以下、図面を参照しながら、本発明の各実施形態を詳細に説明する。
1.第1実施形態
[筐体構造の説明]
本発明の第1実施形態に係るスロットマシン10の外観正面図を図1に示す。スロットマシン10の筐体は、内部に各種装置を収容するための箱体と、箱体の前面部に開閉自在に設けられた前面扉とによって構成されている。この前面扉には、フロントパネル20が設けられ、その略中央には表示窓22が形成されている。スロットマシン10の内部には回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rが設けられ、各リールの外周面に印刷された図柄を表示窓22から視認できるようになっている。リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が水平方向の同一直線上に並ぶように設置されている。各リールの形状はリング状になっており、その外周面には均等に区分された20個の図柄領域に、各々1つずつ図柄が印刷されている帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに、各リールに印刷された20個の図柄のうち各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が、表示窓22から視認可能となっている。すなわち、表示窓22には3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の図柄が停止表示される位置(停止表示位置ともいう)を上段U、中央の図柄が停止表示される位置を中段M、最も下側の図柄が停止表示される位置を下段Dという。
また、表示窓22には、リール40L,40C及び40Rの各中段Mを横切る1本の入賞ラインL(有効ラインとも称する。)が定められている。この入賞ラインLは、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せが停止表示されたか否かを判定する際の基準となるラインである。すなわち、リール40L,40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLが通過する停止表示位置(各リールの中段M)に停止表示された横並びの3つの図柄からなる組合せが、いずれかの役に対応していればその役が入賞したことになる。なお、以下では、単に「図柄組合せが停止表示された」または「図柄(または図柄組合せ)が揃った」と記載されている場合は、その図柄組合せが入賞ラインLに沿って停止表示されたことを意味する。
フロントパネル20には、表示窓22の他に遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。表示窓22の下側には、図1(b)に示すように、左から順に、遊技開始LED25、投入表示LED26a,26b,26c、クレジット数表示器27(貯留枚数表示器とも称する。)、獲得枚数表示器28(払出枚数表示器とも称する。)、投入可能表示LED24、再遊技表示LED23、および、清算表示LED22が設けられている。遊技開始LED25は、後述するスタートスイッチ36の操作が受け付け可能な状態のときに点灯し、それ以外の状態のときに消灯する。投入表示LED26a,26b,26cは、1回の遊技にベットされるメダルの枚数を表示するものである。ここでは、1枚のメダルがベットされると1枚投入表示LED26aが点灯し、2枚のメダルがベットされると1枚投入表示LED26aおよび2枚投入表示LED26bが点灯し、3枚のメダルがベットされると1枚投入表示LED26a、2枚投入表示LED26bおよび3枚投入表示LED26cが点灯する。
スロットマシン10で遊技を行うためにベットするメダルは遊技媒体の一種であり、遊技媒体は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)であってもよいし、磁気カード、非接触式ICカードまたはICチップを内蔵したコインなどの記録媒体に記録された価値を示す情報であってもよい。スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされると1回の遊技が可能となり、入賞ラインLが有効ラインとされる。クレジット数表示器27は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(貯留)されている(より具体的には、後述する主制御手段100内のRWM(リードライトメモリ。記憶したデータを書き換え可能なメモリ。)に記憶されている)メダルの枚数を表示する。ここで本実施形態において、クレジットすることができるメダルの上限数は50枚である。獲得枚数表示器28は、2桁の7セグメント表示器からなり、遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。
投入可能表示LED24は、メダルの投入を受け付けているときに点灯し、メダルの投入を受け付けていないときに消灯する。再遊技表示LED23は、後述する再遊技が開始されたときに点灯し、当該再遊技が終了したときに消灯する。清算表示LED22は、後述する清算スイッチ33が操作されたことにより、クレジットされていたメダルが払い出されている間点灯する。
上述したフロントパネル20の下側には、スロットマシン10の全幅に亘って概略水平に形成され、遊技者方向に突出した操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。また、スロットマシン10の内部(具体的には、メダルを選別する為のセレクタ)には、メダルセンサ(投入センサ)が設けられており、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、後述する主制御手段100へメダル検出信号を出力する。このメダル検出信号に基づいて、主制御手段100は、投入されたメダル枚数のカウントや、メダル投入時の不正行為などの異常検出を行っている。
操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10にベットする(換言すると、賭数を設定する)ためのベットスイッチ34,35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてベットする。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の遊技においてベットすることができる最大枚数(規定枚数)のメダルを、遊技の賭けの対象としてベットする。ここで、スロットマシン10においては、規定枚数が3枚になっている。また、規定枚数までメダルがベットされている状態でメダル投入口32にメダルが投入されると、その投入されたメダルはクレジットに記憶される。なお、規定枚数のメダルがベットされ、かつ、クレジットに記憶された枚数が上限値(例えば50枚)に達した状態でメダル投入口32にメダルが投入されたときは、そのメダルは後述するメダル払出口60から受け皿61に戻される。
操作パネル部30の正面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。スタートスイッチ36は、遊技者がスロットマシン10に規定枚数のメダルがベットされると操作が有効となる。ただし、後述する再遊技役が入賞したときは、前回の遊技(再遊技役が入賞した遊技)にベットされていたベット数が自動的にベットされ、ベット数表示ランプ26a,26b,26cが規定枚数分だけ点灯し、次の遊技を行うためのスタートスイッチ36の操作が有効となる。なお、この状態でメダル投入口32へメダルが投入された場合、そのメダルを受け皿61に返却するようにしてもよいし、クレジットの上限値に達するまで貯留するようにしてもよい。
スタートスイッチ36の操作が有効になった状態で、遊技者がスタートスイッチ36を傾動操作すると、3つのリール40L,40C及び40Rが回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、原則として、表示窓22内を上から下へと変動(スクロール)表示されるが、後述するフリーズ演出中は、図柄が下から上へと変動表示される場合がある。
操作パネル部30の正面中央部には、リール40L,40C及び40Rに対応してストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、いわゆる自照式の押しボタンスイッチであり、押しボタンの部分が発光するとともに、その発光色が変化し得る構造になっている。例えば、ストップスイッチの操作が無効になっているときは、そのストップスイッチの押しボタン部分が赤い発光色となり、有効になっているときは青い発光色となる。ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、リール40L、40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば、80回転/分。単に「定速」ともいう。)に達したことを条件として、遊技者の操作が有効(受付可能な状態)となる。なお、遊技者のストップスイッチに対する操作が無効(受付られない状態)になっている間は、ストップスイッチを赤く発光させる代わりに、消灯するようにしてもよい。
また、遊技中に左ストップスイッチ37Lが押動操作されると、当該遊技において左リール40Lのリール停止制御が行われて回転が停止し、中ストップスイッチ37Cが押動操作されると、中リール40Cのリール停止制御が行われて回転が停止し、右ストップスイッチ37Rが押動操作されると、右リール40Rのリール停止制御が行われて回転が停止する。なお、以下では、全リールが回転を開始してから最初のストップスイッチの操作を第1停止操作といい、2番目の操作を第2停止操作といい、最後の操作を第3停止操作という。リール40L、40C及び40Rが停止するときは、各リールの外周面に設定された20個の図柄領域のうち表示窓22に停止表示される3つの図柄領域の各中心位置が、表示窓22内に設定された上段U、中段Mおよび下段Dの各中央位置に一致するように停止する。ここで、図柄領域の中心位置と、停止表示位置の中央位置とが一致する位置を定位置という。
操作パネル部30の左側には、清算スイッチ33が設けられており、メダルのベット受付期間内に操作されると、ベットされているメダル及びクレジットされていたメダルがすべて払い戻され、クレジット数表示器27に表示されている値が「0」になる。ここで、メダルのベット受付期間は、例えば、全てのリールが停止してから(メダルが払い出される場合は、メダルの払い出しが終了してから)、規定枚数のメダルがベットされてスタートスイッチ36の操作が有効となるまでの間とする。上述した清算スイッチ33は、1回操作すると、ベットされたメダルとクレジットされていた全てのメダルが払い戻されるようになっているが、例えば、ベットされているメダルおよびクレジットベットされてるメダルがあるときに清算スイッチ33が操作された場合は、ベットされていたメダルのみを払い戻し、この状態(メダルがベットされていない状態)で、再度、清算スイッチ33が操作された場合に、クレジットされているメダルを全て払い出すようにしてもよい。また、ある遊技で再遊技役が入賞し、次の遊技で再遊技を行うことになったときに清算スイッチ33が操作された場合は、クレジットされているメダルのみを払い戻し、再遊技はそのまま実行可能な状態にするとよい。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。例えば、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLに沿って停止表示された3つの図柄の組合せが小役に対応していた場合、その小役に対応した枚数のメダルがクレジットに記憶されるか、またはスロットマシン10の内部に設置されたメダル払出装置が作動(具体的にはホッパーモータが駆動)して、メダル払出装置のホッパーに貯留されているメダルのうち、入賞した小役に対応する枚数のメダルが払い出される。また、メダルがクレジットされている状態で清算スイッチ33が操作されると、クレジットされていたメダルが払い出される。そして、メダル払出口60から払い出されたメダルは受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置70が設けられている。なお、画像表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限らず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。この画像表示装置70は、遊技履歴を表示したり、遊技中に表示される演出用画像、役抽選の結果やストップスイッチの操作態様(操作タイミングまたは操作順序など)を報知するための演出画像、スロットマシン本来の遊技の進行(メダルベット→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等を表示することができる。画像表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合や、遊技によってメダルが払い出されやすい状態になっている場合などに応じて、所定のパターンで点滅する演出用ランプ72が設けられている。
[図柄および図柄配列の説明]
次に、図2を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。リール40L、40C及び40Rの各外周面には、図2(a)に示すように20個の図柄が印刷されている。各図柄は、リールテープの長手方向において、20等分に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類には、図2(b)に示すように、数字の7を赤および白色で表した「赤7」図柄および「白7」図柄と、“BAR”の文字が描かれた「バー」図柄と、水色のプラムをモチーフとした「リプレイA」図柄および紫色のプラムをモチーフとした「リプレイB」図柄と、黄色のベルをモチーフとした「ベル」図柄と、緑色のスイカをモチーフとした「スイカA」図柄および「スイカB」図柄と、赤いサクランボをモチーフとした「チェリー」図柄と、大木をモチーフにした「樹木」図柄とがある。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、図2(a)に示すように「0」〜「19」の図柄番号が予め定められており、各図柄番号に対応する図柄の種別コードが、主制御手段100のROMに記憶されている。各リールの図柄番号および対応する種別コードは、スロットマシン10が、表示窓22の各停止表示位置(上段U、中段M、下段D)に表示された図柄を認識し、後述するリール停止制御を行う際に参照される。図2(a)に示す各リールテープは、図柄番号「0」と「1」の間を切り離して展開した状態を示しており、各リールテープをリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号「0」と「1」の図柄が連続することになる。
[制御手段の説明]
次に、図3に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン10の制御を行う制御手段について説明する。スロットマシン10の制御手段は、遊技の進行を制御する主制御手段100と、遊技の演出を制御する副制御手段200とによって構成されている。主制御手段100は、遊技者の操作に応じて遊技を進行させる制御を行い、副制御手段200は、主制御手段100から送信された情報に基づいて遊技に伴って実行される演出や各種情報を報知する制御を行う。なお、主制御手段100と副制御手段200との間でやりとりされる情報の送信は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から何らかの情報が主制御手段100へ直接送信されることはない。
≪主制御手段の説明≫
<主制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
主制御手段100は、CPU、ROM、RWM、乱数生成手段(乱数回路)およびタイマカウント手段(タイマ回路)、I/Oポートが1つのチップ内に構成されたものである。この主制御手段100は主制御基板とも呼ばれ、主制御手段100の機能を実現するための回路は一枚の基板上に構成されている。ここで、上述したCPUは、演算を行うためのアキュムレータ(Aレジスタ)と、複数の汎用レジスタ(Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、HレジスタおよびLレジスタ)と、フラグレジスタとを備えている。これらのレジスタはいずれも1バイト(8ビット)で構成されている。また、汎用レジスタのうち、BおよびCレジスタ、DおよびEレジスタ、HおよびLレジスタは、それぞれペアで用いて16ビット(2バイト)のレジスタとして使用することができる。なお、2つの汎用レジスタをペアで使用する場合は、各レジスタを表す2つのアルファベットをまとめて表記する。たとえば、HレジスタとLレジスタをペアで使用する場合は、HLレジスタと表記する。
また、フラグレジスタは各ビットがCPUによる演算結果に関する状態を示すフラグになっているものであるが、本実施形態のフラグレジスタには、キャリーフラグ、ゼロフラグおよび第2ゼロフラグが含まれている。ここで、キャリーフラグは、演算(加算)を行ったときに桁上がりが生じたときに「1」となるフラグである。ゼロフラグは、演算結果が「0」になったときに「1」となるフラグである。第2ゼロフラグは、ゼロフラグが「0」になったとき、および、所定の演算(LD命令)を行ったときに「1」となるフラグである。なお、図3において、図1に示した各部と同じ構成については同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。
乱数生成手段は、各種抽選を行う際に使用される乱数を生成し、タイマカウント手段は、CPUなどが作動するためのクロック信号の計数値に基づいて割込要求信号を生成する。また、I/Oポートは、操作手段300、各種ランプ類、ステッピングモータ42L,42C,42R、リール回転位置センサ44L,44C,44R、ブロッカ45、ホッパーモータ46、払出センサ47、ドアスイッチ48、設定ドアスイッチ49および外部集中端子基板84といった各部構成に対する信号を出力し、各部構成からの信号を入力する。各種ランプ類には、図1(b)に示したものの他、例えば上述した主制御基板に設けられた設定表示器81が含まれている。この設定表示器81は、1つの7セグメント表示器からなり、後述する設定値(1〜6)を表示する。
ここで、ステッピングモータ42L,42C,42Rは、主制御手段100から出力される励磁信号にしたがって、対応するリール40L,40C,40Rを回転または停止させる。リール回転位置センサ44L,44C,44Rは、リール40L,40C,40Rに各々対応して設けられており、対応するリールの基準位置に設けられたインデックス(被検出部材)を検出すると、その検出信号を主制御手段100に対して出力する。これにより主制御手段100は、当該インデックスの位置から計数を開始したステッピングモータのステップ数に基づいて、リールの回転位置(延いては表示窓22に表示されている図柄)を認識することができる。
ホッパーモータ46は、メダル投入口32から投入されたメダルを貯留するためのホッパーを備えたメダル払出装置(図示略)に設けられ、主制御手段100から出力される駆動信号にしたがって貯留されているメダルをメダル払出口60から排出させる。払出センサ47は、ホッパーモータ46が駆動することによって払い出されるメダルを検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。ブロッカ45は、スロットマシン10の内部に設けられたセレクタに設置され、主制御手段100からのオン/オフ信号にしたがってメダル流路の形成または解除する。なお、メダル投入口32から投入されたメダルは、メダル流路の形成されている(ブロッカがオン)ときはメダル払出装置のホッパーに貯留され、メダル流路が形成されていない(ブロッカがオフ)ときは、メダル払出口60から排出される。ドアスイッチ48は前述した前面扉の開閉を検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。設定ドアスイッチ49は後述する設定値を設定するための設定変更キースイッチ92およびリセット/設定スイッチ93を開閉可能に覆っている設定ドアの開閉を検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。
外部集中端子基板84は、スロットマシン10が現在行われている遊技に関する情報を外部の遊技情報表示装置やホールコンピュータ対して主制御手段100から出力される各種信号を中継する。主制御手段100から外部へ送信される信号としては、スタートスイッチ36の操作に基づいて遊技に賭けられた(ベットされた)ベット数を示すベット信号(IN信号)、小役が入賞したことに基づいて払い出された払出し数を示す払出信号(OUT信号)、後述する役抽選状態がBB中になったことを示す信号(BB信号)、スロットマシン10に異常が発生したことを示す信号(異常発生信号)、および、後述するAT遊技が行われていることを示す信号(AT信号)がある。ここで、外部集中端子基板84は、上述した各種信号の内容を、ハイレベルを示す電位と、ローレベルを示す電位とによって表してもよいし、各種信号に対応するリレー回路を設けて、各リレー回路を開閉することで上述した各種信号の内容を表してもよい。
操作手段300は、図1に示したスロットマシン10の前面扉に設けられた各種スイッチの他に、スロットマシン10の内部に設けられた電源スイッチ91、設定変更キースイッチ92およびリセット/設定スイッチ93を含む。電源スイッチ91はスロットマシン10に供給される電力をオン/オフするスイッチである。設定変更キースイッチ92は鍵穴を有し、当該鍵穴に挿入した設定変更用の鍵を回動することでオンまたはオフとなるスイッチである。リセット/設定スイッチ93はエラーが検出されたときにそのエラー状態から復帰したり、後述する設定値を変化させたりする際に操作される押しボタン式のスイッチである。
<主制御手段の機能ブロック>
次に、主制御手段100の機能ブロックについて説明する。主制御手段100は、当選役決定手段110と、フリーズ制御手段120と、リール制御手段130と、遊技状態制御手段140と、入賞判定手段150と、異常検出手段160と、LED表示制御手段170と、制御コマンド送信手段180と、外部信号送信手段190と、を含んでいる。以下に説明する各手段の機能は、主制御手段100を構成するCPUによって、ROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現されるものとする。
(当選役決定手段の説明)
当選役決定手段110は、主制御手段100に含まれる乱数生成手段が発生する乱数(数値範囲:0〜65535)に基づく抽選によって当選役を決定する。ここで、当選役には大別するとボーナス、再遊技および入賞の3種類があり、これら当選役(以下、「ボーナス役」、「再遊技役」および「入賞役」という。)が入賞すると、遊技者に所定の特典が付与されることになる。すなわち、ボーナス役が入賞すると、次の遊技から所定の終了条件が成立するまで、遊技者に有利なボーナスゲーム(以下、「特別遊技」ともいう。)が行われる。再遊技役が入賞すると、次の遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技を行うことができる。ここで、再遊技役が入賞したことによってメダルを投入することなく実行することができる遊技を再遊技という。また、入賞役が入賞すると、予め定められた枚数のメダルが遊技者に払い出される。
ここで、各当選役の当選確率を定めた抽選テーブルを図4に示す。当選役決定手段110によって行われる抽選では、当選役として、ボーナス役であるBB01、再遊技役である再遊技−A〜T、および、入賞役である入賞−A〜Sが定められている。また、非RTおよびRT1〜6という7つのRT状態が定められており、各RT状態に応じて上述した当選役の当選確率が異なっている。RT状態は、予め定められた移行条件に応じて移行するようになっており、移行条件の成立判断や移行先は、後述する抽選状態移行手段142によって制御される。
また、各RT状態における抽選対象となる役については、非RTではボーナス役、再遊技−C〜H、入賞−A〜Rが当選する可能性があり、RT1では、ボーナス役、再遊技−B〜H、入賞−A〜Rが当選する可能性がある。RT2では、ボーナス役、再遊技−I〜N、入賞−A〜Rが当選する可能性がある。RT3では、ボーナス役、再遊技−O〜T、入賞−A〜Rが当選する可能性がある。RT4では、ボーナス役、再遊技−AおよびO〜T、入賞−A〜Rが当選する可能性がある。RT5では、再遊技−C〜Hおよび入賞−A〜Rが当選する可能性があり、RT6では入賞−Sのみが必ず当選する(当選確率100%)ようになっている。
また、各RT状態のうち、非RTおよびRT1における再遊技役の合成当選確率が最も低くなっており(それぞれ1/7.3および1/7.301)、以下、RT5、RT2、RT3、RT4の順に再遊技役の合成当選確率が高くなっている。再遊技役の合成当選確率が高い程、メダルを投入することなく遊技を行うことができる機会が増え、特に、RT2〜4においてはボーナス役が当選する可能性があるため、遊技者に有利な状態になっているといえる。
なお、本実施形態では、図4に示す抽選テーブルにおける当選確率とは異なる当選確率の抽選テーブルをさらに5つ備えており、後述する設定変更キー93およびリセット/設定スイッチ94によって、遊技に使用する抽選テーブルを指定することができる。すなわち、各抽選テーブルには予め1〜6(設定値の1〜6に対応)の番号のうち、固有の番号が1つ付与されており、設定変更キー93およびリセット/設定スイッチ94によって設定された設定値(1〜6)に対応する抽選テーブルが遊技に使用される。
図4に示した各当選役には所定の条件装置が定められており、当選役決定手段110によって当選役が決定されると、決定された当選役に対応する条件装置が作動し、作動した条件装置に対応する図柄組合せ(詳しくは後述する)が入賞ラインL上に揃うように(すなわち、当選役が入賞し得るように)リール停止制御が行われる。なお、なお、1つの当選役に対して1つの条件装置を対応付けてもよいし、複数の条件装置を対応付けてもよい。また、以下の説明において、図柄組合せが入賞ラインL上に揃うことを、単に「図柄組合せが揃う」ともいう。
図5に当選役と作動する条件装置との関係を示す。ここで、図5(a)はボーナス役が当選したときに作動する条件装置を示し、図5(b)は再遊技役および入賞役が当選した時に作動する条件装置を示している。図5(a)に示すように、ボーナス役が当選すると作動する条件装置はBB01であり、条件装置BB01が一旦作動するとボーナス役が入賞するまで作動している状態が維持される。この状態を「内部中」または「ボーナスフラグ持越し中」という。
また、当選役決定手段110による抽選の結果、何らかの当選役が当選すると、各当選役に基づいた情報を副制御手段200へ送信する。具体的には、ボーナス役に関しては、役物当選番号を送信するが、入賞役および再遊技役に関しては、当選役に対応する入賞・再遊技当選番号をそのまま送信するのではなく、当選役に対応する入賞・再遊技当選番号に基づいた情報(後述する「演出グループ番号」)を送信する。少なくとも非AT中は、当選役に対応する入賞・再遊技当選番号をそのまま副制御手段200に送信することはない。ただし、入賞・再遊技当選番号に基づいた情報(入賞・再遊技当選番号を特定することはできないが、当選役の種類(小役or再遊技役orハズレ)は特定できるような情報)を副制御手段200に送信してもよい。また、AT中/非AT中などの遊技状態にかかわらず、一律に、入賞・再遊技当選番号は送信しないようにすることも可能である。一律当選番号を送信しないようにした方が、判断肢が少なくなるためROMのプログラム容量の削減にもなる。具体的な送信コマンドの態様は後述する。
役物当選番号は、ボーナス役が当選するまでは「0」になっており、抽選によってボーナス役が当選すると、ボーナス役が入賞するまで役物当選番号が「1」となり、RWMの所定アドレスに「1」が記憶(「0」から「1」に更新)される。また、抽選によって再遊技役および入賞役のいずれか(ハズレも含む)が当選すると、ボーナス役の当選番号を記憶するアドレスとは異なるアドレスに「0」〜「39」のいずれかが記憶される。
また、図5(b)に示すように、再遊技−A〜Tには再遊技01〜10の10種類の条件装置のうちいずれかが対応付けられており、入賞−A〜Sには入賞01〜33の33種類の条件装置のうちいずれかが対応付けられている。また、入賞−Mを除き、各再遊技役および入賞役に複数の条件装置が対応付けられている。複数の条件装置が対応付けられた当選役が当選した場合は、後述するストップスイッチの操作順序や操作タイミングに応じて、入賞ラインL上に揃う図柄組合せが異なっている(詳しくは後述する)。また、各再遊技役および入賞役に対応する条件装置は、ボーナス役に対応する条件装置と異なり、対応する当選役が決定された遊技の間だけ作動し、当該遊技が終了するとその作動を終了する。
次に、各条件装置に対応付けられた図柄組合せを図6〜図9に示す。図6(a)は条件装置BB01に対応付けられた図柄組合せを示し、図6(b)は条件装置再遊技01〜10に対応付けられた図柄組合せを示す。また、図7〜図9は、入賞01〜33に対応付けられた図柄組合せを示す。これらの図に示すように、各条件装置には1つまたは複数の図柄組合せが対応付けられており、対応づけられた図柄組合せのうちいずれかが揃うと、対応する当選役が入賞することになる。
例えば、BB01に対応する図柄組合せが揃うと、次の遊技からボーナスゲームが開始し、再遊技01〜10のいずれかに対応する図柄組合せが揃うと再遊技が行われる。また、入賞01〜10のいずれかに対応する図柄組合せが揃うと、予め定められた枚数のメダルが払い出される。ここで、図7〜図9に示すように、入賞01〜04および33に対応する図柄組合せが揃ったときは9枚、入賞05〜14に対応する図柄組合せが揃ったときは1枚、入賞15〜26に対応する図柄組合せが揃ったときは8枚、入賞27〜29に対応する図柄組合せが揃ったときは2枚、入賞30〜32に対応する図柄組合せが揃ったときは5枚のメダルが払い出される。
なお、以下では図柄組合せを文言で表す場合、左リール、中リール、右リールの順に各リールにおける図柄の名称を記し、カギ括弧で括ることとする。例えば図6(b)に示す再遊技04の「1」に対応する図柄組合せは「ベル−赤7−スイカA」と表す。
(フリーズ制御手段の説明)
フリーズ制御手段120は、所定の条件が成立すると、スタートスイッチ36が操作された後に遊技の進行を遅延させる、いわゆるフリーズ演出を実行にする。本実施形態におけるフリーズ演出の実行タイミングは、スタートスイッチ36が操作されてからリールが回転を開始するまでの間や、リールが回転を開始してからストップスイッチの操作が受け付け可能となるまでの間、ストップスイッチの操作が受け付け可能になってから各ストップスイッチが操作されるまでの間、全リールの回転が停止してから次の遊技を開始することができる状態になるまでの間、などがある。
また、本実施形態ではフリーズ演出として、リール40L,40C,40Rを適宜回転させることで、遊技の興趣を向上させるための演出(リール演出)も備えており、フリーズ制御手段120は、フリーズ演出を実行するか否かを決定するだけでなく、実行するリール演出の種類も決定する場合がある。リール演出の種類としては、例えば、通常回転とは逆方向にリールを回転させたり、リールを所定図柄数だけ回転させて特定の図柄組合せを表示したり、複数のリールのうち所定のリールを停止状態にして他のリールを回転状態にしたり、リールの回転速度を変化させたり、遊技者の操作に応じてリールの動作を変化させたりすることが考えられる。また、フリーズ制御手段120によりフリーズを実行するための所定の条件としては、抽選によって所定の結果が得られること、ボーナス遊技やAT遊技等の遊技者にとって有利な遊技が開始したこと、または、これら遊技が終了したことなどが挙げられる。
フリーズ演出を行うフリーズ期間は、いわゆるウエイト期間(前回の遊技でリールが回転を開始してから次遊技でリールの回転開始が可能になるまでの最短時間。例えば4.1秒間)の経過後に設定してもよいし、ウエイト期間を含んで設定してもよい。ウエイト期間を含んだ場合は、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了するか否かを判断して、終了する場合は、ウエイト期間経過後にフリーズ期間を設定する態様や、フリーズ演出終了後に残りのウエイト期間を再開する態様が挙げられる。または、予めウエイト期間よりも長い期間のフリーズ期間を設けることで、このような判断処理を省略することができる。
フリーズ演出として、あたかも通常の遊技を進行しているかのような疑似遊技演出を行ってもよい。疑似遊技演出は、スタートスイッチが操作されたことに基づいたスタートスイッチ受付け処理からリール回転開始処理までの間にフリーズ演出期間を定め、フリーズ演出期間中は、通常の遊技のようにスタートスイッチの操作に基づいてリール回転制御を行い、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作に基づいてリール停止制御を行う。但し、疑似遊技演出中において、スタートスイッチ36の操作に基づく当選役の抽選処理や、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作に基づいて全リール入賞判定処理または払出し制御処理は行わない。
疑似遊技演出では、ストップスイッチ36が操作されたタイミング、特定のリールが回転したタイミング、又は、全てのリールが停止したタイミングで上下に揺動する動きを行ってもよい。これにより、通常の遊技であるか疑似遊技演出であるかを判断することができる。また、疑似遊技演出において、特定の図柄組合せが入賞ラインL上に揃った場合は、疑似遊技演出が終了して本来の遊技に戻る際に、特定の図柄組合せが入賞ラインL上に揃っていた場合は、各リール間の相対的な角度が維持されないようにするとよい。これを実現するには、例えば、疑似遊技演出を終了して再び各リールを回転させる際に、その回転開始タイミングを各リール間でランダムに遅延させることが考えられる。
(リール制御手段の説明)
リール制御手段130は、リール40L,40C,40Rを回転/停止させるステッピングモータ42L,42C,42Rを駆動制御する。すなわち、遊技者によってスタートレバー36が操作されたことに基づいてステッピングモータ42L,42C,42Rの回転を開始し、リール40L,40C,40Rの回転速度が前述した定速に達すると、以下、定速を維持する。そして、ストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリール(より正確にはステッピングモータ)について停止制御を行う。
このとき、リール制御手段130は、ストップスイッチが操作されてから対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる。これにより、本実施形態のように各リールに20図柄が設けられたリールを、定速(80回転/分)の状態から190ミリ秒以内にリールの回転を停止させるとすると、80(回転)/60(秒)×0.19(秒)×20(図柄)=約5.067図柄分が回動するまでにリールを停止させればよい。ただし、リール制御手段130は、ストップスイッチが操作されたときに表示窓22の中段Mを通過中の図柄は、中段Mに停止させない(すなわち、最大でほぼ1図柄分のマージンを設けている)。このため、ストップスイッチが操作されたときに、中段Mを通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄までの、いずれかの図柄を中段Mに停止させることができる。ここで、「ストップスイッチが操作されたときに、中段Mを通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄まで」の範囲を「停止制御範囲」ともいう。
リール制御手段130は、当選役決定手段110によっていずれかの当選番号が決定されたときは、その当選番号に対応する当選役の図柄組合せが入賞ラインLに停止するようにリールの回転を停止させる(いわゆる引込制御を行う)。ただし、当選役の図柄組合せ構成する図柄が停止制御範囲内に無かったときは、当選役以外の役が入賞しないようにリールを停止させる(いわゆる蹴飛ばし制御を行う)。
また、図5に示した再遊技−A〜T(当選番号1〜20)、入賞−A〜J(当選番号21〜30)および入賞−P〜R(当選番号36〜38)のうち、所定の当選役が定められたときはストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序(以下、「押し順」ともいう。)に応じて引込制御の対象となる図柄組合せに対応する条件装置(以下、「引込制御の対象となる条件装置」という。)が異なっている。すなわち、例えば抽選によってある当選役が決定されたときに、第1の条件装置および第2の条件装置が作動したとすると、ストップスイッチ37L,37C,37Rが第1の押し順で操作された場合は、第1の条件装置に対応する図柄組合せが引込制御の対象となり、第2の押し順で操作された場合は、第2の条件装置に対応する図柄組合せが引込制御の対象となる。
ここで、図10および図11に、当選役と、押し順に応じた引込制御の対象となる条件装置との関係を示す。図10は、再遊技役が当選した時の押し順と引込制御の対象となる条件装置との関係を示しており、図10(a)は非RTおよびRT1で当選し得る再遊技−B〜H(再遊技−BはRT1でのみ当選する可能性がある)に関する押し順と引込制御の対象となる条件装置との関係を示している。なお、RT5においても非RTと同様に再遊技−C〜Hが当選し得るが、RT5では押し順に関係なく常に再遊技01に対応する図柄組合せが引込制御の対象となっている。また、図10(b)はRT2で当選し得る再遊技−I〜Nについて、図10(c)はRT3およびRT4で当選し得る再遊技−A,O〜T(再遊技−AはRT4でのみ当選する可能性がある)について、押し順と引込制御の対象となる条件装置との関係を示している。図11は、入賞−A〜J、P〜Rに関する押し順と引込制御の対象となる条件装置との関係を示している。
図10(a)に示すように、RT状態がRT1のときに再遊技−Bが当選すると、左または中ストップスイッチが最初に停止操作された場合は再遊技01に対応する図柄組合せが引込制御の対象となる。これに対して右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合、右→左→中の押し順では再遊技09に対応する図柄組合せに対して引込制御が行われる。ただし、右リールにおいて再遊技09に対応する図柄組合せ(「赤7」図柄)を入賞ラインL上に揃えることができないタイミングでストップスイッチが操作されたとき(いわゆる目押しに失敗したとき)は、再遊技01に対応する図柄組合せについて引込制御を行う。
また、右→中→左の押し順では再遊技10に対応する図柄組合せに対して引込制御が行われる。ただし、右リールにおいて「赤7」図柄の目押しに失敗したときは、再遊技01に対応する図柄組合せについて引込制御を行う。また、右リールにおいて「赤7」図柄の目押しに成功したが、中リールにおいて「赤7」図柄の目押しに失敗したときは、それ以降の停止操作において、再遊技09に対応する図柄組合せ(中リールの「ベル」図柄および左リールの「赤7」図柄または「スイカA」図柄)について引込制御を行う。
非RTまたはRT1において、再遊技−C〜Hが当選したときは、押し順に応じて再遊技01,02,05のいずれかに対応する図柄組合せが引込制御の対象となる。特に、再遊技−C〜Fが当選したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、6通りの押し順のうち1つの特定の押し順で操作されると、再遊技05に対応する図柄組合せについて引込制御が行われる。また、再遊技−GまたはHが当選したときは、右ストップスイッチが第1停止操作されると、再遊技05に対応する図柄組合せについて引込制御が行われる。
次にRT2では、図10(b)に示すように、再遊技−I〜Nが当選したときは、押し順に応じて再遊技01,02,06のいずれかに対応する図柄組合せが引込制御の対象となる。特にストップスイッチ37L,37C,37Rが、6通りの押し順のうち1つの特定の押し順で操作されると、再遊技06に対応する図柄組合せについて引込制御が行われる。また、RT4では、図10(c)に示すように、再遊技−Aが当選したときは、押し順に関係なく再遊技01に対応する図柄組合せについて引込制御が行われる。また、RT3およびRT4において、再遊技−O〜Tが当選したときは、押し順に応じて再遊技01,03,04,06,08のいずれかに対応する図柄組合せが引込制御の対象となる。特にストップスイッチ37L,37C,37Rが、6通りの押し順のうち1つの特定の押し順で操作されると、再遊技08に対応する図柄組合せについて引込制御が行われる。
なお、非RTおよびRT1〜5において、再遊技役が当選した場合、押し順に応じて引込制御の対象となる条件装置は異なるものの、いずれかの再遊技役は必ず入賞し、取りこぼしが発生することはない。
次に図11に示すように、非RTおよびRT1〜5(すなわちRT6以外のRT状態)において入賞−Aが当選したときは、逆押し(右→中→左)されたときは、入賞02に対応する図柄組合せについて引込制御が行われ、それ以外の押し順がされたときは入賞01に対応する図柄組合せについて引込制御が行われる。つまり、当選番号21は何れの押し順であっても、9枚役が入賞する当選役である。また、入賞−B〜Gが当選したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、6通りの押し順のうち1つの特定の押し順で操作されると、入賞01〜03のうち作動している条件装置に対応する図柄組合せが引込制御の対象となり、その結果、9枚役が入賞する。また、特定の押し順以外の押し順で操作されたときは、作動した条件装置のうちメダル払出枚数が1枚の条件装置(入賞05〜08のいずれか)に対応する図柄組合せが引込制御の対象となる。
ここで、入賞ラインL上に揃うとメダルが払い出されることとなる図柄組合せに対応する条件装置を、払出枚数に応じた役として扱う。これにより、例えば入賞01〜04および33は対応する図柄組合せが揃うとメダルが9枚払い出されることから9枚役ともいう。同様に、入賞05〜14は1枚役、入賞15〜26は8枚役、入賞27〜29は2枚役、入賞30〜32は5枚役ともいう。
入賞−H〜Jが当選したときは、第1停止操作されたストップスイッチの種類に応じて、入賞01〜03のうち作動している条件装置に対応する図柄組合せが、引込制御の対象となる。すなわち、入賞−Hが当選したときに左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されると入賞01に対応する図柄組合せが引込制御の対象となり、入賞−Iが当選したときに中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されると入賞02に対応する図柄組合せが引込制御の対象となり、入賞−Jが当選したときに右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されると入賞03に対応する図柄組合せが引込制御の対象となる。
なお、入賞−B〜Jが当選したときは、9枚役または1枚役のいずれかが入賞することとなり、取りこぼしは発生しない。
次に入賞−P〜Rが当選したときは、所定のストップスイッチが第1停止操作されると、いずれかの8枚役が入賞するが、所定のストップスイッチ以外のストップスイッチが第1停止操作されると、その後に操作されるストップスイッチの操作タイミングによっては8枚役を取りこぼすことになる。具体的には、入賞−Pが当選したときに、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されると、入賞15〜18に対応する図柄組合せが引込制御の対象となるため、これらのいずれかが必ず揃うことになる。
これに対して、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されたときは入賞19、右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたときは入賞23に対応する図柄組合せが引込制御の対象となる。このため、その後に操作されるストップスイッチは、これらの図柄組合せを構成する図柄が前述した停止制御範囲内に位置しているときに操作されなければ、入賞ラインLの位置(中段M)に停止させることができず、8枚役(入賞19または23)を取りこぼしてしまう。
例えば、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されたときは、操作タイミングに関わらず「ベル」図柄を入賞ラインLの位置(中段M)に停止させ、続いて右ストップスイッチ37Rが「赤7」図柄が停止制御範囲内に位置しているときに第2停止操作されたときは、「赤7」図柄を入賞ラインLの位置(中段M)に停止させる。これに対して、「赤7」図柄が停止制御範囲内に位置していないときに第2停止操作されたときは、「リプレイB」図柄が入賞ラインLの位置(中段M)に停止するため(図12の「特定図柄02」参照。詳しくは後述する。)、8枚役(入賞19)を取りこぼしてしまう。
同様に、入賞−Qが当選したときは中ストップスイッチ37Cを、入賞−Rが当選したときは右ストップスイッチ37Rを、第1停止操作するといずれかの8枚役が入賞するが、それ以外のストップスイッチを第1停止操作すると、その後に操作されるストップスイッチの操作タイミングによっては8枚役を取りこぼしてしまう可能性がある。ここで、入賞−P〜Rが当選して8枚役を取りこぼしたときに、入賞ラインL上に停止表示される可能性がある特別な図柄組合せについて、図12を参照して説明する。
この図において、特別図柄01には4種類の図柄組合せがあり、入賞−QまたはRが当選し、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されたときに、その後に操作されるストップスイッチの操作タイミングによっては、これら4種類の図柄組合せのうちいずれかが入賞ラインL上に停止表示される可能性がある。また、特別図柄02には2種類の図柄組合せがあり、入賞−PまたはRが当選し、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されたときにその後に操作されるストップスイッチの操作タイミングによっては、これら2種類の図柄組合せのうちいずれかが入賞ラインL上に停止表示される可能性がある。特別図柄03には2種類の図柄組合せがあり、入賞−PまたはQが当選し、右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたときにその後に操作されるストップスイッチの操作タイミングによっては、これら2種類の図柄組合せのうちいずれかが入賞ラインL上に停止表示される可能性がある。なお、詳しくは後述するが、図12に示す特別図柄01〜03は、RT状態の移行に関係している。
なお、入賞−K〜OおよびSについては、引込制御の対象となる図柄組合せに対応する条件装置が、ストップスイッチ37L,37C,37Rの押し順によって変化することはない。すなわち、入賞−KおよびLでは、ストップスイッチの操作タイミングによって、入賞07〜08、入賞27〜29のいずれかが引込制御の対象となる。なお、入賞−KおよびLは、入賞27〜29に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に停止した場合に、入賞ラインLを含むいずれかの直線ライン(入賞27は中段水平ライン、入賞28は右上がりライン、入賞29は下段水平ライン)に「スイカA」図柄又は「スイカB」図柄が一直線上に揃うため、スイカ役ともいい、特に入賞−Kを弱スイカ、入賞−Lを強スイカという。
また、入賞−Nが当選していたときは、入賞−Mと同様に入賞30に対応する図柄組合せが引込制御の対象になっている。ただし、「スイカA」図柄および「チェリー」図柄の双方を中段Mに停止させることができるタイミングで左ストップスイッチ37Lが操作された場合、入賞−Mが当選していたときは、「スイカA」図柄を中段Mに停止させ、入賞−Nが当選していたときは、「チェリー」図柄を中段Mに停止させる。さらに、「BAR」図柄および「チェリー」図柄の双方が中段Mに停止させることができるタイミングで左ストップスイッチ37Lが操作された場合において、入賞−Mが当選していたときは「BAR」図柄を中段Mに停止させ、入賞−Nが当選していたときは「チェリー」図柄を中段Mに停止させる。
また、「BAR」図柄、「スイカA」図柄および「チェリー」図柄が中段Mに停止させることができるタイミングで左ストップスイッチ37Lが操作された場合において、入賞−Mが当選していたときは「スイカA」図柄を中段Mに停止させ、入賞−Nが当選していたときは「チェリー」図柄を中段Mに停止させる。「BAR」図柄および「スイカA」図柄の双方が中段Mに停止させることができるタイミングで左ストップスイッチ37Lが操作された場合において、入賞−Mが当選していたときは、「スイカA」図柄を中段Mに停止させ、入賞−Nが当選していたときは、「BAR」図柄を中段Mに停止させる。なお、入賞−MおよびNは、いずれも入賞30が作動して左リール40Lおよび中リール40Cにおいて「チェリー」図柄が入賞ラインLに停止する可能性があるためチェリー役ともいい、特に入賞−Mを弱チェリー、入賞−Nを強チェリーという。
