JP6659538B2 - ナノ粒子光フィルタリング方法および装置 - Google Patents

ナノ粒子光フィルタリング方法および装置 Download PDF

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関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2014年11月15日出願の「NANOPARTICLE LIGHT FILTERING METHOD AND APPARATUS」という名称の米国特許出願第14/542,564号に対する優先権を主張するものであり、同出願は、2014年11月14日出願の「NANOPARTICLE LIGHT FILTERING METHOD AND APPARATUS」という名称の米国特許出願第14/542,478号の一部継続出願であり、同出願は、2013年11月15日出願の「NANOPARTICLE LIGHT FILTERING METHOD AND APPARATUS」という名称の米国仮特許出願第61/904,861号に対する優先権およびその利益を主張するものである。上記出願はすべて、全体として参照により本明細書に組み込まれている。
[0002]概して、本発明は、光学濾波に関する。より詳細には、本発明は、ナノ粒子を含むノッチフィルタを使用して光の特定の波長に対する生理反応を低減することに関する。
[0003]様々な電磁波長が、人体に身体的影響を与える可能性がある。特に、可視スペクトル内の特定の波長は、人の目の中の特定の光受容体によって受け取られるとき、神経に悪影響を与えると考えられる。人の目の桿状体および円錐体とは異なり、メラノプシン神経節細胞は、内因性光感受性網膜神経節細胞(ipRGC)としても知られており、網膜内に含まれる内因性光感受性細胞である。これらの細胞は、特定の疼痛経路に接続され、ならびに視交差上核に接続される。視床の疼痛経路は、片頭痛に影響を及ぼすと考えられる。一方、ipRGCと視交差上核との相互作用は、サーカディアンリズムの同調に関与する。
[0004]メラノプシン神経節細胞と脳の疼痛経路との相互作用は、羞明(photophobia)に結び付けて考えられてきた。これは、「恐怖症(phobia)」の一般的な用途とは対照的に、光に対する合理的でない恐怖心ではなく、光に対する身体的な感受性である。羞明は、片頭痛または眼瞼痙攣および外傷性脳損傷(TBI)などの他の光に敏感な、神経的な症状を引き起こしまたは悪化させることに結び付けて考えられてきた。羞明に関係する光の波長を遮断または減衰することには、いくつかの明確な利益がある。感受性の高い人の羞明を低減させることで、片頭痛および他の健康上の悪影響を減らし、または防止することができる。
[0005]サーカディアンリズムは、身体の内部周期であり、地球の24時間の昼夜の周期に概ね同期する。この内部周期により、睡眠または食事の必要を感じる時間が決まるため、サーカディアンリズムは、睡眠、気分、および栄養状態にとって重要である。サーカディアンリズムは、身体を「スケジュール通り」に保つのに非常に有益となり得るが、身体を現地の日光のスケジュールに合わせたくないと考えている人にとっては問題となる可能性もある。たとえば、頻繁に旅行する人であれば、時間帯の異なる場所へ短時間で旅行することによる自身のサーカディアンリズムの変化を防止することによって、時差ぼけの影響を回避できる可能性がある。あるいは、日光の時間に基づかないスケジュールの職業に就いている人であれば、日光が自身のサーカディアンリズムに与える影響を回避したいと考える可能性がある。たとえば、交替で夜間勤務をする医師は、起きて活動している時間中には、光または暗闇に関係なく自身の身体をサーカディアンリズムに同調させたいと考える可能性がある。
[0006]良くない神経刺激性の波長を遮断または減衰させるための現在の方法は、可視スペクトルの大部分にわたって光を減衰させるレンズを着用することである。しかし、そのようなレンズは低照度の設定で視覚を損ない、ほぼすべての状況で色を歪ませるため、この方法には著しい不利益がある。神経刺激性を有すると考えられる1つまたは複数の狭い範囲内のみで目に到達する光を減衰させることが好ましい。
[0007]したがって、光の神経刺激性波長の選択的な減衰またはフィルタリングを実現できることにはいくつもの利益がある。
[0008]本発明の実装形態は、可視光スペクトルの神経刺激性波長を遮断、減衰、またはフィルタリングし、それらの波長への露出に関連する徴候を低減または防止するための組成物、デバイス、システム、および方法を用いて、当技術分野における上記または他の問題の1つまたは複数に対処する。
[0009]本発明を組み込む第1の非限定的な実施形態では、光学フィルタは、ホスト媒体中に分散させたナノ粒子を含むことができる。次いで、ホスト媒体を基材上に配置することができる。基材は、可視スペクトル内の光に対して透明とすることができ、それにより、光の唯一の減衰は、表面を被覆するホスト媒体中のナノ粒子の分散によって生じる。
[0010]第2の非限定的な実施形態では、光学ノッチフィルタを製造する方法は、フィルタの所望の中心波長を決定するステップと、フィルタの所望の半値全幅を決定するステップと、複数のナノ粒子のサイズ、ナノ粒子の組成、および複数のナノ粒子が位置するホスト媒体の組成を変えることによってフィルタを製造するステップとを含む。フィルタは、スピンコーティングおよび浸漬コーティングを含む様々な成膜技法によって製造することができる。
[0011]第3の非限定的な実施形態では、羞明反応の頻度および/または重大度を低減させる方法は、可視スペクトル全体にわたってある量の光を受け取るステップを含む。
[0012]本発明の例示的な実装形態の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載されており、部分的には以下の詳細な説明から明らかになり、またはそのような例示的な実装形態の実施によって学習することができる。そのような実装形態の特徴および利点は、添付の請求の範囲に特に指摘する機器および組合せによって実現および達成することができる。上記その他の特徴は、以下の詳細な説明および添付の請求の範囲からより詳細に明らかになり、または以下に記載のそのような例示的な実装形態の実施によって学習することができる。
[0013]本発明の上記その他の利点および特徴を達成することができる様態について説明するために、上記で簡単に説明した本発明に関するより具体的な説明は、添付の図面に示す本発明の特有の実施形態への言及によって与えられる。よりよい理解のために、様々な添付図面の全体にわたって、同様の要素は同様の参照符号によって示される。図面のいくつかが概略的な図になっていることがあるが、図面の少なくともいくつかは、原寸に比例して描かれることがある。これらの図面が本発明の典型的な実施形態のみを示し、したがって本発明の範囲を限定するとみなされるべきではないことを理解した上で、本発明について、添付図面を使用することによって追加の具体性および詳細をもって記載および説明する。
