技球が通過したことを検出した場合にV入賞したとして、所定の検出信号を主制御回路60に供給する。非特定領域スイッチ380Bは、大当り遊技状態において非特定領域38Bを遊技球が通過したことを検出した場合に非V入賞したとして、所定の検出信号を主制御回路60に供給する。
主制御回路60は、第1大入賞口36Aを開閉する第1大入賞口シャッタ361Aを駆動する第1大入賞口第1シャッタソレノイド3610A、及び第1大入賞口36Bを開閉する第1大入賞口シャッタ361Bを駆動する第1大入賞口第2シャッタソレノイド3610Bと、第2大入賞口37Aを開閉する第2大入賞口シャッタ371Aを駆動する第2大入賞口シャッタソレノイド3710と、を排他的に制御する。
これにより、例えば、第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bは、第1大入賞口36A及び第1大入賞口36Bへの遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように駆動され、第1大入賞口36A及び第1大入賞口36Bが少なくとも閉鎖状態とされる状況において、第2大入賞口シャッタ371Aは、第2大入賞口37Aへの遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように駆動される。第2大入賞口シャッタ371Aは、第2大入賞口37Aへの遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように駆動され、第2大入賞口37Aが少なくとも閉鎖状態とされる状況において、第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bは、第1大入賞口36A及び第1大入賞口36Bへの遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように駆動される。
このような第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、及び第2大入賞口シャッタ371Aによる第1大入賞口36A、第1大入賞口36B、及び第2大入賞口37Aの開放駆動は、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54において特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。
主制御回路60は、羽根部材34を開閉する羽根部材ソレノイド340を制御する。これにより、普通図柄表示部51において所定の発光態様で普通図柄が停止表示されたときに、羽根部材34が所定の時間、所定の回数だけ開放状態となり、第2始動口33に遊技球が入りや易くなる。
例えば、本実施形態の普通図柄ゲームにおいて、時短遊技状態ではない遊技状態(本実施形態では「非確変・非時短遊技状態」)における普通図柄の当り確率は、10/257であり、羽根部材34が開放される確率は高確率状態(時短遊技状態)よりも低い。一方、高確率状態における普通図柄の当り確率は、例えば257/257であり、これに当選した場合に、羽根部材34が1.3秒間、3回開放される。また、普通図柄ゲームにおいて当り図柄となる普通図柄の数は1個であり、第2始動口33の開放時に上限となる入賞カウント数は10カウント(10個)である。
主制御回路60は、特定領域38Aの変位部材39を開閉するように動作させる変位部材ソレノイド390を制御する。これにより、大当り遊技状態において後述するラウンドゲームを実行中にある場合に、変位部材39が所定の時間、所定の回数だけ開放状態となり、特定領域38Aに対して遊技球が通過し易くなる。一方、大当り遊技状態であっても変位部材39が閉鎖状態となる場合は、特定領域38Aを遊技球が通過不可能又は困難となり、非特定領域38Bを遊技球が通過し易くなる。
第1特別図柄保留表示部55は、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54が変動表示しているときに、第1始動口スイッチ320によって遊技球が検出された場合、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54において変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されるまで、第1始動口32への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される数、すなわち第1特別図柄に係る保留数を表示する。変動表示していた第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合には、第1特別図柄に係る保留数として保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。
第2特別図柄保留表示部56は、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54が変動表示しているときに、第2始動口スイッチ330によって遊技球が検出された場合、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54において変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されるまで、第2始動口33への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される数、すなわち第2特別図柄に係る保留数を表示する。変動表示していた第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合には、第2特別図柄に係る保留数として保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機において、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の優先順位は、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも優先するように設定されているが、第1始動口32及び第2始動口33への入賞順にしたがって、対応する第1特別図柄及び第2特別図柄を入賞順通りに変動表示させるようにしてもよい。
また、特別図柄の変動表示の実行が保留される保留数には、先述したように上限が設定されており、本実施形態において、メインCPU61は、第1始動口32及び第2始動口33に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ320及び第2始動口スイッチ330によって遊技球が検出されたときの第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の保留数を、それぞれ最大で4個(すなわち、4検出回数)まで記憶させており、5個目以降は保留数として記憶させないようになっている。この際、特別図柄の変動表示の終了により保留数が減った時には、再び保留数が4個を上限として加算される。
第1特別図柄表示部53における第1特別図柄ゲームの保留数が例えば4個まで保留される場合、変動中の第1特別図柄表示部53に対応する特別図柄ゲームの情報は、メインRAM63の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、以降、保留数が4個分の特別図柄ゲームの情報は、メインRAM63の第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に始動記憶として順次記憶される。
第2特別図柄表示部54における第2特別図柄ゲームについても同様に、第2特別図柄ゲームの保留数が例えば4個まで保留される場合、変動中の第2特別図柄表示部54に対応する第2特別図柄ゲームの情報は、メインRAM63の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、以降、保留数が4個分の第2特別図柄ゲームの情報は、メインRAM63の第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に始動記憶として順次記憶される。
したがって、第1始動口32及び第2始動口33への入賞に伴う特別図柄ゲームに係る遊技球の保留数は、合計で最大8個となり、第1特別図柄保留表示部54及び第2特別図柄保留表示部55のLED551〜554及びLED561〜564による保留表示数もそれぞれ4個となる。
第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bによる第1大入賞口36A及び第1大入賞口36Bの開放状態は、第1大入賞口カウントスイッチ360(第1大入賞口第1カウントスイッチ360A及び第1大入賞口第2カウントスイッチ360B)によるカウント値(遊技球の入賞数)が所定数(例えば、入賞数10個)となるか、あるいは予め規定された後述の開放時間を経過するといったいずれか一方の条件を満たすまで維持される。遊技球の入賞数が所定数となった場合、又は第1大入賞口36A及び第1大入賞口36Bの開放時間が経過した場合は、第1大入賞口シャッタ361Aが第1大入賞口36Aを閉鎖し、第1大入賞口シャッタ361Bが第1大入賞口36Bを閉鎖するように駆動される。
第2大入賞口シャッタ371Aによる第2大入賞口37Aの開放状態は、第2大入賞口カウントスイッチ370によるカウント値(遊技球の入賞数)が所定数(例えば、入賞数10個)となるか、あるいは予め規定された後述の開放時間を経過するといったいずれか一方の条件を満たすまで維持される。遊技球の入賞数が所定数となった場合、又は第2大入賞口37Aの開放時間が経過した場合は、第2大入賞口シャッタ371Aが第2大入賞口37Aを閉鎖するように駆動される。
大当り遊技状態では、後述する予め設定された大入賞口開閉パターン(当りパターン)に基づき、第1大入賞口36(第1大入賞口36A及び第1大入賞口36B)及び第2大入賞口37Aの開放状態と閉鎖状態とが繰り返される。大当り遊技状態において、第1大入賞口36及び第2大入賞口37Aのそれぞれが後述する大入賞口開閉パターン(当りパターン)に基づいて複数回数を含む所定回数にわたり開放状態及び閉鎖状態となる遊技は、「ラウンドゲーム(ラウンド遊技)」という。ラウンドゲーム(ラウンド遊技)は、単にラウンドという場合もある。1回のラウンドゲームにより第1大入賞口36又は第2大入賞口37Aが閉鎖状態とされてから、次回のラウンドゲームとして第1大入賞口36又は第2大入賞口37Aが開放状態となるまでの状態については、「ラウンド間ゲーム」又は「ラウンド間インターバル」あるいは単に「インターバル」ともいう。1回のラウンドゲームにおいては、第1大入賞口36及び第2大入賞口37Aのそれぞれが複数回にわたり開放状態及び閉鎖状態となる場合がある。また、1回のラウンドゲームでは、第1大入賞口36及び第2大入賞口37Aの開閉状態が排他的に制御される。すなわち、1回のラウンドゲームにおいては、一方の大入賞口が所定回数繰り返し開放状態となる間、他方の大入賞口が継続して閉鎖状態とされる。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機には、大当り遊技状態とは異なる性質の遊技状態として、いわゆる小当り遊技状態が設けられている。小当り遊技状態は、大当り遊技状態とは異なりラウンドゲームという概念によって規定されず、本実施形態の小当り遊技状態では、第1大入賞口36が2回又は3回開放状態とされるように規定されている。もちろん、小当り遊技状態においては、任意あるいは特定の大入賞口を一回のみ開放状態となるように制御、又は複数回数にわたり繰り返し開放状態となるように制御してもよい。
この小当り遊技状態とは、特別図柄抽選による小当りの当選を契機に移行する遊技状態である。小当り遊技状態に移行する前とその終了後においては、基本的に遊技状態が変化しない。例えば、非確変遊技状態において小当り当選となって小当り遊技状態に移行した場合、この小当り遊技状態の終了後の遊技状態は、小当り遊技状態に移行する前の非確変遊技状態のままであり、確変遊技状態に移行することはない。同様に、確変遊技状態において小当り当選となって小当り遊技状態に移行した場合、この小当り遊技状態の終了後の遊技状態は、確変遊技状態のゲーム数が残存する限り、小当り遊技状態に移行する前の確変遊技状態のままであり、非確変遊技状態に移行することもない。
ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンドのようにラウンド数(回数)として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する場合がある。以下の説明(説明に伴い参照する図面を含む)において、1ラウンドあるいは第1ラウンド等の数字付の「ラウンド」に関しては、例えば、1R、2R、4R、16R、等のように、単に「R]の文字で省略する場合がある。また、1回のラウンドゲームにおいて、第1大入賞口36又は第2大入賞口37Aが所定回数開放状態となる前に、1ラウンドあたりの上限入賞数に到達した場合は、第1大入賞口36及び第2大入賞口37Aが閉鎖状態となり、残りの開放回数分について第1大入賞口36及び第2大入賞口37Aが開放状態とされることなく、当該ラウンドゲームが終了させられる。
また、大当り遊技状態において第1大入賞口36が開放状態となる特定のラウンドゲームでは、後述する予め設定された作動パターン(変位部材作動パターン)に基づき、変位部材39が制御される。これにより、特定領域38Aは、大当り遊技状態の特定のラウンドゲームにおいて、開放状態及び閉鎖状態となる。すなわち、特定のラウンドゲームにおいては、特定領域38Aを遊技球が通過してV入賞となる可能性がある一方、特定のラウンドゲーム以外のラウンドゲームでは、仮に第1大入賞口36Aに遊技球が入賞したとしても、特定領域38Aを遊技球が通過不可能又は困難な状態となる。すなわち、大当り遊技状態(特定遊技状態)の種類には、特定のラウンドゲームを含まない大当り遊技状態と、特定のラウンドゲームを含む大当り遊技状態とがある。
液晶表示装置4の表示領域4Aには、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。例えば、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54で表示される特別図柄の変動表示中において、特定の場合を除いて、液晶表示装置4の表示領域4Aには、数字からなる図柄(装飾図柄)、例えば、「0」、「1」、「2」・・・「7」のような数字が3列変動表示される。
一方、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54において変動表示されていた特別図柄が停止表示されると、液晶表示装置4の表示領域4Aにおいても装飾図柄が停止表示される。
また、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54において、変動、停止された特別図柄が特定の停止表示態様である場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置4の表示領域4Aにおいて表示される。
具体的には、第1特別図柄表示部53及び第2特別図柄表示部54のいずれか一方において特別図柄が、例えば、多くの出球が獲得可能な「大当り」に対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、液晶表示装置4の表示領域4Aにおいて表示される演出用の装飾図柄の組み合わせが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄がすべて揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当り用の演出画像が液晶表示装置4の表示領域4Aにおいて表示される。
例えば、このような主制御回路60に含まれるメインCPU61は、第1始動領域(第2始動口33)を遊技媒体が通過したことを条件に、遊技者に有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する特定遊技状態移行判定手段として機能する。
また、例えば、メインCPU61は、特定遊技状態移行判定手段により特定遊技状態に移行させる旨の判定結果が得られることを条件に、又は表示手段に特定態様で識別情報が停止表示されたことを条件に、遊技状態を特定遊技状態に制御する遊技状態制御手段として機能する。
また、例えば、メインCPU61は、特定遊技状態において特定領域38Aを遊技媒体が通過したことを条件に、当該特定遊技状態が終了した後、特定遊技状態移行判定手段により特定遊技状態に移行させる旨の判定結果が相対的に得られ易い特別遊技状態(確変遊技状態)、換言するならば表示手段において識別情報が特定態様で停止表示され易い特別遊技状態(確変遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段として機能する。なお、メインCPU61は、特定遊技状態の終了後において表示手段による識別情報の変動表示回数が所定回数になるまで特別遊技状態に制御可能である。
また、例えば、メインCPU61は、特定遊技状態において、第1可変入賞装置(第2大入賞口シャッタ371A)を第1態様(開放状態)及び第2態様(閉鎖状態)に変動させるラウンド遊技(ラウンドゲーム)を所定回数実行する第1ラウンド遊技実行手段(第1有利遊技実行手段)として機能する。第1ラウンド遊技実行手段として機能するメインCPU61は、少なくとも1回のラウンド遊技の実行中、第1可変入賞装置を複数回にわたり第1態様及び第2態様に変動させる制御を行うことが可能である。
また、例えば、メインCPU61は、特定遊技状態において、第2可変入賞装置(第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361B)を第1態様(開放状態)及び第2態様(閉鎖状態)に変動させるラウンド遊技(ラウンドゲーム)を所定回数実行する第2ラウンド遊技実行手段(第2有利遊技実行手段)として機能する。
また、例えば、第2ラウンド遊技実行手段として機能するメインCPU61は、第2ラウンド遊技として、第2可変入賞装置が第1状態となる時間が合計で第1時間(例えば、5.1秒)に規定されていると共に、第2可変入賞装置が第1状態となっているときにおいて、変動部材が合計で第2時間(例えば、0.1秒)容易状態になることが可能な通過困難ラウンド遊技(例えば、後述の「当りパターン3」の1R目)と、第2可変入賞装置が第1状態となる時間が合計で第1時間に規定されていると共に、第2可変入賞装置が第1状態となっているときにおいて、変動部材が合計で第2時間よりも長い第3時間(例えば、5.1秒)容易状態になることが可能な通過容易ラウンド遊技(例えば、後述の「当りパターン2」の1R目)と、を実行可能である。
また、例えば、第2ラウンド遊技として、第2可変入賞装置が第1状態となる時間が合計で第1時間(例えば、7.1秒)に規定されていると共に、第2可変入賞装置が第1状態となっているときにおいて、変動部材が合計で第2時間(例えば、0.1秒)容易状態になることが可能な通過困難ラウンド遊技(例えば、後述の「当りパターン4」の1R目)と、第2ラウンド遊技として、第2可変入賞装置が第1状態となる時間が合計で第1時間よりも短い第3時間(例えば、3.1秒)に規定されていると共に、第2可変入賞装置が第1状態となっているときにおいて、変動部材が合計で前記第2時間よりも長い第4時間(例えば、3.1秒)容易状態になることが可能な通過容易ラウンド遊技(例えば、後述の「当りパターン1」の1R目)と、を実行可能である。
ここで、大当り遊技状態は、例えば、第1ラウンド遊技実行手段が所定回数の第1ラウンド遊技を実行すると共に、第2ラウンド遊技実行手段が通過困難ラウンド遊技のみを所定回数実行する特定遊技状態Aと、第1ラウンド遊技実行手段が所定回数の第1ラウンド遊技を実行すると共に、第2ラウンド遊技実行手段が通過容易ラウンド遊技を含む所定回数の第2ラウンド遊技を実行する特定遊技状態Bと、特別遊技状態制御手段により特別遊技状態に制御されているか否かにかかわらず、特定遊技状態移行判定手段により移行すると判定される確率が同じであり、且つ、特定領域に遊技媒体が通過したか否かにかかわらず、特定遊技状態の終了後において、特定遊技状態への移行前よりも不利な遊技状態に移行しない特定遊技状態Cと、を含む特定遊技状態を実現している。
また、特定遊技状態Bと特定遊技状態Cとでは、第2可変入賞装置の変位態様が同一又は略同一である。
上記した各手段を実現するメインCPU61の制御の具体例については、後述する。
メインROM62は、上記したメインCPU61の各手段としての機能を含め、後述する各種の処理をメインCPU61に実行させるためのプログラムや、各種テーブルを記憶している。
メインRAM63は、メインCPU61の一時記憶領域として、種々のデータ(フラグ、カウンタ、タイマ、及び変数の値等)を記憶する機能を有する。メインCPU61の一時記憶領域としては、メインRAM63に代えて、他の読み書き可能な記憶媒体を用いることもできる。
初期リセット回路64は、電源投入時においてリセット信号を生成するものであり、メインCPU61に接続されている。
I/Oポート65は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU61に、メインCPU61からの出力信号を各種のデバイスに送信するものである。
コマンド出カポート66は、メインCPU61からの各種コマンドを副制御回路70に送信するものである。
バックアップコンデンサ67は、電断時において、メインRAM63に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM63に記憶されている種々のデータを保持するためのものである。
主制御回路60に接続される各種のデバイスには、第1大入賞口第1シャッタソレノイド3610A、第1大入賞口第2シャッタソレノイド3610B、第2大入賞口シャッタソレノイド3710、羽根部材ソレノイド340、変位部材ソレノイド390、及び外部端子板80が含まれる。
外部端子板80は、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示するといった機能を有する図示しない呼出装置、あるいはホールに設置された複数のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ100等の外部機器との間でデータ通信するためのものである。
主制御回路60に接続される各種のスイッチには、第1始動口スイッチ320、第2始動口スイッチ330、通過ゲートスイッチ350、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、第2大入賞口カウントスイッチ370、特定領域スイッチ380A、非特定領域スイッチ380B、一般入賞口左スイッチ400A、一般入賞口右スイッチ400B、及びバックアップクリアスイッチ81が含まれる。
バックアップクリアスイッチ81は、電断時等における主制御回路60及び後述する払出・発射制御回路82のバックアップデータを、ホール管理者の操作に応じてクリアするものである。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路82を介して、発射装置26、払出装置83、及びカードユニット84が接続されている。
主制御回路60は、払出・発射制御回路82に賞球制御コマンドを送信する。払出・発射制御回路82は、主として発射装置26及び払出装置83を制御するものであり、発射装置26、払出装置83、及びカードユニット84が接続されている。付言するならば、払出・発射制御回路82及び払出装置83は、遊技価値付与手段を実現している。
カードユニット84は、遊技者の操作に応じて遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する球貸し操作パネル85と接続されており、この球貸し操作パネル85との間で信号を送受信可能である。
払出・発射制御回路82は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンドと、カードユニット84から供給される貸し球制御信号とを受け取り、払出装置83に対して所定の信号を送信することにより、払出装置83に遊技球を払い出させる。払出装置83は、例えば、第1始動口32又は第2始動口33への入賞1個あたり賞球数として3個の遊技球を払い出し、一般入賞口40への入賞1個あたり賞球数として10個の遊技球を払い出し、第1大入賞口36又は第2大入賞口37Aへの入賞1個あたり賞球数として15個の遊技球を払い出す。
払出・発射制御回路82は、発射装置26の発射ハンドル26bが遊技者によって握持され、かつ、時計回りの方向へ回動操作された場合に、発射ソレノイド(図示略)に電力を供給し、遊技球を遊技領域1pに向けて発射させる制御を行う。
メインCPU61は、後述するメイン処理の実行中であっても、メイン処理を中断し割込処理としてのタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理は、所定時間(例えば、2ms)毎に発生する割込条件を契機として実行される。
副制御回路70は、主制御回路60に接続されており、主制御回路60からコマンドが供給されるように構成されている。
副制御回路70は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、各種の制御を行うものであり、サブCPU71、プログラムROM72、ワークRAM73、コマンド入力ポート74、バックアップコンデンサ75、表示制御回路76、音声制御回路77、ランプ制御回路78、及び可動演出装置制御回路79を有する。表示制御回路76には、液晶表示装置4が接続されている。音声制御回路77には、スピーカ10a,10b,10cが接続されている。ランプ制御回路78には、ランプ・LED27が接続されている。可動演出装置制御回路79は、上側可動演出部材42A及び下側可動演出部材42Bを駆動するモータや機構などを備えた可動演出装置42が接続されている。
また、副制御回路70は、押下操作ボタン9Aに設けられた押下操作ボタンスイッチ90Aが接続されているとともに、ジョグダイヤル9Bに設けられたジョグダイヤルスイッチ90Bが接続されている。押下操作ボタンスイッチ90Aは、押下操作ボタン9Aの操作を検知するものであり、ジョグダイヤルスイッチ90Bは、ジョグダイヤル9Bの回転方向や回転角度を識別するものである。副制御回路70には、押下操作ボタンスイッチ90Aから押下操作信号が供給され、ジョグダイヤルスイッチ90Bから回転操作信号が供給される。
サブCPU71は、プログラムROM72に記憶されたプログラムにしたがって、各種の処理を実行する機能を有する。液晶表示装置4は、表示手段として機能する。特に、サブCPU71は、主制御回路60から供給される各種のコマンドにしたがって、副制御回路70全体の制御を行う。付言するならば、サブCPU71は、報知手段、演出モード決定手段、及び演出モード制御手段を実現している。プログラムROM72及びワークRAM73は、記憶手段を実現している。なお、サブCPU71及びプログラムROM72は、表示手段(液晶表示装置4)を制御する表示制御手段として機能する。
例えば、液晶表示装置4は、一の特定遊技状態(例えば、「小当り2」の当り)において特定領域に遊技媒体が通過しなかった場合、一の特定遊技状態の終了後において、特別遊技状態に制御されているか否かを報知可能な報知手段として機能する。また、例えば、液晶表示装置4は、一の特定遊技状態(例えば、「小当り1」の当り)において特定領域に遊技媒体が通過しなかった場合、一の特定遊技状態の終了後において、特別遊技状態に制御されているか否かにかかわらず、遊技状態に関する報知として、同一態様の報知を行うことが可能な報知手段として機能する。また、例えば、液晶表示装置4は、一の特定遊技状態(例えば、「確変5」の大当り)及び他の特定遊技状態(例えば、「小当り1」の当り)において特定領域に遊技媒体が通過した場合、特定領域に遊技媒体が通過した旨を報知可能な報知手段として機能する。
サブCPU71は、例えば、第1演出モードを含む複数の演出モード(通常モード、第1時短モード、第2時短モード、確変モード)の中から、何れかの演出モードを決定可能な演出モード決定手段として機能する。また、例えば、サブCPU71は、演出モード決定手段により決定された演出モードに制御可能な演出モード制御手段として機能する。
例えば、演出モード決定手段は、一の特定遊技状態(例えば、「確変5」の当り)において実行される第2有利遊技(例えば、V入賞可能なミドル開放)中に特定領域に遊技媒体が通過したことを条件に、第1演出モード(例えば、確変モード)を決定可能である。
また、例えば、演出モード決定手段は、一の特定遊技状態(例えば、「小当り1」の当り)において実行される第2有利遊技中に特定領域に遊技媒体が通過しないことを条件に、第1演出モード(例えば、確変モード)とは異なる演出モード(例えば、第1時短モード)を決定可能である。
また、例えば、演出モード決定手段は、第1演出モード(例えば、確変モード)に制御されているときに、特別遊技状態(例えば、確変遊技状態)が終了することを条件に、第1演出モードとは異なる演出モードを決定可能である。
また、例えば、演出モード決定手段は、一の特定遊技状態(例えば、「小当り2」の当り)において特定領域に遊技媒体が通過しない場合であって、一の特定遊技状態の終了後に特別遊技状態制御手段により特別遊技状態に制御される場合、第1演出モード(例えば、確変モード)を決定可能である。
また、例えば、演出モード制御手段は、第1演出モードに制御しているときに、一の特定遊技状態(例えば、「確変5」の当り)又は他の特定遊技状態(例えば、「小当り1」の当り)に移行制御され、且つ、移行制御された特定遊技状態において実行される第2有利遊技中に特定領域に遊技媒体が通過したことを条件に、第1演出モードに制御可能である。
上記した各手段を実現するサブCPU71の制御の具体例については、後述する。
プログラムROM72は、サブCPU71が主として各種演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルを記憶している。
ワークRAM73は、サブCPU71の一時記憶領域として種々のデータ(フラグ、カウンタ、タイマ、及び変数の値等)を記憶するものである。
コマンド入力ポート74は、主制御回路60のメインCPU61から送信された各種コマンドを受信し、サブCPU71へと伝えるものである。
バックアップコンデンサ75は、電断時において、ワークRAM73に対して速やかに電源を供給することにより、ワークRAM73に記憶されている種々のデータを保持するためのものである。
表示制御回路76は、サブCPU71から供給されるデータに応じて、液晶表示装置4における表示制御を行うためのものであり、例えば画像データプロセッサ(VDP)と、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROMと、画像データを一時記憶するフレームバッファと、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータとから構成されている。なお、表示制御回路76の構成は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
表示制御回路76は、サブCPU71から供給される画像表示命令に応じて、液晶表示装置4の表示領域4Aに表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。画像データとしては、例えば装飾図柄画像データ、背景画像データ、各種演出用画像データ、各種不正報知画像データ等が含まれる。
また、表示制御回路76は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングで、この画像信号を液晶表示装置4に供給する。液晶表示装置4の表示領域4Aには、D/Aコンバータからの画像信号に基づいて画像が表示される。
音声制御回路77は、スピーカ10a,10b,10cから発生させる音声などに関する制御を行うためのものであり、例えば音声などに関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(AMP)を含んでいる。なお、音声制御回路77の構成も、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
音源ICは、スピーカ10a,10b,10cから発生させる音声の制御を行うものであり、サブCPU71から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択することができる。
また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号を増幅器に供給する。なお、この増幅器は、音声信号を増幅させ、スピーカ10a,10b,10cから音声を発生させる。
ランプ制御回路78は、装飾ランプ等を含むランプ・LED27の制御を行うためのものであり、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。なお、ランプ制御回路78の構成も、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
可動演出装置制御回路79は、例えば、大当り遊技状態において、操作ユニット9に対する操作の有効期間中に押下操作ボタン9Aの操作等によって上側可動演出部材42A及び下側可動演出部材42Bを作動(揺動等でもよい)させる等の演出動作を制御する。
[遊技機のスペック]
次に、図8を用いて、本実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技特性に関するスペックについて説明する。
図8に示すように、本実施形態において、後述する小当り確率を含む特別図柄の当り確率(大当り確率)は、低確率時(非確変遊技状態)にあっては1/80(25/2000)、高確率時(確変遊技状態)にあっては1/25(80/2000)となっている。小当り遊技状態となる小当り確率は、第1特別図柄では0であり、第2特別図柄では1/25(80/2000)となっている。なお、大当り確率における低確率時及び高確率時の確率は、上述したものに限られるものではない。高確率時の方が低確率時よりも当選しやすい確率を適宜に採用できる。また、小当り確率は、上述したものに限られるものではない。第1特別図柄についても当選するようにしてもよい。この場合、一方の特別図柄よりも他方の特別図柄における当選確率が高くても低くてもよく、同じであってもよい。
第1特別図柄と第2特別図柄との消化順序は、第2特別図柄による抽選を優先して消化する。なお、消化順については、入賞順であってもよいし、第1特別図柄を優先消化としてもよい。
確率変動性能(確変遊技状態の仕様)としては、確変遊技状態がゲーム回数(特別図柄の変動回数)として最大70回まで継続するST遊技状態が実装されている。なお、ST回数は、上述したものに限られるものではない。また、次回の大当り当選まで確変遊技状態が継続するようにしてもよい。
特別図柄の振り分けについては、以下のようになっている。すなわち、第1特別図柄の大当り図柄「確変1」では、大入賞口開閉パターン(当りパターン)が「当りパターン1」となり、ラウンドゲームのラウンド数として16Rが付与され、ボーナス内容としては「第1特別図柄小確変大当り」となっている。第1特別図柄の大当り図柄として「確変1」となる確率(選択率)は、20/100に設定されている。
第1特別図柄の大当り図柄「確変2」では、「当りパターン2」となり、ラウンド数として8Rが付与され、ボーナス内容としては「第1特別図柄中確変大当り」となっている。第1特別図柄の大当り図柄「確変2」の選択率は、40/100に設定されている。
第1特別図柄の大当り図柄「時短1」では、「当りパターン3」となり、ラウンド数8Rが付与され、ボーナス内容としては「第1特別図柄中時短大当り」となっている。第1特別図柄の大当り図柄「時短1」の選択率は、30/100に設定されている。
第1特別図柄の大当り図柄「時短2」では、「当りパターン4」となり、ラウンド数16Rが付与され、ボーナス内容としては「第1特別図柄大時短大当り」となっている。第1特別図柄の大当り図柄「時短2」の選択率は、10/100に設定されている。
第2特別図柄の大当り図柄「確変3」では、「当りパターン5」となり、ラウンド数14Rが付与され、ボーナス内容としては「第2特別図柄大確変大当り」となっている。第2特別図柄の大当り図柄「確変3」の選択率は、3/100に設定されている。
第2特別図柄の大当り図柄「確変4」では、「当りパターン6」となり、ラウンド数16Rが付与され、ボーナス内容としては「第2特別図柄特大確変大当り」となっている。第2特別図柄の大当り図柄「確変4」の選択率は、2/100に設定されている。
第2特別図柄の大当り図柄「確変5」では、「当りパターン7」となり、ラウンド数2Rが付与され、ボーナス内容としては「第2特別図柄当り」となっている。第2特別図柄の大当り図柄「確変5」の選択率は、95/100に設定されている。
第2特別図柄の小当り図柄「小当り1」では、「当りパターン8」となり、ボーナス内容としては「第2特別図柄当り」となっている。第2特別図柄の小当り図柄「小当り1」の選択率は、70/100に設定されている。
第2特別図柄の小当り図柄「小当り2」では、「当りパターン9」となり、ボーナス内容としては「第2特別図柄判別当り」となっている。第2特別図柄の小当り図柄「小当り2」の選択率は、30/100に設定されている。
なお、小当り遊技状態には、大当り遊技状態とは異なりラウンドゲームという概念がないので、ラウンド数が規定されていない。
なお、ラウンド数については、2R、8R、14R、16Rに限られるものではなく、他のラウンド数の大当りを設けてもよい。また、大当りの種類は、上述したものに限られるものではない。第1特別図柄の大当りの種類を多くしてもよいし、第2特別図柄の大当りの種類を多くしてもよい。また、小当り種類は、2種類に限られるものではなく、1種類でもよいし、3種類以上であってもよい。
大入賞口カウント数は、1ラウンドあたりの上限入賞数として、第1大入賞口36及び第2大入賞口37Aのいずれも10個まで計数するように設定されている。大入賞口のカウント数(規定数/上限入賞数)は、「10」としているが、これに限られるものではない。
時短性能(時短遊技状態の仕様)としては、大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態に移行する場合は高確率の間(確変遊技状態にある間)、「確変1」〜「確変5」の大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態に移行しない場合は非確変遊技状態で最大70回、「時短1」及び「時短2」の大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態に移行しない場合は非確変遊技状態で最大30回まで時短遊技状態が継続するように設定されている。なお、時短性能は、確変遊技状態の数よりも多くても少なくても(0を含む)よい。
賞球数は、始動口(第1始動口32及び第2始動口33)への入賞1個あたり3個となり、一般入賞口40への入賞1個あたり10個となり、大入賞口(第1大入賞口36A、第1大入賞口36B、及び第2大入賞口37A)への入賞1個あたり15個となるように設定されている。なお、賞球数は、上述したものに限られるものではない。
普通図柄の当り確率は、低確率時に10/257となり、高確率時に257/257となるように設定されている。普通図柄の当り図柄数は、1個に設定されている。なお、低確率時及び高確率時の確率は上述したものに限定されるものではない。高確率時の方が低確率時よりも当選しやすい確率を適宜採用することができる。また、低確時に当選しないようにしてもよい。また、普通図柄当り図柄数は、上述したものに限られるものではない。2個以上であってもよい。2個以上の場合には、それぞれ異なる開放パターンが対応付けられることが好ましい。
第2始動口33の開放時における入賞カウント数は、上限として10個まで計数するように設定されている。なお、第2始動口カウント数(規定数/上限入賞数)は、これ以外の値でもよい。
[1ラウンド開閉パターン]
次に、図9及び図10を用いて、1ラウンドにおける大入賞口の開閉パターンについて説明する。
図9に示すように、第1大入賞口36について1ラウンドの開閉パターン(1ラウンド開閉パターン)としては、複数の開閉パターンA〜Hが規定されている。図10に示すように、第2大入賞口37Aについて1ラウンド開閉パターンとしては、複数の開閉パターンI〜Kが規定されている。なお、大入賞口の開放パターンは、上記11種類に限られるものではない。10種類以下としてもよいし、13種類以上設けてもよい。
開閉パターンA〜F,I〜Kは、大当り遊技状態に対応する開閉パターンであり、開閉パターンG,Hは、小当り遊技状態に対応する開閉パターンである。なお、小当り遊技状態の開閉パターンG,Hは、1ラウンド分として規定されたものではないが、便宜上、他の開閉パターンA〜F,I〜Kとともに示す。第1大入賞口36及び第2大入賞口37Aについては、特に区別する必要がある場合以外は単に大入賞口という。図9及び図10に示す開閉パターンA〜Kは、あくまでも一例であり、開閉パターンを規定する具体的な時間などは図示以外のものであってもよい。
(第1大入賞口の開閉パターン)
開閉パターンAは、開放状態が最初に0.1sあった後、閉鎖状態が12sあり、その後再び開放状態が3sにわたり続く開閉パターンである。開閉パターンAは、最初に開放状態となってから最終的に閉鎖状態となるまでの間がラウンド区間として規定されている。ラウンド区間は、他の開閉パターンB〜Hでも同様に、最初に開放状態となってから最終的に閉鎖状態となるまでの間として規定されている。
開放状態が0.1sとなる区間は、大入賞口の開放状態が相対的に短いショート開放となる。開放状態が3sとなる区間は、大入賞口の開放状態がショート開放よりも長く、大入賞口の開放状態が相対的に長いロング開放よりも短いミドル開放となる。すなわち、開閉パターンAは、ショート開放が1回発生した後、閉鎖状態を1回経てミドル開放が1回発生するものであり、開閉パターンAの合計開放時間は、3.1sとなる。
なお、ショート開放となる開放状態では、大入賞口への遊技球の入賞が極めて困難になり、ミドル開放となる開放状態では、大入賞口への遊技球の入賞がショート開放よりも容易であり、ロング開放となる開放状態では、大入賞口への遊技球の入賞がミドル開放よりも更に容易になっている。説明の便宜上、開放状態が0.1s以下となる区間をショート開放、開放状態が0.1sより長く28s未満となる区間をミドル開放、開放状態が28s以上となる区間をロング開放と称する。
