JP6632086B1 - 小型船舶運航管理システム、小型船舶用運航管理ユニットおよび小型船舶運航管理サーバ - Google Patents

小型船舶運航管理システム、小型船舶用運航管理ユニットおよび小型船舶運航管理サーバ Download PDF

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Abstract

【課題】 小型船舶の動作情報に基づき前記小型船舶の状態を判別することができる、小型船舶運航管理システム、小型船舶用運航管理ユニットおよび小型船舶運航管理サーバを提供する。【解決手段】 小型船舶用運航管理ユニット2が、小型船舶100の動静情報を検出する動静情報検出手段3と、小型船舶100の位置情報を検出する位置情報検出手段4と、動静情報および/または位置情報を運航管理サーバ20に送信する情報通信手段5とを有するとともに、小型船舶用運航管理ユニット2または小型船舶運航管理サーバ20の少なくともいずれか一方には、動静情報検出手段3によって検出された動静情報および/または位置情報検出手段4によって検出された位置情報に基づき小型船舶100の状態を判別する船舶状態判別手段6を有する。【選択図】 図2

Description

本発明は、いわゆる「磯舟」のような船外機を動力源として備える小型船舶の運航情報を管理する小型船舶運航管理システム、小型船舶用運航管理ユニットおよび小型船舶運航管理サーバに関するものである。
日本の近海で行う漁業では、船外機を動力とした小型船舶、いわゆる「磯舟」が多く用いられている。また、このような磯舟で漁をする漁師は、多くの漁獲量が期待できる良好な漁場の情報を記憶しており、各漁師はその独自の情報をもとに個別に漁を行っている。
ところで、通常、タンカーや客船等の比較的大きな船舶は、走行中の位置を確認するために全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)を利用した位置検出装置を備えている。近年では、複数の船舶からインターネットを介して個々の位置情報を取得し、各船舶の運航を管理することのできる発明が提案されており、例えば、特開2006−163765号公報では、GPS受信機能と、インターネット接続機能とを備えた船舶情報通信手段により、船舶の運航を監視する船舶運航監視システムが提案されている(特許文献1)。
特開2006−163765号公報
しかしながら、特許発明1に記載の発明では、位置情報による船舶の運航を監視することしかできない。これに対し、近年では漁師の後継者不足から、良好な漁場の情報が次世代に伝承されていない現状がある。また、乱獲や気候変動の影響から漁獲量が減っており、漁業のみによる収入が減少していることから、後継者不足の問題を深刻化させている。このような状況から、近年では、良好な漁場情報の共有化や良好な漁場の分析に対するニーズが高まっている。
また、磯舟を用いた近海漁において、落船や転覆といった海難事故が、年間で数十件発生している。このような海難事故に対する対策として、磯舟の位置情報および磯舟の状態をリアルタイムで管理するシステムが求められている。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであって、小型船舶に好適な小型船舶運航管理システム、小型船舶用運航管理ユニットおよび小型船舶運航管理サーバを提供することを目的としている。
本発明に係る小型船舶運航管理システムは、小型船舶の動作情報および/または位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別するという課題を解決するために、動力源として船外機を備えた小型船舶における位置情報を送信する小型船舶用運航管理ユニットと、この小型船舶用運航管理ユニットから送信される前記位置情報を取得して前記小型船舶の運航情報を管理する小型船舶運航管理サーバとを有する小型船舶運航管理システムであって、前記小型船舶用運航管理ユニットが、前記小型船舶の動静情報を検出する動静情報検出手段と、前記小型船舶の位置情報を検出する位置情報検出手段と、前記動静情報および/または前記位置情報を前記小型船舶運航管理サーバに送信する情報通信手段とを有するとともに、前記小型船舶用運航管理ユニットまたは前記小型船舶運航管理サーバの少なくともいずれか一方には、前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報および/または前記位置情報検出手段によって検出された前記位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別する船舶状態判別手段を有する。
また、本発明の一態様として、小型船舶が海上において停船状態にあるのか、帰港して静止状態にあるのかの違いを判別するという課題を解決するために、前記船舶状態判別手段が、前記動静情報検出手段から取得した動静情報が所定の停船判別用時間以上連続して所定の停船判別用動静情報値以下である場合に、前記小型船舶が海上における停船状態にあると判別する停船判別部と、この停船判別部によって停船状態にあると判別された後に、前記動静情報が所定の静止判別用時間以上連続して所定の静止判別用動静情報値以下である場合に、前記小型船舶が帰港後に陸揚げされて静止状態にあると判別する静止判別部とを有していてもよい。
さらに、本発明の一態様として、小型船舶が操業状態にあることを判別するという課題を解決するために、前記船舶状態判別手段が、前記位置情報検出手段から取得した前記位置情報に基づき前記小型船舶の速度情報を算出するか、または前記動静情報検出手段から前記小型船舶の速度情報を取得する小型船舶速度取得部と、この小型船舶速度取得部により取得した速度情報が所定の操業判別用速度範囲以内である場合に、前記小型船舶が捕獲対象物を探索するために低速で運航されている操業状態にあると判別する操業判別部とを有していてもよい。
また、本発明の一態様として、小型船舶から乗員が落船した状態を判別するという課題を解決するために、前記船舶状態判別手段が、前記動静情報検出手段から取得した前記小型船舶の動作情報に基づき前記小型船舶の揺れの周波数を抽出する揺れ周波数抽出部と、前記揺れ周波数抽出部により抽出された揺れの周波数が前記小型船舶の固有情報に基づき設定される落船判別用周波数値より大きい場合に、乗員が前記小型船舶から落船した状態にあると判別する乗員落船判別部とを有していてもよい。
さらに、本発明の一態様として、小型船舶から乗員が落船した状態を判別するという課題を解決するために、前記船舶状態判別手段が、前記位置情報検出手段から取得した前記位置情報に基づき前記小型船舶の船首方位情報を算出するか、または前記動静情報検出手段から前記小型船舶の船首方位情報を取得する船首方位情報取得部と、前記位置情報検出手段から取得した前記位置情報に基づき前記小型船舶の進行方向を算出する進行方向算出部と、前記船首方位情報取得部により取得した船首方位情報と前記進行方向算出部により算出した進行方向との角度差が所定の旋回判別用時間以上連続して所定の旋回判別用角度差値以上である場合に、乗員が落船したことにより舵を失った前記小型船舶が旋回状態にあると判別する乗員落船判別部とを有していてもよい。
また、本発明の一態様として、小型船舶が転覆状態にあることを判別するという課題を解決するために、前記船舶状態判別手段が、前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報に基づき前記小型船舶の傾斜角度を算出または取得する傾斜角度取得部と、この傾斜角度取得部により取得された前記傾斜角度が所定の転覆判別用時間以上連続して所定の転覆判別用傾斜角度値より大きい場合に、前記小型船舶が転覆状態にあると判別する転覆判別部とを有していてもよい。
さらに、本発明の一態様として、小型船舶の積荷量が過重状態にあることを判別するという課題を解決するために、前記船舶状態判別手段が、前記動静情報検出手段から取得した動作情報に基づき前記小型船舶の揺れの周波数を抽出する周波数抽出部と、前記周波数抽出部により抽出された揺れの周波数が、前記小型船舶の構造、想定される最大の乗員重量および想定される最大の積荷量により設定される過重判別用周波数値より小さい場合に、前記小型船舶の積荷量が過重状態にあると判別する過重判別部とを有していてもよい。
また、本発明の一態様として、小型船舶が波浪の中での運航状態にあることを判別するという課題を解決するために、前記船舶状態判別手段が、前記動静情報検出手段から取得した前記小型船舶の動静情報に基づき動静情報の変化量を算出する動静情報変化量算出部と、この動静情報変化量算出部により算出された前記動静情報変化量が所定の波浪判別用動静情報変化量値より大きい場合に、前記小型船舶が波浪の中での運航状態にあると判別する波浪運航判別部とを有していてもよい。