[0014]光反応に関する病状のある一部の患者に処方された典型的なFL−41 35フィルタの透過特徴に対するメラノプシン活動電位反応を示すグラフである。 [0015]光反応に関する病状のある一部の患者に処方された典型的なFL−41 35フィルタの透過特徴に対する典型的な人の視覚反応スペクトルを示すグラフである。 [0016]光反応に関する病状のある一部の患者に処方された典型的なFL−41 55フィルタの透過特徴に対するメラノプシン活動電位反応を示すグラフである。 [0017]光反応に関する病状のある一部の患者に処方された典型的なFL−41 55フィルタの透過特徴に対する典型的な人の視覚反応スペクトルを示すグラフである。 波長減衰のためのナノ粒子の使用について説明するためのグラフである。 [0018]40nmの球状のナノ粒子に対する模擬消光スペクトルである。 [0019]40nmの立方体のナノ粒子に対する模擬消光スペクトルである。 [0020]40nmの四面体のナノ粒子に対する模擬消光スペクトルである。 [0021]40nmの八角形のナノ粒子に対する模擬消光スペクトルである。 [0022]5nmの厚さを有する50nmの三角形のナノ粒子に対する模擬消光スペクトルである。 [0023]異なる軸方向の長さを有する幅50nmの広角の方形プリズムのナノ粒子に対する一連の模擬消光スペクトルである。 [0024]異なる直径を有する球状粒子に対する模擬消光効率を示すグラフである。 [0025]本発明による光フィルタリング装置の一実施形態を示す概略的な横断面図である。 [0026]本発明による光フィルタリング装置の別の実施形態を示す概略的な横断面図である。 [0027]様々な浸漬持続時間に対して測定された透過スペクトルを示すグラフである。 [0028]本発明によるコア−シェルナノ粒子の一実施形態を示す横断面図および関連するスペクトルである。 [0029]本発明による金属ナノ粒子の一実施形態を示す横断面図および関連するスペクトルである。 [0030]異なる媒体中に溶けた球状粒子に対する模擬消光効率のグラフである。 [0031]合金化割合の様々な粒子に対する模擬消光効率のグラフである。 [0032]本発明による光反応に関する病状を緩和する1つの方法の流れ図である。
[0033]本発明の1つまたは複数の実装形態は、人の目に到達する光の特定の波長を遮断、減衰、フィルタリング、または別の形で調節するレンズ、フィルタ、その他のデバイスの作製、または方法に関する。特に、本発明は主に、目の網膜内のメラノプシンを含有する神経節細胞に影響を及ぼす神経刺激性波長の減衰に関する。メラノプシンを含有する神経節細胞は、内因性光感受性網膜神経節細胞またはipRGCとしても知られており、網膜内の光感受性細胞の頂層を形成する。神経刺激性波長がipRGCと相互作用するとき、伝送信号(transmission)は、画像処理中枢とは別に、脳内のいくつかの位置へ送られる。それらの中には、視床内の疼痛中枢および視交差上核内のサーカディアンリズム制御中枢、脳の正中線内のニューロン群が含まれる。本発明は特に、少なくともこれらの神経中枢を活性化する波長の濾波または減衰に関する。
[0034]神経刺激性波長は、光源または目の中の受容器付近で調節することができる。たとえば、光源が波長を放出するのを防止するために、光源でスクリーンまたはレンズ全体にわたってコーティングまたはフィルタを配置することができる。あるいは、または加えて、たとえば特定の波長をフィルタリングまたは減衰する眼鏡を着用することによって、個人で自身の目に接近する光をフィルタリングすることができる。環境上の問題により、その時点でどの方法が好ましいかが左右される可能性もある。仕事場では、神経刺激性波長の大部分は、単に個人の前におかれたコンピュータモニタによって生じることがある。特定の波長に対して感受性の高い人は、コンピュータスクリーンに直接フィルタを適用することによって、その光に対する自身の露出を十分に低減させることができる。同様に、屋内にいるときに光源の波長を減衰させるには、電球または窓上にコーティングを成膜させることもできる。
[0035]しかし、別の環境では、点光源において神経刺激性波長の放出を単に低減させるだけでは、個人の露出を低減させるには不十分なことがある。たとえば、建物内のすべての光源からの放出を低減させることはできない可能性があり、または神経刺激性波長の一次光源は、太陽光などの自然光もしくは周囲光である可能性があり、光源に基づく解決策は不可能になる。そのような状況では、感受性の高い人は、自身のipRGC付近または近傍でフィルタを着用しまたは別の形で使用することができる。波長の選択的調節は、透明な表面によって実行することができる。フィルタは、サングラスのように、レンズに一体とすることができ、または単に、視力矯正に使用される従来の処方レンズに、薄いコーティングなどのレンズ上のコーティングを適用することもできる。そのようにして、神経刺激性波長を減衰させる特性を有する眼鏡またはさらにはコンタクトレンズを個人で着用し、目に到達するほぼすべての光を事実上調節することができる。
[0036]図1は、ipRGCに対して推定される活動電位スペクトルの一例によるグラフ100を示す。グラフ100上の塗り潰しの点102は、波長に対して実験的に測定された反応値であり、最大の反応に対して正規化されており、破線は、反応データに合うガウス分布110である。このガウス分布110は、ipRGCの厳密な反応スペクトルを代表することを意味するものではなく、図示のデータセットの近似値である。ipRGCの反応スペクトルに関してより厳密なデータセットが利用可能になることもあり、本開示は、厳密な反応スペクトルにも少なくとも等しく適用することができることを理解されたい。
[0037]図1はまた、屋内の環境で日光過敏の人に対する光の透過を調節するために現在一般に処方されるフィルタである「FL−41 35」フィルタの透過特徴120を示す。FL−41 35フィルタは、材料を通る光の透過を低減させるために材料を有機染料に含浸させることによって作製される。図1に示すように、このフィルタは、約500nmの波長で入射光の透過量が最小になり、可視光スペクトル内の紫色からオレンジ色に対応する400nm〜640nmで入射光の透過を70%未満にする。一方、ipRGC内の光受容体は、図示のように、430nm〜520nmの範囲外では5%の反応を下回る。したがって、ipRGCによって知覚される光の量130は、FL−41 35フィルタによって著しく低減されるものの、個人の視覚の残り部分も損なわれる。
