JP6667226B2 - 不定愁訴症状の状態の分類のための指標を取得する方法 - Google Patents

不定愁訴症状の状態の分類のための指標を取得する方法 Download PDF

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Description

本発明は、不定愁訴の諸症状を評価する方法に関する。
不定愁訴は、疲労感、倦怠感、肩こり、頭痛、めまい、動悸、不眠、下痢、肩こり、ほてり、冷え、憂鬱感、イライラ、息切れなどといった様々な愁訴症状の総称である。不定愁訴の要因としては、日常のストレス等からくる自律神経失調、更年期障害やうつ病等の身体及び精神疾患、さらには癌等の重篤な疾患などの様々な可能性が考えられる。
不定愁訴の患者は、病院に行っても、かかるべき適切な専門科を判断できないことが少なくない。また不定愁訴は、症状の訴えが主観的かつ複雑であるため、治療すべき重要な症状の特定が難しい。そのため、ほとんどの不定愁訴の患者は、適切な専門科を見つけるまでにいくつもの科を受診することになり、結果、治療を受けるまでに時間がかかる。したがって、患者の不定愁訴の症状を判断するための客観的指標が求められている。さらに、複数の不定愁訴症状について一度の検査で診断することができれば、より迅速に治療方針を決定することができるため一層好ましい。
従来、被験者の負荷試験中における心電図情報から得られた心拍RR間隔変動係数、又はその周波数解析で得られた低周波数成分(LF)及び高周波数成分(HF)に基づいて自律神経機能評価又は精神疾患診断を行う方法、ならびにそのための装置が開示されている(特許文献1〜3)。特許文献4には、安静時心電図RR間隔標準偏差や負荷時平均心電図RR間隔変化量、負荷時心電図RR間隔最大変化量、負荷時心拍変動の低周波成分(LF)比率、安静時心拍変動パワースペクトル高周波数成分(HF)比率、安静時平均心電図RR間隔等の心電図情報解析値、又は交感神経情報と副交感神経情報の比を変量とした多変量解析により、更年期障害の有無又は更年期の重症度を評価することが記載されている。
特開2010−035896号公報 特許第4487015号公報 特開2012−045162号公報 特開2015−019753号公報
本発明は、一度の検査で複数の不定愁訴症状を評価するための方法、及び該評価のための客観的指標の提供に関する。
本発明者は、成人集団の睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状の各々について、彼らの負荷試験中における心電及び血圧の測定値から算出される複数のパラメーターを用いた多変量解析を行い、各々の症状の有無又はその程度に対する回帰式を得た。すなわち、被験者を負荷試験に供してその際の心電図又は血圧を測定すれば、得られた測定値から算出されるパラメーターと上記各症状に対する回帰式に基づいて、該被験者の睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状を一度に評価することができる。
したがって、一態様において本発明は、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状の評価のための指標を取得する方法であって、
睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状の各々に対応する少なくとも2つの多変量解析の回帰式の各々に対して、被験者に関する、以下:
安静座位時拡張期血圧;立位時収縮期血圧;着席時平均血圧;立位時心拍動;起立時LF;着席時LF;起立時[LF/HF];立位時[LF/HF];着席時[LF/HF];安静座位時CCV(VLF);起立時CCV(VLF);着席時CCV(VLF);Δ[LF/HF]/ΔHR;ΔnCCV(HF);TH0;DHminにおけるHF;DHmaxにおける[LF/HF];DHminにおける[LF/HF];DHmaxにおけるHF/DH0におけるHF;DHmaxにおけるLF/DH0におけるLF;DHmaxにおける[LF+HF]/DHminにおける[LF+HF];ならびに、年齢
(ここで、
安静座位時、起立時、立位時及び着席時とは、それぞれ、起立負荷試験の安静座位時、起立時、立位時及び着席時を表し;
心拍動は、心拍RR間隔変動(%)を表し;
HF及びLFは、それぞれ、心拍RR間隔のパワースペクトル解析値で得られた高周波数成分及び低周波数成分を表し;
Δ[LF/HF]は、起立時[LF/HF]−安静座位時[LF/HF]を表し;
ΔHRは、起立時平均心拍数−安静座位時平均心拍数を表し;
ΔnCCV(HF)は、[立位時CCV(HF)/{立位時CCV(HF)+立位時CCV(LF)}]−[起立時CCV(HF)/{起立時CCV(HF)+起立時CCV(LF)}]を表し;
CCV(HF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた高周波数成分の揺らぎ係数を表し;
CCV(LF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた低周波数成分の揺らぎ係数を表し;
CCV(VLF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた超低周波数成分の揺らぎ係数を表し;
H0は心電測定開始から起立時における起立時点までの時間を表し;
H0は該起立時点の前60秒間を表し;
Hmaxは起立時における心拍数最大の時点の前60秒間を表し;かつ、
Hminは該心拍数最大時点の後に最初に心拍数が極小になる時点の前60秒間を表す)、
からなる群より選択されるパラメーターのうちの少なくとも2つを代入し、該被験者についての、該少なくとも2つの不定愁訴症状の評価のための指標を算出すること、
を含み、
該少なくとも2つの多変量解析の回帰式が、個体集団の各個体における該少なくとも2つの不定愁訴症状のいずれかの有無又はその程度を目的変数とした多変量解析によって作成された式である、
方法を提供する。
別の態様において、本発明は、上記本発明の方法を実行するためのプログラムを提供する。
さらなる態様において、本発明は、上記プログラムを備える、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状を評価するための装置を提供する。
本発明は、不定愁訴症状の評価のための客観的指標を提供する。また本発明は、一度の簡易な検査で、複数の不定愁訴症状をまとめて評価することができる方法を提供する。本発明によれば、不定愁訴の診断及び治療における患者の時間的、身体的及び経済的負担を軽減することができる。
起立負荷試験の概要。 起立負荷試験の起立時における心拍数変化を示す模式図。図中には、起立時点、H、Hmax、Hmin、TH0、THmax、及びTHminを表示する。 睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状の評価結果を表すスパイダーチャートの模式図。
本発明は、不定愁訴症状の評価のための指標を取得する方法を提供する。本発明の方法において、該評価指標は、ヒト集団から得られた個体データ(例えば、年齢、身長、体重、BMI等)、又は心電及び血圧データに基づいて求めた各種パラメーター(以下、心電・血圧パラメーターとも称する)を変数とする、不定愁訴症状の有無又は程度に関する多変量解析から得られた回帰式を用いて算出される。本発明では、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状から選ばれる不定愁訴症状の各々について、回帰式を提供する。当該回帰式は、いずれも、個体データ又は心電・血圧パラメーターを変数とする。したがって、本発明によれば、被験者の個体データならびに心電及び血圧データを1度取得すれば、該被験者の、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択されるいずれか1つ、又は2つ以上、3つ以上若しくは全部の不定愁訴症状についての評価指標を算出することができる。
例えば、本発明の方法においては、被験者から、予め個体データならびに心電及び血圧データを取得しておく。次いで、取得した心電及び血圧データから、上述した睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状のいずれかの不定愁訴症状についての回帰式に対応する心電・血圧パラメーターを算出する。得られた個体データ又は心電・血圧パラメーターを該回帰式に代入すれば、該被験者についての該不定愁訴症状の評価指標を算出することができる。さらに、取得した個体データならびに心電及び血圧データを基に、他の不定愁訴症状の回帰式に対して同様の手順を繰り返せば、当該他の不定愁訴症状についても評価指標を算出することができる。
好ましくは、本発明の方法で用いられる睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状の各々についての回帰式は、いずれも、ヒト集団から得られた個体データ及び心電・血圧パラメーターから選ばれる2つ以上を説明変数に用いた多変量解析によって作成された式である。したがって、好ましい本発明の方法においては、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状から選ばれる不定愁訴症状の各々についての回帰式の中から評価指標を得たい不定愁訴症状についての回帰式を選択し、そこに被験者の各種個体データ及び心電・血圧パラメーターから選ばれる2つ以上の値を代入して、該症状についての評価指標を算出する。
本発明の方法においては、上記手順を複数の不定愁訴症状に対して連続的に又は並行して実行することによって、複数の不定愁訴症状についての評価指標を得ることができる。複数の不定愁訴症状について本発明の方法を実行する場合、複数の不定愁訴症状の各々に対応する複数の回帰式が使用される。各回帰式に代入される個体データ又は心電・血圧パラメーターは、それぞれの回帰式に依存する。すなわち、第1の症状のための回帰式に代入される個体データ又は心電・血圧パラメーターの種類は、第2の症状のための回帰式に代入されるそれらと完全に共通であっても、一部共通であっても、完全に異なっていてもよい。
