JP6637157B2 - 構造的コーティングを有する医療装置 - Google Patents

構造的コーティングを有する医療装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6637157B2
JP6637157B2 JP2018504904A JP2018504904A JP6637157B2 JP 6637157 B2 JP6637157 B2 JP 6637157B2 JP 2018504904 A JP2018504904 A JP 2018504904A JP 2018504904 A JP2018504904 A JP 2018504904A JP 6637157 B2 JP6637157 B2 JP 6637157B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microstructure
polymer coating
medical device
coating
catheter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018504904A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018524125A (ja
Inventor
ウェーバー、ヤン
ショイルマン、トルステン
ビー. ラブル、スティーブン
ビー. ラブル、スティーブン
エル. ラドマン、バリー
エル. ラドマン、バリー
Original Assignee
カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US14/850,932 external-priority patent/US9814875B2/en
Application filed by カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド, カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド filed Critical カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
Publication of JP2018524125A publication Critical patent/JP2018524125A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6637157B2 publication Critical patent/JP6637157B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/32Surgical cutting instruments
    • A61B17/3205Excision instruments
    • A61B17/3207Atherectomy devices working by cutting or abrading; Similar devices specially adapted for non-vascular obstructions
    • A61B17/320758Atherectomy devices working by cutting or abrading; Similar devices specially adapted for non-vascular obstructions with a rotating cutting instrument, e.g. motor driven
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/02Details
    • A61N1/04Electrodes
    • A61N1/05Electrodes for implantation or insertion into the body, e.g. heart electrode
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B2017/00831Material properties
    • A61B2017/0084Material properties low friction
    • A61B2017/00845Material properties low friction of moving parts with respect to each other

Description

本発明は、コーティングを有する医療装置に関し、より詳細には、摩耗を低減するための微細構造を含むコーティングを有する医療装置に関する。また、そのようなコーティングを作る方法に関する。
医療装置として、内腔を有する管状体と、その管状体内に延びるワイヤとを含むものがある。例えば、リードは、少なくとも一本のワイヤ(リードワイヤ)を有し、そのリードワイヤは管状体(リード本体)内を通って延びる。このリードワイヤは例えば金属からなり、リード本体は例えばシリコーンまたはポリウレタン材料からなる。このリード本体は、リードの性能を損なうおそれのある周辺組織および外部環境からリードワイヤを隔離する。
使用中に患者が動くことにより、リードワイヤがリード本体の内面に擦れることがある。そのような経年使用に伴い、リードワイヤがリード本体の内面をすり減らしたり、摩耗させたりすることがある。使用状況によっては、そうした摩耗によって、リードワイヤの隔離システムが損なわれたり、リードの短絡を招いたりするおそれがある。
別の例では、回転式アテローム切除カテーテルとして、管状体(カテーテル)内に延びる少なくとも1本のワイヤ(駆動軸)を有するものがある。この駆動軸は例えば螺旋状に巻かれた金属ワイヤであり、カテーテルは例えばシリコーンまたはポリウレタン材料からなる。このカテーテルは、回転する駆動軸を周辺組織から隔離する。食塩水を含む潤滑剤が、カテーテルと駆動軸との間に流動することもある。
使用時にカテーテルが人体組織に沿って曲がると、駆動軸はカテーテルの内面に押し付けられる。この押し付け力によって、駆動軸の外面とカテーテルの内面との間から潤滑剤が押し出されることがある。潤滑剤がないと、回転する駆動軸とカテーテルとの間に生じる摩擦によって熱や小片が生じると、回転式アテローム切除カテーテルの動作不良が生じるおそれがある。
以下に、コーティングを有する医療装置の様々な実施例と、医療装置にコーティングを施す方法を開示する。
実施例1の医療装置は、遠位端及び近位端を有するカテーテルと、前記遠位端から前記近位端に向けて前記カテーテル内に延びる内腔と、前記遠位端から前記近位端に向けて前記内腔内に延びる駆動軸と、ポリマーコーティングと、を備える。前記駆動軸は、螺旋状に巻かれたワイヤであり、外面を有する。前記ポリマーコーティングは、前記駆動軸の前記外面の少なくとも一部の上に配置される。前記コーティングは、バルク材及び前記バルク材の上に配置された複数の可撓性を有する微細構造を有する。前記微細構造は、前記ポリマーコーティングの表面から外方に向けて延びる。
実施例2は、実施例1の医療装置において、可撓性を有する前記微細構造が第1端及び第2端を有し、前記第1端から前記第2端までの距離は5マイクロメーターから100マイクロメーターである。
実施例3では、実施例1または2の医療装置において、前記微細構造が前記ポリマーコーティングと一体化している。
