JP6644842B2 - 光起電モジュールを特性評価するための方法及びデバイス - Google Patents

光起電モジュールを特性評価するための方法及びデバイス Download PDF

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Description

本発明は、光起電(太陽光発電)モジュールを特性評価して、その性能を定量的に評価し、又は検査中に潜在的な製造欠陥を特定するための方法に関する。
光起電技術は、量、生産性、技術の多様性に関して急速に成長している。この技術の産業化を確実にするためには、製造されたモジュールの品質管理ツールを強化して、多様な技術の光起電パネルの性能の均一性、品質、及び製造の再現性を保証する必要がある。
製造された光起電モジュールの品質を管理するためのシステムは既に存在している。こうしたシステムの一部は光起電モジュールのルミネセンスを利用するものであり、モジュールに光励起(フォトルミネセンス)又は電気的励起(エレクトロルミネセンス)を適用することで、モジュールが発光する。発光の画像を撮影し、それを処理することによって、微小クラックや接続の問題等のモジュールの品質欠陥を検出することができる。
例えば、特許文献1には、異なるスペクトル感度を有する二つのカメラを用いてモジュールのエレクトロルミネセンス画像を複数撮影し、撮影した画像から欠陥の無いモジュールの画像を構築し、撮影された画像のうち一つから欠陥の無い画像を差し引くことによって、モジュールの欠陥を自動的に検出することが記載されている。
この種の方法の欠点は、単に定性的なものであって、絶対的、つまりは定量的な光起電の質及び性能の指標を決定することができないという点である。
また、特許文献2には、異なるスペクトル感度を有する二つのカメラを用いて光起電モジュールの二つのエレクトロルミネセンス画像を撮影し、それら画像からモジュールのバンドギャップエネルギーを決定することが記載されている。
この文献では、バンドギャップエネルギーを用いて、モジュールの欠陥の純粋に定性的な推定を得る。また、この文献で示されている較正手順は解析的手法に基づいていないので、外挿データの不確実性を評価することができない。従って、外挿して解析されたデータから得られた結論は不正確なものとなり得る。
また、モジュールのルミネセンスイメージング法としては、製造ラインに組み込まれて、シリコン技術モジュールに対してモジュール内の電荷の拡散長及び寿命をマッピングすることができるものも存在している。
しかしながら、こうした技術は、性能や光起電効率の絶対的な変動へのアクセスを与えるものではない。また、こうした技術は、カルコゲニド系の薄層を備え、特性が空間的に極めて不均一であるもの等の他の光起電モジュール技術には適していない。
また、こうした技術は、動作中のモジュールの性能及び劣化を追跡することができるモバイル型に展開可能ではない。
米国特許出願公開第2015/0070487号明細書 国際公開第2017/108511号
U.Rau et al.,"Reciprocity relation between photovoltaic quantum efficiency and electroluminescent emission of solar cells"、Phys.Rev.B、第76巻、p.085303−2、2007年8月 W.Shockley、H.J.Queisser、"Detailed Balance Limit of Efficiency of p‐n Junction Solar Cells"、Journal of Applied Physics、第32巻、第3号、doi:10.1063/1.14360.34.