入賞−Oが当選したときは、ストップスイッチの操作タイミングに応じて入賞07または08に対応する図柄組合せのうち、入賞ラインL上に停止させることができる図柄によって構成される図柄組合せを引込制御の対象にする。ここで、入賞−Oが当選したときに入賞07および08に対応する図柄組合せを揃えることができなかったときに表示される図柄組合せ(「こぼし目」ともいう。)を「チャンス目」ともいう。入賞−Sが当選したときは、9枚役(入賞01〜04および入賞33)に対応する図柄組合せについて引込制御を行う。
(遊技状態制御手段の説明)
遊技状態制御手段140は、抽選状態制御手段142、モード制御手段144および報知遊技制御手段146を有し、当選役決定手段110で行われる抽選の当選確率や、再遊技役または入賞役が当選したときに、遊技者に有利な遊技結果が得られる押し順を報知するか否かの状態を制御する。抽選状態制御手段142は、前述したRT状態の移行を制御するものであり、図13の状態遷移図に示すように、初期状態である非RTにおいて、図12に示した特別図柄01〜03のいずれかが入賞ラインL上に停止表示されると抽選状態制御手段142はRT状態をRT1へ移行させる。また、再遊技05に対応する図柄組合せが揃うと、RT状態をRT2へ移行させる。
RT1において、再遊技05に対応する図柄組合せが揃うと、抽選状態制御手段142はRT状態をRT2へ移行させ、RT2において、再遊技06に対応する図柄組合せが揃うとRT状態をRT3へ移行させ、RT3において、再遊技08に対応する図柄組合せが揃うとRT状態をRT4へ移行させる。また、RT2〜4において、特別図柄01〜03に対応する図柄組合せが揃うとRT状態をRT1へ移行させる。さらに、RT2においては、再遊技02に対応する図柄組合せが揃うとRT状態をRT1へ移行させ、RT3および4においては、再遊技04に対応する図柄組合せが揃うとRT状態をRT1へ移行させる。なお、RT4においては、再遊技06に対応する図柄組合せが揃うとRT状態をRT3へ移行させる。
非RTおよびRT1〜4において、当選役決定手段110によってBB01が当選役に決定され、BB01に対応する図柄組合せが揃わなかったときはRT状態をRT5へ移行させる。また、非RTおよびRT1〜5においてBB01に対応する図柄組合せが揃うとRT状態をRT6へ移行させる。そして、RT6においてメダルの払出枚数の合計数が450枚を超えると非RTへ移行して、次の遊技から当選役決定手段110は非RTにおける抽選を行う。なお、本実施形態では、BB01が当選役に決定された遊技でBB01に対応する図柄組合せが揃わなかった場合に、非RTおよびRT1〜4からRT5へ移行させていたが、これに限らず、特定の役(例えばBB01)が当選役に決定されたときに非RTおよびRT1〜4からRT5へ移行させてもよい。
モード制御手段144は、再遊技役または入賞役が当選したときに、遊技者に有利な遊技結果が得られる押し順を報知するか否かに関する状態(メインモード)の移行を制御する。ここで、本実施形態においては4つのメインモード1〜4があり、図14に示すように、通常時はメインモード1または2に滞在する。なお、初期状態においてはメインモード1に滞在している。メインモード1においては高確モード移行抽選が行われ、高確モード移行抽選に当選するとメインモード2へ移行する。また、メインモード2に移行してから20ゲームが行われると、メインモード1へ移行する。なお、メインモード2からメインモード1への移行は、当選役に基づく抽選、当選役に基づかない別の抽選(転落抽選)により決定するなど、様々な条件を設定することが可能である。
メインモード1および2に滞在中は、基本的には通常状態であるが、チャンスゾーン(以下、「CZ」ともいう。)状態へ移行するか否かを決定するCZ抽選を行い、CZ抽選に当選すると通常状態からCZ状態へ移行する。このCZ状態では、後述するAT抽選が行われる確率が高くなっている。また、AT抽選に当選する確率は、メインモード1よりもメインモード2の方が高くなっている。さらに、メインモード1または2に滞在中は、ATへ移行するか否かを決定するAT抽選を行い、AT抽選に当選するとメインモード3(AT前兆状態)へ移行する。そして、メインモード3において所定の遊技回数が行われるとメインモード4へ移行して後述する押し順フラグがオンとなり、上述した押し順の報知が行われる。なお、AT抽選に当選したときに、メインモード3を経ずに直ちにメインモード4へ移行するようにしてもよい。また、メインモード3に滞在する「所定の遊技回数」は、予め定めた遊技回数であってもよいし、乱数抽選によって定めた遊技回数であってもよい。
メインモード4に滞在中は、まず、AT準備中となり、メインモード4(AT抽選に当選しているとき)において、所定の条件を満たしたときにAT遊技を開始する。具体的なAT開始条件、報知態様は、RT状態によって以下の通りである。
(a)現在のRT状態が非RTのとき
再遊技05の図柄組合せを停止表示させるために、少なくとも再遊技−C〜Hが当選したときは、再遊技05が入賞する押し順を報知する。また、特定図柄01〜03を停止表示させるために、少なくとも入賞−P,Q,Rが当選したときは、押し順を報知しない。なお、入賞−B〜G、入賞−H〜Jが当選したときは押し順を報知しても良いし、報知しなくても良い。ただし、これら当選役が当選したときに押し順を報知する場合には、報知を行った場合であっても出玉率が100%未満に設定されていることが好ましい。また、出玉率が100%を超える場合には、これら当選役が当選したときにも押し順は報知しないことが好ましい。
ここで、再遊技−C〜Hが当選したときに、再遊技05を停止表示させるための押し順を報知したにもかかわらず、遊技者が押し順を誤った場合にはAT遊技を開始するようにすることが好ましい。これは、遊技者が再遊技05を意図的に入賞させないようにストップスイッチを操作することで、AT遊技の開始をできるだけ遅らせる(AT準備中の状態を長引かせる)ことを防止するためである。また、仮に入賞−B〜G、入賞−H〜J、入賞−P〜Rが当選したときに押し順を報知する仕様である場合に、遊技者が報知された押し順を誤った場合は、AT遊技を開始させなくても良い。これは、AT遊技が開始されるまでの遊技回数を増やす行為には該当しないからである。また、停止表示された図柄組合せに関係なく、一律に、再遊技−C〜Hが当選した遊技から、または、再遊技−C〜Hが当選した次遊技からAT遊技を開始しても良い。
(b)現在のRT状態がRT1のとき
再遊技05の図柄組合せを停止表示させるために、少なくとも再遊技−C〜Hが当選したときは、再遊技05が入賞する押し順を報知する。なお、入賞−B〜G、入賞−H〜J、入賞−P〜Rが当選したときは、押し順を報知しても良いし、報知しなくても良い。ただし、これら当選役が当選したときに押し順を報知する場合には、報知を行った場合であっても出玉率が100%未満に設定されていることが好ましい。また、出玉率が100%を超える場合には、これら当選役が当選したときにも押し順は報知しないことが好ましい。
ここで、再遊技−C〜Hが当選したときに、再遊技05を停止表示させるための押し順を報知したにもかかわらず、遊技者が押し順を誤った場合にはAT遊技を開始するようにすることが好ましい。これは、遊技者が再遊技05を意図的に入賞させないようにストップスイッチを操作することで、AT遊技の開始をできるだけ遅らせる(AT準備中の状態を長引かせる)ことを防止するためである。また、仮に入賞−B〜G、入賞−H〜J、入賞−P〜Rが当選したときに押し順を報知する仕様である場合に、遊技者が報知された押し順を誤った場合は、AT遊技を開始させなくても良い。これは、AT遊技が開始されるまでの遊技回数を増やす行為には該当しないからである。また、停止表示された図柄組合せに関係なく、一律に、再遊技−C〜Hが当選した遊技から、または、再遊技−C〜Hが当選した次遊技からAT遊技を開始しても良い。
(c)現在のRT状態がRT2のとき
再遊技06の図柄組合せを停止表示させるために、少なくとも再遊技−I〜Nが当選したときは、再遊技06が入賞する押し順を報知する。また、入賞−P〜Rが当選したときには、特定図柄01〜03を停止表示させないための押し順を報知する。なお、入賞−B〜G、入賞−H〜Jが当選したときには押し順を報知しても良いし、報知しなくても良い。これら当選役が当選したときに押し順を報知する場合には、報知を行った場合であっても出玉率が100%未満に設定されていることが好ましい。出玉率が100%を超える場合には、これら当選役が当選したときにも押し順は報知しないことが好ましい。
ここで、再遊技−I〜Nが当選したときに、再遊技06を停止表示させるための押し順を報知したにもかかわらず、遊技者が押し順を誤った場合には、AT遊技を開始するようにすることが好ましい。これは、遊技者が再遊技06を意図的に入賞させないようにストップスイッチを操作することで、AT遊技の開始をできるだけ遅らせる(AT準備中の状態を長引かせる)ことを防止するためである。また、仮に入賞−B〜G、入賞−H〜Jが当選したときに押し順を報知する仕様だった場合に、遊技者が報知された押し順を誤った場合は、AT遊技は開始しなくても良い。これは、AT遊技が開始されるまでの遊技回数を増やす行為には該当しないからである。また、停止表示された図柄組合せに関係なく、一律に、再遊技I〜Nが当選した遊技から、または、再遊技−I〜Nが当選した次遊技からAT遊技を開始しても良い。
(d)現在のRT状態がRT3のとき
再遊技08の図柄組合せを停止表示させるために、少なくとも再遊技−O〜Tが当選したときは、再遊技08が入賞する押し順を報知する。また、入賞−P〜Rが当選したときには、特定図柄01〜03を停止表示させないための押し順を報知する。なお、入賞−B〜G、入賞−H〜Jが当選したときには押し順を報知しても良いし、報知しなくても良い。これら当選役が当選したときに押し順を報知する場合には、報知を行った場合であっても出玉率が100%未満に設定されていることが好ましい。出玉率が100%を超える場合には、これら当選役が当選したときにも押し順は報知しないことが好ましい)。
ここで、再遊技−O〜Tが当選したときに、再遊技08を停止表示させるための押し順を報知したにもかかわらず、遊技者が押し順を誤った場合にはAT遊技を開始するようにすることが好ましい。これは、遊技者が再遊技08を意図的に入賞させないようにストップスイッチを操作することで、AT遊技の開始をできるだけ遅らせる(AT準備中の状態を長引かせる)ことを防止するためである。また、仮に入賞−B〜G、入賞−H〜Jが当選したときに押し順を報知する仕様だった場合に、遊技者が報知された押し順を誤った場合は、AT遊技は開始しなくても良い。これは、AT遊技が開始されるまでの遊技回数を増やす行為には該当しないからである。また、停止表示された図柄組合せに関係なく、一律に、再遊技−O〜Tが当選した遊技から、または、再遊技−O〜Tが当選した次遊技からAT遊技を開始しても良い。
(e)現在のRT状態がRT4のとき
AT準備中が終わった次遊技から、または、AT準備中を経ずに、AT前兆が終わった次遊技からAT遊技を開始する。
以上の通り、基本的にはRT状態が移行する再遊技役の当選に基づいてAT遊技を開始する(後述するATフラグをオンに更新する)する。再遊技−O〜Tのいずれかが当選したことで、AT遊技を開始するようにしているのは、再遊技−O〜Tの当選時に、RT状態をRT4へ移行させるための押し順を報知するように制御しているため、遊技者が報知に従ってストップスイッチを操作すればRT4へ移行できるので、再遊技−O〜Tの当選をAT遊技の開始条件にしても遊技者の不利益にはならないからである。
AT遊技の開始条件を、再遊技−O〜Tのいずれかが当選したことではなく、例えば「RT4へ移行したこと」とすると、RT状態をRT4へ移行させるための押し順が報知されているにも関わらず、遊技者がそれに従わずに遊技を行うと、一向にAT遊技が開始されないことになる。この場合、本実施形態では、メインモード4に滞在中であれば、AT遊技が開始されなくても、入賞−A〜JおよびP〜Rのいずれかが当選すると押し順が報知される(ただし、先述した通り、押し順を報知することにより出玉率が100%を超える仕様の場合には報知しなくても良い。)。このため、遊技者としては、再遊技−O〜Tのいずれかが当選したときの押し順の報知には従わず、入賞−A〜JおよびP〜Rのいずれかが当選したときの押し順の報知には従うことで、メインモード4に留まったまま遊技媒体が増える期間の維持、または、AT準備中におけるAT遊技の上乗せや、ATの種類の変更(低継続のATから高継続のAT)などのATに関する利益の付与、等のAT準備中を設けたことにより、意図していた出玉率を越えてしまう(いわゆる攻略要素となり得る)恐れがある。
なお、本実施形態では、再遊技−O〜Tのいずれかが当選していなくても、押し順の報知が行われているとき(押し順フラグがオンのとき)に、報知した押し順とは異なる押し順が行われた場合も、AT遊技を開始する場合があるようにしている。ここで、「報知した押し順とは異なる押し順が行われた場合」とは、RT移行を行うリプレイ役が当選したときに、遊技者が報知した押し順とは異なる押し順で停止操作する場合のことをいう。すなわち、報知と異なる押し順で操作を行った遊技者は、今後も報知した押し順に従わない可能性が高いため、RT状態がRT4へ移行するまでAT遊技を開始するのを待つ(換言すると、AT遊技の終了条件の成立時期を遅らせる)必要がないからである。このように、報知した押し順とは異なる押し順が行われたときは、RT状態がRT1〜RT3であっても、AT遊技が開始するようになっている(後に説明する図44のステップS740(NO)→S742)。
AT遊技中は、特化ゾーンへ移行するか否かを決定する特化ゾーン抽選を行い、特化ゾーン抽選に当選すると、特化ゾーン準備中を経て、特化ゾーンへ移行する。この特化ゾーン中は、毎ゲーム必ずAT遊技の上乗せが行われる。ここで、特化ゾーン中に毎ゲーム必ずAT遊技の上乗せを行わずに、例えば、AT遊技中よりも高い頻度で上乗せが行われるようにしてもよい。そして、AT遊技が開始してから所定遊技回数(上乗せされた遊技回数も含む)が行われると、移行抽選を行って、その結果に従ってメインモード1または2のいずれかに移行する。
なお、上述した移行抽選は、メインモード3から4へ移行するとき、AT遊技を開始して所定遊技回数が行われたとき、または、それらの間のいずれのタイミングで行ってもよい。また、移行抽選を行う代わりに、AT遊技が開始されることとなった当選役の種類(再遊技−O〜Tのいずれか)に応じて、または、これら当選役が決定されたときに揃った図柄組合せに応じて、メインモード1または2のいずれに移行するのかを決めてもよい。さらに、移行抽選を行う代わりに、AT抽選に当選したときに滞在していたメインモードに戻るようにしてもよい。
報知遊技制御手段146は、上述したメインモード4において、当選役に応じて遊技者に報知する押し順の決定、後述する副制御手段200へ送信する押し順番号の決定、および、上述したAT遊技の開始/終了の判断を行う。ここで、報知遊技制御手段146が決定する当選役と押し順との関係を図15(a)に示す。まず、報知する押し順の種類としては、第1停止操作から第3停止操作までのストップスイッチを示す6通りの押し順(押し順番号1〜6)と、第1停止操作のストップスイッチを示す3通りの押し順(押し順番号7〜9)とがある。
また、基本的に押し順を報知しない場合のために、特定の押し順を表さない「不明」という状態があり、この場合についても押し順の1つとして扱っている(押し順番号0)。ここで、「基本的に押し順を報知しない場合」には、メインモード4に滞在しており、後述する押し順フラグはオンになっているが、主制御手段100によって押し順の決定がなされないとき(具体的には、押し順の報知を必要としない役が当選役に決定されたときや、副制御手段で報知する押し順を決定するとき等)や、メインモード1〜3に滞在しており、後述する押し順フラグがオフとなっているときなどがある。
さらに、通常、遊技者に報知される押し順は、遊技者にとって有利な遊技結果が得られることになる押し順になっているが、押し順の一部またはすべてを遊技者に秘匿した情報を報知し、その状態で有利な遊技結果が得られる押し順を遊技者に当てさせる「押し順当てゲーム」で使用される押し順番号も定められている。具体的には、有利な遊技結果が得られる押し順の第1停止操作が左ストップスイッチ37Lであり、第2停止操作以降のストップスイッチを秘匿した押し順番号10、有利な遊技結果が得られる押し順の第1停止操作が中ストップスイッチ37Cであり、第2停止操作以降のストップスイッチを秘匿した押し順番号11、有利な遊技結果が得られる押し順の第1停止操作が右ストップスイッチ37Rであり、第2停止操作以降のストップスイッチを秘匿した押し順番号12がある。また、第1〜第3停止操作すべきストップスイッチをすべて秘匿した押し順番号13も定められている。
上述した押し順番号は、主制御手段100によって獲得枚数表示器28に表示される。ここで、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示するときは、図15(a)に示すように、獲得枚数表示器28の十の位(以下、「上位桁」ともいう)の7セグメント表示器には「=」が表示され、一の位(以下、「下位桁」ともいう)の7セグメント表示器には押し順番号が表示される。ここで、押し順番号0〜9はの表示態様は数字の0〜9になっているが、押し順番号10の表示態様は「A」、押し順番号11の表示態様は「b」、押し順番号12の表示態様は「C」、押し順番号13の表示態様は「E」になっている。また、後述する副制御手段200へ送信され、副制御手段200は受信した押し順番号に応じた押し順を報知する。
次に、上述した押し順番号が報知される当選役について説明する。図15(a)に示すように、例えば押し順番号1に対応付けられた当選役は再遊技−C,I,Oおよび入賞−Bであり、これらの当選役が決定された場合は、押し順番号1対応する左→中→右の押し順が報知される。これにより、例えば再遊技−Cは非RT、RT1またはRT5のときに当選役に決定される可能性があるが(図4参照)、RT1に滞在中に再遊技−Cが当選役に決定され、押し順番号1に対応する押し順が報知されたとする。このとき、遊技者が報知に従って左→中→右の押し順でストップスイッチを操作すると、再遊技05に対応する図柄組合せが揃うため(図10(a)参照)、RT状態はRT1からRT2へ移行する(図13参照)。また、入賞−Bが当選役に決定されときに押し順番号1に対応する押し順でストップスイッチが操作された場合は入賞01(払出枚数9枚)に対応する図柄組合せが揃う(図11参照)。
このように、各押し順番号には、その押し順でストップスイッチが操作されると、より有利なRT状態へ移行できる図柄組合せが揃うか、より多くのメダルが払い出される図柄組合せが揃うこととなる当選役が対応付けられている。当選役によっては対応付けられた押し順番号と異なる押し順番号を決定し、決定した押し順番号に対応する押し順を報知してもよい。例えば、再遊技−Cが当選役に決定されたときに押し順番号6を決定し、押し順番号6に対応する押し順(右→中→左)を報知してもよい。このとき、遊技者が報知に従って右→中→左の押し順でストップスイッチを操作すると再遊技01に対応する図柄組合せが揃う(図10(a)参照)。
なお、図13に示したように、RT状態がRT2〜4のときに特定図柄01〜03(入賞−P,Q,Rを取りこぼすと表示される可能性がある図柄組合せ)のいずれかが揃うとRT1へ移行してしまうため、図15(a)では、入賞−P〜Rについては、図11に示す取りこぼしが生じない押し順(すなわち、入賞−Pについては左第1停止操作、入賞−Qについては中第1停止操作、入賞−Rについては右第1停止操作)の押し順番号に対応付けられている。しかしながら、RT状態が非RTのときは特定図柄01〜03が揃うとRT1へ移行するため、非RTに滞在しているときに入賞−P,Q,Rが当選役に決定されたときは、特別図柄01〜03のいずれかが表示される可能性がある押し順に対応した押し順番号を副制御手段200に送信するようにしてもよい。
また、当選役によっては報知したくない押し順番号を決定し、副制御手段200に送信することで、副制御手段200は、受信した押し順番号に対応する以外の押し順を報知してもよい。この場合は、副制御手段200により報知される押し順と、後述する獲得枚数表示器28に表示される押し順番号が食い違ってしまうため、押し順フラグがオンであっても、獲得枚数表示器28に決定された押し順番号を表示しないことが好ましい。もちろん獲得枚数表示器28に決定された押し順番号を表示してもよい。また、例えば、押し順によって遊技者に付与される特典(ボーナスゲームまたは再遊技の開始や、RT状態の移行や、メダル払出枚数など)に変化が生じない当選役が決定されたときは、報知する押し順を副制御手段200において決定させてもよい。この場合は、主制御手段100は、押し順不明に対応する押し順番号0を決定して副制御手段200に送信し、副制御手段200において報知する押し順を決定し、決定した押し順を報知することとなる。
また、第1停止操作のストップスイッチが正しいストップスイッチであった場合は、第2停止操作のストップスイッチがいずれのストップスイッチであっても、遊技者に付与される特典に変化が生じない当選役(例えば入賞−H〜J)が決定された場合は、報知する押し順の一部を副制御手段200において決定してもよい。この場合、主制御手段100は、第1停止操作のストップスイッチを示す押し順番号を決定して副制御手段200に送信し、副制御手段200において第2停止操作のストップスイッチをいずれのストップスイッチにするか決定し、副制御手段200は、受信した押し順番号に対応する第1停止操作のストップスイッチと、副制御手段200において決定した第2停止操作のストップスイッチ(第2および第3停止操作のストップスイッチであってもよい)とを報知することとなる。このように、当選役によっては報知する押し順を決定する処理を副制御手段200で行うことで、主制御手段100による処理の負担を軽減することができる。
前述したように、上述した押し順番号に対応する押し順は副制御手段200のみならず、主制御手段100によって獲得枚数表示器28に表示される。図15(a)に示した例は、押し順番号の表示態様として、獲得枚数表示器28の上位桁に表示内容が押し順番号であることを示す「=」を表示していたが、これに限らず他の表示態様(例えば「−」)であってもよい。他の情報を表示するようにしてもよい。また、獲得枚数表示器28の上位桁に押し順番号を表示するようにし、下位桁には無表示であることを示してもよい。ここで、無表示の態様としては、7セグメント表示器の全セグメント消灯させる、または「0」を表示することなどが考えられる。
また、獲得枚数表示器28の上位桁に、押し順番号を表示していることを示す情報以外の情報を表示してもよい。例えば、図15(b)のように、獲得枚数表示器28の下位桁に押し順番号(0〜9,A,b,C,E)を表示し、上位桁に、当選役が再遊技役か入賞役かの種別を表示するようにしてもよい。例えば、2桁目の7セグメント表示器において、再遊技役が当選したときはセグメントCを点灯し、入賞役が当選したときは消灯するようにしてもよい。図15(b)の例では、網掛け部分が点灯している状態を示しており、再遊技役が当選し、かつ、押し順番号が2であることを表示している。
なお、獲得枚数表示器28では、エラーを報知する場合もある。そこで、遊技者やホール関係者がエラーを報知しているのか、または、操作順序を報知しているのかを識別可能とするため、例えば2桁目の7セグメント表示器には、エラーのときにしか表示されない識別情報と、操作順序を報知しているときにしか表示されない識別情報とで区分することが好ましい。例えば、エラーのときには、2桁目の7セグメント表示器は「E」、「C」、「H」、「F」が表示される場合があるが、操作順序を報知するときには「0」〜「9」の数字情報や、エラー時には表示されない「A」、「B」、「=」のような表示態様となることが好ましい。
本実施形態では、メダルの投入(ベットスイッチ34,35の操作による場合も含む)に応じて獲得枚数表示器28の表示を消灯(すなわち、すべてのセグメントが消灯した状態)し、スタートスイッチ36の操作に応じて押し順番号が決定されると、その押し順番号を表示し、押し順番号が決定されなかった場合は、消灯状態または所定の表示(例えば「0」)を維持する。そして、全リールが停止して入賞役が入賞した場合は、表示を一旦消灯させてから、払出枚数を表示する。
さらに、獲得枚数表示器28を用いて押し順番号と払出枚数とを表示する場合、メダルの投入(ベットスイッチ34,35の操作による場合も含む)に応じて“00”を表示し、スタートスイッチ36の操作に応じて押し順番号が決定されると、その押し順番号を表示し、全リールが停止して入賞役が入賞した場合は、表示を一旦“00”に戻してから、払出枚数を表示するようにしてもよい。この場合、再びメダルが投入されたときに獲得枚数表示器28の表示を“00”することが好ましい。これに対して、入賞役が入賞しなかった場合は、全リールが停止した時点で獲得枚数表示器28の表示を“00”に戻して、次の遊技で押し順番号が決定されるまではその状態を維持するようにしてもよい。
なお、上述した2つの例では、払出枚数を表示する前に、押し順番号の表示から一旦消灯、または“00”を表示していたが、押し順番号の表示から直接払出枚数の表示に変更してもよい。また、図10および図11に示したように、当選番号が解れば有利な遊技結果が得られる押し順が判明するため、押し順番号の代わりに当選番号を表示するようにしてもよい。
次に、図15(c)は、押し順番号を表示する専用の表示器として、4つのLEDランプLED1〜LED4を、例えばフロントパネル20に別途設けた場合における押し順番号の表示態様(点灯パターン)を示している。この図では、網掛け部分がLEDの点灯状態を示している。ここで、消灯状態を「0」、点灯状態を「1」に置き換えてみると、LED1〜LED4の点灯パターンは、押し順番号を2進法の数値で表したものとなる。なお、押し順番号が0〜7までしかない場合は、ベット数表示ランプ26a,26b,26cを用いて、図15(c)と同様に、押し順番号を2進法の数値で表してもよい。
図15(d)は、1つの7セグメント表示器を用いて7ビットの数値(0〜127)を表示する場合の例を示している。この図に示すように、セグメントa〜gを押し順番号の表示データのBit0〜6に対応させ、各セグメントを点灯または消灯させることで、二進法で表した7桁の数字(すなわち0〜127の数値範囲内)で押し順番号を表示する。この場合、たとえば押し順番号9を表示する場合は、セグメントaおよびdを点灯させる。また、図10および図11に示したように、当選番号が解れば有利な遊技結果が得られる押し順が判明するため、押し順番号の代わりに当選番号を表示するようにしてもよい。例えば、当選番号28を表示する場合は、セグメントc,d,eを点灯させる。さらに、押し順番号と当選番号を表示可能とする場合は、表示内容が押し順番号であればセグメントgを点灯し、当選番号であれば消灯するようにして、セグメントa〜fにより2進法で6ビットの数値を表示するようにしてもよい。
次に、図16に示すタイミングチャートを参照して、主制御手段100による押し順番号の表示タイミングと、副制御手段200による押し順番号に基づく押し順報知のタイミングとについて説明する。主制御手段100で決定された押し順番号は、後述する制御コマンドによって副制御手段200へ送信される。本実施形態では、図16(a)に示すように、まず、スタートスイッチ36の操作に応じて当選役が決定され、決定された当選役に応じた押し順番号が獲得枚数表示器28に表示される。そして押し順番号コマンド(制御コマンドの一種)によって副制御手段200に押し順番号が送信され、副制御手段200は、受信した押し順番号に対応する押し順を画像表示装置70に表示する。
本実施形態では、押し順番号コマンドが送信された後に、決定された当選役に応じた入賞・再遊技に基づくコマンド(詳しくは後述する)と、役物当選番号コマンドとが、副制御手段200に送信され、副制御手段200は、役物当選番号コマンドに基づく処理において、先に受信した押し順番号に対応する押し順を画像表示装置70に表示する。このようにすることで、副制御手段200は、いずれかのコマンドが送信される度に、そのコマンドに基づく処理をする必要がなくなり、副制御手段200における処理の負担も軽減することができる。なお、副制御手段200は、押し順番号コマンドに基づく処理を別途行い、押し順番号コマンドに基づく処理において、押し順番号に対応する押し順を画像表示装置70に表示するようにしてもよい。
そして、画像表示装置70に表示された押し順は、第3停止操作が行われたタイミングで非表示となるが、獲得枚数表示器28に表示された押し順番号は維持され、全てのリールが停止した後に非表示となる。なお、獲得枚数表示器28に表示された押し順番号は、非表示になるまで表示内容が変化することはないが、画像表示装置70に表示される押し順の表示態様は、たとえば遊技者によって停止操作されるごとに表示内容を変化させてもよい。
また、後述するように、画像表示装置70に表示された押し順は、表示された押し順とは異なる押し順で停止操作が行われると非表示となるが、獲得枚数表示器28に表示された押し順番号は維持され、全てのリールの回転が停止した後に非表示となる。なお、獲得枚数表示器28に表示された押し順番号も、表示された押し順とは異なる押し順で停止操作が行われると非表示としてもよい。ただし、この場合は、画像表示装置70にのみ押し順が表示されているという状況をなくすため、画像表示装置70に表示された押し順が非表示となった後に、獲得枚数表示器28に表示された押し順番号を非表示にすることが好ましいが、画像表示装置70に表示された押し順と獲得枚数表示器28に表示された押し順番号を同時に非表示にしてもよいし、獲得枚数表示器28に表示された押し順番号を先に非表示にしてもよい。
図16(a)に示す押し順番号および押し順の表示タイミングは一例に過ぎず、例えば図16(b)〜(d)のいずれかのタイミングで表示するようにしてもよい。図16(b)に示すタイミングでは、スタートスイッチ36の操作に応じて当選役が決定され、決定された当選役に対応する押し順番号が副制御手段200に送信される。そして、獲得枚数表示器28に押し順番号が表示され、その後、副制御手段200によって、受信した押し順番号に対応する押し順が画像表示装置70に表示される。副制御手段200は、押し順番号コマンドに基づく処理において画像表示装置70に押し順を表示してもよいし、押し順番号コマンドの後に送信される役物当選番号コマンドに基づく処理において画像表示装置70に押し順を表示してもよい。また、第3停止操作が行われたタイミングで画像表示装置70に表示された押し順が非表示となり、さらに、全リールが停止したタイミングで獲得枚数表示器28に表示された押し順番号が非表示となる。
なお、本実施形態とは異なり、制御コマンドの送信処理および獲得枚数表示器28の表示制御処理をタイマ割込処理によって行う場合、例えば、押し順番号が送信されたタイマ割込処理において、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示する処理を行うようにして、画像表示装置70に押し順が表示されるよりも早く、獲得枚数表示器28に押し順番号が表示されるようにしてもよい。具体的には、タイマ割込処理は、獲得枚数表示器28等を含むLED点灯制御を実行した後に、副制御手段200に押し順番号等を含むコマンドを送信する制御を実行するという処理順序に構成してもよい。
次に図16(c)に示すタイミングでは、主制御手段100は押し順番号の他に、表示完了コマンドを副制御手段は200に送信し、副制御手段200は、表示完了コマンドの受信によって押し順番号に基づく押し順を表示する。まず、スタートスイッチ36の操作に応じて当選役が決定され、決定された当選役に対応する押し順番号が副制御手段200に送信される。そして、獲得枚数表示器28に押し順番号が表示されると、副制御手段200に対して表示完了コマンドが送信され、これにより、副制御手段200は、表示完了コマンドに基づく処理において先に受信していた押し順番号に対応する押し順を画像表示装置70に表示する。そして、第3停止操作が行われたタイミングで画像表示装置70に表示された押し順が非表示となり、その後、全リールが停止したタイミングで獲得枚数表示器28に表示された押し順番号が非表示となる。
図16(a)〜(c)に示した例では、主制御手段100によって獲得枚数表示器28に押し順番号を表示した後、副制御手段200によって画像表示装置70に押し順が報知される。これにより、例えば主制御手段100から副制御手段100に送られた押し順番号の内容が何等かの原因によって本来の押し順番号と異なってしまい、誤った押し順が報知されてしまったとしても、遊技者は獲得枚数表示器28に表示された押し順番号に基づいてストップスイッチを操作することで、有利な遊技結果が得られることとなり、不利益を被ることがない。
次に図16(d)に示すタイミングは、上述した図16(a)〜(c)の場合と異なり、押し順番号が獲得枚数表示器28に表示される前に、画像表示装置70に押し順が表示される場合を示している。まず、スタートスイッチ36の操作に応じて当選役が決定され、決定された当選役に対応する押し順番号が副制御手段200に送信される。そして、副制御手段200は、獲得枚数表示器28に押し順番号が表示されるよりも前に押し順番号に応じた押し順を画像表示装置70に表示する。副制御手段200は、押し順番号コマンドに基づく処理において画像表示装置70に押し順を表示してもよいし、押し順番号コマンドの後に送信される役物当選番号コマンドに基づく処理において画像表示装置70に押し順を表示してもよい。
これに対して、主制御手段100は、画像表示装置70に押し順が表示された後に、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示する。例えば、押し順番号コマンドを送信してから所定時間(画像表示装置70に押し順が表示されるまでの時間)が経過したことをもって、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示する。そして、第3停止操作が行われたタイミングで画像表示装置70に表示された押し順が非表示となり、その後、全リールが停止したタイミングで獲得枚数表示器28に表示された押し順番号が非表示となる。
(入賞判定手段の説明)
図3に戻り、入賞判定手段150は、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図6〜図9に示した図柄組合せのいずれかに対応するか否かを判定する。これにより、ボーナス役が入賞したと判定された場合は、次の遊技からボーナスゲームが開始され、再遊技役が入賞したと判定された場合は、次の遊技で再遊技が行われ、小役が入賞した場合は、入賞した小役に対応する枚数のメダルが払い出される。なお、メダルの払い出しは、クレジット枚数の上限値(例えば50枚)に達するまで、現在のクレジット枚数に、入賞した小役に対応するメダル枚数を加算することによって行い、クレジット枚数の上限値(例えば50枚)に達した後は、図1に示したメダル払出口60からメダルを排出するようにしてもよい。
(異常検出手段の説明)
異常検出手段160は、遊技中にスロットマシン10で発生し得る異常な状態や遊技の進行の障害となる事態を検出し、検出した異常または障害(以下、まとめて「エラー」ともいう。)に対応するエラーコードを、獲得枚数表示器28に表示するとともに、後述する副制御手段200へ送信する。図17に、異常検出手段160によって検出されるエラーの種類を示す。この図において、電断復帰エラー(エラーコード:E1)は、スロットマシン10の電源をONしたときに、RWMの内容が正常でない(例えば、電源遮断時のRWMの内容と、電源投入時のRWMの内容とが一致しない(パリティチェックエラー))ときに検出されるエラーである。
設定値エラー(エラーコード:E2)は、RWMに記憶されている設定値が所定範囲外(1〜6以外)の値になっていたときに検出されるエラーである。乱数エラー(エラーコード:E3)は、主制御手段100内の乱数生成手段に供給される乱数生成用クロック(RCK)の周波数の値が、CPUに供給されるシステムクロック(SCLK)の周波数の半分未満の値になると検出されるエラーである。メダル投入エラー(エラーコード:C0)は、前述したメダルセンサからのメダル検出信号に基づいて、メダル投入口32から投入されたメダルが異常通過したと判断されたときに検出されるエラーである。メダル滞留エラー(エラーコード:C1)は、投入されたメダルが前述したメダルセンサによって所定時間を超えて検出され続けたときに検出されるエラーである。
エンプティエラー(エラーコード:CA)は、メダル払出装置のバケットに貯留されているメダルが無くなったときに検出されるエラーである。ドア開放エラー(エラーコード:Cb)は、スロットマシンの前面扉が開放されているときに検出されるエラーである。払い出しエラー(エラーコード:H0)は、図3に示した払出センサ47から異常な検知信号が出力されたときに検出されるエラーである。メダル詰まりエラー(エラーコード:HP)は、払出センサ47から所定時間を超えて検出信号が出力されたときに検出されるエラーである。メダル満杯エラー(エラーコード:FE)は、スロットマシン10内に設けられたメダル補助収納庫(メダル払出装置のバケットから溢れたメダルを収容する箱)に所定量のメダルが収容されると検出されるエラーである。
上述したエラーのうち、電源復帰エラーは、スロットマシン10の電源投入時に検出され得るエラーであり、それらのエラー以外のエラーは、遊技中に検出され得るエラーである。また、各エラーが検出されると、主制御手段スロットマシン10は、遊技の続行が不可能な状態(以下、「遊技不可状態」ともいう。)に制御されるが、遊技不可状態から遊技を再開する方法(復帰方法)は、エラーの種類に応じて異なっている。
まず、メダル投入エラー、メダル滞留エラー、エンプティエラー、ドア開放エラー、払い出しエラー、メダル詰まりエラーまたはメダル満杯エラーが発生したことによって遊技不可能状態になった場合は、エラー要因が解消され、リセット/設定スイッチ93(図3参照)を操作することによって遊技の制御処理が再開することができる。これにより、上述した各エラーはリセット/設定スイッチ93の操作によって遊技を復帰させることができるため、復帰可能エラーと称する。復帰可能エラーの発生後に再開される遊技では、エラーが発生したときの遊技状態が維持されている。なお、遊技に復帰する前に遊技不可状態となった原因を解消しておかないと、復帰後に直ちに同じエラーが検出されて、再び遊技不可状態になってしまう。
ここで、遊技状態には、例えばRT状態(非RT、RT1〜6のいずれか)、メインモードの状態(メインモード1〜4のいずれか)、各種フラグの状態(例えば後述する遊技進行メイン処理(図27)で参照される各種フラグの状態)、各種ゲーム数(例えば、チャンスゾーンゲーム数、AT前兆ゲーム数、ATゲーム数など)、ボーナスゲーム中のメダル払出枚数の値などが含まれる。
これに対して、電断復帰エラー、設定値エラーまたは乱数エラーが発生した場合は、一旦スロットマシン10の電源をオフにして、電源の再投入時にRWMの所定記憶領域をクリアするための所定の操作を行う必要がある。すなわち、これらのエラーはリセット/設定スイッチ93の操作によって遊技に復帰することができないため、復帰不可能エラーと称する。ここで、電断復帰エラーは、電源投入直後(後述する遊技進行メイン処理が開始される前)に検出され得るエラーであるが、設定値エラーおよび乱数エラーは、遊技中に検出され得るエラーである。設定値エラーは、乱数エラーのようにタイマ割込処理ごとに検出されるように構成されていても良いし、所定のタイミング(例えば、役抽選処理を実行するタイミングや、AT抽選を実行するタイミング)で検出するように構成されていても良い。
復帰不可能エラーが発生した時は、復帰時にRWMの所定記憶領域がクリアされるため、当該記憶領域に記憶されていた遊技状態に関する情報は維持されず、初期状態(例えば、非RTかつメインモード1(非AT))から遊技が再開されることになる。ただし、例えばAT中に乱数エラーが発生したときに、非RTおよびメインモード1の状態から遊技を再開させるのは遊技者に酷である。したがって、復帰後にATを再開するのに必要な情報については、RWMクリアの対象外になっている記憶領域に記憶しておき、復帰時にその記憶領域に記憶されていた情報に基づいて、AT中の状態から遊技を再開させてもよい。
前述したように、エラーが検出されると、検出されたエラーに対応するエラーコードが後述するLED表示制御手段170によって獲得枚数表示器28に表示される。また、復帰可能エラーが検出された場合は、そのエラーに対応するエラーコードが、後述する制御コマンド送信手段180によって、副制御手段200へ送信される。さらに、リール回転中に復帰可能エラーが検出された場合は、ストップスイッチ27L,27C,27Rの操作に応じて全てのリールが停止したときに、スロットマシン10が遊技不可状態にされる。これに対して、リール回転中に乱数エラー(復帰不可能エラー)が検出された場合は、検出後に最初に実行されるタイマ割込処理(後述する)によってスロットマシン10が遊技不可状態にされる。
(LED表示制御手段の説明)
LED表示制御手段170は、図1(b)に示した清算表示LED22、再遊技表示LED23、投入可能表示LED24、遊技開始表示LED25、クレジット数表示器27、獲得枚数表示器28、および、図3に示した設定値表示器81の表示制御を行う。ここで、クレジット数表示器27、獲得枚数表示器28および設定値表示器81を構成する7セグメント表示器の表示制御を行う際に、LED表示制御手段170が参照するLEDセグメントテーブルAの内容を図18(a)に示す。
LEDセグメントテーブルAは、主制御手段100に含まれるROMに記憶されている情報であり、7セグメント表示器を構成している各セグメントa〜g(図18(a)の[セグメント]を参照)のいずれを点灯させるのかを示すデータであり、換言すると、予め7セグメント表示器の表示態様を定めているデータともいえる。以下、このデータをセグメントデータという。また、図18(a)の[セグメント]に示した符号a〜gは、クレジット数表示27、獲得枚数表示器28および設定値表示器81を構成する7セグメント表示器の各セグメントに共通するものとする。
図18(a)に示すLEDセグメントテーブルAのセグメントデータは16個あり、各セグメントデータはROMのアドレス1211H〜1220Hに記憶されている。これらセグメントデータは1バイトのデータであり、当該データを2進法で表したときの各ビットD0〜D6は、7セグメント表示器の各セグメントa〜gに対応している。すなわち、最下位ビットD0はセグメントaに対応し、その上位ビットD1はセグメントbに対応し、以下、ビットD2〜D6は、それぞれセグメントc〜gに対応している。そして、各ビットの値が「0」のときは対応するセグメントが消灯し、「1」のときは点灯させることを示している。ただし、「1」をハイレベルの信号(例えば+5V(ボルト))で表すか、ローレベルの信号(例えば接地電位)で表すか(換言すると、アクティブハイとするか、アクティブローとするか)については、適宜定めればよい。
なお、最上位ビットD7は7セグメント表示器の点灯制御には使用されないため、アドレス1211H〜1220Hに記憶された各セグメントデータの最上位ビットD0の値はすべて「0」になっている。
例えば、ROMのアドレス1211Hに記憶されているセグメントデータ3FHを2進法で表すと「00111111」となるので、セグメントa〜fが点灯し、セグメントgが消灯することを示している。したがって、表示態様は「0」となる。同様に、ROMのアドレス1212H〜121AHには、それぞれ数字の「1」〜「9」の表示態様となるセグメントデータが記憶されている。また、アドレス121BH〜121DHには、それぞれアルファベットの「A」、「b」、「C」、「E」の表示態様となるセグメントデータが記憶されている。さらに、アドレス121EHには記号の「=」の表示態様となるセグメントデータが記憶され、アドレス121FHには全てのセグメントが消灯するセグメントデータが記憶されている。
LED表示制御手段170は、LEDセグメントテーブルから取得するセグメントデータをオフセット値によって管理している。このオフセット値は、LEDセグメントテーブルAの先頭アドレス(1211H)を基準にしたときのアドレス値を示している。すなわち、オフセット値が「0」であれば、1211H+0H=1211Hのセグメントデータ(3FH)を取得し、オフセット値が「B」であれば、1211H+BH=121CHのセグメントデータ(77H)を取得することになる。
次に、LEDセグメントテーブルAから取得したセグメントデータを用いて、各表示LEDおよび7セグメント表示器の点灯制御を行うかについて、図19〜図22を参照して説明する。図19は主制御基板上に配置された、主制御手段100のメインCPU80と、出力ポート0、1、4と、設定表示器81との間の配線を示す配線図である。また、図20は、出力ポート0、1、4の各ピンアサイメントを説明するための説明図である。図21は、出力ポート0、1、4から出力された各種信号が入力される表示基板82と、各表示LEDおよび7セグメント表示器との間の配線を示す配線図である。図22は、各7セグメント表示器に入力されるデータのビットと、7セグメント表示器の各セグメントおよび各表示LEDとの対応を説明するための説明図である。
図19に示す主制御基板の配線図において、メインCPU80は3つのチップセレクト信号出力端子XCS1〜XCS3と、8ビットのデータ出力端子D0〜D7とを有している。出力ポート0、1,4は、それぞれクロック入力端子CK、入力端子D0〜D7および出力端子D0〜D7を備え、クロック入力端子CKへ入力された信号がオン(ハイレベル)からオフ(ローレベル)に変化したときに、入力端子D0〜D7の入力信号を保持し、出力端子D0〜D7から出力する。なお、クロック入力端子CKへ入力された信号がオフ(ローレベル)からオン(ハイレベル)に変化したときに、入力端子D0〜D7の入力信号を保持し、出力端子D0〜D7から出力しても良い。
そして、チップセレクト信号出力端子XCS1は出力ポート0のクロック入力端子CKと、チップセレクト信号出力端子XCS2は出力ポート1のクロック入力端子CKと、チップセレクト信号出力端子XCS3は出力ポート4のクロック入力端子CKと、それぞれ接続されている。また、CPU80のデータ出力端子D0〜D7は、出力ポート0,1,4の各データ入力端子D0〜D7に接続されている。ただし、出力ポート0のビットD5〜D7および出力ポート4のビットD4は未使用(NC)であるため、これらのデータ入力端子はグランドに接続されている。
そして、出力ポート0のデータ出力端子D0〜D4は、図21に示す表示基板82の入力コネクタCNの3番ピン〜7番ピンに接続されている。また、出力ポート1のデータ出力端子D0〜D7は、各々対応する駆動回路を介して上述した入力コネクタCNの8番ピン〜15番ピンに接続されている。さらに、出力ポート4のデータ出力端子D5〜D7は、各々対応する駆動回路を介して上述した入力コネクタCNの16番ピン〜18番ピンに接続されている。なお、出力ポート4のデータ出力端子D0〜D3は、中ステッピングモータ42Cの各相(φ0〜φ3)に接続されているが、詳しい図示は省略する。
出力ポート1のデータ出力端子D0〜D7は、各々対応する駆動回路に含まれるpnp型トランジスタのベースに接続されている。そして、出力ポート1と接続されている各駆動回路に含まれるトランジスタのエミッタには+5Vの電圧が印加されており、コレクタは表示基板82の入力コネクタCNに接続される。各駆動回路のpnp型トランジスタは、対応する出力ポートの出力端子から各トランジスタのベースにローレベルの信号が供給されると、オン状態になってエミッタからコレクタへ電流が流れ、接続先にハイレベルの電圧が印加される。
出力ポート4のデータ出力端子D0〜D7は、各々対応する駆動回路に含まれるnpn型トランジスタのベースに接続されている。また、出力ポート4と接続されている各駆動回路に含まれるトランジスタのエミッタは表示基板82の入力コネクタCNに接続され、コレクタはグランドに接続されている。そして、各駆動回路のnpn型トランジスタは、対応する出力ポートの出力端子から各トランジスタのベースにハイレベルの信号が供給されると、オン状態になってコレクタからエミッタへ電流が流れることが可能となり、コレクタ側がローレベルになる。
上述したように、駆動回路のpnp型トランジスタは、ベースにローレベルの信号が供給されるとオン状態になり、npn型トランジスタは、ベースにハイレベルの信号が供給されるとオン状態になる。したがって、出力ポートへ出力するデータをアクティブハイ(正論理)にするか、アクティブロー(負論理)にするかは、トランジスタの種類に応じて適宜定めればよい。
さらに、出力ポート1の出力端子D0〜D6は、駆動回路を介して設定値表示器81のセグメントa〜gに接続されている。より詳しくは、セグメントa〜gに対応するLEDのアノードに接続されている。一方、セグメントa〜gに対応する各LEDのカソードは出力ポート0の出力端子D4に接続されている。
なお、主制御基板上には、他の信号を出力する出力ポート2,3,5,6も設けられているが、図19に示す配線図では、7セグメント表示器および表示LEDに関する信号を出力する出力ポート0,1,4のみを図示している。