本発明に係る小型船舶用運航管理ユニットは、小型船舶の動作情報および/または位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別するという課題を解決するために、動力源として船外機を備えた小型船舶における位置情報を小型船舶運航管理サーバに送信する小型船舶用運航管理ユニットであって、前記小型船舶の動静情報を検出する動静情報検出手段と、
前記小型船舶の位置情報を検出する位置情報検出手段と、前記動静情報および/または前記位置情報を前記小型船舶運航管理サーバに送信する情報通信手段と、前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報および/または前記位置情報検出手段によって検出された前記位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別する船舶状態判別手段とを有する。
本発明に係る小型船舶運航管理サーバは、小型船舶の動作情報および/または位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別するという課題を解決するために、動力源として船外機を備えた小型船舶における位置情報を送信する小型船舶用運航管理ユニットから送信される前記位置情報を取得して前記小型船舶の運航情報を管理する小型船舶運航管理サーバであって、前記小型船舶の動静情報を検出する動静情報検出手段と、前記小型船舶の位置情報を検出する位置情報検出手段と、前記動静情報および/または前記位置情報を前記小型船舶運航管理サーバに送信する情報通信手段とを有する、前記小型船舶用運航管理ユニットから、前記情報通信手段を介して送信される前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報および/または前記位置情報検出手段によって検出された前記位置情報を受信し、当該動静情報および/または当該位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別する船舶状態判別手段を有する。
本発明によれば、小型船舶の動作情報および/または位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別することができる。
本発明に係る小型船舶運航管理システムの一実施形態を示す模式図である。 本実施形態の小型船舶用運航管理ユニットを示すブロック図である。 小型船舶が傾斜角度αで傾斜している状態において加速度センサで検出される加速度を示す模式図である。 本実施形態における停船判別処理および静止判別処理を示すフローチャートである。 本実施形態における操業判別処理を示すフローチャートである。 本実施形態における小型船舶の揺れの周波数に基づく落船判別処理を示すフローチャートである。 本実施形態における小型船舶の旋回判別に基づく落船判別処理を示すフローチャートである。 本実施形態における転覆判別処理を示すフローチャートである。 本実施形態における過重判別処理を示すフローチャートである。 本実施形態における波浪運航判別処理を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る小型船舶運航管理システム、小型船舶用運航管理ユニットおよび小型船舶小型船舶運航管理サーバの一実施形態について図面を用いて説明する。
本実施形態における小型船舶運航管理システム1は、図1に示すように、動力源として船外機101を備えた小型船舶100に搭載される小型船舶用運航管理ユニット2と、この小型船舶用運航管理ユニット2から送信される位置情報等を取得して前記小型船舶100の運航情報を管理する小型船舶運航管理サーバ20とを有する。以下、各構成について詳細に説明する。
まず、小型船舶用運航管理ユニット2が搭載される小型船舶100について簡単に説明する。本実施形態における小型船舶100は、動力源として船外機101を備えた船であり、漁業に用いられる磯舟を含むものである。この小型船舶100には、1名から数名程度の少人数の乗員と、磯舟においては漁に使用する網や籠、漁で捕獲した魚介類を積荷として搭載できる構造を有している。
船外機101は、エンジンやこのエンジンを起動させるセルモータ、前記エンジンにより回転するスクリュー(プロペラ)、前記セルモータの電源となる船外機用バッテリ102等からなり、主に、小型船舶100の船尾に設置される。なお、図示しないが、船外機101とは別に電動のマリンモータが設置されていてもよい。このマリンモータは、主に、低速で漁獲対象物を探索する際に、周囲で操業中の船舶の乗員に対し排気ガスによる健康被害を与えないために設置される。
本実施形態の小型船舶用運航管理ユニット2は、図2に示すように、主に、小型船舶100における位置情報や後述する動静情報を小型船舶運航管理サーバ20に送信して前記小型船舶100の運航を管理するためのものであり、本実施形態では、図2に示すように、小型船舶100の動静情報を検出する動静情報検出手段3と、前記小型船舶100の位置情報を検出する位置情報検出手段4と、前記動静情報等を前記小型船舶運航管理サーバ20に送信する情報通信手段5と、前記小型船舶100の状態を判別する船舶状態判別手段6とを有する。
動静情報検出手段3は、小型船舶100に搭載されて当該小型船舶100の動静情報を検出するものである。本実施形態において動静とは、小型船舶100の状態を判別可能な情報全般のことであり、例えば加速度情報や振動情報、傾斜情報、船首方位情報、角加速度情報、エンジン稼働情報が例示される。本実施形態では、動静情報を検出するセンサとして、図2に示すように、小型船舶100の前後方向、左右方向および上下方向の加速度情報を検出する前後方向加速度センサ31、左右方向加速度センサ32、上下方向加速度センサ33、小型船舶100の前後方向に対する傾斜角度を検出する傾斜角度センサ34および小型船舶100の船首方位情報を検出する方位センサ35を有している。船首方位とは、小型船舶100の船首が向いている東西南北に対する方角のことである。前記方位センサ35としては、磁気コンパスやジャイロコンパス、GPSコンパスが例示される。また、船首方位情報は、GPSコンパスと同様に、位置情報検出手段4により取得した位置情報に基づき算出することができる。
なお、動静情報検出手段3は、各加速度センサ31,32,33や傾斜角度センサ34、方位センサ35に限定されるものではなく、例えば、小型船舶100の角速度を検出するジャイロセンサや小型船舶100の複数の動作を検出するこのとできるモーションセンサ、船外機101の稼働状態を監視するためにエンジンの回転軸やプロペラの回転数を検出する回転センサ等から適宜選択してもよい。
位置情報検出手段4は、小型船舶100の位置情報を検出するものであり、本実施形態では、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)を用いた位置情報検出装置であって、位置情報として緯度、経度および標高を検出できるGPS装置を用いている。この位置情報検出手段4は、船外機用バッテリ102に接続されており、電源が供給されるようになっている。
情報通信手段5は、位置情報検出手段4により検出された位置情報、動静情報検出手段3によって検出された小型船舶100の動静情報および船舶状態判別手段6によって判別された小型船舶100の状態を送信するための通信手段であり、本実施形態では、例えば第3世代移動通信システム(いわゆる3G回線)を利用した通信装置により構成されている。この情報通信手段5は、位置情報検出手段4と同様に、船外機用バッテリ102に接続されており、電源が供給されるようになっている。
なお、情報通信手段5は、第3世代移動通信システムを利用したものに限定されるものではなく、既に普及している第4世代移動通信システム、衛星電話回線システムおよびLow Power Wide Area( LPWA )、並びに将来的に普及予定の第5世代移動通信システム等から適宜選択してもよい。
また、本実施形態における情報通信手段5および位置情報検出手段4は、相互に別体の構成として記載しているが、市販のGPSトラッカ等のGPS装置と通信装置とが一体となったものを用いてもよい。
船舶状態判別手段6は、小型船舶運航管理プログラム1aを実行するためのコンピュータに相当するものであり、前記小型船舶運航管理プログラム1aおよび小型船舶100の状態判別に用いられる閾値等の各種データを記憶する記憶手段7と、この記憶手段7に記憶されている前記閾値、動作情報検出手段3からの動作情報および位置情報検出手段4からの位置情報を取得して、主に、情報取得部81、停船判別部82、静止判別部83、小型船舶速度取得部84、操業判別部85、揺れ周波数抽出部86、乗員落船判別部87、船首方位情報取得部88、進行方向取得部89、傾斜角度取得部90、転覆判別部91、過重判別部92、動作情報変化量算出部93、波浪運航判別部94、船舶状態通知部95および閾値学習部96として機能するための演算処理を実行する演算処理手段8とを有する。
