以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図35を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3は遊技盤13に設けられた振分入賞装置64の正面から内部を透視した図であり、図4は遊技盤13に設けられた振分け総理64の正面から内部を透視した詳細な図であり、図5はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63、67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2)で表示される表示態様を可変(例えば、表示されるキャラクターの色が可変)する場合に、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、振分入賞装置64、第2始動入賞装置300、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。振分入賞装置64、第2始動口300、第1可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の中央下部に、振分入賞装置64が設けられている。図3は、この振分入賞装置64を正面から見た場合の透視図である。振分入賞装置64は、縦長に構成されたケース体で構成されており、その上部に振分入賞装置64の内部に遊技球が入球可能な入球口640が設けられている。入球口640は、遊技球が通過したことを検出可能なゲート型のセンサで構成されている。振分入賞装置64の内部には、回動することで遊技球を左右に振分けることが可能な第1振分回転部材64a1が設けられている。第1振分回転部材64a1は、振分入賞装置64を構成するケース体に回動可能に軸支されている。
この振分入賞装置64を構成しているケース体は内部が透視可能な透明な樹脂(例えば、ポリカーボネートPC等)で構成されている。ケース体には、内部に設けられる第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8が視認困難なように、塗料で印刷された模様(例えば、間隔の狭い波紋の模様や、数字等の文字)が描かれており、その模様に隙間より、振分入賞装置64内を流下する遊技球の動きが視認できるように構成されている。
このように構成することで、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置や状態が遊技者に認識され難くなっており、遊技機外部より振分入賞装置64を視認することにより、あと何球で第1始動口71に入賞するかが判別し難く構成できる。
第1振分回転部材64a1は、半円形状に構成されており、半円の中心部から水平方向と垂直方向とにそれぞれ壁部を遊技機前面側に突出させて、入球口640を通過した遊技球を受け入れ可能な第1収容部64c1と第2収容部64d1とを有している。第1振分回転部材64a1は、半円形状の弧を上方に向けた状態で、半円の中心から垂直上方に弧側に向かって形成された、パチンコ機10の前面側に突出する壁部を遊技機上方に起立させた状態を原点とすると、第1収容部64c1を遊技機上方(入球口640方向)に向けた状態と、第2収容部64d1を遊技機上方(入球口640方向)に向けた状態とに左右に約90度回動可能に軸支されている。具体的には、第1振分回転部材64a1が右方向に回動して、第1収容部64c1が遊技機上方に向いた位置まで回動すると第1振分回転部材64a1がそれ以上、右方向に回動するのを禁止するストッパー部(図示せず)に当接することにより回動が禁止される。その、第1収容部64c1が上方に向いた状態から、第1振分回転部材64a1を左方向に回動させて、第2収容部64d1が上方に向いた位置となると、第1振分回転部材64a1がそれ以上、左方向に回動するのを禁止するストッパー部(図示せず)に当接することにより、回動が禁止される。即ち、第1振分回転部材64a1は、第1収容部64c1が上方に向いた位置を右方向への回動領域とし、第2収容部64d1が上方に向いた位置を左方向への回動領域として構成されている。
第1振分回転部材64a1は、入球口640を通過した遊技球を第1振分回転部材64a1の第1収容部64c1または第2収容部64d1で受ける。第1収容部64c1で遊技球を受けた場合には、遊技球の重さにより、第1振分回転部材64a1は、正面視(図3参照)左回りに回転して、遊技球を第1排出口650a1へと誘導する第1排出誘導路64z1に誘導する。ここで、第1振分回転部材64a1は、左右周りに約90度回動可能(磁石64b1が垂直上方に向いた状態を原点とした回転角度)に構成されており、第1収容部64c1と第2収容部64d1との境界壁の先端部には磁石64b1が設けられている。
振分入賞装置64には、第1振分回転部材64a1と同様に構成された、第2振分回転部材64a2、第3振分回転部材64a3、第4振分回転部材64a4、第5振分回転部材64a5、第6振分回転部材64a6、第7振分回転部材64a7、第8振分回転部材64a8がそれぞれ取り付けられている。第1振分回転部材64a1の斜め右下には、第2収容部64d1により振分けられた遊技球が第1誘導路64z2を転動した遊技球を受ける位置に第2振分回転部材64a2が取り付けられている。第2振分回転部材64a2の斜め左下には、第2振分回転部材64a2の第1収容部64c2により振分けられた遊技球が第2誘導路64z4を転動した遊技球が受ける位置に第3振分回転部材64a3が取り付けされている。第3振分回転部材64a3の斜め右下には、第2収容部64d3により振分けられた遊技球が第3誘導路64z6を転動した遊技球を受ける位置に第4振分回転部材64a4が取り付けされている。第4振分回転部材64a4の斜め左下には、第1収容部64c4により振分けられた遊技球が第4誘導路64z8を転動した遊技球が受ける位置に第5振分回転部材64a5が取り付けされている。第5振分回転部材64a5の斜め右下には、第2収容部64d5により振分けられた遊技球が第5誘導路64z10を転動した遊技球を受ける位置に第6振分回転部材64a6が取り付けされている。第6振分回転部材64a6の斜め左下には、第1収容部64c6により振分けられた遊技球が第6誘導路64z12を転動した遊技球が受ける位置に第7振分回転部材64a7が取り付けされている。第7振分回転部材64a7の斜め右下には、第2収容部64d7により振分けられた遊技球が第7誘導路64z14を転動した遊技球を受ける位置に第8振分回転部材64a8が取り付けされている。なお、第2〜第8振分回転部材64a2〜64a8は、それぞれ第1〜第7誘導路64z2〜64z14を流下する遊技球と各振分回転部材の遊技機上方に向いた位置における磁石64b1〜64b8とが衝突する位置に配置されている。
第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8が取り付けられている背面側ベース体には、第1ベース側磁石900a1、第2ベース側磁石900a2、第3ベース側磁石900a3、第4ベース側磁石900a4、第5ベース側磁石900a5、第6ベース側磁石900a6、第7ベース側磁石900a7、第8ベース側磁石900a8がそれぞれ配置されている。第1〜第8ベース側磁石900a1〜900a8は、それぞれ、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の磁石64b1〜64b8が垂直上方に向いた位置と対面の位置に遊技機前後方向で向き合うように配置されている。
さらに詳細には、第1振分回転部材64a1の磁石64b1と第1ベース側磁石900a1とは互いに反発する極性になるように構成されている。具体的には、第1ベース側磁石900a1は、背面側ベース体に固定された棒状の磁石で構成されており、先端部に磁極(S極またはN極)が発生するように構成されている。第1ベース側磁石900a1は、先端部を第1振分回転部材64a1側に向くように配置されて固定されている。
第1振分回転部材64a1の磁石64b1も第1ベース側磁石900a1と同様に棒状で構成された磁石で構成され、先端部が第1ベース側磁石900a1側に向くように、第1振分回転部材64a1に固定されている。第1振分回転部材64a1が回動し、第1収容部64c1と第2収容部64d1の境界壁が真上(入球口640の中心線上)に来る位置で、第1ベース側磁石900a1と第1振分回転部材64a1の磁石64b1が最も接近する(先端部同士が向かい合う)位置となる。ここで、互いの磁石は、極性が同じ(例えば、N極とN極)となるように配置されているので反発し、第1振分回転部材64a1の境界壁が真上を向く位置で停止することが無く、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。
これにより、第1振分回転部材64a1は、第1収容部64c1と第2収容部64d1の境界壁が、入球口640の中心線上となる位置(垂直上方となる位置)となると、磁石64b1と第1ベース側磁石900a1とが反発することにより、第1振分回転部材64a1が左右どちらかに回転し、第1収容部64c1と第2収容部64d1とのどちらかが、振分入賞装置64に入球してくる遊技球を受ける側(遊技機上方側)を向くようになる。よって、入球した遊技球が第1収容部64c1と第2収容部64d1との境界壁と当接して、球詰まりが発生したり、遊技球が第1振分回動部材64a1の第1収容部64c1、第2収容部d1に収容されることなく左右どちらかに流下することを防止することができる。
また、磁石64b1と第1ベース側磁石900a1とが反発することで、例えば、第1収容部64c1が遊技球を受けて左に約90度回転して、遊技球を第1排出誘導路64z1へ誘導した後に、第1振分回転部材64a1が右回転する(第1収容部64c1が上方を向く)のを防止することができる。これにより、遊技球を第1排出誘導路64z1へ誘導した後には、第2収容部64d1が上方を向いた状態となり、次に第1振分入賞装置64a1に入球した遊技球は、第2収容部64d1が受けて、遊技球の重さにより第1振分回転部材64a1がその状態から右に約180度回転して、遊技球を第1誘導路64z2へ誘導する。このように、第1振分回転部材64a1は、振分入賞装置64に入球する遊技球を第1排出誘導路64z1と第1誘導路64z2とに交互に誘導することができる。よって、均等に第1排出誘導路64z1と第1誘導路64z2とに遊技球を振り分けて入賞させることができる。
第2〜第8振分回転部材64a2〜64a8についても、第1振分回転部材64a1と同様の機構で構成されている。また、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8は、通常、遊技球の重さにより回動するように構成されているが、後述するが、RAM消去スイッチ122が操作されて、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理(図24)において振分位置初期化処理(図25、S1015)において、予め定められた初期位置に振分入賞装置64の振分位置調整モータ263により第1振分回転部材64a1から第8振分回転部材64a8がそれぞれ予め定められた初期位置(本実施形態では、第1〜第8排出誘導路64z1〜64z15に遊技球をそれぞれ誘導する位置)に回動されて設定される。ここで、初期位置は、後述する、振分入賞球数カウンタ203eの値が0(振分入賞装置64に0個または256個の遊技球が入球した状態)のときの位置であり、第1振分回転部材64a1の第1収容部64c1が上方に向いている位置であることを示す「1」、第2振分回転部材64a2の第2収容部64d2が上方に向いている位置であることを示す「0」、第3振分回転部材64a3の第1収容部64c3が上方に向いている位置であることを示す「1」、第4振分回転部材64a4の第2収容部64d4が上方に向いている位置であることを示す「0」、第5振分回転部材64a5の第1収容部64c5が上方に向いている位置であることを示す「1」、第6振分回転部材64a6の第2収容部64d6が上方に向いている位置であることを示す「0」、第7振分回転部材64a7の第1収容部64c7が上方に向いている位置であることを示す「1」、第8振分回転部材64a8の第1収容部64d8が上方に向いている位置であることを示す「0」がそれぞれ連続したデータとして「10101010」が設定されることにより初期位置に設定される。
また、第2振分回転部材64a2は、第1振分回転部材64a1が第1誘導路64z2に遊技球を振り分けた場合に、第1誘導路64z2を流下する遊技球を第1収容部64c2または第2収容部64d2で受けて、第2排出誘導路64z3または第2誘導路64z4に誘導する。このように、第1振分回転部材64a1から第7振分回転部材64a7は、遊技球を連続して第1誘導路64z2から第7誘導路64z14にそれぞれ誘導することにより、第8振分回転部材64a8に遊技球が到達する。第8振分回転部材64a8の第1収容部64c8で遊技球を受けて第8誘導路64z16に遊技球を振分けると、第8誘導路64z16を流下した遊技球が第1始動口71に誘導され入球する。
遊技機が初期化された状態では、第1振分回転部材64a1から第8振分回転部材64a8は、それぞれ遊技球を第1排出誘導路64z1から第8排出誘導路64z15に遊技球を誘導する位置に配置されている。
具体的には、第1、第3、第5、第7振分回転部材64a1,64a3,64a5,64a7は、第1収容部64c1、64c3、64c5、64c7が遊技機上方を向いた位置(右方向に最大角度回動した位置)に回動した状態に設定される。一方、第2、第4、第6、第8振分回転部材64a2,64a4,64a6,64a8は、第2収容部64d2,64d4,64d6,64d8が遊技機上方を向いた位置(左方向に最大角度回動した位置)に回動した状態に設定される。
よって、初期状態から、入球口640に遊技球が入球すると、1球目に入球した遊技球は、第1収容部64c1に入り、第1振分回転部材64a1が左方向に回動して、第1排出誘導路64z1に誘導される。これにより、遊技球は、振分入賞装置64に外部に排出される。なお、このとき、第1振分回転部材64a1は、第2収容部64d1が上方に向いた位置で停止している。その次に入球口640に入球した2球目の遊技球は、第1振分回転部材64a1の第2収容部64d1に入り、第1振分回転部材64a2が右方向に回動して、第1誘導路64z2に遊技球を振り分ける。第1誘導路64z2を流下した遊技球は、第2振分回転部材64a2の第2収容部64d2に入り、第2振分回転部材64a2は、右方向に回転して、第2排出誘導路64z3に遊技球を振り分ける。
この次に、入球口640に入球した3球目の遊技球は、第1振分回転部材64a1の第1収容部64c1に入り、第1排出誘導路64z1に振分けられる。4球目に入球した遊技球は、第1振分回転部材64a1の第2収容部64d1に入り、第1誘導路64z2に誘導され、第2振分回転部材64a2の第1収容部64c2に遊技球が入り、第2誘導路64z4に振分けられる。このように、第2振分回転部材64a2が第2誘導路64z4に遊技球を振り分けるまでには、4球の遊技球が入球口640に入球することが必要となる。同様にして、第3振分回転部材64a3が第3誘導路64z6に遊技球を誘導するまでは、8球の遊技球が入球口640に入球することが必要となる。同様に、第4振分回転部材64a4では16球、第5振分回転部材64a5では32球、第6振分回転部材64a6では64球、第7振分回転部材64a7では128球、第8振分回転部材64a8では256球が、第4誘導路64z8から第8誘導路64z16に遊技球をそれぞれ振り分けるのに必要となる。
つまり、振分入賞装置64の初期状態(入球した遊技球が0個)から第1始動口71に遊技球が入球するまでには、256球の遊技球が振分入賞装置64に入球する必要がある。後述するが、第1始動口71に遊技球が入球すると、大当たりと判定される(すべての大当たり乱数値が大当たりと判定される)構成であるので、256球の入球に対して1回は必ず大当たりが発生する構成となっている。このように構成することで、遊技者は、振分入賞装置64に遊技球をより多く入球させることを目的として遊技を行うことができるので、遊技に早期に飽きてしまうのを防止することができる。
第1振分回転部材64a1には、停止位置を検出するための回転角センサ670a1が設けられており、第1振分回転部材64a1が第1排出誘導路64z1に遊技球を誘導する状態(第1収容部64c1が上方を向いている状態)であるか、第1誘導路64z2に遊技球を誘導する状態(第2収容部64d1が上方を向いている状態)であるかを主制御装置110のMPU201が検出することが可能な構成となっている。同様に、第2振分回転部材64a2には回転角センサ670a2が、第3振分回転部材64a3には回転角センサ670a3が、第4振分回転部材64a4には回転角センサ670a4が、第5振分回転部材64a5には回転角センサ670a5が、第6振分回転部材64a6には回転角センサ670a6が、第7振分回転部材64a7には回転角センサ670a7が、第8振分回転部材64a8には回転角センサ670a8がそれぞれ設けられている。
回転角センサ670a1〜670a8は、振分位置確認センサー262を構成しており、主制御装置110に対して、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8が第1収容部64c1〜64c8をパチンコ機10の上方に向いた位置(右方向に回動した位置)に回動した状態では、プラスの回転角度であることを示す「1」を出力し、第2収容部64d1〜64d8が上方に向いた位置(左方向に回動した位置)に回動した状態では、マイナスの回転角度であることを示す「0」を出力する。
なお、第1排出誘導路64z1に誘導された遊技球は、第1排出口650a1を通過して振分入賞装置64の外部に排出され、再び遊技盤13の前面を流下する。第1排出口650a1は、遊技球が通過したことを検出可能なゲート型のセンサで構成されており、主制御装置110のMPU201により検出可能に構成されている。同様の構成で、第2排出誘導路64z3に誘導された遊技球は第2排出口650a2から、第3排出誘導路64z5に誘導された遊技球は第3排出口650a3から、第4排出誘導路64z7に誘導された遊技球は第4排出口650a4から、第5排出誘導路64z9に誘導された遊技球は第5排出口650a5から、第6排出誘導路64z11に誘導された遊技球は第6排出口650a6から、第7排出誘導路64z13に誘導された遊技球は第7排出口650a7から、第8排出誘導路64z15に誘導された遊技球は第8排出口650a8からそれぞれ排出される。
振分入賞装置64の入球口640と第1〜第8排出口650a1〜650a8とを通過した遊技球はそれぞれ、センサーにより検出されているので、振分入賞装置64に入球した遊技球の数、現在、振分入賞装置64に入球した遊技球の数を主制御装置110のMPU201が把握できる。よって、主制御装置110のMPU201は、次に大当たりするまでに必要な振分入賞装置64に入球する遊技球の数を認識できる。よって、第1始動口71に遊技球が入賞した場合には、振分入賞装置64に入球した遊技球の数が、第1始動口71に入賞する個数が入球しているか(本実施形態では、256個)を判別することで、不正に第1始動口71に入賞させられた遊技球であるかを判別することができる。
さらに、現在、振分入賞装置64内に入球している遊技球の数を把握することで、不正に入球された遊技球がないかを認識することができる。具体的には、例えば、振分入賞装置64の外部より穴を開けられて、通過口640以外から遊技球を入球させられている場合には、排出個数の方が通過個数よりも多くなることにより、不正を認識することができる。
さらにまた、振分入賞装置64内で遊技球が詰まってしまう不具合が発生した場合にも、入球口640と第1〜第8排出口650a1〜650a8とを通過した遊技球の数の差が一定個数(本実施形態では、10個)になると報知がされるので、早期に球詰まりを発見して、球詰まりを遊技店側が解消できる。
また、本実施形態では、図3に示すように第1振分回転部材64a1の右下に第2振分回転部材64a2を、第2振分回転部材64a2の左下に第3振分回転部材64a3を、第3振分回転部材64a3の右下に第4振分回転部材64a4を、第4振分回転部材64a4の左下に第5振分回転部材64a5を、第5振分回転部材64a5に右下に第6振分回転部材64a6を、第6振分回転部材64a6の左下に第7振分回転部材64a7を、第7振分回転部材64a7の右下に第8振分回転部材64a8を配置することで、左方向または右方向にそれぞれ振分回転部材を並べて構成するのと比較して、左右方向へのスペースの使用を抑えて、コンパクトに振分入賞装置64を構成することができる。
なお、本実施形態では、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8を図3に示すように、交互になるよう(ジグザグ位置)に配置したが、左または右方向の一方向に並べて配置することで、初期位置に設定する際に、すべての振分回転部材を一方向に移動させることで設定できるので、初期位置設定の処理が容易にできる。
なお、本実施形態では、第1〜8振分回転部材64a1〜64a8で構成したが、これに限るものではなく、10個等の振分回転部材を配置するように構成しても良いし、8個未満を配置するように構成してもよい。このように、振分回転部材の数を変更することで、第1始動口71の入賞するまでに必要な遊技球の入球数を変えることができ、大当たりを得る確率等を調整することができる。
また、振分回転部材の数を遊技店側で調整できるように構成してもよい。具体的には、振分回転部材と始動口をそれぞれ取り外し可能に構成しておき、遊技店側が、都合に応じて取り付けて設定することで、遊技店の都合に合わせた調整で遊技を行わせることができる。また、日によって変化させることもできるので、売上げによって変化させることで、遊技店と遊技者との収支にバランスが適当になるように調整できる。
また、本実施形態では、第1始動口71に遊技球が入賞した場合には、すべて当たりと判定されるように乱数値を設定したが、それに限らず、適宜、大当たり確率を設定してもよい。
図4は、振分入賞装置64の入球口640に入球した遊技球の遊技球の流れを模式的に示した図である。図4に示すINは、第1〜第8誘導路64z2〜64z16に誘導される遊技球の流下方向を示しており、OUTは、第1〜第8排出誘導路64z1〜64z15に誘導される遊技球の流下方向を示している。
なお、図3では省略されているが、図4に示すように、振分入賞装置64の第1〜第8誘導路64z2〜64z16の対面には、第1〜第8対面部材64t1〜64t8がそれぞれ設けられている。第1〜第8対面部材64t1〜64t8は、パチンコ機10の前面側に突出した壁部で構成されており、遊技球を第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8に誘導するように配置されている。また、第1〜第8誘導路64z2〜64z16を流下する遊技球の勢いが強い場合にも、第1〜第8対面部材64t1〜64t8により案内されることで、遊技球が第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8に誘導されずに、第1〜第8排出口650a1〜650a8から排出されてしまう不具合を抑制できる。
図2に戻り説明を続ける。遊技盤13の中央右側には、普通図柄始動口67が設けられている。普通図柄始動口67は、ゲート型で遊技球の通過を検出することができるセンサを有した始動口で構成されている。普通図柄始動口67を遊技球が通過した場合に、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。普通図柄始動口67へ遊技球が通過したことに対して行われる抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。
普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、後述する、可変表示装置ユニット80に設けられた第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、「○」と「×」の図柄が交互に所定時間(例えば、20秒)点灯した後に、抽選結果を示す普通図柄(本実施形態では「○」もしくは「×」の図柄)が停止表示(点灯表示)される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に普通図柄始動口67に球が通過すると、その通過回数は、最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示される。なお、後述するが、通常遊技状態(非時短状態)では、普通図柄の当選確率は0%(当たりと判定される乱数値が設定されていない)に設定されている。一方、時短遊技状態では、当選確率は100%(すべての乱数値が当たりと判定される)に設定されている。
なお、本実施形態では、通常遊技状態(非時短時)において、普通図柄の当選確率は0%としたが、それに限らず、遊技性に支障が出ない範囲で、当たり確率の低い当選確率(例えば1/1000等)に設定するように構成してもよい。ここでは、通常遊技状態において、遊技領域の右側に遊技球を発射させる、即ち、右うち(普通図柄を当選させようとして、普通図柄始動口67に遊技球を入賞させるようにする遊技方法)が行われることで、遊技者に有利となってしまうような確率に設定しなければよい。
普通図柄の当たりと判定された場合には、第2図柄表示装置83に普通図柄の抽選が当たりであったことを示す図柄である「○」が点灯表示される。当たりである図柄が表示されると、普通電動役物が作動し、通常時は上方に起立した状態で維持されている普通電動役物の羽根300a,300bが略垂直に起立した状態から略V字形(逆ハの字形)に可動し、遊技球を羽根300a,300bが誘導することにより、所定時間(本実施形態では3s)遊技球を入球し易い状態になる。一方、普通図柄の外れと判定された場合には、第2図柄表示装置83に普通図柄の抽選が外れであったことを示す図柄である「×」が点灯表示される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、普通図柄始動口67に入賞された球のうち変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。大当たり中のラウンド数やエラー表示もそれに対応する点灯状態により示される。
7セグメント表示器37bは、左右に2つの7セグメントLEDで構成されている。左右の7セグメントLEDは、第1始動口71または第2始動口300の入賞に基づいた抽選遊技の判定結果を示す特別図柄が変動表示(動的表示)される。具体的には、第1始動口71または第2始動口300への入賞に基づいて決定された、変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(本実施形態では、7セグメントの中央のセグメントが点滅表示)した後に、判定結果を示す図柄で停止表示される。判定結果が外れの場合には中央の1セグメントが点灯表示する外れを示す図柄「−−」が表示される。一方、判定結果が当たりである場合には、当たりに対応した図柄「33」、「77」などの外れを示す図柄とは異なる図柄が表示される。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。なお、本実施形態では、第1始動口71及び第2始動口300に遊技球が入賞すると、必ず、大当たりと判定される(全ての特別図柄当たり乱数カウンタC1の値が大当たりと判定される)ので、特別図柄の変動が開始され、停止表示される図柄は、大当たりを示す図柄となっている。
また、パチンコ機10における変動パターン(変動態様または動的表示態様)は、後述するが、変動態様に変動時間が設定されており、時間情報に関する動的表示態様に該当する。
尚、本パチンコ機10では、第1始動口71または第2始動口300への入賞に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、図9に示すように、大当たりA(16R大当たり普通図柄の時短期間100回、即ち、時短あり大当たり)、大当たりB(16R大当たり普通図柄の時短期間0回、即ち、時短なし大当たり)が用意されている。LED37bに表示される大当たり図柄は、その大当たり種別を示す図柄となっている(本実施形態では、大当たりAでは「77」、大当たりBでは「33」が例えば表示される)。
ここで、「大当たりA」とは、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たりであり、大当たり後には、後述する、時短遊技状態に移行する。この時短遊技状態では、普通図柄始動口67に遊技球が通過した場合に、当たりと判定される確率が0%(当たりと判定される乱数値なし)から100%(すべての乱数値が当たりと判定される)に変更して設定される。時短遊技状態は、特別図柄の変動回数が100回となるまで継続して実行され、特別図柄の変動回数が100回となると通常遊技状態に移行される。ここで、通常遊技状態とは、普通図柄始動口67に遊技球が通過した場合に、当たりと判定される確率が0%に設定される遊技状態のことである。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口71または第2始動口300への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、特別図柄(第3図柄)の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81が設けられている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、左、中及び右の3つの図柄列が特別図柄の1つとして表示される。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
本実施形態では、第3図柄表示装置81で表示される特別図柄と同様の図柄が擬似図柄として表示される。擬似図柄については、後述するが、特別図柄と同様の図柄が、振分入賞装置64の入球口640に遊技球が入球したことに基づいて、所定の変動パターンで擬似図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示の場合には、第1図柄表示装置37においても特別図柄の変動表示が開始されるが、擬似図柄については、第3図柄表示装置81のみで擬似図柄の変動表示が行われる。
ここで、図11〜12を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。本実施形態では、第1始動口71または第2始動口300に遊技球が入賞した場合には、すべて当たりと判定されるために、特別図柄の変動パターンとしては、第1始動口71に入賞した場合と第2始動口300とのそれぞれに対しての大当たりとなる変動パターンが設定されている。
図11(a)は、第3図柄表示装置81で擬似図柄が変動表示されていない場合に、第1始動口71に遊技球が入賞したことに基づいて、選択される特別図柄の変動パターンである通常特別変動パターンを示した図である。擬似図柄が変動表示中でない場合に、第1始動口71に遊技球が入賞すると、左、中、右の図柄(本実施形態では、1〜9の数字)がループ状(1→2→・・・→9→1)に昇順に高速で変動表示が開始される。そして、図11(a)上図に示すように、左図柄と右図柄に同じ図柄が停止表示されて、リーチ状態となり中図柄のみが低速で変動表示する。リーチ状態となると「リーチ」という音声が音声出力装置226から出力される。その後、図11(a)に示すように、第3図柄表示装置81の特別図柄が表示されている領域の下側に、「天界到達!!」という文字が表示されて、遊技者に256球が振分入賞装置64に入球して、第1始動口71に遊技球が入賞したことを示す報知が表示される。その後、例えば、「777」で特別図柄が停止表示されて、遊技者に大当たりしたことを示す表示態様で停止表示される。
本実施形態では、第1始動口71に遊技球が入賞すれば、必ず大当たりとなる遊技機であるので、遊技者は、第1始動口71に入賞すれば大当たりとなることを認識している。そのため、遊技者は、振分入賞装置64に遊技球が第1始動口71に入賞することとなる入球数(本実施形態では、256球)が入球することが大当たりに直結することを理解して遊技を行っている。よって、「天界到達!!」の文字が表示されることで、早期に、振分入賞装置64に第1始動口71に入賞するのに必要な数の遊技球が入球したことを理解して、大当たりとなることを認識することができる。
図11(b)は、図10(a)に示す擬似図柄の変動パターンのうち、振分入賞装置64に入球した遊技球の数が256球であるときに選択される天井変動パターンが変動表示されているときに、第1始動口71に遊技球が入賞して特別図柄の変動表示が開始される場合に選択される特別図柄の変動パターンである天井特別変動パターンについて示した図である。
図11(b)に示すように、擬似図柄の天井変動パターンでは、左、中、右の擬似図柄(本実施形態では、1〜9の数字)が昇順で高速で変動表示を開始する(図示せず)。次に、左右の擬似図柄が同じ数字の図柄(図11(b)上図では、左右の擬似図柄が「7」で停止)が停止表示して、「リーチ」音声が音声出力装置226から出力される。そして、擬似図柄が左上方に縮小して表示されて、閉じた扉の図柄が第3図柄表示装置81に表示される。そして、図11(b)中図に示すように、第1始動口71に遊技球が入賞して天井特別変動パターンで特別図柄の変動表示が開始されると、左上方に表示されている擬似図柄がそのまま特別図柄として差し替えられて、閉じた扉が開放された図が表示される。その後、図11(b)下図に示すように、リーチ状態で左上方に表示されていた特別図柄が、第3図柄表示装置81の中央に表示されて、その下方に「天界到達!!」の文字が表示される。その後、特別図柄が「777」で停止表示されて、大当たりしたことを報知する停止表示態様で停止表示される。
なお、この天井変動パターンは、遊技球が振分入賞装置64の入球口640に入球してから第1始動口71に入賞するまでにかかる時間(設計時に設定された時間)と同じ時間で変動時間が設定されている。よって、天井変動パターンの変動表示が開始されてから、変動時間が終了する頃に、第1始動口71に遊技球が入賞することとなるので、特別図柄への差し替えがスムーズに行われて、遊技者に不自然さを感じさせてしまうのを防止できる。従って、遊技者は、擬似図柄の変動であるか、特別図柄の変動であるかが識別し難くなり、第1始動口71へは入賞しない入球口640への入球に基づく擬似図柄の変動表示であっても、大当たり(第1始動口71への入賞)への期待を持つことができる。
また、天井変動パターンの変動表示から特別図柄の天井特別変動パターンに切り替える場合には、第3図柄表示装置81の左上で表示している擬似図柄を停止表示させた後に天井特別図柄の変動表示を開始させるように構成してもよい。
図12は、第3図柄表示装置81で、天井変動パターン以外の変動パターンで擬似図柄が変動表示されている場合に、第1始動口71に遊技球が入賞した場合に選択される特別図柄の変動パターンである切替特別変動パターンの表示態様を示した図である。
図12上図に示すように、擬似図柄が天井変動パターン以外の変動パターンで変動表示されている場合に、第1始動口71に遊技球が入賞すると、図12中図に示すように、切替特別変動パターンで特別図柄の変動表示が開始されることにより、変動表示されていた擬似図柄が消えて、ブラック画面が一瞬表示される。その後、左右の同じ特別図柄が停止表示された「リーチ状態」で表示されて、「天界到達!!」の文字が表示される。その後、「777」の特別図柄で停止表示されて、遊技者に大当たりしたことが報知される。
よって、遊技者は、天井変動パターンで表示される閉じた扉が表示されない場合でも、大当たりとなる場合を演出することができ、遊技者に天井変動パターンでなくても、大当たりへの期待を持たせることができる。また、特別図柄の変動開始時に、ブラック画面を一瞬表示することで、新鮮味を与えることができ、その後の特別図柄の変動に注目させることができる。
第1始動口71、第2始動口300へ遊技球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチまたは第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなる。その第1始動口スイッチ、第2始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。また、第1始動口71、第2始動口300は、球が入賞すると3個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
遊技領域の下方右側には横長矩形状の可変入賞装置65が配設されている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選遊技の大当たりに関する抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37を点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この可変入賞装置65の開閉動作は、決定された大当たりの種別によって決定され、大当たりA、大当たりB共に、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特典遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
具体的には、可変入賞装置65は、第1始動口71または第2始動口300に入賞したことに基づいて第1特別図柄が当たりを示す図柄で停止表示されると、その大当たり種別に基づいて開閉動作が設定され、特定入賞口65aが所定時間、または所定条件が成立すまで(本実施形態では、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
可変入賞装置65は、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,65a,71,300にも入賞しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図5に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図5、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図5、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。ROM202には、これらの処理を実行するための各種データや制御プログラム等が記憶されており、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図7参照)が設けられている。
ここで、図8(a)を参照して、主制御装置110のMPU201のROM202について説明する。主制御装置110のMPU201のROM202には、特別図柄当たり乱数テーブル202a、特別当たり種別テーブル202b、普通図柄当たり乱数テーブル202c、大当たり用変動パターンテーブル202d、変動パターンテーブル(普通図柄)202e、普通図柄用の停止種別コマンド202f、到達平均秒数データ202g、振分初期位置データ202h、振分役物位置データ202i、天井到達回数データ202jとが少なくとも設定(記憶)されている。
特別図柄当たり乱数テーブル202aは、図8(b)に示すように、第1始動口71または第2始動口300に遊技球が入賞した場合に取得される特別図柄当たり乱数カウンタC1の値が当たりと判定される乱数値が記憶されたデータテーブルである。本実施形態では、すべての特別図柄当たり乱数カウンタC1の値(0〜109)が当たりと判定される乱数値として特別図柄当たり乱数テーブル202aに記憶されている。なお、本実施形態では、すべての乱数値に対して当たりと判定されるように設定したが、それに限らず、適宜、当たりと判定される乱数値を設定すればよい。
特別当たり種別テーブル202bは、図9に示すように、抽選遊技の抽選において大当たりとなった場合に、実行される大当たりの種別を決定するためのテーブルである。本実施形態では、16R大当たりが実行された後に、時短遊技状態が設定される大当たりAと16R大当たりが実行された後に、通常遊技状態(非時短遊技状態)が設定される大当たりBとが設定されている。第1始動口71または第2始動口300に遊技球が入賞した場合に取得される特別当たり種別カウンタC2(0〜99)の値が、「0〜79」であれば、大当たりAが設定(決定)され、「80〜99」であれば、大当たりBが設定(決定)されるように特別当たり種別テーブル202bが設定されている。
普通図柄当たり乱数テーブル202cは、図8(c)に示すように、通常遊技状態(非時短遊技状態)と時短遊技状態とにおける、当たりと判定される普通図柄当たり乱数テーブル202cの乱数値が記憶されたデータテーブルである。本実施形態では、通常遊技状態では、当たりと判定される乱数値が設定されていない。即ち、通常遊技状態では、普通図柄始動口67に遊技球が入賞したことに基づいて取得されたすべての普通図柄当たり乱数カウンタC4(0〜99)の値について外れと判定される。また、時短遊技状態では、全ての乱数値が当たりと判定される乱数値として普通図柄当たり乱数テーブル202cに設定されている。即ち、時短遊技状態では、普通図柄始動口67に遊技球が入賞したことに基づいて取得されたすべての普通図柄当たり乱数カウンタC4(0〜99)の値について当たりと判定される。
大当たり用変動パターンテーブル202dは、特別図柄の当たりとなる変動表示態様(動的表示態様)が記憶されている。本実施形態では、第1始動口71及び第2始動口300に遊技球が入賞すると、全て当たりとなり、外れとなる場合がないので、大当たり用の変動パターン(動的表示態様)のみが設定されている。大当たり用変動パターンテーブル202dには、第1始動口71と第2始動口300の入賞に対して、それぞれ専用の大当たり用変動パターンが設定されている。
第1始動口71への入賞に対する大当たり変動パターンとしては、擬似図柄が変動停止している場合に選択される通常特別変動パターン、天井変動パターンで擬似図柄が変動表示されている場合に選択される天井特別変動パターン、天井変動パターン以外の擬似変動パターンで擬似図柄が変動表示されている場合に選択される切替特別変動パターンがそれぞれ設定されている。
第2始動口300への入賞に対する大当たり変動パターンとしては、時短特別変動パターンが設定されている。時短特別変動パターンは、0.5秒の変動時間で構成されており、所定の図柄(例えば「777」等)がぞろ目で揃った状態でいきなり表示されて大当たりしたことを報知する構成となっている。このように構成することで、時短遊技状態における遊技時間を短く構成することができ、遊技者は、大当たりが短い間隔で発生するために、遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。また、遊技店側としては、遊技球を消費しない時短遊技中の時間を短くすることができ、より売上げを多くすることができる。
変動パターンテーブル(普通図柄)202eは、普通図柄の変動表示態様(変動時間)が記憶された変動パターンテーブルである。普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、後述する、可変表示装置ユニット80に設けられた第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、「○」と「×」の図柄が交互に所定時間(本実施形態では、3秒)点灯した後に、抽選結果を示す普通図柄(本実施形態では「○」もしくは「×」の図柄)が停止表示(点灯表示)される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に普通図柄始動口67に球が通過すると、その通過回数は、最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示される。