次に、図20を参照して出力ポート0,1,4から出力される信号の内容について説明する。まず、出力ポート0の出力端子D0〜D4からは、表示制御を行う7セグメント表示器および表示LED(これらをまとめて「デジット」という)を指定するLEDデジット信号が出力される。本実施形態においては、デジット1〜5が定められており、図22に示すように、デジット1はクレジット数表示器27の上位桁の7セグメント表示器および遊技開始表示LED25が該当し、デジット2はクレジット数表示器27の下位桁の7セグメント表示器が該当する。また、デジット3は獲得枚数表示器28の上位桁の7セグメント表示器および投入可能表示LED24が該当し、デジット4は獲得枚数表示器28の下位桁の7セグメント表示器および再遊技表示LED23が該当する。また、デジット5は設定値表示器81および清算表示LED22が該当する。これにより、LEDデジット信号はLEDデジット1〜5(DG1〜5)の5つの信号があり、各信号名称の末尾に記された数字と、デジットの番号(1〜5)とを対応させている。
次に、出力ポート1の出力端子D0〜D6からは、LEDデジット信号によって指定された7セグメント表示器の各セグメントに対するオン/オフ信号(LEDセグメントa〜g:SGa〜g)が出力される。また、出力ポート1の出力端子D7からはLEDデジット信号によって指定された表示LED(図22参照)のオン/オフ信号(LEDセグメントp:SGp)が出力される。
さらに、出力ポート4の出力端子D0〜D3からは、中ステッピングモータ42Cの各相に対する励磁/非励磁信号(中ステッピングモータφ0〜φ3:Mφ0〜Mφ3)が出力される。また、出力ポート4の出力端子D5〜D7からは、1枚投入表示LED26a、2枚投入表示LED26bおよび3枚投入表示LED26cのオン/オフ信号(1〜3枚投入表示:IN1〜IN3)が出力される。
次に、図21に示す表示基板と各表示LEDおよび7セグメント表示器の配線図において、表示基板82の入力コネクタCNの1番および2番ピンには+5V(ボルト)が供給され、1〜3枚投入表示LED26a〜26cの各アノードに接続されている。また、入力コネクタCNの3番ピン(入力信号DG1)は、デジット1の7セグメント表示器(クレジット数表示器27の上位桁)に含まれる各LEDおよび遊技開始表示LED25のカソードに接続されている。また、入力コネクタCNの4番ピン(入力信号DG2)は、デジット2の7セグメント表示器(クレジット数表示器27の下位桁)に含まれる各LEDのカソードに接続されている。
また、入力コネクタCNの5番ピン(入力信号DG3)は、デジット3の7セグメント表示器(獲得枚数表示器27の上位桁)に含まれる各LEDおよび投入可能表示LED24のカソードに接続されている。入力コネクタCNの6番ピン(入力信号DG4)は、デジット4の7セグメント表示器(クレジット数表示器27の下位桁)に含まれる各LEDおよび再遊技表示LED23のカソードに接続されている。入力コネクタCNの7番ピン(入力信号DG5)は、清算表示LED22のカソードに接続されている。
次に、入力コネクタCNの8番〜14番ピン(入力信号SGa〜SGg)は、デジット1〜4の7セグメント表示器に含まれる各セグメントa〜gに対応するLEDのアノードに接続されている。例えば、入力コネクタCNの8番(入力信号SGa)は、デジット1〜4の各7セグメント表示器においてセグメントaに対応するLEDのアノードに接続される。入力コネクタCNの15番ピン(入力信号SGp)は、清算表示LED22、再遊技表示LED23、投入可能表示LED24および遊技開始表示LED25の各アノードに接続されている。さらに、入力コネクタCNの16番〜18番ピン(入力信号IN1〜IN3)は、それぞれ、1枚投入表示LED26a、2枚投入表示LED26bおよび3枚投入表示LED26cのアノードに接続されている。
LED表示制御手段170は、図19および図21に示した配線図において、後述するタイマ割込処理を行う毎に、デジット1→デジット2→デジット3→デジット4→デジット5→デジット1→……というように、点灯する7セグメント表示器および表示LEDを循環的に切り替えることで、いわゆるダイナミック点灯制御を行っている。ここで、デジット1〜5のうち、対応するLEDデジット1〜5信号のうち、ローレベル(例えば接地電位)になっているLEDデジット信号に対応するデジットが点灯可能な状態となる。そして、点灯可能状態のデジットに対応する7セグメント表示器および表示LEDにおいて、出力ポート1の出力端子D0〜D7からローレベルの信号が供給されたセグメントおよび表示LEDが点灯する。
図22に示すように、LED表示制御手段170は、デジット1に関する表示を行うときは、現在貯留しているメダル枚数の十の位の値が、クレジット数表示器27の上位桁に表示されるような信号を、出力ポート1の出力端子D0〜D6から出力する。ここで、クレジット数が10枚未満だった場合は、0を表示してもよいし、全セグメントを消灯させてもよい。また、デジット2に関する表示を行うときは、現在貯留しているメダル枚数の一の位の値が、クレジット数表示器27の下位桁に表示されるような信号を、出力ポート1の出力端子D0〜D6から出力する。
また、デジット3に関する表示を行うときは、入賞役が入賞したときに、払い出すメダル枚数の十の位の値が、獲得枚数表示器28の上位桁に表示されるような信号を、出力ポート1の出力端子D0〜D6から出力する。ここで、メダル払出枚数が10枚未満だった場合は、0を表示してもよいし、全セグメントを消灯させてもよい。また、デジット4に関する表示を行うときは、入賞役が入賞したときに、払い出すメダル枚数の一の位の値が、獲得枚数表示器28の下位桁に表示されるような信号を、出力ポート1の出力端子D0〜D6から出力する。なお、役抽選によって小役が当選した場合に、当選した小役が入賞できなかったとき(取りこぼしたとき)には「0」を表示し、役抽選でハズレの場合には、非表示としても良い。これにより、遊技者は小役を取りこぼしたのか、または、役抽選の結果がハズレだったのかを識別することが可能となる。さらに、デジット5に関する表示を行うときは、現在の設定値の値が、設定値表示器81に表示されるような信号を、出力ポート1の出力端子D0〜D6から出力する。
なお、LED表示制御手段170は、デジット1に関する表示を行うときは、出力ポートの出力端子D7から遊技開始表示LED25の点灯または消灯させる信号を出力し、デジット3に関する表示を行うときは、出力ポートの出力端子D7から投入可能表示LED24の点灯または消灯させる信号を出力し、デジット4に関する表示を行うときは、出力ポートの出力端子D7から再遊技表示LED23の点灯または消灯させる信号を出力し、デジット5に関する表示を行うときは、出力ポートの出力端子D7から清算表示LED22の点灯または消灯させる信号を出力する。
例えば、デジット1の7セグメント表示器(クレジット数表示器27の上位桁)および表示LED(遊技開始表示LED25)の表示制御を行う場合は、出力ポート0の出力端子D0からローレベルの信号を出力し、出力端子D1〜D4からハイレベル(例えば+5V)の信号を出力させる。また、出力ポート1の出力端子D0〜D6からは、現在のクレジット数の十の位の値に対応する表示態様(0〜5のいずれか)を示すセグメントデータ(図18(a)参照)に基づく信号を出力させる。例えば十の位の値が「2」であれば、出力ポート1の出力端子D0,D1,D3,D4,D6からローレベルの信号を出力し、出力端子D2,D5からハイレベルの信号を出力する。
これにより、LEDセグメント信号SGa,SGb,SGd,SGe,SGgがハイレベル(+5V)となり、デジット1〜5の各7セグメント表示器におけるセグメントa,b,d,e,gのLEDのアノードに+5Vが印加される。ただし、デジット2〜5の7セグメント表示器のカソードにはハイレベルの信号が出力されているため、セグメントa,b,d,e,gのLEDに電流が流れず、全てのセグメントは消灯状態となる。これに対して、デジット1の7セグメント表示器のカソードはローレベルになっているため、セグメントa,b,d,e,gの各LEDに電流が流れて、数字の「2」が点灯する。
また、このとき、LEDデジット1信号DG1のみがローレベルになっているため、遊技開始表示LED25のカソードがローレベルとなり、LEDセグメントg信号SGpのレベル(ハイ/ロー)に応じて点灯または消灯する。
さらにLED表示制御手段170は、獲得枚数表示器28について、メダル払出枚数の他に、図15に示した押し順番号および前述した異常検出手段160によって検出した異常に対応するエラーコードも表示する。ここで、クレジット数、払出枚数、押し順番号およびエラーコードを表示する場合は、いずれも図18(a)に示したLEDセグメントテーブルAのセグメントデータを使用する。そして、図17に示した各種エラーのエラーコードを図18(a)に示すLEDセグメントテーブルAを参照して獲得枚数表示器28に表示する場合、電断復帰エラー(エラーコード:E1)、設定値エラー(エラーコード:E2)、乱数エラー(エラーコード:E3)、メダル投入エラー(エラーコード:C0)、メダル滞留エラー(エラーコード:C1)、エンプティエラー(エラーコード:CA)、および、ドア開放エラー(エラーコード:Cb)について表示する(図17の「テーブルA」欄参照)。
これに対して、払い出しエラー(エラーコード:H0)、メダル詰まりエラー(エラーコード:HP)およびメダル満杯エラー(エラーコード:FE)は、エラーコードに対応する表示態様のセグメントデータがLEDセグメントテーブルAに含まれているため、これらのエラーコードは獲得枚数表示器28に表示できない。ただし、図17に示したエラーが検出された場合は、そのエラーコード(獲得枚数表示器28に表示されないエラーも含む)が副制御手段200へ送信され、画像表示装置70やスピーカ64L,64Rなどにより、検出されたエラーに対応する報知を行う。
なお、LEDセグメントテーブルAの代わりに、図18(b)に示すLEDセグメントテーブルBを使用してもよい。図18(b)に示すLEDセグメントテーブルBは、LEDセグメントテーブルAと同様の第1テーブルと、ROMのアドレス1311H〜1320Hに記憶された16種類のセグメントデータからなる第2テーブルとで構成される。この第2テーブルのセグメントデータは、「0」〜「3」の数字および「F」、「P」、「A」、「b」、「C」、「H」、「E」のアルファベットを示す表示態様になっている。
これにより、第2テーブルに基づいて獲得枚数表示器28にエラーコードを表示する場合は、LEDセグメントテーブルAでは表示できなかった払い出しエラー、メダル詰まりエラーおよびメダル満杯エラーについても、そのエラーコードを獲得枚数表示器28に表示することができる(図17の「テーブルB」欄参照)。すなわち、エラーコード表示用のLEDセグメントテーブルを用いることにより、7セグメント表示器に表示することができる表示態様を増やすことができるため、発生したエラーの種類を認識しやすい表示態様でエラーコードを表示することができる。
なお、図18(b)に示すLEDセグメントテーブルBでは、押し順番号・クレジット数・払出枚数を表示するための第1テーブルと、エラーコードを表示するための第2テーブルとに分けていたが、例えばエラーコード表示用および押し順番号表示用のLEDセグメントテーブル(第3テーブル)と、払出枚数およびクレジット数表示用のLEDセグメントテーブル(第4テーブル)とに分けてもよい。この場合、第3テーブルには、押し順番号を表示するときのみに表示される表示態様のセグメントデータを含めておくとよい
次に、LED表示制御手段170が、図19および図21に示した各7セグメント表示器および表示LEDの点灯制御を行う際に、主制御手段100のRWMから取得するデータおよびそのデータが記憶されているアドレスについて、図23を参照して説明する。なお、本実施形態に用いられているRAMは、各アドレスに1バイトのデータを格納することができる。また、図23に示すアドレスの値は全て16進法の数で表記しており、16進法の4桁の数値でアドレスを表す場合は、末尾に付与する「H」の文字を省略する。
図23において、RWMのアドレスF016には、LED表示カウンタの値が記憶されている。LED表示要求カウンタは、8ビットからなる1バイトデータであり、前述したデジット1〜5のうち、どのデジットの表示を行うかを指定する。ビットD0〜D7のうち、ビットD0はデジット1に対応し、ビットD1はデジット2に対応し、ビットD2はデジット3に対応し、ビットD3はデジット4に対応し、ビットD4はデジット5に対応する。なお、以下の記載で2進数の値を示すときは、その値の末尾に「B」を付す。LED表示要求カウンタの値は初期値が10H(00010000B)であり、後述するタイマ割込処理が行われる毎に、08H(00001000B)→08H(00001000B)→04H(00000100B)→02H(00000010B)→01H(00000001B)→00H(00000000B)と値が変化する。
そして、LED表示要求カウンタの値が00000001Bのときに、次の割込み時には、00000000Bとなるが、更新後に00Hになったときは、その割込み時に再度、初期値である00010000Bに設定される。これにより、いずれのデジットも指定されない状態となるのを避けることができる。なお、全ビットが「0」になった次の割込み時に、初期値である「00010000」に設定しても良い。
このように、タイマ割込処理ごとに、「1」となる桁が1つずつ右にシフトする(シフト命令を実行する)ようにLED表示要求カウンタの値が更新されることで、表示するデジットの指定が、デジット5→デジット4→デジット3→デジット2→デジット1→デジット5→……と、循環的に遷移する。また、LED表示要求カウンタの値によって情報を表示させる7セグメント表示器(デジット)が指定されることから、LED表示要求カウンタおよびLED表示要求カウンタの値を更新する処理が、表示器指定手段に相当するものであるといえる。
次に、アドレスF017には、LED表示要求フラグの値が記憶されている。LED表示要求フラグは、点灯可能なデジットを示すフラグであり、8ビット(D0〜D7)からなる1バイトデータとして記憶される。たとえばデジット1および2(クレジット数表示器27の上位桁および下位桁が表示可能であるときは、D0およびD1ビットが「1」となり、他のデジットが表示不可でれば、他のビットは「0」となる。したがって、この場合のLED表示要求フラグの値は、00000011Bとなる。
また、LED表示要求フラグの値は、通常中(遊技中および遊技待機中)は、デジット5がオフ、デジット1〜4がオン(00001111B)となり、設定変更中は、デジット5がオン、デジット1〜4がオフ(00010000B)となる。そして、LED表示制御手段170は、LED表示要求フラグの値と、前述したLED表示要求カウンタの値とをAND演算した結果、「1」であるデジットを、当該タイマ割込処理時の点灯対象とする。
次に、アドレスF018には、獲得枚数表示器28の表示データが記憶される。具体的には、デジット3(上位桁)および4(下位桁)の表示データが記憶され、各桁の表示態様を指定するデータとして、図18(a)に示すオフセット値が記憶される。なお、この表示データは、負論理(アクティブロー)のデータとするか、正論理(アクティブハイ)のデータとするかは、適宜定めればよい。本実施形態では、出力ポート1の出力端子D0〜D7からローの信号が出力されると、対応するセグメントが点灯する(図19および図21参照)。
そして、獲得枚数表示器28に払出枚数を表示するときは、払い出すメダル枚数に応じて00H〜09H(上位桁を消灯させる場合はF0H〜F9H)のいずれかが記憶される。また、何も表示しないとき(全セグメント消灯)はFFHの値が記憶される。また、押し順番号を表示する場合は、表示する押し順番号に応じてE0H〜EDHのいずれかの値が記憶される。ここで、押し順番号を表すデータとしては、上位4ビットのデータを上位桁に表示する表示態様に対応するオフセット値とし、下位4ビットのデータを下位桁に表示する表示態様に対応するオフセット値としてもよい。
また、これとは別に、所定の定数(例えば10H)で除算して求まった商の値を、上位桁に表示する表示態様に対応するオフセット値とし、その余りの値を、下位桁に表示する表示態様に対応するオフセット値としてもよい。例えば、「=8」という押し順番号を表示する場合、アドレスF018にはE8Hを記憶する。これにより、E8Hを10Hで除算すると商の値がEHとなるため、獲得枚数表示器28の上位桁には「=」が表示される。また、このときの余りの値は8Hとなるため、獲得枚数表示器28の下位桁には「8」が表示される。なお、上述した例では「所定の定数」を10Hとしたが、他の値を採用してもよい。
また、前述した異常検出手段160によって異常が検出された場合は、検出された異常に対応するエラーコードが記憶される。ここで、図18(a)に示したLEDセグメントテーブルAを使用する場合は、図17に示したように、電断復帰エラー(表示データ:D1H)、設定値エラー(表示データ:D2H)、乱数エラー(表示データ:D3H)、メダル投入エラー(表示データ:C0H)、メダル滞留エラー(表示データ:C1H)、エンプティエラー(表示データ:CAH)またはドア開放エラー(表示データ:CBH)のエラーコードに対応する表示データが記憶される。
また、図18(b)に示したLEDセグメントテーブルB(具体的には第2テーブル)を使用する場合は、上述したエラーに加え、払い出しエラー(表示データ:D0H)、メダル詰まりエラー(表示データ:D9H)またはメダル満杯エラー(表示データ:8EH)のエラーコードに対応する表示データも記憶される。
なお、スロットマシン10に復帰不可能エラーが生じた場合のエラーコード(番号)をLED表示するときには、LED表示要求フラグやLED表示要求カウンタを参照することはない。これに対し、復帰可能エラー(電源を一旦オフにすることなく、リセット/設定スイッチ93の操作により復帰可能なエラー)が生じた場合は、LED表示要求フラグの値と、LED表示要求カウンタの値とをAND演算した結果、「1」であるデジットが点灯対象となる。
また、押し順番号を獲得枚数表示器28に表示している遊技中(いずれかのリールが回転中)に復帰可能エラーが検出されたときは、押し順番号の表示を維持して、全てのリールが停止してから、検出された復帰可能エラーに対応するエラーコードを獲得枚数表示器28に表示するようにしてもよい。さらに、遊技中において、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示していないときに復帰可能エラーが発生したときは、全リールが停止する前に検出された復帰可能エラーに対応するエラーコードを獲得枚数表示器28に表示するようにしてもよい。
次に、アドレスF019には、クレジット数表示器27の表示データが記憶される。具体的には、デジット1(上位桁)および2(下位桁)の表示データとして、図18(a)に示すオフセット値が記憶される。なお、この表示データは、負論理(アクティブロー)のデータとするか、正論理(アクティブハイ)のデータとするかは、アドレスF018に記憶するデータに合わせればよい。アドレスF019に記憶される表示データは、表示する貯留枚数の値を示すオフセット値をBCD(Binary Coded Decimal)で記憶している。
すなわち、貯留枚数が0〜9枚だった場合は表示データが00H〜09H(上位桁を消灯させる場合はF0H〜F9H)となる。貯留枚数が10〜19枚だった場合は表示データが10H〜19Hとなる。貯留枚数が20〜29枚だった場合は、表示データが20H〜29Hとなる。貯留枚数が30〜39枚だった場合は、表示データが30H〜39Hとなる。貯留枚数が40〜49枚だった場合は表示データが40H〜49Hとなる。そして、貯留枚数が50枚だった場合は表示データが50Hとなる。
なお、上述した例では、貯留枚数が0枚だった場合はクレジット数表示器27の下位桁に「0」を表示するようにしていたが、上位桁および下位桁を消灯させてもよい。この場合、アドレスF019に記憶される表示データはFFHとなる。
次に、アドレスF01Aには、表示する押し順番号の値が2進数の値で記憶される。したがって、このアドレスに記憶されるデータの数値範囲は、00H〜0DHとなる。前述したアドレスF018に記憶される押し順番号の表示データは、このアドレスに記憶された押し順番号に基づいて生成される。
次に、アドレスF01Bには、ビットD0〜D7の各ビットにおいて、各表示LEDのオン/オフ状態やスロットマシン10の状態が記憶される。ただし、ビットD1およびD5は未使用である。まず、ビットD0には、スタートスイッチ36の操作が許可されているか禁止されているかが記憶される。ここで、「0」であれば禁止(遊技開始表示LED25が消灯)、「1」であれば許可(遊技開始表示LED25が消灯)を示している。ビットD2には、メダルセレクタのブロッカのオン/オフ状態が記憶され、「0」であればメダル投入不可(投入可能表示LED24が消灯)、「1」であればメダル投入可能(投入可能表示LED24が点灯)を示している。
また、ビットD3には再遊技表示LED23の点灯/消灯状態が記憶され、「0」であれば再遊技表示LED23が消灯、「1」であれば点灯することを示している。ビットD4には、清算表示LED22の点灯/消灯状態が記憶され、「0」であれば清算表示LED22が消灯、「1」であれば点灯することを示している。ビットD6には、設定値を変更することができる状態か否かを示す値が記憶され、「0」であれば変更可能、「1」であれば変更ができない状態であることを示している。ビットD7には、遊技を行うために投入されたメダル枚数が前述した規定数(通常の遊技(ボーナスゲーム以外の遊技)中は3枚)に達した(限界に達した)か否かを示す値が記憶され、「0」であれば限界に達していないことを、「1」であれば限界に達したことを示している。
なお、出力ポート1の出力端子D7の信号は、当該アドレスに記憶されているデータのビットD0,D2,D3,D4の値に基づいて生成される。
上述したように、LED表示制御手段170は、RWMに記憶された各種データに基づいてデジット1〜5の各7セグメント表示器および表示LEDの表示制御を行っている。なお、上述したLED表示要求フラグ(アドレス:F017)のデータに基づいて、各デジットについて表示するか否かが決定されていたが、例えば通常中は、デジット5に関する表示データをFFHとし、設定変更中は、デジット1〜4に関する表示データをFFHとすることで、LED表示要求フラグを参照せず(すなわち、LED表示要求フラグを省略して)、LED表示カウンタの値によって指定されたデジットの表示を行うようにしてもよい。
(制御コマンド送信手段の説明)
制御コマンド送信手段180は、主制御手段100の各部で決定された遊技に関する各種情報を副制御手段200へ送信する。主制御手段100と副制御手段200との間でやり取りされる情報は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。主制御手段100から副制御手段200への情報は、シリアル通信によって制御コマンドという形態で送信される。制御コマンドは、送信する情報の種別を示す第1制御コマンド(1バイト)と、送信する情報の内容を示す第2制御コマンド(1バイト)とで構成されている。なお、シリアル通信に限らず、パラレル通信(例えば16本のハーネス)によって制御コマンドを送信しても良い。
ここで、図24および図25に、主制御手段100から副制御手段200へ送信される制御コマンドのうち主要なものを示す。これらの図に示すように、第1および第2制御コマンドは16進法の数(16進数)で表されており、その他に、各コマンドの名称、コマンドが送信されるタイミング、コマンドを受信したときに副制御手段200で行われる処理の概要を示している。また、備考欄には主に第2制御コマンドとして送信される情報の内容を示している。なお、第2制御コマンドの値として「##」と表記しているものは、備考欄の記載内容に応じて定まる数値が代入される。ただし、備考欄の記載内容に応じて定まる数値が一桁だった場合は、その上位の桁には「0」が代入される。また、各制御コマンドを表す16進法の4桁の数値には、末尾に付与する「H」の文字を省略する。
まず、図24において、「設定変更装置作動開始」コマンド(8038)は、スロットマシン10の前面扉とスロットマシン10の内部に設けられた設定ドアとが開放された状態で、設定キーがオンにされたまま、スロットマシン10の電源がオンされたときに送信される。副制御手段200はこの制御コマンドを受信すると、副制御手段200の初期化処理を開始し、その後、設定の変更操作が行われていること等を、図1に示した画像表示装置70や音声によって報知する。なお、上述した設定変更の条件を満たさないで電源を立ち上げたときは、電源を遮断する際に現在の押し順フラグ(後述する)の状態およびRT状態を不揮発性メモリ(記憶手段とも称する)に保存しておき、保存されている押し順フラグの状態およびRT状態に復帰するようにしている。これにより、押し順を獲得表示枚数LEDで報知している際に電源断が発生した場合でも、電源復帰時には押し順を獲得表示枚数LEDで報知が実行可能となり、押し順遊技の途中から遊技を実行することができる。なお、主制御手段100および副制御手段200が有するRWMを不揮発性メモリにして、上述した不揮発性メモリの役割(いわゆるデータのバックアップ)を兼ね備えるようにしても良い。
ここで、「設定変更装置作動開始」コマンド(8038)の送信処理について詳細に説明する。遊技進行メイン処理で、設定変更の条件を満たした場合には、主制御手段100の所定範囲のRWMを初期化した後に割込みを起動し、「設定変更装置作動開始」コマンドを送信するための送信処理を行う。その後、遊技進行メイン処理(図27)は待機処理を実行する。本実施形態では、待機処理の時間として割込み回数「224」がRWM、又はレジスタ等の記憶手段に記憶される。そして割込処理が実行される毎に割込み回数を更新し、割込み回数が「224」となるまで待機処理が実行される。
この処理は、主制御手段100のRWMの初期化は、例えばアドレス「F000(H)」〜「F111(H)」の512バイトが初期化されるのに対し、副制御手段200のRWMのクリア範囲は、例えばアドレス「000000(H)」〜「800000(H)」の約12〜13ギガバイトであることに起因する。具体的には、副制御手段200が未だ初期化処理中のときに主制100御手段側では初期化を既に終了した後にさらに処理が進んで設定変更が完了し、遊技が進行してしまうなどして、主制御手段100の制御処理の進行と副制御手段200の制御処理の進行とが同期しなくなることを防止するためである。すなわち、主制御手段100において上述した待機処理が終了するまでの間に、副制御手段200に「設定変更装置作動開始」コマンドを送信し、当該コマンドを受信したことに基づいて初期化を完了することができる。
「設定変更装置作動終了」コマンド(8001〜8006)は、遊技場の係員などによってセットされた設定値の値(1〜6のいずれか)を副制御手段200へ送信する制御コマンドであり、下2桁の第2制御コマンド部分の数値がセットされた設定値の値を示している。この制御コマンドは、上述した係員などによってリセット/設定スイッチ93の操作により設定値が選択され、スタートスイッチ36の操作(設定値を確定する操作)が行なわれた後に設定変更キースイッチ92がオンからオフ(設定キー信号の立下りともいう)になったときに送信される。このコマンドを受信した副制御手段200は、遊技の待機状態になっていることを報知する。
なお、設定値を変更した際には、押し順フラグの状態をオフにクリアする一方で、RT状態は現状を維持するようにしてもよい。これは、設定値の変更は、遊技場の営業時間外に行われることが多く、本実施形態のように非RTからRT1への移行条件が容易ではない(すなわち、入賞−P〜Rの当選確率は高確率でもなく、特定図柄01〜03が表示されるには、押し順だけでなくいわゆる目押しも必要である)場合、仮に設定変更時にRT状態を非RTに初期化してしまうと、営業時間内において遊技者に有利とはいえない非RTで相当数のゲーム数を経ないとRT1へ移行できない可能性があるためである。他方、押し順フラグの状態をオフにクリアすれば、押し順の報知が行われなくなるため、設定変更前のRT状態(例えば、RT2〜RT4)を維持しても容易にRT1へ移行させることができる。すなわち、再遊技−I〜Tの当選確率が高確率であり、操作タイミングにかかわらず押し順のみで再遊技02または再遊技04が表示されるため、容易にRT1へ移行することになる。
また、本実形態とは異なるRT状態、例えば、非RTと、非RTにおいてBB01が当選役に決定され、BB01に対応する図柄組合せが揃わないと移行する第1のRT状態(ボーナスの内部中)、非RTおよび第1のRT状態においてBB01に対応する図柄組合せが揃うと移行する第2のRT状態のみを備える場合であり、基本的にボーナスの内部中(第1のRT状態)において遊技し、ボーナスの内部中になると再遊技役の合成当選確率が著しく上昇するタイプのスロットマシンの場合は、設定変更時にRT状態を非RTに初期化してしまうと、再遊技役が当選しにくくなったことにより、ボーナス役が入賞しやすくなってしまう。このため、設定変更時は、非RTに初期化することなく、設定変更前のRT状態を維持することが望ましい。設定値を変更しない場合には、リセット/設定スイッチ93の操作を行わず、スタートスイッチ36が操作された後の設定キー信号の立下りで送信することもできる。
図3に示した異常検出手段160によって何らかの異常が検出されると、制御コマンド送信手段180は、第1制御コマンドの値が81Hであり、第2制御コマンドの値が検出された異常の種類に応じた各種エラー表示開始コマンドを送信する。すなわち、電断復帰エラーが検出された場合は「電断復帰エラー表示開始」コマンド(8101)を、設定値エラーが検出された場合は「設定値エラー表示開始」コマンド(8102)を、乱数エラーが検出された場合は「乱数エラー表示開始」コマンド(8103)を、メダル投入エラーが検出された場合は「メダル投入エラー表示開始」コマンド(8104)を、それぞれ送信する。
また、メダル滞留エラーが検出された場合は「メダル滞留エラー表示開始」コマンド(8105)を、エンプティエラーが検出された場合は「エンプティエラー表示開始」コマンド(8106)を、ドア開放エラーが検出された場合は「ドア開放エラー表示開始」コマンド(8107)を、払い出しエラーが検出された場合は「払い出しエラー表示開始」コマンド(8108)を、それぞれ送信する。
さらに、メダル詰まりエラーが検出された場合は「メダル詰まりエラー表示開始」コマンド(8109)を、メダル満杯エラーが検出された場合は「メダル満杯エラー表示開始」コマンド(810A)を、それぞれ送信する。なお、図17に示した各種エラーのうち、異常検出手段160によって復帰可能エラーが検出され場合において、リセット/設定スイッチ93が操作された時は、「エラー復帰」コマンド(8100)を、副制御手段200へ送信する。
「設定値指定」コマンド(8201〜8206)、「作動状態」コマンド(8401/8402/8404/8406)および「RT状態」コマンド(8500/8501)は、遊技が行われるごとに送信される制御コマンドである。「設定値指定」コマンドの第2制御コマンドはセットされている「設定値」の値であり、「作動状態」コマンドの第2制御コマンドは、これから行われる遊技が再遊技またはボーナスゲームのどちらであるかを示す情報である。「RT状態」コマンドの第2制御コマンドは、現在のRT状態が、非RTまたはRT1〜6のいずれであるかを示す情報である。
「清算開始」コマンド(8F02)は清算スイッチ33が操作されると送信され、「清算終了」コマンド(8F03)はクレジットされていたメダルを全て払い出し終わると送信される。これにより、副制御手段200は、受信した制御コマンドに応じてメダルの払出開始音または払出終了音を発生する。「貯留投入枚数(1枚)」〜「貯留投入枚数(3枚)」コマンド(9001〜9003)および「メダル投入(1枚)」コマンド(9071)は、メダルがベットされたときに、その枚数に応じて送信される制御コマンドである。ここで、「貯留投入枚数(1枚)」〜「貯留投入枚数(3枚)」コマンドはベットスイッチ34または35が操作されたことを契機に、「メダル投入(1枚)」コマンドは、メダル投入口32にメダルが投入されたことを契機として送信される。これにより、副制御手段200は受信した制御コマンドによって示される枚数分のメダル投入音を発生する。
次に図25において、「リール回転開始受付」コマンド(9300〜9303)、「フリーズ番号」コマンド(9400〜9402)、「押し順番号」コマンド(9500〜950D)、「メインモード番号」コマンド(9601〜9404)、「ATフラグ」コマンド(9700/9701)、「押し順フラグ」コマンド(B000/B001)、「上乗せゲーム数」コマンド(B1##)、「演出グループ番号」コマンド(B200〜B227)および「役物当選番号」コマンド(B300/B301)は、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたことを契機に送信される。
「リール回転開始受付」コマンドは、第2制御コマンドによって遊技に投入されたメダル枚数(遊技者によって設定された賭数)が副制御手段200へ送信される。副制御手段200は、例えば後述するAT遊技中に遊技者が獲得したメダルの合計枚数を表示している場合は、当該合計枚数から遊技に投入されたメダルの枚数を減算するなどの処理を行う。「フリーズ番号」コマンドは、第2制御コマンドによってフリーズ演出を行うか否か、およびフリーズを行う場合は、フリーズ演出AおよびBのいずれを実行するのかを副制御手段200へ送信する。具体的にはフリーズ演出を行わない場合は第2制御コマンドの値が「0」となり、フリーズ演出Aを実行する場合は第2制御コマンドの値が「1」となり、フリーズ演出Bを実行する場合は第2制御コマンドの値が「2」となる。
ここで、フリーズ演出AとBは、フリーズ状態におけるリール40L,40C,40Rの動き(回転態様)が異なっている。また、副制御手段200は、フリーズ演出が行われる場合、画像表示装置70やスピーカ64L,64Rを制御して、フリーズ演出の種類に応じた演出を実行する。
「押し順番号」コマンドは、第2制御コマンドによって、図15に示した押し順番号を副制御手段200へ送信する。これにより、副制御手段200は、後述する押し順フラグがオンになっている場合、受信した押し順番号に対応する押し順を画像表示装置70に表示する画像や音声によって遊技者に報知する。ただし、副制御手段200は、押し順番号0(不明)を受信した場合は、副制御手段200で押し順を決定する場合(後述する)を除いて押し順を報知しない。このように、「押し順番号」コマンドによって、当選役決定手段110によって決定された当選役から独立して押し順に関する情報を副制御手段200へ送信しているため、同じ当選役であっても、必要に応じて異なる押し順を副制御手段200によって報知することができる。
「メインモード番号」コマンドは、第2制御コマンドによって、現在のメインモード(図14参照)を副制御手段200へ送信する。これにより、副制御手段200は各メインモードに応じた演出を制御する。
「ATフラグ」コマンドは、第2制御コマンドによって、ATフラグがオンかオフかを副制御手段200へ送信する。ATフラグは、いわばメインの遊技状態が報知遊技状態(AT)か非報知遊技状態(非AT)かを副制御手段200に認識させるための情報であるともいえる。これにより、副制御手段200は、ATフラグがオンであれば、AT遊技中の演出やAT遊技の残りゲーム数の更新などを行う。ここでいう「ATフラグ」は、主制御手段100において、AT遊技中であるか否かを示すフラグであり、ATフラグがオンに更新されるとAT遊技の開始とされ、ATフラグがオンのときは、基本的にAT遊技の残りゲーム数の更新などが行われる。
「押し順フラグ」コマンドは、第2制御コマンドによって、押し順フラグがオンかオフかを副制御手段200へ送信する。これにより、副制御手段200は、押し順フラグがオンであれば、「押し順番号」コマンドによって受信した押し順番号に応じた押し順を報知する。ここでいう「押し順フラグ」は、主制御手段100において、押し順の報知を行うか否かを示すフラグであり、押し順フラグがオンであるときは、基本的に主制御手段100は、獲得枚数表示器28に決定された押し順番号を表示する。基本的に、メインモード4に移行すると押し順フラグはオンとなり、メインモード4が終了すると押し順フラグはオフとなる。ただし、メインモード4以外のメインモードに滞在中であっても、押し順フラグがオンになる場合があり、この場合は、当該遊技が終了すると押し順フラグがオフにされる。
ここで、「ATフラグ」と「押し順フラグ」はほぼ同じ役割を果たすことから、「押し順フラグ」を備えずに「ATフラグ」のみで制御することも可能である。よって、「押し順フラグ」を「ATフラグ」と読み替えても支障はない。具体的には、「押し順フラグ」がオンとなっている遊技はAT遊技であり、「押し順フラグ」がオフとなっている遊技は非AT遊技である。
「上乗せゲーム数」コマンドは、第2制御コマンドによって、AT遊技の上乗せ数を副制御手段200へ送信する。これにより、副制御手段200は、ATフラグがオンになっているとき(すなわちAT遊技中)に、1以上の数値を受信すると、現在のAT遊技の残りゲーム数に、受信した値を加算する。そして、副制御手段200は、「役物当選番号」コマンドに基づく処理において、加算後のAT遊技の残りゲーム数と加算前のAT遊技の残りゲーム数との差数を画像表示装置70に表示する上乗せ演出を行う。また、副制御手段200は、1以上の数値を受信すると、受信した数値を記憶しておき、「役物当選番号」コマンドに基づく処理において、受信した数値に応じた上乗せ演出を行った後に、現在のAT遊技の残りゲーム数に、受信した値を加算するようにしてもよい。
「演出グループ番号」コマンドは、図3に示した当選役決定手段110によって当選役に再遊技役または入賞役のいずれかが決定されると、決定された当選役に対応する当選番号の値が第2制御コマンドとして送信される。後述するマスク処理が行われる場合は、マスク処理後のマスク番号の値が第2制御コマンドとして送信される。また「役物当選番号」コマンドは、当選役決定手段110によって当選役にボーナス役が決定されると、第2制御コマンドの値が「0」から「1」となり、この値はボーナス役が入賞するまで維持され、毎遊技、副制御手段200に送信される。そしてボーナス役が入賞して、ボーナスゲームが開始されると第2制御コマンドの値が「1」から「0」になる。
なお、RT状態が非RT、RT1〜4のいずれかのときにいずれの当選役も決定されなかった場合は、「演出グループ番号」コマンドおよび「役物当選番号」コマンドの第2制御コマンドの値が共に「0」となる。また、ボーナス役が当選すると、RT状態はRT5となり、「役物当選番号」コマンドの第2制御コマンドの値は「1」となる。そして、ボーナス役が入賞するまでは、「役物当選番号」コマンドの第2制御コマンドの値は「1」になったまま、「演出グループ番号」コマンドの第2制御コマンドの値が、当該遊技で決定された当選役に基づいて決定された値になる。これにより、副制御手段200は、少なくとも「押し順番号」コマンド、「演出グループ番号」コマンドおよび「役物当選番号」コマンドの第2制御コマンドに基づいて、決定された当選役に応じた演出を行うことができる。また、「役物当選番号」コマンドは、スタートスイッチ36が操作されたことを副制御手段200へ伝達するという役割も兼ねている。副制御手段200では、「役物当選番号」コマンドに基づいて、スタートスイッチが操作されたときの処理(例えば、受信した押し順番号に応じた押し順の報知を開始する処理)を行う。
また、「押し順番号」コマンド、「メインモード番号」コマンド、「ATフラグ」コマンド、「押し順フラグ」コマンド、および「上乗せゲーム数」コマンドの送信順序は適宜定めればよいが、これらのコマンドは「演出グループ番号」コマンドおよび「役物当選番号」コマンドよりも先に副制御手段200へ送信されることが望ましい。「押し順番号」コマンドは、押し順番号が獲得枚数表示器28に表示された後に送信されることが望ましく、「演出グループ番号」コマンドおよび「役物当選番号」コマンドは、リールが定速回転に到達すると、ストップスイッチの操作が受け付け可能な状態になるため、副制御手段200において、リールが定速回転に到達する前に、押し順番号に応じた押し順の報知を開始させるためには、リールが定速回転に到達する前までに副制御手段200へ送信されることが望ましい。本実施形態では、「演出グループ番号」コマンドがおよび「役物当選番号」コマンド、リールが定速回転に到達する前に副制御手段200へ確実に送信されるように、リールの回転が開始する前に副制御手段200へ送信するようにしている。なお、「押し順番号」コマンド、「演出グループ番号」コマンドおよび「役物当選番号」コマンドを、スタートレバーの操作を契機として連続して送信するように構成しても良い。
また、押し順番号と、ATフラグおよび押し順フラグの少なくとも一方のオン/オフ状態とを、1つの第2制御コマンドにまとめて送信するようにしてもよい。例えば、押し順不明および6通りの押し順に対応する押し順番号と、ATフラグとを、1つの第2制御コマンドにまとめる場合、ATフラグがオフのときの押し順不明を押し順番号0に定め、ATフラグがオフのときの左→中→右の押し順を押し順番号1に定める、というようにATフラグがオフのときの押し順不明および6通りの押し順を押し順番号0〜6に定め、次いでATフラグがオンのときの押し順不明および6通りの押し順を押し順番号7〜13に定めることによって、ATフラグとを、1つの第2制御コマンドにまとめることができる。
同様の方法により、6通りの押し順に対応する押し順番号と、押し順フラグとを、1つの第2制御コマンドにまとめる場合、押し順フラグがオフのときの押し順は常に不明となるため、これを押し順番号0に定め、押し順フラグがオンのときの左→右→中の押し順を押し順番号1に定める、というように押し順フラグがオンのときの6通りの押し順を押し順番号1〜6に定めることによって、押し順フラグとを、1つの第2制御コマンドにまとめることができる。
また、例えば、「押し順番号」コマンドにおける第2制御コマンドの最上位ビットをATフラグまたは押し順フラグのオン/オフ状態を表すビットとして使用し、下位7ビットを押し順番号を表すビットとして使用してもよい。さらに、最上位ビットをATフラグ、その1つ下位のビットを押し順フラグのオン/オフ状態を表すビットとして使用し、下位6ビットを押し順番号を表すビットとして使用してもよい。なお、この場合、ATフラグおよび押し順フラグのいずれを最上位ビットにするかは、適宜定めればよい。
「左リール回転停止」コマンド(987E)、「中リール回転停止」コマンド(997E)および「右リール回転停止」コマンド(9A87E)は、それぞれ対応するリールの停止制御を行うときに、副制御手段200へ送信される。これにより副制御手段200は、リールの背面に設けられたバックランプの消灯やいわゆるテンパイ音などを発生するなどして、入賞の期待感を高める演出を行う。
「リール回転開始待機」コマンド(9B00)は、前回の遊技でリールの回転が開始してから4.1秒(最小遊技時間)が経過した時に副制御手段200へ送信される。これにより副制御手段200は、ウエイト期間中に発生していた演出用の音声(ウエイト音)を停止させる。
「左リール停止受付」コマンド(9E00〜9E77)は、左ストップスイッチ37Lが操作されたことを契機に副制御手段200へ送信され、第2制御コマンドとして、中段Mに停止させられる図柄番号(停止図柄番号:0〜19(16進法では0H〜13H))に「6」を乗じた値に滑りコマ数(0〜5)を加算した値が送信される。これにより副制御手段200において、受信した第2制御コマンドの値を「6」で割った値が停止図柄番号となり、その余りが滑りコマ数となる。また、停止図柄番号から滑りコマ数を引いた値は、ストップスイッチが操作されたときに中段Mを通過している図柄番号(以下、「停止操作受付図柄番号」ともいう。)となる。
例えば、左リールの停止操作受付番号が「18」であって停止図柄番号が「1」であった場合、滑りコマ数は、1(停止図柄番号)−18(停止操作受付図柄番号)+20(補正値:1リール当たりの図柄数)=3(コマ)となる。これにより、第2制御コマンドの値は1×6+3=9となるから、この場合における「左リール停止受付」コマンドは9E09となる。また、副制御手段200は、当該コマンドを受信したこと契機に、出力していた演出の切り換えや停止操作受付音を出力する。「左リール回転開始」コマンド(9E7F)は、左リール40Lが回転を開始するときに送信され、これにより副制御手段200は、リール回転開始時の演出音などを発生することができる。
なお、中リール40Cおよび右リール40Rについても左リール40Lと同様に、「中リール停止受付」コマンド(9F00〜9F77)および「中リール回転開始」コマンド(9F7F)、並びに「右リール停止受付」コマンド(A000〜A077)および「右リール回転開始」コマンド(A07F)が副制御手段200へ送信される。
「表示種類」コマンド(A400〜A402)および「図柄組合せ表示」コマンド(A500/A501)は、全リールの回転が停止したことを契機に副制御手段200へ送信される。「表示種類」コマンドは、第2制御コマンドの値によって入賞ライン上に停止表示された図柄組合せの種類を副制御手段200へ送信する。具体的には、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが特別図柄01〜03のいずれかであったときは01Hとなり、そうでなければ00Hとなる。
「図柄組合せ表示」コマンドは、第2制御コマンドの値によって入賞ライン上に停止表示された図柄組合せがボーナス役または再遊技役に対応しているか否かを副制御手段200へ送信する。具体的には、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せがBB01に対応していた場合は01H、再遊技01〜10のいずれかの図柄組合せに対応していたときは02H、それら以外の図柄組合せが表示された場合は00Hとなる。これにより副制御手段200は、全リールが停止したと判断でき、次遊技の演出抽選処理などを行うことができる。
「遊技メダル払出開始」コマンド(A600〜A609)は、入賞ラインL上に小役に対応する図柄組合せのいずれかが停止表示された場合に払い出されるメダル枚数を第2制御コマンドの値(00H〜09H)によって副制御手段200へ送信する。「遊技メダル払出終了」コマンド(A67F)は、入賞ラインL上に入賞役に対応する図柄組合せのいずれかが停止表示され、メダルの払い出しが完了したときに副制御手段200へ送信される。「遊技終了表示」コマンド(A900)は1回の遊技が終了したときに副制御手段200へ送信され、「BB終了」コマンド(A900)はボーナスゲームが終了したときに副制御手段200へ送信される。
なお、図10および図11に示したように、本実施形態においては、再遊技役および入賞役が当選した場合、ストップスイッチの押し順に応じて引込制御の対象となる図柄組合せが異なっており、当選役ごとに有利な遊技結果となる押し順(以下、「有利な押し順」ともいう。)が異なっている。ここで、「有利な遊技結果」とは、例えば、より再遊技役の合成当選確率が高くなるRT状態へ移行する図柄組合せが揃うことや、より多くのメダルが払い出されることとなる図柄組合せが揃うことをいう。このため、仮に役抽選の結果により当選した「入賞・再遊技当選番号」そのものを副制御手段200へコマンドとして送信した場合、当該コマンドが取得されてしまうと、その第2制御コマンドから有利な押し順が判断可能となり、不正に有利な遊技結果が得られてしまうことになる。なお、このような懸念は、特に非AT中に「入賞・再遊技当選番号」を副制御手段200へ送信する場合に生じるのであって、AT中に「入賞・再遊技当選番号」を「演出グループ番号」として副制御手段200へ送信することを除外するものではない。
そこで、制御コマンド送信手段180は、少なくとも押し順フラグがオフになっており、遊技者に対して押し順の報知を行わないときは、「演出グループ番号」コマンドの第2制御コマンドとして、決定された入賞・再遊技当選番号の代わりに別の番号に置き換え、置き換えた後の番号(以下、「マスク番号」または「マスク処理後の入賞・再遊技当選番号」という)を「演出グループ番号」コマンドの第2制御コマンドとして副制御手段200へ送信する。なお、マスク処理とは、決定された入賞・再遊技当選番号から押し順に関する情報を除くことで、決定された入賞・再遊技当選番号の種類の特定を困難にさせる処理のことをいい、本実施形態では、決定された入賞・再遊技当選番号を演出グループ番号(マスク番号またはグループ番号とも称する)に置き換える処理を「マスク処理」と称している。また、本実施形態では、押し順フラグがオンになっているときでも、常に(押し順フラグのオン/オフに関わらず)マスク処理を行うようにしても良いし、押し順当てゲームを行うときは、不正に有利な遊技結果が得られないようマスク処理を行うようにしても良い。
ここで、当選番号とマスク番号(演出グループ番号)との対応について図26(a)を参照して説明する。まず、抽選で再遊技−AまたはBが当選役に決定された場合、制御コマンド送信手段180は副制御手段200に送信する情報をマスク番号40(共通再遊技−A)に置き換える。すなわち、「演出グループ番号」コマンドの第2制御コマンドの値を40にする。また、再遊技−C〜Tのいずれかが当選役に決定された場合、制御コマンド送信手段180は副制御手段200に送信する情報をマスク番号41(共通再遊技−B)に置き換える。
次に、入賞−A〜J(9枚役が入賞する可能性がある入賞役)のいずれかが当選した場合は、制御コマンド送信手段160は副制御手段200に送信する情報をマスク番号42(共通−ベル)に置き換える。また、入賞−KまたはL(2枚役が入賞する可能性がある入賞役)のいずれかが当選した場合は、制御コマンド送信手段180は副制御手段200に送信する情報をマスク番号43(共通−スイカ)に置き換える。ここで、入賞−KまたはLは押し順に応じて引込制御の対象となる図柄組合せを変化させない。また、入賞した場合の払出枚数が規定数(3枚)よりも少ないため、上述したマスク処理を省略してもよい。