なお、船舶状態判別手段6として機能するコンピュータは、記憶手段7と演算処理手段8とが一体的に構成されたマイクロコンピュータ(いわゆる「マイコン」)等を含むものである。また、本実施形態における記憶手段7および演算処理手段8は、図2に示すように、位置情報検出手段4と別体の構成としているが、これに限定されるものではなく、前記位置情報検出手段4が独自に記憶手段や演算処理手段を備えている場合はそれらを用いて以下に説明する演算処理を実行してもよい。
記憶手段7は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等によって構成されており、各種のデータを記憶するとともに、演算処理手段8が演算を実行する際のワーキングエリアとして機能するものである。図2に示すように、本実施形態における記憶手段7は、主に、小型船舶運航管理プログラム1aを記憶するプログラム記憶部71と、小型船舶100の状態判別に用いられる各閾値を記憶する状態判別用閾値記憶部72とを有する。
プログラム記憶部71には、本実施形態の小型船舶運航管理プログラム1aがインストールされている。そして、演算処理手段8が、前記小型船舶運航管理プログラム1aを実行し、後述する各構成部としてコンピュータを機能させるようになっている。
なお、小型船舶運航管理プログラム1aの利用形態は、上記構成に限られるものではない。例えば、CD−ROMやUSBメモリ等のように、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に小型船舶運航管理プログラム1aを記憶させておき、この記録媒体から直接読み出して実行してもよい。
状態判別用閾値記憶部72は、小型船舶の状態判別を実行するための閾値を記憶するものであり、本実施形態では、図2に示すように、停船判別用時間、停船判別用動作情報値、静止判別用時間、静止判別用動作情報値、操業判別用速度範囲、落船判別用周波数値、旋回判別用時間、旋回判別用角度差値、転覆判別用時間、転覆判別用傾斜角度値、過重判別用周波数値および波浪判別用動作情報変化量値を記憶している。
停船判別用時間は、停船判別部82が動作情報検出手段3から取得した動作情報に基づき小型船舶100が停船状態にあるか否かを判別するために設定された時間である。停船状態にある場合、小型船舶100は、船外機101のエンジンが切られるなどして、海上において動きが少ない状態であり、動作情報検出手段3で得られる動作情報値も僅かであるか、全くない時間が続く。一方、操業中においても動きが少なくなることもある。そこで、停船判別用時間として、停船中と操業中と区別することのできる時間が閾値として設定されている。本実施形態における停船判別用時間は、10分間に設定されている。なお、この停船判別用時間は、10分間に限定されるものではなく、適宜変更して設定してもよい。
停船判別用動作情報値は、停船判別部82が動作情報検出手段3から取得した動作情報に基づき小型船舶100が停船状態にあるか否かを判別するために設定された動作情報値である。この停船判別用動作情報値は、海上において動いている状態と海上で船外機101を停止した停船状態との判別を行うことのできる動作情報値を閾値として設定している。
なお、停船状態の判別は、動作情報出手段3から取得した動作情報に基づくものに限定されるものではなく、例えば、船外機101の稼働状態を監視して、船外機101が停止しているときに小型船舶100が停船状態にあると判別してもよい。
静止判別用時間は、静止判別部83が動作情報検出手段3から取得した動作情報に基づき小型船舶100が帰港後に陸揚げされて静止状態にあるか否かを判別するために設定された時間である。本実施形態では、動作情報検出手段3から取得した動作情報に基づき小型船舶100が帰港後に陸揚げされて静止状態にあるか否かを判別できる時間を閾値として設定している。具体的には、停船判別用時間を経過後の10分間として設定している。
静止判別用動作情報値は、静止判別部83が動作情報検出手段3から取得した動作情報に基づき小型船舶100が帰港後に陸揚げされて静止状態か否かを判別するために設定された動作情報値である。この静止判別用動作情報値は、海上において動いている状態と帰港後に帰港後に陸揚げされて静止している静止状態との判別を行うことのできる動作情報値を閾値として設定しており、例えば、停船判別用動作情報値と同じ値に設定してもよく、違う値に設定してもよい。
なお、静止状態の判別は、動作情報に基づくものに限定されるものではない。例えば、磯舟は傾斜地に陸揚げされていることが多いため、小型船舶100の傾斜角度を監視し、所定の傾斜角度で傾斜した状態が所定時間以上連続した場合に小型船舶100が静止状態にある判別できるようにしてもよい。また、位置情報検出手段4から位置情報を取得できるため、この位置情報から所定の陸揚げ予定地およびそこからの所定範囲内に入ることで帰港後に陸揚げされた静止状態にあると判別できるようにしてもよい。
操業判別用速度範囲は、操業判別部85が小型船舶100の速度情報に基づき小型船舶100が操業状態にあるか否かを判別するために設定された速度範囲である。つまり、小型船舶100が漁業に用いられる磯舟の場合、上述のとおり、排気ガスによる健康被害を回避するために漁場に到着して漁を行う場合には、電動のマリンモータによって低速で移動していることが多い。そこで、操業判別用速度範囲として、小型船舶100の低速での操業状態を判別することができる速度範囲の上限値と下限値とを閾値として設定しており、本実施形態では、例えば時速3km以上6km以内として設定している。なお、この操業判別用速度範囲は、時速3km以上時速6km以内に限定されるものではなく、適宜設定してよい。
次に、落船判別用周波数値、旋回判別用時間および旋回判別用角度差値について説明する。これらの閾値は、後述するように、乗員落船判別部87が小型船舶100から乗員が落船した状態か否かを判別するための閾値である。前記落船判別用周波数値は小型船舶100の揺れの周波数に基づく落船判別処理に用いられる閾値である。また、旋回判別用時間および旋回判別用角度差値は旋回判別に基づく落船判別処理に用いられる閾値である。
落船判別用周波数値は、乗員落船判別部87が小型船舶100の揺れの周波数に基づき前記小型船舶100から乗員が落船したか否かを判別するための周波数値である。つまり、小型船舶100は、水上で波に揺られているが、その揺れの中には小型船舶100の固有情報として揺れの周波数成分を含んでいる。この小型船舶100の固有情報となる揺れの周波数は、小型船舶100の構造、乗員重量および積荷量により定まるものであり、重量が重くなるに従って揺れの周波数は低くなる。一方、仮に乗員が落船するとその分の重量が急激に軽くなり、揺れの周波数は一気に高くなる。そこで、本実施形態では、落船判別用周波数値として、小型船舶100固有の揺れの周波数から乗員が落船した状態か否かを判別することができる周波数の上昇量を閾値として設定している。
これに対し、旋回判別用時間および旋回判別用角度差値は、乗員落船判別部87が船首方位情報および進行方向の角度差に基づき乗員が落船したことにより舵を失った前記小型船舶100が旋回状態にあるか否かを判別するための時間および角度差値である。進行方向とは、小型船舶100がある地点から次の地点まで移動したときの各点同士を結ぶ線が向かう方角のことである。
旋回判別に基づく落船判別処理は、小型船舶100から乗員が落船して舵を失うと、小型船舶100がその場で旋回することが知られており、この旋回運動を船首方位情報と進行方向との角度差から判別するものである。一方、通常の運航状態でも潮の流れにより船首方位情報と進行方向との角度差が生じることがある。そこで、本実施形態では、落船による旋回状態と通常の運航状態とを判別できる時間および角度差を旋回判別用時間および旋回判別用角度差値として設定している。具体的には、旋回判別用時間を1分間に設定するとともに、旋回判別用角度差値を90度に設定している。なお、これらの旋回判別用時間および旋回判別用角度差値は、1分間および90度に限定されるものではなく、適宜設定してもよい。
転覆判別用時間は、転覆判別部91が小型船舶100の傾斜角度に基づき前記小型船舶100が転覆状態にあるか否かを判別するために設定された時間である。転覆状態では、小型船舶100は、傾斜している状態であるとともに、その状態が長く続くと考えられる。一方、小型船舶100は、波風によって転覆しないまでも大きく傾斜することがある。そこで、本実施形態では、転覆判別用時間として、転覆しないまでも大きく傾斜した状態と、実際に転覆した状態とを判別できる時間を閾値として設定しており、本実施形態では、30秒間として設定している。なお、この転覆判別用時間は、30秒間に限定されるものではなく、適宜設定してもよい。
転覆判別用傾斜角度値は、転覆判別部91が転覆状態にあるか否かを判別するために設定された傾斜角度値である。本実施形態における転覆判別用傾斜角度値は、転覆している可能性の高い60度として設定している。なお、この転覆判別用傾斜角度値は、60度に限定されるものではなく、適宜設定してよい。
