以下、本発明の一実施形態に係る遊技機(パチンコ遊技機1及びパチスロ遊技機500)の構成及び各種動作について、図面を参照しながら説明する。
<機能フロー>
まず、図1を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の機能について説明する。図1は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の機能フローを示す図である。
パチンコゲームは、図1に示すように、ユーザの操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われるゲームである。また、パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれる。特別図柄ゲームにおいて「大当り」となったときや、普通図柄ゲームにおいて「当り」となったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御処理が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われるための一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われるための一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれる。
なお、本明細書でいう「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能にするものである。また、「可変表示」では、例えば特別図柄ゲームの結果として特別図柄(識別情報)が表示される「導出表示」を行うことができる。すなわち、本明細書では、「変動表示」の開始から「導出表示」までの動作を1回の「可変表示」と称する。さらに、本明細書において、「識別情報」とは、特別図柄、普通図柄、装飾図柄、識別図柄等のパチンコ遊技で使用される「図柄」や、パチスロ又はスロット遊技で使用される識別図柄や装飾図柄などの、遊技者が遊技を行う上で、遊技の結果を表示又は示唆する際に使用される図柄を含み得る意味であり、以下に記載する実施形態及び各種変形例中の各種図柄もまた含み得る。
以下、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームの処理フローの概要を説明する。
(1)特別図柄ゲーム
特別図柄ゲームにおいて特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタからそれぞれ乱数値(大当り判定用乱数値及び図柄決定用乱数値)が抽出され、抽出された各乱数値が記憶される(図1に示す特別図柄ゲーム中の特別図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、特別図柄ゲーム中の特別図柄制御処理では、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かを参照し、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、特別図柄の可変表示を開始する場合、大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値が参照され、「大当り」とするか否かの大当り判定が行われる。その後、停止図柄決定処理が行われる。この処理では、図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、上述した大当り判定の結果とが参照され、停止表示させる特別図柄を決定する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とが参照され、特別図柄の変動パターンを決定する。
次いで、演出パターン決定処理が行われる。この処理では、演出パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄と、上述した特別図柄の変動パターンとが参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターンを決定する。
次いで、決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、及び、特別図柄の可変表示に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
そして、可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「大当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「大当り」となったと判定されると、大当り遊技を行う大当り遊技制御処理が実行される。なお、大当り遊技では、上述した各種入賞の可能性が増大する。一方、「大当り」とならなかったと判定されると、大当り遊技制御処理が実行されない。
「大当り」とならなかったと判定された場合、又は、大当り遊技制御処理が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御処理が行われる。この遊技状態移行制御処理では、大当り遊技状態とは異なる通常時の遊技状態の管理が行われる。通常時の遊技状態としては、例えば、上述した大当り判定において、「大当り」と判定される確率が増大する遊技状態(以下、「確変遊技状態」という)や、特別図柄始動入賞が得られやすくなる遊技状態(以下、「時短遊技状態」という)などが挙げられる。その後、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1において、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞時に取得される各種データ(大当り判定用乱数値、図柄決定用乱数値等)が保留される。すなわち、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞に対応する特別図柄の可変表示(変動表示)が保留され、現在実行されている特別図柄の変動表示終了後に保留されている特別図柄の可変表示が開始される。以下では、保留されている特別図柄の可変表示を「保留球」ともいう。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、後述するように、2種類の特別図柄始動入賞(第1始動口入賞及び第2始動口入賞)を設け、各特別図柄始動入賞に対して最大4個の保留球を取得することができる。すなわち、本実施形態では、最大8個の保留球を取得することができる。
さらに、本実施形態のパチンコ遊技機は、図1には示さないが、上述した保留球の情報に基づいて保留球の当落(「大当り」当選の有無)を判定し、さらに、その判定結果に基づいて所定の演出を行う機能、すなわち、先読み演出機能も備える。
(2)普通図柄ゲーム
普通図柄ゲームにおいて普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値が記憶される(図1に示す普通図柄ゲーム中の普通図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、普通図柄ゲーム中の普通図柄制御処理では、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、普通図柄の可変表示を開始する場合、当り判定用カウンタから抽出された乱数値が参照され、「当り」とするか否かの当り判定が行われる。その後、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、当り判定の結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する。
次いで、決定された当り判定の結果、及び、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
可変表示制御処理及び演出制御処理が終了すると、「当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「当り」となると判定されると、当り遊技を行う当り遊技制御処理が実行される。当り遊技制御処理では、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける遊技球の特別図柄始動入賞の可能性が増大する。一方、「当り」とならないと判定されると、当り遊技制御処理が実行されない。その後、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
上述のように、パチンコゲームでは、特別図柄ゲームにおいて「大当り」となるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて「当り」となるか否か等の条件により、遊技球の払出制御処理の行われ易さが変化する。
なお、本実施形態において、各種の乱数値の抽出方式としては、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機1が、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備える場合には、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を、上述した各種乱数値の抽出方式として採用してもよい。なお、ハード乱数方式を用いる場合は、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
<パチンコ遊技機の構造>
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の構造について説明する。なお、図2は、パチンコ遊技機1の外観を示す斜視図である。また、図3は、パチンコ遊技機1の分解斜視図である。
パチンコ遊技機1は、図2及び図3に示すように、本体2と、本体2に対して開閉自在に取り付けられたベースドア3と、ベースドア3に対して開閉自在に取り付けられたガラスドア4とを備える。
[本体]
本体2は、長方形状の開口2aを有する枠状部材で構成される(図3参照)。この本体2は、例えば、木材等の材料により形成される。
[ベースドア]
ベースドア3は、本体2の外形形状と略等しい長方形の外形形状を有する板状部材で構成される。ベースドア3は、本体2の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置されており、ベースドア3を本体2の一方の側辺端部を軸にして回動させることにより、本体2の開口2aが開閉される。ベースドア3には、図3に示すように、四角形状の開口3aが設けられる。この開口3aは、ベースドア3の略中央部から上側の領域に渡って形成され、該領域の大部分を占有する大きさで形成される。
また、ベースドア3には、スピーカ11と、遊技盤12と、表示装置13と、皿ユニット14と、発射装置15と、払出装置16と、基板ユニット17とが取り付けられる。
スピーカ11は、ベースドア3の上部(上端部付近)に配置される。遊技盤12は、ベースドア3の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置され、ベースドア3の開口3aを覆うように配置される。
遊技盤12は、光透過性を有する板形状の樹脂部材で構成される。なお、光透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂などを用いることができる。
また、遊技盤12の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)には、発射装置15から発射された遊技球が転動する遊技領域12aが形成される。この遊技領域12aは、ガイドレール41(具体的には後述の図4に示す外レール41a)に囲まれた領域であり、その外周形状は略円状である。さらに、遊技領域12aには、複数の遊技釘(後述の図4参照)が打ちこまれている。なお、遊技盤12(遊技領域12a)の構成については、後述の図4を参照しながら後で詳述する。
表示装置13は、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)に取り付けられる。この表示装置13は、画像を表示する表示領域13aを有する。表示領域13aの大きさは、遊技盤12の表面の全部又は一部の領域を占めるような大きさに設定される。この表示装置13の表示領域13aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用画像(装飾図柄)などの各種画像が表示される。遊技者は、遊技盤12を介して、表示装置13の表示領域13aに表示された各種画像を視認することができる。
なお、本実施形態では、表示装置13としては、液晶表示装置を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、表示装置13として、例えば、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの表示機器を適用してもよい。
また、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)には、スペーサ19が設けられる。このスペーサ19は、遊技盤12の背面(パチンコ遊技機1の背面側の表面)と表示装置13の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)との間に設けられ、遊技盤12の遊技領域12aを転動する遊技球の流路となる空間を形成する。スペーサ19は、光透過性を有する材料で形成される。なお、本発明はこれに限定されず、スペーサ19は、例えば、一部が光透過性を有する材料で形成されていてもよいし、光透過性を有さない材料で形成されていてもよい。
皿ユニット14は、遊技盤12の下方に配置される。この皿ユニット14は、上皿21と、その下方に配置された下皿22とを有する。上皿21及び下皿22には、図2に示すように、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口21a及び払出口22aがそれぞれ形成される。所定の払出条件が成立した場合には、払出口21a及び払出口22aから遊技球が排出されて、それぞれ、上皿21及び下皿22に貯留される。また、上皿21に貯留された遊技球は、発射装置15によって遊技領域12aに発射される。
また、皿ユニット14には、演出ボタン23が設けられる。この演出ボタン23は、上皿21上に取り付けられる。また、演出ボタン23の周縁には、ダイヤル操作部(ジョグダイヤル)24が演出ボタン23に対して回転可能に取り付けられる。本実施形態のパチンコ遊技機1は、演出ボタン23及び/又はダイヤル操作部24を用いて行う所定の演出機能を有し、所定の演出を行う場合には、表示装置13の表示領域13aに、演出ボタン23及び/又はダイヤル操作部24の操作を促す画像が表示される。
発射装置15は、ベースドア3の前面において、右下の領域(右下角部付近)に配置される。この発射装置15は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル25と、皿ユニット14の右下部に係合するパネル体26とを備える。発射ハンドル25は、パネル体26の前面側に配置され、パネル体26に回動可能に支持される。
なお、図2及び図3には示さないが、パネル体26の背面側には、遊技球の発射動作を制御するソレノイドアクチュエータ(駆動装置)が設けられる。また、図2及び図3には示さないが、発射ハンドル25の周縁部には、タッチセンサが設けられ、発射ハンドル25の内部には、発射ボリュームが設けられる。発射ボリュームは、発射ハンドル25の回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者の手が発射ハンドル25のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。これにより、遊技者が発射ハンドル25を握持したことが検知され、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。そして、遊技者が発射ハンドル25を把持して時計回り(遊技者側から見て右回り)の方向へ回動操作すると、発射ハンドル25の回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿21に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレール41(後述の図4参照)に案内されて遊技盤12の遊技領域12aへ放出される。
また、図2及び図3には示さないが、発射ハンドル25の側部には、発射停止ボタンが設けられる。発射停止ボタンは、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射を停止させるために設けられたボタンである。遊技者が発射停止ボタンを押下すると、発射ハンドル25を把持して回動させた状態であっても、遊技球の発射が停止される。
払出装置16及び基板ユニット17は、ベースドア3の背面側に配置される。払出装置16には、貯留ユニット(不図示)から遊技球が供給される。払出装置16は、貯留ユニットから供給された遊技球の中から、払出条件の成立に基づいて、所定個数の遊技球を上皿21又は下皿22に払い出す。基板ユニット17は、各種制御基板を有する。各種制御基板には、後述する主制御回路70や副制御回路200などが設けられる(後述の図5参照)。
[ガラスドア]
ガラスドア4は、表面が略四角形状の板状部材で構成される。また、ガラスドア4は、遊技盤12の前面側に配置され、遊技盤12を覆う大きさを有する。このガラスドア4の前面において、スピーカ11と対向する上部領域には、スピーカカバー29が設けられる。
また、ガラスドア4の中央部において、遊技盤12の遊技領域12aと対向する領域には、少なくとも遊技領域12aを露出させるような大きさの開口4aが形成される。ガラスドア4の開口4aは、光透過性を有する保護ガラス28が取り付けられ、これにより、開口4aが塞がれる。したがって、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じると、保護ガラス28は、遊技盤12の少なくとも遊技領域12aに対面するように配置される。
[遊技盤]
次に、遊技盤12の構成について、図4を参照して説明する。図4は、遊技盤12の構成を示す正面図である。
遊技盤12の前面には、図4に示すように、ガイドレール41と、球通過検出器43と、第1始動口44と、第2始動口45(始動領域)と、普通電動役物46とが設けられる。また、遊技盤12の前面には、一般入賞口51,52と、第1大入賞口53(可変入賞装置)と、第2大入賞口54(可変入賞装置)と、アウト口55と、複数の遊技釘56とが設けられる。さらに、遊技盤12の前面において、その略中央に配置された表示装置13の表示領域13aの上部には、特別図柄表示装置61と、普通図柄表示装置62と、普通図柄保留表示装置63と、第1特別図柄保留表示装置64と、第2特別図柄保留表示装置65とが設けられる。
なお、図4には示さないが、遊技盤12の前面には、演出用7セグカウンタも設けられる。演出用7セグカウンタは、二桁の数字や2つの英字を表示可能な表示カウンタで構成される。また、本実施形態では、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」である場合に点灯する報知LED(Light Emitting Diode)や、大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示LEDなどを設けてもよい。
[遊技領域の各種構成部材]
ガイドレール41は、遊技領域12aを区画する円弧状に延在した外レール41aと、この外レール41aの内側(内周側)に配置された、円弧状に延在した内レール41bとで構成される。遊技領域12aは、外レール41aの内側に形成される。外レール41a及び内レール41bは、遊技者側から見て、遊技領域12aの左側端部付近において互いに対向するように配置され、これにより、外レール41aと内レール41bとの間に、発射装置15によって発射された遊技球を遊技領域12aの上部へ案内するガイド経路41cが形成される。
また、遊技領域12aの左側上部に位置する内レール41bの先端部には、該内レール41bの先端部と、それと対向する外レール41aの一部とにより、玉放出口41dが形成される。そして、内レール41bの先端部には、玉放出口41dを塞ぐようにして、玉戻り防止片42が設けられる。この玉戻り防止片42は、玉放出口41dから遊技領域12aに放出された遊技球が、再び玉放出口41dを通過してガイド経路41cに進入することを防止する。
玉放出口41dから放出された遊技球は、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。この際、遊技球は、複数の遊技釘56、第1始動口44、第2始動口45等の遊技領域12aに設けられた各種部材に衝突して、その進行方向を変えながら遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。
遊技領域12aの略中央には、表示装置13の表示領域13aが設けられる。この表示領域13aの上端には、障害物13bが設けられる。障害物13bを設けることにより、遊技球は、遊技領域12a内の表示領域13aと重なる領域上を通過しない。
球通過検出器43は、遊技者側から見て、表示領域13aの右側端部付近に配置される。球通過検出器43には、球通過検出器43を通過する遊技球を検出するための通過球センサ43a(後述の図5参照)が設けられる。また、球通過検出器43を遊技球が通過することにより、「当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44は、表示領域13aの下方に配置され、第2始動口45は、第1始動口44の下方に配置される。第1始動口44及び第2始動口45は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入ること又は通過することを「入賞」という。そして、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞すると、第1所定数(本実施形態では3個)の遊技球が払い出される。また、第1始動口44に遊技球が入球することにより、「大当り」及び「小当り」のいずれかであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。さらに、第2始動口45に遊技球が入球することにより、「大当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44には、第1始動口44に入賞した遊技球を検出するための第1始動口入賞球センサ44a(後述の図5参照)が設けられる。また、第2始動口45には、第2始動口45に入賞した遊技球を検出するための第2始動口入賞球センサ45a(後述の図5参照)が設けられる。なお、第1始動口44及び第2始動口45に入賞した遊技球は、遊技盤12に設けられた回収口(不図示)を通過して遊技球の回収部(不図示)に搬送される。
普通電動役物46は、第2始動口45に設けられる。普通電動役物46は、第2始動口45の両側に回動可能に取り付けられた一対の羽根部材と、一対の羽根部材を駆動させる普通電動役物ソレノイド46a(後述の図5参照)とを有する。この普通電動役物46は、普通電動役物ソレノイド46aにより駆動され、一対の羽根部材を拡げて第2始動口45に遊技球を入賞し易くする開放状態、及び、一対の羽根部材を閉じて第2始動口45に遊技球を入賞不可能にする閉鎖状態の一方の状態を発生させる。なお、本実施形態では、普通電動役物46が閉鎖状態である場合、一対の羽根部材の開口形態を、入賞不可能にする形態でなく、遊技球の入賞が困難になるような形態にしてもよい。
一般入賞口51は、遊技者側から見て、遊技領域12aの左下部付近に配置される。また、一般入賞口52は、球通過検出器43の下方に配置され、且つ、遊技者側から見て、遊技領域12aの右下部付近に配置される。一般入賞口51及び一般入賞口52は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下では、遊技球が一般入賞口51又は一般入賞口52に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。一般入賞口51又は一般入賞口52に遊技球が入賞すると、第2所定数(本実施形態では10個)の遊技球が払い出される。
一般入賞口51には、一般入賞口51に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ51a(後述の図5参照)が設けられる。また、一般入賞口52には、一般入賞口52に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ52a(後述の図5参照)が設けられる。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、球通過検出器43の下方で、且つ、第1始動口44と一般入賞口52との間に配置される。そして、第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、遊技球の流路に沿って上下方向に配置され、第1大入賞口53は、第2大入賞口54の上方に配置される。第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、ともに、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、開閉可能なシャッタ53a及び54aと、シャッタを駆動させるソレノイドアクチュエータ(後述の図5中の第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54b)とを有する。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54のそれぞれは、対応するシャッタが開いている状態(開放状態)のときに遊技球を受け入れ、シャッタが閉じている状態(閉鎖状態)のときには遊技球を受け入れない。以下では、遊技球が第1大入賞口53又は第2大入賞口54に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。第1大入賞口53に遊技球が入賞すると、第3所定数球(本実施形態では10個)の遊技球が払い出される。一方、第2大入賞口54に遊技球が入賞すると、第4所定数球(本実施形態では15個)の遊技球が払い出される。
また、第1大入賞口53には、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ53c(後述の図5参照)が設けられる。さらに、第2大入賞口54には、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ54c(後述の図5参照)が設けられる。
アウト口55は、遊技領域12aの最下部に設けられる。このアウト口55は、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、一般入賞口52、第1大入賞口53及び第2大入賞口54のいずれにも入賞しなかった遊技球を受け入れる。
本実施形態の遊技領域12aにおける各種構成部材の配置を図4に示すような配置にすると、遊技者により遊技領域12aの右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合(右打ちされた場合)、遊技釘56等により遊技球が第2始動口45に誘導される。この場合、第1始動口44に入賞する可能性はほとんどなくなる。なお、本実施形態では、後述するように、第2始動口45に入賞した方が、第1始動口44に入賞した場合より、遊技者にとって有利な「大当り」の抽選を受け易くなる。それゆえ、第2始動口45への入賞が比較的容易になる後述の「時短遊技状態」では、右打ちを行うことにより、第1始動口44への入賞の可能性(遊技者にとって不利な遊技状態となる可能性)を低くすることができる。
[特別図柄表示装置]
特別図柄表示装置61は、図4に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。
特別図柄表示装置61は特別図柄ゲームにおいて、特別図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、図4に示すように、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する装置により特別図柄表示装置61を構成する。なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示装置61を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
特別図柄表示装置61は、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、特別図柄表示装置61は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。以下では、遊技球が第1始動口44に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第1特別図柄という。また、遊技球が第2始動口45に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第2特別図柄という。
特別図柄表示装置61において、停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別図柄表示装置61において、第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、「大当り」である。
大当り遊技状態では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が開放状態になる。具体的には、本実施形態では、遊技球が第1始動口44に入賞し、特別図柄表示装置61において第1特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第1大入賞口53が開放状態となる。一方、遊技球が第2始動口45に入賞し、特別図柄表示装置61において第2特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第2大入賞口54が開放状態となる。
各大入賞口の開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、又は、一定期間(例えば30sec)が経過するまで維持される。そして、各大入賞口の開放状態の経過期間が、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
以下では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技をラウンドゲームという。ラウンドゲーム間は、大入賞口が閉鎖状態となる。また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
なお、特別図柄表示装置61において、停止表示された特別図柄が特定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、転落抽選に当選した場合を除き遊技状態は移行しない。すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示装置61により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームである。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口44に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口45に入賞した場合、該入賞に対応する第2特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第2特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、本実施形態では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行する。なお、本発明はこれに限定されず、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
[普通図柄表示装置]
普通図柄表示装置62は、図4に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄表示装置62は、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の右側に配置される。
普通図柄表示装置62は、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、図4に示すように、普通図柄表示装置62を、上下方向に配列された2つのLED(普通図柄表示LED)により構成する。そして、普通図柄表示装置62では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示装置62は、遊技球が球通過検出器43を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示装置62は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物46は閉鎖状態を維持する。すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置62により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物46が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器43を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置63は、図4に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄保留表示装置63は、特別図柄表示装置61及び普通図柄表示装置62の下方に配置される。
普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置である。本実施形態では、図4に示すように、普通図柄保留表示装置63を、左右方向に配列された4つのLED(普通図柄保留表示LED)により構成する。そして、普通図柄保留表示装置63では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄の可変表示の保留個数が1個である場合、遊技者側から見て、最も左側に位置する普通図柄保留表示LED(左から1つ目の普通図柄保留表示LED)が点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。普通図柄の可変表示の保留個数が2個の場合には、左から1つ目及び2つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。普通図柄の可変表示の保留個数が3個の場合は、左から1つ目〜3つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。そして、普通図柄の可変表示の保留個数が4個の場合には、全ての普通図柄保留表示LEDが点灯する。
[第1特別図柄保留表示装置]
第1特別図柄保留表示装置64は、図4に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部において、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の左側に配置される。
第1特別図柄保留表示装置64は、保留されている第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施形態では、図4に示すように、第1特別図柄保留表示装置64は、第1特別図柄保留個数表示部64aと、第1特別図柄保留情報表示部64bとで構成される。そして、第1特別図柄保留情報表示部64bは、特別図柄表示装置61の左側に配置され、第1特別図柄保留個数表示部64aは、第1特別図柄保留情報表示部64bの左側に配置される。
第1特別図柄保留個数表示部64aは、左右方向に配列された4つのLED(第1特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第1特別図柄保留個数表示部64aの表示態様は、普通図柄保留表示装置63の表示態様と同様である。すなわち、第1特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第1特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第1特別図柄保留表示LEDが点灯する。
また、第1特別図柄保留情報表示部64bは、第1特別図柄の保留球に関する情報を表示する。例えば、第1特別図柄保留情報表示部64bは、次に変動表示させる第1特別図柄の保留球に関する情報(識別情報)を数字や記号等からなる図柄で表示する。なお、第1特別図柄保留表示装置64の構成は、図4に示す例に限定されず、少なくとも第1特別図柄の可変表示の保留個数を表示できる構成であれば、任意に構成することができる。
[第2特別図柄保留表示装置]
第2特別図柄保留表示装置65は、図4に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部において、遊技者側から見て、普通図柄表示装置62の右側に配置される。
第2特別図柄保留表示装置65は、保留されている第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施形態では、図4に示すように、第2特別図柄保留表示装置65は、第2特別図柄保留個数表示部65aと、第2特別図柄保留情報表示部65bとで構成される。そして、第2特別図柄保留情報表示部65bは、普通図柄表示装置62の右側に配置され、第2特別図柄保留個数表示部65aは、第2特別図柄保留情報表示部65bの右側に配置される。
第2特別図柄保留個数表示部65aは、左右方向に配列された4つのLED(第2特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第2特別図柄保留個数表示部65aの表示態様は、普通図柄保留表示装置63の表示態様と同様である。すなわち、第2特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第2特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第2特別図柄保留表示LEDが点灯する。
また、第2特別図柄保留情報表示部65bは、第2特別図柄の保留球に関する情報を表示する。例えば、第2特別図柄保留情報表示部65bは、次に変動表示させる第2特別図柄の保留球に関する情報(識別情報)を数字や記号等からなる図柄で表示する。なお、第2特別図柄保留表示装置65の構成は、図4に示す例に限定されず、少なくとも第2特別図柄の可変表示の保留個数を表示できる構成であれば、任意に構成することができる。
[表示装置]
表示装置13は、上述のように液晶表示装置で構成され、その表示領域13aにおいて各種画像表示演出を行う。
具体的には、本実施形態では、特別図柄表示装置61に表示される特別図柄と関連する演出画像が表示領域13aに表示される。この際、例えば、特別図柄表示装置61において特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば、1〜8までの数字や各種文字などからなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域13aに変動表示される。そして、特別図柄表示装置61において特別図柄が停止表示されると、表示領域13aにも、特別図柄に対応する複数の装飾図柄(後述の大当り図柄等)が停止表示される。
そして、特別図柄表示装置61において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域13aに表示される。「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の装飾図柄が特定の態様(例えば、同一の装飾図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
また、本実施形態では、表示装置13の表示領域13aに、第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65の表示内容と関連する演出画像が表示される。例えば、表示領域13aには、特別図柄の可変表示の保留個数を報知する保留情報(例えば、保留個数と同じ数の保留用図柄)が表示される。また、例えば、本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の保留球の情報に基づいて先読み演出を行うが、この際の予告報知も表示領域13aに表示される。
なお、本実施形態では、普通図柄表示装置62において停止表示された普通図柄が所定の態様であった場合に、その情報を遊技者に把握させる演出画像を表示装置13の表示領域13aに表示させる機能をさらに設けてもよい。
<パチンコ遊技機が備える回路の構成>
次に、図5を参照しながら、本実施形態のパチンコ遊技機1が備える各種回路の構成について説明する。なお、図5は、パチンコ遊技機1の回路構成を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図5に示すように、主に遊技動作の制御を行う主制御回路70と、払出・発射制御回路123と、遊技の進行に応じた演出動作の制御を行う副制御回路200とを有する。
[主制御回路]
主制御回路70は、ワンチップマイコン77と、クロック発生回路74と、初期リセット回路75とを備える。なお、上述のように、本実施形態では、第1始動口44又は第2始動口45の入賞時に特別図柄の抽選処理を行うが、この処理は、主制御回路70により制御される。すなわち、主制御回路70は、遊技状態を遊技者にとって有利な状態に移行させるか否かの抽選処理を行う手段(抽選手段)も兼ねる。
ワンチップマイコン77は、メインCPU(Central Processing Unit)71と、メインROM(Read Only Memory)72と、メインRAM(Random Access Memory)73と、シリアル通信部76とにより構成される。なお、メインCPU71、メインROM72、メインRAM73及びシリアル通信部76は、それぞれ別個に設けられていてもよい。
また、本実施形態では、主制御回路70の基板にメインROM72を内蔵する構成を説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、主制御回路70の基板に、メインROM72を搭載したROM基板を接続してもよい。さらに、本実施形態では、主制御回路70内の各種回路(各種手段)は、一体的に形成されていてもよいし、別体として形成されていてもよい。また、メインROM72は、遊技機に設置される構成で無くてもよく、遊技機と通信可能となるような構成であってもよい。
ワンチップマイコン77には、クロック発生回路74及び初期リセット回路75が接続される。メインROM72には、メインCPU71によりパチンコ遊技機1の動作を制御するための各種プログラムや、各種データテーブル(後述の図13〜図22参照)等が記憶されている。
メインCPU71は、メインROM72に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。メインRAM73は、メインCPU71が各種処理を実行する際の一時記憶領域として作用し、メインCPU71が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。なお、本実施形態では、メインCPU71の一時記憶領域としてメインRAM73を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いることができる。
クロック発生回路74は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2msec)でクロックパルスを発生する。初期リセット回路75は、電源投入時にリセット信号を生成する。そして、シリアル通信部76は、副制御回路200に対してコマンドを供給する。
また、主制御回路70には、図5に示すように、主制御回路70から送られた出力信号に応じて動作する各種の装置が接続される。
具体的には、主制御回路70には、特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置62、普通図柄保留表示装置63、第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65が接続される。これらの各装置は、主制御回路70から送られた出力信号に基づいて所定の動作を行う。例えば、主制御回路70から特別図柄表示装置61に所定の出力信号が送信されると、特別図柄表示装置61は、その出力信号に基づいて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の動作制御を行う。
また、主制御回路70には、普通電動役物ソレノイド46a、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bが接続される。そして、主制御回路70は、普通電動役物ソレノイド46aを駆動制御して、普通電動役物46の一対の羽根部材を開放状態又は閉鎖状態にする。また、主制御回路70は、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bをそれぞれ駆動制御して、第1大入賞口53及び第2大入賞口54を開放状態又は閉鎖状態にする。
さらに、主制御回路70には、図5に示すように、各種センサに接続され、各種センサの出力信号を受信する。具体的には、主制御回路70には、カウントセンサ53c,54c、一般入賞球センサ51a,52a、通過球センサ43a、第1始動口入賞球センサ44a、第2始動口入賞球センサ45a、バックアップクリアスイッチ121などが接続される。
カウントセンサ53cは、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。カウントセンサ54cは、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。一般入賞球センサ51aは、一般入賞口51に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力し、一般入賞球センサ52aは、一般入賞口52に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
また、通過球センサ43aは、遊技球が球通過検出器43を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。第1始動口入賞球センサ44aは、遊技球が第1始動口44に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。第2始動口入賞球センサ45aは、遊技球が第2始動口45に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。また、バックアップクリアスイッチ121は、電断時等にバックアップデータが遊技店の管理者等の操作に応じてクリアされた場合に、所定の検知信号を主制御回路70及び払出・発射制御回路123に出力する。