本実施形態では普通図柄の変動パターンとして、当たり変動パターンと外れ変動パターンの2種類が変動パターンテーブル(普通図柄)202eに設定されている。当たり変動パターンと外れ変動パターンとは、共に3秒の変動時間で設定されている。このように、普通図柄の変動時間は、短い変動時間で構成されているので、より時短遊技状態を短くすることができる。よって、遊技者は、遊技時間を効率良く利用して、より多くの抽選遊技を行うことができる。また、遊技店側にとっても、より多くの売上げを上げることができる。
普通図柄用の停止種別コマンド202fには、普通図柄の当たりと外れの停止種別に対応したコマンドが記憶されている。
到達平均秒数データ202gは、振分入賞装置64の入球口640に遊技球が入球してから第1始動口71に入賞するまでに要する時間の設計時に算出された平均秒数データが記憶されている。本実施形態では、到達平均秒数は、「5秒〜7秒」として記憶されている。
また、本実施形態では、到達平均秒数は、設計値に基づいて予め設定されるように構成したが、それに限らず、例えば、工場出荷時の出荷検査等で、振分入賞装置64の入球口640から遊技球を入球させて、入球するのに要した時間に基づいて、到達平均秒数を設定するように構成しても良いし、毎回、第1始動口71に入賞するまでの到達秒数を計測して、その平均秒数が毎回更新されるように構成してもよい。このように、構成することで、振分入賞装置64を構成する部材の精度の違いにより、遊技機毎に到達秒数が異なる場合にも、正確な到達秒数を設定することができる。よって、より不正が行われたか否かを正確に識別することができる。
また、上述したように、到達平均秒数をパチンコ機10毎に、計測してそれぞれ設定する場合には、その計測して設定された到達平均秒数に基づいて、擬似天井変動パターンの変動時間等を設定するように構成してもよい。このように構成することで、より擬似図柄から特別図柄への切替をスムーズに自然に行うことができるので、より遊技者に違和感を与えることを防止できる。
また、本実施形態では、振分入賞装置64の第1〜第8排出口650a1〜650a8から排出された遊技球は、遊技盤13の上面を流下してアウト口66から排出される構成としたが、それに限らず、第1〜第8排出口650a1〜650a8から排出された遊技球が流下する共通の誘導路を設けて、一般入賞口へと誘導するように構成してもよい。この一般入賞口に遊技球が入球すると、例えば、3球等の賞球が遊技者に払い出される構成とすると良い。このように構成することで、入球口640に入球した遊技球が一般入賞口に入球するか、第1始動口71に入賞するかの演出を第3図柄表示装置81で行うことができ、より遊技の趣向性を向上させることができる。また、一般入賞口へ入賞させて、賞球を払い出すことで、第1始動口71に入賞するまでのパチンコ機10のベース(打ち出した遊技球と払い出された遊技球の差)を遊技者に不利(遊技者の投資額が大きくなりすぎる)にり過ぎてしまわないように調整することができる。
振分初期位置データ202hは、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8のそれぞれの初期位置が記憶されている。ここでの初期位置は、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8がそれぞれ第1〜第8排出誘導路64z1〜64z15に遊技球を誘導する位置が記憶されている。振分初期位置データ202hは、主制御装置110のMPU201が電源投入時に実行する立ち上げ処理(図24)で実行される振分位置初期化処理(図25、S1015)において、振分入賞装置64を初期設定する場合に使用される。
振分役物位置データ202iは、振分入賞装置64の入球口640に遊技球が入球した個数(振分入賞球数カウンタ203eの値)に対応して、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置(第1収容部64c1〜64c8が上方を向いている位置または第2収容部64d1〜64d8が上方を向いている位置)がそれぞれ記憶されている。
具体的には、振分入賞球数カウンタ203eの値が0(振分入賞装置64に0個または256個の遊技球が入球した状態)であれば、第1振分回転部材64a1の第1収容部64c1が上方に向いている位置であることを示す「1」、第2振分回転部材64a2の第2収容部64d2が上方に向いている位置であることを示す「0」、第3振分回転部材64a3の第1収容部64c3が上方に向いている位置であることを示す「1」、第4振分回転部材64a4の第2収容部64d4が上方に向いている位置であることを示す「0」、第5振分回転部材64a5の第1収容部64c5が上方に向いている位置であることを示す「1」、第6振分回転部材64a6の第2収容部64d6が上方に向いている位置であることを示す「0」、第7振分回転部材64a7の第1収容部64c7が上方に向いている位置であることを示す「1」、第8振分回転部材64a8の第1収容部64d8が上方に向いている位置であることを示す「0」がそれぞれ連続したデータとして「10101010」が設定されている。なお、上述した、振分初期位置データ202hには、この「10101010」が設定されている。
振分入賞球数カウンタ203eの値が1(振分入賞装置64に遊技球が1個入球した状態)であれば、第1振分回転部材64a1の第2収容部64d1が上方に向いた位置に移動するので、第1振分回転部材64a1の第2収容部64d1が上方に向いた位置であることを示す「0」に変更された「00101010」が設定されている。
このように、振分役物位置データ202iは、振分入賞装置64の入球口640に遊技球が入球した時点の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8までの位置がデータ化されてデータテーブルとしてそれぞれ記憶されている。この振分役物位置データ202iは、振分入賞球数カウンタ203eの値が「0〜255」(振分入賞装置64に0個〜255個入球した状態(256個入球した状態は0個で対応))までそれぞれの値に対応させて設定されている。
なお、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置の検出は、振分位置確認センサー262の出力値により検出される。振分位置確認センサー262は、各第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の回転角度を検出する角度センサーである。磁石64b1〜b8がそれぞれ遊技機垂直上方を向いた位置が0度に設定されており、右に回転すれば、プラスの値となり、左に回転すればマイナスの値となるように設定されている。よって、振分位置確認センサー262の値がプラスの値であれば、第1収容部64c1〜8が上方に向いていると判定する(振分役物位置データ202iのデータが「1」であると判定する)。一方、振分位置確認センサー262の値がマイナスの値であれば、第2収容部64d1〜8が上方に向いていると判定する(振分役物位置データ202iのデータが「0」であると判定する)。
天井到達回数データ202jは、振分入賞装置64が初期状態から第1始動口71に遊技球が入賞するまでの振分入賞球数カウンタ203eの値が記憶されている。即ち、第1始動口71に遊技球が入賞するために必要な振分入賞装置64への入球個数が記憶されている。天井到達回数データ202jは、主制御装置110のMPU201が第1始動口71に入賞するまでに必要な振分入賞球数カウンタ203eの値を認識するために設けられている。本実施形態では、振分入賞装置64に遊技球が256個入球すると、その256個目の遊技球が第1始動口71に入賞する、即ち、振分入賞球数カウンタ203eが255の状態から1加算されて0に更新された場合であるので、天井到達回数データ202jには、振分入賞球数カウンタ203eの値が0(初期化により設定された0は含まず)であることが設定されている。即ち、振分入賞球数カウンタ203eが255から1加算されて0に更新された値が、天井到達回数データ202jに該当する。
なお、本実施形態では、天井到達回数202jを予め設定しておく構成としたが、振分入賞球数カウンタ203eが255から1加算されて0に更新された場合に、256個目が振分入賞装置64に入球したことを示す天井到達フラグを設定しておき、オンに設定する構成にしてもよい。
次に、図7を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する特別図柄当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する特別当たり種別カウンタC2と、特別当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、普通図柄当たり乱数カウンタC4が用いられ、普通図柄当たり乱数カウンタC4の初期値設定には普通初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図14参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(S1200)(図27参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1始動口71または第2始動口300に対する入賞について各カウンタ値が格納される特別図柄実行エリア203aが設けられている。また、特別図柄の変動中である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、遊技球3個)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本実施形態では、第1始動口71または第2始動口300の入賞に対して、特別図柄の変動中に入賞した場合に保留球としての設定は設けない構成としたが、それに限らず、保留球を上限数あり、なしに関わらず設定してもよい。
図7に示す各カウンタについて詳しく説明する。特別図柄当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜109)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜109の値を取り得るカウンタの場合は109)に達した後0に戻る構成となっている。特に、特別図柄当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINI1の値が当該特別図柄当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
初期値乱数カウンタCINI1は、特別図柄当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、特別図柄当たり乱数カウンタC1が0〜109の値を取り得るループカウンタである場合には、初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜109の範囲のループカウンタである。この初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図14参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(S1200)(図27参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
特別図柄当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口71または第2始動口300に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の入賞した始動口に対応する特別図柄実行エリア203c1に格納される。大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄当たり乱数テーブル202a(図8(b))によって設定されており、特別図柄当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値(本実施形態では、「0〜109」)と一致する場合に、大当たりと判定する。
本実施形態のパチンコ機10における特別図柄当たり乱数カウンタC1は、0〜109の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この特別図柄当たり乱数カウンタC1では、大当たりとなる乱数の値(当たり値)の数は、110個で「0〜109」が、特別図柄当たり乱数テーブル202aに格納されている。即ち、すべての特別図柄当たり乱数カウンタC1の値が大当たりと判定される。
特別当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(本実施形態では、99)に達した後に0に戻る構成となっている。特別当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口71または第2始動口300に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の特別図柄実行エリア203aに格納される。
本実施形態のパチンコ機10における特別当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この特別当たり種別カウンタC2とROM202に格納された特別当たり種別テーブル202b(図9参照)とに基づいて、大当たり種別が決定される。ここで、図9に示すように、大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が16ラウンドで大当たり遊技後に時短遊技状態が設定される「大当たりA」、最大ラウンド数が16ラウンドで大当たり遊技後に通常遊技状態(非時短遊技状態)が設定される「大当たりB」がある。
特別当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する特別当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図9に示すように、大当たりAに対して特別当たり種別カウンタC2の値「0〜79」が対応付けられ、大当たりBに対して特別当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
特別図柄当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合(本実施形態では、すべての値が大当たりとなる値に設定されている)に、その特別図柄当たり乱数カウンタC1の値が格納されている特別図柄実行エリア203aに格納された特別当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特別当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、特別当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として大当たりAが決定され、特別当たり種別カウンタC2の値が「80」であれば、大当たり種別として大当たりBが決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に約80%の確率で大当たりAが選択され、また、20%の確率で大当たりBが選択されるように特別当たり種別テーブル202bが規定されている。
図7に戻って、各種カウンタの説明を続ける。普通図柄当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。球が普通図柄始動口67を通過したタイミングでRAM203の普通図柄保留球格納エリア203b(図6参照)に格納される。そして、普通図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル202c(図8(c))によって設定されており、普通図柄当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。
また、普通図柄当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の普通初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普通図柄当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。普通図柄当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図14参照)毎に更新され、球が普通図柄始動口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当たりと判定される乱数の値の数は、通常遊技状態では、0個であり、即ち、通常遊技状態(非時短遊技状態)では、普通図柄が当たりとならない構成となっている。また、時短遊技状態では、100個であり、その範囲は「0〜99」となっており、即ち、すべての乱数値に対して当たりと判定されるので、普通図柄始動口67を遊技球が通過すれば、必ず当たりとなる構成となっている。当たりと判定された場合には、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、普通電動役物64の羽根300a,300bが、時短遊技状態では、所定時間(本実施形態では1s)だけ開放される動作が1回行われる(通常遊技状態では、普通図柄は、当たりが設定されていないので、すべて外れとなる)。なお、普通初期値乱数カウンタCINI2は、普通図柄当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜99)、タイマ割込処理(図14参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図27、S1200)の残余時間内で繰り返し更新される。
普通図柄始動口67を遊技球が通過すると、普通図柄(第2図柄)の変動表示中でなく、普通図柄保留球格納エリア203bに保留球に基づく各カウンタ値が記憶されていない場合には、普通図柄保留球格納エリア203bに設けられた普通図柄保留球実行エリアに記憶される。また、普通図柄(第2図柄)が変動表示中または普通図柄保留球格納エリア203hに記憶されている保留球に対応する乱数値が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、普通図柄当たり乱数カウンタC4から取得された乱数値が対応する保留回数(普通図柄保留1〜4)の普通当たり乱数カウンタ格納エリア203bに格納される。なお、各エリアに乱数値が格納されると、普通図柄保留球格納エリア203bに設けられた普通図柄フラグがオンに設定され、その乱数値に基づく、普通図柄の変動表示停止され、または、保留を消化したことにより1つまえの保留エリアにデータがシフトされた場合には、オフに設定される。ここで、データがシフトされると、新たにシフトされて記憶された保留エリアの普通図柄フラグはオンに設定される。保留エリアにデータが記憶されているか否かまたは、普通図柄が変動表示中であるかの判定はどの保留エリア、または実行エリアの普通図柄フラグがオンになっているか否かで実行される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図6に戻り、説明を続ける。RAM203は、図7に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(S1200)(図27参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図24参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図23参照)が即座に実行される。
RAM203は、特別図柄実行エリア203a、普通図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球数カウンタ203c、時短中カウンタ203d、振分入賞球数カウンタ203e、振分排出球数カウンタ203f、振分入賞タイマ203g、振分入賞フラグ203h、その他メモリエリア203iを少なくとも有している。
特別図柄保留球実行エリア203aは、特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、特別図柄が変動表示停止している場合に、第1始動口71または第2始動口300に遊技球が入賞した場合に、取得した各種カウンタ値が記憶される記憶エリアである。特別図柄保留球実行エリア203aに記憶された各カウンタ値は、特別図柄が変動停止すると0クリア(消去)される。
詳細には、特別図柄保留球実行エリア203aは、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図7参照)より取得した特別図柄当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2の各値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理(図14参照)の中で、球が第1始動口71へ入賞したことを検出すると、カウンタ用バッファから特別図柄当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2の各値を取得して、特別図柄保留球実行エリア203aにそれぞれ記憶する。MPU201は、変動演出の実行開始(特別図柄が変動停止中に特別図柄実行エリア203aにデータが記憶された)タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行する。
MPU201は、特別図柄実行エリア203aにカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C3の各値がそれぞれ記憶された場合には、特別図柄実行エリア203aに格納されたデータを、後述する、特別図柄変動開始処理(図16、S204)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
普通図柄保留球格納エリア203bは、普通図柄始動口67への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図7参照)より取得した普通図柄当たり乱数カウンタC4が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図14参照)の中で、球が普通図柄始動口67へ通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから普通図柄当たり乱数カウンタC4の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203bに格納する。普通図柄保留球格納エリア203bに設けられた普通図柄フラグをオンに設定して格納(記憶)する。普通図柄保留球格納エリア203bは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4の値、普通図柄フラグ)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203bには、普通図柄始動口67へ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に(保留球数に対応した保留エリア)記憶される。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示装置83の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(普通当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球格納エリア203bに設けられた普通図柄保留球実行エリアへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
普通図柄保留球数カウンタ203cは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中で検出される普通図柄始動口67を遊技球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第2図柄表示装置83で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203cは、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図24、S1014)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203cは、変動表示演出が実行される毎に1減算される(図21、S805参照)。
時短中カウンタ203dは、大当たりAの大当たり遊技が実行された後に、時短回数100が設定されるカウンタエリアである。時短回数が設定されると、時短回数が0に設定されるまでの間、普通図柄当たり乱数テーブル202cにおいて時短遊技状態用の普通図柄当たり乱数テーブルが設定される。また、普通図柄の当たりを示す図柄「○」が第2図柄表示装置83に表示された場合に、普通電動役物の羽根300a,300bが開放時間(本実施形態では、1s)で開放する動作を1回実行される。
時短中カウンタ203dは、特別図柄が変動表示停止する毎に1ずつ減算され、時短中カウンタ203dの値が0となると、時短遊技状態から通常遊技状態へと移行し、普通図柄当たり乱数カウンタ202cの通常遊技状態(非時短遊技状態)用の普通図柄当たり乱数テーブルが設定される。
振分入賞球数カウンタ203eは、振分入賞装置64の入球口640に遊技球が入賞した場合に1加算されるカウンタである。RAM203が初期化された状態では、0に設定されており、後述する、主制御装置110のMPU201が実行する振分入賞処理(図18、S105)において、遊技球が入球口640を通過したと判別された場合に、1加算される。大当たり遊技が開始されると0に初期化される。
振分排出球数カウンタ203fは、振分入賞装置64の第1〜第8排出口650a1〜650a8のいずれかを遊技球が通過する毎に、1加算されるカウンタである。RAM203が初期化された状態では、0に設定されており、後述する、主制御装置110のMPU201が実行する振分排出処理(図19、S106)において、遊技球が第1〜第8排出口650a1〜650a8のいずれかを通過したと判定された場合に1加算される。なお、大当たり遊技が開始されることに基づいて、振分排出球数カウンタ203fは初期化される。
なお、本実施形態では、振分排出球数カウンタ203fは、第1〜第8排出口650a1〜650a8から排出される遊技球の数をカウントする構成としたが、それに限らず、入球口640aに入賞した場合には1加算して、第1〜第8排出口650a1〜650a8のいずれかより遊技球が排出された場合には、カウント値を1減算するように構成してもよい。このように構成することで、振分入賞装置64に入賞中の遊技球数をカウントすることができる。
振分入賞タイマ203gは、振分入賞装置64の入球口640に遊技球が通過した場合に、振分入賞球数カウンタ203eの値が設定カウンタ値(本実施形態では、255から1加算されて更新された0)であれば、その遊技球の流下時間を計測するためのタイマである。即ち、振分入賞カウンタ203eの値が255から1加算されて更新された0であるということは、256個目の遊技球が入球したということなので、入球口640に入球してから第1始動口71に入球するまでの時間を計測する。
振分入賞装置64の入球口640を遊技球が通過すると振分入賞タイマ203gの値が0に設定されて計測の開始が設定される。主制御装置110のMPU201が実行する振分エラー処理(図28、S1207)において、振分入賞フラグ203hがオンに設定されていれば、1加算される。なお、RAM203が初期化された状態では、振分入賞タイマ203gは、0に設定されている。
振分入賞フラグ203hは、振分入賞装置64に256個目の遊技球(振分入賞球数カウンタ203e)が入球したことを示すフラグである。具体的には、振分入賞フラグ203gは、主制御装置110のMPU201が実行する振分入賞処理(図18、S105)において、入球口640に遊技球が通過した場合に、振分入賞球数カウンタ203eの値が設定カウンタ値(本実施形態であれば、255から1加算されて更新された0)である場合、即ち、振分入賞装置64に256球目の遊技球が入球した場合に、オンに設定される。また、主制御装置110のMPU201が実行する始動入賞処理(図20、S107)において、遊技球が第1始動口71に入球した場合に、振分入賞フラグ203hがオンであるとオフに設定される。なお、RAM203が初期化された状態では、振分入賞フラグ203hは、オフに設定される。
その他メモリエリア203iは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
このように、振分入賞装置64の入球口640に第1始動口71に入賞する遊技球数である256球目の遊技球が入球したと判別された場合に、その遊技球が第1始動口71に入賞するまでの流下時間を計測するように構成したので、設計によって予め想定される時間よりも長い時間や短い時間で遊技球が第1始動口71に入賞すれば、不正が行われている可能性があると判断して、エラー等を報知することで、不正を抑制できる。
また、振分入賞装置64に第1始動口71に入賞することとなる遊技球数(本実施形態では、256球)が入球したと判別された場合には、振分入賞フラグ203hをオンに設定することで、第1始動口71に入賞することを予め判別して制御を実行することが可能になり、第1始動口71に入賞があった場合に、振分入賞フラグ203hがオンであるかを判別することにより、振分入賞フラグ203hがオフであるのに、第1始動口71に入賞が発生した場合には、エラー等を報知することで、不正による第1始動口71への入賞を抑制することができる。
図6に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図5、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図5、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113のROM222には、擬似変動テーブル222a、背景選択テーブル222bとが少なくとも設定されている。また、図示が省略されているが、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等もROM222には記憶されている。
擬似変動テーブル222aは、図10(a)に示すように、擬似図柄を第3図柄表示装置81で変動表示するための変動パターンが従振分入賞球数カウンタ223dの値と擬似変動選択カウンタ223aの値とに対応させてそれぞれ記憶されている。変動パターンの種類としては、通常外れ変動パターン、ノーマルリーチ変動パターン、スーパーリーチA変動パターン、スーパーリーチB変動パターン、前兆変動パターン、天井変動パターンが設定されている。
通常外れ変動パターンは、擬似図柄の1つである1〜9の数字図柄が左、中、右に一列に並べて第3図柄表示装置81に3つ表示されて、昇順で所定時間(例えば、2秒)の間、高速で変動表示した後に、左図柄、右図柄、中図柄の順に、異なる数字(例えば、「456」等)で停止表示する。変動開始してから、すべての擬似図柄が停止表示するまでの変動時間は、3秒で構成されている。
ノーマルリーチ変動パターンは、擬似図柄の1つである1〜9の数字図柄が左、中、右に並べて第3図柄表示装置81に3つ表示されて、所定時間(例えば、2秒)の間、高速で昇順に擬似図柄が変動表示した後に、左図柄と右図柄が同じ数字で変動停止(例えば、「7」)した後に、「リーチ」という音声が音声出力装置226から出力されて、リーチ状態となった後に、中図柄が低速で、昇順に変動表示される。その後、左右の図柄とは異なる図柄(例えば、「757」等)で停止表示される。変動表示が開始されてからすべての擬似図柄が停止表示するまでの変動時間は10秒で構成されている。
スーパーリーチA変動パターンは、擬似図柄の1つである1〜9の数字図柄が左、中、右に並べて第3図柄表示装置81に3つ表示されて、所定時間(例えば、2秒)の間、高速で昇順に擬似図柄が変動表示した後に、左図柄と右図柄が同じ数字で変動停止(例えば、「7」)した後に、「リーチ」という音声が音声出力装置226から出力されて、リーチ状態となった後に、数字の擬似図柄とは異なるキャラクタ(例えば、水玉柄の水着姿の女の子)が表示される。キャラクタと共に中図柄の数字図柄も低速で変動表示して、女の子が数字図柄を止める動作をして、左右の図柄とは異なる数字図柄(例えば、「757」)で停止させる。数字図柄が変動表示を開始してから全ての数字図柄が停止表示するまでの変動時間は、15秒で構成されている。
スーパーリーチB変動パターンは、スーパーリーチA変動パターンに対して、表示されるキャラクタである女の子の水着が異なる。具体的には、赤色の水着を着た女の子が表示される。その他の点については、スーパーリーチAと同様の変動表示が行われる。
前兆リーチ変動パターンは、擬似図柄の1つである1〜9の数字図柄が左、中、右に並べて第3図柄表示装置81に3つ表示されて、所定時間(例えば、2秒)の間、高速で昇順に擬似図柄が変動表示した後に、左図柄と右図柄が同じ数字で変動停止(例えば、「7」)した後に、「リーチ」という音声が音声出力装置226から出力されて、リーチ状態となった後に、「天界まであと少し!」という文字が表示される。中図柄が低速で、昇順に変動表示される。その後、左右の図柄とは異なる図柄(例えば、「757」等)で停止表示される。変動表示が開始されてからすべての擬似図柄が停止表示するまでの変動時間は20秒で構成されている。このように、「天界まであと少し!」という文字が表示されることにより、遊技者は、振分入賞装置64に入球した遊技球の数が第1始動口71に入賞することとなる個数に近づいていることを認識できる。
この前兆変動パターンは、従振分入賞球数カウンタ223dの値が、「201〜254」である場合のみに選択される変動パターンであるので、遊技者に従振分入賞球数カウンタ223dの値(値の範囲)を報知する変動パターンでもある。
天井変動パターンは、擬似図柄の1つである1〜9の数字図柄が左、中、右に横一列に並べて第3図柄表示装置81に3つ表示されて、所定時間(例えば、2秒)の間、高速で昇順に擬似図柄が変動表示した後に、左図柄と右図柄が同じ数字で変動停止(例えば、「7」)した後に、「リーチ」という音声が音声出力装置226から出力されて、リーチ状態となった後に、図11(b)上図に示すように、3つの数字図柄が縮小されて第3図柄表示装置81の左上に表示されて、閉じた扉の絵が表示される。閉じた扉の絵が表示されるまでで6秒の変動時間で構成されており、そのまま、中図柄は高速で変動表示した状態となる。
天井変動パターンは、従振分入賞球数カウンタ223dの値が255であった場合に選択される変動パターンであり、第1始動口71に遊技球が入賞することとなる場合に選択される。即ち、天井変動パターンは、特別図柄の変動と繋がりがあるような変動態様で構成されている。よって、特別図柄の変動とリンクするために、遊技球が振分入賞装置64の入球口640を通過してから、第1始動口71に入賞するまでに要する平均時間である5秒〜7秒の範囲内である6秒の変動時間で構成されている。これにより、第1始動口71に遊技球が入賞するとスムーズに特別図柄の変動表示に切り替えることができ、遊技者に違和感を与えることを抑制できる。また、平均時間の中間時間とすることで、よりスムーズに切り替えることができる。
本実施形態では、従振分入賞球数カウンタ223dの値が大きくなると、通常外れ変動パターンが選択され難くなる(擬似変動選択カウンタ223aの割り当てられている値の数が少ない)ように構成されている。また、従振分入賞球数カウンタ223dの値が大きいと(例えば、「201〜254」)、スーパーリーチA変動パターンが選択され易い(擬似変動選択カウンタ223aの割り当てられている値の数が多い)ように構成されている。これにより、スーパーリーチA変動パターンが表示される頻度が多くなると、振分入賞装置64に入賞した遊技球の数が、第1始動口71に入賞することとなる数に近いのではないかと遊技者に期待させることができる。また、遊技を開始したときに、振分入賞装置64の状態(第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置)がどうなっているかわからないので、遊技者は、第1始動口71に入賞するまでに、どのくらい振分入賞装置64の入球口640に遊技球を入賞させなければならないかという点に関心がある。ここで、擬似図柄で変動表示される変動パターンの種類が、振分入賞装置64に入球した遊技球の数(従振分入賞球数カウンタ223dの値)関連させて選択率が変えてあるので、遊技者に現在の振分入賞装置64への入球数を予測させることができる。よって、遊技者は、大当たりの判定関わらず選択される擬似図柄の変動パターンであっても、興味を持つことができ、遊技に飽きてしまうのを抑制できる。
背景選択テーブル222bは、図10(b)に示すように、従振分入賞球数カウンタ223dの値と擬似変動選択カウンタ223aの値とに関連させて、第3図柄表示装置81に表示される複数の背景画像がそれぞれ設定されている。背景画像の種類としては、通常背景、前兆A背景、前兆B背景、前兆C背景が設定されている。
通常背景は、青色の背景画像である(図示せず)。前兆A背景は、図13(c)に示すように、通常の青色の背景に、右上に太陽の図柄が表示された「晴れ」を示す背景画像である。前兆B背景は、図13(d)に示すように、通常の青色の背景に、白い雲が表示された「曇り」を示す背景画像である。前兆C背景は、図13(e)に示すように、通常の青色の背景に黒い雨雲が表示されて、雨雲から雨が降る表示がされる「嵐」を示す背景画像である。
従振分入賞球数カウンタ223dの値が大きくなると、前兆A背景が選択される割合が小さくなり、前兆B背景及び前兆C背景が選択される割合が大きくなる。なお、従振分入賞球数カウンタ223dの値が255である場合(即ち、振分入賞装置64に第1始動口71に入賞することとなる入球数(本実施形態では、256個)が入球した場合)には、擬似変動選択カウンタ223aの値に関わらず前兆C背景が選択される。
具体的には、従振分入賞球数カウンタ223dの値が、「0〜60」の場合には、擬似選択カウンタ223aの199個の値のうち、30個が前兆A背景、19個が前兆B背景、9個が前兆C背景に割り当てられている。同様に、従振分け入賞球数カウンタ223dの値が、「61〜149」の場合には、25個が前兆A背景、24個が前兆B背景、9個が前兆C背景に割り当てられている。従振分け入賞球数カウンタ223dの値が、「150〜200」の場合には、10個が前兆A背景、29個が前兆B背景、19個が前兆C背景に割り当てられている。従振分け入賞球数カウンタ223dの値が、「201〜254」の場合には、6個が前兆A背景、33個が前兆B背景、29個が前兆C背景に割り当てられている。
このように、第1始動口71に入賞することとなる入球数を示す従振分入賞球数カウンタ223aの値である「255」に近づく値になると、前兆B背景及び前兆C背景が選択される割合が多く設定されている。また、第1始動口71に入賞することとなる入球数を示す従振分入賞球数カウンタ223aの値である「255」である場合には、前兆C背景が選択されるので、第1始動口71に遊技球が入賞する場合には、前兆C背景が第3図柄表示装置81に表示されている場合が多くなる。よって、遊技者は、前兆C背景が表示されると第1始動口71に入賞するのではないかと期待して遊技を行うこととなる。
さらに、前兆B背景または前兆C背景が選択されて、第3図柄表示装置81に表示されると遊技者は、振分入賞装置64へ入球した遊技球の数が、第1始動口71に入賞することとなる入球数(本実施形態では、256個)に近いのではないかと期待して遊技を行うことができる。また、振分け入賞装置64への入球数により選択される背景の種類の選択割合が変えられて設定されているので、選択される背景画像の種類により、現在の振分け装置64への入球数を遊技者が予測する楽しみを提供することができる。よって、振分入賞装置64への入球数が実際は、50個であったとしても、前兆C背景が選択されて表示されると、遊技者は、入球数が256個に近いのではないかと期待して遊技を続行することができる。従って、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる。
なお、背景画像の選択については、後述するが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する背景選択処理(図35、S1613)において、振分入賞装置64に入球(残存)している数を示す従入賞中カウンタ223fの値が3よりも大きい場合に、背景画像が選択されて、第3図柄表示装置81に表示されている背景画像が選択された背景画像に変更される。
音声ランプ制御装置113のRAM223には、擬似変動選択カウンタ223a、変動開始フラグ223b、停止種別選択フラグ223c、従振分排出球数カウンタ223e、従入賞中カウンタ223f、その他メモリエリア223gが少なくとも設けられている。
擬似変動選択カウンタ223aは、擬似図柄の変動パターンを擬似変動テーブル222aから選択する場合または背景画像を背景選択テーブル222bから選択する場合に使用するカウンタである。擬似変動選択カウンタ223aは、0〜198までの範囲の値で構成されたカウンタ値であり、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図30)において、1ずつ加算されて更新され、上限値である「198」に1加算されると初期値である0に更新される。なお、電源投入時には、初期値である0に設定されている。
変動開始フラグ223bは、主制御装置110から特別図柄の変動パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。電源投入時には、オフに設定されており、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(図31、S1614)の処理において、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドを受信したと判別した場合に、オンに設定される。また、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する変動表示設定処理(図33、S1611)において、オフに設定される。
停止種別選択フラグ223cは、主制御装置110が出力する停止種別コマンドを受信したことを示すフラグである。遊技機に電源が投入された時には、オフに設定されている。音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(図31、S1614)において、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信したと判別された場合に、停止種別選択フラグ223cがオンに設定される。また、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する変動表示設定処理(図33、S1611)において、オフに設定される。