また、入賞−MまたはN(5枚役が入賞する可能性がある入賞役)のいずれかが当選した場合は、制御コマンド送信手段180は副制御手段200に送信する情報をマスク番号44(共通−チェリー)に置き換える。さらに入賞−P〜R(8枚役が入賞する可能性がある入賞役)のいずれかが当選した場合は、制御コマンド送信手段180は副制御手段200に送信する情報をマスク番号45(共通−8枚)に置き換える。
このように、複数の当選番号に対して共通のマスク番号(演出グループ番号)が副制御手段200へ送信されるため、仮に不正行為によってマスク番号(演出グループ番号)が取得されてしまっても、有利な押し順を特定することはできなくなる。また、副制御手段200はマスク番号40を受信した場合は、遊技者に対してより期待感が高まる演出(強演出)を行う。これに対して、マスク番号41を受信した場合は、遊技者に対して上述した強演出よりは期待感が低い演出(弱演出)を行う。同様に、副制御手段200は、マスク番号42〜45を受信したときにも、各マスク番号に応じた演出を実行する。
本実施形態では、入賞−Oや入賞−Sが当選した場合は、押し順フラグがオフになっていても、マスク処理を行わないようにしている。これは、例えば入賞−Oは押し順に応じて引込制御の対象となる図柄組合せを変化させない。また、入賞した場合の払出枚数が規定数(3枚)よりも少ないため、何らかの不正行為によって副制御手段200へ送信された「演出グループ番号」コマンドが取得されたとしても、損害が少ないからである。ただし、上述した通り、同様にマスク番号に変換し、変換した情報を「演出グル―プ番号」コマンドとして定めても良い。
図26(a)に示すように、当選番号をマスク番号に置き換える方法の他に、例えば、図26(b)に示すように、予め当選番号1〜38を実行する演出の内容や、メダル払出枚数などに基づいてグループ分けをして、各グループに固有の番号(グループ番号)を付与しておき、マスク処理として、当選番号の代わりにグループ番号を副制御手段200へ送信するようにしてもよい。なお、この場合においても、当選番号31、32または35が当選役に決定されたときに、このマスク処理を省略してもよい。
ところで、図26(b)に示すようなマスク処理を行う場合、当選番号と同じ値のグループ番号を受信が存在しているため、例えば副制御手段200が受信した「演出グループ番号」コマンドの第2制御コマンドの値が1〜7のいずれかであった場合、仮にAT中は「演出グループ番号」コマンドとして当選番号そのものを送信し、非AT中は「演出グループ番号」コマンドとしてマスク処理をしたグループ番号を送信する仕様のとき、どちらであるのか区別することができない。よって、「演出グループ番号」コマンドの第2制御コマンドを表す1バイト(8ビット)のデータのうち、特定のビット(例えば最上位ビット)に、当選番号を示す情報とグループ番号を示す情報とを区別するための情報を含めてもよい。例えば、第2制御コマンドの最上位ビットの値が「0」のときは、下位7ビットの値は当選番号を表しており、最上位ビットの値が「1」のときは、下位7ビットの値はグループ番号を表す、といったように定める。
また、当選番号とグループ番号とを区別する方法として、第1制御コマンドの値を当選番号とグループ番号とで異なる値にしてもよい。例えば、図26(b)に示すマスク処理を行う場合において、当選番号を送信する場合の第1制御コマンドをB2(16進法)、グループ番号を送信する場合の第1制御コマンドをB4(16進法)に定めておく。そして、例えば当選番号2をそのまま送信する場合は、B202という制御コマンド(下位1バイトの値は当選番号を表す。)を副制御手段200へ送信し、マスク処理を行ってグループ番号を送信する場合はB401という制御コマンド(下位1バイトの値はグループ番号を表す。)を副制御手段200へ送信する。
(外部信号送信手段の説明)
図3に戻り、外部信号送信手段190は、主制御手段100において所定周期(2.235ミリ秒)で実行されるタイマ割込処理(後述する)により外部集中端子基板84を介して、前述したIN信号、OUT信号、BB信号、異常発生信号、スタート信号およびAT信号を外部へ出力する。本実施形態では、ATフラグの状態がオフからオンに更新されたときに、AT信号オンを出力し、ATフラグの状態がオンからオフに更新されたときに、AT信号オフを出力するようにしている。これは、ATフラグの状態がオンであるときに、BB01が当選役に決定されても、ATフラグの状態がオフに更新されないためである。
なお、ATフラグの状態がオフからオンに更新されても、RT状態がRT4へ移行するまでは、AT信号オンを出力しないようにしてもよい。また、ATフラグの状態がオンであるときに、BB01が当選役に決定されると、ATフラグの状態がオフに更新されるような仕様の場合は、BB01が当選役に決定され、ATフラグの状態がオフに更新されても、AT信号オンの出力を維持してもよい。このような仕様の場合は、ボーナスゲームが終了すると、再びATフラグの状態がオンに更新されるためである。もちろん、ATフラグの状態がオフに更新されると、AT信号オフを出力するようにしてもよい。
≪副制御手段の説明≫
<副制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
副制御手段200は、CPU、ROM、RWM等を含んで構成され、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて、実行する演出を制御する副制御基板202と、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて、画像表示装置70、スピーカ64L,64Rおよび演出用ランプ72などの演出手段を駆動する画像制御基板204とを含んで構成されている。
<副制御基板の機能ブロック>
副制御基板202は、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出または報知の内容を決定し、決定した演出または報知を実行するためのサブ制御コマンドを生成する演出制御手段210と、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段220と、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを画像制御基板204へ送信するサブ制御コマンド送受信手段230とを含んで構成されている。
(演出制御手段の説明)
演出制御手段210は、遊技状態に応じて実行する演出を制御する手段であって、演出抽選手段212および演出状態制御手段214を含んで構成されている。上述した遊技状態には、当選役決定手段110によって決定された当選役の種類(演出グループの種類)、RT状態、メインモードおよびフリーズ番号の状態や、ATフラグおよび押し順フラグのオン/オフ状態などがある。
演出制御手段210は、主制御手段100から受信した制御コマンドと、現在の演出状態(後述する)とに応じた演出を抽選によって決定する演出抽選手段212と、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出状態の移行制御を行う演出状態制御手段214とを有している。ここで、演出状態制御手段214によって制御される演出状態は、大別すると非AT状態と、AT状態とがある。そして、非AT状態には、さらに通常状態、チャンスゾーン(以下、「CZ」ともいう。)状態、および、AT前兆状態が存在する。また、AT状態には、AT準備中、AT中、特化ゾーン準備中、および、特化ゾーン中が存在する。
(制御コマンド受信手段の説明)
制御コマンド受信手段220は、主制御手段100からシリアル通信で送信された制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に副制御手段200が有するコマンドバッファ(例えばRWMの記憶領域の一部)に蓄積していく。これにより、演出制御手段210は、コマンドバッファに蓄積されている制御コマンドのうち、最先に蓄積された制御コマンドに基づく処理を順次行っていく。
(サブ制御コマンド送信受手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段230は、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを、所定周期(例えば1ミリ秒)ごとにシリアル通信によって画像制御基板204に送信する。また、サブ制御コマンド送受信手段230は、後述するサブ制御コマンド送受信手段240から送信されたコマンドを受信する。
<画像制御基板の機能ブロック>
画像制御基板204は、サブ制御コマンド送受信手段240と、画像/サウンド出力手段240とを含み、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて画像表示装置70、スピーカ64L,64Rおよび演出用ランプ72を駆動制御し、演出制御手段210によって決定された演出を実行する。
(サブ制御コマンド送受信手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段240は、サブ制御コマンド送受信手段230からシリアル通信で送信されたサブ制御コマンドを受信し、受信したサブ制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に、サブコマンドバッファに蓄積していく。また、サブ制御コマンド送受信手段240は、画像制御基板240が正常に作動しているか否かを示すコマンドや、サブ制御コマンド送受信手段230から送信されたコマンドを正常に受信できたか否かを示すコマンドを、サブ制御コマンド送受信手段230に送信する。これにより、副制御基板202は、画像御基板204で発生した異常を検知することができ、画像御基板204がサブ制御コマンドの受信に失敗した場合は、そのサブ制御コマンドを再送することができる。
(画像/サウンド出力手段の説明)
画像/サウンド出力手段250は、画像制御基板204で生成された演出用の画像信号および音声信号を、画像表示装置70とスピーカ64L,64Rへ出力する。これにより、画像表示装置70には演出画像が表示され、スピーカ64L,64Rから音声が発生する。一方、画像表示装置70やスピーカ64L、64Rからは、正常に動作可能な状態であるか否かを示す正常動作信号が画像制御基板204(または副制御基板202)に対して出力される。正常動作信号が受信できない場合には、画像/音声信号を送ることなく保持してもよいし、遊技の進行に伴い破棄するようにしてもよい。
[制御手段による処理の説明]
≪主制御手段における制御処理の説明≫
まず、主制御手段100において実行され、遊技の進行を制御する遊技進行メイン処理の内容について、図27のフローチャートを参照しつつ説明する。図27に示す遊技進行メイン処理は、スロットマシン10の電源投入後に実行される各種チェック処理(設定値変更処理等も含まれる)が行われた後に実行されるものであり、遊技進行メイン処理を繰り返し実行することで遊技の制御を行うことができる。
<遊技進行メイン処理の説明>
遊技進行メイン処理が開始されると、主制御手段100は、遊技開始処理を行う(ステップS10)。この遊技開始処理では、副制御手段200に対して、設定値を示す情報(「設定値指定」コマンド)、次に行われる遊技が再遊技またはボーナスゲームであるか否か示す情報(「作動状態」コマンド)、RT状態を示す情報(「RT状態」コマンド)が送信される。また、メダルセレクタ内のブロッカ45(図3参照。)をオンにしてメダル流路を形成し、メダル投入口32からのメダル投入を有効にする。但し、次に行う遊技が再遊技の場合は、メダルの自動投入処理(例えばベット数表示ランプ26a,26b,26cを自動的に点灯させるなど)を行い、さらにクレジット枚数が上限値に達していた場合はブロッカ45をオフにして、メダル投入口32から投入されたメダルを受け皿62から返却する。また、RWMのアドレスF01Aに記憶されていた押し順番号を「0」に更新する。
次に、主制御手段100は、メダルの投入に伴う処理(遊技メダル管理処理)を行う(ステップS12)。この処理としては、例えば、クレジット数表示器27の表示の更新処理、クレジット数の減算処理、メダル投入口32からのメダル投入に関する不正行為の判断処理、ベット数のカウント処理などを実行する。次に主制御手段100は、投入されたメダル枚数が規定数に達してスタートスイッチ36の操作を受け付けられる状態になるとスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断し(ステップS14)、操作されていない(NO)と判断したときは、ステップS12の処理に戻る。
また、ステップS14の判断処理で、スタートスイッチ36が操作された(YES)と判断したときは、ブロッカ45をオフにして、メダル投入口32からのメダル投入を無効にして、「リール回転開始受付」コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS16)。次に主制御手段100は、図4に示した抽選テーブルに基づいて役抽選処理を行い、その結果に基づいて、入賞・再遊技当選番号および役物当選番号をRWMの所定の記憶領域に保存する(ステップS18)。次いで主制御手段100は、現在のRT状態がRT5またはRT6のいずれかであるか否かを判断する(ステップS20)。現在のRT状態が非RTまたはRT1〜RT4であった場合は、ステップS20の判断結果がNOとなって、主制御手段100は、現在のメインモードが1から3のいずれかであるか否かを判断する(ステップS22)。そして、メインモードが1から3のいずれかであった場合は判断結果がYESとなって非AT状態処理を行い(ステップS24)、メインモード4であった場合は判断結果がNOとなってAT状態処理を行う(ステップS26)。ここで、ステップS24の非AT状態処理およびステップS26のAT状態処理では、当選番号に応じた押し順番号を決定し、主制御手段100のRWMのアドレスF01Aに記憶するが、その内容については、後に詳細なフローチャートを参照しつつ詳しく説明する。
非AT状態処理またはAT状態処理のいずれかを行うと、主制御手段100は、フリーズ演出を行うか否かを決定し、フリーズ演出を行うと決定した場合は、フリーズ演出AまたはBのいずれを行うのかを決定するフリーズ抽選処理を行う(ステップS28)。このフリーズ抽選処理の内容については、後に詳細なフローチャートを参照しつつ詳しく説明する。そして、ステップS28のフリーズ抽選処理によってフリーズ番号が1または2に決定されたか否かを判断し(ステップS30)、フリーズ番号が1または2に決定された(すなわち、フリーズ演出を実行することが決定された)場合は判断結果がYESとなって、計時する時間として20秒間をタイマにセットする(ステップS32)。この計時時間は、フリーズ演出を行う時間(最長フリーズ時間)を計時するためのものである。
次に主制御手段100は、フリーズ抽選処理によって決定されたフリーズ番号に対応するフリーズ演出を開始する(ステップS34)。すなわち、フリーズ番号1が決定された場合はフリーズ演出Aを開始し、フリーズ番号2が決定された場合はフリーズ演出Bを開始する。そして、フリーズ演出中は、後述するタイマ割込処理によって各々のフリーズ演出に応じてリール40L,40C,40Rの回転制御が行われる。そして、タイマにセットした最長フリーズ時間が経過したか否かを判断し(ステップS36)、最長フリーズ時間が経過するまでステップS36の判断処理を繰り返し実行する。
最長フリーズ時間が経過すると、ステップS36の判断結果がYESとなり、次に主制御手段100は、獲得枚数表示器28に押し順番号に対応する情報を表示するための押し順表示処理を実行する(ステップS38)。なお、前述したステップS28のフリーズ抽選処理でフリーズ番号0が決定された場合は、ステップS30の判断結果がNOとなり、直ちにステップS38の押し順表示処理へ移行する。この押し順表示処理については、後に詳細なフローチャートを参照しつつ詳しく説明する。
次に主制御手段100は、押し順フラグのオン/オフ状態をRWMの所定の記憶領域から読み出して、リングバッファに保存する(ステップS40)。なお、前述したステップS20において判断結果がYESとなった場合は(すなわち、現在のRT状態がRT5またはRT6であった場合)、直ちにステップS40の処理へ移行する。このリングバッファは、副制御手段200へ送信する制御コマンドを一時的に保存するものであり、上述したRWMの一部の記憶領域をリングバッファとして利用している。リングバッファに保存された制御コマンドは、後に説明するタイマ割込処理によって最先に保存されたものから順次、副制御手段200へ送信され、送信された制御コマンドはリングバッファから消去される。すなわち、後から保存された制御コマンドが、それ以前に保存されていた制御コマンドよりも先に副制御手段200へ送信されることはない。
なお、制御コマンドごとに優先度を設け、後から保存された制御コマンドが、それ以前に保存されていた制御コマンドよりも優先度が高い場合は、後から保存された制御コマンドを先に副制御手段200へ送信するようにしてもよい。例えば、次に説明する押し順番号コマンドを演出グループ番号コマンドおよび役物当選番号コマンドよりも優先度を高く設定しておくことで、本実施形態とは異なり、まず演出グループ番号コマンドおよび役物当選番号コマンドをリングバッファに保存し、その後に押し順番号コマンドをリングバッファに保存した場合であっても押し順番号コマンドを先に副制御手段200へ送信してもよい。
そして、主制御手段100は、押し順番号データをRWMのアドレスF01Aから読み出し、押し順番号コマンド(950#)を生成して、リングバッファに保存する(ステップS42)。これにより、上述したタイマ割込処理によって、押し順フラグのオン/オフ状態に続き、押し順番号が副制御手段200へ送信される。次に主制御手段100は、ステップS18の役抽選処理によってRWMに保存された入賞・再遊技当選番号を読み出し、CPUのレジスタ(以下、単に「レジスタ」という。)にセットし(ステップS44)、RWMに記憶されている押し順フラグの状態がオンであるか否かを判断する(ステップS46)。押し順フラグがオンであった場合はステップS46の判断結果がYESとなり、次にRWMに記憶されている押し順番号が10〜13のいずれかであるか否かを判断する(ステップS48)。押し順番号が10〜13のいずれかであった場合は、ステップS48の判断結果がYESとなり、主制御手段100は次に当選番号35(入賞−O)が当選役に決定されたか否かを判断する(ステップS50)。なお、ステップS46の判断処理において、押し順フラグがオフになっていた場合は判断結果がNOとなり、ステップS48の判断処理を行うことなくステップS50の判断処理へ移行する。
ステップS50の判断処理において、当選役に決定された当選番号が35以外であった場合は判断結果がNOとなり、図26(a)に示したマスク処理を行う(ステップS52)。ここで、当選番号をマスク番号に置き換える方法として、ステップS44の処理でレジスタにセットした当選番号に所定のオフセット値を加算して、対応するマスク番号の値にする。すなわち、上述したオフセット値は、各当選番号が、図26(a)に示したマスク番号となるように予め定められた値である。例えば、当選番号1に対応するオフセット値は39、当選番号2に対応するオフセット値は38と定められている。これにより、当選番号1および当選番号2についてステップS52のマスク処理を行うと、当選番号とオフセット値とが加算され、いずれもマスク番号が40となる。このオフセット値は、加算する処理中のプログラム上に予め書き込んでいてもよいし、予めテーブルとして定めておき、テーブルから読み出したオフセット値を加算するようにしてもよい。
なお、ステップS48の判断処理において、押し順番号が10〜13以外であった場合(判断結果がNO)またはステップS50の判断処理において、当選番号が35だった場合(判断結果がYES)は、ステップS52のマスク処理は行われない。
次に主制御手段100は、CPUのレジスタにセットされた演出グループ番号をリングバッファに保存する(ステップS54)。すなわち、押し順フラグがオンのときに押し順番号が10〜13以外の場合(ステップS46(YES)かつS48(NO))、押し順フラグがオンのときに押し順番号が10〜13のいずれかであるが、当選番号が35であった場合(ステップS46(YES)かつS48(YES)かつS50(YES))、または、押し順フラグがオフだが当選番号が35であった場合(ステップS46(NO)かつS50(YES))は、ステップS44の処理でレジスタにセットされた入賞・再遊技当選番号がリングバッファに保存される。
このように、ステップS52のマスク処理の直後に、当該マスク処理によるマスク番号をリングバッファに保存するため(ステップS54)、RWMにマスク番号を保存しておくための記憶領域を確保する必要がない。
一方、押し順フラグがオンで押し順番号が10〜13のいずれかであり、なおかつ当選番号が35以外だったとき(ステップS46(YES)かつS48(YES)かつS50(NO))、または、押し順フラグがオンでなおかつ当選番号が35以外だったときは(ステップS46(NO)かつS50(NO))、ステップS52の処理によるマスク番号がリングバッファに保存される。次いで、主制御手段100は、RWMに記憶されている役物当選番号を読み出して、リングバッファに保存する(ステップS56)。
なお、ステップS44〜S54までの処理は、以下に説明する処理を行うことにより何れの入賞・再遊技当選番号が決定された場合であっても、一律にマスク処理を行い、マスク処理を行った情報を演出グループ番号として副制御手段200に送信することが可能である。
最初に、RWMに記憶された入賞・再遊技当選番号を第1のレジスタ(例えばAレジスタ)に記憶し、演出グループ番号が記憶された演出グループ番号指定テーブルの先頭アドレスを第2のレジスタ(例えばHLレジスタ)に記憶する。この演出グループ番号指定テーブルは、入賞・再遊技当選番号に対応してどの演出グループ番号を指定するかを定めたテーブルであり、先頭アドレスの値をX(H)としたとき、アドレスX(H)には入賞・再遊技当選番号0に対応した演出グループ番号「0」が定められ、アドレスX+1(H)には入賞・再遊技当選番号1に対応した演出グループ番号「1」が定められ、アドレスX+2(H)には入賞・再遊技当選番号2に対応した演出グループ番号「1」が定められ、アドレスX+3(H)には入賞・再遊技当選番号3に対応した演出グループ番号「2」が定められ、アドレスX+i(H)には入賞・再遊技当選番号iに対応した演出グループ番号「k」が定められている。
なお、上述した例では、入賞・再遊技当選番号1および入賞・再遊技当選番号2は、同じ演出グループ番号「1」に属している。
そして、第1のレジスタと第2のレジスタによる演算処理(具体的には第1のレジスタと第2のレジスタの加算処理)により、演出グループ番号指定テーブルから演出グループ番号を取得する。すなわち、入賞・再遊技当選番号をオフセット値とし、演出グループ番号指定テーブルから演出グループ番号をレジスタに取得する。ここで、取得した演出グループ番号はRWMの所定の記憶領域に記憶しても良い。その後、演出グループ番号をリングバッファに保存(記憶)する。
このような構成にすることにより、メインの遊技状態(具体的にはAT状態、非AT状態)や、押し順番号にかかわらずマスク処理を行うことになるため、判断肢が少なくなり、主制御手段のプログラムを簡素化できる。
ステップS56の処理を行うと、主制御手段100は、リール停止管理処理を行うことで(ステップS58)、リール40L,40C,40Rの回転を開始し、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールについて停止制御を行う。ここで、リール停止制御は、当選番号に基づいて生成された作動フラグに基づいて行われる。この作動フラグは、図6〜図9に示した各図柄組合せに対して、引込制御の対象とするか否かを示すフラグ情報を対応付けたものであり、ステップS18の役抽選処理によって決定された当選番号に基づいて生成され、RWMの所定記憶領域に保存される。また、スタートスイッチ36が操作された時に、前回の遊技でリールが回転してから4.1秒が経過していなかった場合は、4.1秒経過時に「リール回転開始待機」コマンドを副制御手段200へ送信する。また、ストップスイッチが操作される毎に、操作されたストップスイッチに対応するリール回転停止コマンドを副制御手段200へ送信する。
次に、全てのリールが停止すると、主制御手段100はステップS38の押し順表示処理によって、獲得枚数表示器28に表示した押し順番号に対応する情報を非表示にする(ステップS60)。具体的には、主制御手段100のRWMのアドレスF018に記憶されている表示データの値をFFHに更新する。そして、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図6〜図9に示した図柄組合せのいずれかに一致するか否かを判断する表示判定処理を行う(ステップS62)。なお、ステップS60およびステップS62の処理を行う順序を入れ替えてもよい。次に、主制御手段100は、表示判定処理の結果に基づいて「表示種類」コマンドおよび「図柄組合せ表示」コマンドを副制御手段200へ送信する。また、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、入賞役の図柄組合せ(図7〜図9参照)のいずれかに一致していた場合は、入賞した入賞役に対応するメダル払出枚数をRWMの所定アドレスに記憶する。そして、ホッパーモータ46を駆動して、一致した入賞役に対応する枚数のメダルを払い出すための払出処理を行う(ステップS64)。
具体的には、まず、現在のクレジット数が最大枚数(50枚)に達しているか否かを判断する。そして、最大枚数に達していた場合は、メダル払出装置のホッパーモータ46(図3参照)を駆動して1枚のメダルを払い出した後、RWMのアドレスF018に記憶されているデータの値(払い出す直前は「0」になっている)に「1」を加算する。これにより、最初の1枚が払い出された時点では、獲得枚数表示器28の表示は「1」になる。そして、上述した所定アドレスに記憶されているメダル払出枚数の値から「1」を減算し、減算後のメダル払出枚数の値が「0」になっているか否かを判断する。そして、減算後のメダル払出枚数の値が「0」になっていなければ、再び、現在のクレジット数が最大枚数(50枚)に達しているか否かの判断を行う。
以下、メダルを1枚払い出すごとに、繰り返し、アドレスF018に記憶されている値に「1」を加算すると共に、所定アドレスに記憶されたメダル払出枚数の値を「1」減算する。そして、メダル払出枚数の値が「0」になると、ステップS64の払出処理を終了する。この処理によって、獲得枚数表示器28に表示される値は、メダルが1枚払い出されるごとに「1」ずつ増加していき、メダルの払い出しが終了した時点で、入賞した入賞役に対応する払出枚数が表示される。
また、払出処理を開始する時点で現在のクレジット数が最大枚数に達していなかった場合は、ホッパーモータ46を駆動せずに、アドレスF019に記憶されている貯留枚数表示データの値に「1」を加算する。その後は、メダル払出装置によってメダルを払い出す場合と同様に、アドレスF018に記憶されている値に「1」を加算し、その後、所定アドレスに記憶されたメダル払出枚数の値から「1」を減算する。そして、この処理が終了すると、再び、現在のクレジット数が最大枚数に達しているか否かの判断を行い、クレジット数が最大枚数に達していなければ、再度、アドレスF019およびF018に記憶されている値にそれぞれ「1」を加算し、所定アドレスに記憶されたメダル払出枚数の値から「1」を減算する。この一連の処理を、入賞した入賞役に対応する払出枚数を払い出すまで繰り返し行う。
また、メダルを払い出している途中でクレジット数が「50」(すなわち、クレジット数の最大枚数)に達した場合は、それ以降のメダル払い出しはメダル払出装置によって行うように制御する。例えば、クレジット数が「47」であるときに9枚役に入賞した場合は、3枚目まではクレジットされ、4枚目以降(残り6枚)はメダル払出装置によって払い出されることになる。
なお、払い出すメダルをクレジットする場合の処理において、アドレスF019およびF018にそれぞれ記憶されている値に、「1」を加算していくタイミングは、ホッパーモータ46によって1枚ずつメダルが払い出される時間的間隔に合わせることが望ましい。例えば、メダル払出装置によるメダルの払い出しが、100ミリ秒ごとに1枚ずつ行われる場合、アドレスF019に記憶されている貯留枚数表示データの値は、100ミリ秒ごとに「1」ずつ加算していくとよい。
上述したように、例えば9枚役の入賞があったとき(所定アドレスに記憶されたメダル払出枚数の値として「9」が記憶されたとき)であって、且つ、貯留枚数が50枚未満のときは、
i)約100msの待機処理が行い、
ii)アドレスF019に記憶されている貯留枚数表示データの値に「1」加算し、
iii)アドレスF018に記憶されている獲得枚数表示データの値に「1」加算し、
iv)所定アドレスに記憶されたメダル払出枚数の値(最初は「9」)を減算する、
という処理の順序で処理を行うことにより、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28に「1」づつ値が更新される様子が遊技者に視認可能となる。
ここで、上述したi)の待機処理を設けなかった場合には、例えば獲得枚数表示器28に表示される態様の変化が瞬時に「0」から「9」に達してしまい、表示された数値が増えていく様が視認しにくくなるため、9枚役が入賞したときの安堵感や、達成感を薄めることになる。また、たとえば、払い出しの途中でクレジット枚数が上限に達し、その後メダル払出装置によって払い出しが行われる場合でも、獲得枚数表示器28の表示が更新されるタイミングがほぼ一定になるため、視覚的にスムーズな表示の更新を行うことができる。
なお、ステップSS64の払出処理において、メダルの払い出しを開始する時に「遊技メダル払出開始」コマンドを副制御手段200へ送信し、メダルの払い出しが終了すると「遊技メダル払出終了」コマンドを副制御手段200へ送信する。
次に主制御手段100は、遊技終了チェック処理を行い(ステップS66)、停止表示された図柄組合せなどに基づいて、メインモードの移行制御やRT状態の移行制御を行う。また、BB01に対応する図柄組合せが停止表示されたときは、外部集中端子基板84を介してBB信号およびRB信号をオンにする。また、副制御手段200に対して「遊技終了表示」コマンドを送信し、ボーナスゲームが終了したときに「BB終了」コマンドも副制御手段200へ送信する。
以上の処理によって1回の遊技が終了すると、主制御手段100は、再びステップS10の処理に戻って次の遊技のための処理を実行する。このように、図02に示す遊技進行メイン処理では、役抽選処理(ステップS18)によって当選番号が決定された後、非AT状態処理(ステップS24)またはAT状態処理(ステップS26)により、当選番号に応じた押し順番号が決定されるが、副制御手段200に対しては、先に押し順番号が送信され(ステップS40)、その後、当選番号に対応した演出グループ番号が送信されることになる(ステップS54)。
なお、ステップS52に示したマスク処理は省略してもよい。その場合はステップS46〜S52の処理を省略し、ステップS44の処理を行った後、直接ステップS54の処理へ移行するようにしてもよい。また、全リールが停止するとステップS60の処理を行って、アドレスF018にFFHを上書きしたが、最後のストップスイッチが操作された(第3停止操作がされた)ときにアドレスF018にFFHを上書きしてもよい。
<非AT状態処理の説明>
次に、図27のステップS24で実行される非AT状態処理の内容について、図28に示すフローチャートを参照して説明する。主制御手段100は、ステップS24の非AT状態処理を開始すると、まず現在のメインモードが3であるか否かを判断する(ステップS100)。現在のメインモードが3であった場合は、ステップS100の判断結果がYESとなり、AT前兆中の処理を行う(ステップS102)。このAT前兆中の処理としては、例えばAT前兆期間を短縮させるか否かを決定する短縮抽選を行い、短縮抽選に当選したときは、AT前兆期間が終了するまでの残り遊技回数を減少させる処理などを行う。そして、ステップS102の処理を終えると図28の非AT状態処理を終了して、図27のステップS28のフリーズ抽選処理へ移行する。
ステップS100の判断処理で、現在のメインモードが3で無ければ、判断結果がNOとなり、チャンスゾーンのゲーム数CZCNTの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS104)。ここで、チャンスゾーンは、有利な押し順が報知されたり、より有利なメインモードに移行する可能性が高くなったりする遊技状態である。なお、このチャンスゾーンゲーム数CZCNTの値を制御コマンドによって副制御手段200へ送信するようにしてもよい。ステップS104の判断処理でCZCNTの値が0のときは判断結果がNOとなり、通常中の処理を行う。これに対して、CZCNTの値が1以上のときは判断結果がYESとなり、チャンスゾーン中の処理を行う。以下、遊技状態が通常中のときと、チャンスゾーン中のときとに分けて、各遊技状態における処理の内容を説明する。
(a)通常中の処理
ステップS104の判断結果がNOになると、主制御手段100は、通常中の処理を行う。まず、主制御手段100は、図27のステップS18で実行された役抽選処理の結果、当選番号1〜30のいずれかが当選役に決定されたか否かを判断する(ステップS106)。そして、当選番号1〜30のいずれかが当選役に決定された場合はステップS106の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、通常中からチャンスゾーンへ移行するか否かを決定するチャンスゾーン抽選を行う(ステップS108)。そして、チャンスゾーン抽選に当選したか否かを判断し(ステップS110)、チャンスゾーン抽選に当選しなかった場合は、ステップS110の判断結果がNOとなって、図28の非AT状態処理を終了する。
これに対して、チャンスゾーン抽選に当選した場合は、ステップS110の判断結果がYESとなって、チャンスゾーンの期間である遊技回数γを抽選によって決定する(ステップS112)。そして、抽選によって決定した遊技回数γをRWM内の所定の記憶領域に保存し(ステップS114)、RWMに記憶されているチャンスゾーン移行フラグの状態をオンに更新する(ステップS116)。なお、チャンスゾーンゲーム数γの値およびチャンスゾーン移行フラグのオン/オフ状態を、制御コマンドによって副制御手段200へ送信するようにしてもよい。
次に主制御手段100は、図27のステップS18で実行された役抽選処理の結果、当選番号31〜35(入賞−K〜O)のいずれかが当選役に決定されたか否かを判断する(ステップS118)。ここで、ステップS106の判断結果がNO(当選番号1〜30が決定されなかった)になったときは、直ちにステップS118の判断処理に移行する。ステップS118の判断処理において、当選番号31〜35のいずれも決定されなかった場合は、判断結果がNOとなり、図28の非AT状態処理を終了する。
これに対して、当選番号31〜35のいずれかが当選役に決定された場合は、ステップS118の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、AT遊技を開始するか否かを決定するAT抽選を行う(ステップS120)。そして、AT抽選に当選したか否かを判断し(ステップS122)、AT抽選に当選したときはステップS122の判断結果がYESとなり、AT前兆ゲーム数δの値を抽選によって決定する(ステップS124)。そして、抽選で決定したδの値をRWMの所定記憶領域に保存し(ステップS126)、RWMに記憶されているAT前兆フラグの状態をオンに更新してから(ステップS128)、図28の非AT状態処理を終了する。なお、AT前兆ゲーム数δの値およびAT前兆フラグのオン/オフ状態を、制御コマンドによって副制御手段200へ送信するようにしてもよい。
(b)チャンスゾーン中の処理
ステップS104の判断結果がYESになると、主制御手段100は、チャンスゾーン中の処理を行う。まず、主制御手段100は、現在のRT状態がRT1であるか否かを判断する(ステップS130)。現在のRT状態がRT1であった場合はステップS130の判断結果がYESとなり、次に図27のステップS18で実行された役抽選処理の結果、当選番号2が当選役に決定されたか否かを判断する(ステップS132)。当選番号2(再遊技−B)が当選役に決定された場合、ステップS132の判断結果はYESとなり、主制御手段100は、RWMのアドレスF01Aに押し順番号6(右→中→左)を保存する(ステップS134)。
ここで、当選番号2が決定されたときに右→中→左の押し順でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、操作タイミングによっては再遊技10に対応する図柄組合せである「赤7−赤7−赤7」が揃う可能性がある(図10(a)参照)。ここで、本実施形態では、ステップS132の判断結果がYESになった場合、ステップS134で、主制御手段100において右→中→左の押し順を決定しているが、このときの押し順を副制御手段200において決定するようにしてもよい。このようにする場合、ステップS134の処理は、押し順番号0(不明)をRWMのアドレスF01Aに記憶し、副制御手段200へ送信するとよい。また、副制御手段200によって押し順を報知する際、右→中→左の押し順の押し順と共に、「赤7を狙え!」などのメッセージを画像や音声により遊技者に報知してもよい。さらに、副制御手段200において、たとえば決定された当選番号が0(はずれ)のときに、所定の確率で右→中→左の押し順および「赤7を狙え!」といった報知(いわゆるガセ報知)を行ってもよい。
このように、停止表示態様よってRT状態の移行契機とならない(停止操作順序によって遊技者に利益・不利益に変化がない)再遊技役が当選した場合には、主制御手段100では押し順番号の決定や獲得表示枚数LED等の報知手段を用いた押し順の報知を行わないが、演出として特定の図柄組合せ(例えば、「赤7−赤7−赤7」)を遊技者に停止表示させたいとき(例えば、当該再遊技役が当選したことによって主制御手段100によるAT抽選が優遇される場合やATの権利が得られた場合(以下、有利な結果が得られた場合)、また、当該再遊技役が当選する遊技以前に主制御手段100により実行されたAT抽選や上乗せ抽選に当選していた場合(以下、「有利な結果が得られていた場合」ともいう))に、副制御手段200は、当該遊技で有利な結果が得られたことを示すコマンド、または、当該遊技以前に受信していた有利な結果がえられていたことを示すコマンドに基づいて、当該再遊技役が当選したことを報知することができる。
なお、上述したように、主制御手段100では押し順を報知せず、副制御手段200で押し順を報知する遊技は、チャンスゾーンに限られるものではなく、どのような遊技状態(AT中も含む)であっても良い。
ステップS132の判断処理において、当選番号が2に決定されていなかった場合は、判断結果がNOになり、次に当選番号3〜8(再遊技−C〜H)のいずれかが決定されたか否かを判断する(ステップS136)。押し順番号が3〜8のいずれかに決定された場合は、ステップS136の判断結果がYESとなって、再遊技05が入賞しない押し順(図10(a)参照)の中から1つを選択して、選択した押し順に対応する押し順番号を、RWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS138)。
ここで、再遊技05が入賞しない押し順を報知する理由は、RT1においては、後述するAT抽選の契機となる当選番号2が1/32の確率で当選役に決定されるが(図4参照)、再遊技05に対応する図柄組合せが表示されてRT2に移行してしまうと(図13参照)、当選番号2が抽選対象になっていないため、AT抽選の機会が減ってしまうからである。なお、本実施形態では、主制御手段100において再遊技05が入賞しない押し順を決定しているが、副制御手段200において再遊技05が入賞しない押し順を決定するようにしてもよい。この場合、ステップS138の処理では、報知したくない再遊技05が入賞する押し順に対応する押し順番号をRWMのアドレスF01Aに記憶させて副制御手段200へ送信し、副制御手段200では、受信した押し順番号以外の押し順を適宜選択して報知してもよい。この場合にも、副制御手段200では押し順を報知するため、主制御手段100は、RWMに記憶されている押し順フラグの状態をオンに更新されるが(ステップS140)、前述した押し順表示処理(ステップS38)において、後述する図42のステップS632(押し順番号の表示処理)を行わなくてもよい。
ステップS134の処理によって押し順番号6がRWMのアドレスF01Aに記憶されるか、ステップS138の処理によって再遊技05が入賞しない押し順に対応する押し順番号がRWMのアドレスF01Aに記憶されると、主制御手段100は、RWMのアドレスF01Aに記憶されている押し順フラグの状態をオンに更新する(ステップS140)。これにより、チャンスゾーン中にRT1に滞在していた場合は、当選番号2または3〜8が当選したときに、押し順が報知される。
現在のRT状態がRT1ではないとき(ステップS130(NO))、決定された当選番号が2〜8のいずれでもなかったとき(ステップS136(NO))、または、ステップS140の処理を行うと、次に主制御手段100は決定された当選番号が2または31〜35(入賞−K〜O)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS142)。決定された当選番号が2または31〜35のいずれでも無かった場合は、判断結果がNOとなり、主制御手段100は、図28の非AT状態処理を終了する。
これに対して、決定された当選番号が2または31〜35のいずれかであった場合は、ステップS142の判断結果がYESとなり、次に現在のメインモードが1であるか否かを判断する(ステップS144)。現在のメインモードが1であった場合は、判断結果がYESとなり、メインモード2へ移行するか否かを決定する高確モード移行抽選を行う(ステップS146)。そして、高確モード移行抽選に当選したか否かを判断し(ステップS148)、高確モード移行抽選に当選したときは、判断結果がYESとなって、RWMに記憶されている高確モード移行フラグの状態をオンに更新する(ステップS150)。ここで、高確モード移行フラグがオンになった場合は、後述する遊技終了チェック処理によって、メインモード1から2に移行する(図43、ステップS668〜S670参照)。
ステップS150の処理で高確モード移行フラグの状態をオンに更新すると、前述したステップS120のAT抽選以降の処理を行う。なお、現在のメインモードが1ではないとき(ステップS144(NO))、または、高確モード移行抽選に当選しなかったとき(ステップS148(NO))は、直ちにステップS120のAT抽選以降の処理を行う。このように、通常中は決定された当選番号が31〜35のいずれかであった場合(合成確率は約1/16.2)のみ、AT抽選が行われていたが(ステップS118(YES)→S120)、チャンスゾーン中は当選番号2が決定されたときもAT抽選が行われるため、遊技者に取って有利な状態になっているといえる。さらに、CZ中と通常中のAT抽選に用いられるAT抽選テーブルを変えることにより、CZ中のAT抽選の方が通常中のAT抽選よりも高確率でAT抽選に当選するようにしてもよい。また、決定された当選番号が2のときに、遊技者が報知に従ってストップスイッチを操作した結果、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが揃った場合、AT抽選が行われることがわかるため、AT抽選に当選することへの期待を遊技者に持たせることができる。
そして、主制御手段100は、ステップS120〜S128の処理を行うと、図28の非AT状態処理を終了する。
<AT状態処理の説明>
次に、図27のステップS26で実行されるAT状態処理の内容について、図29に示すフローチャートを参照して説明する。主制御手段100は、ステップS26のAT状態処理を開始すると、RWMに記憶されているATフラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS160)。そして、ATフラグの状態がオンになっている場合は、ステップS160の判断結果がYESとなり、後に詳細なフローチャートを参照しつつ詳しく説明するAT準備中処理を行う(ステップS162)。そして、AT準備中処理を行うと、図29のAT状態処理を終了し、図27のステップS28に示すフリーズ抽選処理へ移行する。
ステップS160の判断処理において、ATフラグの状態がオンだった場合は、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、RWMの所定記憶領域に記憶されている特化ゾーンが終了するまでの残り遊技回数TZCNTの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS164)。そして、TZCNTの値が1以上であった場合は、判断結果がYESとなり、後に詳細なフローチャートを参照しつつ詳しく説明する特化ゾーン中処理を行った後(ステップS166)、図29のAT状態処理を終了する。
ステップS164の判断処理において、TZCNTの値が0であった場合は、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、RWMの所定記憶領域に記憶されている特化ゾーン移行フラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS168)。特化ゾーン移行フラグの状態がオンだった場合は、判断結果がYESとなり、後に詳細なフローチャートを参照しつつ詳しく説明する特化ゾーン準備中処理を行った後(ステップS170)、図29のAT状態処理を終了する。
これに対して、ステップS168の判断処理において、特化ゾーン移行フラグの状態がオフだった場合は、判断結果がNOとなり、後に詳細なフローチャートを参照しつつ詳しく説明するAT中処理を行った後(ステップS172)、図29のAT状態処理を終了する。
<AT準備中処理の説明>
次に、図29のステップS162で実行されるAT準備中処理の内容について、図30および図31に示すフローチャートを参照して説明する。この図におけるAT準備中処理は、非RT、RT1〜4の各RT状態において、決定された当選番号に応じて押し順番号を決定する処理を行っている。以下、各RT状態において行われる処理の内容について各々説明する。
(a)非RTにおける処理
主制御手段100が、図29に示したステップS162のAT準備中処理を開始すると、まず、現在のRT状態が非RTであるか否かを判断する(ステップS180)。そして、現在のRT状態が非RTであった場合は判断結果がYESとなり、以下、非RTにおける当選番号に応じた押し順番号の決定処理を行う。すなわち、主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が3〜8(再遊技−C〜H)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS182)。そして、決定された当選番号が3〜8のいずれかであった場合は、判断結果がYESとなり、決定された当選番号に応じて再遊技05に対応する図柄組合せが揃う押し順(図10(a)参照)をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS184)。
一方、ステップS182の判断処理において、決定された当選番号が3〜8のいずれでも無かった場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、決定された当選番号が21であるか否かを判断する(ステップS186)。なお、上述したステップS184の処理を終えた場合もステップS186の処理へ移行する。そして、決定された当選番号が21であった場合は、判断結果がYESとなり、押し順番号1(左→中→右)をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS188)。また、ステップS186の判断処理において、決定された当選番号が21で無かった場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、決定された当選番号が22〜30のいずれかであるか否かを判断する(ステップS190)。なお、上述したステップS188の処理を終えた場合もステップS190の処理へ移行する。そして、決定された当選番号が22〜30のいずれかであった場合は、判断結果がYESとなり、決定された当選番号に応じて入賞01〜03に対応する図柄組合せが揃う押し順(図11参照)の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS192)。
ステップS192の処理が終わると、または、ステップS190の判断結果がNO(決定された当選番号が22〜30のいずれでもない)になると、次に主制御手段100は、特別図柄01〜03が表示される可能性がある押し順番号を決定する。すなわち、決定された当選番号が36(入賞−P)だった場合は(ステップS194(YES))、押し順番号8(中第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶し(ステップS196)、決定された当選番号が37(入賞−Q)だった場合は(ステップS198(YES))、押し順番号9(右第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶し(ステップS200)、決定された当選番号が38(入賞−R)だった場合は(ステップS202(YES))、押し順番号7(左第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶する(ステップS204)。そして、ステップS204の処理を行った後、または、ステップS202の判断結果がNOになった場合はそのまま図30のAT準備中処理および図29のAT状態処理を終了して、図27におけるステップS28のフリーズ抽選処理へ移行する。
