JP6662754B2 - L1グラフ計算装置、l1グラフ計算方法及びl1グラフ計算プログラム - Google Patents
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Description
まず、従来のlassoを用いたL1グラフ計算手法について説明する。lassoによるL1グラフでは、ノードが多次元データにおけるデータポイントに対応し、エッジが回帰における関係に対応する。ここで、pをグラフにおけるノードとし、Vをグラフにおけるノードの集合とすると、p∈Vであるようなノードを一つ一つ選択し、lassoを計算することによって、エッジの重みを求める。lassoは、ほとんどのノードに零の重みを与えるため、グラフは疎な構造となる。なお、各集合を示すシンボルは、明細書中ではアルファベットの大文字で示し、図面中ではアルファベットの大文字を中抜きした字体で示す。
本実施の形態1において用いられる手法によれば、より高速にlassoによるL1グラフを計算することができる。まず、本実施の形態1の計算手法の概要を述べた後に、本実施の形態1による計算手法の詳細を述べる。
まず、図1を用いて、実施の形態1に係るL1グラフ計算装置の構成について説明する。図1は、実施の形態1に係るL1グラフ計算装置の要部構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、L1グラフ計算装置1は、SVD(Singular Value Decomposition:特異値分解)計算部11、ノード選択部12、第1エッジ集合設定部13、第1重み更新部14、パラメータ初期化部15、第2エッジ集合設定部16、追加エッジ計算部17、エッジ追加部18、第2重み更新部19及び重み設定部20を有する。
ここで、実施の形態1に係るL1グラフ計算方法のうち、エッジの重み更新についての繰り返し計算のうちのエッジ集合設定処理について説明する。まず、重みの更新のための計算を前に、第2エッジ集合設定部16が、2つのエッジ集合M[wp]とエッジ集合C[wp]とを計算する。エッジ集合M[wp]は、重みベクトルwpを用いて更新を行ったときに、重みが非零に必ずなるエッジの集合である。また、エッジ集合C[wp]は、重みベクトルwpを用いて更新したときに重みが非零になる可能性のあるエッジの集合である。
続いて、エッジの重み更新についての繰り返し計算のうちの重み更新処理における計算方法について述べる。L1グラフ計算装置1では、二つの計算方法を用いる。まず、初めの計算方法(第1の計算方法)について説明する。初めの計算方法として、ノードuのベクトルwpのパラメータであるパラメータzp[u|wp]を計算し、エッジごとに異なる解析結果を使わずともよい方法を用いる。具体的には、以下の式(8)を用いて計算を行う。
次に、KKTスコアの上限値と下限値とを求めるための計算処理について説明する。上限値と下限値を計算する方法として、L1グラフ計算装置1は、SVDを用いる方法と、逐次的に更新する方法とを用いる。
図16を参照して、L1グラフ計算装置1の各部の処理について説明する。図16は、実施の形態1に係るL1グラフ計算処理のアルゴリズムを示す図である。図16に示すAlgorithm1では、行列Χ、チューニングパラメータλ、SVDのランクmを入力とし、行列Wを出力とする。Wは、そのp番目の行が重みベクトルwpに対応するN×Nの行列である。Pは、重みを計算するために選択されたノードの集合である。実施の形態1では、L1グラフにおいてノードu to vの重みはノードv to uの重みと似ているという性質を用いて重みを初期化する。
次に、図19は、実施の形態1に係るL1グラフ計算処理の流れを示すフローチャートである。
このように、実施の形態1では、重み更新についての繰り返し計算を行う前に非零の重みを持ち得ないエッジを枝狩りしている。言い換えると、実施の形態1では、非零の重みを持ち得ないエッジについては重みを更新するための繰り返し計算を実行しない。さらに、本実施の形態1では、各重み更新についての繰り返し計算において重みが零になるエッジを枝狩りしている。したがって、本実施の形態1では、全てのエッジについてエッジの重み更新のための繰り返し計算を行っていた従来装置と比較し、重み更新についての繰り返し計算を少ない回数とすることができる。この結果、本実施の形態1によれば、lassoを用いて高速にL1グラフを計算することができる。