実施例4では、実施例1〜3のいずれかの医療装置において、前記コーティングが、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFT)およびポリエチレンテレフタレート(PET)によって構成されるグループから選択される少なくとも1つの素材を含む。
実施例5では、実施例1〜4のいずれかの医療装置が、可撓性を有する前記微細構造の少なくとも一部の上に配置される保護コーティングをさらに備える。
実施例6では、実施例5の医療装置において、前記保護コーティングの厚さが3ナノメートルから30ナノメートルである。
実施例7では、実施例5または6の医療装置において、前記保護コーティングは前記ポリマーコーティングよりも高い弾性率を有する。
実施例8では、実施例1〜7のうちいずれかの医療装置が、管状体の内面の少なくとも一部と、前記微細構造の少なくとも一部との間に配置される潤滑剤をさらに備える。
実施例9の医療装置は、遠位端及び近位端を有するとともに少なくとも1つの内腔及び前記遠位端から前記近位端に延びる少なくとも1つの内面を含む管状体と、少なくとも一つの前記内腔内に延びるとともに外面を有するワイヤと、ポリマーコーティングと、を備える。前記ポリマーコーティングは、前記ワイヤの前記外面の少なくとも一部の上に配置される。前記ポリマーコーティングは、バルク材及び前記バルク材の上に配置された複数の可撓性を有する微細構造を含む。前記微細構造は、前記ポリマーコーティングの表面から外方に向けて延び、前記管状体の前記内面と少なくとも1点で接触する。
実施例10では、実施例9の医療装置において、前記微細構造が前記ポリマーコーティングと一体化している。
実施例11では、実施例9または10の医療装置において、前記微細構造が少なくとも0.0015ラジアン曲がることができる。
実施例12では、実施例9〜11のいずれかの医療装置において、前記微細構造の長さが前記微細構造の最小直径の少なくとも2倍である。
実施例13では、実施例9〜12のいずれかの医療装置が、可撓性を有する前記微細構造の少なくとも一部の上に配置される保護コーティングをさらに備える、
実施例14では、実施例13の医療装置において、前記保護コーティングは前記ポリマーコーティングよりも高い弾性率を有する。
実施例15では、実施例9〜14のいずれかの医療装置において、前記管状体がカテーテルであり、前記ワイヤが駆動軸である。
実施例16は医療装置の形成方法である。この方法は、ワイヤの外面上にポリマーコーティングを形成することと、アブレーション閾値以下のフルエンスレベルで前記ポリマーコーティングをレーザーエネルギーに曝露させて、前記コーティングの表面から外方に向けて延びる複数の可撓性を有する微細構造を形成することと、管状体の内腔内に前記ワイヤを配置することと、を含む。
実施例17では、実施例16の方法において、前記レーザーエネルギーが偏光パルスレーザー照射である。
実施例18では、実施例16または17の方法において、可撓性を有する前記微細構造の少なくとも一部の上に保護コーティングを適用することをさらに含む。
実施例19では、実施例16〜18のいずれかの方法において、前記微細構造と前記管状体との間に潤滑剤を分布させることをさらに含む。
実施例20では、実施例16〜19のいずれかの方法において、前記管状体がカテーテルであり、前記ワイヤが駆動軸である。
これら複数の実施例の開示に加えて、本発明の他の実施形態を、以下に詳細な説明として開示する。なお、添付の図面及び以下の詳細な説明は、本発明を例示するものであり、本発明の限定的な形態を示すものではない。
一実施例の医療装置を示す図。 図1の医療装置の例示的な断面図。 例示的なコーティングの模式図。 別の例示的なコーティングの模式図。 別の例示的なコーティングの模式図。 例示的なコーティングを形成するための例示的な方法。 レーザー誘起周期表面構造の走査電子顕微鏡画像。 他の実施例の医療装置を示す図。 他の実施例の医療装置を示す図。 図7A及び図7Bの医療装置の例示的な断面図。
本発明の特定の実施例を図面及び以下の説明に示すが、発明の構成については、様々な変更及び代替による変更が可能である。すなわち、以下に示す実施例は、本発明を特定の実施形態として限定するものではない。また、添付した特許請求の範囲において規定される本発明は、それら変更物、均等物及び代替物の全てを含むものである。
図1は、パルス発生器105とともに使用されるリードワイヤ102のような、埋め込み型の医療装置10を示す。リードワイヤ102は、リード本体110と、リード本体110内に収容された少なくとも1つの細長い導体120と、を有する。リード本体110は、近位端112から遠位端114に向けて延びる管状体である。リードワイヤ102の近位端112は、例えば端子ピン131を介して、パルス発生器105と電気的に接続される。
医療装置100は、一般的には、ペースメーカー、心臓除細動器/除細動器、ペースメーカー/除細動器などの心機能管理(CFM:Cardiac Function Managementという)システム、両心室または他領域での再同期または協調を行う心臓再同期療法(CRT:Cardiac Resynchronization Therapyという)装置、検出装置、薬物送達システム、神経刺激装置、または臓器刺激装置が代表的なものであるが、これらに限定されるものではない。したがって、医療装置100は、電気ショックまたはパルスまたは薬物などの生成物を送達する任意の用途に適用することができる。
任意に設けられるパルス発生器105は、電源とともに電子回路(図示しない)を含む。いくつかの実施形態において、電子回路は、1つ以上のマイクロプロセッサを含むことができ、このマイクロプロセッサは、処理機能および/または評価機能を有し、電気ショックまたはパルスの異なるエネルギーレベル及びタイミングを決定し、その電気ショックまたはパルスを供給することができる。パルス発生器は、神経刺激または心室除細動または電気的除細動を含む様々な有用な治療の一部として使用することができる。また、このパルス発生器は、心臓再同期、頻脈、または徐脈を含む1つまたは複数の感知された心臓不整脈に対応して、心臓の正常なリズムを保つためにも使用することができる。いくつかの実施形態において、パルス発生器105は、1つ以上の電池から電力を得ることができるが、任意の他の内部または外部電源を使用することもできる。いくつかの実施形態において、パルス発生器105は、心臓の内因性信号を感知し、一連の時限的な放電を行うことができる。
医療装置100は、さらに、1つ以上の電極115を含んでもよい。1つ以上の電極115は、それぞれ、少なくとも1以上の導体120に電気的に接続される。電極115により、パルス発生器105から送信される電気信号が標的組織または標的部位に送達される。
リード本体110は、リード本体110内の導電性構成要素を患者の周囲組織から分離及び隔離するように設計されている。導電性構成要素は、人体にいったん埋め込まれると、通常のおよび予想される条件下であっても、リード本体110の内面にこすれて摩耗することがある。使用するうちに繰り返し摩耗が起こると、絶縁が保てなくなって短絡が生じるおそれがある。本明細書に記載するいくつかの実施形態において、導電性構成要素は、摩耗を低減可能なコーティングを含む。
図2は、一実施例の医療装置100の断面図を示し、この医療装置100は、リード本体110(外面122、内面124及びおよび内腔126を有する)、外面130を有するリードワイヤ128、およびポリマーコーティング132を備える。ポリマーコーティング132は、滑らかな表面を有するものとして概略的に図示されているが、ポリマーコーティング132は、ポリマーコーティング132の表面からリード本体110の内面124に向かって概ね外方に延びる複数の微細構造を含む。
