[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図10を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。
図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。また、図8は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図10はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ機1の外枠2は、図9及び図10等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面右下隅に取付けられており遊技球を遊技盤5の遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット300と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面下部に取付けられている皿ユニット320と、皿ユニット320の中央に取付けられており遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて遊技者に参加型の演出を提示することが可能な演出操作ユニット400と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット530と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット550と、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも上側の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット570と、を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベース600の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット320における上皿321での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861及び満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音用の下部スピーカ921を有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
パチンコ機1の遊技盤5は、図9及び図10等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する外レール1001及び内レール1002を有した前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1100と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、上皿321に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドル302を回転操作すると、球発射装置680によってハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿321に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿321内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図11乃至図16を参照して説明する。図11はパチンコ機における外枠の正面図であり、図12は外枠の右側面図である。また、図13は外枠を前から見た斜視図であり、図14は外枠を後ろから見た斜視図である。図15は、外枠を分解して前から見た分解斜視図である。図16(a)は外枠における外枠側上ヒンジ部材の部位を、左枠部材を省略して下側から見た斜視図であり、(b)は(a)を分解して示す分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。
外枠2は、図示するように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。また、外枠2は、上枠部材10及び下枠部材20の左右両端面と、左枠部材30及び右枠部材40の左右方向の外側を向いた側面とが、同一面となるように組立てられている。
また、外枠2は、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、外枠側上ヒンジ部材60の下面に取付けられているロック部材66と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、幕板部材50の後側に取付けられていると共に両端が左枠部材30及び右枠部材40に夫々取付けられる幕板補強部材80と、幕板部材50の上面における左右中央から左寄りの位置に取付けられている平板状の左滑り部材81と、幕板部材50の上面における右端付近の位置に取付けられている平板状の右滑り部材82と、を備えている。幕板補強部材80は、中実の部材(例えば、木材、合板、等)によって形成されており、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40に、取付けられている。
更に、外枠2は、上枠部材10と左枠部材30、上枠部材10と右枠部材40、下枠部材20と左枠部材30、及び下枠部材20と右枠部材40を、夫々連結している連結部材85を備えている。また、外枠2は、右枠部材40の内側(左側面側)に取付けられており後述する施錠ユニット700の外枠用鉤703が係止される上鉤掛部材90及び下鉤掛部材91を、備えている。
[2−1.上枠部材]
外枠2の上枠部材10は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この上枠部材10は、左右両端における前後方向の中央に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部11を備えている。この係合切欠部11内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87が取付けられる。また、上枠部材10は、正面視左側端部の上面と前面に、一般面よりも窪んだ取付段部12を備えている。この取付段部12には、外枠側上ヒンジ部材60が取付けられる。
[2−2.下枠部材]
外枠2の下枠部材20は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この下枠部材20は、左右の長さ及び上下の厚さが、上枠部材10の左右の長さ及び上下の厚さと同じ寸法に形成されていると共に、前後の幅が、上枠部材10の前後の幅よりも長く形成されている。下枠部材20は、左右両端における前後方向の中央よりも後側寄りの位置に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部21を備えている。この係合切欠部21内には、連結部材85の後述する左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88が取付けられる。
また、下枠部材20は、左右両端の前面から後方へ窪んだ前端切欠部22を備えている。下枠部材20において、前端切欠部22の後端から下枠部材20の後面までの前後方向の幅が、上枠部材10の前後方向の幅と同じ寸法に形成されている。この下枠部材20は、外枠2に組立てた状態で、左右の前端切欠部22同士の間の部位が、幕板部材50内に挿入される。
[2−3.左枠部材及び右枠部材]
外枠2の左枠部材30及び右枠部材40は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金等の金属の押出形材によって形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、平面視において互いに対称の形状に形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、外枠2として組立てた時に、左右方向の外側となる側面において、前後方向中央に対して後寄りの位置から後端付近までの間に、内側へ窪んだ凹部31,41と、凹部31,41の反対側の側面から膨出しており内部が空洞に形成されている突出部32,42と、を備えている。この左枠部材30及び右枠部材40は、突出部32,42によって、強度・剛性が高められている。また、突出部32,42内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88が挿入されて取付けられる。
また、左枠部材30及び右枠部材40は、表面に上下に延びた複数の溝が形成されている。この複数の溝によって、パチンコ機1を遊技ホール等の島設備に設置したり運搬したりする等の際に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を持ち易くすることができると共に、パチンコ機1の外観の意匠性を高めることとができる。
[2−4.幕板部材]
外枠2の幕板部材50は、後側が開放された箱状に形成されている。幕板部材50は、上面における正面視左端付近に後方へ平板状に延出している後方延出部51と、後方延出部51の左端から遊技球が通過可能な大きさでU字状に切欠かれており上下に貫通している左排出孔52と、後方延出部51における左排出孔52の右側において遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している右排出孔53と、後方延出部51の後端を含む幕板部材50の上面の後端から上方へ平板状に延出している立壁部54と、立壁部54の上端付近から前方へ膨出しており前面が上方へ向かうに従って後方へ向かうように傾斜している返し部55と、を備えている。
幕板部材50は、後方延出部51の前側の上面と、後方延出部51の上面とに、外枠側下ヒンジ部材70が載置されるように、外枠側下ヒンジ部材70の後述する水平部71が取付けられる。また、幕板部材50の左排出孔52は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材70の後述する排出孔74と一致する位置に形成されている。また、右排出孔53は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材70よりも右側となる位置に形成されている。右排出孔53は、左排出孔52よりも大きく形成されている。
また、幕板部材50は、後方延出部51よりも右側の上面が、前端側が低くなるように傾斜している。また、幕板部材50は、上面における後方延出部51よりも右側の部位に左滑り部材81を取付けるための左取付部56と、上面における右端付近に右滑り部材82を取付けるための右取付部57と、を備えている。幕板部材50は、上面に、左滑り部材81及び右滑り部材82を介して本体枠4の下面が載置される。
この幕板部材50は、図示するように、前面に浅いレリーフ状の装飾が形成されている。また、幕板部材50は、図示は省略するが、箱状の内部が複数のリブによって格子状に仕切られており、強度・剛性が高められている。また、幕板部材50は、幕板補強部材80の前側半分を、内部に収容可能に形成されている。
[2−5.外枠側上ヒンジ部材]
外枠2の外枠側上ヒンジ部材60は、図示するように、水平に延びた平板状で外形が四角形の上固定部61と、上固定部61の前端から前方へ延出している平板状の前方延出部62と、前方延出部62の右端から前方へ向かうに従って前方延出部62の左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝63と、上固定部61の平面視左辺から下方へ延びている平板状の横固定部64と、前方延出部62の左端から前端を周って軸受溝63が開口している部位までの端辺から下方へ延びており横固定部64と連続している平板状の垂下部65と、を備えている(図16(b)等を参照)。
外枠側上ヒンジ部材60は、外枠2が組立てられた状態で、上固定部61が、上枠部材10の取付段部12の上面に載置されており、図示しないビスによって固定されている。
また、前方延出部62は、上枠部材10の前端よりも前方へ延出している。また、横固定部64は、左枠部材30の外側側面の凹部31内に上側から挿入された状態で、ビスによって左枠部材30に固定されている。
この外枠側上ヒンジ部材60は、軸受溝63内に本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入させることで、外枠側下ヒンジ部材70と協働して本体枠4を開閉可能に支持することができる。この外枠側上ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
[2−6.ロック部材]
外枠2のロック部材66は、図16に示すように、左右が所定幅で前後に延びている帯板状のロック本体66aと、ロック本体66aの後端から右方へ突出している操作部66bと、ロック本体66aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部66cと、ロック本体66aの後端付近で上下に貫通している取付孔66dと、を備えている。このロック部材66は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材66は、取付ビス67によって、外枠側上ヒンジ部材60における前方延出部62の下面に回動可能に取付けられる。
このロック部材66は、取付孔66dを通して、ロック本体66aの後端が、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62における軸受溝63よりも後側の位置に取付けられる。
また、ロック部材66を外枠側上ヒンジ部材60に取付けた状態では、ロック本体66aが、平面視で軸受溝63を遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠側上ヒンジ部材60の垂下部65における軸受溝63の開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている(図18を参照)。
また、ロック本体66aの後端から左方へ延びている弾性部66cの先端は、外枠側上ヒンジ部材60における垂下部65の内周面に当接している。このロック部材66は、弾性部66cの付勢力によって取付孔66dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材66のロック本体66aの前端付近の右側面が、垂下部65に当接している(図18を参照)。この状態では、軸受溝63におけるロック本体66aよりも前側の部位に、本体枠側上ヒンジ部材620の後述する本体枠上ヒンジピン622を収容可能な空間が形成される。
このロック部材66は、操作部66bを操作することで、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aを回動させることができる。そして、操作部66bの操作によって、ロック本体66aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝63からロック本体66aを後退させることができ、軸受溝63が全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入したり、軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を外したりすることができる。
[2−7.外枠側下ヒンジ部材]
外枠2の外枠側下ヒンジ部材70は、図示するように、水平に延びている平板状の水平部71と、水平部71の左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上り部72と、水平部71の前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン73と、水平部71を上下に貫通しており遊技球が一つのみ通過可能な大きさの排出孔74と、を備えている。この外枠側下ヒンジ部材70は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン73は、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン73は、水平部71の前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔74は、水平部71において、立上り部72の前後方向中央の部位と接し、水平部71の左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔74は、幕板部材50の左排出孔52と、略同じ大きさに形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70は、外枠2が組立てられた状態では、水平部71が、幕板部材50の左端付近の上面と後方延出部51上に載置されており、水平部71が、幕板部材50の上面を貫通する図示しないビスによって幕板補強部材80に固定されている。また、外枠2が組立てられた状態では、立上り部72が、左枠部材30の内側側面における突出部32よりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠側下ヒンジ部材70は、外枠下ヒンジピン73を、本体枠4の本体枠側下ヒンジ部材640における本体枠用下ヒンジ孔(図示は省略)に挿通させることで、外枠側上ヒンジ部材60と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2が組立てられた状態では、排出孔74が、幕板部材50の左排出孔52と一致している。これにより、水平部71上の遊技球を、排出孔74及び左排出孔52を通して、幕板部材50の後側へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球が、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔74から排出させることができる。この際に、排出孔74が、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球を、排出孔74から排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位に遊技球が留まり難くすることができる。
[2−8.連結部材]
外枠2の連結部材85は、上枠部材10と左枠部材30とを連結する左上連結部材85Aと、上枠部材10と右枠部材40とを連結する右上連結部材85Bと、下枠部材20と左枠部材30とを連結する左下連結部材85Cと、下枠部材20と右枠部材40とを連結する右下連結部材85Dと、がある。
連結部材85は、水平に延びた平板状の水平固定部86と、水平固定部86の左右側辺の何れか一方から上方へ延出している平板状の上横固定部87と、水平固定部86における上横固定部87が延出している部位と同じ側から下方へ延出している平板状の下横固定部88と、を備えている。この連結部材85は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、水平固定部86の前後方向の中央から上横固定部87が上方へ延出していると共に、上横固定部87の前後両側から下横固定部88が下方へ延出している。つまり、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、下横固定部88が前後に離間して二つ備えられている。左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの水平固定部86は、上枠部材10の下面に当接した状態で上枠部材10に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87は、上枠部材10の係合切欠部21内に挿入されて、上枠部材10の左右方向の端部に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの前側の下横固定部88は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に夫々固定される。
更に、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42内に挿入されて外側側面から捩じ込まれるビスにより左枠部材30及び右枠部材40に夫々固定される。
左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端が、水平固定部86の後端よりも後方へ突出していると共に、上横固定部87の水平固定部86よりも後方へ突出している部位の下端から下横固定部88が水平固定部86よりも下方へ延出している。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端から水平固定部86と同じ側へ突出している屈曲部89を更に備えている。左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの水平固定部86は、下枠部材20の上面に当接した状態で固定される。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの上横固定部87は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に夫々固定される。更に、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88は、下枠部材20の係合切欠部21内に挿入されて下枠部材20の左右方向の端部面に夫々固定される。
[2−9.外枠側上ヒンジ部材のロック機構]
次に、本実施形態のパチンコ機1の外枠2において、外枠側上ヒンジ部材60におけるロック部材66による本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620に対するロック機構について、図17及び図18を参照して説明する。図17(a)は外枠の外枠側上ヒンジ部材に対して本体枠の本体枠側上ヒンジ部材が取外されている状態を拡大して示す斜視図であり、(b)は外側上ヒンジ部材に本体側上ヒンジ部材が取付けられている状態を拡大して示す斜視図である。図18は、外枠におけるロック部材の作用を示す説明図である。
外枠2におけるロック部材66は、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62に取付けた状態(通常の状態)では、弾性部66cの先端が垂下部65の内周面と当接しており、ロック本体66aがく字状に屈曲した軸受溝63の一部を閉塞するようになっていると共に、ロック本体66aの先端部分が、軸受溝63の最深部分を閉塞した状態とはならず、軸受溝63の最深部分に本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本実施形態における外枠側上ヒンジ部材60とロック部材66とを用いた本体枠上ヒンジピン622の支持機構は、本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の最深部分に挿入されてロック本体66aの前端の右側面が、右側の垂下部65と接近している状態(この状態ではロック本体66aの前端の右側面と右側の垂下部65との間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲している軸受溝63の最深部分に位置する本体枠上ヒンジピン622とロック本体66aの前端面との夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。
そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠4を軸支している本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の前端部分に当接した状態となっているので、本体枠上ヒンジピン622からロック本体66aの前端面への負荷がほとんどかかっていない。つまり、ロック部材66の弾性部66cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ロック本体66aの前端面が円弧状に形成されているため、ロック部材66を回動させるために操作部66bを回動操作した時に、ロック部材66がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、ロック本体66aの前端面の円弧中心が、取付孔66dの中心(ロック部材66の回転中心)とされている。
従って、本体枠上ヒンジピン622がく字状に形成された軸受溝63の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって、ロック本体66aの円弧状の前端面に当接したとき、その作用力Fを、本体枠上ヒンジピン622と円弧状の前端面との当接部分に作用する分力F1(ロック本体66aの前端面の円弧の法線方向)と、本体枠上ヒンジピン622と軸受溝63の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向が取付孔66d(取付ビス67)の中心(ロック部材66の回転中心)を向くため、ロック部材66のロック本体66aの前端が、右側の垂下部65から離れる方向に回転させるモーメントが働かず、本体枠上ヒンジピン622がロック部材66のロック本体66aの前端部と軸受溝63の一側内面との間に挟持された状態が保持される。
このため、通常の軸支状態、或は、本体枠上ヒンジピン622の作用力がロック部材66にかかった状態でも、ロック部材66の弾性部66cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性部66cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って本体枠上ヒンジピン622の軸受溝63からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材66のロック本体66aの前端部が右方へ移動する方向へ回転させられても、ロック本体66aの前端右側面が垂下部65に当接してそれ以上回転しないので、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ないようになっている。
なお、ロック本体66aの前端面の形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材66をその前端部が前方延出部62の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材66の回転中心(取付ビス67により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材66の弾性部66cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材66が回転してもロック本体66aの前端の右側面が垂下部65に当接するだけであるため、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ることもない。
外枠側上ヒンジ部材60の軸受溝63に、本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を支持させる場合は、軸受溝63の開放されている側から軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入する。軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入すると、ロック部材66のロック本体66aの右側面に本体枠上ヒンジピン622が当接し、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66が取付ビス67を中心に回動する。これにより、軸受溝63を閉鎖していたロック本体66aが後退して軸受溝63が開放され、軸受溝63の最深部(前端)へ本体枠上ヒンジピン622を移動させることができるようになる。
そして、軸受溝63の最深部に本体枠上ヒンジピン622を移動させると、本体枠上ヒンジピン622とロック部材66のロック本体66aとの当接が解除され、弾性部66cの付勢力によってロック本体66aの前端が右方へ移動するようにロック部材66が回動し、ロック部材66が通常の状態に復帰する。これにより、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63内におけるロック本体66aの前端よりも前側の空間に収容された状態となり、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63の最深部において回動可能な状態で保持(ロック)された状態となる。
軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を取外す場合は、ロック部材66の操作部66bを操作して、ロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66を回動させ、弾性部66cの付勢力に抗して軸受溝63からロック本体66aを後退させる。
これにより、軸受溝63の最深部と開口部とが連通した状態となり、軸受溝63から本体枠上ヒンジピン622を取外すことができる。
[2−10.外枠側下ヒンジ部材の部位における防犯機構と球噛み防止機構]
本実施形態のパチンコ機1における外枠2の外枠側下ヒンジ部材70の部位における防犯機構と外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを防止するための球噛み防止機構について説明する。
外枠2は、組立てた状態では、幕板部材50の上面における正面視左端部に外枠側下ヒンジ部材70が取付けられている。外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、幕板部材50の上面の左端付近と後方延出部51の上面とに載置された状態で取付けられている。この幕板部材50には、上面の後端から上方へ立上っている立壁部54を備えている。これにより、外枠側下ヒンジ部材70と本体枠側下ヒンジ部材640との間の隙間を通して、本体枠4(パチンコ機1)の後側へピアノ線等の不正な工具を侵入させようとしても、不正な工具の先端が幕板部材50の上面の後端から上方へ延出している立壁部54に当接するため、不正な工具がこれ以上後側へ挿入されるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを防止することができる。
また、立壁部54の上端に、前方へ延出している返し部55を備えているため、立壁部54に当接した不正な工具が上方へ曲がった場合、返し部55によって不正な工具の先端を更に前方へ折返させることができるため、本体枠4の後側に不正な工具が侵入させられるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを確実に阻止することができる。
ところで、幕板部材50の上面の後端に上方へ延出している立壁部54を備えるようにした場合、外枠2に対して本体枠4を開いている状態で、遊技球が外枠側下ヒンジ部材70(水平部71)上に落下した場合、水平部71上の遊技球が、立壁部54の存在によって水平部71の後端から後方へ排出されないため、外枠2と本体枠4との間に挟まれてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71と、幕板部材50の後方延出部51とに、遊技球が通過可能な排出孔74、左排出孔52、及び右排出孔53を備えているため、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71上の遊技球を、排出孔74等から下方へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを低減させることができる。
従って、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれることで、外枠側下ヒンジ部材70の周りが破損したり、本体枠4が正常な状態で閉まらずに外枠2と本体枠4との間に隙間ができてしまい、その隙間を使って不正行為が行われてしまったりするのを防止することができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、図19乃至図30を参照して説明する。図19はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図20は扉枠の右側面図であり、図21は扉枠の左側面図であり、図22は扉枠の背面図である。図23は扉枠を右前から見た斜視図であり、図24は扉枠を左前から見た斜視図であり、図25は扉枠を後ろから見た斜視図である。図26は図19におけるA−A線で切断した断面図であり、図27は図19におけるB−B線で切断した断面図であり、図28は図19におけるC−C線で切断した断面図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、図29及び図30等に示すように、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット300と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット320と、皿ユニット320の中央に取付けられている演出操作ユニット400と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット530と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット550と、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット570と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、詳細は後述するが、正面視の外形が上下に延びた長方形(四角形)で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット190と、ガラスユニット190の後面下部を覆う防犯カバー200と、扉枠ベース110の後面に扉枠ベース110を貫通して前方に突出するように取付けられ開閉可能とされている扉枠3と本体枠4、及び本体枠4と外枠2との間を施錠するための開閉シリンダユニット210と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ遊技球を球発射装置680に送るための球送りユニット250と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ球発射装置680により発射されて遊技領域5a内に到達しなかった遊技球を受けて下皿322へ排出させるファールカバーユニット270と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット300は、詳細は後述するが、回転可能なハンドル302を遊技者が回転操作することで、上皿321内に貯留されている遊技球を、ハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
扉枠3の皿ユニット320は、詳細は後述するが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面において貫通口111の下側の部位に取付けられ、前面が前方へ膨出していると共に、左右方向中央の前端に演出操作ユニット400が取付けられる。皿ユニット320は、遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿321と、上皿321の下側に配置されており上皿321やファールカバーユニット270から供給される遊技球を貯留可能な下皿322と、上皿321に貯留されている遊技球を下皿322へ抜くための上皿球抜きボタン327と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残金の範囲内で遊技者に遊技球を貸し出すための球貸ボタン328と、球貸機から貸出された遊技球の分を差し引いた現金やプリペイドカードを返却させるための返却ボタン329と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数等を表示する球貸返却表示部330と、演出提示時に遊技者の操作が受付可能とされている演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332と、下皿322内の遊技球を皿ユニット320の下方へ排出するための下皿球抜きボタン333と、を備えている。
扉枠3の演出操作ユニット400は、皿ユニット320の正面視左右方向中央の前部に取付けられるものであり、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。この演出操作ユニット400は、詳細は後述するが、遊技者が操作可能な大型の操作ボタン410と、操作ボタン410内に遊技者側から視認可能に配置され演出画像を表示可能な扉枠側演出表示装置460と、を備えている。
扉枠3の扉枠左サイドユニット530は、詳細な内容は後述するが、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の左外側を装飾するものである。扉枠左サイドユニット530は、発光装飾可能な左ユニット装飾レンズ部材(図示は省略)を備えている。
扉枠3の扉枠右サイドユニット550は、詳細な内容は後述するが、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の右外側を装飾するものである。この扉枠右サイドユニット550は、扉枠左サイドユニット530よりも前方へ大きく突出しており、左右両面側に備えられている右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557と、前端に備えられている右ユニット装飾レンズ部材561と、を備えている。扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左装飾部材554、右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561を発光装飾させることができる。
扉枠3の扉枠トップユニット570は、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側に取付けられ、扉枠3の上部を装飾するものである。扉枠トップユニット570は、詳細な内容は後述するが、左右に離間した一対の上部スピーカ573と、前面中央で前方へ突出しているトップ中装飾部材576と、トップ中装飾部材576の左右両側を装飾しているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580と、を備えている。扉枠トップユニット570は、トップ中装飾部材576、トップ左装飾レンズ部材579、及びトップ右装飾レンズ部材580を発光装飾させることができる。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠における扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4の前面を閉鎖するように本体枠4に対して開閉可能(ヒンジ回転可能)に取付けられるものである。扉枠ベースユニット100は、前面下隅にハンドルユニット300が、貫通口111の下側前面に演出操作ユニット400が取付けられる皿ユニット320が、貫通口111の左外側前面に扉枠左サイドユニット530が、貫通口111の右外側前面に扉枠右サイドユニット550が、貫通口111の上外側前面に扉枠トップユニット570が、夫々取付けられるものである。
扉枠ベースユニット100は、図32及び図33に等に示すように、正面視の外形が上下に延びた長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており扉枠ベース110から前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視左側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板160と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット190を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材170と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット300を取付けるための筒状のハンドル取付部材180と、扉枠ベース110の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット190と、ガラスユニット190の後面下部を覆う防犯カバー200と、扉枠ベース110の後面に扉枠ベース110を貫通して前方に突出するように取付けられる開閉シリンダユニット210と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられる球送りユニット250と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられるファールカバーユニット270と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、図示は省略するが、扉枠3に備えられている各種の装飾基板、球送ソレノイド255、ハンドル回転検知センサ307、ハンドルタッチセンサ310、単発ボタン操作センサ312、球貸ボタン328、返却ボタン329、球貸返却表示部330、演出選択左ボタン331、演出選択右ボタン332、振動モータ424、押圧検知センサ440、扉枠側演出表示装置460(液晶表示装置461)、上部スピーカ573、等と、本体枠4における基板ユニット900の扉枠用中継基板911との接続を中継するための扉本体中継基板を備えている。
[3−1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース110は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース110は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された貫通口111を備えている。貫通口111は、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース110の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース110の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。従って、扉枠ベース110は、前後に貫通している貫通口111により全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース110は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース110は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面112と、ハンドル取付座面112と貫通口111との間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、開閉シリンダユニット210のシリンダ取付板金213が取付けられるシリンダ取付部113と、シリンダ取付部113において前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通孔114と、シリンダ挿通孔114及びハンドル取付座面112の正面視左側で前後に貫通しており球送りユニット250の進入口251a及び球抜口251bを前方に臨ませるための球送り開口115と、を備えている。
また、扉枠ベース110は、扉枠ベース110の左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面112と略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット270の球放出口276を前方に臨ませる下皿用通過口116と、扉枠ベース110の正面視左端付近で貫通口111の下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット270の貫通球通路273を前方に臨ませる上皿用通過口117と、貫通口111の内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット190のガラス枠191が挿入されるガラスユニット取付部118と、扉枠ベース110の左右両上隅において前後に貫通しており扉枠トップユニット570の上部スピーカ573の後端が挿通されるスピーカ挿通口119と、を備えている。
[3−1b.補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の補強ユニット130について、図31及び図33等を参照して詳細に説明する。補強ユニット130は、扉枠ベース110の後側に取付けられることで扉枠ベース110を補強して、扉枠ベース110(扉枠3)の強度剛性を高めている。補強ユニット130は、扉枠ベース110の後面における上辺に沿って取付けられる左右に延びた上補強板金131と、扉枠ベース110の後面における貫通口111の下側に取付けられる左右に延びた中補強板金132と、扉枠ベース110の後面における正面視左辺に沿って取付けられる上下に延びた左補強板金133と、扉枠ベース110の後面における正面視右辺に沿って取付けられる上下に延びた右補強板金134と、右補強板金134の後面に取付けられており施錠ユニット700の扉枠用鉤702が係止される施錠係止部135と、を備えている。
補強ユニット130は、上補強板金131の左右両端が左補強板金133及び右補強板金134の夫々の上端にビスによって連結固定されており、中補強板金132の左端が左補強板金133にビスによって連結固定されている。中補強板金132の右端は、後述する開閉シリンダユニット210のシリンダ取付板金213を介して右補強板金134に連結固定されている。従って、補強ユニット130は、上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、及び右補強板金134等によって、枠状に形成されている。
補強ユニット130の上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、右補強板金134、及び施錠係止部135は、夫々金属板を適宜屈曲させて形成されている。
中補強板金132は、扉枠ベース110の上皿用通過口117と対応する位置に、前後に貫通した切欠部132aが形成されている。
補強ユニット130は、詳細な図示は省略するが、各上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、及び右補強板金134において、夫々前後方向に屈曲された部位を有しており、その部位によって、強度剛性が高められていると共に、外部からのピアノ線やマイナスドライバー等の不正な工具の侵入を防止している。
[3−1c.扉枠側上ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠側上ヒンジ部材140について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠ベース110に取付けられ上下に離間している一対の突出片141aを有した扉枠上ヒンジ軸ブラケット141と、扉枠上ヒンジ軸ブラケット141の一対の突出片141aを貫通しており、上端が本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に挿入される円柱状の扉枠上ヒンジピン142と、扉枠上ヒンジピン142における一対の突出片141aの間の位置に取付けられている円盤状の鍔部材143と、鍔部材143と一対の突出片141aのうちの下側の突出片141aとの間に介装されていると共に扉枠上ヒンジピン142が挿通されており、扉枠上ヒンジピン142を上方へ付勢しているロックバネ144と、を備えている。
扉枠上ヒンジ軸ブラケット141は、図示は省略するが一対の突出片141aの後端同士を連結している平板状の取付片を有しており、側面視の形状が前方へ開放されたコ字状に形成されている。扉枠上ヒンジ軸ブラケット141は、一対の突出片141a同士を連結している取付片が、ビスによって扉枠ベース110の後面に取付けられている。
扉枠上ヒンジピン142は、上側の突出片141aよりも上方に突出している部位(上端)が、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に対して回転可能に挿入される。また、扉枠上ヒンジピン142は、図示は省略するが、下側の突出片141aよりも下方に突出している部位が水平方向に屈曲している。この屈曲している部位が下側の突出片141aの下面に当接することで、扉枠上ヒンジピン142の上方への移動を規制している。
鍔部材143は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン142の外周に形成されている溝内に挿入保持されている。ロックバネ144は、扉枠上ヒンジピン142を挿通可能なコイルスプリングとされており、上端が鍔部材143に当接していると共に、下端が下側の突出片141aに当接している。このロックバネ144は、鍔部材143と下側の突出片141aとの間に、圧縮された状態で介装されており、鍔部材143を介して扉枠上ヒンジピン142を上方へ付勢している。
扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142がロックバネ144により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン142における下端の水平に屈曲している部位が下側の突出片141aの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン142の上端が、上側の突出片141aの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142における下端の水平に屈曲している部位を作業者が持って、ロックバネ144の付勢力に抗してその部位を下方へ引っ張ると、扉枠上ヒンジピン142を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン142の上端を、上側の突出片141aの上面よりも下方へ没入させることができる。
従って、扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142の上端を、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠側上ヒンジ部材140の扉枠上ヒンジピン142の上端を、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142における扉枠上ヒンジ軸ブラケット141の一対の突出片141aにより支持されている部位が、後述する扉枠側下ヒンジ部材150の扉枠下ヒンジピン152と同軸上に支持されている。これにより、扉枠側上ヒンジ部材140と扉枠側下ヒンジ部材150とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1d.扉枠側下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠側下ヒンジ部材150について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。扉枠側下ヒンジ部材150は、扉枠ベース110に取付けられ前方に延出している平板状の延出片151aを有している扉枠下ヒンジ軸ブラケット151と、扉枠下ヒンジ軸ブラケットにおける延出片151aの前端部付近から下方に突出している円柱状の扉枠下ヒンジピン152(図21及び図22を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ軸ブラケット151は、水平に延びた平板状の延出片151aの後端から上方に延出した平板状の取付片(図示は省略)を有しており、側面視の全体形状が略L字状に形成されている。この扉枠下ヒンジ軸ブラケット151は、図示しない取付片がビスによって扉枠ベース110の後面に取付けられている。
扉枠下ヒンジピン152は、下端部が、下方へ向かうほど窄まる円錐台状に形成されている。この扉枠下ヒンジピン152は、後述する本体枠4における本体枠側下ヒンジ部材640の扉枠用ヒンジ孔644に、上方から回転可能に挿入される。扉枠下ヒンジピン152は、扉枠側上ヒンジ部材140の扉枠上ヒンジピン142と同軸上に配置されている。
この扉枠側下ヒンジ部材150は、扉枠下ヒンジピン152が本体枠側下ヒンジ部材640の扉枠用ヒンジ孔644に挿入されることで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1e.扉枠左サイド装飾基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠左サイド装飾基板160について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠ベース110の前面において、貫通口111の正面視左側に取付けられている。扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠ベース110における正面視左側のスピーカ挿通口119よりも下側の位置の高さから貫通口111の上下方向の中央付近の高さまで上下に延びている扉枠左サイド上装飾基板161と、扉枠左サイド上装飾基板161の下側の位置の高さから上皿用通過口117の下端と略同じ高さまで上下に延びている扉枠左サイド下装飾基板162と、を備えている。
扉枠左サイド装飾基板160の扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162は、夫々前面に、前方へ光を照射可能な複数のLED161a,162aを備えている。これらLED161a,162aは、フルカラーLEDとされている。
扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠3を組立てた状態で、後述する扉枠左サイドユニット530の後方に位置しており、前面に備えられた(実装された)複数のLED161a,162aを適宜発光させることで、扉枠左サイドユニット530の左ユニット装飾レンズ部材を発光装飾させることができる。
[3−1f.ガラスユニット取付部材]
扉枠ベースユニット100のガラスユニット取付部材170について、主に図31(b)等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット190を着脱可能に取付けるためのものである。ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部171と、基部171から回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部172と、を有している。
ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後面における一対のスピーカ挿通口119の下側で、ガラスユニット取付部118よりも外側の部位に、夫々回転可能に取付けられている。
ガラスユニット取付部材170は、突出部172が基部171から上方へ突出するように回転させた状態とすることで、背面視において扉枠ベース110のガラスユニット取付部118よりも突出部172が外側に位置した状態となり、扉枠ベース110のガラスユニット取付部118に対してガラスユニット190を挿入したり、ガラスユニット取付部118からガラスユニット190を取外したりすることができる。
ガラスユニット取付部材170は、ガラスユニット190を扉枠ベース110のガラスユニット取付部118に挿入させた状態で、突出部172が基部171から下方へ突出するように回転させると、突出部172がガラスユニット190の取付片191aの後側と当接し、ガラスユニット190上部の後方への移動を規制した状態となり、ガラスユニット190を扉枠ベース110に取付けることができる。
ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110に回転可能に取付けられる円盤状の基部171から突出部172が突出しているため、ガラスユニット取付部材170の重心位置が突出部172内に位置している。このことから、ガラスユニット取付部材170が自由に回転できる状態では、突出部172が基部171から下方へ突出した状態で安定することとなる。そして、ガラスユニット取付部材170では、突出部172が基部171から下方へ突出している回転位置の時に、突出部172によりガラスユニット190の後方への移動を規制させるようにしているため、ガラスユニット取付部材170に振動等が作用しても、突出部172が基部171から上方へ突出するように全体が回転することはなく、ガラスユニット190の後方への移動の規制が自然に解除されることはない。
なお、扉枠ベース110からガラスユニット190を取外す場合は、ガラスユニット取付部材170を、突出部172が基部171から上方へ突出するように回転させて、突出部172をガラスユニット190の取付片191aよりも外側へ移動させることで、ガラスユニット190の上部側を後方へ移動させることができるようになり、扉枠ベース110からガラスユニット190を取外すことができる。
[3−1g.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材180は、扉枠ベース110の前面にハンドルユニット300を取付けるためのものである。ハンドル取付部材180は、図32及び図33等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部181と、筒部181の後端から筒部181の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部182と、筒部181内に突出していると共に筒部181の軸方向全長に亘って延びており筒部181の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条183と、筒部181の外周面とフランジ部182の前面とを繋ぎ、筒部181の周方向に対して複数配置された補強リブ184と、を備えている。
ハンドル取付部材180は、フランジ部182の後面を、扉枠ベース110におけるハンドル取付座面112の前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面112に取付けられる。
筒部181は、内径がハンドルユニット300におけるハンドルベース301の基部301aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条183は、一つが筒部181内の上側に備えられており、残り二つが筒部181内の下側に備えられている。これら三つの突条183は、ハンドルベース301における三つの溝部301cと対応する位置に形成されている。従って、ハンドル取付部材180は、三つの突条183と、ハンドルベース301の三つの溝部301cとを一致させた状態でのみ、筒部181内にハンドルベース301の基部301aを挿入させることができ、扉枠ベース110に対してハンドルベース301(ハンドルユニット300)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材180は、フランジ部182の後面に対して、筒部181の軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース110の傾斜したハンドル取付座面112に取付けることで、筒部181の軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット300を同様に傾いた状態で扉枠ベース110に取付けることができる。
[3−1h.ガラスユニット]
扉枠ベースユニット100のガラスユニット190について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット190は、扉枠ベース110の貫通口111を、前方から後方が視認できるように閉鎖するものである。ガラスユニット190は、扉枠ベース110の貫通口111の内周形状よりも大きくガラスユニット取付部118に取付可能な枠状のガラス枠191と、ガラス枠191の枠内を閉鎖し外周がガラス枠191に取付けられている透明な二つのガラス板192と、を備えている。二つのガラス板192は、ガラス枠191の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図26等を参照)。
ガラス枠191は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片191aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片191bと、を有している。ガラス枠191の取付片191aは、ガラスユニット取付部材170の突出部172と当接可能とされている。係止片191bは、扉枠ベース110と補強ユニット130の中補強板金132との間の空間内に挿入可能とされている(図26を参照)。
このガラスユニット190は、扉枠ベース110の後側から、ガラス枠191の係止片191bを、扉枠ベース110と補強ユニット130の中補強板金132との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠191の前端を扉枠ベース110のガラスユニット取付部118の後面に当接させ、ガラスユニット取付部材170を回転させてガラスユニット取付部材170の突出部172をガラス枠191の取付片191aの後面と当接させることで、扉枠ベース110に取付けられる。
ガラスユニット190を扉枠ベース110から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット190は、扉枠ベース110に対して着脱可能となっている。
[3−1i.防犯カバー]
扉枠ベースユニット100の防犯カバー200について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。防犯カバー200は、ガラスユニット190の後面下部を覆うように扉枠ベース110の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー200は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部201と、本体部201の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片202と、左右に離間して配置され本体部201よりも前方に突出し、扉枠ベース110の後側に係止可能とされている一対の係止片203と、を備えている。
防犯カバー200の本体部201は、扉枠ベース110に取付けた状態で下端がガラスユニット190の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部201は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部201の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片202は、本体部201の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー200は、本体部201と後方突片202とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片202は、図33に示すように、本体部201の外周縁とは異なる本体部201の後面の一部からも後方に突出している。この本体部201の後面の一部から後方に突出している後方突片202は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片202は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球(球発射装置680により発射された遊技球)が、防犯カバー200の後方突片202に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球の打込みを阻害することはない。
一対の係止片203は、扉枠ベース110の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー200は、扉枠ベース110に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー200は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部201の前面がガラスユニット190の後面(ガラス枠191の後端)と当接し、本体部201の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片202が、後述する前構成部材1000の防犯凹部1008内に挿入された状態となる。また、防犯カバー200は、本体部201の下辺から後方に突出している後方突片202が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー200と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー200の後方突片202と前構成部材1000の防犯凹部1008とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー200と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片202や防犯凹部1008に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−1j.開閉シリンダユニット]
扉枠ベースユニット100の開閉シリンダユニット210について、主に図31乃至図33等を参照して説明する。開閉シリンダユニット210は、正面視において扉枠ベース110の右端付近で貫通口111とハンドル取付座面112との間の位置のシリンダ取付部113に後側から取付けられ、後述する施錠ユニット700と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉に使用されるものである。
開閉シリンダユニット210は、前面に鍵穴211aを有し前後に延びた円筒状のシリンダ錠211と、シリンダ錠211の後端に取付けられており鍵穴211aに挿入された鍵の回動操作を施錠ユニット700の鍵シリンダ710に伝達させる回転伝達部材212と、シリンダ錠211を扉枠ベース110(補強ユニット130)に取付けるシリンダ取付板金213と、を備えている。
シリンダ錠211は、対応する鍵(図示は省略)を鍵穴211aに差し込むことで、鍵を回転させることができるものであり、対応する鍵であれば、正面視において時計回り及び反時計回りの何れの方向へも所定角度回転させることができる。
回転伝達部材212は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部212aを有している。この回転伝達部材212は、本体枠4における施錠ユニット700の鍵シリンダ710が後方から挿入されるように形成されており、施錠ユニット700の鍵シリンダ710の突起が一対の切欠部212a内に挿入されることで、回転伝達部材212(シリンダ錠211の鍵穴211aに挿入された鍵)の回転を、施錠ユニット700の鍵シリンダ710に伝達させて鍵シリンダ710を回転させることができる。
シリンダ取付板金213は、一枚の金属板を屈曲させて形成されており、平面視の形状が前方へ突出している凸形状に形成されている。詳述すると、シリンダ取付板金213は、正面視において上下に延びた長方形で平板状の前板部213aと、前板部213aの左右両辺から後方へ平板状に延出している一対の側板部213bと、一対の側板部213bの夫々の後辺から互いに遠ざかる方向へ平板状に延出している一対の取付板部213cと、を備えている。シリンダ取付板金213の前板部213aは、上下方向略中央の位置で後方からシリンダ錠211が貫通し、前板部213aの後面にシリンダ錠211の後端が取付けられる。シリンダ取付板金213の一対の取付板部213cは、正面視左側の取付板部213cが補強ユニット130の中補強板金132の右端部に取付けられ、正面視右側の取付板部213cが補強ユニット130の右補強板金134に取付けられる。これにより、シリンダ取付板金213によって、補強ユニット130の中補強板金132と右補強板金134とが連結される。
開閉シリンダユニット210は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、シリンダ取付板金213の前板部213aから前方に突出しているシリンダ錠211の前端が、扉枠ベース110の後側からシリンダ挿通孔114に挿通されて扉枠ベース110の前方へ突出していると共に、シリンダ取付板金213の前板部213a及び一対の側板部213bが後方へ開放されている箱状のシリンダ取付部113内に収容されている。
[3−4.演出操作ユニットの全体構成]
扉枠3における演出操作ユニット400の全体構成について、主に図34乃至図41等を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠における演出操作ユニットの正面図であり、(b)は演出操作ユニットの右側面図である。また、図35(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。
図36は、演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。図37は図34(a)におけるD−D線で切断した断面図であり、図38は図34(b)におけるE−E線で切断した断面図である。図39(a)は図34(b)におけるF−F線で切断した断面図であり、(b)は(a)におけるA部の拡大図である。図40は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図41は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット400は、皿ユニット320の正面視左右方向中央の前部に取付けられるものであり、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。
演出操作ユニット400は、外形が円形で外周縁を除いた中央側が透明に形成されており遊技者が押圧操作可能な操作ボタン410と、操作ボタン410の外周を囲み皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる枠状のフレームユニット415と、操作ボタン410よりも後方に配置されており操作ボタン410の外周縁及びフレームユニット415を発光装飾させることが可能な装飾基板ユニット420と、フレームユニット415の後側に取付けられており操作ボタン410及び装飾基板ユニット420が前面に取付けられているベースユニット430と、操作ボタン410を通して遊技者側から視認可能にベースユニット430に取付けられており演出画像を表示可能な扉枠側演出表示装置460と、を備えている。
[3−4a.操作ボタン]
演出操作ユニット400の操作ボタン410について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。図42(a)は操作ボタンを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は操作ボタンを分解して後ろから見た分解斜視図である。操作ボタン410は、外形が皿ユニット320の上下方向の高さよりも若干小さい直径の円形に形成されており、外周縁を除いた中央側が透明に形成されている。操作ボタン410は、外周が円形で中央側が前方へ膨出するように湾曲面状(球面の一部の形状)に形成されている透明なボタンレンズ411と、ボタンレンズ411の外周縁の前側に取付けられている円環状のボタンフレーム412と、ボタンフレーム412の後側にボタンレンズ411の外周縁を挟持するように取付けられている円筒状のボタンベース413と、を備えている。ボタンフレーム412及びボタンベース413は、光を通し難い部材によって形成されている。
ボタンレンズ411は、全体が略一定の厚さに形成されている。また、ボタンレンズ411は、表面側が凹凸の無い滑らかな湾曲面状に形成されている。ボタンレンズ411は、ボタンフレーム412の内周側となる位置に裏面から断面W字状に窪んだ状態で中央側(内側)へ所定長さで延びていると共に周方向に列設されている第一ボタン装飾部411aと、第一ボタン装飾部411aよりも外周側の位置に裏面から断面円弧状に窪んだ状態で中央側へ向かう軸線上に延びていると共に周方向に所定角度範囲内で列設されている複数(六つ)の第二ボタン装飾部411bと、を備えている。
ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aは、図示するように、操作ボタン410に組立てた状態では、ボタンフレーム412の内周から中央側へ延びており、左右両側の一群が、上下両側の一群よりも中央側へ長く延びている。
ボタンレンズ411の複数の第二ボタン装飾部411bは、夫々が同一の円周上において円弧状に延びており、左右両側に夫々三つずつ形成されている。これらの第二ボタン装飾部411bは、ボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨むように形成されていると共に、前面側がボタンフレーム412の前面と略同一面上となるように前方へ突出している。
ボタンレンズ411は、第一ボタン装飾部411a及び第二ボタン装飾部411bの部位において、裏面に形成されている断面W字状や断面円弧状の凹凸により、光が屈折するレンズ効果が発揮されるため、後側が明瞭に見えないようになっている。
ボタンフレーム412は、円環状に形成されており、前後方向に貫通し周方向へ所定長さで円弧状に延びた複数(六つ)のフレーム開口部412aを備えている。六つのフレーム開口部412aは、左右両側に夫々三つずつ備えられており、ボタンレンズ411の六つの第二ボタン装飾部411bと対応している。このボタンフレーム412は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えている。
ボタンベース413は、前後方向に短く延びた略円筒状の本体部413aと、本体部413aの前端から外方へ突出している円環状のフランジ部413bと、フランジ部413bの後側から本体部413aの外周に沿って後方へ円柱状に突出しており周方向に略等間隔で複数(四つ)配置されているガイドボス部413cと、フランジ部413bの後側から本体部413aの外周に沿って後方へ帯板状に突出しており周方向に複数(三つ)配置されている検知片413dと、本体部413aよりも外側でフランジ部413bを前後に貫通していると共に外周に沿って所定長さで延びており周方向に複数(六つ)形成されているベース開口部413eと、本体部413aの前端から前方へ筒状に延出しており前端側がボタンレンズ411の内面に沿うように内側(中央側)へ窄まっている内側延出部413fと、を備えている。
ボタンベース413における内側延出部413fの外周面と、フランジ部413bの前面とにボタンレンズ411の外周縁及びボタンフレーム412が取付けられる。四つのガイドボス部413cは、本体部413aの周方向に対して、上下左右の四隅に相当する部位に夫々配置されている。これら四つのガイドボス部413cは、ベースユニット430におけるユニットベース431の保持孔431b内に夫々摺動可能に挿入される。三つの検知片413dは、本体部413aの周方向に対して、上側に二つ、下側に一つ、配されるように、周方向へ略等間隔に配置されている。これら三つの検知片413dは、操作ボタン410が押圧されると、ベースユニット430の押圧検知センサ440により検知される。
六つのベース開口部413eは、左右両側に夫々三つずつ備えられており、ボタンレンズ411の第二ボタン装飾部411b及びボタンフレーム412のフレーム開口部412aと対応している。ボタンベース413におけるベース開口部413eの部位では、本体部413a及び内側延出部413fの一部が、外周側から内側へ窪んでいる。内側延出部413fは、内側へ窄まっている前端の内径が、ボタンフレーム412の内径と略一致している。
この操作ボタン410は、前面が前方へ湾曲面状(略球面の一部の形状)に膨出していると共に、透明に形成されており、後側に配置されている扉枠側演出表示装置460の表示画面を前方から視認することができる。操作ボタン410は、四つのガイドボス部413cがベースユニット430におけるユニットベース431の保持孔431bに摺動可能に挿入されていると共に、ユニットベース431の保持孔に431bに挿入されている操作ボタンバネ438により前方へ付勢されている。操作ボタン410は、ベースユニット430の操作ボタンバネ438の付勢力により、外周縁の前面側がフレームユニット415に当接することで、前方へのこれ以上の移動が規制されており、操作ボタンバネ438の付勢力に抗して押圧操作することで、後端がベースユニット430の前面に当接するまで後方へ移動する。操作ボタン410は、押圧操作して後方へ移動させると、三つの検知片413dの少なくとも一つがベースユニット430の押圧検知センサ440に検知される。この押圧検知センサ440による検知片413dの検知によって、操作ボタン410が操作されたこととなる。
また、操作ボタン410は、演出操作ユニット400を組立てた状態で、透明なボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周端から中央側へ延びるように全周に亘って形成されている第一ボタン装飾部411aによって、ボタンベース413の内周面と、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432との間の隙間を、遊技者側から見え難くすることができる。
更に、操作ボタン410は、円筒状のボタンベース413の前端開口を、ボタンレンズ411とボタンフレーム412とで閉鎖しており、ボタンレンズ411の外周縁に取付けられているボタンフレーム412により、操作ボタン410の外径に対して、後方が視認可能な透明な部分が、外周から内側へ窄まったように形成されている。このボタンフレーム412の存在によっても、ボタンベース413の内周面と、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432との間の隙間を、遊技者側から見え難くしている。
また、操作ボタン410は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、筒状のボタンベース413(本体部413a)の後端が、装飾基板ユニット420の内周側を通して装飾基板ユニット420の前面よりも後方へ突出した状態となる。これにより、装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に夫々実装されている第一LED422a,423a及び第二LED422b,423bから前方へ照射された光が、ボタンベース413の外側から内側へ漏れるのを防止することができると共に、ベースユニット430の操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されたLEDから前方へ照射された光がボタンベース413の内側から外側へ漏れるのを防止することができる。従って、装飾基板ユニット420の第一LED422a,423a及び第二LED422b,423bやベースユニット430の操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されたLEDが、発光装飾対象としている部位以外が発光装飾されてしまうのを防止することができ、見栄え良く発光装飾を行うことができる。
[3−4b.フレームユニット]
演出操作ユニット400のフレームユニット415について、主に図39乃至図41等を参照して詳細に説明する。フレームユニット415は、操作ボタン410の前方側から外周を囲むように、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに前側から取付けられ、操作ボタン410の外側を装飾している。フレームユニット415は、外形が演出操作ユニット取付部326aの前端側に合せた形状に形成されている。
フレームユニット415は、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられ円形の中央開口部416aを有する枠状のフレーム本体416と、中央開口部416aの左右両側でフレーム本体416に後側から取付けられる透光性を有した一対のフレームサイドレンズ417と、中央開口部416aの上側でフレーム本体416に前側から取付けられる透光性を有したフレームトップレンズ418と、を備えている。
フレーム本体416は、操作ボタン410の外径よりも小径で前後に貫通している円形の中央開口部416aと、中央開口部416aよりも左右両外側で前後に貫通していると共に中央開口部416aの周縁に沿って円弧状に延びており周方向に列設されている複数(六つ)の外周開口部416bと、中央開口部416aの上側前面において所定幅で切欠かれている切欠部416cと、を備えている。中央開口部416aは、操作ボタン410におけるボタンフレーム412のフレーム開口部412aの外周側の直径と略同じ大きさに形成されている。これにより、フレーム開口部412aの外周後側に操作ボタン410におけるボタンベース413のフランジ部413bの前端側が当接できるようになっている。
六つの外周開口部416bは、中央開口部416aの左右両外側に、夫々三つずつ備えられており、後側からフレームサイドレンズ417によって閉鎖されている。切欠部416cは、前後方向にも貫通しており、前側からフレームトップレンズ418が嵌込まれている。
また、フレーム本体416は、中央開口部416aの周縁よりも若干外側の位置から後方へ延出している略筒状の内側筒部416dを備えている。内側筒部416dは、中央開口部416aと外周開口部416bとの間の位置から後方へ延出しており、切欠部416cと対応している部位が切欠かれている。内側筒部416dは、演出操作ユニット400を組立てた状態では、装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aと第二LED422b,423bとの間に位置しており、第一LED422a,423aと第二LED422b,423bとの間を仕切っている(図38を参照)。
更に、フレーム本体416は、外周の左右両側上部において夫々外方へ延出しており、皿ユニット320の皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる一対の取付部416eを備えている。フレーム本体416(演出操作ユニット400)は、一対の取付部416eと切欠部416cの左右両側の部位が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる。
フレーム本体416は、中央開口部416aを間にして切欠部416c側(フレームトップレンズ418が取付けられる側)とは反対側で切欠部416cと同じ幅の部位を除いて、表面の略全体に金属光沢を有したメッキ層が形成されている。
フレームサイドレンズ417は、フレーム本体416の左右に夫々三つずつ形成されている外周開口部416bを後側から閉鎖している。フレームサイドレンズ417は、前面側が凹凸の無い滑らかな面に形成されており、後面側に中央開口部416aの周縁に沿った複数の凹凸が形成されている(図39及び図46を参照)。これら複数の凹凸によって光が屈折することで、フレームサイドレンズ417の後側が見えないようになっている。
フレームトップレンズ418は、フレーム本体416の切欠部416cに前側から嵌込まれるように、外形が略四角形に形成されている。フレームトップレンズ418は、前面側が滑らかに形成されている。また、フレームトップレンズ418は、後面側に中央開口部416aの周縁に沿ってジグザグ状に延びた複数の凹凸が中央開口部416aの半径方向に複数列設されている(図37及び図46を参照)。これら複数の凹凸によって光が屈折することで、フレームトップレンズ418の後側が見えないようになっている。
フレームユニット415は、演出操作ユニット400を組立てた状態で、一対のフレームサイドレンズ417が装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第二LED422b,423bの前方に位置すると共に、フレームトップレンズ418がベースユニット430のフレームトップレンズ装飾基板437の前方に位置し、それらに実装されている第二LED422b,423b等によって夫々が発光装飾可能となっている。
[3−4c.装飾基板ユニット]
演出操作ユニット400の装飾基板ユニット420について、主に図39乃至図43等を参照して詳細に説明する。図43は、演出操作ユニットの装飾基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。装飾基板ユニット420は、フレームユニット415の下方でベースユニット430の前面に取付けられ、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411b及びフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができると共に、演出操作ユニット400に振動を付与させることができるものである。
装飾基板ユニット420は、上方側が開放されたC字状の基板ベース421と、基板ベース421における左右両側の前面に夫々取付けられている操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423と、基板ベース421の前面下部に取付けられている振動モータ424と、振動モータ424の前側を覆うように基板ベース421の前面に取付けられているモータカバー425と、を備えている。
基板ベース421は、内周側が操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aの外径よりも若干大きく形成されていると共に、外周側がボタンベース413におけるフランジ部413bの外径よりも大きく且つフレームユニット415の外径よりも小さく形成されている。
操作ボタン左外装飾基板422は、基板ベース421の前面に沿って円弧状に延びている。操作ボタン左外装飾基板422は、前面側に、基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第一LED422aと、複数の第一LED422aよりも半径方向外側で基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第二LED422bと、を備えている。
操作ボタン右外装飾基板423は、基板ベース421の前面に沿って円弧状に延びている。操作ボタン右外装飾基板423は、前面側に、基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第一LED423aと、複数の第一LED423aよりも半径方向外側で基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第二LED423bと、を備えている。これら操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423は、前後両面が白色とされている。
振動モータ424は、回転軸に偏芯した錘424aが取付けられており、この錘424aを回転させることで振動を発生させることができる。
装飾基板ユニット420は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、基板ベース421の内側に、操作ボタン410におけるボタンベース413の筒状の本体部413a後端側が挿入されている。また、装飾基板ユニット420は、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aが操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bの後方に位置し、夫々の第二LED422b,423bがフレームユニット415のフレームサイドレンズ417の後方に位置している。また、演出操作ユニット400に組立てた状態では、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423の夫々の第一LED422a,423aと、夫々の第二LED422b,423bとの間に、フレームユニット415の内側筒部416dが位置している(図38を参照)。
従って、装飾基板ユニット420は、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aからの光によって操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを発光装飾させることができると共に、夫々の第二LED422b,423bからの光によってフレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを発光装飾させることができる。
また、装飾基板ユニット420は、振動モータ424の錘424aを回転させることで、振動を発生させて、演出操作ユニット400全体を振動させることができる。
[3−4f.演出操作ユニットの作用効果]
演出操作ユニット400の作用効果について、主に図44乃至図46等を参照して詳細に説明する。図44は、図37の演出操作ユニットの断面図において操作ボタンを押圧した状態を示す説明図である。図45(a)は演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの一部を切欠いて操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。図46(a)は演出操作ユニットの外観を前から見た斜視図で示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの外観を操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。
本実施形態の演出操作ユニット400は、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて演出画像を遊技者に見せることができると共に、遊技者に操作ボタン410の操作をさせて遊技者に提示した演出に遊技者を参加させて楽しませることができるものである。
演出操作ユニット400は、全高が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の貫通口111の下側の部位の高さと略同じ高さに形成されている。また、演出操作ユニット400は、全幅が、扉枠3の全幅の1/3よりも若干大きく形成されている。演出操作ユニット400は、正面視において、遊技領域5a(扉枠ベース110の貫通口111)の下側で左右方向の中央に配置されている。
演出操作ユニット400は、フレームユニット415のフレーム本体416の上部が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられている。演出操作ユニット400は、皿ユニット320に取付けた状態で、底面となる中継基板カバー442の脚部442aの下面が、皿ユニット320の皿ユニットカバー326における底板部326iの上面との間に、隙間が形成されている。つまり、演出操作ユニット400は、皿ユニット320に対して上部のみが取付けられており、吊下げられた状態に取付けられている。
また、演出操作ユニット400は、フレームユニット415の前面(フレーム本体416の中央開口部416aの前端内周により形成される面)が、演出操作ユニット取付部326aの前端開口の傾斜面と平行になるように取付けられている。これにより、演出操作ユニット400は、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明な操作ボタン410の中心軸線CLが、垂直線に対して63度の角度で、前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している。これにより、本パチンコ機1を用いて遊技を行うために本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、遊技者の頭部が皿ユニット320(演出操作ユニット400)の上方に配置されている遊技盤5における遊技領域5aの中央の前方に位置するため、操作ボタン410の中心軸線CLが、遊技者の頭部付近を通ることとなる。従って、遊技者が遊技領域5aから演出操作ユニット400(操作ボタン410)に視線を落すと、操作ボタン410がその正面視(中心軸線CLと平行な方向からの投影視)に可及的に近い状態で見えることとなり、操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460等を良好な状態で視認することができる。
演出操作ユニット400は、操作ボタン410の四つのガイドボス部413cがベースユニット430の四つの保持孔431bに夫々摺動可能に挿入されていると共に、操作ボタンバネ438により前方へ付勢されている。演出操作ユニット400は、通常の状態(操作ボタン410を押圧操作していない状態)では、操作ボタンバネ438の付勢力によって、操作ボタン410のボタンベース413のフランジ部413bの前端が、フレームユニット415のフレーム本体416の後面における中央開口部416a付近の部位に当接している。
演出操作ユニット400は、通常の状態では、操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内周付近から中央側(中心軸線CL側)が、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している。換言すると、操作ボタン410における湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明なボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周(内側)から前方へ突出している部位が、フレームユニット415のフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している(図37等を参照)。
因みに、本実施形態では、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aの直径が約15cmとされており、操作ボタン410の中心軸線CL方向に対してボタンレンズ411(の前端)がフレームユニット415の前面から約4cm前方へ突出している。
通常の状態において、遊技者が演出操作ユニット400の操作ボタン410を押圧操作すると、操作ボタン410は操作ボタンバネ438の付勢力に抗して中心軸線CLに沿って後方へ移動する。そして、操作ボタン410の後端がベースユニット430のユニットベース431の前面に当接すると、後方への移動が規制されて操作ボタン410の後方への移動が停止する。遊技者が操作ボタン410を押圧操作する時には、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出しているボタンレンズ411を押圧する。
この操作ボタン410は、従来のパチンコ機に備えられている演出用の操作ボタンと比較して、外径が非常に大きく形成されているため、ボタンレンズ411の中央部分から離れた周縁付近が押圧される可能性が高い。詳述すると、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、その中心軸線が垂直線と略平行に延びるように取付けられているのに対して、本実施形態の演出操作ユニット400の操作ボタン410は、中心軸線CLが垂直線に対して傾いて取付けられているため、遊技者が従来のパチンコ機と同様に上方から操作ボタン410を押圧すると、図44において白抜きの矢印で示すように、操作ボタン410の中心軸線CLから離れた部位を押圧することとなる。
ところで、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、遊技者が押圧操作する面が平坦な面に形成されていることから、押圧操作する部位を平坦な面としたまま操作ボタンを大きくした場合、操作ボタンの中央から外れた部位を押圧すると、その押圧された部位が先に後退するように押圧操作する面が傾いてしまい、操作ボタンが真直ぐに後退することができなくなって、操作ボタンを押圧操作することができなくなる虞がある。
これに対して、本実施形態の演出操作ユニット400の操作ボタン410は、遊技者が押圧操作する部位(ボタンレンズ411)が、前方へ膨出した湾曲面状(略球面の一部の形状)としているため、操作ボタン410の中央から離れた位置を押圧操作した場合、その力が操作ボタン410の全体に分散されて操作ボタン410が傾き難くなり、操作ボタン410が真直ぐに後方へ移動することができる。従って、操作ボタン410の前面側のどの位置を押圧操作しても、操作ボタン410が傾くことなくスムーズに後退することができるため、押圧操作を確実に検知させることができ、操作ボタン410を押圧操作する演出を十分に楽しませることができる。
また、演出操作ユニット400は、装飾基板ユニット420における基板ベース421の前面下部に振動モータ424が取付けられている上で、上述したように、演出操作ユニット400が吊下げられるように上部のみが皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられているため、振動モータ424により錘424aを回転させて振動を発生させると、取付けられている部位から最も離れた部位で振動が発生することから、演出操作ユニット400全体を大きく(強く)振動させることができ、演出操作ユニット400に触れている遊技者に対して振動を伝達させることができる。また、振動モータ424を、比較的遊技者が押圧操作し易い位置(図44において白抜きの矢印の位置)の直下に配置しているため、操作ボタン410を押圧操作している遊技者に対して強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて演出を楽しませることができる。
更に、演出操作ユニット400は、吊下げられたような状態で皿ユニットカバー326に取付けられていると共に、下面を形成している中継基板カバー442の脚部442aの下面と皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に隙間が形成されているため、操作ボタン410を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接するまでの間、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等が下方へ撓むことで衝撃を吸収することができる。また、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接した後では、演出操作ユニット400の下方への移動を規制し、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させることができ、演出操作ユニット400等の破損を防止することができる。従って、演出操作ユニット400の操作ボタン410を押圧操作する演出を遊技者に提示した時等に、強い力で操作ボタン410が押圧操作されたり叩かれたりしても、操作ボタン410や演出操作ユニット400等が破損することはないため、破損による遊技の中断を回避させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができると共に、破損し難くすることで遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
なお、上述したように、遊技者が押圧操作する操作ボタン410のボタンレンズ411を、前方へ突出している湾曲面状(略球面の一部の形状)に形成しているため、平板状とした場合と比較して強度・剛性が高くなっていると共に、強く叩かれても、その衝撃をボタンレンズ411全体へ分散させることができ、破損し難くなっている。
また、演出操作ユニット400は、図46に示すように、ボタンレンズ411、フレームサイドレンズ417、フレームトップレンズ418、及び操作ボタン内装飾部材432が、透明な部材で構成されているため、それらの裏面側に形成されている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、第一ボタン内装飾部432f、及び第二ボタン内装飾部432g等の凹凸による装飾が、前方側(遊技者側)から視認することができる。また、それら凹凸の装飾が形成されている部位では、板厚が変化していることら光が複雑に屈折するため、凹凸の装飾が形成されている部位を通しては後側が視認し難くなっている。
演出操作ユニット400は、操作ボタン410のボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周から中央側へ延びている第一ボタン装飾部411aを備えているため、この第一ボタン装飾部411aの凹凸の装飾によりボタンレンズ411の内側となる部位の外周縁の部位において後方を見え辛くすることができる。第一ボタン装飾部411aが形成されている部位の後方(中心軸線CL方向の後方)には、操作ボタン410のボタンベース413の本体部413aの内周面と操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aの外周面との間の隙間が位置しているが、その隙間の前方に位置する第一ボタン装飾部411aによって前方側(遊技者側)から、操作ボタン内装飾部材432の外周の隙間を見え難くすることができる。これにより、押圧操作可能な操作ボタン410内に、位置が固定されている操作ボタン内装飾部材432を備えても、操作ボタン410の見栄えの悪化を防止することができ、操作ボタン410を見た遊技者が不快感を抱くのを防止することができると共に、透明な操作ボタン410内に操作ボタン内装飾部材432を問題なく配置することができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。
詳述すると、演出操作ユニット400は、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412によって、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432の外周よりも外側で後方側(奥側)にあるユニットベース431や装飾基板ユニット420等が、透明なボタンレンズ411を通して遊技者側から見えないように形成されている。具体的には、図45において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位が、遊技者側から見えないようにしている。このように、操作ボタン410に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等を備えているため、操作ボタン内装飾部材432の外側や奥側を見え難くして隠すことができ、操作ボタン410、ひいては、演出操作ユニット400全体の見栄えを良くすることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aが、操作ボタン410の中心軸線CLへ向かうように延びていると共に周方向に列設されているのに対して、操作ボタン410の内側後方に配置されている操作ボタン内装飾部材432の前板部432bに形成されている第二ボタン内装飾部432gが中心軸線CLを中心とした変八角形状に延びていると共に同心円状に列設されているため、図46に示すように、第一ボタン装飾部411aの凹凸線と第二ボタン内装飾部432gの凹凸線とが交差することとなり、幾何学的な装飾を遊技者に見せることができる。
また、演出操作ユニット400は、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとが、前後方向(中心軸線CLの延びている方向)に離れているため、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとによって奥行のある立体的な感じの幾何学模様を遊技者に見せることができ、操作ボタン410内を含む装飾を楽しませることができる。
更に、演出操作ユニット400では、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとが前後方向に離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、第一ボタン装飾部411aの凹凸線と、第二ボタン内装飾部432gの凹凸線との重なり具合が変化するため、動きのある装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
このように、演出操作ユニット400は、操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aと操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gとによって、動きがあり立体感のある装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410内(ボタンフレーム412の内側)で、操作ボタン内装飾部材432の後方には、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436が配置されており、それらの前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、操作ボタン410内の操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることができる。
つまり、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436によって、操作ボタン410内を発光装飾させることができる。これら操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の前面に実装されているLEDは、図38に示すように、中心軸線CLの延びている方向から見て、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aの内側に配置されているため、それらからの光が本体部413aの外側に漏れることはなく、操作ボタン410内のみを良好に発光装飾させることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410の外周付近に位置するボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨む第二ボタン装飾部411bの後方に、装飾基板ユニット420における操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aが配置されており、それら第一LED422a,423aを発光させることで、操作ボタン410の六つの第二ボタン装飾部411bを発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aは、図38に示すように、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aと、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとの間に位置しており、第一LED422a,423aからの光が本体部413aの内側や内側筒部416dの外側へ漏れることはなく、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを良好に発光装飾させることができる。
更に、演出操作ユニット400は、フレームユニット415におけるフレーム本体416の六つの外周開口部416bから臨むフレームサイドレンズ417の後方に、操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bが配置されており、それら第二LED422b,423bを発光させることでフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bは、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとフレーム本体416の外周との間に位置しており、第二LED422b,423bからの光が内側筒部416dの内側やフレーム本体416の外側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを良好に発光装飾させることができる。
また、演出操作ユニット400は、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に、ベースユニット430におけるフレームトップレンズ装飾基板437が配置されており、フレームトップレンズ装飾基板437の前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。ベースユニット430におけるユニットベース431のフレームトップレンズ装飾基板437が取付けられている部位の下側からは、フレームトップレンズ418の下端後方付近まで平板状の遮光壁部431cが前方へ突出しており、フレームトップレンズ装飾基板437のLEDからの光が操作ボタン410やフレームサイドレンズ417側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームトップレンズ418のみを良好に発光装飾させることができる。
[3−5.扉枠左サイドユニット]
扉枠3の扉枠左サイドユニット530について、主に図47乃至図50を参照して詳細に説明する。図47(a)は扉枠における扉枠左サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図48は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図49は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図50は図47(a)におけるL−L線で切断した断面図である。扉枠左サイドユニット530は、皿ユニット320の上側で扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162(扉枠左サイド装飾基板160)の前側を覆うように扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられるものである。扉枠左サイドユニット530は、扉枠ベース110の貫通口111の正面視左側を装飾するためのものである。
扉枠左サイドユニット530は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視左側に取付けられる上下に延びた帯板状の左ユニットベース531と、左ユニットベース531の前面に取付けられている透明な帯板状の左ユニット拡散レンズ部材532と、左ユニット拡散レンズ部材532の前方に配置されており前端部に多面体状の装飾を有している透光性を有する左ユニット装飾レンズ部材(図示は省略)と、左ユニット装飾レンズ部材の前側から左ユニットベース531の前面上部に取付けられており前方へ筒枠状に突出していると共に上下に延びている左ユニット上装飾ベース534と、左ユニット装飾レンズ部材の前側から左ユニットベース531の前面下部に取付けられており左ユニット上装飾ベース534よりも短く前方へ枠状に突出している左ユニット下装飾ベース535と、左ユニット上装飾ベース534及び左ユニット下装飾ベース535の前側から左ユニット装飾レンズ部材の前端側を覆うように左ユニットベース531の前側に取付けられている透明な左ユニット装飾カバー536と、左ユニット装飾カバー536の前側に取付けられている複数の飾り部材537と、を備えている。
扉枠左サイドユニット530の左ユニットベース531は、後側が開放された浅い箱状に形成されており、前面に前後に貫通している複数の開口部531aを有している。複数の開口部531aは、図示するように、円形状の穴と、上下に延びた四角形状の穴とがある。左ユニットベース531は、扉枠左サイド装飾基板160(扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162)の前面に実装されているLED161a,162aが、複数の開口部531aから前方へ臨むように、扉枠ベース110の前面左側に取付けられる。左ユニットベース531の各開口部531aは、扉枠3に組立てた時に、扉枠左サイド装飾基板160の各LED161a,162aが上下方向の略中央に位置するように夫々形成されている。この左ユニットベース531は、不透光性の部材によって形成されている。
また、左ユニットベース531は、上記貫通口111を塞ぐように配設されるガラス板192から手前側に向けて立設された左側反射立壁部538(図5、図23を参照)を有している。この左側反射立壁部538では、平らな面状をなし上記貫通口111に対して臨むように設けられる内側面が光を反射可能な反射面として設けられている。なお、この反射面は、左側反射立壁部538の内側面これ自体を金属や樹脂などの反射用素材から設けることのほか、同内側面に対して反射用シールを取り付けることなどによっても設けることが可能である。そして後述するが、この左側反射立壁部538は、左ユニットベース531によって形成されて、上述した反射立壁部33の一部(左側部分)を担う部分となっている。
左ユニット拡散レンズ部材532は、透明な部材によって形成されており、上拡散レンズ部材532Aと下拡散レンズ部材532Bとに上下に分割されている。左ユニット拡散レンズ部材532は、左ユニットベース531における円形状の開口部531aと対応している正面視円形の円形レンズ部532aと、四角形状の開口部531aと対応している正面視四角形の角形レンズ部532bと、を備えている。扉枠左サイドユニット530は、扉枠3に組立てた状態で、円形レンズ部532a及び角形レンズ部532bの中央の直後に、扉枠左サイド装飾基板160の夫々のLED161a,162aが位置するように形成されている。
左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aは、前面及び後面が滑らかな凸レンズ状に形成されている。この円形レンズ部532aによって、後方に配置されているLED161a,162aからの光を、点状のまま前方へ照射させることができる。この円形レンズ部532aから前方へ照射された光によって、左ユニット装飾レンズ部材の円形装飾部を発光装飾させることができる。
左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bは、前面中央において円錐状に後方へ窪んだ中央拡散反射部532cと、前面における中央拡散反射部532cの外側に形成されている前面拡散レンズ部532dと、後面中央(中央拡散反射部532cの直後)において湾曲面状に後方へ膨出している入力レンズ部532eと、後面における入力レンズ部532eの外側で全体的に入力レンズ部532eから遠ざかるに従って前方へ移動するように傾斜している前方反射部532fと、を備えている。
角形レンズ部532bの前面拡散レンズ部532dは、中央拡散反射部532cを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。更に詳述すると、前面拡散レンズ部532dは、半径方向に沿って切断した時の断面形状に、溝の部分が後方へ円弧状に窪んでおり、溝と溝の間の山の部分が前方へ円弧状に膨出しており、前面が滑らかな波状に形成されている。また、前面拡散レンズ部532dは、周方向へ分割している放射状に延びた線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に位置するように形成されている。
角形レンズ部532bの前方反射部532fは、入力レンズ部532eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら複数の溝は、後方から前方へ向かってV字状に窪んでおり、最深部が円弧状に形成されている。前方反射部532fは、半径方向に沿って切断した時の断面形状が、溝と溝との間の山の部分が後方へ尖った三角形状に形成されており、鋸状に形成されている。前方反射部532fは、中心から遠ざかるに従って溝及び山の部分が前方へ移動するように形成されている。また、前方反射部532fは、周方向へ分割している放射状に延びた線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に位置するように形成されている。この周方向へ分割している放射状に延びた線は、前面拡散レンズ部532dにおける放射状に延びた分割線と一致している。
この角形レンズ部532bは、扉枠3に組立てた状態で、入力レンズ部532eの直後に、扉枠左サイド装飾基板160の対応しているLED161a,162aが位置している。
角形レンズ部532bは、LED161a,162aから前方へ照射された光が、入力レンズ部532eから角形レンズ部532b内に入力される。この入力レンズ部532eは、後方へ湾曲面状(凸レンズ状)に膨出していることから、LED161a,162aから前方へ広がる光を、前方へ平行に進むように屈折させて、入力された光の略全てを円錐状の中央拡散反射部532cへ導くことができる。そして、中央拡散反射部532cへ導かれた光は、中央拡散反射部532cの傾斜している円錐面により、前後に延びた軸線に対して直角方向(扉枠左サイド装飾基板160の前面と平行な方向)へ拡散するように反射させられ、角形レンズ部532b内をその前面に沿って中央側から外側へ向かって進むこととなる。また、中央拡散反射部532cで反射した光は、角形レンズ部532bの前後方向の厚さ全体に亘って、中央側から外側(中央拡散反射部532cの中心線から遠ざかる方向)へ進む。
角形レンズ部532b内を扉枠左サイド装飾基板160の前面と略平行に中央側から外側へ向かって反射した光が、鋸状の前方反射部532fに到達すると、前方反射部532fの面により前方側へ反射する。この際に、前方反射部532fは、後面が中央拡散反射部532cから遠ざかるに従って前方へ移動するように傾斜していることから、角形レンズ部532bの前後方向の厚が、中央から遠ざかるに従って薄くなっている(図50を参照)。これにより、中央拡散反射部532cにおいて角形レンズ部532bの前後方向の厚さ全体に亘って外側へ向かって反射している光を、中心側から外側へ向かうに従って、前方反射部532fにより順次前方へ反射させることができる。
そして、前方反射部532fにより前方へ向かって反射させられた光は、前面拡散レンズ部532dを通って角形レンズ部532bから前方へ照射される。この際に、前面拡散レンズ部532dは、断面が波状に形成されているため、前方反射部532fで前方へ向かって反射させられた光を様々な方向へ拡散させることができ、角形レンズ部532bの前面から略均一に光を前方(左ユニット装飾レンズ部材の後面)へ照射させることができる。
この角形レンズ部532bは、前面拡散レンズ部532d及び前方反射部532fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、角形レンズ部532bの前面から前方へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を前方へ照射させることができる。これにより、左ユニット装飾レンズ部材における角形レンズ部532bの前方の多面装飾部を略均一に発光装飾させることができる。
図示しない左ユニット装飾レンズ部材は、左ユニット装飾カバー536の前面に沿うように形成されている。左ユニット装飾レンズ部材は、左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aの前方の位置する部位に形成されている円形装飾部と、左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bの前方に位置する部位に形成されている多面装飾部と、を備えている。円形装飾部は、前面が窪み前後に短く延びた円柱状の部位の外周に三角形のリブを周方向に複数備えた形状に形成されている。多面装飾部は、上下に延びた直方体の前面に四角錘状の部位が上下方向に複数列設されていると共に、直方体の部位の左右両側に複数の三角形からなる多面体が上下方向に複数列設したような形状に形成されている。円形装飾部及び多面装飾部は、扉枠右サイドユニット550における右ユニット装飾レンズ部材561の円形装飾部561a及び多面装飾部561bと、同じ形状に形成されている。
左ユニット装飾レンズ部材は、透明な左ユニット装飾カバー536を通して前方側(遊技者側)から視認することができる。また、左ユニット装飾レンズ部材は、円形装飾部が左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aから前方へ照射された光により、多面装飾部が左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bから前方へ照射された光により、夫々発光装飾させられる。
左ユニット上装飾ベース534は、正面視の形状が上下に延びた四角形で、前後に延びた角筒状に形成されている。左ユニット上装飾ベース534は、外周における下面を構成する部位が、前端側から後端側へ向かうに従って下方へ突出するように傾斜しており、その部位の下部が前後に貫通している。この左ユニット上装飾ベース534は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット下装飾ベース535は、正面視の形状が、上方へ開放されているコ字状に形成されている。左ユニット下装飾ベース535は、前端における上下方向略中央から上側が、上方へ向かうに従って後方へ移動するように後端まで傾斜している。この左ユニット下装飾ベース535は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット装飾カバー536は、扉枠左サイドユニット530の全高に亘って上下に延びている。左ユニット装飾カバー536は、上下方向の中間部が後方へ凹むように屈曲しており、左ユニット上装飾ベース534の前端に沿うように下部が後方へ折れ曲がっているく字状の部位と、左ユニット下装飾ベース535の前端に沿うように上部が後方へ折れ曲がっているく字状の部位と、上側のく字状の部位の下端と下側のく字状の部位の上端とを結んでいる直線状の部位と、で構成されている。
左ユニット装飾カバー536は、上下両端が左ユニット上装飾ベース534の前面と、左ユニット下装飾ベース535の前面とに夫々取付けられる。この左ユニット装飾カバー536は、透明な部材によって形成されており、後側に配置されている左ユニット装飾レンズ部材を前方側から視認することができる。
飾り部材537は、上下に短く延びており、上下方向へ所定間隔で左ユニット装飾カバー536の前面に取付けられている。飾り部材537は、不透光性の部材によって形成されている。
[3−6.扉枠右サイドユニット]
扉枠3の扉枠右サイドユニット550について、主に図51乃至図55等を参照して詳細に説明する。図51(a)は扉枠における扉枠右サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図52は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図53は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。
図54は、図51(a)におけるM−M線で切断した断面図である。図55(a)は図51(a)におけるN−N線で切断した断面図であり、(b)は図51(a)におけるO−O線で切断した断面図である。扉枠右サイドユニット550は、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の右側に取付けられるものである。
扉枠右サイドユニット550は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視右側に取付けられる上下に延びた箱状の右ユニットベース551と、右ユニットベース551の前面に取付けられている扉枠右サイド装飾基板552と、扉枠右サイド装飾基板552の前側で右ユニットベース551の前面における正面視中央より左側に取付けられており上下方向及び前後方向に延びている透明平板状の右ユニット左拡散レンズ部材553と、右ユニット左拡散レンズ部材553の左側面に取付けられており装飾が施されているシート状の右ユニット左装飾部材554と、右ユニット左装飾部材554の左側を覆うように右ユニット左拡散レンズ部材553に取付けられている透明平板状の右ユニット左カバー555と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット550は、扉枠右サイド装飾基板552の前側且つ右ユニット左拡散レンズ部材553の正面視右側で右ユニットベース551の前面における正面視中央より右側と右ユニット左拡散レンズ部材553とに取付けられており上下方向及び前後方向に延びている透明平板状の右ユニット右拡散レンズ部材556と、右ユニット右拡散レンズ部材556の右側面に取付けられており装飾が施されているシート状の右ユニット右装飾部材557と、右ユニット右装飾部材557の右側を覆うように右ユニット右拡散レンズ部材556に取付けられている透明平板状の右ユニット右カバーと558、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左拡散レンズ部材553と右ユニット右拡散レンズ部材556との間に配置されており前方及び右方が開放された上下方向及び前後方向に延びた浅い箱状で不透光性の右ユニット左遮光部材559と、右ユニット右拡散レンズ部材556の左側で右ユニット左遮光部材559の開放されている右側を閉鎖するように取付けられている不透光性で平板状の右ユニット右遮光部材560と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端に取付けられており前端部に多面体状の装飾を有している透光性を有する右ユニット装飾レンズ部材561と、右ユニット装飾レンズ部材561の左右両側と右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端側を覆うように右ユニットベース551の前面に取付けられている前後に貫通した枠状の右ユニット装飾ベース562と、右ユニット装飾ベース562の前端開口を閉鎖するように右ユニット装飾ベース562の前側に取付けられている透明な右ユニットカバー563と、右ユニットカバー563の前側に取付けられている複数の飾り部材564と、を備えている。なお、図示は省略するが、扉枠右サイドユニット550は、右ユニットベース551を上下に貫通するように取付けられ、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板と、扉枠トップユニット570の扉枠トップユニット中継基板589とを接続するための接続ケーブルを備えている。
扉枠右サイドユニット550の右ユニットベース551は、正面視の形状が上下に長く延びた四角形で、前後に短く角筒状に延びており、前後方向の中央付近が閉鎖された箱状に形成されている。この右ユニットベース551は、不透光性の部材によって形成されている。
