[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図10を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。また、図8は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図10はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ機1の外枠2は、図9及び図10等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面右下隅に取付けられており遊技球を遊技盤5の遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット300と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面下部に取付けられている皿ユニット320と、皿ユニット320の中央に取付けられており遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて遊技者に参加型の演出を提示することが可能な演出操作ユニット400と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット530と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット550と、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも上側の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット570と、を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット320における上皿321での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861及び満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音用のスピーカ921を有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
パチンコ機1の遊技盤5は、図9及び図10等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する外レール1001及び内レール1002を有した前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1100と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、上皿321に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドル302を回転操作すると、球発射装置680によってハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿321に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿321内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図11乃至図16を参照して説明する。図11はパチンコ機における外枠の正面図であり、図12は外枠の右側面図である。また、図13は外枠を前から見た斜視図であり、図14は外枠を後ろから見た斜視図である。図15は、外枠を分解して前から見た分解斜視図である。図16(a)は外枠における外枠側上ヒンジ部材の部位を、左枠部材を省略して下側から見た斜視図であり、(b)は(a)を分解して示す分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。
外枠2は、図示するように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。また、外枠2は、上枠部材10及び下枠部材20の左右両端面と、左枠部材30及び右枠部材40の左右方向の外側を向いた側面とが、同一面となるように組立てられている。
また、外枠2は、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、外枠側上ヒンジ部材60の下面に取付けられているロック部材66と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、幕板部材50の後側に取付けられていると共に両端が左枠部材30及び右枠部材40に夫々取付けられる幕板補強部材80と、幕板部材50の上面における左右中央から左寄りの位置に取付けられている平板状の左滑り部材81と、幕板部材50の上面における右端付近の位置に取付けられている平板状の右滑り部材82と、を備えている。幕板補強部材80は、中実の部材(例えば、木材、合板、等)によって形成されており、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40に、取付けられている。
更に、外枠2は、上枠部材10と左枠部材30、上枠部材10と右枠部材40、下枠部材20と左枠部材30、及び下枠部材20と右枠部材40を、夫々連結している連結部材85を備えている。また、外枠2は、右枠部材40の内側(左側面側)に取付けられており後述する施錠ユニット700の外枠用鉤703が係止される上鉤掛部材90及び下鉤掛部材91を、備えている。
[2−1.上枠部材]
外枠2の上枠部材10は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この上枠部材10は、左右両端における前後方向の中央に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部11を備えている。この係合切欠部11内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87が取付けられる。また、上枠部材10は、正面視左側端部の上面と前面に、一般面よりも窪んだ取付段部12を備えている。この取付段部12には、外枠側上ヒンジ部材60が取付けられる。
[2−2.下枠部材]
外枠2の下枠部材20は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この下枠部材20は、左右の長さ及び上下の厚さが、上枠部材10の左右の長さ及び上下の厚さと同じ寸法に形成されていると共に、前後の幅が、上枠部材10の前後の幅よりも長く形成されている。下枠部材20は、左右両端における前後方向の中央よりも後側寄りの位置に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部21を備えている。この係合切欠部21内には、連結部材85の後述する左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88が取付けられる。
また、下枠部材20は、左右両端の前面から後方へ窪んだ前端切欠部22を備えている。下枠部材20において、前端切欠部22の後端から下枠部材20の後面までの前後方向の幅が、上枠部材10の前後方向の幅と同じ寸法に形成されている。この下枠部材20は、外枠2に組立てた状態で、左右の前端切欠部22同士の間の部位が、幕板部材50内に挿入される。
[2−3.左枠部材及び右枠部材]
外枠2の左枠部材30及び右枠部材40は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金等の金属の押出形材によって形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、平面視において互いに対称の形状に形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、外枠2として組立てた時に、左右方向の外側となる側面において、前後方向中央に対して後寄りの位置から後端付近までの間に、内側へ窪んだ凹部31,41と、凹部31,41の反対側の側面から膨出しており内部が空洞に形成されている突出部32,42と、を備えている。この左枠部材30及び右枠部材40は、突出部32,42によって、強度・剛性が高められている。また、突出部32,42内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88が挿入されて取付けられる。
また、左枠部材30及び右枠部材40は、表面に上下に延びた複数の溝が形成されている。この複数の溝によって、パチンコ機1を遊技ホール等の島設備に設置したり運搬したりする等の際に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を持ち易くすることができると共に、パチンコ機1の外観の意匠性を高めることとができる。
[2−4.幕板部材]
外枠2の幕板部材50は、後側が開放された箱状に形成されている。幕板部材50は、上面における正面視左端付近に後方へ平板状に延出している後方延出部51と、後方延出部51の左端から遊技球が通過可能な大きさでU字状に切欠かれており上下に貫通している左排出孔52と、後方延出部51における左排出孔52の右側において遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している右排出孔53と、後方延出部51の後端を含む幕板部材50の上面の後端から上方へ平板状に延出している立壁部54と、立壁部54の上端付近から前方へ膨出しており前面が上方へ向かうに従って後方へ向かうように傾斜している返し部55と、を備えている。
幕板部材50は、後方延出部51の前側の上面と、後方延出部51の上面とに、外枠側下ヒンジ部材70が載置されるように、外枠側下ヒンジ部材70の後述する水平部71が取付けられる。また、幕板部材50の左排出孔52は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材70の後述する排出孔74と一致する位置に形成されている。また、右排出孔53は、外枠に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材70よりも右側となる位置に形成されている。右排出孔53は、左排出孔52よりも大きく形成されている。
また、幕板部材50は、後方延出部51よりも右側の上面が、前端側が低くなるように傾斜している。また、幕板部材50は、上面における後方延出部51よりも右側の部位に左滑り部材81を取付けるための左取付部56と、上面における右端付近に右滑り部材82を取付けるための右取付部57と、を備えている。幕板部材50は、上面に、左滑り部材81及び右滑り部材82を介して本体枠4の下面が載置される。
この幕板部材50は、図示するように、前面に浅いレリーフ状の装飾が形成されている。また、幕板部材50は、図示は省略するが、箱状の内部が複数のリブによって格子状に仕切られており、強度・剛性が高められている。また、幕板部材50は、幕板補強部材80の前側半分を、内部に収容可能に形成されている。
[2−5.外枠側上ヒンジ部材]
外枠2の外枠側上ヒンジ部材60は、図示するように、水平に延びた平板状で外形が四角形の上固定部61と、上固定部61の前端から前方へ延出している平板状の前方延出部62と、前方延出部62の右端から前方へ向かうに従って前方延出部62の左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝63と、上固定部61の平面視左辺から下方へ延びている平板状の横固定部64と、前方延出部62の左端から前端を周って軸受溝63が開口している部位までの端辺から下方へ延びており横固定部64と連続している平板状の垂下部65と、を備えている(図16(b)等を参照)。
外枠側上ヒンジ部材60は、外枠2が組立てられた状態で、上固定部61が、上枠部材10の取付段部12の上面に載置されており、図示しないビスによって固定されている。また、前方延出部62は、上枠部材10の前端よりも前方へ延出している。また、横固定部64は、左枠部材30の外側側面の凹部31内に上側から挿入された状態で、ビスによって左枠部材30に固定されている。
この外枠側上ヒンジ部材60は、軸受溝63内に本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入させることで、外枠側下ヒンジ部材70と協働して本体枠4を開閉可能に支持することができる。この外枠側上ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
[2−6.ロック部材]
外枠2のロック部材66は、図16に示すように、左右が所定幅で前後に延びている帯板状のロック本体66aと、ロック本体66aの後端から右方へ突出している操作部66bと、ロック本体66aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部66cと、ロック本体66aの後端付近で上下に貫通している取付孔66dと、を備えている。このロック部材66は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材66は、取付ビス67によって、外枠側上ヒンジ部材60における前方延出部62の下面に回動可能に取付けられる。
このロック部材66は、取付孔66dを通して、ロック本体66aの後端が、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62における軸受溝63よりも後側の位置に取付けられる。また、ロック部材66を外枠側上ヒンジ部材60に取付けた状態では、ロック本体66aが、平面視で軸受溝63を遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠側上ヒンジ部材60の垂下部65における軸受溝63の開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている(図18を参照)。
また、ロック本体66aの後端から左方へ延びている弾性部66cの先端は、外枠側上ヒンジ部材60における垂下部65の内周面に当接している。このロック部材66は、弾性部66cの付勢力によって取付孔66dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材66のロック本体66aの前端付近の右側面が、垂下部65に当接している(図18を参照)。この状態では、軸受溝63におけるロック本体66aよりも前側の部位に、本体枠側上ヒンジ部材620の後述する本体枠上ヒンジピン622を収容可能な空間が形成される。
このロック部材66は、操作部66bを操作することで、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aを回動させることができる。そして、操作部66bの操作によって、ロック本体66aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝63からロック本体66aを後退させることができ、軸受溝63が全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入したり、軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を外したりすることができる。
[2−7.外枠側下ヒンジ部材]
外枠2の外枠側下ヒンジ部材70は、図示するように、水平に延びている平板状の水平部71と、水平部71の左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上がっている平板状の立上り部72と、水平部71の前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン73と、水平部71を上下に貫通しており遊技球が一つのみ通過可能な大きさの排出孔74と、を備えている。この外枠側下ヒンジ部材70は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン73は、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン73は、水平部71の前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔74は、水平部71において、立上り部72の前後方向中央の部位と接し、水平部71の左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔74は、幕板部材50の左排出孔52と、略同じ大きさに形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70は、外枠2が組立てられた状態では、水平部71が、幕板部材50の左端付近の上面と後方延出部51上に載置されており、水平部71が、幕板部材50の上面を貫通する図示しないビスによって幕板補強部材80に固定されている。また、外枠2が組立てられた状態では、立上り部72が、左枠部材30の内側側面における突出部32よりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠側下ヒンジ部材70は、外枠下ヒンジピン73を、本体枠4の本体枠側下ヒンジ部材640における本体枠用下ヒンジ孔(図示は省略)に挿通させることで、外枠側上ヒンジ部材60と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2が組立てられた状態では、排出孔74が、幕板部材50の左排出孔52と一致している。これにより、水平部71上の遊技球を、排出孔74及び左排出孔52を通して、幕板部材50の後側へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球が、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔74から排出させることができる。この際に、排出孔74が、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球を、排出孔74から排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位に遊技球が留まり難くすることができる。
[2−8.連結部材]
外枠2の連結部材85は、上枠部材10と左枠部材30とを連結する左上連結部材85Aと、上枠部材10と右枠部材40とを連結する右上連結部材85Bと、下枠部材20と左枠部材30とを連結する左下連結部材85Cと、下枠部材20と右枠部材40とを連結する右下連結部材85Dと、がある。
連結部材85は、水平に延びた平板状の水平固定部86と、水平固定部86の左右側辺の何れか一方から上方へ延出している平板状の上横固定部87と、水平固定部86における上横固定部87が延出している部位と同じ側から下方へ延出している平板状の下横固定部88と、を備えている。この連結部材85は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、水平固定部86の前後方向の中央から上横固定部87が上方へ延出していると共に、上横固定部87の前後両側から下横固定部88が下方へ延出している。つまり、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、下横固定部88が前後に離間して二つ備えられている。左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの水平固定部86は、上枠部材10の下面に当接した状態で上枠部材10に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87は、上枠部材10の係合切欠部11内に挿入されて、上枠部材10の左右方向の端部に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの前側の下横固定部88は、左枠部材30又は右枠部材40突出部32,42よりも前側の内側側面に固定される。更に、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88は、左枠部材30又は右枠部材40突出部32,42内に挿入されて外側側面から捩じ込まれるビスにより左枠部材30又は右枠部材40に固定される。
左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端が、水平固定部86の後端よりも後方へ突出していると共に、上横固定部87の水平固定部86よりも後方へ突出している部位の下端から下横固定部88が水平固定部86よりも下方へ延出している。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端から水平固定部86と同じ側へ突出している屈曲部89を更に備えている。左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの水平固定部86は、下枠部材20の上面に当接した状態で固定される。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの上横固定部87は、左枠部材30又は右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に固定される。更に、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88は、下枠部材20の係合切欠部21内に挿入されて下枠部材20の左右方向の端部面に固定される。
[2−9.外枠側上ヒンジ部材のロック機構]
次に、本実施形態のパチンコ機1の外枠2において、外枠側上ヒンジ部材60におけるロック部材66による本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620に対するロック機構について、図17及び図18を参照して説明する。図17(a)は外枠の外枠側上ヒンジ部材に対して本体枠の本体枠側上ヒンジ部材が取外されている状態を拡大して示す斜視図であり、(b)は外側上ヒンジ部材に本体側上ヒンジ部材が取付けられている状態を拡大して示す斜視図である。図18は、外枠におけるロック部材の作用を示す説明図である。
外枠2におけるロック部材66は、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62に取付けた状態(通常の状態)では、弾性部66cの先端が垂下部65の内周面と当接しており、ロック本体66aがく字状に屈曲した軸受溝63の一部を閉塞するようになっていると共に、ロック本体66aの先端部分が、軸受溝63の最深部分を閉塞した状態とはならず、軸受溝63の最深部分に本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本実施形態における外枠側上ヒンジ部材60とロック部材66とを用いた本体枠上ヒンジピン622の支持機構は、本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の最深部分に挿入されてロック本体66aの前端の右側面が、右側の垂下部65と接近している状態(この状態ではロック本体66aの前端の右側面と右側の垂下部65との間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲している軸受溝63の最深部分に位置する本体枠上ヒンジピン622とロック本体66aの前端面との夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。
そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠4を軸支している本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の前端部分に当接した状態となっているので、本体枠上ヒンジピン622からロック部材66の前端面への負荷がほとんどかかっていない。つまり、ロック部材66の弾性部66cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ロック本体66aの前端面が円弧状に形成されているため、ロック部材66を回動させるために操作部66bを回動操作した時に、ロック部材66がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、ロック本体66aの前端面の円弧中心が、取付孔66dの中心(ロック部材66の回転中心)とされている。
従って、本体枠上ヒンジピン622がく字状に形成された軸受溝63の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって、ロック本体66aの円弧状の前端面に当接したとき、その作用力Fを、本体枠上ヒンジピン622と円弧状の前端面との当接部分に作用する分力F1(ロック本体66aの前端面の円弧の法線方向)と、本体枠上ヒンジピン622と軸受溝63の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向が取付孔66d(取付ビス67)の中心(ロック部材66の回転中心)を向くため、ロック部材66のロック本体66aの前端が、右側の垂下部65から離れる方向に回転させるモーメントが働かず、本体枠上ヒンジピン622がロック部材66のロック本体66aの前端部と軸受溝63の一側内面との間に挟持された状態が保持される。
このため、通常の軸支状態、或は、本体枠上ヒンジピン622の作用力がロック部材66にかかった状態でも、ロック部材66の弾性部66cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性部66cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って本体枠上ヒンジピン622の軸受溝63からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材66のロック本体66aの前端部が右方へ移動する方向へ回転させられても、ロック本体66aの前端右側面が垂下部65に当接してそれ以上回転しないので、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ないようになっている。
なお、ロック本体66aの前端面の形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材66をその前端部が前方延出部62の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材66の回転中心(取付ビス67により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材66の弾性部66cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材66が回転してもロック本体66aの前端の右側面が垂下部65に当接するだけであるため、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ることもない。
外枠側上ヒンジ部材60の軸受溝63に、本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を支持させる場合は、軸受溝63の開放されている側から軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入する。軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入すると、ロック部材66のロック本体66aの右側面に本体枠上ヒンジピン622が当接し、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66が取付ビス67を中心に回動する。これにより、軸受溝63を閉鎖していたロック本体66aが後退して軸受溝63が開放され、軸受溝63の最深部(前端)へ本体枠上ヒンジピン622を移動させることができるようになる。
そして、軸受溝63の最深部に本体枠上ヒンジピン622を移動させると、本体枠上ヒンジピン622とロック部材66のロック本体66aとの当接が解除され、弾性部66cの付勢力によってロック本体66aの前端が右方へ移動するようにロック部材66が回動し、ロック部材66が通常の状態に復帰する。これにより、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63内におけるロック本体66aの前端よりも前側の空間に収容された状態となり、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63の最深部において回動可能な状態で保持(ロック)された状態となる。
軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を取外す場合は、ロック部材66の操作部66bを操作して、ロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66を回動させ、弾性部66cの付勢力に抗して軸受溝63からロック本体66aを後退させる。これにより、軸受溝63の最深部と開口部とが連通した状態となり、軸受溝63から本体枠上ヒンジピン622を取外すことができる。
[2−10.外枠側下ヒンジ部材の部位における防犯機構と球噛み防止機構]
本実施形態のパチンコ機1における外枠2の外枠側下ヒンジ部材70の部位における防犯機構と外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを防止するための球噛み防止機構について説明する。
外枠2は、組立てた状態では、幕板部材50の上面における正面視左端部に外枠側下ヒンジ部材70が取付けられている。外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、幕板部材50の上面の左端付近と後方延出部51の上面とに載置された状態で取付けられている。この幕板部材50には、上面の後端から上方へ立上がっている立壁部54を備えている。これにより、外枠側下ヒンジ部材70と本体枠側下ヒンジ部材640との間の隙間を通して、本体枠4(パチンコ機1)の後側へピアノ線等の不正な工具を侵入させようとしても、不正な工具の先端が幕板部材50の上面の後端から上方へ延出している立壁部54に当接するため、不正な工具がこれ以上後側へ挿入されるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを防止することができる。
また、立壁部54の上端に、前方へ延出している返し部55を備えているため、立壁部54に当接した不正な工具が上方へ曲がった場合、返し部55によって不正な工具の先端を更に前方へ折返させることができるため、本体枠4の後側に不正な工具が侵入させられるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを確実に阻止することができる。
ところで、幕板部材50の上面の後端に上方へ延出している立壁部54を備えるようにした場合、外枠2に対して本体枠4を開いている状態で、遊技球が外枠側下ヒンジ部材70(水平部71)上に落下した場合、水平部71上の遊技球が、立壁部54の存在によって水平部71の後端から後方へ排出されないため、外枠2と本体枠4との間に挟まれてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71と、幕板部材50の後方延出部51とに、遊技球が通過可能な排出孔74、左排出孔52、及び右排出孔53を備えているため、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71上の遊技球を、排出孔74等から下方へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを低減させることができる。
従って、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれることで、外枠側下ヒンジ部材70の周りが破損したり、本体枠4が正常な状態で閉まらずに外枠2と本体枠4との間に隙間ができてしまい、その隙間を使って不正行為が行われてしまったりするのを防止することができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、図19乃至図30を参照して説明する。図19はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図20は扉枠の右側面図であり、図21は扉枠の左側面図であり、図22は扉枠の背面図である。図23は扉枠を右前から見た斜視図であり、図24は扉枠を左前から見た斜視図であり、図25は扉枠を後ろから見た斜視図である。図26は図19におけるA−A線で切断した断面図であり、図27は図19におけるB−B線で切断した断面図であり、図28は図19におけるC−C線で切断した断面図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、図29及び図30等に示すように、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット300と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット320と、皿ユニット320の中央に取付けられている演出操作ユニット400と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット530と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット550と、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット570と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、詳細は後述するが、正面視の外形が上下に延びた長方形(四角形)で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット190と、ガラスユニット190の後面下部を覆う防犯カバー200と、扉枠ベース110の後面に扉枠ベース110を貫通して前方に突出するように取付けられ開閉可能とされている扉枠3と本体枠4、及び本体枠4と外枠2との間を施錠するための開閉シリンダユニット210と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ遊技球を球発射装置680に送るための球送りユニット250と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ球発射装置680により発射されて遊技領域5a内に到達しなかった遊技球を受けて下皿322へ排出させるファールカバーユニット270と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット300は、詳細は後述するが、回転可能なハンドル302を遊技者が回転操作することで、上皿321内に貯留されている遊技球を、ハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
扉枠3の皿ユニット320は、詳細は後述するが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面において貫通口111の下側の部位に取付けられ、前面が前方へ膨出していると共に、左右方向中央の前端に演出操作ユニット400が取付けられる。皿ユニット320は、遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿321と、上皿321の下側に配置されており上皿321やファールカバーユニット270から供給される遊技球を貯留可能な下皿322と、上皿321に貯留されている遊技球を下皿322へ抜くための上皿球抜きボタン327と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残金の範囲内で遊技者に遊技球を貸し出すための球貸ボタン328と、球貸機から貸出された遊技球の分を差し引いた現金やプリペイドカードを返却させるための返却ボタン329と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数等を表示する球貸返却表示部330と、演出提示時に遊技者の操作が受付可能とされている演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332と、下皿322内の遊技球を皿ユニット320の下方へ排出するための下皿球抜きボタン333と、を備えている。
扉枠3の演出操作ユニット400は、皿ユニット320の正面視左右方向中央の前部に取付けられるものであり、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。この演出操作ユニット400は、詳細は後述するが、遊技者が操作可能な大型の操作ボタン410と、操作ボタン410内に遊技者側から視認可能に配置され演出画像を表示可能な扉枠側演出表示装置460と、を備えている。
扉枠3の扉枠左サイドユニット530は、詳細な内容は後述するが、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の左外側を装飾するものである。扉枠左サイドユニット530は、発光装飾可能な左ユニット装飾レンズ部材(図示は省略)を備えている。
扉枠3の扉枠右サイドユニット550は、詳細な内容は後述するが、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の右外側を装飾するものである。この扉枠右サイドユニット550は、扉枠左サイドユニット530よりも前方へ大きく突出している左右両面側に備えられている右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557と、前端に備えられている右ユニット装飾レンズ部材561と、を備えている。扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左装飾部材554、右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561を発光装飾させることができる。
扉枠3の扉枠トップユニット570は、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側に取付けられ、扉枠3の上部を装飾するものである。扉枠トップユニット570は、詳細な内容は後述するが、左右に離間した一対の上部スピーカ573と、前面中央で前方へ突出しているトップ中装飾部材576と、トップ中装飾部材576の左右両側を装飾しているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580と、を備えている。扉枠トップユニット570は、トップ中装飾部材576、トップ左装飾レンズ部材579、及びトップ右装飾レンズ部材580を発光装飾させることができる。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠における扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4の前面を閉鎖するように本体枠4に対して開閉可能(ヒンジ回転可能)に取付けられるものである。扉枠ベースユニット100は、前面下隅にハンドルユニット300が、貫通口111の下側前面に演出操作ユニット400が取付けられる皿ユニット320が、貫通口111の左外側前面に扉枠左サイドユニット530が、貫通口111の右外側前面に扉枠右サイドユニット550が、貫通口111の上外側前面に扉枠トップユニット570が、夫々取付けられるものである。
扉枠ベースユニット100は、図32及び図33に等に示すように、正面視の外形が上下に延びた長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており扉枠ベース110から前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視左側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板160と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット190を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材170と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット300を取付けるための筒状のハンドル取付部材180と、扉枠ベース110の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット190と、ガラスユニット190の後面下部を覆う防犯カバー200と、扉枠ベース110の後面に扉枠ベース110を貫通して前方に突出するように取付けられる開閉シリンダユニット210と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられる球送りユニット250と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられるファールカバーユニット270と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、図示は省略するが、扉枠3に備えられている各種の装飾基板、球送ソレノイド255、ハンドル回転検知センサ307、ハンドルタッチセンサ310、単発ボタン操作センサ312、球貸ボタン328、返却ボタン329、球貸返却表示部330、演出選択左ボタン331、演出選択右ボタン332、振動モータ424、押圧検知センサ440、扉枠側演出表示装置460(液晶表示装置461)、上部スピーカ573、等と、本体枠4における基板ユニット900の扉枠用中継基板911との接続を中継するための扉本体中継基板を備えている。
[3−1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース110は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース110は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された貫通口111を備えている。貫通口111は、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース110の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース110の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。従って、扉枠ベース110は、前後に貫通している貫通口111により全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース110は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース110は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面112と、ハンドル取付座面112と貫通口111との間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み開閉シリンダユニット210のシリンダ取付板金213が取付けられるシリンダ取付部113と、シリンダ取付部113において前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通孔114と、シリンダ挿通孔114及びハンドル取付座面112の正面視左側で前後に貫通しており球送りユニット250の進入口251a及び球抜口251bを前方に臨ませるための球送り開口115と、を備えている。
また、扉枠ベース110は、扉枠ベース110の左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面112と略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット270の球放出口276を前方に臨ませる下皿用通過口116と、扉枠ベース110の正面視左端付近で貫通口111の下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット270の貫通球通路273を前方に臨ませる上皿用通過口117と、貫通口111の内周に沿って後面から前方へ向かって窪みガラスユニット190のガラス枠191が挿入されるガラスユニット取付部118と、扉枠ベース110の左右両上隅において前後に貫通しており扉枠トップユニット570の上部スピーカ573の後端が挿通されるスピーカ挿通口119と、を備えている。
[3−1b.補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の補強ユニット130について、図31及び図33等を参照して詳細に説明する。補強ユニット130は、扉枠ベース110の後側に取付けられることで扉枠ベース110を補強して、扉枠ベース(扉枠3)の強度剛性を高めている。補強ユニット130は、扉枠ベース110の後面における上辺に沿って取付けられる左右に延びた上補強板金131と、扉枠ベース110の後面における貫通口111の下側に取付けられる左右に延びた中補強板金132と、扉枠ベース110の後面における正面視左辺に沿って取付けられる上下に延びた左補強板金133と、扉枠ベース110の後面における正面視右辺に沿って取付けられる上下に延びた右補強板金134と、右補強板金134の後面に取付けられており施錠ユニット700の扉枠用鉤702が係止される施錠係止部135と、を備えている。
補強ユニット130は、上補強板金131の左右両端が左補強板金133及び右補強板金134の夫々の上端にビスによって連結固定されており、中補強板金132の左端が左補強板金133にビスによって連結固定されている。中補強板金132の右端は、後述する開閉シリンダユニット210のシリンダ取付板金213を介して右補強板金134に連結固定されている。従って、補強ユニット130は、上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、及び右補強板金134によって、枠状に形成されている。
補強ユニット130の上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、右補強板金134、及び施錠係止部135は、夫々金属板を適宜屈曲させて形成されている。中補強板金132は、扉枠ベース110の上皿用通過口117と対応する位置に、前後に貫通した切欠部132aが形成されている。
補強ユニット130は、詳細な図示は省略するが、各上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、及び右補強板金134において、夫々前後方向に屈曲された部位を有しており、その部位によって、強度剛性が高められていると共に、外部からのピアノ線やマイナスドライバー等の不正な工具の侵入を防止している。
[3−1c.扉枠側上ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠側上ヒンジ部材140について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠ベース110に取付けられ上下に離間している一対の突出片141aを有した扉枠上ヒンジ軸ブラケット141と、扉枠上ヒンジ軸ブラケット141の一対の突出片141aを貫通しており、上端が本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に挿入される円柱状の扉枠上ヒンジピン142と、扉枠上ヒンジピン142における一対の突出片141aの間の位置に取付けられている円盤状の鍔部材143と、鍔部材143と一対の突出片141aのうちの下側の突出片141aとの間に介装されていると共に扉枠上ヒンジピン142が挿通されており、扉枠上ヒンジピン142を上方へ付勢しているロックバネ144と、を備えている。
扉枠上ヒンジ軸ブラケット141は、図示は省略するが一対の突出片141aの後端同士を連結している平板状の取付片を有しており、側面視の形状が前方へ開放されたコ字状に形成されている。扉枠上ヒンジ軸ブラケット141は、一対の突出片141a同士を連結している取付片が、ビスによって扉枠ベース110の後面に取付けられている。
扉枠上ヒンジピン142は、上側の突出片141aよりも上方に突出している部位(上端)が、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に対して回転可能に挿入される。また、扉枠上ヒンジピン142は、図示は省略するが、下側の突出片141aよりも下方に突出している部位が水平方向に屈曲している。この屈曲している部位が下側の突出片141aの下面に当接することで、扉枠上ヒンジピン142の上方への移動を規制している。
鍔部材143は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン142の外周に形成されている溝内に挿入保持されている。ロックバネ144は、扉枠上ヒンジピン142を挿通可能なコイルスプリングとされており、上端が鍔部材143に当接していると共に、下端が下側の突出片141aに当接している。このロックバネ144は、鍔部材143と下側の突出片141aとの間に、圧縮された状態で介装されており、鍔部材143を介して扉枠上ヒンジピン142を上方へ付勢している。
扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142がロックバネ144により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン142における下端の水平に屈曲している部位が下側の突出片141aの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン142の上端が、上側の突出片141aの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142における下端の水平に屈曲している部位を作業者が持って、ロックバネ144の付勢力に抗してその部位を下方へ引っ張ると、扉枠上ヒンジピン142を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン142の上端を、上側の突出片141aの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142の上端を、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠側上ヒンジ部材140の扉枠上ヒンジピン142の上端を、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142における扉枠上ヒンジ軸ブラケット141の一対の突出片141aにより支持されている部位が、後述する扉枠側下ヒンジ部材150の扉枠下ヒンジピン152と同軸上に支持されている。これにより、扉枠側上ヒンジ部材140と扉枠側下ヒンジ部材150とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1d.扉枠側下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠側下ヒンジ部材150について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。扉枠側下ヒンジ部材150は、扉枠ベース110に取付けられ前方に延出している平板状の延出片151aを有している扉枠下ヒンジ軸ブラケット151と、扉枠下ヒンジ軸ブラケットにおける延出片151aの前端部付近から下方に突出している円柱状の扉枠下ヒンジピン152(図21及び図22を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ軸ブラケット151は、水平に延びた平板状の延出片151aの後端から上方に延出した平板状の取付片(図示は省略)を有しており、側面視の全体形状が略L字状に形成されている。この扉枠下ヒンジ軸ブラケット151は、図示しない取付片がビスによって扉枠ベース110の後面に取付けられている。
扉枠下ヒンジピン152は、下端部が、下方へ向かうほど窄まる円錐台状に形成されている。この扉枠下ヒンジピン152は、後述する本体枠4における本体枠側下ヒンジ部材640の扉枠用ヒンジ孔644に、上方から回転可能に挿入される。扉枠下ヒンジピン152は、扉枠側上ヒンジ部材140の扉枠上ヒンジピン142と同軸上に配置されている。
この扉枠側下ヒンジ部材150は、扉枠下ヒンジピン152が本体枠側下ヒンジ部材640の扉枠用ヒンジ孔644に挿入されることで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1e.扉枠左サイド装飾基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠左サイド装飾基板160について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠ベース110の前面において、貫通口111の正面視左側に取付けられている。扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠ベース110における正面視左側のスピーカ挿通口119よりも下側の位置の高さから貫通口111の上下方向の中央付近の高さまで上下に延びている扉枠左サイド上装飾基板161と、扉枠左サイド上装飾基板161の下側の位置の高さから上皿用通過口117の下端と略同じ高さまで上下に延びている扉枠左サイド下装飾基板162と、を備えている。
扉枠左サイド装飾基板160の扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162は、夫々前面に、前方へ光を照射可能な複数のLED161a,162aを備えている。これらLED161a,162aは、フルカラーLEDとされている。
扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠3を組立てた状態で、後述する扉枠左サイドユニット530の後方に位置しており、前面に備えられた(実装された)複数のLED161a,162aを適宜発光させることで、扉枠左サイドユニット530の左ユニット装飾レンズ部材を発光装飾させることができる。
[3−1f.ガラスユニット取付部材]
扉枠ベースユニット100のガラスユニット取付部材170について、主に図31(b)等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット190を着脱可能に取付けるためのものである。ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部171と、基部171から回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部172と、を有している。
ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後面における一対のスピーカ挿通口119の下側で、ガラスユニット取付部118よりも外側の部位に、夫々回転可能に取付けられている。
ガラスユニット取付部材170は、突出部172が基部171から上方へ突出するように回転させた状態とすることで、背面視において扉枠ベース110のガラスユニット取付部118よりも突出部172が外側に位置した状態となり、扉枠ベース110のガラスユニット取付部118に対してガラスユニット190を挿入したり、ガラスユニット取付部118からガラスユニット190を取外したりすることができる。
ガラスユニット取付部材170は、ガラスユニット190を扉枠ベース110のガラスユニット取付部118に挿入させた状態で、突出部172が基部171から下方へ突出するように回転させると、突出部172がガラスユニット190の取付片191aの後側と当接し、ガラスユニット190上部の後方への移動を規制した状態となり、ガラスユニット190を扉枠ベース110に取付けることができる。
ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110に回転可能に取付けられる円盤状の基部171から突出部172が突出しているため、ガラスユニット取付部材170の重心位置が突出部172内に位置している。このことから、ガラスユニット取付部材170が自由に回転できる状態では、突出部172が基部171から下方へ突出した状態で安定することとなる。そして、ガラスユニット取付部材170では、突出部172が基部171から下方へ突出している回転位置の時に、突出部172によりガラスユニット190の後方への移動を規制させるようにしているため、ガラスユニット取付部材170に振動等が作用しても、突出部172が基部171から上方へ突出するように全体が回転することはなく、ガラスユニット190の後方への移動の規制が自然に解除されることはない。
なお、扉枠ベース110からガラスユニット190を取外す場合は、ガラスユニット取付部材170を、突出部172が基部171から上方へ突出するように回転させて、突出部172をガラスユニット190の取付片191aよりも外側へ移動させることで、ガラスユニット190の上部側を後方へ移動させることができるようになり、扉枠ベース110からガラスユニット190を取外すことができる。
[3−1g.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材180は、扉枠ベース110の前面にハンドルユニット300を取付けるためのものである。ハンドル取付部材180は、図32及び図33等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部181と、筒部181の後端から筒部181の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部182と、筒部181内に突出していると共に筒部181の軸方向全長に亘って延びており筒部181の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条183と、筒部181の外周面とフランジ部182の前面とを繋ぎ筒部181の周方向に対して複数配置された補強リブ184と、を備えている。
ハンドル取付部材180は、フランジ部182の後面を、扉枠ベース110におけるハンドル取付座面112の前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面112に取付けられる。
筒部181は、内径がハンドルユニット300におけるハンドルベース301の基部301aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条183は、一つが筒部181内の上側に備えられており、残り二つが筒部181内の下側に備えられている。これら三つの突条183は、ハンドルベース301における三つの溝部301cと対応する位置に形成されている。従って、ハンドル取付部材180は、三つの突条183と、ハンドルベース301の三つの溝部301cとを一致させた状態でのみ、筒部181内にハンドルベース301の基部301aを挿入させることができ、扉枠ベース110に対してハンドルベース301(ハンドルユニット300)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材180は、フランジ部182の後面に対して、筒部181の軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース110の傾斜したハンドル取付座面112に取付けることで、筒部181の軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニットを同様に傾いた状態で扉枠ベース110に取付けることができる。
[3−1h.ガラスユニット]
扉枠ベースユニット100のガラスユニット190について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット190は、扉枠ベース110の貫通口111を、前方から後方が視認できるように閉鎖するものである。ガラスユニット190は、扉枠ベース110の貫通口111の内周形状よりも大きくガラスユニット取付部118に取付可能な枠状のガラス枠191と、ガラス枠191の枠内を閉鎖し外周がガラス枠191に取付けられている透明な二つのガラス板192と、を備えている。二つのガラス板192は、ガラス枠191の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図26等を参照)。
ガラス枠191は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片191aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片191bと、を有している。ガラス枠191の取付片191aは、ガラスユニット取付部材170の突出部172と当接可能とされている。係止片191bは、扉枠ベース110の補強ユニット130の中補強板金132との間の空間内に挿入可能とされている(図26を参照)。
このガラスユニット190は、扉枠ベース110の後側から、ガラス枠191の係止片191bを、扉枠ベース110と補強ユニット130の中補強板金132との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠191の前端を扉枠ベース110のガラスユニット取付部118の後面に当接させ、ガラスユニット取付部材170を回転させてガラスユニット取付部材170の突出部172をガラス枠191の取付片191aの後面と当接させることで、扉枠ベース110に取付けられる。
ガラスユニット190を扉枠ベース110から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット190は、扉枠ベース110に対して着脱可能となっている。
[3−1i.防犯カバー]
扉枠ベースユニット100の防犯カバー200について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。防犯カバー200は、ガラスユニット190の後面下部を覆うように扉枠ベース110の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー200は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部201と、本体部201の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片202と、左右に離間して配置され本体部201よりも前方に突出し扉枠ベース110の後側に係止可能とされている一対の係止片203と、を備えている。
防犯カバー200の本体部201は、扉枠ベース110に取付けた状態で下端がガラスユニット190の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部201は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部201の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片202は、本体部201の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー200は、本体部201と後方突片202とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片202は、図33に示すように、本体部201の外周縁とは異なる本体部201の後面の一部からも後方に突出している。この本体部201の後面の一部から後方に突出している後方突片202は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片202は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球(球発射装置680により発射された遊技球)が、防犯カバー200の後方突片202に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球の打込みを阻害することはない。
一対の係止片203は、扉枠ベース110の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー200は、扉枠ベース110に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー200は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部201の前面がガラスユニット190の後面(ガラス枠191の後端)と当接し、本体部201の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片202が、後述する前構成部材1000の防犯凹部内1008に挿入された状態となる。また、防犯カバー200は、本体部201の下辺から後方に突出している後方突片202が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー200と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー200の後方突片202と前構成部材1000の防犯凹部1008とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー200と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片202や防犯凹部1008に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−1j.開閉シリンダユニット]
扉枠ベースユニット100の開閉シリンダユニット210について、主に図31乃至図33等を参照して説明する。開閉シリンダユニット210は、正面視において扉枠ベース110の右端付近で貫通口111とハンドル取付座面112との間の位置のシリンダ取付部113に後側から取付けられ、後述する施錠ユニット700と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉に使用されるものである。
開閉シリンダユニット210は、前面に鍵穴211aを有し前後に延びた円筒状のシリンダ錠211と、シリンダ錠211の後端に取付けられており鍵穴211aに挿入された鍵の回動操作を施錠ユニット700の鍵シリンダ710に伝達させる回転伝達部材212と、シリンダ錠211を扉枠ベース110(補強ユニット130)に取付けるシリンダ取付板金213と、を備えている。
シリンダ錠211は、対応する鍵(図示は省略)を鍵穴211aに差し込むことで、鍵を回転させることができるものであり、対応する鍵であれば、正面視において時計回り及び反時計回りの何れの方向へも所定角度回転させることができる。
回転伝達部材212は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部212aを有している。この回転伝達部材212は、本体枠4における施錠ユニット700の鍵シリンダ710が後方から挿入されるように形成されており、施錠ユニット700の鍵シリンダ710の突起が一対の切欠部212a内に挿入されることで、回転伝達部材212(シリンダ錠211の鍵穴211aに挿入された鍵)の回転を、施錠ユニット700の鍵シリンダ710に伝達させて鍵シリンダ710を回転させることができる。
シリンダ取付板金213は、一枚の金属板を屈曲させて形成されており、平面視の形状が前方へ突出している凸形状に形成されている。詳述すると、シリンダ取付板金213は、正面視において上下に延びた長方形で平板状の前板部213aと、前板部213aの左右両辺から後方へ平板状に延出している一対の側板部213bと、一対の側板部213bの夫々の後辺から互いに遠ざかる方向へ平板状に延出している一対の取付板部213cと、を備えている。シリンダ取付板金213の前板部213aは、上下方向略中央の位置で後方からシリンダ錠211が貫通し、前板部213aの後面にシリンダ錠211の後端が取付けられる。シリンダ取付板金213の一対の取付板部213cは、正面視左側の取付板部213cが補強ユニット130の中補強板金132の右端部に取付けられ、正面視右側の取付板部213cが補強ユニット130の右補強板金134に取付けられる。これにより、シリンダ取付板金213によって、補強ユニット130の中補強板金132と右補強板金134とが連結される。
開閉シリンダユニット210は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、シリンダ取付板金213の前板部213aから前方に突出しているシリンダ錠211の前端が、扉枠ベース110の後側からシリンダ挿通孔114に挿通されて扉枠ベース110の前方へ突出していると共に、シリンダ取付板金213の前板部213a及び一対のが後方へ開放されている箱状のシリンダ取付部113内に収容されている。
[3−1k.球送りユニット]
扉枠ベースユニット100の球送りユニット250について、主に図34及び図35を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠ベースユニットの球送りユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送りユニットを後ろから見た斜視図である。図35(a)は球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送りユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送りユニット250は、皿ユニット320の上皿321から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ供給することができると共に、上皿321内に貯留された遊技球を、上皿球抜きボタン327の操作によって下皿へ抜くことができるものである。
球送りユニット250は、皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球が、皿ユニットベース323の上皿球送り口323d、扉枠ベース110の球送り開口115を通して供給され前後方向に貫通した進入口251a、及び進入口251aの下側に開口する球抜口251bを有し後方が開放された箱状の前カバー251と、前カバー251の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通し前カバー251の進入口251aから進入した遊技球を打球発射装置650へ供給するための打球供給口252aを有した後カバー252と、後カバー252及び前カバー251の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー251の後側で進入口251aと球抜口251bとの間を仕切る仕切部253aを有した球抜き部材253と、球抜き部材253の仕切部253a上の遊技球を一つずつ後カバー252の打球供給口252aへ送り前カバー251と後カバー252との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送り部材254と、球送り部材254を回動させる球送ソレノイド255と、を備えている。
この球送りユニット250は、図示するように、正面視で、球送り部材254が進入口251aの右側に配置されており、球送り部材254の左側に球抜き部材253が、球送り部材254の右側に球送ソレノイド255が夫々配置されている。
球送りユニット250の前カバー251は、正面視で球抜口251bの左側に、球抜き部材253の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット251cを備えており、このスリット251cから後述する球抜き部材253の作動棹253cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー251は、進入口251aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、皿ユニットベース323の球送り誘導路323e及び球抜き誘導路323fの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜き部材253は、進入口251aよりも下側で進入口251aと球抜口251bとの間を仕切り上面が球送り部材254の方向へ向かって低くなる仕切部253aと、仕切部253aの球送り部材254とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口251bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部253bと、回動棹部253bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹253cと、作動棹253cよりも下側で回動棹部253bの側面から仕切部253aとは反対側へ突出した錘部253dと、を備えている。球抜き部材253の作動棹253cは、前カバー251に形成された円弧状のスリット251cを通して前方へ突出するように形成されている(図34(a)を参照)。作動棹253cは、扉枠ベース110の球送り開口115を介して皿ユニット320の上皿球抜きボタン327の押圧操作によって動作する作動伝達部327aの上端と当接する。
球送り部材254は、進入口251a及び球抜き部材253の仕切部253aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部254aと、遮断部254aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部254bと、球保持部254bの後端から下方へ延出する棒状の棹部254cと、を備えている。球送り部材254における遮断部254aと球保持部254bは、夫々回転軸芯を中心とした約90゜の角度範囲内に夫々形成されている。また、球送り部材254の球保持部254bは、一つの遊技球を保持可能な大きさとされている。球送り部材254は、球送ソレノイド255の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部254cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送り部材254は、遮断部254aが仕切部253aの方向を向くと同時に球保持部254bが打球供給口252aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部254bが仕切部253aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送り部材254が供給位置の時には、球保持部254bに保持された遊技球が、打球供給口252aから打球発射装置650へ供給されると共に、進入口251aから仕切部253a上に進入した遊技球が、遮断部254aによって球保持部254b(打球供給口252a)側への移動が遮断されて仕切部253a上に留まった状態となる。一方、球送り部材254が保持位置へ回動すると、球保持部254bが仕切部253aの方向を向くと共に、球保持部254bの棹部254c側の端部が打球供給口252aを閉鎖した状態となり、仕切部253a上の遊技球が一つだけ球保持部254b内に保持される。
また、球送りユニット250は、球送ソレノイド255の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送り作動桿256と、球送り作動桿256における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送り部材254を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送りクランク257と、を備えている。球送りクランク257は、球送り作動桿256の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部257aと、係合部257aの球送り作動桿256と係合する側とは反対側に配置され前カバー251と後カバー252との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部257bと、軸部257bから上方へ延出し球送り部材254における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部254c(図35(b)を参照)と係合する伝達部257cと、を備えている。
この球送りユニット250は、球送り作動桿256及び球送りクランク257によって、上下方向へ進退する球送ソレノイド255の駆動により揺動する球送り作動桿256の動きを伝達させて球送り部材254を回動させることができる。なお、球送ソレノイド255の非駆動時(通常時)では、球送り作動桿256が球送ソレノイド255の下端から離れて揺動する先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送り部材254が供給位置に位置した状態となる。また、球送ソレノイド255の駆動時では、球送り作動桿256が球送ソレノイド255の下端に吸引されて揺動する先端が上方へ位置した状態となり、球送り部材254が保持位置へ回動する。つまり、球送ソレノイド255が駆動される(ONの状態)と、球送り部材254が遊技球を一つ受入れ、球送ソレノイド255の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送り部材254が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る(供給する)ことができる。この球送りユニット250における球送ソレノイド255の駆動は、払出制御基板951の発射制御部(図示は省略)により発射ソレノイド682の駆動制御と同期して制御される。
また、球送りユニット250における回動可能に軸支された球抜き部材253は、錘部253dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっているが、前方へ突出した作動棹253cが皿ユニット320の上皿球抜きボタン327の押圧操作によって動作する作動伝達部327aの上端と当接することで、その回動が規制されるため、通常時では、球抜き部材253の仕切部253aが進入口251aと球抜口251bとの間を仕切っており、球抜口251b側へ遊技球が侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニット320の上皿球抜きボタン327を下方へ押圧操作すると、上皿球抜きスライダ327bが作動伝達部327aと共に下方へスライドして、作動伝達部327aの下方への移動に伴って作動棹253cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部327aと共に作動棹253cが下方へ移動すること、球抜き部材253が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部253aによる進入口251aと球抜口251bとの間の仕切りが解除される。これにより、進入口251aから進入した遊技球が、球抜口251bから皿ユニット320の球抜き誘導路323fへと排出され、下皿球供給口323cを介して下皿322へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜き部材253の作動棹253cが当接する作動伝達部327aが形成されている上皿球抜きスライダ327bは、上皿球抜きバネ327cによって上方へ付勢されているので、仕切部253a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹253cを介して上皿球抜きバネ327cによって吸収させることができ、球抜き部材253等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部253aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送りユニット250は、後カバー252における打球供給口252aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部252b(図35(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部252b内に不正防止部材260が取付けられている。球送りユニット250の不正防止部材260は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー252の取付凹部252b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。
不正防止部材260は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している上片部261及び下片部262と、上片部261及び下片部262の互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部263と、を備えている。不正防止部材260の上片部261は、不正防止部材260の一般面に対して、正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。下片部262は、不正防止部材260の一般面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、上片部261と下片部262とによって、右方に向かうに従って広がるV字状の溝を形成している。
不正防止部材260は、後カバー252の取付凹部252bに取付けられることで、上片部261と下片部262とで形成されるV字状の溝が、打球供給口252a内と連通した状態となる。
この不正防止部材260によれば、紐を取付けた不正な遊技球を、上皿321から球送りユニット250を介して球発射装置680により遊技領域5a内に打込み、不正な遊技球に取付けられた紐を操作して、不正な遊技球を第一始動口等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置680により発射(打球)された不正な遊技球の勢いによって、不正な遊技球に取付けられた紐を、上片部261と下片部262との間に挿入させた上で、上片部261と下片部262とによって形成されたV字状の狭くなった部位により切断させることができ、紐を取付けた不正な遊技球を用いた不正行為が行われるのを防止することができる。
[3−1l.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット270について、図36乃至図38を参照して詳細に説明する。図36(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図37(a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。更に、図38は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。
ファールカバーユニット270は、図示するように、扉枠ベース110の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体271と、ユニット本体271の前面に取付けられている平板状の蓋部材272と、を備えている。ファールカバーユニット270は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861と皿ユニット320の上皿球供給口323aとを連通させる貫通球通路273と、貫通球通路273の正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862と連通可能な満タン球受口274と、を備えている。
また、ファールカバーユニット270は、満タン球受口274の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口275と、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口274及びファール球受口275に受入れられた遊技球を前方へ放出すると共に皿ユニット320の下皿球供給口323cと連通する球放出口276と、を備えている。
更に、ファールカバーユニット270は、ユニット本体271及び蓋部材272によって、満タン球受口274及びファール球受口275と球放出口276との間に形成されており所定量の遊技球を貯留可能な広さを有している貯留通路277と、貯留通路277の内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体271に取付けられている平板状の可動片278と、可動片278の貯留通路277から遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ279と、可動片278を貯留通路277の中心側へ付勢しているバネ280と、を備えている。
このファールカバーユニット270は、皿ユニット320の下皿322内が遊技球で一杯になって、球放出口276から遊技球が下皿322側へ放出されなくなると、貯留通路277内にある程度の数の遊技球を貯留することができる。そして、貯留通路277内にある程度の数の遊技球が貯留されると、遊技球の重さによって可動片278の上端がバネ280の付勢力に抗して貯留通路277から遠ざかる方向へ移動するように可動片278が回動し、その回動が満タン検知センサ279によって検知される。これにより、下皿322が遊技球で満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ279により満タンが検知されると、これ以上の遊技球の払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿322の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット270は、ユニット本体271の後側で貫通球通路273の下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット800における下部満タン球経路ユニット860の誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接可能な扉開閉当接部281を備えている(図111を参照)。扉開閉当接部281は、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部281は、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接するように形成されている。この扉開閉当接部281に誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接することで、誘導路開閉扉863が回動して通常誘導路861及び満タン誘導路862の下流端(前側開口)を開放させることができる。
[3−2.ハンドルユニット]
扉枠3のハンドルユニット300について、主に図39及び図40を参照して詳細に説明する。図39(a)は扉枠におけるハンドルユニットの正面図であり、(b)はハンドルユニットを前から見た斜視図であり、(b)はハンドルユニットを後ろから見た斜視図である。また、図40(a)はハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。ハンドルユニット300は、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿321内の遊技球を遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット300は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材180の筒部181に取付けられるハンドルベース301と、ハンドルベース301の前端に回転可能に取付けられるハンドル302と、ハンドル302の前端側を覆いハンドルベース301に取付けられるハンドルカバー303と、を備えている。
また、ハンドルユニット300は、ハンドル302の後側でハンドルベース301の前面に取付けられるインナーベース304と、前端にハンドル302が取付けられると共にインナーベース304とハンドルベース301とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部305aを有している軸部材305と、軸部材305の駆動ギア部305aと噛合している伝達ギア306と、伝達ギア306と一体回転する検知軸307aを有しハンドルベース301とインナーベースとの間に挟持されているハンドル回転検知センサ307と、を備えている。
更に、ハンドルユニット300は、一端側がハンドルベース301に取付けられると共に他端側がハンドル302に取付けられハンドル302を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ308と、一端側がインナーベース304に取付けられると共に他端側が伝達ギア306に取付けられ伝達ギア306を介してハンドル回転検知センサ307の検知軸307aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ309と、インナーベース304の後方でハンドルベース301に取付けられているハンドルタッチセンサ310と、先端側がハンドルベース301の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース304の後方でハンドルベース301に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン311と、単発ボタン311の押圧操作を検知しハンドルベース301に取付けられている単発ボタン操作センサ312と、を備えている。
ハンドルユニット300のハンドルベース301は、前後に延びた円筒状の基部301aと、基部301aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部301bと、円筒状の基部301aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部301cと、を備えている。ハンドルベース301の基部301aは、外径がハンドル取付部材180の筒部181の内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部301cは、ハンドル取付部材180における筒部181の三つの突条183と対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部301cを三つの突条183と一致させた状態で、基部301aをハンドル取付部材180の筒部181内に挿入させることができると共に、三つの溝部301c内に夫々突条183が挿入されることで、ハンドルベース301がハンドル取付部材180に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル302は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起302a、第二突起302b、第三突起302c、及び第四突起302dと、回転軸(軸部材305)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット302eと、スリット302eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ308の他端側が係止される係止突部302fと、を備えている。
四つの第一突起302a、第二突起302b、第三突起302c、及び第四突起302dは、正面視において時計回りの方向に順番に備えられている。詳述すると、第一突起302aは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでいる(抉れている)。第二突起302bは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位が、第一突起302aの最も突出した部位から時計回りの方向へ約85度の回転角度で離れており、第一突起302aよりはやや低く突出している。この第二突起302bは、最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでおり、第一突起302aと相似した形状に形成されている。
第三突起302cは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位が、第二突起302bの最も突出した部位から時計回りの方向へ約70度の回転角度で離れており、第一突起302aの約半分の高さで突出している。この第三突起302cは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、時計回りの方向の側面が反対側である反時計回りの方向の側面よりもなだらかに傾斜している。第四突起302dは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位が、第三突起302cの最も突出した部位から時計回りの方向へ約55度の回転角度で離れており、第一突起302aよりもやや高く突出している。この第四突起302dは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、略二等辺三角形に形成されている。