リード本体110は、概して可撓性を有するが、その長さに沿っては実質的に非圧縮性である。リード本体110は、任意の適切な断面形状を有する。例えば、いくつかの実施形態において、リード本体110は、実質的に円形の断面形状を有する。リード本体110は、移植に適した任意のサイズにすることができる。いくつかの実施形態において、リード本体110は実質的に円形の断面を有し、その外径を約0.6ミリメートル(mm)から約5mmの範囲とすることができる。
リード本体110は、周辺組織及び周辺環境からリードワイヤ128を隔離することができる。リード本体110は、適切な生体適合性を有する、電気的に絶縁性の材料を含むとよい。例えば、いくつかの実施形態において、リード本体110がシリコーンまたはポリウレタンを含んでもよい。いくつかの実施形態において、リード本体110は、その長さに沿って実質的に均一な構成を有しても良い。他の実施形態として、リード本体110の構成が長さ方向および/または厚さ方向に沿って変化してもよい。
リード本体110は、リード本体110の近位端から遠位端に向けてリード本体110の軸方向に延びる1つ以上の管路または内腔126を含むことができる。内腔126は、リード本体110の内面124を形成する。内腔126は、実質的に円形、長方形、または三角形の断面形状のような、任意の適切な断面形状を有することができる。内腔126は、内腔126(またはリード本体110)の長さに沿って、実質的に均一な断面積を有してもよいし、断面積が変化してもよい。
1以上のリードワイヤ128が内腔126内に沿って延在してもよい。いくつかの実施形態において、リードワイヤ128は、リード本体110の近位端から遠位端に向けて延びる。例えば、リードワイヤ128は、リード本体110の長手軸と平行であってもよい。
リードワイヤ128は導電性であり、任意の適切な導電性材料を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態において、リードワイヤ128は金属製であってもよい。
ポリマーコーティング132は、リードワイヤ128の外面130の任意の部分を完全に囲むか、または覆うことが好ましい。ポリマーコーティング132は、リードワイヤ128の外面130とリード本体110の内面124との間に配置される。本明細書に記載するように、ポリマーコーティング132は、リードワイヤ128と内面124との間で生じる摩擦を低減することができる。これに加えて、あるいはこれに代えて、ポリマーコーティング132はリード本体110の内面124の摩耗を低減することができる。
ポリマーコーティング132に適した材料は、リード本体110の摩耗を低減する材料を含む。例えば、ポリマーコーティング132に適したポリマー材料として、ゴム(天然、ブチル、シリコーン)、ナイロンなどのポリアミド、マイラなどのポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、低密度PE(LDPE)、中密度PE(MDPE)、高密度PE(HDPE)または架橋PE(XLPE)などのポリエチレン(PE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、またはポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。いくつかの実施形態において、ポリマーコーティング132は、リード本体110よりも高い弾性率を有してもよく、例えば、ポリマーコーティング132は、リード本体110よりも硬度の高い材料で形成することができる。
図3は、リードワイヤ128の外面130上に配置されたポリマーコーティング132の模式図であり、このポリマーコーティング132は、バルク材(基材)134と、第1端(バルク端)138及び第2端(先端)140を有する1以上の微細構造(毛)136とを含む。バルク材134は、リードワイヤ128の外面130に直接隣接してもよい。あるいは、ポリマーコーティング132とリードワイヤ128の外面130との間に、1つ以上の中間材料または一層以上の中間層を配置してもよい。
微細構造136は、ポリマーコーティング132から(及びリードワイヤ128の外面130から間接的に)概ね外向きに延びる三次元体であることが好ましい。いくつかの実施形態において、微細構造136は、リードワイヤ128上のポリマーコーティング132のバルク134から延びる柱状体(pillars)または毛(hairs)に類似したものであってもよい。
微細構造136のバルク端138はバルク材134に隣接していてもよいし、先端140がバルク端138に向き合っていてもよい。例えば、バルク端138が先端140よりもリードワイヤ128の外面130の近くにあってもよい。
いくつかの実施形態において、微細構造136及びバルク材134は一体構造を有してもよい。例えば、微細構造136及びバルク材134は一体化されてもよい。あるいは、微細構造136とバルク材とが別個の構造体であってもよい。
バルク材134上の微細構造136の位置はランダムであってもよいし、あるパターンまたは列を形成するように並んでもよい。例えば、微細構造136は、ポリマー材料132をレーザーで処理することによって、ランダムなパターンに配置することができる。いくつかの実施形態において、バルク材134と微細構造136との間の接続領域の最大断面積は、微細構造136の全表面積の約1/10より小さい。すなわち、いくつかの実施形態において、微細構造136がバルク材134に接続するバルク端138の最大断面積は、微細構造136の全表面積の約1/10未満とすることができる。
微細構造136は、任意の数の断面形状を有することができ、その断面は、ポリマーコーティング132のバルク材134とほぼ平行に微細構造136を切った断面を指す。例えば、微細構造136は、概ね四角形または三角形の断面形状を有することができる。いくつかの実施形態では、微細構造136は、バルク材134の表面に垂直な全方向に微細構造136を曲げることができるように、ほぼ円形の断面形状を有することができる。
微細構造136は、その長さにそって実質的に均一な断面を有してもよいし、微細構造136の長さに沿ってその断面積が変化してもよい。例えば、微細構造136の断面積が、ポリマーコーティング132の表面(例えば、バルク材134の表面)から離れる垂直ベクトルに沿って増加した後に減少すると、膨らみが形成される。この膨らみは、先端140にあってもよいし、バルク端138と先端140との間にあってもよいし、その両方にあってもよい。
微細構造136が有する最大の断面厚さまたは直径は、約5マイクロメーター(μm)から約50μmであってもよいし、約5μmから25μmであってもよいし、約5μmから約20μmであってもよいし、あるいは、約5μmから約15μmであってもよい。
また、微細構造136は、最小の断面厚さまたは直径が、最大の断面厚さまたは直径と同じでもよいし、異なっていてもよい。微細構造136の最小の断面厚さまたは直径として適切な値は、約2.5μmから約50μmであってもよいし、約5μmから約25μmであってもよいし、約5μmから約10μmであってもよい。