したがって、本発明の方法の一実施形態においては、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状の評価のための指標が取得される。本実施形態においては、該少なくとも2つの不定愁訴症状の各々に対応する少なくとも2つの多変量解析の回帰式の各々に対して、予め取得した被験者の個体データ又は心電・血圧パラメーターのうちの少なくとも2つを代入し、該被験者についての、該少なくとも2つの不定愁訴症状の評価のための指標を算出する。
本発明の方法のより好ましい実施形態においては、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも3つの不定愁訴症状の各々に対応する少なくとも3つの多変量解析の回帰式の各々に対して、予め取得した被験者の個体データ又は心電・血圧パラメーターのうちの少なくとも2つを代入し、該被験者についての、該少なくとも3つの不定愁訴症状の評価のための指標を算出する。
本発明の方法のさらに好ましい実施形態においては、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状の各々に対応する4つの多変量解析の回帰式の各々に対して、予め取得した被験者の個体データ又は心電・血圧パラメーターのうちの少なくとも2つを代入し、該被験者についての睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状の評価のための指標を算出する。
上記本発明の方法で用いられる多変量解析の回帰式は、睡眠障害、冷え性、疲労又は更年期症状の状態の異なるヒト集団における各個体の睡眠障害、冷え性、疲労又は更年期症状の有無又はその程度を目的変数とした重回帰分析又はロジスティック回帰分析によって得られた式である。該回帰式は、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状から選ばれる不定愁訴症状の各々に対して独立に作成され得る。該回帰式の各々には、説明変数として、該ヒト集団の各個体について得られた個体データ及び心電・血圧パラメーターから選択される少なくとも2つを用いる。
上記多変量解析において、目的変数とする睡眠障害、冷え性、疲労又は更年期症状の有無又はその程度のデータは、上記ヒト集団の各個体の状態を症状の強さに応じて点数化するか、又は該点数やその他の診断結果等を基に、個体の状態を症状の有無で2値化することによって得ることができる。症状を点数化する手段としては、例えば、公知の診断評価表などに基づく点数化が挙げられる。診断評価表としては、ピッツバーグ睡眠質問票(Pittsburgh Sleep Quality Index;PSQI)(土井由利子ら. ピッツバーグ睡眠質問票日本語版の作成. 精神科治療学 13, 755-763, 1998)、「冷え症」調査用問診票(寺澤変法)(坂口俊二ら.「冷え性」の定義の明確化に向けて:「冷え性」調査用問診票(寺澤変法)の有用性の検討. 関西鍼灸短期大学年報 13, 58-63, 1998)、“日本産業衛生学会産業疲労研究会疲労自覚症状調査表検討小委員会”による産業疲労の「自覚症状しらべ」(日本産業衛生学会産業疲労研究会疲労自覚症状調査表検討小委員会. 産業疲労の「自覚症状しらべ」(1970)についての報告. 労の科学 25, 12-33, 1970)、“日本人用更年期・老年期スコアの確立とHRT副作用調査小委員会”による更年期症状評価表(生殖・内分泌委員会報告. 「日本人用更年期・老年期スコアの確立とHRT副作用調査小委員会」報告-日本人女性の更年期症状評価表の作成-(平成11年〜平成12年度検討結果報告). 日産婦誌 53, 883-888, 2001)、などが挙げられる。
個体の状態を症状の有無で2値化した場合は、ロジスティック回帰分析を行い、個体の不定愁訴リスクlog(Px/(1−Px))(Pxは、個体xにおける不定愁訴発生率)を求める回帰式を作成することができる。個体の状態を症状の強さに応じて点数化した場合は、重回帰分析を行い、該点数に対する回帰式を作成することができる。
上記多変量解析において説明変数として用いられる心電・血圧パラメーターは、好ましくは、上記ヒト集団の各個体を起立負荷試験に供し、その際に測定した心電及び血圧データから算出され得る。起立負荷試験の手順の概要は図1に示されている。より詳細には、個体に座位を取らせた「状態時」から始め、次いで約1分間ずつの「安静座位時」、「起立時」、「立位時」、「着席時」、及び「座位時」に順次移行し、その間に該個体の心電及び血圧データを収集する。試験中、個体の血圧は、試験開始の1分後から1分ごとに、計5回測定する。個体の心電データは、基本的には、試験中継続して測定する。次いで、収集した心電及び血圧データから、該個体の心電・血圧パラメーターを求める。
本明細書において、「状態時」及び「安静座位時」とは、それぞれ、個体に座位を取らせる起立負荷試験の最初の約2分間のうちの、前半及び後半の約1分間をいう。「安静座位時」の後には「起立時」が続く。
「起立時」とは、起立合図時点から3回目の血圧測定開始時点までの約1分間をいう。
「立位時」とは、3回目の血圧測定開始時点から着席合図までの約1分間をいう。
「着席時」とは、着席合図から5回目の血圧測定開始時点までの約1分間をいう。
「座位時」とは、「着席時」の後、個体が座位を続けて、最後の5回目の血圧測定が終了するまでの約30秒間をいう。
心電・血圧パラメーターの例としては、以下が挙げられる:
・「安静座位時」、「起立時」、「立位時」、「着席時」及び「座位時」の各期間における平均血圧(MAP)、収縮期血圧(SYS)、拡張期血圧(DIA);
・「安静座位時」、「起立時」、「立位時」及び「着席時」の各期間(各約1分間)における、平均心拍数、最大心拍数、及び最小心拍数;
・「安静座位時」、「起立時」、「立位時」及び「着席時」の各期間(各約1分間)における心拍動(=心拍RR間隔変動(%));
・「安静座位時」、「起立時」、「立位時」及び「着席時」の各期間のCVRR(=心拍RR間隔の標準偏差/平均値);
・安静座位時HF、起立時HF、立位時HF、及び着席時HF:それぞれ、「安静座位時」、「起立時」、「立位時」及び「着席時」の各期間(各約1分間)における、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた高周波数(0.15Hz以上0.4Hz未満)成分;
・安静座位時LF、起立時LF、立位時LF、及び着席時LF:それぞれ、「安静座位時」、「起立時」、「立位時」及び「着席時」の各期間(各約1分間)における、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた低周波数(0.04Hz以上0.15Hz未満)成分;
・安静座位時VLF、起立時VLF、立位時VLF、及び着席時VLF:それぞれ、「安静座位時」、「起立時」、「立位時」及び「着席時」の各期間(各約1分間)における、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた超低周波数(<0.04Hz)成分;
・安静座位時[LF/HF]、起立時[LF/HF]、立位時[LF/HF]、及び着席時[LF/HF]:それぞれ、「安静座位時」、「起立時」、「立位時」及び「着席時」の各期間におけるLF/HF;
・安静座位時CCV(HF)、起立時CCV(HF)、立位時CCV(HF)、及び着席時CCV(HF):それぞれ、安静座位時HF、起立時HF、立位時HF、及び着席時HFの揺らぎ係数CCV(coefficient of component variance);
・安静座位時CCV(LF)、起立時CCV(LF)、立位時CCV(LF)、及び着席時CCV(LF):それぞれ、安静座位時LF、起立時LF、立位時LF、及び着席時LFの揺らぎ係数CCV(coefficient of component variance);
・安静座位時CCV(VLF)、起立時CCV(VLF)、立位時CCV(VLF)、及び着席時CCV(VLF):それぞれ、安静座位時VLF、起立時VLF、立位時VLF、及び着席時VLFの揺らぎ係数CCV(coefficient of component variance);
・Δ[LF/HF]:起立時[LF/HF]−安静座位時[LF/HF];
・ΔHR:起立時平均心拍数−安静座位時平均心拍数;
・Δ[LF/HF]/ΔHR;
・ΔnCCV(HF):[立位時CCV(HF)/{立位時CCV(HF)+立位時CCV(LF)}]−[起立時CCV(HF)/{起立時CCV(HF)+起立時CCV(LF)}];
・H、Hmax、及びHmin:それぞれ、「起立時」における、起立時点の心拍数、最大心拍数、及びHmax後最初の心拍数極小値をいう(ここで、「起立時点」とは、「起立時」中における起立合図時から心拍数最大(Hmax)になるまでの間で、心拍数が最小になる時点として定義される;図2を参照);
・起立負荷試験における心電測定開始から「起立時点」までの経過時間TH0
・起立負荷試験における心電測定開始からHmaxの時点(図2参照)までの経過時間THmax
・起立負荷試験における心電測定開始から、Hminの時点(図2参照)までの経過時間THmin
・起立時点、Hmaxの時点、及びHminの時点の前60秒間(それぞれ、DH0、DHmax、及びDHmin)における心拍RR間隔の平均値、及び平均心拍数;
・DH0、DHmax及びDHminにおける心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた高周波数(0.15Hz以上0.4Hz未満)成分HF、及び低周波数(0.04Hz以上0.15Hz未満)成分LF、又はそれらのDH0若しくはDHminにおける値に対するDHmaxにおける値の比;
・DH0、DHmax及びDHminにおける[LF/HF]、[LF+HF]、HF/[LF+HF]、又はそれらのDH0若しくはDHminにおける値に対するDHmaxにおける値の比;
・起立合図から「起立時点」までの時間。
より好ましい心電・血圧パラメーターの例としては、以下が挙げられる:
安静座位時拡張期血圧(安静座位時DIA);立位時収縮期血圧(立位時SYS);着席時平均血圧(MAP);立位時心拍動;起立時LF;着席時LF;起立時[LF/HF];立位時[LF/HF];着席時[LF/HF];安静座位時CCV(VLF);起立時CCV(VLF);着席時CCV(VLF);Δ[LF/HF]/ΔHR;ΔnCCV(HF);TH0;DHminにおけるHF;DHmaxにおける[LF/HF];DHminにおける[LF/HF];DHmaxにおけるHF/DH0におけるHF;DHmaxにおけるLF/DH0におけるLF;ならびに、DHmaxにおける[LF+HF]/DHminにおける[LF+HF]。