従振分入賞球数カウンタ223dは、振分入賞装置64に入球した遊技球の数を示すカウンタである。従振分入賞球数カウンタ223dは、主制御装置110から出力される振分入賞球数コマンドを受信すると、そのコマンドが示す値から1減算した値に更新される。ここで、振分入賞球数コマンドが0を示す値であれば、1減算した値は、255となる。即ち、従振分入賞球数カウンタ223dの値「0〜255」は、振分入賞装置64に入球した遊技球数が1個〜256個にそれぞれ該当する(従振分入賞球数カウンタ223dの値0は1個に該当)。遊技機に電源が投入されたときには、0に設定されており、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(図31、S1614)において、主制御装置110が出力する振分入賞球数コマンドを受信することにより、主制御装置110のMPU201のRAM203に記憶されている振分入賞球数カウンタ203eから1減算した値に設定される。なお、主制御装置110のRAM203が記憶している各種データは、電源断が発生するとバックアップ電源により所定期間の間、バックアップされる構成となっている。
従振分排出球数カウンタ223eは、振分入賞装置64に入球した遊技球が第1〜第8排出口650a1〜650a8から排出された遊技球の数を示すカウンタである。従振分排出球数カウンタ223eは、主制御装置110から出力される振分排出球数コマンドを受信すると、そのコマンドが示す値から1減算した値に更新される。ここで、振分排出数コマンドが0を示すコマンドである場合には、1減算されると255となる。即ち、従振分排出球数カウンタ223eの値「0〜255」は、振分入賞装置64から排出された遊技球数が1個〜256個にそれぞれ該当する(振分排出球数カウンタ223eの値0は、1個に該当)。遊技機に電源が投入されたときには、0に設定されており、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(図31、S1614)において、主制御装置110が出力する振分排出球数コマンドを受信することにより、主制御装置110のMPU201のRAM203に記憶されている振分排出球数カウンタ203fの値から1減算した値に設定される。
従入賞中カウンタ223fは、振分入賞装置64に入球している(残存している)遊技球の数を示すカウンタである。従入賞中カウンタ223fは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(図31、S1614)において、主制御装置110が出力する振分入賞球数コマンドを受信すると1加算されて、振分排出球数コマンドを受信すると1減算される。よって、振分入賞装置64に入球している遊技球があるとカウンタ値がその個数を示し、振分入賞装置64内に遊技球がない状態では、カウンタ値が0となる構成となっている。従入賞中カウンタ223fの値は、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する背景選択処理(図35、S1613)において、背景を変更するか否かを判別する場合に使用される。具体的には、従入賞中カウンタ223fの値が4以上(3より大きい値)であるかを判別して、4以上であれば、背景を変更する処理が実行される。
その他メモリエリア223gは、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ(図5、122)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図22参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、電源投入時(RAM消去スイッチ(図5、122)を押しながら電源投入)にRAM消去スイッチ(図5、122)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
主制御装置110のMPU201は、特別図柄や普通図柄の入賞の検知や、その入賞に対して当たりや変動パターンの選択等の各種抽選等の制御処理を実行している。その為、MPU201の制御負荷は大きくなっており、安定してパチンコ機10の制御を実行するために、本実施形態のように、遊技動作示唆設定を設定するか否かの抽選を、サブ制御装置に該当する音声ランプ制御装置113のMPU221が行うようにすることで、主制御装置110の制御負荷を軽くすることができる。
主制御装置110と音声ランプ制御装置113との制御基板は、基板ボックスと呼ばれる、透明なプラスチック製のベース部材と蓋部材で構成された箱(ボックス)により覆われている。その基板ボックスは、ベース部材と蓋部材とを容易に離間できないように「封止部材」と呼ばれる不正防止のための部材によりかしめが行われている。一般的に封止部材は、ベース部材と蓋部材を勘合させた場合に、ベース部材と蓋部材との一部を貫通して設けられた貫通孔にピン形状の封止部材を挿入する(かしめる)ことで、貫通孔を形成している部材を破壊するか、封止部材を破壊するか等の開封痕の残る方法でしかベース部材と蓋部材を離間させることが困難に構成されている。
次に、図14から図35のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図24)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図27、S1200)と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理(図14)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図23)とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理(図24)とメイン処理(図27、S1200)とを説明する。
図14は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が上限値(本実施形態では109)に1加算した場合に、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。同様に、普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が上限値(本実施形態では99)に1加算した場合に、0にクリアし、その普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
更に、特別図柄当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、普通図柄当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、特別図柄当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、普通図柄当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、109、99、100、99)に1加算した場合に、それぞれ0にクリアする。また、特別図柄当たり乱数カウンタC1または普通図柄当たり乱数カウンタC4が1周した場合には、その時点の初期値乱数カウンタCINI1または普通初期値乱数カウンタCINI2の値を当該特別図柄当たり乱数カウンタC1または普通図柄当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を特別図柄当たり乱数カウンタC1または普通図柄当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
次に、特別図柄の第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による特別図柄(第3図柄)の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。次いで、振分入賞装置64への入球に伴う振分入賞処理を実行し(S105)、振分入賞装置64から遊技球の排出に伴う振分排出処理を実行する(S106)。次いで、第1始動口71、または第2始動口300への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S107)。なお、特別図柄変動処理(S104)の詳細は図15を参照して後述し、振分入賞処理(S105)の詳細は図18を参照して後述し、振分排出処理(S106)の詳細は図19を参照して後述し、始動入賞処理(S107)の詳細は図20を参照して後述する。
始動入賞処理(S107)を実行した後は、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことに対する普通図柄の変動処理である普通図柄変動処理を実行し(S108)、次いで、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことに対するスルーゲート処理を実行する(S109)。なお、普通図柄変動処理(S108)の詳細は図21を参照して後述し、スルーゲート処理(S109)の詳細は図22を参照して後述する。遊技球の発射に関する制御を実行する発射制御処理を実行し(S110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行し(S111)、タイマ割込処理を終了する。発射制御処理(S110)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、ワークRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104)を説明する。図15は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図15、S104)は、特別図柄を取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで同時に変動表示(動的表示)を可能に制御したり、判定結果を示す表示態様(動的表示態様)で停止表示させる制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図15、S104)について説明する。
特別図柄変動処理(図15、S104)では、まず、大当たり遊技中であるか否か判定される(S201)。大当たり中であると判定された場合には(S201:Yes)、この処理を終了する。一方、大当たり中でないと判定された場合には(S201:No)、特別図柄の変動表示中であるかが判定される(S202)。
特別図柄が停止していると判別された場合には(S202、No)、特別図柄実行エリア203aに新たなデータが記憶されたか判別する(S203)。特別図柄実行エリア203aに新たなデータが記憶されていないと判別された場合には(S203:No)、この処理を終了する。一方、特別図柄実行エリア203aに新たなデータが記憶されていると判別された場合には(S203:Yes)、特別図柄変動開始処理を実行する(S204)。その後、この処理を終了する。
特別図柄変動開始処理(図16、S204)は、詳しく後述するが、特別図柄実行エリア203aに新たに記憶された各種データに基づいて、大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。
一方、特別図柄の変動表示中であると判定された場合には(S202:Yes)、特別図柄が変動表示(動的表示)されている変動パターン(動的変動表示態様)に設定されている変動時間が経過したか判別される(S205)。変動時間前であると判別された場合には(S205:No)、この処理を終了する。一方、変動時間が経過していると判別された場合には(S104:Yes)、第1図柄表示装置37の停止表示が設定される(S206)。
次いで、今回の抽選結果が大当たりであったかが判別される(S207)。今回の抽選結果が外れであると判別された場合には(S207:No)、この処理を終了する。なお、本実施形態では、特別図柄の変動については、すべて大当たりとなるので、この大当たりであるか否かの判別処理は省略してもよい。
一方、今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合には(S207:Yes)、大当たり種別が大当たりAであるか、大当たりBであるかが判別される(S208)。ここで、大当たり種別の判別は、取得している特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、図9に示す特別当たり種別テーブル202bにより判別される。大当たりAであると判別された場合には、時短中カウンタ203dに100を設定する(S209)。一方、大当たりBであると判別された場合には、時短中カウンタ203dに0を設定する(S210)。大当たり遊技の開始に関する各種設定(例えば、ラウンド回数等)を設定する(S211)。その後、この処理を終了する。
次に、図16を参照して、特別図柄変動処理(図15、S104)の一処理である特別図柄変動開始処理(S204)について説明する。図16は、この特別図柄変動開始処理(S204)を示すフローチャートである。
特別図柄変動開始処理(図16、S204)では、まず、振分装置エラー報知制御処理が実行される(S301)。振分装置エラー報知制御処理(S301)については、図17を参照して、詳細を後述するが、現在の振分入賞球数カウンタ203eの値に基づいて、振分入賞装置64の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置を判別して、その位置と振分入賞球数カウンタ203eの値とを照合して、一致しないと判別された場合には、エラー報知の処理を実行するための処理である。
特別図柄実行エリア203aに記憶されているデータを取得する(S302)。特別図柄当たり乱数テーブル202aに基づいて、取得した特別図柄当たり乱数カウンタC1の値について大当たりの判定を実行する(S303)。S303の処理で実行した当否判定結果が大当たりであるか判別される(S304)。判定結果が大当たりであると判別された場合には(S304:YES)、大当たり時の第1図柄表示装置37における表示態様(LEDの表示態様)を設定する(S305)。特別図柄を第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で変動表示するための大当たり変動パターンを選択(決定)する(S306)。
ここで、大当たり変動パターンとしては、第1始動口71に入賞したことに基づいて
選択される大当たり変動パターンとして、擬似図柄が停止表示している場合に選択される通常特別変動パターン、天井変動パターンで擬似図柄が変動表示されている場合に選択される天井特別変動パターン、天井変動パターン以外の変動パターンで擬似図柄が変動表示されている場合に選択される切替特別変動パターンが設定されている。また、第2始動口300に入賞したことに基づいて選択される変動パターンとして、時短特別変動パターンが設定されている。
通常特別変動パターンは、図11(a)に示すように、擬似図柄が変動表示中でない場合に、第1始動口71に遊技球が入賞すると、左、中、右の図柄(本実施形態では、1〜9の数字)がループ状(1→2→・・・→9→1)に昇順に高速で変動表示が開始される。そして、図11(a)上図に示すように、左図柄と右図柄に同じ図柄が停止表示されて、リーチ状態となり中図柄のみが低速で変動表示する。リーチ状態となると「リーチ」という音声が音声出力装置226から出力される。その後、図11(a)に示すように、第3図柄表示装置81の特別図柄が表示されている領域の下側に、「天界到達!!」という文字が表示されて、遊技者に256球が振分入賞装置64に入球して、第1始動口71に遊技球が入賞したことを示す報知が表示される。その後、例えば、「777」で特別図柄が停止表示されて、遊技者に大当たりしたことを示す表示態様で停止表示される。本実施形態では、第1始動口71に遊技球が入賞すれば、必ず大当たりとなる遊技機であるので、遊技者は、第1始動口71に入賞すれば大当たりとなることを認識している。そのため、遊技者は、振分入賞装置64に遊技球が第1始動口71に入賞することとなる入球数(本実施形態では、256球)が入球することが大当たりに直結することを理解して遊技を行っている。よって、「天界到達!!」の文字が表示されることで、早期に、振分入賞装置64に第1始動口71に入賞するのに必要な数の遊技球が入球したことを理解して、大当たりとなることを認識することができる。なお、通常特別変動パターンの変動時間は、15秒で設定されている。
天井特別変動パターンは、図11(b)に示すように、第1始動口71に遊技球が入賞して天井特別変動パターンで特別図柄の変動表示が開始されると、擬似図柄の天井変動パターンで左上方に表示されている擬似図柄がそのまま特別図柄として差し替えられて、閉じた扉が開放された図が表示される。その後、図11(b)下図に示すように、リーチ状態で左上方に表示されていた特別図柄が、第3図柄表示装置81の中央に表示されて、その下方に「天界到達!!」の文字が表示される。その後、特別図柄が「777」で停止表示されて、大当たりしたことを報知する停止表示態様で停止表示される。天井特別変動パターンは10秒の変動時間で設定されている。
なお、天井変動パターンは、遊技球が振分入賞装置64の入球口640に入球してから第1始動口71に入賞するまでにかかる時間(設計時に設定された時間)と同じ時間で変動時間が設定されている。よって、天井変動パターンの変動表示が開始されてから、変動時間が終了する頃に、第1始動口71に遊技球が入賞することとなるので、特別図柄への差し替えがスムーズに行われて、遊技者に不自然さを感じさせてしまうのを防止できる。従って、遊技者は、擬似図柄の変動であるか、特別図柄の変動であるかが識別し難くなり、擬似図柄の変動表示であっても、大当たりへの期待を持つことができる。
切替特別変動パターンは、図12に示すように、擬似図柄が天井変動パターン以外の変動パターンで変動表示されている場合に、第1始動口71に遊技球が入賞すると、図12中図に示すように、変動表示されていた擬似図柄が消えて、ブラック画面が一瞬表示される。その後、左右の同じ特別図柄が停止表示された「リーチ状態」で表示されて、「天界到達!!」の文字が表示される。その後、「777」の特別図柄で停止表示されて、遊技者に大当たりしたことが報知される。なお、切替特別変動パターンは、10秒の変動時間で設定されている。
よって、遊技者は、天井変動パターンで表示される閉じた扉が表示されない場合でも、大当たりとなる場合を演出することができ、遊技者に天井変動パターンでなくても、大当たりへの期待を持たせることができる。また、特別図柄の変動開始時に、ブラック画面を一瞬表示することで、新鮮味を与えることができ、その後の特別図柄の変動に注目させることができる。
時短特別変動パターンは、0.5秒の変動時間で構成されており、所定の図柄(例えば「777」等)がぞろ目で揃った状態でいきなり表示されて大当たりしたことを報知する構成となっている。このように構成することで、時短遊技状態における遊技時間を短く構成することができ、遊技者は、大当たりが短い間隔で発生するために、遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。また、遊技店側としては、遊技球を消費しない時短遊技中の時間を短くすることができ、より売上げを多くすることができる。
図16に戻り説明を続ける。一方、S303の処理における当否判定結果が外れであると判別された場合には(S304:No)、判定エラー報知コマンドを設定する(S307)。本実施形態では、すべての特別図柄当たり乱数カウンタC1の値に対して当たりと判定される構成であることから、外れと判定された場合には、遊技機が不正に改造されたか、遊技機の故障であることが考えられるので、判定エラー報知コマンドを設定することで、遊技店側に遊技機の異常を知らせることができる。なお、判定エラー報知コマンドを音声ランプ制御装置113が受信すると、第3図柄表示装置81にエラーを示す表示(例えば、「判定エラー」等の文字)がされるようにエラー処理が実行される。
選択された特別図柄の変動パターンを示す変動パターンコマンドが生成される(S308)。停止種別コマンドが設定される(S309)。本実施形態では、停止種別コマンドは、大当たりの停止種別コマンドのみが設定される。
次に、図17を参照して、特別図柄変動開始処理(図16、S204)の一処理である振分装置エラー報知制御処理(S301)について説明する。図17は、この振分装置エラー報知制御処理(S301)を示すフローチャートである。
第1振分回転部材64a1の位置と振分入賞球数カウンタ203eの値とから、振分役物位置データ202iに設定されているデータと同じか照合する(S401)。ここで、振分役物位置データ202iに設定されているデータは、振分入賞球数カウンタ203eの値の前後3つに対応するデータと照合していずれかと同じであるかを照合する処理を実行する。これにより、振分入賞装置64に残存している(振分入賞装置64内を流下している)遊技球がある場合には、振分回転部材64a1を残存している遊技球が移動させている可能性があるが、その場合にも、振分入賞球数カウンタ203eの値から前後3回分に対応する振分役物位置データ202iにおける第1振分回転部材64a1の位置データを判断することで、通常の遊技(不正等が行われていない遊技)であっても、エラーを報知してしまう不具合を抑制できる。
照合結果が一致しないと判別された場合には(S401:No)、エラー報知コマンドを設定する(S408)。エラー報知コマンドを音声ランプ制御装置113が受信すると、表示用エラー報知コマンドが設定して、第3図柄表示装置81にエラーを示す表示(例えば、「役物位置エラー」の文字を表示)する。一方、照合結果が一致すると判別された場合には(S401:No)、S402の処理が実行される。なお、S402〜S408までの各処理は、S401の処理と同様に第2〜第8振分回転部材64a2〜64a8の位置について、異常があるかの照合処理を実行する。照合する処理については、第1振分回転部材64a1と同様の方法であるので詳細な説明については、省略する。
なお、本実施形態では、第1始動口71または第2始動口300に遊技球が入賞するとこの振分装置エラー報知制御処理(図17、S301)を実行する構成としたが、これに限らず、第1始動口71に入賞した場合にのみ、実行するように構成してもよい。このように構成することで、第2始動口300に入賞した場合には、制御処理を軽減することができ、主制御装置110のMPU201の制御負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置についてそれぞれ照合する処理を実行したが、第8振分回転部材64a8の位置のみを振分入賞球数カウンタ203eの値が0に対応する振分役物位置データ202iに対応するデータ(本実施形態では、第2収容部64d8が上方を向いていることを示す「0」)と同じであるか照合するように構成してもよい。
このように構成することで、第1始動口71に遊技球を誘導(第8誘導路64z16)に遊技球を誘導した後には、第2収容部64d8が上方を向いている状態となるので、その状態のみを照合することで、容易に正常に第8振分回転部材64a8を介して遊技球が第1始動口71に案内されたかを判別することができる。また、振分入賞装置64にその後入賞した遊技球があったとしても、第8振分回転部材64a8に遊技球が到達するまでには多数の遊技球の入球が必要であるので、第8振分回転部材64a8の位置を確定して判定することができる。よって、正確に不正が行われていないかを判定することができる。
また、本実施形態では、照合が不一致である場合にはエラー報知の処理を実行したが、それに限らず、大当たりを無効にする処理を実行しても良いし、音声等で報知してもよいし、遊技者には識別できないようにホールコンピュータ等へ信号を出力するように構成してもよい。このように構成することで、不正が報知されたことをより早期に遊技店側が認識して対応することができる。よって、不正による被害を抑制できる。
また、本実施形態では、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8のそれぞれの位置を1つずつ検出するように構成したが、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置を一度に検出するように構成して、その検出したデータ(正常であれば、256個の遊技球が入球したときの第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置を示す「10101010」)と振分初期位置データ202hまたは振分役物位置データ202iの0個(256個)に対応する位置データと照合するように構成してもよい。このように構成することで、より容易に位置が正常であるか照合することができる。
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である振分入賞処理(S105)を説明する。図18は、この振分入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この振分入賞処理(図18、S105)では、振分入賞装置64に遊技球が入球した入球数をカウントして、音声ランプ制御装置113に対して、入球数を通知するための振分入賞球数コマンドを生成するための処理が実行される。以下、振分入賞処理(図18、S105)について説明する。
振分入賞処理(図18、S105)では、まず、振分入賞装置64の入球口640に遊技球が入球した判別される(S501)。入球口640に遊技球が入球したと判別された場合には(S501:Yes)、振分入賞球数カウンタ203eの値を取得する(S502)。取得した振分入賞球数カウンタ203eの値に1を加算して更新し、その更新した値を振分入賞球数カウンタ203eに記憶する(S503)。なお、取得した振分入賞球数カウンタ203eの値が上限値255である場合に、1を加算すると初期値である0に更新される。更新した振分入賞球数カウンタ203eの値を示す振分入賞球数コマンドを設定(生成)する(S504)。一方、入球口640に遊技球が通過していないと判別された場合には(S501:No)、この処理を終了する。
更新した振分入賞球数カウンタ203eの値が、設定カウンタ値(本実施形態では、255から1加算されて更新された0)であるか判別する(S505)。即ち、入球口640に入球した遊技球は、第1始動口71に入賞することとなる遊技球であるか判別する。設定カウンタ値であると判別された場合には(S505:Yes)、振分入賞タイマ203gの値を0に設定する。即ち、第1始動口71に入球することとなる遊技球が入球口640に入球してから第1始動口71に入賞するまでの時間を計測開始を設定する。振分入賞フラグ203hをオンに設定する(S507)。その後、この処理を終了する。
このように構成することで、振分入賞装置64に入球した遊技球の数を正確に主制御装置110のMPU201と音声ランプ制御装置113のMPU221とで振分入賞装置64に入球した遊技球の数を認識することができ、振分入賞装置64に入賞した遊技球の数に基づいた演出等を実行することができる。
次に、図19を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である振分排出処理(S106)を説明する。図19は、この振分排出処理(S106)を示すフローチャートである。この振分排出処理(図19、S106)は、振分入賞装置64に入球した遊技球が第1〜第8排出口650a1〜650a8のいずれかより排出された個数をカウントするための処理が実行される。以下、振分排出処理(図19、S106)について説明する。
振分排出処理(図19、S106)では、まず、遊技球が振分入賞装置64の第1〜第8排出口650a1〜650a8のいずれかを通過したかが判別される(S601)。第1〜第8排出口650a1〜650a8のいずれかを遊技球が通過したと判別された場合には(S601:Yes)、振分排出球数カウンタ203fを取得する(S602)。取得した振分排出球数カウンタ203fの値に1を加算して更新し、更新した値を振分排出球数カウンタ203fに記憶する(S603)。なお、取得した振分排出球数カウンタ203fの値が255であり、1を加算して更新されると0に更新される。更新された振分排出球数カウンタ203fの値を音声ランプ制御装置113に対して通知するための、振分排出球数コマンドが設定(生成)される(S604)。
このように、振分入賞装置64から排出された遊技球の数をカウントすることで、振分入賞球数カウンタ203eの値と照合することで、振分入賞装置64に不正に入球した遊技球(例えば、第1〜第8排出口650a1〜650a8のいずれかより遊技球を入球させる等)がないかを監視することができる。
次に、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図14)の一処理である始動入賞処理(S107)を説明する。図20は、この始動入賞処理(S107)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図20、S107)は、第1始動口71または第2始動口300に遊技球が入賞したか判別して、入賞した場合には、特別図柄が変動停止していれば、特別図柄実行エリアに取得した各種カウンタ値等のデータを格納する処理が実行される。また、第1始動口71に遊技球が入賞した場合には、その第1始動口71に入賞した遊技球の振分入賞装置64に入賞してからの流下時間が設定値(本実施形態では、5秒〜7秒)内であるか判別して、設定値外であれば、エラー処理が実行される。以下、始動入賞処理(図24、S108)について説明する。
始動入賞処理(図20、S107)では、まず、球が第1始動口71に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S701)。ここでは、第1始動口71への入賞を検出する。球が第1始動口71に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S701:Yes)、振分入賞フラグ203hがオンに設定されているか判別される(S702)。振分入賞フラグ203hがオフであると判別された場合には(S702:No)、音声ランプ制御装置113に対して第1始動口71への異常な入賞があったことを通知する入賞入賞エラーコマンドが設定(生成)される(S703)。ここで、振分入賞フラグ223hは、振分入賞装置64に第1始動口71に入賞することとなる256個目の遊技球が入球した場合にオンに設定されるフラグであるので、第1始動口71に遊技球が入賞したと判別されたにも関わらず、振分入賞フラグ203hがオフであれば不正に第1始動口71へ入賞された可能性があるので、エラー報知等のエラー処理を実行する。これにより、第1始動口71のセンサ等が遊技機外部から電磁波等でオンするように不正がされた場合にも、不正を検知することができ、不正に大当たりが取得されることを防止できる。
振分入賞フラグ203hがオフに設定される(S704)。振分入賞タイマ203gの値は設定値(本実施形態では、5秒〜7秒)内であるか判別される(S705)。本実施形態では、振分入賞装置64の入球口640を通過してから第1始動口71に入賞するまでに要する時間は6秒で設計されている。よって、前後1秒を設定値として、5秒〜7秒を設定値とすることで、遊技球にピアノ線等を巻き付けて不正に第1始動口71まで到達させる不正等が行われた場合には、第1始動口71に到達するまでの時間が設定値外となることで不正を検出することができる。
振分入賞タイマ203gの値が設定値外であると判別された場合には(S705:No)、S703の処理が実行される。一方、振分入賞タイマ203gの値が設定値内であると判別された場合には(S705:Yes)、特別図柄が変動中であるか判別される(S706)。特別図柄が変動中であると判別された場合には(S706:Yes)、S703の処理が実行される。ここで、第1始動口71に遊技球が入賞して特別図柄の変動が行われる場合には、通常特別図柄変動パターンの変動時間10秒が最長の変動パターンである。この10秒が経過する前に、次に第1始動口71に入賞することは通常ではあり得ないので、特別図柄が変動中に第1始動口71に入賞したと判別された場合には、入賞エラーコマンドを設定することでにより、遊技店が遊技機の異常があったことを早期に認識できる。よって、不正に連続して第1始動口71に入賞させられることがあっても、早期にその不正を遊技店側が認識することで、不正による被害を低減させることができる。
一方、特別図柄が停止中であると判別された場合には(S706:No)、特別図柄当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値が取得され、特別図柄実行エリア203aに記憶される(S707)。また、遊技球が第1始動口71に入賞していないと判別された場合には(S701:No)、S708の処理が実行される。
遊技球が第2始動口300に入賞したか判別される(S708)。遊技球が第2始動口300に入賞していないと判別された場合には(S708:No)、この処理を終了する。一方、遊技球が第2始動口300に入賞したと判別された場合には(S708:Yes)、特別図柄が変動中であるか判別される(S709)。特別図柄が変動中であると判別された場合には(S709)、この処理を終了する。一方、特別図柄が停止中であると判別された場合には(S709:No)、特別図柄当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値が取得され、特別図柄実行エリア203aに記憶される(S710)。
このように、第1始動口71に遊技球が入賞した場合には、その入賞が正規の入賞であるかを、振分入賞装置64への入球履歴(振分入賞フラグ203hがオンであるか否か)、入賞した遊技球の流下時間(振分入賞タイマ203gの値)、特別図柄が変動中であるかをそれぞれ判別して、1つでも適合しない場合には、新たに各カウンタ値のデータを取得せずに、入賞エラーコマンドを設定するエラー処理を実行することで、不正に大当たりが発生させられるのを抑制できる。
なお、本実施形態では、第1始動口71と第2始動口300に遊技球が同時に入賞することは困難な構成となっている。また、第1始動口71と第2始動口300に仮に同時に遊技球が入賞した場合には、第1始動口71が優先される構成となっている。第2始動口300に入賞した遊技球は、特別図柄の変動中として、無効球として処理される。
次に、図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S108)について説明する。図21は、この普通図柄変動処理(S108)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S108)は、第2図柄表示装装置83において行う第2図柄の変動表示や、普通電動役物の羽根300a,300bの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか判別される。(S801)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから普通電動役物の羽根300a,300bの開閉制御がなされている最中までが含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別された場合には(S801:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別された場合には(S801:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるか判別される(S802)。普通図柄(第2図柄)が変動表示中であると判別された場合には(S802:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したか判別される(S803)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、後述する、S822の処理によって予め設定された時間である。なお、時短遊技状態、通常遊技状態(非時短遊技状態)に関わらず、普通図柄の変動パターンは、当たり変動パターン、外れ変動パターン共に3秒の変動時間で設定されている。
S803の処理において、変動時間が経過していなければ(S803:No)、本処理を終了する。一方、S803の処理において、変動表示している普通図柄の変動時間が経過していると判別された場合には(S803:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S804)。S804の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S817の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S821の処理により外れ時の表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示装置83には「×」図柄が、停止表示(点灯表示)されるように設定される。S804の処理により、停止表示が設定されると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S817の処理、S821の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかが判別される(S805)。今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別された場合には(S805:Yes)、普通電動役物の羽根300a,300bの開閉制御開始が設定される(806)。一方、今回の普通図柄の抽選結果は外れであると判別された場合には(S805:No)、本処理を終了する。
一方、S802の処理において、普通図柄が変動表示中でないと判別された場合には(S802:No)、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S807)。
次に、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)が0よりも大きいか否かを判別される(S808)。普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)が0であると判別された場合には(S808:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)が0でないと判別された場合には(S808:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)を1減算する(S809)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S810)。S810の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの普通図柄保留1〜普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリア、普通図柄保留2→普通図柄保留1、普通図柄保留3→普通図柄保留2、普通図柄保留4→普通図柄保留4といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリアに格納されている普通当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S811)。
次に、時短中カウンタ203dの値が1以上である(即ち、0でないか)判別される(S812)。時短中カウンタ203dの値が0である(即ち、時短中でない)と判別された場合には(S812:No)、非時短用(通常遊技状態)の普通図柄当たり乱数テーブル202c(図8(c)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S1013)。一方、時短カウンタ203kの値が0でない(即ち、時短中である)と判別された場合には(S812:Yes)、特別図柄の大当たり中であるか判別される(S814)。特別図柄の大当たり中であると判別された場合には(S814:Yes)、S813の処理が実行される。一方、特別図柄の大当たり中でないと判別された場合には(S814:No)、時短用(時短遊技状態)の普通図柄当たり乱数テーブル202c(図8(c))の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S815)。
次に、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりであるか判別される(S816)。第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりであると判別された場合には(S816:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様が設定される(S817)。普通電動役物の羽根300a,300bの開放時間が1s、開放回数が2回に設定される(S820)。一方、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりでない(即ち、外れである)と判別された場合には(S816:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様が設定される(S819)。そして、普通図柄(第2図柄)の変動時間が3sに設定される(S822)。
次に、図22のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S109)を説明する。図22は、このスルーゲート通過処理(S109)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S109)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、普通図柄始動口67を遊技球が通過したかを判断し、遊技球の通過があった場合に、普通図柄当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図22、S109)では、まず、球が普通図柄始動口(ゲート)67を通過したか否かを判定する(S901)。ここでは、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことを3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口67を通過したと判定されると(S901:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)を取得する(S902)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S903)。
