JP6632835B2 - 生体情報検知装置、布製品、生体情報検知装置の製造方法、布製品の製造方法 - Google Patents

生体情報検知装置、布製品、生体情報検知装置の製造方法、布製品の製造方法 Download PDF

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本発明は、生体情報を検知するための装置と、当該装置が取り付けられた布製品に関する。
近年、病気の早期発見や健康維持のために心拍、脈拍、心電図等の生体情報を常時検知することの必要性が高まっているが、電極パッド等を用いた従来の検知装置を常時使用するのは現実的ではなく、仮に当該装置を使用した場合には被検者に身体的、心理的負担が発生する。このような課題を解決するために衣服に装着することによって容易に生体情報を検知可能な装置(いわゆる、ウェアラブルセンサ)が種々開発されており、ウェアラブルセンサは様々な方法で衣服に取り付けられている。
特許文献1には、生体と接触する面と反対側の生体信号受信部(電極)の面を、水分蒸発抑制用覆いで覆い、衣類に縫い付けたり接着する生体電極が開示されている(特許文献1の段落0020、0026)。
特許文献2には、シャツの被検者の皮膚接触面側に導電性繊維を編み込むことにより電極部を形成する生体情報計測用衣服が開示されている(特許文献2の段落0055)。
例示した文献の他、衣服に生体情報検知装置を取り付ける際には、面ファスナー、スナップボタン等の係合手段が使用されている。
特開2014−226367号公報 特開2011−98214号公報
しかし、特許文献1に記載の生体電極は、電極としての生体信号受信部を衣類の所望位置に配置しつつ、衣類に水分蒸発抑制用覆いを縫い付けたり接着する必要があり、特許文献2に記載の衣服には、電極としての導電性繊維を編み込む必要があるため、このような衣服の製造には時間を要していた。また、特許文献1〜2に記載された生体情報検知装置では、人体の肌表面に電極を直接接触させて生体情報を取得しているため、使用者の肌が弱い場合には皮膚の炎症、かぶれ、痒み等を引き起こすおそれがあった。
他方、スナップボタン等の係合手段を用いた生体情報検知装置の衣服への取り付けは容易に行えるものの、取り付け位置を誤ったり、係合操作を繰り返し行うと電極に衝撃が付加されて電極が損傷する場合があった。
そこで、本発明は、布製品への取り付けが容易で、電極を保護することができる生体情報検知装置と、当該装置が取り付けられた布製品と、これらの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成し得た本発明の生体情報検知装置は、可撓性を有するシート状の基材と、基材の一方主面側に形成される電極部材と、開口を有し、基材と反対側から電極部材に接している導電部材と、開口および基材に挿通されており、導電性を有する有頭軸部材と、を有し、有頭軸部材の頭部と導電部材とが接していることを特徴とするものである。本発明の生体情報検知装置は、有頭軸部材を導電部材の開口に挿通することによって布地等の被取付物に取り付けられるものである。本発明の生体情報検知装置に設けられる導電部材は開口を有しており、当該開口は、基材に対して有頭軸部材を挿入する際のガイドとして機能するため、有頭軸部材の挿入位置や挿入方向を適切にすることができる。本発明に係る導電部材は基材と反対側から電極部材に接していることから、電極部材を保護する役割も有している。本発明では、有頭軸部材の頭部と導電部材とが接しているため、有頭軸部材と導電部材間で電子の授受が成される。
導電部材の厚さは、電極部材の厚さの2倍以上であることが好ましい。より好ましくは導電部材の厚さは、電極部材の厚さの10倍以上である。これにより、導電部材による電極部材の保護機能と、有頭軸部材の挿入位置や挿入方向のガイド機能を高められる。
本発明の生体情報検知装置は、さらに、基材の一方主面側から電極部材を覆っている可撓性を有する保護部材を有することが好ましい。導電部材に加えて、保護部材によっても電極部材が保護されるため、電極に衝撃が付加されても電極が損傷することを抑制できる。
保護部材が透湿性および防水性を有していることが好ましい。この際、保護部材が基材の一方主面側から電極部材と導電部材と有頭軸部材を覆っていることが好ましい。保護部材が透湿性と防水性を有していれば、蒸気を通しつつ液体を通しにくいため、使用者の肌蒸れの発生を抑えることができる。さらに、透湿性と防水性を有する保護部材が、基材の一方主面側から電極部材と導電部材と有頭軸部材を覆っていることから、生体情報検知装置を液体中に浸漬しても電極部材側に液体が到達しにくいため、電極部材の損傷を抑制できる。このため、例えば生体情報検知装置を繰り返し洗濯して使用することが可能となる。
電極部材は導電部材の開口に連通する開口を有し、有頭軸部材が導電部材の開口および電極部材の開口に挿通されていることが好ましい。電極部材が開口を有しているため、電極部材および導電部材に対する有頭軸部材の挿通位置、ひいては布地等の被取付物への取り付け位置の精度を向上できる。
導電部材の最外径が電極部材の開口の最大径よりも大きいことが好ましい。導電部材の最外径を電極部材の開口の最大径よりも大きくすることによって、電極部材の開口の近傍では電極部材が導電部材に重なって配置されやすくなるため、導電部材による電極部材の保護機能を高められる。
基材は導電部材の開口に連通する開口を有し、有頭軸部材が導電部材の開口および基材の開口に挿通されていることが好ましい。基材が開口を有しているため、基材および導電部材に対する有頭軸部材の挿通位置、ひいては布地等の被取付物への取り付け位置の精度を向上できる。
導電部材の最外径が基材の開口の最大径よりも大きいことが好ましい。導電部材の最外径を基材の開口の最大径よりも大きくすることによって、有頭軸部材を挿通させる際に導電部材が基材の一方主面側から他方主面側に押し込まれて電極部材が変形することを抑止する。
有頭軸部材の頭部の導電部材と対向する周縁は、面取り加工部であることが好ましい。頭部の導電部材と対向する周縁が面取り加工部であれば、頭部の周縁と接触する導電部材の一方主面側に応力が集中することを抑制できるため、その結果、導電部材を介して電極部材に伝達される応力も低減できる。