また、右ユニットベース551は、上記貫通口111を塞ぐように配設されるガラス板192から手前側に向けて立設された右側反射立壁部568(図6、図24を参照)を有している。この右側反射立壁部568では、平らな面状をなし上記貫通口111に対して臨むように設けられる内側面が光を反射可能な反射面として設けられている。なお、この反射面は、左側反射立壁部538の内側面と同様、右側反射立壁部568の内側面これ自体を金属や樹脂などの反射用素材から設けることのほか、同内側面に対して反射用シールを取り付けることなどによっても設けることが可能である。そして後述するが、この右側反射立壁部568は、右ユニットベース551によって形成されて、上述した反射立壁部33の一部(右側部分)を担う部分となっている。
扉枠右サイド装飾基板552は、上下に延びた帯板状に形成されている。扉枠右サイド装飾基板552は、前面における左右方向中央より左側に実装されている複数の左LED552aと、前面における左右方向中央より右側に実装されている右LED552bと、前面における左右方向中央に実装されている複数の中LED552cと、を備えている。
扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aは、右ユニット左拡散レンズ部材553を介して右ユニット左装飾部材554を発光装飾させためのものである。また、右LED552bは、右ユニット右拡散レンズ部材556を介して右ユニット右装飾部材557を発光装飾させるためのものである。中LED552cは、右ユニット装飾レンズ部材561を発光装飾させるためのものである。
扉枠右サイド装飾基板552は、前後両面が白色に形成されている。扉枠右サイド装飾基板552は、上側の扉枠右サイド上装飾基板552Aと、下側の扉枠右サイド下装飾基板552Bとに上下に分割されている。図示は省略するが、扉枠右サイド下装飾基板552Bは、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板に接続されており、扉枠右サイド上装飾基板552Aは、扉枠右サイド下装飾基板552Bに接続されている。
右ユニット左拡散レンズ部材553は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部553aと、本体部553aの後辺から正面視右方へ短く平板状に突出している後壁部553bと、後壁部553bの正面視右端側から左方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部553cと、本体部553aの正面視左面側において右ユニット左装飾部材554を収容可能に浅く窪んでいる収容凹部553dと、本体部553aの後端面から後方へ突出しており上下方向に複数備えられている入力レンズ部553eと、本体部553aの正面視右面側において各入力レンズ部553eが上下方向の中央となるように上下方向に複数配置されている側面反射部553fと、を備えている。
右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されている。また、本体部553aは、図55に示すように、後端側から前方へ向かうに従って、正面視右方へ移動するように全体が、扉枠右サイド装飾基板552の前面の垂直線に対して僅かに傾斜している。本体部553aの前端は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530の前端よりも大きく前方へ突出している。
後壁部553bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その右端が、右ユニットベース551の左右方向略中央まで延びている。この後壁部553bの右端には、右ユニット右拡散レンズ部材556の後壁部556bの左端が当接する。
複数の切欠部553cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、複数の切欠部553cから扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨んでおり、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
収容凹部553dは、底面が平坦面に形成されており、外周の形状が右ユニット左装飾部材554の外形形状に略一致している。これにより、右ユニット左装飾部材554を収容することができる。
複数の入力レンズ部553eは、本体部553aの後端面から上下方向へ所定間隔で後方へ突出している。具体的には、右ユニット左拡散レンズ部材553を上下方向へ6等分した時の夫々の上下方向略中央に形成されている。入力レンズ部553eは、詳細な図示は省略するが、上下に延びた四角形が後方へ突出した直方体の部位と、その直方体の部位の後面から球面状に湾曲するように前方へ向かって窪んでいる部位と、を有している。これら入力レンズ部553eは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aの直前に夫々位置している。これにより、左LED552aからの光を、本体部553a内で広く拡散されるように入力させることができる。
側面反射部553fは、上下方向に複数(六つ)備えられている。各側面反射部553fは、入力レンズ部553eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら同心円弧状の複数の溝は、夫々の溝において、入力レンズ部553eに近い側の面が本体部553aの面に対して傾斜していると共に、入力レンズ部553eから遠い側の面が本体部553aの面に対して垂直に延びており、最深部が円弧状に形成されている。側面反射部553fは、入力レンズ部553eを中心とした半径方向に切断した時に断面形状が、溝と溝との間の山の部分が中心側へ向くような尖った三角形状に形成されており、全体が鋸状に形成されている。また、側面反射部553fは、複数の同心円弧状の溝を周方向に分割している放射状の線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に配置されるように形成されている。
この右ユニット左拡散レンズ部材553は、扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aから前方へ照射された光が、入力レンズ部553eの後面から右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553a内へと入射される。この入力レンズ部553eの後端は、前方へ向かって湾曲状に窪んでいることから、その湾曲面により左LED552aからの光が広がるように屈折し、本体部553a内において、各入力レンズ部553eを中心として前方へ向かって放射状に拡散することとなる。
本体部553aは、全体が前方へ向かうに従って正面視右方へ移動するように、扉枠右サイド装飾基板552の前面から垂直に延びている線に対して僅かに傾斜しているため、扉枠右サイド装飾基板552の前面に実装されている左LED552aから照射されて入力レンズ部553eから本体部553a内に入射された光が、本体部553a内の平坦な左面に当ることとなる。しかしながら、左LED552aからの直接光は、本体部553aの左面に対する入射角度の関係で、本体部553aの左面から外部へ放射されることはなく、左面の内面で側面反射部553f側へ反射することとなる。
そして、入力レンズ部553eから本体部553a内に前方へ向かって入射された光は、鋸状の側面反射部553fに当ることで正面視左方へ反射し、本体部553aの左面から外方へ照射されることとなる。なお、本体部553aの右面(側面反射部553f)からも外方(正面視右方)へ光が照射されるが、本体部553aの右側に配置されている右ユニット左遮光部材559が白色の部材とされているため、右ユニット左遮光部材559の左面が明るく照らされることとなり、右ユニット左遮光部材559で反射した間接光が本体部553aを通って左方側へ照射されることとなる。従って、本体部553aの左面からは、本体部553a内において側面反射部553fにより左方へ反射された光と、側面反射部553fから右方へ照射されて右ユニット左遮光部材559の左面で左方へ反射して本体部553aを通過した光とが、左方へ照射されるため、本体部553aの左側に取付けられている右ユニット左装飾部材554を良好な明るさで発光装飾させることができる。
また、側面反射部553fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、本体部553aの左面から外方(左方)へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を左方へ照射させることができる。これにより、本体部553aの左面の収容凹部553dに収容されている右ユニット左装飾部材554を、略均一に発光装飾させることができる。
なお、右ユニット左拡散レンズ部材553は、透明な部材により形成されているため、本体部553aの正面視左側(収容凹部553dが形成されている側)から、反対側に形成されている側面反射部553fの複数の同心円弧状の溝と放射状に延びている線とからなる模様を視認することができる。従って、右ユニット左装飾部材554において、透明な部分を形成した場合、その透明な部分を通して右ユニット左拡散レンズ部材553の側面反射部553fの模様が視認できることとなり、右ユニット左装飾部材554における透明な部分を側面反射部553fによって装飾することができる。
右ユニット左装飾部材554は、薄いシート状に形成されており、パチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴ、等の装飾が、透光性を有するように施されている。右ユニット左カバー555は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット左装飾部材554の外面を保護している。
右ユニット右拡散レンズ部材556は、右ユニット左拡散レンズ部材553とは略左右対称に形成されており、同じような構成を備えている。詳述すると、右ユニット右拡散レンズ部材556は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部556aと、本体部556aの後辺から正面視左方へ短く平板状に突出している後壁部556bと、後壁部556bの正面視左端側から右方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部556cと、本体部556aの正面視右面側において右ユニット右装飾部材557を収容可能に浅く窪んでいる収容凹部556dと、本体部556aの後端面から後方へ突出しており上下方向に複数備えられている入力レンズ部556eと、本体部556aの正面視左面側において各入力レンズ部556eが上下方向の中央となるように上下方向に複数配置されている側面反射部556fと、を備えている。
右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部556aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553aと外形が略同じ形状に形成されている。また、本体部556aは、図55に示すように、後端側から前方へ向かうに従って、正面視左方へ移動するように全体が、扉枠右サイド装飾基板552の前面の垂直線に対して僅かに傾斜している。本体部556aの前端は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530の前端よりも大きく前方へ突出している。
後壁部556bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その左端が、右ユニットベース551の左右方向略中央まで延びている。この後壁部556bの左端には、右ユニット左拡散レンズ部材553の後壁部553bの右端が当接する。
複数の切欠部556cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。これら複数の切欠部556cは、右ユニット左拡散レンズ部材553の複数の切欠部553cと対応した位置に形成されている。従って、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、右ユニット左拡散レンズ部材553の切欠部553cと、右ユニット右拡散レンズ部材556の切欠部556cとで、前後に貫通している四角い開口部が形成され、その開口部から扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨み、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
収容凹部556dは、底面が平坦面に形成されており、外周の形状が右ユニット右装飾部材557の外形形状に略一致している。これにより、右ユニット右装飾部材557を収容することができる。
複数の入力レンズ部556eは、本体部556aの後端面から上下方向へ所定間隔で後方へ突出している。具体的には、右ユニット右拡散レンズ部材556を上下方向へ6等分した時の夫々の上下方向略中央に形成されている。入力レンズ部556eは、詳細な図示は省略するが、上下に延びた四角形が後方へ突出した直方体の部位と、その直方体の部位の後面から球面状に湾曲するように前方へ向かって窪んでいる部位と、を有している。これら入力レンズ部556eは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、扉枠右サイド装飾基板552の右LED552bの直前に夫々位置している。これにより、右LED552bからの光を、本体部556a内で広く拡散されるように入力させることができる。
側面反射部556fは、上下方向に複数(六つ)備えられている。各側面反射部556fは、入力レンズ部556eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら同心円弧状の複数の溝は、夫々の溝において、入力レンズ部556eに近い側の面が本体部556aの面に対して傾斜していると共に、入力レンズ部556eから遠い側の面が本体部556aの面に対して垂直に延びており、最深部が円弧状に形成されている。側面反射部556fは、入力レンズ部556eを中心とした半径方向に切断した時に断面形状が、溝と溝との間の山の部分が中心側へ向くような尖った三角形状に形成されており、全体が鋸状に形成されている。また、側面反射部556fは、複数の同心円弧状の溝を周方向に分割している放射状の線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に配置されるように形成されている。
この右ユニット右拡散レンズ部材556は、扉枠右サイド装飾基板552の右LED552bから前方へ照射された光が、入力レンズ部556eの後面から右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部556a内へと入射される。この入力レンズ部556eの後端は、前方へ向かって湾曲状に窪んでいることから、その湾曲面により右LED552bからの光が広がるように屈折し、本体部556a内において、各入力レンズ部556eを中心として前方へ向かって放射状に拡散することとなる。
本体部556aは、全体が前方へ向かうに従って正面視左方へ移動するように、扉枠右サイド装飾基板552の前面から垂直に延びている線に対して僅かに傾斜しているため、扉枠右サイド装飾基板552の前面に実装されている右LED552bから照射されて入力レンズ部556eから本体部556a内に入射された光が、本体部556a内の平坦な右面に当ることとなる。しかしながら、右LED552bからの直接光は、本体部556aの右面に対する入射角度の関係で、本体部556aの左面から外部へ放射されることはなく、右面の内面で側面反射部556f側へ反射することとなる。
そして、入力レンズ部556eから本体部556a内に前方へ向かって入射された光は、鋸状の側面反射部556fに当ることで正面視右方へ反射し、本体部556aの右面から外方へ照射されることとなる。なお、本体部556aの右面(側面反射部556f)からも外方(正面視左方)へ光が照射されるが、本体部556aの左側に配置されている右ユニット右遮光部材560が白色の部材とされているため、右ユニット右遮光部材560の右面が明るく照らされることとなり、右ユニット右遮光部材560で反射した間接光が本体部556aを通って右方側へ照射されることとなる。従って、本体部556aの右面からは、本体部556a内において側面反射部556fにより右方へ反射された光と、側面反射部556fから左方へ照射されて右ユニット右遮光部材560の右面で右方へ反射して本体部556aを通過した光とが、右方へ照射されるため、本体部556aの右側に取付けられている右ユニット右装飾部材557を良好な明るさで発光装飾させることができる。
また、側面反射部556fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、本体部556aの右面から外方(右方)へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を右方へ照射させることができる。これにより、本体部556aの右面の収容凹部556dに収容されている右ユニット右装飾部材557を、略均一に発光装飾させることができる。
なお、右ユニット右拡散レンズ部材556は、透明な部材により形成されているため、本体部556aの正面視右側(収容凹部556dが形成されている側)から、反対側に形成されている側面反射部556fの複数の同心円弧状の溝と放射状に延びている線とからなる模様を視認することができる。従って、右ユニット右装飾部材557において、透明な部分を形成した場合、その透明な部分を通して右ユニット右拡散レンズ部材556の側面反射部556fの模様が視認できることとなり、右ユニット右装飾部材557における透明な部分を側面反射部556fによって装飾することができる。
右ユニット右装飾部材557は、薄いシート状に形成されており、パチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴ、等の装飾が、透光性を有するように施されている。右ユニット右カバー558は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット右装飾部材557の外面を保護している。
右ユニット右装飾部材557及び右ユニット右カバー558は、右ユニット左装飾部材554及び右ユニット左カバー555とは、略左右対称に形成されている。また、右ユニット左装飾部材554と右ユニット右装飾部材557とに施される装飾は、同じ装飾であっても良いし、異なる装飾であっても良い。
右ユニット左遮光部材559は、側面視の形状が右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の側面視の形状と、略同じ形状に形成されている。
右ユニット左遮光部材559は、前方及び右方が開放された浅い箱状に形成されている。
右ユニット左遮光部材559は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部559aと、本体部559aの後辺から正面視右方へ短く平板状に突出している後壁部559bと、後壁部559bの正面視右端側から左方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部559cと、本体部559aの右面から右方へ延出していると共に後壁部559bから本体部559aの前端まで延びている平板状の複数の補強部559dと、を備えている。
右ユニット左遮光部材559の本体部559aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部553a,556aと外形が略同じ形状に形成されている。
後壁部559bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その左端が、右ユニットベース551の左右方向略中央よりも右側へ延出している。この後壁部559bの右端には、右ユニット右遮光部材560の左面が当接する。
複数の切欠部559cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。これら複数の切欠部559cは、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の複数の切欠部553c,556cと対応した位置に形成されている。従って、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、複数の切欠部559cから扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨み、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
複数の補強部559dは、左右の幅と略同じ高さで上下方向に離間している一対の補強部559dを一組として、上下方向へ所定距離離間して三組備えられている。各組の補強部559dは、右ユニットカバー563に取付けられる飾り部材564の後方となる位置に夫々形成されている。これら複数の補強部559dによって、扉枠右サイドユニット550の全体の強度・剛性を高めている。
右ユニット右遮光部材560は、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左遮光部材559における本体部559aと略同じ形状に形成されている。右ユニット右遮光部材560は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、浅い箱状に形成されている右ユニット左遮光部材559の右方へ開放されている右側開口を閉鎖している。
右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、白色の部材によって夫々形成されている。右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、図55に示すように、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、夫々の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560が、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部553a,556aと近接するように配置されている。これにより、右ユニット左遮光部材559の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560同士が左右方向に離間しており、左右方向に所定幅で上下方向及び前後方向に延びた空間を形成している。この右ユニット左遮光部材559の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560同士の間に形成された空間を通して、扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cから前方へ放射された光が、右ユニット装飾レンズ部材561の後側に照射される。
また、右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、不透光性の部材によって形成されており、扉枠右サイド装飾基板552における左LED552a、中LED552c、右LED552bから夫々前方へ照射される光が、互いに干渉するのを防止しており、右ユニット左装飾部材554、右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561を、夫々対応している左LED552a、右LED552b、及び中LED552cによってのみ発光装飾させることができる。
更に、右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、三組の補強部559dによって内部空間が上下方向へ四つに分割されているため、分割された夫々の空間の後側に配置されている扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cによって、各空間同士の間で光が干渉しないようにすることができ、右ユニット装飾レンズ部材561の各空間の前方に位置している部位を、夫々独立して発光装飾させることができる。つまり、扉枠右サイドユニット550の前端側において、上下方向へ複数(四つ)の領域に分割して夫々を独立して発光装飾させることができる。
右ユニット装飾レンズ部材561は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端形状に沿った形状に形成されている。右ユニット装飾レンズ部材561は、正面視において円形状に形成されている円形装飾部561aと、上下に延びており複数の多面体が形成されている多面装飾部561bと、を備えている。円形装飾部561aは、前面が窪み前後に短く延びた円柱状の部位の外周に三角形のリブを周方向に複数備えた形状に形成されている。多面装飾部561bは、上下に延びた直方体の前面に四角錘状の部位が上下方向に複数列設されていると共に、直方体の部位の左右両側に複数の三角形からなる多面体が上下方向に複数列設したような形状に形成されている。
詳述すると、右ユニット装飾レンズ部材561は、複数の円形装飾部561a及び多面装飾部561bが、右ユニット左遮光部材559における三組の補強部559dによって四つに分割されている夫々の空間の前方に位置する部位において、上から三つの部位では、上下方向の中央に配置された円形装飾部561aの上下両側に一つずつ多面装飾部561bが配置され、最も下側の部位では、多面装飾部561bのみが配置されるように形成されている。
右ユニット装飾レンズ部材561は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端に取付けられている。右ユニット装飾レンズ部材561は、透明な右ユニットカバー563を通して前方側(遊技者側)から視認することができる。この右ユニット装飾レンズ部材561は、後方に配置されている扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cによって、発光装飾させられる。
右ユニット装飾ベース562は、前後方向に貫通している筒枠状に形成されている。右ユニット装飾ベース562は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端及び上端の形状に沿った形状に形成されている。右ユニット装飾ベース562は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556における前端付近の左右両外側と、右ユニット装飾レンズ部材561の左右両側を被覆可能に形成されている。扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット装飾ベース562の前端よりも、右ユニット装飾レンズ部材561の前端が、僅かに前方へ突出している。この右ユニット装飾ベース562は、不透光性の部材によって形成されている。
右ユニットカバー563は、右ユニット装飾ベース562の前端開口を閉鎖可能に形成されている。この右ユニットカバー563は、透明な部材によって形成されており、後側に配置されている右ユニット装飾レンズ部材561を前方側から視認することができる。
飾り部材564は、上下に短く延びており、上下方向へ所定間隔で右ユニットカバー563の前面に取付けられている。飾り部材564は、不透光性の部材によって形成されている。三つの飾り部材564は、右ユニットカバー563(右ユニット装飾レンズ部材561)を上下方向へ四つに分割している。
扉枠右サイドユニット550は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530よりも前方へ大きく板状に突出しており、皿ユニット320の上皿321前端よりも若干前方へ突出している。扉枠右サイドユニット550は、突出した左右両面側に備えられている右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557と、前端に備えられている右ユニット装飾レンズ部材561と、を夫々独立して発光装飾させることができる。
扉枠右サイドユニット550は、板状で前方へ大きく突出していることから、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠右サイドユニット550が右側に隣接しているパチンコ機との間で仕切りのような作用効果を発揮することができる。これにより、本パチンコ機1で遊技する遊技者に対して、個室で遊技しているように錯覚させることができ、周りの他の遊技者に気兼ねすることなくリラックスした雰囲気で遊技を行わせることができる。
また、扉枠右サイドユニット550は、前方へ大きく突出していることから、パチンコ機1が並んだ状態で設置される遊技ホールでは、本パチンコ機1の前方に位置していなくても、島設備に沿った横方向からでも視認することができ、多数のパチンコ機が列設されている遊技ホール内において本パチンコ機1を目立たせることができる。従って、扉枠右サイドユニット550の左右両面側の右ユニット左装飾部材554や右ユニット右装飾部材557を発光装飾させると、本パチンコ機1の前方近辺に位置していなくても、遠くから本パチンコ機1の存在を知らせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠右サイドユニット550において、本パチンコ機1で球詰りやエラー等の不具合が発生した時に、左右両面側の右ユニット左装飾部材554や右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561等を特有な態様で発光装飾させるようにすることで、遊技ホールの係員に対して、不具合の発生を直ちに知らせて認識させることができ、不具合に対して素早い対応ができるようになることから、遊技者の遊技の中断を早期に解決させることができ、遊技者が苛立ちを覚えて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−7.扉枠トップユニット]
扉枠3の扉枠トップユニット570について、主に図56乃至図59等を参照して詳細に説明する。図56(a)は扉枠における扉枠トップユニットの正面図であり、(b)は扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図である。図57は扉枠トップユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図58は扉枠トップユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図59は、図56におけるP−P線で切断した断面図である。扉枠トップユニット570は、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側に取付けられるものである。
扉枠トップユニット570は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側で左右方向の中央に取付けられる中央ベース571と、中央ベース571の左右両側に取付けられていると共に扉枠ベース110の前面に取付けられる一対のサイドベース572と、一対のサイドベース572の前面に夫々取付けられている一対の上部スピーカ573と、左右に延びていると共に左右方向中央が前方へ突出しており後方が開放されている箱状で一対の上部スピーカ573の前方位置で前後に夫々貫通している一対の開口部574a、及び一対の開口部574aよりも左右方向中央寄りの位置から中央付近まで夫々延びていると共に前後方向に夫々貫通しており上下に離間している複数(左右夫々三つ)のスリット574bを有しており中央ベース571及び一対のサイドベース572の前側に取付けられているユニット本体271と、一対の上部スピーカ573の前側に夫々配置されており一対の開口部574aを閉鎖するようにユニット本体271の後側に取付けられているパンチングメタルからなるスピーカカバー575と、を備えている。
ここで、図示は割愛するが、一対のサイドベース572(左側サイドベース572a,右側サイドベース572b)では、開口窓の設けられる側に向けてのみ開口された内部空間をそれぞれ有しており、これらの内部空間において、開口窓の外周内へと外周外から発光するように設けられる上記外周外発光部34(左側外周外発光部34a,右側外周外発光部34b)と、開口窓の外周内からの光をその外周外で検出する外周外光検出部35(左側外周外光検出部35a,右側外周外光検出部35b)とがそれぞれ設けられる構造となっている。
すなわち後述するが、このような構造によれば、外周外発光部34と外周外光検出部35とが上記開口窓の外周外にて配設されるようになることから、正面視で上記開口窓の略全域を遊技者による操作を受ける部分(操作受け部)として機能させることができるようになる。また、外周外光検出部35を、露な状態で配設せず、開口窓の設けられる側に向けてのみ開口されたサイドベース572の内部空間3435(図119参照)にて配設するようにしたことから、該外周外光検出部35にて光を検出するにあたり、外乱になりうる演出光を好適に排除することができるようになる。
また、扉枠トップユニット570は、ユニット本体271の左右方向中央の前面に取付けられており透光性を有しているトップ中装飾部材576と、トップ中装飾部材576の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中装飾基板577と、ユニット本体271の前面に夫々取付けられており複数のスリット574bを夫々閉鎖していると共にトップ中装飾部材576の左右両端付近から開口部574aを跨いでユニット本体271の左右両端付近まで夫々延びている透明平板状の複数(左右夫々三つ)の導光部材578と、ユニット本体271の前面におけるトップ中装飾部材576の左右両側に夫々取付けられており複数(三つ)の導光部材578の前面を夫々覆っているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580と、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の夫々の前方側からユニット本体271の前面に夫々取付けられておりトップ中装飾部材576の左右両側から開口部574aの中央側端部付近まで夫々延びているトップ中左装飾部材581及びトップ中右装飾部材582と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット570は、ユニット本体271における左右両側面の内側に夫々取付けられており複数(三つ)の導光部材578における左右方向外側端部と対面する部位にLEDが夫々実装されている扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ右装飾基板584と、ユニット本体271の後側における左右方向中央の左右両側に夫々形成されている複数(三つの)スリット574bが貫通している部位に夫々取付けられている一対の基板ベース585と、一対の基板ベース585の前面に夫々取付けられておりユニット本体271のスリット574bの後方となる位置に複数のLED586a,587aが実装されている扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587と、扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587の前側でユニット本体271の後側に夫々取付けられている一対の遮光部材588と、を備えている。
また、扉枠トップユニット570は、ユニット本体271内で中央ベース571の前面に取付けられている扉枠トップユニット中継基板589と、扉枠トップユニット中継基板589の前面を覆うように中央ベース571に取付けられている中継基板カバー590と、ユニット本体271の上開口部574cを閉鎖するようにユニット本体271に取付けられている上カバー591と、ユニット本体271の下開口部574dを閉鎖するようにユニット本体271に取付けられている下カバー592と、を備えている。
扉枠トップユニット570の中央ベース571は、正面視の形状が左右に延びた四角形に形成されている。中央ベース571は、後方へ開放された箱状に形成されており、前面に複数の凹凸を備えている。一対のサイドベース572は、中央ベース571の左右両端に夫々取付けられる。一対の上部スピーカ573は、各サイドベース572の前面に夫々取付けられる。一対の上部スピーカ573は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、夫々の前面が、扉枠トップユニット570の左右方向中央に近い側が後方へ移動するように斜めに取付けられている。一対の上部スピーカ573は、広い周波数帯域で音を出力可能なフルレンジのコーン型スピーカである。
ユニット本体271は、正面視の形状が、左右に延びた四角形の左右両端付近の下部が下方へ膨出したような形状に形成されている。換言すると、ユニット本体271は、正面視の形状が、左右に延びた四角形を、下端辺側から上方へ窄まった台形で切欠いたような形状に形成されている。ユニット本体271は、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の前端辺側における左右方向中央を中心にして全幅(左右方向の長さ)の約1/2の部位を底辺とする前方へ突出した台形と、その台形の前端辺を長辺として前方へ短く突出した四角形と、を組合せた形状に形成されている。従って、ユニット本体271は、前面における左右方向中央で前方へ突出した部位の両側が、ユニット本体271の左右方向の端部と、前方へ突出した部位の前端の左右方向端部とを結んだ線よりも後方に位置している(窪んでいる)。
ユニット本体271は、前面における左右方向両端から前方へ突出している部位よりも外側の位置までの部位に、夫々前後に貫通している開口部574aが形成されている。また、ユニット本体271は、前面における前方へ台形に突出している部位の斜めに延びている部位に、上下方向に所定の高さで左右に延びていると共に前後方向に貫通している複数のスリット574bが形成されている。複数のスリット574bは、ユニット本体271の前面における前方へ斜めに延びている部位の前端付近から、開口部574a付近まで左右に延びている。また、複数のスリット574bは、ユニット本体271の左右方向中央の両側に、夫々三つずつ上下に離間して形成されている。
また、ユニット本体271は、上面における左右方向中央に後端から前方へ向かって四角く切欠かれた上開口部574cと、下面における左右方向に後端から前方へ向かって切欠かれた下開口部574dと、を備えている。ユニット本体271の上開口部574cは、上カバー591によって閉鎖される。また、下開口部574dは、下カバー592によって閉鎖される。
また、ユニット本体271は、左右両端に上下に延びたトップ左装飾部574e及びトップ右装飾部574fを備えている。トップ左装飾部574eは、その前面が、開口部574aの形成されている部位の前面と、前後方向が略同じ位置に形成されている。トップ右装飾部574fは、その前面が、開口部574aの形成されている部位の前面よりも前方へ位置するように形成されている。このユニット本体271は、不透光性の部材によって形成されている。
トップ中装飾部材576は、ユニット本体271の前面における左右方向中央において前方へ突出している部位の前端に取付けられる。トップ中装飾部材576は、正面視の形状が、略正方形の下辺の左右方向中央部が下方へ位置するように折れ曲がった変五角形と、変五角形の左右の辺の上端から左右方向外側へ延出した辺の先端と辺五角形の左右の辺の下端とを結んだ略直角三角形と、を組合せたような形状に形成されている。トップ中装飾部材576は、前面の変五角形の部位が、下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。このトップ中装飾部材576は、全体が立体的な形状に形成されており、透光性を有している。
扉枠トップ中装飾基板577は、前面が、トップ中装飾部材576の変五角形の部位の前面と沿うように、下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜した状態でトップ中装飾部材576の後側に取付けられる。扉枠トップ中装飾基板577は、前面に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで、トップ中装飾部材576を発光装飾させることができる。
導光部材578は、透明な部材によって形成されている。導光部材578は、ユニット本体271の前面における前方へ突出した部位の前端よりも左右両外側の形状に沿った形状に形成されている。ユニット本体271の左右方向両端部に近い側を端部側、中央に近い側を中央側として説明すると、導光部材578は、端部側から中央側へ向かって左右に真っすぐに延びた直部578aと、直部578aの中央側の端部側から中央側へ向かうに従って前方へ移動するように半径の大きい円弧状に延びた円弧部578bと、で構成されている。導光部材578は、直部578aでは前後方向の奥行きが上下方向の高さよりも小さく形成されており、円弧部578bでは前後方向の奥行きが上下方向の高さよりも大きく形成されている。また、導光部材578は、直部578aでは上下方向の高さが一定に形成されており、円弧部578bでは上下方向の高さが中央側へ向かうに従って小さくなるように形成されている。導光部材578は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、直部578aがユニット本体271の開口部574aの直前に位置し、円弧部578bがユニット本体271のスリット574bを前方から閉鎖している。
導光部材578は、直部578aの後面に形成されている鋸状の凹凸からなる拡散反射部578cと、円弧部578bの後面側に形成されている複数の凹凸からなる拡散入力部578dと、を備えている。
導光部材578は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、左右方向両外側の端部が、扉枠トップ左装飾基板583又は扉枠トップ右装飾基板584のLED583a,584aと対面していると共に、拡散入力部578dが扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587のLED586a,587aと対面している。この導光部材578は、左右方向両外側の端部から、扉枠トップ左装飾基板583又は扉枠トップ右装飾基板584のLED583a,584aからの光が入射されると、その光が直部578a内を中央側へ進むと共に、直部578aの後面に形成されている拡散反射部578cにより端部側から順次前方へ反射され、直部578aの前面全体から光が前方へ照射される。導光部材578の前方にはトップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580が配置されており、それらのうちの直部578aの前方となる部位が発光装飾させられる。
また、導光部材578は、円弧部578bの後面に形成されている拡散入力部578dから、扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587のLED586a,587aからの光が入射されると、その光が拡散入力部578dの凹凸により円弧部578b内へ広く拡散され、円弧部578bの前面全体から光が前方へ照射される。これにより、トップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580における円弧部578bの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
このように、導光部材578は、扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ中左装飾基板586のLED583a,586a、又は、扉枠トップ右装飾基板584及び扉枠トップ中右装飾基板587のLED584a,587a、からの光を導いて、前方に配置されているトップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580の全体を良好(均一)な状態で発光装飾させることができる。
トップ左装飾レンズ部材579は、ユニット本体271の前面における左右方向中央より左側に配置される三つの導光部材578の前方を覆うように、ユニット本体271の前面に取付けられる。トップ左装飾レンズ部材579は、三つの導光部材578を夫々独立して前方から収容する三つの装飾レンズ部579aを有している。トップ左装飾レンズ部材579の装飾レンズ部579aは、導光部材578に倣った形状に形成されており、導光部材578の前面及び上下両面を被覆している。各装飾レンズ部579aの前面には、前方へ突出した四角錘台の凹凸が左右に列設されている。
トップ左装飾レンズ部材579は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の左端から、ユニット本体271のトップ左装飾部574eの右端まで延びている。つまり、トップ左装飾レンズ部材579は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576よりも左側の略全体を装飾している。このトップ左装飾レンズ部材579は、三つの導光部材578を介して扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ中左装飾基板586のLED583a,586aによって発光装飾させられる。
トップ右装飾レンズ部材580は、ユニット本体271の前面における左右方向中央より右側に配置される三つの導光部材578の前方を覆うように、ユニット本体271の前面に取付けられる。トップ右装飾レンズ部材580は、三つの導光部材578を夫々独立して前方から収容する三つの装飾レンズ部580aを有している。トップ右装飾レンズ部材580の装飾レンズ部580aは、導光部材578に倣った形状に形成されており、導光部材578の前面及び上下両面を被覆している。各装飾レンズ部580aの前面には、前方へ突出した四角錘台の凹凸が左右に列設されている。
トップ右装飾レンズ部材580は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の右端から、ユニット本体271のトップ右装飾部574fの左端まで延びている。つまり、トップ右装飾レンズ部材580は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576よりも右側の略全体を装飾している。このトップ右装飾レンズ部材580は、三つの導光部材578を介して扉枠トップ右装飾基板584及び扉枠トップ中右装飾基板587のLED584a,587aによって発光装飾させられる。
トップ中左装飾部材581は、ユニット本体271の前面における左側の開口部574aとトップ中装飾部材576との間で、トップ左装飾レンズ部材579の前方からユニット本体271の前面に取付けられる。トップ中左装飾部材581は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、トップ左装飾レンズ部材579の三つの装飾レンズ部579aの間を埋めるように取付けられており、前面の中央寄りがトップ左装飾レンズ部材579の前面よりも前方に突出している。このトップ中左装飾部材581は、不透光性の部材によって形成されている。
トップ中右装飾部材582は、ユニット本体271の前面における右側の開口部574aとトップ中装飾部材576との間で、トップ右装飾レンズ部材580の前方からユニット本体271の前面に取付けられる。トップ中右装飾部材582は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、トップ右装飾レンズ部材580の三つの装飾レンズ部580aの間を埋めるように取付けられており、前面の中央寄りがトップ右装飾レンズ部材580の前面よりも前方に突出している。このトップ中右装飾部材582は、不透光性の部材によって形成されている。
扉枠トップ左装飾基板583は、ユニット本体271内における左側面(トップ左装飾部574e)の内側に、LED583aが実装されている面を右方へ向けて取付けられている。扉枠トップ左装飾基板583は、ユニット本体271の左右方向中央より左側の前面に取付けられている三つの導光部材578の左端面と対向する位置にLED583aが実装されている(図59を参照)。三つのLED583aは、夫々独立して発光させることができる。扉枠トップ左装飾基板583のLED583aにより、三つの導光部材578の直部578aを介して、トップ左装飾レンズ部材579におけるユニット本体271の左側の開口部574aの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板584は、ユニット本体271内における右側面(トップ右装飾部574f)の内側に、LED584aが実装されている面を左方へ向けて取付けられている。扉枠トップ右装飾基板584は、ユニット本体271の左右方向中央より右側の前面に取付けられている三つの導光部材578の右端面と対向する位置にLED584aが実装されている(図59を参照)。三つのLED584aは、夫々独立して発光させることができる。扉枠トップ右装飾基板584のLED584aにより、三つの導光部材578の直部578aを介して、トップ右装飾レンズ部材580におけるユニット本体271の右側の開口部574aの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
一対の基板ベース585は、ユニット本体271内における複数のスリット574bが形成されている部位の後側に取付けられるものである。一対の基板ベース585は、互いが略左右対称に形成されている。基板ベース585は、上下及び前後に延びた辺を有する側面視略正方形の側壁と、側壁の後辺から直角に左右方向外方へ延びた正面視四角形の後壁と、側壁の上辺の前端から側壁の上辺途中までを結んだ線を斜辺として側壁と後壁の上辺同士を結んでいる略直角三角形の上壁と、上壁とは反対側で側壁と後壁の下辺同士を結んでいる略直角三角形の下壁と、を備え、上下の斜辺同士の間が開放された三角柱状の箱状に形成されている。基板ベース585は、開放されている部位が、ユニット本体271によって閉鎖されるようにユニット本体271に取付けられる。この基板ベース585は、開放されている部位が閉鎖されるように、扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587が取付けられる。
扉枠トップ中左装飾基板586は、ユニット本体271における左右中央より左側の後側に取付けられる基板ベース585において、箱状の開放されている部位を前方から閉鎖するように、基板ベース585に取付けられる。扉枠トップ中左装飾基板586は、基板ベース585の前面に取付けられることで、前面が、ユニット本体271の左右方向中央側へ向かうに従って前方へ移動するように、左右に延びた面に対して傾斜した状態となる。これにより、扉枠トップ中左装飾基板586は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、その前面が、ユニット本体271の左右方向中央より左側の三つのスリット574bが形成されている部位の面と略平行な状態となる。
扉枠トップ中左装飾基板586は、ユニット本体271の三つのスリット574bと対応している位置に、複数のLED586aが実装されている。これにより、扉枠トップ中左装飾基板586は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、ユニット本体271の中央より左側の三つのスリット574bから、複数のLED586aが前方に臨んだ状態となる。扉枠トップ中左装飾基板586は、複数のLED586aを発光させることで、導光部材578の円弧部578bを介して、トップ左装飾レンズ部材579のトップ中装飾部材576に近い部位を発光装飾させることができる。
扉枠トップ中右装飾基板587は、ユニット本体271における左右中央より右側の後側に取付けられる基板ベース585において、箱状の開放されている部位を前方から閉鎖するように、基板ベース585に取付けられる。扉枠トップ中右装飾基板587は、基板ベース585の前面に取付けられることで、前面が、ユニット本体271の左右方向中央側へ向かうに従って前方へ移動するように、左右に延びた面に対して傾斜した状態となる。これにより、扉枠トップ中右装飾基板587は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、その前面が、ユニット本体271の左右方向中央より右側の三つのスリット574bが形成されている部位の面と略平行な状態となる。
扉枠トップ中右装飾基板587は、ユニット本体271の三つのスリット574bと対応している位置に、複数のLED587aが実装されている。これにより、扉枠トップ中右装飾基板587は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、ユニット本体271の中央より右側の三つのスリット574bから、複数のLED587aが前方に臨んだ状態となる。扉枠トップ中右装飾基板587は、複数のLED587aを発光させることで、導光部材578の円弧部578bを介して、トップ右装飾レンズ部材580のトップ中装飾部材576に近い部位を発光装飾させることができる。
一対の遮光部材588は、扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587とユニット本体271との間の位置で、ユニット本体271の前面後側に取付けられるものである。一対の遮光部材588は、不透光性の部材によって、互いが略左右対称に形成されている。遮光部材588は、ユニット本体271における三つのスリット574bと対応して列設されている扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587の複数のLED586a,587aの上下の間を仕切っている。この遮光部材588により、各導光部材578の直後に位置しているLED586a,587aによってのみ、その導光部材578により光を前方へ誘導させることができ、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の夫々の装飾レンズ部579a,580aを夫々独立させた状態で良好に発光装飾させることができる。
扉枠トップユニット中継基板589は、中央ベース571の前面に取付けられている。
扉枠トップユニット中継基板589は、一対の上部スピーカ573、扉枠トップ中装飾基板577、扉枠トップ左装飾基板583、扉枠トップ右装飾基板584、扉枠トップ中左装飾基板586、及び扉枠トップ中右装飾基板587と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継している。扉枠トップユニット中継基板589は、扉枠右サイドユニット550に備えられている図示しない接続ケーブルを介して、扉本体中継基板と接続されている。この扉枠トップユニット中継基板589は、前側が中継基板カバー590によって覆われている。
この扉枠トップユニット570は、左右方向中央において前方へ突出したトップ中装飾部材576を備えていると共に、トップ中装飾部材576の左右両側の前面が後方へ抉れているように湾曲しているため、トップ中装飾部材576のみが前方へ大きく突出しているように遊技者を錯覚させることができ、遊技者の関心を本パチンコ機1に対して強く引付けさせることができる。
また、扉枠トップユニット570は、中央に配置されているトップ中装飾部材576の左右両側を装飾しているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580を、トップ中装飾部材576の左右両側から、ユニット本体271の左右両端に形成されているトップ左装飾部574e及びトップ右装飾部574fまで延びるように形成している。これにより、扉枠トップユニット570によって、扉枠3の前面上部を全体的に装飾することができる。
この際に、扉枠トップユニット570では、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580が配置されている左右方向両端付近の夫々の後方に、パンチングメタルからなるスピーカカバー575により前面が保護された上部スピーカ573を備え、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の上下に離間している三つの装飾レンズ部579a,580aの間からスピーカカバー575が前方へ臨むようにしているため、左右の上部スピーカ573から出力されるサウンドを、良好な状態で遊技者に聴かせることができ、良質なステレオサウンドを楽しませることができる。
また、扉枠トップユニット570は、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の後側に備えられた複数の導光部材578により、扉枠トップ左装飾基板583、扉枠トップ右装飾基板584、扉枠トップ中左装飾基板586、及び扉枠トップ中右装飾基板587からの光を、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580に導くことができ、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の前面全体を良好に発光装飾させることができる。従って、扉枠トップユニット570は、左右の上部スピーカ573の前方を含む扉枠3の上部の前面全体を発光装飾させることができる。
[3−8.扉枠の作用効果]
扉枠3の作用効果について説明する。本実施形態のパチンコ機1における扉枠3は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前後に貫通している貫通口111を、従来のパチンコ機よりは上下及び左右方向へ大きくしており、貫通口111の拡大に合せて、皿ユニット320及び扉枠トップユニット570の上下方向の高さを小さくしていると共に、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の左右方向の幅を小さくしている。これにより、貫通口111(ガラスユニット190)を通して、本体枠4に取付けられた遊技盤5(遊技領域5a)の前面を、可及的に広く遊技者(前方)から見えるようにすることができ、遊技領域5aの広い遊技盤5に対応している。
扉枠3は、貫通口111の下側において、前方へ膨出している皿ユニット320の左右方向中央に大きな半球面状の操作ボタン410を有した演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を備え、演出操作ユニット400の左右両側における下半分(上皿321よりも下側の部分)の前面(皿前下装飾部326cの前面)を、後方へ抉れるように窪んだ形状(皿ユニット320の左右両端の前端と、演出操作ユニット400の左右両端の前端とを結んだ直線よりも、演出操作ユニット400の左右両側の前面が後方へ位置するように凹状に湾曲した形状)に形成されている。これにより、皿ユニット320の左右方向中央の前面に取付けられている演出操作ユニット400が前方へ大きく突出しているように見えるため、遊技者に対して演出操作ユニット400を目立たせて強調して見せることができ、演出操作ユニット400に強く注目させることができる。
扉枠3は、貫通口111よりも下側の皿ユニット320の前面に配置されている演出操作ユニット400を、大きな半球面状の透明な操作ボタン410が、斜め上前方を向くように傾けた状態で取付けているため、本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、操作ボタン410が遊技者の頭部(顔)を向いた状態となり、遊技者が視線を落として演出操作ユニット400を見ると、操作ボタン410が略正面に近い状態で見えることとなり、大きくて丸い操作ボタン410を強烈に視認させることができ、操作ボタン410を用いた演出に対して期待感を高めさせることができると共に、透明な操作ボタン410内に配置されている扉枠側演出表示装置460に表示される演出画像を良好な状態で視認させることができ、演出画像を十分に楽しませることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320の全高と略同じ直径の大きくて前方へ丸く膨出した操作ボタン410を備えているため、操作ボタン410を操作する際に、短い距離の手の移動で操作ボタン410の何れかの部位に触れることができ、操作ボタン410の「早押し」を比較的容易に行うことができる。また、大径で前方へ丸く膨出した操作ボタン410を、傾けた状態で取付けているため、従来のパチンコ機の操作ボタンのように上から押圧操作することができるだけでなく、左方や右方、或いは、前方からでも良好に操作することができ、操作性の良い操作ボタン410によって操作ボタン410を用いた演出をより楽しませることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320によって演出操作ユニット400を、吊り下げたような状態で取付けていると共に、演出操作ユニット400の下部に振動を発生させる振動モータ424を備えているため、遊技状態に応じて振動モータ424を回転させて振動を発生させると、操作ボタン410の上部に触れている遊技者の手に対して、強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて操作ボタン410を用いた演出をより一層楽しませることができる。
更に、扉枠3は、皿ユニット320の前面中央に、皿ユニット320の全高に亘る大きな操作ボタン410(演出操作ユニット400)を備えていることから、従来のパチンコ機と比較して上皿321の下にある下皿322が目立ち難くなるため、従来のパチンコ機を見慣れた遊技者に対して、明らかに異なっていると認識させ易くすることができ、遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320の前面における演出操作ユニット400の左側に開口している下皿開口部326dに対して、下皿322を、演出操作ユニット400の後側へ回り込むように形成しているため、下皿開口部326dの大きさに対して、下皿322の容積を大きくすることができ、下皿322での遊技球の貯留数を十分に確保することができる。また、下皿322の後部が演出操作ユニット400の後側へ回り込んでいることから、遊技者が下皿322内に左手を入れたり、下皿開口部326dに左手の指を掛けたりした時に、指先が下皿322の後の壁に触れ難くなるため、遊技者に対して違和感を与え難くすることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができると共に、下皿開口部326dの大きさに比べて下皿322の容積が大きいことを触覚でも認識させることができる。
更に、扉枠3は、上皿321からの遊技球が下皿322に放出される下皿球供給口323cと下皿322の遊技球を皿ユニット320の下方のドル箱等に抜くための下皿球抜き孔322aとを、前後に直線状に配置すると共に、正面視において下皿開口部326dの右外側(演出操作ユニット400のフレームユニット415の左端よりも右側)に配置している。つまり、下皿球供給口323c及び下皿球抜き孔322aを、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方に配置しているため、遊技者側から下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322aが見えず、皿ユニット320(パチンコ機1)の外観をスッキリさせることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、扉枠3は、下皿322において、下皿球供給口323cの前方(真正面)の下方に下皿球抜き孔322aを配置しているため、下皿球抜き孔322aを開いた状態とすると、上皿321等から下皿322へ放出された遊技球が、下皿322に入ると直ぐに下皿球抜き孔322aから下方のドル箱等へ排出されることとなる。この際に、遊技者側からは、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322aが見えないため、上皿321等から下皿322を通ってドル箱へ排出される遊技球の流れも見ることができない。これにより、遊技者に対して上皿321の遊技球や上皿321が満タンな状態で払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができるため、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、下皿322において、下皿球供給口323cの前方左寄りの位置に下皿球抜き孔322aを配置すると共に、下皿球抜き孔322aよりも右側の下皿322の立上った壁部を下皿球抜き孔322aの方向を向くように斜めに湾曲させているため、下皿球供給口323cから下皿322へ供給された遊技球を、直接的に下皿球抜き孔322aへ誘導したり、右側の壁部に反射させて間接的に下皿球抜き孔322aへ誘導したりすることができる。これにより、下皿球抜き孔322aが開いたままの状態では、下皿球供給口323cから下皿322に供給された遊技球が、下皿322における下皿球抜き孔322aよりも左側の領域(下皿第一領域A1)へ侵入することなく、下皿球抜き孔322aから下方へ排出させることができるため、下皿322内を流通する遊技球を遊技者に見せることなく下皿322の下方(ドル箱)へ遊技球を排出させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、扉枠3は、下皿322が前方へ臨む皿ユニットカバー326の下皿開口部326dを、演出操作ユニット取付部326a(演出操作ユニット400)と下スピーカ口326eとの間に備えているため、遊技者が下皿開口部326dに手を掛けたり、下皿322に手を入れたりしても、下スピーカ口326eの前方が遊技者の手によって遮られることはないため、本体枠4の基板ユニット900における下部スピーカ921からのサウンドを、良好に前方へ出力させることができ、本パチンコ機1によるサウンドを楽しませることができる。また、遊技者が下皿322に手を入れたり近付けたりすると、下スピーカ口326eから前方へ出力される下部スピーカ921からの重低音による振動を、遊技者に触覚的に感じさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、貫通口111の右側から板状で前方へ大きく突出している扉枠右サイドユニット550を備えていることから、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠右サイドユニット550が右側に隣接しているパチンコ機との間で仕切りのような作用効果を発揮することができるため、本パチンコ機1で遊技する遊技者に対して、個室で遊技しているような感じに錯覚させることができ、周りの他の遊技者に気兼ねすることなくリラックスした雰囲気で遊技を行わせることができる。
更に、扉枠3は、板状で前方へ大きく突出している扉枠右サイドユニット550の前端や左右両面を、発光装飾させることができるため、パチンコ機1が並んだ状態で設置される遊技ホール内において、本パチンコ機1の前方に位置していなくても、島設備に沿った横方向から等の遠くからでも本パチンコ機1の存在を知らせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、貫通口111の上側の扉枠トップユニット570において、左右方向中央で前方へ突出しているトップ中装飾部材576を備えると共に、トップ中装飾部材576の左右両側の前面を、後方へ抉れるように窪んだ形状(扉枠トップユニット570の左右両端の前端と、トップ中装飾部材576の左右両端の前端とを結んだ直線よりも、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の左右両側の前面が後方へ位置するように凹状に湾曲した形状)に形成されている。これにより、扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576のみが前方へ大きく突出しているように見えるため、遊技者に対してトップ中装飾部材576を目立たせて強調して見せることができ、トップ中装飾部材576に強く注目させることができる。
ところで、従来のパチンコ機における扉枠の上部には、左右に離間した一対の上部スピーカが備えられており二つの上部スピーカが目立っていた。これに対して、本実施形態の扉枠3は、貫通口111の上側に取付けられている扉枠トップユニット570において、左右両端にパンチングメタルからなるスピーカカバー575により前面が保護された一対の上部スピーカ573を備えた上で、中央のトップ中装飾部材576の左右両側からスピーカカバー575の前を通って左右方向両端まで延びたトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580を備え、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の前面全体を、発光装飾できるようにしている。これにより、扉枠3の前面上部を全体的に装飾することができるため、扉枠3の上部において、一対の上部スピーカ573が目立たなくなり、従来のパチンコ機とは明らかに異なる装飾が施されていることを一見して遊技者に認識させることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、一対の上部スピーカ573により良質なステレオサウンドを遊技者に楽しませることができる。
このように、本実施形態の扉枠3は、貫通口111より下側と上側において、皿ユニット320に取付けられている演出操作ユニット400と、扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576とが、夫々左右方向の中央で前方へ大きく突出しているため、左右方向中央を通る仮想線が目立つような上下において統一感のある装飾を遊技者に見せることができると共に、洗練された感じの装飾により他のパチンコ機よりも目立たせることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、左右方向の中央において上下に配置されている扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576と演出操作ユニット400とを、前方へ突出させているため、トップ中装飾部材576及び演出操作ユニット400を発光装飾させると、扉枠3の前面の左右方向中央で上下に延びたような発光ラインを遊技者に見せることができ、遊技者の視線を左右方向中央に配置された演出操作ユニット400の操作ボタン410等に誘導させることができる。
[5.遊技盤の全体構成]
次に、パチンコ機1の遊技盤5の全体構成について、図60乃至図66等を参照して詳細に説明する。図60は、遊技盤の正面図である。図61は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図62は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図63は表ユニットと裏ユニットを除いた遊技盤の正面図であり、図64は図63の遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図65は図63の遊技盤を分解して後ろから見た分解斜視図である。図66は、遊技盤をパチンコ機に取付けた状態で機能表示ユニットの部位を正面から拡大して示す説明図である。
遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット300のハンドル302を操作することで遊技球が打込まれる遊技領域5aを有している。また、遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球を遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、を備えている。遊技パネル1100の前面において遊技領域5a内となる部位には、遊技球と当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている(図示は省略)。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左下隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に取付けられている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な遊技盤側演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。裏ユニット3000の後面に遊技盤側演出表示装置1600が取付けられていると共に、遊技盤側演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能に常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが何れかにおいて可能となる大入賞口2005と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1126の直上に取付けられており第一始動口2002及び大入賞口2005を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており複数の一般入賞口2001を有しているサイドユニット下2200と、サイドユニット下2200の正面視左端上方に取付けられているサイドユニット上2300と、遊技領域5a内の略中央に取付けられておりゲート部2003、及び第二始動口2004を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており遊技盤側演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端で正面視左辺側の上下方向中央から上寄りに取付けられている裏左中装飾ユニット3050と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏箱3010の後壁付近に取付けられている裏下後可動演出ユニット3100と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で正面視左側に取付けられている裏上左可動演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口部3010aの正面視左側に取付けられている裏左可動演出ユニット3300と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で左右方向中央から正面視右端までにかけて取付けられている裏上中可動演出ユニット3400と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏下後可動演出ユニット3100の前方に取付けられている裏下前可動演出ユニット3500と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
次に、前構成部材1000について、主に図64及び図65等を参照して説明する。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球が当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1008を備えている。この防犯凹部1008は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー200の後方へ突出した後方突片202が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー200と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー200の後方突片202と前構成部材1000の防犯凹部1008とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー200と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片202や防犯凹部1008に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、内レール1002の後端から後方へ突出している複数の位置決め突起1009を備えている。これら位置決め突起1009は、遊技パネル1100におけるパネル板1110に形成されている内レール固定孔1116に挿入させることで、内レール1002をパネル板1110の前面に位置決め固定することができる。
更に、前構成部材1000は、後面から後方へ突出している複数の取付ボス1010を備えている。複数の取付ボス1010は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の取付孔1128に挿入されることで、パネルホルダ1120(遊技パネル1100)との間を位置決めすることができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1011を備えている。この切欠部1011は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の切欠部1127と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、これら切欠部1011,1127を貫通して下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が前方へ臨むようになっている。
[5−2.遊技パネル]
次に、遊技パネル1100について、主に図61及び図62、図64及び図65等を参照して説明する。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダ1120(遊技パネル1150)よりも薄く、障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位に下端から上方へ窪んだアウト凹部1111が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
また、パネル板1110は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔1113と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔1114と、を備えている。これら嵌合孔1113及び長孔1114は、遊技領域5aよりも外側に配置されており、パネルホルダ1120との位置決めを行うものである。また、パネル板1110は、上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部1115が夫々備えられている。これら係合段部1115は、パネル板1110の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1113及び長孔1114と同様に、遊技領域5aよりも外側に配置されており、パネル板1110をパネルホルダ1120へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1110は、所定位置に内レール固定孔1116が複数備えられている。この内レール固定孔1116に内レール1002の後側から突出する位置決め突起1009を嵌合固定させることで、内レール1002を所定の位置に固定することができる。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本例では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1121と、保持段部1121の内側において略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1122と、を備えている。
パネルホルダ1120の保持段部1121は、前面からの深さがパネル板1110の厚さと略同じ深さとされており、保持段部1121内に保持されたパネル板1110の前面が、パネルホルダ1120の前面と略同一面となる。また、保持段部1121は、その前側内周面が、パネル板1110の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさに形成されている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1110が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。
また、パネルホルダ1120は、保持段部1121に保持されるパネル板1110に形成されている嵌合孔1113及び長孔1114と対応する位置に配置され、保持段部1121の前面から前方に向かって延びており、パネル板1110の嵌合孔1113及び長孔1114に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1123を備えている。これらの突出ピン1123をパネル板1110の嵌合孔1113及び長孔1114に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1120とパネル板1110とを互いに位置決めすることができる。
更に、パネルホルダ1120は、パネル板1110の係合段部1115と対応する位置に、係合段部1115と係合する係合爪1124及び係合片1125を備えている。詳述すると、係合爪1124は、パネルホルダ1120の保持段部1121の上部に配置されており、パネル板1110における上側の係合段部1115と対応し、保持段部1121の前面から前方に向かって突出し、係合段部1115と弾性係合するようになっている。
この係合爪1124は、先端がパネルホルダ1120の前面から突出しない大きさとされている。
パネルホルダ1120の係合片1125は、パネルホルダ1120の保持段部1121の下部に配置され、パネル板1110における下側の係合段部1115と対応している。
この係合片1125は、保持段部1121の前面との間にパネル板1110の係合段部1115が挿入可能な大きさの隙間を形成した状態で、パネルホルダ1120の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びている。これら係合爪1124及び係合片1125にパネル板1110の係合段部1115を係合させることで、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して着脱可能に保持される。
また、パネルホルダ1120は、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位に前後に貫通しているアウト口1126を備えている。パネルホルダ1120は、アウト口1126の後面下側が、アウト口1126と同じ幅で下端まで前方へ窪んでいる。
更に、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1127を備えている。この切欠部1127は、前構成部材1000の切欠部1011と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、これら切欠部1011,1127を貫通して下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が前方へ臨むようになっている。
また、パネルホルダ1120は、前構成部材1000における複数の取付ボス1010と対応している位置に、前後に貫通した複数の取付孔1128を備えている。これら複数の取付孔1128に、前構成部材1000の取付ボス1010を挿入することで、パネルホルダ1120を前構成部材1000の後側に取付けることができると共に、前構成部材1000との間でパネルホルダ1120(遊技パネル1100)を位置決めすることができる。
また、パネルホルダ1120は、切欠部1127の上側で前後方向に貫通している四角い挿通孔1129を備えている。この挿通孔1129は、機能表示ユニット1400の後端が挿通される。
遊技パネル1100は、前構成部材1000の後側に取付けた状態では、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後側にパネルホルダ1120のアウト口1126が開口した状態となる。これにより、遊技領域5aの下端へ流下した遊技球が、アウト誘導部1003によって後側のアウト口1126へ誘導され、アウト口1126を通って遊技パネル1100の後側へ排出される。
[5−2a.遊技パネルの第二実施形態]
次に、上記の遊技パネル1100とは異なる実施形態の遊技パネル1150について、主に図67及び図68を参照して詳細に説明する。図67は、図63とは異なる形態の遊技パネルを、前構成部材、基板ホルダ、及び主制御ユニットと共に前から見た分解斜視図である。図68は、図67を後ろから見た分解斜視図である。この遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニヤ合板等の木質板材によって形成されている。この遊技パネル1150は、上記の遊技パネル1100のパネルホルダ1120と同じ厚さに形成されている。
遊技パネル1150は、外形が前構成部材1000の外形と略同形状に形成されている。遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1000のアウト誘導部1003と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151を備えている。遊技パネル1150は、アウト口1151の後面下側が、アウト口1151と同じ幅で下端まで前方へ窪んでいる。
また、遊技パネル1150は、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1000の切欠部1011と同形状の切欠部1152と、切欠部1152の上側で上下方向に貫通しており機能表示ユニット1400の後端が挿通される四角い挿通孔1153と、を備えている。
また、遊技パネル1150は、前構成部材1000の内レール1002から後方へ突出している複数の位置決め突起1009と対応する位置に、位置決め突起1009を嵌合可能な前後に貫通している複数の内レール固定孔1154を備えている。また、遊技パネル1150は、前構成部材1000における複数の取付ボス1010と対応している位置に、前後に貫通した複数の取付孔1155を備えている。これら複数の取付孔1155に、前構成部材1000の取付ボス1010を挿入することで、遊技パネル1150を前構成部材1000の後側に取付けることができると共に、前構成部材1000との間で遊技パネル1150を位置決めすることができる。
更に、遊技パネル1150は、図示は省略するが、上記の遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112と同様に、表ユニット2000を取付けるための前後に貫通している複数の開口部が備えられている。
遊技パネル1150は、前構成部材1000の後側に取付けた状態で、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後側にアウト口1151が開口した状態となる。これにより、遊技領域5aの下端へ流下した遊技球が、アウト誘導部1003によって後側のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151を通って遊技パネル1150の後側へ排出される。
[5−3.基板ホルダ]
次に、基板ホルダ1200について、主に図64乃至図65等を参照して説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側から覆うことができる。これにより、アウト口1126を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
次に、主制御ユニット1300について、主に図64乃至図65等を参照して説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。この主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する主制御基板1310と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
なお、主制御基板ボックス1320をはじめとした各種の基板ボックス930,950,1320,1520,3042はいずれも、外部からの目視確認が可能とされるように透過性をもった部材として設けられている。すなわち後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特に、上記払出制御基板ボックス950内の払出制御基板951や上記主制御基板ボックス1320内の主制御基板1310において不正抑制性能で劣る表面実装領域が設けられるようになっていることから、後述の不正対策に関わる各種の作用効果を得る上でこのような透過性を確保しておくことは重要である。
[5−5.機能表示ユニット]
次に、機能表示ユニット1400について、主に図64乃至図66等を参照して説明する。機能表示ユニット1400は、図示するように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左下隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、遊技盤5をパチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の貫通口111を通して前方(遊技者側)から視認することができる(図66を参照)。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、図66に示すように、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器1401と、ゲート部2003に対する遊技球の通過により抽選される普通抽選結果を表示する四つのLEDからなる普通図柄表示器1402と、ゲート部2003に対する遊技球の通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器1408と、第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器1403と、第一始動口2002への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器1404と、第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器1405と、第二始動口2004への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器1406と、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する三つのLEDからなるラウンド表示器1407と、を主に備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−6.周辺制御ユニット]
次に、周辺制御ユニット1500について、図62を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられる遊技盤側演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基いて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、図示は省略するが、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部と、演出画像を制御するための演出表示制御部と、を備えている。
[5−7.遊技盤側演出表示装置]
次に、遊技盤側演出表示装置1600について、図61乃至図62を参照して説明する。遊技盤側演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。詳述すると、遊技盤側演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。この遊技盤側演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。この遊技盤側演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとしたフルカラーの液晶表示装置であり、静止画像や動画を表示することができる。
遊技盤側演出表示装置1600は、正面視左側面から外方へ突出している二つの左固定片1601と、正面視右側面から外方へ突出している右固定片1602と、を備えている。この遊技盤側演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の正面視左内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの左固定片1601を挿入した上で、右固定片1602側を前方へ移動させて、右固定片1602をロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を下方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−8.表ユニット]
次に、表ユニット2000について、図60乃至図62を参照して説明する。遊技盤5の表ユニット2000は、遊技パネル1100におけるパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端が開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
本実施形態の表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
複数の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部に配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1126の直上に配置されている。
ゲート部2003は、遊技領域5a内における正面視右上で衝止部1006の略直下に配置されている。第二始動口2004は、ゲート部2003の直下から正面視右寄りに配置されている。大入賞口2005は、第一始動口2002とアウト口1126との間に配置されている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1126の直上に取付けられており第一始動口2002及び大入賞口2005を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており複数の一般入賞口2001を有しているサイドユニット下2200と、サイドユニット下2200の正面視左端上方に取付けられているサイドユニット上2300と、遊技領域5a内の略中央に取付けられており、ゲート部2003、及び第二始動口2004を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1126の直上に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002が、遊技球を一度に一つのみ受入可能な大きさで上方に向かって開口しており、大入賞口2005が、遊技球を一度に複数(例えば、4個〜6個)受入可能な大きさで左右に延びており、遊技状態に応じて開閉可能に形成されている。
サイドユニット下2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿って円弧状に延びており、パネル板1110に前方から取付けられている。サイドユニット下2200は、常時遊技球を受入可能な複数の一般入賞口2001を有している。
サイドユニット上2300は、遊技領域5a内において、サイドユニット下2200の正面視左上方で上下方向中央からやや下寄りに前方からパネル板1110に取付けられている。サイドユニット上2300は、パネル板1110の前面に取付けた状態で、棚部の左端が内レール1002に接近しており、内レール1002に沿って流下してきた遊技球を、右方(遊技領域5aの左右方向中央)へ誘導させることができる。
センター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100、及びサイドユニット下2200よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置された遊技盤側演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている演出ユニット等を前方から視認することができる。センター役物2500は、ゲート部2003、及び第二始動口2004を有している。
枠状のセンター役物2500は、下辺を除いた全周が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方へ突出しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、正面視左側の外周面に、遊技領域5a内の遊技球が進入可能に開口しているワープ入口2520と、ワープ入口2520に進入した遊技球を放出可能とされ枠内に開口しているワープ出口2522と、ワープ出口2522から放出された遊技球を左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出するステージ2530と、を備えている。ステージ2530の直下に始動口ユニット2100が配置されており、ステージ2530の中央から遊技球が下方へ放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に遊技球が受入れられる。
[5−9.裏ユニット]
次に、遊技盤5における裏ユニット3000について、図60乃至図62を参照して説明する。裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられている。また、裏ユニット3000の後側に遊技盤側演出表示装置1600及び周辺制御ユニット1500が取付けられている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面で開口部3010aの下辺に沿って左右に延びた軸周りに回動可能に取付けられており演出駆動基板を収容している箱状の演出駆動基板ボックス3042と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端で正面視左辺側の上下方向中央から上寄りに取付けられている裏左中装飾ユニット3050と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏箱3010の後壁付近に取付けられている裏下後可動演出ユニット3100と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で正面視左側に取付けられている裏上左可動演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口部3010aの正面視左側に取付けられている裏左可動演出ユニット3300と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で左右方向中央から正面視右端までにかけて取付けられている裏上中可動演出ユニット3400と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏下後可動演出ユニット3100の前方に取付けられている裏下前可動演出ユニット3500と、を備えている。
裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける背面視左辺において枠内の内側から外方へ向かって窪んでおり遊技盤側演出表示装置1600の左固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの背面視右辺の上下方向中央において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている。
開口部3010aは、遊技盤側演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に遊技盤側演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が上下にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に当接した状態で、パネルホルダ1120に取付けられる。裏箱3010は、各可動演出ユニット等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
裏ユニット3000は、裏下後可動演出ユニット3100、裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、及び裏下前可動演出ユニット3500、等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[6.遊技内容]
次に、本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図60等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット300のハンドル302を遊技者が回転操作することで、皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球が、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球の打込み強さは、ハンドル302の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球、つまり、0.6秒間隔で遊技球を打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘(図示は省略)が遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球が障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘の他に、遊技球の当接により回転する風車(図示は省略)が適宜位置に備えられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球は、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、図示しない複数の障害釘に当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球が、センター役物2500の外周面に開口しているワープ入口2520に進入すると、ワープ出口2522からステージ2530に供給される。
ステージ2530に供給された遊技球は、ステージ2530上を転動して左右に行ったり来たりして前方へ放出される。ステージ2530の中央から遊技球が遊技領域5a内に放出されと、第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿321に払出される。
ステージ2530を転動している遊技球が、中央以外から遊技領域5a内に放出されと、始動口ユニット2100へ向かって流下する。センター役物2500のステージ2530から遊技領域5a内に放出された遊技球は、始動口ユニット2100の第一始動口2002や、開状態の大入賞口2005等に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球が、ワープ入口2520に進入しなかった場合、サイドユニット上2300により左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット下2200の一般入賞口2001や第一始動口2002等に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿321に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球が、センター役物2500の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入する(所謂、右打ちする)と、その下流側に、ゲート部2003と第二始動口2004とが備えられている領域を流下することとなる。
そして、右打した遊技球が、ゲート部2003を通過すると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3〜10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球の受入れが可能となる。そして、第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、4個)の遊技球が、上皿321に払出される。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球が通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
また、遊技球がゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球がゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球が通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動当り」、「時間短縮当り」、等)を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「小当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、等がある。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、特別変動時間の経過後に、大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球の受入れが可能な状態となる。大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出基板によって払出装置830から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球が、上皿321に払出される。従って、大入賞口2005が遊技球を受入可能としている時に、大入賞口2005に遊技球を受入れさせることで、多くの遊技球を払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「小当り」の場合、大入賞口2005が、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、遊技球を受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返す。一方、特別抽選結果が「大当り」の場合、大入賞口2005が、遊技球を受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球の受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球を受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と遊技盤側演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、遊技盤側演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基いて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。遊技盤側演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の図柄からなる図柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各図柄列を変動させ、変動表示されている図柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの図柄列の図柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の図柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの図柄列が停止して各図柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が遊技盤側演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、小当り遊技、大当り遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、遊技盤側演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(図柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、遊技盤側演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット400の操作ボタン410や扉枠側演出表示装置460、センター役物2500の各種装飾体、裏ユニット3000の各種装飾体、裏下後可動演出ユニット3100、裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、及び裏下前可動演出ユニット3500、等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[本実施形態と本発明の関係]
本実施形態における扉枠3は本発明の扉ユニットに、本実施形態における本体枠4は本発明の本体ユニットに、本実施形態の扉枠3における扉枠ベースユニット100の貫通口111は本発明の窓部に、本実施形態の扉枠3における皿ユニット320の皿ユニットカバー326は本発明の膨出部に、本実施形態の演出操作ユニット400及び第二演出操作ユニット400Aにおける操作ボタン410のボタンレンズ411は本発明の第一装飾体に、本実施形態におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aは本発明の第一装飾部に、夫々相当している。
また、本実施形態におけるベースユニットの操作ボタン内装飾部材、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるスクリーンユニット470のメインスクリーン471及びサブスクリーン472は本発明の第二装飾体に、本実施形態における操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432g、スクリーンユニット470の周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、及び周縁装飾部材478は本発明の第二装飾部に、夫々相当している。
更に、本実施形態における操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されている各LEDとサブスクリーン装飾基板477のLED477aとは本発明の発光体に、本実施形態における扉枠側演出表示装置460は本発明の奥側装飾手段に、本実施形態におけるフレームユニット415、ベースユニット430のユニットベース431、及び第二ベースユニット450のユニットベース451は本発明のベース部に、夫々相当している。
[8.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、扉枠3における前方に膨出している皿ユニット320の前面に取付けられている演出操作ユニット400(或いは、第二演出操作ユニット400A)の操作ボタン410のボタンレンズ411を外方から見ると、第一ボタン装飾部411aと操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432g(或いは、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるスクリーンユニット470の周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)とが重なった装飾、第一ボタン装飾部411aと扉枠側演出表示装置460とが重なった装飾、等のこれまでにない遠近感のある装飾性に溢れた装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、ボタンレンズ411(操作ボタン410)の移動方向に操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A(スクリーンユニット470))、及び扉枠側演出表示装置460等を配置していると共に、ユニットベース431(ユニットベース451)によりボタンレンズ411を遊技者の操作によって移動させることができるように支持されているため、遊技者がボタンレンズ411を操作(押圧)して移動させると、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)とが近付いたり離れたりすることとなるため、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)との距離の変化により第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)とが重なって見える装飾の遠近感を変化させることが可能となり、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)とによる装飾(交差態様)を、遊技者自身によって変化させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、ボタンレンズ411の中央を、操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)とは反対側となる外方へ膨出させていることから、第一装飾体と第二装飾体との間に空間が形成されることとなるため、遊技者から見た時に、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aまでの距離と、操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432g(或いは、スクリーンユニット470の周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)までの距離とが、より大きく異なることとなり、ボタンレンズ411を操作して移動させていない状態でも、遊技者の目の位置が移動すると、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)との交差態様(重なり具合)が変化するため、動きのある装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けることができる。
更に、透明なボタンレンズ411の外周縁に、中央へ向かう放射状の装飾を有した第一ボタン装飾部411aを備えているため、ボタンレンズ411における第一ボタン装飾部411aが備えられていない中央側を通して奥側の操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)や扉枠側演出表示装置460を、良好に視認させることができると共に、第一ボタン装飾部411aの放射状の装飾によって遊技者の視線をボタンレンズ411の中央へ向けさせることができ、透明なボタンレンズ411の中央を通して操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)や扉枠側演出表示装置460に対して遊技者の関心を強く向けさせることができる。
また、操作ボタン内装飾部材432に、中央を中心とした同心円状の複数の多角形の装飾を有した第二ボタン内装飾部432gを備えているため、外方から見た時に、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aの装飾と、操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gの装飾とが、互いに交差することとなり、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとによる装飾の遠近感を確実に発揮させることができ、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとによる装飾を目立たせて遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gの装飾に、中央を中心とした同心円状の複数の多角形の装飾を有するようにしているため、第二ボタン内装飾部432gの装飾によって遊技者の視線や関心を操作ボタン内装飾部材432の中央に見える扉枠側演出表示装置460へ向けさせることができ、扉枠側演出表示装置の装飾(演出画像)を楽しませることができる。
更に、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されている各LED(或いは、サブスクリーン装飾基板477のLED477a)を発光させると、その光によって操作ボタン内装飾部材432(或いは、サブスクリーン装飾部材476)を発光装飾させることができると共に、更に、ボタンレンズ411も発光装飾させることができるため、第一ボタン装飾部411aや第二ボタン内装飾部432g(或いは、サブスクリーン装飾部材476)の装飾に加えて発光装飾によっても遊技者を楽しませることができる。この際に、第二ボタン内装飾部432g(或いは、サブスクリーン装飾部材476)によって操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の各LED(或いは、LED477a)からの光を拡散させることができることから、第二ボタン内装飾部432gでは、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の各LED(或いは、LED477a)からの直接的な光により発光装飾させられるのに対して、第一ボタン装飾部411aでは、第二ボタン内装飾部432g(或いは、サブスクリーン装飾部材476)により拡散された間接的な光により発光装飾させられることとなり、第二ボタン内装飾部432g(サブスクリーン装飾部材476)が強く発光装飾されるのに対して第一ボタン装飾部411aが弱く発光装飾されるため、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の各LED(或いは、LED477a)を発光させた状態で、外方から第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、サブスクリーン装飾部材476)とを見ると、より遠近感が強調された装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けさせられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、ボタンレンズ411の移動する方向に操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)を配置しているため、ボタンレンズ411や操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)の外周りよも外側の部位に、ボタンレンズ411が移動するためのスペースを確保する必要がなく、ボタンレンズ411や操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)を外側に広げて、可及的に大きくすることが可能となり、大型化できることでボタンレンズ411や操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)を目立たせることができる。また、上述したように、ボタンレンズ411の外側に、移動させるためのスペースを確保する必要がないため、ボタンレンズ411の外側の部位に、フレームユニット415を配置することで、パチンコ機1全体の装飾性を高めることができ、見栄えを良くして遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、ボタンレンズ411の中央を外方へ膨出させていることから、遊技者がボタンレンズ411を叩いたりして表面の一部に衝撃を加えた場合、ボタンレンズ411を平坦な形状とした場合と比較して、加えられた衝撃力が、ボタンレンズ411の全体に分散し易くなるため、ボタンレンズ411を壊れ難く(破損し難く)することができる。従って、遊技中にボタンレンズ411が破損することで、遊技が中断してしまい、遊技者によっては苛立ちを覚えて興趣を低下させてしまうのを回避させることができると共に、ボタンレンズ411が破損し難くなることで、本パチンコ機1を設置している遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、本体枠4内に配置されている遊技盤5の遊技領域5aを、前方から貫通口111を通して視認可能としている扉枠3において、貫通口111の下側で前方に膨出している皿ユニット320の皿ユニットカバー326に取付けられている演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)のユニットベース431(第二ベースユニット450)に、外径が10cm〜30cmの範囲内である約15cmの円形状で遊技者が操作することで可動する(進退する)操作ボタン410と、操作ボタン410の透明なボタンレンズ411を通して前方から視認可能な操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)と、操作ボタン410が枠内に配置される枠状のフレームユニット415と、を取付けていることから、従来のパチンコ機において遊技球の貯留皿が目立った位置に、可及的に大きな操作ボタン410を有した演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が見えるため、遊技者に対して一見しただけで従来のパチンコ機とは異なっていることを認識させることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。そして、フレームユニット415に透光性を有したフレームサイドレンズ417を備えると共に、フレームサイドレンズ417と隣接するように操作ボタン410(ボタンレンズ411)の外縁に透光性を有した第二ボタン装飾部411bを備え、フレームサイドレンズ417と第二ボタン装飾部411bの後側でユニットベース431(第二ベースユニット450)に取付けられた操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に第二ボタン装飾部411bを発光装飾させるための第一LED422a,423aと、フレームサイドレンズ417を発光装飾させるための第二LED422b,423bと、を備えた上で、フレームサイドレンズ417と第二ボタン装飾部411bとの間を仕切るフレーム本体416の内側筒部416dと、第二ボタン装飾部411bとボタンレンズ411の中央側とを仕切るボタンベース413の本体部413a及び内側延出部413fとを備えるようにしているため、内側筒部416dと本体部413a及び内側延出部413fとにより、第一LED422a,423aからの光がフレームサイドレンズ417やボタンレンズ411の中央側を照らしたり、第二LED422b,423bからの光が第二ボタン装飾部411bを照らしたりするのを防止することができ、隣接しているフレームサイドレンズ417と第二ボタン装飾部411bとを夫々独立させて発光装飾させることができる。従って、フレームサイドレンズ417や第二ボタン装飾部411bを、夫々くっきりと発光装飾させることができ、見栄えの良い発光演出を行うことができる。また、隣接しているフレームサイドレンズ417と第二ボタン装飾部411bとに対して、消灯、点灯、点滅、明るさ、色、等を適宜組合せることで、多彩なパターンの発光演出を行うことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bを発光装飾させる第一LED422a,423aと、フレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させる第二LED422b,423bとを、一つの操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に備え、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423をユニットベース431(第二ベースユニット450)に取付けているため、第二ボタン装飾部411b(操作ボタン410)に基板を備えた場合と比較して、第二ボタン装飾部411bから第一LED422a,423aを可及的に遠ざけることができ、第一LED422a,423aからの光を十分に拡散させた状態で第二ボタン装飾部411bに照射させることができる。従って、第二ボタン装飾部411bを均一に発光装飾させることができるため、第二ボタン装飾部411bやフレームサイドレンズ417の発光装飾の見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
更に、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423を、ユニットベース431(第二ベースユニット450)に取付けているため、操作ボタン410の進退に伴って操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に接続されている配線が屈曲したり伸展したりすることはなく、疲労による配線の断線を無くすことができる。従って、操作ボタン410(第二ボタン装飾部411b)を可動させても、配線が断線することはないため、操作ボタン410の可動(操作)や、フレームサイドレンズ417及び第二ボタン装飾部411bの発光装飾を、問題なく遊技者に楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410の透明なボタンレンズ411の外縁に第二ボタン装飾部411bが備えられていることから、透明なボタンレンズ411を通して後方の操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を見た時に、操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)の外縁を第二ボタン装飾部411bが装飾している状態となり、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。そして、第一LED422a,423aや第二LED422b,423bを適宜発光させることで、後方に操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)が見える透明なボタンレンズ411の外縁を装飾している第二ボタン装飾部411bやフレームサイドレンズ417を、上述したように、様々なパターンで発光装飾させることができるため、遊技者の関心を操作ボタン410や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)に強く引付けさせることができ、発光演出や操作ボタン410の操作、及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)による演出画像等を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、外縁に第二ボタン装飾部411bが備えられたボタンレンズ411(操作ボタン410)を、遊技者によって操作可能としているため、遊技者参加型演出の実行中に、操作ボタン410を遊技者に操作させるようにすることで、遊技者に対して操作ボタン410の操作(遊技者参加型演出)を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。そして、遊技者参加型演出の実行時に、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bやフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させることで、遊技者の関心を操作ボタン410に引付けることができるため、遊技者に対して操作ボタン410の操作を促すことができ、遊技者を遊技者参加型演出に参加させて楽しませることができる。