さらに、主制御回路70には、払出・発射制御回路123が接続される。なお、払出・発射制御回路123及びそれに接続された各種周辺装置の内容については、後で詳述する。
[払出・発射制御回路及びその周辺装置]
払出・発射制御回路123は、賞球ケースユニット170、払出状態報知表示装置178、下皿満タンスイッチ179、発射装置15、外部端子板140及びカードユニット150に接続される。また、外部端子板140は、データ表示器141に接続され、カードユニット150は、貸し出し用操作部151に接続される。
払出・発射制御回路123は、主制御回路70から送信される各種コマンド等に基づいて、これらの周辺装置に対して信号等を入出力し、各周辺装置の動作制御を行う。例えば、払出・発射制御回路123は、主制御回路70から送信される賞球制御コマンド、カードユニット150から送信される後述の貸し球制御信号を受信し、賞球ケースユニット170に対して所定の信号を送信する。これにより、賞球ケースユニット170は、遊技球を払い出す。
賞球ケースユニット170は、遊技球の払出を行う装置であり、第1の15球担保スイッチ172a、第2の15球担保スイッチ172b、第1の計数スイッチ181a、第2の計数スイッチ181b及び払出モータ174を有する。なお、賞球ケースユニット170に含まれるこれらの構成部は、それぞれ払出・発射制御回路123に接続される。
また、ここでは図示しないが、賞球ケースユニット170の内部には、2つの球供給通路が設けられる。そして、第1の15球担保スイッチ172aは、一方の球供給通路に補給された遊技球を検出し、その検出結果を示す所定の出力信号を払出・発射制御回路123に出力する。また、第2の15球担保スイッチ172bは、他方の球供給通路に補給された遊技球を検出し、その検出結果を示す所定の出力信号を払出・発射制御回路123に出力する。
さらに、ここでは図示しないが、賞球ケースユニット170の内部には、2つの払出通路が設けられる。そして、第1の計数スイッチ181aは、一方の払出通路に払出された遊技球を検出し、その検出結果を示す所定の出力信号を払出・発射制御回路123に出力する。また、第2の計数スイッチ181bは、他方の払出通路に払出された遊技球を検出し、その検出結果を示す所定の出力信号を払出・発射制御回路123に出力する。
払出モータ174は、ステッピングモータで構成され、払出・発射制御回路123から入力された制御信号に応じて駆動される。払出モータ174は、賞球ケースユニット170内に設けられた図示しないスプロケット(回転部材)を回転駆動する。そして、このスプロケットの回転動作により、各球供給路に蓄積された遊技球が1球ずつ、対応する払出通路に移動する。
払出状態報知表示装置178は、遊技球の払出に関して異常が発生した場合に、その異常の種別を報知するための装置であり、7セグメントディスプレイにより構成される。払出状態報知表示装置178は、遊技店(遊技場)の管理者のみが視認可能となるような位置に取り付けられ、例えば、パチンコ遊技機1の裏面の所定箇所に取り付けられる。
下皿満タンスイッチ179は、下皿22に貯留された遊技球が満タンになった場合に、これを検知し、その検知結果を払出・発射制御回路123に出力する。
なお、払出・発射制御回路123は、下皿満タンスイッチ179から下皿満タン状態であることを示す信号が入力されると、下皿満タン状態である旨を払出状態報知表示装置178を用いて報知するとともに、主制御回路70に下皿満タン状態であることを示す信号を出力する。その後、主制御回路70から副制御回路200に演出制御コマンドが送信されると、副制御回路200は、例えばスピーカ11、ランプ群18、表示装置13等を用いて下皿22が満タン状態であることを報知する。
発射装置15は、上皿21に貯留された遊技球を遊技領域12aに発射する際に遊技者に回動操作可能な発射ハンドル25を有する。払出・発射制御回路123は、発射ハンドル25が遊技者によって把持され、且つ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて発射装置15のソレノイドアクチュエータ(不図示)に電力を供給する。これにより、発射装置15は、遊技球を発射する。なお、発射装置15の駆動手段としては、ソレノイドアクチュエータの代わりにモータを用いてもよい。
外部端子板140は、遊技店内の全てのパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いられる。データ表示器141は、例えばパチンコ遊技機1の上部に遊技店の付帯設備として設置され、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能を有する。
貸し出し用操作部151は、遊技者に操作されると、カードユニット150に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する。カードユニット150は、貸し出し用操作部151から出力される遊技球の貸し出しを要求する信号に基づいて、賞球ケースユニット170を介して払出される遊技球の数(貸し球数)を決定する。そして、カードユニット150は、貸し出し用操作部151から遊技球の貸し出しを要求する信号を受信すると、決定された貸し球数の情報を含む貸し球制御信号を払出・発射制御回路123に送信する。
[副制御回路]
副制御回路200は、主制御回路70のシリアル通信部76に接続される。そして、副制御回路200(後述のホスト制御回路210)は、主制御回路70から送信される各種のコマンド(遊技の進行に関する情報)に従って、副制御回路200全体の制御を行う。そして、副制御回路200は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに基づいて、スピーカ11による音声再生動作の制御、表示装置13による画像表示動作の制御、LEDを含むランプ群18(演出手段)によるランプ点灯/消灯動作の制御、役物20(装飾部材)による演出動作の制御等を行う。すなわち、副制御回路200は、主制御回路70からの指令に基づいて、各種演出装置を制御し、遊技の進行に応じた各種演出を実行する。なお、本実施形態では、副制御回路200から主制御回路70に対して信号を供給できない構成とするが、本発明はこれに限定されず、副制御回路200から主制御回路70に信号送信可能な構成を備えていてもよい。
次に、図6を参照しながら、副制御回路200の内部構成について、より詳細に説明する。なお、図6は、副制御回路200内部の回路構成、並びに、副制御回路200とその各種周辺装置との接続関係を示すブロック図である。
副制御回路200は、図6に示すように、中継基板201と、サブ基板202(第1基板)と、制御ROM基板203と、CGROM(Character Generator ROM)基板204(第2基板)とを備える。そして、サブ基板202は、中継基板201、制御ROM基板203及びCGROM基板204に接続される。なお、副制御回路200内において、サブ基板202と各種ROM基板(制御ROM基板203及びCGROM基板204)とは、ボード・トゥ・ボードコネクタ(不図示)を介して接続される。
中継基板201は、主制御回路70から送信されたコマンドを受信し、該受信したコマンドをサブ基板202に送信するための中継基板である。
サブ基板202には、ホスト制御回路210、音声・LED制御回路220、表示制御回路230、SDRAM(Synchronous Dynamic RAM)250及び内蔵中継基板260が設けられる。
ホスト制御回路210は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに基づいて、副制御回路200全体の動作を制御する回路であり、CPUプロセッサにより構成される。ホスト制御回路210は、サブ基板202内において、音声・LED制御回路220、表示制御回路230及び内蔵中継基板260に接続される。また、ホスト制御回路210は、制御ROM基板203に接続される。
また、ホスト制御回路210は、サブワークRAM210a及びSRAM(Static RAM)210bを有する。サブワークRAM210aは、ホスト制御回路210が各種処理を実行する際の作業用一時記憶領域と作用する記憶装置であり、ホスト制御回路210が各種処理を実行する際に必要となる種々のフラグや変数の値などを記憶する。SRAM210bは、サブワークRAM210a内の所定のデータをバックアップする記憶装置である。なお、本実施形態では、ホスト制御回路210の一時記憶領域としてRAMを用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてよい。
音声・LED制御回路220は、内蔵中継基板260を介してスピーカ11及びランプ群18に接続され、ホスト制御回路210から入力される制御信号(後述のサウンドリクエスト及びランプリクエスト等)に基づいて、スピーカ11による音声再生動作の制御及びランプ群18による発光動作の制御を行う回路である。それゆえ、機能的には、音声・LED制御回路220は、音声コントローラ220aと、ランプコントローラ220bとを有する。音声コントローラ220a及びランプコントローラ220bは、実質、後述のサウンド・ランプ制御モジュール226に含まれる。音声・LED制御回路220の内部構成については、後で図面を参照しながら詳述する。
なお、本実施形態では、音声・LED制御回路220から出力された制御信号及びデータ(例えば、後述のLEDデータ等)が内蔵中継基板260を介してランプ群18に送信される際、音声・LED制御回路220及びランプ群18間の通信は、SPI(Serial Periperal Interface)の通信方式(シリアル通信方式の一種)で行われる。また、本実施形態では、ランプ群18には、1個以上のLED、及び、各LEDを制御するための1個以上のLEDドライバが含まれる(後述の図38〜図40参照)。
表示制御回路230は、表示装置13に接続され、ホスト制御回路210から入力される制御信号(描画リクエスト)に基づいて演出に関する画像(装飾図柄画像、背景画像、演出用画像等)を表示装置13で表示させる際の各種処理動作を制御するための回路である。なお、表示制御回路230は、ディスプレイコントローラ(後述の第1ディスプレイコントローラ238及び第2ディスプレイコントローラ239)と、内蔵VRAM(Video RAM)237とを有する。
また、表示制御回路230は、サブ基板202内においてSDRAM250に接続される。さらに、表示制御回路230は、CGROM基板204に接続される。また、表示制御回路230内のディスプレイコントローラは、中継基板を介さず直接、表示装置13に接続される。なお、表示制御回路230の内部構成については、後で図面を参照しながら詳述する。
SDRAM250は、DDR2(Double−Date Rate2) SDRAMで構成される。また、SDRAM250には、表示装置13により表示される画像(動画及び静止画)の描画処理において、各種画像データを一時的に格納する各種バッファが設けられる。具体的には、例えば、SDRAM250には、テクスチャバッファ、ムービバッファ、ブレンドバッファ、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ及び第2フレームバッファ)、モーションバッファ等が設けられる。
内蔵中継基板260は、ホスト制御回路210及び音声・LED制御回路220から出力された各種信号及び各種データを受信し、該受信した各種信号及び各種データをスピーカ11、ランプ群18及び役物20に送信する中継基板である。
また、内蔵中継基板260は、I2C(Inter−Integrated Circuit)コントローラ261及びデジタルオーディオパワーアンプ262(音声増幅手段)を有する。なお、本実施形態では、I2Cコントローラ261及びデジタルオーディオパワーアンプ262が同じ中継基板に搭載された例を示すが、本発明はこれに限定されず、I2Cコントローラ261を搭載した中継基板を、デジタルオーディオパワーアンプ262を搭載した中継基板とは別個に設けてもよい。
I2Cコントローラ261は、ホスト制御回路210、及び、役物20のモータコントローラ270に接続される。すなわち、ホスト制御回路210は、I2Cコントローラ261及びモータコントローラ270を介して役物20に接続される。そして、ホスト制御回路210から出力された制御信号及びデータ(例えば後述の励磁データ等)は、I2Cコントローラ261及びモータコントローラ270を介して役物20に入力される。
なお、本実施形態では、I2Cコントローラ261及びモータコントローラ270間の通信は、I2Cの通信方式(シリアル通信方式の一種)で行われる。また、本実施形態では、役物20内には、1個以上のモータが含まれ、モータコントローラ270内には、各モータを駆動するための1個以上のモータドライバが含まれる。なお、図6には、役物20が1つだけ設けられた例を示すが、本発明はこれに限定されず、複数の役物20が設けられていてもよい。
また、本実施形態の構成において、モータコントローラ270を使用せずにホスト制御回路210が直接、役物20のモータを駆動する構成にしてもよいし、モータ制御用の制御回路を別途設けてもよい。さらに、本実施形態では、1つの制御回路で複数のモータドライバ(モータ)を制御する構成を説明するが、本発明はこれに限定されない。本実施形態において、1以上(1又は複数)の制御回路により1以上(1又は複数)のモータ(モータドライバ)を制御する構成にしてもよいし、1以上(1又は複数)の制御回路により1つのモータ(モータドライバ)を制御する構成にしてもよいし、1つの制御回路により1つのモータ(モータドライバ)を制御する構成にしてもよい。
また、デジタルオーディオパワーアンプ262は、音声・LED制御回路220、及び、スピーカ11に接続される。すなわち、音声・LED制御回路220は、デジタルオーディオパワーアンプ262を介してスピーカ11に接続される。それゆえ、音声・LED制御回路220から出力された音声信号等は、デジタルオーディオパワーアンプ262を介してスピーカ11に入力される。
制御ROM基板203には、サブメインROM205が設けられる。サブメインROM205には、ホスト制御回路210によりパチンコ遊技機1の演出動作を制御するための各種プログラムや、各種データテーブル(後述の図23〜図25参照)が記憶される。そして、ホスト制御回路210は、サブメインROM205に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。
なお、本実施形態では、ホスト制御回路210で用いるプログラムや各種テーブル等を記憶する記憶手段として、サブメインROM205を適用したが、本発明はこれに限定されない。このような記憶手段としては、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様の記憶媒体を用いてもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を適用してもよい。また、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。さらに、プログラムは、予め記録媒体に記録されていてもよいし、電源投入後に外部等からダウンロードされ、サブメインROM205に記録されてもよい。
CGROM基板204には、CGROM206が設けられる。CGROM206は、NOR型又はNAND型のフラッシュメモリにより構成される。また、CGROM206には、例えば表示装置13で表示される画像データや、スピーカ11により再生される音声データ(後述のアクセスデータ)などが記憶される。なお、この際、各種データは圧縮(符号化)されてCGROM206に格納されるが、本発明はこれに限定されず、各種データが圧縮されずにCGROM206に格納されていてもよい。
なお、本実施形態では、副制御回路200内において、各種ROM基板(制御ROM基板203及びCGROM基板204)とサブ基板202とがボード・トゥ・ボードコネクタで接続される構成を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各種ROMをサブ基板202に設けられたソケット等のポートに直接挿入して、ROM機能を備えた又はROMそのものを備えた一枚の基板によりサブ基板202を構成してもよい。すなわち、サブ基板202と各種ROMとを一体的に構成してもよい。また、ROM機能を備えた又はROMそのものを備えた一枚の基板によりサブ基板202が構成されている場合には、副制御回路200は、CGROMとして使用されるメモリの種類に応じて使用するサブ基板上の回路を物理的或いは電気的に切り替える切り替え手段、又は、メモリの種類に応じて使用するサブ基板上の回路の情報を切り替える切り替え手段を備えていてもよい。
また、本実施形態では、各種記憶手段(サブメインROM205、CGROM206、内蔵VRAM237、SDRAM250)のそれぞれと、対応する制御回路との間におけるデータの通信速度の大小関係は、内蔵VRAM237>SDRAM250>サブメインROM205≒CGROM206となる。すなわち、本実施形態では、内蔵VRAM237と表示制御回路230内の各種回路との間の通信速度が最も早く、次いで、SDRAM250と表示制御回路230との間の通信速度が早くなる。そして、サブメインROM205とホスト制御回路210との間の通信速度、及び、CGROM206と表示制御回路230との間の通信速度が最も遅くなる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、各種記憶手段のそれぞれと、対応する制御回路との間の通信速度の大小関係は任意に設定することができる。例えば、各種記憶手段のそれぞれと、対応する制御回路との間の通信速度の大小関係が、本実施形態と異なっていてもよいし、各記憶手段と、対応する制御回路との間の通信速度が全て同じであってもよい。
[音声・LED制御回路]
次に、図7を参照しながら、音声・LED制御回路220の内部構成について説明する。図7は、音声・LED制御回路220の内部の回路構成、並びに、音声・LED制御回路220とその各種周辺装置及び周辺回路部との接続関係を示すブロック図である。なお、図7では、説明を簡略化するため、音声・LED制御回路220と各種周辺装置及び回路部との間に設けられる中継基板等の図示は省略する。
音声・LED制御回路220は、図7に示すように、LSI(Large−Scale Integration)インターフェイス221と、メモリインターフェイス222と、デジタルオーディオインターフェイス223と、ペリフェラルインターフェイス224と、コマンドレジスタ225と、サウンド・ランプ制御モジュール226と、メインジェネレータ227と、マルチエフェクタ228とを備える。音声・LED制御回路220内における各部の接続関係は、次の通りである。
音声・LED制御回路220内において、サウンド・ランプ制御モジュール226は、メモリインターフェイス222、ペリフェラルインターフェイス224、コマンドレジスタ225、メインジェネレータ227及びマルチエフェクタ228に接続される。また、コマンドレジスタ225は、サウンド・ランプ制御モジュール226以外に、LSIインターフェイス221に接続される。また、メインジェネレータ227は、サウンド・ランプ制御モジュール226以外に、メモリインターフェイス222及びマルチエフェクタ228に接続される。さらに、マルチエフェクタ228は、サウンド・ランプ制御モジュール226及びメインジェネレータ227以外に、メモリインターフェイス222及びデジタルオーディオインターフェイス223に接続される。
次に、音声・LED制御回路220内の各部の構成について説明する。
LSIインターフェイス221は、ホスト制御回路210とコマンドレジスタ225との間で制御信号等(例えば、サウンドリクエスト、ランプリクエスト等)の入出力動作を行う際に用いられるインターフェイス回路である。すなわち、コマンドレジスタ225は、LSIインターフェイス221を介してホスト制御回路210に接続される。
メモリインターフェイス222は、サブメインROM205と、サウンド・ランプ制御モジュール226、メインジェネレータ227及びマルチエフェクタ228のそれぞれとの間で音声データ等の入出力動作を行う際に用いられるインターフェイス回路である。
デジタルオーディオインターフェイス223は、マルチエフェクタ228からスピーカ11に音声信号等を出力する際に用いられるインターフェイス回路である。また、デジタルオーディオインターフェイス223は、オーディオ入力信号をマルチエフェクタ228に出力する。
ペリフェラルインターフェイス224は、ランプ群18とサウンド・ランプ制御モジュール226との間でランプ信号等(後述のLEDデータ等)の入出力動作を行う際に用いられるインターフェイス回路である。また、ペリフェラルインターフェイス224には、ランプ群18に含まれるLEDドライバにデータ出力を行う際の物理系統(SPIチャンネル)として、3つの物理系統が設けられている。なお、本実施形態では、後述のように、2つの物理系統(物理系統0(SPIチャンネル0)及び物理系統1(SPIチャンネル1))を用いる。
コマンドレジスタ225は、レジスタ群で構成される。コマンドレジスタ225は、サウンド・ランプ制御モジュール226、メインジェネレータ227及びマルチエフェクタ228の機能制御の設定を行う。また、コマンドレジスタ225は、各インターフェイス(LSIインターフェイス221、メモリインターフェイス222、デジタルオーディオインターフェイス223、ペリフェラルインターフェイス224)の動作条件の設定も行う。
なお、コマンドレジスタ225を構成する各レジスタには、IC(Integrated Circuit)が搭載され、メモリ・アクセス制御により動作を安定させたメモリチップにより各レジスタが構成される。このような構成のレジスタを用いた場合、各レジスタが接続された信号バスへの負担が小さくなるので、メモリ・チップ(レジスタ)を増やすことにより、容易に、メモリ・モジュール1枚当りの容量(コマンドレジスタ225の容量)を増加させることができる。
サウンド・ランプ制御モジュール226は、コマンドレジスタ225の設定内容に従い、音声・LED制御回路220内の各構成部(各ブロック)の動作を制御する。サウンド・ランプ制御モジュール226は、図7に示すように、シンプルアクセス制御部226a、シーケンサー部226b、ランプ制御部226c及びペリフェラル制御部226dを有する。
シンプルアクセス制御部226aは、コマンドを一括処理する回路部である。シーケンサー部226bは、ランプ点灯や音声などの自動再生動作を制御するための各種シーケンサー(自動再生機能部)を有する。そして、各シーケンサーは、タイマーやステップ条件(例えば、後述のLEDアニメーションや音声などのシーケンス再生中のステップ処理毎に設定される条件)に従って、各種動作を制御する。
ランプ制御部226cは、後述のLEDデータが設定可能な全チャンネル(8つのチャンネル)において、セットされる輝度値の計算を行い、その算出結果を外部(LEDドライバ)に送信する。また、ペリフェラル制御部226dは、ランプ制御部226cから出力された算出結果のデータをLEDドライバに送信する際の物理的な送信制御を行う。
メインジェネレータ227は、音声信号を生成する回路部である。具体的には、メインジェネレータ227は、サウンド・ランプ制御モジュール226から入力された制御信号に基づいて、CGROM206に記憶されている所定の音声データ(例えば、後述のアクセスデータ等)を取得し、該取得した音声データを所定の音声信号に変換する。また、メインジェネレータ227では、生成された音声信号の増幅処理も行う。
マルチエフェクタ228は、メインジェネレータ227から入力される音声信号とデジタルオーディオインターフェイス223から入力されるオーディオ入力信号とを合成するミキサーと、音声に対して各種音響効果を与えるための各種エフェクターとを有する。そして、マルチエフェクタ228は、ミキサーで合成された音声信号、エフェクターからの出力信号等をデジタルオーディオインターフェイス223を介してスピーカ11に出力する。
[デジタルオーディオパワーアンプ及びスピーカ間の接続構成]
次に、図8を参照しながら、内蔵中継基板260内に設けられたデジタルオーディオパワーアンプ262及びその周辺回路と、スピーカ11との間の接続構成について説明する。図8は、内蔵中継基板260及びスピーカ11間の接続構成図である。なお、図8では、接続部分の構成をより明確にするため、スピーカ11が内蔵中継基板260に接続されていない状態を示す。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、図8に示すように、スピーカ11が設けられたスピーカボックス11aは、ハーネス300(信号配線手段)を介して内蔵中継基板260に接続される。
内蔵中継基板260は、デジタルオーディオパワーアンプ262と、LC回路263と、4つの接続端子(第1接続端子〜第4接続端子)を含む接続端子群264(第2端子群)と、2つの抵抗265,266と、コンデンサ267と、NOT回路(論理回路)268とを有する。
デジタルオーディオパワーアンプ262は、入力された音声信号(オーディオデータ)を増幅し、該増幅された音声信号をスピーカ11に出力して、スピーカ11を駆動する。LC回路263は、コイル及びコンデンサを含む共振回路で構成される。また、NOT回路268は入力された信号のレベルを反転して出力する論理回路である。
デジタルオーディオパワーアンプ262のクロック入力端子(MCK)及びデータ入力端子(SDATA)は、音声・LED制御回路220に接続される。そして、デジタルオーディオパワーアンプ262のクロック入力端子(MCK)には、音声・LED制御回路220から出力されたクロック信号(マスタークロック信号)が入力され、データ入力端子(SDATA)には、音声・LED制御回路220から出力された音声信号(オーディオデータ)が入力される。
また、デジタルオーディオパワーアンプ262の第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)は、LC回路263を介して、それぞれ、内蔵中継基板260の接続端子群264内の第1接続端子及び第2接続端子(第1の接続端子)に接続される。なお、本実施形態では、デジタルオーディオパワーアンプ262の出力端子を2つ設ける例を示すが、本発明はこれに限定されず、例えば、スピーカ11が有する機能や仕様などに応じて適宜変更することができる。
さらに、デジタルオーディオパワーアンプ262は、ミュート端子(MUTE:音声出力制御端子)を有する。デジタルオーディオパワーアンプ262は、ミュート端子に印加される電圧信号のレベル(振幅値)がLOWレベルである場合には、第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)からの音声信号の出力を停止する、又は、これらの出力端子を高抵抗を介して接地した状態にする機能(以下、ミュート機能という)を有する。すなわち、デジタルオーディオパワーアンプ262は、ミュート端子に印加される電圧信号のレベルがLOWレベルである場合に、第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)から内蔵中継基板260の第1接続端子及び第2接続端子への音声信号の出力が停止されるような状態を生成する機能を有する。
一方、ミュート端子(MUTE)に印加される電圧信号のレベル(振幅値)がHIGHレベルである場合には、デジタルオーディオパワーアンプ262は、第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)から音声信号を出力する。
内蔵中継基板260の接続端子群264内の第3接続端子(第2の接続端子)は、抵抗266を介して、NOT回路268の入力端子に接続される。また、NOT回路268の出力端子は、デジタルオーディオパワーアンプ262のミュート端子(MUTE)に接続される。なお、内蔵中継基板260の第3接続端子及び抵抗266間の信号配線は、抵抗265を介して内蔵中継基板260内に設けられた電源電圧(+5V)端子に接続される。また、NOT回路268の入力端子及び抵抗266間の信号配線は、コンデンサ267を介して内蔵中継基板260内に設けられた接地(GND)端子に接続される(接地される)。さらに、内蔵中継基板260の第4接続端子(第3の接続端子)は、接地(GND)端子に接続される。
スピーカ11は、図8に示すように、木枠で構成されたスピーカボックス11aに取り付けられている。また、スピーカボックス11aには、4つの接続端子(第1接続端子〜第4接続端子)を含む接続端子群11b(第1端子群)が設けられる。そして、スピーカボックス11aの第1接続端子及び第2接続端子は、信号配線を介してスピーカ11に接続される。また、スピーカボックス11aの第3接続端子(特定の接続端子)は、信号配線W1により、第4接続端子に電気的に接続される。
ハーネス300は、図8に示すように、4本の信号配線を束にして構成される。そして、4本の信号配線の一方の4つの接続端子(第1接続端子〜第4接続端子)は、内蔵中継基板260の第1接続端子〜第4接続端子にそれぞれ接続される。一方、4本の信号配線の他方の4つの接続端子(第5接続端子〜第8接続端子)は、スピーカボックス11aの第1接続端子〜第4接続端子にそれぞれ接続される。すなわち、内蔵中継基板260の第1接続端子とスピーカボックス11aの第1接続端子との間は、ハーネス300内の第1接続端子及び第5接続端子間の信号配線(第1の信号配線)により接続され、内蔵中継基板260の第2接続端子とスピーカボックス11aの第2接続端子との間は、ハーネス300内の第2接続端子及び第6接続端子間の信号配線により接続される。また、内蔵中継基板260の第3接続端子とスピーカボックス11aの第3接続端子との間は、ハーネス300内の第3接続端子及び第7接続端子間の信号配線(第2の信号配線)により接続され、内蔵中継基板260の第4接続端子とスピーカボックス11aの第4接続端子との間は、ハーネス300内の第4接続端子及び第8接続端子間の信号配線(第3の信号配線)により接続される。これにより、スピーカ11は、ハーネス300を介して内蔵中継基板260に接続される。
なお、ハーネス300に含まれる信号配線の本数は4本に限定されず、例えば、デジタルオーディオパワーアンプ262及びスピーカ11の各仕様、両者間の接続構成等に応じて適宜変更される。ハーネス300には、少なくとも、デジタルオーディオパワーアンプ262の出力端子とスピーカ11とを接続するための信号配線、及び、デジタルオーディオパワーアンプ262のミュート端子をスピーカボックス11aを介して接地するための信号配線が含まれていればよい。
上述のようにして、内蔵中継基板260とスピーカ11とをハーネス300を介して接続すると、デジタルオーディオパワーアンプ262の第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)は、ハーネス300を介して、スピーカ11に接続される。また、デジタルオーディオパワーアンプ262のミュート端子(MUTE)は、NOT回路268、ハーネス300、並びに、スピーカボックス11aの第3接続端子及び第4接続端子間の信号配線W1を介して接地される。
この結果、スピーカ11がハーネス300を介して内蔵中継基板260(デジタルオーディオパワーアンプ262)に接続されている状態では、LOWレベルの電圧信号がNOT回路268に入力されるので、デジタルオーディオパワーアンプ262のミュート端子(MUTE)に入力される電圧信号のレベル(振幅値)はHIGHレベルとなる。この場合、デジタルオーディオパワーアンプ262の第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)からスピーカ11に音声信号が出力される。
一方、スピーカ11が内蔵中継基板260(デジタルオーディオパワーアンプ262)に接続されていない場合には、内蔵中継基板260の第3接続端子が開放状態となる。この場合、電源電圧(+5V)がNOT回路268に入力されるので、デジタルオーディオパワーアンプ262のミュート端子(MUTE)に入力される電圧信号のレベル(振幅値)はLOWレベルとなり、デジタルオーディオパワーアンプ262の上述したミュート機能が作動する。
すなわち、スピーカ11が内蔵中継基板260(デジタルオーディオパワーアンプ262)から外れている場合には、デジタルオーディオパワーアンプ262の第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)から内蔵中継基板260の第1接続端子及び第2接続端子への音声信号の出力が停止されるような状態が生成される。この結果、デジタルオーディオパワーアンプ262(出力端子)と、内蔵中継基板260の第1及び第2接続端子との間における共振現象の発生を抑制し、デジタルオーディオパワーアンプ262の故障等の不具合発生を防止することができる。
上述のように、本実施形態では、ホスト制御回路210及び音声・LED制御回路220によるソフトウェア上の制御とは関係無く、デジタルオーディオパワーアンプ262のミュート機能を作動させることができる。それゆえ、例えば、スピーカ11が内蔵中継基板260から外れている状況において、ホスト制御回路210及び音声・LED制御回路220が音声信号の出力停止制御を行っていると認識していてもプログラム上のバグ(不具合)等により誤って音声信号が出力されているような場合や、スピーカ11をハーネス300から外さなければ遊技盤の付け替えることができない構造のパチンコ遊技機1において、遊技盤の付け替え終了後に誤ってスピーカ11とハーネス300とを接続せずに扉を閉じ、音声出力を開始した場合などの状況が発生しても、ハード的に、上述したデジタルオーディオパワーアンプ262のミュート機能が作動する。この場合、確実に、デジタルオーディオパワーアンプ262を保護することができ、パチンコ遊技機1の安全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、上述のように、内蔵中継基板260の第3接続端子は、ハーネス300、並びに、スピーカボックス11aの第3接続端子及び第4接続端子間の信号配線W1を介して、内蔵中継基板260内に設けられた接地(GND)端子に接続される。このような構成では、内蔵中継基板260の第3接続端子の信号レベルがLOWになっている場合に、この要因が内蔵中継基板260の第4接続端子が接地されていることによるものであるか否かを、内蔵中継基板260の第4接続端子の信号レベルを計測することにより判定することができるので、デジタルオーディオパワーアンプ262からのデジタル出力動作をより正確に管理することができる。
[表示制御回路]
次に、図9を参照しながら、表示制御回路230の内部構成について説明する。図9は、表示制御回路230内部の回路構成、並びに、表示制御回路230とその各種周辺装置及び周辺回路部との接続関係を示すブロック図である。
表示制御回路230は、図9に示すように、メモリコントローラ231と、コマンドメモリ232と、コマンドパーサ233と、動画デコーダ234と、静止画デコーダ235と、SDRAMコントローラ236と、内蔵VRAM237と、第1ディスプレイコントローラ238と、第2ディスプレイコントローラ239と、3D(Dimension)ジオメトリエンジン240と、レンダリングエンジン241とを備える。表示制御回路230内における各部の接続関係、並びに、表示制御回路230とその各種周辺装置及び周辺回路との接続関係は、次の通りである。
表示制御回路230内において、メモリコントローラ231は、コマンドパーサ233、動画デコーダ234及び静止画デコーダ235に接続される。コマンドパーサ233は、メモリコントローラ231以外に、コマンドメモリ232、動画デコーダ234、静止画デコーダ235及び3Dジオメトリエンジン240に接続される。動画デコーダ234は、メモリコントローラ231及びコマンドパーサ233以外に、SDRAMコントローラ236に接続される。静止画デコーダ235は、メモリコントローラ231及びコマンドパーサ233以外に、内蔵VRAM237に接続される。
また、表示制御回路230内において、SDRAMコントローラ236は、動画デコーダ234以外に、内蔵VRAM237、第1ディスプレイコントローラ238及び第2ディスプレイコントローラ239に接続される。内蔵VRAM237は、静止画デコーダ235及びSDRAMコントローラ236以外に、第1ディスプレイコントローラ238、第2ディスプレイコントローラ239及びレンダリングエンジン241に接続される。さらに、3Dジオメトリエンジン240は、コマンドパーサ233以外に、レンダリングエンジン241に接続される。
なお、SDRAM250は、表示制御回路230内のメモリコントローラ231及びSDRAMコントローラ236に接続される。また、CGROM基板204は、表示制御回路230内のメモリコントローラ231に接続される。また、ホスト制御回路210は、表示制御回路230内のメモリコントローラ231及びコマンドメモリ232に接続される。さらに、表示装置13は、表示制御回路230内の第1ディスプレイコントローラ238及び第2ディスプレイコントローラ239に接続される。
次に、表示制御回路230内の各部の構成について説明する。
メモリコントローラ231は、主に、外部の各種メモリ(CGROM基板204及びSDRAM250)と表示制御回路230との間の通信制御を行う。例えば、メモリコントローラ231は、制御対象となる外部のメモリのアドレス指定信号の送受信や、メモリのレディ、ビジー管理等の処理を行い、各種メモリに対して指定したアドレスに格納されたデータ(演出データ、コマンドデータなど)を取得する処理を行う。
コマンドメモリ232は、コマンドリストを格納する内蔵メモリである。なお、コマンドリストは、コマンドメモリ232以外に、SDRAM250、CGROM基板204(CGROM206)に格納することもできる。
コマンドパーサ233は、指定されたメモリ(コマンドメモリ232、SDRAM250又はCGROM206)からコマンドリストを取得する。具体的には、本実施形態では、ホスト制御回路210により表示制御回路230内のシステム制御レジスタ(不図示)に、コマンドリストが配置されたメモリの種別(コマンドメモリ232、SDRAM250又はCGROM206)と、その開始アドレスとが設定される。そして、コマンドパーサ233は、システム制御レジスタ(不図示)に指定されたメモリ内の開始アドレスにアクセスしてコマンドリストを取得する。
また、コマンドパーサ233は、取得したコマンドリストを解析して具体的な制御コードを生成し、該制御コードを動画デコーダ234、静止画デコーダ235、3Dジオメトリエンジン240に出力する。本実施形態では、コマンドパーサ233により出力された制御コードに基づいて、表示制御回路230内の各画像処理モジュールが作動する。
動画デコーダ234は、CGROM基板204又はSDRAM250から取得された動画圧縮データを復号(デコード)する。そして、動画デコーダ234は、復号した動画データをSDRAM250(外付けRAM)に出力する。なお、動画デコーダ234から出力された動画データ(デコード結果)は、SDRAM250内に設けられたムービバッファに格納される。
静止画デコーダ235は、CGROM基板204又はSDRAM250から取得された静止画圧縮データを復号する。そして、静止画デコーダ235は、復号した静止画データを内蔵VRAM237に出力する。なお、静止画デコーダ235から出力された静止画データ(デコード結果)は、内蔵VRAM237内に設けられたスプライトバッファに一時的に格納される。
SDRAMコントローラ236は、デコードされた動画データ及び静止画データのRAMへの格納処理や、内蔵VRAM237とCGROM基板204又はSDRAM250との間における画像データの転送処理(描画処理)などの動作を制御するコントローラである。
内蔵VRAM237は、表示制御回路230による描画処理において、デコード処理やレンダリング処理などの各種処理を実行する際のワークRAMとして動作する。また、描画処理内の各処理過程において行われる、内蔵VRAM237とCGROM基板204又はSDRAM250との間の画像データの転送処理において、各種画像データが内蔵VRAM237に一時的に格納される。
第1ディスプレイコントローラ238及び第2ディスプレイコントローラ239のそれぞれは、レンダリングエンジン241により生成されたレンダリング結果(描画結果)を取得し、該レンダリング結果を表示装置13に出力する。これにより、表示装置13の表示画面に、所定の画像が表示される。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1のように、2つのディスプレイコントローラを設けた場合には、一つの表示制御回路230(1チップ)により、2つの画面を表示装置13に設けて各画面を独立して制御することができる。
3Dジオメトリエンジン240は、コマンドパーサ233から入力された制御コードに基づいて、3次元情報を2次元情報に変換する処理(投影変換処理)や、図形の拡大、縮小、回転及び移動等のアフィン変換(図形変換)処理を行う。そして、3Dジオメトリエンジン240は、変換処理の結果をレンダリングエンジン241に出力する。
レンダリングエンジン241は、伸張された静止画データ及び動画データが格納されたテクスチャソース(本実施形態ではSDRAM250)を参照し、該画像データに対してレンダリング(描画)処理を施する。そして、レンダリングエンジン241は、レンダリング結果をレンダリングターゲット(本実施形態では、内蔵VRAM237又はSDRAM250)に書き出す。
なお、本明細書でいう「レンダリング(描画)する」とは、動画の拡大縮小や回転などの指定情報(本実施形態では、3Dジオメトリエンジン240から出力された情報)に従ってデコードされたデータを編集することである。また、ここでいう「レンダリングエンジン」には、例えば、「ラスタライザ」、「ピクセルシェーダ」なども含まれる。それゆえ、レンダリングエンジン241では、ピクセルシェーダと同様に、画像データに対してピクセル単位で、ARGB値(A:透明度(不透明度)を示すアルファ値、R:赤色成分の輝度値、G:緑色成分の輝度値、B:青色成分の輝度値)の演算処理も行われる。
<遊技状態の種別>
次に、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別について説明する。
本実施形態において、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別としては、賞球の期待度が互いに異なる「大当り遊技状態」(特別遊技状態)及び「小当り遊技状態」(特定遊技状態)がある。「大当り遊技状態」は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54のシャッタの開放期間(すなわち、1ラウンドの期間)が長い(例えば30sec等)ラウンドゲームが発生する遊技状態であり、遊技者にとって大きな賞球が期待できる遊技状態である。すなわち、「大当り遊技状態」では、大入賞口のシャッタの開放状態及び閉鎖状態の繰り返し態様が遊技者によって有利な状態となる。
一方、「小当り遊技状態」は、「大当り遊技状態」に比べて1ラウンドの期間が短い(例えば1.8sec等)ラウンドゲームが発生する遊技状態であり、遊技者にとって大きな賞球が期待できない遊技状態である。すなわち、「小当り遊技状態」では、大入賞口のシャッタの開放状態及び閉鎖状態の繰り返し態様が遊技者によって不利な状態となる。
また、本実施形態において、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別としては、「大当り」の当選確率が互いに異なる「確変遊技状態」(高確率遊技状態)及び「通常遊技状態」(低確率遊技状態)がある。
「確変遊技状態」は、「大当り」の当選確率(本実施形態では1/131)が高い遊技状態である。一方、「通常遊技状態」は、「確変遊技状態」に比べて「大当り」の当選確率(本実施形態では1/392)が低い遊技状態である。
さらに、本実施形態において、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別としては、普通図柄の当選確率(普通図柄が「当り」の態様になる確率)が互いに異なる「時短遊技状態」(高入賞遊技状態)及び「非時短遊技状態」(低入賞遊技状態)がある。
本明細書でいう「時短遊技状態」とは、普通図柄の当選確率が高い遊技状態のことである。すなわち、「時短遊技状態」は、第2始動口45に設けられた普通電動役物46(羽根部材)が開放状態になり易い遊技状態(第2始動口入賞が発生し易い遊技状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、「時短遊技状態」は、「大当り」が決定された場合、又は、後述する所定の時短回数分の特別図柄の変動表示が実行された場合に終了する。また、時短遊技状態では、該状態中に実行される特別図柄の変動表示を行う時間である変動時間として、通常遊技状態中に選択される変動時間よりも短い変動時間が選択され易くなるように制御されていてもよい。このような制御により、時短遊技状態において通常遊技状態中よりも変動時間の短縮を行い、単位時間当たりの遊技回数を増やすことによって、遊技者に有利な遊技状態を付与してもよい。
一方、「非時短(時短なし)遊技状態」とは、普通図柄の当選確率が「時短遊技状態」に比べて低い遊技状態のことである。それゆえ、「非時短遊技状態」は、普通電動役物46(羽根部材)が開放状態になり難い遊技状態(第2始動口入賞が発生し難い遊技状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。
そして、本実施形態では、「大当り遊技状態」及び「小当り遊技状態」以外の上述した遊技状態の各種組合せの遊技状態が設けられる。具体的には、本実施形態では、「確変遊技状態」と「時短遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(以下、「高確時短あり」の状態という)、及び、「確変遊技状態」と「非時短遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(以下、「高確時短なし」の状態という)が設けられる。なお、「高確時短なし」の状態では、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを遊技者が判別することが難しいので、ここでは、このような遊技状態を「潜確遊技状態」ともいう。また、本実施形態では、「通常遊技状態」と「非時短遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(以下、「低確時短なし」の状態という)、及び、「通常遊技状態」と「時短遊技状態」とが同時に発生するような遊技状態(以下、「低確時短あり」の状態という)も設けられる。
[パチスロ遊技機の構造]
次に、図10を参照して、本実施形態におけるパチスロ遊技機501の構造について説明する。なお、図10は、本実施形態におけるパチスロ遊技機501の外観を示す斜視図である。
パチスロ遊技機501は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機である。以下ではメダルを用いるものとして説明する。
パチスロ遊技機501の全体を形成している筐体504は、箱状のキャビネット560と、このキャビネット560を開閉する前面ドア502とを備える。この前面ドア502正面の左右には、複数の色に発光可能なランプ514が設けられている。
このランプ514は、発光ダイオード(LED)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等、少なくとも緑色、黄色、青色、赤色に発光可能であれば既存の発光素子でよい。