開閉パターンBは、開放状態が最初に0.1sあった後、閉鎖状態が12sあり、その後再び開放状態が5sにわたり続く開閉パターンである。すなわち、開閉パターンBは、ショート開放が1回発生した後、閉鎖状態を1回経てミドル開放が1回発生するものであり、開閉パターンBの合計開放時間は、5.1sとなる。なお、開閉パターンAよりも合計開放時間が長いが、同じ又は短くなるようにしてもよい。
開閉パターンCは、開放状態が最初に0.1sあった後、閉鎖状態が3sあり、その後再び開放状態が5sにわたり続く開閉パターンである。すなわち、開閉パターンCは、ショート開放が1回発生した後、閉鎖状態を1回経てミドル開放が1回発生するものであり、開閉パターンCの合計開放時間は、5.1sとなる。
開閉パターンDは、開放状態が最初に0.1sあった後、閉鎖状態が3sあり、その後再び開放状態が7sにわたり続く開閉パターンである。すなわち、開閉パターンDは、ショート開放が1回発生した後、閉鎖状態を1回経てミドル開放が1回発生するものであり、開閉パターンDの合計開放時間は、7.1sとなる。なお、開閉パターンCよりも合計開放時間が長いが、同じ又は短くなるようにしてもよい。
開閉パターンEは、開放状態が0.1sの間しかない開閉パターンである。すなわち、開閉パターンEは、ショート開放が1回発生するだけのものであり、開閉パターンEの合計開放時間は、0.1sとなる。なお、第1大入賞口36の開放回数を2回以上としてもよい。また、開放時間を上述した時間以外の時間としてもよい。
開閉パターンFは、開放状態が最初に0.1sあった後、閉鎖状態が11sあり、その後再び開放状態が1.6sにわたり続く開閉パターンである。すなわち、開閉パターンFは、ショート開放が1回発生した後、閉鎖状態を1回経てミドル開放が1回発生するものであり、開閉パターンFの合計開放時間は、1.7sとなる。
開閉パターンGは、開放状態が最初に0.1sあった後、閉鎖状態が2sあり、再び開放状態が0.1sあった後、閉鎖状態が11sあり、その後再び開放状態が1.6sにわたり続く開閉パターンである。すなわち、開閉パターンGは、ショート開放が1回発生した後、閉鎖状態を1回経て、更にショート開放が1回発生した後、更に閉鎖状態を1回経てミドル開放が1回発生するものであり、開閉パターンGの合計開放時間は、1.8sとなる。なお、第1大入賞口36の開放回数を2回以下又は4回以上としてもよい。また、第1大入賞口36は3回開放するが、開放時間は上記したものに限られるものではない。何れか一つ又は複数の開放時間を、上述した開放時間よりも短くしても長くしてもよい。また、第1大入賞口36の閉鎖時間も上述した時間よりも長くしても短くしてもよい。
開閉パターンHは、開放状態が最初に0.9sあった後、閉鎖状態が13sあり、その後再び開放状態が0.9sにわたり続く開閉パターンである。すなわち、開閉パターンHは、ミドル開放が1回発生した後、閉鎖状態を1回経てミドル開放が1回発生するものであり、開閉パターンHの合計開放時間は、1.8sとなる。
なお、開閉パターンA〜D、Fについては、開放回数を1回又は3回以上としてもよい。また、何れの開閉パターンにおいても第1大入賞口36が2回開放するが、開放時間は上述したものに限られるものではない。何れか一方又は両方の開放時間を、上述した開放時間よりも短くても長くてもよい。また、閉鎖時間も上述した時間よりも長くしても短くしてもよい。
また、本実施形態では、常に両方の開閉板(第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361B)が開放又は閉鎖状態になるようにしたが、何れか一方のみが開放するようにしてもよい。
(第2大入賞口の開閉パターン)
開閉パターンIは、開放状態が1sの間続く開閉パターンである。すなわち、開閉パターンIは、ミドル開放が1回発生するだけのものであり、開閉パターンIの合計開放時間は、1sとなる。
開閉パターンJは、開放状態が10sの間続く開閉パターンである。すなわち、開閉パターンJは、ミドル開放が1回発生するだけのものであり、開閉パターンJの合計開放時間は、10sとなる。なお、開閉パターンIよりも合計開放時間が長いが、同じ又は短くなるようにしてもよい。
開閉パターンKは、開放状態が28sの間続く開閉パターンである。すなわち、開閉パターンKは、ロング開放が1回発生するだけのものであり、開閉パターンKの合計開放時間は、28sとなる。なお、開閉パターンI及びJよりも合計開放時間が長いが、何れか一方又は両方に対して同じ又は短くなるようにしてもよい。
開閉パターンI〜Kについては、第2大入賞口37Aの開放回数を2回以上としてもよい。また、第2大入賞口37Aの開放時間を上述した時間以外の時間としてもよい。
また、本実施形態では、1つの開閉板(第2大入賞口シャッタ371A)から構成されているが、2つ以上設けてもよい。この場合は、全て又は一部のみが開放するようにしてもよい。
[変位部材作動パターン]
次に、図11を用いて、特定領域38Aを開閉する変位部材39の作動パターンについて説明する。
変位部材39は、大当り遊技状態及び小当り遊技状態に関係なく、基本的に第1大入賞口36の開閉状態に連動して作動するようになっている。図11に示すように、変位部材39の作動パターン(変位部材作動パターン)は、原則として、特定領域38Aを開放状態とする作動期間が最初に0.1sあった後、特定領域38Aを閉鎖状態とする非作動期間が2sあり、続いて開放状態とする作動期間が0.1sあった後、特定領域38Aを閉鎖状態とする非作動期間が9sあり、その後再び作動期間が8sにわたり継続する作動パターンとして規定されている。変位部材作動パターンの合計作動時間は、8.2sとなる。0.1sの作動期間は、特定領域38Aの開放状態が相対的に短くなるので、特定領域38AへのV入賞が極めて困難になる。一方、最長で8sとなる作動期間は、特定領域38Aの開放状態が相対的に長くなるので、特定領域38AへのV入賞が比較的容易である。なお、8sとなる作動期間については、第1大入賞口36が開閉状態となる1ラウンドにおいて、例えば大入賞口カウント数が上限入賞数に達することで第1大入賞口36が閉鎖状態となり、後述する残留球に関する所定の監視処理時間(例えば1098ms)を経たときは、予め規定された8sが経過する前であっても変位部材39が非作動となって特定領域38Aが閉鎖状態となることがある。
変位部材39の開放パターンについて、異なるパターンを設けてもよいし、2種類以上設けてもよい。例えば、第2大入賞口37Aが開放中常に開放となるパターンや、常に一定間隔で(例えば2秒毎に)開閉を繰り返すようなパターンを代わりに実行したり、増やしたりしてもよい。
なお、第1大入賞口36A及び第1大入賞口36Bの何れか一方のみが開放する場合には、第1大入賞口シャッタ361Aが開放する場合のみ上述したパターンに従って開閉するようにしてもよい。
[大入賞口開閉パターン(当りパターン)及びラウンド間インターバル]
次に、図12を用いて、大当り遊技状態及び小当り遊技状態における大入賞口開閉パターン(当りパターン)及びラウンド間インターバルについて説明する。
図12に示すように、大入賞口開閉パターン(当りパターン)としては、複数の当りパターン1〜9が規定されている。
「当りパターン1」は、ボーナス「確変大当り1」に際して発生し、総じて開放状態となるラウンドについて規定されたラウンド数が16Rとして規定された当りパターンである。
また、ラウンド間インターバルは、一のラウンドにおいて大入賞口が最後に閉鎖状態となった後、次のラウンドにおいて最初に大入賞口が開放状態となるまでの大入賞口が閉鎖状態となる区間に相当し、同図に示すように、ラウンド間インターバルのパターンとしては、閉鎖状態となる時間(閉鎖時間)が1.3sとなるインターバルパターンaと、2sとなるインターバルパターンbとが規定されている。
「当りパターン1」は、全てのラウンド間インターバルがインターバルパターンaであり、1R目及び2R目のそれぞれにおいて第1大入賞口36が開閉パターンAになるとともに、3R目〜16R目の全てにおいて第2大入賞口37Aが開閉パターンIになるように規定されている。なお、1R目及び2R目のいずれも第1大入賞口36への入賞が可能であり、特定領域38AへのV入賞が可能なラウンドとして実行される(図13(a))。
「当りパターン2」は、ボーナス「確変大当り2」に際して発生し、規定ラウンド数が8Rとして規定された当りパターンである。「当りパターン2」は、全てのラウンド間インターバルがインターバルパターンaであり、1R目及び2R目のそれぞれにおいて第1大入賞口36が開閉パターンBになるとともに、3R目〜8R目において第2大入賞口37Aが開閉パターンJになるように規定されている。なお、1R目及び2R目のいずれも第1大入賞口36への入賞が可能であり、特定領域38AへのV入賞が可能なラウンドとして実行される(図14(a))。
「当りパターン3」は、ボーナス「時短大当り1」に際して発生し、規定ラウンド数が8Rとして規定された当りパターンである。「当りパターン3」は、全てのラウンド間インターバルがインターバルパターンaであり、1R目及び2R目のいずれにおいても第1大入賞口36が開閉パターンCになるとともに、3R目〜8R目の全てにおいて第2大入賞口37Aが開閉パターンJになるように規定されている。なお、1R目及び2R目のいずれも第1大入賞口36への入賞が可能であるが、特定領域38AへのV入賞が不可能又は困難なラウンドとして実行される(図14(b))。
「当りパターン4」は、ボーナス「時短大当り2」に際して発生し、規定ラウンド数が16Rとして規定された当りパターンである。「当りパターン4」は、全てのラウンド間インターバルがインターバルパターンaであり、1R目及び2R目のそれぞれにおいて第1大入賞口36が開閉パターンDになるとともに、3R目〜8R目において第2大入賞口37Aが開閉パターンJになるように規定され、9R目〜16R目において第2大入賞口37Aが開閉パターンKになるように規定されている。なお、1R目及び2R目のいずれも第1大入賞口36への入賞が可能であるが、特定領域38AへのV入賞が不可能又は困難なラウンドとして実行される(図13(b))。
「当りパターン5」は、ボーナス「確変大当り3」に際して発生し、規定ラウンド数が14Rとして規定された当りパターンである。「当りパターン5」は、全てのラウンド間インターバルがインターバルパターンaであり、1R目及び2R目のそれぞれにおいて第1大入賞口36が開閉パターンBになるとともに、3R目〜14R目において第2大入賞口37Aが開閉パターンKになるように規定されている。なお、1R目及び2R目については、「当りパターン2」と同様のラウンドとして実行される。
「当りパターン6」は、ボーナス「確変大当り4」に際して発生し、規定ラウンド数が16Rとして規定された当りパターンである。「当りパターン6」は、全てのラウンド間インターバルがインターバルパターンaであり、1R目及び2R目のそれぞれにおいて第1大入賞口36が開閉パターンBになるとともに、3R目〜16R目において第2大入賞口37Aが開閉パターンKになるように規定されている。なお、1R目及び2R目については、「当りパターン2」と同様のラウンドとして実行される。
「当りパターン7」は、ボーナス「確変大当り5」に際して発生し、規定ラウンド数が2Rとして規定された当りパターンである。「当りパターン7」は、ラウンド間インターバルは1つであり、インターバルパターンbであり、1R目において第1大入賞口36が開閉パターンEになるとともに、2R目において第1大入賞口36が開閉パターンFになるように規定されている。なお、1R目は、開閉パターンEに従って特定領域38AへのV入賞が不可能又は困難なラウンドとして実行され、2R目は、開閉パターンFに従って特定領域38AへのV入賞が可能なラウンドとして実行される(図15(a))。
「当りパターン8」は、ボーナス「小当り1」に際して発生し、第1大入賞口36が1回だけ開閉パターンGになるように規定されている。すなわち、「当りパターン8」は、第1大入賞口36に対して遊技球が入賞する可能性があり、特定領域38AへのV入賞もあり得るが(図15(b))、仮に特定領域38AへのV入賞があったとしても確変遊技状態に移行できないものとして実行される。
「当りパターン9」は、ボーナス「小当り2」に際して発生し、第1大入賞口36が1回だけ開閉パターンH(図9)になるように規定されている。すなわち、「当りパターン9」は、第1大入賞口36に対して遊技球が入賞する可能性があり、特定領域38AへのV入賞もあり得るが、仮に特定領域38AへのV入賞があったとしても確変遊技状態に移行できないものとして実行される。
各当りパターンにおいて各ラウンドに予め開閉パターンが対応付けられているが、上記以外の開閉パターンを対応付けるようにしてもよい。例えば、「当りパターン1」における1R目のパターンを開閉パターンAではなく開閉パターンBにしてもよい。
また、インターバルパターンについては、1種類であっても3種類以上であってもよい。また、インターバルパターンa及びbの時間は上記以外の時間であってもよい。
また、「当りパターン1」〜「当りパターン6」について、第1大入賞口が開放するラウンドを1R目のみとし、2R目の開放パターンを第2大入賞口の開放パターンとしてもよい。例えば、2R目の開放パターンを3R目の開放パターンとしてもよい。
また、「当りパターン7」については、ラウンドを1つ(規定ラウンド数を1R)とするとともに、1R目の開放パターンを開閉パターンGとしてもよい。これにより、「当りパターン8」と、第1大入賞口の開閉パターン及び変位部材39の開閉パターンを同一にすることができるので、第1大入賞口の開閉態様からでは「確変5」と「小当り1」とが一切判別できなくなる。
[ボーナス「確変大当り1」に対応する「当りパターン1」及びボーナス「時短大当り2」に対応する「当りパターン4」の第1大入賞口36及び変位部材39の動作]
次に、図13を用いて、「当りパターン1」及び「当りパターン4」における第1大入賞口36及び変位部材39の動作タイミングについて説明する。なお、1R目を中心に説明し、他のラウンドについては説明を適宜省略する。
図13(a)に一例として示すように、「当りパターン1」の1R目においては、第1大入賞口36の開放状態の開始に伴い、図11に示す変位部材作動パターンに基づいて変位部材39が作動することにより、第1大入賞口36の開閉に連動するように特定領域38Aが開放状態及び閉鎖状態となる。より具体的には、1R目において、第1大入賞口36がミドル開放(開放状態が3sの区間)を終了して閉鎖状態になってから、第1大入賞口36から第1大入賞口カウントスイッチ360に至るまでの球通路に残存する残留球を監視するための所定の監視処理時間が経過すると、変位部材39が強制的に作動状態から非作動状態に制御されることにより、特定領域38Aが開放状態から閉鎖状態となる。すなわち、特定領域38Aは、図11に示す変位部材作動パターンにより最長作動期間として規定された8sよりも短い5s程度の開放状態を経て閉鎖状態となる。
なお、「当りパターン1」の2R目においても、第1大入賞口36及び特定領域38Aが1R目と同様に開放状態及び閉鎖状態となる。
他方、図13(b)に一例として示すように、「当りパターン4」の1R目においては、第1大入賞口36の開放状態の開始に伴い、図11に示す変位部材作動パターンに基づいて変位部材39が作動することにより、第1大入賞口36の開閉に連動するように特定領域38Aが開放状態及び閉鎖状態となる。より具体的には、1R目において、第1大入賞口36がミドル開放(開放状態が7sの区間)を終了して閉鎖状態になってから、所定の監視処理時間が経過すると、変位部材39が非作動状態を維持するように強制的に制御されることにより、特定領域38Aが閉鎖状態のままとなる。すなわち、特定領域38Aは、図11に示す変位部材作動パターンにより最長作動期間として規定された8sの開放状態になることなく1Rが終了する。
なお、「当りパターン4」の2R目においても、第1大入賞口36及び特定領域38Aが1R目と同様に開放状態及び閉鎖状態となる。
[ボーナス「確変大当り2」に対応する「当りパターン2」及びボーナス「時短大当り1」に対応する「当りパターン3」の第1大入賞口36及び変位部材39の動作]
次に、図14を用いて、「当りパターン2」及び「当りパターン3」における第1大入賞口36及び変位部材39の動作タイミングについて説明する。なお、1R目を中心に説明し、他のラウンドについては説明を適宜省略する。
図14(a)に一例として示すように、「当りパターン2」の1R目においては、第1大入賞口36の開放状態の開始に伴い、図11に示す変位部材作動パターンに基づいて変位部材39が作動することにより、第1大入賞口36の開閉に連動するように特定領域38Aが開放状態及び閉鎖状態となる。より具体的には、1R目において、第1大入賞口36がミドル開放(開放状態が5sの区間)を終了して閉鎖状態になってから、所定の監視処理時間が経過すると、変位部材39が強制的に作動状態から非作動状態に制御されることにより、特定領域38Aが開放状態から閉鎖状態となる。すなわち、特定領域38Aは、図11に示す変位部材作動パターンにより最長作動期間として規定された8sよりも短い7s程度の開放状態を経て閉鎖状態となる。
なお、「当りパターン2」の2R目においては、第1大入賞口36及び特定領域38Aが1R目と同様に開放状態及び閉鎖状態となる。
他方、図14(b)に一例として示すように、「当りパターン3」の1R目においては、第1大入賞口36の開放状態の開始に伴い、図11に示す変位部材作動パターンに基づいて変位部材39が作動することにより、第1大入賞口36の開閉に連動するように特定領域38Aが開放状態及び閉鎖状態となる。より具体的には、1R目において、第1大入賞口36がミドル開放(開放状態が5sの区間)を終了して閉鎖状態になってから、所定の監視処理時間が経過すると、変位部材39が非作動状態を維持するように強制的に制御されることにより、特定領域38Aが閉鎖状態のままとなる。すなわち、特定領域38Aは、図11に示す変位部材作動パターンにより最長作動期間として規定された8sの開放状態になることなく1R目が終了する。
なお、「当りパターン3」の2R目においては、第1大入賞口36及び特定領域38Aが1R目と同様に開放状態及び閉鎖状態となる。
[ボーナス「確変大当り5」に対応する「当りパターン7」及びボーナス「小当り1」に対応する「当りパターン8」の第1大入賞口36及び変位部材39の動作]
次に、図15を用いて、「当りパターン7」及び「当りパターン8」における第1大入賞口36及び変位部材39の動作タイミングについて説明する。
図15(a)に一例として示すように、「当りパターン7」の1R目においては、第1大入賞口36の開放状態の開始に伴い、図11に示す変位部材作動パターンに基づいて変位部材39が作動することにより、第1大入賞口36の開閉に連動するように特定領域38Aが開放状態及び閉鎖状態となる。より具体的には、1R目において、第1大入賞口36がショート開放(開放状態が0.1sの区間)を終了して閉鎖状態になってから、所定の監視処理時間が経過すると、変位部材39が非作動状態を維持するように強制的に制御されることにより、特定領域38Aが閉鎖状態のままとなる。すなわち、特定領域38Aは、図11に示す変位部材作動パターンにより最長作動期間として規定された8sの開放状態になることなく1R目が終了する。
1R目が終了すると、ラウンド間インターバルの2sを経過後、2R目が開始する。2R目においても、第1大入賞口36の開放状態の開始に伴い、図11に示す変位部材作動パターンに基づいて変位部材39が作動することにより、第1大入賞口36の開閉に連動するように特定領域38Aが開放状態及び閉鎖状態となる。
そして、2R目において、第1大入賞口36がミドル開放(開放状態が1.6sの区間)を終了して閉鎖状態(ラウンド区間の終了)になった場合、所定の監視処理時間が経過すると、変位部材39が強制的に作動状態から非作動状態に制御され、特定領域38Aが開放状態から閉鎖状態となる。すなわち、特定領域38Aは、図11に示す変位部材作動パターンにより最長作動期間として規定された8sよりも短い2.6s程度の開放状態を経て閉鎖状態となる。
他方、図15(b)に一例として示すように、「当りパターン8」においては、第1大入賞口36の開放状態の開始に伴い、図11に示す変位部材作動パターンに基づいて変位部材39が作動することにより、第1大入賞口36の開閉に連動するように特定領域38Aが開放状態及び閉鎖状態となる。より具体的には、第1大入賞口36がミドル開放(開放状態が1.6sの区間)を終了して閉鎖状態になってから、所定の監視処理時間が経過すると、変位部材39が強制的に作動状態から非作動状態に制御されることにより、特定領域38Aが開放状態から閉鎖状態となる。すなわち、特定領域38Aは、図11に示す変位部材作動パターンにより最長作動期間として規定された8sよりも短い4.6s程度の開放状態を経て閉鎖状態となる。
本実施形態では、「当りパターン7」(開閉パターンE+インターバルパターンb+開閉パターンF)と「当りパターン8」(パターンG)と同一の開閉パターンとしている。しかしながら、全く同一の開閉パターンにする必要はなく、略同一であってもよい。例えば、「当りパターン7」と「当りパターン8」の関係性において、開放時間及び/又は閉鎖時間を0.3秒以内の誤差でおさまる構成にすればよい。
[遊技機の遊技状態及び演出モード]
次に、図16を用いて、本実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技状態及び演出モードについて説明する。なお、遊技状態は、メインCPU61により制御されるものであり、演出モードは、サブCPU71により制御されるものである。
図16に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機には、通常遊技状態における演出モードとして、通常モード、第1時短モード、第2時短モード、及び確変モードが実装されている。
本パチンコ遊技機は、液晶表示装置4に表示される画像、スピーカ10a〜10cより出力される音声、ランプ・LED27による発光態様のうち、少なくとも一部を異ならせることにより、何れの演出モードに滞在しているかを認識可能な報知を行う構成を有し、各演出モードで異なる印象を与える演出を実行可能としている。
通常モードは、非確変・非時短遊技状態の演出モードである。通常モードは、第1時短モード、第2時短モード、及び確変モードのいずれとも異なる印象の演出が行われる。
通常モードにおいて第1特別図柄に基づく大当りとなり、その大当りが終了した後は、通常モードから第1時短モード又は確変モードに移行する。より具体的には、大当り中にV入賞した場合には、確変モードに移行するか否かの抽選が行われ、当選した場合は確変モードに移行し、当選しなかった場合は第1時短モードに移行する。また、大当り中にV入賞しなかった場合には、第1時短モードに移行する。
第1時短モードは、確変遊技状態又は非確変遊技状態、かつ時短遊技状態における演出モードである。第1時短モードは、演出として、当該時短モードが相対的に少ないゲーム回数(特別図柄の変動回数、すなわち特別図柄ゲームのゲーム数)となることを印象付ける演出モードである。
第1時短モードにおいて第2特別図柄に基づく当り(「確変大当り3」又は「確変大当り4」)となり、その当りが終了した後は、第1時短モードを継続する、又は第1時短モードから確変モードに移行する。より具体的には、当り中にV入賞しなかった場合には、第1時短モードを継続し、当り中にV入賞した場合には、確変モードに移行する。
第1時短モードにおいて第2特別図柄に基づく当り(「小当り2」)となり、その当りが終了した後は、第1時短モードを継続する、又は第1時短モードから確変モードに移行する。より具体的には、当り中にV入賞した場合、又は当り中にV入賞しなかった場合、かつ当りの終了後が確変遊技状態でない場合には、第1時短モードを継続する。一方、当り中にV入賞しなかった場合、かつ当りの終了後が確変遊技状態である場合には、確変モードに移行する。
第1時短モードにおいて第2特別図柄に基づく当り(「確変大当り5」又は「小当り1」)となり、その当りが終了した後は、第1時短モードを継続する、又は第1時短モードから第2時短モードに移行する。より具体的には、当り中にV入賞しなかった場合には、第1時短モードに移行する。当り中にV入賞し、かつ当りの終了後が確変遊技状態でない場合には、第2時短モードに移行する。
なお、時短遊技状態が終了する場合には、第1時短モードから通常モードに移行する。また、後述するS466において、第1時短モードから第2時短モードに昇格することがある。
第2時短モードは、確変遊技状態又は非確変遊技状態、かつ時短遊技状態における演出モードである。第2時短モードは、当該時短モードが相対的に多いゲーム回数となることを印象付ける演出モードである。
第2時短モードにおいて第2特別図柄に基づく当りとなり、その当りが終了した後は、第1時短モードと同様に、演出モードが継続又は移行する。
なお、時短遊技状態が終了する場合には、第2時短モードから通常モードに移行する。また、後述するS466において、第2時短モードから確変モードに昇格することがある。
確変モードは、確変遊技状態、かつ時短遊技状態における演出モードである。確変モードは、確変遊技状態が確定していることを示す演出モードである。
確変モードにおいて第2特別図柄に基づく当りとなり、その当りが終了した後は、基本的には、第1時短モードと同様に、演出モードが継続又は移行する。ただし、確変モードにおいて第2特別図柄に基づく当り(「確変大当り5」又は「小当り1」)となり、当り中にV入賞した場合には、その当りが終了した後は、確変モードが継続することとなる。
なお、時短遊技状態(確変遊技状態)が終了する場合には、確変モードから通常モードに移行する。
[メインCPUによる制御]
次に、図17〜図36を用いて、メインCPU61により実行される処理について以下に説明をする。
[メインCPUによるメイン処理]
図17及び図18は、メインCPU61により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、以下のステップ単位に実行される。図17に示すように、S10において、メインCPU61は、ウォッチドッグタイマのディセーブル設定処理を行う。この処理を終了した場合、S11に処理を移す。
S11において、メインCPU61は、入出力ポートの設定処理を行う。この処理を終了した場合、S12に処理を移す。
S12において、メインCPU61は、電断検出状態であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、電断検出信号がHIGH(高レベル)であるか否かを判定する。電断検出信号がHIGHでない場合には電断検出状態であると判定してS12に処理を移し、電断検出信号がHIGHである場合には電断検出状態でないと判定してS13に処理を移す。
S13において、メインCPU61は、サブ制御受信受付ウェイト処理を行う。この処理において、メインCPU61は、副制御回路70が信号を受け付けるようになるまで待機する処理を行う。この処理を終了した場合、S14に処理を移す。
S14において、メインCPU61は、メインRAM63への書き込みを許可する処理を行う。この処理を終了した場合、S15に処理を移す。
S15において、メインCPU61は、バックアップクリアスイッチ81(図7参照)がONであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、バックアップクリアスイッチ81がONであると判定した場合には、S30(図18参照)に処理を移し、バックアップクリアスイッチ81がONでないと判定した場合には、S16に処理を移す。
S16において、メインCPU61は、電断検知フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、電断検知フラグがあると判定した場合には、S17に処理を移し、電断検知フラグがないと判定した場合には、S30(図18参照)に処理を移す。
S17において、メインCPU61は、作業領域の損傷チェックを行い、作業損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理を終了した場合、S18に処理を移す。
S18において、メインCPU61は、作業損傷チェック値が正常値か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、作業損傷チェック値が正常値であると判定した場合には、S19に処理を移し、作業損傷チェック値が正常値でないと判定した場合には、S30に処理を移す。
S19において、メインCPU61は、スタックポインタに7FFEHを設定する処理を行う。この処理を終了した場合、S20に処理を移す。
S20において、メインCPU61は、復電時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理を終了した場合、S21に処理を移す。
S21において、メインCPU61は、復電時の確変状態表示報知設定処理を行う。具体的に、メインCPU61は、確変遊技状態の場合に、大当りの当選確率が高確率状態であることを報知する表示が行われるようにする。この処理を終了した場合、S22に処理を移す。なお、報知する表示は、電源投入後の最初の変動開始又は変動終了時に終了する構成としてもよい。
S22において、メインCPU61は、復電時のコマンドを送信する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、副制御回路70に、電断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信する処理を行う。この処理を終了した場合、S23に処理を移す。
S23において、メインCPU61は、メインCPU61周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理を終了した場合には、S24に処理を移し、電断前のアドレス、すなわちスタックエリアより復帰されたプログラムカウンタの示すプログラムアドレスへ復帰する。
図18に示すように、S30において、メインCPU61は、スタックポインタに8000Hを設定する処理を行う。この処理を終了した場合、S31に処理を移す。
S31において、メインCPU61は、当り判定関連の乱数の初期値を取得する処理を行う。この処理を終了した場合、S32に処理を移す。
S32において、メインCPU61は、全作業領域クリア処理を行う。この処理を終了した場合、S33に処理を移す。
S33において、メインCPU61は、当り判定関連の乱数の初期値を設定する処理を行う。この処理を終了した場合、S34に処理を移す。
S34において、メインCPU61は、RAMの初期化時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理を終了した場合、S35に処理を移す。
S35において、メインCPU61は、メインRAM63の初期化時のコマンドを副制御回路70に送信する処理を行う。また、副制御回路70において、メインCPU61は、受信したコマンドに基づいて初期化が実行される。この処理を終了した場合、S36に処理を移す。
S36において、メインCPU61は、メインCPU61周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理を終了した場合、S37に処理を移す。
S37において、メインCPU61は、割込禁止処理を行う。この処理において、メインCPU61は、割込処理を禁止する処理を行う。この処理を終了した場合、S38に処理を移す。
S38において、メインCPU61は、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU61は、初期乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理を終了した場合、S39に処理を移す。
S39において、メインCPU61は、割込許可処理を行う。この処理において、メインCPU61は、割込処理を許可する処理を行う。この処理を終了した場合、S40に処理を移す。
S40において、メインCPU61は、演出条件選択用乱数を更新する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、演出用乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理を終了した場合、S41に処理を移す。
S41において、メインCPU61は、システムタイマ監視タイマ値が3以上であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶されるシステムタイマ監視タイマ値を参照し、システムタイマ監視タイマ値が3以上である場合には、S42に処理を移し、システムタイマ監視タイマ値が3以上でない場合には、S37に処理を移す。
S42において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を3減算する処理を行う。この処理を終了した場合、S43に処理を移す。
S43において、メインCPU61は、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU61は、主制御回路60と副制御回路70との同期をとるための待ち時間タイマ、大当り又は小当りが発生した際に開放する大入賞口の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ、不正行為があったと検出された場合にメインCPU61から外部端子板80を介してホールコンピュータ100に出力されるセキュリティ信号の最低出力期間を計測するためのセキュリティ信号出力タイマ等、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理を終了した場合には、S44に処理を移す。
S44において、メインCPU61は、特別図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU61は、特別図柄制御処理を行う。メインCPU61は、第1始動口スイッチ320、第2始動口スイッチ330からの検出信号に応じて、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とを抽出し、メインROM62に記憶される大当り判定テーブル(図示略)を参照し、特別図柄抽選(大当り及び小当りの抽選)に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM63に記憶する処理を行う。なお、S44の特別図柄制御処理については、図27を用いて後述する。この処理を終了した場合、S45に処理を移す。
S45において、メインCPU61は、普通図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU61は、通過ゲートスイッチ350からの検出信号に応じて、普通図柄判定用乱数値及び普通図柄決定用乱数値を抽出し、抽出した普通図柄判定用乱数値とメインROM62に記憶される普通図柄当選テーブル(図示略)とに基づいて、普通図柄抽選に当選したか否かを判定し、この判定の結果と普通図柄決定用乱数値とメインROM62に記憶される普通図柄決定テープル(図示略)とに基づいて、ハズレ図柄及び当り図柄の何れにするかを判定し、判定の結果を記憶する処理を行う。なお、普通図柄抽選に当選した場合は当り図柄を示す判定の結果が記憶され、非当選の場合にはハズレ図柄を示す判定の結果が記憶される。当り図柄を示す判定の結果が記憶された場合、羽根部材34は、例えば1.3秒間で3回開放し、あるいは1.4秒間で4回開放し、若しくは1.8秒間で6回開放する。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合、羽根部材34が開放するようになっており、羽根部材34が開放状態になると第2始動口33に遊技球が入賞し易くなる。この処理を終了した場合、S46に処理を移す。
S46において、メインCPU61は、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU61は、S44、S45でメインRAM63に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果に応じて、液晶表示装置4を駆動するための制御信号をメインRAM63に記憶する処理を行う。メインCPU61は、制御信号をLEDユニット5に制御信号を送信する。LEDユニット5は、受信した制御信号に基づき第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54にて第1特別図柄又は第2特別図柄を変動表示及び停止表示する。また、LEDユニット5の普通図柄表示部51は、受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理を終了した場合、S47に処理を移す。
S47において、メインCPU61は、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU61は、台コンピュータ又はホールコンピュータ100に送信するための遊技情報信号に関するデータを生成し、メインRAM63に記憶する処理を行う。この処理を終了した場合、S48に処理を移す。
S48において、メインCPU61は、図柄保留個数データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU61は、後述するタイマ割込処理における特別図柄関連スイッチチェック処理及び普通図柄関連スイッチチェック処理(図21のS91,S92)にて検出される第1始動口スイッチ320、第2始動口スイッチ330、及び通過ゲートスイッチ350からの検出信号や、特別図柄及び普通図柄の変動表示の実行に応じて更新されるメインRAM63に記憶された保留個数データの更新結果に基づいて、第1特別図柄保留表示部55、第2特別図柄保留表示部56及び普通図柄保留表示部52を駆動するための制御信号をメインRAM63に記憶する処理を行う。この処理を終了した場合、S49に処理を移す。
S49において、メインCPU61は、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU61は、上記のステップなどでメインRAM63に記憶される制御信号を各ポートより出力する処理を行う。具体的には、メインCPU61は、外部端子板80を介したホールコンピュータ100へのセキュリティ信号の出力及びLED点灯のためのLED電源(コモン信号)や第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B及び第2大入賞口シャッタ371Aの開閉や羽根部材34の開閉を行うソレノイド駆動のためのソレノイド電源の供給を行う。この処理を終了した場合、S50に処理を移す。
S50において、メインCPU61は、入賞口関連コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU61は、入賞口関連コマンドを制御する処理を行う。この処理を終了した場合には、S37に処理を移す。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機は、メインCPU61によるメイン処理のS38〜S50における処理が遊技処理を構成する。
[メインCPU61によるタイマ割込処理]
図19は、メインCPU61により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、以下のステップ単位に実行される。メインCPU61は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、タイマ割込処理を実行する場合がある。このタイマ割込処理は、図示しないクロックパルス発生回路から所定の周期(例えば、2ms)毎に発生されるクロックパルスに応じて行う処理である。なお、本実施形態のパチンコ遊技機は、メインCPU61によるタイマ割込処理が割込処理を構成する。
図19に示すように、S60において、メインCPU61は、レジスタ退避処理を行う。この処理において、メインCPU61は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理を終了した場合、S61に処理を移す。
S61において、メインCPU61は、タイマ更新処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を+1する処理を行う。なお、システムタイマ監視タイマは、所定の処理(特別図柄制御処理等)をタイマ割込処理の所定回数(3回)の起動を条件として実行させるための監視タイマである。S61のタイマ更新処理については、図20を用いて後述する。この処理を終了した場合、S62に処理を移す。
S62において、メインCPU61は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットするとともに、ウォッチドッグ出力データに基づく制御信号を初期リセット回路64に送信する。初期リセット回路64は、受信した制御信号に基づいてコンデンサの電圧を開放する。なお、初期リセット回路64に設けられるウォッチドッグタイマがクリアされてから初期リセット回路64に接続されたコンデンサの容量で決定される所定時間(例えば、3100ms)が経過すると、初期リセット回路64からメインCPU61へとシステムリセット信号が出力される。メインCPU61は、この初期リセット回路64からシステムリセット信号が入力されるとシステムリセット状態となる。この処理を終了した場合、S63に処理を移す。
S63において、メインCPU61は、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU61は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU61は、当り判定用乱数カウンタ、当り図柄決定用乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ、演出条件判定用乱数カウンタなどの乱数を更新する。なお、当り判定用乱数カウンタ、当り図柄決定用乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2ms毎の決まったタイミングで更新を行うようにしている。この処理を終了した場合、S64に処理を移す。
S64において、メインCPU61は、スイッチ入力処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU61は、各入賞領域などに対応する各スイッチが、入賞を検出したか否かを判定する。メインCPU61は、例えば入賞を検出した場合には、入賞があったと判定した入賞領域に対応するbitを「1(ON)」にする。S64のスイッチ入力処理については、図21を用いて後述する。この処理を終了した場合、S65に処理を移す。