微細構造136の長さまたは高さは、バルク端138から先端140までを計測して得ることができる。いくつかの実施形態において、微細構造136は、リードワイヤ128とリード本体110との間の摩擦を低減することのできる適切な長さに設定することができる。さらに、その構造は、リード本体110を有用な厚さまたは直径において維持するのに適切な長さにすることができる。いくつかの実施形態において、微細構造136の長さは、微細構造136の最小の直径または厚さの少なくとも2倍にすることができる。
いくつかの実施形態において、微細構造136の長さは、マイクロメートルスケールにすることができる。例えば、微細構造136の長さを、約5μmと約100μmの間の範囲にすることができる。あるいは、微細構造136の長さを約10μmから約50μmにしてもよい。さらに、微細構造136は、約20μmから約30μmの長さであってもよい。
いくつかの実施形態において、微細構造136は弾性または可撓性を有するとよい。例えば、微細構造136は、歯ブラシのブラシ毛のように、個別に曲がったり、屈曲したり、動いたりすることが好ましい。微細構造136が曲がる能力または程度は、他の要因よりも、微細構造136のポリマー材料および/または微細構造136の厚さまたは直径に依存する。いくつかの実施形態において、微細構造136は、隣接する他の微細構造136に接触することなく最小で0.0015ラジアン曲がることができるように、間隔を空けて配置するとよい。
いくつかの実施形態において、微細構造136を有するポリマーコーティング132を含むリードワイヤ128をリード本体110内に配置することができ、微細構造136をバルク材134からリード本体110の内面124に向かって外方に延在させることができる。いくつかの実施形態において、微細構造136はリード本体110の内面124と接触してもよく、その接触の際に、微細構造136が個別に曲がったり動いたりしてもよい。例えば、微細構造136を有するポリマーコーティング132を含むリードワイヤ128は、少なくとも1以上の微細構造136がバルク材134から(間接的にリードワイヤ128から)外方に向けて延びるように、リード本体110内に配置されてもよいし、リード本体110の内面124と少なくとも一点で接触してもよい。
特定の理論に縛られることを望むものではないが、ポリマーコーティング132の微細構造136は、リード本体110上のリードワイヤ128によって引き起こされる摩耗またはすり減りを低減することができると考えられる。例えば、微細構造136の可撓性は、リードワイヤ128とリード本体110との間で生じる摩擦を低減し得るので、これにより、リード本体110の内面124の摩耗を低減することができる。また、微細構造136は、ポリマーコーティング132がないリードワイヤ128と内面124との間の接触表面積と比較して、内面124との接触面積が減少し得るので、内面124の摩耗を減少させることもできる。
図4Aに示すように、いくつかの実施形態において、保護コーティング142が、ポリマーコーティング132の全部または一部を覆ってもよい。いくつかの実施形態において、保護コーティング142は、ポリマーコーティング132よりも弾性率が高くてもよい。すなわち、ポリマーコーティング132は、保護コーティング142よりも可撓性が高くてもよい。これに加えて、あるいはこれに代えて、保護コーティング142は、ポリマーコーティング132と比較して、内面124との接触に対する耐摩耗性が高くてもよい。
いくつかの実施形態において、保護コーティング142を含む微細構造136は、可撓性を有する。すなわち、いくつかの実施形態において、保護コーティング142を含む微細構造136は、リード本体110の内面124と接触したときに、曲がったり、屈曲したり、動いたりすることができる。微細構造136の可撓性の能力または程度は、他の要因よりも、ポリマーコーティング132及び保護コーティング142の厚さ及び材料に依存する。
保護コーティング142は、微細構造136がリード本体110の内面124と接触するときに、微細構造136を保護することができる。例えば、保護コーティング142は、リード本体110との接触中に微細構造136が傷ついたり折れたりするおそれを低減することができる。いくつかの実施形態において、保護コーティング142は、保護コーティング142のより高い弾性率に少なくとも部分的に起因するダメージから、微細構造136を保護することができる。
加えて、保護コーティング142は、ポリマーコーティング132内で生じる、マイクロサイズあるいはナノサイズの欠損または亀裂を充填することができ、その作用がなければ、ポリマーコーティング132により大きな亀裂や損傷が生じるおそれがある。
保護コーティング142に適した材料には、セラミックまたはポリマー材料が含まれる。特定の実施形態では、保護コーティング142に適した材料には、ポリアミドが含まれる。他の実施形態において、保護コーティングに適した材料には、酸化アルミニウム及びポリウレタンが含まれる。
いくつかの実施形態において、保護コーティング142は、微細構造136がリード本体110との接触中に受ける損傷を低減しつつ、微細構造136の撓み変位(例えば、曲がり、屈曲、動き)を許容するような厚さに設定するとよい。いくつかの実施例において、保護コーティング142の厚さは、約75ナノメートル以下にすることができる。例えば、いくつかの実施例では、保護コーティング142の厚さを約5ナノメートル(nm)から約75nmにするとよい。他の実施例では、保護コーティング142の厚さを約5nmから約50nmにすることができる。さらに別の実施例では、保護コーティング142の厚さを約5nmから約10nmにすることができる。
30nmより大きい厚さのセラミック層は、亀裂または破損が生じる可能性が高くなることがある。保護コーティング142がセラミック層を含む場合、保護コーティング142の厚さは約30ナノメートル以下にするとよい。例えば、ある実施例では、保護コーティング142の厚さは約3ナノメートル(nm)から約30nmにすることができる。他の実施例では、保護コーティング142の厚さを約5nmから約20nmにすることができる。さらに他の実施例では、保護コーティング142の厚さを約5nmから約10nmにすることができる。
いくつかの実施形態において、リード本体110の内面124と、ポリマーコーティング132または保護コーティング142との間に、潤滑剤を配置してもよい。例えば、潤滑剤を内腔126内に分布させてもよい。
潤滑剤は、摩擦を低減する任意の適切な材料を採用することができる。例えば、潤滑剤は、リード本体110の内面124と、ポリマーコーティング132または保護コーティング142との間の摩擦を低減することができる。いくつかの実施形態において、適切な潤滑剤として、分子量が約600g/mol未満のシリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、およびポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。
潤滑剤は、例えば、リード本体110の内面124と、ポリマーコーティング132または保護コーティング142との間の摩擦を低減することによって、リード本体110の内面124の摩耗をさらに低減することができる。いくつかの実施形態において、微細構造136は、潤滑剤の少なくとも一部を保持することができる多孔質構造を有してもよい。また、微細構造136は、長尺のリード本体110とリードワイヤ128との間における潤滑剤の分散を補助することができる。
また、いくつかの実施形態において、ポリマーコーティング132および/または保護コーティング142は、潤滑剤の少なくとも一部を保持することができる多孔質構造を有してもよい。
