以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
図1から図10を参照して、本実施の形態の飲料水サーバー1を説明する。飲料水サーバー1は、筐体2と、原水タンク4と、浄水カートリッジ5と、冷水タンク6と、冷却部材64と、紫外光源66とを主に備える。飲料水サーバー1は、温水タンク7と、ヒーター74とをさらに備えてもよい。
筐体2は、筐体本体部2aと、アダプター2bとを含む。筐体本体部2aは、冷水タンク6、冷却部材64、紫外光源66、温水タンク7及びヒーター74などを収容している。筐体本体部2aには、給水ボタン82と、給水口83と、トレイ85とが設けられている。給水ボタン82は、冷水ボタン(図示せず)と、温水ボタン(図示せず)とを含む。給水ボタン82を押すと、トレイ85上のカップ86に、冷水63または温水73が注がれる。
アダプター2bは、筐体本体部2aの頂部に取り付けられている。アダプター2bは、原水タンク4を筐体2に装着することを可能にする部材である。アダプター2bは、特に限定されないが、樹脂材料で形成されている。アダプター2bは、原水タンク支持部9と、原水タンク収容部10と、排出部11と、押圧部材12と、ノズル16とを主に含む。
原水タンク支持部9は、原水タンク4がアダプター2bに装着された際に、原水タンク4を支持する。原水タンク収容部10の頂部は、原水タンク支持部9に接続されている。原水タンク4がアダプター2bに装着された際に、原水タンク収容部10は原水タンク4の一部を収容する。具体的には、原水タンク収容部10は、浄水カートリッジ収容部21を収容する。原水タンク収容部10は、原水貯蔵部20の一部と、浄水排出部22の一部とをさらに収容してもよい。
排出部11は、原水タンク収容部10の底部に設けられている。排出部11の幅(または径)は、原水タンク収容部10の底部の幅(または径)よりも小さい。図1及び図4から図6に示されるように、排出部11内には、押圧部材12と、複数の第1連結部材13とが設けられている。押圧部材12は、例えば、樹脂材料で形成されている第1ロッドである。複数の第1連結部材13は、押圧部材12(特定的には、押圧部材12の下端)と排出部11の内側側壁とを連結している。複数の第1連結部材13の間には、排出口14が設けられている。ノズル16は、排出部11の底部に設けられている。ノズル16は、排出口14に流体的に連通している。ノズル16の幅(または径)は、排出部11の幅(または径)よりも小さい。
原水タンク4は、筐体2に着脱可能である。原水タンク4は、原水貯蔵部20と、蓋40と、浄水カートリッジ収容部21と、浄水排出部22と、空気管45とを含む。原水タンク4は、空気フィルター部50をさらに含む。
原水貯蔵部20は、原水19を貯蔵する。原水19は、例えば、水道水である。原水貯蔵部20は、例えば、光透過性の樹脂材料で形成されている。蓋40は、原水貯蔵部20の上方開口部20aを覆っている。蓋40は、例えば、光透過性の樹脂材料で形成されている。
浄水カートリッジ収容部21は、原水貯蔵部20の下方開口部20bに接続されている。本実施の形態では、浄水カートリッジ収容部21の第2幅w2(または径)は、原水貯蔵部20の下方開口部20bの幅(または径)よりも小さい。浄水カートリッジ収容部21の第2幅w2(または径)は、原水貯蔵部20の下方開口部20bの幅(または径)に等しくてもよい。そのため、飲料水サーバー1の幅及び奥行きを増加させることなく、飲料水サーバー1の高さを減少させることができる。飲料水サーバー1は小型化され得る。
浄水排出部22は、浄水カートリッジ収容部21の底部に設けられている。図4に示されるように、浄水排出部22の第1幅w1は、浄水カートリッジ収容部21の第2幅w2よりも小さい。浄水排出部22の第1幅w1は、例えば、浄水カートリッジ収容部21の第2幅w2の半分以下である。浄水排出部22の第1幅w1は、例えば、浄水カートリッジ収容部21の第2幅w2の三分の一以下であってもよい。浄水排出部22は、液密封止リング31を介して、排出部11の内壁面に固定されている。