過重判別用周波数値は、過重判別部92が小型船舶100の揺れの周波数に基づき前記小型船舶100の積荷量が過重状態か否かを判別するための周波数値である。上述のとおり、小型船舶100は、揺れの中に小型船舶100固有の揺れの周波数成分を含んでおり、重量が重くなると揺れの周波数は低くなる傾向にある。そこで、本実施形態では、過重判別用周波数値として、小型船舶100の構造、想定される最大の乗員重量および想定される最大の積荷量により設定される最大の周波数値を閾値として設定している。
波浪判別用動作情報変化量値は、波浪運航判別部94が動作情報検出手段3から取得した動作情報から算出された動作情報の変化量値に基づき前記小型船舶100が波浪の中での運航状態にあるか否かを判別するために設定された動作情報変化量値である。小型船舶100は、波浪の中での運航状態にある場合、大きく揺れ動いており、動作情報の変化量も大きい。そこで、波浪判別用動作情報変化量値として、小型船舶100が波浪の中で運航していると判別できる動作情報変化量値を閾値として設定している。
次に、演算処理手段8について説明する。演算処理手段8は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されており、記憶手段8にインストールされた小型船舶運航管理プログラム1aを実行させることにより、図2に示すように、船舶状態判別手段6としてのコンピュータを、情報取得部81、停船判別部82、静止判別部83、小型船舶速度取得部84、操業判別部85、揺れ周波数抽出部86、乗員落船判別部87、船首方位情報取得部88、進行方向取得部89、傾斜角度取得部90、転覆判別部91、過重判別部92、動作情報変化量算出部93、波浪運航判別部94、船舶状態通知部95および閾値学習部96として機能させるようになっている。
情報取得部81は、動作情報検出手段3により検出された動作情報および位置情報検出手段4により検出された位置情報を取得するものである。
停船判別部82は、小型船舶100が海上で停船しているか否かを判別するものであり、本実施形態では、上述のとおり停船状態の小型船舶100が全く動かないか少しの動きしかない状態であることに基づき、情報取得部81が取得した動作情報と、状態判別用閾値記憶部72に記憶された停船判別用動作情報値とを比較して前記動作情報が前記停船判別用動作情報値以下であるか否かを判別する。そして、前記動作情報が前記停船判別用動作情報値以下である場合には、その状態が状態判別用閾値記憶部72に記憶された停船判別用時間以上連続しているか否かを判別し、停船判別用時間以上連続している場合には小型船舶100が停船状態であると判別する。
静止判別部83は、小型船舶100が静止しているか否かを判別するものであり、本実施形態では、情報取得部81が取得した動作情報と、状態判別用閾値記憶部72に記憶された静止判別用動作情報値とを比較して、前記動作情報が前記静止判別用動作情報値以下であるか否かを判別する。そして前記動作情報が前記静止判別用動作情報値以下である場合には、その状態が状態判別用閾値記憶部72に記憶された静止判別用時間以上連続しているか否かを判別し、静止判別用時間以上連続している場合は小型船舶100が静止状態であると判別する。
小型船舶速度取得部84は、小型船舶100の速度情報を取得するものであり、本実施形態では、情報取得部81が取得した位置情報に基づき小型船舶100の速度を算出して取得するようになっている。具体的には、位置情報に基づき時系列に経度情報と緯度情報を取得し、それらから所定時間の移動距離を算出し、前記移動距離を前記所定時間で割ることで小型船舶100の速度を算出し、取得する。
なお、小型船舶100の速度情報は、位置情報に基づき算出されるものに限定されるものではなく、小型船舶100に搭載された速度検出手段、例えばピトー管を利用した速度計やドップラー速度計から速度情報を取得してもよい。
操業判別部85は、小型船舶100の速度情報に基づき前記小型船舶100が操業状態であるか否かを判別するものであり、本実施形態では、前記小型船舶速度取得部84により取得した速度情報と、状態判別用閾値記憶部72に記憶された操業判別用速度範囲とを比較して、前記速度情報が前記操業判別用速度範囲以内にあるか否かを判別し、前記操業判別用速度範囲以内にある場合には、前記小型船舶100が操業状態にあると判別する。
揺れ周波数抽出部86は、小型船舶100の揺れの周波数を抽出するものであり、本実施形態では、動作情報出手段3から取得した動作情報の時間変化を分析することで、揺れの周波数を抽出する。例えば、前記動作情報を高速フーリエ変換(fast Fourier transform:FFT)することで小型船舶100固有の揺れの周波数を抽出することができる。
乗員落船判別部87は、乗員が落船したか否かを判別するものであり、本実施形態では、小型船舶100の揺れの周波数から判別する方法と、小型船舶100の船首方位情報と進行方向との角度差に基づく旋回判別から判別する方法の2通りの方法を選択または併用することができる。
揺れの周波数から判別する方法では、揺れ周波数抽出部86により抽出された揺れの周波数を時系列で取得する。また、前記揺れの周波数が所定の時間間隔で上昇した上昇量を算出する。そして、前記上昇量と状態判別用閾値記憶部72に記憶された落船判別用周波数値とを比較する。ここで、前記揺れの周波数の上昇量が、状態判別用閾値記憶部72に記憶された落船判別用周波数値より大きい場合には、乗員が前記小型船舶100から落船したと判別する。
船首方位情報と進行方向との角度差に基づく旋回判別から判別する方法では、船首方位情報取得部88により取得した船首方位情報と、進行方向算出部89により算出した進行方向との角度差を算出する。また、当該角度差と状態判別用閾値記憶部72に記憶された旋回判別用角度差値とを比較して、前記角度差が旋回判別用角度差値以上であるか否かを判別する。そして前記角度差が前記旋回判別用角度差値以上である場合には、その状態が状態判別用閾値記憶部72に記憶された旋回判別用時間以上連続しているか否かを判別し、旋回判別用時間以上連続している場合は、乗員が落船したことにより舵を失った前記小型船舶100が旋回状態にあると判別する。
船首方位情報取得部88は、小型船舶100の船首方位情報を取得するものであり、本実施形態では、方位センサ35で検出された船首方位情報を取得する。この船首方位情報は、位置情報検出手段4から取得した位置情報に基づき算出することもできる。位置情報に基づき船首方位情報を算出する方法は、GPSコンパスと同様、2つの位置情報検出手段4(GPS受信機)を用いて、それらのアンテナの相対的な位置関係から方位を算出する。
進行方向算出部89は、位置情報検出手段4から取得した位置情報に基づき小型船舶100の進行方向を算出するものであり、本実施形態では、時系列で取得した緯度および経度から前記小型船舶100の進行方向を算出する。
傾斜角度取得部90は、小型船舶100の傾斜角度を取得するものであり、動静情報検出手段3の各加速度センサ31,32,33から取得した加速度情報に基づき傾斜角度を算出するか、傾斜角度センサ34から傾斜角度を取得する。
各方向の加速度センサ31,32,33により検出される加速度情報には、小型船舶100が動いたことによる加速度と、重力加速度による加速度とが含まれる。そして、小型船舶100が転覆により静止している状態の場合には、動きによる加速度はゼロとなり、重力加速度のみが検出される。そこで、図3に示すように、小型船舶100が実線で示す前後方向軸および左右方向軸による座標位置から、鎖線で示す前後方向軸および左右方向軸による座標位置まで、前後方向に傾斜角度αで傾斜したものとすると、前後方向加速度センサ31で検出された前後方向加速度値aと、上下方向加速度値bとは、以下の関係が成り立つ。
α=cos−1(b) 式(1)
または
α=sin−1(a) 式(2)
よって、これらの計算式から小型船舶100の傾斜角度αを算出することができる。この関係は、左右方向の傾斜角度および前後左右を合わせた傾斜角度も同様に算出することができる。
本実施形態における傾斜角度取得部90は、前記式(1)または式(2)に基づき、加速度値から傾斜角度を算出している。
転覆判別部91は、小型船舶100が転覆状態にあるか否かを判別するものであり、本実施形態では、傾斜角度取得部90により取得された傾斜角度と、状態判別用閾値記憶部72に記憶された転覆判別用傾斜角度とを比較して、前記傾斜角度が前記転覆判別用傾斜角度より大きいか否かを判別する。そして、前記傾斜角度が前記転覆判別用傾斜角度より大きい場合には、その状態が状態判別用閾値記憶部72に記憶された転覆判別用時間以上連続しているか否かを判別し、転覆判別用時間以上連続している場合は小型船舶100が転覆したと判別する。
過重判別部92は、小型船舶100の積荷量が過重状態か否かを判別するものであり、本実施形態では、揺れ周波数抽出部86により抽出された揺れの周波数と、状態判別用閾値記憶部72に記憶された過重判別用周波数値とを比較して、前記揺れの周波数が前記過重判別用周波数値より小さいか否かを判別する。そして、前記揺れの周波数が前記過重判別用周波数値より小さい場合には、前記小型船舶100の積荷量が過重状態にあると判別する。