図4Bは、保護コーティング142の他の実施例であって、異なる材料からなる2以上の層を含むハイブリッド型の保護コーティング142を示す。例えば、ハイブリッド型の保護コーティング142は、セラミック材料からなる2層以上の層、2層以上のポリマー層、および、セラミック材料とポリマー材料とが交互に配置された複数の層のうち、少なくともいずれかを含むことができる。例えば、ハイブリッド型の保護コーティング142は、ポリマーコーティング132に隣接するセラミック層142aと、セラミック層142aに隣接するポリマー層142bとを含むことができる。
ハイブリッド型の保護コーティング142は、前駆体を堆積層に転換する原子層体積法によって形成することができる。いくつかの実施形態において、厚さが30マイクロメーターを超えるセラミック層は、セラミック材料の可撓性の低さに起因して、より大きな亀裂が生じる可能性がある。セラミック材料とポリマー材料とを交互に積層する場合、可撓性の低いセラミック材料を、可撓性を有するポリマー層の間に挿入し、保護コーティング142の各セラミック層142aの厚さを約30マイクロメーター以下にすると、保護コーティング142を約30マイクロメーターより厚くすることができる。保護コーティング142として適切な有機物と無機物との組み合わせは、ポリアミドとポリイミドの組み合わせを含む。
微細構造136を含むポリマーコーティング132を有する医療装置100を形成するための例示的な方法144を図5のブロック図に示す。この方法144は、リードワイヤ上にポリマーコーティングを形成すること(ブロック146)と、ポリマーコーティング(ブロック148)を処理することと、任意に追加可能な工程として保護コーティングを適用することと(ブロック150)、リード本体内にリードワイヤを配置することと(ブロック152)、任意に追加可能な工程としてリードワイヤとリード本体との間に潤滑剤を配置することと(ブロック154)を含む。
ポリマーコーティングは、様々な既知の技術を用いてリードワイヤ上に形成することができる(ブロック146)。ある実施形態において、ポリマーコーティングは、ブラシコーティング、スプレーコーティング、または浸漬コーティングによってリードワイヤ上に形成され、これに続いて硬化プロセスが行われてもよい。ある実施形態において、ポリマーコーティングの厚さは約5μmから約100μmにすることができる。いくつかの実施形態において、ポリマーコーティングの厚さは、約10μmから約50μmにすることもできるし、約20μmから約30μmにすることもできる。
ポリマーコーティングは、微細構造または毛を形成するために処理されてもよい(ブロック148)。いくつかの実施形態において、微細構造または毛は、既知の技術を用いてポリマーコーティング上に形成することができる。例えば、ポリマーコーティングは、レーザーにより処理することができる。いくつかの実施形態において、ポリマーコーティングは、本実施形態に記載の微細構造を特徴とするコーティングを実現するために、レーザーエネルギーに曝してもよい。微細構造のサイズ及び形状は、波長、フルエンス及び暴露時間などのレーザーパラメータを選択することによって、制御することができる。いくつかの実施形態において、適切なレーザー処理は、ポリマーコーティングのアブレーション閾値以下のフルエンスレベルでの偏光パルスレーザー照射を含み、レーザー誘起周期表面構造(LIPSS:Laser Induced Periodic Surface Structures)とも呼ばれる微細構造を生成することができる。偏向パルスレーザーが照射される間、ポリマーは、ナノ秒のパルス照射の間に非常に短時間で溶融される。その溶融の間に、電場(偏向により一方向に配向される)は、ポリマーの双極子セグメントの数パーセントをその電場に整合させる。反復したレーザーパルシングは、効果が増して、ポリマーの双極子セグメントの大部分を整列させることが可能である。ある実施形態では、レーザーの適切な波長は、196nm、356nmまたは他の従来から用いられるレーザー周波数である。図6は、例示的なLIPSSまたは微細構造の走査型電子顕微鏡の画像である。
いくつかの実施形態において、微細構造は、圧縮した二酸化炭素を用いたナノインプリントリソグラフィー技術のような適切な印刷処理によって、ポリマーコーティング上に形成することができる。例えば、モールドをポリマーで被覆したリードワイヤの上に配置することができる。このモールドは、圧力チャンバ内で圧縮された二酸化炭素を用いて押され、リードワイヤの表面上に可撓性のある微細構造を形成することができる。
微細構造を形成した後には、任意の保護コーティングをポリマーコーティングに適用することができる(ブロック150)。本明細書に記載されるように、保護コーティングは、セラミック材料、ポリマー材料、またはセラミック材料とポリマー材料とを交互に積層した層を含むことができる。特定の実施形態では、保護コーティングの厚さは、約30nm以下、20nm以下、または10nm以下にすることができる。保護コーティングを形成するための例示的な方法には、原子層堆積(ALD)および分子層堆積(MLD)が含まれる。これらの技術は、一度に1つの原子または分子層の堆積を可能にし、コンフォーマルコーティングを形成し得る。いくつかの実施形態において、保護コーティングは、その下にあるポリマーコーティングよりも滑らかな表面を有してもよく、この場合、より滑らかなトポグラフィを有する微細構造が得られる。あるいは、保護コーティングは、微細構造の形成前に、ポリマーコーティングに適用されてもよい。
微細構造を有するポリマーコーティングを含み、さらに場合によっては保護コーティングを含むリードワイヤは、リード本体内に配置するとよい(ブロック152)。特定の実施形態では、リードワイヤは、リード本体(例えば、リード本体の遠位端から近位端に向けて)内を軸方向に貫通する内腔内に配置される。ポリマーコーティングは、リード本体の内面とリードワイヤの外面との間に配置され、リード本体とリードワイヤとの間の摩擦を低減したり、リード本体とリードワイヤとの接触を抑制したりする。
潤滑剤は、リードワイヤとリード本体との間に任意に分布させてもよい(項目154)。リードワイヤ上に形成された微細構造は、リードワイヤの長さに沿って分布する潤滑剤を維持することを補助することができる。いくつかの実施形態において、微細構造は、潤滑剤を引きずって、狭い空間に押し込むことができる。ある実施形態において、潤滑剤により、リード本体の内面とリードワイヤの間の摩擦をさらに低減したり、リードワイヤによるリード本体の内面の摩耗またはすり減りを低減することができる。
図7A及び図7Bは、医療装置の別の例示的な実施形態を示す。図7Aは、ハウジング204とともに使用される、回転式アテローム切除装置202のような医療装置200を示す。ハウジング204は、駆動接続部206、液体供給管208、及び、モータまたはタービン(図示しない)のような回転駆動装置を備えてもよい。駆動接続部206は、電気接続部、圧縮ガス接続部、または回転駆動装置を駆動するために必要な他の接続部であってもよい。液体供給管208は、例えば生理食塩水など、生体適合性のある冷却および潤滑溶液を供給してもよい。回転式アテローム切除装置202は、近位端212から遠位端214に向けて延びている。