上記心電・血圧パラメーターのもととなる血圧や心電データは、通常の方法で測定すればよい。血圧や心電データからの上記心電・血圧パラメーターの計算方法は、当該分野で周知である。例えば、心電データに基づく心拍数、心拍RR間隔変動(%)、RR間隔変動のパワースペクトルに基づく周波数成分(HF、LF、VLF)、それらの揺らぎ係数CCV等の計算は、文献(例えば、Junichiro Hayano, et al. Accuracy of assessment of cardiac vagal tone by heart rate variability in normal subjects. Am J Cardiol. 67, 199-204, 1991)に基づいて行うことができる。また、上記心電・血圧パラメーターを計算するための機器が販売されている(例えば、きりつ名人;株式会社クロスウェル)。
上記多変量解析の説明変数となり得る、不定愁訴症状の評価に影響を与える他の因子としては、上記心電・血圧パラメーター以外に、年齢、身長、体重、BMI等の個体データが挙げられる。このうち、本発明において好ましく採用され得る個体データは年齢である。上記心電・血圧パラメーターとともに、上記個体データを説明変数として採用することにより、より正確な評価を可能にする回帰式を構築することができる。
性別もまた、不定愁訴症状の評価に影響を与える重要な因子である。したがって、上記多変量解析の回帰式は、性別にこだわらず作成してもよいが、男女別に作成することにより、より正確な評価を可能にする回帰式を構築することができる。
作成する回帰式は、母集団の実際の症状に対する正答率が65%以上、好ましくは70%以上となる式であることが望ましい。
例えば、睡眠障害については以下の変数を用いた回帰式を得ることができる。
(女性):安静座位時DIA、ΔnCCV(HF)、起立時CCV(VLF)、立位時SYS、年齢、立位時[LF/HF]、及びTH0を説明変数とした、症状の重さに対する重回帰分析によって作成された回帰式。
(男性):Δ[LF/HF]/ΔHR、DHmaxにおける[LF/HF]、及びDHmaxにおけるHF/DH0におけるHFを説明変数とした、症状の有無に対するロジスティック回帰分析によって作成された回帰式。
そのようにして得られた具体的な回帰式の例としては、以下が挙げられる。
1)[睡眠障害指標(女性)]
=安静座位時DIA×0.304+ΔnCCV(HF)×(−0.262)+起立時CCV(VLF)×0.942+立位時SYS×(−0.115)+年齢×0.093+立位時[LF/HF]×(−0.246)+TH0×0.0003−48.141
2)[睡眠障害指標(男性)]
=Δ[LF/HF]/ΔHR×0.228+DHmaxにおける[LF/HF]×(−0.223)+DHmaxにおけるHF/DH0におけるHF×3.068−2.015
また例えば、冷え性については以下の回帰式を得ることができる。
(女性):着席時LF、起立時[LF/HF]、着席時MAP、及びDHminにおける[LF/HF]を説明変数とした、症状の有無に対するロジスティック回帰分析によって作成された回帰式。
(男性):安静座位時CCV(VLF)、着席時MAP、DHmaxにおけるLF/DH0におけるLF、及びDHmaxにおける[LF+HF]/DHminにおける[LF+HF]を説明変数とした、症状の有無に対するロジスティック回帰分析によって作成された回帰式。
そのようにして得られた具体的な回帰式の例としては、以下が挙げられる。
3)[冷え性指標(女性)]
=着席時LF×0.003+起立時[LF/HF]×1.423+着席時MAP×(−0.107)+DHminにおける[LF/HF]×(−0.990)+5.744
4)[冷え性指標(男性)]
=安静座位時CCV(VLF)×1.274+着席時MAP×(−0.130)+DHmaxにおけるLF/DH0におけるLF×1.275+DHmaxにおける[LF+HF]/DHminにおける[LF+HF]×(−5.593)+10.304
また例えば、疲労については以下の回帰式を得ることができる。
(女性):ΔnCCV(HF)、及び着席時CCV(VLF)を説明変数とした、症状の有無に対するロジスティック回帰分析によって作成された回帰式。
(男性):安静座位時CCV(VLF)、及びDHmaxにおけるHF/DH0におけるHFを説明変数とした、症状の有無に対するロジスティック回帰分析によって作成された回帰式。
そのようにして得られた具体的な回帰式の例としては、以下が挙げられる。
5)[疲労指標(女性)]
=ΔnCCV(HF)×(−0.135)+着席時CCV(VLF)×1.794−8.376
6)[疲労指標(男性)]
=安静座位時CCV(VLF)×0.916+DHmaxにおけるHF/DH0におけるHF×2.761−7.380
また例えば、更年期症状については以下の回帰式を得ることができる。
(女性):立位時心拍動、及びDHminにおけるHFを説明変数とした、症状の有無に対するロジスティック回帰分析によって作成された回帰式。
(男性):年齢、起立時LF、及び着席時[LF/HF]を説明変数とした、症状の有無に対するロジスティック回帰分析によって作成された回帰式。
そのようにして得られた具体的な回帰式の例としては、以下が挙げられる。
7)[更年期症状指標(女性)]
=立位時心拍動×(−184.335)+DHminにおけるHF×0.007+2.957
8)[更年期症状指標(男性)]
=年齢×(−0.094)+起立時LF×(−0.003)+着席時[LF/HF]×(0.364)+5.098
以上の手順で求めた睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状についての回帰式を用いて、被験者の睡眠障害、冷え性、疲労又は更年期症状を評価することができる。好ましくは、本発明においては、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状について、上記回帰式から被験者の評価指標をそれぞれ算出し、該指標に基づいて、該少なくとも2つの不定愁訴症状について被験者を評価する。本発明の方法で評価指標が取得される少なくとも2つの不定愁訴症状としては、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状のうちのいずれか2つを含んでいればよいが、好ましくは少なくとも睡眠障害、冷え性、及び更年期症状を含み、より好ましくは睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状の4症状である。
被験者の評価指標の算出においては、まず、被験者の個体データ、ならびに起立試験中の心電及び血圧データから求めた心電・血圧パラメーターを取得する。求める個体データ及び心電・血圧パラメーターやその取得手順は、上述と同様である。次いで、求めた個体データ及び心電・血圧パラメーターを、上記回帰式に代入する。用いた回帰式に応じて、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状のいずれかについての評価指標を算出することができる。このとき、少なくとも2つの不定愁訴症状の各々について求めた複数の回帰式を用いれば、該少なくとも2つの不定愁訴症状の各々についての評価指標を得ることができる。
例えば、被験者が女性である場合、好ましくは、その個体データ及び心電・血圧パラメーターを、上記1)、3)、5)及び7)式のいずれか1つ、若しくは2つ以上、3つ以上、又は全部に代入し、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状のいずれか1つ、若しくは2つ以上、3つ以上、又は全部についての評価指標を算出することができる。
あるいは、被験者が男性である場合、好ましくは、その個体データ及び心電・血圧パラメーターを、上記2)、4)、6)及び8)式のいずれか1つ、若しくは2つ以上、3つ以上、又は全部に代入し、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状のいずれか1つ、若しくは2つ以上、3つ以上、又は全部についての評価指標を算出することができる。
算出された指標に基づいて、該被験者の不定愁訴症状を評価することができる。より詳細には、不定愁訴症状の重篤さ、又は不定愁訴症状の発症リスクを評価することが可能である。すなわち、被験者が現に不定愁訴症状を有する場合は、その症状レベル(症状の重篤度)を評価することができ、現に不定愁訴症状がない場合は、不定愁訴症状の発症リスクのレベル(リスクの高低)を評価することができる。
例えば、上記2)〜8)のようなロジスティック回帰分析による回帰式の場合、評価指標0.5〜1は、被験者が不定愁訴症状を有するか、又は不定愁訴症状が発症するリスクが相対的に高いことを意味し、かつ指標が大きいほど、症状又は発症リスクのレベルがより高いことを表す。一例として、不定愁訴症状を有する被験者の場合、該症状は、評価指標0.5以上0.66未満では「軽度」、評価指標0.66以上0.83未満では「中程度」、評価指標0.83以上は「重度」と評価することができる。別の例として、不定愁訴症状を有さない被験者の場合、発症リスクは、評価指標0.5以上0.66未満では「要警戒」、評価指標0.66以上0.83未満では「発症を抑える対策検討要」、評価指標0.83以上では「発症に備えた準備要」と評価することができる。
あるいは、上記2)〜8)の回帰式の場合、評価指標0.5未満は、被験者が不定愁訴症状を有していないか、又は不定愁訴症状が発症するリスクが相対的に低いことを意味し、かつ指標が小さいほど発症リスクのレベルがより低いことを表す。例えば、評価指標0.16未満では「安心」、評価指標0.16以上0.33未満は「注意」、評価指標0.33以上0.5未満では「要注意」と評価することができる。
一方、上記1)で示される睡眠障害評価(女性用)の回帰式の場合、評価指標5.5超〜21は、被験者が睡眠障害を有するか、又はその発症リスクが相対的に高いことを意味し、かつ指標が大きいほど、症状又は発症リスクのレベルがより高いことを表す。一例として、睡眠障害を有する被験者の症状は、評価指標5.5より大きく10.6未満では「軽度」、評価指標10.6以上15.7未満では「中程度」、評価指標15.7以上では「重度」と評価することができる。別の例として、睡眠障害を有さない被験者の場合、その発症リスクは、評価指標5.5より大きく10.6未満では「要警戒」、評価指標10.6以上15.7未満では「発症を抑える対策検討要」、評価指標15.7以上では「発症に備えた準備要」と評価することができる。