更に、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを第一LED422a,423aによって発光装飾可能としている不透光性の本体部413a及び内側延出部413fを備えていため、操作ボタン410における第二ボタン装飾部411bよりも中央側の部位が第一LED422a,423aによって発光装飾させられる(照らされる)ことはなく、操作ボタン410(ボタンレンズ411)の中央側が明るくなることで後方に配置されている操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)が前方から見辛くなるのを防止することができる。従って、第二ボタン装飾部411bを良好な状態で発光装飾させることができると共に、透明なボタンレンズ411を通して後方の操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を良好な状態で視認させることができ、遊技者に対して装飾や発光演出等を十分に楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、内側筒部416dを、フレームサイドレンズ417を備えたフレームユニット415の後側から延びるようにしているため、フレームユニット415の後側では、フレームサイドレンズ417と操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bとの間を内側筒部416dによって完全に仕切ることができる。一方、内側筒部416dにおける操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に近い側の端部(後端部)では、第一LED422a,423aや第二LED422b,423bからの光が拡散範囲よりも内側筒部416dの後端が、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に近い側に位置しているため、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423の前面との間に隙間が形成されていても、第一LED422a,423aからの光がフレームサイドレンズ417を照らしたり、第二LED422b423bからの光が第二ボタン装飾部411bを照らしたりすることはない。従って、内側筒部416dによって光を確実に遮ることができ、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を具現化することができる。
また、ボタンベース413の本体部413a及び内側延出部413fを、操作ボタン410(ボタンレンズ411)の後側から延びるようにしているため、操作ボタン410の後側では、第二ボタン装飾部411bとボタンレンズ411の中央側との間を、本体部413a及び内側延出部413fによって完全に仕切ることができる。一方、本体部413aにおける操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に近い側の端部(後端部)では、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423よりも後方へ延びているため、第一LED422a,423aからの光が本体部413aの後端を潜ることはなく、操作ボタン410のボタンレンズ411の中央側への光の浸入を完全に遮断することができる。従って、第一LED422a,423aによって第二ボタン装飾部411bを良好な状態で発光装飾させることができると共に、透明なボタンレンズ411を通して後方の操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を良好な状態で視認させることができ、遊技者に対して装飾や発光演出等を十分に楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、前方から見た時に、操作ボタン410(ボタンレンズ411)の後方に配置された操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)の外側の部位の前方に第二ボタン装飾部411bが位置することとなるため、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)との間の隙間から、操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)の外側にある部材や後側(奥側)を第二ボタン装飾部411bによって見え難くすることができ、操作ボタン410の見栄えの悪化を防止することができる。また、この際に、第一LED422a,423aによって第二ボタン装飾部411bを発光装飾させると、第二ボタン装飾部411bの明るさに対して、操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)の外側や後側が相対的に暗くなるため、操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)の外側や後側にある部材を見え難くすることができる。従って、操作ボタン410、フレームユニット415、操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)、等の見栄えをより向上させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410の外周形状を円形状としているため、操作ボタン410(ボタンレンズ411)の外縁に備えられている第二ボタン装飾部411bと、第二ボタン装飾部411bに隣接しているフレームサイドレンズ417が、円弧状に延びた形態となる。
従って、第一LED422a,423aや第二LED422b,423bを適宜発光させることで、操作ボタン410の外縁を光がグルグル回るような発光演出や、操作ボタン410の内側から外側へ光が広がるような発光演出や、操作ボタン410の外側から内側へ光が収束するような発光演出、等を遊技者に見せることができるため、多彩な発光演出によって遊技者を飽き難くさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、扉枠3における皿ユニット320の皿ユニットカバー326に、貯留されている遊技球が遊技領域5a内に打込まれて遊技に用いられる上皿321を取付けると共に、上皿321の前側且つ下方に演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を着脱可能に取付けて演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に所定広さの取付空間326jの残りの空間を形成し、その取付空間326jの残りの空間の左側に下皿本体325における下皿第一領域A1に対応する部位を配置すると共に、その部位から取付空間326jの残りの空間内に下皿本体325における下皿第二領域A2に対応する部位を延出させて遊技球を貯留可能な下皿322を取付けるようにしているため、前方から見た時に下皿322が小さく見えることとなり、下皿322を目立ち難くすることができ、相対的に演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立ち易くすることができる。従って、本パチンコ機1を前方から見た時に、従来のパチンコ機では上皿と下皿とが上下に並んで見えていた位置に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が見えるため、遊技者に対して一見しただけで従来のパチンコ機とは異なっていることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、下皿322の下皿本体325における下皿第二領域A2の部位において、外周から上方へ延出した本体立壁部325bの上端から上方へ延出し、取付空間326jの残りの空間側への遊技球の移動を規制する下皿カバー340,340Aを備えているため、下皿322内の遊技球が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に接触するのを阻止することができ、下皿322内に供給された遊技球や下皿322に貯留されている遊技球が、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に当接したり押圧したりするのを防止することができる。従って、遊技球が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に当接することはなく、遊技球によって演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側が破損することはないため、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の破損により遊技が中断することで遊技者の興趣を低下させてしまうのを防止することができると共に、本パチンコ機1を設置している遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
また、下皿322の下皿本体325における下皿第二領域A2の部位に、本体立壁部325bと取付空間326jの残りの空間側へ遊技球が移動するのを規制する下皿カバー340,340Aとを備えているため、遊技球が下皿本体325から取付空間326jの残りの空間内へ侵入する(こぼれる)のを防止することがでる。従って、遊技球が取付空間326jの残りの空間内に侵入することで、遊技者が損した気分になったり、不快な気分になったりするのを防止することができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿カバー340,340Aによって、下皿322における下皿本体325の下皿第二領域A2の部位を覆っているため、下皿322内に供給され遊技球が、下皿322内で跳ねて飛び上がっても、取付空間326jの残りの空間側へ侵入するのを確実に防止することができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、下皿カバー340,340Aによって下皿本体325の下皿第二領域A2の部位を覆っていることから、遊技者が、下皿本体325の下皿第一領域A1側(下皿開口部326d)から下皿第二領域A2の部位内に手を入れた時に、下皿カバー340,340Aにより指先等が取付空間326jの残りの空間側へ侵入するのを規制することができるため、指先等が上皿321の下面や演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側等に触れて怪我をするのを防止することができ、遊技者に対して安全な状態で遊技させることができる。
更に、下皿カバー340,340Aと演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)との間に隙間を有しているため、下皿カバー340,340Aに遊技球の当接による衝撃や圧力等が作用しても、下皿カバー340,340Aから演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)へ伝達されることはなく、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の破損を確実に防止することができる。
また、下皿322の下皿本体325における下皿第二領域A2の部位において、下皿球供給口323cの前方に下皿球抜き孔322aを備えているため、下皿球抜き孔322aが開いている状態では、下皿球供給口323cから放出された遊技球をそのまま下皿球抜き孔322aに進入させて下方(ドル箱)へ排出させることができ、遊技球を下皿本体325の本体立壁部325bの前端側に到達し難くすることができる。たとえ、遊技球が下皿球抜き孔322aを飛び越えたとしても、上述したように下皿カバー340,340Aを備えていることから、遊技球が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に当接するのを阻止することができるため、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の破損を防止することができ、遊技の中断を低減させて遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322の前端付近の下皿本体325の底壁部325aが、前方へ向かうほど高くなっているため、下皿本体325の本体立壁部325bの前端側へ向かう遊技球が、傾斜した底面を登ることとなり、遊技球の移動速度を減衰させることができる。従って、下皿カバー340,340Aに当接する遊技球の速度を遅くすることができるため、下皿カバー340,340Aによって遊技球が取付空間326jの残りの空間側へ移動するのを確実に規制することができると共に、遊技球が下皿カバー340,340Aや本体立壁部325bに当接した時の衝撃を小さくしてそれらが破損するのを抑制させることができる。
また、少なくとも下皿カバー340,340Aを別部材としているため、下皿カバー340,340Aが破損した時に、下皿カバー340,340Aを交換するだけで、容易に修復することができ、本パチンコ機1を設置している遊技ホール側の負担の増加を軽減させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、一般入賞口2001等に遊技球を受入させるような遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの下方に、前面の左右方向中央が最も前方へ膨出した皿ユニット320の皿ユニットカバー326に備えた上で、その最も前方へ膨出した部位に演出操作ユニット400や第二演出操作ユニット400A着脱可能に取付けると共に、皿ユニットカバー326に上皿321と下皿322とからなる遊技球を貯留可能な貯留皿を備え、貯留皿(上皿321及び下皿322)に、正面視において演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の外方に位置する下皿第一領域A1と正面視において演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方となる取付空間326jの後部の空間内に位置する下皿第二領域A2とを有するようにしているため、前方から見た時に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立たせることができると共に、貯留皿(上皿321及び下皿322)を小さく見せて目立ち難くすることができる。従って、従来のパチンコ機では上皿と下皿とが見えていた部位に目立つ演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が見えるため、遊技者に対して従来のパチンコ機とは異なる遊技機であることを一見して認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、皿ユニットカバー326の前面の左右方向中央に演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が取付けられていることから、皿ユニットカバー326の表面における下皿322が開口している部位が小さくなるが、正面視において演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方となる取付空間326jの後部の空間内に位置する下皿第二領域A2を有した下皿本体325の第一増設部325B、第二増設部325C、及び下皿カバー340,340Aを、備えているため、下皿322における前方から見えない範囲(下皿第二領域A2)にも遊技球を貯留することができる。従って、前方からの見た目に反して遊技球の貯留量を十分に確保することができるため、遊技者に対して、下皿322内における遊技球の残量を気にさせることなく遊技に専念させることができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、下皿第一領域A1を有している下皿本体325や本体部325Aに、下皿第二領域A2を有している下皿カバー340,340Aや第一増設部325B及び第二増設部325Cを取付けて(組合せて)下皿322を構成しているため、予め大きさの異なる複数の下皿カバー340,340Aや第一増設部325B及び第二増設部325C等を用意しておき、パチンコ機1のコンセプトや皿ユニットカバー326内の取付空間326jの広さ等に応じた大きさの下皿カバー340,340Aや第一増設部325B及び第二増設部325Cを取付けることで、下皿322の容積を最適なものとすることができる。また、上述したように、下皿カバー340,340Aや第一増設部325B及び第二増設部325Cを組替える(取替える)ことで、取付空間326jの後部の空間の広さに対応させることができ、この後部の空間の広さが演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方への突出量に依存していることから、後方の突出量の異なる様々な演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)に対応可能な下皿322とすることができ、パチンコ機1の汎用性を高めることができる。
また、下皿322に、底壁部325aと、底壁部325aの外周端から立上った本体立壁部325bとを備えているため、下皿322が下方へ窪んだ容器状となり、遊技球を確実に貯留させることができる。また、下皿カバー340,340Aに、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から立上ったカバー立壁部340aを有しているため、予め様々な形状の下皿カバー340,340Aを用意しておき、パチンコ機1のコンセプトや取付空間326jの後部の空間の広さ(形状)等に応じた形状の下皿カバー340,340Aを組合せる(取付ける)ことで、様々な形態に対応させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、下皿本体325と下皿カバー340,340Aとで構成されている下皿322において、下皿本体325の本体立壁部325bの上端に下皿カバー340,340Aを組合せて(取付けて)いることから、下皿322における遊技球が載置される部位が下皿本体325となるため、貯留により多くの遊技球の荷重がかかる部位に、下皿本体325と下皿カバー340,340Aとの境界(繋ぎ目、分割線PL)が位置することはない。従って、貯留された遊技球の荷重を下皿本体325でのみ受けることとなるため、多くの遊技球を貯留させても下皿本体325から下皿カバー340,340Aが引離されるような力が作用することはなく、下皿本体325から下皿カバー340,340Aが外れるのを防止することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、一般入賞口2001等に遊技球を受入させるような遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの下方且つ前方に、遊技球を貯留可能な上皿321と下皿322とを備えていると共に、左右方向中央に配置された演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって下皿322内の下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとを含む下皿322の半分以上を前方(遊技者)から視認困難としている(見え難くしている)ため、パチンコ機1の外観をすっきりさせて見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。また、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ向かう遊技球を視認困難としているため、遊技者に対して下皿322内における遊技球の流れに気付かせ難くして気が散るのを防止することができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって、下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ遊技球を誘導する下皿322における底面の下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとの間の部位、球誘導部322c及び緩衝部322d等の誘導手段により誘導されている遊技球を視認困難としているため、下皿球抜き孔322aを開いたままの状態とすると、下皿球供給口323cから下皿322に供給された遊技球が、誘導手段に誘導されてスムーズ(即座)に下皿球抜き孔322aから下方へ排出されることとなり、遊技者に対して下皿322を通ることなく遊技球が下皿322の下方(ドル箱)へ排出されているように錯覚させることができる。これにより、遊技者に対して、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322a等を含む下皿322の半分以上を前方から視認困難としていることから、蓋然的に、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322a等が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に位置している。つまり、下皿322の半分以上を、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込ませるようにしているため、前方から見える下皿322の大きさに対して、実際の下皿322の大きさ(容量)が大きくなっているため、見た目に比べて下皿322内における遊技球の貯留量を十分に確保することができる。
また、下皿球抜き孔322aが開いている状態では、下皿球供給口323cから下皿322内に放出された遊技球を、下皿322における底面の下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとの間の部位、球誘導部322c及び緩衝部322d等の誘導手段によって下皿球抜き孔322aへスムーズに誘導して下皿322の下方(ドル箱)へ排出させることができるため、遊技球が下皿322内を回るように流通するのを防止することができ、下皿322内を流通する遊技球を前方(遊技者)から確実に視認困難な状態とすることができる。従って、遊技者に対して下皿322内における遊技球の流れに気付かせ難くすることができ、遊技者の気が散るのを防止して遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、下皿球抜き孔322aを開いたままの状態とすると、下皿球供給口323cから下皿322に供給された遊技球を、球誘導部322c等によって遊技者に気付かせることなく即座に下皿球抜き孔322aから下方へ排出させることができるため、遊技者に対して下皿322を通ることなく遊技球が下皿322の下方(ドル箱)へ排出されているように錯覚させることができる。これにより、遊技者に対して、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって、下皿322の平面視における遊技球の貯留領域(貯留面積)の半分以上を前方から視認困難としていることから、前方から見える下皿322の大きさに対して、実際の下皿322は、見える大きさの倍以上あるため、従来のパチンコ機の下皿と同様に、遊技球の貯留量を十分に確保することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、一般入賞口2001等に遊技球を受入させるような遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの正面視下方で前方へ膨出している扉枠3の皿ユニット320における皿ユニットカバー326の前面の左右方向中央に、皿ユニットカバー326の全高と同じ高さの大型の演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けるための演出操作ユニット取付部326aを備えていると共に、皿ユニットカバー326の前面における演出操作ユニット取付部326aの左右両側で上下方向略中央よりも下側の皿前下装飾部326cを、後方へ抉れるように凹んだ形状としているため、演出操作ユニット取付部326aに取付けられた演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が、前方へ大きく突出しているように見せることができ、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立たせることができる。従って、従来のパチンコ機において上皿と下皿とが上下に並んで見えていた位置に、大型の演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が強調された状態で見えるため、遊技者に対して一見しただけで従来のパチンコ機とは異なっていることを認識させることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。そして、皿ユニットカバー326の前面における演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の左右両外側で後方へ凹んでいる皿前下装飾部326cから、下皿322を後方へ窪ませていると共に一部を演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込ませており、下皿322内における遊技球の貯留量(下皿322の容積)を十分に確保することができるため、下皿322が遊技球で満杯になるのを気にしながら遊技しなくても良く、遊技者を遊技に専念させることができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322の一部が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込んでいるため、遊技者が前方から下皿322内に手を入れた時に、指先が下皿322の後壁(皿ユニットベース323の前面)や下皿カバー340等に触れ難くすることができる。これにより、遊技者に対して触覚でも遊技球の貯留量が十分に確保されていることを認識させることができると共に、下皿322内に遊技球が貯留されている状態では、下皿322内に多くの遊技球が貯留されていることを認識できるため、遊技者に対して満足感を付与させることができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。また、下皿322に入れた手の指先が、下皿322の後壁や下皿カバー340等に触れ難いことから、遊技者に対して従来のパチンコ機における下皿と同じような感覚を与えることができるため、従来のパチンコ機に慣れた遊技者に対して、違和感を与えてしまうのを低減させることができ、遊技者を安心させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、下皿322を、奥側(後方)へ行くほど広くなるように形成しているため、前側が小さくても、遊技球の貯留量を十分に確保することができる。換言すると、下皿322の前端側の部位を小さくしているため、下皿322が開口している皿ユニットカバー326の前面(皿前下装飾部326c)において、下皿322を目立ち難くすることができ、相対的に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立ち易くすることができる。従って、下皿322における遊技球の貯留量を十分に確保しつつ演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を備えることができ、遊技者に対する訴求力を高めることができると共に、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322における演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に回り込んでいる部位の側方及び上方を下皿カバー340で覆っているため、遊技者が下皿322内に手を入れた時に、指先等が皿ユニットカバー326の内面や演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後面等に触れて怪我をするのを防止することができ、遊技者に対して安全な状態で遊技させることができる。また、下皿カバー340により、下皿322から皿ユニットカバー326内へ遊技球が侵入する(こぼれる)のを防止することができる。
更に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を、皿ユニットカバー326の前面の左右方向中央に配置しているため、遊技者側から演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)をより目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)による装飾を見え易くするとことができ、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の装飾や演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322に、上皿321と連通可能な下皿球供給口323cと、開閉可能に上下へ貫通している下皿球抜き孔322aと、を備えていることから、従来のパチンコ機における下皿と同じ機能を有しているため、従来のパチンコ機に慣れた遊技者が、本パチンコ機1で遊技した時に、下皿322の機能に対して戸惑うことはなく、従来と同じような感じで遊技を行うことができ、遊技者を遊技に専念させて遊技を楽しませることができる。また、下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとを演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に夫々配置しているため、正面から見ると下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとが、遊技者側から見えず、パチンコ機1の外観をすっきりさせて見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、扉枠3における遊技領域5aが臨む扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の貫通口111の下側で、前方に膨出している皿ユニット320の皿ユニットカバー326に取付けられている演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)のベースユニット430(第二ベースユニット450)に、遊技者に演出を提示可能な扉枠側演出表示装置460の外側を装飾している操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470)を取付けると共に、操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の外周を囲むように外径が約15cmで中央がベースユニット430(第二ベースユニット450)から遠ざかる方向(外方)へ膨出している透明なボタンレンズ411を有した操作ボタン410を取付け、ボタンレンズ411の外周縁に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412を備えていると共に、ボタンレンズ411側からベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ突出している筒状のボタンベース413を備えているため、第一ボタン装飾部411aやボタンベース413等によってボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470)の外縁や奥側(後側)等が見えるのを低減させることができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。従って、操作ボタン410や内部に備えられた操作ボタン内装飾部材432や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)等の見栄えをより向上させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410における第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、ボタンフレーム412、及びボタンベース413によってボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の外縁や奥側等を見え難くすることができることから、操作ボタン410の外径を大きくすることでボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間が相対的に大きくなっても、第一ボタン装飾部411a等によって良好に隠すことができるため、見栄えの悪化を防止しつも、外径が約15cmの大型の操作ボタン410(ボタンレンズ411)を問題なく具現化することができる。従って、操作ボタン410や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を大型化することができるため、本パチンコ機1を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けて訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、ボタンレンズ411側からベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ筒状に突出しているボタンベース413(本体部413a)を備えているため、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の間の隙間を斜めから見た時に、ボタンベース413の内壁によって操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)よりも外側にあるものを遮蔽して見えなくすることができ、操作ボタン410の見栄えをより一層良くすることができる。
また、透明なボタンレンズ411を、ベースユニット430(第二ベースユニット450)から遠ざかる方向(外方)へ膨出した立体形状(半球面体状)としていることから、ボタンレンズ411の外周縁付近の表面が、ボタンベース413の前端側の開口により形成される平面(ベースユニット430(第二ベースユニット450)とボタンレンズ411とが並んでいる方向と直交する平面、つまり、操作ボタン410の進退方向と直交する平面)に対して傾斜している状態となるため、遊技者側から見ると光が屈折し易くなる。
従って、外周縁に備えられている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412とボタンベース413とを合せて、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の外縁や奥側等を見え難くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、ボタンレンズ411を外方へ膨出した立体形状に形成していることから、操作ボタン410内の容積が大きくなるため、操作ボタン410内に配置される操作ボタン内装飾部材432や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を、より大きくしたり可動させ易くしたりすることが可能となり、操作ボタン410内により遊技者を楽しませられる扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を備え易くすることができ、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1を具現化することができる。
更に、ボタンレンズ411を立体形状に形成しているため、操作ボタン410に意匠性(装飾性)が付与されることとなるため、本パチンコ機1において操作ボタン410を目立たせて遊技者の関心を向けさせることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、ボタンレンズ411の外周縁に備えられている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412において、ボタンフレーム412を不透明としているため、ボタンフレーム412の部位では、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン410や操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)等の奥側が見えるのを確実に隠すことができ、操作ボタン410等の見栄えの悪化を低減させて見栄えを良くすることができる。
また、ボタンレンズ411の外周端から内側へ所定幅で全周に亘って不透明なボタンフレーム412を備えており、第一ボタン装飾部411a及び第二ボタン装飾部411bと協働して、遊技者側から操作ボタン410におけるボタンベース413の本体部413aと操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間を見え難くすることができるため、本体部413aと操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間を大きくすることが可能となり、その分、操作ボタン410や扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470が動くスペースを確保し易くすることができ、それらを良好に可動させることができる。
更に、ボタンレンズ411の外周を円筒状としているため、多角形状とした場合と比較して、外周に方向性が無くなることから操作ボタン410をスムーズに可動させ易くすることができる。従って、操作ボタン410を大型化しても問題なく押圧操作することができ、遊技者に対して操作ボタン410を用いる遊技者参加型演出を確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410を大型化していることから、遊技者に対して操作ボタン410を操作させる遊技者参加型演出を実行した時に、操作ボタン410の位置を確認しながら操作しなくても容易に操作ボタン410に触れて押圧操作させ易くすることができるため、遊技者に対して操作ボタン410を用いた遊技者参加型演出に参加させ易くすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、操作ボタン410内に扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を備えているため、遊技状態に応じて演出画像を提示することで、遊技者の関心を操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)に強く引付けさせることができ、扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)による演出を楽しませることができると共に、扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)による演出画像や発光演出等により遊技者に対して操作ボタン410の操作を促すことができ、遊技者参加型演出に遊技者を積極的に参加させて楽しませることで興趣の低下を抑制させることができる。また、操作ボタン410内で演出が実行されることで、遊技者によっては何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、大型の操作ボタン410の透明なボタンレンズ411(第一ボタン装飾部411aよりも内側の部位)を通して扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を視認することができるため、遊技者に対して本パチンコ機1の操作ボタン410が、従来のパチンコ機の操作ボタンとは明らかに異なるものであることを即座に認識させることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、遊技者の操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を用いた演出に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施形態では、操作ボタン410におけるボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周側となる部位に第一ボタン装飾部411aを形成したものを示したが、これに限定するものではなく、第一ボタン装飾部411aが形成されていないボタンレンズ411しても良い。
また、上記の実施形態では、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の外周縁に不透明なボタンフレーム412を取付けたものを示したが、これに限定するものではなく、ボタンフレーム412を取付けずに、ボタンレンズ411におけるボタンフレーム412と対応する部位に、全周に亘って後側を隠すための装飾部を形成するようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、操作ボタン410において、ボタンレンズ411の外周縁から操作ボタン内装飾部材432や扉枠側第二演出表示装置460Aの外周の全周を囲むようにベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ筒状に突出したボタンベース413(本体部413a)を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、操作ボタン内装飾部材432や扉枠側第二演出表示装置460Aの外周の全周に対して一部のみ囲むように少なくとも一つベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ突出したものであっても良い。このボタンベース413の形状としては、ボタンレンズ411の外周に沿った形状としても良いし、ボタンレンズ411の外周に沿っていない形状としても良い。ボタンベース413は、少なくとも内壁側に装飾(シールの貼付けや印刷等による平面的な装飾、レリーフ等の凹凸による立体的な装飾)を有していても良い。
更に、ボタンベース413は、透光性であっても良いし、不透光性であっても良い。また、ボタンベース413は、有色であっても良いし、無色透明であっても良い。また、ボタンベース413を透明とした場合、内壁側又は外壁側の少なくとも一方に、シボ、スリット、プリズム、等の光拡散加工を施すことが望ましい。
また、上記の実施形態では、下皿322が、皿ユニットカバー326の前面における演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の左外側の部位からのみ後方へ窪んだ例を示したが、これに限定するものではなく、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の左右両側から後方へ窪み、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方において互いに繋がっているような下皿322としても良いし、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の右外側の部位からのみ後方へ窪み、一部が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込んでいるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、皿ユニットカバー326の前面における下皿322が後方へ窪んでいる部位(皿前下装飾部326c)の形状(下皿322の前端の形状)を、後方へ湾曲面状に凹んだ例を示したが、これに限定するものではなく、多角柱面状、或いは、多面体状に凹んだ前面としても良い。
また、上記の実施形態では、皿ユニットカバー326の前面に演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けた例を示したが、これに限定するものではなく、「操作ダイヤル、タッチパネル等の操作装置を備えたもの」、「表面に装飾を有した回転体を備えたもの」、「装飾を有した装飾体と、装飾体を可動させる可動装置と、を備えたもの」、「遊技機のコンセプトに沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴ、及びシーン(ジオラマ)等を立体的に模した装飾体を備えたもの」、「遊技機のコンセプトに沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴや、所定の模様、等の装飾がシールや印刷等によって施されたもの」、等を備えたユニット或いはパネル等の部材を取付けても良い。また、取付空間326j(演出操作ユニット取付部326a)に取付けられる部材は、一つである必要はなく、複数(二つ以上)の部材を取付けても良い。例えば、取付空間326jの上半分に取付けられる部材と、取付空間326jの下半分に取付けられる部材とのように、別々の部材を取付けるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、皿ユニットカバー326に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けるための前方へ開口した演出操作ユニット取付部326aを形成したものを示したが、これに限定するものではなく、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けるための開口(演出操作ユニット取付部326a)を有していない皿ユニットカバー(例えば、パネル状のカバー部)とし、皿ユニットカバーの後方に、取付空間326j(或いは、取付空間326jの残りの空間)に相当する空間を形成する構成としても良い。なお、このような皿ユニットカバーの前面には、遊技機のコンセプトに沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴ、所定の模様、等の装飾を、シール、印刷、装飾部材の取付け、等によって施すことが望ましい。
更に、上記の実施形態では、下皿322の平面視における遊技球の貯留領域(貯留面積)の半分よりも若干大きい領域を、被覆部としての演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)により前方から視認困難に被覆する例を示したが、これに限定するものではなく、下皿322における遊技球の貯留領域の半分以下の領域を前方から視認困難とするようにしても良いし、下皿322の全体を前方から視認困難とするようにしても良い。
また、上記の実施形態では、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411b、及びフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を、周方向に対して部分的に備えた円弧状のものを示したが、これに限定するものではなく、第二ボタン装飾部411bやフレームサイドレンズ417が全周に亘って延びた円環状のものとしても良い。
また、上記の実施形態では、演出操作ユニット400における操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gとして、中央を中心とした同心円状の複数の多角形を有した装飾を示したが、これに限定するものではなく、第二ボタン内装飾部432gとして、中央を中心とした同心円状の複数の円形(楕円形を含む)を有した装飾としても良い。
更に、上記の実施形態では、操作ボタン410の透明なボタンレンズ411(前部材)を通して、後側に配置された操作ボタン内装飾部材432や扉枠側演出表示装置460、扉枠側第二演出表示装置460A等の後部材が常に視認できるようにしたものを示したが、これに限定するものではなく、前後(又は上下)に配置された、前部材及び後部材の少なくとも一方を、所定条件の充足により後側が視認可能となる可変光透過手段を有した構成としても良い。ここで、可変光透過手段としては、「マジックミラーのように、前側と後側の明るさの違いにより後側が視認可能となるもの」、「液晶フィルムのように、電源のON/OFFにより透明となったり不透明となったりして後側が視認可能となるもの」、等が挙げられる。なお、前部材と後部材とは、相対的に移動可能としても良いし、相対的に移動できないようにしても良い。
前部材及び後部材の少なくとも一方に可変光透過手段を有するようにすることで、通常の状態では、前部材のみが、或いは、前部材と後部材とが、視認可能な状態となっており、視認可能な部材の装飾を遊技者に見せることができる。そして、特別な状態では、所定条件を充足させることで、通常の状態では見えなかった後側の部材(後部材、或いは、後部材の後側に配置されている部材)が見えることで、前部材と後部材が、或いは、前部材と後部材と後部材の後側の部材とが、重なった装飾を見せることができる。従って、前部材と後部材とを用いて様々な装飾(装飾演出)を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
具体的に詳述すると、例えば、前部材にマジックミラーのような可変光透過手段を有するようにした場合、通常の状態では、前部材の後側を暗くすることで、前部材の装飾のみを遊技者に視認させることができる。そして、前部材と後部材との間、或いは、後部材の後側、をLED等の発光部の光により明るくすると、前部材における可変光透過手段の充足条件が満たされて、前部材を通して後部材が視認できるようになり、前部材の装飾と後部材の装飾とが重なった装飾を遊技者に見せることができる。
或いは、前部材を透明とし、後部材にマジックミラーのような可変光透過手段を有するようにした場合、通常の状態では、前部材を通して後部材の表面が見えるため、前部材の装飾と後部材の表面とによる装飾を遊技者に見せることができる。そして、後部材の後側を、LED等の発光部の光により明るくすると、後部材における可変光透過手段の充足条件が満たされて、後部材を通して後側が視認できるようになり、前部材及び後部材を通して、後部材の後側の部材(例えば、表示装置、キャラクタ等の装飾体)を遊技者に見せることができる。
更には、前部材と後部材の両方に、マジックミラーのような可変光透過手段を有するようにした場合、通常の状態では、前部材の装飾のみを遊技者に見せることができ、前部材と後部材との間を、LED等の発光部の光により明るくすると、前部材における可変光透過手段の充足条件が満たされて、前部材を通して後部材の表面が視認できるようになり、前部材と後部材とによる装飾を遊技者に見せることができる。一方、後部材の後側を、LED等の発光部の光により明るくする(或いは、前部材と後部材との間と後部材の後側とを同時に、LED等の発光部の光により明るくする)と、前部材及び後部材における夫々の可変光透過手段の充足条件が夫々満たされて、前部材及び後部材を通して、後部材の後側の部材(例えば、表示装置、キャラクタ等の装飾体)を遊技者に見せることができる。
これにより、発光部の光により明るくする部位を適宜選択することで、視認可能となる範囲を多段階に変化させることができ、多彩な装飾を遊技者に楽しませることができる。
なお、上記の具体例では、可変光透過手段を、マジックミラーのようなものとしていることから、後側を暗くしている状態では、鏡のように見えるため、前部材や後部材の表面においてキラキラした装飾を遊技者に見せることができる。
また、上記の具体例では、可変光透過手段を、マジックミラーのようなものとして説明したが、液晶フィルムのようなものとした場合でも、同様の作用効果を奏することができる。また、液晶フィルムのようなものを可変光透過手段とした場合、不透明な状態でも光を透過させることができる(透光性を有している)ため、前部材と後部材との間や後部材の後側を、LED等の発光部の光により明るくさせる(又は、発光装飾させる)ことができるようにすれば、より多彩な発光演出や装飾演出等の演出を遊技者に見せることができる。
[7.主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図69〜図74を参照して説明する。図69は主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図であり、図70は図69のつづきを示すブロック図であり、図71は主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図であり、図72は図69のつづきを示すブロック図であり、図73は周辺制御MPUの概略を示すブロック図であり、図74は液晶表示制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図である。
パチンコ機1は、その制御構成として、図69に示すように、制御用電源(例えば、+5Vなど)の生成処理のほか、賞球の払出しを含めた遊技に関する制御を行う第1制御部MCGと、該第1制御部MCGによって進行される遊技に関する演出を行う第2制御部SCGとを備えている。
より具体的には、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、複数の基板を用意することにより各種制御が分担される構造を採用しており、上記第1制御部MCGとして、主制御基板1310、払出制御基板951、及び電源基板931を備えており、上記第2制御部SCGとして、周辺制御基板1510を備えている。以下、この実施の形態にかかるパチンコ機1の制御構成を説明するにあたり、まず、主制御基板1310、払出制御基板951、電源基板931の順に上記第1制御部MCGについて説明し、その後、上記第2制御部SCG(周辺制御基板1510)について説明する。
[7−1.主制御基板]
上記第1制御部MCGのうち、遊技の進行を制御する主制御基板1310は、図69に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに遊技動作を制御するメイン制御プログラムなどの各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための主制御出力回路1310cと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路1310dと、予め定めた電圧の停電又は瞬停の兆候を監視する停電監視回路1310eと、を主として備えている。
主制御MPU1310aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ1310af(以下、「主制御内蔵WDT1310af」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU1310aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路1310an(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路1310an」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値32767という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されておらず(つまり、初期値が固定されておらず)、主制御MPU1310aがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(後述する主制御水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路1310anが繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路1310bは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路1310cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き主制御出力回路1310caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし主制御出力回路1310cbと、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路1310caは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路1310caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし主制御出力回路1310cbは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路1310cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
図60に示した、第一始動口2002に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ4002、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ4004、及び一般入賞口2001に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ4020からの検出信号や停電監視回路1310eからの信号は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。また、図60に示した、ゲート部2003を通過した遊技球を検出するゲートセンサ4003、大入賞口2005に入球した遊技球を検出するカウントセンサ4005、及び図9に示した裏ユニット3000に取り付けられて磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出センサ4024からの検出信号は、遊技盤5に取り付けられたパネル中継基板4161、そして主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU1310aは、これらの各スイッチからの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから主制御ソレノイド駆動回路1310dに制御信号を出力し、主制御ソレノイド駆動回路1310dからパネル中継基板4161を介して始動口ソレノイド2107及びアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caからパネル中継基板4161、そして機能表示ユニット1400を介して第一特別図柄表示器1403、第二特別図柄表示器1405、第一特別保留数表示器1404、第二特別保留数表示器1406、普通図柄表示器1402、状態表示器1401、及びラウンド表示器1407に駆動信号を出力したりする。
また、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから払出制御基板951に遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから停電監視回路1310eに信号(停電クリア信号)を出力したりする。
なお、本実施形態において、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、ゲートセンサ4003、及びカウントセンサ4005には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ4020,4020には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球するし、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ4003による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ4003には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2005が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントセンサ4005による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントセンサ4005にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2001,2201には、一般入賞口センサ4020,4020による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ4020,4020には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路1310cbに払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板951に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。払出制御基板951は、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板1310に出力する。この信号(払主ACK信号)が主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、払出制御基板951からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路1310bで受信することにより、主制御入力回路1310bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。主制御MPU1310aは、払出制御基板951からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力し、リセット機能付き主制御出力回路1310caから払出制御基板951に信号(主払ACK信号)を出力する。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路1310cbに遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路1310cbから周辺制御基板1510に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
ここで、周辺制御基板1510へ各種コマンドをシリアルデータとして送信する主周シリアル送信ポートについて簡単に説明する。主制御MPU1310aは、主制御CPUコア1310aaを中心として構成されており、主制御内蔵RAMのほかに、主制御各種シリアルI/Oポートの1つである主周シリアル送信ポート1310ae等がバス1310ahを介して回路接続されている(図79を参照)。主周シリアル送信ポート1310aeは、周辺制御基板1510へ各種コマンドを主周シリアルデータとして送信するものであり、送信シフトレジスタ1310aea、送信バッファレジスタ1310aeb、シリアル管理部1310aec等を主として構成されている(図79を参照)。主制御CPUコア1310aaは、コマンドを送信バッファレジスタ1310aebにセットして送信開始信号をシリアル管理部1310aecに出力すると、このシリアル管理部1310aecが送信バッファレジスタ1310aebにセットされたコマンドを送信バッファレジスタ1310aebから送信シフトレジスタ1310aeaに転送して主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信開始する。本実施形態では、送信バッファレジスタ1310aebの記憶容量として32バイトを有している。主制御CPUコア1310aaは、送信バッファレジスタ1310aebに複数のコマンドをセットした後にシリアル管理部1310aecに送信開始信号を出力することによって複数のコマンドを連続的に周辺制御基板1510に送信している。
なお、主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板931は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図75を参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU1310aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。主制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に後述する払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されると、操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)が払出制御基板951から出力され、主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、主制御MPU1310aによって主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[7−2.払出制御基板]
上記第1制御部MCGのうち、遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板951は、図70に示すように、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部952と、各種機能を兼用する操作スイッチ954と、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器860bと、を備えている。また、RAMクリアスイッチとしての機能を兼ね備える操作スイッチ954は、操作されることによって出力された検出信号に基づいて、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号を出力する。
[7−2−1.払出制御部]
払い出しに関する各種制御を行う払出制御部952は、図70に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技媒体の払出動作を制御する払出制御プログラムを含む各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU952aと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路952bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための払出制御出力回路952cと、払出装置830の払出モータ834に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路952dと、CRユニット6との各種信号をやり取りするためのCRユニット入出力回路952eと、を備えている。払出制御MPU952aには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御によって、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドをそれぞれ払出制御入力回路952bを介して主払シリアルデータ受信信号としてシリアル方式でシリアルデータを受信する。また、払出制御プログラムは、遊技球の払出動作にエラーが発生したことを契機として枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)を生成したり、エラー解除部としての操作スイッチ954の操作信号(検出信号)に基づいて16ビット(2バイト)のエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)を作成し、これらエラー発生コマンド及びエラー解除ナビコマンドをそれぞれ、払主シリアルデータ送信信号としてシリアル方式のシリアルデータとして、払出制御I/Oポート952bを介して主制御基板1310の受信ポートに対して出力する(コマンド送信手段)。
また、この払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、即ち、払出制御部メイン処理が実行されたり払出制御部タイマ割り込み処理が実行されて払出制御が開始された後に、その払出動作に関してエラーが発生した場合、操作スイッチ954の操作に伴って発生した検出信号に基づいて当該エラーを解除するとともに当該エラーに応じた警告情報の出力などを停止させる(エラー解除制御手段)。
また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその開放操作に伴う検出信号(扉枠開放検出信号)が入力されると扉枠開放コマンドの(第1の扉開放コマンド)を出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその開放操作に伴う検出信号(本体枠開放検出信号)が入力されると本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を出力する。一方、また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその閉鎖操作に伴う検出信号(扉枠閉鎖検出信号)が入力されると扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)のを出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその閉鎖操作に伴う検出信号(本体枠閉鎖検出信号)が入力されると本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を出力する。
払出制御入力回路952bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路952bは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。
つまり、払出制御入力回路952bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路952cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き払出制御出力回路952caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし払出制御出力回路952cbと、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路952caは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路952caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし払出制御出力回路952cbは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路952cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出ユニット800の球誘導ユニット820の供給通路内の遊技球の球切れを検知する球切れ検知センサ827、及び払出装置830の払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842、払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840からの検出信号は、払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。なお、後述の説明上、羽根回転検知センサ840を、この明細書において単に回転検知センサ840ということにする。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、図1に示したファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ279からの検出信号は、まずハンドル中継端子板315、電源基板931、そして払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU952aは、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを、払出制御入力回路952bを介して、そのシリアル入力ポートの入力端子でシリアルデータ方式で受信したり、操作スイッチ954の操作信号(検出信号)を払出制御入力回路952bを介して主制御基板1310に対して出力する。払出制御MPU952aは、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから主制御基板1310に信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU952aは、そのシリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路952cbに送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
主制御基板1310は、払出制御基板951からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板951に出力する。この信号(主払ACK信号)が払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU952aは、その所定の出力ポートの出力端子から、払出モータ834を駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号を払出モータ駆動回路952dに出力し、払出モータ駆動回路952dから駆動信号を払出モータ834に出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器860bに表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したりする。
エラーLED表示器860bは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器860bが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れ検知センサ827からの検出信号に基づいて払出装置830の供給通路内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転検知センサ840からの検出信号に基づいて払出装置830の供給通路と連通する振分空間の入り口において払出回転体と遊技球とがその入り口近傍でかみ合って払出回転体が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「払出検知センサエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ842からの検出信号に基づいて払出検知センサ842に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ279からの検出信号に基づいてファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板951からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中(賞球ストック(未払出)あり)」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
また、払出制御MPU952aは、その所定の出力ポートの出力端子から、実際に払い出した遊技球の球数等をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから図示しない抵抗を介して外部端子板784に実際に払い出した遊技球の球数等を出力したりする。
また、払出制御基板951は、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して外部端子板784に出力している。外部端子板784は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに遊技球の球数等及び各種情報(遊技情報、遊技球の払出動作に関するエラー内容或いはエラーがあった旨)をそれぞれ伝えるようになっている。
外部端子板784とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ機1の外部端子板784を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっているし、ホールコンピュータからパチンコ機1の外部端子板784を経由して遊技を進行する主制御基板1310や払出等を制御する払出制御基板951に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数等やパチンコ機1の遊技情報を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
球貸ボタン328からの遊技球の球貸要求信号、及び返却ボタン329からのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主扉中継端子板880、そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。
CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板951にシリアル方式で送信し、この信号がCRユニット入出力回路952eを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。また、CRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を球貸返却表示部330に表示するための信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が球貸返却表示部330に入力されるようになっている。また、球貸返却表示部330に隣接するCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの供給電圧が遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されるようになっている。
なお、払出制御基板951に各種電圧を供給する電源基板931は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板951に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図75を参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU952aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶することができるようになっている。払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ954が操作されると、その操作信号が払出制御入力回路952bを介して、払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、払出制御MPU952aは払出制御内蔵RAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号として判断し、これを契機として、払出制御MPU952aによって払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし払出制御出力回路952cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に出力されるようにもなっている。
[7−2−2.遊技球等貸出装置接続端子板との各種信号のやり取り]
ここで、払出制御部952とCRユニット6とにおける各種信号のやり取り、及びCRユニット6と度数表示板365とにおける各種信号のやり取りについて、図71に基づいて説明する。遊技球等貸出装置接続端子板869は、図71に示すように、CRユニット6と払出制御基板951との基板間の電気的な接続を中継するほかに、CRユニット6と度数表示板365との基板間の電気的な接続も中継している(正確には、遊技球等貸出装置接続端子板869は、主扉中継端子板880を介して度数表示板365と電気的に接続されており、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続され、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880とが電気的に接続され、そして主扉中継端子板880と度数表示板365とが電気的に接続されている)。CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と払出制御基板951との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880との基板間、及び遊技球等貸出装置接続端子板869と度数表示板365との基板間は、各配線(ハーネス)によって電気的にそれぞれ接続されている。また、電源基板931からの後述するAC24Vが遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に供給されている。CRユニット6は、この供給されたAC24Vから所定電圧VL(本実施形態では、直流+12V(DC+12V、以下「+12V」記載する。))を、内蔵する図示しない電圧作成回路により作成してグランドLGとともに、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板951に供給する一方、遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して度数表示板365に供給している。
度数表示板365は、その部品面に、の球貸ボタン328と対応する位置に押ボタンスイッチである球貸ボタン328が実装され、貸球ユニット360の返却ボタン329と対応する位置に押ボタンスイッチである返却ボタン329が実装され、貸球ユニット360の貸出残表示部363と対応する位置にセグメント表示器である球貸返却表示部330が実装されている。
球貸ボタン328及び返却ボタン329は、CRユニット6からのグランドLGが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して電気的に接続されている。球貸ボタン328は、球貸ボタン328が押圧操作されると、球貸ボタン328のスイッチが入り(ONし)、球貸ボタン328からの球貸操作信号TDSが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。返却ボタン329は、返却ボタン329が押圧操作されると、返却ボタン329のスイッチが入り(ONし)、返却ボタン329からの返却操作信号RESが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。
球貸返却表示部330は、セグメント表示器が3個一列に並設されたものであり、これら3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器ずつ順次駆動する、いわゆるダイナミック点灯方式によって3桁のセグメント表示器が点灯制御されるようになっている。このような点灯制御によって、球貸返却表示部330は、CRユニット6に挿入されたプリペイドカードの残額を表示したり、CRユニット6のエラーを表示したりする。球貸返却表示部330は、3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器を指定するためのデジット信号DG0〜DG2(計3本の信号)と、この指定した1桁のセグメント表示器を点灯させて表示させる内容を指定するためのセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−G(計7本の信号)と、がCRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されると、この入力された、デジット信号DG0〜DG2及びセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gに従って1桁のセグメント表示器が順次発光され、これらの3桁のセグメント表示器の発光による内容が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。
なお、球貸返却表示部330に隣接してCRユニットランプ365dが度数表示板365に実装されている。このCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの所定電圧VLが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されている。所定電圧VLは、CRユニットランプ365dを介して遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸可能信号TDLとしてCRユニット6に入力されている。CRユニット6は、内蔵する電圧作成回路で電源基板931から供給されたAC24Vから所定電圧VLを作成しており、球貸ボタン328及び返却ボタン329が有効である球貸可能な状態である場合には球貸可能信号TDLの論理を制御してCRユニットランプ365dを発光させ、この発光が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。また、セグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gは、遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸返却表示部330に入力されている。
CRユニット6は、球貸ボタン328が押圧操作されて球貸ボタン328からの球貸操作信号TDSが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、貸球要求信号であるBRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951(払出制御MPU952a)に出力するようになっている。そしてCRユニット6は、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951(払出制御MPU952a)に出力するようになっている。BRDY及びBRQが入力される払出制御基板951(払出制御MPU952a)は、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるための信号であるEXSを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したり、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるための信号であるPRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したりする。なお、例えば、球貸ボタン328が押圧操作されると、200円分の遊技球が払い出されるように、ホールの店員等がCRユニット6に予め設定している場合には、1回の払出動作が連続して2回行われるようになっており、100円分の25球が払い出されると、続けて100円分の25球が払い出され、計200円分の50球が払い出されることとなる。
CRユニット6は、返却ボタン329が押圧操作されて返却ボタン329からの返却操作信号RESが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、プリペイドカードを図示しない挿入口から排出して返却するようになっている。この返却されたプリペイドカードは、球貸ボタン328が押圧操作された結果、払い出された遊技球の球数に相当する金額が減算された残額が記憶されている。
[7−3.電源基板931]
次に、上記第1制御部MCGのうち、電源基板931について簡単に説明する。電源基板931は、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を電気的に接続したり、電気的に遮断したりすることができる電源スイッチ934と、各種電源を生成する電源制御部935と、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド682による発射制御及び図1に示した球送りユニット250の球送ソレノイド255による球送制御を行う発射制御部953と、を備えている。
[7−3−1.電源制御部]
電源制御部935は、電源スイッチ934が操作されてパチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)を整流する同期整流回路935aと、同期整流回路935aで整流された電力の力率を改善する力率改善回路935bと、力率改善回路935bで力率が改善された電力を平滑化する平滑化回路935cと、平滑化回路935cで平滑化された電力から各種基板に供給するための各種直流電源を作成する電源作成回路935dと、を備えている。
[7−3−2.発射制御部]
発射ソレノイド682による発射制御と、球送ソレノイド255による球送制御と、を行う発射制御部953は、発射制御回路953aを主として構成されている。発射制御回路953aは、ハンドル302の回転位置に応じて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す強度(発射強度)を電気的に調節するハンドル回転検知センサ307からの操作信号と、ハンドル302に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ310からの検出信号と、遊技者の意志によって遊技球の打ち出し(発射)を強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ312からの検出信号と、がハンドル中継端子板315を介して、入力されている。また、発射制御回路953aは、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続されると、その旨を伝えるCR接続信号が払出制御基板951を介して入力されている。
発射制御回路953aは、ハンドル回転検知センサ307からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド682に出力する制御を行っている一方、ハンドル中継端子板315を介して球送ソレノイド255に一定電流を出力することにより球送りユニット250の球送部材が皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る制御を行っている。
[7−4.周辺制御基板]
こうした第1制御部MCGに対し、上記第2制御部SCGのうちの周辺制御基板1510では、図72に示すように、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて演出制御を行い、かつ、図19に示す扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う演出表示駆動基板4450と制御コマンドや各種情報(各種データ)をやり取りする周辺制御部1511と、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行う一方、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音制御を行う液晶表示制御部1512と、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するリアルタイムクロック(以下、「RTC」と記載する。)制御部4165と、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節する音量調整ボリューム1510aと、を備えている。
[7−4−1.周辺制御部]
演出制御を行う周辺制御部1511は、図72に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU1511aと、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに演出動作を制御するサブ制御プログラムなどの各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータを記憶する周辺制御ROM1511bと、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理をまたいで継続される各種情報(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に描画する画面を規定するスケジュールデータや各種LED等の発光態様を規定するスケジュールデータなどを管理するための情報など)を記憶する周辺制御RAM1511cと、日をまたいで継続される各種情報(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)を記憶する周辺制御SRAM1511dと、周辺制御MPU1511aが正常に動作しているか否かを監視するための周辺制御外部ウォッチドックタイマ1511e(以下、「周辺制御外部WDT1511e」と記載する。)と、を備えている。
周辺制御RAM1511cは、瞬停が発生して電力がすぐ復帰する程度の時間しか記憶された内容を保持することができず、電力が長時間遮断された状態(長時間の電断が発生した場合)ではその内容を失うのに対して、周辺制御SRAM1511dは、電源基板931に設けられた図示しない大容量の電解コンデンサ(以下、「SRAM用電解コンデンサ」と記載する。)によりバックアップ電源が供給されることにより、記憶された内容を50時間程度、保持することができるようになっている。電源基板931にSRAM用電解コンデンサが設けられることにより、遊技盤5をパチンコ機1から取り外した場合には、周辺制御SRAM1511dにバックアップ電源が供給されなくなるため、周辺制御SRAM1511dは、記憶された内容を保持することができなくなってその内容を失う。
周辺制御外部WDT1511eは、周辺制御MPU1511aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御MPU1511aは、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)に周辺制御外部WDT1511eのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御外部WDT1511eに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御MPU1511aは、一定期間内にクリア信号を周辺制御外部WDT1511eに出力するときには、周辺制御外部WDT1511eのタイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御MPU1511aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310からの各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから図示しない周辺制御出力回路を介してランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路を介してモータ駆動基板4180に送信したり、扉枠3に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データを枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したり、扉枠3の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データを枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したりする。
主制御基板1310からの各種コマンドは、図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートに入力されている。また、演出操作ユニット400に設けられた、ダイヤル操作部401の回転(回転方向)を検出するための回転検出スイッチからの検出信号、及び押圧操作部405の操作を検出するための押圧検出スイッチからの検出信号は、枠装飾駆動アンプ基板194に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された演出操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板882、枠周辺中継端子板868、そして周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aの演出操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されている。
遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチ(例えば、フォトセンサなど。)からの検出信号は、モータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された可動体検出データが遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートに入力されている。周辺制御MPU1511aは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの入出力を切り替えることにより周辺制御基板1510とモータ駆動基板4180との基板間における各種データのやり取りを行うようになっている。
なお、周辺制御MPU1511aは、ウォッチドックタイマを内蔵(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)しており、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDT1511eとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[7−4−1a.周辺制御MPU]
次に、マイクロコンピュータである周辺制御MPU1511aについて説明する。周辺制御MPU1511aは、図73に示すように、周辺制御CPUコア1511aaを中心として、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御DMA(Direct Memory Accessの略)コントローラ1511ac、周辺制御バスコントローラ1511ad、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御アナログ/デジタルコンバータ(以下、周辺制御A/Dコンバータと記載する)1511ak等から構成されている。
周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御DMAコントローラ1511acに対して、内部バス1511ahを介して、各種データを読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511akに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、各種データを読み書きする。
また、周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御ROM1511bに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして外部バス1511hを介して、各種データを読み込む一方、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511dに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして外部バス1511hを介して、各種データを読み書きする。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う専用のコントローラであり、DMA0〜DMA3という4つのチャンネルを有している。
具体的には、周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御MPU1511aに内蔵される周辺制御内蔵RAM1511abの記憶装置と、周辺制御MPU1511aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御内蔵RAM1511abの記憶装置に対して、内部バス1511ahを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び周辺バス1511aiを介して、読み書きする。
また、周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御MPU1511aに外付けされる、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御MPU1511aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び外部バス1511hを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び周辺バス1511aiを介して、読み書きする。
周辺制御バスコントローラ1511adは、内部バス1511ah、周辺バス1511ai、及び外部バス1511hをコントロールして周辺制御MPUコア1511aaの中央処理装置と、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の各種装置間において、各種データのやり取りを行う専用のコントローラである。
周辺制御各種シリアルI/Oポート1511aeは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポート、モータ駆動基板用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、主制御基板用シリアルI/Oポート、演出操作ユニット情報取得用シリアルI/Oポートを有している。
周辺制御内蔵ウォッチドックタイマ(周辺制御内蔵WDT)1511afは、周辺制御MPU1511aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御CPUコア1511aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせた場合には、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)にそのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御内蔵WDT1511afに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御CPUコア1511aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせて一定期間内にクリア信号を周辺制御内蔵WDT1511afに出力するときには、タイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agは、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号、扉側モータ駆動発光ラッチ信号等の各種ラッチ信号を出力するほかに、周辺制御外部WDT1511eにクリア信号を出力したり、遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチからの検出信号をモータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化して、このシリアル化された可動体検出データを遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御MPU1511aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートで受信するための可動体情報取得ラッチ信号を出力したりする。
このLEDは、高輝度の白色LEDであり、大当り遊技状態の発生が確定している旨を伝えるための確定告知ランプとなっている。本実施形態では、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agとが電気的に直接接続された構成を採用することにより、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agとの経路を短くすることで遊技上重量な意味を持つLEDの点灯制御についてノイズ対策を講ずることができる。なお、LEDの点灯制御については、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理において実行されるようになっており、このLEDを除く他のLED等は、後述する周辺制御部定常処理において実行されるようになっている。
周辺制御A/Dコンバータ1511akは、音量調整ボリューム1510aと電気的に接続されており、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変し、つまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512(後述する音源内蔵VDP1512a)を制御して下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、本実施形態では、音楽や効果音のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりする等。)ための告知音も下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512(後述する音源内蔵VDP1512a)を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。
これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
[7−4−1b.周辺制御ROM]
周辺制御ROM1511bは、周辺制御部1511、液晶表示制御部1512、RTC制御部4165等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータを予め記憶されている。各種スケジュールデータには、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
なお、周辺制御ROM1511bに記憶されている各種制御プログラムは、周辺制御ROM1511bから直接読み出されて実行されるものもあれば、後述する周辺制御RAM1511cの各種制御プログラムコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されて実行されるものもある。また周辺制御ROM1511bに記憶されている、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータも、周辺制御ROM1511bから直接読み出されるものもあれば、後述する周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されるものもある。
また、周辺制御ROM1511bには、RTC制御部4165を制御する各種制御プログラムの1つとして、遊技盤側演出表示装置1600の使用時間に応じて遊技盤側演出表示装置1600の輝度を補正するための輝度補正プログラムが含まれている。この輝度補正プログラムは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側演出表示装置1600の経年変化にともなう輝度低下を補正するものであり、後述するRTC制御部4165の内蔵RAMから遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時、現在の日時、輝度設定情報等を取得して、この取得した輝度設定情報を補正情報に基づいて補正する。この補正情報は、周辺制御ROM1511bに予め記憶されている。輝度設定情報は、後述するように、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものであり、例えば、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。
[7−4−1c.周辺制御RAM]
周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cは、図73に示すように、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア1511caと、このバックアップ管理対象ワークエリア1511caに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccと、周辺制御ROM1511bに記憶されている各種制御プログラムがコピーされたものを専用に記憶する各種制御プログラムコピーエリア1511cdと、周辺制御ROM1511bに記憶されている、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータ等がコピーされたものを専用に記憶する各種制御データコピーエリア1511ceと、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっていないものを専用に記憶するバックアップ非管理対象ワークエリア1511cfと、が設けられている。
なお、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)には、バックアップ非管理対象ワークエリア1511cfに対して値0が強制的に書き込まれてゼロクリアされる一方、バックアップ管理対象ワークエリア1511ca、バックアップ第1エリア1511cb、及びバックアップ第2エリア1511ccについては、パチンコ機1の電源投入時に主制御基板1310からの電源投入時状態コマンド(図89を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図69に示した操作スイッチ954が操作された時における演出の開始を指示したりするものである)であるときにはゼロクリアされる。
バックアップ管理対象ワークエリア1511caは、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理において更新される各種情報である演出情報(1fr)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1fr)と、後述する1msタイマ割り込みが発生するごとに実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理において更新される各種情報である演出情報(1ms)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1ms)と、から構成されている。ここで、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア1511cbからバックアップ第2エリア1511ccに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(1fr)」は、後述するように、音源内蔵VDP1512aが1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力すると、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU1511aに出力するようになっているため、Vブランク信号が入力されるごとに、換言すると、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1fr)や後述する演出バックアップ情報(1fr)についても、同一の意味で用いる)。「(1ms)」は、後述するように、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1ms)や後述する演出バックアップ情報(1ms)についても、同一の意味で用いる)。
Bank0(1fr)には、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cab、受信コマンド記憶領域1511cac、RTC情報取得記憶領域1511cad、及びスケジュールデータ記憶領域1511cae等が設けられている。ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaには、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATがセットされる記憶領域であり、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabには、扉枠3の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATがセットされる記憶領域であり、受信コマンド記憶領域1511cacには、主制御基板1310から送信される各種コマンドを受信してその受信した各種コマンドがセットされる記憶領域であり、RTC情報取得記憶領域1511cadには、RTC制御部4165(後述するRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aa)から取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、スケジュールデータ記憶領域1511caeには、主制御基板1310(主制御MPU1310a)から受信したコマンドに基づいて、この受信したコマンドと対応する各種スケジュールデータがセットされる記憶領域である。スケジュールデータ記憶領域1511caeには、周辺制御ROM1511bから各種制御データコピーエリア1511ceにコピーされた各種スケジュールデータが読み出されてセットされるものもあれば、周辺制御ROM1511bから各種スケジュールデータが直接読み出されてセットされるものもある。
Bank0(1ms)には、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cag、可動体情報取得記憶領域1511cah、及び演出操作ユニット情報取得記憶領域1511cai、及び描画状態情報取得記憶領域1511cak等が設けられている。枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafには、扉枠3に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされる記憶領域であり、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagには、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされる記憶領域であり、可動体情報取得記憶領域1511cahには、遊技盤5に設けた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiには、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいてダイヤル操作部401の回転(回転方向)及び押圧操作部405の操作等を取得した各種情報(例えば、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成するダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)がセットされる記憶領域であり、描画状態情報取得記憶領域1511cakには、演出表示駆動基板4450が周辺制御基板1510の音源内蔵VDP1512aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する後述するLOCKN信号に基づいて周辺制御基板1510と演出表示駆動基板4450との接続間における不具合の頻度や不具合の発生状態を取得した各種情報がセットされる記憶領域である。
なお、Bank0(1fr)のランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa及び枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabと、Bank0(1ms)の枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf及びモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagとは、第1領域及び第2領域という2つの領域にそれぞれ分割されている。
ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaは、後述する周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域に、遊技盤側発光データSL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域、第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理においてランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域にセットした遊技盤側発光データSL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabは、周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域に、扉側発光データSTL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域、第2領域に扉側発光データSTL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理において枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域にセットした扉側発光データSTL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafは、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域に、扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域、第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理において枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域にセットした扉側モータ駆動データSTM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域に、遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域、第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理においてモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域にセットした遊技盤側モータ駆動データSM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア1511caに記憶されている各種情報である演出情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccについて説明する。バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccは、2つのバンクを1ペアとする2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア1511cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア1511ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア1511cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア1511ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
また、本実施形態では、通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるようになっているが、これらの周辺制御DMAコントローラ1511acによる高速コピーを実行するプログラムは共通化されている。つまり本実施形態では、演出情報(1fr)、演出情報(1ms)を、共通の管理手法(共通のプログラムの実行)で情報を管理している。
[7−4−1d.周辺制御SRAM]
周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御SRAM1511dは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア1511daと、このバックアップ管理対象ワークエリア1511daに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcと、が設けられている。なお、周辺制御SRAM1511dに記憶された内容は、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)に主制御基板1310からの電源投入時状態コマンド(図89を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図69に示した操作スイッチ954が操作された時における演出の開始を指示したりするものである)ときにおいても、ゼロクリアされない。この点については、上述した周辺制御RAM1511cのバックアップ管理対象ワークエリア1511ca、バックアップ第1エリア1511cb、及びバックアップ第2エリア1511ccがゼロクリアされる点と、全く異なる。また、パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで、周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容(項目)ごとに(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴など。)クリアすることができる一方、周辺制御RAM1511cに記憶されている内容(項目)については、全く表示されず、設定モードにおいてクリアすることができないようになっている。この点についても、周辺制御RAM1511cと周辺制御SRAM1511dとで全く異なる。
バックアップ管理対象ワークエリア1511daは、日をまたいで継続される各種情報である演出情報(SRAM)(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(SRAM)から構成されている。ここで、Bank0(SRAM)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、上述したように、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア1511dbからバックアップ第2エリア1511dcに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(SRAM)」は、周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている各種情報がバックアップ対象となっていることから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(SRAM)や後述する演出バックアップ情報(SRAM)についても、同一の意味で用いる)。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア1511daに記憶されている各種情報である演出情報(SRAM)がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcについて説明する。バックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcは、2つのバンクを1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容である演出情報(SRAM)は、演出バックアップ情報(SRAM)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア1511dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア1511dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア1511dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア1511dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
[7−4−2.液晶表示制御部]
遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御と下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶表示制御部1512は、図72に示すように、音楽や効果音等の音制御を行うための音源が内蔵(以下、「内蔵音源」と記載する。)されるとともに遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行う音源内蔵VDP(Video Display Processorの略)1512aと、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示される画面の各種キャラクタデータに加えて音楽や効果音等の各種音データを記憶する液晶及び音制御ROM1512bと、シリアル化された音楽や効果音等をオーディオデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するオーディオデータ送信IC1512cと、扉枠側演出表示装置460へシリアル化された描画データを扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450へ向かって送信する扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データをプラス信号とマイナス信号とに差動化する差動化回路1512eと、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号のほかに、差動化回路1512eからの信号が入力されるとともに、差動化回路1512eからの信号が入力されているときには、この信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eからの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続する強制切替回路1512fと、を備えている。この液晶及び音制御ROM1512bには、後述する画面や画像の表示に用いるスプライトデータとして、例えばリング状表示物(環状の表示物)の表示に用いる環状画像データ、後述する操作メニュー背景画像の表示に用いる操作メニュー背景画像データ、後述する少なくとも1つの選択表示物の表示に用いる選択表示物画像データ、後述するボリュームスケールを含む音量調整画面の表示に用いる音調調整背景画像データ、後述する音量調整アイコンの表示に用いる音量設定アイコン画像データ等の他、遊技者から見て本体枠4の背面における各部位の位置が視認可能な本体枠背面画像の表示に用いる本体枠背面画像データ、サービスモード画面の表示に用いるサービスモード画面画像データ、休憩タイマー設定画面の表示に用いる休憩タイマー設定画面画像データ、及び、休憩中画面の表示に用いる休憩中画面画像データが格納されている。なお、液晶及び音制御ROM1512bは、演出操作ユニット400の押圧操作部405(操作部)を操作すべき旨を促すための示唆表示物の表示に用いる示唆表示物画像データをも格納している。
周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からのコマンドと対応する画面生成用スケジュールデータを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータの先頭の画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力した後に、後述するVブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って先頭の画面データに続く次の画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。このように、周辺制御MPU1511aは、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って、この画面生成用スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の画面データから1つずつ音源内蔵VDP1512aに出力する。
また、周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からのコマンドと対応する音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力した後に、Vブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って先頭の音指令データに続く次の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。このように、周辺制御MPU1511aは、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って、この音生成用スケジュールデータに時系列に配列された音指令データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の音指令データから1つずつ音源内蔵VDP1512aに出力する。
[7−4−2a.音源内蔵VDP]
音源内蔵VDP1512aは、上述した内蔵音源のほかに、周辺制御MPU1511aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、図74に示すように、液晶及び音制御ROM1512bから遊技盤側キャラクタデータ及び上皿側キャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを生成するためのVRAMも内蔵(以下、「内蔵VRAM」と記載する。)している。音源内蔵VDP1512aは、内蔵VRAM上に生成した描画データのうち、遊技盤側演出表示装置1600に対する描画データをチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する描画データをチャンネルCH2から、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して、扉枠側演出表示装置460に出力(送信)することで、遊技盤側演出表示装置1600と扉枠側演出表示装置460との同期化を図っている。
チャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるのに対して、チャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板1510から、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)される。このように、チャンネルCH1から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるため、周辺制御基板1510及び遊技盤側演出表示装置1600は遊技盤5にそれぞれ取り付けられていることによりチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600までの経路に要する配線の長さが短いものの、チャンネルCH2から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板1510から扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力されるため、周辺制御基板1510は遊技盤5に取り付けられているのに対して、演出表示駆動基板4450は扉枠3の皿ユニット320内に収納されていることによりチャンネルCH2から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして演出表示駆動基板4450までの経路に要する配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなることでノイズの影響を極めて受けやすくなる。このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。
チャンネルCH1は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)というシリアル方式による差動インターフェースを使用しているのに対して、チャンネルCH2は、パラレル方式によるインターフェースを使用している。チャンネルCH2から出力される描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、扉枠側演出用トランスミッタIC4610dでシリアル化されて、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。そして、このシリアル化された各種信号は、演出表示駆動基板4450においてパラレル信号に復元されて扉枠側演出表示装置460に出力されるようになっている。
このように、周辺制御MPU1511aが遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力すると、音源内蔵VDP1512aは、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM1512bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成し、この生成した描画データうち、遊技盤側演出表示装置1600に対する画像データをチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)する。つまり、「1画面分(1フレーム分)の画面データ」とは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成するためのデータのことである。
また、音源内蔵VDP1512aは、1画面分(1フレーム分)の描画データを、チャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)すると、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU1511aに出力する。本実施形態では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が出力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号が入力されたことを契機として、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理を実行するようになっている。ここで、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の液晶サイズによって多少変化する。また、周辺制御MPU1511aと音源内蔵VDP1512aとが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合がある。
なお、音源内蔵VDP1512aは、フレームバッファ方式が採用されている。この「フレームバッファ方式」とは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の画面に描画する1画面分(1フレーム分)の描画データをフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持し、このフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持した1画面分(1フレーム分)の描画データを、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力する方式である。
また、音源内蔵VDP1512aは、主制御基板1310からのコマンドに基づいて周辺制御MPU1511aから上述した音指令データが入力されると、図74に示すように、液晶及び音制御ROM1512bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データをトラックに組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定して下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。
演出音のサブボリューム値は、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで後述する設定モードへ移行して調節することができるようになっている。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
ここで、演出音が下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
つまり、実際に、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけ下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れるようになっている。
このように、演出音が下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音が下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過して下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
[7−4−2b.液晶及び音制御ROM]
液晶及び音制御ROM1512bは、図74に示すように、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に描画するための遊技盤側キャラクタデータと、扉枠側演出表示装置460の表示領域に描画するための上皿側キャラクタデータと、が予め記憶されるとともに、音楽、効果音、報知音、及び告知音等の各種の音データも予め記憶されている。
[7−4−2c.オーディオデータ送信IC]
オーディオデータ送信IC1512cは、音源内蔵VDP1512aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信するとともに、左側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信する。これにより、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されるようになっている。
なお、オーディオデータ送信IC1512cは、周辺制御基板1510から枠装飾駆動アンプ基板194に亘る基板間を、左右それぞれ差分方式のシリアルデータとしてオーディオデータを出力することにより、例えば、左側オーディオデータのプラス信号、マイナス信号にノイズの影響を受けても、プラス信号に乗ったノイズ成分と、マイナス信号に乗ったノイズ成分と、を枠装飾駆動アンプ基板194で合成して1つの左側オーディオデータにする際に、互いにキャンセルし合ってノイズ成分が除去されるようになっているため、ノイズ対策を講じることができる。
[7−4−2d.扉枠側演出用トランスミッタIC]
扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、図74に示すように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データが入力されている。チャンネルCH2は、上述したように、パラレル方式によるインターフェースが使用されている。描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビット、計24ビットで構成されている。本実施形態では、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットが扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力されている。下位2ビットは、人間の目にとって判別困難な極めて微弱な色情報であるため、音源内蔵VDP1512aから出力されているものの、微弱な色情報を含む下位2ビットを無効化している。
音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データである、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力されると、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、がザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化して差動1ペアケーブルのみでこれらの各種信号を、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信する。
上述したように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるため、チャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600までの経路(第1経路)に要する配線の長さが短いものの、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)されるため、チャンネルCH2から扉枠側演出表示装置460までの経路(第2経路)に要する配線の長さが第1経路に要する配線の長さより極めて長くなることによりノイズの影響を極めて受けやすくなる。
具体的には、図1に示した本体枠4に対して開閉自在に扉枠3が軸支されているため、本体枠4の開放側辺に沿って図5に示した施錠ユニット700の反対側である閉塞側に、例えば本体枠4に装着される遊技盤5に備える周辺制御基板1510から扉枠3に備える皿ユニット320に収納される演出表示駆動基板4450などの、本体枠4側に備える各種基板と扉枠3側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線を通す必要がある。ところが、本体枠4の閉塞側には、払出装置830のほかに、この払出装置830によって払出された遊技球を、皿ユニット320の上皿321へ誘導することができると共に上皿321が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿322側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770が配置されている。
また、本体枠4の下側には、パチンコ島設備から電源が供給される図6に示した電源基板931等を一纏めにしてユニット化した図5に示した払出ユニット800が配置されている。このように、本体枠4側に備える各種基板と扉枠3側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線は、払出装置830、満タン分岐ユニット770、電源基板931等の近傍に引き回されることとなり、払出装置830に備える払出モータ834が駆動されることによるノイズのほかに、遊技球による静電放電によるノイズやパチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等を受ける環境下にある。
このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。本実施形態では、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続するための配線として、上述したように、差動1ペアケーブルを用いているが、この差動1ペアケーブルは、2本の配線が単に平行に設けられる平行線ではなく、ツイストペアケーブルである。このツイストペアケーブルは、2本の配線を撚り合わせたケーブルであって、撚り対線とも呼ばれるものである。
ここで、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして平行線を採用した場合について簡単に説明する。描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとしても、このようなハードウェアによる構成だけでは、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、平行線におけるシリアルデータが影響を受けると、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されないため、シリアルデータが影響を受けた状態のまま扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されることとなり、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データが正規なものと異なる乱れたものとして扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信され、扉枠側演出表示装置460の表示領域では、いわゆる砂嵐のような画像が表示されて何の画像であるのかを全く認識することができなくなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。これにより、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、ツイストペアケーブルにおいてシリアルデータが影響を受けたとしても、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されるようになっているため、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データは、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で確実に受信されて扉枠側演出表示装置460に出力されることにより、扉枠側演出表示装置460において、液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aが生成した画像を確実に表示することができる。ノイズをキャンセル(除去)することにより、砂嵐のような何の画像であるのかを全く認識することができなくなるような画像が扉枠側演出表示装置460で表示されることを防止することができるため、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。したがって、ノイズの影響による遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間においては、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882が介在している。これは、本体枠4と扉枠3とが一体的に構成されるものではなく、別々に組み立てられたものを、本体枠4に扉枠3を取り付けるという構造を採用しているため、本体枠4に扉枠3を取り付ける作業のあとに、扉枠3側に備える各種基板からのハーネスやツイストケーブルなどの各種配線を本体枠4側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠4側に備える各種基板と、扉枠3側に備える各種基板と、を電気的に接続することができるようになっている。このような構成により、本体枠4から扉枠3を開放して各種配線を取り外す作業を行ったあとに、本体枠4から扉枠3を取り外すことで、本体枠4や扉枠3のメンテナンスを行うことができるし、扉枠3に生じた不具合が解消することができない場合には、この不具合のある扉枠3に替えて他の扉枠3’を本体枠4に取り付けて、扉枠3’側に備える各種基板からの各種配線を本体枠4側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠4側に備
える各種基板と、扉枠3’側に備える各種基板と、を電気的に接続することができる。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。具体的には、周辺制御基板1510と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882と演出表示駆動基板4450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されている。これにより、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882とには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送するための映像伝送用配線パターンのほかに、電源用配線パターンやその他の各種信号を伝送するための各種信号用配線パターンと、が混在している。このため、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882には、電源用配線パターンや各種信号用配線パターンから所定寸法だけ離して上述した映像伝送用配線パターンがそれぞれ形成されている。トランスミッタからレシーバまでの経路には、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882という複数の中継端子板をまたぐこととなるため、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンの入出力間において、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送する信号の一部が反射されてノイズとなったり、その信号の出力レベルが低下するという問題が生ずる。そこで、本実施形態では、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンには、インピーダンス整合が施されている。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板1510と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882と演出表示駆動基板4450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されているが、ツイストペアケーブルのうち、一方の配線を赤色とし、他方の配線を灰色とするとともに、ハーネスのうち、電源を供給する配線を赤色とし、他の複数の配線を灰色としている。なお、電源を供給する配線を赤色とせず、黄色としてもよい。
[7−4−2e.強制切替回路、差動化回路]
扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号は、強制切替回路1512f、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信されるようになっている。この強制切替回路1512fには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号のほかに、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されて入力されている。この差動化回路1512eでは、LOCKN信号出力要求データをディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化している。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として送信されるものである。強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。周辺制御MPU1511aは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、LOCKN信号出力要求データを、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450(実際には、周辺制御基板1510に備える差動化回路1512e)に向かって送信する。
扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450は、周辺制御基板1510からのシリアル信号(シリアルデータ)を後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信すると、シリアル化された各種信号をパラレル信号に復元して扉枠側演出表示装置460に出力する液晶モジュール回路4450Vと、から主として構成されている。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、音源内蔵VDP1512aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝える後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。周辺制御MPU1511aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を伝えるための画像を音源内蔵VDP1512aを制御して生成して遊技盤側演出表示装置1600に出力することにより遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して報知する。
また、扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、受信したその2つの信号がLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。これにより、周辺制御MPU1511aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に不具合が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御して遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御してオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより扉枠3に設けたスピーカから報知音が流れる。これにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示される報知画像と、扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し流れる報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯してもよい。
[7−4−3.RTC制御部]
年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するRTC制御部4165は、図72に示すように、RTC4165aを中心として構成されている。このRTC4165aには、カレンダー情報と時刻情報とが保持されるRAM4165aaが内蔵(以下、「RTC内蔵RAM4165aa」と記載する。)されている。RTC4165aは、駆動用電源及びRTC内蔵RAM4165aaのバックアップ用電源として電池4165b(本実施形態では、ボタン電池を採用している。)から電力が供給されるようになっている。つまりRTC4165aは、周辺制御基板1510(パチンコ機1)からの電力が全く供給されずに、周辺制御基板1510(パチンコ機1)と独立して電池4165bから電力が供給されている。これにより、RTC4165aは、パチンコ機1の電力が遮断されても、電池4165bからの電力供給により、カレンダー情報や時刻情報を更新保持することができるようになっている。
周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、RTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報や時刻情報を取得して上述した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにセットし、この取得したカレンダー情報や時刻情報に基づく演出を遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げることができるようになっている。このような演出としては、例えば、12月25日であればクリスマスツリーやトナカイの画面が遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられたり、大晦日であれば新年カウントダウンを実行する画面が遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられたりする等を挙げることができる。カレンダー情報や時刻情報は、工場出荷時に設定される。
なお、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合にはLEDの輝度設定情報が記憶保持されている。周辺制御MPU1511aは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、RTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得してバックライトの輝度調整をPWM制御により行う。輝度設定情報は、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれている。
また、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報、時刻情報や輝度設定情報のほかに、カレンダー情報、時刻情報、及び輝度設定情報をRTC内蔵RAM4165aaに最初に記憶した年月日及び時分秒の情報として入力日時情報も記憶されている。
周辺制御MPU1511aは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトが冷陰極管タイプのものが装着されている場合には、バックライトのON/OFF制御もしくはONのみとするようになっている。
RTC内蔵RAM4165aaに記憶される、カレンダー情報、時刻情報、輝度設定情報、及び入力日時情報等の各種情報は、遊技機メーカの製造ラインにおいて設定される。
製造ラインにおいては、例えば遊技盤側演出表示装置1600の表示テスト等の各種テストを行うため、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時として入力日時情報が製造ラインで入力された年月日及び時分秒である製造日時に設定される。
このように、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合における輝度設定情報、及び入力日時情報等、パチンコ機1の機種情報(例えば、低確率や高確率における大当り遊技状態が発生する確率など)とは独立して維持が必要な情報を記憶保持することができるようになっている。
また、RTC内蔵RAM4165aaに記憶保持される輝度設定情報等は、パチンコ機1が設置されるホールの環境によっては製造日時に設定された遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度では明るすぎたり、暗すぎたりする場合もある。そこで、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行してバックライトの輝度を所定の輝度に調節することができるようになっている。パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することでカレンダー情報、時刻情報を再設定したり、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を所望の輝度に調節したりすることができる。この調節された遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの所望の輝度は、輝度設定情報に記憶されるLEDの輝度としてそれぞれ上書き(更新記憶)されるようになっている。
なお、設定モードでは、周辺制御MPU1511aは、上述した輝度補正プログラムを実行することにより、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側演出表示装置1600の経年変化にともなう輝度低下を補正する。周辺制御MPU1511aは、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、入力日時情報を取得して遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時を特定し、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定し、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度とを有する輝度設定情報を取得する。この取得した輝度設定情報を周辺制御ROM1511bに予め記憶されている補正情報に基づいて補正する。
例えば、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。
なお、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、直接、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定してもいいし、後述する周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1002の現在時刻情報取得処理において周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにおける、カレンダー情報記憶部にセットされて周辺制御基板1510のシステムにより更新される現在のカレンダー情報と、時刻情報記憶部にセットされて周辺制御基板1510のシステムにより更新される現在の時刻情報と、を取得して現在の日時を特定してもいい。
[834.音量調整ボリューム]
音量調整ボリューム1510aは、上述したように、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節することができるようになっている。音量調整ボリューム1510aは、上述したように、そのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変するようになっており、電気的に接続された周辺制御A/Dコンバータ1511akがつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、上述したように、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512(音源内蔵VDP1512a)を制御して下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。また、本実施形態では、上述したように、音楽や効果音のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したり等。)ための告知音も下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512(音源内蔵VDP1512a)を制御して調整することができるようになっている。
このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。
これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
なお、本実施形態では、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節するようになっていることに加えて、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して音楽や効果音の音量を調節することができるようになっている。パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができる。具体的には、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、周辺制御A/Dコンバータ1511akがアナログ値からデジタル値に変換して、この変換した値に対して、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることができるようになっている。この調節された音量は、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックのうち、音楽や効果音等の演出音の音データが組み込まれたトラックに対して、サブボリューム値として設定更新されて演出音の音量の調節に反映されるものの、上述した報知音や告知音の音量に調節に反映されないようになっている。
このように、本実施形態では、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を直接回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、の2つの方法がある。音量調整ボリューム1510aは、周辺制御基板1510に実装されているため、本体枠4を外枠2から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作することができるのは、ホールの店員となる。ところが、ホールの店員が調節した音量では、遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合もあるし、遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合もある。そこで、パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したり、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したりした場合には、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示され、この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。これにより、遊技者は所望の音量に音楽や効果音の音量を調節することができるため、ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
また、本実施形態では、パチンコ機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが繰り返し行われると(例えば、10回)、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化されるようになっている。この音量の初期化では、ホールの店員が調節した音量、つまりホールの店員が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を直接回動操作して調節した音量となるようになっている。これにより、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
[8.電源システム]
次に、パチンコ機1の電源システムについて、図75及び図76を参照して説明する。
図75はパチンコ機の電源システムを示すブロック図であり、図76は図75のつづきを示すブロック図である。まず、電源基板931について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。なお、各種基板のグランド(GND)や各種端子板のグランド(GND)は、電源基板931のグランド(GND)と電気的に接続されており、同一グランド(GND)となっている。
[8−1.電源基板931]
電源基板931は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグがパチンコ島設備の電源コンセントに差し込まれている。電源スイッチ934を操作すると、パチンコ島設備から供給されている電力が電源基板931に供給され、パチンコ機1の電源投入を行うことができる。
電源基板931は、図75に示すように、電源制御部935、発射制御部953を備えている。電源制御部935は、パチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)から各種直流電圧を作成したり、主制御基板1310や払出制御基板951へのバックアップ電源を供給する回路であり、発射制御部953は、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド682や図1に示した球送りユニット250の球送ソレノイド255を駆動制御する回路である。
電源制御部935は、同期整流回路935a、力率改善回路935b、平滑化回路935c、電源作成回路935d、キャパシタBC0,BC1を備えている。パチンコ島設備から供給されているAC24Vは、電源基板931を介して遊技球等貸出装置接続端子板869に供給されるとともに、同期整流回路935aに供給されている。この同期整流回路935aは、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を整流して力率改善回路935bに供給している。この力率改善回路935bは、整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路935cに供給している。この平滑化回路935cは、供給される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて発射制御部953の発射制御回路953a及び電源作成回路935dにそれぞれ供給している。
キャパシタBC0は、主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給し、キャパシタBC1は、払出制御基板951における払出制御部952の払出制御MPU952aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給している。
発射制御部953の発射制御回路953aは、平滑化回路935cから供給される+37Vを駆動電源として、ハンドル302の回転位置に見合う打ち出し強度(発射強度)で遊技球を図1に示した遊技領域5aに向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド682に出力する制御を行う一方、球送りユニット250の球送ソレノイド255に一定電流を出力することにより球送りユニット250の球送部材が皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る制御を行う。
電源作成回路935dは、平滑化回路935cから供給される+37Vから直流+5V(DC+5V、以下、「+5V」と記載する。)、直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)、及び直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)をそれぞれ作成して払出制御基板951及び枠周辺中継端子板868にそれぞれ供給している。+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ライン、+12Vが印加されて供給される電源系統が+12V電源ライン、そして+24Vが印加されて供給される電源系統が+24V電源ラインとなる。
電源作成回路935dで作成される+5Vは、後述するように、払出制御基板951に供給されている。払出制御基板951に供給される+5Vは、払出制御フィルタ回路951aを介して払出制御MPU952aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。電源作成回路935dで作成される+12Vは、払出制御基板951を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gに供給されている。この+5V作成回路1310gは、払出制御基板951からの+12Vから主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを作成している。+5V作成回路1310gで作成される+5Vは、主制御フィルタ回路1310hを介して主制御MPU1310aの電源端子に供給されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAMの電源端子に供給されるようになっている。
電源基板931のキャパシタBC1のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC1のプラス端子は、払出制御基板951の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板951のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5Vは、払出制御MPU952aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC1は、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5Vが払出制御基板951、そして再び払出制御基板951から電源基板931に戻ってくるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源作成回路935dで作成される+5Vが払出制御基板951に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板951に供給されるようになっているため、払出制御MPU952aの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU952aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板931のキャパシタBC0のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC0のプラス端子は、払出制御基板951を介して主制御基板1310の主制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板1310のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5V作成回路1310gで作成される+5Vは、主制御MPU1310aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5V作成回路1310gで作成される+5Vが主制御基板1310、そして払出制御基板951から電源基板931に供給されるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+12Vが払出制御基板951を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gに供給されなくなって+5V作成回路1310gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして、払出制御基板951を介して、主制御基板1310に供給されるようになっているため、主制御MPU1310aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU1310aが作動しないものの、主制御内蔵RAMの電源端子には主VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、主制御内蔵RAMに対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路は、上記ダイオードMD0と上記キャパシタBC0とによって構成されている。
[8−2.各制御基板等に供給される電圧]
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板に供給される電圧、そして主制御基板に供給される電圧について説明する。
電源基板931の電源作成回路935dで作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図75に示すように、払出制御基板951に供給され、これら3種類の電圧のうち、+12V及び+24Vという2種類の電圧は、払出制御基板951を介して主制御基板1310に供給されている。また電源基板931の電源作成回路935dで作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、枠周辺中継端子板868に供給されるとともに、この枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510及び周辺扉中継端子板882にそれぞれ供給されている。
周辺制御基板1510に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図76(a)に示すように、ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170a及びモータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aにそれぞれ供給されている。ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170aは、遊技盤5の各種装飾基板に点灯信号、点滅信号や階調点灯信号等の各種信号を出力し、モータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aは、遊技盤5のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号を出力する。
周辺制御基板1510は、枠周辺中継端子板868から供給される+5Vから直流3.3V(DC+3.3V、以下、「+3.3V」と記載する。)を作成する+3.3V作成回路1510bを備えている。+3.3V作成回路1510bが作成する+3.3Vは、遊技盤側演出表示装置1600の液晶モジュール1600aに供給されている。また、周辺制御基板1510に供給される+12Vは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライト電源1600bに供給されている。
これに対して、周辺扉中継端子板882に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図76(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に供給されている。枠装飾駆動アンプ基板194は、周辺扉中継端子板882から供給される+12Vから直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成する+9V作成回路194aを備えている。+9V作成回路194aが作成する+9Vとともに、周辺扉中継端子板882から供給される+5V、+12V、及び+24Vという計4種類の電圧が扉枠3の各種装飾基板等に供給されている。
また、周辺扉中継端子板882に供給される+12Vは、上皿側液晶モジュール電源回路4450xに供給されている。上皿側液晶モジュール電源回路4450xは、+12Vから+3.3Vを作成している。上皿側液晶モジュール電源回路4450xが作成した+3.3Vは、図74に示した液晶モジュール回路4450Vを構成する各種電子部品にそれぞれ供給されているほかに、上皿側液晶モジュールバックライト電源回路4450yや扉枠側演出表示装置460にそれぞれ供給されている。上皿側液晶モジュールバックライト電源回路4450yが作成した電圧は、扉枠側演出表示装置460に供給されている。
[8−2−1.払出制御基板に供給される電圧]
払出制御基板951は、図75に示すように、払出制御MPU952a等のほかに、払出制御フィルタ回路951a等を備えている。この払出制御フィルタ回路951aは、電源基板931からの+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードPD0を介して電源基板931のキャパシタBC1に供給されるほかに、例えば、払出制御部952の払出制御MPU952a等に供給されている。電源基板931からの+12Vは、例えば、払出制御部952の払出制御入力回路952b等に供給されるとともに、払出制御基板951を介して、外部端子板784の外部通信回路784aに供給されている。この外部端子板784の外部通信回路784aは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を伝える信号を遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータへ出力する回路である。ホールコンピュータは、外部通信回路784aから出力される信号から、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。なお、電源基板931からの+24は、払出制御基板951において何ら使用されずに、払出制御基板951を介して、主制御基板1310に供給されている。
[8−2−2.主制御基板に供給される電圧]
主制御基板1310は、図75に示すように、主制御MPU1310a等のほかに、+5V作成回路1310g、主制御フィルタ回路1310h、停電監視回路1310e等を備えている。+5V作成回路1310gは、電源基板931からの+12Vが払出制御基板951を介して供給され、この+12Vから主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板1310において、+5V作成回路1310gが作成する+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ラインとなる。本実施形態では、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5V電源ラインと、主制御基板1310の+5V作成回路1310gで作成される+5V電源ラインと、が電気的に接続されることがないように回路構成されているため、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5V電源ラインが主制御基板1310の各種電子部品と電気的に接続されることがないし、主制御基板1310の+5V作成回路1310gで作成される+5V電源ラインが主制御基板1310を除く他の基板等の各種電子部品と電気的に接続されることもない。
主制御フィルタ回路1310hは、+5V作成回路1310gで作成される+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードMD0を介して電源基板931のキャパシタBC0に供給されるほかに、例えば、主制御MPU1310a等に供給されている。払出制御基板951からの+12Vは、例えば、主制御入力回路1310b等に供給され、払出制御基板951からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路1310d等に供給されている。
停電監視回路1310eは、電源基板931からの+12V及び+24Vが払出制御基板951を介して供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU1310aに出力する。停電予告信号は、主制御基板1310、そして払出制御基板951の払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aに入力される。また、停電予告信号は、主制御基板1310を介して周辺制御基板1510に入力される。また、停電予告信号は、周辺制御基板1510、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、図76(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に入力されるとともに、この枠装飾駆動アンプ基板194を介して、扉枠の装飾基板等にそれぞれ入力されるようになっている。
本実施形態では、停電監視回路1310eは、+12V電源ラインと+24V電源ラインとの2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+24V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比べて、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができる。
[9.主制御基板の回路]
次に、図69に示した主制御基板1310の回路等について、図77〜図79を参照して説明する。図77は主制御基板の回路を示す回路図であり、図78は停電監視回路を示す回路図であり、図79は主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路を示す回路図である。まず、図75に示した主制御フィルタ回路1310hについて説明し、続いて主制御基板1310で作成された電源、主制御システムリセット、主制御水晶発振器、主制御入力回路、停電監視回路、主制御MPUへの各種入出力信号、そして主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間の通信用インターフェース回路について説明する。
主制御基板1310は、図69及び図75に示した、主制御MPU1310a、主制御入力回路1310b、主制御出力回路1310c、主制御ソレノイド駆動回路1310d、停電監視回路1310e、+5V作成回路1310g、及び主制御フィルタ回路1310hのほかに、周辺回路として、図77に示すように、リセット信号を出力する主制御システムリセットMIC1、クロック信号を出力する主制御水晶発振器MX0(本実施形態では、24メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。
[9−1.主制御フィルタ回路]
主制御フィルタ回路1310hは、図77に示すように、主制御3端子フィルタMIC0を主として構成されている。この主制御3端子フィルタMIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。主制御3端子フィルタMIC0は、その1番端子に、+5V作成回路1310gで作成される+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)と接地され、その3番端子からノイズ成分を除去した+5Vが出力されている。1番端子に印加される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサMC1及び電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、主制御システムリセットMIC1の電源端子、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。なお、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。
主制御MPU1310aのVDD端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU1310aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、主制御MPU1310aのVDD端子は、コンデンサMC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードMD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードMD0のカソード端子は、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC4の他端と電気的に接続されている。この主制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードMD0のカソード端子及びコンデンサMC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗MR0を介して、図75に示した電源基板931のキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、主制御フィルタ回路1310hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、主制御MPU1310aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して、主制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図75に示した電源基板931の電源作成回路935dで作成される+12Vが払出制御基板951を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gに供給されなくなって+5V作成回路1310gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板1310に供給されるようになっているため、主制御MPU1310aのVDD端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU1310aが作動しないものの、主制御内蔵RAMのVBB端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[9−2.主制御システムリセット]
主制御フィルタ回路1310hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図77に示すように、主制御システムリセットMIC1の電源端子に印加されている。主制御システムリセットMIC1は、主制御MPU1310a及びリセット機能付き主制御出力回路1310caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。主制御システムリセットMIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサMC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、主制御システムリセットMIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
主制御システムリセットMIC1の出力端子は、主制御MPU1310aのリセット端子であるSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサMC6によりリップルが除去されて平滑化されている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗MR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が主制御MPU1310aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が主制御MPU1310aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子にそれぞれ入力される。主制御MPU1310aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、主制御MPU1310a及びリセット機能付き主制御出力回路1310caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−3.主制御水晶発振器]
主制御フィルタ回路1310hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図77に示すように、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子に印加されている。このVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC8の他端と電気的に接続されており、VDD端子に入力される+5Vは、さらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VDD端子のほかに、出力周波数選択端子であるA端子、B端子、C端子及びST端子にもそれぞれ印加されている。主制御水晶発振器MX0は、これらのA端子、B端子、C端子及びST端子に+5Vがそれぞれ印加されることにより、24MHzのクロック信号を出力端子であるF端子から出力する。
主制御水晶発振器MX0のF端子は、主制御MPU1310aのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、24MHzのクロック信号が入力されている。なお、主制御水晶発振器MX0の接地端子であるGND端子はグランド(GND)と接地されており、主制御水晶発振器MX0のF端子の分周波を出力するD端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−4.主制御入力回路]
主制御入力回路1310bは、図69に示した、一般入賞口センサ4020,4020、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、磁気検出センサ4024、カウントセンサ4005、ゲートセンサ4003からの検出信号のほかに、図70に示した払出制御基板951に備える操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)等が入力される回路である。各スイッチからの検出信号が入力される回路構成は、同一であるため、ここでは、操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路について説明する。
[9−4−1.操作スイッチからの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路]
まず、操作スイッチ954は、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板951の払出制御MPU952aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。主制御基板1310には、払出制御基板951が有するエラー解除を行う機能を有していないため、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ954からの操作信号が入力されると、主制御内蔵RAMをクリアするためのRAMクリア信号として判断して主制御内蔵RAMをクリアする処理を行う。
主制御基板1310には、操作スイッチ954が操作されていないときには払出制御基板951から論理がLOWとなった操作信号が入力される一方、操作スイッチ954が操作されているときには払出制御基板951から論理がHIとなった操作信号が払出制御基板951から入力されるようになっている(この点の詳細な説明について後述する)。
電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板951に備える操作スイッチ954からの操作信号を伝える伝送ラインは、図77に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR3を介してトランジスタMTR0のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のベース端子は、抵抗MR3と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR4の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR0のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR5の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC10(非反転バッファICMIC10は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC10A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。
払出制御基板951における操作スイッチ954からの操作信号を出力する回路は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、操作スイッチ954からの操作信号を伝える伝送ラインがプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。主制御基板1310は、操作スイッチ954が操作されていないときには払出制御基板951からの操作信号がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなって入力される一方、操作スイッチ954が操作されているときには払出制御基板951からの操作信号がプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなって入力される。
抵抗MR3,MR4、及びトランジスタMTR0から構成される回路は、操作スイッチ954からの操作信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
操作スイッチ954が操作されていないときには、論理がLOWとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作スイッチ954からの操作信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチ954からの操作信号の論理値がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものでないと判断する。
一方、操作スイッチ954が操作されているときには、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった操作スイッチ954からの操作信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチ954からの操作信号の論理値がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
なお、操作スイッチ954からの操作信号は、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。これは、操作スイッチ954からの操作信号が払出制御基板951を介して入力されているためである。つまり、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて信号の信頼性を高めている。そこで、本実施形態では、主制御基板1310に直接入力される、一般入賞口センサ4020、第一始動口センサ4002、及び第二始動口センサ4004からの検出信号は、プルアップ抵抗により+5V側に引き上げられる一方、図69に示したパネル中継基板4161を介して入力される、磁気検出センサ4024、カウントセンサ4005、一般入賞口センサ4020、及びゲートセンサ4003からの検出信号は、主制御基板1310に直接入力されないため、操作スイッチ954からの操作信号と同様に、プルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
[9−5.停電監視回路]
主制御基板1310は、図75に示したように、電源基板931から+12V及び+24Vという2種類の電圧が払出制御基板951を介して供給されており、+12V及び+24Vが停電監視回路1310eに入力されている。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を、主制御MPU1310aのほかに、払出制御基板951の払出制御MPU952aや周辺制御基板1510に出力する。ここでは、まず停電監視回路の構成について説明し、続いて+24Vの停電又は瞬停の監視、+12Vの停電又は瞬停の監視、そして停電予告信号の出力について説明する。
[9−5−1.停電監視回路の構成]
停電監視回路1310eは、図78に示すように、シャント式安定化電源回路MIC20、オープンコレクタ出力タイプのコンパレータMIC21、DタイプフリップフロップMIC22、トランジスタMTR20〜MTR23を主として構成されている。
シャント式安定化電源回路MIC20の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR20の他端と電気的に接続されて+5Vが印加されており、REF端子に入力される電流が抵抗MR20により制限されている。K端子は、コンパレータMIC21の比較基準電圧となるリファレンス電圧Vref(本実施形態では、2.495Vが設定されている。)を出力する。K端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC20の他端と電気的に接続されており、K端子から出力されるリファレンス電圧Vrefは、コンデンサMC20によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。なお、シャント式安定化電源回路MIC20のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
コンパレータMIC21は、2つの電圧比較回路を備えており、その1つ(MIC21A)を、+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いているとともに、残りの1つ(MIC21B)を、+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いている。MIC21Aのプラス端子である3番端子は、+24Vの監視電圧V1が印加され、MIC21Aのマイナス端子である2番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。MIC21Bのプラス端子である5番端子は、+12Vの監視電圧V2が印加され、MIC21Bのマイナス端子である6番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。これらの比較結果は、DタイプフリップフロップMIC22に入力されている。このDタイプフリップフロップMIC22は、2つのDタイプフリップフロップ回路を備えており、その1つ(MIC22A)を本実施形態に用いている。コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC21の他端と電気的に接続されており、コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC21によりリップルが除去されて平滑化され、コンパレータMIC21のグランド端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地されている。
[9−5−2.+24Vの停電又は瞬停の監視]
+24Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Aが+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+24Vの監視電圧V1が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子は、図78に示すように、一端が+24V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR21の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR22の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR21,MR22の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC23の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子に印加される+24Vの監視電圧V1は、抵抗MR21,MR22による抵抗比によって+24Vが分圧され、コンデンサMC23によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR21,MR22の値は、+24Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+24Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V1pf(本実施形態では、21.40Vに設定されている。)となったときに、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子は、オープンコレクタ出力となっており、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[9−5−3.+12Vの停電又は瞬停の監視]
+12Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Bが+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+12Vの監視電圧V2が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子は、図78に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR24の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR25の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR24,MR25の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC25の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子に印加される+12Vの監視電圧V2は、抵抗MR24,MR25による抵抗比によって+12Vが分圧され、コンデンサMC25によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR24,MR25の値は、+12Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+12Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V2pf(本実施形態では、10.47Vに設定されている。)となったときに、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子は、オープンコレクタ出力となっており、上述したMIC21Aの出力端子である1番端子と電気的に接続されているため、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、上述したように、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[9−5−4.停電予告信号の出力]
DタイプフリップフロップMIC22は、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化により、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶し、この記憶値(論理)を、出力端子である1Q端子から出力するとともに、その記憶値(論理)を反転させた値を、出力端子である負論理1Q端子から出力する。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、ラッチ状態を解除してプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理を反転させた信号を出力端子である1Q端子から出力する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号、つまりプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理と同一の論理となった信号を負論理1Q端子から出力する)一方、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されると、ラッチ状態をセットする。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されてラッチ状態をセットするようになっている際に、プリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、論理をHIとする信号を出力端子である1Q端子から出力する状態を維持する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号を負論理1Q端子から出力する状態を維持する)。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、D入力端子である1D端子、及びクロック入力端子である1CK端子は、グランド(GND)とそれぞれ接地されているため、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化がなく、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶して出力端子である1Q端子から出力することがないように回路構成されている。DタイプフリップフロップMIC22は、プリセット端子であるPR端子に、上述したように、+24Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子からの信号と、+12Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子からの信号と、が入力され、これらの信号に基づいて、出力端子である1Q端子から信号を出力する。なお、電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC22の他端と電気的に接続されており、DタイプフリップフロップMIC22の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC22によりリップルが除去されて平滑化され、接地端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地され、出力端子である1Q端子の論理を反転する負論理1Q端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、クリア端子であるCLR端子に主制御MPU1310aからの停電クリア信号がリセット機能付き主制御出力回路1310caを介して入力されている。この停電クリア信号は、主制御MPU1310aが行う後述する主制御側電源投入時処理において、出力開始されて所定時間経過後に停止されるようになっている。CLR端子は負論理入力であるため、主制御MPU1310aからの停電クリア信号は、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介してその論理がLOWとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されると、ラッチ状態を解除するようになっており、このとき、プリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する。
一方、主制御MPU1310aからの停電クリア信号の出力が停止されると、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介してその論理がHIとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されないときには、ラッチ状態をセットするようになっており、PR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチする。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号が停電予告信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、リセット機能なし主制御出力回路1310cbと電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号をリセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板951に払出停電予告信号として出力するとともに、周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力する。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子と、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と、を電気的に接続する主制御入力回路1310bは、図78に示すように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR26の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR27を介してトランジスタMTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のベース端子は、抵抗MR27と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR28の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23(非反転バッファICMIC23は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC23A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。
抵抗MR27,MR28、及びトランジスタMTR20から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がOFFする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR29により+5V側に引き上げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がONする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がLOWとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板951に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbは、図78に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路1310bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR30を介して前段のトランジスタMTR21のベース端子と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のベース端子は、抵抗MR30と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR31の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR32の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR33を介して後段のトランジスタMTR22のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のベース端子は、抵抗MR33と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR34の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC26の他端と電気的に接続され、そして配線(ハーネス)を介して払出制御基板951と電気的に接続されている。なお、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板951と電気的に接続されると、払出制御基板951における図70に示した払出制御部952の払出制御入力回路952bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図70に示した払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR30,MR31、及び前段のトランジスタMTR21から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗MR33,MR34、及び後段のトランジスタMTR22から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするものである。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、前段のトランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて前段のトランジスタMTR21がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタMTR22がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR21がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタMTR22がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がOFFする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がONする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板951においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がONする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)に引き下げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がOFFする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板951における払出制御部952の払出制御入力回路952bにおいてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbは、図78に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路1310bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR35を介してトランジスタMTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のベース端子は、抵抗MR35と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR36の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510と電気的に接続されている。
なお、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510と電気的に接続されると、図72に示した周辺制御基板1510における周辺制御部1511の図示しない周辺制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図72に示した周辺制御MPU1511aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR35,MR36、及びトランジスタMTR23から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がOFFする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510における周辺制御部1511の払出制御入力回路においてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板1510に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がONする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板1510に入力される。
このように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を主制御MPU1310aに停電予告信号として伝える主制御入力回路1310bと、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbと、にはトランジスタがそれぞれ1つであり、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号と周辺制御基板1510に入力される周辺停電予告信号との論理が同一論理となっているのに対して、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板951に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbにはトランジスタが前段と後段との2つであり、払出停電予告信号の論理は、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号の論理と周辺制御基板1510に入力される周辺停電予告信号の論理とを反転させた論理となっており、停電予告信号の論理及び周辺停電予告信号の論理と異なっている。
また、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されているのに対して、リセット機能なし主制御出力回路1310cbの後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板951における払出制御部952の払出制御入力回路952bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されているとともに、リセット機能なし主制御出力回路1310cbのトランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板1510における周辺制御部1511の払出制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗と電気的に接続されている。これは、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20のコレクタ端子と主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1との端子間においては、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20と主制御MPU1310aとが主制御基板1310に実装されているため、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行うのに対して、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間、及び主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310a、払出制御MPU952a、及び周辺制御MPU1511aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行っている。
[9−6.主制御MPUへの各種入出力信号]
次に、主制御MPU1310aへの各種入出力信号について、図77を参照して説明する。主制御MPU1310aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXA端子は、図69に示した払出制御基板951からのシリアルデータが主制御入力回路1310bを介して払主シリアルデータ受信信号として受信される。一方、主制御MPU1310aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXA端子及びTXB端子は、TXA端子から、払出制御基板951に送信するシリアルデータを主払シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路1310cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板951に主払シリアルデータ送信信号を送信し、TXB端子から、図69に示した周辺制御基板1510に送信するシリアルデータを主周シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路1310cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路1310cbから周辺制御基板1510に主周シリアルデータ送信信号を送信する。
主制御MPU1310aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した操作信号(RAMクリア信号)が入力されるほかに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払出制御基板951からの払主ACK信号が主制御入力回路1310bを介して入力されたり、図69に示した第一始動口センサ4002等の各種スイッチからの検出信号が主制御入力回路1310bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの各出力端子からは、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主払ACK信号をリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから主払ACK信号を払出制御基板951に出力したり、図69に示した、始動口ソレノイド2107に対して、リセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから主制御ソレノイド駆動回路1310dを介して始動口ソレノイド2107に駆動信号を出力したり、図69に示した第一特別図柄表示器1403等の各種表示器に対して、リセット機能付き主制御出力回路1310caにそれぞれ駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから各種表示器に駆動信号をそれぞれ出力したり、遊技に関する各種情報(遊技情報)をリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから遊技に関する各種情報(遊技情報)を払出制御基板951に出力したり等する。
[9−7.主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路]
次に、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間の通信用インターフェース回路について、図79を参照して説明する。主制御基板1310は、図75に示した電源基板931からの+12Vが払出制御基板951を介して供給され、+5V作成回路1310gは、この+12Vから主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
具体的には、主制御基板1310は、リセット機能なし主制御出力回路1310cbを通信用インターフェース回路として機能させており、通信用インターフェース回路は、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50を主として構成されている。これに対して、周辺制御基板1510には、通信用インターフェース回路として、ダイオードAD10、電解コンデンサAC10(本実施形態では、静電容量:47μF)、フォトカプラAIC10(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。
)を主として構成されている。
主制御基板1310のダイオードMD50のアノード端子には、電源基板931から供給される+12Vが払出制御基板951を介して印加され、ダイオードMD50のカソード端子には、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサMC50(本実施形態では、静電容量:220マイクロファラッド(μF))のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードMD50のカソード端子は、電解コンデンサMC50のプラス端子と電気的に接続されるほかに、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10のアノード端子(1番端子)と電気的に接続されている。
これにより、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板931からの電力が払出制御基板951を介して主制御基板1310に供給されなくなった場合には、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板1310から周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加し続けることができるようになっている。
このように、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生した場合に、図77に示した電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470μF)に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeは、少なくとも、その送信バッファレジスタ1310aebに主制御CPUコア1310aaがセットしたコマンドをシリアル管理部1310aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ1310aeaから主周シリアルデータとして送信完了することができる。
主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、上述したように、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
そこで、本実施形態では、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板1310から周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加されるようになっているため、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeは、その送信バッファレジスタ1310aebに主制御CPUコア1310aaがセットしたコマンドをシリアル管理部1310aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ1310aeaから主周シリアルデータとして送信すると、トランジスタMTR50のコレクタ端子から+12Vにより論理をHIとする主周シリアルデータ送信信号を送信することができるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeの送信バッファレジスタ1310aebの記憶容量が32バイトを有しており、また1パケットが3バイトのデータから構成されているため、送信バッファレジスタ1310aebに最大で10パケット分のデータが記憶されるようになっている。また、本実施形態では、主制御MPU1310aから送信される主周シリアルデータの転送ビットレートが19200bpsに設定されている。
フォトカプラAIC10のカソード端子(3番端子)は、抵抗AR10、そしてその配線(ハーネス)を介して、主制御基板1310のトランジスタMTR50のコレクタ端子と電気的に接続されている。周辺制御基板1510の抵抗AR10は、フォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。
図77に示した主制御MPU1310aから主周シリアルデータ送信信号を出力するTXB端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR50の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR51を介してトランジスタMTR50のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のベース端子は、抵抗MR51と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR52の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地されている。
抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成される回路はスイッチ回路であり、主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れないため、フォトカプラAIC10がOFFする。一方、主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れるため、フォトカプラAIC10がONする。
周辺制御基板1510のダイオードAD10のアノード端子には、電源基板931から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して印加されて、ダイオードAD10のカソード端子が、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードAD10のカソード端子は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるほかに、フォトカプラAIC10の電源端子であるVcc端子(6番端子)と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10のエミッタ端子(4番端子)は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラAIC10のコレクタ端子(5番端子)は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10がON/OFFすることによりフォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主周シリアルデータ送信信号として周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。
これにより、上述したように、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板931から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して周辺制御基板1510に供給されなくなった場合には、電解コンデンサAC10に充電された電荷が+5VとしてフォトカプラAIC10のVcc端子に印加し続けることができるようになっている。電又は瞬停が発生した際に、電解コンデンサAC10からの+5Vが印加されることにより、主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeの送信バッファレジスタ1310aebにセットされたデータが送信完了することができるようになっており、送信途中の主周シリアルデータ送信信号、つまり主周シリアルデータが寸断されることなく、また欠落されることなく周辺制御基板1510で確実に受信されるようになっている。
主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFすることでフォトカプラAIC10がOFFするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される一方、主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONすることでフォトカプラAIC10がONするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される主周シリアルデータ送信信号の論理は、主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理と、同一の論理となっている。
このように、本実施形態では、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vが印加される+5V電源ラインと、ダイオードMD50を介して印加される通信用電圧である+12Vが印加される+12V電源ラインと、が停電又は瞬停が発生して制御基準電圧及び通信用電圧が低下した際の対策が施されている。つまり、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeに対しては、+5V電源ラインと、主制御フィルタ回路1310hの電解コンデンサMC2を第1の補助電源とする電解コンデンサMC2のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+5V電源ラインから印加される制御基準電圧が低下しても、第1の補助電源である主制御フィルタ回路1310hの電解コンデンサMC2のプラス端子からの制御基準電圧が印加されることによって、制御基準電圧が印加された状態を維持することができるようになっているし、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路1310cbに対しては、+12V電源ラインに印加される+12Vが通信用電圧としてダイオードMD50のアノード端子に印加され、このダイオードMD50のカソード端子と、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+12V電源ラインからダイオードMD50を介して印加される通信用電圧が低下しても、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子からの通信用電圧が印加されることによって、通信用電圧が印加された状態を維持することができるようになっている。これにより、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信中のコマンドの寸断を防止することができ、また欠落を防止することができるため、周辺制御基板1510は、送信中のコマンドを確実に受信することができる。したがって、停電の発生直後や瞬停時におけるコマンドの取りこぼしを解消することができる。
また、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeの送信バッファレジスタ1310aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべて、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路1310cbを介して、周辺制御基板1510へ送信完了することができるように、主制御フィルタ回路1310hの電解コンデンサMC2の静電容量として470μFが設定され、電解コンデンサMC50の静電容量として220μFが設定されている。これにより、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信中に停電又は瞬停が発生しても、送信バッファレジスタ1310aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべてインターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路1310cbを介して周辺制御基板1510へ送信完了することができるため、周辺制御基板1510は、送信バッファレジスタ1310aebにセットされた複数のコマンドを寸断することなく、また欠落することなく確実に受信することができる。
[10.払出制御基板の回路]
次に、図70に示した払出制御基板951の回路等について、図80〜図85を参照して説明する。図80は払出制御部の回路等を示す回路図であり、図81は払出制御入力回路を示す回路図であり、図82は図81の続きを示す回路図であり、図83は払出モータ駆動回路を示す回路図であり、図84はCRユニット入出力回路を示す回路図であり、図85は主制御基板との各種入出力信号、及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図である。まず、払出制御フィルタ回路について説明し、続いて払出制御部の回路、そして主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号について説明する。
[10−1.払出制御フィルタ回路]
払出制御フィルタ回路951aは、図80に示すように、払出制御3端子フィルタPIC0を主として構成されている。この払出制御3端子フィルタPIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。払出制御3端子フィルタPIC0の1番端子は、図75に示した電源基板931からの+5Vが印加されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC0の他端と電気的に接続されており、電源基板931からの+5VがコンデンサPC0により、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。払出制御3端子フィルタPIC0の2番端子は、グランド(GND)と接地され、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、ノイズ成分を除去した+5Vを出力している。
払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサPC1、及び電解コンデンサPC2(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子から出力される+5Vからさらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、後述する、払出制御システムリセットPIC1の電源端子、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子、払出制御MPU952aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。なお、払出制御MPU952aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサPC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。
払出制御MPU952aのVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5VはコンデンサPC3によりさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU952aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、払出制御MPU952aのVDD端子は、コンデンサPC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードPD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードPD0のカソード端子は、払出制御MPU952aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC4の他端と電気的に接続されている。この払出制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードPD0のカソード端子及びコンデンサPC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗PR0を介して、図75に示した電源基板931のキャパシタBC1のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、払出制御フィルタ回路951aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、払出制御MPU952aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して、払出制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図75に示した電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5Vが払出制御基板951に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板951に供給されるようになっているため、払出制御MPU952aのVDD端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU952aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMのVBB端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、払出制御内蔵RAMに対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路は、上記ダイオードPD0と上記キャパシタBC1とによって構成されている。
[10−2.払出制御部の回路]
払出制御部952は、払出制御MPU952a、払出制御入力回路952b、払出制御出力回路952c、払出モータ駆動回路952d、CRユニット入出力回路952eのほかに、周辺回路として、図80に示すように、リセット信号を出力する払出制御システムリセットPIC1、クロック信号を出力する払出制御水晶発振器PX0(本実施形態では、8メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。ここでは、まず払出制御システムリセットについて説明し、続いて払出制御水晶発振器、払出制御入力回路、払出モータ駆動回路、CRユニット入出力回路、そして払出制御MPUへの各種入出力信号について説明する。
[10−2−1.払出制御システムリセット]
払出制御フィルタ回路951aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図80に示すように、払出制御システムリセットPIC1の電源端子に印加されている。
払出制御システムリセットPIC1は、払出制御MPU952a及びリセット機能付き払出制御出力回路952caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。払出制御システムリセットPIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサPC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。
具体的には、払出制御システムリセットPIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
払出制御システムリセットPIC1の出力端子は、払出制御MPU952aのリセット端子であるSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサPC6は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗PR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が払出制御MPU952aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が払出制御MPU952aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子にそれぞれ入力される。払出制御MPU952aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、払出制御MPU952a及びリセット機能付き払出制御出力回路952caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[10−2−2.払出制御水晶発振器]
払出制御フィルタ回路951aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図80に示すように、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子に入力されている。このVCC端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC8の他端と電気的に接続されており、VCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VCC端子のほかに、払出制御水晶発振器PX0の出力許可(Output Enable)端子であるOE端子にも印加されている。払出制御水晶発振器PX0は、そのOE端子に+5Vが印加されることにより、8MHzのクロック信号を出力端子であるOUT端子から出力する。
払出制御水晶発振器PX0のOUT端子は、払出制御MPU952aのクロック端子であるMCLK端子と電気的に接続されており、8MHzのクロック信号が払出制御MPU952aに入力されている。なお、払出制御水晶発振器PX0の接地端子であるGND端子はグラント(GND)と接地されている。
[10−2−3.払出制御入力回路]
払出制御入力回路952bは、図70に示した、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619、図75に示した主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの払出停電予告信号が入力される回路、図70に示したハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して満タン検知センサ279からの検出信号が入力される回路、操作スイッチ954からの操作信号が入力される回路等である。まず、扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路について説明し、続いて本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路、停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路、満タン検知センサからの検出信号が入力される回路、そして操作スイッチからの操作信号が入力される回路について説明する。なお、満タン検知センサ279や、図70に示した、球切れ検知センサ827、払出検知センサ842、回転検知センサ840等の各種検出スイッチは、出力端子がオープンコレクタ出力タイプであるため、各種検出スイッチからの検出信号が入力される回路構成はほぼ同一であるため、ここでは、満タン検知センサからの検出信号が入力される回路について説明する。