[0038]この影響は、図2でより完全に視覚化されている。図2のグラフ200は、FL−41 35フィルタの透過特徴120が個人の近似値的な総合視覚反応スペクトル210に与える影響を示す。推定される有効な視覚反応230は、スペクトルの全幅にわたって著しい影響を受ける。合計で、FL−41 35フィルタは、可視スペクトル全体の内の入射光の約47%の透過を阻止する。可視光スペクトルの全体を遮断すると、知覚される配色の歪みなどの望ましくない影響をもたらす可能性があり、かつ/または低照度の状況における視力を使用者にとって許容できないレベルまで減少させることがある。さらに、透過の低減はスペクトル全体に広がっているため、点光源に対する被覆を考慮すると、FL−41 35フィルタは望ましくない選択肢である。
[0039]図3は、FL−41 55フィルタの透過特徴320によって抑制されたipRGCに対して推定される活動電位スペクトル310の一例によるグラフ300を示す。FL−41 55は、FL−41 35フィルタの変種であり、透過を遮断する染料がより大量に材料中へ含浸されている。FL−41 55は、メラノプシン細胞が活性である範囲内の光透過の約89%を阻止するが、FL−41 55フィルタはまた、重ね合わせた視覚反応スペクトル210を含む図4に見ることができるように、総スペクトルの約81%が材料を通過するのを阻止する。FL−41 55フィルタが透過する光はより少ないため、FL−41 55フィルタは、主に屋外の用途に処方される。しかし、これにより、FL−41フィルタに対するいくつかの欠点の1つが顕著になる。つまり、スペクトルの他の部分の減衰を伴うことは、屋内の環境から屋外へ移動するとき、使用者が実際のFL−41フィルタを、たとえばFL−41 35フィルタからFL−41 55フィルタに変更しなければならないことを意味する。他の欠点には、低照度の状況における前述の色の歪みおよび安全上の問題、染料を特定のタイプのプラスチックのみと混合する必要があること、ならびに着色プロセスの均一性に伴う難しさが含まれる。
[0040]したがって、スペクトル歪みを最小にしながら神経刺激性波長を減衰させるフィルタを作製することが望ましい。最適化方法を含めて、フィルタ設計に対する追加の制約または他の制約も考慮されることがある。
[0041]メラノプシン細胞による光吸収を遮断するという文脈で光学フィルタの性能を評価する1つの方法を本明細書に提示する。メラノプシン細胞が受ける光線量Dは、次のように表すことができる。
Figure 0006659538
上式で、Lは、光スペクトル(強度、パワー、光子数/秒などに関する)であり、Tは、光源と目との間に位置するフィルタのスペクトル透過率であり、Mは、メラノプシンの正規化された活動電位反応スペクトルであり、これは現在、52nmの半値全幅で480nmを中心とするガウス関数として図1から推定される。概して、議論をいかなる特有の光源にも制限しないためにL=1と仮定するが、周知のスペクトルの任意の光源に対して分析を実行することができる。視覚反応スペクトルに関連する類似の線量は、次のように計算することができる。
Figure 0006659538
上式で、Vは、正規化された視覚反応スペクトルを表す。FL−41ティントなどの光学フィルタの効果は、線量を低減させることであり、線量は、フィルタを用いて計算される線量と、フィルタを用いないときの線量との比を得ることによって示される。また、メラノプシン反応の遮断と視覚反応スペクトルの遮断とを比較する性能示数(FOM)は、次のように定義することができる。
Figure 0006659538
上式で、値FOM>1が望ましいことがある。たとえば、FL−41ティントでは、値FOM≒1になることがある。
[0042]上記のFOMの式に示すように、値FOMは、ノッチフィルタのスペクトルがメラノプシンおよびipRGCの視覚反応スペクトルにより密接に近似するにつれて増大する。フィルタリングされていない光線量Dmelan(T=1)と比較すると、フィルタを用いた場合にメラノプシン細胞が受ける光線量Dmelanが0に接近するにつれて、分子は1に接近する。逆に、可視スペクトルのうちフィルタが減衰させる部分がより小さくなるにつれて、分母は0に接近し、したがって値FOMが1より大きくなる。値FOM>1は、可視スペクトルの残り部分に対して、メラノプシン視覚反応スペクトル内の優先的なフィルタリング波長を反映している。
[0043]ノッチまたはバンドストップフィルタは、大部分の波長または周波数を変化させることなく通過させるが、狭い範囲内の波長を非常に低いレベルに減衰させるフィルタである。ノッチフィルタは、バンドパスフィルタの逆と考えることができる。ノッチフィルタは、高いQ値を有することができ、これは狭い阻止帯に対応する。光学フィルタ技術は、他の技術の中でも、誘電体の多分子層およびナノ粒子のコーティングを含むことができる。ナノ粒子のコーティングは、金属ナノ粒子、誘電体ナノ粒子、半導体ナノ粒子、または量子ドット、磁気ナノ粒子、コア−シェル粒子を含むことができ、これはコア内の1つの材料およびシェルとして働く別の材料からなる。ナノ粒子は、様々な形状を有することができる。ホスト材料は、ポリマー、ソルゲル、ガラス、または類似の透明もしくは半透明の材料を含むことができる。
[0044]波長減衰のためのナノ粒子の使用は、図4Aのグラフ440に示すように、光の入射角にかかわらずナノ粒子が光を散乱および吸収するため、薄膜法とは異なる特性を有する。フィルタの表面に対して450aで直角、450bで30°、および450cで60°の入射光の測定透過率間の変動は、少なくとも部分的に、光学フィルタに対してそれぞれ8%、12%、および31%の二重界面反射によってもたらされうる。二重界面反射係数は、フレネルの式から計算することができる。計算された二重界面反射係数は、測定された透過スペクトルに一致する。ナノ粒子ノッチフィルタは光源の方向にかかわらず予測可能に作用するため、眼鏡のレンズなどの汎用のフィルタリングによく適している。さらに、光の適正な散乱および吸収を実現するために、複数のパラメータを変えて、減衰される波長の範囲および減衰の量を最適化し、異なる波長に合わせてノッチフィルタを調整することができる。
[0045]金属ナノ粒子は、入射光または他の電磁(「EM」:electromagnetic)放射によって励起することができる。金属ナノ粒子の励起の結果、金属ナノ粒子は、伝導電子の集団的な発振を呈することができる。伝導電子の電荷密度の発振が、局在表面プラズモン(「LSP」:localized surface plasmon)である。LSPは、入射光の選択的波長によって励起される複数のLSPの共鳴中に局在電磁場を増強することができる。複数のLSPの共振挙動は、局在表面プラズモン共鳴(「LSPR」:localized surface plasmon resonance)として知られている。LSPRは、大きな光学場の増強を提供することができ、入射波長の強い散乱および/または吸収をもたらすことができる。簡略的に、LSPRが生じる周波数は、次式によって得ることができる。
Figure 0006659538
上式で、ωLSPRは、局在表面プラズモン共鳴の周波数であり、ωは、金属のプラズモン周波数であり、εは、金属ナノ粒子を取り囲む環境の誘電率である。ナノ粒子光学反応のLSPR波長およびピーク幅は、少なくともナノ粒子の組成、サイズ、形状、誘電体環境、他のナノ粒子との近接度、またはそれらの組合せの影響を受けることがある。