また、前面ドア502の正面の略中央には、縦長矩形の表示窓521L,521C,521Rが設けられる。表示窓521L,521C,521Rには、上段の有効ライン508が設定されている。この有効ライン508は、後述のベットボタン511を操作すること(以下「BET操作」という)、或いはメダル投入口522にメダルを投入することにより有効化される入賞判定を行うラインである。なお、有効化されたライン508を「有効ライン」と呼ぶ。
前面ドア502の裏面には、複数のリール503L,503C,503Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール503L,503C,503Rには、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての図柄列が描かれており、各リール503L,503C,503Rの図柄は表示窓521L,521C,521Rを通して、パチスロ遊技機501の外部から視認できるようになっている。また、各リール503L,503C,503Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
各リール503L,503C,503Rの内部には、図示しないがリールバックライトが設けられている。リールバックライトは、リール503L,503C,503Rの図柄を背後から照明するものである。各表示窓521L,521C,521Rに停止表示される3つ分の図柄に対応させて、1つのリール503L,503C,503Rにつき、縦に並んで3つのリールバックライトが設けられている。
これらのリールバックライトは、リール503L,503C,503Rの停止後において発生させるバックライト演出にも利用される。バックライト演出は、小役の種類に対応付けて複数種類設定されるが、所定の条件が成立した場合には強制終了させられる。本実施形態において、所定の条件とは、例えば小役入賞に伴うメダルの払出が完了した場合、リプレイの入賞によるメダルの自動投入が完了した場合、あるいは遊技者がメダルを手入れした場合が該当する。メダルの払出、メダルの自動投入、及びメダルの手入れ投入の完了は、メインCPU531(図11参照)からサブCPU581(図12参照)に送信される払出信号及び投入信号に基づいて、サブCPU581において認識される。払出信号は、メダルが1枚払い出される毎にメインCPU531から送信される。投入信号は、自動投入及び手入れ投入を区別することなく、メダルが1枚投入される毎にメインCPU531から送信される。サブCPU581は、バックライト演出を実行している場合には、払出信号及び投入信号に基づいて、バックライト演出を強制終了する。より具体的には、サブCPU581は、払出信号に関しては最後の1枚を払い出したときの払出信号を受信したときにバックライト演出を強制終了し、投入信号に関しては3枚目の投入信号(遊技可能枚数)を受信したときにバックライト演出を強制終了する。
払出の完了による次回遊技へのメダルの投入許可、又は自動投入あるいは手入れによる次回遊技の開始操作の許可が行われた場合には、リールバックライトによる演出を強制的に終了させることで、次回遊技が開始する前に遊技者に表示結果を明確に表示することができる。
表示窓521L,521C,521Rの上方には、液晶表示装置505が設けられる。液晶表示装置505は、表示窓521L,521C,521Rよりも大きな表示面を備え、画像表示による演出を行う。また、前面ドア502の正面下部には、スピーカ509L,509Rが設けられており、効果音や音声等の音による演出を行う。
表示窓521L,521C,521Rの左方には、7セグメントLEDからなる7セグ表示器513が設けられる。7セグ表示器513は、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ遊技機501内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
表示窓521L,521C,521Rの下方には、略水平面の台座部510が形成されている。この台座部510の水平面内のうち、右側にはメダル投入口522が設けられ、左側にはベットボタン511が設けられる。
このベットボタン511を押下操作することで、単位遊技の用に供される枚数(3枚)のメダルが投入され、前述の通り、所定の表示ラインが有効化される。ベットボタン511の操作及びメダル投入口522にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」という。
また、表示窓521L,521C,521Rの左方には、遊技者が操作可能な入力ボタン595が設けられている。この入力ボタン595は、十字キーや実行ボタン等の複数のキー操作子から構成されており、遊技者がこのキー操作子を操作することにより、例えば、液晶表示装置505においてゲームの履歴を表示させることができる。
台座部510の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール503L,503C,503Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段としてのストップボタン507L,507C,507Rが設けられている。なお、実施例では、単位遊技は、基本的にスタートレバー506が操作されることにより開始し、全てのリール503L,503C,503Rが停止したときに終了する。
台座部510の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換える精算ボタン512が設けられている。この精算ボタン512の切り換えにより、正面下部のメダル払出口515からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部516に溜められる。精算ボタン512の右側には、遊技者の回動操作により上記リールを回転させ、表示窓521L,521C,521R内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー506が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
前面ドア502下部の正面には、メダルが払出されるメダル払出口515と、この払出されたメダルを貯留するメダル受け部516とが設けられている。また、前面ドア502下部の正面のうち、ストップボタン507L,507C,507Rとメダル受け部516とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル520が取り付けられている。
キャビネット560の両側部には、把持部547が設けられており、パチスロ遊技機501の設置時等に持ち運び易くなっている。
[パチスロ遊技機が備える回路の構成]
パチスロ遊技機501の構造についての説明は以上である。次に、図11及び図12を参照して、本実施形態におけるパチスロ遊技機501が備える回路の構成について説明する。本実施形態におけるパチスロ遊技機501は、主制御回路571、副制御回路572及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御回路>
図11は、本実施形態におけるパチスロ遊技機501の主制御回路571の構成を示すブロック図である。
(マイクロコンピュータ)
主制御回路571は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ530を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ530は、CPU(以下、メインCPU)531、ROM(以下、メインROM)532及びRAM(以下、メインRAM)533により構成される。
メインROM532には、メインCPU531により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路572に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM533には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
(乱数発生器等)
メインCPU531には、クロックパルス発生回路534、分周器535、乱数発生器536及びサンプリング回路537が接続されている。クロックパルス発生回路534及び分周器535は、クロックパルスを発生する。メインCPU531は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器536は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路537は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
(スイッチ等)
マイクロコンピュータ530の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU531は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ549L,549C,549R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ507Sは、3つのストップボタン507L,507C,507Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ506Sは、スタートレバー506が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。さらに、入力ボタンスイッチ959Sは、入力ボタン595が遊技者により操作されたことを検出する。
メダルセンサ542Sは、メダル投入口522に受け入れられたメダルが前述のセレクタ542内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ511Sは、ベットボタン511が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ512Sは、精算ボタン512が遊技者により押されたことを検出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ530により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ549L,549C,549R、7セグ表示器513及びホッパー540がある。また、マイクロコンピュータ530の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路539は、各リール503L,503C,503Rに対応して設けられたステッピングモータ549L,549C,549Rの駆動を制御する。リール位置検出回路550は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール503L,503C,503Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール503L,503C,503Rに応じて検出する。
ステッピングモータ549L,549C,549Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ549L,549C,549Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール503L,503C,503Rに伝達される。ステッピングモータ549L,549C,549Rに対して1回のパルスが出力される毎に、リール503L,503C,503Rは一定の角度で回転する。
メインCPU531は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ549L,549C,549Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール503L,503C,503Rの回転角度(主に、リール503L,503C,503Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール503L,503C,503Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路548は、7セグ表示器513の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路541は、ホッパー540の動作を制御する。また、払出完了信号回路551は、ホッパー540に設けられたメダル検出部540Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー540から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
(外部端子板)
外部端子板517は、スタートスイッチ506Sから信号が出力された旨のスタート信号、ARTに移行する旨の信号等を外部に出力するものである。外部端子板517からの信号は、例えば呼出装置やホールコンピュータなどの外部機器518に入力される。
具体的には、パチスロ遊技機501は、メダルのIN枚数及びOUT枚数を外部端子板517を介してホールコンピュータに出力する。OUT枚数は、例えば小役入賞時にそのときの払出枚数として出力される。
ここで、外部機器518の一例である呼出装置は、遊技場の店員を呼び出すものであるが、一般にデータ表示を行う機能を備えており、データ表示器とも称される。呼出装置では、一般的な機能として、ビッグボーナス回数やレギュラーボーナス回数を表示することが可能であり、またボーナス間の要した遊技回数をボーナス履歴として表示することが可能である。呼出装置では、当日を含めた数日間のボーナス回数や総遊技数等の履歴を表示することが可能であり、当日のボーナスについてはボーナス間に要した遊技数を履歴として表示可能である。各種の履歴等の情報に関しては、呼出装置に設けられた操作ボタンを操作することにより、表示される情報の切り換えを行うことが可能である。
呼出装置は、パチスロ遊技機501のようなARTを備えた遊技機に対しては、ART回数を表示することが可能となるように設定できるようになっている。
このような呼出装置に対して、パチスロ遊技機501からのARTに移行する旨を表す信号は、RT1遊技状態において、RT3移行リプが表示されたときに、主制御回路571において生成され外部端子板517を介して送信される。本実施形態の場合、呼出装置へ出力される所定の外部信号を所定のタイミングでオンオフ制御することにより、当該呼出装置において、7揃いリプが表示されたことが表示されたり、RT3遊技状態が表示されたりするようになっている。
<副制御回路>
図12は、本実施形態におけるパチスロ遊技機501の副制御回路572の構成を示すブロック図である。
副制御回路572は、主制御回路571と電気的に接続されており、主制御回路571から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路572は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)581、ROM(以下、サブROM)582、RAM(以下、サブRAM)583、レンダリングプロセッサ584、描画用RAM585、ドライバ587、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)588、オーディオRAM589、A/D変換器590及びアンプ591を含んで構成されている。
サブCPU581は、主制御回路571から送信されたコマンドに応じて、サブROM582に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM583は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路571から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。また、本実施形態では、サブRAM583にはATセットカウンタ、連荘カウンタ、ストックカウンタ、ペナルティカウンタ、及びARTカウンタ等が設けられている。サブROM582は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU581が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路571との通信を制御し通信内容に基づいて演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための主基板通信タスクや、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置505による映像の表示を制御するアニメタスク、ランプ514による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ509L,509Rによる音の出力を制御するサウンド制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、副制御回路572には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置505、スピーカ509L,509R、ランプ514が接続されている。
サブCPU581、レンダリングプロセッサ584、描画用RAM585(フレームバッファ586を含む)及びドライバ587は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置505により表示する。
また、サブCPU581、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)588、オーディオRAM589、A/D変換器590及びアンプ591は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ509L,509Rにより出力する。また、サブCPU581は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ514の点灯及び消灯を行う。
<パチンコ遊技機のメインROMに記憶されているデータテーブルの構成>
次に、図13〜図22を参照しながら、パチンコ遊技機1の主制御回路70のメインROM72に記憶される各種データテーブルの構成について説明する。
[大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)]
まず、図13を参照して、大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)について説明する。大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)は、第1始動口44に遊技球が入球(入賞)した際に取得される大当り判定用乱数値に基づいて「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれかを抽選により決定する際に参照されるテーブルである。
なお、大当り判定用乱数値は、始動口入賞を契機に行われる抽選結果を判定するための乱数値であり、より具体的には、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の抽選結果を示す乱数値である。また、本実施形態では、大当り判定用乱数値(特別図柄の抽選用乱数値)は、0〜65535(65536種類)の中から選ばれる。
本実施形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した場合、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれかが抽選により決定される。それゆえ、大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、図13に示すように、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のそれそれの当選が決定される大当り判定用乱数値の範囲と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」のいずれか)との関係が規定される。なお、確変フラグは、メインRAM73に格納された管理フラグの一つであり、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「確変遊技状態」である場合には、確定フラグは「1」となる。
本実施形態では、図13に示すように、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「943」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(図13中の「選択率」)は、167/65536となる。
また、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、300/65536となる。
さらに、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」及び「777」〜「943」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「1277」のいずれかである場合には、図13に示すように、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(図13中の「選択率」)は、500/65536となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、300/65536となり、確変フラグが「0」である場合のそれと同じになる。
さらに、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」及び「777」〜「1277」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した場合には、入賞時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、選択率(大当り確率)が変動する。具体的には、遊技状態が「確変遊技状態」である時に第1始動口44に遊技球が入賞した場合の大当り確率は、遊技状態が「確変遊技状態」でない時のそれの約3倍程度高くなる。
[大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)]
次に、図14を参照して、大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)について説明する。大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)は、第2始動口45に遊技球が入球(入賞)した際に取得される大当り判定用乱数値に基づいて「大当り」か否かの抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
本実施形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した場合、「大当り」及び「ハズレ」のいずれかが抽選により決定される。なお、第2始動口45に遊技球が入賞した場合には、「小当り」は当選しない。それゆえ、大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)には、図14に示すように、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」及び「ハズレ」のそれぞれの当選が決定される大当り判定用乱数値の範囲と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」のいずれか)との関係が規定される。
本実施形態では、図14に示すように、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「943」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(図14中の「選択率」)は、167/65536となる。
また、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「943」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「1277」のいずれかである場合には、図14に示すように、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、500/65536となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「1277」のいずれでもない場合には、「ハズレ」となり、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した場合にもまた、入賞時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、選択率(大当り確率)が変動する。具体的には、第1始動口44入賞時と同様に、第2始動口45入賞時においても、遊技状態が「確変遊技状態」である時に第2始動口45に遊技球が入賞した場合の大当り確率は、遊技状態が「確変遊技状態」でない時のそれの約3倍程度高くなる。
[図柄判定テーブル(第1始動口入賞時)]
次に、図15を参照して、図柄判定テーブル(第1始動口入賞時)について説明する。
本実施形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した際に行われる大当り判定用乱数値に基づく抽選の当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)と、第1始動口入賞時に取得される図柄乱数値(図柄決定用乱数値)とに基づいて、特別図柄が選択される。図柄判定テーブル(第1始動口入賞時)は、その特別図柄を選択する際に参照されるテーブルである。なお、図柄乱数値は、特別図柄を決定するための乱数値であり、大当り判定用乱数値に基づく抽選の当選種別に関係なく、0〜99(100種類)の中から選ばれる。
図柄判定テーブル(第1始動口入賞時)には、図15に示すように、大当り判定用乱数値に基づく抽選の当選種別を示す判定値データ毎に、特別図柄を指定するための図柄指定コマンド(「zA1」〜「zA3」)と、該図柄指定コマンドが選択される図柄乱数値との関係が規定される。
なお、大当り判定用乱数値に基づく抽選の当選種別が「小当り」(小当り判定値データ)である場合には、選択される図柄指定コマンドは1種類(zA2)であり、必ずその図柄指定コマンド(zA2)が決定される。また、大当り判定用乱数値に基づく抽選の当選種別が「ハズレ」(ハズレ判定値データ)である場合にも、選択される図柄指定コマンドは1種類(zA3)であり、必ずその図柄指定コマンド(zA3)が決定される。
一方、大当り判定用乱数値に基づく抽選の当選種別が「大当り」(大当り判定値データ)である場合には、図15に示すように、選択される特別図柄の種別は複数あり、「大当り」時の図柄指定コマンド(図15中の大当り時選択図柄コマンド)も複数種(「z0」〜「z4」)用意されている。そして、「大当り」時には、取得される図柄乱数値に応じて、決定される大当り時選択図柄コマンドも変化する。例えば、「大当り」時に取得された図柄乱数値が「40」〜「59」のいずれかである場合には、大当り時選択図柄コマンド「z2」が選択され、その選択率は、20/100となる。
[図柄判定テーブル(第2始動口入賞時)]
次に、図16を参照して、図柄判定テーブル(第2始動口入賞時)について説明する。
本実施形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した際に行われる大当り判定用乱数値に基づく抽選の当選種別(「大当り」又は「ハズレ」)と、第2始動口入賞時に取得される図柄乱数値(図柄決定用乱数値)とに基づいて、特別図柄が選択される。図柄判定テーブル(第2始動口入賞時)は、その特別図柄を選択する際に参照されるテーブルである。
図柄判定テーブル(第2始動口入賞時)には、図16に示すように、大当り判定用乱数値に基づく抽選の当選種別を示す判定値データ毎に、特別図柄を指定するための図柄指定コマンド(「zA1」及び「zA3」)と、該図柄指定コマンドが選択される図柄乱数値との関係が規定される。
なお、大当り判定用乱数値に基づく抽選の当選種別が「ハズレ」(ハズレ判定値データ)である場合にも、選択される図柄指定コマンドは1種類(zA3)であり、必ずその図柄指定コマンド(zA3)が決定される。
一方、大当り判定用乱数値に基づく抽選の当選種別が「大当り」(大当り判定値データ)である場合には、図16に示すように、選択される特別図柄の種別は複数あり、「大当り」時の図柄指定コマンド(図16中の大当り時選択図柄コマンド)も複数種(「z0」及び「z4」)用意されている。そして、「大当り」時には、取得される図柄乱数値に応じて、決定される大当り時選択図柄コマンドも変化する。例えば、「大当り」時に取得された図柄乱数値が「29」〜「99」のいずれかである場合には、大当り時選択図柄コマンド「z4」が選択され、その選択率は、80/100となる。
[大当り種類決定テーブル]
次に、図17〜図20を参照して、大当り種類決定テーブルについて説明する。本実施形態では、図柄判定テーブル(図15及び図16参照)を参照して大当り時選択図柄コマンド(「z0」〜「z4」のいずれか)が決定されると、該決定された大当り時選択図柄コマンドに基づいて、「大当り」の種類(大当り遊技の内容)を決定する。大当り種類決定テーブルは、大当り時選択図柄コマンドに基づいて、「大当り」の種類(大当り遊技の内容)を決定する際に参照されるテーブルである。
また、本実施形態では、「大当り」当選時の遊技状態毎に大当り種類決定テーブルを設ける。図17は、遊技状態が「低確時短なし」であるときに「大当り」に当選した場合に参照される大当り種類決定テーブル(その1)であり、図18は、遊技状態が「低確時短あり」であるときに「大当り」に当選した場合に参照される大当り種類決定テーブル(その2)である。また、図19は、遊技状態が「高確時短なし」であるときに「大当り」に当選した場合に参照される大当り種類決定テーブル(その3)であり、図20は、遊技状態が「高確時短あり」であるときに「大当り」に当選した場合に参照される大当り種類決定テーブル(その4)である。
各大当り種類決定テーブルには、大当り時選択図柄コマンド(「z0」〜「z4」)と、「大当り」の種類を決定する各種パラメータとの関係が規定される。「大当り」の種類(大当り遊技の内容)を決定する各種パラメータとしては、時短フラグの値、時短回数、確変フラグの値及び大当り遊技におけるラウンド数が規定される。
例えば、「高確時短あり」の状態で「大当り」に当選し、且つ、大当り時選択図柄コマンドとして「z1」が決定された場合には、図20に示すように、「大当り」の種類(大当り遊技の内容)を決定する各種パラメータとして、時短フラグ「1」、時短回数「100」、確変フラグ「0」、ラウンド数「10」がセットされる。
なお、各大当り種類決定テーブルに規定されている「ラウンド数」は、大当り遊技において、大入賞口の開放時間が比較的長くなるラウンドの数である。また、「時短フラグ」は、メインRAM73に格納された管理フラグの一つであり、遊技状態が「時短遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「1(オン)」となる。また、「時短回数」は、「時短遊技状態」において与えられる特別図柄の変動表示の回数である。
[入賞時演出情報決定テーブル]
次に、図21を参照して、入賞時演出情報決定テーブルについて説明する。
本実施形態では、主制御回路70(メインCPU71)は、入賞時(始動口入賞時)に決定された当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)と、図柄指定コマンド又は大当り時選択図柄コマンドとに基づいて、副制御回路200が演出内容を決定する際に使用する情報を決定する。例えば、副制御回路200において、特別図柄の保留球を示す保留用図柄の色変化演出に関する内容、先読み演出に関する内容等を決定する際に使用される情報が決定される。入賞時演出情報決定テーブルは、入賞時(始動口入賞時)に主制御回路70で取得された情報に基づいて、副制御回路200で実行される演出内容の概要を決定する際に参照されるテーブルである。
入賞時演出情報決定テーブルには、入賞時(始動口入賞時)に決定される各種情報の組合せと、副制御回路200で実行される演出内容の概要を示す「入賞時演出情報1」及び「入賞時演出情報2」との関係が規定される。なお、本実施形態では、入賞時(始動口入賞時)に決定される各種情報として、始動口の種別、判定値データの種別、大当り時選択図柄コマンドの種別及び図柄指定コマンドの種別が、入賞時演出情報決定テーブルに規定される。
入賞時演出情報決定テーブルに規定されている入賞時演出情報1(「1A」〜「1D」)は、副制御回路200において、主に、特別図柄の保留球を示す保留用図柄の色変化演出に関する内容を決定する際に用いられる演出情報である。副制御回路200が入賞時演出情報決定テーブルに基づいて決定された入賞時演出情報1を受信すると、副制御回路200は、該入賞時演出情報1の分類に含まれる保留用図柄の色変化演出に関する複数種の演出パターンから一つの演出パターンを選択する。
また、入賞時演出情報決定テーブルに規定されている入賞時演出情報2(「2A」〜「2D」)は、副制御回路200において、主に、特別図柄の保留球に基づく先読み演出(先読み連続演出)に関する内容を決定する際に用いられる演出情報である。副制御回路200が入賞時演出情報決定テーブルに基づいて決定された入賞時演出情報2を受信すると、副制御回路200は、該入賞時演出情報2の分類に含まれる先読み演出の複数種の演出パターンから一つの演出パターンを選択する。
本実施形態の入賞時演出情報決定テーブルを参照した場合、例えば、第1始動口入賞時に「大当り」が当選したときには、大当り選択図柄コマンドの種別に関係なく、入賞時演出情報1として「1A」が決定され、入賞時演出情報2として「2A」が決定される。
[変動演出パターン決定テーブル]
次に、図22を参照して、変動演出パターン決定テーブルについて説明する。
本実施形態では、主制御回路70(メインCPU71)は、特別図柄の変動表示開始時に、当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)、図柄指定コマンド、大当り時選択図柄コマンド、変動時間等の情報に基づいて、特別図柄の変動演出パターンを決定する。変動演出パターン決定テーブルは、この特別図柄の変動演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
なお、変動演出パターン決定テーブルに基づいて決定された変動演出パターン(後述の特別図柄演出開始コマンドに含まれる情報)は、主制御回路70から副制御回路200(ホスト制御回路210)に送信される。そして、副制御回路200は、変動演出パターンの情報を受信すると、該受信した変動演出パターンや遊技状態などの情報に基づいて、演出の種類を決定する。
変動演出パターン決定テーブルには、図22に示すように、入賞時(始動口入賞時)に決定される図柄指定コマンド、大当り選択図柄コマンド及び特別図柄の変動時間の組合せと、特別図柄の変動表示中に副制御回路200で実行される演出の種類(変動演出パターン)との関係が規定される。
本実施形態では、変動演出パターンは、2桁の数文字で表され、図22中の変動演出パターン欄に記載の「上位」(1桁目)のパラメータと「下位」(2桁目)のパラメータとの組合せで表される。例えば、入賞時(始動口入賞時)に決定される図柄指定コマンドが「zA1」であり、大当り選択図柄コマンドが「z0」であり、特別図柄の変動時間が「15000msec」である場合の変動演出パラメータは「C1」(上位の「C」と下位「1」との組合せ)となる。
なお、本実施形態では、変動演出パラメータの情報は、後述の特別図柄演出開始コマンドに含まれる。この際、変動演出パターン欄に規定されている「上位」のパラメータと、「下位」のパラメータとは、互いに異なるパラメータ領域に格納される。それゆえ、変動演出パターン決定テーブルでは、変動演出パターンの「上位」のパラメータと「下位」のパラメータとを別個に規定している。
<サブメインROMに記憶されているデータテーブルの構成>
次に、パチンコ遊技機1の副制御回路200のサブメインROM205に記憶される各種データテーブルの構成について、図23〜図25を参照して説明する。
[変動演出テーブル]
まず、図23を参照して、変動演出テーブルについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上述のように、副制御回路200(ホスト制御回路210)の制御により、特別図柄の変動表示中に様々な演出が実行される。この際に行われる演出の内容(演出パターン)は、特別図柄の変動表示開始時に、主制御回路70から副制御回路200に送信される後述の特別図柄演出開始コマンドに含まれる特別図柄の変動演出パターンの情報などに基づいて決定される。変動演出テーブルは、この演出内容(演出パターン)を変動演出パターンや遊技状態などの情報に基づいて決定する際に参照される。
変動演出テーブルには、図23に示すように、入賞時(始動口入賞時)に決定される各種情報(変動演出パターンの情報を含む)の組合せと、抽選により決定される演出パターン(「EN00」〜「EN44」)及び演出内容と、各演出パターンを選択(決定)するための乱数値及び選択率(当選確率)との対応関係が規定される。なお、本実施形態では、入賞時(始動口入賞時)に決定される各種情報として、特別図柄の変動演出パターンの種別(「A0」〜「A4」、「B1」〜「B3」及び「C1」〜「CF」)、特別図柄の変動時間、当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)、図柄指定コマンド及び大当り時選択図柄コマンドが、変動演出テーブルに規定される。
本実施形態では、変動演出テーブルに規定されている特別図柄の変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブルに規定されている乱数値は、後述の図64に示すコマンド解析処理中のS243の処理(サブ抽選処理)で取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
本実施形態の変動演出テーブルを参照して演出パターンを決定する際、例えば、特別図柄の変動表示開始時に決定された特別図柄の変動パターンが「C1」であり、且つ、演出パターンを選択する際に取得された乱数値が「0」〜「499」のいずれかの値である場合には、演出パターンとして「EN15」が選択される。この場合には、特別図柄の変動表示期間(15000msec)に、「ノーマルリーチ演出A」と称する演出が行われる。そして、「ノーマルリーチ演出A」の終了とともに、表示装置13の表示領域13aに「大当り」態様の表示が行われ、特別図柄が変動停止する。
[保留演出テーブル]
次に、図24を参照して、保留演出テーブルについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、副制御回路200(ホスト制御回路210)の制御により、特別図柄の保留球を示す保留用図柄の色変化に関する様々な演出が実行される。この際に行われる保留用図柄の色変化演出の内容(演出パターン)は、特別図柄の変動表示開始時に、主制御回路70から副制御回路200に送信される後述の保留加算コマンドに含まれる入賞時演出情報1(「1A」〜「1D」)などに基づいて決定される。保留演出テーブルは、この保留用図柄の色変化演出の内容(演出パターン)を入賞時演出情報1などの情報に基づいて決定する際に参照される。
保留演出テーブルには、図24に示すように、入賞時(始動口入賞時)に決定される各種情報(入賞時演出情報1を含む)の組合せと、抽選により決定される保留用図柄の色変化演出の演出パターン(「HE00」〜「HE19」)及び演出内容と、各演出パターンを選択(決定)するための乱数値及び選択率(当選確率)との対応関係が規定される。なお、本実施形態では、入賞時(始動口入賞時)に決定される各種情報として、入賞時演出情報1(「1A」〜「1D」)、当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)、図柄指定コマンド及び大当り時選択図柄コマンドが、保留演出テーブルに規定される。また、保留演出テーブルに規定されている乱数値は、後述の図64に示すコマンド解析処理中のS243の処理(サブ抽選処理)で取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
本実施形態の保留演出テーブルを参照して保留用図柄の色変化演出の演出パターンを決定する際、例えば、特別図柄の変動表示開始時に決定された入賞時演出情報1が「1A」であり、大当り時選択図柄コマンドが「z0」であり、且つ、演出パターンを選択する際に取得された乱数値が「0」〜「499」のいずれかの値である場合には、保留用図柄の色変化演出の演出パターンとして「HE00」が選択される。この場合には、保留用図柄の色変化演出として、「保留演出A」と称する演出が行われる。
[先読み演出テーブル]
次に、図25を参照して、先読み演出テーブルについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の可変表示が保留されている場合、副制御回路200(ホスト制御回路210)は、該保留されている特別図柄の可変表示の内容(保留球の内容)に応じて所定の先読み演出を行う。この際に行われる先読み演出の内容(演出パターン)は、特別図柄の変動表示開始時に、主制御回路70から副制御回路200に送信される後述の保留加算コマンドに含まれる入賞時演出情報2(「2A」〜「2D」)などに基づいて決定される。先読み演出テーブルは、この先読み演出の内容(演出パターン)を入賞時演出情報2などの情報に基づいて決定する際に参照される。
先読み演出テーブルには、図25に示すように、入賞時(始動口入賞時)に決定される各種情報(入賞時演出情報2を含む)の組合せと、抽選により決定される先読み演出の演出パターン(「SE00」〜「SE19」)及び演出内容と、各演出パターンを選択(決定)するための乱数値及び選択率(当選確率)との対応関係が規定される。なお、本実施形態では、入賞時(始動口入賞時)に決定される各種情報として、入賞時演出情報2(「2A」〜「2D」)、当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)、図柄指定コマンド及び大当り時選択図柄コマンドが、先読み演出テーブルに規定される。また、先読み演出テーブルに規定されている乱数値は、後述の図64に示すコマンド解析処理中のS243の処理(サブ抽選処理)で取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
本実施形態の先読み演出テーブルを参照して先読み演出の演出パターンを決定する際、例えば、特別図柄の変動表示開始時に決定された入賞時演出情報2が「2A」であり、大当り時選択図柄コマンドが「z0」であり、且つ、演出パターンを選択する際に取得された乱数値が「0」〜「499」のいずれかの値である場合には、先読み演出の演出パターンとして「SE00」が選択される。この場合には、先読み演出として、「先読み演出A」と称する演出が行われる。
<パチンコ遊技機の各種コマンドの構成>
ここで、遊技機(パチンコ遊技機1)の主制御回路70から副制御回路200に送信される各種コマンドの構成について説明する。
[基本構成]
まず、図26を参照して、コマンドの基本構成を説明する。なお、図26は、コマンドデータの基本構成(基本フォーマット)を示す図である。
本実施形態において、主制御回路70から副制御回路200に送信されるコマンドは、コマンド種別の情報が格納されたコマンド種別部と、遊技及び演出に関する各種情報が格納されたパラメータフィールド部とで構成される。本実施形態では、副制御回路200において実行される後述のコマンド解析処理により、パラメータフィールド部の情報が解析され、遊技及び演出に関する各種情報が取得される。
コマンド種別部は、コマンドの先頭部に設けられ、8ビット(1バイト:固定長)で構成される。一方、パラメータフィールド部には、ビット単位で遊技及び演出に関する情報が規定されており、パラメータフィールド部のビット長(長さ)は、コマンド種別に応じて変化する。
なお、本実施形態では、コマンドの送受信動作は、8ビット単位で繰り返し行われるので、パラメータフィールド部も8ビット単位で管理され、ここでは、この8ビット単位の領域を「パラメータ」と称する。また、パラメータフィールド部内に配置されているパラメータの名称を、コマンドの先頭側(コマンド種別部側)から、「第1パラメータ」、「第2パラメータ」、「第3パラメータ」、…、と称する。
以下に、コマンドの一例として、デモ表示コマンド、特別図柄演出開始コマンド、電断復帰コマンド及び保留加算コマンドの構成、並びに、これらのコマンドに含まれる各種情報の内容を図面を参照しながら具体的に説明する。
[デモ表示コマンド]
まず、図27を参照しながら、デモ表示コマンドの構成及び該コマンドに含まれる各種情報の内容について説明する。なお、図27は、デモ表示コマンドのビット単位の構成及び各ビットに格納された各種情報の内容を示す図である。
デモ表示コマンドは、コマンド種別部と、1つのパラメータ(第1パラメータ)からなるパラメータフィールド部とで構成される。すなわち、デモ表示コマンド全体のバイト数(コマンド長さ)は2バイト(16ビット)となり、パラメータフィールド部のバイト数は1バイト(8ビット)となる。
デモ表示コマンドのコマンド種別部には、デモ表示コマンドの種別を示す値「80H」が格納される。
デモ表示コマンドの第1パラメータのビット0(b0)〜ビット2(b2)には、遊技状態に対応する「状態番号」(0〜7のいずれか)が格納される。例えば、確変フラグの値が「0」であり、時短フラグの値が「0」であれば、「状態番号」として、「0」〜「7」のうち「0」〜「2」のいずれかの値がビット0(b0)〜ビット2(b2)に設定される。第1パラメータのビット4(b4)及びビット5(b5)には、時短フラグの値(「0」又は「1」)及び確変フラグの値(「0」又は「1」)がそれぞれ格納される。また、第1パラメータのビット3(b3)、ビット6(b6)及びビット7(b7)のそれぞれには、常時、データ「0」が格納される。なお、以下では、常時、データ「0」が格納されるビットを「常時0領域」ともいう。
副制御回路200において、上記構成のデモ表示コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータからデモ画面表示時の遊技状態情報(ゲームステータス)が取得される。
[特別図柄演出開始コマンド]
次に、図28を参照しながら、特別図柄演出開始コマンドの構成及び該コマンドに含まれる各種情報の内容について説明する。なお、図28は、特別図柄演出開始コマンドのビット単位の構成及び各ビットに格納された各種情報の内容を示す図である。
特別図柄演出開始コマンドは、コマンド種別部と、5つのパラメータ(第1パラメータ〜第5パラメータ)からなるパラメータフィールド部とで構成される。すなわち、特別図柄演出開始コマンド全体のバイト数は6バイト(48ビット)となり、パラメータフィールド部のバイト数は5バイト(40ビット)となる。
特別図柄演出開始コマンドのコマンド種別部には、特別図柄演出開始コマンドの種別を示す値「81H」が格納される。
特別図柄演出開始コマンドの第1パラメータのビット0〜ビット2には、遊技状態に対応する「状態番号」(0〜7のいずれか)が格納される。第1パラメータのビット4及びビット5には、時短フラグの値(「0」又は「1」)及び確変フラグの値(「0」又は「1」)がそれぞれ格納される。