動作情報変化量算出部93は、小型船舶100が波浪の中での運航状態であるか否かを判別するために前記小型船舶100の動作情報の変化量を算出するものであり、本実施形態では、各加速度センサ31,32,33から加速度情報を時系列で取得し、前記加速度情報の変化量を所定時間間隔毎に算出する。
波浪運航判別部94は、小型船舶100が波浪の中で運航しているか否かを判別するものであり、本実施形態では、動作情報変化量算出部93により算出された所定時間間隔毎の動作情報変化量と、状態判別用閾値記憶部72に記憶された波浪判別用動作情報変化量値とを比較して、前記動作情報変化量が前記波浪判別用動作情報変化量値より大きいか否かを判別する。そして、前記加動作情報変化量が前記波浪判別用動作情報変化量値より大きい場合には、前記小型船舶100が波浪の中で運航していると判別する。
船舶状態通知部95は、各判別部82,83,85,87,91,92,94によって判別された小型船舶100の状態情報を情報通信手段5を介して小型船舶運航管理サーバ20に送信するものであり、本実施形態では、各判別部82,83,85,87,91,92,94により小型船舶100の状態が判別される毎に、その状態情報を前記小型船舶運航管理サーバ20に送信する。
閾値学習部96は、各判別部82,83,85,87,91,92,94により判別された状態情報を蓄積するとともに、実際の状態情報と比較して、状態判別用閾値記憶部72に記憶されている各閾値を適宜更新するものである。例えば、入出力の関係を学習可能な関数近似手法であるディープラーニング等により閾値を学習させる。このように各判別部82,83,85,87,91,92,94によって判別された状態情報と実際の状態情報との比較から閾値を学習させることにより、精度の向上を図ることができる。
次に、小型船舶運航管理サーバ20について説明する。小型船舶運航管理サーバ20は、図示しないが、小型船舶用運航管理ユニット2から送信される位置情報や動静情報を蓄積するとともに、必要に応じて蓄積された情報を解析して小型船舶100の運航を管理するコンピュータであり、記憶手段および演算処理手段を有する。
なお、上述した本実施形態における船舶状態判別手段6に係る構成は、小型船舶用運航管理ユニット2が備える構成となっているが、これに限定されるものではなく、小型船舶運航管理サーバ20が備えるように構成してもよい。つまり、小型船舶運航管理サーバ20側において、小型船舶用運航管理ユニット2から情報通信手段5を介して送信される動静情報や位置情報を適宜取得して、前記小型船舶運航管理サーバ20側の演算処理手段により小型船舶運航管理プログラム1aを実行することにより、船舶状態判別手段6として機能させてもよい。
次に、本実施形態の小型船舶運航管理システム1、小型船舶用運航管理ユニット2および小型船舶運航管理サーバ20の各構成の作用について、フローチャートとともに説明する。
まず、停船状態および静止状態の判別について説明する。図4に示すように、停船時間の計測を開始する(ステップS1)。次に、情報取得部91が動作情報検出手段3により検出される動作情報を取得する(ステップS2)。そして、停船判別部82が、情報取得部81で取得した動作情報と状態判別用閾値記憶部72に記憶された停船判別用動作情報値とを比較し、前記動作情報が前記停船判別用動作情報値以下か否かを判別する(ステップS3)。
ここで、動作情報が停船判別用動作情報値より大きいと判別された場合には(S3:NO)、小型船舶100は停船状態ではないとして、ステップS1に戻り、停船時間のカウントをゼロにするとともに、動作情報の監視を続行する(ステップS1〜ステップS3)。
これに対し、動作情報が停船判別用動作情報値以下であると判別された場合には(S3:YES)、停船判別部82が、停船時間と停船判別用時間とを比較して前記停船時間が前記停船判別用時間以上か否かを判別する(ステップS4)。
ここで、停船時間が前記停船判別用時間未満である判別された場合には(S4:NO)、ステップS2に戻り動作情報の監視を続行する(ステップS2〜ステップS4)。
これに対し、停船時間が停船判別用時間以上であると判別された場合には(S4:YES)、小型船舶100の動いていない状態が停船判別用時間以上連続していたとして小型船舶100が停船状態であると判別する。そして、船舶状態通知部95が情報通信手段5を介して小型船舶100の状態が停船状態にあることを小型船舶運航管理サーバ20に送信する(ステップS5)。そして、次のステップS6〜ステップS9に進み、静止状態の判別を行う。
静止状態の判別では、静止時間の計測を開始する(ステップS6)。次に、情報取得部81が動作情報検出手段3により検出される動作情報を取得する(ステップS7)。そして、静止判別部83が、情報取得部81で取得した動作情報と状態判別用閾値記憶部72に記憶された静止判別用動作情報値とを比較し、前記動作情報が前記静止判別用動作情報値以下か否かを判別する(ステップS8)。
ここで、動作情報が静止判別用動作情報値より大きいと判別された場合には(S8:NO)、ステップS1に戻り、停止状態の判別を再開する。
これに対し、動作情報が静止判別用動作情報値以下であると判別された場合には(S8:YES)、静止判別部83が、静止時間と静止判別用時間とを比較して前記静止時間が前記静止判別用時間以上か否かを判別する(ステップS9)。
ここで、静止時間が前記静止判別用時間未満である判別された場合には(S9:NO)、ステップS6に戻り、静止状態の判別のための動作情報の監視を続行する(ステップS6からステップS9)。
これに対し、静止時間が静止判別用時間以上であると判別された場合には(S9:YES)、小型船舶100が寄港後に陸揚げされて静止したものと判別する。そして船舶状態通知部95が情報通信手段5を介して小型船舶100の状態が静止状態にあることを小型船舶運航管理サーバ20に送信する(ステップS10)。そして、停船状態・静止状態の判別処理を終了する。
操業判別処理では、図5に示すように、情報取得部81が位置情報検出手段4で検出された位置情報を時系列で取得する(ステップSA1)。次に、小型船舶速度取得部84が、取得した位置情報に基づき小型船舶100の速度を算出する(ステップSA2)。具体的には、ある時点の経度情報および緯度情報と所定時間後の経度情報および緯度情報とから移動距離を算出し、前記移動距離を前記所定時間により割り算することで小型船舶100の速度を算出する。
次に、操業判別部85が、小型船舶速度取得部84により算出された小型船舶100の速度と、状態判別用閾値記憶部72に記憶された操業判別用速度範囲とを比較し、小型船舶100の速度が前記操業判別用速度範囲内にあるか否かを判別する(ステップSA3)。
ここで、小型船舶100の速度が操業判別用速度範囲内にないと判別された場合には(SA3:NO)、ステップS1に戻り速度の監視を続行する(ステップSA1〜ステップSA3)。
これに対し、小型船舶100の速度が操業判別用速度範囲内であると判別された場合には(SA3:YES)、船舶状態通知部95が情報通信手段5を介して小型船舶100の状態が操業状態にあることを小型船舶運航管理サーバ20に送信する(ステップSA4)。そして、操業判別処理を終了する。
なお、図示しないが、小型船舶運航管理サーバ20では、小型船舶用運航管理ユニット2から送信された小型船舶100の状態情報と位置情報とを受信し記憶手段7に蓄積する。操業状態となった位置は、良好な漁場である可能性が高い。よって、蓄積された操業状態となる位置情報を分析することで、良好な漁場の情報を取得することができる。
次に、落船判別処理について説明する。小型船舶100における落船は海難事故の中でも比較的多い事故であり、救助には早期発見が重要である。本実施形態では、上述のとおり、揺れの周波数から判別する方法と、旋回判別から判別する方法とがある。以下、それぞれのフローについて説明する。
揺れの周波数から判別する方法では、図6に示すように、まず、情報取得部81が動作情報検出手段3で検出された動作情報を時系列で取得する(ステップSB1)。次に、揺れ周波数抽出部86が動作情報の時間変化を分析し、小型船舶100の揺れの周波数を抽出する(ステップSB2)。
次に、乗員落船判別部87が、揺れの周波数が所定の時間間隔で上昇した上昇量を算出し、この揺れの周波数の上昇量と、状態判別用閾値記憶部72に記憶された落船判別用周波数値とを比較し、小型船舶100の揺れの周波数の上昇量が前記落船判別用周波数値以下か否かを判別する(ステップSB3)。
ここで、小型船舶100の揺れの周波数の上昇量が前記落船判別用周波数値以下であると判別された場合には(SB3:NO)、乗員は落船していないものとして、揺れの周波数の監視を続行する(ステップSB1〜ステップSB3)。