[0046]LSPRでは、ナノ粒子の表面における高い局在場の増強により、入射光の散乱および吸収をもたらすことができる。光の散乱は、電磁(EM)波が障害物(すなわち、ナノ粒子)に遭遇するときに生じる光の方向変換として説明することができる。光の吸収は、ナノ粒子によって熱の形で吸収される入射光エネルギーの量によって説明することができる。光の散乱および吸収の組合せによる入射光の減衰または損失が、消光である。透明な媒体上またはその中でのナノ粒子の分散により、入射光の様々な角度および量での消光の増大を可能にすることができる。
[0047]分散されたナノ粒子の消光スペクトルは、近似値の組合せによってモデル化することができる。準静的な近似値は、入射光の波長の1%未満のサイズの球状寸法の散乱および吸収係数のモデル化を可能にするであろう。ミー散乱理論(またはミー理論)は、他の形状および/またはサイズのナノ粒子の散乱および吸収係数の近似値を提供するであろう。ミー理論は、球状粒子の光の散乱および吸収に対する的確な解決策を可能にする概略的な枠組みを提供するであろう。
[0048]図5A〜5Fに示すように、ナノ粒子の形状は、その消光スペクトルに影響を与えることがある。図5Aに示すように、40nmの直径を有する球状の銀(Ag)ナノ粒子に基づいて計算された球状粒子スペクトル510は、サイズおよび組成の変更を使用して最適化を可能にする単一の狭い一次ピークを有するため、提示の実施形態のうち最も集束されたスペクトルを有することができる。しかし、他の形状の粒子の組合せを利用して所望のフィルタスペクトルを作り出すことも可能である。いくつかの実施形態では、たとえば40nmの立方体のナノ粒子または40nmの八面体のナノ粒子を単に導入することによって、40nmの球状のナノ粒子フィルタの消光スペクトルを広くすることができる。たとえば、図5Bは、40nmの幅を有する立方体のAgナノ粒子に基づいて計算された立方体の粒子スペクトル520を示す。図5Cは、40nmの幅を有する四面体のAgナノ粒子に基づいて計算された四面体の粒子スペクトル530を示す。図5Dは、各辺に沿って40nmの幅を有する八面体のAgナノ粒子に基づいて計算された八面体の粒子スペクトル540を示す。他の実施形態では、たとえば三角形の板状ナノ粒子を導入することによって、より長い波長で二次的なピークを導入することができる。図5Eは、長い辺に沿った40nmの幅および5nmの厚さを有する三角形の板状Agナノ粒子に基づいて計算された三角形の粒子スペクトル550を示す。様々な粒子形状の使用は、ナノ粒子フィルタのスペクトルを調整するのに有益となることができる。図5Fは、軸方向の長さが様々な幅50nmのAgプリズムの消光スペクトルを示す。最も長い軸方向の長さは最も長い波長の消光スペクトル560をもたらし、中間の軸方向の長さは中間の波長の消光スペクトル562をもたらし、最も短い軸方向の長さは最も短い波長の消光スペクトル564をもたらす。
[0049]図5Gは、20nm、60nm、120nm、および240nmのAg粒子に対してミー散乱理論を使用して、球状粒子に対する模擬消光スペクトルを示す。球状のナノ粒子の直径を増大させるにつれて、スペクトル反応は赤方偏移し(より長い波長の方へ動き)、ピークは広くなり、より短い波長でより高次の共鳴モードがより顕著になりうる。粒子の寸法が光の波長と同等になるとき、LSPRのスペクトル位置は、静電理論によって予測される位置に対して赤方偏移しうる。光の入射波長の寸法により近い寸法を有する粒子は、球状粒子全体にわたって入射EM場が連続していないため、遅延場を経て、ナノ粒子の不均質な偏光をさらにもたらすことがある。ナノ粒子の不均質な偏光は、図5Gに見ることができるより高次の共振モード570の励起をもたらすことがある。したがって、直径約100nm未満の粒子を使用することが有益であり、さらに、直径約80nm未満のナノ粒子を使用することがより好ましい。
[0050]周囲のホスト材料もまた、ナノ粒子分散および関連する光学フィルタの消光スペクトルに影響を及ぼすことがある。たとえば、散乱係数は、ホスト材料の相対屈折率に比例することがある。消光スペクトルの位置は、ホスト材料の誘電率に少なくとも部分的に依存することがある。ナノ粒子が埋め込まれたホスト材料の屈折率が増大されると、LSPRのスペクトル位置は赤方偏移し、その結果、より狭くより大きい消光係数を得ることができうる。
[0051]一実施形態では、本発明によるフィルタは、狭い範囲内の光を吸収または反射してその範囲の波長のみを事実上遮断するナノ粒子を使用することができる。一実施形態では、ナノ粒子は、バルク透明ホスト材料中に分散させられうる。別の実施形態では、ナノ粒子は、基材上にコーティングとして付着される透明ホスト材料中に分散させられうる。基材も同様に透明とすることができる。たとえば、図6に示すように、ナノ粒子620は、ホスト材料610中に分散させられてもよく、または図7に示すように、ナノ粒子720は、基材750の表面上へ成膜させたコーティング710中に懸濁させられてもよい。
[0052]図6で、ナノ粒子620は、ホスト材料610中に懸濁させた状態で示されている。ホスト材料610は、普通なら可視スペクトルに対して透明である。したがって、ホスト材料610自体は、可視光をまったく減衰させることはなく、可視スペクトルの完全またはほぼ完全な透過を可能にする。したがって、ホスト材料610を通過しようとする光に対する唯一の影響は、ナノ粒子620によるものである。いくつかの実施形態では、ナノ粒子620は、ホスト材料610全体にわたって実質上均一に分散させることができる。他の実施形態では、ナノ粒子620は凝集し、その結果、分布が不均一になることがある。たとえば、Agナノ粒子は、溶液中で凝集し、ナノ粒子のクラスタを形成することがあり、ナノ粒子のクラスタは、事実上、より大きい粒子として作用してLSPR挙動に影響を及ぼす。ナノ粒子620は、ナノ粒子の凝集を制限するために、解凝集コーティングをその上に含むことができる。ナノ粒子620が分散された溶液はまた、解凝集剤を含むことができる。
[0053]同様に、図7に示すように、ホスト材料はコーティング710とすることができ、コーティング710は基材750とともに、可視スペクトルに対して実質上透明とすることができる。いずれの状況でも、ホスト材料610、コーティング710、基材750、または類似の構造は、透明とすることができ、または独立した光フィルタリングもしくは遮断特徴を有することができる。ナノ粒子720は、基材750へのナノ粒子720およびコーティング710の付着中にともに凝集することがあり、または別の形でクラスタ化することがある。ナノ粒子720のクラスタ化を制限し、または場合によって防止するために、コーティング710を薄い膜として適用してもよい。いくつかの実施形態では、薄い膜のコーティング710は、スピンコーティングによって基材750に適用されてもよい。スピンコーティングは、基材750の表面全体にわたってコーティング710およびナノ粒子720の均一の厚さの成膜を可能にする。他の実施形態では、コーティング710は、浸漬コーティングによって基材750に適用されてもよい。
