<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、払出異常報知用のランプ(図示省略)が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した操作手段をなす演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりするための鍵を挿入する鍵穴26が設けられている。なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は演出ボタン25と別体であっても良く、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けても良い。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、センターケース40における上部及び右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。始動入賞口36、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換可能な一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としてもよい。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(第1大入賞口、下大入賞口)38が配設されている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての下カウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、下カウントスイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの下カウントスイッチ38aに検出されるようになっている。このように下カウントスイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。また、第1特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、センターケース40の左上部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(第2大入賞口、上大入賞口)39が配設されている。第2特別変動入賞装置39は、一対の可動部材39c,39cを備え、この一対の可動部材39c,39cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2特別変動入賞装置39の上方には、センターケース40の内側への遊技球の流入を規制する鎧部40aが延出しており、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となって特別遊技状態となった場合には、駆動装置としての大入賞口ソレノイド39b(図3参照)によって逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられて遊技球の流入が可能となり、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39a(図3参照)が配設されている。特別遊技状態では、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の何れか一方が開放されるが、何れを開放するかは特図変動表示ゲームの結果態様(特別結果)により決定される。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54、55、56とを備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1から3を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ2のみを点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ3のみを点灯状態とする。そして、保留数が「4」のときはランプ1から3の全てを点灯状態にする。
特図1保留表示器54は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。ここでは、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55において普図保留表示器56と同様の点灯態様で始動記憶数を表示するようにしている。
第1遊技状態表示部57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示部58は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが(優先して)実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC15V,12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100には初期化スイッチ112が設けられている。この初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38の下カウントスイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の上カウントスイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121a,121bが設けられている。近接I/F121a,121bは、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121aと近接I/F121bの二つを設けているのは、近接I/F121aの入力端子数が限られているためである。近接I/F121bは不足する入力端子数に応じて近接I/F121aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしている。なお、近接I/F121aとして必要な入力端子数を備えるものを用い、近接I/F121bを設けないようにしても良い。
近接I/F121a,121bの出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121a,121bの出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下カウントスイッチ38a及び上カウントスイッチ39aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121a,121bの出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号や、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号も入力されるようになっている。枠電波不正信号は前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121a,121bの出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121a,121bは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121a,121bには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121a,121bから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド2)39b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや大入賞口ソレノイド39b、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。また、信号変換回路313は、表示装置41に、DC3.3Vの電圧、バックライト用の電源電圧としてDC12Vの電圧を供給する。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御するため盤装飾装置46にモータやLED用の電源電圧としてDC15Vの電圧、モータやモータセンサ用の電源電圧としてDC12Vの電圧、I2C通信信号用の電源電圧としてDC5Vの電圧を供給する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御するため当該枠装飾装置にモータやLED用の電源電圧としてDC15Vの電圧、モータやモータセンサ用の電源電圧としてDC12Vの電圧、I2C通信信号用の電源電圧としてDC5Vの電圧を供給する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御するため盤演出装置44にソレノイド用の電源電圧としてDC32Vの電圧、モータ用の電源電圧としてDC15Vの電圧、モータやモータセンサ用の電源電圧としてDC12Vの電圧、I2C通信信号用の電源電圧としてDC5Vの電圧を供給する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では演出制御装置300から冷却FAN45にDC12Vの電圧が供給されて冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放又は大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の可動部材39c,39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604m秒)よりも短い第2停止時間(例えば704m秒)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100m秒)よりも長い第2開放時間(例えば1352m秒)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)しても良い。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
ここで、本実施形態の遊技機10は、停電処理に要する時間を確保するために、遊技機10の電源が遮断されたとき(電源断時)には、遊技制御に関係のない演出装置への電圧供給を停止して、遊技制御を行う遊技制御装置100への電圧供給が長くなるように構成されている。
図5に、本実施形態の遊技機10における電源断時の電圧波形の一例を示す。
遊技機10の電源が投入されると、まず保証電圧であるDC32V(保証DC32V)の供給が開始され、次いで、遊技制御を行うために必要な遊技用マイコンや各種ICの電源として使用されるDC5V、球検出スイッチ(始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aなど)等に使用されるDC12V、演出装置(装飾装置も含む。)のみに使用されるDC15Vの供給が開始される。
そして、遊技機10の電源が遮断されると、ほぼ同時にDC15Vの供給のみが停止する。すなわち、遊技機10の電源が遮断されると、保証DC32Vが停電検出電圧レベルを下回るよりも前に、DC15Vの供給のみが停止する。一方、DC5VおよびDC12Vの供給は、遊技機10の電源が遮断されて保証DC32Vが停電検出電圧レベルを下回った後に停止する。
従来の遊技機の電源装置においては、図5に破線H〜Jで示すように、遊技機10の電源が遮断されて保証DC32Vが停電検出電圧レベルを下回ると、DC15V(破線H)での著しい消費に伴いDC12V(破線I)およびDC5V(破線J)が直ちに停止していた。DC5VもDC12VもDC15Vも、保証DC32Vから生成されるため、遊技機10の電源が遮断された場合、保証DC32Vの供給量が徐々に低下していくにもかかわらず、DC5VやDC12Vだけでなく、演出装置(装飾装置も含む。)のみに使用されるDC15Vも生成(供給)され続けると、DC5VやDC12Vの生成(供給)量が少なくなり、DC5VやDC12Vの供給時間(電源断からの供給時間)が短くなってしまう。その結果、停電処理に要する時間(停電処理実行時間)を確保できず、停電処理が未完のまま遊技制御装置100が動作停止するような事態が発生してしまうという問題があった。
そこで、本実施形態では、遊技機10の電源が遮断されると、演出装置(装飾装置も含む。)のみに使用されるDC15Vの生成を停止し、DC5VやDC12Vの供給時間(電源断からの供給時間)を引き延ばすことで、停電処理に要する時間(停電処理実行時間)を確保できるようにした。
図6には、図3および図4に示されている電源装置400内に設けられ、AC入力を監視して遊技制御装置100や演出制御装置300およびこれらの制御装置によって制御される表示器などの各種電子装置に必要とされるDC5V,DC12V,DC15V等の直流電圧の生成を制御したり、停電監視信号やリセット信号を生成したりする電源監視制御回路の具体的な回路構成例が示されている。
図6に示されている回路のうち、DC12V生成回路411とDC5V&DC5VBB生成回路412とDC15V生成回路413を除く回路が電源監視制御回路であり、図3および図4に示されている電源装置400内の制御信号生成部430に相当する。DC12V生成回路411とDC5V&DC5VBB生成回路412とDC15V生成回路413は電源装置400内の通常電源部410に相当する。
また、AC24Vの交流入力を全波整流するダイオードブリッジ回路414と平滑コンデンサC2とによって保証DC32Vが生成され、DC12V生成回路411とDC5V&DC5VBB生成回路412とDC15V生成回路413は、この保証DC32VをDC−DC変換することでDC12V,DC5V,DC15Vの直流電圧を生成する。特に限定されるものではないが、本実施形態では、DC12V生成回路411とDC5V&DC5VBB生成回路412はシリーズレギュレータによって構成され、DC15V生成回路413はスイッチングレギュレータによって構成されている。ダイオードブリッジ回路414と平滑コンデンサC2は、保証DC32Vを生成する電源部とみなすことができる。
さらに、本実施形態においては、保証DC32Vを生成する電源部として機能するダイオードブリッジ回路414と平滑コンデンサC2との間に、AC24Vの電源投入時に平滑コンデンサC2へ流れ込む突入電流を抑制する電流制限素子としてのNTCサーミスタZ1が設けられている。NTCサーミスタは、温度が高くなるほど抵抗値が減少する素子であり、電源投入前は温度が低くなっていることで高抵抗素子として機能し、電源投入時の突入電流を抑制することができる。
図6に示されている電源監視制御回路は、AC入力を監視してDC15V生成回路413をオン/オフ制御する15V電源オン/オフ制御回路431と、保証DC32Vを監視して停電監視信号やリセット信号を生成する停電検出回路432と、同じく保証DC32Vを監視して電源起動時に所定の遅延(図5の期間Td1)を与える電源起動時遅延回路433と、を備える。
15V電源オン/オフ制御回路431は、ダイオードブリッジ回路414に接続され同じく全波整流回路を構成する整流用ダイオードD1,D2と、ツェナーダイオードZD1と抵抗R1,R2からなる分圧回路と、当該分圧回路により分圧された電圧がベース端子に印加されたトランジスタQ1と、トランジスタQ1のコレクタ端子に接続された抵抗R3およびコンデンサC1と、ORゲートGATE1と、ORゲートGATE1の出力によってオン/オフされるトランジスタQ3を含むエミッタフォロワ型の出力段EF1とを備え、出力段EF1からDC15V生成回路413をオン/オフ制御する信号ON/OFFが出力されるように構成されている。15V電源オン/オフ制御回路431は、電源投入後、AC入力の全波整流波形がツェナーダイオードZD1により整形され、トランジスタQ1はツェナーダイオードZD1により整形された波形によって制御され、AC入力のサイン波信号を検出する。
電源起動時遅延回路433は、保証DC32Vの電源ラインと接地点との間に直列に接続されたツェナーダイオードZD2と抵抗R4,R5からなる分圧回路と、当該分圧回路により分圧された電圧がベース端子に印加されたトランジスタQ2と、トランジスタQ2のコレクタ端子に接続された抵抗R6およびコンデンサC4とを備え、電源投入時に保証DC32Vが所定の電位(例えば11V)まで達するとトランジスタQ2がオンすることで立ち上がりを検出するが、抵抗R6とトランジスタQ2との接続ノードである出力ノードN2にコンデンサC4が接続されていることで、トランジスタQ2がオンしても直ちに出力は変化せず、所定時間遅れて出力がロウレベルに変化することとなる。そして、この出力ノードN2の電圧が15V電源オン/オフ制御回路431を構成するORゲートGATE1の他方の入力端子に印加されている。
これにより、電源起動時には、所定の遅延時間後にDC15V生成回路413をオンさせる一方、電源断時には直ちにDC15V生成回路413をオフさせることができるようになっている。
具体的には、DC5V&DC5VBB生成回路412の出力DC5Vは、保証DC32Vが例えば7V程度から出力を開始するので、ORゲートGATE1の出力確立は、トランジスタQ2の反転とほぼ同時にとなる。そのため、トランジスタQ1,Q2が共にオンになると、所定遅延時間後にORゲートGATE1の出力がロウレベルに変化して、出力段EF1から出力される信号ON/OFFがハイレベルに変化して、DC15V生成回路413をオンさせて動作を開始させる。これに対し、電源断時は、トランジスタQ1に印加されていたツェナーダイオードZD1からのドライブ電流が遮断されるため、トランジスタQ1はオフされORゲートGATE1の一方の入力電圧が上昇してORゲートGATE1の出力がハイレベルに変化して、出力段EF1から出力される信号ON/OFFがロウレベルに変化して、DC15V生成回路413をオフさせて動作を停止させる。
15V電源オン/オフ制御回路431を設けていない従来の遊技機の電源装置においては、図5に破線H〜Jで示すように、保証DC32Vが停電検出電圧レベルを下回ると、DC15V(破線H)での著しい消費に伴いDC12V(破線I)およびDC5V(破線J)が直ちに停止していたが、本実施形態の電源装置400においては、15V電源オン/オフ制御回路431を設けているため、電源断時とほぼ同時にDC15Vが立ち下がるようになる(図5のタイミングt1,t2)。しかるに、このDC15Vは、前述したように、演出に使用される演出装置(装飾装置も含む。(本実施形態の場合、盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46))のみに供給される電源電圧であるため、DC15Vが立ち下がっても演出が中断されるだけで遊技制御装置100はDC5Vが立ち下がるまでは動作する。よって、遊技制御装置100は停電処理を実行することができる。しかも、DC15Vが立ち下がることでコンデンサC5の充電電荷が減少する速度が遅くなり、停電処理実行時間を引き延ばすことができ、停電処理が未完のまま遊技制御装置100のCPU111Aが動作停止するような事態が発生するのを確実に回避することができる。
図7には、保証DC32Vを監視して停電監視信号やリセット信号を生成する停電検出回路432の具体的な回路構成例が示されている。
停電検出回路432は、ツェナーダイオードZD2および抵抗R2-1を介して保証DC32Vラインの電圧がベース端子に入力されるトランジスタQ2-1と、当該トランジスタQ2-1のコレクタ端子に接続された抵抗R2-3およびコンデンサC2-2と、抵抗R2-3とコンデンサC2-2との接続ノードの電位が一方の入力端子に印加されたORゲートGATE2-1とを備える。また、ORゲートGATE2-1の出力を反転するインバータGATE2-2と、タイマ回路を構成する抵抗R2-5およびコンデンサC2-3と、抵抗R2-5とコンデンサC2-3との接続ノードの電位を入力とするインバータGATE2-3とを備える。
さらに、ORゲートGATE2-1の出力を一方の入力とし、出力がダイオードD2-2を介して他方の入力端子にフィードバックされることでラッチ回路として機能するORゲートGATE2-5と、当該ORゲートGATE2-5とインバータGATE2-3の出力を入力とするORゲートGATE2-4と、ORゲートGATE2-4の出力を反転して出力するバッファとしてのインバータGATE2-6,GATE2-7とを備える。インバータGATE2-2とインバータGATE2-3との間に抵抗R2-5およびコンデンサC2-3からなるタイマ回路(時定数回路)を備える一方、ORゲートGATE2-5とORゲートGATE2-4との間にはそのような時定数回路がないことで、監視対象の保証DC32Vが立ち上がるときは停電監視信号が図5に示すように所定の遅延時間Td2をおいて立ち上がり(タイミングt3)、監視対象の保証DC32Vが立ち下がるときは停電検出電圧レベルになった時点で直ちに停電監視信号が立ち下がることとなる(タイミングt4)。また、ORゲートGATE2-5がラッチ機能を有することで、ノイズによって内部状態が変動するのを回避することができる。
さらに、停電検出回路432は、ORゲートGATE2-4の出力を監視するコンパレータCMP2-1,CMP2-2と、コンパレータCMP2-2の出力電圧がベース端子に入力されるトランジスタQ2-2と、当該トランジスタQ2-2のコレクタ端子に接続された抵抗R2-16と、トランジスタQ2-2のコレクタ電圧を反転して出力するバッファとしてのインバータGATE2-8,GATE2-9とを備える。また、ORゲートGATE2-4の出力電圧をコンパレータCMP2-1,CMP2-2に伝達する配線の途中には、所定の遅延を与えるための抵抗R2-8およびコンデンサC2-5からなる遅延処理回路が設けられている。
ここで、図7に示す停電検出回路432の動作および機能を簡単に説明する。
[電源投入時動作]
電源投入時には、回路の各ノードの電位は過渡的な変化をしており、各ロジック回路の出力も不確定な状態にあるため、回路の動作を確定させることができない。そこで、そのような電源投入直後の不安定状態を回避するために、図7に示す停電検出回路432では、強制的に信号未出力状態を作り出している(以下、これを「非活性化処理」と称する。)。図7に示す停電検出回路432では、抵抗R2-5とコンデンサC2-3の時定数により非活性化処理期間(図5の期間Td2)が作り出される。そして、この間、インバータGATE2-3の出力はハイレベルに固定される。ORゲートGATE2-4の出力は、ORゲートGATE2-5の状態の如何に関わらず論理和機能によりハイレベルを出力し起動準備が未完了であることを報知する。また、非活性化処理期間中はラッチ強制解除用コンパレータCMP2-1により、ORゲートGATE2-5はラッチ動作をしないよう構成されている。
[通常時動作]
非活性化処理を完了した後は、ORゲートGATE2-1によりツェナーダイオードZD2経由の電圧を監視する。メイン平滑電圧の低下およびコンデンサC2-2と抵抗R2-3の時定数による遅延回路で規定した時間より長い停電(例えば約43m秒)が発生するとORゲートGATE2-1の出力がロウからハイに反転する。ORゲートGATE2-1の出力が瞬間的にでも反転すると次段のORゲートGATE2-5によって構成されたラッチ回路が動作してORゲートGATE2-4の出力をロウからハイに反転固定する(正常時はロウ固定、停電時はハイ固定)。このとき、インバータGATE2-2は非活性化処理回路のリセットを行うが、ORゲートGATE2-1の出力が一定時間ハイ出力状態でないと完全にリセットされない。
主制御停電監視信号と演出制御停電監視信号は、ORゲートGATE2-4の出力信号を出力バッファ(インバータGATE2-6,GATE2-7)にて論理変換して出力する。停電監視信号は別々の出力バッファを経由して出力されているが、信号源が同一なので両者は完全に同期した信号となる。
また、電源投入時の誤信号を抑制するため、主制御停電監視信号と演出制御停電監視信号の出力バッファ(インバータGATE2-6,GATE2-7)の入力はDC5Vの電源ラインにコンデンサC2-4を介して接続されており、入力部不定期間の短縮を図っている。
主制御リセット信号と演出制御リセット信号は、主制御停電監視信号、演出制御停電監視信号と同一の信号源を使用しているが、次段のコンパレータCMP2-2を含む遅延回路を経由して出力バッファ(インバータGATE2-8,GATE2-9)による論理反転後出力される。主制御リセット信号と演出制御リセット信号は、主制御停電監視信号、演出制御停電監視信号の論理反転を契機に遅延回路が動作し、出力を反転する。この時間差(図5の期間Td3,Td4)を作り出しているのが、コンデンサC2-5と抵抗R2-8による時定数であるが、源信号をORゲートGATE2-4の出力反転から取得するため、主制御停電監視信号、演出制御停電監視信号だけが出力され、主制御リセット信号と演出制御リセット信号が出力されないことは発生しない。逆も同じである。
[瞬停時動作]
電源瞬停時は、一定時間瞬停を検知しないために抵抗R2-3とコンデンサC2-2の時定数を使って大元の信号(ORゲートGATE2-1)を出さないように回路を構成している。ORゲートGATE2-1の出力が反転しないので起動時に作動する非活性化処理回路はリセットされず、信号に変化は現れない。また、瞬停時間が長い場合は、停電動作となり起動時と逆の動作を行う。この場合も、源信号が1つであることから安定した動作が可能になっている。
すなわち、本実施形態においては、盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46が、遊技に係る演出を行う演出手段をなす。
また、遊技制御装置100が、遊技の実行制御を行うとともに、所定の保証電圧(保証DC32V)が停電検出レベル(停電検出電圧レベル)に低下した場合に停電処理を行う制御手段をなす。
また、ダイオードブリッジ回路414および平滑コンデンサC2が、停電により遊技機10への電源供給が停止した場合に、保証電圧(保証DC32V)を所定期間に亘って供給可能な停電時供給手段をなす。
また、DC15V生成回路413が、保証電圧(保証DC32V)から演出手段(盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46)に供給するための演出用電圧(DC15V)を生成して供給する演出電圧供給手段をなす。
また、DC5V&DC5VBB生成回路412が、保証電圧(保証DC32V)から制御手段(遊技制御装置100)に供給するための制御用電圧(DC5V)を生成して供給する制御電圧供給手段をなす。
そして、本実施形態の遊技機10においては、停電により当該遊技機10への電源供給が停止した場合には、保証電圧(保証DC32V)が停電検出レベル(停電検出電圧レベル)に低下する前に、演出電圧供給手段(DC15V生成回路413)による演出手段(盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46)への演出用電圧(DC15V)の供給を停止する一方で、保証電圧(保証DC32V)が停電検出レベル(停電検出電圧レベル)に低下した後に、制御電圧供給手段(DC5V&DC5VBB生成回路412)による制御手段(遊技制御装置100)への制御用電圧(DC5V)の供給を停止するように構成されている。
また、本実施形態においては、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aが、遊技の始動条件を成立させる起因となる事象を検出する検出手段をなす。
また、DC12V生成回路411が、保証電圧(保証DC32V)から検出手段(始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37a)に供給するための検出用電圧(DC12V)を生成して供給する検出電圧供給手段をなす。
そして、本実施形態の遊技機10においては、停電により当該遊技機10への電源供給が停止した場合には、保証電圧(保証DC32V)が停電検出レベル(停電検出電圧レベル)に低下した後に、検出電圧供給手段(DC12V生成回路411)による検出手段(始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37a)への検出用電圧(DC12V)の供給を停止するように構成されている。
以下、遊技機10の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図8及び図9に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図10に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図8及び図9に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図9のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、図9のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図9のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS25では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS30では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図10に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図10のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、乱数更新処理1(ステップS106)、乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
以下、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって実行される制御について説明する。主制御用マイコン311による制御処理は、主に図11に示すメイン処理と、図13に示す可動体制御タイマ割込み処理等のタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
メイン処理においては、図11に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行い(ステップC2)、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。
次いで、表示用データの生成を許可し(ステップC5)、乱数シードを設定して(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。
次いで、各可動体の切替フラグと切替制御番号の初期値を設定して(ステップC8)、サウンド制御開始ディレイタイマ、装飾制御開始ディレイタイマ、および可動体制御開始ディレイタイマの初期値を設定する(ステップC9)。このように、本実施形態では、電源が投入されると、可動体(役物)が初期動作を行うための初期値が設定される。
このメイン処理においては、次にメインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC10)。
次いで、演出操作部700(演出ボタン25やタッチパネル29)の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC11)を行う。演出操作部700からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では、演出操作部700からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
次いで、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理(ステップC12)を行う。
次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC13)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC14)を行う。
次いで、演出表示編集処理(ステップC15)を行い、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC16)。演出表示編集処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
次いで、VDP312からの応答がない状態が所定時間継続したか否かを判定する(ステップC17)。ここで、VDP312において異常(熱暴走等)が発生して、VDP312からのVSYNC割込みが所定時間入力されない場合や、VDP312等から深刻なエラーに関する情報を受信した場合などに、VDP312からの応答がない状態が所定時間継続したと判定する。
ステップC17で、VDP312からの応答がない状態が所定時間継続していないと判定した場合(ステップC17;N)には、ステップC19の処理に移行する。
一方、ステップC17で、VDP312からの応答がない状態が所定時間継続したと判定した場合(ステップC17;Y)には、VDP初期化処理(ステップC18)を行ってから、ステップC19の処理に移行する。
ステップC19では、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。
ステップC19で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC19;N)には、ステップC17の処理に戻る。
一方、ステップC19で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC19;Y)には、画面描画を指示する(ステップC20)。
次いで、サウンド制御開始ディレイタイマが「0」であるか否かを判定する(ステップC21)。
ステップC21で、サウンド制御開始ディレイタイマが「0」でないと判定した場合(ステップC21;N)には、サウンド制御開始ディレイタイマを−1更新して(ステップC22)、ステップC24の処理に移行する。
一方、ステップC21で、サウンド制御開始ディレイタイマが「0」であると判定した場合(ステップC21;Y)には、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC23)を行い、ステップC24の処理に移行する。
ステップC24では、装飾制御開始ディレイタイマが「0」であるか否かを判定する。
ステップC24で、装飾制御開始ディレイタイマが「0」でないと判定した場合(ステップC24;N)には、装飾制御開始ディレイタイマを−1更新して(ステップC25)、ステップC27の処理に移行する。
一方、ステップC24で、装飾制御開始ディレイタイマが「0」であると判定した場合(ステップC24;Y)には、演出装置(装飾装置も含む。)のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC26)を行い、ステップC27の処理に移行する。
ステップC27では、可動体制御開始ディレイタイマが「0」であるか否かを判定する。
ステップC27で、可動体制御開始ディレイタイマが「0」でないと判定した場合(ステップC27;N)には、可動体制御開始ディレイタイマを−1更新して(ステップC28)、WDTをクリアする処理(ステップC10)に戻る。
一方、ステップC27で、可動体制御開始ディレイタイマが「0」であると判定した場合(ステップC27;Y)には、演出装置(装飾装置も含む。)のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC29)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC10)に戻る。
このように、本実施形態では、開始ディレイタイマによって、サーミスタ(NTCサーミスタZ1(図6参照))が温まるまでの時間を確保し、サーミスタが温まってから電源投入時動作を開始するようにしている。
なお、各開始ディレイタイマに時間差を設けるようにして、所定の順(例えば、装飾→可動体→サウンドの順等の消費の少ないものから順)に制御を開始するようにしてもよい。これにより、電源投入時動作を行いながらサーミスタを徐々に温めることができるとともに、電源投入時にサーミスタで発生する電圧低下を防止することができる。
また、演出装置(LED等)の制御にI2CLEDドライバを用いる場合には、LEDの態様を反映するタイミングを、同時に更新するのではなくI2CLEDドライバ毎に反映するタイミングをずらすようにしてもよいし、I2CLEDドライバを制御するI2Cマスタ毎に反映するタイミングをずらすようにしてもよい。この場合も、電源投入時動作を行いながらサーミスタを徐々に温めることができるとともに、電源投入時にサーミスタで発生する電圧低下を防止することができる。
すなわち、本実施形態においては、演出手段(盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46)は、複数種類(装飾、可動体、サウンド等の種類)の演出手段を含んでいる。
そして、本実施形態の遊技機10においては、当該遊技機10への電源供給が開始した場合に、演出手段(盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46)の初期化動作の開始タイミングを種類毎にずらすように構成することも可能である。
〔可動体制御処理〕
次に、上述のメイン処理における可動体制御処理(ステップC29)の詳細について説明する。
描画との同期を取るために、可動体制御処理で、盤演出装置44の新たな動作への切替設定を行う。遊技制御装置100からのコマンドを受信したときや変動のシナリオ進行の途中などで、切替フラグと切替制御番号(切り替える動作の制御番号)がセットされると、可動体制御処理で反映が行われる。
本実施形態の場合、盤演出装置44は、例えば図2に示すように、センターケース40の上部に設けられたロゴ役物44aと、センターケース40の右側部に設けられた枝役物44bと、からなる。この盤演出装置44の可動体(役物)は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて、すなわちロゴ役物44aは下方へ、枝役物44bは左方へとそれぞれ動作可能となっている。
なお、描画との同期をとるために、可動体(役物)だけでなく、音や装飾に対しても同様の切替処理を行う。
図12に示すように、可動体制御処理では、まず、ロゴ役物44aの切替フラグが設定されているか否かを判定する(ステップC31)。
ステップC31で、ロゴ役物44aの切替グラフが設定されていないと判定した場合(ステップC31;N)には、ステップC36の処理に移行する。
一方、ステップC31で、ロゴ役物44aの切替フラグが設定されていると判定した場合(ステップC31;Y)には、ロゴ役物44aの切替制御番号をロードして(ステップC32)、当該切替制御番号に対応するロゴ役物モータ制御番号を設定する(ステップC33)。具体的には、ステップC33では、ステップC32でロードしたロゴ役物44aの切替制御番号に対応する制御タイマや制御コードなどを設定する。ここで、「対応する」としているのは、動作の種類によって時間値や回転方向などが異なるためである。なお、ステップC33では、ロゴ役物44aを動作させるモータだけでなく、ロゴ役物44aを動作させるその他の電子部品(ソレノイドなど)の制御番号も設定される。
次いで、制御領域に初期値を設定し(ステップC34)、ロゴ役物44aの切替フラグをクリアして(ステップC35)、ステップC36の処理に移行する。
ステップC36では、枝役物44bの切替フラグが設定されているか否かを判定する。
ステップC36で、枝役物44bの切替グラフが設定されていないと判定した場合(ステップC36;N)には、可動体制御処理を終了する。
一方、ステップC36で、枝役物44bの切替フラグが設定されていると判定した場合(ステップC36;Y)には、枝役物44bの切替制御番号をロードして(ステップC37)、当該切替制御番号に対応する枝役物モータ制御番号を設定する(ステップC38)。具体的には、ステップC38では、ステップC37でロードした枝役物44bの切替制御番号に対応する制御タイマや制御コードなどを設定する。なお、ステップC38では、枝役物44bを動作させるモータだけでなく、枝役物44bを動作させるその他の電子部品(ソレノイドなど)の制御番号も設定される。
次いで、制御領域に初期値を設定し(ステップC39)、枝役物44bの切替フラグをクリアして(ステップC40)、可動体制御処理を終了する。
〔可動体制御タイマ割込み処理〕
次に、可動体制御タイマ割込み処理について説明する。この可動体制御タイマ割込み処理は、所定時間周期(例えば2m秒)で行われる。
図13に示すように、可動体制御タイマ割込み処理では、まず、ロゴ役物モータ制御処理(ステップC51)、枝役物モータ制御処理(ステップC52)を行う。
次いで、ロゴ役物モータ出力データと枝役物モータ出力データとを合成して(ステップC53)、当該合成したデータをポートに出力する(ステップC54)。
次いで、割込みを許可して(ステップC55)、可動体制御タイマ割込み処理を終了する。
〔ロゴ役物モータ制御処理〕
次に、上述の可動体制御タイマ割込み処理におけるロゴ役物モータ制御処理(ステップC51)の詳細について説明する。
図14に示すように、ロゴ役物モータ制御処理では、まず、ロゴ役物モータ制御タイマが「0」でなければ−1更新して(ステップC61)、ロゴ役物モータ制御タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップC62)。
ステップC62で、ロゴ役物モータ制御タイマが「0」でないと判定した場合(ステップC62;N)には、ステップC72の処理に移行する。
一方、ステップC62で、ロゴ役物モータ制御タイマが「0」であると判定した場合(ステップC62;Y)には、制御タイプがタイマ監視タイプであるか否かを判定する(ステップC63)。
ステップC63で、制御タイプがタイマ監視タイプであると判定した場合(ステップC63;Y)には、次の区間に移行するときの制御データの設定を行って(ステップC66〜C71)、ステップC72の処理に移行する。
一方、ステップC63で、制御タイプがタイマ監視タイプでないと判定した場合(ステップC63;N)には、ロゴ役物モータスイッチの入力状態をチェックし(ステップC64)、当該入力状態が目的の状態であるか否かを判定する(ステップC65)。
ステップC65で、当該入力状態が目的の状態でないと判定した場合(ステップC65;N)には、ステップC72の処理に移行する。
一方、ステップC65で、当該入力状態が目的の状態であると判定した場合(ステップC65;Y)には、次の区間に移行するときの制御データの設定を行って(ステップC66〜C71)、ステップC72の処理に移行する。
具体的には、ステップC66では、ロゴ役物モータ制御番号に対応する制御テーブルを設定する。ここで、「制御テーブル」は、役物の動作の種類を示すテーブルであり、その動作を実現するための各区間の繋がり(流れ)を定義している。例えば、「初期位置復帰動作」、「ファンファーレ動作」、「大当り中動作」などの制御テーブルが考えられる。
次いで、ステップC67では、ロゴ役物モータ制御ポインタに対応するテーブルアドレスを算出する。
次いで、ステップC68では、上記の区間(現在制御している位置)を示す制御ポインタを取得し、ロゴ役物モータ制御ポインタ領域にセーブする。
次いで、ステップC69では、制御タイマを取得し、ロゴ役物モータ制御タイマ領域にセーブする。ここで、「制御タイマ」とは、各区間の時間値であり、スイッチ監視タイプの場合は、スイッチ監視を始めるまでのウェイトを表す。
次いで、ステップC70では、当該区間はどのような制御を行うかを示す制御タイプを取得し、ロゴ役物モータ制御タイプ領域にセーブする。本実施形態の場合、「制御タイプ」には、タイマ監視タイプと、スイッチ監視タイプ(ON監視、OFF監視)とがある。タイマ監視タイプでは、規定時間指定の動作を行うと次の区間へ移行する。スイッチ監視タイプでは、目的のスイッチ状態を検知できたら次の区間へ移行する。
次いで、ステップC71では、モータをどのように制御するのかを示す制御コードを取得し、ロゴ役物モータ制御コード領域にセーブする。本実施形態の場合、「制御コード」には、(1)停止,(2)励磁停止,(3)速度1CW,(4)速度1CCW,(5)速度2CW,(6)速度2CCW,…があり、(3)以降は機種仕様で変わる。
ステップC72では、ロゴ役物モータ制御コードをロードする。
次いで、制御コードが停止コードであるか否かを判定する(ステップC73)。
ステップC73で、制御コードが停止コードであると判定した場合(ステップC73;Y)には、停止なので強制的にオフ出力データを設定し(ステップC74)、出力データ(具体的には、ステップC74で設定したオフ出力データ)をロゴ役物モータ出力データ領域にセーブして(ステップC82)、ロゴ役物モータ制御処理を終了する。
一方、ステップC73で、制御コードが停止コードでないと判定した場合(ステップC73;N)には、制御コードが励磁停止コードであるか否かを判定する(ステップC75)。
ステップC75で、制御コードが励磁停止コードであると判定した場合(ステップC75;Y)には、ステップC80の処理に移行する。励磁停止の場合は、前回割込みと同じオンデータを続けることで、力強い停止ができる。
一方、ステップC75で、制御コードが励磁停止コードでないと判定した場合(ステップC75;N)には、出力データポインタ更新タイマが「0」でなければ−1更新して(ステップC76)、出力データポインタ更新タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップC77)。
ステップC77で、出力データポインタ更新タイマが「0」でないと判定した場合(ステップC77;N)には、ステップC80の処理に移行する。
一方、ステップC77で、出力データポインタ更新タイマが「0」であると判定した場合(ステップC77;Y)には、出力データポインタ更新タイマに初期値を設定する(ステップC78)。ここで、回転速度に応じてタイマ初期値は異なる。待ち時間が大きいほど回転は遅くなる。
次いで、出力データポインタを更新して(ステップC79)、ステップC80の処理に移行する。ここで、「出力データポインタ」は、モータの励磁パターンを更新するためのポインタであり、出力データテーブルのデータ取得位置を示す。
ステップC80では、ロゴ役物モータ出力データテーブルを設定する。
次いで、出力データポインタに対応する出力データを取得し(ステップC81)、出力データ(具体的には、ステップC81で取得した出力データ)をロゴ役物モータ出力データ領域にセーブして(ステップC82)、ロゴ役物モータ制御処理を終了する。ここで、例えば、出力データポインタを0→1→2→3→0→…と切り替えるとモータがCW回転し、逆に0→3→2→1→0→…と切り替えるとモータがCCW回転する。次の段に進むのを(すなわち、出力データポインタの切り替えを)遅くするとモータの回転速度が遅くなる。
なお、上述の可動体制御タイマ割込み処理における枝役物モータ制御処理(ステップC52)は、ロゴ役物モータ制御処理(図14)の「ロゴ役物」を「枝役物」に変更するだけで、その他はロゴ役物モータ制御処理(図14)と同様であるため、詳細な説明は省略する。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理(ステップC14)の詳細について説明する。
図15に示すように、受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(ステップC91)。
次いで、コマンド受信数が「0」でないか否かを判定する(ステップC92)。
ステップC92で、コマンド受信数が「0」であると判定した場合(ステップC92;N)には、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、ステップC92で、受信コマンド数が「0」でないと判定した場合(ステップC92;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC93)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC94)、コマンド読出インデックスを「0」〜「31」の範囲で+1更新し(ステップC95)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC96)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC96で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC96;N)には、ステップC94の処理に戻る。
一方、ステップC96で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC96;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC97)、受信コマンド解析処理(ステップC98)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC99)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC100)。
ステップC100で、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC100;N)には、ステップC97の処理に戻る。
一方、ステップC100で、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC100;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。
このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(ステップC98)の詳細について説明する。
図16に示すように、受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離する(ステップC111)。
次いで、MODEは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC112)。
ステップC112で、MODEは正常範囲であると判定した場合(ステップC112;Y)には、ACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC113)。
ステップC113で、ACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC113;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC114)。
また、ステップC112で、MODEは正常範囲でないと判定した場合(ステップC112;N)、ステップC113で、ACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC113;N)、あるいは、ステップC114で、MOEDに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC114;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC114で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC114;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC115)。
ステップC115で、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC115;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC116)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、ステップC115で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC115;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC117)。
ステップC117で、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC117;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC118)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、ステップC117で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC117;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC119)。
ステップC119で、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC119;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC120)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、ステップC119で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC119;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC121)。
ステップC121で、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC121;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC122)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、ステップC121で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC121;N)には、MODEは先読み系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC123)。
ステップC123で、MODEは先読み系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC123;Y)には、先読み系コマンド処理(ステップC124)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、ステップC123で、MODEは先読み系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC123;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC116)の詳細について説明する。
図17に示すように、変動系コマンド処理では、まず、特図変動表示ゲームの種別が未確定であるか否かを判定する(ステップC131)。当該判定によって、変動パターンコマンドの受信の前に停止図柄コマンドを受信できているかをチェックすることができる。停止図柄コマンドには特図変動表示ゲームの種別(特図1なのか特図2なのか)に関する情報が含まれているので、停止図柄コマンドを正常に受信できていれば、特図変動表示ゲームの種別が未確定でないと判定される。
ステップC131で、特図変動表示ゲームの種別が未確定であると判定した場合(ステップC131;Y)には、変動系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC131で、特図変動表示ゲームの種別が未確定でないと判定した場合(ステップC131;N)には、変動パターン対応図柄判定処理(ステップC132)を行う。この変動パターン対応図柄判定処理では、変動パターンコマンドに対し、停止図柄コマンドの種別(種類)が整合(合致)するか否かを判定する。これにより、例えば、当り変動の変動パターンコマンドと、はずれ図柄の停止図柄コマンドと、の組合せのように、変動パターンコマンドと停止図柄コマンドの種別とが整合しない場合には、変動しない(具体的には、飾り特図変動表示ゲームを行わない)ようにする。
ステップC132での判定の結果、変動パターンコマンドと停止図柄コマンドの種別とが整合しない場合(ステップC133;Y)には、変動系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC132での判定の結果、変動パターンコマンドと停止図柄コマンドの種別とが整合する場合(ステップC133;N)には、変動演出設定処理(ステップC134)を行い、役物位置確認処理(ステップC135)を行って、変動系コマンド処理を終了する。
すなわち、本実施形態においては、演出手段(盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46)は、可動体を有する演出手段(盤演出装置44)を含んでいる。
そして、本実施形態の遊技機10においては、遊技(変動表示ゲーム)を開始する毎に、可動体(役物)が初期位置にあるかを確認するように構成されている。
〔役物位置確認処理〕
次に、上述の変動系コマンド処理における役物位置確認処理(ステップC135)の詳細について説明する。
図18に示すように、役物位置確認処理では、まず、ロゴ役物44aは初期位置にあるか否かを判定する(ステップC141)。本実施形態の場合、ロゴ役物モータスイッチがオンならば初期位置にロゴ役物44aがある。
ステップC141で、ロゴ役物44aは初期位置にあると判定した場合(ステップC141;Y)には、ステップC145の処理に移行する。
一方、ステップC141で、ロゴ役物44aは初期位置にないと判定した場合(ステップC141;N)には、ロゴ役物モータ制御番号が原点復帰動作番号であるか否かを判定する(ステップC142)。
ステップC142で、ロゴ役物モータ制御番号が原点復帰動作番号であると判定した場合(ステップC142;Y)には、ステップC145の処理に移行する。
一方、ステップC142で、ロゴ役物モータ制御番号が原点復帰動作番号でないと判定した場合(ステップC142;N)には、ロゴ役物44aの切替フラグをセットし(ステップC143)、原点復帰動作の制御番号をロゴ役物切替制御番号領域にセーブして(ステップC144)、ステップC145の処理に移行する。
ステップC145では、枝役物44bは初期位置にあるか否かを判定する。本実施形態の場合、枝役物モータスイッチがオンならば初期位置に枝役物44bがある。
ステップC145で、枝役物44bは初期位置にあると判定した場合(ステップC145;Y)には、役物位置確認処理を終了する。
一方、ステップC145で、枝役物44bは初期位置にないと判定した場合(ステップC145;N)には、枝役物モータ制御番号が原点復帰動作番号であるか否かを判定する(ステップC146)。
ステップC146で、枝役物モータ制御番号が原点復帰動作番号であると判定した場合(ステップC146;Y)には、役物位置確認処理を終了する。
一方、ステップC146で、枝役物モータ制御番号が原点復帰動作番号でないと判定した場合(ステップC146;N)には、枝役物44bの切替フラグをセットし(ステップC147)、原点復帰動作の制御番号を枝役物切替制御番号領域にセーブして(ステップC148)、役物位置確認処理を終了する。ここで、ロゴ役物44aと枝役物44bとで「原点復帰動作」という共通の名称を用いているが、ロゴ役物44aと枝役物44bとで原点復帰動作の動きは異なる。定義される動作データのテーブルは役物毎に分かれているため、ロゴ役物44aと枝役物44bとで原点復帰動作番号の値自体は同じであってもよい。
このように、本実施形態では、先に役物が初期位置にあるか否かを確認し、初期位置にあるようなら現在の動作(役物位置確認処理を実行するようなタイミングだと、基本的に励磁なし停止)のまま変更指示を行わないように構成されている。役物が初期位置にあるか否かを確認するよりも先に復帰動作を指示してしまい、直ちにモータセンサONまで回転開始(励磁ON)を行い、初期位置にいるのですぐ回転停止(励磁OFF)を行うと、モータに一瞬力が加わることになるので、役物が微動する(位置は変わらない)。このような微動が変動開始時毎に起こるようだと、目障りであるという問題や、役物が動くものだと誤認させる可能性があるという問題が生じる。そこで、本実施形態では、このような微動が変動開始時毎に起こらないようにするため、先に役物が初期位置にあるか否かを確認している。
また、本実施形態では、変動開始タイミングや、ラウンド演出開始タイミング(後述)、客待ちデモ演出開始タイミング(後述)で、役物が初期位置にあるかを確認するように構成されている。本実施形態の場合、図5に示すように、演出装置(装飾装置も含む。)のみに使用されるDC15Vの電圧の供給は、遊技機10の電源が遮断されると、停電を検出(保証DC32Vが停電検出電圧レベルを下回る)よりも前に停止されるため、役物の動作中に遊技機10の電源が遮断されると、当該役物が中途半端な位置(初期位置とは異なる位置等)で停止してしまう場合がある。役物が中途半端な位置で停止した状態で、停電に至らず(保証DC32Vが停電検出電圧レベルを下回らず)復電した場合、当該役物を初期位置に復帰させないと、当該役物は、中途半端な位置で停止している状態(すなわち、役物の位置が不明な状態)から動作(初期化動作等)を開始することになる。それを回避するために、本実施形態では、適宜なタイミングで役物が初期位置にあるかを確認し、初期位置にない場合には初期位置に戻すようにしている。
〔大当り系コマンド処理〕
次に、上述の受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(ステップC118)の詳細について説明する。
図19に示すように、大当り系コマンド処理では、まず、MODEはファンファーレ演出(大当り開始時の演出)を指令するものであるか否かを判定する(ステップC151)。
ステップC151で、MODEはファンファーレ演出を指令するものであると判定した場合(ステップC151;Y)には、ファンファーレ演出を実行するためのファンファーレ演出設定処理(ステップC152)を行って、大当り系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC151で、MODEはファンファーレ演出を指令するものでないと判定した場合(ステップC151;N)には、MODEはラウンド演出(大当りのラウンド中の演出)を指令するものであるか否かを判定する(ステップC153)。
ステップC153で、MODEはラウンド演出を指令するものであると判定した場合(ステップC152;Y)には、ラウンド演出を実行するためのラウンド演出設定処理(ステップC154)を行い、図18に示す役物演出確認処理(ステップC155)を行って、大当り系コマンド処理を終了する。このように、本実施形態では、ラウンド演出開始タイミングにおいても、役物が初期位置にあるかを確認する役物位置確認処理を実行するように構成されている。
一方、ステップC153で、MODEはラウンド演出を指令するものでないと判定した場合(ステップC153;N)には、MODEはインターバル演出(大当り中のラウンドとラウンドの間の演出)を指令するものであるか否かを判定する(ステップC156)。
ステップC156で、MODEはインターバル演出を指令するものであると判定した場合(ステップC156;Y)には、インターバル演出を実行するためのインターバル演出設定処理(ステップC157)を行って、大当り系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC156で、MODEはインターバル演出を指令するものでないと判定した場合(ステップC156;N)には、MODEはエンディング演出(大当り終了時の演出)を指令するものであるか否かを判定する(ステップC158)。
ステップC158で、MODEはエンディング演出を指令するものでないと判定した場合(ステップC158;N)には、大当り系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC158で、MODEはエンディング演出を指令するものであると判定した場合(ステップC158;Y)には、エンディング演出を実行するためのエンディング演出設定処理(ステップC159)を行ってから、大当り系コマンド処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、上述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理(ステップC122)の詳細について説明する。
図20に示すように、単発系コマンド処理では、まず、MODEは機種を指定するものであるか否かを判定する(ステップC161)。
ステップC161で、MODEは機種を指定するものであると判定した場合(ステップC161;Y)には、機種を設定するための機種設定処理(ステップC162)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC161で、MODEは機種を指定するものでないと判定した場合(ステップC161;N)には、MODEはRAM初期化を指令するものであるか否かを判定する(ステップC163)。
ステップC163で、MODEはRAM初期化を指令するものであると判定した場合(ステップC163;Y)には、遊技制御装置100でのRAM初期化を伴う電源投入に対応した処理を実行するRAM初期化設定処理(ステップC164)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC163で、MODEはRAM初期化を指令するものでないと判定した場合(ステップC163;N)には、MODEは停電復旧を指令するものであるか否かを判定する(ステップC165)。
ステップC165で、MODEは停電復旧を指令するものであると判定した場合(ステップC165;Y)には、停電復旧に関する処理を実行する停電復旧設定処理(ステップC166)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC165で、MODEは停電復旧を指令するものでないと判定した場合(ステップC165;N)には、MODEは客待ちデモを指令するものであるか否かを判定する(ステップC167)。
ステップC167で、MODEは客待ちデモを指令するものであると判定した場合(ステップC167;Y)には、客待ち状態の開始に関する処理などを実行する客待ちデモ設定処理(ステップC168)を行い、図18に示す役物演出確認処理(ステップC169)を行って、単発系コマンド処理を終了する。このように、本実施形態では、客待ちデモ演出開始タイミングにおいても、役物が初期位置にあるかを確認する役物位置確認処理を実行するように構成されている。
一方、ステップC167で、MODEは客待ちデモを指令するものでないと判定した場合(ステップC167;N)には、MODEは特図1保留系の範囲であるか否かを判定する(ステップC170)。
ステップC170で、MODEは特図1保留系の範囲であると判定した場合(ステップC170;Y)には、特図1の保留に関する情報の記憶などを実行する特図1保留情報設定処理(ステップC171)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC170で、MODEは特図1保留系の範囲でないと判定した場合(ステップC170;N)には、MODEは特図2保留系の範囲であるか否かを判定する(ステップC172)。
ステップC172で、MODEは特図2保留系の範囲であると判定した場合(ステップC172;Y)には、特図2の保留に関する情報の記憶などを実行する特図2保留情報設定処理(ステップC173)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC172で、MODEは特図2保留系の範囲でないと判定した場合(ステップC172;N)には、MODEは確率情報系の範囲であるか否かを判定する(ステップC174)。
ステップC174で、MODEは確率情報系の範囲であると判定した場合(ステップC174;Y)には、確率状態に対応した演出の設定などの処理などを実行する確率情報設定処理(ステップC175)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC174で、MODEは確率情報系の範囲でないと判定した場合(ステップC174;N)には、MODEはエラー/不正系の範囲であるか否かを判定する(ステップC176)。
ステップC176で、MODEはエラー/不正系の範囲であると判定した場合(ステップC176;Y)には、エラー報知などの処理などを実行するエラー/不正設定処理(ステップC177)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC176で、MODEはエラー/不正系の範囲でないと判定した場合(ステップC176;N)には、MODEは演出モード切替を指令するものであるか否かを判定する(ステップC178)。
ステップC178で、MODEは演出モード切替を指令するものであると判定した場合(ステップC178;Y)には、演出モード切替などの処理などを実行する演出モード切替設定処理(ステップC179)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC178で、MODEは演出モード切替を指令するものでないと判定した場合(ステップC178;N)には、MODEは図柄停止を指令するものであるか否かを判定する(ステップC180)。
ステップC180で、MODEは図柄停止を指令するものでないと判定した場合(ステップC180;N)には、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC180で、MODEは図柄停止を指令するものであると判定した場合(ステップC180;Y)には、正常なコマンドであるか否かを判定する(ステップC181)。
ステップC181で、正常なコマンドでないと判定した場合(ステップC181;N)には、単発系コマンドを終了する。
一方、ステップC181で、正常なコマンドであると判定した場合(ステップC181;Y)には、対応する特図の停止設定を行い(ステップC182)、全図柄が停止したなら遊技状態フラグを通常状態に設定して(ステップC183)、単発系コマンド処理を終了する。
〔VDP初期化処理〕
次に、上述のメイン処理におけるVDP初期化処理(ステップC18)の詳細について説明する。
図21に示すように、VDP初期化処理では、まず、割込みを禁止して(ステップC191)、VDPリセット回数が所定回数に達したか否かを判定する(ステップC192)。
ステップC192で、VDPリセット回数が所定回数に達していないと判定した場合(ステップC192;N)には、VDPリセット回数を+1更新し(ステップC193)、VDPRESET信号オンを短時間出力して(ステップC194)、ステップC200の処理に移行する。
