JP6649913B2 - 指標算出システム - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の技術においては、水の貯留が可能な庭が建物に隣接して設けられており、水の気化熱により低下した庭の空気を開口部から屋内空間へ流入させて、屋内空間に快適な居住環境を形成することができる。
特許文献2に記載の技術においては、採風用の窓開口部から最も離間した位置に配置された階段室と、この階段室の上部に設けられた天窓およびシーリングファンを利用して建物内の換気を行っている。すなわち、窓開口部から採り込んだ外気を、部屋の内部を通り抜けさせて階段室まで到達させることで、空気を流通させることができる。
特許文献3に記載の技術においては、太陽の光や風を時期に応じて屋内空間に取り入れることができるように建物を設計し、設計段階の建物における暖冷房負荷とQ値(熱損失係数)から当該建物の熱負荷を算出し、省エネ効果を数値化することができる。
また、熱損失係数であるQ値を利用して建物の性能評価を行うにしても、そもそもQ値は建物全体の平均値であるために細かな部分までは判断できない。しかも、Q値は、一般的に浸透しているとは言い難く、ユーザが容易に評価できないという問題もあった。
前記建物10A,10B,10Cの温熱に係る二次データを算出するための、一次データを入力する一次データ入力手段(例えば、第一各種情報入力欄20、第二各種情報入力欄21、気象データ取得プログラム6a)と、
前記一次データから算出された前記二次データに基づいて、前記建物10A,10B,10C内における特定期間の単位時間ごとの室内環境に係る三次データを算出する三次データ算出手段(例えば、温度算出プログラム6b)と、
前記特定期間の単位時間ごとの室内環境に係る三次データが所定の基準値に該当するか否かを判定する判定手段(例えば、温度判定プログラム6c)と、
前記判定手段によって前記基準値に該当すると判定された三次データを抽出し、当該基準値に該当する三次データ分の単位時間を積算して、その積算時間を算出する積算手段(例えば、積算プログラム6d)と、
前記積算手段によって積算された前記積算時間を、前記建物10A,10B,10Cの快適性を評価する場合の第一指標(例えば、非空調快適時間表示欄34)として表示する表示手段(例えば、表示部4)と、
前記一次データに振り分けられたポイントを加算するポイント加算手段(ポイント加算プログラム2e)と、を備え、
前記一次データには、前記建物のスペックに関する情報や周囲の環境に関する情報である建物情報と、
当該建物情報に関する設問と、が含まれ、
前記一次データのうち前記設問に対する回答が入力されると反映される前記建物情報には前記ポイントが振り分けられており、
前記表示手段は、前記ポイント加算手段によってポイントを加算した結果を、前記建物の快適性を評価する場合の第二指標(例えば、微気候グレード表示欄31)として表示することを特徴とする。
また、表示手段は、ポイント加算手段によってポイントを加算した結果を、建物10A,10B,10Cの快適性を評価する場合の第二指標として表示するので、ユーザは、第一指標とは異なる指標に基づいて建物10A,10B,10Cの性能を評価することができる。すなわち、建物10A,10B,10Cの設計プランにおける性能を評価するに当たって二つの指標を用いることができるので、ユーザにとって建物10A,10B,10Cの設計プランにおける評価を行いやすくなる。
前記一次データ入力手段には、特定期間の単位時間ごとの気象データを取得する気象データ取得手段(気象データ取得プログラム6a)が含まれており、
前記気象データは、前記一次データに含まれるものであることを特徴とする。
前記表示手段は、
前記積算手段によって積算された前記積算時間を夏期と冬期と中間期に分けて表示することを特徴とする。
前記表示手段は、
前記建物10A,10B,10C内における特定期間の単位時間ごとの室内環境に係る三次データのうち特定の時間帯の前記三次データと、前記建物10A,10B,10Cが比較仕様で設計された場合における特定の時間帯の前記三次データと、を比較表示することを特徴とする。
前記表示手段は、
前記第一指標と、前記建物10A,10B,10Cが比較仕様で設計された場合における前記積算時間と、を比較表示することを特徴とする。
そして、このように第一指標及び第二指標を算出できると、建物10A,10B,10Cの設計段階において、ユーザが、当該建物10A,10B,10Cの設計プランにおける快適性を評価することができるので、建物10A,10B,10Cの販売者が使用する営業ツールとして使用したり、必要に応じて適宜設計変更を行ったりすることができる。
図2(a)においては、居室の対向する双方の外壁に対して開口部11,12が形成された状態と、居室の直交する双方の外壁に対して開口部11,12が形成された状態が示されている。
図2(b)においては、建物10Aの対向する双方の外壁に対して開口部11,12が形成されるとともに、これら開口部11,12が形成された双方の外壁間に内壁が設けられ、この内壁に室内開口部13が形成された状態が示されている。