第1パラメータのビット6には、転落抽選の当選/非当選の情報(「転落抽選当否情報」)が格納される。なお、転落抽選に非当選の場合には、「転落抽選当否情報」として「0」が第1パラメータのビット6に格納され、転落抽選に当選の場合には、「転落抽選当否情報」として「1」が第1パラメータのビット6に格納される。また、第1パラメータのビット3及びビット7は、常時0領域となる。
特別図柄演出開始コマンドの第2パラメータのビット0〜ビット6には、上記図柄判定テーブル(図15及び図16参照)を用いた抽選により決定される図柄指定コマンド(「zA1」〜「zA3」)に対応する値が格納される。なお、第2パラメータのビット7は、常時0領域となる。
特別図柄演出開始コマンドの第3パラメータのビット0〜ビット3には、上記変動演出パターン決定テーブル(図22参照)を用いた抽選により決定される変動演出パターンの「上位」の情報(「A」〜「C」)に対応する値が格納される。なお、第3パラメータのビット4〜ビット7は、「常時0領域」となる。
特別図柄演出開始コマンドの第4パラメータのビット0〜ビット3には、上記変動演出パターン決定テーブル(図22参照)を用いた抽選により決定される変動演出パターンの「下位」の情報(「0」〜「9」及び「A」〜「F」)に対応する値が格納される。なお、第4パラメータのビット4〜ビット7は、「常時0領域」となる。
また、特別図柄演出開始コマンドの第5パラメータのビット0〜ビット6には、残り時短変動回数に対応する値が格納される。なお、第5パラメータのビット7は、常時0領域となる。
副制御回路200において、上記構成の特別図柄演出開始コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータから特別図柄演出開始時の遊技状態情報(ゲームステータス)が取得され、第2パラメータから特別図柄の停止図柄指定情報が取得され、第3パラメータ及び第4パラメータから変動演出パターン番号の指定情報が取得され、第5パラメータから残り時短変動回数の指定情報が取得される。
[電断復帰コマンド]
次に、図29及び図30を参照しながら、電断復帰コマンドの構成及び該コマンドに含まれる各種情報の内容について説明する。なお、本実施形態では、電断復帰コマンドは、2つのコマンド(第1電断復帰コマンド及び第2電断復帰コマンド)のセットで構成される。そして、図29は、第1電断復帰コマンドのビット単位の構成及び各ビットに格納された各種情報の内容を示す図である。また、図30は、第2電断復帰コマンドのビット単位の構成及び各ビットに格納された各種情報の内容を示す図である。
(1)第1電断復帰コマンド
第1電断復帰コマンドは、図29に示すように、コマンド種別部と、3つのパラメータ(第1パラメータ〜第3パラメータ)からなるパラメータフィールド部とで構成される。すなわち、第1電断復帰コマンド全体のバイト数は4バイト(32ビット)となり、パラメータフィールド部のバイト数は3バイト(24ビット)となる。
第1電断復帰コマンドのコマンド種別部には、第1電断復帰コマンドの種別を示す値「D1H」が格納される。
第1電断復帰コマンドの第1パラメータのビット0〜ビット2には、遊技状態に対応する「状態番号」(0〜7のいずれか)が格納される。第1パラメータのビット4及びビット5には、時短フラグの値(「0」又は「1」)及び確変フラグの値(「0」又は「1」)がそれぞれ格納される。第1パラメータのビット6には、「転落抽選当否情報」が格納される。なお、第1パラメータのビット3及びビット7は、それぞれ常時0領域となる。
第1電断復帰コマンドの第2パラメータのビット0〜ビット5には、特別図柄の停止図柄指定情報(「特別停止図柄指定情報」)が格納される。また、第2パラメータのビット6には、電断検知時における第1特別図柄の停止図柄の選択状態(「第1特別停止図柄選択状態」)に対応する値(「0」又は「1」)が格納される。なお、直近の特別図柄の変動表示(電断検知時及び電断検知以前において実行された変動表示のうち、最新の実行された変動表示)において、第1特別図柄の停止図柄が選択されていれば、「第1特別停止図柄選択状態」の値は「1」となり、第1特別図柄の停止図柄が選択されていなければ、「第1特別図柄選択状態」の値は「0」となる。また、第2パラメータのビット7は、常時0領域となる。
第1電断復帰コマンドの第3パラメータのビット0〜ビット5には、「特別停止図柄指定情報」が格納される。また、第3パラメータのビット6には、電断検知時における第2特別図柄の停止図柄の選択状態(「第2特別停止図柄選択状態」)に対応する値(「0」又は「1」)が格納される。なお、直近の特別図柄の変動表示(電断検知時及び電断検知以前において実行された変動表示のうち、最新の実行された変動表示)において、第2特別図柄の停止図柄が選択されていれば、「第2特別停止図柄選択状態」の値は「1」となり、第2特別図柄の停止図柄が選択されていなければ、「第2特別図柄選択状態」の値は「0」となる。また、第3パラメータのビット7は、常時0領域となる。
副制御回路200において、上記構成の第1電断復帰コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータから電断復帰時における遊技状態情報(ゲームステータス)が取得され、第2パラメータから電断復帰時における第1特別図柄の停止図柄の情報が取得され、第3パラメータから電断復帰時における第2特別図柄の停止図柄の情報が取得される。
(2)第2電断復帰コマンド
第2電断復帰コマンドは、図30に示すように、コマンド種別部と、3つのパラメータ(第1パラメータ〜第3パラメータ)からなるパラメータフィールド部とで構成される。すなわち、第2電断復帰コマンド全体のバイト数は4バイト(32ビット)となり、パラメータフィールド部のバイト数は3バイト(24ビット)となる。
第2電断復帰コマンドのコマンド種別部には、第2電断復帰コマンドの種別を示す値「D2H」が格納される。
第2電断復帰コマンドの第1パラメータのビット0〜ビット2には、第2特別図柄の可変表示の保留個数に対応する値が格納される。第1パラメータのビット4〜ビット6には、第1特別図柄の可変表示の保留個数に対応する値が格納される。また、第1パラメータのビット3及びビット7は、それぞれ常時0領域となる。
なお、第2電断復帰コマンドの第1パラメータのビット0〜ビット2又はビット4〜ビット6には、保留個数が0個の場合には「000」が格納され、保留個数が1個の場合には「001」が格納され、保留個数が2個の場合には「010」が格納され、保留個数が3個の場合には「011」が格納され、保留個数が4個の場合には「100」が格納される。
第2電断復帰コマンドの第2パラメータのビット0〜ビット2には、「内部制御状態番号」が格納される。また、第2パラメータのビット3〜ビット7は、常時0領域となる。
なお、第2電断復帰コマンドの第2パラメータのビット0〜ビット2には、内部制御状態がデモ画面表示状態である場合には「000」が「内部制御状態番号」として格納され、内部制御状態が特別図柄変動状態(特別図柄の変動中状態)である場合には「001」が「内部制御状態番号」として格納され、内部制御状態が特別図柄確定状態である場合には「010」が「内部制御状態番号」として格納され、内部制御状態が特別図柄当り開始状態である場合には「011」が「内部制御状態番号」として格納される。また、第2電断復帰コマンドの第2パラメータのビット0〜ビット2には、内部制御状態が大入賞口開放状態である場合には「100」が「内部制御状態番号」として格納され、内部制御状態がラウンド間インターバル状態である場合には「101」が「内部制御状態番号」として格納され、内部制御状態が特別図柄当たり終了状態である場合には「110」が「内部制御状態番号」として格納される。
また、第2電断復帰コマンドの第3パラメータのビット0〜ビット6には、「残り時短状態変動回数」(「0」〜「99」)が格納される。また、第3パラメータのビット7は、常時0領域となる。
副制御回路200において、上記構成の第2電断復帰コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータから電断復帰時における特別図柄の可変表示の保留個数の情報が取得され、第2パラメータから電断復帰時における内部状態の情報が取得され、第3パラメータから電断復帰時における残り時短変動回数の情報が取得される。
[保留加算コマンド]
次に、図31を参照しながら、保留加算コマンドの構成及び該コマンドに含まれる各種情報の内容について説明する。なお、図31は、保留加算コマンドのビット単位の構成及び各ビットに格納された各種情報の内容を示す図である。
保留加算コマンドは、コマンド種別部と、3つのパラメータ(第1パラメータ〜第3パラメータ)からなるパラメータフィールド部とで構成される。すなわち、保留加算コマンド全体のバイト数は4バイト(32ビット)となり、パラメータフィールド部のバイト数は3バイト(24ビット)となる。
保留加算コマンドのコマンド種別部には、保留加算コマンドの種別を示す値「85H」が格納される。
保留加算コマンドの第1パラメータのビット0〜ビット2には、第2特別図柄の可変表示の保留個数に対応する値が格納される。第1パラメータのビット4〜ビット6には、第1特別図柄の可変表示の保留個数に対応する値が格納される。また、第1パラメータのビット3及びビット7は、それぞれ常時0領域となる。
保留加算コマンドの第2パラメータのビット0〜ビット2には、「大当り時選択図柄情報」が格納される。なお、「大当り時選択図柄情報」は、上記図柄判定テーブル(図15及び図16参照)を用いた抽選により決定される大当り時選択図柄コマンド(「z0」〜「z4」)に対応する情報である。
第2パラメータのビット3には、「低確率時大当り当否情報」が格納される。なお、低確時に「大当り」に当選した場合には、「低確率時大当り当否情報」として「1」がビット3に格納され、低確時に「ハズレ」に当選した場合には、「低確率時大当り当否情報」として「0」がビット3に格納される。また、第2パラメータのビット4には、「高確率時大当り当否情報」が格納される。なお、高確時に「大当り」に当選した場合には、「高確率時大当り当否情報」として「1」がビット4に格納され、高確時に「ハズレ」に当選した場合には、「高確率時大当り当否情報」として「0」がビット4に格納される。これらの情報は、大当り種類決定テーブル(図17〜図20参照)に用いた抽選の結果に基づいて決定される。
第2パラメータのビット5及びビット6には、「第1入賞時演出情報」が格納される。なお、「第1入賞時演出情報」は、上記入賞時演出情報決定テーブル(図21参照)を用いた抽選により決定される入賞時演出情報1(「1A」〜「1D」)に対応する情報である。例えば、入賞時演出情報1が「1A」である場合には、「第1入賞時演出情報」として「00」がビット5及びビット6に格納され、入賞時演出情報1が「1B」である場合には、「第1入賞時演出情報」として「01」がビット5及びビット6に格納される。また、例えば、入賞時演出情報1が「1C」である場合には、「第1入賞時演出情報」として「10」がビット5及びビット6に格納され、入賞時演出情報1が「1D」である場合には、「第1入賞時演出情報」として「11」がビット5及びビット6に格納される。また、第2パラメータのビット7は、常時0領域となる。
保留加算コマンドの第3パラメータのビット4及びビット5には、「第2入賞時演出情報」が格納される。なお、「第2入賞時演出情報」は、上記入賞時演出情報決定テーブル(図21参照)を用いた抽選により決定される入賞時演出情報2(「2A」〜「2D」)に対応する情報である。例えば、入賞時演出情報2が「2A」である場合には、「第2入賞時演出情報」として「00」がビット4及びビット5に格納され、入賞時演出情報2が「2B」である場合には、「第2入賞時演出情報」として「01」がビット4及びビット5に格納される。また、例えば、入賞時演出情報2が「2C」である場合には、「第2入賞時演出情報」として「10」がビット4及びビット5に格納され、入賞時演出情報2が「2D」である場合には、「第2入賞時演出情報」として「11」がビット4及びビット5に格納される。
なお、「第1入賞時演出情報」及び「第2入賞時演出情報」の値は、保留加算コマンド生成時(保留加算時)における、先読み情報(変動前の保留に関する情報)に基づいて実行される演出の数(先読み演出が実行される保留個数)に応じて、変更(更新)してもよい。
第3パラメータのビット6には、「転落抽選情報」が格納される。なお、転落なしの場合には、「転落抽選情報」として「0」がビット6に格納され、転落ありの場合には、「転落抽選情報」として「1」がビット6に格納される。また、第3パラメータのビット0〜ビット3及びビット7のそれぞれは、常時0領域となる。
副制御回路200において、上記構成の保留加算コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータから入賞時の特別図柄の可変表示の保留個数の情報が取得され、第2パラメータから保留演出の指定情報が取得され、第3パラメータから先読み演出の指定情報が取得される。
[その他のコマンド]
次に、上述した各種コマンド以外のコマンドの構成及び該コマンドに含まれる各種情報の内容について説明する。なお、ここでは、他の各種コマンドの構成の図示を省略し、各コマンド内のパラメータフィールド部の構成及び該コマンドに含まれる各種情報の概要のみを説明する。
(1)特別演出停止コマンド
特別演出停止コマンドのパラメータフィールド部は、2つのパラメータ(第1パラメータ及び第2パラメータ)で構成される。
特別演出停止コマンドの第1パラメータには、例えば、転落抽選、確変フラグ、時短フラグ、状態番号等の遊技状態情報(ゲームステータス)が格納される。また、第2パラメータには、特別図柄の停止図柄の情報が格納される。
副制御回路200において、上記構成の特別演出停止コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータ及び第2パラメータから特別図柄の変動表示時の演出を終了する際の各種遊技情報が取得される。
(2)特別図柄当り開始表示コマンド
特別図柄当り開始表示コマンドのパラメータフィールド部は、2つのパラメータ(第1パラメータ及び第2パラメータ)で構成される。
特別図柄当り開始表示コマンドの第1パラメータには、例えば、状態番号等の遊技状態情報(ゲームステータス)が格納される。また、第2パラメータには、特別図柄の停止図柄の情報が格納される。
副制御回路200において、上記構成の特別図柄当り開始表示コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータ及び第2パラメータから特別図柄の当り状態の情報(例えば、大当り中であるか否か、小当り中であるか否か等の情報)が取得される。
(3)大入賞口開放中表示コマンド
大入賞口開放中表示コマンドのパラメータフィールド部は、3つのパラメータ(第1パラメータ〜第3パラメータ)で構成される。
大入賞口開放中表示コマンドの第1パラメータには、例えば、状態番号等の遊技状態情報(ゲームステータス)が格納される。第2パラメータには、特別図柄の停止図柄の情報が格納される。また、第3パラメータには、ラウンド回数(「0」〜「15」)の情報が格納される。
副制御回路200において、上記構成の大入賞口開放中表示コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータ及び第2パラメータから特別図柄の当り状態の情報が取得され、第3パラメータからラウンド回数の情報が取得される。
(4)ラウンド間表示コマンド
ラウンド間表示コマンドのパラメータフィールド部は、3つのパラメータ(第1パラメータ〜第3パラメータ)で構成される。
ラウンド間表示コマンドの第1パラメータには、例えば、状態番号等の遊技状態情報(ゲームステータス)が格納される。第2パラメータには、特別図柄の停止図柄の情報が格納される。また、第3パラメータには、ラウンド回数(「0」〜「14」)の情報が格納される。
副制御回路200において、上記構成のラウンド間表示コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータ及び第2パラメータから特別図柄の当り状態の情報が取得され、第3パラメータからラウンド回数の情報が取得される。
(5)特別図柄当り終了表示コマンド
特別図柄当り終了表示コマンドのパラメータフィールド部は、2つのパラメータ(第1パラメータ及び第2パラメータ)で構成される。
特別図柄当り終了表示コマンドの第1パラメータには、例えば、状態番号等の遊技状態情報(ゲームステータス)が格納される。また、第2パラメータには、特別図柄の停止図柄の情報が格納される。
副制御回路200において、上記構成の特別図柄当り終了表示コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータ及び第2パラメータから特別図柄の当り状態の情報が取得される。
(6)保留減算コマンド
保留減算コマンドのパラメータフィールド部は、3つのパラメータ(第1パラメータ〜第3パラメータ)で構成される。
保留減算コマンドの第1パラメータには、例えば、転落抽選、確変フラグ、時短フラグ、状態番号等の遊技状態情報(ゲームステータス)が格納される。第2パラメータには、特別図柄の可変表示の保留個数の情報が格納される。また、第3パラメータには、残り時短遊技回数の情報が格納される。
副制御回路200において、上記構成の保留減算コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータから変動開始時の遊技状態の情報が取得され、第2パラメータから変動開始時の保留個数の情報が取得され、第3パラメータから残り時短遊技回数の情報が取得される。
(7)入賞情報コマンド
入賞情報コマンドのパラメータフィールド部は、1つのパラメータ(第1パラメータ)で構成される。
入賞情報コマンドの第1パラメータには、例えば、カウントセンサ53c,54cの検知結果等の入賞検知情報が格納される。
副制御回路200において、上記構成の入賞情報コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータから大入賞口の入賞検知情報が取得される。
(8)不正検知関連コマンド
不正検知関連コマンドのパラメータフィールド部は、2つのパラメータ(第1パラメータ及び第2パラメータ)で構成される。
不正検知関連コマンドの第1パラメータには、例えば、扉開放検知(開閉未検知、閉鎖検知、開放検知)、第1大入賞口の不正入賞検知、第2大入賞口の不正入賞検知、普通電動役物の不正入賞検知等の情報が格納される。また、第2パラメータには、例えば、誘導磁界検知、磁気検知、センサ異常検知等の情報が格納される。
副制御回路200において、上記構成の不正検知関連コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータ及び第2パラメータから不正検知情報が取得される。
(9)払出異常関連コマンド
払出異常関連コマンドのパラメータフィールド部は、1つのパラメータ(第1パラメータ)で構成される。
払出異常関連コマンドの第1パラメータには、例えば、払出エラー情報、下皿満タン情報等の情報が格納される。
副制御回路200において、上記構成の払出異常関連コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータから払出異常情報が取得される。
(10)初期化コマンド
初期化コマンドのパラメータフィールド部は、1つのパラメータ(第1パラメータ)で構成される。
初期化コマンドの第1パラメータには、例えば、チェックサム異常、電断未検知での電断復帰、バックアップクリア押下時等の電源投入時の初期化要因の情報が格納される。
副制御回路200において、上記構成の初期化コマンドに対して後述のコマンド解析処理が行われると、解析結果として、第1パラメータから初期化要因の指定情報が取得される。
<パチンコ遊技機のコマンド受信時処理及びコマンド解析処理の概要>
次に、図32を参照しながら、パチンコ遊技機1のホスト制御回路210が、上述した各種コマンドを受信した際に行うコマンド受信時処理及びコマンド解析処理の概要を説明する。図32は、本実施形態におけるコマンド受信時処理の概要を示す図である。なお、このコマンド受信時処理は、ホスト制御回路210により実行される後述のメイン・サブ間コマンド制御処理(後述の図61参照)の中で受信割込処理として行われる。
本実施形態では、図32に示すように、主制御回路70(メインCPU71)からホスト制御回路210に上述したコマンドが送信され、該コマンドをホスト制御回路210が受信すると、まず、ホスト制御回路210は、受信したコマンドのデータ(コマンドデータ)をホスト制御回路210内に設けられたリングバッファに書き込む。なお、コマンド受信時にエラーが発生した場合には、受信したコマンドデータとエラー情報とのセット情報がリングバッファに書き込まれる。
ここで、図33に、リングバッファの概略構成を示す。本実施形態では、リングバッファは、受信したコマンドデータを格納するためのバッファ領域と、対応するエラー情報を格納するためのバッファ領域とで構成される。なお、各バッファ領域のサイズは2048バイトであり、1バイトの格納領域毎にアドレス(「0」〜「2047」)が割り当てられている。
コマンドデータを格納するためのバッファ領域では、1バイトの格納領域毎にコマンドデータが格納され、バッファ領域の先頭アドレスの領域からコマンド受信順にコマンドデータが格納される。また、エラー情報を格納するためのバッファ領域においても、1バイトの格納領域毎にエラー情報が格納され、バッファ領域の先頭アドレス側からコマンド受信順にエラー情報が格納される。この際、エラー情報は、対応するコマンドデータの格納領域のアドレスに一対一で対応付けられたエラー情報のアドレスの格納領域に格納される。
また、リングバッファの最後尾のアドレス「2047」にコマンドデータが格納された後にコマンドを受信した場合には、リングバッファの先頭アドレス「0」の格納領域にコマンドデータが格納される。
次いで、上述したリングバッファにコマンドデータが格納された後、ホスト制御回路210は、リングバッファに格納されたコマンドデータをサブワークRAM210aに転送して格納する。
そして、ホスト制御回路210は、サブワークRAM210aに格納されたコマンドの内容を解析して各種情報を取得する。具体的には、ホスト制御回路210は、コマンドのコマンド種別部に格納された情報に基づいてコマンド種別を判別するとともに、コマンドのパラメータフィールド部に格納された遊技及び演出に関する各種情報を取得する。
上述したコマンド解析処理を行った場合、コマンドの構成上の特徴に基づいて、次のような効果が得られる。
上述のように、上記各種コマンドのうち、例えば、デモ表示コマンド、特別図柄演出開始コマンド、第1電断復帰コマンド、特別演出停止コマンド、特別図柄当り開始表示コマンド等のコマンドでは、パラメータフィールド部の先頭(コマンドの先頭から2バイト目)に配置された第1パラメータにゲームステータスの情報(遊技状態情報)が格納される。それゆえ、これらのコマンドを受信しながら、1バイト毎にそのコマンドの解析処理を行った場合には、コマンド種別に関係なく、コマンドの受信開始から2バイト目のコマンド解析処理が必ずゲームスステータスの解析処理となるので、この2バイト目の解析処理を、これらのコマンドの解析処理において共通化することができる。すなわち、これらのコマンドに対してコマンド解析処理を行った場合、いずれのコマンドであっても、コマンド解析処理開始時を基準にしたゲームステータスの解析処理のタイミングが同じになるとともに、そのゲームステータスの解析処理も共通化することができる。この場合、ホスト制御回路210におけるコマンド解析処理の効率を向上させることができ、より高度な演出制御を行うことが可能になる。
また、上記構成を有するコマンドに対するコマンド解析処理では、各パラメータ内の所定のビット領域に設けられた常時0領域のチェック、パラメータ内に格納されている各データの有効範囲のチェック、及び、格納データの組み合わせのチェックを行うことにより、コマンドの有効性の有無を判定することができる。この場合、判定処理のチェック項目が増えるので、受信コマンドの有効性の有無をより正確に判断することができ、遊技者に対してより安全な遊技を提供することができる。
<パチンコ遊技機のアニメーションリクエスト構築手法>
本実施形態のパチンコ遊技機1では、副制御回路200内のホスト制御回路210は、主制御回路70から受信した各種コマンドに基づいて、表示装置13を用いた演出の動作を制御する際、各種演出装置(表示装置13も含む)を動作させるための指令信号(演出情報(すなわち、リクエスト))を生成する処理(以下、アニメーションリクエスト構築処理という)を行う。
[アニメーションリクエスト構築処理の概要]
まず、図34を参照しながら、アニメーションリクエスト構築処理の概要を説明する。なお、図34は、アニメーションリクエスト構築時の動作(各種リクエストの生成動作)概要を示す図である。
ホスト制御回路210は、主制御回路70から各種コマンドを受信すると、まず、受信コマンドに基づいて、演出内容の指定情報を含むアニメーションリクエストと称するリクエストを生成する(不図示)。次いで、ホスト制御回路210は、生成されたアニメーションリクエストに基づいて、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、役物リクエストなどの各種リクエスト(演出開始要求)を生成する。
その後、ホスト制御回路210は、生成された各リクエストを、対応する演出装置の制御回路(コントローラ)に出力する。具体的には、ホスト制御回路210は、サウンドリクエスト及びランプリクエストを、音声・LED制御回路220に出力し、描画リクエストを表示制御回路230に出力する。また、ホスト制御回路210で生成された役物リクエストは、ホスト制御回路210内で行う役物制御に関する処理間において受け渡された後、モータコントローラ270に出力される。
そして、音声・LED制御回路220は、入力されたサウンドリクエストに基づいて、スピーカ11による音声再生動作の制御を行う。また、音声・LED制御回路220は、入力されたランプリクエストに基づいて、ランプ(LED)群18による発光演出(LEDアニメーション)動作の制御を行う。表示制御回路230は、入力された描画リクエストに基づいて、表示装置13による画像表示演出動作の制御を行う。また、ホスト制御回路210は、生成された役物リクエストに基づいて、役物20による演出動作の制御を行う。
なお、サウンドリクエストは、所定のフレーズ番号毎に設定される。また、サウンドリクエストは、他のサウンドリクエストと各々識別するための固有の番号(サウンドリクエスト番号)が設定される。サウンドリクエストが選択されると、この設定された番号に応じて、例えばループ再生か1ショット再生かについての情報、即時再生かチェイン再生かについての情報、再生時間、フレーズボリューム値、フェードタイプ、フェード目標値、及び、フェード時間などの様々な情報が決定される。
フレーズボリューム値とは、スピーカ11から出力される音声のボリュームの値(すなわち、サウンドの音量)を示す。フェードタイプ「OUT」とは、スピーカ11から出力される音声のボリューム値がフェード目標値の値になるまで徐々に低くなることをいう(所謂、フェードアウト)。フェード目標値とは、スピーカ11から出力される音声のボリューム値をフェードアウトにより低下させる目標値をいう。フェード時間とは、フェードアウトを行う時間をいう。
<パチンコ遊技機のスピーカの駆動制御手法>
次に、パチンコ遊技機1のホスト制御回路210から音声・LED制御回路220にサウンドリクエストが出力された際に、音声・LED制御回路220が実行する、スピーカ11の駆動制御処理の内容について説明する。
[スピーカ制御の概要]
まず、図35を参照しながら、パチンコ遊技機1に設けられたスピーカ11を駆動する際の制御手法の概要を説明する。なお、図35は、スピーカ駆動(音声再生)時の信号フロー図である。
スピーカ11の音声再生(出力)時には、まず、副制御回路200内のホスト制御回路210から音声・LED制御回路220にサウンドリクエストが出力される。なお、本実施形態では、ホスト制御回路210の演出制御処理(後述の図61に示す副制御メイン処理)は、所定のFPS周期(例えば、約16.7msec、約33.3msec等)で行われるので、音声・LED制御回路220へのサウンドリクエストの送信処理も所定のFPS周期で行われる。
次いで、音声・LED制御回路220にサウンドリクエストが入力されると、音声・LED制御回路220は、該サウンドリクエストに基づいて、スピーカ11からの音声出力パターンを設定するための音声信号(オーディオデータ)を内蔵中継基板260に送信する。この際、音声・LED制御回路220から内蔵中継基板260への音声信号の送信処理は、約4msec周期で行われる。
そして、内蔵中継基板260は、受信した音声信号を増幅し、スピーカ11へ出力して、スピーカ11を駆動する。これにより、スピーカ11による音声再生(演出)動作が実行される。
<パチンコ遊技機の音声再生制御手法の概要>
次に、パチンコ遊技機1のホスト制御回路210から音声・LED制御回路220にサウンドリクエストが出力された際に、音声・LED制御回路220が実行する音声再生処理の概要を、図36を参照しながら説明する。なお、図36は、音声再生処理時における音声・LED制御回路220の動作概要を示す図である。
本実施形態では、スピーカ11に出力するサウンドデータは、CGROM206に格納されている。そして、音声・LED制御回路220にサウンドリクエストが入力されると、音声・LED制御回路220は、サウンドリクエストに基づいてアクセスナンバーを特定し、アクセスナンバーに対応付けられたアクセスデータをCGROM206から読み出す。
なお、本実施形態では、サウンドリクエストには、アクセスナンバーだけでなく、サブ基板202内で生成された音声再生処理に必要な各種シーケンス再生制御コマンド(例えば、音声再生のスタート、ストップ、ループ等の指令するコマンド)などが含まれる。
そして、音声・LED制御回路220は、読み出したアクセスデータに基づいて、音声再生処理を行う。この際、本実施形態では、シンプルアクセス制御により、サウンドの再生制御を行う。なお、ここでいう、「シンプルアクセス制御」とは、ホスト制御回路210から送信されたサウンドリクエストに基づいて、音声・LED制御回路220がCGROM206(外部ROM)に登録された複数のコマンドレジスタ列を一括設定する制御手法のことである。また、音声・LED制御回路220が同時に実行できるシンプルアクセス制御の数は、実行系統の数(本実施形態では4つ)に依存する。
図37に、アクセスデータの概略構成を示す。アクセスデータは、図37に示すように、設定データとアドレスとのセット情報が複数、所定の順序で配置されており、アクセスデータの最後尾にはシンプルアクセス終了コード(音声再生の終了を示すコード)に対応する情報が格納される。なお、図36に示すように、一つのアクセスナンバーに複数のアクセスデータが対応付けられている場合には、最後尾のアクセスデータにのみ、シンプルアクセス終了コードが設けられる。
このような構成のアクセスデータに対して、設定データを対応するアドレスにセットすると、設定データに対応する再生コードが実行され、音声再生が行われる。そして、この再生コードの実行処理を、アクセスデータ内の先頭側の設定データから最後尾まで順次行い、最終的にシンプルアクセス終了コードがセットされると、読み出したアクセスデータに基づく音声再生動作が終了する。
<ランプ(LED)の各種駆動制御手法>
次に、ホスト制御回路210から音声・LED制御回路220にランプリクエストが出力された際に、音声・LED制御回路220が実行する、ランプ群18に含まれる複数のLEDの各種駆動制御処理の内容について説明する。なお、以下に説明する本実施形態のランプ制御手法では、発光素子としてLEDを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されず、他の任意の発光素子に対しても本実施形態のランプ制御手法は同様に適用することができる。
[LED制御の概要]
まず、図38を参照しながら、パチンコ遊技機1に設けられたLEDを駆動(点灯/消灯)する際の制御手法の概要を説明する。なお、図38は、LED駆動(点灯/消灯)時の信号フロー図である。
LEDの駆動(点灯/消灯)時には、まず、副制御回路200内のホスト制御回路210から音声・LED制御回路220にランプリクエスト(LED制御リクエスト)が出力される。なお、本実施形態では、ホスト制御回路210の演出制御処理(後述の図61に示す副制御メイン処理)は、所定のFPS周期(例えば、約16.7msec、約33.3msec等)で行われるので、音声・LED制御回路220へのランプリクエストの送信処理も所定のFPS周期で行われる。
次いで、音声・LED制御回路220にランプリクエストが入力されると、音声・LED制御回路220は、該ランプリクエストに基づいて、LEDの点灯パターン(LEDアニメーション)を設定するためのLEDデータ(駆動データ)をランプ群18内の各LEDドライバ280に送信する。この際、音声・LED制御回路220からLEDドライバ280へのLEDデータの送信は、SPIの通信方式で行われる。また、音声・LED制御回路220からLEDドライバ280へのLEDデータの送信処理は、約4msec周期で行われる。
そして、LEDドライバ280は、受信したLEDデータに基づいて、接続されているLED281を所定のパターンで点灯/消灯する。これによりLEDアニメーションによる演出動作が実行される。
なお、LEDデータに基づく発光態様は、LEDドライバ280からLED281に送信される、発光態様を制御可能なLEDデータに基づいて生成された信号(制御信号)より制御される。具体的には、LEDドライバ280からLED281に送信される信号の電気的な波形パラメータ(電圧値、電流値、パルス幅のデューティー比等)により、LED281の点灯、消灯、点滅、輝度等の発光態様が制御される。
また、本実施形態では、LED281を駆動するための制御信号として、LEDデータに基づいて生成された信号を用いる例を説明したが、本発明はこれに限定されない。LED281を駆動するための制御信号としては、LEDデータ(駆動データ)の転送態様や、LEDデータに基づいて生成されるデータであってもよい。なお、ここでいう「LEDデータに基づいて生成されるデータ」とは、信号、コマンド、電圧変化を含み、この場合には、LEDデータを受信した制御手段が、他の制御手段に対して駆動データ又は駆動データに基づく制御信号を送信する態様となる。
[音声・LED制御回路及びLED間の接続構成]
次に、図39を参照しながら、音声・LED制御回路220及び各LED281間の接続構成について説明する。なお、図39は、音声・LED制御回路220及びLED281間の概略接続構成図である。
本実施形態では、音声・LED制御回路220は、図39に示すように、LEDデータの出力系統(SPIチャンネル)として、物理系統0(SPIチャンネル0)と物理系統1(SPIチャンネル1)とを使用する。各物理系統には、複数のLEDドライバ(デバイス)280がSPIバスを介して並列に接続される。図39に示す例では、16個のLEDドライバ280(デバイス0〜デバイス15)が各物理系統に並列接続される。
そして、各LEDドライバ280には、LEDデータがセットされる複数の出力ポート(以下、単に「ポート」という)が設けられ、各ポート(接続部)に1つのLED281が接続される。すなわち、本実施形態では、LED281は、スタティック制御されるLED281である。
また、図39に示す例では、各LEDドライバ280(各デバイス)に、16個のポート(ポート0〜ポート15)が設けられる。すなわち、各LEDドライバ280(各デバイス)には16個のLED281が接続される。なお、本実施形態では、各LEDドライバ280には16個のLED281が接続されているが、本発明はこれに限定されず、LEDドライバ280(デバイス)の機能及び仕様に応じて、各LEDドライバ280に、8個、32個、64個等のLED281が接続されるようにしてもよい。
図39に示す構成のパチンコ遊技機1では、起動時に、音声・LED制御回路220は、LED281の接続構成に関する各種パラメータをSPIチャンネル毎に設定する。具体的には、音声・LED制御回路220は、起動時に、各SPIにおける使用デバイス数(各SPIチャンネルに接続されているLEDドライバ280の数)、LED281の開始ポート、LED281の終了ポート及びLEDドライバ280の開始アドレスを設定する。例えば、図39に示す例では、SPIの使用デバイス数に「16」、開始ポートに「0」、終了ポートに「15」及び開始アドレスに「0」が、それぞれセットされる。なお、LEDドライバ280の開始アドレスは、SPIチャンネル毎に適宜設定されるので、「0」に限定されない。
LED281の接続構成に関する各種パラメータを上述のようにセットすると、例えば、図39中のSPIチャンネル0に接続されたデバイス15(LEDドライバ)のポート15に接続されたLED281のアドレスは、SPI番号=0、デバイス番号=15及びポート番号=15で指定(設定)することができる。
ここで、図40を参照しながら、音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間の接続構成をより詳細に説明する。なお、図40は、音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間の接続構成図である。
音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間は、上述のように、SPIバス(信号配線手段)により接続されるので、各物理系統(SPIチャンネル)において、シリアル・クロック(SCL)の信号配線(タイミング信号線)と、シリアル・データ(SDO、SDI)の信号配線(データ信号線)とが別配線で設けられる。そして、音声・LED制御回路220(マスタ)の各物理系統(SPIチャンネル)において、音声・LED制御回路220のシリアル・クロック信号(タイミング信号)の出力端子(SCL_P*,SCL_N*:「*」は1又は2)は、各LEDドライバ280(スレーブ)のシリアル・クロック信号の入力端子(SCL_P,SCL_N)に接続される。また、音声・LED制御回路220のシリアル・データ(駆動データを含む送信データ)の出力端子(SDO_P*,SDO_N*)は、各LEDドライバ280のシリアル・データの入力端子(SDI_P,SDI_N)に接続される。
本実施形態では、音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間において、基本的には、音声・LED制御回路220(マスタ)がデータを送信し続け、各LEDドライバ280(スレーブ)は、送信されたデータを一方的に受信する。なお、この際、各LEDドライバ280は、シリアル・データの立ち上がりエッジを検出して、内部のシフトレジスタへのシリアル・データの入力を開始する。
[シリアル・データの構成]
ここで、図41に、音声・LED制御回路220からLEDドライバ280に送信されるシリアル・データの構成(フォーマット)を示す。
本実施形態では、図41に示すように、シリアル・データの先頭に、16ビット以上の領域に連続して「1」(特定のデータ)が格納される。それゆえ、LEDドライバ280が、「1」を16回以上連続して受信検知すると、LEDドライバ280の状態は、シリアル・データの入力待機状態になる。
シリアル・データ内の16ビット以上の「1」の格納領域(第1データ部)の後には、デバイスアドレス(LEDドライバ280のアドレス)の格納領域及びレジスタアドレスの格納領域がこの順で配置される。なお、デバイスアドレス(出力先情報)の格納領域(第2データ部)及びレジスタアドレスの格納領域は、それぞれ8ビット(1バイト)の領域で構成される。
本実施形態では、図41に示すように、デバイスアドレスの先頭ビットの格納領域には「0」(所定のデータ)が格納される。それゆえ、LEDドライバ280が、「1」を16回以上連続して受信検知した後、「0」を受信検知すると、LEDドライバ280の状態はデバイスアドレスに対応する信号(出力先指定信号)の待ち受け状態となる。
また、シリアル・データ内のレジスタアドレスの格納領域の後には、LEDデータの格納領域(第3データ部)が配置され、シリアル・データの最後尾の格納領域には、シリアル・データの送信終了を示す「0FFH」(FF)が配置される。この「0FFH」は、8ビット(1バイト)の格納領域で構成され、各ビット領域には、「1」が格納される。
[LEDドライバの構成及び動作概要]
次に、図42を参照しながら、LEDドライバ280の内部構成の一例を説明する。なお、図42は、LEDドライバ280の概略内部構成図である。
LEDドライバ280は、図42に示すように、デジタルコントロール部280aと、I/O部280bと、ISET部280cと、端子群280dと、ポート群280eとを有する。
デジタルコントロール部280aは、端子群280d及びI/O部280bを介して受信した信号に基づいて、自身のLEDドライバ280に接続されたLED281に駆動信号(点灯/消灯信号)を出力する。
ISET部280cは、LED281に過大電流が流れることを防止するために設けられた機能部である。ISET部280cは、過大電流を検知した場合にLEDドライバ280の動作を強制的に停止する(消灯する)。
端子群280dは、シリアル・クロック信号の入力端子(SCL)、シリアル・データの入力端子(SDI)、シリアル・データの出力端子(SDO)、信号形式選択端子(IFMODE)、出力イネーブル端子(OE)、複数のデバイスアドレス選択端子(DA0〜DA5)、及び、エラーフラグ出力端子(XERR)を含む。なお、図42では、説明を簡略化するため、図40に示すシリアル・クロック信号の2つの入力端子「SCL_P」,「SCL_N」を一つの入力端子「SCL」で示し、図40に示すシリアル・データの2つの入力端子「SDI_P」,「SDI_N」を一つの入力端子「SDI」で示す。
本実施形態では、LEDドライバ280は、SPI対応のドライバであるので、シリアル・クロック信号の入力端子(SCL)、シリアル・データの入力端子(SDI)及びシリアル・データの出力端子(SDO)にそれぞれ接続された3本の通信配線により外部と通信することができる。この際、LEDドライバ280(スレーブ)は、マスタ(音声・LED制御回路220)から入力される、シリアル・クロック信号に基づいて、シリアル・データの入出力制御を行う。
なお、本実施形態で、上述のように、音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間では、シリアル・データが音声・LED制御回路220からLEDドライバ280に一方的に送信される構成である。それゆえ、本実施形態では、音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間において、シリアル・データを送受信する際には、3本の通信配線のうち、LEDドライバ280のシリアル・クロック信号の入力端子(SCL)及びシリアル・データの入力端子(SDI)に接続された通信配線が使用される。
ここで、図43に、LEDドライバ280に1ビットのデータが各入力端子(SDI_P、SDI_N、SCL_P、SCL_N)に入力された際の動作概要を示す。
本実施形態において、LEDドライバ280の入力端子SDI_Pに「0」が入力され、且つ、入力端子SDI_Nに「1」が入力された場合には、図43に示すように、LEDドライバ280の内部のデジタル回路(例えば、後述のデジタルコントロール部280a等)に「0」が入力される。LEDドライバ280の入力端子SDI_Pに「1」が入力され、且つ、入力端子SDI_Nに「0」が入力された場合には、LEDドライバ280の内部のデジタル回路に「1」が入力される。また、LEDドライバ280の入力端子SDI_P及び入力端子SDI_Nに入力される1ビットのデータが互い同じである場合(両入力端子に「0」又は「1」が入力された場合)には、LEDドライバ280の内部のデジタル回路において、前回の入力値が維持される。
なお、図43に示すように、LEDドライバ280の入力端子SCL_P及び入力端子SCL_Nのそれぞれに入力される1ビットのデータの組み合わせと、内部のデジタル回路に入力される入力値との関係も、上述した入力端子SDI_P及び入力端子SDI_Nのそれと同様である。
信号形式選択端子(IFMODE)では、SDI、SCLにおける論理演算手法が異なる差動インターフェイス及びシングルエンドモード時のインターフェイスの中から所定のインターフェイスが選択可能である。出力イネーブル端子(OE)は、外部端子による全LED281の点灯/非点灯を可能にする端子である。具体的には、出力イネーブル端子(OE)の信号レベルをハイレベルにすることにより、LEDドライバ280の出力をオンすることができ、出力イネーブル端子(OE)の信号レベルをローレベルにすることにより、LEDドライバ280の出力をオフすることができる。
複数のデバイスアドレス選択端子(DA0〜DA5)には、LEDドライバ280のデバイスアドレスが設定される。そして、LEDドライバ280内のシフトレジスタにシリアル・データを読み込む際には、シリアル・データの出力先が指定するデバイスアドレス(音声・LED制御回路220から入力されたデバイスアドレスの情報)が、複数のデバイスアドレス選択端子(DA0〜DA5)に設定されたアドレスと一致した場合に、シリアル・データが読み込まれる。なお、このデバイスアドレスの判定処理は、デジタルコントロール部280aで行われる。
ここで、図44に、LEDドライバ280のアドレス設定モードの概要をまとめた表を示す。
本実施形態では、LEDドライバ280のアドレス設定モードとして、デバイス制御モード及びバス制御モードの2種類のモードが設けられている。なお、バス制御モードは、複数のデバイスアドレス選択端子(DA0〜DA5)に設定されたデータ(デバイスアドレス)に関係なく、シリアル・データを読み込むモードである。
デバイス制御モードにより、LEDドライバ280のデバイスアドレスを設定する場合には、図44中の「Bit0」〜「Bit5」に規定されたデータ「a0」〜「a5」がそれぞれデバイスアドレス選択端子(DA0)〜デバイスアドレス選択端子(DA5)にセットされる。なお、図44中の「Bit0」〜「Bit5」に規定されたデータ「a0」〜「a5」は、LEDドライバ280のデバイスアドレスに応じて変化する。また、図44中の「Bit6」に規定されたデータから、現在設定されているアドレス設定モードがバス制御モード及びデバイス制御モードのいずれであるかを判別することができる。
また、エラーフラグ出力端子(XERR)は、異常検知時にエラーフラグ値「1」が出力される端子である。エラーフラグ出力端子(XERR)からのエラーフラグの出力動作は、異常検知期間のみで行われ、エラーフラグ値「1」が出力された場合には、LEDドライバ280は自動復帰する。
なお、エラーフラグ出力端子(XERR)から出力されたエラーフラグ値「1」はレジスタに格納される。また、エラーフラグ出力端子(XERR)からエラーフラグ値「1」が出力されている間、LEDドライバ280のレジスタはラッチされる(状態を保持する)。そして、レジスタがリード可能になると、エラーが解除され、エラーフラグ出力端子(XERR)から「0」がレジスタに出力される。
ポート群280eは、複数のポート(図42に示す例では48個)で構成され、各ポートには1つのLED281が接続される。また、図42中のポート「OUTR*」(「*」は0〜15)には、赤色成分のLED281が接続され、ポート「OUTG*」には、緑色成分のLED281が接続され、ポート「OUTB*」には、青色成分のLED281が接続される。
本実施形態では、互いに隣り合うポート「OUTR*」、「OUTG*」及び「OUTB*」にそれぞれ接続された赤色成分のLED281、緑色成分のLED281及び青色成分のLED281により一つの色を発光させる構成にする。なお、本発明は、これに限定されず、LEDドライバ280のポートに接続されるLEDの種別として、3原色の各色成分のLED281を用いて一つの色を発光するようなLED種別以外にも、単色発光専用のLEDを別途、設けてもよい。