一方、ステップC192で、VDPリセット回数が所定回数に達したと判定した場合(ステップC192;Y)には、長時間ポートが放置状態となってしまうので、全出力ポートをオフ出力し(ステップC195)、VDP312の異常を報知するVDP異常報知LEDオンを出力して(ステップC196)、VDP312の異常を報知するVDP異常報知音を出力する(ステップC197)。ここで、「VDP異常報知LED」は、専用のLEDであってもよいし、演出用の装飾(LED)を兼用してもよい。
次いで、VDPリセット回数を0クリアし(ステップC198)、VDPRESET信号オンを長時間(本実施形態の場合、1分間)出力して(ステップC199)、ステップC200の処理に移行する。このように、VDPRESET信号オンを長時間出力することによって、VDP312を休ませる(冷ます)ことができるため、VDPリセットが繰り返し行われるような不具合が生じた場合であっても表示装置41での異常報知を確実に行うことができる。なお、ステップC199において、VDPRESET信号オンの出力は、所定時間(本実施形態の場合、1分間)に限られず、電源オフまで解除されないようにしてもよい。
ステップC200では、VDP312の初期設定を行う。
次いで、表示用データの生成を許可し(ステップC201)、割込みを許可して(ステップC202)、VDP初期化処理を終了する。
以上説明した第1実施形態の遊技機10によれば、遊技に係る演出を行う演出手段(盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46)と、遊技の実行制御を行うとともに、所定の保証電圧(本実施形態の場合、保証DC32V)が停電検出レベル(停電検出電圧レベル)に低下した場合に停電処理を行う制御手段(遊技制御装置100)と、を備えた遊技機であって、停電により当該遊技機10への電源供給が停止した場合に、保証電圧を所定期間に亘って供給可能な停電時供給手段(ダイオードブリッジ回路414および平滑コンデンサC2)と、保証電圧から演出手段に供給するための演出用電圧(本実施形態の場合、DC15V)を生成して供給する演出電圧供給手段(DC15V生成回路413)と、保証電圧から制御手段に供給するための制御用電圧(本実施形態の場合、DC5V)を生成して供給する制御電圧供給手段(DC5V&DC5VBB生成回路412)と、を備え、停電により当該遊技機10への電源供給が停止した場合には、保証電圧が停電検出レベルに低下する前に、演出電圧供給手段による演出手段への演出用電圧の供給を停止する一方で、保証電圧が停電検出レベルに低下した後に、制御電圧供給手段による制御手段への制御用電圧の供給を停止するように構成されている。
したがって、停電により遊技機10への電源供給が停止しても保証電圧が停電検出レベルに低下した後でないと演出手段への演出用電圧の供給が停止されない場合に比べて、制御手段への制御用電圧の供給時間を長くすることができるため、停電処理に要する時間を確保することができる。
また、第1実施形態の遊技機10によれば、遊技の始動条件を成立させる起因となる事象(本実施形態の場合、始動口への遊技球の入賞)を検出する検出手段(始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37a)と、保証電圧(本実施形態の場合、保証DC32V)から検出手段に供給するための検出用電圧(本実施形態の場合、DC12V)を生成して供給する検出電圧供給手段(DC12V生成回路411)と、を備え、停電により当該遊技機10への電源供給が停止した場合には、保証電圧が停電検出レベル(停電検出電圧レベル)に低下した後に、検出電圧供給手段による検出手段への検出用電圧の供給を停止するように構成することも可能である。
このように構成することによって、電源が瞬停(停電が発生した後、保証電圧が停電検出レベルに低下するよりも前に復電すること)している間も、遊技の始動条件を成立させる起因となる事象を検出できるため、電源瞬停が遊技者にとって不利になることを回避することができる。
また、第1実施形態の遊技機10によれば、演出手段(盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46)は、複数種類(本実施形態の場合、装飾、可動体、サウンド等の種類)の演出手段を含み、当該遊技機10への電源供給が開始した場合に、演出手段の初期化動作の開始タイミングを種類毎にずらすように構成することも可能である。
このように構成することによって、電源投入時動作を行いながらサーミスタ(NTCサーミスタZ1)を徐々に温めることができるとともに、電源投入時にサーミスタで発生する電圧低下を防止することができる。
また、第1実施形態の遊技機10によれば、演出手段(盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46)は、可動体(役物)を有する演出手段(盤演出装置44)を含み、遊技(変動表示ゲーム)を開始する毎に、可動体が初期位置にあるかを確認するように構成することも可能である。
このように構成することによって、遊技が開始される毎に、可動体が微動することを防止することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の遊技機10について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機10と同様の構成を有しており、以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第2実施形態の遊技機10は、演出装置(装飾装置も含む。)の消費電流量をチェックして演出装置に設けられているLEDの輝度を当該消費電流量に応じて制御することによって演出装置が実際に使用する電流量を抑制するとともに、表示装置41の積算稼働時間を計測して表示装置41に設けられているバックライトLEDの輝度を当該積算稼働時間に応じて制御することによってバックライトLEDの輝度が経年劣化していることを分かり難くするように構成されている。具体的には、演出制御装置300は、図11に示すメイン処理に替えて、図22に示すメイン処理を行う。
〔メイン処理〕
メイン処理においては、図22に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップD1)、CPUの初期設定を行い(ステップD2)、VDP312の初期設定を行って(ステップD3)、割込みを許可する(ステップD4)。
次いで、表示用データの生成を許可し(ステップD5)、乱数シードを設定して(ステップD6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップD7)。
このメイン処理においては、次にメインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップD8)。
次いで、演出操作部700(演出ボタン25やタッチパネル29)の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップD9)を行う。演出操作部700からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では、演出操作部700からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
次いで、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理(ステップD10)を行う。
次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップD11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップD12)を行う。
次いで、演出表示編集処理(ステップD13)を行い、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップD14)。演出表示編集処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
次いで、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップD15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。
ステップD15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップD15;N)には、ステップD15の処理を繰り返して行う。
一方、ステップD15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップD15;Y)には、画面描画を指示する(ステップD16)。
次いで、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップD17)、演出装置(装飾装置も含む。)のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップD18)、演出装置(装飾装置も含む。)のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップD19)、演出装置(装飾装置も含む。)の消費電流量をチェックして演出装置に設けられているLEDの輝度を当該消費電流量に応じて調整する消費電流チェック処理(ステップD20)、表示装置41の積算稼働時間を計測して表示装置41に設けられているバックライトLEDの輝度を当該積算稼働時間に応じて調整する積算稼働時間計測処理(ステップD21)を行い、WDTをクリアする処理(ステップD8)に戻る。
なお、第2実施形態の演出制御装置200は、メイン処理として、図11に示すメイン処理と図22に示すメイン処理とが合体したものを行ってもよい。すなわち、メイン処理として、図11に示すメイン処理における可動体制御処理(ステップC29)の後に、消費電流チェック処理(ステップD20)と積算稼働時間計測処理(ステップD21)と加えたものを行ってもよい。
〔消費電流チェック処理〕
次に、上述のメイン処理における消費電流チェック処理(ステップD20)の詳細について説明する。
図23および図24に示すように、消費電流チェック処理では、まず、32Vデバイステーブルを設定する(ステップD31)。ここで、「32Vデバイステーブル」には、DC32Vで動作するデバイス(例えば、演出ソレノイドA(図25(a)参照))の動作中フラグ領域のアドレスと、そのデバイスの動作時電流値データ(図25(a)参照)と、が定義されているものとする。なお、演出ソレノイドAの正確な動作時電流値は106.7mA(=32V/300Ω)であるが、計算しやすいように110mAと定義している。
次いで、消費電流合計値を0クリアして(ステップD32)、対象のデバイスの動作中フラグはオンであるか否かを判定する(ステップD33)。
ステップD33で、動作中フラグがオンでないと判定した場合(ステップD33;N)には、32Vデバイステーブルを次レコードのアドレスに更新して(ステップD35)、全デバイス分の計算が終了したか否かを判定する(ステップD36)。
一方、ステップD33で、動作中フラグがオンであると判定した場合(ステップD33;Y)には、消費電流合計値に対象のデバイスの動作時電流値を加算してから(ステップD34)、32Vデバイステーブルを次レコードのアドレスに更新して(ステップD35)、全デバイス分の計算が終了したか否かを判定する(ステップD36)。
ステップD36で、全デバイス分の計算が終了していないと判定した場合(ステップD36;N)には、ステップD33の処理に戻る。
一方、ステップD36で、全デバイス分の計算が終了したと判定した場合(ステップD36;Y)には、32V輝度レベル値を「1」に設定して(ステップD37)、消費電流合計値が「32V消費電流判定値1」未満であるか否かを判定する(ステップD38)。
ステップD38で、消費電流合計値が「32V消費電流判定値1」未満であると判定した場合(ステップD38;Y)には、ステップD42の処理に移行する。
一方、ステップD38で、消費電流合計値が「32V消費電流判定値1」未満でないと判定した場合(ステップD38;N)には、32V輝度レベル値を「2」に設定して(ステップD39)、消費電流合計値が「32V消費電流判定値1」よりも大きい「32V消費電流判定値2」未満であるか否かを判定する(ステップD40)。ここで、「32V消費電流判定値1」や「32V消費電流判定値2」については、予め設定されているとする。
ステップD40で、消費電流合計値が「32V消費電流判定値2」未満であると判定した場合(ステップD40;Y)には、ステップD42の処理に移行する。
一方、ステップD40で、消費電流合計値が「32V消費電流判定値2」未満でないと判定した場合(ステップD40;N)には、32V輝度レベル値を「3」に設定して(ステップD41)、ステップD42の処理に移行する。
ステップD42では、15Vデバイステーブルを設定する。ここで、「15Vデバイステーブル」には、DC15Vで動作するデバイス(例えば、演出モータA〜E(図25(b)参照))の動作中フラグ領域のアドレスと、そのデバイスの動作時電流値データ(図25(b)参照)と、が定義されているものとする。なお、演出モータB〜Eの正確な動作時電流値は319.15mA(=15V/47Ω)であるが、計算しやすいように320mAと定義している。また、演出モータA〜Eは、2相励磁で制御するので、相数を掛けて2倍の電流量が消費される。
次いで、消費電流合計値を0クリアして(ステップD43)、対象のデバイスの動作中フラグはオンであるか否かを判定する(ステップD44)。
ステップD44で、動作中フラグがオンでないと判定した場合(ステップD44;N)には、15Vデバイステーブルを次レコードのアドレスに更新して(ステップD46)、全デバイス分の計算が終了したか否かを判定する(ステップD47)。
一方、ステップD44で、動作中フラグがオンであると判定した場合(ステップD44;Y)には、消費電流合計値に対象のデバイスの動作時電流値を加算してから(ステップD45)、15Vデバイステーブルを次レコードのアドレスに更新して(ステップD46)、全デバイス分の計算が終了したか否かを判定する(ステップD47)。
ステップD47で、全デバイス分の計算が終了していないと判定した場合(ステップD47;N)には、ステップD44の処理に戻る。
一方、ステップD47で、全デバイス分の計算が終了したと判定した場合(ステップD47;Y)には、15V輝度レベル値を「1」に設定して(ステップD48)、消費電流合計値が「15V消費電流判定値1」未満であるか否かを判定する(ステップD49)。
ステップD49で、消費電流合計値が「15V消費電流判定値1」未満であると判定した場合(ステップD49;Y)には、ステップD53の処理に移行する。
一方、ステップD49で、消費電流合計値が「15V消費電流判定値1」未満でないと判定した場合(ステップD49;N)には、15V輝度レベル値を「2」に設定して(ステップD50)、消費電流合計値が「15V消費電流判定値1」よりも大きい「15V消費電流判定値2」未満であるか否かを判定する(ステップD51)。ここで、「15V消費電流判定値1」や「15V消費電流判定値2」については、予め設定されているとする。
ステップD51で、消費電流合計値が「15V消費電流判定値2」未満であると判定した場合(ステップD51;Y)には、ステップD53の処理に移行する。
一方、ステップD51で、消費電流合計値が「15V消費電流判定値2」未満でないと判定した場合(ステップD51;N)には、15V輝度レベル値を「3」に設定して(ステップD52)、ステップD53の処理に移行する。
ステップD53では、12Vデバイステーブルを設定する。ここで、「12Vデバイステーブル」には、DC12Vで動作するデバイス(例えば、演出モータF(図25(c)参照))の動作中フラグ領域のアドレスと、そのデバイスの動作時電流値データ(図25(c)参照)と、が定義されているものとする。
次いで、消費電流合計値を0クリアして(ステップD54)、対象のデバイスの動作中フラグはオンであるか否かを判定する(ステップD55)。
ステップD55で、動作中フラグがオンでないと判定した場合(ステップD55;N)には、12Vデバイステーブルを次レコードのアドレスに更新して(ステップD57)、全デバイス分の計算が終了したか否かを判定する(ステップD58)。
一方、ステップD55で、動作中フラグがオンであると判定した場合(ステップD55;Y)には、消費電流合計値に対象のデバイスの動作時電流値を加算してから(ステップD56)、12Vデバイステーブルを次レコードのアドレスに更新して(ステップD57)、全デバイス分の計算が終了したか否かを判定する(ステップD58)。
ステップD58で、全デバイス分の計算が終了していないと判定した場合(ステップD58;N)には、ステップD55の処理に戻る。
一方、ステップD58で、全デバイス分の計算が終了したと判定した場合(ステップD58;Y)には、12V輝度レベル値を「1」に設定して(ステップD59)、消費電流合計値が「12V消費電流判定値1」未満であるか否かを判定する(ステップD60)。
ステップD60で、消費電流合計値が「12V消費電流判定値1」未満であると判定した場合(ステップD60;Y)には、ステップD64の処理に移行する。
一方、ステップD60で、消費電流合計値が「12V消費電流判定値1」未満でないと判定した場合(ステップD60;N)には、12V輝度レベル値を「2」に設定して(ステップD61)、消費電流合計値が「12V消費電流判定値1」よりも大きい「12V消費電流判定値2」未満であるか否かを判定する(ステップD62)。ここで、「12V消費電流判定値1」や「12V消費電流判定値2」については、予め設定されているとする。
ステップD62で、消費電流合計値が「12V消費電流判定値2」未満であると判定した場合(ステップD62;Y)には、ステップD64の処理に移行する。
一方、ステップD62で、消費電流合計値が「12V消費電流判定値2」未満でないと判定した場合(ステップD62;N)には、12V輝度レベル値を「3」に設定して(ステップD63)、ステップD64の処理に移行する。
ステップD64では、32V輝度レベル値、15V輝度レベル値、および12V輝度レベル値の中で最もレベルの低い輝度レベル値を抽出する。ここで、本実施形態の遊技機10は、32V電源を使用するLED、15V電源を使用するLED、12V電源を使用するLED等を備えている。よって、系統毎に輝度を調整すると、盤面、枠内のLED群の輝度がまちまちになってしまう可能性があるため、最も輝度を下げる系統に合わせて、全体の輝度を調整するようにしている。
次いで、抽出した輝度レベル値に対応する輝度係数を設定する(ステップD65)。ここで、本実施形態では、輝度レベル値「1」は予めROMに定義されている輝度値を低下させないことを示すため、輝度レベル値「1」に対応する輝度係数は「1」となり、輝度レベル値「2」は予めROMに定義されている輝度値を85%に低下させることを示すため、輝度レベル値「2」に対応する輝度係数は「0.85」となり、輝度レベル値「3」は予めROMに定義されている輝度値を70%に低下させることを示すため、輝度レベル値「3」に対応する輝度係数は「0.7」となる。なお、輝度レベル値に対応する輝度係数は、本実施形態のものに限定されず、適宜変更可能である。また、本実施形態では、輝度レベルを3段階で調整するように構成したが、輝度レベル調整の段階数は3段階に限定されず、適宜変更可能である。
次いで、設定した輝度係数が「1」であるか否かを判定する(ステップD66)。
ステップD66で、設定した輝度係数が「1」であると判定した場合(ステップD66;Y)には、予めROMに定義されている輝度値を低下させないので、消費電流チェック処理を終了する。
一方、ステップD66で、当該設定した輝度係数が「1」でないと判定した場合(ステップD66;N)には、予めROMに定義されている輝度値を低下させるので、LED輝度データ領域の全領域の内容を、輝度係数を掛けた値に低減してから(ステップD67)、消費電流チェック処理を終了する。これにより、演出装置(装飾装置も含む。)が実際に使用する電流量を抑制することができる。
すなわち、演出制御装置300が、演出手段(盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46)が消費する消費電流量を算出する消費電流量算出手段と、消費電流量算出手段により算出された消費電流量に応じて、演出手段に流す電流量を制御する電流量制御手段と、をなす。
ここで、図26および図27を用いて、本実施形態における、モータの動作状態と輝度値の変化の様子を説明する。
図26および図27における、「照明輝度値(内部設定値)」は予めROMに定義されている輝度値であり、「照明レベル」は消費電流チェック処理のステップD64(図24)で抽出された輝度レベル値であり、「出力される照明の輝度」は消費電流チェック処理のステップD67(図24)を行った結果(実際の輝度値)であり、「n%⇔m%(例えば100%⇔50%)」は輝度値をn%からm%に徐々に低下させる動作とm%からn%に徐々に増加させる動作とを交互に繰り返すこと(以下「輝度値往復処理」という。)である。
なお、図26および図27では、DC15Vで動作するデバイス(すなわち、演出モータA〜E)のみが動作し、その他のデバイス(例えば、演出ソレノイドAや演出モータF)は動作しない場合を例示している。
また、図26および図27では、「15V消費電流判定値1」が1001以上2280以下の範囲内の値であり、「15V消費電流判定値2」が2281以上2920以下の範囲内の値である場合を例示している。
図26に、役物が一斉動作する前に予め輝度を下げておくパターンを示す。すなわち、図26は、演出モータA〜Eの全てが動作する前に輝度値往復処理を行うことで、演出モータA〜Eが全て動作したことによりLEDの輝度が低下したこと(この例の場合、90%から70%に低下したこと)を分かり難くするパターンである。
また、図27に、役物が一斉動作する前に全消灯を設けたパターンを示す。すなわち、図27は、演出モータA〜Eの全てが動作する前に全てのLEDを消灯することで、演出モータA〜Eが全て動作したことによりLEDの輝度が低下したこと(この例の場合、90%から70%に低下したこと)を分かり難くするパターンである。
具体的には、図26および図27に示す例の場合、ノーマルリーチ演出中は、演出モータA〜Eは動作しないため、消費電流合計値が「0mA」となり「15V消費電流判定値1」未満であるので消費電流チェック処理のステップD64(図24)で輝度レベル値「1」が抽出される。したがって、ノーマルリーチ演出中は、予めROMに定義されている輝度値が、実際の輝度値となる。
SPリーチ演出が開始されると、まず、演出モータAが動作して、その後、演出モータB,Dも動作するが、演出モータAが動作するまでは、消費電流合計値が「0mA」となり「15V消費電流判定値1」未満であるので輝度レベル値「1」が抽出され、次いで、演出モータB,Dが動作するまでは、演出モータAのみが動作しているため、消費電流合計値が「1000mA」となり「15V消費電流判定値1」未満であるので輝度レベル値「1」が抽出され、次いで、演出モータB,Dが動作すると、消費電流合計値が「2280mA(=1000mA+640mA×2)」となり「15V消費電流判定値1」以上であり「15V消費電流判定値2」未満であるので輝度レベル値「2」が抽出される。したがって、演出モータB,Dが動作すると、予めROMに定義されている輝度値の85%の値が、実際の輝度値となる。
次に、演出モータB,Dの動作が停止し、その後、演出モータB,C,D,Eが動作するが、演出モータB,C,D,Eが動作するまでは、演出モータAのみが動作しているため、消費電流合計値が「1000mA」となり「15V消費電流判定値1」未満であるので輝度レベル値「1」が抽出され、次いで、演出モータB,C,D,Eが動作すると、消費電流合計値が「3560mA(=1000mA+640mA×4)」となり「15V消費電流判定値2」以上であるので輝度レベル値「3」が抽出される。したがって、演出モータB,C,D,Eが動作すると、予めROMに定義されている輝度値の70%の値が、実際の輝度値となる。
次に、演出モータBの動作が停止し、その後、演出モータA,C,D,Eの動作が停止するが、演出モータA,C,D,Eの動作が停止するまでは、消費電流合計値が「2920mA(=1000mA+640mA×3)」となり「15V消費電流判定値2」以上であるので輝度レベル値「3」が抽出され、次いで、演出モータA,C,D,Eの動作が停止すると、消費電流合計値が「0mA」となり「15V消費電流判定値1」未満であるので輝度レベル値「1」が抽出される。したがって、演出モータA,C,D,Eの動作が停止すると、予めROMに定義されている輝度値が、実際の輝度値となる。
〔積算稼働時間計測処理〕
次に、上述のメイン処理における積算稼働時間計測処理(ステップD21)の詳細について説明する。
図28に示すように、積算稼働時間計測処理では、まず、演出制御装置300が有するバックアップRAMへの書き込み周期タイマを−1更新して(ステップD71)、書き込み周期タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップD72)。
ステップD72で、書き込み周期タイマが「0」でないと判定した場合(ステップD72;N)には、積算稼働時間計測処理を終了する。
一方、ステップD72で、書き込み周期タイマが「0」であると判定した場合(ステップD72;Y)には、書き込み周期タイマに初期値を設定し(ステップD73)、積算稼働時間を書き込み周期タイマ分、更新する(ステップD74)。具体的には、例えば、5分をカウントするタイマ(書き込み周期タイマ)を設けて、5分経過したら、バックアップRAM内の積算稼働時間を5分更新する。
次いで、バックライト輝度設定テーブル(図29参照)を設定して(ステップD75)、積算稼働時間に対応する輝度設定値を取得し、セーブする(ステップD76)。すなわち、時間をバックアップすると同時に、そのときの値で輝度設定値を保存する。この値はバックアップRAMに保存しなくてもよい。これにより、演出制御装置300が実行するタイマ割込み処理での出力処理(図示省略)で、この輝度設定値(%)に基づいた出力データがパネル(表示装置41)に出力される。
次いで、積算稼働時間のリード要求のコマンドを受信したか否かを判定する(ステップD77)。
ステップD77で、積算稼働時間のリード要求のコマンドを受信していないと判定した場合(ステップD77;N)には、ステップD79の処理に移行する。
一方、ステップD77で、積算稼働時間のリード要求のコマンドを受信したと判定した場合(ステップD77;Y)には、積算稼働時間の表示設定を行ってから(ステップD78)、ステップD79の処理に移行する。これにより、積算稼働時間が表示装置41に表示され、所定時間経過したら消える。
ステップD79では、積算稼働時間のライト要求のコマンドを受信したか否かを判定する。
ステップD79で、積算稼働時間のライト要求のコマンドを受信していないと判定した場合(ステップD79;N)には、積算稼働時間計測処理を終了する。
一方、ステップD79で、積算稼働時間のライト要求のコマンドを受信したと判定した場合(ステップD79;Y)には、コマンド(時間値そのものを示すコマンドであってもよいし、単に「0」にする(リセットする)を意味するコマンドであってもよい。)に対応する値を積算稼働時間としてバックアップRAMにセーブしてから(ステップD80)、積算稼働時間計測処理を終了する。
図29は、バックライト輝度設定テーブルの一例を示す図であり、図30は、表示装置41のバックライトLEDの輝度変化の一例を示すイメージ図である。
図30において破線で示すように、表示装置41のバックライトLEDを最大の明るさで点灯し続けた場合、当該バックライトLEDの輝度は表示装置41の積算稼働時間が増加するにつれて徐々に低下する。したがって、本実施形態の場合、図30において実線で示すように、表示装置41の積算稼働時間が0〜5000hの間は最大の明るさで点灯させた場合の85%に低下させ、表示装置41の積算稼働時間が5000〜10000hの間は最大の明るさで点灯させた場合の90%に低下させ、表示装置41の積算稼働時間が10000〜20000hの間は最大の明るさで点灯させた場合の95%に低下させ、表示装置41の積算稼働時間が20000h〜の間は最大の明るさで点灯させるように構成されている。これにより、表示装置41の積算稼働時間にかかわらずバックライトLEDの明るさをほぼ維持することができるため、バックライトLEDの輝度が経時変化(経年劣化)していることを分かり難くすることができる。
以上説明した第2実施形態の遊技機10によれば、演出手段(盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46)が消費する消費電流量を算出する消費電流量算出手段(演出制御装置300)と、消費電流量算出手段により算出された消費電流量に応じて、演出手段に流す電流量を制御する電流量制御手段(演出制御装置300)と、を備えるように構成されている。
したがって、演出手段(盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46)が実際に使用する電流量を抑制することができ、演出手段(盤演出装置44、枠装飾装置18、および盤装飾装置46)で重複作動等によって想定していない電流量が消費されて、電流量の不足により不具合が発生することを防止することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の遊技機10について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機10と同様の構成を有しており、以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第3実施形態の遊技機10は、乱数保存領域(乱数格納領域)からの乱数取得と、当該乱数保存領域のクリアと、を同時に行うように構成されている。
〔特図ゲーム処理〕
まず、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図31に示すように、特図ゲーム処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA15)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA16)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA15の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。
図32に示すように、特図普段処理では、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA306)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA306;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA311)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA311;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA312)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA313)、演出コマンド設定処理(ステップA314)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。一方、ステップA311にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA311;Y)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特図変動開始処理(ステップA302)を行い、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA303)、演出コマンド設定処理(ステップA304)を行う。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA305)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA306にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA306;N)は、特図変動開始処理(ステップA307)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA308)、演出コマンド設定処理(ステップA309)を行う。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が「0」でない場合には特図変動開始処理(ステップA302)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図普段処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)の詳細について説明する。
図33に示すように、特図普段処理移行設定処理1では、まず、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(ステップA321)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(ステップA322)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA323)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA324)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図変動開始処理(ステップA302,A307)の詳細について説明する。特図変動開始処理は、特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
図34に示すように、特図変動開始処理では、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別が特図1であるか否かを判定する(ステップA331)。
ステップA311で、実行する特図変動表示ゲームの種別が特図1であると判定した場合(ステップA311;Y)には、特図1領域(特図1用のRAM領域)の先頭アドレスをインデックスレジスタ(IX)に設定して(ステップA332)、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(ステップA334)。
一方、ステップA311で、実行する特図変動表示ゲームの種別が特図1でないと判定した場合(ステップA311;N)、すなわち実行する特図変動表示ゲームの種別が特図2である場合には、特図2領域(特図2用のRAM領域)の先頭アドレスをインデックスレジスタ(IX)に設定して(ステップA333)、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(ステップA334)。
本実施形態では、特図1と特図2とでRAM領域が共通となるように配置し、インデックスレジスタを用いることで、特図1と特図2とで処理(特図変動開始処理)が共通になるように構成した。
具体的には、例えば、図44(a)に示す特図1用のRAM領域と、図44(b)に示す特図2用のRAM領域と、において、データが格納される格納領域のオフセット(基準点(本実施形態の場合、先頭)からの相対的な位置)は共通となっている。例えば、特図1用のRAM領域において「停止図柄番号」が格納される格納領域のオフセットも、特図2用のRAM領域において「停止図柄番号」が格納される格納領域のオフセットも、「+01h」となっている。また、特図1用のRAM領域において「大当り乱数」が格納される格納領域(大当り乱数格納領域)のオフセットも、特図2用のRAM領域において「大当り乱数」が格納される格納領域(大当り乱数格納領域)のオフセットも、「+03h〜+04h」となっている。そして、このオフセットと、インデックスレジスタに記憶されているデータ(特図1用のRAM領域の位置または特図2用のRAM領域の位置を示すアドレスデータ(本実施形態の場合、先頭アドレス))と、によってRAM111Cを構成する複数の格納領域の中から所望の格納領域を指定するように構成されている。これにより、特図1と特図2とで処理を共通にすることができるため、特図1と特図2とで処理が共通でない場合に比べて、プログラムの記憶によるメモリ使用量を節約することができる。
すなわち、始動条件は、第1始動条件(始動入賞口36への遊技球の入賞)と第2始動条件(普通変動入賞装置37への遊技球の入賞)とを含み、記憶手段(RAM111C)は、第1始動条件の成立に伴い実行される遊技(特図1(第1特図変動表示ゲーム))に関する情報を格納する複数の格納領域からなる第1記憶領域(特図1用のRAM領域)と、第2始動条件の成立に伴い実行される遊技(特図2(第2特図変動表示ゲーム))に関する情報を格納する複数の格納領域からなる第2記憶領域(特図2用のRAM領域)と、を有し、乱数(大当り乱数)のうち、第1始動条件の成立に基づき取得された乱数(特図1大当り乱数)は、第1記憶領域に記憶されるとともに、第2始動条件の成立に基づき取得された乱数(特図2大当り乱数)は、第2記憶領域に記憶される。
そして、第1記憶領域および第2記憶領域において、同一種類の情報が格納される格納領域のオフセットは同一であり、制御手段(遊技制御装置100)は、インデックスレジスタ(図示省略)を備え、第1始動条件の成立に伴い実行される遊技(特図1(第1特図変動表示ゲーム))に関する処理を行う際には、第1記憶領域(特図1用のRAM領域)の位置を示すアドレスデータ(先頭アドレス)をインデックスレジスタに記憶して、アドレスデータとオフセットとによって所望の格納領域の位置を指定し、第2始動条件の成立に伴い実行される遊技(特図2(第2特図変動表示ゲーム))に関する処理を行う際には、第2記憶領域(特図2用のRAM領域)の位置を示すアドレスデータ(先頭アドレス)をインデックスレジスタに記憶して、アドレスデータとオフセットとによって所望の格納領域の位置を指定して、当該所望の格納領域から情報を読み出したり、当該所望の格納領域に情報を書き込んだりするように構成されている。
次いで、実行する特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグにはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ設定処理(ステップA335)を行う。
次いで、特図停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図停止図柄設定処理(ステップA336)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA337)を行い、実行する特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA338)。
その後、実行する特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA339)を行い、実行する特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA340)を行って、特図変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における大当りフラグ設定処理(ステップA335)の詳細について説明する。
図35に示すように、大当りフラグ設定処理では、まず、大当りフラグ領域(IX+02h(図44(a),(b)参照))にはずれ情報をセーブする(ステップA351)。
次いで、クリアデータとして「0」をレジスタ(2バイトサイズ)に設定し(ステップA352)、レジスタに格納されているクリアデータと特図大当り乱数格納領域(保留数1用)に格納されている乱数とを交換するよう指示する交換命令により、RWMの特図大当り乱数格納領域(保留数1用)(IX+03h〜04h(図44(a),(b)参照))から大当り乱数をロードするとともに、当該領域をクリアする(ステップA353)。具体的には、レジスタに格納されているクリアデータを特図大当り乱数格納領域(保留数1用)に記憶するとともに、特図大当り乱数格納領域(保留数1用)に記憶されている乱数をレジスタに格納する。これにより、特図大当り乱数格納領域(保留数1用)からの乱数取得と、特図大当り乱数格納領域(保留数1用)のクリアと、を同時に行うことができる。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(実行する特図変動表示ゲームの種別が特図1である場合には特図1のうちで最先、実行する特図変動表示ゲームの種別が特図2である場合には特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の始動条件の成立に伴い遊技を実行し、遊技者に有利な遊技状態を発生可能な制御手段をなす。
また、RAM111Cが、始動条件の成立に基づいて取得した所定の乱数(大当り乱数)を記憶可能な記憶手段をなす。
そして、制御手段(遊技制御装置100)は、任意の値を記憶可能なレジスタ(図示省略)を備えており、乱数(大当り乱数)が予め設定された値と一致すると判定した場合に遊技者に有利な遊技状態を発生し、乱数(大当り乱数)が予め設定された値と一致するか否かの判定を行う際、レジスタにクリアデータを記憶させた状態で、記憶手段に記憶されている乱数(大当り乱数)とレジスタに記憶されているクリアデータとを交換する交換命令を実行することで、レジスタに記憶されているクリアデータを記憶手段に記憶させるとともに、記憶手段に記憶されている乱数をレジスタに記憶させるように構成されている。
次いで、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA354)を行う。
次いで、大当り判定処理(ステップA354)の判定結果が大当りである場合(ステップA355;Y)には、ステップA351にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ領域(IX+02h(図44(a),(b)参照))に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA356)、大当りフラグ設定処理を終了する。
一方、大当り判定処理(ステップA354)の判定結果が大当りでない場合(ステップA355;N)には、大当りフラグ領域(IX+02h)にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ設定処理を終了する。
〔大当り判定処理〕
次に、上述の大当りフラグ設定処理における大当り判定処理(ステップA354)の詳細について説明する。
図36に示すように、大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA381)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA382)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA387)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA355)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA382;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップA383)。
そして、高確率状態である場合(ステップA383;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップA384)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。また、高確率状態でない場合(ステップA383;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA385)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA357)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA355)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA386;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA388)、大当り判定処理を終了する。
〔特図停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における特図停止図柄設定処理(ステップA336)の詳細について説明する。
図37に示すように、特図停止図柄設定処理では、まず、クリアデータとして「0」をレジスタに設定し(ステップA401)、大当りフラグ領域(IX+02h(図44(a),(b)参照))に大当り情報がセーブされているか否かを判定する(ステップA402)。
ステップA402で、大当りフラグ領域に大当り情報がセーブされていると判定した場合(ステップA401;Y)には、レジスタに格納されているクリアデータと特図大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)に格納されている乱数とを交換するよう指示する交換命令により、RWMの特図大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)(IX+05h(図44(a),(b)参照))から大当り図柄乱数をロードするとともに、当該領域をクリアする(ステップA403)。すなわち、レジスタに格納されているクリアデータを特図大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)に記憶するとともに、特図大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)に記憶されている乱数をレジスタに格納する。これにより、特図大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)からの乱数取得と、特図大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)のクリアと、を同時に行うことができる。
次に、特図大当り図柄テーブルを設定して(ステップA404)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図停止図柄番号領域(IX+01h(図44(a),(b)参照))にセーブする(ステップA405)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA406)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA407)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。
次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA408)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブして(ステップA409)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA410)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。本実施形態の場合、当りを契機に演出モードが移行し、当り図柄の種類(大当り図柄の種類)に応じて当り終了後に移行する演出モードの移行先が変化する。また、大当りのうち特定の大当り図柄(例えば、4R確変図柄)となる場合は、遊技状態が確変中であるか否かに応じて、移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなるのか、確変であるか否か区別が困難な演出モードに移行するかが決定される。
そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA413)。
一方、ステップA402で、大当りフラグ領域に大当り情報がセーブされていないと判定した場合(ステップA402;N)、すなわち大当りフラグ領域にはずれ情報がセーブされている場合には、はずれ時の停止図柄番号を特図停止図柄番号領域(IX+01h(図44(a),(b)参照))にセーブし(ステップA411)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA412)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA413)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。ここで、ステップA411およびステップA412では、クリアデータを使用してデータを設定する。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA414)、演出コマンド設定処理(ステップA415)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。
そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA416)、特図停止図柄設定処理を終了する。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA337)の詳細について説明する。本実施形態の場合、確率状態(低/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
図38に示すように、特図情報設定処理では、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA451)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA452)。
次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA453)、特図保留数領域(IX+00h(図44(a),(b)参照))から対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA454)。
次いで、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA455)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(ステップA456)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次いで、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA457)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA458)。
次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA459)、特図保留数領域(IX+00h(図44(a),(b)参照))から対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA460)。
次いで、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA461)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA462)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA339)の詳細について説明する。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
図39に示すように、変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA471)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA472)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)(IX+06h〜07h(図44(a),(b)参照))から変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA473)。
そして、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定し(ステップA474)、はずれである場合(ステップA474;Y)には、2バイト振り分け処理(ステップA475)を行って、ステップA477の処理に移行する。また、はずれでない場合(ステップA474;N)には、振り分け処理(ステップA476)を行って、ステップA477の処理に移行する。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA477)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)(IX+08h(図44(a),(b)参照))から変動パターン乱数2をロードし、準備する(ステップA478)。そして、振り分け処理(ステップA479)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得する(ステップA480)。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA481)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップA482)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA483)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)(IX+09h(図44(a),(b)参照))から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステップA484)。その後、振り分け処理(ステップA485)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得する(ステップA486)。
次いで、取得した前半変動番号と後半変動番号を加算し、変動番号領域にセーブして(ステップA487)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンおよび後半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。
本実施形態では、大当りとはずれとで変動番号を共通として、変動番号以外に大当りまたははずれを特定可能な情報を付加するように構成されている。
具体的には、例えば、図46(a),(b)に示すように、変動番号「1(01h)」〜「107(6Bh)」を、大当りとはずれとで重複して用いている。大当りとはずれとで変動番号を共通としていない場合、例えば、はずれ時の変動パターンを定義する変動番号と大当り時の変動パターンを定義する変動番号とが連番である場合、図46(a),(b)を流用すると、「ノーマルリーチ大当り」に対応する変動番号は「108(=1+107)」、・・・「擬似連4周全回転大当り」に対応する変動番号は「348(=241+107)」となり、1バイト(=256)では足りず、2バイト必要になるため、データ容量が嵩む。これに対し、本実施形態のように、はずれ時の変動パターンを定義する変動番号と大当り時の変動パターンを定義する変動番号とを共通とする(重複して用いる)ことで、1バイトで足りるため、データ容量を節約することができる。そして、本実施形態では、図46(c)に示すように、変動コマンド(ACTION)によって変動番号を表し、変動コマンド(MODE)に図柄情報を含めて、当該変動コマンド(MODE)によって大当りまたははずれを特定可能にしている。
すなわち、演出制御装置300が、制御手段(遊技制御装置100)から送信される制御情報(変動コマンド)に基づいて、遊技に対応する変動表示演出(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な表示装置41の表示制御を行う表示制御手段をなす。そして、変動表示演出の変動パターンを特定するための変動パターン番号(変動番号)を、乱数(大当り乱数)が予め設定された値と一致する場合(大当りの場合)と一致しない場合(はずれの場合)とで重複して用い、制御手段(遊技制御装置100)は、制御情報として、変動パターン番号(変動番号)に、乱数(大当り乱数)が予め設定された値と一致するか否かを特定可能な情報を付加したものを、表示制御手段(演出制御装置300)に送信するように構成されている。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA340)の詳細について説明する。
図40に示すように、変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域(IX+06h〜09h(図44(a),(b)参照))をクリアする(ステップA491)。
次いで、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定し(ステップA492)、はずれである場合(ステップA492;Y)には、はずれ時の変動時間値テーブルを設定して(ステップA493)、ステップA495の処理に移行する。一方、はずれでない場合(ステップA492;N)には、大当り時の変動時間値テーブルを設定して(ステップA494)、ステップA495の処理に移行する。
ステップA495では、変動番号に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
次いで、停止図柄パターンに対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA496)、変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA497)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA498)。
次いで、対象の特図保留数(IX+00h(図44(a),(b)参照))を−1更新して(ステップA499)、乱数格納領域をシフトし(ステップA500)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA501)、変動開始情報設定処理を終了する。
ここで、本実施形態では、特図1でも特図2でも小当りは発生しないように構成したが、特図1および特図2の少なくとも一方で小当りを発生するように構成することも可能である。例えば、特図1では小当りが発生し特図2では小当りが発生しないように構成した場合には、例えば、図45(a),(b)に示すように、シフトする乱数格納領域は特図1と特図2とでサイズが異なるため、変動図柄判別フラグを見てサイズを指定する。具体的には、図45(a),(b)に示す例の場合、特図1では、ステップA500において乱数格納領域+03h〜+22hをシフトして、ステップA501においてシフト後の空き領域+1Bh〜+22hをクリアする。特図2では、ステップA500において乱数格納領域+03h〜+1Ehをシフトして、ステップA501においてシフト後の空き領域+18h〜+1Ehをクリアする。
また、特図1では小当りが発生し特図2では小当りが発生しないように構成した場合には、例えば、特図1と特図2で相違する領域(特図1小当り図柄乱数格納領域と小当りフラグ)を図44(a)の特図1変動パターン乱数3格納領域+1Ehの後に設定するようにしてもよい。また、先読み時のみに使用する領域を図44(a)の特図1変動パターン乱数3格納領域+1Ehの後に設定するようにして、それ以外の領域(+00h〜+1Eh)を使用した処理を先読み時と変動開始時とで共通となるようにしてもよい。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図41に示すように、特図変動中処理では、まず、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA601)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA602)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定する。
次いで、特図表示中処理移行設定処理(ステップA603)を行って、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理移行設定処理〕
次に、上述の特図変動中処理での特図表示中処理移行設定処理(ステップA603)の詳細について説明する。
図42に示すように、特図表示中処理移行設定処理では、まず、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(ステップA611)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA612)。
次に、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA613)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA614)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256m秒)をセーブする(ステップA615)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA616)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA617)、特図表示中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。
図43に示すように、特図表示中処理では、まず、クリアデータとして「0」をレジスタに設定し(ステップA701)、レジスタに格納されているクリアデータと大当りフラグ1領域に格納されているフラグとを交換するよう指示する交換命令により、RWMの大当りフラグ1領域から大当りフラグ1をロードするとともに、当該領域をクリアする(ステップA702)。すなわち、レジスタに格納されているクリアデータを大当りフラグ1領域に記憶するとともに、大当りフラグ1領域に記憶されているフラグをレジスタに格納する。これにより、大当りフラグ1領域からのフラグ取得と、大当りフラグ1領域のクリアと、を同時に行うことができる。
次いで、クリアデータとして「0」をレジスタに設定し(ステップA703)、レジスタに格納されているクリアデータと大当りフラグ2領域に格納されているフラグとを交換するよう指示する交換命令により、RWMの大当りフラグ2領域から大当りフラグ2をロードするとともに、当該領域をクリアする(ステップA704)。すなわち、レジスタに格納されているクリアデータを大当りフラグ2領域に記憶するとともに、大当りフラグ2領域に記憶されているフラグをレジスタに格納する。これにより、大当りフラグ2領域からのフラグ取得と、大当りフラグ2領域のクリアと、を同時に行うことができる。
ここで、ステップA702における大当りフラグ1のロードは、オフセットにより大当りフラグ1領域を指定して行ってもよいし、大当りフラグ1領域のアドレスを直接指定して行ってもよい。
同様に、ステップA704における大当りフラグ2のロードは、オフセットにより大当りフラグ2領域を指定して行ってもよいし、大当りフラグ2領域のアドレスを直接指定して行ってもよい。
また、0クリアする2つのレジスタ、すなわちステップA701において0クリアするレジスタとステップA703において0クリアするレジスタとは、異なるレジスタである。
次いで、ロードされた大当りフラグ2が大当りか否かを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りか否かを判定して(ステップA706)、大当りでない(ステップA706;N)と判定すると、特図普段処理移行設定処理1(ステップA712)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「4」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA713)、演出コマンド設定処理(ステップA714)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA715)、演出コマンド設定処理(ステップA716)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA717)、演出コマンド設定処理(ステップA718)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA719)。本実施形態の場合、ステップA719において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。
なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはON、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は300m秒)を設定して(ステップA720)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA721)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA722)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA723)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA724)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA725)を行い、特図表示中処理を終了する。
以上説明した第3実施形態の遊技機10によれば、所定の始動条件の成立に伴い遊技を実行し、遊技者に有利な遊技状態を発生可能な制御手段(遊技制御装置100)を備えた遊技機であって、制御手段は、始動条件の成立に基づいて取得した所定の乱数(大当り乱数)を記憶可能な記憶手段(RAM111C)と、任意の値を記憶可能なレジスタ(図示省略)と、を備え、乱数(大当り乱数)が予め設定された値と一致すると判定した場合に遊技者に有利な遊技状態を発生し、乱数(大当り乱数)が予め設定された値と一致するか否かの判定を行う際、レジスタにクリアデータを記憶させた状態で、記憶手段に記憶されている乱数(大当り乱数)とレジスタに記憶されているクリアデータとを交換する交換命令を実行することで、レジスタに記憶されているクリアデータを記憶手段に記憶させるとともに、記憶手段に記憶されている乱数をレジスタに記憶させるように構成されている。
したがって、乱数格納領域からの乱数取得と、当該乱数格納領域のクリアと、を同時に行うことができるため、効率の良い遊技制御を実現することができる。また、乱数格納領域に乱数が保持される時間を短くできるため、格納領域に格納されている乱数を解析するような不正行為を困難にすることができる。
また、第3実施形態の遊技機10によれば、始動条件は、第1始動条件(本実施形態の場合、始動入賞口36への遊技球の入賞)と第2始動条件(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞)とを含み、記憶手段(RAM111C)は、第1始動条件の成立に伴い実行される遊技(本実施形態の場合、特図1(第1特図変動表示ゲーム))に関する情報を格納する複数の格納領域からなる第1記憶領域(特図1用のRAM領域)と、第2始動条件の成立に伴い実行される遊技(本実施形態の場合、特図2(第2特図変動表示ゲーム))に関する情報を格納する複数の格納領域からなる第2記憶領域(特図2用のRAM領域)と、を有し、乱数(大当り乱数)のうち、第1始動条件の成立に基づき取得された乱数(本実施形態の場合、特図1大当り乱数)は、第1記憶領域に記憶されるとともに、第2始動条件の成立に基づき取得された乱数(本実施形態の場合、特図2大当り乱数)は、第2記憶領域に記憶され、第1記憶領域および第2記憶領域において、同一種類の情報が格納される格納領域のオフセットは同一であり、制御手段(遊技制御装置100)は、インデックスレジスタ(図示省略)を備え、第1始動条件の成立に伴い実行される遊技に関する処理を行う際には、第1記憶領域の位置を示すアドレスデータ(本実施形態の場合、先頭アドレス)をインデックスレジスタに記憶して、当該アドレスデータとオフセットとによって所望の格納領域の位置を指定し、第2始動条件の成立に伴い実行される遊技に関する処理を行う際には、第2記憶領域の位置を示すアドレスデータ(本実施形態の場合、先頭アドレス)をインデックスレジスタに記憶して、当該アドレスデータとオフセットとによって所望の格納領域の位置を指定するように構成することも可能である。
このように構成することによって、第1始動条件の成立に伴い実行される遊技に関する処理と、第2始動条件の成立に伴い実行される遊技に関する処理と、を共通にすることができる。
また、第3実施形態の遊技機10によれば、制御手段(遊技制御装置100)から送信される制御情報(本実施形態の場合、変動コマンド)に基づいて、遊技に対応する変動表示演出(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な表示装置41の表示制御を行う表示制御手段(演出制御装置300)を備え、変動表示演出の変動パターンを特定するための変動パターン番号(変動番号)を、乱数(大当り乱数)が予め設定された値と一致する場合(大当りの場合)と一致しない場合(はずれの場合)とで重複して用い、制御手段は、制御情報として、変動パターン番号(変動番号)に、乱数(大当り乱数)が予め設定された値と一致するか否かを特定可能な情報を付加したものを、表示制御手段に送信するように構成することも可能である。
このように構成することによって、データ容量を節約することができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態の遊技機10について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機10と同様の構成を有しており、以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第4実施形態の遊技機10は、検査用信号(試験信号)の増減に対応できるように構成されている。
まず、第1実施形態の遊技機10が備える遊技制御装置100と中継基板70との関係を説明する。
図47は、第1実施形態の遊技機10が備える遊技制御装置100の構成の一例を示す図である。図47におけるドライバ回路は、図2における第1ドライバ138aに相当し、図47における出力ポートは、図2における第2出力ポート134に相当する。また、図47におけるスイッチ入力回路は、図2における近接I/F121a,121bに含まれ、図47における入力ポートは、図2における第2入力ポート123に相当する。