導電部材の電極部材と対向する周縁は、面取り加工部であることが好ましい。導電部材の電極部材と対向する周縁に面取り加工がなされていれば、導電部材と電極部材が接触している箇所に応力が集中することが抑制され、電極部材が変形して損傷するリスクを低減できる。
基材が、透湿性および防水性を有していることが好ましい。基材が透湿性と防水性を有していれば、蒸気を通しつつ液体を通しにくいため、使用者の肌蒸れの発生を抑えることができる。
また、本発明の別の生体情報検知装置は、可撓性を有するシート状の基材と、基材の一方主面側に形成される電極部材と、基材の一方主面側から基材に挿通されており、導電性を有する有頭軸部材と、基材の一方主面側から電極部材を覆う保護部材と、を有し、有頭軸部材の頭部と電極部材とが接していることを特徴とするものである。本発明の別の生体情報検知装置は、基材の一方主面側から基材に挿通されている有頭軸部材によって、布製品等に取り付けられる。本発明の別の生体情報検知装置は、電極部材を覆う保護部材を有しているため、仮に電極部材に衝撃が付加されても電極部材が損傷することを抑制できるものである。また、本発明の別の生体情報検知装置は有頭軸部材の頭部と電極部材が接しているため、有頭軸部材と電極部材の間で電子の授受が成されるものである。
本発明には、布地と、基材の他方主面が、布地の肌側面に接合されている上記の生体情報検知装置と、を有する布製品も含まれる。布製品は、衣料でもよく、布団カバー、枕カバー、シーツでもよい。生体情報検知装置を有する布製品を使用することにより、被検者に対する身体的、心理的負担を低減しながら、生体情報を日常的に検知することが可能となる。
本発明の生体情報検知装置の製造方法は、可撓性を有するシート状の基材の一方主面上に電極部材を形成する工程と、開口を有する導電部材を、基材と反対側から電極部材に接触させる工程と、基材の一方主面側から開口および基材に導電性を有する有頭軸部材を挿通させる工程と、含むことを特徴とするものである。本発明の生体情報検知装置の製造方法は、導電部材の開口を、基材に対して有頭軸部材を挿入する際のガイドとすることができるため、有頭軸部材の挿入位置や挿入方向を適切にすることができる。
本発明の生体情報検知装置の製造方法は、基材の一方主面側から可撓性を有する保護部材によって電極部材を覆う工程を含むことが好ましい。これにより、電極部材は基材の一方主面側からも支持される。
本発明の布製品の製造方法は、可撓性を有するシート状の基材の一方主面上に電極部材を形成する工程と、開口を有する導電部材を、基材と反対側から電極部材に接触させる工程と、基材の他方主面を布地に接合する工程と、基材の一方主面側から開口、基材、布地に導電性を有する有頭軸部材を挿通させる工程と、含むものである。本発明の布製品の製造方法は、導電部材の開口を、基材および布地に対して有頭軸部材を挿入する際のガイドとすることができるため、有頭軸部材の挿入位置や挿入方向を適切にすることができる。
本発明の生体情報検知装置は、導電部材の開口を、基材に対して有頭軸部材を挿入する際のガイドとすることができるため、有頭軸部材の挿入位置や挿入方向を適切にすることができる。また、導電部材は電極部材を保護する役割も有している。さらに、有頭軸部材の頭部と導電部材とが接しているため、有頭軸部材と導電部材間で電子の授受が成される。
また、本発明の生体情報検知装置の製造方法、および布製品の製造方法は、導電部材の開口を、基材に対して有頭軸部材を挿入する際のガイドとすることができるため、有頭軸部材の挿入位置や挿入方向を適切にすることができる。
本発明の生体情報検知装置の断面図を表す。 本発明の生体情報検知装置の組立図を表す。 本発明に係る導電部材の斜視図を表す。 本発明に係る導電部材の平面図を表す。 本発明の生体情報検知装置の断面図を表す。 本発明の生体情報検知装置の断面図を表す。 本発明の生体情報検知装置の断面図を表す。 本発明の別の生体情報検知装置の断面図を表す。 本発明の布製品の断面図を表す。 本発明の布製品(衣料)の平面図を表す。 本発明の生体情報検知装置の製造方法を示す断面図を表す。 本発明の生体情報検知装置の製造方法を示す断面図を表す。 本発明の生体情報検知装置の製造方法を示す断面図を表す。 本発明の生体情報検知装置の製造方法を示す断面図を表す。 本発明の生体情報検知装置の製造方法を示す断面図を表す。 本発明の布製品の製造方法を示す断面図を表す。 本発明の布製品の製造方法を示す断面図を表す。 本発明の布製品の製造方法を示す断面図を表す。 本発明の布製品の製造方法を示す断面図を表す。 本発明の布製品の製造方法を示す断面図を表す。
以下、本発明に係る生体情報検知装置と布製品に関して、図面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
1.生体情報検知装置
本発明において、生体情報検知装置は、上記生体情報に係る電気信号を接触または非接触で検知する装置である。本明細書では、生体情報検知装置を、単に「検知装置」或いは「装置」と称する場合がある。
本発明において生体情報とは人の生体機能に関わる情報を意味し、例えば心拍、脈拍、心電図、脳波、体温、呼吸、発汗等である。
(実施形態)
図1は、本発明の生体情報検知装置1の断面図を表し、図2は、本発明の生体情報検知装置1の組立図を表す。図1に示すように、本発明の生体情報検知装置1は、可撓性を有するシート状の基材2と、基材2の一方主面側に形成される電極部材4と、開口6aを有し、基材2と反対側から電極部材4に接している導電部材6と、開口6aと基材2に挿通されており、導電性を有する有頭軸部材8と、を有する。
なお、本発明において「挿通」とは、一の部材に形成されている孔に他の部材が通されていること以外に、孔が形成されていない一の部材に他の部材を突き通すことを含める意味とする。
検知装置1は厚み方向と面方向を有する。検知装置1の厚み方向は、基材2、電極部材4、導電部材6、保護部材14が積層される方向であり検知装置1の面方向は、厚み方向と直交する方向である。
基材2は、一方主面3Aと他方主面3Bを有しており、電極部材4を支持するために設けられる。基材2の一方主面3Aとは、装置1を使用している状態で使用者の肌に向く面を意味し、基材2の他方主面3Bとは、装置1を使用している状態で使用者とは反対側を意味する。