図1、図4、図5及び図7に示されるように、浄水排出部22内には、リング部材23と、複数の第2連結部材25と、可動弁27と、付勢部材28が設けられている。可動弁27は、第2ロッド27aと、弁体27bとを含む。第2ロッド27aは、頭部と軸部とを含む。第2ロッド27aの頭部は、第2ロッド27aの軸部より広い幅(より大きな径)を有している。第2ロッド27aの頭部は、第2ロッド27aの軸部の下端に設けられている。弁体27bは、第2ロッド27aの軸部の上部に設けられている。弁体27bは、例えば、シリコンゴムのような弾性材料で形成されている。
リング部材23の孔24には、第2ロッド27aの軸部がスライド可能に嵌合されている。複数の第2連結部材25は、リング部材23と浄水排出部22の内側側壁とを連結している。複数の第2連結部材25の間には、浄水排出口26が設けられている。付勢部材28は、リング部材23と第2ロッド27aの頭部との間に設けられている。付勢部材28は、例えば、コイルばねである。付勢部材28は、第2ロッド27aを下方に付勢している。
可動弁27は、浄水排出口26を開閉可能である。可動弁27は、原水タンク4が筐体2に装着されている間に浄水排出口26を開放し、かつ、原水タンク4が筐体2から取り外されているい間に浄水排出口26を閉塞するように構成されている。具体的には、原水タンク4が筐体2に装着されている間に、可動弁27(第2ロッド27aの頭部)は、押圧部材12に押圧されて、付勢部材28の付勢力に抗して上方に移動し、弁体27bは浄水排出口26を開放する。原水タンク4が筐体2から取り外されている間、付勢部材28は可動弁27(第2ロッド27a)を下方に付勢して、弁体27bは浄水排出口26を閉塞する。
図1から図5に示されるように、空気管45は、第1端46と、第1端46とは反対側の第2端47とを含む。空気管45の第1端46は、浄水排出部22に連通している。空気管45の第2端47は、原水タンク4に設けられている空気抜き孔56(図3を参照)に連通している。浄水排出部22は、空気管45を通じて、空気抜き孔56に連通している。空気管45は、冷水タンク6中の冷水63の水面の高さの変動に応じた、冷水タンク6及び冷水タンク6に連通する浄水排出部22と、飲料水サーバー1の外部空間との間の通気を可能にする。そのため、飲料水サーバー1による給水が安定化され得る。空気管45は、浄水排出部22、排出部11及びノズル16と同軸であってもよい。空気管45は、さらに、可動弁27(第2ロッド27a、弁体27b)及び押圧部材12と同軸であってもよい。
図2及び図3に示されるように、空気フィルター部50は、空気フィルター52を含む。空気フィルター52は、飲料水サーバー1の外部空間に含まれるほこり及び菌などを遮断して、空気をろ過する機能を有している。空気フィルター52は、特に限定されないが、例えば、メンブレンフィルタである。空気フィルター52は、酸化チタンのような光触媒物質を含む。原水貯蔵部20または蓋40を透過した光が光触媒物質に照射されると、光触媒物質は、空気フィルター52で捕捉されたほこり及び菌などを分解する。空気フィルター52は、光触媒物質によって、除菌及び脱臭される。
蓋40は空気フィルター部50を含み、空気フィルター52は蓋40に設けられている。特定的には、空気フィルター52は、蓋40に着脱可能に設けられている。空気抜き孔56は、蓋40に設けられている。具体的には、図2に示されるように、空気フィルター部50は、下方キャップ53と、押さえリング54と、上方キャップ55とをさらに含む。下方キャップ53は、気密封止リング48を介して、空気管45の第2端47に固定されている。下方キャップ53は、蓋40の孔41に着脱可能に取り付けられている。空気フィルター52は、下方キャップ53の内側突出部上に配置されている。下方キャップ53上に押さえリング54が載置される。上方キャップ55は、下方キャップ53の空洞に圧入される。上方キャップ55は、押さえリング54を介して、空気フィルター52を押圧している。上方キャップ55に、空気抜き孔56が設けられている。
図1及び図4に示されるように、浄水カートリッジ5は、浄水カートリッジ収容部21に収容されている。浄水カートリッジ5は、浄水フィルター34と、かご36と、フィルター蓋37とを含む。