あるいは、上記1)の回帰式の場合、評価指標5.5以下は、被験者が睡眠障害を有していないか、又はその発症するリスクが相対的に低いことを意味し、かつ指標が小さいほど発症リスクのレベルがより低いことを表す。例えば、評価指標1.8未満では「安心」、評価指標1.8以上3.6未満は「注意」、評価指標3.6以上5.5以下では「要注意」と評価することができる。
不定愁訴症状の評価結果の表示の手段は、特に限定されないが、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状の4症状についての評価結果をまとめて表示すると、被験者が現在の自己の不定愁訴症状の状態をまとめて把握することができるため好ましい。例えば、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状から選ばれる2以上の症状の評価結果を、それぞれ上記の基準に基づいて(1)「安心」、(2)「注意」、(3)「要注意」、(4)「要警戒(又は軽度)」、(5)「発症を抑える対策検討要(又は中程度)」、(6)「発症に備えた準備要(又は重度)」の6段階に分け、まとめて1つの図、表又はチャート上にプロットすれば、該2以上の不定愁訴症状についての被験者の現在の状態やその発症リスクを簡便かつ包括的に把握することができる。例えば、図3のような4つの不定愁訴症状の評価レベルをプロットしたスパイダーチャートは、評価結果を視覚的に確認できるため好ましい。
本発明はまた、上記本発明の方法を実行するためのプログラムを提供する。すなわち、本発明のプログラムは、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状の評価のための指標を算出するためのプログラムである。一実施形態において、本発明のプログラムは、上述した睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状の各々に対応する少なくとも2つの多変量解析の回帰式の各々に対して、被験者から得られた上述の個体データ及び心電・血圧パラメーターのうちの少なくとも2つを代入し、該被験者についての、該少なくとも2つの不定愁訴症状の評価のための指標を算出する処理を実行する。好ましい実施形態において、該回帰式としては、好ましくは上記1)〜8)から選ばれる回帰式が使用される。
好ましい実施形態において、本発明のプログラムは、被験者の心電及び血圧データから上述した心電・血圧パラメーターのうちの1つ以上を算出する処理をまず実行し、次いで、得られた心電・血圧パラメーターを用いて上記評価指標を算出する処理を実行する。別の好ましい実施形態において、本発明のプログラムは、算出された評価指標に基づいて被験者の不定愁訴症状の評価を行う処理をさらに実行する。本発明のプログラムにより実行される不定愁訴症状の評価は、例えば上述したとおり、評価指数に応じて被験者の状態を上記(1)〜(6)の6段階に分類する処理であり得る。その際、被験者の個体データとして現在の不定愁訴症状の有無の情報が入力されていれば、症状の有無に応じて、症状レベル(症状有の場合)又は発症リスクレベル(症状無の場合)を出力することができる。
上記本発明のプログラムは、記録媒体に記録されていてもよく、又は装置に内蔵されていてもよい。従って本発明はまた、上記本発明のプログラムを備える記録媒体又は装置を提供する。本発明の装置は、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状を評価するための装置である。該装置は、該不定愁訴症状の評価指標、又は該指標に基づく被験者の評価結果を提供する。一実施形態において、該装置は、不定愁訴症状の評価指標、又は必要に応じてさらに心電・血圧パラメーター若しくは被験者の不定愁訴症状の評価結果を算出する計算ユニットを備える。必要に応じて、該装置はさらに、被験者の個体データ、血圧及び心電データ、心電・血圧パラメーター等を保有するデータ保有ユニット、被験者の血圧及び心電を測定するための血圧及び心電測定ユニット、測定された血圧及び心電データを取り込むデータ取込みユニット、心電・血圧パラメーター若しくは被験者の不定愁訴症状の評価を算出するための第2の計算ユニット、又は算出された評価指標又は評価結果を出力するための出力ユニット、などの付加的ユニットをさらに備えていてもよい。該付加的ユニットは、本発明の装置に組み込まれていてもよいが、該装置の外部に存在してもよい。
本発明の例示的実施形態として、以下の組成物、製造方法、用途、あるいは方法をさらに本明細書に開示する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
〔1〕睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状の評価のための指標を取得する方法であって、
睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状の各々に対応する少なくとも2つの多変量解析の回帰式の各々に対して、被験者に関する、以下:
安静座位時拡張期血圧;立位時収縮期血圧;着席時平均血圧;立位時心拍動;起立時LF;着席時LF;起立時[LF/HF];立位時[LF/HF];着席時[LF/HF];安静座位時CCV(VLF);起立時CCV(VLF);着席時CCV(VLF);Δ[LF/HF]/ΔHR;ΔnCCV(HF);TH0;DHminにおけるHF;DHmaxにおける[LF/HF];DHmaxにおける[LF/HF];DHmaxにおけるHF/DH0におけるHF;DHmaxにおけるLF/DH0におけるLF;DHmaxにおける[LF+HF]/DHminにおける[LF+HF];ならびに、年齢
(ここで、
安静座位時、起立時、立位時及び着席時とは、それぞれ、起立負荷試験の安静座位時、起立時、立位時及び着席時を表し;
心拍動は、心拍RR間隔変動(%)を表し;
HF及びLFは、それぞれ、心拍RR間隔のパワースペクトル解析値で得られた高周波数成分及び低周波数成分を表し;
Δ[LF/HF]は、起立時[LF/HF]−安静座位時[LF/HF]を表し;
ΔHRは、起立時平均心拍数−安静座位時平均心拍数を表し;
ΔnCCV(HF)は、[立位時CCV(HF)/{立位時CCV(HF)+立位時CCV(LF)}]−[起立時CCV(HF)/{起立時CCV(HF)+起立時CCV(LF)}]を表し;
CCV(HF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた高周波数成分の揺らぎ係数を表し;
CCV(LF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた低周波数成分の揺らぎ係数を表し;
CCV(VLF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた超低周波数成分の揺らぎ係数を表し;
H0は心電測定開始から起立時における起立時点までの時間を表し;
H0は該起立時点の前60秒間を表し;
Hmaxは起立時における心拍数最大の時点の前60秒間を表し;かつ、
Hminは該心拍数最大時点後最初に心拍数が極小になる時点の前60秒間を表す)、
からなる群より選択されるパラメーターのうちの少なくとも2つを代入し、該被験者についての、該少なくとも2つの不定愁訴症状の評価のための指標を算出すること、
を含む、方法。
〔2〕好ましくは、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも3つの不定愁訴症状の各々に対応する少なくとも3つの多変量解析の回帰式の各々に対して、上記パラメーターのうちの少なくとも2つを代入し、上記被験者についての該少なくとも3つの不定愁訴症状の評価のための指標を算出することを含む、〔1〕記載の方法。
〔3〕好ましくは、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状の各々に対応する4つの多変量解析の回帰式の各々に対して、上記パラメーターのうちの少なくとも2つを代入し、上記被験者についての睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状の評価のための指標を算出することを含む、〔1〕記載の方法。
〔4〕好ましくは、上記回帰式が、睡眠障害、冷え性、疲労又は更年期症状の状態の異なる個体群における各個体の睡眠障害、冷え性、疲労又は更年期症状の有無又はその程度を目的変数とし、かつ、該各個体から取得した上記パラメーターのうちの少なくとも2つを説明変数とした多変量解析によって作成された式である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の方法。
〔5〕好ましくは、上記被験者が女性であり、
上記睡眠障害に対応する回帰式が、安静座位時拡張期血圧、ΔnCCV(HF)、起立時CCV(VLF)、立位時収縮期血圧、年齢、立位時[LF/HF]、及びTH0を説明変数とした重回帰分析によって作成された回帰式であり、
上記冷え性に対応する回帰式が、着席時LF、起立時[LF/HF]、着席時平均血圧、及びDHminにおける[LF/HF]を説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された式であり、
上記疲労に対応する回帰式が、ΔnCCV(HF)、着席時CCV(VLF)を説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された式であり、
上記更年期症状に対応する回帰式が、立位時心拍動、及びDHminにおけるHFを説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された式である、
〔4〕記載の方法。
〔6〕好ましくは、上記睡眠障害、冷え性、疲労、及び更年期症状に対応する回帰式が以下の式である〔5〕記載の方法。
1)[睡眠障害指標(女性)]
=安静座位時拡張期血圧×0.304+ΔnCCV(HF)×(−0.262)+起立時CCV(VLF)×0.942+立位時収縮期血圧×(−0.115)+年齢×0.093+立位時[LF/HF]×(−0.246)+TH0×0.0003−48.141
3)[冷え性指標(女性)]
=着席時LF×0.003+起立時[LF/HF]×1.423+着席時平均血圧×(−0.107)+DHminにおける[LF/HF]×(−0.990)+5.744