上記の点に鑑み、本発明の課題は、従来技術の欠点を少なくとも部分的に解消することである。
特に、本発明は、光起電モジュールの性能を定量的に特性評価するための方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、あらゆる光起電モジュール技術で利用可能とすることである。
本発明の他の目的は、製造中又は動作中にモジュールを特性評価できるようにすることである。
この点に関し、本発明の一対象は、以下のステップを備える光起電モジュールを特定評価するための方法である:
‐ モジュールの少なくとも一つのエレクトロルミネセンス画像を撮影するステップ、
‐ 撮影した画像を用いて、光起電モジュールの見掛けのバンドギャップエネルギーをマッピングするステップ、及び、
‐ 見掛けのバンドギャップエネルギーのマッピングを用いて、モジュールの以下の数量のうち少なくとも一つをマッピングするステップ;
○ 開路電圧、
○ 飽和電流、及び、
○ 光起電効率の絶対損失。
一実施形態では、本方法は、モジュールの光起電効率の絶対損失をマッピングするステップを備え、そのステップは、
‐ 光起電効率の最大効率に対応する見掛けのバンドギャップエネルギー値に対する見掛けのバンドギャップエネルギーの変動をマッピングすること、及び、
‐ 見掛けのバンドギャップエネルギーの変動のマッピングから光起電効率の絶対損失のマッピングを導出することを備える。
一実施形態では、本方法は、モジュールの開路電圧をマッピングするステップを備え、その開路電圧Voc(x,y)は以下の式によって得られる:
ここで、
‐ E app(x,y)は、モジュールの点(x,y)におけるモジュールの見掛けのバンドギャップエネルギーであり、
‐ qは電気素量である。
一実施形態では、本方法は、モジュールの飽和電流をマッピングするステップを備え、モジュールの飽和電流J(x,y)が以下の式によって得られる:
ここで、AとBは定数である。
一実施形態では、光起電モジュールの見掛けのバンドギャップエネルギーをマッピングするステップは、撮影されたエレクトロルミネセンス画像の強度を較正する予備ステップを備える。この場合、見掛けのバンドギャップエネルギーをマッピングすることは更に以下のことを備える:
‐ 撮影されたエレクトロルミネセンス画像の強度から、モジュールの各点(x,y)について、モジュールによって放出された光子のエネルギーの関数として光起電モジュールの外部量子効率の曲線を決定すること;及び
‐ モジュールの各点(x,y)において、外部量子効率の曲線に基づいて、見掛けのバンドギャップエネルギーの値を決定すること。
他の実施形態では、本方法は、モジュールの二つのエレクトロルミネセンス画像を撮影することを備え、それら二つの画像は、光子の波長に関して異なる光子検出感度を有する二つのカメラによって撮影され、モジュールの見掛けのバンドギャップエネルギーのマッピングが、二つの画像のエレクトロルミネセンス強度の比のマッピングを用いて展開される。
本実施形態では、見掛けのバンドギャップエネルギーをマッピングするステップは、有利には較正ステップを備え、その較正ステップは以下のことを含む:
‐ モジュールの一組の点について、モジュールの外部量子効率を測定して、外部量子効率から見掛けのバンドギャップエネルギーを導出すること;
‐ そのモジュールの同じ組の点について、モジュールのエレクトロルミネセンススペクトルを測定して、最大放出強度の波長を導出すること:
‐ 一組の点から、見掛けのバンドギャップエネルギーと最大放出強度の波長との間の関係式を決定すること。
そして、見掛けのバンドギャップエネルギーをマッピングするステップは以下のことを備えることができる:
‐ そのモジュールの同じ組の点についての比の値に基づいて、モジュールの最大放出強度の波長と、二つの画像のエレクトロルミネセンス強度の比との間の関係式を決定すること;及び、
‐ 二つの画像のエレクトロルミネセンス強度の比の関数としてモジュールのあらゆる点における見掛けのバンドギャップエネルギーの式を導出すること。
有利には、モジュールの一組の点は少なくとも5点、好ましくは10点を含み、それら点は、二つの画像のエレクトロルミネセンス強度の比の値がその組の多様な点において異なるように選択される。
本発明の他の目的は、光起電モジュールを特定評価するためのシステムであり、そのシステムは以下のものを備え:
‐ 光起電モジュールに電力を供給するための電源、