基材2は、可撓性を有する材料から形成される。基材2はシート状に構成され、例えば、高分子フィルムや布地から形成される。高分子フィルムは、例えば、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)である。布地は、織物、編物、不織布、これらに樹脂が積層された材料から構成される布地であり、布地を構成する繊維としては、例えば、綿、絹等の天然繊維、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン等の合成繊維が挙げられる。
基材2の厚みが大きすぎると装置1の厚みが増すことから、基材2の厚みは1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。他方、基材2の厚みが小さすぎると装置1の製造時に基材2が折れたり壊れたりするなどして取り扱い難くなるため、基材2の厚みは10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。
基材2は、透湿性を有していることが好ましい。これにより、使用者が装置1を使用したときに皮膚の炎症、かぶれ、痒み等を発生することが抑制される。具体的には、JIS L 1099 A−1法の規定に従って測定される透湿度が、例えば20g/m2/h以上であることが好ましく、70g/m2/h以上であることがより好ましく、120g/m2/h以上であることがさらに好ましい。
基材2は、防水性を有していることが好ましい。これにより、装置1を液体中に浸漬しても電極部材4側に液体が到達しにくいため、電極部材4の損傷を抑制できる。このため、例えば装置1を繰り返し洗濯して使用することが可能となる。具体的には、JIS L1092 耐水度試験(静水圧法)の規定に従って測定される耐水圧が、好ましくは5kPa以上、より好ましくは50kPa以上、さらに好ましくは100kPa以上である。
基材2は、透湿性および防水性を有していることが好ましい。基材2が透湿性と防水性を有していれば、蒸気を通しつつ液体を通しにくいため、使用者の肌蒸れの発生を抑えることができる。
電極部材4は、基材2の一方主面3A側に形成されるものであり、例えば、生体現象に伴う人体と電極部材4との間の静電容量の変化を生体電気信号として検知する。
電極部材4は、導電性材料から形成されていれば特に制限されないが、装置1の可撓性を高める観点から、好ましくはシート状に構成される。したがって、電極部材4には、導電性繊維や金属めっきが成された繊維を用いた不織布、織布、編布、基材2に印刷或いは塗布された導電膜、導電箔等が好ましく用いられる。
電極部材4の厚みを抑制することにより、装置1の可撓性が高められるため、電極部材4の厚みは、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましい。他方、電極部材4を流れる電流密度を確保するために、電極部材4の厚みは0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、1μm以上であることがさらに好ましい。
本発明において、電極部材4が基材2の一方主面3A側に形成されるとは、電極部材4が基材2の一方主面3Aに直接または間接に固定されていることを意味する。電極部材4が基材2の一方主面3Aに直接に固定されているとは、例えば基材2の一方主面3Aに導電膜を印刷または塗布することや、導電性繊維や金属めっきが成された繊維を用いた不織布、織布、編布或いは導電箔が、熱融着、超音波融着等によって基材2の一方主面3Aに固定されていることを意味する。他方、電極部材4が基材2の一方主面3Aに間接に固定されているとは、例えば導電性繊維や金属めっきが成された繊維を用いた不織布、織布、編布或いは導電箔が、接着剤による接着によって基材2の一方主面3Aに固定されている状態を意味する。
基材2と電極部材4を接着剤によって接着する場合、使用者の皮膚の炎症、かぶれ、痒み等を抑制する観点から、接着剤は透湿性を有していることが好ましい。具体的には、JIS L 1099 A−1法の規定に従って測定される透湿度が、例えば20g/m2/h以上であることが好ましく、70g/m2/h以上であることがより好ましく、120g/m2/h以上であることがさらに好ましい。
本発明の装置1は布地等の被取付物に取り付けられて使用されるため、電極部材4は、基材2と同様に透湿性を有していることが好ましい。透湿性を確保するために、基材2に電極部材4を形成する際に、印刷法によって網状、縞状、浮島状等のパターンを形成することができる。このようにパターンが形成された電極部材4は、装置1の透湿性と柔軟性の向上に寄与する。
装置1の動作速度を向上させる観点から、電極部材4の材料は導電率が高いことが好ましく、電極部材4の材料としては例えば、銅、銀、金等の金属材料や、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン等の炭素材料、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子材料等を用いることができる。
微弱な生体電気信号を確実に検知するために、電極部材4の面積は、1cm2以上であることが好ましく、2cm2以上であることがより好ましく、3cm2以上であることがさらに好ましい。一方、上限は特にないが、特定箇所の生体情報を得るためには、電極部材4の面積は20cm2以下であることが好ましく、例えば、16cm2以下であることが好ましく、12cm2以下であることがより好ましい。
導電部材6は、主に、電極部材4によって検知された生体電気信号を、後述する有頭軸部材8に受け渡す役割を担う。電極部材4を保護する目的から、導電部材6は基材2と反対側から電極部材4と接するように配置される。
導電部材6は、電極部材4と導通するために電極部材4に接していればよく、互いに固定された状態であっても非固定の状態であってもよい。導電部材6と電極部材4は、例えば、導電性の接着剤による接着、熱融着、超音波融着等の固定手段により固定することができる。