[0054]スピンコーティングは、コーティング710の付着中に基材750を回転させることによって、薄い実質上均一のコーティング710を作製する。基材の回転は、流体のコーティング710(および懸濁させたナノ粒子720)を円形運動で動かすであろう。円形運動は、コーティング710および懸濁させたナノ粒子720に慣性を提供し、慣性は、コーティング710および懸濁させたナノ粒子720を回転軸から径方向に外向きに押す。外向きに印加される力(一般に「遠心力」として知られる)は、次式によって得ることができる。
=m×r×ω
上式で、Fは遠心力であり、mはコーティングの質量であり、rは回転軸からの距離であり、ωはラジアン毎秒単位の角速度である。コーティング710の厚さは、力の増大とともに減少し、したがって質量および角速度の2乗に対して減少するであろう。
[0055]浸漬コーティングは、懸濁させたナノ粒子720を含む溶液中に基材750を一定期間にわたって浸漬し、次いで溶液から基材750を抜き取ることによって、スピンコーティングより厚いコーティング710を作製することができる。コーティングの厚さは、浸漬の持続時間、基材750の抜き取り速度、および溶液の粘性に少なくとも部分的に依存するであろう。たとえば、溶液中の浸漬をより長くすることで、基材750上へ成膜されるコーティング710をより薄くすることが可能になる。コーティング710内のナノ粒子720の濃度は、浸漬時間がより長くなるにつれて増大するであろう。別の例では、抜き取り速度をより速くすることで、基材750上のコーティング710の厚さを減少させることができる。
[0056]図7Aに示すように、限定ではなく例として約70nmの主要寸法を有するAgナノ粒子を用いるとき、フィルタの総合透過率は、浸漬の持続時間が増大するにつれて増大する。コーティング710をより薄くすることで、透過すべき入射光の割合をより大きくすることが可能になる。図7Aは、PVAが溶解されたAgナノ粒子溶液中のスライドガラスの10秒、30秒、60秒、および120秒の浸漬の透過スペクトルを示す。溶液中に懸濁させたAgナノ粒子は、直径約70nmでありうる。他の実施形態では、ナノ粒子は、他の直径を有し、類似の挙動を呈するであろう。10秒浸漬の曲線760aは、フィルタを通る光の総合透過率をより低くするであろう。総合透過率は増大し、120秒浸漬の曲線760bは、より全体的な光を透過するであろう。
[0057]一実施形態では、従来のサングラス用レンズなどにおいて、光の透過を低減させるために神経刺激性波長を調節することが意図されるナノ粒子のコーティングを、材料、コーティング、または染料を含む基材の表面内またはその上に配置することが有益になり得る。そのような状況では、染料は、その神経刺激性波長を調節する特性とは独立して選択することができ、積層構造はやはり前述の神経学的利益を提供する。別の実施形態では、材料、コーティング、または基材材料は、光互変性の成分など、他の所望の添加物を含むことができる。たとえば、この結果、神経刺激性波長の最適の減衰を維持しながら可視スペクトルの一部または実質上すべてにわたってその透過特徴を変えることができる眼鏡向けのレンズを得ることができる。したがって、そのようなレンズは、屋内または屋外での使用に適している。
[0058]また、図6および7に、それぞれ懸濁させたナノ粒子620を有するホスト材料610およびナノ粒子720を有するコーティング710に対する、海面での日光を表すスペクトルによる入射光630、730、および模擬透過光640、740のグラフ600、700を示す。この例では、ナノ粒子は、480nmの範囲内の波長を散乱および/または吸収する。一実施形態では、光学ノッチフィルタは、480nmなどの標的波長および標的波長より前後約25nmの波長を減衰させることができ、標的波長は、約50nmの半値全幅(「FWHM」:full-width half-maximum)として測定される。別の実施形態では、ノッチフィルタは、約50nm〜約80nmのFWHMを有することができる。さらに別の実施形態では、ノッチフィルタは、約l00nm未満のFWHMを有することができる。480nmは、ipRCGから最大の反応を生成する波長であるが、分散させたナノ粒子は、590nmまたは620nmなどの他の波長の透過も同様に調節することができる。一実施形態では、ナノ粒子は、約80nm未満の主要寸法を有してもよい。別の実施形態では、ナノ粒子は、約72nm未満の主要寸法を有してもよい。さらに別の実施形態では、ナノ粒子は、約50nm未満の主要寸法を有してもよい。
[0059]図8を次に参照すると、外部シェル820を伴う内部コア810を有するコア−シェルナノ粒子800が示されている。図示のコア−シェルナノ粒子800は実質上球状であるが、他の実施形態では、コア−シェルナノ粒子は、円、長円、長方形、六角形、八角形、または他の多角形を含む横断面を有することができる。ナノ粒子のコアおよびシェルは、異なる組成を有することができる。いくつかの実施形態では、内部コア810は、金属、誘電体材料、および磁性材料からなる群から選択された1つまたは複数の材料を含むことができる。内部コア810は、貴金属、遷移金属、ポスト遷移金属、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を含みうる。貴金属は、銀、金、または白金でありうる。遷移金属は、銅、チタン、または亜鉛でありうる。ポスト遷移金属は、アルミニウムまたはガリウムでありうる。アルカリ金属は、ナトリウムまたはカリウムでありうる。アルカリ土類金属は、マグネシウムでありうる。内部コア810はまた、前述の金属の2つ以上の合金を含んでもよい。他の実施形態では、内部コア810は、SiO、TiO、Al、またはZnOを含む金属酸化物を含んでもよい。
[0060]同様に、前述の金属、誘電体材料、または磁性材料はいずれも、同様に外部シェル820向けの材料としても適している。いくつかの実施形態では、コアは、SiOを含むことができ、外部シェル820は、銀(Ag)を含むことができる。他の実施形態では、コア−シェルナノ粒子800は、SiOおよびAgを含み、SiOは内部コア810の材料であり、半径の約58%を占めてもよい。半径の残り42%は、Agの外部シェル820である。しかし、コア−シェルナノ粒子800は、スペクトル反応を調整するために、内部コア810と外部シェル820との間に他の比を有してもよい。さらに別の実施形態では、内部コア810は、16nmの厚さを有してもよい。またさらなる実施形態では、外部シェル820は、8nmの厚さを有してもよい。