すなわち、図2においては、建物10A内に効果的に外気を取り入れる場合に、異なる方位に位置する外壁に対して、外気の取入口と、外気の排出口とを形成した方が好適であることを説明している。
すなわち、図3においては、温かい空気が上昇する性質を利用して、一方の外壁に形成された開口部14から取り入れた空気を、対向する他方の外壁側に設けられた吹抜けの高窓15やトップライト16から排出する状態が示されている。
このような換気の形態によれば、建物10Aの内外温度差を利用して上下方向に空気の流れを形成することで換気を行うことができるので、図2に例示した建物10Aのように必要な換気量を確保するために必要な大きさの開口部を形成できない場合に好適である。
すなわち、図4においては、温かい空気が上昇する性質を利用して、居室の外壁に形成された開口部17から取り入れた空気を、当該居室の上部にある高窓18やトップライト19から排出することが可能な状態が示されている。また、吹抜けの高窓15やトップライト16から排出する状態が示されている。
このような換気の形態によれば、上下方向に空気の流れを形成することで換気を行うことができるので、図2に例示した建物10Aのように必要な換気量を確保するために必要な大きさの開口部を形成できない場合に好適である。
このような指標算出システムは、汎用のコンピューターを利用した指標算出装置1によって構成されている。そして、指標算出システムにおける各種手段は、図5に示すように、指標算出装置1が備える制御部2と、入力部3と、表示部4と、通信部5と、記憶部6と、当該記憶部6に記憶される各種データ、各種プログラムと、を適宜協働させることによって実行可能となっている。
評価表30の作成に必要な各種データは、記憶部6に予め記憶されているものと、システム内に入力されるものであり、建物10A,10B,10Cの熱負荷データを算出するための建物情報(図6参照)や、後述する気象データ取得手段によって取得した気象データ等が挙げられる。
評価表30の作成に必要な各種プログラムとは、上述の指標算出システムを構成する各種手段を実行するために必要なプログラムである。このような各種プログラムとしては、図5に示すように、気象データ取得プログラム6a、三次データ算出プログラム6b、判定プログラム6c、積算プログラム6d、ポイント加算プログラム6eが挙げられる。
この一次データ入力手段には、特定期間の単位時間ごとの気象データを取得する気象データ取得手段が含まれている。気象データは、一次データに含まれるものであり、予め記憶部6に記憶されていてもよいし、気象データ取得手段によって外部から取得してもよい。気象データ取得手段については、後述する。
図6に示すように、一次データは、建物10A,10B,10Cの設計時に提示される各種情報入力欄20,21に必要事項を入力することによって、建物に係る情報が記憶部6に蓄積されることとなる。このように蓄積された一次データは、後述する三次データ算出手段によって用いられ、二次データが算出される。
建物方位の項目は、図2や図7に示すような建物平面図の下側にある壁面がどちらの方角を向いているかを指しており、本実施形態においては、南向きとなっている。
主たる居室面積の項目は、リビングとダイニングとキッチンの機能を一室に併存させたLDK室が想定されており、本実施形態においては、33.12平方メートルとされている。
その他の居室面積の項目は、建物10A(10B,10C)の二階に配設された寝室等が想定されており、本実施形態においては、50.51平方メートルとされている。その他の居室面積の項目における各部屋の面積等は、予め特定した比率と入力した一次データによって算出するようになっている。
なお、一次データにおける設備機器稼動スケジュールデータは、後述する三次データに含まれる単位時間ごとの温度データを、空調機を始めとする冷暖房の稼動状況に応じて補正する補正手段に利用される。温度データを算出するに当たって空調機等の稼動が想定されている時間が予め設定されており、そのような時間における温度データは、設備機器稼動スケジュールデータに基づいて補正手段によって、所定の基準温度に該当するように補正される。
補正手段は、制御部2と、設備機器稼動スケジュールデータと、図示しない補正プログラムとの協働により、温度データの補正を行うことができる。
図6に示す第二各種情報入力欄21は、「自然風の利用」、「日射遮蔽」、「日射取得」、「断熱」、「設備補助」、「半屋外空間」という項目に分けられ、建物10A,10B,10Cのスペックに関する情報や周囲の環境に関する情報に関する設問に対する回答が入力される。具体的には、設計中の建物プランが、設問された事項が該当するものであった場合には「○」で回答し、設問の事項に該当しない場合は無回答「−」と表示される。
また、この第二各種情報入力欄21における設問は、今回提案の建物と、比較対象となる建物の仕様とに共通している。すなわち、今回提案の建物と、比較対象となる建物の仕様のそれぞれについて回答すれば、双方の建物情報を反映できる。