導電部材6は、導電性材料、または絶縁性材料と導電性材料の混合物から構成することができる。導電性材料は、例えば銅、銀、金等の金属材料や、CNT、グラフェン等の炭素材料、PEDOT等の導電性高分子材料等を用いることができる。絶縁性材料には、例えば布地や合成樹脂を用いることができる。絶縁性材料と導電性材料の混合物は、例えば、合成樹脂または布地の表面を導電性材料で被覆したものや、金属粉等の導電性粒子を合成樹脂で固めたものである。導電部材6を金属から構成すれば、有頭軸部材8を導電部材6の開口6aと基材2に挿通させても電極部材4に衝撃が加えられるのを抑制できるため、電極部材4の保護機能がより一層高められる。他方、導電部材6を絶縁性材料と導電性材料の混合物から構成すれば、金属のみから構成した場合と比べて、柔軟性を付与することができる。
導電部材6による電極部材4の保護機能と、有頭軸部材8の挿入位置や挿入方向のガイド機能を高める観点から、導電部材6の厚さは、電極部材4の厚さの2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましく、10倍以上であることがさらに好ましい。
具体的には、導電部材6の厚みは10μm以上であることが好ましく、50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましい。このように導電部材6の厚みの下限を設定することにより、電極部材4を確実に保護することができる。上限は特にないが、装置1が厚み方向に嵩張ることを抑制するために、導電部材6の厚みは1000μm以下であることが好ましく、700μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましい。
導電部材6は、後述する有頭軸部材8を挿通するための開口6aを有している。本発明の装置1は、電極部材4とは別に開口6aを有する導電部材6が設けられており、開口6aを基材2および電極部材4に対して有頭軸部材8を挿入する際のガイドとすることができるため、有頭軸部材8の挿入位置や挿入方向を適切にすることができる。
装置1の面方向における導電部材6の開口6aの形状は閉じた形状であってもよく、閉じていない形状であってもよく、装置1の厚み方向に貫通していればよい。装置1の面方向における導電部材6の開口6aの形状は、例えば、円形状、楕円形状、多角形状、またはこれらの組み合わせにすることができる。
導電部材6は、予め開口6aが形成されたものを用いてもよい。また、開口が形成されていない導電部材6に、針による穿刺、レーザーによる焼灼、パンチング加工による開口等の方法を用いて開口6aを形成してもよい。
図3は、本発明に係る導電部材の構成例を示す斜視図であり、図4は、本発明に係る導電部材の構成例を示す平面図である。導電部材6の形状は特に限定されないが、簡便には、図3〜図4に示すように環状に形成することができる。導電部材6としては、例えば、座金(金属ワッシャー状のもの)、導電性テープ、導電性シート、導電性プラスチックまたは、塗布や印刷により形成された導電性樹脂を用いることができる。
電極部材4は導電部材6の開口6aに連通する開口4aを有し、有頭軸部材8が導電部材6の開口6aおよび電極部材4の開口4aに挿通されていることが好ましい。電極部材4が開口4aを有しているため、電極部材4および導電部材6に対する有頭軸部材8の挿通位置、ひいては被取付物への取り付け位置の精度を向上できる。
導電部材6の最外径が電極部材4の開口4aの最大径よりも大きいことが好ましい。導電部材6の最外径を電極部材4の開口4aの最大径よりも大きくすることによって、電極部材4の開口4aの近傍では電極部材4が導電部材6に重なって配置されやすくなるため、導電部材6による電極部材4の保護機能を高められる。
図3〜図4に示すように、導電部材6が環状に形成されている場合、装置1の面方向において、導電部材6の開口6aの内側面から導電部材6の外側面に至る領域を、径方向に3分割して内側領域6iと外側領域6oと、その間の中央領域6cとしたとき、電極部材4が少なくとも外側領域6oに配置されることが好ましい。電極部材4が導電部材6の外側領域6oと重なって配置されることにより、導電部材6によって電極部材4を保護することができる。
導電部材6が環状に形成されている場合、さらに、電極部材4が導電部材6の中央領域6cに配置されることが好ましい。電極部材4が導電部材6の外側領域6oおよび中央領域6cと重なって配置されることにより、導電部材6による電極部材4の保護機能をより一層高められる。
導電部材6が環状に形成されている場合、電極部材4が、導電部材6の内側領域6iには配置されないことが好ましい。導電部材6の内側領域6iは、開口6aに近接しているため、導電部材6の開口6aに有頭軸部材8が挿通されると変形しやすい。このため、電極部材4が導電部材6の内側領域6iに配置されないことにより、電極部材4が変形して損傷するリスクを低減できる。
導電部材6の電極部材4と対向する周縁は、面取り加工部であることが好ましい。導電部材6の電極部材4と対向する周縁に面取り加工がなされていれば、導電部材6と電極部材4が接触している箇所に応力が集中することが抑制され、電極部材4が変形して損傷するリスクを低減できる。
図2に示すように、基材2は導電部材6の開口6aに連通する開口2aを有していることが好ましい。基材2が開口2aを有していれば、基材2および導電部材6に対する有頭軸部材8の挿通位置、ひいては被取付物への取り付け位置の精度を向上できる。
導電部材6の最外径が基材2の開口2aの最大径よりも大きいことが好ましい。導電部材6の最外径を基材2の開口2aの最大径よりも大きくすることによって、有頭軸部材8を挿通させる際に導電部材6が基材2の一方主面3A側から他方主面3B側に押し込まれて電極部材4が変形することを抑止する。
図1に示すように、有頭軸部材8は、導電部材6の開口6aと基材2に挿通されている。また、有頭軸部材8は導電性を有しており、有頭軸部材8と導電部材6は接している。このため、有頭軸部材8は、電極部材4で検知されて導電部材6に伝達された生体電気信号を別途に接続されている心電図計等の外部機器に伝達する。
有頭軸部材8は、導電性材料、または絶縁性材料と導電性材料の混合物から構成することができる。導電性材料は、銅、銀、金等の金属材料や、CNT、グラフェン等の炭素材料、PEDOT等の導電性高分子材料等を用いることができる。絶縁性材料と導電性材料の混合物は、合成樹脂の表面を導電性材料で被覆したものや、金属粉等の導電性粒子を合成樹脂で固めたものである。