ハンドルカバー303は、前面の中心が丸く前方へ膨出しており、後方へ突出している三つの取付ボス303aを備えている。三つの取付ボス303aは、ハンドル302のスリット302eを前方から貫通してハンドルベース301の前面に取付けられる。ハンドルカバー303の取付ボス303aが、ハンドル302のスリット302eを貫通していることから、取付ボス303aがスリット302eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル302の回転角度を規制している。本例では、ハンドル302を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
このハンドルユニット300は、扉枠ベース110のハンドル取付座面112に対して、ハンドル取付部材180を介して取付けられる。この扉枠ベース110のハンドル取付座面112は、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材180を介して取付けられるハンドルユニット300も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット300のハンドル302が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
ハンドルユニット300のハンドル回転検知センサ307は、可変抵抗器とされており、ハンドル302を回転させると、軸部材305及び伝達ギア306を介してハンドル回転検知センサ307の検知軸307aが回転する。この検知軸307aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ307の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ307の内部抵抗に応じて後述する打球発射装置650における発射ソレノイド682の駆動力が変化して、ハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技領域5a内へ打込まれる。
ハンドル302やハンドルカバー303の外周表面は、導電性のメッキが施されており、遊技者がハンドル302等に接触することでハンドルタッチセンサ310が接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ310が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル302を回動させると、ハンドル回転検知センサ307の検知が受付けられ、ハンドル302の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド682の駆動が制御されて、遊技球を打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル302に触れずに、何らかの方法でハンドル302を回転させて遊技球を遊技領域5a内に打込もうとしても、発射ソレノイド682は駆動されず、遊技球を打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル302を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット300は、遊技者がハンドル302を回転操作中に、単発ボタン311を押圧すると、単発ボタン操作センサ312が単発ボタン311の操作を検知し、払出制御基板951の発射制御部(図示は省略)によって発射ソレノイド682の回転駆動が停止させられる。これにより、ハンドル302の回転操作を戻さなくても、遊技球の発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン311の押圧操作を解除することで、単発ボタン311を操作する前の打込み強さで再び遊技球を遊技領域5a内に打込むことができる。
更に、ハンドルユニット300は、ハンドル302に、四つの第一突起302a、第二突起302b、第三突起302c、及び第四突起302dを備えており、ハンドル302を正面視時計回りの方向へ最も回転させて、遊技球を最も強く遊技領域5a内に打込むようにした(所謂、「右打ち」した)時に、第四突起302dが、ハンドル302を回転させていない時の第一突起302aの位置と、略同じ位置となるため、第四突起302dを第一突起302aとしてハンドル302を持ち替えることで、遊技者が楽な状態で「右打ち」の位置でハンドル302を維持させることができ、遊技者の疲労感を軽減させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−3.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット320について、主に図41乃至図45を参照して詳細に説明する。図41(a)は扉枠の皿ユニットを右前から見た斜視図であり、(b)は皿ユニットを左前から見た斜視図である。また、図42(a)は皿ユニットを右上後ろから見た斜視図であり、(b)は皿ユニットを左下後から見た斜視図である。図43は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図44は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図45は、図28の断面図において下皿カバーを外した状態で下皿の部位を拡大して示す説明図である。皿ユニット320は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面において貫通口111の下側の部位に取付けられ、前面が前方へ膨出している。皿ユニット320の前面には、後述する演出操作ユニット400が取付けられる。
皿ユニット320は、遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿321と、上皿321の下側に配置されており上皿321やファールカバーユニット270から供給される遊技球を貯留可能な下皿322と、を備えている。
皿ユニット320は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110に取付けられる平板状の皿ユニットベース323と、皿ユニットベース323の前面上部に取付けられると共に左右中央より左側が前方へ大きく膨出しており上皿321を形成している上皿本体324と、皿ユニットベース323の前面下部で左右中央よりも左側に取付けられると共に前方へ大きく膨出しており下皿322を形成している下皿本体325と、上皿本体324及び下皿本体325の前側を覆うように皿ユニットベース323の前面に取付けられている皿ユニットカバー326と、を備えている。
また、皿ユニット320は、皿ユニットカバー326の上面における上皿321の正面視右方で上方から押圧操作可能に取付けられている上皿球抜きボタン327と、上皿球抜きボタン327の正面視右方で皿ユニットカバー326の上面に取付けられている球貸ボタン328と、球貸ボタン328の正面視右方で皿ユニットカバー326の上面に取付けられている返却ボタン329と、球貸ボタン328及び返却ボタン329の後方で皿ユニットカバー326の上面に取付けられている球貸返却表示部330と、上皿321の前方で皿ユニットカバー326の前面における皿前上装飾部326bに取付けられている演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332と、下皿322の前方で皿ユニットカバー326の前面から前方に突出しており前方から押圧操作可能に取付けられている下皿球抜きボタン333と、を備えている。
[3−3a.上皿]
皿ユニット320の上皿321について、主に図41及び図44等を参照して詳細に説明する。皿ユニット320の上皿321は、皿ユニットベース323と上皿本体324とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿321(上皿本体324)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿321は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球の外径よりも若干大きい誘導通路部321aが形成されている。上皿321は、誘導通路部321aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部321aの正面視右端側が、皿ユニットカバー326の上面(上皿球抜きボタン327)の下方へ潜り込んでいる(図44を参照)。
上皿321は、皿ユニットベース323に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース323の上皿球供給口323aよりも下側の位置から上皿球送り口323dの上端から遊技球の外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口323aから前方へ放出された遊技球が、上皿321内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球を誘導通路部321aの右端側から上皿球送り口323dへ供給させることができる。
上皿321は、上述したように、前後方向の奥行が狭くなる誘導通路部321aにおいて、その底面が下方へ向かって低くなるように形成されている。つまり、上皿321の一部が、後述する演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が取付けられる皿ユニットカバー326の取付空間326j内へ、上方から突出している。従って、上皿321において、遊技球の貯留量を十分に確保することができるようになっている。なお、上皿321(上皿本体324)は、皿ユニットカバー326の取付空間326j内へ、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)と接触しないように突出している。
なお、誘導通路部321aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具321bが備えられており、遊技球が接触(転動)することで、遊技球に帯電した静電気を除去させることができる。
[3−3b.下皿]
皿ユニット320の下皿322について、主に図41乃至図45等を参照して詳細に説明する。下皿322は、上皿321の下方で、正面視おいて皿ユニット320(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿322は、遊技球を貯留可能な容器状に形成されており、底壁に上下に貫通し遊技球を排出可能とされた下皿球抜き孔322aと、皿ユニットカバー326に取付けられた演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)との接触を回避させるための逃し部322bと、を備えている。下皿322の逃し部322bは、右前隅が、後方へ向かって円弧状に窪むように形成されている。
下皿322は、上方及び後方が開放されている下皿本体325と、下皿本体325の左端側から上方を覆っている皿ユニットカバー326の下皿カバー部326kと、下皿本体325の開放されている後方を閉鎖している皿ユニットベース323と、下皿本体325における演出操作ユニット取付部326a内に突出している部位の上側を覆う下皿カバー340とによって、形成されており、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dから外方に臨んでいる。下皿322は、図28及び図45に示すように、平面視の外周形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の前辺を底辺とし底辺よりも短い上辺が前方側に配置された台形と、を組合せたような形状に形成されており、台形の斜めに延びた左右の辺が後方へ凹むように湾曲している。この下皿322は、平面視において、前方から後方へ向かうに従って、左右方向の幅が大きくなるように形成されている。
下皿本体325は、図43及び図44等に示すように、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。下皿本体325は、平板状の底壁部325aと、底壁部325aの後端辺を除いた外周端から上方へ延出している本体立壁部325bと、底壁部325aを遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している下皿球抜き孔322aと、を備えている。底壁部325aの外周形状は、左右に延びた四角形と、その四角形の前辺を底辺とし底辺よりも短い上辺が前方側に配置され斜めに延びた左右の辺が後方へ凹むように湾曲した台形と、を組合せたような形状に形成されている。底壁部325a(の上面)は、下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。本体立壁部325bは、底壁部325aから上方へ、遊技球の直径の2倍〜5倍の高さで立上っている。下皿球抜き孔322aは、下皿本体325(底壁部325a)の左右方向中央よりも右寄りの位置に形成されている。下皿本体325では、底壁部325a及び本体立壁部325bにおける正面視右前隅の湾曲している部位が、逃し部322bに相当している。
下皿カバー340は、下皿本体325の上方のおよそ右半部を覆うように形成されている。下皿カバー340は、図43及び図44等に示すように、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から上方へ立上っているカバー立壁部340aと、カバー立壁部340aの上端から略水平に延びている天井部340bと、を備えている。カバー立壁部340aは、下皿本体325の本体立壁部325bにおける前辺側の一部から右辺の後端までの部位から立上っている。下皿カバー340は、皿ユニット320に組立てた状態で、カバー立壁部340a及び天井部340bの後端が、皿ユニットベース323の前面に当接している。また、カバー立壁部340aの前端(前辺における左端側)が、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dの右端辺と当接している。更に、天井部340bの左端が、皿ユニットカバー326の下皿カバー部326kの右端に当接している。この下皿カバー340では、カバー立壁部340aにおける湾曲面状の部位と、その後側においてカバー立壁部340aと天井部340bとの間で斜めに延びている部位とが、逃し部322bに相当している。
下皿322は、前端側の左右に短く延びている部位の正面視左端付近から右側が、皿ユニットカバー326(演出操作ユニット400)によって覆われており、正面視において半分以上が演出操作ユニット400の後方に位置している。つまり、下皿322は、右半分が、演出操作ユニット400の後方へ回り込むように形成されている。従って、下皿322は、図45に示すように、後述する皿ユニットカバー326の下皿開口部326dの後方に位置する下皿第一領域A1(図45においてクロスハッチの領域)と、下皿開口部326dよりも右側(演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側)の後方に位置する下皿第二領域A2(図45において網掛けの領域)と、を有している。換言すると、下皿322は、遊技球を貯留可能な貯留領域(平面視における貯留面積に相当し、下皿第一領域A1と下皿第二領域A2とを合わせた領域)の半分以上が、演出操作ユニット400の後方に位置している。
下皿322は、後壁を形成している皿ユニットベース323の下皿球供給口323cが、後壁の正面視左右方向中央よりも右側に開口している。更に詳述すると、下皿322の下皿球供給口323cは、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方となる下皿第二領域A2に配置されている。これにより、扉枠3を正面から見た時に、下皿球供給口323cが下皿開口部326dを通して遊技者側から見えないようになっている(図19等を参照)。従って、下皿322は、前方に膨出している皿ユニット320(皿ユニットカバー326)の左側面の下皿開口部326dから演出操作ユニット400の後方へ向かって抉れるように形成されており、正面から見える範囲よりも遊技球の貯留容積が大きく形成されている。換言すると、下皿322は、下皿第一領域A1よりも下皿第二領域A2の方が大きく形成されている。これにより、外側(遊技者側)から下皿322を見た時に、見た目以上に下皿322内に多くの遊技球を貯留させることができる。
下皿322は、下皿本体325の左右方向の右側半分(下皿第二領域A2)が、図41(a)に示すように、皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a内に突出しており、下皿本体325における演出操作ユニット取付部326a内に突出している部位の上側を、下皿カバー340が覆っている。この下皿カバー340により、下皿開口部326dから下皿322内に遊技者が手指を挿入した時に、その指先が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に触れるのを阻止することができる。
下皿322は、下皿第二領域A2内である下皿球供給口323cの真正面に、上下に貫通している下皿球抜き孔322aを備えている。下皿322の底面は、下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿322の下皿球抜き孔322aは、下皿球抜きボタン333の押圧操作によって動作する蓋部材334によって開閉可能に閉鎖されている。下皿322は、通常の状態では、下皿球抜き孔322aが蓋部材334によって閉鎖されており、下皿322内に遊技球を貯留させることができる。そして、下皿球抜きボタン333を押圧操作して蓋部材334を開動作させると、下皿322内の遊技球を、下皿球抜き孔332bから皿ユニット320の下方へ排出させることができる。
下皿322の下皿球抜き孔322aは、下皿322の後壁を形成している皿ユニットベース323の下皿球供給口323cの前方(真正面)に配置されている。従って、扉枠3に組立てた状態では、下皿球抜き孔322aが、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側で演出操作ユニット400におけるフレームユニット415の後方に位置しているため、遊技者(正面)側からは見えないようになっている。
この下皿322は、上述したように、外周形状が、左右に延びた四角形の前側に、前方側が窄まった台形を組合せた形状に形成されていると共に、底面が、下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。従って、蓋部材334が開いて下皿球抜き孔322aが開放されている状態で、下皿球供給口323cから下皿322内へ供給された遊技球は、下皿球供給口323cの真正面に開口している下皿球抜き孔322aから即座に下方へ排出される。この下皿球抜き孔322aの左端は、下皿球供給口323cの左端よりも若干左方に位置していることから、下皿球抜き孔322aが開放されている状態では、下皿球供給口323cから下皿322へ供給された遊技球が、下皿322内における下皿球抜き孔322aよりも左側の領域へ直接流通することはなく、下皿球抜き孔322aから排出されることとなる。
一方、下皿球抜き孔322aの右端は、下皿球供給口323cの右端よりも左方に位置していることから、下皿球供給口323cの右端付近から下皿322へ供給された遊技球が、下皿322の右側の立壁を形成している部位に当接することとなる。この下皿322の右側の立壁は、下皿球抜き孔322aの方向を向くように前後方向に対して斜めに湾曲しているため、下皿球供給口323cから供給された遊技球が、この傾斜している部位に当接すると、下皿球抜き孔322aの方向へ反射することとなり、下皿球抜き孔322aよりも左側の領域へ行くことなく、下皿球抜き孔322aから排出される(図45を参照)。
このように、本実施形態の下皿322は、下皿球供給口323cから供給された遊技球を、下皿球抜き孔322aへ誘導するように形成しているため、下皿球抜き孔322aが開放されている状態では、下皿球供給口323cから供給された遊技球を、下皿322における下皿球抜き孔322aの左側の領域へ侵入させることなく、直ちに下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出させることができる。これにより、下皿球抜き孔322aを開いたままの状態とすると、遊技者側からは下皿322上を流通している遊技球が見えないため、上皿321や払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
なお、本実施形態では、上皿球抜きボタン327に対して、下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334を連動させるようにしても良い。これにより、上皿球抜きボタン327を操作すると、蓋部材334も可動して下皿球抜き孔322aが開くため、上皿321から下皿322へ排出された遊技球が、更に下皿球抜き孔322aから下方のドル箱へ排出されることとなる。つまり、上皿321から遊技球を抜くために上皿球抜きボタン327を操作すると、下皿球抜きボタン333を操作していないにも関わらず、上皿321の遊技球がドル箱に排出されるため、遊技者に対して上皿321の遊技球が直接ドル箱に排出されているように強く錯覚させることができ、上述した作用効果をより一層発揮させることができる。なお、上皿321及び下皿322の球抜きの同時開放は、モータやソレノイド等の駆動源の駆動による同時開放であっても良いし、機械的なリンク機構による同時開放であっても良い。
また、本実施形態では、下皿322を構成している下皿本体325と下皿カバー340とが分解可能な別体のものを示したが、下皿本体325と下皿カバー340とが分解不能な一体のものとしても良い。また、下皿カバー340のカバー立壁部340aが、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から立上った例を示したが、下皿本体325の底壁部325aから下皿カバー340のカバー立壁部340aが立上っていても良い。また、下皿カバー340の天井部340bが、カバー立壁部340aの上端から略水平に延びた例を示したが、下皿カバー340の天井部340bが、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から略水平に延びるようにしても良い。
更に、本実施形態では、下皿322の演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)との接触を回避させるための逃し部322bを備えた例を示したが、逃し部322bを備えていない下皿322としても良い。
また、本実施形態では、下皿322(下皿本体325や下皿カバー340等)として、貫通した孔の無い一様な面状のものを示したが、遊技球が通過不能な複数の貫通した孔を有するものであっても良い。具体的には、下皿322の底壁部325a、本体立壁部325b、カバー立壁部340a、天井部340b等の少なくとも一部を、遊技球が通過不能な隙間を有した、柵状に形成したものや網状に形成したものとしても良い。なお、皿ユニットカバー326(取付空間326j)内に、LED等の発光体を配置し、下皿322の柵状や網状の隙間を通して下皿322内を照らす(発光装飾させる)ようにしても良い。
なお、本実施形態では、夫々別体に形成された下皿本体325、下皿カバー340、皿ユニットベース323、及び皿ユニットカバー326(下皿カバー部326k)によって、下皿322を形成したものを示したが、それら四つの部材が適宜の組合せで一体とされて下皿322を形成するようにしても良い。具体的には、下皿カバー340と下皿本体325とが一体とされたもの、下皿カバー340と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿カバー340と皿ユニットベース323とが一体とされたもの、下皿本体325と皿ユニットベース323とが一体とされたもの、皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と下皿カバー340と皿ユニットベース323とが一体とされたもの、下皿本体325と下皿カバー340と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿カバー340と皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と下皿カバー340と皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、等としても良い。
[3−3b−1.下皿の球誘導部]
皿ユニット320の下皿322において、下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ遊技球を誘導する球誘導部を備えた実施形態について、図46を参照して詳細に説明する。図46(a)は下皿に球誘導部を備えた例を概略で示す説明図であり、(b)は下皿に(a)とは異なる球誘導部を備えた例を概略で示す説明図であり、(c)は更に異なる球誘導部を備えた例を概略で示す説明図である。図46では、上記と同じ構成については、同一の符号を付してある。
図46(a)の下皿322の例は、下皿322の底面における下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとの間の部位に、下皿球抜き孔322aの直径と略同じ距離で左右に離間して配置された一対の球誘導部322cを備えている。一対の球誘導部322cは、下皿322の底面から突出した状態で前後に延びたレール状(突条)に形成されている。また、下皿322は、底面が下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。従って、下皿球供給口323cから下皿322内へ供給された遊技球は、球誘導部322cを乗り越えることなく、一対の球誘導部322cにより下皿球抜き孔322aへ誘導され、下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出される。
そして、この例の下皿322は、上記と同様に、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側の後方(下皿第二領域A2)に、下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとが前後方向へ直線状に並んで配置されている。従って、下皿球供給口323c及び下皿球抜き孔322aは、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側等の被覆壁の後方に位置しており、正面からは見えないようになっている。
このように、本例の下皿322は、一対の球誘導部322cを備えているため、下皿球抜き孔322aが開放されている状態では、下皿球供給口323cから供給された遊技球を、下皿322における下皿球抜き孔322aの左側の領域へ侵入させることなく、直ちに下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出させることができる。そして、遊技者側からは下皿322上を流通している遊技球が見えないため、上皿321や払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
この図46(a)の例では、球誘導部322cとして、レール状のものを示したが、これに限らず、下皿球抜き孔322aへ向かって延びた溝のように、遊技球を下皿球抜き孔322aへ誘導できるものであれば良い。
次に、図46(b)の下皿322の例は、下皿322における下皿球抜き孔322aの右側の壁部を、下皿球供給口323cから右斜め前方へ放出された遊技球が、下皿球抜き孔322aの方向へ反射するような形状に形成していると共に、遊技球が当接する部位に緩衝部322dを備えるようにしたものである。この緩衝部322dは、ゴムや発泡体等で形成されている。
本例の下皿322も上記と同様に、下皿球供給口323cの真正面に下皿球抜き孔322aが配置されていると共に、下皿322の底面が下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。従って。下皿球供給口323cから真直ぐに前方へ放出された遊技球は、そのまま下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出される。一方、下皿球供給口323cから右前方へ放出された遊技球は、緩衝部322dで下皿球抜き孔322aの方向へ反射して、下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出される。この際に、遊技球が緩衝部322dに当接して反射するため、反射時の衝突音が低減される。
更に、この例の下皿322も上記と同様に、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側の後方(下皿第二領域A2である演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側等の被覆壁の後方)に配置されており、正面からは見えないようになっている。
このように、本例の下皿322は、遊技球を反射させる壁部に緩衝部322dを備えているため、下皿球供給口323cから遊技球が真直ぐに前方へ放出されなかった場合でも、緩衝部322dにより音もなく下皿球抜き孔322aの方向へ反射させて下方(ドル箱)へ排出させることができる。従って、上皿321や払出装置830から払出された遊技球等がドル箱へ排出される際に、下皿322から遊技球の衝突音が聞こえないため、恰も直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
続いて、図46(c)の下皿322の例は、下皿322の底面(底壁)における下皿球抜き孔322aを間にして下皿球供給口323cとは反対側の部位から上方へ突出し、下皿球抜き孔322aを飛び越えた遊技球を下皿球抜き孔322a側へ反射させる返し部322eを備えたものである。なお、返し部322eは、下皿322を形成している素材と同じ素材を用いても良いし、ゴムや発泡体等の反射時の衝突音を緩和させる緩衝材を用いても良い。また、返し部322eは、下皿322の側壁を構成していないものとしても良いし、下皿322の側壁の一部を構成するものとしても良い。
この下皿322では、下皿球供給口323c、下皿球抜き孔322a、及び返し部322eが、後方から前方へ向かって順番に直線上に配置されていると共に、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側の後方(下皿第二領域A2である演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側等の被覆壁の後方)に配置されており、正面からは見えないようになっている。この下皿322では、下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ流通する遊技球が、万が一、下皿球抜き孔322aを飛び越えても、返し部322eにより下皿球抜き孔322a側へ反射させて、下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出させることができる。従って、上記と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、下皿322に対して、上記の球誘導部322cと緩衝部322dとを、適宜に組合わせても良い。これにより、上記と同様の作用効果を奏することができる。
[3−3b−2.下皿の別の実施形態]
皿ユニット320の下皿322の別の実施形態について、図47を参照して説明する。図47(a)は分割可能とした下皿を概略で示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの後方の空間の大きさに応じて下皿の貯留領域を拡張した状態を概略で示す説明図である。図47に示す下皿322は、下皿本体325が下皿第二領域A2内に配置された分割線PLを境に分割可能とされているものである。
まず、図47(a)に示す下皿本体325(下皿322)は、下皿第一領域A1及び下皿第二領域A2の一部を構成し下皿球抜き孔322aを有している本体部325Aと、本体部325Aの右側に取付けられており下皿第二領域A2の残りの領域を構成している第一増設部325Bとを備えている。第一増設部325Bは、本体部325Aよりも更に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が収容される取付空間326jの残りの空間(演出操作ユニット400や第二演出操作ユニット400Aの後方の空間)内へ突出している。この第一増設部325Bは、図示するように、前方から後方へ向かうに従って、左右方向の幅が大きくなるように形成されている。また、第一増設部325Bは、右前隅に、第二演出操作ユニット400Aとの接触を回避させるための逃し部322bが形成されている。
次に、図47(b)の例は、演出操作ユニット400の後端が、下皿322の前端よりも後方へ突出しておらず、図47(a)の例よりも、演出操作ユニット400の後方の空間(取付空間326jの残りの空間)が広くなっている。そして、図47(b)に示す下皿本体325(下皿322)は、下皿第一領域A1及び下皿第二領域A2の一部を構成し下皿球抜き孔322aを有している本体部325Aと、本体部325Aの右側に取付けられていると共に下皿第二領域A2の残りの領域を構成しており第一増設部325Bよりも大きい第二増設部325Cとを備えている。この第二増設部325Cは、図示するように、前端から後端までの左右方向の幅が一定に形成されており、第一増設部325Bよりも遊技球の貯留領域が大きく形成されている。
図47に示した例では、本体部325Aに第一増設部325Bや第二増設部325Cを取付けることで、夫々の遊技球の貯留領域同士が連続(連通)した状態となり、遊技球の貯留領域が拡大する。また、本体部325Aと、第一増設部325Bや第二増設部325Cとの境が、分割線PLとなっている。
このように、上記の例では、下皿本体325(下皿322)を分割可能な構成とすると共に、分割された部材の少なくとも一方を交換可能としていることから、下皿322内における遊技球の貯留領域を、必要に応じて、大きくしたり、小さくしたりすることができる。また、下皿本体325(下皿322)を分割可能な構成としているため、皿ユニットカバー326に取付けられる演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方(取付空間326j内)への突出量に応じた大きさの増設部(第一増設部325B又は第二増設部325C)を取付けることができる。
なお、上記の実施形態では、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方となる下皿第二領域A2内に分割線PLを配置したものを示したが、分割線PLを、下皿第一領域A1と下皿第二領域A2との境界線上に配置しても良いし、下皿第一領域A1内に配置しても良い。
また、上記の実施形態では、下皿本体325(下皿322)における本体部325Aに、下皿球抜き孔322aを備えたものを示したが、第一増設部325Bや第二増設部325Cに下皿球抜き孔322aを備えるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、下皿本体325の本体部325Aの右側に、第一増設部325Bや第二増設部325Cを取付けたものを示したが、本体部325Aの右側に、遊技球の貯留領域を有しない、平板状の閉鎖部材を取付けるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、下皿322における下皿本体325について説明したが、下皿カバー340についても、下皿本体325と同様に分割可能としたり、第一増設部325Bや第二増設部325Cの大きさに合わせた形状としたりしても良い。
[3−3c.皿ユニットベース]
皿ユニット320の皿ユニットベース323について、主に図41及び図42等を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース323は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の下側に取付けられ、扉枠ベース110の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース323は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口323aと、上皿球供給口323aの下側で前後に貫通していると共に上下に延びている複数の長穴からなるスピーカスリット323bと、正面視左右中央から左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口323cと、下皿球供給口323cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体324の右端に位置する上皿球送り口323dと、を備えている。
また、皿ユニットベース323は、上皿球送り口323dを通って皿ユニットベース323の後側に送られた遊技球を球送りユニット250の進入口251aへ誘導する球送り誘導路323eと、球送り誘導路323eの下側から垂下した後に下皿球供給口323cの筒状の正面視右側面へ向かって低くなるように略L字状に延びており球送りユニット250の球抜口251bから放出された遊技球を下皿球供給口323cへ誘導する球抜き誘導路323fと、球送り誘導路323eの正面視左方で且つ球送り誘導路323eの下端と球抜き誘導路323fの上端との間の高さの位置で前後に貫通しており球送りユニット250の作動棹253cと当接し上皿球抜きボタン327により動作する作動伝達部327aが後方へ臨むように突出する開口部323gと、を備えている。球抜き誘導路323fは、下流端が下皿球供給口323cにおける筒状の部位内に開口している。
更に、皿ユニットベース323は、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180の筒部181が挿通されるハンドル挿通口326fと、正面視右隅付近で前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通口326gと、を備えている。
皿ユニットベース323の上皿球供給口323aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿321の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース110の上皿用通過口117を前側から貫通してファールカバーユニット270の貫通球通路273の前端と接続している。これにより、払出ユニット800から払出された遊技球が、上皿球供給口323aを通って上皿321内に供給(払出)される。
下皿球供給口323cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿322の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース110の下皿用通過口116を前側から貫通してファールカバーユニット270の球放出口276の前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット270の貯留通路277内を流通する遊技球が、下皿球供給口323cを通って下皿322内に供給される。この下皿球供給口323cは、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方に配置されており、扉枠3を正面から見た時に、下皿開口部326dを通して遊技者側から見えないようになっている。
[3−3d.皿ユニットカバー]
皿ユニット320の皿ユニットカバー326について、主に図41及び図42等を参照して詳細に説明する。皿ユニットカバー326は、上皿本体324及び下皿本体325の前側を覆うように皿ユニットベース323の前面に取付けられる。皿ユニットカバー326は、左右方向中央が前方へ膨出しており左右方向中央に前方へ大きく開口し演出操作ユニット400が取付けられる演出操作ユニット取付部326aと、演出操作ユニット取付部326aの左右両側における上皿321と略同じ高さに形成されている皿前上装飾部326bと、左右の皿前上装飾部326bの夫々の下側に形成されている皿前下装飾部326cと、を備えている。
演出操作ユニット取付部326aは、左右方向が皿ユニット320の左右方向の全幅に対して約1/3の大きさに形成されていると共に、上下方向が皿ユニット320の上下方向の高さと略同じ高さに形成されている。また、演出操作ユニット取付部326aは、前端が上方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。詳しくは、演出操作ユニット取付部326aの前端は、垂直線に対して27度の角度で傾斜している。
皿前上装飾部326bは、前面が、皿ユニットカバー326の左右方向中央側から左右両端側へ向かうに従って後方へ移動しており、皿ユニットカバー326の左右方向中央側の端部と左右両端側の端部とを結んだ平面に対して、中間部が前方へやや膨出した湾曲面状に形成されている。また、皿前上装飾部326bは、下端が、皿ユニットカバー326の左右方向中央側から左右両端側へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜しており、皿ユニットカバー326の左右方向中央側(演出操作ユニット取付部326a側)から左右両端側へ向かって上下方向が窄まるように形成されている。皿ユニットカバー326は、正面視左側の皿前上装飾部326bに、演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332が取付けられている。
皿前下装飾部326cは、前面が、皿ユニットカバー326の左右方向中央側から左右両端側へ向かうに従って後方へ移動しており、皿ユニットカバー326の左右方向中央側の端部と左右両端側の端部とを結んだ平面に対して、中間部が後方へ窪むような湾曲面状に形成されている。
正面視左側の皿前下装飾部326cには、前後に貫通している下皿開口部326dが形成されており、下皿開口部326dから下皿322が前方に臨んでいる。正面視左側の皿前下装飾部326cでは、下皿開口部326dの下側前面から下皿球抜きボタン333が前方へ突出している。また、正面視左側の皿前下装飾部326cにおける下皿開口部326dの左側には、パンチングメタルからなる下スピーカ口326eが形成されている。下スピーカ口326eは、皿ユニット320に組立てた状態で、皿ユニットベース323のスピーカスリット323bの前方に位置している。
正面視右側の皿前下装飾部326cには、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180の筒部181が挿通されるハンドル挿通口326fと、正面視右隅付近におけるハンドル挿通口326fの上側で前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通口326gと、が形成されている。
皿ユニットカバー326は、正面視右側の皿前上装飾部326bの上端から皿ユニットベース323の前端まで延びた板状の天板部326hを有しており、天板部326hにより上皿321の右側上方を覆っている。この天板部326hに、上皿球抜きボタン327、球貸ボタン328、返却ボタン329、及び球貸返却表示部330が取付けられている。
皿ユニットカバー326は、皿前下装飾部326cの下端から皿ユニットベース323の前面まで延びている平板状の底板部326iを備えている。この底板部326iにより皿ユニット320の下側が閉鎖されている。なお、底板部326iは、下皿322の下方に位置する部位が切欠かれており、その部位が後述する下皿球抜きベース335によって閉鎖されている。
皿ユニットカバー326は、演出操作ユニット取付部326aの部位で前方へ開口しており演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側が挿入(収容)される取付空間326jを備えている。また、皿ユニットカバー326は、下皿開口部326dの左辺及び上辺から後方へ平板状に延出しており、下皿322を覆っている下皿カバー部326kを備えている(図44を参照)。下皿カバー部326kは、左端に、下皿本体325における本体立壁部325bの左辺の上端が当接していると共に、右端に、下皿カバー340における天井部340bの左端が当接するようになっている。
[3−3e.上皿球抜きボタン]
皿ユニット320の上皿球抜きボタン327について、主に図41乃至図44等を参照して詳細に説明する。上皿球抜きボタン327は、上皿321の正面視右側で、皿ユニットカバー326の天板部326hに取付けられており、押圧操作することで、上皿321内の遊技球を下皿322へ抜くことができるものである。上皿球抜きボタン327は、詳細な図示は省略するが、皿ユニットカバー326の天板部326hの下側に取付けられている球抜きボタンホルダによって、天板部326hの下方で後端側が左右に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。上皿球抜きボタン327は、その前端下面に、上下に延びている球抜きレバーの上端が当接している。この球抜きレバーは、上皿球抜きボタン327の下方で皿ユニットベース323の前面に取付けられている球抜きベースによって上下方向へスライド可能に取付けられている。
そして、球抜きボタン327の前端下面に上端が当接している球抜きレバーは、皿ユニットベース323によって上下にスライド可能に取付けられている上皿球抜きスライダ327bの上部に上側から当接している。この上皿球抜きスライダ327bは、後面から後方に突出している作動伝達部327aを備えており、扉枠3を組立てた状態で、この作動伝達部327aが、皿ユニットベース323における開口部323gから臨むように後方に突出すると共に、球送りユニット250における球抜き部材253の作動棹253cに下方から当接する。なお、上皿球抜きスライダ327bは、上皿球抜きバネ327cにより上方へ付勢されており、この上皿球抜きバネ327cの付勢力により、球抜きスライダ327b及び球抜きレバーを介して上皿球抜きボタン327が上昇端に位置している。
従って、上皿球抜きボタン327を、上皿球抜きバネ327cの付勢力に抗して下方へ押圧すると、上皿球抜きスライダ327bの作動伝達部327aが下方へ移動し、作動伝達部327aの上端側に当接している球抜き部材253の作動棹253cも相対的に下方へ移動することとなるため、球抜き部材253が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部253aによる進入口251aと球抜口251bとの間の仕切りが解除され、それらが互いに連通した状態となる。これにより、上皿321内の遊技球が、球送りユニット250の球抜口251bから皿ユニット320の球抜き誘導路323fへと排出され、下皿球供給口323cを介して下皿322へ排出(供給)させることができる。
なお、上皿球抜きボタン327を操作すると、下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334が連動して可動するようにしても良い。これにより、上皿球抜きボタン327を操作すると、蓋部材334も可動して下皿球抜き孔322aが開くため、上皿321から下皿322へ排出された遊技球が、更に下皿球抜き孔322aから下方のドル箱へ排出されることとなる。つまり、上皿321から遊技球を抜くために上皿球抜きボタン327を操作すると、下皿球抜きボタン333を操作していないにも関わらず、上皿321の遊技球がドル箱に排出されるため、遊技者に対して上皿321の遊技球が直接ドル箱に排出されているように強く錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。なお、上皿321及び下皿322の球抜きの同時開放は、モータやソレノイド等の駆動源の駆動による同時開放であっても良いし、機械的なリンク機構による同時開放であっても良い。
[3−3f.球貸ボタン、返却ボタン、及び球貸返却表示部]
皿ユニット320の球貸ボタン328、返却ボタン329、及び球貸返却表示部330について、主に図41を参照して詳細に説明する。球貸ボタン328、返却ボタン329、及び球貸返却表示部330は、図示するように、皿ユニットカバー326の天板部326hにおける上皿球抜きボタン327の正面視右側で、円形状の装飾内に取付けられている。
球貸ボタン328は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、押圧操作することで、所定数の遊技球を皿ユニット320の上皿321内へ貸出す(払出す)ものである。返却ボタン329は、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを投入した状態で押圧操作すると、貸出された遊技球の分を差し引いた上で、現金やプリペイドカードを返却するものである。
球貸返却表示部330は、図示は省略するが、透明な表面の下側に三桁の7セグメントLEDが配置されており、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等、を表示するものである。
[3−3g.演出選択左ボタン及び演出選択右ボタン]
皿ユニット320の演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332について、主に図41等を参照して詳細に説明する。演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332は、図示するように、皿ユニットカバー326における正面視左側の皿前上装飾部326bにおける演出操作ユニット取付部326aに近い右端付近に取付けられている。演出選択左ボタン331は、一つの頂点を左方へ向けた三角形状に形成されている。演出選択右ボタン332は、演出選択左ボタン331の右方で一つの頂点を右方へ向けた三角形状に形成されている。
演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332は、正面視において遊技領域5a内に配置された遊技盤側演出表示装置1600や演出操作ユニット400の扉枠側演出表示装置460等において、遊技者に対して選択を促す演出画像が表示されると、押圧操作が受付可能となり、所定時間内に演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作して所望の選択肢を選択するためのものである。
[3−3h.下皿球抜きボタン]
皿ユニット320の下皿球抜きボタン333について、主に図41及び図42等を参照して詳細に説明する。下皿球抜きボタン333は、下皿322の前方となる皿ユニットカバー326における下皿開口部326dの下側で、正面視左側の皿前下装飾部326cの前面下端から前方に突出している。この下皿球抜きボタン333は、押圧操作することで、下皿322の下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334を回動させることができ、蓋部材334が回動することで下皿球抜き孔322aが開放されて、下皿322内に貯留されている遊技球を、皿ユニット320の下方へ排出させることができる。
下皿球抜きボタン333は、下皿本体325の下側で皿ユニットカバー326の底板部326iに取付けられている下皿球抜きベース335(図42(b)を参照)によって前後方向へスライド可能に取付けられている。下皿球抜きボタン333は、下皿322の下皿球抜き孔322aに対して左方に配置されている(図28等を参照)。
下皿球抜きベース335には、皿ユニットカバー326の底板部326iにおいて、下皿322の下方に位置して切欠かれている部位を閉鎖するように、底板部326iに取付けられている。下皿球抜きベース335は、下皿322の下皿球抜き孔322aの直下となる位置に、下皿球抜き孔322aと同じ大きさで上下に貫通している排出口335aが形成されている。蓋部材334は、詳細な図示は省略するが、下皿本体325と下皿球抜きベース335との間に配置されている。これにより、下皿322の下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334を開くと、下皿球抜きベース335の排出口335aも開くこととなり、下皿球抜き孔322aと排出口335aとが互いに連通した状態となる。
蓋部材334は、図示は省略するが、平面視において、下皿球抜きボタン333よりも左方の位置を中心として回動可能に下皿球抜きベース335に取付けられている。下皿球抜きボタン333には、蓋部材334における下皿球抜き孔322aを閉鎖する部位と、下皿球抜きベース335により回動可能に取付けられる部位との間の部位が連結されている。これにより、下皿球抜きボタン333を前後方向へ移動させると、蓋部材334が上下に延びた軸周りに回動し、下皿球抜き孔322a(排出口335a)を開閉させることができる。
下皿球抜きベース335には、図示は省略するが、下皿球抜きボタン333を後方へ押圧して移動させた時に、下皿球抜きボタン333を保持する保持装置と、下皿球抜きボタン333を前方へ付勢している下皿球抜きバネと、が取付けられている。下皿球抜きボタン333が前方に突出して下皿球抜き孔322aを蓋部材334により閉鎖している状態で、下皿球抜きボタン333を押圧して後方へ移動させると、蓋部材334が回動して下皿球抜き孔322aが開くと共に、下皿球抜きボタン333が保持装置に保持されて、後方へ押圧されたままの状態となる。この状態で、下皿球抜きボタン333の押圧を放しても、下皿球抜きボタン333が前方へ移動することはなく、下皿球抜き孔322aが開いたままの状態で維持され、下皿322内の遊技球を下皿球抜き孔322a及び排出口335aを通して皿ユニット320の下方へ排出させることができる。
そして、下皿球抜きボタン333が保持装置に保持されて下皿球抜き孔322aが開いている状態で、下皿球抜きボタン333を後方へ押圧すると、保持装置による保持が解除される。この状態で、下皿球抜きボタン333の押圧を放すと、下皿球抜きボタン333が下皿球抜きバネの付勢力により前方へ移動し、突出した状態に復帰すると共に、蓋部材334が回動して下皿球抜き孔322a(排出口335a)が閉鎖された状態となる。これにより、下皿322内に遊技球を貯留させることができる。
なお、下皿球抜きボタン333の押圧操作とは別に、上皿球抜きボタン327の押圧操作によっても、下皿球抜き孔322a(排出口335a)を閉鎖している蓋部材334が可動して下皿球抜き孔322aが開くようにしても良い。これにより、上皿321に貯留された遊技球を皿ユニット320の下方に配置されたドル箱に排出させたい時に、上皿球抜きボタン327を操作するだけで、下皿322を介してドル箱に排出させることができ、球抜きに係る手間を簡素化することができる。なお、上皿321及び下皿322の球抜きの同時開放は、モータやソレノイド等の駆動源の駆動による同時開放であっても良いし、機械的なリンク機構による同時開放であっても良い。
[3−4.演出操作ユニットの全体構成]
扉枠3における演出操作ユニット400の全体構成について、主に図48乃至図55等を参照して詳細に説明する。図48(a)は扉枠における演出操作ユニットの正面図であり、(b)は演出操作ユニットの右側面図である。また、図49(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図50は、演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。図51は図48(a)におけるD−D線で切断した断面図であり、図52は図48(b)におけるE−E線で切断した断面図である。図53(a)は図48(b)におけるF−F線で切断した断面図であり、(b)は(a)におけるA部の拡大図である。図54は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図55は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット400は、皿ユニット320の正面視左右方向中央の前部に取付けられるものであり、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。
演出操作ユニット400は、外形が円形で外周縁を除いた中央側が透明に形成されており遊技者が押圧操作可能な操作ボタン410と、操作ボタン410の外周を囲み皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる枠状のフレームユニット415と、操作ボタン410よりも後方に配置されており操作ボタン410の外周縁及びフレームユニット415を発光装飾させることが可能な装飾基板ユニット420と、フレームユニット415の後側に取付けられており操作ボタン410及び装飾基板ユニット420が前面に取付けられているベースユニット430と、操作ボタン410を通して遊技者側から視認可能にベースユニット430に取付けられており演出画像を表示可能な扉枠側演出表示装置460と、を備えている。
[3−4a.操作ボタン]
演出操作ユニット400の操作ボタン410について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。図56(a)は操作ボタンを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は操作ボタンを分解して後ろから見た分解斜視図である。操作ボタン410は、外形が皿ユニット320の上下方向の高さよりも若干小さい直径の円形に形成されており、外周縁を除いた中央側が透明に形成されている。操作ボタン410は、外周が円形で中央側が前方へ膨出するように球面状に形成されている透明なボタンレンズ411と、ボタンレンズ411の外周縁の前側に取付けられている円環状のボタンフレーム412と、ボタンフレーム412の後側にボタンレンズ411の外周縁を挟持するように取付けられている円筒状のボタンベース413と、を備えている。ボタンフレーム412及びボタンベース413は、光を通し難い部材によって形成されている。
ボタンレンズ411は、全体が略一定の厚さに形成されている。また、ボタンレンズ411は、表面側が凹凸の無い滑らかな球面状に形成されている。ボタンレンズ411は、ボタンフレーム412の内周側となる位置に裏面から断面W字状に窪んだ状態で中央側(内側)へ所定長さで延びていると共に周方向に列設されている第一ボタン装飾部411aと、第一ボタン装飾部411aよりも外周側の位置に裏面から断面円弧状に窪んだ状態で中央側へ向かう軸線上に延びていると共に周方向に所定角度範囲内で列設されている複数(六つ)の第二ボタン装飾部411bと、を備えている。
ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aは、図示するように、操作ボタン410に組立てた状態では、ボタンフレーム412の内周から中央側へ延びており、左右両側の一群が、上下両側の一群よりも中央側へ長く延びている。
ボタンレンズ411の複数の第二ボタン装飾部411bは、夫々が同一の円周上において円弧状に延びており、左右両側に夫々三つずつ形成されている。これらの第二ボタン装飾部411bは、ボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨むように形成されていると共に、前面側がボタンフレーム412の前面と略同一面上となるように前方へ突出している。
ボタンレンズ411は、第一ボタン装飾部411a及び第二ボタン装飾部411bの部位において、裏面に形成されている断面W字状や断面円弧状の凹凸により、光が屈折するレンズ効果が発揮されるため、後側が明瞭に見え内容になっている。
ボタンフレーム412は、円環状に形成されており、前後方向に貫通し周方向へ所定長さで円弧状に延びた複数(六つ)のフレーム開口部412aを備えている。六つのフレーム開口部412aは、左右両側に夫々三つずつ備えられており、ボタンレンズ411の六つの第二ボタン装飾部411bと対応している。このボタンフレーム412は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えている。
ボタンベース413は、前後方向に短く延びた略円筒状の本体部413aと、本体部413aの前端から外方へ突出している円環状のフランジ部413bと、フランジ部413bの後側から本体部413aの外周に沿って後方へ円柱状に突出しており周方向に略等間隔で複数(四つ)配置されているガイドボス部413cと、フランジ部413bの後側から本体部413aの外周に沿って後方へ帯板状に突出しており周方向に複数(三つ)配置されている検知片413dと、本体部413aよりも外側でフランジ部413bを前後に貫通していると共に外周に沿って所定長さで延びており周方向に複数(六つ)形成されているベース開口部413eと、本体部413aの前端から前方へ筒状に延出しており前端側がボタンレンズ411の内面に沿うように内側(中央側)へ窄まっている内側延出部413fと、を備えている。
ボタンベース413における内側延出部413fの外周面と、フランジ部413bの前面とにボタンレンズ411の外周縁及びボタンフレーム412が取付けられる。四つのガイドボス部413cは、本体部413aの周方向に対して、上下左右の四隅に相当する部位に夫々配置されている。これら四つのガイドボス部413cは、ベースユニット430におけるユニットベース431の保持孔431b内に夫々摺動可能に挿入される。三つの検知片413dは、本体部413aの周方向に対して、上側に二つ、下側に一つ、配されるように、周方向へ略等間隔に配置されている。これら三つの検知片413dは、操作ボタン410が押圧されると、ベースユニット430の押圧検知センサ440により検知される。
六つのベース開口部413eは、左右両側に夫々三つずつ備えられており、ボタンレンズ611の第二ボタン装飾部611b及びボタンフレーム612のフレーム開口部612aと対応している。ボタンベース413におけるベース開口部413eの部位では、本体部413a及び内側延出部413fの一部が、外周側から内側へ窪んでいる。内側延出部413fは、内側へ窄まっている前端の内径が、ボタンフレーム412の内径と略一致している。
この操作ボタン410は、前面が前方へ球面状に膨出していると共に、透明に形成されており、後側に配置されている扉枠側演出表示装置の表示画面を前方から視認することができる。操作ボタン410は、四つのガイドボス部413cがベースユニット430におけるユニットベース431の保持孔431bに摺動可能に挿入されていると共に、ユニットベース431の保持孔に431bに挿入されている操作ボタンバネ438により前方へ付勢されている。操作ボタン410は、ベースユニット430の操作ボタンバネ438の付勢力により、外周縁の前面側がフレームユニット415に当接することで、前方へのこれ以上の移動が規制されており、操作ボタンバネ438の付勢力に抗して押圧操作することで、後端がベースユニット430の前面に当接するまで後方へ移動する。操作ボタン410は、押圧操作して後方へ移動させると、三つの検知片413dの少なくとも一つがベースユニット430の押圧検知センサ440に検知される。この押圧検知センサ440による検知片413dの検知によって、操作ボタン410が操作されたこととなる。
また、操作ボタン410は、演出操作ユニット400を組立てた状態で、透明なボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周端から中央側へ延びるように全周に亘って形成されている第一ボタン装飾部411aによって、ボタンベース413の内周面と、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432との間の隙間を、遊技者側から見え難くすることができる。
更に、操作ボタン410は、円筒状のボタンベース413の前端開口を、ボタンレンズ411とボタンフレーム412とで閉鎖しており、ボタンレンズ411の外周縁に取付けられているボタンフレーム412により、操作ボタン410の外径に対して、後方が視認可能な透明な部分が、外周から内側へ窄まったように形成されている。このボタンフレーム412の存在によっても、ボタンベース413の内周面と、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432との間の隙間を、遊技者側から見え難くしている。
また、操作ボタン410は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、筒状のボタンベース413(本体部413a)の後端が、装飾基板ユニット420の内周側を通して装飾基板ユニット420の前面よりも後方へ突出た状態となる。これにより、装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に夫々実装されている第一LED422a,423b及び第二LED422b,423bから前方へ照射された光がボタンベース413の外側から内側へ漏れるのを防止することができると共に、ベースユニット430の操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されたLEDから前方へ照射された光がボタンベース413の内側から外側へ漏れるのを防止することができる。従って、装飾基板ユニット420の第一LED422a,423b及び第二LED422b,423bやベースユニット430の操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されたLEDが、発光装飾対象としている部位以外が発光装飾されてしまうのを防止することができ、見栄え良く発光装飾を行うことができる。
[3−4b.フレームユニット]
演出操作ユニット400のフレームユニット415について、主に図53乃至図55等を参照して詳細に説明する。フレームユニット415は、操作ボタン410の前方側から外周を囲むように、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに前側から取付けられ、操作ボタン410の外側を装飾している。フレームユニット415は、外形が演出操作ユニット取付部326aの前端側に合わせた形状に形成されている。
フレームユニット415は、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられ円形の中央開口部416aを有する枠状のフレーム本体416と、中央開口部416aの左右両側でフレーム本体416に後側から取付けられる透光性を有した一対のフレームサイドレンズ417と、中央開口部416aの上側でフレーム本体416に前側から取付けられる透光性を有したフレームトップレンズ418と、を備えている。
フレーム本体416は、操作ボタン410の外径よりも小径で前後に貫通している円形の中央開口部416aと、中央開口部416aよりも左右両外側で前後に貫通していると共に中央開口部416aの周縁に沿って円弧状に延びており周方向に列設されている複数(六つ)の外周開口部416bと、中央開口部416aの上側前面において所定幅で切欠かれている切欠部416cと、を備えている。中央開口部416aは、操作ボタン410におけるボタンフレーム412のフレーム開口部412aの外周側の直径と略同じ大きさに形成されている。これにより、フレーム開口部412aの外周後側に操作ボタン410におけるボタンベース413のフランジ部413bの前端側が当接できるようになっている。
六つの外周開口部416bは、中央開口部416aの左右両外側に、夫々三つずつ備えられており、後側からフレームサイドレンズ417によって閉鎖されている。切欠部416cは、前後方向にも貫通しており、前側からフレームトップレンズ418が嵌込まれている。
また、フレーム本体416は、中央開口部416aの周縁よりも若干外側の位置から後方へ延出している略筒状の内側筒部416dを備えている。内側筒部416dは、中央開口部416aと外周開口部416bとの間の位置から後方へ延出しており、切欠部416cと対応している部位が切欠かれている。内側筒部416dは、演出操作ユニット400を組立てた状態では、装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423bと第二LED422b,423bとの間に位置しており、第一LED422a,423bと第二LED422b,423bとの間を仕切っている(図52を参照)。
更に、フレーム本体416は、外周の左右両側上部において夫々外方へ延出しており、皿ユニット320の皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる一対の取付部416eを備えている。フレーム本体416(演出操作ユニット400)は、一対の取付部416eと切欠部416cの左右両側の部位が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる。
フレーム本体416は、中央開口部416aを間にして切欠部416c側(フレームトップレンズ418が取付けられる側)とは反対側で切欠部416cと同じ幅の部位を除いて、表面の略全体に金属光沢を有したメッキ層が形成されている。
フレームサイドレンズ417は、フレーム本体416の左右に夫々三つずつ形成されている外周開口部416bを後側から閉鎖している。フレームサイドレンズ417は、前面側が凹凸の無い滑らかな面に形成されており、後面側に中央開口部416aの周縁に沿った複数の凹凸が形成されている(図53及び図63を参照)。これら複数の凹凸によって光が屈折することで、フレームサイドレンズ417の後側が見えないようになっている。
フレームトップレンズ418は、フレーム本体416の切欠部416cに前側から嵌込まれるように、外形が略四角形に形成されている。フレームトップレンズ418は、前面側が滑らかに形成されている。また、フレームトップレンズ418は、後面側に中央開口部416aの周縁に沿ってジグザグ状に延びた複数の凹凸が中央開口部416aの半径方向に複数列設されている(図51及び図63を参照)。これら複数の凹凸によって光が屈折することで、フレームトップレンズ418の後側が見えないようになっている。
フレームユニット415は、演出操作ユニット400を組立てた状態で、一対のフレームサイドレンズ417が装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第二LED422b,423abの前方に位置すると共に、フレームトップレンズ418がベースユニット430のフレームトップレンズ装飾基板437の前方に位置し、それらに実装されている第二LED422b,423ab等によって夫々が発光装飾可能となっている。
[3−4c.装飾基板ユニット]
演出操作ユニット400の装飾基板ユニット420について、主に図53乃至図57等を参照して詳細に説明する。図57は、演出操作ユニットの装飾基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。装飾基板ユニット420は、フレームユニット415の下方でベースユニット430の前面に取付けられ、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411b及びフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができると共に、演出操作ユニット400に振動を付与させることができるものである。
装飾基板ユニット420は、上方側が開放されたC字状の基板ベース421と、基板ベース421における左右両側の前面に夫々取付けられている操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423と、基板ベース421の前面下部に取付けられている振動モータ424と、振動モータ424の前側を覆うように基板ベース421の前面に取付けられているモータカバー425と、を備えている。
基板ベース421は、内周側が操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aの外径よりも若干大きく形成されていると共に、外周側がボタンベース413におけるフランジ部413bの外径よりも大きくフレームユニット415の外径よりも小さく形成されている。
操作ボタン左外装飾基板422は、基板ベース421の前面に沿って円弧状に延びている。操作ボタン左外装飾基板422は、前面側に、基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第一LED422aと、複数の第一LED422aよりも半径方向外側で基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第二LED422bと、を備えている。操作ボタン右外装飾基板423は、基板ベース421の前面に沿って円弧状に延びている。操作ボタン右外装飾基板423は、前面側に、基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第一LED423aと、複数の第一LED423aよりも半径方向外側で基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第二LED423bと、を備えている。これら操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423は、前後両面が白色とされている。
振動モータ424は、回転軸に偏芯した錘424aが取付けられており、この錘424aを回転させることで振動を発生させることができる。
装飾基板ユニット420は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、基板ベース421の内側に、操作ボタン410におけるボタンベース413の筒状の本体部413a後端側が挿入されている。また、装飾基板ユニット420は、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aが操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bの後方に位置し、夫々の第二LED422b,423bがフレームユニット415のフレームサイドレンズ417の後方に位置している。また、演出操作ユニット400に組立てた状態では、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423の夫々の第一LED422a,423aと、夫々の第二LED422b,423bとの間に、フレームユニット415の内側筒部416dが位置している(図52を参照)。
従って、装飾基板ユニット420は、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aからの光によって操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを発光装飾させることができると共に、夫々の第二LED422b,423bからの光によってフレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを発光装飾させることができる。
また、装飾基板ユニット420は、振動モータ424の錘424aを回転させることで、振動を発生させて、演出操作ユニット400全体を振動させることができる。
[3−4d.ベースユニット]
演出操作ユニット400のベースユニット430について、主に図58乃至図60等を参照して詳細に説明する。図58(a)は演出操作ユニットのベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットのベースユニットを後ろから見た斜視図である。図59は、演出操作ユニットのベースユニットを分解して前から見た分解斜視図である。また、図60は、演出操作ユニットのベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット400のベースユニット430は、操作ボタン410を前後方向へ進退可能に取付けていると共に、フレームユニット415の後側に取付けられるものである。
ベースユニット430は、フレームユニット415の後側に取付けられ中央部において上下に延びた略四角形に貫通している貫通孔431a、及び貫通孔431aの外側で前方に開放された止り孔からなる四つの保持孔431bを有する環状のユニットベース431と、ユニットベース431の前面で貫通孔431aを覆うように取付けられており前後に短く筒状延びた透光性を有する操作ボタン内装飾部材432と、操作ボタン内装飾部材432の後方でユニットベース431の前面における貫通孔431aの左右両側に夫々取付けられている操作ボタン左内装飾基板433及び操作ボタン右内装飾基板434と、操作ボタン内装飾部材432の後方でユニットベース431の前面における貫通孔431aの上下両側に取付けられている操作ボタン上内装飾基板435及び操作ボタン下内装飾基板436と、ユニットベース431の前面上部に取付けられているフレームトップレンズ装飾基板437と、を備えている。
また、ベースユニット430は、ユニットベース431の四つの保持孔431b内に夫々挿入されている四つの操作ボタンバネ438と、ユニットベース431の前面に取付けられている三つのセンサホルダ439と、各センサホルダ439に夫々取付けられており操作ボタン410の押圧操作を検知する三つの押圧検知センサ440と、ユニットベース431の後側に取付けられている演出操作ユニット中継基板441と、演出操作ユニット中継基板441の後側を覆うようにユニットベース431の後側に取付けられている中継基板カバー442と、を備えている。
ユニットベース431は、外形が略円形状で、フレームユニット415の外形よりも若干小さく形成されている。ユニットベース431は、中央において前後に貫通しており、上下延びた略四角形の貫通孔431aが形成されている。この貫通孔431aは、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413a内に収まる大きさで、扉枠側演出表示装置460の表示画面が挿通可能な大きさに形成されている。このユニットベース431の後側に扉枠側演出表示装置460が取付けられる。
ユニットベース431の四つの保持孔431bは、貫通孔431aの外側の上下左右の四隅で、操作ボタン410におけるボタンベース413の四つのガイドボス部413cと対応する位置に形成されている。これら保持孔431bは、内径がガイドボス部413cの外径よりも若干大きく形成されており、ガイドボス部413cを摺動可能に挿入させることができる。
更に詳述すると、四つの保持孔431bのうちの左上側の保持孔431bは、ユニットベース431の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース431の中心に対して反時計周りの方向へ約30度回転した位置に形成されている。また、四つの保持孔431bのうちの右上側の保持孔431bは、ユニットベース431の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース431の中心に対して時計周りの方向へ約47度回転した位置に形成されている。一方、四つの保持孔431bのうちの下側に配置されている二つの保持孔431bは、上側の二つの保持孔431bに対してユニットベース431の中心の反対側の位置に夫々形成されている。
また、ユニットベース431は、前面上部において、操作ボタン上内装飾基板435が取付けられる部位と、フレームトップレンズ装飾基板437が取付けられる部位との間から平板状に前方へ突出している遮光壁部431cを備えている。この遮光壁部431cにより、フレームトップレンズ装飾基板437のみによってフレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。
操作ボタン内装飾部材432は、前後方向へ短く延びた略円筒状の周壁部432aと、周壁部432aの前端側を閉鎖しており中央が前方へ突出するように湾曲面状に形成されている前板部432bと、前板部432bを前後に貫通しており上下延びた四角形状の開口部432cと、周壁部432aの後端から外方へ延出しているフランジ部432dと、フランジ部432dから後方へ突出しておりユニットベース431に取付けられる複数の取付ボス432eと、を備えている。
操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aは、外径が操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内径と略同じ大きさに形成されている。前板部432bを貫通している開口部432cは、扉枠側演出表示装置の表示画面と略同じ大きさに形成されている。
操作ボタン内装飾部材432は、周壁部432aの外周面と、前板部432bの前面が、凹凸のない滑らかな面に形成されている。
操作ボタン内装飾部材432は、周壁部432aの内周面に形成されており、円弧状に窪んでいると共に前後方向へ延びており、周方向に複数備えられた第一ボタン内装飾部432fと、前板部432bの後面に形成されており、円弧状に膨出し前板部432bの中央を中心とするような変八角形状の延びていると共に、前板部432bの中央を中心として同心円状に複数備えられている第二ボタン内装飾部432g(図63を参照)と、を備えている。第二ボタン内装飾部432gは、開口部432cの四つの内周辺と平行に延びている部位を有するように形成されている。
操作ボタン内装飾部材432は、透明な部材によって形成されている。操作ボタン内装飾部材432は、周壁部432aの第一ボタン内装飾部432fと、前板部432bの第二ボタン内装飾部432gとによるレンズ効果により、後方が明瞭に視認できないようになっている。
操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436は、夫々前面側に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることができる。この操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることで、操作ボタン410内や扉枠側演出表示装置460の外側を発光装飾させることができる。
フレームトップレンズ装飾基板437は、前面に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで、フレームユニット415におけるフレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。
操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、操作ボタン下内装飾基板436、及びフレームトップレンズ装飾基板437に実装されているLEDは、夫々フルカラーLEDとされている。また、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、操作ボタン下内装飾基板436、及びフレームトップレンズ装飾基板437は、前面が白色とされている。
操作ボタンバネ438は、コイルバネとされており、ユニットベース431における四つの保持孔431b内に前方から挿入されている。操作ボタンバネ438は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、後端が保持孔431bの底面に当接しており、前端が操作ボタン410におけるボタンベース413の本体部413aから後方へ突出しているガイドボス部413cの後端に当接している。これら操作ボタンバネ438により、操作ボタン410を前方へ付勢している。
三つの押圧検知センサ440は、操作ボタン410におけるボタンベース413の三つの検知片413dと対応している位置に配置されている。詳述すると、三つの押圧検知センサ440は、ユニットベース431の前面において、一つが左上の保持孔431bの左下側に、もう一つが右上の保持孔431bの右下側に、残りの一つが左下の保持孔431bの右下側に夫々センサホルダ439を介して取付けられている。三つの押圧検知センサ440は、ユニットベース431の中央を中心として周方向へ略等間隔に取付けられている。これら三つの押圧検知センサ440は、操作ボタン410の三つの検知片413dを検知することができる。
演出操作ユニット中継基板441は、ユニットベース431の後側において、背面視で貫通孔431aの右側に取付けられている。演出操作ユニット中継基板441は、操作ボタン左外装飾基板422、操作ボタン右外装飾基板423、振動モータ424、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、操作ボタン下内装飾基板436、フレームトップレンズ装飾基板437、押圧検知センサ440、及び扉枠側演出表示装置460と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継するためのものである。
中継基板カバー442は、演出操作ユニット中継基板441の後側を覆う部位の下端から正面視左方に延びており、ユニットベース431の後面下部に取付けられる脚部442aを備えている。中継基板カバー442の脚部442aは、扉枠3に組立てた状態では、下面が略水平に延びていると共に、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の底面を形成している底板部326iとの間で僅かな隙間を形成している(図26を参照)。これにより、操作ボタン410やフレームユニット415を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、脚部442aの下面が皿ユニットカバー326の底板部326iの上面に当接するまでの間では、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等が下方へ撓むことで衝撃を吸収することができる。そして、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接した後では、演出操作ユニット400の下方へ移動を規制し、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させて、それらの破損を防止することができる。
[3−4e.扉枠側演出表示装置]
演出操作ユニット400の扉枠側演出表示装置460について、主に図54及び図55等を参照して詳細に説明する。扉枠側演出表示装置460は、表示画面がベースユニット430における操作ボタン内装飾部材432の開口部432cから前方へ臨むようにユニットベース431の後側に取付けられており、操作ボタン410の透明な中央部分を通して前方側(遊技者側)から表示画面を視認することができると共に、表示画面に演出画像を表示させることができるものである。
扉枠側演出表示装置460は、前面に四角形の表示画面を有した液晶表示装置461と、液晶表示装置461の後側に取付けられていると共に、ベースユニット430のユニットベース431の後側に取付けられる有底角筒状の取付ブラケット462と、を備えている。液晶表示装置461は、縦横の比が、16:9で、対角線の長さが、約4.3inchの市販のカラー液晶ディスプレイである。取付ブラケット462は、外周が液晶表示装置461の外周と同じ形状に形成されており、有底筒状の底部が液晶表示装置461の後面と当接するように取付けられている。
扉枠側演出表示装置460は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、液晶表示装置461がユニットベース431の貫通孔431aを後側から貫通して、操作ボタン内装飾部材432の周壁部432a内に突出している(図51を参照)。液晶表示装置461の前面(表示画面)は、操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aの前端付近に位置しており、前板部432bを貫通している開口部432cから前方に臨んでいる。
扉枠側演出表示装置460は、液晶表示装置461において周辺制御基板1510からの制御信号に基づいた所定の演出画像を表示することができる。
[3−4f.演出操作ユニットの作用効果]
演出操作ユニット400の作用効果について、主に図61乃至図63等を参照して詳細に説明する。図61は、図51の演出操作ユニットの断面図において操作ボタンを押圧した状態を示す説明図である。図62(a)は演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの一部を切欠いて操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。図63(a)は演出操作ユニットの外観を前から見た斜視図で示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの外観を操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。
本実施形態の演出操作ユニット400は、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて演出画像を遊技者に見せることができると共に、遊技者に操作ボタン410の操作をさせて遊技者に提示した演出に遊技者を参加させて楽しませることができるものである。
演出操作ユニット400は、全高が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の貫通口111の下側の部位の高さと略同じ高さに形成されている。また、演出操作ユニット400は、全幅が、扉枠3の全幅の1/3よりも若干大きく形成されている。演出操作ユニット400は、正面視において、遊技領域5a(扉枠ベース110の貫通口111)の下側で左右方向の中央に配置されている。
演出操作ユニット400は、フレームユニット415のフレーム本体416の上部が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられている。演出操作ユニット400は、皿ユニット320に取付けた状態で、底面となる中継基板カバー442の脚部442aの下面が、皿ユニット320の皿ユニットカバー326における底板部326iの上面との間に、隙間が形成されている。つまり、演出操作ユニット400は、皿ユニット320に対して上部のみが取付けられており、吊下げられた状態に取付けられている。
また、演出操作ユニット400は、フレームユニット415の前面(フレーム本体416の中央開口部416aの前端内周により形成される面)が、演出操作ユニット取付部326aの前端開口の傾斜面と平行になるように取付けられている。これにより、演出操作ユニット400は、球面状に前方へ膨出している透明な操作ボタン410の中心軸線CLが、垂直線に対して63度の角度で、前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している。これにより、本パチンコ機1を用いて遊技を行うために本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、遊技者の頭部が皿ユニット320(演出操作ユニット400)の上方に配置されている遊技盤5における遊技領域5aの中央の前方に位置するため、操作ボタン410の中心軸線CLが、遊技者の頭部付近を通ることとなる。従って、遊技者が遊技領域5aから演出操作ユニット400(操作ボタン410)に視線を落すと、操作ボタン410がその正面視(中心軸線CLと平行な方向からの投影視)に可及的に近い状態で見えることとなり、操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460等を良好な状態で視認することができる。
演出操作ユニット400は、操作ボタン410の四つのガイドボス部413cがベースユニット430の四つの保持孔431bに夫々摺動可能に挿入されていると共に、操作ボタンバネ438により前方へ付勢されている。演出操作ユニット400は、通常の状態(操作ボタン410を押圧操作していない状態)では、操作ボタンバネ438の付勢力によって、操作ボタン410のボタンベース413のフランジ部413bの前端が、フレームユニット415のフレーム本体416の後面における中央開口部416a付近の部位に当接している。
演出操作ユニット400は、通常の状態では、操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内周付近から中央側(中心軸線CL側)が、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している。換言すると、操作ボタン410における球面状に前方へ膨出している透明なボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周(内側)から前方へ突出している部位が、フレームユニット415のフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している(図51等を参照)。
因みに、本実施形態では、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aの直径が約15cmとされており、操作ボタン410の中心軸線CL方向に対してボタンレンズ411(の前端)がフレームユニット415の前面から約4cm前方へ突出している。
通常の状態において、遊技者が演出操作ユニット400の操作ボタン410を押圧操作すると、操作ボタン410は操作ボタンバネ438の付勢力に抗して中心軸線CLに沿って後方へ移動する。そして、操作ボタン410の後端がベースユニット430のユニットベース431の前面に当接すると、後方への移動が規制されて操作ボタン410の後方への移動が停止する。遊技者が操作ボタン410を押圧操作する時には、球面状に前方へ膨出しているボタンレンズ411を押圧する。
この操作ボタン410は、従来のパチンコ機に備えられている演出用の操作ボタンと比較して、外径が非常に大きく形成されているため、ボタンレンズ411の中央部分から離れた周縁付近が押圧される可能性が高い。詳述すると、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、その中心軸線が垂直線と略平行に延びるように取付けられているのに対して、本実施形態の演出操作ユニット400の操作ボタン410は、中心軸線CLが垂直線に対して傾いて取付けられているため、遊技者が従来のパチンコ機と同様に上方から操作ボタン410を押圧すると、図61において白抜きの矢印で示すように、操作ボタン410の中心軸線CLから離れた部位を押圧することとなる。