[10−2−3(a).扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
扉枠開放スイッチ618は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、図1に示した、扉枠3が本体枠4から開放された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。扉枠開放スイッチ618の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR20の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のベース端子は抵抗PR21と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR22の他端と電気的に接続されている。また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC20の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR23の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC20(非反転バッファICPIC20は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC20A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。トランジスタPTR20がON/OFFすることによりトランジスタPTR20のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が扉開放信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のベース端子は抵抗PR24と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR25の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。
なお、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR21がON/OFFすることによりトランジスタPTR21のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
更に、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるとともに、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR26を介してトランジスタPTR22のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のベース端子は抵抗PR26と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR27の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して図69に示した主制御基板1310と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されると、図69に示した主制御基板1310の主制御入力回路1310bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR22がON/OFFすることによりトランジスタPTR22のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板1310に入力される。
プルアップ抵抗PR20及びコンデンサPC20から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、扉枠3が本体枠4から開放される際に、又は扉枠3が本体枠4に閉鎖される際に、扉枠開放スイッチ618を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による扉枠開放スイッチ618からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR21,PR22、及びトランジスタPTR20から構成される回路と、抵抗PR24,PR25、及びトランジスタPTR21から構成される回路と、抵抗PR26,PR27、及びトランジスタPTR22から構成される回路と、は扉枠開放スイッチ618からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR23により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR21がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。
これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR22がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。
これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
一方、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR21がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR22がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
このように、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONすることにより、論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される一方、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFすることにより、論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
[10−2−3(b).本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
本体枠開放スイッチ619は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、図1に示した、本体枠4が外枠2から開放された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。本体枠開放スイッチ619の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR28の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のベース端子は抵抗PR29と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR30の他端と電気的に接続されている。また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC21の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR21のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR23がON/OFFすることによりトランジスタPTR23のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR31を介してトランジスタPTR24のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のベース端子は抵抗PR31と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR32の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR22のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して図69に示した主制御基板1310と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されると、図69に示した主制御基板1310の主制御入力回路1310bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR24がON/OFFすることによりトランジスタPTR24のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板1310に入力される。
プルアップ抵抗PR28及びコンデンサPC21から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、本体枠4が外枠2から開放される際に、又は本体枠4が外枠2に閉鎖される際に、本体枠開放スイッチ619を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による本体枠開放スイッチ619からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR29,PR30、及びトランジスタPTR23から構成される回路と、抵抗PR31,PR32、及びトランジスタPTR24から構成される回路と、は本体枠開放スイッチ619からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR24がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
一方、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR24がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
このように、本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONすることにより、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される一方、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFすることにより、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
本実施形態では、上述したように、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態と、本体枠4が外枠2から開放された状態と、のうち、いずれか一方の状態又は両方の状態となった場合でも、主制御基板1310に対しては主枠扉開放信号が入力されるようになっているため、図69に示した主制御基板1310の主制御MPU1310aは、主枠扉開放信号に基づいて、扉枠3が本体枠4から開放された状態であるか、それとも本体枠4が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができるし、外部端子板784に対しては外端枠扉開放情報出力信号が入力されるようになっているため、この外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784を介してホールコンピュータに伝わり、ホールコンピュータは、外端枠扉開放情報出力信号に基づいて、扉枠3が本体枠4から開放された状態であるか、それとも本体枠4が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができる。
また、本実施形態では、上述したように、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用したことにより、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、扉枠3が本体枠4から開放された状態となり、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、本体枠4が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用することにより、短絡時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板1310に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
なお、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチから、常開形(ノーマルオープン(NO))のスイッチ(扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’)に替えると、扉枠開放スイッチ618’は、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠3が本体枠4に開放さ
れた状態でスイッチがOFF(切断)する。本体枠開放スイッチ619’は、本体枠4が外枠2から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠4が外枠2に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。そうすると、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、扉枠3が本体枠4から開放された状態となるし、また、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、本体枠4が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’をノーマルオープンのスイッチを採用しても、断線時にでも、主枠扉開放信号を主制御基
板1310に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
[10−2−3(c).停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路]
主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの払出停電予告信号を伝える伝送ラインは、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR40の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR41を介してトランジスタPTR40のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のベース端子は抵抗PR41と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR42の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR40のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR43の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。トランジスタPTR40がON/OFFすることによりトランジスタPTR40のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が払出停電予告信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
抵抗PR41,PR42、及びトランジスタPTR40から構成される回路は、主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの払出停電予告信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
停電監視回路1310eは、上述したように、電源基板931からの+12V及び+24Vという2種類の電圧の停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、リセット機能なし主制御出力回路1310cbを介して停電予告として払出停電予告信号を払出制御基板951に出力する。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候を監視し、上述したように、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板951においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力される一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して上述したプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力される。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、つまり+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力されるため、トランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR40がOFFし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR43により+5V側に引き上げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子から論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、つまり+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力されるため、停電監視回路1310eからの払出停電予告信号によりトランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることでトランジスタPTR40がONし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子の論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
このように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。これは、上述したように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっているため、停電監視回路1310eからの停電予告による、払出制御MPU952aに入力される払出停電予告信号の論理と、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号の論理と、が同一論理となっている。
[10−2−3(d).満タン検知センサからの検出信号が入力される回路]
図1に示したファールカバーユニット270に備える満タン検知センサ279からの検出信号は、図1に示したハンドル中継端子板315、そして図6に示した電源基板931を介して、払出制御基板951に入力されている。この満タン検知センサ279の出力端子は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、払出制御基板951において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR44aの他端と電気的に接続されるとともに満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されている。この満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。
満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の2番端子は、グランド(GND)と接地され、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の3番端子は、抵抗PR44bを介して、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されるとともに、抵抗PR45を介してトランジスタPTR41のベース端子と電気的に接続されている。これにより、満タン検知センサ279の検出信号は、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去されてトランジスタPTR41のベース端子に入力される。トランジスタPTR41のベース端子は、抵抗PR45が電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)に接地される抵抗PR46の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC40の他端と電気的に接続されている。コンデンサPC40は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。トランジスタPTR41のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR41のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR47の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2と電気的に接続されている。トランジスタPTR41がON/OFFすることによりトランジスタPTR41のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が満タン信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
抵抗PR45,PR46、及びトランジスタPTR41から構成される回路は、満タン検知センサ279からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
満タン検知センサ279は、上述したように、ファールカバーユニット270の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものである。本実施形態では、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タン検知センサ279の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して、払出制御基板951においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が払出制御基板951に入力される一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タン検知センサ279の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して、払出制御基板951においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が払出制御基板951に入力される。
収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タン検知センサ279の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して、払出制御基板951においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった満タン信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タン検知センサ279の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して、払出制御基板951においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR47により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった満タン信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
なお、本実施形態では、満タン検知センサ279からの検出信号は、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50を介して、抵抗PR45、抵抗PR46、及びトランジスタPTR41から構成されるスイッチ回路に入力される回路構成としていたが、図70に示した、球切れ検知センサ827、払出検知センサ842等の各種検出スイッチからの検出信号は、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50のようなT型フィルタ回路を介さずに各スイッチ回路に直接入力される回路構成となっている。満タン検知センサ279は、扉枠3に取り付けられるファールカバーユニット270に設けられているため、本体枠4に取り付けられる払出装置830に設けられる球切れ検知センサ827、払出検知センサ842等と比べると、検出信号を伝送する経路が極めて長くなり、ノイズの影響を極めて受けやすい。
満タン検知センサ279は、ファールカバーユニット270の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものであり、払出制御MPU952aは、満タン検知センサ279からの検出信号に基づいて、収容空間が貯留された遊技球で満タンであると判断すると、払出モータ834の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止する制御を行うようになっている。つまり、満タン検知センサ279からの検出信号を伝える伝送経路(伝送ライン)にノイズが侵入すると、払出制御MPU952aは、収容空間が貯留された遊技球で満タンでもないのに、払出モータ834の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止するという場合もあるし、収容空間が貯留された遊技球で満タンであるにもかからず、払出モータ834を駆動制御して払出回転体を回転させて遊技球の払い出しを継続することにより上述した賞球通路の上流側まで遊技球で満たされると、払出回転体そのものが回転することができなくなって払出モータ834に負荷が異常にかかり、払出モータ834が過負荷となって異常発熱して故障したり、払出モータ834の回転軸を払出回転体の回転運動に伝達する機構等が故障したりするという場合もある。そこで、本実施形態では、このような問題が発生しないように、満タン検知センサ279からの検出信号を、まず満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去するように回路構成を採用した。
[10−2−3(e).操作スイッチからの操作信号が入力される回路]
操作スイッチ954の出力端子である1番端子及び2番端子は、グランド(GND)に接地され、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されている。前段のトランジスタPTR42のベース端子は、抵抗PR49と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR50の他端と電気的に接続されている。また、操作スイッチ954の出力端子である4番端子は、プルアップ抵抗PR48と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC41の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタPTR42のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR51の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR52を介して後段のトランジスタPTR43のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のベース端子は、抵抗PR52と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR53の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR54の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3と電気的に接続されている。前段及び後段のトランジスタPTR42,PTR43がON/OFFすることにより後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRWMCLR信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。
また、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されるほか、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR55を介してトランジスタPTR44のベース端子と電気に接続されている。トランジスタPTR44のベース端子は、抵抗PR55と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR56の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR44のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されると、図77に示した、主制御基板1310の主制御入力回路1310bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR44がON/OFFすることによりトランジスタPTR44のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRAMクリア信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
プルアップ抵抗PR48及びコンデンサPC41から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、操作スイッチ954が押圧操作される際に、操作スイッチ954を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による操作スイッチ954からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR49,PR50、及びトランジスタPTR42から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗PR52,PR53、及びトランジスタPTR43から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、抵抗PR55,PR56、及びトランジスタPTR44から構成される回路はスイッチ回路であり、操作スイッチ954からの操作信号によりON/OFFするものである。
操作スイッチ954は、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板951の払出制御MPU952aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。操作スイッチ954からの操作信号は、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能においては、RAMクリア信号となる一方、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能においては、エラー解除信号となる。
操作スイッチ954が操作されていないときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられることで論理がHIとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタPTR43がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR54により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRWMCLR信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU952aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときにはエラー解除を行うことを指示するものではないと判断する。
また、操作スイッチ954が操作されていないときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御基板1310に入力される。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がLOWであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図77に示した、この論理がLOWであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断する。
一方、操作スイッチ954が操作されているときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR51により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタPTR43がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。
これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRWMCLR信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU952aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときにはエラー解除を行うことを指示するものであると判断する。
また、操作スイッチ954が操作されているときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48によりグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御基板1310に入力される。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がHIであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図77に示した、この論理がHIであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
[10−2−4.払出モータ駆動回路]
次に、図5に示した払出装置830の払出モータ834に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路952dについて説明する。払出モータ駆動回路952dは、図83に示すように、電圧切替回路952da、ドライブICPIC60を主として構成されている。電圧切替回路952daの電源入力端子1,2は、+12V電源ライン及び+5V電源ラインとそれぞれ電気的に接続されて+12及び+5Vがそれぞれ印加され、電圧切替回路952daの接地端子は、グランド(GND)と接地されている。電圧切替回路952daの電源切替入力端子は、電圧切替信号が入力される。この電圧切替信号は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路952caから電圧切替回路952daの電源切替入力端子に出力されるようになっている。電圧切替回路952daの電源出力端子は、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、払出モータ834の電源端子と電気的に接続され、電圧切替回路952daの電圧切替入端子に入力される電圧切替信号に基づいて、+12V又は+5Vを、モータ駆動電圧として、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子にそれぞれ供給するとともに、払出モータ834に供給する。
ドライブICPIC60は、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、ドライブICPIC60のエミッタ端子である6番端子及び7番端子は、それぞれグランド(GND)と接地され、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子は、払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力される。ドライブICPIC60のコレクタ端子である2番端子、4番端子、9番端子、そして11番端子は、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子とそれぞれ対応しており、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子に払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力されると、励磁信号である駆動パルスを払出モータ834と対応する各相(/B相、B相、A相、/A相)にそれぞれ出力する。この払出モータ駆動信号は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路952caから抵抗PR60〜PR63を介してドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子にそれぞれ出力されるようになっている。これらの駆動パルスは、払出モータ834の各相(/B相、B相、A相、/A相)に流す励磁電流のスイッチングにより行われ、払出モータ834を回転させる。なお、このスイッチングにより各相(/B相、B相、A相、/A相)の駆動パルス(励磁信号)を遮断したときには逆起電力が発生する。この逆起電力がドライブICPIC60の耐圧を超えると、ドライブICPIC60が破損するため、保護として、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子の前段に上述したツェナーダイオードPZD0を電気的に接続する回路構成を採用した。
[10−2−5.CRユニット入出力回路]
次に、図71に示したCRユニット6との各種信号を入出力するためのCRユニット入出力回路952eについて説明する。払出制御基板951は、CRユニット6から、上述したように、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、貸球要求信号であるBRDYと、1回の払出動作開始要求信号であるBRQと、が入力され、また図71に示した電源基板931から供給されるAC24Vから作成した、所定電圧VL(+12V)及びグランドLGが供給される一方、払出制御基板951から、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号と、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号と、を出力する。これらの各種信号等を入出力する入出力回路は、図84に示すように、フォトカプラPIC70〜PIC74(赤外LEDとフォトトランジスタとが内蔵されている。
)を主として構成されている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、抵抗PR70を介して、フォトカプラPIC70のアノード端子に印加されている。フォトカプラPIC70のカソード端子は、CRユニット6からのグランドLGと電気的に接続されている。抵抗PR60は、フォトカプラPIC70の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときには、フォトカプラPIC70がONする一方、フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFするようになっている。フォトカプラPIC70のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71を介してトランジスタPTR70のベース端子と電気的に接続されるほかに、抵抗PR72を介してトランジスタPTR71のベース端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR73の他端と電気的に接続されている。
トランジスタPTR70のベース端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR74の他端と電気的に接続されている。
トランジスタPTR70のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR70のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR75の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して図80に示した払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR70がON/OFFすることによりトランジスタPTR70のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号1として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、トランジスタPTR71のベース端子は、抵抗PR72と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR76の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR71のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板931と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板931と電気的に接続されると、電源基板931において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR71がON/OFFすることによりトランジスタPTR71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号として電源基板931に入力される。
抵抗PR71,PR74、及びトランジスタPTR70から構成される回路は、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR70がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号1が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR70のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR70がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PTR75により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号1が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
抵抗PR72,PR76、及びトランジスタPTR71から構成される回路も、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR71がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板931においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号が電源基板931に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR71のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR71がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板931のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号が電源基板931に入力される。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子のほかに、抵抗PR77を介して、フォトカプラPIC71のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC71のカソード端子は、CRユニット6からのBRDYが入力されている。抵抗PR77は、フォトカプラPIC71の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONする一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするようになっている。フォトカプラPIC71のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC71のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR78の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC71がON/OFFすることによりフォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRDY信号として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRDY信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR78により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRDY信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力されるBRDY信号の論理は、CRユニット6からのBRDYの論理と同一の論理となっている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子、及びフォトカプラPIC71のアノード端子のほかに、抵抗PR79を介して、フォトカプラPIC72のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC72のカソード端子は、CRユニット6からのBRQが入力されている。抵抗PR79は、フォトカプラPIC72の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONする一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするようになっている。
フォトカプラPIC72のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC72のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR80の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC72がON/OFFすることによりフォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRQ信号として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRQ信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR80により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRQ信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力されるBRQ信号の論理は、CRユニット6からのBRQの論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号は、リセット機能なし払出制御出力回路952cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから抵抗PR81を介してフォトカプラPIC73のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC73のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR82の他端と電気的に接続されている。抵抗PR82は、フォトカプラPIC73の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONする一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするようになっている。
フォトカプラPIC73のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC73のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR83により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC73がON/OFFすることによりフォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がEXSとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR83により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力されるEXSの論理は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号は、抵抗PR84を介して、フォトカプラPIC74のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC74のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR85の他端と電気的に接続されている。抵抗PR85は、フォトカプラPIC74の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONする一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするようになっている。フォトカプラPIC74のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC74のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR86により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC74がON/OFFすることによりフォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がPRDYとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR86により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力されるPRDYの論理は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理と同一の論理となっている。
[10−2−6.払出制御MPUへの各種入出力信号]
次に、払出制御MPU952aの各種入出力ポートの入出力端子から入出力される各種入出力信号について説明する。
払出制御MPU952aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXD端子は、図80に示すように、主制御基板1310からのシリアルデータが払出制御入力回路952bを介して主払シリアルデータ受信信号として受信される。一方、払出制御MPU952aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXD端子からは、主制御基板1310に送信するシリアルデータを払主シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし払出制御出力回路952cbに送信してリセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に払主シリアルデータ送信信号を送信する。
払出制御MPU952aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した、RWMCLR信号、払出停電予告信号、扉開放信号、満タン信号、CRユニット6からの各種信号(BRQ信号、BRDY信号、CR接続信号1等)等がそれぞれ入力されるほかに、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主制御基板1310からの主払ACK信号が払出制御入力回路952bを介して入力されたり、図70に示した、球切れ検知センサ827、払出検知センサ842、回転検知センサ840等からの検出信号が払出制御入力回路952bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの各出力端子からは、上述したEXS信号及びPRDY信号をリセット機能なし払出制御出力回路952cbにそれぞれ出力してリセット機能なし払出制御出力回路952cbからEXS信号及びPRDY信号をCRユニット入出力回路952eに出力したり、上述した電圧切替信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから電圧切替信号を電圧切替回路952daに出力したり、払出モータ駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから払出モータ駆動信号を払出モータ駆動回路952dを介して払出モータ834に出力したりするほかに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払主ACK信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから払主ACK信号を主制御基板1310に出力したり、図70に示したエラーLED表示器860bの駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したり等する。
[10−3.主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号]
次に、払出制御基板951と主制御基板1310との各種入出力信号と、払出制御基板951から外部端子板784への各種出力信号について、図85を参照して説明する。
[10−3−1.主制御基板との各種入出力信号]
払出制御基板951は、主制御基板1310と各種入出力信号のやり取りを行う。具体的には、図85(a)に示すように、払出制御基板951は、上述した、払主シリアルデータ送信信号、払主ACK信号、操作信号(RAMクリア信号)、主枠扉開放信号等を、主制御基板1310に出力する。これらの出力される信号は、主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
一方、払出制御基板951は、上述した、主払シリアルデータ受信信号、主払ACK信号、及び操作信号(RAMクリア信号)のほかに、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号、及び2ラウンド大当り情報出力信号等の大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する遊技情報信号や払出停電予告信号等が主制御基板1310から入力される。これらの入力される信号は、払出制御基板951の払出制御部952の払出制御入力回路952bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
[10−3−2.外部端子板への各種出力信号]
払出制御基板951は、外部端子板784に各種信号を出力する。具体的には、図85(b)に示すように、上述した外端枠扉開放情報出力信号のほかに、払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとに出力される賞球数情報出力信号、主制御基板1310から払出制御基板951を介して、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号との大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号等の遊技情報信号を、外部端子板784に出力する。これらの出力される信号は、外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。つまり外部端子板784には、払出制御基板951側からの外端枠扉開放情報出力信号、及び賞球数情報出力信号という2つの信号が出力され、主制御基板1310側からのメイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号という8つの信号が払出制御基板951を介して(通過して)出力されるようになっている。
外部端子板784から出力される信号は、図示しない遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに伝わるようになっており、ホールコンピュータは、遊技者の遊技等を監視している。なお、15ラウンド大当り情報出力信号又は2ラウンド大当り情報出力信号を1つの大当り情報出力信号としてホールコンピュータに出力する場合には、ホールコンピュータは、ラウンドが2回となった大当りの回数(2ラウンド大当りの発生回数)と、ラウンドが15回となった大当りの回数(15ラウンド大当りの発生回数)と、が合算されたものがパチンコ機1の大当りの回数となる。このため、ホールコンピュータは、その合算された大当り回数から、2ラウンド大当りの発生回数や15ランド大当りの発生回数を把握することができないので、実際にパチンコ機1で発生した大当り回数が多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができない。またパチンコ機1の上方に図示しないデータカウンタが配置されており、遊技者の中には、このデータカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数等を参考にして遊技を行うか否かを選択する者もいる。
ところが、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、実際には2ラウンド大当りの発生回数に偏っている場合もあるので、遊技者が遊技を開始しても、2ラウンド大当りばかり発生して15ラウンド大当りがなかなか発生しないこともある。このように、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、遊技者に期待感を与えることはできるものの、必要以上に遊技者の射幸心をあおりかねない。
そこで、本実施形態では、大当り情報出力信号として、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号とを別々にホールコンピュータに出力することにより、ホールコンピュータは、2ラウンド大当りの発生回数と、15ラウンド大当り発生回数と、を正確に把握することができるようになっている。したがって、ホールコンピュータは、実際にパチンコ機1で発生した大当り回数の多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができるし、データカウンタには15ラウンド大当りの発生回数と2ラウンド大当りの発生回数とを別々に又は15ラウンド大当りの発生回数のみを大当り遊技状態の発生回数として表示することができるので、必要以上に遊技者の射幸心をあおることもない。
なお、本実施形態では、2ラウンド大当り情報出力信号は2ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっており、15ラウンド大当り情報出力信号も15ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっている。本実施形態のように、2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号をホールコンピュータに出力する方法のほかに、例えば、2ラウンド大当りが発生すると、2ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とし、15ラウンド大当りが発生すると、15ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とする、このような2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号を同一の所定期間だけホールコンピュータに出力する方法も挙げることができる。
[11.外部端子板の出力端子の配列]
次に、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータへ各種信号を出力する外部端子板784の出力端子の配列について、図86を参照して説明する。外部端子板784は、、本体枠ベース600の後面に取り付けられる賞球ベースの後面に取り付けられるとともに、その後側が外部端子板カバー786により覆われている。図86は外部端子板の出力端子の配列を示す図である。
外部端子板784は、上述したように、外端枠扉開放情報出力信号、賞球数情報出力信号、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号との大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号を払出制御基板951から入力されると、パチンコ機1の外部へ出力するものである。
これらの各種信号について、簡単に説明すると、外端枠扉開放情報出力信号は、図1に示した扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを伝える信号であり、賞球数情報出力信号は、図5に示した払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、メイン賞球数情報出力信号は、図8に示した第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、15ラウンド大当り情報出力信号は、15ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、2ラウンド大当り情報出力信号は、2ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、確率変動中情報出力信号は、確率変動が発生している状態である旨を伝える信号であり、特別図柄表示情報出力信号は、図10に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、普通図柄表示情報出力信号は、図10に示した機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、時短中情報出力信号は、時短状態が発生している旨を伝える信号であり、始動口入賞情報出力信号は、図8に示した第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球するごとにその旨を伝える信号である。
外部端子板784には、図86に示すように、出力端子PT1〜PT10が一列に水平に並んで配置されている。出力端子PT1は、白色に施されて賞球数情報出力信号が出力されるものである。賞球数情報出力信号は、上述したように、図5に示した払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT1から0.105秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの賞球数情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、賞球数情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ機1の払出モータ834が賞球として10球の遊技球を賞球として払い出したことを把握することができるとともに、その払い出した遊技球の球数をカウントしてパチンコ機1が払い出した遊技球の総球数を把握することができる。
出力端子PT2は、緑色に施されて外端枠扉開放情報出力信号が出力されるものである。外端枠扉開放情報出力信号は、上述したように、図1に示した扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT2から扉枠3及び/又は本体枠4が開放されている間、出力されるようになっている。外部端子板784からの外端枠扉開放情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、外端枠扉開放情報出力信号が入力されている間、パチンコ機1の扉枠3及び/又は本体枠4が開放されていることを把握することができる。
出力端子PT3は、灰色に施されて特別図柄表示情報出力信号が出力されるものである。特別図柄表示情報出力信号は、上述したように、図10に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT3から機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405における特別図柄の変動表示の終了(停止)時に0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの特別図柄表示情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、特別図柄表示情報出力信号が入力されると、パチンコ機1の機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405において特別図柄の変動表示が終了(停止)したことを把握することができるとともに、その回数をカウントしてパチンコ機1の機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405において特別図柄を変動表示した総回数を把握することができる。
出力端子PT4は、黄色に施されて始動口入賞情報出力信号が出力されるものである。
始動口入賞情報出力信号は、上述したように、図8に示した第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT4から第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球するごとに0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの始動口入賞情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、始動口入賞情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ機1の第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球したことを把握することができるとともに、始動口入賞情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1の第一始動口2002又は第二始動口2004に入球した遊技球の総球数を把握することができる。
出力端子PT5は、黒色に施されて15ラウンド大当り情報出力信号が出力されるものである。15ラウンド大当り情報出力信号は、上述したように、15ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT5から15ラウンド大当りが発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの15ラウンド大当り情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、15ラウンド大当り情報出力信号が入力されている間、パチンコ機1に15ラウンド大当りが発生している状態であることを把握することができるとともに、15ラウンド大当り情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に15ラウンド大当りが発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT6は、桃色に施されて2ラウンド大当り情報出力信号が出力されるものである。2ラウンド大当り情報出力信号は、上述したように、2ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT6から2ラウンド大当りが発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの2ラウンド大当り情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、2ラウンド大当り情報出力信号が入力されている間、パチンコ機1に2ラウンド大当りが発生している状態であることを把握することができるとともに、2ラウンド大当り情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に2ラウンド大当りが発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT7は、青色に施されて普通図柄表示情報出力信号が出力されるものである。普通図柄表示情報出力信号は、上述したように、図10に示した機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT7から機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402における普通図柄の変動表示の終了(停止)時に0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの普通図柄表示情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、普通図柄表示情報出力信号が入力されると、パチンコ機1の機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402において普通図柄の変動表示が終了(停止)したことを把握することができるとともに、その回数をカウントしてパチンコ機1の機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402において普通図柄を変動表示した総回数を把握することができる。
出力端子PT8は、赤色に施されて時短中情報出力信号が出力されるものである。時短中情報出力信号は、上述したように、時短状態が発生している旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT8から時短状態が発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの時短中情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、時短中情報出力信号が入力されると、パチンコ機1に時短状態が発生していることを把握することができるとともに、時短中情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に時短状態が発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT9は、橙色に施されて確率変動中情報出力信号が出力されるものである。
確率変動中情報出力信号は、上述したように、確率変動が発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT9から確率変動が発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの確率変動中情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、確率変動中情報出力信号が入力されると、パチンコ機1に確率変動が発生している状態であることを把握することができるとともに、確率変動中情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に確率変動が発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT10は、水色に施されてメイン賞球数情報出力信号が出力されるものである。メイン賞球数情報出力信号は、上述したように、図8に示した第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出される予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT10から0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からのメイン賞球数情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、メイン賞球数情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ機1が賞球として10球の遊技球を賞球として払い出す予定であることを把握することができるとともに、その払い出す予定の遊技球の球数をカウントしてパチンコ機1が払い出す予定の遊技球の総球数を把握することができる。
なお、例えば第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が20球以上に達してメイン賞球数情報出力信号を複数回出力するとき場合には、メイン賞球数情報出力信号が0.256(=0.128秒間×2回)秒間、1つの連続した信号とならにように、0.128秒間という間隔をあけて出力するようになっている。
外部端子板784の出力端子PT1〜PT10のうち、出力端子PT1,PT2は、払出制御基板951側において出力される各種信号が出力されるのに対して、出力端子PT3〜PT10は、主制御基板1310側において出力される各種信号が払出制御基板951を介して(通過して)出力されるように配置されている。出力端子PT1〜PT10は、それぞれ色が施され、これらの色と同一色に施されたコネクタを有する配線を出力端子PT1〜PT10にそれぞれ電気的に接続することにより、他の配線を誤って電気的に接続することを防止することができるようになっている。そして、払出制御基板951側において出力される各種信号と、主制御基板1310側において出力される各種信号と、を混在しないように、払出制御基板951側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための出力端子PT1,PT2を外部端子板784の左側に一列に配置するとともに、主制御基板1310側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための出力端子PT3〜PT10を外部端子板784の中央左寄りから右側に向かって一列に配置することにより、この点においても、払出制御基板951側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための配線と、主制御基板1310側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための配線と、を誤って電気的に接続することを防止することができるようになっている。
なお、本実施形態では、払出制御基板951側において出力される賞球数情報出力信号と、主制御基板1310側において出力されるメイン賞球数情報出力信号と、がそれぞれ外部端子板784からホールコンピュータへ伝えるように構成されている。これは、例えば、パチンコ島設備に何らかのトラブルにより図1に示した賞球タンク720にパチンコ島設備側からの遊技球が供給されなくなっている状態において、賞球タンク720に貯留されている遊技球が残り少なくなった時点において、たまたまパチンコ機1に15ラウンド大当りが発生すると、遊技球を賞球として払い出すための賞球タンク720に貯留されている遊技球の球数が不足するため、払い出すことができなくなる(また、例えば払出装置830内において球詰まりや球がみが発生すると、これを解消することができないと、遊技球を払い出すことができない)。そうすると、払出制御基板951側において出力される賞球数情報出力信号は、上述したように、図5に示した払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であるため、遊技球を払い出すことができなくなることにより払出制御基板951は賞球数情報出力信号を出力して外部端子板784を介してホールコンピュータへ伝えることができなくなる。遊技球が払い出されない状態となると、遊技者がホールの店員等を呼び出す。ホールの店員などは、例えば、パチンコ島設備から賞球タンク720へ遊技球を供給するためのホース状の補給ノズル等をチェックして球詰まりの位置を特定(また、例えば払出装置830内において発生した、球詰まりの位置や球がみの位置を特定)して解消することにより、遊技球が払い出される状態に復帰することとなる。
しかし、ホールの店員等が作業をすすめている状況であっても、主制御基板1310による遊技は進行しているため、15ラウンド大当り終了したのちに、ホールの店員等の作業により遊技球が払い出される状態に復帰すると、払出制御基板951は未払い出しの遊技球を次々と払い出すこととなり、15ラウンド大当り終了して15ラウンド大当りが発生していない時期であるにもかかわらず、払出制御基板951は、払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える賞球数情報出力信号を出力して外部端子板784を介してホールコンピュータへ伝えることとなる。そうすると、15ラウンド大当りが発生していない時期であるにもかかわらず、極めて多くの遊技球を払い出すこととなるため、パチンコ機1の遊技状態と、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数と、の関係をホールコンピュータが正確に把握することができないという問題が生ずる。
そこで、本実施形態では、払出制御基板951により払出モータ834が駆動制御されて賞球として実際に払い出したか否かに関係なく、つまり払出制御基板951が出力する賞球数情報出力信号とは別の信号として、主制御基板1310は、図8に示した第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号としてメイン賞球数情報出力信号を出力して払出制御基板951、そして外部端子板784を介して、ホールコンピュータへ伝えるという仕組みを採用した。これにより、仮に、上述したトラブル(補給ノズル等における球詰まり、払出装置830内における球詰まりや球がみ等のトラブル)が発生したとしても、パチンコ機1の遊技状態と、この遊技状態における払い出す予定の遊技球の球数と、の関係を正確にホールコンピュータへ伝えることができる。したがって、パチンコ機1の遊技状態と、遊技状態における払い出される遊技球の球数と、の関係をホールコンピュータが正確に把握することができる。
[12.演出表示駆動基板の回路]
次に、扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う演出表示駆動基板4450の回路について、図87を参照して説明する。演出表示駆動基板4450は、上述したように、扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納されており、扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う液晶モジュール回路450Vを主として構成されている。図87は上皿側液晶表示装置の表示領域の描画を行う液晶モジュール回路を示す回路図である。
[12−1.液晶モジュール回路]
演出表示駆動基板4450の液晶モジュール回路450Vは、図87に示すように、扉枠側演出用レシーバICSDIC0を主として構成されている。
液晶モジュール回路450Vは、図74に示した周辺制御基板1510の扉枠側演出用トランスミッタIC1512dからザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式によるシリアル信号(シリアルデータ)がプラス信号とマイナス信号として送信されると、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、コモンモードチョークコイルSDL0にそれぞれ入力され、このコモンモードチョークコイルSDL0によりプラス信号とマイナス信号とからノイズをそれぞれ分離することができるようになっている。ノイズが分離されたプラス信号とマイナス信号とは、扉枠側演出用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力されている。RXIN+端子とRXIN−端子との間には抵抗SDR0が電気的に接続されている。この抵抗SDR0は、終端抵抗(ターミネータ)であり、プラス信号とマイナス信号とがRXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ反射するのを防ぎ、シリアル信号の乱れを防止している。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、に復元する(つまり、シリアル化される前のパラレル信号に復元する)。なお、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号は、上述したように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビットであるものの、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットの信号となっている。
液晶モジュール回路450Vは、周辺制御基板1510の扉枠側演出用トランスミッタIC1512dからの信号のほかに、上述したように、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが周辺制御基板1510の差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号も入力されるようになっている。周辺制御基板1510の強制切替回路1512fは、上述したように、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450の液晶モジュール回路450Vに送信される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450の液晶モジュール回路450Vに送信される。
強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号、つまり扉枠側演出用トランスミッタIC1512dからザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式によるシリアル信号(シリアルデータ)がプラス信号とマイナス信号として、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、コモンモードチョークコイルSDL0に入力され、そして扉枠側演出用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して入力されているときには、この2つの信号がコモンモードチョークコイルSDL0に入力され、そして扉枠側演出用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力される。扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、LOCKN信号の出力要求であることを判断して、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。
なお、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データは、上述したように、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として送信されるものである。本実施形態におけるLOCKN信号出力要求データは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されるものの、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号、つまり上述したザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)とデータ形式が全く異なる構造としている。このため、LOCKN信号出力要求データが扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されると、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号でないものと判断し、異常なデータであるとして、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を出力することとなる。換言すると、本実施形態では、受信したデータが異常なデータであると判断したときにLOCKN信号を出力するという扉枠側演出用レシーバICSDIC0の機能を利用して、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を強制的に出力させるために、わざわざ、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号とデータ形式が異なる構造のLOCKN信号出力要求データを、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力することにより、扉枠側演出用レシーバICSDIC0というデバイスが正常に動作しているか否かを確認することができるようになっている。これにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認することができる。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0のVDD端子、VDDO端子、LVDSVDD端子、PLLVDD端子、及びPDWN端子は、図76に示した上皿側液晶モジュール電源回路4450xが作成した+3.3Vがそれぞれ供給され、扉枠側演出用レシーバICSDIC0のGND端子、GNDO端子、LVDSGND願紙、PLLGND端子、EDGE端子、OE端子、MODE0、及びMODE1端子がそれぞれグランドに接地されている。
VDD端子は、デジタル回路用の電源端子であり、このデジタル回路用のグランドとなるGND端子との端子間にコンデンサSDC0が電気的に接続されており、VDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
VDDO端子は、TTL(Transistor−Transistor Logic)出力用の電源端子であり、このTTL出力用のグランドとなるGNDO端子との端子間にコンデンサSDC1が電気的に接続されており、VDDO端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
LVDSVDD端子は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)入力用の電源端子であり、このLVDS入力用のグランドとなるLVDSGND端子との端子間にコンデンサSDC2が電気的に接続されており、LVDSVDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
PLLVDD端子は、PLL(Phase Locked Loop)回路用の電源端子であり、このPLL回路用のグランドとなるPLLGND端子との端子間にコンデンサSDC3が電気的に接続されており、PLLVDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
PDWN端子は、+3.3Vが供給(印加)されることにより論理がHIとなって通常動作する旨を伝える一方、+3.3の供給が停止されて論理がLOWとなってパワーダウンする旨を伝える端子である。PDWN端子は、+3.3Vが抵抗SDR1を介して供給されるとともに、一端がグランドに接地されたバリスタSDZ0の他端と電気的に接続されている。このバリスタSDZ0は、抵抗SDR1を介して供給される+3.3Vの電電ラインのノイズや過電圧を抑えている。
EDGE端子は、後述する、CLKOUT端子から出力されるクロック信号DCLKに基づく各種出力端子(DE端子、SYNC0端子〜SYNC2端子、及びD0端子〜D17端子)から出力される各種信号の伝送を、立ち上がりエッジとする(論理がLOWからHIへ遷移する)場合、又は立ち下がりエッジとする(論理がHIからLOWへ遷移する)場合のいずれかを指定するための端子であり、本実施形態では、上述したように、EDGE端子をグランドに接地することにより立ち下がりエッジを指定している。因みに、EDGE端子を+3.3Vに接続すると、立ち上がりエッジを指定することができる。
OE端子は、後述する各種出力端子(DE端子、SYNC0端子〜SYNC2端子、D0端子〜D17端子、及びCLKOUT端子)の出力を許可するか否かを指示するものであり、本実施形態では、上述したように、OE端子をグランドに接地することにより、常に、出力可能状態としている。因みに、OE端子を+3.3Vに接続すると、出力することができない状態となる。
MODE0端子、及びMODE1端子は、動作モードを選択する端子であり、ともにグランドに接地することで動作モードを選択することができる。動作モードには、ノーマルモードとシェイクハンドモードとがある。ノーマルモードでは、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号(3ビットの同期信号)と、から構成されるパラレル信号に扉枠側演出用レシーバICSDIC0が復元するという通常動作するモードである。シェイクハンドモードでは、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求する旨をLOCKN端子からLOCKN信号を出力するモードである。このシェイクハンドモードは、自動的に切り替わるようになっている。
例えば、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号(3ビットの同期信号)と、から構成されるパラレル信号に扉枠側演出用レシーバICSDIC0が復元したものが、何らかの理由により、異常なデータで扉枠側演出表示装置460に描画することが困難である場合には、ノーマルモードからシェイクハンドモードに自動的に切り替わってLOCKN端子からLOCKN信号を出力する。このLOCKN信号は、ダンピング抵抗である抵抗SDR2、周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に入力され、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。周辺制御MPU1511aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに伝えるために、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子に接続確認信号を出力する。この接続確認信号がINIT端子に入力されると、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信する。このような所定のデータパターン(SYNCパターン)が扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されることにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続を容易に回復することができるようになっている。所定のデータパターン(SYNCパターン)は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに予め記憶されている。なお、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子と、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子と、を枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して電気的に直接接続してもよい。
LOCKN端子は、上述したように、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求する旨を出力する端子である。LOCKN端子から出力されるLOCKN信号は、演出表示駆動基板4450のダンピング抵抗である抵抗SDR2、周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に入力され、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。
SYNC0端子〜SYNC2端子は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて復元された水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号を出力する端子である。本実施形態では、復元された、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号を使用しないため、SYNC0端子〜SYNC2端子が未接続端子となっている。
DE端子は、後述する、CLKOUT端子から出力されるクロック信号、データ出力端子であるD0端子〜D17端子から出力されるデータが有効又は無効であることを伝えるDE信号を出力する端子である。DE端子から出力されるDE信号は、ダンピング抵抗である抵抗SDR3を介して扉枠側演出表示装置460に入力される。
CLKOUT端子は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0に内蔵されるPLL回路により生成されるクロック信号DCLKを出力する端子である。CLKOUT端子から出力されるクロック信号DCLKは、ダンピング抵抗である抵抗SDR4を介して扉枠側演出表示装置460に入力される。
D0端子〜D17端子は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて復元された赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)を出力するデータ出力端子である。D0端子〜D5端子という6ビットのデータ出力端子から青色映像信号B0〜B5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この青色映像信号B0〜B5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA0を介して扉枠側演出表示装置460にそれぞれ入力される。D6端子〜D11端子という6ビットのデータ出力端子から緑色映像信号G0〜G5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この緑色映像信号G0〜G5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA1を介して扉枠側演出表示装置460にそれぞれ入力される。D12端子〜D17端子という6ビットのデータ出力端子から赤色映像信号R0〜R5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この赤色映像信号R0〜R5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA2を介して扉枠側演出表示装置460にそれぞれ入力される。
なお、周辺制御基板1510、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、演出表示駆動基板4450、及び扉枠側演出表示装置460のグランドは、電気的に接続されており、同一グランドとなっている。
[第1制御部MCG,第2制御部SCGが有する各電子部品の実装態様]
ところで、一般に、電子部品を表面実装した場合、集積化によってハードウェア回路の小型化を好適に図ることができる点で有益であることが知られている。ただし、電子部品のうちの集積回路部品(複数種別の単機能素子(抵抗素子、ダイオード素子、若しくはコンデンサ素子など)が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される部品)では、その性質上、ディスクリート部品(一の単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入される部品)よりもパッケージが自ずと大きくなることから、パッケージの裏側には比較的大きなスペースが生み出される。そして、このようなパッケージの裏側のスペースは、表面実装の状態では、視認によって確認し難い箇所(電子部品(不正部品)が不正に搭載され易い箇所)になってしまう。このため、遊技機の分野においては、長年にわたって、電子部品をベース板(いわゆるベース基板など)に対して表面実装ではなく挿入実装することがなされている。
すなわち、挿入実装される電子部品は、パッケージとベース板との間に比較的大きな隙間を生み出す傾向にある。したがって、電子部品を挿入実装するようにすることで、実装状態においても、パッケージの裏側のスペースを視認によって確認し易い箇所として維持することが可能であり、これによって不正部品が搭載されることが好適に抑制されるようにしている。
ただし近年、遊技機の分野では、演出に供される空間のさらなる大型化が進んでいることなどもあり、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつも、ハードウェア回路の小型化を図ることが求められるようになってきている。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図69に示される上記第1制御部MCGと上記第2制御部SCGとのうち、遊技に関する演出制御を行うものでしかない上記第2制御部SCGについては遊技者が得る特典とは直接的に関係しておらず不正の対象とされ難いことに鑑み、まず、当該第2制御部SCGについてはこれを表面実装によって構成することとしている。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかる第2制御部SCGは、図69に示されるように、上記周辺制御基板1510を備えて構成されている。そして、第2制御部SCGは、周辺制御基板1510のベース基板に対して実装される各種の集積回路部品や各種のディスクリート部品を用いることによって上記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行可能とされている。
ここで、周辺制御基板1510のベース基板に対して実装される各種の集積回路部品としては、例えば、図72に示される周辺制御MPU1511aや、周辺制御ROM1511bなどがある。また、周辺制御基板1510のベース基板に対して実装される各種のディスクリート部品としては、例えば、図79に示される抵抗AR10,AR11や、ダイオードAD10、電解コンデンサAC10などがある。
この点、この実施の形態にかかる第2制御部SCGでは、そのベース板(ここでは、周辺制御基板1510のベース基板)に、各種の電子部品のリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域のみが形成されるようにしている。すなわちこの場合、周辺制御基板1510が有する上述した各種の電子部品としても、表面実装タイプの部品(SMD)がそれぞれ用いられることとなる。ただし、これらの電子部品は、遊技者が得る特典とは直接的に関係しておらず不正の対象とされ難いものであることから、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を落とすことなく、当該パチンコ機1に搭載されるハードウェア回路の小型化を図ることができるようになる。
これに対し、この実施の形態にかかる第1制御部MCGは、図69に示されるように、上記主制御基板1310、上記払出制御基板951、及び上記電源基板931を備えて構成されている。そして、第1制御部MCGは、これら基板1310,951,931のベース基板に対して実装される各種の集積回路部品や各種のディスクリート部品を用いることによって上記制御用電源(例えば、+5Vなど)の生成処理や、賞球の払出しを含めた遊技に関する処理が実行可能とされている。しかしながら、第1制御部MCG側におけるこうした処理は、遊技者の特典付与に直結するものであることから、当該第1制御部MCGは不正の対象とされ易いものとなっている。したがって、ハードウェア回路の小型化が求められるとは言え、第1制御部MCGを単純に表面実装によって集積化してしまうと、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能が著しく低下してしまい、遊技興趣の低下が避けられなくなるといった実情にある。
ただしその一方で、このような第1制御部MCGであっても、そのベース板(主制御基板1310のベース基板や、払出制御基板951のベース基板、電源基板931のベース基板)に実装される各種の電子部品のうちのディスクリート部品は、集積回路部品よりもパッケージが小さくなっており、その裏側に電子部品が不正に搭載されたとしても視認によって容易に確認することが可能であることから、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能として比較的高い性能を有した部品であるといえる。
すなわち、発明者は、第1制御部MCGに搭載される電子部品のなかには、不正に対するセキュリティ性能の高い部品(ディスクリート部品)と、不正に対するセキュリティ性能の低い部品(集積回路部品)とが混在していることに着目し、ハードウェア回路としてのさらなる集積化を、不正に対するセキュリティ性能の高い部品(ディスクリート部品)のみで図るようにすれば、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつも、ハードウェア回路の小型化を図ることが可能であることを見出した。
図117は、第1制御部MCGにあって、不正に対するセキュリティ性能の高い部品(ディスクリート部品)のみで集積化が図られている様子を模式的に示す図である。以下、同図117を参照して、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが可能であることについて説明する。
同図117に示されるように、この実施の形態にかかる第1制御部MCGは、ベース板BBと、該ベース板BBに対して実装される各種の電子部品Dとを備えて構成されている。なお、同図117は、本願にかかる特徴的な技術の原理を説明するための模式図でしかなく、例えば、ベース板BBは、実際には、主制御基板1310のベース基板と、払出制御基板951のベース基板と、電源基板931のベース基板との3つのベース基板を有して構成されるものであるが、本願にかかる特徴的な技術をこのような実施形態に適用した例については後述することとして、ここでは、まず、説明の便宜上、それらが1つのベース基板により構成される例を想定して説明することとする。
ここで、上記ベース板BBには、
・電子部品に設けられたリード部が当該ベース板BB内に挿入されるかたちで実装されて、集積性能では劣るものの不正抑制性能に優れる挿入実装領域THと、
・電子部品に設けられたリード部が当該ベース板BBの表面上に置かれるかたちで実装されて、配線パターンの多段積層化などによって集積性能には優れるものの不正抑制性能で劣る表面実装領域SMと
の両方が区分けされるかたちでそれぞれ設けられている。
このような構成によれば、不正対象にされ難い電子部品を表面実装領域SMに実装可能としつつも、集積化よりも不正抑制を追及するべき電子部品についてはこれを挿入実装領域TH側に実装することが可能とされることから、ハードウェア回路の小型化を実現可能としつつも、不正部品の搭載に対する抑制性能についてはこれを好適に維持することができるようになる。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、上記各種の電子部品Dとして、
・複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入されており、不正な搭載に対するセキュリティ性能の低い集積回路部品D1と、
・単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるだけであり、不正な搭載に対するセキュリティ性能の高いディスクリート部品D2と
を備えている。
この点、本願にかかる特徴的な1つ目の技術として、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、上記セキュリティ性能の低い集積回路部品D1についてはこれを上記挿入実装領域THと上記表面実装領域SMとのうちの不正抑制性能に優れる挿入実装領域THのみに実装するとともに、不正抑制性能に劣る表面実装領域SMにおいては、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品のみを実装することとしている。これにより、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることを可能ならしめている。
また、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、同図117に示されるように、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品D2として、表面実装領域SMに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2aと、挿入実装領域THに実装される挿入実装タイプのディスクリート部品D2bとを有している。
すなわち上述の通り、電子部品に関しては、一般的に、挿入実装タイプではなく、表面実装タイプを用いたほうが集積化を図ることはできる。ただし、上記ベース板BBとして、挿入実装領域THと表面実装領域SMとの両方を区分けして備えるようにした場合、回路設計上、例えば、電気的に接続される集積回路部品D1の設けられる位置や、これに関連した配線パターンの設けられるスペースなどとの兼ね合いから、表面実装領域SMではなく、挿入実装領域THに電子部品を配置させるようにしたほうが集積化を逆に図ることができるような場合も生じうる。
この点、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、ディスクリート部品D2の全てを表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして用いるのではなく、集積化を図る上で最も適した態様となるようにその一部に挿入実装タイプのディスクリート部品D2bをあえて用いることとしている。これにより、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化をより好適に図ることが期待されるようになる。
なお、図117に示されるように、不正抑制性能に優れる挿入実装領域THは、基板の一方側(裏側)の面には形成されず、且つ他方側(表側)の面に形成されてディスクリート部品と集積回路部品との両方がそれぞれ実装されるようにする。これに対し、不正抑制性能に劣る表面実装領域SMは、基板の一方側(裏側)の面には形成されず、且つ他方側(表側)の面に形成されて集積回路部品とディスクリート部品とのうちの集積回路部品は実装されずディスクリート部品のみが実装されるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、まず、不正部品が搭載されているかの確認に際して死角となり易い裏面側への実装用電子部品の実装が排除されることとなる。そしてこの上で、不正抑制性能に優れる挿入実装領域THには、不正対象にされ易い集積回路部品と不正対象にされ難いディスクリート部品との両方が実装されるようにする一方で、不正抑制性能に劣る表面実装領域SMには、不正対象にされ難いディスクリート部品のみを実装することとしたことから、不正部品の搭載に対する抑制性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
またさらに、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、同図117に示されるように、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品D2であっても、コンデンサ素子のうち容量値の大きいコンデンサ素子(バックアップ電源用など)については、その他の素子(抵抗素子やダイオード素子、容量値の小さいコンデンサ素子(フィルタ回路用など)など)よりも相対的に大きい形状とされていることに鑑みて、表面実装領域SMに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2aとしては用いず、挿入実装領域THに実装される挿入実装タイプのディスクリート部品D2b−Cとしてのみ用意することとしている。これにより、ハードウェア回路の小型化を図るにあたり、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能をより好適に維持することができるようになる。
ただし、容量値の大きいコンデンサ素子が他の素子(ディスクリート部品)よりも大型であるとは言え、集積回路部品D1と比較すれば、パッケージとベース板との間にそれほど大きな隙間が生まれることもない。したがって、該コンデンサ素子を、表面実装領域SMに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして用いるようにしてもよく、この場合であっても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持することは可能である。
しかも、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、上述した本願にかかる特徴的な1つ目の技術とは異なる観点をもとになされた、特徴的な2つ目の技術が内在されている。
すなわち、同図117に示されるように、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、特定の電気的機能(例えば、バックアップ電源供給機能)を発揮することを目的とした一のハードウェア回路を、ディスクリート部品D2によって電気的に構成されるディスクリート回路(集積回路部品D1を用いないハードウェア回路)DHCとして有している。ただし、このディスクリート回路DHCは、挿入実装領域THと表面実装領域SMとに分けられるかたちでそれぞれ実装された複数のディスクリート部品D2によって構成される電気的構造をもって設けられている。
すなわちこの場合、特定の電気的機能(例えば、バックアップ電源供給機能)を発揮することを目的とした一のディスクリート回路DHCであるにもかかわらず、ベース板BB上では、挿入実装領域THに対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品D2bと、表面実装領域SMに対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品D2aとが混在するようになる。したがって、第1制御部MCGのベース板BBを第三者が視認したときに、それらが特定の電気的機能(例えば、バックアップ電源供給機能)を発揮するために電気的に密接な役割を持っていることを想起し難くさせることができるようになり、こうした回路理解の困難性が高められることでも不正の抑制が期待されうるようになる。また、表面実装領域SMに対して電子部品の一部が実装されることで、ハードウェア回路の小型化も期待されうるようになる。
以上、説明したとおり、この実施の形態にかかるパチンコ機1によれば、電子部品に対する不正を抑制しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることができるようになる。
ただし上述の通り、図117に示した例は、本願にかかる特徴的な2つの技術の原理を説明するためのものであるから、次に、上記各技術を本願の実施形態に適用した例について説明する。
この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、まず、第1制御部MCGのベース板BBは、主制御基板1310のベース基板と、払出制御基板951のベース基板と、電源基板931のベース基板との3つのベース基板を有して構成されている。そして、これらのベース基板に、挿入実装領域THと表面実装領域SMとの両方が区分けされるかたちで設けられるようにしている。
ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上記3つのベース基板のうち、上記電源基板931についてはそのベース基板に上記挿入実装領域THのみが形成されており、上記主制御基板1310のベース基板と上記払出制御基板951のベース基板とにおいて、挿入実装領域THと表面実装領域SMとの両方がそれぞれ区分けされるかたちで設けられる。
そして、第1制御部MCGのベース板BBに実装される各種の電子部品Dのうち、上述した「主制御内蔵RAMに対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路」のうちのダイオードMD0(図75参照)を、上記主制御基板1310のベース基板のうちの表面実装領域SMに対し、表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして実装することとしている。また、これと同様、上述した「払出制御内蔵RAMに対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路」のうちのダイオードPD0(図75参照)を、上記払出制御基板951のベース基板のうちの表面実装領域SMに対し、表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして実装することとしている。
このような構成によれば、上記セキュリティ性能の低い集積回路部品D1と上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品D2とのうち、ディスクリート部品D2(ダイオードMD0,ダイオードPD0)のみが表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして表面実装領域SM(主制御基板1310,払出制御基板951)にそれぞれ実装されるようになる。これにより、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが可能とされるようになる(本願にかかる特徴的な1つ目の技術)。
しかも、この実施形態に適用した例では、第1制御部MCGのベース板BBに形成される表面実装領域SMには、特定種類のディスクリート部品(ここでは、ダイオードMD0及びダイオードPD0はいずれもショットキーダイオード素子)のみが複数個実装されるようになる。すなわちこの場合、不正抑制性能で劣る表面実装領域SMに実装される電子部品はいずれも同じ形状を持つこととなることから、不正確認に要する手間が省かれることが期待されるようになる。
また、上記構成では、電源基板931が本来は有するべきディスクリート部品(電源供給機能の一部を担う電子部品)を、該電源基板931とは異なる基板(主制御基板1310)側にあえて実装するようにしている。すなわち、電源基板931に表面実装領域SMを形成するだけのスペース的な余裕が無かったとしても、他の基板に表面実装領域SMを形成してそこに表面実装タイプのディスクリート部品D2として実装することが可能であり、第1制御部MCG全体としての回路設計にかかる自由度の向上を図ることができるようになる。
またさらに、上記構成では、バックアップ電源供給機能を発揮することを目的として、複数のディスクリート部品D2(ここでは、コンデンサ素子、及びショットキーダイオード素子)を有した一のディスクリート回路DHC(バックアップ電源回路)が設けられるにもかかわらず、該ディスクリート回路DHCを構成する上記複数のディスクリート部品D2については、挿入実装領域TH(コンデンサ素子)と表面実装領域SM(ショットキーダイオード素子)とに分けてそれぞれ実装することとしている。
このような構成によれば、バックアップ電源供給機能を発揮することを目的とした一のディスクリート回路DHC(バックアップ電源回路)であるにもかかわらず、ベース板BB上では、挿入実装領域TH(電源基板931)に対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品D2bと、表面実装領域SM(主制御基板1310,払出制御基板951)に対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品D2aとが混在するようになる。したがって、第1制御部MCGのベース板BBを第三者が視認したときに、それらが特定の電気的機能(例えば、バックアップ電源供給機能)を発揮するために電気的に密接な役割を持っていることを想起し難くさせることができるようになり、こうした回路理解の困難性が高められることでも不正の抑制が期待されうるようになる(本願にかかる特徴的な2つ目の技術)。
しかも、この実施形態に適用した例では、バックアップ電源供給機能を発揮することを目的とした一のディスクリート回路DHC(バックアップ電源回路)が有する複数のディスクリート部品D2を、挿入実装領域TH(コンデンサ素子)と表面実装領域SM(ショットキーダイオード素子)とに分けて実装することのみならず、それらディスクリート部品D2を異なる2つの基板(主制御基板1310,払出制御基板951(ショットキーダイオード素子)、電源基板931(コンデンサ素子)にさらに分けて実装することとしている。すなわちこの場合、表面実装用と挿入実装用とで混在する電子部品D2a,D2bが、さらに異なるベース基板にそれぞれ実装されるようになることから、回路理解の困難性が益々高められるようになり、不正の抑制がさらに期待されうるようになる。
また、上記実施形態では、図117から明らかであるように、第1制御部MCGのベース板BBにおける表面実装領域SMの実装面は、第1制御部MCGのベース板BBにおける挿入実装領域THの実装面よりも小さい面積となるように設けられている。したがって、不正抑制性能に劣る表面実装領域SMが設けられるものであることが第三者に気付き難くされるようになり、不正行為の抑制が期待されうるようになる。
また、上記実施形態では、図117から明らかであるように、第1制御部MCGのベース板BBにおける表面実装領域SMに実装される電子部品の種類の数は、第1制御部MCGのベース板BBにおける挿入実装領域THに実装される電子部品の種類の数よりも少なくなるように設けられている。したがって、相対的にセキュリティ性能に劣る表面実装領域SMに実装される電子部品に対して不正な行為がなされていないかの目視チェックの対象とされる電子部品の種類が相対的に少なくされることで、目視チェックの容易化を図ることができるようになる。
また、上記実施形態では、図117から明らかであるように、第1制御部MCGのベース板BBにおける表面実装領域SMに実装される電子部品の総数は、第1制御部MCGのベース板BBにおける挿入実装領域THに実装される電子部品の総数よりも少なくなるように設けられている。したがって、相対的にセキュリティ性能に劣る表面実装領域に実装される電子部品に対して不正な行為がなされていないかの目視チェックの対象とされる電子部品の総数が相対的に少なくされることで、目視チェックにかかる負荷を軽減させることができるようになる。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、表面実装領域SMを、主制御基板1310のベース基板と払出制御基板951のベース基板とにそれぞれ設けることとしたが、電源基板931のベース基板に形成してもよい。
また、特定のベース基板にのみ表面実装領域SMを形成し、該特定のベース基板に、他のベース基板に本来は実装されるべき表面実装タイプのディスクリート部品D2もまとめて配設するようにしてもよい。このような構成によれば、不正な搭載がされていないか否かを確認するに際して、特定のベース基板に形成された表面実装領域SMのみを重点的に確認すればよくなることから、不正確認に要する手間が省かれることが期待されるようになる。
ただし、上記3つのベース基板のいずれにおいても集積回路部品D1が実装されることに鑑みれば、不正を好適に抑制する上では、3つのベース基板のいずれにおいても少なくとも挿入実装領域THは形成されなければならない。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1制御部MCGのベース板BBを、主制御基板1310のベース基板と、払出制御基板951のベース基板と、電源基板931のベース基板との3つのベース基板によって構成されるものとしたが、図117に模式的に示したように、それらを一のベース基板上でまとめて構成するようにしてもよい。
また、本願にかかる「第1制御部MCGのベース板BB」とは、要は、表面実装領域SMと挿入実装領域THとが区分けされるものであればよく、これを複数のベース基板によって設けるようにしてもよいし、一のベース基板によって設けるようにしてもよい。
例えば、主制御基板1310のベース基板として、挿入実装領域THのみが形成された第1のベース基板と、表面実装領域SMのみが形成された第2のベース基板とを備え、該第2のベース基板を、上記第1のベース基板の挿入実装領域THに対して挿入実装することによって、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、上記第1のベース基板に挿入実装されている電子部品と上記第2のベース基板に表面実装されている電子部品とが互いに電気的に接続されるような構造が採用されることも想定されうるが、この場合における「第1制御部MCGのベース板BB」とは、挿入実装領域THのみが形成された第1のベース基板と、表面実装領域SMのみが形成された第2のベース基板との両方を少なくとも含む概念である。すなわち、このような態様も、「第1制御部MCGのベース板BBには、挿入実装領域THと表面実装領域SMとの両方がそれぞれ区分けされるかたちで設けられる」といった態様のうちの一の態様として含まれるものである。
なお、挿入実装領域THのみが形成された第1のベース基板と、表面実装領域SMのみが形成された第2のベース基板とを備えるようにする場合は、挿入実装領域THと表面実装領域SMとが異なる方向(好ましくは、直交する方向)を向くように第1のベース基板及び第2のベース基板をそれぞれ配設するようにすることが望ましい。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、不正抑制性能に劣る表面実装領域SMに実装される部品(表面実装部品)として、相対的に小さいパッケージに封入される電子部品であるディスクリート部品のみが用いられるようにすることで、不正部品が搭載されるだけのスペースを排除(裏面側のスペースを小さく)しつつ、ハードウェア回路の小型化を実現可能としている。
ただし、このようなセキュリティ性能に優れたディスクリート部品(表面実装部品)であっても、その裏側には、小さいスペースではあるものの、表面実装領域SMに実装された状態では視認によって確認し難い箇所が依然として残される。したがって、パチンコ機1の運用・管理を行うホール側としては、「ディスクリート部品(表面実装部品)の裏側には不正部品が搭載されるだけのスペースは残されていない」といったことは理解できたとしても、「極めて小さな不正部品が生み出されてこれが不正に搭載されるかもしれない」などといった不安感を完全に捨て切ることはできず、視認によって確認することが困難とされる状況のなかでの確認を強いられるなど、当該パチンコ機1の運用・管理が煩雑になってしまうことが懸念される。
そこで、主制御基板1310や払出制御基板951の各ベース基板については、上述した態様に代えて、以下の態様で設けるようにすることがより望ましい。
[主制御基板1310や払出制御基板951の各ベース基板についての変形例]
図118は、変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBについて、該ベース基板MBにおける一部領域を示す図である。以下、同図118を参照して、主制御基板1310のベース基板MBについての変形例を説明する。なお、払出制御基板951のベース基板の変形例については説明を割愛することとするが、以下に説明する主制御基板1310のベース基板MBと同様の内容で変形させることが可能である。
同図118に示されるように、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBは、集積性能では劣るものの不正抑制性能に優れる挿入実装基板THBを少なくとも備えて構成されている。
そして、この変形例にかかる挿入実装基板THBにおいても、上記実施形態の挿入実装基板THと同様、複数種の電子部品(挿入実装部品)が挿入されるかたちで実装されている。また、これも同様、それらの電子部品(挿入実装部品)のなかには、上記セキュリティ性能の低い集積回路部品D1と、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品D2bとの両方が含まれている。
ただし、同図118を見ると明らかであるように、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBでは、挿入実装基板THBと、該挿入実装基板THBに対して挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される電子部品とがそれぞれ設けられるに留まっている。すなわち、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBは、表面実装領域と該領域に実装される表面実装部品とをそれぞれ有するものであるにもかかわらず、一見するだけでは、それらのいずれもが設けられていないように見える特殊な実装構造を採用することとしている。