[0061]球状のナノ粒子の消光スペクトルは、ミー散乱理論を使用して計算することができ、ミー散乱理論は、コア−シェルナノ粒子800の半径に部分的に依存する。したがって、図5Gに関連して説明したように、ナノ粒子の半径を使用して、ナノ粒子フィルタのスペクトル反応830を微調整することができる。いくつかの実施形態では、光学フィルタ内のナノ粒子の組成が一定であるものとして、フィルタの消光スペクトルは、ナノ粒子の平均半径がより大きくなるにつれてより長い波長の方へ偏移することができる。他の実施形態では、ナノ粒子の平均半径をより大きくすることで、光のより大きい部分を減衰させることができる。
[0062]図5Gとは対照的に、図8は、コア−シェルナノ粒子800のコアの半径を変えることの影響を示す。ノッチ位置はほとんどまたはまったく偏移しないが、ピーク位置付近で曲線の振幅および分布のみが偏移する。コア−シェルナノ粒子800内の材料の分布のそのような変化は、減衰される光の量を変えることによって、媒体の変更またはコア−シェルナノ粒子800のサイズの変更を必要とすることなく、ノッチフィルタの最適化を可能にすることができる。
[0063]さらに、材料中に懸濁させたナノ粒子の密度は、神経刺激性波長の所望の減衰速度を実現するように選択することができる。より高密度のナノ粒子がより速い減衰速度を提供するが、それはさらなる濃縮により粒子間の共鳴の結合がもたらされるまでにすぎないことを、当業者は理解するであろう。ナノ粒子の凝集を防止するために、ナノ粒子は、図6に関連して説明したように、ポリビニルピロリドンなどの凝集防止シェルまたはコーティングを含むことができる。
[0064]ナノ粒子は、ホスト媒体中に溶けた状態とすることができる。ホスト媒体は、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ソルゲル、または類似の媒体などのポリマー懸濁液とすることができる。一実施形態では、ホスト媒体中に溶けたナノ粒子の濃度は、重量体積比約15%である。別の実施形態では、ホスト媒体中に溶けたナノ粒子の濃度は、重量体積比約20%である。さらに別の実施形態では、ホスト媒体中に溶けたナノ粒子の濃度は、1立方センチメートル当たり約7.05×1010粒子である。さらなる実施形態では、ホスト媒体中に溶けたナノ粒子は、30,000〜100,000の分子量を有してもよい。
[0065]加えて、ナノ粒子が懸濁されるバルク材料またはコーティング材料に選択される媒体は、反応スペクトルを偏移させるであろう。図9を次に参照すると、半径920を有する単一の材料910を含むナノ球900が示されている。一実施形態では、ナノ球900は、上述のコア−シェルナノ粒子800の内部コア810内での使用に関して説明した材料の1つまたは複数を含むことができる。15nmのAgナノ球930aおよび25nmのAgナノ球930bのスペクトル反応は、ナノ球が懸濁されたバルク材料またはコーティング媒体の両方の屈折率に依存する。図9Aは、媒体屈折率が球状の30nmのAgナノ粒子の模擬スペクトル反応に与える影響を示す。媒体の屈折率が増大するにつれて、ノッチフィルタによって減衰される波長が長くなる。様々な実施形態では、媒体の屈折率は、約1.5未満、約1.5、または約1.5より大きいものとすることができる。先に論じたように、ナノ球の半径の増大は減衰の増大をもたらすが、スペクトル反応も偏移させる。しかし、媒体の屈折率の変更により、スペクトル反応を所望の波長、この場合は480nmの方へ後方偏移させることが可能である。
[0066]単一の半径910を有するナノ粒子900(すなわち、実質上均質のナノ粒子)は、様々な消光係数を呈することができる。一定の半径910を維持しながらナノ粒子900中の材料の合金化割合を変えることで、ノッチフィルタによって減衰される波長を偏移させることができる。たとえば、図9Bは、銀−アルミニウム合金金属(AgXXAlXX、ここでXXは組成の割合である)を含むナノ粒子の合金化割合の変動の影響を示すグラフである。各組成に対する消光係数は、合金中のアルミニウムの割合が増大するにつれて青方偏移しうる。たとえば、Ag90Al10の曲線950aは、約400nmで極大を有し、Ag50Al50の曲線950bは、約320nmで極大を有する。
[0067]これらの例は、高いQ値を達成し、単一の波長または狭い範囲の波長を減衰させるために、ナノ粒子の単一モードの分布を含む光学ノッチフィルタについてここまで説明されたものであることが理解されるであろう。しかし、光学ノッチフィルタの使用は、1つの波長に限られるものではなく、2つ以上の波長の選択的な減衰のために、異なる形状、組成、またはサイズのナノ粒子の使用が可能である。
[0068]これは、2つ以上の組成、形状、および/もしくはサイズを有するナノ粒子の均質の分散によって、または1つもしくは複数の特定の種のナノ粒子を有するコーティング材料の積層によって実現することができる。たとえば、図8の25nmのAgナノ球を有するフィルタを作製して、スペクトルの480nmの範囲内の光を減衰させることができるが、他のナノ粒子は、スペクトルの別の範囲内の光を減衰させるのに適当であり、これらの種はそれぞれ、均質に分散される。あるいは、480nmの範囲などの第1の範囲内の光を減衰させるのに適当な第1のコーティングを、眼鏡レンズの表面に適用することができ、次いで、第2の範囲内の光を減衰させるのに適当な第2のコーティングを、レンズの別の表面に適用することができ、または第1のコーティングの上に積層することができる。単独で適用するか、それとも組合せで適用するかにかかわらず、各コーティングは、約5μmより大きい厚さを有することができる。別の実施形態では、コーティングは、約6μmの厚さを有することができる。別の実施形態では、コーティングは、約11μmの厚さを有することができる。
[0069]コーティングの厚さおよびコーティング内のナノ粒子の分布は、コーティングの成膜方法によって制御することができる。一実施形態では、コーティングの付着は、スピンコーティングステップを含むことができる。別の実施形態では、コーティングの付着は、浸漬コーティングステップを含むことができる。さらに別の実施形態では、コーティングの付着は、解凝集ステップを含むことができ、解凝集ステップ自体は、超音波分散を含むことができる。
[0070]図10は、神経刺激性波長に対する露出に関連する症状を低減または軽減するための光学ノッチフィルタを作製する方法1000を示す。図示のように、この方法は、少なくとも、ホスト媒体を取得するステップ1010と、メラノプシン経路の活動電位スペクトルに対応する光をフィルタリングするナノ粒子をホスト媒体内に埋め込む、またはホスト媒体上に適用するステップ1020とを含む。この方法の追加のステップは、フィルタの所望の中心周波数を決定するステップ、フィルタの所望の半値全幅を決定するステップ、または複数のナノ粒子もしくはナノ粒子の組成物のサイズを変えるステップを含むことができる。加えて、製造プロセスは、ホスト媒体の組成を変えるステップを含むことができる。使用されるホスト媒体に応じて、製造方法は、任意選択で、ホスト媒体およびナノ粒子の溶液から気泡を除去するステップを含むことができる。