ここで、図45に、LED281が接続される物理系統(SPIチャンネル)と、LEDドライバ280のデバイスアドレスと、LEDドライバ280の出力端子との関係をまとめた表を示す。なお、図45に示す例は、物理系統として、2つの物理系統(物理系統0及び物理系統1)を用い、各物理系統に接続されたLEDドライバ280の個数を16個とし、各LEDドライバ280に接続されたLED281の個数を48個とした場合の構成例である。
[LEDデータ]
次に、図46を参照しながら、音声・LED制御回路220からLEDドライバ280(LED281)に出力されるLEDデータ(ポート毎にセットされるLEDデータ)の構成について説明する。なお、図46は、LEDデータのフォーマット(データ型)を示す図である。
LEDデータは、再生時間(点灯時間)、赤色成分の輝度データ(発光データ)、緑色成分の輝度データ及び青色成分の輝度データを含み、ポート毎にセットされる。なお、LEDデータは、CGROM206に格納される。また、再生時間のデータ長(バイト数)は2バイトであり、各色成分の輝度データのデータ長は1バイトである。
なお、図46中に示す例では、LEDデータに、1バイトの「アライメント」と称するデータ領域も設けられるが、これは、LEDデータのデータ長(バイト数)を偶数バイトにするために設けられた調整領域である。
再生時間(点灯時間)の欄に規定される値は、時間の値ではなく、音声・LED制御回路220からLEDドライバ280へのLEDデータの送信処理の周期(約4msec)、すなわち、音声・LED制御回路220のLEDドライバ280に対する割込処理の周期を「1」としたときの値である。例えば、再生時間(点灯時間)に「12」がセットされている場合には、LEDの実際の点灯時間は約48msec(約4msec×12)となる。また、LEDデータ内の再生時間(点灯時間)に「0」がセットされている場合には、LEDデータの出力終了(所定のLEDアニメーションの終了)を意味し、該LEDデータが対応するLED281に出力されると、一連のLEDアニメーションによる演出動作が終了する。
なお、LEDデータ内における再生時間(点灯時間)の規定手法は、図46に示す例に限定されず、再生時間(点灯時間)の時間値を規定してもよい。この場合にも、音声・LED制御回路220のLEDドライバ280に対する割込処理の周期(約4msec)の整数倍の値がLEDデータ内に規定される。なお、計算不具合等により、LEDデータ内の再生時間(点灯時間)の欄に、割込処理の周期(約4msec)の整数倍以外の値が規定された場合には、周期(約4msec)の整数倍の値を超えた分が切り捨てられる。例えば、割込処理の周期が4msecであり、再生時間(点灯時間)の欄に47msecが規定された場合には、再生時間(点灯時間)の欄の値が44msecに書き換えられる。
各色成分の輝度データには、「0」(消灯)〜「255」の範囲内の整数値がセットされる。なお、本実施形態のように、LEDデータに、赤色成分の輝度データ、緑色成分の輝度データ及び青色成分の輝度データを含ませることにより、赤色LED、青色LED及び緑色LEDの3つでフルカラー発光させる場合だけでなく、赤色LED、青色LED及び緑色LEDのそれぞれを単色LEDとして使用する場合にも対応することができる。
また、輝度データ「244」及び「255」はそれぞれ16進数(HEX)で「0xFF」及び「0xFE」である。赤色、緑色、青色成分の各輝度データが「0xFE」であるときには、LED281は白色点灯する。赤色、緑色、青色成分の各輝度データが「0xFF」であるときには、該輝度データは「透明定義」の輝度データであり、「透明定義」の点灯態様は、後述のLEDデータの生成(合成)手法において説明する。また、赤色、緑色、青色成分の各輝度データが「0」であるときには、LED281は消灯するので、これらの輝度データを「消灯データ」と称する。
ここで、図47を参照しながら、スタティックLEDに対するLEDデータの出力制御処理の一例を説明する。なお、図47に示す例では、一つのLEDドライバ280に赤色LED、青色LED及び緑色LEDがそれぞれ1個ずつ接続されている例を示す。また、この例では、LEDデータ内の、再生時間(点灯時間)を「12」(約48msec)とし、赤色の輝度データ、緑色の輝度データ及び青色の輝度データのそれぞれを「0xFE」とする例を説明する。なお、このLEDデータでは、赤色LED、青色LED及び緑色LEDの3つのLEDにより白色点灯が行われる。
上述したLEDデータがLEDドライバ280に入力されると、LEDドライバ280は、後述の制御部位の情報(各ポートのポート情報)を参照して、LEDデータの中から接続されたLED281の種別に対応する輝度データを参照し、該輝度データに対応する駆動信号をLED281に出力する。それゆえ、図47に示す例では、ポート0に接続された赤色LEDには、LEDデータ内の赤色の輝度データ「0xFE」のみが出力され、赤色LEDは、赤色の輝度データ「0xFE」に対応する輝度で約48msec間点灯する。また、この際、ポート1に接続された青色LEDには、LEDデータ内の青色の輝度データ「0xFE」のみが出力され、青色LEDは、青色の輝度データ「0xFE」に対応する輝度で約48msec間点灯する。さらに、この際、ポート2に接続された緑色LEDには、LEDデータ内の緑色の輝度データ「0xFE」のみが出力され、緑色LEDは、緑色の輝度データ「0xFE」に対応する輝度で約48msec間点灯する。
なお、図47に示す例において、消灯動作を行う場合には、各色の輝度データに「0」がセットされる。
上述のように、本実施形態では、LEDドライバ280に対して出力されるLEDデータは、各色(赤、青、緑)成分の輝度値を少なくとも含み、発光態様を特定可能なデータ形態を有する。そして、LEDドライバ280からそれに接続された複数のLED281にLEDデータが出力されると、各LED281には、LEDデータ内の自身の発光色に対応する色成分の輝度データが出力される(各LED281において、LEDデータ内の対応する色成分の輝度データのみが参照される)。
このような構成のLEDデータを用いて、一つのLEDドライバ280により複数のLED281を発光制御した場合、複数のLEDが互いに異なる発光色のLED281であっても、各LED281の輝度値(データ)を把握することが容易になるので、複数のLED281による発光色の合成処理が容易になる。また、この際の発光色の合成にかかる処理を、LEDデータがセットされたLEDドライバ280により実行することも可能になるので、複雑なLED発光制御も容易に実行可能となり、LED281を用いたより高度な演出制御(LEDアニメーション制御)を容易に実行することができる。
また、本実施形態では、LEDドライバ280に対して出力されるLEDデータの構成は、LEDドライバ280に接続されたLED281の種別に関係なく同じである。それゆえ、所定のLEDドライバ280における発光態様(発光色)と同じ発光態様を行う他のLEDドライバ280に対して、所定のLEDドライバ280で用いるLEDデータを他のLEDドライバ280でも用いる(LEDデータを共通化する)ことができる。この場合、LEDデータを共通化することができるとともに、LED281の点灯動作に関する処理も共通化することができる。
このようなLEDデータ及び点灯動作処理の共通化という効果は、1つのLEDドライバ280に接続された赤色LED、緑色LED及び青色LEDを用いてフルカラー点灯を行う場合、すなわち、各色の発光配分が重要なパラメータとなるLED発光制御を実行する場合において、特に顕著になる。それゆえ、本実施形態では、フルカラーLEDの発光制御もまた容易に実行することができる。
なお、本明細書でいう、「LEDデータ(駆動データ)の形式」は、上述した複数種の色成分の輝度データ及び点灯時間に関するデータからなるデータフォーマットに限定されない。例えば、輝度データのデータフォーマットには、輝度データを生成する時に使用されるデータフォーマット、CGROM206内に格納される時のデータフォーマット等が含まれる。また、CGROM206内に格納されている輝度データが、圧縮処理やファイル形式の変換処理などによりデータフォーマットの形式を有していない変数、変数の群又はデータである場合においても、プログラム上で、該変数、変数の群(構造体)又はデータの使用方法として、それらを輝度データの一群として使用している場合には、該変数、変数の群(構造体)又はデータを輝度データのデータフォーマットとして認識することができる。それゆえ、本明細書でいう、「LEDデータ(駆動データ)の形式」とは、これらの輝度データのデータフォーマットを含む意味である。
[LEDデータの生成(合成)手法]
次に、音声・LED制御回路220で行われるLEDデータの生成(合成)処理の手法について説明する。本実施形態では、音声・LED制御回路220は、CGROM206から読み出した所定のLEDデータをそのままLEDドライバ280(ポート)に出力することもできるが、CGROM206から複数のLEDデータを読み出し、それらのLEDデータを合成して対応するポートに出力する機能も備える。
この機能を実現するために、音声・LED制御回路220には、複数のLEDデータのそれぞれを読み出して各種処理を施すための複数のチャンネルがポート毎に設けられる。具体的には、音声・LED制御回路220において、LEDデータをセット可能な8つのチャンネル(第1チャンネル〜第8チャンネル)がポート毎に設けられる。
そして、本実施形態では、チャンネル毎にLEDデータの実行優先順位が予め決められており、複数のチャンネルにLEDデータがセットされている場合には、その実行優先順位に従って(基づいて、応じて、又は、対応して)、LEDドライバ280内のポートにセットされるLEDデータが決定される。なお、本実施形態では、第1チャンネルが最もLEDデータの実行優先順位が低いチャンネルとし、チャンネル番号の増加とともに実行優先順位が高くなるようにLEDデータの実行優先順位が設定されている。それゆえ、本実施形態では、第8チャンネルが実行優先順位の最も高いチャンネルとなる。また、本実施形態では、第8チャンネルは、エラー発生時専用のチャンネルに設定される。なお、本明細書でいうチャンネル毎に設定される「LEDデータの実行優先順位」とは、LEDデータ(駆動データ)の出力、使用、設定、セット、ロードなどを行う際の優先順位である。
例えば、LEDドライバ280内の所定のポートに対して、第2、第4及び第6チャンネルにそれぞれLEDデータ(輝度データ)がセットされている場合には、これらのチャンネルのうち、実行優先順位の最も高い第6チャンネルのLEDデータが合成結果として音声・LED制御回路220からLEDドライバ280内の所定のポートに出力(セット)される。
なお、チャンネルに読み出されたLEDデータは、所定のデータテーブル情報とともに、チャンネルの登録バッファ(記憶手段)に格納される。具体的には、まず、ホスト制御回路210から音声・LED制御回路220にランプリクエスト(LED制御リクエスト)が入力されると、音声・LED制御回路220は、該ランプリクエストに基づいて、CGROM206に格納されたデータテーブル情報及びそれに対応付けられたLEDデータを取得する。データテーブル情報には、読み出したLEDデータをセットするチャンネルの情報が含まれており、音声・LED制御回路220は、このデータテーブル情報で指定されたチャンネルの登録バッファに、読み出したLEDデータ及びデータテーブル情報を上書きして格納する。ただし、読み出されたLEDデータを登録バッファに格納(上書き)する際には、チャンネルに設定されたLEDデータの実行優先順位に基づいて、LEDデータを登録バッファに上書きするか否かの判断が行われる。なお、データテーブル情報の内容については、後で詳述する。
本実施形態では、登録バッファに読み出したLEDデータ及びデータテーブル情報を上書きして格納する例を説明したが、LEDデータ及びデータテーブル情報を指定可能な情報(発光制御情報に対応する情報)を登録バッファに上書きして格納する構成にしてもよい。この場合には、LEDデータ及びデータテーブル情報を登録バッファとは異なる記憶領域(物理的に同じ記憶媒体の中で領域的に該記憶領域と登録バッファとが分けられている場合)から取得するように制御してもよいし、また、登録バッファに格納された情報に基づいて、物理的に異なる記憶媒体の記憶領域からLEDデータ及びデータテーブル情報を取得するように制御してもよい。
なお、「発光制御情報に対応する情報」は、LED制御IDを含む情報(発光制御情報を特定する情報)に限定されず、発光制御情報に関する情報であれば任意の情報を採用することができる。それゆえ、本実施形態の構成のように、発光制御情報に対応する情報として、発光制御情報そのもの(LEDデータ及びデータテーブル情報)を採用してもよい。
また、ここで、「透明定義」のLEDデータ(輝度データ)がセットされている場合の点灯態様を説明する。例えば、第4チャンネルに赤点灯を行うLEDデータ(輝度データ)が設定され、且つ、第6チャンネルに「透明定義」のLEDデータ(輝度データ)が設定されている場合には、第4チャンネルの赤点灯を行うLEDデータが出力される。すなわち、複数のチャンネルにLEDデータが設定されている場合に、実行優先順位の低いチャンネルのLEDデータを優先して出力したい場合には、「透明定義」のLEDデータを実行優先順位の高いチャンネルに設定する。なお、第4チャンネルに赤点灯を行うLEDデータが設定され、且つ、第6チャンネルに「消灯データ」が設定されている場合には、実行優先順位の高い第6チャンネルの「消灯データ」が優先して出力され、LED281は点灯しない。なお、例えば、第2チャンネル、第4チャンネル及び第6チャンネルにのみLEDデータがセットされ、且つ、セットされているLEDデータが全て「透明定義」のLEDデータである場合にもまた、LED281は発光しない。
また、本実施形態では、最も実行優先順位の低いチャンネルには「透明定義」のLEDデータが設定されない構成とするが、本発明はこれに限定されず、最も実行優先順位の低いチャンネルに「透明定義」のLEDデータを設定してもよい。
さらに、「消灯データ」及び「透明定義」のデータを同一に扱い、両データを、「消灯データ」又は「透明定義」のデータとして扱ってもよい。その場合には、LEDデータの構成を任意に変更し、各チャンネルで制御可能なLEDが予め重複しないようにするなど、LED制御を行う上での設定を適宜変更する。このような構成を採用した場合、例えば、「消灯データ」及び「透明定義」のデータの一方のデータしか取り扱わない遊技機においても対応可能になる。
なお、本実施形態では、「チャンネル」(系統)とは、シーケンサーチャンネルのことを示し、シーケンサーチャンネルが変数やレジスタに値を設定するというような表現が可能である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、「チャンネル」は、例えば、単にシーケンサーの数を示すものであってもよいし、シーケンサーを含む再生手段(自動再生機能)であってもよい。また、ストップチャンネル(指定される音声再生をストップするチャンネル)などが「チャンネル」に含まれていてもよい。さらに、「チャンネル」は、表示装置13で表示されるアニメーションやLEDアニメーション、音声の再生の実行(開始、停止、終了、中断などを含む)可能な再生機能の総称であり、また、再生機能において同時に再生可能なデータ数(アニメーション数)を表すための単位(8チャンネルと言えば、同時に8つのデータを再生可能)でもある。
[LEDアニメーションの生成手法]
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上述のように、ランプ群18に、複数のLED281が含まれる。そして、決定された演出内容に応じて、音声・LED制御回路220は、複数のLED281を様々なパターンで点灯/消灯させて所定の演出(LEDアニメーション)を行う。それゆえ、本実施形態では、LEDアニメーションが決まれば、その演出に必要な各種LEDデータが指定される。
また、本実施形態では、複数のLED281を連動させて所定のLEDアニメーションによる演出を行うので、所定のLEDアニメーションに関与する複数のLED281の点灯/消灯動作を一括して管理及び制御する。以下では、音声・LED制御回路220によりLEDアニメーションを実行するために、発光動作を一括して管理及び制御するポート群(LED群)を「制御部位」という。
本実施形態では、上述のように、音声・LED制御回路220には、LED281(ポート)毎にLEDデータがセット可能な8つのチャンネル(第1チャンネル〜第8チャンネル)が設けられているので、制御部位もチャンネル毎に設定される。そして、音声・LED制御回路220によりLEDアニメーションを実行する際には、各チャンネルの制御部位のLEDデータをチャンネル間で合成したデータがLEDアニメーションのデータとして出力される。なお、制御部位は、チャンネル間で互いに同じであってもよいし、チャンネル毎に異なっていてもよい。
また、音声・LED制御回路220には、各チャンネルにおいて設定された制御部位におけるLED281の点灯/消灯動作を一括して管理及び制御するための、シーケンサー(駆動データ制御手段)が制御部位毎に設けられる。
<パチンコ遊技機の主制御回路の動作説明>
次に、図48〜図56を参照して、パチンコ遊技機1の主制御回路70のメインCPU71により実行される各種処理の内容について説明する。
[主制御メイン処理]
まず、図48を参照して、メインCPU71の制御による主制御メイン処理について説明する。なお、図48は、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の主制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、最初に、メインCPU71は、初期設定処理を行う(S1)。この処理では、メインCPU71は、例えば、メインRAM73へのアクセス許可、バックアップ復帰、作業領域の初期化等の処理を行う。次いで、メインCPU71は、初期値乱数の更新処理を行う(S2)。この処理では、メインCPU71は、初期乱数カウンタ値を更新する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄制御処理を行う(S3)。この処理では、メインCPU71は、特別図柄ゲームの進行、特別図柄表示装置61に表示される特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に関する所定の制御処理を行う。なお、特別図柄制御処理の詳細については、後述の図49を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、普通図柄制御処理を行う(S4)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄ゲームの進行、及び、普通図柄表示装置62に表示される普通図柄に関する所定の制御処理を行う。なお、普通図柄制御処理の詳細については、後述の図53を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、図柄表示装置の制御処理を行う(S5)。この処理では、メインCPU71は、特別図柄制御処理(S3)及び普通図柄制御処理(S4)の実行結果に基づいて、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)、並びに、普通図柄の可変表示の表示制御を行う。
次いで、メインCPU71は、遊技情報データ生成処理を行う(S6)。この処理では、メインCPU71は、払出・発射制御回路123、副制御回路200、遊技店のホールコンピュータ等に送信する遊技情報データを生成し、該遊技情報データをメインRAM73に格納する。
次いで、メインCPU71は、記憶・遊技状態データ生成処理を行う(S7)。この処理では、メインCPU71は、確変フラグの値及び時短フラグの値に基づいて、副制御回路200に送信する記憶・遊技状態データを生成し、該記憶・遊技状態データをメインRAM73に格納する。
そして、S7の処理後、メインCPU71は、処理をS2の処理に戻し、上述したS2以降の処理を繰り返す。
[特別図柄制御処理]
次に、図49を参照して、主制御メイン処理(図48参照)中のS3で行う特別図柄制御処理について説明する。図49は、本実施形態における特別図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、図49に示す各処理ステップの符号に並記した括弧書きの数値(「00」〜「08」)は制御状態フラグの値を示し、この制御状態フラグは、メインRAM73内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU71は、制御状態フラグの数値に対応する各処理ステップを実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグをロードする(S11)。この処理では、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。
メインCPU71は、S11でロードされた制御状態フラグの値に基づいて、後述のS12〜S20の各種処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S12〜S20のいずれかの処理を実行可能にするものである。
また、メインCPU71は、S12〜S20の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定される所定のタイミングで、各ステップの処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前の期間では、各ステップの処理を実行せずに、他のサブルーチン処理を実行する。また、所定の周期で後述のシステムタイマ割込処理(後述の図54参照)も実行される。
そして、S11の処理が終了すると、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を行う(S12)。
この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、特別図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でない場合(保留球がある場合)には、当り判定、特別図柄の決定、特別図柄の変動パターンの決定等の処理を行う。また、メインCPU71は、この処理において、制御状態フラグに、後述の特別図柄変動時間管理処理(S13)を示す値(「01」)にセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S12の処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間が経過した後、後述の特別図柄変動時間管理処理が実行されるように設定される。
一方、保留個数が「0」である場合(保留球がない場合)には、メインCPU71は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。なお、特別図柄記憶チェック処理の詳細については、後述の図50を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を行う(S13)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であり、特別図柄の変動時間が経過した場合に、制御状態フラグに、後述の特別図柄表示時間管理処理(S14)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S13の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を行う(S14)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、S13の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」であるか否かを判断する。そして、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大当り開始インターバル管理処理(S15)を示す値(「03」)をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S14の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り開始インターバル管理処理が実行されるように設定される。
一方、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」でない場合、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の特別図柄ゲーム終了処理(S20)を示す値(「08」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。なお、特別図柄表示時間管理処理の詳細については、後述の図51を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、S14において当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」であると判定された場合、大当り開始インターバル管理処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であり、S14の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放させるため、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。
また、この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大入賞口開放中処理(S16)を示す値(「04」)をセットするとともに、大入賞口の開放上限時間(例えば30sec)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口開放中処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、大入賞口開放中処理を行う(S16)。この処理では、まず、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(「04」)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、及び、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。
S16において、一方の条件が満たされた場合には、メインCPU71は、所定の大入賞口(第1大入賞口又は第2大入賞口)を閉鎖させるため、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(S17)を示す値(「05」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S17でセットされた大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。
また、メインCPU71は、S16において、大入賞口開放中処理の終了直前に、副制御回路200にラウンド間表示コマンドを送信する。
次いで、メインCPU71は、大入賞口内残留球監視処理を行う(S17)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(「05」)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上である(最終ラウンドである)という条件が満たされたか否かを判断する。
S17において、メインCPU71が上記条件を満たさないと判別した場合には、メインCPU71は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「06」)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU71は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大入賞口再開放前待ち時間管理処理が実行されるように設定される。
一方、S17において、メインCPU71が上記条件を満たしたと判別した場合には、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間(大当り終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S17でセットされた大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次いで、S17において、メインCPU71が、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上ではないと判別した場合、メインCPU71は大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(S18)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(「06」)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値を「1」増加するように記憶更新する。また、メインCPU71は、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)を制御状態フラグにセットする。そして、メインCPU71は、開放上限時間(例えば30sec)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S18の処理後に上述した大入賞口開放中処理(S16)が再度実行されるように設定される。
さらに、メインCPU71は、S18において、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の終了直前に、副制御回路200に大入賞口開放中表示コマンドを送信する。
また、S17において、メインCPU71が、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を行う(S19)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S19の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。なお、大当り終了インターバル処理の詳細については、後述の図52を参照しながら後で説明する。
そして、メインCPU71は、大当り図柄が確変図柄である場合には、遊技状態を確変遊技状態に移行させる制御を行い、大当り図柄が非確変図柄である場合には、遊技状態を通常遊技状態に移行させる制御を行う。なお、大当り図柄が「小当り」に対応する図柄である場合には、メインCPU71は、「小当り」遊技終了後の遊技状態が、「小当り」が当選した時に制御されていた遊技状態よりも有利な遊技状態に移行しないように制御する。
次いで、メインCPU71は、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了した場合、又は、「ハズレ」に当選した場合には、特別図柄ゲーム終了処理を行う(S20)。
この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を「1」減少するように記憶更新する。また、メインCPU71は、次回の特別図柄の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S20の処理後、上述した特別図柄記憶チェック処理(S12)が実行されるように設定される。
そして、S20の処理後、メインCPU71は、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図48参照)のS4に移す。
上述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、制御状態フラグに各種値を順次セットすることにより、特別図柄ゲームを進行させる。具体的には、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく且つ当り判定の結果が「ハズレ」である場合には、メインCPU71は、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「08」の順にセットする。これにより、メインCPU71は、上述した特別図柄記憶チェック処理(S12)、特別図柄変動時間管理処理(S13)、特別図柄表示時間管理処理(S14)及び特別図柄ゲーム終了処理(S20)をこの順で所定のタイミングで実行する。
また、メインCPU71は、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく且つ当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合には、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「03」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した特別図柄記憶チェック処理(S12)、特別図柄変動時間管理処理(S13)、特別図柄表示時間管理処理(S14)及び大当り開始インターバル管理処理(S15)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU71は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御が実行された場合には、制御状態フラグを「04」、「05」、「06」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した大入賞口開放中処理(S16)、大入賞口内残留球監視処理(S17)及び大入賞口再開放前待ち時間管理処理(S18)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技又は小当り遊技を実行する。
なお、大当り遊技中に、大当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、メインCPU71は、制御状態フラグを「04」、「05」、「07」、「08」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した大入賞口開放中処理(S16)、大入賞口内残留球監視処理(S17)、大当り終了インターバル処理(S19)及び特別図柄ゲーム終了処理(S20)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了する。
上述したように、特別図柄制御処理では、ステータスに応じて処理フローを分岐させている。また、図48に示す主制御メイン処理中のS4の普通図柄制御処理(後述の図53参照)もまた、後述するように、特別図柄制御処理と同様に、ステータスに応じて処理フローを分岐させる。
本実施形態の処理プログラムは、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合にコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能となるように、プログラミングされている。その結果、上記処理を実行するためにジャンプテーブルを配置する場合と比較して、本実施形態では、プログラムの容量を削減することができる。
[特別図柄記憶チェック処理]
次に、図50を参照して、特別図柄制御処理(図49参照)中のS12で行う特別図柄記憶チェック処理について説明する。なお、図50は、本実施形態における特別図柄記憶チェック処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグをロードする(S31)。この処理では、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。
次いで、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)であるか否かを判別する(S32)。S32において、メインCPU71が、制御状態フラグが「00」でないと判別した場合(S32がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図49参照)に戻す。
一方、S32において、メインCPU71が、制御状態フラグが「00」であると判別した場合(S32がYES判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞(第2特別図柄の可変表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する(S33)。
S33において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(S33がNO判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数に対応する第2始動記憶数の値を「1」減算する(S34)。
本実施形態では、メインCPU71は、メインRAM73に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動中又は保留中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第2特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。そして、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第2特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。なお、各第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている始動記憶に含まれるデータは、例えば、第2始動口45の入賞時に取得した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値等のデータである。
S34の処理後、メインCPU71は、第2始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(S35)。この処理では、メインCPU71は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)に転送(記憶)する。そして、S35の処理後、メインCPU71は、後述のS40の処理を行う。
ここで、再度、S33の処理に戻って、S33において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(S33がYES判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞(第1特別図柄の可変表示)の保留個数(第1始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する(S36)。
S36において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(S36がYES判定の場合)、メインCPU71は、デモ表示処理を行う(S37)。そして、S37の処理後、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図49参照)に戻す。
なお、S37のデモ表示処理では、メインCPU71は、メインRAM73にデモ表示許可値をセットする。すなわち、メインCPU71は、第1始動口入賞及び第2始動口入賞の保留個数が「0」になった状態(特別図柄ゲームの始動記憶が「0」になった状態)が所定時間(例えば、30sec)維持されると、デモ表示許可値として所定値をセットする。また、S37のデモ表示処理においてデモ表示許可値が所定値であった場合には、メインCPU71は、デモ表示コマンドデータをメインRAM73にセットする。そして、デモ表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200内のホスト制御回路210に送信される。副制御回路200は、デモ表示コマンドデータを受信すると、表示装置13の表示領域13aにデモ画面を表示させる。
一方、S36において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(S36がNO判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数に対応する第1始動記憶数の値を「1」減算する(S38)。
本実施形態では、メインCPU71は、メインRAM73に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動中又は保留中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第1特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。そして、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第1特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。なお、各第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている始動記憶に含まれるデータは、例えば、第1始動口44の入賞時に取得した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値等のデータである。
S38の処理後、メインCPU71は、第1始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(S39)。この処理では、メインCPU71は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)に転送(記憶)する。そして、S39の処理後、メインCPU71は、後述のS40の処理を行う。
次いで、S35又はS39の処理後、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S40)。
S40において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S40がYES判定の場合)、メインCPU71は、後述のS44の処理を行う。一方、S40において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S40がNO判定の場合)、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値を「1」減算する(S41)。
S41の処理後、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S42)。
S42において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S42がNO判定の場合)、メインCPU71は、後述のS44の処理を行う。一方、S42において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S42がYES判定の場合)、メインCPU71は、時短フラグに「0」をセットする(S43)。
S43の処理後、S40がYES判定の場合、又は、S42がNO判定の場合、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)をセットする(S44)。また、この処理では、メインCPU71は、副制御回路200に、保留減算コマンド及び特別図柄演出開始コマンドを送信する。
次いで、メインCPU71は、大当り判断処理を行う(S45)。この処理では、メインCPU71は、始動口入賞時に取得された大当り判定用乱数値に基づいて、抽選により「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」にいずれに当選したか判断(決定)する。
次いで、メインCPU71は、前回の変動表示に用いられた記憶領域の情報(データ)をクリアする(S46)。次いで、メインCPU71は、決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする(S47)。そして、S47の処理後、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図49参照)に戻す。
[特別図柄表示時間管理処理]
次に、図51を参照して、特別図柄制御処理(図49参照)中のS14で行う特別図柄表示時間管理処理について説明する。なお、図51は、本実施形態における特別図柄表示時間管理処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(S51)。S51において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合(S51がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図49参照)に戻す。
一方、S51において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合(S51がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する(S52)。この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた変動確定後の待ち時間(変動開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。
S52において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S52がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図49参照)に戻す。一方、S52において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S52がYES判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する(S53)。また、この処理では、メインCPU71は、同時に、特別演出停止コマンドを副制御回路200に送信する。
S53において、メインCPU71が、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合(S53がNO判定の場合)、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする(S54)。そして、S54の処理後、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図49参照)に戻す。
一方、S53において、メインCPU71が、特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合(S53がYES判定の場合)、メインCPU71は、大当りフラグをオン状態にセットする(S55)。なお、大当りフラグは、大当り遊技を行うか否かを示すフラグである。
次いで、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値、時短フラグの値及び確変フラグの値をクリアする(S56)。次いで、メインCPU71は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)をセットする(S57)。