そして、これら一次データにはポイントが振り分けられており、当該ポイントは、後述する第一指標又は第二指標を表示するために用いられる。
項目「日射遮蔽」には、開口部からの日射取得を抑制するための設計手法について複数の項目が挙げられている。
項目「日射取得」には、開口部からの日射取得を促進するための設計手法について複数の項目が挙げられている。
項目「断熱」には、壁や床、窓等の断熱性能に基づく設計手法について複数の項目が挙げられている。
項目「設備補助」には、自然換気を補助するための装置・システムに係る設計手法について複数の項目が挙げられている。
項目「半屋外空間」には、建物10A,10B,10Cの屋内空間と屋外空間との境界に位置する半屋外空間に係る設計手法について複数の項目が挙げられている。
なお、各項目の「レベル」の欄には、今回提案の建物10A,10B,10Cにおけるポイントが表示される。
気象データには、建物10A,10B,10Cが建築される地域における特定期間の単位時間ごとのデータ(気温、日射量等)と、地域特有のデータ(主風向等)と、が含まれている。
主風向等の地域特有のデータが含まれていると、当該データを使用することで、図7に示すように建物10A,10B,10Cの設計に活かすことができる。すなわち、地域特有の風向き等を考慮して建物10A,10B,10Cの設計を行うことができるので、換気効率の向上を図ることができる。
なお、この気象データ取得手段における特定期間とは、過去における一定範囲の期間であり、例えば一年間である。一年間である場合、少なくとも季節ごとの気象データを取得できるので好ましい。さらに、単位時間とは、特定期間の気象データを取得する場合の基準となる時間の単位であり、例えば一時間である。本実施形態では、特定期間が一年間であり、単位時間が一時間である場合について説明する。
このような二次データには、冷暖房負荷データと、温熱環境物理要素データと、が含まれている。温熱環境物理要素データは、空気温度、放射温度、気流、湿度に関するデータ及びこれらのデータを算出するために用いられる面積や気積に関するデータである。なお、空気温度は、そのまま指標値として用いてもよい。
また、この三次データ算出手段によれば、単位時間ごとの室内環境に係る三次データを算出するために、後述のような種々の計算が行われる([三次データ算出手段の説明]参照)。そして、算出された単位時間ごとの三次データは、建物10A,10B,10Cの設計による快適性を評価するための第一指標を導き出すために用いられる。
このような三次データには、作用温度、不快指数、PMV(Predicted Mean Vote:予測平均温冷感)、SET*(Standard new Effective Temperature:新標準有効温度)、WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)等が含まれている。
ここで、所定の基準値とは、三次データが、建物10A,10B,10C内における単位時間ごとの温度データである場合には基準温度であり、このような所定の基準温度は、建物10A,10B,10C内で空調機(空気調和機、エアコン等)を使用しないと想定した温度に基づいて設定されている。空調機を使用しないと想定した時間とは、個人差や地域等の環境によって異なるが、例えば22℃〜27℃程度に設定されている。
ここで、三次データが、建物10A,10B,10C内における単位時間ごとの温度データである場合、所定の基準温度に該当する温度データ分の単位時間は、上述のような、空調機を使用しないと想定した温度に基づくものであるため、以下、非空調快適時間と称する(図1の非空調快適時間表示欄34では「Viki Time」と表記している)。つまり、積算手段によって、一年間に何時間分の非空調快適時間が発生するかを導き出すことができる。
第一指標は、上述の非空調快適時間の積算時間を表示したものであり、図1に示すように、夏期と、冬期と、春秋の中間期とに分けて表示される。
ポイント加算手段によって建物情報に係るポイントを加算した結果は、記憶部6に蓄積されることとなる。このように蓄積されたポイント加算結果は、後述する表示手段によって用いられ、第二指標を表示するために用いられる。
次に、表示手段によって表示部4に表示される評価表30について説明する。
この評価表30は、図1に示すように、微気候グレード表示欄31と、LDK室温予想値表示欄32と、冬期朝のLDK室温推移表示欄33と、非空調快適時間表示欄34と、LDK在室時間の内訳表示欄35と、他仕様との比較表示欄36と、を備える。
より詳細に説明すると、第二指標は、建物10A,10B,10Cにおける微気候のグレードであり、本実施形態では、「★」の数によって5段階評価している。したがって、ユーザは、「★」の数が多ければ多いほど微気候デザイン手法の効果が高いと一目で確認することができるようになっている。