5)[疲労指標(女性)]
=ΔnCCV(HF)×(−0.135)+着席時CCV(VLF)×1.794−8.376
7)[更年期症状指標(女性)]
=立位時心拍動×(−184.335)+DHminにおけるHF×0.007+2.957
〔7〕好ましくは、上記被験者が男性であり、
上記睡眠障害に対応する回帰式が、Δ[LF/HF]/ΔHR、DHmaxにおける[LF/HF]、及びDHmaxにおけるHF/DH0におけるHFを説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された式であり、
上記冷え性に対応する回帰式が、安静座位時CCV(VLF)、着席時平均血圧、DHmaxにおけるLF/DH0におけるLF、及びDHmaxにおける[LF+HF]/DHminにおける[LF+HF]を説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された式であり、
上記疲労に対応する回帰式が、安静座位時CCV(VLF)、及びDHmaxにおけるHF/DH0におけるHFを説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された式であり、
上記更年期症状に対応する回帰式が、年齢、起立時LF、及び着席時[LF/HF]を説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された式である、
〔4〕記載の方法。
〔8〕好ましくは、上記睡眠障害、冷え性、疲労、及び更年期症状に対応する回帰式が以下の式である〔7〕記載の方法。
2)[睡眠障害指標(男性)]
=Δ[LF/HF]/ΔHR×0.228+DHmaxにおける[LF/HF]×(−0.223)+DHmaxにおけるHF/DH0におけるHF×3.068−2.015
4)[冷え性指標(男性)]
=安静座位時CCV(VLF)×1.274+着席時平均血圧×(−0.130)+DHmaxにおけるLF/DH0におけるLF×1.275+DHmaxにおける[LF+HF]/DHminにおける[LF+HF]×(−5.593)+10.304
6)[疲労指標(男性)]
=安静座位時CCV(VLF)×0.916+DHmaxにおけるHF/DH0におけるHF×2.761−7.380
8)[更年期症状指標(男性)]
=年齢×(−0.094)+起立時LF×(−0.003)+着席時[LF/HF]×(0.364)+5.098
〔9〕睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状の評価のための指標を算出するためのプログラムであって、
睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状の各々に対応する少なくとも2つの多変量解析の回帰式の各々に対して、被験者に関する、以下:
安静座位時拡張期血圧;立位時収縮期血圧;着席時平均血圧;立位時心拍動;起立時LF;着席時LF;起立時[LF/HF];立位時[LF/HF];着席時[LF/HF];安静座位時CCV(VLF);起立時CCV(VLF);着席時CCV(VLF);Δ[LF/HF]/ΔHR;ΔnCCV(HF);TH0;DHminにおけるHF;DHmaxにおける[LF/HF];DHminにおける[LF/HF];DHmaxにおけるHF/DH0におけるHF;DHmaxにおけるLF/DH0におけるLF;DHmaxにおける[LF+HF]/DHminにおける[LF+HF];ならびに、年齢
(ここで、
安静座位時、起立時、立位時及び着席時とは、それぞれ、起立負荷試験の安静座位時、起立時、立位時及び着席時を表し;
心拍動は、心拍RR間隔変動(%)を表し;
HF及びLFは、それぞれ、心拍RR間隔のパワースペクトル解析値で得られた高周波数成分及び低周波数成分を表し;
Δ[LF/HF]は、起立時[LF/HF]−安静座位時[LF/HF]を表し;
ΔHRは、起立時平均心拍数−安静座位時平均心拍数を表し;
ΔnCCV(HF)は、[立位時CCV(HF)/{立位時CCV(HF)+立位時CCV(LF)}]−[起立時CCV(HF)/{起立時CCV(HF)+起立時CCV(LF)}]を表し;
CCV(HF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた高周波数成分の揺らぎ係数を表し;
CCV(LF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた低周波数成分の揺らぎ係数を表し;
CCV(VLF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた超低周波数成分の揺らぎ係数を表し;
H0は心電測定開始から起立時における起立時点までの時間を表し;
H0は該起立時点の前60秒間を表し;
Hmaxは起立時における心拍数最大の時点の前60秒間を表し;かつ、
Hminは該心拍数最大時点後最初に心拍数が極小になる時点の前60秒間を表す)、
からなる群より選択されるパラメーターのうちの少なくとも2つを代入し、該被験者についての、該少なくとも2つの不定愁訴症状の評価のための指標を算出する処理を実行する、プログラム。
〔10〕好ましくは、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも3つの不定愁訴症状の各々に対応する少なくとも3つの多変量解析の回帰式の各々に対して、上記パラメーターのうちの少なくとも2つを代入し、上記被験者についての該少なくとも3つの不定愁訴症状の評価のための指標を算出する処理を実行する、〔9〕記載のプログラム。
〔11〕好ましくは、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状の各々に対応する4つの多変量解析の回帰式の各々に対して、上記パラメーターのうちの少なくとも2つを代入し、上記被験者についての睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状の評価のための指標を算出する処理を実行する、〔9〕記載のプログラム。
〔12〕好ましくは、被験者の心電及び血圧データから、上記パラメーターのうちの1つ以上を算出する処理をさらに実行する、〔9〕〜〔11〕のいずれか1項記載のプログラム。
〔13〕好ましくは、上記回帰式が、睡眠障害、冷え性、疲労又は更年期症状の状態の異なる個体群における各個体の睡眠障害、冷え性、疲労又は更年期症状の有無又はその程度を目的変数とし、かつ、該各個体から取得した上記パラメーターのうちの少なくとも2つを説明変数とした多変量解析によって作成された式である、〔9〕〜〔12〕のいずれか1項記載のプログラム。
〔14〕上記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項記載の不定愁訴症状の評価のための指標を取得する方法を実行する、〔9〕〜〔13〕のいずれか1項記載のプログラム。
〔15〕好ましくは、算出された指標に基づいて上記被験者の不定愁訴症状の評価を行う処理をさらに実行する、〔9〕〜〔14〕のいずれか1項記載のプログラム。
〔16〕上記〔9〕〜〔15〕のいずれか1項記載のプログラムを備える、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状を評価するための装置。
〔17〕被験者における、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状を評価する方法であって、
上記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項記載の方法により、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状の評価のための指標を取得すること;
該指標に基づいて該被験者における該少なくとも2つの不定愁訴症状を評価すること、
を含む、方法。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1.母集団)
94人の20代〜60代の健常成人男女から、年齢及びBMIを含む基礎データと、各種アンケートにより睡眠障害、冷え性、疲労、又は更年期障害についてのデータ(症状の有無や程度)を得た。なお、母集団の年齢(平均±標準偏差)及び個体数は、睡眠障害については、男性25,9±1.5歳(14名)、女性26.3±1.6歳(6名);冷え性については、男性34.6±2.2歳(14名)、女性34.8±1.8歳(10名);疲労については、男性44.9±2.7歳(18名)、女性45.6±3.1歳(9名);更年期障害については、男性51.9±1.5歳(13名)、女性54.4±3.4歳(10名)であった。
(2.症状の判定)
母集団の睡眠障害は、睡眠全体を評価し、睡眠障害の程度を評価ができる18項目から構成されるピッツバーグ睡眠調査票(PSQI)により判定した。PSQIは、得点が高いほど睡眠が障害されていることを示す。本実施例においては、PSQIの得点が5.5点より大きい場合に「睡眠障害がある」とし、5.5点以下の場合を「睡眠障害がない」とした。
母集団の冷え性は、冷え性調査用問診票(寺澤変法)による24項目から構成される冷え性調査票により判定した。この調査票の得点が高いほど冷え性であることを示す。本実施例においては、調査票のA項目「他の多くの人に比べて”寒がり”の性分だと思う」、「腰や手足、あるいは身体の一部に冷えがあってつらい」、「冷房のきいているところは身体が冷えてつらい」、「手足が他の多くの人より冷たい方だと思う」、「夏でも手が冷えることがある」、「特に冬には足が冷たくて寝つけないことがある」、及びB項目「身体全体が冷えてつらいことがある」、「足が冷えるので夏でも厚い靴下をはくようにしている」、「冬になると冷えるので電気毛布や電気敷布、あるいはカイロなどをいつも用いるようにしている」、「冷えのつらさはここ数年続いている」、「冬とか寒い日などは小便がとても近くなる」、「他の人よりも自分の顔色は青白い方だと思う」、「たえず手足に冷えを感じる」のうち、A項目2つ以上、又はA項目1つかつB項目2つ以上にあてはまる者を冷え性と判定した。
母集団の疲労は、日本産業衛生協会産業疲労研究会疲労自覚症状調査表検討小委員会による30項目から構成される産業疲労の「自覚症状しらべ」により判定した。この判定は得点が高いほど疲労していることを示す。本実施例においては、得点が9点以上の者を疲労と判定した。