有頭軸部材8は、導電部材6の開口6aと基材2に挿通される軸部9を有している。導電部材6の開口6aの最大径は、有頭軸部材8の軸部9の最外径よりも大きいことが好ましい。これにより、導電部材6の開口6aに有頭軸部材8の軸部9を挿通させやすくなる。他方、導電部材6の開口6aの最大径を、有頭軸部材8の軸部9の最外径よりも小さくすることもできる。この場合、有頭軸部材8の軸部9を導電部材6の開口6aに挿通したときに、有頭軸部材8の軸部9の外表面と導電部材6の開口6aの内壁との接触面積が増加し、有頭軸部材8と導電部材6間で電子の授受がなされやすくなるため、生体電気信号が外部機器に伝達される速度が向上する。
図5に示すように、軸部9の先端が錐形状に形成されていてもよい。基材2に開口2aが形成されていなくても、基材2に軸部9を挿通させる際に、軸部9の錐形状の先端によって基材2を他方主面3B側に押し込んで基材2を貫通させることができる。このように軸部9の先端を錐形状とする態様は、基材2に開口2aが形成されていない場合に適している。ここで、軸部9の先端とは、頭部10と反対側(すなわち、導電部材6の開口6aに先に挿通される側)であり、例えば軸部9を軸方向に4等分割したときの頭部10と反対側の先端を意味する。
有頭軸部材8の軸部9は、電極部材4で検知した生体電気信号を受信する外部機器に接続されてもよい。外部機器は、例えば、生体電気信号を伝達する導線や、生体電気信号を解析する解析機等である。
有頭軸部材8は、導電部材6の開口6aを通過しない頭部10を有している。詳細には、頭部10の最外径は、導電部材6の開口の最大径よりも大きい。このため、有頭軸部材8が基材2の他方主面3B側に脱落することが抑制される。
本発明の装置1では、有頭軸部材8の頭部10と導電部材6とが接している。これにより、有頭軸部材8と導電部材6の間で電子の授受が成されるからである。
有頭軸部材8の頭部10の導電部材6と対向する周縁は、面取り加工部であることが好ましい。頭部10の導電部材6と対向する周縁が面取り加工部であれば、頭部10の周縁と接触する導電部材6の一方主面3A側に応力が集中することを抑制できる。その結果、導電部材6を介して電極部材4に伝達される応力も低減できる。
有頭軸部材8の頭部10の大きさにもよるが、装置1の厚み方向における面取り加工部の曲率半径Rは、例えば1mm〜5mmにすることができる。
図6に示すように、本発明の生体情報検知装置1は、有頭軸部材8の軸部9と係合する穴部13を有する穴部材12を有していてもよい。有頭軸部材8と穴部材12によって、導電部材6と電極部材4と基材2とを保持することができる。
穴部材12は、穴部13が、有頭軸部材8の軸方向に貫通することで内腔を有する筒形状であってもよい。また、穴部材12が有底筒形状であり、穴部13が穴部材12を貫通せず、かつ有頭軸部材8の軸方向に沿って穴部13が設けられてもよい。
穴部材12は、有頭軸部材8と同様に、導電性材料、または絶縁性材料と導電性材料の混合物から構成することが好ましい。この場合、有頭軸部材8の軸部9と、外部機器を接続するコネクタとして機能させることができる。
有頭軸部材8と穴部材12には、それぞれ例えば公知のスナップボタンの凸凹を用いることができる。
図1に示すように、本発明の装置1は、さらに、基材2の一方主面3A側から電極部材4を覆っている保護部材14を有することが好ましい。保護部材14によって、基材2の一方主面3A側から電極部材4を覆うことにより、電極部材4を基材2の一方主面3A側から支持することができる。また、使用者の皮膚が電極部材4に直接接触することを抑制できるため、使用者の皮膚の炎症、かぶれ等の発生を抑止することができる。
図1、図7に示すように、基材2の一方主面3A側から基材2と電極部材4と導電部材6を覆っていることがさらに好ましい。使用者の皮膚が電極部材4に直接接触することをより一層抑制できる。
また、図7に示すように保護部材14が基材2の一方主面3A側から電極部材4と導電部材6と有頭軸部材8を覆っていることが好ましい。このような保護部材14によれば使用者の皮膚と電極部材4、導電部材6、有頭軸部材8に直接接触することを抑制できるため、使用者の皮膚の炎症、かぶれ等の発生をより一層抑止することができる。
保護部材14と電極部材4、保護部材14と基材2、保護部材14と導電部材6は、それぞれ接着剤による接着、熱融着、超音波融着等の固定手段により固定することができる。使用者の皮膚の炎症、かぶれ、痒み等を抑制する観点から、接着剤は透湿性を有していることが好ましい。具体的には、JIS L 1099 A−1法の規定に従って測定される透湿度が、例えば20g/m2/h以上であることが好ましく、70g/m2/h以上であることがより好ましく、120g/m2/h以上であることがさらに好ましい。
保護部材14には開口14aが形成されていてもよい。この場合、保護部材14の開口14aの最大径は、有頭軸部材8の頭部10の最外径よりも大きいことが好ましい。装置1の厚み方向で、有頭軸部材8の頭部10と導電部材6の間に保護部材14が挟み込まれて、有頭軸部材8と導電部材6間で電子の授受が成される速度が低下するのを抑止するためである。
保護部材14の開口14aの最大径は、導電部材6の最外径よりも小さいことが好ましい。これにより導電部材6と保護部材14が重なって配置されるため、有頭軸部材8を導電部材6の開口6aに挿通しても、電極部材4と重なっている導電部材6の一部が基材2の一方主面3A側に浮き上がりにくくなり、電極部材4が露出することが抑制される。
保護部材14は、可撓性を有する材料から形成されていれば特に限定されないが、例えば、PU、PEN、PET、PI等の高分子フィルムから形成することができる。
保護部材14の厚みが大きすぎると装置1の厚みが増すことから、保護部材14の厚みは1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。他方、保護部材14の厚みが小さすぎると装置1の製造時に保護部材14が破損するなどして保護機能を発揮できないため、保護部材14の厚みは10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。