[0071]「a」、「an」、および「the」という冠詞は、前述の説明における要素が1つまたは複数存在することを意味することが意図される。「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、開放的であり、記載の要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味することが意図される。追加として、本開示の「一つの実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」への言及は、そこで説明されている特徴を同様に組み込むさらなる実施形態の存在を除外すると解釈されることが意図されるものではないことを理解されたい。本開示の実施形態によって包含される当技術分野の当業者には理解されるように、本明細書に記載の数、割合、比、または他の値は、その値を含み、また「およそ(about)」または「約(approximately)」当該値の範囲にある他の値も含むことが意図される。したがって、記載の値は、少なくとも所望の機能を実行しまたは所望の結果を実現するのに十分に記載の値に近い値を包含するのに十分に広範囲に解釈されるべきである。記載の値は、少なくとも、適した製造または作製プロセスにおいて予期される変動を含み、記載の値の5%の範囲内、1%の範囲内、0.1%の範囲内、または0.01%の範囲内の値を含むことができる。
[0072]本開示を考慮すると、同等の構造が本開示の精神および範囲から逸脱しないこと、ならびに本開示の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更、置換え、および改変を本明細書に開示する実施形態に加えることができることが、当業者には理解されよう。機能上の「ミーンズ・プラス・ファンクション」クレームを含む同等の構造は、同様に動作する構造上の均等物と同じ機能を提供する同等の構造との両方を含めて、記載の機能を実行するものとして本明細書に記載する構造を包含することが意図される。「手段(means for)」という単語が関連する機能とともに示されるクレームを除いて、いかなるクレームに対するミーンズ・プラス・ファンクションまたは他の機能上の主張も求めないことが、本出願人の明白な意図である。請求の範囲の意味および範囲内に入る実施形態に対する各追加、削除、および修正は、請求の範囲によって包含されるものとする。
[0073]本明細書では、「約(approximately)」、「およそ(about)」、および「実質上」という用語は、同様に所望の機能を実行する、または所望の結果を実現することができる、当該量に近接する量を表す。たとえば、「約(approximately)」、「およそ(about)」、および「実質上」という用語は、記載の量の5%未満の範囲内、1%未満の範囲内、0.1%未満の範囲内、および0.01%未満の範囲内の量を指すことができる。さらに、上記の説明におけるあらゆる方向または基準系は、単なる相対的な方向または運動であることを理解されたい。たとえば、「上(up)」および「下(down)」または「上(above)」または「下(below)」に対するあらゆる言及は、単に関係する要素の相対的な位置または運動を説明するものである。
[0074]本開示は、本開示の精神または特徴から逸脱することなく、他の特有の形態で実施することができる。記載の実施形態は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきである。したがって、本開示の範囲は、上記の説明ではなく添付の請求の範囲によって示される。請求の範囲の等価の意味および範囲内の変更は、請求の範囲内に包含されるものとする。
[形態1]
光透過性の基材と、
ホスト材料と、
前記ホスト材料中へ組み込まれ、コーティングとして前記基材に付着された複数のナノ粒子とを含み、前記複数のナノ粒子が120nm未満の平均主要寸法を有し、
前記基材、前記ホスト材料、および前記ナノ粒子が協働して、所定の中心波長を有する減衰スペクトルを提供し、前記減衰スペクトルが前記所定の中心波長付近で100nm未満の半値全幅を有する、
光学フィルタ。
[形態2]
前記ナノ粒子が、貴金属、遷移金属、ポスト遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属からなる群から選択された少なくとも1つの材料を含む、形態1に記載の光学フィルタ。
[形態3]
前記貴金属が、銀、金、および白金からなる群から選択される、形態2に記載の光学フィルタ。
[形態4]
前記ナノ粒子が、球状の形状である、形態1に記載の光学フィルタ。
[形態5]
前記複数のナノ粒子が、外部シェルおよび内部コアを有する少なくとも1つのコア−シェルナノ粒子を含む、形態1に記載の光学フィルタ。
[形態6]
前記コア−シェルナノ粒子の前記シェルが、8nmの厚さを有する、形態5に記載の光学フィルタ。
[形態7]
前記コア−シェルナノ粒子の前記内部コアが、金属酸化物から形成される、形態5に記載の光学フィルタ。
[形態8]
前記ホスト材料中に組み込まれた前記複数のナノ粒子の少なくとも1つが、30,000〜100,000の分子量を有する、形態1に記載の光学フィルタ。
[形態9]
前記複数のナノ粒子の少なくとも1つのナノ粒子が、ポリビニルピロリドンを含む凝集防止シェルを有する、形態1に記載の光学フィルタ。
[形態10]
前記ホスト材料が、ポリ酢酸ビニルを含む、形態1に記載の光学フィルタ。
[形態11]
前記ホスト材料が、1.5より大きい所定の屈折率を有する、形態1に記載の光学フィルタ。
[形態12]
前記コーティングが、5μmより大きい厚さを有する、形態1に記載の光学フィルタ。
[形態13]
光学ノッチフィルタを製造する方法であって、
前記フィルタの所望の中心波長を決定するステップと、
前記フィルタの所望の半値全幅を決定するステップと、
複数のナノ粒子のサイズ、前記ナノ粒子の組成、およびホスト媒体の組成を変化させることによって前記フィルタを製造するステップと
を含む方法。
[形態14]
前記ナノ粒子がホスト材料中へ組み込まれており、前記フィルタを製造するステップが前記ホスト材料中の前記ナノ粒子の濃度を変化させるステップをさらに含む、形態13に記載の方法。
[形態15]
前記フィルタを製造するステップが、スピンコーティングステップをさらに含む、形態13に記載の方法。
[形態16]
前記フィルタを製造するステップが、浸漬コーティングステップをさらに含む、形態13に記載の方法。
[形態17]
前記ナノ粒子が、内側コアおよび外側シェルを有するコア−シェルナノ粒子である、形態13に記載の方法。
[形態18]
前記ナノ粒子の前記サイズを変化させることによって前記フィルタを製造するステップが、前記コアおよび前記シェルの前記サイズを変化させるステップをさらに含む、形態17に記載の方法。
[形態19]