球が普通図柄始動口(ゲート)67を通過していないか(S901:No)、或いは、球が普通図柄始動口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)が4未満でなければ(S903:No)、この処理を終了する。一方、球が普通図柄始動口67を通過し(S901:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)が4未満であれば(S903:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203cの値(M)を1加算する(S904)。そして、上述したタイマ割込処理のS106で取得した普通図柄当たり乱数カウンタC4の値をRAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(普通図柄保留1〜普通図柄保留4)のうち最初のエリアに格納する(S905)。尚、S905の処理では、普通図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、普通図柄保留1のエリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば普通図柄保留2のエリアを、その値が2であれば普通図柄保留3のエリアを、その値が3であれば普通図柄保留4のエリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図23は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S910)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図24を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図24は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図24)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1002)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1003)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ(図5、122)がオンされているか否かを判別し(S1004)、オンされていれば(S1004:Yes)、処理をS1012へ移行する。一方、RAM消去スイッチ(図5、122)がオンされていなければ(S1004:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1005)、記憶されていなければ(S1005:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1012へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1005:Yes)、RAM判定値を算出し(S1006)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1007:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1112へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1012の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1012)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1013、S1014)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ(図5、122)を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ(図5、122)が押されていればRAM203の初期化処理(S1013、S1014)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1013、S1014)を実行する。RAMの初期化処理(S1013、S1014)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1013)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1014)。
振分位置初期化処理を実行する(S1015)。振分位置初期化処理(S1015)については、詳細を図25及び図26を参照して後述するが、振分入賞装置64の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8を予め定められた初期値に設定するための処理である。RAM203の初期化処理の実行後は、S1010の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ(図5、122)がオンされておらず(S1004:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1005:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1007:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1008)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1009)、S1010の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1010)。その後、割込みを許可する(S1011)。そして、後述するメイン処理(図27、S1200)に移行する。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221は、電源が投入された時には、主制御装置110から振分入賞球数コマンド等が出力されるまでは、初期化された状態としたが、それに限らず、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理(図24)のS1010の処理等において、主制御装置110がバックアップしている情報(例えば、振分入賞球数カウンタ203eの値等)をバックアップコマンドとして出力して、音声ランプ制御装置113にMPU221に対して、バックアップさせる構成としてもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113についても、電源断直前の状態にデータ等をバックアップすることができる。
次に、図25及び図26を参照して、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理(図24)内の一処理である振分位置初期化処理(S1015)について説明する。図25及び図26は、この振分位置初期化処理(S1015)を示すフローチャートである。
振分位置初期化処理(図25及び図26、S1015)では、まず、第1振分回転部材64a1の位置を振分位置確認センサー262より取得する(S1101)。ここで、振分位置確認センサー262は、第1振分回転部材64a1の回転角度を検出する角度センサーであり、第1振分回転部材64a1だけでなく、第2〜第8振分回転部材64a2〜64a8についてもそれぞれの回転角度を検出することができる。回転角度は、第1収容部64c1〜64c8が上方に向いている状態ではプラスの値、第2収容部64d1〜64d8が上方を向いている状態ではマイナスの値となるように設定されている。なお、取得される値はプラスの値であれば「1」が取得され、マイナスの値であれば「0」が取得される。
S1101の処理で取得した値が振分初期位置データ202hに記憶されている第1振分回転部材64a1の初期位置データ(本実施形態では、第1収容部64c1が上方を向いていることを示す「1」)の値と同じであるか判別される(S1102)。取得した値が初期位置データと同じであると判別された場合には(S1102:Yes)、S1104の処理を実行する。一方、取得した値が初期位置データと異なると判別された場合には(S1102:No)、振分初期位置データ202hに記憶されている第1振分回転部材64a1の初期位置データ(本実施形態では、「10101010」)に従って、振分位置調整モータ263を設定する(S1103)。本実施形態では、第1振分回転部材64a1を右方向へ所定角度(本実施形態では、プラス90度の位置)まで回転させるように振分位置調整モータ263を設定する。
S1104〜S1124の処理において、第1振分回転部材64a1と同様に第2〜第8振分回転部材64a2〜64a8の初期位置の設定が行われる。なお、第2振分回転部材64a2の初期位置は、第2収容部64d2が上方を向いた位置であるマイナス90度の位置、第3振分回転部材64a3の初期位置は、第1収容部64c3が上方を向いた位置であるプラス90度の位置、第4振分回転部材64a4の初期位置は、第2収容部64d4が上方を向いた位置であるマイナス90度の位置、第5振分回転部材64a5の初期位置は、第1収容部64c5が上方を向いた位置であるプラス90度の位置、第6振分回転部材64a6の初期位置は、第2収容部64d6が上方を向いた位置であるマイナス90度の位置、第7振分回転部材64a7の初期位置は、第1収容部64c7が上方を向いた位置であるプラス90度の位置、第8振分回転部材64a8の初期位置は、第2収容部64d8が上方を向いた位置であるマイナス90度の位置にそれぞれ設定される。設定の仕方については、第1振分回転部材64a1と同様であるので省略する。
このように、パチンコ機10が初期化(RAM消去スイッチ122が操作された場合等)には、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8がそれぞれ予め定められた初期位置に設定される。これにより、遊技店側が、振分入賞装置64の状態を遊技球が1球も入っていない振分入賞球数カウンタ203eの値が0の状態(第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8のすべてが第1〜第8排出誘導路64z1〜64z15に遊技球を誘導する位置を向いた状態)に設定したい場合には、RAM消去スイッチ122を操作してRAM203の初期化を実行することで、振分入賞装置64も初期状態に自動的に設定することができる。よって、遊技店の開店時等には、複数の遊技機を同じ状態(同じ振分入賞球数カウンタ203eの値)に容易に設定できる。
また、本実施形態では、振分入賞装置64の初期位置は、振分入賞装置64に遊技球が入球していない入賞球数カウンタ203eが0の状態としたが、それに限らず、入賞球数カウンタ203eの値が255の状態(第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8が第1〜第8誘導路64z2〜64z16に遊技球を誘導する位置)に設定して、すぐに第1始動口71に入賞させて大当たりを付与できる状態に設定するように構成してもよい。このように構成することで、すぐに大当たりが付与される遊技機を遊技店側が用意することができ、開店時のそのように設定された遊技機を求めて来店するお客を多数集客することができ、開店時から来店するお客の数を増加させることができる。なお、適宜、振分入賞装置64の状態をスイッチ等により遊技店側が設定できるように構成してもよい。
なお、本実施形態では、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8のそれぞれに対して、位置を確認して、初期値に設定する処理を実行する構成としたが、それに限らず、すべての振分回転部材を強制的に初期値に設定するように構成してもよい。このように、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置に関わらず、初期設定の処理を一括して行うことで、初期設定の処理を簡略化することができる。よって、電源投入時の処理を短くすることができる。
次に、図27を参照して、立ち上げ処理(図24)後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理(S1200)について説明する。図27は、このメイン処理(S1200)を示すフローチャートである。このメイン処理(S1200)では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理、振分入賞装置64への異常入賞の監視処理とが実行される。
メイン処理(図27、S1200)においては、まず、タイマ割込処理(図14参照)の中でRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1201)。
払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1202、パチンコ機10が大当たり中である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1203)。第2始動口300に付随する電動役物の羽根300a,300bの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1204)。電動役物開閉処理(S1204)では、普通図柄の当たりとなって、電動役物の開放時間が設定されている場合や、大当たり抽選の抽選結果が通常大当たりとなって、電動役物の開放時間および開放回数が設定されている場合に、その開放時間や開放回数に応じて電動役物の開閉を行う。
次に、第1図柄表示装置37の表示制御処理が実行される(S1205)。第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1206)。簡単に説明すると、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、普通図柄当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、普通電動役物の羽根300a,300bが所定時間開放される。
次に、振分エラー処理が実行される(S1207)。振分エラー処理(S1207)については、図28を参照して、詳細について後述するが、振分入賞装置64に入賞した遊技球と排出した遊技球の差が異常設定値(本実施形態では、10個以上)か、256個目の遊技球が振分入賞装置64に入球している場合には、その遊技球の流下時間が第1始動口71への到達平均秒数以上(本実施形態では、7秒以上)経過しているか判別かをそれぞれ判別して、異常を判別する処理が実行される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1208)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1208:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1209)、既に所定時間が経過していれば(S1209:Yes)、処理をS1201へ移行し、上述したS1201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1209:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1及び普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行する(S1210)。
具体的には、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では109、99)に達した際、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。
ここで、S1201〜S1207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動表示する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2(即ち、特別図柄当たり乱数カウンタC1の初期値、普通図柄当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができる。
また、S1208の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1208:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図23のNMI割込処理が実行されたということなので、S1211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1213)、RAM203のアクセスを禁止して(S1214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリアおよび作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1208の処理は、S1201〜S1207で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図24、S1001)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理(図27、S1200)の一処理である振分エラー処理(S1207)について説明する。図28は、この振分エラー処理(S1207)を示すフローチャートである。
振分エラー処理(図28、S1207)では、まず、振分入賞球数カウンタ203eの値から振分排出球数カウンタ203fの値を減算して異常設定値以上(本実施形態では、10個以上)であるかを判別する(S1301)。なお、ここでの減算は、入球した遊技球と排出した遊技球との差球の個数を求めるための演算であり、例えば、振分入賞球数カウンタ203eの値が3であり、振分排出球数カウンタ203fの値が254であれば、減算した結果は5と算出される。本実施形態では、振分入賞装置64に入球中の遊技球は設計値であれば、9個となりそれよりも多い場合には、入球口640を介さずに入球させる(例えば第1〜第8排出口650a1〜650a8のいずれかから遊技球を入球させる)不正が考えられる。
振分入賞球数カウンタ203eと振分排出球数カウンタ203fとの差が異常設定値以上であると判別された場合には(S1301:Yes)、エラー報知コマンドを設定(生成)する(S1302)。エラー報知コマンドを音声ランプ制御装置113が受信すると、第3図柄表示装置81に異常を示す表示態様(例えば、「役物異常入賞エラー」等の文字)を表示させる表示用コマンドを生成する。
一方、振分入賞球数カウンタ203eと振分排出球数カウンタ203fとの差が異常設定値未満であると判別された場合には(S1301:No)、振分入賞フラグ203hがオンに設定されているか判別する(S1303)。振分入賞フラグ203hがオフに設定されていると判別された場合には(S1303:No)、この処理を終了する。一方、振分入賞フラグ203hがオンに設定されていると判別された場合には(S1303:Yes)、振分入賞タイマ203gの値を取得する。取得した振分入賞タイマ203gの値に1を加算する(S1305)。
振分入賞タイマ203gの値が到達平均秒数以上(翻字し形態では、7秒以上)を示す値であるかを判別する(S1306)。振分入賞タイマ203gの値が到達平均秒数以上であると判別された場合には(S1306:Yes)、エラー報知コマンドを設定する(S1307)。なお、このS1307の処理は、S1302と同様の処理が実行される。一方、振分入賞タイマ203gが到達平均秒数未満であると判別された場合には(S1306:No)、この処理を終了する。
このように、4ms間隔で、振分エラー処理(図28、S1207)は実行され、振分入賞装置64に異常がないか判別される。振分入賞装置64に設計値を超える遊技球が入球した状態である(入球数と排出球数とに差がある)と判別されると直ちに、エラー処理を実行できる。よって、不正やパチンコ機10の異常を早期に発見することができる。従って、不正による被害をより低減できる。
また、振分入賞装置64に第1始動口71に遊技球が入賞することとなる入球数(本実施形態では、256個)の遊技球が入球したと判別された場合に、その遊技球が第1始動口71に到達するまでの時間を監視するように構成したので、常に、入球した遊技球の流下時間を監視する場合と比較して、主制御装置110のMPU201の制御負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、振分入賞装置64に入球した数と排出した数の差を異常と判定する数は、予め設定された値としたが、それに限らずに、遊技店側が設定できる設定スイッチ等を設ける構成にしてもよい。このように構成することで、遊技釘の調整等により、振分入賞装置64へ遊技球が入球する割合(入球する頻度)が変化することに合わせて調整して設定できる。よって、よりパチンコ機10の状態に合わせた異常設定値で異常の監視を行うことができ、異常を正確に検出することができる。
次に、図29から図35を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(S1600)とがある。
まず、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図29は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理(図29)が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1501)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1619の電源断処理(図30参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1502)。図30を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図30、S1616参照)、S1619の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1619の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1502:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1619の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1503)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1506の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1503:Yes)、S1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1503:No)、S1508へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1503:Yes)、S1504へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1619の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1503:No)、S1508へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1502:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S169の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1504の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1304)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1505:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1506)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1505:No)、RAM223の異常を報知して(S1507)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1508の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1508)。電源断フラグはS1619の電源断処理の実行時にオンされる(図30、S1618参照)。つまり、電源断フラグは、S1619の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1619の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1508:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1509)、RAM223の初期値を設定した後(S1510)、割込み許可を設定して(S1513)、メイン処理(図30、S1600)へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1508:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1509をスキップして、処理をS1510へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S1510)。
なお、S1509のクリア処理をスキップするのは、S1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至った場合には、S1504の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1600)について説明する。図30は、このメイン処理(S1600)を示したフローチャートである。メイン処理(S1600)が実行されると、まず、該メイン処理(S1600)が開始されてから、又は、前回S1601の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S1601)、1ミリ秒以上経過していなければ(S1601:No)、S1602〜S1610の処理を行わずにS1611の処理へ移行する。S1601の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S1602〜S1610が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1611の変動表示処理やS1614のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1611の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができ、S1614の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。
S1601の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1601:Yes)、まず、S1603〜S1614の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1602)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1609の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1603)、その後、電源投入報知処理を実行する(S1604)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1405の処理へ移行する。
S1605の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1606)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理(S1606)では、詳しくは、後述するが、従並び替え保留記憶エリア223kのデータに基づいて、第3図柄表示装置81の保留図柄表示の表示を更新する処理が実行される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1607)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1608)、その後音編集・出力処理を実行する(S1609)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1609の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1610)。この後、S1611の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理(S1610)では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1608のランプ編集処理が実行される。なお、S1609の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1611の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図33を参照して後述する。
変動表示設定処理(S1611)の後、擬似変動処理が実行される(S1612)。この擬似変動処理(S1612)については、図34を参照して、詳細については後述するが、第3図柄表示装置81に変動表示(動的表示)させる擬似図柄の擬似変動パターン(擬似動的表示態様)を決定し、その決定した変動パターンを示す表示用擬似変動パターンを生成する処理が実行される。
擬似変動処理(S1612)の後、背景選択処理が実行される(S1613)。この背景選択処理(S1613)については、図35を参照して、詳細については後述するが、第3図柄表示装置81に表示される背景画像を変更する条件が成立したか否かを判断して、変更する場合には、変更する背景画像の種類を決定するための処理が実行される。
主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理が実行される(S1614)。このコマンド判定処理(S1614)の詳細については、図31を参照して後述する。
S1614の処理が終わると、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用する擬似変動選択カウンタ223a等のカウンタ値に1を加算する各カウンタを更新する処理が実行される(S1615)。ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1615)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1615の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1615:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1618)、電源断処理を実行する(S1619)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1620)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1616の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1616:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1617)、RAM223が破壊されていなければ(S1617:No)、S1601の処理へ戻り、繰り返しメイン処理(S1600)が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1617:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理(S1600)が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、説明の便宜上先に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1614)について説明する。図31は、このコマンド判定処理(S1614)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1614)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30、S1600)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S1614)の詳細について説明する。
コマンド判定処理(図31、S1614)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域(図示せず)から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1701)。ここで、変動パターンコマンドは、特別図柄を変動表示させるための変動表示態様を示すコマンドである。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S1701:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223bがオンに設定される(S1702)。受信した変動パターンコマンドから変動パターンの種類(種別)を抽出する(S1703)。ここで抽出された変動パターンの種類は、RAM223のその他メモリエリア223gに特別図柄の変動パターンの種類であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図33、S1611)において、表示制御装置114に対して特別図柄の変動表示演出の開始とその特別図柄の変動パターンの種類とを通知する特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S1701:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか判別される(S1704)。停止種別コマンドを受信したと判別された場合には(S1704:Yes)、停止種別コマンドを受信した場合には、停止種別選択フラグ223cがオンに設定される。停止種別コマンドを受信した場合には、停止種別選択フラグ223cがオンに設定される。(S1705)。受信した停止種別コマンドから停止種別(大当たりA、大当たりBのいずれか)が抽出される(S1706)。抽出した停止種別は、音声ランプ制御装置113にMPU221のRAM223のその他メモリエリア223gに記憶される。
一方、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合には(S1704:No)、主制御装置110より振分入賞球数コマンドを受信したか判別される(S1707)。振分入賞球数コマンドを受信したと判別された場合には(S1707:Yes)、受信した振分入賞球数コマンドが示す入賞球数を抽出して、その値から1減算した値を従振分入賞球数カウンタ223dに格納(記憶)する(S1708)。ここで、振分入賞球数カウンタ223dの値が0である場合には、1減算すると255となる。従入賞中カウンタ223fの値を取得して、その値に1を加算して更新し、従入賞中カウンタ223fに記憶される(S1709)。
一方、主制御装置110より振分入賞球数コマンドを受信していないと判別された場合には(S1707:No)、主制御装置110より振分排出球数コマンドを受信したか判別される(S1710)。主制御装置110より振分排出球数コマンドを受信したと判別された場合には(S1710:Yes)、受信した振分排出球数コマンドより排出球数を抽出して、1減算した値を従振分排出球数カウンタ223eに記憶する(S1711)。ここで、振分排出球数コマンドが0を示すコマンドである場合には、1減算すると255となる。従入賞中カウンタ223fの値を取得して、その値より1減算して更新した値を従入賞中カウンタ223fに記憶させる(S1712)。
一方、振分排出球数コマンドを受信していないと判別された場合には(S1710:No)、主制御装置110よりエラー報知コマンドを受信したか判別される(S1713)。主制御装置110よりエラー報知コマンドを受信したと判別された場合には(S1713:Yes)、表示用エラー報知コマンドを設定(生成)する(S1714)。このエラー報知コマンドは、主制御装置110が出力するエラー報知コマンドの種類に基づいて、そのエラー内容を第3図柄表示装置81に文字で表示させるためのコマンドである。
一方、エラー報知コマンドを受信していないと判別された場合には(S1713:No)、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか判別される(S1715)。主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したと判別された場合には(S1715:Yes)、エンディング設定処理が実行する(S1717)。エンディング設定処理(S1717)については、図32を参照して、詳細は後述するが、実行した大当たり遊技の種別(大当たりAまたは大当たりBのいずれか)に基づいて、第3図柄表示装置81に表示するエンディング画面を設定する処理が実行される。一方、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信していないと判別された場合には(S1716:No)、その他のコマンドに応じた処理が実行される(S1716)。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図31、S1614)の一処理であるエンディング設定処理(S1719)について説明する。図32は、このエンディング設定処理(S1719)を示すフローチャートである。
エンディング設定処理(図32、S1719)では、まず、実行中の大当たりは大当たりA(16R大当たり後に時短遊技状態に移行)であったか判別される(S1801)。実行中の大当たりが大当たりAであると判別された場合には(S1801:Yes)、エンディング演出の表示態様(エンディング画像)として時短演出表示(図13a)が設定される(S1802)。一方、実行中の大当たりが大当たりB(16R大当たり後に通常遊技状態に移行)であると判別された場合には(S1801:No)、第3図柄表示装置81に表示されるエンディング演出の表示態様として、通常演出表示(図13(b))が設定される(S1803)。設定されたエンディング演出を示す表示用エンディングコマンドを設定(生成)する。
時短演出表示は、図13(a)に示すように、「魔界モード突入」という文字が第3図柄表示装置81に表示される。本実施形態では、時短遊技状態のことを魔界モードという名称で知らせており、時短遊技状態であることを遊技者に知らせている。また、通常演出表示は、図13(b)に示すように、「天界チャレンジモード突入」という文字が第3図柄表示装置81に表示される。本実施形態では、通常遊技状態(非時短遊技状態)のことを天界チャレンジモードという名称で知らせている。遊技者は、天界チャレンジモードを振分入賞装置64に遊技球を第1始動口71に入賞させる(遊技の演出では天界に到達する)まで入球させる遊技に移行することを認識する。
なお、本実施形態では、遊技者は、このエンディングの表示態様により、実行された大当たりが大当たりAであるか大当たりBであるかを初めて判別する。これにより、大当たりが終了する間際まで、実行されている大当たりが大当たりAでないかという期待を持って遊技を行わせることができる。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30、S1600)内の一処理である変動表示設定処理(S1611)について説明する。図33は、この変動表示設定処理(S1611)を示したフローチャートである。
変動表示設定処理(図33、S1611)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223bがオンに設定されているか判別される(S1901)。そして、変動開始フラグ223bがオフであると判別された場合には(S1901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1909の処理を実行する。一方、変動開始フラグ223bがオンであると判別された場合には(S1901:Yes)、変動開始フラグ223bをオフに設定する(S1902)。
第3図柄表示装置81において擬似図柄が変動表示中であるか判別される(S1903)。擬似図柄が停止表示中であると判別された場合には(S1903:No)、コマンド判定処理(図31、S1614)のS1703の処理において変動パターンコマンドより抽出された特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223gより取得される(S1904)。
一方、第3図柄表示装置81において、擬似図柄が変動表示中であると判別された場合には(S1903:Yes)、第3図柄表示装置81で表示されている擬似図柄の擬似変動パターンは、天井変動パターンであるか判別される(S1905)。第3図柄表示装置81で変動表示されている擬似変動パターンが天井変動パターンであると判別された場合には(S1905:Yes)、天井特別変動パターンを取得(選択)する(S1906)。一方、第3図柄表示装置81で変動表示されている擬似変動パターンが天井変動パターンでないと判別された場合には(S1905:No)、切替特別変動パターンを取得(選択)する(S1907)。取得した変動パターンに対応する表示用変動パターンコマンドが設定(生成)される(S1908)。
停止種別選択フラグ223cがオンに設定されているか判別される(S1909)。停止種別選択フラグ223cがオフであると判別された場合には(S1909:No)、この処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223cがオンであると判別された場合には(S1909:Yes)、停止種別選択フラグ223d1がオフに設定される(S1910)。
コマンド判定処理(図31、S1614)のS1706の処理において、受信した停止種別コマンドより抽出された停止種別が設定される(S1911)。設定された停止種別に対応する表示用停止種別コマンドが設定される(S1912)。
このように、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81に表示されている擬似図柄が変動表示されている場合には、変動パターンコマンドが示している変動パターンに代えて、天井特別変動パターンまたは切替特別変動パターンが選択される。これにより、第3図柄表示装置81で表示されている内容と繋がる表示態様で特別図柄の表示態様を合わせることができる。よって、遊技者に、擬似図柄での変動表示であるか、特別図柄での変動表示であるかを識別し難く構成でき、擬似図柄の変動表示であっても大当たりへの期待を持つことができる。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理(図30、S1600)内の一処理である擬似変動処理(S1612)について説明する。図34は、この擬似変動処理(S1612)を示すフローチャートである。擬似変動処理(図34、S1612)は、第3図柄表示装置81で変動表示する擬似図柄の変動パターンを決定するための処理である。以下に、擬似変動処理(図34、S1612)について説明する。