ところで、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、遊技者が押圧操作する面が平坦な面に形成されていることから、押圧操作する部位を平坦な面としたまま操作ボタンを大きくした場合、操作ボタンの中央から外れた部位を押圧すると、その押圧された部位が先に後退するように押圧操作する面が傾いてしまい、操作ボタンが真直ぐに後退することができなくなって、操作ボタンを押圧操作することができなくなる虞がある。
これに対して、本実施形態の演出操作ユニット400の操作ボタン410は、遊技者が押圧操作する部位(ボタンレンズ411)が、前方へ膨出した球面状としているため、操作ボタン410の中央から離れた位置を押圧操作した場合、その力が操作ボタン410の全体に分散されて操作ボタン410が傾き難くなり、操作ボタン410が真直ぐに後方へ移動することができる。従って、操作ボタン410の前面側のどの位置を押圧操作しても、操作ボタン410が傾く異なるスムーズに後退することができるため、押圧操作を確実に検知させることができ、操作ボタン410を押圧操作する演出を十分に楽しませることができる。
また、演出操作ユニット400は、装飾基板ユニット420における基板ベース421の前面下部に振動モータ424が取付けられている上で、上述したように、演出操作ユニット400が吊下げられるように上部のみが皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられているため、振動モータ424により錘424aを回転させて振動を発生させると、取付けられている部位から最も離れた部位で振動が発生することから、演出操作ユニット400全体を大きく(強く)振動させることができ、演出操作ユニット400に触れている遊技者に対して振動を伝達させることができる。また、振動モータ424を、比較的遊技者が押圧操作し易い位置(図61において白抜きの矢印の位置)の直下に配置しているため、操作ボタン410を押圧操作している遊技者に対して強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて演出を楽しませることができる。
更に、演出操作ユニット400は、吊下げられたような状態で皿ユニットカバー326に取付けられていると共に、下面を形成している中継基板カバー442の脚部442aの下面と皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に隙間が形成されているため、操作ボタン410を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接するまでの間、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等が下方へ撓むことで衝撃を吸収することができる。また、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接した後では、演出操作ユニット400の下方へ移動を規制し、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させることができ、演出操作ユニット400等の破損を防止することができる。従って、演出操作ユニット400の操作ボタン410を押圧操作する演出を遊技者に提示した時等に、強い力で操作ボタン410が押圧操作されたり叩かれたりしても、操作ボタン410や演出操作ユニット400等が破損することはないため、破損による遊技の中断を回避させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができると共に、破損し難くすることで遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
なお、上述したように、遊技者が押圧操作する操作ボタン410のボタンレンズ411を、前方へ突出している球面状に形成しているため、平板状とした場合と比較して強度・剛性が高くなっていると共に、強く叩かれても、その衝撃をボタンレンズ411全体へ分散させることができ、破損し難くなっている。
また、演出操作ユニット400は、図63に示すように、ボタンレンズ411、フレームサイドレンズ417、フレームトップレンズ418、及び操作ボタン内装飾部材432が、透明な部材で構成されているため、それらの裏面側に形成されている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、第一ボタン内装飾部432f、及び第二ボタン内装飾部432g等の凹凸による装飾が、前方側(遊技者側)から視認することができる。また、それら凹凸の装飾が形成されている部位では、板厚が変化していることら光が複雑に屈折するため、凹凸の装飾が形成されている部位を通しては後側が視認し難くなっている。
演出操作ユニット400は、操作ボタン410のボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周から中央側へ延びている第一ボタン装飾部411aを備えているため、この第一ボタン装飾部411aの凹凸の装飾によりボタンレンズ411の内側となる部位の外周縁の部位において後方を見え辛くすることができる。第一ボタン装飾部411aが形成されている部位の後方(中心軸線CL方向の後方)には、操作ボタン410のボタンベース413の本体部413aの内周面と操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aの外周面との間の隙間が位置しているが、その隙間の前方に位置する第一ボタン装飾部411aによって前方側(遊技者側)から、操作ボタン内装飾部材432の外周の隙間を見え難くすることができる。これにより、押圧操作可能な操作ボタン410内に、位置が固定されている操作ボタン内装飾部材432を備えても、操作ボタン410の見栄えの悪化を防止することができ、操作ボタン410を見た遊技者が不快感を抱くのを防止することができると共に、透明な操作ボタン410内に操作ボタン内装飾部材432を問題なく配置することができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。
詳述すると、演出操作ユニット400は、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412によって、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432の外周よりも外側で後方側(奥側)にあるユニットベース431や装飾基板ユニット420等が、透明なボタンレンズ411を通して遊技者側から見えないように形成されている。具体的には、図62において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位が、遊技者側から見えないようにしている。このように、操作ボタン410に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等を備えているため、操作ボタン内装飾部材432の外縁や奥側を見え難くして隠すことができ、操作ボタン410、ひいては、演出操作ユニット400全体の見栄えを良くすることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aが、操作ボタン410の中心軸線CLへ向かうように延びていると共に周方向に列設されているのに対して、操作ボタン410の内側後方に配置されている操作ボタン内装飾部材432の前板部432bに形成されている第二ボタン内装飾部432gが中心軸線CLを中心とした変八角形状に延びていると共に同心円状に列設されているため、図63に示すように、第一ボタン装飾部411aの凹凸線と第二ボタン内装飾部432gの凹凸線とが交差することとなり、幾何学的な装飾を遊技者に見せることができる。
また、演出操作ユニット400は、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとが、前後方向(中心軸線CLの延びている方向)に離れているため、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとによって奥行のある立体的な感じの幾何学模様を遊技者に見せることができ、操作ボタン410内を含む装飾を楽しませることができる。
更に、演出操作ユニット400では、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとが前後方向に離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、第一ボタン装飾部411aの凹凸線と、第二ボタン内装飾部432gの凹凸線との重なり具合が変化するため、動きのある装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
このように、演出操作ユニット400は、操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aと操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gとによって、動きがあり立体感のある装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410内(ボタンフレーム412の内側)で、操作ボタン内装飾部材432の後方には、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436が配置されており、それらの前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、操作ボタン410内の操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることができる。つまり、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436によって、操作ボタン410内を発光装飾させることができる。これら操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の前面に実装されているLEDは、図52に示すように、中心軸線CLの延びている方向から見て、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aの内側に配置されているため、それらからの光が本体部413aの外側に漏れることはなく、操作ボタン410内のみを良好に発光装飾させることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410の外周付近に位置するボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨む第二ボタン装飾部411bの後方に、装飾基板ユニット420における操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aが配置されており、それら第一LED422a,423aを発光させることで、操作ボタン410の六つの第二ボタン装飾部411bを発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aは、図52に示すように、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aと、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとの間に位置しており、第一LED422a,423aからの光が本体部413aの内側や内側筒部416dの外側へ漏れることはなく、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを良好に発光装飾させることができる。
更に、演出操作ユニット400は、フレームユニット415におけるフレーム本体416の六つの外周開口部416bから臨むフレームサイドレンズ417の後方に、操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bが配置されており、それら第二LED422b,423bを発光させることでフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bは、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとフレーム本体416の外周との間に位置しており、第二LED422b,423bからの光が内側筒部416dの内側やフレーム本体416の外側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを良好に発光装飾させることができる。
また、演出操作ユニット400は、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に、ベースユニット430におけるフレームトップレンズ装飾基板437が配置されており、フレームトップレンズ装飾基板437の前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。ユニットベース431におけるユニットベース431のフレームトップレンズ装飾基板437が取付けられている部位の下側からは、フレームトップレンズ418の下端後方付近まで前方へ平板状の遮光壁部431cが突出しており、フレームトップレンズ装飾基板437のLEDからの光が操作ボタン410やフレームサイドレンズ417側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームトップレンズ418のみを良好に発光装飾させることができる。
[3−4g.演出操作ユニットの第二実施形態の全体構成]
次に、上記の演出操作ユニット400の第二実施形態である第二演出操作ユニット400Aについて、主に図64乃至図71等を参照して詳細に説明する。図64(a)は図48乃至図63の演出操作ユニットとは実施形態の異なる第二演出操作ユニットの正面図であり、(b)は第二演出操作ユニットの右側面図である。図65(a)は第二演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は第二演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図66は、第二演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。図67は、図64(a)におけるG−G線で切断した断面図である。図68は、図64(b)におけるH−H線で切断した断面図である。図69(a)は図64(b)におけるI−I線で切断した断面図であり、(b)は(a)におけるA部の拡大図である。図70は第二演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図71は第二演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
第二演出操作ユニット400Aは、上記の演出操作ユニット400に替えて皿ユニット320の演出操作ユニット取付部326aに取付けることができるものである。この第二演出操作ユニット400Aは、演出操作ユニット400と同様に、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。以下では、第二演出操作ユニット400Aにおいて、演出操作ユニット400と同一の構成部材については、同一の符号を付して説明する。
第二演出操作ユニット400Aは、外形が円形で外周縁を除いた中央側が透明に形成されており遊技者が押圧操作可能な操作ボタン410と、操作ボタン410の外周を囲み皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる枠状のフレームユニット415と、操作ボタン410よりも後方に配置されており操作ボタン410の外周縁及びフレームユニット415を発光装飾させることが可能な装飾基板ユニット420と、フレームユニット415の後側に取付けられており操作ボタン410及び装飾基板ユニット420が前面に取付けられている第二ベースユニット450と、操作ボタン410を通して遊技者側から視認可能に第二ベースユニット450に取付けられており演出画像を表示可能な扉枠側第二演出表示装置460Aと、扉枠側第二演出表示装置460Aの下面に取付けられている緩衝ユニット510と、を備えている。
また、第二演出操作ユニット400Aは、扉枠側第二演出表示装置460Aの正面視右側面に取付けられている第二演出操作ユニット中継基板515と、第二演出操作ユニット中継基板515の表面を覆うように扉枠側第二演出表示装置460Aの正面視右側面に取付けられている中継基板カバー516と、を備えている。第二演出操作ユニット中継基板515及び中継基板カバー516は、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるプロジェクタ取付部材505の正面視右側面に取付けられている。
第二演出操作ユニット中継基板515は、操作ボタン左外装飾基板422、操作ボタン右外装飾基板423、振動モータ424、押圧検知センサ454、フレームトップレンズ装飾基板482、切替駆動モータ492、プロジェクタ500、及び回転検知センサ507と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継するためのものである。
[3−4g−1.操作ボタン]
第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410について、主に図69乃至図72等を参照して詳細に説明する。図72(a)は第二演出操作ユニットの操作ボタンを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第二演出操作ユニットの操作ボタンを分解して後ろから見た分解斜視図である。第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410は、外形が皿ユニット320の上下方向の高さよりも若干小さい直径の円形に形成されており、外周縁を除いた中央側が透明に形成されている。この操作ボタン410は、外周が円形で中央側が前方へ膨出するように球面状に形成されている透明なボタンレンズ411と、ボタンレンズ411の外周縁の前側に取付けられている円環状のボタンフレーム412と、ボタンフレーム412の後側にボタンレンズ411の外周縁を挟持するように取付けられている円筒状のボタンベース413と、を備えており、演出操作ユニット400の操作ボタン410と略同一の構成である。
具体的な相違点は、第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410と、演出操作ユニット400の操作ボタン410とでは、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aの模様と、ボタンベース413のガイドボス部413cの形状が異なっている。
詳述すると、図示するように、第二演出操作ユニット400Aにおける操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aは、ボタンフレーム412の内周と接する部位に、ボタンレンズ411の中央側へ一つの頂点を向けた三角形と、中央とは反対側へ一つの頂点を向けた三角形とが、周方向へ交互に全周に亘って複数列設されたトラス状の模様と、トラス状の模様におけるボタンレンズ411の中央側を向いている底辺と、その底辺の両端からボタンレンズ411の中央側へ延びた辺と、その辺の先端から底辺の中央へ延びている斜辺とで構成された直角三角形状の模様と、直角三角形状の模様の斜辺と、トラス状の模様の三角形の底辺の中央からボタンレンズ411の中央側へ直角三角形状の模様よりも長く延びた辺と、その辺の先端から直角三角形状の模様の斜辺の先端へ延びた辺とで構成された変二等辺三角形状の模様と、で形成されている。
つまり、この第一ボタン装飾部411aは、複数の三角形の組合せによって構成されている。なお、図示は省略するが、第一ボタン装飾部411aを構成している各三角形は、夫々の面が異なる方向を向いており、多面体状に形成されている。これにより、ボタンレンズ411の表面側が滑らかな球面体状に形成されているのに対して、裏面側が第一ボタン装飾部411aの部位において多面体状に形成されているため、第一ボタン装飾部411aの部位では、ボタンレンズ411の板厚が複雑に変化しており、この部位を通る光が乱屈折することとなる。従って、第一ボタン装飾部411aの部位では、複数の三角形が組合わされた幾何学模様を遊技者に見せることができると同時に、乱屈折により後側の部材を見え難くすることができる。
第二演出操作ユニット400Aのボタンベース413におけるガイドボス部413cは、後方が開放されている円筒状に形成されている。このガイドボス部413cは、第二ベースユニット450の保持孔451d内に挿入されると共に、筒状の内部に第二ベースユニット450におけるユニットベース451の保持孔451d内に保持されているボタンシャフト452が摺動可能に挿入される。本例では、操作ボタン410が、ガイドボス部413c内に後方から挿入される第二ベースユニット450のボタンシャフト452によって前後方向へ進退可能に取付けられる。
[3−4g−2.フレームユニット]
第二演出操作ユニット400Aのフレームユニット415について、主に図69乃至図71等を参照して説明する。フレームユニット415は、操作ボタン410の前方側から外周を囲むように、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに前側から取付けられ、操作ボタン410の外側を装飾している。フレームユニット415は、外形が演出操作ユニット取付部326aの前端側に合わせた形状に形成されている。
第二演出操作ユニット400Aのフレームユニット415は、演出操作ユニット400のフレームユニット415と同一の構成であり、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。
[3−4g−3.装飾基板ユニット]
第二演出操作ユニット400Aの装飾基板ユニット420について、主に図57、図69乃至図71等を参照して説明する。装飾基板ユニット420は、フレームユニット415の下方でベースユニットの前面に取付けられ、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411b及びフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができると共に、演出操作ユニット400に振動を付与させることができるものである。
装飾基板ユニット420は、上方側が開放されたC字状の基板ベース421と、基板ベース421における左右両側の前面に夫々取付けられている操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423と、基板ベース421の前面下部に取付けられている振動モータ424と、振動モータ424の前側を覆うように基板ベース421の前面に取付けられているモータカバー425と、を備えている。
第二演出操作ユニット400Aの装飾基板ユニット420は、演出操作ユニット400の装飾基板ユニット420と同一の構成であり、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。
[3−4g−4.第二ベースユニット]
第二演出操作ユニット400Aの第二ベースユニット450について、主に図73等を参照して詳細に説明する。図73は、第二演出操作ユニットの第二ベースユニットを前から見た斜視図である。第二演出操作ユニット400Aの第二ベースユニット450は、操作ボタン410を前後方向へ進退可能に取付けていると共に、扉枠側第二演出表示装置460Aが取付けられ、フレームユニット415の後側に取付けられるものである。
第二ベースユニット450は、フレームユニット415の後側に取付けられるユニットベース451と、ユニットベース451の前面から突出しており操作ボタン410のボタンベース413における円筒状の四つのガイドボス部413c内に後方から摺動可能に夫々挿入される円柱状の四つのボタンシャフト452と、四つのボタンシャフト452の夫々が挿通され操作ボタン410のガイドボス部413cの後端を前方へ付勢している操作ボタンバネ(図示は省略)と、ユニットベース451の前面に取付けられており、操作ボタン410におけるボタンベース413の三つの検知片413dを夫々検知する三つの押圧検知センサ454と、を備えている。
第二ベースユニット450のユニットベース451は、円環状の本体部451aと、本体部451aの内周縁から後方へ半球状に突出しているカバー部451bと、本体部451aの前面に対して垂直方向から見た時に上下に延びた略四角形でカバー部451bを前後に貫通している貫通口451cと、本体部451aの前面から後方へ止り孔状に窪んでいる四つの保持孔451dと、本体部451aの上部において前面から後方へ向かって半円状(U字状)に窪んでいる上軸受部451eと、本体部451aの下部において前面から後方へ向かって上軸受部451eと同軸上で半円状(U字状)に窪んでいる下軸受部451fと、本体部451aの上部前面で上軸受部451eの左右両側に形成されておりスクリーンユニット470の回動を規制する一対の回動規制部451gと、を備えている。
ユニットベース451の円環状の本体部451aは、内周と外周とが、C字状に形成されている装飾基板ユニット420の基板ベース421と略同じ大きさに形成されている。この本体部451aの前面に装飾基板ユニット420が取付けられる。カバー部451bは、上軸受部451e及び下軸受部451fにより回転可能に取付けられる扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470が回転した時に接触せずに収容可能な大きさに形成されている。貫通口451cは、扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ500が後方から通過可能な大きさに形成されている。
ユニットベース451の四つの保持孔451dは、本体部451aの前面の上下左右の四隅で、操作ボタン410におけるボタンベース413の四つのガイドボス部413cと対応する位置に形成されている。これら保持孔451dは、内径がガイドボス部413cの外径よりも大きく形成されており、ガイドボス部413c挿入させることができる。これら四つの保持孔451d内には、その中心軸と同軸上にボタンシャフト452が取付けられている。保持孔451dに取付けられたボタンシャフト452の前端は、本体部451aの前面よりも前方へ突出している。保持孔451dに取付けられたボタンシャフト452が操作ボタン410の筒状のガイドボス部410c内に挿入されることで、ガイドボス部410cを介して操作ボタン410を前後方向へ摺動可能に取付けることができる。
四つの保持孔451dのうちの左上側の保持孔451dは、ユニットベース451の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース451の中心に対して反時計周りの方向へ約30度回転した位置に形成されている。また、四つの保持孔451dのうちの右上側の保持孔451dは、ユニットベース451の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース451の中心に対して時計周りの方向へ約47度回転した位置に形成されている。一方、四つの保持孔451dのうちの下側に配置されている二つの保持孔451dは、上側の二つの保持孔451dに対してユニットベース451の中心の反対側の位置に夫々形成されている。
また、四つの保持孔451d内には、図示しない操作ボタンバネが夫々挿入されており、これら操作ボタンバネの前端がガイドボス部413cの後端に当接することで、ガイドボス部413cを介して操作ボタン410を前方へ付勢している。
ユニットベース451の上軸受部451e及び下軸受部451fは、前方が開放されて後方へ延びたU字状に形成されている。上軸受部451e及び下軸受部451fは、半円弧状に延びている部位の中心が同軸上に位置している。上軸受部451e及び下軸受部451fは、前方から扉枠側第二演出表示装置460Aの上軸部材473及び下軸部材474が挿入されたうえで、前側から上部軸受部材480及び下部軸受部材485が本体部451aの前面に取付けられることで、扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470を回転可能に支持することができる。
ユニットベース451の一対の回動規制部451gは、夫々の前面が、その延長線(面)が、U字状に後方へ窪んでいる上軸受部451eにおける半円形状の部位の中心軸を通るように形成されており、中心軸を中心として所定角度周方向へ離反している。これら一対の回動規制部451gは、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、スクリーンユニット470における作動ギア部材475のストッパ475bが当接することで、スクリーンユニット470の回動範囲を規制している。本実施形態では、一対の回動規制部451gによりスクリーンユニット470の回動範囲を、90度の角度範囲に規制している。
なお、図示は省略するが、一対の回動規制部451g内には、夫々磁石が埋設されており、ストッパ475bに取付けられている鉄板と磁着することで、回動規制部451gに当接しているストッパ475bを回動規制部451gから離れ難くしている。従って、回動規制部451g内の磁石と、ストッパ475bの鉄板とによって、スクリーンユニット470において、メインスクリーン471を前方へ向けた第一位置の状態、或いは、サブスクリーン472を前方へ向けた第二位置の状態、の何れかにスクリーンユニット470を保持することができ、操作ボタン410の押圧操作や振動モータ424等による振動によって、スクリーンユニット470が回動しようとする動きを抑制して扉枠第二演出表示装置460Aによる演出画像を良好な状態で楽しませることができる。
三つの押圧検知センサ454は、ユニットベース451の本体部451aの前面において、操作ボタン410におけるボタンベース413の三つの検知片413dと対応している位置に取付けられている。詳述すると、三つの押圧検知センサ454は、ユニットベース451の本体部451aの前面において、一つが左上の保持孔451dの左下側に、もう一つが右上の保持孔451dの右下側に、残りの一つが左下の保持孔451dの右下側に夫々取付けられている。三つの押圧検知センサ454は、ユニットベース451の中央を中心として周方向へ略等間隔に取付けられている。これら三つの押圧検知センサ454は、操作ボタン410の三つの検知片413dを検知することができる。
[3−4g−5.扉枠側第二演出表示装置]
第二演出操作ユニット400Aの扉枠側第二演出表示装置460Aについて、主に図70及び図71等を参照視して詳細に説明する。扉枠側第二演出表示装置460Aは、第二ベースユニット450に取付けられており操作ボタン410の透明な部位を通して遊技者に演出画像を見せることができるものである。扉枠側第二演出表示装置460Aは、第二ベースユニット450の上軸受部451e及び下軸受部451fにより上下に延びた軸線周りを回動可能に取付けられているスクリーンユニット470と、第二ベースユニット450の前面上部に取付けられておりスクリーンユニット470の上部側を第二ベースユニット450と協働して回転可能に取付けている上部軸受部材480と、第二ベースユニット450の前面下部に取付けられておりスクリーンユニット470の下部側を第二ベースユニット450と協働して回転可能に取付けている下部軸受部材485と、を備えている。
また、扉枠側第二演出表示装置460Aは、スクリーンユニット470を回転駆動させ第二ベースユニット450の上部に取付けられている回動駆動ユニット490と、第二ベースユニット450のカバー部451b内に配置され後方からスクリーンユニット470に演出画像を投影表示可能なプロジェクタ500と、プロジェクタ500が取付けられていると共に第二ベースユニット450のカバー部451bを後側から覆うようにユニットベース451の後面取付けられており前方が開放されている箱状のプロジェクタ取付部材505と、第二ベースユニット450の上部における回動駆動ユニット490の正面視左側でスクリーンユニット470の作動ギア部材475を上方から覆うように取付けられている上部カバー506と、上部カバー506に取付けられておりスクリーンユニット470の回動位置(回転位置)を検知する二つの回転検知センサ507と、を備えている。
[3−4g−5a.スクリーンユニット]
扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470は、第二ベースユニット450に上下に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられており、プロジェクタから演出画像が投射されることで、その演出画像を遊技者から視認可能に表示(投影表示)することができるものである。
スクリーンユニット470は、半円筒状に形成されており乳白色で透光性を有しているメインスクリーン471と、メインスクリーン471の軸方向一端側を外周の一部としている円盤状で中央部が軸方向外方へ膨出するように湾曲しており乳白色で透光性を有しているサブスクリーン472と、メインスクリーン471の両端部の軸方向中央から軸直角方向外方へ夫々円柱状に突出している上軸部材473及び下軸部材474と、上軸部材473の先端に取付けられており外周の略半周に亘ってギア歯475aが形成されている作動ギア部材475と、サブスクリーン472を貫通する透明で所定のキャラクタ(ドクロ)を模したレリーフ状に形成されているサブスクリーン装飾部材476(図74及び図75等を参照)と、サブスクリーン472の裏面側に取付けられておりサブスクリーン472と対向する面に複数のLED477aが実装されているサブスクリーン装飾基板477(図75等を参照)と、メインスクリーン471のサブスクリーン472とは反対側の端部からメインスクリーンの中心軸へ向かって短く延びている半円弧状の周縁装飾部材478と、を備えている。
スクリーンユニット470の半円筒状のメインスクリーン471は、半径が第二ベースユニット450のユニットベース451における円環状の本体部451aの内径よりも小さい大きさに形成されている。メインスクリーン471は、軸方向の長さが、半円筒状の半径の約4/3倍の大きさに形成されている。メインスクリーン471は、軸方向の両端が、サブスクリーン472の周縁装飾部472aと周縁装飾部材478とによって、縁取られるように装飾されている。
サブスクリーン472は、その中心軸が延びている方向から見た時に、外形が半円筒状のメインスクリーン471の半径と一致している円形状に形成されている(図74(b)を参照)。サブスクリーン472は、外周から中心側へ所定幅で円環状に形成されており四角錘状の凹凸が周方向に複数列設されている周縁装飾部472aと、周縁装飾部472aの内側を閉鎖して湾曲面状のスクリーン部472bと、を備えている。サブスクリーン472の周縁装飾部472aは、内周側がメインスクリーン471から遠ざかる方向へ突出するように全体が円錐台状に形成されている。スクリーン部472bは、メインスクリーン471から遠ざかる方向へ、半円筒状のメインスクリーン471の半径よりも大きい半径の球面状に膨出している。サブスクリーン472のスクリーン部472bには、貫通した穴が形成されており、その穴を閉鎖するようにサブスクリーン装飾部材476が取付けられている。
上軸部材473及び下軸部材474は、夫々第二ベースユニット450におけるユニットベース451の上軸受部451e及び下軸受部451f内に夫々前方から挿入されて回転可能に取付けられる。
作動ギア部材475は、回動駆動ユニット490の第二伝達ギア495と噛合し略半周に亘って形成されているギア歯475aと、ギア歯475aの周方向端部の一方から外方へ突出しているストッパ475bと、ギア歯475aの周方向端部のストッパ475bとは反対側から外方へ平板状に突出している検知片475cと、を備えている。作動ギア部材475のストッパ475bは、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、上部軸受部材480における上軸部材473の軸芯を中心として円弧状に窪んでいる凹部481a内に位置しており、凹部481a内の両端部に位置している第二ベースユニット450におけるユニットベース451の一対の回動規制部451gに当接することでスクリーンユニット470の回動範囲が規制される。
なお、詳細な図示は省略するが、ストッパ475bにおける回動規制部451gと当接する部位には、鉄板が取付けられており、この鉄板が回動規制部451gに埋設されている磁石と磁着できるようになっている。
このスクリーンユニット470は、メインスクリーン471を前方へ向けた第一位置と、サブスクリーン472を前方へ向けた第二位置との間で回動することができる。検知片475cは、上部カバー506に取付けられている回転検知センサ507により検知される。
サブスクリーン装飾部材476は、サブスクリーン472におけるスクリーン部472bに取付けられている。サブスクリーン装飾部材476は、透明な部材によりドクロを模したレリーフ状に形成されており、その板厚が複雑に変化していることから、透過する光が複雑に乱屈折し、後方が視認し難くなっている。なお、詳細な図示は省略するが、サブスクリーン装飾部材476は、ドクロを模したレリーフ内に「PUSH」の文字が形成されている。
サブスクリーン装飾基板477は、サブスクリーン472の裏面側に、サブスクリーン472との間に隙間が形成されるように取付けられており、前面側(サブスクリーン472を向いている側)に複数のLED477aが実装されている。サブスクリーン装飾基板477は、外形がサブスクリーン装飾部材476よりも小さく形成されており、表面が白色とされている。このサブスクリーン装飾基板477のLED477aを発光させることで、サブスクリーン装飾部材476及びサブスクリーン472を発光装飾させることができる。詳述すると、サブスクリーン装飾基板477は、LED477aを発光させることで、ドクロの「目」の部分と「PUSH」の文字の部分とを、強く発光装飾させることができる。
また、サブスクリーン装飾基板477は、サブスクリーン472に対して比較的接近させて配置していると共に、サブスクリーン472との間に光を拡散させる部材を備えていないことから、LED477aを発光させると、LED477aの点光源を遊技者が認識することができるようになっている。更に、サブスクリーン装飾基板477は、プロジェクタ500からの光を遮ることができる。従って、プロジェクタ500によって、サブスクリーン472にサブスクリーン装飾基板477の影を投影させることができる。
周縁装飾部材478は、サブスクリーン472の周縁装飾部472aの一部と同じ形状に形成されており、周縁装飾部472aと同様に四角錘状の凹凸が円弧の周方向に複数列設されている。
[3−4g−5b.上部軸受部材及び下部軸受部材]
扉枠側第二演出表示装置460Aの上部軸受部材480及び下部軸受部材485について、主に図70及び図71を参照して詳細に説明する。上部軸受部材480及び下部軸受部材485は、第二ベースユニット450のユニットベース451における前方へ開放されている上軸受部451e及び下軸受部451fの前側を閉鎖するように、ユニットベース451の本体部451aの前面に取付けられるものである。また、上部軸受部材480及び下部軸受部材485は、ユニットベース451の上軸受部451e及び下軸受部451fに、スクリーンユニット470の上軸部材473及び下軸部材474を夫々前方から挿入させた状態で、ユニットベース451の前面に取付けることで、上軸部材473及び下軸部材474を第二ベースユニット450に回転可能に取付けることができる。
上部軸受部材480は、第二ベースユニット450のユニットベース451の本体部451aの上部に、前方側が開放されている上軸受部451eの前方側を閉鎖するように取付けられる軸受部材481と、軸受部材481の上部前面に取付けられるフレームトップレンズ装飾基板482と、を備えている。軸受部材481は、左右方向中央が最も深くなるように、後面から前方へ向かって円弧状に窪んでいる凹部481aを有している。上部軸受部材480における軸受部材481の凹部は、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、スクリーンユニット470の上軸部材473の軸芯を中心とした円弧状に窪んでおり、内部にスクリーンユニット470における作動ギア部材475のストッパ475bが挿入配置されていると共に、凹部481aの円弧の両端にユニットベース451の一対の回動規制部451gが位置している。この円弧状に窪んだ凹部481aにより、作動ギア部材475のストッパ475bが、一対の回動規制部451gの間で良好に回動することができる。
上部軸受部材480のフレームトップレンズ装飾基板482は、表面側に複数のLEDが実装されており、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に位置している。これにより、フレームトップレンズ装飾基板482のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。
下部軸受部材485は、略平板状に形成されており、第二ベースユニット450のユニットベース451における本体部451aの前面に、下軸受部451fの前方を閉鎖するように取付けられる。スクリーンユニット470の下軸部材474を、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の下軸受部451fに挿入させた状態で、下部軸受部材485をユニットベース451の前面に取付けることで、下軸部材474を回転可能に取付けることができる。
[3−4g−5c.回動駆動ユニット]
扉枠側第二演出表示装置460Aの回動駆動ユニット490について、主に図70及び図71を参照して詳細に説明する。回動駆動ユニット490は第二ベースユニット450のユニットベース451の上面に取付けられ、スクリーンユニット470を回動駆動させることができるものである。回動駆動ユニット490は、ユニットベース451の上面に取付けられ内部が中空のユニットケース491と、ユニットケース491の下面に取付けられており回転軸がユニットケース491内に突出している切替駆動モータ492と、切替駆動モータの回転軸に固定されている平歯車状の駆動ギア(図示は省略)と、駆動ギアと噛合しておりユニットケース491内に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア(図示は省略)と、第一伝達ギアと噛合していると共にスクリーンユニット470における作動ギア部材475のギア歯475aと噛合可能とされておりユニットケース491内に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア495と、を備えている。
回動駆動ユニット490は、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、第二伝達ギア495が、スクリーンユニット470における作動ギア部材475のギア歯475aと噛合している。回動駆動ユニット490は、切替駆動モータ492を回転駆動させることで、駆動ギア、第一伝達ギア、第二伝達ギア495、及びギア歯475aを介してスクリーンユニット470を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
[3−4g−5d.プロジェクタ]
扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ500について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。プロジェクタ500は、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の半球状のカバー部451b内に配置されており、プロジェクタ取付部材505を介してユニットベース451の後側に取付けられている。プロジェクタ500は、スクリーンユニット470のメインスクリーン471又はサブスクリーン472へ向かって演出画像を照射することで、メインスクリーン471又はサブスクリーン472に演出画像を投影表示させることができる。
プロジェクタ500は、プロジェクタ取付部材に取付けられる立方体状のプロジェクタ本体501と、プロジェクタ本体501から円柱状に前方へ突出しており前端から演出画像を前方へ照射するレンズ部502と、を備えている。
このプロジェクタ500は、プロジェクタ本体501の後部がプロジェクタ取付部材に取付けられ、レンズ部502及びプロジェクタ本体501が、ユニットベース451の貫通口451cを後側から通って、カバー部451b内に配置されるように取付けられる。
プロジェクタ500は、スクリーンユニット470のメインスクリーン471やサブスクリーン472の略前面に亘って演出画像を投影させることができ、演出画像として、静止画や動画を投影表示させることができる。このプロジェクタ500は、市販の液晶型プロジェクタとされており、自動焦点機能を有している。
[3−4g−5e.プロジェクタ取付部材]
扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ取付部材505について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。プロジェクタ取付部材505は、前方が開放された箱状に形成されており、内部にプロジェクタ500が取付けられると共に、第二ベースユニット450のユニットベース451の後側に取付けられるものである。このプロジェクタ取付部材505は、第二ベースユニット450のユニットベース451の後側に取付けられることで、ユニットベース451のカバー部451b及びプロジェクタ500の後側を覆うことができる。
プロジェクタ取付部材505は、底壁が水平方向に延びていると共に、後壁が垂直方向に延びており、プロジェクタ500を、操作ボタン410の傾きと一致するように傾斜させた状態で取付けることができる。プロジェクタ取付部材505の後壁には、前後に貫通している複数のスリット505aが形成されており、プロジェクタ500から放出される熱を、スリット505aを通して外部へ排出させることができる。
プロジェクタ取付部材505の正面視右側面には、第二演出操作ユニット中継基板515及び中継基板カバー516が取付けられる。
[3−4g−5f.上部カバー及び回転検知センサ]
扉枠側第二演出表示装置460Aの上部カバー506及び回転検知センサ507について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。上部カバー506は、スクリーンユニット470の上軸部材473の上方を覆うように、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の本体部451aの上面に取付けられている。回転検知センサ507は、スクリーンユニット470の回転位置を検知するためのものであり、上部カバー506の下面に、互いに離間している状態で二つ取付けられている。
二つの回転検知センサ507は、詳細な図示は省略するが、スクリーンユニット470の回転軸を中心にして周方向へ互いに90度の回転角度離れた位置に取付けられており、スクリーンユニット470における作動ギア部材475の検知片475cを検知することができる。具体的には、二つの回転検知センサ507は、スクリーンユニット470のメインスクリーン471が前方を向いている第一位置の時の検知片475cと、サブスクリーン472が前方を向いている第二位置の時の検知片475cと、を夫々検知することができる。これら二つの回転検知センサ507による検知片475cの検知信号に基づいて、回動駆動ユニット490の切替駆動モータ492の回転駆動が制御されている。
[3−4g−6.緩衝ユニット]
第二演出操作ユニット400Aの緩衝ユニット510について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。緩衝ユニット510は、扉枠側第二演出表示装置460Aの下面に取付けられており、上方から第二演出操作ユニット400Aが叩かれたりした時の衝撃を緩和させて、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の底板部326iに伝達させるものである。
緩衝ユニット510は、上面が扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるプロジェクタ取付部材505の下面に接触している弾性変形可能な平板状の緩衝部材511と、緩衝部材511の下面に当接しておりプロジェクタ取付部材505の下面に対して相対的に接近可能に取付けられている緩衝ベース512と、を備えている。
緩衝ユニット510の緩衝ベース512は、緩衝部材511の下面と当接する平板状の本体部512aと、本体部512aの正面視左右両端辺から下方へ突出していると共に前後方向に延びている脚片部512bと、を備えている。緩衝ベース512の脚片部512bは、扉枠3に組立てた状態で、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の底板部326iの上面に接触している。
この緩衝ユニット510は、操作ボタン410やフレームユニット415を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、ベースユニット430Aに取付けられているプロジェクタ取付部材505が、緩衝ユニット510における緩衝部材511を圧縮するように下方へ移動する。この緩衝部材511が圧縮されることで衝撃が吸収される。そして、プロジェクタ取付部材505が更に下方へ移動した場合、プロジェクタ取付部材505の下面が緩衝ベース512の本体部512aの上面側に当接する。この本体部512aは、左右の脚片部512bによって、皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に隙間が形成されているため、本体部512aの上面側に当接しているプロジェクタ取付部材505が更に下方へ移動すると、平板状の本体部512aが撓むこととなり、本体部512aの撓みによっても衝撃を吸収することができる。更に、プロジェクタ取付部材505が下方へ移動した場合、下方へ撓んでいる本体部512aの下面が、皿ユニットカバー326の底板部326iの上面に当接し、本体部512aのこれ以上の撓みが規制され、衝撃が皿ユニットカバー326に伝達されることとなる。このように、操作ボタン410やフレームユニット415を上方から強く叩かれた時に、その衝撃を多段階で吸収させることができ、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させて、それらの破損を防止することができる。
[3−4g−7.第二演出操作ユニットの作用効果]
第二演出操作ユニット400Aの作用効果について、主に図74乃至図77等を参照して詳細に説明する。図74(a)はスクリーンユニットのメインスクリーンを前方へ向けた状態で操作ボタンの中心軸が延びている方向から第二演出操作ユニットを見た説明図であり、(b)はスクリーンユニットのサブスクリーンを前方へ向けた状態で操作ボタンの中心軸が延びている方向から第二演出操作ユニットを見た説明図である。また、図75(a)は図74(a)におけるJ−J線で切断した断面図であり、(b)は図74(b)におけるK−K線で切断した断面図である。図76(a)はメインスクリーンを前方へ向けた状態で第二演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は(a)の状態の第二演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。図77(a)はサブスクリーンを前方へ向けた状態で第二演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は(a)の状態の第二演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。
本実施形態の第二演出操作ユニット400Aは、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて、操作ボタン410内の装飾を変化させたり、操作ボタン410内に演出画像を表示させたりして遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に操作ボタン410の操作をさせて、遊技者に提示した演出に遊技者を参加させることができるものである。
第二演出操作ユニット400Aは、全高が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の貫通口111の下側の部位の高さと略同じ高さに形成されている。また、演出操作ユニット400は、全幅が、扉枠3の全幅の1/3よりも若干大きく形成されている。演出操作ユニット400は、正面視において、遊技領域5a(扉枠ベース110の貫通口111)の下側で左右方向の中央に配置されている。
第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415のフレーム本体416の上部が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられている。第二演出操作ユニット400Aは、皿ユニット320に取付けた状態で、底面となる中継基板カバー442の脚部442aの下面が、皿ユニット320の皿ユニットカバー326における底板部326iの上面との間に、隙間が形成されている。つまり、第二演出操作ユニット400Aは、皿ユニット320に対して上部のみが取付けられており、吊下げられた状態に取付けられている。
また、第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415の前面(フレーム本体416の中央開口部416aの前端内周により形成される面)が、演出操作ユニット取付部326aの前端開口の傾斜面と平行になるように取付けられている。これにより、第二演出操作ユニット400Aは、球面状に前方へ膨出している透明な操作ボタン410の中心軸線CL(図67を参照)が、垂直線に対して63度の角度で、前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している。これにより、本パチンコ機1を用いて遊技を行うために本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、遊技者の頭部が皿ユニット320(第二演出操作ユニット400A)の上方に配置されている遊技盤5における遊技領域5aの中央の前方に位置するため、操作ボタン410の中心軸線CLが、遊技者の頭部付近を通ることとなる。従って、遊技者が遊技領域5aから第二演出操作ユニット400A(操作ボタン410)に視線を落すと、操作ボタン410がその正面視(中心軸線CLと平行な方向からの投影視)に可及的に近い状態で見えることとなり、操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側第二演出表示装置460A等を良好な状態で視認することができる。
第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410の四つの筒状のガイドボス部413cに、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の四つの保持孔451d内に保持されているボタンシャフト452が夫々摺動可能に挿入されていると共に、図示しない操作ボタンバネにより前方へ付勢されている。第二演出操作ユニット400Aは、通常の状態(操作ボタン410を押圧操作していない状態)では、操作ボタンバネの付勢力によって、操作ボタン410のボタンベース413のフランジ部413bの前端が、フレームユニット415のフレーム本体416の後面における中央開口部416a付近の部位に当接している。
第二演出操作ユニット400Aは、通常の状態では、操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内周付近から中央側(中心軸線CL側)が、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している。換言すると、操作ボタン410における球面状に前方へ膨出している透明なボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周(内側)から前方へ突出している部位が、フレームユニット415のフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している(図67等を参照)。
因みに、本実施形態では、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aの直径が約15cmとされており、操作ボタン410の中心軸線CL方向に対してボタンレンズ411(の前端)がフレームユニット415の前面から約4cm前方へ突出している。
通常の状態において、遊技者が第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410を押圧操作すると、操作ボタン410は操作ボタンバネの付勢力に抗して中心軸線CLに沿って後方へ移動する。そして、操作ボタン410の後端がベースユニット430Aのユニットベース451における本体部451aの前面に当接すると、後方への移動が規制されて操作ボタン410の後方への移動が停止する。遊技者が操作ボタン410を押圧操作する時には、球面状に前方へ膨出しているボタンレンズ411を押圧する。
この操作ボタン410は、従来のパチンコ機に備えられている演出用の操作ボタンと比較して、外径が非常に大きく形成されているため、ボタンレンズ411の中央部分から離れた周縁付近が押圧される可能性が高い。詳述すると、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、その中心軸線が垂直線と略平行に延びるように取付けられているのに対して、本実施形態の第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410は、中心軸線CLが垂直線に対して傾いて取付けられているため、遊技者が従来のパチンコ機と同様に上方から操作ボタン410を押圧すると、操作ボタン410の中心軸線CLから離れた部位を押圧することとなる(図61を参照)。
ところで、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、遊技者が押圧操作する面が平坦な面に形成されていることから、押圧操作する部位を平坦な面としたまま操作ボタンを大きくした場合、操作ボタンの中央から外れた部位を押圧すると、その押圧された部位が先に後退するように押圧操作する面が傾いてしまい、操作ボタンが真直ぐに後退することができなくなって、操作ボタンを押圧操作することができなくなる虞がある。
これに対して、本実施形態の第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410は、遊技者が押圧操作する部位(ボタンレンズ411)が、前方へ膨出した球面状としているため、操作ボタン410の中央から離れた位置を押圧操作した場合、その力が操作ボタン410の全体に分散されて操作ボタン410が傾き難くなり、操作ボタン410が真直ぐに後方へ移動することができる。従って、操作ボタン410の前面側のどの位置を押圧操作しても、操作ボタン410が傾く異なるスムーズに後退することができるため、押圧操作を確実に検知させることができ、操作ボタン410を押圧操作する演出を十分に楽しませることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、装飾基板ユニット420における基板ベース421の前面下部に振動モータ424が取付けられている上で、上述したように、第二演出操作ユニット400Aが吊下げられるように上部のみが皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられているため、振動モータ424により錘424aを回転させて振動を発生させると、取付けられている部位から最も離れた部位で振動が発生することから、第二演出操作ユニット400A全体を大きく(強く)振動させることができ、第二演出操作ユニット400Aに触れている遊技者に対して振動を伝達させることができる。また、振動モータ424を、比較的遊技者が押圧操作し易い位置(操作ボタン410の上部付近)の直下に配置しているため、操作ボタン410を押圧操作している遊技者に対して強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて演出を楽しませることができる。
更に、第二演出操作ユニット400Aは、吊下げられたような状態で皿ユニットカバー326に取付けられていると共に、扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ取付部材505と皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に、緩衝ユニット510を配置している。この緩衝ユニット510は、弾性変形可能な緩衝部材511を備えていると共に、緩衝部材511が上面に当接している本体部512aと皿ユニットカバー326の底板部326iとの間に隙間を形成しているため、操作ボタン410やフレームユニット415を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、その衝撃を緩衝部材511の弾性変形(圧縮)や、緩衝ベース512の本体部512aの撓み等によって多段階で吸収することができ、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させることができ、第二演出操作ユニット400A等の破損を防止することができる。従って、第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410を押圧操作する演出を遊技者に提示した時等に、強い力で操作ボタン410やフレームユニット415が押圧操作されたり叩かれたりしても、操作ボタン410や第二演出操作ユニット400A等が破損することはないため、破損による遊技の中断を回避させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができると共に、破損し難くすることで遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
なお、遊技者が押圧操作する操作ボタン410のボタンレンズ411を、前方へ突出している球面状に形成しているため、平板状とした場合と比較して強度・剛性が高くなっていると共に、強く叩かれても、その衝撃をボタンレンズ411全体へ分散させることができ、破損し難くなっている。
また、第二演出操作ユニット400Aは、ボタンレンズ411、フレームサイドレンズ417、及びフレームトップレンズ418が、透明な部材で構成されているため、それらの裏面側に形成されている第一ボタン装飾部411a、及び第二ボタン装飾部411b等の凹凸による装飾が、前方側(遊技者側)から視認することができる(図63を参照)。また、それら凹凸の装飾が形成されている部位では、板厚が変化していることら光が複雑に屈折するため、凹凸の装飾が形成されている部位を通しては後側が視認し難くなっている。
第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410のボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周から中央側へ延びている第一ボタン装飾部411aを備えているため、この第一ボタン装飾部411aの複数の三角形を組合せた凹凸の装飾によりボタンレンズ411の内側となる部位の外周縁の部位において後方を見え辛くすることができる。第一ボタン装飾部411aが形成されている部位の後方(中心軸線CL方向の後方)には、操作ボタン410のボタンベース413の本体部413aの内周面と、扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470の外周との間の隙間が位置しているが、その隙間の前方に位置する第一ボタン装飾部411aによって前方側(遊技者側)から、スクリーンユニット470の外周(外側)の隙間を見え難くすることができる。これにより、押圧操作可能な操作ボタン410内に、位置が固定されている扉枠側第二演出表示装置460Aを備えても、操作ボタン410の見栄えの悪化を防止することができ、操作ボタン410を見た遊技者が不快感を抱くのを防止することができると共に、透明な操作ボタン410内に扉枠側第二演出表示装置460Aを問題なく配置することができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。
詳述すると、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412によって、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるメインスクリーン471やサブスクリーン472等の外周よりも外側で後方側(奥側)にある第二ベースユニット450、上軸部材473及び下軸部材474等が、透明なボタンレンズ411を通して遊技者側から見えないように形成されている。具体的には、スクリーンユニット470のメインスクリーン471を前方へ向けた第一位置の状態では、メインスクリーン471の上下外側、サブスクリーン472の周縁装飾部472aの左外側、及び周縁装飾部材478の右外側の部位(図76において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位)が、遊技者側から見えないようにしている。
一方、スクリーンユニット470のサブスクリーン472を前方へ向けた第二位置の状態では、サブスクリーン472の円環状の周縁装飾部472aの外側の部位(図76において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位)が、遊技者側から見えないようにしている。このように、操作ボタン410に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等を備えているため、メインスクリーン471やサブスクリーン472の外縁や奥側を見え難くして隠すことができ、操作ボタン410、ひいては、第二演出操作ユニット400A全体の見栄えを良くすることができる。
また、メインスクリーン471が前方を向いている第一位置の状態では、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等によって、サブスクリーン472のスクリーン部472b及びサブスクリーン装飾部材476や、上軸部材473及び下軸部材474が、見え難くなっている(図76を参照)。これにより、遊技者が、サブスクリーン472の存在や、メインスクリーン471が回転可能であること等に、気付き難くなるため、スクリーンユニット470を回転させてメインスクリーン471からサブスクリーン472に切替えると、操作ボタン410内において遊技者の予想を超えた動きが行われることで遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、サブスクリーン472が前方を向いている第二位置の状態では、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等によって、上軸部材473及び下軸部材474が見え難くなっている(図77を参照)。これにより、遊技者が、サブスクリーン472(サブスクリーン装飾部材476)が回転可能であることに気付き難くなるため、サブスクリーン472(スクリーンユニット470)を回転させた時のインパクトを高めることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410における後側に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aを視認することができるボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周から中心側へ所定幅の範囲内に、複数の三角形状の面を組合せた多面体状の第一ボタン装飾部411aを備えていると共に、操作ボタン410の内側後方に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aに、複数の四角錘を列設したサブスクリーン472の周縁装飾部472aや周縁装飾部材478を備えている。これにより、前側に配置された三角形からなる装飾(第一ボタン装飾部411a)と後側に配置された四角形からなる装飾(周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478)とが、交差するように重なって見えることとなり、複雑な幾何学模様を遊技者に見せることができ、見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、三角形を主体とした第一ボタン装飾部411aと、四角形を主体とした周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478とが、前後方向に離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、それらの重なり具合が変化するため、重なって見える幾何学模様が変化して動きのある装飾を遊技者に見せることができると共に、奥行きのある立体的な感じの装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
更に、操作ボタン410の内側後方に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aでは、切替駆動モータ492の駆動によりスクリーンユニット470を回動させてメインスクリーン471を前方へ向けたり、サブスクリーン472を前方へ向けたりすることができ、複数の四角形からなる装飾を変化させることができる。詳述すると、メインスクリーン471を前方へ向けた状態では、図74(a)に示すように、周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478が左右に離間して上下に延びている状態となり、上下に列設された複数の四角錘からなる装飾が、ボタンレンズ411における円環状に列設された複数の三角形からなる装飾を縦断しているような幾何学模様の装飾を遊技者に見せることができる。一方、サブスクリーン472を前方へ向けた状態では、図74(b)に示すように、周縁装飾部472aが円環状の延びている状態となり、環状に列設された複数の四角錘からなる装飾が、ボタンレンズ411における円環状に列設された複数の三角形からなる装飾と重なった幾何学模様の装飾を遊技者に見せることができる。従って、スクリーンユニット470を回動させることで、操作ボタン410の装飾(物理的な装飾)を変化させることができるため、装飾の変化によって遊技者の関心を操作ボタン410に引付けたり、装飾の変化によって遊技者にチャンスの到来等を示唆させたりすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410内に備えられている扉枠側第二演出表示装置460Aに、切替可能な形態の異なるスクリーンを有したスクリーンユニット470と、スクリーンユニット470に演出画像を投影表示させるプロジェクタ500と、を備えているため、液晶表示装置による演出画像の表示とは全く異なる演出画像を表示させることができ、遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることができる。詳述すると、スクリーンユニット470は、半円筒状のメインスクリーン471と、円盤状で中央にレリーフ状のサブスクリーン装飾部材476を有するサブスクリーン472とが、上軸部材473及び下軸部材474の中心軸を中心として90度の回転角度周方向へ離間して備えられている。
扉枠側第二演出表示装置460Aにおいて、スクリーンユニット470のメインスクリーン471を前方へ向けた第一位置の状態では、半円筒状の中心軸が左右方向へ延びるように位置しており、正面から見ると上下に延びた四角形(長方形)に見える(図74(a)を参照)。このメインスクリーン471の後方に配置されているプロジェクタ500から演出画像を前方へ照射すると、その演出画像がメインスクリーン471の後面に投影され(図75(a)を参照)、透光性を有する乳白色のメインスクリーン471を通して、前方側から投影された演出画像を視認することができる。このメインスクリーン471は、表面が滑らかな半円筒状に形成されていることから、演出画像が表示画面も半円筒状に湾曲している。これにより、一般的な液晶表示装置の表示画面が平面であるのに対して、メインスクリーン471の表示画面が半円筒状に湾曲しているため、遊技者に対して一見して従来の表示画面とは異なるものであることを認識させることができ、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者をメインスクリーン471に注目させることができ、メインスクリーン471に投影表示される演出画像を楽しませることができる。
一方、スクリーンユニット470のサブスクリーン472を前方へ向けた第二位置の状態では、円盤状の中心軸が操作ボタン410の中心軸と略一致しており、正面から見ると円形の操作ボタン410の中央にドクロを模したサブスクリーン装飾部材476が位置した状態に見える(図74(b)を参照)。この状態で後方に配置されているプロジェクタ500から前方へ演出画像を照射すると、その演出画像がサブスクリーン472の後面に投影される。ところで、サブスクリーン472の後側には平板状で不透光性のサブスクリーン装飾基板477が取付けられているため、このサブスクリーン装飾基板477の部位ではプロジェクタ500から照射された演出画像(光)が遮られることとなり、サブスクリーン472の後面の中央部分には、サブスクリーン装飾基板477の影が投影されることとなる(図75(b)を参照)。従って、サブスクリーン472では、サブスクリーン装飾基板477の影が投影される中央部分を除いた外周の部分に、プロジェクタ500からの演出画像が投影表示される。この際に、サブスクリーン装飾基板477の前面に実装されているLED477aを発光させると、その光によってサブスクリーン472の中央部分を発光装飾させることができ、サブスクリーン472の中央に備えられているサブスクリーン装飾部材476を発光装飾させることができる。また、サブスクリーン装飾基板477のLED477aを発光させることで、プロジェクタ500からの光によりサブスクリーン472の後面に投影されるサブスクリーン装飾基板477の影を見え難くすることができ、サブスクリーン472の前面側全体を明るく発光装飾させることができる。
この扉枠側第二演出表示装置460Aは、スクリーンユニット470のサブスクリーン472を前方へ向けた状態で、サブスクリーン装飾基板477のLED477aを発光させると共に、プロジェクタ500から前方へ演出画像(動画)を照射させると、サブスクリーン472におけるサブスクリーン装飾基板477の影が投影されていな部位、つまり、ドクロを模した装飾からなるサブスクリーン装飾部材476の外側の部位に、演出画像が表示され、演出画像の内側となるサブスクリーン装飾部材476がサブスクリーン装飾基板477のLED477aによって発光装飾される。この状態では、固定されたサブスクリーン装飾部材476の発光装飾の外側が、演出画像(動画)によって装飾されることとなり、これまでのパチンコ機における装飾部材の発光装飾とは全く異なった装飾演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、サブスクリーン472に対して遊技者を強く注目させることができる。また、この状態では、演出画像の内側において、LED477aの光が、演出画像の明るさよりも明るく(高輝度で)輝くため、従来の液晶表示装置では成し得ない部分的に高輝度な演出画像を表示させることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者をより楽しませられる演出画像を表示させることができる。
このように、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aと扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるスクリーンユニット470の装飾(周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478)とによって、動きがあり立体感のある装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410内(ボタンフレーム412の内側)の後方には、前面にLED277aが実装されているサブスクリーン装飾基板477や前方へ演出画像等の光を照射可能なプロジェクタ500を有する扉枠側第二演出表示装置460Aを備えており、扉枠側第二演出表示装置460Aによって操作ボタン410内を良好に発光装飾させることができる。
また、第二演出操作ユニット400はA、操作ボタン410の外周付近に位置するボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨む第二ボタン装飾部411bの後方に、装飾基板ユニット420における操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aが配置されており、それら第一LED422a,423aを発光させることで、操作ボタン410の六つの第二ボタン装飾部411bを発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aは、図68に示すように、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aと、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとの間に位置しており、第一LED422a,423aからの光が本体部413aの内側や内側筒部416dの外側へ漏れることはなく、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを良好に発光装飾させることができる。
更に、第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415におけるフレーム本体416の六つの外周開口部416bから臨むフレームサイドレンズ417の後方に、操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bが配置されており、それら第二LED422b,423bを発光させることでフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bは、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとフレーム本体416の外周との間に位置しており、第二LED422b,423bからの光が内側筒部416dの内側やフレーム本体416の外側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを良好に発光装飾させることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に、扉枠側第二演出表示装置460Aにおける上部軸受部材480のフレームトップレンズ装飾基板482が配置されており、フレームトップレンズ装飾基板482の前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を良好に発光装飾させることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410の内側後方に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470を回動させることで、互いに形態の異なる表示画面を有したメインスクリーン471又はサブスクリーン472に切替えて演出画像を表示させることができ、表示画面の形状が変化する(切替わる)と言う従来のパチンコ機で有りえない演出を遊技者に提示することができ、遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることができる。
[3−4h.演出操作ユニットの第三実施形態の全体構成]
次に、上記の演出操作ユニット400の第三実施形態である第三演出操作ユニット400Bについて、主に図191乃至図195等を参照して詳細に説明する。
第三演出操作ユニット400Bは、上記の演出操作ユニット400又は第二演出操作ユニット400Aに替えて皿ユニット320の演出操作ユニット取付部326aに取付けることができるものである。この第三演出操作ユニット400Bは、演出操作ユニット400及び第二演出操作ユニット400Aと同様に、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。以下では、第三演出操作ユニット400Bにおいて、演出操作ユニット400及び第二演出操作ユニット400Aと同一の構成部材については、同一の符号を付して説明する。
第三演出操作ユニット400Bは、図191に示すように、外形が矩形で透明に形成されており、遊技者が押圧操作可能な操作ボタン410と、操作ボタン410が前面に取付けられている第三ベースユニット430Bと、操作ボタン410を通して遊技者側から視認可能に第三ベースユニット430Bに取付けられており演出画像を表示可能な扉枠側第三演出表示装置460Bと、を備えている。
[3−4h−1.操作ボタン]
次に、第三演出操作ユニット400Bの操作ボタン410について説明する。第三演出操作ユニット400Bの操作ボタン410は、第三ベースユニット430Bの略中央に矩形状に形成されている。この操作ボタン410は、図192〜図194に示すように、側面視においてコの字状に成形されており、中央側が平面状に形成されている透明な操作受部410aと、操作受部410aの上端及び下端から略垂直方向に延設される基部410bからなるものであって、上下の基部410bが後述する扉枠側第三演出表示装置460Bを跨ぐようにして配置されている。
操作ボタン410と、扉枠側第三演出表示装置460Bとの配置関係を、図194を用いて詳述する。
図194は、第三演出操作ユニット400Bを側面からみた断面図であり、図194(A)は、操作ボタン410が操作される前の状態を示す図であり、図194(B)は、操作ボタン410が操作されている状態を示す図である。
まず、操作ボタン410の全体は、側面視において「コの字」形状であり、操作受部410aは、平面状となっている。操作ボタン410における上下の基部410bは、扉枠側第三演出表示装置460Bの上端より上方、下端より下方のそれぞれに位置し、操作受部410aの長辺が、扉枠側第三演出表示装置460Bを横断するようにして配置される。平易に表すと、上下の基部410bで扉枠側第三演出表示装置460Bを跨いで構成される。尚、この例における横断とは、一辺側から他辺側に亘って配置されることをさす。
また、基部410bの先端部は、第三ベースユニット430Bの内部に進入して配置されており、操作ボタン410は、操作ボタンバネにより前方(遊技者側)へ付勢されている。第三演出操作ユニット400Bは、通常の状態(操作ボタン410が押圧操作されていない状態)では、操作ボタンバネの付勢力によって、操作ボタン410はボタンストッパ414が、第三ベースユニット430Bの後面付近に当接しているため、第三ベースユニットから基部410bが抜けてしまい操作ボタン410が脱落することがない構造となっている。
また、操作ボタン410の操作受部410aが遊技者によって押圧操作されると、操作ボタン410は操作ボタンバネの付勢力に抗して後方へ移動する。そして、基部410bの後端が第三ベースユニット430Bのユニットベース453に当接すると、後方への移動が規制されて操作ボタン410の後方への移動が停止する。
尚、操作ボタン410の操作受部410aが遊技者によって押圧操作された時、ユニットベース453に当接すると同時に、後述する扉枠側第三演出表示装置460Bにおける液晶表示装置461が収容される取付ブラケット462と操作受部410aの裏面が当接するが、この取付ブラケット462における液晶表示装置461を囲う延設片が、液晶表示装置461の表示領域よりも前方側に位置するため、操作ボタン410と液晶表示装置461が直接当接することがないので、液晶表示装置461に傷がつくなどの問題を防止している。
また、第三ベースユニット430B内部における後壁部に、操作ボタン410が遊技者によって押下操作されたことを検知する押圧検知センサ454が備えられている。押圧検知センサ454は投光素子と受光素子からなり、投光素子から発せられる光が受光素子によって受信されている状態の時は操作ボタン410が操作されていないと判定され、反対に、投光素子から発せられる光が受光素子によって受信されていない状態の時は、操作ボタン410が操作されている状態であると判定される。
図194(B)に示すように、操作ボタン410が操作されると、操作ボタンバネによる前方への付勢に逆らって基部410bの一部が押圧検知センサ454の間に位置する構成となっている。また、基部410bにおける少なくとも押圧検知センサ454と対向する箇所は、不透明の部材からなるものであるため、操作ボタン410が操作された時に、投光素子から発せられる光を受光素子が受信できないように遮る構造となっている。これにより、操作ボタン410に対する操作が押圧検知センサ454によって正しく検知される。
また、操作ボタン410における操作受部の形状は、平面状であると説明したが、それに限定されるものではなく、遊技者によって操作された時に、扉枠側第三演出表示装置460Bと干渉するものでなければ、例えば中央部分が高い形状、所謂アーチ状の物でも良いし、ドーム状の物であっても良く、種々の形状を適宜選択可能である。
[3−4h−2.扉枠側演出表示装置]
次に、第三演出操作ユニット400Bの扉枠側第三演出表示装置460Bについて説明する。扉枠側第三演出表示装置460Bは、表示画面が第三ベースユニット430Bから前方へ臨むようにの表出して取付けられており、操作ボタン410の透明な操作受部410aを通して前方側(遊技者側)から表示画面(液晶表示装置461)を視認することができると共に、表示画面に演出画像を表示させることができるものである。
扉枠側第三演出表示装置460Bは、前面に四角形の表示画面を有した液晶表示装置461と、液晶表示装置461の後側に取付けられていると共に、第三ベースユニット430Bに取付けられる有底角筒状の取付ブラケット462と、を備えている。液晶表示装置461は、縦幅が操作ボタン410の基部410bより内側となる幅であり、横幅が操作ボタン410の横幅を大きく超えて、第三ベースユニット430Bの略横幅いっぱいに配置される幅である。取付ブラケット462は、外周が液晶表示装置461の外周と同じ形状に形成されており、有底筒状の底部が液晶表示装置461の後面と当接するように取付けられている。
扉枠側第三演出表示装置460Bは、演出操作ユニット400に組立てた状態では、液晶表示装置461が第三ベースユニット430Bの貫通孔を後側から貫通して、表出している。液晶表示装置461の中央部分は、操作ボタン410の操作受部410aの裏面と対向し、左右部分は操作ボタン410と対向することなく表出している。以下、液晶表示装置461における操作受部410aの裏面と対向している領域をボタン内領域461aとし、操作受部410aの裏面と対向していない領域をボタン外領域461bとする。
また、扉枠側第三演出表示装置460Bは、液晶表示装置461において周辺制御基板1510からの制御信号に基づいた所定の演出画像を表示することができる。
また、従来のように操作ボタンに演出画像が直接表示されるものや、又は操作受部と略同一の表示範囲を有する演出表示装置とが重ねて配置されているものと比べて、本例における第三演出操作ユニット400Bは、操作ボタン410の後方に位置する扉枠側第三演出表示装置460Bが操作ボタン410の横幅の範囲を大きく超えて配置されているので、遊技状態に応じて操作ボタン410に対する操作が必要となる遊技者参加型の演出が実行される際の示唆表示や、操作ボタン410を押した際のリアクション表示などが第三演出操作ユニット400B表示される場合、操作ボタン410の大きさにとらわれない画像表示が可能であるため、扉枠側第三演出表示装置460Bと操作ボタン410とを連携させた演出の自由度が増し、バリエーション豊富な演出を提供することができる。
尚、本例の第三演出操作ユニット400Bについては、以下に変形例を例示するため、上述した基本例となる第三演出操作ユニット400Bに適用される説明を記載する際は、便宜上、横長演出操作ユニットと称して記載する。
[3−4h−3.第三演出操作ユニットの第一変形例]
また、第三演出操作ユニット400Bにおける操作ボタン410と扉枠側第三演出表示装置460Bとの配置関係は、前述したような扉枠側第三演出表示装置460Bの縦幅が操作ボタン410の基部410bより内側となる幅であり、横幅が操作ボタン410の横幅を大きく超えて、第三ベースユニット430Bの横幅いっぱいに配置される幅、平易に表すと横長となるように配置されるものでなくても良く、例えば、図195に示すように、扉枠側第三演出表示装置460Bの横幅が操作ボタン410の基部410bより内側となる幅であり、縦幅が操作ボタン410の縦幅を大きく超えて、第三ベースユニット430Bの縦幅いっぱいに配置される幅、平易に表すと、遊技者から見て縦長となるように配置されるものでも良い。以下、この第一変形例を説明に用いる際、第三演出操作ユニット400Bを縦型演出操作ユニットと称して記載する。
[3−4h−5.第三演出操作ユニットの演出例]
次に、第三演出操作ユニット400Bの演出例について説明する。まず前提として、第三演出操作ユニット400Bの演出とは、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて演出画像を遊技者に見せることができると共に、扉枠側第三演出表示装置460Bにおける操作ボタン410と正面視において重なっている箇所に表示される画像が、操作ボタン410を通して視認可能であり、遊技者に操作ボタン410の操作をさせて遊技者に提示した演出に遊技者を参加させて楽しませることができるものとする。
[ボタン操作示唆演出]
第三演出操作ユニット400Bは、遊技状態に応じて操作ボタン410に対する操作が必要となる遊技者参加型の演出が実行される時、扉枠側第三演出表示装置460Bに表示される画像によって、操作ボタン410に対する操作が有効な期間であることを遊技者に対して示唆することができるものである(ボタン操作示唆演出)。主に図196を用いて説明する。図196は、横長演出操作ユニットを用いて実行されるボタン操作示唆演出の例である。
遊技状態に応じて操作ボタン410に対する操作が有効となった時、遊技者が操作ボタン410に対する操作が有効となったことに報知するために、まず、図196(A)に示すように、扉枠側第三演出表示装置460Bに、液晶表示装置461の範囲に収まりきらない程大きな円画像が出現する。換言すると、円画像が、ボタン内領域461a及びボタン外領域461bにおける略全ての表示範囲を用いて円画像が表示される。次いで、図196(B)に示すように、円画像が時間経過と共に徐々に縮小表示され、次第にボタン外領域461bに表示される範囲が狭くなり、ボタン内領域461a方向に収束する。最後に、図196(C)に示すように、ボタン外領域461bには表示されず、ボタン内領域461aのみに円画像が表示され、次いで「PUSH」というメッセージ画像が円画像の中央部分に表示される。
遊技者は、操作ボタン410を通して、ボタン内領域461aに表示される円画像及びメッセージ画像が視認可能であるため、ボタン外領域461bにも表示される円画像が徐々にボタン内領域461aに収束する円画像と、押すことを意味する「PUSH」というメッセージ画像を視認することによって、操作ボタン410を操作する示唆が実行されていることを理解させることができ、操作ボタン410が有効である時に押し損じてしまう事を防ぐことができる。
上記のように、本例のボタン操作示唆演出は、操作ボタン410を通して視認できる範囲よりも大きい、ボタン外領域461bを有する液晶表示装置461を用いて実行される演出であるので、操作ボタン410の大きさを超えた画像演出を楽しませることができるので、画像表示の自由度が高い構成となっている。上記のボタン操作示唆演出以外にも、操作ボタン410に対する操作が有効となった時に、例えば図197(A)に示すように、液晶表示装置461における左右のボタン外領域461bに、前述した円画像とメッセージ画像(以下、操作示唆画像ともいう)が出現し、次いで図197(B)に示すように、左右の示唆画像が中央側(次第にボタン内領域461a)へ次第に収束し、最後に図197(C)に示すように、左右の操作示唆画像がボタン内領域461aでひとつに重なって、操作ボタン410を押し操作することを遊技者に示唆する、といったボタン操作示唆演出を実行しても良い。
また、上記したボタン操作示唆演出は、横長演出操作ユニットのみに限らず、縦長演出操作ユニットや、後述する分離型演出操作ユニットに適用しても良い。
他にも、遊技盤側演出表示装置1600と連携させて、ボタン操作示唆演出を実行することも可能である。図198(A)に示すように、操作ボタン410に対する操作が有効となった時に、遊技盤側演出表示装置1600に、操作示唆画像が出現する。次いで、図198(B)に示すように、遊技盤側演出表示装置1600に表示されている操作示唆画像が下方向に移動し、操作示唆画像が表示範囲外に移動した分だけ扉枠側第三演出表示装置460Bにおける上下のボタン外領域461bのうち、上側のボタン外領域461bから操作示唆画像が出現し、徐々にボタン内領域461a側(下方向)へ移動する。最後に、図198(C)に示すように、操作示唆画像がボタン内領域461aに移動し、操作ボタン410と重なる。こうすることで、通常、遊技者は遊技中、遊技盤5の遊技領域5a内を見ていることが多い為、ボタン操作示唆演出を実行する際、遊技盤側演出表示装置1600に操作示唆画像を表示させた後、扉枠側第三演出表示装置460Bに移動表示することにより、遊技者の視線を誘導させることができる為、操作ボタン410の押し損じを防ぐことができる。