‐ モジュールのエレクトロルミネセンス画像を撮影するための少なくとも一つのカメラ、及び、
‐ コンピュータを備える処理ユニット、
そのシステムは、上記に係る方法を実施するのに適していることを特徴とする。
一実施形態では、特性評価システムは更に以下のものを備え得る:
‐ 第一のカメラとは異なる光子エネルギーに関する光子検出感度を有する第二のカメラ;及び
‐ 分光計。
本発明の方法は、光起電モジュールについて以下の性能指標のうち少なくとも一つの定量的マッピングを求めることを可能にする:
‐ 開路電圧;
‐ 飽和電流;及び
‐ 光起電効率の絶対損失
このため、本発明は、第一実施形態に従って、異なるスペクトル感度を有する二つのカメラと適切な較正方法とを用いることによって簡単に実施可能である。この場合、絶対単位でエレクトロルミネセンス画像の強度にアクセスする必要なく、モジュールの見掛けのバンドギャップエネルギーをマッピングすることができる。
絶対強度値を得るためにエレクトロルミネセンス画像の較正を必要とする他の実施形態によると、一つのカメラのみが必要であり、最終結果を得るのに必要な計算ステップの数が減る。
本発明は、例えば光起電モジュールの製造ラインに設置することによって産業スケールで適用可能であり、不適合製品を除去し、モジュール生産の再現性及び均一性をチェックすることを可能にする。また、本発明を用いて、動作中の光起電モジュールの劣化や経年劣化をチェックすることもできる。
本発明の他の特徴、目的及び利点は、添付図面を参照して以下の純粋に例示的なものであって限定的なものではない説明を読むことで明らかとなるものである。
本発明の一実施形態に係る光起電モジュールを特性評価するための方法の主なステップを概略的に示す。 シリコン系光起電モジュールのエレクトロルミネセンススペクトルの例を示す。 Si CCDカメラ及びInGaAsカメラの量子効率曲線を示す。 入射光子のエネルギーの関数としての光起電モジュールの外部量子効率の曲線の線形外挿によるバンドギャップエネルギーの決定を示す。 エレクトロルミネセンス画像を撮影するための特性評価システムの一部分の例を示す。 エレクトロルミネセンススペクトルを撮影するための特性評価システムの他の構成要素を示す。 バンドギャップエネルギーの関数として光起電セルの最大効率の曲線を示す。
[特性評価方法]
図1を参照すると、光起電モジュールMを特性評価するための方法の主なステップが示されている。
本方法は、図4aから図4bに示されるシステム1によって実施され、そのシステム1は、モジュールの少なくとも一つの電源10(好ましくは電圧発生器)と、少なくとも一つのカメラ11と、撮影された画像(一又は複数)を以下説明するように処理するように構成された少なくとも一つのコンピュータ120を備える処理ユニット12とを備える。コンピュータ120は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、FPGAやASIC型の集積回路等であり得る。
システム1は、カメラが撮影した画像を記憶するためのメモリ13を更に備える。このメモリは、処理ユニットに集積されるか又は処理ユニットと遠隔であり得る。
カメラ及び/又は処理ユニット12及び/又はメモリ13の間の接続は有線であり得るが、より有利には、インターネット等の電気通信ネットワークを介する遠隔通信用に無線接続となる。
図1に戻ると、本方法は、カメラ11によって、光起電モジュールの少なくとも一つのエレクトロルミネセンス画像を撮影する第一ステップ100を備える。このため、電源10がモジュールに電力を供給する。有利には、供給される電力はモジュールの端子に印加される電圧であり、好ましくはモジュールの平均開路電圧に等しいが、これに限定されるものではない。
電圧(又は電流)の印加は、モジュールにエレクトロルミネセンス信号を発生させて、それをカメラによって撮影する。
好ましくは、カメラ11は、モジュールによって放出されたエレクトロルミネセンス信号を、そのスペクトル応答及びモジュール技術(これがエレクトロルミネセンス信号の放出波長を決定する)の関数として検出することができるように選択される。例えば、薄膜CIGSカルコゲニド系や結晶シリコン系の光起電モジュールの場合、モジュールのエレクトロルミネセンススペクトルは赤外線の範囲内にあり、カメラは有利にはInGaAs型のものである。