基材2と同様に、保護部材14は透湿性を有していることが好ましい。これにより、使用者が装置1を使用したときに皮膚の炎症、かぶれ、痒み等を発生することが抑制される。具体的には、JIS L 1099 A−1法の規定に従って測定される透湿度が、例えば20g/m2/h以上であることが好ましく、70g/m2/h以上であることがより好ましく、120g/m2/h以上であることがさらに好ましい。
基材2と同様に、保護部材14は防水性を有していることが好ましい。具体的には、JIS L 1092 耐水度試験(静水圧法)の規定に従って測定される耐水圧が、好ましくは5kPa以上、より好ましくは50kPa以上、さらに好ましくは100kPa以上である。
保護部材14は、上記に述べた透湿性と防水性を有していることが好ましい。保護部材14が透湿性と防水性を有していれば、蒸気を通しつつ液体を通しにくいため、使用者の肌蒸れの発生を抑えることができる。
保護部材14が透湿性と防水性を有しており、保護部材14が基材2の一方主面3A側から電極部材4と導電部材6と有頭軸部材8を覆っていることが好ましい。透湿性と防水性を有する保護部材14が、基材2の一方主面3A側から電極部材4と導電部材6と有頭軸部材8を覆っていると、装置1を液体中に浸漬しても電極部材4側に液体が到達しにくいため、電極部材4の損傷を抑制できる。このため、例えば装置1を繰り返し洗濯して使用することが可能となる。
以上述べた各部材の大きさは以下のように設定してもよい。
基材2は導電部材6の開口6aに連通する開口2aを有し、有頭軸部材8が導電部材6の開口6aおよび基材2の開口2aに挿通されていることが好ましい。基材2が開口2aを有しているため、基材2および導電部材6に対する有頭軸部材8の挿通位置、ひいては被取付物への取り付け位置の精度を向上できる。
導電部材6の最外径が基材2の開口2aの最大径よりも大きいことが好ましい。導電部材6の最外径を基材2の開口2aの最大径よりも大きくすることによって、有頭軸部材8を挿通させる際に導電部材6が基材2の一方主面3A側から他方主面3B側に押し込まれて電極部材4が変形することを抑止する。
(他の実施形態)
図8に示すように、本発明の別の生体情報検知装置1は、可撓性を有するシート状の基材2と、基材2の一方主面3A側に形成される電極部材4と、基材2の一方主面3A側から基材2に挿通されており、導電性を有する有頭軸部材8と、基材2の一方主面3A側から電極部材4を覆う保護部材14と、を有し、有頭軸部材8の頭部10と電極部材4とが接していることを特徴とするものである。本発明の別の生体情報検知装置1は、基材2の一方主面3A側から基材2に挿通されている有頭軸部材8によって、布地等の被取付物に取り付けられる。また、本発明の別の生体情報検知装置1は、電極部材4を覆う保護部材14を有しているため、仮に電極部材4に衝撃が付加されても電極部材4が損傷することを抑制できるものである。また、本発明の別の生体情報検知装置1は有頭軸部材8の頭部10と電極部材4が接しているため、有頭軸部材8と電極部材4の間で電子の授受が成されるものである。なお、基材2、電極部材4、有頭軸部材8、保護部材14の説明は上記の実施形態と重複するため、説明を省略する。
2.布製品
以下では、本発明の生体情報検知装置が取り付けられた布製品について説明する。図9は、本発明の布製品の断面図を表し、図10は、本発明の衣料の平面図を表す。
図9に示すように、本発明の布製品20は、布地24と、基材2の他方主面3Bが、布地24の肌面側に接合されている上記の生体情報検知装置1と、を有するものである。なお、図9に示す布製品は、図6に示した生体情報検知装置1に布地24が接合されている例である。
本発明の布製品20は、布地24によって構成される製品であり、例えば、衣料や寝具である。したがって本発明には、布地24と、基材2の他方主面3Bが、布地24の肌面側に接合されている上記の生体情報検知装置1と、を有する衣料や;布地24と、基材2の他方主面3Bが、布地24の肌面側に接合されている上記の生体情報検知装置1と、を有する寝具が含まれる。
本発明の布製品20において、肌面側とは、布製品20を使用している状態で使用者の肌に向く側を意味する。
本発明の布製品20において、布地24は、例えば織物、編物、不織布、これらに樹脂が積層された材料から構成される。本発明の布地24を構成する繊維としては、例えば、綿、絹等の天然繊維、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン等の合成繊維が挙げられる。
本発明において、衣料は、身に着けるものであり、肌着、シャツ、ブラウス、ジャケット、セーター等の上衣、ズボン、スカート等の下衣、ワンピース、つなぎ等の上衣と下衣が一体化した服、帽子、手袋、靴下等の小物類を含む。
本発明において、寝具は、就寝時に用いるものであり、シーツ、布団カバー、毛布、枕カバー等を含む。
本発明の布製品20は、布地24と装置1の基材2が厚み方向に積層されて、布地24の肌面側に、上記の生体情報検知装置1の基材2の他方主面3Bが接合されている。ここで、生体情報検知装置1とは、「1.生体情報検知装置」で説明した装置1である。
布地24と、生体情報検知装置1の基材2は、縫着、接着、溶着等によって互いに接合することができる。図9に示すように接着剤15を用いて接着を行う場合には、接着剤は透湿性を有していることが好ましい。また、布地24から基材2を脱着可能に構成するために、布地24と基材2の接合には面ファスナーやスナップボタン等の留め具を用いることもできる。
図9に示すように、布地24は、導電部材6の開口6aに連通する開口24aを有していることが好ましい。この際、有頭軸部材8が導電部材6の開口6aおよび布地24の開口24aに挿通されていることが好ましい。これにより、布地24に対する有頭軸部材8の挿通位置の精度を向上できる。
図10は、布製品20が上衣21の場合の例を示している。図10に示すように、上衣21は、前身頃22と後身頃23とから構成されている。上衣21の前身頃22の左胸部の肌面側に生体情報検知装置1が取り付けられている。このような装置1を有する本発明の布製品20は、被検者に対する身体的、心理的負担を低減しながら、生体情報を日常的に検知することが可能なものである。
3.生体情報検知装置の製造方法