図2および図47に示すように、第1実施形態においては、近接I/F121a,121bからの出力のうち、第2入力ポート123への出力は、近接I/F121a,121bから中継基板70へも直接供給されるように構成されている。具体的には、スイッチ(上カウントスイッチ39a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下カウントスイッチ38a等)からの信号は、近接I/F121a,121bに含まれるスイッチ入力回路を介して第2入力ポート123へ出力されるだけでなく、当該スイッチ入力回路を介して中継基板70へ直接出力されるように構成されている。
また、第1実施形態においては、第2出力ポート134からドライバ回路(第1ドライバ138a)への出力は、第2出力ポート134から中継基板70へも直接供給されるように構成されている。具体的には、遊技用マイコン111からソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b、普電ソレノイド37c等)への信号は、第2出力ポート134およびドライバ回路(第1ドライバ138a)を介してソレノイドへ出力されるだけでなく、第2出力ポート134を介して中継基板70へ直接出力されるように構成されている。
したがって、遊技機10の開発中にスイッチやソレノイドの数が増減して、中継基板70へ出力される信号(検査用信号)の増減が発生した場合、遊技制御装置100の主基板を新たに作成し直す必要があり、開発コストが増大してしまう場合がある。
これに対し、本実施形態においては、中継基板70へ出力される信号(検査用信号)を直接出力するのではなく、図48に示すように、遊技用マイコン111(CPU111A)を介して出力するように構成されている。
さらに、本実施形態においては、スイッチやソレノイドを遊技制御装置100に直接接続するのではなく、図48に示すように、中継端子板Cを介して接続するように構成されている。
したがって、検査用信号として出力する予定でなかったスイッチまたはソレノイドにおける信号を、仕様変更等によって出力するようになった場合であっても、基板を改版することなく変更に対応することができる。
また、遊技機10の開発中にスイッチやソレノイドの数が増減した場合でも、遊技用マイコン111のプログラムを変更するとともに中継端子板Cが備える端子のうち短絡させる端子の数を変更するだけで、当該増減に対応できるため、開発コストの増大を抑制することが可能となる。
すなわち、遊技用マイコン111が、遊技を統括的に制御する演算処理手段をなす。
また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aが、始動条件を成立させる起因となる事象を検出する検出手段をなす。
また、近接I/F121a,121bに含まれるスイッチ入力回路と入力ポート(第2入力ポート123)とを接続する配線と、入力ポート(第2入力ポート123)と、入力ポート(第2入力ポート123)と遊技用マイコン111とを接続する配線と、遊技用マイコン111が備える入力端子(入力ポート(第2入力ポート123)からの信号が入力される端子)とが、検出手段での検出結果を演算処理手段に伝達するための入力伝達手段をなす。
また、遊技用マイコン111が備える出力端子(試射試験出力ポート1〜7への信号を出力する端子)と、遊技用マイコン111と試射試験出力ポート1〜7とを接続する配線と、試射試験出力ポート1〜7とが、入力伝達手段により伝達された検出手段での検出結果を、検査用信号(試験信号)として演算処理手段から所定の検査端子(試験端子)に伝達するための出力伝達手段をなす。なお、試射試験出力ポート1〜7や、遊技制御装置100と中継基板70とを接続するため遊技制御装置100に設けられた検査端子(試験端子)などは、遊技機10の量産時等に取り外してもよく、試射試験出力ポート1〜7を取り外した状態の遊技機10においては、遊技用マイコン111が備える出力端子(試射試験出力ポート1〜7への信号を出力する端子)と、遊技用マイコン111と試射試験出力ポート1〜7とを接続する配線とが、出力伝達手段をなす。
ここで、本実施形態の遊技機10は、遊技用マイコン111が備える入力端子(入力ポート(第2入力ポート123)からの信号が入力される端子)のうち、始動口1スイッチ36aの検出信号が入力される入力端子と、遊技用マイコン111が備える出力端子(試射試験出力ポート1〜7への信号を出力する端子)のうち、始動口1スイッチ36aの検出信号を出力する出力端子とで、同一のビットとなるように構成されている。
また、遊技用マイコン111が備える入力端子(入力ポート(第2入力ポート123)からの信号が入力される端子)のうち、始動口2スイッチ37aの検出信号が入力される入力端子と、遊技用マイコン111が備える出力端子(試射試験出力ポート1〜7への信号を出力する端子)のうち、始動口2スイッチ37aの検出信号を出力する出力端子とで、同一のビットとなるように構成されている。
すなわち、本実施形態において、入力伝達手段は、ビット毎に設けられた複数の入力端子(遊技用マイコン111が備える入力端子(入力ポート(第2入力ポート123)からの信号が入力される端子))を備え、出力伝達手段は、ビット毎に設けられた複数の出力端子(遊技用マイコン111が備える出力端子(試射試験出力ポート1〜7への信号を出力する端子))を備え、入力伝達手段と出力伝達手段とで、検出手段での検出結果を伝達する信号のビットが同一となるように構成されている。
なお、本実施形態において、遊技制御装置100は、図48に示すように、試射試験出力ポート1〜7を介して遊技用マイコン111と中継基板70(図示省略)とを接続するように構成されていてもよいし、図49に示すように、試射試験出力ポート1〜7を介さずに、遊技用マイコン111と中継基板70(図示省略)とを直接接続するように構成されていてもよい。この場合、図49に示すように検査信号を伝達するためのデータバス「D0〜D7」と、試射試験出力ポートを選択するためのセレクト信号「SEL1〜7」を、中継基板70に接続し、中継基板70に試射試験出力ポート1〜7を設けるようして、セレクト信号1〜7は図50の試射試験出力ポート1〜7に対応させるようにする。これにより、検査の際以外に使用することのない試射試験出力ポートを遊技制御装置100に設ける必要がないため、遊技制御装置100にかかるコストを削減することができる。
また、図48および図49において、中継端子板Cを設けずにスイッチやソレノイドを遊技制御装置100に直接接続するようにしてもよい。また、図48では全てのスイッチやソレノイドにおける信号を、遊技用マイコン111(CPU111A)を介して出力する場合を例示したが、一部のスイッチまたはソレノイドのみを遊技用マイコン111(CPU111A)を介して出力するようにし、その他の信号については遊技用マイコン111(CPU111A)を介さずに出力するようにしてもよい。
図50および図51には、遊技制御装置100の主基板上から試験装置へ出力する試験信号専用の出力ポート(試射試験出力ポート)へのビット割付け例と、試験装置へ出力する主基板の入出力信号および兼用試験信号の例と、が示されている。図50および図51における(A)〜(G)が第1実施形態に対応し、図50および図51における(A)〜(E)、(H)、および(I)が本実施形態に対応する。すなわち、本実施形態では、第1実施形態における入力ポート(第2入力ポート123)および出力ポート(第2出力ポート134)の割り付けと同じように、試験信号出力ポート(試射試験出力ポート)に割り付けるようにしている。
ここで、「兼用試験信号」とは、主基板へ入力される信号(入力系信号)をそのまま試験装置へ出力したり、主基板からソレノイド等の周辺デバイスへ出力される信号(出力系信号)をそのまま試験装置へ出力したりする信号のことである。これらの信号は、波形を整形する必要がないので、そのまま試験装置へ出力できる。
なお、図50および図51において、*印が付されているビット(図50の出力ポート1のbit3,bit6や図51の出力ポート5のbit3〜bit7)は、機種の仕様によっては出力されることがない信号であり、出力しない場合には、プログラムによって対応するビットが「0」に固定されるようになっている。これにより、例えば「小当り」のある遊技機と「小当り」のない遊技機とで、主基板を共通に設計することができ、コストの低減や遊技機検定機関への申請書類の作成工数を減らすことができるという利点がある。
ここで、図50および図51に示す信号の内容を簡単に説明する。なお、以下の説明において、「オン出力」とは論理H(ハイレベル)の信号を出力することを、「オフ出力」とは論理L(ロウレベル)の信号を出力することを意味する。
・条件装置作動中信号: 条件装置作動開始時にオンとなり、作動終了時にオフとなる信号で、大当りファンファーレ開始〜エンディング終了(大当り終了処理終了)までオン出力される。
・役物連続作動装置作動中信号: 役物連続作動装置作動開始時にオンとなり、作動終了時にオフとなる信号で、大当りファンファーレ開始〜エンディング終了(大当り終了処理終了)までオン出力される。
・普通図柄1当り信号: 普通図柄が当りの間にオンとなる信号で、普図が変動し、停止が確定した時に当り図柄だった時にオンとなり、普図当り終了処理の終了時にオフとなる。遊技機の仕様によっては普通図柄を4個まで設けることができるが、1種タイプの遊技機では1個しか設けられないため、「1」を使用する(特別電動役物がある遊技機は、普通図柄は1個まで)。
・普通電動役物1作動中信号: 当該入賞口の作動中、及び当該入賞口の開放終了後の入賞有効時間中にオンとなる信号で、普図が変動し、停止が確定した時に当り図柄だった時にオン、普電残存球処理の終了時にオフとなる。
・特別図柄1小当り信号: 特図1が小当りしている間にオンとなる信号(条件装置が作動せず、特別電動役物が作動する当り中)で、特図1が変動し、停止が確定した時に小当り図柄だった時(小当りファンファーレの開始時)にオンになり、小当り終了処理の終了時にオフとなる。
・特別図柄1当り信号: 特図1が大当りしている間にオンとなる信号(条件装置が作動して、特別電動役物が作動する当り中)で、特図1が変動し、停止が確定した時に大当り図柄だった時(大当りファンファーレの開始時)にオンになり、大当り終了処理の終了時にオフとなる。
・特別電動役物1作動中信号: 大入賞口(1)の作動中、及び当該大入賞口の開放終了後の入賞有効時間中にオンとなる信号で、特図が変動し、停止が確定した時に大当り図柄だった時(〃)にオンとなり、最終ラウンドでの大入賞口残存球処理の終了時にオフとなる(普図と異なり、特図1と特電1が1対1とは限らない。特図が2個で大入賞口が1個のパターンの仕様もある。)。
・普通図柄1変動中信号: 普図が変動している間にオンとなる信号。
・普通図柄1高確率状態信号: 普図の当り確率が高確率となっている間にオンとなる信号。
・普通図柄1変動時間短縮状態信号: 普図の変動時間が短縮状態となっている間にオンとなる信号。
・普通電動役物1開放延長状態信号: 普電の開放等の時間が延長されている間にオンとなる信号。普通図柄1高確率状態信号、普通図柄1変動時間短縮状態信号、普通電動役物開放延長状態信号は、同一期間出力される仕様がスタンダードであるが、例えば変動時間短縮、開放時間延長はされるが、確率は変わらないといった仕様などにも対応できるように、各々を独立した割付としたことで異なる仕様でも共通の基板を使用できる。
・特別図柄1高確率状態信号: 特図1が高確率となっている間にオンとなる信号。
・特別図柄1変動時間短縮状態信号: 特図1が高確率となっている間にオンとなる信号。「低確率・時短なし」「低確率・時短あり」「高確率・時短あり」「高確率・時短なし」の仕様が考えられるので信号を独立。また、特図2がある場合は、上記2つの信号は同一名称のものは特図1、2共に同一状態の出力となる。特図2がない仕様も考えられるので、特図1と2で信号を分けている。
・特別図柄1図柄データbit0〜5: 特別図柄1(本特図1)の停止図柄番号を出力する信号。ビットの組み合わせで番号を意味する。特図1の変動開始時に停止図柄番号に対応する値が出力され、次の特図1の変動開始まで状態はずっと保持される。試験装置に出力するデータは8ビットだが、主制御基板で出力するのは下位6ビット分、残りは中継基板上で、0固定で出力する。故に主制御プログラムで制御できる図柄番号は64通りとなる。
・遊技機エラー状態信号: 遊技機にエラーが発生している間にオンとなる信号で、何か1つでも要因が発生している限りオン出力を継続する。(主制御基板での要因:磁石不正発生中、盤電波不正発生中、大入賞口不正発生中、普電不正発生中、枠電波不正発生中など機種により、振動不正等が追加されたりする。また、払出制御基板からも遊技機エラー状態信号が出力され、主制御基板との2信号が中継基板上で合成(OR)されて試験装置に出力される。払出制御基板での要因:シュート球切れエラー発生中、オーバーフローエラー発生中、枠電波不正発生中、スイッチ異常エラー発生中、払出不足エラー発生中、払出過剰エラー発生中、カードユニット未接続エラー発生中など、主制御基板と払出制御基板の双方で枠電波不正で出力する。)
・普通図柄1図柄データbit0〜2: 上記特図のものとほぼ同様。こちらも8ビット中の3ビットまでをソフト制御しているので、最大で8通りの図柄を持つことができる。
・発射位置指定信号1: 盤面上に発射する遊技球の位置を通常遊技(左打ち等)とは異なる位置に指定したい間(右打ち等)にオンとなる信号で、大入賞口が右にあり、右打ちしなくては入賞しないような時に指定信号としてオンする(右大入賞口が開くこととなる大当りのファンファーレ開始〜エンディング終了までオン出力し、さらにその後の遊技で右の普電を狙わせる場合はオンを継続し、普電の開放延長等が終了するまでオンが続く)。遊技の状態等によって位置を変えたりする必要がない(常時同じ位置を狙えばよい等、狙う場所を指定する必要がない)場合は、この信号は使用しない(常時オフ)。更に異なる位置に球を打たせたい場合には、発射位置指定信号2、3を設けてもよい。
・入賞容易状態信号1〜4: 入賞容易状態(普通図柄1高確率状態信号、普通図柄1変動時間短縮状態信号、普通電動役物1開放延長状態信号の何れかがオンの遊技状態)を複数持つ遊技機において、各入賞容易状態の期間中オンとなる信号で、4ビットの信号の組み合わせで0〜15の数値で表す。本割付では下位3ビットをソフト制御しているので8種類まで制御可能である。ただし、本実施例では、1通りの入賞容易状態しか持たないので、当該信号は未使用となり、常時オフである。
・入賞容易状態確定信号: 入賞容易状態信号が変化するときにオンとなる信号で、変化点を試験装置に通知するためのストローブ信号のように働く。例えば128msオン。本実施例では未使用で、常時オフである。試験装置が対応しやすいように、普通図柄1高確率状態信号等が変化するのと同時以前(同時も可)に出力を開始する。
また、特別電動役物内に特定領域を設け、始動条件の成立に伴い特別電動役物を開放させ、特定領域に遊技球が入球したことを条件に条件装置を作動(特別遊技状態を付与)するような2種タイプの遊技機では、条件装置作動中信号よりも先に特定領域に入球したことを示す特定領域通過信号を検査装置に出力するようにすると外部の検査装置で適切に判断することができる。
ところで、遊技機が備える基板(主基板、演出制御基板、LED基板等)は、電子部品(コンデンサやLEDなど)と、当該電子部品が実装されるプリント基板と、からなるが、このプリント基板は、電子部品(面実装部品E)がハンダ付けされるランドLを有している。
従来の遊技機においては、図52(a)に示すように、ランドLが直線のみで囲まれた形状(矩形状等)をなしているのに対し、本実施形態の遊技機10においては、図52(d)に示すように、ランドLが少なくとも円弧部分を有する線で囲まれた形状をなしている。
したがって、本実施形態の場合、図52(e)に示すように、ランドLに角部がない分、従来の場合(図52(b)参照)に比べて、配線パターンPをランドLの中心側に寄せることができるため、基板面積を縮小することができ、基板の小型化が可能となる。
さらに、従来の場合、図52(c)に示すように、ランドLから配線パターンPを引き出す際の引き出し方向によって、配線パターンPの電気特性が異なってしまうという問題があった。具体的には、ランドLの角部に重なるように引き出した配線パターンP1とランドLとの重複面積(図51(c)において斜線ハッチングした部分の面積)と、ランドLの角部に重ならないように引き出した配線パターンP2とランドLとの重複面積(図52(c)においてドットハッチングした部分の面積)と、が異なるため、配線パターンP1と配線パターンP2とで電気特性が異なってしまう。これに対し、本実施形態の場合、図52(f)に示すように、ランドLに角部がないため、ランドLから配線パターンPを引き出す際の引き出し方向にかかわらず、配線パターンPの電気特性をほぼ均一にすることができる。
以上説明した第4実施形態の遊技機10によれば、所定の始動条件の成立に伴い遊技を実行し、遊技者に特定の遊技価値を付与する制御手段(遊技制御装置100)を備えた遊技機であって、制御手段は、遊技を統括的に制御する演算処理手段(遊技用マイコン111)と、始動条件を成立させる起因となる事象を検出する検出手段(始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37a)と、検出手段での検出結果を演算処理手段に伝達するための入力伝達手段と、入力伝達手段により伝達された検出手段での検出結果を、検査用信号(試験信号)として演算処理手段から所定の検査端子(試験端子)に伝達するための出力伝達手段と、を備えるように構成されている。
したがって、開発中に使用する検査用信号(試験信号)の増減が発生しても、基板を新たに作成し直すことなく対応することができる。
また、第4実施形態の遊技機10によれば、入力伝達手段は、ビット毎に設けられた複数の入力端子を備え、出力伝達手段は、ビット毎に設けられた複数の出力端子を備え、入力伝達手段と出力伝達手段とで、検出手段(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a)での検出結果を伝達する信号のビットが同一となるように構成することも可能である。
このように構成することによって、入力伝達手段からの信号のビットを入れ替えることなく、出力伝達手段からの出力に使用することができるため、処理を効率よく行うことが可能となる。
また、第4実施形態の遊技機10によれば、面実装部品Eが実装されるプリント基板を備え、プリント基板は、面実装部品Eがハンダ付けされるランドLを有し、ランドLは、少なくとも円弧部分を有する線で囲まれた形状をなしているように構成することも可能である。
このように構成することによって、配線パターンPをランドLの中心側に寄せることができるため、基板面積を縮小することができ、基板の小型化が可能となる。また、ランドLから配線パターンPを引き出す際の引き出し方向にかかわらず、配線パターンPの電気特性をほぼ均一にすることができる。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態の遊技機10について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機10と同様の構成を有しており、以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第5実施形態の遊技機10は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能となっている。
図53に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図54参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図54参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図54を用いて遊技盤30の一例について説明する。図54は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、センターケース40の左部及び右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図54に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図64参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、特図1変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口36(始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図64参照)により検出される。また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下方には、特図2変動表示ゲームの開始条件を与える第2始動入賞口37(始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。第2始動入賞口37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図64参照)により検出される。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、第1始動入賞口36の右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(上大入賞口)38が配設されている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって上大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての上大入賞口ソレノイド38b(図64参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される上大入賞口を備え、大当りや小当りに基づく特別遊技状態中は、上大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより上大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
上大入賞口の内部(入賞領域)には、当該上大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての上大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図64参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、上大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、上大入賞口内に流入した遊技球は何れかの上大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように上大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、上大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
第1始動入賞口36の直下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(下大入賞口)39が配設されている。第2特別変動入賞装置39は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な開閉扉39cを備えている。
第2特別変動入賞装置39は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉39cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって下大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第2特別変動入賞装置39は、例えば、駆動装置としての下大入賞口ソレノイド39b(図64参照)により駆動される開閉扉39cによって開閉される下大入賞口を備え、大当りや小当りに基づく特別遊技状態中は、下大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
下大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての下大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)39a(図64参照)が配設されている。また、第2特別変動入賞装置39の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
なお、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の配置はこれに限られるものではない。例えば、図54において第1特別変動入賞装置38の上側又は下側に隣設して第2特別変動入賞装置39を設けるようにしても良い。この場合、上下に完全に重なっていても良いし、左右にずれて一部のみが上下に重なるようにしても良い。また、開閉扉38c、39cについてもアタッカ形式に限られず、大入賞口を閉鎖することが可能な板状の部材をスライド移動させることにより大入賞口を開放することが可能なスライド形式など、他の形式としても良い。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで第1始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで第2始動入賞口37や第1特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。なお、第2特別変動入賞装置39は左右どちらの遊技領域に遊技球を発射しても狙うことができる。
ここで、本実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を透して視認することができる。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図55に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51(D1)及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52(D2)と、LEDランプで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54(D11〜D14)とを備える。
また、一括表示装置50には、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(D3〜D7)、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部77(D8〜D10)、特図変動表示ゲームの確率状態(高確率状態又は低確率状態)を報知する確率表示部78(D15〜D18)が設けられている。なお、一括表示装置50には、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率状態表示部、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。更に、従来の遊技機のように普図変動表示ゲームを実行し、該普図変動表示ゲームが特定結果となったことに基づいて遊技球が入賞可能となる第2始動入賞口を構成する普通変動入賞装置を備えた場合に、普図変動表示ゲームを表示する普図表示部や、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する時短状態報知部等が設けられていても良い。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームにおいては、図55(b)に示すように、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
記憶表示部54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を、図55(c)に示すように複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。ラウンド表示部60はLEDランプ等で構成され、図55(d)に示すように特別遊技状態中でない場合には全てのLEDを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応してLEDを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
第1遊技状態表示部77は、例えば図55(e)に示すように、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)には全てのLEDを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)には全てのLEDを点灯状態にする。確率表示部78は、図55(e)に示すように大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合には全てのLEDを消灯状態にし、大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合には全てのLEDを点灯状態にする。
図56には特図1表示器51における表示態様を示した。特図1変動表示ゲームの変動表示中は中央のセグメント及び7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントを100m秒の周期で点滅させる。そして、変動時間の終了に伴い結果に対応する態様で点灯することで結果を表示する。なお、一つの結果に対して複数の点灯態様が対応付けられているものもあり、この場合はこれらのうちから乱数等によりいずれか一つの点灯態様が選択される。
図57、図58には特図2表示器52における表示態様を示した。特図2変動表示ゲームの変動表示中は中央のセグメントを100m秒の周期で点滅させる。そして、変動時間の終了に伴い結果に対応する態様で点灯することで結果を表示する。なお、一つの結果に対して複数の点灯態様が対応付けられているものもあり、この場合はこれらのうちから乱数等によりいずれか一つの点灯態様が選択される。後述する大当り及び小当りのそれぞれに対し、複数パターンの点灯態様が設定されているが、これはとくに小当り発生時等、遊技者に何れの小当りが発生したかを明確に報知しない(認識させない)ようにするためであり、こうすることで、特図2表示器52の点灯態様を見て小当り時に不正に遊技球を獲得しようとする行為を防止できることとなる。
図59には、大当り及び小当りの確率と、大当りに当選した場合の大当り種類の振分確率、小当りに当選した場合の小当り種類の振分確率を示した。なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
大当り(第1特別結果)となる確率である大当り確率は特図1と特図2で共通であり、低確率状態である通常遊技状態と高確率状態である特定遊技状態での確率はそれぞれ図59(a)に示すような確率となっている。本実施形態の遊技機では、大当りに基づく特別遊技状態(第1特別遊技状態)の終了後に高確率状態となり、所定回数(ここでは50回)の特図変動表示ゲームを実行すると低確率状態になるように構成されている。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
小当り(第2特別結果)となる確率である小当り確率は図59(b)に示すような確率となっている。この小当り確率は特図1よりも特図2の方が高くなっている。また、小当り確率は遊技状態や大当り確率にかかわらず常に一定である。大当りと小当りの抽選においては大当りと小当りは重複して当選しない。よって、高確率状態では特図2について大当りと小当りの何れかに必ず当選することとなる。なお、はずれ結果となる場合があるようにしても良い。
また、図59(c)には特図1と特図2で選択可能な大当り種類と、各大当り種類で開放される特別変動入賞装置及び振分確率を示し、図59(d)には特図1と特図2で選択可能な小当り種類と、各小当り種類で開放される特別変動入賞装置、開放時間と開放回数及び振分確率を示した。なお、特図2の2R確変D1については出球はほとんど望めないが、大当りであるので高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数が再度50回に設定される。この2R確変D1に基づく特別遊技状態では、高確率状態で実行可能なゲーム数が上乗せされるような演出を行う。
図60、図61には、特図変動表示ゲームの変動パターンを示した。図60(a)には、低確率状態で結果がはずれとなる場合の変動パターンを示した。上述したように本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより第1始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右打ちにより第2始動入賞口37への入賞を狙うことができるようになっている。すなわち、遊技者の意思により特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとの何れを主として実行するかを選択できるようになっている。また、遊技状態によっては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主として遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行するように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行した方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、以下の説明では、各遊技状態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動表示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
低確率状態では、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。この設計に従い遊技者が遊技を進行するように、特図2については、何れの変動パターンが選択された場合であっても、約10分の変動時間が設定される長変動が選択されるようになっている。すなわち、通常遊技状態において、特図2変動表示ゲームの変動時間として決定可能な変動時間は、特図1変動表示ゲームの変動時間として決定可能な変動時間よりも長くなっている。特図2変動表示ゲームは小当りの確率が特図1変動表示ゲームよりも高いが、はずれ結果の場合や後述する小当りの場合に変動時間を長時間とすることで、低確率状態では特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となるようにし、低確率状態においては遊技者に特図1変動表示ゲームを主として遊技を進行させるようにしている。
図60(b)には、高確率状態で結果がはずれとなる場合の変動パターンを示した。高確率状態では特図2変動表示ゲームについて抽選の結果がはずれとなる場合がないため変動パターンは設定されていない。また、特図1変動表示ゲームについては一つの変動パターンのみが選択である。この高確率状態では、上述の低確率状態の場合とは逆に、特図2変動表示ゲームをメイン変動とし、特図1変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。
ここで、高確率状態でイレギュラー変動となる特図1変動表示ゲームではずれ結果となる場合の変動時間は、低確率状態でイレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームではずれ結果となる場合の変動時間(図60(a)参照)よりも短く設定されている。これは、後述するように高確率状態において特図2変動表示ゲームが大当り又は小当りとなる場合の変動時間として短い時間が設定されており、さらに高確率状態では特図2変動表示ゲームについて抽選の結果がはずれとなる場合がないためである。
つまり、特図2変動表示ゲームの変動時間が短く、時間的に効率良く実行可能となる高確率状態では、抽選の結果としてはずれ結果がある特図1変動表示ゲームの方が明らかに不利であり、それほど長時間の変動時間を設定しなくても遊技者に特図2変動表示ゲームを主として遊技を進行させることができる。よって、特図1変動表示ゲームの変動時間としては必要以上に長い変動時間を設定しなくても良いが、特図2変動表示ゲームと同時に実行された場合には特図2変動表示ゲームが主として遊技が進行するように、特図2変動表示ゲームの変動時間に対して充分に長い変動時間として、特図2変動表示ゲームの大当り又は小当りにより強制的に停止させられるようにしている。
図61(a)には、低確率状態で結果が大当りとなる場合の変動パターンを示した。特図2についてはリーチ状態を発生させない変動パターンのみ選択可能である。なお、低確率状態において、特図2変動表示ゲームが大当りとなる場合の変動時間を、特図1変動表示ゲームが大当りとなる場合に選択可能な変動時間よりも長い変動時間としても良い。図61(b)には、高確率状態で結果が大当りとなる場合の変動パターンを示した。何れもリーチ状態を発生させず、非常に短い変動時間の変動パターンが選択される。
特に、特図1変動表示ゲームについては、特図2変動表示ゲームで大当り又は小当りとなる場合に選択可能な変動時間も含めて比較すると、2番目に短い変動時間が選択されるようになっている。これにより、高確率状態であってもイレギュラー変動となる特図1変動表示ゲームがメイン変動となる特図2変動表示ゲームより先に停止する可能性を高め、特図1変動表示ゲームの大当りが強制的にはずれ結果に変更される可能性が低くなるようにしている。なお、特図2の変動パターンの振分を前述の大当り種類によって行うようにしているが、乱数等により決定するようにしてもよい。
図61(c)には、低確率状態で結果が小当りとなる場合の変動パターンを示した。特図2についてはリーチ状態を発生させず、約10分の変動時間が設定される長変動が選択されるようになっている。図61(d)には、高確率状態で結果が小当りとなる場合の変動パターンを示した。何れもリーチ状態を発生させず、非常に短い変動時間の変動パターンが選択される。なお、特図1変動表示ゲームについては、高確率状態におけるはずれの場合と同じ時間としているが、これもはずれの場合と同様に特図2変動表示ゲームの大当り又は小当りにより強制的に停止させられるのに充分な時間となっている。高確率状態において特図1変動表示ゲームがはずれ又は小当りとなるの場合の変動時間については、特図2変動表示ゲームの大当り又は小当りにより強制的に停止させられるのに充分な時間であれば、ここに示した時間より短くても良い。
図62、図63には、大当り(第1特別結果)に基づく特別遊技状態(第1特別遊技状態)及び小当り(第2特別結果)に基づく特別遊技状態(第2特別遊技状態)における特別変動入賞装置の開閉パターンを示した。図62には、特図1変動表示ゲームで選択可能な大当り種類及び小当り種類における特別変動入賞装置の開閉パターンを示し、図63には特図2変動表示ゲームで選択可能な大当り種類及び小当り種類における特別変動入賞装置の開閉パターンを示した。
例えば図62に示すように、特図1変動表示ゲームで大当り種類が16R確変A1の大当りとなった場合は特図1上大入賞口開閉パターン1に従い第1特別変動入賞装置38が開放される。特図1上大入賞口開閉パターン1では、5000msのファンファーレ期間の後、初回のラウンド(1R)で29000msの開放期間が設定される。その後、2000msのインターバル期間と29000msの開放期間が設定されるラウンドを繰り返して16ラウンドまで行い、11000msのエンディング期間の経過後、特別遊技状態が終了する。
なお、図62、図63に示す各開閉パターンでのインターバル期間とエンディング期間に記載の時間は、残存球処理時間とインターバル時間又はエンディング時間を加算した時間である。例えば、特図1上大入賞口開閉パターン1でのインターバル期間は2000msであり、このうち前半の1400msが残存球処理時間であり、後半の600msがインターバル時間である。また、特図1上大入賞口開閉パターン1でのエンディング期間は11000msであり、このうち前半の1400msが残存球処理時間であり、後半の9600msがエンディング時間である。
その他の開閉パターンについては図示するようなファンファーレ期間、開放期間、インターバル期間(残存球処理時間を含む)及びエンディング期間(残存球処理時間を含む)となっており、これに従い第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39が開放される。なお、図63の特図2上大入賞口開閉パターン5については、5Rにおける27200msの開放期間を200msの開放と1500msの閉鎖を11回繰り返した後に25000msの開放を行うことで構成されている。また、いずれの開閉パターンにおいても、各ラウンドにおいて規定数の入賞があった場合にはその時点で当該ラウンドの開放期間が終了する。
なお、例えば特図1上大入賞口開閉パターン1〜3及び特図2上大入賞口開閉パターン2,3のように特別遊技状態の開始から途中まで開閉態様が同じ開閉パターンの場合は、表示装置41における演出も同じにして大当り種類や小当り種類の判別が困難となるようにしても良い。さらに、特別遊技状態中に大当り種類や小当り種類の判別を可能とする情報の示唆や報知を行うようにしても良い。
また、特図2上大入賞口開閉パターン4、5の何れかによって大当りが実行される場合、4R終了以降に再度長開放ラウンドが実行されるか否か(継続するか否か)の演出を行うようにしてもよい。この場合例えば、特図2上大入賞口開閉パターン4であれば5Rから最終ラウンドとなる16Rまで短開放が行われて大当りが終了し、特図2上大入賞口開閉パターン5であれば5Rにおいて前述の特図2上大入賞口開閉パターン4の5Rから16Rまでと略同一となる短開放が行われた後に長開放(25000ms)が行われ以降は4Rまでと同様の長開放が再開する。そのため、特図2上大入賞口開閉パターン4であれば5Rから15Rまでの間、特図2上大入賞口開閉パターン5であれば5Rの複数回の短開放の間、の時間を使って継続演出を行い、特図2上大入賞口開閉パターン4であれば長開放が再開しない(大当り遊技が継続しない)旨の結果を報知し、特図2上大入賞口開閉パターン5であれば長開放が再開する(大当り遊技が継続する)旨の結果を報知するようにすることで、遊技者の期待感を煽るようにしてもよい。
以上のことから、特別結果には、第1特別遊技状態を発生可能な第1特別結果(大当り)と、該第1特別遊技状態よりも遊技者に付与可能な遊技価値が低い第2特別遊技状態を発生可能な第2特別結果(小当り)と、が含まれていることとなる。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、大当り(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別結果)と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状態と称する。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図64参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
第1始動入賞口36への入賞球は、内部に設けられた始動口1スイッチ36aによって特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。特図1変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、第1始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口36に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って第1始動記憶が記憶されて、第1始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに第1始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲームが開始され、この際に第1始動記憶数が1減算される。一方、特図1変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲームが行われてその特図1変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口36に遊技球が入賞すると、第1始動記憶数が上限数未満ならば、第1始動記憶数が1加算されて第1始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、第1始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図1変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、第1始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された第1始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲームが開始される。
第2始動入賞口37への入賞球は、内部に設けられた始動口2スイッチ37aによって特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出される。特図2変動表示ゲームを開始可能な状態において第2始動入賞口37への入賞があった場合には、当該入賞に基づき即座に特図2変動表示ゲームが実行される。また、特図2変動表示ゲームを直ちに開始できない状態、例えば、既に特図2変動表示ゲームが行われてその特図2変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第2始動入賞口37に遊技球が入賞しても第2始動記憶は発生しない。なお、特図2変動表示ゲームを開始可能な状態において第2始動入賞口37への入賞があった場合には、処理の都合上第2始動記憶が一旦発生するが、当該第2始動記憶は即座に消化されることとなるため、特図2変動表示ゲームの開始を保留するための第2始動記憶は発生しない。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図64参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として所定回数(例えば、第1始動記憶については最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54(特図1保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36への入賞又は第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51(第1変動表示装置)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動入賞口37への入賞に基づいて、特図2表示器52(第2変動表示装置)で特図2変動表示ゲームを行う。特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが特別結果(大当り又は小当り)となった場合には、当該一方の特図変動表示ゲームを特別結果以外の結果(はずれ結果)として終了させるようにしている。
特図1表示器51及び特図2表示器52では、図56〜図58に示したような表示態様で変動表示を行った後、所定の結果態様を停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)となって小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特図1表示器51が、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特図2表示器52が、第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。飾り特図変動表示ゲームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがあり、これらは別々の表示領域に表示される。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行われる。
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとしても良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
本実施形態の遊技機では特図2変動表示ゲームの方が小当りの確率が高いが、低確率状態である通常遊技状態である場合には特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時間が非常に長い(約10分)長変動が選択される。これにより、通常遊技状態では特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、通常遊技状態における小当りの獲得を狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないようにしている。よって通常遊技状態では、左打ちを行って第1始動入賞口36を狙い、特図1変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。なお、長変動の時間は約10分としたがこれより長くても良いし、短くても良い(5分、50分、10時間など)。
そして、大当りが発生して特別遊技状態となった場合には右打ちにより第1特別変動入賞装置38を狙うことができる。なお、大当り又は小当りに基づく特別遊技状態で第2特別変動入賞装置39が開放される場合は、右打ちでも左打ちでも狙うことができる。大当りに基づく特別遊技状態の終了後には高確率状態である特定遊技状態となる。この特定遊技状態では、特図2変動表示ゲームの変動時間は短い時間となるため、右打ちを行って第2始動入賞口37を狙い、特図2変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。特定遊技状態では小当りに基づく特別変動入賞装置の開放と大当りに基づく特別変動入賞装置の開放が高頻度で発生し、遊技者が多量の遊技球を獲得可能である。
図64は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38内に配設される複数個(1〜x、本実施形態では2個)上大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の下大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、上大入賞口スイッチ38a及び下大入賞口スイッチ39aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させる上大入賞口ソレノイド38b及び第2特別変動入賞装置39を開成させる下大入賞口ソレノイド39bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される上大入賞口ソレノイド38bや下大入賞口ソレノイド39bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
なお、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、図65を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
これらの制御回路においては、第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値等を抽出してRAM111Cに第1始動記憶を記憶する。この第1始動記憶の大当り判定用乱数値等をROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当りはずれや変動パターンを決定する処理を行う。また、第2始動入賞口37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値等を抽出してRAM111Cに第2始動記憶を記憶する。この第2始動記憶の大当り判定用乱数値等をROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当りはずれや変動パターンを決定する処理を行う。なお、第2始動記憶は、特図2変動表示ゲームを開始可能な状態でのみ発生可能であり、特図2変動表示ゲームを開始するために必要な情報を一時的に記憶するものであって、特図2変動表示ゲームの開始を保留するものではない。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、上大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、上大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。または、下大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、下大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、低確率状態に比べて高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図66及び図67に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図70に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図66に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップX6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップX7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップX8からX12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップX8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップX9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップX9;Y)は、ステップX8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップX10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップX10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップX9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップX10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップX9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップX11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップX12)。タイマの値が0でない場合(ステップX12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップX12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップX13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップX14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップX15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップX16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップX16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップX17)、正常であれば(ステップX17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップX18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップX18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップX19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップX20)。チェックサムが一致する場合(ステップX20;Y)は、図67のステップX21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップX16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップX17;NもしくはステップX18;N)、チェックサムが正常でない(ステップX20;N)と判定された場合は、図67のステップX23へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図67のステップX21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップX21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号フラグ領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
その後、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている特図ステータスに対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップX22)、ステップX28へ進む。本実施形態の場合、ステップX22では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定コマンドとしては、特図1及び特図2について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中でもなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンドを送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップX16、X17、X18、X20からステップX23へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップX23)、ビジー信号フラグ領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップX24)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップX25)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX26)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップX27)、ステップX28へ進む。本実施形態の場合、ステップX27では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
ステップX28では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップX28のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップX29)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップX30)、割込みを許可する(ステップX31)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップX32)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップX32の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップX33)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップX34)。停電監視信号がオンでない場合(ステップX34;N)は、初期値乱数更新処理(ステップX32)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップX32)の前に割り込みを許可する(ステップX31)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップX32での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップX34;Y)は、ステップX33で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップX35)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップX35;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップX34)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップX35;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップX36)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX37)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX38)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX39)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップX40)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX41)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップX42)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
図68には、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップX19、X40)を示した。このチェックサム算出処理では、まず、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し(ステップX51)、繰り返し数を設定し(ステップX52)、算出値として「0」を設定する(ステップX53)。繰り返し数には使用しているRAMのバイト数が設定される。
その後、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(ステップX54)、算出アドレスを+1更新して(ステップX55)、繰り返し数を−1更新し(ステップX56)、チェックサムの算出が終了したかを判定する(ステップX57)。算出が終了していない場合(ステップX57:N)は、ステップX54へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了した場合(ステップX57:Y)は、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図69には、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップX32)を示した。この初期値乱数更新処理では、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新し(ステップX61)、小当り図柄初期値乱数1を+1更新して(ステップX62)、初期値乱数更新処理を終了する。ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームでの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームでの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図70のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理におけるステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップX103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(上大入賞口ソレノイド38b、下大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX104)を行う。なお、メイン処理におけるステップX5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップX105)、乱数更新処理1(ステップX106)、乱数更新処理2(ステップX107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX108)を行う。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップX109)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36や第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づき、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行う。そして、特図1変動表示ゲームに関する処理を行う特図1ゲーム処理(ステップX110)、特図2変動表示ゲームに関する処理を行う特図2ゲーム処理(ステップX111)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップX112)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップX113)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX114)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップX115)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップX103)の詳細について説明する。図71に示すように、入力処理においては、まず入力ポート1、即ち、第1入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップX121)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップX122)、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)する(ステップX123)。
次に、入力ポート2、即ち、第2入力ポート123のアドレスを準備し(ステップX124)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(ステップX125)。
そして、未使用のビットデータを準備(ステップX126)した後、反転するビットデータを準備し(ステップX127)、スイッチ読込み処理(ステップX128)を行う。
その後、入力ポート3、即ち、第3入力ポート124のアドレスを準備し(ステップX129)、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する(ステップX130)。
そして、未使用のビットデータを準備(ステップX131)した後、反転するビットデータを準備し(ステップX132)、スイッチ読込み処理(ステップX133)を行い、入力処理を終了する。
なお、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
また、上記の未使用のビットデータや反転するビットデータについての情報は、各入力ポートに対応して用意された情報を用いるようになっている。
〔スイッチ読込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読込み処理(ステップX128、X133)の詳細について説明する。図72に示すように、スイッチ読込み処理においては、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップX141)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップX142)、反転の必要なビットを反転(ステップX143)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態1にセーブ(格納)する(ステップX144)。その後、2回目の読込みまでのディレイ時間(0.1ms)が経過するのを待つ(ステップX145)。
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(ステップX146)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップX147)、反転の必要なビットを反転(ステップX148)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態2にセーブ(格納)する(ステップX149)。その後、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(ステップX150)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップX151)。