S65において、メインCPU61は、払出制御処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第1大入賞口36A、第1大入賞口36B、第2大入賞口37A、第1始動口32、第2始動口33、一般入賞口40に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路82に送信する。すなわち、メインCPU61は、遊技球の入賞に伴ってbitが「1(ON)」となっている入賞領域に対応する賞球を払出装置83から払い出すためのコマンドをセットするとともに、セットしたコマンドを払出・発射制御回路82に送信する処理を行う。また、このコマンドをセットした際には、コマンドセットの契機となった入賞領域に対応するbitを「0(OFF)」に制御する。この処理を終了した場合、S66に処理を移す。
S66において、メインCPU61は、コマンド送信制御処理を行う。この処理において、メインCPU61は、セットした各コマンドをコマンド出力ポート66により副制御回路70のコマンド入力ポート74に送信する。この処理を終了した場合、S67に処理を移す。
S67において、メインCPU61は、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU61は、割込処理前のアドレスにレジスタを復帰させる処理を行う。この処理を終了した場合には、このタイマ割込処理ルーチンを終了する。
[タイマ更新処理]
図20は、メインCPU61により実行されるタイマ更新処理を示すフローチャートである。このタイマ更新処理は、以下のステップ単位に実行される。図20に示すように、S70において、メインCPU61は、システムタイマ監視タイマの値を1加算する。システムタイマ監視タイマは、タイマ割込処理の実行(起動)回数を計数するためのタイマである。本実施形態では、タイマ割込処理の実行(起動)回数が所定の条件(3回)に達すると、所定の処理(特別図柄制御処理等)を実行させる。この処理を終了した場合、S71に処理を移す。
S71において、メインCPU61は、待ち時間タイマの値を1減算する。待ち時間タイマは、各種の実行待ち時間を計時するためのタイマである。この処理を終了した場合、S72に処理を移す。
S72において、メインCPU61は、残留球監視タイマの値が「0」であるか否かを判定する処理を行う。残留球監視タイマは、第1大入賞口36Aから第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aに至るまでの球通路や、第1大入賞口36Bから第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bに至るまでの球通路、第2大入賞口37Aから第2大入賞口カウントスイッチ370に至るまでの球通路に残存する残留球を監視するための残留球監視処理時間を計時するためのタイマである。この処理において、メインCPU61は、残留球監視タイマの値が「0」であると判定した場合には、S77に処理を移し、残留球監視タイマの値が「0」でないと判定した場合には、S73に処理を移す。なお、残留球監視タイマの値が「0」であり、かつ、ラウンド遊技中でないとき、大入賞口カウントスイッチが遊技球を検出した場合には、エラーを報知するようにしてもよい。
S73において、メインCPU61は、残留球監視タイマの値を1減算する。この処理を終了した場合、S74に処理を移す。
S74において、メインCPU61は、再び残留球監視タイマの値が「0」であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、残留球監視タイマの値が「0」でないと判定した場合には、S77に処理を移し、残留球監視タイマの値が「0」であると判定した場合には、S75に処理を移す。
S75において、メインCPU61は、特定領域38Aが開放中であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、特定領域38Aが開放中でないと判定した場合には、S77に処理を移し、特定領域38Aが開放中であると判定した場合には、S76に処理を移す。
S76において、メインCPU61は、特定領域閉鎖データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、特定領域38Aを閉鎖するためのデータをセットするとともに、このデータに基づく制御信号に基づいて変位部材ソレノイド390を駆動する。これにより、変位部材39は、特定領域38Aを閉鎖状態とするように駆動される。この処理を終了した場合、S77に処理を移す。
S77において、メインCPU61は、排出監視タイマの値が「0」であるか否かを判定する処理を行う。排出監視タイマは、第1大入賞口36A、及び第1大入賞口36Bに入賞して排出される排出球を監視するための排出球監視処理時間を計時するためのタイマである。この処理において、メインCPU61は、排出監視タイマの値が「0」であると判定した場合には、S80に処理を移し、排出監視タイマの値が「0」でないと判定した場合には、S78に処理を移す。なお、本実施形態においては、排出監視タイマよりも残留球監視タイマに小さな値(短い時間)がセットされるが、同一にしてもよいし、大きな値(長い時間)にしてもよい。
S78において、メインCPU61は、排出監視タイマの値を1減算する。この処理を終了した場合、S79に処理を移す。
S79において、メインCPU61は、再び排出監視タイマの値が「0」であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、排出監視タイマの値が「0」でないと判定した場合には、このタイマ更新処理ルーチンを終了し、排出監視タイマの値が「0」であると判定した場合には、S80に処理を移す。
S80において、メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値が「1」又は「2」であるか否かを判定する処理を行う。大入賞口開放回数カウンタは、第1大入賞口36が開閉する1R目又は2R目を識別するために用いられるカウンタである。そのため、大入賞口開放回数カウンタの値は、第1大入賞口36及び第2大入賞口37Aが実際に開放状態となる回数を計数するものではなく、1ラウンドごとに1加算されるものである。この処理において、メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値が「1」及び「2」のいずれでもないと判定した場合には、S82に処理を移し、大入賞口開放回数カウンタの値が「1」又は「2」であると判定した場合には、S81に処理を移す。
S81において、メインCPU61は、後述する制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04H)であると判定した場合には、このタイマ更新処理ルーチンを終了し、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04H)でないと判定した場合には、S82に処理を移す。
S82において、メインCPU61は、第1大入賞口入賞カウンタの値が排出球カウンタの値よりも大きいか否かを判定する処理を行う。第1大入賞口入賞カウンタは、第1大入賞口カウントスイッチ360により検出された第1大入賞口36への入賞数を計数するためのカウンタである。排出球カウンタは、特定領域スイッチ380A及び非特定領域スイッチ380Bにより検知された遊技球の排出球数を計数するためのカウンタである。基本的に、第1大入賞口入賞カウンタの値と排出球カウンタの値とは同一になる。この処理において、メインCPU61は、第1大入賞口入賞カウンタの値が排出球カウンタの値よりも大きくない場合には、このタイマ更新処理ルーチンを終了し、第1大入賞口入賞カウンタの値が排出球カウンタの値よりも大きい場合には、S83に処理を移す。なお、排出監視タイマにセットされる値は、遊技球が第1大入賞口カウントスイッチ360に検出されてから特定領域スイッチ380A又は非特定領域スイッチ380Bに検出されるまでに必要な時間よりも長い時間に相当する。よって、この処理において第1大入賞口入賞カウンタの値が排出球カウンタの値よりも大きいと判定される場合は、第1大入賞口36の内部における球詰まりや、いわゆるゴト行為による第1大入賞口カウントスイッチ360のみの検出が想定される。
S83において、メインCPU61は、排出エラーコマンドをセットする処理を行う。排出エラーコマンドは、正常に排出されていない旨を報知するためのコマンドに相当する。この排出エラーコマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド送信制御処理において送信される。この処理を終了した場合、S84に処理を移す。
S84において、メインCPU61は、排出球カウンタに第1大入賞口入賞カウンタの値をセットする処理を行う。これにより、排出エラーコマンドが繰り返し送信されないようになる。この処理を終了した場合、タイマ更新処理ルーチンを終了する。なお、S84の処理を行うことなく、排出エラーコマンドを繰り返し送信するようにしてもよい。
[スイッチ入力処理]
図21は、メインCPU61により実行されるスイッチ入力処理を示すフローチャートである。このスイッチ入力処理は、以下のステップ単位に実行される。図21に示すように、S90において、メインCPU61は、不正検出スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU61は、特に図示しない電波を検出可能な電波センサ、磁気を検出可能な磁気センサ、振動を検出可能な振動センサ等の検出状態を確認する。この処理を終了した場合には、S91に処理を移す。なお、上記したいずれかのセンサが検出した状態にある場合は、エラー報知を行ってもよいし、その際に例えば大入賞口カウントスイッチが遊技球の入賞を検出しても当該入賞を無効とするようにしてもよい。
S91において、メインCPU61は、特別図柄関連スイッチチェック処理を行う。この特別図柄関連スイッチチェック処理については、図22を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S92に処理を移す。
S92において、メインCPU61は、普通図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU61は、通過ゲートスイッチ350の入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定し、入力があったと判定した場合には、保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判定し、上限であると判定した場合には、この処理を終了する。上限でないと判定した場合には、普通図柄ゲームの当り判定用乱数カウンタから当り判定用乱数値を抽出し、さらに当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインRAM63の普通図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理を終了した場合には、S93に処理を移す。
S93において、メインCPU61は、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU61は、一般入賞口左スイッチ400A、一般入賞口右スイッチ400B、第1始動口スイッチ320、第2始動口スイッチ330の入力があったか否かを判定する処理を行う。一般入賞口左スイッチ400A又は一般入賞口右スイッチ400Bの入力があったと判定した場合には、一般入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、第1始動口スイッチ320又の第2始動口スイッチ330の入力があったと判定した場合には、それぞれに対応する始動口入賞カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、このスイッチ入力処理ルーチンを終了する。
[特別図柄関連スイッチチェック処理]
図22は、メインCPU61により実行される特別図柄関連スイッチチェック処理を示すフローチャートである。この特別図柄関連スイッチチェック処理は、以下のステップ単位に実行される。図22に示すように、S100において、メインCPU61は、第1始動口スイッチチェック処理を行う。この処理については、図23を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S101に処理を移す。
S101において、メインCPU61は、第2始動口スイッチチェック処理を行う。この処理については、図24を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S102に処理を移す。
S102において、メインCPU61は、第1大入賞口スイッチチェック処理を行う。この処理については、図25を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S103に処理を移す。
S103において、メインCPU61は、第2大入賞口スイッチチェック処理を行う。この処理については、図26を用いて後述する。この処理を終了した場合には、この特別図柄関連スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
[第1始動口スイッチチェック処理]
図23は、メインCPU61により実行される第1始動口スイッチチェック処理を示すフローチャートである。この第1始動口スイッチチェック処理は、以下のステップ単位に実行される。図23に示すように、S110において、メインCPU61は、第1始動口32への遊技球の入賞が検出されたか否かを、第1始動口スイッチ320からの検出信号に基づいて判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第1始動口スイッチ320からの検出信号に対応する第1始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」であるか否かを判定し、第1始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」である場合には、S111に処理を移し、第1始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」でない場合には、この第1始動口スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
S111において、メインCPU61は、第1特別図柄の始動記憶の個数が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第1特別図柄の始動記憶の個数、すなわち保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であると判定した場合には、この第1始動口スイッチチェック処理ルーチンを終了し、保留数が4以上でないと判定した場合には、S112に処理を移す。
S112において、メインCPU61は、第1特別図柄の始動記憶の個数に「1」を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶されている第1特別図柄の保留数の値に「1」を加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S113に処理を移す。
S113において、メインCPU61は、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU61は、いわゆる特別図柄抽選により当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの当り判定用乱数値を抽出し、さらに、当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM63の第1特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。
本実施形態において、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)まであり、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、第1特別図柄によって導出表示され、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中に第1始動口32に遊技球が入賞したことによって取得した各種の乱数値は、始動記憶として第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に順次記憶される。この処理を終了した場合、S114に処理を移す。
S114において、メインCPU61は、第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合、S115に処理を移す。
S115において、メインCPU61は、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU61は、乱数抽選に基づいて入賞演出を行うか否かを判定する。この処理を終了した場合、S116に処理を移す。
S116において、メインCPU61は、始動入賞コマンドをメインRAM63の所定領域にセットする。この始動入賞コマンドには、当り判定用乱数を示す情報及び当り図柄決定用乱数を示す情報が含まれている。始動入賞コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路70が、遊技球の入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。始動入賞コマンドのデータには、S115の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶に基づいて演出を実行するといった、いわゆる「先読演出」が可能となる。この処理を終了した場合、第1始動口スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
[第2始動口スイッチチェック処理]
図24は、メインCPU61により実行される第2始動口スイッチチェック処理を示すフローチャートである。この第2始動口スイッチチェック処理は、以下のステップ単位に実行される。図24に示すように、S120において、メインCPU61は、第2始動口33への遊技球の入賞が検出されたか否かを、第2始動口スイッチ330からの検出信号に基づいて判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第2始動口スイッチ330からの検出信号に対応する第2始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」であるか否かを判定し、第2始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」である場合には、S121に処理を移し、第2始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」でない場合には、この第2始動口スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
S121において、メインCPU61は、第2特別図柄の始動記憶の個数が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第2特別図柄の始動記憶の個数、すなわち保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であると判定した場合には、この第2始動口スイッチチェック処理ルーチンを終了し、保留数が4以上でないと判定した場合には、S122に処理を移す。
S122において、メインCPU61は、第2特別図柄の始動記憶の個数に「1」を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶されている第2特別図柄の保留数の値に「1」を加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S123に処理を移す。
S123において、メインCPU61は、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU61は、いわゆる特別図柄抽選により当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの当り判定用乱数値を抽出し、さらに、当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM63の第2特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。
本実施形態において、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)まであり、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、第2特別図柄によって導出表示され、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中に第2始動口33に遊技球が入賞したことによって取得した各種の乱数値は、始動記憶として第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に順次記憶される。この処理を終了した場合、S124に処理を移す。
S124において、メインCPU61は、第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合、S125に処理を移す。
S125において、メインCPU61は、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU61は、乱数抽選に基づいて入賞演出を行うか否かを判定する。この処理を終了した場合、S126に処理を移す。
S126において、メインCPU61は、始動入賞コマンドをメインRAM63の所定領域にセットする。始動入賞コマンドは、先述した通りである。この処理を終了した場合、第2始動口スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
[第1大入賞口スイッチチェック処理]
図25は、メインCPU61により実行される第1大入賞口スイッチチェック処理を示すフローチャートである。この第1大入賞口スイッチチェック処理は、以下のステップ単位に実行される。図25に示すように、S130において、メインCPU61は、第1大入賞口36への遊技球の入賞が検出されたか否かを、第1大入賞口カウントスイッチ360からの検出信号に基づいて判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第1大入賞口36への遊技球の入賞が検出されたと判定した場合には、S131に処理を移し、第1大入賞口36への遊技球の入賞が検出されないと判定した場合には、S133に処理を移す。
S131において、メインCPU61は、第1大入賞口入賞カウンタの値を1加算する処理を行う。第1大入賞口入賞カウンタは、1ラウンドあたりの上限入賞数に到達したか否かを判定するためのカウンタである。この処理を終了した場合には、S132に処理を移す。
S132において、メインCPU61は、第1大入賞口入賞コマンドをメインRAM63の所定領域にセットする。第1大入賞口入賞コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路70が、第1大入賞口36への遊技球の入賞を認識するようになる。これによっても、例えば大当り中に表示される総払出数(払出賞球数)が加算表示される。この処理を終了した場合、S133に処理を移す。
S133において、メインCPU61は、特定領域38Aへの遊技球のV入賞が検出されたか否かを、特定領域スイッチ380Aからの検出信号に基づいて判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、特定領域38Aへの遊技球のV入賞が検出されたと判定した場合には、S134に処理を移し、特定領域38Aへの遊技球のV入賞が検出されないと判定した場合には、S142に処理を移す。
S134において、メインCPU61は、排出球カウンタの値を1加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S135に処理を移す。
S135において、メインCPU61は、特定領域通過コマンドをセットする処理を行う。特定領域通過コマンドは、特定領域38Aに対して遊技球が通過(V入賞)した旨を示すコマンドである。特定領域通過コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路70が、特定領域38AへのV入賞を認識するようになる。この処理を終了した場合には、S136に処理を移す。
なお、小当り遊技状態中又は大当り遊技状態中の1R目及び2R目のいずれでもない場合には、特定領域通過コマンドがサブCPU71に供給されないように構成してもよい。また、小当り遊技状態中と大当り遊技状態中とで、各々に対応する異なる種類の特定領域通過コマンドを設け、どちらの当り状態での特定領域38Aへの通過であるかをサブCPU71が識別可能な構成としてもよい。
S136において、メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値が「1」又は「2」であるか否かを判定する処理を行う。大入賞口開放回数カウンタは、先述した通りである。この処理において、メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値が「1」及び「2」のいずれでもないと判定した場合には、S142に処理を移し、大入賞口開放回数カウンタの値が「1」又は「2」であると判定した場合には、S137に処理を移す。
S137において、メインCPU61は、後述する制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04H)であると判定した場合には、S140に処理を移し、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04H)でないと判定した場合には、S138に処理を移す。
S138において、メインCPU61は、後述する制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)又は当り終了インターバル管理処理を示す値(06H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが「05H」又は「06H」であると判定した場合には、S139に処理を移し、制御状態フラグが「05H」及び「06H」のいずれでもないと判定した場合には、S142に処理を移す。
S139において、メインCPU61は、排出監視タイマの値が「0」よりも大きいか否かを判定する処理を行う。排出監視タイマは、先述した通りである。この処理において、メインCPU61は、排出監視タイマの値が「0」よりも大きいと判定した場合には、S140に処理を移し、排出監視タイマの値が「0」よりも大きくないと判定した場合には、S142に処理を移す。なお、この処理において、排出監視タイマの値が「0」よりも大きくないと判定した場合には、不正入賞が発生したと判断し、副制御回路70にエラーコマンドを送信することでエラーを報知するようにしてもよい。
S140において、メインCPU61は、特定領域通過フラグの値が「01H」であるか否かを判定する処理を行う。特定領域通過フラグは、特定領域スイッチ380Aにより遊技球のV入賞が検出された場合に値を「01H」としてセットされる内部フラグである。この処理において、メインCPU61は、特定領域通過フラグの値が「01H」であると判定した場合には、S142に処理を移し、特定領域通過フラグの値が「01H」でないと判定した場合には、S141に処理を移す。
S141において、メインCPU61は、特定領域通過フラグの値に「01H」をセットする処理を行う。この特定領域通過フラグの値「01H」は、大当り遊技状態の終了後において確変遊技状態への移行を決定付けることを示す内部情報としても用いられる。この処理を終了した場合には、S142に処理を移す。
S142において、メインCPU61は、非特定領域38Bへの遊技球の通過が検出されたか否かを、非特定領域スイッチ380Bからの検出信号に基づいて判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、非特定領域38Bへの遊技球の通過が検出されたと判定した場合には、S143に処理を移し、非特定領域38Bへの遊技球の通過が検出されないと判定した場合には、S144に処理を移す。
S143において、メインCPU61は、排出球カウンタの値を1加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S144に処理を移す。
S144において、メインCPU61は、第1大入賞口入賞カウンタの値が排出球カウンタの値よりも小さいか否かを判定する処理を行う。つまり、第1大入賞口カウントスイッチ360によっては遊技球が検出されることなく、メインCPU61は、特定領域スイッチ380A又は非特定領域スイッチ380Bのみに遊技球が検出された状態であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、第1大入賞口入賞カウンタの値が排出球カウンタの値よりも小さくない場合には、この第1大入賞口スイッチチェック処理ルーチンを終了し、第1大入賞口入賞カウンタの値が排出球カウンタの値よりも小さい場合には、S145に処理を移す。
S145において、メインCPU61は、排出エラーコマンドをセットする処理を行う。排出エラーコマンドは、先述した通りである。この処理を終了した場合、S146に処理を移す。
S146において、メインCPU61は、排出球カウンタに第1大入賞口入賞カウンタの値をセットする処理を行う。これにより、排出エラーコマンドが繰り返し送信されないようになる。この処理を終了した場合、第1大入賞口スイッチチェック処理ルーチンを終了する。なお、S146の処理を行うことなく、排出エラーコマンドを繰り返し送信するようにしてもよい。
[第2大入賞口スイッチチェック処理]
図26は、メインCPU61により実行される第2大入賞口スイッチチェック処理を示すフローチャートである。この第2大入賞口スイッチチェック処理は、以下のステップ単位に実行される。図26に示すように、S150において、メインCPU61は、第2大入賞口37Aへの遊技球の入賞が検出されたか否かを、第2大入賞口カウントスイッチ370からの検出信号に基づいて判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第2大入賞口37Aへの遊技球の入賞が検出されたと判定した場合には、S151に処理を移し、第2大入賞口37Aへの遊技球の入賞が検出されないと判定した場合には、この第2大入賞口スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
S151において、メインCPU61は、第2大入賞口入賞カウンタの値を1加算する処理を行う。第2大入賞口入賞カウンタは、1ラウンドあたりの上限入賞数に到達したか否かを判定するためのカウンタである。この処理を終了した場合には、S152に処理を移す。
S152において、メインCPU61は、第2大入賞口入賞コマンドをメインRAM63の所定領域にセットする。第2大入賞口入賞コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路70が、第2大入賞口37Aへの遊技球の入賞を認識するようになる。これにより、例えば大当り中に表示される総払出数(払出賞球数)が加算表示される。この処理を終了した場合、第2大入賞口スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
[特別図柄制御処理]
図27は、メインCPU61により実行される特別図柄制御処理を示すフローチャートである。この特別図柄制御処理は、以下のステップ単位に実行される。なお、図27において、S161からS168の側方に示す数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、メインRAM63における制御状態フラグの記憶領域に記憶されている。メインCPU61は、メインRAM63に記憶されている制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップを実行する。これにより、特別図柄ゲームが進行することになる。
図27に示すように、最初のS160において、メインCPU61は、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグをメインRAM63から読み出す。この処理を終了した場合、S161に処理を移す。
なお、後述するS161からS168において、メインCPU61は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S161からS168における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU61は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前において、メインCPU61は、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。また、メインCPU61は、所定の周期でタイマ割込み処理も実行する。
S161において、メインCPU61は、特別図柄記憶チェック処理を実行する。なお、S161の詳細については、図28を用いて後述する。この処理を終了した場合、S162に処理を移す。
S162において、メインCPU61は、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば600ms)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、S163の処理を実行するように設定する。なお、このS162の詳細については、図30を用いて後述する。この処理を終了した場合、S163に処理を移す。
S163において、メインCPU61は、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02H)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当り又は小当りか否かを判定する。メインCPU61は、大当り又は小当りである場合に、当り開始インターバル管理を示す値(03H)を制御状態フラグにセットし、当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、S164の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU61は、大当り又は小当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)をセットする。つまり、S168の処理を実行するように設定する。なお、このS163の詳細については、図31を用いて後述する。この処理を終了した場合、S164に処理を移す。
S164において、メインCPU61は、当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理を示す値(03H)であり、その当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM62から読み出された第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bを開放させるためのデータ及び変位部材39を開放させるためのデータをメインRAM63に記憶する。そして、メインCPU61は、図18のS49の処理において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶された第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bを開放させるためのデータ及び変位部材39を開放させるためのデータを読み出し、第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bを開放させる旨の信号や変位部材39を開放させる旨の信号を、第1大入賞口第1シャッタソレノイド3610A、第1大入賞口第2シャッタソレノイド3610B、及び変位部材ソレノイド390に供給する。これにより、メインCPU61は、第1大入賞口36の開閉制御を行う。つまり、所定の有利な遊技状態(1つのラウンドが開始してインターバルに至る期間として、最初に第1大入賞口36が遊技球を受け入れ易い開放状態と受け入れ難い閉鎖状態とに所定回数変化する遊技状態)が提供される一のラウンドゲームを所定回繰り返し行う当り遊技状態が実行されることになる。なお、この場合には、第1大入賞口36のみが2回又は3回開閉状態となる小当り遊技状態が実行されることもある。また、本実施形態においては、最初に必ず第1大入賞口36が開閉されるようになっているが、最初に第2大入賞口37Aを開閉させるようにしてもよく、あるいは最初に第1大入賞口36又は第2大入賞口37Aを任意に選択して開閉させるようにしてもよい。
さらに、メインCPU61は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば、1ラウンドあたりの開閉パターンDの7.1s)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、S166の処理を実行するように設定する。なお、このS164の詳細については、図32を用いて後述する。この処理を終了した場合、S165に処理を移す。
S165において、メインCPU61は、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)であり、ラウンド間インターバル(インターバルパターンa,b)に対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを「1」増加するように記憶更新する。メインCPU61は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする。メインCPU61は、開放上限時間(例えば、1ラウンドあたりの開閉パターンDの7.1s)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、S166の処理を実行するように設定する。この処理において、メインCPU61は、変位部材39を開閉制御するための処理も行う。なお、このS165の詳細については、図33を用いて後述する。この処理を終了した場合、S166に処理を移す。
S166において、メインCPU61は、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04H)である場合に、大入賞口入賞カウンタが「10」以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件のいずれかを満たすか否かを判定する。メインCPU61は、いずれかの条件を満たした場合に、第1大入賞口36又は第2大入賞口37Aを閉鎖させるために、メインRAM63に位置付けられた変数を更新する。そして、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判定する。メインCPU61は、最終ラウンドである場合に、当り終了インターバルを示す値(06H)を制御状態フラグにセットする一方、最終ラウンドでない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)を制御状態フラグにセットする。なお、このS166の詳細については、図34を用いて後述する。この処理を終了した場合、S167に処理を移す。
S167において、メインCPU61は、当り終了インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値(06H)であり、当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする。つまり、S168の処理を実行するように設定する。なお、このS167の詳細については、図35を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S168に処理を移す。
S168において、メインCPU61は、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をセットする。つまり、S161の処理を実行するように設定するのである。なお、このS168の詳細については、図36を用いて後述する。この処理を終了した場合には、特別図柄制御処理ルーチンを終了する。
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU61は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態ではない場合において、メインCPU61は、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを(00H)、(01H)、(02H)、(07H)と順にセットすることにより、図27に示すS161、S162、S163、S168の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU61は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態ではない場合において、メインCPU61は、当り判定の結果が大当り又は小当りであるときには、制御状態フラグを(00H)、(01H)、(02H)と順にセットすることにより、図27に示すS161、S162、S163の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への制御を実行することになる。さらに、メインCPU61は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを(03H)、(04H)、(05H)と順にセットすることにより、図27に示すS164、S166、S165の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を実行することとなる。なお、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、(04H)、(06H)、(07H)と順にセットすることにより、図27に示すS165、S167からS168の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を終了することになる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図28は、メインCPU61により実行される特別図柄記憶チェック処理を示すフローチャートである。この特別図柄記憶チェック処理は、以下のステップ単位に実行される。