次いで、メインCPU71は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間(例えば、5000msec)を待ち時間タイマにセットする(S58)。次いで、メインCPU71は、特別図柄に対応する大当り開始コマンド(特別図柄当り開始表示コマンド)をメインRAM73にセットする(S59)。また、この処理では、メインCPU71は、同時に、特別図柄当り開始表示コマンドを副制御回路200に送信する。
次いで、メインCPU71は、ラウンド数表示LEDパターンフラグをオン状態にセットする(S60)。なお、ラウンド数表示LEDパターンフラグは、残りラウンド数を所定パターンで表示するか否かを示すフラグである。そして、S60の処理後、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図49参照)に戻す。
[大当り終了インターバル処理]
次に、図52を参照して、特別図柄制御処理(図49参照)中のS19で行う大当り終了インターバル処理について説明する。なお、図52は、本実施形態における大当り終了インターバル処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であるか否かを判別する(S71)。
S71において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)でないと判別した場合(S71がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図49参照)に戻す。一方、S71において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であると判別した場合(S71がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S72)。この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた大当り終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。
S72において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S72がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図49参照)に戻す。一方、S72において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S72がYES判定の場合)、メインCPU71は、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアする(S73)。
次いで、メインCPU71は、ラウンド数振り分けフラグをクリアする(「0」にする)(S74)。
次いで、メインCPU71は、制御状態フラグに、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする(S75)。また、この処理では、メインCPU71は、同時に、特別図柄当り終了表示コマンドを副制御回路200に送信する。次いで、メインCPU71は、大当りフラグをクリアする(S76)。
次いで、メインCPU71は、大当り種類決定テーブル(図17〜図20参照)を参照し、大当り当選時の遊技状態及び大当り時選択図柄コマンドの種別に基づいて、確変フラグの値をセットする(S77)。次いで、メインCPU71は、大当り種類決定テーブル(図17〜図20参照)を参照し、大当り当選時の遊技状態及び大当り時選択図柄コマンドの種別に基づいて、時短フラグの値をセットする(S78)。
次いで、メインCPU71は、時短フラグの値が「1」であるか(時短フラグがオン状態であるか)否かを判別する(S79)。S79において、メインCPU71が、時短フラグの値が「1」でないと判別した場合(S79がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図49参照)に戻す。
一方、S79において、メインCPU71が、時短フラグの値が「1」であると判別した場合(S79がYES判定の場合)、メインCPU71は、大当り種類決定テーブル(図17〜図20参照)を参照し、大当り当選時の遊技状態及び大当り時選択図柄コマンドの種別に基づいて、対応する時短回数の値を時短状態変動回数カウンタにセットする(S80)。そして、S80の処理後、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図49参照)に戻す。
[普通図柄制御処理]
次に、図53を参照して、主制御メイン処理(図48参照)中のS4で行う普通図柄制御処理について説明する。図53は、本実施形態における普通図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。
なお、図53に示すフローチャート中の各処理ステップの符号に並記した括弧書きの数値(「00」〜「04」)は普通図柄制御状態フラグを示し、この普通図柄制御状態フラグは、メインRAM73内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグの数値に対応する各処理ステップを実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
まず、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグをロードする(S91)。この処理では、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された普通図柄制御状態フラグを読み出す。メインCPU71は、S91でロードされた普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、後述のS92〜S96の各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通制御制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S92〜S96のいずれかの処理を実行可能にするものである。
また、メインCPU71は、S92〜S96の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定される所定のタイミングで、各ステップの処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前の期間では、各ステップの処理を実行せずに、他のサブルーチン処理を実行する。また、所定の周期で後述のシステムタイマ割込処理(後述の図54参照)も実行される。
そして、S91の処理が終了すると、メインCPU71は、普通図柄記憶チェック処理を行う(S92)。
この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でないときには、当り判定等の処理を行う。また、メインCPU71は、この処理において、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄変動時間監視処理(S93)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S92の処理で決定された普通図柄の変動時間が経過した後、後述の普通図柄変動時間監視処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、普通図柄変動時間監視処理を行う(S93)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視処理を示す値(「01」)であり、普通図柄の変動時間が経過した場合に、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄表示時間監視処理(S94)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間(例えば0.5sec)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S93の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の普通図柄表示時間監視処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、普通図柄表示時間監視処理を行う(S94)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視処理を示す値(「02」)であり、S93の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「当り」であるか否かを判断する。そして、当り判定の結果が「当り」である場合、メインCPU71は、普通電動役物開放設定処理を行い、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通電動役物開放処理(S95)を示す値(「03」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通電動役物開放処理が実行されるように設定される。
一方、当り判定の結果が「当り」でない場合、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄ゲーム終了処理(S96)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、S94において当り判定の結果が「当り」であると判定された場合、普通電動役物開放処理を行う(S95)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放処理を示す値(「03」)である場合に、普通電動役物46の開放中において所定数の始動入賞があったという条件、及び、普通電動役物46の開放上限時間を経過した(普通電役開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされたか否かを判断する。
S95において、上記一方の条件が満たされた場合には、メインCPU71は、普通電動役物46である羽根部材を閉鎖状態にするため、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄ゲーム終了処理(S96)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、普通図柄ゲーム終了処理を行う(S96)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「04」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数を示すデータを「1」減少させるように記憶更新する。また、メインCPU71は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)をセットする。すなわち、この処理により、S96の処理後、上述した普通図柄記憶チェック処理(S92)が実行されるように設定される。
そして、S96の処理後、メインCPU71は、普通図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図48参照)のS5に移す。
[システムタイマ割込処理]
本実施形態のパチンコ遊技機1では、メインCPU71は、メイン処理の実行中であっても、所定周期でメイン処理を中断し、システムタイマ割込処理を実行する。具体的には、メインCPU71は、クロック発生回路74から所定周期(例えば2msec)で発生されるクロックパルスに応じて、システムタイマ割込処理を実行する。ここで、図54を参照して、メインCPU71により実行されるシステムタイマ割込処理について説明する。なお、図54は、本実施形態におけるシステムタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、各レジスタのデータ(情報)を退避させる(S121)。次いで、メインCPU71は、乱数更新処理を行う(S122)。この処理では、メインCPU71は、大当り判定用カウンタ、図柄決定用カウンタ、当り判定用カウンタ、転落判定用カウンタ、変動パターン決定用カウンタ、演出パターン決定用カウンタなどから抽出される各種乱数値を更新する。なお、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠ける。そのため、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタは、公正さを担保するために2msec周期で決まったタイミングで更新を行う。
次いで、メインCPU71は、スイッチ入力検出処理を行う(S123)。この処理では、メインCPU71は、各種始動口、各種入賞口及び球通過検出器43への入賞又は通過を検出する。なお、スイッチ入力検出処理の詳細については、後述の図55を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、タイマ更新処理を行う(S124)。具体的には、メインCPU71は、主制御回路70と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大入賞口の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等の各種タイマの更新処理を行う。
次いで、メインCPU71は、コマンド出力処理を行う(S125)。この処理では、メインCPU71は、副制御回路200のホスト制御回路210に、例えば、入賞コマンド、変動コマンド等の各種コマンドを出力する。
次いで、メインCPU71は、遊技情報出力処理を行う(S126)。この処理では、メインCPU71は、主制御回路70、副制御回路200、払出・発射制御回路123等で処理される遊技に係る各種情報を、遊技店のホールコンピュータに出力する。
次いで、メインCPU71は、S121で退避させた各レジスタのデータを復帰させる(S127)。そして、S127の処理後、メインCPU71は、システムタイマ割込処理を終了する。
[スイッチ入力検出処理]
次に、図55を参照して、システムタイマ割込処理(図54参照)中のS123で行うスイッチ入力検出処理について説明する。なお、図55は、本実施形態におけるスイッチ入力検出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、始動口入賞検出処理を行う(S131)。この処理では、メインCPU71は、第1始動口44又は第2始動口45に遊技球が入球(通過)したか否かを判別する。すなわち、メインCPU71は、第1始動口入賞球センサ44a又は第2始動口入賞球センサ45aにより遊技球の入賞が検出されたか否かを検出する。なお、始動口入賞検出処理の詳細については、後述の図56を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、一般入賞口通過検出処理を行う(S132)。この処理では、メインCPU71は、一般入賞口51又は52に遊技球が入球したか否かを判別する。すなわち、メインCPU71は、一般入賞球センサ51a又は52aにより遊技球の入賞が検出されたか否かを検出する。そして、一般入賞口51又は52への遊技球の入賞が検出された場合には、メインCPU71は、該入賞に対応する所定の各種処理を行う。
次いで、メインCPU71は、大入賞口通過検出処理を行う(S133)。この処理では、メインCPU71は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54に遊技球が入球したか否かを判別する。すなわち、メインCPU71は、第1大入賞口ソレノイド53b又は第2大入賞口ソレノイド54bにより遊技球の入賞が検出されたか否かを検出する。そして、第1大入賞口53又は第2大入賞口54への遊技球の入賞が検出された場合には、メインCPU71は、該入賞に対応する所定の各種処理を行う。
次いで、メインCPU71は、ゲート通過検出処理を行う(S134)。この処理では、メインCPU71は、遊技球が球通過検出器43を通過したか否かを判別する。すなわち、メインCPU71は、通過球センサ43aにより遊技球の通過が検出されたか否かを検出する。次いで、遊技球が球通過検出器43を通過したことが検出された場合には、メインCPU71は、該通過に対応する所定の各種処理を行う。そして、S134の処理後、メインCPU71は、スイッチ入力検出処理を終了し、処理をシステムタイマ割込処理(図54参照)のS124に移す。
[始動口入賞検出処理]
次に、図56を参照して、スイッチ入力検出処理(図55参照)中のS131で行う始動口入賞検出処理について説明する。なお、図55は、本実施形態における始動口入賞検出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、第1始動口入賞球センサ44aの出力信号に基づいて、第1始動口44への遊技球の入賞が検出されたか否かを判別する(S141)。
S141において、メインCPU71が、第1始動口44への遊技球の入賞が検出されていないと判別した場合(S141がNO判定の場合)、メインCPU71は、後述のS149の処理を行う。一方、S141において、メインCPU71が、第1始動口44への遊技球の入賞が検出されたと判別した場合(S141がYES判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞に対応する払出情報をメインRAM73にセットする(S142)。本実施形態では、遊技球が第1始動口44に入賞すると所定数の遊技球が払い出される。それゆえ、S142の処理では、所定数の遊技球の払出情報がセットされる。
S142の処理後、メインCPU71は、第1始動口入賞(第1特別図柄の可変表示)の保留個数(保留球の個数)が「4」未満であるか否かを判別する(S143)。
S143において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「4」未満でないと判別した場合(S143がNO判定の場合)、メインCPU71は、後述のS149の処理を行う。一方、S143において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「4」未満であると判別した場合(S143がYES判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数を「1」加算する処理を行う(S144)。
S144の処理後、メインCPU71は、抽選に用いる各種乱数値を取得し、取得した各種乱数値をメインRAM73の所定領域に格納する(S145)。具体的には、メインCPU71は、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、転落判定用乱数値等の各種乱数値を取得する。
次いで、メインCPU71は、第1特別停止図柄判定処理を行う(S146)。この処理では、メインCPU71は、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)(図13参照)及び図柄判定テーブル(第1始動口)(図15参照)を参照し、S145で取得した大当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づいて、「大当り」か否かの判定を行うとともに、「大当り」の場合には、表示装置13の表示画面に表示される予定の大当り図柄(演出用識別図柄)の選択(判定)を行う。
次いで、メインCPU71は、転落の有無の判断処理を行う(S147)。この処理では、メインCPU71は、S145で取得した転落判定用乱数値に基づいて、転落抽選を行い、転落の発生の有無を判定する。これにより、メインCPU71は、転落抽選情報(「0」:転落無し、又は、「1」:転落有り)を取得する。
次いで、メインCPU71は、第1始動口入賞時の保留加算コマンドデータをメインRAM73にセットする(S148)。
この処理では、メインCPU71は、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)(図13参照)、図柄判定テーブル(第1始動口)(図15参照)、大当り種類決定テーブル(図17〜図20参照)及び入賞時演出情報決定テーブル(図21参照)を参照して得られる、遊技状態(「通常」、「確変」、「時短」)、当選種別(「大当り」、「小当り」、「ハズレ」)、始動記憶数(第1特別図柄の保留個数)、図柄指定コマンド、大当り時選択図柄コマンド、入賞時演出情報、大当り判定の結果情報、転落抽選情報などの情報に基づいて、保留加算コマンドに含ませる情報(送信内容)を決定する。
なお、この際、遊技状態は、確変フラグ及び時短フラグの値を参照して取得され、当選種別は、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)(図13参照)を参照することにより取得され、図柄指定コマンド及び大当り時選択図柄コマンドは、図柄判定テーブル(第1始動口)(図15参照)を参照することにより取得され、入賞時演出情報は、入賞時演出情報決定テーブル(図21参照)を参照することにより取得される。また、大当り判定の結果情報は、S146の処理で取得され、転落抽選情報は、S147の処理で取得される。
また、本実施形態では、S148の処理において、第1始動口入賞時の保留加算コマンドがメインCPU71から副制御回路200(ホスト制御回路210)に送信される。そして、この第1始動口入賞時の保留加算コマンドに基づいて、副制御回路200は、保留演出及び先読み演出の演出パターンを選択する。
S148の処理後、又は、S141或いはS143がNO判定の場合、メインCPU71は、第2始動口入賞球センサ45aの出力信号に基づいて、第2始動口45への遊技球の入賞が検出されたか否かを判別する(S149)。
S149において、メインCPU71が、第2始動口45への遊技球の入賞が検出されていないと判別した場合(S149がNO判定の場合)、メインCPU71は、始動口入賞検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図55参照)のS132に移す。一方、S149において、メインCPU71が、第2始動口45への遊技球の入賞が検出されたと判別した場合(S149がYES判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞に対応する払出情報をメインRAM73にセットする(S150)。本実施形態では遊技球が第2始動口45に入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。それゆえ、S150の処理では、所定数の遊技球の払出情報がセットされる。
S150の処理後、メインCPU71は、第2始動口入賞(第2特別図柄の可変表示)の保留個数(保留球の個数)が「4」未満であるか否かを判別する(S151)。
S151において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「4」未満でないと判別した場合(S151がNO判定の場合)、メインCPU71は、始動口入賞検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図55参照)のS132に移す。一方、S151において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「4」未満であると判別した場合(S151がYES判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数を「1」加算する処理を行う(S152)。S152の処理後、メインCPU71は、抽選に用いる各種乱数値を取得し、取得した各種乱数値をメインRAM73の所定領域に格納する(S153)。具体的には、メインCPU71は、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、転落判定用乱数値等の各種乱数値を取得する。
次いで、メインCPU71は、第2特別停止図柄判定処理を行う(S154)。この処理では、メインCPU71は、大当り乱数判定テーブル(第2始動口)(図14参照)及び図柄判定テーブル(第2始動口)(図16参照)を参照し、S153で取得した大当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づいて、「大当り」か否かの判定を行うとともに、大当りの場合には、表示装置13の表示画面に表示される予定の大当り図柄(演出用識別図柄)の選択(判定)を行う。
次いで、メインCPU71は、転落の有無の判断処理を行う(S155)。この処理では、メインCPU71は、S153で取得した転落判定用乱数値に基づいて、転落抽選を行い、転落の発生の有無を判定する。これにより、メインCPU71は、転落抽選情報(「0」:転落無し、又は、「1」:転落有り)を取得する。
次いで、メインCPU71は、第2始動口入賞時の保留加算コマンドデータをメインRAM73にセットする(S156)。
この処理では、メインCPU71は、大当り乱数判定テーブル(第2始動口)(図14参照)、図柄判定テーブル(第2始動口)(図16参照)、大当り種類決定テーブル(図17〜図20参照)及び入賞時演出情報決定テーブル(図21参照)を参照して得られる、遊技状態(「通常」、「確変」、「時短」)、当選種別(「大当り」、「ハズレ」)、始動記憶数(第2特別図柄の保留個数)、図柄指定コマンド、大当り時選択図柄コマンド、入賞時演出情報、大当り判定の結果情報、転落抽選情報などの情報に基づいて、保留加算コマンドに含ませる情報(送信内容)を決定する。
なお、この際、遊技状態は、確変フラグ及び時短フラグの値を参照して取得され、当選種別は、大当り乱数判定テーブル(第2始動口)(図14参照)を参照することにより取得され、図柄指定コマンド及び大当り時選択図柄コマンドは、図柄判定テーブル(第2始動口)(図16参照)を参照することにより取得され、入賞時演出情報は、入賞時演出情報決定テーブル(図21参照)を参照することにより取得される。また、大当り判定の結果情報は、S154の処理で取得され、転落抽選情報は、S155の処理で取得される。
また、本実施形態では、S156の処理において、第2始動口入賞時の保留加算コマンドがメインCPU71から副制御回路200(ホスト制御回路210)に送信される。副制御回路200は、この第2始動口入賞時の保留加算コマンドに基づいて、保留演出及び先読み演出の演出パターンを選択する。そして、S156の処理後、メインCPU71は、始動口入賞検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図55参照)のS132に移す。
<パチスロ遊技機の主制御回路の動作説明>
次に、図57〜図60を参照して、パチスロ遊技機501の主制御回路571のメインCPU531により実行される各種処理の内容について説明する。
[主制御メイン処理]
まず、図57及び図58を参照して、メインCPU531の制御による主制御メイン処理について説明する。なお、図57及び図58は、本実施形態におけるパチスロ遊技機501の主制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。
最初に、パチスロ遊技機501に電源が投入されると、メインCPU531は、電源投入時処理を行う(S501)。この電源投入時処理は、バックアップが正常であるか、設定変更が適切に行われたかなどが判断され、判断結果に応じた初期化処理が実行される。
次に、メインCPU531は、一遊技(単位遊技)終了時の初期化処理を行う(S502)。この処理において、メインCPU531は、例えば、一遊技終了時の初期化の格納領域を指定して初期化する。この初期化処理によって、メインRAM533の内部当選役格納領域や表示役格納領域に格納されたデータがクリアされる。
続いて、メインCPU531は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S503)。この処理では、メインCPU531は、投入枚数に基づいて上段−上段−上段を有効にするとともに開始操作が可能であるか否かを判別する。
次に、メインCPU531は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(S504)。この乱数値は、後述の内部抽選処理(S506)において使用される。続いて、メインCPU531は、演出用乱数値を抽出し、演出用乱数値格納領域に格納する(S505)。この演出用乱数値は、ロック決定処理において使用される。続いて、メインCPU531は、内部抽選処理を行う(S506)。なお、この処理では、メインCPU531は、内部当選役を決定する。
続いて、メインCPU531は、リール停止初期設定処理を行う(S507)。この処理では、メインCPU531は、リール503L,503C,503Rの回転を停止する制御に係る領域等の初期化を行う。
次に、メインCPU531は、スタートコマンドデータを生成し、生成されたスタートコマンドデータをメインRAM533の通信データ格納領域に格納する(S508)。通信データ格納領域に格納されたスタートコマンドデータは、後述の通信データ送信処理(図60)において主制御回路571から副制御回路572へ送信されることになる。スタートコマンドには、内部当選役等、演出に必要な各種の情報(内部当選役、遊技状態等)が含まれる。これにより、副制御回路572は、開始操作に応じて演出を行うことができる。
次に、メインCPU531は、遊技開始時ロック処理を行う(S509)。この処理では、メインCPU531は、内部当選役に基づいてリール503L,503C,503Rの回転を開始するタイミングを遅らせるか否かを決定する。
続いて、メインCPU531は、ウェイト処理を行う(S510)。この処理では、メインCPU531は、前回の遊技開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過するまで、又は、遊技開始時ロック処理において設定されたロック時間(例えば、5秒)経過するまで待機する。なお、遊技開始時ロック処理により設定したロック時間を、回転開始後にストップボタン507L,507C,507Rの停止操作を無効とすることにより消化してもよい。この場合、遊技者は、回転が開始されたにも拘わらず、停止操作が可能にならないことからロックしていることを認識できる。また、このロック中に、リールのスロー回転や逆回転などを行い(リールアクション)、ロック中であることをより認識しやすくしてもよい。
続いて、メインCPU531は、リール回転開始処理を行う(S511)。この処理では、メインCPU531は、リール503L,503C,503Rの回転の開始を要求するとともに、リール回転開始コマンドをメインRAM533の通信データ格納領域に格納する(S512)。通信データ格納領域に格納されたリール回転開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図60)において主制御回路571から副制御回路572へ送信されることになる。この処理により、副制御回路572では、リール回転開始を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次に、メインCPU531は、引込優先順位格納処理を行う(S513)。続いて、メインCPU531は、リール停止制御処理を行う(S514)。
次に、メインCPU531は、入賞検索処理を行う(S515)。この処理では、メインCPU531は、リール503L,503C,503Rの停止後に有効ラインに沿って表示された図柄組合せと図柄組合せテーブルとを照合し、表示役を決定するとともに、メダルの払出枚数の決定を行う。
次に、メインCPU531は、RT制御処理を行う(S516)。この処理では、表示役に応じてRT遊技状態フラグの更新を行う。
次に、メインCPU531は、S515の処理において決定されたメダルの払出枚数に基づいてメダルを払い出す(S517)。続いて、メインCPU531は、入賞作動コマンドデータをメインRAM533の通信データ格納領域に格納する(S518)。格納された入賞作動コマンドデータは、後述する割込処理の通信データ送信処理(図60)において副制御回路572に送信される。
次に、メインCPU531は、遊技終了時ロック処理を行う(S519)。この処理では、メインCPU531は、内部当選役に基づいて遊技の進行をロックさせる否かを決定する。
続いて、メインCPU531は、ボーナス終了チェック処理を行う(S520)。この処理では、メインCPU531は、ボーナスゲームを終了する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を終了する。続いて、メインCPU531は、ボーナス作動チェック処理を行い(S521)、次に、S502の処理を行う。なお、この処理では、メインCPU531は、ボーナスゲームを開始する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を開始し、再遊技の条件を満たした場合に再遊技の作動を行う。
[割込処理]
本実施形態のパチスロ遊技機501では、メインCPU531は、メイン処理の実行中であっても、所定周期(例えば、1.1173mS毎)でメイン処理を中断し、割込処理を実行する。なお、図59は、本実施形態における割込処理の手順を示すフローチャートである。
初めに、メインCPU531は、レジスタの退避を行う(S531)。続いて、メインCPU531は、入力ポートチェック処理を行う(S532)。この処理では、メインCPU531は、マイクロコンピュータ530へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU531は、スタートスイッチ506S、ストップスイッチ507S等のオンエッジ、オフエッジを割込処理毎に格納する。また、メインCPU531は、各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報を含む入力状態コマンドをメインRAM533の通信データ格納領域に格納する。格納された入力状態コマンドは、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御回路572に送信される。これにより、スタートレバー506やストップボタン507L,507C,507Rといった操作手段を用いて各種演出を実行することができる。
続いて、メインCPU531は、タイマ更新処理を行う(S533)。次に、メインCPU531は、後述する通信データ送信処理を行う(S534)。この処理では、通信データ格納領域に格納されたコマンドを副制御回路572へ送信する。続いて、メインCPU531は、リール503L,503C,503Rの回転を制御する処理を行う(S535)。より詳細には、メインCPU531は、リール503L,503C,503Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール503L,503C,503Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール503L,503C,503Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール503L,503C,503Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU531は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(S536)。例えば、メインCPU531は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。続いて、メインCPU531は、レジスタの復帰を行い(S537)、定期的に発生する割込の処理を終了する。
[通信データ送信処理]
図60は、図59のS534の処理で呼び出される通信データ送信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。初めに、メインCPU531は、通信データ送信タイマを1減算し(S541)、続いて、通信データ送信タイマは0であるか否かを判別する(S542)。通信データ送信タイマが0である場合(S542がYES判定の場合)、メインCPU531は、S543へ処理を移す。これに対して、S542において、通信データ送信タイマが0でない場合(S542がNO判定の場合)、メインCPU531は、本サブルーチンを終了する。
S543において、メインCPU531は、通信データ格納領域に未送信データがあるか否かを判別する。未送信データがある場合(S543がYES判定の場合)、メインCPU531は、S545へ処理を移し、未送信データがない場合(S543がNO判定の場合)、S544へ処理を移す。
S544において、メインCPU531は、無操作コマンドデータを生成し、生成された無操作コマンドをメインRAM533の通信データ格納領域に格納する。すなわち、通信データ格納領域に未送信データがない場合、メインCPU531は、通信データ格納領域に無操作コマンドデータを格納する。これにより、通信データ格納領域に送信すべきコマンドデータが常に格納されている状態を生成するようになっている。具体的には、メインCPU531は、上述した入力ポートチェック処理(S532)において、メインRAM533に格納された操作状態を、無操作コマンドとして生成する。無操作コマンドとして生成された操作状態を表すデータは、後の通信データ送信処理(S546)において、無操作コマンドが送信される条件(入力状態コマンドが送信済となってクリアされた状態)が成立した場合に、主制御回路571から副制御回路572へ送信される。なお、入力状態コマンドは、演出に関連したコマンドデータであり、スイッチなどの操作に対応した演出についての操作対応コマンドを意味する。これに対して、無操作コマンドは、入力状態コマンド等の操作対応コマンドが送信されない場合に送信されるコマンド(操作非対応コマンド)である。
S545において、メインCPU531は、通信データ送信タイマに初期値(16)をセットする。すなわち、上述のS542において、通信データ送信タイマが0になっている状態であるので、メインCPU531は、S545においてあらためて通信データ送信タイマに初期値(16)をセットする。これにより、次回の通信データ送信処理から、通信データ送信処理を行うごとに、順次、通信データ送信タイマが1ずつ減算処理されて行き、通信データを送信すべきタイミングを得ることができる。
メインCPU531は、S545の処理の後、通信データ格納領域に格納された通信データを送信する(S546)。この場合、通信データ格納領域には、それまでの主制御回路571における処理で通信データ格納領域に格納されたコマンドデータ(例えば、初期化コマンドデータ、メダル投入コマンドデータ、スタートコマンドデータ、リール回転開始コマンドデータ、リール停止コマンドデータ、入賞作動コマンドデータ、ボーナス開始コマンドデータ、ボーナス終了コマンドデータ、入力状態コマンドデータ、等)又は、送信すべきデータが無い場合には、上述のS544において格納された無操作コマンドデータが格納されていることにより、何らかのコマンドデータが必ず送信されることになる。
S546の処理の後、メインCPU531は、通信データ格納領域を更新した後(S547)、本サブルーチンを終了する。
このように、メインCPU531は、通信データ送信処理を実行することにより、通信データ送信タイマでカウントされる所定タイミングごとに、通信データ格納領域に格納されているコマンドデータを副制御回路572に送信する。
<副制御回路の動作説明>
次に、遊技機(パチンコ遊技機1及びパチスロ遊技機501)の副制御回路の動作について説明する。なお、パチンコ遊技機1及びパチスロ遊技機501の副制御回路の動作は略同一であるため、以下の説明ではパチンコ遊技機1の副制御回路200の動作について説明し、パチスロ遊技機501の副制御回路572の動作については特に相違が無ければ省略するものとする。
以下では、図61〜図72を参照して、副制御回路200のサブ基板202内の各種制御回路により実行される各種処理の内容について説明する。なお、副制御回路200は、主制御回路70から送信された各種コマンドを受信し、該各種コマンドに基づいて各種処理を行う。
[副制御メイン処理]
最初に、図61を参照して、ホスト制御回路210により実行される副制御メイン処理について説明する。図61は、本実施形態における副制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。なお、副制御メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
まず、ホスト制御回路210は、初期化処理を行う(S201)。この処理では、ホスト制御回路210は、例えば、ハードウェアの初期化、デバイスの初期化、アプリケーション(各種処理)の初期化、バックアップデータの復帰初期化等の各種初期設定処理を行う。
次いで、ホスト制御回路210は、ウォッチドッグタイマのカウンタをクリアする(S202)。なお、起動時には、ウォッチドッグタイマのリセット時間(例えば200msec)が設定され、その後、サービスパルスの書込みが行われなかった場合(タイムアウト時)には、電断処理が開始される。また、ウォッチドッグタイマカウンタをクリアするタイミングは、副制御メイン処理内のメインループ処理(S202〜S211の処理)の開始時、デバイス初期化処理の開始時、アプリケーション初期化処理の開始時及び電断処理の開始時である。
次いで、ホスト制御回路210は、操作手段入力処理を行う(S203)。この処理では、ホスト制御回路210は、遊技者により例えばボタンやジョグダイアルなどの操作手段に対して操作が行われたか否かの判定処理、及び、操作内容の情報取得処理を行う。
次いで、ホスト制御回路210は、メイン・サブ間コマンド制御処理を行う(S204)。この処理では、ホスト制御回路210は、メインCPU71からコマンドデータを受信した際のコマンドデータの読み込み処理(コマンド受信処理)及びサブワークRAM210aへのコマンドデータの格納処理(受信データ記憶処理)を行う。なお、メイン・サブ間コマンド制御処理の詳細については、後述の図62及び図63を参照しながら後で説明する。
次いで、ホスト制御回路210は、コマンド解析処理を行う(S205)。この処理では、ホスト制御回路210は、サブワークRAM210aに格納されたコマンドの内容を解析し、コマンドに含まれる各種情報を取得する。なお、コマンド解析処理の詳細については、後述の図64を参照しながら後で説明する。
次いで、ホスト制御回路210は、演出態様決定処理(アニメーションリクエスト構築処理)を行う(S206)。この処理では、ホスト制御回路210は、表示装置13を用いて演出制御を行う際に必要なアニメーションリクエストを生成し、該アニメーションリクエストに基づいて(該アニメーションリクエストに対応して、該アニメーションリクエストに応じて、該アニメーションリクエストに基づいて実行される表示装置13における演出制御(表示)に対応して、などと表現可能な)各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(サウンドリクエスト、ランプリクエスト及び役物リクエスト)を生成する。なお、演出態様決定処理(アニメーションリクエスト構築処理)の詳細については、後述の図65を参照しながら後で説明する。
なお、本実施形態では、上述のように、コマンドの種別に応じてコマンドのパケット数(バイト数)が異なる。そして、ホスト制御回路210において、複数のコマンドデータを受信した際に、その全てのコマンドデータの総パケット数が所定の最大パケット数以下である場合には、上述したコマンド解析処理(S205)及び演出態様決定処理(S206)は、受信した複数のコマンドデータに対して同一フレームで実施される。しかしながら、受信した複数のコマンドデータの総パケット数が所定の最大パケット数を超える場合には、受信した複数のコマンドデータのうち、所定の最大パケット数分のコマンドデータに対しては同一フレームにおいてコマンド解析処理(S205)及び演出態様決定処理(S206)を行い、残りのパケット数分のコマンドデータに対するコマンド解析処理(S205)及び演出態様決定処理(アニメーションリクエスト構築処理)(S206)は次フレームで実施される。
次いで、ホスト制御回路210は、描画制御処理を行う(S207)。この処理では、ホスト制御回路210は、アニメーションリクエストに基づいて、動画コマンド及び描画リクエストを生成し、該生成された動画コマンド及び前フレームで生成された描画リクエストを表示制御回路230に送信する。また、この際、表示制御回路230は、受信した動画コマンド及び描画リクエストに基づいて、表示装置13に演出画像を表示(描画)するための各種処理を行う。
次いで、ホスト制御回路210は、音声制御処理を行う(S208)。この処理では、ホスト制御回路210は、サウンドリクエスト(コマンド)を音声・LED制御回路220に送信する。また、この際、音声・LED制御回路220は、受信したサウンドリクエストに基づいて、スピーカ11による音声再生の制御処理を行う。なお、音声再生処理の詳細について、後述の図67を参照しながら後で説明する。
次いで、ホスト制御回路210は、ランプ制御処理を行う(S209)。この処理では、ホスト制御回路210は、ランプリクエスト(コマンド)を音声・LED制御回路220に送信する。また、この際、音声・LED制御回路220は、受信したランプリクエストに基づいて、ランプ群18の発光制御を行う。なお、ランプ制御処理の詳細については、後述の図69を参照しながら後で説明する。
次いで、ホスト制御回路210は、役物制御処理を行う(S210)。この処理では、ホスト制御回路210は、生成された役物リクエストに基づいて、役物20を駆動させるための励磁データをI2Cコントローラ261を介してモータコントローラ270(モータドライバ271)に送信する。また、モータドライバ271は、受信した励磁データを対応するモータ272に出力して役物20を駆動する。
S211において、ホスト制御回路210が役物制御処理を行った場合、ホスト制御回路210は、処理をS202に戻し、S202以降の処理を繰り返す。
[メイン・サブ間コマンド制御処理]
次に、図62及び図63を参照して、副制御メイン処理(図61参照)中のS204で行うメイン・サブ間コマンド制御処理について説明する。なお、図62は、本実施形態のメイン・サブ間コマンド制御処理内で行われるコマンド受信処理の手順を示すフローチャートであり、図63は、メイン・サブ間コマンド制御処理内で行われる受信データ記憶処理の手順を示すフローチャートである。
本実施形態では、主制御回路70(メインCPU71)から副制御回路200(ホスト制御回路210)にコマンドが送信され、該コマンドをホスト制御回路210が受信すると、ホスト制御回路210は、メイン・サブ間コマンド制御処理を割込処理として行う。そして、メイン・サブ間コマンド制御処理内では、コマンド受信時の割込処理として行われるコマンド受信処理と、該コマンド受信処理の後に実行される受信データ記憶処理とが行われる。以下に、コマンド受信処理及び受信データ記憶処理の具体的な手順を、それぞれ図62及び図63のフローチャートを参照しながら説明する。なお、本実施形態のようにパチンコ遊技機1において、副制御回路200(ホスト制御回路210)が受信するコマンドとは、図54のS125にて主制御回路70(メインCPU71)から送信されたコマンドである。これに対して、パチスロ遊技機501においては、副制御回路572が受信するコマンドとは、図60のS546にて主制御回路571(メインCPU531)から送信されたコマンドである。
(1)コマンド受信処理(受信割込処理)
コマンド受信処理では、まず、ホスト制御回路210は、主制御回路70から送信されたコマンドを受信すると、図62に示すように、コマンド受信エラーが発生したか否かを判別する(S221)。