[ボタン操作期待度演出]
第三演出操作ユニット400Bは、操作ボタン410を操作に対する操作が必要となる遊技者参加型の演出において、遊技者によるボタン操作のタイミングによって、大当たりに対する期待度を示唆する構成となっている。以下、詳述する。
尚、後述するが、説明の都合上、ここにもリーチ時の変動パターンテーブルについての説明を記載する。本例のリーチ時の変動パターンテーブルは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、241種類の変動乱数のうち164種類の変動乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜163)として設定され、59種類の変動乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164〜222)として設定され、18種類の変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223〜240)として設定される。なお、スーパーリーチ演出とは、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、大当り遊技状態の発生を望む遊技者に対してはスーパーリーチ演出が実行されたときに大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
例えば、特別図柄の変動態様(後述する)が、リーチを伴う変動である場合は、そのリーチを伴う変動が行われたことを契機として、ボタン操作期待度演出が実行され、そのボタン操作期待度演出において、操作ボタン410を押下するタイミングが正しいタイミングであれば、変動パターンテーブルから選択されたリーチ演出における正しい期待度を示唆し、反対に、誤ったタイミングであれば、変動パターンテーブルから選択されたリーチ演出とは異なる期待度を示唆する構成となっている。
まず、本例におけるボタン操作期待度演出の一例を、図199〜200を用いて説明する。図199は、ボタン操作期待度演出における、操作ボタン410に対する操作が行われる前の状態を示すものであり、図200は、図199において操作ボタン410に対する操作が行われた後の状態を示すものである。
尚、ボタン操作期待度演出が実行される際、事前に遊技盤側演出表示装置1600若しくは扉枠側第三演出表示装置460Bに、操作ボタン410と操作示唆画像が重なり合うタイミングで操作ボタン410が操作するようにアナウンスを実行する構成となっている。
例えば特別図柄の変動乱数が、リーチを伴う変動であり、且つ変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかであった時、ボタン操作期待度演出が実行されると、扉枠側第三演出表示装置460Bの適宜箇所に、前述した操作示唆画像が出現する。その後、図199(A)〜(C)に示すように、操作示唆画像が左右のボタン外領域461bと中央のボタン内領域461aとの間を左右に往復移動する。操作示唆画像が往復移動している際、図199(B)に示すように、操作示唆画像が扉枠側第三演出表示装置460Bの略中央、換言すると、操作ボタン410と操作示唆画像の全てが重なり合うタイミング、換言すると、操作示唆画像がボタン内領域461aの範囲のみに表示されるタイミングで遊技者によって操作ボタン410が押下されると、「PUSH」と書かれたメッセージが消え、図200(A)に示すように、変動乱数が大当り期待度の高いことを示唆する「激熱」と書かれたメッセージ画像(期待度示唆画像)が、円画像の上から表示される(真の期待度示唆演出)。
反対に、操作示唆画像が扉枠側第三演出表示装置460B内で左右に往復移動している際、図199(A)又は時199(C)に示すように、操作示唆画像が扉枠側第三演出表示装置460Bの略中央以外、換言すると、操作示唆画像がボタン外領域461bの範囲のみ、若しくはボタン内領域461a及びボタン外領域461bの両方の範囲に表示されているタイミングで遊技者によって操作ボタン410が押下されると、「PUSH」と書かれたメッセージが消え、図200(B)に示すように、大当りの期待度が高いにもかかわらず、遊技者がそれを確信することができないメッセージ画像、本例では「チャンス?」というメッセージ画像が円画像の上から表示される(期待度不明演出)。
以上に説明したように、操作示唆画像がボタン内領域461aのみに表示されているタイミングで操作ボタン410を操作することによって、変動パターンテーブルから選択された正しい期待度の高さ示唆する画像が表示されるため、遊技者に遊技者参加型演出に対して意欲的に参加させることができる。
尚、操作示唆画像の往復速度は、ボタン操作期待度演出が実行される毎に変化するものであっても良い。更に、変動乱数の大当たりに対する期待度の違いによって異ならせるものであっても良く、例えば、変動乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出であれば、操作示唆画像の往復速度を速め、反対に、変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出であれば、操作示唆画像の往復速度を遅くしたり、操作示唆画像が往復移動している最中に往復速度を変化させたりする等、適宜選択できるものとする。
また、遊技者によって操作ボタン410が操作された時に表示される期待度示唆画像については、メッセージ画像に限らず、遊技者に対して大当たりに対する示唆を行うものであれば、種々の態様を選択可能である。
また、本例のボタン操作期待度演出において、操作ボタン410に対する操作が行われる前の状態で、変動乱数の大当たりに対する期待度の違いを示唆する構成としている。以下、図201を用いて説明する。図201は、ボタン操作期待度演出における、操作ボタン410に対する操作が行われる前の状態を示すものである。
本例では、ボタン操作期待度演出において操作ボタン410に対する操作が行われる前に表示される円画像と「PUSH」と書かれたメッセージ画像の大きさによって大当たりに対する期待度を示唆するものであり、例えば、変動乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値であった場合は、図201(A)に示すように、操作示唆画像の大きさが操作ボタン410よりも小さく表示される。また、変動乱数がノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高いが、大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値であった場合は、図201(B)に示すように、操作示唆画像の大きさが操作ボタン410と略合致する大きさで表示される。また、変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値であった場合は、図201(C)に示すように、操作示唆画像の大きさが操作ボタン410よりも大きく表示される。
これにより、仮にボタン操作期待度演出で、操作ボタン410を操作するタイミングが、操作示唆画像がボタン外領域461bの範囲のみ、若しくはボタン内領域461a及びボタン外領域461bの両方の範囲に表示されているタイミングとなってしまったとしても、操作ボタン410を押す前に大当たりに対する期待度を示唆するものであるため、前述した期待度不明演出が実行されてしまうような場合であっても、遊技者に落胆させることなく、大当たりに対する期待感を維持させることができる。
[ボタン操作リアクション演出]
また、前述したボタン操作期待度演出やボタン操作示唆演出等の遊技者参加型演出において、遊技者によって操作ボタン410が操作された際に、その操作を遊技機が認識したことを遊技者に対してアナウンスするために、ボタン操作が実行されたことに対するリアクションとして、「PUSH」というメッセージが書かれて表示される操作示唆画像の表示態様を変化させるようになっている。以下、図202を用いて説明する。
図202は、遊技者参加型演出における、操作ボタン410に対する操作に起因して実行される画像表示演出の一例である。図202(A)は、遊技者参加型演出において、操作ボタン410に対する操作が行われる前の状態を示すものである。図202(B),(C)は、操作ボタン410に対する操作が行われた後の状態を示すものである。
本例においては、図202(A)に示すように、遊技者参加型演出が開始されると、扉枠側第三演出表示装置460Bにおける、ボタン内領域461aに操作示唆画像が表示される。それに応じて遊技者によって操作ボタン410が押下されると、図202(B)に示すように、操作示唆画像の表示範囲がボタン内領域461aを超えてボタン外領域461bまで拡大されて表示され、如何にも操作ボタン410が押下げられることによって上から押しつぶされているかのような態様の画像表示となる。次いで、図202(C)に示すように、操作ボタン410に押し潰された操作示唆画像の円画像の端が破れて、操作示唆画像がボタン内領域461aの表示範囲に収まるように萎む態様で表示され、円画像の中から「PUSH」と書かれたメッセージ画像がボタン外領域461bに飛び出したかのような態様の表示態様となる。
以上のように、遊技者参加型演出における操作ボタン410に対する操作によって、操作示唆画像の表示態様が変化することにより、遊技者に対して確実に操作ボタン410が操作されたことをアナウンスすることができる他、操作示唆画像の変化態様に様々なバリエーションを設けることによって遊技者を楽しませることができ、遊技者参加型演出に対して積極的に参加しようとする気持ちを想起させることができる。
以上、上述した演出操作ユニットの第三実施形態によれば、操作ボタン410の範囲を超えて、その後方に扉枠側第三演出表示装置460Bを配置しているので、遊技状態に応じて操作ボタン410に対する操作が必要となる遊技者参加型演出における画像表示のバリエーションが、画像表示範囲が操作受部より狭い、若しくは同等の範囲であった従来の遊技機と比べて、操作ボタン(操作受部)の範囲に制限されない画像演出を提供することが可能であるため、扉枠側第三演出表示装置460Bと操作ボタン410とを連携させた演出の自由度が増し、バリエーション豊富な演出を提供することができる。
また、以上に説明した演出操作ユニットの第三実施形態は、単なる一例であるため、操作ボタン410の範囲を超えて、その後方に扉枠側第三演出表示装置460Bを配置しているもの、であれば、種々の態様を選択することが可能である。
例えば、操作ボタン410の配置箇所としては、扉枠側第三演出表示装置460Bの左右方向略中央を跨ぐようにして配置されているものでなくともよく、例えば図203に示すように、操作ボタン410を扉枠側第三演出表示装置460Bの左側を跨ぐように配置してもよい。
操作ボタン410を扉枠側第三演出表示装置460Bの左側を跨ぐように配置することによって、ボタン外領域461bが右側から中央にかけて大きくとられるので、例えばボタン操作示唆演出の一例として、ボタン外領域461bの右端から操作示唆画像が表示され、操作ボタン410方向にスライド移動表示し、操作ボタン410と操作示唆画像が重なり合ったタイミング(操作示唆画像がボタン内領域461aのみに表示されるタイミング)で操作ボタン410を操作する演出を実行する場合、扉枠側第三演出表示装置460Bの左右方向略中央を跨ぐようにして操作ボタン410が配置されるものに比べて、操作示唆画像がボタン外領域461bからボタン内領域461aまで移動するために必要な時間が多い為、操作ボタン410を押下するタイミングがとりやすい、等の効果を有する。
他にも、第三演出操作ユニットの第二変形例として、扉枠側第三演出表示装置460Bを、第三ベースユニット430Bに複数個配置しても良く、例えば、図204にしめすように、扉枠側第三演出表示装置460Bの縦幅、横幅共に、操作ボタン410の基部410bより内側となる大きさで、第三ベースユニット430Bの略中央に配置、換言すると、操作ボタン410が扉枠側第三演出表示装置460Bに覆いかぶさるように配置されている。さらに扉枠側第三演出表示装置460Bの左右に一つずつ、操作ボタン410とは正面視で重ならない位置に扉枠側第三演出表示装置460Bを追加配置し、扉枠側第三演出表示装置460Bを並べるようにしてもよい。
尚、以下にこの第二変形例に関する説明する際、中央の扉枠側第三演出表示装置460Bを、中央液晶460Ba、左側の扉枠側第三演出表示装置460Bを左液晶460Bb、右側の扉枠側第三演出表示装置460Bを右液晶460Bcとし、第三演出操作ユニット400Bを分離型演出操作ユニットとして記載する。
この分離型演出操作ユニットの例では、中央液晶460Baは第三ベースユニット430Bの中央上部に配置され、左液晶460Bbは、第三ベースユニット430Bにおける
左寄りの略下側に配置され、右液晶460Bcは、第三ベースユニット430Bにおける右寄りの略下側に、左液晶460Bbに対して左右方向平行に配置される。以上のように、本例の分離型演出操作ユニットは、前述した横長演出操作ユニットや縦長演出操作ユニットとは異なり、扉枠側第三演出表示装置460Bが三つの表示装置からなるものであるため、単に三つの液晶を横並びに配置するのみに限らず、自由な配置関係とすることが可能であり、従来知られている画像演出とは一線を画した画像表示を遊技者に提供することができる。
他にも分離型演出操作ユニットにおいて、中央液晶460Baの高さを左液晶460Bb及び右液晶460Bcよりも高くしても良い。こうすることで、扉枠側第三演出表示装置460Bのそれぞれが平面的な配置にならないため、通常知られている同一の高さで配置される液晶表示装置に比べて画像表示の見え方に遠近感が発生するため、遊技者に対して強い印象を与えることができる。尚、液晶の高さの変更は、中央液晶460Baのみに限らず、左液晶460Bb及び右液晶460Bcの高さを変更する構成としても良い。
尚、中央液晶460Ba、左液晶460Bb及び右液晶460Bcにおけるそれぞれの高さや場所に関する配置関係は、以上に説明したものに何ら限定されるものではなく、種々の態様を適宜選択可能であるものとする。
[扉枠側第三演出表示装置の表示態様]
上述したボタン操作期待度演出、ボタン操作示唆演出、ボタン操作リアクション演出等の各種演出(以下、総称して遊技者参加型演出ともいう)における、扉枠側第三演出表示装置460Bの表示態様をより強調させる為に、上記の演出を実行しない時や操作ボタン410を押下する遊技者参加型の演出を実行しない時に扉枠側第三演出表示装置460Bに表示される画像の表示態様を、図205を用いて以下に説明する。
図205は、遊技者参加型演出を実行しない時に液晶表示装置461に表示される画像の一例を示す図である。
本例では、遊技者参加型演出を実行する際に扉枠側第三演出表示装置460Bの表示領域の広さを際立たせる為に、参加型演出非実行時は、扉枠側第三演出表示装置460Bの液晶表示装置461を目立たせないような画像を表示する構成としている。
まず、第三ベースユニット430Aには、図205(A)に示すように、表面が唐草模様の装飾シートが施されている。そのため、第三ベースユニット430Bと、扉枠側第三演出表示装置460Bの境界線がはっきりと見て取れる。尚、第三ベースユニット430Bに施す意匠としては、唐草模様に限らず、種々の模様や色を選択可能である。
本例では、扉枠側第三演出表示装置460Bの液晶表示装置461を目立たせないように、横長演出操作ユニットや縦長演出操作ユニットにおけるボタン外領域461b及び、分離型演出操作ユニットにおける左液晶460Bb及び右液晶460Bc、換言すると、液晶表示装置461における操作ボタン410と重なっていない領域に、第三ベースユニット430Bに施された意匠と同様の画像を表示し、一見、液晶表示装置461は操作ボタン410と重なっているボタン内領域461a及び中央液晶460Baの範囲のみであって、他の箇所は第三ベースユニット430Bの一部であると認識されるようになっている。
詳述すると、図205(B)に図示するように、本例における第三ベースユニット430Bに施された意匠が、唐草模様である場合、液晶表示装置461における操作ボタン410と重なっていない領域にも唐草模様の画像を表示する。また、この唐草模様の画像は、第三ベースユニット430Bに施された唐草模様と地続きとなるように画像が表示されている。この為、互いの唐草模様が一体的に感じられることとなり、液晶表示装置461における操作ボタン410と重なっていない領域も、第三ベースユニット430Bの一部として認識される。
また、図205(C)に示すように、液晶表示装置461における操作ボタン410と重なっていない領域だけでなく、液晶表示装置461における操作ボタン410と重なる位置にも、即ち、扉枠側第三演出表示装置460B(液晶表示装置461)の表示領域全てに唐草模様の画像を表示しても良い、これにより、扉枠側第三演出表示装置460B全体が、一見、第三ベースユニット430Bの一部のように見える他、操作ボタン410の操作受部410aを通して唐草模様の画像が視認可能であるため、操作ボタン410自体も、目立たなくすることができる。
以上の構成によると、遊技者参加型演出が実行されていない時は、扉枠側第三演出表示装置460Bや、操作ボタン410が、液晶表示装置461に表示される画像によって、第三ベースユニット430Bと同化して見える為、遊技者参加型演出が実行される際に、第三ベースユニット430Bから扉枠側第三演出表示装置460Bや、操作ボタン410が浮かび上がるように見えることによる驚きを与え得る構成となっており、遊技者参加型演出に対する興趣を高めることができる。
尚、第三ベースユニット430Bに施された意匠が唐草模様の場合であっても、遊技者参加型演出を実行しない時に液晶表示装置461に表示される画像については、唐草模様の画像に限るものではなく、扉枠側第三演出表示装置460B、または操作ボタン410が目立たなくなるようなものであれば、種々の画像表示を適宜選択可能である。
[3−5.扉枠左サイドユニット]
扉枠3の扉枠左サイドユニット530について、主に図78乃至図81を参照して詳細に説明する。図78(a)は扉枠における扉枠左サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図79は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図80は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図81は図78(a)におけるL−L線で切断した断面図である。扉枠左サイドユニット530は、皿ユニット320の上側で扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162の前側を覆うように扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられるものである。扉枠左サイドユニット530は、扉枠ベース110の貫通口111の正面視左側を装飾するためのものである。
扉枠左サイドユニット530は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視左側に取付けられる上下に延びた帯板状の左ユニットベース531と、左ユニットベース531の前面に取付けられている透明な帯板状の左ユニット拡散レンズ部材532と、左ユニット拡散レンズ部材532の前方に配置されており前端部に多面体状の装飾を有している透光性を有する左ユニット装飾レンズ部材(図示は省略)と、左ユニット装飾レンズ部材の前側から左ユニットベース531の前面上部に取付けられており前方へ筒枠状に突出していると共に上下に延びている左ユニット上装飾ベース534と、左ユニット装飾レンズ部材の前側から左ユニットベース531の前面下部に取付けられており左ユニット上装飾ベース534よりも短く前方へ枠状に突出している左ユニット下装飾ベース535と、左ユニット上装飾ベース534及び左ユニット下装飾ベース535の前側から左ユニット装飾レンズ部材の前端側を覆うように左ユニットベース531の前側に取付けられている透明な左ユニット装飾カバー536と、左ユニット装飾カバー536の前側に取付けられている複数の飾り部材537と、を備えている。
扉枠左サイドユニット530の左ユニットベース531は、後側が開放された浅い箱状に形成されており、前面に前後に貫通している複数の開口部531aを有している。複数の開口部531aは、図示するように、円形状の穴と、上下に延びた四角形状の穴とがある。左ユニットベース531は、扉枠左サイド装飾基板160(扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162)の前面に実装されているLED161a,162aが、複数の開口部531aから前方へ臨むように、扉枠ベース110の前面左側に取付けられる。左ユニットベース531の各開口部531aは、扉枠3に組立てた時に、扉枠左サイド装飾基板160の各LED161a,162aが上下方向の略中央に位置するように夫々形成されている。この左ユニットベース531は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット拡散レンズ部材532は、透明な部材によって形成されており、上拡散レンズ部材532Aと下拡散レンズ部材532Bとに上下に分割されている。左ユニット拡散レンズ部材532は、左ユニットベース531における円形状の開口部531aと対応している正面視円形の円形レンズ部532aと、四角形状の開口部531aと対応している正面視四角形の角形レンズ部532bと、を備えている。扉枠左サイドユニット530は、扉枠3に組立てた状態で、円形レンズ部532a及び角形レンズ部532bの中央の直後に、扉枠左サイド装飾基板160の夫々のLED161a,162aが位置するように形成されている。
左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aは、前面及び後面が滑らかな凸レンズ状に形成されている。この円形レンズ部532aによって、後方に配置されているLED161a,162aからの光を、点状のまま前方へ照射させることができる。この円形レンズ部532aから前方へ照射された光によって、左ユニット装飾レンズ部材の円形装飾部を発光装飾させることができる。
左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bは、前面中央において円錐状に後方へ窪んだ中央拡散反射部532cと、前面における中央拡散反射部532cの外側に形成されている前方拡散レンズ部532dと、後面中央(中央拡散反射部532cの直後)において湾曲面状に後方へ膨出している入力レンズ部532eと、後面における入力レンズ部532eの外側で全体的に入力レンズ部532eから遠ざかるに従って前方へ移動するように傾斜している前方反射部532fと、を備えている。
角形レンズ部532bの前方拡散レンズ部532dは、中央拡散反射部532cを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。更に詳述すると、前方拡散レンズ部532dは、半径方向に沿って切断した時の断面形状に、溝の部分が後方へ円弧状に窪んでおり、溝と溝の間の山の部分が前方へ円弧状に膨出しており、前面が滑らかな波状に形成されている。また、前方拡散レンズ部532dは、周方向へ分割している放射状に延びた線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に位置するように形成されている。
角形レンズ部532bの前方反射部532fは、入力レンズ部532eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら複数の溝は、後方から前方へ向かってV字状に窪んでおり、最深部が円弧状に形成されている。前方反射部532fは、半径方向に沿って切断した時の断面形状が、溝と溝との間の山の部分が後方へ尖った三角形状に形成されており、鋸状に形成されている。前方反射部532fは、中心から遠ざかるに従って溝及び山の部分が前方へ移動するように形成されている。また、前方反射部532fは、周方向へ分割している放射状に延びた線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に位置するように形成されている。この周方向へ分割している放射状に延びた線は、前方拡散レンズ部532dにおける放射状に延びた分割線と一致している。
この角形レンズ部532bは、扉枠3に組立てた状態で、入力レンズ部532eの直後に、扉枠左サイド装飾基板160の対応しているLED161a,162aが位置している。
角形レンズ部532bは、LED161a,162aから前方へ照射された光が、入力レンズ部532eから角形レンズ部532b内に入力される。この入力レンズ部532eは、後方へ湾曲面状(凸レンズ状)に膨出していることから、LED161a,162aから前方へ広がる光を、前方へ平行に進むように屈折させて、入力された光の略全てを円錐状の中央拡散反射部532cへ導くことができる。そして、中央拡散反射部532cへ導かれた光は、中央拡散反射部532cの傾斜している円錐面により、前後に延びた軸線に対して直角方向(扉枠左サイド装飾基板160の前面と平行な方向)へ拡散するように反射させられ、角形レンズ部532b内をその前面に沿って中央側から外側へ向かって進むこととなる。また、中央拡散反射部532cで反射した光は、角形レンズ部532bの前後方向の厚さ全体に亘って、中央側から外側(中央拡散反射部532cの中心線から遠ざかる方向)へ進む。
角形レンズ部532b内を扉枠左サイド装飾基板160の前面と略平行に中央側から外側へ向かって反射した光が、鋸状の前方反射部532fに到達すると、前方反射部532fの面により前方側へ反射する。この際に、前方反射部532fは、後面が中央拡散反射部532cから遠ざかるに従って前方へ移動するように傾斜していることから、角形レンズ部532bの前後方向の厚が、中央から遠ざかるに従って薄くなっている(図81を参照)。これにより、中央拡散反射部532cにおいて角形レンズ部532bの前後方向の厚さ全体に亘って外側へ向かって反射している光を、中心側から外側へ向かうに従って、前方反射部532fにより順次前方へ反射させることができる。
そして、前方反射部532fにより前方へ向かって反射させられた光は、前方拡散レンズ部532dを通って角形レンズ部532bから前方へ照射される。この際に、前方拡散レンズ部532dは、断面が波状に形成されているため、前方反射部532fで前方へ向かって反射させられた光を様々な方向へ拡散させることができ、角形レンズ部532bの前面から略均一に光を前方(左ユニット装飾レンズ部材の後面)へ照射させることができる。
この角形レンズ部532bは、前方拡散レンズ部532d及び前方反射部532fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、角形レンズ部532bの前面から前方へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を前方へ照射させることができる。これにより、左ユニット装飾レンズ部材における角形レンズ部532bの前方の多面装飾部を略均一に発光装飾させることができる。
図示しない左ユニット装飾レンズ部材は、左ユニット装飾カバー536の前面に沿うように形成されている。左ユニット装飾レンズ部材は、左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aの前方の位置する部位に形成されている円形装飾部と、左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bの前方に位置する部位に形成されている多面装飾部と、を備えている。円形装飾部は、前面が窪み前後に短く延びた円柱状の部位の外周に三角形のリブを周方向に複数備えた形状に形成されている。多面装飾部は、上下に延びた直方体の前面に四角錘状の部位が上下方向に複数列設されていると共に、直方体の部位の左右両側に複数の三角形からなる多面体が上下方向に複数列設したような形状に形成されている。円形装飾部及び多面装飾部は、扉枠右サイドユニット550における右ユニット装飾レンズ部材561の円形装飾部561a及び多面装飾部561bと、同じ形状に形成されている。
左ユニット装飾レンズ部材は、透明な左ユニット装飾カバー536を通して前方側(遊技者側)から視認することができる。また、左ユニット装飾レンズ部材は、円形装飾部が左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aから前方へ照射された光により、多面装飾部が左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bから前方へ照射された光により、夫々発光装飾させられる。
左ユニット上装飾ベース534は、正面視の形状が上下に延びた四角形で、前後に延びた角筒状に形成されている。左ユニット上装飾ベース534は、外周における下面を構成する部位が、前端側から後端側へ向かうに従って下方へ突出するように傾斜しており、その部位の下部が前後に貫通している。この左ユニット上装飾ベース534は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット下装飾ベース535は、正面視の形状が、上方へ開放されているコ字状に形成されている。左ユニット下装飾ベース535は、前端における上下方向略中央から上側が、上方へ向かうに従って後方へ移動するように後端まで傾斜している。この左ユニット下装飾ベース535は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット装飾カバー536は、扉枠左サイドユニット530の全高に亘って上下に延びている。左ユニット装飾カバー536は、上下方向の中間部が後方へ凹むように屈曲しており、左ユニット上装飾ベース534の前端に沿うように下部が後方へ折れ曲がっているく字状の部位と、左ユニット下装飾ベース535の前端に沿うように上部が後方へ折れ曲がっているく字状の部位と、上側のく字状の部位の下端と下側のく字状の部位の上端とを結んでいる直線状の部位と、で構成されている。
左ユニット装飾カバー536は、上下両端が左ユニット上装飾ベース534の前面と、左ユニット下装飾ベース535の前面とに夫々取付けられる。この左ユニット装飾カバー536は、透明な部材によって形成されており、後側に配置されている左ユニット装飾レンズ部材を前方側から視認することができる。
飾り部材537は、上下に短く延びており、上下方向へ所定間隔で左ユニット装飾カバー536の前面に取付けられている。飾り部材537は、不透光性の部材によって形成されている。
[3−6.扉枠右サイドユニット]
扉枠3の扉枠右サイドユニット550について、主に図82乃至図86等を参照して詳細に説明する。図82(a)は扉枠における扉枠右サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図83は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図84は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図85は、図82(a)におけるM−M線で切断した断面図である。図86(a)は図82(a)におけるN−N線で切断した断面図であり、(b)は図82(a)におけるO−O線で切断した断面図である。扉枠右サイドユニット550は、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の右側に取付けられるものである。
扉枠右サイドユニット550は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視右側に取付けられる上下に延びた箱状の右ユニットベース551と、右ユニットベース551の前面に取付けられている扉枠右サイド装飾基板552と、扉枠右サイド装飾基板552の前側で右ユニットベース551の前面における正面視中央より左側に取付けられており上下前後方向に延びている透明平板状の右ユニット左拡散レンズ部材553と、右ユニット左拡散レンズ部材553の左側面に取付けられており装飾が施されているシート状の右ユニット左装飾部材554と、右ユニット左装飾部材554の左側を覆うように右ユニット左拡散レンズ部材553に取付けられている透明平板状の右ユニット左カバー555と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット550は、扉枠右サイド装飾基板552の前側且つ右ユニット左拡散レンズ部材553の正面視右側で右ユニットベース551の前面における正面視中央より右側と右ユニット左拡散レンズ部材553とに取付けられており上下前後方向に延びている透明平板状の右ユニット右拡散レンズ部材556と、右ユニット右拡散レンズ部材556の右側面に取付けられており装飾が施されているシート状の右ユニット右装飾部材557と、右ユニット右装飾部材557の右側を覆うように右ユニット右拡散レンズ部材556に取付けられている透明平板状の右ユニット右カバーと558、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左拡散レンズ部材553と右ユニット右拡散レンズ部材556との間に配置されており前方及び右方が開放された上下前後方向に延びた浅い箱状で不透光性の右ユニット左遮光部材559と、右ユニット右拡散レンズ部材556の左側で右ユニット左遮光部材559の開放されている右側を閉鎖するように取付けられている不透光性で平板状の右ユニット右遮光部材560と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端に取付けられており前端部に多面体状の装飾を有している透光性を有する右ユニット装飾レンズ部材561と、右ユニット装飾レンズ部材561の左右両側と右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端側を覆うように右ユニットベース551の前面に取付けられている前後に貫通した枠状の右ユニット装飾ベース562と、右ユニット装飾ベース562の前端開口を閉鎖するように右ユニット装飾ベース562の前側に取付けられている透明な右ユニットカバー563と、右ユニットカバー563の前側に取付けられている複数の飾り部材564と、を備えている。なお、図示は省略するが、扉枠右サイドユニット550は、右ユニットベース551を上下に貫通するように取付けられ、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板と、扉枠トップユニット570の扉枠トップユニット中継基板589とを接続するための接続ケーブルを備えている。
扉枠右サイドユニット550の右ユニットベース551は、正面視の形状が上下に長く延びた四角形で、前後に短く角筒状に延びており、前後方向の中央付近が閉鎖された箱状に形成されている。この右ユニットベース551は、不透光性の部材によって形成されている。
扉枠右サイド装飾基板552は、上下に延びた帯板状に形成されている。扉枠右サイド装飾基板552は、前面における左右方向中央より左側に実装されている複数の左LED552aと、前面における左右方向中央より右側に実装されている右LED552bと、前面における左右方向中央に実装されている複数の中LED552cと、を備えている。扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aは、右ユニット左拡散レンズ部材553を介して右ユニット左装飾部材554を発光装飾させるためのものである。また、右LED552bは、右ユニット右拡散レンズ部材556を介して右ユニット右装飾部材557を発光装飾させるためのものである。中LED552cは、右ユニット装飾レンズ部材561を発光装飾させるためのものである。
扉枠右サイド装飾基板552は、前後両面が白色に形成されている。扉枠右サイド装飾基板552は、上側の扉枠右サイド上装飾基板552Aと、下側の扉枠右サイド下装飾基板552Bとに上下に分割されている。図示は省略するが、扉枠右サイド下装飾基板552Bは、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板に接続されており、扉枠右サイド上装飾基板552Aは、扉枠右サイド下装飾基板552Bに接続されている。
右ユニット左拡散レンズ部材553は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部553aと、本体部553aの後辺から正面視右方へ短く平板状に突出している後壁部553bと、後壁部553bの正面視右端側から左方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部553cと、本体部553aの正面視左面側において右ユニット左装飾部材554を収容可能に浅く窪んでいる収容凹部553dと、本体部553aの後端面から後方へ突出しており上下方向に複数備えられている入力レンズ部553eと、本体部553aの正面視右面側において各入力レンズ部553eが上下方向の中央となるように上下方向に複数配置されている側面反射部553fと、を備えている。
右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されている。また、本体部553aは、図86に示すように、後端側から前方へ向かうに従って、正面視右方へ移動するように全体が、扉枠右サイド装飾基板552の前面の垂直線に対して僅かに傾斜している。本体部553aの前端は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530の前端よりも大きく前方へ突出している。
後壁部553bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その右端が、右ユニットベース551の左右方向略中央まで延びている。この後壁部553bの右端には、右ユニット右拡散レンズ部材556の後壁部556bの左端が当接する。
複数の切欠部553cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、複数の切欠部553cから扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨んでおり、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
収容凹部553dは、底面が平坦面に形成されており、外周の形状が右ユニット左装飾部材554の外形形状に略一致している。これにより、右ユニット左装飾部材554を収容することができる。
複数の入力レンズ部553eは、本体部553aの後端面から上下方向へ所定間隔で後方へ突出している。具体的には、右ユニット左拡散レンズ部材553を上下方向へ6等分した時の夫々の上下方向略中央に形成されている。入力レンズ部553eは、詳細な図示は省略するが、上下に延びた四角形が後方へ突出した直方体の部位と、その直方体の部位の後面から球面状に湾曲するように前方へ向かって窪んでいる部位と、を有している。これら入力レンズ部553eは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aの直前に夫々位置している。これにより、左LED552aからの光を、本体部553a内で広く拡散されるように入力させることができる。
側面反射部553fは、上下方向に複数(六つ)備えられている。各側面反射部553fは、入力レンズ部553eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら同心円弧状の複数の溝は、夫々の溝において、入力レンズ部553eに近い側の面が本体部553aの面に対して傾斜していると共に、入力レンズ部553eから遠い側の面が本体部553aの面に対して垂直に延びており、最深部が円弧状に形成されている。側面反射部553fは、入力レンズ部553eを中心とした半径方向に切断した時に断面形状が、溝と溝との間の山の部分が中心側へ向くような尖った三角形状に形成されており、全体が鋸状に形成されている。また、側面反射部553fは、複数の同心円弧状の溝を周方向に分割している放射状の線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に配置されるように形成されている。
この右ユニット左拡散レンズ部材553は、扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aから前方へ照射された光が、入力レンズ部553eの後面から右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553a内へと入射される。この入力レンズ部553eの後端は、前方へ向かって湾曲状に窪んでいることから、その湾曲面により左LED552aからの光が広がるように屈折し、本体部553a内において、各入力レンズ部553eを中心として前方へ向かって放射状に拡散することとなる。
本体部553aは、全体が前方へ向かうに従って正面視右方へ移動するように、扉枠右サイド装飾基板552の垂直に延びている線に対して僅かに傾斜しているため、扉枠右サイド装飾基板552の前面に実装されている左LED552aから照射されて入力レンズ部553eから本体部553a内に入射された光が、本体部553a内の平坦な左面に当ることとなる。しかしながら、左LED552aからの直接光は、本体部553aの左面に対する入射角度の関係で、本体部553aの左面から外部へ放射されることはなく、左面の内面で側面反射部553f側へ反射することとなる。
そして、入力レンズ部553eから本体部553a内に前方へ向かって入射された光は、鋸状の側面反射部553fに当ることで正面視左方へ反射し、本体部553aの左面から外方へ照射されることとなる。なお、本体部553aの右面(側面反射部553f)からも外方(正面視右方)へ光が照射されるが、本体部553aの右側に配置されている右ユニット左遮光部材559が白色の部材とされているため、右ユニット左遮光部材559の左面が明るく照らされることとなり、右ユニット左遮光部材559で反射した間接光が本体部553aを通って左方側へ照射されることとなる。従って、本体部553aの左面からは、本体部553a内において側面反射部553fにより左方へ反射された光と、側面反射部553fから右方へ照射されて右ユニット左遮光部材559の左面で左方へ反射して本体部553aを通過した光とが、左方へ照射されるため、本体部553aの左側に取付けられている右ユニット左装飾部材554を良好な明るさで発光装飾させることができる。
また、側面反射部553fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、本体部553aの左面から外方(左方)へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を左方へ照射させることができる。これにより、本体部553aの左面の収容凹部553dに収容されている右ユニット左装飾部材554を、略均一に発光装飾させることができる。
なお、右ユニット左拡散レンズ部材553は、透明な部材により形成されているため、本体部553aの正面視左側(収容凹部553dが形成されている側)から、反対側に形成されている側面反射部553fの複数の同心円弧状の溝と放射状に延びている線とからなる模様を視認することができる。従って、右ユニット左装飾部材554において、透明な部分を形成した場合、その透明な部分を通して右ユニット左拡散レンズ部材553の側面反射部553fの模様が視認できることとなり、右ユニット左装飾部材554における透明な部分を側面反射部553fによって装飾することができる。
右ユニット左装飾部材554は、薄いシート状に形成されており、パチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴ、等の装飾が、透光性を有するように施されている。右ユニット左カバー555は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット左装飾部材554の外面を保護している。
右ユニット右拡散レンズ部材556は、右ユニット左拡散レンズ部材553とは略左右対称に形成されており、同じような構成を備えている。詳述すると、右ユニット右拡散レンズ部材556は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部556aと、本体部556aの後辺から正面視左方へ短く平板状に突出している後壁部556bと、後壁部556bの正面視左端側から右方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部556cと、本体部556aの正面視右面側において右ユニット右装飾部材557を収容可能に浅く窪んでいる収容凹部556dと、本体部556aの後端面から後方へ突出しており上下方向に複数備えられている入力レンズ部556eと、本体部556aの正面視左面側において各入力レンズ部556eが上下方向の中央となるように上下方向に複数配置されている側面反射部556fと、を備えている。
右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部556aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553aと外形が略同じ形状に形成されている。また、本体部556aは、図86に示すように、後端側から前方へ向かうに従って、正面視左方へ移動するように全体が、扉枠右サイド装飾基板552の前面の垂直線に対して僅かに傾斜している。本体部556aの前端は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530の前端よりも大きく前方へ突出している。
後壁部556bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その左端が、右ユニットベース551の左右方向略中央まで延びている。この後壁部556bの左端には、右ユニット左拡散レンズ部材553の後壁部553bの右端が当接する。
複数の切欠部556cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。つまり、複数の切欠部556cは、右ユニット左拡散レンズ部材553の複数の切欠部553cと対応した位置に形成されている。従って、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、右ユニット左拡散レンズ部材553の切欠部553cと、右ユニット右拡散レンズ部材556の切欠部556cとで、前後に貫通している四角い開口部が形成され、その開口部から扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨み、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
収容凹部556dは、底面が平坦面に形成されており、外周の形状が右ユニット右装飾部材557の外形形状に略一致している。これにより、右ユニット右装飾部材557を収容することができる。
複数の入力レンズ部556eは、本体部556aの後端面から上下方向へ所定間隔で後方へ突出している。具体的には、右ユニット右拡散レンズ部材556を上下方向へ6等分した時の夫々の上下方向略中央に形成されている。入力レンズ部556eは、詳細な図示は省略するが、上下に延びた四角形が後方へ突出した直方体の部位と、その直方体の部位の後面から球面状に湾曲するように前方へ向かって窪んでいる部位と、を有している。これら入力レンズ部556eは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、扉枠右サイド装飾基板552の右LED552bの直前に夫々位置している。これにより、右LED552bからの光を、本体部556a内で広く拡散されるように入力させることができる。
側面反射部556fは、上下方向に複数(六つ)備えられている。各側面反射部556fは、入力レンズ部556eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら同心円弧状の複数の溝は、夫々の溝において、入力レンズ部556eに近い側の面が本体部556aの面に対して傾斜していると共に、入力レンズ部556eから遠い側の面が本体部556aの面に対して垂直に延びており、最深部が円弧状に形成されている。側面反射部556fは、入力レンズ部556eを中心とした半径方向に切断した時に断面形状が、溝と溝との間の山の部分が中心側へ向くような尖った三角形状に形成されており、全体が鋸状に形成されている。また、側面反射部556fは、複数の同心円弧状の溝を周方向に分割している放射状の線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に配置されるように形成されている。
この右ユニット右拡散レンズ部材556は、扉枠右サイド装飾基板552の右LED552bから前方へ照射された光が、入力レンズ部556eの後面から右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部556a内へと入射される。この入力レンズ部556eの後端は、前方へ向かって湾曲状に窪んでいることから、その湾曲面により右LED552bからの光が広がるように屈折し、本体部556a内において、各入力レンズ部556eを中心として前方へ向かって放射状に拡散することとなる。
本体部556aは、全体が前方へ向かうに従って正面視左方へ移動するように、扉枠右サイド装飾基板552の垂直に延びている線に対して僅かに傾斜しているため、扉枠右サイド装飾基板552の前面に実装されている右LED552bから照射されて入力レンズ部556eから本体部556a内に入射された光が、本体部556a内の平坦な右面に当ることとなる。しかしながら、右LED552bからの直接光は、本体部556aの右面に対する入射角度の関係で、本体部556aの左面から外部へ放射されることはなく、右面の内面で側面反射部556f側へ反射することとなる。
そして、入力レンズ部556eから本体部556a内に前方へ向かって入射された光は、鋸状の側面反射部556fに当ることで正面視右方へ反射し、本体部556aの右面から外方へ照射されることとなる。なお、本体部556aの右面(側面反射部556f)からも外方(正面視左方)へ光が照射されるが、本体部556aの左側に配置されている右ユニット右遮光部材560が白色の部材とされているため、右ユニット右遮光部材560の右面が明るく照らされることとなり、右ユニット右遮光部材560で反射した間接光が本体部556aを通って右方側へ照射されることとなる。従って、本体部556aの右面からは、本体部556a内において側面反射部556fにより右方へ反射された光と、側面反射部556fから左方へ照射されて右ユニット右遮光部材560の右面で右方へ反射して本体部556aを通過した光とが、右方へ照射されるため、本体部556aの右側に取付けられている右ユニット右装飾部材557を良好な明るさで発光装飾させることができる。
また、側面反射部556fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、本体部556aの右面から外方(右方)へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を右方へ照射させることができる。これにより、本体部556aの右面の収容凹部556dに収容されている右ユニット右装飾部材557を、略均一に発光装飾させることができる。
なお、右ユニット右拡散レンズ部材556は、透明な部材により形成されているため、本体部556aの正面視右側(収容凹部556dが形成されている側)から、反対側に形成されている側面反射部556fの複数の同心円弧状の溝と放射状に延びている線とからなる模様を視認することができる。従って、右ユニット右装飾部材557において、透明な部分を形成した場合、その透明な部分を通して右ユニット右拡散レンズ部材556の側面反射部556fの模様が視認できることとなり、右ユニット右装飾部材557における透明な部分を側面反射部556fによって装飾することができる。
右ユニット右装飾部材557は、薄いシート状に形成されており、パチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴ、等の装飾が、透光性を有するように施されている。右ユニット右カバー558は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット右装飾部材557の外面を保護している。右ユニット右装飾部材557及び右ユニット右カバー558は、右ユニット左装飾部材554及び右ユニット左カバー555とは、略左右対称に形成されている。また、右ユニット左装飾部材554と右ユニット右装飾部材557とに施される装飾は、同じ装飾であっても良いし、異なる装飾であっても良い。
右ユニット左遮光部材559は、側面視の形状が右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の側面視の形状と、略同じ形状に形成されている。右ユニット左遮光部材559は、前方及び右方が開放された浅い箱状に形成されている。右ユニット左遮光部材559は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部559aと、本体部559aの後辺から正面視右方へ短く平板状に突出している後壁部559bと、後壁部559bの正面視右端側から左方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部559cと、本体部559aの右面から右方へ延出していると共に後壁部559bから本体部559aの前端まで延びている平板状の複数の補強部559dと、を備えている。
右ユニット左遮光部材559の本体部559aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部553a,556aと外形が略同じ形状に形成されている。
後壁部559bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その左端が、右ユニットベース551の左右方向略中央よりも右側へ延出している。この後壁部559bの右端には、右ユニット右遮光部材560の左面が当接する。
複数の切欠部559cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。つまり、複数の切欠部559cは、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の複数の切欠部553c,556cと対応した位置に形成されている。従って、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、複数の切欠部559cから扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨み、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
複数の補強部559dは、左右の幅と略同じ高さで上下方向に離間している一対の補強部559dを一組として、上下方向へ所定距離離間して三組備えられている。各組の補強部559dは、右ユニットカバー563における飾り部材564の後方となる位置に夫々形成されている。これら複数の補強部559dによって、扉枠右サイドユニット550の全体の強度・剛性を高めている。
右ユニット右遮光部材560は、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左遮光部材559における本体部559aと略同じ形状に形成されている。右ユニット右遮光部材560は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、浅い箱状に形成されている右ユニット左遮光部材559の右方へ開放されている右側開口を閉鎖することができる。
右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、白色の部材によって夫々形成されている。右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、図86に示すように、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、夫々の本体部559a,560aが、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部553a,556aと近接するように配置されている。これにより、本体部559a,560a同士が左右方向に離間しており、左右方向に所定幅で上下方向及び前後方向に延びた空間を形成している。この本体部559a,560a同士の間に形成された空間を通して、扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cから前方へ放射された光が、右ユニット装飾レンズ部材561の後側に照射される。
また、右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、不透光性の部材によって形成されており、扉枠右サイド装飾基板552における左LED552a、中LED552c、右LED552bから夫々前方へ照射される光が、互いに干渉するのを防止しており、右ユニット左装飾部材554、右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561を、夫々対応している左LED552a、右LED552b、及び中LED552cによってのみ発光装飾させることができる。
更に、右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、三組の補強部559dによって内部空間が上下方向へ四つに分割されているため、分割された夫々の空間の後側に配置されている扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cによって、各空間同士の間で光が干渉しないようにすることができ、右ユニット装飾レンズ部材561の各空間の前方に位置している部位を、夫々独立して発光装飾させることができる。つまり、扉枠右サイドユニット550の前端側において、上下方向へ複数(四つ)の領域に分割して夫々を独立して発光装飾させることができる。
右ユニット装飾レンズ部材561は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端形状に沿った形状に形成されている。右ユニット装飾レンズ部材561は、正面視において円形状に形成されている円形装飾部561aと、上下に延びており複数の多面体が形成されている多面装飾部561bと、を備えている。円形装飾部561aは、前面が窪み前後に短く延びた円柱状の部位の外周に三角形のリブを周方向に複数備えた形状に形成されている。多面装飾部561bは、上下に延びた直方体の前面に四角錘状の部位が上下方向に複数列設されていると共に、直方体の部位の左右両側に複数の三角形からなる多面体が上下方向に複数列設したような形状に形成されている。
詳述すると、右ユニット装飾レンズ部材561は、複数の円形装飾部561a及び多面装飾部561bが、右ユニット左遮光部材559における三組の補強部559dによって四つに分割されている夫々の空間の前方に位置する部位において、上から三つの部位では、上下方向の中央に配置された円形装飾部561aの上下両側に一つずつ多面装飾部561bが配置されており、最も下側の部位では、多面装飾部561bのみが配置されているように形成されている。
右ユニット装飾レンズ部材561は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端に取付けられている。右ユニット装飾レンズ部材561は、透明な右ユニットカバー563を通して前方側(遊技者側)から視認することができる。この右ユニット装飾レンズ部材561は、後方に配置されている扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cによって、発光装飾させられる。
右ユニット装飾ベース562は、前後方向に貫通している筒枠状に形成されている。右ユニット装飾ベース562は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端及び上端の形状に沿った形状に形成されている。右ユニット装飾ベース562は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556における前端付近の左右両外側と、右ユニット装飾レンズ部材561の左右両側を被覆可能に形成されている。扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット装飾ベース562の前端よりも、右ユニット装飾レンズ部材561の前端が、僅かに前方へ突出している。この右ユニット装飾ベース562は、不透光性の部材によって形成されている。
右ユニットカバー563は、右ユニット装飾ベース562の前端開口を閉鎖可能に形成されている。この右ユニットカバー563は、透明な部材によって形成されており、後側に配置されている右ユニット装飾レンズ部材561を前方側から視認することができる。
飾り部材564は、上下に短く延びており、上下方向へ所定間隔で右ユニットカバー563の前面に取付けられている。飾り部材564は、不透光性の部材によって形成されている。三つの飾り部材564は、右ユニットカバー563(右ユニット装飾レンズ部材561)を上下方向へ四つに分割している。
扉枠右サイドユニット550は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530よりも前方へ大きく板状に突出しており、皿ユニット320の上皿321前端よりも若干前方へ突出している。扉枠右サイドユニット550は、突出した左右両面側に備えられている右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557と、前端に備えられている右ユニット装飾レンズ部材561と、を夫々独立して発光装飾させることができる。
扉枠右サイドユニット550は、板状で前方へ大きく突出していることから、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠右サイドユニット550が右側に隣接しているパチンコ機との間で仕切のような作用効果を発揮することができる。これにより、本パチンコ機1で遊技する遊技者に対して、個室で遊技しているように錯覚させることができ、周りの他の遊技者に気兼ねすることなくリラックスした雰囲気で遊技を行わせることができる。
また、扉枠右サイドユニット550は、前方へ大きく突出していることから、パチンコ機1が並んだ状態で設置される遊技ホールでは、本パチンコ機1の前方に位置していなくても、島設備に沿った横方向からでも視認することができ、多数のパチンコ機が列設されている遊技ホール内において本パチンコ機1を目立たせることができる。従って、扉枠右サイドユニット550の左右両面側の右ユニット左装飾部材554や右ユニット右装飾部材557を発光装飾させると、本パチンコ機1の前方近辺に位置していなくても、遠くから本パチンコ機1の存在を知らせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠右サイドユニット550において、本パチンコ機1で球詰りやエラー等の不具合が発生した時に、左右両面側の右ユニット左装飾部材554や右ユニット右装飾部材557を特有な態様で発光装飾させるようにすることで、遊技ホールの係員に対して、不具合の発生を直ちに知らせて認識させることができ、不具合に対して素早い対応ができるようになることから、遊技者の遊技の中断を早期に解決させることができ、遊技者が苛立ちを覚えて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−6−2.扉枠右サイドユニットの第二実施例]
[装飾シートの第一実施例]
扉枠右サイドユニット550に収容される装飾シート(右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557)の種類としては、常時絵柄が視認可能なシート(以下、絵柄シート)や、光を照射することで絵柄が視認可能となるシートなど様々なものが選択可能であるが、本例では、扉枠右サイド装飾基板552から光を照射することで描かれた絵柄が視認可能となる導光シートを装飾シートとして用いている。
また、装飾シートが扉枠右サイドユニット550に収容されている状態の時、装飾シートに光が入射されていない状態である場合は、絵柄が描かれている箇所も透過性を有するため、絵柄の視認が困難な状態となっている。絵柄を視認容易とするために、複数のLEDが配置される扉枠右サイド装飾基板552を用いている。本例の扉枠右サイド装飾基板552は、装飾シートに後方から直接光を入射するものであり、扉枠右サイドユニット550における装飾シートの側部554aと対向する箇所に配置されている。以下、図174〜図179を用いて説明する。
図174(A)は、右ユニット左装飾部材554を前方からみた斜視図である。(B)は、右ユニット左装飾部材554を後方から見た斜視図である。(C)は、右ユニット右装飾部材557を前方からみた斜視図である。(D)は、右ユニット右装飾部材557を後方から見た斜視図である。
また、外面部554b及び外面部557bは、後述する右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557の下端部(切欠きが設けられている箇所)を含めないものとする。
また、右ユニット左装飾部材554は、遊技者側に向けて絵柄が表出される導光シートであり、右ユニット右装飾部材557は、遊技者と反対側に向けて絵柄が表出される導光シートとなっている。
なお、右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557の構造は共通のものであるため、ここでは右ユニット右装飾部材557の説明をし、右ユニット左装飾部材554の説明は省略する。
例えば、絵柄などが描かれていない単なる透過性を有した導光シートを装飾シートとして用いた場合、側部557aから装飾シート内部に向かって光を入射すると、光は外面部557bから出ることなく、側部557aの反対側の端部から抜ける。これは光が装飾シートの内部で全反射を繰返して進む性質から起こるものである。本例の装飾シートには、全反射の際に光の反射角度を変化させる加工が外面部557bに対して施されており、その加工によってパチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴが装飾されている。これにより装飾シートの外面部557bから光が出るようになり、絵柄を浮かび上がらせることが可能となっている。
次に、扉枠右サイド装飾基板552によって側部557aに対して光が照射された際、装飾シートに加工された装飾が浮かび上がる構造について、図175を用いて説明する。
図175は、右ユニット右装飾部材557の内部における光の経路を説明するための図である。
右ユニット右装飾部材557における内面部557cには、加工によって細かな線状の凹凸部557dが形成されており、扉枠右サイド装飾基板552によって側部557aから光が入射され、その光が図175の光経路L1及び光経路L2に示すように、右ユニット右装飾部材557内で全反射を繰り返し、凹凸部557dに光が進むと、その凹凸部557dによって入射角が変化することにより乱反射し、外面部557bから出射される。したがって、この凹凸部557dの存在により、右ユニット右装飾部材557に加工された絵柄(図174参照)が視認可能に浮かび上がる構成となっている。
尚、図175においては、説明の便宜上、右ユニット右装飾部材557の厚みに対する凹凸部557dの寸法を実際の寸法よりも大きく示している。
次に、本例の扉枠右サイドユニット550の形態について図176を用いて説明する。
図176は、扉枠右サイドユニット550を分解した状態を示す斜視図である。扉枠右サイドユニット550は、装飾シート判別部材565、右ユニット右カバー558、右ユニット左カバー555、仕切り板566及び扉枠右サイド装飾基板552で構成されており、仕切り板566と右ユニット右カバー558との間に右ユニット右装飾部材557が配置され、仕切り板566と右ユニット左カバー555との間に右ユニット左装飾部材554が配置されている。また、装飾シートは前述したように透過性の部材である為、仕切り板566は光透過率の低い部材を採用している。これは、仮に仕切り板566が光透過率の高い部材であった場合、扉枠右サイド装飾基板552に配置された複数のLEDが発光した際、右ユニット左装飾部材554と右ユニット右装飾部材557との絵柄が重なって見えてしまうためである。
扉枠右サイド装飾基板552は、装飾シートにおける側部(側部554a及び側部557a)と仕切り板566の側部(後述する)と対向して配置されており、照射された光が装飾シートの側部と仕切り板566の側部とに入射する構成となっている。また、扉枠右サイド装飾基板552は、LED基板5520a乃至5520dからなり、夫々の列に配置されたLEDが2枚の装飾シート及び仕切り板491cと対応している。LED基板5520aは、右ユニット左装飾部材554の側部554aと、LED基板5520bは仕切り板566における右ユニット左カバー555側の側部566aと、LED基板5520cは仕切り板566における右ユニット右カバー558側の側部566aと、LED基板5520dは、右ユニット右装飾部材557の側部557aと、夫々対応しており、個別に発光させることが可能となっている。
また、本例の装飾シートにおいても、装飾シートの下端部に施された切欠きパターンと、装飾シート判別部材565に設けられた判別センサ565a〜dとを用いて、遊技機の機種に対応した装飾シートが挿入されているか否かを判定するようになっている。装飾シートの下端部も、他の箇所同様透過性を有しているため、切欠き処理が施されていない箇所が判断センサと対向しても、投光素子が発する光を受光素子が検知してしまう虞があるため、下端部の表面に粗面処理を施し、投光素子による光を遮る構成としている。
また、装飾シート判別部材565の内部における、装飾シートの下端部と対向する箇所には、扉枠右サイドユニット550に収容された装飾シートが、絵柄シートであるか、導光シートであるかを判別するシート種判別センサ565f(光センサ)が備えられている。収容された装飾シートが絵柄シートであった場合、収容した時にシート種判別センサ565fと対向する箇所を不透過性の部材とし、シート種判別センサと対向することで「オン」、「オフ」が切り替わり、検知される構成となっている。尚、導光シートの場合は収容した時にシート種判別センサ565fと対向する箇所を、透過性を有する部材とすることで、シート種判別センサ565fには検知されない。
つまり、装飾シート検出センサ565eとシート種判別センサ565fとの両方によって検知されることで、扉枠右サイドユニット550に絵柄シートが収容されたと判定される。反対に、装飾シート検出センサ565eによって検知され、シート種判別センサ565fには検知されない場合は、扉枠右サイドユニット550に導光シートが収容されたと判定される。
扉枠右サイド装飾基板552は、扉枠右サイドユニット550に収容される装飾シートが絵柄シートであるか、または導光シートであるかによって、発光させるLEDを切替える構成としている。導光シートが収容されたと判定された場合は、LED基板5520a及び5520dが発光し、導光シートの側部(554a及び557a)に対して光を照射し、導光シートの面に加工された絵柄を浮かびあがらせる。また、絵柄シートが収容されたと判定された場合は、LED基板5520b及び5520cが発光し、仕切り板566の側部566aに光が照射され、パチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴなどが描かれた絵柄シートが発光装飾される。以下、仕切り板566に光を入射する場合の構成を、図177を用いて詳述する。
図177は仕切り板566の内部構造を示す上面図であり、その内部には仕切り板と略同形の反射板5661が設けられ、更に、装飾シートの内面部554c及び内面部557cと対向する面には、粗面部5660が施されている。側部566aから光が入射されると、仕切り板566内部に光が進入し、反射板5661に向かうことによって粗面部5660に光が反射する。粗面部5660に光が進むと、その粗面部5660によって入射角が変化することにより乱反射し、光が出射される。したがって、この粗面部5660の存在により、右ユニット左装飾部材554右ユニット右装飾部材557の内面部554c、557cを発光装飾するため、外面部554b、557bに描かれた装飾の視認性を向上させるバックライトとして用いることができる。これにより、絵柄シート、導光シートの両方を装飾シートとして利用することができるため、扉枠右サイドユニット550を用いた宣伝の汎用性を高めることが可能となる。
また、扉枠右サイド装飾基板552に備えられた複数のLEDから照射された光が、対応した部材以外の箇所に拡散してしまうことを防ぐ構成を、図178(A)を用いて説明する。図178(A)は、扉枠右サイドユニット550の上面図である。
扉枠右サイド装飾基板552における、LED基板5520aとLED基板5520bの間と、LED基板5520cとLED基板5520dの間には、光を透過しない遮光板567が備えられており図178(A)参照)、LEDが発光する際に、各LED基板5520a〜dから照射される光が、対応した導光シート及び仕切り板566のみ照射されるようになっている。
[仕切り板の第二実施例]
尚、仕切り板566における装飾シートの内面部554c及び内面部557cと対向する面には、粗面部5660が施されている、と説明したが、それに限るものではない。この例における仕切り板566は、不透明の板部材であり、その内部に、張出し用LED基板から照射された光の通り道を有している。以下、図178(b)を用いて説明する。
図178(b)は、仕切り板566の内部構造を示す上面図である。
仕切り板566は、装飾シートのうち、絵柄シートが扉枠右サイドユニット550内に収容された際に、仕切り板566における側部566aから光を入射し、視認性を向上させるバックライト用部材として用いる為に、その内部に扉枠右サイド装飾基板552から照射された光を、装飾シートの内面部554c、557cに誘導する光誘導路5662を備えている。
光誘導路5662は、扉枠右サイド装飾基板552から照射された光の入り口となる入光部5663と、光を装飾シートの内面部554c、557cに誘導するための出口孔である出光部5664とを有し、入光部5663に入射された光が光誘導路5662を通過し、出光部5664から抜けることで、装飾シートの内面部554c、557cに光が誘導されるようになっている。
出光部5664は、仕切り板566の面部(装飾シートの内面部554c、557cと対向する)全体に多数の孔として設けられており、装飾シートの内面部554c、557cをムラなく全体的に照らし、外面部554b、557bから視認した際、絵柄の視認性を向上させる。また、出光部5664は、目視した際に孔が目立たない程度の直径となっており、所謂、不透明の板部材のように見える為、透過性を有する導光シートを装飾シートとして扉枠右サイドユニット550に収容した場合であっても、出光部5664が多数設けられていることによる装飾シートの視認性が悪化しない構成となっている。
また、扉枠右サイドユニット550に対して、右ユニット左装飾部材554と右ユニット右装飾部材557とを夫々一枚ずつ収容するものに限らず、装飾シートを複数枚重ねて(本例では3枚)収容するようにしても良い。前述したように、導光シートは側部から光を入射されることによって絵柄が浮かび上がる構造である為、複数枚の装飾シートを重ねて収容した場合であっても、夫々の装飾シートに対応するLED基板を側部と対向するように配置することにより、個別に絵柄を浮かび上がらせることが可能となっている。以下、図179を用いて説明する。
図179は、扉枠右サイドユニット550に収容される右ユニット右装飾部材557と、扉枠右サイド装飾基板552における右ユニット右装飾部材557と対応するLED基板のみを抜き出して示す図である。
本例では、星空を模した絵柄が加工された第一導光シート5574、花火を模した絵柄が加工された第二導光シート5575、山脈を模した絵柄が加工された第三導光シート5576を重ねて、右ユニット右カバー558と仕切り板566との間に収容したものであり、それぞれの装飾シートの側部と対向して、扉枠右サイド装飾基板552が配置されている。
扉枠右サイド装飾基板552は、遊技状態に応じて夫々の装飾シートに対して、いずれの装飾シートに光を入射するか、その対象を切替える構成としている。
例えばパチンコ機1が遊技者によって遊技されていない時、または遊技者によって遊技されていて、通常の遊技状態においては、第三導光シート5576に対してのみ光を入射し、山脈を模した絵柄を浮かび上がらせる。また、特別図柄の変動態様が、リーチを伴う変動である場合は、そのリーチを伴う変動が行われたことを契機として、第三導光シート5576に代えて、第一導光シート5574に対して光を入射し、山脈の上方に星空を模した絵柄を浮かび上がらせる。更に、大当たり状態となったことを示す演出を行う場合は、第一導光シート5574に代えて、第二導光シート5575に対して光を入射し、花火を模した絵柄を浮かび上がらせる。
上述したように、遊技状態によって光を入射する装飾シートを切替える構成により、遊技者や他のホール客が扉枠右サイドユニット550を視認した際に、現在の遊技状態を一目で判断できる他、複数枚の導光シートを並べて収容することにより、絵柄シートとは異なり、複数種類の絵柄パターンを浮かび上げることが可能であるので、扉枠右サイドユニット550による演出及び宣伝が単調とならず、飽き難いものとすることができる。
また、夫々の装飾シートに対して選択的に光を入射させるものでなくともよく、例えば、遊技状態に応じて複数の装飾シートに対して光を入射する構成としても良い。パチンコ機1が遊技者によって遊技されていない時、または遊技者によって遊技されていて、通常の遊技状態においては、第三導光シート5576に対してのみ光を入射し、山脈を模した絵柄を浮かび上がらせる。また、特別図柄の変動態様が、リーチを伴う変動である場合は、そのリーチを伴う変動が行われたことを契機として、第三導光シート5576に加えて、第一導光シート5574に対して光を入射し、山脈の上方に星空を模した絵柄を浮かび上がらせる。更に、大当たり状態となったことを示す演出を行う場合は、すべての導光シートに対して光を入射し、山脈と星空に加えて花火を模した絵柄を浮かび上がらせるようになっている。
上述したように、遊技状態が所謂アツイ状態となるにつれて、浮かび上がる絵柄が増えるので、演出が段々と盛り上がる様子を遊技者に視認させることにより、大当たりに対する期待感を与える他、例えば大当り状態に発展する確率が高いことを示唆する演出や、大当たり状態となったことを示す演出の様子を他のホール客にも知らしめることができるため、視線を集めることができ、パチンコ機1が選択する可能性も向上するものとなっている。
また、各装飾シートは重ねて収容されているため、複数の装飾シートに対して光を入射すると、立体的な絵柄となって見えるので、1枚の装飾シートの絵柄を浮かび上げるものと比較して装飾性が向上している。
また、複数枚の装飾シートを重ねて収容可能であることから、遊技盤5の機種に対応した装飾シートと、遊技盤5の機種に関係なく対応した装飾シートとを重ねて扉枠右サイドユニット550に収容する構成にし、例えば遊技盤5の機種に対応した共通の装飾シートを収容するところを、誤って別の機種に対応した装飾シートを収容してしまった場合、前述したエラー情報をホールの係員に報知しつつ、遊技盤5の機種に関係なく対応した共通の装飾シートに対して光を入射するようになっている。これにより、誤った装飾シートが収容されてしまった場合であっても、ホールの係員に対して誤った装飾シートが収容されているという旨のエラー情報を報知しつつも、機種に関係なく対応した共通の装飾シートに加工された絵柄を遊技者に視認させることができるので、誤った装飾シートが挿入されたまま放置されることを防止することができる他、扉枠右サイドユニット550による宣伝効果を失うことがなく、誤解や違和感を与えることを抑制する。
以上、導光シートを装飾シートとして用いる例について説明したが、上記に説明した構成に限らず、例えば演出と関係なく、一定時間ごとに、光を入射する対象の装飾シートを変更するようにしても良く、これにより、扉枠右サイドユニット550から臨める絵柄がスライドショーのようにかわるがわる切り替わるため、単一の絵柄を浮かび上がらせて宣伝を行うものと比較して、様々な情報が遊技者及びその他のホール客の目に留まることになり、より一層パチンコ機1が選択される可能性を向上させることができる。他にも、ホールの係員によって、任意で光を入射する装飾シートを選択するようにしても良く、種々の方法を適宜選択可能である。
尚、これまで絵柄シートや導光シート等、シート状の部材を装飾シートとして用いる構成を説明したが、これに限るものではなく、例えば板状の装飾板(絵柄板、導光板)を用いても良く、種々の構成を選択可能である。
また、扉枠右サイドユニット550を構成する装飾シート判別部材565、右ユニット右カバー558、右ユニット左カバー555、仕切り板566及び扉枠右サイド装飾基板552は、全て一体に形成されている物であっても、別体の部材を組み合わせて形成されているかの物であってもよく、適宜選択可能である。
また、遊技ホールの照明や、扉枠右サイド装飾基板552以外のLED発光によって、扉枠右サイドユニット550内に光が入り込み、装飾シート(導光シート)に装飾シートに加工された絵柄が表出してしまわないように、装飾シートにおける側部554a,557a、外面部554b,557b、内面部554c,557c以外の箇所に不透明なシールや部材を配置するなどして、光が透過しない構造としている。これにより、扉枠右サイド装飾基板552によって光が照射されていないにもかかわらず、装飾シートに加工された絵柄が表出してしまう虞を防止することができる。他にも装飾シート判別部材565を、光透過をしない部材で形成したり、右ユニット左カバー555及び右ユニット右カバー558における装飾シートの外面部554b,557bと対向する以外の箇所を、光透過をしない、部材で形成したりしても良く、扉枠右サイド装飾基板552による発光装飾以外によって光が装飾シートに対して入射しない構成に限れば、種々の方法を選択することができる。
[3−6−3.扉枠右サイドユニットの第三実施例]
皿ユニット320には、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残金の範囲内で遊技者に遊技球を貸し出すための球貸ボタン328と、球貸機から貸出された遊技球の分を差し引いた現金やプリペイドカードを返却させるための返却ボタン329と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数等を表示する球貸返却表示部330が備えられていると前述したが、それに限るものではなく、この例においては、球貸ボタン328、返却ボタン329を、扉枠右サイドユニット550に集約している。以下図180〜図184を用いて説明する。
図180(A)は扉枠右サイドユニット550を右サイドユニット内面部550a側から見た斜視図である。図180(B)は、扉枠右サイドユニット550における右サイドユニット内面部550aを正面から見た図である。
尚、特許請求の範囲における突出部は扉枠右サイドユニット550に相当しており、内側面は右サイドユニット内面部550aに相当しており、外側面は右サイドユニット外面部550bに相当している。
ところで、遊技者は遊技中、椅子に座り、右手でハンドル302を操作し続けることになる。一方、左手は比較的自由であり、球貸ボタン328、返却ボタン329、操作ボタン410等の操作は大抵左手で行われる。また、左手で上皿321内へ賞球として払い出された遊技球に触れたり、所謂球がみが発生しないように、随時、指で上皿321内の遊技球の流れを整流したりするが、球貸ボタン328、返却ボタン329が皿ユニット320に配置されている場合、皿ユニットに左手を移動させた際に誤って球貸ボタン328や返却ボタン329等のスイッチに触れてしまい、遊技者が意図しないタイミングで遊技球の貸し出しやプリペイドカードの返却が行われてしまうことがあるという問題があった。しかし、本例では、扉枠右サイドユニット550に球貸ボタン328及び返却ボタン329を配置している為、上記の問題を確実に防止することができる。以下、詳述する。
[球貸ボタン、返却ボタンの第一実施例]
図180に示すように、扉枠右サイドユニット550には、球貸ボタン328、返却ボタン329、球貸返却表示部330が備えられており、本例では、右ユニット装飾ベース562における右サイドユニット内面部550aの下部に、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、押圧操作することで、所定数の遊技球を皿ユニット320の上皿321内へ貸出す(払出す)球貸ボタン328と、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを投入した状態で押圧操作すると、貸出された遊技球の分を差し引いた上で現金やプリペイドカードを返却する返却ボタン329と、透明な表面の下側に三桁の7セグメントLEDが配置されており、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等を表示する球貸返却表示部330が並んで配置されている。
なお、球貸ボタン328、返却ボタン329は主制御基板1310及び払出基板の制御下にあり、球貸ボタン328または返却ボタン329を操作すると、球貸ボタン328、返却ボタン329は主制御基板1310を経由してパチンコ機横に設置されたCRユニットに信号が出力され、遊技球の払出や、プリペイドカードの返却が行われる。例えば球貸ボタン328が操作された場合は、CRユニットから出力された信号が、主制御基板1310及び払出基板に出力され、皿ユニット320に遊技球が払い出されると同時に、球貸返却表示部330に表示される数字が減算される。
また、右ユニット装飾ベース562における球貸返却表示部330の上方に音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337が配置されている。音量調節ボタン336は、上ボタン336aと、下ボタン336bとからなり、上ボタン336aを操作すると、各種演出に合わせた音楽及び効果音等の音量を大きくすることができ、反対に、下ボタン336bを操作すると、各種演出に合わせた音楽及び効果音等の音量を小さくすることができる。輝度調節ボタン337は、上ボタン337aと、下ボタン337bとからなり、上ボタン337aを操作すると、遊技盤側演出表示装置1600や扉枠側演出表示装置460に表示される画像の輝度を所定段階に分けて明るくすることができ、反対に、下ボタン337bを操作すると、遊技盤側演出表示装置1600や扉枠側演出表示装置460に表示される画像の輝度を所定段階に分けて暗くすることができる。
尚、上ボタン336a及び上ボタン337aは、一つの頂点を上方へ向けた三角形状に形成されている。下ボタン336b及び下ボタン337bは、一つの頂点を下方へ向けた三角形状に形成されている。
また、音量調節ボタン336の上方には、「音量」輝度調節ボタン337の上方には、「輝度」という文字が施されており、更に、各ボタンがどのような機能を有しているかを遊技者が確実に認識できるよう、上ボタン336aには「+」、下ボタン336bには「―」、上ボタン337aには「明」、下ボタン337bには「暗」といった文字印刷がボタン表面に施されている。これにより、音量調節や輝度調節の際に何れのボタンを操作すればよいかを明瞭としているので、遊技者に迷いを与えることを防ぐことができる。
更に、音量調節や輝度調節を行おうとした際に、誤って球貸ボタン328や返却ボタン329を操作してしまう事がないように、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337の配置箇所は、球貸ボタン328及び返却ボタン329の配置箇所と離れた箇所に配置している。更に、直接遊技球に関係する球貸ボタン328や返却ボタン329同士を近接させて配置し、音量や輝度等の遊技球に影響を与えない音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337同士を近接させて配置しているため、夫々のボタンの配置箇所を容易に認識させることが可能となっている。
また、音量調節ボタン336は0〜3の4段階の音量調節、輝度調節ボタン337は1〜3の3段階の輝度調節が可能となっており、音量の表示は、音量調節表示部338に表示され、数字が大きくなるにつれて音量が大きくなる。また、表示が「0」の場合は、無音となっている。輝度の表示は、輝度調節表示部339に表示され、数字が大きくなるにつれて明るく表示される。
また、音量調節表示部338は、上ボタン336aと、下ボタン336bの間に配置されており、輝度調節表示部339は、上ボタン337aと、下ボタン337bの間に配置されているので、音量調節表示部338は音量調節ボタン336と対応しており、輝度調節表示部339は輝度調節ボタン337と対応していることが一目で認識できるようになっている。
なお、音量調節ボタン336と、輝度調節ボタン337とは、周辺制御基板1510の制御下にあり、音量調節ボタン336又は輝度調節ボタン337を操作すると、周辺制御部1511に信号が出力され、音量並びに輝度の調節が行われる。次いで、周辺制御部1511から音量調節表示部338や輝度調節表示部339に信号が出力され、調節結果によって、音量調節表示部338や輝度調節表示部339に表示される数字が変化する。
また、図示は省略するが、球貸ボタン328及び返却ボタン329の表面には、これらのボタンを遊技者が確実に認識できるよう、識別部328a、識別部329aとして文字印刷が施されている。識別部328aは「球貸」、識別部329aには「返却」という文字が印刷されており、直感的にボタンの種類を認識させることができるので、遊技者が所望するボタンと異なるボタンを操作してしまう事による遊技興趣の低下を防ぐことができる。また、上述した識別部328a、識別部329aは、遊技機のコンセプトに応じて変更可能であり、例えば遊技機のコンセプトが洋風のコンセプトである場合等は、識別部328aに施された「球貸」という文字を「dispense」としたり、識別部329aに施された「返却」という文字を「return」としたりしてもよい。
尚、識別部328a及び識別部329aは、文字印刷に限らず、例えば小型の液晶を球貸ボタン328、返却ボタン329の内部に配置し、「球貸」、「返却」と表示したり、ドットマトリクスを用いて文字を表示したり、ボタンにおける文字部分を透明な部材で形成し、ボタン内部にLED基板を配置して表示したりしてもよく、遊技者がそれぞれのボタンが有している機能を認識することができる構成であれば、種々の仕様を選択することができる。
また、球貸返却表示部330も、右ユニット装飾ベース562の下部における球貸ボタン328及び返却ボタン329と横並びに配置されているので、例えば、球貸ボタン328を操作する際等に自然と目に入るため、あとどれ程の残数があるのかが一目で判断可能となっている。また、球貸機が故障した時などに表示されるエラーコードは、例えば始動口、カウントスイッチなどが断線してしまったり、磁気検出異常を検知したり、エラーの種類によって、表示される文字が異なっており、例えば、始動口、カウントスイッチなどが断線してしまった場合は「ER1」と表示され、磁気検出異常を検知した場合は「ER2」と表示される。
また、球貸返却表示部330に表示されるエラーコードは、ホールの係員等が操作可能な、例えばエラー解除スイッチ、RAMクリアスイッチを操作することにより、エラーが解除され、非表示状態となる。
また、装飾シートにおける一部の領域を、球貸ボタン328及び返却ボタンを遊技者が認識するための識別部としても良い。図181に示すように、右ユニット左装飾部材554における破線で囲われた領域を識別領域Aとし、右ユニット左装飾部材554における下端、球貸ボタン328及び返却ボタンの近傍上方に、矢印を模した絵柄と、それぞれのボタンの名称が識別部328a及び識別部329aとして描かれている。
このように、右ユニット左装飾部材554の絵柄として識別部を設けることにより、単なる遊技者が球貸ボタン328及び返却ボタン329を認識するための領域だけに留まらず、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴ等が装飾されているシートとしての作用も十分に発揮するので、パチンコ機1の機種によって識別部の絵柄デザインを多種多様なものとすることができ、装飾性を高めることができる。
本例では、例えば、装飾シートの装飾として草花を模した絵柄が描かれており、球貸ボタン328を遊技者に認識させる識別部328aと、返却ボタン329を遊技者に認識させる識別部329aにも、草花を模した絵柄で「球貸」、「返却」という文字の周りを囲うように装飾されている。これにより、装飾シートの一部を識別部としての領域とした場合であっても、識別部が周りの絵柄と比べて浮いてしまい、違和感を与えることを防ぐことができる。また、上述した装飾シートは遊技機のコンセプトに応じて変更可能であるため、例えば遊技機のコンセプトが洋風のコンセプトである場合等は、「球貸」という文字を「PUSH」とするように装飾シートの装飾を異ならせることもできる。
また、球貸ボタン328と、返却ボタン329は、右サイドユニット内面部550aにおける右ユニット装飾ベース562の下部に限らず、遊技者が遊技中、座りながら手の届く範囲内であれば、右サイドユニット内面部550aにおける適宜箇所に配置しても良い。その場合、球貸ボタン328と、返却ボタン329を目視した際に球貸返却表示部330も視界に入る位置に配置すると、尚望ましい。
なお、球貸ボタン328、返却ボタン329及び球貸返却表示部330の配置箇所に関しては、扉枠右サイドユニット550に配置する場合に限らず、図182、図183に示すように、扉枠左サイドユニット530に配置して、右手でハンドル302を操作しながら、球貸ボタン328に対する操作を容易化する構成としても良い。これにより、ハンドル302の角度調整を固定した状態で球貸操作ができるので、遊技者が所望する遊技球の打球力を維持したまま遊技を継続することができ、再度ハンドル302を調節する手間を省くことができる。