浄水フィルター34は、原水19をろ過して、浄水39を排出する。例えば、浄水フィルター34は、原水19の一例である水道水に含まれる塩素及びトリハロメタンのような有機物などを除去する。浄水フィルター34は、例えば、活性炭成形フィルタである。図4及び図8に示されるように、浄水フィルター34は板の形状を有している。浄水フィルター34の厚さtは、浄水フィルター34の幅w(外径D)の三分の二以下である。浄水フィルター34の厚さtは、浄水フィルター34の幅w(外径D)の二分の一以下であってもよく、浄水フィルター34の厚さtは、浄水フィルター34の幅w(外径D)の三分の一以下であってもよく、浄水フィルター34の幅w(外径D)の四分の一以下であってもよく、浄水フィルター34の幅w(外径D)の五分の一以下であってもよく、浄水フィルター34の幅w(外径D)の六分の一以下であってもよく、浄水フィルター34の幅w(外径D)の八分の一以下であってもよく、浄水フィルター34の幅w(外径D)の十分の一以下であってもよい。
浄水フィルター34の厚さtは、例えば、30mm以下である。そのため、浄水フィルター34による浄水39の生成速度が向上する。浄水フィルター34の厚さtは、25mm以下であってもよい。浄水フィルター34の厚さtは、例えば、10mm以上である。そのため、浄水39に含まれる塩素及びトリハロメタンのような有機物などを十分に除去することができる。浄水フィルター34の厚さtは、15mm以上であってもよく、20mm以上であってもよい。
浄水フィルター34の幅w(外径D)は、例えば、100mm以上である。浄水フィルター34の断面積が増加するため、浄水フィルター34による浄水39の生成速度が向上する。なお、本明細書において、浄水フィルター34の断面積は、浄水フィルター34において水が通過する方向に垂直な断面における浄水フィルター34の面積を意味する。浄水フィルター34の体積が増加するため、浄水フィルター34のろ過量を増加させることができるとともに、浄水フィルター34の寿命を延ばすことができる。本明細書において、浄水フィルター34のろ過量は、JIS S3201の6.1節に規定されているろ過流量試験の測定方法により得られる。
浄水フィルター34の幅w(外径D)は、例えば、300mm以下である。そのため、浄水フィルター34と、飲料水サーバー1とが小型化され得る。浄水フィルター34の幅w(外径D)は、250mm以下であってもよく、200mm以下であってもよい。浄水フィルター34の幅w(外径D)は、原水貯蔵部20の下方開口部20bの幅(または径)よりも小さい。浄水フィルター34の幅w(外径D)は、原水貯蔵部20の下方開口部20bの幅(または径)に等しくてもよい。そのため、飲料水サーバー1の幅及び奥行きを増加させることなく、飲料水サーバー1の高さを減少させることができる。飲料水サーバー1は小型化され得る。
浄水フィルター34に、浄水フィルター34の厚さ方向に延在する貫通孔34aが設けられている。浄水フィルター34の厚さ方向からの平面視において、貫通孔34aは、浄水フィルター34の中央に配置されてもよい。貫通孔34aは、浄水フィルター34と同軸であってもよい。空気管45は、貫通孔34aに挿入されている。空気管45は、浄水フィルター34の厚さ方向において、浄水フィルター34を貫通している。
貫通孔34aの幅(または径d)は、例えば、30mm以下である。浄水フィルター34の断面積の減少が少なくなるため、浄水フィルター34による浄水39の生成速度が向上する。浄水フィルター34の体積の減少が少なくなるため、浄水フィルター34のろ過量を増加させることができるとともに、浄水フィルター34の寿命を延ばすことができる。貫通孔34aの幅(または径d)は、25mm以下であってもよい。貫通孔34aの幅(または径d)は、例えば、10mm以上である。そのため、空気管45は、冷水タンク6中の冷水63の水面の高さの変動に応じた、冷水タンク6及び冷水タンク6に連通する浄水排出部22と飲料水サーバー1の外部空間との間の効率的な通気を可能にする。飲料水サーバー1による給水がさらに安定化され得る。