次いで、本方法は、撮影された画像から、モジュールのあらゆる点(x,y)におけるモジュールの見掛けのバンドギャップエネルギー(E appで表す)をマッピングするステップ200を備える。見掛けのバンドギャップエネルギーは、モジュールに到達した入射光子がモジュールによって吸収されて特定の量の電荷を発生させるために有さなくてはならない最低エネルギーに対応する。このバンドギャップエネルギーはモジュールに対する空間的変数であるので、モジュールのエレクトロルミネセンス強度マッピングを見掛けのバンドギャップエネルギーマッピングに変換することができる。
このステップ200は以下の二つの異なる方法で実施可能である。
[第一のE appマッピング方法]
第一実施形態では、バンドギャップエネルギーのマッピングは、モジュールの単一のエレクトロルミネセンス画像に基づいて求められる。
この場合、特性評価システム1は一つのカメラのみを備え、ステップ200は、撮影された画像のエレクトロルミネセンス強度の絶対較正、つまり単位波長当たりで毎秒での絶対エレクトロルミネセンス画像の各画素における放出光子束の絶対決定を行うサブステップ210を備える。この較正は、カメラ11によって撮影されて測定されたショット数とモジュールによって実際に放出された光子数との間の関係式を求めることを可能にする。
この較正を実施するため、有利には、特性評価システムはレーザー及び光ファイバー(図示せず)を備える。
好ましい実施形態によると、光ファイバーはレーザーの出力に位置し、カメラ11のレンズの開口数と比較して十分小さな開口数のファイバーを選択することで、ファイバーで送られるレーザーの光度全体がカメラによって収集されることを確実にする。
カメラ応答画像は、ステップ100中のエレクトロルミネセンス画像と同じ撮影条件で、つまり同じ環境照明や同じ環境温度等で撮影される。次いで、光ファイバーのコアの画像をカメラで撮影するのと同時に、ファイバーから出射する光パワーを測定する。
ファイバーコアの画像をカメラ応答画像で割って、設備のエレクトロルミネセンス画像を空間的に較正することを可能にする。
エレクトロルミネセンス画像の測定光度を較正するため、ファイバーコアの画像を空間的に積分して、レーザーによって放出された光子数に対するショット(検出光子)数を与える。このショット/放出光子の比が決定されると、ステップ100で撮影されたエレクトロルミネセンス画像をこの比で割って、光子の絶対値を得ることができる。
有利には、既知のスペクトル位置に輝線を有する較正ランプ(例えば、キセノンランプ)を用いて、波長に関してカメラ11を予め較正しておく。
この絶対較正が行われると、本方法は、撮影されたエレクトロルミネセンス画像の強度から、モジュールの各点(x,y)について、モジュールによって放出された光子のエネルギーの関数として、光起電モジュールの外部量子効率EQE(E,x,y)の曲線を決定するサブステップ220を備える。
このステップは、非特許文献1に記載されている以下のラウ(Rau)の相互関係式を適用することによって行われる:
ここで、
‐ ΦEL(E,x,y)はエレクトロルミネセンス画像の強度であり、
‐ Eは放出光子のエネルギーであり、
‐ EQE(E,x,y)は外部量子効率であり、
‐ φbb(E)は黒体のフラックスであり、
‐ qは電気素量であり、
‐ kはボルツマン定数であり、
‐ Tはモジュールの温度であり、
‐ V(x,y)は、画像を撮影する際にモジュールに印加される電圧である。
この式を適用することによって、エレクトロルミネセンス強度から、画素毎に放出光子のエネルギーの関数として外部量子効率の曲線を決定することができるが、これは、用いられたカメラの信号が、波長に関して、つまりはエネルギーに関して分解されるからである。
次いで、本方法は、前に決定された外部量子効率曲線EQE(E,x,y)から、モジュールのあらゆる点における見掛けのバンドギャップエネルギーE app(x,y)を導出するサブステップ230を備える。
図3を参照すると、ゼロエネルギー(線形外挿とエネルギー軸との交点)に対して、外部量子効率及びエネルギーの関数である曲線の線形部分を外挿することによって、見掛けのバンドギャップエネルギーE app(x,y)が決定される。その関数は以下のとおりである:
(E×ln(EQE−1))
従って、このステップの終わりにおいて、E app(x,y)がモジュールのあらゆる点において分かる。
[第二のE appマッピング方法]
第二実施形態では、モジュールの二つのエレクトロルミネセンス画像からバンドギャップエネルギーE app(x,y)が求められる。