また、扉枠左サイドユニット530に配置した場合、球貸ボタン328、返却ボタン329の配置箇所に関して、構成自体は扉枠右サイドユニット550に配置した場合のものと同一なので、詳細な説明は省略するが、例えば図182に示すように、左サイドユニット内側面530aにおける左ユニット上装飾ベース534に、球貸ボタン328、返却ボタン329及び球貸返却表示部330に配置することも可能である。さらに、図183に示すように、左サイドユニット外側面530bにおける左ユニット上装飾ベース534に、球貸ボタン328、返却ボタン329を配置し、遊技者から視認可能な識別部328a及び識別部329aを左サイドユニット内側面530aに配置するようにしても良い。その場合、球貸ボタン328及び返却ボタン329を右手あるいは左手で操作しようとすると、左ユニット装飾カバー536の上部に手がかかる(手で覆われる)ものと推測されるので、後述する測距センサ368を左ユニット装飾カバー536の上部に配置し、遊技者の手を検知することで球貸ボタン328、返却ボタン329に対する操作を有効とし、遊技者以外の他人が誤って操作してしまう事を防ぐ構成となっている。
[球貸ボタン、返却ボタンの第二実施例]
球貸ボタン328及び返却ボタン329の配置箇所は、右サイドユニット内面部550aに限らず、右サイドユニット外面部550bに配置しても良い。以下、図184を用いて説明する。
図184(A)は、は扉枠右サイドユニット550を右サイドユニット外面部550b側から見た斜視図である。図184(B)は、本実施例における右サイドユニット内面部550aの識別部328a及び識別部329a周辺を示す図である。図184(C)は、本実施例における右サイドユニット内面部550aの識別部336c,d及び識別部337c,d周辺を示す図である。
本例における球貸ボタン328及び返却ボタン329は、図184(A)に示すように、右ユニット装飾ベース562における右サイドユニット外面部550bの下部に、縦に並んで配置されている。右サイドユニット外面部550bに球貸ボタン328及び返却ボタン329が配置されている場合、遊技中の遊技者からは球貸ボタン328及び返却ボタン329を目視することは困難であるため、図184(B)に示すように、右サイドユニット内面部550aの下部に、に前述した識別部328a、識別部329aが備えられている。
また、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337は、図184(A)に示すように、右ユニット装飾ベース562における右サイドユニット外面部550bの中央に、縦に並んで配置されている。この場合、遊技中の遊技者からは音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337を目視することは困難であるため、図184(C)に示すように、右サイドユニット内面部550aの中央に、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337の配置位置を認識するための識別部336c,d及び識別部337c,dが備えられている。
本例における識別部328a及び識別部329aの配置箇所は、右ユニット装飾ベース562における、右サイドユニット内面部550aの正面視において、球貸ボタン328及び返却ボタン329と略重なる箇所に配置されている。識別部328aには、「この裏球貸」、識別部329aには「この裏返却」という文字が印刷されているため、遊技中の遊技者が目視困難な右サイドユニット外面部550b側に球貸ボタン328及び返却ボタン329が配置されている場合であっても、確実に夫々のボタンの配置箇所を遊技者に認識させることが可能となっている。
識別部336c,d及び識別部337c,dにおいても、右ユニット装飾ベース562における、右サイドユニット内面部550aの正面視において、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337と略重なる箇所に配置されている。識別部336cには、「この裏+」、識別部336dには、「この裏−」識別部337cには「この裏明」、識別部337dには「この裏暗」という文字が印刷されているため、遊技中の遊技者が目視困難な右サイドユニット外面部550b側に音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337が配置されている場合であっても、確実に夫々のボタンの配置箇所を遊技者に認識させることが可能となっている。
尚、この実施例において、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337は右サイドユニット外面部550bに備えられている為、音量調節表示部338は、識別部336cと、識別部336dとの間に配置されており、輝度調節表示部339は、識別部337cと、識別部337dとの間に配置されているので、遊技中音量調節表示部338及び輝度調節表示部339が視認困難となることがない。
しかし、本例では球貸ボタン328及び返却ボタン329、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337が右サイドユニット外面部550b側に配置されているため、例えば遊技者が気付かない間に他人によって操作されてしまい、遊技者が所望しない遊技球の払出しや、プリペイドカードの返却、音量調節、輝度調節などといった、遊技者に対する不利益や、遊技に対する興趣の低下が発生してしまう虞がある。これらを防ぐために、本例では、遊技者自身が球貸ボタン328、返却ボタン329、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337を操作したことを検知する構成となっている。
本例では、扉枠右サイドユニット550の下部及び中央に、前方の対象物を検出可能な測距センサ368を備えており、この測距センサ368がON状態(対象検知)である状態では、球貸ボタン328、返却ボタン329、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337に対する操作が有効となり、反対に、OFF状態(対象非検知)である状態では無効となる。
尚、本例の測距センサは、光波を用いて距離を測定する光学式測距センサを用いており、光波の方向は、遊技者方向に向かって出力されている。
遊技者が、右サイドユニット外面部550bの下部に配置されている球貸ボタン328及び返却ボタン329を右手あるいは左手で操作しようとすると、右ユニットカバー563の下部に手がかかる(手で覆われる)ものと推測される。また、右サイドユニット外面部550bの中央に配置されている音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337を右手あるいは左手で操作しようとすると、右ユニットカバー563の中央に手がかかる(手で覆われる)ものと推測される。
即ち、測距センサ368の前検出範囲に遊技者の手がかかる状態となるため、測距センサ368が遊技者の手を検出し、ON状態となることで、球貸ボタン328及び返却ボタン329並びに音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337に対する操作が有効となる。
なお、右ユニットカバー563の下部にに配置されている測距センサ368は、球貸ボタン328及び返却ボタン329と対応しているため、仮にON状態となった場合、球貸ボタン328及び返却ボタン329に対する操作のみ、有効となる。また、右ユニットカバー563の中央に配置されている測距センサ368は、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337と対応している為、仮にON状態となった場合、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337に対する操作のみ、有効となる構成となっている。
測距センサが遊技者の手を検知することにより、即ちセンサがON状態である状態の時に、球貸ボタン328、返却ボタン329及び音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337に対する操作が有効となるので、例えば、遊技者以外のホール客、例えば右隣で遊技を行っているホール客が、自身の左方向に見える球貸ボタン328、返却ボタン329、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタン337を、自身が遊技を行っている遊技機と対応したボタンであると勘違いし、誤って操作してしまった場合であっても、意図的に測距センサ368の前方に手を移動させない限り、その手が測距センサ368の検出範囲に入ることがない。これにより、遊技者が所望しないタイミングでの遊技球の払出しや、プリペイドカードの返却、音量調節、輝度調節が実行されてしまう事を抑制することができる。
また、測距センサ368に限らず、遊技者自身の操作によって球貸ボタン328、返却ボタン329、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタンを操作したことを検知する構成であれば、種々の方法を適宜選択可能とする。例えば測距センサの代わりにタッチセンサを右サイドユニット内面部550aに配置し、タッチセンサによって遊技者の手が触れていると判定されている状態の時のみ、球貸ボタン328、返却ボタン329、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタンに対する操作を有効する、という構成にしても良い。
また、上述したセンサ類でなくとも、例えば、右サイドユニット内面部550a及び右サイドユニット外面部550bの両方に、球貸ボタン328、返却ボタン329、音量調節ボタン336及び輝度調節ボタンを夫々配置し、同じ種類のボタンを両方操作することで、有効となるようにしても良い。この場合、球貸ボタン328同士、返却ボタン329同士は、音量調節ボタン336同士及び輝度調節ボタン同士は、操作の関係上、右サイドユニット内面部550aの正面視において略重なる箇所に配置するのが望ましい。
[球貸返却表示部の第二実施例]
前述した球貸返却表示部330の配置箇所として、球貸ボタン328及び返却ボタン329と横並びに配置されている物だけでなく、図185に示すように、右ユニット左装飾部材554が配置される収容凹部553dに設置するようにしても良い。詳述すると、球貸返却表示部330を、収容凹部553dと右ユニット左装飾部材554との間に設置し、右サイドユニット内面部550aの正面視において右ユニット左装飾部材554における球貸返却表示部330と略重なる箇所がくり抜かれている。更に、くり抜かれている箇所の周囲に絵柄が描かれているので、図186に示すように、収容凹部553dに右ユニット左装飾部材554を収容すると、絵柄が球貸返却表示部330を囲っているような装飾に見える。これにより、従来と比較して球貸返却表示部330に対する装飾性が高くなっており、右ユニット左装飾部材554を交換することによって、球貸返却表示部330周囲の意匠を多種多様なものとすることができる。
また、球貸返却表示部330は、図187図188に示すように球貸ボタン328及び返却ボタン329の夫々に対応させて複数備えるようにしても良い。
球貸表示部330aは、球貸ボタン328に対応しており、返却表示部330bは、返却ボタン329に対応している。また、エラー表示部330cは、球貸機が故障した時のエラーコード等を表示する。球貸表示部330aは、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数を常時表示し、遊技者に対して貸球が可能か否かを認識させるものである。返却表示部330bは、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数が残っている場合は「残有」、残っていない場合は「残無」と表示され、「残有」と表示されている場合に返却ボタン329を操作することで「返却」と表示され、遊技者にプリペイドカードが返却される。
また、球貸表示部330aと返却表示部330bは、図187に示すように、右ユニット左装飾部材554が配置される収容凹部553dに設置するようにしても良い。詳述すると、球貸表示部330aと返却表示部330bの夫々を、収容凹部553dと右ユニット左装飾部材554との間に設置しており、右サイドユニット内面部550aの正面視において右ユニット左装飾部材554における球貸表示部330a及び返却表示部330bと略重なる箇所がくり抜かれている。そして、図187に示すように、収容凹部553dに右ユニット左装飾部材554を収容すると、球貸表示部330aと返却表示部330bがくり抜かれた箇所を通して視認可能となる。
球貸返却表示部330を、球貸、返却の機能の別に応じて複数備えることによって、単に現金やプリペイドカードの残数を数字で表示するだけの物と比べて、直感的に残数の有無が認識可能となる。更に、球貸表示部330aは、対応している球貸ボタン328の近傍に配置されており、同じように返却表示部330bは、対応している返却ボタン329の近傍に配置されている為、いずれのボタンがいずれの表示部と対応しているのかが認識容易となっている。
以上、種々のボタンや表示部を、扉枠右サイドユニット550及び扉枠左サイドユニット530に集約させる例を記載したが、これらに係らず、例えば操作ボタン410を扉枠右サイドユニット550又は扉枠左サイドユニット530に配置するようにしてもよい。
[3−7.扉枠トップユニット]
扉枠3の扉枠トップユニット570について、主に図87乃至図90等を参照して詳細に説明する。図87(a)は扉枠における扉枠トップユニットの正面図であり、(b)は扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図である。図88は扉枠トップユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図89は扉枠トップユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図90は、図87におけるP−P線で切断した断面図である。扉枠トップユニット570は、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側に取付けられるものである。
扉枠トップユニット570は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側で左右方向の中央に取付けられる中央ベース571と、中央ベース571の左右両側に取付けられていると共に扉枠ベース110の前面に取付けられる一対のサイドベース572と、一対のサイドベース572の前面に夫々取付けられている一対の上部スピーカ573と、左右に延びていると共に左右方向中央が前方へ突出しており後方が開放されている箱状で一対の上部スピーカ573の前方位置で前後に夫々貫通している一対の開口部574a、及び一対の開口部574aよりも左右方向中央寄りの位置から中央付近まで夫々延びていると共に前後方向に夫々貫通しており上下に離間している複数(左右夫々三つ)のスリット574bを有しており中央ベース571及び一対のサイドベース572の前側に取付けられているユニット本体574と、一対の上部スピーカ573の前側に夫々配置されており一対の開口部574aを閉鎖するようにユニット本体574の後側に取付けられているパンチングメタルからなるスピーカカバー575と、を備えている。
また、扉枠トップユニット570は、ユニット本体574の左右方向中央の前面に取付けられており透光性を有しているトップ中装飾部材576と、トップ中装飾部材576の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中装飾基板577と、ユニット本体574の前面に夫々取付けられており複数のスリット574bを夫々閉鎖していると共にトップ中装飾部材576の左右両端付近から開口部574aを跨いでユニット本体574の左右両端付近まで夫々延びている透明平板状の複数(左右夫々三つ)の導光部材578と、ユニット本体574の前面におけるトップ中装飾部材576の左右両側に夫々取付けられており複数(三つ)の導光部材578の前面を夫々覆っているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580と、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の夫々の前方側からユニット本体574の前面に夫々取付けられておりトップ中装飾部材576の左右両側から開口部574aの中央側端部付近まで夫々延びているトップ中左装飾部材581及びトップ中右装飾部材582と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット570は、ユニット本体574における左右両側面の内側に夫々取付けられており複数(三つ)の導光部材578における左右方向外側端部と対面する部位にLEDが夫々実装されている扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ右装飾基板584と、ユニット本体574の後側における左右方向中央の左右両側に夫々形成されている複数(三つの)スリット574bが貫通している部位に夫々取付けられている一対の基板ベース585と、一対の基板ベース585の前面に夫々取付けられておりユニット本体574のスリット574bの後方となる位置に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587と、扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587の前側でユニット本体574の後側に夫々取付けられている一対の遮光部材588と、を備えている。
また、扉枠トップユニット570は、ユニット本体574内で中央ベース571の前面に取付けられている扉枠トップユニット中継基板589と、扉枠トップユニット中継基板589の前面を覆うように中央ベース571に取付けられている中継基板カバー590と、ユニット本体574の上開口部574cを閉鎖するようにユニット本体574に取付けられている上カバー591と、ユニット本体574の下開口部574dを閉鎖するようにユニット本体574に取付けられている下カバー592と、を備えている。
扉枠トップユニット570の中央ベース571は、正面視の形状が左右に延びた四角形に形成されている。中央ベース571は、後方へ開放された箱状に形成されており、前面に複数の凹凸を備えている。一対のサイドベース572は、中央ベース571の左右両端に夫々取付けられる。一対の上部スピーカ573は、各サイドベース572の前面に夫々取付けられる。一対の上部スピーカ573は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、夫々の前面が、扉枠トップユニット570の左右方向中央に近い側が後方へ移動するように斜めに取付けられている。一対の上部スピーカ573は、広い周波数帯域で音を出力可能なフルレンジのコーン型スピーカである。
ユニット本体574は、正面視の形状が、左右に延びた四角形の左右両端付近の下部が下方へ膨出したような形状に形成されている。換言すると、ユニット本体574は、正面視の形状が、左右に延びた四角形を、下端辺側から上方へ窄まった台形で切欠いたような形状に形成されている。ユニット本体574は、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の前端辺側における左右方向中央を中心にして全幅(左右方向の長さ)の約1/2の部位を底辺とする前方へ突出した台形と、その台形の前端辺を長辺として前方へ短く突出した四角形と、を組み合わせた形状に形成されている。従って、ユニット本体574は、前面における左右方向中央で前方へ突出した部位の両側が、ユニット本体574の左右方向の端部と、前方へ突出した部位の前端の左右方向端部とを結んだ線よりも後方に位置(窪んでいる)している。
ユニット本体574は、前面における左右方向両端から前方へ突出している部位よりも外側の位置までの部位に、夫々前後に貫通している開口部574aが形成されている。また、ユニット本体574は、前面における前方へ台形に突出している部位の斜めに延びている部位に、上下方向に所定の高さで左右に延びていると共に前後方向に貫通している複数のスリット574bが形成されている。複数のスリット574bは、ユニット本体574の前面における斜めに延びている部位の前端付近から、開口部574a付近まで左右に延びている。また、複数のスリット574bは、ユニット本体574の左右方向中央の両側に、夫々三つずつ上下に離間して形成されている。
また、ユニット本体574は、上面における左右方向中央に後端から前方へ向かって四角く切欠かれた上開口部574cと、下面における左右方向に後端から前方へ向かって切欠かれた下開口部574dと、を備えている。ユニット本体574の上開口部574cは、上カバー591によって閉鎖される。また、下開口部574dは、下カバー592によって閉鎖される。
また、ユニット本体574は、左右両端に上下に延びたトップ左装飾部574e及びトップ右装飾部574fを備えている。トップ左装飾部574eは、その前面が、開口部574aの形成されている部位の前面と、前後方向が略同じ位置に形成されている。トップ右装飾部574fは、その前面が、開口部574aの形成されている部位の前面よりも前方へ位置するように形成されている。このユニット本体574は、不透光性の部材によって形成されている。
トップ中装飾部材576は、ユニット本体574の前面における左右方向中央において前方へ突出している部位の前端に取付けられる。トップ中装飾部材576は、正面視の形状が、略正方形の下辺の左右方向中央部が下方へ位置するように折れ曲がった変五角形と、変五角形の左右の辺の上端から左右方向外側へ延出した辺の先端と辺五角形の左右の辺の下端とを結んだ略直角三角形と、を組合わせたような形状に形成されている。トップ中装飾部材576は、前面の変五角形の部位が、下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。このトップ中装飾部材576は、全体が立体的な形状に形成されており、透光性を有している。
扉枠トップ中装飾基板577は、前面が、トップ中装飾部材576の変五角形の部位の前面と沿うように、下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜した状態でトップ中装飾部材576の後側に取付けられる。扉枠トップ中装飾基板577は、前面に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで、トップ中装飾部材576を発光装飾させることができる。
導光部材578は、透明な部材によって形成されている。導光部材578は、ユニット本体574の前面における前方へ突出した部位の前端よりも左右両外側の形状に沿った形状に形成されている。ユニット本体574の左右方向両端部に近い側を端部側、中央に近い側を中央側として説明すると、導光部材578は、端部側から中央側へ向かって左右に真っすぐに延びた直部578aと、直部578aの中央側の端部側から中央側へ向かうに従って前方へ移動するように半径の大きい円弧状に延びた円弧部578bと、で構成されている。導光部材578は、直部578aでは前後方向の奥行きが上下方向の高さよりも小さく形成されており、円弧部578bでは前後方向の奥行きが上下方向の高さよりも大きく形成されている。また、導光部材578は、直部578aでは上下方向の高さが一定に形成されており、円弧部578bでは上下方向の高さが中央側へ向かうに従って小さくなるように形成されている。導光部材578は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、直部578aがユニット本体574の開口部574aの直前に位置し、円弧部578bがユニット本体574のスリット574bを前方から閉鎖している。
導光部材578は、直部578aの後面に形成されている鋸状の凹凸からなる拡散反射部578cと、円弧部578bの後面側に形成されている複数の凹凸からなる拡散入力部578dと、を備えている。
導光部材578は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、左右方向両外側の端部が、扉枠トップ左装飾基板583又は扉枠トップ右装飾基板584のLED583a,584aと対面していると共に、拡散入力部578dが扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587のLED586a,587aと対面している。この導光部材578は、左右方向両外側の端部から、扉枠トップ左装飾基板583又は扉枠トップ右装飾基板584のLED583a,584aからの光が入射されると、その光が直部578a内を中央側へ進むと共に、直部578aの後面に形成されている拡散反射部578cにより端部側から順次前方へ反射され、直部578aの前面全体から光が前方へ照射される。導光部材578の前方にはトップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580が配置されており、それらのうちの直部578aの前方となる部位が発光装飾させられる。
また、導光部材578は、円弧部578bの後面に形成されている拡散入力部578dから、扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587のLED586a,587aからの光が入射されると、その光が拡散入力部578dの凹凸により円弧部578b内へ広く拡散され、円弧部578bの前面全体から光が前方へ照射される。これにより、トップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580における円弧部578bの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
このように、導光部材578は、扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ中左装飾基板586のLED583a,586a、又は、扉枠トップ右装飾基板584及び扉枠トップ中右装飾基板587のLED584a,587a、からの光を導いて、前方に配置されているトップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580の全体を良好(均一)な状態で発光装飾させることができる。
トップ左装飾レンズ部材579は、ユニット本体574の前面における左右方向中央より左側に配置される三つの導光部材578の前方を覆うように、ユニット本体574の前面に取付けられる。トップ左装飾レンズ部材579は、三つの導光部材578を夫々独立して前方から収容する三つの装飾レンズ部579aを有している。トップ左装飾レンズ部材579の装飾レンズ部579aは、導光部材578に倣った形状に形成されており、導光部材578の前面及び上下両面を被覆している。各装飾レンズ部579aの前面には、前方へ突出した四角錘台の凹凸が左右に列設されている。
トップ左装飾レンズ部材579は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の左端から、ユニット本体574のトップ左装飾部574eの右端まで延びている。つまり、トップ左装飾レンズ部材579は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576よりも左側の略全体を装飾している。このトップ左装飾レンズ部材579は、三つの導光部材578を介して扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ中左装飾基板586のLED583a,586aによって発光装飾させられる。
トップ右装飾レンズ部材580は、ユニット本体574の前面における左右方向中央より右側に配置される三つの導光部材578の前方を覆うように、ユニット本体574の前面に取付けられる。トップ右装飾レンズ部材580は、三つの導光部材578を夫々独立して前方から収容する三つの装飾レンズ部580aを有している。トップ右装飾レンズ部材580の装飾レンズ部580aは、導光部材578に倣った形状に形成されており、導光部材578の前面及び上下両面を被覆している。各装飾レンズ部580aの前面には、前方へ突出した四角錘台の凹凸が左右に列設されている。
トップ右装飾レンズ部材580は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の右端から、ユニット本体574のトップ右装飾部574fの左端まで延びている。つまり、トップ右装飾レンズ部材580は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576よりも右側の略全体を装飾している。このトップ右装飾レンズ部材580は、三つの導光部材578を介して扉枠トップ右装飾基板584及び扉枠トップ中右装飾基板587のLED584a,587aによって発光装飾させられる。
トップ中左装飾部材581は、ユニット本体574の前面における左側の開口部574aとトップ中装飾部材576との間で、トップ左装飾レンズ部材579の前方からユニット本体574の前面に取付けられる。トップ中左装飾部材581は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、トップ左装飾レンズ部材579の三つの装飾レンズ部579aの間を埋めるように取付けられており、前面の中央寄りがトップ左装飾レンズ部材579の前面よりも前方に突出している。このトップ中左装飾部材581は、不透光性の部材によって形成されている。
トップ中右装飾部材582は、ユニット本体574の前面における右側の開口部574aとトップ中装飾部材576との間で、トップ右装飾レンズ部材580の前方からユニット本体574の前面に取付けられる。トップ中右装飾部材582は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、トップ右装飾レンズ部材580の三つの装飾レンズ部580aの間を埋めるように取付けられており、前面の中央寄りがトップ右装飾レンズ部材580の前面よりも前方に突出している。このトップ中右装飾部材582は、不透光性の部材によって形成されている。
扉枠トップ左装飾基板583は、ユニット本体574内における左側面(トップ左装飾部574e)の内側に、LED583aが実装されている面を右方へ向けて取付けられている。扉枠トップ左装飾基板583は、ユニット本体574の左右方向中央より左側の前面に取付けられている三つの導光部材578の左端面と対向する位置にLED583aが実装されている(図90を参照)。三つのLED583aは、夫々独立して発光させることができる。扉枠トップ左装飾基板583のLED583aにより、三つの導光部材578の直部578aを介して、トップ左装飾レンズ部材579におけるユニット本体574の左側の開口部574aの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板584は、ユニット本体574内における右側面(トップ右装飾部574f)の内側に、LED584aが実装されている面を左方へ向けて取付けられている。扉枠トップ右装飾基板584は、ユニット本体574の左右方向中央より右側の前面に取付けられている三つの導光部材578の右端面と対向する位置にLED584aが実装されている(図90を参照)。三つのLED584aは、夫々独立して発光させることができる。扉枠トップ右装飾基板584のLED584aにより、三つの導光部材578の直部578aを介して、トップ右装飾レンズ部材580におけるユニット本体574の右側の開口部574aの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
一対の基板ベース585は、ユニット本体574内における複数のスリット574bが形成されている部位の後側に取付けられるものである。一対の基板ベース585は、略左右対称に形成されている。基板ベース585は、上下及び前後に延びた辺を有する側面視略正方形の側壁と、側壁の後辺から直角に左右方向外方へ延びた正面視四角形の後壁と、側壁の上辺の前端から側壁の上辺途中までを結んだ線を斜辺として側壁と後壁の上辺同士を結んでいる略直角三角形の上壁と、上壁とは反対側で側壁と後壁の下辺同士を結んでいる略直角三角形の下壁と、を備え、上下の斜辺同士の間が開放された三角柱状の箱状に形成されている。基板ベース585は、開放されている部位が、ユニット本体574によって閉鎖されるようにユニット本体574に取付けられる。この基板ベース585は、開放されている部位が閉鎖されるように、扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587が取付けられる。
扉枠トップ中左装飾基板586は、ユニット本体574における左右中央より左側の後側に取付けられる基板ベース585において、箱状の開放されている部位を前方から閉鎖するように、基板ベース585に取付けられる。扉枠トップ中左装飾基板586は、基板ベース585の前面に取付けられることで、前面が、ユニット本体574の左右方向中央側へ向かうに従って前方へ移動するように、左右に延びた面に対して傾斜した状態となる。これにより、扉枠トップ中左装飾基板586は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、その前面が、ユニット本体574の左右方向中央より左側の三つのスリット574bが形成されている部位の面と略平行な状態となる。
扉枠トップ中左装飾基板586は、ユニット本体574の三つのスリット574bと対応している位置に、複数のLED586aが実装されている。これにより、扉枠トップ中左装飾基板586は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、ユニット本体574の中央より左側の三つのスリット574bから、複数のLED586aが前方に臨んだ状態となる。扉枠トップ中左装飾基板586は、複数のLED586aを発光させることで、導光部材578の円弧部578bを介して、トップ左装飾レンズ部材579のトップ中装飾部材576に近い部位を発光装飾させることができる。
扉枠トップ中右装飾基板587は、ユニット本体574における左右中央より右側の後側に取付けられる基板ベース585において、箱状の開放されている部位を前方から閉鎖するように、基板ベース585に取付けられる。扉枠トップ中右装飾基板587は、基板ベース585の前面に取付けられることで、前面が、ユニット本体574の左右方向中央側へ向かうに従って前方へ移動するように、左右に延びた面に対して傾斜した状態となる。これにより、扉枠トップ中右装飾基板587は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、その前面が、ユニット本体574の左右方向中央より右側の三つのスリット574bが形成されている部位の面と略平行な状態となる。
扉枠トップ中右装飾基板587は、ユニット本体574の三つのスリット574bと対応している位置に、複数のLED586aが実装されている。これにより、扉枠トップ中右装飾基板587は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、ユニット本体574の中央より右側の三つのスリット574bから、複数のLED587aが前方に臨んだ状態となる。扉枠トップ中右装飾基板587は、複数のLED587aを発光させることで、導光部材578の円弧部578bを介して、トップ右装飾レンズ部材580のトップ中装飾部材576に近い部位を発光装飾させることができる。
一対の遮光部材588は、扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587とユニット本体574との間の位置で、ユニット本体574の前面後側に取付けられるものである。一対の遮光部材588は、不透光性の部材によって、略左右対称に形成されている。遮光部材588は、ユニット本体574における三つのスリット574bと対応して列設されている扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587の複数のLED586a,587aの上下の間を仕切っている。この遮光部材588により、各導光部材578の直後に位置しているLED586a,587aによってのみ、その導光部材578により光を前方へ誘導させることができ、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の夫々の装飾レンズ部579a,580aを夫々独立させた状態で良好に発光装飾させることができる。
扉枠トップユニット中継基板589は、中央ベース571の前面に取付けられている。扉枠トップユニット中継基板589は、一対の上部スピーカ573、扉枠トップ中装飾基板577、扉枠トップ左装飾基板583、扉枠トップ右装飾基板584、扉枠トップ中左装飾基板586、及び扉枠トップ中右装飾基板587と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継している。扉枠トップユニット中継基板589は、扉枠右サイドユニット550に備えられている図示しない接続ケーブルを介して、扉本体中継基板と接続されている。この扉枠トップユニット中継基板589は、前側が中継基板カバー590によって覆われている。
この扉枠トップユニット570は、左右方向中央において前方へ突出したトップ中装飾部材576を備えていると共に、トップ中装飾部材576の左右両側の前面が後方へ抉れているように湾曲しているため、トップ中装飾部材576のみが前方へ大きく突出しているように遊技者を錯覚させることができ、遊技者の関心を本パチンコ機1に対して強く引付けさせることができる。
また、扉枠トップユニット570は、中央に配置されているトップ中装飾部材576の左右両側を装飾しているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580を、トップ中装飾部材576の左右両側から、ユニット本体574の左右両端に形成されているトップ左装飾部574e及びトップ右装飾部574fまで延びるように形成している。これにより、扉枠トップユニット570によって、扉枠3の前面上部を全体的に装飾することができる。
この際に、扉枠トップユニット570では、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580が配置されている左右方向両端付近の夫々の後方に、パンチングメタルからなるスピーカカバー575により前面が保護された上部スピーカ573を備え、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の上下に離間している三つの装飾レンズ部579a,580aの間からスピーカカバー575が前方へ臨むようにしているため、左右の上部スピーカ573から出力されるサウンドを、良好な状態で遊技者に聴かせることができ、良質なステレオサウンドを楽しませることができる。
また、扉枠トップユニット570は、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の後側に備えられた複数の導光部材578により、扉枠トップ左装飾基板583、扉枠トップ右装飾基板584、扉枠トップ中左装飾基板586、及び扉枠トップ中右装飾基板587からの光を、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580に導くことができ、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の前面全体を良好に発光装飾させることができる。従って、扉枠トップユニット570は、左右の上部スピーカ573の前方を含む扉枠3の上部の前面全体を発光装飾させることができる。
[3−8.扉枠の作用効果]
扉枠3の作用効果について説明する。本実施形態のパチンコ機1における扉枠3は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前後に貫通している貫通口111を、従来のパチンコ機よりは上下及び左右方向へ大きくしており、貫通口111の拡大に合わせて、皿ユニット320及び扉枠トップユニット570の上下方向の高さを小さくしていると共に、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の左右方向の幅を小さくしている。これにより、貫通口111(ガラスユニット190)を通して、本体枠4に取付けられた遊技盤5(遊技領域5a)の前面を、可及的に広く遊技者(前方)から見えるようにすることができ、遊技領域5aの広い遊技盤5に対応している。
扉枠3は、貫通口111の下側において、前方へ膨出している皿ユニット320の左右方向中央に大きな半球面状の操作ボタン410を有した演出操作ユニット400を備え、演出操作ユニット400の左右両側における下半分(上皿321よりも下側の部分)の前面を、後方へ抉れるように窪んだ形状(皿ユニット320の左右両端の前端と、演出操作ユニット400の左右両端の前端とを結んだ直線よりも、演出操作ユニット400の左右両側の前面が後方へ位置するように凹状に湾曲した形状)に形成されている。これにより、皿ユニット320の左右方向中央の前面に取付けられている演出操作ユニット400が前方へ大きく突出しているように見えるため、遊技者に対して演出操作ユニット400を目立たせて強調して見せることができ、演出操作ユニット400に強く注目させることができる。
扉枠3は、貫通口111よりも下側の皿ユニット320の前面に配置されている演出操作ユニット400を、大きな半球面状の透明な操作ボタン410が、斜め上前方を向くように傾けた状態で取付けているため、本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、操作ボタン410が遊技者の頭部(顔)を向いた状態となり、遊技者が視線を落として演出操作ユニット400を見ると、操作ボタン410が略正面に近い状態で見えることとなり、大きくて丸い操作ボタン410を強烈に視認させることができ、操作ボタン410を用いた演出に対して期待感を高めさせることができると共に、透明な操作ボタン410内に配置されている扉枠側演出表示装置460に表示される演出画像を良好な状態で視認させることができ、演出画像を十分に楽しませることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320の全高と略同じ直径の大きくて前方へ丸く膨出した操作ボタン410を備えているため、操作ボタン410を操作する際に、遊技者の手の短い距離の移動で操作ボタン410の何れかの部位に触れることができ、操作ボタン410の「早押し」を比較的容易に行うことができる。また、大径で前方へ丸く膨出した操作ボタン410を、傾けた状態で取付けているため、従来のパチンコ機の操作ボタンのように上から押圧操作することができるだけでなく、左方や右方、或いは、前方からでも良好に操作することができ、操作性の良い操作ボタン410によって操作ボタン410を用いた演出をより楽しませることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320によって演出操作ユニット400を、吊り下げたような状態で取付けていると共に、演出操作ユニット400の下部に振動を発生させる振動モータ424を備えているため、遊技状態に応じて振動モータ424を回転させて振動を発生させると、操作ボタン410の上部に触れている遊技者の手に対して、強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて操作ボタン410を用いた演出をより一層楽しませることができる。
更に、扉枠3は、皿ユニット320の前面中央に、皿ユニット320の全高に亘る大きな操作ボタン410(演出操作ユニット400)を備えていることから、従来のパチンコ機と比較して上皿321の下にある下皿322が目立ち難くなるため、従来のパチンコ機を見慣れた遊技者に対して、明らかに異なっていると認識させ易くすることができ、遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320の前面における演出操作ユニット400の左側に開口している下皿開口部326dに対して、下皿322を、演出操作ユニット400の後側へ回り込むように形成しているため、下皿開口部326dの大きさに対して、下皿322の容積を大きくすることができ、下皿322での遊技球の貯留数を十分に確保することができる。また、下皿322の後部が演出操作ユニット400の後側へ回り込んでいることから、遊技者が下皿322内に左手を入れたり、下皿開口部326dに左手の指を掛けたりした時に、指先が下皿322の後の壁に触れ難くなるため、遊技者に対して違和感を与え難くすることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができると共に、下皿開口部326dの大きさに比べて下皿322の容積が大きいことを触覚でも認識させることができる。
更に、扉枠3は、上皿321からの遊技球が下皿322に放出される下皿球供給口323cと下皿322の遊技球を皿ユニット320の下方のドル箱等に抜くための下皿球抜き孔322aとを、前後に直線状に配置すると共に、正面視において下皿開口部326dの右外側(演出操作ユニット400のフレームユニット415の左端よりも右側)に配置している。つまり、下皿球供給口323c及び下皿球抜き孔322aを、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方に配置しているため、遊技者側から下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322aが見えず、皿ユニット320(パチンコ機1)の外観をスッキリさせることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、扉枠3は、下皿322において、下皿球供給口323cの前方(真正面)の下方に下皿球抜き孔322aを配置しているため、下皿球抜きボタン333を押圧操作して下皿球抜き孔322aを開いた状態とすると、上皿321等から下皿322へ放出された遊技球が、下皿322に入ると直ぐに下皿球抜き孔322aから下方のドル箱等へ排出されることとなる。この際に、遊技者側からは、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322aが見えないため、上皿321等から下皿322を通ってドル箱へ排出される遊技球の流れも見ることができない。これにより、遊技者に対して上皿321の遊技球や上皿321が満タンな状態で払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができるため、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、下皿322において、下皿球供給口323cの前方左寄りの位置に下皿球抜き孔322aを配置すると共に、下皿球抜き孔322aよりも右側の下皿322の立上った壁部を皿球抜き孔322aの方向を向くように斜めに湾曲させているため、下皿球供給口323cから下皿322へ供給された遊技球を、直接的に下皿球抜き孔322aへ誘導したり、右側の壁部に反射させて間接的に下皿球抜き孔322aへ誘導したりすることができる。これにより、下皿球抜き孔322aが開いたままの状態では、下皿球供給口323cから下皿322に供給された遊技球が、下皿322における下皿球抜き孔322aよりも左側の領域へ侵入することなく、下皿球抜き孔322aから下方へ排出させることができるため、下皿322内を流通する遊技球を遊技者に見せることなく下皿322の下方(ドル箱)へ遊技球を排出させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、扉枠3は、下皿322が前方へ臨む皿ユニットカバー326の下皿開口部326dを、演出操作ユニット取付部326a(演出操作ユニット400)と下スピーカ口326eとの間に備えているため、遊技者が下皿開口部326dに手を掛けたり、下皿322に手を入れたりしても、下スピーカ口326eの前方が遊技者の手によって遮られることはないため、本体枠4の基板ユニット900におけるスピーカ921からのサウンドを、良好に前方へ出力させることができ、本パチンコ機1によるサウンドを楽しませることができる。また、遊技者が下皿322に手を入れたり近付けたりすると、下スピーカ口326eから前方へ出力されるスピーカ921からの重低音による振動を、遊技者に触覚的に感じさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、貫通口111の右側から板状で前方へ大きく突出している扉枠右サイドユニット550を備えていることから、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠右サイドユニット550が右側に隣接しているパチンコ機との間で仕切のような作用効果を発揮することができるため、本パチンコ機1で遊技する遊技者に対して、個室で遊技しているような感じに錯覚させることができ、周りの他の遊技者に気兼ねすることなくリラックスした雰囲気で遊技を行わせることができる。
更に、扉枠3は、板状で前方へ大きく突出している扉枠右サイドユニット550の前端や左右両面を、発光装飾させることができるため、パチンコ機1が並んだ状態で設置される遊技ホール内において、本パチンコ機1の前方に位置していなくても、島設備に沿った横方向から等の遠くからでも本パチンコ機1の存在を知らせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、貫通口111の上側の扉枠トップユニット570において、左右方向中央で前方へ突出しているトップ中装飾部材576を備えると共に、トップ中装飾部材576の左右両側の前面を、後方へ抉れるように窪んだ形状(扉枠トップユニット570の左右両端の前端と、トップ中装飾部材576の左右両端の前端とを結んだ直線よりも、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の左右両側の前面が後方へ位置するように凹状に湾曲した形状)に形成されている。これにより、扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576のみが前方へ大きく突出しているように見えるため、遊技者に対してトップ中装飾部材576を目立たせて強調して見せることができ、トップ中装飾部材576に強く注目させることができる。
ところで、従来のパチンコ機における扉枠の上部には、左右に離間した一対の上部スピーカが備えられており二つの上部スピーカが目立っていた。これに対して、本実施形態の扉枠3は、貫通口111の上側に取付けられている扉枠トップユニット570において、左右両端にパンチングメタルからなるスピーカカバー575により前面が保護された一対の上部スピーカ573を備えた上で、中央のトップ中装飾部材576の左右両側からスピーカカバー575の前を通って左右方向両端まで延びたトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580を備え、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の前面全体を、発光装飾できるようにしている。これにより、扉枠3の前面上部を全体的に装飾することができるため、扉枠3の上部において、一対の上部スピーカ573が目立たなくなり、従来のパチンコ機とは明らかに異なる装飾が施されていることを一見して遊技者に認識させることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、一対の上部スピーカ573により良質なステレオサウンドを遊技者に楽しませることができる。
このように、本実施形態の扉枠3は、貫通口111より下側と上側において、皿ユニット320に取付けられている演出操作ユニット400と、扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576とが、夫々左右方向の中央で前方へ大きく突出しているため、左右方向中央を通る仮想線が目立つような上下において統一感のある装飾を遊技者に見せることができると共に、洗練された感じの装飾により他のパチンコ機よりも目立たせることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、左右方向の中央において上下に配置されている扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576と演出操作ユニット400とを、前方へ突出させているため、トップ中装飾部材576及び演出操作ユニット400を発光装飾させると、扉枠3の前面の左右方向中央で上下に延びたような発光ラインを遊技者に見せることができ、遊技者の視線を左右方向中央に配置された演出操作ユニット400の操作ボタン410等に誘導させることができる。
[4.本体枠の全体構成]
本実施形態のパチンコ機1における本体枠4について、図91乃至図94を参照して説明する。図91は本体枠を前から見た斜視図であり、図92は本体枠を後ろから見た斜視図である。また、図93は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図94は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。本実施形態の本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に遊技盤5が着脱可能に収容される。この本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられるものである。
本実施形態の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
[4−1.本体枠ベース]
本実施形態における本体枠4の本体枠ベース600は、図91乃至図94に示すように、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されている。この本体枠ベース600は、上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口601と、遊技盤挿入口601の下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部602と、遊技盤載置部602の左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤載置部602の正面視右下側に形成されている球発射装置680を取付けるための発射装置取付部604と、発射装置取付部604の正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口605と、遊技盤載置部602の正面視左右中央から左寄り下側で前後に貫通しており基板ユニット900の扉枠用中継基板911を前方へ臨ませる接続用開口部606と、遊技盤載置部602の正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット900におけるスピーカユニット920を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部607と、を備えている。
更に、本体枠ベース600は、遊技盤挿入口601の正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット700が取付けられると共に、後端に裏カバー980が回動可能に取付けられる後方延出部608を備えている。また、本体枠4は、後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640を取付けるための上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610を備えている。
また、本体枠ベース600は、接続用開口部606を開閉可能に閉鎖する開口カバー615と、遊技盤載置部602の正面視左右中央より左側でやや下側の位置に回動可能に取付けられ、遊技盤挿入口601に挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能な遊技盤ロック部材616と、を備えている。
[4−2.本体枠側上ヒンジ部材及び本体枠側下ヒンジ部材]
本実施形態における本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620と本体枠側下ヒンジ部材640について、図51乃至図55を参照して説明する。この本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640は、本体枠4の上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610に取付けられるものである。
本体枠側上ヒンジ部材620は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体621と、上ヒンジ本体621の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠側上ヒンジ部材60に軸支される本体枠上ヒンジピン622と、本体枠上ヒンジピン622の正面視左側で上ヒンジ本体621を貫通しており扉枠側上ヒンジ部材140を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔623と、を備えている。本体枠側上ヒンジ部材620は、上ヒンジ本体621における下方へ折り曲げられた部位が、本体枠4の上ヒンジ取付部609に取付けられる。
本体枠側下ヒンジ部材640は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体641と、下ヒンジ第一本体641の前端で上下に貫通しており外枠2の外枠側下ヒンジ部材70に軸支される外枠用下ヒンジ孔(図示は省略)と、下ヒンジ第一本体641の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられて下ヒンジ第二本体643と、下ヒンジ第二本体643の前端で上下に貫通しており扉枠3の扉枠側下ヒンジ部材150を軸支するための扉枠用ヒンジ孔644と、下ヒンジ第二本体643の水平に延びている部位における扉枠用ヒンジ孔644よりも後側で左端から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片645と、を備えている。
下ヒンジ第二本体643は、水平に延びた部位が、下ヒンジ第一本体641の水平に延びた部位の上側に一定の間隔を開けた状態で、上方へ折り曲げられた部位が下ヒンジ第一本体641の上方へ折り曲げられた部位の前面に当接している。この本体枠側下ヒンジ部材640は、下ヒンジ第一本体641及び下ヒンジ第二本体643の上方へ折り曲げられた部位が、本体枠4の下ヒンジ取付部610に取付けられる。
[4−3.補強フレーム]
本実施形態における本体枠4の補強フレーム660について、図51乃至図55を参照して説明する。補強フレーム660は、本体枠ベース600の左側面に取付けられるものである。この補強フレーム660は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。また、補強フレーム660には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース600の遊技盤挿入口601に挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置決め部材661が、上下に離間して一組取付けられている。
この補強フレーム660によって本体枠ベース600のヒンジ側(正面視左側)を補強することができると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止することができる。
[4−4.球発射装置]
本実施形態における本体枠4の球発射装置680について、図91、図93及び図94を参照して説明する。球発射装置680は、皿ユニット320の上皿321に貯留されている遊技球を、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むための装置である。この球発射装置680は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット300のハンドル302の回動角度に応じて、遊技球の打込強さが変化する。
球発射装置680は、本体枠ベース600の発射装置取付部604に取付けられる平板状の発射ベース681と、発射ベース681の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース681を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド682と、発射ソレノイド682の回転軸に基端が取付けられている打球槌683と、打球槌683の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース681の前面に取付けられており遊技球が転動可能な発射レール684と、を備えている。
この球発射装置680は、扉枠3の球送りユニット250から遊技球が発射レール684の上面右端に供給されるようになっており、発射レール684の上面右端に遊技球が供給されている状態で、ハンドル302を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド682が駆動して、打球槌683により遊技球を打球する。そして、打球槌683により打たれた遊技球は、発射レール684を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球の打込強さ等の関係で、打球した遊技球が遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール684と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット270のファール球受口275へ落下し、ファールカバーユニット270内を通って下皿322に排出される。
[4−5.施錠ユニット]
本実施形態における本体枠4の施錠ユニット700について、図91乃至図94を参照して説明する。本実施形態の施錠ユニット700は、本体枠4に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠することができる。施錠ユニット700は、本体枠ベース600の後方延出部608の右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース701と、ユニットベース701から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤702と、ユニットベース701から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤703と、ユニットベース701の下部にから前方に円柱状に突出していると共に、前端部から軸直角方向へ突起が突出しており、扉枠3の開閉シリンダユニット210の回転伝達部材212と係合することでシリンダ錠211の回転が伝達され、鍵の回動方向に応じて扉枠用鉤702又は外枠用鉤703の何れかの係止を開錠させる鍵シリンダ710と、を備えている。
[4−6.払出ユニット]
本実施形態における本体枠4の払出ユニット800について、図95乃至図105を参照して説明する。図95は払出ユニットを前から見た斜視図であり、図96は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図97は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図98は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図99(a)は払出ユニットの球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。更に、図100は、球誘導ユニットの分解斜視図である。また、図101(a)は払出ユニットの払出装置を前から見た斜視図であり、(b)は払出装置を後ろから見た斜視図である。また、図102は払出装置を分解して前から見た分解斜視図であり、図103は払出装置を分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図104(a)は払出装置の正面図であり、(b)は(a)におけるQ−Q線で切断した断面図である。また、図105(a)は払出装置において球抜き可動片により球抜き通路を閉鎖した状態を示す説明図であり、(b)は球抜き可動片により球抜き通路を開放した状態を示す説明図である。
また、図106(a)は払出ユニットにおける上部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図107(a)は上部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図108(a)は払出ユニットにおける下部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図109は下部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図110は下部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図111(a)は下部満タン球経路ユニットにおいて誘導路開閉扉が閉じている状態を示す説明図であり、(b)は誘導路開閉扉が開いている状態を示す説明図である。また、図112は、扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。図113は、払出ユニットにおける遊技球の流れを示す説明図である。
本実施形態の払出ユニット800は、図95及び図96等に示すように、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない遊技ホールの島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、を備えている。タンクレール803内では、遊技球を左方へ誘導させながら、上方から揺動可能に垂下している球均し部材804(図113を参照)によって、前後二列に整列させる。
また、払出ユニット800は、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、を備えている。タンクレール803から払出装置830までは、遊技球が二列で流通し、払出装置830からは、遊技球が一つずつ払出される。
更に、払出ユニット800は、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット320における上皿321での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861、満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862、及び通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863、を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
[4−6a.球誘導ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の球誘導ユニット820について、図99及び図100を参照して説明する。球誘導ユニット820は、上下に延びており後側が開放された箱状の前ケース821と、前ケース821の後側に取付けられており前側が開放された箱状の後ケース822と、前ケース821と後ケース822との間に取付けられており前ケース821と後ケース822と間を仕切る平板状の仕切板823と、仕切板823を貫通して前後両端が前ケース821及び後ケース822に取付けられている棒状の軸部材824と、軸部材824によって回動可能に取付けられており前ケース内及び後ケース内に夫々配置されている一対の可動片部材前825及び可動片部材後826と、前ケース821内に取付けられており一対の可動片部材前825及び可動片部材後826の回動位置を検知可能な球切れ検知センサ827と、を備えている。
前ケース821は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口821aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口821bと、球誘導入口821aと球誘導出口821bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路821cと、を備えている。誘導通路821cは、球誘導入口821aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部821dと、導入部821dから前ケース821の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部821eと、検知部821eから前ケース821の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部821fと、で構成されている。また、前ケース821は、誘導通路821cにおける検知部821eの正面視右側の壁に切欠部821gを備えている。
後ケース822は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口822aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口822bと、球誘導入口822aと球誘導出口822bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路822cと、を備えている。誘導通路822cは、球誘導入口822aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部822dと、導入部822dから後ケース822の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部822eと、検知部822eから後ケース822の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部822fと、で構成されている。また、後ケース822は、誘導通路822cにおける検知部822eの正面視右側の壁に切欠部822gを備えている。
この後ケース822は、前ケース821に対して左右に略対称に形成されており、球誘導ユニット820に組立てた状態で、誘導通路821cと誘導通路822cとが前後に一致するように形成されている。
軸部材824は、前ケース821及び後ケース822における切欠部821g,822gの上端の下側且つ誘導通路821c,822cの外側の位置に前後の端部が取付けられている。
可動片部材前825は、上下に延びた平板状の可動片825aと、可動片825aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔825bと、可動片825aの上端から可動片825aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部825cと、延出部825cと可動片825aとを連結しており軸孔825bを中心に扇状に延びている連結部825dと、延出部825cの上部及び連結部825dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部825eと、延出部825cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片825fと、連結部825dの外周における可動片825aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片825gと、を備えている。
この可動片部材前825は、軸孔825bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部825dの外周から突出している錘取付部825eが、軸孔825bの直下に位置するように回動し、可動片825aが軸孔825bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部825dが前ケース821の切欠部821gに挿通されて、可動片825aの下端が誘導通路821c内に突出した状態となると共に、ストッパ片825gが誘導通路821c(検知部821e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片825gが誘導通路821cの外壁に当接することで、可動片825aの下端が、誘導通路821c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前825は、可動片825aの下端を、誘導通路821cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片825aの左側の面が、誘導通路821cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前825の検知片825fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路821c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
可動片部材後826は、上下に延びた平板状の可動片826aと、可動片826aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔826bと、可動片826aの上端から可動片826aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部826cと、延出部826cと可動片826aとを連結しており軸孔826bを中心に扇状に延びている連結部826dと、延出部826cの上部及び連結部826dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部826eと、延出部826cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片826fと、連結部826dの外周における可動片826aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片826gと、を備えている。
この可動片部材後826は、軸孔826bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部826dの外周から突出している錘取付部826eが、軸孔826bの直下に位置するように回動し、可動片826aが軸孔826bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部826dが後ケース822の切欠部822gに挿通されて、可動片826aの下端が誘導通路822c内に突出した状態となると共に、ストッパ片826gが誘導通路822c(検知部822e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片826gが誘導通路822cの外壁に当接することで、可動片826aの下端が、誘導通路822c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材後826は、可動片826aの下端を、誘導通路822cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片826aの左側の面が、誘導通路822cの内面と一致する。この状態では、可動片部材後826の検知片826fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路822c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
本実施形態の球誘導ユニット820は、タンクレール803によって複数の遊技球が前後に夫々一列で並ばされた状態で供給され、複数の遊技球が一列に並んだ状態で、前ケース821及び後ケース822によって、前後に二列の状態で下方の払出装置830へ誘導することができる(図113を参照)。この際に、前ケース821と後ケース822とは仕切板823によって仕切られているため、夫々の誘導通路821c,822cを流通する遊技球が、互いに干渉し合うことはなく、良好に流通することができる。
また、球誘導ユニット820の誘導通路821c,822c内を遊技球が流通すると、遊技球が可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aに当接し、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁面と一致する方向へ可動片部材前825及び可動片部材後826が回動する。これにより、可動片部材前825及び可動片部材後826の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となり、誘導通路821c,822c内に遊技球があることが判る。
そして、球誘導ユニット820の下流側の払出装置830により遊技球の払出し等が行われると、誘導通路821c,822c内の遊技球が下流へ流れることとなる。誘導通路821c,822c内を遊技球が流れると、導入部821d,822dを流れる遊技球の勢いが強くなり、導入部821d,822dを流れた遊技球が、検知部821e,822eの上部で可動片825a,826a側へ跳ね返り、可動片825a,826aに当接することとなる。この遊技球の当接により、可動片825a,826aが振動することとなるため、その振動により可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの切欠部821g,822gとの間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片825a,826aが良好に回動できるようになる。
また、球誘導ユニット820は、各誘導通路821c,822c内を流通する遊技球を夫々別々の可動片部材前825及び可動片部材後826によって検知するようにしていると共に、可動片部材前825及び可動片部材後826の夫々の検知片825f,826fを一つの球切れ検知センサ827で検知するようにしているため、何れかの誘導通路821c,822c内の遊技球がなくなると、可動片部材前825又は可動片部材後826の可動片825a,826aが誘導通路821c,822c内へ突出するように回動し、遊技球のなくなった側の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827で検知される。従って、遊技球の球切れを早期に検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
更に、可動片部材前825及び可動片部材後826の錘取付部825e,826eに、錘として金属ビスを捩じ込んで取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材後826と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を、誘導通路821c,822c内に突出する方向へ回動させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路821c,822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826aが回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
このように、本実施形態の球誘導ユニット820は、自重によって下端側が遊技球の流通する誘導通路821c,822c内へ突出する可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aにおいて、遊技球と当接する面の反対側の錘取付部825e,826eに金属ビスからなる錘を取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材後826の自重と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を誘導通路821c,822c内に回動(突出)させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826(可動片部材前825及び可動片部材後826)が回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部825e,826eに捩じ込んで取付けるため、可動片部材前825及び可動片部材後826が頻繁に回動しても、錘が可動片部材前825及び可動片部材後826(錘取付部825e,826e)から外れることがなく、長期に亘って可動片部材前825及び可動片部材後826を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部825e,826eに金属ビスを捩じ込むだけで、可動片部材前825及び可動片部材後826に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
更に、誘導通路821c,822c内において可動片825a,825cが内部に突出する部位よりも上流側に、可動片825a,825cへ向かって遊技球を誘導させる導入部822dを備えていることから、誘導通路821c,822c内を遊技球が流れることで、遊技球が可動片825a,826aに当接するため、遊技球の当接によって可動片825a,826aを振動させることができる。従って、可動片825a,826aの振動により、可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの壁との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片部材前825及び可動片部材後826が良好に回動するようにできる。
従って、可動片部材前825及び可動片部材後826を良好に回動させることができるため、誘導通路821c,822c内の遊技球の状態(有無)を確実に検知させることができ、遊技球の誤検知等による不具合の発生を抑制させることができる。また、払出装置830へ供給される遊技球が誘導通路821c,822c内からなくなっても、可動片825a,826aを介して確実に誘導通路821c,822c内の有無を検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
[4−6b.払出装置]
本実施形態における払出ユニット800の払出装置830について、図101乃至図105を参照して説明する。払出装置830は、後側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口831a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口831b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口831c、払出入口831aと払出出口831bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路831d、及び払出通路831dの途中から分岐して球抜き出口831cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路831e、を有している前箱831と、前箱831の後側に取付けられており前側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口832a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口832b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口832c、払出入口832aと払出出口832bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路832d、及び払出通路832dの途中から分岐して球抜き出口832cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路832e、を有している後箱832、を備えている。
また、払出装置830は、前箱831の前側に取付けられており後側が開放されている浅い箱状の前カバー833と、前箱831内に取付けられており回転軸が前箱831を貫通して前カバー833内に延出している払出モータ834と、払出モータ834の回転軸に取付けられている駆動ギア835と、駆動ギア835と噛合しており前箱831と前カバー833とで回転可能に取付けられている平歯車状の中間ギア836と、中間ギア836と噛合している従動ギア837と、従動ギア837が回転可能に貫通しており前端が前カバー833に取付けられていると共に後端が前箱831を貫通して後箱832に取付けられている軸部材838と、軸部材838を貫通して回転可能に取付けられていると共に前箱831及び後箱832の払出通路831d,832d内に配置されており従動ギア837と一体回転する払出羽根839と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840と、を備えている。
更に、払出装置830は、前箱831と後箱832の間に取付けられており前箱831の払出通路831dと後箱832の払出通路832dとを仕切る平板状の仕切板841と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転により払出されて払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842と、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位で前箱831と後箱832とによって回動可能に取付けられており球抜き通路831e,832eを閉鎖可能な球抜き可動片843と、前箱831及び後箱832の正面視右側面上部で上下にスライド可能に取付けられており球抜き可動片843を回動可能又は回動不能とする球抜きレバー844と、を備えている。
前箱831の払出通路831dは、払出入口831aから球抜き出口831cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、前箱831の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、前箱831の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口831bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口831bへ垂直に延びている。払出通路831d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路831eは、払出通路831dにおいて払出入口831aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、前箱831は、払出通路831d内の払出出口831bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って後方へ突出している誘導棚831fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部831gと、を備えている。
後箱832の払出通路832dは、払出入口832aから球抜き出口832cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、後箱832の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、後箱832の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口832bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口832bへ垂直に延びている。払出通路832d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路832eは、払出通路832dにおいて払出入口832aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、後箱832は、払出通路832d内の払出出口832bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って前方へ突出している誘導棚832fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部832gと、を備えている。
前箱831及び後箱832の払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eは、同じ形状に形成されている。払出通路831d,832dは、払出羽根839が配置されている部位の上流までが仕切板841によって仕切られている。また、誘導棚831f,832fと払出出口831b,832bとの間に、払出検知センサ842が取付けられている。つまり、前箱831の払出通路831dを流通した遊技球と、後箱832の払出通路832dを流通した遊技球とは、夫々の誘導棚831f,832fによって前箱831と後箱832との前後の境界付近に寄せられて、一つの払出検知センサ842により検知される。
従動ギア837は、中間ギア836と噛合する平歯車状のギア部837aと、ギア部837aの後面から周方向へ60度の角度の間隔で放射状に突出しており羽根回転検知センサ840によって検知可能な複数の検知片837bと、ギア部837aの中心から後方へ円筒状に突出していると共に後端の周面に凹凸が形成されており払出羽根839と連結可能な連結部837cと、を備えている。
払出羽根839は、前後に円筒状に延びており軸部材838が挿通されるベース筒部839aと、ベース筒部839aの前端から周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の前羽根839bと、ベース筒部839aの後端から前羽根839bとは互い違いとなるように周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の後羽根839cと、ベース筒部839aの前端から前方へ筒状に突出していると共に前端の周面に従動ギア837の連結部387cと連結可能な凹凸が形成されている被連結部839dと、を備えている。
払出羽根839の前羽根839b及び後羽根839cは、周方向へ120度の角度の間隔で夫々三つずつ備えられており、互い違いとなるように、前羽根839bに対して後羽根839cが、周方向へ60度の角度でオフセットして外方へ延出している。本実施形態の払出羽根839は、三つの前羽根839b(後羽根839c)同士の間が中心側へ窪んだ円弧によって結ばれており、その円弧の直径が遊技球の直径と同じか若干大きい。これにより、前羽根839b(後羽根839c)同士の間には、遊技球が一つのみ収容することが可能な球収容部839eが形成されている。
また、三つの前羽根839b及び後羽根839cは、ベース筒部839aの軸を中心としたそれらの外周の直径D1が、遊技球の外径の1〜1.4倍に形成されている。また、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)におけるベース筒部839aの軸に最も接近した部位までの、ベース筒部839aの軸を中心とした直径D2は、遊技球の外径の約0.3〜0.4倍に形成されている。つまり、前羽根839b及び後羽根839cの外周から球収容部839eの最も凹んだ部位までの深さ[(直径D1−直径D2)/2]が、遊技球の外径の0.1〜0.4倍とされている。
従って、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)により、遊技球の外周の約3/10(1/4〜1/3の間)を保持することができる。換言すると、遊技球の外径の約1/5(1/7〜1/4)の深さを収容することができる。これにより、払出通路831d,832d内の遊技球を、速やかに前羽根839b(後羽根839c)同士の間(球収容部839e)に収容することができる。
本実施形態の払出羽根839は、払出装置830を組立てた状態で、前羽根839bが前箱831の払出通路831d内に、後羽根839cが後箱832の払出通路832d内に位置し、夫々の払出通路831d,832d内の遊技球を、夫々払出すことができる。また、払出羽根839は、払出通路831d,832dにおいて、前ケース821及び後箱832の全高の中央よりも下側でクランク状に折れ曲がっている部位に配置されている。詳しくは、払出通路831d,832dにおいて、前ケース821及び後箱832の全高の中央付近から下方へ垂直に延びている部位の直下に、払出羽根839の回転中心が位置している。そして、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位では、払出羽根839から遠い側の壁(内壁)が、払出羽根839の回転中心を中心とし、前羽根839b及び後羽根839cの外周から遊技球の外径よりも小さい距離Sだけ離れた円弧状に形成されている(図95を参照)。なお、本実施形態では、距離Sが、遊技球の外径の0.7〜0.9倍とされている。換言すると、球収容部839eの最も凹んだ部位から払出通路831d,832dの円弧状に形成されている部位までの距離が、遊技球の外径の1.03〜1.1倍とされている。
これにより、払出装置830は、払出羽根839上に流下してきた遊技球が、前羽根839b,839cの外周に当接すると、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができず、払出出口831b,832bから下方へ放出されることはない。一方、遊技球が、球収容部839eに収容されると、払出羽根839の回転と共に移動し、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができ、払出出口831b,832bから下方へ放出される。