図28に示すように、S170において、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)であるか否かの判定を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判定した場合、S171に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)でないと判定した場合には、この特別図柄記憶チェック処理ルーチンを終了する。
S171において、メインCPU61は、始動記憶の有無を判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、特別図柄ゲームの始動記憶がないと判定した場合、すなわち第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていない場合、S172に処理を移す。一方、メインCPU61は、始動記憶があると判定した場合、S173に処理を移す。
S172において、メインCPU61は、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63にデモ表示許可値をセットする処理を行う。さらに特別図柄ゲームの始動記憶(当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域又は第2特別図柄始動記憶領域)が「0」になった状態が所定時間(例えば、30s)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU61は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドをセットする処理を行う。このように記憶されたデモ表示コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71にデモ表示コマンドとして供給される。これにより、デモ表示が液晶表示装置4の表示領域4Aにおいて実行されることとなる。この処理を終了した場合、特別図柄記憶チェック処理ルーチンを終了する。
S173において、メインCPU61は、第2特別図柄に対応する始動記憶が「0」であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判別し、第2特別図柄に対応する始動記憶が「0」である、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合、S174に処理を移す。第2特別図柄に対応する始動記憶が「0」でない、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されている判定した場合、S175に処理を移す。
S174において、メインCPU61は、変動状態番号として第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)をメインRAM63の所定領域にセットする処理を実行する。この処理を終了した場合、S176に処理を移す。
S175において、メインCPU61は、変動状態番号として第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)をメインRAM63の所定領域にセットする処理を実行する。この処理を終了した場合、S176に処理を移す。
S176において、メインCPU61は、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01H)をセットする処理を実行する。この処理を終了した場合、S177に処理を移す。
S177において、メインCPU61は、特別図柄記憶転送処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、変動表示させる特別図柄が第1特別図柄の場合、第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)から第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、変動表示させる特別図柄が第2特別図柄の場合、第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)から第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行する。この処理を終了した場合、S178に処理を移す。
S178において、メインCPU61は、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、遊技状態フラグが確変遊技状態を示しているか否かに応じて、大当りとなる判定値(大当り判定値)の数が異なる図示しない複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。すなわち、遊技状態フラグが確変遊技状態を示す値である場合、大当り判定値の数が多い高確率用の大当り判定テーブルが参照され、遊技状態フラグが確変遊技状態を示す値でない場合、大当り判定値が少ない非確変遊技状態用の大当り判定テーブルが参照される。このように、遊技状態フラグが確変遊技状態を示す値である場合、つまり遊技状態が特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行し易い特別遊技状態としての確変遊技状態である場合、大当り遊技状態に移行する確率は、特別遊技状態としての確変遊技状態よりも特定遊技状態に移行し難い非特別遊技状態としての非確変遊技状態よりも向上することとなる。
なお、特別遊技状態は確変・時短遊技状態であり、非特別遊技状態は基本的に非確変・非時短遊技状態であるが、本実施形態において、非特別遊技状態には、非確変遊技状態及び時短遊技状態となる場合も含まれる。
そして、メインCPU61は、遊技球の入賞時に抽出され、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU61は、当り判定用乱数値と大当り判定値が一致している場合、大当りであると判定する。つまり、メインCPU61は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。
なお、通常遊技状態の第1始動口32への入賞による大当り確率は、第2始動口33への入賞による大当り確率よりも、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。
このように、S178の処理では、特別図柄ゲームの結果として大当り、ハズレのいずれかが決定される。この処理を終了した場合、S179に処理を移す。
S179において、メインCPU61は、S178の大当り判定処理において大当りの抽選に当選していないと判定された場合に、小当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、遊技状態フラグに関係なく小当りとなる判定値(小当り判定値)を規定した小当り判定テーブルを選択する。
そして、メインCPU61は、遊技球の入賞時に抽出され、第2特別図柄始動記憶領域(0)においてセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、選択された小当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU61は、当り判定用乱数値と小当り判定値が一致している場合、小当りであると判定する。
なお、小当りは、第2特別図柄のみでしか発生し得ないため、第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値に基づいてのみ小当り判定処理が行われるが、第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値に基づいて小当り判定処理を行うようにしてもよい。
このように、S179の処理では、特別図柄ゲームの結果として小当り、ハズレのいずれかが決定され、S178の大当り判定処理及びS179の小当り判定処理の双方において当選していない場合に、特別図柄ゲームの判定結果としてハズレが決定されることとなる。この処理を終了した場合、S180に処理を移す。
S180において、メインCPU61は、特別図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、大当り判定の結果が大当り当選の場合、大当り図柄を決定し、小当り判定の結果が小当り当選の場合、小当り図柄を決定し、大当り及び小当りのいずれについてもハズレの場合、ハズレ図柄を決定する処理を行う。なお、このS180の詳細については、図29を用いて後述する。この処理を終了した場合、S181に処理を移す。
S181において、メインCPU61は、特別図柄変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU61は、S180の処理において決定された特別図柄と、S178,S179の処理において決定された大当り判定及び小当り判定の結果と、に基づいて、異なる変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルを選択する。そして、メインCPU61は、演出条件判定用乱数カウンタから抽出した演出条件判定用乱数値と選択した変動パターン決定テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM63の所定領域に記憶する。ここで、ST遊技状態、通常遊技状態では、それぞれ異なる変動パターン決定テーブルを有している。メインCPU61は、このような変動パターンが示すデータに基づいて、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54における特別図柄の変動表示態様を決定する。なお、この処理は、ST遊技状態中においても同様となっている。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、LEDユニット5の第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54に供給される。これによって、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路70のサブCPU71は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理を終了した場合、S182に処理を移す。
S182において、メインCPU61は、特別図柄変動時間設定処理を行う。この処理において、メインCPU61は、決定した特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理を終了した場合、S183に処理を移す。
そして、S183において、メインCPU61は、今回の変動表示に用いられた記憶領域(0)の値をクリアする処理を実行する。この処理を終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理ルーチンを終了する。
[特別図柄決定処理]
図29は、メインCPU61により実行される特別図柄決定処理を示すフローチャートである。この特別図柄決定処理は、以下のステップ単位に実行される。
図29に示すように、S190において、メインCPU61は、大当りであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、大当りであると判定した場合には、S191に処理を移す。一方、メインCPU61は、大当りでないと判定した場合には、S196に処理を移す。
S191において、メインCPU61は、S190で判定した大当りの変動状態番号が第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、変動状態番号が第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)である場合にはS192に処理を移す。一方、メインCPU61は、変動状態番号が第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)でない場合、すなわち、変動状態番号が第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)の場合にはS194に処理を移す。
S192において、メインCPU61は、当り図柄決定用乱数値に基づいて、第1特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した当り図柄決定用乱数値と大当り判定テーブルに基づいて、第1特別図柄の大当り図柄(図8の第1特別図柄大当り図柄振り分けに示す「確変1」、「確変2」、「時短1」、「時短2」の何れに該当する図柄)であるかを決定する処理を行う。この処理を終了した場合には、S193に処理を移す。
S193において、メインCPU61は、決定した第1特別図柄の大当り図柄のデータセット及び大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU61は、大当り図柄のデータを、メインRAM63の所定領域にセットし、第1特別図柄表示部53に供給する。第1特別図柄表示部53は、第1特別図柄を変動表示させて、第1特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU61は、第1特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM63の所定領域にセットし、メインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に特別図柄指定コマンドとして供給する。この副制御回路70の制御によって、識別図柄(装飾図柄)が大当り停止表示態様で液晶表示装置4の表示領域4Aに導出表示されることとなる。この処理を終了した場合には、S199に処理を移す。
S194において、メインCPU61は、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した当り図柄決定用乱数値と大当り判定テーブルに基づいて、第2特別図柄の大当り図柄(図8の第2特別図柄大当り図柄振り分けに示す「確変3」〜「確変5」の何れに該当する図柄)であるかを決定する処理を行う。この処理を終了した場合には、S195に処理を移す。
S195において、メインCPU61は、決定した第2特別図柄の大当り図柄のデータセット及び大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU61は、大当り図柄のデータを、メインRAM63の所定領域にセットし、第2特別図柄表示部54に供給する。第2特別図柄表示部54は、第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU61は、第2特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM63の所定領域にセットし、メインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に特別図柄指定コマンドとして供給する。この副制御回路70の制御によって、識別図柄(装飾図柄)が大当り停止表示態様で液晶表示装置4の表示領域4Aに導出表示されることとなる。この処理を終了した場合には、S199に処理を移す。
S196において、メインCPU61は、小当り判定処理(図28のS179)で判定した結果が小当りの当選であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、小当りの当選である場合にはS197に処理を移す。一方、メインCPU61は、小当りの当選でない場合にはS201に処理を移す。
S197において、メインCPU61は、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU61は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した当り図柄決定用乱数値と小当り判定テーブルに基づいて、第2特別図柄の小当り図柄(図8の第2特別図柄小当り図柄振り分けに示す「小当り1」又は「小当り2」の図柄)であるかを決定する処理を行う。この処理を終了した場合には、S198に処理を移す。
S198において、メインCPU61は、決定した第2特別図柄の小当り図柄のデータセット及び小当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU61は、小当り図柄のデータを、メインRAM63の所定領域にセットし、第2特別図柄表示部54に供給する。第2特別図柄表示部54は、第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄の小当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU61は、第2特別図柄の小当り図柄のコマンドを、メインRAM63の所定領域にセットし、メインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に特別図柄指定コマンドとして供給する。この副制御回路70の制御によって、識別図柄(装飾図柄)が小当り停止表示態様で液晶表示装置4の表示領域4Aに導出表示されることとなる。この処理を終了した場合には、S199に処理を移す。
S199において、メインCPU61は、当り図柄に対応する当り開始インターバル表示時間データセット処理を行う。この処理において、メインCPU61は、大当り図柄又は小当り図柄に対応する当り開始インターバル表示時間データをメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合、S200に処理を移す。
S200において、メインCPU61は、大入賞口開放回数関連データセット処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第1大入賞口36及び第2大入賞口37Aの開放回数に関する大入賞口開放回数関連データ、すなわち、第1特別図柄による「確変1」、「確変2」、「時短1」、「時短2」、あるいは第2特別図柄による「確変3」〜「確変5」、若しくは「小当り1」、「小当り2」の図柄に対応するデータをメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、この特別図柄決定処理ルーチンを終了する。
一方、S201において、メインCPU61は、S190において大当りでなく、S196において小当りでもない、すなわち、ハズレであると判断した場合には、ハズレ図柄のデータセット及びハズレ図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU61は、ハズレ図柄のデータを、メインRAM63の所定領域にセットし、第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54に供給する。第1特別図柄表示部53又は第2特別図柄表示部54は、特別図柄を変動表示させて、特別図柄のハズレ図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU61は、ハズレ図柄のコマンドを、メインRAM63の所定領域にセットし、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に特別図柄指定コマンドとして供給する。この副制御回路70の制御によって、識別図柄(装飾図柄)がハズレ停止表示態様で液晶表示装置4の表示領域4Aに導出表示されることとなる。この処理を終了した場合には、この特別図柄決定処理ルーチンを終了する。
[特別図柄変動時間管理処理]
図30は、メインCPU61により実行される特別図柄変動時間管理処理を示すフローチャートである。この特別図柄変動時間管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
図30に示すように、S210において、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であるか否かの判定を行う。メインCPU61は、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であると判定した場合には、S211に処理を移す。一方、メインCPU61は、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)でないと判定した場合には、特別図柄変動時間管理処理ルーチンを終了する。
S211において、メインCPU61は、待ち時間タイマが「0」であるか否かの判定を行う。メインCPU61は、待ち時間タイマが「0」であると判定した場合には、S212に処理を移す。待ち時間タイマが「0」でないと判定した場合には、特別図柄変動時間管理処理ルーチンを終了する。
S212において、メインCPU61は、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を特別図柄制御状態フラグにセット(記憶)する処理を行い、S213に処理を移す。
S213において、メインCPU61は、図柄停止コマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、図柄停止コマンドをメインRAM63にセット(記憶)する処理を行う。そして、図柄停止コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に図柄停止コマンドとして供給されることにより、副制御回路70が図柄停止を認識するようになる。この処理を終了した場合には、S214に処理を移す。
S214において、メインCPU61は、メインRAM63における待ち時間タイマとして機能する領域に、確定後待ち時間をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、特別図柄変動時間管理処理ルーチンを終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図31は、メインCPU61により実行される特別図柄表示時間管理処理を示すフローチャートである。この特別図柄表示時間管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
図31に示すように、S220において、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であると判定した場合には、S221に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)でないと判定した場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
S221において、メインCPU61は、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」である場合にはS222に処理を移す。一方、メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」でない場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
S222において、メインCPU61は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、大当りであると判定した場合にはS223に処理を移す。一方、メインCPU61は、大当りでないと判定した場合にはS224に処理を移す。
S223において、メインCPU61は、遊技状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、メインCPU61は、遊技状態フラグに通常遊技状態(非確変・非時短)を示す値(00H)をセットする処理を実行する。この処理を終了した場合には、S233に処理を移す。
S224において、メインCPU61は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタは、時短遊技状態における残りのゲーム回数(図柄変動回数)を計数するためのカウンタである。メインCPU61は、時短回数カウンタの値が「0」である場合にはS226に処理を移す。一方、メインCPU61は、時短回数カウンタの値が「0」でない場合には、S225に処理を移す。
S225において、メインCPU61は、時短回数カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S226に処理を移す。
S226において、メインCPU61は、確変回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。確変回数カウンタは、確変遊技状態における残りのゲーム回数(図柄変動回数)を計数するためのカウンタである。メインCPU61は、確変回数カウンタの値が「0」である場合にはS228に処理を移す。一方、メインCPU61は、確変回数カウンタの値が「0」でない場合には、S227に処理を移す。
S227において、メインCPU61は、確変回数カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S228に処理を移す。
S228において、メインCPU61は、時短回数カウンタ及び確変回数カウンタの値と、遊技状態フラグの値とに応じて遊技状態を変更するか否かを判定する。より具体的には、メインCPU61は、S225の処理を行って時短回数カウンタの値が「0」となったとき、又はS225の処理を行って確変回数カウンタの値が「0」となったとき、遊技状態を変更すると判定する。メインCPU61は、遊技状態を変更する場合にはS229に処理を移す。一方、メインCPU61は、遊技状態を変更しない場合には、S231に処理を移す。
S229において、メインCPU61は、遊技状態フラグ変更処理を行う。より具体的には、メインCPU61は、時短回数カウンタ及び確変回数カウンタの値に応じてメインRAM63の遊技状態フラグに値をセットする処理を行う。メインCPU61は、時短回数カウンタの値が「0」である場合は非時短遊技状態、「1」以上である場合は時短遊技状態、確変回数カウンタの値が「0」である場合は非確変遊技状態、「1」以上である場合は確変遊技状態と判断し、非確変・非時短遊技状態のときは「00H」、非確変・時短遊技状態のときは「01H」、確変・非時短遊技状態のときは「02H」、確変・時短遊技状態のときは「03H」を遊技状態フラグにセットする。
S230において、メインCPU61は、メインRAM63に遊技状態コマンドをセット(記憶など)する処理を行う。遊技状態コマンドは、コマンドの種別(遊技状態コマンドであることを示す情報)、遊技状態(非確変・非時短、確変・非時短、非確変・時短、確変・時短)を示す情報、確変回数としての残り回数(「0」又は「40」)を示す情報、及び時短回数としての残り回数(「0」又は「40」)を示す情報を含むコマンドである。遊技状態コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路70が確変遊技状態及び時短遊技状態の状況を認識するようになる。この処理を終了した場合には、S231に処理を移す。
S231において、メインCPU61は、小当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、小当りであると判定した場合にはS232に処理を移す。一方、メインCPU61は、小当りでないと判定した場合にはS236に処理を移す。
S232において、メインCPU61は、特別図柄に対応する当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値を、メインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S233に処理を移す。なお、本実施形態においては、一例として、第1特別図柄に対応する当り開始インターバル時間は、大当り図柄が「確変1」である場合には15498ms、その他の大当り図柄である場合には11496msであり、第2特別図柄に対応する当り開始インターバル時間は、大当り図柄が「確変3」である場合には11496ms、「確変4」である場合には996ms、小当り図柄が「小当り2」である場合には3996msとなっている。また、第2特別図柄に対応する当り開始インターバル時間は、大当り図柄が「確変5」である場合も小当り図柄が「小当り1」である場合と同一の3996msである。
S233において、メインCPU61は、特別図柄に対応する当り開始表示コマンドをセットする処理を行う。この処理において、当り開始表示コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路70が大当り遊技状態の開始又は小当り遊技状態の開始を認識するようになる。当り開始表示コマンドには、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の開始を示すとともに、具体的な当りパターンを示すデータが含まれている。当り開始表示コマンドに含まれる当りパターンを示すデータにより、サブCPU71は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態における演出パターンを決定する。この処理を終了した場合には、S234に処理を移す。
S234において、メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値をクリアする処理を行う。この処理を終了した場合には、S235に処理を移す。
S235において、メインCPU61は、当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)をメインRAM63の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
S236において、メインCPU61は、メインRAM63の制御状態フラグとして特別図柄ゲームの終了処理を示す値(07H)をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
[当り開始インターバル管理処理]
図32は、メインCPU61により実行される当り開始インターバル管理処理を示すフローチャートである。この当り開始インターバル管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
図32に示すように、S240において、メインCPU61は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であると判定した場合にはS241に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)でないと判定した場合には当り開始インターバル管理処理ルーチンを終了する。
S241において、メインCPU61は、当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」であると判定した場合にはS242に処理を移す。一方、メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」でないと判定した場合には当り開始インターバル管理処理ルーチンを終了する。
S242において、メインCPU61は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、大当りであると判定した場合にはS243に処理を移す。一方、メインCPU61は、大当りでないと判定した場合にはS245に処理を移す。
S243において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に、大入賞口開放回数カウンタの値に上限値をセット(記憶)する処理を行い、S244に処理を移す。
S244において、メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値に「1」を加算する処理を行い、S245に処理を移す。
S245において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に、大当り図柄又は小当り図柄の種類に応じた大入賞口開閉パターンを示す当りパターンデータをセット(記憶)する処理を行う。なお、特定領域38Aを開閉させるための変位部材作動パターンデータもここでセットされる。メインCPU61は、このS245において決定された大当り図柄又は小当り図柄に対応した、図12に示すパターン(当りパターン)に基づいてラウンド制御を行う。この処理を終了した場合には、S246に処理を移す。
S246において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドをセット(記憶)する処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドは、ラウンドゲームの開始を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給される。この処理を終了した場合には、S247に処理を移す。
S247において、メインCPU61は、メインRAM63おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放中処理を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S248に処理を移す。
S248において、メインCPU61は、メインRAM63の大入賞口入賞カウンタの値をクリアする処理を行う。この処理を終了した場合には、S249に処理を移す。
S249において、メインCPU61は、メインRAM63の排出球カウンタの値をクリアする処理を行う。この処理を終了した場合には、S250に処理を移す。
S250において、メインCPU61は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM63にセットする処理を行う。待ち時間タイマの値は、大入賞口開放回数カウンタの値(ラウンド数)に応じた時間、例えば、第1特別図柄の大当り図柄が「確変1」の1R目であれば、15.1sとしてセットされる。この処理を終了した場合には、S251に処理を移す。
S251において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、第1大入賞口36又は第2大入賞口37Aを開放させるために、メインROM62から読み出されたデータに基づいて、メインRAM63に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、第1大入賞口シャッタソレノイド3610又は第2大入賞口シャッタソレノイド3710を駆動して第1大入賞口36又は第2大入賞口37Aを開放状態とすることとなる。この処理を終了した場合には、当り開始インターバル管理処理ルーチンを終了する。
なお、本実施形態では、大当り遊技状態の1R目又は小当り遊技状態の場合には、必ず第1大入賞口36が開放するため、第1大入賞口36を開放させるためのデータがセットされる。また、ここでは特定領域38Aを開閉させるためのデータもセットしているが、この特定領域38Aを開閉させるためのデータについては、他の処理においてセットするようにしてもよい。
[大入賞口再開放前待ち時問管理処理]
図33は、メインCPU61により実行される大入賞口再開放前待ち時問管理処理を示すフローチャートである。この大入賞口再開放前待ち時問管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
図33に示すように、S260において、メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)であると判定した場合にはS261に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)でないと判定した場合には大入賞口再開放前待ち時問管理処理ルーチンを終了する。
S261において、メインCPU61は、ラウンド間インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」であると判定した場合にはS262に処理を移す。一方、メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」でないと判定した場合には大入賞口再開放前待ち時問管理処ルーチンを終了する。
S262において、メインCPU61は、メインRAM63の大入賞口開放回数カウンタの値に「1」を加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S263に処理を移す。
S263において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドをセット(記憶)する処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドは、ラウンドゲームの開始を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に大入賞口開放中表示コマンドとして供給される。この処理を終了した場合には、S264に処理を移す。
S264において、メインCPU61は、メインRAM63おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放中処理を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S265に処理を移す。
S265において、メインCPU61は、メインRAM63の大入賞口入賞カウンタの値をクリアする処理を行う。この処理を終了した場合には、S266に処理を移す。
S266において、メインCPU61は、メインRAM63の排出球カウンタの値をクリアする処理を行う。この処理を終了した場合には、S267に処理を移す。
S267において、メインCPU61は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S268に処理を移す。
S268において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、大入賞口再開放前待ち時問管理処理ルーチンを終了する。
[大入賞口開放中処理]
図34は、メインCPU61により実行される大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。この大入賞口開放中処理は、以下のステップ単位に実行される。
図34に示すように、S270において、メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04H)であると判定した場合にはS271に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04H)でないと判定した場合には大入賞口開放中処理ルーチンを終了する。
S271において、メインCPU61は、大入賞口入賞カウンタの値が「10」以上であるか否かの判定を行う。この処理において、メインCPU61は、大入賞口入賞カウンタの値が「10」以上であると判定した場合にはS274に処理を移す。一方、メインCPU61は、大入賞口入賞カウンタの値が「10」以上でないと判定した場合にはS272に処理を移す。
S272において、メインCPU61は、大当りの種類と現在ラウンドとにおいて、セットしたラウンド毎の開閉パターンに応じた大入賞口開閉処理を実行し、S273に処理を移す。
S273において、メインCPU61は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマが「0」であるか否かの判定を行う。メインCPU61は、待ち時間タイマが「0」であると判定した場合にはS274に処理を移す。一方、メインCPU61は、待ち時間タイマが「0」でないと判定した場合には大入賞口開放中処理ルーチンを終了する。
S274において、メインCPU61は、大入賞口閉鎖データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU61は、大入賞口を閉鎖させるために、メインROM62から読み出されたデータに基づいて、メインRAM63に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、第1大入賞口シャッタソレノイド3610又は第2大入賞口シャッタソレノイド3710を閉鎖状態とするものである。この処理を終了した場合には、S275に処理を移す。
S275において、メインCPU61は、残留球監視タイマに所定値をセットする処理を行う。本実施形態では、所定値として例えば1098msに対応する値がセットされる。この処理を終了した場合には、S276に処理を移す。
S276において、メインCPU61は、閉鎖した大入賞口が第1大入賞口36であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、閉鎖した大入賞口が第1大入賞口36であると判定した場合にはS277に処理を移す。一方、メインCPU61は、閉鎖した大入賞口が第1大入賞口36でない、すなわち、第2大入賞口37Aであると判定した場合には、S278に処理を移す。
S277において、メインCPU61は、排出監視タイマに所定値をセットする処理を行う。本実施形態では、所定値として例えば1998msに対応する値がセットされる。この処理を終了した場合には、S278に処理を移す。
S278において、メインCPU61は、小当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、小当りであると判定した場合にはS283に処理を移す。一方、メインCPU61は、小当りでないと判定した場合にはS279に処理を移す。