S221において、ホスト制御回路210が、コマンド受信エラーが発生していないと判別した場合(S221がNO判定の場合)、ホスト制御回路210は、後述のS223の処理を行う。一方、S221において、ホスト制御回路210が、コマンド受信エラーが発生したと判別した場合(S221がYES判定の場合)、ホスト制御回路210は、エラー情報の設定処理を行う(S222)。
S222の処理後又はS221がNO判定の場合、ホスト制御回路210は、コマンドデータ受信処理を行う(S223)。この処理では、ホスト制御回路210は、受信したコマンドをホスト制御回路210内のリングバッファ(図33参照)に書き込む。なお、コマンド受信エラーが発生し、S222においてエラー情報がセットされている場合には、受信したコマンドとエラー情報とのセット情報がリングバッファに書き込まれる。そして、S223の処理後、ホスト制御回路210は、コマンド受信処理を終了する。
(2)受信データ記憶処理
受信データ記憶処理では、ホスト制御回路210は、図63に示すように、上述のコマンド受信処理でリングバッファに書き込まれた受信コマンドデータをサブワークRAM210aに格納する(S231)。この処理により、受信コマンドがサブワークRAM210aに記憶される。なお、この処理では、受信コマンドデータは、1バイトずつ、リングバッファからサブワークRAM210aに転送される。
そして、S231の処理後、ホスト制御回路210は、受信データ記憶処理を終了する。
[コマンド解析処理]
次に、図64を参照して、副制御メイン処理(図61参照)中のS205で行うコマンド解析処理について説明する。図64は、本実施形態におけるコマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下に説明するコマンド解析処理は、ホスト制御回路210(副制御回路200)により制御される。
まず、ホスト制御回路210は、サブワークRAM210aに格納された受信コマンドを取得すると共に、取得した受信コマンドを解析する処理を行う(S241)。なお、この際、受信コマンドに対応付けられたエラー情報がある場合には、ホスト制御回路210は、該受信コマンドを破棄する。
また、ホスト制御回路210は、受信したコマンドの解析において、該コマンドの種別を特定する。また、この処理では、ホスト制御回路210は、特定したコマンド種別の情報をサブワークRAM210aに保存する。なお、コマンド種別は、上述のように、各コマンドのコマンド種別部(先頭バイト領域)に格納された情報(予め設定された値)に基づいて特定される(図26〜図31参照)。例えば、受信したコマンドがデモ表示コマンドである場合には、コマンド種別「80H」が、サブワークRAM210aに格納される。
なお、ホスト制御回路210が、コマンド種別の特定処理において受信したコマンドと対応するコマンド種別がないと判断した場合、ホスト制御回路210は、該受信コマンドを破棄する。また、ホスト制御回路210は、受信コマンドに含まれるパラメータ数を確認し、該パラメータ数が特定されたコマンド種別に対応するパラメータ数と異なる場合には、該受信コマンドを破棄する。
次いで、ホスト制御回路210は、受信したコマンドの整合性をチェックする処理(コマンドパラメータチェック処理)を行う(S242)。この処理では、ホスト制御回路210は、コマンド毎に設定されている各種パラメータ(図27〜図31参照)内の情報(以下、コマンドパラメータという)の内容をチェックする。具体的には、ホスト制御回路210は、例えば、パラメータ内の所定のビット領域に設けられた常時0領域のチェック、パラメータ内に格納されている各データの有効範囲のチェック、及び、格納データの組み合わせのチェックを行う。
また、ホスト制御回路210は、受信したコマンドの整合性のチェックにおいて、受信コマンドに含まれるコマンドパラメータが正常であるか否かのチェックを行う。具体的には、ホスト制御回路210は、コマンドパラメータが正常であるか否か(コマンドの有効性の有無)を判別する。なお、ホスト制御回路210が、受信コマンドに含まれるコマンドパラメータが正常でないと判別した場合、ホスト制御回路210は、該受信コマンドのデータを破棄する。
一方、ホスト制御回路210が、受信コマンドに含まれるコマンドパラメータが正常であると判別した場合、ホスト制御回路210は、コマンドパラメータ(ゲームステータス等の情報)をゲームデータに反映(登録)させる。また、ホスト制御回路210は、コマンドパラメータが反映されたゲームデータをサブワークRAM210a内の所定領域に格納する。なお、「ゲームデータ」とは、コマンド内のパラメータの情報などが含まれ、ホスト制御回路210で行われる各種抽選処理やアニメーションリクエスト構築処理などで参照されるデータの構造体(記憶領域又は変数の集合体)のことをいう。「ゲームデータ」には、後述するように、各種抽選処理の抽選結果の情報(例えば演出パターン等)も登録される。
次いで、ホスト制御回路210は、サブ抽選処理を行う(S243)。この処理では、ホスト制御回路210は、演出用の各種乱数値を取得し、受信したコマンドのコマンド種別に対応する演出内容の決定に係る抽選処理を行う。
例えば、受信したコマンドが特別図柄演出開始コマンドである場合には、ホスト制御回路210は、変動演出テーブル(図23参照)を用いた抽選処理により、変動演出パターン(「EN00」〜「EN44」)を決定する。また、例えば、受信したコマンドが保留加算コマンドである場合には、ホスト制御回路210は、保留演出テーブル(図24参照)を用いた抽選処理により、保留用図柄の色変化演出に係る演出パターン(「HE00」〜「HE19」)を決定するとともに、先読み演出テーブル(図25参照)を用いた抽選処理により、先読み演出に係る演出パターン(「SE00」〜「SE19」)を決定する。
また、S243の処理では、ホスト制御回路210は、サブ抽選処理の抽選結果(例えば、上述した各種演出パターンの情報)をサブワークRAM210a内の所定領域に格納する。
次いで、ホスト制御回路210は、演出パターン選択の処理を行う(S244)。この処理では、ホスト制御回路210は、S243のサブ抽選処理により得られた抽選結果(演出パターン)の選択を行う。具体的には、ホスト制御回路210は、S243のサブ抽選処理により得られた演出パターン(例えば保留用図柄の色変化演出に係る演出パターンや、先読み演出に係る演出パターン)をサブワークRAM210aに格納されたゲームデータに反映(登録)させる。そして、S244の処理後、ホスト制御回路210は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図61参照)のS206に移す。
なお、本実施形態では、上述のように、コマンド解析処理において、受信コマンドの破棄処理が行われる場合もあるが、破棄した受信コマンドの前にメインCPU71からホスト制御回路210にコマンドが全く送信されていない場合には、アニメーションリクエストが生成されないので、表示装置13の表示画面には、真っ黒な画像が表示される。一方、破棄した受信コマンドの前にメインCPU71からホスト制御回路210にコマンドが送信されている場合には、破棄した受信コマンドに基づくアニメーションリクエストは生成されず、表示装置13の表示画面には、破棄した受信コマンドの前のコマンドに基づくアニメーションリクエストにより生成された画像が維持して表示される。
[演出態様決定処理]
次に、図65を参照して、副制御メイン処理(図61参照)中のS206で行う演出態様決定処理について説明する。なお、図65は、本実施形態における演出態様決定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、ホスト制御回路210は、映像関係の選択処理を行う(S251)。この処理では、ホスト制御回路210は、サブワークRAM210aに格納されたゲームデータの情報を参照し、アニメーションリクエストを生成し、該アニメーションリクエストをサブワークRAM210aの所定領域にセットする。この処理によりコマンド受信に応じたアニメーションリクエストが生成される。次いで、ホスト制御回路210は、アニメーションリクエストに基づいて、描画リクエスト(表示装置13を制御するための制御信号)を生成する。
次いで、ホスト制御回路210は、サウンドパターン(サウンドリクエスト)選択処理を行う(S252)。この処理では、ホスト制御回路210は、サウンドリクエスト(スピーカ11を制御するための制御信号)を生成する。なお、サウンドパターン選択処理の詳細については、後述の図66を参照しながら後で説明する。
次いで、ホスト制御回路210は、ランプパターン(ランプリクエスト)選択処理を行う(S253)。この処理では、ホスト制御回路210は、ランプリクエスト(ランプ群18を制御するための制御信号)を生成する。なお、ランプパターン選択処理の詳細については、後述の図68を参照しながら後で説明する。
次いで、ホスト制御回路210は、その他(すなわち、映像関係、ランプリクエスト、及びサウンドリクエスト以外)の選択処理を行う(S254)なお、この処理には、例えば役物20の演出動作を制御するための役物リクエストの選択処理が含まれる。
そして、S254の処理後、ホスト制御回路210は、演出態様決定処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図61参照)のS207に移す。
[サウンドパターン選択処理]
次に、図66を参照して、演出態様決定処理(図65参照)中のS252で行うサウンドパターン選択処理について説明する。なお、図66は、本実施形態におけるサウンドパターン選択処理の手順を示すフローチャートである。
ホスト制御回路210は、サブワークRAM210aに格納されたゲームデータの情報(より詳細には、ゲームデータに登録された演出パターンの情報)を参照し、当該演出パターンに基づいてサウンドリクエストを選択する(S261)。この処理により、選択されたサウンドリクエストは、ホスト制御回路210内に設けられたリクエストバッファに一時的に格納される。なお、リクエストバッファは、例えばサブワークRAM210aやSRAM210b等に形成される。
そして、S261の処理後、ホスト制御回路210は、サウンドパターン選択処理を終了する。
[音声制御処理]
次に、図67A及び図67Bを参照して、副制御メイン処理(図61参照)中のS208で行う音声制御処理について説明する。なお、図67Aは、ホスト制御回路210により実行される音声制御処理の手順を示すフローチャートである。また、図67Bは、音声制御処理においてホスト制御回路210から音声・LED制御回路220にサウンドリクエストが出力された際に、音声・LED制御回路220により実行される処理の手順を示すフローチャートである。
(1)ホスト制御回路により実行される音声制御処理
ホスト制御回路210は、図66のサウンドパターン選択処理においてリクエストバッファに格納されたサウンドリクエストを音声・LED制御回路220に出力する(S271)。
そして、S271の処理後、ホスト制御回路210は、音声制御処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図61参照)のS210に移す。
(2)音声制御処理時に実行される音声・LED制御回路の処理
まず、ホスト制御回路210から出力されたサウンドリクエストが音声・LED制御回路220に入力される(S281)。次いで、音声・LED制御回路220は、音声再生の4つの実行系統の中に処理(コード)を実行可能な空いた実行系統があるか否かを判別する(S282)。
S282において、音声・LED制御回路220が、音声再生の4つの実行系統の中に空いた実行系統がないと判別した場合(S282がNO判定の場合)、音声・LED制御回路220は、空きの実行系統が発生するまで待機する(S283)。
S283の処理後、又は、S282において、音声・LED制御回路220が、音声再生の4つの実行系統の中に空いた実行系統があると判別した場合(S282がYES判定の場合)、音声・LED制御回路220は、空いている所定の実行系統にアクセスナンバーをセットする(S284)。
次いで、音声・LED制御回路220は、アクセスナンバーがセットされた実行系統において、アクセスナンバーに基づき、CGROM基板204からアクセスナンバーに対応付けられたアクセスデータを読み出す(S285)。
次いで、音声・LED制御回路220は、アクセスデータに基づいて、アクセスデータ内に規定されている複数の設定データのそれぞれを、順次、対応するアドレスに設定してコード(処理)の実行処理を開始する(S286)。この処理によりスピーカ11による音声再生演出が開始される。なお、本実施形態では、音声の再生制御は、シンプルアクセス制御により実行される。
次いで、音声・LED制御回路220は、参照中のコードに対して複数のアクセスがあるか否かを判別する(S287)。具体的には、音声・LED制御回路220は、アクセスナンバーがセットされた実行系統で実行する参照中のコード(設定データ)に対して、他の実行系統からのアクセスがあるか否かを判別する。S287において、音声・LED制御回路220が、参照中のコードに対して複数のアクセスがないと判別した場合(S287がNO判定の場合)、音声・LED制御回路220は、後述のS289の処理を行う。
一方、S287において、音声・LED制御回路220が、参照中のコードに対して複数のアクセスがあると判別した場合(S287がYES判定の場合)、音声・LED制御回路220は、該コードの実行を最遅のサウンドリクエストに基づいて実行する(S288)。具体的には、例えば、所定のサウンドリクエストに基づいて、所定の実行系統でコード1、コード2及びコード3を実行し、且つ、次のサウンドリクエストに基づいて、他の実行系統でコード3、コード4及びコード5を実行する場合には、複数のアクセスがあるコード3の音声再生は、該次のサウンドリクエストに基づいて実行される。
S288の処理後又はS287がNO判定の場合、音声・LED制御回路220は、シンプルアクセス終了コードをセットする(S289)。そして、S289の処理後、音声・LED制御回路220は、音声制御処理時の上述した一連の処理を終了し、処理を音声・LED制御回路220の所定のコントロール状態(例えば、待機状態、音声制御処理前の制御状態、音声制御処理後に実行する処理の制御状態など)時の処理に戻す。
[ランプパターン選択処理]
次に、図68を参照して、演出態様決定処理(図65参照)中のS253で行うランプパターン選択処理について説明する。なお、図68は、本実施形態におけるランプパターン選択処理の手順を示すフローチャートである。
ホスト制御回路210は、再生中のサウンドリクエストがあるか否かを判別する(S301)。この処理では、ホスト制御回路210は、音声・LED制御回路220において、入力されたサウンドリクエストに基づいてスピーカ11による音声再生動作の制御が行われているか(スピーカ11から音声が出力されているか)否かを判別する。S301において、ホスト制御回路210が、再生中のサウンドリクエストがあると判別した場合(S301がYES判定の場合)、ホスト制御回路210は、再生中のサウンドに対応するサウンドリクエストを参照する(S302)。一方、S301において、ホスト制御回路210が、再生中のサウンドリクエストがないと判別した場合(S301がNO判定の場合)、ホスト制御回路210は、後述のS306の処理を行う。
S302の処理後、ホスト制御回路210は、再生中のサウンドリクエストに応じてランプリクエストを選択する(S304)。具体的には、ホスト制御回路210は、再生中のサウンドに対応するサウンドリクエストの番号(サウンドリクエスト番号)を取得すると共に、この取得した番号に対応するランプリクエストを選択する。この処理により、選択されたランプリクエストは、ホスト制御回路210内に設けられたリクエストバッファに一時的に格納される。そして、S304の処理後、ホスト制御回路210は、ランプパターン選択処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図65参照)のその他選択処理(S254)に戻す。
S301がNO判定の場合、ホスト制御回路210は、サブワークRAM210aに格納されたゲームデータの情報(より詳細には、ゲームデータに登録された演出データの情報)を参照し、当該演出データに基づいてランプリクエストを選択する(S306)。この処理により、選択されたランプリクエストは、ホスト制御回路210内に設けられたリクエストバッファに一時的に格納される。そして、S306の処理後、ホスト制御回路210は、ランプパターン選択処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図65参照)のその他選択処理(S254)に戻す。
こうして、S306の処理後又はS301がNO判定の場合、ホスト制御回路210は、ランプパターン選択処理を終了する。
[ランプ制御処理]
次に、図69A及び図69Bを参照して、副制御メイン処理(図61参照)中のS210で行うランプ制御処理について説明する。なお、図69Aは、ホスト制御回路210により実行されるランプ制御処理の手順を示すフローチャートである。また、図69Bは、ランプ制御処理において音声・LED制御回路220により実行される処理の手順を示すフローチャートである。
(1)ホスト制御回路により実行されるランプ制御処理
ホスト制御回路210は、図66のサウンドパターン選択処理においてリクエストバッファに格納されたランプリクエストを音声・LED制御回路220に出力する(S311)。
そして、S311の処理後、ホスト制御回路210は、ランプ制御処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図61参照)のS211に移す。
(2)ランプ制御処理時に実行される音声・LED制御回路の処理
まず、ホスト制御回路210から出力されたランプリクエストが、音声・LED制御回路220に入力される(S321)。
次いで、音声・LED制御回路220は、ランプリクエスト(LEDアニメーションのIDを含む)に基づいて、CGROM206から読み出すLEDアニメーション及びデータテーブル情報を指定する(S322)。この処理によりLEDアニメーションが指定されれば、各LED281に出力するLEDデータを指定することができる。また、この処理によりデータテーブル情報が指定されれば、再生方式、チャンネル、消灯データ識別、制御部位及びLEDデータ名(デバック用)のデータを指定することができる。
次いで、音声・LED制御回路220は、指定されたデータテーブル情報を参照して、LEDアニメーションを実行するチャンネル(シーケンサ、レイヤ)などのデータを取得する(S323)。次いで、音声・LED制御回路220は、同じチャンネルに複数のランプリクエストがあるか否かを判別する(S324)。
S324において、音声・LED制御回路220が、同じチャンネルに複数のランプリクエストがあると判別した場合(S324がYES判定の場合)、音声・LED制御回路220は、最後に受信したランプリクエストに基づいて、チャンネルにLEDアニメーションをセットする(S325)。この処理により、チャンネルの登録バッファに、現在登録されているデータテーブル情報が、最後に受信したランプリクエストに基づいて取得されたデータテーブル情報により上書きされる。
一方、S324において、音声・LED制御回路220が、同じチャンネルに複数のランプリクエストがないと判別した場合(S324がNO判定の場合)、音声・LED制御回路220は、チャンネルにLEDアニメーションをセットする(S326)。この処理により、チャンネルの登録バッファに、今回受信したランプリクエストに基づいて取得されたデータテーブル情報が登録される。
S325又はS326の処理後、音声・LED制御回路220は、セットされたLEDアニメーションに基づいて、所定のチャンネルにおける制御対象(制御部位内)の所定のポートに設定するLEDデータ(出力データ)をCGROM206から読み込む(S327)。なお、このS327以降の処理はポート毎に実行される。
次いで、音声・LED制御回路220は、所定のポートにおいて、チャンネル間におけるLEDデータ(出力データ)の重複があるか否か、すなわち、複数のチャンネル間においてLEDデータを合成する必要があるか否かを判別する(S328)。
S328において、音声・LED制御回路220が、所定のポートにおいて、チャンネル間におけるLEDデータの重複がないと判別した場合(S328がNO判定の場合)、音声・LED制御回路220は、後述のS330の処理を行う。一方、S328において、音声・LED制御回路220が、所定のポートにおいて、チャンネル間におけるLEDデータの重複があると判別した場合(S328がYES判定の場合)、音声・LED制御回路220は、予めチャンネルに設定されたLEDデータの実行優先順位に基づいて、所定のポートにおけるLEDデータを決定する(S329)。
S329の処理では、例えば、この処理以前に、処理対象となっている所定のポートにLEDデータがセットされていなければ、今回取得したLEDデータを所定のポートにセットする。また、例えば、この処理以前にセットされている所定のポートのLEDデータが、今回、処理対象となっているチャンネルより実行優先順位が低いチャンネルのLEDデータである場合には、今回取得したLEDデータで所定のポートのLEDデータを上書きする。また、例えば、この処理以前にセットされている所定のポートのLEDデータが、今回、処理対象となっているチャンネルより実行優先順位が高いチャンネルのLEDデータである場合には、今回取得したLEDデータを破棄し、所定のポートのLEDデータを上書きしない(維持する)。このような処理をチャンネル毎に繰り返すことにより、処理対象の所定のポートにおいて、複数のチャンネルのLEDデータが合成される(複数のチャンネルの中から最も実行優先順位の高いチャンネルのLEDデータがセットされる)。
S329の処理後又はS328がNO判定の場合、音声・LED制御回路220は、所定のポートに対する上記S327〜S329の処理が、全てのチャンネル(本実施形態では8チャンネル分)に対して実行されたか否かを判別する(S330)。
S330において、音声・LED制御回路220が、所定のポートに対する上記S327〜S329の処理が全てのチャンネルに対して実行されていないと判別した場合(S330がNO判定の場合)、音声・LED制御回路220は、処理をS327に戻し、処理対象のチャンネルを変更してS327以降の処理を繰り返す。一方、S330において、音声・LED制御回路220が、所定のポートに対する上記S327〜S329の処理が全てのチャンネルに対して実行されたと判別した場合(S330がYES判定の場合)、音声・LED制御回路220は、所定のポートに対するポート直接指定データがランプリクエストに含まれているか否かを判別し、ポート直接指定データがランプリクエストに含まれている場合には、音声・LED制御回路220は、所定のポートのLEDデータをポート直接指定データで上書きする(S331)。
次いで、音声・LED制御回路220は、上述したS327〜S331の処理が全てのポートに対して実行されたか否かを判別する(S332)。なお、ここでいう、「全てのポート」とは、LED登録処理で設定された全てのポートを意味するが、本発明はこれに限定されない。「全てのポート」が、LED登録処理で設定されたポートに関係なく、任意に物理的に設定可能な全てのポートであってもよいし、LED登録処理で設定されたポートの中から選択された一部のポートであってもよい。
S332において、音声・LED制御回路220が、S327〜S331の処理が全てのポートに対して実行されていないと判別した場合(S332がNO判定の場合)、音声・LED制御回路220は、処理をS327に戻し、処理対象のポートを変更してS327以降の処理を繰り返す。一方、S332において、音声・LED制御回路220が、S327〜S331の処理が全てのポートに対して実行されたと判別した場合(S332がYES判定の場合)、音声・LED制御回路220は、ランプ制御処理時の上述した一連の処理を終了し、処理を音声・LED制御回路220の所定のコントロール状態(例えば、待機状態、ランプ制御処理前の制御状態、ランプ制御処理後に実行する処理の制御状態など)時の処理に戻す。
[音声・LED制御回路及びLEDドライバ間のデータ通信処理]
次に、図70A及び図70Bを参照して、音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間で行われる通信処理について説明する。なお、図70Aは、音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間の通信処理において、音声・LED制御回路220により実行される信号及びデータの送信処理の手順を示すフローチャートである。また、図70Bは、音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間の通信処理において、LEDドライバ280により実行される信号及びデータの受信処理の手順を示すフローチャートである。
本実施形態では、ホスト制御回路210から音声・LED制御回路220にランプリクエストが入力されると、該ランプリクエストに基づいて、音声・LED制御回路220は、ランプ出力データ(LEDデータ)をランプ群18に含まれる各LEDドライバ280に送信する。この際、音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間は、上述のように、SPIバスで接続されているので、両者間ではSPI方式で信号及びシリアル・データの通信が行われる。なお、本実施形態では、音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間の通信形態は、音声・LED制御回路220からLEDドライバ280に一方的に信号及びシリアル・データの送信する形態となる。
以下に、ランプリクエストに基づいて、音声・LED制御回路220により実行される信号及びシリアル・データの送信処理、並びに、LEDドライバ280により実行されるデータ受信処理の具体的な手順を、それぞれ図70A及び図70Bのフローチャートを参照しながら説明する。なお、本実施形態において、音声・LED制御回路220から送信されるシリアル・データの構成は、上記図41で説明した構成とする。
(1)音声・LED制御回路のシリアル・データ送信処理
まず、音声・LED制御回路220は、図70Aに示すように、データ「1」を連続して16回以上、LEDドライバ280に送信する(S351)。すなわち、音声・LED制御回路220は、シリアル・データの先頭に配置された、データ「1」が16ビット以上連続して格納された領域のデータ(図41参照)をLEDドライバ280に送信する。
次いで、音声・LED制御回路220は、デバイスアドレスをLEDドライバ280に送信する(S352)。次いで、音声・LED制御回路220は、レジスタアドレスをLEDドライバ280に送信する(S353)。
次いで、音声・LED制御回路220は、ランプ出力データ(LEDデータ)をLEDドライバ280に送信するためのLEDデータ出力処理を行う(S354)。そして、S354の処理後、音声・LED制御回路220は、シリアル・データの送信処理を終了する。なお、LEDデータ出力処理の詳細については、後述の図71を参照しながら後で説明する。
(2)LEDドライバの受信処理(受信データに基づく状態遷移処理)
まず、LEDドライバ280は、図70Bに示すように、スリープ状態をセットする(S361)。なお、「スリープ状態にする」とは、LEDドライバ280の動作状態を休眠(休止)状態にして動作待機の状態にすることである。また、セットされたスリープ状態は、LEDドライバ280が音声・LED制御回路220から最初のデータ「1」を受信(検出)した際に解除される。
次いで、LEDドライバ280は、音声・LED制御回路220からデータ「1」を連続16回、受信(検出)したか否かを判別する(S362)。
S362において、LEDドライバ280が、音声・LED制御回路220からデータ「1」を連続16回、受信(検出)していないと判別した場合(S362がNO判定の場合)、LEDドライバ280は、処理をS361に戻し、S361以降の処理を繰り返す。一方、S362において、LEDドライバ280が、音声・LED制御回路220からデータ「1」を連続16回、受信(検出)したと判別した場合(S362がYES判定の場合)、LEDドライバ280は、スタート待機状態をセットする(S363)。
次いで、LEDドライバ280は、データ「0」を受信したか否かを判別する(S364)。この処理では、LEDドライバ280は、デバイスアドレスの先頭ビットに格納されたデータ「0」(図41参照)を受信したか否かを判別する。
S364において、LEDドライバ280が、データ「0」を受信していないと判別した場合(S364がNO判定の場合)、LEDドライバ280は、処理をS363に戻し、S363以降の処理を繰り返す。なお、所定時間、LEDドライバ280でデータ「0」が受信されずにスタート待機状態が続いている場合には、LEDドライバ280は、タイムアウト処理として動作状態をスリープ状態に戻す処理を行ってもよい。
一方、S364において、LEDドライバ280が、データ「0」を受信したと判別した場合(S364がYES判定の場合)、LEDドライバ280は、デバイスアドレス待ち受け状態をセットする(S365)。
次いで、LEDドライバ280は、音声・LED制御回路220から送信されたデバイスアドレスを受信し、デバイスアドレスが当該LEDドライバ280に設定されたそれと一致するか否かを判別する(S366)。S366において、LEDドライバ280が、受信したデバイスアドレスが当該LEDドライバ280に設定されたそれと一致しないと判別した場合(S366がNO判定の場合)、LEDドライバ280は、処理をS361に戻し、S361以降の処理を繰り返す。一方、S366において、LEDドライバ280が、受信したデバイスアドレスが当該LEDドライバ280に設定されたそれと一致すると判別した場合(S366がYES判定の場合)、LEDドライバ280は、レジスタアドレス待ち受け状態をセットする(S367)。
次いで、LEDドライバ280は、音声・LED制御回路220から送信されたレジスタアドレスを受信し、該レジスタアドレスが存在するレジスタアドレスであるか否かを判別する(S368)。S368において、LEDドライバ280が、受信したレジスタアドレスが存在するレジスタアドレスでないと判別した場合(S368がNO判定の場合)、LEDドライバ280は、処理をS361に戻し、S361以降の処理を繰り返す。
一方、S368において、LEDドライバ280が、受信したレジスタアドレスが存在するレジスタアドレスであると判別した場合(S368がYES判定の場合)、LEDドライバ280は、データ受信状態をセットする(S369)。これにより、音声・LED制御回路220から送信されたランプ出力データ(LEDデータ)の受信処理が開始される。次いで、LEDドライバ280は、ランプ出力データ(LEDデータ)の最終データを示すデータ「0FFH(1111111B)」(図41参照)を受信したか否かを判別する(S370)。
S370において、LEDドライバ280が、データ「0FFH」を受信していないと判別した場合(S370がNO判定の場合)、LEDドライバ280は、処理をS369に戻し、S369以降の処理を繰り返す。一方、S370において、LEDドライバ280が、データ「0FFH」を受信したと判別した場合(S370がYES判定の場合)、LEDドライバ280は、処理をS361に戻し、S361以降の処理を繰り返す。
[LEDデータ出力処理]
次に、図71及び図72を参照して、音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間で行われる通信処理(図70A及び図70B)中のS354で行うLEDデータ出力処理について説明する。なお、LEDデータ出力処理(S354)は、説明の便宜上音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間で行われる通信処理としているが、実質的にはランプ制御処理(図69参照)に含まれるものである。
なお、図71は、本実施形態におけるLEDデータ出力処理の手順を示すフローチャートである。また、図72は、上述した図47に示す例に対して、本実施形態におけるLEDデータ出力処理を行った場合を示す概略図である。なお、以下に説明するLEDデータ出力処理は、音声・LED制御回路220(副制御回路200)により制御される。
まず、音声・LED制御回路220は、再生中のサウンドがあれば、当該サウンドのボリューム情報を取得する(S381)。具体的には、音声・LED制御回路220は、スピーカ11による音声再生動作の制御が行われていれば(スピーカ11から音声が出力されていれば)、再生中のサウンドに対応するサウンドリクエストに設定されたフレーズボリューム値を取得する。これによって、音声・LED制御回路220は、再生中のサウンドの音量に関する情報(ボリューム情報)を取得する。取得されたボリューム情報は、音声・LED制御回路220の所定の記憶領域に一時的に格納される。
ここで、本実施形態において、スピーカ11による音声再生演出(サウンド)の音量は、遊技者や遊技場の管理者の所定の操作によって、例えば1、2、・・・10という、数値が大きいほど音量が大きくなるように段階的に設定可能である。なお以下では、前記設定された音量、すなわち任意に設定可能な遊技機全体の音量の設定値を、マスターボリュームと称する。こうして、スピーカ11からの音声(サウンド)は、音声・LED制御回路220によってサウンドリクエストに設定された(演出ごとに自動的に決定される)フレーズボリューム値に対して、マスターボリュームの設定値が反映された音量で出力される。なお、マスターボリュームとはサウンドリクエストに設定されたフレーズボリューム値に対する係数の役割を行う場合があり、最終的に出力される音量を算出するための値であるがこれに限られるものではなく、マスターボリュームが最終的に出力される音量であってもよい。この場合には再生中の音量がマスターボリュームの音量で出力される。
S382において、音声・LED制御回路220は、S381にて取得したボリューム情報を用いて、マスターボリュームに対する再生中のサウンドのボリューム比を取得する。具体的には、音声・LED制御回路220は、マスターボリュームの設定値により設定された音量と、スピーカ11から出力される音声(サウンド)の音量と、を用いて、所定の演算処理を行う。例えば便宜上、マスターボリュームの設定値を10(音量が100)とし、再生中のサウンドの音量を20とする。このような場合、音声・LED制御回路220は、サウンドの音量の20をマスターボリュームの音量の100で除算し、ボリューム比として0.2を取得する。取得されたボリューム比は、音声・LED制御回路220の所定の記憶領域に一時的に格納される。
S383において、音声・LED制御回路220は、入力されたランプリクエストに基づいて選択されたLEDデータに対して、S382にて取得したボリューム比を乗ずることで、LEDドライバ280に送信するためのLEDデータを作成する。具体的には、音声・LED制御回路220は、前記ランプリクエストに基づいて選択されたLEDデータのうち、赤色成分の輝度データ(輝度値)、緑色成分の輝度データ(輝度値)及び青色成分の輝度データ(輝度値)に対して、S382にて取得したボリューム比を乗ずることで、LEDドライバ280に送信するためのLEDデータのうち、赤色成分の輝度データ(輝度値)、緑色成分の輝度データ(輝度値)及び青色成分の輝度データ(輝度値)を作成する。こうして、音声・LED制御回路220は、LEDドライバ280に送信するためのLEDデータ(輝度値)を作成する。作成したLEDデータは、音声・LED制御回路220の所定の記憶領域に一時的に格納される。
ここで、具体的な一例をあげて説明を行う。上述した図47に示す例においては、ポート0に接続された赤色LEDに対して輝度データ「0xFE」(すなわち、輝度値255)、またポート1に接続された青色LEDに対して輝度データ「0xFE」(すなわち、輝度値255)、またポート2に接続された青色LEDに対して輝度データ「0xFE」(すなわち、輝度値255)が、それぞれLEDデータとして出力されている。
この図47に示す例におけるLEDデータの輝度値に対して、上述したS382の処理の一例として取得されたボリューム比0.2が乗じられると、図72に示すように、ポート0に接続された赤色LEDに対して輝度値51(すなわち、輝度データ「0x33」)、またポート1に接続された青色LEDに対して輝度値51(すなわち、輝度データ「0x33」)、またポート2に接続された青色LEDに対して輝度値51(すなわち、輝度データ「0x33」)が、それぞれLEDドライバ280に送信するためのLEDデータ(輝度値)として決定される。
S385において、音声・LED制御回路220は、取得されたLEDデータをLEDドライバ280に送信する。そして、S385の処理後、音声・LED制御回路220は、LEDデータ出力処理を終了する。
このような処理によって、副制御回路200(ホスト制御回路210、音声・LED制御回路220)が、スピーカ11による音声再生動作の制御(スピーカ11からの音声の出力)と同期させた状態でランプ制御処理を行う場合に、再生中のサウンドのボリューム情報に基づいてLEDデータ(輝度値)を決定することができるため、LED281の光の輝度をサウンドの音量に合わすことができる。例えば、サウンドの音量がフェードアウトするような演出においては、当該音量のフェードアウトと共に、LED281の光の輝度を変化させてフェードアウトすることができる。こうして、サウンドの音量に対してLED281の光をより自然に同期させることができる。
なお、上述した例においては、マスターボリュームの設定値が10(音量が100)とされた場合について説明したが、例えばマスターボリュームの設定値が8(音量が80)とされた場合(すなわち、設定可能な最大音量に対して、マスターボリュームの音量の比が0.8である場合)においては、最終的にスピーカ11から出力される音声の音量は(サウンドの音量を示す)フレーズボリューム値を50とすると、50×0.8=40となる。すなわち、実際に出力される音声の音量(上述の音量40)と設定後のマスターボリュームの音量(上述の音量80)との比は、サウンドリクエストに基づいて決定されたサウンドの音量の初期値(上述の音量50)とマスターボリュームの音量の初期値(上述の音量100)との比と常に同一となる。このように、マスターボリュームの設定を変更した場合であってもそれに応じた割合で実際の出力も変化するから、当該マスターボリュームの設定の変更によって互いの出力の比が変わることはない。したがって、マスターボリュームが遊技者によって調整された場合であっても、再生中のサウンドのボリューム情報に基づいてLEDデータ(輝度値)を決定することができ、LED281の光の輝度をサウンドの音量に合わせることができる。
また、仮に再生中のサウンドの音量が20であり、マスターボリュームの設定値が8(音量が80)であった場合には、ボリューム比が0.16となるため、LEDの輝度データには0.16乗じることとなるが、最終的な輝度データについて、輝度データの上限値、下限値を超えない範囲で小数点以下は切り捨て、又は四捨五入、又は切り上げすることができる。
また、音量のフェードアウトに応じて輝度を調節するものとして、前回出力された音量(又は再生中の音量)と、今回出力する音量との比をボリューム比として求め、当該ボリューム比を輝度データに対して乗じることも可能である。
この場合、再生中の音量が100であり、今回出力する音量が80であれば、0.8を輝度データ(前回出力した輝度データ、又は今回出力する輝度データ、又は現在再生中の輝度データ)に対してボリューム比を乗じることによって輝度を音量のフェードアウトに応じて変更することが可能となる。
例えば、再生中の音量が100で再生中の輝度データ(又は前回出力した輝度データ)が「0xFE」で、今回出力する最終的な音量が20であればボリューム比が0.2となり輝度データは「0x33」となる。
ここで、従来、遊技場で使用される遊技機の技術は公知となっている。例えば、特開2007−247号公報や、特開2015−164622号公報に記載の如くである。これらの遊技機においては、遊技性の向上が求められる。
例えば、特開2007−247号公報に記載の遊技機においては、主制御回路と、演出制御回路と、LEDと、スピーカ部と、を備える。LEDは、所定のデューティ比で制御が行われて点灯表示する。主制御回路は、主に遊技性に関する制御や、遊技媒体の払出の制御を行う。演出制御回路は、主制御回路からのコマンドに基づいて遊技の演出内容を決定し、決定した遊技の演出内容に基づいてLEDやスピーカ部を制御する。こうして、遊技機においては、LEDの光やスピーカ部のサウンドを用いて遊技の演出が行われる。
しかしながら、近年、遊技機における演出は、上述した光やサウンド、さらには映像や役物の駆動など、様々な構成を用いて行われる。したがって、各構成が適切に制御されなければ、例えば各構成が適切なタイミングで動作せず、遊技者に違和感を与えてしまう。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされてものであり、遊技の演出に用いられる各構成を適切に制御すること(遊技性の向上を図ること)が可能な遊技機を提供することを目的とする。
具体的には、本発明の一実施形態に係る遊技機においては、
特別図柄始動入賞(所定の始動条件が成立したこと)に応じて大当り判定(遊技に関する抽選)を行う遊技機であって、
前記抽選の結果に応じた演出を制御する副制御回路200(演出制御手段)と、
演出に応じて出力する音に関わる情報であるサウンドリクエスト(第1情報)を決定する副制御回路200(音情報決定手段)と、
前記サウンドリクエスト(第1情報)に応じて音の出力を行うスピーカ11(音出力手段)と、
演出に応じて出力する光に関わる情報であるランプリクエスト(第2情報)を決定する副制御回路200(光情報決定手段)と、
前記ランプリクエスト(第2情報)に応じて光の出力を行うLED281(光出力手段)と、
を備え、
前記副制御回路200(光情報決定手段)は、前記スピーカ11(音出力手段)から音の出力が行われているときに前記ランプリクエスト(第2情報)を決定するときは、出力されている音の前記サウンドリクエスト(第1情報)を参照し、当該サウンドリクエスト(第1情報)に応じて前記ランプリクエスト(第2情報)を決定し、前記ランプリクエスト(第2情報)を決定するときに設定されているマスターボリュームと出力されている音の前記サウンドリクエスト(第1情報)との比率を算出し、当該算出された比率を前記ランプリクエスト(第2情報)と乗ずることで前記LED281(光出力手段)から出力される光の輝度を決定するものである。
このような構成により、スピーカ11による音声再生動作の制御と同期させた状態でランプ制御処理を行う場合に、再生中のサウンドの音量に合わせてLED281の輝度を決定することができるため、例えば、サウンドの音量がフェードアウトするような演出においては、当該音量のフェードアウトと共に、LED281の光の輝度を変化させてフェードアウトすることができ、サウンドの音量に対してLED281の光をより自然に同期させることができる。すなわち、遊技機においては、遊技の演出に用いられる各構成を適切に制御すること(遊技性の向上を図ること)ができる。
また、このような構成により、マスターボリュームが遊技者によって調整された場合であっても、再生中のサウンドのボリューム情報に基づいてLEDデータ(輝度値)を決定することができ、LED281の光の輝度をサウンドの音量に合わすことができる。
なお、サウンドリクエストは、本発明に係る第1情報の一実施形態であり、ランプリクエストは、本発明に係る第2情報の一実施形態である。本発明に係る第1情報及び第2情報は、それぞれサウンドリクエスト及びランプリクエストに限定するものではない。
[LEDデータ出力処理の変形例]
以下では、図73を参照して、音声・LED制御回路220及びLEDドライバ280間で行われる通信処理(図70A及び図70B)中のS354で行うLEDデータ出力処理の変形例について説明する。
なお、図73は、本実施形態におけるLEDデータ出力処理の変形例の手順を示すフローチャートである。また、図73に示すLEDデータ出力処理の変形例において、図71に示すLEDデータ出力処理と同一の処理を行うステップについては、同一の符号(ステップ数)を記載することによって、その説明を省略するものとする。
S383の処理の後、音声・LED制御回路220は、S383で作成したLEDデータが、後述のS386の処理でバックアップされたLEDデータと同一であるか否かを判別する(S384)。具体的には、音声・LED制御回路220は、SDRAM250に格納されているLEDデータをポート毎(すなわち、LED281毎)に参照する。そして、音声・LED制御回路220は、S383で作成したLEDデータのうち輝度値に関するデータ、すなわち赤色成分の輝度データ(輝度値)、緑色成分の輝度データ(輝度値)及び青色成分の輝度データ(輝度値)が、参照したLEDデータと同一であるか否かを判別する。
S384において、音声・LED制御回路220は、S383で作成したLEDデータが、バックアップされたLEDデータと同一でないと判別した場合(S384がNO判定の場合)、S383で作成したLEDデータをLEDドライバ280に出力(送信)する(S385)。
S385の処理後、音声・LED制御回路220は、S385で出力したLEDデータ(すなわち、S383で作成したLEDデータ)のバックアップを行う(S386)。具体的には、音声・LED制御回路220は、S385で出力したLEDデータの赤色成分の輝度データ(輝度値)、緑色成分の輝度データ(輝度値)及び青色成分の輝度データ(輝度値)を、ポート毎にSDRAM250に上書きして格納(保持)する。そして、S385の処理後、音声・LED制御回路220は、LEDデータ出力処理を終了する。
一方、S384において、音声・LED制御回路220は、S383で作成したLEDデータが、バックアップされたLEDデータと同一であると判別した場合(S384がYES判定の場合)、LEDデータ出力処理を終了する。この場合、音声・LED制御回路220は、S383で作成したLEDデータをLEDドライバ280に送信しない。このように、各ポートに対応するLED281は、異なる発光態様を行うLEDデータが作成されるまで、同一の発光態様を維持し続けることとなる。
このような処理によって、音声・LED制御回路220は、LED281の発光態様が変化する場合にのみ、S383で作成したLEDデータをLEDドライバ280に送信することとなる。ここで、ランプ制御処理において、LEDデータの送信処理は、上述したように、約4mSec周期で行われている。しかしながら、全てのポートに対するLEDデータが4msec毎に常に変化することは一般的ではない。したがって、上述したように必要な場合にだけ(S383で作成したLEDデータが、バックアップされたLEDデータと同一でないと判別した場合(S384がNO判定の場合)にだけ)S383で作成したLEDデータをLEDドライバ280に送信することで、音声・LED制御回路220の制御負荷を軽減させることができる。
なお、上述したLEDデータは、赤色成分(R成分)、緑色成分(G成分)、青色成分(B成分)を含むLEDデータであったが、各々の色成分に応じたLEDデータであってもよい。
また、LEDデータとして消灯データ(発光しない場合のデータ)を含んでいてもよく、消灯データをバックアップし、S383で作成された消灯データが続く限りLEDドライバ280に対してLEDデータを送信しないようにしてもよい。
また、バックアップするデータとしては点灯と消灯とを繰り返す点灯態様を含むLEDデータであってもよく、この場合、S383で作成された色成分のデータがバックアップされたデータと同じ場合であり、S383で作成されたデータの点灯態様がバックアップされたデータの点灯態様と異なる場合にはLEDドライバ280に対してLEDデータ(又は点灯態様を含むデータ)を送信し、色成分のデータと点灯態様とがバックアップされたデータと同じ場合にはLEDドライバ280に対してLEDデータを送信しないようにすることが可能である。