片頭痛、外傷性脳損傷に関連する光感受性、および眼瞼痙攣を含む羞明反応の頻度および/もしくは程度を低減させ、またはサーカディアンサイクルを調整する方法であって、 可視スペクトル全体にわたって光の量を受け取るステップと、
ホスト材料中に分散させた複数のナノ粒子を含む光学フィルタを前記光の経路に導入するステップと、
1.5より大きい性能示数が実現されるように、メラノプシン神経節細胞による吸収に関連する前記スペクトルの部分を減衰させるステップと
を含み、
前記性能示数が、メラノプシン経路の活動電位スペクトル全体にわたって加重された光の減衰と、視覚スペクトル反応全体にわたって加重された光の減衰との比として定義される、方法。
[形態20]
前記複数のナノ粒子が、前記スペクトルのうちメラノプシン神経節細胞による吸収に関連する前記部分に露出されたときに、局在表面プラズモン共鳴を呈する、形態19に記載の方法。

Claims (20)

  1. 光透過性の基材と、
    ホスト材料と、
    前記ホスト材料中へ組み込まれ、コーティングとして前記基材に付着された複数のナノ粒子とを含み、前記複数のナノ粒子が120nm未満の平均主要寸法を有し、
    前記基材、前記ホスト材料、および前記ナノ粒子が協働して、480nm、590nm、又は620nmの所定の中心波長を有する減衰スペクトルを提供し、前記減衰スペクトルが前記所定の中心波長付近で100nm未満の半値全幅を有する、
    光学フィルタ。
  2. 前記ナノ粒子が、貴金属、遷移金属、ポスト遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属からなる群から選択された少なくとも1つの材料を含む、請求項1に記載の光学フィルタ。
  3. 前記貴金属が、銀、金、および白金からなる群から選択される、請求項2に記載の光学フィルタ。
  4. 前記ナノ粒子が、球状の形状である、請求項1に記載の光学フィルタ。
  5. 前記複数のナノ粒子が、外部シェルおよび内部コアを有する少なくとも1つのコア−シェルナノ粒子を含む、請求項1に記載の光学フィルタ。
  6. 前記コア−シェルナノ粒子の前記シェルが、8nmの厚さを有するか、または
    前記コア−シェルナノ粒子の前記内部コアが、金属酸化物から形成される、
    請求項5に記載の光学フィルタ。
  7. 前記ホスト材料の媒体中に溶けた前記ナノ粒子の濃度は、重量体積比で15%から20%である請求項1に記載の光学フィルタ。
  8. 前記ホスト材料中に組み込まれた前記複数のナノ粒子の少なくとも1つが、30,000〜100,000の分子量を有する、請求項1に記載の光学フィルタ。
  9. 前記複数のナノ粒子の少なくとも1つのナノ粒子が、ポリビニルピロリドンを含む凝集防止シェルを有する、請求項1に記載の光学フィルタ。
  10. 前記ホスト材料が、ポリ酢酸ビニルを含む、請求項1に記載の光学フィルタ。
  11. 前記ホスト材料が、1.5より大きい所定の屈折率を有する、請求項1に記載の光学フィルタ。
  12. 前記コーティングが、5μmより大きい厚さを有する、請求項1に記載の光学フィルタ。
  13. 光学ノッチフィルタを製造する方法であって、
    前記フィルタの所望の中心波長を決定するステップであり、前記所望の中心波長は480nm、590nm、又は620nmから選択される前記ステップと、
    前記所望の中心波長付近で50nm超かつ100nm未満の前記フィルタの所望の半値全幅を決定するステップと、
    前記フィルタが、前記所望の中心波長と、前記所望の中心波長付近の50nm超かつ100nm未満の前記所望の半値全幅とを持つように、複数のナノ粒子のサイズ、前記ナノ粒子の組成、およびホスト媒体の組成を変化させることによって前記フィルタを製造するステップと
    を含む方法。
  14. 前記ナノ粒子がホスト材料中へ組み込まれており、前記フィルタを製造するステップが前記ホスト材料中の前記ナノ粒子の濃度を変化させるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記フィルタを製造するステップが、スピンコーティングステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  16. 前記フィルタを製造するステップが、浸漬コーティングステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  17. 前記ナノ粒子が、内側コアおよび外側シェルを有するコア−シェルナノ粒子である、請求項13に記載の方法。
  18. 前記ナノ粒子の前記サイズを変化させることによって前記フィルタを製造するステップが、前記コアおよび前記シェルの前記サイズを変化させるステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 所定の波長範囲を有する光を減衰する方法であって、
    可視スペクトル全体にわたって光の量を受け取るステップと、
    ホスト材料中に分散させた複数のナノ粒子を含む光学フィルタを前記光の経路に導入するステップであり、前記光学フィルタの前記減衰スペクトルが、480nm、590nm、又は620nmの中心波長を有する光に対して、100nm未満の半値全幅を有するステップと、
    1.5より大きい性能示数が実現されるように、前記所定の波長範囲内の前記スペクトルの部分を減衰させるステップと
    を含み、
    前記性能示数が、
    Figure 0006659538
    により決定され、
    式中、Dmelan(T=1)が、光学フィルタがない場合の480nm、590nm、又は620nmの中心波長を有する光の前記所定の波長範囲内のスペクトル全体にわたって加重された光量であり、Dmelanが、480nm、590nm、又は620nmの中心波長を有するフィルタ後の光の前記所定の波長範囲内のスペクトル全体にわたって加重された光量であり、前記加重は、光学フィルタのスペクトル透過率T(λ)及びメラノプシンの正規化された活動電位反応スペクトルM(λ)を、光スペクトルL(λ)に乗算して波長λで積分することにより実施され、
    Dvis(T=1)が、光学フィルタがない場合の視覚スペクトル反応全体にわたって加重された光の光量であり、Dvisが、視覚スペクトル反応全体にわたって加重されたフィルタ後の光の光量であり、前記加重は、光学フィルタのスペクトル透過率T(λ)及び正規化された視覚反応スペクトルV(λ)を、光スペクトルL(λ)に乗算して波長λで積分することにより実施される、方法。
  20. 前記複数のナノ粒子が、前記所定の波長範囲内の光の前記スペクトルの前記部分に露出されたときに、局在表面プラズモン共鳴を呈する、請求項19に記載の方法。
JP2016530941A 2013-11-15 2014-11-15 ナノ粒子光フィルタリング方法および装置 Active JP6659538B2 (ja)

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