図1に示したL1グラフ計算装置1の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、L1グラフ計算装置1の機能の分散及び統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散または統合して構成することができる。
図20は、プログラムが実行されることにより、L1グラフ計算装置1が実現されるコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
11 SVD計算部
12 ノード選択部
13 第1エッジ集合設定部
14 第1重み更新部
15 パラメータ初期化部
16 第2エッジ集合設定部
17 追加エッジ計算部
18 エッジ追加部
19 第2重み更新部
20 重み設定部
Claims (5)
- lassoによるL1グラフを計算するL1グラフ計算装置であって、
入力される多次元行列の特異値分解を計算するSVD計算部と、
エッジの重みを計算する対象のノードを選択するノード選択部と、
初めに重みを更新するエッジの集合を設定する第1エッジ集合設定部と、
前記初めに重みを更新するエッジ集合に含まれるエッジの重みを収束するまで更新する第1重み更新部と、
グラフの計算におけるパラメータの初期化を行うパラメータ初期化部と、
重みを更新するエッジ集合として、前記特異値分解の計算結果を用いて、非零の重みを持ち得ないエッジを除外したエッジ集合を設定する第2エッジ集合設定部と、
重みを更新するエッジ集合を、前記第2エッジ集合設定部が設定したエッジ集合に追加する追加エッジ計算部と、
前記追加エッジ計算部が追加したエッジ集合から、非零の重みを有するエッジを、一つ一つ、前記重みを更新するエッジ集合に追加するエッジ追加部と、
前記エッジ追加部がエッジを追加したエッジ集合に含まれるエッジの重みを、収束するまで更新する第2重み更新部と、
前記ノード選択部によって選択されていないノードに対してエッジの重みを設定する重み設定部と、
を有することを特徴するL1グラフ計算装置。 - 前記第2エッジ集合設定部は、前記特異値分解の計算結果を用いて求めたKKT(Karush-Kuhn-Tucker)条件のスコアの上限値及び下限値を用いて、前記非零の重みを持ち得ないエッジを特定することを特徴とする請求項1に記載のL1グラフ計算装置。
- 前記エッジ追加部は、追加したエッジ集合のエッジに対し、lassoの回帰結果における残差を用いた演算式により重みを計算し、前記計算した重みが非零であるエッジを、前記重みを更新するエッジ集合に追加し、前記計算した重みが零であるエッジを、前記重みを更新するエッジ集合から除外することを特徴とする請求項1または2に記載のL1グラフ計算装置。
- lassoによるL1グラフを計算するL1グラフ計算装置が行うL1グラフ計算方法であって、
入力される多次元行列の特異値分解を計算するSVD計算工程と、
エッジの重みを計算する対象のノードを選択するノード選択工程と、
初めに重みを更新するエッジの集合を設定する第1エッジ集合設定工程と、
前記初めに重みを更新するエッジ集合に含まれるエッジの重みを収束するまで更新する第1重み更新工程と、
グラフの計算におけるパラメータの初期化を行うパラメータ初期化工程と、
重みを更新するエッジ集合として、前記特異値分解の計算結果を用いて、非零の重みを持ち得ないエッジを除外したエッジ集合を設定する第2エッジ集合設定工程と、
重みを更新するエッジ集合を、前記第2エッジ集合設定工程において設定されたエッジ集合に追加する追加エッジ計算工程と、
前記追加エッジ計算工程において追加したエッジ集合から、非零の重みを有するエッジを、一つ一つ、前記重みを更新するエッジ集合に追加するエッジ追加工程と、
前記エッジ追加工程においてエッジを追加されたエッジ集合に含まれるエッジの重みを、収束するまで更新する第2重み更新工程と、
前記ノード選択工程において選択されていないノードに対してエッジの重みを設定する重み設定工程と、
を含んだことを特徴とするL1グラフ計算方法。 - コンピュータを、請求項1〜3のいずれか一つに記載のL1グラフ計算装置として機能させるためのL1グラフ計算プログラム。
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