次に、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップX152)、未確定ビットパターンと前回割り込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップX153)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回確定状態としてセーブし(ステップX154)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブして(ステップX155)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行なって前回の読込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行なえないおそれがある。これに対し、本実施例のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップX104)の詳細について説明する。図73に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力するポート135(図64参照)にオフデータを出力(リセット)する(ステップX161)。次に、上大入賞口ソレノイド38b、下大入賞口ソレノイド39bのデータを出力するソレノイド出力ポート134に出力するデータを合成して出力する(ステップX162)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップX163)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得し(ステップX164)、取得した情報と外部情報データを合成する(ステップX165)。そして、合成したデータをデジット出力用のポート136及び外部情報出力用のポート137に出力する(ステップX166)。その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップX167)、ロードしたデータをセグメント出力用のポート135に出力する(ステップX168)。
続いて、外部情報端子板71へ出力するデータをロードして合成し(ステップX169)、合成したデータと発射許可の出力データを合成して(ステップX170)、合成したデータを外部情報出力用のポート137へ出力する(ステップX171)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップX172)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップX173)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップX174)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップX175)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力し(ステップX176)し、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップX105)の詳細について説明する。図74に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップX181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(例えば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップX181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップX181:N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し(ステップX182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップX183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップX183;Y)と判定すると、ステップX192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップX183;N)と判定すると、ステップX181へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップX181で、カウント数がある(ステップX181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(ステップX184)、対象の入賞数カウンタ領域に対応する払出数を取得する(ステップX185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算して新たな賞球残数とし(ステップX186)、賞球残数領域にセーブする(ステップX187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、加算結果からメイン賞球信号の出力の基準となる所定数である10を減算し(ステップX188)、減算結果が0以上であるかを判定する(ステップX189)。減算結果が0以上でない場合(ステップX189;N)は、ステップX192に移行する。なお、この場合は減算した結果は賞球残数領域にセーブされないため、減算前の値が賞球残数領域に記憶された状態となる。減算結果が0以上である場合(ステップX189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新し(ステップX190)、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップX191)、ステップX188に戻る。
これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ステップX192では、払出コマンド送信タイマが0でなければ−1更新し(ステップX192)、払出コマンド送信タイマが0になったかを判定する(ステップX193)。払出コマンド送信タイマが0でない場合(ステップX193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが0である場合(ステップX193;Y)は、払出ビジー信号フラグがビジー中であるかを判定する(ステップX194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。払出ビジー信号フラグは、払出ビジー信号の状態に基づき払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを設定した情報であって、払出制御を即座に開始可能なアイドル状態、払出制御を即座に開始可能でないビジー状態、状態が不定である不定状態の何れかが設定される。
なお、不定状態は、例えば電源投入時の処理でビジー信号フラグ領域がクリアされることで設定される。この不定状態は、払出ビジー信号の状態が、払出制御を即座に開始可能なこと又は不能なことを示す状態に所定期間に亘り維持されることに基づき、アイドル状態又はビジー状態が設定されることで解消する。つまり、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御装置200に送信せず、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御装置200に送信する。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
この払出ビジー信号フラグがビジー中である場合(ステップX194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。なお、ここでは不定状態である場合もビジー中であるものと判定する。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号フラグがビジー中でない場合(ステップX194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップX195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップX195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域にカウント数がない場合(ステップX195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し(ステップX196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップX197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップX197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップX197;N)と判定すると、ステップX195へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップX195で、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域にカウント数がある(ステップX195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップX198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出コマンドを取得する(ステップX199)。そして、取得したコマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップX200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップX201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として例えば200msが設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔乱数更新処理1〕
図75には、タイマ割込み処理(図70参照)における乱数更新処理1(ステップX106)を示した。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。この乱数更新処理1では、まず、大当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップX221)。
大当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップX221;N)は、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップX224)。また、大当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップX221;Y)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数をロードし(ステップX222)、ロードした大当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップX223)。その後、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップX224)。
小当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップX224;N)は、乱数更新処理1を終了する。また、小当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップX224;Y)は、次回初期値として小当り図柄初期値乱数をロードし(ステップX225)、ロードした小当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップX226)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
図76には、タイマ割込み処理(図70参照)における乱数更新処理2(ステップX107)を示した。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、本実施形態の遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。即ち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
この乱数更新処理2では、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ステップX231)。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(ステップX232)。そして、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップX233)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、即ち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、例えば本実施例において遊技用マイコンに設けられているM1カウンタの値をロードする(ステップX234)。M1カウンタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。次に、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値を取得してM1カウンタの値をマスクする(ステップX235)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるかを判定する(ステップX236)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合(ステップX236;Y)は、加算値として上位1バイトをマスク値によってM1カウンタの値をマスクすることによって残った値(以下、これをマスクした値と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定して(ステップX237)、ステップX239に進む。また、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合(ステップX236;N)は、加算値として上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定して(ステップX238)、ステップX239に進む。なお、マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
そして、更新する乱数が2バイト乱数かを判定し(ステップX239)、2バイト乱数である場合(ステップX239;Y)は、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定して(ステップX240)、ステップX242に進む。また、更新する乱数が2バイト乱数でない場合(ステップX239;N)は、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(ステップX241)、ステップX242へ進む。
ステップX242では、乱数値にステップX237又はX238で決定した加算値を加算した値を新たな乱数値とし、この新たな乱数値がステップX233で取得した上限判定値よりも大きいかを判定する(ステップX243)。そして、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合(ステップX243;N)は、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップX245)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合(ステップX243;Y)は、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(ステップX244)、この値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップX245)。
次に、更新した乱数が2バイト乱数であるかを判定し(ステップX246)、2バイト乱数でない場合(ステップX246;N)は、乱数更新処理2を終了する。また、2バイト乱数である場合(ステップX246;Y)は、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(ステップX247)、乱数更新処理2を終了する。
このように、CPU111Aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。従って、CPU111Aは、第1始動入賞口36や第2始動入賞口37の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出される各種乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図77には、タイマ割込み処理(図70参照)における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX107)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)内の一方の上大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備し(ステップX301)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップX302)を実行する。
入賞口監視テーブル(不正監視テーブル)には、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口スイッチテーブルには、監視の繰り返し数(スイッチの数)、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1のアドレス、入賞数カウンタ領域2のアドレスの情報が定義されている。これらの不正監視テーブルや入賞テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
その後、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)内の他方の下大入賞口スイッチ39aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップX303)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップX304)を実行する。次に、常時入賞可能な入賞口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップX305)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップX306)を行う。そして、特図1変動表示ゲームを主体として実行することが予定されている通常遊技状態における特図2変動表示ゲームの実行を監視する特図2異常変動監視処理を行う(ステップX307)。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップX308)。この状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップX309)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX310)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号1に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が2である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップX311)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX312)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はガラス枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は前面枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が2である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が0であるかを判定し(ステップX313)、エラースキャンカウンタの値が0でない場合(ステップX313;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が0である場合(ステップX313;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップX314)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX315)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号2に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが1から3の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号に基づきビジー信号フラグを設定する払出ビジー信号チェック処理(ステップX316)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップX314からX316の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が0の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4ms毎に行われる場合は、16ms毎にステップX314からX316の処理が行われることとなる。
〔不正&入賞監視処理〕
図78には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップX302,X304)を示した。この不正&入賞監視処理は、第1特別変動入賞装置38の二つの上大入賞口スイッチ38aの各々、第2特別変動入賞装置39の下大入賞口スイッチ39aに対して行なわれる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38、39)については、無理やり開閉扉を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップX321)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップX322)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが上大入賞口スイッチ38aである場合は第1特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが下大入賞口スイッチ39aである場合は第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップX322;Y)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップX323)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップX323;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップX332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップX323;Y)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップX324)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかを判定する(ステップX325)。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球が大入賞口スイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、判定個数を超えていない場合(ステップX325;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップX330)。また、判定個数を超えた場合(ステップX325;Y)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップX326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000ms)をセーブする(ステップX327)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップX328)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップX329)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。
一方、不正監視期間でない場合(ステップX322;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップX330)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップX331)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップX332)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップX333)。そして、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップX333;N)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(ステップX333;Y)は、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップX334)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが一方の上大入賞口スイッチ38aである場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の上大入賞口スイッチ38aである場合は許可されない。これにより、第1特別変動入賞装置38についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60000ms)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。なお、エラー監視対象の入賞口スイッチが下大入賞口スイッチ39aである場合は報知タイマの更新は常に許可される。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップX335)、値が0でない場合(ステップX335;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップX335;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップX336)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップX337)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップX338)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップX338;Y)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップX339)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップX338;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップX340;Y)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップX340;N)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップX341)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX342)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図79には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップX306,X331)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルの入賞口スイッチテーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップX351)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(ステップX352)。
入力がない場合(ステップX352:N)は、テーブルアドレスを次のレコードのアドレスに更新し(ステップX361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップX362)。また、入力がある場合(ステップX352;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップX353)、ロードした値を+1更新して(ステップX354)、オーバーフローするか判定する(ステップX355)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップX355;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブし(ステップX356)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップX357)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップX355;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップX357)。
対象の入賞数カウンタ領域2の値をロード(ステップX357)した後、ロードした値を+1更新して(ステップX358)、オーバーフローするか判定する(ステップX359)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップX359;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブし(ステップX360)、テーブルアドレスを次のレコードのアドレスに更新して(ステップX361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップX362)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップX359;Y)は、テーブルアドレスを次のレコードのアドレスに更新して(ステップX361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップX362)。
全スイッチの監視が終了していない場合(ステップX362;N)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(ステップX352)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップX362;Y)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
〔演出コマンド設定処理〕
図80には、上述の不正&入賞監視処理での演出コマンド設定処理(ステップX342)を示した。なお、この演出コマンド設定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における演出コマンド設定処理に共通する処理である。この演出コマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込んで(ステップX371)、送信バッファが満杯であるかを判定する(ステップX372)。
送信バッファが満杯である場合(ステップX372;Y)は、ステップX371に戻る。また、送信バッファが満杯でない場合(ステップX372;N)は、コマンドデータ(MODE(上位バイト))を演出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップX373)、シリアル送信バッファのステータスを読み込んで(ステップX374)、送信バッファが満杯であるかを判定する(ステップX375)。
送信バッファが満杯である場合(ステップX375;Y)は、ステップX374に戻る。また、送信バッファが満杯でない場合(ステップX375;N)は、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))を演出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップX376)、演出コマンド設定処理を終了する。
このように、演出制御装置300に対してはシリアル通信でコマンドを送信するようにしたことで、遊技制御装置100の負担を軽減できるとともに、コマンドの解析を困難にすることができる。また、コマンドの送出タイミングが早まるとともに、データ線の本数を減らすことができる。さらに、演出制御装置300においてもストローブ内でのコマンドの取り込みが必要なくなり、負担を軽減することができる。
〔特図2異常変動監視処理〕
図81には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における特図2異常変動監視処理(ステップX307)を示した。上述したように、本実施形態の遊技機では、低確率状態である通常遊技状態である場合には特図1変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利であるが、これを知らない遊技者や、意図的に特図2変動表示ゲームの実行を狙う遊技者が右打ちを行うことも考えられる。特図2異常変動監視処理では、このような遊技者に対して左打ちを行うように促す報知を行うための処理を行う。
この特図2異常変動監視処理では、まず、特図1変動チェックフラグがあるかを判定する(ステップX381)。特図1チェックフラグは、低確率状態で特図1変動表示ゲームが開始された場合に設定されるフラグである。この特図1変動チェックフラグがない場合(ステップX381;N)は、特図2変動チェックフラグがあるかを判定する(ステップX387)。また、特図1変動チェックフラグがある場合(ステップX381;Y)は、特図1変動チェックフラグをクリアし(ステップX382)、特図1変動数を+1更新する(ステップX383)。
そして、特図1変動数が規定値(例えば18)よりも小さいかを判定し(ステップX384)、規定値よりも小さい場合(ステップX384;Y)は、特図2変動チェックフラグがあるかを判定する(ステップX387)。また、規定値よりも大きい場合(ステップX384;N)は、通常遊技状態(低確率状態)で特図2変動表示ゲームが実行されることにより加算される特図2異常変動数が0でなければ−1更新し(ステップX385)、特図1変動数を0クリアして(ステップX386)、特図2変動チェックフラグがあるかを判定する(ステップX387)。なお、特図2異常変動数の最小値は0に設定されている。
特図2チェックフラグは、低確率状態で特図2変動表示ゲームが開始された場合に設定されるフラグである。この特図2変動チェックフラグがあるかの判定(ステップX387)において、特図2変動チェックフラグがない(ステップX387;N)は、ステップX390に移行する。また、特図2チェックフラグがある場合(ステップX387;Y)は、特図2変動チェックフラグをクリアし(ステップX388)、特図2異常変動数を+1更新して(ステップX389)、特図2異常変動数が規定値(例えば5)よりも小さいかを判定する(ステップX390)。
特図2異常変動数が規定値よりも小さくない場合(ステップX390;N)は、特図2異常変動数を規定値に留め(ステップX391)、特図2異常変動報知タイマに初期値(例えば60000ms)を設定する(ステップX392)。次に、特図2異常変動発生フラグを準備し(ステップX393)、特図2異常変動発生コマンドを準備して(ステップX394)、ステップX399に移行する。この場合は、左打ちをして特図1変動表示ゲームを主体として遊技を進めることが推奨される通常遊技状態(低確率状態)であるにもかかわらず、遊技者が右打ちをして特図2変動表示ゲームを実行させている場合であり、遊技者に左打ちをするように促す報知を行うための処理を行う。
一方、特図2異常変動数が規定値よりも小さい場合(ステップX390;Y)は、特図2異常変動報知タイマを−1更新し(ステップX395)、タイムアップしたかを判定する(ステップX396)。タイムアップしていない場合(ステップX396;N)は、特図2異常変動監視処理を終了する。また、タイムアップした場合(ステップX396;Y)は、特図2異常変動解除フラグを準備し(ステップX397)、特図2異常変動解除コマンドを準備する(ステップX398)。
その後、準備したフラグは現在の特図2異常変動フラグ領域の値と同じであるかを判定する(ステップX399)。そして、準備したフラグと現在の特図2異常変動フラグ領域の値とが同じである場合(ステップX399;Y)、すなわち状態の変化がない場合は、特図2異常変動監視処理を終了する。また、準備したフラグと現在の特図2異常変動フラグ領域の値とが同じでない場合(ステップX399;N)、すなわち状態の変化があった場合は、準備したフラグは特図2異常変動解除フラグであるかを判定する(ステップX400)。
準備したフラグは特図2異常変動解除フラグでない場合(ステップX400;N)、すなわち特図2異常変動発生フラグであった場合は、準備したフラグを特図2異常変動フラグ領域にセーブし(ステップX402)、演出コマンド設定処理を行って、特図2異常変動監視処理を終了する。一方、準備したフラグは特図2異常変動解除フラグである場合(ステップX400;Y)は、特図2異常変動数を0クリアしてから(ステップX401)、ステップX402、X403の処理を行って(ステップX403)、特図2異常変動監視処理を終了する。以上の処理により、特図2異常変動の検出に伴い特図2異常変動発生コマンドが演出制御装置300に送信され、特図2異常変動の解除に伴い特図2異常変動解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、特図2異常変動報知の開始、終了が設定されることとなる。
図82、図83には、遊技の進行に伴う特図2異常変動監視処理による処理についての一例を示した。図82に示す例では通常遊技状態において、特図2異常変動数が3であり、特図1変動数が15である状態となっている。この状態から次の特図1変動表示ゲームが開始されると(t11)、特図1変動数は15から16に変化する。また、特図2変動表示ゲームが開始されると(t12)、特図2異常変動数は3から4に変化する。
その後、特図1変動表示ゲームが開始される毎に特図1変動数は+1更新される(t13、t14)。ここで、特図1変動数が規定値である18に達すると(t14)、特図2異常変動数が−1更新されて4から3に変化するとともに、特図1変動数は0クリアされる。以降も同様に、特図1変動表示ゲームが開始される毎に特図1変動数は+1更新され(t15〜t17)、特図1変動数が規定値である18に達すると(t17)、特図2異常変動数が−1更新されて3から2に変化するとともに、特図1変動数は0クリアされる。すなわち、規定数(ここでは18回)の特図1変動表示ゲームを実行する毎に特図2異常変動数が減算されるようになっている。
図83には特図2異常変動報知が行われる場合を示した。この例では通常遊技状態において、特図2異常変動数が3である状態となっている。この状態から特図2変動表示ゲームが開始されると(t21)、特図2異常変動数は3から4に更新される。さらに特図2変動表示ゲームが開始されると(t22)、特図2異常変動数が規定値である5に達する。
これにより、特図2異常変動発生フラグがセーブされ、このフラグに基づき特図2異常変動が発生したことを示す外部情報と遊技機エラー状態信号の遊技機外部の装置への出力が開始され、遊技店の管理装置等で特図2異常変動の発生を把握可能となる。また、演出制御装置300に対して特図2異常変動発生コマンドが送信される。演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、表示や音声等により特図2異常変動が発生した旨の報知を行う。
また、特図2異常変動数が規定値である5に達した時点から特図2異常変動報知タイマでの計時が開始され(t22)、所定時間(ここでは60秒)が経過することにより(t23)、特図2異常変動数を0クリアし、外部情報と遊技機エラー状態信号の出力を停止する。また、演出制御装置300に対して特図2異常変動解除コマンドが送信され、演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、特図2異常変動が発生した旨の報知を終了する。なお、所定時間の経過前に新たに特図2変動表示ゲームが開始された場合は、その時点から新たに所定時間の計時を開始する。
このように、特図2異常変動数が規定値(例えば5)に達することに基づき特図2異常変動が発生したと判定することで、例えば意図せずに右側の遊技領域に遊技球が入って第2始動入賞口37に入賞してしまった場合に、すぐに特図2異常変動であると判定されることを防止できる。さらに、所定回数の特図1変動表示ゲームを行うことで特図2異常変動数が減算されるようにしたことで、意図しない第2始動入賞口37への入賞について発生した特図2異常変動数はその後に遊技を行っていれば解消されるようになり、単なるミスや他の遊技者の遊技の結果が累積して特図2異常変動であると判定されることを防止できる。
なお、特図2異常変動報知を行うこととなる特図2異常変動数の規定値や、特図2異常変動数を減算する処理を行うこととなる特図1変動数の規定値は任意に設定可能である。ここで設定するそれぞれの規定値は、通常遊技状態で遊技者が特図2変動表示ゲームの開始を狙わないようにさせることができるような値であればどのような値でも良い。また停電が発生して復旧した場合には、停電発生前の状態から監視を再開するようにする。また特図2異常変動報知を行っている場合であっても入賞に対する賞球の払出は通常通り行う。
〔遊技機状態チェック処理〕
図84には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理(ステップX310、X312、X315)を示した。この遊技機状態チェック処理では、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得し(ステップX451)、監視対象である信号がオンであるかを判定する(ステップX452)。
状態監視テーブルには、状態スキャンカウンタに対応した情報が定義されている。この情報としては、例えば、状態監視領域の先頭アドレスの下位アドレス、対象の信号情報が保存されているスイッチ制御領域のポート入力状態領域の下位アドレス、対象の信号のビットだけを取り出すマスクデータ、信号オンの判定データ、状態オフコマンド(エラー系の場合はエラー報知終了コマンドをなす)、状態オンコマンド(エラー系の場合はエラー報知開始コマンドをなす)、状態オフ監視タイマ比較値、状態オン監視タイマ比較値が含まれる。
対象の信号がオンでない場合(ステップX452:N)は、状態フラグとして状態オフフラグを準備し(ステップX453)、対象の状態オフコマンドを取得して準備する(ステップX454)。その後、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップX455)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップX459)。対象の信号がオンでない場合(ステップX452:N)とは、エラー系の信号ではエラーでない(正常である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていないことを示す状態である。
一方、対象の信号がオンである場合(ステップX452:Y)は、状態フラグとして状態オンフラグを準備し(ステップX456)、対象の状態オンコマンドを取得して準備する(ステップX457)。その後、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップX458)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップX459)。対象の信号がオンである場合(ステップX452:Y)とは、エラー系の信号ではエラーである(異常や不正である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていることを示す状態である。
対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップX459;Y)、すなわち信号の状態が変化していない場合は、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップX462)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップX463)。また、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップX459;N)、すなわち信号の状態が変化した場合は、対象の信号制御領域に今回の信号状態をセーブする(ステップX460)。そして、対象の状態監視タイマをクリアし(ステップX461)、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップX462)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップX463)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上でない場合(ステップX463;N)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上である場合(ステップX463:Y)は、状態監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留め(ステップX464)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較する(ステップX465)。
そして、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップX465;Y)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(ステップX465;N)は、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブし(ステップX466)、演出コマンド設定処理を行って(ステップX467)、遊技機状態チェック処理を終了する。これにより、ステップX454で準備した状態オフコマンド又はX457で準備した状態オンコマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
図85には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップX316)を示した。この払出ビジー信号チェック処理においては、まず、払出制御装置200から入力される払出ビジー信号がオンであるかを判定する(ステップX471)。なお、払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を開始できない場合にオン状態とされるようになっている。
払出ビジー信号がオンでない場合(ステップX471;N)は、状態フラグとしてアイドル状態フラグを準備して(ステップX472)、オフ確定監視タイマ比較値(例えば32ms)を設定する(ステップX473)。また、払出ビジー信号がオンである場合(ステップX471;Y)は、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備して(ステップX474)、オン確定監視タイマ比較値(例えば32ms)を設定する(ステップX475)。
その後、ビジー信号状態領域の値は今回の信号の状態と同じであるかを判定、すなわちオン、オフの変化があったかを判定し(ステップX476)、同じである場合(ステップX476;Y)は、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップX479)。また、同じでない場合(ステップX476;N)は、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブし(ステップX477)、ビジー信号監視タイマを0クリアして(ステップX478)、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップX479)。
次に、ビジー信号監視タイマの値が、先に設定したオン確定監視タイマ比較値又はオフ確定監視タイマ比較値よりも大きいか、すなわち信号確定時間(例えば32ms)に達したかを判定する(ステップX480)。
信号確定時間に達していない場合(ステップX480;N)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。また、信号確定時間に達した場合(ステップX480;Y)は、ビジー信号監視タイマを−1更新して、先に設定したオン確定監視タイマ比較値又はオフ確定監視タイマ比較値の−1の値に留め(ステップX481)、準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブして(ステップX482)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
この処理により、払出ビジー信号に基づきビジー信号フラグが設定される。この際に、払出ビジー信号の状態が変化してもすぐにはビジー信号フラグを変更せず、信号確定時間に亘り変化した状態が継続した場合にビジー信号フラグを変更するようにしており、ノイズ等の影響を受け難くしている。
また、電源投入時にビジー信号フラグがクリアされるので、何れかの信号状態が信号確定時間に亘り継続するまではビジー信号フラグは設定されず不定状態となる。これにより、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令が払出制御装置200に送信されないようになり、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令が払出制御装置200に送信されるようになる。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップX109)の詳細について説明する。図86に示すように、始動口スイッチ監視処理では、まず、始動口1(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップX491)、ハード乱数取得処理を行う(ステップX492)。そして、当該ハード乱数取得処理で第1始動入賞口36への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ステップX493)。
第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX493;N)は、ステップX499へ移行する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。一方、第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX493;Y)は、低確率中であるかを判定する(ステップX494)。そして、低確率中である場合(ステップX494;Y)は、ステップX497に移行する。また、低確率中でない場合(ステップX494;N)は、右打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX495)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX496)。その後、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX497)、特図始動口1スイッチ処理を行う(ステップX498)。
演出制御装置300では、右打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音声等により遊技者に対して右打ちをするように指示する右打ち指示報知を行う。高確率状態中である場合は右打ちの方が遊技者にとって有利であり、左打ちでなければ入賞しないようになっている第1始動入賞口36で高確率状態中において入賞を検出した場合に右打ち指示報知を行うようにしている。
次に、始動口2(第2始動入賞口37)入賞監視テーブルを準備し(ステップX499)、ハード乱数取得処理を行い(ステップX500)、第2始動入賞口37への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ステップX501)。
第2始動入賞口37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX501;N)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。一方、第2始動入賞口37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX501;Y)は、高確率中であるかを判定する(ステップX502)。そして、高確率中である場合(ステップX502;Y)は、ステップX507に移行する。また、高確率中でない場合(ステップX502;N)は、大当り中、すなわち大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態中であるかを判定する(ステップX503)。
大当り中である場合(ステップX503;Y)は、ステップX507に移行する。また、大当り中でない場合(ステップX503;N)は、高確率最終変動中であるかを判定する(ステップX504)。高確率最終変動中とは、第1特別遊技状態の終了から所定回数目(ここでは50回目)の特図変動表示ゲームの実行中(停止時間を含む)であって、高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームの実行中である。
この高確率最終変動中である場合(ステップX504;Y)は、ステップX507に移行する。また、高確率最終変動中でない場合(ステップX504;N)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX505)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX506)。その後、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX507)、特図始動口2スイッチ処理を行って(ステップX508)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
演出制御装置300では、左打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音声等により遊技者に対して左打ちをするように指示する左打ち指示報知を行う。低確率状態中である場合は左打ちの方が遊技者にとって有利であり、右打ちでなければ入賞しないようになっている第2始動入賞口37で低確率状態中において入賞を検出した場合に左打ち指示報知を行うようにしている。
なお、第1特別遊技状態では一部の大当り種類を除き第1特別変動入賞装置38が開放されるため、低確率状態であっても左打ち指示報知を行わないようにしている。また、高確率状態で最後に実行される特図変動表示ゲームでは、当該ゲームの開始時の抽選後に低確率状態に変更されるため当該ゲーム中は低確率状態であるが、当該ゲームについては高確率状態で判定を行っているため特別遊技状態が発生する可能性が高く、また、当該ゲームの終了までは特定遊技状態の演出を行うため、左打ち指示報知を行わないようにしている。
〔ハード乱数取得処理〕
図87には、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップX492、X500)を示した。このハード乱数取得処理では、まず、始動口入賞なし情報を設定し(ステップX511)、対象のスイッチに入力があるかを判定する(ステップX512)。
対象のスイッチに入力がない場合(ステップX512;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象のスイッチに入力がある場合(ステップX512;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップX513)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップX514)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップX514;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップX514;Y)は、対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備する(ステップX515)。そして、始動口入賞あり情報を設定して(ステップX516)ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口1スイッチ処理〕
図88には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口1スイッチ処理(ステップX498)を示した。この特図始動口1スイッチ処理では、まず、第1始動入賞口36への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号1出力回数をロードし(ステップX521)、ロードした値を+1更新して(ステップX522)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップX523)。そして、出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX523;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号1出力回数領域にセーブし(ステップX524)、特図1保留数(第1始動記憶数)が上限値未満かを判定する(ステップX525)。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップX523;Y)は、ステップX525に移行する。ここでは出力回数を255まで記憶できるが、上限まで記憶している場合には+1更新によりループして0となってしまうため、更新後の値のセーブを行わない。
特図1保留数が上限値(ここでは4)未満である場合(ステップX525;Y)は、後述する特図保留情報判定処理において変動パターンの振り分けに用いる特図1情報設定フラグをセットし(ステップX526)、特図1保留数を+1更新する(ステップX527)。次に、特図1保留数に対応する乱数格納領域(特図1用の乱数格納領域)のアドレスを算出し(ステップX528)、上述のハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX529)。
その後、大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップX530)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX531)。さらに、小当り図柄乱数を抽出してRWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX532)。続いて変動パターン乱数1から3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップX533)。そして、先読み処理である特図保留情報判定処理(ステップX534)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップX535)、演出コマンド設定処理を行って(ステップX536)、特図始動口1スイッチ処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100(RAM111C)が、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、該所定の乱数を第1始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な第1始動記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
図89には、上述の特図始動口1スイッチ処理における特図保留情報判定処理(ステップX534)を示した。特図保留情報判定処理は、特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該特図1始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。この特図保留情報判定処理では、まず、高確率状態中であるかを判定し(ステップX541)、高確率状態中である場合(ステップX541;Y)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、高確率状態中でない場合(ステップX541;N)は、大当り中、すなわち大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態中であるかを判定する(ステップX542)。
大当り中である場合(ステップX542;Y)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、大当り中でない場合(ステップX542;N)は、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を行う(ステップX543)。そして、判定結果が大当りである場合(ステップX544;Y)は、大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX545)、準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX546)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップX544;N)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を行う(ステップX547)。そして、判定結果が小当りである場合(ステップX548;Y)は、小当りの停止図柄情報を設定し(ステップX549)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。また、判定結果が小当りでない場合(ステップX548;N)は、はずれの停止図柄情報を設定し(ステップX550)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。
停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備(ステップX551)した後、演出コマンド設定処理を行う(ステップX552)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(ステップX553)を行い、特図1変動表示ゲームの変動態様を設定する特図1変動パターン設定処理を行う(ステップX554)。
そして、特図1変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップX555)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX556)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップX553における特図1情報設定処理、ステップX554における特図1変動パターン設定処理は、特図1普段処理の特図1変動開始処理で特図1変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、特図1始動記憶に対応した結果関連情報(大当り又は小当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段に記憶された第1始動記憶に基づき、第1変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を当該第1変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第1決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
なお、この特図保留情報判定処理は特図1変動表示ゲームに対してのみ行われ、特図変動表示ゲームの開始を保留するための始動記憶を発生しない特図2変動表示ゲームに対しては行われない。また、高確率中である場合には先読み処理を行わないようにしている。これは、高確率状態中は特図2変動表示ゲームが主体となる状態であり、この特図2変動表示ゲームで特別結果が導出されることにより特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されることがほとんどであるためである。すなわち、ほとんどがはずれとなるため先読み結果の報知にあまり意味がないことや、特図1変動表示ゲームで特別結果となる先読み結果を報知した後に強制的にはずれ結果に変更されることで予告との矛盾が生じてしまうことがあるからである。
ただし、特図2変動表示ゲームについては当該特図2変動表示ゲームの開始を保留するための始動記憶を発生しないため、特定遊技状態の最初の期間第1始動記憶があるうちは特図1変動表示ゲームのみが行われる可能性が高く、このような場合には当該第1始動記憶について先読み演出を行うようにしても良い。このような先読み演出を行う第1始動記憶のうち、特定遊技状態の開始前に発生したものについては先読み処理が行われているのでその結果を用い、特定遊技状態の開始後に発生したものについては、このような先読み演出の対象となるものについて先読み処理を行うようにする。もちろん確率状態に関係なく先読み処理は行い、別の処理にて当該先読み処理の結果に基づく先読み演出を行うか否かを判断するようにしても良い。
〔特図始動口2スイッチ処理〕
図90には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口2スイッチ処理(ステップX508)を示した。この特図始動口2スイッチ処理では、まず、第2始動入賞口37への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号2出力回数をロードし(ステップX561)、ロードした値を+1更新して(ステップX562)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップX563)。そして、出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX563;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号2出力回数領域にセーブし(ステップX564)、始動口2(第2始動入賞口37)入賞無効中であるかを判定する。
始動口2入賞無効中とは、特別結果(大当り又は小当り)となった特図1変動表示ゲームの停止中(後述の特図表示中処理中)、第1又は第2特別遊技状態中及び特図2変動表示ゲームの実行中である。この始動口2入賞無効中である場合(ステップX565;Y)は、特図始動口2スイッチ処理を終了する。また、始動口2入賞無効中でない場合(ステップX565;N)は、特図2保留数を1に設定し(ステップX566)、特図2用の乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップX567)、上述のハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX568)。
その後、大当り図柄乱数を抽出し(ステップX569)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX570)。さらに、小当り図柄乱数を抽出してRWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX571)。続いて変動パターン乱数2及び3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップX572)、特図始動口2スイッチ処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第2始動入賞口37への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出して記憶する始動入賞記憶手段をなす。なお、特図2変動表示ゲームについては変動パターンの種類が少ないことから変動パターン乱数1は用いない。
〔特図1ゲーム処理〕
図91には、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップX110)を示した。特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1の表示の設定を行う。この特図1ゲーム処理では、まず、特図2の大当り/小当り中であるか、すなわち、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY101)。
特図2の大当り/小当り中でない場合(ステップY101;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を行い(ステップY102)、特図1ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(ステップY103)。また、特図2の大当り/小当り中である場合(ステップY101;Y)は、ステップY103に移行する。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた上大入賞口スイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた下大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については後述する特図2ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