この場合、システム1は、スペクトル応答が異なる、つまり光子波長の関数として光子検出感度の曲線が異なる二つのカメラ11を備える。その曲線はカメラの量子効率曲線と称される。また、カメラの量子効率曲線は、波長が重なる範囲(つまり、二つのカメラの検出感度がゼロではない波長範囲を意味する)を有さなければならず、この範囲は、対象のモジュールのエレクトロルミネセンス放出波長の範囲に対応している。有利には、波長が重なる範囲は少なくとも200nmである。図4aに見て取れるように、カメラ11はレール110に並進移動可能に取り付けられ、モジュールに対して正確にカメラを移動できるようにする。
図2bは、シリコンCCDカメラと、InGaAsカメラとについての量子効率曲線QEを示す。
シリコンCCD検出器のカメラは、400から1100nmの波長範囲に広がる量子効率を有し、略600nmの波長の光に対して最大の検出感度及び効率を有する。こうしたカメラの感度は、900から1100nmの間である光の近赤外線領域に対応する波長に対しては低い。
InGaAs検出器のカメラは、より赤外線の検出に適していて、900から1800nmの波長範囲に広がる量子効率を有し、900から1700nmの間の広範囲にわたって安定な検出の最大量子効率を有する。
図2aに示されているエレクトロルミネセンススペクトルは、結晶シリコン系の光起電モジュールに対するものである。y軸は任意単位である。前の例でのカメラの選択を用いると、InGaAsカメラは、このモジュールのエレクトロルミネセンス信号全体を検出することができ、一方、シリコンCCDカメラは、900から1100nmの間のスペクトルの下端のみを検出することができる。
この感度の違いを利用して、見掛けのバンドギャップエネルギーE appのマッピングを決定する。このエネルギーは、最大放出強度λmaxの波長と相関していて、E appが大きいほど、λmaxが小さくなる。実際、モジュールの一点におけるE app(x,y)の変動は、λmax(x,y)の変動を生じさせる。一般的に、この種の変動は、スペクトル感度に関してモジュールに最も適しているカメラ(上記例ではInGaAsカメラ)のエレクトロルミネセンス画像の強度変化を生じさせるほど大きくはない。
感度の異なる二つのカメラを用いると、エレクトロルミネセンス画像の強度の局所的変化を利用して、E app(x,y)の変動を導出することができる。
しかしながら、本発明は、上述の例に限定されるものではなく、シリサイド系光起電物質や、四元CIGSやテルル化カドミウムCdTe系カルコゲニド等の近赤外線の放出スペクトルを有するものや、ヒ化ガリウムGaAsやペロブスカイトやリン酸インジウム系の光起電物質等の可視光範囲に放出スペクトルを有するものといった多様な光起電技術に適用可能である。
本方法は、モジュールのルミネセンススペクトルに従ってカメラ(一つ又は複数)を選択することによって適用され得る。
本実施形態のステップ200の第一サブステップ210’では、二つの画像の間のエレクトロルミネセンス強度比RImを計算する:
ここで、ImEL (x,y)とImEL (x,y)はそれぞれ二つのカメラのエレクトロルミネセンス画像である。この比は画素毎に画像を割ることによって得られる。
サブステップ220’中に、較正を行って、モジュールの見掛けのバンドギャップエネルギーE app(x,y)と最大放出強度波長λmax(x,y)との間の線形関係式を決定する。
このため、二つの画像の間の異なる変動強度(つまり、変動比率の値)に対応するモジュールの一組の点(x,y)を選択する(221’)。有利には、本方法の終わりにおいてE app(x,y)の十分に正確なマッピングを得るために、選択される点の数は少なくとも5点、好ましくは10点である。例えば、一組の点は10点を含み得る。
次いで、ステップ221’で選択された一組の点の各点について、モジュールの外部量子効率EQE(x,y)の測定222’を実験的に行うが、その測定の実施は当業者には既知である。各点(x,y)について、その点における見掛けのバンドギャップエネルギーE app(x,y)の値を、図3を参照するステップ230において上述したのと同じ手順に従って導出する。
ステップ221’で選択された組の各点(x,y)において、モジュールのエレクトロルミネセンススペクトルも撮影して(223’)、そのスペクトルから最大強度波長λmax(x,y)を抽出する。このステップを実施するため、図4bに示されるように、システム1は、有利には、分析される光起電モジュールの技術に従って選択された分光計14を備える。例えば、分光計は、−40℃に冷却されたInGaAs分光計であり得る。