擬似変動処理(図34、S1612)では、まず、第1図柄表示装置37、第3図柄表示装置81において特別図柄が変動表示中であるか判別される(S2001)。特別図柄が変動表示中であると判別された場合には(S2001:Yes)、この処理を終了する。一方、特別図柄が停止表示されていると判別された場合には(2001:No)、第3図柄表示装置81で擬似図柄が変動表示されているか判別する(S2002)。擬似図柄が変動表示中であると判別された場合には(S2002:Yes)、処理を終了する。
一方、擬似図柄が停止表示されていると判別された場合には(S2002:No)、コマンド判定処理(図31、S1614)のS1707の処理において、振分入賞球数コマンドを受信したと判別されているか判別する(S2003)。振分入賞球数コマンドを受信していると判別された場合には(S2003:Yes)、擬似変動選択カウンタ223aの値を取得する(S2004)。S2004の処理で取得した擬似変動選択カウンタ223aの値と従振分入賞球数カウンタ223dの値に基づいて、擬似変動テーブル222e(図10(a)参照)より擬似変動パターンを選択(決定)する(S2005)。選択した擬似変動パターンに対応した擬似変動パターンコマンドを設定(生成)する(S2006)。一方、振分入賞球数コマンドを受信していないと判別した場合には(S2003:No)、この処理を終了する。
このように、第3図柄表示装置81で特別図柄と擬似図柄が変動表示されていない場合に、振分入賞球数コマンドを受信した場合(即ち、振分入賞装置64の入球口640に遊技球が入球した場合)に、擬似図柄の擬似変動パターンが選択されて、擬似図柄の変動表示の開始が設定される。よって、遊技者は、あたかも振分入賞装置64の入球口640に遊技球が入球したことにより、抽選遊技が開始したかのように感じ、擬似図柄の変動表示を特別図柄の変動表示であるかのように感じて、大当たりへの期待を持って、擬似図柄の変動を見ることができる。よって、早期に遊技に飽きてしまうことを防止できる。
また、本実施形態のパチンコ機10に熟練した遊技者であっても、擬似図柄の変動パターンは、従振分入賞球数カウンタ223dの値により、選択される擬似変動パターンの種類の割合(選択される頻度)が異なるように設定されているので、選択される擬似変動パターンの種類や、その頻度により、現在の振分入賞装置64に入賞した遊技球の数を予測できる。よって、遊技者は、擬似図柄の変動であることが分かっていても、擬似図柄の擬似変動パターンより大当たりに関わる重要な情報を得ることができるので、より擬似図柄の変動表示に興味を持って遊技を行うことができる。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図30、S1600)内の一処理である背景選択処理(S1613)について説明する。図35は、この背景選択処理(S1613)を示すフローチャートである。背景選択処理(図35、S1613)は、第3図柄表示装置81で表示される背景画像を変更するか否か決定して、変更する背景画像を決定する処理を実行する。以下、背景選択処理(図35、S1613)について説明する。
背景選択処理(図35、S1613)では、まず、従入賞中カウンタ223fの値が3より大きいか、即ち、振分入賞装置64内に入球している(残存している)遊技球の数は4個以上であるか判別される(S2101)。振分入賞装置64内に入球している遊技球の数が4個以上であると判別された場合には(S2101:Yes)、擬似変動選択カウンタ223aの値を取得する(S2102)。S2102の処理で取得した擬似変動選択カウンタ223aの値と従振分入賞球数カウンタ223dの値とに基づいて、背景選択テーブル222f(図10(b)参照)より背景パターンを選択する(S2103)。選択した背景パターンに対応した表示用背景コマンドを設定(生成)する(S2104)。一方、従入賞中カウンタ223fの値が3以下であると判別された場合には(S2101:No)、この処理を終了する。
このように、振分入賞装置64に入球している遊技球の数が4個以上である場合に、第3図柄表示装置81で表示される背景画像を変更するように構成したので、ランダムなタイミングで、第3図柄表示装置81に表示される背景画像を変更することができる。また、選択される背景画像は、振分入賞装置64に入球した遊技球の数(従振分入賞球数カウンタ223dの値)により選択される背景画像の種類の割合(選択される背景画像の頻度)が変更されるように設定されているので、遊技者にとっては、選択される背景画像は、振分入賞装置64の入球数を予測するヒントとなるので、より背景画像に対して興味を持たせることができる。
また、第1始動口71に入賞することとなる256個目の遊技球が振分入賞装置64に入球した場合に選択される背景画像は、前兆C背景(図13(c))に限定されているので、前兆C背景が選択されると、第1始動口71に入賞するのではないかと期待を持たせることができる。よって、遊技者は、大当たり以外にも、背景画像に興味を持つことができ、遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。
このように、所定個数(本実施形態では、256個)の遊技球が振分入賞装置64に入賞することで、必ず遊技者に大当たりを付与する構成にすることにより、長時間の間、大当たりが付与されない不具合を防止できる。よって、遊技者の損害が過度に大きくなってしまうのを防止できる。
また、そのような構成では、所定個数が振分入賞装置64に入賞するまでに、遊技者が遊技に飽きてしまう不具合が懸念されるが、特別図柄と同様の表示態様で構成された擬似図柄を振分入賞装置64に遊技球が入球したタイミングで変動表示を開始させることで、遊技者はあたかも特別図柄の変動が開始したように思って、擬似図柄の変動表示を楽しむことができる。よって、早期に遊技に飽きてしまうのを防止できる。
また、他人が遊技した後、または開店時に遊技を開始する場合に、振分入賞装置64にどのくらいの遊技球が入球した状態であるか判別がつかないが、擬似図柄の擬似変動パターンは振分入賞装置64に入球した遊技球の数(従振分入賞球数カウンタ223dの値)に基づいて選択される擬似変動パターンの種類の頻度(割合)が変更されるように設定されているので、選択される擬似変動パターンの種類より、振分入賞装置64に入球した遊技球の数を予測することができる。よって、特別図柄が変動表示しない間も、擬似図柄の変動表示により遊技に飽きてしまうのを防止できる。
また、本実施形態では、通常遊技状態(非時短遊技状態)では、所定個数(本実施毛形態では256個)が振分入賞装置64に入球するまで、大当たりが発生しない構成であり、時短遊技状態となると、第2始動口300に入球可能な状態となり、早期に大当たりが遊技者に付与される構成としたので、通常遊技状態と時短遊技状態との大当たりを得るまでのスピード感を大きく異ならせることで、遊技者に時短遊技状態に移行させたいという気持ちをより強く持たせて遊技を行わせることができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうのを防止できる。また、通常遊技状態と時短遊技状態とで大きく異なる遊技の種類を遊技者に楽しませることができる。
また、第1始動口71に入賞することで、必ず大当たりとなる構成としたが、第1始動口71に入賞した場合には、振分入賞装置64の入球口640に入球してから第1始動口71に入賞するまでの到達時間が適正か、振分入賞装置64の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8までの位置は適正かを判別することで、不正による大当たりが付与されてしまうことを抑制できる。よって、不正による被害を抑制することができる。
また、本実施形態では、入球口640に入球した遊技球の数をカウントすることにより、第1始動口71に入賞するまでに必要な入球数(天井までの入球数)をカウントする構成としたが、それに限らず、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8のそれぞれの位置で判別するように構成しても当然よい。このように構成することで、入球口640に入球した遊技球の数をカウントする処理を行わなくてもよいので、主制御装置110のMPU201の制御負荷を軽減することができる。また、振分回転部材が遊技球を誘導した後に、誘導するまえの位置に戻ってしまう(例えば、第1収容部が上方を向いている状態で、遊技球を受け入れて遊技球を誘導した後に、勢いが強すぎたり、パチンコ機10への振動等により再び、第1収容部が上方に向いてしまう)不具合が発生した場合にも、入球口640のカウント値と、振分回転部材の状態(位置)がズレてしまう不具合を抑制でき、現状の振分回転部材の位置により、第1始動口71までに必要な入球数を判別することができる。
また、入球口640のカウント値と第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8のそれぞれの位置とを一定間隔等で、照合してカウント値を第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置に基づいて補正するように構成してもよい。このような場合では、所定回数以上、照合結果が異なって補正された場合には、エラー報知をして、不正が行われていないかまたは故障による不具合ではないか等の確認を遊技店側が行えるように構成してもよい。このように構成することで、入球口640のカウント値と第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の状態とを正確に合わせることができ、正確な演出等の制御を行うことができる。
また、本実施形態では、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の8個の振分回転部材で構成したので、それぞれの位置を1ビットのデータで示すことができ、合計8ビットのデータで構成できるので、データの送受信を容易に行うことができる。
次に、図36〜図66を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、振分入賞装置64に第1始動口71に入球することとなる入球数が入球して、第1始動口71に遊技球が入賞して大当たりとなると、振分入賞装置64に遊技球が入球し難い遊技領域の右側領域の特定入賞口65aに向け遊技球を発射する場合について説明した。
これに対し、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、特定入賞口65aを振分入賞装置64に近接させて配置させ、大当たりとなると大当たり中も振分入賞装置64内に遊技球が入球する構成とした。また、大当たり種別によっては、大当たり遊技後に、振分入賞装置64の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8を抽選により所定の位置に設定することで、大当たり遊技後の振分入賞装置64の第1始動口71に入賞するまでに必要な入球数を可変して設定する。また、振分入賞装置64には普通電動役物が2つもうけられており、それぞれが開放すると所定の振分回転部材に遊技球が誘導される点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図36は、第2実施形態における、パチンコ機10の遊技盤13の正面図である。第2実施形態における、パチンコ機10の遊技盤13では、第2図柄表示装置83には、第1普通図柄の当否判定結果を表示する表示部が「○」、「×」で左右に並べて設けられており、その下方に、第2普通図柄の当否判定結果を表示する表示部が「○」、「×」で左右に並べて設けられている。また、第1図柄表示装置37のLED37aには、第1普通図柄始動口67s1、第2普通図柄始動口67s2に入賞した遊技球のうちそれぞれの変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示す表示部が設定されている。
遊技領域右側下方に設けられていた可変入賞装置65が遊技領域中央の振分入賞装置64の左上に設けられている。遊技領域の右側下方には、一般入賞口63が配置されている。また、振分入賞装置64の右側側面には普通電動役物である第1普通電動役物の第1羽根64s1と第2普通電動役物の第2羽根64s2がそれぞれ設けられている。
通常遊技状態(大当たり遊技状態ではない遊技状態)では、遊技者は、操作ハンドル51を最大に右に回動させることにより、遊技球を最大の発射力で発射させることにより、右側の遊技領域(可変表示装置ユニット80の右側)を遊技球が流下するように遊技球を発射させる。そして、第1普通図柄始動口67s1、第2普通図柄始動口67s2、入球口640に遊技球が入球するように遊技球を発射する。一方、大当たり遊技状態となると、遊技球を左側の遊技領域(可変表示装置ユニット80の左側)を遊技球が流下するように遊技球を発射させる。
そして、図39に示すように、可変入賞装置65は、大当たり遊技中には、所定期間、前面側に開閉板を下方に回動させて、遊技領域を流下する遊技球を開閉板の上面で受けて特定入賞口65aへと誘導する。開閉板は、下方へ回動すると90度よりも少し特定入賞口65a側(85度〜88度程度)で回動が規制されて、特定入賞口65a方向に開閉板が傾斜した状態となる。また、開閉板の上面の形状は、右端部に向けて傾斜したテーパー面65sが形成されており、テーパー面上に落下した遊技球は、振分入賞装置64の入球口640へと誘導されるように構成されている。
このような構成により、大当たり遊技が開始されると、通常遊技状態(大当たり遊技以外の遊技状態)よりも振分入賞装置64の入球口640に遊技球が入球し易い状態となる。よって、振分入賞装置64に256個目の遊技球が入球して第1始動口71に入賞して大当たりとなった場合に、大当たり遊技をしながら、振分入賞装置64に遊技球を入球させることで、大当たり遊技後には、ある程度、遊技球が振分入賞装置64に入賞した状態となり、次に256個目までの残り入球数を減らすことができる。従って、遊技者に早期に次の当たりを付与することができる。
また、遊技球を弱めに発射させることで、テーパー面65sに遊技球が落下し難い(可変入賞装置65の左側付近を遊技球が流下する)ように調整することができ、遊技者は、振分入賞装置64に入球した遊技球の数が第1始動口71に入賞することとなる256個に近づいてきたと判別すると、遊技球の発射力を操作ハンドル51を調整して弱めることで、振分入賞装置64に大当たり中に256個の遊技球が入球してしまい、第1始動口71に大当たり遊技中に入賞してしまうことで、第1始動口71への入賞が無効球となってしまうことを防止できる構成となっている。よって、遊技者の判断と遊技方法により、遊技者が得られる利益が変わるので、より遊技者が集中して、遊技を行うことができる。従って、遊技者が遊技に飽きてしまうのを抑制できる。
また、大当たりが連続して上限回数(例えば、5回連続)行われることで、遊技球の発射を弱く調整できないように設定でき、故意に、大当たり中に、第1始動口71に入賞させるように構成してもよい。このようにすることで、大当たりの連続回数に上限を設定することができ、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止できる。
また、図37に示すように、振分入賞装置64に右側側面の第6振分回転部材64a6の斜め上方に第1羽根64s1が設けられ、第8振分回転部材64a8の斜め上方に第2羽根64s2がそれぞれ設けられている。第1羽根64s1と第2羽根64s2とは、それぞれソレノイドにより下端部を軸として振分入賞装置64の外側に約45度回動可能に構成されている。第1羽根64s1は、常時は、垂直に起立して、振分入賞装置64の右側側面に形成された遊技球が通過可能な第1普通入球口640s1を塞ぐように構成され、第1普通図柄の当たりとなると、右方向に約45度回動して、第1普通入球口へ遊技球を誘導する構成となっている。また、第2羽根64s2についても第1羽根64s1と同様に構成されている。第1普通入球口640s1と第2普通入球口640s2とはそれぞれ遊技球が通過したことを検出することが可能なゲート型のセンサで構成されている。
図37では図示が省略されているが、図38に示すように、振分入賞装置64の内部には、第1羽根64s1が回動して、第1普通入球口640s1に入球した遊技球を第6振分回転部材64a6に誘導する第1普通誘導路64m1が設けられている。第1普通誘導路64m1は、パチンコ機10の前面側に突出した壁部で構成され、上面を遊技球が転動可能な誘導路を形成している。また、第1普通誘導路64m1の上方には、第5対面部材64t5が第1普通誘導路64m1との間を遊技球が通過可能な幅を形成するように設けられている。第5誘導路64z10を流下した遊技球の勢いが強くても、第5対面部材64t5に衝突し、さらに、第5対面部材64t5で誘導しきれずに第6排出口650a6方向に遊技球が流下したとしても、第1普通誘導路64m1により第6振分回転部材64a6に誘導される(第6排出口650a6に遊技球が到達してしまうのを防いでいる)。よって、第5誘導路64z10を流下した遊技球が第6振分回転部材64a6を介さずに第6排出口650a6に到達してしまうのを防止できる。よって、遊技者に不利益となってしまうことを抑制できる。また、第2普通入球口640s2に入球した遊技球も第1普通入球口640s1に入球した遊技球と同様に第2普通誘導路64m2が設けられている。第2普通誘導路64m2についても第1普通誘導路64m1と同様に構成されている。
図36に戻って説明を続ける。遊技領域の右側には、遊技球が通過可能に構成された第1普通図柄始動口67s1とその第1普通図柄始動口67s1の直下に第2普通図柄始動口67s2がそれぞれ設けられている。第1普通図柄始動口67s1の上方には、釘が2本対向して配置されており、その釘の傾斜を調整することで、第1普通図柄始動口67s1に入球する遊技球の量(入球し易さ)を調整することが可能な構成となっている。また、第1普通図柄始動口67s1と第2普通図柄始動口67s2とは同一の形状であり、上下に直列して配置されており、第1普通図柄始動口67s1に入球した遊技球は第2普通図柄始動口67s2に入球し易い構成となっている。
また、第2図柄表示装置83には、第1普通図柄始動口67s1への始動入賞に基づく第1普通図柄が変動表示される第1普通図柄表示部83aと第2普通図柄始動口67s2への始動入賞に基づく第2普通図柄が変動表示される第2普通図柄表示部83bがそれぞれ設けられている。
なお、本実施形態では、第1普通図柄始動口67s1と第2普通図柄始動口67s2とは、上下に直列して配置したが、それに限らず、左右に並列して配置してもよいし、可変表示装置ユニット80を挟み、遊技領域の左右にそれぞれ配置してもよいし、その他、適宜、所望の位置に配置してもよい。
図40は、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110のMPU201のROM202には、図42(a)に示すように、第1実施形態におけるパチンコ機10に対して、普通図柄当たり乱数テーブル202cが削除され、第1普通図柄当たり乱数テーブル202c1、第2普通図柄当たり乱数テーブル202c2、ステータス選択テーブル202k、ランダム回数設定テーブル202mがそれぞれ追加されている。
第1普通図柄当たり乱数テーブル202c1は、図42(c)に示すように、通常遊技状態(非時短遊技状態)における、第1普通図柄始動口67s1を遊技球が通過した場合に取得した普通図柄当たり乱数カウンタC4について、当たりと判定される普通図柄当たり乱数カウンタC4の乱数値が記憶されたデータテーブルである。本実施形態では、当たりと判定される乱数値としては「5〜7」の範囲の値が第1普通図柄当たり乱数テーブル202c1に当たり乱数値として設定されている。なお、本実施形態では、時短遊技は設定されていないパチンコ機10で構成されている。
第2普通図柄当たり乱数テーブル202c2は、図42(d)に示すように、通常遊技状態(非時短遊技状態)における、第2普通図柄始動口67s2を遊技球が通過した場合に取得した普通図柄当たり乱数カウンタC4について、当たりと判定される普通図柄当たり乱数カウンタC4の乱数値が記憶されたデータテーブルである。本実施形態では、当たりと判定される乱数値としては「3」の値が第2普通図柄当たり乱数テーブル202c2に当たり乱数値として設定されている。なお、本実施形態では、時短遊技は設定されていないパチンコ機10で構成されている。
特別当たり種別テーブル202bは、第1実施形態における特別当たり種別テーブル202bに対して、大当たりA、大当たりBに代えて、大当たりC〜Fがそれぞれ特別当たり種別カウンタC2の値に対応させて設定されている。大当たりCは、特別当たり種別カウンタC2の値が0〜19の範囲の値であった場合に選択される大当たり種別である。大当たりCは、大当たり遊技において、5ラウンドで構成された大当たり遊技が実行される。大当たり後には、振分入賞装置64の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置を抽選により設定するランダム設定処理(図60、S1232)が実行される。大当たり遊技後には、通常遊技状態(非時短遊技状態)が実行される。
大当たりDは、特別当たり種別カウンタC2の値が20〜35の範囲の値であった場合に選択される大当たり種別である。大当たりDは、大当たり遊技において、5ラウンドで構成された大当たり遊技が実行される。大当たり後には、振分入賞装置64の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置を抽選により設定するランダム設定処理(図60、S1232)が実行されない。大当たり遊技後には、通常遊技状態(非時短遊技状態)が実行される。
大当たりEは、特別当たり種別カウンタC2の値が36〜39の範囲の値であった場合に選択される大当たり種別である。大当たりEは、大当たり遊技において、16Rラウンドで構成された大当たり遊技が実行され、大当たり後には、振分入賞装置64の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置を抽選により設定するランダム設定処理(図60、S1232)が実行されない。大当たり遊技後には、通常遊技状態(非時短遊技状態)が実行される。
大当たりFは、特別当たり種別カウンタC2の値が40〜99の範囲の値であった場合に選択される大当たり種別である。大当たりFは、大当たり遊技において、16ラウンドで構成された大当たり遊技が実行され、大当たり後には、振分入賞装置64の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置を抽選により設定するランダム設定処理(図60、S1232)が実行される。大当たり遊技後には、通常遊技状態(非時短遊技状態)が実行される。
ステータス選択テーブル202kは、図44(a)に示すように、ステータスA〜Eに対して、振分入賞球数カウンタ203eの値と後述するステータス選択カウンタ203mの値とを割り付けたデータテーブルである。主制御装置110のMPU201が実行するステータス決定処理(図53、S513)において、後述するランダムカウンタ203qの値がステータス変更値(本実施形態では、0〜39のいずれか)であった場合に、ステータス選択テーブル202kより振分入賞球数カウンタ203eとステータス選択カウンタ203mとの値に基づいてステータス種別が決定される。
ランダム回数設定テーブル202mは、図45(b)に示すように、初期状態に設定された振分入賞装置64に入球した遊技球の数が0個、100個、200個、255個のときの第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8のそれぞれの入球数に対する各位置情報に対して、ランダムカウンタ203pの値がそれぞれ設定されているデータテーブルである。具体的には、ランダムカウンタ203pの値が0〜24の範囲の値であれば、振分入賞装置64への入球数が0個(または、256個)のときの第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8のそれぞれの位置情報「10101010」が選択される。同様に、25〜29の範囲の値であれば、入球数が100個のときの第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8のそれぞれの位置情報「10001100」が選択される。30〜89の範囲の値であれば、入球数が200個のときの第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8のそれぞれの位置情報「10111001」が選択される。90〜99の範囲の値であれば、入球数が255個のときの第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8のそれぞれの位置情報「01010101」が選択される。
主制御装置110のMPU201のRAM203には、第1実施形態におけるパチンコ機10に対して、普通図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球カウンタ203c、時短中カウンタ203dが削除され、第1普通図柄保留球格納エリア203b1、第2普通図柄保留球格納エリア203b2、第1普通図柄保留球数カウンタ203c1、第2普通図柄保留球数カウンタ203c2、第1普電フラグ203j1、第2普電フラグ203j2、第1普電タイマ203k1、第2普電タイマ203k2、ステータス選択カウンタ203m、ステータス記憶エリア203n、ランダムカウンタ203p、振分位置記憶エリア203q、振分維持フラグ203rがそれぞれ追加されている。
第1普通図柄保留球格納エリア203b1は、第1普通図柄始動口67s1への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図41参照)より取得した普通図柄当たり乱数カウンタC4が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図49参照)の中で、球が第1普通図柄始動口67s1へ通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから普通図柄当たり乱数カウンタC4の値を取得し、第1普通図柄保留球格納エリア203b1に格納する。第1普通図柄保留球格納エリア203b1に設けられた第1普通図柄フラグをオンに設定して格納(記憶)する。第1普通図柄保留球格納エリア203b1は、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4の値、第1普通図柄フラグ)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。第1普通図柄保留球格納エリア203b1には、第1普通図柄始動口67s1へ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に(保留球数に対応した保留エリア)記憶される。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示装置83の表示の設定等の処理を実行するために、上述した第1普通図柄保留球格納エリア203b1に記憶されている各始動入賞に対応するデータ(普通当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この第1普通図柄保留球格納エリア203b1に設けられた第1普通図柄保留球実行エリアへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第2普通図柄保留球格納エリア203b2は、第2普通図柄始動口67s2への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図41参照)より取得した普通図柄当たり乱数カウンタC4が記憶される記憶エリアであり、第1普通図柄保留球格納エリア203b1と同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。
第1普通図柄保留球数カウンタ203c1は、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図49参照)の中で検出される第1普通図柄始動口67s1を遊技球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第2図柄表示装置83で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。この第1普通図柄保留球数カウンタ203c1は、第1普通図柄始動口67s1を遊技球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図24、S1014)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、第1普通図柄保留球数カウンタ203c1は、変動表示演出が実行される毎に1減算される(図54、S839参照)。
第2普通図柄保留球数カウンタ203c2は、第2普通図柄始動口67s2を遊技球が通過した保留球数に対して最大4回まで計数するカウンタである、第1普通図柄保留球数カウンタ203c1と同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。
第1普電フラグ203j1は、第1普通入球口640s1を遊技球が通過したことを示すフラグである。主制御装置110のMPU201が実行する普通入球口処理(図56、S116)において、第1普通入球口640s1を遊技球が通過したことに基づいて、オンに設定される。一方、後述する第1普通入球口640s1を遊技球が通過してからの時間を計測する第1普電タイマ203k1の値が予め定められた設定値(本実施形態では、5秒)以上が経過したと判定された場合に、オフに設定される。なお、RAM203が初期化された状態では、第1普電フラグ203j1は、オフに設定される。
第2普電フラグ203j2は、第2普通入球口640s2を遊技球が通過したことを示すフラグである。第2普通入球口640s2に関わる点で相違するが、第1普電フラグ203j1と同様の方法でオン、オフの設定が実行される。なお、第2普電フラグ203j2は、第2普電タイマ203k2が予め定められた設定値(本実施形態では、2s)以上と判定された場合に、オフに設定される。
第1普電タイマ203k1は、第1普通入球口640s1を遊技球が通過してからの流下時間を計測するためのタイマである。主制御装置110のMPU201が実行する普通入球口処理(図56、S116)において、第1普通入球口640s1を遊技球が通過したと判別された場合に、0に設定され、その後、第1普通入球口640s1に遊技球が通過したことを示す第1普電フラグ203j1がオンに設定されている間、普通入球口処理(図56、S116)が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。第1普電タイマ203k1は、タイマ割込処理(図49)の実行周期である2ms毎に1ずつ加算される。第2普電タイマ203k2は、第2普通入球口640s2に遊技球が通過してからの流下時間を計測するタイマである。第2普通入球口640s2に関わる点で相違するが、第1普電タイマ203k1と同様の方法で、更新等の処理が実行される。なお、本実施形態では、第1普電タイマ203k1または第2普電タイマ203k2は、第1普電フラグ203j1または第2普電フラグ203j2がそれぞれオンに設定された場合に、0にリセットされる構成としたが、それに限らず、第1普電フラグ203j1または第2普電フラグ203j2がオフに設定された場合に0にリセットされる構成としてもよい。
ステータス選択カウンタ203mは、図44(a)に示す、ステータス選択テーブル202kよりステータスを選択するためのカウンタである。ステータス選択カウンタ203mは「0〜198」の範囲で更新されるカウンタ値で構成されている。ステータス選択カウンタ203mは、主制御装置110のMPU201が実行するメイン処理(図58、S1200)のS1210の処理において1ずつ加算されて更新される。なお、上限値である198に1加算された場合には、初期値である0に更新される。RAM203が初期化された状態では、初期値である0に設定される。
ランダムカウンタ203pは、後述する大当たりC、大当たりF後に設定される振分入賞装置64の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置を図45(b)に示すランダム回数テーブルより選択するためのカウンタである。ランダムカウンタ203pは、「0〜99」の範囲で更新されるカウンタ値で構成されている。ランダムカウンタ203pは、主制御装置110のMPU201が実行するメイン処理(図58、S1200)のS1210の処理において1ずつ加算されて更新される。なお、上限値である99に1加算された場合には、初期値である0に更新される。RAM203が初期化された状態では、初期値である0が設定される。
振分位置記憶エリア203qは、振分入賞装置64の内部を流下している遊技球がない状態において、その時の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の各位置情報がそれぞれ記憶される記憶エリアである。この振分位置記憶エリア203qに記憶された各位置情報は、振分入賞装置64内を遊技球が流下していない状態で、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置が変更される不正が行われていないかを監視するために用いられる。具体的には、主制御装置110のMPU201が実行する振分エラー処理2(図62、S1320)において、振分入賞球数カウンタ203eと振分排出球数カウンタ203fとの差が0(即ち、振分入賞装置64内を流下している遊技球が無い状態)と判定されるとそのときの振分入賞装置64の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の各位置情報がそれぞれ記憶される。
このとき、振分位置記憶エリア203qに記憶される各位置情報は、振分位置確認センサー262によりプラスの回転角度(磁石64b1〜64b8が垂直上方に向いた位置を原点として、右に回転するとプラスの回転角度、左に回転するとマイナスの回転角度に設定)である場合には「1」が、マイナスの回転角度であれば「0」がそれぞれ記憶される。振分入賞装置64に256球の遊技球が入球して第1始動口71に入賞したあとであれば、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置情報は、第1振分回転部材64a1の位置情報から順に、「10101010」として記憶される。
振分維持フラグ203rは、振分入賞装置64内を遊技球が流下していない状態であることを示すフラグである。振分維持フラグ203rは、主制御装置110のMPU201が実行する振分エラー処理2(図59、S1320)において、振分入賞球数カウンタ203eと振分排出球数カウンタ203fとの値の差が0(即ち、振分入賞装置64内を遊技球が流下していない状態)であると判定された場合に、オンに設定される。一方、主制御装置110のMPU201が実行する振分入賞処理2(図52、S112)において、振分入賞装置64に入球口640に遊技球が入球したと判定された場合に、オフに設定される。なお、RAM203が初期化された状態では、オフに設定される。
音声ランプ制御装置113のMPU221におけるROM222は、第1実施形態のパチンコ機10に対して、擬似変動テーブル222a、背景選択テーブル222bの内容がそれぞれ変更されている。
第1実施形態における擬似変動テーブル222aでは、従振分入賞球数カウンタ223dの値に対して、擬似変動パターンがそれぞれ設定されていたのに対して、本実施形態における擬似変動テーブル222aでは、図44(b)に示すように、主制御装置110により出力されるステータスコマンドに基づいて記憶される従ステータス記憶エリア223hのステータスに対して擬似変動パターンが設定されている点が変更されている。
第1実施形態における背景選択テーブル222bでは、従振分入賞球数カウンタ223dの値に対して背景パターンがそれぞれ設定されていたのに対して、本実施形態における背景選択テーブル222bでは、図45(a)に示すように、主制御装置110により出力されるステータスコマンドに基づいて記憶される従ステータス記憶エリア223hのステータスに対して背景パターンが設定されている点が変更されている。
音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223には、第1実施形態のパチンコ機10に対して、従振分入賞球数カウンタ223d、従振分排出球数カウンタ223e、従入賞中カウンタ223fが削除され、従ステータス記憶エリア223h、普通変動フラグ223i、背景変更カウンタ223jがそれぞれ追加されている。
従ステータス記憶エリア223hは、主制御装置110より出力されるステータスコマンドを受信することに基づいて、受信したステータスコマンドが示すステータス種別(ステータス情報)が記憶される記憶エリアである。
普通変動フラグ223iは、主制御装置110が出力する普通図柄の当たり変動パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。音声ランプ制御装置113にMPU221が実行するコマンド判定処理2(図63、S1660)において、主制御装置110から出力された普通図柄の当たり変動パターンコマンドを受信したと判別された場合に、オンに設定される。一方、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する擬似変動処理2(図65、S1640)において、割込普通擬似変動パターンまたは通常普通擬似変動パターンが設定される(S2024またはS2025)と、オフに設定される。なお、RAM223が初期化された状態では、オフに設定される。
背景変更カウンタ223jは、第3図柄表示装置81で表示される背景パターン(背景画像)を変更するか否かを決定するためのカウンタ値である。背景変更カウンタ223jは、「0〜99」の範囲で更新されるカウンタ値である。音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図62、S1600)のS1615の処理において1ずつ加算されて更新される。上限値である99に1加算された場合には、初期値である0に更新される。背景選択カウンタ223jは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する背景選択処理2(図66、S1650)において、取得されるカウンタ値である。
次に、図49を参照して、第2実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図49は、このタイマ割込処理を示すフローチャートである。第2実施形態のタイマ割込処理(図49)は、第1実施形態のタイマ割込処理(図14)に対して、特別図柄変動処理(図15、S104)に代わり、特別図柄変動処理2(図50、S111)が、振分入賞処理(図18、S105)に代わり、振分入賞処理2(図52、S112)が、普通図柄変動処理(図21、S108)に代わり、第1普通図柄変動処理(図54、S113)、第2普通図柄変動処理(S114)が、スルーゲート通過処理(図22、S109)に代わり、スルーゲート通過処理2(図55、S115)が、普通入球口通過処理(図56、S116)がそれぞれ追加されている。第2実施形態におけるS101〜S103,S107,S110〜S111の各処理は、第1実施形態におけるS101〜S103,S107,S110〜S111の各処理と同一の処理が実行される。
図50を参照して、第2実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図49)の一処理である特別図柄変動処理2(S111)について説明する。図50は、この特別図柄変動開始処理2(図50、S111)を示すフローチャートである。第2実施形態の特別図柄変動開始処理2(図50、S111)は、第1実施形態の特別図柄変動開始処理(図15、S104)に対して、特別図柄変動開始処理(図16、S204)に代わり、特別図柄変動開始処理2(図51、S310)が、S209,S210の処理に代わり、S320,S330の処理がそれぞれ追加されている。第2実施形態におけるS201〜S207,S211の各処理は、第1実施形態におけるS201〜S207,S211の各処理と同一の処理が実行される。
S203の処理において、特別図柄実行エリア203aに新たなデータが記憶されたと判別された場合には(S203:Yes)、特別図柄変動開始処理2(図51、S310)が実行される。特別図柄変動開始処理2(図51、S310)については、図51を参照して詳細に後述するが、特別図柄の変動開始に必要な処理が実行される。
また、S208の処理において、決定されている大当たり種別が何であるかを判別して、大当たりCまたは大当たりDである場合には、大当たりラウンド数を5ラウンドに設定する(S320)。一方、大当たりEまたは大当たりFである場合には、大当たりラウンド数を16ラウンドに設定する(S330)。その後、大当たり種別に対応した大当たりの開始がそれぞれ設定される(S211)。
次に、図51を参照して、第2実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図49)の一処理である特別図柄変動処理2(図50、S111)の一処理である特別図柄変動開始処理2(S310)について説明する。図51は、この特別図柄変動開始処理2(図51、S310)を示すフローチャートである。第2実施形態の特別図柄変動開始処理2(図51、S310)は、第1実施形態の特別図柄変動開始処理(図16、S204)に対して、振分装置エラー報知制御処理(図17、S301)が削除されている。その他の処理については、第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図16、S204)と同一の処理が実行される。
次に、図52を参照して、第2実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図49)の一処理である振分入賞処理2(図52、S1112)について説明する。図52は、この振分入賞処理2(図52、S112)を示すフローチャートである。第2実施形態の振分入賞処理2(図52、S112)は、第1実施形態における振分入賞処理(図18、S105)と、遊技球が振分入賞装置64に入球したと判定されると、ステータスを変更するか否かの処理を実行する点で相違する。
振分入賞処理2(図52、S112)では、まず、遊技球が振分入賞装置64の入球口640に入球したか判別する(S511)。遊技球が入球口640に入球したと判別された場合には(S511:Yes)、振分維持フラグ203rをオフに設定する(S512)。その後、ステータス決定処理を実行する(S513)。ステータス決定処理(S513)については、図53を参照して、詳細を後述するが、ステータス種別を変更する条件が成立したか否かを判定して、条件が成立していれば、ステータス種別を決定する処理が実行される。