S279において、メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数(ラウンド数)の上限値以上であるか否かの判定を行う。この処理において、メインCPU61は、メインRAM63に記憶されている大入賞口開放回数カウンタの値と大入賞口開放回数(ラウンド数)の上限値とを比較して、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の上限値以上であるか否かを判定する。ここで、大入賞口開放回数の上限値とは、例えば、第2特別図柄の「確変1」であれば16Rとなる。メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値が入賞口開放回数の上限値以上であると判定した場合にはS283に処理を移す。一方、メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の上限値以上でないと判定した場合にはS280に処理を移す。
S280において、メインCPU61は、ラウンド間インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM63にセットする処理を行う。なお、ラウンド間インターバル表示時間は、インターバルパターンa、bに対応する時間がセットされるが、これらとは異なる時間がセットされるようにしてもよい。この処理を終了した場合には、S281に処理を移す。
S281において、メインCPU61は、メインRAM63おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S282に処理を移す。
S282において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に、ラウンド間表示コマンドをセットする処理を行う。ラウンド間表示コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給される。この処理を終了した場合には、大入賞口開放中処理ルーチンを終了する。
一方、S283において、メインCPU61は、当り終了インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S284に処理を移す。
なお、本実施形態においては、一例として、第1特別図柄に対応する当り終了インターバル表示時間は、大当り図柄が「確変1」、「確変2」である場合には7500ms、「時短1」、「時短2」である場合には12312msであり、第2特別図柄に対応する当り終了インターバル表示時間は、大当り図柄が「確変3」である場合には7500ms、「確変4」である場合には12312ms、大当り図柄が「確変5」である場合、及び小当り図柄が「小当り1」、「小当り2」である場合には4500msとなっている。
他の例として、第2特別図柄に対応する当り終了インターバル表示時間は、全ての大当り図柄に対して4500ms以下とし、第1特別図柄よりも第2特別図柄に係る大当り遊技状態の方が、最終ラウンドの終了時から大当り遊技状態の終了までの時間が短くなるようにしてもよい。
S284において、メインCPU61は、メインRAM63おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、当り終了インターバル管理処理を示す値(06H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S285に処理を移す。
S285において、メインCPU61は、メインRAM63の所定領域に、当り終了表示コマンドをセットする処理を行う。当り終了表示コマンドは、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の終了を示すコマンドとして、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給される。この処理を終了した場合には、大入賞口開放中処理ルーチンを終了する。
[当り終了インターバル管理処理]
図35は、メインCPU61により実行される当り終了インターバル管理処理を示すフローチャートである。この当り終了インターバル管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
S290において、メインCPU61は、メインRAM63の制御状態フラグが当り終了インターバル管理処理を示す値(06H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが当り終了インターバル管理処理を示す値(06H)であると判定した場合には、S291に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが当り終了インターバル管理処理を示す値(06H)でないと判定した場合には、S301に処理を移す。
S291において、メインCPU61は、当り終了インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」であると判定した場合にはS292に処理を移す。一方、メインCPU61は、待ち時間タイマの値が「0」でないと判定した場合には、S301に処理を移す。
S292において、メインCPU61は、メインRAM63の特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を特別図柄制御状態フラグにセットする。この処理を終了した場合には、S293に処理を移す。
S293において、メインCPU61は、メインRAM63の特定領域通過フラグが「01H」であるか否かを判定する処理を行う。特定領域通過フラグが「01H」であると判定した場合には、S294に処理を移す。特定領域通過フラグが「01H」でないと判定した場合には、S298に処理を移す。
S294において、メインCPU61は、メインRAM63の遊技状態フラグに「03H」をセットする処理を行う。なお、遊技状態フラグの「03H」は、確変・時短遊技状態を示す。この処理を終了した場合には、S295に処理を移す。
S295において、メインCPU61は、メインRAM63の確変回数カウンタの値にST回数として「70」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S296に処理を移す。
S296において、メインCPU61は、メインRAM63の時短回数カウンタの値に時短回数として「70」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S297に処理を移す。
S297において、メインCPU61は、メインRAM63の特定領域通過フラグに「00H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S301に処理を移す。
S298において、メインCPU61は、小当りの終了であるか否かを判定する処理を行う。小当りの終了であると判定した場合には、S301に処理を移す。小当りの終了でないと判定した場合には、S299に処理を移す。
S299において、メインCPU61は、メインRAM63の遊技状態フラグに「01H」をセットする処理を行う。なお、遊技状態フラグの「01H」は、非確変・時短遊技状態を示す。この処理を終了した場合には、S300に処理を移す。
S300において、メインCPU61は、メインRAM63の時短回数カウンタの値に時短回数として「30」又は「70」をセットする処理を行う。より具体的には、メインCPU61は、大当り図柄が「時短1」又は「時短2」で確変遊技状態に移行しないとき、時短回数として「30」をセットし、大当り図柄が「確変1」〜「確変5」で確変遊技状態に移行しないとき、時短回数として「70」をセットする。この処理を終了した場合には、S301に処理を移す。
S301おいて、メインCPU61は、遊技状態コマンドをセットし、当り終了インターバル管理処理ルーチンを終了する。遊技状態コマンドは、大当り遊技状態の終了後に制御される遊技状態、及び時短回数としての残り回数(残時短回数)にを示す情報加え、終了した当り遊技状態の種類(大当り、小当り)を示す情報を含むコマンドである。遊技状態コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給される。
[特別図柄ゲーム終了処理]
図36は、メインCPU61により実行される特別図柄ゲーム終了処理を示すフローチャートである。この特別図柄ゲーム終了処理は、以下のステップ単位に実行される。
図36に示すように、S310において、メインCPU61は、メインRAM63の制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であると判定した場合には、S311に処理を移す。一方、メインCPU61は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)でないと判定した場合には、この特別図柄ゲーム終了処理ルーチンを終了する。
S311において、メインCPU61は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をメインRAM63にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、特別図柄ゲーム終了処理ルーチンを終了する。
[サブCPUによる制御]
次に、図37〜図50を用いて、サブCPU71により実行される処理について以下に説明をする。副制御回路70のサブCPU71は、主制御回路60からの各種コマンドを受信して、表示制御処理などの様々な処理を行う。
[サブCPUによるメイン処理]
図37は、サブCPU71により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、以下のステップ単位に実行される。
図37に示すように、S320において、サブCPU71は、電源投入に応じて初期化する処理を行う。この処理を終了した場合には、S321に処理を移す。
S321において、サブCPU71は、ワークRAM73に記憶される乱数値(演出決定用乱数カウンタ値及び停止図柄決定用乱数カウンタ値等)を更新する処理を行う。この処理を終了した場合には、S322に処理を移す。
S322において、サブCPU71は、コマンド解析処理を行う。この処理の詳細は後述するが、サブCPU71は、主制御回路60から受信してワークRAM73の受信バッファに格納されたコマンドを解析する処理を行う。この処理を終了した場合には、S323に処理を移す。なお、コマンド解析処理については、図41を用いて後述する。
S323において、サブCPU71は、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU71は、液晶表示装置4の表示領域4Aにおいて表示を行うためのデータを表示制御回路76に送信する。VDP(Video Display Processor)を含む表示制御回路76は、サブCPU71からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、識別図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データを画像データROMから読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置4の表示領域4Aに表示させる。この処理を終了した場合には、S324に処理を移す。
S324において、サブCPU71は、音声制御回路77を介してスピーカ10a,10b,10cから発生させる音を制御する音声制御処理を行う。この処理を終了した場合には、S325に処理を移す。
S325において、サブCPU71は、ランプ制御回路78を介してランプ・LED27の発光(点灯・点滅)を制御するランプ制御処理を実行する。この処理を終了した場合には、S326に処理を移す。
S326において、サブCPU71は、可動演出装置制御回路79を介して可動演出装置制御処理を行う。この処理において、サブCPU71は、上側可動演出部材42A及び下側可動演出部材42Bを駆動する可動演出装置42を制御する制御処理を実行する。この処理を終了した場合には、S321に処理を移し、以降、S321〜S326の処理を繰り返し行う。
一方、サブCPU71は、メイン処理を実行している状態であっても、このメイン処理を中断させ、コマンド受信割込処理やタイマ割込処理を実行する場合がある。以下、図38を用いてコマンド受信割込処理、図39を用いてタイマ割込処理について説明する。
[コマンド受信割込処理]
図38は、サブCPU71により実行されるコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、以下のステップ単位に実行される。
図38に示すように、S330において、サブCPU71は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムを退避させる処理を行う。この処理を終了した場合には、S331に処理を移す。
S331において、サブCPU71は、入力されたコマンドを受信バッファへ格納する処理を行う。この処理において、サブCPU71は、入力されたコマンドをワークRAM73の受信バッファ領域へ格納する処理を行う。例えば、サブCPU71は、主制御回路60から送信された各種のコマンドを受信する。この処理において、格納されたコマンドは、図41のコマンド解析処理にて解析される。この処理を終了した場合には、S332に処理を移す。
S332において、サブCPU71は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、S330で退避したプログラムを各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理を終了した場合には、コマンド受信割込処理ルーチンを終了する。
[タイマ割込処理]
図39は、サブCPU71により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、以下のステップ単位に実行される。
図39に示すように、S340において、サブCPU71は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理を終了した場合には、S341に処理を移す。
S341において、サブCPU71は、各種のタイマ更新処理を行う。この処理を終了した場合には、S342に処理を移す。なお、タイマ更新処理については、図40を用いて後述する。
S342において、サブCPU71は、押下操作ボタン操作判定処理を行う。この処理において、サブCPU71は、押下操作ボタン9Aの操作の有無を検出する処理を行う。この処理は、実際には判定処理となるが、割込処理であるためにここでは一つのルーチンとして説明する。この処理を終了した場合には、S343に処理を移す。
S343において、サブCPU71は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU71は、S340で退避したプログラムを各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理を終了した場合には、タイマ割込処理ルーチンを終了する。
[タイマ更新処理]
図40は、サブCPU71により実行されるタイマ更新処理を示すフローチャートである。このタイマ更新処理は、以下のステップ単位に実行される。
図40に示すように、S350において、サブCPU71は、排出エラー報知タイマの値が「0」であるか否かを判定する処理を行う。排出エラー報知タイマは、排出エラーの報知を行う時間を計時するためのタイマである。排出エラー報知タイマの値が「0」であると判定した場合には、S354に処理を移す。排出エラー報知タイマの値が「0」でないと判定した場合には、S351に処理を移す。
S351において、サブCPU71は、排出エラー報知タイマの値を1減算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S352に処理を移す。
S352において、サブCPU71は、再び排出エラー報知タイマの値が「0」であるか否かを判定する処理を行う。排出エラー報知タイマの値が「0」であると判定した場合には、S353に処理を移す。一方、サブCPU71は、排出エラー報知タイマの値が「0」でないと判定した場合には、S354に処理を移す。
S353において、サブCPU71は、排出エラー報知フラグに「00H」をセットする処理を行う。排出エラー報知フラグは、排出エラーの報知を行うか否かをサブCPU71が識別可能なフラグであり、「00H」の場合には排出エラーの報知を行わない(終了させる)こととなり、「01H」の場合には排出エラーの報知を行うこととなる。この処理を終了した場合には、S354に処理を移す。
S354において、サブCPU71は、発射停止報知タイマの値が「0」であるか否かを判定する処理を行う。発射停止報知タイマは、発射停止の報知(演出「STOP」など)を行う時間を計時するためのタイマである。発射停止報知タイマの値が「0」であると判定した場合には、S358に処理を移す。発射停止報知タイマの値が「0」でないと判定した場合には、S355に処理を移す。
S355において、サブCPU71は、発射停止報知タイマの値を1減算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S356に処理を移す。
S356において、サブCPU71は、再び発射停止報知タイマの値が「0」であるか否かを判定する処理を行う。発射停止報知タイマの値が「0」でないと判定した場合には、S358に処理を移す。一方、サブCPU71は、発射停止報知タイマの値が「0」であると判定した場合には、S357に処理を移す。
S357において、サブCPU71は、発射停止報知フラグに「00H」をセットする処理を行う。発射停止報知フラグは、発射停止の報知を行うか否かをサブCPU71が識別可能なフラグであり、「00H」の場合には発射停止の報知を行わない(終了させる)こととなり、「01H」の場合には発射停止の報知を行う(継続させる)こととなる。この処理を終了した場合には、S358に処理を移す。
S358において、サブCPU71は、その他タイマの更新処理を行う。この処理を終了した場合には、タイマ更新処理ルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
図41は、サブCPU71により実行されるコマンド解析処理を示すフローチャートである。このコマンド解析処理は、以下のステップ単位に実行される。
図41に示すように、S360において、サブCPU71は、コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU71は、コマンドを受信したと判定した場合には、S361に処理を移す。一方、サブCPU71は、コマンドを受信していないと判定した場合には、このコマンド解析処理ルーチンを終了する。
S361において、サブCPU71は、受信したコマンドのデータを読み出し、そのコマンドのデータに応じた処理を以降のステップにて行う。サブCPU71は、受信したコマンドのデータの読み出しが終了した場合には、S362に処理を移す。
S362において、サブCPU71は、S361で読み出したコマンドとして変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する。サブCPU71は、読み出したコマンドとして変動パターン指定コマンドを受信したと判定した場合には、S363に処理を移す。一方、サブCPU71は、読み出したコマンドとして変動パターン指定コマンドを受信していないと判定した場合には、S365に処理を移す。
S363において、サブCPU71は、演出パターン決定処理を行う。この処理において、サブCPU71は、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、装飾図柄の変動表示態様を含む演出パターンを決定する。サブCPU71は、装飾図柄の変動表示態様が決定した場合、決定した演出パターンに対応する演出データをワークRAM73の所定の記憶領域にセットする。この処理を終了した場合には、S364に処理を移す。
S364において、サブCPU71は、第1演出モード変更処理を実行する。この第1演出モード変更処理については、図48を用いて後述する。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
S365において、サブCPU71は、S361で読み出したコマンドとして図柄指定コマンドを受信したか否かを判定する。サブCPU71は、読み出したコマンドとして図柄指定コマンドを受信したと判定した場合には、S366に処理を移す。一方、サブCPU71は、読み出したコマンドとして図柄指定コマンドを受信していないと判定した場合には、S367に処理を移す。
S366において、サブCPU71は、停止図柄決定処理を行う。この処理において、サブCPU71は、メインCPU61から受信した図柄指定コマンドに対応する停止装飾図柄を決定する。サブCPU71は、停止装飾図柄が決定した場合、決定した停止装飾図柄データをワークRAM73の所定の記憶領域にセットする。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
液晶表示装置4の表示領域4Aに表示する装飾図柄としては、例えば、数字の「1」〜「7」まであり、これらの装飾図柄(数字)が所定数(例えば、3つ(3桁))が同じ装飾図柄(数字)で揃った場合に、基本的に大当り遊技状態に移行する。具体的には、第1特別図柄の大当り図柄としての「確変1」、「確変2」、「時短1」、「時短2」、第2特別図柄の大当り図柄としての「確変3」〜「確変5」、及び小当り図柄としての「小当り1」、「小当り2」に関して、「確変1」、「確変2」、「時短1」、「時短2」に対応する装飾図柄は、数字の「1」、「2」、「4」、「5」、又は「6」の何れかの揃目、「確変3」、「確変4」に対応する装飾図柄は、数字の「3」又は「7」の揃目、「確変5」及び「小当り1」図に対応する装飾図柄は、特定図柄の組合せとして数字の「―当―」となる特定出目、「小当り2」に対応する装飾図柄は、特定図柄の組合せとして数字の「当当当」となる特定出目、ハズレに対応する装飾図柄は、特定出目以外のバラケ目となっている。なお、停止図柄は、特定図柄に対応させなくてもよい。
S367において、サブCPU71は、S361で読み出したコマンドとして当り開始表示コマンドを受信したか否かを判定する。サブCPU71は、読み出したコマンドとして当り開始表示コマンドを受信したと判定した場合には、S368に処理を移す。一方、サブCPU71は、読み出したコマンドとして当り開始表示コマンドを受信していないと判定した場合には、S369に処理を移す。
S368において、サブCPU71は、当り演出パターン決定処理を実行する。この当り演出パターン決定処理では、全ての当りに係る当り演出パターンが決定されるが、詳細については図42を用いて後述する。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
S369において、サブCPU71は、S361で読み出したコマンドとして特定領域通過コマンドを受信したか否かを判定する。サブCPU71は、読み出したコマンドとして特定領域通過コマンドを受信したと判定した場合には、S370に処理を移す。一方、サブCPU71は、読み出したコマンドとして特定領域通過コマンドを受信していないと判定した場合には、S371に処理を移す。
S370において、サブCPU71は、V入賞報知処理を実行する。このV入賞報知処理では、特定領域に遊技対媒体が通過したことに基づく演出制御が行われるが、詳細については図43を用いて後述する。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
S371において、サブCPU71は、S361で読み出したコマンドとして大入賞口開放中表示コマンドを受信したか否かを判定する。サブCPU71は、読み出したコマンドとして大入賞口開放中表示コマンドを受信したと判定した場合には、S372に処理を移す。一方、サブCPU71は、読み出したコマンドとして大入賞口開放中表示コマンドを受信していないと判定した場合には、S373に処理を移す。
S372において、サブCPU71は、ラウンド中演出処理を実行する。このラウンド中演出処理では、ラウンド遊技中の演出を実行するための処理が行われるが、詳細については図44を用いて後述する。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
S373において、サブCPU71は、S361で読み出したコマンドとしてラウンド間表示コマンドを受信したか否かを判定する。サブCPU71は、読み出したコマンドとしてラウンド間表示コマンドを受信したと判定した場合には、S374に処理を移す。一方、サブCPU71は、読み出したコマンドとしてラウンド間表示コマンドを受信していないと判定した場合には、S375に処理を移す。
S374において、サブCPU71は、ラウンド間演出処理を実行する。このラウンド間演出処理では、ラウンド間の演出を実行するための処理が行われるが、詳細については図45を用いて後述する。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
S375において、サブCPU71は、S361で読み出したコマンドとして当り終了表示コマンドを受信したか否かを判定する。サブCPU71は、読み出したコマンドとして当り終了表示コマンドを受信したと判定した場合には、S376に処理を移す。一方、サブCPU71は、読み出したコマンドとして当り終了表示コマンドを受信していないと判定した場合には、S377に処理を移す。
S376において、サブCPU71は、当り終了演出処理を実行する。この当り終了演出処理では、当り終了インターバル時における演出制御が行われるが、詳細については図46を用いて後述する。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
S377において、サブCPU71は、S361で読み出したコマンドとして遊技状態コマンドを受信したか否かを判定する。サブCPU71は、読み出したコマンドとして遊技状態コマンドを受信したと判定した場合には、S378に処理を移す。一方、サブCPU71は、読み出したコマンドとして遊技状態コマンドを受信していないと判定した場合には、S379に処理を移す。
S378において、サブCPU71は、第2演出モード変更処理を実行する。この第2演出モード変更処理では、受信した遊技状態コマンドの内容に応じた演出制御が行われるが、詳細については図49を用いて後述する。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
S379において、サブCPU71は、S361で読み出したコマンドとして排出エラーコマンドを受信したか否かを判定する。サブCPU71は、読み出したコマンドとして排出エラーコマンドを受信したと判定した場合には、S380に処理を移す。一方、サブCPU71は、読み出したコマンドとして排出エラーコマンドを受信していないと判定した場合には、S381に処理を移す。
S380において、サブCPU71は、排出エラー報知処理を実行する。この排出エラー報知処理では、排出エラーが発生した際のエラー報知制御を行うための処理が行われるが、詳細については図50を用いて後述する。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
S381において、サブCPU71は、その他、受信したコマンドに対応した処理を実行する。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
[当り演出パターン決定処理]
図42は、サブCPU71により実行される当り演出パターン決定処理を示すフローチャートである。この当り演出パターン決定処理は、以下のステップ単位に実行される。
図42に示すように、S390において、サブCPU71は、当り演出パターン種別決定処理を実行する。この処理において、サブCPU71は、受信した当り開始表示コマンドに含まれる特別図柄の停止図柄指定情報に応じて当り演出パターンフラグに「01H」〜「06H」のいずれかをセットする。「01H」は「確変1」及び「確変2」の演出内容に対応し、「02H」は「時短1」及び「時短2」の演出内容に対応し、「03H」は「確変3」の演出内容に対応し、「04H」は「確変4」の演出内容に対応し、「05H」は「確変5」及び「小当り1」の演出内容に対応し、「06H」は「小当り2」の演出内容に対応する値である。この処理を終了した場合には、S391に処理を移す。
S391において、サブCPU71は、当りパターンの種別に応じた演出データをセットする。より具体的には、サブCPU71は、当り開始インターバル中における演出を実行するための演出データ(当り演出パターンフラグの値に応じたデータ)をセットする。この処理を終了した場合には、当り演出パターン決定処理ルーチンを終了する。なお、当り状態を演出から認識させるために、当り演出パターンの値毎に異なる演出パターンを実行することが好ましいが、同一であってもよい。
[V入賞報知処理]
図43は、サブCPU71により実行されるV入賞報知処理を示すフローチャートである。このV入賞報知処理は、V入賞の報知を行うための処理であり、以下のステップ単位に実行される。
図43に示すように、S400において、サブCPU71は、V入賞フラグの値が「01H」であるか否かを判定する。サブCPU71は、V入賞フラグの値が「01H」であると判定した場合には、V入賞報知処理ルーチンを終了する。一方、サブCPU71は、V入賞フラグの値が「01H」でないと判定した場合には、S401に処理を移す。
S401において、サブCPU71は、V入賞フラグの値に「01H」をセットする処理を行う。V入賞フラグは、V入賞の報知を行ったか否かを示す内部フラグである。V入賞の報知を行った場合には、V入賞フラグの値として「01H」がセットされ、V入賞の報知を行っていない場合には、V入賞フラグの値として「00H」がセットされる。この処理を終了した場合には、S402に処理を移す。
S402において、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「01H」又は「02H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、第1特別図柄の大当り中であるか否かを判定する。サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「01H」及び「02H」のいずれでないと判定した場合には、S405に処理を移す。一方、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「01H」又は「02H」であると判定した場合には、S403に処理を移す。
なお、当り演出パターンフラグの値が「02H」(「時短1」又は「時短2」の大当り中)のときには、基本的にV入賞しないため、S402の判定を行わないようにしてもよい。また、当り演出パターンフラグの値が「02H」のときには、後述のS403において必ず確変モードへ移行判定されるようにしてもよい。
S403において、サブCPU71は、確変モード移行判定処理を行う。換言するならば、サブCPU71は、確変モードに移行させるか否かの判定を行う。より具体的には、サブCPU71は、「確変1」又は「確変2」のときには1/10で確変モードに移行すると判定し、「時短1」又は「時短2」のときには10/10で確変モードに移行すると判定する。なお、上記確率は、任意の確率を採用することができる。例えば、「確変1」、「確変2」、「時短1」、及び「時短2」の全てで同じ確率としてもよい。
S404において、サブCPU71は、確変モードに移行するか否かを判定する。サブCPU71は、確変モードに移行すると判定した場合には、S406に処理を移す。一方、サブCPU71は、確変モードに移行しないと判定した場合には、V入賞報知処理ルーチンを終了する。
S405において、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「03H」〜「05H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、第2特別図柄当り(「小当り2」の当りを除く。)中であるか否かを判定する。サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「03H」〜「05H」のいずれかであると判定した場合には、S406に処理を移す。一方、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「03H」〜「05H」のいずれでもないと判定した場合には、V入賞報知処理ルーチンを終了する。
S406において、サブCPU71は、V入賞報知フラグの値に「01H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、V入賞報知処理ルーチンを終了する。
このように、S404の確変モード移行判定において肯定の判定、又は第2特別図柄当り(「小当り2」の当りを除く。)ときにのみ、V入賞報知を行うための値「01H」をV入賞報知フラグにセットする。これにより、「V」の報知、例えば、液晶表示装置4の表示領域4Aには、V入賞に対応する演出画像が表示されるとともに、スピーカ10a〜10cやランプ・LED27を用いて所定の音発生や発光が行われる。なお、全ての当りにおいて報知する構成としてもよいし、報知しないように構成してもよい。また、一部の当りについてのみ報知する構成としてもよい。
[ラウンド中演出処理]
図44は、サブCPU71により実行されるラウンド中演出処理を示すフローチャートである。このラウンド中演出処理は、ラウンドごとに演出内容を決定するための処理であり、以下のステップ単位に実行される。
図44に示すように、S410において、サブCPU71は、ラウンドカウンタの値に1加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S411に処理を移す。
S411において、サブCPU71は、ラウンドカウンタの値が「2」以下であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、V入賞が可能なラウンド中(1R目又は2R目)であるか否かを判定する。サブCPU71は、ラウンドカウンタの値が「2」以下であると判定した場合には、S412に処理を移す。一方、サブCPU71は、ラウンドカウンタの値が「2」より大きいと判定した場合には、ラウンド中演出処理ルーチンを終了する。
S412において、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「02H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、時短大当り(「時短1」及び「時短2」のいずれかの大当り)であるか否かを判定する。サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「02H」であると判定した場合には、ラウンド中演出処理ルーチンを終了する。一方、サブCPU71は、当り演出パターンの値が「02H」でないと判定した場合には、S413に処理を移す。
なお、時短大当りである場合には、V入賞が困難であることから、発射停止報知(例えば「STOP」の報知)を行う必要がないので、この発射停止報知が行われないようにするため、この判定処理を設けているが、この判定処理を設けなくてもよい。
S413において、サブCPU71は、発射停止報知タイマの値に所定値をセットする。例えば、サブCPU71は、変位部材39が初回の開放開始からミドル開放を行うまでの時間であるX秒(例えば12.1秒)よりも短いY秒(例えば12秒)に対応する値をセットする。この値は、確変大当りにおいて大入賞口がミドル開放を行う少し前のタイミングにも該当する。なお、V入賞が容易な時間に報知することができる範囲において適宜の値を採用できる。また、当りの種別に応じて異なる値をセットするようにしてもよい。この処理を終了した場合には、S414に処理を移す。
S414において、サブCPU71は、発射停止報知フラグの値に「01H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S415に処理を移す。
S415において、サブCPU71は、当り演出パターン及びラウンドに応じたラウンド中演出データをセットする。なお、当り状態を演出から認識させるために、当り演出パターンの値毎に異なる演出パターンを実行することが好ましいが、同一の演出パターンを実行する構成であってもよい。この処理を終了した場合には、ラウンド中演出処理ルーチンを終了する。
[ラウンド間演出処理]
図45は、サブCPU71により実行されるラウンド間演出処理を示すフローチャートである。このラウンド間演出処理は、対象とするラウンド間の演出内容を決定するための処理であり、以下のステップ単位に実行される。なお、S420〜S422では、「STOP」の演出が行われている間にラウンドが終了してしまった場合に実行される処理である。
図45に示すように、S420において、サブCPU71は、発射停止報知フラグの値が「01H」であるか否かを判定する。サブCPU71は、発射停止報知フラグの値が「01H」であると判定した場合には、S421に処理を移す。一方、サブCPU71は、発射停止報知フラグの値が「01H」でないと判定した場合には、S423に処理を移す。
S421において、サブCPU71は、発射停止報知フラグの値に「00H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S422に処理を移す。
S422において、サブCPU71は、発射停止報知タイマの値に「0」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S423に処理を移す。
なお、本実施形態は上記の構成に限られるものではない。例えば、1R目においてV入賞できなかった場合において、ラウンド間に「STOP」の演出を継続させる構成としてもよい。この構成によれば、遊技者に違和感を与え、V入賞していないことを示唆することができる。
S423において、サブCPU71は、当り演出パターン及びラウンドに応じたラウンド間演出データをセットする。なお、当り状態を演出から認識させるために、当り演出パターンの値毎に異なる演出パターンを実行することが好ましいが、同一の演出パターンを実行する構成であってもよい。この処理を終了した場合には、ラウンド間演出処理ルーチンを終了する。
[当り終了演出処理]
図46及び図47は、サブCPU71により実行される当り終了演出処理を示すフローチャートである。この当り終了演出処理は、大当り又は小当りの終了時となる当り終了インターバルにおける演出内容を決定するための処理であり、以下のステップ単位に実行される。
図46に示すように、S430において、サブCPU71は、発射停止報知フラグの値が「01H」であるか否かを判定する。サブCPU71は、発射停止報知フラグの値が「01H」であると判定した場合には、S431に処理を移す。一方、サブCPU71は、発射停止報知フラグの値が「01H」でないと判定した場合には、S433に処理を移す。
S431において、サブCPU71は、発射停止報知フラグの値に「00H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S432に処理を移す。
S432において、サブCPU71は、発射停止報知タイマの値に「0」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S433に処理を移す。
S433において、サブCPU71は、V入賞報知フラグの値が「01H」であるか否かを判定する。サブCPU71は、V入賞報知フラグの値が「01H」であると判定した場合には、S434に処理を移す。一方、サブCPU71は、V入賞報知フラグの値が「01H」でないと判定した場合には、図47のS444に処理を移す。
S434において、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「01H」〜「04H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、「確変1」〜「確変4」、「時短1」、及び「時短2」のいずれかの大当りであるかを判定する。サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「01H」〜「04H」のいずれかであると判定した場合には、S435に処理を移す。一方、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「01H」〜「04H」のいずれでもでないと判定した場合には、S437に処理を移す。
S435において、サブCPU71は、演出モードフラグの値に「04H」をセットする処理を行う。これにより、演出モードが確変モードとなる。本実施形態では、演出モードフラグの値が「01H」は通常モード、「02H」は第1時短モード、「03H」は第2時短モード、「04H」は確変モードに対応している。この処理を終了した場合には、S436に処理を移す。
S436において、サブCPU71は、モードカウンタの値に「70」をセットする処理を行う。これにより、確変モードは、ゲーム回数が70回を上限に実行される。なお、モードカウンタの値は、後述のように液晶表示装置4に表示される値である。この処理を終了した場合には、図47のS449に処理を移す。
S437において、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「05H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、「確変5」及び「小当り1」の何れかの当りであるかを判定する。サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「05H」であると判定した場合には、S438に処理を移す。一方、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「05H」でないと判定した場合には、S441に処理を移す。
S438において、サブCPU71は、演出モードフラグの値が「02H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、「確変5」又は「小当り1」の当り前の演出モードが第1時短モードであるか否かを判定する。サブCPU71は、演出モードフラグの値が「02H」であると判定した場合には、S439に処理を移す。一方、サブCPU71は、演出モードフラグの値が「02H」でないと判定した場合には、図47のS449に処理を移す。
S439において、サブCPU71は、演出モードフラグの値に「03H」をセットする処理を行う。これにより、演出モードが第2時短モードとなる。この処理を終了した場合には、S440に処理を移す。
S440において、サブCPU71は、モードカウンタの値に「70」をセットする処理を行う。これにより、第2時短モードは、ゲーム回数が70回を上限に実行される。この処理を終了した場合には、図47のS449に処理を移す。