図7Bは、回転式アテローム切除装置202の遠位端214の拡大部分を示す。図7Bは、回転式アテローム切除装置202がカテーテル216、切断部218及び駆動軸220を備えてもよいことを示す。カテーテル216は、近位端212から遠位端214に向けて延びる内腔226(図8)を含む管状体である。切断部218は、組織を切断したり、あるいは除去したりするための装置である。切断部218は、複数の刃、切削部または当該技術分野で知られているその他の切断または切削のための装置または材料を含んでもよい。いくつかの実施形態において、駆動軸220は、内腔を含む螺旋状に巻かれたワイヤから形成することができる。他の実施形態では、駆動軸220は直線状のワイヤであってもよい。駆動軸220は切断部218に接続され、カテーテル210の内腔226を通って、近位端212から遠位端214に向けて延びてもよい。
図7A及び図7Bを併せて参照すると、回転式アテローム切除装置202の近位端212がハウジング204に接続されることにより、ハウジング204内の回転駆動装置が駆動軸220に物理的に接続されるとともに、液体供給管208がカテーテル216に対して液体が流動可能な態様で接続される。
手術中に、回転式アテローム切除装置202の遠位端214は、例えば、アテローム性動脈硬化症として知られる、血管の壁上の石灰化アテローム性動脈硬化性プラーク沈着の形成を患っている患者の血管に挿入することができる。ハウジング204内の回転駆動装置は、カテーテル210内で駆動軸220を回転させることにより、接続された切断部218を遠位端214で回転させることができる。遠位端214は、回転する切断部218が問題の堆積物を切削または切除することができる付着物の部位に操作され得る。カテーテル216は、液体供給管208を通じて供給される流体によって洗われ、駆動軸220がカテーテル216内で回転するときに、駆動軸220を冷却し、潤滑する。
図8は、図7A及び図7Bの回転式アテローム切除装置202の例示的な断面図を示す。図8に示すように、カテーテル216は、外面222と内面224とを含む。内面224は内腔226を画定する。駆動軸220は、内側の内腔228と外面230とを有してもよい。回転式アテローム切除装置220は、駆動軸220の外面230上に形成されたポリマーコーティング232を含む。ポリマーコーティング232は、滑らかな表面を有するように概略的に図示されているが、ポリマーコーティング232は、ポリマーコーティング232の表面からカテーテル216の内面224に向けて概ね外方に延びる複数の微細構造を含む。
カテーテル216は、周辺組織または周辺環境から駆動軸220を隔離することができる。カテーテル216は、適切な可撓性を有する生体適合性材料を含むとよい。例えば、いくつかの実施形態において、カテーテルは、高密度ポリエチレン、ポリアミド、シリコーンまたはポリウレタンを含むことができる。いくつかの実施形態において、カテーテル216は、その長さに沿って、実質的に均一な組成を有してもよい。他の実施形態において、カテーテル216の組成は、長さ方向及び厚さ方向を含む任意の方向に沿って変化してもよい。
ポリマーコーティング232は、外面230を完全に取り囲むか、外面230の任意の部分を覆うことができる。ポリマーコーティング232は、駆動軸220の外面230とカテーテル216の内面224との間に配置される。本明細書に記載するように、ポリマーコーティング232は、駆動軸220と内面224との間の摩擦を減少させることができる。これに加えて、あるいはこれに代えて、ポリマーコーティング232は、カテーテル216の内面224の摩耗を低減することができる。
ポリマーコーティング232は、図3を参照して説明した上記ポリマーコーティング132と同一であってもよく、この場合、ポリマーコーティング232は、バルク材または基材134、及び、第1端(バルク端)138と第2端(先端)140とを有する1以上の微細構造(毛)136を有する。ポリマーコーティング232に適する材料には、ゴム(天然、ブチル、シリコーン)、ナイロンなどのポリアミド、マイラなどのポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、低密度PE(LDPE)、中密度PE(MDPE)、高密度PE(HDPE)、架橋PE(XLPE)などのポリエチレン(PE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が含まれる。いくつかの実施形態において、ポリマーコーティング232は、カテーテル216よりも弾性率が高くてもよく、例えば、ポリマーコーティング232は、カテーテル216よりも硬度が高い材料で生成することができる。
いくつかの実施形態において、微細構造136を有するポリマーコーティング232を備える駆動軸220をカテーテル216内に配置することができ、この場合、微細構造136はバルク材134からカテーテル216の内面224に向かって外方に延びる。いくつかの実施形態において、微細構造136はカテーテル216の内面224と接触してもよく、微細構造136は、そうした接触の間に、個々に曲がったり動いたりすることができる。例えば、微細構造136を有するポリマーコーティング132を備える駆動軸220は、少なくとも1以上の微細構造136がバルク材134から(及び駆動軸220から間接的に)外向きに延びて、カテーテル216の内面224と少なくとも1つの接点を有するように、カテーテル216内に配置されてもよい。
いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、ポリマーコーティング232の微細構造136は、カテーテル216上で駆動軸220によって引き起こされる摩耗またはすり減りを低減しうると考えられる。例えば、微細構造136の可撓性によって駆動軸220とカテーテル216との間に生じる摩擦が低減され、これにより、カテーテル216の内面224の摩耗を低減することができる。また、微細構造136は、ポリマーコーティング232を有さないカテーテル216と内面224との間の接触表面積と比較して、内面224との接触表面積が減少するので、内面224の摩耗をも低減することができる。
また、微細構造136は、ポリマーコーティング232内に潤滑剤を保持することにより、駆動軸220とカテーテル216との間の摩擦を減少させると考えられる。例えば、カテーテル216が人体の湾曲した脈管構造に応じて湾曲しなければならない場合に、駆動軸220が内面224に押し付けられることがある。ポリマーコーティング232がない場合、この押し付ける力により、潤滑剤が駆動軸220の外面230とカテーテル216の内面224との間から押し出されるおそれがある。ポリマーコーティング232があれば、潤滑剤が外面230と内面224との間に残るので、回転する駆動軸220とカテーテル216との間の摩擦が低減されるが、ポリマーコーティング232がないと、回転式アテローム除去カテーテル202の動作不良を招くおそれのある熱及び小片が生じるおそれがある。
いくつかの実施形態において、図4Aまたは図4Bを参照して説明した上記保護コーティング142のような保護コーティングが、ポリマーコーティング232の全部または少なくとも一部を覆ってもよい。いくつかの実施形態において、保護コーティング142は、ポリマーコーティング232よりも高い弾性率を有してもよい。すなわち、ポリマーコーティング232は、保護コーティング142よりも可撓性が高くてもよい。これに加えて、あるいはこれに代えて、保護コーティング142は、ポリマーコーティング232と比較して、内面224との接触により摩耗することに対して、より抵抗性が高くてもよい。