また、払出装置830では、前羽根839b及び後羽根839cの直径D1を、遊技球の外径の約1.2〜1.4倍とすると共に、球収容部839eにより遊技球の外径の1/7〜1/4の深さを収容するようにしているため、払出羽根839の外径を可及的に小さくしつつ、遊技球の収容にかかる時間を短くすることができる。これにより、払出羽根839を速く回転させても、球収容部839eに遊技球を収容させて、払出出口831b,832b側へ送ることができる。従って、従来よりも単位時間当りの遊技球の払出数を多くすることができ、遊技球の払出しにかかる時間を短縮することができる。
球抜き可動片843は、上下及び前後に板状に延びており下部が折れ曲がって正面視く字状に形成されている本体部843aと、本体部843aの上端で前後に筒状に延びており両端が夫々前箱831及び後箱832に回動可能に取付けられる軸筒部843bと、本体部843aのく字状に折れ曲がっている外側面の上部から突出している突出部843cと、突出部843cのく字状に折れ曲がっている下部において前後に貫通している貫通孔からなる錘取付部843d(図105を参照)と、を備えている。
球抜き可動片843は、払出装置830を組立てた状態では、本体部843aの下部が正面視斜め左下へ延びるような向きで、上端の軸筒部843bが、前箱831及び後箱832の払出通路831d,832dにおいて、払出入口831a,832aから正面視右下へ斜めに延びている部位で、且つ、下方へ折れ曲がる部位よりもやや上側の正面視右側の壁の外側の位置で、回動可能に取付けられている。
本実施形態の払出装置830は、通常の状態では、球抜きレバー844を下方へスライドさせた状態としており、球抜きレバー844の下部が球抜き可動片843の突出部843cに正面視右側から当接している。これにより、球抜き可動片843は、正面視反時計回りへの回動が規制されている(図105(a)を参照)。
この通常の状態では、球抜き可動片843のく字状に折れ曲がっている本体部843aにおいて、曲がっている部位よりも上側が垂直に延びていると共に、曲がっている部位の下側が正面視斜め左下へ延びている。そして、本体部843aの下端は、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位の近傍に位置している。従って、球抜き可動片843(本体部843a)によって、球抜き通路831e,832eを閉鎖していると共に、本体部843aの左側を向いた面が、払出通路831d,832dの一部の壁を形成している。
本実施形態の球抜き可動片843は、通常の状態において、球抜き可動片843の重心が、軸筒部843bの中心を通る垂直線の正面視左側に位置するように形成されており、自重によって正面視反時計回りに回転させようとする力が作用しているが、球抜きレバー844によって反時計回りへの回動が規制されているため、通常の状態が維持される。
通常の状態から、球抜きレバー844を上方へスライドさせると、球抜きレバー844の下部が、球抜き可動片843の突出部843cから離れ、球抜き可動片843の正面視反時計回りへの回動の規制が解除される。従って、球抜き可動片843は、重心が軸筒部843bの直下へ位置するように、自重によって反時計回りへ回動することとなる。なお、球抜き可動片843は、本体部843aの下部の右側側面が、前箱831及び後箱832の右側面を形成している部材の左面に当接するまで、反時計回りに回動することができる(図94(b)を参照)。これにより、球抜き通路831e,832eが開放された状態となり、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、払出通路831d,832dの途中で、球抜き可動片843の本体部843aに当接して球抜き可動片843を正面視反時計回りへ回動させて球抜き通路831e,832eを開放し、開放された球抜き通路831e,832eを流通して球抜き出口831c,832cから下方へ放出されることとなる。
本実施形態では、球抜き可動片843に錘取付部843dを備えているため、この錘取付部843dに金属ビスからなる錘を捩じ込んで取付けることで、球抜きレバー844を上方へスライドさせて、正面視反時計回りへの回動の規制を解除した時に、球抜き可動片843の自重と錘の重量とによって、球抜き可動片843の下端を球抜き通路381e,832e内へ突出する方向へ(正面視反時計回りに)回動させ易くすることができる。
また、球抜きレバー844を下方へスライドさせて球抜き通路831e,832eを閉鎖している通常の状態において、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、遊技球の当接によって球抜き可動片843を振動させることができる。従って、球抜き可動片843の下端と球抜き通路831e,832eの内面との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を、球抜き可動片843の振動によって除去することができ、埃やゴミ等を噛み込んで球抜き可動片843が回動できなくなるのを防止することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部843dに捩じ込んで取付けることができるため、球抜き可動片843が頻繁に回動しても、錘が球抜き可動片843(錘取付部843d)から外れることがなく、長期に亘って球抜き可動片843を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部843dに金属ビスを捩じ込むだけで、球抜き可動片843に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
ところで、球抜き可動片843によって球抜き通路831e,832eを長期に亘って閉鎖していると、球抜き可動片843の回転軸に微細な埃が付着したり回転軸が錆びたりして、球抜き可動片843が回動し辛くなることがある。これに対して、本実施形態では、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、球抜き可動片843により球抜き通路831e,832eを閉鎖している状態から、閉鎖を解除する球抜きレバー844を上方へスライドさせてロックを外した時に、遊技球が球抜き可動片843に当接することで、その当接の衝撃によって球抜き可動片843を回動させることができ、球抜き通路831e,832eを確実に開放させることができる。
従って、球抜きレバー844を操作して球抜き通路831e,832eを開放させる際に、球抜き可動片843が良好に回動することができるため、遊技球の抜取り作業を確実に行うことができ、メンテナンス等の際の作業性を良くすることができる。
[4−6c.上部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の上部満タン球経路ユニット850について、図106及び図107を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801において、払出装置830の下側の位置に取付けられるものである。この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース851と、上部満タンベース851の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー852と、上部満タンカバー852の後側に回転可能に取付けられており払出装置830を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材853と、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上面における正面視左右中央から左側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部払出球受口850aと、上面における正面視左右中央から右側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部球抜き入口850bと、上部満タンベース851と上部満タンカバー852との間に形成されており上部払出球受口850aに受けられた遊技球が流通する所定広さの上部球貯留通路850cと、上部球貯留通路850cの下端における上部払出球受口850aの直下の部位で下方へ開口している通常放出口850dと、上部球貯留通路850cの下端における通常放出口850dを除いた部位で下方へ開口している満タン放出口850eと、通常放出口850dと満タン放出口850eとの間から上方へ突出しており上部球貯留通路850c内の下部を左右に仕切っている仕切片850fと、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上部球抜き入口850bから進入した遊技球を下方へ誘導する上部球抜き通路850gと、上部球抜き通路850gの下端で下方へ向かって開口している上部球抜き出口850hと、を備えている。この上部満タン球経路ユニット850は、正面視で左側から、通常放出口850d、満タン放出口850e、上部球抜き出口850hが順に並んで下方へ開口している。また、上部満タン球経路ユニット850は、上部満タンベース851の右端に裏カバー980を取付けるための裏カバー取付部854を備えている。
この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、上部払出球受口850aが、払出装置830の払出出口831bの直下に位置していると共に、上部球抜き入口850bが、払出装置830の球抜き出口831cの直下に位置している。また、上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、通常放出口850d、満タン放出口850e、及び上部球抜き出口850hは、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865の夫々後端開口の直上に夫々開口している(図113を参照)。
上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830によって払出されて払出出口831bから下方へ放出された遊技球が、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入する。上部球貯留通路850cの下端の通常放出口850dが閉鎖されていない状態では、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入した遊技球が、上部払出球受口850aの直下に開口している通常放出口850dから放出される。
扉枠3の上皿321内が遊技球で満たされて遊技球を貯留させることができなくなり、更に、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で満たされると、通常放出口850dが閉鎖された状態となる。この状態で上部球貯留通路850c内に遊技球が進入すると、通常放出口850dの上側に貯留される。そして、通常放出口850dの上側に貯留されている遊技球の量が、仕切片850fよりも高くなると、新たに上部球貯留通路850c内に進入してきた遊技球は、仕切片850fを乗り越えて満タン放出口850eから下方へ放出されることとなり、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862を通って下皿322に送られることとなる。
このように、上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830から払出された遊技球を、扉枠3における上皿321での遊技球の貯留量に応じて、自動的に上皿321から下皿322へ振分けることができる。
[4−6d.下部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の下部満タン球経路ユニット860について、図108乃至図112を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット860は、払出ユニットベース801における上部満タン球経路ユニット850の下側に取付けられるものである。下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861と、上部満タン球経路ユニット850の満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862と、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863と、誘導路開閉扉863を通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖する方向へ付勢している閉鎖バネ864と、を備えている。
また、下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の上部球抜き出口850hから放出された遊技球を前方へ誘導し前後方向の中央右端から基板ユニット900の基板ユニットベース910上へ放出する下部球抜き誘導路865を、備えている。
下部満タン球経路ユニット860は、通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865が、正面視において、左側から順に右側へ並んでいる。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、後端が上方へ向かって開口している。また、通常誘導路861、及び満タン誘導路862は、左右に遊技球が複数並ぶ幅で、前端側が低くなるように本体枠4の前端付近まで前方へ延びている。更に、満タン誘導路862は、通常誘導路861よりも低い位置で前方へ延びている。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、図示するように、上下に分割可能な上ケース866及び下ケース867によって形成されている。
誘導路開閉扉863は、下ケース867の前端における通常誘導路861と満タン誘導路862との間の部位に、回動可能に取付けられており、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されている。更に詳述すると、下部満タン球経路ユニット860の前端において、正面視で通常誘導路861の前端開口の右側に開口している満タン誘導路862は、通常誘導路861に対して一つの遊技球の高さ分低い位置に配置されている。そして、誘導路開閉扉863は、通常誘導路861の下側で、且つ、満タン誘導路862の左側の位置で、前後に延びた軸周りに対して回動可能に取付けられている。
誘導路開閉扉863は、回転可能に取付けられる円盤状の基部863aと、基部863aから斜め左上側に平板状に延びており通常誘導路861の前端開口を閉鎖可能な第一扉板部863bと、基部863aから右側に平板状に延びており満タン誘導路862の前端開口を閉鎖可能な第二扉板部863cと、基部863aから斜め左下側に平板状に延びている延出部863dと、延出部863dの先端部前面から前方へ突出しており扉枠3におけるファールカバーユニット270の扉開閉当接部281と当接可能な作動突部863eと、を備えている。
ここで、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖するとは、開口を密閉する必要はなく、遊技球が通過不能となれば良いことである。作動突部863eは、正面視の形状が、基部863aを中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。
誘導路開閉扉863は、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、第二扉板部863cが、下ケース867の前端における満タン誘導路862の前端開口の下側から前方へ突出しているボス部867aに当接することで、時計回りの方向への回動が規制される。
本実施形態の下部満タン球経路ユニット860は、パチンコ機1を組立てた状態で、前端が、扉枠3のファールカバーユニット270における貫通球通路273、満タン球受口274、及び扉開閉当接部281と対向する位置に取付けられている(図112を参照)。そして、誘導路開閉扉863は、本体枠4に対して扉枠3が開いている状態では、作動突部863eに何も当接していないため、誘導路開閉扉863は閉鎖バネ864の付勢力によって、正面視時計回りの方向へ回動させられ、第二扉板部863cが下ケース867のボス部867aに当接した状態で停止する。この状態では、第一扉板部863bと第二扉板部863cが、通常誘導路861と満タン誘導路862の前端開口の前面に位置しており、前端開口を閉鎖している(図111(a)を参照)。従って、この状態では、通常誘導路861及び満タン誘導路862内の遊技球が、前端開口から前方へ移動することができず、扉枠3を開けても、通常誘導路861や満タン誘導路862から遊技球がこぼれることはない。
そして、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eの前端面に、扉枠3におけるファールカバーユニット270の扉開閉当接部281が当接し、作動突部863eの前端面の傾斜によって、閉鎖バネ864の付勢力に抗して誘導路開閉扉863を正面視反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用する。これにより、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖していた第一扉板部863bと第二扉板部863cが、前端開口から離れる方向へ回動し、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が開放された状態となる(図111(b)を参照)。この状態では、図示するように、第一扉板部863bが通常誘導路861の前端開口の下側に、第二扉板部863cが満タン誘導路862の前端開口の上側に位置している。
この通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開放させた状態では、本体枠4に対して扉枠3が完全に閉じられた状態となっていると共に、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口の前側に、扉枠3におけるファールカバーユニット270の貫通球通路273及び満タン球受口274が位置しており、通常誘導路861及び満タン誘導路862側から、貫通球通路273及び満タン球受口274側へ遊技球を受渡すことができる。
このように、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を上下方向に異ならせると共に、誘導路開閉扉863を回動させることで通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開閉させるようにしているため、誘導路開閉扉863の動作範囲を可及的に狭くすることができ、通常誘導路861及び満タン誘導路862の開閉機構を小型化することができる。従って、相対的に他の部材のためのスペースを広くすることができ、パチンコ機1の内部空間をより有効活用することができる。
本実施形態の払出ユニット800は、扉枠3の上皿321が遊技球で一杯になり、上皿321へ遊技球を放出することができなくなった状態で、払出装置830から更に多くの遊技球が払出されると、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で一杯になるまで遊技球を貯留することができる。そして、通常誘導路861が遊技球で一杯になった状態で払出装置830から更に遊技球が払出されると、上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内において、遊技球が通常放出口850dよりも上側に留って仕切片850fを超えると、満タン放出口850e側へ流通するようになり、満タン放出口850eから、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、ファールカバーユニット270を通って下皿322へ遊技球の払出しが自動的に切換えられる。その後、払出装置830から更に遊技球が払出されて、上皿321に加えて下皿322も遊技球で一杯になって下皿322へ遊技球を供給することができなくなると、ファールカバーユニット270の貯留通路277内に遊技球が貯留される。そして、貯留通路277内に遊技球が貯留されることで可動片278が回動して満タン検知センサ279により検知されると、上皿321及び下皿322が遊技球で満タンであることが報知されると共に、満タン検知センサ279による可動片278の検知が解除されるまで払出装置830による遊技球の払出しが一時的に停止される。
なお、満タン検知センサ279による可動片278の検知に対する払出装置830による遊技球の払出しの停止を、例えば、ファールカバーユニット270の貯留通路277内に可動片278が検知されるまで遊技球が貯留されている状態で、その上流側の貯留通路277、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、及び上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内を満たすことが可能な数の遊技球が払出されると、払出装置830による遊技球の払出しを停止させるようにしても良い。これにより、従来のパチンコ機よりも多くの遊技球を貯留することができるため、大当り遊技中等の多くの遊技球が払出される遊技状態において、遊技球の払出しによって上皿321や下皿322が遊技球で一杯になることに対して気に掛ける必要を低減させることができ、遊技者を大当り遊技に専念させて楽しませることができる。
[4−7.基板ユニット]
本実施形態における本体枠4の基板ユニット900について、図91乃至図94を参照して説明する。本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音スピーカを有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
基板ユニット900は、基板ユニットベース910の前面で、本体枠ベース600の接続用開口部606から前方へ臨むように取付けられている扉枠用中継基板911を備えている。この扉枠用中継基板911は、払出制御基板951、主制御基板1310、及び周辺制御基板1510と、扉枠3の扉枠ベースユニット100に取付けられている扉本体中継基板との接続を中継するためのものである。払出制御基板ボックス950内に収容された払出制御基板951によって、払出装置830が制御されている。
[5.遊技盤の全体構成]
次に、パチンコ機1の遊技盤5の全体構成について、図114乃至図121を参照して詳細に説明する。図114は、遊技盤の正面図である。図115は遊技盤を右前から見た斜視図であり、図116は遊技盤を左前から見た斜視図である。また、図117は、遊技盤を後ろから見た斜視図である。更に、図118は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図119は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図120は遊技盤における前構成部材と遊技パネルのみを示す前から見た斜視図であり、図121は遊技盤における前構成部材と遊技パネルのみを示す後ろから見た斜視図である。
本実施形態の遊技盤5は、図示するように、遊技者がハンドルユニット300のハンドル302を操作することで遊技球が打込まれる遊技領域5aを有している。また、遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球を遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、を備えている。遊技パネル1100の前面において遊技領域5a内となる部位には、遊技球と当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている(図示は省略)。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左下隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に前側から視認可能に取付けられている遊技盤側演出表示装置1600と、遊技盤側演出表示装置1600の後側に取付けられている周辺制御ユニット1500と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて何れかにおいて遊技球の受入れが可能となる下大入賞口2005及び上大入賞口2006と、を備えている。
また、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1151の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており複数の一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、始動口ユニット2100の右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、及び下大入賞口2005を有しているアタッカユニット2300と、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、及びアタッカユニット2300の上方に取付けられており上大入賞口2006を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状の裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており遊技盤側演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、裏箱3010の下部左側前端付近に取付けられている左下球通路ユニット3030と、裏箱3010の下部右側前端付近に取付けられている右下球通路ユニット3040と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の後面で開口部3010aの背面視左方に取付けられているランプ駆動基板3060と、ランプ駆動基板3060の後方を覆うランプ駆動基板カバー3061と、裏箱3010の後面で開口部3010aの背面視下方に取付けられているモータ駆動基板3062と、モータ駆動基板3062の後方を覆うモータ駆動基板カバー3063と、裏箱3010の後面で背面視左下隅に取付けられているパネル中継基板3064と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端で上辺及び左辺に沿って取付けられている裏周縁装飾ユニット3080と、裏箱3010内で開口部3010aの上方に取付けられている裏上可動演出ユニット3100と、裏箱3010内の前端付近で開口部3010aの下方に取付けられている裏下前可動演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口部3010aの右方に取付けられている裏右可動演出ユニット3300と、裏箱3010内で開口部3010aの左方に取付けられている裏左可動演出ユニット3400と、裏箱3010内で開口部3010aの下方且つ裏下前可動演出ユニット3200の後方に取付けられている裏下後可動演出ユニット3500と、裏箱3010内で裏上可動演出ユニット3100及び裏下後可動演出ユニット3500の夫々左右両側に取付けられている裏四隅可動演出ユニット3600と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
次に、前構成部材1000について、図114乃至図121を参照して説明する。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球が当接する衝止部1006と、を備えている。この衝止部1006は、遊技領域5a内に打ち込まれた遊技球の勢いを緩めて和らげる緩衝部材として作用するものであり、本例ではゴム等により形成されている。なお、緩衝部材として作用するものであれば衝止部1006の素材はゴムに限られない。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
[5−2.遊技パネル]
次に、遊技パネル1100について、図114乃至図121を参照して説明する。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。遊技パネル1100のパネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位に前後に貫通しているアウト口1151が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112(図120及び図121等を参照)が複数形成されている。
パネルホルダ1120は、パネル板1110を後側から着脱可能に保持している。また、パネルホルダ1120は、裏ユニット3000を取付けるための取付孔と、位置決め孔とが後面に複数形成されている。
遊技パネル1100を前構成部材1000の後側に取付けた状態では、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後側にパネル板1110のアウト口1151が開口した状態となる。これにより、遊技領域5aの下端へ流下した遊技球が、アウト誘導部1003によって後側のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151を通って遊技パネル1100の後側へ排出させることができる。
[5−3.基板ホルダ]
次に、基板ホルダ1200について、図114乃至図121を参照して説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態では、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側から覆うことができる。これにより、アウト口1151を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201(図87を参照)から下方へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
次に、主制御ユニット1300について、図114乃至図121を参照して説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。この主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する主制御基板(図示は省略)と、払出制御基板951を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板への不正行為に対する抑止力が高められている。
[5−5.機能表示ユニット]
次に、機能表示ユニット1400について、図114乃至図121を参照して説明する。機能表示ユニット1400は、図114等に示すように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左下隅に取付けられている。この機能表示ユニット1400は、遊技盤5をパチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の貫通口111を通して前方(遊技者側)から視認することができる(図1を参照)。この機能表示ユニット1400は、複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器と、後述するゲート部に対する遊技球の通過により抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート部に対する遊技球の通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、後述する第一始動口への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口への遊技球の受入れ係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、後述する第二始動口への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口への遊技球の受入れ係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、後述する上大入賞口や下大入賞口の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する二つのLEDからなるラウンド表示器と、を主に備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[機能表示ユニットの第二実施例]
また、前述した扉枠右サイドユニット550に、機能表示ユニット1400を備えるようにしても良い。以下、図189、図190を用いて詳述する。
図189は、扉枠右サイドユニット550から右ユニット左装飾部材554を取り外した状態を示す斜視図である。図190は、図189の状態から右ユニット左装飾部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
本例における機能表示ユニット1400は、図189、図190に示すように、
右ユニット左装飾部材554が配置される収容凹部553dにおける、収容凹部553dと右ユニット左装飾部材554との間に設置されており、この機能表示ユニット1400は、右ユニット左カバー555を通して遊技者側から視認することができる。
この例における右ユニット左装飾部材554は、機能表示ユニット1400と重なる部分を機能表示領域1400aとしており、複数の貫通口を有している。機能表示ユニット1400が収納凹部533dに配置された状態で、右ユニット左装飾部材554を配置すると、機能表示ユニット1400に複数備えられたLEDと、右ユニット左装飾部材554における機能表示領域1400aに設けられた貫通口が重なる配置となるため、機能表示ユニット1400に複数備えられているLEDが、機能表示領域1400aに設けられている孔を貫通する構造となっている。
また、機能表示領域1400aには、例えば機能表示ユニット1400におけるラウンド表示器と対応した貫通口の近傍に、大当り時のラウンド数として、「15」、「5」、「2」という文字が書かれているため、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等が認識できるようになっている。
また、本例の機能表示領域1400aは、扉枠右サイドユニット550に配置されているものであるため、従来のように遊技盤夫々に配置する必要がなく、パチンコ機1の設計、組立てに係るコストを低減させることができる。
また、新台交換などで遊技盤を入れ替えた際、遊技盤の構成やスペックの別(例えば、大当り時のラウンド数が異なる等)に応じて発光させるLEDが異なる場合が考えられるが、その場合であっても、新しく新台として設置された遊技盤5に対応した機能表示ユニット1400に合わせて機能表示領域1400aの意匠を変更(右ユニット左装飾部材554の交換)することで、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等が認識可能となる。
[5−6.遊技盤側演出表示装置]
次に、遊技盤側演出表示装置1600について、図114乃至図121を参照して説明する。遊技盤側演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。
詳述すると、遊技盤側演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。この遊技盤側演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。この遊技盤側演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとしたフルカラーの表示装置であり、静止画像や動画を表示することができる。
遊技盤側演出表示装置1600は、図118及び図119に示すように、正面視左側面から外方へ突出している二つの左固定片1601と、正面視右側面から外方へ突出している右固定片1602と、を備えている。この遊技盤側演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部内の正面視左内周面に開口している二つの固定溝に、裏箱3010の斜め後方から二つの左固定片1601を挿入した上で、右固定片1602側を前方へ移動させて、右固定片1602をロック機構の開口部内に挿入し、ロック機構を下方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−7.周辺制御ユニット]
次に、周辺制御ユニット1500について、図114乃至図121を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、遊技盤側演出表示装置1600の後面に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、図示は省略するが、主制御基板からの制御信号に基いて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510と、遊技盤側演出表示装置1600に表示される演出画像の表示を制御する液晶表示制御部1512と、演出画像、演出サウンド、演出制御プログラム、等が記憶されたROMを備えているROM基板と、周辺制御基板1510、液晶表示制御部1512、及びROM基板を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。
[5−8.表ユニットの全体構成]
次に、表ユニット2000について、図122乃至図128を参照して説明する。図122は遊技盤の表ユニットを前から見た斜視図であり、図123は遊技盤の表ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図124(a)は表ユニットの始動口ユニットを前上から見た斜視図であり、(b)は始動口ユニットを後ろ下から見た斜視図である。また、図125(a)は表ユニットのサイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)はサイドユニットを後ろから見た斜視図である。更に、図126(a)は表ユニットのアタッカユニットを前上から見た斜視図であり、(b)はアタッカユニットを後ろ上から見た斜視図であり、(c)はアタッカユニットを後ろ下から見た斜視図である。また、図127は表ユニットのセンター役物を前から見た斜視図であり、図128は表ユニットのセンター役物を後ろから見た斜視図である。
遊技盤5の表ユニット2000は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端が開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。本実施形態の表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて何れかにおいて遊技球の受入れが可能となる下大入賞口2005及び上大入賞口2006と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部に配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1151の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における右部で上下方向中央から下寄りに配置されている。第二始動口2004は、ゲート部2003の直下に配置されている。下大入賞口2005は、第二始動口2004の下方で遊技領域5a内の下端部付近に配置されている。上大入賞口2006は、第二始動口2004の上方で遊技領域5a内の上端部付近に配置されている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1151の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、始動口ユニット2100の右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、及び下大入賞口2005を有しているアタッカユニット2300と、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、及びアタッカユニット2300の上方に取付けられており上大入賞口2006を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
[5−8a.始動口ユニット]
次に、表ユニット2000の始動口ユニット2100について、図124等を参照して説明する。始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1151の直上に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002を有している。
始動口ユニット2100は、パネル板1110に取付けられるユニットベース2101と、ユニットベース2101の前面上部に取付けられていると共に前方へ突出しており第一始動口2002を形成している球受部材2102と、球受部材2102の下側でユニットベース2101の前面に取付けられており前方へ突出していると共に左右に延びている箱枠状の前飾りベース2103と、前飾りベース2103内においてユニットベース2101の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている表中央装飾基板2104と、を備えている。
また、始動口ユニット2100は、前飾りベース2103の前面に取付けられており所定の装飾が施されていると共に表中央装飾基板2104によって発光装飾される前面飾り部材2105と、ユニットベース2101の後側に取付けられており第一始動口2002に受入れられた遊技球を下方へ誘導する誘導通路部材2106と、誘導通路部材2106に取付けられており第一始動口2002に受入れられた遊技球を検知する第一始動口センサ2107と、を備えている。
球受部材2102は、上方及び後方が開放された容器状に形成されており、第一始動口2002として上方からの遊技球を受けて後方へ誘導させることができる。前飾りベース2103は、球受部材2102(第一始動口2002)を中心に左右へ均等に延びており、上面が左右両端へ向かうに従って低くなるように傾斜している。前面飾り部材2105は、左右に延びており、後述する下大入賞口2005を開閉する下大入賞口扉部材2352と略同じ大きさ及び形状で板状に形成されているフェイク部2105aを有している。
このフェイク部2105aによって、第一始動口2002の下側に大入賞口があるように遊技者を錯覚させることができる。
[サイドユニット]
次に、表ユニット2000のサイドユニット2200について、図125等を参照して説明する。サイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿って延びており、パネル板1110に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、三つの一般入賞口2001を有している。
このサイドユニット2200は、パネル板1110の前面に取付けられ内レール1002に沿うように円弧状に延びている平板状のユニットベース2201と、ユニットベース2201の前面下部の上縁付近に取付けられていると共に前方へ突出しており一般入賞口2001を形成している二つの第一球受部材2202と、ユニットベース2201の前面で左右方向中央から左寄りに取付けられていると共に前方へ突出しており一般入賞口2001を形成している第二球受部材2203と、ユニットベース2201の後方に配置されており前面に複数のLEDが実装されているサイド装飾基板2204と、サイド装飾基板2204を後方から覆うようにユニットベース2201の後面に取付けられている基板カバー2205と、を備えている。
ユニットベース2201は、正面視左方へ向かうに従って高くなるように円弧状に延びている。また、ユニットベース2201は、第二球受部材2203が取付けられる部位よりも左方且つ上方の部位に、右方へ向かって低くなるように傾斜している第一棚部2201aを有し、前方へ突出している突出部2201bを備えている。このユニットベース2201は、透光性を有しており、サイド装飾基板2204により発光装飾される。
第一球受部材2202は、上方及び後方が開放された容器状に形成されており、一般入賞口2001として上方からの遊技球を受けて後方へ誘導させることができる。
第二球受部材2203は、後方が開放された箱状に形成されており、上面に右方へ向かって低くなるように傾斜している第二棚部2203aと、第二棚部2203aの下側で左上方へ開口しており一般入賞口2001を形成している球受部2203bと、を有している。
基板カバー2205は、前方が開放されている浅い箱状に形成されており、二つの第一球受部材2202及び第二球受部材2203の球受部2203bの後方となる部位に上方へ開放されていると共に前後に延びており一般入賞口2001に受入れられた遊技球を後方へ誘導する樋状の誘導部2205aを有している。
サイドユニット2200は、遊技パネル1100(パネル板1110)に取付けた状態で、基板カバー2205が開口部1112内に挿入されており、一般入賞口2001に受入れられた遊技球を、誘導部2205aによってパネル板1110の後方へ誘導することができる。
[アタッカユニット]
次に、表ユニット2000のアタッカユニット2300について、図126等を参照して説明する。アタッカユニット2300は、遊技領域5a内において、正面視右下隅に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。このアタッカユニット2300は、一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、及び下大入賞口2005を、有している。具体的には、一般入賞口2001の右方に第二始動口2004が配置されていると共に、第二始動口2004の直上にゲート部2003が配置されており、更に、一般入賞口2001及び第二始動口2004の下方に下大入賞口2005が配置されている。下大入賞口2005は、第二始動口2004の直下から一般入賞口2001の直下を超えて左方へ長く左右に延びている。
アタッカユニット2300は、一般入賞口2001及びゲート部2003を有しておりパネル板1110に前方から取付けられるユニットベース2301と、ユニットベース2301の前面上部に取付けられており第二始動口2004の前方を装飾する始動口前部材2302と、ユニットベース2301の前面で始動口前部材2302と下大入賞口2005との間の部位に取付けられており前方へ突出している棚部材2303と、ユニットベース2301の後側に取付けられており第二始動口2004に受入れられた遊技球を誘導する球誘導部材2304と、ユニットベース2301に取付けられており遊技球のゲート部2003の通過を検知するゲートセンサ2305と、を備えている。
また、アタッカユニット2300は、ユニットベース2301の後側において始動口前部材2302と棚部材2303との間に相当する部位に配置されており前面に複数のLEDが実装されている下アタッカ装飾基板2306と、下アタッカ装飾基板2306の後方を覆うようにユニットベース2301の後面に取付けられている基板カバー2307と、下アタッカ装飾基板2306とユニットベース2301との間に取付けられている格子枠状の遮光部材(図示は省略)と、を備えている。
また、アタッカユニット2300は、ユニットベース2301の後側に取付けられており第二始動口2004を開閉させる第二始動口ユニット2320と、ユニットベース2301の後側に取付けられており下大入賞口2005を開閉させる下大入賞口ユニット2350と、を備えている。
ユニットベース2301は、ゲート部2003が上端部から前方へ突出していると共に、一つの一般入賞口2001がゲート部2003の正面視左下の部位から前方へ突出している。また、ユニットベース2301は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球を後方へ案内する樋状の樋部2301aを備えている。このユニットベース2301は、透光性を有している。
始動口前部材2302は、第二始動口2004の左右両側辺に沿って前方へ延びている一対の側壁部2302aと、正面視左側の側壁部2302aの上端から左方へ向かって高くなるように延びている誘導部2302bと、正面視右側の側壁部2302aから右方へ遊技球が通過可能な距離を開けて前方へ延びている平板状の外壁部2302cと、一対の側壁部2302a、誘導部2302b、及び外壁部2302cの前端を連結している平板状の前板部2302dと、を備えている。誘導部2302bは、左端がゲート部2003よりも左方へ延び出している。
棚部材2303は、始動口前部材2302の右側の側壁部2302aの直下から一般入賞口2001の左右中央の直下まで、左端が低くなるように上面が延びている。これにより、下大入賞口2005が開状態の時に、遊技球が棚部材2303の上面を転動して左端から放出されると、極めて高い確率で下大入賞口2005に受入れられる。球誘導部材2304は、基板カバー2307の後面に取付けられている。また、球誘導部材2304は、第二始動口2004に受入れられた遊技球を、ユニットベース2301の後方において、第二始動口ユニット2320と下大入賞口ユニット2350との間を通して、下大入賞口ユニット2350よりも後方へ誘導した後に、下方へ放出するように形成されている。
第二始動口ユニット2320は、前端に第二始動口2004が開口しておりユニットベース2301の後面に取付けられている前ケース2321と、前ケース2321の後側に取付けられている後ケース2322と、前ケース2321内に第二始動口2004よりも前方に突出可能に前後へスライド可能に支持されている第二始動口扉部材2323と、第二始動口扉部材2323を前後へスライド駆動させ後ケース2322内に取付けられている始動口ソレノイド2324と、前ケース2321及び後ケース2322に挟まれるように取付けられており第二始動口2004に受入れられた遊技球を検知する第二始動口センサ2325と、を備えている。
第二始動口ユニット2320は、アタッカユニット2300に組立てた状態では、前ケース2321の前端がユニットベース2301を後方から貫通してユニットケース2301の前面と略同一面上に位置している。これにより、第二始動口2004は、前方へ向かって開口している。そして、始動口ソレノイド2324が非通電の通常の状態では、第二始動口扉部材2323が前ケース2321内に没入しており、第二始動口2004の前方を流下する遊技球は第二始動口2004に進入することなく、第二始動口2001を通り過ぎて下方へ流下する。一方、始動口ソレノイド2324に通電されると、第二始動口扉部材2323が、第二始動口2004よりも前方へ突出した状態となる。この状態で、第二始動口2004の前方を遊技球が流下すると、その遊技球が第二始動口扉部材2323に当接して流通方向が下方から後方へと変化し、第二始動口2004に受入れられる。第二始動口2004に受入れられた遊技球は、第二始動口センサ2325により検知された後に、球誘導部材2304に誘導されて下方へ排出される。
下大入賞口ユニット2350は、ユニットベース2301の後面に取付けられ前面に左右に延びた長方形の下大入賞口2005が開口しているユニットケース2351と、下大入賞口2005を開閉可能としユニットケース2351に回動可能に取付けられている横長長方形で平板状の下大入賞口扉部材2352と、ユニットケース2351内に取付けられており遊技状態に応じて下大入賞口扉部材2352を開閉駆動させる下大入賞口ソレノイド2353と、ユニットケース2351に取付けられており下大入賞口2005に受入れられた遊技球を検知する下大入賞口センサ2354と、ユニットケース2351の下面に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている下大入賞口装飾基板2355と、下大入賞口ソレノイド2353、下大入賞口センサ2354、始動口ソレノイド2324、及び第二始動口センサ2325等と、主制御基板との接続を中継しているアタッカユニット中継基板2356と、を備えている。
下大入賞口2005は、前方へ向かって開口している。この下大入賞口2005を開閉可能な下大入賞口扉部材2352は、下辺の左右両端部がユニットケース2351によって回動可能に取付けられており、上辺が前方且つ下方へ移動するように回動させることで下大入賞口2005を閉状態から開状態とすることができる。
下大入賞口ユニット2350は、下大入賞口ソレノイド2353が非通電の通常の状態では、下大入賞口扉部材2352が直立して下大入賞口2005を閉鎖している。そして、下大入賞口ソレノイド2353が遊技状態に応じて通電されると、上辺が前方且つ下方へ移動するように下大入賞口扉部材2352が回動して、上辺が下辺よりもやや上方へ位置した状態となる。つまり、下大入賞口扉部材2352が、下大入賞口2005の下辺から前方へ向かって高くなるように傾斜した状態となる。
この状態で下大入賞口2005の前方を遊技球が流下して下大入賞口扉部材2352に当接すると、下大入賞口扉部材2352の傾斜により流通方向が下方から後方へと変化し、下大入賞口2005に受入れられることとなる。そして、下大入賞口2005に受入れられた遊技球は、下大入賞口センサ2354により検知された後に、ユニットケース2351の下面から下方へ排出される。
[センター役物]
次に、表ユニット2000のセンター役物2500について、主に図127及び図128を参照して説明する。センター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100やアタッカユニット2300よりも上方で正面視略中央でやや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置されている遊技盤側演出表示装置1600を前方から視認することができる。センター役物2500は、遊技状態に応じて遊技球の受入れが可能となる上大入賞口2006を有している。センター役物2500は、図114等に示すように、下辺の一部が始動口ユニット2100とアタッカユニット2300との間を通って右下レール1004付近まで下方へ延びている。つまり、このセンター役物2500は、遊技領域5aを左右に分断している。
センター役物2500は、パネル板1110の中央で大きく開口している開口部1112の周縁に沿ってパネル板1110の前面に当接する平板枠状のフランジ部2511と、フランジ部2511から前方へ突出しており枠内への遊技球の浸入を阻止する前周壁部2512と、フランジ部2511から後方へ突出して開口部1112内に挿入される後周壁部2513と、を有している枠状のセンターベース2510を備えている。
センターベース2510の前周壁部2512は、下辺の一部を除いてフランジ部2511の略全周に亘って形成されている。前周壁部2512は、上辺における左右方向中央からやや左寄りの位置が最も高くなっている。
また、センター役物2500は、センターベース2510の前周壁部2512において正面視左辺下部の外周面で遊技領域5a内の遊技球が進入可能に開口しているワープ入口2520と、ワープ入口2520に進入した遊技球をセンターベース2510の枠内で下辺の正面視左端付近へ誘導するワープ通路2521と、ワープ通路2521の下流端で遊技球が通過可能に開口しているワープ出口2523と、ワープ出口2523から放出された遊技球が転動可能とされておりセンターベース2510の枠内で下辺に沿って左右に延びていると共に供給された遊技球を遊技領域5a内へ放出するステージ2530と、を備えている。
ステージ2530は、左右両端が高く遊技領域5aの左右方向中央に対応する部位の左右両側が最も低くなるように湾曲しており、最も低くなっている部位の間が若干高くなるように膨出している。このステージ2530は、遊技領域5aの左右方向中央に対応する部位に形成されており前端から後方へ切欠かれている中央誘導溝2531と、最も低くなっている二つの部位に夫々形成されており前方へ向かって低くなると共に左右へ広がる扇状のサイド誘導溝2532と、を備えている。遊技盤5を組立てた状態では、中央誘導溝2531の直下に第一始動口2002が位置しており、中央誘導溝2531から遊技領域5a内へ放出された遊技球が、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
また、センター役物2500は、前周壁部2512の上辺の正面視右端部に取り付けられて衝止部1006に当接して跳ね返った遊技球を後述する上遊技空間2541方向に向けて転動させる誘導部2540を備えている。この誘導部2540は、センター役物2500とは別部材で形成されてセンター役物2500に取り付けられることによって前周壁部2512の上辺の正面視右端部を正面視右方向に延設する。また、誘導部2540はセンター役物2500よりも強度の強い樹脂によって形成されている。具体的には、センター役物2500はPC樹脂(ポリカーボネート樹脂)によって形成されるが、誘導部2540はPC樹脂よりも耐久性に優れたPOM樹脂(ポリアセタール樹脂)によって形成されている。
上記したように遊技領域5a内に打ち込まれた遊技球が衝止部1006に当接すると遊技球はその勢いを緩めるが、一部の遊技球は衝止部1006によってセンター役物2500の前周壁部2512の上辺方向に跳ね返される。また、遊技球を衝止部1006に当接させるために殆どの遊技者はハンドル302を最大まで回動させて遊技球を打ち込むため、打ち出される遊技球の勢いは第一始動口2002への入賞を狙って行う通常の遊技に比べて強くなっている。そして、このように打ち込まれた遊技球が衝止部1006によって跳ね返された場合に、センター役物2500の前周壁部2512の上辺に頻繁に落下してセンター役物2500が破損するおそれがある。そのため、前周壁部2512の上辺の正面視右端部を別部材の誘導部2540としてセンター役物2540に取り付けるとともに、耐久性に優れたPOM樹脂によって形成することでセンター役物2540の破損を防止している。なお、本例ではセンター役物2540全てをPOM樹脂で形成することなく、誘導部2540だけをPOM樹脂で形成したため、仮に誘導部2540が破損した場合であっても誘導部2540だけを交換することによって修復することができ、破損時にも簡便に修復可能である。
また、後述する誘導部2540は前周壁部2512と段差を有するようにセンター役物2500に取り付けられる。本例では、前周壁部2512の上辺が誘導部2540の上辺よりも正面視上方となるように取り付けられている。これによって、衝止部1006によって跳ね返された遊技球がこの段差に達した場合に、段差を超えられずに上遊技空間2541方向に戻されるようになる。また、誘導部2540の上辺は滑らかな鏡面仕上げによって摩擦係数が低くなっており、前周壁部2512と誘導部2540との段差を超えられなかった遊技球を迅速に上遊技空間2541へと流下させるため、誘導部2540の上辺に遊技球が滞留することによる球詰まりの発生を抑止できる。
また、本例では誘導部2540の上辺が右辺(左右の辺)よりも長い立体部材によって形成されている。誘導部2540の上辺は衝止部1006によって跳ね返された遊技球を受け止めるために一定以上の長さを要するが、上辺と右辺(左右の辺)を同程度とすることによって遊技領域5a内のスペースが狭まり、遊技機設計の自由度が低下する。そのため、誘導部2540の右辺(左右の辺)を上辺よりも短く形成することで遊技領域5aの正面視上下方向のスペースを確保して遊技機設計の自由度を低下させないようにしている。
また、センター役物2500は、誘導部2540と衝止部1006とによって挟まれて遊技領域5a内の遊技球が進入可能に開口している右上入口と、右上入口の下方でセンターベース2510の上辺の右部に形成されており正面視左辺に上大入賞口2006が開口している所定広さの上遊技空間2541と、上遊技空間2541の底部における正面視右端からセンターベース2510の右辺に沿って下方へ延びていると共に下端が左方へ折れ曲がっており遊技球が流通可能な右通路2542と、右通路2542の下端で下方へ向かって開口している右下出口2543と、を備えている。
右上入口は、遊技球の外径よりも若干大きい幅で鉛直に延びており、上部が上方へ向かって広がっている。上遊技空間2541は、遊技球が上下方向及び左右方向へ十分に移動できる広さに形成されている。この上遊技空間2541は、右上入口よりも正面視左方に上大入賞口2006が開口している。また、上遊技空間2541は、右上入口の直下に正面視右方へ向かって低くなるように傾斜している案内部2541aを有している。この案内部2541aにより、右上入口を通って落下してきた遊技球を、上遊技空間2541内で跳ね上がらせることなく、上遊技空間2541の底面に沿って転動させて、右通路2542へスムーズに案内させることができる。
右通路2542は、前側と後側の壁面に左右に延びた突条2542aが、上下方向へ交互に複数備えられており、各突条2542aに遊技球が当接することにより、遊技球の流下速度を減衰させることができる。右下出口2543は、遊技盤5を組立てた状態で、アタッカユニット2300におけるゲート部2003の直上に開口している。なお、図示は省略するが、遊技パネル1100(パネル板1110)には、右下出口2543とゲート部2003との間にも、複数の障害釘が植設されている。
更に、センター役物2500は、上大入賞口2006を閉鎖している上大入賞口扉部材2550と、上大入賞口扉部材2550を遊技状態に応じて開閉駆動する上大入賞口ソレノイド2551と、上大入賞口2006に受入れられた遊技球を検知する上大入賞口センサ2552と、上大入賞口センサ2552により検知された遊技球をフランジ部2511よりも後方へ誘導する後方誘導路2553と、後方誘導路2553の後端に開口しており遊技球が通過可能な後方放出口2554と、後方誘導路2553の途中から分岐しておりセンターベース2510の正面視右辺に沿って遊技球を下方へ誘導する逃し通路2555と、逃し通路の下端に開口している排出口2556と、を備えている。
上大入賞口扉部材2550は、上遊技空間2541内における右上入口よりも正面視左方に開口している上大入賞口2006を開閉するものである。この上大入賞口扉部材2550は、下端が右上入口よりも左方で上遊技空間2541の底面付近で前後に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられており、直立した状態で上端が上遊技空間の天井付近まで延びている。この上大入賞口扉部材2550は、通常の状態では直立しており、上大入賞口2006を閉鎖している。そして、遊技状態に応じて上大入賞口ソレノイド2551に通電されると、上端が正面視右方へ移動するように回動して、遊技球が受入可能となるように上大入賞口2006を開放する。この状態では、上大入賞口扉部材2550の上端が、下端よりも高くなっていると共に右上入口よりも正面視右方へ位置している。従って、右上入口を通って上大入賞口扉部材2550に落下した遊技球は、上大入賞口扉部材2550により誘導されて上大入賞口2006に受入れられる。
上大入賞口2006に受入れられた遊技球は、上大入賞口扉部材2550の左下に配置されている上大入賞口センサ2552に検知された後に、後方誘導路2553によりフランジ部2551の後方へ誘導される。この後方誘導路2553の後端に開口している後方放出口2554は、通常は後述する裏ユニット3000の裏右可動演出ユニット3300における裏右回転装飾体3310の第一装飾面3310aの外周面によって閉鎖されている。従って、後方放出口2554から遊技球が放出されない時には、後方放出口2554の直前で分岐している逃し通路2555へ遊技球が進入し、逃し通路2555を通って排出口2556から下方へ排出される。
また、センター役物2500は、センターベース2510の上辺に取付けられている表上可動演出ユニット2560と、センターベース2510の下辺に取付けられている表下可動演出ユニット2570と、を備えている。センター役物2500の表上可動演出ユニット2560は、センターベース2510の枠内において昇降可能に取付けられておりパチンコ機1のコンセプトに沿った装飾が施されている表上可動装飾体2561と、表上可動装飾体2561の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている表上可動装飾体装飾基板(図示は省略)と、センターベース2510の後側に取付けられており遊技状態に応じて表上可動装飾体2561を昇降させる表上駆動モータ2563と、を備えている。
表下可動演出ユニット2570は、センターベース2510の下辺におけるステージ2530よりも下方へ延出している部位に取付けられており前面に装飾が施されている平板状で透光性を有している表下装飾体2571と、表下装飾体2571よりも前方で回転可能に取付けられている第一回転装飾体2572、第二回転装飾体2573、及び第三回転装飾体2574と、センターベース2510の後側に取付けられており遊技状態に応じて第一回転装飾体2572、第二回転装飾体2573、及び第三回転装飾体2574を回転させる表下駆動モータ2575と、表下装飾体2571の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている表下可動装飾体装飾基板2576と、を備えている。
表下可動演出ユニット2570は、第一回転装飾体2572、第二回転装飾体2573、及び第三回転装飾体2574が、手裏剣を模した形状に形成されており、表下駆動モータ2575の駆動により、夫々同一方向へ回転する。
[裏ユニットの全体構成]
次に、遊技盤5における裏ユニット3000の全体構成について、主に図129乃至図132を参照して詳細に説明する。図129は裏ユニットを前から見た斜視図であり、図130は裏ユニットを後ろから見た斜視図である。図131は裏ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図132は裏ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられている。また、裏ユニット3000の後面には遊技盤側演出表示装置1600が着脱可能に取付けられている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており遊技盤側演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、裏箱3010の下部左側前端付近に取付けられておりサイドユニット2200の一般入賞口2001に受入れられた遊技球を下方へ誘導して基板ホルダ1200上へ放出する左下球通路ユニット3030と、裏箱3010の下部右側前端付近に取付けられておりアタッカユニット2300の一般入賞口2001に受入れられた遊技球と上大入賞口2006に受入れられて後述する裏右左可動演出ユニット3300における裏右下ベース3303の排出口3303aから排出された遊技球とセンター役物2500の逃し通路2555の排出口2556から排出された遊技球とを下方へ誘導して基板ホルダ1200上へ放出する右下球通路ユニット3040と、左下球通路ユニット3030及び右下球通路ユニット3040に夫々取付けられており一般入賞口2001に受入れられた遊技球を検知する一般入賞口センサ3050と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の後面で開口部3010aの背面視左方に取付けられており周辺制御基板1510からの制御コマンドに基づいて各装飾基板を駆動するランプ駆動基板3060と、ランプ駆動基板3060の後方を覆うように裏箱3010の後面に取付けられているランプ駆動基板カバー3061と、裏箱3010の後面で開口部3010aの背面視下方に取付けられており周辺制御基板1510からの制御コマンドに基づいて各駆動モータを駆動するモータ駆動基板3062と、モータ駆動基板3062の後方を覆うように裏箱3010の後面に取付けられているモータ駆動基板カバー3063と、裏箱3010の後面で背面視左下隅に取付けられており主制御基板と各入賞口センサや各入賞口ソレノイド等との接続を中継しているパネル中継基板3064と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端で上辺及び左辺に沿って取付けられている裏周縁装飾ユニット3080と、裏箱3010内で開口部3010aの上方に取付けられている裏上可動演出ユニット3100と、裏箱3010内の前端付近で開口部3010aの下方に取付けられている裏下前可動演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口部3010aの右方に取付けられている裏右可動演出ユニット3300と、裏箱3010内で開口部3010aの左方に取付けられている裏左可動演出ユニット3400と、裏箱3010内で開口部3010aの下方且つ裏下前可動演出ユニット3200の後方に取付けられている裏下後可動演出ユニット3500と、裏箱3010内で裏上可動演出ユニット3100及び裏下後可動演出ユニット3500の夫々左右両側に取付けられている裏四隅可動演出ユニット3600と、を備えている。
[裏箱]
次に、裏ユニット3000の裏箱3010について、図129乃至図132等を参照して詳細に説明する。裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ平板状に突出している枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける背面視右辺において内側から外側へ向かって窪んでおり遊技盤側演出表示装置1600の左固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの背面視左辺の上下方向中央において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれている切欠部3010dと、を備えている。
開口部3010aは、遊技盤側演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に遊技盤側演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が上下にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に当接した状態で、パネルホルダ1120に取付けられる。
また、裏箱3010は、詳細な説明は省略するが、各可動演出ユニット等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[左下球通路ユニット]
次に、裏ユニット3000の左下球通路ユニット3030について、図129乃至図132等を参照して詳細に説明する。この左下球通路ユニット3030は、裏箱3010において、サイドユニット2200の後方に相当する部位に取付けられている。この左下球通路ユニット3030は、正面視形状が上下に延びる辺が左右に延びる辺よりも短いL字形状に形成されており、内部が中空に形成されている。左下球通路ユニット3030は、前面に前方へ向かって開口しており遊技球が通過可能な三つの進入口3031を備えている。これら三つの進入口3031は、サイドユニット2200における三つの誘導部2205aと対応した位置に形成されている。
この左下球通路ユニット3030は、中空の内部が、正面視右方へ向かって低くなるように傾斜しており、三つの進入口3031から進入した遊技球が、下面の右端付近で下方へ放出される。この左下球通路ユニット3030には、一般入賞口センサ3050が取付けられており、進入口3031から内部に進入した遊技球が一般入賞口センサ3050によって検知される。つまり、サイドユニット2200の一般入賞口2001に受入れられた遊技球は、左下球通路ユニット3030に取付けられている一般入賞口センサ3050によって検知される。
[右下球通路ユニット]
次に、裏ユニット3000の右下球通路ユニット3040について、図129乃至図132等を参照して詳細に説明する。この右下球通路ユニット3040は、裏箱3010において、アタッカユニット2300の後方に相当する部位に取付けられている。この右下球通路ユニット3040は、前方へ向かって開口しておりアタッカユニット2300の一般入賞口2001に受入れられた遊技球が進入可能な第一進入口3041と、後述する裏右可動演出ユニット3300の下面に開口している排出口3303aの直下で上方へ向かって開口している第二進入口3042と、第二進入口3042の正面視右方且つ上方で上方へ向かって開口しておりセンター役物2500の逃し通路2555を流通して排出口2556から排出された遊技球が進入可能な第三進入口3043と、を備えている。
この右下球通路ユニット3040は、第一進入口3041、第二進入口3042、及び第三進入口3043に進入した遊技球を、夫々独立した通路を通して下方へ排出している。右下球通路ユニット3040には、第一進入口3041に進入した遊技球を検知する一般入賞口センサ3050が取付けられている。つまり、アタッカユニット2300の一般入賞口2001に受入れられた遊技球は、右下球通路ユニット3040に取付けられている一般入賞口センサ3050により検知される。
[裏周縁装飾ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏周縁装飾ユニット3080について、図129乃至図132等を参照して詳細に説明する。この裏周縁装飾ユニット3080は、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上方、左方、及び左下方に相当する部位で、裏箱3010の前端の上辺及び左辺に沿って取付けられている。この裏周縁装飾ユニット3080は、C字状に延びている透光性を有した裏周縁装飾部材3081と、裏周縁装飾部材3081の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏周縁装飾基板3082と、裏周縁装飾基板3082の後方を覆っており裏周縁装飾部材3081の後側に取付けられている基板カバー3083と、を備えている。
この裏周縁装飾ユニット3080は、裏周縁装飾基板3082のLEDを適宜発光させることにより、裏周縁装飾部材3081を発光装飾させることができる。また、遊技盤5を組立てた状態では、透明なパネル板1110を通して裏周縁装飾部材3081の前面が遊技者側から視認可能となり、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の外側を装飾している。
[遊技盤における可動演出]
次に、本実施形態の遊技盤5における主な可動演出について、主に図133乃至図141を参照して詳細に説明する。図133は、センター役物における表上可動演出ユニットの表上可動装飾体の動きを示す遊技盤の正面図である。また、図134は裏ユニットにおける裏上可動演出ユニットの裏上装飾体が第一出現位置の状態を示す遊技盤の正面図であり、図135は裏ユニットにおける裏上可動演出ユニットの裏上装飾体が第二出現位置で、且つ、裏下前可動演出ユニットの裏下前第一装飾体と裏下前第二装飾体とが出現位置の状態を示す遊技盤の正面図である。
また、図136は、裏ユニットにおける裏右可動演出ユニットの裏右回転装飾体の第一装飾面を前方へ向けた状態で一対のシャッターが開いていると共に、裏左可動演出ユニットの裏左回転装飾体の第一装飾面を前方へ向けた状態で裏左突出装飾体が出現位置の状態を示す遊技盤の正面図である。更に、図137は、裏ユニットにおける裏右可動演出ユニットの裏右回転装飾体と裏左可動演出ユニットの裏左回転装飾体とを夫々の第二装飾面を前方へ向けた状態で示す遊技盤の正面図である。また、図138は、裏ユニットにおける裏右可動演出ユニットの裏右回転装飾体と裏左可動演出ユニットの裏左回転装飾体とを夫々の第三装飾面を前方へ向けた状態で示す遊技盤の正面図である。
更に、図139は、裏ユニットにおける裏下後可動演出ユニットの裏下後回転装飾体を上昇端位置で正面視反時計回りの方向へ回転させている状態を示す遊技盤の正面図である。また、図140は、裏ユニットにおける裏下後可動演出ユニットの裏下後回転装飾体を上昇端位置で正面視時計回りの方向へ回転させていると共に、裏四隅可動演出ユニットの裏四隅第二装飾体が出現位置の状態を示す遊技盤の正面図である。また、図141は、裏ユニットにおける裏四隅可動演出ユニットの裏四隅第一装飾体を出現位置の状態で示す遊技盤の正面図である。
この遊技盤5は、図114等に示すように、通常の状態では、センター役物2500の枠内を通して後方に配置されている遊技盤側演出表示装置1600の表示画面が、遊技者側から良好に視認することができる。また、通常の状態では、センター役物2500における表上可動演出ユニット2560の表上可動装飾体2561が上昇していると共に、表下可動演出ユニット2570の第一回転装飾体2572、第二回転装飾体2573、及び第三回転装飾体2574が回転停止している。更に、通常の状態では、裏上可動演出ユニット3100の裏上装飾体3152が、天地が逆転した状態でセンター役物2500の枠内よりも上側後方の退避位置に位置しており、一部がセンター役物2500の枠内の上辺よりも下方に突出して遊技者側から視認することができる状態となっている。
また、通常の状態では、裏下前可動演出ユニット3200の裏下前第一装飾体3209と裏下前第二装飾体3212が、センター役物2500の下辺の後方となって遊技者側から視認し難い退避位置に位置している。また、通常の状態では、裏右可動演出ユニット3300と裏左可動演出ユニット3400の裏右回転装飾体3310と裏左回転装飾体3410とが、夫々第一装飾面3310a,3410aを前方(正面)へ向けた状態で回転停止しており、更に、裏右回転装飾体3310の一対のシャッター3312が閉じていると共に、裏左回転装飾体3410の二つの裏左突出装飾体3421が裏左回転装飾体3410内へ視認不能に没入している退避位置に位置している。
更に、通常の状態では、裏下後可動演出ユニット3500の裏下後回転装飾体3568が下降端位置に位置しており、一部が遊技者側から視認できるようにセンター役物2500の下辺から枠内に臨んでいる。また、通常の状態では、裏四隅可動演出ユニット3600の裏四隅第一装飾体3624,3664及び裏四隅第二装飾体3633,3673が、遊技者側から視認し難いセンター役物2500の枠内よりも外方の退避位置に位置している。
この遊技盤5は、通常の状態から、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球が受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、表上可動演出ユニット2560、表下可動演出ユニット2570、裏上可動演出ユニット3100、裏下前可動演出ユニット3200、裏右可動演出ユニット3300、裏左可動演出ユニット3400、裏下後可動演出ユニット3500、及び裏四隅可動演出ユニット3600が、所定の可動演出を行う。
具体的には、例えば、センター役物2500の表上可動演出ユニット2560では、表上駆動モータ2563の回転駆動により、表上可動装飾体2561を通常の位置から下降させて遊技盤側演出表示装置1600の前面上部に位置させる(図133を参照)。これにより、遊技盤側演出表示装置1600の上部が表上可動装飾体2561により覆われることで、遊技者に対して遊技状態が変化するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、センター役物2500の表下可動演出ユニット2570では、裏下駆動モータ2575により、第一回転装飾体2572、第二回転装飾体2573、及び第三回転装飾体2574を、グルグルと回転させる(図127(b)を参照)。これにより、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
更に、裏ユニット3000の裏上可動演出ユニット3100では、裏上駆動モータ3103の回転駆動により、裏上装飾体3152を天地が逆転している状態で、退避位置から第一出現位置へ下降させる(図134を参照)。この状態では、裏上装飾体3152の一対の開口部3152aと、開口部3152a内に臨んでいる副装飾3157aとが、センター役物2500の枠内を通して部分的に遊技者側から視認することができる。これにより、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタが、上から逆さまになって覗いているように見えるため、遊技者を驚かせることができると共に、キャラクタの出現により楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。また、この状態で、裏上副駆動モータ3159の回転駆動により、裏上副装飾体3157を左右に往復移動させると、裏上装飾体3152によって摸されている所定のキャラクタの瞳(副装飾3157a)が左右にキョロキョロすることとなり、遊技者を更に驚かせることができると共に可動演出を楽しませることができる。
また、裏上可動演出ユニット3100では、裏上装飾体3152が第一出現位置の状態で、更に裏上駆動モータ3103の回転駆動により、裏上装飾体3152を更に下方の第二出現位置へ移動させる(図135を参照)。裏上装飾体3152が第一出現位置から第二出現位置へ下降する際に、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタの天地が逆転していた状態から、天地が正常な状態へ回転しながら下降するため、裏上装飾体3152の動きがダイナミックな動きとなり、遊技者の関心を強く引き付けることができると共に、遊技者を大いに驚かせることができ。
裏上装飾体3152が第二出現位置の状態では、図示するように、裏上装飾体3152により摸されている所定のキャラクタの天地が正常な状態になっていると共に、裏上装飾体3152がセンター役物2500の枠内の略中央に位置している。これにより、裏上装飾体3152が遊技領域5a内で目立つようになり、遊技者の関心を強く引き付けることができると共に、遊技者に対して有利遊技状態が発生するのを大いに予感させることができる。この第二出現位置の状態でも裏上副駆動モータ3159の回転駆動により、裏上装飾体3152によって摸されている所定のキャラクタの瞳を左右にキョロキョロさせることができ、遊技者をより楽しませることができる。
この裏上可動演出ユニット3100では、裏上装飾体3152を、退避位置と第一出現位置との間で昇降させたり、第一出現位置と第二出現位置との間で昇降させたり、退避位置と第二出現位置との間で昇降させたり、することができると共に、第一出現位置や第二出現位置の時に、瞳をキョロキョロさせたりさせなかったりすることができるため、それらの動作を適宜組み合わせることにより多彩な可動演出を行うことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
また、裏ユニット3000の裏下前可動演出ユニット3200では、裏上可動演出ユニット3100の裏上装飾体3152が第二出現位置の時に、裏下前駆動モータ3202の回転駆動により、退避位置の裏下前第一装飾体3209と裏下前第二装飾体3212とを、センター役物2500の枠内に位置している出現位置へ移動させる(図135を参照)。これにより、図示するように、手を摸した裏下前第一装飾体3209が、頭(顔)を摸した裏上装飾体3152の前方に位置することで、所定のキャラクタがあたかも呪文を唱えているような(印を結んでいるような)状態となるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、有利遊技状態の発生に対する期待感をより一層高めさせることができる。
更に、裏ユニット3000の裏右可動演出ユニット3300では、通常の状態(第一装飾面3310を前方へ向けて回転停止している状態)で、図示しない裏右シャッターソレノイドにより一対のシャッター3312を離反させて、シャッター3312の間から内側装飾体3313を前方へ臨ませる(図136を参照)と共に、内側装飾体3313を発光装飾させる。これにより、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができる。
また、裏右可動演出ユニット3300では、裏右駆動モータ3304により、裏右回転装飾体3310を、グルグル回転させる。これにより、遊技者に対して、遊技状態が変化する兆しを感じさせることができ、遊技に対する期待感を高めさて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏右可動演出ユニット3300では、裏右駆動モータ3304により、裏右回転装飾体3310を回転させて第二装飾面3310bを前方(正面)へ向けて停止させる(図137を参照)。これにより、第二装飾面3310bの裏右文字装飾3318が遊技者側から視認できるようになるため、裏右文字装飾3318の認識によりチャンスの到来を遊技者に予感させることができる。
更に、裏右可動演出ユニット3300では、裏右駆動モータ3304により、裏右回転装飾体3310を回転させて第三装飾面3310cを前方(正面)へ向けて停止させる(図138を参照)。これにより、裏右演出空間3321内で上下へ螺旋状に延びている球誘導部材3322が遊技者側から視認できるようになるため、遊技者に対して裏右演出空間3321内へ遊技球が供給される時期、つまり、上大入賞口2006が開くのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、裏ユニット3000の裏左可動演出ユニット3400では、通常の状態(第一装飾面3410を前方へ向けて回転停止している状態)で、裏左装飾体ソレノイド3422の駆動により、裏左回転装飾体3410の外周面から裏左突出装飾体3421が外方へ突出する(図136を参照)。これにより、円筒状で回転する裏左回転装飾体3410から、裏左突出装飾体3421が突出することで、遊技者を驚かせることができると共に、何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、裏左可動演出ユニット3400では、裏左駆動モータ3404の回転駆動により、裏左回転装飾体3410を、グルグル回転させる。これにより、遊技者に対して、遊技状態が変化する兆しを感じさせることができ、遊技に対する期待感を高めさて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏左可動演出ユニット3400では、裏左駆動モータ3404により、裏左回転装飾体3410を回転させて第一装飾面3410aを前方(正面)へ向けて停止させる(図114等を参照)。この第一装飾面3410aには、ドアを模したドア装飾3411が備えられているため、遊技者に対して裏右可動演出ユニット3300における裏右回転装飾体3310の第一装飾面3310aのシャッター3312と同様にドア装飾3411も開くのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、裏左可動演出ユニット3400では、裏左駆動モータ3404により、裏左回転装飾体3410を回転させて第二装飾面3410bを前方(正面)へ向けて停止させる(図137を参照)。これにより、第二装飾面3410bの裏左文字装飾3413が遊技者側から視認できるようになるため、裏左文字装飾3413の認識によりチャンスの到来を遊技者に予感させることができる。
また、裏左可動演出ユニット3400では、裏左駆動モータ3404により、裏左回転装飾体3410を回転させて第三装飾面3410cを前方(正面)へ向けて停止させる(図138を参照)。そして、図示は省略するが、この状態で、裏左第三装飾基板3417のLEDにより、赤色の光を発光させると赤図柄を裏左投影部3415に投影させることができ、青色の光を発光させると青図柄を裏左投影部3415に投影させることができる。これにより、裏左投影部3415に投影される図柄によって、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませたり期待感を高めさせたりすることができる。
これら裏右可動演出ユニット3300及び裏左可動演出ユニット3400は、裏右回転装飾体3310及び裏左回転装飾体3410を、同時にグルグルと回転させることで、センター役物2500の枠内の左右両端(遊技盤側演出表示装置1600の左右両外側)で可動演出を行うことができ、回転する裏右回転装飾体3310及び裏左回転装飾体3410により遊技者の期待感を高めさせて興趣の低下を抑制することができる。また、裏右回転装飾体3310及び裏左回転装飾体3410を、回転停止させる装飾面を適宜選択することで、可動演出のパターンを多彩にすることができ、遊技者が飽き難くすることができる。
更に、裏ユニット3000の裏下後可動演出ユニット3500では、裏下後昇降駆動モータ3512の回転駆動により、裏下後回転装飾体3568をセンター役物2500の枠内の略中心である上昇端位置へ上昇させる。そして、裏下後回転装飾体3568が上昇端位置の時に、裏下後回転駆動モータ3553により、裏下後回転装飾体3568を正面視反時計回りの方向へグルグルと回転させる(図139を参照)。これにより、センター役物2500のステージ2530の上方で遊技者側へ僅かに望んでいる裏下後回転装飾体3568が上昇してセンター役物2500の枠内の中央に位置することで、遊技者を驚かせて何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。加えて、裏下後回転装飾体3568が反時計周りの方向へグルグル回転することで、遊技者に対して、更に遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、裏下後可動演出ユニット3500では、裏下後回転装飾体3568が上昇端位置の時に、裏下後回転駆動モータ3553により、裏下後回転装飾体3568を正面視時計回りの方向へ回転させると、四つの裏下後回転装飾体3568が互いに離反するように開いて大きくなった状態で回転する(図140を参照)。これにより、反時計回りに回転している時と比較して、裏下後回転装飾体3568の直径が大きくなるため、遊技者の遊技に対する期待感をより一層高めさせることができる。
また、裏ユニット3000の裏四隅可動演出ユニット3600では、裏四隅駆動モータ3615,3655の回転駆動により、裏四隅第一装飾体3624,3664が、退避位置からセンター役物2500の枠内に位置する出現位置へ昇降する(図141を参照)。
これにより、四つの裏四隅第一装飾体3624,3664が出現することで遊技者を驚かせることができると共に、チャンスの到来等を示唆することができる。
また、裏四隅可動演出ユニット3600では、裏四隅駆動モータ3615,3655の回転駆動により、裏四隅第二装飾体3633,3673が、退避位置からセンター役物2500の枠内に位置する出現位置へ回動する(図140を参照)。これにより、センター役物2500の枠内の中央を中心に放射状に延びる四つの裏四隅第二装飾体3633,3673が出現することで、遊技者を驚かせることができると共に、何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。裏四隅可動演出ユニット3600では、裏下後可動演出ユニット3500の裏下後回転装飾体3568が上昇端位置の時に、裏四隅第二装飾体3633,3673を出現位置へ回動させることで、センター役物2500の枠内に大型の手裏剣が出現したように見せることができる(図140を参照)。これにより、遊技者に対して有利遊技状態の発生を確信させることができ、遊技に対する期待感を可及的に高めさせることができると共に、遊技に対する興趣を高めさせることができる。
[6.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御基板1310に搭載される主制御MPU)で実行される制御処理の例について説明する。図142(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板1310の主制御MPUによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図142(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板1310はまず、図示しないRAMクリアスイッチが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタや主制御内蔵RAMに格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠4が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板1310に出力し、電源投入時に主制御MPUがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御内蔵RAMに格納されているデータを初期化するようになっている。