このようなグラフも、項目分けされた第二指標の一つであり、ユーザは、各項目「自然風の利用」、「日射遮蔽」、「日射取得」、「断熱」、「設備補助」、「半屋外空間」のバランスの良し悪しを一目で確認することができるようになっている。
また、このLDK室温予想値表示欄32においては、今回の「提案仕様」の予想値と、「比較仕様」の予想値と、「20年前の仕様」の数値と、をグラフで比較表示することができる。「提案仕様」とは、今回の設計によって導き出された数値であり、「比較仕様」とは、例えば前回、設計者から購入予定者に提案した際の数値や、標準仕様における数値である。
このようなLDK室温予想値表示欄32に表示された予想温度から、ユーザは、在室時間の長い主居室における快適性について一目で確認することができる。
また、このLDK室温推移表示欄33においては、今回の「提案仕様」の予想室温と、「比較仕様」の予想室温と、「20年前の仕様」の室温と、をグラフで比較表示することができる。
このようなLDK室温推移表示欄33に表示された予想室温から、ユーザは、在室時間の長い主居室における朝方の快適性について一目で確認することができる。
また、この非空調快適時間表示欄34においては、今回の「提案仕様」の数値と、「比較仕様」の数値と、「20年前の仕様」の数値と、をグラフで比較表示することができる。
このような非空調快適時間表示欄34に表示された非空調快適時間の長さである第一指標から、ユーザは、建物10A,10B,10C内で空調機を使用しないで済む時間の長さを一目で確認することができる。より詳細には、特定期間(本実施形態では一年間)における非空調快適時間の長さを容易に確認することができる。
また、この内訳表示欄35においては、今回の「提案仕様」の数値と、「比較仕様」の数値と、「20年前の仕様」の数値と、をグラフで比較表示することができる。
このような内訳表示欄35に表示されたLDK在室時間の内訳から、ユーザは、建物10A,10B,10C内で空調機を使用しないで済む時間の長さを一目で確認することができる。
また、評価表30は、表示手段によって表示部4に表示されるだけでなく、図示しないプリンター等によって出力して確認できるようにしてもよい。
年間の毎時の室温と冷暖房負荷は以下のように計算する。なお、以下の説明は、建物10A(10B,10C)に配設された6つの部屋のうち、1つの部屋(例えばLDK室)を対象としたものである。
室が保持する熱量差=熱貫流量+換気による熱の移動量+窓からの日射取得熱量+内部発熱量+空調機による熱量(冷暖房負荷)・・・(式1)
室外界との熱のやり取りは、建物構成要素である壁、床、天井、窓等における熱の対流や伝導により行われる「熱貫流」、換気装置や窓を介して流入する外部風による圧力差や室内外温度差の圧力差による空気の移流により行われる「換気」、窓などの透明部位からの「日射取得」がある。また、室内で発生する内部発熱には、在室者、家電、照明等による発熱がある。
<熱貫流量>
熱貫流量は、一次データに基づいて設定された各部位の熱貫流率(二次データ)と、熱貫流部位の面積(二次データ)、室内外温度差(二次データ)を掛け合わせることで計算する。
なお、室内外温度差は、一次データに含まれる気象データに基づく外気温と、仮定した室内温度との差である。
<換気による熱の移動量>
換気による熱の移動量については、一次データに基づいて設定された換気用窓の組み合わせや主風向のデータから計算対象室における換気回数(一次データから求められる二次データ)を求め、その換気回数と一次データに基づいて設定された室の気積(二次データ)、空気容積比熱(二次データ)、内外温度差(二次データ)を掛け合わせることで計算する。
<窓からの日射取得熱量>
窓からの日射取得熱量については、一次データに基づいて設定された窓の日射熱取得率(二次データ)、窓面積(二次データ)、気象データから得られる壁面日射量(二次データ)を掛け合わせることで計算する。
<内部発熱量>
内部発熱量については、内部発熱スケジュールデータ(一次データ)から、在室者、家電、照明等からの発熱量を抽出し、積算して算出した内部発熱量(内部発熱データ)は、二次データである。
<空調機による熱量>
空調機による熱量(冷暖房負荷)は、二次データであり、上述の冷暖房負荷データに該当する。設備機器稼動スケジュールデータにおいて空調機器がオフの場合は0(ゼロ)である。空調がオンの場合については後述する。
室が保持する熱量差=現時刻室温と前時刻室温の差×室の熱容量・・・(式2)
<室の熱容量>
室の熱容量は、室を構成する部材の容積比熱と、建物の面積等の情報から計算される二次データである。
建物の面積等の情報は、建物10A(10B,10C)における各部位(外壁、床、天井)の仕様ごとに異なる予め記憶部6に記憶された係数(一次データ)から一次データに基づいて設定された係数と各部位の面積(二次データ)とを掛け算して計算する。
その結果、設定温度に達しなかった場合は、空調機器による熱量を未知数、室温を設定温度として再計算する。その結果、毎時の空調機器による熱量(冷暖房負荷)を得る。