次に、特図1ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップY104)。特図1ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY104;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップY119に移行して、それ以降の処理を行う。また、特図1ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY104;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY105)。そして、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY106)、特図1ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY107)。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理(ステップY108)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止表示時間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動中処理(ステップY109)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理(ステップY110)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY111)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY112)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY113)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理(ステップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図1大当り終了処理(ステップY114)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY115)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップY116)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY117)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図1普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1小当り終了処理(ステップY118)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備し(ステップY119)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップY120)を行って、特図1ゲーム処理を終了する。この特図1ゲーム処理が第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。
〔特図2ゲーム処理〕
図92には、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップX111)を示した。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図2の表示の設定を行う。この特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものである。
この特図2ゲーム処理では、まず、特図1の大当り/小当り中であるか、すなわち、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY131)。そして、特図1の大当り/小当り中でない場合(ステップY131;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を行い(ステップY132)、特図2ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(ステップY133)。また、特図1の大当り/小当り中である場合(ステップY131;Y)は、ステップY133に移行する。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた上大入賞口スイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた下大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については上述した特図1ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
次に、特図2ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップY134)。特図2ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY134;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップY152に移行して、それ以降の処理を行う。また、特図2ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY134;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるかを判定する(ステップY135)。
この特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY135;N)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を−1更新し(ステップY150)、特図2ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(ここでは60000ms)をセーブして(ステップY151)、ステップY152以降の処理を行う。
小当りの発生確率が高い特図2変動表示ゲームを通常遊技状態で遊技者が意図的に実行することを防止するため、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームの変動時間は非常に長い時間(例えば10分)とされている。しかし、特図2ゲーム処理タイマとして利用できる領域は限られているため、タイマ初期値として上限値を設定しても変動時間を一度で計時することは困難である。そこで、規定時間(ここでは60000ms)の計時を行う回数である繰り返し回数を用いて複数回の計時により変動時間を計時するようにしている。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(ステップY135;Y)は、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY136)。そして、当該テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY137)、特図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY138)。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理(ステップY139)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止表示時間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動中処理(ステップY140)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理(ステップY141)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY142)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY143)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY144)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理(ステップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図2大当り終了処理(ステップY145)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY146)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップY147)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY148)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2小当り終了処理(ステップY149)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備し(ステップY152)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップY153)を行って、特図2ゲーム処理を終了する。この特図2ゲーム処理が第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。以上の特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものであり、以降の説明では特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理とで対応する処理を並行して説明する。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
図93には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップY102、Y132)を示した。この大入賞口スイッチ監視処理では、まず、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)の開放中であるかを判定する(ステップY161)。そして、上大入賞口が開放中である場合(ステップY161;Y)は、ステップY166に移行する。また、上大入賞口が開放中でない場合(ステップY161;N)は、上大入賞口の残存球処理中であるかを判定する(ステップY162)。なお、この判定における残存球処理には、大当りに基づく大入賞口残存球処理と小当りに基づく小当り残存球処理の両方を含む。
上大入賞口の残存球処理中である場合(ステップY162;Y)は、ステップY166に移行する。また、上大入賞口の残存球処理中でない場合(ステップY162;N)は、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)の開放中であるかを判定する(ステップY163)。そして、下大入賞口の開放中でない場合(ステップY163;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、下大入賞口の開放中である場合(ステップY163;Y)は、下大入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップY164)。
なお、ステップY161及びY163における開放中とは、第1特別結果(大当り)に基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態での開放中と、第2特別結果(小当り)に基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態での開放中の両方を含む。また、ステップY161〜Y163の判定では特図1又は特図2ゲーム処理番号を参照して判定するようにしても良いし、それぞれの状態であるか否かを示すフラグを設定するようにして、このフラグに基づき判定するようにしても良い。
下大入賞口スイッチに入力がない場合(ステップY164;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、下大入賞口スイッチに入力がある場合(ステップY164;Y)は、今回の大入賞口スイッチ監視処理において加算される大入賞口への入賞数をカウントするための入賞カウンタに1をセットし(ステップY165)、ステップY175に移行する。
一方、上大入賞口が開放中である場合(ステップY161;Y)又は上大入賞口の残存球処理中である場合(ステップY162;Y)に移行するステップY166においては、入賞カウンタに0をセットする(ステップY166)。その後、上大入賞口スイッチ1(一方の上大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定し(ステップY167)、入力がない場合(ステップY167;N)は、ステップY171に移行する。
また、上大入賞口スイッチ1に入力がある場合(ステップY167;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備し(ステップY168)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY169)。第1特別変動入賞装置38の場合は、入賞による演出を行うために大入賞口カウントコマンドを送信するようになっている。さらに、入賞カウンタを+1更新し(ステップY170)、上大入賞口スイッチ2(他方の上大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップY171)。
そして、上大入賞口スイッチ2に入力がない場合(ステップY171;N)は、ステップY175に移行する。また、上大入賞口スイッチ2に入力がある場合(ステップY171;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備し(ステップY172)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY173)。さらに、入賞カウンタを+1更新して(ステップY174)、ステップY175に移行する。
その後、入賞カウンタの値が0である場合(ステップY175;Y)、大入賞口残存球処理中である場合(ステップY176;Y)又は小当り残存球処理中である場合(ステップY177;Y)の何れかである場合は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、入賞カウンタの値が0でなく(ステップY175;N)、大入賞口残存球処理中でなく(ステップY176;N)、小当り残存球処理中でもない(ステップY177;N)場合は、入賞カウンタの値を大入賞口カウント数に加算し(ステップY178)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数)以上となったかを判定する(ステップY179)。
大入賞口カウント数が上限値(ここでは9)以上となっていない場合(ステップY179;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップY179;Y)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップY180)、対象の特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアする(ステップY181)。そして、大当りでの開放中、すなわち、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態での開放であるかを判定する(ステップY182)。
大当りでの開放中でない場合(ステップY182;N)、すなわち小当りでの開放中である場合は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大当りでの開放中である場合(ステップY182;Y)、大入賞口制御ポインタ領域に大当り開放動作終了の値をセーブして(ステップY183)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
なお、下大入賞口スイッチに入力があった場合(ステップY164;Y)も大入賞口カウントコマンドを演出制御装置300に送信するようにしても良い。また、下大入賞口についての残存球処理がある場合には、当該残存球処理中に下大入賞口スイッチに入力があった場合にも大入賞口カウントコマンドを演出制御装置300に送信するようにしても良い。
〔特図1普段処理〕
図94には、上述の特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップY108)を示した。この特図1普段処理では、まず、特図1が変動開始可能であるかを判定する(ステップY201)。この判定における特図1が変動開始可能である状態とは、大当り又は小当りとなる特図2変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないことである。なお、特図1変動表示ゲームの実行中や特図1変動表示ゲームに基づく特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図1普段処理が実行されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図1が変動開始可能でない場合(ステップY201;N)は、特図1ゲーム処理番号領域に特図1普段処理番号をセーブし(ステップY217)、特図1普段処理を終了する。また、特図1が変動開始可能である場合(ステップY201;Y)は、左打ち指示報知済みであるか、すなわち左打ち指示報知フラグがセットされているかを判定する(ステップY202)。左打ち指示報知済みである場合(ステップY202;Y)は、ステップY206に移行する。また、左打ち指示報知済みでない場合(ステップY202;N)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップY203)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY204)。その後、左打ち指示報知フラグをセットし(ステップY205)、特図1保留数が0であるかを判定する(ステップY206)。左打ち指示報知フラグは、高確率状態である特定遊技状態で最後に行われた特図変動表示ゲームが終了する際にクリアされるようになっており、これにより低確率状態である通常遊技状態に移行する際に左打ち指示報知が行われることとなる。
そして、特図1保留数が0である場合(ステップY206;Y)は、ステップY217に移行する。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY206;N)は、現在の確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY207)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY208)。その後、特図1変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図1変動開始処理を行い(ステップY210)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップY211)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY212)。なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップY210)を行う時点では特図1変動表示ゲームの開始に基づく特図1保留数の減算は行われておらず、現在の特図1保留数から−1した特図1保留数に対応する保留数コマンドを準備している。
次に、特図ステータス領域に特図1変動中をセット(情報加算)する(ステップY212)。ここで特図ステータスとは、特図変動表示ゲームの状態を示すものであり、0〜5の何れかがセットされる。特図ステータス0は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示し、特図ステータス1は特図1変動表示ゲームのみが実行されている状態を示し、特図ステータス2は特図2変動表示ゲームのみが実行されている状態を示す。また、特図ステータス3は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方が実行されている状態を示し、特図ステータス4は大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態であることを示し、特図ステータス5は小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態であることを示す。ここでは特図1変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして1又は3がセットされる。
次に、高確率状態中であるかを判定する(ステップY213)。そして、高確率状態中である場合(ステップY213;Y)は、ステップY216に移行する。また、高確率状態中でない場合(ステップY213;N)は、高確率最終変動中であるかを判定する(ステップY214)。高確率最終変動中とは、第1特別遊技状態の終了から所定回数目(ここでは50回目)の特図変動表示ゲームの実行中(停止時間を含む)であって、高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームの実行中である。
高確率最終変動中である場合(ステップY214;Y)は、ステップY216に移行する。また、高確率最終変動中でない場合(ステップY214;N)は、特図1変動チェックフラグをセットする(ステップY215)。すなわち、低確率状態で特図1変動表示ゲームが開始された場合に特図1変動チェックフラグがセットされる。その後、特図1変動中処理移行設定処理を行って(ステップY216)、特図1普段処理を終了する。
〔特図2普段処理〕
図95には、上述の特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップY139)を示した。この特図2普段処理では、まず、特図2が変動開始可能であるかを判定する(ステップY221)。この判定における特図2が変動開始可能である状態とは、大当り又は小当りとなる特図1変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないことである。なお、特図2変動表示ゲームの実行中や特図2変動表示ゲームに基づく特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図2普段処理が実行されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図2が変動開始可能でない場合(ステップY221;N)は、特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処理番号をセーブし(ステップY237)、特図2普段処理を終了する。また、特図2が変動開始可能である場合(ステップY221;Y)は、特図2保留数が0であるかを判定する(ステップY222)。なお、上述したように、特図2保留(第2始動記憶)は、特図2変動表示ゲームを開始可能な状態において第2始動入賞口37への入賞があった場合に、当該入賞に基づく特図2変動表示ゲームの開始処理を行うために一時的に発生するもので、第1始動記憶のように特図変動表示ゲームの開始を保留するためのものではない。
そして、特図2保留数が0でない場合(ステップY222;N)は、現在の確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY223)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY224)。その後、特図2変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図2変動開始処理を行い(ステップY225)、特図ステータス領域に特図2変動中をセット(情報加算)する(ステップY226)。ここでは特図2変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして2又は3がセットされる。
次に、高確率状態中であるかを判定する(ステップY227)。そして、高確率状態中である場合(ステップY227;Y)は、ステップY230に移行する。また、高確率状態中でない場合(ステップY227;N)は、高確率最終変動中であるかを判定する(ステップY228)。高確率最終変動中とは、第1特別遊技状態の終了から所定回数目(ここでは50回目)の特図変動表示ゲームの実行中(停止時間を含む)であって、高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームの実行中である。
高確率最終変動中である場合(ステップY228;Y)は、ステップY230に移行する。また、高確率最終変動中でない場合(ステップY228;N)は、特図2変動チェックフラグをセットする(ステップY229)。すなわち、低確率状態で特図2変動表示ゲームが開始された場合に特図2変動チェックフラグがセットされる。その後、特図2変動中処理移行設定処理を行って(ステップY230)、特図2普段処理を終了する。
一方、特図2保留数が0である場合(ステップY222;Y)は、特図1保留数が0であるかを判定する(ステップY231)。そして、特図1保留数が0である場合(ステップY231;Y)は、特図1が変動中であるかを判定する(ステップY232)。そして、特図1が変動中でない場合(ステップY232;N)は、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップY233)、開示済みでない場合(ステップY233;N)は客待ち状態の設定に関する処理を行う。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY231;N)、特図1が変動中である場合(ステップY232;Y)又は客待ちデモが開始済みである場合(ステップY233;Y)は、ステップY237に移行する。
客待ち状態の設定に関する処理では、まず、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットし(ステップY234)、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを準備して(ステップY235)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY236)、ステップY237に移行する。客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとすることで、確率状態に応じて異なる客待ち画面を表示することが可能となる。
また、何らかの原因により演出制御装置300が再起動した場合、バックアップ機能を備えない演出制御装置300は遊技状態の情報を喪失してしまうため、適切な演出を行うことができなくなってしまうが、客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとすることで、このコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。
また、本実施形態の遊技機では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが同時に実行可能であり、特図1変動表示ゲームについての処理によって確率状態が変化することも考えられるので、特図変動表示ゲームの開始ごとに変動開始確率情報コマンドを送信するようにしている(ステップY207、Y223)。これにより、演出制御装置300において遊技状態に応じた適切な演出を行うことが可能となる。
また、変動開始確率情報コマンドを特図変動表示ゲームの開始ごとに送信するようにしたことで、演出制御装置300が再起動した場合でもこのコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。なお、客待ちデモコマンドや変動開始確率情報コマンドに、演出制御装置300が再起動した場合に遊技状態に応じた演出に復帰できるようにするためのその他の情報を含ませるようにしても良い。
〔特図1変動開始処理〕
図96には、上述の特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップY209)を示した。この特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップY241)、特図1変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップY242)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップY243)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(ステップY244)を行い、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY245)。
その後、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1変動パターン設定処理(ステップY246)を行い、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY247)を行う。これらの処理により、これから実行される特図1変動表示ゲームの結果や変動パターンが決定される。そしてこの後に、同時に実行可能である特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの間で不都合が生じないように調整するための処理を行う。
特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方で特別結果(大当りや小当り)が導出された際には他方については抽選結果にかかわらず強制的にはずれ結果として終了するようになっている。特に、特図2変動表示ゲームについては必ず大当り又は小当りとなるため、特図2変動表示ゲームが先に停止する場合は特図1変動表示ゲームについてこのような処理がなされることとなる。よって、例えば特図1変動表示ゲームで期待度の高い演出をしているにもかかわらず、強制的にはずれ結果で停止されてしまうこととなり、遊技者が不信感を抱くこととなってしまう。そこで、これから開始しようとする特図1変動表示ゲームの終了前に特図2変動表示ゲームが終了する可能性がある場合には、期待度の高い演出が選択されないようにするなどの対応ができるようにしている。
このためにまず、高確率状態中であるかを判定し(ステップY248)、高確率状態中である場合(ステップY248;Y)は、ステップY257に移行する。高確率状態である場合は特図2変動表示ゲームを主体として遊技を進行する状態である。この状態では特図2変動表示ゲームの変動時間が短く、かつ、高い頻度で実行されるため、特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される可能性が高いことはわかっており、特図1変動表示ゲームにおいては期待度の高い演出が選択されないように予め設定されているので、ここでは特別な処理は行わない。
また、高確率状態中でない場合(ステップY248;N)は、高確率最終変動中であるかを判定する(ステップY249)。高確率最終変動中とは、第1特別遊技状態の終了から所定回数目(ここでは50回目)の特図変動表示ゲームの実行中(停止時間を含む)であって、高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームの実行中である。
高確率最終変動中である場合(ステップY249;Y)は、ステップY257に移行する。高確率最終変動となる特図2変動表示ゲームは短い時間で停止することとなるので、これから開始される特図1変動表示ゲームが短い時間で強制的に停止される可能性が高い。よって、特図1変動表示ゲームについて仮に期待度の高い演出が選択されたとしても当該演出の開始前に終了することとなるため、ここでは期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
また、高確率最終変動中でない場合(ステップY249;N)は、特図2が変動中であるかを判定する(ステップY250)。特図2が変動中でない場合(ステップY250;N)は、ステップY257に移行する。この場合は低確率状態であるので、これから特図2変動表示ゲームが開始されたとしても当該特図2変動表示ゲームの変動時間は非常に長い変動時間となる。よって、特図1変動表示ゲームが強制的に停止される可能性は低いため、ここでは期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
特図2が変動中である場合(ステップY250;Y)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるかを判定する(ステップY251)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(ステップY251;Y)は、ステップY254に移行する。また、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY251;N)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が4以上であるかを判定する(ステップY252)。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が4以上である場合(ステップY252;Y)は、ステップY257に移行する。この場合は、特図2変動表示ゲームの残り変動時間が十分に長く、特図1変動表示ゲームの方が先に終了することとなるため、期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
また、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が4以上でない場合(ステップY252;N)は、特図2変動表示ゲームの残り変動時間を算出し(ステップY253)、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満であるかを判定する(ステップY254)。これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満である場合(ステップY254;Y)は、ステップY257に移行する。この場合は特図1変動表示ゲームの方が先に終了することとなるため、期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
また、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でない場合(ステップY254;N)は、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備し(ステップY255)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY256)。その後、高確率状態とする期間の管理を行うための高確率変動回数更新処理を行い(ステップY257)、特図1変動開始処理を終了する。演出制御装置300では、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを受信することに基づき、当該特図1変動表示ゲームについて期待度の高い演出の選択を規制するなどの処理を行うようになっている。
なお、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でない場合(ステップY254;N)に、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)で設定した変動パターンに関する情報(前後半変動パターン番号等)を再設定する処理を行って、演出制御装置300が期待度の高い演出を選択しない変動パターンに変更するようにしても良い。なお、変動パターンを再設定する処理においては、変動時間を変更しないようにしても良いし、変更するようにしても良い。また、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備する処理(ステップY255)については行うようにしても良いし、行わないようにしても良い。
すなわち、遊技制御装置100で行われる特図1変動パターン処理(ステップY246)は、通常遊技状態において第1変動表示ゲームの変動時間を含む変動態様情報を決定する場合に、第2変動表示ゲームの変動態様情報を参照することなく当該第1変動表示ゲームの変動態様情報を決定することが可能な第1変動態様決定手段をなす。さらに遊技制御装置100で行われる上記の変動パターンを再設定する処理は、第1変動態様決定手段によって当該第1変動表示ゲームの変動時間を含む変動態様情報を決定した際に第2変動表示ゲームが実行中である場合に、当該第2変動表示ゲームの変動態様情報に含まれる変動時間を参照して、決定されている第1変動表示ゲームの変動時間を変更することなく変動パターンに関する情報を再決定することが可能である第2変動態様決定手段をなす。
また、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)において一度決定された変動パターンを後に変更するのではなく、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)において変動パターンを決定する際に、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でないかを判定する処理(ステップY254)を行うようにして、遊技状況に応じた変動パターンを最初から決定するようにしても良い。
また、特図2変動表示ゲームの結果としてはずれ結果を選択可能である場合には、特図2変動表示ゲームが特別結果となる場合にのみこれから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でないかを判定する処理(ステップY254)を行うようにする。特図2変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合は特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されることがないためこの処理は不要となる。
〔特図2変動開始処理〕
図97には、上述の特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップY225)を示した。この特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理である。まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップY261)、特図2変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップY262)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップY263)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図2情報設定処理(ステップY264)を行い、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY265)。
その後、特図2変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図2変動パターン設定処理(ステップY266)を行い、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY267)を行う。これらの処理により、これから実行される特図2変動表示ゲームの結果や変動パターンが決定される。その後、高確率状態とする期間の管理を行うための高確率変動回数更新処理を行い(ステップY268)、特図2変動開始処理を終了する。
なお、特図2変動開始処理では、同時に実行可能である特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの間で不都合が生じないように調整するための処理は行わない。これは、特図1変動表示ゲームでの小当りの確率が低いため、特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で終了させられる機会が少ないためである。ただし、特図1変動表示ゲームと同様に、強制的にはずれ結果で停止される場合には期待度の高い演出の選択を規制するようにしても良い。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図98には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップY242)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブし(ステップY271)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップY272)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備し(ステップY273)、特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
その後、実行中の特図2変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ2は大当りであるかを判定し(ステップY275)、大当りである場合(ステップY275;Y)は、ステップY279に移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場合(ステップY275;N)は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップY276)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY276)の判定結果が大当りである場合(ステップY277;Y)は、ステップY272にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY278)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップY276)の判定結果が大当りでない場合(ステップY277;N)は、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップY279)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY279)の判定結果が小当りである場合(ステップY280;Y)は、ステップY271にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ1領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY281)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップY279)の判定結果が小当りでない場合(ステップY280;N)は、大当りフラグ1設定処理を終了する。この場合は、大当りフラグ1領域及び小当りフラグ1領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図99には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップY262)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブし(ステップY291)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップY292)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域から大当り乱数をロードして準備し(ステップY293)、特図2大当り乱数格納領域を0クリアする。
その後、実行中の特図1変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ1は大当りであるかを判定し(ステップY295)、大当りである場合(ステップY295;Y)は、ステップY299に移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場合(ステップY295;N)は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップY296)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りである場合(ステップY297;Y)は、ステップY292にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY298)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りでない場合(ステップY297;N)は、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップY299)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りである場合(ステップY300;Y)は、ステップY291にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ2領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY301)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りでない場合(ステップY300;N)は、大当りフラグ2設定処理を終了する。この場合は、大当りフラグ2領域及び小当りフラグ2領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当り判定処理〕
図100には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップY276、Y296)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップY311)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップY312)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップY312;Y)、すなわち大当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、大当りの抽選にはずれたことを示すものである。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップY312;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップY313)。
そして、高確率状態である場合(ステップY313;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップY314)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップY316)。また、高確率状態でない場合(ステップY313;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップY315)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップY316)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップY316;Y)、すなわち大当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップY316;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップY318)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図101には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における小当り判定処理(ステップY279、Y299)を示した。この小当り判定処理では、まず、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップY321)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。また、大当り判定値と小当り判定値とが重なることはない。
対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップY321;Y)、すなわち小当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY326)、小当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、小当りの抽選にはずれたことを示すものである。また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップY321;N)は、特図1の情報設定中であるか、すなわち特図1変動表示ゲームについての判定であるかを判定する(ステップY322)。
そして、特図1の情報設定中である場合(ステップY322;Y)は、特図1用の小当り上限判定値を設定し(ステップY323)、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップY325)。また、特図1の情報設定中でない場合(ステップY322;N)、すなわち特図2変動表示ゲームについての判定である場合は、特図2用の小当り上限判定値を設定し(ステップY324)、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップY325)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップY325;Y)、すなわち小当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY326)、小当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップY325;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップY327)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図102には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップY243)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップY331)、大当りである場合(ステップY331;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップY332)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(ステップY333)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする(ステップY334)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図1変動表示ゲームの停止図柄を特図1停止図柄領域ではなく特図1停止図柄退避領域にセーブするようにしたのは、特図2変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはずれ結果に変更される可能性があるためである。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY335)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY336)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図1ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY337)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図1大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY338)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。
一方、大当りでない場合(ステップY331;N)は、小当りフラグ1は小当りであるかを判定し(ステップY339)、小当りである場合(ステップY339;Y)は、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップY340)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップY341)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする(ステップY342)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブし(ステップY343)、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。
また、小当りフラグ1は小当りでない場合(ステップY339;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄退避領域にセーブし(ステップY344)、はずれ停止図柄パターンを特図1停止図柄パターン領域にセーブして(ステップY345)、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図1コマンドを飾り特図1コマンド領域にセーブし(ステップY347)、演出コマンド設定処理(ステップY348)を行う。この飾り特図1コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップY349)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップY350)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップY351)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図103には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップY263)を示した。なお、特図2停止図柄設定処理は、特図1停止図柄設定処理と同じ処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップY361)、大当りである場合(ステップY361;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域から大当り図柄乱数をロードする(ステップY362)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(ステップY363)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセーブする(ステップY364)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図2変動表示ゲームの停止図柄を特図2停止図柄領域ではなく特図2停止図柄退避領域にセーブするようにしたのは、特図1変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはずれ結果に変更される可能性があるためである。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY365)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY366)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図2ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY367)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図2大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY368)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。
一方、大当りでない場合(ステップY361;N)は、小当りフラグ2は小当りであるかを判定し(ステップY369)、小当りである場合(ステップY369;Y)は、特図2小当り図柄乱数格納領域から小当り図柄乱数をロードする(ステップY370)。次に、特図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップY371)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセーブする(ステップY372)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブし(ステップY373)、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。
また、小当りフラグ2は小当りでない場合(ステップY369;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄退避領域にセーブし(ステップY374)、はずれ停止図柄パターンを特図2停止図柄パターン領域にセーブして(ステップY375)、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図2コマンドを飾り特図2コマンド領域にセーブし(ステップY377)、演出コマンド設定処理(ステップY378)を行う。この飾り特図2コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップY379)、特図2大当り図柄乱数格納領域を0クリアし(ステップY380)、特図2小当り図柄乱数格納領域を0クリアして(ステップY381)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
〔特図1情報設定処理〕
図104には、上述の特図1変動開始処理における特図1情報設定処理(ステップY244)を示した。この特図1情報設定処理では、まず、高確率中であるかを判定する(ステップY401)。高確率中でない場合(ステップY401;N)は、変動パターン選択情報テーブルを設定し(ステップY402)、特図1停止図柄パターンに対応する前半オフセットデータ、後半オフセットデータを取得して(ステップY403)、特図1大当り、すなわち特図1停止図柄パターンが大当りの停止図柄パターンであるかを判定する(ステップY404)。
特図1大当りである場合(ステップY404;Y)は、ステップY412に移行する。また、特図1大当りでない場合(ステップY404;N)は、特図1小当り、すなわち特図1停止図柄パターンが小当りの停止図柄パターンであるかを判定する(ステップY405)。そして、特図1小当りでない場合(ステップY405;N)、すなわちはずれである場合は、ステップY407に移行する。また、特図1小当りである場合(ステップY405;Y)は、後半オフセットデータに特図1保留数を加算して値を更新し(ステップY406)、前半オフセットデータに特図1保留数を加算して値を変換して(ステップY407)、ステップY412に移行する。
一方、高確率中である場合(ステップY401;Y)は、特図1大当りであるかを判定する(ステップY408)。そして、特図1大当りでない場合(ステップY408;N)は、高確率時特図1はずれ・小当り用の前半オフセットデータを設定し(ステップY409)、特図1長変動用の後半オフセットデータを設定する(ステップY411)。また、特図1大当りである場合(ステップY408;Y)は、高確率時特図1大当り用の前半オフセットデータを設定し(ステップY410)、特図1長変動用の後半オフセットデータを設定する(ステップY411)。
そして、以上のように設定した前半オフセットデータを変動振分情報1領域にセーブするとともに(ステップY412)、後半オフセットデータを変動振分情報2領域にセーブして(ステップY413)、特図1情報設定処理を終了する。
つまり通常遊技状態における特図1変動表示ゲームは、小当りの場合には前半変動パターンと後半変動パターンの両方について特図1保留数を考慮した変動パターンが決定されるようにし、はずれの場合には前半変動パターンのみ特図1保留数を考慮して変動パターンが決定されるようにし、大当りの場合は特図1保留数を考慮せずに変動パターンが決定されるようにする。また、特定遊技状態における特図1変動表示ゲームは、特図1保留数を考慮せずに変動パターンが決定されるようにする。
〔特図2情報設定処理〕
図105には、上述の特図2変動開始処理における特図2情報設定処理(ステップY264)を示した。この特図2情報設定処理では、まず、高確率中であるかを判定する(ステップY421)。高確率中である場合(ステップY421;Y)は、変動パターン選択情報テーブルを設定し(ステップY422)、特図2停止図柄パターンに対応する前半オフセットデータ、後半オフセットデータを取得して(ステップY423)、ステップY428に移行する。
一方、高確率中でない場合(ステップY421;N)は、特図2大当りであるかを判定する(ステップY424)。そして、特図2大当りでない場合(ステップY424;N)は、低確率時特図2はずれ・小当り用の前半オフセットデータを設定し(ステップY425)、特図2長変動用の後半オフセットデータを設定する(ステップY427)。また、特図2大当りである場合(ステップY424;Y)は、低確率時特図2大当り用の前半オフセットデータを設定し(ステップY426)、特図2長変動用の後半オフセットデータを設定する(ステップY427)。
そして、以上のように設定した前半オフセットデータを変動振分情報1領域にセーブするとともに(ステップY428)、後半オフセットデータを変動振分情報2領域にセーブして(ステップY429)、特図2情報設定処理を終了する。
〔特図1変動パターン設定処理〕
図106には、上述の特図1変動開始処理における特図1変動パターン設定処理(ステップY246)を示した。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
この特図1変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップY451)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備して(ステップY452)、特図1の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップY453)。
次に、特図1はずれ、すなわち停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるかを判定し(ステップY454)、特図1はずれである場合(ステップY454;Y)は、2バイト振り分け処理を行って(ステップY455)、ステップY457に移行する。また、特図1はずれでない場合(ステップY454;N)は、振り分け処理を行って(ステップY456)、ステップY457に移行する。結果が大当りや小当りの場合は振り分け値が1バイトであるが、結果がはずれの場合は多彩な演出を可能とするため振り分け値が2バイトとなっている。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY457)、特図1の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(ステップY458)。そして、振り分け処理(ステップY459)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップY460)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップY461)、変動振分情報1と決定された後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップY462)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY463)、特図1の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップY464)。
その後、振り分け処理(ステップY465)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップY467)、特図1変動パターン設定処理を終了する。この処理により前半変動パターンが設定され、これから開始される特図1変動表示ゲームの全期間の変動パターンが設定されることとなる。
〔特図2変動パターン設定処理〕
図107には、上述の特図2変動開始処理における特図2変動パターン設定処理(ステップY266)を示した。この特図2変動パターン設定処理では、まず、後半変動選択アドレステーブルを設定し(ステップY471)、変動振分情報2に対応する後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備して(ステップY472)、特図2の変動パターン乱数2格納領域から変動パターン乱数2をロードして準備する(ステップY473)。
次に、振り分け処理を行って(ステップY474)、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップY475)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
そして、前半変動グループテーブルを設定し(ステップY476)、変動振分情報1と決定された後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップY477)。次に、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY478)、特図2の変動パターン乱数3格納領域から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップY479)。
その後、振り分け処理(ステップY480)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップY481)、特図2変動パターン設定処理を終了する。この処理により前半変動パターンが設定され、これから開始される特図2変動表示ゲームの全期間の変動パターンが設定されることとなる。なお、特図2変動表示ゲームについては後半変動の種類が少ないため、変動パターン乱数1による後半変動グループの選択は行わず、変動パターン乱数2及び3のみを用いて変動パターンを決定している。
〔2バイト振り分け処理〕
図108には、上述の特図1変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップY455)を示した。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
この2バイト振り分け処理では、まず、準備した後半変動グループテーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるかをチェックする(ステップY501)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動パターングループのみを規定する後半変動グループテーブルにあっては、振分けの必要がないため、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップY502;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップY507)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップY502;N)は、後半変動グループテーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップY503)。
次に、ロードされた乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップY373にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップY504)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップY505)。新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップY505;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップY506)、処理をステップY503に移行して、それ以降の処理を行う。即ち、ステップY503にて、変動グループ選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップY505にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(ステップY504)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップY505)。
上記の処理をステップY505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY505;Y)と判定するまで実行する。これにより、後半変動グループテーブルに規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップY505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY505;Y)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップY507)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