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御内蔵RAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御内蔵RAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、第一特別図柄表示器に変動表示される第一特別図柄及び第二特別図柄表示器に変動表示される第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応して遊技盤側演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記第二始動口扉部材2323の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数)等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2002に始動入賞した場合であっても、第二始動口2004に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4mS毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図142(b)は、上記主制御基板1310の主制御MPUによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図142(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2305、上記第一始動口センサ2107、上記第二始動口センサ2325、上記上大入賞口センサ2552及び下大入賞口センサ2354、上記一般入賞口センサ3050など、各種のセンサからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上記乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御内蔵RAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS15の処理として、上記第二始動口扉部材2323の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。
また、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大当り遊技状態(一部の大当りを除く)の終了後の所定期間内は、上記第二始動口扉部材2323の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(いわゆる時短状態)。なお、この実施の形態では、上記大当り遊技状態の終了後の所定期間だけ上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を短縮することによって、こうした時短状態を実現するようにしている。
具体的には、上記時短状態の制御(時短制御という)において、上記普通図柄の当選確率を1分の1(100%当り)に設定するとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を非時短状態よりも短い所定時間(例えば、0.08秒)に短縮し、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口2004の第二始動口扉部材2323を、例えば、5.5秒間前進させて第二始動口2004への遊技球の受入れを可能とした後に再び後退させて第二始動口2004への遊技球の受入れを不能にする。
一方、上記非時短制御においては、上記普通図柄の当選確率を0%に設定するとともに普通図柄の変動表示制御に要する時間を所定の変動時間(例えば、5秒)に設定することで第二始動口2004への遊技球の受入れを不能とする。なお、非時短状態においても普通図柄の当選確率を0%以上となるようにしてもよく、この場合には時短状態よりも低い当選確率(例えば50%)とし、普通図柄の抽選結果が当りとなったときに上記第二始動口2004の第二始動口扉部材2323を時短状態よりも短い時間、例えば、2秒間前進させて第二始動口2004への遊技球の受入れを可能とした後に再び後退させて第二始動口2004への遊技球の受入れを不能にするようにしてもよい。
つまり、非時短状態では、普通図柄の当選確率は0%であるため、この場合には右打ちしたとしても第二始動口2004への遊技球の入賞は不可能である。従って、非時短状態では、上記第二始動口2004ではなく、上記第一始動口2002に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2500の左側を狙って遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)することが好ましい。
一方、時短状態では、普通図柄の当選確率は100%であり、更に第二始動口2004の第二始動口扉部材2323を長期間(この例では5.5秒間)に亘って前進させるため、この場合には右打ちすることで第二始動口2004への遊技球の入賞が容易となる。従って、非時短状態では、上記第一始動口2002ではなく、上記第二始動口2004に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2500の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)することが好ましい。
なお、時短制御としては、上記普通図柄の当選確率を非時短状態よりも高める制御、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を非時短状態よりも短縮する制御、上記第二始動口2004の第二始動口扉部材2323を前進させる期間を非時短状態よりも延長する制御、上記第二始動口2004の第二始動口扉部材2323を前進させる回数を非時短状態よりも増加する制御、第一特別図柄表示器や第二特別図柄表示器における特別図柄の変動表示制御に要する時間(遊技盤側演出表示装置1600における装飾図柄の変動表示制御に要する時間)を非時短状態よりも短縮する制御、のうち何れか一つ又は任意の組み合わせ(全部でもよい)を実行するようにしてもよい。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御内蔵RAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じく主制御内蔵RAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS19の処理として、上記第一始動口センサ2107、上記第二始動口センサ2325、上記上大入賞口センサ2552及び下大入賞口センサ2354、一般入賞口センサ3050などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板951に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板951に搭載される払出制御MPUは、払出モータ834に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。本例では上記第一始動口2002に遊技球が入賞して上記第一始動口センサ2107がオン状態になると「3球」、上記第二始動口2004に遊技球が入賞して上記第二始動口センサ2325がオン状態になると「1球」、上記大入賞口(上大入賞口2006、下大入賞口2005)に遊技球が入賞して上大入賞口センサ2552又は下大入賞口センサ2354がオン状態になると「14球」、上記一般入賞口2001に遊技球が入賞して上記一般入賞口センサ3050がオン状態になると「10球」の賞球をそれぞれ遊技者に払い出すようになっている。
また、同主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS20の処理として、保留数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4mS毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図143は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図143に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPUはまず、上記第一始動口センサ2107による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ2325による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS40)を実行する。なお、大当り制御処理では、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果及び第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「4R通常大当り」、「4R潜確大当り」、及び「4R確変大当り」のいずれかを示唆する態様となったときに、下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド)を4回繰り返す4R大当り遊技状態(単に長時間開放の4R大当り遊技状態と呼ぶこともある)に制御し、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「16R突確大当り」を示唆する態様となったときに、下大入賞口2005を短時間開放(例えば0.5秒)した後に閉鎖させる開閉パターンを16回繰り返す16R大当り遊技状態(単に短時間開放の16R大当り遊技状態と呼ぶこともある)に制御し、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「8R確変大当り」を示唆する態様となったときに、下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを8回繰り返した後に下大入賞口2005を短時間開放(例えば0.5秒)した後に閉鎖させる開閉パターンを8回繰り返す8R大当り遊技状態(単に長時間開放の8R大当り遊技状態と呼ぶこともある)に制御し、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「16R確変大当り」を示唆する態様となったときに、上大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は上大入賞口2006に遊技球が9個入賞したことが上記上大入賞口センサ2552で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを16回繰り返す16R大当り遊技状態(単に長時間開放の16R大当り遊技状態と呼ぶこともある)に制御する処理を実行する。なお、4R大当り遊技状態として下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド)を4回繰り返すものを示したが、その後に下大入賞口2005を短時間開放(例えば0.5秒)した後に閉鎖させる開閉パターンを12回繰り返すことで実質的に4R大当り遊技状態の制御を実行することで、大当り遊技状態となった場合に大当りの種類に拘わらず必ず下大入賞口2005を開閉制御する開閉パターンを16回繰り返すようにしてもよいし、8R大当り遊技状態として下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを8回繰り返して、その後に下大入賞口2005を短時間開放(例えば0.5秒)した後に閉鎖させる開閉パターンを行わないようにしてもよい。即ち、下大入賞口2005に遊技球を受け入れ可能なラウンドの繰り返し回数が実質的に一致するものであればその回数等は上記したものに限られない。
また、本実施形態では、主として上記第一始動口2002への遊技球の入賞に基づく遊技が実行される左打ち状態と、主として上記第二始動口2004への遊技球の入賞に基づく遊技が実行される右打ち状態と、のいずれか一方の状態に制御する。具体的には、上記時短制御が実行されている場合には右打ち状態に制御される一方、時短制御が実行されていない場合には左打ち状態に制御される。左打ち状態では最大8ラウンドの長時間開放の大当り遊技状態が実行され、右打ち状態では最大16ラウンドの長時間開放の大当り遊技状態が実行されるため、右打ち状態に移行制御された場合には左打ち状態よりも多量の賞球獲得が可能となっている。
また、大当り制御処理では、このような大入賞口(上大入賞口2006、下大入賞口2005)の開放制御を行った後、高確率フラグ、時短フラグ、及び時短回数カウンタの各セット処理を実行する。高確率フラグは、高確率状態であることを示すフラグであり、後述する図148に示す大当り判定処理で用いられて次に大当りが発生するまではセットされる(後述する図153に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理)。
時短フラグは、時短制御の実行中(低確率時短状態、高確率時短状態)であることを示すフラグであり、大当り遊技状態終了後に時短制御(高確率時短状態、低確率時短状態)する大当り(4R確変大当り、16R突確大当り、8R確変大当り、16R大当り遊技状態)に基づく大当り遊技状態を終了するときにセットされ、次に大当りとなったときに後述する図153に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS37)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS38)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS37)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS39)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図144は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ2107がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図144に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一特別図柄の保留数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS42)。このステップS42の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS43〜S44の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS43の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS44の処理として、上記ステップS41で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納し、処理を終了する。
一方、上記ステップS42の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には(所謂「あぶれ球」が発生した場合)、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS43〜ステップS44の処理を実行することなく、上記ステップS41で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの第一特別図柄非抽選記憶領域に格納し(ステップS45)、処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図145は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2325がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図145に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS52)。このステップS52の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS53〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS53の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS54の処理として、上記ステップS51で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納し、処理を終了する。
一方、上記ステップS52の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には(所謂「あぶれ球」が発生した場合)、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS53〜ステップS54の処理を実行することなく、上記ステップS51で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの第二特別図柄非抽選記憶領域に格納し(ステップS55)、処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて第一特別図柄の保留数が変化すると上記記憶処理(ステップS20)にて第一特別図柄の保留数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信し、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二特別図柄の保留数が変化すると上記記憶処理(ステップS20)にて第二特別図柄の保留数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信する。また、第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて上記第一特別図柄非抽選記憶領域に乱数が記憶されると当該乱数を通知するコマンド(第一あぶれ球指定コマンド)も上記記憶処理にてセットされて周辺制御基板1510に送信され、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて上記第二特別図柄非抽選記憶領域に乱数が記憶されると当該乱数を通知するコマンド(第二あぶれ球指定コマンド)も上記記憶処理にてセットされて周辺制御基板1510に送信される。なお、第一あぶれ球コマンド及び第二あぶれ球コマンドを上記記憶処理で周辺制御基板1510に送信したときには上記第一特別図柄非抽選記憶領域及び第二特別図柄非抽選記憶領域の記憶内容をクリアする。
図146は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS38)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上記第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御内蔵RAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記遊技盤側演出表示装置1600に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.第一特別図柄表示器における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図142参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図147は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図147に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同主制御内蔵RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域d)を有し、第一始動口2002への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。同様に第二特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第二特別図柄保留記憶領域a〜第二特別図柄保留記憶領域d)を有し、第二始動口2004への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。
これにより、上記第二特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である大当り判定処理を行う。
その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図148は、上記大当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS111)、図149(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111)、図149(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS113)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS114)。
図149(A)に示すように大当り判定テーブルは、主制御内蔵ROMに記憶され、特別乱数の種類毎(第一特別乱数、第二特別乱数)に遊技状態が低確率時(低確率非時短状態及び低確率時短状態)の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、1種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、399種類の第一特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率;400分の1)。また、本例では特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルと同様に1種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、399種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率;400分の1)。
また、第一特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、10種類の第一特別乱数が大当り判定値と一致し、390種類の第一特別乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率;40分の1)。また、本例では特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルと同様に10種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、390種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率;40分の1)。なお、第一特別乱数と比較するために参照される大当り判定テーブルと、第二特別乱数と比較するために参照される大当り判定テーブルに設定される大当り判定値(大当り判定値の個数を同数として大当り判定値を異ならせるものであってもよいし(大当り確率は共通)、大当り判定値の個数を異ならせるものであってもよい(大当り確率を異ならせる))を異ならせるようにしてもよく、この場合には低確率時の大当り判定テーブルと高確率時の大当り判定テーブルのうち少なくとも一方の大当り判定値を異ならせるようにすればよい(両方異ならせるようにしてもよい)。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS116)、大当り判定処理を終了する。
また、上記ステップS115で、はずれとすると判定した場合には、リーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS119)。
図示しないリーチ判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、遊技状態が高確率非時短状態時の場合に使用する高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が高確率時短状態時の場合に使用する高確率時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が低確率状態時(低確率非時短状態及び低確率時短状態)の場合に使用する低確率状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。そして、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、低確率状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む5種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、低確率状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が高確率時短状態時よりも高められる。
さらに、高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時及び低確率状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む6種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、66種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が高確率時短状態時及び低確率状態(低確率時短状態、低確率非時短状態)よりも高められる。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択したリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS119)、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS120)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS121)。
図150は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図150に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS131)を判別することにより行う。
主制御MPUは、ステップS131で大当りフラグがセットされていれば、図149(B)に示す図柄決定テーブルを選択して、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と選択した図柄決定テーブルとを比較することにより第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)としての大当り図柄を決定する(ステップS132)。
図149(B)に示すように図柄決定テーブルには、判定結果(4R通常大当り、4R潜確大当り、4R確変大当り、16R突確大当り、8R確変大当り、16R確変大当り)に応じて各々図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPUでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが異なるように設定している。
具体的には、
1.下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを4回繰り返すことで遊技球が下大入賞口2005に入球可能(容易)な4R大当り遊技状態に制御し、次に大当り遊技状態が発生するまで低確率非時短状態(所謂通常状態)に制御する4R通常大当り
2.下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを4回繰り返すことで遊技球が下大入賞口2005に入球可能(容易)な4R大当り遊技状態に制御し、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率非時短状態に制御し、高確率状態に制御されていることを判別困難な演出を実行する4R潜確大当り
3.下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを4回繰り返すことで遊技球が下大入賞口2005に入球可能(容易)な4R大当り遊技状態に制御し、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御する4R確変大当り
4.下大入賞口2005を短時間開放(例えば0.5秒)した後に閉鎖させる開閉パターンを16回繰り返すことで遊技球が下大入賞口2005に入球困難な16R大当り遊技状態に制御し、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御し、遊技の途中で大当り遊技状態の発生なしに突然高確率時短状態に移行制御されたかの演出を実行する16R突確大当り
5.下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は下大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを8回繰り返した後、下大入賞口2005を短時間開放(例えば0.5秒)した後に閉鎖させる開閉パターンを8回繰り返すことで遊技球が下大入賞口2005に入球可能(容易)な8R大当り遊技状態に制御し、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御する8R確変大当り
6.上大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は上大入賞口2006に遊技球が9個入賞したことが上記上大入賞口センサ2552で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを16回繰り返すことで遊技球が上大入賞口2006に入球可能(容易)な16R大当り遊技状態に制御し、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御する16R確変大当り
なお、上記左打ち状態では遊技球がゲート部2003を通過することがなく、第二始動口扉部材2323の駆動は行われない。そのため、左打ち状態では第二始動口2004への遊技球の入賞は発生せず、第一始動口2002への遊技球の入賞のみが発生することになり、第二特別図柄の保留球がある場合を除き第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示のみが実行され、第一特別図柄に関連した大当り(4R通常大当り、4R潜確大当り、4R確変大当り、16R突確大当り、8R確変大当り)が発生することになる。
同様に、上記右打ち状態では第一始動口2002に遊技球は入賞しない。そのため、右打ち状態では第二始動口2004への遊技球の入賞のみが発生することになり、第一特別図柄の保留球がある場合を除き第二特別図柄表示器における第二特別図柄の変動表示のみが実行され、第二特別図柄に関連した大当り(4R通常大当り、4R潜確大当り、4R確変大当り、16R確変大当り)が発生することになる。
また、第一特別図柄に関連した大当りでは最大で下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを8回繰り返し可能であるのに対し、第二特別図柄に関連した大当りでは最大で上大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを16回繰り返し可能であり、さらに第一特別図柄に関連する上記下大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを8回繰り返す8R確変大当りに決定される割合(31%)よりも第二特別図柄に関連する上記上大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを16回繰り返す16R確変大当りに決定される割合(63%)を2倍程度高く設定するため、主として上記第二始動口2004への遊技球の入賞に基づく遊技が実行される右打ち状態では主として上記第一始動口2002への遊技球の入賞に基づく遊技が実行される左打ち状態に比べて多量の賞球の獲得が可能である。
なお、第一特別図柄停止図柄設定処理において4R通常大当りに決定した場合には大当り図柄として4R通常大当り図柄に決定し、4R潜確大当りに決定した場合には大当り図柄として4R潜確大当り図柄に決定し、4R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として4R確変大当り図柄に決定し、16R突確大当りに決定した場合には大当り図柄として16R突確大当り図柄に決定し、8R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として8R確変大当り図柄に決定する。また、図示しないが第二特別図柄停止図柄設定処理において4R通常大当りに決定した場合には大当り図柄として4R通常大当り図柄に決定し、4R潜確大当りに決定した場合には大当り図柄として4R潜確大当り図柄に決定し、4R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として4R確変大当り図柄に決定し、16R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として16R確変大当り図柄に決定する。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定した後(ステップS136)、上記大当り間回数計数カウンタを1加算して(ステップS135b)、ステップS137に移行する。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS137の処理として、上記抽選結果(大当りの種類、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS138の処理として、上記第1変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
周辺制御基板1510に搭載される周辺制御部1511は、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて遊技盤側演出表示装置1600を表示制御する(左・中・右の装飾図柄を変動表示して左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示させる(なお左・中・右の装飾図柄を同一図柄で同期して変動表示し同時に停止表示する場合もある))。具体的には、周辺制御部1511は、遊技盤側演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りのうち4R通常大当りを特定した場合には4R通常大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が「0」〜「9」の図柄のうち同一の偶数図柄となる組合せ)に決定し、大当りのうち4R潜確大当りを特定した場合には4R潜確大当り図柄(4R通常大当り図柄と同様の左・中・右の装飾図柄が「0」〜「9」の装飾図柄のうち同一の偶数図柄となる組合せ)に決定し、大当りのうち4R確変大当りを特定した場合には4R確変大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が全て「1」又は「9」となる組合せ)に決定し、大当りのうち16R突確大当りを特定した場合には16R突確大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が「1」、「3」、及び「5」の全ての図柄を含む組合せ)に決定し、大当りのうち8R確変大当りを特定した場合には8R確変大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が全て「5」となる組合せ)に決定し、大当りのうち16R確変大当りを特定した場合には16R確変大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が全て「7」となる組合せ)に決定する。また、リーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(左・右の装飾図柄が「0」〜「9」の同一の図柄の組み合わせであって中装飾図柄が異なる図柄の組み合わせ;リーチハズレ図柄)に決定し、はずれを特定した場合には、リーチを伴わないはずれ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を遊技盤側演出表示装置1600に表示制御する。
図151は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図151に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS132で決定した大当りの種類に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS145)、リーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS146)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS147)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS148)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS149)。また、主制御MPUは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150)。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS155)、この処理を終了する。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器にて第一特別図柄の変動表示制御が行われるとともに該特別図柄の変動表示に同期して上記遊技盤側演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPUは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、241種類の変動乱数のうち164種類の変動乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜163)として設定され、59種類の変動乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164〜222)として設定され、18種類の変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223〜240)として設定される。なお、スーパーリーチ演出とは、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、大当り遊技状態の発生を望む遊技者に対してはスーパーリーチ演出が実行されたときに大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、第一特別乱数及び第一図柄乱数に対応して設けられて第一特別図柄の変動時間を決定するときに用いられるはずれ時の変動パターンテーブルでは、非時短状態と時短状態とに共通して12秒の変動時間が設定されている。一方、第二特別乱数及び第二図柄乱数に対応して設けられて第二特別図柄の変動時間を決定するときに用いられるはずれ時の変動パターンテーブルでは、時短状態として0.3秒の変動時間が設定され、非時短状態として12秒の変動時間が設定されている。このように第一特別図柄の変動時間は、時短状態中と非時短状態中とで同一とされ、時短状態中の第二始動口2004への遊技球の入賞を促すとともに遊技者が第二始動口2004へ遊技球を入賞させるための時間を確保している。
また、上記したように右打ち状態では遊技球1個が通過できるような間隔だけが設けられて遊技球の転動が制限され、極めて高い確率でゲート部2003及び第二始動口2004へと案内される。即ち、右打ち状態では極めて高い確率でゲート部2003を遊技球が通過するように構成されるとともに、普通図柄が当りとなり、第二始動口2004の第二始動口扉部材2323が前進された状態では、極めて高い確率(センター役物2500の右側へ打込まれた遊技球の略全て)で第二始動口2004へ遊技球が受け入れられるように構成される。また、時短状態では普通図柄の当選確率が100%当りとなるように設定され、普通図柄が当りとなると第二始動口2004の第二始動口扉部材2323が長期間(本例では5.5秒間)に亘って前進した状態に維持され、第二始動口2004への遊技球の受入れが可能になる。なお、本例では遊技者がハンドル302を操作しているときには0.6秒間隔で遊技球が発射される。そして、発射された遊技球がセンター役物2500の右側へ打込まれると極めて高い確率で第二始動口2004へ遊技球が受け入れられるため、時短状態で第二始動口2004の第二始動口扉部材2323が前進し、第二始動口2004への遊技球の受入れが可能となっている状態では約0.6秒間隔で第二始動口2004への遊技球の入賞が発生することになる。本例では上記したように第二始動口2004への遊技球の入賞に基づく第二特別図柄のはずれ時の変動パターンテーブルには時短状態の変動時間として極めて短い0.3秒に設定されている。また、第二特別図柄の変動表示を停止してから再び変動表示を開始するまでのインターバル時間は約0.6秒に設定されている。即ち、時短状態では第二特別図柄の変動表示の実行間隔が非時短状態(変動時間12秒、インターバル時間0.6秒)に比べて極端に短縮され、第二始動口2004への遊技球の入賞間隔と時短状態では第二特別図柄の変動表示の実行間隔との差を狭めているため、第二始動口2004へ極めて短時間で多量の遊技球が入賞しても、第二特別図柄の変動表示を極めて短時間で実行して第二特別図柄の保留数の増大を防止し、上記時短状態では非時短状態に比べて単位時間当たりの変動表示回数が極めて増大する。これにより、上記右打ち状態に移行制御される高確率時短状態では以前の遊技機に比べて極めて短時間で次の大当りに当選可能となり、短時間で多量の賞球の獲得が可能になるため、遊技興趣を向上させることができる。
図152は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図152に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図153は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図153に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、上記遊技盤側演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
また、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。そして、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットするとともに上記高確率フラグがセットされていれば当該高確率フラグをリセットし、また、上記時短フラグがセットされていれば当該時短フラグをリセットし(ステップS189)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS187では、大当りの種類(4R通常大当り、4R潜確大当り、4R確変大当り、16R突確大当り、8R確変大当り、16R確変大当り)に応じた大当り開始コマンド(4R通常大当り開始コマンド、4R潜確大当り開始コマンド、4R確変大当り開始コマンド、16R突確大当り開始コマンド、8R確変大当り開始コマンド、16R確変大当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出が遊技盤側演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ921等により実行される。
[7.周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御部1511によって実行される処理について説明する。図154は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板1510に搭載される周辺制御部1511によって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図154に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御部1511は、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御部1511に内蔵されているRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16mS経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御部1511は、2mS経過毎に割込を発生させ、2mS定常処理を実行する。2mS定常処理では、16mS経過監視カウンタをカウントアップする(16mS経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16mS経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16mS経過したときに16mS経過フラグTをセットするとともに、16mS経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。
このように、16mS経過フラグTは、2mS定常処理にて16mS毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16mS経過フラグがセットされている(16mS経過フラグTが「1」)ときには、16mS経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16mS定常処理を行う(ステップS504)。
この16mS定常処理では、主制御基板1310から受信したコマンドにもとづいて遊技盤側演出表示装置1600及び演出操作ユニット400、ランプ・LED、スピーカ921等を制御する処理が実行される。16mS定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16mS経過フラグTがセットされる毎に、つまり16mS毎に上記したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16mS経過フラグTがセットされていない(16mS経過フラグTが「0」)ときには、16mS経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図155は、サブメイン処理にて16mS毎に実行される16mS定常処理の一例を示すフローチャートである。16mS定常処理において、周辺制御部1511は、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板1310から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS149、第二変動パターン設定処理)でセットされることにより送信された変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて遊技盤側演出表示装置1600及び演出操作ユニット400に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、スピーカ921等に関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、ランプ駆動基板3060にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16mS定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16mS以内に終了する。仮に、16mS定常処理を開始してから当該16mS定常処理の終了までに16mS以上かかったとしても、16mS定常処理を開始してから16mS経過したときに直ぐに16mS定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16mS定常処理の実行中に16mS経過したときには、16mS経過フラグのセットのみを行い、当該16mS定常処理の終了後にステップS502で16mS経過フラグがセットされていると判定されたときに16mS定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16mS定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16mS定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
[8.バトル演出]
次に当選時短縮制御について図156乃至図160を参照して説明する。図156乃至図157は、上記高確率時短状態に制御されている場合に、リーチ(リーチはずれ、リーチ当り)となることを示す判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとを受信したことが上記コマンド解析処理(ステップS601)で特定された場合に遊技盤側演出表示装置1600で実行されるバトル演出のタイミングチャートであり、図158乃至図160は、上記高確率時短状態に制御されている場合に、リーチとなることを示す判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとを受信したことが上記コマンド解析処理(ステップS601)で特定された場合に遊技盤側演出表示装置1600で実行されるバトル演出の一例を示す説明図である。
なお、本例では高確率時短状態中には遊技盤側演出表示装置1600にてメインキャラクタ1600aが歩く態様を表示すると共に、遊技盤側演出表示装置1600の左下部に左・中・右の装飾図柄を縮小して変動表示を実行する。そして、リーチとなることを示す判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとを受信した場合には、メインキャラクタ1600aと対峙するように敵キャラクタ1600bを表出してメインキャラクタ1600aと敵キャラクタ1600bとを対決させるバトル演出を実行する。そして、受信した判定結果通知コマンドが大当りを示す場合には、バトル演出の結果としてメインキャラクタ1600aが敵キャラクタ1600bに勝利する態様を表示し、受信した判定結果通知コマンドがはずれを示す場合には、バトル演出の結果としてメインキャラクタ1600aが敵キャラクタ1600bに敗北する態様を表示するようになっている。
また、上記バトル演出では、遊技盤側演出表示装置1600にメインキャラクタ1600aと敵キャラクタ1600bとを対峙させて表示した後、一旦ブラックアウト(画面を消灯することで遊技盤側演出表示装置1600に表示されている態様を視認できない状態)し、その後メインキャラクタ1600aと敵キャラクタ1600bとの一方を表示する。このブラックアウト後に表示されるキャラクタによって先制攻撃がなされることが示され、ブラックアウト後にメインキャラクタ1600aが表示された場合には、必ず大当りとなる。
一方、ブラックアウト後に敵キャラクタ1600bが表示された場合には、敵キャラクタ1600bの攻撃を回避すれば必ず大当りとなる。このように、遊技者はブラックアウト後にメインキャラクタ1600aが表示されたことによって大当りとなることを認識できると共に、ブラックアウト後に敵キャラクタ1600bが表示された場合でも敵キャラクタ1600bの攻撃を回避したことによって大当りとなることを認識できるようになる。
このように、バトル演出の途中で大当りとなることが確定したにも拘らずそれ以降にもバトル演出が継続されて長期間に亘って変動表示が実行されると、単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が減って、大当り遊技状態の獲得回数や獲得可能な賞球の期待値が減るため、遊技者に不利益を与え、遊技興趣を低下させるおそれがある。本例では、バトル演出の途中で大当りとなることが確定した場合には、その時点で大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)を開放制御して大当り遊技状態の制御を開始しながらも、バトル演出を最後まで実行すべくその演出を継続させるようにしている。以下、詳細に説明する。
本例では、高確率時短状態中にリーチとなる場合の変動パターンとして、バトル演出ショートとバトル演出ロングとが設けられ、バトル演出ショートは大当りとなる場合にだけ実行され、バトル演出ロングは大当りとなる場合とはずれとなる場合との両方で実行されるようになっている。まず、上記バトル演出ショートの変動パターンに基づいて実行されるバトル演出について図156及び図158(A)〜図159(I)を参照して説明する。なお、高確率時短状態では上記右打ちを行って第二始動口2004への遊技球の入球させる遊技が行われるため、遊技盤側演出表示装置1600にはその旨(右打ち→)が表示されている。
図158(A)に示すように遊技状態が高確率時短状態に制御されている場合には、周辺制御部1511はメインキャラクタ1600aが移動している態様を遊技盤側演出表示装置1600に表示する。そしてその状態で第二始動口2004へ遊技球が入賞したことに基づいて上記第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)が実行されると、図156に示すように主制御MPUは第二特別図柄表示器にて第二特別図柄の変動表示を開始すると共に、周辺制御基板1510に判定結果通知コマンドと変動パターンコマンド(この場合には大当りとなることを示す判定結果通知コマンドとバトル演出ショートの変動パターンを示す変動パターンコマンド)を送信する。主制御MPUから判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとを受信すると周辺制御部1511は、遊技盤側演出表示装置1600の左下部に縮小表示される左・中・右の装飾図柄を変動表示し、受信した変動パターンコマンドによって指定される変動時間が経過したときに装飾図柄を全て停止表示する。また、主制御MPUから受信した判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとによってリーチすること(リーチしてはずれ、リーチして大当り)が示された場合には、メインキャラクタ1600aが立ち止って何かに気付いた態様を表示する(図158(B))。
次いで周辺制御部1511は、メインキャラクタ1600aと対峙するように敵キャラクタ1600bを遊技盤側演出表示装置1600に表出させた後(図158(C))、遊技盤側演出表示装置1600の表示画面をブラックアウトする(図158(D))。そして、受信した判定結果通知コマンドによって高確率時短状態を継続する大当り(この例では4R確変大当り、16R確変大当り)となることが示されると共に変動パターンコマンドによってバトル演出ショートの変動パターンの実行を指示されていれば、周辺制御部1511は遊技盤側演出表示装置1600の表示画面を徐々に明るくしてメインキャラクタ1600aだけを浮かび上がらせると共に遊技盤側演出表示装置1600の左下部に縮小表示される左・中・右の装飾図柄を大当りの態様(大当り図柄)で停止表示して「大当り確定!」と表示することで大当りとなることを遊技者に通知する(図158(E))。
また、図156に示すように主制御MPUによって第二特別図柄表示器にて変動表示される第二特別図柄の変動時間は、遊技盤側演出表示装置1600で変動表示される装飾図柄の変動時間とほぼ一致し、遊技盤側演出表示装置1600の表示画面をブラックアウトした後にメインキャラクタ1600aだけを浮かび上がらせるというバトル演出の途中のタイミングで第二特別図柄表示器に第二特別図柄の大当り図柄が停止表示され、第二特別図柄の大当り図柄が停止表示されたことに基づいて主制御MPUは大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)の開放制御を開始する。また、主制御MPUによって大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)の開放制御を開始する場合には周辺制御部1511により「大当り確定!」と表示することで大当り遊技状態の制御を開始することを通知するため、大当り遊技状態の制御が開始されることを遊技者に認識させることができ、大当り遊技状態の制御が開始されることに気付かずに遊技者が不利益を被ることを抑止できる。なお、大当り遊技状態の制御が開始されることを遊技者に確実に認識させるものであれば上記した例に限らず、スピーカ921等の音声出力(大当りを開始します。右打ちしてください。)や、大当りを開始することを通知する表示(大当りを開始します。)などを実行するようにしてもよい。
周辺制御部1511は、図156に示すように主制御MPUによって大当り遊技状態の制御が開始された以降にもバトル演出を継続して実行し、メインキャラクタ1600aが敵キャラクタ1600bに攻撃する態様を表示する(図159(F))。次いで周辺制御部1511は、遊技盤側演出表示装置1600に「ボタンを押してとどめを刺せ!」と表示すると共にタイマをスタートして有効期間の計測を開始し(図159(G))、有効期間内に操作ボタン410が操作されて押圧検知センサ440からの検出信号が周辺制御部1511に入力されたことに基づいて昇降ユニット3510により裏下後回転装飾体ユニット3550を遊技者側から視認不能な退避位置(上昇端位置)から、円弧状に下方へスライドして遊技者側から視認可能となる出現位置(下降端位置)へ移動させると共に、回転連結部材3630を回転させて裏四隅第二装飾体ベース3631及び裏四隅第二装飾体ベース3631に取付けられている裏四隅第二装飾体3633を回転(回動)させる(図159(H))。
そして周辺制御部1511は、メインキャラクタ1600aが勝利した態様を表示しした後(図159(I))、図156に示すように大当り遊技状態の演出表示(大当り演出;ラウンド演出表示等)を実行する。このように、バトル演出ショートの演出が完結する以前に大当り遊技状態が開始されても、周辺制御部1511はバトル演出ショートの演出の続きを継続して実行し、操作ボタン410の操作に応じて裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させることによってバトル演出ショートの演出が完結する方向に進めるようになっている(図159(H))。換言すると、バトル演出が実行されると遊技者はバトル演出ショートの演出を完結すべく、操作ボタン410を操作して裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させる。このように遊技者による操作ボタン410の操作に応じてバトル演出ショートの演出を完結させることができるため、遊技者の意向を演出に反映させて満足感や達成感を得ることができ、従来の遊技機よりも魅力的な演出を実行できる。なお、図156に示すように操作ボタン410の有効期間は大当り遊技状態の1ラウンドを終了するまで継続されるものであるが、有効期間内に操作ボタン410が操作されなかった場合であっても有効期間経過後に裏下後回転装飾体ユニット3550を表出させるようにしてもよいし、有効期間内に操作ボタン410が操作されなかった場合には裏下後回転装飾体ユニット3550を表出させることなくメインキャラクタ1600aが勝利した態様を表示するようにしてもよい。
また本例では、バトル演出の途中で大当りとなることを遊技者に通知すると共に大当り遊技状態の制御を開始し、大当り遊技状態の実行中にバトル演出の続きを実行して演出結果を表示することで、本来であればバトル演出を全て実行した後に開始される大当り遊技状態の開始時期を早めると共に、大当り遊技状態の開始前に実行されるバトル演出の変動時間を短縮し、単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が低減することを抑止している。具体的には、本例ではバトル演出ショートの全ての演出を実行するために要する期間として58秒〜87秒の期間(操作ボタン410の操作タイミングによって異なる)が設定される。ところが、大当り遊技状態の開始前に実行される演出を実行する期間に対応する変動時間は12秒となっており、バトル演出ショートの変動パターンが選択されて第二特別図柄を変動表示した後、12秒経過したときに第二特別図柄が大当り図柄で停止表示されて大当り遊技状態の制御が開始される。そして、バトル演出ショートの演出のうち大部分(この例では46秒〜75秒であるが、全期間の半分以上であればよい)の演出は、大当り遊技状態中に実行され、大当り遊技状態の制御前に実行されるバトル演出ショートの演出期間は12秒であるのに対し、大当り遊技状態中に実行されるバトル演出ショートの演出期間は46秒〜75秒(操作ボタン410の操作タイミングによって異なる)となっている。
このように、バトル演出ショートの実行に要する全演出期間のうち大当り遊技状態中に実行される期間(大当り演出として実行される期間)を、大当り遊技状態の開始前に実行される期間(変動時間)よりも長くすることで変動表示に要する時間を低減し、単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が低減することを抑止できるようになっている。上記したように大当り遊技状態では、大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に遊技球が9個入賞したことが上記上大入賞口センサ2552又は下大入賞口センサ2354で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド)を複数回(この例では4回又は16回)実行するため、大当り遊技状態を開始してから終了するまでには必ず一定期間以上の期間が必要となる。そして、バトル演出ショートの全演出のうち一部の演出を大当り遊技状態の開始以前に変動表示演出(特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示に同期して遊技盤側演出表示装置1600で実行される演出表示)として実行して残りの演出を大当り遊技状態の開始後に大当り演出として実行すると共に、大当り遊技状態の開始以前に変動表示演出として実行されるバトル演出ショートの演出期間が、大当り遊技状態の開始後に大当り演出として実行されるバトル演出ショートの演出期間よりも相対的に短くなるようにバトル演出ショートの変動時間を設定している。これによって、遊技者にとってはハンドル302を操作して大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に遊技球を入賞させるだけに過ぎなかった大当り遊技状態の実行期間中にバトル演出ショートの一部の演出を実行して、大当り遊技状態の開始前にバトル演出ショートの演出を途中で終了されることなく最後まで実行可能としながらも、バトル演出ショートの全ての演出を変動表示演出として第二特別図柄の変動表示中に実行する場合に比べてバトル演出ショートの変動時間を46秒〜75秒短縮できるため、特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示を開始してから大当り遊技状態を終了するまでの期間を短縮させることができ、変動時間が短縮されることによって単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が低減することを抑止できるため、大当り判定処理の実行機会を増大させ得る。また、変動表示に要する時間を低減しても、変動表示の開始から大当り遊技状態の実行中までの長期間に亘ってバトル演出を実行することができるため、演出内容を簡素化することなくバトル演出を実行して変動時間を低減することができ、演出内容が簡素化することによる遊技興趣の低下を抑止できる。
また上記した例では、大当りとなることが確定した後にボタン操作を要求する演出(ボタン演出)が実行され、有効期間内に操作ボタン410が操作されたことに基づいて裏下後回転装飾体ユニット3550を遊技者側から視認不能な退避位置から視認可能となる出現位置へと移動させるようになっている。換言すると大当りとなることが確定したことを遊技者に通知して、有効期間内に操作ボタン410を操作すれば必ず裏下後回転装飾体ユニット3550が出現するということを遊技者が予め把握している状態でボタン演出を実行している。通常、ボタン演出は変動表示の結果が確定する以前に実行されるものであり、変動表示の結果がはずれとなる場合には有効期間内に操作ボタン410を操作しても裏下後回転装飾体ユニット3550を退避位置から出現位置に出現させる可能性が低くなるように設定され、変動表示の結果が大当りとなる場合には有効期間内に操作ボタン410を操作した場合には裏下後回転装飾体ユニット3550を退避位置から出現位置に出現させる可能性が高くなるように設定されている。
また、上記したように低確率時の大当り確率は400分の1に設定され、高確率時の大当り確率は40分の1に設定されるため、実行される変動表示の殆どは表示結果がはずれとなるものであり、ボタン演出が実行された場合に操作ボタン410を操作しても裏下後回転装飾体ユニット3550を退避位置から出現位置に出現させる可能性は低い。このように、ボタン演出が実行されたときに操作ボタン410を操作しても裏下後回転装飾体ユニット3550が退避位置から出現位置に出現されない場合には遊技者にストレスを感じさせ、また操作ボタン410を操作しても裏下後回転装飾体ユニット3550が退避位置から出現位置に出現される可能性が低いためボタン演出が実行されたときに遊技興趣を低下させるおそれがあった。
本例では、上記したように大当りとなることが確定した後にボタン演出を実行して有効期間内に操作ボタン410を操作した場合には必ず裏下後回転装飾体ユニット3550が退避位置から出現位置に出現することを遊技者が予め把握している状態でボタン演出を実行するため、大当りとなることが確定する以前に実行されたボタン演出にて溜まったストレスを発散すべく操作ボタン410を操作させることができる。また、大当りとなることが確定したことによって周囲の遊技者に注目された状態で操作ボタン410を操作して裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させることができるため、優越感を得ることができ、大当りとなったことの喜びをさらに高めることができる。
次に、上記バトル演出ロングの変動パターンに基づいて実行されるバトル演出について図157及び図158(A)〜図158(D)、図158(E’)、図159、図160を参照して説明する。なお、バトル演出ロングの変動パターンに基づいて実行される演出は、上記バトル演出ショートの変動パターンに基づいて実行される演出と同様の演出を含むものであるであるため、重複する部分についてはバトル演出ショートをバトル演出ロングと読み替えるものとし、以下にはバトル演出ショートの演出とは異なる部分についてのみ説明する。
主制御MPUから判定結果コマンドと変動パターンコマンド(この場合にはバトル演出ロングの変動パターンを示す変動パターンコマンド)を受信したことに基づいて周辺制御部1511によって図158(A)〜図158(D)を実行した後、遊技盤側演出表示装置1600の表示画面を徐々に明るくして敵キャラクタ1600bだけを浮かび上がらせた場合には(図158(E’))、敵キャラクタ1600bによる攻撃が行われる。なお、図157に示すように敵キャラクタ1600bによる攻撃は第二特別図柄の変動表示中に行われる。
受信した判定結果通知コマンドが高確率時短状態を継続する大当り(この例では4R確変大当り、16R確変大当り)を示すものであると共に変動パターンコマンドによってバトル演出ロングの変動パターンの実行を指示されている場合には、周辺制御部1511は敵キャラクタ1600bの攻撃をメインキャラクタ1600aが回避する態様を表示すると共に(図160(F’))、遊技盤側演出表示装置1600の左下部に縮小表示される左・中・右の装飾図柄を大当りの態様(大当り図柄)で停止表示して「攻撃回避!大当り確定!」と表示することで大当りとなることを遊技者に通知する(図160(G’))。その後、図159(F)〜図159(I)の演出を実行する。また、図157に示すように主制御MPUによって第二特別図柄表示器にて変動表示される第二特別図柄の変動時間は、遊技盤側演出表示装置1600で変動表示される装飾図柄の変動時間とほぼ一致し、メインキャラクタ1600aが敵キャラクタ1600bの攻撃を回避するというバトル演出の途中のタイミングで第二特別図柄表示器に第二特別図柄の大当り図柄が停止表示され、第二特別図柄の大当り図柄が停止表示されたことに基づいて主制御MPUは大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)の開放制御を開始する。
一方、受信した判定結果通知コマンドがはずれや高確率時短状態を終了する大当り(この例では4R通常大当り、4R潜確大当り)を示すものであると共に変動パターンコマンドによってバトル演出ロングの変動パターンの実行を指示されている場合には、周辺制御部1511は敵キャラクタ1600bの攻撃をメインキャラクタ1600aが受ける態様を表示した後(図160(F’’))、受信した判定結果通知コマンドがはずれであれば遊技盤側演出表示装置1600の左下部に縮小表示される左・中・右の装飾図柄をはずれの態様(この場合にはリーチはずれ図柄)で停止表示し、受信した判定結果通知コマンドが高確率時短状態を終了する大当り(この例では4R通常大当り、4R潜確大当り)であれば遊技盤側演出表示装置1600の左下部に縮小表示される左・中・右の装飾図柄を大当りの態様で停止表示して「敗北・・・」と表示することではずれや高確率時短状態を終了することを遊技者に通知する(図160(G’’))。その後、受信した判定結果通知コマンドがはずれであれば図158(A)に戻ってメインキャラクタ1600aが移動している態様を遊技盤側演出表示装置1600に表示し、受信した判定結果通知コマンドが高確率時短状態を終了する大当り(この例では4R通常大当り、4R潜確大当り)であれば大当り遊技状態を開始する旨を通知して大当り遊技状態の制御を実行した後に図158(A)に戻ってメインキャラクタ1600aが移動している態様を遊技盤側演出表示装置1600に表示する。
なお、大当りとなる場合に実行されるバトル演出ロングの全ての演出を実行するために要する期間として78秒〜107秒の期間(操作ボタン410の操作タイミングによって異なる)が設定される。ところが、大当り遊技状態の開始前に実行される演出を実行する期間に対応する変動時間は32秒となっており、バトル演出ロングの変動パターンが選択されて第二特別図柄を変動表示した後、32秒経過したときに第二特別図柄が大当り図柄で停止表示されて大当り遊技状態の制御が開始される。そして、バトル演出ロングの演出のうち大部分(この例では46秒〜75秒であるが、全期間の半分以上であればよい)の演出は、大当り遊技状態中に実行され、大当り遊技状態の制御前に実行されるバトル演出ロングの演出期間は32秒であるのに対し、大当り遊技状態中に実行されるバトル演出ロングの演出期間は46秒〜75秒(操作ボタン410の操作タイミングによって異なる)となっている。
このように、バトル演出ショートよりも演出期間が長いバトル演出を実行する場合であっても、バトル演出ロングの実行に要する全演出期間のうち大当り遊技状態中に実行される期間(大当り演出として実行される期間)を、大当り遊技状態の開始前に実行される期間(変動時間)よりも長くすることで変動表示に要する時間を低減し、単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が低減することを抑止できるようになっている。即ち、バトル演出ロングの全演出のうち一部の演出を大当り遊技状態の開始以前に変動表示演出(特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示に同期して遊技盤側演出表示装置1600で実行される演出表示)として実行して残りの演出を大当り遊技状態の開始後に大当り演出として実行すると共に、大当り遊技状態の開始以前に変動表示演出として実行されるバトル演出ロングの演出期間が、大当り遊技状態の開始後に大当り演出として実行されるバトル演出ロングの演出期間よりも相対的に短くなるようにバトル演出ロングの変動時間を設定している。これによって、遊技者にとってはハンドル302を操作して大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に遊技球を入賞させるだけに過ぎなかった大当り遊技状態の実行期間中にバトル演出ロングの一部の演出を実行して、バトル演出ロングの全ての演出を途中で終了することなく最後まで実行しながらもバトル演出ロングの全ての演出を変動表示演出として第二特別図柄の変動表示中に実行する場合に比べてバトル演出ロングの変動時間を46秒〜75秒短縮して特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示を開始してから大当り遊技状態を終了するまでの期間を短縮させることができ、変動時間が短縮されることによって単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が低減することを抑止できるため、大当り判定処理の実行機会を増大させ得る。また、変動表示に要する時間を低減しても、変動表示の開始から大当り遊技状態の実行中までの長期間に亘ってバトル演出を実行することができるため、演出内容を簡素化することなくバトル演出を実行して変動時間を低減することができ、演出内容が簡素化することによる遊技興趣の低下を抑止できる。
また、はずれや高確率時短状態を終了する大当り(この例では4R通常大当り、4R潜確大当り)となる場合に実行されるバトル演出ロングの全ての演出を実行するために要する期間として65秒が設定されている。換言すると、はずれや高確率時短状態を終了する大当り(この例では4R通常大当り、4R潜確大当り)となる場合に実行されるバトル演出ロングの変動時間は65秒に設定されている。なお、バトル演出ロングを実行して敵キャラクタ1600bの攻撃を回避できずにメインキャラクタ1600aが受ける態様を表示した後に、メインキャラクタ1600aを復活させて敵キャラクタ1600bを倒す演出を実行することで大当りとなることを通知するようにしてもよく、この場合にはメインキャラクタ1600aを復活させたときに第二特別図柄の大当り図柄を停止表示すると共に左・中・右の装飾図柄の大当り図柄を停止表示して大当り遊技状態の制御を開始した後に、敵キャラクタ1600bを倒す演出(例えば図159(F)〜図159(I)の演出)を実行するようにしてもよい。この場合には、大当り遊技状態中に実行される演出の期間よりも、大当り遊技状態の開始前に実行される演出の期間の方が長くなることもあるが、この場合であっても少なくとも全ての演出を大当り遊技状態の開始前に実行する場合に比べて演出期間を短縮させることができるため、単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が低減することを抑止できる。
以上、上記バトル演出について好適な実施形態を挙げて説明したが、本例はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、上記実施形態の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記した例では高確率時短状態中に行われるものを示したが、変動表示に関連して実行される演出を全て大当り遊技状態の開始前に実行する場合に比べて演出期間を短縮させる制御を実行するものであれば高確率時短状態に限られるものではなく、低確率非時短状態(いわゆる通常状態)、低確率時短状態(いわゆる時短状態)、高確率非時短状態、高確率時短状態(いわゆる確変状態)のうちのいずれか一つ又は任意の組み合わせ(全部でもよい)で実行するものであってもよい。また、高確率時短状態以外の場合にも上記演出期間を短縮させる制御を実行する場合には、遊技状態毎にその演出の出現頻度や大当り期待度を異ならせるようにしてもよい。例えば、非時短状態(高確率非時短状態、低確率非時短状態)では時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)よりも出現頻度を低くすると共に時短状態よりも大当り期待度を低くしてもよいし、大当りとなる場合に非時短状態ではバトル演出のロングバージョン(バトル演出ロング)の選択割合を高め、時短状態ではバトル演出のショートバージョン(バトル演出ショート)の選択割合を高めることで時短状態では非時短状態よりも特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示を開始してから大当り遊技状態を終了するまでの期間を短縮させる効果を高めるようにしてもよい。
また、上記したようにバトル演出ショートとバトル演出ロングとのうち高確率時短状態を継続する大当りとなる変動パターンでは大当り遊技状態中にボタン演出を実行するが、操作ボタン410の操作タイミングに応じてバトル演出の終了後に実行される大当り演出の演出内容を異ならせるようにしてもよい。例えば、ボタン演出が実行されたときに大当り遊技状態の所定ラウンド(例えば3ラウンド)が終了するまで操作ボタン410の有効期間として設定し、早いラウンド(例えば2ラウンドが終了するまで)で操作ボタン410が操作された場合には大当り遊技状態の残りのラウンドを実行するまでの間に終了する一連の大当り演出(動画など)を実行し、遅いラウンド(例えば3ラウンド)で操作ボタン410が操作された場合には同様の演出を実行しながらも大当り遊技状態の残りのラウンドを実行したときに一連の大当り演出が途中で終了するようにしてもよい。このように操作ボタン410の操作タイミングが遅い場合には大当り演出が途中で終了するため、早いタイミングで操作ボタン410を操作させることができる。
また、上記したような操作ボタン410の操作タイミングに拘わらず共通の大当り演出を実行しながらも操作ボタン410の操作タイミングに応じて大当り演出が完結するまで実行されるか途中で終了するかを異ならせるものに限らず、操作ボタン410の操作タイミングに応じて異なる演出を実行するようにしてもよく、例えば操作ボタン410の操作タイミングが早い場合には遊技者を楽しませるような演出を表示する一方、操作ボタン410の操作タイミングが遅い場合には遊技者を不快にさせるような演出を表示することで早いタイミングで操作ボタン410を操作させるようにしてもよいし、操作ボタン410が操作されたタイミング(ラウンド、経過時間、操作ボタン410を操作するまでに大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に入球した遊技球の個数など)に応じてバトル演出の終了後に実行される大当り演出の種類を異ならせることで大当り演出として実行される種類についても考えながら遊技者自身により決定したタイミングで操作ボタン410を操作させてバトル演出を完結させるようにしてもよい。このように、操作ボタン410を操作したタイミングに応じてその後の展開を異ならせることにより、遊技者に操作ボタン410を操作するタイミングについても考えさせて大当り遊技状態中の遊技を楽しませることができるため、従来の大当り遊技状態で実行されている大当り演出よりも魅力的な演出を実行することができる。
また、操作ボタン410の操作タイミングに応じてバトル演出の態様を変化させるようにしてもよく、例えば操作ボタン410の操作タイミング(ラウンド、経過時間、操作ボタン410を操作するまでに大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に入球した遊技球の個数など)が早い又は遅いほど裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させるときのエフェクト表示(例えば裏下後回転装飾体ユニット3550の周囲に炎を表示する場合に炎の大きさや色)が派手になるようにしてもよい。操作ボタン410の操作タイミングが早いほど裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させるときのエフェクト表示を派手にすることにより早いタイミングで操作ボタン410を操作させることができ、操作ボタン410の操作タイミングが遅いほど裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させるときのエフェクト表示を派手にすることにより遅いタイミングで操作ボタン410を操作させることができる。このように、演出を適宜設定することで所定のタイミングで操作ボタン410を操作するように遊技者を誘導することが可能になる。
また、操作ボタン410の操作タイミングとして操作ボタン410を操作するまでに大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に入球した遊技球の個数に応じてその後の演出(バトル演出、大当り演出のいずれか一方又は双方)の態様を異ならせる場合には、高確率時短状態の制御を開始してから実行された全ての大当り遊技状態で大入賞口(上大入賞口2006又は下大入賞口2005)に入球した遊技球の個数に応じて変化させるようにしてもよい。この場合には、高確率時短状態にて実行される大当り遊技状態の回数が増えるほど演出の態様を異ならせることができるため、大当り遊技状態の回数に応じて実行される演出の態様によって遊技者に優越感や満足感を与えることができ、大当りとなったことの喜びをさらに高めることができる。
また、上記した例ではボタン演出が実行されて有効期間内に操作ボタン410が操作された場合にはその時点で有効期間が終了して裏下後回転装飾体ユニット3550を所定回数(本例では一度だけ)出現させるように構成したが、これに限らず裏下後回転装飾体ユニット3550が出現した場合であっても有効期間を終了させることなく、有効期間内であれば裏下後回転装飾体ユニット3550が退避した後に再び操作ボタン410を操作することで裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させるようにしてもよいし、大当り遊技状態中の所定のラウンド(全てのラウンドであってもよいし、特定のラウンド(例えば10ラウンドが終了するまでや奇数ラウンドなど)で操作ボタン410を操作した場合には裏下後回転装飾体ユニット3550を出現させるようにしてもよい。これにより、大当りとなったことの喜びをさらに高めることができ、操作ボタン410の操作による裏下後回転装飾体ユニット3550の出現によって大当りとなったことを周囲にアピールして優越感を与えることができる。
また、上記した例では大当りとなる場合に限らず、はずれとなる場合にもバトル演出(バトル演出ショート、バトル演出ロング)を実行し得る構成としたが、高確率時短状態中には大当りとなる場合にだけバトル演出の変動パターンを実行し得るものとし、はずれとなる場合にはバトル演出を実行し得ないようにしてもよい。このように構成することにより、バトル演出が実行された場合には必ず大当りとなるため、余裕をもって演出に注目させることができると共に大当り遊技状態の制御が開始されるタイミングや大当りの種類(4R通常大当り、4R潜確大当り、4R確変大当り、16R確変大当り)にも注目させることができる。
また、高確率時短状態中に判定結果通知コマンドによって高確率時短状態を終了する大当り(4R通常大当り、4R潜確大当り)が指示されると共に、変動パターンコマンドによってバトル演出(バトル演出ショート、バトル演出ロング)の変動パターンが指示された場合には、バトル演出の終了後に大当り遊技状態の制御を開始するように構成したが、この場合に実行される4R大当り遊技状態では16R大当り遊技状態に比べて大当り遊技状態を開始してから終了するまでに必要とされる期間が短いものであるため、バトル演出を最後まで変動表示演出として第二特別図柄の変動表示中に実行しても特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示を開始してから16大当り遊技状態を終了するまでの期間に比べて特別図柄(この場合には第二特別図柄)の変動表示を開始してから4大当り遊技状態を終了するまでの期間を短くすることができる。
[6.遊技内容]
次に、本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図114等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット300のハンドル302を遊技者が回転操作することで、皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球が、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球の打込み強さは、ハンドル302の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球、つまり、0.6秒間隔で遊技球を打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘(図示は省略)が遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球が障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘の他に、遊技球の当接により回転する風車(図示は省略)が適宜位置に備えられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球は、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、図示しない複数の障害釘に当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球が、センター役物2500の外周面に開口しているワープ入口2520に進入すると、ワープ出口2523からステージ2530に供給される。
ステージ2530に供給された遊技球は、ステージ2530上を転動して左右に行ったり来たりして前方へ放出される。ステージ2530の中央から遊技球が遊技領域5a内に放出されと、第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿321に払出される。
ステージ2530を転動している遊技球が、中央以外から遊技領域5a内に放出されと、始動口ユニット2100へ向かって流下する。センター役物2500のステージ2530から遊技領域5a内に放出された遊技球は、始動口ユニット2100の第一始動口2002や、開状態の下大入賞口2005等に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球が、ワープ入口2520に進入しなかった場合、サイドユニット上2300により左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット下2200の一般入賞口2001や第一始動口2002等に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿321に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球が、センター役物2500の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入する(打込まれる)と、その下流側に、ゲート部2003と第二始動口2004とが備えられている領域を流下することとなる。
そして、右打した遊技球が、ゲート部2003を通過すると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3〜10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球の受入れが可能となる。そして、第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、4個)の遊技球が、上皿321に払出される。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球が通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
また、遊技球がゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球がゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球が通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動当り」、「時間短縮当り」、等)を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「小当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、等がある。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、特別変動時間の経過後に、下大入賞口2005又は上大入賞口2006が所定の開閉パターンで遊技球の受入れが可能な状態となる。下大入賞口2005又は上大入賞口2006が開状態の時に、下大入賞口2005又は上大入賞口2006に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出基板によって払出装置830から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球が、上皿321に払出される。従って、下大入賞口2005又は上大入賞口2006が遊技球を受入可能としている時に、下大入賞口2005又は上大入賞口2006に遊技球を受入れさせることで、多くの遊技球を払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「小当り」の場合、下大入賞口2005又は上大入賞口2006が、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、遊技球を受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返す。一方、特別抽選結果が「大当り」の場合、下大入賞口2005又は上大入賞口2006が、遊技球を受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、下大入賞口2005又は上大入賞口2006への所定個数(例えば、10個)の遊技球の受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球を受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と遊技盤側演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組み合わせによって特別抽選結果を示唆する。
一方、遊技盤側演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基いて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。遊技盤側演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の図柄からなる図柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各図柄列を変動させ、変動表示されている図柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの図柄列の図柄が、特別抽選結果と対応した組み合わせとなるように夫々の図柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの図柄列が停止して各図柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が遊技盤側演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、小当り遊技、大当り遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、遊技盤側演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(図柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、遊技盤側演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット400の操作ボタン410や扉枠側演出表示装置460、センター役物2500の各種装飾体、裏ユニット3000の各種装飾体、裏下後可動演出ユニット3100、裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、及び裏下前可動演出ユニット3500、等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[8.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、一般入賞口2001等に遊技球を受入させるような遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの下方且つ前方に、遊技球を貯留可能な上皿321と下皿322とを備えていると共に、左右方向中央に配置された演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって下皿322内の下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとを含む下皿322の半分以上を前方(遊技者)から視認困難としている(見え難くしている)ため、パチンコ機1の外観をすっきりさせて見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。また、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ向かう遊技球を視認困難としているため、遊技者に対して下皿322内における遊技球の流れに気付かせ難くして気が散るのを防止することができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって、下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ遊技球を誘導する下皿322における底面の下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとの間の部位、球誘導部322c及び緩衝部322d等の誘導手段により誘導されている遊技球を視認困難としているため、下皿球抜き孔322aを開いたままの状態とすると、下皿球供給口323cから下皿322に供給された遊技球が、誘導手段に誘導されてスムーズ(即座)に下皿球抜き孔322aから下方へ排出されることとなり、遊技者に対して下皿322を通ることなく遊技球が下皿322の下方(ドル箱)へ排出されているように錯覚させることができる。これにより、遊技者に対して、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322a等を含む下皿322の半分以上を前方から視認困難としていることから、蓋然的に、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322a等が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に位置している。つまり、下皿322の半分以上を、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込ませるようにしているため、前方から見える下皿322の大きさに対して、実際の下皿322の大きさ(容量)が大きくなっているため、見た目に比べて下皿322内における遊技球の貯留量を十分に確保することができる。