より具体的には、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBは、上記挿入実装部品としての集積回路部品D1やディスクリート部品D2bのほか、特殊実装部品D3(図中では、特殊実装部品D3a,特殊実装部品D3b)を有している。この特殊実装部品D3は、不正抑制性能に劣る表面実装領域に実装される電子部品(表面実装部品)を内蔵しているにもかかわらずこれが隠匿された状態にて上記挿入実装基板THBに対して後述の特殊挿入実装用リード部TLを介して挿入実装されるものとなっている。
このような特殊実装部品D3によれば、後述の表面実装領域と該表面実装領域に実装される電子部品(表面実装部品)とがその内部にそれぞれ設けられるものであるにもかかわらず、不正抑制性能に優れる挿入実装基板THBに実装される一の挿入実装部品であるかのように見える外観形状を有するようになることから、悪意のある者による不正目的の対象部品から外されることが期待されうるようになる。なお、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBにおいては、上記挿入実装基板THBのうち、このような特殊実装部品D3が挿入実装される部分が、表面実装部品が実装される表面実装領域として機能することとなる。
しかも、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBでは、このような特殊実装部品D3を、1箇所に纏めて(隣接して)配設せず、当該ベース基板MB上における複数箇所に分散させるとともに、特殊実装部品D3の少なくとも1つ(図中では、特殊実装部品D3a)は、挿入実装部品D1,D2bが挿入実装される比較的大きな領域(挿入実装領域)に囲まれるように配設することとしている。
すなわちこの場合、不正抑制性能に劣る表面実装領域や該表面実装領域に実装される電子部品(表面実装部品)が小分けになって目立たなくなることはもとより、上述の外観形状と相まって、不正抑制性能に優れて相対的に大きな領域として設けられる挿入実装領域のなかにうまく紛れ込むようになることから、悪意のある者が主制御基板1310のベース基板MBを見たときに表面実装領域が存在していることにさらに気付き難くさせることができるようになり、これによって不正部品の搭載に対する抑制性能をより好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
また後述するが、この変形例にかかる特殊実装部品D3aの内部には、図117にて示した表面実装タイプのディスクリート部品D2aとしてのダイオードMD0(図75参照)が封入されている。そして、このようなダイオードMD0が、バックアップ電源供給機能を発揮することを目的とした一のディスクリート回路(バックアップ電源回路)に用いられるものであることは上述した通りである。それにもかかわらず、この変形例においても、一のディスクリート回路(バックアップ電源回路)を構成する複数のディスクリート部品については、挿入実装領域(コンデンサ素子(キャパシタBC0))と表面実装領域(ショットキーダイオード素子(ダイオードMD0))とに分けてそれぞれ実装することとしている。しかも、挿入実装領域に挿入実装されるコンデンサ素子(キャパシタBC0)については、挿入実装領域のうち、ショットキーダイオード素子(ダイオードMD0)を内蔵する特殊実装部品D3aと隣接しない位置(電源基板931など)にて実装されるようにしている。
このように、特殊実装部品D3aに内蔵されている電子部品が特定の電気的機能(バックアップ電源供給機能)を発揮するものであることを想起し難くさせて回路理解の困難性を高めるようにしたことで、不正抑制性能に劣る表面実装領域が存在していることに気付かれた場合であっても、不正の抑制が期待されうるようになる。
次に、この変形例にかかる特殊実装部品D3aの構造についてその一例を説明する。なお、図118には、説明の便宜上、特殊実装部品D3aが実装されている部分を拡大するとともに、特殊実装部品D3aの外側パッケージOPが一部割愛されてその内部構造が露にされている説明図(点線で囲まれている部分)が含まれている。
同説明図に併せて示されるように、この変形例にかかる特殊実装部品D3aは、表面実装タイプの電子部品(表面実装部品)が実装される表面実装基板としての特殊表面実装基板SMBと、該特殊表面実装基板SMBに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2aと、上記挿入実装基板THBのスルーホール(特定の挿入孔)内に挿入される挿入実装用リード部としての特殊挿入実装用リード部TLと、これらの各部位をモールド樹脂によってモールドする外側パッケージOPとを備えている。
ここで、上記特殊表面実装基板SMBは、当該基板上に実装される電子部品(表面実装タイプのディスクリート部品D2a)に設けられる表面実装用リード部SLと上記特殊挿入実装用リード部TLとを電気的に接続するように形成された配線パターンHPを有するとともに、その実装面が上記挿入実装基板THBにおける実装面と概ね直交する関係となるように設けられている。
特殊表面実装基板SMBの実装面における表面積は、表面実装タイプのディスクリート部品D2aが実装されるだけの大きさに留まっており、例えば、主制御MPU1310aを構成する集積回路部品が実装されるときに必要とされる面積よりも小さな面積の実装面しか持たないようにされている。すなわち、挿入実装基板THBでは、パチンコ機1を稼動させるために要する全ての電子部品が実装された状態においても他の電子部品をさらに実装するだけの余裕スペースが残されているのに対し、特殊表面実装基板SMBにおいては、その小型化を図るために、実装対象とされる電子部品(表面実装タイプのディスクリート部品D2a)が実装された状態では他の電子部品をさらに実装するだけの余裕スペースは残されていない。
このような構成によれば、特殊表面実装基板SMBに対して何らかの不正を施すことが困難とされるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制を図りつつ、ハードウェア回路のさらなる小型化が期待されるようになる。
また、上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aは、これ自体がモールド樹脂によりモールドされるパッケージ構造(内側パッケージ)を有している。そして、その内部では、一のディスクリート回路(バックアップ電源回路)に含まれるショットキーダイオード素子(ダイオードMD0)がボンディングワイヤによって表面実装用リード部SLと電気的に接続されている。すなわち、表面実装タイプのディスクリート部品D2aには、内側パッケージ(モールド樹脂)の外側へと引き出されるように形成された上記表面実装用リード部SLが設けられており、この表面実装用リード部SLが上記特殊表面実装基板SMB上に形成された配線パターンHPを介して上記特殊挿入実装用リード部TLと電気的に接続されることで、上記挿入実装基板THBに実装されている他の電子部品と上記ショットキーダイオード素子(ダイオードMD0)とが電気的に接続されて互いに連携した処理を行いうるようになっている。
またさらに、上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aは、扁平な外観形状(パッケージ形状)をなして設けられており、上記特殊表面実装基板SMBに対してその扁平面が対向するかたちで半田付けされることにより表面実装されている。ただし上述の通り、表面実装タイプのディスクリート部品D2aが実装される特殊表面実装基板SMBは、その実装面が上記挿入実装基板THBにおける実装面と概ね直交する関係となっている。
したがって、当該特殊実装部品D3内に設けられる表面実装タイプのディスクリート部品D2aは、上記挿入実装基板THBに対しては、その扁平面ではなく、肉薄とされる側の面(肉薄面)が対向するかたちとなるように実装されることとなる。
このような構成では、相対的に大きな面積を有する扁平面ではなく、相対的に小さな面積しか有していない肉薄面が上記挿入実装基板THBと対向するようになる。したがって、図118に示されるように、挿入実装基板THBにおいて、1個分のディスクリート部品(挿入実装タイプ)が実装可能とされるだけのような僅かな領域(スルーホール2個分)しか残されていない状況であっても、該僅かな領域(スルーホール2個分)に対して上記特殊実装部品D3を配設することができるようになる。
なお、この変形例にかかる表面実装タイプのディスクリート部品D2aこれ自体の大きさ(図中、横方向の長さ)は、当該特殊実装部品D3aが上記挿入実装基板THBに対して実装されるときに上記特殊挿入実装用リード部TLが挿入されるスルーホール間のピッチ(特定の挿入孔の設置間隔)よりも小さいものとなっている。
また、上記特殊挿入実装用リード部TLは、一端側が、上記特殊表面実装基板SMBをその両面側から挟み込む二股構造になっており、上記特殊表面実装基板SMBのうち上記配線パターンHPが形成されている箇所において半田付けされることで、上記特殊表面実装基板SMBに対して固着されるとともに、上記配線パターンHPを介して上記表面実装用リード部SLと電気的に接続されるようになっている。これに対し、他端側は、上記挿入実装基板THBのスルーホールに挿入された状態にて半田付けされることで、上記挿入実装基板THBに対して固着されるとともに、該挿入実装基板THB側の配線パターンを介して各種の電子部品と電気的に接続されるようになっている。
また、上記外側パッケージOPは、上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aこれ自体がモールド樹脂によりモールドされるパッケージ構造(内側パッケージ)を有しているにもかかわらず、該モールド樹脂とは別のモールド樹脂によって、その実装対象とされる上記特殊表面実装基板SMB共々に上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aをさらにモールド(二重モールド)するものとなっている。
このような構成では、不正抑制性能に劣る表面実装基板に対して何らかの不正を施すことが極めて困難とされるようになる。
特に、この変形例にかかる特殊実装部品D3aでは、二重モールドのうちの外側パッケージOPによって生み出される外観形状は、内部で表面実装される特定種別の表面実装部品これ自体の外観形状と異なっている。すなわちこの場合、ディスクリート部品D2aこれ自体の外観形状を隠匿した状態にて実装することができるようになることから、当該特殊実装部品D3aに内蔵される特定種別の表面実装部品が実装されていないように見えるなど、回路理解の困難性が高められるようになり、不正の抑制が期待されうるようになる。
しかも、上記外側パッケージOPは、その内部に設けられる上記特殊挿入実装用リード部TLと上記表面実装用リード部SLとのうち上記特殊挿入実装用リード部TLのみが当該外側パッケージOP(モールド樹脂)の外側に引き出されるかたちとなるように上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aを上記特殊表面実装基板SMBとともに一体にモールドしており、これによって当該特殊実装部品D3aが挿入実装用リード部(特殊挿入実装用リード部TL)を有する一の電子部品として挿入実装基板THBに実装されるようにしている。
このような構成によれば、不正抑制性能に劣る表面実装基板や該基板に実装される電子部品(表面実装部品)が内部に設けられるものであるにもかかわらず、当該特殊実装部品D3aを、不正抑制性能に優れる挿入実装領域に実装される一の挿入実装部品であるかのように機能させることができるようになることから、悪意のある者の不正目的の対象から外されることが期待されうるようになる。また、物流面や実装時などにおいても一の挿入実装タイプのディスクリート部品と同等に扱うことが可能であるから、このような扱い易さの面でも優れているといえる。
またさらに、上記外側パッケージOPは、スルーホール間のピッチよりも小さい横幅とされる上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aに対し、該ディスクリート部品D2aこれ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によってその実装対象とされる特殊表面実装基板SMBとともに一体にモールドすることで、スルーホール間のピッチ内に収まらない大きさをもった一の電子部品としての外観形状を持たせるようにもしている。
すなわち、図117に示されるように、表面実装タイプのディスクリート部品を、挿入実装領域におけるスルーホール間のピッチ(挿入孔の設置間隔)よりも小さい外観形状のままにしておいた場合、主制御基板1310のベース基板MB内に不正抑制性能で劣る表面実装領域が設けられていることを第三者に気付かれやすくなってしまい、ひいては不正行為を助長しかねない。
この点、上記構成では、スルーホール間のピッチよりも小さい横幅とされる上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aについては、スルーホール間のピッチ内に収まらない大きさをもった一の電子部品としての外観形状を持たせた上で実装させるようにしている。すなわちこの場合、図118に示されるように、主制御基板1310のベース基板MB上には、スルーホール間のピッチよりも小さい横幅とされる外観形状をもった電子部品が存在しなくなり、挿入実装タイプの電子部品(挿入実装部品)のみが実装されているかのように見せることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を向上させることができるようになる。
またさらに、このような外側パッケージOPによって生み出される外観形状は、内部で表面実装される電子部品の外観形状と異なっていることはもとより、挿入実装基板THBに実装される全ての挿入実装部品(特殊実装部品D3を除く電子部品)のいずれとも異なるユニークな外観形状とされている。すなわち、この変形例にかかる特殊実装部品D3aでは、演算処理装置などと比較して限定的な機能しか持ち得ない単なるディスクリート部品D2aに対し、二重のモールド樹脂で保護するといった過剰なセキュリティ性能を付与した上で、悪意ある者の注意をあえて引きつける外観形状としてユニークであり且つ比較的大きな外観形状を持たせるようにしている。
このような構成によれば、主制御基板1310のベース基板MB上にて施された過剰なセキュリティ性能を第三者に見せ付けることができるようになることから、不正行為を行おうとする意欲の減退が期待されうるようになる。
またさらに、外側パッケージOPには、当該特殊実装部品D3aとしての電子部品の種別を示す識別番号が付されるが、この変形例では、該識別番号の内容(○3213)を、上記内側パッケージ(特殊表面実装基板SMBに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2a)に付される識別番号の内容(SD)と異ならせるようにしている。
このような構成によれば、特定種別の表面実装部品に対して付される識別番号の内容(SD)が現れないようになることから、外側パッケージOPによって生み出される外観形状と内部で表面実装される特定種別の表面実装部品の外観形状とが異なっていることと相まって(二重モールドの構造と相まって)、特定種別の表面実装部品が実装されていないように見せることができるようになる。また、挿入実装タイプの電子部品(挿入実装部品)のみが実装されているかのようにも見せることができるようになり、不正部品の搭載に対する抑制性能を向上させることができるようになる。
また、この変形例にかかる特殊実装部品D3aでは、特殊表面実装基板SMBの厚さ方向の長さを、表面実装タイプのディスクリート部品D2aの厚さ方向の長さよりも小さくなるようにしている。そしてこの上で、特殊表面実装基板SMBの扁平面における一方側にのみ電子部品や配線パターンが設けられる実装面が形成されるようにしており、その裏面側にはモールド樹脂が直接付されるようになっている。
すなわち、このような構成を採用することによって、ユニークであり非対称性の外観形状をかたちづくることはもとより、特殊実装部品D3aの厚さ方向の長さが、挿入実装領域THに実装される挿入実装タイプのディスクリート部品D2bの厚さ方向の長さよりも小さくなっている。これにより、互いの実装面を直交させる上述の構造と相まって、挿入実装基板THBに対して特殊実装部品D3aを実装するにあたり、特別な実装スペースを確保しておくなどの必要性がなくなり、多くの挿入実装部品が実装されるなかに当該特殊実装部品D3aを紛れ込ませることができるようになる。
なお、この変形例にかかる特殊実装部品D3aは、上述の通り、外観上は、一の挿入実装タイプのディスクリート部品として見えるものであるが、実際は、特殊表面実装基板SMBと表面実装タイプのディスクリート部品D2aとをその内部にそれぞれ含んでいるものである。すなわち、特殊実装部品D3aでは、特殊挿入実装用リード部TLがその内部にて特殊表面実装基板SMBに対して固着されて上記配線パターンHPを介して上記表面実装用リード部SLと電気的に接続される構造となっているのに対し、挿入実装部品では、挿入実装用リード部がその内部にてボンディングワイヤによって特定の電子部品と電気的に接続される構造となっている。
また、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBにおいては、図118に示されるように、このような内部構造を有する特殊実装部品D3として、ショットキーダイオード素子(ダイオードMD0)を内部で表面実装する特殊実装部品D3aのほか、容量値の小さいコンデンサ素子を内部で表面実装する特殊実装部品D3bが設けられている。
すなわち、この変形例にかかる特殊実装部品D3bは、挿入実装領域THに実装される挿入実装タイプのディスクリート部品D2bのうち、抵抗素子として設けられるディスクリート部品D2bとの間で、特定のデータラインに対するフィルタ回路を形成するものとなっている。このようなフィルタ回路にかかる構成であっても、一のディスクリート回路に含まれる電子部品が特定の電気的機能(フィルタ機能)を発揮するために電気的に密接な役割を持っていることを想起し難くさせることが可能であり、こうした回路理解の困難性を高めることで、不正の抑制が期待されうるようになる。
なお、特殊実装部品D3bについては、フィルタ回路を構成する抵抗素子とコンデンサ素子との両方が内部で特殊表面実装基板SMBに対してそれぞれ表面実装されるものであってもよい。ただしこの場合、各電子部品については横並びで一列に配設されるようにするなど、少なくとも、挿入実装基板THBに挿入実装される電子部品(挿入実装部品)のうち最も高さのある電子部品(例えば、図中は割愛されているコンデンサ素子など)よりも低い外観形状のままにしておくことが、主制御基板1310のベース基板MBの小型化を図る上で望ましい。
また、特殊実装部品D3については、このように複数種の電子部品を内蔵するものであってもよいし、一種類の電子部品を複数内蔵するものであってもよい。いずれにしろ、複数個の電子部品が内蔵される場合は、それら複数個の電子部品が一枚の特殊表面実装基板SMBに対して横並びに一列で表面実装されるようにするとともに、それらの電子部品と特殊表面実装基板SMBとを纏めてモールド樹脂によりモールドしてパッケージ化するようにすることが望ましい。
ただし、特殊実装部品D3内に複数の電子部品を内蔵するようにした場合は、その外観形状が自ずと大きくなり、「この程度の大きさ且つ形状で挿入実装されるタイプの電子部品なのだから、一の挿入実装タイプのディスクリート部品なのだろう」などといった、先入観を利用した幻惑効果を期待することができなくなってしまう懸念が生じる。したがって、このような先入観を利用した幻惑効果を好適に得る上では、一の表面実装タイプのディスクリート部品をこれ単体で、上述の二重モールドの構造によって、その外観形状を異ならしめ、且つその肉薄面を挿入実装基板THに対して対向させるかたちで実装させるようにすることが望ましい。
また、上述の二重モールドの外側パッケージOPをモールド樹脂などの透明でない材料で形成することはもとより、一の表面実装タイプのディスクリート部品これ自体に付される識別番号とは異なる識別番号を外側パッケージOPに付すようにすることで、回路理解の困難性を高めるようにすることも重要であるといえる。
なお、この変形例にかかる特殊実装部品D3とは、その内部に、「一の挿入実装タイプのディスクリート部品」よりも小さい「一の表面実装タイプのディスクリート部品」を有する構造であるから、これを二重モールドしたときの大きさが「一の挿入実装タイプのディスクリート部品」と同じくらいの大きさになり、これによって上述のような優れた作用効果を奏することが期待できるようになるものである。したがって、その内部に「一の挿入実装タイプのディスクリート部品」を有してこれを二重モールドするような構成では、その大きさが「一の挿入実装タイプのディスクリート部品」よりも大きくなってしまうことが明らかであるから、上述のような優れた作用効果を奏することは期待できない。
以下、図117や図118を参照しつつ説明した技術について総括する。なお、以下に説明する各内容は、特に説明がない限り、図117を参照しつつ説明した技術及びその別例や、図118を参照しつつ説明した技術及びその別例のいずれによっても採用可能とされる構成であり、奏されうる作用効果である。
上述の通り、図117や図118を参照しつつ説明した技術とは、
・複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源(例えば、+5Vなど)の生成処理のほか、賞球の払出しを含めた遊技の進行処理に関する制御を行う第1制御部MCG、及び
・複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって上記第1制御部MCGにより進行される遊技に関する演出を行う第2制御部SCG
を備える遊技機にあって、「実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ること」といった課題を解決することを趣旨としたものとなっている。
より具体的には、図117や図118を参照しつつ説明した技術では、まず、「図69に示される上記第1制御部MCGと上記第2制御部SCGとのうち、遊技に関する演出制御を行うものでしかない上記第2制御部SCGについては遊技者が得る特典とは直接的に関係しておらず不正の対象とされ難いものとなっている」ことに鑑み、当該第2制御部SCGについてはこれを表面実装のみによって構成するようにすることを技術的特徴の1つとしている。すなわちこの場合、周辺制御基板1510が有する上述した各種の実装用電子部品としても、表面実装タイプの部品(SMD)がそれぞれ用いられることとなるが、これらの実装用電子部品は、遊技者が得る特典とは直接的に関係しておらず不正の対象とされ難いものであることから、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を落とすことなく、当該パチンコ機1に搭載されるハードウェア回路の小型化を図ることができるようになる。
これに対し、第1制御部MCG側における処理は、遊技者の特典付与に直結するものであることから、当該第1制御部MCGは不正の対象とされ易いものとなっている。したがって、ハードウェア回路の小型化が求められるとは言え、第1制御部MCGを単純に表面実装によって集積化してしまうと、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能が著しく低下してしまい、遊技興趣の低下が避けられなくなるといった実情にある。
そこで、図117や図118を参照しつつ説明した技術では、第1制御部MCGが有する基板上に、
・実装用電子部品に設けられたリード部が当該ベース板BB内に挿入されるかたちで実装されて、集積性能では劣るものの不正抑制性能に優れる挿入実装領域と、
・実装用電子部品に設けられたリード部が当該ベース板BBの表面上に置かれるかたちで実装されて、配線パターンの多段積層化などによって集積性能には優れるものの不正抑制性能で劣る表面実装領域と
の両方をまずは設けることとしている。そしてこの上で、性質の異なる下記2タイプの実装用電子部品を、上述の課題を解決可能とするかたちで上記性質をもった挿入実装領域または表面実装領域へと選別実装することを技術的特徴の1つとしている。
・複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入されており、不正な搭載に対するセキュリティ性能の低い集積回路部品
・単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるだけであり、不正な搭載に対するセキュリティ性能の高いディスクリート部品
より具体的には、第1制御部MCGでは、上記セキュリティ性能の低い集積回路部品についてはこれを上記挿入実装領域THと上記表面実装領域とのうちの不正抑制性能に優れる挿入実装領域のみに実装するとともに、不正抑制性能に劣る表面実装領域においては、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品のみを実装することとしている。これにより、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることを可能ならしめている。
ただし、このように実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持するように構成した場合であっても、第1制御部MCGが有する基板は、不正の対象とされ易いものであることに変わりはない。したがって、第1制御部MCGが有する基板については、基本的には、図4や図7、図62などに示されるように、透過性のあるカバー部材(各種の基板ボックス930,950,1320など)によって覆われた状態で、当該パチンコ機1の後方側に対してその実装面(扁平面)を向けるかたちで配設するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、透過性のあるカバー部材によって実装面(扁平面)に対する不正行為を困難化させることができることはもとより、外枠2から本体枠4を開放させる操作を行うだけで第1制御部MCGに対して不正部品が搭載されているかの監視(目視)を行うことが可能とされるようになることから、不正対象になり易い集積回路部品が実装される基板(第1基板)として不正部品の搭載に対する抑制性能と監視容易性とをそれぞれ好適に確保することができるようになる。
なお、このような作用効果を得る上では、図117や図118で図示したように、第1制御部MCGが有する基板については、一方側の面(裏側面)に実装用電子部品は実装されず、他方側の面(表側面)にのみ実装用電子部品が実装されるようにし、上記透過性のあるカバー部材(各種の基板ボックス930,950,1320など)によって覆われた状態で、当該パチンコ機1の後方側に対してその他方側の面(表側面)を向けるかたちで配設するようにするべきであることは言うまでもない。
また、第1制御部MCGのうち、特に、主制御基板1310が遊技者の特典付与に直結する処理を行う部分であることに鑑みれば、上述した各構成については、第1制御部MCGが有する基板のうち、特に、主制御基板1310が有する基板に対してそれぞれ適用するようにすることが望ましいといえる。
またさらに、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能をより好適に維持する上では、まず、主制御基板1310が有する基板として、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成されて集積回路部品とディスクリート部品との両方が挿入実装される第1基板と、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成されて集積回路部品は実装されずディスクリート部品が表面実装される第2基板とを少なくとも用意するようにする。そして、それら基板のうち上記第1基板については、上記透過性のあるカバー部材(各種の基板ボックス930,950,1320など)によって覆われた状態で、上記一方側の面(電子部品が実装されない裏側面)と上記他方側の面(電子部品が実装された表側面)とのうち他方側の面が当該パチンコ機1の後方側を向くように配設するのに対し、上記第2基板については、上記一方側の面(電子部品が実装されない裏側面)と上記他方側の面(電子部品が実装された表側面)とのいずれもが当該パチンコ機1の後方側を向かずこれと直交する方向を向くように配設するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、不正抑制性能に劣る表面実装領域(第2基板)の存在を後方側から視認し難くすることができるようになることから、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能をより好適に維持することが期待されるようになる。
ただし、このような構成であっても、悪意ある者が「不正抑制性能に劣る表面実装領域がどこかに形成されていないか」に執着するようなことがあれば、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板に気付かれてしまうことが懸念される。そしてこの場合、第2基板の表面実装領域には、上記集積回路部品と上記ディスクリート部品とのうちセキュリティ性能の高いディスクリート部品のみが実装されているとは言え、ホール側が未だ想起していない不正行為(例えば、極小の不正チップが開発されているなど)が用いられるようなことがあれば、損失が発生する事態にもなりかねない。
そこで、不正抑制性能に優れる挿入実装領域に対して集積回路部品とディスクリート部品との両方が挿入実装される第1基板の他方側面(表側面)については、該挿入実装領域のみならず、不正抑制性能に劣る表面実装領域もあえて同一面(表側面)上に形成するようにする。そして、該表面実装領域には何らの実装用電子部品も実装されず当該表面実装領域としてのパターン配線が露にされた状態のままで、第1基板の他方側面(表側面)を当該パチンコ機1の後方側を向くかたちで配設するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、後方側を向くように配設される第1基板の他方側面(表側面)のうち表面実装領域は、当該パチンコ機1の後方側から悪意ある者が不正行為を行おうとするときに「不正抑制性能に劣る表面実装領域には何らの実装用電子部品も実装しないようにしており、パチンコ機1として高い不正抑制性能が備わっている」ことをアピールする広告塔としての役割を担うようになり、これによって不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板を悪意ある者が見つけ出そうとする気力を喪失させることができるようになる。なお、第1基板に形成される表面実装領域については、当該第1基板を見たときにその存在に気付き易い位置(第1基板の端部など)に設けるようにすることが望ましい。
また、第1基板に形成される表面実装領域としてのパターン配線については、該表面実装領域と同一面上に形成される挿入実装領域との間で電気的に接続されない独立した形状となっているか、該挿入実装領域との間で電気的に接続されるものの当該表面実装領域に対して不正部品が搭載されたとしても上記挿入実装領域側には影響が及ぼされないように形成(遊技を進行させる上で使用する必要の無い出力信号上に形成するなど)することが重要である。これに対し、この説明例にかかる第2基板では、上記第1基板とは異なり、上記挿入実装領域と上記表面実装領域とのうち不正抑制性能に劣る表面実装領域のみが形成されており、この表面実装領域に対して実装用電子部品(ここでは、ディスクリート部品)が表面実装されるようになっている。
なお、上述した各構成を採用した場合であっても、「不正抑制性能に劣る表面実装領域に対してディスクリート部品が表面実装されている第2基板」が悪意ある者によって見つけ出されてしまう可能性を完全に排除することはできない。したがって、主制御基板1310が有する表面実装領域のうち、「上記第1基板の他方側の面だけに形成されており何らの実装用電子部品も実装されない表面実装領域」については、当該表面実装領域としてのパターン配線を露にした状態のままで当該パチンコ機1の後方側を向くかたちで配設させる一方で、「上記第2基板の他方側の面だけに形成されている表面実装領域」については、ディスクリート部品と集積回路部品とのうち不正対象にされ難いディスクリート部品のみが表面実装された状態で上記第2基板共々にモールド部材(非透過性部材)によりモールドし、上記一方側の面(何らの電子部品も実装されない裏側面)と上記他方側の面(表側面)とのいずれもが当該パチンコ機1の後方側を向かずこれと直交する方向を向くように配設するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、第2基板に表面実装領域が形成されていることや、該表面実装領域に対して表面実装されているディスクリート部品がいずれの種別であるのかを秘匿にすることが可能とされることはもとより、モールド部材によって実装面に対する不正行為を困難化(不正抑制性能に劣る表面実装領域を、不正部品の搭載が実質的に不可能とされる特別な領域として機能させて、不正部品の搭載に対する監視が必要とされる対象から外すことが可能)させることができるようになることから、「実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ること」といった課題を好適に解決することが期待されるようになる。
ただしより好ましくは、上記表面実装領域に表面実装されている実装部品(ここでは、ディスクリート部品)については、図118にそのモールド構造の一例を示したように、上記第2基板共々にモールド部材(非透過性部材)によりモールドした状態で、上記第1基板の挿入実装領域THに対して挿入実装するようにするべきである。このような構成によれば、当該パチンコ機1の後方側を向くように配設される第1基板(「パチンコ機1では表面実装部品は実装されない」ことを印象付ける表面実装領域と、電子部品が実装される挿入実装領域とがそれぞれ形成された基板)のうち、挿入実装領域には、「ディスクリート部品」、「集積回路部品」、及び「第2基板共々にモールド部材(非透過性部材)によりモールドされた状態にある表面実装領域」がそれぞれ挿入実装されて互いの各電子部品の間で電気的に接続されることとなる。すなわちこの場合、後方側から第1基板を視認したときには、ディスクリート部品と集積回路部品との両方が実装されて不正抑制性能に優れる挿入実装領域のなかに、不正抑制性能に劣る表面実装領域(第2基板)をモールド部材により視認困難としてこれがあたかも挿入実装部品に見えるかたちで紛れ込ませて電気的に機能させることができるようになることから、「実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ること」といった課題をより好適に解決することが期待されるようになる。
また、表面実装部品が実装された第2基板については、該基板の薄肉面が後方側を向くように上記第1基板に対して挿入実装(第1基板に対して互いの基板面が直交されるかたちで挿入実装)されるようになることから、該第1基板との間に大きな死角を生み出すことなく上記モールドされた状態の第2基板を実装することが可能とされるようになる。
ここで、上記各構成を採用した場合であっても、「モールド部材(非透過性部材)によりモールドされた状態にある上記第2基板これ自体を、不正部品共々にモールド部材(非透過性部材)によりモールドされた状態にある別基板に置き換える」といった不正行為がなされていないかを定期的に確認することがホール側には求められる。この点、上述したモールド構造を単純に採用してしまうと、モールド部材の色や材質などを同じように構成した別基板へと置き換えられる上述の不正行為がなされたときに、該不正行為が行われた状態にあることを見抜くことが困難となり、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能が逆に低下することにもなりかねない。
そこで、モールド対象とされる上記第2基板の表面実装領域には、主制御基板1310が有する基板に対して実装される各種のディスクリート部品のうち特定種別のディスクリート部品(実装用電子部品)のみが表面実装されるようにし、それ以外の種別については当該第2基板上に表面実装せず、これとは異なる基板上にのみ実装されるようにすることが望ましい。このような構成によれば、上記第2基板の表面実装領域には特定形状を持ったディスクリート部品のみが表面実装された状態でモールドされるようになることから、モールド部材における起伏部分の形状(ディスクリート部品の実装位置におけるモールド部材の膨らみ具合(例えば、図118などを参照))が単一化されるようになる。すなわち、特定種別のディスクリート部品のほか、不正部品もさらに実装された別基板をモールド部材によりモールドした場合には、不正部品の実装位置におけるモールド部材の膨らみ具合が、特定種別のディスクリート部品の実装位置におけるモールド部材の膨らみ具合と異なるようになることから、こうしたモールド部材に現れる形状違い(膨らみ具合が単一でなくなる)によって上述の不正行為に対する監視を容易化し、実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を好適に維持することが期待されるようになる。
そしてこの場合、上記第1制御部MCGのうち少なくとも主制御基板1310が有する基板においては、特定種別のディスクリート部品については上記第2基板の表面実装領域のみにまとめて実装されるようにし、該第2基板とは異なる基板には実装されないようにすることが、ハードウェア回路の小型化(集積化)を図る上でより望ましいといえる。
ただし、上述の作用効果を好適に得る上での「特定種別のディスクリート部品」とは、形状的に同じ実装用電子部品であることが求められることから、例えば、「特定種別のディスクリート部品」として「ショットキーバリアダイオード」を第2基板に対して表面実装するのであれば、「PNダイオード」は「特定種別とは異なるディスクリート部品」であり、第2基板には実装されずこれとは異なる基板に実装することが求められることとなる。また、厳密には、「特定種別のディスクリート部品」として「ショットキーバリアダイオード」を第2基板に対して表面実装する場合は、いずれも同じ製品の「ショットキーバリアダイオード」を第2基板に対して表面実装するようにすることが求められ、異なる製品の「ショットキーバリアダイオード」については、第2基板には実装せずこれとは異なる基板に実装するようにすることが望ましい。
しかしながら、主制御基板1310が有する基板においては、特定種別のディスクリート部品以外にも多くの種別のディスクリート部品を実装することが求められる。したがって、ハードウェア回路の小型化(集積化)をより好適に図るようにする上では、表面実装されるディスクリート部品の種別が異なるだけでそれ以外の構造(挿入実装領域が形成されていないことや、片面側だけに実装されることや、モールド構造など)は上述した第2基板と同じとされている第3基板を用意し、特定種別とは異なる一の種別のディスクリート部品のみが表面実装された当該第3基板を、上記第1基板の挿入実装領域に対して挿入実装して他の実装用電子部品と電気的に接続されるようにすることが望ましい。このような構成によれば、ディスクリート部品の種別毎に上述のモールド構造を持った基板(第2基板、第3基板)が各別の電子部品(図118の例では、特殊実装部品D3a、特殊実装部品D3bに相当)として用意されることとなり、モールド構造を持った各基板毎に監視すべき形状(モールド部材における膨らみ具合)が単一化されて上述の不正行為に対する監視(該当の基板に実装されるべきでない種別の電子部品が実装されていないかの確認)を容易化することができるようになることから、「実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ること」といった課題を好適に解決することができるようになる。第2基板や第3基板のほかにも、それら基板に実装されるディスクリート部品とは異なる種別のディスクリート部品のみが表面実装される基板を同様に用意するようにしてもよい。
なお、第2基板や第3基板に対し、図118に示したように1つのディスクリート部品のみが表面実装されるようにした場合は、監視のさらなる容易化や、上述の2重モールドの構造とも相まって、「実装用電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ること」といった課題をより好適に解決することができるようになる。
また、こうしてモールドされた複数の基板(ここでは、第2基板、第3基板(図118の例では、特殊実装部品D3a、特殊実装部品D3bに相当))を備えるようにする場合、それら基板については、各表面実装面(上述した他方側の面)がいずれも特定方向を向くように配設されるようにすることが望ましい。このような構成によれば、各基板のモールド部材における膨らみ具合を同じ方向から一括確認することが可能とされることから、上述の不正行為に対する監視(該当の基板に実装されるべきでない種別の電子部品が実装されていないかの確認)を容易化させることができるようになる。
またさらに、第2基板及び第3基板をモールドする各部材(モールド部材)には、それらの基板に対してそれぞれ表面実装されているディスクリート部品の種別に応じた部品側識別表示がそれぞれ付されるようにするとともに、それら部品側識別表示の付される面についても、いずれも同じ方向を向くようにそれぞれ配されるようにすることが望ましい。
すなわちこの場合、第2基板、第3基板に対してそれぞれ付されている「部品側識別表示の種別」と「モールド部材に現れるべき形状」とを一対一対応させることができるようになることから、部品のすり替えが発生していないかについての不正監視を容易化させることができるようになる。なおこの際、部品側識別表示についてはいずれも表面実装領域が形成される側とは逆側となるモールド面(モールド部材に膨らみが生じない側の面)に付されるようにすることが、該識別表示としての歪みをなくして確認間違いを生じさせないようにする上で望ましい。
また、上記構成によれば、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成される上記第2基板や上記第3基板については、基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた1つの電子部品としてそれぞれ設けられて、且つ第1基板に形成された挿入実装領域に対して互いの基板面が直交するかたちで挿入実装されるようにしている。すなわちこの場合、表面実装部品として本来は設けられるディスクリート部品が実装される第2基板や第3基板を、第1基板との間に大きなスペースを生み出すことなく、あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対して挿入実装させることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
ただし、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持する上では、「あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対して挿入実装される電子部品」としての外観を上記第2基板や上記第3基板に対してそれぞれ持たせて、表面実装領域が形成された基板には見えないようにすることが求められる。したがって、第2基板や第3基板については、複数種別のディスクリート部品が表面実装されないようにすることや、集積回路部品が表面実装されないようにすることや、さらには図118に示したように1つのディスクリート部品のみが表面実装されるようにすることなどは、当該基板としての大きさを抑えてこれを1つの挿入実装部品(電気素子がボンディングワイヤによって挿入実装用リード部と接続される構造を持った一般的な電子部品(ディスクリート部品))であるかのように見せる上で極めて重要であるといえる。すなわち、第2基板や第3基板に形成される表面実装領域は、少なくとも第1基板に形成される挿入実装領域や、該第1基板に形成されるが何も実装されずに空きの状態とされている表面実装領域よりも小さい面積とされることが求められる。
またさらに、こうして第2基板や第3基板についてのコンパクト化を図るようにした上で、第1基板には、当該第1基板に対して上記第2基板や上記第3基板がそれぞれ1つの電子部品として挿入実装されたときのそれら電子部品よりも低い実装高で実装される挿入実装部品(ディスクリート部品(電気素子がボンディングワイヤによって挿入実装用リード部と接続される構造を持った一般的な電子部品))と、それら電子部品よりも高い実装高で実装される挿入実装部品(ディスクリート部品(電気素子がボンディングワイヤによって挿入実装用リード部と接続される構造を持った一般的な電子部品))とがそれぞれ配設されるようにすることがより望ましい。このような構成によれば、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板や第3基板を、上記第1基板に形成された不正抑制性能に優れる挿入実装領域に挿入実装される1つの電子部品であるかのようにより好適に見せることができるようになる。この意味では、第2基板や第3基板については、第1基板に挿入実装される集積回路部品のいずれよりも小さい電子部品(モールド部品)として設けられるようにすることや、第1基板に挿入実装されるディスクリート部品のうち最大のものよりも小さい電子部品(モールド部品)として設けられるようにすることも重要であるといえる。
また、この実施の形態にかかる挿入実装領域が形成される基板(第1基板)を含めて、一般には、電子部品が実装される基板上にも該実装される電子部品の種別に対応した基板側識別表示が付されることが多く、例えば、ショットキーバリアダイオードが実装される箇所付近には、ショットキーバリアダイオードに応じた電気用図記号が付与されることとなる。ただし、この実施の形態にかかる上記第2基板や上記第3基板については、いずれの種別の電子部品として機能するものであるかを秘匿にして回路理解の困難性を高めるようにすることが、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持する上で望ましいといえる。
そこで、第1基板の挿入実装面のうちそれら第2基板や第3基板が1つの電子部品としてそれぞれ挿入実装される各位置の近傍には、互いに異なる基板側識別表示がそれぞれ付されるようにするが、それら基板側識別表示はいずれも、同種の実装用電子部品に対応して付される基板側識別表示を含めて、第1制御部MCGが有する挿入実装領域内におけるいずれの基板側識別表示とも異なるユニークな態様(例えば、「?」や「*」などの特別の表示態様)とされるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、第2基板や第3基板がそれぞれ挿入実装される位置近傍に付される基板側識別表示(第1基板の実装面)を確認したとしても、その態様は、同種の実装用電子部品に対応して付されている基板側識別表示とも異なるユニークな態様とされていることから、第2基板や第3基板に表面実装されているディスクリート部品としていずれの種別がそれぞれ実装されているかを認識し難くすることが可能とされるようになる。
ただし、このように上記第2基板や上記第3基板がいずれの種別の電子部品として機能するものであるかを秘匿にして回路理解の困難性を高める構造を採用するようにした場合、その種別を把握するために、悪意を持った者にモールド部材が削られて内部素子の確認を試みるような行為がなされることが懸念される。
したがって、上記第2基板や上記第3基板については、まず、それら基板上に形成される表面実装面(モールドされた状態にある表面実装面)において基板側識別表示が何ら付されないようにすることが、悪意を持った者にモールド部材が削られてその内部の確認を試みるような行為がなされたとしても、該ディスクリート部品としていずれの種別が実装されているかを認識し難くするようにする上で望ましい。
またさらに、上記第2基板や上記第3基板に形成された表面実装領域に表面実装される各ディスクリート部品については、第1基板に形成された挿入実装領域に挿入実装されるディスクリート部品の多くとは異なる色の第1モールド部材によってモールドして構成されるようにした上で、その実装対象とされる第2基板または第3基板共々に該特定色と同じまたは同系色の第2モールド部材によってさらにモールドされた1つの電子部品として、上記第1基板に形成された挿入実装領域に対して挿入実装されるようにすることが望ましい。このような構成によれば、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板や第3基板を、他の挿入実装部品と同じような形態でモールドして上記第1基板に対して挿入実装した場合であっても、ホール側の管理者は、それら第2基板や第3基板がどこにあるのかを容易に発見可能であり、第2基板や第3基板に対して不正がなされているか否かの確認を容易化させることができるようになる。
なおこの場合、悪意のある者に対しても、不正抑制性能に劣る表面実装領域(第2基板または第3基板)がいずれに設けられているのかについての情報把握の手助けをしてしまうことになりかねない。この点、上記構成では、表面実装領域に対して表面実装されているディスクリート部品を上記第2基板または上記第3基板共々に第2モールド部材によってモールドすることにより該電子部品としての種別を秘匿にして回路理解の困難性を高めていることはもとより、該第2モールド部材を、当該表面実装されているディスクリート部品が有する第1モールド部材に配される特定色と同じまたは同系色によって設けるようにしている。すなわちこの場合、表面実装領域に対して表面実装されているディスクリート部品の種別を把握するために、第2モールド部材が悪意を持った者に削られてその内部の確認を試みるような行為がなされたとしても、第2基板または第3基板共々にモールドしている第2モールド部材を削っている状態にあるのか、その内部にある第1モールド部材を削っている状態にあるのかを把握し難くすることができるようになり、これによって該電子部品としての種別を秘匿にして回路理解の困難性を好適に維持することが期待されるようになる。
また上述の通り、この説明例では、第1基板の挿入実装面のうち、第2基板や第3基板が1つの電子部品としてそれぞれ挿入実装される各位置の近傍には、同じ実装面上におけるいずれの基板側識別表示とも異なるユニークな態様(例えば、「?」や「*」などの特別の表示態様)をもった基板側識別表示が付されるようにしている。ただし、このようなユニークな態様をもった基板側識別表示のみが付されるようにしてしまうと、ホール側としてもいずれの種別の電子部品として機能するものであるかを把握できず、保守・管理に悪影響を及ぼしてしまう懸念がある。そこで、第1基板の挿入実装面のうち、第2基板や第3基板が1つの電子部品としてそれぞれ挿入実装される各位置の近傍では、比較的視認し易い位置にユニークな態様をもった基板側識別表示が付されるようにするほか、比較的視認し難い位置(モールドされた第2基板や第3基板の直下など)に同じ実装面上にある同種の実装用電子部品(または、異なる基板上にある同種の実装用電子部品)に対応して付されている基板側識別表示と同じ態様をもった基板側識別表示も秘かに付されるようにしておくことが望ましい。
また上述の通り、この説明例では、上記第2基板の表面実装領域には、主制御基板1310が有する基板に対して実装される各種のディスクリート部品のうち特定種別(例えば、ショットキーバリアダイオード)のディスクリート部品(実装用電子部品)のみが表面実装されている。また、上記第3基板の表面実装領域には、主制御基板1310が有する基板に対して実装される各種のディスクリート部品のうち特定種別とは異なる一の種別(例えば、比較的小さな特定容量をもったコンデンサ)のディスクリート部品(実装用電子部品)のみが表面実装されている。これらの構成によれば、上記第2基板や上記第3基板これら単体では、特定機能を持ったディスクリート回路(例えば、バックアップ回路やフィルタ回路など)として機能し得ないことは明らかである。すなわち、モールドされた基板(第2基板または第3基板)に形成された表面実装領域に表面実装される実装用電子部品と、該基板(第2基板または第3基板)とは異なる基板(ここでは、第1基板)に形成された挿入実装領域に表面実装される実装用電子部品とによって特定のディスクリート回路を構成するようにすることで、回路理解の困難性を高めたり、モールドされた基板(第2基板または第3基板)これ自体の差し替えが困難化(モールド内の構造が秘匿化されることはもとより、特定の回路機能を持たないモールド部品を自作する必要が生じるため)されて不正対策に供されることが期待されるようになる。
なお上述の通り、図117や図118を参照しつつ説明した技術を総括するにあたり、相乗効果を発揮することが期待できる順番でいくつかの技術的特徴を有する構成を説明してきたが、これらの各構成については、最良の実施形態として記載したものにすぎず、実施に際しては、それらの構成の全てを必ずしも用いなくてもよいことはもとより、それらの構成を記載した順序に関係なく適宜に組み合わせて実施することが可能である。
次に、上記実施形態及び変形例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
[技術思想1−1]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域と
を有しており、
前記複数の電子部品のうち前記表面実装領域に実装される表面実装部品の少なくとも1つは、当該表面実装部品これ自体がモールド樹脂によってモールドされてなるものであるにもかかわらず、該モールド樹脂とは別のモールド樹脂によっても、その実装対象とされる前記表面実装領域共々にモールドされる
ことを特徴とする遊技機。
[技術思想1−2]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる第1制御部と、
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理の結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記第2制御部のベース板には、電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域とのうち、前記表面実装領域のみが設けられており、
前記第1制御部のベース板には、前記挿入実装領域と前記表面実装領域との両方が設けられており、
前記複数の電子部品のうち前記第1制御部のベース板に設けられる前記表面実装領域に実装される第1側表面実装部品と、前記第2制御部のベース板に設けられる前記表面実装領域に実装される第2側表面実装部品とはいずれもそれ自体がモールド樹脂によってモールドされてなるものであるにもかかわらず、前記第1側表面実装部品と前記第2側表面実装部品とのうちの前記第1側表面実装部品については、さらに、当該第1側表面実装部品それ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によっても、その表面実装領域共々にモールドされる
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想1−1,1−2では、不正抑制性能に劣る表面実装領域に実装される表面実装部品については、これ自体がモールド樹脂によってモールドされてなるものであるにもかかわらず、該モールド樹脂とは別のモールド樹脂によって、その実装対象とされる上記表面実装領域とともに一体にモールドされるようにしたことから、不正抑制性能に劣る表面実装領域に対して何らかの不正を施すことが極めて困難とされるようになる。
[技術思想2]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品のうちの挿入実装部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される挿入実装板と、
電子部品のうちの表面実装部品に設けられた表面実装用リード部が表面上に置かれるかたちで実装される表面実装板と
を有しており、
前記表面実装板には、
当該表面実装板から外側へと延びて前記挿入実装板に挿入可能とされるように形成された特殊挿入実装用リード部を有する特殊表面実装板
が少なくとも含まれており、
前記特殊表面実装板上には、
当該特殊表面実装板に実装される表面実装部品の表面実装用リード部と前記特殊挿入実装用リード部とを電気的に接続するように形成された配線部
が設けられており、
前記特殊表面実装板に実装される表面実装部品は、
前記表面実装用リード部と前記特殊挿入実装用リード部とのうち前記特殊挿入実装用リード部のみがモールド樹脂の外側に引き出されるかたちとなるように前記特殊表面実装板とともに一体にモールドされ、前記特殊挿入実装用リード部を有する一の電子部品として前記挿入実装板に実装される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想2では、不正抑制性能に劣る表面実装領域に実装される表面実装部品を、不正抑制性能に優れる挿入実装領域に実装される一の挿入実装部品であるかのように機能させることができるようになることから、悪意のある者の不正目的の対象から外されることが期待されうるようになる。
[技術思想3]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品のうちの挿入実装部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される挿入実装板と、
電子部品のうちの表面実装部品に設けられた表面実装用リード部が表面上に置かれるかたちで実装される表面実装板と
を有しており、
前記表面実装部品には、
単機能素子がモールド樹脂によりモールドされてなるディスクリート表面実装部品が少なくとも含まれており、
前記ディスクリート表面実装部品は、
当該ディスクリート表面実装部品これ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によってその実装対象とされる表面実装板とともに一体にモールドされることにより相対的に大きな外観形状であり、且つ前記特定制御部のベース板に実装される全ての電子部品のいずれとも異なる外観形状を有する
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想3では、演算処理装置などと比較して限定的な機能しか持ち得ない単なるディスクリート表面実装部品に対し、二重のモールド樹脂で保護するといった過剰なセキュリティ性能を付与した上で、悪意ある者の注意をあえて引きつける外観形状としてユニークであり且つ比較的大きな外観形状を持たせるようにしている。すなわちこの場合、特定制御部内にて施された過剰なセキュリティ性能を第三者に見せ付けることができるようになることから、不正行為を行おうとする意欲の減退が期待されうるようになる。
[技術思想4]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域と
を有しており、
前記特定制御部のベース板において、前記表面実装領域は、各々の領域が相対的に小さな領域となるように複数箇所に分散して設けられるのに対し、前記挿入実装領域は、前記分散して設けられる表面実装領域の少なくとも1つを囲む相対的に大きな領域として設けられる
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想4では、不正抑制性能に劣る表面実装領域を、一箇所に纏めず、分散させることによりこれを小分けにして目立たなくさせた上で、不正抑制性能に優れて相対的に大きな領域として設けられる挿入実装領域のなかに紛れ込ませるかたちで配置させるようにしている。したがって、悪意のある者が特定制御部のベース板を見たときに表面実装領域が存在していることに気付き難くさせることができるようになり、不正部品の搭載に対する抑制性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
[技術思想5]
複数の電子回路が形成されるベース板を有し、それらの電子回路を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の電子回路には、
前記制御用電源が遮断されるときに所定の記憶部に対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路が、いずれも単機能素子の電子部品であるコンデンサ及びダイオードを少なくとも有するディスクリート回路として含まれており、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域と
を有し、
前記挿入実装領域は、
前記表面実装領域に実装される電子部品が当該挿入実装領域に実装される電子部品のいくつかと隣接するように、前記表面実装領域を囲む相対的に大きな領域として設けられており、
前記バックアップ電源回路は、
前記制御用電源が遮断されるときに所定の記憶部に対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源供給機能をもったディスクリート回路として設けられるにもかかわらず、該ディスクリート回路が有する前記コンデンサ及び前記ダイオードのうちの一方の電子部品は、前記挿入実装領域によって囲まれる前記表面実装領域に対して実装され、他方の電子部品は、前記挿入実装領域のうち、前記表面実装領域に実装される前記一方の電子部品と隣接しない位置にて実装される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想5では、特定の電気的機能(バックアップ電源供給機能)を発揮することを目的とした一のディスクリート回路であるにもかかわらず、ベース板上では、挿入実装領域に対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品と、表面実装領域に対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品とが混在するようになる。したがって、特定制御部のベース板を第三者が視認したときに、それらが特定の電気的機能(バックアップ電源供給機能)を発揮するために電気的に密接な役割を持っていることを想起し難くさせることができるようになり、こうした回路理解の困難性を高めることで、不正の抑制が期待されうるようになる。
しかも、不正抑制性能に劣る表面実装領域を、不正抑制性能に優れて相対的に大きな領域として設けられる挿入実装領域のなかに紛れ込ませるかたちで配置させた上で、特定の電気的機能(バックアップ電源供給機能)を発揮することを目的とした一のディスクリート回路に含まれるコンデンサ及びダイオードを互いに隣接させないかたちとなるように配置させるようにしている。したがって、不正抑制性能に劣る表面実装領域の存在に気付き難くさせることができるとともに、該存在に気付かれた場合であっても、表面実装領域に実装されている電子部品が他の電子部品と連携して、いかなる電気的機能を発揮するために実装されているものであるかを想起し難くさせることができるようになり、こうした回路理解の困難性を一層高めることで、不正の抑制が好適に期待されうるようになる。
[技術思想6]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される挿入実装板と、
電子部品に設けられた表面実装用リード部が表面上に置かれるかたちで実装される表面実装板と
を有しており、
前記表面実装板には、
当該表面実装板から外側へと延びて前記挿入実装板に挿入可能とされるように形成された特殊挿入実装用リード部を有する特殊表面実装板
が少なくとも含まれており、
前記特殊表面実装板は、
当該特殊表面実装板に実装される電子部品の表面実装用リード部と前記特殊挿入実装用リード部とを電気的に接続するように形成された配線部を有するとともに、前記挿入実装板に対して互いの実装面が概ね直交するかたちとなるように前記特殊挿入実装用リード部が前記挿入実装板に挿入されて配設される。
ことを特徴とする遊技機。
一般に、表面実装板に実装される部品は、扁平な形状を有していることが多い。この点、上記技術思想6では、挿入実装板に対して互いの実装面が概ね直交するかたちとなるように上記特殊表面実装板を配設するようにしている。すなわちこの場合、相対的に大きい面積を有する扁平面ではなく、相対的に小さな面積しか有していない肉薄面が上記挿入実装板に対向するようになることから、挿入実装板として電子部品を実装可能な領域(表面積)が僅かしか残されていない状況においても上記特殊表面実装板を配設することができるようになる。
[技術思想7]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される挿入実装板と、
電子部品に設けられた表面実装用リード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装板と
を有しており、
前記複数の電子部品のうち前記表面実装板に実装される表面実装部品には、前記挿入実装板に設けられる特定の挿入孔の設置間隔内に収まる大きさをもった特定の表面実装部品が含まれており、
前記特定の表面実装部品は、
前記特定の挿入孔の設置間隔内に収まる大きさであるにもかかわらず、当該特定の表面実装部品これ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によってその実装対象とされる表面実装板とともに一体にモールドされることにより、前記特定の挿入孔の設置間隔内に収まらない大きさをもった一の電子部品としての外観形状を有する
ことを特徴とする遊技機。
すなわち、特定の表面実装部品を上記挿入実装板における挿入孔の設置間隔よりも小さい外観形状のままにしておいた場合、特定制御部内に不正抑制性能に劣る表面実装領域が設けられていることを第三者に気付かれやすくなってしまい、ひいては不正行為を助長しかねない。
この点、上記技術思想7では、特定の表面実装部品を、当該特定の表面実装部品これ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によってその実装対象とされる表面実装板とともに一体にモールドすることで、特定の挿入孔の設置間隔内に収まらない大きさをもった一の電子部品としての外観形状が現れるようにしたことから、特定制御部内に不正抑制性能に劣る表面実装領域が設けられていることを第三者に気付かれ難くすることができるようになる。
[技術思想8]
複数の実装用電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部のベース板は、
実装用電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、
実装用電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域と
を有しており、
前記第1制御部のベース板には、前記表面実装領域が形成された基板として少なくとも第1基板と第2基板とが含まれており、
前記第1基板は、
その表面実装領域に対して前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのいずれもが実装されず、該表面実装領域としてのパターン配線が露にされた状態のままで当該遊技機の後方側を向くかたちで配設されており、
前記第2基板は、
その表面実装領域に対して前記集積回路部品と前記ディスクリート部品とのうちの前記集積回路部品は実装されず前記ディスクリート部品のみが実装されて、当該遊技機の後方側とは異なる方向を向くかたちで配設される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想8では、何らの実装用電子部品も実装されず空きの状態になっている表面実装領域が形成された第1基板をあえて用意し、この第1基板を、該表面実装領域としてのパターン配線が露にされた状態のままで当該遊技機の後方側を向くかたちで配設するようにしている。すなわちこの場合、遊技機の後方側から悪意ある者が不正行為を行おうとするときに、「不正抑制性能に劣る表面実装領域には何らの実装用電子部品も実装されず、遊技機として高い不正抑制性能が備わっている」ことをアピールする広告塔としての役割を担うようになり、これによって不正部品が搭載されることを抑制することが期待されるようになる。
またその一方で、第2基板では、当該遊技機の後方側とは異なる方向を向くかたちで配設させてその存在が気付かれ難くなるようにした上で、その表面実装領域に対して集積回路部品とディスクリート部品とのうち不正対象になり易い集積回路部品は実装されず不正対象になり難いディスクリート部品のみが実装されるようにしている。すなわちこの場合、上記第1基板が存在することとも相まって当該第2基板これ自体の存在に気付かれ難くすることができることはもとより、該存在に気付かれた場合であっても、不正抑制性能に劣る表面実装領域には不正対象になり難いディスクリート部品のみが実装されていることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
[技術思想9]
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部の基板は、
実装用電子部品に設けられたリード部が当該基板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域が形成された第1基板、及び
実装用電子部品に設けられたリード部が当該基板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域と、外側へと延びて前記第1基板の挿入実装領域に挿入可能とされる特殊挿入実装用リード部とがそれぞれ形成された第2基板
を有しており、
前記第1基板には、
前記挿入実装部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装可能とされる挿入実装領域と、前記表面実装部品に設けられた表面実装用リード部が表面上に置かれるかたちで実装可能とされる表面実装領域との両方が形成されるが、当該第1基板に形成されている表面実装領域には何らの実装用電子部品も実装されず該表面実装領域としてのパターン配線が露にされた状態のままとされており、
前記第2基板には、
前記挿入実装領域と前記表面実装領域とのうち前記表面実装領域のみが形成されており、前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのうち前記ディスクリート部品のみがその実装対象とされる当該第2基板共々にモールドされた1つの電子部品として、前記第1基板の挿入実装領域に対して前記特殊挿入実装用リード部が挿入されることで、前記第1基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想9では、不正抑制性能に劣る表面実装領域として、何らの実装用電子部品も実装されず該表面実装領域としてのパターン配線が露にされた状態になっている表面実装領域(第1基板)と、ディスクリート部品と集積回路部品とのうち不正対象にされ難いディスクリート部品のみが表面実装された状態で基板共々にモールドされた状態になっている表面実装領域(第2基板)とを備えている。すなわちこの場合、遊技機の後方側から悪意ある者が不正行為を行おうとするときに、実装用電子部品が実装されている表面実装領域についてはこれを視認困難とした状態で、何らの実装用電子部品も実装されていない表面実装領域のみが視認可能とされるようになることから、該表面実装領域が、「不正抑制性能に劣る表面実装領域には何らの実装用電子部品も実装されず、遊技機として高い不正抑制性能が備わっている」ことをアピールする広告塔としての役割を担うようになり、これによって不正部品が搭載されることを抑制することが期待されるようになる。
しかも、上記広告塔としての役割を担う表面実装領域が形成された第1基板には、該表面実装領域のほか、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成されており、該挿入実装領域に対して、上記基板共々にモールドされた状態になっている表面実装領域(第2基板)を挿入実装するようにしている。すなわちこの場合、「表面実装部品が実装されていない」ことを印象付けた基板(第1基板)内のうち不正抑制性能に優れる挿入実装領域のなかに、不正抑制性能に劣る表面実装領域(第2基板)をモールドにより視認困難とされるかたちで紛れ込ませるようにしたことから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
[技術思想10]
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部の基板は、
実装用電子部品に設けられたリード部が当該基板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域が形成された第1基板、及び
実装用電子部品に設けられたリード部が当該基板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域が形成された第2基板
を有しており、
前記第1基板では、
一方側の面に実装用電子部品は実装されず、且つ他方側の面に前記ディスクリート部品と前記集積回路部品との両方がそれぞれ実装された状態で、該他方側の面が当該遊技機の後方側を向くかたちで配設されるのに対し、
前記第2基板では、
一方側の面に実装用電子部品は実装されず、且つ他方側の面に前記集積回路部品と前記ディスクリート部品とのうちの前記集積回路部品は実装されず前記ディスクリート部品のみが実装されてモールド部材によりモールドされた状態で、前記一方側の面と前記他方側の面とのいずれもが当該遊技機の後方側とは異なる方向を向くかたちで前記第1基板に対して実装される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想10では、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成された第1基板については、一方側の面に実装用電子部品は実装されず、且つ他方側の面にディスクリート部品と集積回路部品との両方がそれぞれ実装された状態で、該他方側の面が当該遊技機の後方側を向くかたちで配設されるようにしたことから、不正対象になり易い集積回路部品が実装される基板(第1基板)として不正部品の搭載に対する抑制性能と監視容易性とをそれぞれ好適に確保することができるようになる。
また、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板については、一方側の面に実装用電子部品は実装されず、且つ他方側の面に不正対象になり易い集積回路部品は実装されず不正対象になり難いディスクリート部品のみが実装されるようにしていることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
しかも、上記第2基板では、ディスクリート部品が実装される表面実装領域を、当該基板共々にモールド部材によりモールドした状態で、上記一方側の面と上記他方側の面とのいずれもが当該遊技機の後方側とは異なる方向を向くかたちで配設されるようにしている。すなわちこの場合、不正抑制性能に劣る表面実装領域を、不正部品の搭載が実質的に不可能とされる特別な領域として機能させて、不正部品の搭載に対する監視が必要とされる対象(遊技機後方側からの確認対象)から外すことができるようになる。
また、こうして不正部品の搭載に対する監視対象から外した表面実装領域(第2基板)については、該基板の薄肉部が後方側を向く(一方側の面と他方側の面とのいずれもが当該遊技機の後方側とは異なる方向を向く)ように上記第1基板に対して実装されるようにしたことから、該第1基板との間に大きなスペースを生み出すことなく上記モールドされた状態の第2基板を実装することが可能とされるようになる。
[技術思想11]
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部の基板は、
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品との両方がそれぞれ挿入実装される挿入実装領域が形成された第1基板、
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのうち前記集積回路部品は実装されず、前記ディスクリート部品のうち特定種別の実装用電子部品が表面実装される表面実装領域が形成された第2基板、及び
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのうち前記集積回路部品は実装されず、前記ディスクリート部品のうち特定種別とは異なる種別の実装用電子部品が表面実装される表面実装領域が形成された第3基板
を有しており、
前記第2基板及び前記第3基板は、
それらの基板に対してそれぞれ表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた各別の電子部品として設けられて、且つ前記第1基板に形成された挿入実装領域に対してそれぞれ挿入実装されることにより前記第1基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされており、
前記第2基板及び前記第3基板をモールドする各部材には、それらの基板に対してそれぞれ表面実装されているディスクリート部品の種別に応じた部品側識別表示がそれぞれ付されており、該部品側識別表示の付された面がいずれも特定方向を向くようにそれぞれ配される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想11では、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成された第1基板には、不正対象にされ易い集積回路部品と不正対象にされ難いディスクリート部品との両方が実装される一方で、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2,第3基板には、不正対象にされ難いディスクリート部品のみが各基板の別に異なる種別でそれぞれ実装されることとなる。
したがって、不正抑制性能に優れる挿入実装領域側に実装される実装用電子部品についてはこれまで通りの不正抑制機能が維持されることはもとより、不正抑制性能に劣る表面実装領域側に実装される実装用電子部品についても、第2,第3基板毎にそれらに応じた種別の形状をもった実装用電子部品がそれぞれ実装されているかの確認(該当の基板に実装されるべきでない種別の電子部品が実装されていないかの確認)が容易とされるようになることから、仮に不正がなされたとしてもそれを容易に発見可能としつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
しかも、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成される第2基板及び第3基板については、それらの基板に対してそれぞれ表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた各別の電子部品として設けられて、且つ第1基板に形成された挿入実装領域に対してそれぞれ挿入実装されることにより第1基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされるようにしている。すなわちこの場合、表面実装部品として本来は設けられる特定種別のディスクリート部品と該特定種別とは異なる種別のディスクリート部品とを、あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対してそれぞれ挿入実装させることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
またさらに、第2基板及び第3基板をモールドする各部材には、それらの基板に対してそれぞれ表面実装されているディスクリート部品の種別に応じた部品側識別表示がそれぞれ付されており、該部品側識別表示の付された面がいずれも特定方向を向くようにそれぞれ配されるようにしている。すなわちこの場合、第1基板に対してそれぞれ挿入実装された第2基板、第3基板に対して付されている「部品側識別表示の種別」と「モールド部材に現れるべき形状」とが一対一対応させることができるようになることから、部品のすり替えが発生していないかについての不正監視を容易化させることができるようになる。
[技術思想12]
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部の基板は、
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品との両方がそれぞれ挿入実装される挿入実装領域が形成された第1基板、及び
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのうち前記集積回路部品は実装されず、前記ディスクリート部品が表面実装される表面実装領域が形成された第2基板
を有しており、
前記第2基板は、
当該基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられ、且つ前記第1基板に形成された挿入実装領域に対して互いの基板面が直交するかたちで挿入実装されることにより前記第1基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされており、
前記第1基板には、
当該基板に対して前記第2基板が1つの電子部品として挿入実装されたときの該電子部品よりも低い実装高で実装される挿入実装部品と、該電子部品よりも高い実装高で実装される挿入実装部品とがそれぞれ配設される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想12では、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成された第1基板には、不正対象にされ易い集積回路部品と不正対象にされ難いディスクリート部品との両方が実装される一方で、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板には、不正対象にされ難いディスクリート部品のみが実装されるから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
しかも、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成される第2基板は、該基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられて、且つ第1基板に形成された挿入実装領域に対して互いの基板面が直交するかたちで挿入実装されるようにしている。すなわちこの場合、表面実装部品として本来は設けられるディスクリート部品が実装される第2基板を、第1基板との間に大きなスペースを生み出すことなく、あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対して挿入実装させることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
またさらに、第1基板には、当該基板に対して上記第2基板が1つの電子部品として挿入実装されたときの該電子部品よりも低い実装高で実装される挿入実装部品と、該電子部品よりも高い実装高で実装される挿入実装部品とがそれぞれ配設されるようにしたことから、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板が、第1基板に形成された不正抑制性能に優れる挿入実装領域に実装されていることを認識し難くすることができるようになる。
[技術思想13]
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部の基板は、
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品との両方がそれぞれ挿入実装される挿入実装領域が形成された第1基板、及び
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのうち前記集積回路部品は実装されず、前記ディスクリート部品が表面実装される表面実装領域が形成された第2基板
を有しており、
前記第2基板に対して表面実装される前記ディスクリート部品は、前記第1基板に対して挿入実装される前記ディスクリート部品の多くとは異なる特定色の第1モールド部材によってモールドされて構成されるものであり、
前記第2基板は、
当該基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々に前記特定色と同じまたは同系色の第2モールド部材によりモールドされた1つの電子部品として設けられ、且つ前記第1基板に形成された挿入実装領域に対して挿入実装されることにより前記第1基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされる
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想13では、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成された第1基板には、不正対象にされ易い集積回路部品と不正対象にされ難いディスクリート部品との両方が実装される一方で、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板には、不正対象にされ難いディスクリート部品のみが実装されるから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
しかも、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成される第2基板は、該基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられて、且つ第1基板に形成された挿入実装領域に対して挿入実装されるようにしている。すなわちこの場合、表面実装部品として本来は設けられるディスクリート部品が実装される第2基板を、あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対して挿入実装させることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
また、第2基板に形成された表面実装領域に表面実装されるディスクリート部品については、第1基板に形成された挿入実装領域に挿入実装されるディスクリート部品の多くとは異なる色の第1モールド部材によってモールドして構成されるようにした上で、その実装対象とされる第2基板共々に該特定色と同じまたは同系色の第2モールド部材によってさらにモールドされた1つの電子部品として構成するようにしている。
したがって、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板を、他の挿入実装部品と同じような形態でモールドして上記第1基板に対して挿入実装した場合であっても、ホール側の管理者は、該第2基板がどこにあるのかを容易に発見可能であり、該第2基板に対して不正がなされているか否かの確認を容易化させることができるようになる。ただしこの場合、悪意のある者に対しても、不正抑制性能に劣る表面実装領域(第2基板)がいずれに設けられているのかについての情報把握の手助けをしてしまうことになりかねない。
この点、上記構成では、表面実装領域に対して表面実装されているディスクリート部品を上記第2基板共々に第2モールド部材によってモールドすることにより該電子部品としての種別を秘匿にして回路理解の困難性を高めていることはもとより、該第2モールド部材を、当該表面実装されているディスクリート部品が有する第1モールド部材に配される特定色と同じまたは同系色によって設けるようにしている。すなわちこの場合、表面実装領域に対して表面実装されているディスクリート部品の種別を把握するために、第2モールド部材が悪意を持った者に削られてその内部の確認を試みるような行為がなされたとしても、第2基板共々にモールドしている第2モールド部材を削っている状態にあるのか、その内部にある第1モールド部材を削っている状態にあるのかを把握し難くすることができるようになり、これによって該電子部品としての種別を秘匿にして回路理解の困難性を好適に維持することが期待されるようになる。
[技術思想14]
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって遊技の進行処理が実行されうる第1制御部と、
複数の実装用電子部品が実装される基板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の実装用電子部品には、
単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるディスクリート部品と、複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される集積回路部品とが含まれており、
前記第1制御部の基板は、
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品との両方がそれぞれ挿入実装される挿入実装領域が形成された第1基板、及び
前記ディスクリート部品と前記集積回路部品とのうち前記集積回路部品は実装されず、前記ディスクリート部品が表面実装される表面実装領域が形成された第2基板
を有しており、
前記第2基板は、
該基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられて、且つ前記第1基板に形成された挿入実装領域に対して挿入実装されることにより前記第1基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされており、
前記第2基板の実装面には、該基板に対して表面実装されるディスクリート部品に対応した基板側識別表示が何ら付されず、且つ前記第1基板の実装面には、前記1つの電子部品としての前記第2基板が挿入実装される位置に対応して特定の基板側識別表示が付されるが、該特定の基板側識別表示は、同種の実装用電子部品に対応して付される基板側識別表示を含めて、当該遊技機の挿入実装領域内で付されている基板側識別表示のいずれとも異なるユニークな態様とされる
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想14では、不正抑制性能に優れる挿入実装領域が形成された第1基板には、不正対象にされ易い集積回路部品と不正対象にされ難いディスクリート部品との両方が実装される一方で、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された第2基板には、不正対象にされ難いディスクリート部品のみが実装されるから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
しかも、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成される第2基板は、該基板に対して表面実装されるディスクリート部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられて、且つ第1基板に形成された挿入実装領域に対して挿入実装されるようにしている。すなわちこの場合、表面実装部品として本来は設けられるディスクリート部品が実装される第2基板を、あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対して挿入実装させることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
またさらに、第2基板の実装面(表面実装面)には、該基板に対して表面実装されるディスクリート部品に対応した基板側識別表示が何ら付されず、且つ前記第1基板の実装面には、前記1つの電子部品としての前記第2基板が挿入実装される位置に対応して特定の基板側識別表示が付されるが、該特定の基板側識別表示は、同種の実装用電子部品に対応して付される基板側識別表示を含めて、第1制御部や第2制御部内で付される基板側識別表示のいずれとも異なるユニークな態様とされるようにしている。すなわちこの場合、第1基板の実装面に付される特定の基板側識別表示を確認したとしても、その態様は、同種の実装用電子部品に対応して付されている基板側識別表示とも異なるユニークな態様とされていることから、第2基板に表面実装されているディスクリート部品としていずれの種別が実装されているかを認識し難くすることが可能である。また、表面実装領域に対して表面実装されているディスクリート部品の種別を把握するために、悪意を持った者にモールド部材が削られてその内部の確認を試みるような行為がなされたとしても、該ディスクリート部品としていずれの種別が実装されているかを認識し難くすることが可能である。
[技術思想15]
複数の電子回路が形成されるベース板を有し、それらの電子回路を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる第1制御部と、
複数の電子回路が形成されるベース板を有し、それらの電子回路を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記第1制御部に設けられる前記複数の電子回路には、
単機能素子の実装用電子部品から構成されて、特定の電気的機能を発揮することを目的とした特定のディスクリート回路が含まれており、
前記第1制御部のベース板は、互いに異なる基板上に形成された挿入実装領域と表面実装領域とを有するものであり、
前記ベース板のうち前記表面実装領域が形成される特定基板では、前記特定のディスクリート回路を構成する複数種別の実装用電子部品のうち特定種別の実装用電子部品のみが表面実装されて該特定種別の実装用電子部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられ、且つ当該特定基板とは異なる基板上に形成された前記挿入実装領域に挿入実装されることにより該異なる基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされるものであり、
前記特定のディスクリート回路を構成する複数種別の実装用電子部品のうち前記特定種別とは異なる他の実装用電子部品は、前記特定基板とは異なる基板上に形成された前記挿入実装領域に挿入実装される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想15では、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成された特定基板には、不正対象にされ難いディスクリート部品(特定のディスクリート回路を構成する実装用電子部品)のみが実装されることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
しかも、不正抑制性能に劣る表面実装領域が形成される特定基板では、特定のディスクリート回路を構成する複数種別の実装用電子部品のうち特定種別の実装用電子部品のみが表面実装されて該特定種別の実装用電子部品共々にモールドされた1つの電子部品として設けられ、且つ当該特定基板とは異なる基板上に形成された上記挿入実装領域に挿入実装されることにより該異なる基板に実装される各種の挿入実装部品との間で電気的に接続可能とされるようになっている。
すなわちこの場合、表面実装部品が実装される特定基板を、あたかも挿入実装部品であるかのように第1基板に対して挿入実装させることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。また、上記特定基板では、特定のディスクリート回路を構成する実装用電子部品のうち特定種別の実装用電子部品のみが表面実装されることから、表面実装領域に対して不正がなされているかの確認を容易化することができるようになる。また、上記特定基板を、特定種別の実装用電子部品共々にモールドした状態で、その他の実装用電子部品が挿入実装される別基板に対して挿入実装するようにしたことから、モールドされた特定基板内に形成された表面実装領域と、該特定基板とは異なる基板に形成された挿入実装領域とにわたって形成される特定のディスクリート回路に対する回路理解の困難性を高めて不正対策に供されることが期待されるようになる。
[13.主制御基板の送受信に関する各種コマンド]
次に、主制御基板1310から払出制御基板951へ送信される各種コマンドと、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される各種コマンドについて、図88〜図91を参照して説明する。図88は主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図89は主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図90は図89の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルであり、図91は主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。まず、主制御基板から払出制御基板へ送信される払い出しに関するコマンドである賞球コマンドについて説明し、続いて主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドについて説明し、主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドについて説明する。
[13−1.主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンド]
主制御基板1310の主制御MPU1310aは、図69に示した、一般入賞口センサ4020,4020、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びカウントセンサ4005等の各種入賞スイッチからの検出信号が入力されると、これらの検出信号に基づいて、予め定めた球数の遊技球を賞球として払い出すための賞球コマンドを払出制御基板へ送信する。この賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドである。本実施形態では、パチンコ機1とCRユニット6(パチンコ機1と通信して、パチンコ機1(払出装置830)の払出モータ834を駆動して貯留皿である、上皿321や下皿322に貸球として遊技球を払い出す装置)とが電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ機を「CR機」という。)、図88(a)に示すように、主制御基板1310から払出制御基板951に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板951は、払出モータ834を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ機1と球貸し機(遊技球を貯留皿である、上皿321や下皿322に貸球として直接払い出す装置)とが遊技場(ホール)に隣接して設置され、パチンコ機1と球貸し機が電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ機を「一般機」という。)、図88(b)に示すように、主制御基板1310から払出制御基板951に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板951は、払出モータ834を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンドとして、図88(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。
送信側は、コマンド送信後、所定期間、受信側からコマンドの受け取り確認として出力するACK信号が入力されない場合に、コマンド30Hを送信して、ACK信号が入力されるか否かをチェックすることで接続状態を確認する。本実施形態におけるCR機の場合では、払出制御基板951がCRユニット6との接続状態を確認する。
[13−2.主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンド]
次に、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される各種コマンドについて説明する。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、遊技の進行に基づいて周辺制御基板1510に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、図89及び図90に示すように、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、から構成されている。
各種コマンドは、図89及び図90に示すように、特図1同調演出関連、特図2同調演出関連、大当り関連、電源投入、普図同調演出関連、普通電役演出関連、報知表示、状態表示、及びその他に区分されている。
[13−2−1.特図1同調演出関連]
特図1同調演出関連は、図69に示した第一始動口センサ4002からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図89に示すように、図69に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403に関する、特図1同調演出開始、特別図柄1指定、特図1同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。
これらの各種コマンドには、ステータスとして「A*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図1同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄1指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図1同調演出終了コマンドは、特図1同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。なお、確率及び時短状態には、低確率状態であって時短状態であることを指示する低確率時短状態と、高確率状態であって時短状態であるを指示する高確率時短状態と、低確率状態であって時短状態でないことを指示する低確率非時短状態と、高確率状態であって時短状態でないことを指示する高確率非時短状態と、から構成されている(通常遊技状態としては、低確率非時短状態が設定されている)。ここで、高確率状態は、大当りする確率が低確率状態(通常遊技状態)と比べて高く設定されるという状態であり、時短状態は、例えば、図10に示した普通図柄表示器1402による普通図柄を変動表示する時間を、非時短状態(通常遊技状態)と比べて、短くして普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示することにより、所定時間における後述する普通抽選による普通抽選結果の停止表示回数を非時短状態と比べて多くするとともに、さらに、図8に示した一対の可動片を開閉動作させる期間を、非時短状態(通常遊技状態)と比べて、長くして図8に示した第二始動口2004への遊技球の受入率(入球率)を高めることにより持ち球を減らさず特別図柄の抽選機会を得ることができるという状態(換言すると、非時短状態と比べて、一対の可動片を開閉動作させるか否かの決定を多くするとともに、一対の可動片を開閉動作させる場合には一対の可動片の開閉動作の期間を長くすることにより、第二始動口2004への遊技球の受入率(入球率)を高めるという状態)である。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図1同調演出開始コマンドは、特別図柄1変動開始時に送信され、特別図柄1指定コマンドは、特図1同調演出開始の直後に送信され、特図1同調演出終了コマンドは、特別図柄1変動時間経過時(特別図柄1確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、特図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−2.特図2同調演出関連]
特図2同調演出関連は、図69に示した第二始動口センサ4004からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図89に示すように、図69に示した機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405に関する、特図2同調演出開始、特別図柄2指定、及び特図2同調演出終了という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「B*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。
)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図2同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄2指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図2同調演出終了は、特図2同調演出終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図2同調演出開始コマンドは、特別図柄2変動開始時に送信され、特別図柄2指定コマンドは、特図2同調演出開始の直後に送信され、特図2同調演出終了コマンドは、特別図柄2変動時間経過時(特別図柄2確定時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−3.大当り関連]
大当り関連という区分には、図89に示すように、大当りオープニング、大入賞口1開放N回目表示、大入賞口1閉鎖表示、大入賞口1カウント表示、大当りエンディング、大当り図柄表示、小当りオープニング、小当り開放表示、小当りカウント表示、及び小当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「C*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始を指示するものであり、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放中開始(図8に示した、始動口ユニット2100の大入賞口2005のN回目のラウンドの開放中又は開放開始)を指示するものであり、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、ラウンド間の大入賞口1閉鎖中開始(始動口ユニット2100の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖中又は閉鎖開始)を指示するものであり、大入賞口1カウント表示コマンドは、カウント0〜10個の遊技球の球数をカウントした旨(図69に示したカウントセンサ4005によって検出された、大入賞口2005に入球した遊技球の球数)を伝えるものであり、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始を指示するものであり、大当り図柄表示コマンドは、大当り図柄情報表示を指示するものである。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始を指示するものであり、小当り開放表示コマンドは、小当り開放中開始(小当り時における、始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放中又は開放開始)を指示するものであり、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞演出(小当り中における、大入賞口2005に入球した遊技球がカウントセンサ4005によって検出された場合における演出)を指示するものであり、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始時に送信され、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放時(始動口ユニット2100の大入賞口2005のN回目のラウンドの開放時)に送信され、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、大入賞口1閉鎖時(始動口ユニット2100の大入賞口2005の閉鎖開始)に送信され、大入賞口1カウント表示コマンドは、大入賞口1開放時及び大入賞口1へのカウント変化時(始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放時、及び大入賞口2005に入球した遊技球がカウントセンサ4005によって検出された時)に送信され、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始時に送信され、大当り図柄表示コマンドは、大入賞口開放時(始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放時)に送信される。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始時に送信され、小当り開放表示コマンドは、小当り開放時(小当り時における、始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放時)に送信され、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞時(小当り中における、大入賞口2005に入球した遊技球がカウントセンサ4005によって検出された時)に送信され、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−4.電源投入]
電源投入という区分には、図89に示すように、電源投入時状態、及び電源投入時主制御復帰先という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「D*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
電源投入時状態コマンドは、RAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである。電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、図70に示した払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。このパチンコ機の機種コードは、例えば、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など)であるのか、を特定するものである。
つまり、パチンコ機の機種コードの情報は、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、から主として構成されている。
電源投入時主制御復帰先コマンドは、主制御基板1310自体の復帰先を指示するものである。電源投入時主制御復帰先コマンドは、図69に示した始動口ソレノイド2107の駆動状態を指示する情報と、図69に示したアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する情報と、を主としてから構成されている。
電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に送信される。具体的には、パチンコ機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信される。
[13−2−5.普図同調演出関連]
普図同調演出関連は、図69に示したゲートセンサ4003からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図89に示すように、図69に示した機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402に関する、普図同調演出開始、普図柄指定、普図同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「E*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで普図同調演出開始を指示するものであり、普図柄指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、普図同調演出終了コマンドは、普図同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。なお、確率及び時短状態には、上述したように、低確率状態であって時短状態であることを指示する低確率時短状態と、高確率状態であって時短状態であるを指示する高確率時短状態と、低確率状態であって時短状態でないことを指示する低確率非時短状態と、高確率状態であって時短状態でないことを指示する高確率非時短状態と、から構成されている(通常遊技状態としては、低確率非時短状態が設定されている)。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図同調演出開始コマンドは、普通図柄1変動開始時に送信され、普図柄指定コマンドは、普図同調演出開始の直後に送信され、普図同調演出終了コマンドは、普通図柄変動時間経過時(普通図柄確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、普図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−6.普通電役演出関連]
普通電役演出関連は、図69に示した始動口ソレノイド2107の駆動により開閉される図8に示した一対の可動片に関するものであり、その区分には、図89に示すように、普図当りオープニング、普電開放表示、及び普図当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「F*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始を指示するものであり、普電開放表示コマンドは、普電開放中開始(一対の可動片が始動口ソレノイド2107の駆動により左右方向へ拡開した状態、又は拡開する時)を指示するものであり、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始時に送信され、普電開放表示コマンドは、普電開放時(一対の可動片が始動口ソレノイド2107の駆動により左右方向へ拡開する時)に送信され、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−7.報知表示]
報知表示の区分には、図90に示すように、入賞異常表示、接続異常表示、断線・短絡異常表示、磁気検出スイッチ異常表示、扉開放、及び扉閉鎖という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「6*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時(大当り中でもないのに、始動口ユニット2100の大入賞口2005に遊技球が入球してその遊技球をカウントセンサ4005が検出した時)に入賞異常報知の開始を指示するものであり、接続異常表示コマンドは、例えば、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間に亘る経路において電気的な接続異常がある場合に接続異常報知の開始を指示するものであり、断線・短絡異常表示コマンドは、例えば、主制御基板1310と、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、カウントセンサ4005等との電気的な接続の断線・短絡が生じた場合に断線・短絡異常表示の開始を指示するものであり、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、図69に示した磁気検出センサ4024に異常が生じた場合に磁気検出スイッチ異常報知の開始を指示するものである。
また、扉開放コマンドは、図70に示した、払出制御基板951を介して入力される扉枠開放スイッチ618からの検出信号(開放信号)に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して開放された状態である場合に、扉開放報知を指示するものであり、扉枠閉鎖コマンドは、その扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態である場合に扉開放報知終了を指示するものである。一方、本体枠開放コマンドは、図70に示した、払出制御基板951を介して入力される本体枠開放スイッチ619からの検出信号(開放信号)に基づいて、本体枠4が外枠2に対して開放された状態である場合に、本体枠開放報知を指示するものであり、本体枠閉鎖コマンドは、その本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して閉鎖された状態である場合に本体枠開放報知終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時に送信され、接続異常表示コマンドは、主制御基板1310から払出制御基板951へのコマンド送信時に払出制御基板951からのACK返信(ACK信号)がなかった時に送信され、断線・短絡異常表示コマンドは、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、カウントセンサ4005等のうち、いずれが断線または短絡状態となった時に送信され、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、磁気検出センサ4024の異常を検知した時に送信される。また、扉開放コマンドは、扉開放を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して開放された状態である場合)に送信され、扉枠閉鎖コマンドは、扉閉鎖を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。本体枠開放コマンドは、本体枠開放を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して開放された状態である場合)に送信され、本体枠閉鎖コマンドは、本体枠閉鎖を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−8.状態表示]
状態表示の区分には、図90に示すように、枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)、エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)及び枠状態2コマンドという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「7*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンドは、それぞれ、払出制御基板951から送信された1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、これらの詳細な説明は、後述する。なお、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、払出制御基板951からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、図90に示すように、「7*H」をステータスとして設定するとともに、その受信したコマンドをそのままモードとして設定する。つまり、主制御MPU1310aは、払出制御基板951からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、これら受信したコマンドに付加情報である「7*H」を付加することにより、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドに整形する。
整形された、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これら整形された、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−9.テスト関連]
テスト関連の区分には、図90に示すように、テストという名称の各種コマンドから構成されている。このテストコマンドには、ステータスとして「8*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
テストコマンドは、周辺制御基板1510の各種検査を指示するものである(例えば、図72に示した、周辺制御部1511、液晶表示制御部1512、ランプ駆動基板4170、モータ駆動基板4180、及び枠装飾駆動アンプ基板194等の各種基板の検査を行うものである)。
テストコマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理でテストコマンドが送信される。
[13−2−10.その他]
その他の区分には、図90に示すように、始動口入賞、変動短縮作動終了指定、高確率終了指定、特別図柄1記憶、特別図柄2記憶、普通図柄記憶、特別図柄1記憶先読み演出、及び特別図柄2記憶先読み演出という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「9*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
始動口入賞コマンドは、始動口入賞演出開始を指示するものであって、第一始動口センサ4002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した場合における演出の開始と、第二始動口センサ4004からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した場合における演出の開始と、をそれぞれ指示するものであり、変動短縮作動終了指定コマンドは、変動短縮作動状態から変動短縮非作動状態への状態移行を指示するものであり、高確率終了指定コマンドは、高確率状態から低確率状態への状態移行を指示するものであり、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1保留0〜4個(図8に示した第一始動口2002に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2保留0〜4個(図8に示した第二始動口2004に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1保留0〜4個(図8に示したゲート部2003を遊技球が通過して機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1保留が機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく第一特別図柄表示器1403による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものであり、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2保留が機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく第二特別図柄表示器1405による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、始動口入賞コマンドは、始動口入賞時(第一始動口センサ4002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した時や、第二始動口センサ4004からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した時)に、図5に示した下部スピーカ921及び図2に示した上部スピーカ573から主に音声でその旨を報知するために送信され、変動短縮作動終了指定コマンドは、規定回数の変動短縮を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、高確率終了指定コマンドは、「高確率N回」の場合の高確率回数を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1作動保留球数変化時(第一始動口2002に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第一始動口2002に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2作動保留球数変化時(第二始動口2004に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第二始動口2004に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1作動保留球数変化時(ゲート部2003を遊技球が通過して機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらにゲート部2003を遊技球が通過して保留数が増加した時や、その保留数から普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1作動保留球数増加時(第一始動口2002に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信され、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2作動保留球数増加時(第二始動口2004に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
ところで、始動口入賞コマンドは、上述したように、始動口入賞時(第一始動口センサ4002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した時や、第二始動口センサ4004からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した時)に、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から主に音声でその旨を報知するために送信されるが、図72に示した周辺制御基板1510が始動口入賞コマンドをどのように利用するかについては、パチンコ機の仕様によって異なる場合もある。例えば、本実施形態におけるパチンコ機1では、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音声で報知するほかに、不正行為の有無を監視するためにも利用するという仕様のものである。
これに対して、他のパチンコ機では、周辺制御基板1510が始動口入賞コマンドを単に受信するだけで、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音声で報知しない仕様のものもある。
[13−3.主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンド]
次に、主制御基板1310が受信する払出制御基板951からの各種コマンドについて説明する。
払出制御基板951からの各種コマンドの区分には、図91に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ及び枠状態2という名称のコマンドから構成されており、枠状態1、エラー解除ナビ、そして枠状態2の順で優先順位が設定されている。
枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)には、球切れ、満タン、50個以上のストック中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、満タンではビット1(B1)に値1がセットされ、50個以上のストック中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。枠状態1コマンドのビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)には、球がみ、払出検知センサエラー及びリトライエラーが用意されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、払出検知センサエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライエラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「払出検知センサエラー」とは、図70に示した払出検知センサ842の不具合が生じているか否かを示すものである。
「リトライエラー」とは、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球の払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。エラー解除ナビコマンドのビット(B0)、ビット(B1)、及びビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B0に値0、B1に値0、B5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
枠状態2コマンドには、球抜き中が用意されており、球抜き中ではビット0(B0)に値1がセットされる。枠状態2コマンドのビット1(B1)〜ビット7(B7)には、B1に値0、B2に値0、B3に値0、B4に値0、B5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS558のコマンド送信処理で送信される。
[14.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて、図69に示した主制御基板1310が行う各種制御処理について、図92〜図94を参照して説明する。図92は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図93は図92の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図94は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。
[14−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、図69に示した、第一特別図柄表示器1403及び第二特別図柄表示器1405で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに第一特別図柄表示器1403及び第二特別図柄表示器1405で導出表示される大当り図柄の決定に用いるための大当り図柄用乱数と、この大当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数、小当り遊技状態を発生させるときに第一特別図柄表示器1403及び第二特別図柄表示器1405で導出表示される小当り図柄の決定に用いるための小当り図柄用乱数、この小当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための小当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、図8に示した可動片を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数と、図69に示した普通図柄表示器1402で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
このような遊技制御に用いられる各種乱数のうち、大当り判定用乱数はハードウェアにより更新されるものに対して、他の各種乱数はソフトウェアにより更新されるようになっている。
例えば、大当り判定用乱数は、図69に示した主制御MPU1310aに内蔵される主制御内蔵ハード乱数回路1310anによりハードウェアにより直接更新されるようになっている。この主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、上述したように、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(図77に示した主制御水晶発振器MX0から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路1310anが繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
これに対して、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、図70に示した払出制御基板951の操作スイッチ954が電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において図69に示した主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合には、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、図69に示した主制御MPU1310aがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPU1310aを製造したメーカによって主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティー対策と、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティー対策と、による2段階のセキュリティー対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを普通図柄当り判定用初期値決定用乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤5を入手して分解し、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤5’に備える主制御MPU1310a’に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤5’
においては、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤5のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤5を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤5’、つまり他のパチンコ機1’において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、図8に示したゲート部2003に遊技球を通過させたとしても、図8に示した可動片を開閉動作させて第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態を発生させることができない。
[14−2.主制御側電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、デフォルトとして予め定めたアドレスにスタックポインタが設定されるように主制御MPU1310aが回路構成されている。
このスタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。
そして上述したメイン制御プログラムが、主制御基板1310の主制御MPU1310aによる制御の下、図92及び図93に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、メイン制御プログラムは、主制御MPU1310aの制御の下、RAMアクセス許可の設定を行う(ステップS10)。このRAMアクセス許可の設定により主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に対する更新を行うことができる。
ステップS10に続いて、メイン制御プログラムは、図69に示した主制御内蔵WDT1310afの初期値設定及び起動設定を行う(ステップS12)。ここでは、主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視する主制御内蔵WDT1310afに初期値を設定するために主制御MPU1310aに内蔵されるウオッチドックタイマコントロールレジスタ(以下、「WDTコントロールレジスタ」と記載する。)にタイマ設定値を設定して主制御内蔵WDT1310afを起動させて主制御MPU1310aをリセットするまでの計時を開始する。主制御内蔵WDT1310afが起動すると、主制御内蔵WDT1310afによる計時が開始され、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでに、主制御MPU1310aに内蔵されるウオッチドックタイマクリアレジスタ(以下、「WDTクリアレジスタ」と記載する。)にタイマクリア設定値をセットしないと、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされるようになっている。これに対して、主制御内蔵WDT1310afが起動して計時が開始されると、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでにWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすると、主制御内蔵WDT1310afによる計時がクリアされて、再び計時が開始されるようになっている。このように、主制御内蔵WDT1310afによる計時をタイマ設定値で設定された時間に達するまでにクリアして再び計時を開始するという処理を繰り返し行うことにより主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視することができる。
ステップS12に続いて、メイン制御プログラムは、停電クリア処理を行う(ステップS14)。この電電クリア処理では、まず、図78に示した停電監視回路1310eに停電クリア信号の出力を開始する。この停電監視回路1310eは、電圧比較回路であるコンパレータMIC21と、DタイプフリップフロップMIC22と、から構成されている。電圧比較回路であるコンパレータMIC21は、+24Vとリファレンス電圧との電圧を比較したり、+12Vとリファレンス電圧との電圧を比較したりすることで、その比較結果を出力する。この比較結果は、停電又は瞬停が発生していない場合ではその論理がHIとなってDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される一方、停電又は瞬停が発生した場合ではその論理がLOWとなってDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるようになっている。
電電クリア処理では、まず停電監視回路1310eに停電クリア信号の出力を開始することにより、このDタイプフリップフロップMIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を開始する。この停電クリア信号は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子からその論理をLOWとして、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介して、DタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU1310aは、DタイプフリップフロップMIC22のラッチ状態を解除することができ、ラッチ状態をセットするまでの間、DタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する状態とすることができ、その1Q端子からの信号を監視することができる。
続いて、電電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。停電予告信号が入力されているか否かの判定では、停電予告信号として、上述したDタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力されている信号に基づいて行う。
電源投入後に電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待っても停電予告信号の入力がなかったときには、メイン制御プログラムは、DタイプフリップフロップMIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を停止する。ここでは、停電クリア信号は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子からその論理をHIとして、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介して、DタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU1310aは、DタイプフリップフロップMIC22をラッチ状態にセットすることができる。DタイプフリップフロップMIC22は、そのプリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチすると、出力端子である1Q端子から停電予告信号を出力する。
ステップS14に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って主制御内蔵RAM(遊技記憶部)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(遊技側電源投入時操作制御手段)。具体的には、メイン制御プログラムは、まず、図70に示した払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されているか否かを判定する(ステップS16)。この判定では、メイン制御プログラムが、払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されたことに伴う操作信号(検出信号)に基づくエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)が主制御MPU1310aに入力されているか否かにより行う。メイン制御プログラムは、その操作信号の論理値に基づいて、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ954が操作されていないと判定する一方、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ954が操作されていると判定する。
ステップS16において、メイン制御プログラムは、上記操作スイッチ954が操作されているときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットする(ステップS18)。一方、メイン制御プログラムは、ステップS16で操作スイッチ954が操作されていないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS20)。即ち、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って、主制御MPU1310aに内蔵されたRAM(つまり、主制御内蔵RAM(遊技記憶部))の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(遊技制御側電源投入時操作制御手段)。上述したRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報を消去するか否かを示すフラグであり、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS18及びステップS20でセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS18又はステップS20に続いて、メイン制御プログラムは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、図72に示した、周辺制御基板1510の液晶表示制御部1512による遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として2.5秒(s)が設定されている。
ステップS22に続いて、メイン制御プログラムは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから入力される。ステップS24の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。ステップS24の判定で停電予告信号の入力があるときには、メイン制御プログラムは、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行う。これにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることとなる。その後メイン制御プログラムが、主制御基板1310の主制御MPU1310aによる制御の下、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS24の判定がステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS24の判定で停電予告信号の入力がないときには、メイン制御プログラムは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS26)。上述したように、RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS26でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり遊技情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS28)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS28に続いて、メイン制御プログラムは、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS30)。一致しているときには、このメイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS32)。このバックアップフラグBK−FLGは、遊技情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、主制御基板1310の製造ラインの検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、についての詳細な説明を後述する。
ステップS32でバックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したときには、メイン制御プログラムは、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS34)。この設定は、主制御MPU1310aに内蔵されたROM(つまり、主制御内蔵ROM)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、不正手段(例えば、不正行為者が腕の裾に隠した高周波出力装置)からの高周波が主制御基板1310に照射されて主制御MPU1310a自体がリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS34に続いて、メイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGに値0をセットする(ステップS36)。これにより、これ以後の各種処理が行われることにより遊技情報、チェックサムの値(サム値)等が変更されるため、後述する主制御側電源断時処理を正常に終了してバックアップフラグBK−FLGに値1がセットされないと、後述するように、主制御内蔵RAMの全領域がクリアされることとなる。
一方、ステップS26でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり遊技情報を消去するときには、或いはステップS30でチェックサムの値(サム値)が一致していないときには、又はステップS32でバックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、メイン制御プログラムは、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS38)。即ち、メイン制御プログラムは、上述した操作スイッチ954の操作に伴う検出信号の入力を契機として遊技制御側RAMクリア処理を実行している(払出制御側電源投入時操作制御手段)。具体的には、メイン制御プログラムは、値0を主制御内蔵RAMに書き込むことよって行う。なお、その代わりに、メイン制御プログラムは、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい。また、主制御MPU1310aは、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がRAMクリアを指示するもので遊技情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPU1310aの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を行い、この固定値を、上述した普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットする。
ステップS38に続いて、メイン制御プログラムは、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS40)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットされることにより実施される。
ステップS36又はステップS40に続いて、メイン制御プログラムは、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、4ミリ秒(ms)に設定されている。
ステップS42に続いて、メイン制御プログラムは、シリアル通信初期設定を行う(ステップS44)。ここでは、主制御MPU1310aに内蔵される各種シリアル入出力ポート(例えば、払出制御基板951に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)、周辺制御基板1510に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)に対応する、送信シリアルポートプリスケーラに通信速度の設定やパリティ有無の設定等を行うとともに、送信シリアルポートコントロールレジスタに送信回路の初期化の設定や送信許可の設定等を行う。
ステップS44に続いて、メイン制御プログラムは、試験信号出力ポート初期化設定を行う(ステップS46)。ここでは、遊技機の試験機関において、各種検査情報を出力するための図示しない試験信号出力ポートを、電源投入時に初期化設定(OFFデータ出力に設定)等を行う。
ステップS46に続いて、メイン制御プログラムは、図69に示した主制御内蔵ハード乱数回路1310anの起動設定を行う(ステップS48)。ここでは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数を、ハードウェアにより更新するために主制御MPU1310aに内蔵される、ハード乱数コントロールレジスタに乱数をラッチして取得するという設定等を行うとともに、ハード乱数設定レジスタに主制御内蔵ハード乱数回路1310anの起動等を設定する。これらの設定により主制御内蔵ハード乱数回路1310anが起動すると、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(図77に示した主制御水晶発振器MX0から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。なお、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから乱数(乱数値)を取得するときには、主制御内蔵ハード乱数回路1310anにラッチ信号を出力し、このラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した乱数(乱数値)を、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得するようになっている。主制御MPU1310aは、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。
ステップS48に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時に送信するコマンドの予約設定を行う(ステップS50)。ここでは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信されることとなる。これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。なお、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS50に続いて、メイン制御プログラムは、割り込み許可設定を行う(ステップS52)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに後述する主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS52に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間を経過すると、つまり、主制御側メイン処理が開始されると、操作スイッチ954(操作スイッチ)の操作に伴うエラー解除ナビコマンドの受け取りを契機とした遊技制御側RAMクリア処理の実行を規制することとなる(通常時操作制御手段)。以上のように、メイン制御プログラムは、操作スイッチ954の操作に伴って入力される検出信号を、タイムシェアリングの概念により、上述のように電源投入時から所定時間に亘ってエラー解除ナビコマンドの入力を契機としてRAMクリア処理を実行させたり(遊技制御側電源投入時操作制御手段)、当該所定時間の経過後は当該エラー解除ナビコマンドの入力があってもRAMクリア処理の実行を規制し(遊技制御側通常時操作制御手段)、発生したエラーに伴うエラー報知を解除するための解除スイッチとして取り扱っている。つまり、本来、払出動作に関して発生したエラーを解除するために使用されるはずであった操作スイッチ954(エラー解除部)を、電源投入時から所定時間に亘って、その代わりに、遊技記憶部としての主制御内蔵RAM(及び後述する払出記憶部としての払出制御内蔵RAM)の初期化を開始させるためのRAMクリア処理を実行するための操作部として機能させたり、当該所定時間の経過後に、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除するための操作部として機能させることができるようになっている。
次にメイン制御プログラムは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから入力される。ステップS54の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS54で停電予告信号の入力がないときには、メイン制御プログラムは非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数をソフトウェアにより更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS56に続いて、再びステップS54に戻り、メイン制御プログラムは、停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS54〜ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS54〜ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54で停電予告信号の入力があったときには、メイン制御プログラムは、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、遊技情報の書き換えを保護している。
ステップS58に続いて、メイン制御プログラムは、停電クリア信号を出力開始する(ステップS60)。ここでは、ステップS14の停電クリア処理において停電クリア信号を出力開始した処理と同一の処理を行う。これにより、メイン制御プログラムは、主制御MPU1310aの制御の下、DタイプフリップフロップMIC22のラッチ状態を解除することができる。
ステップS60に続いて、メイン制御プログラムは、図69に示した、始動口ソレノイド2107、アタッカソレノイド2108、第一特別図柄表示器1403、第二特別図柄表示器1405、第一特別保留数表示器1404、第二特別保留数表示器1406、普通図柄表示器1402、普通図柄記憶表示器1188、状態表示器1401、ラウンド表示器1407等に出力している駆動信号を停止する(ステップS62)。
ステップS62に続いて、メイン制御プログラムは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS64)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS64に続いて、メイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする(ステップS66)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS66に続いて、メイン制御プログラムは、RAMアクセス禁止の設定を行う(ステップS68)。このRAMアクセス禁止の設定により主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に対するアクセスが行うことができなくなることよって主制御内蔵RAM(遊技記憶部)の内容の更新を防止することができる。
ステップS68に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることとなる。その後メイン制御プログラムが、主制御基板1310の主制御MPU1310aによる制御の下、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
パチンコ機1(主制御MPU1310a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS30では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS32では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
ここで、ステップS24の停電予告信号の有無の判定をステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行う点について説明する。まず、ステップS24の停電予告信号の有無の判定がない場合における問題点について、つまりステップS22のウェイト時間待機処理に続いてステップS26のRAMクリアフラグの値の判定を行ってその後の処理をすすめる場合における問題点について説明する。
主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、図77に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。つまり、瞬停や停電によりパチンコ島設備からの電源が遮断された状態であっても、電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されることにより、パチンコ島設備からの電源が遮断されてから約7msという時間が経過するまでの期間内に、主制御側電源断時処理を完了することができるようになっている。これは、遊技者が遊技を行っている際に、つまり、主制御側メイン処理又は後述する主制御側タイマ割り込み処理を行っている際に、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合において、主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。
ところが、極めて稀な現象として、復電時にステップS22のウェイト時間待機処理において、図72に示した、周辺制御基板1510の液晶表示制御部1512による遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)までの待機時間(ブートタイマ:本実施形態では、2.5秒が設定されている。)を計時開始し、その待機時間に達する直前で、仮に瞬停又は停電が発生すると、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されるものの、約7msという期間内に、ステップS42で割り込み初期設定が行われ、その後、ステップS52で割り込み許可設定が行われることにより、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われて、主制御内蔵RAMの内容が更新されても、主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を完了することができなくなる場合がある。このため、主制御内蔵RAMの内容に基づく、チェックサムを算出した値が記憶されることなく再び復電時に主制御側電源投入時処理を開始することとなる。
そうすると、今回の復電時において主制御側電源投入時処理を開始して、瞬停や停電が発生することなく、ステップS22のウェイト時間待機処理を完了し、その後、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出した値と、瞬停又は停電が発生した直前における主制御内蔵RAMに記憶されている値と、をステップS30で比較判定すると、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域をクリアすることなる。換言すると、復電時に操作スイッチ954がホールの店員等により操作されてRAMクリアというホールの店員等による意思表示がなくても、強制的に主制御内蔵RAMに記憶されている情報を消去(クリア)することとなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うようになっている。これにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることができるようになっている。ステップS22のウェイト時間待機処理を行う前に、ステップS18又はステップS20においてRAMクリア報知フラグRCL−FLGに値が設定されるものの、RAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、上述したように、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶されるため、ステップS10でRAMアクセス許可の設定が行われていても、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されない。
このように、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されているときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されるとステップS24の判定により判定されたときには)、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、主制御基板1310の主制御MPU1310aを強制的にリセットして主制御基板1310を再起動することができるようになっているため、遊技の進行を行うことができず、遊技情報が更新されることを防止することができ、チェックサムの算出結果に変動が生ずることがないようになっている。これにより、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。したがって、復電時において、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報が初期化されることを防止することができる。
また、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されていないときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されないとステップS24の判定により判別されたときには)、主制御基板1310の主制御MPU1310aが遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断されても、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、図77に示した電解コンデンサMC2による電源の供給により、この遊技の進行による遊技情報を記憶するためのバックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPU1310aが完了することができるようになっているため、主制御MPU1310aの主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、バックアップ処理においてチェックサムの算出結果(つまり、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値)と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。つまり、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報に復元されて主制御基板1310を起動することができるようになっている。
更に、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていると判定したときには主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることで主制御内蔵RAMの内容を全く更新することなく再び主制御側電源断時処理を開始することができる一方、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていないと判定したときにはこれまで通りハードウェアによる約7msという「瞬停又は停電時電源確保期間」以内に主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。つまり、本実施形態では、復電時に主制御側電源投入時処理を行っている際に瞬停や停電が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合であって、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、図77に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっているため、電解コンデンサMC2というハードウェアによる約7msという「瞬停又は電源確保期間」内において主制御側電源断時処理を完了することができない場合においては、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後におけるステップ24で停電予告信号が入力されているか否かの判定を行い、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることができるようになっている。このようなソフトウェアによる主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることでステップS24より後のステップ(具体的には、ステップS42で割り込み初期設定を行って、その後に、ステップS52で割り込み許可を設定して後述する主制御側タイマ割り込み処理を開始するという制御フロー)への進行を阻止することで主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が更新されることを回避することができるという仕組みを採用した。このように停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された際に、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されないようにソフトウェアで賄う部分と、主制御側電源断時処理を確実に完了して主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されないようにハードウェアで賄う部分と、に2つに分けて構成することにより、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が変更されることを確実に防止することができるようになっている。
次に、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点について説明する。ステップS50では、上述したように、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。この電源投入時主制御復帰先コマンドは、上述したように、始動口ソレノイド2107の駆動状態を指示する情報と、図69に示したアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する情報と、主として構成されている。ここでは、まず電源投入時主制御復帰先コマンドに、始動口ソレノイド2107の駆動状態を指示する情報と、図69に示したアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する情報と、が含まれていない場合における問題点、つまり、ステップS50において電源投入時主制御復帰先コマンドが電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われない場合における問題点について説明する。
例えば、周辺制御基板1510が大当り遊技状態の画面(例えば、大当り遊技演出の画面)を図8に示した遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310がアタッカソレノイド2108を駆動して図8に示した大入賞口2005が開閉部材2107により開放されているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、アタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として大当り遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、大当り遊技状態のどのラウンドであるか全く表示することができない。つまり、例えば大入賞口2005に遊技球が入球して図69に示したカウントセンサ4005によって検出され、大入賞口2005に入球した遊技球の球数を伝える大入賞口1カウント表示コマンドを主制御基板1310が周辺制御基板1510に送信して周辺制御基板1510が受信したとしても、周辺制御基板1510は、確率及び時短状態に応じて画面に大入賞口2005に入球した遊技球の球数が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示することができても、大当り遊技状態のどのラウンド(つまり、何回目のラウンド)であるか全く表示することができない。
このような状況において、主制御基板1310は、例えば大当り遊技状態の4ラウンド(4回目のラウンド)を終了するときには、アタッカソレノイド2108の駆動を停止して大入賞口2005が開閉部材2107により開放されている状態から閉鎖されている状態へ移行する旨(つまり、始動口ユニット2100の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖開始)を指示する大入賞口1閉鎖表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信し、主制御基板1310が大当り遊技状態の5ラウンド(5回目のラウンド)を開始するときには、アタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨(つまり、大入賞口2005の5回目のラウンドの開放開始)を指示する大入賞口開放5回目表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信する。これにより、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の5ラウンドの開始という画面を、上述した確率及び時短状態に応じた画面からようやく切り替えて遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示することととなる。
また、例えば、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面(例えば、可動片が拡開されている旨を遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310が始動口ソレノイド2107を駆動して図8に示した一対の可動片を左右方向へ拡開させた状態となっているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、始動口ソレノイド2107の駆動を開始して一対の可動片が略垂直に立上った状態から左右方向へ拡開させた状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面を周辺制御基板1510が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に全く表示することができない。このため、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生したことに驚いて、復電時において、瞬停や停電が発生する直前における第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態であることを忘れている場合もあり、このような場合には、復電時における遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態に復帰されているにもかかわらず、復電時に遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に遊技を指示する画面(つまり、第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示する画面)が表示されないことにより、遊技者がどのような遊技を行えば分からなくなるという問題もあった。
このように、上述した2つ例においては、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができないという問題があった。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いするという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、周辺制御基板1510は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとに基づいて、例えば、上述した例では、大当り遊技状態の4ラウンドにおいて、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、アタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨を周辺制御基板1510に伝えることができるため、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の4ラウンドである旨を特定した画面(つまり、何回目のラウンドであるかを示す画面)を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示することができないものの、大当り遊技状態であってアタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により開放されている状態である旨を伝える画面(例えば、「大当りです。大入賞口が開放されています。大入賞口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において大入賞口2005に遊技球を入球させるという遊技を指示することができるし、また例えば、上述した例では、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている状態において、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、始動口ソレノイド2107の駆動を開始して一対の可動片を左右方向へ拡開させた状態となっている旨を伝える画面(例えば、「可動片を拡開させています。下始動口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示することができる。これにより、瞬停や停電が発して、その後に復電する際に、周辺制御基板1510の復帰先を主制御基板1310側で細かく指示することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができる。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いすることを防止することができる。
次に、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、について説明する。主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述した、バックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPU1310aは、一度も実行していない状態であるため、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出しても、ステップS30で比較判定において、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域を必ずクリアすることなる。これにより、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドという2つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となる。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において、まず電源投入時状態コマンドが送信され、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドが送信されるようになっている。これを利用して、主制御基板検査工程においては、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、主制御基板1310から最初のコマンドとして電源投入時状態コマンドが主制御基板検査工程の検査装置へ送信されることとなる。
ところで、電源投入時状態コマンドは、上述したように、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、図70に示した払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。ここでは、電源投入時状態コマンドにパチンコ機の機種コードを示す情報が含まれていない場合における問題点について説明する。
パチンコ機の機種コードは、上述したように、パチンコ機1(正確には、主制御基板1310)として、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など))であるのか、を特定することができるものである。
パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいては、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在する場合がある。
そうすると、製造ラインの作業者は、複数種類の作品の版権(例えば、映画A、映画B、ドラマC、映画D、漫画E、及び漫画Fという作品の版権)のうち、どの作品の版権に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているのか分からなくなったり、複数種類の作品の版権のうち、一の版権(例えば、映画Dという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているにもかかわらず、他の版権(例えば、漫画Fという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているという思い込みや勘違いもある。このため、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、製造ラインの作業者は、製造ラインで製造した主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを確認することができないし、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを確認することもできない。これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在したまま、遊技盤5に主制御基板1310を取り付けるための遊技盤組立ラインへ送られることとなる。このため、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付ける場合もあった。これにより、結果として、遊技盤5の生産効率が低下するという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、パチンコ機の機種コードを示す情報を含む電源投入時状態コマンドを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインの作業者は、製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、主制御基板1310を電源投入することにより、検査装置が主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、検査モニタに表示する詳細な機種情報を目視することにより、主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを判別することができるとともに、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを判別することもできるようになっている。これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在しても、製造ラインの主制御基板検査工程の作業者は、検査モニタを目視して主制御基板1310の機種タイプ、作品の版権、及び遊技仕様を正確に判別することができることによって、作品の版権に対する主制御基板1310ごとに分別して後続の遊技盤組立ラインへ送ることができる。そして、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応する主制御基板1310を遊技盤5に確実に取り付けることができ、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付けるという作業によって生ずる遊技盤5の生産効率の低下を防止することができる。したがって、遊技盤5の生産効率の向上に寄与することができる。
[14−3.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図92及び図93に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御基板1310では、メイン制御プログラムが、主制御MPU1310aの制御の下、図94に示すように、レジスタバンクの切替を行う(ステップS100)。主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)には、第1のレジスタバンクと第2のレジスタバンクとから構成される2つのレジスタバンクがある。第1のレジスタバンクは上述した主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用される一方、第のレジスタバンクは本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において使用される。ステップS100では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において第2のレジスタバンクを使用するため、主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用されている第1のレジスタバンクから第2のレジスタタンクへのレジスタバンクの切り替えを行う。なお、本実施形態では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されるときに、各レジスタをスタックに退避する処理は必要ないようになっている。
ステップS100に続いて、メイン制御プログラムは、タイマ減算処理を行う(ステップS102)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って第一特別図柄表示器1403及び第二特別図柄表示器1405が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1402が点灯する時間のほかに、主制御基板1310(主制御MPU1310a)が送信した各種コマンドを払出制御基板951が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。
具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS102に続いて、メイン制御プログラムは、スイッチ入力処理を行う(ステップS104)。このスイッチ入力処理では、主制御MPU1310aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、このメイン制御プログラムは、例えば、図8に示した一般入賞口2001,2201に入球した遊技球を検出する図69に示した一般入賞口センサ4020,4020からの検出信号、図8に示した大入賞口2005に入球した遊技球を検出する図69に示したカウントセンサ4005からの検出信号、図8に示した第一始動口2002に入球した遊技球を検出する図69に示した第一始動口センサ4002からの検出信号、図8に示した第二始動口2004に入球した遊技球を検出する図69に示した第二始動口センサ4004からの検出信号、図8に示したゲート部2003を通過した遊技球を検出する図69に示したゲートセンサ4003からの検出信号、図69に示した磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出センサ4024からの検出信号や後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを図69に示した払出制御基板951が正常に受信した旨を伝える払出制御基板951からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。また、第一始動口2002に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ4002からの検出信号、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ4004からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応する図90に示したその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。つまり、第一始動口センサ4002からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるし、第二始動口センサ4004からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、一般入賞口2001,2201に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ4020,4020からの検出信号、大入賞口2005に入球した遊技球を検出するカウントセンサ4005からの検出信号、第一始動口2002に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ4002からの検出信号、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ4004からの検出信号、及びゲート部2003を通過した遊技球を検出するゲートセンサ4003からの検出信号は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、メイン制御プログラムが、一般入賞口センサ4020,4020、カウントセンサ4005、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ4003からの検出信号を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるようになっているため、一般入賞口センサ4020,4020、カウントセンサ4005、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ4003からの検出信号の信頼性を高めることができる。
ステップS104に続いて、メイン制御プログラムは、当落乱数更新処理を行う(ステップS106)。この当落乱数更新処理では、上述した、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図93に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数は、当落判定(大当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。
例えば、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数は更新される。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
本実施形態では、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図93に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS106の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS56の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS56の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS106に続いて、メイン制御プログラムは、賞球制御処理を行う(ステップS108)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための図88に示した賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している場合には、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間の接続状態を確認するための図88に示したセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板951に送信する。例えば、図8に示した大入賞口2005に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているため、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶し、賞球コマンドを払出制御基板951に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板951が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板1310と払出制御基板951との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板951に送信したりする。なお、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成する場合のように、賞球として払い出す遊技球の球数が10球を超える場合には、その超えた球数に、次回のこの賞球制御処理において、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が加算されて、この加算された遊技球の球数がに達しているときには、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶することとなる。
ステップS108に続いて、メイン制御プログラムは、枠コマンド受信処理を行う(ステップS110)。払出制御基板951では、払出制御プログラムが、図91に示した状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(例えば、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。一方、後述するように払出制御プログラムは、払出動作にエラーが発生した場合にエラー発生コマンドを出力したり、操作スイッチ954の検出信号に基づいてエラー解除ナビコマンドを出力する。
上述した枠コマンド受信処理では、メイン制御プログラムが、この各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板951に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、メイン制御プログラムは、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(図90の状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。なお、ここでいう枠状態1コマンドは第1のエラー発生コマンドに相当するとともに、エラー解除ナビコマンドは第1のエラー解除コマンドに相当する。
ステップS110に続いて、メイン制御プログラムは、不正行為検出処理を行う(ステップS112)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合にカウントセンサ4005からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2005に遊技球が入球するとき)等には、異常状態として図90に示した報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS112に続いて、メイン制御プログラムは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS114)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、図69に示した主制御内蔵ハード乱数回路1310anにラッチ信号を出力し、ラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した乱数(乱数値)を、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得し、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。そして大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定(「特別抽選」という。))したり、大当り図柄用乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている確変当り判定値と一致するか否かを判定(確率変動を発生させるか否かの判定)したりする。ここで、「確率変動」とは、大当りする確率が通常時(低確率)にくらべて高く設定された高確率(確変時)に変化することである。本実施形態では、上述した大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)として、低確率では値32668〜値32767が設定されており、通常時判定テーブルから読み出されるのに対して、高確率では値31768〜値32767が設定されており、確変時判定テーブルから読み出される。このように、ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理では、大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定するときには、大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)が大当り判定範囲に含まれているか否かにより行う。
これらの判定結果が第一始動口センサ4002によるものである場合には図89に示した特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その抽選結果が第二始動口センサ4004によるものである場合には図89に示した特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するするとともに、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405を点灯させるよう第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、図89に示した大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、図8に示した開閉部材2107を開閉動作させるようアタッカソレノイド2108への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2005が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、図10に示したラウンド表示器1407の2ラウンド表示ランプ1407aを点灯させるよう2ラウンド表示ランプ1407aへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、図10に示したラウンド表示器1407の15ラウンド表示ランプ1407bを点灯させるよう15ラウンド表示ランプ1407bへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、確率変動の発生の有無を所定の色で点灯させるよう状態表示器1401への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS114に続いて、メイン制御プログラムは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS116)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいてゲート入賞処理を行う。このゲート入賞処理では、入力情報からゲートセンサ4003からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出してゲート情報として主制御内蔵RAMのゲート情報記憶領域に記憶する。
このゲート情報記憶領域には、第0区画〜第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順にゲート情報が格納されるようになっている。例えばゲート情報がゲート情報記憶の第0区画〜第2区画に格納されている場合、ゲートセンサ4003からの検出信号が入力端子に入力されていたときにはゲート情報をゲート情報記憶の第3区画に格納する。
ゲート情報はゲート情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。このゲート情報がセットされると、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画に、ゲート情報記憶の第3区画のゲート情報がゲート情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされてゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、ゲート情報記憶の第1区画〜第2区画にゲート情報が記憶されている場合には、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされてゲート情報記憶の第2区画及びゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、ゲート情報記憶の第1区画〜第3区画にゲート情報が格納されていると、格納されたゲート情報の総数を保留球として普通図柄記憶表示器1188を点灯させるよう、上述したゲート情報に基づいて普通図柄記憶表示器1188の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ゲート入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされたゲート情報を読み出し、この読み出したゲート情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、一対の可動片が左右方向へ拡開した状態となることで第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、図89に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って普通図柄表示器1402を点灯させるよう普通図柄表示器1402への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、図89に示した普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、可動片を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2107への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、図89に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1402を点灯させるよう普通図柄表示器1402への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS116に続いて、メイン制御プログラムは、ポート出力処理を行う(ステップS118)。このポート出力処理では、主制御MPU1310aの各種出力ポートの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。このメイン制御プログラムは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板951からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板951に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2005の開閉部材2107の開閉動作を行うアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力したり、可動片の開閉動作を行う始動口ソレノイド2107に駆動信号を出力したりするほかに、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力情報、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板951に出力したりする。
ステップS118に続いて、メイン制御プログラムは、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS120)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、このメイン制御プログラムが、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、図89に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド(例えば、大入賞口2005(図8参照)に入球した遊技球を検出した際にカウントセンサ4005(図69参照)からの検出信号に基づ大入賞口カウントコマンドに相当する大入賞口1カウント表示コマンド)、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図90に示した、報知表示に区分される各種コマンド(扉開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンドなど)、状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンド)、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドが記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、主周シリアルデータとして各種コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生した場合に、図77に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、図79に示した、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeは、少なくとも、その送信バッファレジスタ1310aebに主制御CPUコア1310aaがセットしたコマンドをシリアル管理部1310aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ1310aeaから主周シリアルデータとして送信完了することができるようになっている。停電又は瞬停が発生して電力が回復する復電時には、図93に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、復電した旨を伝えるために、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶しているため、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。なお、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、主制御側電源投入時処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信されることとなる。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド)を送信する(エラーコマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図91に示す形態である枠状態1コマンドを、図90に示す形態の枠状態1コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
またその一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951からエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510に対してエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)を送信する(エラーコマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図91に示す形態であるエラー解除ナビコマンドを、図90に示す形態のエラー解除ナビコマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
またさらに、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して本体枠開放コマンド(第2の本体枠開放コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第2の本体枠送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図91に示す形態である本体枠開放コマンドを、図90に示す形態である本体枠開放コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して本体枠閉鎖コマンド(第2の本体枠閉鎖コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第2の本体枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図91に示す形態である本体枠閉鎖コマンドを、図90に示す形態である本体枠閉鎖コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
また、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から扉開放コマンド(第1の扉開放コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して扉開放コマンド(第2の扉枠開放コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第2の扉枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図91に示す形態である扉枠閉鎖コマンドを、図90に示す形態である扉閉鎖コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から扉閉鎖コマンド(第1の扉閉鎖コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して扉閉鎖コマンド(第2の扉閉鎖コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第2の扉枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図91に示す形態である扉閉鎖コマンドを、図90に示す形態である扉閉鎖コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
ステップS120に続いて、メイン制御プログラムは、図69に示した主制御内蔵WDT1310afのクリアを行い(ステップS122)、このルーチンを終了する。ステップS22の主制御内蔵WDT1310afのクリアは、主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることにより行う。これにより、主制御内蔵WDT1310afによる計時がクリアされる。そして、主制御内蔵WDT1310afによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされずに済む。
なお、主制御基板1310は、上述したように、遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断される前に、遊技の進行による遊技情報を記憶するための上述したバックアップ処理を実行して完了することができるとともに、復電時において、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先として、バックアップ処理を実行した遊技情報に基づいて、パチンコ機1への電源が遮断される際における、本ルーチンにおけるステップS118のポート出力処理による電気的駆動源である始動口ソレノイド2107やアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する図89の電源投入時主制御復帰先コマンドを周辺制御基板1510へ出力することができるようになっている。つまり、主制御基板1310は、図93の主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、同処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図89の電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。このため、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からの電源投入時主制御復帰先コマンドに基づいて、復電時における主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において演出表示することができる。これにより、遊技者が遊技を行っている際に、瞬停や停電が発生して、その後に復電するときに、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができるとともに、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において演出表示して報知することができるため、パチンコ機1のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に遊技者に見えて故障したと勘違いされることを防止することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することにより、遊技者に故障したと勘違いされることを防止することができる。
また、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述したように、図92の主制御側電源投入時処理におけるステップS38で主制御内蔵RAMの全領域を必ずクリアすることなる。これにより、同処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、図89に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドという2つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となり、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信する。主制御基板検査工程の検査装置は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、主制御基板検査工程の検査モニタに詳細な機種情報を表示するようになっている。
[16−1.周辺制御部の各種制御処理]
[16−1−1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図95を参照して説明する。パチンコ機1に電源が投入されると、図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図95に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、演出制御プログラムが周辺制御MPU1511aの制御の下、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理では、演出制御プログラムが、周辺制御MPU1511a自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理等を行う。周辺制御MPU1511aは、まず自身を初期化する処理を行うが、この周辺制御MPU1511aを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御MPU1511aを初期化することができる。これにより、周辺制御MPU1511aは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板1310から出力される、図89及び図90に示した、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ホットスタート/コールドスタートの判定処理では、図73に示した周辺制御RAM1511cついては、そのバックアップ第1エリア1511cbにおける、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、そのバックアップ第2エリア1511ccにおける、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、この比較した内容が一致しているときには図73に示した周辺制御RAM1511cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)に対してBank1(1fr)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1fr)と、Bank0(1ms)に対してBank1(1ms)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1ms)と、をそれぞれコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御RAM1511cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)に対してそれぞれ値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。
またホットスタート/コールドスタートの判定処理では、図73に示した周辺制御SRAM1511dについても、そのバックアップ第1エリア1511dbにおける、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較するとともに、そのバックアップ第2エリア1511dcにおける、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較する。この比較した内容が一致しているときには図73に示した周辺制御SRAM1511dの通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対してBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(SRAM)をコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御SRAM1511dの通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対して値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。このようなホットスタート又はコールドスタートに続いて、図73に示した周辺制御RAM1511cのバックアップ非管理対象ワークエリア1511cfに対して値0を強制的に書き込んでゼロクリアする。そして周辺制御MPU1511aは、この初期化設定処理を行った後に、図73に示した周辺制御内蔵WDT1511afと、図72に示した周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1000に続いて、演出制御プログラムは現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図72に示したRTC制御部4165のRTC41654aのRTC内蔵RAM4165aaから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、図73に示した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadに、現在のカレンダー情報としてカレンダー情報記憶部にセットするとともに、現在の時刻情報として時刻情報記憶部にセットする。また、現在時刻情報取得処理では、液晶表示装置の輝度設定処理も行う。この液晶表示装置の輝度設定処理では、周辺制御MPU1511aがRTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得して、この取得した輝度設定情報に含まれるLEDの輝度となるように、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する処理を行う。輝度設定情報は、上述したように、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものである。
液晶表示装置の輝度設定処理では、具体的には、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が80%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。なお、この液晶表示装置の輝度設定処理では、上述した、遊技盤側演出表示装置1600の使用時間に応じて遊技盤側演出表示装置1600の輝度を補正するための輝度補正プログラムと同様な補正が全く行われないようになっている。これは、この液晶表示装置の輝度設定処理に輝度補正プログラムと同様な補正プログラムが組み込まれることにより、液晶表示装置の輝度設定処理が実行されるごとに、LEDの輝度が100%に向かって補正されるのを防止するためである。
本実施形態では、周辺制御MPU1511aがRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御MPU1511aは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、周辺制御内蔵WDT1511afと周辺制御外部WDT1511eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、演出制御プログラムは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットする(ステップS1006)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB−FLGは、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP1512aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB−FLGを一度初期化している。また周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットした後に、周辺制御内蔵WDT1511afと周辺制御外部WDT1511eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006に続いて、演出制御プログラムは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1008)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1でない(値0である)ときには、再びステップS1008に戻ってVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。
このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定した後に、周辺制御内蔵WDT1511afと周辺制御外部WDT1511eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行するときには、まず定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS1009)。この定常処理中フラグSP−FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1009に続いて、演出制御プログラムは1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、演出制御プログラムは、ランプデータ出力処理を行う(ステップS1012)。このランプデータ出力処理では、演出制御プログラムが図72に示したランプ駆動基板4170へのDMAシリアル連続送信を行う。ここでは、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用してランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、図73に示した周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cのランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaに、図8に示した遊技盤5に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。
図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの先頭アドレスに格納された遊技盤側発光データSL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。
これにより、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaに格納された残りの遊技盤側発光データSL−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またランプデータ出力処理では、演出制御プログラムが、図72に示した枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用して枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、図73に示した周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cの枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabに、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。
周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの先頭アドレスに格納された扉側発光データSTL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabに格納された残りの扉側発光データSTL−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1012に続いて、演出制御プログラムは、演出操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この演出操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における演出操作ユニット情報取得処理において、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて操作ボタン410の操作等を取得した各種情報がセットされる図73に示した周辺制御RAM1511cの演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiに基づいて、操作ボタン410の操作有無を監視し、操作ボタン410の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。
ステップS1014に続いて、演出制御プログラムは、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理で音源内蔵VDP1512aの内蔵VRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを音源内蔵VDP1512aが図74に示したチャンネルCH1,2から遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力する。これにより、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460にさまざまな画面が描画される。なお、表示データ出力処理では、音源内蔵VDP1512aの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、ステップS1012のランプデータ出力処理による、図8に示した遊技盤5に設けた各種装飾基板の複数のLED、及び扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDによる演出と、後述する音データ出力処理による、図5に示した下部スピーカ921及び図2に示した上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等による演出と、の同期を優先することができる仕組みとなっている。
ステップS1016に続いて、演出制御プログラムは、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、演出制御プログラムが、後述する音データ作成処理で音源内蔵VDP1512aに設定された音楽及び効果音等の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力したり、音楽及び効果音のほかに報知音や告知音の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力したりする。このオーディオデータ送信IC1512cは、音源内蔵VDP1512aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するとともに、左側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信する。これにより、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されたりするほかに報知音や告知音もステレオ再生されたりする。
ステップS1018に続いて、演出制御プログラムはスケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、演出制御プログラムが図73に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、先頭の発光データから何番目の発光データを各種LEDの発光態様とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において強制的に本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、演出制御プログラムは、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、演出制御プログラムが、演出表示駆動基板4450から周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して送信された情報や、主制御基板1310から送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理(コマンド受信手段)において受信した各種コマンドの解析を行う(コマンド解析手段)。演出制御プログラムは、演出表示駆動基板4450から周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して送信された情報に基づいて、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットする。また、演出制御プログラムは、この周辺制御部コマンド割り込み処理で受信された主制御基板1310からのコマンドが、例えば、始動口入賞演出の開始を指示するための始動口入賞コマンド、普通図柄の保留数(0〜4個)を識別するための普通図柄記憶コマンド、図柄同調演出の開始を指示するための図柄同調演出開始コマンド、始動保留数が変化すると出力される図柄記憶コマンド、大入賞口2005に遊技球が受け入れられる度に出力された大入賞口1カウント表示コマンド(大入賞口カウントコマンド)、または、図90に示される満タンという内容を示す枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド、満タンエラー発生コマンド)であるか否かを解析し(コマンド解析手段)、現在、どの遊技状態であるかを認識する。また、この演出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、この周辺制御部コマンド受信割り込み処理によって受信されたコマンドが本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンド、扉開放コマンドまたは扉枠閉鎖コマンドであるか否かを解析する。主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて図73に示した周辺制御RAM1511cの受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、演出制御プログラムが、受信コマンド記憶領域1511cacに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、図89に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図90に示した、報知表示に区分される各種コマンド、上述した扉枠開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド及び本体枠閉鎖コマンド並びにエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンドに相当)及び枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンドに相当)などの状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。
ステップS1022に続いて、演出制御プログラムが警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、さらに、演出制御プログラムが、上述のようにステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、図90に示した報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットする。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
またさらに、この警告処理では、電源投入時から所定時間が経過した後に、演出制御プログラムが、上述した受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析したコマンドが、図90に示した状態表示に区分される各種コマンド、例えばエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)である場合、演出動作に伴う通常の演出態様とは異なる態様で液晶表示制御部1512を制御することにより、例えば、遊技盤側演出表示装置1600(演出装置)、扉枠側演出表示装置460(演出装置)、ランプ(演出装置)を用いて視覚的に外部に警告したり、スピーカを用いて聴覚的に外部に警告する(エラー報知手段)。このようにすると、悪意のある遊技者が、遊技状態であるにも拘わらず払出制御基板951の操作スイッチ954を操作することにより主制御基板1310にエラー解除ナビコマンドを入力しようと試行した際に、パチンコ機1が外部に警告を行う構成となっているため、遊技の進行に影響を及ぼしかねない主制御基板1310に対する不正行為が抑止されるようになる。
次に、上述したステップS1024に続いて、演出制御プログラムはRCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、演出制御プログラムが、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して図73に示した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにセットした、カレンダー情報記憶部に記憶されたカレンダー情報と時刻情報記憶部に記憶された時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、時刻情報記憶部に記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいてカレンダー情報記憶部に記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、演出制御プログラムは先読み演出制御処理を行う(ステップS1027)。先読み演出制御処理は、ステップS1022の受信コマンド解析処理において解析された演出コマンドに基づいて、先読み演出にかかる処理を実行する。具体的には、図30に示したように、特別図柄1記憶先読み演出コマンド又は特別図柄2記憶先読み演出コマンド(以下、「先読み演出コマンド」)を受信した場合に、先読み演出を実行するための設定を行う。先読み演出制御処理の詳細については後述する。
先読み演出コマンドは、始動口2101,2102に遊技球が入賞した場合に主制御基板4100から周辺制御基板4140に送信される。本実施形態では、周辺制御基板4140が先読み演出コマンドを受信すると、ステップS1022の受信コマンド解析処理において先読み演出実行フラグが設定される。先読み演出制御処理では、先読み演出実行フラグが設定されていると、先読み演出コマンドの内容に基づいて、先読み演出を実行するか否かを決定する。すなわち、本実施形態では、主制御基板4100から先読み演出コマンドを受信した場合であっても、周辺制御基板4140において実際に先読み演出を実行するか否かを決定する。
そして、先読み演出を実行する場合には、該先読み演出として始動記憶の保留表示の態様を変更する(通常先読み演出)。また、通常先読み演出が実行された後、所定の条件を充足した場合には、先行して変動表示が実行される始動記憶が消化されるたびに保留表示の態様を変更させる連続先読み演出を実行する。先読み演出制御処理では、通常先読み演出を実行するための処理が行われるとともに、連続先読み演出を実行するか否かを決定する。所定の条件は、例えば、消化されていない始動記憶数が一定数以上の場合であってもようし、先読み対象の始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度が高い場合であってもよい。
なお、先読み演出の内容は、始動記憶の表示態様を変更するだけでなく、キャラクタの表示や背景の変更などの上皿側液晶表示装置470における表示演出やランプなどの発光、スピーカーからの音声出力、可動体の動作などの演出であってもよい。
ステップS1027に続いて、演出制御プログラムはランプデータ作成処理を行う(ステップS1028)。このランプデータ作成処理では、この演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、そのポインタが指示する発光データに基づいて、図8に示した遊技盤5に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成するとともに、図73に示した周辺制御RAM1511cのランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaにセットするとともに、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成して、図73に示した周辺制御RAM1511cの枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabにセットする。
ステップS1028に続いて、演出制御プログラムは表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。音源内蔵VDP1512aは、周辺制御MPU1511aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM1512bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上に生成する。
ステップS1030に続いて、演出制御プログラムは音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。音源内蔵VDP1512aは、周辺制御MPU1511aから音指令データが入力されると、液晶及び音制御ROM1512bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、図73に示した周辺制御A/Dコンバータ1511akを起動し、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理しており、基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aを制御して、上述したステップS1018の音データ出力処理で音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
また、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aを制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、下部スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
ステップS1032に続いて、演出制御プログラムはバックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、演出制御プログラムが、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbと、バックアップ第2エリア1511ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbと、バックアップ第2エリア1511dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM1511cについて、図73に示した、バックアップ対象ワークエリア1511caにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1fr)に含まれる、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cab、受信コマンド記憶領域1511cac、RTC情報取得記憶領域1511cad、及びスケジュールデータ記憶領域1511caeに記憶されている内容である演出情報(1fr)を、演出バックアップ情報(1fr)として、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(1fr)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
またバックアップ処理では、周辺制御SRAM1511dについて、図73に示した、バックアップ対象ワークエリア1511daにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出情報(SRAM)を、演出バックアップ情報(SRAM)として、バックアップ第1エリア1511dbのBank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511dcのBank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(SRAM)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbのBank1(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511dbのBank1(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbのBank2(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511dbのBank2(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511dcのBank3(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511dcのBank3(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511dcのBank4(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511dcのBank4(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1034に続いて、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、周辺制御内蔵WDT1511afと、周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、演出制御プログラムが、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1006に戻り、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで、ステップS1008の判定を繰り返し行う。つまりステップS1008では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行い、再びステップS1006に戻る。このように、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1009〜ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
この周辺制御部定常処理は、演出制御プログラムが、まずステップS1009で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1012、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP1512aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[16−1−2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、図72に示した、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図96に示すように、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP−FLGは、上述したように、図95の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1009〜ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であるときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したときには、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットすると、図95の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図95の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1009で定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図95の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図95の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。
つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図95の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[16−1−3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図95の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図97に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図95の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンタである。本実施形態では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図95の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、モータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、図72に示した、枠装飾駆動アンプ基板194及びモータ駆動基板4180のモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。
具体的には、モータ及びソレノイド駆動処理では、枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでは、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用して枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、演出操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成するとともに、図73に示した周辺制御RAM1511cの枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafにセットする。そして周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの先頭アドレスに格納された扉側モータ駆動データSTM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafに格納された残りの扉側モータ駆動データSTM−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またモータ及びソレノイド駆動処理では、モータ駆動基板4180へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用してモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、図8に示した遊技盤5に設けられる各種可動体を可動させるためのモータやソレノイドへの駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成するとともに、図73に示した周辺制御RAM1511cのモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagにセットする。そして周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にモータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの先頭アドレスに格納された遊技盤側モータ駆動データSM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagに格納された残りの遊技盤側モータ駆動データSM−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1104に続いて、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤5に設けた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの可動体情報取得記憶領域1511cahにセットする。この可動体情報取得記憶領域1511cahにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報から遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得することができる。
ステップS1106に続いて、演出操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この演出操作ユニット情報取得処理では、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、操作ボタン410の操作履歴情報など。)を作成し、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiにセットする。この演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報から操作ボタン410の操作有無を取得することができる。
ステップS1108に続いて、描画状態情報取得処理を行う(ステップS1110)。
この描画状態情報取得処理では、図87に示した演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴情報を作成し、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの描画状態情報取得記憶領域1511cakにセットする。LOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。描画状態情報取得記憶領域1511cakにセットされるLOCKN信号の履歴情報から周辺制御基板1510と演出表示駆動基板4450との接続間における不具合の頻度や不具合の発生状態を取得して扉枠側演出表示装置460の描画状態を取得することができる。