このように、AT準備中における非RTでは、9枚役が入賞する押し順と、特定図柄01〜03が表示される(すなわち、RT1へ移行する)可能性のある押し順とが、報知されることになる。
(b)RT1における処理
ステップS180の判断処理において、RT状態がRT1〜4のいずれかである場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、現在のRT状態がRT1であるか否かを判断する(ステップS206)。そして、現在のRT状態がRT1であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が2(再遊技−B)であるか否かを判断する(ステップS208)。そして、決定された当選番号が2であった場合は、判断結果がYESとなり、押し順番号1(左→中→右)をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS210)。
ここで、押し順番号1を保存しているのは、当選番号が2であった場合は、右→中→左の押し順でストップスイッチが操作されると、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが揃ってしまう可能性があるからである。AT準備中においては、当選番号が2であっても何かしらの利益(例えば、AT遊技の残りゲーム数を上乗せする)が付与されることがないため、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが揃ってしまうことで遊技者に対し何かしらの利益が付与されるのではないかといった誤った期待を持たせないようにするためである。
なお、AT準備中において、当選番号2が当選する以前の遊技でAT抽選に再度当選し、ATの権利をさらに付与する(ATのゲーム数が増える、又は、ATの実行回数が増える)場合には、敢えて「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せを停止表示するように、副制御手段で右→中→左の押し順でストップスイッチを操作すること、及び、赤7を目押しすることを報知するように構成しても良い。これにより、遊技者はATの実行回数が増えることが把握でき、期待感を高めることができる。
一方、ステップS208の判断処理において、決定された当選番号が2では無かった場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、決定された当選番号が3〜8のいずれかであるか否かを判断する(ステップS212)。なお、上述したステップS210の処理を終えた場合もステップS212の処理へ移行する。そして、決定された当選番号が3〜8のいずれかであった場合は、判断結果がYESとなり、決定された当選番号に応じて再遊技05に対応する図柄組合せが揃う押し順(図10(a)参照)をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS214)。
ここで、図28の非AT状態処理では、未だATが開始されない状態(すなわちメインモード1〜3)であることから、CZ中においては当選番号が3〜8のいずれかであった場合でも、AT抽選の機会をより多くするため、RT1に留まるように再遊技05が入賞しない押し順を報知していた(図28のステップS138参照)。しかしながら、AT状態処理では、ATを開始することができる状態(すなわちメインモード4)になっていることから、当選番号が3〜8のいずれかである場合は、再遊技役の合成当選確率が飛躍的に向上するRT2(図4参照)へ移行すべく、再遊技05に対応する図柄組合せが表示される押し順を報知する。
ステップS214の処理が終了すると、または、ステップS212の判断結果がNO(決定された当選番号が2〜8のいずれでもない)になった場合は、次に主制御手段100は、RT状態がRT1〜4のときに共通して実行される共通処理1へ移行する(ステップS216)。この共通処理1については、後に詳細なフローチャートを参照しつつ詳しく説明する。そして、ステップS216の共通処理1を終えると、図30のAT準備中処理および図29のAT状態処理を終了して、図27におけるステップS28のフリーズ抽選処理へ移行する。
このように、AT準備中におけるRT1では、RT状態がRT2へ移行する再遊技05に対応する図柄組合せが表示される押し順が報知されることになる。
(c)RT2における処理
ステップS206の判断処理において、RT状態がRT2〜4のいずれかである場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、現在のRT状態がRT2であるか否かを判断する(ステップS218)。そして、現在のRT状態がRT2であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が9〜14(再遊技−I〜N)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS220)。そして、決定された当選番号が9〜14のいずれかであった場合は、判断結果がYESとなり、決定された当選番号に応じて再遊技06に対応する図柄組合せが揃う押し順(図10(b)参照)の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS222)。
そして、ステップS222の処理が終了すると、または、ステップS220の判断結果がNO(決定された当選番号が9〜14のいずれでもない)になった場合は、次に主制御手段100は、ステップS216の共通処理1へ移行し、共通処理1を終えると図30のAT準備中処理を終了する。
このように、AT準備中におけるRT2では、RT状態がRT3へ移行する再遊技06に対応する図柄組合せが表示される押し順が報知されることになる。
(d)RT3における処理
ステップS218の判断処理において、RT状態がRT3または4である場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、図31に示すフローチャートの処理へ移行する。すなわち、まず現在のRT状態がRT3であるか否かを判断する(ステップS230)。そして、現在のRT状態がRT3であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が15〜20(再遊技−O〜T)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS232)。そして、決定された当選番号が15〜20のいずれかであった場合は、判断結果がYESとなり、決定された当選番号に応じて再遊技08に対応する図柄組合せが揃う押し順(図10(c)参照)の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS234)。
そして、ステップS234の処理が終了すると、または、ステップS232の判断結果がNO(決定された当選番号が15〜20のいずれでもない)になった場合は、次に主制御手段100は、図30に示したステップS216の共通処理1へ移行し、共通処理1を終えると図30のAT準備中処理を終了する。
このように、AT準備中におけるRT3では、RT状態がRT4へ移行する再遊技08に対応する図柄組合せが表示される押し順が報知されることになる。
(e)RT4における処理
ステップS230の判断処理において、RT状態がRT4であった場合、判断結果がNOとなる。この場合、次に主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が1(再遊技−A)であるか否かを判断する(ステップS236)。決定された当選番号が1であった場合は、判断結果がYESとなり、図15(a)に示す押し順番号1〜9のうち、いずれか1つを抽選によって決定する(ステップS238)。そして、決定した押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS240)。ここで、当選番号が1であった場合は、いずれの押し順であっても、再遊技01に対応する図柄組合せが表示されるため、9通りの押し順の中から報知する押し順を適宜決定している。なお、当選番号が1のときに主制御手段で押し順を抽選により決定しなくても良い。また、主制御手段で押し順は抽選しないが、サブ制御手段で押し順を抽選により決定し、決定した押し順を報知しても良い。
そして、ステップS240の処理が終了すると、または、ステップS236の判断結果がNO(決定された当選番号が1ではない)になった場合は、次に主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が15〜20(再遊技−O〜T)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS242)。そして、決定された当選番号が15〜20のいずれかであった場合は、判断結果がYESとなり、決定された当選番号に応じて再遊技08に対応する図柄組合せが揃う押し順(図10(c)参照)の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS244)。
ステップS244の処理が終了すると、または、ステップS242の判断結果がNO(決定された当選番号が15〜20のいずれでもない)になると、次に主制御手段100は、図30に示したステップS216の共通処理1へ移行し、共通処理1を終えると図30のAT準備中処理を終了する。
このように、AT準備中におけるRT4では、当選番号が15〜20のいずれになった場合、再遊技06に対応する図柄組合せが表示されて、RT状態がRT3へ移行してしまわないように(図13参照)、再遊技08に対応する図柄組合せが表示される押し順を報知する。
(共通処理1の説明)
次に図32に示すフローチャートを参照して、AT準備中処理においてRT1〜4のときに共通して実行される共通処理1の内容について説明する。主制御手段100は、図30のステップS216へ移行すると、図32に示すフローチャートの処理を開始し、まず、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が21(入賞−A)であるか否かを判断する(ステップS250)。決定された当選番号が21であった場合は、判断結果がYESとなり、押し順番号1(左→中→右)をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS252)。
ステップS252の処理が終了すると、または、ステップS250の判断結果がNO(決定された当選番号が21ではない)になった場合は、次に主制御手段100は、決定された当選番号が22〜30のいずれかであるか否かを判断する(ステップS254)。そして、決定された当選番号が22〜30のいずれかであった場合は、判断結果がYESとなり、決定された当選番号に応じて入賞01〜03に対応する図柄組合せが揃う押し順(図11参照)の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS256)。
ステップS256の処理が終わると、または、ステップS254の判断結果がNO(決定された当選番号が22〜30のいずれでもない)になると、次に主制御手段100は、RT状態がRT1へ移行してしまわないように特別図柄01〜03が表示されない押し順番号を決定する。すなわち、決定された当選番号が36(入賞−P)だった場合は(ステップS258(YES))、押し順番号7(左第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶し(ステップS260)、決定された当選番号が37(入賞−Q)だった場合は(ステップS262(YES))、押し順番号8(中第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶し(ステップS264)、決定された当選番号が38(入賞−R)だった場合は(ステップS266(YES))、押し順番号9(右第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶する(ステップS268)。そして、ステップS268の処理を行った後、または、ステップS266の判断結果がNOになった場合はそのまま図25の共通処理1を終了し、図30のAT準備中処理および図29のAT状態処理を終了して、図27におけるステップS28のフリーズ抽選処理へ移行する。
<特化ゾーン中処理の説明>
次に、図29のステップS166で実行される特化ゾーン中処理の内容について、図33および図34に示すフローチャートを参照して説明する。この図における特化ゾーン中処理は、非RT、RT1〜4の各RT状態において、決定された当選番号に応じて押し順番号を決定する処理に加えて、所定の条件が成立するとAT遊技の残り遊技回数を増加させる上乗せ処理を行っている。ここで、残り遊技回数に加算する遊技回数のことを「上乗せゲーム数」ともいう。以下、各RT状態において行われる処理の内容について各々説明する。
(a)非RTにおける処理
主制御手段100が、図29に示したステップS166の特化ゾーン中処理を開始すると、まず、現在のRT状態が非RTであるか否かを判断する(ステップS280)。そして、現在のRT状態が非RTであった場合は判断結果がYESとなり、以下、非RTにおける処理を行う。
まず、主制御手段100は、図30のAT準備中処理におけるステップS180〜S204と同じ処理を行って、当選番号に応じた押し順番号をRWMに保存する。すなわち、当選番号が3〜8のいずれかに決定された場合は(ステップS282(YES))、再遊技05に対応する図柄組合せが揃う押し順の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS284)。また、当選番号が21に決定された場合は(ステップS286(YES))、押し順番号1(左→中→右)をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS288)。また、当選番号が22〜30のいずれかに決定された場合は(ステップS290(YES))、決定された当選番号に応じて入賞01〜03に対応する図柄組合せが揃う押し順(図11参照)の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS292)。
さらに、決定された当選番号が36(入賞−P)だった場合は(ステップS294(YES))、押し順番号8(中第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶し(ステップS296)、決定された当選番号が37(入賞−Q)だった場合は(ステップS298(YES))、押し順番号9(右第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶し(ステップS300)、決定された当選番号が38(入賞−R)だった場合は(ステップS302(YES))、押し順番号7(左第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶する(ステップS304)。
以上の処理を行って当選番号をRWMに記憶すると、次に主制御手段100は、前述した上乗せ処理を行う。まず、決定された当選番号が1〜38のいずれかであるか否かを判断する(ステップS306)。ここで、当選番号0(はずれ)が決定された場合は、判断結果がNOになって、図33の特化ゾーン中処理を終了し、さらに図29のAT状態処理も終了して、図27におけるステップS28のフリーズ抽選処理へ移行する。
これに対して、選番号が1〜38のいずれかであった場合は、ステップS306の判断結果がYESとなり、当選番号に応じて上乗せゲーム数αを決定する(ステップS308)。ここで、当選番号に応じた上乗せゲーム数αとしては、例えば図4に示した抽選テーブルにおいて、当選確率が低い当選番号ほど上乗せゲーム数αの値を大きくしてもよいし、抽選によって上乗せゲーム数αを決定する場合は、当選確率が低い当選番号ほど上乗せ数αの値が大きくなる確率を高くしてもよい。さらに、抽選によって上乗せゲーム数αを決定する場合、各RT状態に応じた上乗せ抽選テーブルを用意しておき、現在のRT状態に対応する上乗せ抽選テーブルに基づいて上乗せゲーム数αを決定してもよい。このステップS308の処理により、特化ゾーン中は何らかの役が当選すれば必ずATの遊技回数にαの値が加算される。
ステップS308の処理によって上乗せゲーム数αを決定すると、主制御手段100は決定した上乗せゲーム数αをリングバッファに保存する(ステップS310)。この処理により、上乗せゲーム数は、図27の遊技進行メインにおけるステップS54の処理によってリングバッファに保存される入賞・再遊技当選番号よりも先に副制御手段200へ送信される。そして、RWMの所定記憶領域に記憶されているAT遊技回数ATCNTの値に上乗せゲーム数αの値を加算し(ステップS312)、図33の特化ゾーン中処理を終了する。
(b)RT1における処理
ステップS280の判断処理において、RT状態がRT1〜4のいずれかである場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、現在のRT状態がRT1であるか否かを判断する(ステップS314)。そして、現在のRT状態がRT1であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図30に示したAT準備中処理のステップS208〜S214と同様の処理を行う。すなわち、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が2(再遊技−B)であれば(ステップS316(YES))、押し順番号1をRWMのアドレスF01Aに保存し(ステップS318)、決定された当選番号が3〜8のいずれかであれば(ステップS320(YES))、再遊技05に対応する図柄組合せが揃う押し順の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS322)。
そして、図32に示した共通処理1を実行し(ステップS324)、共通処理1を終えると、引き続き前述したステップS306〜S312に示した上乗せ処理を行った後、図33の特化ゾーン中処理を終了する。
(c)RT2における処理
ステップS314の判断処理において、RT状態がRT2〜4のいずれかである場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、現在のRT状態がRT2であるか否かを判断する(ステップS326)。そして、現在のRT状態がRT2であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図30に示したAT準備中処理のステップS220〜S222と同様の処理を行う。すなわち、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が9〜14のいずれかであれば(ステップS328(YES))、再遊技06に対応する図柄組合せが揃う押し順の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS330)。
そして、図32に示した共通処理1を実行し(ステップS324)、共通処理1を終えると、引き続き前述したステップS306〜S312に示した上乗せ処理を行った後、図33の特化ゾーン中処理を終了する。
(d)RT3における処理
ステップS326の判断処理において、RT状態がRT3または4である場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、図34に示すフローチャートの処理へ移行して、現在のRT状態がRT3であるか否かを判断する(ステップS340)。そして、現在のRT状態がRT3であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が15〜20(再遊技−O〜T)であった場合は(ステップS342(YES))、決定された当選番号に応じて再遊技06に対応する図柄組合せが揃う押し順(図10(c)参照)の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS344)。
したがって、遊技者が報知された押し順に従ってストップスイッチを操作したことにより再遊技06に対応する図柄組合せが揃うと、RT状態はRT3に維持される。このことは、例えば、図33のステップS308で、現在のRT状態に応じた抽選テーブルに基づく抽選を行うことで上乗せゲーム数αを決定する場合、RT3のときに用いる抽選テーブルが、他のRT状態に比べて、より大きな値の上乗せゲーム数αが選択されやすくなっている場合は、遊技者にとって有利な押し順が報知されていることになる。また、特化ゾーン中は、RT状態に応じて演出が異なるように制御している場合に、RT3に固有の演出を実行する場合は、遊技者が当該固有の演出に接する可能性が高くなり、遊技の興趣を向上させる一因になり得る。
ステップS344の処理が終了すると、または、ステップS342の判断結果がNO(決定された当選番号が15〜20のいずれでもない)になった場合、主制御手段100は、図33のステップS324へ移行し、図32に示した共通処理1を実行する。そして、共通処理1を終えると、引き続き図33のステップS306〜S312に示した上乗せ処理を行った後、図33の特化ゾーン中処理を終了する。
(e)RT4における処理
ステップS340の判断処理において、RT状態がRT4であった場合、判断結果がNOとなる。この場合、主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が1(再遊技−A)であるか否かを判断する(ステップS346)。決定された当選番号が1だった場合は判断結果がYESとなり、図15(a)に示す押し順番号1〜9のうち、いずれか1つを抽選によって決定し(ステップS348)、決定した押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS350)。
また、決定された当選番号が15〜20(再遊技−O〜T)のいずれかである場合は(ステップS352(YES))は、決定された当選番号に応じて再遊技06に対応する図柄組合せが揃う押し順(図10(c)参照)の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS354)。そして、図33のステップS324へ移行して、図32に示した共通処理1を実行し、引き続き図33のステップS306〜S312に示した上乗せ処理を行った後、図33の特化ゾーン中処理を終了する。
このように、特化ゾーン中処理では、いずれのRT状態においてもAT遊技の上乗せ処理が必ず行われる。
<特化ゾーン準備中処理の説明>
次に、図29のステップS170で実行される特化ゾーン準備中処理の内容について、図35および図36に示すフローチャートを参照して説明する。特化ゾーン準備中は、AT遊技において、特化ゾーン移行抽選に当選してから特化ゾーンへ移行するまでの間の状態である。後述するが、特化ゾーン移行抽選に当選すると特化ゾーン移行フラグがオンとなり、特化ゾーン移行フラグがオンであるときに、当選番号が9〜20のいずれかに決定されると、特化ゾーンへ移行する。以下、各RT状態において行われる処理の内容について各々説明する。
(a)非RTにおける処理
主制御手段100が、図29に示したステップS170の特化ゾーン準備中処理を開始すると、まず、現在のRT状態が非RTであるか否かを判断する(ステップS360)。そして、現在のRT状態が非RTであった場合は判断結果がYESとなり、以下、非RTにおける処理を行う。
まず、主制御手段100は、図30のAT準備中処理におけるステップS180〜S204と同じ処理を行って、当選番号に応じた押し順番号をRWMに保存する。すなわち、当選番号が3〜8のいずれかに決定された場合は(ステップS362(YES))、再遊技05に対応する図柄組合せが揃う押し順の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS364)。また、当選番号が21に決定された場合は(ステップS366(YES))、押し順番号1(左→中→右)をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS368)。また、当選番号が22〜30のいずれかに決定された場合は(ステップS370(YES))、決定された当選番号に応じて入賞01〜03に対応する図柄組合せが揃う押し順(図11参照)の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS372)。
さらに、決定された当選番号が36(入賞−P)だった場合は(ステップS374(YES))、押し順番号8(中第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶し(ステップS376)、決定された当選番号が37(入賞−Q)だった場合は(ステップS378(YES))、押し順番号9(右第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶し(ステップS380)、決定された当選番号が38(入賞−R)だった場合は(ステップS382(YES))、押し順番号7(左第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶する(ステップS384)。
以上の処理を行うと、主制御手段100は、図35の特化ゾーン準備中処理を終了し、さらに図29のAT状態処理も終了して、図27におけるステップS28のフリーズ抽選処理へ移行する。
(b)RT1における処理
ステップS360の判断処理において、RT状態がRT1〜4のいずれかである場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、現在のRT状態がRT1であるか否かを判断する(ステップS386)。そして、現在のRT状態がRT1であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図30に示したAT準備中処理のステップS208〜S214と同様の処理を行う。すなわち、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が2(再遊技−B)であれば(ステップS388(YES))、押し順番号1をRWMのアドレスF01Aに保存し(ステップS390)、決定された当選番号が3〜8のいずれかであれば(ステップS392(YES))、再遊技05に対応する図柄組合せが揃う押し順の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS394)。
そして、図32に示した共通処理1を実行し(ステップS402)、共通処理1を終えると、図35の特化ゾーン準備中処理を終了する。
(c)RT2における処理
ステップS386の判断処理において、RT状態がRT2〜4のいずれかである場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、現在のRT状態がRT2であるか否かを判断する(ステップS396)。そして、現在のRT状態がRT2であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図30に示したAT準備中処理のステップS220〜S222と同様の処理を行う。すなわち、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が9〜14のいずれかであれば(ステップS398(YES))、再遊技06に対応する図柄組合せが揃う押し順の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS400)。
そして、図32に示した共通処理1を実行し(ステップS402)、共通処理1を終えると、図35の特化ゾーン準備中処理を終了する。
(d)RT3における処理
ステップS396の判断処理において、RT状態がRT3または4である場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、図36に示すフローチャートの処理へ移行して、現在のRT状態がRT3であるか否かを判断する(ステップS410)。そして、現在のRT状態がRT3であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が15〜20(再遊技−O〜T)であった場合は(ステップS412(YES))、決定された当選番号に応じて再遊技06に対応する図柄組合せが揃う押し順(図10(c)参照)の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS414)。これにより、遊技者が報知された押し順に従ってストップスイッチを操作すると再遊技06に対応する図柄組合せが揃い、RT状態がRT3に維持される。
これにより、特化ゾーンにおいて、現在のRT状態に応じた抽選テーブルに基づく抽選を行うことで上乗せゲーム数αを決定する場合、RT3のときに用いる抽選テーブルを、他のRT状態に比べて、より大きな値の上乗せゲーム数αが選択されやすく設定しておけば、上述したように、RT状態をRT3に維持させた上で特化ゾーンへ移行させることで、遊技者にとって有利にすることができる。
ステップS414の処理が終了すると、または、ステップS412の判断結果がNO(決定された当選番号が15〜20のいずれでもない)になった場合、主制御手段100は、図35のステップS402へ移行し、図32に示した共通処理1を実行する。そして、共通処理1を終えると、図35の特化ゾーン準備中処理を終了する。
(e)RT4における処理
図36のステップS410の判断処理において、RT状態がRT4であった場合、判断結果がNOとなる。この場合、主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が1(再遊技−A)であるか否かを判断する(ステップS416)。決定された当選番号が1だった場合は判断結果がYESとなり、図15(a)に示す押し順番号1〜9のうち、いずれか1つを抽選によって決定し(ステップS418)、決定した押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS420)。
また、決定された当選番号が15〜20(再遊技−O〜T)のいずれかである場合は(ステップS422(YES))は、決定された当選番号に応じて再遊技06に対応する図柄組合せが揃う押し順(図10(c)参照)の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS424)。これにより、特化ゾーンにおいて、現在のRT状態に応じた抽選テーブルに基づく抽選を行うことで上乗せゲーム数αを決定する場合、RT3のときに用いる抽選テーブルを、他のRT状態に比べて、より大きな値の上乗せゲーム数αが選択されやすく設定しておけば、上述した場合と同様に、RT状態をRT3へ移行させた上で特化ゾーンへ移行させることで、遊技者にとって有利にすることができる。そして、図35のステップS402へ移行して、図32に示した共通処理1を実行した後、図35の特化ゾーン準備中処理を終了する。
<AT中処理の説明>
次に、図29のステップS172で実行されるAT中処理の内容について、図37および図38に示すフローチャートを参照して説明する。以下、各RT状態において行われる処理の内容について各々説明する。
(a)非RTにおける処理
主制御手段100が、図29に示したステップS172のAT中処理を開始すると、まず、現在のRT状態が非RTであるか否かを判断する(ステップS460)。そして、現在のRT状態が非RTであった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が3〜8(再遊技−C〜H)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS462)。そして、決定された当選番号が3〜8のいずれかであった場合は、判断結果がYESとなり、決定された当選番号に応じて再遊技05に対応する図柄組合せが揃う押し順(図10(a)参照)をRWMの所定記憶領域に保存する(ステップS464)。
一方、ステップS462の判断処理において、決定された当選番号が3〜8のいずれでも無かった場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、決定された当選番号が21〜30のいずれかのときの押し順を定める共通処理2を実行する(ステップS466)。この共通処理2は、RT1〜4のときにも実行される処理であり、後に詳細なフローチャートを参照しつつ詳しく説明する。主制御手段100は、ステップS466の共通処理2を終えると、次に特別図柄01〜03が表示される可能性がある押し順番号を決定する。
すなわち、決定された当選番号が36(入賞−P)だった場合は(ステップS468(YES))、押し順番号8(中第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶し(ステップS470)、決定された当選番号が37(入賞−Q)だった場合は(ステップS472(YES))、押し順番号9(右第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶し(ステップS474)、決定された当選番号が38(入賞−R)だった場合は(ステップS476(YES))、押し順番号7(左第1停止操作)をRWMのアドレスF01Aに記憶する(ステップS478)。
ステップS478の処理を行った後、または、ステップS476の判断結果がNOになった場合は、ステップS478の処理を行うことなく、主制御手段100は、決定された当選番号が31〜35のいずれかであるか否かを判断する(ステップS480)。そして、決定された当選番号が31〜35のいずれかであった場合、主制御手段100は、特化ゾーンへ移行するか否かを決定する特化ゾーン移行処理を行う。すなわち、まず特化ゾーンへ移行するか否かを決定する特化ゾーン移行抽選を行い(ステップS482)、特化ゾーン移行抽選に当選したか否かを判断する(ステップS484)。特化ゾーン移行抽選にはずれた場合は、ステップS484の判断結果がNOとなり、図37のAT中処理を終了し、さらに図29のAT状態処理も終了して、図27のステップS28のフリーズ抽選処理へ移行する。
これに対して、特化ゾーン移行抽選に当選した場合は、ステップS484の判断結果がYESとなり、RWMに記憶された特化ゾーン移行フラグの状態をオンに更新する(ステップS486)。これにより、図29のAT状態処理において、ステップS168の判断結果がYESとなって、ステップS170の特化ゾーン準備中処理(図35、図36参照)が行われることになる。ステップS486の処理を終えると、主制御手段100は、図37のAT中処理を終了する。
なお、上述した特化ゾーン移行フラグのオン/オフ状態を副制御手段200へ送信し、副制御手段200において、特化ゾーン準備中に対応する演出を行うようにしてもよい。
(b)RT1における処理
ステップS460の判断処理において、RT状態がRT1〜4のいずれかである場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、現在のRT状態がRT1であるか否かを判断する(ステップS488)。そして、現在のRT状態がRT1であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図30に示したAT準備中処理のステップS208〜S214と同様の処理を行う。すなわち、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が2(再遊技−B)であれば(ステップS490(YES))、押し順番号1をRWMのアドレスF01Aに保存し(ステップS492)、決定された当選番号が3〜8のいずれかであれば(ステップS494(YES))、再遊技05に対応する図柄組合せが揃う押し順の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS496)。
そして、ステップS466で実行した共通処理2を実行し(ステップS504)、次いで特定図柄01〜03が表示されるのを避けるための共通処理3を実行する(ステップS506)。この共通処理3は、RT1〜4のときにも実行される処理であり(ただし、RT4においては当選番号1のときに限って実行されない。)、後に詳細なフローチャートを参照しつつ詳しく説明する。主制御手段100は、ステップS506の共通処理3を終えると、ステップS480へ移行して、前述した特化ゾーン移行処理を行う。
(c)RT2における処理
ステップS488の判断処理において、RT状態がRT2〜4のいずれかである場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、現在のRT状態がRT2であるか否かを判断する(ステップS498)。そして、現在のRT状態がRT2であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図30に示したAT準備中処理のステップS220〜S222と同様の処理を行う。すなわち、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が9〜14のいずれかであれば(ステップS500(YES))、再遊技06に対応する図柄組合せが揃う押し順の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS502)。
ステップS502の処理を終えると、ステップS504の共通処理2およびステップS506の共通処理3を実行し、さらにステップS480へ移行して、前述した特化ゾーン移行処理を行う。
(d)RT3における処理
ステップS498の判断処理において、RT状態がRT3または4である場合、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、図38に示すフローチャートの処理へ移行して、現在のRT状態がRT3であるか否かを判断する(ステップS510)。そして、現在のRT状態がRT3であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が15〜20(再遊技−O〜T)であった場合は(ステップS512(YES))、決定された当選番号に応じて再遊技08に対応する図柄組合せが揃う押し順(図10(c)参照)の押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS514)。これにより、遊技者が報知された押し順に従ってストップスイッチを操作したことにより再遊技08に対応する図柄組合せが揃うと、RT状態はRT4へ移行する。
ステップS514の処理が終了すると、または、ステップS512の判断結果がNO(決定された当選番号が15〜20のいずれでもない)になった場合、主制御手段100は、図37のステップS504へ移行して共通処理2を実行した後、ステップS506の共通処理3を実行し、さらにステップS480へ移行して、前述した特化ゾーン移行処理を行う。
(e)RT4における処理
図38のステップS510の判断処理において、RT状態がRT4であった場合、判断結果がNOとなる。この場合、主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が15〜20(再遊技−O〜T)であった場合は(ステップS512(YES))、決定された当選番号に応じて再遊技08に対応する図柄組合せが揃う押し順(図10(c)参照)の押し順番号をRWMの所定記憶領域に保存する(ステップS518)。これにより、遊技者が報知された押し順に従ってストップスイッチを操作したことにより再遊技08に対応する図柄組合せが揃うと、RT状態はRT4へ移行する。そして、図37のステップS504へ移行して共通処理2を実行した後、ステップS506の共通処理3を実行し、さらにステップS480へ移行して、前述した特化ゾーン移行処理を行う。
ステップS516の判断処理において、決定された当選番号が15〜20のいずれでもなかったときは判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が1(再遊技−A)であるか否かを判断する(ステップS520)。決定された当選番号が1でなかった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100は、図37のステップS504へ移行して共通処理2を実行した後、ステップS506の共通処理3を実行し、さらにステップS480へ移行して、前述した特化ゾーン移行処理を行う。
これに対して、決定された当選番号が1であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図15(a)に示す押し順番号1〜9のうち、いずれか1つを抽選によって決定し(ステップS522)、決定した押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS524)。次に主制御手段100は、AT遊技の残り遊技回数を増加させるか否かを決定する上乗せ抽選を行い(ステップS526)、当該上乗せ抽選に当選したか否かを判断する(ステップS528)。上乗せ抽選に当選しなかった場合は判断結果がNOとなり、AT中処理および図29のAT状態処理を終了して図27の遊技進行メイン処理におけるステップS28のフリーズ抽選処理へ移行する。
一方、上乗せ抽選に当選した場合は、ステップS528の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図33に示した特化ゾーン中処理におけるステップS308〜S312と同様の処理を行う。すなわち、当選番号に応じて上乗せゲーム数αを決定し(ステップS530)、決定した上乗せゲーム数αをリングバッファに保存した後(ステップS532)、RWMの所定記憶領域に記憶されているAT遊技回数ATCNTの値に上乗せゲーム数αの値を加算する(ステップS534)。ここで、ステップS530における当選番号に応じた上乗せゲーム数αの決定方法については、前述したステップS308と同様である。
そして、ステップS534の処理を終えると、AT中処理および図29のAT状態処理を終了して図27の遊技進行メイン処理におけるステップS28のフリーズ抽選処理へ移行する。
なお、上述したステップS526〜S534の上乗せ処理は、RT4のときにのみ決定され得る当選番号が1のときに実行されている。このように、RT4の場合のみ上乗せ処理を行うため、決定された当選番号が15〜20になったときに、報知された押し順を無視した結果、再遊技04または再遊技06に対応する図柄組合せが揃ってしまい、RT1またはRT3へ移行してしまった場合は、上乗せ抽選が行われる可能性がなくなってしまう。このため、遊技者が、報知された押し順に従ってストップスイッチを操作する可能性が高くなる。また、本実施形態では、上乗せ処理の契機として、RT4のときのみ決定され得る当選番号が1のときとしたが、RT4以外のときも決定され得る当選番号を上乗せ処理の契機としてもよい。ただし、RT4以外のときは著しく当選確率が低く設定しておくことが望ましい。
また、上述した上乗せ処理では、上乗せ抽選に当選したときに上乗せゲーム数αを決定していたが(ステップS528,YES→S530)、ステップS526の上乗せ抽選で、0を含む上乗せゲーム数抽選を行い、その抽選結果をATCNTの値に加算するようにしてもよい。また、上乗せゲーム数αを決定すると、その直後にATCNTの値に加算していたが、上乗せゲーム数αの決定やATCNTの値に加算するタイミングは、その後のゲームで行ってもよい。たとえば、何ゲーム後に上乗せゲーム数αを加算するかを抽選によって決定し、決定したゲーム数が経過したときに上乗せゲーム数αをATCNTの値に加算してもよい。
また、上乗せゲーム数の代わりに、主制御手段100から副制御手段200へ残りATゲーム数を毎遊技送信するようにし、副制御手段200において、前回の遊技における残りATゲーム数との差分に基づいて上乗せの発生および上乗せゲーム数を判断してもよい。
(共通処理2の説明)
次に図39に示すフローチャートを参照して、図37に示したAT中処理のステップS466およびS504において非RTおよびRT1〜4のときに共通して実行される共通処理2の内容について説明する。主制御手段100は、まず、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が21(入賞−A)であるか否かを判断する(ステップS540)。決定された当選番号が21であった場合は、判断結果がYESとなり、押し順番号6(右→中→左)をRWMの所定記憶領域に保存する(ステップS542)。これにより、遊技者が報知された押し順に従ってストップスイッチを操作した場合は、入賞02に対応する図柄組合せ「ベル−ベル−ベル」が揃う(図11および図7参照)。また、副制御手段200により、報知する押し順を決定する場合は、ステップS542において、押し順番号9(右→中→左)をRWMの所定記憶領域に保存する。副制御手段200で押し順を決定する場合の処理は後述する。
ステップS542の処理が終了すると、または、ステップS540の判断結果がNO(決定された当選番号が21ではない)になった場合は、次に主制御手段100は、決定された当選番号が22〜27(入賞−B〜G)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS544)。そして、決定された当選番号が22〜27のいずれかであった場合は、判断結果がYESとなり、後述する押し順当てゲームを行うか否かを決定する押し順当てゲーム抽選を行う(ステップS546)。
ここで、押し順当てゲームとは、9枚役が入賞する押し順を遊技者が当てられるか否かに挑むゲームである。遊技者が、9枚役の入賞する押し順を当てられた場合は、AT遊技の権利が付与(いわゆるストックの発生)されたり、AT遊技の残りゲーム数を上乗せしたり等の特典が付与されるようにしてもよい。押し順当てゲームの種類は、6通りの押し順のうち9枚役を入賞させることができる押し順はどれかを遊技者に選択させる六者択一の押し順当てゲームと、第1停止操作のストップスイッチだけを遊技者に報知し、第2停止操作するストップスイッチを、残り2つのストップスイッチの中から選択させる二者択一の押し順当てゲームとがある。ステップS546で行う押し順当てゲーム抽選は、押し順当てゲームを行わない(ハズレ)、六者択一の押し順当てゲームを行う、二者択一の押し順当てゲームを行う、という3つの選択肢から1つを選択する。
ステップS546で押し順当てゲーム抽選を行うと、次に主制御手段100は、押し順当てゲーム抽選に当選したか否かを判断する(ステップS548)。そして、当選した場合(六者択一または二者択一の押し順当てゲームを行うことが決定された場合)は判断結果がYESとなり、当選した押し順当てゲームに応じた押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS550)。すなわち、六者択一の押し順当てゲームを行うことが決定された場合は、押し順番号13(図15(a)参照)をRWMのアドレスF01Aに記憶する。副制御手段200がこの押し順番号を受信した場合、例えば「?−?−?」(第1〜第3停止操作するストップスイッチを遊技者が判断することを示す)の押し順を画像表示装置70に表示する。
また、二者択一の押し順当てゲームを行うことが決定された場合は、押し順番号10〜12(図15(a)参照)のいずれかをRWMのアドレスF01Aに記憶する。具体的には、当選番号22または23(入賞−BまたはC)が決定された場合は、押し順番号10をRWMのアドレスF01Aに記憶する。副制御手段200がこの押し順番号を受信した場合、例えば「1−?−?」(左ストップスイッチ37Lを第1停止操作することを示す)の押し順を画像表示装置70に表示する。当選番号24または25(入賞−DまたはE)が決定された場合は、押し順番号11をRWMのアドレスF01Aに記憶する。副制御手段200がこの押し順番号を受信した場合、例えば「?−1−?」(中ストップスイッチ37Cを第1停止操作することを示す)の押し順を画像表示装置70に表示する。当選番号26または27(入賞−FまたはG)が決定された場合は、押し順番号12をRWMのアドレスF01Aに記憶する。副制御手段200がこの押し順番号を受信した場合、例えば「?−?−1」(右ストップスイッチ37Rを第1停止操作することを示す)の押し順を画像表示装置70に表示する。
これに対して、押し順当てゲーム抽選にはずれた場合はステップS550の判断結果がNOとなり、入賞01〜03が入賞する押し順に対応する押し順番号をRWMのアドレスF01Aに保存する(ステップS552)。次に、ステップS544の判断処理で判断結果がNO(決定された当選番号が22〜27のいずれでもない)になった場合、または、ステップS550またはS552の処理を行うと、主制御手段100は、決定された当選番号が28〜30のいずれかであるか否かを判断する(ステップS554)。そして、決定された当選番号が28〜30のいずれでもなかった場合は判断結果がNOとなり、図39の共通処理2を終了する。