これに対し、小型船舶100の揺れの周波数の上昇量が前記落船判別用周波数値より大きいと判別された場合には(SB3:YES)、乗員は落船したものとして、船舶状態通知部95が情報通信手段5を介して乗員の落船を小型船舶運航管理サーバ20に送信する(ステップSB4)。これにより揺れの周波数による落船判別処理を終了する。
次に、旋回判別から判別する方法では、図7に示すように、旋回時間の計測を開始する(ステップSC1)。次に、船首方位情報取得部88が動作情報検出手段3の方位センサ35で検出された船首方位情報を取得する(ステップSC2)。また、情報取得部81が位置情報検出手段4から小型船舶100の位置情報を時系列で取得する(ステップSC3)。そして、進行方向算出部89が取得した位置情報から小型船舶100の進行方向を算出する(ステップSC4)。
次に、乗員落船判別部87が、取得した船首方位情報と、算出された進行方向との角度差を算出する(ステップSC5)。そして、乗員落船判別部87が、前記角度差と状態判別用閾値記憶部72に記憶された旋回判別用角度差値とを比較して、前記角度差が前記旋回判別用角度差値以上か否かを判別する(ステップSC6)。
ここで、角度差が旋回判別用角度差値未満であると判別された場合には(SC6:NO)、小型船舶100は旋回しておらず乗員は落船していないものとして、ステップSC1に戻り、船首方位情報および進行方向の角度差の監視を続行する。
これに対し、角度差が旋回判別用角度差値以上であると判別された場合には(SC6:YES)、乗員落船判別部87が、旋回時間と状態判別用閾値記憶部72に記憶された旋回判別用時間とを比較して前記旋回時間が前記旋回判別用時間以上か否かを判別する(ステップSC7)。
ここで、旋回時間が旋回判別用時間未満であると判別された場合には(SC7:NO)、ステップSC2に戻り、船首方位情報および進行方向の角度差の監視を続行する。
これに対し、旋回時間が旋回判別用時間以上であると判別された場合には(SC7:YES)、小型船舶100は舵を失ってその場で旋回している状態にあって乗員が落船したと判別される。よって、船舶状態通知部95が情報通信手段5を介して乗員が前記小型船舶100から落船したことを小型船舶運航管理サーバ20に送信する(ステップSC8)。そして、旋回判別による落船判別処理を終了する。
なお、本実施形態においては、進行方向の算出前に船首方位情報を取得しているがこれに限定されるものではなく、進行方向の算出後に船首方位情報を取得してもよい。
次に転覆判別処理について説明する。なお、転覆は、落船と同様に、小型船舶100の海難事故の中でも比較的多い事故であり、救助には早期発見が重要である。
転覆判別では、図8に示すように、まず、転覆判別部91が転覆時間の計測を開始する(ステップSD1)。次に、情報取得部81が各加速度センサ31,32で検出された左右方向の加速度情報と、前後方向の加速度情報と、上下方向の加速度情報とを取得する(ステップSD2)。そして、傾斜角度取得部90が、取得した左右方向加速度情報、前後方向加速度情報、上下方向加速度情報の少なくともいずれかに基づき小型船舶100の傾斜角度を算出する(ステップSD3)。
次に、転覆判別部91が、算出した小型船舶100の傾斜角度と状態判別用閾値記憶部72に記憶された転覆判別用傾斜角度とを比較し、傾斜角度が転覆判別用傾斜角度以上か否かを判別する(ステップSD4)。
ここで、傾斜角度が転覆判別用傾斜角度未満であると判別された場合には(SD4:NO)、小型船舶100は転覆していないものとして、ステップSD1に戻り傾斜角度の監視を続行する。
これに対し、傾斜角度が転覆判別用傾斜角度以上であると判別された場合には(SD4:YES)、転覆判別部91が、転覆時間と状態判別用閾値記憶部72に記憶された転覆判別用時間とを比較して前記転覆時間が前記転覆判別用時間以上か否かを判別する(ステップSD5)。
ここで、転覆時間が転覆判別用時間未満である判別された場合には(SD5:NO)、ステップSD2に戻り小型船舶100の傾斜角度の監視を続行する。
これに対し、転覆時間が転覆判別用時間以上であると判別された場合には(SD5:YES)、小型船舶100が転覆状態にあると判別し、船舶状態通知部95が情報通信手段5を介して前記小型船舶100が転覆したことを小型船舶運航管理サーバ20に送信する(ステップSD6)。そして、転覆判別処理を終了する。
小型船舶運航管理サーバ20では、取得した小型船舶100から乗員が落船した情報や転覆状態の情報に基づき早期救助に役立てることができる。また、落船や転覆が発生した場所を分析して、危険が高い海域を情報として提供することもできる。
次に、過重判別処理について説明する。過重判別は、近年、世界的な漁獲量の現象から、水産資源を確保するため各国や漁港、または漁船毎に漁獲量が割り当てられており、また、過重状態の小型船舶100は転覆のおそれがあることから適正な管理上必要となるものである。
過重判別では、図9に示すように、まず、情報取得部81が動作情報検出手段3で検出された動作情報を時系列で取得する(ステップSE1)。次に、揺れ周波数抽出部86が動作情報の時間変化を分析し、小型船舶100の揺れの周波数を抽出する(ステップSE2)。
次に、過重判別部92が、抽出した揺れの周波数と状態判別用閾値記憶部72に記憶された過重判別用周波数値とを比較し、小型船舶100の揺れの周波数が前記過重判別用周波数値より小さい否かを判別する(ステップSE3)。
ここで、小型船舶100の揺れの周波数が前記過重判別用周波数値以上であると判別された場合には(SE3:NO)、過重状態ではないものとして、ステップSE1に戻り揺れ周波数の監視を続行する。
これに対し、小型船舶100の揺れの周波数が前記過重判別用周波数値より小さいと判別された場合には(SE3:YES)、船舶状態通知部95が情報通信手段5を介して前記小型船舶100の積荷量が過重状態であることを小型船舶運航管理サーバ20に送信する(ステップSE4)。そして、過重判別処理を終了する。
小型船舶運航管理サーバ20では、積荷量が過重状態であることを把握し、小型船舶100に対して注意や警告を行うなどの対応が可能となる。
次に、波浪判別処理を説明する。波浪判別では、図10に示すように、まず、情報取得部81が動作情報検出手段3で検出された動作情報を時系列で取得する(ステップSF1)。次に、動作情報変化量算出部93が、取得した時系列の動作情報から小型船舶100の動作情報の変化量を算出する(ステップSF2)。
次に、波浪運航判別部94が、算出された動作情報の変化量と状態判別用閾値記憶部72に記憶された波浪判別用動作情報変化量値とを比較し、動作情報変化量が前記波浪判別用動作情報変化量値より大きい否かを判別する(ステップSF3)。
ここで、動作情報変化量が波浪判別用動作情報変化量値以下であると判別された場合には(SF3:NO)、小型船舶100が波浪の中での運航状態ではないものとして、ステップSF1に戻り動作情報変化量の監視を続行する。
これに対し、動作情報変化量が波浪判別用動作情報変化量値より大きいと判別された場合には(SF3:YES)、波浪運航判別部94は小型船舶100が波浪の中で運航していると判別する。そして、船舶状態通知部95が情報通信手段5を介して小型船舶100が波浪の中で運航していることを小型船舶運航管理サーバ20に送信する(ステップSF4)。そして、波浪判別処理を終了する。
小型船舶運航管理サーバ20では、取得した小型船舶100が波浪の中で運航している情報に基づき他の小型船舶100に注意喚起をしたり、海難事故が発生する可能性を予知して事前に救助の対策を立てる等に利用することができる。
なお、本実施形態では、各判別部82,83,85,87,91,92,94により所定の状態が判別されたことにより各処理を終了しているが、これに限定されるものではなく、例えば出港から帰港するまでの間、繰り返し処理を実行するようにしてもよい。
以上のような本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
1.操業状態を判別することで良好な漁場の情報の蓄積や分析をすることができる。
2.落船時や転覆時に想定される小型船舶100の動きに基づいて落船を判別することにより落船した乗員の早期救助や危険が高い海域の情報分析を行うことができる。
3.過重判別を実行することで、漁獲量制限の管理や転覆のおそれについて注意喚起することができる。
4.波浪判別を実行することで、注意喚起や海難事故のおそれを予知して救助対策を事前に行うことができる。
なお、本発明に係る小型船舶運航管理システム、小型船舶用運航管理ユニットおよび小型船舶運航管理サーバは、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、小型船舶用運航管理ユニット2に緊急信号を発するためのSOSボタン手段を設け、緊急事態が発生した時に小型船舶運航管理サーバ20に緊急信号を送信できるようにしてもよい。