空調機による熱量(冷暖房負荷)は、暖房の場合はプラス値になり、冷房の場合はマイナス値になる。
なお、表Iの「部位」の項目における各部位は、建物を構成する各部位であり、これら各部位には予め係数が設定されている(記憶部6に予め格納されている。)。例えば天井であれば、高さ2.4メートルという係数が設定されている。また、係数は、上述の設問に対する回答(各部位の仕様)によって変化する。
また、「窓」における開口率に対して建物の各壁面に配置される開口部の比率の数値(係数)は固定されている。
なお、「気積」における項目は、室の面積×2.4(天井高)によって算出される。
また、表IIにおける換気回数設定の条件は、図6(b)に示す第二各種情報入力欄21の「自然風の利用」という項目における回答結果に基づく。
なお、表IIIにおける「日射熱取得率」の項目における数値と、「壁面日射量」における数値は、サッシの種類によって変化する。サッシの種類については図6(b)に示す第二各種情報入力欄21の「断熱」という項目における回答結果に基づく。
また、図6(b)に示す第二各種情報入力欄21の「日射取得」という項目における回答結果に応じて、表IIIの「窓の種類」項目における開口率に掛ける比率が変わる。
平日と休日で、在室が想定される時間は、空調機が稼働しているものとする。
なお、表Vにおける「前時刻室温」の数値は、上述したガウス・ザイデル法等によって計算済みとなっている。
なお、現時刻室温は、一室ごとに算出される。
また、空調機を使用した場合には、上述の非空調快適時間(Viki Time)は導き出されないものとする。
1 指標算出装置
2 制御部
3 入力部
4 表示部
5 通信部
6 記憶部
6a 気象データ取得プログラム
6b 温度算出プログラム
6c 温度判定プログラム
6d 積算プログラム
6e ポイント加算プログラム
7 気象情報データベース
10A 建物
10B 建物
10C 建物
20 各種情報入力欄
21 各種情報入力欄
30 評価表
31 微気候グレード表示欄
34 非空調快適時間表示欄
Claims (5)
- 建物の設計によって、どの程度の快適性が得られるかを評価する場合の指標を算出するための指標算出システムであって、
前記建物の温熱に係る二次データを算出するための、一次データを入力する一次データ入力手段と、
前記一次データから算出された前記二次データに基づいて、前記建物内における特定期間の単位時間ごとの室内環境に係る三次データを算出する三次データ算出手段と、
前記特定期間の単位時間ごとの室内環境に係る三次データが所定の基準値に該当するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記基準値に該当すると判定された三次データを抽出し、当該基準値に該当する三次データ分の単位時間を積算して、その積算時間を算出する積算手段と、
前記積算手段によって積算された前記積算時間を、前記建物の快適性を評価する場合の第一指標として表示する表示手段と、
前記一次データに振り分けられたポイントを加算するポイント加算手段と、を備え、
前記一次データには、前記建物のスペックに関する情報や周囲の環境に関する情報である建物情報と、
当該建物情報に関する設問と、が含まれ、
前記一次データのうち前記設問に対する回答が入力されると反映される前記建物情報には前記ポイントが振り分けられており、
前記表示手段は、前記ポイント加算手段によってポイントを加算した結果を、前記建物の快適性を評価する場合の第二指標として表示することを特徴とする指標算出システム。 - 請求項1に記載の指標算出システムにおいて、
前記一次データ入力手段には、特定期間の単位時間ごとの気象データを取得する気象データ取得手段が含まれており、
前記気象データは、前記一次データに含まれるものであることを特徴とする指標算出システム。 - 請求項1又は2に記載の指標算出システムにおいて、
前記表示手段は、
前記積算手段によって積算された前記積算時間を夏期と冬期と中間期に分けて表示することを特徴とする指標算出システム。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の指標算出システムにおいて、
前記表示手段は、
前記建物内における特定期間の単位時間ごとの室内環境に係る三次データのうち特定の時間帯の前記三次データと、前記建物が比較仕様で設計された場合における特定の時間帯の前記三次データと、を比較表示することを特徴とする指標算出システム。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の指標算出システムにおいて、
前記表示手段は、
前記第一指標と、前記建物が比較仕様で設計された場合における前記積算時間と、を比較表示することを特徴とする指標算出システム。
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Publications (2)
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