振分入賞球数カウンタ203eの値が取得される(S514)。取得した振分入賞球数カウンタ203eの値に1が加算されて更新される(S515)。なお、取得した振分入賞球数カウンタ203eの値が上限値255である場合に、1を加算すると初期値である0に更新される。一方、入球口640に遊技球が通過していないと判別された場合には(S511:No)、この処理を終了する。
更新した振分入賞球数カウンタ203eの値が、設定カウンタ値(本実施形態では、255から1加算されて更新された0)であるか判別する(S516)。即ち、入球口640に入球した遊技球は、第1始動口71に入賞することとなる遊技球であるか判別する。設定カウンタ値であると判別された場合には(S516:Yes)、振分入賞タイマ203gの値を0に設定する(S517)。即ち、第1始動口71に入球することとなる遊技球が入球口640に入球してから第1始動口71に入賞するまでの時間を計測開始を設定する。振分入賞フラグ203hをオンに設定する(S518)。その後、この処理を終了する。
なお、本実施形態では、遊技球が入球口640に入球する毎に、振分維持フラグ203rがオン、オフに関わらず、オフに設定するように構成したが、オンである場合にのみ、オフに設定するように構成しても当然よい。
次に、図53を参照して、第2実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行される振分入賞処理2(図52、S112)の一処理であるステータス決定処理(S513)について説明する。図53は、このステータス決定処理(S513)を示すフローチャートである。
ステータス決定処理(図53、S513)では、まず、ランダムカウンタ203pの値が取得される(S521)。取得したランダムカウンタ203pの値がステータス変更値(本実施形態では、0〜39のいずれか)であるか判別される(S522)。ステータス変更値であると判別された場合には(S522:Yes)、ステータス選択カウンタ203mの値を取得する(S523)。取得したステータス選択カウンタ203m及び振分入賞球数カウンタ203eの値に基づいて、ステータス選択テーブル202k(図44(a))よりステータス種別を決定する(S524)。決定したステータス種別に基づいてステータスコマンドを設定(生成)する(S525)。一方、取得したランダムカウンタ203pの値がステータス変更値でないと判別された場合には(S522:No)、この処理を終了する。
このように、遊技球が振分入賞装置64の入球口640に入球する毎に、ステータスを変更する(決定するまたは更新する)か否かが抽選により決定されるので、ステータスがランダムな契機で変更できる。
また、ステータス選択テーブル202kは、振分入賞球数カウンタ203eの値によって、選択されるステータス種別の比率を変えている。また、音声ランプ制御装置113のMPU221が選択する擬似図柄の擬似変動パターンは、ステータスの種別によって選択される擬似変動パターンの種別の比率が異なるように設定されているので、遊技者は、変動表示される擬似図柄の擬似変動パターンにより、現在の振分入賞装置64に入球した遊技球の数を予測することができる。よって、特別図柄の当たり以外にも遊技者の楽しみが増え遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。
また、ステータス選択テーブル202kは、振分入賞球数カウンタ203eの値が第1始動口71に入賞することとなる値に近い200〜255の範囲で選択され易いステータスEについても、振分入賞球数カウンタ203eの値が低い値(例えば、0〜60の範囲の値)であっても選択されるように構成されているので、ステータスEが選択されることで、遊技者に第1始動口71に入賞するのが近いのではと、期待させることができる。
次に、図54を参照して、第2実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図49)の一処理である第1普通図柄変動処理(S113)について説明する。図54は、この第1普通図柄変動処理(S113)を示すフローチャートである。第1普通図柄変動処理(図54、S113)は、第2図柄表示装装置83の第1普通図柄表示部83aにおいて行う第1普通図柄の変動表示や、第1普通電動役物の第1羽根64s1の開放時間などを制御するための処理である。
この第1普通図柄変動処理(図54、S113)では、まず、今現在が、第1普通図柄の当たり中であるか判別される。(S831)。第1普通図柄の当たり中としては、第2図柄表示装置83の第1普通図柄表示部83aにおいて当たりを示す表示がなされてから普通電動役物の第1羽根64s1の開閉制御がなされている最中までが含まれる。第1普通図柄の当たり中であると判別された場合には(S831:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、第1普通図柄の当たり中でないと判別された場合には(S831:No)、第2図柄表示装置83の第1普通図柄が変動表示中であるか判別される(S832)。第1普通図柄が変動表示中であると判別された場合には(S832:Yes)、第2図柄表示装置83の第1普通図柄表示部83aにおいて実行している第1普通図柄の変動時間が経過したか判別される(S833)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83の第1普通図柄表示部83aにおいて変動表示が開始される前に、後述する、S848の処理によって予め設定された時間である。なお、本実施形態では、第1普通図柄の変動パターンは、当たり変動パターン、外れ変動パターン共に30秒の変動時間で設定されている。
S833の処理において、変動時間が経過していなければ(S833:No)、本処理を終了する。一方、S833の処理において、変動表示している第1普通図柄の変動時間が経過していると判別された場合には(S833:Yes)、第2図柄表示装置83の第1普通図柄表示部83aの停止表示を設定する(S834)。S834の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S844の処理により表示態様が設定されていれば、第1普通図柄として第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、第1普通図柄の抽選が外れとなって、S847の処理により外れ時の表示態様が設定されていれば、第2図柄表示装置83の第1普通図柄表示部83aには「×」図柄が、停止表示(点灯表示)されるように設定される。S8034の処理により、停止表示が設定されると、第2図柄表示装置83の第1普通図柄表示部83aにおける変動表示が終了し、S844の処理、S847の処理で設定された表示態様で、停止図柄が第2図柄表示装置83の第1普通図柄表示部83aに停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の第1普通図柄の抽選結果は当たりであるかが判別される(S835)。今回の第1普通図柄の抽選結果は当たりであると判別された場合には(S835:Yes)、第1普通電動役物の第1羽根64s1の開閉制御開始が設定される(836)。一方、今回の第1普通図柄の抽選結果は外れであると判別された場合には(S835:No)、本処理を終了する。
一方、S832の処理において、第1普通図柄が変動表示中でないと判別された場合には(S832:No)、第1普通図柄保留球数カウンタ203c1の値(第1普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S837)。
次に、第1普通図柄保留球数カウンタ203c1の値(M1)が0よりも大きいか否かを判別される(S838)。第1普通図柄保留球数カウンタ203c1の値(M1)が0であると判別された場合には(S838:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1普通図柄保留球数カウンタ203c1の値(M1)が0でないと判別された場合には(S838:Yes)、第1普通図柄保留球数カウンタ203c1の値(M1)を1減算する(S839)。
次に、第1普通図柄保留球格納エリア203b1に格納されたデータをシフトする(S840)。S840の処理では、第1普通図柄保留球格納エリア203b1の第1普通図柄保留1〜第1普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1普通図柄保留1→実行エリア、第1普通図柄保留2→第1普通図柄保留1、第1普通図柄保留3→第1普通図柄保留2、第1普通図柄保留4→第1普通図柄保留3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1普通図柄保留球実行エリアに格納されている普通当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S841)。
第1普通図柄当たり乱数テーブル202c1(図42(c)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S842)。取得された抽選結果は当たりであるか判別される(S843)。当たりであると判別された場合には(S843:Yes)、第2図柄表示装置83の第1普通図柄表示部83aに表示する当たり時の表示態様である「○」の表示態様が設定される(S844)。普通図柄の当たり変動パターンコマンド(本実施形態では、普通図柄の当たり変動パターンコマンドは1種類のみで、第1普通図柄の当たりを示すコマンド)が設定(生成)される。
第1普通電動役物の第1羽根64s1の開放時間および回数が0.5秒、1回にそれぞれ設定される(S846)。一方、取得された抽選結果が外れであると判別された場合には(S843:No)、第2図柄表示装置83の第1普通図柄表示部83aに表示する外れ時の表示態様である外れ時の表示態様である「×」の表示態様が設定される。第1普通図柄の変動時間が30秒に設定される。
なお、第2普通図柄変動処理(S114)については、第1普通図柄変動処理(図54、S113)に対して、第2図柄表示装装置83の第2普通図柄表示部83bにおいて行う第2普通図柄の変動表示や、第2普通電動役物の第2羽根64s2の開放時間などを制御する点で相違するのみであり、同様の制御が実行されるので、図示とその説明を省略する。第2普通図柄の変動時間も第1普通図柄と同一であり、第2普通電動役物の第2羽根64s2の開放時間および回数についても同様の値が設定される。また、第1普通図柄と第2普通図柄とは同時に変動表示が可能に構成されている。また、第1普通電動役物の第1羽根64s1と第2普通電動役物の第2羽根64s2とは、同時に開放制御が実行可能に構成されている。
このように、第1普通電動役物の第1羽根64s1と第2普通電動役物の第2羽根64s2との開放時間および回数は、0.5秒および1回で構成されているので、開放した場合にも1球の遊技球が可能な長さに設定されている。よって、複数の遊技球が第1普通入球口640s1または第2普通入球口640s2に一度に入球することにより、球詰まりが発生してしまったり、極端に大当たりが発生し易くなってしまうことを抑制できる。
また、第1普通図柄および第2普通図柄の変動時間を30秒と比較的長く構成したので、第1普通図柄および第2普通図柄が変動停止するまでに時間を要し、第1普通図柄および第2普通図柄の抽選回数が極端に多くなってしまい、頻繁に第1普通電動役物の第1羽根64s1または第2普通電動役物の第2羽根64s2が開いて、極端に第1始動口71に入賞し易くなってしまうのを抑制できる。
また、第1普通図柄始動口67s1と第2普通図柄始動口67s2とは上下に直列に並べて配置したので、同時期に第1普通図柄始動口67s1と第2普通図柄始動口67s2とを通過しやすくなり、第1普通図柄と第2普通図柄が同時期に変動開始し易く構成できる。よって、第1普通図柄と第2普通図柄の変動時間は同じに設定されているので、判定結果も同時期に表示されやすくなり、遊技者が第1普通図柄と第2普通図柄の変動表示結果を見やすくできる。
図55を参照して、第2実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図49)の一処理であるスルーゲート通過処理2(S115)について説明する。図55は、このスルーゲート通過処理2(S115)を示すフローチャートである。第2実施形態のスルーゲート通過処理2(図55、S115)は、第1普通図柄始動口67s1、第2普通図柄始動口67s2に対してそれぞれ遊技球が通過したか判別され、通過したと判別された場合には、それぞれに対して、通過した場合の処理が実行される。
スルーゲート通過処理2(図55、S115)では、まず、遊技球が第1普通図柄始動口67s1を通過したか判別される(S921)。遊技球が第1普通図柄始動口67s1を通過したと判別された場合には(S921:Yes)、第1普通図柄保留球カウンタ203c1の値を取得する(S922)。取得した値が上限値である4未満であるか判別される(S923)。取得した値が4未満であると判別された場合には(S923:Yes)、取得した第1普通図柄保留球カウンタ203c1の値に1が加算され、その加算された値が第1普通図柄保留球数カウンタ203c1に記憶する(S924)。普通図柄当たり乱数カウンタC4の値を取得して、第1普通図柄保留球格納エリア203b1の対応する保留エリアに格納(記憶)する(S925)。一方、遊技球が第1普通図柄始動口67s1を通過していないと判別された場合(S921:No)、第1普通図柄保留球数カウンタ203c1の値が4以上(即ち、上限値である4)であると判別された場合には(S923:No)、S926の処理を実行する。
遊技球が第2普通図柄始動口67s2を通過したか判別される(S926)。遊技球が第2普通図柄始動口67s2を通過したと判別された場合には(S926:Yes)、第2普通図柄保留球カウンタ203c2の値を取得する(S927)。取得した値が上限値である4未満であるか判別される(S928)。取得した値が4未満であると判別された場合には(S928:Yes)、取得した第2普通図柄保留球カウンタ203c2の値に1が加算され、その加算された値が第2通図柄保留球数カウンタ203c2に記憶される(S929)。普通図柄当たり乱数カウンタC4の値を取得して、第2普通図柄保留球格納エリア203b2の対応する保留エリアに格納(記憶)する(S930)。一方、遊技球が第2普通図柄始動口67s2を通過していないと判別された場合(S926:No)、第2普通図柄保留球数カウンタ203c2の値が4以上(即ち、上限値である4)であると判別された場合には(S928:No)、この処理を終了する。
図56を参照して、第2実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図49)の一処理である普通入球口処理(S116)について説明する。図56は、この普通入球口処理(S116)を示すフローチャートである。第2実施形態における普通入球口処理(図56、S116)は、第1普通入球口640s1、第2普通入球口640s2に遊技球が入球した場合に、入球した遊技球の流下する時間を計測して、入球した遊技球が第6排出口650a6〜第8排出口650a8より排出されるか、または第1始動口71に入賞する時間よりも長い時間が経過したかを判別した後に、第6振分回転部材64a6に遊技球が1球または第8振分回転部材64a8に遊技球が1球誘導された場合の振分入賞球数カウンタ203eの値に補正する処理を実行する。
普通入球口処理(図56、S116)では、まず、遊技球が第1普通入球口640s1に入球したか判別される(S951)。遊技球が第1普通入球口640s1に入球したと判別された場合には(S951:Yes)、第1普電フラグ203j1がオンに設定される(S952)。その後、第1普電タイマ203k1が0に設定される(S953)。
一方、遊技球が第1普通入球口640s1に入球していないと判別された場合には(S951:No)、第1普電フラグ203j1がオンであるか判別される(S954)。第1普電フラグ203j1がオンであると判別された場合には(S954:Yes)、第1普電タイマ203k1の値を1加算して更新する(S955)。更新した値が設定値(本実施形態では、5s)を超える値であるか判別される(S956)。更新した値が設定値を超える値であると判別された場合には(S956:Yes)、第1普電フラグ203j1をオフに設定する(S957)。その後、第1振分補正処理が実行される(S958)。第1振分補正処理(S958)については、図57を参照して、詳細を後述するが、第1普通入球口640s1から遊技球が入球したために、振分入賞球数カウンタ203eの値と振分入賞装置64の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の各位置にズレが生じるので、そのズレを補正する処理が実行される。
一方、第1普電フラグ203j1がオフであると判別された場合(S954:No)、第1普電タイマ203k1の値が設定値以下であると判別された場合には(S956:No)、S959の処理が実行される。S959の処理では、遊技球が第2普通入球口640s2を通過したか判別される(S959)。遊技球が第2普通入球口640s2を通過したと判別された場合には(S959:Yes)、第2普電フラグ203j2がオンに設定される(S960)。その後、第2普電タイマ203k2が0に設定される(S961)。
一方、遊技球が第2普通入球口640s2を通過していないと判別された場合には(S959:No)、第2普電フラグ203j2がオンであるか判別される(S962)。第2普電フラグ203j2がオンであると判別された場合には(S962:Yes)、第2普電タイマ203k2の値に1加算されて更新される(S963)。第2普電タイマ203k2の値が設定値(本実施形態では、2s)を超える値であるか判別される(S964)。第2普電タイマ203k2の値が設定値を超える値であると判別された場合には(S964:Yes)、第2普電フラグ203j2がオフに設定される(S965)。第2振分補正処理が実行される(S966)。第2振分補正処理(S966)では、第1振分補正処理(図57、S958)のS972の処理において、第6振分回転部材64a6が第8振分回転部材64a8に変更される点で相違するのみで、その他の処理については、同一の処理が実行されるので、図示とその説明を省略する。
図57を参照して、第2実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行される普通入球口処理(図56、S116)の一処理である第1振分補正処理(図57、S958)について説明する。図57は、この第1振分補正処理(S958)を示すフローチャートである。
第1振分補正処理(図57、S958)では、まず、現在の振分入賞球数カウンタ203eの値に対応する第6振分回転部材64a6の位置に遊技球が1球誘導された場合に対応する振分入賞球数カウンタ203eの値を算出する(S971)。ここで、例えば現在の振分入賞球数カウンタ203eの値が「100」であったとする。その振分入賞球数カウンタ203eの値「100」に対応する第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置データは「10001100」であるので、第6振分回転部材64a6は第1収容部64c6が上方に向いた状態となっている。この場合に、第1普通入球口640s1から遊技球が入球して第6振分回転部材64a6に遊技球が誘導されると、第1収容部64c6に遊技球が入り、第6振分回転部材64a6は左方向に回動して遊技球を第6誘導路64z12に誘導する。
第6誘導路64z12に誘導された遊技球は、第7振分回転部材64a7に誘導される。第7振分回転部材64a7は、第2収容部64d7が上方を向いた位置であるので、第2収容部64d7に遊技球が入り、右方向に回動して第7誘導路64z14に遊技球を誘導する。第7誘導路に誘導された遊技球は第8振分回転部材64a8に遊技球を誘導する。第8振分回転部材64a8はこのとき、第2収容部64d8が上方を向いた状態であるので、第2収容部64d8に遊技球が入り、右方向に回動して、第8排出誘導路64z15に遊技球が誘導されて、第8排出口650a8より排出される。
これにより、振分入賞球数カウンタ203eの値が100であるときに、第1普通入球口640s1より遊技球が入球すると、第6振分回転部材64a6は、第2収容部64d6が、第7振分回転部材64a7は、第1収容部c7が、第8振分回転部材64a8は、第1収容部c8がそれぞれ上方を向いた位置に変更されるので、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の各位置情報は、「10001011」となり、振分入賞球数カウンタ203eの値132に対応する位置となることが算出される。
次に、S971の処理で算出された振分入賞球数カウンタ203eの値に更新される(S972)。振分排出球数カウンタ203fの値も更新された振分入賞球数カウンタの値と同じ値で更新される(S973)。
これにより、第1普通入球口640s1より遊技球が入球すると振分入賞球数カウンタ203eの値と第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置とにズレが生じてしまうが、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の各位置に基づいて、振分入賞球数カウンタ203eの値が補正されるので、その後の処理において、正しい振分入賞球数カウンタ203eの値に基づいて処理を行うことができ、不具合の発生を抑制できる。また、ズレが発生したことで、正規の遊技で、第1始動口71に入賞したにも関わらず、不正の入賞として判別されてしまう不具合も抑制できる。
また、振分排出球数カウンタ203fの値も補正された振分入賞球数カウンタ203eの値に合わせる補正が実行されるので、正常な遊技が行われているにも関わらず、振分入賞球数カウンタ203eの値と振分排出球数カウンタ203fの値との差が、後述する振分けエラー処理2(図61、S1320)において、異常と判定される異常設定値(本実施形態では10個)以上であると判別される不具合を防止できる。
なお、本実施形態では、振分入賞球数カウンタ203eと振分排出球数カウンタ203fの補正は、算出することにより行ったが、それに限らず、振分入賞装置64内に遊技球が無い状態であると判別された場合に、そのときの第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の各位置を検出して、その位置に対応する振分入賞球数カウンタ203eの値を算出して補正するように構成してもよい。このように構成することで、より正確な値に補正することができる。
また、本実施形態では、第1普通電動役物の第1羽根64s1の開放時間および回数を0.5秒および1回とすることで、1球のみが第1普通入球口640s1に入球する構成としたが、それに限らず、第1普通入球口640s1には直接遊技球が入球できない構成(例えば、第1普通電動役物が開いている状態では、第1普通入球口640s1に遊技球が入球するのを規制する突起片が突出している構成等)として、第1普通電動役物の第1羽根64s1が開いている上面には、遊技球を1球保持可能な凹部が形成されており、その凹部に遊技球が入球した状態で第1羽根64s1が閉じる(閉じることにより規制している突起片は解除される)と第1普通入球口640s1よりその凹部に保持された遊技球が入球する構成としてもよい。このようにすることで、より確実に1回の開放で複数の遊技球が第1普通入球口640s1に入球してしまう不具合を抑制できる。
また、本実施形態では、第1普通電動役物の第1羽根64s1と第2普通電動役物の第2羽根64s2とは、それぞれ第1普通図柄と第2普通図柄とを対応させたが、それに限らず、第1羽根64s1と第2羽根64s2とを1つの普通図柄に対応させて、同時に開放するように構成してもよい。また、1つの普通図柄の当たりの図柄種別により開く羽根を変更するように構成してもよい。このように構成することで、同時に2つの羽根が開くので、遊技者が第1普通入球口64s1または第2入球口64s2に遊技球が入球することを大きく期待することができる。また、どちらの羽根が開放するかという期待感を持って遊技を行うことができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。
図58を参照して、第2実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(S1200)について説明する。図58は、このメイン処理(S1200)を示すフローチャートである。第2実施形態のメイン処理(図58、S1200)は、第1実施形態のメイン処理(図27、S1200)に対して、大当たり制御処理(S1203)に代わり大当たり制御処理2(図59、S1220)が、振分エラー処理(図28、S1207)に代わり、振分エラー処理2(図61、S1320)が追加されている。第2実施形態におけるS1201〜S1202,S1204〜S1206,S1208〜S1214の各処理は、第1実施形態におけるS1201〜S1202,S1204〜S1206,S1208〜S1214の各処理と同一の処理が実行される。S1202の処理が完了すると、大当たり制御処理2(図59、S1220)が実行される。
図59を参照して、第2実施形態における、主制御装置110のMPU201が実行するメイン処理(図58、S1200)の一処理である大当たり制御処理2(S1220)について説明する。図59は、この大当たり制御処理2(S1220)を示すフローチャートである。大当たり制御処理2(図59、S1200)は、大当たり遊技の状態により可変入賞装置65を開閉する処理を実行し、大当たり遊技の終了の際には、実行した大当たり種別により、振分入賞装置64の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8を抽選により決定された入球数に対応する位置に設定する処理を実行する。
大当たり制御処理2(図59、S1220)では、まず、大当たり遊技の開始であるか判別される(S1221)。大当たり遊技の開始であると判別された場合には(S1221:Yes)、大当たり遊技の開始を音声ランプ制御装置113に対して通知するオープニングコマンドが設定(生成)される。その後、この処理を終了する。
一方、大当たり遊技の開始でないと判別された場合には(S1221:No)、大当たり遊技中であるか判別される(S1223)。大当たり遊技中でないと判別された場合には(S1223:No)、この処理を終了する。一方、大当たり遊技中であると判別された場合には(S1223:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別される(S1224)。新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合には(S1224:Yes)、特定入賞口65a(大開放口)が可変入賞装置65の作動により開放される(S1225)。新たに開始するラウンド数を音声ランプ制御装置113に通知するためのラウンド数コマンドが設定される。その後、この処理を終了する。
一方、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別された場合には(S1224:No)、特定入賞口65a(大開放口)の閉鎖条件が成立したか判別される(S1227)。ここで、閉鎖条件は、特定入賞口65aに遊技球が所定個数(本実施形態では、10個)入賞したか、また、開放してから30秒が経過したかのどちらか一方が成立したかに設定されている。
特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したと判別された場合には(S1227:Yes)、特定入賞口65a(大開放口)が可変入賞装置65の作動により閉鎖される(S1228)。その後、この処理が終了される。一方、閉鎖条件が成立していないと判別された場合には(S1229:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別される(S1229)。エンディング演出は、予め設定されたラウンド数が終了した場合に、設定される。
エンディング演出の開始タイミングであると判別された場合には(S1229:Yes)、音声ランプ制御装置113に対して、大当たり遊技の終了を通知するエンディングコマンドが設定される(S1230)。実行した大当たり種別は、大当たりCまたは大当たりFであるか判別される(S1231)。即ち、大当たり遊技後の振分入賞装置64の第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8が抽選により決定された入球数に対応する位置に設定されるランダム設定処理を実行する大当たり種別であるか判別される。
実行した大当たり種別が大当たりCまたは大当たりFであると判別された場合には(S1231:Yes)、ランダム設定処理が実行される(S1232)。ランダム設定処理(S1232)については、図60を参照して、詳細を後述するが、ランダム回数設定テーブル202m(図45(b)参照)より大当たり遊技後の第1〜第8振分入賞装置64a1〜64a8の位置を設定する処理が実行される。一方、実行された大当たり種別が大当たりDまたは大当たりEであると判別された場合には(S1231:No)、この処理を終了する。
図60を参照して、第2実施形態における、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理2(図59、S1220)の一処理であるランダム設定処理(S1232)について説明する。図60は、このランダム設定処理(S1232)を示すフローチャートである。
ランダム設定処理(図60、S1232)では、まず、ランダムカウンタ203pの値が取得される(S1241)。取得したランダムカウンタ203pの値に基づいて、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の設定位置をランダム回数設定テーブル202mより決定(選択)する(S1242)。決定した設定位置に基づいて、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置をそれぞれ設定する(S1243)。振分入賞球数カウンタ203e、振分排出球数カウンタ203fの値を決定した設定位置に対応する値に設定する(S1244)。
このように、大当たり遊技が実行されると、大当たりCまたは大当たりFである場合には、大当たり遊技後に抽選で決定されて入球数に対応した位置に第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8がそれぞれ設定される。よって、遊技者は、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置が抽選で決定される当たりであるかを期待して大当たり遊技を行い、大当たりCまたは大当たりFであった場合には、なるべく大きい値の入球数に対応した設定位置に設定されないかと期待して遊技を行うことができる。
また、遊技者は、大当たり後の振分入賞装置64が何球入球した状態に設定されているかは、判別し難いので、第1始動口71に入賞することとなる入球数まであと少しでないかという期待を持って遊技を行うことができる。
本実施形態では、大当たり遊技中も図39に示すように、振分入賞装置64の入球口640に可変入賞装置65の開閉板の上面に形成されたテーパー面65sにより誘導されて入球し易い構成となっている。よって、大当たりCまたは大当たりDでは、5ラウンドの大当たりであるので、大当たり遊技の時間が短く、入球口640に入球する遊技球の数が少ない。その為、遊技者は、5ラウンドの大当たりである場合には、ランダム設定処理(図60、S1232)が実行される大当たりCであることを強く期待する。一方、16ラウンドの大当たりである大当たりEまたは大当たりFである場合には、ある程度の遊技球が入球口640に入球することとなるので、例え、大当たりFでなかったとしても、次の第1始動口71に入賞することとなる入球数までに必要な入球数を少なくすることができる。よって、遊技者は、早期に次の大当たりを得ることができ、遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。
また、ランダム回数設定テーブル202mには、ランダムカウンタ202pの値が90〜99出会った場合には、入球数が255個の場合に設定されるので、次に振分入賞装置64に入球した場合には、その遊技球が第1始動口71に入賞することとなり、連続した大当たりを遊技者に与えることができる。よって、より短時間に多くの遊技球を遊技者が得ることができ、遊技の趣向性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、大当たりの種別により、ランダム設定処理(図60、S1232)を実行するか否か決定したが、それに限らず、大当たり遊技後に特定の入賞口に入賞させて、それに基づく抽選によりランダム設定処理(図60、S1232)を実行するかを決定するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者自身が、抽選を行ったような感覚を味合わせることができ、大当たり遊技における楽しみを増やすことができる。
図61を参照して、第2実施形態において、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(S1200)の一処理である振分エラー処理2(図61、S1320)について説明する。図61は、この振分エラー処理処理2(S1320)を示すフローチャートである。第2実施形態の振分エラー処理2(図61、S1320)は、第1実施形態の振分エラー処理(図28、S1207)に対して、S1321〜S1322,S1324〜S1326の処理が追加されている。第2実施形態におけるS1323,S1327〜S1332の各処理は、第1実施形態におけるS1301〜S1307の各処理と同一の処理が実行される。
S1321の処理では、振分維持フラグ203rがオンに設定されているか判別される(S1321)。振分維持フラグ203rがオンに設定されいると判別された場合には(S1321:Yes)、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置は、振分位置記憶エリア203qに記憶されている位置データ(位置情報)と一致するか判別される(S1322)。一致すると判別された場合には(S1322:Yes)、エラー報知コマンドを設定する(S1323)。その後、この処理を終了する。一方、第1〜第8振分回転部材64a1〜第8振分回転部材64a8の位置と振分位置記憶エリア203qの値とが不一致であると判別された場合には(S1322:No)、S1327の処理が実行される。
一方、振分維持フラグ203rがオフであると判別された場合には(S1321:No)、S1324の処理が実行される。S1324の処理では、振分入賞球数カウンタ203eの値と振分排出球数カウンタ203fの値とが一致するか(即ち、値の差が0であるか)判別される(S1324)。一致する(即ち、差が0である)と判別された場合には(S1324:Yes)、振分維持フラグ203rをオンに設定する(S1325)。その後、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置が振分位置記憶エリア203qに位置データ(位置情報)として記憶される。なお、この位置データは、図45(b)に示すランダム回数設定テーブル202mの第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8の位置データと同様に記憶される。なお、S1327〜S1332の処理については、第1実施形態における振分エラー処理2(図28、S1207)と同様の処理であるので、詳細な説明については省略する。
このように、振分入賞装置64内に遊技球が流下していない状態であると判別した場合には、そのときの第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8までの各位置をそれぞれ記憶しておき、振分入賞装置64に新たに遊技球が入球するまでの間、その位置を照合することで、遊技球が振分入賞装置64に入賞していない状態で、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8が回動したかを監視することができる。よって、不正に、第1〜第8振分回転部材64a1〜64a8が外部より動かされる不正を抑制できる。従って、不正に第1始動口71に入賞させられるのを抑制でき、不正による被害を低減できる。
図62を参照して、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(S1600)について説明する。図62は、このメイン処理(S1600)を示すフローチャートである。第2実施形態のメイン処理(図62、S1600)は、第1実施形態のメイン処理(図30、S1600)に対して、変動表示設定処理(図33、S1611)に代わり、変動表示設定処理2(図64、S1630)が、擬似変動処理(図34、S1612)に代わり、擬似変動処理2(図65、S1640)が、背景選択処理(図35、S1613)に代わり、背景選択処理2(図66、S1650)が、コマンド判定処理(図31、S1614)に代わり、コマンド判定処理2(図63、S1660)がそれぞれ追加されている。第2実施形態におけるS1601〜S1610,S1615〜S1620の各処理は、第1実施形態におけるS1601〜S1610,S1615〜S1620の各処理と同一の処理が実行される。便宜上、背景選択処理2(図66、S1650)の後で実行されるコマンド判定処理2(図63、S1660)から説明する。
図63を参照して、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図62、S1600)の一処理であるコマンド判定処理2(S1660)について説明する。図63は、このコマンド判定処理2(S1660)を示すフローチャートである。第2実施形態のコマンド判定処理2(図63、S1660)は、第1実施形態のコマンド判定処理(図31、S1614)に対して、S1707〜S1712の各処理に代わり、S1727〜S1730の各処理が追加されている。第2実施形態におけるS1721〜S1726,S1731〜S1735までの各処理は、第1実施形態におけるS1701〜S1706,S1713〜S1717までの各処理と同一の処理が実行される。
S1724の処理において、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していないと判別された場合には(S1724;No)、S1727の処理が実行される。S1727の処理では、主制御装置110が出力した普通図柄の当たり変動パターンコマンドを受信したかが判別される(S1727)。普通図柄の当たり変動パターンコマンドを受信していると判別された場合には(S1727:Yes)、普通変動フラグ223iがオンに設定される(S1728)。
一方、普通図柄の当たり変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S1727:No)、主制御装置110が出力したステータスコマンドを受信したか判別される(S1729)。ステータスコマンドを受信したと判別された場合には(S1729:Yes)、受信したステータスコマンドからステータス種別を抽出し、従ステータス記憶エリア223hに記憶される(S1730)。一方、ステータスコマンドを受信していないと判別された場合には(S1729:No)、S1731の処理が実行される。なお、S1731〜S1735までの各処理は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図31、S1614)と同一の処理であるので、詳細な説明は省略する。
次に、図64を参照して、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図62、S1600)の一処理である変動表示設定処理2(S1630)について説明する。図64は、この変動表示設定処理2(S1630)を示すフローチャートである。第2実施形態の変動表示設定処理2(図64、S1630)は、第1実施形態の変動表示設定処理(図33、S1611)に対して、S1903〜S1907の各処理に代わり、S1923〜S1928の各処理が追加されている。第2実施形態におけるS1921〜S1922,S1929〜S1935までの各処理は、第1実施形態におけるS1901〜S1902,S1908〜S1912までの各処理と同一の処理が実行される。
S1922の処理が実行されるとS1923の処理が実行される。S1923の処理では、前兆A〜前兆C擬似変動パターンのいずれかが第3図柄表示装置81で変動表示(動的表示)されているか判別される(S1923)。前兆A〜C擬似変動パターンのいずれかが変動表示されていないと判別された場合には(S1923:No)、コマンド判定処理2(図63、S1660)のS1723の処理で抽出した変動パターンが取得される(S1924)。このとき選択される変動パターンとしては、図11(a)に示すような特別図柄の変動表示が実行される変動表示態様である。詳細な内容は第1実施形態において既に説明したものと同一であるので省略する。
一方、前兆A〜C擬似変動パターンのいずれかが変動表示されていると判別された場合には(S1923:Yes)、第3図柄表示装置81で変動表示されている前兆擬似変動パターンの種別は何であるか判別される(S1925)。変動表示されている変動パターンが前兆A擬似変動パターンであると判別された場合には、継続A変動パターンが特別図柄の変動パターン(動的表示態様)として取得される(S1926)。
ここで、前兆A擬似変動パターンと継続A変動パターンについて図46(a)を参照して説明する。擬似図柄の前兆A変動パターンでは、左、中、右の擬似図柄(本実施形態では、1〜9の数字)が昇順で高速で変動表示を開始する(図示せず)。次に、左右の擬似図柄が同じ数字の図柄が停止表示して、「リーチ」音声が音声出力装置226から出力される。そして、擬似図柄が左上方に縮小して表示されて、高い山に向かって登る主人公の画像が表示される(図46上図)。その後、第1始動口71に遊技球が入賞して継続A変動パターンで特別図柄の変動表示が開始されると、左上方に表示されている擬似図柄がそのまま特別図柄として差し替えられて、主人公が山の頂上まで登り切った画像が表示される。その後、図46(a)下図に示すように、リーチ状態で左上方に表示されていた特別図柄が、第3図柄表示装置81の中央に表示されて、その下方に「天界到達!!」の文字が表示される。その後、特別図柄が「777」で停止表示されて、大当たりしたことを報知する停止表示態様で停止表示される。一方、前兆A擬似変動パターンでは、変動時間が経過しても切替A変動パターンの変動表示が開始されない場合には、主人公が山の頂上に到達しないまま、左右の擬似図柄とは異なる擬似図柄で中図柄が停止して変動表示が終了する。
一方、変動表示されている変動パターンが前兆B擬似変動パターンであると判別された場合には、継続B変動パターンが特別図柄の変動パターン(動的表示態様)として取得される(S1927)。
ここで、前兆B擬似変動パターンと継続B変動パターンについて図46(b)を参照して説明する。擬似図柄の前兆B変動パターンでは、左、中、右の擬似図柄(本実施形態では、1〜9の数字)が昇順で高速で変動表示を開始する(図示せず)。次に、左右の擬似図柄が同じ数字の図柄が停止表示して、「リーチ」音声が音声出力装置226から出力される。そして、擬似図柄が左上方に縮小して表示されて、主人公が表示され、その主人公が空に向かってジャンプする画像が表示される。その後、第1始動口71に遊技球が入賞して継続B変動パターンで特別図柄の変動表示が開始されると、左上方に表示されている擬似図柄がそのまま特別図柄として差し替えられて、主人公が雲の上まで到達した画像が表示される。その後、図46(b)下図に示すように、リーチ状態で左上方に表示されていた特別図柄が、第3図柄表示装置81の中央に表示されて、その下方に「天界到達!!」の文字が表示される。その後、特別図柄が「777」で停止表示されて、大当たりしたことを報知する停止表示態様で停止表示される。一方、前兆B擬似変動パターンでは、変動時間が経過しても切替b変動パターンの変動表示が開始されない場合には、主人公が雲の上に到達しないまま、左右の擬似図柄とは異なる擬似図柄で中図柄が停止して変動表示が終了する。