浄水フィルター34の体積は、50cm3より大きい。浄水フィルター34の体積が増加するため、浄水フィルター34のろ過量を増加させることができるとともに、浄水フィルター34の寿命を延ばすことができる。浄水フィルター34の体積は、60cm3以上であってもよく、70cm3以上であってもよく、80cm3以上であってもよく、90cm3以上であってもよく、100cm3以上であってもよい。浄水フィルター34の体積は、例えば、2500cm3以下である。そのため、浄水フィルター34が小型化されて、飲料水サーバー1も小型化され得る。浄水フィルター34の体積は、2000cm3以下であってもよく、1500cm3以下であってもよく、1000cm3以下であってもよく、500cm3以下であってもよい。本明細書において、浄水フィルター34の体積は、浄水フィルター34の外形によって定まる体積を意味する。言い換えると、浄水フィルター34の体積には、浄水フィルター34の空孔率は考慮されない。
かご36は、浄水フィルター34を収容している。かご36の側部は密閉構造を有している。かご36の側部は、液密封止リング35を介して、浄水カートリッジ収容部21の内壁面に固定されている。かご36の底部は網目構造を有している。浄水フィルター34で得られた浄水39は、かご36の底部の網目構造を通って、浄水排出部22に流れる。かご36の底部には、空気管45が貫通する孔が設けられている。
フィルター蓋37は、かご36の上部開口に設けられている。フィルター蓋37は、浄水フィルター34の上面を覆っている。フィルター蓋37は、浄水フィルター34がかご36から抜け出すことを防止する。フィルター蓋37は、浄水フィルター34を、かご36の底部に向けて押圧してもよい。フィルター蓋37は網目構造を有している。原水19は、フィルター蓋37の網目構造を通って、浄水フィルター34に流れ込む。フィルター蓋37には、空気管45が貫通する孔が設けられている。かご36には、把手38が取り付けられている。把手38は、原水タンク4からの浄水カートリッジ5の取り外しを容易にする。
冷水タンク6は、浄水排出部22に直接連通している。本明細書において、冷水タンク6が浄水排出部22に直接連通していることは、常温の浄水39を貯蔵するタンクを介することなく、冷水タンク6が、浄水排出部22に連通していることを意味する。本実施の形態では、冷水タンク6は、排出部11と、ノズル16と、ゴム管58と、浄水管59とを介して、浄水排出部22に連通している。ノズル16は、ゴム管58を用いて、浄水管59に接続されている。浄水管59は、冷水タンク6の頂部61aに接続されている。浄水フィルター34で得られた浄水39は、排出部11、ノズル16、ゴム管58及び浄水管59を通って、冷水タンク6に流れる。
図1に示されるように、冷水タンク6は、冷水63を貯蔵する。冷水タンク6は、頂部61aと、底部61bと、頂部61aと底部61bとを接続する側壁61cとを含む。冷水タンク6内には、浮きバッフル62が収容されている。浮きバッフル62は、例えば、板状部材である。浮きバッフル62は、紫外線透過性の材料で形成されてもよい。浮きバッフル62は、冷水タンク6内に貯蔵されている冷水63上に浮いている。浮きバッフル62の幅(または径)は、冷水タンク6の幅(または径)よりも小さく、浮きバッフル62は、冷水タンク6の側壁61cから離間されている。
浮きバッフル62は、浄水管59から冷水タンク6に流れ込む浄水39を、浮きバッフル62の下方に流れる浄水39と、冷水タンク6の上方に接続されている配管70に流れる浄水39とに分ける。具体的には、浄水管59から冷水タンク6に流れ込む浄水39は、浮きバッフル62の上面に衝突する。浮きバッフル62の上面に衝突した浄水39の一部は、浮きバッフル62と冷水タンク6の側壁61cとの間の隙間から、浮きバッフル62の下方に流れる。浮きバッフル62の上面に衝突した浄水39の残りは、冷水タンク6の側壁61cの上部に接続されている配管70に流れる。
冷却部材64は、冷水タンク6内に流れ込んだ浄水39を冷却する。具体的には、冷却部材64は、浮きバッフル62と冷水タンク6の側壁61cとの間の隙間から浮きバッフル62の下方に流れる浄水39を冷却する。冷却部材64は、例えば、冷却管である。冷却管の内部には、冷媒が流れている。冷却部材64は、例えば、冷水タンク6の側壁61cの下部に取り付けられている。こうして、冷水63が得られる。冷水63の温度は、例えば、5℃以上10℃以下である。冷水タンク6は、冷水63を貯蔵する。図9に示されるように、冷水63では、常温の浄水39よりも、菌の増殖が抑制され得る。