母集団の更年期障害は、日本人用更年期・老年期スコアの確立とHRT副作用調査小委員会による21項目から構成される更年期症状評価表により判定した。この判定は得点が高いほど更年期障害が重いことを示し、本実施においては、得点が5点以上の者を更年期障害と判定した。
(3.心電・血圧パラメーター)
母集団の各個体から起立負荷試験中の心電及び血圧データを測定し、心電・血圧パラメーターを求めた。心電及び血圧は、生体情報モニタ(血圧計Circlemates及び心電心拍計LRR;いずれも、株式会社クロスウェル)を用いて測定した。
起立負荷試験では、図1のとおり、個体は初めに2分間の安静座位を取った後、起立の合図とともに椅子から立ち上がり、2分間立ち続け、着席の合図で着席した。着席後は、再び90秒間の安静座位を取った。一連の起立負荷試験中の最初の2分間の安静座位時間を、前半1分間の「状態時」と、後半1分間(起立直前)の「安静座位時」に分けた。起立合図から1分間を「起立時」とし、その後の1分間(着席直前)を「立位時」とした。また着席合図から1分間を「着席時」とし、以降を「座位時」とした。起立負荷試験中、心電データは連続的に記録し、血圧は、測定開始1分後から1分毎(「安静座位時」、「起立時」、「立位時」、「着席時」及び「座位時」の初め)に計5回測定した。この測定全体の所有時間は、約5分30秒であった。
測定した心電及び血圧データから、心電・血圧パラメーターを得た。心拍変動のRR間隔(心拍R波と次のR波との間隔)の測定及びその周波数解析、ならびに周波数解析データを用いた各種パラメーターの計算は、解析ソフト(きりつ名人;株式会社クロスウェル)を用いて行った。
求めた心電・血圧パラメーターは以下のとおりである。
[血圧項目]
「安静座位時」、「起立時」、「立位時」、「着席時」及び「座位時」の各期間における平均血圧(MAP)、収縮期血圧(SYS)、拡張期血圧(DIA):血圧は、安静座位1分後、起立時、立位時、着席時、及び着席1分後の計5回測定した。
[心拍項目]
「安静座位時」、「起立時」、「立位時」及び「着席時」の各期間における、平均心拍数、最大心拍数、最小心拍数、心拍動、及びCVRR;
状態時HF、安静座位時HF、起立時HF、立位時HF、及び着席時HF;
状態時LF、安静座位時LF、起立時LF、立位時LF、及び着席時LF;
状態時VLF、安静座位時VLF、起立時VLF、立位時VLF、及び着席時VLF;
状態時[LF/HF]、安静座位時[LF/HF]、起立時[LF/HF]、立位時[LF/HF]、及び着席時[LF/HF];
状態時CCV(HF)、安静座位時CCV(HF)、起立時CCV(HF)、立位時CCV(HF)、及び着席時CCV(HF);
状態時CCV(LF)、安静座位時CCV(LF)、起立時CCV(LF)、立位時CCV(LF)、及び着席時CCV(LF);
状態時CCV(VLF)、安静座位時CCV(VLF)、起立時CCV(VLF)、立位時CCV(VLF)、及び着席時CCV(VLF);
Δ[LF/HF];
ΔHR:起立時平均心拍数−安静座位時平均心拍数;
Δ[LF/HF]/ΔHR;
ΔnCCV(HF);
、Hmax、及びHmin
H0、THmax、及びTHmin
H0、DHmax、及びDHminにおける心拍RR間隔平均値、HR、HF、LF、[LF/HF]、及び[LF+HF]、HF/[LF+HF]、又はそれらのDH0若しくはDHminにおける値に対するDHmaxにおける値の比。
(4.回帰式)
男性の睡眠障害については、上記で分類した「睡眠障害がある」場合を1、「睡眠障害がない」場合を0とし、これらを目的変数としたロジスティック回帰分析を行い、不定愁訴リスクlog(Px/(1−Px))を算出する回帰式を求めた。ここで、Pxは、個体xの不定愁訴の発生率であり、0〜1の数値をとる。説明変数としては、上記3.で取得した各個体の心電・血圧パラメーター及び年齢を用いた。これらの説明変数を様々に組み合わせて、回帰式から算出される不定愁訴リスク(発生率)の正答率が最も高くなる回帰式を算出した。
同様にして、男性及び女性の疲労、冷え性、及び更年期症状についても、それぞれ不定愁訴リスクlog(Px/(1−Px))を算出する回帰式を求め、正答率が最も高くなる回帰式を算出した。
女性の睡眠障害については、PSQIの得点を目的変数とし、上記3.で取得した各個体の心電・血圧パラメーター及び年齢を説明変数とする重回帰分析を行い、説明変数を様々に組み合わせて、決定係数が最も高くなる回帰式を算出した。
結果、男女の睡眠障害、冷え性、疲労、及び更年期障害の各不定愁訴症状について、表1の回帰式を得た。表1の回帰式から算出される不定愁訴症状の発生率と、上記2.で判定した不定愁訴症状の有無から算出される回帰式の正答率は、睡眠障害(女性)71%、睡眠障害(男性)70%、冷え性(女性)71%、冷え性(男性)83%、疲労(女性)89%、疲労(男性)83%、更年期障害(女性)80%、及び更年期障害(男性)73%であった。
(4.不定愁訴症状の評価)
表1の回帰式から求められる不定愁訴リスク値は、被験者の現在及び将来における不定愁訴症状の起こりやすさを評価する指標として使用される。症状の有無に対するロジスティック回帰分析を行った男性の睡眠障害、並びに男女の冷え性、疲労、及び更年期障害については、回帰式から導かれた不定愁訴リスク値が0.5〜1の場合、被験者は、不定愁訴症状を有するか、又はその発症リスクが相対的に高いと評価され、他方、該リスク値0.5未満の場合、被験者は不定愁訴症状を有しておらず、かつその発症リスクが相対的に低いと評価される。一方、睡眠障害得点(最高21点、5.5点以下は「症状なし」とみなす)に基づく重回帰分析を行った女性の睡眠障害については、回帰式から導かれた不定愁訴リスク値が5.5超〜21の場合、被験者は、不定愁訴症状を有するか、又はその発症リスクが相対的に高いと評価され、他方、該リスク値5.5以下の場合、被験者は不定愁訴症状を有しておらず、かつその発症リスクが相対的に低いと評価される。いずれの回帰式においても、不定愁訴リスク値の大きさは症状の重篤さ又は発症リスクの高さを表す。したがって、不定愁訴リスク値の大きさに応じて、被験者の不定愁訴の状態をレベル分けすることができる。
評価基準の例を表2に示す。表2では、不定愁訴リスク値の大きさに基づいて被験者の症状を6段階で評価する。図3は、表2の評価基準に基づいた睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状の評価結果をプロットしたスパイダーチャートである。

Claims (9)

  1. 不定愁訴症状の状態を分類するための指標を取得する方法であって、
    睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状の各々に対応する少なくとも2つの多変量解析の回帰式の各々に対して、被験者から取得したデータを代入し、該被験者についての該少なくとも2つの不定愁訴症状の状態を分類するための指標を算出することを含み、
    該回帰式は、個体集団の各個体における該不定愁訴症状のいずれかの有無又はその程度を目的変数とした多変量解析によって、該集団の該不定愁訴症状の有無又はその程度に対する正答率が65%以上になるように作成された下記の式、
    被験者が女性である場合:
    (睡眠障害に対応する回帰式)安静座位時拡張期血圧、ΔnCCV(HF)、起立時CCV(VLF)、立位時収縮期血圧、年齢、立位時[LF/HF]、及びTH0を説明変数とした重回帰分析によって作成された回帰式;
    (冷え性に対応する回帰式)着席時LF、起立時[LF/HF]、着席時平均血圧、及びDHminにおける[LF/HF]を説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式;
    (疲労に対応する回帰式)ΔnCCV(HF)、着席時CCV(VLF)を説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式;
    (更年期症状に対応する回帰式)立位時心拍動、及びDHminにおけるHFを説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式、
    該被験者が男性である場合:
    (睡眠障害に対応する回帰式)Δ[LF/HF]/ΔHR、DHmaxにおける[LF/HF]、及びDHmaxにおけるHF/DH0におけるHFを説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式;
    (冷え性に対応する回帰式)安静座位時CCV(VLF)、着席時平均血圧、DHmaxにおけるLF/DH0におけるLF、及びDHmaxにおける[LF+HF]/DHminにおける[LF+HF]を説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式;
    (疲労に対応する回帰式)安静座位時CCV(VLF)、及びDHmaxにおけるHF/DH0におけるHFを説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式;
    (更年期症状に対応する回帰式)年齢、起立時LF、及び着席時[LF/HF]を説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式、
    (ここで、
    安静座位時、起立時、立位時及び着席時とは、それぞれ、起立負荷試験の安静座位時、起立時、立位時及び着席時を表し;
    心拍動は、心拍RR間隔変動(%)を表し;
    HF及びLFは、それぞれ、心拍RR間隔のパワースペクトル解析値で得られた高周波数成分及び低周波数成分を表し;
    Δ[LF/HF]は、起立時[LF/HF]−安静座位時[LF/HF]を表し;
    ΔHRは、起立時平均心拍数−安静座位時平均心拍数を表し;
    ΔnCCV(HF)は、[立位時CCV(HF)/{立位時CCV(HF)+立位時CCV(LF)}]−[起立時CCV(HF)/{起立時CCV(HF)+起立時CCV(LF)}]を表し;
    CCV(HF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた高周波数成分の揺らぎ係数を表し;
    CCV(LF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた低周波数成分の揺らぎ係数を表し;
    CCV(VLF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた超低周波数成分の揺らぎ係数を表し;