S437〜S440では、「確変5」又は「小当り1」の当り前の演出モーが第1時短モードである場合に第2時短モードに移行すし、モードカウンタの値に「70」がセットされるように構成している。しかしながら、本実施形態は、上記構成に限られるものではない。例えば、滞在している演出モードの種別に関係なく、当り終了ごとにモードカウンタの値に所定の値をセットする構成を採用してもよい。
S441において、サブCPU71は、V入賞フラグの値が「01H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、「小当り2」においてV入賞したか否かを判定する。サブCPU71は、V入賞フラグの値が「01H」であると判定した場合には、S442に処理を移す。一方、サブCPU71は、V入賞フラグの値が「01H」でないと判定した場合には、図47のS444に処理を移す。
S442において、サブCPU71は、演出モードフラグの値に「02H」をセットする処理を行う。これにより、演出モードが第1時短モードとなる。この処理を終了した場合には、S443に処理を移す。
S443において、サブCPU71は、モードカウンタの値に「30」をセットする処理を行う。これにより、第1時短モードは、ゲーム回数が30回を上限に実行される。この処理を終了した場合には、図47のS449に処理を移す。
図47のS444において、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「06H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、「小当り2」であるか否かを判定する。サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「06H」であると判定した場合には、S445に処理を移す。一方、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「06H」でないと判定した場合には、S446に処理を移す。
S445において、サブCPU71は、遊技状態判別フラグの値に「01H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S449に処理を移す。
S446において、サブCPU71は、演出モードフラグの値が「02H」であるか否かを判定する。より具体的には、サブCPU71は、「小当り2」以外の当り中にV入賞せず、且つ当り前の演出モードが第1時短モードであるか否かを判定する。サブCPU71は、演出モードフラグの値が「02H」であると判定した場合には、S449に処理を移す。一方、サブCPU71は、演出モードフラグの値が「02H」でないと判定した場合には、S447に処理を移す。
S447において、サブCPU71は、演出モードフラグの値に「02H」をセットする処理を行う。これにより、演出モードが第1時短モードとなる。この処理を終了した場合には、S448に処理を移す。
S448において、サブCPU71は、モードカウンタの値に「30」をセットする処理を行う。これにより、第1時短モードは、ゲーム回数が30回を上限に実行される。なお、確変大当り(「確変1」〜「確変5」の大当り)である場合、モードカウンタの値に「70」をセットしてもよく、異なる値をセットしてもよい。この処理を終了した場合には、S449に処理を移す。
S449において、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値に「00H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S450に処理を移す。
S450において、サブCPU71は、V入賞フラグの値に「00H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S451に処理を移す。
S451において、サブCPU71は、V入賞報知フラグの値に「00H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S452に処理を移す。
S452において、サブCPU71は、ラウンドカウンタの値に「0」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S453に処理を移す。
S453において、サブCPU71は、当り演出パターン及びラウンドに応じた当り終了演出データをセットする。なお、終了する当り状態を演出から認識させるために、当り演出パターンの値毎に異なる演出パターンを実行することが好ましいが、同一の演出パターンを実行する構成であってもよい。この処理を終了した場合には、当り終了演出処理ルーチンを終了する。
[第1演出モード変更処理]
図48は、サブCPU71により実行される第1演出モード変更処理を示すフローチャートである。この第1演出モード変更処理は、演出モードを変更するための処理であり、以下のステップ単位に実行される。
図48に示すように、S460において、サブCPU71は、時短カウンタ更新処理を行う。より具体的には、サブCPU71は、受信した変動パターン指定コマンドに含まれる時短回数カウンタの値を時短カウンタの値にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S461に処理を移す。
S461において、サブCPU71は、通常モード強制移行フラグの値が「01H」であるか否かを判定する。サブCPU71は、通常モード強制移行フラグの値が「01H」であると判定した場合には、S462に処理を移す。一方、サブCPU71は、通常モード強制移行フラグの値が「01H」でないと判定した場合には、S465に処理を移す。
S462において、サブCPU71は、モード回数カウンタの値に「0」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S463に処理を移す。
S463において、サブCPU71は、演出モードフラグの値に「01H」をセットする処理を行う。これにより、演出モードが通常モードとなる。この処理を終了した場合には、S464に処理を移す。
S464において、サブCPU71は、通常モード強制移行フラグの値に「00H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、第1演出モード変更処理ルーチンを終了する。
S465において、サブCPU71は、モード移行保留フラグの値が「01H」であるか否かを判定する。サブCPU71は、モード移行保留フラグの値が「01H」であると判定した場合には、S466に処理を移す。一方、サブCPU71は、モード移行保留フラグの値が「01H」でないと判定した場合には、S474に処理を移す。
S466において、サブCPU71は、演出モード昇格判定処理を行う。より具体的には、サブCPU71は、現在の演出モードに基づいて演出モードを昇格させるか否かを判定する。以下では、演出モードごとに処理の詳細を説明する。
(第1時短モードの場合)
サブCPU71は、メイン側の遊技状態が確変遊技状態である場合には、「5/10」の確率で第2時短モードに移行させると判定し、「5/10」の確率で第1時短モードを維持すると判定する。なお、サブCPU71は、受信した変動パターン指定コマンドに含まれる残確変回数が1回以上である場合には、確変遊技状態であると判定し、一方、残確変回数が0回である場合には、非確変遊技状態であると判定する。
また、サブCPU71は、メイン側の遊技状態が非確変遊技状態である場合には、「2/10」の確率で第2時短モードに移行させると判定し、「8/10」の確率で第1時短モードを維持すると判定する。
本実施形態では、確率を「x/y」として示しているが、所定の乱数抽選を行うことにより当該確率を実現している。
第1時短モードの場合の演出モード昇格判定処理は、上述した処理に限られるものではない。例えば、更に、メイン側の残確変回数及び/又は残時短回数に基づいて、モード昇格確率などの確率を以下のように規定してもよい。なお、モード昇格確率は、第1時短モードである場合は、第1時短モードから第2時短モードに昇格させる確率、第2時短モードである場合は、第2時短モードから確変モードに昇格させる確率を意味する。
(例1)
サブCPU71は、残確変回数が31回以上である場合には、「5/10」の確率で第2時短モードに移行(昇格)させると判定し(「5/10」の確率で維持)、残確変回数が1回以上30回以下である場合には、「2/10」の確率で第2時短モードに移行させると判定する(「8/10」の確率で維持)。
(例2)
サブCPU71は、残時短回数が31回以上である場合には、「5/10」の確率で第2時短モードに移行させると判定し(「5/10」の確率で維持)、残時短回数が1回以上30回以下である場合には、「2/10」の確率で第2時短モードに移行させると判定する(「8/10」の確率で維持)。
(例3)
サブCPU71は、残確変回数と残時短回数との合計が101回以上である場合には、「8/10」の確率で第2時短モードに移行させると判定し(「2/10」の確率で維持)、残確変回数と残時短回数との合計が51回以上100回以下である場合には、「5/10」の確率で第2時短モードに移行させると判定し(「5/10」の確率で維持)、残確変回数と残時短回数との合計が1回以上50回以下である場合には、「2/10」の確率で第2時短モードに移行させると判定する(「8/10」の確率で維持)。
(第2時短モードの場合)
サブCPU71は、メイン側の遊技状態が確変遊技状態である場合には、「2/10」の確率で確変モードに移行させると判定し、「8/10」の確率で第2時短モードを維持すると判定する。
また、サブCPU71は、メイン側の遊技状態が非確変遊技状態である場合には、「10/10」の確率で第2時短モードを維持すると判定する。
第2時短モードの場合の演出モード昇格判定処理は、上述した処理に限られるものではない。例えば、更に、メイン側の残確変回数及び/又は残時短回数に基づいて、モード昇格確率を上記(例1)又は(例2)のように規定してもよい。なお、この場合には、(例1)及び(例2)の各々に示した「第2時短モード」を「確変モード」に読み替えることとする。
(確変モードの場合)
サブCPU71は、「10/10」の確率で確変モードを維持すると判定する。
なお、モード昇格確率は上述した値に限られるものではなく、適宜の値を採用することができる。
S466の処理を終了した場合には、S467に処理を移す。なお、演出モード昇格判定処理は、異なるタイミングで行い、演出モードを昇格させる構成としてもよい。
S467において、サブCPU71は、S466の処理で演出モードを昇格させると判定したか否かを判定する。サブCPU71は、昇格させると判定した場合には、S468に処理を移す。一方、サブCPU71は、昇格させないと判定した場合には、S470に処理を移す。
S468において、サブCPU71は、演出モードフラグの値に「03H」又は「04H」をセットする処理を行う。より具体的には、サブCPU71は、現在の演出モードが第1時短モードである場合には移行先の第2時短モードに対応する「03H」を演出モードフラグの値にセットし、現在の演出モードが第2時短モードである場合には移行先の確変モードに対応する「04H」を演出モードフラグの値にセットする。なお、第1時短モードから確変モードに演出モードを移行する構成としてもよい。この処理を終了した場合には、S469に処理を移す。
S469において、サブCPU71は、モード回数カウンタの値に時短カウンタの値をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S472に処理を移す。なお、モード回数カウンタの値に確変回数カウンタの値をセットする構成であってもよい。付言するならば、本実施形態では、時短回数と確変回数とが異なる値となる場合が生じるため、時短回数をベースとしてカウントしているが、時短回数と確変回数とが同じである場合は、確変回数に対応する値をセットするだけで、時短回数も管理できることになる。
S470において、サブCPU71は、加算数決定処理を行う。この処理を終了した場合には、S471に処理を移す。より具体的には、サブCPU71は、メイン側の時短回数に選択値を加算した値を算出する処理を行う。選択値は、「1/10」の確率で「±0」、「3/10」の確率で「−10」、「3/10」の確率で「−20」、「3/10」の確率で「−30」となっている。なお、当該演算により、モード回数カウンタの値にセットする値がマイナスになってしまった場合には、メイン側の時短回数そのままの値をセットする構成としてもよいし、あらかじめ定められた値(「10」等)をセットする構成としてもよい。この処理を終了した場合には、S471に処理を移す。
S471において、サブCPU71は、決定(算出)した値をモード回数カウンタの値にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S472に処理を移す。
S472において、サブCPU71は、昇格又は継続するか否かに応じた演出データをセットする処理を行う。例えば、サブCPU71は、「まだまだ」、「+X(モード回数カウンタの値)」等の報知をするための演出データをセットする。なお、本実施形態では、昇格時と維持時とで同一の演出データをセットしているが、この構成に限られるものではなく、異なる演出データをセットし、昇格か維持かが明確にわかるようにしてもよい。この処理を終了した場合には、S473に処理を移す。
S473において、サブCPU71は、モード移行保留フラグの値に「00H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S474に処理を移す。
S474において、サブCPU71は、モード回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、演出モードが通常モードであるか否かを判定する。サブCPU71は、モード回数カウンタの値が「0」であると判定した場合には、第1演出モード変更処理ルーチンを終了する。一方、サブCPU71は、モード回数カウンタの値が「0」でないと判定した場合には、S475に処理を移す。
S475において、サブCPU71は、モード回数カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S476に処理を移す。
S476において、サブCPU71は、モード回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。サブCPU71は、モード回数カウンタの値が「0」であると判定した場合には、S477に処理を移す。一方、サブCPU71は、モード回数カウンタの値が「0」でないと判定した場合には、第1演出モード変更処理ルーチンを終了する。
S477において、サブCPU71は、時短カウンタの値が「2」以上であるか否かを判定する。サブCPU71は、時短カウンタの値が「2」以上であると判定した場合には、S478に処理を移す。一方、サブCPU71は、時短カウンタの値が「2」以上でないと判定した場合には、S479に処理を移す。なお、時短カウンタの値が「1」である場合には、当該特別図柄変動で時短遊技状態が終了してしまうので、次の特別図柄変動でも時短遊技状態であるか否かを判定するために当該判定処理が行われる。
S478において、サブCPU71は、モード移行保留フラグの値に「01H」をセットする処理を行う。この処理により、次の変動において演出モードの維持又は昇格に係る処理(S465〜S473等)が行われることとなる。この処理を終了した場合には、S480に処理を移す。
S479において、サブCPU71は、通常モード強制移行フラグの値に「01H」をセットする処理を行う。この処理により、次の変動において通常モードへの移行に係る処理(S461〜S464等)が行われることとなる。この処理を終了した場合には、S480に処理を移す。
S480において、サブCPU71は、演出モードの終了を示す演出データをセットする処理を行う。本実施形態では、当該特別図柄変動の終盤で当該演出データに基づく演出が実行される構成であるが、この構成に限られるものではなく、変動の序盤等、異なるタイミングで演出が実行される構成としてもよい。この処理を終了した場合には、第1演出モード変更処理ルーチンを終了する。
[第2演出モード変更処理]
図49は、サブCPU71により実行される第2演出モード変更処理を示すフローチャートである。この第2演出モード変更処理は、演出モードを変更するための処理であり、以下のステップ単位に実行される。
図49に示すように、S490において、サブCPU71は、遊技状態判別フラグの値が「01H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、「小当り2」においてV入賞しなかったかを判定する。サブCPU71は、遊技状態判別フラグの値が「01H」であると判定した場合には、S491に処理を移す。一方、サブCPU71は、遊技状態判別フラグの値が「01H」でないと判定した場合には、S495に処理を移す。
S491において、サブCPU71は、受信した遊技状態コマンドが確変遊技状態及び時短遊技状態を示すコマンドであるか否かを判定する処理を行う。遊技状態コマンドが確変・時短遊技状態を示すコマンドであると判定した場合には、S492に処理を移す。一方、サブCPU71は、遊技状態コマンドが確変・時短遊技状態を示すコマンドでないと判定した場合には、S493に処理を移す。
S492において、サブCPU71は、演出モードフラグの値に「04H」をセットする処理を行う。これにより、演出モードが確変モードとなる。この処理を終了した場合には、S494に処理を移す。
S493において、サブCPU71は、演出モードフラグの値に「02H」をセットする処理を行う。これにより、演出モードが第1時短モードとなる。この処理を終了した場合には、S494に処理を移す。
S494において、サブCPU71は、受信した遊技状態コマンドの時短回数を時短カウンタの値及びモード回数カウンタの値にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、第2演出モード変更処理ルーチンを終了する。
S495において、サブCPU71は、受信した遊技状態コマンドが時短遊技状態を示すコマンドであるか否かを判定する処理を行う。遊技状態コマンドが時短遊技状態を示すコマンドであると判定した場合には、第2演出モード変更処理ルーチンを終了する。一方、サブCPU71は、遊技状態コマンドが時短遊技状態を示すコマンドでないと判定した場合には、S496に処理を移す。
S496において、サブCPU71は、モード回数カウンタの値に「0」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S497に処理を移す。
S497において、サブCPU71は、時短カウンタの値に「0」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S498に処理を移す。
S498において、サブCPU71は、演出モードフラグの値に「01H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、第2演出モード変更処理ルーチンを終了する。
なお、本実施形態は、上述した構成に限られるものではない。例えば、モード回数カウンタの値が「0」、時短カウンタの値が「0」、及び演出モードフラグの値が「01H」である場合には、S495〜S498の処理を省略してもよい。
[排出エラー報知処理]
図50は、サブCPU71により実行される排出エラー報知処理を示すフローチャートである。この排出エラー報知処理は、排出エラーを報知するための処理であり、以下のステップ単位に実行される。
図50に示すように、S500において、サブCPU71は、排出エラー報知タイマに所定値をセットする処理を行う。この処理において、サブCPU71は、例えば30秒に相当する値をセットする。なお、その他の秒数でもよいし、排出エラー報知タイマを適用せずに電源オフになるまで排出エラーの報知を行うようにしてもよい。この処理を終了した場合には、S501に処理を移す。
S501において、サブCPU71は、排出エラー報知フラグの値が「00H」であるか否かを判定する処理を行う。サブCPU71は、排出エラー報知フラグの値が「00H」であると判定した場合には、S502に処理を移す。一方、サブCPU71は、排出エラー報知フラグの値が「00H」でないと判定した場合には、この排出エラー報知処理ルーチンを終了する。
S502において、サブCPU71は、排出エラー報知フラグに「01H」をセットする処理を行う。これにより、排出エラーの報知が行われる。この処理を終了した場合には、排出エラー報知処理ルーチンを終了する。
図51〜図53は、演出画面及び演出画面フローの一例を示す図である。以下では、演出モードが通常モード、第1時短モード、第2時短モード、第1時短モード、確変モード、第1時短モードの順に移行された場合を例に挙げ、本実施形態の特徴的な演出について説明する。なお、説明の便宜上、メインCPU61によって更新される時短回数カウンタの値と確変回数カウンタの値を図示している。
SC1〜SC59は、表示領域4Aの画面上に表示される演出内容であり、画面上には、装飾図柄(左装飾図柄、中装飾図柄、右装飾図柄)を表示する装飾図柄表示部、遊技者が演出モードを識別可能なモード表示部、遊技者が時短回数を認識可能な時短回数表示部、遊技球の発射に係る指示を表示する指示表示部などが適宜表示され、各種状態に応じて内容が変更される。
SC1では、通常モードにおいて、装飾図柄が変動している態様を示している。本例では第1特別図柄の大当りの抽選に当選したため、その後、装飾図柄が順次停止し(SC2、SC3)、大当りとなった旨が画面上に表示され(SC4)、第1特別図柄の大当りに係る演出となる(SC5〜SC7)。大当りに係る演出では、遊技者によるV入賞を支援するために(促すために)、指示表示部において遊技球の発射タイミングが報知(発射を行わないよう指示する報知の一例「STOP」、発射を行うよう指示する報知の一例「右打ち」等)される。
そして、大当りの終了後は、演出モードが第1時短モードに移行された旨が報知される(SC8)。本例では大当り中にV入賞しているため、内部的には時短回数カウンタの値及び確変回数カウンタの値に70回がセットされているが、画面上は30回が表示される(SC9)。なお、この時点では遊技者はV入賞しているか否かを把握できない。
その後、遊技が進行して時短回数表示部の時短回数が0回となり(SC9〜SC14)、第1時短モードが終了した旨が報知される(SC15)。しかしながら、内部的には時短回数カウンタの値が「41」であるため、第1時短モードが継続することを報知する演出が行われる(SC16)。
また、遊技が進行し、本例では「確変5」の大当りに当選したため、装飾図柄が「6当6」として停止表示され(SC19)、続いて「当り」の報知が行われる(SC20)。ここで、「確変5」のみならず「小当り1」でも「6当6」の停止態様となり得るので、更に「当り」ではどちらの当りであるか(大当りであるか小当りである)が判別できないことから、遊技者は、この演出から当りの種別を認識できない。
続いて、指示表示部において遊技球の発射タイミングに係る報知(「STOP」、「右打ち」等)が行われ(SC21、SC22)、本例では遊技者が特定領域38に遊技球を入賞させたので、特定領域38に遊技球が入賞したことを示す「V」が画面上に表示される(SC22)。この「V」表示は、「確変5」及び「小当り1」のいずれでも表示されるため、遊技者は、この演出によっても当りの種別を把握できない。
大当りの終了後、演出モードが第2時短モードに移行した旨が報知される(SC23)。
また、遊技が進行し、本例では「確変5」の大当りに当選したため、装飾図柄が「5当5」として停止表示され(SC25)、指示表示部において遊技球の発射タイミングに係る報知(「STOP」、「右打ち」等)が行われ(SC26、SC27)、本例では遊技者が特定領域38に遊技球を入賞させたので、「V」が画面上に表示される(SC27)。大当りの終了後、演出モードが第2時短モードを継続した旨が報知される(SC28)。本実施形態では、「確変5」においてV入賞したので、内部的には時短回数カウンタの値及び確変回数カウンタの値に70回がセットされる。一方、画面上は、同じ演出モードが継続するときは回数が引き継がれ、60回が表示される(SC29)。
また、遊技が進行し、本例では「小当り1」の当りに当選したため、装飾図柄が「4当4」として停止表示される(SC30)。この当りにおいて、特定領域38に遊技球が入賞しなかったため、演出モードが第2時短モードから第1時短モードに移行した旨が報知される(SC31、SC32)。本実施形態では、「小当り1」であったので、内部的には時短回数カウンタの値及び確変回数カウンタの値は小当り前の回数(本例では11回)となる。
また、遊技が進行し(SCSC33〜SC38)、本例では「小当り2」の当りに当選したため、装飾図柄が「当当当」として停止表示され(SC39)、「小当り2」の当りに当選した旨が報知される(SC40)。本実施形態では、「小当り2」の当りにおいては、確変遊技状態であるか否かを識別する方法に係る演出が行われる。本例では、画面上に「V入賞させなければ遊技状態が判別できるぞ!」の演出が表示される(SC41)。つまり、今までの演出からは、遊技者は遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判別できないが、今回の演出に従って遊技を行うことで、確変遊技状態であるか否かを識別できるようになる。
本例では、特定領域38に遊技球が入賞しなかったため、画面上に「確変モード突入」の演出が表示される(SC42)。遊技者にとってみれば、この演出を契機に確変遊技状態であることを把握できるようになる。
また、遊技が進行し、本例では、「確変4」の大当りに当選し、その後「確変5」の大当りに当選した際の画面フローを示している(SC43〜SC59)。
図54は、大入賞口開閉パターン及びラウンド間インターバル時間を示す図(変形例)である。図12に示す内容とは、主に、第1大入賞口36と第2大入賞口37Aとが交互に開閉するように当りパターンが規定されている点が異なる。
より具体的には、例えば、「当りパターン1」においては、2R目は、第1大入賞口36が開閉パターンAの態様で開閉が行われ、3R目は、第2大入賞口37Aが開閉パターンIの態様で開閉が行われ、4R目は、第1大入賞口36が開閉パターンAの態様で開閉が行われ、5R目は、第2大入賞口37Aが開閉パターンIの態様で開閉が行われる。
次に、図55〜図56を参照して、入賞装置機構の他の態様(変形例)について説明する。
図55(a)に示すように、入賞装置機構の第1態様は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、転動領域372、特定領域38A、非特定領域38B、排出口38X,38Y、及び変位部材39を含んで実現される。
第1大入賞口シャッタ361A、及び第1大入賞口シャッタ361Bが閉じた状態では、第1大入賞口シャッタ361Aが上段、転動領域372が中段、及び第1大入賞口シャッタ361Bが下段というように各構成要素が階段状となる。よって、各シャッタが閉じた状態では、遊技球は、第1大入賞口シャッタ361A、転動領域372、及び第1大入賞口シャッタ361Bの順に転動可能である。
なお、図5に示す入賞装置機構とは、第2大入賞口シャッタ371Aの有無が異なり、他の構成は同様であるので、説明を省略する。
図55(b)に示すように、入賞装置機構の第2態様は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、第1大入賞口第3カウントスイッチ360C、第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、第1大入賞口シャッタ361C、第2大入賞口シャッタ371A、転動領域372、転動領域373、特定領域38A、非特定領域38B、排出口38X,38Y、及び変位部材39を含んで実現される。
なお、第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、及び第1大入賞口シャッタ361Cは、同時に開閉制御が行われ、第1大入賞口36A、第1大入賞口36B、及び第1大入賞口36Cは同時に開放状態及び閉鎖状態となる。
本入賞装置機構においては、一番右上に、第1大入賞口シャッタ361Aが設けられ、第1大入賞口シャッタ361Aの下方(本例では真下)には、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aが設けられている。
一方、第1大入賞口シャッタ361Aの左下方には、転動領域372が設けられ、転動領域372の左下方には、第1大入賞口シャッタ361Bが設けられている。そして、第1大入賞口シャッタ361Bの下方(本例では真下)には、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bが設けられている。
また、第1大入賞口シャッタ361Bの左下方には、転動領域373が設けられ、転動領域373の左下方には、第1大入賞口シャッタ361Cが設けられている。そして、第1大入賞口シャッタ361Cの下方(本例では真下)には、第1大入賞口第3カウントスイッチ360C、変位部材39、特定領域38A、及び排出口38Xが順次に設けられている。
また、本入賞装置機構において、最下部には、非特定領域38B、及び排出口38Yが順次に設けられている。
次に、各大入賞口において遊技球が通過可能な位置関係を見ると、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A(第1大入賞口36A)を通過可能な位置、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B(第1大入賞口36B)を通過可能な位置、第1大入賞口第3カウントスイッチ360C(第1大入賞口36C)を通過可能な位置の順に低く設けられている。
第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、及び第1大入賞口シャッタ361Cが閉じた状態では、第1大入賞口シャッタ361Aが第1段、転動領域372が第2段、第1大入賞口シャッタ361Bが第3段、転動領域373が第4段、第1大入賞口シャッタ361Cが第5段というように各構成要素が階段状となる。よって、各シャッタが閉じた状態では、遊技球は、第1大入賞口シャッタ361A、転動領域372、第1大入賞口シャッタ361B、転動領域373、第1大入賞口シャッタ361Cの順に転動可能である。なお、第1大入賞口シャッタ361C上を通過した遊技球は、第2大入賞口シャッタ371Aが開いている場合は、第2大入賞口37Aを通過し、本入賞装置機構の裏側に導かれる。
次に、遊技球が第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、及び第1大入賞口シャッタ361Cの各々に到達した際に、各シャッタが開いている場合の遊技球の流れについて説明する。
ここで、各シャッタ(第1大入賞口シャッタ361A〜第1大入賞口シャッタ361C、及び第2大入賞口シャッタ371A)は、図12又は図54に示すパターンに従って、開閉動作(駆動)が行われる。この際、第1大入賞口シャッタ361A〜第1大入賞口シャッタ361Cは、第1大入賞口36A〜第1大入賞口36Cを開閉するときに同時に開閉動作(駆動)を行い、第2大入賞口シャッタ371Aは、第2大入賞口37Aを開閉するときに開閉動作を行う。
(第1大入賞口シャッタ361Aが開いた状態)
遊技球は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aを通過した後、より下方に設けられている非特定領域38B、及び排出口38Yを通過することとなる。なお、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aを通過した遊技球は、特定領域38Aを通過することはない。
(第1大入賞口シャッタ361Bが開いた状態)
遊技球は、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bを通過した後、より下方に設けられている非特定領域38B、及び排出口38Yを通過することとなる。なお、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bを通過した遊技球は、特定領域38Aを通過することはない。
(第1大入賞口シャッタ361Cが開いた状態)
遊技球は、第1大入賞口第3カウントスイッチ360C(第1大入賞口36C)を通過し、変位部材39に到達することになる。この際、変位部材39が開いている場合には、遊技球は、特定領域38A、及び排出口38Xを通過することとなる。一方、変位部材39が閉じている場合には、遊技球は、特定領域38Aを通過することなく、より下方に設けられている非特定領域38B、及び排出口38Yを通過することとなる。
なお、本入賞装置機構は、上述した構成に限られるものではない。例えば、第1大入賞口のシャッタを3個ではなく、4個以上設けてもよい。また、例えば、第2大入賞口のシャッタを設けなくてもよい。
図55(c)に示すように、入賞装置機構の第3態様は、第2態様と同様の構成要素を含んで実現される。
本入賞装置機構においては、一番右上に、第1大入賞口シャッタ361Aが設けられ、第1大入賞口シャッタ361Aの下方(本例では真下)には、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aが設けられている。
一方、第1大入賞口シャッタ361Aの左下方には、転動領域372が設けられ、転動領域372の左下方には、第1大入賞口シャッタ361Bが設けられている。そして、第1大入賞口シャッタ361Bの下方(本例では真下)には、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bが設けられている。
また、第1大入賞口シャッタ361Bの左下方には、転動領域373が設けられ、転動領域373の左下方には、第1大入賞口シャッタ361Cが設けられている。そして、第1大入賞口シャッタ361Cの下方(本例では真下)には、第1大入賞口第3カウントスイッチ360Cが設けられている。
また、本入賞装置機構において、最下部には、左側に、変位部材39、特定領域38A、及び排出口38Xが順次に設けられ、右側に、非特定領域38B、及び排出口38Yが順次に設けられている。
次に、遊技球が第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、及び第1大入賞口シャッタ361Cの各々に到達した際に、各シャッタが開いている場合の遊技球の流れについては、いずれも同様であるので、第1大入賞口シャッタ361Aが開いた状態を例に挙げて説明する。なお、各シャッタ(第1大入賞口シャッタ361A〜第1大入賞口シャッタ361C、及び第2大入賞口シャッタ371A)の開閉動作(駆動)については図55(b)と同様であるので、その説明を省略する。
遊技球は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aを通過した後、変位部材39に到達し得る。変位部材39に到達した場合に、変位部材39が開いているときは、遊技球は、特定領域38A、及び排出口38Xを通過することとなる。一方、変位部材39に到達しない、又は変位部材39に到達したけれども変位部材39が閉じている場合には、遊技球は、特定領域38Aを通過することなく、非特定領域38B、及び排出口38Yを通過することとなる。
ここで、特定領域38Aが開放されている(変位部材39が開いている)状態において、遊技球が特定領域38Aを通過する可能性(通過容易性)としては、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、第1大入賞口第3カウントスイッチ360Cの順に高くなるように構成されている。他方、特定領域38Aが開放されている状態において、遊技球が非特定領域38Bを通過する可能性としては、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、第1大入賞口第3カウントスイッチ360Cの順に低くなるように構成されている。
なお、本入賞装置機構は、上述した構成に限られるものではない。例えば、第1大入賞口のシャッタを3個ではなく、4個以上設けてもよい。また、例えば、第2大入賞口のシャッタを設けなくてもよい。
図56(a)〜(c)に、入賞装置機構の第4態様を示す。図56(a)は、第2大入賞口シャッタ371A及び第2大入賞口シャッタ371Bが閉じた状態(閉鎖時)の入賞装置機構の正面図であり、(b)は、第2大入賞口シャッタ371A及び第2大入賞口シャッタ371Bが開いた状態(開放時)の入賞装置機構の正面図であり、(c)は、第2大入賞口37Aが一つであることを示すためのものであり、仕切り板371Xを取り除いた際の入賞装置機構の正面図である。図56(a)〜(c)に示すように、仕切り板371Xは、第2大入賞口37の前方に設けられており、内部の空間は連通している。
図56(a)〜(c)に示すように、入賞装置機構の第4態様は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、第1大入賞口第3カウントスイッチ360C、第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、第1大入賞口シャッタ361C、第2大入賞口シャッタ371A、第2大入賞口シャッタ371B、仕切り板371X、転動領域372、転動領域373、特定領域38A、非特定領域38B、排出口38X,38Y、及び変位部材39を含んで実現される。
なお、上述したように、第2大入賞口37は、内部で連通しているので、第2大入賞口カウントスイッチ(図示略)を1つ設けるだけでも、第2大入賞口37への入賞を検出できる。ただし、第2大入賞口シャッタ371A及び第2大入賞口シャッタ371Bの各々に対応して第2大入賞口カウントスイッチ(図示略)が設けられ、遊技球がいずれのシャッタに対応する第2大入賞口37(第2大入賞口37A、第2大入賞口37B)に入賞したかを識別できる構成とすることもできる。
本入賞装置機構における構成要素の配置は、第2大入賞口シャッタ371A及び第2大入賞口シャッタ371Bを除くと、図55(b)に示す第2態様と同様であるので、その説明を省略する。また、遊技球が第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、及び第1大入賞口シャッタ361Cの各々に到達した際に、各シャッタが開いている場合の遊技球の流れについても第2態様と同様であるので、その説明を省略する。なお、遊技球が第2大入賞口シャッタ371A及び第2大入賞口シャッタ371Bの各々に到達した際に、各シャッタが開いている場合は、遊技球は、各シャッタに対応する第2大入賞口37A又は第2大入賞口37Bを通過し、本入賞装置機構の裏側に導かれ、特定領域38Aや非特定領域38Bを通過することはない。
本入賞装置機構の各シャッタ(第1大入賞口シャッタ361A〜第1大入賞口シャッタ361C、第2大入賞口シャッタ371A、及び第2大入賞口シャッタ371B)は、図12又は図54に示すパターンに従って、開閉動作(駆動)が行われる。この際、第1大入賞口シャッタ361A〜第1大入賞口シャッタ361Cは、第1大入賞口36A〜第1大入賞口36Cを開閉するときに同時に開閉動作(駆動)を行い、第2大入賞口シャッタ371A及び第2大入賞口シャッタ371Bは、第2大入賞口37A及び第2大入賞口37Bを開閉するときに同時に開閉動作を行う。
次に、各大入賞口において遊技球が通過可能な位置関係を見ると、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A(第1大入賞口36A)を通過可能な位置及び第2大入賞口第1カウントスイッチ370A(第1大入賞口37A)を通過可能な位置、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B(第1大入賞口36B)を通過可能な位置及び第2大入賞口第2カウントスイッチ370B(第1大入賞口37B)を通過可能な位置、並びに、第1大入賞口第3カウントスイッチ360C(第1大入賞口36C)を通過可能な位置の順に低く設けられている。
付言するならば、遊技球が、第1大入賞口36Aを通過可能な位置(領域)は第1通過領域を実現し、第1大入賞口36Bを通過可能な位置は第2通過領域を実現し、第2大入賞口37Aを通過可能な位置は第3通過領域を実現し、第2大入賞口37Bを通過可能な位置は第4通過領域を実現し、第1大入賞口36Cを通過可能な位置は第5通過領域を実現している。また、第1大入賞口シャッタ361Aは第1変位部材を実現し、第1大入賞口シャッタ361Bは第2変位部材を実現し、第2大入賞口シャッタ371Aは第3変位部材を実現し、第2大入賞口シャッタ371Bは第4変位部材を実現し、第1大入賞口シャッタ361Cは第5変位部材を実現している。
また、本実施形態は、上述した構成に限られるものではない。例えば、1回のラウンド遊技において、複数の通過領域を開閉するために、複数のシャッタが可動するように構成されているが、1つのシャッタが複数の通過領域を開閉するように構成してもよい。
<上述した構成により得られる効果>
上述した構成によれば、例えば、特定領域38Aへの遊技球の通過が困難な「時短1」の大当り遊技状態と、特定領域38Aへの遊技球の通過が容易な「確変2」の大当り遊技状態とが設けられ、これらの大当り遊技状態の一又は複数のラウンド(例えば、1R目)における第2可変入賞装置の開放状態の時間が共に第1時間(例えば、5.1s)となり得る(図8〜図12、図14等)。このように、特定領域38Aへの遊技球の通過が困難な「時短1」の大当り遊技状態において特定領域38Aへの遊技球の通過が容易な「確変2」の大当り遊技状態よりも不利にならない点を設けることで、有利度合いが著しく低くなる事態を解消し得るので、興趣の向上を図ることができる。
上述した構成によれば、例えば、特定領域38Aへの遊技球の通過が困難な「時短2」の大当り遊技状態と、特定領域38Aへの遊技球の通過が容易な「確変1」の大当り遊技状態とが設けられる。「時短2」の大当り遊技状態の一又は複数のラウンド(例えば、1R目)における第2可変入賞装置の開放状態の時間は第1時間(7.1s)であり、「確変1」の大当り遊技状態における第2可変入賞装置の開放状態の時間は第1時間よりも短い第3時間(3.1s)である(図8〜図13等)。このように、特定領域38Aへの遊技球の通過が困難な「時短2」の大当り遊技状態において特定領域38Aへの遊技球の通過が容易な「確変1」の大当り遊技状態よりも有利になる点を設けることで、有利度合いが著しく低くなる事態を解消し得るので、興趣の向上を図ることができる。