冷水タンク6に、冷水配管65が接続されている。冷水配管65は、冷水タンク6内の下部から冷水タンク6の外側にある給水管80まで延在している。冷水配管65は、浮きバッフル62を貫通している。給水管80は、給水口83まで延在している。給水ボタン82に含まれる冷水ボタンを押すと、冷水63は、冷水配管65及び給水管80を通って、冷水タンク6からトレイ85上のカップ86に注がれる。
紫外光源66は、冷水タンク6内の冷水63に紫外線を照射する。冷水63では、菌の増殖を完全に抑えることができないことがある。紫外光源66から冷水63に紫外線を照射することによって、冷水63中の菌を死滅させることができる。紫外光源66は、例えば、紫外ランプ(図1を参照)である。紫外ランプは、例えば、冷水タンク6内に配置されている。紫外ランプは、冷水タンク6の頂部61aから冷水タンク6の底部61bに向けて延在している。冷水タンク6が紫外線透過性の材料で形成されており、かつ、紫外光源66が冷水タンク6の外側に配置されてもよい。
冷水タンク6の底部に、冷水排出管67が接続されている。冷水排出管67には弁68が設けられている。弁68を開放すると、冷水タンク6中の冷水63が冷水排出管67を通って、排出口(図示せず)から排出される。
配管70は、温水タンク7に接続されている。具体的には、配管70は、冷水タンク6の側壁61cの上部から、温水タンク7内の下部まで延在している。浮きバッフル62の上面に衝突した浄水39の残りは、配管70を通って、温水タンク7内に流れ込む。ヒーター74は、温水タンク7内に流れ込んだ浄水39を加温する。こうして、温水73が得られる。温水73の温度は、例えば、80℃以上90℃以下である。温水タンク7に流れ込む浄水39に菌が含まれていても、ヒーター74を用いて浄水39を加温することによって、菌は死滅する。温水タンク7は、温水73を貯蔵する。
温水タンク7に、温水配管75が接続されている。特定的には、温水タンク7の頂部71aに温水配管75が接続されている。温水配管75は、温水タンク7内の上部から温水タンク7の外側にある給水管80まで延在している。給水ボタン82に含まれる温水ボタンを押すと、温水73は、温水配管75及び給水管80を通って、温水タンク7からトレイ85上のカップ86に注がれる。
温水タンク7の底部71bに、温水排出管77が接続されている。温水排出管77には弁78が設けられている。弁78を開放すると、温水タンク7中の温水73が温水排出管77を通って、排出口(図示せず)から排出される。
本実施の形態のいくつかの変形例を説明する。原水タンク4は筐体2に固定されており、かつ、飲料水サーバー1は、押圧部材12及び可動弁27を含んでいなくてもよい。空気抜き孔56は、原水貯蔵部20の側面の上部に設けられてもよい。空気管45が空気フィルター部50を含み、空気フィルター52は空気管45に着脱可能に設けられてもよい。紫外光源66は、例えば、紫外LED(図10を参照)であってもよい。
(実施例)
表1に示される実施例1−6の浄水フィルター34と比較例の浄水フィルターとを準備した。これらの浄水フィルターを飲料水サーバー1に装着して、浄水フィルターのろ過量、浄水フィルターの交換日数及び飲料水サーバー1からの給水時間を測定した。浄水フィルターのろ過量は、JIS S3201の6.1節に規定されているろ過流量試験の測定方法により得られる。ろ過量が増加するにつれて、浄水フィルターの交換日数(浄水フィルターの寿命)も増加していることが分かる。飲料水サーバー1からの給水時間1は、カップ86に150ccの冷水63または温水73を供給するのに要する時間として定義される。飲料水サーバー1からの給水時間2は、カップ86に500ccの冷水63または温水73を供給するのに要する時間として定義される。