図109には、上述の特図1変動パターン設定処理及び特図2変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップY456、Y459、Y465、Y474、Y480)を示した。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
この振り分け処理では、まず、準備された後半変動選択テーブル(選択テーブル)や前半変動選択テーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるか否かをチェックする(ステップY511)。ここで、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルは、後半変動グループテーブルと同様に、少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップY512;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップY517)、振り分け処理を終了する。一方、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップY512;N)は、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップY513)。
次に、ロードされた乱数値(変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップY513にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出した後(ステップY514)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップY515)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップY515;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップY516)、処理をステップY513に移行して、それ以降の処理を行う。
即ち、ステップY513にて、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップY515にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(ステップY514)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップY515)。
上記の処理をステップY515にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY515;Y)と判定するまで実行する。これにより、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンの中から何れか一の後半変動番号や前半変動番号を選択する。そして、ステップY515にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY515;Y)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップY517)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
図110には、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップY247、Y267)を示した。この変動開始情報設定処理では、まず、特図1の情報設定中であるかを判定し(ステップY551)、特図1の情報設定中である場合(ステップY551;Y)は、特図1の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域(保留数1用)をクリアする(ステップY552)。また、特図1の情報設定中でない場合(ステップY551;N)、すなわち特図2の情報設定中である場合は、特図2の変動パターン乱数2,3の乱数格納領域をクリアする(ステップY553)。
次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップY554)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップY555)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップY556)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップY557)。そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップY558)、加算値を対象の特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY559)。
なお、低確率状態である通常遊技状態における特図2変動表示ゲームについて結果がはずれ又は小当りである場合には、変動時間が非常に長い長変動が設定される。この場合における上記の加算値としては、規定時間(ここでは60000ms)の計時を行う回数である繰り返し回数を用いて計時可能な時間を除いた余りの時間(60000ms未満の時間)が加算値として算出されるようになっている。
その後、特図1の情報設定中であるかを判定し(ステップY560)、特図1の情報設定中である場合(ステップY560;Y)は、ステップY564に移行する。また、特図1の情報設定中でない場合(ステップY560;N)、すなわち特図2の情報設定中である場合は、特図2の長変動の開始であるかを判定する(ステップY561)。長変動とは、特図2変動表示ゲームについて、通常遊技状態で結果がはずれ又は小当りの場合に設定される変動パターンであり、設定された変動パターンの番号により判定する。
そして、特図2の長変動の開始でない場合(ステップY561;N)は、0を特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域にセーブし(ステップY562)、ステップY564に移行する。また、特図2の長変動の開始である場合(ステップY561;Y)は、9を特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域にセーブし(ステップY563)、ステップY564に移行する。
その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップY564)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップY565)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY566)。次に、特図1の情報設定中であるかを判定し(ステップY567)、特図1の情報設定中でない場合(ステップY567;N)は、変動開始情報設定処理を終了する。また、特図1の情報設定中である場合(ステップY567;Y)は、特図1保留数を−1更新し(ステップY568)、特図1の乱数格納領域の内容をシフトし(ステップY569)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップY570)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段に記憶された第1始動記憶に基づき、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第1変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第1決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、当該所定の乱数に基づき第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第2変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第2決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
以上のことから、第1始動入賞口36は、遊技領域32の一側に発射した遊技球が入賞可能な位置に配設され、第2始動入賞口37は、遊技領域32の他側に発射した遊技球が入賞可能な位置に配設され、変動表示ゲームの変動態様情報には、当該変動表示ゲームの実行時間を特定可能な変動時間に関する情報が含まれ、通常状態(通常遊技状態)において第2決定手段によって第2変動表示ゲームの変動時間として決定されることが可能な変動時間は、第1決定手段によって第1変動表示ゲームの変動時間として決定されることが可能な変動時間よりも長いこととなる。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドなどが挙げられる。なお、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1決定手段の決定結果に基づいて第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第1変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図1ゲーム処理の全体から、第1変動表示ゲーム実行制御手段が第1変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。さらに、遊技制御装置100が、第2決定手段の決定結果に基づいて第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第2変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図2ゲーム処理の全体から、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。
また、遊技制御装置100が、第1決定手段によって決定された第1変動表示ゲームの結果及び変動態様情報並びに第2決定手段によって決定された第2変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を制御情報として演出制御手段(演出制御装置300)へ送信することが可能な送信手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲーム及び第2変動表示ゲームのそれぞれについて、変動表示ゲームの開始に応じて変動時間の計測を開始し、当該計測時間が変動時間を経過した場合に当該変動表示ゲームの変動時間の計測を終了する計測手段をなす。
なお、低確率状態である通常遊技状態における特図2変動表示ゲームについて結果がはずれ又は小当りである場合には、変動時間が非常に長い長変動が設定されるが、この場合には、変動時間についての情報を演出制御装置300には送信せず、長変動であることのみを示すコマンドを送信するようにしても良い。長変動の場合は単に変動表示を行えばよく詳細に演出を決定する必要がないので、演出制御装置300では長変動であることのコマンドを受信することに基づき変動表示を開始するようにする。変動時間の管理は遊技制御装置100のみで行い、変動時間が終了することに基づき停止コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300では停止コマンドを受信することに基づき変動表示を停止するようにする。このようにすれば、演出制御装置300での制御の負担を軽減することができる。
〔高確率変動回数更新処理〕
図111には、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における高確率変動回数更新処理(ステップY257、Y268)を示した。この高確率変動回数更新処理では、まず、高確率中であるかを判定し(ステップY581)、高確率中でない場合(ステップY581;N)は、高確率変動回数更新処理を終了する。また、高確率中である場合(ステップY581;Y)は、高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する高確率変動回数を−1更新し(ステップY582)、高確率変動回数が0であるかを判定する(ステップY583)。
高確率変動回数が0でない場合(ステップY583;N)、すなわち高確率状態が継続する場合は、高確率変動回数更新処理を終了する。また、高確率変動回数が0である場合(ステップY583;Y)すなわち高確率状態を終了する場合は、高確率終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY584)。ここでは大当り2信号をOFFにするように設定する。さらに、高確率状態及び時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY585)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
さらに、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップY586)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップY587)。そして、変動開始する図柄に対応する高確率最終変動フラグをセットして(ステップY588)、高確率変動回数更新処理を終了する。
本実施形態の遊技機では、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態を設定するようにしているが、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能であるので、高確率状態の回数を管理する高確率変動回数更新処理は特図変動表示ゲームの開始時に行うようにしている。従来のように一方の特図変動表示ゲームの実行中は他方の特図変動表示ゲームを実行しないようにする遊技機であれば、所定回数目の特図変動表示ゲームの終了までに確率状態を低確率状態に変更すれば問題は生じない。しかし、本実施形態の遊技機のように特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能である場合は、所定回数目の特図変動表示ゲームの終了時に確率状態を低確率状態に変更するものとすると、当該一方の特図変動表示ゲームの実行中に開始される他方の特図変動表示ゲームまでも高確率状態で判定が行われてしまい、所定回数以上に亘り高確率状態で遊技を実行可能となってしまう。よって、本実施形態の遊技機のように特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能である場合は、所定回数目となる一方の特図変動表示ゲームを高確率状態で判定した後に、他方の特図変動表示ゲームの開始までに低確率状態としておく必要があり、ここでは、所定回数目となる一方の特図変動表示ゲームについて開始時の処理を終えた後すぐに低確率状態へ変更できるようにしている。
このように高確率変動回数更新処理は特図変動表示ゲームの開始時に行われるため、高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームについては、当該特図変動表示ゲームの変動表示中にはすでに低確率状態になっている。よって、当該特図変動表示ゲームの変動表示中において他の処理が現実の確率状態を参照して処理を行うと、低確率状態であるものとして処理が行われてしまうために不都合が生じる虞がある。そこで当該特図変動表示ゲームについては高確率状態として実行しているゲームとして扱うことができるようにするために高確率最終変動フラグを設定するようにしている。また、高確率最終変動フラグは、高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームが、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れであるかを判定できる情報を含んでいる。
〔特図1変動中処理移行設定処理〕
図112には、特図1普段処理における特図1変動中処理移行設定処理(ステップY216)を示した。この特図1変動中処理移行設定処理では、まず、特図1ゲーム処理番号として「1」を設定し(ステップY601)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY602)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY603)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY604)。ここでは特別図柄1変動中信号をONに設定する。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップY605)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(ステップY606)。さらに、特図1変動中図柄番号領域に初期値をセットして(ステップY607)、特図1変動中処理移行設定処理を終了する。
特図1変動中図柄番号領域にセットする初期値は0であり、これによりすべてのセグメントが消灯した状態から変動表示が開始されるようになる。結果態様を表示した状態では少なくとも一つのセグメントが点灯しているので、すべてのセグメントを消灯した状態から変動表示を開始することで変動表示が開始したことを即座に認識することが可能となる。
〔特図2変動中処理移行設定処理〕
図113には、特図2普段処理における特図2変動中処理移行設定処理(ステップY230)を示した。この特図2変動中処理移行設定処理では、まず、特図2ゲーム処理番号として「1」を設定し(ステップY611)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY612)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY613)、特図2の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY614)。ここでは特別図柄2変動中信号をONに設定する。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップY615)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(ステップY616)。さらに、特図2変動中図柄番号領域に初期値をセットして(ステップY617)、特図2変動中処理移行設定処理を終了する。
特図2変動中図柄番号領域にセットする初期値は0であり、これによりすべてのセグメントが消灯した状態から変動表示が開始されるようになる。結果態様を表示した状態では少なくとも一つのセグメントが点灯しているので、すべてのセグメントを消灯した状態から変動表示を開始することで変動表示が開始したことを即座に認識することが可能となる。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52において変動表示を開始する際にはすべてのセグメントを消灯状態とした状態から開始するとしたが、これに限られるものではない。例えば、何れの結果態様の点灯態様とも異なる点灯態様から変動表示を開始するようにしても良いし、何れの結果態様でも用いられないセグメントがあれば少なくとも当該セグメントを点灯した状態から変動表示を開始するようにしても良い。また、必ず毎回同じ一のセグメントを点灯した状態から変動表示を開始するようにしてもよい。また、特図1表示器51と特図2表示器52で変動を開始する際の点灯態様は同じでも良いし異なっていても良い。
〔特図1変動中処理〕
図114には、上述の特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(ステップY109)を示した。この特図1変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY621)、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして準備して(ステップY622)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY623)。
次に、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY624)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY625)。本実施形態の遊技機では、変動開始時に設定した変動時間よりも前に強制的に停止する場合もあるため、変動を停止する際には停止コマンドを演出制御装置300に送信するようにしている。
その後、高確率の最終変動であるかを判定する(ステップY626)。なお、特図1変動表示ゲームが高確率の最終変動である場合は特図1の高確率最終変動フラグが設定されている。そして、高確率の最終変動でない場合(ステップY626;N)は、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定し(ステップY627)、ステップY629に移行する。また、高確率の最終変動である場合(ステップY626;Y)は、高確率最終変動時の表示時間を設定し(ステップY628)、ステップY629に移行する。なお、ここで設定される特図1変動表示ゲームの表示時間(停止時間)としては、高確率最終変動でない場合には、はずれの場合に600ms、大当りの場合に2000ms、小当りの場合に136msの表示時間が設定される。また、高確率最終変動である場合には、結果にかかわらず7000msの表示時間が設定される。
その後、特図1はずれであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定する(ステップY629)。特図1はずれである場合(ステップY629;Y)は、ステップY644に移行する。また、特図1はずれでない場合(ステップY629;N)、すなわち大当り又は小当りである場合は、特図2変動表示ゲームも実行中であるかを判定する(ステップY630)。なお特図2変動表示ゲームが実行中であるか否かは特図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図2変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY630;Y)は、ステップY640に移行する。また、特図2変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY630;Y)は、特図2表示中処理中であるかを判定する(ステップY631)。すなわちこの場合は、特図1変動表示ゲームが特別結果になることに基づき、実行中の特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特図2変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
特図2表示中処理中である場合(ステップY631;Y)は、ステップY633に移行する。また、特図2表示中処理中でない場合(ステップY631;N)は、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY632)、特図2の表示時間として上記で設定した特図1の表示時間+4msの表示時間を設定する(ステップY633)。特図2の表示時間として特図1の表示時間+4msの表示時間を設定することで、特図1と特図2の表示時間が同時に終了するようになる。なお、すでに特図2変動表示ゲームが表示時間中であった場合にも表示時間が再設定され、新たに表示時間が開始されるようになる。
次に、特図2ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY634)、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY635)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY636)。その後、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY637)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY638)、特図2表示中処理移行設定処理2を行う(ステップY639)。
そして、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップY640)、特図1小当りであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が小当りであるかを判定する(ステップY641)。特図1小当りである場合(ステップY641;Y)は、ステップY644に移行する。また、特図1小当りでない場合(ステップY641;N)、すなわち大当りである場合は、特図1ラウンド数上限値情報領域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY642)、特図1大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY643)。
その後、特図1停止図柄退避領域から情報をロードして特図1停止図柄領域にセーブし(ステップY644)、特図1表示中処理移行設定処理1を行って(ステップY645)、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2変動中処理〕
図115には、上述の特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(ステップY140)を示した。この特図2変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY651)、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして準備して(ステップY652)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY653)。
次に、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY654)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY655)。その後、高確率の最終変動であるかを判定する(ステップY656)。なお、特図2変動表示ゲームが高確率の最終変動である場合は特図2の高確率最終変動フラグが設定されている。
そして、高確率の最終変動でない場合(ステップY656;N)は、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定し(ステップY657)、ステップY659に移行する。また、高確率の最終変動である場合(ステップY656;Y)は、高確率最終変動時の表示時間を設定し(ステップY658)、ステップY659に移行する。なお、ここで設定される特図2変動表示ゲームの表示時間(停止時間)としては、高確率最終変動でない場合には結果にかかわらず600ms、高確率最終変動である場合には結果にかかわらず7000msの表示時間が設定される。
その後、特図2はずれであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定する(ステップY659)。特図2はずれである場合(ステップY659;Y)は、ステップY674に移行する。また、特図2はずれでない場合(ステップY659;N)、すなわち大当り又は小当りである場合は、特図1変動表示ゲームも実行中であるかを判定する(ステップY660)。なお特図1変動表示ゲームが実行中であるか否かは特図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図1変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY660;Y)は、ステップY670に移行する。また、特図1変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY660;Y)は、特図1表示中処理中であるかを判定する(ステップY661)。すなわちこの場合は、特図2変動表示ゲームが特別結果になることに基づき、実行中の特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特図1変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
特図1表示中処理中である場合(ステップY661;Y)は、ステップY664に移行する。また、特図1表示中処理中でない場合(ステップY661;N)は、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY662)、ステップY664に移行する。
次に、特図1ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY664)、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY665)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY666)。その後、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY667)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY668)、特図1表示中処理移行設定処理2を行う(ステップY669)。
そして、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップY670)、特図2小当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が小当りであるかを判定する(ステップY671)。特図2小当りである場合(ステップY671;Y)は、ステップY674に移行する。また、特図2小当りでない場合(ステップY671;N)、すなわち大当りである場合は、特図2ラウンド数上限値情報領域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY672)、特図2大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY673)。
その後、特図2停止図柄退避領域から情報をロードして特図2停止図柄領域にセーブし(ステップY674)、特図2表示中処理移行設定処理1を行って(ステップY675)、特図2表示中処理を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理1〕
図116には、上述の特図1変動中処理での特図1表示中処理移行設定処理1(ステップY645)を示した。この特図1表示中処理移行設定処理1では、まず、特図1表示中処理に係る特図1ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY681)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY682)。
次に、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY683)。ここでは特別図柄1変動中信号をOFFに設定する。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップY684)、特図1変動中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理1〕
図117には、上述の特図2変動中処理での特図2表示中処理移行設定処理1(ステップY675)を示した。この特図2表示中処理移行設定処理1では、まず、特図2表示中処理に係る特図2ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY691)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY692)。
次に、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY693)。ここでは特別図柄2変動中信号をOFFに設定する。その後、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップY694)、特図2変動中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理2〕
図118には、上述の特図2変動中処理での特図1表示中処理移行設定処理2(ステップY669)を示した。この特図1表示中処理移行設定処理2では、まず、特図1表示中処理に係る特図1ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY701)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY702)。
次に、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY703)、その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(ステップY704)。
ここまでは上述の特図1表示中処理移行設定処理1と同様であり、以下、はずれ結果とするための情報の設定を行う。まず、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンをセーブし(ステップY705)、特図1ラウンド数上限値情報領域をクリアする(ステップY706)。
次に、特図1大入賞口開放情報領域をクリアし(ステップY707)、小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブして(ステップY708)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップY709)。そして、特図1停止図柄退避領域をクリアし(ステップY710)、特図1停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブして(ステップY711)、特図1表示中処理移行設定処理2を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理2〕
図119には、上述の特図1変動中処理での特図2表示中処理移行設定処理2(ステップY639)を示した。この特図2表示中処理移行設定処理2では、まず、特図2表示中処理に係る特図2ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY721)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY722)。
次に、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY723)、その後、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブする(ステップY724)。
ここまでは上述の特図2表示中処理移行設定処理1と同様であり、以下、はずれ結果とするための情報の設定を行う。まず、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンをセーブし(ステップY725)、特図2ラウンド数上限値情報領域をクリアする(ステップY726)。
次に、特図2大入賞口開放情報領域をクリアし(ステップY727)、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブして(ステップY728)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップY729)。そして、特図2停止図柄退避領域をクリアし(ステップY730)、特図2停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブして(ステップY731)、特図2表示中処理移行設定処理2を終了する。
以上の図114〜図119の処理により、一方の特図変動表示ゲームが特別結果となった場合に他方の特図変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されることとなる。すなわち、特図1変動表示ゲームが特別結果となることに基づき特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される第1終了制御処理がなされ、特図2変動表示ゲームが特別結果となることに基づき特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される第2終了制御処理がなされることとなる。
以上のことから、第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)は、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行っている場合に、第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)によって実行制御が行われている第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている第1変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させることが可能であり、第2変動表示ゲーム実行制御手段は、第2変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、第1変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている第1変動表示ゲームが特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている第2変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させることが可能であることとなる。これにより、一方の変動表示ゲームで特別結果が導出された際に他方の変動表示ゲームを強制的にはずれ結果で停止させることでき、同時変動を行う場合であっても不具合が生じることのないようにすることができる。
〔特図1表示中処理〕
図120、図121には、上述の特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(ステップY110)を示した。この特図1表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて小当りフラグ1領域に設定された小当りフラグ1をロードして(ステップY751)、小当りフラグ1領域をクリアする(ステップY752)。
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1ロードして(ステップY753)、大当りフラグ1領域をクリアする(ステップY754)。そして、特図1は大当りか、すなわちロードされた大当りフラグ1が大当り情報かを判定し(ステップY755)、大当りでない場合(ステップY755;N)は、ステップY777に移行する。また、大当りである場合(ステップY755;Y)は、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY756)。
そして、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップY757)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY758)。すなわち、第1特別遊技状態の発生に伴い異常変動報知を終了する。その後、ラウンド数上限値テーブルを設定し(ステップY759)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、16,8,4又は2)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップY760)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップY761)。
次に、特図1停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域からロードして準備し(ステップY762)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY763)。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY764)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY765)。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY766)。本実施形態の場合、ステップY766において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、大当り種類が2R確変D1以外の大当りである場合にはONとされ、高確率状態中での2R確変D1である場合にONとされ、低確率状態中での2R確変D1である場合にOFFとされる。また、大当り3信号は、大当り種類が2R確変D1以外の大当りである場合にはONとされ、高確率状態中での2R確変D1である場合にOFFとされ、低確率状態中での2R確変D1である場合にONとされる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000ms、3000ms又は4ms)を設定して(ステップY767)、設定した大当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY768)。そして、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)を開放する大当りであるかを判定する(ステップY769)。
上大入賞口を開放する大当りである場合(ステップY769;Y)は、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY770)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY771)、ステップY774に移行する。また、上大入賞口を開放する大当りでない場合(ステップY769;N)、すなわち下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)を開放する大当りである場合は、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY772)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY773)、ステップY774に移行する。
次に、処理番号として3を設定し(ステップY774)、特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY775)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY776)を行い、特図1表示中処理を終了する。
一方、ステップY755にて、特図1は大当りでない場合(ステップY755;N)、すなわち大当りフラグ1がはずれ情報である場合は、ロードした小当りフラグ1が小当り(小当り情報)かを判定する(ステップY777)。そして、小当りフラグ1が小当りである場合(ステップY777;Y)は、高確率最終変動であるか、すなわち高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームであるかを判定する(ステップY778)。
高確率最終変動でない場合(ステップY778;N)は、ステップY783に移行する。また、高確率最終変動である場合(ステップY778;Y)は、確率情報コマンド(低確率)を準備し(ステップY779)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY780)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY781)、左打ち指示報知フラグ及び高確率最終変動フラグをクリアする(ステップY782)。左打ち指示報知フラグをクリアすることで、次回行われる特図1普段処理において左打ち指示報知コマンドが設定されて左打ちを指示する報知が行われるようになる。
その後、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY783)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY784)。さらに、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップY785)、演出コマンド設定処理を行って(ステップY786)、高確率中かを判定する(ステップY787)。
高確率中でない場合(ステップY787;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY788)。ここでは発射位置指定信号1をOFFにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY789)。これにより第1遊技状態表示部77が消灯状態となり、左打ちを指示する表示となる。
一方、高確率中である場合(ステップY787;Y)は、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY790)。ここでは発射位置指定信号1をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY791)。これにより第1遊技状態表示部77が点灯状態となり、右打ちを指示する表示となる。
その後、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)を開放する小当りであるかを判定し(ステップY792)上大入賞口を開放する小当りである場合(ステップY792;Y)は、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY793)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY794)、ステップY797に移行する。また、上大入賞口を開放する小当りでない場合(ステップY792;N)、すなわち下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)を開放する小当りである場合は、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY795)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY796)、ステップY797に移行する。そして、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY797)を行い、特図1表示中処理を終了する。
また、ステップY777にて、小当りフラグ1が小当りでないと判定した場合(ステップY777;N)は、高確率最終変動であるか、すなわち高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームであるかを判定する(ステップY798)。
高確率最終変動でない場合(ステップY798;N)は、ステップY806に移行する。また、高確率最終変動である場合(ステップY798;Y)は、確率情報コマンド(低確率)を準備し(ステップY799)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY800)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY801)、左打ち指示報知フラグ及び高確率最終変動フラグをクリアする(ステップY802)。
次に特図2の小当り中、すなわち特図2変動表示ゲームで発生した小当りに基づく第2特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY803)。特図2の小当り中である場合(ステップY803;Y)は、ステップY806に移行する。これにより右打ちを指示する状態が維持される。また、特図2の小当り中でない場合(ステップY803;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY804)、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY805)。その後、特図ステータス領域の特図1変動中をクリア(情報減算)し(ステップY806)、特図1普段処理移行設定処理1を行って(ステップY807)、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2表示中処理〕
図122、図123には、上述の特図2ゲーム処理における特図2表示中処理(ステップY141)を示した。なお、この特図2表示中処理は、上述の特図1表示中処理と同等の処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2表示中処理では、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて小当りフラグ2領域に設定された小当りフラグ2をロードして(ステップY811)、小当りフラグ2領域をクリアする(ステップY812)。
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて大当りフラグ2領域に設定された大当りフラグ2ロードして(ステップY813)、大当りフラグ2領域をクリアする(ステップY814)。そして、特図2は大当りか、すなわちロードされた大当りフラグ2が大当り情報かを判定し(ステップY815)、大当りでない場合(ステップY815;N)は、ステップY837に移行する。また、大当りである場合(ステップY815;Y)は、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY816)。
そして、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップY817)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY818)。すなわち、第1特別遊技状態の発生に伴い異常変動報知を終了する。その後、ラウンド数上限値テーブルを設定し(ステップY819)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、16,8,4又は2)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップY820)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップY821)。
次に、特図2停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域からロードして準備し(ステップY822)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY823)。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY824)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY825)。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY826)。本実施形態の場合、ステップY826において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、大当り種類が2R確変D1以外の大当りである場合にはONとされ、高確率状態中での2R確変D1である場合にONとされ、低確率状態中での2R確変D1である場合にOFFとされる。また、大当り3信号は、大当り種類が2R確変D1以外の大当りである場合にはONとされ、高確率状態中での2R確変D1である場合にOFFとされ、低確率状態中での2R確変D1である場合にONとされる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000ms、3000ms又は4ms)を設定して(ステップY827)、設定した大当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY828)。そして、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)を開放する大当りであるかを判定する(ステップY829)。
上大入賞口を開放する大当りである場合(ステップY829;Y)は、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY830)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY831)、ステップY834に移行する。また、上大入賞口を開放する大当りでない場合(ステップY829;N)、すなわち下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)を開放する大当りである場合は、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY832)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY833)、ステップY834に移行する。
次に、処理番号として3を設定し(ステップY834)、特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY835)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY836)を行い、特図2表示中処理を終了する。
一方、ステップY815にて、特図2は大当りでない場合(ステップY815;N)、すなわち大当りフラグ2がはずれ情報である場合は、ロードした小当りフラグ2が小当り(小当り情報)かを判定する(ステップY837)。そして、小当りフラグ2が小当りである場合(ステップY837;Y)は、高確率最終変動であるか、すなわち高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームであるかを判定する(ステップY838)。
高確率最終変動でない場合(ステップY838;N)は、ステップY843に移行する。また、高確率最終変動である場合(ステップY838;Y)は、確率情報コマンド(低確率)を準備し(ステップY839)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY840)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY841)、左打ち指示報知フラグ及び高確率最終変動フラグをクリアする(ステップY842)。左打ち指示報知フラグをクリアすることで、次回行われる特図1普段処理において左打ち指示報知コマンドが設定されて左打ちを指示する報知が行われるようになる。
その後、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY843)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY844)。さらに、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップY845)、演出コマンド設定処理を行って(ステップY846)、高確率中かを判定する(ステップY847)。
高確率中でない場合(ステップY847;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY848)。ここでは発射位置指定信号1をOFFにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY849)。これにより第1遊技状態表示部77が消灯状態となり、左打ちを指示する表示となる。
一方、高確率中である場合(ステップY847;Y)は、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY850)。ここでは発射位置指定信号1をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY851)。これにより第1遊技状態表示部77が点灯状態となり、右打ちを指示する表示となる。
その後、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)を開放する小当りであるかを判定し(ステップY852)上大入賞口を開放する小当りである場合(ステップY852;Y)は、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY853)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY854)、ステップY857に移行する。また、上大入賞口を開放する小当りでない場合(ステップY852;N)、すなわち下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)を開放する小当りである場合は、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY855)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY856)、ステップY857に移行する。そして、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY857)を行い、特図2表示中処理を終了する。
また、ステップY837にて、小当りフラグ2が小当りでないと判定した場合(ステップY837;N)は、高確率最終変動であるか、すなわち高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームであるかを判定する(ステップY858)。高確率最終変動でない場合(ステップY858;N)は、ステップY866に移行する。また、高確率最終変動である場合(ステップY858;Y)は、確率情報コマンド(低確率)を準備し(ステップY859)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY860)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY861)、左打ち指示報知フラグ及び高確率最終変動フラグをクリアする(ステップY862)。
次に特図1の小当り中、すなわち特図1変動表示ゲームで発生した小当りに基づく第2特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY863)。特図1の小当り中である場合(ステップY863;Y)は、ステップY866に移行する。これにより右打ちを指示する状態が維持される。また、特図1の小当り中でない場合(ステップY863;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY864)、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY865)。その後、特図ステータス領域の特図2変動中をクリア(情報減算)し(ステップY866)、特図2普段処理移行設定処理1を行って(ステップY867)、特図2表示中処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームが第1特別結果となったことに基づき、条件装置の作動を伴なって特別変動入賞装置を開放する第1特別遊技状態を発生させる第1特別遊技発生手段をなすとともに、変動表示ゲームが第2特別結果となったことに基づき、条件装置の作動を伴わずに特別変動入賞装置を開放する第2特別遊技状態を発生させる第2特別遊技発生手段をなす。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
図124には、上述の特図1表示中処理及び特図2表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY776、Y836)の詳細について説明する。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、まず、大当り(第1特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY871)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定する。次に高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY872)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップY873)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブして(ステップY874)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップY875)。
そして、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY876)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域をクリアする(ステップY877)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
次に、特図ステータス領域に大当り中情報をセーブし(ステップY878)、高確率最終変動フラグ領域をクリアする(ステップY879)。さらに、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY880)、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY881)。
その後、特図2異常変動フラグ領域に解除フラグをセーブし(ステップY882)、特図2異常変動数を記憶する特図2異常数領域をクリアする(ステップY883)。さらに、特図1変動回数領域を0クリアし(ステップY884)、特図2異常変動報知タイマ領域を0クリアして(ステップY885)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を終了する。すなわち、大当りの発生に伴い、特図2異常変動に関する情報を全てクリアする。
〔特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
図125には、上述の特図1表示中処理における特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY797)を示した。この特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップY891)、当該処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY892)。
次に、小当りファンファーレ時間(例えば4ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY893)、小当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY894)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定する。さらに、特図1小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY895)。ここでは特別図柄1小当り信号をONに設定する。
その後、特図ステータス情報に小当り中情報をセーブし(ステップY896)、ラウンドLEDポインタ領域に小当り表示ポインタをセーブして(ステップY897)、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理を終了する。
〔特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
図126には、上述の特図2表示中処理における特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY857)を示した。この特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップY901)、当該処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY902)。
次に、小当りファンファーレ時間(例えば4ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY903)、小当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY904)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定する。さらに、特図2小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY905)。ここでは特別図柄2小当り信号をONに設定する。
その後、特図ステータス情報に小当り中情報をセーブし(ステップY906)、ラウンドLEDポインタ領域に小当り表示ポインタをセーブして(ステップY907)、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
図127には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップY111、Y142)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップY951)、大入賞口開放情報とラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備し(ステップY952)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY953)。
次に、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大当り中処理制御ポインタ初期値を設定し(ステップY954)、ポインタ初期値を大当り中処理制御ポインタ領域にセーブする(ステップY955)。大当り中処理制御ポインタ初期値としては、一のラウンドにおいて開閉を繰り返す場合には0を設定する。ここでは、16R確変F3(特図2上大入賞口開閉パターン5)の5R目が相当する。また、一のラウンドにおいて連続した1回の開放を行う場合には、大当り動作終了値である21を設定する。なお、一のラウンドにおける開閉回数に応じて初期値を0以外に設定しても良い。
そして、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放時間を設定し(ステップY956)、処理番号として4を設定する(ステップY957)。ここで設定する開放時間としては、例えば200ms、600ms、1600ms、29000msの何れかである。
次に特図1の大当りであるかを判定し(ステップY958)、特図1の大当りである場合(ステップY958;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY959)、大入賞口開放時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY960)。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY958;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY961)、大入賞口開放時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY962)。
そして、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)開放の大当りであるかを判定する(ステップY963)。上大入賞口開放の大当りであるかは設定されている大入賞口開放情報から判別することが可能である。上大入賞口開放の大当りである場合(ステップY963;Y)は、大入賞口開放中処理移行設定処理1を行い(ステップY964)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。また、上大入賞口開放の大当りでない場合(ステップY963;N)は、大入賞口開放中処理移行設定処理2を行い(ステップY965)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理1〕
図128には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理1(ステップY964)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理1においては、まず、上大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY971)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに設定する。そして、第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY972)、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数をクリアして(ステップY973)、大入賞口開放中処理移行設定処理1を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理2〕