一方、変動表示されている変動パターンが前兆C擬似変動パターンであると判別された場合には、継続C変動パターンが特別図柄の変動パターン(動的表示態様)として取得される(S1928)。
ここで、前兆C擬似変動パターンと継続C変動パターンについて図47を参照して説明する。擬似図柄の前兆C変動パターンでは、左、中、右の擬似図柄(本実施形態では、1〜9の数字)が昇順で高速で変動表示を開始する(図示せず)。次に、左右の擬似図柄が同じ数字の図柄が停止表示して、「リーチ」音声が音声出力装置226から出力される。そして、擬似図柄が左上方に縮小して表示されて、閉じた扉の画像が表示され、その閉じた扉がわずかに、開いたり閉じたりを繰り返す画像が表示される。その後、第1始動口71に遊技球が入賞して継続A変動パターンで特別図柄の変動表示が開始されると、左上方に表示されている擬似図柄がそのまま特別図柄として差し替えられて、閉じた扉が開いた画像が表示される。その後、図47下図に示すように、リーチ状態で左上方に表示されていた特別図柄が、第3図柄表示装置81の中央に表示されて、その下方に「天界到達!!」の文字が表示される。その後、特別図柄が「777」で停止表示されて、大当たりしたことを報知する停止表示態様で停止表示される。一方、前兆C擬似変動パターンでは、変動時間が経過しても切替C変動パターンの変動表示が開始されない場合には、閉じた扉が開放されることがないまま、左右の擬似図柄とは異なる擬似図柄で中図柄が停止して変動表示が終了する。
なお、S1929〜S1935までの各処理は第1実施形態の変動表示設定処理(図33、S1611)ですでに説明した処理と同一であるので、詳細な説明は省略する。
次に、図65を参照して、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図62、S1600)の一処理である擬似変動処理2(S1640)について説明する。図65は、この擬似変動処理2(S1640)を示すフローチャートである。
擬似変動処理2(図65、S1640)では、まず、第1図柄表示装置37、第3図柄表示装置81において特別図柄が変動表示中であるか判別される(S2021)。特別図柄が変動表示中であると判別された場合には(S2021:Yes)、この処理を終了する。一方、特別図柄が停止表示されていると判別された場合には(2021:No)、普通変動フラグ223iがオンに設定されているか判別される(S2022)。普通変動フラグ223iがオンに設定されていると判別された場合には(S2022:Yes)、擬似図柄の変動表示中であるか判別される(S2023)。擬似図柄の変動表示中であると判別された場合には(S2023:Yes)、割込普通擬似変動パターンが設定され、普通変動フラグ223iがオフに設定される(S2024)。
ここで、割込普通擬似変動パターンは、図48(a)に示すように、擬似図柄が第3図柄表示装置81で変動表示されている場合に、図48(a)下図に示すように変動表示中の擬似図柄が第3図柄表示装置81の下方に縮小して変動表示された状態となり、擬似図柄の上方に「緊急ニュース ショートカット発生!!」の文字が表示され、第1普通電動役物の第1羽根64s1または第2普通電動役物の第2羽根64s2が開いて、遊技球が第1普通入球口640s1または第2普通入球口640s2に入球した状態となることが遊技者に報知される。
一方、擬似図柄が停止表示中であると判別された場合には(S2023:No)、通常普通擬似変動パターンが設定され、普通変動フラグ223iがオフに設定される(S2025)。
ここで、普通擬似変動パターンについて、図48(b)を参照して説明する。普通擬似変動パターンが設定されると、図48(b)に示すように、「アタックチャンス」という文字が表示されて、「右チャッカーをねらえ!!」という文字が表示されることにより、遊技者に第1普通電動役物の第1羽根64s1または第2普通電動役物の第2羽根64s2が開いて第1普通入球口640s1または第2普通入球口640s2に遊技球が入球可能な状態となることを報知する。
一方、普通変動フラグ223iがオフであると判別された場合には(S2022:No)、第3図柄表示装置81で擬似図柄が変動表示されているか判別する(S2026)。ここで、擬似図柄の変動表示は、割込普通擬似変動パターン、通常普通擬似変動パターンで変動表示されていることも含まれる。擬似図柄が変動表示中であると判別された場合には(S2026:Yes)、処理を終了する。
一方、擬似図柄が停止表示されていると判別された場合には(S2026:No)、擬似変動選択カウンタ223aの値を取得する(S2027)。取得した擬似変動選択カウンタ223aの値と従ステータス記憶エリア223hに記憶されているステータス種別(ステータス情報)に基づいて擬似変動テーブル222a(図44(b)参照)より擬似図柄の擬似変動パターンが選択される(S2028)。選択(設定)された擬似変動パターンに基づいて、表示用擬似変動パターンコマンドが設定(生成)される。
なお、この擬似変動テーブル222aは、図44(b)に示すように、ステータス種別に対応して、選択される擬似図柄の変動パターンに選択割合が異なるように設定されている。具体的には、ステータスEでは、前兆C擬似変動パターンが擬似変動選択カウンタ223aの値に関わらず選択されるように構成されており、ステータスD、ステータスC、ステータスB、ステータスAの順で順に前兆C擬似変動パターンに選択割合が低くなるように設定されている。また、前兆B変動パターンについては、ステータスCのときに最も選択される割合が高く設定されており、前兆A変動パターンについては、ステータスBのときに最も選択される割合が高くなるように構成されている。
また、各ステータスは、主制御装置110のMPU201により、振分入賞球数カウンタ203eに値により選択される割合が異なるように設定されているので、選択される擬似図柄の変動パターンの選択頻度により現在の振分入賞装置64に入賞した遊技球の数を予測できるように構成されている。
よって、遊技に熟練すればするほど、擬似図柄の変動パターンよりある程度の振分入賞装置64に入賞した遊技球の数を予測することができる。よって、特別図柄の大当たりだけでなく、予測する楽しみを得ることができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうのを防止できる。また、遊技を行うほど、パチンコ機10に状態を判断することができ、遊技者に遊技を長時間、行わせることができる。
なお、本実施形態では、普通図柄の当たり変動パターンを受信した場合には、擬似図柄に、所定の報知態様を擬似図柄の状態に分けて表示するように構成したが、それに限らず、普通図柄の当たり変動パターンを受信した場合に、擬似図柄が変動表示中である場合には、その擬似図柄を特定の表示態様で停止(例えば、341などのチャンス目)することにより、遊技者に普通図柄の当たりを報知するように構成してもよい。このように構成することで、より擬似図柄の変動表示に遊技者が興味を持つことができる。
次に、図66を参照して、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図62、S1600)の一処理である背景選択処理2(S1650)について説明する。図66は、この背景選択処理2(S1650)を示すフローチャートである。
背景選択処理2(図66、S1650)では、まず、背景変更カウンタ223jの値が取得される(S2121)。取得した背景変更カウンタ223jの値が50より大きい値であるか、即ち51以上であるか判別される(S2122)。背景変更カウンタ223jの値が51以上であると判別された場合には(S2122:Yes)、擬似変動選択カウンタ223aの値が取得される(S2123)。取得した擬似変動選択カウンタ223aと従ステータス記憶エリア223hに記憶されているステータス種別(ステータス情報)に基づいて、背景選択テーブル222bより背景パターン(背景画像種別)が
選択(決定)される(S2124)。選択された背景パターンに基づいた表示用背景コマンドが設定(生成される)。一方、背景変更カウンタ223jの値が50以下であると判別された場合には(S2122:No)、この処理を終了する。
このように、背景画像を変更するか否かが抽選により決定されるので、ランダムな契機で背景画像を変更することができる。よって、遊技者が遊技にマンネリしてしまうのを抑制できる。
また、背景パターンはステータス種別に基づいて選択される割合が異なるように設定されているので、表示される背景パターンの頻度により、遊技者は、現在の振分入賞装置64に入球した入球数を予測することができる。
また、振分入賞球数カウンタ203eの値が大きい値で選択されやすいステータスEは、振分入賞球数カウンタ203eの値が比較的小さい場合(例えば、10等)にもステータスEが選択されることがあるので、実際は、振分入賞装置64に入賞した遊技球が少ない場合も、あと少しで、第1始動口71に入賞することとなる入球数になるのではと、期待を持って遊技を行わせることができる。よって、遊技者が第1始動口71に入賞することとなる遊技球数が振分入賞装置64に入球する前に遊技に飽きてしまうことを防止できる。
また、本実施形態では、入球口640に入球した遊技球の数をパチンコ機10の外部に出力しない構成としたが、それに限らず、遊技店側の装置と接続可能な外部端子をパチンコ機10に設けて、パチンコ機10に外部に入球口640に入球した遊技球の数を出力するように構成してもよい。このように構成することで、遊技店側の判断で、遊技者に現在の振分入賞装置64に入賞した遊技球の数を知らせることができる。よって、遊技者に有利となる情報を遊技店側が知らせることで、より多くの遊技者を来店させるようにすることができる。
遊技球を第1流路と第2流路とに交互に振分ける第1流路切替手段と、その第1流路切替手段により前記第2流路に振分けられた遊技球を第3流路と第4流路とに交互に振分ける第2流路切替手段と、その第2流路切替手段に振分けられた第4流路を流下する遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球したことに基づいて、遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、次の効果を奏する。即ち、遊技球が第1流路と第2流路とに交互に第1流路切替手段により振分けられる。第1流路切替部材により第2流路に振分けられた遊技球が第3流路と第4流路とに交互に第2流路切替手段により振分けられる。
第2流路切替手段に振分けられた第4流路を流下する遊技球が入球可能な入球口に遊技球が入球したことに基づいて当否判定手段により当否判定が実行される。当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典遊技が特典遊技実行手段により付与される。よって、第1流路切替手段により振分けられる遊技球が所定個数毎に入球口に入球することとなり、遊技者は、何球目の遊技球が第1流路切替手段により振分けられたかを楽しむことができ、遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。
遊技機A1において、前記第1流路切替手段と前記第2流路切替手段とを有した遊技球振分手段を有し、前記遊技球振分手段は、遊技球が入球可能な振分入球口と、その入球口から入球した遊技球を前記第1流路切替手段に誘導する誘導路と、前記第1流路切替手段により第1流路に振分けられた遊技球を排出する第1排出口と、前記第2流路切替手段により前記第3流路に振分けられた遊技球を排出する第2排出口と、を有するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路切替手段と第2流路切替手段とを有した、遊技球振分手段では、遊技球が入球可能な振分入球口から入球した遊技球が第1流路切替手段に誘導路により誘導される。第1流路切替手段により第1流路切替手段に振分られた遊技球が第1排出口により排出される。また、第2流路切替手段により第3流路に振分けられた遊技球が第2排出口により排出される。これにより遊技者は、第1排出口または第2排出口により遊技球が排出されたことにより遊技球が入球口へ入球されない第1流路または第3流路に振分けられたことを容易に認識できる。よって、遊技者が、入球口に入球したか否かに集中せずとも、遊技の進行を分かり易く認識できる。
遊技機A1またはA2において、前記入球口とは異なる遊技球の入球に基づいて前記当否判定手段により当否判定が実行される特別入球口と、通常遊技状態では、前記特別入球口への遊技球の入球を困難に設定し、前記通常遊技状態とは異なる特別遊技状態では、前記特別入球口への遊技球の入球を前記通常遊技状態よりも容易に設定する入球規制手段と、前記特典遊技後の遊技状態を前記通常遊技状態に設定する通常特典遊技と前記特典遊技後の遊技状態を前記特別遊技状態に設定する特別特典遊技とを決定する特典遊技種別決定手段と、有し、前記特別遊技状態中の前記特別入球口は前記入球口よりも容易に遊技球が入球可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球口と異なる特別入球口に遊技球が入球することにより当否判定手段により当否判定が実行される。通常遊技状態では、特別入球口への遊技球の入球が困難に設定され、通常遊技状態とは異なる特別遊技状態では、特別入球口への遊技球の入球が通常遊技状態よりも入球規制手段により容易に設定される。特典遊技後の遊技状態を通常遊技状態に設定する通常特典遊技と特典遊技後の遊技状態を特別遊技状態に設定する特別特典遊技とが特典遊技種別決定手段により決定される。特別遊技状態では、特別入球口は、入球口よりも容易に遊技球が入球可能に構成されている。よって、通常遊技状態では、所定個数毎に入球口に遊技球が入球して当否判定が実行されるが、特別遊技状態となると、それよりも容易に特別入球口に遊技球が入球可能となるので、効率の良い遊技が提供できる。従って、遊技者は、通常遊技状態と特別遊技状態との異なる遊技を行うことができ、遊技に飽きてしまうことを防止できる。
遊技機A1からA3にいずれかにおいて、前記第1流路切替手段および第2流路切替手段は、遊技球を受け入れ可能な第1収容部と遊技球を受け入れ可能な前記第1収容部とは異なる第2収容部と、前記第1収容部と前記第2収容部とが設けられ、前記第2収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、前記第2流路または第4流路に遊技球を振分けて、第1収容部に遊技球を受け入れ可能な第1位置に回動し、前記第1位置で前記第1収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、前記第1流路または第3流路に遊技球を振分けて、第2収容部に遊技球を受け入れ可能な第2位置に回動させる回動手段と、前記第1位置または前記第2位置において、遊技球を前記第1収容部または第2収容部に受け入れる前に前記第1位置から第2位置または第2位置から第1位置へと前記回動手段が回動することを規制する回動規制手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路切替手段および第2流路切替手段には、遊技球を受け入れ可能な第1収容部と第2収容部とが設けられ、第2収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、受け入れた遊技球を前記第2流路または第4流路に振分けて、前記第1収容部に遊技球を受け入れ可能な第1位置とその第1位置で前記第1収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、受け入れた遊技球を前記第1流路または第3流路に振分けて、前記第2収容部に遊技球を受け入れ可能な第2位置とに回動手段により回動される。そして、第1位置または第2位置において、遊技球を第1収容部または第2収容部に受け入れる前に第1位置から第2位置または第2位置から第1位置へと回動手段が回動することが回動規制手段により規制される。これにより、第1流路切替手段と第2流路切替手段とが交互に第1位置と第2位置とに回動するので、確実に遊技球を交互に振分けることができる。また、第1位置から第2位置また第2位置から第1位置への回動が、遊技球が第1収容部または第2収容部に入球していないときには、規制されるので、連続して同じ収容部に遊技球が受け入れられてしまうことを防止できる。よって、より確実に遊技球を交互に振分けることができる。
遊技機に電源が投入された場合に遊技機を初期化する初期化制御処理と電源断される直前の状態に設定する初期制御処理とのどちらか一方を実行する初期制御手段と、前記初期化制御処理または前記初期制御処理が実行された後に、通常の遊技を実行するための通常制御処理を実行する通常制御手段と、を有した遊技機において、遊技球を第1流路と第2流路とに交互に振分ける第1流路切替手段と、その第1流路切替手段により前記第2流路に振分けられた遊技球を第3流路と第4流路とに交互に振分ける第2流路切替手段と、その第2流路切替手段に振分けられた第4流路を流下する遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球したことに基づいて、遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、前記初期化制御処理において、前記第1流路切替手段と前記第2流路切替手段の少なくとも一方を予め定めた流路に遊技球を振分け可能な状態に設定する初期切替設定手段と、有するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、次の効果を奏する。即ち、遊技機に電源が投入された場合に遊技機を初期化する初期化制御処理と電源断される直前の状態に設定する初期制御処理とのどちらか一方が初期制御手段により実行される。初期化制御処理と初期制御処理と実行された後に、通常の遊技を実行するための通常制御処理が通常制御手段により実行される。遊技球が第1流路と第2流路とに交互に第1流路切替手段により振分けられる。第1流路切替手段により第2流路に振分けられた遊技球が第3流路と第4流路とに交互に第2流路切替手段により振分けられる。第2流路切替手段に振分けられた第4流路を流下する遊技球が入球可能な入球口に遊技球が入球したことに基づいて当否判定手段により当否判定が実行される。当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典遊技が特典遊技実行手段により付与される。初期化制御処理により、第1流路切替手段と第2流路切替手段との少なくとも一方が予め定めた流路に遊技球を振分け可能な状態に初期切替設定手段により設定される。よって、第1流路切替手段により振分けられる遊技球が所定個数毎に入球口に入球することとなり、遊技者は、何球目の遊技球が第1流路切替手段により振分けられたかを楽しむことができ、遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。また、遊技機が初期化される場合には、遊技球が振分けられる流路が予め定められた流路になるように設定されるので、初期状態から入球口に遊技球が入球するまでに要する遊技球の数を一定以上に設定することができる。よって、初期状態にすることで、各遊技機の有利不利の差を低減することができる。
遊技機B1において、前記第1流路切替手段および第2流路切替手段は、遊技球を受け入れ可能な第1収容部と遊技球を受け入れ可能な前記第1収容部とは異なる第2収容部と、前記第1収容部と前記第2収容部とが設けられ、前記第2収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、前記第2流路または第4流路に遊技球を振分けて、第1収容部に遊技球を受け入れ可能な第1位置に回動し、前記第1位置で前記第1収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、前記第1流路または第3流路に遊技球を振分けて、第2収容部に遊技球を受け入れ可能な第2位置に回動させる回動手段と、前記第1位置または前記第2位置において、遊技球を前記第1収容部または第2収容部に受け入れる前に前記第1位置から第2位置または第2位置から第1位置へと前記回動手段が回動することを規制する回動規制手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路切替手段および第2流路切替手段には、遊技球を受け入れ可能な第1収容部と第2収容部とが設けられ、第2収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、受け入れた遊技球を前記第2流路または第4流路に振分けて、前記第1収容部に遊技球を受け入れ可能な第1位置とその第1位置で前記第1収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、受け入れた遊技球を前記第1流路または第3流路に振分けて、第2収容部に遊技球を受け入れ可能な第2位置とに回動手段により回動される。そして、第1位置または第2位置において、遊技球を第1収容部または第2収容部に受け入れる前に第1位置から第2位置または第2位置から第1位置へと回動手段が回動することが回動規制手段により規制される。これにより、第1流路切替手段と第2流路切替手段とが交互に第1位置と第2位置とに回動するので、確実に遊技球を交互に振分けることができる。また、第1位置から第2位置また第2位置から第1位置への回動が、遊技球が第1収容部または第2収容部に入球していないときには、規制されるので、連続して同じ収容部に遊技球が受け入れられてしまうことを防止できる。よって、より確実に遊技球を交互に振分けることができる。
遊技機B2において、前記初期切替設定手段は、前記第1流路切替手段および前記第2流路切替手段を前記第1位置に設定するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、第1流路切替手段および第2流路切替手段を第1位置に初期切替設定手段により設定されるので、初期状態では、第1流路切替手段および第2流路切替手段に振分けられて入球口に入球するまでに要する遊技球の数を最大に設定することができる。よって、遊技機を初期化することで、遊技機間の設定を平等にでき、早期に入球口に入球させられて、大当たりが早期に付与されることで遊技店の損害が発生してしまうことを抑制できる。
遊技機B2において、前記初期切替設定手段により設定される前記第1流路切替手段および第2流路切替手段を前記第1位置と前記第2位置とのどちらにそれぞれ設定するかを決定する初期切替位置決定手段を有し、前前記初期切替設定手段は、前記初期切替位置決定手段により決定された設定に基づいて、前記第1流路切替手段および第2流路切替手段とをそれぞれ設定するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、初期切替設定手段により設定される第1流路切替手段および第2流路切替手段を第1位置と第2位置とのどちらにそれぞれ設定するかが初期切替位置決定手段により決定される。初期切替位置決定手段により決定された設定に基づいて第1流路切替手段および第2流路切替手段とがそれぞれ初期切替設定手段により設定される。これにより、遊技機が初期化された場合に、各遊技機で第1流路切替手段または第2流路切替手段との設定がそれぞれ毎回ランダムに設定されるので、各遊技機同士で、第1流路切替手段または第2流路切替手段との設定を異ならせ易く設定できる。よって、遊技者は、初期化された遊技機であっても、複数の遊技機の中より、より遊技者に有利となる遊技機を選択する楽しみを持って遊技機を選択することができる。従って、より遊技をする楽しみを増やすことができる。
遊技球を第1流路と第2流路とに交互に振分ける第1流路切替手段と、その第1流路切替手段により前記第2流路に振分けられた遊技球を第3流路と第4流路とに交互に振分ける第2流路切替手段と、その第2流路切替手段に振分けられた第4流路を流下する遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球したことに基づいて、遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典遊技を付与する特典遊技実行手段と、前記特典遊技終了後に、前記第1流路切替手段と前記第2流路切替手段との少なくともどちらか一方について、遊技球をどちらの流路に振分ける状態に設定するかを決定する流路決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技球が第1流路と第2流路とに交互に第1流路切替手段により振分けられる。第1流路切替手段により第2流路に振分けられた遊技球が第3流路と第4流路とに交互に第2流路切替手段により振分けられる。第2流路切替手段に振分けられた第4流路を流下する遊技球が入球可能な入球口に遊技球が入球したことに基づいて当否判定手段により当否判定が実行される。当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典遊技が特典遊技実行手段により付与される。よって、第1流路切替手段により振分けられる遊技球が所定個数毎に入球口に入球することとなり、遊技者は、何球目の遊技球が第1流路切替手段により振分けられたかを楽しむことができ、遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。また、特典遊技の終了後に、第1流路切替手段と第2流路切替手段との少なくともどちらか一方に対して、遊技球をどちらの流路に振分ける状態に設定するかが流路決定手段により決定される。これにより、特典遊技後に遊技球が入球口に入球するまでに第1流路切替手段に振分けられる遊技球の数がランダムの変化することとなり、どのような設定にされるかと遊技者に期待させることができる。よって、遊技者により多くの楽しみを提供することできる。
遊技機C1において、前記第1流路切替手段および前記第2流路切替手段は、遊技球を受け入れ可能な第1収容部と遊技球を受け入れ可能な前記第1収容部とは異なる第2収容部と、前記第1収容部と前記第2収容部とが設けられ、前記第2収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、前記第2流路または第4流路に遊技球を振分けて、第1収容部に遊技球を受け入れ可能な第1位置に回動し、前記第1位置で前記第1収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、前記第1流路または第3流路に遊技球を振分けて、第2収容部に遊技球を受け入れ可能な第2位置に回動させる回動手段と、前記第1位置または前記第2位置において、遊技球を前記第1収容部または第2収容部に受け入れる前に前記第1位置から第2位置または第2位置から第1位置へと前記回動手段が回動することを規制する回動規制手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路切替手段および第2流路切替手段には、遊技球を受け入れ可能な第1収容部と第2収容部とが設けられ、第2収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、受け入れた遊技球を前記第2流路または第4流路に振分けて、前記第1収容部に遊技球を受け入れ可能な第1位置とその第1位置で前記第1収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、受け入れた遊技球を前記第1流路または第3流路に振分けて、前記第2収容部に遊技球を受け入れ可能な第2位置とに回動手段により回動される。そして、第1位置または第2位置において、遊技球を第1収容部または第2収容部に受け入れる前に第1位置から第2位置または第2位置から第1位置へと回動手段が回動することが回動規制手段により規制される。これにより、第1流路切替手段と第2流路切替手段とが交互に第1位置と第2位置とに回動するので、確実に遊技球を交互に振分けることができる。また、第1位置から第2位置また第2位置から第1位置への回動が、遊技球が第1収容部または第2収容部に入球していないときには、規制されるので、連続して同じ収容部に遊技球が受け入れられてしまうことを防止できる。よって、より確実に遊技球を交互に振分けることができる。
遊技機C2において、前記流路決定手段は、所定の抽選に基づいて、前記第1流路切替手段と前記第2流路切替手段とを前記第1位置と前記第2位置とのどちらに設定するかを決定するものであり、前記回動手段は、前記流路決定手段により決定された位置に前記第1流路切替手段と前記第2流路切替手段とをそれぞれ回動させる自律回動手段を有するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の抽選に基づいて、第1流路切替手段と第2流路切替手段とを第1位置と第2位置とのどちらにそれぞれ設定するかが流路決定手段により決定される。回動手段では、流路決定手段により決定された位置に第1流路切替手段と第2流路切替手段とがそれぞれ回動手段により回動される。これにより、第1流路切替手段と第2流路切替手段との特典遊技後の設定を容易に実行できる。よって、特典遊技終了時の処理を軽減でき、特典遊技後から通常遊技を実行するまでの時間を短縮できる。
遊技機C1からC3にいずれかにおいて、前記入球口に遊技球が入球するまでに前記第1流路切替手段に振分けられる遊技球の数に対応させて前記第1流路切替手段と前記第2流路切替手段との設定がそれぞれ記憶された設定テーブルを有し、前記流路決定手段は、前記所定の抽選に基づいて、前記入球口に遊技球を入球させるのに必要な前記第1流路切替手段に振分けられる遊技球の数を決定し、その遊技球の数に基づいて、前記設定テーブルより前記第1流路切替手段と前記第2流路切替手段との設定をそれぞれ決定するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球口に遊技球を入球させるのに必要な第1流路切替手段に振分けられる遊技球の数に対応させて、第1流路切替手段と第1流路切替手段との設定がそれぞれ設定テーブルに記憶されている。そして、所定の抽選に基づいて、入球口に遊技球を入球させるのに必要な第1流路切替手段に振分けられる遊技球の数が決定され、設定テーブルより第1流路切替手段と第2流路切替手段との設定がそれぞれ流路決定手段により決定される。これにより、入球口に遊技球を入球させるのに必要な遊技球の数に合わせて、第1流路切替部材と第2流路切替部材とを容易に設定することができる。よって、特典遊技実行後の制御負荷を軽減することができる。
遊技球が入球することに基づいて当否判定条件の成立と判定される入球口と、前記当否判定条件の成立に基づいて遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定手段の当否判定結果を示す識別情報または遊技に関わる遊技情報を表示する表示手段と、前記表示手段に前記当否判定手段の当否判定結果が当たりであることを示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に特典を付与する特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有する遊技機において、遊技球を前記入球口に誘導する振分入賞手段を有し、前記振分入賞手段は、その振分入賞手段内に遊技球が入球することが可能な振分入球口と、その振分入球口に入球した遊技球を第1流路と第2流路とに交互に振分ける第1流路切替手段と、その第1流路切替手段により前記第2流路に振分けられた遊技球を第3流路と前記入球口に誘導する第4流路とに交互に振分ける第2流路切替手段と、を有し、前記振分入賞手段内の遊技球の数をカウントする振分入賞内カウント手段と、前記振分入賞内カウント手段のカウント値に基づいて、前記表示手段に表示する前記遊技情報を決定する遊技情報決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技球が入球口に入球することに基づいて、当否判定条件の成立と判定される。当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により判定される。その当否判定手段による当否判定結果を識別情報または遊技に関わる遊技情報が表示手段により表示される。その表示手段に当否判定結果が当たりであることを示す識別情報が表示された場合に、遊技者に特典を付与する特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。遊技球を入球口に誘導する振分入賞手段では、振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口に入球した遊技球が第1流路と第2流路とに交互に第1流路切替手段により振分けられる。その第1流路切替手段により第2流路切替手段により第2流路に振分られた遊技球が第3流路と入球口に誘導される第4流路とに交互に第2流路切替手段により振分けられる。振分入賞手段内の遊技球の数が振分入賞内カウント手段によりカウントされる。振分入賞内カウント手段のカウント値に基づいて、表示手段に表示する遊技情報が遊技情報決定手段により決定される。これにより、振分入賞手段に入球した遊技球が入球口に入球するかどうか期待して遊技者は楽しむことができる。また、振分入賞手段に遊技球が所定個数毎入球する毎に、入球口に遊技球が入球することとなるので、遊技者は、入球口に入球するには後どれくらい、振分入賞手段に入球させる必要があるかを予測することができ、より多くの遊技の楽しみを提供することができる。また、振分入賞手段内に入球している遊技球の数により、表示手段に表示される遊技情報が決定されるので、ランダムな契機に遊技情報が表示されることとなり、遊技者が遊技に退屈してしまうのを抑制することができる。
遊技機D1において、前記振分入球口に入球した遊技球の数をカウントする入球数カウント手段と、前記遊技情報決定手段は、前記振分入賞内カウント手段のカウント値が所定カウント値であることを契機に、複数の異なる種類の前記遊技情報の中から1の前記遊技情報を前記入球数カウント手段のカウント値に基づいて決定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分入球口に入球した遊技球の数が入球数カウント手段によりカウントされる。振分入賞内カウント手段のカウント値が所定カウント値であることを契機に、複数の異なる種類の遊技情報の中から1の遊技情報が振分入賞内カウント手段のカウント値に基づいて遊技情報決定手段により決定される。これにより、遊技情報が振分入賞内カウント手段のカウント値に基づいて決定されるので、決定された遊技情報により振分入賞手段に入球した遊技球の数に関する情報を遊技者に報知することができる。よって、遊技者は、遊技情報から振分入賞手段に入賞した遊技球の数に関する情報から、入球口に入球するまでに必要な振分入賞手段に入球させる遊技球の数を判断することができる。
遊技機D1またはD2において、前記遊技情報は、前記識別情報が表示される背景情報に関する情報であることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、遊技情報が識別情報が表示される表示手段の背景情報に関する情報で構成されているので、遊技者は、識別情報が表示されているときでも、遊技情報を確認することができ、遊技に関する情報を得ることができる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記第1流路切替手段および第2流路切替手段は、遊技球を受け入れ可能な第1収容部と遊技球を受け入れ可能な前記第1収容部とは異なる第2収容部と、前記第1収容部と前記第2収容部とが設けられ、前記第2収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、前記第2流路または第4流路に遊技球を振分けて、第1収容部に遊技球を受け入れ可能な第1位置に回動し、前記第1位置で前記第1収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、前記第1流路または第3流路に遊技球を振分けて、第2収容部に遊技球を受け入れ可能な第2位置に回動させる回動手段と、前記第1位置または前記第2位置において、遊技球を前記第1収容部または前記第2収容部に受け入れる前に前記第1位置から前記第2位置または前記第2位置から前記第1位置へと前記回動手段が回動することを規制する回動規制手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路切替手段および第2流路切替手段には、遊技球を受け入れ可能な第1収容部と第2収容部とが設けられ、第2収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、受け入れた遊技球を前記第2流路または第4流路に振分けて、前記第1収容部に遊技球を受け入れ可能な第1位置とその第1位置で前記第1収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、受け入れた遊技球を前記第1流路または第3流路に振分けて、前記第2収容部に遊技球を受け入れ可能な第2位置とに回動手段により回動する。そして、第1位置または第2位置において、遊技球を第1収容部または第2収容部に受け入れる前に第1位置から第2位置または第2位置から第1位置へと回動手段が回動することが回動規制手段により規制される。これにより、第1流路切替手段と第2流路切替手段とが交互に第1位置と第2位置とに回動するので、確実に遊技球を交互に振分けることができる。また、第1位置から第2位置また第2位置から第1位置への回動が、遊技球が第1収容部または第2収容部に入球していないときには、規制されるので、連続して同じ収容部に遊技球が受け入れられてしまうことを防止できる。よって、より確実に遊技球を交互に振分けることができる。
遊技球が入球することに基づいて当否判定条件の成立と判定される入球口と、前記当否判定条件の成立に基づいて遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定手段の当否判定結果を示す識別情報または遊技に関わる遊技情報を表示する表示手段と、前記表示手段に前記当否判定手段の当否判定結果が当たりであることを示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に特典を付与する特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有する遊技機において、遊技球を前記入球口に誘導する振分入賞手段を有し、前記振分入賞手段は、その振分入賞手段内に遊技球が入球することが可能な振分入球口と、その振分入球口に入球した遊技球を第1流路と第2流路とに交互に振分ける第1流路切替手段と、その第1流路切替手段により前記第2流路に振分けられた遊技球を第3流路と前記入球口に誘導する第4流路とに交互に振分ける第2流路切替手段と、を有し、前記振分入球口に遊技球が入球したことに基づいて、カウント値を更新する入球数カウント手段と、前記遊技情報の1つである擬似識別情報の動的表示を開始する条件の成立を契機に、前記入球数カウント手段のカウント値に基づいて、複数の擬似識別情報の動的表示態様のうち、1つの擬似動的表示態様を決定する擬似動的表示態様決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技球が入球口に入球することに基づいて、当否判定条件の成立と判定される。当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により判定される。その当否判定手段による当否判定結果を識別情報または遊技に関わる遊技情報が表示手段により表示される。その表示手段に当否判定結果が当たりであることを示す識別情報が表示された場合に、遊技者に特典を付与する特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。遊技球を入球口に誘導する振分入賞手段では、振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口に入球した遊技球が振分入賞手段外に誘導する第1流路と第2流路とに交互に第1流路切替手段により振分けられる。その第1流路切替手段により第2流路切替手段により第2流路に振分られた遊技球が振分入賞手段外に誘導される第3流路と入球口に誘導される第4流路とに交互に第2流路切替手段により振分けられる。振分入球口に遊技球が入球したことに基づいて、カウント値が入球数カウント手段により更新される。遊技情報の1つである擬似識別情報の動的表示を開始する条件の成立を契機に、入球数カウント手段のカウント値に基づいて、複数の擬似識別情報の動的表示態様のうち1つの擬似動的表示態様が擬似動的表示態様決定手段により決定される。これにより、振分入賞手段に入球した遊技球が入球口に入球するかどうか期待して遊技者は楽しむことができる。よって、振分入賞手段に遊技球が所定個数入球する毎に、入球口に遊技球が入球することとなるので、遊技者は、入球口に入球するには後どれくらい、振分入賞手段に入球させる必要があるかを予測することができ、より多くの遊技の楽しみを提供することができる。また、振分入賞手段に入球した遊技球の数に基づいて、遊技情報の1つである、擬似識別情報の動的表示態様が決定されて動的表示されるので、擬似動的表示態様より、振分け入賞手段に入球した遊技球の数を遊技者に判別させることができる。よって、入球口に遊技球が入球しない場合にも、遊技者が退屈して、遊技に飽きてしまうのを抑制できる。
遊技機E1において、前記擬似動的表示態様決定手段は、前記振分入球口に遊技球が入球したことを前記擬似識別情報の動的表示を開始する条件として、擬似動的表示態様を決定するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分入球口に遊技球が入球したことを擬似識別情報にの動的表示を開始する条件として、擬似動的表示態様が擬似動的表示態様決定手段に決定されることにより、振分入賞手段に遊技球が入球したタイミングで、擬似動的表示態様に動的表示が開始されるので、擬似動的表示態様が動的表示するタイミングを分かり易く認識できる。よって、擬似動的表示態様がどのタイミングで振分入賞手段に入球したものに基づくものであるか容易に認識することができる。従って、擬似動的表示態様より振分入賞手段に入球した遊技球の数をより正確に認識できる。