実施例1−6では、比較例よりも、浄水フィルターの体積が多く、かつ、浄水フィルター34のろ過量も多い。表1から、浄水フィルター34の体積が増加すると、浄水フィルター34のろ過量が増加することが分かる。また、表1から、浄水フィルター34の体積が増加するにつれて、浄水フィルター34の交換時期が延びることが分かる。さらに、実施例1−6と比較例とを対比すると、浄水フィルター34の厚さtを浄水フィルター34の幅wの三分の二以下とすることによって、飲料水サーバー1からの給水時間(給水時間1、給水時間2)が短縮されることが分かる。
本実施の形態の飲料水サーバー1及び飲料水サーバー用浄水フィルター34の効果を説明する。
本実施の形態の飲料水サーバー1は、原水タンク4と、浄水カートリッジ5とを備える。原水タンク4は、原水19を貯蔵する原水貯蔵部20と、原水貯蔵部20の上方開口部20aを覆う蓋40と、原水貯蔵部20の下方開口部20bに接続されている浄水カートリッジ収容部21と、浄水カートリッジ収容部21の底部に設けられている浄水排出部22と、空気管45とを含む。浄水カートリッジ5は、浄水カートリッジ収容部21に収容されている。浄水カートリッジ5は、浄水フィルター34を含む。浄水フィルター34の厚さtは、浄水フィルター34の幅wの三分の二以下である。浄水フィルター34の体積は50cm3より大きい。浄水排出部22は、空気管45を通じて、原水タンク4に設けられている空気抜き孔56に連通している。
浄水フィルター34の体積が増加するため、浄水フィルター34の寿命を延ばすことができる。ユーザーにとってランニングコストが低減された飲料水サーバー1を提供することができる。
空気管45は、冷水タンク6中の冷水63の水面の高さの変動に応じた、冷水タンク6及び冷水タンク6に連通する浄水排出部22と飲料水サーバー1の外部空間との間の通気を可能にする。さらに、浄水フィルター34の厚さは浄水フィルター34の幅の三分の二以下である。浄水フィルター34の断面積が増加し、かつ、浄水フィルター34の厚さが薄くなるため、浄水フィルター34による浄水39の生成速度が向上する。飲料水サーバー1は、原水19をより高速に浄化して、より高速に浄水39(冷水63または温水73)を供給することができる。
また、浄水フィルター34の厚さtは浄水フィルター34の幅wの三分の二以下であるため、飲料水サーバー1の高さを減少させることができる。飲料水サーバー1は小型化され得る。飲料水サーバー1の設置場所の自由度が高まる。さらに、飲料水サーバー1は浄水フィルタを含んでいるため、原水19として水道水を利用することができる。浄水39(冷水63、温水73)が得られる。浄水39の購入費用及び浄水39の配送費用が不要になる。低コストで、浄水39(冷水63、温水73)が得られる。
本実施の形態の飲料水サーバー1では、浄水フィルター34の厚さは30mm以下である。そのため、浄水フィルター34は原水19をより高速に浄化することができる。飲料水サーバー1は、より高速に浄水39を供給することができる。また、浄水フィルター34は小型化されるため、浄水フィルター34を郵便ポストに入れることができる。浄水フィルター34の配送費用が低減されて、飲料水サーバー1のランニングコストが低減される。
本実施の形態の飲料水サーバー1は、冷水タンク6と、冷却部材64とをさらに備える。冷水タンク6は、浄水排出部22に直接連通している。冷却部材64は、浄水排出部22から冷水タンク6内に流れ込んだ浄水39を冷却して冷水63にする。冷水タンク6は、冷水63を貯蔵している。
冷水タンク6は、常温の浄水39を貯蔵するタンクを介することなく、冷水タンク6が、浄水排出部22に連通している。そのため、飲料水サーバー1のサイズが小型化され得る。飲料水サーバー1の設置場所の自由度が高まる。また、常温の浄水39を貯蔵するタンクが無いため、浄水39(冷水63、温水73)中の菌の繁殖を抑制することができる。
本実施の形態の飲料水サーバー1は、冷水タンク6内の冷水63に紫外線を照射する紫外光源66をさらに備える。そのため、もし冷水63中の菌が発生しても、菌を死滅させることができる。
本実施の形態の飲料水サーバー1では、浄水排出部22の第1幅w1は、浄水カートリッジ収容部21の第2幅w2よりも小さい。そのため、飲料水サーバー1のサイズが小型化され得る。また、仮に、浄水排出部22に浄水39が溜まっても、浄水排出部22に溜まる浄水39の量は少なくなり、浄水39に発生する菌の量も少なくすることができる。