また、下皿球抜き孔322aが開いている状態では、下皿球供給口323cから下皿322内に放出された遊技球を、下皿322における底面の下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとの間の部位、球誘導部322c及び緩衝部322d等の誘導手段によって下皿球抜き孔322aへスムーズに誘導して下皿322の下方(ドル箱)へ排出させることができるため、遊技球が下皿322内を回るように流通するのを防止することができ、下皿322内を流通する遊技球を前方(遊技者)から確実に視認困難な状態とすることができる。従って、遊技者に対して下皿322内における遊技球の流れに気付かせ難くすることができ、遊技者の気が散るのを防止して遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、下皿排出口を開いたままの状態とすると、下皿球供給口323cから下皿に供給された遊技媒体を、誘導手段によって遊技者に気付かせることなく即座に下皿排出口から下方へ排出させることができるため、遊技者に対して下皿を通ることなく遊技媒体が下皿の下方(ドル箱)へ排出されているように錯覚させることができる。これにより、遊技者に対して、遊技媒体が下皿を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって、下皿322の平面視における遊技球の貯留領域(貯留面積)の半分以上を前方から視認困難としていることから、前方から見える下皿322の大きさに対して、実際の下皿322は、見える大きさの倍以上あるため、従来のパチンコ機の下皿と同様に、遊技球の貯留量を十分に確保することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、一般入賞口2001等に遊技球を受入させるような遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの正面視下方で前方へ膨出している扉枠3の皿ユニット320における皿ユニットカバー326の前面の左右方向中央に、皿ユニットカバー326の全高と同じ高さの大型の演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けるための演出操作ユニット取付部326aを備えていると共に、皿ユニットカバー326の前面における演出操作ユニット取付部326aの左右両側で上下方向略中央よりも下側の皿前下装飾部326cを、後方へ抉れるように凹んだ形状としているため、演出操作ユニット取付部326aに取付けられた演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が、前方へ大きく突出しているように見せることができ、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立たせることができる。従って、従来のパチンコ機において上皿と下皿とが上下に並んで見えていた位置に、大型の演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が強調された状態で見えるため、遊技者に対して一見しただけで従来のパチンコ機とは異なっていることを認識させることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。そして、皿ユニットカバー326の前面における演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の左右両外側で後方へ凹んでいる皿前下装飾部326cから、下皿322を後方へ窪ませていると共に一部を演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込ませており、下皿322内における遊技球の貯留量(下皿322の容積)を十分に確保することができるため、下皿322が遊技球で満杯になるのを気にしながら遊技しなくても良く、遊技者を遊技に専念させることができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322の一部が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込んでいるため、遊技者が前方から下皿322内に手を入れた時に、指先が下皿322の後壁(皿ユニットベース323の前面)や下皿カバー340等に触れ難くすることができる。これにより、遊技者に対して触覚でも遊技球の貯留量が十分に確保されていることを認識させることができると共に、下皿322内に遊技球が貯留されている状態では、下皿322内に多くの遊技球が貯留されていることを認識できるため、遊技者に対して満足感を付与させることができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。また、下皿322に入れた手の指先が、下皿322の後壁や下皿カバー340等に触れ難いことから、遊技者に対して従来のパチンコ機における下皿と同じような感覚を与えることができるため、従来のパチンコ機に慣れた遊技者に対して、違和感を与えてしまうのを低減させることができ、遊技者を安心させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、下皿322を、奥側(後方)へ行くほど広くなるように形成しているため、前側が小さくても、遊技球の貯留量を十分に確保することができる。換言すると、下皿322の前端側の部位を小さくしているため、下皿322が開口している皿ユニットカバー326の前面(皿前下装飾部326c)において、下皿322を目立ち難くすることができ、相対的に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立ち易くすることができる。従って、下皿322における遊技球の貯留量を十分に確保しつつ演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を備えることができ、遊技者に対する訴求力を高めることができると共に、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322における演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に回り込んでいる部位の側方及び上方を下皿カバー340で覆っているため、遊技者が下皿322内に手を入れた時に、指先等が皿ユニットカバー326の内面や演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後面等に触れて怪我をするのを防止することができ、遊技者に対して安全な状態で遊技させることができる。また、下皿カバー340により、下皿322から皿ユニットカバー326内へ遊技球が侵入する(こぼれる)のを防止することができる。
更に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を、皿ユニットカバー326の前面の左右方向中央に配置しているため、遊技者側から演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)をより目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)による装飾を見え易くするとことができ、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の装飾や演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322に、上皿321と連通可能な下皿球供給口323cと、開閉可能に上下へ貫通している下皿球抜き孔322aと、を備えていることから、従来のパチンコ機における下皿と同じ機能を有しているため、従来のパチンコ機に慣れた遊技者が、本パチンコ機1で遊技した時に、下皿322の機能に対して戸惑うことはなく、従来と同じような感じで遊技を行うことができ、遊技者を遊技に専念させて遊技を楽しませることができる。また、下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとを演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に夫々配置しているため、正面から見ると下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとが、遊技者側から見えず、パチンコ機1の外観をすっきりさせて見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、扉枠3における遊技領域5aが臨む扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の貫通口111の下側で、前方に膨出している皿ユニット320の皿ユニットカバー326に取付けられている演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)のベースユニット430(第二ベースユニット450)に、遊技者に演出を提示可能な扉枠側演出表示装置460の外側を装飾している操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470)を取付けると共に、操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の外周を囲むように外径が約15cmで中央がベースユニット430(第二ベースユニット450)から遠ざかる方向(外方)へ膨出している透明なボタンレンズ411を有した操作ボタン410を取付け、ボタンレンズ411の外周縁に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412を備えていると共に、ボタンレンズ411側からベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ突出している筒状のボタンベース413を備えているため、第一ボタン装飾部411aやボタンベース413等によってボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470)の外縁や奥側(後側)等が見えるのを低減させることができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。従って、操作ボタン410や内部に備えられた操作ボタン内装飾部材432や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)等の見栄えをより向上させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410における第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、ボタンフレーム412、及びボタンベース413によってボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の外縁や奥側等を見え難くすることができることから、操作ボタン410の外径を大きくすることでボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間が相対的に大きくなっても、第一ボタン装飾部411a等によって良好に隠すことができるため、見栄えの悪化を防止しつも、外径が約15cmの大型の操作ボタン410(ボタンレンズ411)を問題なく具現化することができる。従って、操作ボタン410や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を大型化することができるため、本パチンコ機1を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けて訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、ボタンレンズ411側からベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ筒状に突出しているボタンベース413(本体部413a)を備えているため、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の間の隙間を斜めから見た時に、ボタンベース413の内壁によって操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)よりも外側にあるものを遮蔽して見えなくすることができ、操作ボタン410の見栄えをより一層良くすることができる。
また、透明なボタンレンズ411を、ベースユニット430(第二ベースユニット450)から遠ざかる方向(外方)へ膨出した立体形状(半球面体状)としていることから、ボタンレンズ411の外周縁付近の表面が、ボタンベース413の前端側の開口により形成される平面(ベースユニット430(第二ベースユニット450)とボタンレンズ411とが並んでいる方向と直交する平面、つまり、操作ボタン410の進退方向と直交する平面)に対して傾斜している状態となるため、遊技者側から見ると光が屈折し易くなる。従って、外周縁に備えられている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412とボタンベース413とを合わせて、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の外縁や奥側等を見え難くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、ボタンレンズ411を外方へ膨出した立体形状に形成していることから、操作ボタン410内の容積が大きくなるため、操作ボタン410内に配置される操作ボタン内装飾部材432や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を、より大きくしたり可動させ易くしたりすることが可能となり、操作ボタン410内により遊技者を楽しませられる扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を備え易くすることができ、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1を具現化することができる。
更に、ボタンレンズ411を立体形状に形成しているため、操作ボタン410に意匠性(装飾性)が付与されることとなるため、本パチンコ機1において操作ボタン410を目立たせて遊技者の関心を向けさせることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、ボタンレンズ411の外周縁に備えられている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412において、ボタンフレーム412を不透明としているため、ボタンフレーム412の部位では、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン410や操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)等の奥側が見えるのを確実に隠すことができ、操作ボタン410等の見栄えの悪化を低減させて見栄えを良くすることができる。
また、ボタンレンズ411の外周端から内側へ所定幅で全周に亘って不透明なボタンフレーム412を備えており、第一ボタン装飾部411a及び第二ボタン装飾部411bと協働して、遊技者側から操作ボタン410におけるボタンベース413の本体部413aと操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間を見え難くすることができるため、本体部413aと操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間を大きくすることが可能となり、その分、操作ボタン410や扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470が動くスペースを確保し易くすることができ、それらを良好に可動させることができる。
更に、ボタンレンズ411の外周を円筒状としているため、多角形状とした場合と比較して、外周に方向性が無くなることから操作ボタン410をスムーズに可動させ易くすることができる。従って、操作ボタン410を大型化しても問題なく押圧操作することができ、遊技者に対して操作ボタン410を用いる遊技者参加型演出を確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410を大型化していることから、遊技者に対して操作ボタン410を操作させる遊技者参加型演出を実行した時に、操作ボタン410の位置を確認しながら操作しなくても容易に操作ボタン410に触れて押圧操作させ易くすることができるため、遊技者に対して操作ボタン410を用いた遊技者参加型演出に参加させ易くすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、操作ボタン410内に扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を備えているため、遊技状態に応じて演出画像を提示することで、遊技者の関心を操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)に強く引付けさせることができ、扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)による演出を楽しませることができると共に、扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)による演出画像や発光演出等により遊技者に対して操作ボタン410の操作を促すことができ、遊技者参加型演出に遊技者を積極的に参加させて楽しませることで興趣の低下を抑制させることができる。また、操作ボタン410内で演出が実行されることで、遊技者によっては何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、大型の操作ボタン410の透明なボタンレンズ411(第一ボタン装飾部411aよりも内側の部位)を通して扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を視認することができるため、遊技者に対して本パチンコ機1の操作ボタン410が、従来のパチンコ機の操作ボタンとは明らかに異なるものであることを即座に認識させることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、遊技者の操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を用いた演出に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
[遊技盤側演出表示装置1600における保留記憶の表示]
また、図162(A)に示すように、遊技者から視認可能である遊技盤側演出表示装置1600の下部左側には第一特別図柄に関わる第1保留数表示領域1510(第一始動口2002に係る)が設定され、表示パネルの下部右側には第二特別図柄に関わる第2保留数表示領域1580(第二始動口2004に係る)が設定されている。
図162(A)では、第1保留数表示領域1510において、第一特別図柄について抽選結果の保留数に対応させて保留されていることを表す保留画像1521、1522が2つ表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「2」であることが示されている。また、第2保留数表示領域1580においては、第二特別図柄について抽選結果の第2保留数に対応させて保留されていることを表す保留画像が表示されておらず、第二特別図柄について抽選結果の保留数なしであることが示されている。
なお、第一特別図柄についての第1保留数表示領域1510における第1保留数の表示は、左方から中央寄りに向けて1番目の保留記憶、2番目の保留記憶、3番目の保留記憶、4番目の保留記憶のように保留画像1521〜1524が表示される。また、第二特別図柄についての第2保留数の第2保留数表示領域1580における保留数の表示は、中央寄りから右方に向けて1番目の保留記憶、2番目の保留記憶、3番目の保留記憶、4番目の保留記憶のように保留画像が表示されるようになっている。
また、本例において、保留記憶されていることを表す保留画像1521〜1524は、複数種類の表示態様を取り得る。例えば、画像の形状は同じであって表示色が異なる態様、画像の表示色が同じであって形状が異なる態様、画像の形状と表示色の両方が異なる態様、の複数種類の表示態様を取り得る。
なお、本実施形態では、第一特別図柄について保留記憶されていることを表す保留画像1521〜1524は、円形状で表示されるものとされ、保留画像1521〜1524の表示色が複数色に変化するものとしている。
図162(A)では、第一特別図柄について1番目の保留記憶と2番目の保留記憶についての保留画像1521と保留画像1522とが、保留記憶の通常の表示態様、例えば、円形状で表示色「青」(第1の保留画像)で表示され、遊技者から視認可能となっている。
次いで、図162(B)では、変動中の中装飾図柄1600bが図柄「5」で停止表示され、結果として、左装飾図柄が「7」、中装飾図柄が図柄「5」及び右装飾図柄が図柄「7」で停止表示され、装飾図柄の変動停止結果が「リーチはずれ」であることが遊技者に報知されたことを示している。
次に、図162(C)では、遊技盤側演出表示装置1600の表示パネルにおいて左装飾図柄1600a、中装飾図柄1600b及び右装飾図柄1600cの図柄変動が開始されたことが示されている。以下、このことを、保留記憶の消化という。
周辺制御部1511により、主制御基板1310から送信された判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとがコマンド解析処理にて特定され、これに応じて、遊技盤側演出表示装置1600の表示パネルにおいて左装飾図柄1600a、中装飾図柄1600b及び右装飾図柄1600cの図柄変動が開始される。
そうして、この後には、周辺制御部1511により、主制御基板1310から送信された第一保留数指定コマンド「1」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析され、このことに応じて、第一特別図柄について1番目の保留記憶が消化され、1番目の保留記憶として表示されていた保留画像1521が消滅すると共に、図165(A)において第一特別図柄について2番目の保留記憶として表示されていた保留画像1522が、新たな1番目の保留記憶となって保留画像1521(円形状で表示色「青」)として移動表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「1」となる。
[保留変更演出]
図163は、遊技盤側演出表示装置1600における保留数表示を用いた保留変更演出の一例を示す図である。図163(A)では、装飾図柄1600a〜1600cの変動中に、主制御基板1310から送信された第一保留数指定コマンド「2」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析され、さらにその後に、主制御基板1310から送信された第一保留数指定コマンド「3」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析されたことを表している。
このことに応じて、図163(A)において遊技盤側演出表示装置1600の表示パネルにおいて、第一特別図柄について、1番目の保留記憶として表示されていた保留画像1521の右側に新たに2番目の保留記憶となって保留画像1522(円形状で表示色「青」)が表示され、さらに、2番目の保留記憶として表示されていた保留画像1522の右側に新たに3番目の保留記憶となって保留画像1523(円形状で表示色「青」)が表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「3」となったことが示されている。
次に、図163(B)では、装飾図柄1600a〜1600cの変動中に、主制御基板1310から送信された第一保留数指定コマンド「4」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析され、これに応じて、第一特別図柄について、さらに、3番目の保留記憶として表示されていた保留画像1523の右側に新たに4番目の保留記憶となって保留画像1524(円形状で表示色「青」)が表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「4」となり、第一特別図柄について保留記憶数が上限に達したことが示されている。なお、以下の説明において、第1保留数表示領域1510を、単に、保留数表示領域1510ということにする。
[操作ボタン410と保留記憶を表す保留画像とを用いた保留変更演出]
従来の保留予告演出を行うようにした遊技機では、通常の遊技状態にあっては、大当りとなる確率は低く抑えられているし、リーチとなる確率もそれほど高くはない。そのため、遊技者が保留予告演出を見る機会が低いものだった。換言すると、保留予告演出が行われる確率が低いと云えるものだった。
さらに、操作ボタン410が操作されたことを条件として保留予告を行うようにしているものもある。以下、このような演出形態を遊技者が操作することにより演出内容が変化するため、「参加型演出」という。しかし、保留予告演出が行われる確率が低いため、遊技者によっては、せっかく演出用として備えられている操作ボタンを有効として操作できる機会に恵まれず、不満を抱いて、遊技の興趣を低下させてしまう虞があった。
そこで、以下に説明する実施形態は、参加型演出に参加できる機会を拡張することで、遊技の興趣の低下を抑止することを可能とする遊技機に係る発明に関わる。
本実施形態では、演出制御を司る周辺制御部1511が、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が所定数(例えば、上限である「4」であってもよいし、それよりも少ない数例えば「3」又は「2」であってもよい)に達したことを条件として、保留変更演出を行うか否かの抽選を行う。即ち、本例では、主制御基板1310から送信された第一保留数指定コマンド「4」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析されたことを条件として、保留変更演出(保留予告演出)を行うか否かの抽選(保留変更演出の抽選という)を行うようにしている。
保留変更演出の抽選で保留変更演出を行うことが決定された場合に、遊技者による操作ボタン410への操作を有効とし、操作ボタン410への操作が押圧検知センサ440によって検出される度に、保留記憶を表す保留画像の表示色を変化させる、という保留変更演出を行う。
[保留変更演出の画面]
また、本例の保留変更演出にあっては、始動入賞のタイミングに基づいて最終的に表示する保留画像の表示色(最終表示色という)を決定するようにしている。図163(C)には、保留変更演出を行うことが決定された場合に、遊技盤側演出表示装置1600において表示される保留変更演出画面の一例が示されている。
図163(C)に示すように、遊技盤側演出表示装置1600の右上部に左・中・右の装飾図柄を縮小して変動表示を実行する。さらに、遊技盤側演出表示装置1600の略中央に、「ボタンを押すと保留の色が変わるぞ!」という文字を表示させ、操作ボタン410への操作が有効であることを示唆すると共に、遊技者にボタン操作を促す、ことが示されている。
なお、上述の操作ボタンへの操作を有効とする有効期間をどのくらいの期間とするかは任意に設定することができるが、一例として、主制御基板1310から送信された次回の制御コマンドを受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析されるまで、とすることができる。
なお、上記制御コマンドとしては、例えば、停止表示コマンド、大当り開始コマンド、判定結果通知コマンド、第一保留数指定コマンドのうちの何れか、または、これらの制御コマンドから複数選ばれた組み合せとすることができる。本例では、説明を理解し易くするために、主制御基板1310から送信された次回の停止表示コマンドを受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析されるまで、とする。
図164は、図163(C)に続いて行われる遊技盤側演出表示装置1600における保留数表示を用いた保留変更演出の一例を示す図である。図164(A)では、遊技者へのボタン操作の示唆に応じて、遊技者が操作ボタン410への操作(1回目)を行った結果、図164(C)において、4番目の保留記憶となって通常の表示態様で表示されていた保留画像1524(円形状で表示色「青」)の表示色が「緑」に変化したことが示されている。
図163(C)並びに図164に明示されていないが、保留変更演出中には、遊技者によるボタン操作に対して対象となる保留記憶の保留画像の表示色がその都度変化するが、対象となる保留記憶の保留画像の最終的な表示色は、保留変更演出を行うことを決定したときに予め決められている。図示の具体的な一例では、対象となる保留記憶の保留画像の最終の表示色は、「赤」に決定されているものとする。そうして、対象となる保留記憶の保留画像の表示色は、結果として決定された最終の表示色で保留数表示領域1510に表示される。
なお、図164(A)では、引き続き、遊技盤側演出表示装置1600の表示パネルの略中央に、「ボタンを押すと保留の色が変わるぞ!」という文字が表示されており、操作ボタン410への操作が有効であることが示唆されていると共に、遊技者にボタン操作を促している、ことが示されている。
次に、図164(B)では、遊技者へのボタン操作の示唆に応じて、遊技者が操作ボタン410への操作(2回目)を行った結果、図164(A)においては、4番目の保留記憶として保留画像1524(円形状で表示色「緑」)で表示されていた保留画像1524の表示色が「黄」に変化したことが示されている。
なお、ここでは、遊技盤側演出表示装置1600の右上部に縮小して表示されている左・中・右の装飾図柄のうち、左装飾図柄が図柄「3」で停止表示され、中・右の装飾図柄は変動表示を続けている。
なお、図164(B)では、引き続き、遊技盤側演出表示装置1600の略中央に、「ボタンを押すと保留の色が変わるぞ!」という文字が表示されており、操作ボタン410への操作が有効であることが示唆されていると共に、遊技者にボタン操作を促している、ことが示されている。
次に、図164(C)では、遊技者へのボタン操作の示唆に応じて、遊技者が操作ボタン410への操作(3回目)を行った結果、図164(B)においては、4番目の保留記憶として保留画像1524(円形状で表示色「黄」)で表示されていた保留画像1524の表示色が「虹」に変化したことが示されている。
なお、ここでは、遊技盤側演出表示装置1600の右上部に縮小して表示されている左・中・右の装飾図柄のうち、右装飾図柄が図柄「3」で停止表示され、中の装飾図柄中の装飾図柄のみが変動表示を続けている。また、左・右の装飾図柄の停止図柄「3」によって、リーチが発生していることが示されている。
図165は、図164(C)に続いて行われる遊技盤側演出表示装置1600における保留数表示を用いた保留変更演出の一例を示す図である。図165(A)では、周辺制御部1511により、主制御基板1310から受信した停止表示コマンドがステップS601のコマンド解析処理にて特定されたことに応じて、変動中の中装飾図柄1600bが図柄「4」で停止表示され、遊技盤側演出表示装置1600の右上部における左・中・右の装飾図柄の縮小表示が解消されて、遊技盤側演出表示装置1600における中央の元の位置と大きさに戻って表示され、結果として、左装飾図柄が「3」、中装飾図柄が図柄「4」及び右装飾図柄が図柄「3」で停止表示され、装飾図柄の変動停止結果が「リーチはずれ」であることが遊技者に報知されたことを示している。
また、図165(A)では、停止表示コマンドがステップS601のコマンド解析処理にて特定されたことに応じて、遊技盤側演出表示装置1600の表示態様から、「ボタンを押すと保留の色が変わるぞ!」という文字が消滅しており、操作ボタン410への操作が有効でなくなったこと(操作ボタン410への操作を有効とする有効期間が終了したこと)が示唆されている、ことが示されている。
このように、制御コマンド(第一保留数指定コマンド「4」)によって指示された保留数が予め定めた所定数(例えば、4)に達していることを条件として、保留変更演出が行われるようになっている。そのため、保留変更演出が行われる機会が遊技者に対して広く与えられている。そうした上で、保留変更演出の実行中において、操作ボタン410への操作が行われる度に、保留数表示領域1510に表示された対象となる保留記憶(本例では4番目の保留記憶)の保留画像1524の表示色が変化する。そのため、保留変更演出中には、遊技者が操作ボタン410へ操作する機会が、1回のみならず複数回与えられていることになる。しかも、操作ボタン410を操作する度に、対象となる保留記憶の保留画像の表示色がその都度変化する。よって、保留演出参加型演出に参加できる機会が拡張されているため、遊技興趣の低下を抑止することができる。
[保留記憶の消化と保留画像との関係]
図165(B)〜(C)は、保留記憶が消化されていく様子を表している。まず、図165(B)には、図165(A)において保留記憶が4つであった後、2つの保留記憶が消化されたことが示されている。
周辺制御部1511により、主制御基板1310から送信された判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとがステップS601のコマンド解析処理にて特定され、これに応じて、遊技盤側演出表示装置1600において左装飾図柄1600a、中装飾図柄1600b及び右装飾図柄1600cの図柄変動が開始される。
そうして、この後には、周辺制御部1511により、主制御基板1310から送信された第一保留数指定コマンド「3」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析され、このことに応じて、第一特別図柄について1番目の保留記憶が消化され、1番目の保留記憶として表示されていた保留画像1521が消滅すると共に、図165(A)において第一特別図柄について2番目〜4番目の保留記憶として表示されていた保留画像1522(表示色「青」)、1523(表示色「青」)、1524表示色「虹」が、新たな1番目〜3番目の保留記憶となって保留画像1521(円形状で表示色「青」)、保留画像1522(円形状で表示色「青」)、保留画像1523(円形状で表示色「虹」)として移動表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「3」となる。
次いで、周辺制御部1511により、主制御基板1310から受信した停止表示コマンドがステップS601のコマンド解析処理にて特定されたことに応じて、変動中の中装飾図柄1600bが図柄「省略、但し、はずれ図柄」で停止表示され、結果として、左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄がはずれ図柄の組み合せで停止表示され、装飾図柄の変動停止結果が「はずれ」であることが遊技者に報知されたこととする。
次に、周辺制御部1511により、主制御基板1310から送信された判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとがステップS601のコマンド解析処理にて特定され、これに応じて、遊技盤側演出表示装置1600において左装飾図柄1600a、中装飾図柄1600b及び右装飾図柄1600cの図柄変動が開始される。
そうして、この後には、周辺制御部1511により、主制御基板1310から送信された第一保留数指定コマンド「2」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析され、このことに応じて、第一特別図柄について1番目の保留記憶が消化され、1番目の保留記憶として表示されていた保留画像1521(表示色「青」)が消滅すると共に、図165(A)において第一特別図柄について2番目〜3番目の保留記憶として表示されていた1523(表示色「青」)、1524(表示色「虹」)が、新たな1番目と2番目の保留記憶となって保留画像1521(円形状で表示色「青」)、保留画像1522(円形状で表示色「虹」)として移動表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「2」となる。図165(B)では、以上の経過過程の結果を示している。
この後、周辺制御M部1511により、主制御基板1310から受信した停止表示コマンドがステップS601のコマンド解析処理にて特定されたことに応じて、変動中の中装飾図柄1600bが図柄「省略、但し、はずれ図柄」で停止表示され、結果として、左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄がはずれ図柄の組み合せで停止表示され、装飾図柄の変動停止結果が「はずれ」であることが遊技者に報知されたこととする。
次に、周辺制御部1511により、主制御基板1310から送信された判定結果通知コマンドと変動パターンコマンドとがステップS601のコマンド解析処理にて特定され、これに応じて、遊技盤側演出表示装置1600において左装飾図柄1600a、中装飾図柄1600b及び右装飾図柄1600cの図柄変動が開始される。
そうして、この後には、周辺制御部1511により、主制御基板1310から送信された第一保留数指定コマンド「1」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析され、このことに応じて、第一特別図柄について1番目の保留記憶が消化され、1番目の保留記憶として表示されていた保留画像1521(表示色「青」)が消滅すると共に、図165(B)において第一特別図柄について2番目の保留記憶として表示されていた15223(表示色「虹」)が、図165(C)において新たな1番目の保留記憶となって保留画像1521(円形状で表示色「赤」)として移動表示され、第一特別図柄について抽選結果の第1保留数が「1」となる。
このように、本例では、保留変更演出中に操作ボタン410への遊技者の操作によって、上記の例では対象となる保留記憶の保留画像の表示色が「虹」に変えられるが、対象となった保留記憶の保留画像の最終の表示色は、保留変更演出を行うことを決定したときに予め決められている。
なお、遊技盤側演出表示装置1600にて展開される演出は、同遊技盤側演出表示装置1600にて表示されている抽選図柄のリーチ変動状態や大当り報知状態に密接に関わるものであり、遊技者の関心や注目度が非常に高い。
そのため、保留変更演出が終わった後であっても、換言すると、操作ボタン410の有効期間が終了した後であっても、第1保留数表示領域1510において保留記憶の消化に伴って1番目の保留記憶に向けて表示位置を逐次移動させる対象とした保留画像(表示色を変化させた保留画像)の表示色を変えずそのまま維持するようにしている。このため、遊技者が遊技を進行させる上で、遊技盤側演出表示装置1600から供される演出情報によって不利と感じるような影響が与えられることなく、遊技の興趣を低下させないように配慮している。
図示の具体的な一例では、対象となった保留記憶の保留画像が保留数表示領域1510において1番目の保留記憶となって表示されるときには、予め決定された最終の表示色「赤」に変更されて対象となった保留記憶の保留画像が表示される。このため、操作することで保留画像の色を変えたつもりの遊技者に、驚きと意外性を与えることになる。そのために、遊技者の遊技の興趣の低下を抑止することができる。
図166は、本例の保留変更演出と、対象となる保留画像の表示色の変化と、保留記憶の消化に伴って表示位置を変える対象となる保留画像の表示色とを模式的に表すタイムチャートである。
図166に示すように、主制御MPUによって第一特別図柄表示器において変動表示される第一特別図柄の変動時間と、遊技盤側演出表示装置1600で変動表示される装飾図柄の変動時間とはほぼ一致している。また、第一特別図柄の変動中に、第一始動口2002に遊技球が入賞したことに起因して、主制御MPUの第一特別保留数カウンタの値が「4」に更新され、主制御基板から第一保留数指定コマンド「4」が出力されている。
周辺制御部1511は、主制御基板1310から送信された第一保留数指定コマンド「4」を受信したことがコマンド解析処理(ステップS601)で解析されたことを条件として、保留変更演出を行うか否かの保留変更演出の抽選を行った結果として、保留変更演出の抽選で保留変更演出を行うことが決定され、本例では、4番目の保留記憶が演出対象の保留記憶とされ、遊技者による上皿演出ボタン257への操作(ボタン操作という)が有効とされている。また、予告対象に決定された4番目の保留記憶として通常の表示色の保留画像1524(円形状で表示色「青」)、同図では「青4」として記載されている、が表示されている。
また、本例の保留変更演出にあっては、始動入賞のタイミングに基づいて最終的に表示する保留画像の表示色(最終表示色という)を決定するようにしており、一例として、演出対象の保留画像の最終表示色が「赤」に決定されているものとする。
図166では、図柄変動中に、遊技者により1回目のボタン操作が行われた結果、「緑4」と記載された、演出対象に決定された4番目の保留記憶としての保留画像1524の表示色が「緑」に変化している。この後、遊技者により2回目のボタン操作が行われた結果、「黄4」と記載された、演出対象に決定された4番目の保留記憶としての保留画像1524の表示色が「黄」に変化している。さらにこの後に、遊技者により3回目のボタン操作が行われた結果、「虹4」と記載された、演出対象に決定された4番目の保留記憶としての保留画像1524の表示色が「虹」に変化している。
その後、第一特別図柄の変動が停止したことに基づき、主制御基板1310から停止表示コマンドが出力されている。周辺制御部1511は、停止表示コマンドがステップS601のコマンド解析処理にて特定されたことに応じて、遊技盤側演出表示装置1600の表示パネルにおいて装飾図柄の変動を停止させている。また、同時に、ボタン操作が有効でなくなったこと(操作ボタン410への操作を有効とする有効期間が終了したこと)が、示されている。
この後、主制御MPUによって第一特別図柄の保留数の消化に伴って、装飾図柄の変動表示が行われ、図166では、第一特別図柄表示器の第一特別図柄と装飾図柄の各変動表示が3回行われている。1回目の保留記憶の消化に伴って、第一保留数指定コマンド3(以下、単に、保留数指定コマンド3という)が出力され、これに応じて、保留数表示領域1510において保留画像の表示位置のシフトが行われ、演出対象に決定された4番目の保留記憶としての保留画像1524が、表示色を変えずに「虹3」と記載された3番目の保留記憶としての保留画像にシフトされて表示されている。
この後、2回目の保留記憶の消化に伴って、第一保留数指定コマンド2(以下、単に、保留数指定コマンド2という)が出力され、これに応じて、保留数表示領域1510において保留画像の表示位置のシフトが行われ、演出対象に決定された3番目の保留記憶としての保留画像1524が、表示色を変えずに「虹2」と記載された2番目の保留記憶としての保留画像にシフトされて表示されている。
さらに、3回目の保留記憶の消化に伴って、第一保留数指定コマンド1(以下、単に、保留数指定コマンド1という)が出力され、これに応じて、保留数表示領域1510において保留画像の表示位置のシフトが行われ、演出対象に決定された3番目の保留記憶としての保留画像1524が、決定された最終の表示色を変わって「赤1」と記載された1番目の保留記憶としての保留画像にシフトされて表示されている。
[周辺制御部1511による保留記憶予告に関わる各処理]
図167は、図155のステップS602の演出制御処理のうちの各処理として、周辺制御部1511が保留記憶に関わって実行する各処理を示すフローチャートである。周辺制御部1511は、演出制御処理において、保留数指定コマンド処理(ステップA100)、保留変更演出決定処理(ステップA200)、保留変更演出処理(ステップA300)、保留画像シフト処理(ステップA400)を順次実行する。なお、各処理における実質的な実行条件は以下に説明するとおりである。
図155に示した16ms定常処理におけるステップS601のコマンド解析で解析されたコマンドが第一保留数指定コマンド(以下、単に保留数指定コマンドということとする)であることが特定された場合に、ステップS602の演出制御処理にてステップA100の保留数指定コマンド処理が実行される。
ステップA100の保留数指定コマンド処理において、保留画像を変化させる保留変更演出の実行条件として、保留記憶の数が所定数(本例では、例えば「4」)に達していることが判定された場合には、ステップA200の保留変更演出決定処理が実質的に実行される。
ステップA200の保留変更演出決定処理が実質的に実行され、保留変更演出を行うことが決定された場合に、ステップA300の保留変更演出処理が実質的に実行される。ステップA100において、保留数が1つ減ったことが検出されることで、保留画像の表示位置についてシフトが必要であると判定された場合に、保留画像シフト処理が実質的に実行される。
[保留数指定コマンド処理]
保留数指定コマンド処理は、ステップS601のコマンド解析で解析されたコマンドが保留数指定コマンドであることが特定された場合に、実行される。なお、主制御基板1310から送信される。保留数指定コマンドは、主制御基板1310において管理する保留数(記憶数)が変化した場合に出力される制御コマンドで、保留数を指定するコマンドであり、
保留数「0(なし)」を指定する保留数指定コマンド「0」、
保留数「1」を指定する保留数指定コマンド「1」、
保留数「2」を指定する保留数指定コマンド「2」、
保留数「3」を指定する保留数指定コマンド「3」、
保留数「4」(上限数)を指定する保留数指定コマンド「4」、
の5種類がある。
図168乃至図169は、周辺制御部1511が実行する保留数指定コマンド処理のサブルーチンを示すフローチャートである。周辺制御部1511は、保留数指定コマンド処理を開始すると、先ず、ステップS601のコマンド解析で解析された保留数指定コマンドで指定された保留数が「0」(以下、単に、指定された保留数という)であるか否かを判定する(ステップA110)。
周辺制御部1511は、ステップA110にて、指定された保留数が「0」である、と判定した場合には、保留数を記憶するための第1保留数カウンタに値0をセットし(ステップA111)、内蔵RAM(図示せず)に設定された保留画像記憶エリアの1番目〜4番目をクリアし(ステップA112)、保留数指定コマンド処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。
図173は、周辺制御部1511が保留記憶に関わって各処理を実行するために必要な各テーブルや記憶エリアや処理動作を示す図である。図173(D)に示すように、内蔵RAMには、第1保留数カウンタに値1〜4にそれぞれ対応して1番目の保留画像記憶エリア〜4番目の保留画像記憶エリアが設けられている。
一方、周辺制御部1511は、ステップA110にて、指定された保留数が「0」でない、と判定した場合には、ステップA113に進み、指定された保留数が「4」であるか否か(予め定めた所定数に達したか否か)を判定する(ステップA113)。なお、本例では、保留数の値が、予め定めた所定数に達したことを条件として、保留画像による保留変更演出を行うように決定する。所定数としては、本例では例えば「4」として説明をするが、これに限らず。所定数はそれよりも少ない数例えば「3」又は「2」であってもよい。
周辺制御部1511は、ステップA113にて、指定された保留数が「4」である、と判定した場合には、保留数を記憶するための第1保留数カウンタに値4をセットし(ステップA114)、保留画像記憶エリアの4番目に保留画像(円形状)をセットし(ステップA115)、保留画像の表示色を通常(本例では「青」)に設定し(ステップA116)、後述の保留変更演出決定処理の実行フラグをセットし(ステップA117)、保留数指定コマンド処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。
一方、周辺制御部1511は、ステップA113にて、指定された保留数が「4」でない、と判定した場合には、ステップA113に進む。この場合は、指定された保留数が「1」、「2」、「3」のうちの何れかとなる。ステップA114において、周辺制御部1511は、指定された保留数と第1保留数カウンタの値とを比較する(ステップA120)。
そして、比較した結果が「+1」増加であるか否か判定する(ステップA121)。比較した結果が「+1」増加であると判定した場合、例えば、指定された保留数が「3」であり、第1保留数カウンタの値が2である場合等、保留数を記憶するための第1保留数カウンタに値を+1し(ステップA122)、第1保留数カウンタの値に対応する保留画像記憶エリア(図173(D)参照)に保留画像(円形状)をセットし(ステップA123)、保留画像の表示色を通常(本例では「青」)に設定し(ステップA124)、保留数指定コマンド処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。
一方、ステップA121にて、比較した結果が「+1」増加でないと判定した場合、例えば、指定された保留数が「3」であり、第1保留数カウンタの値が4である場合、或いは、例えば、指定された保留数が「2」であり、第1保留数カウンタの値が3である場合等、比較した結果が「−1」であることになる。
周辺制御部1511は、ステップA121をNOと判定し、保留数を記憶するための第1保留数カウンタに値を−1し(ステップA126)、後述の保留画像シフト処理を実行するためのシフトフラグに1(実行)をセットし(ステップA127)、保留数指定コマンド処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。
[保留変更演出決定処理]
図170は、周辺制御部1511が実行する保留変更演出決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。周辺制御部1511は、保留変更演出決定処理を開始すると、先ず、実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップA130)。実行フラグは、先に説明した保留数指定コマンド処理のステップA117でセットされるものである。
ステップA130にて、周辺制御部1511は、実行フラグがセットされていないと判定した場合、すなわち、ステップA130をNOと判定した場合、実質的な処理を行うことなく、保留変更演出決定処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。
ステップA130にて、周辺制御部1511は、実行フラグがセットされていると判定した場合、すなわち、ステップA130をYESと判定した場合、保留変更演出用乱数(例えば、0〜99)を取得し(ステップA131)、取得した保留変更演出用乱数の値と保留変更演出決定テーブルとを参照し(ステップA132)、保留変更演出を行うか否かを判定する(ステップA133)。
図173(A)はROM(図示せず)に記憶された保留変更演出決定テーブルの振り分け率の一例を表す図である。図173(A)に示すように、本例では、振分率70%の割合で保留変更演出を行うことが決定される。残りの振分率30%は別演出(保留変更演出ではない演出)が行われるようになっている。
ステップA133にて、周辺制御部1511は、保留変更演出を行わないと判定した場合、すなわち、ステップA133をNOと判定した場合、ステップA140に進み、保留変更演出決定処理の実行フラグをクリアし(ステップA140)、保留変更演出決定処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、後述の実質的な保留変更演出処理は実行されない。
ステップA133にて、周辺制御部1511は、保留変更演出を行うと判定した場合、すなわち、ステップA133をYESと判定した場合、ステップA134に進み、保留変更演出処理の実行フラグをセットする(ステップA134)。これにより、保留変更演出処理の実行が決定される。
次いで、周辺制御部1511は、最終表示色乱数(例えば、0〜6)を取得し(ステップA135)、取得した最終表示色決定用乱数の値と最終表示色決定テーブルとを参照し、最終表示色を決定し(ステップA136)、決定した最終表示色の保留画像をRAMの所定エリアに記憶する(ステップA137)。
図173(B)はROM(図示せず)に記憶された最終表示色決定テーブルの一例を表す図である。図173(B)に示すように、取得した最終表示色決定用乱数の値が、「0」であれば保留画像の最終表示色が「青」に決定され、「1」であれば保留画像の最終表示色が「黄」に決定され、「2」であれば保留画像の最終表示色が「緑」に決定され、「3」であれば保留画像の最終表示色が「オレンジ」に決定され、「4」であれば保留画像の最終表示色が「紫」に決定され、「5」であれば保留画像の最終表示色が「赤」に決定され、「6」であれば保留画像の最終表示色が「虹」に決定される。
次いで、周辺制御部1511は、最終表示色を記憶したことを表す記憶フラグに「1(記憶あり)」をセットし(ステップA138)、保留変更演出の対象が何番目の保留画像であるかを表す表示場所カウンタの値に表示箇所を表す数、本例では「4」をセットし(ステップA139)、ステップA140に進み、保留変更演出決定処理の実行フラグをクリアし(ステップA140)、保留変更演出決定処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、保留変更演出処理が実行される。
[保留変更演出処理]
図171は、周辺制御部1511が実行する保留変更演出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。周辺制御部1511は、保留変更演出処理を開始すると、先ず、実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップA150)。実行フラグは、先に説明した保留変更演出決定処理のステップA134でセットされるものである。
ステップA150にて、周辺制御部1511は、実行フラグがセットされていないと判定した場合、すなわち、ステップA150をNOと判定した場合、実質的な処理を行うことなく、保留変更演出処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、実質的に保留変更演出は行われない。
ステップA150にて、周辺制御部1511は、実行フラグがセットされていると判定した場合、すなわち、ステップA150をYESと判定した場合、ボタン操作(操作ボタン410が押下されたか)があるか否かを判定する(ステップA151)。すなわち、実行フラグがセットされている状態が、遊技者による操作ボタン410への操作を有効とする状態となる。
ステップA151にて、周辺制御部1511は、ボタン操作がありと判定した場合、すなわち、ステップA151をYESと判定した場合、操作用乱数(例えば、0〜6)を取得し(ステップA152)、取得した操作用乱数の値と操作時表示色選択テーブルとを参照し(ステップA153)、表示色を決定し(ステップA154)、決定した表示色の保留画像を図173(D)に示す4番目の保留画像記憶エリアに記憶し(ステップA155)、ステップA156に進む。
図173(C)はROM(図示せず)に記憶された操作時表示色選択テーブルの一例を表す図である。図173(C)に示すように、取得した操作用乱数の値が、「0」であれば保留画像の表示色が「虹」に決定され、「1」であれば保留画像の表示色が「黄」に決定され、「2」であれば保留画像の表示色が「緑」に決定され、「3」であれば保留画像の最終表示色が「オレンジ」に決定され、「4」であれば保留画像の最終表示色が「紫」に決定され、「5」であれば保留画像の最終表示色が「緑」に決定され、「6」であれば保留画像の最終表示色が「虹」に決定される。
一方、周辺制御部1511は、ステップA151にて、ボタン操作がなしと判定した場合、すなわち、ステップA151をNOと判定した場合には、ステップA152〜ステップA155の処理を行うことなく、直接ステップA156に進む。
ステップA156に進むと、周辺制御部1511は、停止表示コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップA156)。すなわち、周辺制御部1511は、ステップS601のコマンド解析で解析されたコマンドが停止表示コマンドであることが特定された場合に、停止表示コマンドの受信がある、判定する。
ステップA156にて、周辺制御部1511は、停止表示コマンドの受信があると判定した場合、すなわち、ステップA156をYESと判定した場合には、保留変更演出処理の実行フラグをクリアし(ステップA157)、保留変更演出処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、これ以降の保留変更演出は行われない。また、本例では、遊技者による操作ボタン410への操作を有効とする状態が終わりとなる。
ステップA156にて、周辺制御部1511は、停止表示コマンドの受信がないと判定した場合、すなわち、ステップA156をNOと判定した場合には、ステップA157の処理を行うことなく、保留変更演出処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、実行フラグがセットされているため、引き続き、保留変更演出処理のサブルーチンが実行される。このため、ボタン操作がある度に、ステップA152〜ステップA155が実行される。そのため、保留画像の表示色が変化する。
このように、制御コマンド(第一保留数指定コマンド「4」)によって指示された保留数が予め定めた所定数(例えば、4)に達していることを条件として、保留変更演出が行われるようになっている。そのため、保留変更演出が行われる機会が遊技者に対して広く与えられている。そうした上で、保留変更演出の実行中において、操作入力装置(操作ボタン410)への操作が行われる度に、保留数表示領域1510に表示された演出対象の保留画像1524の表示色が変化する。そのため、保留変更演出中には、遊技者が操作入力装置へ操作する機会が、1回のみならず複数回与えられていることになる。しかも、操作ボタン410を操作する度に、演出対象の保留画像の表示色がその都度変化する。よって、保留変更演出による参加型演出に参加できる機会が拡張されているため、遊技興趣の低下を抑止することができる。
[保留画像シフト処理]
図172は、周辺制御部1511が実行する保留画像シフト処理のサブルーチンを示すフローチャートである。周辺制御部1511は、保留画像シフト処理を開始すると、先ず、シフトフラグがセットされているか否かを判定する(ステップA160)。シフトフラグは、先に説明した保留数指定コマンド処理のステップA127でセットされるものである。
ステップA160にて、周辺制御部1511は、シフトフラグがセットされていないと判定した場合、すなわち、ステップA160をNOと判定した場合、実質的な処理を行うことなく、保留画像シフト処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、実質的に保留画像の表示位置のシフト(1つ左方に移動)は行われない。
ステップA160にて、周辺制御部1511は、シフトフラグがセットされていると判定した場合、すなわち、ステップA160をYESと判定した場合、図173(D)の2番目〜4番目の保留画像記憶エリアの保留画像をコピー領域1〜3(図示せず)にそれぞれコピーし(ステップA161)、1番目〜4番目の保留画像記憶エリアをクリアし(ステップA162)、コピー領域1〜3(図示せず)にそれぞれコピーした各保留画像を1番目〜3番目の保留画像記憶エリアに記憶する(ステップA163)。図173(E)参照。
次いで、周辺制御部1511は、記憶フラグがセットされているか否かを判定する(ステップA164)。記憶フラグは、先に説明した保留変更演出決定処理のステップA138でセットされるものである。
ステップA164にて、周辺制御部1511は、記憶フラグがセットされていないと判定した場合、すなわち、ステップA164をNOと判定した場合、ステップA165〜ステップA169の各処理を行うことなく、保留画像シフト処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、実質的には保留画像の表示位置のシフト(1つ左方に移動)のみが行われる。
一方、ステップA164にて、周辺制御部1511は、記憶フラグがセットされていると判定した場合、すなわち、ステップA164をYESと判定した場合、この場合、保留変更演出が行われたことを示す。周辺制御部1511は、表示場所カウンタの値を−1し(ステップA165)、ステップA166に進み、表示場所カウンタの値が「1(最終の表示色で保留画像を表示する位置)」か否かを判定する(ステップA166)。ステップA165の処理により、演出対象とされた保留画像の表示位置が更新される。
ステップA166にて、周辺制御部1511は、表示場所カウンタの値が「1」ではないと判定した場合、すなわち、ステップA166をNOと判定した場合には、ステップA167〜ステップA169の各処理を行うことなく、保留画像シフト処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。この場合には、やはり実質的には保留画像の表示位置のシフト(1つ左方に移動)のみが行われる。
一方、テップA166にて、周辺制御部1511は、表示場所カウンタの値が「1」であると判定した場合、すなわち、ステップA166をYESと判定した場合には、ステップA167〜ステップA169の各処理を行う。すなわち、1番目の保留画像記憶エリアに、先に決定して記憶した最終表示色の保留画像を記憶し(ステップA167)、記憶フラグをクリアし(ステップA168)、表示場所カウンタに「0」をセットし(ステップA169)、保留画像シフト処理のサブルーチンを抜けて演出制御処理のルーチンに戻る。
なお、保留画像の遊技盤側演出表示装置1600の表示パネルへの表示は、図155のステップS605の情報出力処理で画像データが出力されることで行われる。
以上の説明から明らかなように、遊技者が仮に1度もボタン操作を行わなかった場合であっても、演出の対象とされた保留画像[通常の表示色である「青」]が1番目の表示位置に来たときには、先に決定して記憶した最終表示色で保留画像が表示され、表示色が変化する。
そのため、保留変更演出が終わった後であっても、換言すると、遊技盤側演出表示装置1600の有効期間が終了した後であっても、第1保留数表示領域1510において保留記憶の消化に伴って1番目の保留記憶に向けて表示位置を逐次移動させる演出対象とした保留画像(表示色を変化させた保留画像)の表示色を変えずそのまま維持するようにしている。このため、遊技者が遊技を進行させる上で、遊技盤側演出表示装置1600から供される演出情報によって不利と感じるような影響が与えられることなく、遊技の興趣を低下させないように配慮している。
図示の具体的な一例では、演出対象の保留画像が保留数表示領域1510において1番目の保留記憶となって表示されるときには、予め決定された最終の表示色、例えば「赤」に変更されて演出対象とされた保留画像が表示される。このため、操作することで保留画像の色を変えたつもりの遊技者に、驚きと意外性を与えることになる。そのために、遊技者の遊技の興趣の低下を抑止することができる。
以上、保留変更演出に関する実施形態について説明したが、保留画像が通常の表示色、例えば「青」とは異なる表示色に変わり、最終の表示位置で最終表示色で保留画像が表示されることが、遊技者にどのように受け取られるかは、全て遊技者の想像に委ねられている。
本実施形態では、保留画像の表示色を変化させる条件を、保留数が所定数に達していることを条件としている。そのため、始動口へ入賞した保留記憶が大当りであるか否かや、リーチが発生するか否か等に制約されないのである。
なお、上述の実施形態では、ボタン操作の有効期間の終了として停止表示コマンドを受信したとき、としたが、これに限らず、例えば、大当り開始コマンド、判定結果通知コマンド、第一保留数指定コマンド、のうちの何れかとしてもよい。例えば、ボタン操作の有効期間の終了として大当り開始コマンドを受信したとき、とすると、大当り遊技が開始されるまで、複数回の装飾図柄の変動表示に亘って、ボタン操作が有効となり、保留画像の表示色が変化することになる。
そのため、保留変更演出中には、遊技者が操作ボタン410へ操作する機会が、1回の装飾図柄による変動表示のみならず複数回の装飾図柄による変動表示に亘って与えられていることになる。しかも、操作ボタン410を操作する度に、演出対象の保留画像の表示色がその都度変化する。よって、保留変更演出による参加型演出に参加できる機会が拡張されているため、遊技興趣の低下を抑止することができる。
[扉枠側演出表示装置の演出例]
また、上述した各種実施形態では、演出操作ユニット400の操作ボタン410を一般的な演出ボタンと同等に、単純な押しボタンとして使用する例を示したが、各種の演出に本明細書における演出操作ユニット400の扉枠側演出表示装置460を用いた特別な演出(ボタン表示演出)を実行するようにしてもよい。
以下に説明する変形例では、上述した保留予告演出にボタン表示演出を付加した第1変形例と、その他の形態で行われるボタン表示演出を示す第2変形例とを説明する。
[保留予告演出にボタン表示演出を付加した第1変形例]
第1変形例のボタン表示演出を以下に説明する。
先ず、パチンコ機1が遊技者によって遊技されていない待機状態、または遊技者によって遊技が行われていて、ボタン表示演出が行なわれていない状態のときは、扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)は省エネのため非表示、あるいは、遊技盤5の機種と対応したロゴや、メーカー固有のロゴなどが表示される(デフォルト表示)。扉枠側演出表示装置460は、遊技盤側演出表示装置1600と比べて画像表示可能範囲が狭く、且つ、縦長であるため、縦長画面の上下方向に所定数の文字が表示されるように、下から上に向けてメッセージがスクロール表示される。本変形例では、上下方向3文字を最大文字数とし、所定のスクロール速度で、遊技盤5の機種と対応したロゴや、メーカー固有のロゴのメッセージ画像が下から上に向けてスクロール表示するともに、そのメッセージ画像が全て表示された後には再びスクロール表示が繰り返されるように表示制御される。
そして、前述した実施形態の保留予告演出と同様に、特別抽選結果の示唆の開始が保留される保留予告演出において、遊技盤側演出表示装置1600に「ボタンを押すと保留の色が変わるぞ!」等の操作促進につながるメッセージ画像の全てを一度に表示させ、操作ボタン410への操作が有効であることを示唆すると共に、遊技者にボタン操作を促す操作促進演出が実行されるようになっている。ここで、第1変形例では、保留予告演出の際、扉枠側演出表示装置460にも「ボタンを押すと保留の色が変わるぞ!」等の操作促進につながるメッセージ画像を表示させるようになっている。また、上記のメッセージに限らず、遊技盤側演出表示装置1600と同じメッセージ、または同様の意味を持ったメッセージを表示するものであれば遊技状態に応じて適宜選択可能である。
また、扉枠側演出表示装置460は、遊技盤側演出表示装置1600と比べて画像表示可能範囲が狭く、且つ、縦長であるため、遊技盤側演出表示装置1600のように「ボタンを押すと保留の色が変わるぞ!」というメッセージ画像の全てを一度に表示させずに、縦長画面の上下方向に一部の文字が順次表示されるように、下から上に向けてメッセージがスクロール表示される。本変形例では、上下方向3文字を最大文字数としており、操作ボタン410に対する操作が有効な期間内に、例えば「ボタンを押すと保留の色が変わるぞ!」というメッセージの全てが少なくとも1回表示されるスクロール速度で、下から上に向けてスクロール表示がされるように表示制御される。なお、扉枠側演出表示装置460に順次表示される文字の大きさは、遊技盤側演出表示装置1600に表示されるメッセージ画像の一文字の大きさと同じサイズの文字、あるいは、遊技盤側演出表示装置1600に表示されるメッセージ画像の一文字の大きさよりも大きいサイズの文字を表示することとしている。これにより、比較的小さいサイズの表示装置でありながらも、遊技者がメッセージ画像を識別しやすくしている。
尚、スクロール速度は、操作促進演出の種類によって、操作ボタン410に対する操作が有効な期間の長さや、メッセージの文字数・種類が異なるため、場合に応じて複数のスクロール速度が記憶されており、今回実行する操作促進演出の種類(「有効期間の長さ」と「メッセージの文字数・種類」とが異なる)に基づきスクロール速度が選択・設定される(スクロール速度設定手段)。
例えば、同一の有効期間に対して異なるメッセージをスクロール表示する場合、以下のようにスクロール速度を設定する。具体的に、「5秒」の有効期間に対し、「ボタンを押すと保留の色が変わるぞ!」のメッセージ画像(17文字)を表示する場合には、5秒間に全ての文字をスクロール表示しつつ、且つ、そのメッセージ画像を全て見終えた遊技者であっても操作ボタン410に対する操作が可能とする余裕期間が発生しうるスクロール速度A(例えば、4秒で17文字のスクロール表示を完了して1秒の余裕期間が残る速度)を設定してスクロール表示を行なう。また、他のメッセージ画像として「ボタンを押せ!!」というメッセージ画像(8文字)を表示する場合には、5秒間に全ての文字を2回スクロール表示しつつ、且つ、2回のメッセージ画像を全て見終えた遊技者であっても操作ボタン410に対する操作が可能とする余裕期間が発生しうるスクロール速度B(例えば、4秒で8文字のスクロール表示を2回完了して1秒の余裕期間が残る速度)を設定してスクロール表示を行なう。このように、各種のメッセージ画像を表示する際に余裕期間が生まれるようなスクロール速度を設定することで、扉枠側演出表示装置460に表示されるメッセージ画像に注視していた遊技者であっても、操作ボタン410に対する操作を可能にできる。
また、前述した演出操作ユニット400には、第一LED422a,423a及び第二LED422b,423bが配置されており、操作ボタン410の周囲を発光装飾すると説明したが、本例においては装飾に留まらず、ボタン表示演出において遊技者に遊技状態などを発光によって示唆する機能を備えている。
以下、図161を用いて説明する。
図161は、演出操作ユニット400の正面図である。
尚、図161では、LEDを用いた遊技者に対する遊技状況の示唆等を判り易く説明するために、発光装飾される箇所を発光部と称して説明する。
本例では、操作ボタン410の周囲における外側と内側に夫々複数の発光部を有している。内側の発光部は、操作ボタン410の左側に内側左発光部401a〜c、右側に内側右発光部402a〜c、計6つの発光部(内側発光部)が存在している。外側の発光部は、操作ボタン410の周囲を囲うように外側発光部403a〜h、計8つの発光部(外側発光部)が存在している。
演出操作ユニット400の内側及び外側の発光部、第一ボタン装飾部411aは、ボタン表示演出が行なわれていない状態では、消費される電力を極力減らすために全てが消灯されている。
また、ボタン表示演出が行なわれる場合は、演出操作ユニット400の内側及び外側の発光部と、第一ボタン装飾部411aを全て一斉に点灯させる。このように、発光部を全て消灯している状態から全て点灯させる態様に切り替えることにより、遊技者の注目を演出操作ユニット400に集めて操作ボタン410を要する演出の開始を強く印象付けることができる他、それまで点灯していなかった場所がいきなり点灯することによって遊技者に驚きを与えることができるため、ボタン表示演出に対する期待を高め、遊技に対する興趣の向上を図ることが可能となっている。
そして、演出操作ユニット400の内側及び外側の発光部と、第一ボタン装飾部411aを全て一斉に点灯させた後には、有効期間の経過とともに内側及び外側の発光部を徐々に消灯させ、最後に第一ボタン装飾部411aを消灯させる有効期間示唆発光制御を行う。有効期間示唆発光制御では、ボタン表示演出中、操作ボタン410に対する操作が有効な期間であること、および、有効な期間の残り期間を、内側及び外側の発光部と第一ボタン装飾部411aとにおける発光装飾で演出操作ユニット400に注目する遊技者に明示できる。
有効期間示唆発光制御のパターンとして、一定時間経過毎(例えば1秒経過毎)に外側発光部403a〜hを時計回りに所定数ずつ(例えば外側発光部403a、403bから消灯し、次いで403c、403dという具合に2つずつ)消灯させ、外側及び内側の発光部が全て消灯した後に液晶左右の内側左発光部401a〜c、内側右発光部402a〜cLEDを消灯させ、最後に第一ボタン装飾部411aを消灯させる発光パターンAと、一定時間経過後(例えば1秒経過毎)に外側発光部403a〜hを中央に向けて消灯(外側発光部403a、403eから消灯し、次いで403b、403d、403f、403hという具合に消灯し、左右の403c、403gを最後に消灯)させ、外側発光部403a〜hが全て消灯した後に液晶左右の内側左発光部401a〜c、内側右発光部402a〜cLEDを消灯させ、最後に第一ボタン装飾部411aを消灯させる発光パターンBとを設ける。
また、ボタン表示演出における操作促進演出の際に、遊技盤側演出表示装置1600と扉枠側演出表示装置460に表示されるメッセージのパターンとして、例えば、遊技盤側演出表示装置1600に表示されるメッセージの文字色が白色で表示される表示パターンAと、メッセージの文字色が赤色表示される表示パターンBとを設ける。扉枠側演出表示装置460に表示されるメッセージでも同じように、文字色が白色で表示されるボタン表示パターンAと、文字色が赤色で表示されるボタン表示パターンBとを設ける。
また、本例における操作促進演出では、表示パターンA,B、ボタン表示パターンA,B、発光パターンA,Bの組み合わせによって、保留予告演出を通じて大当たり対する期待度が高さを遊技者に対して表すようになっている。
本例では、周辺制御部が各パターンA、Bを決定するものであり、保留予告演出の対象となる保留内に大当りにつながる保留が存在するか否かによって各パターンA、Bの決定態様が異なる。すなわち、表示パターンA、ボタン表示パターンA、発光パターンAを、大当たりに対する期待度が低いものとし、表示パターンB、ボタン表示パターンB、発光パターンBを、大当たりに対する期待度が高いものとしている。
例えば、表示パターンがA、ボタン表示パターンがB、発光パターンがAの場合と、表示パターンがB、ボタン表示パターンがA、発光パターンがBの場合では、後者の方が、大当たりに対する期待度が高い。即ち、表示パターンA,B、ボタン表示パターンA,B、発光パターンA,Bの組み合わせのうち、パターンAの数が多いほど、大当たりに対する期待度が低く、各種パターンBの数が多いほど、大当たりに対する期待度が高いということになる。
これにより、単に操作ボタン410に対する操作を促す示唆手段に留まらず、操作促進演出の態様によって遊技者を一喜一憂させることができる演出性の高い構成となっているため飽きが来ず、遊技に対する興趣を高い状態で維持することができる。
また、操作ボタン410に対する操作を検出した場合と、操作を検出することなく有効期間が満了した場合は、演出操作ユニット400の内側及び外側の発光部を全て消灯するとともに、「ボタンを押すと保留の色が変わる?!」というメッセージ画像を消去し、促進演出を終了する。
また、操作ボタン410に対する操作を検出した場合には、操作の解除を検出することに基づいて遊技盤側演出表示装置1600にて展開されることとなる演出の説明演出を扉枠側演出表示装置460に表示する(中央液晶表示装置1500と異なるメッセージを表示する手段)。なお、操作ボタン410に対する操作が行われている間は、扉枠側演出表示装置460の表示画面が手で覆われている可能性があるため、遊技者により扉枠側演出表示装置460の表示画面が見える状態となったとき(操作の解除を検出したとき)に説明演出を開始することで、遊技者に説明演出を最初の状態から確実に伝達することが可能となる。説明演出としては、たとえば、「保留の色が変わったならチャンス!」のメッセージ画像を扉枠側演出表示装置460に所定時間スクロール表示する。説明演出の所定時間としては、「保留の色が変わったならチャンス!」のメッセージ画像が所定のスクロール速度でスクロール表示可能な時間(本実施例では5秒)が設定される。
尚、押操作を検出することなく操作ボタン410に対する操作の有効期間が満了した場合は、次回の操作の促進するような補助演出を行う。補助演出としては、たとえば、「押せば何か起きたのに・・・」のメッセージ画像を扉枠側演出表示装置460にスクロール表示する。補助演出の所定時間としては、「押せば何か起きたのに・・・」のメッセージ画像が所定のスクロール速度でスクロール表示可能な時間(本実施例では5秒)が設定される。また、補助演出は、操作ボタン410が操作されるまで、特別図柄の変動をまたいで扉枠側演出表示装置460に表示され続け、遊技者に、次回のボタン表示演出にて操作ボタン410に対する操作がなされるよう促進を行う。
このように、「押せば何か起きたのに・・・」のメッセージ画像を表示し続けることで、疎ましさを遊技者に一時的に与えることとなるが、それによって次回のボタン表示演出で遊技者の操作ボタン410に対する操作を積極化することが可能となり、結果的に、ボタン表示演出に対する遊技者の参加促進を図ることが可能となる。なお、次に保留予告演出が行われた場合には、操作ボタン410に対する操作がされなくとも、保留予告演出の開始で補助演出を終了する。
操作ボタン410に対する操作時に、遊技者が操作ボタン410を視認することを生かして、促進演出、説明演出および補助演出を扉枠側演出表示装置460内で行うことで、遊技者にボタン表示演出の流れ・意味合いを確実に伝達・説明でき、遊技者が参加する演出の面白みを深め、遊技に対する興趣向上させることができる。
[その他の形態で行われるボタン表示演出を示す第2変形例]
また、ボタン表示演出として、操作促進演出に限らず、様々な他の演出にも用いることもできる。例えば、遊技状態に応じた遊技球の打ち分け表示を扉枠側演出表示装置460及び、外側発光部、内側発光部にて行なうようにしてもよい。打ち分け表示は、左打ちを推奨する遊技状態(時短なしの状態)では、「左の矢印画像」を扉枠側演出表示装置460に表示し、右打ちを推奨する遊技状態(時短ありの状態、大当り状態)では、「右の矢印画像」を扉枠側演出表示装置460に表示する。
さらに、上記打ち分け表示とともに、外側発光部を「右から左」あるいは「左から右」に順次点灯・消灯させる制御を行う。詳述すると、「右から左」に、即ち左打ちを推奨する遊技状態の場合は、初めに外側発光部403cを1回点滅させる。次いで外側発光部403b、外側発光部403dを1回点滅させる。次いで外側発光部403a、外側発光部403eを1回点滅させる。次いで外側発光部403f、外側発光部403hを1回点滅させる。最後に外側発光部403gを1回点滅させる。これにより、外側発光部403が右から左に流れるように点灯するため、直感的に左打ちをすると想起させることができる。尚、「左から右」に、即ち右打ちを推奨する遊技状態の場合は、「右から左」の場合と逆の順番で、外側発光部を順次点灯・消灯させる。
また、内側発光部においては、左打ちを推奨する遊技状態の場合は内側左発光部401a〜cを点灯し、反対に、右内を推奨する遊技状態の場合は、内側右発光部402a〜cを点灯する。
以上の構成により、遊技者の目に付きやすい部位に打ち分け表示を行うことで、左右の打ち分けを積極的に遊技者に伝達することができ、更に、扉枠側で打ち分け表示を行なうことで遊技盤5の盤設計を容易化することも可能である。
また、こうした打ち分け表示の開始・終了制御を以下のように制御してもよい。例えば、右打ちを推奨する遊技状態(時短あり状態など)が発生すると、遊技盤側演出表示装置1600および扉枠側演出表示装置460に「右の矢印画像」の表示を開始するようにする。これにより、打ち分け方向を強く印象付けることができ、打ち分けの間違いを防止できる。また、扉枠側演出表示装置460に「右の矢印画像」が表示された状態で遊技者によって操作ボタン410に対する操作が検出されることによって、扉枠側演出表示装置460に表示される「右の矢印画像」を非表示(消去)とすることとしてもよい。
遊技者によっては、扉枠側演出表示装置460での表示が煩わしいと感じる虞もあるため、そうした遊技者に対し、煩わしさを与えることを防止することができる。さらに、操作ボタン410に対する操作が検出されることによって、扉枠側演出表示装置460に表示される「右の矢印画像」を非表示(消去)とする場合、扉枠側演出表示装置460に「右の矢印画像」に代えて、現在の遊技状態を表示するようにしてもよい。例えば、時短当たりの時は、「時短中!」確変当たりの時は「確変中!」大当たり遊技の時は「大当り残り○○(例えば16)R」等、遊技者に対して現在どういった遊技状態なのかを把握できる表示とすることが例示できる。これにより、遊技者に現在の遊技状態での打ち分けの推奨だけでなく、何故、右打ちを推奨するのかを把握させることができる。
他にも、ボタン表示演出として、遊技者によって遊技が行われていない待機状態、所謂客待ち状態専用の待機用ボタン表示演出を行なうようにしてもよい。
待機状態は、所定の待機状態発生条件(通常状態で図柄変動無しで一定時間経過)が成立すると発生するものであり、待機状態の発生に伴い待機用ボタン表示演出が開始される。待機用ボタン表示演出では、扉枠側演出表示装置においてデモメッセージ表示を行なう。デモメッセージ表示の例として、例えば、遊技盤5の機種名や、メーカーの名前をスクロール表示することが挙げられる。ホール客の目に付きやすい部位にメッセージを表示することで装飾性・集客効果を高めることが可能となっている。
また、待機状態にて遊技者が一時的に離席する場合等、「休憩中」のメッセージ画像を表示することとしてもよい。この場合、ボタン操作検出で「休憩中」のメッセージ画像を遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の両方に表示し、「休憩中」のメッセージ画像が表示されている状態でのボタン操作検出で、「休憩中」のメッセージ画像を消去するように制御してもよい。こうしたメッセージ画像を遊技者の目に付きやすい箇所に表示することで、他のホール客が誤って遊技を開始してしまい、トラブルとなることを防止することができる。
[エラー表示に関して]
何らかの原因によって(例えば球詰まり)、パチンコ機1がエラー状態となってしまった場合、遊技盤側液晶表示装置1600にエラーを報知する画像(例えば「球を抜いてください」というメッセージ等)が表示されるが、その際、操作ボタン410を操作することにより、遊技盤側演出表示装置1600に表示されているエラー画像を非表示とし、エラー画像が扉枠側演出表示装置460に表示される構成となっている。これにより、遊技ホールの係員が駆け付けるまで表示されていることによる疎ましさや煩わしさを与えることを防止することができる。
なお、演出操作ユニット400の扉枠側演出表示装置460としては、液晶に限らず、ドットマトリックス表示でもよい。
また、上述した実施例では、扉枠側演出表示装置460をボタンレンズ411(操作受け部)と別体に配置される例を示したが、これに限定されず、扉枠側演出表示装置460がボタンレンズ411(操作受け部)と一体に押し込み動作されるように構成されるようにしてもよい。
また、上述した実施例では、扉枠側演出表示装置460にメッセージ画像をスクロール表示する例を説明したが、スクロール表示に限らず、1文字ずつを順次切り換えて表示するようにしてもよい。この場合、扉枠側演出表示装置460の画面全体を用いて1文字を表示するように、文字表示のサイズ設定を行うことで、比較的小さいサイズの表示装置でありながらも、遊技者にメッセージ画像をより識別しやすくすることができる。
また、扉枠側演出表示装置460にスクロール表示されるメッセージは、下から上方向にスクロールするものだけに限らず、上から下方向にスクロール、左から右方向にスクロール、右から左方向にスクロールするものであってもよい。また、扉枠側演出表示装置460の範囲内に収まる文字数(例えば「押」、「PUSH」等)でメッセージの全容が把握できるものであれば、スクロール表示しない場合があってもよい。
更に、操作促進演出において大当たり対する期待度が高さを遊技者に対して表す方法として、前述した表示パターンA,B、ボタン表示パターンA,B、発光パターンA,Bの組み合わせのみに限らず、それに加えて、例えばスクロールの方向、スクロールの速度などで大当たりに対する期待度の高さを示唆してもよい。
例を挙げると、メッセージが下から上方向にスクロールするスクロールパターンAと、メッセージが上から下方向にスクロールするスクロールパターンBとを設け、更に、メッセージのスクロールスピードにおいて、メッセージの全てが少なくとも1回表示される、スクロール速度Aと、メッセージの全てが少なくとも2回表示されるスクロール速度Bとを設ける。このスクロールパターンA,B、スクロール速度A,Bの組み合わせで、大当たり対する期待度が高さを遊技者に対して表すようになっている。例えば各種パターンのうち、パターンBの数が多いほど、大当たりに対する期待度が高い構成となっている。
また、ボタン表示演出において、遊技盤側演出表示装置1600と同じメッセージや、同様の意味を持ったメッセージを扉枠側演出表示装置460にも、表示すると説明したが、扉枠側演出表示装置460への表示/非表示は切換可能に構成してもよい。この場合、遊技者又はホールの係員等による所定の操作部に対する操作によって適宜切り替え可能にすればよい。また、扉枠側演出表示装置460では、保留予告演出に限らず、上述した実施例のバトル演出で遊技盤側演出表示装置1600に表示される「ボタンを押せ!!」等のメッセージ画像を上記したスクロール表示するようにしてもよい。
また、前述した「有効期間示唆発光制御」では、ボタン表示演出中、外側及び内側の発光部を用いて操作ボタン410に対する操作が有効な期間であること、及び有効な期間の残り期間を示唆するものであるが、外側及び内側の発光部だけに限らず、扉枠側演出表示装置460でも示唆する構成であってもよい。本例では、操作ボタン410に対する操作が有効な期間中、「有効期間示唆発光制御」と同時に、扉枠側演出表示装置460に、有効期間と対応した秒数を表示し、カウントダウン形式で遊技者に対して有効期間を報知する構成となっており、「有効期間示唆発光制御」のみを実行する場合と比べて、直感的に有効期間を遊技者に把握させることができる。
また、前述した実施例では、押操作の解除が検出されることで説明演出を行うように構成したが、押操作の解除を検出することなく、押操作が検出されることで直ちに説明演出を行うようにしてもよい。また、押操作が検出されることで行なう演出として、説明演出に代えて以下のような演出を行うようにしてもよい。例えば、「ボタンを押すと保留の色が変わる?!」というメッセージ画像を消去した後、押操作が検出されている間(押操作がなされている間)、扉枠側演出表示装置460全面に所定の色の画像を表示し、更にメッセージ画像を表示するときよりも画像表示の輝度を高める構成としてもよい。そして、扉枠側演出表示装置460全面に表示する所定の色の画像の種類(白色の画像、赤色の画像など)によって、大当りの期待度を変化させるようにしてもよい(例えば、赤色の画像は白色の画像よりも大当りの期待度が高い)。こうすることで、操作ボタン410を操作している間、扉枠側演出表示装置460を遮っている遊技者の手の隙間から光が漏れ出るような装飾効果が生まれ、且つ、その発光色により大当りに対する期待度を変化させることができるため、操作ボタン410を操作している間の扉枠側演出表示装置460の表示画像に注目させる、という新たな演出で遊技興趣を向上させることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用してもよく、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施形態では、操作ボタン410におけるボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周側となる部位に第一ボタン装飾部411aを形成したものを示したが、これに限定するものではなく、第一ボタン装飾部411aが形成されていないボタンレンズ411しても良い。
また、上記の実施形態では、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の外周縁に不透明なボタンフレーム412を取付けたものを示したが、これに限定するものではなく、ボタンフレーム412を取付けずに、ボタンレンズ411におけるボタンフレーム412と対応する部位に、全周に亘って後側を隠すための装飾部を形成するようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、操作ボタン410において、ボタンレンズ411の外周縁から操作ボタン内装飾部材432や扉枠側第二演出表示装置460Aの外周の全周を囲むようにベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ筒状に突出したボタンベース413(本体部413a)を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、操作ボタン内装飾部材432や扉枠側第二演出表示装置460Aの外周の全周に対して一部のみ囲むように少なくとも一つベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ突出したものであっても良い。このボタンベース413の形状としては、ボタンレンズ411の外周に沿った形状とてしても良いし、ボタンレンズ411の外周に沿っていない形状としても良い。ボタンベース413は、少なくとも内壁側に装飾(シールの貼付けや印刷等による平面的な装飾、レリーフ等の凹凸による立体的な装飾)を有していても良い。更に、ボタンベース413は、透光性であっても良いし、不透光性であっても良い。また、ボタンベース413は、有色であっても良いし、無色透明であっても良い。また、ボタンベース413を透明とした場合、内壁側又は外壁側の少なくとも一方に、シボ、スリット、プリズム、等の光拡散加工を施すことが望ましい。
また、上記の実施形態では、下皿322が、皿ユニットカバー326の前面における演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の左外側の部位からのみ後方へ窪んだ例を示したが、これに限定するものではなく、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の左右両側から後方へ窪み、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方において互いに繋がっているような下皿322としても良いし、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の右外側の部位からのみ後方へ窪み、一部が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込んでいるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、皿ユニットカバー326の前面における下皿322が後方へ窪んでいる部位(皿前下装飾部326c)の形状(下皿322の前端の形状)を、後方へ湾曲面状に凹んだ例を示したが、これに限定するものではなく、多角柱面状、或いは、多面体状に凹んだ前面としても良い。
また、上記の実施形態では、皿ユニットカバー326の前面に演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けた例を示したが、これに限定するものではなく、「操作ダイヤル、タッチパネル等の操作装置を備えたもの」、「表面に装飾を有した回転体を備えたもの」、「装飾を有した装飾体と、装飾体を可動させる可動装置と、を備えたもの」、「遊技機のコンセプトに沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴ、及びシーン(ジオラマ)等を立体的に模した装飾体を備えたもの」、等を備えたユニットを取付けても良い。
更に、上記の実施形態では、下皿322の平面視における遊技球の貯留領域(貯留面積)の半分よりも若干大きい領域を、被覆部としての演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)により前方から視認困難に被覆する例を示したが、これに限定するものではなく、下皿322における遊技球の貯留領域の半分以下の領域を前方から視認困難とするようにしても良いし、下皿322の全体を前方から視認困難とするようにしても良い。