図129には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理2(ステップY965)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理2においては、まず、下大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY981)。ここでは特別電動役物2作動中信号をONに設定する。そして、第2特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放するために大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップY982)、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数をクリアして(ステップY983)、大入賞口開放中処理移行設定処理2を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
図130には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップY112,Y143)を示した。この大入賞口開放中処理では、まず、大当り中処理制御ポインタをロードし(ステップY1001)、ロードした値が大当り動作終了値(ここでは21)以上であるかを判定する(ステップY1002)。
ロードした値が大当り動作終了値(ここでは21)以上でない場合(ステップY1002;N)は、大当り動作移行設定処理を行って(ステップY1003)、大当り中処理制御ポインタを+1更新し(ステップY1004)、大入賞口開放中処理を終了する。この場合は一のラウンド中に開閉が行われる場合であり、更新された大当り中処理制御ポインタに応じて特別変動入賞装置の開閉態様が設定されることとなる。
一方、ロードした値が大当り動作終了値(ここでは21)以上である場合(ステップY1002;Y)は、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップY1005)。そして、最終ラウンドでない場合(ステップY1005;N)は、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備し(ステップY1006)、演出コマンド設定処理(ステップY1008)を行う。また、最終ラウンドである場合(ステップY1005;Y)は、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備し(ステップY1007)、演出コマンド設定処理(ステップY1008)を行う。
次に、大入賞口開放情報に対応する残存球処理時間を設定し(ステップY1009)、処理番号として大入賞口残存球処理にかかる5を設定する(ステップY1010)。残存球処理時間としては、600ms、800ms又は1400msが設定される。そして、特図1の大当りであるかを判定する(ステップY1011)。
特図1の大当りである場合(ステップY1011;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1012)、残存球処理時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY1013)。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY1011;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1014)、残存球処理時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY1015)。
その後、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1016)、大入賞口開放中処理を終了する。なお、ステップY1016では上大入賞口ソレノイドと下大入賞口ソレノイドの両方についてオフデータを設定して、何れの大入賞口についても閉じる処理を行うようにしている。
〔大当り動作移行設定処理〕
図131には、上述の大入賞口開放中処理における大当り動作移行設定処理(ステップY1004)を示した。この大当り動作移行設定処理では、まず、大当り中処理制御ポインタの値が偶数か奇数かによる分岐処理を行う(ステップY1021)。なお、ここでは0は偶数であるとして分岐処理を行う。
ステップY1021にて大当り中処理制御ポインタの値が偶数である場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間を設定する(ステップY1022)。ここではウェイト時間として1500msを設定する。なお、ポインタの値によって異なるウェイト時間を設定するようにしても良い。次に、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(ステップY1023)、ステップY1026に移行する。なお、ステップY1023では上大入賞口ソレノイドと下大入賞口ソレノイドの両方についてオフデータを設定して、何れの大入賞口についても閉じる処理を行うようにしている。
一方、ステップY1021にて大当り中処理制御ポインタの値が奇数である場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間を設定する(ステップY1024)。ここでは大入賞口開放時間として大当り中処理制御ポインタの値が1〜19である場合には200msを設定し、21である場合には25000msを設定する。次に、大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1025)、ステップY1026に移行する。なお、本実施形態の遊技機では一のラウンド中に開閉を繰り返すのは上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)のみであるため、ステップY1024では上大入賞口ソレノイドについてオンデータをセーブしている。もちろん遊技機の設定によっては下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)についても一のラウンドにおいて開閉を繰り返すことができるようにしても良い。
その後、特図1の大当りであるかを判定し(ステップY1026)、特図1の大当りである場合(ステップY1026;Y)は、設定した時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1027)、大当り動作移行設定処理を終了する。また、特図1の大当りでない場合(ステップY1026;N)は、設定した時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1028)、大当り動作移行設定処理を終了する。以上の処理により、一のラウンドにおいて大入賞口の開閉を繰り返すことが可能となる。
〔大入賞口残存球処理〕
図132には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップY113、Y144)を示した。この大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップY1041)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップY1041;N)は、大入賞口開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1042)。ここでは、特別電動役物1作動中信号をOFF及び特別電動役物2作動中信号をOFFに設定する。次に、大入賞口開放情報と今回のラウンド数とに対応するインターバル時間を設定し(ステップY1043)、処理番号としてファンファーレ/インターバル中処理にかかる3を設定する(ステップY1044)。
ラウンドとラウンドの間のインターバル期間は、ラウンドの終了から残存球処理時間が経過し、さらに該残存球処理時間の経過からインターバル時間が経過するまでの期間とされる。例えば、特図1上大入賞口開閉パターン1であれば1400msの残存球処理時間と600msのインターバル時間が設定されるので、インターバル期間は2000msとなり、このインターバル期間において、表示装置41等でインターバル演出が実行される。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップY1041;Y)は、大当り終了処理移行設定処理を行い(ステップY1045)、停止図柄パターンに対応するエンディング時間を設定して(ステップY1046)、処理番号として特図1大当り終了処理又は特図2大当り終了処理にかかる6を設定する(ステップY1047)。
そして、特図1の大当りであるかを判定する(ステップY1048)。特図1の大当りである場合(ステップY1048;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1049)、設定した時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1050)、大入賞口残存球処理を終了する。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY1048;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1051)、設定した時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1052)、大入賞口残存球処理を終了する。
最終ラウンドの終了から特別遊技状態の終了までのエンディング期間は、最終ラウンドの終了から残存球処理時間が経過し、さらに該残存球処理時間の経過からエンディング時間が経過するまでの期間とされる。例えば、特図1上大入賞口開閉パターン1であれば1400msの残存球処理時間と9600msのエンディング時間が設定されるので、エンディング期間は11000msとなり、このエンディング期間において、表示装置41等でエンディング演出が実行される。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図133には、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップY1045)を示した。この大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大入賞口の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1071)。ここでは、特別電動役物1作動中信号をOFF及び特別電動役物2作動中信号をOFFに設定する。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップY1072)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(ステップY1073)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(ステップY1074)。
そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(ステップY1075)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップY1076)、大入賞口の開閉態様を設定するための大当り中制御ポインタ領域の情報をクリアし(ステップY1077)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔特図1大当り終了処理〕
図134には、上述の特図1ゲーム処理における特図1大当り終了処理(ステップY114)を示した。この特図1大当り終了処理では、まず、特図1普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップY1101)、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1102)。
次に、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1103)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1104)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。
その後、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1105)。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。次に、高確率状態及び時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1106)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をONに設定する。
そして、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1107)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。次に、遊技状態表示番号領域に高確率中の番号をセーブする(ステップY1108)。なお、本実施形態の遊技機では、高確率中は必ず時短状態であるので、ここではこれらを区別せずに高確率中の番号としている。その後、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1109)、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブする(ステップY1110)。
次に、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1111)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップY1112)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1113)。なお、特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
その後、特図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグをセーブし(ステップY1114)、高確率状態での特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための高確率変動回数領域に初期値(ここでは50)をセーブする(ステップY1115)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップY1116)、特図2ゲームウェイト時間値(ここでは8ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1117)、特図1大当り終了処理を終了する。
この特図1大当り終了処理を行うことで特図1及び特図2の何れについても特図変動表示ゲームを開始可能となるが、タイマ割込み処理においては特図1ゲーム処理の後に特図2ゲーム処理を行うため、特図1大当り終了処理を行ったタイマ割込みで特図2ゲーム処理において特図変動表示ゲームを開始する処理が行われて特図1変動表示ゲームよりも特図2変動表示ゲームの方が先に開始可能となってしまう。そこで、ステップY1117において特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブすることで、特図2変動表示ゲームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるようにし、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるようにしている。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、第1変動表示ゲーム実行制御手段が第1変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能となるまで、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能な状態としないようにするゲーム処理待機手段をなす。
〔特図2大当り終了処理〕
図135には、上述の特図2ゲーム処理における特図2大当り終了処理(ステップY145)を示した。この特図2大当り終了処理は上述の特図1大当り処理でのステップY1117を行わない以外は同等の処理である。
まず、特図2普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップY1121)、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1122)。次に、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1123)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1124)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。
その後、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1125)。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。次に、高確率状態及び時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1126)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をONに設定する。
そして、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1127)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。次に、遊技状態表示番号領域に高確率中の番号をセーブする(ステップY1128)。なお、本実施形態の遊技機では、高確率中は必ず時短状態であるので、ここではこれらを区別せずに高確率中の番号としている。その後、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1129)、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブする(ステップY1130)。
次に、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1131)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップY1132)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1133)。なお、特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
その後、特図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグをセーブし(ステップY1134)、高確率状態での特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための高確率変動回数領域に初期値(ここでは50)をセーブする(ステップY1135)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップY1136)、特図2大当り終了処理を終了する。
これらの特図1大当り処理及び特図2大当り処理により、第1特別遊技状態の終了後に50回の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態である特定遊技状態が設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後の所定期間に亘り、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率を通常状態よりも高めた特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生手段をなす。また、特定遊技状態発生手段は、特定遊技状態として、所定期間に亘り、変動表示ゲームの結果が第1特別結果となる確率を通常状態よりも高めるようにしていることとなる。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップY115、Y146)の詳細について説明する。図136に示すようにこの小当りファンファーレ中処理では、まず、開放パターンによる分岐を行う(ステップY1201)。
ステップY1201にて開放パターンが小当り1(特図1下大入賞口開閉パターン1)である場合は、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)開放の小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1202)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1203)。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1204)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1205)。
その後、小当り開放時間1(ここでは48ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1206)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1207)。ここでは特別電動役物2作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1208)、ステップY1230に移行する。
また、ステップY1201にて開放パターンが小当り2(特図2下大入賞口開閉パターン2)である場合は、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)開放の小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1209)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1210)。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1211)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1212)。
その後、小当り開放時間2(ここでは1600ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1213)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1214)。ここでは特別電動役物2作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1215)、ステップY1230に移行する。
また、ステップY1201にて開放パターンが小当り3(特図2上大入賞口開閉パターン6)である場合は、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)開放の小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1216)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1217)。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1218)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1219)。
その後、小当り開放時間3(ここでは1200ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1220)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1221)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1222)、ステップY1230に移行する。
また、ステップY1201にて開放パターンが小当り4(特図2上大入賞口開閉パターン7)である場合は、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)開放の小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1223)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1224)。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1225)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1226)。
その後、小当り開放時間4(ここでは1600ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1227)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1228)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1229)、ステップY1230に移行する。これらの小当り種類に応じた処理を行った後、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数領域をクリアし(ステップY1230)、小当りファンファーレ中処理を終了する。
〔小当り中処理〕
図137には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当り中処理(ステップY116、Y147)を示した。この小当り中処理では、まず、小当り終了画面コマンドを準備し(ステップY1241)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1242)。次に、開放パターンによる分岐を行う(ステップY1243)。
ステップY1243にて開放パターンが小当り1(特図1下大入賞口開閉パターン1)である場合は、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定して(ステップY1244)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1245)。そして、小当り残存球処理時間1(ここでは600ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1246)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1247)、小当り中処理を終了する。
ステップY1243にて開放パターンが小当り2(特図2下大入賞口開閉パターン2)である場合は、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定して(ステップY1248)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1249)。そして、小当り残存球処理時間2(ここでは600ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1250)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1251)、小当り中処理を終了する。
ステップY1243にて開放パターンが小当り3又は4(特図2上大入賞口開閉パターン6又は7)である場合は、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定して(ステップY1252)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1253)。そして、小当り残存球処理時間3(ここでは800ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1254)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1255)、小当り中処理を終了する。
なお、ステップY1247、Y1251、Y1255では上大入賞口ソレノイドと下大入賞口ソレノイドの両方についてオフデータを設定して、何れの大入賞口についても閉じる処理を行うようにしている。
〔小当り残存球処理〕
図138には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップY117、Y148)を示した。この小当り残存球処理では、まず、特図1の小当りであるかを判定する(ステップY1271)。特図1の小当りである場合(ステップY1271;Y)は、処理番号として特図1小当り終了処理にかかる10を設定して(ステップY1272)、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1273)。次に、小当りエンディング時間(ここでは100ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1274)、ステップY1278に移行する。
また、特図1の小当りでない場合(ステップY1271;N)は、処理番号として特図2小当り処理にかかる10を設定して(ステップY1275)、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1276)。次に、小当りエンディング時間(ここでは100ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1277)、ステップY1278に移行する。
そして、小当り動作の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1278)。ここでは、特別電動役物1作動中信号及び特別電動役物2作動中信号をOFFに設定する。さらに、大入賞口カウント数領域をクリアして(ステップY1279)、小当り残存球処理を終了する。
〔特図1小当り終了処理〕
図139には、上述の特図1ゲーム処理における特図1小当り終了処理(ステップY118)を示した。この特図1小当り終了処理では、まず、処理番号として特図1普段処理にかかる0を設定し(ステップY1301)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1302)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1303)。ここでは、特別図柄1小当り信号をOFFに設定する。そして、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1304)、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1305)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1306)。特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
次に、高確率中であるかを判定し(ステップY1307)、高確率中である場合(ステップY1307;Y)は、ステップY1310に移行する。また、高確率中でない場合(ステップY1307;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1308)。ここでは、発射位置指定信号1をOFFに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1309)、特図2ゲームウェイト時間値(ここでは8ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1310)、特図1小当り終了処理を終了する。ここでも特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブすることで、特図2変動表示ゲームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるようにし、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるようにしている。
〔特図2小当り終了処理〕
図140には、上述の特図2ゲーム処理における特図2小当り終了処理(ステップY149)を示した。この特図2小当り終了処理では、まず、処理番号として特図2普段処理にかかる0を設定し(ステップY1331)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1332)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1333)。ここでは、特別図柄2小当り信号をOFFに設定する。そして、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1334)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップY1335)。その後、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1336)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1337)。特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
次に、高確率中であるかを判定し(ステップY1338)、高確率中である場合(ステップY1338;Y)は、特図2小当り終了処理を終了する。また、高確率中でない場合(ステップY1338;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1339)。ここでは、発射位置指定信号1をOFFに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1340)、特図2小当り終了処理を終了する。
〔図柄変動制御処理〕
図141には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップY120、Y153)を示した。図柄変動制御処理は、特図1表示器51や特図2表示器52での特別図柄の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理である。この図柄変動制御処理では、まず、制御対象の図柄(特図1又は特図2)の変動制御フラグが変動中であるかをチェックする(ステップY1401)。
そして、変動制御フラグが変動中である場合(ステップY1402;Y)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得し(ステップY1403)、制御対象の図柄に係る点滅制御タイマを−1更新して(ステップY1404)、当該タイマの値が0、すなわちタイムアップしたかを判定する(ステップY1405)。
点滅制御タイマの値が0でない場合(ステップY1405;N)は、ステップY1408に移行する。また、点滅制御タイマの値が0である場合(ステップY1405;Y)は、点滅制御タイマ初期値(ここでは100ms)を制御対象の点滅制御タイマ領域にセーブし(ステップY1406)、制御対象の図柄に係る変動図柄番号を+1更新して(ステップY1407)、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップY1408)。その後、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップY1411)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、変動制御フラグが変動中でない場合(ステップY1402;N)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップY1409)。そして、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップY1410)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップY1411)、図柄変動制御処理を終了する。これにより、特図1表示器51及び特図2表示器52のうち、制御対象となる特図表示器に図柄番号に対応した特図が表示されることとなる。
〔セグメントLED編集処理〕
図142には、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップX112)を示した。このセグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた記憶表示部54、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方を報知する第1遊技状態表示部77、特図変動表示ゲームの確率状態(高確率状態又は低確率状態)を報知する確率表示部78を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
このセグメントLED編集処理では、まず、記憶表示部54での表示態様が規定された特図1保留数テーブルを設定し(ステップX601)、特図1保留数に対応する表示データを取得してセグメント領域にセーブする(ステップX602)。次に、ラウンド表示部60での表示態様が規定されたラウンド表示テーブルを設定し(ステップX603)、ラウンドLEDポインタに対応する表示データを取得してセグメント領域にセーブする(ステップX604)。
そして、確率表示部78での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定し(ステップX605)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得してセグメント領域にセーブする(ステップX606)。その後、第1遊技状態表示部77での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル2を設定し(ステップX607)、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得してセグメント領域にセーブし(ステップX608)、セグメントLED編集処理を終了する。
〔磁石不正監視処理〕
図143には、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップX113)を示した。この磁石不正監視処理では、磁気センサ61からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
この磁石不正監視処理では、まず、磁気センサ61から出力されて第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁石センサ61(磁気センサスイッチ)がオン、すなわち異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(ステップX611)。磁石センサがオンである場合(ステップX611;Y)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新して当該タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップX613)。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップX613;Y)、すなわち異常な磁気を一定期間継続して検出した場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップX614)、磁石不正報知タイマ初期値(ここでは60000ms)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップX615)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ステップX616)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備して(ステップX617)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX613)。すなわち、磁気センサ61が一定期間(例えば8回の割込み)連続してオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、磁石センサ61(磁気センサスイッチ)がオンでない場合(ステップX611;N)、すなわち異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップX618)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップX619)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は0に設定されている。そして、磁石不正報知タイマの値が0であるかを判定する(ステップX620)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(ステップX613;N)もステップX619の処理に移行する。
そして、磁石不正報知タイマの値が0でない場合(ステップX620;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマの値が0である場合(ステップX620;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップX621)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備して(ステップX622)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX623)。
そして、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップX623;Y)は、磁石不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップX623;N)は、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップX624)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX625)、磁石不正監視処理を終了する。
〔盤電波不正監視処理〕
図144には、上述のタイマ割込み処理における盤電波不正監視処理(ステップX114)を示した。盤電波不正監視処理では、盤電波センサ62からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
この盤電波不正監視処理では、まず、盤電波センサ62から出力されて近接I/F121aを経由して第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、盤電波センサ62がオン、すなわち異常な電波を検出した状態であるかを判定する(ステップX631)。盤電波センサがオンである場合(ステップX631;Y)、すなわち異常な電波を検出した場合は、電波不正報知タイマ初期値(ここでは60000ms)を電波不正報知タイマ領域にセーブする(ステップX632)。
そして、盤電波不正報知のコマンドを準備し(ステップX633)、盤電波不正フラグとして盤電波不正発生フラグを準備して(ステップX634)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX639)。すなわち、電波不正の場合は磁気不正の場合と違い、異常な電波を検出した時点で異常が発生していると判定するようにしている。
一方、盤電波センサがオンでない場合(ステップX631;N)、すなわち異常な電波を検出していない場合は、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップX635)。なお、電波不正報知タイマの最小値は0に設定されている。そして、電波不正報知タイマの値が0であるかを判定する(ステップX636)。
電波不正報知タイマの値が0でない場合(ステップX636;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、盤電波不正監視処理を終了する。また、電波不正報知タイマの値が0である場合(ステップX636;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、盤電波不正報知終了のコマンドを準備し(ステップX637)、盤電波不正フラグとして盤電波不正解除フラグを準備して(ステップX638)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX639)。
そして、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップX639;Y)は、盤電波不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップX639;N)は、準備した盤電波不正フラグを盤電波不正フラグ領域にセーブし(ステップX640)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX641)、盤電波不正監視処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
図145には、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップX115)を示した。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップX105)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX108)、磁石不正監視処理(ステップX113)、盤電波不正監視処理(ステップX114)などでの監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
この外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中であるかを判定し(ステップX701)、ガラス枠開放エラーの発生中でない場合(ステップX701;N)は、本体枠(前面枠12)開放エラーの発生中であるかを判定する(ステップX702)。そして、本体枠開放エラーの発生中でない場合(ステップX702;N)は、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX703)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX704)、ステップX707に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップX701;Y)や、本体枠(前面枠12)開放エラーの発生中である場合(ステップX702;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX705)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップX706)、ステップX707に移行する。すなわち、ガラス枠14や前面枠12が開放されている情報が外部情報として出力される。
次に、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256ms)を計時するセキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップX707)。なお、セキュリティ信号制御タイマの最小値は0に設定されている。
そして、セキュリティ信号制御タイマの値が0でない場合(ステップX708;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX710)、ステップX711に移行する。これにより、RAMに記憶されたデータの初期化が行われたことが外部情報として出力される。また、セキュリティ信号制御タイマの値が0である場合(ステップX708;Y)は、前面枠12に設けられた枠電波センサにより異常な電波を検出することである枠電波不正の発生中であるかを判定する(ステップX709)。
枠電波不正の発生中である場合(ステップX709;Y)は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX710)、ステップX711に移行する。また、枠電波不正の発生中でない場合(ステップX709;N)は、スイッチのコネクタ抜けなどのスイッチ異常エラーの発生中であるかを判定する(ステップX711)。そして、スイッチ異常エラーの発生中でない場合(ステップX711;N)は、ステップX713に移行する。また、スイッチ異常エラーの発生中である場合(ステップX711;Y)は、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップX712)、ステップX713に移行する。
そして、磁石不正発生中(ステップX713;Y)、盤電波不正発生中(ステップX714;Y)、大入賞口不正発生中(ステップX715;Y)、特図2異常変動発生中(ステップX716;Y)の少なくとも一つに該当する場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX718)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップX719)、ステップX720に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。また、ステップX713〜X716の何れのエラーも発生していない場合は、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップX717)、ステップX720に移行する。
そして、第1始動入賞口36への入賞信号を編集する始動口1信号編集処理(ステップX720)、第2始動入賞口37への入賞信号を編集する始動口2信号編集処理(ステップX721)を行う。次に、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップX722)を行い、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の設定を行う図柄確定回数信号編集処理を行って(ステップX723)、外部情報編集処理を終了する。
〔始動口1信号編集処理〕
図146には、上述の外部情報編集処理における始動口1信号編集処理(ステップX720)を示した。この始動口1信号編集処理では、まず、始動口1信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップX731)。なお、始動口1信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、始動口1信号出力制御タイマの値が0であるかを判定する(ステップX732)。始動口1信号出力制御タイマの値が0である場合(ステップX732;Y)は、始動口1信号出力回数が0であるかを判定する(ステップX733)。
そして、始動口1信号出力回数が0でない場合(ステップX733;N)は、始動口1信号出力回数を−1更新し(ステップX734)、始動口1信号出力制御タイマ領域に始動口1信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップX735)。この始動口1信号出力制御タイマ初期値は、始動口信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算した時間(例えば、192ms)となっている。その後、始動口1信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX737)、始動口1信号編集処理を終了する。また、始動口1信号出力回数が0である場合(ステップX733;Y)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX738)、始動口1信号編集処理を終了する。
一方、始動口1信号出力制御タイマの値が0でない場合(ステップX732;N)は、始動1口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップX736)。なお、始動口1信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、始動口1信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。始動口1信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップX736;Y)は、処理をステップX737に移行する。また、始動口1信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップX736;N)は、外部装置用の始動口1信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX838)、始動口1信号編集処理を終了する。なお、上述の外部情報編集処理における始動口2信号編集処理(ステップX721)は、この始動口1信号編集処理と同じ処理を始動口2信号について行う。
〔メイン賞球信号編集処理〕
図147には、上述の外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理(ステップX722)を示した。メイン賞球信号編集処理は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に生成されるメイン賞球信号を外部装置へ出力する処理である。
このメイン賞球信号編集処理では、まず、メイン賞球信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップX741)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0であるかを判定する(ステップX742)。メイン賞球信号出力制御タイマの値が0である場合(ステップX742;Y)は、メイン賞球信号出力回数が0であるかを判定する(ステップX743)。
そして、メイン賞球信号出力回数が0でない場合(ステップX743;N)は、メイン賞球信号出力回数を−1更新し(ステップX744)、メイン賞球信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップX745)。このメイン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算した時間(例えば、192ms)となっている。その後、メイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX747)、メイン賞球信号編集処理を終了する。また、メイン賞球信号出力回数が0である場合(ステップX743;Y)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX748)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
一方、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0でない場合(ステップX742;N)は、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップX746)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、メイン賞球信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップX746;Y)は、処理をステップX747に移行する。また、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップX746;N)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX748)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
〔図柄確定回数信号編集処理〕
図148には、上述の外部情報編集処理における図柄確定回数信号編集処理(ステップX723)を示した。図柄確定回数信号編集処理は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための処理である。
この図柄確定回数信号編集処理では、まず、図柄確定回数信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップX751)。なお、図柄確定回数信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、図柄確定回数信号出力制御タイマの値が0であるかを判定する(ステップX752)。図柄確定回数信号出力制御タイマの値が0である場合(ステップX752;Y)は、特図変動表示ゲームが終了する毎に+1更新される図柄確定回数信号出力回数が0であるかを判定する(ステップX753)。
そして、図柄確定回数信号出力回数が0でない場合(ステップX753;N)は、図柄確定回数信号出力回数を−1更新し(ステップX754)、図柄確定回数信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップX755)。この図柄確定回数信号出力制御タイマ初期値は、図柄確定回数信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(ここでは256ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(ここでは300ms)を加算した時間(ここでは556ms)となっている。なお、本実施形態の遊技機では特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能であるので、オン状態の時間を256msとするとともにオフ状態の時間を300msとしている。
その後、図柄確定回数信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX7547)、図柄確定回数信号編集処理を終了する。また、図柄確定回数信号出力回数が0である場合(ステップX753;Y)は、外部装置用の図柄確定回数信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX758)、図柄確定回数信号編集処理を終了する。
一方、図柄確定回数信号出力制御タイマの値が0でない場合(ステップX752;N)は、図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップX756)。なお、図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、図柄確定回数信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば300ms)以上であることである。図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップX756;Y)は、処理をステップX757に移行する。また、図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップX756;N)は、外部装置用の図柄確定回数信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX748)、図柄確定回数信号編集処理を終了する。
次に、遊技の演出について説明する。図149には、表示装置41での表示例を示した。これらの表示制御は、遊技制御装置100から受信した制御情報に基づき演出制御装置300が制御するようになっている。
図149(a)には通常遊技状態での遊技中における表示装置41での表示例を示した。表示領域の右上部には遊技状態を表示する遊技モード表示部80が設けられる。ここでは通常遊技状態であることを意味する「通常ステージ」の表示がなされている。また、表示領域の中央には飾り特図1変動表示ゲームを表示する飾り特図1変動表示ゲーム表示部81が設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図1変動表示ゲームを表示する。
表示領域の右下部には飾り特図2変動表示ゲームを表示する飾り特図2変動表示ゲーム表示部82が設けられる。ここでは、識別情報として○と−とを用い、変動表示ではこれらを交互に表示し、その後に特別結果の場合は○を、はずれの場合は−を停止表示することで飾り特図2変動表示ゲームを表示する。
表示領域の中央下部には第1始動記憶に対応する飾り始動記憶表示を表示する記憶表示部83が設けられる。ここに表示される飾り始動記憶表示は、第1始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、ここでは4つの第1始動記憶があることを示している。左端の飾り始動記憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。また、それぞれの始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。
表示領域の中央下部であって記憶表示部83の左方には、現在実行中の特図1変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この実行中記憶表示部84には、特図1変動表示ゲームの開始時に記憶表示部83の左端にある飾り始動記憶表示が移行し、実行される特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。
図149(b)には特定遊技状態での遊技中における表示装置41での表示例を示した。表示領域の左上部には、特定遊技状態でのゲーム数の情報を示すゲーム数情報表示部85が設けられている。「LAST」は特定遊技状態で実行可能な残りゲーム数を表示し、「TOTAL」は一連の特定遊技状態で実行したゲーム数を表示するものである。
なお、ゲーム数情報表示部85での表示上の数値は、必ずしも実際のゲーム数と一致していなくても良いが、演出制御装置300の内部では実際のゲーム数についての管理を行い、これに基づきゲーム数情報表示部85での表示内容を設定するようにしている。演出制御装置300では飾り特図変動表示ゲームの実行毎に特定遊技状態での残りゲーム数を減算することで残りゲーム数の情報を管理し、ゲーム数情報表示部85での表示内容はこの情報を元に設定するようにしている。
ゲーム数情報表示部85の右側には、遊技状態を表示する遊技モード表示部80が設けられる。ここでは通常遊技状態であることを意味する「ドキドキRUSH」の表示がなされている。遊技モード表示部80の右側には、右打ちが遊技者にとって有利であることを報知する右打ち指示表示86がなされる。右打ち指示表示86の右側には、記憶表示部83と飾り特図1変動表示ゲーム表示部81が設けられる。ここでは第1始動記憶数を数字により表示する。また、飾り特図1変動表示ゲーム表示部81や記憶表示部83は、特図1変動表示ゲームを実行していない状態では表示しないようにしても良い。
飾り特図1変動表示ゲーム表示部81の下方には、一連の特定遊技状態で獲得した賞球数を示す獲得数表示部87が設けられる。この獲得数表示部87では賞球1個を1ptとして表示し、ここでは1234個の賞球を獲得していることを示している。また、表示領域の中央には、特別変動入賞装置への入賞に基づき賞球数が表示され、獲得数表示部87に加算される。
この獲得数表示部87では、特定遊技状態の開始の契機となった特別遊技状態の開始から一連の特定遊技状態の終了まで、すなわち、低確率状態で発生した第1特別結果に基づく特別遊技状態の開始から、特定遊技状態中に第1特別結果が導出されずに所定回数の特図変動表示ゲームが実行されることにより低確率状態に転落するまでの期間において獲得した賞球数が表示されるようになっており、この期間においては賞球の獲得毎に随時加算されるようになっている。なお、第1特別結果に基づく特別遊技状態で獲得した賞球数と、第2特別結果に基づく特別遊技状態で獲得した賞球数とを別々に表示しても良いし、一方のみを表示するようにしても良い。また、第1特別変動入賞装置38や第2特別変動入賞装置39への入賞に基づく賞球数のみを表示するようにしても良いし、第1始動入賞口36や第2始動入賞口37、一般入賞口35への入賞に基づく賞球数も併せて表示するようにしても良い。
表示領域の右下部には飾り特図2変動表示ゲームを表示する飾り特図2変動表示ゲーム表示部82が設けられる。飾り特図2変動表示ゲーム表示部82の表示位置は通常遊技状態と同じである。また、表示領域の中央下部には、特図変動表示ゲームに対応する演出用図柄を表示する演出用図柄表示部88が設けられる。演出用図柄は左、中、右の変動表示領域の各々で演出用図柄を変動表示した後に停止表示することで特図変動表示ゲームに対応する演出を行う。なお、演出用図柄の変動、停止は必ずしも特図変動表示ゲームの変動、停止とは対応しない。この演出用図柄は、同時に実行可能であるとともに一方が特別結果となることで他方がはずれ結果で強制的に停止される特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームについて実行の状態を遊技者が容易に理解できるようにするためのものである。
すなわち、演出制御装置300が、送信手段(遊技制御装置100)からの制御情報を受信することが可能な受信手段をなし、受信手段によって受信した制御情報に基づき、飾り変動表示ゲーム(飾り特図1変動表示ゲーム及び飾り特図2変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な飾り変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、演出制御装置300が、特定遊技状態において、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)または第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応する飾り変動表示ゲームが実行される毎に所定回数から変動表示ゲームの実行回数を減算する減算手段をなす。また、演出制御装置300が、特定遊技状態において、飾り変動表示ゲームの実行とは対応せずに複数の演出用識別情報を変動表示して停止表示することを、減算手段の減算数に対応して実行可能な演出用識別情報変動表示手段をなす。また、演出制御装置300が、減算手段による減算結果に応じた情報であるゲーム数情報を報知可能なゲーム数情報報知手段をなす。
図150には、特図変動表示ゲーム及び飾り特図変動表示ゲームの実行と、演出図柄及びゲーム数情報表示部85の表示の変化を示し、図151には、表示装置41での表示を示した。図150に示す第1特別遊技状態のエンディング期間(t31)では、図151(a)に示すように特定遊技状態が開始される旨の報知が行われるとともに、ゲーム数情報表示部85に特定遊技状態で実行可能な残りゲーム数(50回)を表示する。
ここでは第1特別遊技状態の終了時に第1始動記憶が3つある状態であり、図150に示すように第1特別遊技状態の終了に伴い特図1変動表示ゲームが開始され、飾り特図1変動表示ゲームも開始される(t32)。さらに、第1特別遊技状態の終了に伴い第2始動入賞口37に遊技球が入賞しており、特図2変動表示ゲームが開始され、飾り特図2変動表示ゲームも開始される(t32)。つまり、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に実行されている状態となる。なお、ここでは同時に開始されているように示しているが、実際には特別遊技状態の終了後に特図1変動表示ゲームの処理から先に行われるようにしているため、特図1変動表示ゲームが開始された後に特図2変動表示ゲームが開始されている。
この特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームの変動時間の終了予定タイミング(t37)よりも前に終了する(t35)とともに結果が小当りとなるものとなっている。このため、当該特図2変動表示ゲームの終了に伴い特図1変動表示ゲームがはずれ結果で強制的に停止されることとなる(t35)。
ここで、飾り特図1変動表示ゲームや飾り特図2変動表示ゲーム及びゲーム数情報表示部85のみで遊技の進行を表示するようにすると、特図変動表示ゲームを同時に実行しない従来の遊技機に慣れている遊技者にとっては遊技の進行状態が把握しにくくなってしまう虞がある。そこで、特図変動表示ゲームを同時に実行しない従来の遊技機のような表示により遊技の進行を表示する演出用図柄を用い、ゲーム数情報表示部85を演出用図柄の進行に合わせて変化させることで遊技の進行状態の把握を容易にしている。
まず特図1変動表示ゲームの開始に伴い演出用図柄表示部88で演出図柄の変動表示を開始する。これに伴い、ゲーム数情報表示部85では、残りゲーム数(LAST)を49とし、実行ゲーム数(TOTAL)を1とする(t32)。なお、この例では、通常遊技状態で第1特別結果が導出されて第1特別遊技状態が実行され、当該第1特別遊技状態の終了後に特定遊技状態が開始された例であるため、ここでの実行ゲーム数は1である。特定遊技状態で特別遊技状態が発生した場合には、特定遊技状態が連続することとなるため、特別遊技状態の開始前の実行ゲーム数に1を加算した値となる。
図151(b)に示すように、その後に特図2変動表示ゲームが開始されても演出用図柄の変動表示はそのまま維持され、ゲーム数情報表示部85の表示内容も変化しない。なお、図では○と−を同時に表示して変動表示を示しているが、実際には○と−を交互に表示して変動表示を行う。この特図2変動表示ゲームにより特図1変動表示ゲームが強制的に停止されることとなるため、特図2変動表示ゲームの開始に基づき演出用図柄の表示内容の設定の変更が行われることとなる。
図150に示すように、この変更により現在変動表示中の演出用図柄は、特図2変動表示ゲームの変動時間の終了前に停止する(t33)。図151(c)に示すように、このときの停止図柄は、はずれであることを示す停止図柄とする。この時停止するのは演出用図柄のみであり、飾り特図1変動表示ゲームや飾り特図2変動表示ゲームは変動表示したままである。
なお、このときの演出用図柄の停止図柄は、はずれであることを示す停止図柄の他、「NEXT」や「注目」などとして次の停止で特別結果が導出されることを示唆又は報知しても良い。また、飾り特図変動表示ゲームの変動パターンとして、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様以外の結果態様で仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動表示を一回以上行ういわゆる擬似連変動表示態様を実行可能である場合には、演出用図柄の停止や再開時の演出を擬似連変動表示態様における仮停止や再変動表示と同様の演出としても良い。