また、図示しないが、小型船舶100または小型船舶運航管理サーバ20では、小型船舶100が落船状態、転覆状態、過重状態または波浪運航状態のときにその状態を報知する報知手段、例えば、映像で報知するディスプレーや音声で報知するスピーカー等を備えていてもよい。
さらに、停船時間、静止時間、旋回時間および転覆時間が所定時間以上連続しているか否かの判別は、動作情報等の計測間隔に応じた回数として判別してもよい。つまり、動作情報が1分間隔で計測するものであり、所定時間を10分に設定した場合では、前記動作情報が10回連続して所定の値のとき、その状態が10分以上連続しているものとして判別してもよい。
1 小型船舶運航管理システム
1a 小型船舶運航管理プログラム
2 小型船舶用運航管理ユニット
3 動作情報検出手段
4 位置情報検出手段
5 情報通信手段
6 船舶状態判別手段
7 記憶手段
8 演算処理手段
20 小型船舶運航管理サーバ
31 前後方向加速度センサ
32 左右方向加速度センサ
33 上下方向加速度センサ
71 プログラム記憶部
72 状態判別用閾値記憶部
81 情報取得部
82 停船判別部
83 静止判別部
84 小型船舶速度取得部
85 操業判別部
86 揺れ周波数抽出部
87 乗員落船判別部
88 船首方位情報取得部
89 進行方向算出部
90 傾斜角度取得部
91 転覆判別部
92 過重判別部
93 動作情報変化量算出部
94 波浪運航判別部
95 船舶状態通知部
96 閾値学習部
100 小型船舶
101 船外機
102 船外機用バッテリ

Claims (10)

  1. 動力源として船外機を備えた小型船舶における位置情報を送信する小型船舶用運航管理ユニットと、この小型船舶用運航管理ユニットから送信される前記位置情報を取得して前記小型船舶の運航情報を管理する小型船舶運航管理サーバとを有する小型船舶運航管理システムであって、
    前記小型船舶用運航管理ユニットが、
    前記小型船舶の動静情報を検出する動静情報検出手段と、
    前記小型船舶の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
    前記動静情報および/または前記位置情報を前記小型船舶運航管理サーバに送信する情報通信手段と
    を有するとともに、
    前記小型船舶用運航管理ユニットまたは前記小型船舶運航管理サーバの少なくともいずれか一方には、
    前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報および/または前記位置情報検出手段によって検出された前記位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別する船舶状態判別手段を有し、
    前記船舶状態判別手段が、
    前記動静情報検出手段から取得した動静情報が所定の停船判別用時間以上連続して所定の停船判別用動静情報値以下である場合に、前記小型船舶が海上における停船状態にあると判別する停船判別部と、
    この停船判別部によって停船状態にあると判別された後に、前記動静情報が所定の静止判別用時間以上連続して所定の静止判別用動静情報値以下である場合に、前記小型船舶が帰港後に陸揚げされて静止状態にあると判別する静止判別部と
    を有する、前記小型船舶運航管理システム。
  2. 動力源として船外機を備えた小型船舶における位置情報を送信する小型船舶用運航管理ユニットと、この小型船舶用運航管理ユニットから送信される前記位置情報を取得して前記小型船舶の運航情報を管理する小型船舶運航管理サーバとを有する小型船舶運航管理システムであって、
    前記小型船舶用運航管理ユニットが、
    前記小型船舶の動静情報を検出する動静情報検出手段と、
    前記小型船舶の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
    前記動静情報および/または前記位置情報を前記小型船舶運航管理サーバに送信する情報通信手段と
    を有するとともに、
    前記小型船舶用運航管理ユニットまたは前記小型船舶運航管理サーバの少なくともいずれか一方には、
    前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報および/または前記位置情報検出手段によって検出された前記位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別する船舶状態判別手段を有し、
    前記船舶状態判別手段が、
    前記動静情報検出手段から取得した前記小型船舶の動作情報に基づき前記小型船舶の揺れの周波数を抽出する揺れ周波数抽出部と、
    前記揺れ周波数抽出部により抽出された揺れの周波数が前記小型船舶の固有情報に基づき設定される落船判別用周波数値より大きい場合に、乗員が前記小型船舶から落船した状態にあると判別する乗員落船判別部と
    を有する、前記小型船舶運航管理システム。
  3. 動力源として船外機を備えた小型船舶における位置情報を送信する小型船舶用運航管理ユニットと、この小型船舶用運航管理ユニットから送信される前記位置情報を取得して前記小型船舶の運航情報を管理する小型船舶運航管理サーバとを有する小型船舶運航管理システムであって、
    前記小型船舶用運航管理ユニットが、
    前記小型船舶の動静情報を検出する動静情報検出手段と、
    前記小型船舶の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
    前記動静情報および/または前記位置情報を前記小型船舶運航管理サーバに送信する情報通信手段と
    を有するとともに、
    前記小型船舶用運航管理ユニットまたは前記小型船舶運航管理サーバの少なくともいずれか一方には、
    前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報および/または前記位置情報検出手段によって検出された前記位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別する船舶状態判別手段を有し、
    前記船舶状態判別手段が、
    前記位置情報検出手段から取得した前記位置情報に基づき前記小型船舶の船首方位情報を算出するか、または前記動静情報検出手段から前記小型船舶の船首方位情報を取得する船首方位情報取得部と、
    前記位置情報検出手段から取得した前記位置情報に基づき前記小型船舶の進行方向を算出する進行方向算出部と、
    前記船首方位情報取得部により算出または取得した船首方位情報と前記進行方向算出部により算出した進行方向との角度差が所定の旋回判別用時間以上連続して所定の旋回判別用角度差値以上である場合に、乗員が落船したことにより舵を失った前記小型船舶が旋回状態にあると判別する乗員落船判別部と
    を有する、前記小型船舶運航管理システム。
  4. た小型船舶における位置情報を送信する小型船舶用運航管理ユニットと、この小型船舶用運航管理ユニットから送信される前記位置情報を取得して前記小型船舶の運航情報を管理する小型船舶運航管理サーバとを有する小型船舶運航管理システムであって、
    前記小型船舶用運航管理ユニットが、
    前記小型船舶の動静情報を検出する動静情報検出手段と、
    前記小型船舶の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
    前記動静情報および/または前記位置情報を前記小型船舶運航管理サーバに送信する情報通信手段と
    を有するとともに、
    前記小型船舶用運航管理ユニットまたは前記小型船舶運航管理サーバの少なくともいずれか一方には、
    前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報および/または前記位置情報検出手段によって検出された前記位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別する船舶状態判別手段を有し、
    前記船舶状態判別手段が、
    前記動静情報検出手段から取得した前記小型船舶の加速度情報、振動情報、傾斜情報、船首方位情報および角加速度情報のいずれかの動静情報に基づき動静情報の変化量を算出する動静情報変化量算出部と、
    この動静情報変化量算出部により算出された前記動静情報変化量が所定の波浪判別用動静情報変化量値より大きい場合に、前記小型船舶が波浪の中での運航状態にあると判別する波浪運航判別部と
    を有する、前記小型船舶運航管理システム。
  5. 動力源として船外機を備えた小型船舶における位置情報を小型船舶運航管理サーバに送信する小型船舶用運航管理ユニットであって、
    前記小型船舶の動静情報を検出する動静情報検出手段と、
    前記小型船舶の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
    前記動静情報および/または前記位置情報を前記小型船舶運航管理サーバに送信する情報通信手段と、