ここで、例えば、特開2015−164622号公報及び特開2007−247号公報に記載の遊技機は、主制御回路と、演出制御回路と、スピーカやランプ等の演出手段と、を備える。主制御回路は、主に遊技性に関する制御や、遊技媒体の払出の制御を行う。演出制御回路は、主制御回路からのコマンドに基づいて遊技の演出内容を決定し、この決定した演出内容に基づいて演出手段の制御を行う。
このような特許文献1に記載の遊技機において、演出制御回路は、デモ表示の実行に関する判断を行った主制御回路からデモコマンドを受信すると、いくつかの演出手段の駆動を終了させる省電力制御を行う。こうして、前記遊技機においては、デモ表示を実行する場合の、演出に関する制御負荷を軽減している。
また、特許文献2に記載の遊技機において、ランプ(LED)は、所定のデューティ比で制御が行われて点灯表示する。こうして、前記遊技機においては、LEDの光やスピーカのサウンドを用いて遊技の演出が行われる。
しかしながら、近年、遊技機においては、遊技性が向上するに伴って遊技性に関わる制御負荷が増大すると共に、遊技の演出内容の多岐化に伴って演出に関する制御負荷の増大も著しい。このような遊技機においては、制御負荷の軽減を適宜行わなければ遊技性の拡張を行うことができず、ひいては遊技性のさらなる向上を図ることができない。
また、近年、遊技機における演出は、上述した光やサウンド、さらには映像や役物の駆動など、様々な構成を用いて行われる。したがって、各構成が適切に制御されなければ、例えば各構成が適切なタイミングで動作せず、遊技者に違和感を与えてしまうため、遊技性のさらなる向上を図ることができない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされてものであり、遊技性の向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
具体的には、本発明の一実施形態に係る遊技機においては、
特別図柄始動入賞(所定の始動条件が成立したこと)に応じて大当り判定(遊技に関する抽選)を行う遊技機であって、
前記抽選の結果に応じた演出を制御する副制御回路200(演出制御手段)と、
演出に応じて出力する音に関わる情報であるサウンドリクエスト(第1情報)を決定する副制御回路200(音情報決定手段)と、
前記サウンドリクエスト(第1情報)に応じて音の出力を行うスピーカ11(音出力手段)と、
演出に応じて出力する光に関わる情報であるランプリクエスト(第2情報)を決定する副制御回路200(光情報決定手段)と、
前記ランプリクエスト(第2情報)に応じてLEDデータ(光情報)を選択する副制御回路200(光情報選択手段)と、
前記LEDデータ(光情報)に応じて光の出力を行うLED281(光出力手段)と、
前記LED281(光出力手段)から出力された光に対応するLEDデータ(光情報)を記憶する副制御回路200(光情報記憶手段)と、
前記LED281(光出力手段)に前記副制御回路200(光情報選択手段)が選択したLEDデータ(光情報)を送信する副制御回路200(送信手段)と、
を備え、
前記副制御回路200(光情報決定手段)は、前記スピーカ11(音出力手段)から音の出力が行われているときに前記ランプリクエスト(第2情報)を決定するときは、出力されている音の前記サウンドリクエスト(第1情報)を参照し、当該サウンドリクエスト(第1情報)に応じて前記ランプリクエスト(第2情報)を決定し、
前記副制御回路200(光情報記憶手段)が記憶するLEDデータ(光情報)と、前記副制御回路200(光情報選択手段)が選択したLEDデータ(光情報)とを比較し、比較結果としてLEDデータ(光情報)が同一であると判断された場合には前記副制御回路200(送信手段)からLEDデータ(光情報)の送信を行わず、比較結果としてLEDデータ(光情報)が異なると判断された場合には前記副制御回路200(送信手段)からLEDデータ(光情報)が送信されるものである。
このような構成により、必要な場合にだけ(S383で作成したLEDデータが、バックアップされたLEDデータと同一でないと判別した場合(S384がNO判定の場合)にだけ)S383で作成したLEDデータをLEDドライバ280に送信することで、音声・LED制御回路220の制御負荷を軽減させることができる。こうして、遊技機の遊技の演出内容が多岐化している状況において、制御負荷の軽減を適宜行うことができるため(制御負荷の増大を抑制することができるため)遊技性の拡張を行うことができ、ひいては遊技性のさらなる向上を図ることができる。
また、このような構成により、スピーカ11による音声再生動作の制御と同期させた状態でランプ制御処理を行う場合に、再生中のサウンドの音量に合わせてLED281の輝度を決定することができるため、例えば、サウンドの音量がフェードアウトするような演出においては、当該音量のフェードアウトと共に、LED281の光の輝度を変化させてフェードアウトすることができ、サウンドの音量に対してLED281の光をより自然に同期させることができる。すなわち、遊技機においては、遊技の演出に用いられる各構成を適切に制御すること(遊技性の向上を図ること)ができる。
なお、本実施形態においては、光情報としてLEDデータを用いるが、LEDデータに限定するものではない。
[ランプパターン選択処理の変形例]
以下では、図74〜図76を参照して、演出態様決定処理(図65参照)中のS253で行うランプパターン選択処理の変形例について説明する。
なお、図74(a)は、本実施形態におけるLED281の点灯とサウンドの再生との同期の一例を示す図である。また、図74(b)は、本実施形態におけるLED281の点灯とサウンドの再生との同期がズレた様子の一例を示す図である。また、図75は、本実施形態におけるランプパターン選択処理の変形例の手順を示すフローチャートである。また、図76は、本実施形態におけるランプパターン選択処理の変形例を示す模式図である。
また、図75に示すランプパターン選択処理の変形例において、図68に示すLEDデータ出力処理と同一の処理を行うステップについては、同一の符号(ステップ数)を記載することによって、その説明を省略するものとする。
S302の処理の後、ホスト制御回路210は、再生中のサウンドに対応するサウンドリクエストに設定された再生時間を参照する(S303)。次いで、ホスト制御回路210は、再生中のサウンドリクエストに応じてランプリクエストを選択する(S304)。
ここで、例えば図74(a)に示すように、遊技機においては、LED281の点灯とスピーカ11からの音声の出力(サウンドの再生)とを同期させ、これらを同時に終了させる場合がある。図74(a)に示す例においては、サウンドの再生及びLED281の点灯は、同時に終了するだけでなく、同時に開始されるように設定されている。また、サウンドの再生及びLED281の点灯の時間は共に6000msに設定されている。このように、サウンドの再生とLED281の点灯とを同期させることよって、これらがリンクした演出を行うことができ、遊技者の興趣を高めることができる。
しかし、サウンドの再生とLED281の点灯とが同期する場合、例えばホスト制御回路210の制御負荷等の影響等によってある問題が生じることがある。具体的には、図74(b)に示すように、LED281の点灯とスピーカ11からの音声の出力(サウンドの再生)との同期がズレると、サウンドの再生が終了したにもかかわらず、LED281が点灯している場合があるという問題である。図74(b)に示す例においては、同期がズレた結果、LED281の点灯がサウンドの再生に対して2000ms遅れて開始されている。こうして、LED281の点灯が遅れて開始されると、当該LED281の点灯及びサウンドの再生は同時に終了せず、当該LED281の点灯がサウンドの再生の終了から2000ms継続することとなる。このような同期のズレが生じた場合には、遊技者が違和感を感じる可能性がある。
そこで、S304の処理後、ホスト制御回路210は、LEDの再生開始ポイントをシークする(S305)。すなわち、ホスト制御回路210は、LED281の点灯を開始する時点で当該LED281の点灯とサウンドの再生との同期がズレている場合、当該LED281の点灯を、設定された点灯パターン(LEDアニメーション)の途中から開始させる(LED281の点灯時間を削減させる)。
具体的には、S305において、図76に示すように、ホスト制御回路210は、LED281の点灯を開始する時点で、S302で参照した再生時間に基づいてサウンドの残り再生時間(例えば2000ms)を取得する。(なお、このとき、サウンドリクエストに対応するサウンドの全再生時間を取得することも可能であり、例えば全再生時間として6000msの再生時間を取得すれば再生を開始してから4000ms経過して2000msの残り再生時間を有していることが分かる。)
そして、ホスト制御回路210は、前記サウンドの残り再生時間と、LED281の点灯パターンの時間(点灯時間、点灯パターンに対応する再生時間であり、例えば3000msとする)と、を比較する。こうして、ホスト制御回路210は、当該サウンドの残り再生時間とLED281の点灯パターンの時間との差異(ズレた時間であり、3000msから2000msを引いた1000ms)を求めることができる。ホスト制御回路210は、前記ズレた時間を算出した場合には、LED281の点灯パターンの開始から前記ズレた時間だけ省略し、当該点灯パターンの途中から(1000ms分経過したと仮定して)LED281の点灯を開始する。こうして、ホスト制御回路210は、ランプリクエストを決定するときに、サウンドの再生時間に基づいて(応じて)、当該ランプリクエストから特定されるLED281の点灯時間(光の再生時間)を削減する(削除する、減少する、シークさせる、再生開始ポイントをズラす、再生開始時間を進める、途中から再生する)ことを決定する。なお、上記した態様からは、サウンドの再生時間とLED281の点灯時間との終了のタイミングを揃える(同期させる)とも表現することや、LED281の再生開始時間をズラす場合、LED281の全再生時間のうち一部を削除してLED281の再生時間を減少させる場合、も含みえるものである。
なお、ホスト制御回路210は、前記ズレた時間を算出するのではなく、サウンドの再生時間に対してズレた時間の割合を算出し、当該算出した割合に基づいて点灯パターンの途中からLED281の点灯を開始させてもよい。
具体的には、サウンドの全再生時間が6000msであったときに、LED281の全再生時間も6000msであれば、サウンドが再生を開始してから4000msが経過し、残り再生時間が2000msのときに、LED281の再生時間も4000msにすべくサウンドの全再生時間と、経過した再生時間の比、をLED281の全再生時間に乗じてLED281の再生開始時間をズラすこともできる。(なお、サウンドの全再生時間と、残り再生時間との比をLED281の全再生時間に乗ずることで、LED281の再生時間を求めるものであってもよい。)
そして、S305の処理後、ホスト制御回路210は、ランプパターン選択処理を終了し、処理を演出態様決定処理(図65参照)のその他選択処理(S254)に戻す。
このような処理によって、LED281の点灯とスピーカ11からの音声の出力(サウンドの再生)との同期がズレた場合であっても、サウンドの再生終了とLED281の点灯終了のタイミングを合わせることができる。すなわち、同期のズレが生じた場合であっても、当該ズレを修正することによって、遊技者が違和感を感じるのを抑制することができる。
ここで、例えば、特開2015−164622号公報に記載の遊技機は、主制御基板と、演出制御基板と、LEDと、スピーカ部と、を備える。LEDは、所定のデューティ比で制御が行われて点灯表示する。主制御基板は、主に遊技性に関する制御や、遊技媒体の払出の制御を行う。演出制御基板は、主制御基板からのコマンドに基づいて遊技の演出内容を決定し、決定した遊技の演出内容に基づいてLEDやスピーカ部を制御する。こうして、遊技機においては、LEDの光やスピーカ部のサウンドを用いて遊技の演出が行われる。
しかしながら、近年、遊技機における演出は、上述した光やサウンド、さらには映像や役物の駆動など、様々な構成を用いて行われる。したがって、各構成が適切に制御されなければ、例えば各構成が適切なタイミングで動作せず、遊技者に違和感を与えてしまう。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされてものであり、遊技の演出に用いられる各構成を適切に制御すること(遊技性の向上を図ること)が可能な遊技機を提供することを目的とする。
具体的には、本発明の一実施形態に係る遊技機においては、
特別図柄始動入賞(所定の始動条件が成立したこと)に応じて大当り判定(遊技に関する抽選)を行う遊技機であって、
前記抽選の結果に応じた演出を制御する副制御回路200(演出制御手段)と、
演出に応じて出力する音に関わる情報であるサウンドリクエスト(第1情報)を決定する副制御回路200(音情報決定手段)と、
前記サウンドリクエスト(第1情報)に応じて音の出力を行うスピーカ11(音出力手段)と、
演出に応じて出力する光に関わる情報であるランプリクエスト(第2情報)を決定する副制御回路200(光情報決定手段)と、
前記ランプリクエスト(第2情報)に応じて光の出力を行うLED281(光出力手段)と、
を備え、
前記副制御回路200(光情報決定手段)は、前記LED281(光出力手段)が前記ランプリクエスト(第2情報)に応じて光の出力を行うときに、前記スピーカ11(音出力手段)から出力される音の再生時間(第3情報)を参照し、前記音の再生時間(第3情報)に応じて前記ランプリクエスト(第2情報)から特定される前記LED281(光出力手段)から出力される光の再生時間を削減するものである。
このような構成により、LED281の点灯とスピーカ11からの音声の出力(サウンドの再生)との同期がズレた場合であっても、サウンドの再生終了とLED281の点灯終了にタイミングを合わせることができる。すなわち、同期のズレが生じた場合であっても、当該ズレを修正することによって、遊技者が違和感を感じるのを抑制することができる。すなわち、遊技の演出に用いられる各構成(LED281やスピーカ11)を適切に制御すること(遊技性の向上を図ること)が可能となる。
また、遊技機においては、
前記副制御回路200(光情報決定手段)は、前記スピーカ11(音出力手段)から音の出力が行われているときに前記ランプリクエスト(第2情報)を決定するときは、出力されている音の前記サウンドリクエスト(第1情報)を参照し、当該サウンドリクエスト(第1情報)に応じて前記ランプリクエスト(第2情報)を決定するものである。
このような構成により、スピーカ11による音声再生動作の制御と同期させた状態でランプ制御処理を行う場合に、再生中のサウンドの音量に合わせてLED281の輝度を決定することができるため、例えば、サウンドの音量がフェードアウトするような演出においては、当該音量のフェードアウトと共に、LED281の光の輝度を変化させてフェードアウトすることができ、サウンドの音量に対してLED281の光をより自然に同期させることができる。すなわち、遊技機においては、遊技の演出に用いられる各構成を適切に制御すること(遊技性の向上を図ること)ができる。
なお、上記実施形態においては、遊技機においてデモ画面を表示装置に表示させる制御に関して、パチンコ遊技機1における例(具体的には、デモ表示コマンドが、パチンコ遊技機1の主制御回路70から送信される例)を説明したが(S37におけるデモ表示処理参照)、パチスロ遊技機501においても同様である。すなわち、次に説明するように、パチスロ遊技機501の場合も、デモ表示コマンドが当該パチスロ遊技機501の主制御回路571から送信される。
[デモ表示処理]
以下では、図77を参照して、パチスロ遊技機501の主制御回路571によって行なわれるデモ表示処理(デモ表示コマンド送信処理)について説明する。デモ表示処理は、パチスロ遊技機501の割込処理(図60参照)のタイマ更新処理(S533)において行われる。なお、図77は、本実施形態におけるパチスロ遊技機501のデモ表示コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
S551において、メインCPU531は、メダル投入口522にメダルが投入可能であるか否かを判別する。S551において、メインCPU531が、メダル投入口522にメダルが投入可能であると判別した場合(S551がYES判定の場合)、メインCPU531は、S552の処理を行う。なお、メダルは、例えばリール503L,503C,503Rが回転中でない場合(すなわち、パチスロ遊技機501で遊技が行われていない場合)に、投入可能であると判断される。すなわち、メインCPU531が、メダル投入口522にメダルが投入可能であると判別した場合(S551がYES判定の場合)とは、エラー状態である場合も含み、パチスロ遊技機501で遊技が行われていない場合を示している。
S552において、メインCPU531は、エラーフラグの値が「1」であるか否かを判別する。なお、エラーフラグは、遊技中にエラー状態(何らかの異常(不正行為も含む))が発生したか否かを示すフラグである。エラーフラグは、電源投入時に「0」に設定される。S552において、メインCPU531が、エラーフラグの値が「1」でないと判別した場合(S552がNO判定の場合)、メインCPU531は、S553の処理を行う。
S553において、メインCPU531は、デモ表示コマンド送信フラグの値が「1」であるか否かを判別する。なお、デモ表示コマンド送信フラグは、後述するデモ表示コマンド送信タイマを1減算するか否かを示すフラグである。デモ表示コマンド送信フラグは、電源投入時に「0」に設定される。S553において、メインCPU531が、デモ表示コマンド送信フラグの値が「1」でないと判別した場合(S553がNO判定の場合)、メインCPU531は、S554の処理を行う。
S554において、メインCPU531は、デモ表示コマンド送信タイマの初期値をセットする。デモ表示コマンド送信タイマとは、デモ画面を液晶表示装置505に表示させるためのコマンドを送信するか否かの判別に用いる(デモ表示コマンドを次に送信するまでの時間の計時に用いる)タイマである。デモ表示コマンド送信タイマは、予め設定された値から割込処理の周期(本実施形態においては、4ms)毎に値が減少する。すなわち、デモ表示コマンド送信タイマの初期値として例えば45000を設定した場合、デモ表示コマンド送信タイマが0であると判定されるのは、180秒(4ms×45000)経過後となる。
S555において、メインCPU531は、デモ表示コマンド送信フラグの値を「1」とする。こうして、本実施形態においては、メインCPU531は、デモ表示コマンド送信フラグの初期値をセットすると、デモ表示コマンド送信タイマの減算を開始する。
S555の処理の後、又は、S553において、メインCPU531が、デモ表示コマンド送信フラグの値が「1」であると判別した場合(S553がYES判定の場合)、メインCPU531は、デモ表示コマンド送信タイマを1減算する(S556)。
S557において、メインCPU531は、デモ表示コマンド送信タイマの値が「0」であるか否かを判別する。S557において、メインCPU531が、デモ表示コマンド送信タイマの値が「0」であると判別した場合(S557がYES判定の場合)、又は、S552において、メインCPU531が、エラーフラグの値が「1」であると判別した場合(S552がYES判定の場合)、メインCPU531は、エラー状態中であるか否かを判別する(S558)。
S558において、メインCPU531が、エラー状態中でないと判別した場合(S558がNO判定の場合)、メインCPU531は、デモ表示コマンドデータを生成し、生成されたデモ表示コマンドデータをメインRAM533の通信データ格納領域に格納する(S559)。なお、こうしてメインRAM533の通信データ格納領域に格納されたデモ表示コマンドデータは、通信データ送信処理(図60参照)の通信データ送信処理(S546)において、主制御回路571から副制御回路572に送信される。
S560において、メインCPU531は、デモ表示コマンド送信フラグの値を「0」とする。S560の処理の後、S561において、メインCPU531は、エラーフラグの値を「0」とする。S561の処理の後、メインCPU531は、デモ表示コマンド送信処理を終了し、処理を割込処理の通信データ送信処理(S534)に移す。
一方、S558において、メインCPU531が、エラー状態中であると判別した場合(S558がYES判定の場合)、メインCPU531は、エラーフラグの値を「1」とする。
S562の処理の後、又は、S551において、メインCPU531が、メダル投入口522にメダルが投入可能でないと判別した場合(S551がNO判定の場合)、又は、S557において、メインCPU531が、デモ表示コマンド送信タイマの値が「0」でないと判別した場合(S557がNO判定の場合)、メインCPU531は、デモ表示コマンド送信処理を終了し、処理を割込処理の通信データ送信処理(S534)に移す。
<デモ移行制御処理の変形例の概要>
また、上記実施形態では、デモ画面を表示装置(液晶表示装置505)に表示させる制御を、主制御回路571が主に行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。デモ画面を液晶表示装置505に表示させる制御は、主制御回路571ではなく、副制御回路572が主に行う構成であってもよい。
以下では、デモ画面を表示装置に表示させる制御(デモ移行制御処理)の変形例について、図78〜図80を参照して説明する。なお、以下ではデモ移行制御処理の説明のため、まず前提として上記実施形態におけるコマンド解析処理の変形例について説明する。なおこの場合、パチスロ遊技機501においては、主制御回路571からデモ表示コマンドは送信されないものとする。
[コマンド解析処理の変形例]
図78は、本実施形態におけるコマンド解析処理の変形例の手順を示すフローチャートである。また、図78に示すコマンド解析処理の変形例において、図64に示すコマンド解析処理と同一の処理を行うステップについては、同一の符号(ステップ数)を記載することによって、その説明を省略するものとする。
S243の処理(サブ抽選処理)後、ステップS390において、サブCPU581は、デモ画面を液晶表示装置505に表示させるためのデモ移行制御処理を行う。なお、デモ移行制御処理の詳細については、後述の図79及び図80を参照しながら、後で説明する。
S390の処理後、サブCPU581は、デモ移行制御処理を終了し、処理を演出パターン選択の処理(S245)に移す。
このように、デモ移行制御処理の変形例においては、デモ画面を液晶表示装置505に表示させるための処理を、主として主制御回路571(メインCPU531)ではなく副制御回路572(サブCPU581)が行う。
[デモ移行制御処理の第一変形例]
以下では、図79を参照して、デモ移行制御処理の第一変形例について説明する。なお、図79は、本実施形態において、デモ移行制御処理の第一変形例の手順を示すフローチャートである。
S391において、サブCPU581は、主制御回路571から無操作コマンドを受信したか否かを判別する。なお、無操作コマンドは、所定の条件を満たした場合(より詳細には、主制御回路571において通信データ格納領域に未送信データがない場合)に、通信データ送信処理(図60)におけるS546の処理に応じて主制御回路571から送信される。
S391において、サブCPU581が、無操作コマンドを受信したと判別した場合(S391がYES判定の場合)、サブCPU581は、メダル投入口522にメダルが投入可能(メダル投入可能)であるか否かを判別する(S392)。S392において、サブCPU581が、メダル投入口522にメダルが投入可能であると判別した場合(S392がYES判定の場合)、サブCPU581は、S393の処理を行う。なお、メダルは、例えばリール503L,503C,503Rが回転中である場合(すなわち、パチスロ遊技機501で遊技が行われている場合)に、投入不可能であると判断される。
S393において、サブCPU581は、デモ表示フラグの値が「0」であるか否かを判別する(S393)。なお、デモ表示フラグは、デモ画面を液晶表示装置505に表示させる設定が行われているか否かを示すフラグである。
S393において、サブCPU581が、デモ表示フラグの値が「0」であると判別した場合(S393がYES判定の場合)、すなわちデモ画面を液晶表示装置505に表示させる設定が行われていない場合、サブCPU581は、S394の処理を行う。
S394において、サブCPU581は、経過カウンタを用いて、デモ移行カウンタを更新する。ここで、経過カウンタ及びデモ移行カウンタは、所定の計時を行うものである。具体的には、経過カウンタは、無操作コマンドの前回の受信時から今回の受信時までの時間を計時するものである。経過カウンタは、(後述するS395の処理でクリアされた後)カウンタ値が0からカウントが開始される。経過カウンタのカウンタ値は、1ms経過する毎に1づつ加算される。また、デモ移行カウンタは、経過カウンタのカウンタ値を加算していくものである。すなわち、デモ移行カウンタは、一旦クリアされた後(後述するS402参照)、最初の無操作コマンドの受信開始からの経過時間を計時するものである。
例えば、無操作コマンドの前回の受信時から今回の受信時までの時間が、16msである場合、経過カウンタのカウンタ値は16となる。この場合、S394において、サブCPU581は、前記カウンタ値の16を現在のデモ移行カウンタのカウンタ値に加算することにより、デモ移行カウンタを更新する。こうして、更新されたデモ移行カウンタによって、無操作コマンドの受信開始からの経過時間を取得可能となる。
S394の処理後、サブCPU581は、経過カウンタをクリアする(S395)。すなわち、サブCPU581は、経過カウンタのカウンタ値を0とする。S395の処理後、サブCPU581は、経過カウンタのカウントを開始する(S396)。すなわち、サブCPU581は、次回の無操作コマンドの受信時までの時間を計時する。
S397において、サブCPU581は、S394の処理(デモ移行カウンタの更新)によって、デモ移行カウンタのカウンタ値が180000(すなわち、180秒)よりも大きくなったか否かを判別する。S397において、サブCPU581は、デモ移行カウンタのカウンタ値が180000よりも大きくなったと判別した場合(S397がYES判定の場合)、S398の処理を行う。
S398において、サブCPU581は、デモ表示フラグを「1」とする。このように、本実施形態においては、サブCPU581は、無操作コマンドの受信開始から180sが経過すると、デモ画面を液晶表示装置505に表示させる設定を行う。
S398の処理後、又は、S393において、サブCPU581が、デモ表示フラグの値が「0」でないと判別した場合(S393がNO判定の場合)、サブCPU581は、エラー状態中であるか否かを判別する(S399)。なお、エラー状態とは、通常状態とは異なる状態であり、例えばパチスロ遊技機501の遊技の進行が不可能である状態をいう。また、エラー状態には、遊技進行が可能であっても液晶表示装置505などでエラーの報知を行う場合も含まれる。S399において、サブCPU581は、エラー状態中でないと判別した場合(S399がNO判定の場合)、S400の処理を行う。
S400において、サブCPU581は、デモ画面を表示させる条件を満たしたと判断し、デモ画面を液晶表示装置505に表示させる処理(デモ表示用の処理)を行う。すなわち、S400の処理後、液晶表示装置505にデモ画面の表示が開始される。S400の処理後、サブCPU581は、デモ移行制御処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図78)の演出パターン選択の処理(S245)に移す。
一方、S391において、サブCPU581が、無操作コマンドを受信していないと判別した場合(S391がNO判定の場合)、又は、S397において、サブCPU581がデモ移行カウンタのカウンタ値が180000よりも大きくなっていないと判別した場合(S397がNO判定の場合)、又は、S399において、サブCPU581は、エラー状態中であると判別した場合(S399がYES判定の場合)、サブCPU581は、いずれの場合であってもデモ画面を表示させる条件を満たしていないと判断する。このような場合、サブCPU581は、デモ表示用の処理(S400)を行わないままデモ移行制御処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図78)の演出パターン選択の処理(S245)に移す。なお、上記実施例では、デモ移行カウンタのカウンタ値が180000(180秒分のカウント)とは、1ms単位に換算した場合であり、例えばカウンタが4msに1回更新されるものであれば、当該カウンタ値は45000である。
また、S392において、サブCPU581が、メダル投入口522にメダルが投入可能であると判別した場合(S392がNO判定の場合)、サブCPU581は、S401の処理を行う。S401において、サブCPU581は、エラー状態中であるか否かを判別する。
S401において、サブCPU581は、エラー状態中でないと判別した場合(S401がNO判定の場合)、S402の処理を行う。なお、S401がNO判定の場合とは、メダル投入口522にメダルが投入不可能であると判別した場合、且つエラー状態中でないと判別した場合である。すなわち、このような場合、メダルが投入可能な状態となったのは、エラー状態中のためではなく、リール503L,503C,503Rが回転中のためであると推定できる。換言すれば、このような場合、パチスロ遊技機501の遊技が開始されているため、例えば無操作コマンドが受信されていた場合やデモ表示フラグが「1」である場合に、経過カウンタ及びデモ移行カウンタをクリアし、デモ表示フラグを「0」とする必要がある。
こうして、S401において、サブCPU581は、エラー状態中でないと判別した場合(S401がNO判定の場合)、S402において、デモ移行カウンタをクリアし、S403において、経過カウンタをクリアし、S404において、デモ表示フラグを「0」とする。S404の処理後、サブCPU581は、デモ移行制御処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図78)の演出パターン選択の処理(S245)に移す。
一方、S401において、サブCPU581は、エラー状態中であると判別した場合(S401がYES判定の場合)、S393の処理を行う。なお、S401がYES判定の場合とは、メダル投入口522にメダルが投入不可能であると判別した場合、且つエラー状態中であると判別した場合である。このような場合、メダルが投入不可能な状態となったのは、リール503L,503C,503Rが回転中のためではなく、エラー状態中のためであると推定できる。したがって、このような場合、パチスロ遊技機501の遊技が開始されていないため、デモ画面を表示させるための各種のカウント(経過カウンタ及びデモ移行カウンタのカウント)を経過させる。こうして、無操作コマンドを受信したと判別した場合(S391がYES判定の場合)には、メダルが投入可能であればエラー状態中であっても各種のカウントを継続し、デモ画面を表示させる条件を満たした場合にはエラー状態が解消された直後にデモ画面を表示させることができる。
また、S392において、上述したように、サブCPU581は、エラー状態中であっても、メダル投入口522にメダルが投入可能であると判別した場合(S392がYES判定の場合)、S393の処理を行う。このような場合においても、サブCPU581は、各種のカウントを継続する。すなわち、サブCPU581は、パチスロ遊技機501の遊技が開始されていなければ、エラー状態中であっても各種のカウントを継続し、エラー状態が解消されてデモ画面を表示させる条件を満たすと、当該エラー状態が解消された直後にデモ画面を表示させることができる。
[デモ移行制御処理の第二変形例]
以下では、図80を参照して、デモ移行制御処理の第二変形例について説明する。なお、図80は、本実施形態において、デモ移行制御処理の第二変形例の手順を示すフローチャートである。また、図80に示すデモ移行制御処理の第二変形例において、図79に示すデモ移行制御処理の第一変形例と同一の処理を行うステップについては、同一の符号(ステップ数)を記載することによって、その説明を省略するものとする。
また、デモ移行制御処理の第二変形例において、第一変形例と大きく異なる点は、副制御回路572が図示せぬRTC(Real Time Clock)を備え、デモ移行制御処理に当該RTCを用いる点である。
S393において、サブCPU581が、デモ表示フラグの値が「0」であると判別した場合(S393がYES判定の場合)、すなわちデモ画面を液晶表示装置505に表示させる設定が行われていない場合、サブCPU581は、S501の処理を行う。
S501において、サブCPU581は、RTCの現在時刻をデモ移行開始時刻として記憶する。なお、本実施形態においては、RTCは、(計時を行っていない状態で)無操作コマンドを受信すると計時を開始する。このように、RTCが計時を開始した時刻、すなわち(計時を行っていない状態で)無操作コマンドを受信した時刻を、デモ移行開始時刻と称する。したがって、RTCは、計時を行っている状態で無操作コマンドを受信した場合には、その受信した時刻を記憶しない。また、デモ移行開始時刻から開始された計時(経過時間)は、S392がYES判定(メダルが投入可能である場合)、且つS393がYES判定の場合か、又は、S392がNO判定、且つS401がYES判定、且つS393がYES判定の場合に継続して行われる。なお、デモ移行開始時刻からの経過時間は、本発明に係る投入可能時間の一例である。
S501の処理後、サブCPU581は、デモ移行開始時刻から180秒経過したか否かを判別する(S502)。S502において、サブCPU581は、デモ移行開始時刻から180秒経過したと判別した場合(S502がYES判定の場合)、S398の処理を行う。一方、S502において、サブCPU581は、デモ移行開始時刻から180秒経過していないと判別した場合(S502がNO判定の場合)、デモ画面を表示させる条件を満たしていないと判断する。このような場合、サブCPU581は、デモ表示用の処理(S400)を行わないままデモ移行制御処理を終了し、処理をコマンド解析処理(図78)の演出パターン選択の処理(S245)に移す。
また、S401において、サブCPU581は、エラー状態中でないと判別した場合(S401がNO判定の場合)、S503の処理を行う。このような場合、パチスロ遊技機501の遊技が開始されているため、例えばデモ移行開始時刻が記憶されている場合やデモ表示フラグが「1」である場合に、デモ移行開始時刻を破棄し、デモ表示フラグを「0」とする必要がある。
こうして、S401において、サブCPU581は、エラー状態中でないと判別した場合(S401がNO判定の場合)、S503において、デモ移行開始時刻を破棄する。S401の処理後、サブCPU581は、S404の処理を行う。
このような、デモ移行制御処理の第二変形例においても、第一変形例と同様の効果が得られる。すなわち、無操作コマンドを受信したと判別した場合(S391がYES判定の場合)には、パチスロ遊技機501の遊技が開始されていなければ、エラー状態中であってもRTCの計時を継続し、エラー状態が解消されてデモ画面を表示させる条件を満たすと、当該エラー状態が解消された直後にデモ画面を表示させることができる。
ここで、特開2015−164622号公報及び特開2007−247号公報に記載の遊技機は、主制御回路と、演出制御回路と、スピーカやランプ等の演出手段と、を備える。主制御回路は、主に遊技性に関する制御や、遊技媒体の払出の制御を行う。演出制御回路は、主制御回路からのコマンドに基づいて遊技の演出内容を決定し、この決定した演出内容に基づいて演出手段の制御を行う。
このような特開2015−164622号公報に記載の遊技機において、演出制御回路は、デモ表示の実行に関する判断を行った主制御回路からデモコマンドを受信すると、いくつかの演出手段の駆動を終了させる省電力制御を行う。こうして、前記遊技機においては、デモ表示を実行する場合に必要となるデータ量を削減している。
また、特開2007−247号公報に記載の遊技機において、ランプ(LED)は、所定のデューティ比で制御が行われて点灯表示する。こうして、前記遊技機においては、LEDの光やスピーカのサウンドを用いて遊技の演出が行われる。
しかしながら、近年、遊技機においては、遊技性が向上するに伴って遊技性に関わる制御のデータ量が増加している。こうして、記憶容量が予め定められた環境下にある遊技機においては、さらなるデータ量の削減や各種データの整理を行わなければ遊技性の拡張を行うことができず、ひいては遊技性のさらなる向上を図ることができない。
また、近年、遊技機における演出は、上述した光やサウンド、さらには映像や役物の駆動など、様々な構成を用いて行われる。したがって、各構成が適切に制御されなければ、例えば各構成が適切なタイミングで動作せず、遊技者に違和感を与えてしまうため、遊技性のさらなる向上を図ることができない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされてものであり、遊技性の向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
具体的には、本発明の一実施形態(変形例1)に係る遊技機においては、
所定の始動条件が成立したことに応じて大当り判定(遊技に関する抽選)を行う主制御回路571を有する遊技機であって、
前記抽選の結果に応じた演出を制御する副制御回路572(演出制御手段)を備え、
前記副制御回路572(演出制御手段)は、所定間隔で前記主制御回路571(主制御手段)から受信する無操作コマンドからメダル(遊技媒体)が投入可能な状態であると判断すると、コマンド受信毎にデモ移行カウンタの更新を行い、当該カウンタの値が所定の値に達したと判断された場合であって、エラー状態にないと判断された場合にはデモ表示を行い、
前記カウンタの更新を行った結果、少なくとも前記デモ移行カウンタが所定の値に達していないと判断された場合であって、前記無操作コマンドからメダル(遊技媒体)が投入可能であり且つエラー状態であると判断された場合にも前記カウンタの更新を行うものである。
このような構成により、副制御回路572が主制御回路571から所定間隔で受信する無操作コマンドからメダルを投入可能であると判断した場合に、コマンドの受信間隔の計測を行い、コマンドの受信毎にメダルを投入可能であると判断した場合には受信間隔の計測に応じてデモ移行カウンタの更新を行い、カウンタの値が所定の値に到達したと判断された場合であってエラー状態でなければデモ表示を行うことができる。
こうして、デモ画面を表示させる制御を、主として主制御回路571ではなく副制御回路572で行うことができる。すなわち、主制御回路571においてデモ画面を表示するか否かの判断を行う必要がないため、主制御回路571において遊技性に関する記憶領域の使用を削減し、遊技性の拡張を行うことができる。また、遊技性の拡張に伴い、当該遊技性のさらなる向上を図ることができる。
また、副制御回路572は、遊技が開始されていなければ、エラー状態中であってもデモ移行カウンタのカウントを継続し、エラー状態が解消されてデモ画面を表示させる条件を満たすと、当該エラー状態が解消された直後にデモ画面を表示させることができる。
なお、本実施形態において、副制御回路572は、主制御回路571からの無操作コマンドの受信に応じてデモ移行制御処理を行っているが、無操作コマンドに限定されず、その他のコマンドの受信に応じてもよい。
また、本実施形態において、デモ移行制御処理は、パチスロ遊技機501で行われる例を説明したが、パチンコ遊技機1で行われてもよい。
また、遊技機においては、
所定の始動条件が成立したことに応じて大当り判定(遊技に関する抽選)を行う主制御回路571を有する遊技機であって、
前記抽選の結果に応じた演出を制御する副制御回路572(演出制御手段)と、
演出に応じて出力する音に関わる情報であるサウンドリクエスト(第1情報)を決定する副制御回路200(音情報決定手段)と、
前記サウンドリクエスト(第1情報)に応じて音の出力を行うスピーカ11(音出力手段)と、
演出に応じて出力する光に関わる情報であるランプリクエスト(第2情報)を決定する副制御回路200(光情報決定手段)と、
前記ランプリクエスト(第2情報)に応じて光の出力を行うLED281(光出力手段)と、
を備え、
前記副制御回路200(光情報決定手段)は、前記スピーカ11(音出力手段)から音の出力が行われているときに前記ランプリクエスト(第2情報)を決定するときは、出力されている音の前記サウンドリクエスト(第1情報)を参照し、当該サウンドリクエスト(第1情報)に応じて前記ランプリクエスト(第2情報)を決定し、前記ランプリクエスト(第2情報)を決定するときに設定されているマスターボリュームと出力されている音の前記サウンドリクエスト(第1情報)との比率を算出し、当該算出された比率を前記ランプリクエスト(第2情報)と乗ずることで前記LED281(光出力手段)から出力される光の輝度を決定するものである。
このような構成により、スピーカ11による音声再生動作の制御と同期させた状態でランプ制御処理を行う場合に、再生中のサウンドの音量に合わせてLED281の輝度を決定することができるため、例えば、サウンドの音量がフェードアウトするような演出においては、当該音量のフェードアウトと共に、LED281の光の輝度を変化させてフェードアウトすることができ、サウンドの音量に対してLED281の光をより自然に同期させることができる。すなわち、遊技機においては、遊技の演出に用いられる各構成を適切に制御すること(遊技性の向上を図ること)ができる。
また、このような構成により、マスターボリュームが遊技者によって調整された場合であっても、再生中のサウンドのボリューム情報に基づいてLEDデータ(輝度値)を決定することができ、LED281の光の輝度をサウンドの音量に合わすことができる。
また、遊技機においては、
所定の始動条件が成立したことに応じて大当り判定(遊技に関する抽選)を行う主制御回路571を有する遊技機であって、
前記抽選の結果に応じた演出を制御する副制御回路572(演出制御手段)を備え、
前記副制御回路572(演出制御手段)は、所定間隔で前記主制御回路571(主制御手段)から受信する無操作コマンドからメダル(遊技媒体)が投入可能な状態であると判断すると、投入可能な状態である投入可能時間を計測し、前記投入可能時間が所定時間(本実施形態においては、180秒)に達したときに、エラー状態にないと判断された場合にはデモ表示を行い、
前記投入可能時間が、少なくとも前記所定時間に達していないと判断された場合であって、前記無操作コマンドに応じてメダル(遊技媒体)が投入可能であり且つエラー状態であると判断された場合であっても前記投入可能時間を継続して計測するものである。
このような構成により、副制御回路572が主制御回路571から受信する無操作コマンドからメダルを投入可能であると判断した場合に、投入可能時間の計測を行い、投入可能時間が180秒に達したときにエラー状態でなければデモ表示を行うことができる。
こうして、デモ画面を表示させる制御を、主として主制御回路571ではなく副制御回路572で行うことができる。すなわち、主制御回路571においてデモ画面を表示するか否かの判断を行う必要がないため、主制御回路571において遊技性に関する記憶領域の使用を削減し、遊技性の拡張を行うことができる。また、遊技性の拡張に伴い、当該遊技性のさらなる向上を図ることができる。
また、副制御回路572は、少なくとも180秒に達していないと判断された場合であって、無操作コマンドに応じてメダルが投入可能であり且つエラー状態であると判断された場合であっても投入可能時間を継続して計測するため、エラー状態が解消されてデモ画面を表示させる条件を満たすと、当該エラー状態が解消された直後にデモ画面を表示させることができる。
[LEDデータの出力制御の変形例]
また、上記実施形態では、各ポートに1つのLED281が接続された構成、すなわち、LED281がスタティックLEDである例(スタティック出力制御の例)を説明したが、本発明はこれに限定されない。各ポートに複数のLEDが接続された構成、すなわち、LEDがダイナミック制御されるLED(以下、ダイナミックLEDと称す)であってもよい。
LEDデータの出力制御の変形例では、LEDがダイナミックLEDである場合の構成例(ダイナミック出力制御の構成例)を、図81を参照しながら説明する。なお、図81は、LEDデータのダイナミック出力制御の一例を示す例である。図81に示す例では、一つのポート1に3つのLED(赤色LED、青色LED及び緑色LED)が接続されている例を示す。また、この例では、LEDデータ内の、再生時間(点灯時間)を「12」(約48msec)とし、赤色成分の輝度データ、緑色成分の輝度データ及び青色成分の輝度データのそれぞれを「0xFE」とする例を説明する。すなわち、この例では、LEDデータのデータ型(フォーマット)と、上記実施形態のそれと同様にする(図47参照)。
上記データ型のLEDデータがLEDドライバに入力されると、LEDドライバは、制御部位の情報(LEDの種別情報を含む)を参照して、LEDデータの中から接続されたLEDの種別に対応する輝度データに対応する駆動信号をポート1を介してLEDに出力する。それゆえ、赤色LEDには、LEDデータ内の赤色の輝度データ「0xFE」のみが出力され、赤色LEDは、赤色の輝度データ「0xFE」に対応する輝度で約48msec間点灯する。また、青色LEDには、LEDデータ内の青色の輝度データ「0xFE」のみが出力され、青色LEDは、青色の輝度データ「0xFE」に対応する輝度で約48msec間点灯する。さらに、緑色LEDには、LEDデータ内の緑色の輝度データ「0xFE」のみが出力され、緑色LEDは、緑色の輝度データ「0xFE」に対応する輝度で約48msec間点灯する。なお、この場合、赤色LED、青色LED及び緑色LEDの3つのLEDにより白色点灯が行われる。また、この例では、LEDをダイナミック制御するので、点灯期間が48msecである場合、LEDドライバは、2msec間隔で赤色LED、緑色LED及び青色LEDをこの順に切り替えながら、輝度データ「0xFE」に対応する駆動信号を各LEDに出力し、この一連の駆動信号の切替動作が8回繰り替えされる。
上述のように、この例では、LEDデータのデータ型が上記実施形態のそれと同じになるので、上記実施形態のパチンコ遊技機1が備える全てのスタティックLEDをダイナミックLEDで置き換えてもよいし、一部のスタティックLEDをダイナミックLEDで置き換えてもよい。
この例では、上述のように、ダイナミックLEDに出力するLEDデータのデータ型(フォーマット)を上記実施形態におけるスタティックLEDのそれと同様にすることができる。この場合、LEDの出力制御手法が互いに異なる複数のLEDを同時に使用する場合であっても、同じデータ型のLEDデータを送信することができるので、LEDドライバが実行する出力制御の種別毎に、異なるデータ型のLEDデータを用意する必要がなくなる。また、この場合、LEDデータの作成処理及びLEDデータの出力処理を、LEDの出力制御の種別に関係なく、共通化することができる。それゆえ、LEDデータの出力制御手法が互いに異なる複数種のLEDを併用しても、チャンネルで使用されるLEDデータの合成(上書きや更新など)が容易となり、複雑なLED出力制御を容易に実行することができる。
さらに、この例及び上記実施形態では、LEDの出力制御の種別に関係なく、LEDデータのデータ型が同じであるので、LEDドライバで制御する制御部位のLEDの個数に関係なく、各LEDデータの合成処理が容易となり、より複雑なLED制御を実施することが可能となる。すなわち、この例では、LEDを用いた演出制御の選択肢を増やすことができ、より高度な演出制御を実現することができる。