較正ステップ220’は最後にサブステップ224’を備え、そのサブステップ224’中に、E app(x,y)及びλmax(x,y)が分かっている組の点からの線形外挿によって、これらを繋ぐ較正係数F及びFが、以下の式を用いて決定される:
app(x,y)=Fλmax(x,y)+F
最後に、ステップ230’中に、二つの画像の間のエレクトロルミネセンス強度比RIm(x,y)のマッピングから、見掛けのバンドギャップエネルギーE app(x,y)のマッピングが求められ、上記式のRIm(x,y)の関数としてλmax(x,y)を表す。
しかしながら、一般化されたプランクの法則はλmax(x,y)とRIm(x,y)との間の関係を対数で表し、以下のように記述される:
λmax(x,y)=Fln(RIm(x,y))+F
及びFは、ステップ210’で得られたRIm(x,y)のマッピングとステップ223’で得られたλmax(x,y)の値との関数として決定される。
従って、E app(x,y)が、RIm(x,y)の関数として以下の式で得られる:
app(x,y)=F(Fln(RIm(x,y))+F)+F
第一のE app(x,y)決定方法は、計算ステップが少なく、ハードウェアをあまり必要としないので、実施が高速である点に留意されたい。一方、第二実施形態は、少ない数の点でモジュール全体の所望のマッピングを得ることができ、また、エレクトロルミネセンス画像の強度を絶対単位で表す必要がない。
app(x,y)のマッピングが得られると、本方法は、以下のステップのうち少なくとも一つを備える:
‐ 光起電効率の絶対損失をマッピングするステップ300、
‐ 開路電圧をマッピングするステップ400、及び
‐ 飽和電流をマッピングするステップ500。
ステップ300は、ショックレー・クワイサー限界から始めて実施されるが、これは、図5に示され非特許文献2に記載されているように、バンドギャップエネルギーの関数としての太陽電池の最大光起電変換効率ηmaxの曲線である。
ステップ300の実施に関しては、E(x,y)の値の分布における中央値
に対してバンドギャップエネルギーの変動∂E app(x,y)をマッピングすること(310)によって、光起電効率の絶対損失∂η(x,y)のマッピングが得られる。次いで、変動∂E app(x,y)に対応する効率の損失∂η(x,y)を、ショックレー・クワイサー限界の曲線から直接的に、例えばグラフから、導出する(320)。
従って、このステップは、モジュールの効率の空間的一様性を特性評価することを可能にするが、これは、生産された光起電モジュールの品質を改善するための重要な性能及び品質データである。
開路電圧をマッピングするステップ400の実施について、この電圧Voc(x,y)は、以下の式を用いてバンドギャップエネルギーから得られる:
ここで、
‐ E app(x,y)はモジュールの点(x,y)におけるモジュールの見掛けのバンドギャップエネルギーであり、
‐qは電気素量である。
最後に、飽和電流J(x,y)をマッピングするステップ500の実施について、この電流は、以下の式を用いてバンドギャップエネルギーから得られる:
ここで、AとBは、Jの測定値に対して曲線を調整することによって得られる二つの定数である。
1 システム
10 電源
11 カメラ
12 処理ユニット
13 メモリ
14 分光計
110 レール
120 コンピュータ
M 光起電モジュール

Claims (12)

  1. 光起電モジュール(M)の特性評価方法であって、
    前記光起電モジュールの少なくとも一つのエレクトロルミネセンス画像を撮影するステップ(100)と、
    撮影された画像を用いて、前記光起電モジュールの見掛けのバンドギャップエネルギーをマッピングするステップ(200)と、
    見掛けのバンドギャップエネルギーのマッピングを用いて、前記光起電モジュールの飽和電流(500)と光起電効率の絶対損失(300)とのうち少なくとも一つの量をマッピングするステップとを備える特性評価方法。
  2. 前記光起電モジュールの光起電効率の絶対損失をマッピングするステップ(300)を備え、該ステップ(300)が、
    光起電効率の最大効率に対応する見掛けのバンドギャップエネルギー値に対する見掛けのバンドギャップエネルギーの変動をマッピングすること(310)と、