医療装置200は、図5を参照して説明した上記医療装置100を形成してもよい。医療装置200は、一般的には、慢性全閉塞装置、超音波冠動脈画像化カテーテル、またはガイドワイヤーの有無にかかわらず使用されるアテローム切除カテーテルなどのシステムが代表的なものであるが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態において、いったん微細構造が形成されると、微細構造および、ワイヤ周りの螺旋経路沿いに下にあるバルク材料の一部を除去することによって、微細構造を通る螺旋経路をワイヤに沿って形成することができる。この螺旋経路は、潤滑剤を回転させながら前進させ、潤滑剤をワイヤに沿って分配するアルキメデススクリューとして機能し得る。この螺旋経路のピッチ角は、約20度〜70度の間にすることができる。この螺旋経路は、ポリマーコーティングのアブレーション閾値のすぐ上のフルエンスレベルでのレーザ照射により表面を処理することによって形成することができる。
また、実施形態は、内腔を有する管状体と、内視鏡のような内腔を通って延びるワイヤとを備える他の医療装置を含む。上述したように、ワイヤ上に配置された複数の微細構造を含むポリマーコーティングがあると、特に内視鏡が腸内の様々な湾曲部を通るときに、内視鏡を通るワイヤが動きやすくなる。上述のようにワイヤ上に螺旋経路が形成されるいくつかの実施形態においては、ワイヤがゆっくりと回るにつれて、微細構造がワイヤの周りの潤滑剤を引きずってワイヤの長さに沿って前方に移動するので、内腔とワイヤとの間の摩擦を低減することができる。
以上説明した例示的な実施形態に対しては、本発明の範囲から逸脱しない範囲において、様々な修正及び追加を行うことができる。例えば、上述の実施形態は特定の特徴を示しているが、本発明の範囲は、それら記載された特徴の全てを含まない、異なる特徴及び実施形態の組み合わせを含む。したがって、本発明の範囲は、そのような全ての均等物とともに、請求項の範囲内に含まれる代替物、改変物及び変形物の全てを含むことを意図している。

Claims (15)

  1. 遠位端及び近位端を有するカテーテルと、
    前記遠位端から前記近位端に向けて前記カテーテル内に延びる内腔と、
    前記遠位端から前記近位端に向けて前記内腔内に延びる駆動軸であって、螺旋状に巻かれたワイヤであり、外面を有する前記駆動軸と、
    バルク材及び前記バルク材の上に配置された複数の可撓性を有する微細構造を有して、前記駆動軸の前記外面の少なくとも一部の上に配置されるポリマーコーティングであって、前記微細構造は前記ポリマーコーティングの表面から外方に向けて延びて、前記ポリマーコーティングがさらに前記駆動軸に沿う螺旋経路を有し、前記螺旋経路が前記螺旋経路に沿って前記微細構造を除去することによって形成される、ポリマーコーティングと、
    を備える医療装置。
  2. 可撓性を有する前記微細構造が第1端及び第2端を有し、前記第1端から前記第2端までの距離は5マイクロメーターから100マイクロメーターである、
    請求項1に記載の医療装置。
  3. 前記微細構造が前記ポリマーコーティングと一体化している、
    請求項1または2に記載の医療装置。
  4. 前記微細構造が少なくとも0.0015ラジアン曲がることができる、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療装置。
  5. 前記微細構造の長さが前記微細構造の最小直径の少なくとも2倍である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の医療装置。
  6. 前記コーティングが、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFT)およびポリエチレンテレフタレート(PET)によって構成されるグループから選択される少なくとも1つの素材を含む、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の医療装置。
  7. 可撓性を有する前記微細構造の少なくとも一部の上に配置される保護コーティングをさらに備える、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の医療装置。
  8. 前記保護コーティングの厚さが3ナノメートルから30ナノメートルである、
    請求項7に記載の医療装置。
  9. 前記保護コーティングは前記ポリマーコーティングよりも高い弾性率を有する、
    請求項7または8に記載の医療装置。
  10. カテーテルの内面の少なくとも一部と前記微細構造の少なくとも一部との間に配置される潤滑剤をさらに備える、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の医療装置。
  11. ワイヤの外面上にポリマーコーティングを形成することと、
    アブレーション閾値以下のフルエンスレベルで前記ポリマーコーティングをレーザーエネルギーに曝露させて、前記コーティングの表面から外方に向けて延びる複数の可撓性を有する微細構造を形成することと、
    前記ワイヤ周りの螺旋経路に沿って、前記アブレーション閾値より上のフルエンスレベルで前記ポリマーコーティングをレーザーエネルギーに曝露させて、前記複数の可撓性を有する微細構造を前記螺旋経路に沿って除去することと、
    管状体の内腔内に前記ワイヤを配置することと、
    を含む医療装置の形成方法。
  12. 前記レーザーエネルギーが偏光パルスレーザー照射である、
    請求項11に記載の方法。
  13. 可撓性を有する前記微細構造の少なくとも一部の上に、保護コーティングを適用することをさらに含む、
    請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記微細構造と前記管状体との間に潤滑剤を分布させることをさらに含む、
    請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記管状体がカテーテルであり、前記ワイヤが駆動軸である、
    請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
JP2018504904A 2015-09-10 2016-09-08 構造的コーティングを有する医療装置 Active JP6637157B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14/850,932 2015-09-10
US14/850,932 US9814875B2 (en) 2013-03-06 2015-09-10 Medical device with a structured coating
PCT/US2016/050669 WO2017044559A1 (en) 2015-09-10 2016-09-08 Medical device with a structured coating

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018524125A JP2018524125A (ja) 2018-08-30
JP6637157B2 true JP6637157B2 (ja) 2020-01-29

Family

ID=57113668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018504904A Active JP6637157B2 (ja) 2015-09-10 2016-09-08 構造的コーティングを有する医療装置

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP3346933B1 (ja)