一方、当選番号が28〜30のいずれかに決定された場合、ステップS554の判断結果がYESとなり、6択ナビを行うか否かを決定する6択ナビ抽選を行う(ステップS556)。ここで、当選番号28〜30は、所定のストップスイッチが第1停止操作されれば、第2停止操作以降は、どのストップスイッチが操作されても9枚役が入賞する(図11参照。)。よって、第1停止操作すべきストップスイッチだけ報知すれば、遊技者は9枚役を入賞させることができるが、上述した6択ナビは、演出の一環としてさらに第2、第3停止操作すべきストップスイッチも報知するものである。したがって、第2停止操作以降は、6択ナビで報知されたストップスイッチと異なるストップスイッチが操作されたとしても9枚役は入賞する。
次に主制御手段100は、ステップS556で行った6択ナビ抽選に当選したか否かを判断し(ステップS558)、当選した場合は判断結果がYESとなって、入賞01〜03に対応する図柄組合せが揃う第1停止操作のストップスイッチを含む押し順を決定する(ステップS560)。すなわち、当選番号が28に決定された場合は、左→中→右または左→右→中のいずれか一方を選択する。また当選番号が29に決定された場合は、中→左→右または中→右→左のいずれか一方を選択する。さらに当選番号が30に決定された場合は、右→左→中または右→中→左のいずれか一方を選択する。そして、ステップS560で決定した押し順に対応する押し順番号を、RWMの所定記憶領域に保存し(ステップS562)、図39の共通処理2を終了する。
また、ステップS558の判断処理において、6択ナビ抽選にはずれた場合は判断結果がNOになって、決定された当選番号に応じて入賞01〜03が入賞する押し順に対応する押し順番号(7〜9のいずれか)を、RWMの所定記憶領域に保存し(ステップS564)、図39の共通処理2を終了する。
なお、ステップS544の判断処理で、当選番号が22〜27のいずれかに決定されたときに押し順当てゲームを実施しない場合は、ステップS546〜S550の処理を省略し、ステップS544の判断結果がYESとなったときに、直ちにステップS552へ移行させればよい。また、ステップS554の判断処理で、当選番号が28〜30のいずれかに決定されたときに6択ナビを実施しない場合は、ステップS556〜S562の処理を省略し、ステップS554の判断結果がYESとなったときに、直ちにステップS564へ移行させればよい。
さらに、6択ナビを実施する場合において、第2、第3停止操作すべきストップスイッチをステップS560の処理によって決定していたが、これらのストップスイッチを副制御手段200で決定してもよい。この場合、主制御手段100は9枚役が入賞する第1停止操作のストップスイッチ(すなわち、押し順番号7〜9のいずれか)を副制御手段200に送信し、副制御手段200において第2、第3停止操作のストップスイッチを決定する。
(共通処理3の説明)
次に図40に示すフローチャートを参照して、図37に示したAT中処理のステップS506においてRT1〜4のときに共通して実行される共通処理3の内容について説明する。主制御手段100は、まず、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が36(入賞−P)であるか否かを判断する(ステップS570)。決定された当選番号が36であった場合は、判断結果がYESとなり、RWMのアドレスF01Aに押し順番号7(左第1停止)を保存する(ステップS572)。ステップS570の判断結果がNO(当選番号が36ではない)の場合、または、ステップS572の処理を終えると、次に主制御手段100は、決定された当選番号が37(入賞−Q)であるか否かを判断する(ステップS574)。決定された当選番号が37であった場合は、判断結果がYESとなり、RWMのアドレスF01Aに押し順番号8(中第1停止)を保存する(ステップS576)。
さらに、ステップS574の判断結果がNO(当選番号が37ではない)の場合、または、ステップS576の処理を終えると、次に主制御手段100は、決定された当選番号が38(入賞−R)であるか否かを判断する(ステップS578)。決定された当選番号が38であった場合は、判断結果がYESとなり、RWMのアドレスF01Aに押し順番号9(右第1停止)を保存する(ステップS580)。そして、ステップS580の処理を終えると、または、ステップS578の判断結果がNO(当選番号が38ではない)の場合は直ちに、図40の共通処理3を終了する。
このような共通処理3を実施することで、当選番号が36〜38のいずれかに決定されたときに、遊技者が報知された押し順に従ってストップスイッチを操作した場合は、9枚役(入賞Q〜Rのいずれか)が入賞し、特別図柄01〜03の表示を回避することができるため、現在のRT状態(RT1〜4のいずれか)から非RTへ移行してしまうことがない(図13参照)。
なお、上述した共通処理3では、9枚役が入賞する押し順として第1停止操作すべきストップスイッチを遊技者に報知するようにしているが、例えば、図39の共通処理2におけるステップS560およびS562と同様の処理を行うことで、6択ナビを行ってもよい。その場合、第2、第3停止操作すべきストップスイッチを主制御手段100ではなく、副制御手段200で決定してもよい。
<フリーズ抽選処理の説明>
次に、図27のステップS28で実行されるフリーズ抽選処理の内容について、図41に示すフローチャートを参照して説明する。主制御手段100は、ステップS28のフリーズ抽選処理を開始すると、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が22〜27(入賞−B〜G)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS590)。決定された当選番号が22〜27のいずれかであった場合は、判断結果がYESとなり、主制御手段100は第1フリーズ抽選を行う(ステップS592)。この第1フリーズ抽選は、フリーズ演出を実行しない(はずれ)、フリーズ演出Aを実行する(当選1)、または、フリーズ演出Bを実行する(当選2)のいずれか1つを決定する。なお、フリーズ演出Bよりもフリーズ演出Aの方が実行する確率が高く設定されている。
そして、主制御手段100は第1フリーズ抽選に当選したか否かを判断し(ステップS594)、第1フリーズ抽選に当選したときは判断結果がYESになって、実行することが決定されたフリーズ演出の種類に応じたフリーズ番号を定める(ステップS596)。すなわち、フリーズ演出Aの実行が決定されたときはフリーズ番号を1にし、フリーズ演出Bの実行が決定されたときはフリーズ番号を2にする。また、第1フリーズ抽選にはずれたときは判断結果がNOになって、フリーズ番号を0に定める(ステップS598)。そして、ステップS596またはS598の処理によって決定したフリーズ番号をリングバッファに保存して(ステップS600)、図41に示したフリーズ抽選処理を終了し、図27のステップS30の判断処理へ移行する。
前述したステップS590の判断処理において、決定された当選番号が22〜27のいずれでもなかったときは、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、決定された当選番号が32であるか否かを判断する(ステップS602)。ここで、決定された当選番号が32でなかった場合は判断結果がNOとなり、前述したステップS598へ移行してフリーズ番号を0に定め、ステップS600へ移行してフリーズ番号0をリングバッファに保存した後、図41に示したフリーズ抽選処理を終了し、図27のステップS30の判断処理へ移行する。
これに対して、当選番号が32に決定された場合は、判断結果がYESとなって、第2フリーズ抽選を行う(ステップS604)。この第2フリーズ抽選は、フリーズ演出を実行しない(はずれ)、または、フリーズ演出Bを実行する(当選)のいずれか1つを決定する。なお、第2フリーズ抽選においてフリーズ演出Bの実行が選択される確率は、ステップS592の第1フリーズ抽選において、フリーズ演出AまたはBを実行する確率よりも高く設定されている。
そして、主制御手段100は第2フリーズ抽選に当選したか否かを判断し(ステップS604)、第2フリーズ抽選に当選したときは判断結果がYESになって、フリーズ番号を2に定める(ステップS608)。すなわち、第2フリーズ抽選に当選したときは、必ずフリーズ演出Bが実行される。そして、フリーズ番号2をリングバッファに保存して(ステップS610)、図41に示したフリーズ抽選処理を終了し、図27のステップS30の判断処理へ移行する。また、第2フリーズ抽選にはずれたときは、ステップS606の判断結果がNOになり、主制御手段100はステップS596の処理へ移行してフリーズ番号を0にして、ステップS6600の処理により、フリーズ番号0がリングバッファに保存される。
上述したフリーズ抽選処理は、図27に示した遊技進行メイン処理のステップS28で実行され、同図のステップS54の処理によって入賞・再遊技当選番号(またはマスク番号)がリングバッファに保存されるよりも早い段階で、フリーズ番号がリングバッファに保存される。これにより、入賞・再遊技当選番号および役物当選番号よりも先にフリーズ番号が副制御手段200に送信されることになる。
<押し順表示処理の説明>
次に、図27のステップS38で実行される押し順表示処理の内容について、図42(a)に示すフローチャートを参照して説明する。まず主制御手段100は、RWMの所定記憶領域に記憶されている押し順フラグのオン/オフ状態がオンであるか否かを判断する(ステップS630)。押し順フラグがオンになっていた場合は、入賞・再遊技当選番号に基づいて押し順番号を決定する。具体的には、ROMに記憶されている押し順番号を設定するための押し順番号指定テーブルと、入賞・再遊技当選番号とに基づいて決定する(ステップS631)。
ここで、押し順番号指定テーブルとは、例えば図42(b)に示すように、入賞・再遊技当選番号に対応した押し順番号が定められており、例えばアドレスYには入賞・再遊技当選番号0に対応する押し順番号「0」が定められ、アドレス(Y+1)には入賞・再遊技当選番号1に対応する押し順番号「0」が定められ、アドレス(Y+2)には入賞・再遊技当選番号2に対応する押し順番号「0」が定められ、アドレス(Y+3)には入賞・再遊技当選番号3に対応する押し順番号「1」が定められ、アドレス(Y+4)には入賞・再遊技当選番号4に対応する押し順番号「2」が定められ、アドレス(Y+L)には入賞・再遊技当選番号Lに対応する押し順番号「n」が定められている。
ここで、対応する押し順番号とは、入賞・再遊技当選番号が再遊技役に対応し、且つ、RTの変動契機となっている役(当選番号3〜20)に関しては、RTを変動させるための有利な押し順の押し順番号を指し、入賞・再遊技当選番号が小役に対応するものであって、且つ、操作順序によって払出しが異なる役(当選番号22〜38)に関しては、最も払出しが多い役を入賞させるための有利な押し順の押し順番号を指す。
詳細な処理としては、入賞・再遊技当選番号を第1のレジスタ(例えばAレジスタ)に記憶し、押し順番号指定テーブルの先頭アドレスを第2のレジスタ(例えばHLレジスタ)に記憶し、第1のレジスタと第2のレジスタとの演算処理によって押し順番号指定テーブルから押し順番号を取得する。具体的には、HLレジスタにAレジスタを加算し、加算によって得られたアドレスのデータをAレジスタに取得する。得られた押し順番号は、RWMのアドレスF01Aに記憶する(ステップS632)。
次に、得られた押し順番号が0であるか否かを判断する(ステップS633)。主制御手段100が、押し順番号が0でない(NO)と判断したときは、取得した押し順番号に所定値(E0H)を加算し(ステップS634)、その加算結果を示すデータをRWMのアドレスF018に記憶する(ステップS635)。この処理によってRWMのアドレスF018に記憶されたデータは、所定の表示器(獲得枚数表示器28)に押し順番号に対応する表示態様を指定するためのオフセット値となる。
これに対して、ステップS633の判断処理で、主制御手段100が、押し順番号が0である(YES)と判断したときは、ステップS634およびS635の処理を行うことなく、図42の押し順表示処理を終了する。これにより、アドレスF018に記憶されたデータは更新されず、獲得枚数表示器28の表示内容は、遊技開始時の状態が維持される。
このように、押し順を報知する遊技の場合には、RWMの所定記憶領域に記憶されている入賞・再遊技当選番号をオフセット値として押し順番号指定テーブルを用いて押し順番号を決定する。これにより、プログラムの容量を圧迫することなく簡単な処理で押し順番号の決定、および、押し順番号を所定の表示器を用いて報知するための情報の決定を行うことができる。
なお、図28〜図40には個別の処理毎に押し順を決定し押し順を保存しているが、図28〜図40の「押し順番号を保存」とは説明上分かりやすく記載しているものであり、実際に押し順番号を保存している処理は、図42に示す処理で行われている。もちろん、図28〜図40のように個別の処理毎に押し順を決定し押し順を保存しても良い。また、図15(c)に示した4つのLEDによって押し順番号を表示する場合は、押し順番号を2進法の数値で表し、「0」の値を示す桁を消灯し「1」の値を示す桁を点灯させる表示態様となる。さらに、図15(d)に示したように、7セグ表示器のセグメントa〜gと、押し順番号および当選番号の値を2進法の数値で表したときの各ビットと、を対応させ、「0」の値を示すビットを消灯し「1」の値を示すビットを点灯させる表示態様となる。
そして、ステップS635の処理によってRWMのアドレスF018に押し順番号を表す表示態様のオフセット値を記憶させると、主制御手段100は、図42(a)に示す押し順表示処理を終了して図27に示すステップS40の処理へ移行する。
これに対して、ステップS630の判断処理において、押し順フラグがオフになっていた場合は判断結果がNOとなり、ステップS635の処理によって所定の表示器に表示された表示内容(押し順番号に関する情報)を非表示にすることを示す値(FFH)をRWMのアドレスF018に記憶する(ステップS636)。ここで、押し順番号に関する情報を非表示にする方法としては、例えば図15(b)に示したように、獲得枚数数表示器28に押し順番号を表示する場合は、「00」という値を表示してもよいし、消灯させてもよい。また、図15(c)に示した4つのLEDの場合は消灯させることが考えられる。また、ステップS630の判断結果がNOになったときに、ステップS636を行うことなく、直ちに図42(a)の押し順表示処理を終了させてもよい。
なお、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示するためのオフセット値を主制御手段100のRWMのアドスレF018(払出枚数表示およびエラーコード表示と同じアドレス)に記憶させていたが、押し順番号の専用アドレスを設け、当該専用アドレスに押し順番号を表示するためのオフセット値を記憶させるようにしてもよい。また、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示するためのオフセット値を、押し順番号データを記憶するRWMアドレスF01Aに記憶されたデータとしてもよい(その場合、上位桁は消灯又は0が表示される)。さらに、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示するためのオフセット値を、押し順番号データを記憶するRWMアドレスF01Aに記憶されたデータに特定値(例えばE0H)を加算した値としてもよい。
<遊技終了チェック処理の説明>
次に、図27のステップS66で実行される遊技終了チェック処理の内容について、図43〜図46に示すフローチャートを参照して説明する。遊技終了チェック処理は大別すると、メインモードの移行を制御するための処理と、RT状態の移行を制御するための処理とに分けることができる。
(a)メインモードの移行制御
(a−1)メインモード1における処理
主制御手段100が遊技終了チェック処理を開始すると、まずは現在のメインモードが1であるか否かを判断する(ステップS640)。メインモードが1のときはステップS640の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMの所定記憶領域に保存されているAT前兆フラグのオン/オフ状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS642)。AT前兆フラグオンになっていた場合は判断結果がYESとなり、RWMの所定記憶領域に記憶されている現在のメインモードの値を1から3に更新する(ステップS644)。
そして、図28に示した非AT状態処理のステップS126の処理によってRWMに記憶されたAT前兆ゲーム数δの値を読み出し(ステップS646)、AT前兆ゲーム数を計数するためのAT前兆ゲーム数ATZCNTの値にδの値をセットする(ステップS648)。また、RWMの所定記憶領域に記憶されているAT前兆フラグの状態をオフに更新し(ステップS650)、さらにチャンスゾーン移行フラグ(以下、「CZ移行フラグ」ともいう。)の状態もオフに更新する(ステップS652)。
次に主制御手段100は、RWMの所定記憶領域に記憶されているチャンスゾーンゲーム数CZCNTの値を0にクリアし(ステップS654)、RWMの所定記憶領域に記憶されている高確モード移行フラグの状態をオフに更新する(ステップS656)。そして、RWMに記憶されている押し順フラグの状態をオフに更新し(ステップS658)、後に詳細なフローチャートを参照して詳しく説明するRT移行処理を実行する(ステップS660)。ステップS660のRT移行処理が終了すると、図43の遊技終了チェック処理が終了し、すなわち、図27に示す遊技進行メインのステップS66の遊技終了チェック処理が終了し、次の遊技を開始するためにステップS10の遊技開始処理へ移行する。
次に前述したステップS642の判断処理において、AT前兆フラグの状態がオフであった場合は、判断結果がNOとなり、主制御手段100はRWMに記憶されているチャンスゾーンのゲーム数CZCNT(図28のステップS104参照)の値が1以上であるか否かを判断する(ステップS662)。チャンスゾーンのゲーム数CZCNTの値が1以上であった場合は判断結果がYESとなり、記憶されていたCZCNTの値から1を減算する(ステップS664)。次に主制御手段100は、RWMに記憶されているチャンスゾーン移行フラグ(以下、「CZ移行フラグ」ともいう。)の状態がオンであるか否かを判断する(ステップS666)。なお、ステップS662の判断処理において、CZCNTの値が0だった場合は、判断結果がNOとなり、ステップS664の処理を行うことなく直ちにステップS666の判断処理を行う。
ステップS666の判断処理において、CZ移行フラグの状態がオンであった場合は判断結果がYESとなり、図28のステップS114でRWMに記憶されたチャンスゾーンゲーム数γの値を読み出す(ステップS668)。そして、RWMに記憶されているチャンスゾーンのゲーム数CZCNTの値をγに更新し(ステップS670)、RWMに記憶されているCZ移行フラグの状態をオフに更新する(ステップS672)。次に主制御手段100は、RWMに記憶されている高確モード移行フラグの状態がオンであるか否かを判断する(ステップS674)。ここで、ステップS666の判断結果がNOになった(CZ移行フラグがオフだった)場合は、ステップS668〜S672の処理を行うことなく、ステップS674の判断処理へ移行する。
ステップS674の判断処理において、高確モード移行フラグの状態がオンである場合は、RWMに記憶されている現在のメインモードの値を1から2に更新する(ステップS678)。そして、メインモード2に滞在することができる残り遊技回数MM2CNTの値を20に更新する(ステップS680)。そして、前述したステップS656の処理へ進み、高確モード移行フラグの状態をオフにした後、ステップS658へ進み押し順フラグの状態をオフにした後、ステップS660のRT移行処理を終えると、図43の遊技終了チェック処理(図20のステップS66)が終了し、次の遊技を開始するためにステップS10の遊技開始処理へ移行する。なお、ステップS674の判断処理で高確モード移行フラグがオフだった場合は判断結果がNOとなり、ステップS678〜S680の処理を行うことなく、ステップS656の処理へ移行する。
(a−2)メインモード2における処理
前述したステップS640の判断処理において、現在のメインモードが2〜4のいずれかであった場合は判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は現在のメインモードが2であるか否かを判断する(ステップS682)。メインモードが2のときはステップS682の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMの所定記憶領域に保存されているAT前兆フラグのオン/オフ状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS684)。AT前兆フラグオンになっていた場合は判断結果がYESとなり、RWMの所定記憶領域に記憶されている現在のメインモードの値を2から3に更新する(ステップS686)。
そして、ステップS646の処理と同様にRWMに記憶されたAT前兆ゲーム数δの値を読み出し(ステップS688)、AT前兆ゲーム数を計数するカウンタにδの値をセットする(ステップS690)。また、RWMの所定記憶領域に記憶されているAT前兆フラグの状態をオフに更新し(ステップS692)、CZ移行フラグの状態もオフに更新する(ステップS694)。次いで、RAMの所定記憶領域に記憶されているチャンスゾーンゲーム数CZCNTの値を0にクリアし(ステップS696)、さらに前述したMM2CNTの値も0にクリアする(ステップS698)。そしてステップS658へ移行して、RWMに記憶されている押し順フラグの状態をオフに更新し、ステップS660のRT移行処理を実行した後、図43の遊技終了チェック処理を終了する。
次に前述したステップS682の判断処理において、AT前兆フラグの状態がオフであった場合は、判断結果がNOとなり、主制御手段100はRWMに記憶されているCZCNTの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS700)。CZCNTの値が1以上であった場合は判断結果がYESとなり、記憶されていたCZCNTの値から1を減算する(ステップS702)。次に主制御手段100は、RWMに記憶されているCZ移行フラグの状態がオンであるか否かを判断する(ステップS704)。なお、ステップS700の判断処理において、CZCNTの値が0だった場合は、判断結果がNOとなり、ステップS702の処理を行うことなく直ちにステップS704の判断処理を行う。
ステップS704の判断処理において、CZ移行フラグの状態がオンであった場合は判断結果がYESとなり、RWMに記憶されているチャンスゾーンゲーム数γの値を読み出し(ステップS706)、RWMに記憶されているCZCNTの値をγに更新する(ステップS708)。そして、CZ移行フラグの状態をオフに更新し(ステップS710)、RWMに記憶されているMM2CNTの値から1を減算する(ステップS712)。ここで、ステップS704の判断結果がNOになった(CZ移行フラグがオフだった)場合は、ステップS706〜S710の処理を行うことなく、ステップS712の処理へ移行する。
次いで主制御手段100は、MM2CNTの値が1以上であるか否かを判断し(ステップS714)、MM2CNTの値が0であった場合は判断結果がNOとなり、現在のメインモードを1に更新する(ステップS716)。そして、ステップS658へ移行して、RWMに記憶されている押し順フラグの状態をオフに更新し、ステップS660のRT移行処理を実行した後、図43の遊技終了チェック処理を終了する。これに対して、ステップS714の判断処理において、MM2CNTの値が1以上であった場合は判断結果がYESとなり、直ちにステップS658へ移行して、RWMに記憶されている押し順フラグの状態をオフに更新し、ステップS660へ進み、RT移行処理を実行した後、図43の遊技終了チェック処理を終了する。
(a−3)メインモード3における処理
前述したステップS682の判断処理において、現在のメインモードが3または4のいずれかであった場合は判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は図44のフローチャートの処理を行う。すなわち、まず現在のメインモードが3であるか否かを判断する(ステップS720)。メインモードが3のときはステップS720の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMの所定記憶領域に保存されているAT前兆ゲーム数ATZCNTの値から1を減算する(ステップS722)。
次に主制御手段100は、AT前兆ゲーム数ATZCNTの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS726)。ATZCNTの値が1以上であった場合は判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている押し順フラグの状態をオフにして(ステップS726)、図43のステップS660のRT移行処理を行う。これに対してATZCNTの値が0であった場合は判断結果がNOとなり、押し順フラグの状態をオンにして(ステップS728)、現在のRT状態を3から4に更新してから(ステップS730)、図43のステップS660へ移行してRT移行処理を行う。なお、ステップS728およびステップS73の処理を行う順序を入れ替えてもよい。
(a−4)メインモード4における処理
前述したステップS720の判断処理において、現在のメインモードが4のであった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100はRWMに記憶されている現在のRT状態がRT5または6のいずれかであるか否かを判断する(ステップS732)。現在のRT状態がRT5または6のいずれかであった場合は判断結果がYESとなり、図43のステップS660のRT移行処理を行う。このように本実施形態では、現在のRT状態がRT5または6のいずれかであるときは、ATフラグがオンであっても、AT遊技の残りゲーム数を変更することがないため、BB01に当選してもATフラグをオフに更新しないようにしている。
これに対して、現在のRT状態が非RTまたはRT1〜4のいずれかであった場合は判断結果がNOとなり、次にRWMに記憶されているATフラグの状態がオンであるか否かを判断する(ステップS734)。ここで、ATフラグは、AT遊技中であるか否かを示すフラグであり、オンのときはAT遊技中であることを示し、オフのときはAT遊技中ではないことを示している。以下、ATフラグがオンのときに行う処理と、オフのときに行う処理とに分けて説明する。
(ATフラグがオフのときの処理)
ステップS734の判断処理で、ATフラグがオフのときは判断結果がNOとなり、主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が15〜20(再遊技−O〜T)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS736)。ここで、当選番号15〜20は、RT3または4のときに当選する可能性があり(図4参照)、かつ、RT3からRT4へ移行する再遊技08の図柄組合せが、押し順に応じて表示される(図10(c),図13参照)。
ステップS736の判断処理において、当選番号が15〜20のいずれにも決定されなかった場合、判断結果はNOとなり、次にRWMのアドレスF01Aに記憶されている押し順番号(すなわち、今回の遊技で報知された押し順番号)の値が1〜9のいずれかであるか否かを判断する(ステップS738)。何らかの押し順番号(または押し順番号に応じた押し順)が報知されていた場合は、判断結果がYESとなり、次にRWMに記憶されていた押し順番号と、実際に遊技者が操作したストップスイッチの押し順とが一致するか否かを判断する(ステップS740)。
ステップS740の判断処理において、RWMに記憶されていた押し順番号と、実際に遊技者が操作したストップスイッチの押し順とが一致なかった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100は、RWMの所定記憶領域に記憶されているATフラグの状態をオンに更新する(ステップS742)。なお、このステップS742の処理において、図3に示した外部集中端子基板84を介して外部へ出力するAT信号を、オンにするための制御を行ってもよい。また、これに限らず、ATフラグがオン、かつ、RT状態が特定のRT(例えばRT4)に移行したときに、上述したAT信号を出力するようにしてもよい。前述したステップS736の判断処理で、当選番号が15〜20のいずれかに決定された場合は、判断結果がYESとなり、直ちにステップS742の処理が行われる。
そして、主制御手段100は、RWMに記憶されているAT遊技中のゲーム回数をカウントするためのAT遊技ゲーム数ATCNTの値に50をセットし(ステップS744)、図43のステップS660のRT移行処理に進む。なお、ステップS738の判断処理において、判断結果がNOになった場合(押し順番号が0または10〜13だったとき)、または、ステップS740の判断処理において、判断結果がYESになった場合(遊技者が報知された押し順でストップスイッチを操作した場合)は、ステップS742およびS744の処理を行うことなく直ちに図43のステップS660へ移行してRT移行処理を行う。
このように、メインモード4において、役抽選処理で当選番号15〜20のいずれかに決定された場合(ステップS736(YES))、または当選番号15〜20以外のいずれかに決定され、かつ、報知された押し順に従ってストップスイッチが操作されなかった場合は、AT遊技が開始される。ここで、メインモード4で(ステップS720,NO)、ATフラグがオフのときに(ステップS734,NO)、当選番号15〜20(再遊技O〜T)のいずれかに決定された場合(ステップS736,YES)、報知された押し順と、操作された押し順との一致を判断することなくATフラグをオンにするのは、有利な状態がいつまでも継続してしまうのを避けるためである。
すなわち、当選番号15〜20はRT状態がRT3のときにも決定される可能性があり、かつ、RT3は、RT4と同様に再遊技役の合成当選確率が非常に高く設定されている(図4参照)。ここで、RT3からRT4への移行条件は、再遊技08の入賞になっている(図13参照)。また、メインモード4の終了条件は、AT遊技開始後、所定ゲーム数(50ゲーム+上乗せゲーム数)を消化することである(図14参照)。よって、例えばAT遊技の開始条件を「再遊技O〜Tのいずれかが決定されたときに、再遊技08が入賞すること」(図10(c)参照)と定めた場合、RT3かつメインモード4の状態のときに、遊技者が再遊技08の入賞を回避させれば、再遊技の当選確率が非常に高い状態(RT3)で、かつ、9枚役が入賞する押し順が報知される状態(図30のAT準備中処理内の共通処理1(図31)参照)を維持することが可能になってしまう。このため、本実施形態では、役抽選処理で再遊技O〜Tのいずれかが決定された場合は、再遊技08が入賞したか否かに関わらず、ATフラグをオンにしている。
(ATフラグがオンのときの処理)
ステップS734の判断処理で、ATフラグがオンのときは判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMの所定記憶領域に記憶された特化ゾーンが終了するまでの残り遊技回数TZCNTの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS746)。TZCNTの値が1以上である場合は、判断結果がYESとなり、TZCNTの値から1を減算した後(ステップS748)、図43のステップS660へ移行してRT移行処理を行う。
これに対して、ステップS746の判断処理で、TZCNTの値が0のときは、判断結果がNOとなり、主制御手段100は、RWMに記憶されている特化ゾーン移行フラグの状態がオンであるか否かを判断する(ステップS750)。特化ゾーン移行フラグの状態がオフであった場合は、判断結果がNOとなり、RWMに記憶されているAT遊技ゲーム数ATCNTの値から1を減算する(ステップS752)。そして、ATCNTの値が1以上であるか否かを判断し(ステップS754)、1以上であった場合は判断結果がYESとなり、図43のステップS660へ移行してRT移行処理を行う。これに対してATCNTの値が0であった場合は、判断結果がNOとなり、AT遊技を終了する際の処理を行う。
すなわち、RWMに記憶されているATフラグの状態をオフに更新し(ステップS756)、メインモード1と2のいずれに移行するのかを決定するメインモード移行抽選を行う(ステップS758)。なお、ステップS756の処理において、図3に示した外部集中端子基板84を介して外部へ出力するAT信号を、オフにするための制御を行ってもよい。また、ステップS758で行うメインモード移行抽選では、メインモード2に移行する確率よりもメインモード1へ移行する確率の方が高く設定されているが、各々の確率は、例えば、前述した設定値や、当該遊技で決定された当選番号などに応じて異ならせてもよい。ステップS758のメインモード移行抽選で、メインモード2に当選すると、判断結果がYESとなりRWMに記憶されている現在のメインモードを示す情報を、メインモード2に更新する(ステップS762)。一方、メインモード1に当選したときは、判断結果がNOとなり、現在のメインモードを示す情報をメインモード1に更新する(ステップS764)。ステップS762またはS764の処理を行うと、主制御手段100は、RWMに記憶されている押し順フラグの状態をオフに更新し(ステップS766)、図43のステップS660へ移行してRT移行処理を行う。
前述したステップS750の判断処理で、RWMに記憶されている特化ゾーン移行フラグの状態がオンになっていた場合は、判断結果がYESとなり、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が9〜20(再遊技−J〜N,O〜T)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS736)。ここで、当選番号9〜14は、RT2のときに当選する可能性があり(図4参照)、かつ、RT2からRT3へ移行する再遊技06の図柄組合せが、押し順に応じて表示される(図10(b),図13参照)。また、当選番号15〜20は、RT3または4のときに当選する可能性があり(図4参照)、かつ、RT3からRT4へ移行する再遊技08の図柄組合せが、押し順に応じて表示される(図10(c),図13参照)。
ステップS768の判断処理において、当選番号が9〜20のいずれにも決定されなかった場合、判断結果はNOとなり、次にRWMのアドレスF01Aに記憶されている押し順番号(すなわち、今回の遊技で報知された押し順番号)の値が1〜9のいずれかであるか否かを判断する(ステップS770)。何らかの押し順番号(または押し順番号に応じた押し順)が報知されていた場合は、判断結果がYESとなり、次にRWM記憶されていた押し順番号と、実際に遊技者が操作したストップスイッチの押し順とが一致するか否かを判断する(ステップS772)。
ステップS772の判断処理において、RWM記憶されていた押し順番号と、実際に遊技者が操作したストップスイッチの押し順とが一致なかった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100は、RWMの所定記憶領域に記憶されている特化ゾーン移行フラグの状態をオフに更新する(ステップS774)。なお、前述したステップS768の判断処理で、当選番号が9〜20のいずれかに決定された場合は、判断結果がYESとなり、直ちにステップS774の処理が行われる。
次いで主制御手段100は、特化ゾーンが終了するまでの残り遊技回数TZCNTの値に10をセットし(ステップS776)、RWMに記憶されているAT遊技ゲーム数ATCNTの値から1を減算してから(ステップS778)、図43のステップS660へ移行してRT移行処理を行う。ここで、特化ゾーン移行フラグがオンのときに、当選番号が9〜20(再遊技J〜N,O〜T)のいずれかに決定された場合(ステップS736,YES)、報知された押し順と、操作された押し順との一致を判断することなくTZCNTの値に10をセットするのは、有利な状態がいつまでも継続してしまうのを避けるためである。
基本的に特化ゾーン移行フラグがオンのときは、ATフラグがオンであってもAT遊技の残りゲーム数の減算を行わないようにしている。そのため、例えば特化ゾーンへの移行を「再遊技J〜N,O〜Tのいずれかが決定されたときに、再遊技06が入賞すること」と定めた場合、当選番号が9〜20(再遊技I〜T)のいずれかに決定された場合に遊技者が再遊技06の入賞を回避させれば、AT遊技の残りゲーム数の減算を行わない状態を維持することが可能になってしまうからである。
一方、ステップS770の判断処理において、判断結果がNOになった場合(押し順番号が0または10〜13だったとき)、または、ステップS772の判断処理において、判断結果がYESになった場合(遊技者が報知された押し順でストップスイッチを操作した場合)は、ステップS774〜S778の処理を行うことなく直ちに図43のステップS660へ移行してRT移行処理を行う。
(b)RT移行処理
次に図43の遊技終了チェック処理におけるステップS660のRT移行処理の内容について、図45および図46のフローチャートを参照しつつ説明する。
(b−1)非RTまたはRT1における処理
主制御手段100が、図43に示したステップS660のRT移行処理を開始すると、図45に示すRT移行処理を開始し、まず、現在のRT状態が非RTまたはRT1であるか否かを判断する(ステップS792)。現在のRT状態が非RTまたはRT1であった場合は判断結果がYESとなり、次に主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が3〜8(再遊技−C〜H)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS794)。決定された当選番号が3〜8のいずれでもない場合は判断結果がNOとなり、ステップS830へ移行して後述する共通処理4を実行する。
ステップS794の判断処理において、決定された当選番号が3〜8のいずれかであった場合は判断結果がYESとなり、再遊技05に対応する図柄組合せ(図6(b)参照)が入賞ラインL上に揃ったか否かを判断する(ステップS796)。入賞ラインL上に再遊技05に対応する図柄組合せが揃わなかった場合は、判断結果がNOとなり、図45のRT移行処理を終了し、さらに図43の遊技終了チェック処理も終了して、図27のステップS10へ移行する。これに対して、入賞ラインL上に再遊技05に対応する図柄組合せが揃った場合は、判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている現在のRT状態をRT1からRT2に更新し(ステップS798)、図45のRT移行処理を終了する。
(b−2)RT2における処理
ステップS792の判断処理において、現在のRT状態がRT2〜6のいずれかであった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100はRWMに記憶されている現在のRT状態がRT2であるか否かを判断する(ステップS800)。現在のRT状態がRT2であった場合は判断結果がYESとなり、次に主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が9〜14(再遊技−I〜N)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS802)。決定された当選番号が9〜14のいずれでもない場合は判断結果がNOとなり、ステップS830へ移行して後述する共通処理4を実行する。
ステップS802の判断処理において、決定された当選番号が9〜14のいずれかであった場合は判断結果がYESとなり、再遊技06に対応する図柄組合せ(図6(b)参照)が入賞ラインL上に揃ったか否かを判断する(ステップS804)。入賞ラインL上に再遊技06に対応する図柄組合せが揃った場合は、判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている現在のRT状態をRT2からRT3に更新し(ステップS806)、図45のRT移行処理を終了する。
これに対して、入賞ラインL上に再遊技06に対応する図柄組合せが揃わなかった場合は、判断結果がNOとなり、次に再遊技02に対応する図柄組合せ(図6(b)参照)が入賞ラインL上に揃ったか否かを判断する(ステップS808)。入賞ラインL上に再遊技02に対応する図柄組合せが揃った場合は、判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている現在のRT状態をRT2からRT1に更新し(ステップS810)、図45のRT移行処理を終了する。これに対して、入賞ラインL上に再遊技02に対応する図柄組合せが揃わなかった場合は、判断結果がNOとなり、そのまま図45のRT移行処理を終了する。
(b−3)RT3における処理
ステップS800の判断処理において、現在のRT状態がRT3〜6のいずれかであった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100はRWMに記憶されている現在のRT状態がRT3であるか否かを判断する(ステップS812)。現在のRT状態がRT3であった場合は判断結果がYESとなり、次に主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が15〜20(再遊技−O〜T)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS814)。決定された当選番号が15〜20のいずれでもない場合は判断結果がNOとなり、ステップS830へ移行して後述する共通処理4を実行する。
ステップS814の判断処理において、決定された当選番号が15〜20のいずれかであった場合は判断結果がYESとなり、再遊技08に対応する図柄組合せ(図6(b)参照)が入賞ラインL上に揃ったか否かを判断する(ステップS816)。入賞ラインL上に再遊技08に対応する図柄組合せが揃った場合は、判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている現在のRT状態をRT3からRT4に更新し(ステップS818)、図45のRT移行処理を終了する。
これに対して、入賞ラインL上に再遊技08に対応する図柄組合せが揃わなかった場合は、判断結果がNOとなり、次に再遊技04に対応する図柄組合せ(図6(b)参照)が入賞ラインL上に揃ったか否かを判断する(ステップS820)。入賞ラインL上に再遊技04に対応する図柄組合せが揃った場合は、判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている現在のRT状態をRT3からRT1に更新し(ステップS822)、図45のRT移行処理を終了する。これに対して、入賞ラインL上に再遊技04に対応する図柄組合せが揃わなかった場合は、判断結果がNOとなり、そのまま図45のRT移行処理を終了する。
(b−4)RT4における処理
ステップS812の判断処理において、現在のRT状態がRT4〜6のいずれかであった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100はRWMに記憶されている現在のRT状態がRT4であるか否かを判断する(ステップS824)。現在のRT状態がRT4であった場合は判断結果がYESとなり、次に主制御手段100は、図20のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が15〜20(再遊技−O〜T)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS828)。決定された当選番号が15〜20のいずれでもない場合は判断結果がNOとなり、ステップS830へ移行して後述する共通処理4を実行する。
ステップS828の判断処理において、決定された当選番号が15〜20のいずれかであった場合は判断結果がYESとなり、再遊技06に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に揃ったか否かを判断する(ステップS832)。入賞ラインL上に再遊技06に対応する図柄組合せが揃った場合は、判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている現在のRT状態をRT4からRT3に更新し(ステップS834)、図45のRT移行処理を終了する。
これに対して、入賞ラインL上に再遊技06に対応する図柄組合せが揃わなかった場合は、判断結果がNOとなり、次に再遊技04に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に揃ったか否かを判断する(ステップS836)。入賞ラインL上に再遊技04に対応する図柄組合せが揃った場合は、判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている現在のRT状態をRT4からRT1に更新し(ステップS838)、図45のRT移行処理を終了する。これに対して、入賞ラインL上に再遊技04に対応する図柄組合せが揃わなかった場合は、判断結果がNOとなり、そのまま図45のRT移行処理を終了する。
(b−5)RT5における処理
ステップS824の判断処理において、現在のRT状態がRT5または6であった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100はRWMに記憶されている現在のRT状態がRT5であるか否かを判断する(ステップS840)。現在のRT状態がRT5であった場合は判断結果がYESとなり、次に主制御手段100は、BB01に対応する図柄組合せ(図6(a)参照)が入賞ラインL上に揃ったか否かを判断する(ステップS842)。入賞ラインL上にBB01に対応する図柄組合せが揃った場合は、判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている現在のRT状態をRT5からRT6に更新し(ステップS844)、図45のRT移行処理を終了する。これに対して、入賞ラインL上にBB01に対応する図柄組合せが揃わなかった場合は、判断結果がNOとなり、そのまま図45のRT移行処理を終了する。なお、ステップS844の処理において、図3に示した外部集中端子基板84を介して外部へ出力するBB信号を、オンにするための制御を行ってもよい。
(b−6)RT6における処理
ステップS840の判断処理において、現在のRT状態がRT6であった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100はボーナスゲーム中に払い出されたメダルの合計枚数が450枚を超えたか否かを判断する(ステップS846)。払い出されたメダルの合計枚数が450枚を超えていなかった場合は判断結果がNOとなり、そのまま図45のRT移行処理を終了する。これに対して、払い出されたメダルの合計枚数が450枚を超えたときは判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMに記憶されている現在のRT状態をRT6から非RTに更新する(ステップS848)。なお、ステップS848の処理において、図3に示した外部集中端子基板84を介して外部へ出力するBB信号を、オフにするための制御を行ってもよい。
そして、主制御手段100は、現在のメインモードが4であるか否かを判断し(ステップS850)、現在のメインモードが4でなかった場合は、判断結果がNOとなり、そのまま図45のRT移行処理を終了する。これに対して、現在のメインモードが4であった場合は、ステップS850の判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている押し順フラグの状態をオンに更新した後(ステップS852)、図45のRT移行処理を終了する。
(共通処理4の説明)
次に図46に示すフローチャートを参照して、図45に示したRT移行処理のステップS380で非RTおよびRT1〜4のときに共通して実行される共通処理4の内容について説明する。主制御手段100は、まず、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が36〜38(入賞−P〜R)のいずれかであるか否かを判断する(ステップS860)。決定された当選番号が36〜38のいずれかに決定された場合は判断結果がYESとなり、入賞ラインL上に特別図柄01〜03(図12参照)のいずれかの図柄組合せが揃ったか否かを判断する(ステップS862)。
入賞ラインL上に特別図柄01〜03(図12参照)のいずれかの図柄組合せが揃った場合は、ステップS862の判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている現在のRT状態をRT5に更新し(ステップS864)、図46の共通処理4を終了して、さらに図45のRT移行処理を終了する。これに対して、入賞ラインL上に特別図柄01〜03のいずれの図柄組合せも揃わなかった場合は、判断結果がNOとなり、そのまま図46の共通処理4および図45のRT移行処理を終了する。