上述した構成では、例えば、「小当り2」の小当り遊技状態において特定領域38Aに遊技球が通過しない場合、確変遊技状態に制御されているか否かの報知(例えば、「V入賞させなければ遊技状態が判別できるぞ!」の演出)が行われる(図53等)。故に、遊技者は、「小当り2」の小当り遊技状態において特定領域38Aに遊技球を通過させないことで、確変遊技状態中であるか否かを把握できるようになる。
上述した構成では、例えば、「小当り1」の小当り遊技状態において特定領域38Aに遊技球が通過しない場合、確変遊技状態に制御されているときにも制御されていないときにも行われる報知(例えば、「V」の演出)が行われる(図52等)。この構成によれば、遊技者が確変遊技状態中であるかの認識を困難にすることができる。
上述した構成によれば、例えば、確変遊技状態の終了により確変モードは終了するが、「確変5」の大当り遊技状態中に特定領域38Aに遊技球が通過すると、再び所定回数(例えば、70回)の確変遊技状態が可能になる(図16等)。故に、「確変5」の大当り遊技状態中における特定領域38Aへの遊技球の通過を繰り返していれば、確変遊技状態が終了しないため、確変モードが終了せずに済む。
一方、「小当り1」の小当り遊技状態中に特定領域38Aに遊技球が通過しても、再び所定回数の確変遊技状態が可能にはならない。故に、「小当り1」の小当り遊技状態中における特定領域38Aへの遊技球の通過を繰り返していると、いずれ確変遊技状態が終了し、確変モードが終了してしまう。
しかしながら、「確変5」の大当り遊技状態及び「小当り1」の小当り遊技状態において、特定領域38Aに遊技球が通過しても、共に確変モードが継続するため、見た目上はどちらの遊技状態が成立したか分からない。
したがって、演出の確認により第1演出モードであることを認識できたとしても、突然に確変モードが終了したり、予想をはるかに超える期間に渡り確変モードが継続したりするので、換言するならば、確変遊技状態が、突然に終了したり、予想をはるかに超える期間に渡り継続したりするので、確変遊技状態がいつまで継続するのかの認識を困難にすることができ、確変遊技状態に対する興趣の向上を図ることができる。
また、「小当り1」の小当り遊技状態では、特定領域38Aを遊技球が通過しないことに起因して確変遊技状態が終了することはないが、「小当り1」の小当り遊技状態中に、特定領域38Aを遊技球が通過しないと、確変遊技状態の終了と同様に、確変モードが終了してしまう。これにより、確変遊技状態であることについて、演出モードから認識することがより一層困難になる。
上述した構成では、例えば、「確変5」の大当り遊技状態と「小当り1」の小当り遊技状態とでは、特定領域38Aに遊技球が通過したときに行われる報知(「確変5」及び「小当り1」のいずれの当りにおいてもV入賞した場合に行われる「V」の演出)が同じであり、第2可変入賞装置(例えば、第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B)の変位態様が同一又は略同一である(図8〜図12、図15、図52等)。このように、「確変5」の大当り遊技状態及び「小当り1」の小当り遊技状態の認識をさらに困難にすることで、確変遊技状態がいつまで継続するのかの認識をさらに困難にすることができ、さらに確変遊技状態に対する興趣の向上を図ることができる。
上述した構成では、例えば、「小当り1」の小当り遊技状態において、特定領域38Aに遊技球が通過しないことに起因して確変遊技状態が終了することはないが、特定領域38Aに遊技球が通過しない場合、「確変5」の大当り遊技状態の終了後にも「小当り1」の小当り遊技状態の終了後にも、第1時短モードであることが報知される(例えば、「第1時短モード突入」の演出が行われる)ので、あたかも確変遊技状態が終了したように見せることができる(図16、図52等)。
上述した構成によれば、例えば、「小当り2」の小当り遊技状態において特定領域38Aに遊技球を通過させないことによって確変遊技状態であるか否かを報知するという、今までにはない斬新な報知を可能にする(図16、図53等)。
上述した構成によれば、例えば、大当り遊技状態において、第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bを第1位置に制御した後に、第2大入賞口シャッタ371Aを第1位置に制御し、その後、第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bを第1位置に制御することが可能である(図54等)。また、遊技球は、第1大入賞口36Aを通過可能な位置を通過した後に第2大入賞口37Aを通過可能な位置を通過し、その後第1大入賞口36Bを通過可能な位置を通過可能である。このような構成によれば、第1大入賞口シャッタ361Aが第1位置にあるときに第1大入賞口36Aを通過しなかった遊技球を第2大入賞口37Aにより取りこぼさないようにすることができ、さらに、第2大入賞口シャッタ371Aが第1位置にあるときに第2大入賞口37Aを通過しなかった遊技球を第1大入賞口36Bにより取りこぼさないようにすることができる。このように、大当り遊技状態において、遊技球の取りこぼしという遊技者にとっての不利益が生じる事態を低減することができるので、興趣の向上を図ることができる。
「取りこぼし」とは、大当り遊技状態において、大入賞口への入賞を狙って発射された遊技球が、いずれの大入賞口にも入賞しないことをいう。
上述した構成によれば、例えば、特定領域38Aへの遊技球の通過が困難な「時短2」の大当り遊技状態と、特定領域38Aへの遊技球の通過が容易な「確変1」の大当り遊技状態とが設けられ、「時短2」の大当り遊技状態では通過領域を通過可能な時間が第1時間(例えば、7.1s)となり、「確変1」の大当り遊技状態では通過領域を通過可能な時間が第1時間以下の第3時間(例えば、3.1s)となる(図8〜図13等)。このように、特定領域38Aへの遊技球の通過が困難な「時短2」の大当り遊技状態において特定領域38Aへの遊技球の通過が容易な第2大当り遊技状態よりも通過領域を通過可能な時間が短くならない構成とし、「時短2」の大当り遊技状態において「確変1」の大当り遊技状態よりも不利にならない点を設けることで、さらに興趣の向上を図ることができる。
上述した構成によれば、例えば、大当り遊技状態において、第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、及び第1大入賞口シャッタ361Cを第1位置にする制御と、第2大入賞口シャッタ371A及び第2大入賞口シャッタ371Bを第1位置にする制御とが交互に可能である(図56等)。このように、大当り遊技状態において、互いのシャッタが第1位置にあるときに大入賞口を通過しなかった遊技球を取りこぼさないようにすることで、遊技球の取りこぼしという遊技者にとっての不利益が生じる事態をさらに低減できるので、さらに興趣の向上を図ることができる。
上述した構成によれば、例えば、大当り遊技状態において、第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bと第2大入賞口シャッタ371A及び第2大入賞口シャッタ371Bとが交互に開閉し得る(図56等)。また、例えば、大当り遊技状態において、第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、及び第1大入賞口シャッタ361Cと第2大入賞口シャッタ371A及び第2大入賞口シャッタ371Bとが交互に開閉し得る。このような構成によれば、互いのシャッタが第1位置にあるときに通過領域を通過しなかった遊技球を取りこぼさないようにすることができるので、大当り遊技状態の興趣の向上を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、図57〜図80を用いて、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態に示す構成要素と同一又は類似の構成要素については、同一符号を付してその説明を適宜省略する。
[入賞装置機構]
図57を用いて、本実施形態に係るパチンコ遊技機の入賞装置機構について説明する。
図57(a)は、第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bが閉じた状態(閉鎖時)の入賞装置機構の正面図であり、(b)は、第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bが開いた状態(開放時)の入賞装置機構の正面図である。
図57(a)に示すように、本入賞装置機構は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、転動領域372、特定領域38A、非特定領域38B、排出口38X,38Y、及び変位部材39を含んで実現される。本パチンコ遊技機においては、「右打ち」により発射された遊技球は、基本的には、ステージ31の右側を流下し、第1大入賞口シャッタ361Aに到達し、第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bが閉鎖しているときには、第1大入賞口シャッタ361A、転動領域372、及び第1大入賞口シャッタ361B上を順次に転動することとなる。また、本実施形態では、第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bが開放しているときに「右打ち」を行うと、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bに検出されることなく、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aに検出されることになる。このため、第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bが開放しているときに「右打ち」を行っても、特定領域38Aを遊技球が通過しないように構成されている。
本入賞装置機構においては、一番右上に、第1大入賞口36Aを開閉するための第1大入賞口シャッタ361Aが設けられている。そして、第1大入賞口シャッタ361Aの下方(本例では真下)には、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aが設けられている。
第1大入賞口シャッタ361Aの左下方には、転動領域372が設けられ、転動領域372の左下方には、第1大入賞口シャッタ361Bが設けられている。そして、第1大入賞口シャッタ361Bの下方(本例では真下)には、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、変位部材39、特定領域38A、及び排出口38Xが順次に設けられている。
本入賞装置機構において、最下部には、非特定領域38B、及び排出口38Yが順次に設けられている。
第1大入賞口シャッタ361A、及び第1大入賞口シャッタ361Bが閉じた状態では、第1大入賞口シャッタ361Aが上段、転動領域372が中段、及び第1大入賞口シャッタ361Bが下段というように各構成要素が階段状となる。よって、各シャッタが閉じた状態では、遊技球は、第1大入賞口シャッタ361A、転動領域372、及び第1大入賞口シャッタ361Bの順に転動可能である。
次に、遊技球が第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bの各々に到達した際に、各シャッタが開いている場合の遊技球の流れについて説明する。
(第1大入賞口シャッタ361Aが開いた状態)
図57(b)に示すように、遊技球は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aを通過した後、より下方に設けられている非特定領域38B、及び排出口38Yを通過することとなる。なお、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aを通過した遊技球は、特定領域38Aを通過することはない。
(第1大入賞口シャッタ361Bが開いた状態)
遊技球は、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bを通過し、変位部材39に到達することになる。この際、変位部材39が開いている場合には、遊技球は、特定領域38A、及び排出口38Xを通過することとなる。一方、変位部材39が閉じている場合には、遊技球は、特定領域38Aを通過することなく、より下方に設けられている非特定領域38B、及び排出口38Yを通過することとなる。
[遊技機のスペック]
次に、図58を用いて、本実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技特性に関するスペックについて説明する。
図58に示すように、本実施形態において、後述する小当り確率を含む特別図柄の当り確率(大当り確率)は、低確率時(非確変遊技状態)にあっては1/80(25/2000)、高確率時(確変遊技状態)にあっては1/76.9(26/2000)となっている。小当り遊技状態となる小当り確率は、第1特別図柄では0であり、第2特別図柄では1/100(20/2000)となっている。なお、大当り確率における低確率時及び高確率時の確率は、上述したものに限られるものではない。高確率時の方が低確率時よりも当選しやすい確率を適宜に採用できる。また、小当りが当選しないようにしてもよい。
第1特別図柄と第2特別図柄との消化順序は、第2特別図柄による抽選を優先して消化する。なお、消化順については、入賞順であってもよいし、第1特別図柄を優先消化としてもよい。
確率変動性能(確変遊技状態の仕様)としては、確変遊技状態がゲーム回数(特別図柄の変動回数)として最大30回まで継続するST遊技状態が実装されている。なお、ST回数は、上述したものに限られるものではない。また、次回の大当り当選まで確変遊技状態が継続するようにしてもよい。
特別図柄の振り分けについては、以下のようになっている。すなわち、第1特別図柄の大当り図柄「確変1」では、大入賞口開閉パターン(当りパターン)が「当りパターン1」となり、ラウンドゲームのラウンド数として5Rが付与され、ボーナス内容としては「確変大当り1」となっている。第1特別図柄の大当り図柄として「確変1」となる確率(選択率)は、40/100に設定されている。
第1特別図柄の大当り図柄「確変2」では、当りパターンが「当りパターン1」となり、ボーナス内容としては「確変大当り2」となっている。第1特別図柄の大当り図柄「確変2」の選択率は、40/100に設定されている。
第1特別図柄の大当り図柄「確変3」では、当りパターンが「当りパターン1」となり、ボーナス内容としては「確変大当り3」となっている。第1特別図柄の大当り図柄「確変3」の選択率は、10/100に設定されている。
第1特別図柄の大当り図柄「確変4」では、当りパターンが「当りパターン1」となり、ボーナス内容としては「確変大当り4」となっている。第1特別図柄の大当り図柄「確変4」の選択率は、10/100に設定されている。
第2特別図柄の大当り図柄「確変5」では、当りパターンが「当りパターン2」となり、ラウンドゲームのラウンド数として8Rが付与され、ボーナス内容としては「確変大当り5」となっている。第2特別図柄の大当り図柄「確変5」の選択率は、10/100に設定されている。
第2特別図柄の大当り図柄「確変6」では、当りパターンが「当りパターン2」となり、ボーナス内容としては「確変大当り6」となっている。第2特別図柄の大当り図柄「確変6」の選択率は、10/100に設定されている。
第2特別図柄の大当り図柄「確変7」では、当りパターンが「当りパターン2」となり、ボーナス内容としては「確変大当り7」となっている。第2特別図柄の大当り図柄「確変7」の選択率は、70/100に設定されている。
第2特別図柄の大当り図柄「確変8」では、当りパターンが「当りパターン2」となり、ボーナス内容としては「確変大当り8」となっている。第2特別図柄の大当り図柄「確変8」の選択率は、5/100に設定されている。
第2特別図柄の大当り図柄「確変9」では、当りパターンが「当りパターン2」となり、ボーナス内容としては「確変大当り9」となっている。第2特別図柄の大当り図柄「確変9」の選択率は、5/100に設定されている。
小当り図柄「小当り1」では、当りパターンが「当りパターン3」となり、ボーナス内容としては「特別図柄2当り」となっている。小当り図柄「小当り1」の選択率は、100/100に設定されている。
なお、小当り遊技状態には、大当り遊技状態とは異なりラウンドゲームという概念がないので、ラウンド数が規定されていない。
また、ラウンド数については、5R、8Rに限られるものではなく、他のラウンド数の大当りを設けてもよい。また、大当りの種類は、上述したものに限られるものではない。第1特別図柄の大当りの種類を多くしてもよいし、第2特別図柄の大当りの種類を多くしてもよい。
大入賞口カウント数は、1ラウンドあたりの上限入賞数として、10個まで計数するように設定されている。大入賞口のカウント数(規定数/上限入賞数)は、「10」としているが、これに限られるものではない。普通図柄の当り確率は、低確率時に0/257となり、高確率時に257/257となるように設定されている。なお、低確率時及び高確率時の確率は上述したものに限定されるものではない。高確率時の方が低確率時よりも当選しやすい確率を適宜採用することができる。また、低確時に当選するようにしてもよい。
[1ラウンド開閉パターン]
次に、図59を用いて、1ラウンドにおける大入賞口の開閉パターンについて説明する。
図59に示すように、第1大入賞口36について1ラウンドの開閉パターン(1ラウンド開閉パターン)としては、複数の開閉パターンA〜Cが規定されている。
開閉パターンA,Bは、大当り遊技状態に対応する開閉パターンであり、開閉パターンCは、小当り遊技状態に対応する開閉パターンである。なお、小当り遊技状態の開閉パターンCは、1ラウンド分として規定されたものではないが、便宜上、他の開閉パターンA,Bとともに示す。第1大入賞口36Aについては、適宜大入賞口という。図59に示す開閉パターンA〜Cは、あくまでも一例であり、開閉パターンを規定する具体的な時間などは図示以外のものであってもよい。また、大入賞口の開放パターンは、上記3種類に限られるものではない。2種類以下としてもよいし、4種類以上設けてもよい。ただし、4種類以上の大入賞口の開閉パターンを設けた場合、設けた数に対応する数の当りを設けることが好ましい。
開閉パターンAは、開放状態が最初に14sあった後、閉鎖状態が4sあり、その後再び開放状態が14sにわたり続く開閉パターンである。開閉パターンAは、最初に開放状態となってから最終的に閉鎖状態となるまでの間がラウンド区間として規定されている。ラウンド区間は、他の開閉パターンB,Cでも同様に、最初に開放状態となってから最終的に閉鎖状態となるまでの間として規定されている。
開放状態が14sとなる区間は、大入賞口の開放状態が相対的に長いロング開放となる。すなわち、開閉パターンAは、ロング開放が1回発生した後、閉鎖状態を1回経て再びロング開放が1回発生するものであり、開閉パターンAの合計開放時間は、28sとなる。
説明の便宜上、開放状態が0.1s以下となる区間をショート開放、開放状態が0.1sより長く14s未満となる区間をミドル開放、開放状態が14s以上となる区間をロング開放と称する。
なお、ショート開放となる開放状態では、大入賞口への遊技球の入賞が極めて困難になり、ミドル開放となる開放状態では、大入賞口への遊技球の入賞がショート開放よりも容易であり、ロング開放となる開放状態では、大入賞口への遊技球の入賞がミドル開放よりも更に容易になっている。
また、開閉パターンAにおける第1大入賞口36の開放状態の回数、及び時間については、上述したものに限られるものではない。例えば、一の開放状態が14sに限られるものではなく、14s未満でも14sを超えてもよく、規定数の入賞が可能な時間を適宜採用できる。さらに、開放状態の回数については、2回に限られるものではなく、1回又は3回以上としてもよい。
また、V入賞が可能なロング開放(後半パート)を複数回に分けてもよい。換言するならば、後半パートにおいて、一又は複数の第1大入賞口の閉鎖状態(閉鎖時間)を設けてもよい。例えば、ロング開放(開放時間14s)を開放状態(開放時間5s)、閉鎖状態(閉鎖時間1s)、及び開放状態(開放時間9s)としてもよい。この構成によれば、新たに設けられる第1大入賞口36Aの閉鎖時間において、遊技球が転動領域372に到達することが可能(容易)になり(換言するならば、遊技球が第1大入賞口36Bを通過する機会が増え)、後半パートにおいてV入賞し易くなる。
開閉パターンBは、開放状態が1回だけ、14sにわたり続く開閉パターンである。すなわち、開閉パターンBは、ロング開放が1回発生するものであり、開閉パターンBの合計開放時間は、14sとなる。
なお、開閉パターンBにおける第1大入賞口36の開放状態の回数、及び時間については、上述したものに限られるものではない。例えば、一の開放状態が14sに限られるものではなく、14s未満でも14sを超えてもよく、規定数の入賞が可能な時間を適宜採用できる。さらに、開放状態の回数については、1回に限られるものではなく、複数回としてもよい。
また、開閉パターンAと開閉パターンBとを同じ時間開放状態となるようにしてもよいし、開閉パターンAよりも開閉パターンBの方が長い時間開放状態になるようにしてもよい。
開閉パターンCは、開放状態が1回だけ、1sにわたり続く開閉パターンである。すなわち、開閉パターンCは、ミドル開放が1回発生するものであり、開閉パターンCの合計開放時間は、1sとなる。
なお、開閉パターンCにおける第1大入賞口36の開放状態の回数、及び時間については、上述したものに限られるものではない。例えば、一の開放状態が1sに限られるものではなく、1s未満でも1sを超えてもよく、規定数の入賞が可能な時間を適宜採用できる。さらに、開放状態の回数については、1回に限られるものではなく、複数回としてもよい。
開放パターンは、上述の3パターンに限られるものではない。2種類以下としてもよいし、4種類以上設けてもよい。ただし、4種類以上の大入賞口の開閉パターンを設けた場合、設けた数に対応する数の当りを設けることが好ましい。
[変位部材作動パターン]
次に、図60を用いて、特定領域38Aを開閉する変位部材39の作動パターンについて説明する。
変位部材39は、大当り遊技状態及び小当り遊技状態に関係なく、基本的に第1大入賞口36の開閉状態に連動して作動するようになっている。図60に示すように、変位部材39の作動パターン(変位部材作動パターン)は、原則として、特定領域38Aを開放状態とする作動期間が最初に0.1sあった後、特定領域38Aを閉鎖状態とする非作動期間が18sあり、続いて開放状態とする作動期間が15sにわたり継続する作動パターンとして規定されている。変位部材作動パターンの合計作動時間は、15.1sとなる。
0.1sの作動期間は、特定領域38Aの開放状態が相対的に短くなるので、特定領域38AへのV入賞が極めて困難になる。一方、最長で15sとなる作動期間は、特定領域38Aの開放状態が相対的に長くなるので、特定領域38AへのV入賞が比較的容易である。
なお、15sとなる作動期間については、第1大入賞口36が開閉状態となる1ラウンドにおいて、例えば大入賞口カウント数が上限入賞数に達することで第1大入賞口36が閉鎖状態となり、後述する残留球に関する所定の監視処理時間を経たときは、予め規定された15sが経過する前であっても変位部材39が非作動となって特定領域38Aが閉鎖状態となることがある。
[大入賞口開閉パターン(当りパターン)及びラウンド間インターバル]
次に、図61を用いて、大当り遊技状態及び小当り遊技状態における大入賞口開閉パターン(当りパターン)及びラウンド間インターバルについて説明する。
図61に示すように、大入賞口開閉パターン(当りパターン)としては、複数の当りパターン1〜3が規定されている。「当りパターン1」は、ボーナス「確変大当り1」〜「確変大当り4」に際して発生し、規定ラウンド数が5Rとして規定された当りパターンである。
また、ラウンド間インターバルは、一のラウンドにおいて大入賞口が最後に閉鎖状態となった後、次のラウンドにおいて最初に大入賞口が開放状態となるまでの大入賞口が閉鎖状態となる区間に相当し、同図に示すように、ラウンド間インターバルのパターンとしては、閉鎖状態となる時間(閉鎖時間)が1.3sとなるインターバルパターンaが規定されている。
「当りパターン1」は、全てのラウンド間インターバルがインターバルパターンaであり、1R目において第1大入賞口36が開閉パターンAになるとともに、2R目〜5R目の全てにおいて第1大入賞口36が開閉パターンBになるように規定されている。すなわち、「当りパターン1」は、1R目において特定領域38AへのV入賞が可能なラウンドとして実行される。
「当りパターン2」は、ボーナス「確変大当り5」〜「確変大当り9」に際して発生し、規定ラウンド数が8Rとして規定された当りパターンである。「当りパターン2」は、全てのラウンド間インターバルがインターバルパターンaであり、1R目〜7R目のそれぞれにおいて第1大入賞口36が開閉パターンBになるとともに、8R目において第1大入賞口36が開閉パターンAになるように規定されている。すなわち、「当りパターン2」は、8R目において特定領域38AへのV入賞が可能なラウンドとして実行される。
「当りパターン3」は、ボーナス「小当り1」に際して発生し、第1大入賞口36が1回だけ開閉パターンCになるように規定されている。すなわち、「当りパターン3」は、第1大入賞口36に対して遊技球が入賞する可能性があり、特定領域38AへのV入賞もあり得るが、仮に特定領域38AへのV入賞があったとしても確変遊技状態に移行できないものとして実行される。
なお、各当りパターンにおいて各ラウンドに予め開閉パターンが対応付けられているが、上記以外の開閉パターンを対応付けるようにしてもよい。例えば、「当りパターン1」における1R目のパターンを開閉パターンAではなく開閉パターンBにしてもよい。
また、インターバルパターンについては、2種類以上であってもよい。また、インターバルパターンaの時間は上記以外の時間であってもよい。
また、全ての大当りについて同一のラウンドにしてもよい。この場合、例えば、全ての大当りを8Rにし、「当りパターン1」については6R〜8Rを開閉パターンBとし、「当りパターン3」については2R〜8Rを開閉パターンBとすることが考えられる。なお、「当りパターン2」は8Rであるため、図61に示すとおりの開閉パターンを採用することができる。
[遊技状態決定用テーブル]
図62は、遊技状態決定用テーブルを示す図である。遊技状態決定用テーブルは、後述するメインCPU61のS1096の処理とS1100の処理とにおいて参照されるテーブルである。遊技状態決定用テーブルには、大当り図柄と大当り移行前の遊技状態とに応じて大当り終了後の時短回数が規定されている。
例えば、大当り図柄「確変1」の大当りの終了時には、大当りの移行前の遊技状態が非確変・非時短遊技状態であるときに、大当り中にV入賞した場合には、時短回数として0回が決定され、大当り中にV入賞しなかった場合には、時短回数として30回が決定される(第1レコード)。
また、例えば、大当り図柄「確変1」の大当りの終了時には、大当りの移行前の遊技状態が非確変・時短遊技状態であるときに、大当り中にV入賞した場合には、時短回数として50回が決定され、大当り中にV入賞しなかった場合には、時短回数として30回が決定される(第2レコード)。
遊技状態決定用テーブルでは、時短回数として「0」、「30」、「50」、及び「100」の4種類を規定しているが、これに限られるものではなく、他の値を規定してもよい。
V入賞したか否かにかかわらず、全部又は一部の大当りにおいて必ず時短回数が付与されるように値を規定してもよいし、全部又は一部の大当りにおいて必ず時短回数が付与されないように値を規定してもよい。
V入賞したか否かにかかわらず、時短回数が付与される大当りがあるが、全ての大当りにおいて、V入賞した場合としない場合とのいずれか一方では時短回数が付与され、他方では時短回数が付与されないように値を規定してもよい。
[遊技機の遊技状態及び演出モード]
次に、図63を用いて、本実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技状態及び演出モードについて説明する。なお、遊技状態は、メインCPU61により制御されるものであり、演出モードは、サブCPU71により制御されるものである。
図63に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機には、通常遊技状態における演出モードとして、通常モード、特殊モード、第1特別モード、第2特別モード、及び第3特別モードが実装されている。
通常モードは、非確変遊技状態又は確変遊技状態かつ非時短遊技状態の演出モードである。通常モードでは、第1特別モード〜第3特別モード、及び特殊モードのいずれとも異なる印象の演出が行われる。
通常モードにおいて第1特別図柄に基づく大当りとなり、その大当りが終了した後は、演出モードが通常モードから特殊モード、第1特別モード、及び第2特別モードのいずれかに移行される。
より具体的には、大当りにおいて時短回数が付与されなかった場合には、特殊モードに移行される。また、大当りにおいて付与された時短回数が30回又は50回である場合には、第1特別モードに移行され、大当りにおいて付与された時短回数が100回である場合には、9/10の確率で第1特別モードに移行される(※条件1)。他方、大当りにおいて付与された時短回数が100回である場合には、1/10の確率で第2特別モードに移行される(※条件2)。
なお、演出モードの移行割合は、上述の値に限られるものではない。例えば、大当りにおいて付与された時短回数が100回である場合には、必ず(強制的に)第2特別モードに移行するように移行割合を設定してもよい。
通常モードにおいて第2特別図柄に基づく大当りとなり、その大当りが終了した後は、通常モードから他の演出モードに移行される場合があるが、その詳細については後述する。なお、本実施形態では、通常モードにおいて第2特別図柄に基づく大当りとなるのは、第2特別図柄に係る特別図柄ゲームの保留球による抽選により当選した場合(第2特別図柄に係る大当り抽選に当選した場合)である。
特殊モードは、非確変遊技状態又は確変遊技状態かつ非時短遊技状態の演出モードである。特殊モードは、通常モードと同様、他の演出モードと異なる印象の演出が行われる。
特殊モードにおいて第1特別図柄に基づく大当りとなり、その大当りが終了した後は、通常モードと同様に演出モードが移行される。
また、特殊モードにおいて、ゲーム回数(特別図柄ゲームのゲーム数)が30回消化された場合には、演出モードが特殊モードから通常モードに移行される。
第1特別モードは、非確変遊技状態又は確変遊技状態かつ時短遊技状態(時短回数が「30」、「50」、及び「100」のいずれか)の演出モードである。第1特別モードでは、時短遊技状態であることは識別可能であるが、確変遊技状態であるか否かが識別困難な演出が行われる。
第1特別モードにおいて第2特別図柄に基づく大当りとなり、その大当りが終了した後は、第1特別モードから他の演出モードに移行される場合があるが、その詳細については後述する。
また、第1特別モードにおいて、時短遊技状態が終了した場合には、演出モードが第1特別モードから通常モードに移行される。
第2特別モードは、非確変遊技状態又は確変遊技状態かつ時短遊技状態(時短回数が「100」)の演出モードである。第2特別モードでは、時短遊技状態であることは識別可能であるが、確変遊技状態であるか否かが識別困難な演出が行われる。
第2特別モードの演出は、時短回数が100回付与されたときに行われる演出であることから、第2特別モードにおける演出によれば、遊技者は、時短回数が100回付与されたことを認識可能である。
なお、第1特別モードの演出は、時短回数が100回付与されたときにも行われ得ることから、遊技者は、第1特別モードであっても時短回数が100回付与されたことに期待できる。
第2特別モードにおいて第2特別図柄に基づく大当りとなり、その大当りが終了した後は、第2特別モードから他の演出モードに移行される場合があるが、その詳細については後述する。
また、第2特別モードにおいて、時短遊技状態が終了した場合には、演出モードが第2特別モードから通常モードに移行される。
第3特別モードは、非確変遊技状態又は確変遊技状態かつ時短遊技状態(時短回数が「100」)の演出モードである。第2特別図柄の大当りに移行前の遊技状態の演出モードが第3特別モードである場合、この大当りにおいては、遊技者にとって有利な内容の演出(より広義には報知)が行われる。つまり、第3特別モードは、遊技者の利益に係ることを特徴とする演出モードである。より具体的には、遊技者がより多くの時短回数を遊技者が獲得できる内容の演出が行われ、更には付与され得る時短回数が同じである場合には、V入賞を促す内容の演出が行われる。
第3特別モードにおいて第2特別図柄に基づく大当りとなり、その大当りが終了した後は、第3特別モードから他の演出モードに移行される場合があるが、その詳細については後述する。
また、第3特別モードにおいて、時短遊技状態が終了した場合には、演出モードが第3特別モードから通常モードに移行される。
次に、通常モード、第1特別モード〜第3特別モードのいずれかにおいて、第2特別図柄に基づく大当り(「確変大当り5」〜「確変大当り9」のいずれかの大当り)となり、その大当りが終了した後に移行される演出モードについて説明する。
(「確変大当り5」又は「確変大当り6」の場合)
当該大当りにおいて付与された時短回数が30回又は50回である場合には、演出モードは第1特別モードに移行される(※条件3)。当該大当りにおいて付与された時短回数が100回である場合には、基本的には、演出モードは、9/10の確率で第1特別モードに移行され(※条件3)、1/10の確率で第3特別モードに移行される(※条件4)。ただし、大当り移行前の演出モードが第3特別モードである場合に時短回数として100回が付与されたときには、強制的に第3特別モードに移行される(※条件4)。また、当該大当りにおいて時短回数が付与されなかった場合には、演出モードが通常モードに移行される。
(「確変大当り7」の場合)
当該大当りの終了後は、基本的に、演出モードは、1/10の確率で第1特別モードに移行され(※条件5)、7/10の確率で第2特別モードに移行され(※条件6)、2/10の確率で第3特別モードに移行される(※条件7)。ただし、大当り開始前の演出モードが第3特別モードである場合には、強制的に第3特別モードに移行される(※条件7)。また、当該大当りにおいて時短回数が付与されなかった場合には、演出モードが通常モードに移行する。
なお、演出モードの移行割合は、上述の値に限られるものではない。例えば、強制的に第2特別モードに移行するように移行割合を設定してもよい。
(「確変大当り8」又は「確変大当り9」の場合)
当該大当りにおいて付与された時短回数が100回である場合には、演出モードは、1/10の確率で第2特別モードに移行され(※条件8)、9/10の確率で第3特別モードに移行される(※条件9)。また、当該大当りにおいて時短回数が付与されなかった場合には、演出モードが通常モードに移行する。
なお、大当り開始前の演出モードが第3特別モードであり、大当りにおいて時短回数として100回が付与されたとしても、上述の移行割合は同じである。また、演出モードの移行割合は、上述の値に限られるものではない。例えば、大当りにおいて時短回数として100回が付与された場合には、強制的に第2特別モードに移行するように移行割合を設定してもよい。
[メインCPU及びサブCPUによる制御]
次に、図64〜図77を用いて、第2実施形態に係る遊技機のメインCPU61及びサブCPU71により実行される処理について以下に説明をする。なお、図64〜図69は、メインCPU61による処理を示し、図70〜図77は、サブCPU71による処理を示す。なお、第1実施形態に示した処理と同一又は類似の処理については、適宜、その説明を簡略化し、又は省略する。
メインCPU61は、遊技状態移行制御手段、確変遊技状態制御手段、非確変遊技状態制御手段、回数決定手段、時短遊技状態制御手段、非時短遊技状態制御手段、及びラウンド遊技実行手段(第1ラウンド遊技実行手段及び第2ラウンド遊技実行手段)などの各種手段を実現している。
例えば、メインCPU61は、特定態様で識別情報が停止表示されたことを条件に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行制御可能な遊技状態移行制御手段として機能する。また、例えば、メインCPU61は、大当り遊技状態において、ラウンド遊技実行手段により実行されるラウンド遊技で特定領域に遊技媒体が通過したことに基づいて、大当り遊技状態の終了後に、特定態様で識別情報が停止表示させる確率が相対的に高い確変遊技状態に制御可能な確変遊技状態制御手段として機能する。また、例えば、メインCPU61は、大当り遊技状態において、ラウンド遊技実行手段により実行されるラウンド遊技で特定領域に遊技媒体が通過しなかったことに基づいて、大当り遊技状態の終了後に、特定態様で識別情報が停止表示させる確率が相対的に低い非確変遊技状態に制御可能な非確変遊技状態制御手段として機能する。また、例えば、メインCPU61は、複数の回数の中から、何れかの回数を決定可能な回数決定手段として機能する。また、例えば、メインCPU61は、大当り遊技状態の終了後において、開閉部材が相対的に開放状態になり易い状態を含む時短遊技状態に制御可能な時短遊技状態制御手段として機能する。また、例えば、メインCPU61は、時短遊技状態に制御されてから識別情報の変動表示された回数が、回数決定手段により決定された回数になったことを条件に、開閉部材が相対的に開放状態になり難い状態を含む非時短遊技状態に制御可能な非時短遊技状態制御手段として機能する。
[タイマ更新処理]
図64は、メインCPU61により実行されるタイマ更新処理を示すフローチャートである。図64のタイマ更新処理は、図20のタイマ更新処理と概ね同様のステップで構成されるが、本タイマ更新処理では、第1実施形態のS80の処理を設けていない点が異なる。これは、本実施形態では、入賞可能なラウンドを固定していないことによる。
すなわち、メインCPU61は、S1007の判定処理で肯定の判定をした場合、又はS1009の判定処理で肯定の判定をした場合には、S1010において、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。
[特別図柄関連スイッチチェック処理]
図65は、メインCPU61により実行される特別図柄関連スイッチチェック処理を示すフローチャートである。図65の特別図柄関連スイッチチェック処理は、図22の特別図柄関連スイッチチェック処理と概ね同様のステップで構成されるが、本特別図柄関連スイッチチェック処理では、第1実施形態のS103の処理を設けていない点が異なる。これは、本実施形態では、第2大入賞口37Aが設けられていないことによる。
すなわち、メインCPU61は、S1022の第1第入賞口スイッチチェック処理を終了した場合には、この特別図柄関連スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
[第1大入賞口スイッチチェック処理]
図66は、メインCPU61により実行される第1大入賞口スイッチチェック処理を示すフローチャートである。図66の第1大入賞口スイッチチェック処理は、図25の第1大入賞口スイッチチェック処理と概ね同様のステップで構成されるが、本第1大入賞口スイッチチェック処理では、第1実施形態のS135の処理を行うタイミングと、S136の判定処理の判定内容とが異なる。処理のタイミングについては、本実施形態では、小当り時には特定領域通過コマンドを副制御回路70のサブCPU71に供給しない構成としたことによる。他方、判定内容については、小当り時の確変制御を排除することとしたことによる変更である。
すなわち、メインCPU61は、S1035において、大入賞口開放回数カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU61は、大入賞口開放回数カウンタの値が「1」以上であると判定した場合には、S1036に処理を移し、大入賞口開放回数カウンタの値が「1」以上でないと判定した場合には、S1042に処理を移す。
また、メインCPU61は、S1040の処理を終了した後、S1041において、定領域通過コマンドをセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S1042に処理を移す。
[特別図柄表示時間管理処理]
図67は、メインCPU61により実行される特別図柄表示時間管理処理を示すフローチャートである。図66の特別図柄表示時間管理処理は、図31の特別図柄表示時間管理処理と概ね同様のステップで構成されるが、本特別図柄表示時間管理処理では、第1実施形態のS230の処理内容が異なる。
すなわち、メインCPU61は、S1060において、メインRAM63に遊技状態コマンドをセット(記憶など)する処理を行う。遊技状態コマンドは、コマンドの種別(遊技状態コマンドであることを示す情報)、遊技状態(非確変・非時短、確変・非時短、非確変・時短、確変・時短)を示す情報、確変回数としての残り回数(「0」)を示す情報、及び時短回数としての残り回数(「0」、「20」、又は「70」)を示す情報を含むコマンドである。遊技状態コマンドは、主制御回路60のメインCPU61から副制御回路70のサブCPU71に供給されることにより、副制御回路70が確変遊技状態及び時短遊技状態の状況を認識するようになる。この処理を終了した場合には、S1061に処理を移す。
[大入賞口開放中処理]
図68は、メインCPU61により実行される大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。図68の大入賞口開放中処理は、図34の大入賞口開放中処理と概ね同様のステップで構成されるが、本大入賞口開放中処理では、第1実施形態のS276の処理を設けていない点が異なる。これは、本実施形態では、第2大入賞口37Aが設けられていないことによる。
すなわち、メインCPU61は、S1075において、残留球監視タイマに所定値をセットする処理を終了した場合には、S1076に処理を移す。
[当り終了インターバル管理処理]
図69は、メインCPU61により実行される当り終了インターバル管理処理を示すフローチャートである。図69の当り終了インターバル管理処理は、図35の当り終了インターバル管理処理と概ね同様のステップで構成されるが、図69の当り終了インターバル管理処理では、第1実施形態のS295、S296、S300の処理内容が異なる。
すなわち、メインCPU61は、S1095において、メインRAM63の確変回数カウンタの値にST回数として「30」をセットする処理を行う。なお、セットする値は「30」に限られるものではなく、他の値を採用してもよい。この処理を終了した場合には、S1096に処理を移す。
S1096において、メインCPU61は、メインRAM63の時短回数カウンタの値に時短回数として所定値(「0」、「30」、「50」、及び「100」のいずれかの値)をセットする処理を行う。より具体的には、メインCPU61は、図62に示す遊技状態決定用テーブルを用いて、大当りの種別(大当り図柄)、大当り移行前の遊技状態、及びV入賞の有無に基づいて所定値を決定する。この処理を終了した場合には、S1097に処理を移す。