    H0は心電測定開始から起立時における起立時点までの時間を表し;
    H0は該起立時点の前60秒間を表し;
    Hmaxは起立時における心拍数最大の時点の前60秒間を表し;かつ、
    Hminは該心拍数最大時点の後に最初に心拍数が極小になる時点の前60秒間を表す)、
    である、方法。
  2. 不定愁訴症状の状態を分類するための指標が以下の回帰式によって算出される、請求項1記載の方法:
    前記被験者が女性である場合:
    睡眠障害指標=安静座位時拡張期血圧×0.304+ΔnCCV(HF)×(−0.262)+起立時CCV(VLF)×0.942+立位時収縮期血圧×(−0.115)+年齢×0.093+立位時[LF/HF]×(−0.246)+TH0×0.0003−48.141;
    冷え性指標=着席時LF×0.003+起立時[LF/HF]×1.423+着席時平均血圧×(−0.107)+DHminにおける[LF/HF]×(−0.990)+5.744;
    疲労指標=ΔnCCV(HF)×(−0.135)+着席時CCV(VLF)×1.794−8.376;
    更年期症状指標=立位時心拍動×(−184.335)+DHminにおけるHF×0.007+2.957、
    前記被験者が男性である場合:
    睡眠障害指標=Δ[LF/HF]/ΔHR×0.228+DHmaxにおける[LF/HF]×(−0.223)+DHmaxにおけるHF/DH0におけるHF×3.068−2.015;
    冷え性指標=安静座位時CCV(VLF)×1.274+着席時平均血圧×(−0.130)+DHmaxにおけるLF/DH0におけるLF×1.275+DHmaxにおける[LF+HF]/DHminにおける[LF+HF]×(−5.593)+10.304;
    疲労指標=安静座位時CCV(VLF)×0.916+DHmaxにおけるHF/DH0におけるHF×2.761−7.380;
    更年期症状指標=年齢×(−0.094)+起立時LF×(−0.003)+着席時[LF/HF]×(0.364)+5.098。
  3. 不定愁訴症状の状態を分類するための指標を算出するためのプログラムであって、
    睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状の各々に対応する少なくとも2つの多変量解析の回帰式の各々に対して、被験者から取得したデータを代入し、該被験者についての該少なくとも2つの不定愁訴症状の状態を分類するための指標を算出する処理を実行し、
    該回帰式は、個体集団の各個体における該不定愁訴症状のいずれかの有無又はその程度を目的変数とした多変量解析によって、該集団の該不定愁訴症状の有無又はその程度に対する正答率が65%以上になるように作成された下記の式、
    被験者が女性である場合:
    (睡眠障害に対応する回帰式)安静座位時拡張期血圧、ΔnCCV(HF)、起立時CCV(VLF)、立位時収縮期血圧、年齢、立位時[LF/HF]、及びTH0を説明変数とした重回帰分析によって作成された回帰式;
    (冷え性に対応する回帰式)着席時LF、起立時[LF/HF]、着席時平均血圧、及びDHminにおける[LF/HF]を説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式;
    (疲労に対応する回帰式)ΔnCCV(HF)、着席時CCV(VLF)を説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式;
    (更年期症状に対応する回帰式)立位時心拍動、及びDHminにおけるHFを説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式、
    該被験者が男性である場合:
    (睡眠障害に対応する回帰式)Δ[LF/HF]/ΔHR、DHmaxにおける[LF/HF]、及びDHmaxにおけるHF/DH0におけるHFを説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式;
    (冷え性に対応する回帰式)安静座位時CCV(VLF)、着席時平均血圧、DHmaxにおけるLF/DH0におけるLF、及びDHmaxにおける[LF+HF]/DHminにおける[LF+HF]を説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式;
    (疲労に対応する回帰式)安静座位時CCV(VLF)、及びDHmaxにおけるHF/DH0におけるHFを説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式;
    (更年期症状に対応する回帰式)年齢、起立時LF、及び着席時[LF/HF]を説明変数としたロジスティック回帰分析によって作成された回帰式、
    (ここで、
    安静座位時、起立時、立位時及び着席時とは、それぞれ、起立負荷試験の安静座位時、起立時、立位時及び着席時を表し;
    心拍動は、心拍RR間隔変動(%)を表し;
    HF及びLFは、それぞれ、心拍RR間隔のパワースペクトル解析値で得られた高周波数成分及び低周波数成分を表し;
    Δ[LF/HF]は、起立時[LF/HF]−安静座位時[LF/HF]を表し;
    ΔHRは、起立時平均心拍数−安静座位時平均心拍数を表し;
    ΔnCCV(HF)は、[立位時CCV(HF)/{立位時CCV(HF)+立位時CCV(LF)}]−[起立時CCV(HF)/{起立時CCV(HF)+起立時CCV(LF)}]を表し;
    CCV(HF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた高周波数成分の揺らぎ係数を表し;
    CCV(LF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた低周波数成分の揺らぎ係数を表し;
    CCV(VLF)は、心拍RR間隔のパワースペクトル解析で得られた超低周波数成分の揺らぎ係数を表し;
    H0は心電測定開始から起立時における起立時点までの時間を表し;
    H0は該起立時点の前60秒間を表し;
    Hmaxは起立時における心拍数最大の時点の前60秒間を表し;かつ、
    Hminは該心拍数最大時点の後に最初に心拍数が極小になる時点の前60秒間を表す)、
    である、プログラム。
  4. 前記不定愁訴症状の状態を分類するための指標を以下の回帰式によって算出する、請求項記載のプログラム:
    前記被験者が女性である場合:
    睡眠障害指標=安静座位時拡張期血圧×0.304+ΔnCCV(HF)×(−0.262)+起立時CCV(VLF)×0.942+立位時収縮期血圧×(−0.115)+年齢×0.093+立位時[LF/HF]×(−0.246)+TH0×0.0003−48.141;
    冷え性指標=着席時LF×0.003+起立時[LF/HF]×1.423+着席時平均血圧×(−0.107)+DHminにおける[LF/HF]×(−0.990)+5.744;
    疲労指標=ΔnCCV(HF)×(−0.135)+着席時CCV(VLF)×1.794−8.376;
    更年期症状指標=立位時心拍動×(−184.335)+DHminにおけるHF×0.007+2.957、
    前記被験者が男性である場合:
    睡眠障害指標=Δ[LF/HF]/ΔHR×0.228+DHmaxにおける[LF/HF]×(−0.223)+DHmaxにおけるHF/DH0におけるHF×3.068−2.015;
    冷え性指標=安静座位時CCV(VLF)×1.274+着席時平均血圧×(−0.130)+DHmaxにおけるLF/DH0におけるLF×1.275+DHmaxにおける[LF+HF]/DHminにおける[LF+HF]×(−5.593)+10.304;
    疲労指標=安静座位時CCV(VLF)×0.916+DHmaxにおけるHF/DH0におけるHF×2.761−7.380;
    更年期症状指標=年齢×(−0.094)+起立時LF×(−0.003)+着席時[LF/HF]×(0.364)+5.098。
  5. 算出された指標に基づいて前記被験者における前記少なくとも2つの不定愁訴症状の状態の分類を行う処理をさらに実行する、請求項3又は4記載のプログラム。
  6. 以下の手順により前記被験者における前記少なくとも2つの不定愁訴症状の状態の分類を行う処理をさらに実行する、請求項記載のプログラム:
    前記被験者が女性である場合、
    前記睡眠障害指標が5.5超〜21であれば、該被験者は睡眠障害を有するか又はその発症リスクが高いと分類し、該睡眠障害指標が5.5以下であれば、該被験者は睡眠障害を有していないか又はその発症リスクが低いと分類すること;
    前記冷え性指標が0.5〜1であれば、該被験者は冷え性を有するか又はその発症リスクが高いと分類し、該冷え性指標が0.5未満であれば、該被験者は冷え性を有していないか又はその発症リスクが低いと分類すること;
    前記疲労指標が0.5〜1であれば、該被験者は疲労症状を有するか又はその発症リスクが高いと分類し、該疲労指標が0.5未満であれば、該被験者は疲労症状を有していないか又はその発症リスクが低いと分類すること;
    前記更年期症状指標が0.5〜1であれば、該被験者は更年期症状を有するか又はその発症リスクが高いと分類し、該更年期症状指標が0.5未満であれば、該被験者は更年期症状を有していないか又はその発症リスクが低いと分類すること、
    前記被験者が男性である場合、
    前記睡眠障害指標が0.5〜1であれば、該被験者は睡眠障害を有するか又はその発症リスクが高いと分類し、該睡眠障害指標が0.5未満であれば、該被験者は睡眠障害を有していないか又はその発症リスクが低いと分類すること;
    前記冷え性指標が0.5〜1であれば、該被験者は冷え性を有するか又はその発症リスクが高いと分類し、該冷え性指標が0.5未満であれば、該被験者は冷え性を有していないか又はその発症リスクが低いと分類すること;
    前記疲労指標が0.5〜1であれば、該被験者は疲労症状を有するか又はその発症リスクが高いと分類し、該疲労指標が0.5未満であれば、該被験者は疲労症状を有していないか又はその発症リスクが低いと分類すること;