前述したステップS860の判断処理において、決定された当選番号が36〜38のいずれでもなかった場合は、判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、図27のステップS18における役抽選処理によって決定された当選番号が役物当選番号1であるか否かを判断する(ステップS866)。役物当選番号1が決定されなかった場合は、ステップS866の判断結果がNOとなり、そのまま図46の共通処理4および図45のRT移行処理を終了する。
また、ステップS866の判断処理において、役物当選番号1が決定された場合は判断結果がYESとなり、次に主制御手段100は、入賞ラインL上にBB01に対応する図柄組合せが揃ったか否かを判断する(ステップS868)。入賞ラインL上にBB01に対応する図柄組合せが揃った場合は、判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている現在のRT状態をRT6に更新する(ステップS870)。なお、ステップS870の処理において、図3に示した外部集中端子基板84を介して外部へ出力するBB信号を、オンにするための制御を行ってもよい。
ステップS868の判断処理において、入賞ラインL上にBB01に対応する図柄組合せが揃わなかった場合は、判断結果がNOとなり、RWMに記憶されている現在のRT状態をRT5に更新する(ステップS872)。そして、ステップS870またはS872の処理を終えると、RWMに記憶されている押し順フラグの状態をオフに更新してから(ステップS874)、図46の共通処理4および図45のRT移行処理を終了する。
このように、図43〜図46の処理を行うことにより、図13に示したRT移行制御および図14に示したメインモードの移行制御を実現している。なお、本実施形態では、RT5(ボーナス内部中)における出玉率を下げるために、RT5へ移行したとき(ステップS868,YES)は、押し順フラグをオフにしているが(ステップS874)、RT5へ移行した後も押し順フラグのオン状態を維持し、ボーナスゲームが開始されたときに押し順フラグの状態をオフにしてもよい。また、本実施形態のように、RT5へ移行したとき(ステップS868,YES)は、押し順フラグをオフにするが、別途カウンタを設け、RT5へ移行したときに、カウンタをセットし、このカウンタが0になるまでは、押し順フラグがオフであっても、押し順の報知が行われるようにしてもよい。
<復帰不可能エラー処理の説明>
次に、図17に示した各種エラーのうち、復帰不可能エラー(電断復帰エラー、設定値エラー、乱数エラー)が検出されたときに主制御手段100が実行する復帰不可能エラー処理の内容について、図47のフローチャートを参照して説明する。
主制御手段100は、復帰不可能エラーを検出すると、まず、後述するタイマ割込処理の開始を禁止する(ステップS870)。これにより、タイマ割り込みの周期(2.235ms)が来てもタイマ割込処理が実行されないため、RWMに記憶された各種データが更新または入出力されず、誤った情報を副制御手段200や外部のホールコンピュータに送信されてしまうのを避けることができる。
次に主制御手段100は、出力ポート0から順に、全ての出力ポートをオフにする。すなわち、まず出力ポート0の出力端子D0〜D7から00H(全ビットが「0」)を出力させる(ステップS872)。そして、次の出力ポート(出力ポート1)のアドレスをセット(出力ポートを示すアドレスを「1」インクリメント)して(ステップS874)、全出力ポートから00Hを出力させたか否かを判断する(ステップS876)。全ての出力ポートから00Hを出力させていない(NO)と判断したときは、ステップS872の処理に戻り、ステップS874でセットしたアドレスによって指定される出力ポートの出力端子D0〜D7から00Hを出力させる。
このように、ステップS872〜S876を繰り返し実行して、全ての出力ポート0〜6をオフにすることにより、復帰不可能エラー処理が実行される前に出力されていたアクティブ信号がオフされることとなる。これにより、LEDの劣化やステッピングモータの焼き付き、いわゆるメダルの飲み込みなどを防ぐことができる。
例えば、ブロッカ信号を出力している状況において復帰不可能エラーが発生した場合、当該処理を実行しないとブロッカ45のオン状態(メダル流路を形成している状態)が続くことになる。これに対して、ステップS870の処理により、タイマ割込処理内で実行されるメダルの検知処理は行われないのでメダルが飲み込まれてしまう。
次に主制御手段100は、エラーコードの下位桁を表示するデジットを指定するデータをCPUのHレジスタにセットする(ステップS878)。具体的には、Hレジスタに08H(00001000B)を記憶する。ここで、Hレジスタに記憶される値は、LED表示要求フラグ(図23参照。)の値であり、その値(00001000B)は、デジット4(獲得枚数表示器28の下位桁)について表示要求があることを示している。
次に主制御手段100は、エラーコードの上位桁を表示するデジットを指定するデータをCPUのDレジスタにセットする(ステップS880)。具体的には、Dレジスタに04H(00000100B)を記憶する。Dレジスタに記憶される値も、LED表示要求フラグ(図23参照。)の値であり、その値(00000100B)は、デジット3(獲得枚数表示器28の上位桁)について表示要求あることを示している。また、ステップS880の処理ではCPUのEレジスタに79H(01111001B)というデータがセットされる。このデータは獲得枚数表示器28の上位桁に対するセグメントデータであり、表示態様は「E」となる(図18参照。)。
なお、獲得枚数表示器28の下位桁に対するセグメントデータは、復帰不可能エラーが検出されたときに(すなわち、図47の復帰不可能エラー処理が行われる前に)、検出された復帰不可能エラーに対応するエラーコードの、下位桁の表示態様を示すセグメントデータがLレジスタにセットされる。すなわち、例えば電断復帰エラーが検出された場合は、図47の復帰不可能エラー処理が行われる前に06H(00000110B)がLレジスタにセットされる。このセグメントデータによる表示態様は「1」となる(図18参照。)。
また、設定値エラーが検出された場合は、図47の復帰不可能エラー処理が行われる前に5BH(01011011B)がLレジスタにセットされる。このセグメントデータによる表示態様は「2」となる。さらに、乱数エラーが検出された場合は、図47の復帰不可能エラー処理が行われる前に4FH(01001111B)がLレジスタにセットされる。このセグメントデータによる表示態様は「3」となる。
次に主制御手段100は、LEDデジットをオフにする(ステップS882)。すなわち、出力ポート0を示すアドレスに(00000000B)を出力する処理である。したがって、ステップS882の処理が実行された時点では、デジット1〜5に対する出力が「0」となり、すべての7セグメント表示器が消灯する。これにより、LEDのちらつきを防止することができる。そして、主制御手段110は、出力ポート1を示すアドレスにLレジスタの値を出力するエラー表示出力処理を行う(ステップS884)。Lレジスタの値は、獲得枚数表示器28の下位桁の表示態様を示すセグメントデータの値であるが、この時点では全てのデジットがオフになっているため表示されない。
次に主制御手段100は、LEDデジットをオンにする(ステップS886)。すなわち、出力ポート0を示すアドレスにHレジスタの値(08H:00001000B)であり、この値が出力されることによってデジット4(獲得枚数表示器28の下位桁)がオンとなる。そして、主制御手段100は、表示ウェイトが終了したか否かを判断する(ステップS888)。ここで、表示ウェイトは、Bレジスタの値を「−1」減算し、Bレジスタの値が「0」となったか否かを判断する処理である。
本実施形態では、ステップS888の処理開始時に、BレジスタにFFH(10進法で「255」)」を設定し、内部システムクロックを16MHzとしており、おおよそ、「1/内部システムクロック(16MHz)」×256×8(命令)+α(その他命令)≒0.128ミリ秒の時間で、Bレジスタの値が「255」→「0」になるように設定されている。
そして、Bレジスタの値が「0」になると、ステップS888の判断結果がYESとなり、主制御手段100はDEレジスタの値とHLレジスタの値とを入れ替えて、獲得枚数表示器28の下位桁の表示から上位桁の表示に(上位桁の表示を行っていた場合は下位桁の表示に)切り替える(ステップS890)。そして、ステップS882の処理へ戻り、以下、ステップS882〜S890の処理を繰り返し実行する。
これにより、一連のプログラム処理を繰り返し実行することによって、下位桁の表示と上位桁の表示とを交互に行うことができる。また、上位桁/下位桁の切替え周期は、約0.128ミリ秒となる。したがって、上位桁を0.128ミリ秒の間点灯させたら、次に下位桁を0.128ミリ秒の間点灯させる処理を繰り返す。
例えば、獲得枚数表示器28にエラーコード「E1」を表示する場合、上位桁(デジット3)に「E」を約0.128msの間表示した後(この間、下位桁(デジット4)は消灯)、デジット4に「1」を約0.128msの間表示する(この間、上位桁(デジット3)は消灯)。また、上位桁/下位桁の切替え周期は、タイマ割込み周期(2.235ms)よりも早くなり、エラー表示時の輝度が高くなるため、遊技場の係員がエラーの発生に気づきやすくなる。
このように、タイマ割込処理が実行されない期間においてエラーが発生した場合であっても、レジスタを用いた演算処理と、ハードウェアの構成とによって、LEDによるエラーの表示を適切に行うことができる。
<タイマ割込処理の説明>
主制御手段100において遊技を制御する上で重要な処理として、図27に示した遊技進行メイン処理の他に、所定の周期ごとに実行されるタイマ割込処理がある。このタイマ割込処理は、約2.235ミリ秒の周期で繰り返し実行され、図3に示した操作手段300の各スイッチに対する操作の検出、副制御手段200に対する制御コマンドの送信、ステッピングモータ42L,42C,42Rの駆動制御を行うための制御信号の生成および出力、乱数の値やタイマとして用いる各種カウンタ値の更新などの処理を行っている。以下、図48に示すフローチャートを参照して、上述したタイマ割込処理の内容について説明する。
主制御手段100は、チップ内に設けられているタイマカウント手段から割込要求信号(発生周期:約2.235ミリ秒)が出力されると、図48に示すタイマ割込処理を開始する。まず、主制御手段100は、これから実行するタイマ割込処理の初期処理を行う(ステップS900)。例えば、CPUのレジスタにセットされていたデータをRWMのスタック領域に格納し、これから行うタイマ割込処理中に、新たなタイマ割込処理が開始されないように、割込禁止フラグをオンにする。
次に主制御手段100は、入力ポートに入力されている電源断検知信号に基づいて電源断(電源電圧が所定値よりも下回ったこと)が検知されたか否かを判断する(ステップS902)。なお、この電源断検知信号は、主制御基板上に設けられた電源監視回路から出力されているものとする。主制御手段100によって電源断が検出された場合は、ステップS902の判断結果がYESとなり、電断時に行う電源断処理を行う(ステップS904)。この電源断処理では、電源断処理を行ったことを示す電源断処理済みフラグの値を「1」にセットし、RWMのチェックサムを算出して、その結果を不揮発性メモリに記憶する。また、RWM内の各フラグの値を、CPUのレジスタおよびスタックポインタの値と共に不揮発性メモリに保存した後、RWMへのアクセスを禁止し、外部から入力されるリセット信号の待機状態となる。
これに対して、ステップS902の判断処理で電源断が検出されなかった場合は、判断結果がNOとなり、主制御手段100は、各種制御を行う際に参照される各種制御用カウンタの値を更新し(ステップS906)、所定時間を計時するために汎用的に利用される計時タイマの計数値を更新する(ステップS908)。そして、クレジット数表示器27や獲得枚数表示器28の表示内容を更新するためのLED表示制御処理を行う(ステップS910)。ここで、LED表示制御処理の詳しい内容については後述する。
次に主制御手段100は、入力ポートに入力された外部からの各種信号を読み込んでRWMの所定アドレスに各々格納し(ステップS912)、内蔵乱数のチェック処理を行う(ステップS914)。本実施形態では、主制御手段100内の乱数生成手段によって生成される乱数にエラーが発生するとオンになる乱数エラーフラグが設けられており、このフラグがオンであるか否かが判断される。たとえば、役抽選用の乱数のクロック周波数異常(乱数更新が遅い場合等)を検知したときは、乱数エラーフラグがオンにされる。より具体的には、CPUにはシステムクロックSCLK(12MHz)が供給され、乱数生成手段には乱数生成用クロックRCK(9MHz)が供給されており、「RCK<SCLK/2」を満たした場合に乱数エラーフラグがオンになる。
次に主制御手段100は、乱数エラーが発生しているか否か(乱数エラーフラグがオンか否か)を判断し(ステップS916)、乱数エラーが発生している(YES)と判断したときは、図47に示した復帰不可能エラー処理を実行する(ステップS918)。このときに獲得枚数表示器28に表示されるエラーコードは「E3」となる。このように、タイマ割込処理内で図47に示した復帰不可能エラー処理を実行した場合、たとえリールが回転しているときでも回転中のリールが停止し、獲得枚数表示器28にエラーコードが表示されることになる。
ステップS916の判断処理で、乱数エラーが発生していない(NO)と主制御手段100が判断した場合は、次にリール40L,40C,40Rの回転を制御するために、ステッピングモータ42L,42C,42Rの各々に対してリール駆動管理処理を実行する(ステップS920)。そして、全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理を行うと(ステップS922,YES)、主制御手段100は、各種表示器の表示データや、各ステッピングモータ42L,42C,42Rに対する制御信号などを、内部の出力ポートから出力する(ステップS924)。
次に主制御手段100は、RWM内に設定されているリングバッファに保存されている制御コマンドのうち、最先に保存された制御コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS926)。
次いで主制御手段100は、外部集中端子基板84を介して外部へ出力する各種信号(IN信号、OUT信号、BB信号、異常発生信号、スタート信号およびAT信号など)の出力処理を行い(ステップS928)、役抽選などに使用する乱数の値を更新する(ステップS930)。さらに主制御手段100は、ステップS900の初期処理によってRWMの所定アドレスに格納していたレジスタの値や各種フラグの状態を元に戻す復帰処理を行って(ステップS932)、図48のタイマ割込処理を終了する。
なお、上述したタイマ割込処理内では、乱数エラーが検出されたときに復帰不可能エラー処理を実行していたが、他のエラーが検出されたときに復帰不可能エラー処理を実行してもよい。また、遊技中に復帰可能エラー(図17参照)が検出された場合は、直ちに獲得枚数表示器28にエラーコートを表示せず、遊技終了後(例えば全リール停止後)に獲得枚数表示器28にエラーコートを表示するようにしてもよい。
<LED表示制御処理の説明>
次に図49に示すフローチャートを参照して、図48に示したタイマ割込処理のステップS910で実行されるLED表示制御処理の内容について詳しく説明する。
まず主制御手段100は、出力ポート0および1をオフにする(ステップS950)。ここで、図19および図20に示したように、出力ポート0はLEDデジット信号1〜5を出力し、出力ポート1はLEDセグメント信号a〜pを出力しており、これらの出力ポートから00000000Bを出力することで、一旦、全デジットにおいて表示を行わないようにする。これにより、表示するデジットを切り替える際に、一瞬でも異なるLEDが同時に点灯して見えてしまうこと(被って表示されてしまうこと)を防止している(残像防止)。
次に主制御手段100は、RWMに記憶されているLED表示カウンタの値を更新する(ステップS952)。すなわち、図23に示すRWMのアドレスF016に記憶されているLED表示カウンタの値をAレジスタにセットし、オン(「1」)の値を、現在のビットから一桁下位のビットにシフトする。そして、この更新後の値を、RWMのアドレスF016に記憶するとともにBレジスタにセットする。次に、主制御手段100は、LED表示カウンタの値が「0」であるか否かを判断する(ステップS954)。そして、ステップS952で更新した後のLED表示カウンタの値が「0」である(YES)と判断したときは、LED表示カウンタの値を初期化する(ステップS956)。すなわち、LED表示カウンタの値を00010000Bにして、RWMのアドレスF016に記憶すると共にBレジスタにセットする。
これにより、ステップS952の処理で00000001Bから00000000Bに更新されると、ステップS954で「0」と判断されて、ステップS956で00010000Bに更新される。したがって、一割込処理内で、00000001Bから00010000Bに更新される。
次に主制御手段100は、今回のタイマ割込処理で表示するデジットのセグメントa〜gの表示要求の確認をセットする(ステップS958)。なお、ステップS954の判断処理でLED表示カウンタの値が「0」ではない(NO)と判断したときは、ステップS956の処理を行わずにステップS958の処理へ移行する。ステップS958の処理では、先ず、RWMのアドレスF017に記憶されているLED表示要求フラグの値をAレジスタに記憶する。LED表示要求フラグの値は、図23に示すように、表示要求のあるデジットに対応するビットがオン(「1」)、表示要求がないデジットに対応するビットがオフ(「0」)になっている。
次に、主制御手段100は、LED表示カウンタの値(Bレジスタの値)と、LED表示要求フラグの値(Aレジスタの値)とをAND演算(論理積)する。
たとえば、
LED表示カウンタの値 :00001000
LED表示要求フラグの値 :00001111
AND演算後 :00001000
となる。
あるいは、たとえば、
LED表示カウンタの値 :00010000
LED表示要求フラグの値 :00001111
AND演算後 :00000000
となる。
そして、AND演算の結果、「0」になったときはゼロフラグが「1」となる。
次に主制御手段100は、LED表示要求があるか否かを判断する(ステップS960)。ここでは、ステップS958の処理を行った結果、ゼロフラグが「1」になったときは表示要求なしと判断し、「1」でなかったときは表示要求ありと判断する。
(1)表示要求があるとき
(1−1)設定値の表示制御
ステップS960の判断処理で表示要求ありと判断すると、主制御手段100は、設定値データを取得する(ステップS962)。すなわち、RWMの所定記憶領域に記憶された現在の設定値(1〜6のいずれか)を読み込み、Aレジスタに記憶する。そして、主制御手段100は、設定値表示要求があるか否かを判断する(ステップS964)。すなわち、前述したLED表示カウンタの値とLED表示要求フラグの値とのAND演算の結果、ビットD4(デジット5に対応)が「1」であるか(00010000Bであるか)否かを判断する。
主制御手段100がビットD4の値は「1」である(設定値表示要求あり)と判断したときは、ステップS964の判断結果がYESとなり、設定値を表示するためにLEDセグメントテーブル(図18参照)のオフセット値を生成する(ステップS978)。具体的には、Aレジスタの値と、00001111BとのAND演算(論理積)を行って、Aレジスタの値の下位4ビットのみを有効にする。すなわち、Aレジスタの値の下位4ビットの値がオフセット値となる。なお、この場合、AレジスタにはステップS962の処理により、設定値の値がセットされている。
次に主制御手段100は、LEDセグメントテーブルの先頭アドレスをHLレジスタにセットする(ステップS980)。ここで、図18(a)に示したLEDセグメントテーブルAを使用する場合は、先頭アドレスとして1211Hをセットする。また、図18(b)に示したLEDセグメントテーブルBを使用する場合は、押し順番号、クレジット数または払出枚数を表示するときは、第1テーブルの先頭アドレス1211Hをセットし、エラーコードを表示するときは第2テーブルの先頭アドレス1311Hをセットする。
次に主制御手段100は、セグメントa〜gの出力データを取得する(ステップS982)。ここでは、LEDセグメントテーブルのアドレスにAレジスタの値(オフセット値)を加算(HLレジスタの値にAレジスタの値を加算)することによって表示に用いるセグメントデータを取得し、取得したセグメントデータを所定のレジスタ(例えばHレジスタ)に記憶する。たとえば、Aレジスタの値が00000000Bであるときは、オフセット値は「0」であるので、ROMのアドレス1211Hに記憶されているセグメントデータ(00111111B)を取得し、Hレジスタに記憶する。この結果、7セグメント表示器の表示態様は「0」となる。また、Aレジスタ値がたとえば00000100B(オフセット値が「4」)であるときは、ROMのアドレス1215Hに記憶されているセグメントデータ(01100110B)を取得し、Hレジスタに記憶する。この結果、7セグメント表示器の表示態様は「4」となる。
次に、主制御手段100は、セグメントpの表示要求があるか否かを判断する(ステップS984。具体的には、RWMのアドレスF01Bに記憶されている遊技メダル管理フラグ(図23参照)の値をAレジスタに記憶する。そして、遊技メダル管理フラグの値を記憶したAレジスタの値と、LED表示カウンタの値を記憶したBレジスタの値とのAND演算を実行する。そして、AND演算の結果、「0」であるときは、セグメントpの表示要求なしと判断し、「0」でないときは、セグメントpの表示要求ありと判断する。
たとえば、
Aレジスタの値:00001101
Bレジスタの値:00001000
AND演算後:00001000(Aレジスタ)
となり、表示要求ありとなる。
また、たとえば
Aレジスタの値:00000101
Bレジスタの値:00001000
AND演算後:00000000(Aレジスタ)
となり、表示要求なしとなる。
ここでは、設定値表示要求あり(ステップS964,YES)のため、Bレジスタの値は00010000Bになっているため、Aレジスタの値(遊技メダル管理フラグ)のビットD4の値が「1」であれば、ステップS984の判断結果はYESとなり、ビットD4の値が「0」であれば、ステップS984の判断結果はNOとなる。
ステップS984の判断処理で、主制御手段100が、セグメントpの表示要求あり(YES)と判断したときは、セグメントpの出力データをセットする(ステップS986)。具体的には、Hレジスタ(ステップS982の処理でセットされたセグメントa〜gの出力データ)のビットD7(最上位ビット)を「1」にする。そして、主制御手段100はLED表示データの出力を行う(ステップS988)。具体的には、Aレジスタの値(LED表示カウンタの値とLED表示要求フラグのAND演算結果)を出力ポート0のアドレスに書き込み、Hレジスタ値(デジット5の表示データ)を出力ポート1のアドレスに書き込む。これにより、設定値表示器81の各セグメントと清算表示LED22とが表示データに応じて点灯する。
これに対して、ステップS984の判断結果はNOとなった場合は、HレジスタのビットD7を「1」にすることなく、ステップS988へ移行する。これにより、清算表示LED22は点灯せず、設定値表示器81の各セグメントが出力ポート1から出力されたデータに応じて点灯する。
(1−2)獲得枚数の表示制御
ステップS964の判断処理でビットD4の値が「1」ではない(NO)と主制御手段100が判断すると、次にRWMのアドレスF018から獲得枚数表示データを読み込み、Aレジスタに記憶する(ステップS966)。ここで、アドレスF018に記憶されている獲得枚数表示データ(8ビット)は、図42のステップS632の処理によって記憶されたものであり、上位4ビットが獲得枚数表示器28の上位桁(デジット3)に表示する表示態様を指定するオフセット値(図18(a)参照)を示し、下位4ビットが獲得枚数表示器28の下位桁(デジット4)に表示する表示態様を指定するオフセット値を示しているものとする。
次に主制御手段100は、獲得枚数表示器28の下位桁(デジット4)の表示要求があるか否かを判断する(ステップS968)。すなわち、ステップS958の処理で行われた、LED表示カウンタの値と、LED表示要求フラグの値とのAND演算の結果において、D3ビット(デジット4)が「1」であるとき(00001000Bであるとき)は、表示要求あり(YES)と判断し、それ以外は表示要求なし(NO)と判断する。
獲得枚数表示器28の下位桁の表示要求あり(ステップS968,YES)と判断したときは、前述したステップS978の処理へ移行して、表示するセグメントデータを指定するためのオフセット値を生成する。すなわち、Aレジスタの値(ステップS966で取得した獲得枚数表示データ)のうち、上位4ビットの値を「0」にして、下位4ビットの値を維持する。これにより、ステップS966で取得した獲得枚数表示データのうち、下位桁用のオフセット値のみを示す値となる。
これに対して、主制御手段100が、ステップS968の判断処理で、D3ビット(デジット4)が「1」でない(NO)と判断したときは、次に獲得枚数表示器28の上位桁(デジット3)の表示要求があるか否かを判断する(ステップS970)。すなわち、ステップS958の処理で行われた、LED表示カウンタの値と、LED表示要求フラグの値とのAND演算の結果において、D2ビット(デジット3)が「1」であるとき(00000100Bであるとき)は、表示要求あり(YES)と判断し、それ以外は表示要求なし(NO)と判断する。
ステップS970の判断処理で、主制御手段100が、獲得枚数表示器28の上位桁の表示要求がある(YES)と判断したときは、次に、RWMのアドレスF018から取得した獲得枚数表示データを、獲得枚数表示器28の上位桁の表示データに修正する(ステップS976)。具体的には、Aレジスタの値(ステップS966で取得した獲得枚数表示データ)の、上位4ビットの値と、下位4ビットの値とを入れ替える。そして、ステップS978へ移行して、Aレジスタの値の上位4ビットの値を「0」にすることで、上位桁用のオフセット値のみを示す値にすることができる。
このように、ステップS978の処理によって、獲得枚数表示器28の下位桁用のオフセット値、または、上位桁用のオフセット値が生成されると、主制御手段100は、ステップS980へ移行して、ROM内のLEDセグメントテーブルの先頭アドレスの値を所定のレジスタ(たとえばHLレジスタ)にセットする。そして、ステップS982へ移行して、Aレジスタの値(オフセット値)と先頭アドレスの値とを加算して、表示要求のあるデジット(デジット3または4)に表示するセグメントデータをLEDセグメントテーブルから取得し、所定のレジスタ(たとえば、Hレジスタ)に記憶する。
その後、ステップS984〜S988の処理を行って、HレジスタのビットD7を適宜「1」にし、デジット4(獲得枚数表示器28の下位桁および再遊技表示LED23)またはデジット3(獲得枚数表示器28の上位桁および投入可能表示LED24)の表示制御を行う。ここで、獲得枚数表示器28の上位桁の表示要求があったときは、Aレジスタの値(LED表示カウンタの値とLED表示要求フラグのAND演算結果)が00000100Bになるため、ステップS984の判断処理は、図23に示した遊技メダル管理フラグ(アドレスF01B)のビットD2(ブロッカ状態)の値に基づいて行われることになる。また、獲得枚数表示器28の下位桁の表示要求があったときは、Aレジスタの値が00001000Bになるため、ステップS984の判断処理は、遊技メダル管理フラグのビットD3(再遊技表示LED)の値に基づいて行われることになる。
<獲得枚数表示器28に関する表示制御の変形例>
(ア)上述した説明では、RWMのアドレスF018に記憶されていた8ビットの獲得枚数表示データは、上位4ビットが獲得枚数表示器28の上位桁のオフセット値を示し、下位4ビットが下位桁のオフセット値を示していた。これに対して、例えば、上位桁のオフセット値に所定の定数(たとえば、10進数で「16」)を乗算し、その演算結果に下位桁のオフセット値が加算された値が、獲得枚数表示データとしてアドレスF018に記憶されていた場合は、ステップS968の判断結果がYESとなったときは、ステップS978の処理の代わりに、取得した獲得枚数表示データを上述した所定の定数で除算し、その余りの値を下位桁のオフセット値としてもよい。
具体的には、獲得枚数表示データとしてアドレスF018に、(上位桁のオフセット値)×(所定の定数「16」)+(下位桁のオフセット値)とすることができる。このとき、アドレスF018を1バイトデータ(10進数で「0」〜「255」)の情報を格納することができることから、下位桁のオフセット値を、所定の定数「16」未満の「0」〜「15」とすることができ、上位桁のオフセット値を、「0」〜「15」とすることができる。このように、1バイトデータの範囲内で、且つ、所定の定数の値に応じて、下位桁のオフセット値の範囲、および、上位桁のオフセット値の範囲が適宜設定できる。
また、この場合において、ステップS970の判断結果がYESとなった場合は、上位4ビットのデータと下位4ビットのデータとを入れ替え(ステップS976)、入れ替えた後の下位4ビットのデータ(すなわち、本来の上位4ビットのデータ)をオフセット値とする(ステップS978)代わりに、取得した獲得枚数表示データを上述した所定の定数で除算し、その商の値を上位桁のオフセット値としてもよい。
(イ)図42に示した押し順表示処理のステップS635の処理において、押し順番号の表示態様に対応する8ビットのオフセット値(上位4ビットは上位桁、下位4ビットは下位桁のオフセット値を示す)を、RWMのアドレスF018に保存する代わりに、RWMに別途設けた専用アドレスに保存する場合は、押し順番号を表示する際に当該専用アドレスから押し順番号の表示データを読み出すことになる。この場合、たとえば、ステップS966の処理において、押し順番号を表示すべきか否かを判断し、押し順番号を表示すべきと判断したときは、上述した専用アドレスから押し順番号の表示データを読み出し、押し順番号を表示すべきではないと判断したときは、RWMのアドレスF018から獲得枚数表示データを取得するようにしてもよい。
例えば、ステップS966の処理を行うときに、前述した押し順フラグがオフ、かつ、すべてのリールが停止しているときは、アドレスF018から獲得枚数表示データを取得し、そうでないときは、上述した専用アドレスから押し順番号のオフセット値を取得するようにしてもよい。
また、他の方法としては、まず、上述した押し順番号のオフセット値が記憶される専用アドレスに何かしらの押し順番号が記憶されているときには、RWMのアドレスF018にはデータが何も記憶されていない状態(たとえば、データの値が00H)にする。また、これとは逆に、RWMのアドレスF018に何らかの表示データが記憶されているときは、上述した専用アドレスに押し順番号が何も記憶されていない状態(たとえば、データの値が00H)にする。すなわち、上述した専用アドレスにデータが記憶されている期間と、アドレスF018にデータが記憶されている期間とが、重複しないようにする。そして、獲得枚数表示器28の表示を行う際は、専用アドレスに記憶されていたデータと、アドレスF018に記憶されていたデータとを足し合わせた結果のデータに基づく表示を行う。
すなわち、この場合、上述した専用アドレスと、アドレスF018との両方にデータが記憶されている状態がないため、各アドレスに記憶されたデータを足し合わせたとしても、獲得枚数表示器28には、押し順番号または払出枚数のいずれかが表示されることになる。このような方法を採用した場合、獲得枚数表示器28に表示するためのオフセット値を、上述した専用アドレスから取得するか、アドレスF018から取得するかの判断を行う必要が無くなる。
また、RWMのアドレスF01Aに記憶されたデータに基づいて押し順番号を獲得枚数表示器28に表示する場合には、RWMのアドレスF01Aに記憶されたデータをオフセット値として読み出し、LEDセグメントテーブルからセグメントデータを取得しても良いし、RWMのアドレスF01Aに記憶されたデータに特定値を加算したデータをオフセット値として読み出し、LEDセグメントテーブルからセグメントデータを取得しても良い。
(ウ)図49のLED表示制御処理では、ステップS958の処理によって、LED表示要求フラグ(図23のアドレスF017参照)を参照し、ステップS960で各デジットについて表示要求の有無を判断していたが、獲得枚数表示器28を無表示にする必要がある場合に以下の様な処理を行うことで、ステップS958およびS960の処理(延いてはLED表示要求フラグそのもの)を省略することができる。すなわち、
(a)獲得枚数表示器28を点灯させるためのセグメントデータを取得するためのRWMアドレス(本実施形態においてはF018)に、予め定められたデータ(たとえば「FFH」)が記憶されていた場合には、LEDセグメントテーブルからデータを取得することなく、点灯制御を行わないようにする、または、
(b)LEDセグメントテーブルに非点灯を示すパターン(非点灯パターンデータ)を定めておき、獲得枚数表示器28を無表示にする場合は、非点灯パターンデータを指定するためのオフセット値(LEDセグメントテーブルAにおいてはオフセット値F(H))を、獲得枚数表示器28を点灯させるためのセグメントデータを取得するためのRWMアドレスに記憶する。これにより、非点灯パターンデータに基づく点灯制御が行われ、その結果、対応するデジットは点灯しない(非点灯となる)。
(エ)図49に示したLED表示制御処理では、獲得枚数表示データが無表示を示すデータ(FFH)であった場合でも、ステップS976〜S982の処理を行って、ROMのLEDセグメントテーブルから全セグメント消灯のセグメントデータ(図18参照)を取得していた。このような処理を行う代わりに、例えば、ステップS966で取得した獲得枚数表示データ(または上述した押し順番号の表示態様を示す8ビットのオフセット値)が無表示であることを示していた場合は、ステップS968またはS970の判断結果がYESとなったときに、直ちにステップS982へ移行して、Hレジスタに00Hのデータをセットするようにしてもよい。また、獲得枚数表示器28が無表示であることを示す表示態様としては、7セグメント表示器の全セグメントを消灯させる代わりに、「0」を表示するセグメントデータ(3FH:00111111B)をHレジスタにセットしてもよい。
(1−3)貯留枚数の表示制御
図49のステップS968およびS970の判断結果がいずれもNOになった場合は、主制御手段100は、RWMのアドレスF019から貯留枚数表示データを読み込み、Aレジスタに記憶する(ステップS972)。ここで、アドレスF019に記憶されている貯留枚数表示データ(8ビット)は、現在の貯留枚数(最大で50枚)を二進化十進数(BCD)で表したデータである。ここで、図18(a)に示したLEDセグメントテーブルにおいて、貯留枚数表示データの上位4ビットの値は、貯留枚数の十の位の数を表す表示態様のオフセット値に対応し、下位4ビットの値は、貯留枚数の一の位の数を表す表示態様のオフセット値に対応している。
次に主制御手段100は、クレジット数表示器27の下位桁(デジット2)の表示要求があるか否かを判断する(ステップS974)。すなわち、ステップS958の処理で行われた、LED表示カウンタの値と、LED表示要求フラグの値とのAND演算の結果において、D1ビット(デジット2)が「1」であるとき(00000010Bであるとき)は、表示要求あり(YES)と判断し、それ以外は表示要求なし(NO)と判断する。
クレジット数表示器27の下位桁の表示要求あり(ステップS974,YES)と判断したときは、前述したステップS978の処理へ移行して、表示するセグメントデータを指定するためのオフセット値を生成する。すなわち、Aレジスタの値(ステップS972で取得した貯留枚数表示データ)のうち、上位4ビットの値を「0」にして、下位4ビットの値を維持する。これにより、ステップS972で取得した貯留枚数表示データのうち、下位桁用のオフセット値のみを示す値となる。
これに対して、主制御手段100が、ステップS974の判断処理で、D1ビット(デジット2)が「1」でない(NO)と判断したときは、ステップS976へ移行し、RWMのアドレスF019から取得した貯留枚数表示データを、クレジット数表示器27の上位桁の表示データに修正する。具体的には、Aレジスタの値(ステップS972で取得した貯留枚数表示データ)の、上位4ビットの値と、下位4ビットの値とを入れ替える。そして、ステップS978へ移行して、Aレジスタの値の上位4ビットの値を「0」にすることで、上位桁用のオフセット値のみを示す値にすることができる。
なお、このオフセット値は、先述した獲得枚数表示器28で記載したものと同様に、例えば、上位桁のオフセット値に所定の定数(たとえば、10進数で「16」)を乗算し、その演算結果に下位桁のオフセット値が加算された値が、貯留枚数表示データとしてアドレスF019に記憶されていた場合は、取得した貯留枚数表示データを上述した所定の定数で除算し、その余りの値を下位桁のオフセット値としてもよい。具体的には、貯留枚数表示データとしてアドレスF019に、(上位桁のオフセット値)×(所定の定数「16」)+(下位桁のオフセット値)とすることができる。
このとき、アドレスF019を1バイトデータ(10進数で「0」〜「255」)の情報を格納することができることから、下位桁のオフセット値を、所定の定数「16」未満の「0」〜「15」とすることができ、上位桁のオフセット値を、「0」〜「15」とすることができる。このように、1バイトデータの範囲内で、且つ、所定の定数の値に応じて、下位桁のオフセット値の範囲、および、上位桁のオフセット値の範囲が適宜設定できる。また、この場合において、貯留枚数表示データを上述した所定の定数で除算し、その商の値を上位桁のオフセット値、余りの値を下位桁のオフセット値としてもよい。
そして、ステップS978の処理によって、クレジット数表示器27の下位桁用のオフセット値、または、上位桁用のオフセット値が生成されると、主制御手段100は、ステップS980へ移行して、ROM内のLEDセグメントテーブルの先頭アドレスの値をセットする。そして、ステップS982へ移行して、Aレジスタの値(オフセット値)と先頭アドレスの値とを加算して、表示要求のあるデジット(デジット1または2)に表示するセグメントデータをLEDセグメントテーブルから取得し、Hレジスタに記憶する。
その後、ステップS984〜S988の処理を行って、HレジスタのビットD7を適宜「1」にし、デジット2(クレジット数表示器27の下位桁)またはデジット1(クレジット数表示器27の上位桁および遊技開始表示LED25)の表示制御を行う。ここで、クレジット数表示器27の上位桁の表示を行うときは、Aレジスタの値(LED表示カウンタの値とLED表示要求フラグのAND演算結果)が00000001Bになっているため、ステップS984の判断処理は、図23に示した遊技メダル管理フラグ(アドレスF01B)のビットD0(スタートスイッチ受付状態)の値に基づいて行われることになる。
このように、本実施形態では、デジット1〜5の各7セグメント表示器を表示させる場合には、セグメントa〜gに対応するD0〜D6ビットの7桁のデータがあれば十分であるが、1バイト(8ビット)単位でデータを取り扱うため、ビットD7(最上位ビット)が余るので、そのビットD7を有効活用し、各表示LEDの点灯制御に用いている。
以上のように、本実施形態では、1回のタイマ割込処理で、1つのデジットを点灯させる。すなわち、1回の割込みごと(2.235msごと)に、デジット5→デジット4→……→デジット1→デジット5→……と点灯対象となる表示器を切り替える。よって、たとえばデジット1であるクレジット数表示器27の上位桁が点灯した場合、次に点灯するのは、5割込み後(11.18ミリ秒後)である。
ここで、LEDの輝度は、点灯時から次の点灯時までの時間間隔によって定まる。本実施形態では、1つのデジットは、上述したように11.18ミリ秒ごとに1回点灯するように制御されるが、復帰不可能エラーのエラーコードを表示する際には、前述したように、0.128ミリ秒ごとに上位桁と下位桁との点灯切替えを繰り返すので、点灯周期は、タイマ割込周期よりも短くなり、獲得枚数表示器28の表示は、図49のLED表示制御処理による場合よりも明るく見えることになる。
<制御コマンドの送信タイミングと押し順番号の表示タイミングとの関係>
次に、図50のタイミングチャートを参照して、本実施形態の遊技進行メイン処理を実行した場合における制御コマンドの送信タイミングと押し順番号の表示タイミングとの関係について説明する。以下では、図27のステップS34でフリーズ演出を実行する場合と、しない場合とに分けて説明する。
(a)フリーズ演出を実行する場合
スタートスイッチ36が操作されると、図27のステップS14の判断結果がYESとなって役抽選処理が行われ(ステップS18)、メインモードに応じて非AT状態処理(ステップS24)またはAT状態処理(ステップS26)により押し順番号が決定される。そしてステップS28でフリーズ抽選が行われ(図41、ステップS592またはS604)、フリーズ抽選に当選するとフリーズ番号1または2が副制御手段200に送信される(図41、ステップS600またはS610)。この場合、図27のステップS30の判断結果がYESとなって、ステップS34でフリーズ演出(リール演出)が開始され、フリーズ演出が終了すると(ステップS36,YES)、ステップS38で押し順番号が獲得枚数表示器28に表示される。
次いで、ステップS40で押し順フラグの状態が副制御手段200に送信され、ステップS42で押し順番号が副制御手段200に送信される。その後、ステップS54およびS56の処理により、入賞・再遊技当選番号および役物当選番号が副制御手段200に送信される。このように、フリーズ演出を実行する場合には、フリーズの演出が終了した後に、獲得枚数表示器28、画像表示装置70による押し順の報知が行われるようにしている。
これには、次のような理由がある。本実施形態では、当選番号22〜27によりフリーズ演出が行われる場合と、当選番号32によりフリーズ演出が行われる場合がある。AT遊技の場合、当選番号22〜27のときは押し順の報知を行うが、当選番号32のときは押し順の報知を行う必要がないため押し順を報知しない。このため、スタートレバーの操作を契機に押し順の報知が行われるようにすると、当選番号22〜27の当選によりフリーズ演出が行われる場合は、フリーズ演出中に押し順の報知が行われてしまう可能性があり、押し順の報知の有無により、今回のフリーズ演出が当選番号22〜27によるものなのか、当選番号32によるものなのかが、遊技者に分かってしまうので、フリーズ演出に対する関心が薄れてしまう虞があるためである。
また、本実施形態では、入賞・再遊技当選番号および役物当選番号を、リールが定速回転に達するまでに副制御手段200へ送信するために、リールの回転が開始する前までに送信するようにしている。また、本実施形態の場合は、役物当選番号は、フリーズ演出が終了した後に副制御手段200へ送信されるため、副制御手段200は、別途フリーズ番号コマンドに基づく処理を行うようにし、この処理中にフリーズ演出中の演出を開始することが望ましい。
(b)フリーズ演出を実行しない場合
スタートスイッチ36が操作されると、役抽選処理が行われ、メインモードに応じて非AT状態処理またはAT状態処理により押し順番号が決定される。そしてフリーズ抽選にはずれると(図41、ステップS594またはS606、NO)、フリーズ番号0が副制御手段200に送信される(図41、ステップS598→S600)。この場合、フリーズ演出が実行されることなく、押し順番号が獲得枚数表示器28に表示され(ステップS30,NO→S38)、その後、押し順フラグ、押し順番号、入賞・再遊技当選番号および役物当選番号が、順次、副制御手段200へ送信される。
≪副制御手段における制御処理の説明≫
次に、副制御手段200で実行される各種処理の内容について説明する。まずスロットマシン10の電源が投入されると、副制御手段200は図51に示すサブ電源投入処理を実行する。
<サブ電源投入処理の説明>
まず、副制御手段200はサブ電源投入処理の実行中は、副制御手段200によるタイマ割込処理の実行を禁止する処理を行った後(ステップSs10)、RWMのチェックサムを算出し、前回の電源遮断時に算出され、外部の不揮発性メモリに記憶されていた同じRWMのチェックサムの算出結果と比較し、両者が一致するか否かを判断する(ステップSs12)。双方のチェックサムの値が一致しなかった場合は判断結果がNOとなり、副制御手段200は、副制御手段200が内蔵するRWMの記憶内容をクリアする(ステップSs14)。
また、ステップSs12の判断処理で、双方のチェックサムの値が一致した場合は、判断結果がYESとなり、副制御手段200は、前回の電源断が、後述する1コマンド処理中に発生した物であるか否かを判断する(ステップSs16)。ここで、副制御手段200は、後述する1コマンド処理を行っているときに電源の遮断が発生したときは、再び電源が投入されたときに、電源遮断時に行っていた処理から再開させるために、その時点における各種情報(CPUのレジスタや各種フラグの状態を示すデータ)を外部の不揮発性メモリに保存する処理(電源遮断処理)を行っている。
また、前回の電源遮断時に、この電源遮断処理を行ったか否かを示す電断処理フラグも外部の不揮発性メモリに保存している。したがって、ステップSs16に示す判断処理は、外部の不揮発性メモリに保存されていた電断処理フラグのオン/オフ状態に基づいて判断している。ここでは、電断処理フラグがオンになっているときは、上述した電源遮断処理が行われた(すなわち、1コマンド処理中に電源断が発生した)ことを示し、オフになっているときは、電源遮断処理が行われなかった(すなわち、1コマンド処理中に電源断が発生しなかった)ことを示している。
ステップSs16の判断処理において、1コマンド処理中に電源断が発生していた場合は判断結果がYESとなり、ステップSs10で副制御手段200におけるタイマ割込処理の実行を許可し(ステップSs18)、電源断時に実行していた処理を再開する。
前述したステップSs14の処理によって副制御手段200内のRWMの記憶内容をクリアするか、ステップSs16の判断結果がNOになった(前回の電源断は1コマンド処理中に発生しなかった)場合は、ウォッチドッグタイマの値をクリアしてから(ステップSs20)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させる(ステップSs22)。このウォッチドッグタイマは、後述するステップSs24〜S28の処理にかかる時間が16ミリ秒を超えた場合、異常が発生したことを知らせるためのものである。
副制御手段200は、ステップSs10で禁止したタイマ割込処理の実行を許可した後(ステップSs24)、主制御手段100から受信した制御コマンドをコマンドバッファから読み出し、当該制御コマンドに基づく処理(1コマンド処理)を行う(ステップSs26)。そして、ステップSs22の処理でウォッチドッグタイマの動作を開始させてから16ミリ秒が経過したか否かを判断する(ステップSs28)。そして、16ミリ秒が経過していない(NO)と判断したときは、再びステップSs26へ移行してコマンドバッファに蓄積されていたコマンドを読み出し、当該制御コマンドに基づく1コマンド処理を行う。そして、16ミリ秒が経過するまでステップSs26の1コマンド処理を繰り返し行い、16ミリ秒が経過すると、ステップSs28の判断結果がYESとなって、ステップSs20の処理に戻る。
このように、副制御手段200は上述したサブ−メインルーチン処理を繰り返し実行することで、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づく演出制御処理を行っている。
<1コマンド処理の説明>
次に図52〜図54に示すフローチャートを参照し、図51のステップSs26における1コマンド処理の内容について説明する。ここで、以下に説明する1コマンド処理は、図25に示した「役物当選番号」コマンド(B3##)を受信してから「表示種類」コマンド(A4##)を受信するまでに行う処理を示している。また、「役物当選番号」コマンドを受信する前に受信した各種制御コマンドに含まれていた第2制御コマンドの内容は、副制御手段200のRWMにおける所定記憶領域に保存されているものとする。
図51に示したステップSs26の1コマンド処理を開始すると、副制御手段200は、図52に示すフローチャートにおいて、主制御手段100から受信した制御コマンドの種別を判断する(ステップSs100)。そして、受信した制御コマンドが「役物当選番号」コマンドだった場合は、ステップSs100の判断結果がYESとなり、既に主制御手段100から受信している押し順番号および当選番号に基づいて押し順を報知するスタートスイッチ操作時処理を実行する(ステップSs102)。このスタートスイッチ操作時処理の内容については、後に詳細なフローチャートを参照しつつ、詳しく説明する。そして、スタートスイッチ操作時処理を終えると、図52の1コマンド処理を終了し、図51のステップSs28の判断処理へ移行する。