遊技機E1またはE2において、前記擬似動的表示態様が前記表示手段に動的表示されている状態で、前記入球口に遊技球が入球して前記識別情報に表示が実行された場合には、前記擬似動的表示態様を前記識別情報の表示に切り替える表示切替手段を有するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、擬似動的表示態様が表示手段に動的表示されている状態で、入球口に遊技球が入球して識別情報に表示が実行された場合には、擬似動的表示態様が識別情報の表示に表示切替手段により切替られる。よって、擬似動的表示態様が動的表示されている場合であっても、識別情報の表示に切り替えられるので、遊技者が、識別情報の表示を見逃してしまうことを防止できる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記識別情報の動的表示態様を複数の動的識別表示態様のうち、1つの動的識別表示態様に決定する動的識別表示態様決定手段と、前記動的識別表示態様決定手段は、前記擬似動的表示態様が動的表示されている場合には、その動的表示されている擬似動的表示態様に対応する動的識別表示態様を決定する一方、擬似動的表示態様が非動的表示である場合には、擬似動的表示態様が非動的表示であるとき専用の動的識別表示態様を決定するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報の動的表示態様が複数の動的識別表示態様のうち、1つの動的識別表示態様が動的識別表示態様決定手段により決定される。擬似動的表示態様が動的表示されている場合には、その動的表示されている擬似動的表示態様に対応する動的識別表示態様が動的識別表示態様決定手段により決定される。一方、擬似動的表示態様が非動的表示である場合には、擬似動的表示態様が非動的表示であるときの専用の動的識別表示態様が動的識別表示態様決定手段により決定される。これにより、動的表示されている擬似動的表示態様に合わせた動的識別表示態様が決定されるので、遊技者に擬似動的表示態様から動的識別表示態様への切り替わりを不自然に感じさせることを防止できる。よって、遊技者が擬似動的表示態様の内容を動的識別表示態様に繋がる動的表示として識別するようになることで、擬似動的表示態様に遊技者の注意を惹き付けることができる。従って、遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。
遊技球が入球することに基づいて当否判定条件の成立と判定される入球口と、前記当否判定条件の成立に基づいて遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定手段の当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有する遊技機において、遊技球を前記入球口に誘導する振分入賞手段を有し、前記振分入賞手段は、その振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口と、その振分入球口に入球した遊技球を第1流路に振分ける第1位置と第2流路に振分ける第2位置とに交互に可動する第1振分可動手段を有する第1流路切替手段と、その第1流路切替手段により前記第2流路に振分けられた遊技球を第3流路に振分ける第3位置と前記入球口に誘導する第4流路とに振分ける第4位置とに交互に可動する第2振分可動手段を有する第2流路切替手段と、を有し、第2振分可動手段の位置を少なくとも判別する位置判別手段と、前記入球口に遊技球が入球した場合に、前記位置判別手段により判別された前記第2振分可動手段との位置に基づいて、正常な位置であるかを判別する位置監視手段と、前記位置監視手段が異常と判別した場合に、異常処理を実行する異常処理実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技球が入球口に入球することに基づいて、当否判定条件の成立と判定される。当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により判定される。その当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。遊技球を入球口に誘導する振分入賞手段では、振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口に入球した遊技球が第1流路に振分けられる第1位置と第2流路に振分けられる第2位置とに交互に可動する第1振分可動手段を有する第1流路切替手段により振分けられる。その第1流路切替手段により第2流路に振分られた遊技球が第3流路に振分けられる第3位置と入球口に誘導される第4流路に振分けられる第4位置とに交互に可動する第2振分可動手段を有する第2流路切替手段により振分けられる。第2振分可動手段の位置が位置判別手段により判別される。入球口に遊技球が入球した場合に、位置判別手段により判別された第2位置可動手段の位置に基づいて、正常な位置であるかが位置監視手段により判別される。そして、位置監視手段が異常と判別した場合に、異常処理が異常処理実行手段により実行される。これにより、振分入賞手段に入球した遊技球が入球口に入球するかどうか期待して遊技者は楽しむことができる。よって、振分入賞手段に遊技球が所定個数入球する毎に、入球口に遊技球が入球することとなるので、遊技者は、入球口に入球するには後どれくらい、振分入賞手段に入球させる必要があるかを予測することができ、より多くの遊技の楽しみを提供することができる。また、入球口に遊技球が入球した場合には、第2振分可動手段の位置に基づいて、異常な入球でないかの判別されるので、不正な入球を抑制できる。よって、不正に入球口に入球させられることによる被害を低減できる。
遊技機F1において、前記入球口に遊技球が入球したときに、その入球した遊技球よりも後で前記振分入球口に遊技球が入球している場合には、その後で入球した遊技球が前記第1振分可動手段と第2振分可動手段とを可動させたことを判別する後続位置判別手段を有し、前記位置監視手段は、入球口に遊技球が入球した場合には、前記後続位置判別手段の判別結果に基づいて、正常な位置であるかを判別するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球口に遊技球が入球したときに、その入球した遊技球よりも後で振分入球口に遊技球が入球している場合には、その後で入球した遊技球が第1振分可動手段と第2振分可動手段とを可動させたことが後続位置判別手段により判別される。入球口に遊技球が入球した場合には、後続位置判別手段の判別結果に基づいて、正常な位置であるかが位置判別手段により判別される。よって、入球口に遊技球が入球した場合に、正常な遊技によって入球口に入球したかどうかをより正確に判別することができる。よって、不正による被害を低減できる。
遊技球が入球することに基づいて当否判定条件の成立と判定される入球口と、前記当否判定条件の成立に基づいて遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定手段の当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有する遊技機において、遊技球を前記入球口に誘導する振分入賞手段を有し、前記振分入賞手段は、その振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口と、その振分入球口に入球した遊技球を第1流路と第2流路とに交互に振分ける第1流路切替手段と、その第1流路切替手段により前記第2流路に振分けられた遊技球を第3流路と前記入球口に遊技球を誘導する第4流路とに交互に振分ける第2流路切替手段と、を有し、前記振分入球口に遊技球が入球したことに基づいてカウント値を更新する入球数カウント手段と、前記カウント値が第2流路切替手段により遊技球を前記第4流路に振分けることとなる遊技球が入球したことを示す値である場合に、そのカウント値となった遊技球が前記振分入球口を通過してからの時間を計測する計測手段と、前記入球口に遊技球が入球した場合に、前記計測手段の計測時間が有効時間内であるかを判別して、前記有効期間外である場合には、異常入球に対する異常処理を実行する異常入球監視手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技球が入球口に入球することに基づいて、当否判定条件の成立と判定される。当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により判定される。その当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。遊技球を入球口に誘導する振分入賞手段では、振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口に入球した遊技球が第1流路と第2流路とに交互に第1流路切替手段により振分けられる。その第1流路切替手段により第2流路に振分られた遊技球が第3流路と入球口に誘導される第4流路とに交互に第2流路切替手段により振分けられる。振分入球口に遊技球が入球したことに基づいて、カウント値が入球数カウント手段により更新される。そのカウント値が第2流路切替手段により遊技球が第4流路に振分けられることとなる遊技球が入球したことを示す値である場合に、そのカウント値となる遊技球が振分入球口を通過してからの時間が計測手段により計測される。入球口に遊技球が入球した場合に、計測手段の計測時間が有効時間内であるかを判別して、有効期間外である場合には、異常入球に対する異常処理が異常入球監視手段により実行される。これにより、振分入賞手段に入球した遊技球が入球口に入球するかどうか期待して遊技者は楽しむことができる。よって、振分入賞手段に遊技球が所定個数入球する毎に、入球口に遊技球が入球することとなるので、遊技者は、入球口に入球するには後どれくらい、振分入賞手段に入球させる必要があるかを予測することができ、より多くの遊技の楽しみを提供することができる。また、入球口に遊技球が入球した場合に、有効時間外に入球したと判別されると、異常入球としての異常処理が実行されるので、不正による入球口への入球による被害を低減することができる。
遊技機G1において、前記異常入球監視手段は、前記計測手段による計測時間が前記有効期間が経過しても、前記入球口に遊技球が入球しない場合には、前記異常入球に対する異常処理を実行するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計測手段による計測時間が有効期間が経過しても、入球口に遊技球が入球しない場合には、異常入球に対する異常処理が異常入球監視手段により実行される。これにより、入球口に入球することとなる遊技球が振分入球口に入球したと判別された場合に、有効期間が経過しても、入球したと判別されない場合には、異常処理が実行されるので、不正によって振分入賞手段に遊技球が入球されたことや不具合により振分入賞手段での球詰まり等を認識することができる。よって、不正による被害や、不具合による遊技者の不利益を早期に発見して改善することができる。
遊技機G1またはG2において、異常入球監視手段は、前記カウント値が第2流路切替手段により遊技球を前記第4流路に振分けることとなる遊技球が入球したことを示す値と判別されず、前記計測手段が非計時の状態で、前記入球口に遊技球が入球した場合には、前記異常入球に対する異常処理を実行するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1またはG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球数カウント手段のカウント値が第2流路切替手段により遊技球が第4流路に振分けられることとなる遊技球が入球したことを示す値と判別されず、計測手段が非計時の状態であるときに、入球口に遊技球が入球した場合には、異常入球に対する異常処理が異常入球監視手段により実行される。これにより、入球口に入球する条件でないときに入球したときにも、異常入球として処理されるので、不正や不具合等を早期に発見することができる。よって、電波等により不正に入球と検知させる不正や、球詰まり等による不具合を早期に発見することで、遊技を正常に行わせることができる。
遊技球が入球することに基づいて当否判定条件の成立と判定される入球口と、前記当否判定条件の成立に基づいて遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定手段の当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有する遊技機において、遊技球を前記入球口に誘導する振分入賞手段を有し、前記振分入賞手段は、その振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口と、その振分入球口に入球した遊技球を第1流路と第2流路とに交互に振分ける第1流路切替手段と、その第1流路切替手段により前記第2流路に振分けられた遊技球を第3流路と前記入球口に遊技球を誘導する第4流路とに交互に振分ける第2流路切替手段と、を有し、前記振分入球口に入球した遊技球数をカウントする入球数カウント手段と、前記第1流路または前記第3流路から誘導された遊技球数をカウントする排出球数カウント手段と、所定契機の成立に基づいて、前記入球数カウント手段のカウント値と前記排出球数カウント手段のカウント値とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果が予め定められた異常個数以上の差があると判別された場合に、異常入球としての異常処理を実行する異常入球監視手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、遊技球が入球口に入球することに基づいて、当否判定条件の成立と判定される。当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により判定される。その当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。遊技球を入球口に誘導する振分入賞手段では、振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口に入球した遊技球が第1流路と第2流路とに交互に第1流路切替手段により振分けられる。その第1流路切替手段により第2流路に振分られた遊技球が第3流路と入球口に誘導される第4流路とに交互に第2流路切替手段により振分けられる。振分入球口に入球した遊技球数が入球数カウント手段によりカウントされる。また、第1流路または第3流路より誘導された遊技球数が排出球数カウント手段によりカウントされる。所定契機の成立に基づいて、入球数カウント手段のカウント値と排出球数カウント手段のカウント値とが比較手段により比較される。その比較手段による比較結果が予め定められた異常個数以上の差があると判別された場合に、異常入球としての異常処理が異常入球監視手段により実行される。これにより、振分入賞手段に入球した遊技球が入球口に入球するかどうか期待して遊技者は楽しむことができる。よって、振分入賞手段に遊技球が所定個数入球する毎に、入球口に遊技球が入球することとなるので、遊技者は、入球口に入球するには後どれくらい、振分入賞手段に入球させる必要があるかを予測することができ、より多くの遊技の楽しみを提供することができる。また、振分入賞手段に入球した遊技球と排出された遊技球の差が所定契機の成立に基づいて判別されるので、不正に振分入賞手段に入球させられていないか判別することが出来る。よって、振分入賞手段に不正に振分入球口以外から遊技球を入球させられる等の不正を抑制することができる。従って、不正による被害を低減することができる。
遊技球が入球することに基づいて当否判定条件の成立と判定される入球口と、前記当否判定条件の成立に基づいて遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定手段の当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有する遊技機において、遊技球を前記入球口に誘導する振分入賞手段を有し、前記振分入賞手段は、その振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口と、その振分入球口に入球した遊技球を第1流路と第2流路とに交互に振分ける第1流路切替手段と、その第1流路切替手段により前記第2流路に振分けられた遊技球を第3流路と前記入球口に遊技球を誘導する第4流路とに交互に振分ける第2流路切替手段と、を有し、前記振分入球口に入球したことに基づいて、入球数を加算し、前記第1流路または前記第3流路から遊技球が誘導されたことに基づいて、前記入球数から減算する前記振分入賞手段に入球している遊技球の数をカウントする入球中カウント手段と、入球中カウント手段のカウント値が予め定められた異常個数以上または正常個数未満であると判別された場合に、異常入球としての異常処理を実行する異常入球監視手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球口に入球することに基づいて、当否判定条件の成立と判定される。当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により判定される。その当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。遊技球を入球口に誘導する振分入賞手段では、振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口に入球した遊技球が第1流路と第2流路とに交互に第1流路切替手段により振分けられる。その第1流路切替手段により第2流路に振分られた遊技球が第3流路と入球口に誘導される第4流路とに交互に第2流路切替手段により振分けられる。振分入球口に入球したことに基づいて、入球数を加算し、第1流路または第3流路より遊技球が誘導されたことに基づいて、入球数から減算して振分入賞手段に入球している遊技球の数が入球中カウント手段によりカウントされる。その入球中カウント手段のカウント値が予め定められた異常個数以上または正常個数未満であると判別された場合に、異常入球監視手段により異常入球としての異常処理が実行される。これにより、振分入賞手段に入球した遊技球が入球口に入球するかどうか期待して遊技者は楽しむことができる。よって、振分入賞手段に遊技球が所定個数入球する毎に、入球口に遊技球が入球することとなるので、遊技者は、入球口に入球するには後どれくらい、振分入賞手段に入球させる必要があるかを予測することができ、より多くの遊技の楽しみを提供することができる。また、振分入賞手段に入球中の遊技球がカウントされ、そのカウント値が異常個数以上または正常個数未満と判別することにより、不正に振分入賞手段に入球させられていないか判別することが出来る。よって、振分入賞手段に不正に振分入球口以外から遊技球を入球させられる等の不正を抑制することができる。従って、不正による被害を低減することができる。
遊技球が入球することに基づいて当否判定条件の成立と判定される入球口と、前記当否判定条件の成立に基づいて遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定手段の当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有する遊技機において、遊技球を前記入球口に誘導する振分入賞手段を有し、前記振分入賞手段は、その振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口と、その振分入球口に入球した遊技球を第1流路に振分ける第1位置と第2流路に振分ける第2位置とに交互に可動する第1振分可動手段を有した第1流路切替手段と、その第1流路切替手段により前記第2流路に振分けられた遊技球を第3流路に振分ける第3位置と第4流路に振分ける第4位置とに交互に可動する第2流路可動手段とを有した第2流路切替手段と、を有し、前記第1振分可動手段と前記第2振分可動手段との位置情報をそれぞれ判別する位置判別手段と、前記振分入賞手段内に遊技球が入球しているかを判別する振分入球判別手段と、その振分入球判別手段により前記振分入賞手段内に遊技球が入球していないと判別されている状態において、前記第1振分可動手段と第2振分可動手段の少なくとも一方の位置が可変したことを異常作動として、前記位置判別手段が判別した前記位置情報に基づいて判定する異常作動判定手段と、その異常作動判定手段により前記異常作動と判定された場合に、異常処理を実行する異常処理実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、遊技球が入球口に入球することに基づいて、当否判定条件の成立と判定される。当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により判定される。その当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。遊技球を入球口に誘導する振分入賞手段では、振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口に入球した遊技球が、第1流路に振分ける第1位置と第2流路に振分ける第2位置とに交互に第1流路切替手段の第1振分可動手段が可動することで振分けられる。その第1流路切替手段により第2流路に振分られた遊技球が第3流路に振分けられる第3位置と入球口に誘導される第4流路に振分けられる第4位置とに交互に第2流路切替手段の第2振分可動手段が可動することで振分けられる。第1振分可動手段と第2振分可動手段との位置を示す位置情報が位置判別手段によりそれぞれ判別される。振分入賞手段内に遊技球が入球しているか判別する振分入球判別手段により、振分入賞手段内に遊技球が入球していない判別されている状態中に、第1振分可動手段と第2振分可動手段との少なくとも一方の位置が可変したことを異常作動として、位置判別手段が判別した位置情報に基づいて、異常判定手段により判定される。その異常判定手段により異常作動と判定された場合に、異常処理実行手段により異常処理が実行される。これにより、振分入賞手段に入球した遊技球が入球口に入球するかどうか期待して遊技者は楽しむことができる。よって、振分入賞手段に遊技球が所定個数入球する毎に、入球口に遊技球が入球することとなるので、遊技者は、入球口に入球するには後どれくらい、振分入賞手段に入球させる必要があるかを予測することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。また、振分入賞手段に遊技球が入球していない状態で、第1振分可動手段と第2振分可動手段との少なくとも一方に位置が可変した場合には、異常作動として異常処理が実行されるので、不正に振分入賞手段を操作して、不正に入球口に遊技球を入球させる不正を抑制させることができる。よって、不正による被害を低減させることができる。
遊技機I1において、前記第1流路切替手段および第2流路切替手段は、遊技球を受け入れ可能な第1収納部と遊技球を受け入れ可能な前記第1収容部とは異なる第2収容部と、前記第1収容部と前記第2収容部とが設けられ、前記第2収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、前記第2流路または第4流路に遊技球を振分けて、第1収容部に遊技球を受け入れ可能な前記第1位置または前記第3位置に回動し、前記第1位置または前記第3位置で前記第1収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、前記第1流路または第3流路に遊技球を振分けて、第2収容部に遊技球を受け入れ可能な前記第2位置または第4位置に回動させる回動手段と、前記第1位置または前記第2位置において、遊技球を前記第1収容部または第2収容部に受け入れる前に前記第1位置から前記第2位置または前記第2位置から前記第1位置へと前記回動手段が回動することを規制する第1回動規制手段と、前記第3位置または前記第4位置において、遊技球を前記第1収容部または第2収容部に受け入れる前に前記第3位置から前記第4位置または前記第4位置から前記第3位置へと前記回動手段が回動することを規制する第2回動規制手段と、を有したものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路切替手段および第2流路切替手段には、遊技球を受け入れ可能な第1収容部と第2収容部とが設けられ、第2収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、受け入れた遊技球を前記第2流路または第4流路に振分けて、前記第1収容部に遊技球を受け入れ可能な第1位置または第3位置とその第1位置または第3位置で前記第1収容部に遊技球を受け入れることにより回動して、受け入れた遊技球を前記第1流路または第3流路に振分けて、前記第2収容部に遊技球を受け入れ可能な第2位置または第4位置に回動手段により回動される。そして、第1位置または第2位置において、遊技球を第1収容部または第2収容部に受け入れる前に第1位置から第2位置または第2位置から第1位置へと回動手段が回動することが第1回動規制手段により規制される。また、第3位置または第4位置において、遊技球を第1収容部または第2収容部に受け入れる前に第3位置から第4位置または第4位置から第3位置へと回動手段が回動することが第2回動規制手段により規制される。これにより、第1流路切替手段と第2流路切替手段とが交互に第1位置と第2位置または第3位置と第4位置とに回動するので、確実に遊技球を交互に振分けることができる。また、第1位置から第2位置または第2位置から第1位置、第3位置から第4位置または第4位置から第3位置への回動が、遊技球が第1収容部または第2収容部に入球していないときには、規制されるので、連続して同じ収容部に遊技球が受け入れられてしまうことを防止できる。よって、より確実に遊技球を交互に振分けることができる。
遊技球が入球することに基づいて当否判定条件の成立と判定される入球口と、前記当否判定条件の成立に基づいて遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定手段の当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記遊技球を内部に誘導可能な開状態と遊技球を内部に誘導することを困難にする閉状態とに可動可能な可動片と、前記遊技球が入球または通過することに基づいて、前記可動片を前記閉状態から前記開状態に可変させるかを判定する判定条件の成立と判定される特定入球口と、前記判定条件の成立に基づいて、前記可動片を前記閉状態から前記開状態に可変させる抽選を実行する抽選判定手段と、前記抽選判定手段により当たりと判定された場合には、前記可動片を所定時間の間、前記閉状態から前記開状態に可動させる可動手段と、を有する遊技機において、遊技球を前記入球口に誘導する振分入賞手段を有し、前記振分入賞手段は、その振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口と、その振分入球口に入球した遊技球を第1流路と第2流路とに交互に振分ける第1流路切替手段と、その第1流路切替手段により前記第2流路に振分けられた遊技球を第3流路と第4流路とに交互に振分ける第2流路切替手段と、前記振分入賞手段の外部から前記第1流路切替手段または第2流路切替手段の少なくとも一方に遊技球を誘導する導入誘導路と、を有し、前記導入誘導路の前記振分入賞手段の外部と連通する誘導口には、前記可動片がその誘導口を前記閉状態で塞ぎ、前記開状態で遊技球を前記導入誘導路へと遊技球を誘導するように設けられて構成されているものであることを特徴とする遊技機J1。
遊技機J1によれば、遊技球が入球口に入球することに基づいて、当否判定条件の成立と判定される。当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により判定される。その当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。遊技球を誘導可能な開状態と遊技球の誘導が困難な閉状態とに可動可能な可動片を、可変させるかを判定する判定条件が特定入球口への遊技球の入球に基づいて、成立して、その判定条件の成立に基づいて、抽選判定手段により抽選が実行される。その抽選結果が当たりと判定された場合には、可動片が所定時間の間、閉状態から開状態に可動手段により可動させられる。遊技球を入球口に誘導する振分入賞手段では、振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口に入球した遊技球が、第1流路と第2流路とに交互に第1流路切替手段により振分けられる。その第1流路切替手段により第2流路に振分られた遊技球が第3流路と入球口に誘導される第4流路とに交互に第2流路切替手段により振分けられる。振分入賞手段の外部から第1流路切替手段と第2流路切替手段との少なくともどちらか一方に導入誘導路により遊技球が誘導される。導入誘導路の誘導口に設けられた可動片により、閉状態で誘導口が塞がれ、開状態で遊技球が導入誘導路へ誘導される。これにより、振分入賞手段に入球した遊技球が入球口に入球するかどうか期待して遊技者は楽しむことができる。よって、振分入賞手段に遊技球が所定個数入球する毎に、入球口に遊技球が入球することとなるので、遊技者は、入球口に入球するには後どれくらい、振分入賞手段に入球させる必要があるかを予測することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。また、第1流路切替手段または第2流路切替手段の少なくとも一方に可動片が開状態となることで振分入賞手段の外部より遊技球が誘導可能であるので、遊技者は振分入球口を介さずに遊技球が直接入球することで、新鮮味を感じることができる。よって、遊技者がより遊技に興味を持つことができる。
遊技球が入球することに基づいて当否判定条件の成立と判定される入球口と、前記当否判定条件の成立に基づいて遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定手段の当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する可変入賞装置に遊技球を入賞させることが可能となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有する遊技機において、遊技球を前記入球口に誘導する振分入賞手段を有し、前記振分入賞手段は、その振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口と、その振分入球口に入球した遊技球を第1流路に振分ける第1位置と第2流路に振分ける第2位置とに交互に可動する第1振分可動手段を有する第1流路切替手段と、その第1流路切替手段により前記第2流路に振分けられた遊技球を第3流路に振分ける第3位置と前記入球口に誘導する第4流路に振分ける第4位置とに交互に可動する第2振分可動手段を有する第2流路切替手段と、を有し、前記可変入賞装置に遊技球を入球させると前記振分入球口にも遊技球が入球可能な位置に、前記可変入賞装置と前記振分入賞手段とはそれぞれ配置されているものであることを特徴とする遊技機K1。
遊技機K1によれば、遊技球が入球口に入球することに基づいて、当否判定条件の成立と判定される。当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により判定される。その当否判定手段による当否判定結果が当たりであることに基づいて、遊技者に特典を付与する可変入賞装置に遊技球を入賞させることが可能となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。遊技球を入球口に誘導する振分入賞手段では、振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口に入球した遊技球が、第1流路に振分ける第1位置と第2流路に振分ける第2位置とに交互に第1流路切替手段の第1振分可動手段が可動することで振分けられる。その第1流路切替手段により第2流路に振分られた遊技球が第3流路に振分けられる第3位置と入球口に誘導される第4流路に振分けられる第4位置とに交互に第2流路切替手段の第2振分可動手段が可動することで振分けられる。可変入賞装置と振分入賞手段とは、可変入賞装置に遊技球を入球させると振分入球口にも遊技球が入球可能な位置に、それぞれ配置されている。これにより、振分入賞手段に入球した遊技球が入球口に入球するかどうか期待して遊技者は楽しむことができる。よって、振分入賞手段に遊技球が所定個数入球する毎に、入球口に遊技球が入球することとなるので、遊技者は、入球口に入球するには後どれくらい、振分入賞手段に入球させる必要があるかを予測することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。また、特典遊技中には、振分入球口にも入球可能であるので、特典遊技中に、振分入賞手段に入球させることで、特典遊技後に入球口に入球させるまでに必要な入球数を少なくすることができ、遊技者に有利な状態とすることができる。よって、遊技者が特典遊技中にも可変入賞装置だけでなく、振分入賞手段にも多くの遊技球を入球させることに意欲をもとことができる。
遊技機K1において、前記特典遊技には、前記可変入賞手段の開放時間が長い特別特典遊技とその特別特典遊技よりも可変入賞手段の開放時間が短い通常特典遊技とが少なくとも設定され、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりとなったことに基づいて、前記特典遊技の種別を決定する特典遊技種別決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技には、可変入賞手段の開放時間が長い特別特典遊技とその特別特典遊技よりも可変入賞手段の開放時間が短い通常特典遊技とが少なくとも設定されており、当否判定手段による当否判定結果が当たりとなったことに基づいて、その特典遊技の種別が特典遊技種別決定手段により決定される。これにより、特別特典遊技が決定されると、可変入賞装置の開放時間が長くなるだけでなく、より多くの遊技球を振分入賞手段に入球させる機会を得ることができる。よって、遊技者に特典遊技の種別に対する特典をより多く提供することができる。
遊技機K1またはK2において、前記可変入賞装置は、遊技機前面側に回動可能に軸支された回動扉を有し、通常時は、前記回動扉が起立した状態で前記可変入賞装置内に遊技球が入球することを規制し、特典遊技実行時には、前記回動扉が遊技機前面側に回動して、回動扉の上面で遊技領域を流下する遊技球を受けて、前記可変入賞装置内および前記振分入球口に誘導するように構成されていることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1またはK2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入賞装置には、遊技機前面側に回動可能に軸支された回動扉が設けられている。通常時では、起立した状態の回動扉により可変入賞装置内に遊技球が入球することが規制される。特典遊技実行時では、回動扉が遊技機前面側に回動することにより、回動扉の上面で受けた遊技球が、可変入賞装置内および振分入球口に誘導される。これにより、特典遊技中に、振分入賞手段に遊技球をより多く入球させることができる。よって、遊技者に特典遊技後も引き続き遊技を実行させるようにでき、より長時間遊技者に遊技を行わせることができる。
遊技機A1からA4、B1〜B4、C1からC4、D1またはD2、E1からE4、F1またはF2、G1からG3、H1またはH2、I1またはI2、J1、K1からK3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA4、B1〜B4、C1からC4、D1またはD2、E1からE4、F1またはF2、G1からG3、H1またはH2、I1またはI2、J1、K1からK3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA4、B1〜B4、C1からC4、D1またはD2、E1からE4、F1またはF2、G1からG3、H1またはH2、I1またはI2、J1、K1からK3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知する特別図柄の動的表示が表示装置において実行されるように構成されたものが提案されている。
例えば、特許文献1では、遊技盤面上に設けられた釘の間隔等を調整することにより、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入賞する確率を変化させる(例えば、特許文献1:特開2003−305209号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、遊技球が始動口へ入賞するまでの経緯が単調であるので、長時間遊技を行っていると、遊技者が遊技に飽きてくるという問題点があった。
本技術的思想は、上記のような遊技機において、遊技者が遊技に飽きてしまうという不具合を抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技球が入球することに基づいて当否判定条件の成立と判定される入球口と、前記当否判定条件の成立に基づいて遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定手段の当否判定結果を示す識別情報または遊技に関わる遊技情報を表示する表示手段と、前記表示手段に前記当否判定手段の当否判定結果が当たりであることを示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に特典を付与する特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、遊技球を前記入球口に誘導する振分入賞手段を有し、前記振分入賞手段は、その振分入賞手段内に遊技球が入球することが可能な振分入球口と、その振分入球口に入球した遊技球を第1流路と第2流路とに交互に振分ける第1流路切替手段と、その第1流路切替手段により前記第2流路に振分けられた遊技球を第3流路と前記入球口に誘導する第4流路とに交互に振分ける第2流路切替手段と、を有し、前記振分入球口に遊技球が入球したことに基づいて、カウント値を更新する入球数カウント手段と、前記遊技情報の1つである擬似識別情報の動的表示を開始する条件の成立を契機に、前記入球数カウント手段のカウント値に基づいて、複数の擬似識別情報の動的表示態様のうち、1つの擬似動的表示態様を決定する擬似動的表示態様決定手段と、を有するものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1に記載の遊技機において、前記擬似動的表示態様決定手段は、前記振分入球口に遊技球が入球したことを前記擬似識別情報の動的表示を開始する条件として、擬似動的表示態様を決定するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1または2に記載の遊技機において、前記擬似動的表示態様が前記表示手段に動的表示されている状態で、前記入球口に遊技球が入球して前記識別情報に表示が実行された場合には、前記擬似動的表示態様を前記識別情報の表示に切り替える表示切替手段を有するものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記識別情報の動的表示態様を複数の動的識別表示態様のうち、1つの動的識別表示態様に決定する動的識別表示態様決定手段と、前記動的識別表示態様決定手段は、前記擬似動的表示態様が動的表示されている場合には、その動的表示されている擬似動的表示態様に対応する動的識別表示態様を決定する一方、擬似動的表示態様が非動的表示である場合には、擬似動的表示態様が非動的表示であるとき専用の動的識別表示態様を決定するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技球が入球口に入球することに基づいて、当否判定条件の成立と判定される。当否判定条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により判定される。その当否判定手段による当否判定結果を識別情報または遊技に関わる遊技情報が表示手段により表示される。その表示手段に当否判定結果が当たりであることを示す識別情報が表示された場合に、遊技者に特典を付与する特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。
遊技球を入球口に誘導する振分入賞手段では、振分入賞手段内に遊技球が入球可能な振分入球口に入球した遊技球が振分入賞手段外に誘導する第1流路と第2流路とに交互に第1流路切替手段により振分けられる。その第1流路切替手段により第2流路切替手段により第2流路に振分られた遊技球が振分入賞手段外に誘導される第3流路と入球口に誘導される第4流路とに交互に第2流路切替手段により振分けられる。
振分入球口に遊技球が入球したことに基づいて、カウント値が入球数カウント手段により更新される。遊技情報の1つである擬似識別情報の動的表示を開始する条件の成立を契機に、入球数カウント手段のカウント値に基づいて、複数の擬似識別情報の動的表示態様のうち1つの擬似動的表示態様が擬似動的表示態様決定手段により決定される。
これにより、振分入賞手段に入球した遊技球が入球口に入球するかどうか期待して遊技者は楽しむことができる。よって、振分入賞手段に遊技球が所定個数入球する毎に、入球口に遊技球が入球することとなるので、遊技者は、入球口に入球するには後どれくらい、振分入賞手段に入球させる必要があるかを予測することができ、より多くの遊技の楽しみを提供することができる。
また、振分入賞手段に入球した遊技球の数に基づいて、遊技情報の1つである、擬似識別情報の動的表示態様が決定されて動的表示されるので、擬似動的表示態様より、振分け入賞手段に入球した遊技球の数を遊技者に判別させることができる。よって、入球口に遊技球が入球しない場合にも、遊技者が退屈して、遊技に飽きてしまうのを抑制できるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分入球口に遊技球が入球したことを擬似識別情報にの動的表示を開始する条件として、擬似動的表示態様が擬似動的表示態様決定手段に決定されることにより、振分入賞手段に遊技球が入球したタイミングで、擬似動的表示態様に動的表示が開始されるので、擬似動的表示態様が動的表示するタイミングを分かり易く認識できる。よって、擬似動的表示態様がどのタイミングで振分入賞手段に入球したものに基づくものであるか容易に認識することができる。従って、擬似動的表示態様より振分入賞手段に入球した遊技球の数をより正確に認識できるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、擬似動的表示態様が表示手段に動的表示されている状態で、入球口に遊技球が入球して識別情報に表示が実行された場合には、擬似動的表示態様が識別情報の表示に表示切替手段により切替られる。よって、擬似動的表示態様が動的表示されている場合であっても、識別情報の表示に切り替えられるので、遊技者が、識別情報の表示を見逃してしまうことを防止できるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報の動的表示態様が複数の動的識別表示態様のうち、1つの動的識別表示態様が動的識別表示態様決定手段により決定される。
擬似動的表示態様が動的表示されている場合には、その動的表示されている擬似動的表示態様に対応する動的識別表示態様が動的識別表示態様決定手段により決定される。一方、擬似動的表示態様が非動的表示である場合には、擬似動的表示態様が非動的表示であるときの専用の動的識別表示態様が動的識別表示態様決定手段により決定される。
これにより、動的表示されている擬似動的表示態様に合わせた動的識別表示態様が決定されるので、遊技者に擬似動的表示態様から動的識別表示態様への切り替わりを不自然に感じさせることを防止できる。よって、遊技者が擬似動的表示態様の内容を動的識別表示態様に繋がる動的表示として識別するようになることで、擬似動的表示態様に遊技者の注意を惹き付けることができる。従って、遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できるという効果がある。