本発明の生体情報検知装置の製造方法について、図11〜図15を用いて説明する。図11〜図15は、本発明の生体情報検知装置の製造方法を示す断面図を表す。
本発明の生体情報検知装置の製造方法は、
(1)可撓性を有するシート状の基材の一方主面上に電極部材を形成する工程と、
(2)開口を有する導電部材を、基材と反対側から電極部材に接触させる工程と、
(3)基材の一方主面側から導電部材の開口および基材に導電性を有する有頭軸部材を挿通する工程と、
含むものである。
(1)可撓性を有するシート状の基材の一方主面上に電極部材を形成する工程
図11に示すように、可撓性を有するシート状の基材2を準備する。基材2には開口2aが形成されており、基材2は一方主面3Aと他方主面3Bを有している。次いで、図12に示すように、基材2の一方主面3A上に電極部材4を形成する。基材2の一方主面3A上に電極部材4を形成する方法は、「1.生体情報検知装置」に記載した通りである。電極部材4には開口4aが形成され、基材2の開口2aと電極部材4の開口4aが連通するように配置されている。
(2)開口を有する導電部材を、基材と反対側から電極部材に接触させる工程
例えば、図3〜図4に示すような開口6aを有する導電部材6を準備し、導電部材6を基材2と反対側から電極部材4に接触させる。詳細には、図13に示すように、電極部材4の一方主面5Aと導電部材6の他方主面7Bが対向するように、導電部材6と電極部材4を接触させる。図7では、電極部材4の開口4aと導電部材6の開口6aが連通するように配置されているが、導電部材6と電極部材4は接触していればよく、電極部材4には開口4aが設けられなくてもよい。
(3)基材の一方主面側から導電部材の開口および基材に導電性を有する有頭軸部材を挿通する工程
図14に示すように、基材2の一方主面3A側から、導電部材4の開口4aおよび基材2に、軸部9と頭部10を有しており、導電性を有する有頭軸部材8を挿通する。
基材2と電極部材4に開口が形成されない場合には、図5に示すように、有頭軸部材8の基材2に近い側の軸部9の先端が錐形状に形成されていることが好ましい。基材2や電極部材4に開口が形成されていなくても、導電部材6の開口6aに軸部9を挿通させる際に、軸部9の錐形状の先端によって基材2や電極部材4を基材2の他方主面3B側に押し込んで基材2や電極部材4を貫通させることができる。
本発明の生体情報計測装置1の製造方法は、以下に示す工程(4)〜(5)を含むことが好ましい。
(4)基材の一方主面側から可撓性を有する保護部材によって電極部材を覆う工程
図15に示すように、基材2の一方主面3A側から可撓性を有する保護部材14によって電極部材4を覆うことが好ましい。これにより、電極部材4は基材2の一方主面3A側からも支持される。
なお、工程(4)は工程(3)の前に実施してもよく、工程(3)の後に実施してもよい。工程(4)を工程(3)の後に実施することによって、図7に示すように、保護部材14が有頭軸部材8の頭部10を覆った装置1が得られる。保護部材14が有頭軸部材8の頭部10を覆っていれば、使用者の皮膚が電極部材4に直接接触することを抑制できるため、使用者の皮膚の炎症、かぶれ等の発生を抑止することができる。
(5)有頭軸部材の軸部を穴部材に挿入する工程
図6に示すように、有頭軸部材8の軸部9を穴部材12に挿入することが好ましい。具体的には、有頭軸部材8の軸部9を穴部材12の穴部13に挿入することが好ましい。有頭軸部材8の頭部10と穴部材12によって、導電部材6と電極部材4と基材2とを保持することができる。また、穴部材12を導電性材料、または絶縁性材料と導電性材料の混合物から構成することにより、穴部材12を、有頭軸部材8の軸部9と外部機器を接続するコネクタとして機能させることができる。
4.布製品の製造方法
本発明の布製品の製造方法は、
(I)可撓性を有するシート状の基材の一方主面上に電極部材を形成する工程と、
(II)開口を有する導電部材を、基材と反対側から電極部材に接触させる工程と、
(III)基材の他方主面を布地に接合する工程と、
(IV)基材の一方主面側から導電部材の開口、基材、布地に導電性を有する有頭軸部材を挿通する工程と、
を含むことを特徴とする。
(I)可撓性を有するシート状の基材の一方主面上に電極部材を形成する工程
図11に示すように可撓性を有するシート状の基材2を準備し、図12に示すように可撓性を有するシート状の基材2の一方主面3A上に電極部材4を形成する。詳細は、本明細書の「3.生体情報検知装置の製造方法」の「(1)可撓性を有するシート状の基材の一方主面上に電極部材を形成する工程」と同じである。
(II)開口を有する導電部材を、基材と反対側から電極部材に接触させる工程
図13に示すように、開口6aを有する導電部材6を、基材2と反対側から電極部材4に接触させる。詳細は、本明細書の「3.生体情報検知装置の製造方法」の「(2)開口を有する導電部材を、基材と反対側から電極部材に接触させる工程」と同じである。
(III)基材の他方主面を布地に接合する工程
布地24を準備し、図16に示すように、基材2の他方主面3Bを布地24に接合する。具体的には、基材2の他方主面3Bと布地24の肌側面を接合する。図16に示すように接着剤15を用いて接着する場合には、接着剤は透湿性を有していることが好ましい。また、布地24から基材2を脱着可能に構成するために、布地24と基材2の接合には面ファスナーやスナップボタン等の留め具を用いることもできる。なお、図16に示すように布地24には開口24aが形成され、布地24の開口24aと導電部材6の開口6aが連通するように配置されている。
(IV)基材の一方主面側から導電部材の開口、基材、布地に導電性を有する有頭軸部材を挿通する工程
図17に示すように、基材2の一方主面3A側から導電部材6の開口6a、基材2、布地24に有頭軸部材8を挿通する。なお、基材2や布地24に開口が形成されない場合には、有頭軸部材8の基材2に近い側の軸部9の先端が錐形状に形成されていることが好ましい。基材2や布地24に開口が形成されていなくても、導電部材6の開口6aに軸部9を挿通させる際に、軸部9の錐形状の先端によって基材2や布地24を基材2の他方主面3B側に押し込んで基材2や布地24を貫通させることができる。
本発明の布製品の製造方法は、以下に示す工程(V)〜(VII)を含むことが好ましい。