ステップSs100の判断処理で、副制御手段200が「役物当選番号」コマンドを受信していないと判断したときは判断結果がNOとなり、次に副制御手段200は、受信したコマンドが、各リールの「リール回転開始」コマンド(9E7F,9F7F,A07F)を受信したか否かを判断する(ステップSs104)。各リールの「リール回転開始」コマンドを受信したときは、ステップSs104の判断結果はYESとなり、各リールが回転を開始したタイミングで実行中の演出内容を切り替えたり、演出内容を進展ざせたりする(ステップSs106)。そして、図52の1コマンド処理を終了し、図51のステップSs28の判断処理へ移行する。
ステップSs104の判断処理で、副制御手段200が「リール回転開始」コマンドを受信していないと判断したときは判断結果がNOとなり、次に副制御手段200は、受信したコマンドが、各リールの「リール停止受付」コマンド(9E##、9F##またはA0##)のうち、リールが回転を開始してから最初に受信する「リール停止受付」コマンド(第1停止操作受付)であるか否かを判断する(ステップSs108)。ここで、以下ではリールが回転を開始してから最初に受信する「リール停止受付」コマンドを「第1リール停止受付」コマンド、2番目に受信した「リール停止受付」コマンドを「第2リール停止受付」コマンド、最後に受信した「リール停止受付」コマンドを「第3リール停止受付」コマンドという。
そして、「第1リール停止受付」コマンド(第1停止操作受付)であった場合は、判断結果がYESとなり、遊技者によってストップスイッチが操作されたことにより、主に押し順の報知態様を変化させる第1停止操作受付時処理を実行する(ステップSs110)。この第1停止操作受付時処理の内容については、後に詳細なフローチャートを参照しつつ、詳しく説明する。そして、第1停止操作受付時処理を終えると、図52の1コマンド処理を終了し、図51のステップSs28の判断処理へ移行する。
ステップSs108の判断処理で、「第1リール停止受付」コマンドを受信していないと副制御手段200が判断したときは判断結果がNOとなり、次に副制御手段200は、受信したコマンドが、第1停止、すなわち、各リールが回転を開始してから最初に受信した「リール回転停止」コマンド(987E、9F7EまたはA07E)であるか否かを判断する(ステップSs112)。ここで、以下ではリールが回転を開始してから最初に受信する「リール回転停止」コマンドを「第1リール回転停止」コマンド、2番目に受信した「リール回転停止」コマンドを「第2リール回転停止」コマンド、最後に受信した「リール回転停止」コマンドを「第3リール回転停止」コマンドという。
そして、「第1リール回転停止」コマンドを受信した場合は、ステップSs112の判断結果がYESとなり、停止するリールに対応付けてリール停止時に発生する演出(例えばリール停止音や、リールバックランプを用いた視覚的な演出など)を実行する(ステップSs114)。そして、第1停止時の演出を実行すると、図52の1コマンド処理を終了し、図51のステップSs28の判断処理へ移行する。
ステップSs112の判断処理で、副制御手段200が「第1リール回転停止」コマンドを受信していないと判断したときは判断結果がNOとなり、次に副制御手段200は、受信したコマンドが、「第2リール停止受付」コマンド(第2停止操作受付)であるか否かを判断する(ステップSs116)。そして、「第2リール停止受付」コマンド(第2停止操作受付)であった場合は、ステップSs116の判断結果がYESとなり、遊技者によってストップスイッチが操作されたことにより、主に押し順の報知態様を変化させる第2停止操作受付時処理を実行する(ステップSs118)。この第2停止操作受付時処理の内容についても、後に詳細なフローチャートを参照しつつ、詳しく説明する。そして、第2停止操作受付時処理を終えると、図52の1コマンド処理を終了し、図51のステップSs28の判断処理へ移行する。
ステップSs116の判断処理で、「第2リール停止受付」コマンドを受信していないと副制御手段200が判断したときは判断結果がNOとなり、次に副制御手段200は、受信したコマンドが、第2停止、すなわち、「第2リール回転停止」コマンドであるか否かを判断する(ステップSs120)。「第2リール回転停止」コマンドを受信した場合は、ステップSs120の判断結果がYESとなり、停止するリールに対応付けてリール停止時に発生する演出(例えばテンパイ音や、リールバックランプを用いた視覚的な演出など)を実行する(ステップSs122)。そして、第2停止時の演出を実行すると、図52の1コマンド処理を終了し、図51のステップSs28の判断処理へ移行する。
ステップSs120の判断処理で、副制御手段200が「第2リール回転停止」コマンドを受信していないと判断したときは判断結果がNOとなり、次に副制御手段200は、受信したコマンドが、「第3リール停止受付」コマンド(第3停止操作受付)であるか否かを判断する(ステップSs124)。そして、「第3リール停止受付」コマンド(第3停止操作受付)であった場合は、ステップSs124の判断結果がYESとなり、遊技者によってストップスイッチが操作されたことにより、主に押し順の報知を終了させる第3停止操作受付時処理を実行する(ステップSs126)。この第3停止操作受付時処理の内容についても、後に詳細なフローチャートを参照しつつ、詳しく説明する。そして、第3停止操作受付時処理を終えると、図52の1コマンド処理を終了し、図51のステップSs28の判断処理へ移行する。
ステップSs124の判断処理で、「第3リール停止受付」コマンドを受信していないと副制御手段200が判断したときは判断結果がNOとなり、次に副制御手段200は、受信したコマンドが、第3停止、すなわち、「第3リール回転停止」コマンドであるか否かを判断する(ステップSs128)。「第3リール回転停止」コマンドを受信した場合は、ステップSs128の判断結果がYESとなり、停止するリールに対応付けてリール停止時に発生する演出(例えばリール停止音や、リールバックランプを用いた視覚的な演出など)を実行する(ステップSs130)。そして、第3停止時の演出を実行すると、図52の1コマンド処理を終了し、図51のステップSs28の判断処理へ移行する。
ステップSs128の判断処理で、副制御手段200が「第3リール回転停止」コマンドを受信していないと判断したときはステップSs128の判断結果がNOとなり、次に副制御手段200は、受信したコマンドが、「表示種類」コマンド(全リール停止)であるか否かを判断する(ステップSs132)。そして、「表示種類」コマンドであった場合は、ステップSs132の判断結果がYESとなり、遊技者によってストップスイッチが操作されたことにより、副制御手段200は、演出抽選手段212(図3参照)において次の遊技で実行する演出を決定するための演出抽選処理を行う(ステップSs134)。そして、演出抽選処理を終えると、図52の1コマンド処理を終了し、図51のステップSs28の判断処理へ移行する。
ステップSs132の判断処理で、副制御手段200が「表示種類」コマンドを受信していないと判断したときはステップSs132の判断結果がNOとなり、次に副制御手段200は、受信したコマンドが、図24に示した「電断復帰エラー表示開始」コマンド(8101H)〜「メダル満杯エラー表示開始」コマンド(810AH)のいずれかであるか否かを判断する(ステップSs136)。そして、いずれかのエラー表示開始コマンドであった場合は、ステップSs136の判断結果がYESとなり、受信したエラーの種類に応じたエラー報知を実行する(ステップS138)。
このエラー報知の一例としては、受信したエラー表示コマンドの内容を示すメッセージ(エラーメッセージ)を画像表示装置70に表示したり、スピーカ64L,64Rから検出されたエラーの種類を音声で出力したりする。ただし、画像表示装置70に押し順が表示されているときに、復帰可能エラー(図17参照)に関するエラー表示開始コマンドを受信したときは、押し順の表示を維持したままエラーメッセージを表示する。このエラーメッセージの表示は、表示されている押し順の視認性をできるだけ低下させないように行うことが望ましい。また、画像表示装置70に押し順を表示中に、復帰可能エラーに関するエラー表示開始コマンドを受信したときは、全リールが停止した後にエラー報知を行うようにしてもよい。
なお、主制御手段100は、復帰可能エラー(例えば、ドア開放エラー等)を検出したときに押し順番号を表示していた場合、押し順番号の表示をそのまま継続する。これに対して、副制御手段200は、各種エラー表示開始コマンドを受信すると、画像表示装置70によって受信したエラー表示開始コマンドに応じたエラー報知を行う。また、この場合において主制御手段100は、すべてリールが停止した後に、検出した復帰可能エラーに対応するエラーコードを獲得枚数表示器28に表示するが、検出した復帰可能エラーの種類によっては、エラーコードを獲得枚数表示器28に表示せず、画像表示装置70のみによるエラー報知を行うようにしても良い。このように構成することにより、主制御手段100によって押し順番号を表示していることから当該遊技における最適な押し順を遊技者は把握できるため、遊技者は最適な押し順でストップスイッチを操作をして遊技を継続することが可能となるとともに、副制御手段200によりエラー報知しているため、遊技者やホール店員はエラーが発生したことを把握することが出来る。
ステップS138の処理によるエラー報知を終えると、副制御手段200は、図52の1コマンド処理を終了し、図51のステップSs28の判断処理へ移行する。
ステップSs136の判断処理で、副制御手段200が、いずれのエラー表示開始コマンドも受信していないと判断したときはステップSs136の判断結果がNOとなり、次に副制御手段200は、受信したコマンドが、図24に示した「エラー復帰」コマンド(8100H)であるか否かを判断する(ステップSs140)。そして、「エラー復帰」コマンドであった場合は、ステップSs140の判断結果がYESとなり、ステップSs138の処理によってエラー報知を行っていた場合は、そのエラー報知を終了する(ステップS142)。そして、ステップS142の処理によってエラー報知を終了させると、図52の1コマンド処理を終了し、図51のステップSs28の判断処理へ移行する。
なお、図39に示した共通処理2のステップS546〜S550の処理により、押し順当てゲームを実行したときに、遊技者がストップスイッチを操作する毎に、そのストップスイッチが正解(すなわち、停止操作されたストップスイッチが、9枚役の図柄組合せが揃う押し順に従っている)か否かを判定する。そして、正解であると判定したときは正解であることを示す正解コマンドを副制御手段200へ送信する。他方、不正解であると判定したときは不正解であることを示す不正解コマンドを副制御手段へ送信する。判定のタイミングとしては、ストップスイッチの操作が行われたときに行ってもよいし、操作されたストップスイッチに対応するリールが停止した後(全リール停止後)に行ってもよい。ストップスイッチの操作が行われたときに判定する場合は、正解コマンド又は不正解コマンドは各リール停止受付コマンドを送信した後に、送信してもよい。この場合、副制御手段200は、正解コマンドまたは不正解コマンドに基づく処理を行うようにし、この処理において正解または不正解に対応する演出を開始してもよいし、正解コマンドまたは不正解コマンドの後に送信される各リール回転停止コマンドに基づく処理において、正解または不正解に対応する演出を開始してもよい。
また、操作されたストップスイッチに対応するリールが停止した後に判定する場合は、正解コマンド又は不正解コマンドは各リール回転停止コマンドを送信した後に、送信してもよい。この場合、副制御手段200は、正解コマンド又は不正解コマンドに基づく処理を行うようにし、この処理において正解又は不正解に対応する演出を開始することが望ましい。
<スタートスイッチ操作時処理の説明>
次に図52のステップSs102におけるスタートスイッチ操作時処理の内容について説明する。
(a)副制御手段200で押し順を決定しない場合
本実施形態では、図27に示した遊技進行メイン処理のステップS24の非AT状態処理またはステップS26のAT状態処理によって報知する押し順(より具体的には押し順番号)を決定しているため、副制御手段200は、受信した押し順番号に対応する押し順を報知すればよい。この報知態様は、従来のスロットマシンに採用されている報知態様を用いることができる。
したがってこの場合、図52のステップSs102の処理を開始すると、副制御手段200は、主制御手段100から受信した「押し順フラグ」コマンドの第2制御コマンドに含まれていた押し順フラグの状態がオンになっているか否かを判断し、押し順フラグがオフであれば、そのまま図52のステップSs102の処理を終了して、図43に示した1コマンド処理を終了する。これに対して、押し順フラグの状態がオンになっている場合は、主制御手段100から受信した「押し順番号」コマンドの第2制御コマンドに含まれていた押し順番号に応じた押し順を報知してから、図52のステップSs102の処理を終了する。
(b)副制御手段200で押し順を決定する場合
前述したように、押し順によって遊技者に付与される特典(ボーナスゲームまたは再遊技の開始や、RT状態の移行や、メダル払出枚数など)に変化が生じない場合、一部の押し順(第2、第3停止操作の順番)によって遊技者に付与される特典に変化が生じない場合や、図柄組合せが揃ってメダルが払い出されることになっても、その払出枚数がメダル投入枚数よりも少ないなど、出玉に影響が出にくい場合は、報知する押し順を副制御手段200で決定してもよい。以下では、報知する押し順を副制御手段200で決定する場合におけるスタートスイッチ操作時処理の内容について、図53のフローチャートを参照して説明する。
副制御手段200が、図52に示したステップSs102のスタートスイッチ操作時処理を開始すると、まず、「押し順フラグ」コマンドの第2制御コマンドに含まれていた押し順フラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップSs150)。そして、押し順フラグがオフになっていたときは、判断結果がNOとなって、図53に示すスタートスイッチ操作時処理を終了する。
これに対して、押し順フラグがオンになっていたときは、ステップSs150の判断結果はYESとなり、次に「ATフラグ」コマンドの第2制御コマンドに含まれていたATフラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップSs152)。前述したように、ATフラグはAT中であるか否かを示すフラグであり、オンであればAT中であり、オフであればAT中ではないこと示している。以下の説明では、ATフラグの状態がオフになっている場合と、オンになっている場合とに分けて説明する。
(b−1)ATフラグがオフになっている場合
ステップSs152の判断処理で、ATフラグがオフになっている場合は、判断結果がNOとなり、副制御手段200は、主制御手段100から受信したチャンスゾーンゲーム数CZCNTの値が1以上であるか否かを判断する(ステップSs154)。CZCNTの値が0であったときは判断結果がNOとなり、主制御手段100から受信した押し順番号に対応する押し順ナビ演出を実行し(ステップSs156)、図53のスタートスイッチ操作時処理を終了する。ここで、押し順ナビ演出とは、遊技者に押し順を報知することを目的とした演出であり、従来の押し順ナビ演出の態様を採用することができる。
ステップSs154の判断処理で、CZCNTの値が1以上であった場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は、主制御手段100から受信した「演出グループ番号」コマンドの第2制御コマンドに含まれていた演出グループ番号が、役抽選で当選番号2(再遊技−B)に決定されたことを示すものであるか否かを判断する(ステップSs158)。ここで、以下では煩雑さを解消するため、「演出グループ番号が、役抽選で当選番号a(aは自然数)に決定されたことを示すものであるか否か」という記載を、単に「当選番号がaであるか否か」と言い換えるものとする。また、例えば「当選番号がa(aは自然数)だった」と記載されている場合は、受信した「演出グループ番号」が、役抽選で当選番号aに決定されたことを示していた、ということを意味する。
ステップSs158の判断処理で、主制御手段100から受信した「演出グループ番号」コマンドの第2制御コマンドに含まれていた演出グループ番号が、役抽選で当選番号2(再遊技−B)に決定されたことを示すものであった(すなわち、当選番号が2であった)場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は、ストップスイッチ37L,37C,37Rに対する6通りの押し順(左→中→右、左→右→中、中→左→右、中→右→左、右→左→中、右→中→左)の中から1つを抽選によって決定する(ステップSs160)。そして、決定した押し順に対応する押し順ナビ演出を実行し(ステップSs162)、図53のスタートスイッチ操作時処理を終了する。
ステップSs158の判断処理で、主制御手段100から受信した「演出グループ番号」コマンドの第2制御コマンドに含まれていた演出グループ番号が、役抽選で当選番号2(再遊技−B)に決定されたことを示すものでなかった(すなわち、当選番号が2でなかった)場合、判断結果はNOとなり、次に副制御手段200は、受信した「演出グループ番号」コマンドの第2制御コマンドに含まれていた演出グループ番号が、当選番号が3〜8のいずれかに決定されたことを示すものであるか否か(すなわち、当選番号が3〜8のいずれかであるか否か)を判断する(ステップSs164)。当選番号が3〜8のいずれかであった場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は、上述した6通りの押し順のうち、主制御手段100から受信した押し順番号に対応する押し順以外の5通りの押し順の中から1つを抽選によって決定する(ステップSs166)。
これは、図28に示した非AT状態処理のステップS138と同様の理由によるものであり、当選番号が3〜8のいずれかに決定されるということは、RT状態がRT1になっており(図4参照)、かつ、チャンスゾーン中はRT1に留まった方がAT抽選の機会をより多く得られるためである。そして、抽選によって決定した押し順に対応する押し順ナビ演出を実行し(ステップSs168)、図53のスタートスイッチ操作時処理を終了する。
これに対して、ステップSs164の判断処理において、当選番号が3〜8のいずれでもなかった場合は判断結果がNOとなり、副制御手段200は、主制御手段100から受信した押し順番号に対応する押し順ナビ演出を実行し(ステップSs170)、図53のスタートスイッチ操作時処理を終了する。
(b−2)ATフラグがオンになっている場合
ステップSs152の判断処理で、ATフラグがオンになっている場合は、判断結果がYESとなり、副制御手段200は、主制御手段100から受信した「演出グループ番号」コマンドの第2制御コマンドに含まれていた当選番号が21(入賞−A)であるか否かを判断する(ステップSs172)。当選番号が21だった場合は判断結果がYESとなり、次に主制御手段100から受信した押し順番号が9(右第1停止)であるか否かを判断する(ステップSs174)。主制御手段100から受信した押し順番号が9でなかった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100から受信した押し順番号に対応する押し順の押し順ナビ演出を実行し(ステップSs176)、図53のスタートスイッチ操作時処理を終了する。
ステップSs174の判断処理で、受信した押し順番号が9であった場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は第2停止操作を左ストップスイッチ37Lとし、第3停止操作を中ストップスイッチ37Cとするか、第2停止操作を中ストップスイッチ37Cとし、第3停止操作を左ストップスイッチ37Lとするかを抽選により決定する(ステップSs178)。そして、第1停止操作を右ストップスイッチ37Rとし、第2・第3停止操作をステップSs178で決定したストップスイッチとする押し順(すなわち、右→左→中または右→中→左)に対応する押し順ナビ演出を実行し(ステップSs180)、図53のスタートスイッチ操作時処理を終了する。
前述したステップSs172の判断処理で、主制御手段100から受信した当選番号が21ではなかった場合、次に副制御手段200は、受信した当選番号が28〜30のいずれかであるか否かを判断する(ステップSs182)。そして、受信した当選番号が28〜30のいずれかであった場合は判断結果がYESとなり、図39に示した共通処理2のステップS556と同様の6択ナビ抽選を実行する(ステップSs184)。すなわち、本来、第1停止操作すべきストップスイッチを報知すれば、遊技者は当選番号に応じた図柄組合せを揃えられるところ、第1〜第3停止操作の押し順を報知するか否かを抽選によって決定する。
そして、副制御手段200はステップSs184の6択ナビ抽選に当選したか否かを判断し(ステップSs186)、当選しなかった場合は判断結果がNOとなって受信した押し順番号に対応する押し順ナビ演出を実行する(ステップSs188)。なお、ステップSs182の判断処理で、受信した当選番号が28〜30のいずれでもなかった場合は判断結果がNOとなり、ステップSs184およびSs186の処理を行うことなく、ステップSs188の処理へ移行する。
ステップSs186の判断処理で、ステップSs184で行った6択ナビ抽選に当選した場合は判断結果がYESとなり、受信した当選番号に対応する図柄組合せが揃うこととなる第1停止操作すべきストップスイッチを除く残り2つのストップスイッチについて、第2、第3停止操作するストップスイッチをどれにするのかを抽選によって決定する(ステップSs190)。そして、受信した当選番号に対応する図柄組合せが揃うこととなる第1停止操作すべきストップスイッチと、ステップSs190の処理によって決定した第2、第3停止操作すべきストップスイッチとを合わせた押し順に対応する押し順ナビ演出を実行し(ステップSs192)、図53のスタートスイッチ操作時処理を終了する。
<停止操作受付時処理の説明>
次に図52のステップSs110、Ss118およびSs126における第1〜第3停止操作受付時処理の内容について、図54(a)および(b)に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、図54(a)は第1および第2停止操作受付時処理のフローチャートを示し、図54(b)は第3停止操作受付時処理のフローチャートを示す。
(a)第1および第2停止操作受付時処理
副制御手段200が、図52のステップSs110またはSs118の処理を開始すると、図54(a)のフローチャートにおいて、押し順ナビ演出を実行中であるか否かを判断する(ステップSs200)。図52に示したステップSs102のスタートスイッチ操作時処理において、押し順ナビ演出が実行されなかったときは判断結果がNOとなり、図54(a)の停止操作受付時処理を終了する。これに対して、押し順ナビ演出が実行されていたときは、判断結果がYESとなり、遊技者が操作したストップスイッチが、押し順ナビ演出によって示される押し順に適合するものであるかを判断する(ステップSs202)。
そして、遊技者が操作したストップスイッチが、押し順ナビ演出によって示される押し順に適合していたときは、判断結果がYESとなり、実行中の押し順ナビ演出を、次に停止操作するストップスイッチを示唆する演出に変化させる(ステップSs204)。すなわち、第1停止操作受付時にステップSs204の処理を行った場合は、第2停止操作を行うストップスイッチを示唆し、第2停止操作受付時にステップSs204の処理を行った場合は、第3停止操作を行うストップスイッチを示唆する。そして、ステップSs204の処理を行うと、図54(a)の停止操作受付時処理を終了する。
ステップSs202の判断処理において、遊技者が操作したストップスイッチが、押し順ナビ演出によって示される押し順に適合していなかったときは、判断結果がNOとなり、実行中の押し順ナビ演出を終了し(ステップSs206)、押し順不正解演出を行った後(ステップSs208)、図54(a)の停止操作受付時処理を終了する。
(b)第3停止操作受付時処理
副制御手段200が、図52のステップSs126の処理を開始すると、図54(b)のフローチャートにおいて、押し順ナビ演出を実行中であるか否かを判断する(ステップSs220)。図52に示したステップSs102のスタートスイッチ操作時処理において、押し順ナビ演出が実行されなかったときは判断結果がNOとなり、図54(b)の停止操作受付時処理を終了する。これに対して、押し順ナビ演出が実行されていたときは、判断結果がYESとなり、実行中の押し順ナビ演出を終了し(ステップSs222)、押し順正解時の演出を行った後(ステップSs224)、図54(b)の停止操作受付時処理を終了する。
図54(a),(b)に示した停止操作受付時操作処理を行う場合において、例えば図52に示すステップSs102のスタートスイッチ操作時処理で図54(c)(ア)に示すように、中→右→左の押し順を示す押し順ナビ演出が実行されたとする。このとき、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されると、図54(a)のステップSs200およびs202における判断結果が共にYESとなり、ステップSs204において、第2停止操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ37Rであることを示す演出が行われる(図54(c)(イ)参照)。
次に、右ストップスイッチ37Rが第2停止操作されると、図52のステップSs118の第2停止操作受付時処理で、第1停止操作時と同様、図54(a)のステップSs200およびs202における判断結果が共にYESとなり、ステップSs204において、第3停止操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ37Lであることを示す演出が行われる(図54(c)(ウ)参照)。そして、最後に左ストップスイッチ37Lが第3停止操作されると、図52のステップSs126の第3停止操作受付時処理で、図54(b)のステップSs220の判断結果がYESとなり、ステップSs222で押し順ナビ演出が終了し、ステップSs224で押し順正解時の演出が実行される(図54(c)(エ)参照)。
これに対して、第2停止操作として左ストップスイッチ37Lが操作されたときは、図52のステップSs118の第2停止操作受付時処理で、図54(a)のステップSs202の判断結果がNOになって、ステップSs206の処理が行われ、押し順ナビ演出が終了する(図54(c)(オ)参照)。そして、ステップSs208の処理で押し順不正解演出が行われる(図54(c)(カ)参照)。また、この場合は図52のステップSs126の第3停止操作受付時処理で、図54(c)のステップSs220の判断結果がNOとなるため、ステップSs224の押し順正解時の演出は実行されない。
なお、図54(c)の例では、第2停止操作時に遊技者が押し順をミスした場合を示したが、このときに、獲得枚数表示器28に表示した押し順番号に対応する表示は、そのまま維持してもよいし、表示を消去してもよい。なお、獲得枚数表示器28の表示を消去するタイミングは、副制御手段200において、図54(a)に示したステップSs206の押し順ナビ演出の終了前であってもよいが、当該押し順ナビ演出の終了後であることが望ましい。このように構成した場合、主制御手段100による押し順番号に応じた表示がなされていないときに、副制御手段200による押し順ナビ演出が実行されている状態を避けることができる。
さらに、第1停止操作時に遊技者が押し順をミスしたときは、主制御手段100において、改めて第2、第3停止操作時に操作すべきストップスイッチを決定し、遊技者が第1停止操作したストップスイッチと、新たに決定した第2、第3停止操作するストップスイッチとからなる押し順に対応する押し順番号の表示を行うようにしてもよい。また、新たに決め直した押し順番号の表示を行った後に、副制御手段200において、当初の第2、第3停止操作に関する押し順の報知を、新たに決め直した押し順番号に従った第2、第3停止操作に関する報知に切り替えてもしてもよい。
2.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態に係るスロットマシンについて説明する。本実施形態のスロットマシンと、上述した第1実施形態に係るスロットマシンとの違いは、主制御手段100にて実行される遊技進行メイン処理の一部が異なっている点であり、ハードウェア構成や、その他の制御内容については第1実施形態に係るスロットマシンと同様である。図55に、本実施形態における遊技進行メイン処理のフローチャートを示す。
この図に示す遊技進行メイン処理において、第1実施形態に係るスロットマシンの遊技進行メイン処理(図27)と同じ処理を行うステップについては同一の番号を付し、詳しい説明を省略する。図55に示す遊技進行メイン処理が、図27に示す遊技進行メイン処理と異なる点は、ステップS28のフリーズ抽選処理によって、フリーズ番号が1または2に決定された場合に、ダミーコマンドセット処理(ステップSA1)を行う点である。
ここで、図56のフローチャートを参照して、ダミーコマンドセット処理の詳しい内容について説明する。図55に示す遊技進行メイン処理のステップS28で実行されたフリーズ抽選処理において、フリーズ番号が1または2に決定されると、ステップS30の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図56に示すダミーコマンドセット処理を実行する。まず、主制御手段100は、押し順フラグのオフ状態を示す第2制御コマンドを含んだ「押し順フラグ」コマンド(B000。図25参照)をリングバッファに保存する(ステップS880)。次に主制御手段100は、押し順番号0を示す第2制御コマンドを含んだ「押し順番号」コマンド(9500。図25参照)をリングバッファに保存する(ステップS882)。
次に、主制御手段100は、ステップS18の役抽選処理によってRWMに記憶された、入賞・再遊技当選番号を読み出してCPUのレジスタにセットし(ステップS884)、セット当選番号にオフセット値(図26(a)参照)を加算してマスク番号とするマスク処理を行う(ステップS886)。そして、マスク番号をリングバッファに保存し(ステップS888)、次いでRWMの所定記憶領域に記憶された役物当選番号を読み出してリングバッファに保存して(ステップS890)、図56に示すダミーコマンドセット処理を終了する。
<制御コマンドの送信タイミングと押し順番号の表示タイミングとの関係>
次に、図57のタイミングチャートを参照して、本実施形態の遊技進行メイン処理を実行した場合における、制御コマンドの送信タイミングと押し順番号の表示タイミングとの関係について説明する。以下では、図55のステップS34でフリーズ演出を実行する場合と、しない場合とに分けて説明する。
(a)フリーズ演出を実行する場合
スタートスイッチ36が操作されると、図55のステップS14の判断結果がYESとなって役抽選処理が行われ(ステップS18)、役抽選処理によって決定された入賞・再遊技当選番号および役物当選番号がRWMの所定記憶領域に記憶される。その後、メインモードに応じて非AT状態処理(ステップS24)またはAT状態処理(ステップS26)により押し順番号が決定される。そしてステップS28でフリーズ抽選が行われ(図34、ステップS592またはS604)、フリーズ抽選に当選するとフリーズ番号1または2が副制御手段200に送信される(図41、ステップS600またはS610)。
また、図55のステップS30の判断結果がYESとなって、ステップSA1のダミーコマンドセット処理により、押し順フラグの状態がオフ、押し順番号0の情報が副制御手段200へ送信される(図56、ステップS880およびS882)。ここで、実際の押し順フラグはオンになっている場合もあるが、この段階では強制的に押し順フラグがオフの状態を副制御手段200に送信される。続いて、マスク番号、役物当選番号の情報が副制御手段200へ送信される(図56、ステップS888およびS890)。そして、ステップS34でフリーズ演出(リール演出)が開始され、フリーズ演出が終了すると(ステップS36,YES)、ステップS38で、押し順表示処理(図42)が行われる。
ここで、本来の押し順フラグがオンになっていた場合は(図42、ステップS630,YES)、非AT状態処理(ステップS24)またはAT状態処理(ステップS26)によって決定された押し順番号に対応する表示態様を指定するためのオフセット値(図18参照)が、RWMのアドレスF018に記憶される(図42、ステップS632)。これに対して、本来の押し順フラグがオフになっていた場合は、獲得枚数表示器28を非表示にすることを示す値(FFH)がRWMのアドレスF018に記憶される(図42、ステップS634)。
そして、ステップS40で本来の押し順フラグの状態が副制御手段200に送信され、ステップS42で本来の押し順番号が副制御手段200に送信される。その後、ステップS54の処理により、ステップS18の役抽選処理で決定された本来の入賞・再遊技当選番号またはマスク番号が副制御手段200に送信される。フリーズの演出が終了した後に、獲得枚数表示器28、画像表示装置70による押し順の報知が行われるようにしているのは、第1実施形態と同様の理由である。
また、第2実施形態の場合は、副制御手段200は、別途フリーズ番号コマンドに基づく処理を設けることなく、役物当選番号に基づく処理において、フリーズ番号に対応する演出を開始することできる。例えば、1遊技における1回目の役物当選番号に基づく処理では、フリーズ番号に対応する演出を開始するが、押し順フラグはオフであるため、押し順の報知は行わない。2回目の役物当選番号に基づく処理では、2回目のため、フリーズ番号に対応する演出は行わないが、本来の押し順フラグがオンであるときは、押し順の報知を行うことができる。このようにすることで、副制御手段200に、それぞれのコマンドごとに処理を設ける必要がなくなり、副制御手段200の処理負担も軽減することができる。
(b)フリーズ演出を実行しない場合
スタートスイッチ36が操作されると、役抽選処理によって、抽選で決定された入賞・再遊技当選番号および役物当選番号がRWMに記憶され、その後、メインモードに応じて非AT状態処理またはAT状態処理により押し順番号が決定される。そして、フリーズ抽選にはずれると(図41、ステップS594またはS606、NO)、フリーズ番号0が副制御手段200に送信される(図41、ステップS598→S600)。この場合、図47のダミーコマンドセット処理は行われず、フリーズ演出も実行されない。
このため、AT状態処理またはAT状態処理によって決定された押し順番号が獲得枚数表示器28に表示され(ステップS30,NO→S38)、その後、押し順フラグ、押し順番号、入賞・再遊技当選番号又はマスク番号、および役物当選番号が、順次、副制御手段200へ送信される。
3.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態に係るスロットマシンについて説明する。本実施形態のスロットマシンも、第2実施形態に係るスロットマシンと同様に、主制御手段100にて実行される遊技進行メイン処理の一部が、前述した第1実施形態に係るスロットマシンと異なっている。また、第1実施形態におけるフリーズ抽選処理(図41)も一部異なっている。図58に、本実施形態における遊技進行メイン処理のフローチャートを示す。また、図59に、本実施形態におけるフリーズ抽選処理のフローチャートを示す。
図58に示す本実施形態の遊技進行メイン処理において、第1実施形態に係るスロットマシンの遊技進行メイン処理(図27)と同じ処理を行うステップについては同一の番号を付し、詳しい説明を省略する。図58に示す遊技進行メイン処理が、図27に示す遊技進行メイン処理と異なる点は、フリーズ演出の実行に関する処理(ステップS30〜S36)が、ステップS58のリール停止管理処理の直前に実行される点である(図58中、破線で示す)。
また、図59に示す本実施形態のフリーズ抽選処理において、第1実施形態に係るスロットマシンのフリーズ抽選処理(図41)と同じ処理を行うステップについては同一の番号を付し、詳しい説明を省略する。図59に示すフリーズ抽選処理が、図41に示す遊技進行メイン処理と異なる点は、第2フリーズ抽選に当選したときに、フリーズ番号2の情報を副制御手段200へ送信するために、ステップS610で「フリーズ番号」コマンド(図25参照)をリングバッファに保存した後、押し順フラグの状態に応じて当選番号32について、押し順抽選を行う点である。
すなわち、図58に示すステップS28のフリーズ抽選処理では、図59に示すフリーズ抽選処理を実行し、ステップS610で、フリーズ番号2を示す第2制御コマンドを含んだ「フリーズ番号」コマンドをリングバッファに保存すると、次に、RWMに記憶されている押し順フラグの状態がオンであるか否かを判断する(ステップSB1)。押し順フラグの状態がオフであった場合は判断結果がNOとなり、図59のフリーズ抽選処理を終了して、図58に示す遊技進行メインのステップS38(押し順表示処理)へ移行する。
これに対して、ステップSB1の判断処理で、押し順フラグの状態がオンであった場合は判断結果がYESとなり、ストップスイッチ37L,37C,37Rの6通りの押し順の中からいずれか1つを決定する(ステップSB2)。そして、決定した押し順に対応する押し順番号を、RWMの所定記憶領域に保存した後(ステップSB3)、図59のフリーズ抽選処理を終了して、図58に示す遊技進行メインのステップS38(押し順表示処理)へ移行する。
<制御コマンドの送信タイミングと押し順番号の表示タイミングとの関係>
次に、図60のタイミングチャートを参照して、本実施形態の遊技進行メイン処理およびフリーズ抽選処理を実行した場合における、制御コマンドの送信タイミングと押し順番号の表示タイミングとの関係について説明する。以下では、図58のステップS34でフリーズ演出を実行する場合と、しない場合とに分けて説明する。
(a)フリーズ演出を実行する場合
スタートスイッチ36が操作されると、図58のステップS14の判断結果がYESとなって役抽選処理が行われ(ステップS18)、役抽選処理によって決定された入賞・再遊技当選番号および役物当選番号がRWMの所定記憶領域に記憶される。その後、メインモードに応じて非AT状態処理(ステップS24)またはAT状態処理(ステップS26)により押し順番号が決定される。そしてステップS28でフリーズ抽選が行われ、(図59、ステップS592またはS604)、フリーズ抽選に当選するとフリーズ番号1または2が副制御手段200に送信される(図59、ステップS600またはS610)。
次に、図58のステップS38の押し順表示処理において、押し順フラグがオンになっていた場合は(図42、ステップS630,YES)、非AT状態処理(ステップS24)もしくはAT状態処理(ステップS26)、または、図59のステップSB2の押し順抽選によって決定された押し順番号に対応する表示態様を指定するためのオフセット値(図18参照)が、RWMのアドレスF018に記憶される(図42、ステップS632)。これに対して、押し順フラグがオフになっていた場合は、獲得枚数表示器28を非表示にすることを示す値(FFH)がRWMのアドレスF018に記憶される(図42、ステップS634)。
そして、ステップS40の処理に基づいて押し順フラグの状態が副制御手段200に送信され、ステップS42の処理に基づいて、ステップS38の処理によって押し順番号が副制御手段200に送信される。また、入賞・再遊技当選番号又はマスク番号、役物当選番号が副制御手段200に送信される。その後、ステップS30の判断結果がYESとなって、フリーズ演出が開始され(ステップS34)、フリーズ演出が終了すると(ステップS36,YES)、ステップS58のリール停止管理処理によってリールの回転が開始される。
第3実施形態では、フリーズ演出を実行する場合であっても、スタートレバーの操作を契機に、獲得枚数表示器28、画像表示装置70による押し順の報知が行われるようにしている。しかしながら、第3実施形態では、本来押し順の報知が必要のない当選番号32であっても、押し順フラグがオンであるときは、押し順の報知を行うようにしている。このため、スタートレバーの操作を契機に、押し順の報知が行われるようにした場合であっても、今回のフリーズ演出が当選番号22〜27によるものなのか、当選番号32によるものなのかが、遊技者に分からないようにしている。このようにすることで、フリーズ演出を行う場合とフリーズ演出を行わない場合とで、押し順の報知を行うタイミングを変更しなくてもよいため、主制御手段100の処理負担を軽減することができる。
(b)フリーズ演出を実行しない場合
スタートスイッチ36が操作されると、役抽選処理が行われ、役抽選処理によって決定された入賞・再遊技当選番号および役物当選番号がRWMに記憶される。その後、メインモードに応じて非AT状態処理またはAT状態処理によって押し順番号が決定される。そしてフリーズ抽選が行われ、フリーズ抽選にハズレるとフリーズ番号0が副制御手段200に送信される。
次いで、獲得枚数表示器28に押し順番号が表示され、さらに、押し順フラグの状態と、押し順番号とが副制御手段200へ送信される。そして、入賞・再遊技当選番号またはマスク番号、および役物当選番号が副制御手段200へ送信された後、ステップS30の判断結果がNOとなって、フリーズ演出を行うことなく、ステップS58のリール停止管理処理によってリールの回転が開始される。
また、第3実施形態では、リール演出の開始前、およびリール回転開始前に獲得枚数表示器28に押し順番号を表示する。すなわち、遊技者が押し順番号の表示の有無によってリール演出なのか、本来のリールの回転が開始したのかを判別することができない。したがって、あたかも本来のリールの回転が開始したかのようなリール演出を行っても、それがリール演出であることを判別できないため、リール演出による興趣が損なわれることがない。
なお、図59のフリーズ抽選処理において、ステップS604の第2フリーズ抽選に当選した場合のみ、押し順抽選を行っていたが、第2フリーズ抽選の当否に拘わらず、当選番号が32に決定されたときにステップSB1〜SB3の処理を行ってもよい。このような処理を行うことで、押し順の報知の有無によって特定の当選番号が決定されなかったことを遊技者に知られてしまうのを避けることができる。
<変形例>
(1)上述の実施形態において、副制御手段200が押し順番号を受信しなかった場合や、優先して報知すべき押し順が無いような場合には、副制御手段200において、主制御手段100から送信された入賞・再遊技当選番号に対応して予め定められていた押し順を報知するようにしてもよい。
(2)上述の実施形態におけるAT遊技は、AT遊技が開始してから所定遊技回数の遊技を消化すると終了するようにしているが、ATの終了これに限らず、所定枚数の払出数があったことによって終了するようにしてもよいし、所定枚数の差枚数が得られたことによって終了するようにしてもよい。また、所定回数の押し順の報知が行われたことによって終了するようにしてもよい。ここで、「所定回数」は、すべての押し順の報知の回数を計数してもよいし、入賞−B〜Gに当選した遊技における押し順の報知または入賞−B〜Jに当選した遊技における押し順の報知の回数を計数してもよい。
(3)上述の実施形態において、入賞・再遊技当選番号またはマスク番号、役物当選番号の順に副制御手段200へ送信しているが、役物当選番号、入賞・再遊技当選番号またはマスク番号の順に副制御手段200へ送信してもよい。この場合は、副制御手段200は、入賞・再遊技当選番号またはマスク番号を受信したことで、スタートスイッチ操作時処理を行うようにすることが望ましい。
(4)上述の実施形態において、フリーズ演出を実行しない場合は、スタートスイッチ36の操作を契機に、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示するようにし、フリーズ演出を実行する場合は、フリーズ演出の終了後に、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示するようにしていたが、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示するタイミングはこれに限らず、リールが回転を開始した後に、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示してもよいし、リールが定速回転に到達した後に、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示してもよい。また、第2停止操作からの押し順を報知する場合は、第1停止操作があった後に、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示してもよい。なお、リールが回転開始した後に、獲得枚数表示器28に押し順番号を表示する場合は、表示後に押し順番号、入賞・再遊技当選番号またはマスク番号、役物当選番号を送信するようにし、役物当選番号はリールが定速回転に到達する前までに副制御手段200へ送信されていることが望ましい。
(5)上述の実施形態では、押し順当てゲームを行うときは、押し順番号10〜13が決定され、入賞・再遊技当選番号はマスク処理されるようにしているが、押し順番号10〜13を決定するのではなく、例えば、押し順のすべてを秘匿するときは押し順番号0を決定し、押し順の一部を秘匿するときは押し順番号7〜9のうちいずれかを決定してもよい。この場合は、副制御手段200に対し、別途、押し順当てゲームを行うことを伝えるため、別途、押し順当てゲームを行うことを示す押し順当てゲームコマンドを送信してもよいし、入賞・再遊技当選番号をマスク処理する際に、押し順当てゲーム用のマスク番号に置き換える処理を行ってもよい。ただし、押し順当てゲーム用のマスク番号は別途定めて置く必要がある。上述の実施形態では、AT遊技中に、押し順当てゲームが行われる場合があるが、AT遊技でないときに、押し順当てゲームが行われるようにしてもよい。(例えば、通常状態やCZ状態中に、当選番号が22〜27となった場合に、押し順当てゲームが行われるようにしてもよい)。
(6)上述の実施形態では、コマンドの送信をシリアル通信方式で行っているがパラレル通信方式により行ってもよい。ただし、パラレル通信方式とした場合には、複数の通信線のうち何れかの通信線が断線等していても通信が可能となるので、誤った情報が伝達される虞がある。そこで、パラレル通信方式とする場合には、毎遊技の開始時(例えば、スタートレバーの操作時)に、所定のコマンド(例えば、00000101B)を送信し、毎遊技の終了時(例えば、全停止時)に、所定のコマンドと各bitのON/OFFが逆になるコマンド(例えば、1111010B)を送信し、これらの論理演算の結果により断線しているか否かを判別するようにしてもよい。
(7)上述した各実施形態において、役抽選処理の抽選結果を、より遊技者に有利な抽選結果の結果に昇格させるか否かを決定する昇格抽選を行ってもよい。例えば、「赤7−赤7−赤7」が表示されると、より有利なメインモードへ移行する、より当選確率が高いAT抽選を行う、などの特典が遊技者に付与されるように予め構成しておく。そして、主制御手段100において、役抽選処理で当選番号2(再遊技−B)が決定されたときに昇格抽選を行い、昇格抽選に当選(便宜上、「レア役に当選」という。)したときは、当選番号を2から46に書き換え、主制御部100では、当選番号46(レア役当選)に応じた処理(例えば、図27に示す非AT状態処理/AT状態処理、フリーズ抽選処理、押し順表示処理など)を行うと共に、副制御手段200へ条件装置番号46を送信する。なお、リールの停止制御については、当選番号の書き換えを行う前に当選番号2に基づいて生成された作動フラグに従って行われる。
そして、副制御手段200では、当選番号2を受信した場合は、左→中→右の押し順(再遊技01の図柄組合せが揃う)を報知し、当選番号46を受信した場合は、右→中→左の押し順(再遊技10の図柄組合せが揃う可能性がある)を報知する(併せて「赤7を狙え!」などの報知をしてもよい)ように定めておく。これにより、「赤7−赤7−赤7」が表示されたときは、前述した特典を遊技者に付与する。
なお、遊技者が、「赤7」図柄の目押しに失敗した場合や、報知された押し順に従わずにストップスイッチを操作した場合でも、レア役に当選したことに基づいて前述した特典を付与するようにしてもよい。主制御手段100では、レア役に当選(昇格抽選に当選)し、当選番号もレア役の当選番号「46」に書き換えられているため、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが揃ったか否かに関わらず、レア役に当選した場合の処理を行うことができる。
また、本変形例では、レア役(「赤7−赤7−赤7」)を表示させるための押し順が1つ(右→中→左)であるが、レア役を表示させる押し順が複数ある場合は、当選番号46に特定の押し順を対応付けせず、主制御手段100から、当選番号46とともに押し順番号(レア役を表示させるための押し順のいずれか)を、副制御手段200へ送信してもよい。
また、昇格抽選当選時における当選番号の書き換えは、副制御手段200へ当選番号(より具体的には「演出グループ番号」コマンド)の送信の直前ではなく、昇格抽選の当選後に直ちに行うようにするとよい。これは、押し順番号の決定やフリーズ抽選処理などを書き換え後の当選番号に基づいて処理するためである。ただし、少なくとも、リール停止制御の際に参照される作動フラグを生成し、外部に出力するための当選番号をRWMの所定記憶領域に保存するまでは、当選番号の書き換えが行われないようにする必要がある。ここで、外部に出力された当選番号の用途としては、例えば出玉率を検証する際に利用することができる。