    前記更年期症状指標が0.5〜1であれば、該被験者は更年期症状を有するか又はその発症リスクが高いと分類し、該更年期症状指標が0.5未満であれば、該被験者は更年期症状を有していないか又はその発症リスクが低いと分類すること。
  7. 以下の手順により前記被験者における前記少なくとも2つの不定愁訴症状の状態の分類を行う処理をさらに実行する、請求項記載のプログラム:
    前記被験者が女性である場合、
    該被験者の前記睡眠障害指標が1.8未満であれば該被験者の睡眠障害を安心と分類し、該睡眠障害指標が1.8以上3.6未満であれば該被験者の睡眠障害を注意と分類し、該睡眠障害指標が3.6以上5.5以下であれば該被験者の睡眠障害を要注意と分類すること;
    睡眠障害を有する該被験者について、該睡眠障害指標が5.5より大きく10.6未満であれば該被験者の睡眠障害を軽度と分類し、該睡眠障害指標が10.6以上15.7未満であれば該被験者の睡眠障害を中程度と分類し、該睡眠障害指標が15.7以上であれば該被験者の睡眠障害を重度と分類すること;
    睡眠障害を有さない該被験者について、該睡眠障害指標が5.5より大きく10.6未満であれば該被験者の睡眠障害を要警戒と分類し、該睡眠障害指標が10.6以上15.7未満であれば該被験者の睡眠障害を発症を抑える対策検討要と分類し、該睡眠障害指標が15.7以上であれば該被験者の睡眠障害を発症に備えた準備要と分類すること;
    該被験者の前記冷え性指標が0.16未満であれば該被験者の冷え性を安心と分類し、該冷え性指標が0.16以上0.33未満であれば該被験者の冷え性を注意と分類し、該冷え性指標が0.33以上0.5未満であれば該被験者の冷え性を要注意と分類すること;
    冷え性を有する該被験者について、該冷え性指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の冷え性を軽度と分類し、該冷え性指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の冷え性を中程度と分類し、該冷え性指標が0.83以上であれば該被験者の冷え性を重度と分類すること;
    冷え性を有さない該被験者について、該冷え性指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の冷え性を要警戒と分類し、該冷え性指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の冷え性を発症を抑える対策検討要と分類し、該冷え性指標が0.83以上であれば該被験者の冷え性を発症に備えた準備要と分類すること;
    該被験者の前記疲労指標が0.16未満であれば該被験者の疲労を安心と分類し、該疲労指標が0.16以上0.33未満であれば該被験者の疲労を注意と分類し、該疲労指標が0.33以上0.5未満であれば該被験者の疲労を要注意と分類すること;
    疲労を有する該被験者について、該疲労指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の疲労を軽度と分類し、該疲労指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の疲労を中程度と分類し、該疲労指標が0.83以上であれば該被験者の疲労を重度と分類すること;
    疲労を有さない該被験者について、該疲労指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の疲労を要警戒と分類し、該疲労指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の疲労を発症を抑える対策検討要と分類し、該疲労指標が0.83以上であれば該被験者の疲労を発症に備えた準備要と分類すること;
    該被験者の前記更年期症状指標が0.16未満であれば該被験者の更年期症状を安心と分類し、該更年期症状指標が0.16以上0.33未満であれば該被験者の更年期症状を注意と分類し、該更年期症状指標が0.33以上0.5未満であれば該被験者の更年期症状を要注意と分類すること;
    更年期症状を有する該被験者について、該更年期症状指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の更年期症状を軽度と分類し、該更年期症状指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の更年期症状を中程度と分類し、該更年期症状指標が0.83以上であれば該被験者の更年期症状を重度と分類すること;
    更年期症状を有さない該被験者について、該更年期症状指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の更年期症状を要警戒と分類し、該更年期症状指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の更年期症状を発症を抑える対策検討要と分類し、該更年期症状指標が0.83以上であれば該被験者の更年期症状を発症に備えた準備要と分類すること、
    前記被験者が男性である場合、
    該被験者の前記睡眠障害指標が0.16未満であれば該被験者の睡眠障害を安心と分類し、該睡眠障害指標が0.16以上0.33未満であれば該被験者の睡眠障害を注意と分類し、該睡眠障害指標が0.33以上0.5未満であれば該被験者の睡眠障害を要注意と分類すること;
    睡眠障害を有する該被験者について、該睡眠障害指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の睡眠障害を軽度と分類し、該睡眠障害指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の睡眠障害を中程度と分類し、該睡眠障害指標が0.83以上であれば該被験者の睡眠障害を重度と分類すること;
    睡眠障害を有さない該被験者について、該睡眠障害指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の睡眠障害を要警戒と分類し、該冷え性指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の睡眠障害を発症を抑える対策検討要と分類し、該睡眠障害指標が0.83以上であれば該被験者の睡眠障害を発症に備えた準備要と分類すること;
    該被験者の前記冷え性指標が0.16未満であれば該被験者の冷え性を安心と分類し、該冷え性指標が0.16以上0.33未満であれば該被験者の冷え性を注意と分類し、該冷え性指標が0.33以上0.5未満であれば該被験者の冷え性を要注意と分類すること;
    冷え性を有する該被験者について、該冷え性指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の冷え性を軽度と分類し、該冷え性指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の冷え性を中程度と分類し、該冷え性指標が0.83以上であれば該被験者の冷え性を重度と分類すること;
    冷え性を有さない該被験者について、該冷え性指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の冷え性を要警戒と分類し、該冷え性指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の冷え性を発症を抑える対策検討要と分類し、該冷え性指標が0.83以上であれば該被験者の冷え性を発症に備えた準備要と分類すること;
    該被験者の前記疲労指標が0.16未満であれば該被験者の疲労を安心と分類し、該疲労指標が0.16以上0.33未満であれば該被験者の疲労を注意と分類し、該疲労指標が0.33以上0.5未満であれば該被験者の疲労を要注意と分類すること;
    疲労を有する該被験者について、該疲労指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の疲労を軽度と分類し、該疲労指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の疲労を中程度と分類し、該疲労指標が0.83以上であれば該被験者の疲労を重度と分類すること;
    疲労を有さない該被験者について、該疲労指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の疲労を要警戒と分類し、該疲労指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の疲労を発症を抑える対策検討要と分類し、該疲労指標が0.83以上であれば該被験者の疲労を発症に備えた準備要と分類すること;
    該被験者の前記更年期症状指標が0.16未満であれば該被験者の更年期症状を安心と分類し、該更年期症状指標が0.16以上0.33未満であれば該被験者の更年期症状を注意と分類し、該更年期症状指標が0.33以上0.5未満であれば該被験者の更年期症状を要注意と分類すること;
    更年期症状を有する該被験者について、該更年期症状指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の更年期症状を軽度と分類し、該更年期症状指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の更年期症状を中程度と分類し、該更年期症状指標が0.83以上であれば該被験者の更年期症状を重度と分類すること;
    更年期症状を有さない該被験者について、該更年期症状指標が0.5以上0.66未満であれば該被験者の更年期症状を要警戒と分類し、該更年期症状指標が0.66以上0.83未満であれば該被験者の更年期症状を発症を抑える対策検討要と分類し、該更年期症状指標が0.83以上であれば該被験者の更年期症状を発症に備えた準備要と分類すること。
  8. 前記少なくとも2つの不定愁訴症状が睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状である、請求項3〜7のいずれか1項記載のプログラム。
  9. 請求項3〜8のいずれか1項記載のプログラムを備える、睡眠障害、冷え性、疲労及び更年期症状からなる群より選択される少なくとも2つの不定愁訴症状の状態を分類するための装置。
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