JP (1) JP6637157B2 (ja)
CN (1) CN107920840B (ja)
AU (1) AU2016320865B2 (ja)
WO (1) WO2017044559A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111840783A (zh) * 2020-07-22 2020-10-30 山东大学 一种表面超疏水的织构化套管电极、其制备系统及制备方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5312427A (en) * 1992-10-16 1994-05-17 Shturman Cardiology Systems, Inc. Device and method for directional rotational atherectomy
WO2003043685A2 (en) * 2001-11-19 2003-05-30 Cardiovascular Systems, Inc High torque, low profile intravascular guidewire system
WO2007100277A1 (en) * 2006-03-02 2007-09-07 St.Jude Medical Ab A medical implantable lead and a method for manufacturing of the same
CN102065947B (zh) * 2008-04-15 2013-11-06 心脏起搏器公司 希氏束刺激系统
US20110054487A1 (en) * 2009-09-02 2011-03-03 Circulite, Inc. Coaxial transseptal guide-wire and needle assembly
US20120172905A1 (en) * 2010-12-30 2012-07-05 Kimberly-Clark, Inc. Tissue Removal Apparatus and Method of Manufacturing Same
JP6346861B2 (ja) * 2012-04-06 2018-06-20 ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッドBoston Scientific Scimed,Inc. 内部人工器官およびその製造方法
US9364640B2 (en) * 2012-05-07 2016-06-14 St. Jude Medical Atrial Fibrillation Division, Inc. Medical device guidewire with helical cutout and coating
CN104640600B (zh) * 2012-08-09 2017-08-22 心脏起搏器股份公司 用于改进转矩传送的由聚合物涂层线形成的加强线圈
US9345873B2 (en) * 2012-08-14 2016-05-24 Cardiac Pacemakers, Inc. Lead with textured insulative layer
CN105025944B (zh) * 2013-03-06 2017-03-15 心脏起搏器股份公司 具有结构化涂层的起搏导线
CN103623495B (zh) * 2013-12-18 2016-02-10 湖南埃普特医疗器械有限公司 一种斑马导丝

Also Published As

Publication number Publication date
AU2016320865B2 (en) 2018-11-08
CN107920840B (zh) 2021-04-20
EP3346933B1 (en) 2019-07-10
AU2016320865A1 (en) 2018-02-01
EP3346933A1 (en) 2018-07-18
CN107920840A (zh) 2018-04-17
JP2018524125A (ja) 2018-08-30
WO2017044559A1 (en) 2017-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9814875B2 (en) Medical device with a structured coating
US10893905B2 (en) Systems, apparatuses, and methods for ventricular focal ablation
US8868213B2 (en) Microlead for detection/stimulation, implantable in venous, arterial or lymphatic networks
US6701191B2 (en) Lead having composite tubing
US6107699A (en) Power supply for use in electrophysiological apparatus employing high-voltage pulses to render tissue temporarily unresponsive
US6023638A (en) System and method for conducting electrophysiological testing using high-voltage energy pulses to stun tissue
US9833609B2 (en) Pacing leads with a structured coating
JP5542926B2 (ja) 改善されたトルク伝達性能を備えmriによる加熱を低減した単線コイルからなるコンダクタアセンブリを含む医療器具リード
JP7432663B2 (ja) 心外膜アクセスシステムおよび方法
EP2408513B1 (en) Porous fiber electrode coating and related methods
WO1999060923A1 (en) Electrophysiological treatment methods and apparatus employing high voltage pulse to render tissue temporarily unresponsive
US20140357997A1 (en) Intraluminal lead extraction with imaging
WO2010102794A1 (en) Apparatus for carrying out diagnostic and/or therapeutic procedures
JP6637157B2 (ja) 構造的コーティングを有する医療装置
WO2009058459A1 (en) Reduced bending stiffness polyurethane tubing
US11826092B2 (en) Cavitation guidewire
US20210401489A1 (en) Tattoo removal
JP2016007325A (ja) 医療用電気刺激電極及び医療用電気刺激装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6637157

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250