また、S1100において、メインCPU61は、メインRAM63の時短回数カウンタの値に所定値(「0」、「30」、「50」、及び「100」のいずれかの値)をセットする処理を行う。なお、この処理については、S1096の処理と同様であるため、説明を省略する。この処理を終了した場合には、S1101に処理を移す。
[タイマ更新処理]
図70は、サブCPU71により実行されるタイマ更新処理を示すフローチャートである。図70のタイマ更新処理は、図40のタイマ更新処理と概ね同様のステップで構成されるが、本タイマ更新処理では、第1実施形態のS357の処理内容が異なる。
すなわち、サブCPU71は、S1117において、発射報知フラグ設定処理を行い、発射報知態様を切り替える。より具体的には、サブCPU71は、現在の値が「01H」である場合には「02H」をセットし、現在の値が「03H」である場合には「04H」をセットし、現在の値が「04H」である場合には「03H」をセットする。この処理を終了した場合には、S1118に処理を移す。発射報知フラグは、遊技球の発射に係る報知を行うか否かをサブCPU71が識別可能なフラグであり、「00H」の場合には報知を行わない(終了させる)こととなり、「00H」以外の場合には報知を行う(継続させる)こととなる。
なお、本実施形態では、発射報知フラグの値「01H」のときは「前半パート」の報知が行われ、発射報知フラグの値「02H」のときは「後半パート」の報知が行われ、発射報知フラグの値「03H」のときは発射操作の停止を示唆する報知(「DANGER」、「しばらくお待ちください」等)が行われ、発射報知フラグの値「04H」のときは発射操作の開始を示唆する報知(「右打ち」、「打て〜!!」等)が行われ、発射報知フラグの値「05H」のときは「右打ち」の報知が行われる。
[コマンド解析処理]
図71は、サブCPU71により実行されるコマンド解析処理を示すフローチャートである。図71のコマンド解析処理は、図41のコマンド解析処理と概ね同様のステップで構成されるが、本コマンド解析処理では、第1実施形態のS364の第1演出モード変更処理を設けていない点、S366の処理内容が異なる。なお、本コマンド解析処理では、第1演出モード変更処理を設けないことにより、第1実施形態のS378の第2演出モード変更処理の名称を「演出モード変更処理」と改めている(S1137)。
すなわち、サブCPU71は、S1125において、停止図柄決定処理を行う。この処理において、サブCPU71は、メインCPU61から受信した図柄指定コマンドに対応する停止装飾図柄を決定する。サブCPU71は、停止装飾図柄が決定した場合、決定した停止装飾図柄データをワークRAM73の所定の記憶領域にセットする。この処理を終了した場合には、コマンド解析処理ルーチンを終了する。
なお、液晶表示装置4の表示領域4Aに表示する装飾図柄としては、例えば、数字の「1」〜「9」まであり、こららの装飾図柄(数字)が所定数(例えば、3つ(3桁))が同じ装飾図柄(数字)で揃った場合に、基本的に大当り遊技状態に移行する。
より具体的には、第1特別図柄の大当り図柄としての「確変1」〜「確変4」、第2特別図柄の大当り図柄としての「確変5」〜「確変9」、及び小当り図柄としての「小当り1」に関して、「確変7」に対応する装飾図柄は、数字の「7」の揃目、「確変1」〜「確変6」、「確変8」、「確変9」に対応する装飾図柄は、数字の「1」〜「6」、「8」、又は「9」の何れかの揃目、「小当り1」に対応する装飾図柄は、特定図柄の組合せとして数字の「―当―」となる特定出目、ハズレに対応する装飾図柄は、特定出目以外のバラケ目となっている。なお、停止図柄は、特定図柄に対応させなくてもよい。
上述したように、「確変1」〜「確変6」、「確変8」、及び「確変9」の各々に対応する装飾図柄は、数字の「1」〜「6」、「8」、又は「9」の揃目のうち何れの揃目でもよい構成とすることで、「7」の揃目以外の揃目の装飾図柄が停止した場合には、停止図柄からは、「確変1」〜「確変6」、「確変8」、「確変9」の何れの大当りであるか分からないようになっている。
[当り演出パターン決定処理]
図72は、サブCPU71により実行される当り演出パターン決定処理を示すフローチャートである。図72の当り演出パターン決定処理は、図42の当り演出パターン決定処理と概ね同様のステップで構成されるが、本当り演出パターン決定処理では、第1実施形態のS390の処理内容が異なる。
すなわち、サブCPU71は、S1150において、当り演出パターン種別決定処理を実行する。この処理において、サブCPU71は、受信した当り開始表示コマンドに含まれる特別図柄の停止図柄指定情報に応じて当り演出パターンフラグに「01H」〜「05H」のいずれかをセットする。この処理を終了した場合には、S1151に処理を移す。ここで、「01H」は「確変1」〜「確変4」に対応し、「02H」は「確変5」及び「確変6」に対応し、「03H」は「確変7」に対応し、「04H」は「確変8」及び「確変9」に対応し、「05H」は「小当り1」に対応する。
[V入賞報知処理]
図73は、サブCPU71により実行されるV入賞報知処理を示すフローチャートである。このV入賞報知処理は、V入賞の報知を行うための処理であり、以下のステップ単位に実行される。
図73に示すように、S1160において、サブCPU71は、V入賞フラグの値が「01H」であるか否かを判定する。サブCPU71は、V入賞フラグの値が「01H」であると判定した場合には、V入賞報知処理ルーチンを終了する。一方、サブCPU71は、V入賞フラグの値が「01H」でないと判定した場合には、S1161に処理を移す。
S1161において、サブCPU71は、V入賞報知フラグの値に「01H」をセットする処理を行う。V入賞報知フラグは、V入賞の報知を行ったか否かを示す内部フラグである。V入賞の報知を行った場合には、V入賞報知フラグの値として「01H」がセットされ、V入賞の報知を行っていない場合には、V入賞報知フラグの値として「00H」がセットされる。この処理を終了した場合には、S1162に処理を移す。
S1162において、サブCPU71は、発射報知フラグの値に「05H」をセットする処理を行う。この処理により、図74のS1180の処理において「05H」に対応する報知「右打ち」が行われることになる。この処理を終了した場合には、S1163に処理を移す。
S1163において、サブCPU71は、発射報知タイマの値に「0」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、V入賞報知処理ルーチンを終了する。
[ラウンド中演出処理]
図74は、サブCPU71により実行されるラウンド中演出処理を示すフローチャートである。このラウンド中演出処理は、ラウンドごとに演出内容を決定するための処理であり、以下のステップ単位に実行される。
図74に示すように、S1170において、サブCPU71は、ラウンドカウンタの値に1加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S1171に処理を移す。
S1171において、サブCPU71は、V入賞報知フラグの値が「01H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、V入賞の報知を行ったか否かを判定する。サブCPU71は、V入賞報知フラグの値が「01H」であると判定した場合には、S1180に処理を移す。一方、サブCPU71は、V入賞報知フラグの値が「01H」でないと判定した場合には、S1172に処理を移す。
S1172において、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「01H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、「小当り1」であるか否かを判定する。サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「01H」であると判定した場合には、S1180に処理を移す。一方、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「01H」でないと判定した場合には、S1173に処理を移す。
S1173において、サブCPU71は、ラウンドカウンタの値が「1」又は「8」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、V入賞が可能なラウンド中(1R目又は8R目)であるか否かを判定する。サブCPU71は、ラウンドカウンタの値が「1」又は「8」であると判定した場合には、S1174に処理を移す。一方、サブCPU71は、ラウンドカウンタの値が「1」及び「8」のいずれでもないと判定した場合には、S1179に処理を移す。
S1174において、サブCPU71は、演出モードフラグの値が「05H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、大当り移行前の演出モードが第3特別モードであるか否かを判定する。サブCPU71は、演出モードフラグの値が「05H」であると判定した場合には、S1175に処理を移す。一方、サブCPU71は、演出モードフラグの値が「05H」でないと判定した場合には、S1177に処理を移す。
S1175において、サブCPU71は、発射報知フラグに「03H」又は「04H」をセットする。より具体的には、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値に応じて発射報知フラグの値をセットする。例えば、前半パートの方が時短回数が多い場合、「04H」をセットし、後半パートの方が時短回数が多い場合「03H」をセットする。この処理を終了した場合には、S1176に処理を移す。なお、どちらも同じ場合には、V入賞を促すため、「03H」をセットするが、不正行為を検出(電波検出、磁気検出等)している状態である場合には、「04H」をセットすることで、不正行為者に不利益になるように構成してもよい。
S1176において、サブCPU71は、発射報知タイマの値に所定値をセットする処理を行う。例えば、サブCPU71は、変位部材39が初回の開放開始からV入賞可能なロング開放を行うまでの時間であるX秒(18秒)よりも短いY秒(15秒)に対応する値をセットする。発射報知時間に係る所定値Y秒は、例えば「右打ち」の開始(発射操作の開始)から2〜2.1秒で転動領域372の略中央部に到達することに鑑みて設定されるものである。例えば、15秒経過後に表示される「右打ち」に従って発射操作が行われると、その約2秒後は、第1大入賞口はまだロング開放されておらず、遊技球は、基本的には、転動領域372に到達する。つまり、発射報知時間を契機に行われる報知に従って「右打ち」された遊技球は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aに検出されることなく、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bで検出され得る。また、遊技球の発射間隔は、0.66秒であるので、遊技球が連続して発射された場合には、複数の遊技球が転動領域372に到達し、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bで検出され得る。この処理を終了した場合には、S1180に処理を移す。本実施形態は、上述の処理に限られるものではなく、上述の値「15」よりも大きい値であってもよいし、小さい値であってもよい。ただし、V入賞する前にラウンドが終了してしまわない時間に設定することが好ましい。なお、本実施形態では、説明の便宜上、開放状態が0.1s以下となる区間をショート開放、開放状態が0.1sより長く14s未満となる区間をミドル開放、開放状態が14s以上となる区間をロング開放と称する。
S1177において、サブCPU71は、発射報知フラグの値に「01H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S1178に処理を移す。
S1178において、サブCPU71は、発射報知タイマの値に所定値をセットする処理を行う。なお、この処理は、S1176の処理と同様であるので説明を省略する。この処理を終了した場合には、S1180に処理を移す。
S1179において、サブCPU71は、発射報知フラグの値に「05H」をセットする処理を行う。なお、第2ラウンド〜第7ラウンドまでは前半パートのみであることから、右打ちを示す値「05H」がセットされる。この処理を終了した場合には、S1180に処理を移す。
S1180において、サブCPU71は、当り演出パターン及びラウンドに応じたラウンド中演出データをセットする。なお、当り状態を演出から認識させるために、当り演出パターンの値毎に異なる演出パターンを実行することが好ましいが、同一の演出パターンを実行する構成であってもよい。この処理を終了した場合には、ラウンド中演出処理ルーチンを終了する。
[ラウンド間演出処理]
図75は、サブCPU71により実行されるラウンド間演出処理を示すフローチャートである。図75のラウンド間演出処理では、第1実施形態のS420、S421、S422の処理内容が主に異なる。なお、S1190〜S1192では、V入賞していない場合に現在の発射報知を一端終了させるための処理である。
S1190において、サブCPU71は、V入賞報知フラグの値が「01H」であるか否かを判定する。サブCPU71は、V入賞報知フラグの値が「01H」であると判定した場合には、S1193に処理を移す。一方、サブCPU71は、V入賞報知フラグの値が「01H」でないと判定した場合には、S1191に処理を移す。
S1191において、サブCPU71は、発射報知フラグの値に「00H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S1192に処理を移す。
S1192において、サブCPU71は、発射報知タイマの値に「0」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S1193に処理を移す。
[当り終了演出処理]
図76は、サブCPU71により実行される当り終了演出処理を示すフローチャートである。この当り終了演出処理は、大当り又は小当りの終了時となる当り終了インターバルにおける演出内容を決定するための処理であり、以下のステップ単位に実行される。
図76に示すように、S1200において、サブCPU71は、発射報知フラグの値に「01H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S1201に処理を移す。
S1201では、サブCPU71は、発射報知タイマの値に「0」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S1202に処理を移す。
S1202では、サブCPU71は、ラウンドカウンタの値に「0」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S1203に処理を移す。
S1203において、サブCPU71は、V入賞報知フラグの値に「00H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S1204に処理を移す。
S1204において、サブCPU71は、当り演出パターン及びラウンドに応じた当り終了演出データをセットする。なお、終了する当り状態を演出から認識させるために、当り演出パターンの値毎に異なる演出パターンを実行することが好ましいが、同一の演出パターンを実行する構成であってもよい。この処理を終了した場合には、当り終了演出処理ルーチンを終了する。
[演出モード変更処理]
図77は、サブCPU71により実行される演出モード変更処理を示すフローチャートである。この演出モード変更処理は、演出モードを変更するための処理であり、以下のステップ単位に実行される。
図77に示すように、S1210において、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「00H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、時短及び/又は確変に基づく遊技状態コマンドであるか否かを判定する。サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「00H」であると判定した場合には、S1211に処理を移す。一方、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「00H」でないと判定した場合には、S1213に処理を移す。
S1211において、サブCPU71は、遊技状態コマンドが示す残時短回数が1以上であるか否かを判定する。サブCPU71は、演出モードフラグの値が「01H」であると判定した場合には、演出モード変更処理ルーチンを終了する。一方、サブCPU71は、演出モードフラグの値が「01H」でないと判定した場合には、S1212に処理を移す。
S1212において、サブCPU71は、演出モードフラグの値に「01H」をセットする処理を行う。この処理により、演出モードが通常モードに移行される。この処理を終了した場合には、演出モード変更処理ルーチンを終了する。
S1213において、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「05H」であるか否かを判定する。換言するならば、サブCPU71は、「小当り1」の終了であるか否かを判定する。サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「05H」であると判定した場合には、S1216に処理を移す。一方、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値が「05H」でないと判定した場合には、S1214に処理を移す。
S1214において、サブCPU71は、演出モード移行判定処理を行う。より具体的には、サブCPU71は、時短回数(時短付与回数)及び現在の演出モード(大当り前の演出モード)の少なくとも一方に基づいて演出モードを移行させるか否かを判定する。以下では、時短付与回数と大当り前の演出モードとに基づく演出モードの移行について説明する。
(時短回数=0、演出モード不問の場合)
サブCPU71は、第1特別図柄の大当りの終了である場合には、特殊モードに移行させると判定し、第2特別図柄の大当りの終了である場合には、通常モードに移行させると判定する。
(時短回数=「30」又は「50」、演出モード不問の場合)
サブCPU71は、第1特別図柄の大当りの終了、及び第2特別図柄の大当りの終了のいずれかである場合には、第1特別モードに移行させると判定する。
(時短回数=「100」、通常モードの場合)
サブCPU71は、第1特別図柄「確変3」の大当りの終了である場合には、「9/10」の確率で第1特別モードに移行させると判定し、「1/10」の確率で第2特別モードに移行させると判定する。また、サブCPU71は、第2特別図柄の大当りの終了である場合には、第3特別モードに移行させると判定する。
(時短回数=「100」、第3特別モードの場合)
サブCPU71は、第2特別図柄「確変8」の大当りの終了、及び第2特別図柄「確変9」の大当りの終了のいずれかである場合には、「1/10」の確率で第2特別モードに移行させると判定し、「9/10」の確率で第3特別モードに移行させると判定する。また、サブCPU71は、第2特別図柄「確変8」の大当りの終了、及び第2特別図柄「確変9」の大当りの終了のいずれでもない場合には、第3特別モードに移行させると判定する。
(時短回数=「100」、第1特別モード、第2特別モード、又は特殊モードの場合)
サブCPU71は、第1特別図柄「確変3」の大当りの終了である場合には、「9/10」の確率で第1特別モードに移行させると判定し、「1/10」の確率で第2特別モードに移行させると判定する。
サブCPU71は、第2特別図柄「確変5」の大当りの終了、及び第2特別図柄「確変6」の大当りの終了のいずれかである場合には、「9/10」の確率で第2特別モードに移行させると判定し、「1/10」の確率で第3特別モードに移行させると判定する。
サブCPU71は、第2特別図柄「確変7」の大当りの終了である場合には、「1/10」の確率で第1特別モードに移行させると判定し、「7/10」の確率で第2特別モードに移行させると判定し、「2/10」の確率で第3特別モードに移行させると判定する。
サブCPU71は、第2特別図柄「確変8」の大当りの終了、及び第2特別図柄「確変9」の大当りの終了のいずれかである場合には、「1/10」の確率で第2特別モードに移行させると判定し、「9/10」の確率で第3特別モードに移行させると判定する。
本実施形態では、モード移行に係る確率を「x/y」として示しているが、所定の乱数抽選を行うことにより当該確率を実現している。
S1215において、サブCPU71は、判定結果に応じた値を演出モードフラグの値にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S1216に処理を移す。
S1216において、サブCPU71は、当り演出パターンフラグの値に「00H」をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、演出モード変更処理ルーチンを終了する。
サブCPU71は、演出モード決定手段、演出実行手段などの各種手段を実現している。
図78及び図79は、演出画面及び演出画面フローの一例を示す図である。以下では、演出モードが通常モード、特殊モード、通常モードの順に移行された場合(第1ケース)、通常モード、第1特別モード、第3特別モード、通常モードの順に移行された場合(第2ケース)を例に挙げ、本実施形態の特徴的な演出について説明する。
SC101〜SC144は、表示領域4Aの画面上に表示される演出内容であり、画面上の構成要素は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
(第1ケース)
SC101では、通常モードにおいて、装飾図柄が変動している態様を示している。本例では第1特別図柄の大当りの抽選に当選したため、その後、装飾図柄が順次停止し(SC102)、大当りとなった旨が画面上に表示され(SC103)、第1特別図柄の大当りに係る演出が行われる(SC104〜SC1110)。
本ケースでは、当該大当りにおいて、時短回数が付与されなかったので(時短回数が0回)、演出モードが通常モードから特殊モードに移行され、画面上では特殊モードに移行された旨(「特殊モード突入」等)の演出が行われる(SC111)。
その後、遊技が進行してゲーム回数(特別図柄ゲームのゲーム数)が30回消化され(SC112〜SC113)、演出モードが特殊モードから通常モードに移行され(SC114)、通常モードにおいて遊技が行われることとなる(SC115)。
(第2ケース)
SC101〜SC110までは、第1ケースと同様であり、本ケースでは、第1特別図柄の大当りにおいて、時短回数として30回が付与されたので、演出モードが通常モードから第1特別モードに移行され、画面上では第1特別モードに移行された旨(「第1特別モード突入」等)の演出が行われる(SC116)。
その後、遊技が進行して「確変8」の大当りとなり(SC117〜SC120)、当該大当りにおいて演出が行われる(SC121〜SC125)。当該大当り、より正確には第3特別モードに移行される割合が高い「確変8」及び「確変9」の大当りでは、8R目においてV入賞が可能であり、その前の7R目において、特定の演出(「次ラウンド、自らの力で時短を掴み取れ」等)が行われる(SC123)。
また、当該大当りでは、8R目の後半パートにおいてV入賞が可能であるので、V入賞が可能なタイミングに係る報知(「前半パート」、「後半パート」等)が行われる(SC124、SC125)。
一般的には、遊技者は、画面上に「前半パート」の演出が行われていることを把握した場合には、入賞した球数が10個に達して当該ラウンドが終了してしまうことを避けるために遊技球を発射(入賞)させることを控え、「後半パート」の演出が行われることを契機に遊技球を発射させてV入賞を狙うこととなる。
しかしながら、当該大当りでは、大当り移行前の遊技状態とV入賞の有無とに基づいて、時短回数として0回又は100回が決定されるので、遊技者は、把握している移行前の遊技状態をもとにV入賞を狙うか否かを判断して遊技を行うこととなる。
この構成によれば、遊技者自らの判断が利益(本例では時短回数)の獲得に繋がるため、遊技の興趣を高めることができる。
本例では、V入賞させることで時短回数として100回を獲得し、所定の抽選に当選たため、画面上で「V」の演出が行われ(SC126)、演出モードが第1特別モードから第3特別モードに移行される(SC127)。
その後、遊技が進行して「確変7」の大当りとなり(SC128〜SC131)、当該大当りにおいて演出が行われる(SC132〜SC135)。「確変7」の大当りでは、大当り前の遊技状態にかかわらず、時短回数として100回が付与されるので、V入賞が可能な8R目においてV入賞を促す演出が行われる。つまり、V入賞しない(V入賞が困難な)前半パートでは、入賞を控える演出(「DANGER」、「しばらくお待ちください」等)が行われ、V入賞が容易な後半パートでは、入賞を促す演出(「右打ち」、「打て−!!」等)が行われる。
本例では、V入賞が獲得されたため、確変・時短遊技状態となる。なお、「確変7」の大当りにおいては、大当り前の演出モードが第3特別モードである場合には、強制的に第3特別モードとなる(換言するならば、第3特別モードが維持される)。
その後、遊技が進行して「確変9」の大当りとなり(SC137〜SC140)、当該大当りにおいて演出が行われる(SC141〜SC143)。大当りにおいて、遊技者は、演出を無視して遊技を行ったため(換言するならば、V入賞させたため)、演出モードが第3特別モードから通常モードに移行される(SC144)。
ここで、本実施形態では、図62の遊技状態決定用テーブルに基づいて時短回数が決定される。遊技状態決定用テーブルの「確変9」の大当りについて見てみると、大当り移行前の遊技状態が確変・時短遊技状態である場合には、当該大当りにおいてV入賞したときは時短回数が付与されず、V入賞しなかったときは時短回数として100回が付与される。他方、演出モードについて見ると、「確変9」の大当りにおいて、大当り移行前の遊技状態が確変・時短遊技状態であり、演出モードが第3特別モードである場合には、時短回数が付与されなかった場合には、通常モードに移行され、時短回数として100回が付与された場合には、第3特別モードが維持される。つまり、「確変9」の大当りにおいて、V入賞した場合には、時短回数が付与されず、演出モードが通常モードに移行され、遊技者にとって不利な状態となり、V入賞しなかった場合には、時短回数が100回付与され、かつ第3特別モードが維持され、遊技者にとって有利な状態となる。
本実施形態では、当該大当りの8R目において、前半パートでV入賞が困難(不可能)であり、後半パートでV入賞が容易(可能)である。そこで、本例では、V入賞をさせないように、前半パートに遊技球の発射を促す演出(「右打ち」、「打て−!!」等)が行われ(SC141)、後半パートに遊技球の発射停止を促す演出(「DANGER」、「しばらくお待ちください」等)が行われる(SC142)。
しかしながら、遊技者は、V入賞をさせたため、V入賞した旨の演出が行われ(SC143)、演出モードが第3特別モードから通常モードに移行された旨の演出が行われる(SC144)。
次に、図80を参照して、第2実施形態における入賞装置機構の他の態様(変形例)について説明する。
図80(a)に示すように、入賞装置機構の第1態様は、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、第2大入賞口シャッタ371A、転動領域372、特定領域38A、非特定領域38B、排出口38X,38Y、及び変位部材39を含んで実現される。
ここで、各シャッタ(第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361B、及び第2大入賞口シャッタ371A)は、図61に示すパターンに従って、開閉動作(駆動)が行われる。この際、第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361Bは、第1大入賞口36A及び第1大入賞口36Bを開閉するときに同時に開閉動作(駆動)を行い、第2大入賞口シャッタ371Aは、第2大入賞口37Aを開閉するときに開閉動作を行う。
図57の入賞装置機構とは、第2大入賞口シャッタ371Aが設けられている点が異なる。第2大入賞口シャッタ371Aが設けられていることにより、第2大入賞口シャッタ371Aが開いた状態においては、遊技球は、第2大入賞口37Aを通過し、本入賞装置機構の裏側に導かれる。また、本入賞装置機構においては、例えば、第2大入賞口、第1大入賞口の順で開放状態に制御すると共に、第1大入賞口及び第2大入賞口のうち、一方が閉鎖状態に変位してから他方が開放状態になるまでの時間を極めて短い時間(例えば、0.1秒)にすることで、大当り開始後に「右打ち」を開始した場合、第1大入賞口第1カウントスイッチ360A又は図示しない第2大入賞口に入賞した遊技球を検出するスイッチに検出されることにより、第1大入賞口第2カウントスイッチ360Bによる検出及び特定領域38への通過が極めて困難になるように構成してもよい。なお、その他については、図57の入賞装置機構と同様の構成であるので、その説明を省略する。
図80(b)に示すように、入賞装置機構の第2態様は、第1態様の入賞装置機構と同様の構成要素を含んで実現される。第1大入賞口第1カウントスイッチ360A、第1大入賞口第2カウントスイッチ360B、第1大入賞口シャッタ361A、第1大入賞口シャッタ361B、第2大入賞口シャッタ371A、転動領域372の配置は、第1態様と同様であるが、特定領域38A、非特定領域38B、排出口38X,38Y、及び変位部材39の配置が異なる。本入賞装置機構においては、最下部の仕切りの左側に変位部材39、特定領域38A、及び排出口38Xが順次に設けられ、仕切りの右側に非特定領域38B、及び排出口38Yが順次に設けられている。
本入賞装置機構では、第1大入賞口第1カウントスイッチ360Aを通過した遊技球が特定領域38Aを通過し得るように傾斜部410が設けられている。つまり、本入賞機構では、第1大入賞口36A及び第1大入賞口36Bのいずれを通過しても、特定領域38Aを通過可能な構成となっている。なお、傾斜部410の長さや角度については、特定領域38Aを通過可能な構成を実現可能な範囲において、適宜の構成を採用することができる。また、各シャッタ(第1大入賞口シャッタ361A及び第1大入賞口シャッタ361B、及び第2大入賞口シャッタ371A)の開閉動作(駆動)については図80(b)と同様であるので、その説明を省略する。
<上述した構成により得られる効果>
上述した構成によれば、例えば、遊技状態決定用テーブルには、大当り図柄と大当り移行前の遊技状態とに応じて大当り終了後の時短回数が規定されている(図62)。しかしながら、より広義には、大当り図柄に応じて大当り終了後の時短回数が規定されていてもよい。例えば、特定の大当り遊技状態を設け、当該大当り遊技状態においてV入賞した場合は時短回数として0回、V入賞しなかった場合は時短回数として30回が付与される構成としてもよい。つまり、この大当り遊技状態において、特定領域38Aに遊技球が通過した場合、時短遊技状態の利益を享受できる回数として第1回数(例えば0回)が決定され、特定領域38Aに遊技球が通過しなかった場合、第1回数よりも多い第2回数(例えば30回)が決定され得るので、大当り遊技状態の終了後に特定領域38Aに遊技球が通過しなかった場合でも第2回数の時短遊技状態を享受し得る。このように、特定領域38Aに遊技球が通過しなかった場合の方が、特定領域38Aに遊技球が通過する場合よりも有利になる点が生じる可能性を設けることで、興趣の向上を図ることができる。
上述した構成によれば、例えば、「確変1」の大当り遊技状態への移行前の遊技状態が非確変・非時短遊技状態であるときに、特定領域38Aへの遊技球の通過があった場合、第1回数(例えば、0回)が決定され、通過がなかった場合、第1回数よりも多い第2回数(例えば、30回)が決定される(図62等参照)。他方、「確変1」の大当り遊技状態への移行前の遊技状態が確変・非時短遊技状態であるときに、特定領域38Aへの遊技球の通過があった場合、第2回数(例えば、30回)が決定され、通過がなかった場合、第2回数よりも少ない第1回数(例えば、0回)が決定される。このように、時短遊技状態に係る回数の決定において、特定領域38Aへの遊技球の通過の有無に加え、「確変1」の大当り遊技状態への移行前の遊技状態を加味することにより、有利度合いが著しく低くなる事態を解消し得るので、さらに興趣の向上を図ることができる。また、特定領域38Aへの遊技球の通過があった場合、第2回数が決定され、通過がなかった場合、第2回数よりも少ない第1回数が決定される場合があり、特定領域38Aに遊技球が通過しない場合の方が、特定領域38Aに遊技球が通過した場合よりも有利になる点が必ず生じるというわけではないため、斬新な遊技性を提供可能である。
上述した構成によれば、例えば、第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置が同一又は略同一の変位態様である「確変1」の大当り遊技状態と「確変2」の大当り遊技状態とが設けられているので(図58〜図61等)、遊技者は、可変入賞装置の変位態様からどちらの大当り遊技状態であるかを見抜くことが困難となっている。
また、「確変1」の大当り遊技状態では、「確変1」の大当り遊技状態への移行前の遊技状態が非確変・非時短遊技状態であるときに、特定領域38Aへの遊技球の通過があった場合、第1回数(例えば、0回)が決定され、通過がなかった場合、第1回数よりも多い第2回数(例えば、30回)が決定される。他方、「確変2」の大当り遊技状態では、「確変2」の大当り遊技状態への移行前の遊技状態が非確変・非時短遊技状態であるときに、特定領域38Aへの遊技球の通過があった場合、第2回数(例えば、30回)が決定され、通過がなかった場合、第2回数よりも少ない第1回数(例えば、0回)が決定される。
つまり、「確変1」の大当り遊技状態と「確変2」の大当り遊技状態とを設けることで、特定領域38Aへの遊技球の通過の結果が同一であっても、享受し得る時短遊技状態の利益(例えば、回数、期間)を異ならせることができる。
したがって、「確変1」の大当り遊技状態と「確変2」の大当り遊技状態とにより享受し得る時短遊技状態の利益を調整し得るので、さらに興趣の向上を図ることができる。また、遊技者は、可変入賞装置の変位態様からどちらの大当り遊技状態であるかを見抜くことが困難であることから、享受し得る時短遊技状態の利益が常に多くなるように特定領域38Aへの遊技球の通過の有無を選択できなくなるので、遊技者が極めて有利になり、遊技店が極めて不利になる事態を回避できる。
上述した構成によれば、例えば、「確変1」の大当り遊技状態への移行前の遊技状態が確変・時短遊技状態であるときに、特定領域38Aへの遊技球の通過があった場合、第1回数(例えば、30回)が決定され、通過がなかった場合、第1回数よりも多い第2回数(例えば、50回)が決定される。つまり、確変・時短遊技状態である状態から「確変1」の大当り遊技状態に移行し、「確変1」の大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態に移行する場合よりも、「確変1」の大当り遊技状態の終了後に非確変遊技状態に移行する場合の方が時短遊技状態の利益を多く享受し得るため、有利度合いが著しく高くなる事態を回避することができる。
上述した構成では、例えば、遊技状態決定用テーブルには、大当り図柄と大当り移行前の遊技状態とに応じて大当り終了後の時短回数が規定されている(図62)。しかしながら、より広義には、大当り図柄と、大当り移行前の遊技状態が確変遊技状態であるか否かと、に応じて大当り終了後の時短回数が規定されていてもよい。例えば、特定の大当り遊技状態を設け、大当り移行前の遊技状態が確変遊技状態である場合には、当該大当り遊技状態においてV入賞したときは時短回数として30回、V入賞しなかったときは時短回数として50回が付与され、大当り移行前の遊技状態が非確変遊技状態である場合には、当該大当り遊技状態においてV入賞したときは時短回数として50回、V入賞しなかったときは時短回数として30回が付与される構成としてもよい。
つまり、この大当り遊技状態への移行前の遊技状態が確変遊技状態であるときに、特定領域38Aへの遊技球の通過があった場合、第1回数(例えば、30回)が決定され、通過がなかった場合、第1回数よりも多い第2回数(例えば、50回)が決定される。他方、この大当り遊技状態への移行前の遊技状態が非確変遊技状態であるときに、特定領域38Aへの遊技球の通過があった場合、第4回数(例えば、50回)が決定され、通過がなかった場合、第4回数よりも少ない第3回数(例えば、30回)が決定される。このように、時短遊技状態に係る回数の決定において、特定領域38Aへの遊技球の通過の有無に加え、大当り遊技状態への移行前の遊技状態を加味し、大当り遊技状態の終了後に享受し得る時短遊技状態を変化させることを可能にすることで、興趣の向上を図ることができる。
上述した構成によれば、例えば、第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置が同一又は略同一の変位態様である「確変1」の大当り遊技状態と「確変2」の大当り遊技状態とが設けられているので(図58〜図61等)、遊技者は、可変入賞装置の変位態様からどちらの大当り遊技状態であるかを見抜くことが困難となっている。
また、例えば、「確変1」の大当り遊技状態では、「確変1」の大当り遊技状態への移行前の遊技状態が確変遊技状態であるときに、特定領域38Aへの遊技球の通過があった場合、第1回数(例えば、30回)が決定され、通過がなかった場合、第1回数よりも多い第2回数(例えば、50回)が決定される。他方、「確変2」の大当り遊技状態では、「確変2」の大当り遊技状態への移行前の遊技状態が確変遊技状態であるときに、特定領域38Aへの遊技球の通過があった場合、第2回数(例えば、50回)が決定され、通過がなかった場合、第1回数(例えば、30回)が決定される。
また、「確変1」の大当り遊技状態では、「確変1」の大当り遊技状態への移行前の遊技状態が非確変遊技状態であるときに、特定領域38Aへの遊技球の通過があった場合、第4回数(例えば、50回)が決定され、通過がなかった場合、第4回数よりも少ない第3回数(例えば、30回)が決定される。他方、「確変2」の大当り遊技状態では、「確変2」の大当り遊技状態への移行前の遊技状態が非確変遊技状態であるときに、特定領域38Aへの遊技球の通過があった場合、第3回数(例えば、30回)が決定され、通過がなかった場合、第4回数(例えば、50回)が決定される。
このように、特定領域38Aへの遊技球の通過の結果が同一であっても、大当り遊技状態の種類に応じて時短遊技状態を享受できる利益を調整でき、遊技が単調化する事態を解消し得るので、さらに興趣の向上を図ることができる。さらに、遊技者は、大当り遊技状態への移行前の遊技状態が確変遊技状態であるか否かを察知していたとしても、可変入賞装置の変位態様からどちらの大当り遊技状態であるかを見抜くことが困難であることから、時短遊技状態で享受し得る利益が常に多くなるように特定領域38Aへの遊技球の通過の有無を選択できなくなるので、遊技者が極めて有利になり、遊技店が極めて不利になる事態を回避できる。
上述した構成によれば、例えば、大当り遊技状態への移行前の演出モードによって、換言するならば大当り遊技状態への移行前の演出モードが第3特別モードである場合には、特定領域38Aへの遊技球の通過結果に基づいて決定される回数に係る特定演出(遊技球の発射停止を促す演出(「DANGER」、「しばらくお待ちください」等)、遊技球の発射を促す演出(「右打ち」、「打て−!!」等))が行われ得る(図79等)。本構成によれば、特定領域38Aへの遊技球の通過結果に基づいて決定される回数を特定演出により把握した遊技者は、時短遊技状態に係る回数をより多く享受できるように、特定領域38Aに遊技球を通過させるか否かの自己判断に基づいて遊技ができるようになる。このように、大当り遊技状態への移行前の演出モードを遊技者への利益に直結させることで、斬新な遊技性を提供可能である。
上述した構成では、例えば、「確変7」の大当り遊技状態においては、特定領域38Aへの遊技球の通過の有無にかかわらず、第5回数(例えば、100回)が決定される。また、「確変7」の大当り遊技状態への移行前の演出モードが第3特別モードである場合、特定領域38Aへの遊技球の通過を促す特定演出(入賞を控える演出(「DANGER」、「しばらくお待ちください」等)、入賞を促す演出(「右打ち」、「打て−!!」等))が実行され得る(図79等)。
この構成により、遊技者は、特定演出を認識した場合、「確変7」の大当り遊技状態であることを把握し、特定領域38Aに遊技球を通過させ、「確変7」の大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態を享受できるようになる。このように、遊技者に有利になる特定演出を提供し得ることで、遊技が単調化する事態を解消し得るので、さらに興趣の向上を図ることができる。
上述した構成によれば、例えば、遊技球は、第1大入賞口36A上を通過して第1大入賞口36Bに達し得る(図57等)。他方、遊技球は第1大入賞口36Bを通過した場合に特定領域38Aを通過可能である。つまり、第1大入賞口36Aによって第1大入賞口36Bへの遊技球の通過を防げ得るので、第1大入賞口36A及び第1大入賞口36Bを長い時間通過可能にしても、基本的に遊技球が第1大入賞口36Aを通過するようにでき、依然として特定領域38Aへの通過はし難く、確変遊技状態への移行を困難にすることができる。このように、確変遊技状態への移行が困難な大当り遊技状態において、第1大入賞口36Aにおいて長い時間通過可能にして遊技球を多く通過可能にすることで、著しく不利な大当り遊技状態となる事態を解消し得るので、興趣の向上を図ることができる。
上述した構成によれば、例えば、第2大入賞口37Aが第1大入賞口36Aと第1大入賞口36Bとの間に設けられる(図79等)。このように第2大入賞口37Aを設けることで、第1大入賞口36Aが開放状態から閉鎖状態になったときに、第1大入賞口36A上を超えて第1大入賞口36Bへ向かう遊技球が第2大入賞口37Aを通過し得るため、第1大入賞口36Bへの通過を防止できる。また、本構成では、第1大入賞口36Bを通過した遊技球が特定領域38Aを通過し得るので、特定領域38Aを通過して確変遊技状態に制御される可能性を低減することが可能となる。
その他、上記した各実施形態においては、特徴とする構成や本質とする効果を阻害しない限り、互いに他の実施形態における技術を適用することができる。