    見掛けのバンドギャップエネルギーの変動のマッピングから、光起電効率の絶対損失のマッピングを導出すること(320)とを備える、請求項1に記載の特性評価方法。
  3. 前記光起電モジュールの飽和電流をマッピングするステップ(500)を備え、前記光起電モジュールの飽和電流J(x,y)が
    によって得られ、
    AとBが定数である、請求項1又は2に記載の特性評価方法。
  4. 前記光起電モジュールの見掛けのバンドギャップエネルギーをマッピングするステップ(200)が、撮影されたエレクトロルミネセンス画像の強度を較正する予備ステップ(210)を備える、請求項1からのいずれか一項に記載の特性評価方法。
  5. 前記見掛けのバンドギャップエネルギーをマッピングするステップ(200)が、
    撮影されたエレクトロルミネセンス画像の強度から、前記光起電モジュールの各点(x,y)について、前記光起電モジュールによって放出された光子のエネルギーの関数として前記光起電モジュールの外部量子効率の曲線を決定すること(220)と、
    前記光起電モジュールの各点(x,y)において、前記外部量子効率の曲線に基づいて見掛けのバンドギャップエネルギーの値を決定すること(230)とを更に備える、請求項に記載の特性評価方法。
  6. 光子の波長に関して異なる光子検出感度を有する二つのカメラ(11)によって、前記光起電モジュールの二つのエレクトロルミネセンス画像を撮影するステップ(100)を備え、前記光起電モジュールの見掛けのバンドギャップエネルギーをマッピングするステップ(200)が、前記二つのエレクトロルミネセンス画像のエレクトロルミネセンス強度の比のマッピングを用いて行われる、請求項1からのいずれか一項に記載の特性評価方法。
  7. 前記見掛けのバンドギャップエネルギーをマッピングするステップ(200)が較正ステップ(220’)を備え、前記較正ステップ(220’)が、
    前記光起電モジュールの一組の点について、前記光起電モジュールの外部量子効率を測定して、前記外部量子効率から見掛けのバンドギャップエネルギーを導出すること(222’)と、
    前記光起電モジュールの前記一組の点について、前記光起電モジュールのエレクトロルミネセンススペクトルを測定して、最大放出強度の波長を導出すること(223’)と、
    前記一組の点から、見掛けのバンドギャップエネルギーと最大放出強度の波長との間の関係式を決定すること(224’)とを含む、請求項に記載の特性評価方法。
  8. 前記見掛けのバンドギャップエネルギーをマッピングするステップ(200)が、
    前記光起電モジュールの前記一組の点についての前記比の値に基づいて、前記光起電モジュールの最大放出強度の波長と前記二つのエレクトロルミネセンス画像のエレクトロルミネセンス強度の比との間の関係式を決定すること(230’)と、
    前記二つのエレクトロルミネセンス画像のエレクトロルミネセンス強度の比の関数として前記光起電モジュールのあらゆる点における見掛けのバンドギャップエネルギーの式を導出すること(230’)とを更に備える、請求項に記載の特性評価方法。
  9. 前記光起電モジュールの一組の点が少なくとも5点を含む、請求項又はに記載の特性評価方法。
  10. 前記光起電モジュールの一組の点が、前記二つのエレクトロルミネセンス画像のエレクトロルミネセンス強度の比の値が各点で異なるように選択される、請求項からのいずれか一項に記載の特性評価方法。
  11. 光起電モジュールを特性評価するための特性評価システム(1)であって、
    前記光起電モジュールに電力を供給するための電源(10)と、
    前記光起電モジュールのエレクトロルミネセンス画像を撮影するための少なくとも一つのカメラ(11)と、
    コンピュータ(120)を備える処理ユニット(12)とを備え、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の特性評価方法を実施する用の特性評価システム(1)。
  12. 請求項11に記載の特性評価システム(1)であって、
    第一のカメラと異なる光子エネルギーに対する光子検出感度を有する第二のカメラ(11)と、
    分光計(14)とを更に備え、
    請求項7から10のいずれか一項に記載の特性評価方法を実施する用の特性評価システム(1)。
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