(V)基材の一方主面側から可撓性を有する保護部材によって電極部材を覆う工程
図18に示すように、基材2の一方主面3A側から可撓性を有する保護部材14によって電極部材4を覆う。詳細は、本明細書の「3.生体情報検知装置の製造方法」の「(4)基材の一方主面側から可撓性を有する保護部材によって電極部材を覆う工程」と同じである。
なお、工程(V)は工程(IV)の前に実施してもよく、工程(V)は工程(IV)の後に実施してもよい。
(VI)有頭軸部材の軸部を穴部材に挿入する工程
図19に示すように、有頭軸部材8の軸部9を穴部材12に挿入する。詳細は、本明細書の「3.生体情報検知装置の製造方法」の「(5)有頭軸部材の軸部を穴部材に挿入する工程」と同じである。
(VII)基材の一方主面側から可撓性を有する保護部材によって有頭軸部材の頭部を覆う工程
布製品が衣料等、使用者の皮膚と直接接触して使用される場合には、図20に示すように、基材2の一方主面3A側から可撓性を有する保護部材14によって有頭軸部材8の頭部10を覆うことが好ましい。保護部材14が有頭軸部材8の頭部10を覆っていれば、使用者の皮膚が電極部材4に直接接触することを抑制できるため、使用者の皮膚の炎症、かぶれ等の発生を抑止することができる。なお、布製品が寝具等、使用者の皮膚に直接接触して使用されない場合には、本工程(VII)を省略してもよい。
1:生体情報検知装置
2:基材
2a:基材の開口
3A:基材の一方主面
3B:基材の他方主面
4:電極部材
4a:電極部材の開口
5A:電極部材の一方主面
6:導電部材
6a:導電部材の開口
7B:導電部材の他方主面
8:有頭軸部材
9:軸部
10:頭部
12:穴部材
13:穴部
14:保護部材
15:接着剤
20:布製品
21:上衣
22:前身頃
23:後身頃
24:布地

Claims (18)

  1. 可撓性を有するシート状の基材と、
    該基材の一方主面側に形成される電極部材と、
    開口を有し、前記基材と反対側から前記電極部材に接している導電部材と、
    前記開口および前記基材に挿通されており、導電性を有する有頭軸部材と、を有し、
    前記有頭軸部材の頭部と前記導電部材とが接しており、
    前記導電部材の厚さは、前記電極部材の厚さの2倍以上であることを特徴とする生体情報検知装置。
  2. 前記導電部材の形状は、環状である請求項1に記載の生体情報検知装置。
  3. さらに、前記基材の一方主面側から前記電極部材を覆っている可撓性を有する保護部材を有する請求項1または2に記載の生体情報検知装置。
  4. 前記保護部材が透湿性および防水性を有しており、前記保護部材が前記基材の一方主面側から前記電極部材と前記導電部材と前記有頭軸部材を覆っている請求項3に記載の生体情報検知装置。
  5. 前記電極部材は前記導電部材の開口に連通する開口を有し、
    前記有頭軸部材が前記導電部材の開口および前記電極部材の開口に挿通されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体情報検知装置。
  6. 前記導電部材の最外径が前記電極部材の開口の最大径よりも大きい請求項5に記載の生体情報検知装置。
  7. 前記基材は前記導電部材の開口に連通する開口を有し、
    前記有頭軸部材が前記導電部材の開口および前記基材の開口に挿通されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の生体情報検知装置。
  8. 前記導電部材の最外径が前記基材の開口の最大径よりも大きい請求項7に記載の生体情報検知装置。
  9. 前記有頭軸部材の頭部の前記導電部材と対向する周縁は、面取り加工部である請求項1〜8のいずれか一項に記載の生体情報検知装置。
  10. 前記導電部材の前記電極部材と対向する周縁は、面取り加工部である請求項1〜9のいずれか一項に記載の生体情報検知装置。
  11. 前記基材が透湿性および防水性を有している請求項1〜10のいずれか一項に記載の生体情報検知装置。
  12. 布地と、
    前記基材の他方主面が、該布地の肌側面に接合されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の生体情報検知装置と、を有することを特徴とする布製品。
  13. 布地と、
    前記基材の他方主面が、該布地の肌側面に接合されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の生体情報検知装置と、を有することを特徴とする衣料。
  14. 布地と、
    前記基材の他方主面が、該布地の肌側面に接合されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の生体情報検知装置と、を有することを特徴とするシーツ。
  15. 可撓性を有するシート状の基材の一方主面上に電極部材を形成する工程と、
    前記電極部材の厚さの2倍以上の厚みで且つ開口を有する導電部材を、前記基材と反対側から前記電極部材に接触させる工程と、
    前記基材の一方主面側から前記開口および前記基材に導電性を有する有頭軸部材を挿通することにより、前記有頭軸部材の頭部を前記導電部材に接触させる工程と、含むことを特徴とする生体情報検知装置の製造方法。
  16. 前記導電部材の形状は、環状である請求項15に記載の生体情報検知装置の製造方法。
  17. 前記基材の一方主面側から可撓性を有する保護部材によって前記電極部材を覆う工程を含む請求項15または16に記載の生体情報検知装置の製造方法。
  18. 可撓性を有するシート状の基材の一方主面上に電極部材を形成する工程と、
    前記電極部材の厚さの2倍以上の厚みで且つ開口を有する導電部材を、前記基材と反対側から前記電極部材に接触させる工程と、
    前記基材の他方主面を布地に接合する工程と、
    前記基材の一方主面側から前記開口、前記基材、前記布地に導電性を有する有頭軸部材を挿通することにより、前記有頭軸部材の頭部を前記導電部材に接触させる工程と、含むことを特徴とする布製品の製造方法。
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