その後、図150に示すように演出用図柄の再度の変動表示を開始する(t34)。このときゲーム数情報表示部85の表示が更新されて、残りゲーム数(LAST)が48となり、実行ゲーム数(TOTAL)が2となる(図151(d))。そして、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの停止時に演出用図柄の変動表示を停止する(t35)。図151(e)に示すように、この時の停止図柄は小当りであることを示す停止図柄とする。また、飾り特図1変動表示ゲーム及び飾り特図2変動表示ゲームも変動表示を停止して結果態様を表示する。
このように演出用図柄の表示態様の設定を変更することにより、特図変動表示ゲームを同時に実行しない従来の遊技機と同じ表示態様で特図変動表示ゲームの進行が表示されることとなる。すなわち、特図1変動表示ゲームの開始時(t32)では、演出用図柄を特図1変動表示ゲームの停止予定(t37)まで連続して変動表示して停止して一回の特図変動表示ゲームが行われたことを示す予定であったが、その後の特図2変動表示ゲームの開始(t32)に基づき演出用図柄の表示内容の設定が変更される。この変更では、特図2変動表示ゲームの終了より前に一度停止(t33)して再度変動を開始し(t34)、特図2変動表示ゲームの終了時に停止(t35)するように変更している。つまり、演出用図柄の変動開始の契機となった特図変動表示ゲームの開始から停止までの間の減算手段での減算数(ここでは2)に応じて演出用図柄の停止が行われるようにしている。
その後、図150に示すように、第2特別遊技状態が開始されて第1特別変動入賞装置38が開放される。99(f)に示すように特別遊技状態では特別変動入賞装置への入賞に伴い賞球数が表示され、獲得数表示部87に加算される。その後、第2特別遊技状態が終了すると特図変動表示ゲームが実行可能となる(t38)。t38〜t39及びt39〜t40も上述したt32〜t38と同様に遊技が進行する。
また、第1始動記憶がなく特図2変動表示ゲームのみが実行される場合には、演出用図柄の変動、停止は特図2変動表示ゲームの変動、停止と同時となる(t40〜t41)。また、特図1変動表示ゲームのみが実行される場合も演出用図柄の変動、停止は特図1変動表示ゲームの変動、停止と同時となる。
なお、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に実行される場合であって、特図1変動表示ゲームの方が先に終了する場合は、特図1変動表示ゲームの結果がはずれであれば特図1変動表示ゲームの停止に伴い演出用図柄を停止し、再度変動表示を行う。また、特図1変動表示ゲームの結果が特別結果である場合は、特図2変動表示ゲームがはずれ結果で強制的に停止されるので、特図1変動表示ゲームの停止までに演出図柄の停止と再度の変動表示を行い、特図1変動表示ゲームの停止に伴い停止するようにする。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、特定遊技状態において、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームに対応する飾り変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)が実行される毎に所定回数から変動表示ゲームの実行回数を減算する減算手段(演出制御装置300)と、特定遊技状態において、飾り変動表示ゲームの実行とは対応せずに複数の演出用識別情報(演出用図柄)を変動表示して停止表示することを、減算手段の減算数に対応して実行可能な演出用識別情報変動表示手段(演出制御装置300)と、を備え、演出用識別情報変動表示手段は、特定遊技状態において、第2変動表示ゲームが特別結果となることに基づいて第1変動表示ゲームにおける第1終了制御処理が実行されることに対応して飾り変動表示ゲームが終了する場合に、当該終了までに第1変動表示ゲーム及び第2変動表示ゲームに対応する数の変動表示と停止表示を行って、各々の変動表示ゲームについて減算手段による減算が行われたことを遊技者に報知することが可能であることとなる。
また、演出用識別情報変動表示手段は、第2変動表示ゲームが特別結果となることに基づいて第1変動表示ゲームにおける第1終了制御処理が実行されることに対応して飾り変動表示ゲームが終了する場合に、当該終了より前に第1変動表示ゲームに対応する変動表示と停止表示を行い、その後に第2変動表示ゲームに対応する変動表示を行って当該終了の際に第2変動表示ゲームに対応する停止表示を行うようにしていることとなる。
次に、通常遊技状態における特図1変動表示ゲームについての制御について説明する。図152に示すように、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に実行されている状態で、図152(b)に示すように特図1変動表示ゲームについて期待度の高い演出を行ってしまうと、図152(c)に示すように特図2変動表示ゲームが先に特別結果で停止することにより、特図1変動表示ゲームでの演出が中断されてはずれ結果で強制的に停止されてしまう。このような状態となることを避けるため、演出制御装置300では、遊技制御装置100から特図1変動表示ゲームの方が長いことを通知するコマンドを受信した場合には、期待度の高い演出を行わないようにしている。
〔演出抽選処理〕
図153には、特図1変動表示ゲームの開始時に飾り特図1変動表示ゲームの変動パターンを決定するための処理として演出制御装置300で行われる演出抽選処理を示した。この演出抽選処理では、まず、遊技制御装置100から受信した変動パターンをチェックし(ステップZ11)、期待度の高い演出であるプレミア演出を実行可能な変動パターンであるかを判定する(ステップZ12)。プレミア演出を実行可能な変動パターンでない場合(ステップZ12;N)は、演出抽選処理を行い(ステップZ15)、演出抽選処理を終了する。演出抽選処理では、遊技制御装置100から受信した変動パターンに従いプレミア演出以外の変動パターンが選択される。
また、プレミア演出を実行可能な変動パターンである場合(ステップZ12;Y)は、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを受信しているかを判定する(ステップZ13)。特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを受信している場合(ステップZ13;Y)は、特定パターンを設定して(ステップZ16)、演出抽選処理を終了する。この場合は、図152に示したような状況が発生する可能性があることから、プレミア演出でなはい特定パターンが選択される。なお、特定パターンについては後述する。
また、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを受信していない場合(ステップZ13;N)は、プレミア演出抽選処理を行い(ステップZ14)、通常演出抽選処理(ステップZ15)を行って、演出抽選処理を終了する。プレミア演出抽選処理ではプレミア演出(特殊演出)の実行の有無及び種類を抽選する。プレミア演出を実行することが決定された場合には種類を決定し、決定されたプレミア演出が飾り特図1変動表示ゲームの変動パターンとなる。この場合は、通常演出抽選処理での抽選は行わない。また、プレミア演出を実行しないことが決定された場合には、通常演出抽選処理でプレミア演出以外の変動パターンが選択される。なお、プレミア演出抽選処理では、特別結果である否かによって、プレミア演出の抽選を行うか否かや、抽選を行った場合にプレミア演出に当選する確率を異ならせるようにしても良い。
図154には、特図1変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームよりも先に終了するため特定パターンが設定されない例を示した。図154(a)に示すように通常遊技状態で特図2変動表示ゲームが実行中である場合に図154(b)に示すように特図1変動表示ゲームが開始されている。この場合はプレミア演出が設定可能であり、この例では、図154(c)、(d)に示すようにプレミア演出が行われる。
ここでは特図1変動表示ゲームは特別結果(ここでは大当り)となるものであるため、図154(e)に示すように特図1変動表示ゲームの終了に伴い特図2変動表示ゲームがはずれ結果で強制的に停止される。なお、特図1変動表示ゲームがはずれとなるものである場合には特図2変動表示ゲームは強制停止されない。
図155には特定パターンが設定される例を示した。図155(a)に示すように通常遊技状態で特図2変動表示ゲームが実行中である場合に図155(b)に示すように特図1変動表示ゲームが開始されている。実行中の特図2変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームよりも早く終了するものであり特別結果(ここでは小当り)となるものである。よって、特図1変動表示ゲームは強制的にはずれ結果で停止されることとなるため、特定パターンが設定されている。
この特定パターンはリーチ状態を発生しない所定時間の変動時間(例えば12秒)である変動パターンとなっている。この変動時間が経過しても特図2変動表示ゲームが終了しない場合は、図155(c)に示すように飾り特図1変動表示ゲームがはずれ結果で揺れるように表示される仮停止状態となる。また、この変動時間が経過する前に特図2変動表示ゲームが終了した場合はその時点で飾り特図1変動表示ゲームの識別図柄を停止する。
特図2変動表示ゲームの終了に伴い特図1変動表示ゲームも終了すると、図155(d)に示すように飾り特図1変動表示ゲームの識別図柄が停止する。この後に第2特別遊技状態となり、第2特別遊技状態の終了後に図155(e)に示すように第1始動記憶に基づき特図1変動表示ゲームが開始される。
なお、図155(b)に示すように飾り特図1変動表示ゲームで識別図柄が高速で変動表示される期間を特図2変動表示ゲームの停止から所定時間前までの時間に設定し、常に図155(c)の状態を経るようにしても良い。
また、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に実行される場合に、特図1変動表示ゲームが先に終了して第1特別結果となる場合にも特定パターンを設定するようにしても良い。図156にはこの場合の表示例を示した。図156(a)〜(c)までは図154と同様である。その後、特図1変動表示ゲームの終了に伴い、図156(d)に示すように飾り特図1変動表示ゲームが第1特別結果の結果態様で停止するとともに特図2変動表示ゲームが終了し、第1特別遊技状態となる。このような演出を可能とすることで、特定パターンについても期待感を持たせることができる。
なお、特図2変動表示ゲームの結果としてはずれ結果を選択可能である場合であって、特図2変動表示ゲームがはずれ結果で先に停止する場合にも図156のような特定パターンを設定することが可能である。また、特図2変動表示ゲームの結果がはずれ結果となる場合には、特図2変動表示ゲームが先に停止する場合でもプレミア抽選処理(ステップZ14)を実行可能としても良い。
また、特図1変動表示ゲームの開始時に飾り特図1変動表示ゲームの変動パターンを決定するための上述した演出抽選処理において、特図2変動表示ゲームの実行中である場合にはプレミア演出抽選処理(ステップZ14)を行わないようにしても良い。この場合に、通常遊技状態において特図1変動表示ゲームが第1特別結果となる場合に設定される最長の変動時間よりも、通常遊技状態において特図2変動表示ゲームが特別結果となる場合に設定される最短の変動時間の方が長い時間としておくことが好ましい。このようにすることで、プレミア演出が設定された特図1変動表示ゲームの開始後に特図2変動表示ゲームが開始されたとしても特図1変動表示ゲームの方が先に停止するため問題は生じない。
なお、一方の特図変動表示ゲームで特別結果が導出されることに基づき他方の特図変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される場合についての対処としては上記以外にも考えられる。例えば、図96に示した特図1変動開始処理において述べたように、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でない場合(ステップY254;N)に、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備する処理(ステップY255)に併せて又はこの処理に替えて、変動パターンを再設定する処理を行うようにしても良い。
変動パターンを再設定する処理において、演出制御装置300がプレミア演出を選択できない変動パターンに変更するようにすれば、図153の処理においてプレミア演出を実行可能な変動パターンでない(ステップZ12;N)と判定されてプレミア演出の選択が行われないようになる。また、変動パターンを再設定する処理において、特定パターンを選択するように変動パターンを変更するようにして、必ず特定パターンが選択されるようにすることも可能である。なお、変動パターンを再設定する処理においては、変動時間を変更しないようにしても良いし、変更するようにしても良い。
また、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)において一度決定された変動パターンを後に変更するのではなく、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)において変動パターンを決定する際に、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でないかを判定する処理(ステップY254)を行うようにして、遊技状況に応じた変動パターンを最初から決定するようにしても良い。
また、特図2変動表示ゲームの結果としてはずれ結果を選択可能である場合には、特図2変動表示ゲームが特別結果となる場合にのみこれから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でないかを判定する処理(ステップY254)を行うようにする。特図2変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合は特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されることがないためこの処理は不要となる。
また、一方の特図変動表示ゲームで特別結果が導出されることに基づき他方の特図変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される場合についての対処の別例として、例えば、特図1変動表示ゲームを主体として行う通常遊技状態では特図1変動表示ゲームを優位として扱うようにし、特図1変動表示ゲームが有利に進行するように処理を進めるようにしても良い。
このような処理を行う場合には、図96に示した特図1変動開始処理において、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でない場合(ステップY254;N)に、ステップY225、Y226の処理に替えて、特図1変動表示ゲームの結果が特別結果となるかを判定し、特別結果となる場合には特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満となるように変更する処理を行うようにする。このようにすることで、特図1変動表示ゲームで導出されるはずであった特別結果がはずれ結果に変更されてしまうことを防止できる。
また、特図1変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合であり特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満となる場合であっても、第1始動記憶数が多い場合にはこれらに基づく特図1変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームの終了前までに収まるように短い変動時間を設定するようにしても良い。
特図2変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームで特別結果が導出されたとしてもそれほど不利にはならないが、特図2変動表示ゲームを主体として行う特定遊技状態では特図2変動表示ゲームを優位として扱うようにしても良い。例えば、図97に示す特図2変動開始処理において、高確率状態で判定が行われた特図2変動表示ゲームについて変動時間が特図1変動表示ゲームの残り変動時間未満でない場合に、特図1変動表示ゲームが特別結果となるとともに特図2変動表示ゲームの結果が第1特別結果となるかを判定し、特図2変動表示ゲームが第1特別結果となる場合には特図2変動表示ゲームの変動時間が特図1変動表示ゲームの残り変動時間未満となるように変更する処理を行うようにしても良い。
このようにすることで、特図2変動表示ゲームで導出されるはずであった第1特別結果がはずれ結果に変更されてしまうことを防止できる。なお、特図1変動表示ゲームが第1特別結果となる場合には、特図2変動表示ゲームの第1特別結果と比較して何れか有利な方が導出されるように変動時間を調整するようにしても良い。
以上のことから、第1決定手段(遊技制御装置100)は、通常状態(通常遊技状態)において第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の変動態様情報を決定する場合に、第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が実行中か否か、及び/または、第2変動表示ゲームの変動態様情報、を参照して当該第1変動表示ゲームの変動態様を決定することが可能であることとなる。
また、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームの変動態様情報には、当該変動表示ゲームの実行時間を特定可能な変動時間に関する情報が含まれ、第1決定手段は、通常状態(通常遊技状態)において第1変動表示ゲームの変動時間を含む変動態様情報を決定する場合に、第2変動表示ゲームが実行中である場合には、当該第2変動表示ゲームの変動態様情報に含まれる変動時間を参照して当該第1変動表示ゲームの変動態様情報を決定することが可能であることとなる。
また、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームの変動態様情報には、当該変動表示ゲームの実行時間を特定可能な変動時間に関する情報と、当該変動時間に対応する変動パターンに関する情報と、が含まれ、第1決定手段は、通常状態(通常遊技状態)において第1変動表示ゲームの変動時間を含む変動態様情報を決定する場合に、第2変動表示ゲームの変動態様情報を参照することなく当該第1変動表示ゲームの変動態様情報を決定することが可能な第1変動態様決定手段(遊技制御装置100)と、該第1変動態様決定手段によって当該第1変動表示ゲームの変動時間を含む変動態様情報を決定した際に第2変動表示ゲームが実行中である場合には、当該第2変動表示ゲームの変動態様情報に含まれる変動時間を参照して、決定されている第1変動表示ゲームの変動時間を変更することなく変動パターンに関する情報を再決定することが可能である第2変動態様決定手段(遊技制御装置100)と、を備えることとなる。
また、第2変動態様決定手段は、実行中の第2変動表示ゲームの結果が特別結果とならない場合には、変動パターンに関する情報の再決定を行わないこととなる。
また、飾り変動表示ゲーム実行制御手段(演出制御装置300)は、第1変動表示ゲームの開始時における第2変動表示ゲームの状態が所定条件を満たす場合に、当該第1変動表示ゲームに対応して実行する飾り変動表示ゲームにおいて特殊演出を行うか否かを決定する特殊演出抽選を実行可能であることとなる。
また、飾り変動表示ゲーム実行制御手段は、第1変動表示ゲームの開始時に第2変動表示ゲームが実行中であり、かつ、当該第2変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合に、当該第1変動表示ゲームに対応して実行する飾り変動表示ゲームにおいて特殊演出を行うか否かを決定する特殊演出抽選を実行可能であることとなる。
なお、以上の実施形態では、特図2変動表示ゲームについては特図2変動表示ゲームの開始を保留するための第2始動記憶は発生しないものとしたが、特図1変動表示ゲームと同様に所定の上限数(例えば4)まで第2始動記憶を発生させるようにしても良い。また、第2始動入賞口37に、遊技球が入賞しにくい若しくは入賞不能な閉状態と、該閉状態よりも遊技球が入賞容易若しくは入賞可能な開状態とに状態変換可能な普通変動入賞装置を備えるようにしても良い。そして、特図2変動表示ゲームを主体として遊技を進行させる特定遊技状態では通常遊技状態よりも単位時間当りの普通変動入賞装置の開放時間が実質的に多くなるように制御するようにしても良い。
〔第1変形例〕
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、ゲーム数情報表示部85及び演出用図柄の表示態様が異なる。
上述したように、飾り特図1変動表示ゲームや飾り特図2変動表示ゲーム及びゲーム数情報表示部85のみで遊技の進行を表示するようにすると、特図変動表示ゲームを同時に実行しない従来の遊技機に慣れている遊技者にとっては遊技の進行状態が把握しにくくなってしまう虞がある。このため、本変形例では、少なくとも特別遊技状態の終了から第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームが実行される期間では、ゲーム数情報表示部85において明確な情報の表示を行わないようにしている。
図157には特図変動表示ゲームの実行とゲーム数情報表示部85の表示の変化を示し、図158、図159には表示装置41での表示を示した。図157に示す第1特別遊技状態のエンディング期間(t61)では、図158(a)に示すように特定遊技状態が開始される旨の報知が行われる。この例では第1特別遊技状態の終了時に第1始動記憶が3つある状態であり、図157に示すように第1特別遊技状態の終了に伴い1つ目の第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームが開始される(t62)。また、飾り特図1変動表示ゲーム及び演出用図柄の変動表示も開始される。
さらに、特図1変動表示ゲームの実行中に第2始動入賞口37に遊技球が入賞しており特図2変動表示ゲームが開始される(t63)。また、飾り特図2変動表示ゲームの変動表示も開始される。つまり、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に実行されている状態となる。なお、特図1変動表示ゲームの開始に伴い変動表示を開始した演出用図柄は、特図2変動表示ゲームの開始があっても図158(b)に示すように変動表示を継続したまま変化はしない。
図157に示すように、この特図2変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームよりも先に終了し、第2特別結果(小当り)となる。よって、特図2変動表示ゲームの終了に伴い特図1変動表示ゲームは強制的にはずれ結果で停止される(t64)。このとき図158(c)に示すように、飾り特図1変動表示ゲーム及び飾り特図2変動表示ゲームはそれぞれのゲームの結果に対応した結果態様で停止し、演出用図柄は第2特別結果に対応した結果態様で停止する。
ここまでの遊技において、特図変動表示ゲームについては2回実行されているが、演出用図柄は特図1変動表示ゲームの開始で開始し、特図2変動表示ゲームの停止で停止する。よって、遊技者にとっては第2特別結果となる一回の特図変動表示ゲームが行われたように見えることとなる。このようにすることで、特図変動表示ゲームを同時に実行しない従来の遊技機に慣れている遊技者に対して遊技の進行や内容をわかりやすく伝えることが可能となる。
また、第1特別遊技状態の終了に伴いゲーム数情報表示部58での表示が開始されるが(t62)、ここでは「準備中」と表示して残りゲーム数や実行回数の表示を明確に行わない準備モード表示となる。特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に実行される可能性が高い期間では、実際のゲーム数の情報を表示すると変化が煩雑となってしまい、遊技者が理解できなくなったり不信感を覚えたりする虞があるため、ここではゲーム数の情報を明確に表示しないようにしている。この準備モード表示は、少なくとも第1特別遊技状態の終了時に記憶されている第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームが終了するまで継続されるようになっており、ここでは第1始動記憶が存在しない状態で特別遊技状態が終了するまで(t67)となっている。
その後、図157に示すように、第2特別遊技状態の終了後に2つ目の第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームが開始される(t65)。この特図1変動表示ゲームも1つ目の第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームと同様に特図2変動表示ゲームが第2特別結果となることにより強制的にはずれ結果で停止され、第2特別遊技状態となる(t65〜t66)。3つ目の第1始動記憶についても同様である(t66〜t67)。
これらのt65〜t66やt66〜t67の期間における表示装置41での表示の内容などは、例えば図158(d)、(e)に示すようにt62〜65での表示と同様であり、ゲーム数情報表示部85では「準備中」と表示し、演出用図柄は特図1変動表示ゲームの開始で開始し、特図2変動表示ゲームの停止に基づき第2特別結果に対応した結果態様で停止する。
そして、図157に示すように第1始動記憶が存在しない状態で特別遊技状態が終了すると(t67)、以降は主に特図2変動表示ゲームのみを実行する状態となり、ゲーム数の消化タイミングは特図変動表示ゲームを同時に実行しない従来の遊技機と同様となるため、ここからゲーム数情報表示部85でゲーム数の情報を表示するRUSH表示モードとなる。
この際には、図159(a)に示すように、RUSH表示モードとなったことを示す「RUSHスタート」の表示がなされ、ゲーム数情報表示部85に残りゲーム数が表示される。ただし、実際の残りゲーム数よりも少ない残りゲーム数を表示するようになっており、ここでは実際の残りゲーム数が43回であるが40と表示している。
そして、図157に示すように、特図変動表示ゲームの実行毎にゲーム数情報表示部85での残りゲーム数を減算する(図159(c))。その後、図159(d)に示すように所定のタイミングで演出ボタン25を操作することを指示する表示がなされる。遊技者が指示に従って演出ボタン25を操作すると、図159(e)に示すように演出表示としてドラゴンがゲーム数情報表示部85に炎を吐く演出が行われ、図159(f)に示すように実際の残りゲーム数となるようにゲーム数情報表示部85の値が加算される上乗せ演出がなされるようになっている。
なお、RUSH表示モードの開始時(t67)に実際の残りゲーム数を表示するようにしても良い。また、演出ボタン25の操作に基づき実際の残りゲーム数を表示するようにしたが、演出ボタン25の操作に基づき、ゲーム数情報表示部85の値が実際の残りゲーム数未満となるような所定値を加えるようにしても良い。
また、RUSHモードの開始時におけるゲーム数情報表示部85での表示で、実際の残りゲーム数よりも減少させるゲーム数は、第1始動記憶の上限数(ここでは4)以上とすることが好ましい。特図2変動表示ゲームについて所定の上限数(例えば4)まで第2始動記憶を記憶可能とする場合には、第1始動記憶の上限数と第2始動記憶の上限数を合計した値(例えば8)以上とすることが好ましい。
また、RUSH表示モードにおいて特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に実行される場合には、t62〜t65と同様に演出用図柄を一回の変動表示とし、ゲーム数情報表示部85での残りゲーム数の減算も1として遊技者が理解しやすくしても良い。RUSH表示モードの開始時に表示する残りゲーム数を実際の残りゲーム数よりも少なくしておくことで、このような場合に残りゲーム数の減算を1とすることが可能となる。ただし、現在表示している残りゲーム数と実際の残りゲーム数が一致してしまっている場合には、残りゲーム数の減算を2とするか、再度準備モード表示として所定期間後にRUSH表示モードに移行するようにして、矛盾が生じないようにすることが好ましい。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、減算手段(演出制御装置300)による減算結果に応じた情報であるゲーム数情報を報知可能なゲーム数情報報知手段(演出制御装置300)を備え、ゲーム数情報報知手段は、少なくとも第1特別遊技状態の終了時に記憶されている第1始動記憶に基づく第1変動表示ゲームが終了するまでの期間は、ゲーム数情報の報知を行わないこととなる。
〔第2変形例〕
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理とを別の割り込みタイミングで行うようにしている。
本変形例の遊技機では図68に示したタイマ割込み処理に替えて図160に示すタイマ割込み処理を行う。このタイマ割込み処理では、特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理内で行っていた大入賞口スイッチ監視処理をタイマ割込み処理のメインルーチンで行う(ステップX801)。
また、特図処理カウンタによる分岐処理(ステップX802)において、特図処理カウンタの値が偶数であれば特図1ゲーム処理を行い(ステップX110)、奇数であれば特図2ゲーム処理(ステップX111)を行う。なお0は偶数として扱う。その後、特図処理カウンタを+1更新する(ステップX803)。
特図処理カウンタは、0〜255の範囲で順次更新するものとしても良いし、0と1を交互に更新するものとしても良く、偶数個の値の範囲で更新するものであれば良い。また、特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理とをタイマ割込みごとに交互に行うため、これらの処理はタイマ割込み処理の時間(ここでは4ms)の2倍の時間(ここでは8ms)ごとに行われることとなる。よって、これらの処理により更新されるタイマ値の設定においてはこれを考慮して行うようにする。
図161、図162には、本変形例での特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理を示した。これらの処理では、図89、図90の処理で行っていたステップY101、Y102,Y131、Y132の処理を行わない。
図163には、本変形例での大入賞口スイッチ監視処理を示した。この大入賞口スイッチ監視処理では、特図の当り状況を判別する処理(ステップY1501)を行う他は、図91に示した処理と同じである。特図の当り状況を判別する処理(ステップY1501)では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れで導出された特別結果についての処理かを判定し、この判定結果に応じて対象とする特図の設定を行う。なお、何れの特図について処理するかを区別しなくてよいのであれば、特図の当り状況を判別する処理(ステップY1501)を行わなくても良い。
以上のことから、所定周期で開始される割込みルーチンを実行可能であり、第1変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100)によって第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)が実行されている場合であっても第2変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100)による第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を実行可能であるとともに、第2変動表示ゲーム制御手段によって第2変動表示ゲームが実行されている場合であっても第1変動表示ゲーム制御手段による第1変動表示ゲームを実行可能であり、第1変動表示ゲーム制御手段による第1変動表示ゲームに関する一連の実行制御と、第2変動表示ゲーム制御手段による第2変動表示ゲームに関する一連の実行制御と、を一の割込みルーチン内で同時に実行しないようにしたこととなる。これにより、同時変動を行う場合であっても処理時間を短縮することができる。
〔第3変形例〕
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機では、図79〜図81に示した特図2異常変動監視処理での処理内容が異なり、特図2異常変動数に替えて、通常遊技状態において第2始動入賞口37への入賞に基づき計数される特図2異常入賞数に基づき特図2異常変動と同様の判定を行うようにしている。
図164には、特図2異常入賞数の計数の一例を示した。特図2異常入賞数は通常遊技状態における第2始動入賞口37への入賞に基づき+1更新されるようになっている(t101、t102)。そして、特図2異常入賞数が規定値である5に達すると、特図2異常変動発生フラグがセーブされ、このフラグに基づき特図2異常変動が発生したことを示す外部情報と遊技機エラー状態信号の遊技機外部の装置への出力が開始され、遊技店の管理装置等で特図2異常変動の発生を把握可能となる。また、演出制御装置300に対して特図2異常変動発生コマンドが送信される。演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、表示や音声等により特図2異常変動が発生した旨の報知を行う。
また、特図2異常入賞数が規定値である5に達した時点から特図2異常変動報知タイマでの計時が開始され(t102)、所定時間(ここでは60秒)が経過することにより(t103)、特図2異常入賞数を0クリアし、外部情報と遊技機エラー状態信号の出力を停止する。また、演出制御装置300に対して特図2異常変動解除コマンドが送信され、演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、特図2異常変動が発生した旨の報知を終了する。なお、所定時間の経過前に新たに第2始動入賞口37への入賞が発生した場合は、その時点から新たに所定時間の計時を開始する。
図165、図166には特図2異常入賞数の計数の例を示した。図165に示すように監視状態の有効、無効が設定されるようになっており、監視状態が有効である場合に第2始動入賞口37への入賞があった場合には特図2異常入賞数を+1更新するようにしている(t113、t116)。
この監視状態は、基本的に低確率状態である場合に有効とされる。ただし、監視状態が有効な状態で第2始動入賞口37への入賞があった場合(t113、t116)には、当該入賞から所定の無効設定期間(ここでは10秒)は無効とされ(t113〜t115、t116〜t117)、この無効設定期間(t113〜t115)において発生した第2始動入賞口37への入賞(t144)は異常入賞数として計数されない。また、第1特別遊技状態中は無効とされる。また、低確率状態での第2特別遊技状態については短い期間であるため有効とする。
そして、特図2異常入賞数は、上記の無効設定期間の終了から所定のクリア期間(t117〜t118、ここでは1800秒)に亘り新たに特図2異常入賞数が加算されなかった場合は、クリアされるようになっている。また、第1特別遊技状態が開始された場合にもクリアされる。
図166には、特定遊技状態の終了時における特図2異常入賞数の計数について示した。高確率状態である場合は監視状態が無効とされているため、第2始動入賞口37への入賞があっても特図2異常入賞数は加算されない。そして、高確率状態で最後の特図変動表示ゲームについては、当該特図変動表示ゲームの開始時に確率状態が低確率状態に変更されることとなるが(t123)、当該特図変動表示ゲームの終了(t124)までは無効状態のままとされる。
ここで、高確率状態で開始された最後の特図変動表示ゲームの終了から有効状態となるため、当該特図変動表示ゲームの結果が第2特別結果であった場合には、第2特別遊技状態の開始から有効状態となる(t124)。この第2特別遊技状態では特定遊技状態に引き続き右打ちを行うこととなるので、第2始動入賞口37への入賞が発生して特図2異常入賞数が加算されてしまう(t125)。しかし、第2特別遊技状態は短時間で終わるものであり、特図2異常入賞数の加算から無効設定期間が設定されるようにしているので(t125〜t127)、第2特別遊技状態でのその後の第2始動入賞口37への入賞では特図2異常入賞数は加算されない(t126)。よって、第2特別遊技状態により加算される特図2異常入賞数は1にとどまり、その後クリア期間(t127〜t128)が経過すればクリアされるため問題となることはない。
このような処理を可能とするために図79の特図2異常変動監視処理においては、ステップX381〜X389の処理に替えて、監視状態が有効な状態での第2始動入賞口37への入賞に基づき特図2異常入賞数を+1更新する処理を行う。そして、ステップX390〜X403の処理においては、特図2異常変動数に替えて特図2異常入賞数を用いるようにする。
なお、特図2異常変動報知を行うこととなる特図2異常入賞数の規定値や、クリア期間の長さは任意に設定可能である。ここで設定する規定値や期間の長さは、通常遊技状態で遊技者が特図2変動表示ゲームの開始を狙わないようにさせることができるような値であればどのような値でも良い。また停電が発生して復旧した場合には、停電発生前の状態から監視を再開するようにする。また特図2異常変動報知を行っている場合であっても入賞に対する賞球の払出は通常通り行う。
〔第4変形例〕
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に実行されている場合に、一方の特図変動表示ゲームで特別結果が導出されることに基づき他方の特図変動表示ゲームを中断し、特別遊技状態の終了後に中断した特図変動表示ゲームを再開するようにしている。
図167には、本変形例の遊技機における一括表示装置50を示した。D1〜D18については図55と同じである。D19,D20は特図変動表示ゲームの中断の有無を示す中断表示部79である。この中断表示部79は、図167(b)に示すように、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも中断されていない状態、特図1変動表示ゲームが中断されている状態、特図2変動表示ゲームが中断されている状態の何れかを示す。
図168には、特図変動表示ゲームが中断される例を示し、図169、図170には、表示装置41及び一括表示装置50における表示を示した。この例ではまず、図168に示すように、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの何れもが実行されていない状態で、特図2変動表示ゲームである変動表示ゲームbが開始され(t151)、その後、特図1変動表示ゲームである変動表示ゲームaが開始されている(t152)。
これにより、図169(a)に示すように、特図1表示器51及び特図2表示器52で変動表示が行われる状態となる。また、中断表示部79は何れも消灯した状態となっている。また、表示装置41では飾り特図1変動表示ゲーム及び飾り特図2変動表示ゲームの変動表示が行われる。
そして、図168に示すように、変動表示ゲームaは変動表示ゲームbよりも先に結果として第1特別結果が導出されて終了し(t153)、所定の停止時間の経過後に第1特別遊技状態となる(t154)。この第1特別結果の導出に基づき、変動表示ゲームbは中断される(t153)。中断中は変動時間の計測を中断して変動表示を継続する状態となる。また、中断中は中断表示部79において特図2変動表示ゲームが中断している旨の表示がなされる。
図169(b)に示すように、変動表示ゲームaが第1特別結果を導出して停止した状態では、特図1表示器51に第1特別結果に対応した特別結果態様が表示された状態となる。また、特図2表示器52は変動表示を行ったままとなる。さらに、中断表示部79ではD20が点灯し、特図2変動表示ゲームが中断されていることを示すようになっている。また、表示装置41では、飾り特図1変動表示ゲームが第1特別結果に対応した特別結果態様で停止し、飾り特図2変動表示ゲームは変動表示を行ったままとなる。また、図169(c)、図170(a)に示すように、特別遊技状態中でも特図1表示器51、特図2表示器52及び中断表示部79は、図169(b)に示す特別結果の導出時と同じ表示態様となる。
その後、図168に示すように、第1特別遊技状態が終了すると中断していた変動表示ゲームbが再開され、変動時間の計測が再開される(t155)。そして、残りの変動時間が経過することに基づき変動表示ゲームbが終了する(t157)。なお、第1特別遊技状態の終了後、特図1変動表示ゲームでは新たに変動表示ゲームcが開始されている。この変動表示ゲームcは、変動表示ゲームbよりも先に停止するが(t156)、結果がはずれであるため変動表示ゲームbは中断されることなく継続する。
図169(b)、(c)に示すように、特別遊技状態の終了に伴い、特図1表示器51及び特図2表示器52では変動表示が行われる。また、中断表示部79では特図2変動表示ゲームが再開されたことによりすべて消灯して中断されていないことを示す状態となる。
このように、一方の特図変動表示ゲームで特別結果が導出されることに基づき他方の特図変動表示ゲームを中断し、特別遊技状態の終了後に中断した特図変動表示ゲームを再開することで、各特図変動表示ゲームの開始時に行われた抽選により決定された通りの結果を導出することが可能となる。なお、特図変動表示ゲームの中断中には外部情報として中断中信号を出力するようにしても良く、特図1と特図2の何れを中断しているかを判別する情報を併せて出力しても良い。
このような特図変動表示ゲームの中断に関する処理を行うため、図114に示した特図1変動中処理に替えて図171に示す特図1変動中処理を行う。この特図1変動中処理では、特図2も実行中である場合(ステップY630;Y)に、ステップY631〜Y639の特図2変動表示ゲーム停止する処理を行わず、特図2中断中フラグをセーブする処理を行う(ステップY1511)。
また、図115に示した特図2変動中処理に替えて図172に示す特図2変動中処理を行う。この特図2変動中処理では、特図1も実行中である場合(ステップY660;Y)に、ステップY661〜Y669の特図1変動表示ゲーム停止する処理を行わず、特図1中断中フラグをセーブする処理を行う(ステップY1512)。
また、図91に示した特図1ゲーム処理に替えて図173に示す特図1ゲーム処理を行う。この特図1ゲーム処理では、特図1中断中フラグがあるかを判定し(ステップY1513)、特図1中断中フラグがない場合(ステップY1513;N)、すなわち、特図1変動表示ゲームの中断が行われていない場合は、ステップY103以降の特図1変動表示ゲームに関する処理を行う。一方、特図1中断中フラグがある場合(ステップY1513;Y)、すなわち、特図1変動表示ゲームが中断されている場合は、ステップY103〜Y118の特図1変動表示ゲームに関する処理を行わず、ステップY119に移行する。これにより、特図1変動表示ゲームの中断中は特図1変動表示ゲームが進行せず(特図1ゲーム処理タイマの更新が行われず)、変動表示のみが継続するようになる。
また、図92に示した特図2ゲーム処理に替えて図174に示す特図2ゲーム処理を行う。この特図2ゲーム処理では、特図2中断中フラグがあるかを判定し(ステップY1514)、特図2中断中フラグがない場合(ステップY1514;N)、すなわち、特図2変動表示ゲームの中断が行われていない場合は、ステップY133以降の特図2変動表示ゲームに関する処理を行う。一方、特図2中断中フラグがある場合(ステップY1514;Y)、すなわち、特図2変動表示ゲームが中断されている場合は、ステップY133〜Y149の特図2変動表示ゲームに関する処理を行わず、ステップY152に移行する。これにより、特図2変動表示ゲームの中断中は特図2変動表示ゲームが進行せず(特図2ゲーム処理タイマの更新が行われず)、変動表示のみが継続するようになる。
また、図134に示した特図1大当り終了処理に替えて図175に示す特図1大当り終了処理を行う。この特図1大当り終了処理では、特図2中断中フラグをクリアする処理(ステップY1515)を行う。これにより第1特別遊技状態の終了後に中断されていた特図2変動表示ゲームが再開されるようになる。
また、図135に示した特図2大当り終了処理に替えて図176に示す特図2大当り終了処理を行う。この特図2大当り終了処理では、特図1中断中フラグをクリアする処理(ステップY1517)を行う。これにより第1特別遊技状態の終了後に中断されていた特図1変動表示ゲームが再開されるようになる。
また、図139に示した特図1小当り終了処理に替えて図177に示す特図1小当り終了処理を行う。この特図1小当り終了処理では、特図2中断中フラグをクリアする処理(ステップY1518)を行う。これにより第2特別遊技状態の終了後に中断されていた特図2変動表示ゲームが再開されるようになる。
また、図140に示した特図2小当り終了処理に替えて図178に示す特図2小当り終了処理を行う。この特図2小当り終了処理では、特図1中断中フラグをクリアする処理(ステップY1519)を行う。これにより第2特別遊技状態の終了後に中断されていた特図1変動表示ゲームが再開されるようになる。
なお、特図1変動表示ゲームの中断中に行われる特別遊技状態において、中断している特図1変動表示ゲームの結果や変動パターンについての予告演出を行うようにしても良い。また、第1始動記憶がある場合には当該第1始動記憶についての先読み演出を特別遊技状態中に行うようにしても良い。
図179には、一方の特図変動表示ゲームで特別結果が導出されることに基づき他方の特図変動表示ゲームをどのように制御するかについて、状況に応じて異なる制御方法を用いるパターンの例を示した。ここで、制御方法1とは、一方の特図変動表示ゲームで特別結果が導出されることに基づき他方の特図変動表示ゲームを強制的にはずれ結果で停止する制御方法である。また、制御方法2とは、一方の特図変動表示ゲームで特別結果が導出されることに基づき他方の特図変動表示ゲームを中断し、特別遊技状態の終了後に再開する制御方法である。
図179(a)に示すパターン1は、特図種類に応じて制御方法を設定するパターンである。このパターンでは特図1変動表示ゲームで特別結果(大当り又は小当り)が導出された場合には、特図2変動表示ゲームを強制的にはずれ結果で停止する(制御方法1)。これに対して、特図2変動表示ゲームで特別結果(大当り又は小当り)が導出された場合には、特図1変動表示ゲームを中断し、特別遊技状態の終了後に再開する(制御方法2)。
特に、特図1変動表示ゲームで大当りが導出された場合には特図2変動表示ゲームを強制的にはずれ結果で停止する(制御方法1)ことで、高確率状態が開始される際に遊技者にとって有利に遊技が進行するようにすることができる。すなわち、この場合に制御方法2とすると、高確率状態の開始時に低確率状態で開始された変動時間が長時間の特図2変動表示ゲームが再開されてしまうので、新たな特図2変動表示ゲームがなかなか開始できないこととなってしまう。高確率状態では特図2変動表示ゲームの変動時間を短縮し、特別結果が頻発するようにすることで遊技者が多量の賞球を獲得できるようにする期間であるので、制御方法1とすることで新たな特図2変動表示ゲームの開始が早まり、遊技者にとって有利に遊技が進行するようになる。
図179(b)に示すパターン2は、特別結果により制御方法を設定するパターンである。このパターンでは、例えば、一方の特図変動表示ゲームで第1特別結果(大当り)が導出された場合には、他方の特図変動表示ゲームを強制的にはずれ結果で停止する(制御方法1)。これに対して、一方の特図変動表示ゲームで第2特別結果(小当り)が導出された場合には、他方の特図変動表示ゲームを中断し、特別遊技状態の終了後に再開する(制御方法2)。なお、特図種類も考慮して制御方法を選択するようにしても良い。
図179(c)に示すパターン3は、当り種類により制御方法を設定するパターンである。例えば、特図1変動表示ゲームで大当り図柄1Aや小当り図柄1aが導出された場合には、特図2変動表示ゲームを強制的にはずれ結果で停止する(制御方法1)。これに対して、特図1変動表示ゲームで大当り図柄1Bや小当り図柄1bが導出された場合には、特図2変動表示ゲームを中断し、特別遊技状態の終了後に再開する(制御方法2)。なお、単に第1特別結果と第2特別結果の何れであるかにより制御方法を設定しても良い。
図179(d)に示すパターン4は、遊技状態と特図種類により制御方法を設定するパターンである。通常遊技状態における特図1変動表示ゲームで特別結果が導出された場合には、特図2変動表示ゲームを強制的にはずれ結果で停止する(制御方法1)。これに対して、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームで特別結果が導出された場合には、特図1変動表示ゲームを中断し、特別遊技状態の終了後に再開する(制御方法2)。また、特定遊技状態(ST中)においては、特図種類や特別結果の種類にかかわらず制御方法2とする。
この例では、通常遊技状態において特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されるようにして遊技者に不利となるようにし、遊技者が特図2変動表示ゲームの実行を選択しないようにしている。また、通常遊技状態で主体となる特図1変動表示ゲームについては、強制停止により特別結果がはずれに変更されてしまうことがないようにしている。また、特定遊技状態は遊技者にとって有利な状態であるので、何れの特図変動表示ゲームについても強制停止により特別結果がはずれに変更されてしまうことがないようにし、遊技者が最大限の利益を得られるようにしている。なお、遊技店との利益バランスを考慮して、特定遊技状態において主体とならない特図1変動表示ゲームについては強制停止を行うようにし、遊技者が過剰に利益を得てしまうことを防止してもよい。また、遊技状態のみにより制御方法を設定しても良く、例えば、通常遊技状態では制御方法1のみとし、特定遊技状態では制御方法2のみとしても良い。
図179(e)に示すパターン5は、遊技状態、特図種類、特別結果の種類により制御方法を設定するパターンである。通常遊技状態では一方の特図変動表示ゲームで第2特別結果が導出されることによって他方の特図変動表示ゲームの特別結果がはずれ結果に変更されてしまうことがないようにしている。また、特定遊技状態では一方の特図変動表示ゲームで第1特別結果が導出されることによって他方の特図変動表示ゲームの特別結果がはずれ結果に変更されてしまうことがないようにし、第1特別結果の価値を高めるようにしている。
なお、制御方法のパターンはここに挙げたものに限られず、これ以外のパターンとしても良い。また、制御方法の選択のパラメータとして、特図種類や特別結果の種類、遊技状態などを挙げたが、これに限られるものではなく、その他のパラメータを考慮するようにしても良い。その他のパラメータとしては、特別遊技状態の終了後からのゲーム数や、日付や曜日、現在の時刻などの暦情報、はずれリーチを所定回数発生させるなどの遊技における何らかの条件の達成などが挙げられる。
図179に示したように制御方法の選択を行う場合には、図171に示す特図1変動中処理において、特図2も実行中である場合(ステップY630;Y)に、条件に応じて中断と終了の何れにするかを選択する処理を行うようにする。そして、中断を選択した場合は、特図2中断中フラグをセーブする処理を行い(ステップY1511)、ステップY640以降の処理を行う。また、終了を選択した場合は、図114に示したステップY631〜Y639の特図2変動表示ゲーム停止する処理を行い、ステップY640以降の処理を行う。
また、図172に示す特図2変動中処理において、特図1も実行中である場合(ステップY660;Y)に、条件に応じて中断と終了の何れにするかを選択する処理を行うようにする。そして、中断を選択した場合は、特図1中断中フラグをセーブする処理を行い(ステップY1512)、ステップY670以降の処理を行う。また、終了を選択した場合は、図115に示したステップY661〜Y669の特図1変動表示ゲーム停止する処理を行い、ステップY670以降の処理を行う。
すなわち、遊技制御装置100が、一方の変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させる終了制御と、一方の変動表示ゲームを中断して他方の変動表示ゲームに基づく特別遊技状態が終了したのちに中断していた一方の変動表示ゲームを再開する再開制御と、の何れかを、所定条件に基づいて選択して実行する選択手段をなす。
以上のことから、第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と前記第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)のいずれか一方の変動表示ゲーム実行制御手段によって一方の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行制御を行っている場合に、他方の変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている他方の変動表示ゲームが特別結果となった場合に、一方の変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させる終了制御と、一方の変動表示ゲームを中断して他方の変動表示ゲームに基づく特別遊技状態が終了したのちに中断していた一方の変動表示ゲームを再開する再開制御と、の何れかを、所定条件に基づいて選択して実行する選択手段(遊技制御装置100)を備えることとなる。
また、選択手段は、第1変動表示ゲーム実行制御手段によって第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御が行われている場合に、第2変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が特別結果となった場合に、第1変動表示ゲームを中断して第2変動表示ゲームに基づく特別遊技状態が終了したのちに中断していた第1変動表示ゲームを再開する再開制御を選択して実行し、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、第1変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている第1変動表示ゲームが特別結果となった場合に、第2変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させる終了制御を選択して実行するようにしたこととなる。
また、選択手段は、他方の変動表示ゲームが第1特別結果となった場合に、一方の変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させる終了制御を選択して実行し、他方の変動表示ゲームが第2特別結果となった場合には、一方の変動表示ゲームを中断して他方の変動表示ゲームに基づく特別遊技状態が終了したのちに中断していた一方の変動表示ゲームを再開する再開制御を選択して実行するようにしたこととなる。
また、選択手段は、特定遊技状態である場合においては、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、第1変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている第1変動表示ゲームが特別結果となった場合に、第2変動表示ゲームを中断して第1変動表示ゲームに基づく特別遊技状態が終了したのちに中断していた第2変動表示ゲームを再開する再開制御を選択して実行するようにしたこととなる。
また、第1変動表示ゲーム及び第2変動表示ゲームの変動態様情報には、当該変動表示ゲームの実行時間を特定可能な変動時間に関する情報が含まれ、第1変動表示ゲーム及び第2変動表示ゲームのそれぞれについて、変動表示ゲームの開始に応じて変動時間の計測を開始し、当該計測時間が変動時間を経過した場合に当該変動表示ゲームの変動時間の計測を終了する計測手段(遊技制御装置100)を備え、第1変動表示ゲーム実行制御手段及び第2変動表示ゲーム実行制御手段は、計測手段が変動時間の計測を終了することに応じて実行している変動表示ゲームの変動表示を終了するように構成され、計測手段は、選択手段により再開制御が選択された場合に、他方の変動表示ゲームが特別結果となることに基づき、一方の変動表示ゲームの変動時間の計測を中断し、他方の変動表示ゲームに基づく特別遊技状態が終了したのちに中断していた一方の変動表示ゲームの変動時間の計測を再開するようにしたこととなる。
〔第5変形例〕
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機では、一括表示装置50の表示方法や構成が異なる。
図180には、特図1表示器51及び特図2表示器52の変動開始時の表示方法を示した。図180(a)に示すように、前の特図変動表示ゲームのはずれや特別結果の結果態様が表示された状態から次の特図変動表示ゲームの変動表示を開始する際には、全消灯の状態から開始するようにする。このようにすれば変動が開始されたことが即座にわかるようになる。なお、変動中は全消灯とはずれ図柄とを繰り返すようにしたが、図180(b)に示すように全消灯と結果態様として用いられない図柄とを繰り返すようにしても良く、このようにすれば何れから開始したとしても変動が開始されたことが即座にわかるようになる。また、特図1表示器51と特図2表示器52とで、はずれ図柄や変動開始時に最初に点灯する図柄、変動表示中に表示する図柄などを異ならせるようにしても良い。
図181には一括表示装置50の構成の別例を示した。図181(a)に示すようにこの一括表示装置50では、特図1表示器51及び特図2表示器52を、それぞれ直線状に並んだ複数のLEDで構成している。このほかに特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54として機能するLEDq〜tや、ラウンド表示部60、第1遊技状態表示部77及び確率表示部78の機能を有するLEDu〜xが設けられている。なお、この他の機能が割り当てられていても良い。
図181(b)に示すように特図1表示器51では、LEDa、bを点灯させることではずれ図柄を構成し、変動表示中はこのはずれ図柄と全消灯を繰り返すようになっている。また、図181(c)に示すように特図2表示器52では、LEDiのみを点灯させることではずれ図柄を構成し、変動表示中はこのはずれ図柄と全消灯を繰り返すようになっている。このように、特図1変動表示ゲームのはずれ図柄と特図2変動表示ゲームのはずれ図柄は異なっている。
また、このように構成された特図1表示器51及び特図2表示器52の変動表示中の表示態様としては上述した以外の表示態様でも良く、例えば、一又は複数のLEDの点滅や交互点灯、はずれ図柄と全点灯の繰り返し、一端のLEDから他端のLEDへ向かう方向に沿って光が流れるように順次隣接するLEDを点灯及び消灯するようにしても良い。また、図182に示すように特図1表示器51と特図2表示器52でLEDの個数を異なるようにしても良い。この場合に、何れの特図表示器でも一端のLEDから他端のLEDまで光が流れる時間を同じになるように制御するようにしても良い。すなわち、特図1表示器51よりもLEDの個数が多い特図2表示器52の方が、光が流れる速度を速くするようにしても良い。もちろん光が流れる速度を同じとしても良い。また、はずれ図柄や変動中の図柄を異ならせても良い。
なお、特図1表示器51と特図2の表示器52でLEDの個数を異なるようにした場合、個数の多いほうの特図についてより多くの結果態様を設定可能となる。すなわち、本実施形態のように開放態様が異なることによる小当りが複数パターンある場合、通常状態において不正と判定されない程度に右打ちを行って特図2始動入賞口37へ遊技球を入賞させ、所定の変動時間経過後に特図2表示器52のLEDを見て長開放に対応する結果態様であった場合に第1特別変動入賞装置38を狙うという不正行為が行われることがおおいに考えられる。これに対し、例えば特図2表示器52のLEDの個数を多くしておけば、小当り結果態様をより多く設定しておくことができ、遊技者が容易に長開放の結果態様を認識できなくなり、上述の不正行為を防止することができる。
図183には、一括表示装置50の構成の別例を示した。この一括表示装置50はa〜y,z1〜z4のLEDを備えている。そして、一括表示装置50の前面を覆うようにシール又は板材からなる被覆部材95が前面に取り付けられている。この被覆部材95は、遊技中に使用する部分であるLEDa〜yの部分が透明となっており、一見してLEDが存在していることが解るようになっている。なお、一見してLEDが存在していることが解るようになっていれば良く、透明とする他に半透明としても良いし、くり抜かれていても良い。
また、被覆部材95には、一見してLEDの存在が解るようにされた部分のうち必要な部分に隣接してLEDの機能を示す表示がなされており、例えば、ラウンド表示部60をなすLEDu〜xに隣接する位置には、それぞれが点灯した際に報知されるラウンド数が表示されている。
遊技中に使用しないLEDz1〜z4については、被覆部材95で隠されており、一見してそこにLEDが存在することが解らないようにされている。このLEDz1〜z4については遊技機の機能として一切使用しないようにしても良い。ただし、使用しないLEDが存在することで不都合がある場合には、例えばRAM初期化を報知するLEDとして用い、被覆部材95のLEDz1〜z4を覆う部分については、LEDの消灯状態では一見してLEDが存在していることが解らないようにするとともに点灯状態は確認できるような半透明とする。
このような一括表示装置50及び被覆部材95を用いることで、機種に応じて各LEDの機能及び被覆部材95の構成を設定することで、異なる機種であっても一括表示装置50を共通して使用することができる。
図184には、一括表示装置50における特図1表示器51及び特図2表示器52の構成の別例を示した。図184(a)に示すように、特図1表示器51と特図2表示器52のLEDの配置が異なっている。
このような構成とした場合に、結果態様や変動中の図柄について点灯させるLEDの番号を特図1表示器51と特図2表示器52とで共通としても、表示上は別形状の図柄とすることができる。例えば、図184(a)には、特図1表示器51と特図2表示器52の両方にはずれの図柄が表示されている状態を示している。このはずれ図柄では何れの特図表示器でもLED2及び5を点灯させるとしているが、LEDの配置が異なるため表示上は別形状の図柄となっている。これにより特図1表示器51と特図2表示器52とで共通の図柄データを用いても表示上は別形状の図柄とすることができ、共通のデータを用いて多彩な図柄を表現することができる。
図184(b)には特図1表示器51における変動中の表示を示した。変動中の表示では、全消灯と所定のLEDの点灯を繰り返すようになっている。ここで、リーチ発生前(前半変動中)では、全消灯とLED6及び7の点灯を繰り返すようにし、Nリーチ中は全消灯とLED2及び5の点灯を繰り返す。また、SP1リーチ中は全消灯とLED1及び3の点灯を繰り返し、SP2リーチ中は全消灯とLED4及び8の点灯を繰り返す。このように変動パターンによって点灯箇所を異ならせることで、多彩な演出を行うことができる。
なお、例えばSP1リーチとなる場合に、リーチ発生前から全消灯とLED1及び3の点灯を繰り返す表示態様とし、特図表示器においてリーチの発生を予告するようにしても良い。また、変動中の点灯態様として大当りの発生を示唆又は確定的に報知する点灯態様を備え、特図表示器において大当りの発生を示唆又は報知するようにしても良い。
図185には、一括表示装置50における特図1表示器51及び特図2表示器52の構成の別例を示した。図185(a)に示すように、特図1表示器51を円環状に配されたLEDで構成し、変動表示中は光が周回するように表示する。そして、結果態様の表示は、一又は複数のLEDを点灯することで行う。もちろん特図2表示器52についても同様の構成とする。また、特図表示器が何らかの意匠を形成するようにしても良く、例えば図185(b)に示す例ではきのこの形状を形成している。
〔第6変形例〕
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機では、遊技の内容が異なる。
図186に示すように、本変形例では、低確不利モードM1、高確不利モードM2、高確有利モードM3及び低確有利モードM4の4つの遊技状態があり、特別結果の導出等に基づきこれらの遊技状態を遷移するようになっている。ここで、各遊技状態の名称における低確とは低確率状態を意味し、高確とは高確率状態を意味する。また、不利とは特図2変動表示ゲームで変動時間が非常に長い長変動(約10分)が設定されるために、小当りの発生確率が低く遊技者にとって不利な特図1変動表示ゲームを主体として遊技を進める状態であることを意味する。また、有利とは特図2変動表示ゲームで長変動が設定されず、小当りの発生確率が高く遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを主体として遊技を進める状態であることを意味する。
低確不利モードM1は通常遊技状態に相当する遊技状態であり、高確有利モードM3は特定遊技状態に相当する遊技状態である。また、高確不利モードM2はいわゆる潜伏状態であり、遊技者が低確不利モードM1であるか高確不利モードM2であるかを明確に判別できない演出状態とする。この演出状態は低確不利モードM1において2R通常や小当りに当選した場合にも設定される。低確有利モードM4は、従来の遊技機における時短状態に類似するものである。この遊技状態では特図2変動表示ゲームを主体として遊技を進行するため、小当りの高頻度の発生により持球を減らすことなく次回の大当りを待つことができる。
また、特図1及び特図2における当り種類はそれぞれ図186に示す通りである。このうち、確変大当りとは特別遊技状態の終了後に50回の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態となる大当りであり、通常大当りとは特別遊技状態の終了後に低確率状態となる大当りである。
なお、小当りで得られる賞球数や変動時間を調整して低確有利モードM4では持球が増加する傾向にあるようにしても良い。この低確有利モードM4は次回の大当りまで継続するので長い期間継続し、この間に徐々に持球が増加するという遊技態様とすることができ、特別遊技状態で大量の賞球を短時間に得るのとは異なる遊技とすることができる。さらに、右打ちでは第1始動入賞口36と第2始動入賞口37の両方への入賞が可能である構成とし、低確有利モードM4で通常大当りとなる特図1変動表示ゲームが開始された場合には、特図2変動表示ゲームで特別結果を発生させて特図1変動表示ゲームの通常大当りを阻止し、低確有利モードM4を維持するように促す報知を行うようにしても良い。
このように複数の遊技状態を有する遊技機においては、遊技状態に応じた演出の設定が演出制御装置300でなされる。しかし、何らかの原因により演出制御装置300が再起動した場合、バックアップ機能を備えない演出制御装置300は遊技状態の情報を喪失してしまうため、適切な演出を行うことができなくなってしまう。このような事態による不都合を最小限に抑えるため、遊技制御装置100は所定のタイミングで遊技状態に関する情報を演出制御装置300に送信するようにしている。
遊技制御装置100は、遊技状態の情報を含む図187(a)に示す確率情報コマンドを、遊技状態が切り替わる際、特別遊技状態の開始時及び特図変動表示ゲームの開始時に演出制御装置300に送信する。図187(b)に示すように、遊技状態が低確不利である場合の特図変動表示ゲームの開始時(t171)には、低確不利であることを示す確率情報コマンドであるA801hのコマンドを演出制御装置300に送信する。また、低確不利である場合に発生した特別遊技状態の開始時(t172)には、低確不利であることを示す確率情報コマンドであるA801hのコマンドを演出制御装置300に送信する。
ここでは結果が確変大当りであったため、特別遊技状態の終了により遊技状態は高確有利に移行する。これに伴い、高確有利であることを示す確率情報コマンドであるA802hのコマンドを演出制御装置300に送信する(t173)。演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、高確有利の演出を行うようにする。
そして、遊技状態が高確有利である場合の特図変動表示ゲームの開始時(t174、t175)には、高確有利であることを示す確率情報コマンドであるA802hのコマンドを演出制御装置300に送信する。この後に、何らかの原因により演出制御装置300の電源が遮断され(t176)、表示装置41での表示が行われない状態(黒表示)となる。この間にも遊技制御装置100では遊技が進行しているが、表示装置41での飾り特図変動表示ゲーム等は行われない。
その後、演出制御装置300の電源が復旧すると演出制御装置300が起動する(t177)。演出制御装置300は、遊技制御装置100から何らかのコマンドを受信するまでの間は表示装置41に復旧画像を表示する(t177〜t178)。そして、遊技制御装置100から特図変動表示ゲームの開始に伴い高確有利であることを示す確率情報コマンドであるA802hのコマンドを受信すると、高確有利の演出で飾り特図変動表示ゲームを開始する(t178)。このようにすることで、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つことなく遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。
また、遊技制御装置100は、遊技状態の情報を含む図188(a)に示す客待ちコマンドを、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行しない状態となった場合である客待ち設定時に演出制御装置300に送信する。図188(b)に示すように、ここでは何らかの原因により演出制御装置300の電源が遮断され(t181)、その後、演出制御装置300の電源が復旧して演出制御装置300が起動している(t182)。
演出制御装置300の復旧後に特図変動表示ゲームが開始されれば、上述したように遊技状態の情報を含む確率情報コマンドが送信されるため、遊技状態に応じた演出に復帰できるが、ここでは特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されない状態となって客待ち設定がなされている(t184)。
遊技制御装置100は、客待ち設定の際に高確有利であることを示す客待ちコマンドである8002hのコマンドを送信し、演出制御装置300では、この客待ちコマンドの情報に基づき高確有利の演出を設定して客待ち状態となる。このようにすることで、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つことなく遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、スロットマシンにも適用可能である。
また、上述の各実施形態や各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。