本実施の形態の飲料水サーバー1では、浄水カートリッジ収容部の第2幅w2は、原水貯蔵部の下方開口部の第3幅以下である。そのため、飲料水サーバー1の幅及び奥行きを増加させることなく、飲料水サーバー1の高さを減少させることができる。飲料水サーバー1は小型化され得る。飲料水サーバー1の設置場所の自由度が高まる。
本実施の形態の飲料水サーバー1では、浄水フィルター34に、浄水フィルター34の厚さ方向に延在する貫通孔34aが設けられている。空気管45は、貫通孔34aに挿入されていて、浄水フィルター34の厚さ方向において浄水フィルター34を貫通している。そのため、浄水排出部22から空気抜き孔56までの空気管45の取り回しが容易になる。飲料水サーバー1の構造が簡素化されて、飲料水サーバー1のサイズが小型化され得る。飲料水サーバー1のコストが低減され得る。
本実施の形態の飲料水サーバー1では、原水タンク4は、空気フィルター52をさらに含む。そのため、飲料水サーバー1の外部空間に含まれるほこり及び菌などが浄水39(冷水63、温水73)に混入することが防止され得る。
本実施の形態の飲料水サーバー1では、空気抜き孔56は、蓋40に設けられている。空気フィルター52は、蓋40に着脱可能に設けられている。そのため、蓋40を開けることなく、空気フィルター52を交換することができる。飲料水サーバー1の外部空間に含まれるほこり及び菌などが原水19に混入することが防止され得る。ほこり及び菌などが浄水39(冷水63、温水73)に混入することが防止され得る。
本実施の形態の飲料水サーバー1では、空気フィルター52は、光触媒物質を含む。光触媒物質は、空気フィルター52で捕捉されたほこり及び菌などを分解する。空気フィルター52は、光触媒物質によって、除菌及び脱臭される。飲料水サーバー1は、高品質な浄水39(冷水63、温水73)を供給することができる。
本実施の形態の飲料水サーバー1は、押圧部材12を含む筐体2をさらに備える。原水タンク4は、筐体2に着脱可能である。原水タンク4は、浄水排出部22の浄水排出口26を開閉可能な可動弁27をさらに含む。可動弁27は、原水タンク4が筐体2に装着されている間に浄水排出口26を開放し、かつ、原水タンク4が筐体2から取り外されている間に浄水排出口26を閉塞するように構成されている。そのため、原水タンク4が筐体2から取り外されている間に、浄水排出口26から浄水39が漏れることが防止される。原水タンク4を筐体2から取り外して、原水タンク4に原水19を補充する作業が容易になる。
本実施の形態の飲料水サーバー用浄水フィルター34では、飲料水サーバー用浄水フィルター34の厚さは、飲料水サーバー用浄水フィルター34の幅の三分の二以下である。飲料水サーバー用浄水フィルター34の体積は50cm3より大きい。
浄水フィルター34の体積が増加するため、浄水フィルター34の寿命を延ばすことができる。また、浄水フィルター34の断面積が増加し、かつ、浄水フィルター34の厚さが薄くなるため、浄水フィルター34による浄水39の生成速度が向上する。浄水フィルター34は、原水19をより高速に浄化して、より高速に浄水39を供給することができる。
本実施の形態の飲料水サーバー用浄水フィルター34では、飲料水サーバー用浄水フィルター34の厚さは30mm以下である。そのため、浄水フィルター34は原水19をより高速に浄化することができる。浄水フィルター34は、より高速に浄水39を供給することができる。また、浄水フィルター34は小型化されるため、浄水フィルター34を郵便ポストに入れることができる。浄水フィルター34の配送費用が低減されて、ユーザーに交換用の浄水フィルター34を安価に提供することができる。
本実施の形態の飲料水サーバー用浄水フィルター34では、飲料水サーバー用浄水フィルター34の厚さ方向に延在する空気管45用の貫通孔34aが、飲料水サーバー用浄水フィルター34に設けられている。そのため、浄水フィルター34は、空気管45の取り回しを容易にする。浄水フィルター34は、浄水フィルター34が装着される飲料水サーバー1の構造を簡素化するとともに、飲料水サーバー1のサイズを小型化することを可能にする。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。