    前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報および/または前記位置情報検出手段によって検出された前記位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別する船舶状態判別手段とを有し、
    前記船舶状態判別手段が、
    前記動静情報検出手段から取得した動静情報が所定の停船判別用時間以上連続して所定の停船判別用動静情報値以下である場合に、前記小型船舶が海上における停船状態にあると判別する停船判別部と、
    この停船判別部によって停船状態にあると判別された後に、前記動静情報が所定の静止判別用時間以上連続して所定の静止判別用動静情報値以下である場合に、前記小型船舶が帰港後に陸揚げされて静止状態にあると判別する静止判別部と
    を有する、前記小型船舶用運航管理ユニット。
  6. 動力源として船外機を備えた小型船舶における位置情報を小型船舶運航管理サーバに送信する小型船舶用運航管理ユニットであって、
    前記小型船舶の動静情報を検出する動静情報検出手段と、
    前記小型船舶の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
    前記動静情報および/または前記位置情報を前記小型船舶運航管理サーバに送信する情報通信手段と、
    前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報および/または前記位置情報検出手段によって検出された前記位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別する船舶状態判別手段とを有し、
    前記船舶状態判別手段が、
    前記位置情報検出手段から取得した前記位置情報に基づき前記小型船舶の船首方位情報を算出するか、または前記動静情報検出手段から前記小型船舶の船首方位情報を取得する船首方位情報取得部と、
    前記位置情報検出手段から取得した前記位置情報に基づき前記小型船舶の進行方向を算出する進行方向算出部と、
    前記船首方位情報取得部により算出または取得した船首方位情報と前記進行方向算出部により算出した進行方向との角度差が所定の旋回判別用時間以上連続して所定の旋回判別用角度差値以上である場合に、乗員が落船したことにより舵を失った前記小型船舶が旋回状態にあると判別する乗員落船判別部と
    を有する、前記小型船舶用運航管理ユニット。
  7. 動力源として船外機を備えた小型船舶における位置情報を小型船舶運航管理サーバに送信する小型船舶用運航管理ユニットであって、
    前記小型船舶の動静情報を検出する動静情報検出手段と、
    前記小型船舶の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
    前記動静情報および/または前記位置情報を前記小型船舶運航管理サーバに送信する情報通信手段と、
    前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報および/または前記位置情報検出手段によって検出された前記位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別する船舶状態判別手段とを有し、
    前記船舶状態判別手段が、
    前記動静情報検出手段から取得した前記小型船舶の加速度情報、振動情報、傾斜情報、船首方位情報および角加速度情報のいずれかの動静情報に基づき動静情報の変化量を算出する動静情報変化量算出部と、
    この動静情報変化量算出部により算出された前記動静情報変化量が所定の波浪判別用動静情報変化量値より大きい場合に、前記小型船舶が波浪の中での運航状態にあると判別する波浪運航判別部と
    を有する、前記小型船舶用運航管理ユニット。
  8. 動力源として船外機を備えた小型船舶における位置情報を送信する小型船舶用運航管理ユニットから送信される前記位置情報を取得して前記小型船舶の運航情報を管理する小型船舶運航管理サーバであって、
    前記小型船舶の動静情報を検出する動静情報検出手段と、
    前記小型船舶の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
    前記動静情報および/または前記位置情報を前記小型船舶運航管理サーバに送信する情報通信手段とを有する、前記小型船舶用運航管理ユニットから、
    前記情報通信手段を介して送信される前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報および/または前記位置情報検出手段によって検出された前記位置情報を受信し、当該動静情報および/または当該位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別する船舶状態判別手段を有し、
    前記船舶状態判別手段が、
    前記動静情報検出手段から取得した動静情報が所定の停船判別用時間以上連続して所定の停船判別用動静情報値以下である場合に、前記小型船舶が海上における停船状態にあると判別する停船判別部と、
    この停船判別部によって停船状態にあると判別された後に、前記動静情報が所定の静止判別用時間以上連続して所定の静止判別用動静情報値以下である場合に、前記小型船舶が帰港後に陸揚げされて静止状態にあると判別する静止判別部と
    を有する、前記小型船舶運航管理サーバ。
  9. 動力源として船外機を備えた小型船舶における位置情報を送信する小型船舶用運航管理ユニットから送信される前記位置情報を取得して前記小型船舶の運航情報を管理する小型船舶運航管理サーバであって、
    前記小型船舶の動静情報を検出する動静情報検出手段と、
    前記小型船舶の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
    前記動静情報および/または前記位置情報を前記小型船舶運航管理サーバに送信する情報通信手段とを有する、前記小型船舶用運航管理ユニットから、
    前記情報通信手段を介して送信される前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報および/または前記位置情報検出手段によって検出された前記位置情報を受信し、当該動静情報および/または当該位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別する船舶状態判別手段を有し、
    前記船舶状態判別手段が、
    前記位置情報検出手段から取得した前記位置情報に基づき前記小型船舶の船首方位情報を算出するか、または前記動静情報検出手段から前記小型船舶の船首方位情報を取得する船首方位情報取得部と、
    前記位置情報検出手段から取得した前記位置情報に基づき前記小型船舶の進行方向を算出する進行方向算出部と、
    前記船首方位情報取得部により算出または取得した船首方位情報と前記進行方向算出部により算出した進行方向との角度差が所定の旋回判別用時間以上連続して所定の旋回判別用角度差値以上である場合に、乗員が落船したことにより舵を失った前記小型船舶が旋回状態にあると判別する乗員落船判別部と
    を有する、前記小型船舶運航管理サーバ。
  10. 動力源として船外機を備えた小型船舶における位置情報を送信する小型船舶用運航管理ユニットから送信される前記位置情報を取得して前記小型船舶の運航情報を管理する小型船舶運航管理サーバであって、
    前記小型船舶の動静情報を検出する動静情報検出手段と、
    前記小型船舶の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
    前記動静情報および/または前記位置情報を前記小型船舶運航管理サーバに送信する情報通信手段とを有する、前記小型船舶用運航管理ユニットから、
    前記情報通信手段を介して送信される前記動静情報検出手段によって検出された前記動静情報および/または前記位置情報検出手段によって検出された前記位置情報を受信し、当該動静情報および/または当該位置情報に基づき前記小型船舶の状態を判別する船舶状態判別手段を有し、
    前記船舶状態判別手段が、
    前記動静情報検出手段から取得した前記小型船舶の加速度情報、振動情報、傾斜情報、船首方位情報および角加速度情報のいずれかの動静情報に基づき動静情報の変化量を算出する動静情報変化量算出部と、
    この動静情報変化量算出部により算出された前記動静情報変化量が所定の波浪判別用動静情報変化量値より大きい場合に、前記小型船舶が波浪の中での運航状態にあると判別する波浪運航判別部と
    を有する、前記小型船舶運航管理サーバ。
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