ステップS1110に続いて、バックアップ処理を行い(ステップS1112)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbと、バックアップ第2エリア1511ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbと、バックアップ第2エリア1511dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM1511cについて、図73に示した、バックアップ対象ワークエリア1511caにおける、1ms割り込みタイマが発生するごとに、つまり本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1ms)に含まれる、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cag、可動体情報取得記憶領域1511cah、及び演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiに記憶されている内容である演出情報(1ms)を、演出バックアップ情報(1ms)として、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(1ms)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank1(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank2(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank2(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank3(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank4(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank4(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1104〜ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図95の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1012〜ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、演出の進行状態を確実に整合させることができる。
また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御MPU1511aと音源内蔵VDP1512aとが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収することができるようになっている。
[16−1−4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板1310からの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として主周シリアルデータを周辺制御MPU1511aに内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図98に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であるときには、周辺制御MPU1511aの内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ機1は、パチンコ島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。そこで、本実施形態では、周辺制御部1511側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの受信コマンド記憶領域1511cacに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。この受信コマンド記憶領域1511cacは、リングバッファとして用いており、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとは、受信コマンド記憶領域1511cacの周辺制御部受信リングバッファに記憶される。この「周辺制御部受信リングバッファ」とは、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われるバッファのことであり、バッファの先頭から順次データを記憶し、バッファの最後まできたら最初に戻って記憶する。なお、周辺制御MPU1511aは、ステップS1216で周辺制御部受信リングバッファに記憶する際に、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を対応付けて記憶しており、3バイト目として割り振られたサム値を破棄する。
一方、ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えているときには、又はステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
[16−1−5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、図75に示した、主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号(周辺停電予告信号)が主制御基板1310から入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると、図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1320)、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。この判定で停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されていないときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302で停電予告信号が入力されているときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1320で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304で2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されているときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304で本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトの消灯、遊技盤5に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ機1の電力が遮断されても周辺制御MPU1511aが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。
このコマンド受信待機処理では、主制御基板1310が送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御MPU1511aが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの受信コマンド記憶領域1511cac(周辺制御部受信リングバッファ)に受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、図73に示した、バックアップ対象ワークエリア1511caにおけるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図73に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1310に続いて、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。この判定で停電予告信号が入力されているときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、周辺制御MPU1511aは、図73に示した周辺制御内蔵WDT1511afと、図72に示した周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されていないとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312で停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されていないときには、周辺制御MPU1511aは、周辺制御内蔵WDT1511afと、周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御MPU1511aにリセットがかかる一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されているときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御MPU1511aにリセットがかからない。
なお、周辺制御MPU1511aにリセットがかかると、図95に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号(周辺停電予告信号)の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、周辺制御内蔵WDT1511afと、周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号(周辺停電予告信号)の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御MPU1511aにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応することができるようになっている。
[16−1−6.LOCKN信号履歴作成処理]
次に、図97に示した周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1110の描画状態情報取得処理の一処理として実行するLOCKN信号履歴作成処理について説明する。このLOCKN信号履歴作成処理では、図87に示した演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴を作成する。このLOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、図74に示した周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。
LOCKN信号履歴作成処理が開始されると、図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図100に示すように、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの描画状態情報取得記憶領域1511cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出す(ステップS1500)。このLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTは、1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有しており、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴がLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTとして描画状態情報取得記憶領域1511cakに記憶されている。
ステップS1500に続いて、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号があるか否かを判定する(ステップS1502)。この判定は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断して、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していると判定する一方、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータでない(正常なデータである)と判断して、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していないと判定する。
ステップS1502で扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、LOCKN信号検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1504)。
このLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理では、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、ステップS1500で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1504でLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTをシフトした場合には、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの最下位ビットB0に値1をセットし(ステップS1506)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1502で扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、LOCKN信号検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1508)。このLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理では、ステップS1504のLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理と同一の処理を行い、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、ステップS1500で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1508でLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTをシフトした場合には、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの最下位ビットB0に値0をセットし(ステップS1510)、このルーチンを終了する。
このように、このLOCKN信号履歴作成処理が実行されるごとに、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、最下位ビットB0に値1又は値0がセットされるため、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号の履歴を作成することができる。
[16−1−7.接続不具合判定処理]
次に、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する接続不具合判定処理について説明する。
この接続不具合判定処理では、図87に示した演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴に基づいて、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否か判定する。
接続不具合判定処理が開始されると、図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図101に示すように、図73に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの描画状態情報取得記憶領域1511cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出す(ステップS1520)。このLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTには、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴が記憶されている。このLOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。
ステップS1520に続いて、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるか否かを判定する(ステップS1522)。この判定は、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTが接続確認判定値と一致しているか否かを判定する。この接続確認判定値は、図72に示した周辺制御ROM1511bに予め記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS1522の判定では、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していない状態であると判定して、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定して通信チェックカウンタCC−CNTに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1524)。この通信チェックカウンタCC−CNTは、本ルーチンが実行されるごとに、ステップS1522の判定において、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数をカウントアップする(累積回数を数える)ものである。なお、通信チェックカウンタCC−CNTは、パチンコ機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信チェックカウンタCC−CNTの値に復元されるようになっている。
ステップS1524に続いて、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいか否かを判定する(ステップS1526)。この判定では、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないと判定する一方、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)ときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していると判定する。
ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、通信異常フラグCC−FLGに値0をセットし(ステップS1528)、このルーチンを終了する。一方、ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているときには、通信異常フラグCC−FLGに値1をセットし(ステップS1530)、このルーチンを終了する。通信異常フラグCC−FLGは、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達してトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているか否かを示すフラグであり、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているとき値1、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、通信異常フラグCC−FLGは、パチンコ機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信異常フラグCC−FLGの値に復元されるようになっている。
[16−1−8.接続回復処理]
次に、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する接続回復処理について説明する。この接続回復処理では、図101に示した接続不具合判定処理に続いて実行され、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するために所定のデータパターン(SYNCパターン)を出力する一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続が異常であるときにその旨を報知する。
接続回復処理が開始されると、図72に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図102に示すように、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図73に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた各種スケジュールデータのうち、画面生成用スケジュールデータを起動中であるか否かを判定する(ステップS1540)。この判定では、スケジューラ更新処理において、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタが更新されているか否かを判定する。換言すると、スケジューラ更新処理において、ポインタを更新しているときには画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているため、画面生成用スケジュールデータが起動中であると判定する一方、画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているときには画面生成用スケジュールデータが未起動であると判定する。なお、この判定では、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間であるか否かを、画面生成用スケジュールデータに基づいて判断することができるようになっており、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間であるときには、後述するステップS1542へ進む一方、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間でないとき(単なる、客待ちの待機した状態であるとき)には、そのままこのルーチンを終了するようになっている。
ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが起動中であるときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが未起動であるときには、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないか否かを判定する(ステップS1542)。この通信チェックカウンタCC−CNTは、上述したように、図101に示した接続不具合判定処理が実行されるごとに、同処理におけるステップS1522の判定において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数をカウントアップする(累積回数を数える)ものである。この判定では、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったか否かを判定する。
ステップS1542で通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回もないときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1542で通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったときには、通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるか否かを判定する(ステップS1544)。この通信異常フラグCC−FLGは、上述したように、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達してトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているか否かを示すフラグであり、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているとき値1、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を行い(ステップS1546)、このルーチンを終了する。このSYNCパターン出力処理では、周辺制御MPU1511aが周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子に対して接続確認信号を出力することにより、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dが演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0に対して所定のデータパターン(SYNCパターン)を出力する。この所定のデータパターン(SYNCパターン)は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに予め記憶されているものであって扉枠側演出用レシーバICSDIC0に対して出力されるものであり、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復するものである。
一方、ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているときには、通信エラー表示処理を行い(ステップS1548)、このルーチンを終了する。この通信エラー表示処理では、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している旨を伝えるために、図8に示した遊技盤5に備える遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に描画する処理を行う。例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示される。また、通信エラー表示処理では、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として、周辺制御MPU1511aからLOCKN信号出力要求データを送信し、扉枠側演出用レシーバICSDIC0がLOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN端子からLOCKN信号を周辺制御MPU1511aに出力し、このLOCKN信号が入力されていないときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして扉枠側演出表示装置460に不具合が発生していると判断し、その旨を、報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示する処理を行うとともに、報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)が扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し流れる処理を行う。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯する処理を行うようにしてもよい。
次に、周辺制御MPU1511aが図74に示した周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子に対して接続確認信号を出力するタイミングについて図103のタイミングチャートを用いて説明する。
まず、図8に示した遊技盤5に備える遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に変動表示される装飾図柄について簡単に説明すると、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理等により装飾図柄の変動表示が実行されるようになっており、図69に示した主制御基板1310の主制御MPU1310aよる図93に示した主制御側電源投入時処理の主制御側メイン処理や図94に示した主制御側タイマ割り込み処理等により図8に示した第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は図8に示した第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果が「大当り」となると、図8に示した大入賞口2005の開閉動作の繰返し回数(ラウンド数)が1ラウンド〜15ラウンドまでの計15ラウンドとなり、各ラウンドでは、所定時間(例えば、30秒間)内において、大入賞口2005に遊技球が入球して、その球数が所定個数(例えば、9球)となると、そのラウンドが消化するようになっており、大入賞口2005に遊技球が1球入球するごとに、所定個数(例えば、15球)の遊技球が払い出されるようになっている。
第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて、周辺制御基板1510の周辺制御部1511が液晶表示制御部1512を制御することにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の左側には左側装飾図柄、中央には中央装飾図柄、そして右側には右側装飾図柄の変動表示が開始され、所定時間経過した後に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が停止されて第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を遊技者が認識することができるようになっており、このとき、図66に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405で表示された第一特別図柄又は第二特別図柄においても第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を確認することができるようになっている。左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が変動表示されているときには背景画像が視認できる程度に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が半透明な態様となり、左側装飾図柄は表示領域の左上側から左下側に向かって、中央装飾図柄は表示領域の中央上側から中央下側に向かって、右側装飾図柄は表示領域の右上側から右下側に向かってそれぞれリールが回転しているかのような態様で変動表示されるとともに、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されると、停止表示された左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄と対応する位置における背景画像が視認困難となるように左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が不透明な態様となるようになっている。このように、図66に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において変動表示開始されて停止表示される第一特別図柄又は第二特別図柄と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域で変動表示開始されて停止表示される左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄と、が同期化されている。
周辺制御基板1510の周辺制御部1511は、第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を伝える主制御基板1310からのコマンドを受信すると、この受信したコマンドに基づいて、液晶表示制御部1512を制御することにより、図103に示すように、図8に示した遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されると(タイミングK0)、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図73に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタが更新されているため、つまりスケジューラ更新処理において、ポインタを更新しているときには画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているため、画面生成用スケジュールデータが起動中であり、画面生成用スケジュールデータが起動中である間、つまり左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理において、図102に示した接続回復処理を実行しても、この接続回復処理におけるステップS1540の判定で、そのままルーチンを強制的に終了するようになっている。
これにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないときであっても、つまり周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもある場合であっても、接続回復処理におけるステップS1546のSYNCパターン出力処理を行わず、トランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行わないようになっているし、接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を行わず、例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示されないようになっているため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を無効化するとともに、扉枠側演出表示装置460は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データに基づいて画像を表示する。
遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されると(タイミングK1)、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図73に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているため、つまりスケジューラ更新処理において、画面生成用スケジュールデータが未起動であり、画面生成用スケジュールデータが未起動である間においては、図95に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する図102に示した接続回復処理におけるステップS1540の判定で、同処理におけるステップS1542の処理へ進み、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回もないときには、そのままルーチンを終了する一方、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったときには、同処理におけるステップS1544の処理へ進み、通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、同処理におけるステップS1546の処理へ進み、上述したSYNCパターン出力処理を行い、ルーチンを終了する一方、通信異常フラグCC−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているときには、同処理におけるステップS1548の処理へ進み、上述した通信エラー表示処理を行い、ルーチンを終了する。
換言すると、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されている間においては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を必ず行うことにより、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行う一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているとき(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している)には、通信エラー表示処理を必ず行うことにより、例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを表示して報知する処理を行うようになっており、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を有効化している。
遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示され、再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されるまでのインターバル期間においては、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されている間であるため、上述したように、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が有効化され、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を必ず行うことにより、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行う一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているとき(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している)には、通信エラー表示処理を必ず行うことにより、例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを表示して報知する処理を行うようになっている。
再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されると(タイミングK2)、上述したように、画面生成用スケジュールデータが起動中であるため、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示される(タイミングK3)までの間においては、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないときであっても、つまり周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもある場合であっても、接続回復処理におけるステップS1546のSYNCパターン出力処理を行わず、トランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行わないようになっているし、接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を行わず、例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示されないようになっているため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を無効化するとともに、扉枠側演出表示装置460は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データに基づいて画像を表示する。
このように、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示され、再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されるまでのインターバル期間においては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が有効化される一方、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が無効化されるようになっている。これは、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の停止表示される組み合わせ結果が遊技者には最も関心のある情報であり、遊技者に利益が付与される大当り遊技状態が発生するか否かを遊技者が判断することができるため、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が変動表示されると、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されるまでは、扉枠側演出表示装置460の表示領域に描画される演出の画像がノイズの影響等により乱れて正しく描画できない状態となったとしても、途中で演出を中断し、正しく描画できる状態に回復する処理を行うのではなく、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄を停止表示させることにより、遊技者の最も関心のある情報を描画完了させている。
この点においては、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aが、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、LOCKN信号出力要求データを、周辺制御基板1510に備える差動化回路1512eに送信する場合と大きく異なっている。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御MPU1511aから送信されるものであって、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として送信されるものである。
周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが周辺制御基板1510に備える差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されると、上述したように、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が周辺制御基板1510に備える強制切替回路1512fに入力される。強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。そして演出表示駆動基板4450に備える液晶モジュール回路4450Vの扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、受信したその2つの信号がLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、そもそも、LOCKN信号出力要求データは、上述したように、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号とデータ形式が異なる構造であるため、異常なデータであると判断され、LOCKN信号を周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに出力する。これにより、周辺制御MPU1511aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとして演出表示駆動基板4450に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして演出表示駆動基板4450に不具合が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御して遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御してオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより扉枠3に設けたスピーカ等から報知音が流れる。これにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示される報知画像と、扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し流れる報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯してもよい。
このように、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、シリアルデータであるLOCKN信号出力要求データを送信すると、強制切替回路1512fがLOCKN信号出力要求データを扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信することができるように回路接続し、LOCKN信号出力要求データを受信した扉枠側演出用レシーバICSDIC0が応答信号として扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子からLOCKN信号を周辺制御MPU1511aに出力するようになっているため、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとして扉枠側演出表示装置460に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして扉枠側演出表示装置460に不具合が発生していると判断することができる。そして、周辺制御MPU1511aは、扉枠側演出表示装置460に不具合が発生していると判断したときには報知処理として、図102の接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を実行することができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU1511aは、扉枠側演出表示装置460の不具合を発見すると、その旨を、報知処理を実行することにより、ホールの店員等に報知することができるようになっているため、ホールの店員等は、遊技者が遊技を行う前に、扉枠側演出表示装置460に不具合が発生しているか否かを極めて簡単にチェックすることができ、そのチェックに手間がかからないようになっている。したがって、扉枠側演出表示装置460の不具合を手間をかけずに発見することができる。
また、LOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号であるため、扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから送信される画像を正常に受信できないときには扉枠側演出用レシーバICSDIC0と扉枠側演出用トランスミッタIC1512dとの画像通信間において通信不具合が発生して受信した描画データが異常なデータとなる旨を伝えるために、LOCKN信号を周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに出力することができるようになっている。これにより、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU1511aは、所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから扉枠側演出用レシーバICSDIC0へ送信開始する旨を伝える接続確認信号を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに出力することにより、画像通信間における通信不具合を解消させることができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU1511aは、画像通信間における通信不具合による扉枠側演出表示装置460の不具合を早期に発見して、その不具合を解消させるように扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに働きかけることができるようになっている。したがって、扉枠側演出表示装置460の不具合を発見して解消することにより遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
更に、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから送信される画像を受信して扉枠側演出表示装置460に出力する扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから送信される画像を正常に受信できないときには扉枠側演出用レシーバICSDIC0と扉枠側演出用トランスミッタIC1512dとの画像通信間において通信不具合が発生している旨を伝える通信不具合発生信号であるLOCKN信号を演出制御マイクロプロセッサである周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに出力することができるようになっているため、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU1511aは、液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aを制御して通信不具合が発生している旨を伝える画像である「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを生成し、この生成した画像を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して報知することができるようになっている。
換言すると、周辺制御MPU1511aは、画像通信間における通信不具合による扉枠側演出表示装置460の不具合を早期に発見して、その旨を、パチンコ機1の前面に着座する遊技者に報知してその遊技者がホールの店員等に伝えたり、パチンコ機1の前をたまたま通りかかったホールの店員等に直接報知することができるようになっているため、ホールの店員等は、その不具合が発生して早い段階でその不具合を解消するための作業に取り掛かることができる。したがって、扉枠側演出表示装置460の不具合を早期発見して解消することにより遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
更にまた、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、LOCKN信号を有効化して画像通信間における通信不具合を解消するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信開始する旨を伝える接続確認信号を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに、その累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達するまで、繰り返し出力し続けることができるようになっている。これにより、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し接続確認信号を出力し続けることができるため、通信不具合が解消される方向へ向かわせることができる。
そして、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、LOCKN信号を有効化して画像通信間における通信不具合を解消するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信開始する旨を伝える接続確認信号を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに、その累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達するまで、繰り返し出力し続けている際に、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して遊技の進行を再び実行開始したときには接続確認信号の出力を停止し、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、周辺制御MPU1511aから出力される接続確認信号が停止されて接続確認信号が入力されなくなると、所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信するのを停止して液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aが生成する画像を扉枠側演出用レシーバICSDIC0に出力することができるようになっている。これにより、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し不具合解消信号である接続確認信号を出力し続けることにより、通信不具合が解消される方向へ向かわせることができるようになっているため、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し接続確認信号を出力し続けている際に、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して遊技の進行を再び実行開始したとしても、扉枠側演出表示装置460の表示画面において進行する演出の歪み(画像の乱れ)は、主制御基板1310の主制御MPU1310aが遊技の進行を再び実行開始して終了するごと(タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)となるごと)に、解消する方向へ向かわせることができる。
以上のような実施形態によれば、パチンコ機1が図69の主制御基板1310及び図70の払出制御基板951を備えている。主制御基板1310は、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに向かって打球発射装置650によって発射される遊技球が遊技領域5aに設けられる始動領域である第一始動口2002や第二始動口2004に入球したことに基づいて遊技の進行を制御する遊技制御マイクロプロセッサである図69の主制御MPU1310aが実装されている。払出制御基板951は、主制御基板1310からの払出指令である図88(a),(b)の賞球コマンドに基づいて払出装置830による遊技球の払い出しを制御する払出制御マイクロプロセッサである図70の払出制御MPU952aが実装されている。
遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aは、少なくとも、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)を備えている。主制御内蔵RAMは、電源遮断後においても遊技に関する情報を記憶することができるようになっている。
払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aは、少なくとも、払出制御MPU952aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)を備えている。払出制御内蔵RAMは、電源遮断後においても払い出しに関する情報を記憶することができるようになっている。
本実施形態のパチンコ機1は、さらに、図70の操作スイッチ954を備えている。操作スイッチ954は、電源投入時から図92の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間内に操作されると、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技に関する情報を消去するための図77のRAMクリア信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310a出力するとともに、電源投入時から払出制御部電源投入時処理が行われる期間内に操作されると、払出制御内蔵RAMに記憶されている払い出しに関する情報を消去するためのRAMクリア信号として図82のRWMCLR信号を払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するRAMクリア機能と、電源投入時から図92の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間(又は、電源投入時から払出制御部電源投入時処理が行われる期間)が経過した後に操作されると、払出装置830に関して発生したエラーを解除するためのエラー解除信号として図82のRWMCLR信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aに出力せずに払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するエラー解除機能と、を兼備するものである。
このように、操作スイッチ954は、電源投入時から図92の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間内に操作されると、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技に関する情報を消去するための図77のRAMクリア信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aに出力するとともに、電源投入時から払出制御部電源投入時処理が行われる期間内に操作されると、払出制御内蔵RAMに記憶されている払い出しに関する情報を消去するためのRAMクリア信号として図82のRWMCLR信号を払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するRAMクリア機能と、電源投入時から図92の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間(又は、電源投入時から払出制御部電源投入時処理が行われる期間)が経過した後に操作されると、払出装置830に関して発生したエラーを解除するためのエラー解除信号として図82のRWMCLR信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aに出力せずに払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するエラー解除機能と、を兼備しているため、1つの操作スイッチ954による操作により、RAMクリア機能とエラー解除機能との2つの異なる機能をそれぞれパチンコ機1に設けることができる。したがって、コスト削減に寄与しながらRAMクリア機能及びエラー解除機能を設けることができる。
[パネル中継基板4161のセンサ信号入力部]
パネル中継基板4161のセンサ信号入力部は、遊技盤に配された各種検出センサ、例えば、一般入賞口センサ4020、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、カウントセンサ4005、振動検出センサ、磁気検出センサ4024等からの検出信号が入力される回路である。各検出センサからの検出信号が入力される回路構成は、同一であるため、ここでは、検出センサの一例として磁気検出センサ4024を挙げ、磁気検出センサ4024からの検出信号が入力される回路について説明する。
遊技機において、遊技領域に打ち込まれた遊技球に対し、磁石(例えば、永久磁石や電磁石)を近づける等して、遊技球の流下状態を欲しいがままに操り、不当な利益を得ようとする不正な遊技行為が後を絶たない。
このような不正な遊技行為を検知し、発光手段や音声による警報等によって不正行為を抑制するために、遊技領域の所定位置に対応させて、磁気を検出可能な磁気検出センサ4024が設けられている。
[従来の磁気センサ入力回路]
図104は遊技機に配備された従来の磁気センサ入力回路の一例を示す回路図である。
遊技機は主制御基板1310とパネル中継基板4161とを有している。図示するように、磁気検出センサ4024には、+5V作成回路1310gで作成された電圧+5Vが供給されている。
磁気検出センサ4024は、磁気センサMGSと内蔵型のトランジスタSTRとにより構成されている。磁気センサMGSは、例えば、磁気抵抗効果素子等からなり、所定値以上の磁気を検出しないときは所定の電圧(例えば、+5V)を出力し、所定値以上の磁気を検出したときは電圧を出力しない(0V)ようになっている。
トランジスタSTRのベース端子は磁気センサMGSの出力端子に接続され、トランジスタSTRのエミッタ端子は接地されている。トランジスタSTRのコレクタ端子はコネクタCON1を介してパネル中継基板4161に配備されたプルアップ抵抗IR0の一端に接続され、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。これにより、トランジスタSTRがオフ状態である場合には、トランジスタSTRのコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR0により+12V側に引き上げられている(第1の電圧に相当する)。
トランジスタSTRは、磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧によりオンし、コレクタ端子からエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタSTRは、磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの出力が停止されることによりオフし、コレクタ端子からエミッタ端子への電流の流れが停止される。
また、トランジスタSTRのコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR0と接続されるほかに、抵抗IR1の一端と接続され、抵抗IR1の他端はトランジスタITR0のベース端子に接続されている。トランジスタITR0のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR0のコレクタ端子はプルアップ抵抗IR2の一端に接続され、プルアップ抵抗IR2の他端には+12Vが印加されている。これにより、トランジスタITR0がオフ状態である場合には、トランジスタITR0のコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられている。
また、トランジスタITR0のコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR2と接続されるほかに、後段にあるトランジスタITR1のベース端子と接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bに接続されている。
主制御入力回路1310bは、プルアップ抵抗NR1、抵抗NR2、トランジスタNTR1により構成されており、プルアップ抵抗NR1の一端がコネクタCON2を介してパネル中継基板4161の前段のトランジスタITR1のコレクタ端子と接続され、プルアップ抵抗NR1の他端には、+12Vが印加されている。これにより、前段のトランジスタITRがオフ状態である場合には、トランジスタITR1のコレクタ端子は、プルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられている。
また、トランジスタITR1のコレクタ端子は、プルアップ抵抗NR1と接続されるほかに、抵抗NR2の一端と接続され、抵抗NR2の他端はトランジスタNTR1のベース端子に接続されている。トランジスタNTR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタNTR1のコレクタ端子は、主制御MPU1310aの入力ポートに電気的に接続されている。
同図において、検出センサ部は磁気検出センサ4024が該当し、電圧出力部4163は、磁気検出センサ4024と接続され、+12Vが印加されたプルアップ抵抗IR0が該当する。また、検知回路部4164は、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されると共に、+12Vが印加されたプルアップ抵抗IR2と、トランジスタITR0のコレクタ端子にベース端子が接続されたトランジスタITR1とにより構成された回路が該当する。
また、検知回路部4164の前段において、コネクタCON1、電圧出力部4163、抵抗IR1及びトランジスタITR0により構成された回路によりセンサ信号入力部4162が構成されている。このように、パネル中継基板4161には、センサ信号入力部4162及び検知回路部4164が配備されていることになる。
[検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、トランジスタSTRのコレクタ端子にトランジスタITR0のベース端子が接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子に印加される電圧も接地側に引き下げられる。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されているトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子にトランジスタITR0のベース端子が接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子に印加される電圧も+12V側に引き上げられる(第1の電圧に相当する)。これにより、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されているトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR2により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
以上に説明した、磁気センサMGS、内蔵のトランジスタSTR、トランジスタITR0、トランジスタITR1、トランジスタNTR1の作動状態を図108に表形式で示している。なお、磁気検出センサ4024がパネル中継基板4161に対して断線した場合も磁気センサMGSが磁気を検出したときの作動と同様に、トランジスタITR0がオンし、トランジスタITR1がオフし、トランジスタNTR1がオンする。
ところで、コネクタ部材によって信号伝達を行っている場合、コネクタ部材が腐食したり、コネクタ接続部分に塵埃が入り込むと、接触抵抗が発生する。コネクタ部材には、コネクタ部材の接触部端子の形状によってピンコンタクトタイプとベローズコンタクトとがあるが、ベローズコンタクトタイプの場合では、接続作業等の際にコネクタ部材に付帯するハーネスを引っ張ると、ピンコンタクトタイプに比べ隙間が開きやすい。隙間が開くと、この部分から塵埃等が入り込みやすくなる。
また、コネクタ部材に振動が加わる場合も同様に接触抵抗が発生する。例えば、右打ちをして遊技しているとき、多数の遊技球が連続的に集中して流下する遊技領域の特定部分からの振動がコネクタ部材に加わることで微摺動摩耗が発生した場合にも、これによって接触抵抗が発生する虞がある。
ここで、磁気検出センサ4024とパネル中継基板4161の電圧出力部4163とを電気的に接続しているコネクタ部材(コネクタCON1)にこのような接触抵抗RRが発生した場合の従来の磁気センサ入力回路の動作について説明する。例えば、図104においては、コネクタ部材に接触抵抗RRが発生した場合、接触抵抗RRが鎖線にて示されている。なお、接触抵抗RRの大きさは、コネクタの接触が正常な場合の100倍〜1000倍となる。
先に説明したように、磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、内蔵のトランジスタSTRがオンする。内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗RR(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう。図104においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0と抵抗IR1との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗RRに電流が流れることで第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い電圧がトランジスタITR0のベース端子に印加されることになる。そして、接触抵抗RRによって持ち上げられた電圧がトランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間の規定電圧に達することが起こると、トランジスタITR0がオン状態となる。そのため、磁気検出センサ4024が非検出状態であるにもかかわらず、トランジスタITR0がオン状態となる虞がある。即ち、パネル中継基板4161に配備された従来のセンサ信号入力部4162では、接触抵抗RRが発生するとセンサの信号を誤検知する虞がある。
[磁気センサ入力回路の実施例1]
図105は実施形態の遊技機に配備された磁気センサ入力回路の一例(実施例1)を示す回路図である。本実施形態における実施例1の磁気センサ入力回路は、図104の従来の磁気センサ入力回路の磁気検出センサ4024、コネクタCON1、パネル中継基板4161の電圧出力部4163、検知回路部4164、主制御基板1310の主制御入力回路1310bは同一の回路構成である。そのため、同一の回路構成部分には、同一の符号を使用する。
なお、磁気検出センサ4024は遊技領域内の複数箇所、例えば、第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001、大入賞口2005、アウト口1126等の近傍にそれぞれ設置されることになる。
本実施形態の磁気センサ入力回路が従来の磁気センサ入力回路と異なる点は、電圧出力部4163と検知回路部4164との間に、磁気検出センサ4024が磁気を検出しない非検出状態のときに、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子が接地側に引き下げられる電圧(第2の電圧)よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が印加されても、検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避する電圧かさ上げ部4166が備えられ、電圧かさ上げ部4166を介して電圧出力部4163と検知回路部4164とが電気的に接続されている点である。
この実施例1では、電圧かさ上げ部4166は、前記所定の電圧よりもツェナー電圧が高いツェナーダイオードZD0で構成されている例である。具体的には、ツェナーダイオードZD0のカソード端子は電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端と接続され、接続部分の前段においてコネクタCON1を介して磁気検出センサ4024の内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子と接続されている。
ツェナーダイオードZD0のアノード端子は、後段に配されているトランジスタITR0のベース端子と接続されている。また、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。トランジスタITR0のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR0のコレクタ端子は、検知回路部4164において、+12Vが他端に印加されたプルアップ抵抗IR2の一端に接続されるとともに、検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続されている。なお、コネクタCON1、電圧出力部4163、電圧かさ上げ部4166によりセンサ信号入力部4162が構成されている。
[コネクタの接触が正常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、トランジスタSTRのコレクタ端子はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR0のベース端子が接続されていることで、ツェナー電圧が第2の電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0は非導通状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気センサMGS部が磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR0のベース端子と接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子にはツェナー電圧が印加される(第1の電圧に相当する)。これにより、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されている検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
そして、主制御MPU1310aが、このような異常な状態であると判定した場合には、上記の例では、磁気検出スイッチ信号の論理がHIであると判定した場合には、主制御部MPU1310aが周辺制御部1511にエラーコマンドを送信し、外部端子板784からホールコンピュータにその旨の信号を出力する処理等を行う。周辺制御部1511がエラーコマンドに応じて、遊技盤側演出表示装置1600や扉枠側演出表示装置460、警報ランプ、音声等で異常を報知する。
[コネクタの接触が異常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。
内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗RR(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がる。図105においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0とツェナーダイオードZD0との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗に電流が流れることで第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧がツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加されることになる。第2の電圧よりも高い所定の電圧が印加されても、所定の電圧よりもツェナー電圧が高いため、ツェナーダイオードZD0は非導通状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。つまり、電圧かさ上げ部4166により検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
なお、後段の検知回路部4164と主制御入力回路1310bの動作は、コネクタの接触が正常な場合の検出動作と同じとなる。
これにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため(電圧変化がないため)、コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
なお、従来と同様に、磁気センサMGSによる異常が検知された場合には、主制御MPU1310aが周辺制御部1511にエラーコマンドを送信し、周辺制御部1511が送信されたエラーコマンドに応じて、磁石を用いた不正な遊技行為が行われたこと、または磁気検出センサ4024に断線が生じていることを遊技盤側演出表示装置1600や扉枠側演出表示装置460、警告表示器、音声等で報知する。また、外部端子板784からホールコンピュータにエラー信号を出力する。
[磁気センサ入力回路の実施例2]
図106は実施形態の遊技機に配備された磁気センサ入力回路の一例(実施例2)を示す回路図である。実施例2の磁気センサ入力回路は、図104の従来の磁気センサ入力回路の磁気検出センサ4024、コネクタCON1、パネル中継基板4161の電圧出力部4163、検知回路部4164、主制御基板1310の主制御入力回路1310bは同一の回路構成である。そのため、同一の回路構成部分には、同一の符号を使用する。
この実施例2では、電圧かさ上げ部4166は、一端が電圧出力部4163に接続された第1の抵抗IR1と、第1の抵抗IR1の他端に一端が接続され、他端が接地された第2の抵抗IR3とを含んで構成されている。本実施例2のセンサ信号入力部4162と、図104の従来のセンサ信号入力部4162とを比較すると、他端が接地された抵抗IR3の一端が、抵抗IR1の他端と後段に配されたトランジスタITR0のベース端子との接続点に、接続されている点で異なっている。すなわち、実施例2では、電圧かさ上げ部4166は、前記所定の電圧が印加されたときに接地に電流を流して落としてしまう抵抗IR3で構成されている例である。
なお、第1の抵抗IR1の一端は、電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端と接続され、接続部分の前段においてコネクタCON1を介して磁気検出センサ4024の内蔵トランジスタSTRのコレクタ端子と接続されている。
また、トランジスタITR0のコレクタ端子は、検知回路部4164において、+12Vが他端に印加されたプルアップ抵抗IR1の一端に接続されるとともに、トランジスタITR1のベース端子に接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続されている。なお、コネクタCON1、電圧出力部4163、電圧かさ上げ部4166によりセンサ信号入力部4162が構成されている。
[コネクタの接触が正常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、トランジスタSTRのコレクタ端子はトランジスタITR0のベース端子に接続されていることで、接地側に引き下げられた電圧がトランジスタITR0のベース端子に印加される。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気検出センサ4024が磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。
また、+12Vの電圧がプルアップ抵抗IR0、電圧かさ上げ部4166の第1の抵抗IR1、第2の抵抗IR3で構成された直列抵抗回路に印加され、プルアップ抵抗IR0、電圧かさ上げ部4166の第1の抵抗IR1、第2の抵抗IR3を経由して電流が接地に流れる。第2の抵抗IR3に電流が流れることにより、第2の抵抗IR3の両端間に発生する電位差が、トランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間に印加されることで、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されている検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
[コネクタの接触が異常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。
内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がる。図106においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0と第1の抵抗IR1との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗RRに電流が流れることで第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が第1の抵抗の一端に印加されることになる。この電圧は、磁気検出センサ4024の内蔵のトランジスタがオフしたときに印加される電圧に比べて十分に低い電圧となる。
第2の電圧よりも高い所定の電圧が第1の抵抗の一端に印加されると、第1の抵抗IR1に電流が流れ、さらにこの電流は第2の抵抗IR3を通じて接地に流れる。つまり、第2の抵抗IR3の他端が接地されているため、印加された第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧による電流がほぼ接地に落ちて、第2の抵抗IR3の後段のトランジスタITR0のベース端子には電流がほとんど流れ込まない。よって、後段のトランジスタITR0はオンしない。この結果、後段のトランジスタITR0はオフ状態を維持する。つまり、電圧かさ上げ部4166により、検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
なお、後段の検知回路部4164と主制御入力回路1310bの動作は、コネクタの接触が正常な場合の検出動作と同じとなる。
これにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため(電圧変化がないため)、コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
[磁気センサ入力回路の実施例3]
図107は実施形態の遊技機に配備された磁気センサ入力回路の一例(実施例3)を示す回路図である。実施例3の磁気センサ入力回路は、図104の従来の磁気センサ入力回路の磁気検出センサ4024、コネクタ、パネル中継基板4161の電圧出力部4163、検知回路部4164、主制御基板1310の主制御入力回路1310bは同一の回路構成である。そのため、同一の回路構成部分には、同一の符号を使用する。
この実施例3では、電圧かさ上げ部4166は、第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧よりも高い動作電圧に設定されたダーリントン回路を構成する2つのトランジスタITR0、ITR2と抵抗IR1、IR4、IR5を含んで構成されている。
前述の実施例2と比較すると、実施例3では、他端が接地された抵抗IR3に代えて直列接続した抵抗IR4と抵抗IR5とをダーリントン回路を構成する2つのトランジスタITR0、ITR2に各々並列に接続している。すなわち、実施例3では、電圧かさ上げ部4166は、前記所定の電圧が印加されたときに接地に電流を流して落としてしまう抵抗IR4と抵抗IR5で構成されている例である。
より具体的には、抵抗IR1の一端が電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端に接続され、抵抗IR1の他端がダーリントン回路の前段のトランジスタITR0のベース端子に接続されている。トランジスタITR0のエミッタ端子は、ダーリントン回路の後段のトランジスタITR2のベース端子と接続され、トランジスタITR2のエミッタ端子は接地されている。
また、抵抗IR1の他端は前段のトランジスタITR0のベース端子と接続されるほかに、抵抗IR4の一端に接続され、抵抗IR4の他端は前段のトランジスタITR0のエミッタ端子と接続されている。また、前段のトランジスタITR0のエミッタ端子には、抵抗IR5の一端が接続され、抵抗IR5の他端は接地されている。
つまり、前段のトランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間に抵抗IR4が並列接続され、後段のトランジスタITR2のベース端子とエミッタ端子間に抵抗IR5が並列接続されていることになる。また、2つのトランジスタITR0、ITR2のコレクタ端子は、検知回路部4164の+12Vが他端に印加されたプルアップ抵抗IR2の一端にされるとともに、トランジスタITR1のベース端子と接続されている。
[コネクタの接触が正常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。トランジスタSTRのコレクタ端子にトランジスタのベース端子が接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子に印加される電圧も接地側に引き下げられる。これにより、トランジスタITR0がオフし、トランジスタITR2もオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気検出センサ4024が磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。
また、+12Vの電圧がプルアップ抵抗IR0、電圧かさ上げ部4166の抵抗IR1、抵抗IR4、抵抗IR5で構成された直列抵抗回路に印加され、プルアップ抵抗IR0、電圧かさ上げ部4166の抵抗IR1、抵抗IR4、抵抗IR5を経由して電流が接地に流れる。抵抗IR4に電流が流れることにより、抵抗IR4の両端間に発生する電位差が、前段のトランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間に印加される。これにより、前段のトランジスタITR0がオンする。
前段のトランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子、抵抗IR5を経由して接地に電流が流れる。抵抗IR5に電流が流れることにより、抵抗IR5の両端間に発生する電位差が、後段のトランジスタITR2のベース端子とエミッタ端子間に印加される。これにより、後段のトランジスタITR2がオンする。
後段のトランジスタITR2がオンすると、プルアップ抵抗IR2、後段のトランジスタITR2のコレクタ端子、トランジスタITR2のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR2がオンすることで、後段のトランジスタITR2のコレクタ端子に接続されている検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
[コネクタの接触が異常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。
内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗RR(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がる。図107においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0と抵抗IR1との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗に電流が流れることで第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が抵抗IR1の一端に印加されることになる。この電圧は、磁気検出センサ4024の内蔵のトランジスタがオフしたときに印加される電圧に比べて十分に低い電圧となる。
第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が抵抗IR1の一端に印加されると、抵抗IR1に電流が流れ、さらにこの電流は抵抗IR4及び抵抗IR5を通じて接地に流れる。つまり、抵抗IR5の他端が接地されているため、印加された所定の電圧による電流のほとんどが接地に落ちて、抵抗IR1の後段にあたるダーリントン回路の前段のトランジスタITR0のベース端子にはほとんど電流が流れ込まない。よって、前段のトランジスタITR0はオンしない。また、後段のトランジスタITR2もオンしない。
この結果、ダーリントン回路の2つのトランジスタITR0、ITR2はオフ状態を維持する。つまり、電圧かさ上げ部4166が検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
なお、後段の検知回路部4164と主制御入力回路1310bの動作は、コネクタの接触が正常な場合の検出動作と同じとなる。
これにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため(電圧変化がないため)、コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
また、図109に示すように、複数の磁気検出センサ4024の各々にそれぞれ接続された複数のオープンコレクタ型のセンサ信号入力部4162が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に複数並列に接続されている。これらセンサ信号入力部4162のいずれか1つが、磁気を検出してオンしたときに、検知回路部4164のトランジスタITR1がオフするものである。
なお、磁気検出センサ4024とセンサ信号入力部4162との結線のいずれか1つが断線した場合も同様に、断線した磁気検出センサ4024に対応するセンサ信号入力部4162がオンすることで検知回路部4164のトランジスタITR1がオフする。また、センサが複数ある場合、これら複数のセンサに対して電圧出力部4163をそれぞれ設け、それぞれ設けた電圧出力部4163を、ダーリントン回路を複数有するトランジスタアレイ、例えば「TD62083AP」(市販品、TOSHIBA社製)に接続して用いることができる。
以上、本実施形態のパネル中継基板4161に配備されたセンサ信号入力部4162について説明したが、センサ信号入力部4162に適用できる検出センサは、磁気検出センサ4024に限定されるものではなく、コネクタ部材により検出センサからセンサ信号の伝達を行うものであればよく、各種センサ、例えば、一般入賞口センサ4020、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、カウントセンサ4005、振動検出センサ、接触センサ等を適用することが可能である。
[パネル中継基板4161のセンサ信号入力部4162が適用可能である応用例]
以上に説明した実施例1〜実施例3のセンサ信号入力部4162は、コネクタの接触が異常な場合に発生する接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止するものとして説明した。ところで、実施例1〜実施例3のセンサ信号入力部4162の適用可能な部位は、コネクタの接触部分に限られるものではない。
先に説明したが、遊技機では、検出センサは遊技領域内の複数箇所(例えば、始動口、入賞口、大入賞口、アウト口等の近傍にそれぞれ配置させる)を設置対象とする事情がある。そのため、検出センサと検出センサからの検出信号を検出する検出回路部(例えば、パネル中継基板のトランジスタ等)との電気的接続は、検出センサの設置個所により、種々の回路パターンや配線(ハーネス)の長さが適宜選択される。この点については、遊技機の機種の違いにより様々な形態を取ることになる。
ところで、使用されている電気部品(例えば、コネクタや検出センサ)並びに配線パターンの経年変化や、配線(ハーネス)の長さにより、抵抗値が変化することで検出センサに流れる電流が変化して設計値と異なることで正常に回路が動作しなくなる虞がある。また、開発途中の仕様変更により、例えば、検出センサの種類、配置箇所、配線(ハーネス)の長さを設計変更するような場合にも、抵抗値が変化する。そのため、検出センサに流れる電流が変化する。また、検出センサの配置箇所の変更したり、ハーネスの長さを延長したり、ハーネスを引き回す場所が変わることによっては、ノイズを拾いやすい箇所がある場合があり、ノイズの影響度も変化する。
このようなことが原因となって変化する抵抗値に電流が流れると、検出センサに流れる電流が本来の設計値と異なる虞がある。即ち、検出センサの信号を誤検知する虞がある。
また、ノイズの影響によっても、正常に回路が動作しなくなって、検出センサの信号を誤検知する虞がある。
実施例1〜実施例3の電圧かさ上げ部4166を備えたセンサ信号入力部4162は、使用されている電気部品(例えば、コネクタや検出センサ)並びに配線パターンの経年変化や、配線(ハーネス)の長さにより、抵抗値が変化する場合においても、経年変化やノイズによる検出センサからの信号の誤検知を防止でき、検出回路を汎用化できるものでもある。なお、図104の従来例及び図105の実施例において、変化する抵抗値を二点鎖線による囲みで示した。
以下では、ハーネスにノイズが載った場合を一例として説明することとする。また、図110(A)は従来例におけるセンサ信号入力部4162に入力される信号波形を示し、図110(B)は実施例におけるセンサ信号入力部4162に入力される信号波形を示している。図110(A)の左側はノイズがない場合に入力される信号波形であり、右側はノイズが載った場合に入力される信号波形である。
図110(A)に示すように、従来例では、ノイズなしの場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態では、ローレベル(0.4V)であり、図104のトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)よりも低いレベルを維持できる。磁気検出センサ4024が磁気を検出した状態では、ハイレベル(12V)であり、トランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)よりも高いレベルとなり、トランジスタITR0はオンする。
一方、従来例では、ノイズが載った場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態であっても、ハッチング部分で示すようにノイズ波形のピークがトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)を超えてしまうため、トランジスタITR0がオンしてしまい、オフ状態を維持できない。よって、センサの信号を誤検出してしまう。
また、ノイズに限らず、例えば、図110(A)に示すように、オーバーシュートが発生した場合、磁気を検出した状態では、誤検出にならないが、アンダーシュートが発生した場合、トランジスタITR0がオンしてしまい、オフ状態を維持できない。よって、センサの信号を誤検出してしまう。
図110(B)に示すように、実施例では、電圧かさ上げ部4166により、図105のトランジスタITR0のベース端子に入力可能な電圧が、0.8Vよりも高い電圧の一例として2Vにかさ上げされている。検出動作は、ノイズなしの場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態では、ローレベル(0.4V)であり、かさ上げされた電圧2Vよりも低いので、トランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)よりも低いレベルを維持できる。磁気検出センサ4024が磁気を検出した状態では、ハイレベル(12V)であって、かさ上げされた電圧2Vよりも高いので、電圧かさ上げ部4166がオンするとともにトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)よりも高いレベルとなり、トランジスタITR0はオンする。
一方、実施例では、ノイズが載った場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態であっても、ノイズ波形のピークがトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)を超えてしまっても、かさ上げされた電圧2Vよりも低いので、電圧かさ上げ部4166がオフ状態を維持する。そのため、トランジスタITR0はオフ状態を維持できる。よって、誤検出を防止できる。
次に、例えば、経年変化によって抵抗値が上昇したことによる電圧上昇が起きた場合を一例として説明することとする。また、図111(A)は従来例におけるセンサ信号入力部4162に入力される信号波形を示し、図111(B)は実施例におけるセンサ信号入力部4162に入力される信号波形を示している。図111(A)の左側は正常な場合に入力される信号波形であり、右側は経年変化によって抵抗値が上昇したことによる電圧上昇が起きた場合に入力される信号波形である。
従来例では、経年変化によって抵抗値が上昇したことによる電圧上昇が起きた場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態であっても、ハッチング部分で示すように入力される電圧がトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)を超えてしまうため、トランジスタITR0がオンしっぱなしになってしまい、オフ状態を維持できない。よって、センサの信号を誤検出してしまう。
一方、実施例では、経年変化によって抵抗値が上昇したことによる電圧上昇が起きた場合であっても、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態では、入力される電圧がトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)を超えてしまっても、かさ上げされた電圧2Vよりも低いので、電圧かさ上げ部4166がオフ状態を維持する。そのため、トランジスタITR0はオフ状態を維持できる。よって、誤検出を防止できる。
このように、実施例1〜実施例3のセンサ信号入力部4162は、電圧かさ上げ部4166を備えているため、経年変化やノイズによる検出センサからの信号の誤検知を防止できる。また、センサ信号入力部4162は、電圧かさ上げ部4166を備えているため、検出センサの配置箇所の変更したり、ハーネスの長さを延長したり、ハーネスを引き回す場所が変わることによっては、ノイズを拾いやすい箇所がある場合があっても、センサ信号入力部4162はノイズの影響を防止できる。このため、パネル中継基板4161に配備される回路部(センサ信号入力部4162及び検知回路部4164)を汎用化できる。
そのため、開発途中での設計変更に余裕度を持たすことが可能になる。
[別実施例のセンサ信号入力部4162′]
以上に説明した実施例1〜実施例3で示した磁気検出センサ4024は、内蔵のトランジスタSTRを備え、磁気を検出しないときに内蔵のトランジスタSTRがオンする一方、磁気を検出したときに内蔵のトランジスタSTRがオフするものを用いているが、換言すると、センサ信号入力部4162では、磁気を検出しないときに入力がロー、磁気を検出したときに入力がハイとなるものを用いているが、これに代えて、磁気を検出しないときに入力がハイ、磁気を検出したときに入力がローとなる磁気センサ、換言すると、磁気を検出しないときにはオフし、磁気を検出したときにオンする磁気センサを用いることも可能である。
図112は、別実施例の磁気センサ入力回路の一例を示す回路図である。磁気センサMGSは、所定値以上の磁気を検出しないときはオフし、所定値以上の磁気を検出したときはオンするようになっている。
磁気センサMGSの入力端子は、コネクタCON1を介してパネル中継基板4161に配備されたプルアップ抵抗IR0の一端に接続され、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。また、磁気センサMGSの出力端子は接地されている。
電圧かさ上げ部4166は、先に説明した実施例1〜実施例3のものを用いることが可能である。この別実施例では、電圧かさ上げ部4166は、前記所定の電圧よりもツェナー電圧が高いツェナーダイオードZD0で構成されている例である。具体的には、ツェナーダイオードZD0のカソード端子は電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端と接続され、接続部分の前段においてコネクタCON1を介して磁気センサMGSの入力端子に接続されている。
ツェナーダイオードZD0のアノード端子は、後段に配されているトランジスタITR0のベース端子と接続されている。なお、別実施例では、検知回路部4164′はトランジスタITR0で構成されている。また、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続され、+12Vが一端に印加されたプルアップ抵抗NRに接続されている。
ここで、主制御基板1310の主制御入力回路1310bの回路構成は実施例1〜実施例3と同様である。なお、別実施例では、電圧出力部4163と電圧かさ上げ部4166とによりセンサ信号入賞部4162′が構成され、トランジスタITR0によって検知回路部4164′が構成されている。
[正常な場合の検出動作]
磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSはオフしている。これにより、プルアップ抵抗IR0により+12V側に引き上げられた電圧が、ツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加される(第1の電圧に相当する)。この印加電圧はツェナー電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0はオンとなり、ツェナーダイオードZD0のアノード端子を介して検知回路部4164のトランジスタITR0のベース端子に印加されることで、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、検知回路部4164′のランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSはオンする。
磁気センサMGSがオンすると、+12Vが印加されているプルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、磁気センサMGSの入力端子、磁気センサMGSの出力端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端の電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、プルアップ抵抗IR0の一端はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR1のベース端子が接続されていることで、ツェナー電圧が第2の電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0はオフ状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
[抵抗値の変化に起因する異常な場合の検出動作]
磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSはオフしている。これにより、プルアップ抵抗IR0により+12V側に引き上げられた電圧が、ツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加される(第1の電圧に相当する)。この印加電圧はツェナー電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0はオンとなり、ツェナーダイオードZD0のアノード端子を介して検知回路部4164のトランジスタITR0のベース端子に印加されることで、トランジスタITR0がオンする。
このときに、磁気センサMGSからのハーネスにノイズが載っていたとしても、ツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加される(第1の電圧に相当する)の方が高い電圧であるため、ツェナーダイオードZD0のアノード端子を介して検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧に影響はなく、トランジスタITR0がオンすることに変わりはない。つまり、電圧かさ上げ部4166により検知回路部4164′に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
一方、磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSはオンする。磁気センサMGSがオンすると、+12Vが印加されているプルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、磁気センサMGSの入力端子、磁気センサMGSの出力端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端の電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、プルアップ抵抗IR0の一端はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR1のベース端子が接続されていることで、ツェナー電圧が第2の電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0はオフ状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。
このときに、磁気センサMGSからのハーネスにノイズが載っていたとしても、ツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加されるノイズによる所定の電圧は、第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧であり、この所定の電圧がツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加されることになる。第2の電圧よりも高い所定の電圧が印加されても、所定の電圧よりもツェナー電圧が高いため、ツェナーダイオードZD0はオフ状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。つまり、電圧かさ上げ部4166により検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。なお、主制御入力回路1310bの動作は、正常な場合の検出動作と同じとなる。
[パネル中継基板4161に複数のセンサ信号入力部4162を配置した例]
次に、図113は、請求項1に係る発明の回路構成の一例を示す図である。図113に示すように、同一基板(パネル中継基板4161上に)、電圧出力部4163と電圧かさ上げ部4166と、検知回路部4164との3つを配置している例をしめしているが、これに限られることはなく、例えば、同一の基板上に、電圧かさ上げ部4166と、電圧出力部4163と検知回路部4166との少なくとも一方が配置されている、構成としてもよい。図114は、同一の基板(パネル中継基板4161)上に電圧かさ上げ部4166と検知回路部とを4164を配置し、電圧出力部4163を別基板(例えば、センサ基板)に配置した回路構成の例を示す図である。
また、図115は、同一の基板(パネル中継基板4161)上に電圧出力部4163と電圧かさ上げ部4166とを配置し、検知回路部4164を別基板(例えば、メイン制御基板1310)上に配置した回路構成の例を示す図である。このように、電圧出力部4163と検知回路部4164との配置位置は種々に変更が可能である。
図114は、本発明の実施例に係る発明の回路構成の別の一例を示す図である。経年変化や配線長さにより変化する抵抗値は、磁気検出センサ4024又は磁気センサMGSと、これらからパネル中継基板4161までの配線(ハーネス)と、コネクタCON1とを含むものである。遊技盤5aにおける所定位置に配置された検出センサ部は、図113では実施例1〜実施例3の磁気検出センサ4024で構成されている。
電圧出力部4163は、検出センサ部が第1の状態のときは第1の電圧を出力する一方、検出センサ部が第2の状態のときは第1の電圧よりも低い電圧である第2の電圧を出力する。例えば、図113に示す回路では、磁気検出センサ4024が磁気を検出しない状態のときは、ローレベルの電圧(例えば、0.4V)を出力する一方、磁気検出センサ4024が磁気を検出した状態のときは、ハイレベルの電圧(例えば、12V)を出力する。
検知回路部4164は、電圧出力部4163から出力された第1の電圧または第2の電圧に対応して検出信号の出力のオンオフを切り換える。図113の検知回路部4164では、実施例1〜実施例3で説明した検知回路部4164を用いているため、+12Vにプルアップされたプルアップ抵抗IR2がトランジスタITR1のベース端子の前段に接続されている。
そうして、電圧出力部4163の後段に対して、第2の電圧(各実施例においては例えば0.4Vとなっている)よりも高く第1の電圧(各実施例においては例えば12Vとなっている)よりも低い所定の電圧(一例として0.8V以上で2.0V未満の電圧を図111にて図示した)が印加されても、検知回路部4164に対する所定の電圧による作用を回避する電圧かさ上げ部4166が備えられている。
さらに、図113に示すように、同一の基板(パネル中継基板4161上)上に、一つの検知回路部4164と、複数の電圧出力部4163及び複数の電圧かさ上げ部4166とが配置されている。なお、本例では、電圧出力部4163と、電圧出力部4163の後段に配された電圧かさ上げ部4166とでセンサ信号入力部4162が構成されている。
また、複数の電圧かさ上げ部4166、・・・各々が一つの検知回路部4164に電気的に並列接続されている。
具体的には、図113に示すように、複数の磁気検出センサ4024または磁気センサMGSの各々にそれぞれ接続された複数のオープンコレクタ型のセンサ信号入力部4162が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に複数並列に接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続されている。
図113において、これらセンサ信号入力部4162のいずれか1つでも磁気を検出してオンしたときには、検知回路部4164のトランジスタITR1がオフし、これにより主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1がオンするものである。よって、複数の検出センサ部のいずれについても誤検知することなく検出信号を検知することができる。このように、電圧かさ上げ部4166を備えたセンサ信号入力部4162を用いると、図示するように変化する抵抗値を考慮する必要がなくなる。そのため、一つの基板上(パネル中継基板4161上)に複数のセンサ信号入力部4162を集約させることができ、様々な機種の遊技機にパネル中継基板4161を共通して使用(汎用化)することが可能となる。そのため、開発途中の設計変更や製造に係る工数の削減に貢献するものである。
図116は、図112で説明した別実施例の磁気センサMGSを複数個を設け、複数個の磁気センサMGSを電圧出力部4163に電気的に各々並列に接続した例を示している。また、図116では別実施例の磁気センサMGSで構成されている。図116の別例では、磁気センサMGSが磁気を検出した状態のときは(磁気センサMGSがオン)、電圧出力部4163はローレベルの電圧(例えば、0.4V)を出力する一方、磁気センサMGSが磁気を検出しない状態のときは(磁気センサMGSがオフ)、電圧出力部4163はハイレベルの電圧(例えば、12V)を出力する。
一方、図116では、別実施例で説明した検知回路部4164′を用いているため、+12Vにプルアップされたプルアップ抵抗IR2がない点が異なっており、主制御入力回路1310aの一端に+12Vが印加されたプルアップ抵抗NR1によって、トランジスタITR0のコレクタ端子が+12Vに引き上げられている。
図116おいて、これら磁気センサMGSのいずれか1つでも磁気を検出してオンしたときには、検知回路部4164′のトランジスタITR0か゛オフし、これにより主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1がオンするものである。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ機1において、遊技進行や演出にかかる制御について総括する。
上述の通り、主制御基板1310は、パチンコ機1全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、周辺制御基板1510は、主制御基板1310が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置1600の表示態様(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの表示画像など)や、演出に寄与する各種部材(演出操作ユニット400や可動部材など)の表示態様や動作態様を制御する。
特に、主制御基板1310では、割込処理が行われる都度、特別図柄プロセス処理を行う。この特別制御処理では、まず、第一・第二始動口入賞処理を行う。この第一・第二始動口入賞処理では、始動口に遊技球が入賞したか否かの判断が行われ、入賞した旨判断したときには該当する特別図柄側の保留数を1増加させる処理などが行われる。
第一・第二始動口入賞処理を終えたとき、処理フラグが0であれば、変動開始処理を実行する。この変動開始処理では、保留数が1以上であることを条件に、保留状態にある大当り判定を消化してこれを実行し、この大当り判定(当落や、その種別など)の結果を記憶した後、処理フラグを「1」に更新する。
一方、第一・第二始動口入賞処理を終えたとき、処理フラグが1であれば、変動パターン設定処理を実行する。この変動パターン設定処理では、上記記憶した大当り判定の結果や現在の遊技状態などに基づいて第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器に表示される特別図柄(識別図柄)の変動パターン(特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの変動時間など)や停止図柄(大当り図柄やハズレ図柄など)を決定・設定した後、処理フラグを「2」に更新する。
また一方、第一・第二始動口入賞処理を終えたとき、処理フラグが2であれば、変動中処理を実行する。この変動中処理では、変動パターン設定処理にて決定・設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を停止させる。そしてこの後、変動開始処理にて記憶した大当り判定の結果が大当りであるときには、処理選択フラグを「3」に更新し、変動開始処理にて記憶した大当り判定の結果が大当りでないとき(ハズレ)には、処理選択フラグを「0」に更新する。すなわちこの場合、次の割込処理では、変動開始処理から再びやり直すこととなる。
また一方、第一・第二始動口入賞処理を終えたとき、処理フラグが3であれば、大当り遊技処理を実行する。この大当り遊技処理では、大当り遊技を実行するための条件の一つである条件装置を作動させて、当選した大当りの種別に基づいて決定された大当り遊技の態様(例えばラウンド数)をセットし、これに基づいて開閉部材2106にかかる開閉動作が制御される。また、大当り遊技が終了する場合には、条件装置の作動を停止させる処理を行ったり、当選した大当りの種別が特別種別であるときには時短状態や確変状態などの有利状態に制御されていることを示すように遊技状態フラグの更新を行った後、処理フラグが「0」に更新される。すなわちこの場合、次の割込処理では、変動開始処理から再びやり直すこととなる。
なお、変動パターンとしては、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、特別図柄の図柄変動が開始してから終了するまでの時間を決定付けるものであるほか、周辺制御基板1510に対してその情報が送信されることで、演出表示装置1600において現れる演出パターンの種類を決定しうるものである。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用変動パターン、はずれリーチ変動用変動パターン、及びはずれ変動用変動パターンに分類できる。大当り変動は、大当り判定の結果が大当りであるときに行われる変動であり、演出表示装置1600では、リーチ演出を経て、装飾図柄の変動表示が最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれリーチ変動は、大当り判定の結果がハズレであり、且つリーチ乱数に基づくリーチ判定にてリーチを行う旨判断されたときに行われる変動であり、演出表示装置1600では、リーチ演出を経て、装飾図柄の変動表示が最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれ変動は、大当り判定の結果がハズレであり、且つリーチ乱数に基づくリーチ判定にてリーチを行う旨判断されなかったときに行われる変動であり、演出表示装置1600では、リーチ演出を経ないで、装飾図柄の変動表示が最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。
また、変動パターンは、第1特別図柄側と第2特別図柄側とのいずれの変動パターンであるかを特定可能なように規定されている。
すなわち、周辺制御基板1510では、主制御基板1310から大当り判定の結果などの遊技情報を取得してこれを参照することで、こうした装飾図柄の変動パターンを出現可能としている。また、周辺制御基板1510では、該取得した遊技情報に基づいて演出表示装置1600にて装飾図柄の変動パターンを出現させるほか、期待度に関わる演出表示(背景や保留画像)を変化させたり、演出操作ユニット400における態様(表示や動き)を変化させたり、裏下後可動演出ユニット3100などの可動部材を動作させたりする制御を実行する。
また、周辺制御基板1510では、操作ボタン410に対する操作情報や、開口窓近傍における遊技者の操作情報を取得し、これらの情報に応じた演出にかかる制御も実行しうる。
ここで、開口窓近傍における操作情報の取得原理について説明する。図119は、開口窓近傍における操作情報の取得原理を説明するための模式図であり、操作情報の取得原理を説明する上で関係のない部材を割愛しているほか、関係のある部材についてもこれらを模式的に示している。また、図120は、図119におけるA−A矢視断面図である。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、本体枠4内に収められ、遊技球が流下する遊技領域5aが形成された遊技盤5と、遊技領域5aが視認可能とされる開口窓を有し本体枠4に対して開閉可能に設けられる扉枠3とを備えている。そして、扉枠3には、図119及び図120に示されるように、開口窓の外周に沿うように立設されて少なくともその内側面で光を反射可能に形成された反射立壁部33が設けられている。なお、開口窓は、貫通口111のうちガラス板192よりも手前側(表側)となる部分である。
ここで、反射立壁部33は、枠装飾として設けられている。より具体的には、反射立壁部33は、下皿ユニットベース323によって形成される下側反射立壁部338と、左ユニットベース531によって形成される左側反射立壁部538と、右ユニットベース551によって形成される右側反射立壁部568とを備えており、これらの部材を、開口窓の外周周縁に沿うように略コの字状(開口窓の上方側には反射立壁部を設置しない態様)で配することによって構成されている。そして、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568では、それらの内側面が、一の特定仮想平面P(図120)に対していずれも略垂直の関係となる光の反射面となるように設けられている。
このような構成によれば、略コの字状に形成された反射立壁部33のうち、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568のいずれも設けられていない部分(開口窓の上方側)が、「開口窓の外周外にある所定光源からの光が、上記一の特定仮想平面P上を進行して開口窓の外周内に取り込まれ、ひいては反射立壁部33で反射されるようにする」ことを可能ならしめる第一部分として機能するとともに、「反射立壁部33で反射された光が上記一の特定仮想平面P上を進行して開口窓の外周外で検出されるようにする」ことを可能ならしめる第二部分としても機能するようになる。
またさらに、この実施の形態にかかる反射立壁部33では、3つの別部材(下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、右側反射立壁部568)の各内側面に跨って一の反射用部材36(例えば、反射用シール)が取り付けられる構造を採用しており、これによって3つの別部材のつなぎ目も含めて当該反射立壁部33としての反射性能を好適に確保するようにしている。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図119に示されるように、扉枠3のうち上記開口窓の外周外となる上部左側にて設けられる左側サイドベース572a(図23参照)の内部空間3435aにおいて、左側外周外発光部34aと左側外周外光検出部35aとを備えている。なお、左側サイドベース572aこれ自体は、光の透過率が極めて低い(若しくは、0)部材によって設けられている。
ここで、上記内部空間3435aは、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568とそれぞれ交わる上記一の特定仮想平面Pを含む空間であり、且つ開口窓の設けられる側に向けてのみ開口されて該開口窓側に向けて光が進行可能とされるとともに該開口窓側からの光が取り入れられる空間として設けられている。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような内部空間3435aを左側上部スピーカ573裏に設けるようにしつつも該スピーカ573裏からの不正行為を抑制するべく、開口窓との間に透過性が極めて高く且つ光の進行方向への影響も極めて低くなるように設計された透過部材3436aを配設するようにしている。
また、上記左側外周外発光部34aは、上記左側外周外光検出部35aとユニット化されており、上記一の特定仮想平面P上のうち少なくとも開口窓の設けられる側の広い範囲に向けて光が進行可能とされるように設けられている。
また、上記左側外周外光検出部35aは、上記左側外周外発光部34aとユニット化されており、開口窓の設けられる側からの光を少なくとも上記一の特定仮想平面P上にて検出可能とされるように設けられている。
このような構成によれば、左側外周外発光部34aからの光は、開口窓側へと進行した後に反射立壁部33で反射され、該反射立壁部33からの反射光となって上記内部空間3435aに取り入れられる。この点、内部空間3435aでは、上記左側サイドベース572aによって開口窓側からの光のみが取り入れられるようになっていることから、外乱が好適に抑制されているなかで、上記左側外周外発光部34aから発光されて上記反射立壁部33で反射された光を上記左側外周外光検出部35aによって検出することが可能とされるようになる。
またさらに、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図119に示されるように、扉枠3のうち上記開口窓の外周外となる上部右側にて設けられる右側サイドベース572b(図23参照)の内部空間3435bにおいて、右側外周外発光部34bと右側外周外光検出部35bとを備えている。なお、右側サイドベース572bこれ自体も、光の透過率が極めて低い(若しくは、0)部材によって設けられている。
ここで、上記内部空間3435bは、内部空間3435aと同様、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568とそれぞれ交わる位置にある上記一の特定仮想平面Pを含む空間であり、且つ開口窓の設けられる側に向けてのみ開口されて該開口窓側に向けて光が進行可能とされるとともに該開口窓側からの光が取り入れられる空間として設けられている。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような内部空間3435bを右側上部スピーカ573裏に設けるようにしつつも該スピーカ573裏からの不正行為を抑制するべく、開口窓との間に透過率が極めて高く且つ光の進行方向への影響も極めて低くなるように設計された透過部材3436bを配設するようにしている。
また、上記右側外周外発光部34bは、上記右側外周外光検出部35bとユニット化されており、上記一の特定仮想平面P上のうち少なくとも開口窓の設けられる側の広い範囲に向けて光が進行可能とされるように設けられている。
また、上記右側外周外光検出部35bは、上記右側外周外発光部34bとユニット化されており、開口窓の設けられる側からの光を少なくとも上記一の特定仮想平面P上にて検出可能とされるように設けられている。
このような構成によれば、右側外周外発光部34bからの光は、開口窓側へと進行した後に反射立壁部33で反射され、該反射立壁部33からの反射光となって上記内部空間3435bに取り入れられる。この点、内部空間3435bでは、上記右側サイドベース572bによって開口窓側からの光のみが取り入れられるようになっていることから、外乱が好適に抑制されているなかで、上記右側外周外発光部34bから発光されて上記反射立壁部33で反射された光を上記右側外周外光検出部35bによって検出することが可能とされるようになる。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあっては、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568によってそれらの高さ幅分だけ三方向から囲まれる領域(図120において点々模様で記されている領域)が、遊技者による操作を検出可能な特別操作受け部3333として機能しており、この特別操作受け部3333に対する遊技者の操作態様が判定されることで、該判定に応じた演出制御が実行可能とされている。
例えば、特別操作受け部3333に対して遊技者による操作が行われない場合、左側外周外発光部34aから広い角度範囲で照射される光は、何らかの物理オブジェクトによって遮られることなく、反射立壁部33における様々な角度(少なくとも一の特定仮想平面P上における様々な角度)からの反射光となって左側外周外光検出部35aに向かうこととなる。すなわち、左側外周外光検出部35aでは、光学レンズなどを用いてこのような様々な角度からの反射光を複数の受光素子(少なくとも一の特定仮想平面P上に並んでいる複数の受光素子)にて別個に検出可能な構造を有しており、該別個の検出信号に基づいて特別操作受け部3333において物理オブジェクトが何ら存在していない旨の情報を周辺制御基板1510に対して出力する。
またこの際、右側外周外発光部34bから広い角度範囲で照射される光も、何らかの物理オブジェクトによって遮られることなく、反射立壁部33における様々な角度(少なくとも一の特定仮想平面P上における様々な角度)からの反射光となって右側外周外光検出部35bに向かうこととなる。すなわち、右側外周外光検出部35bも、光学レンズなどを用いてこのような様々な角度からの反射光を複数の受光素子(少なくとも一の特定仮想平面P上に並んでいる複数の受光素子)にて別個に検出可能な構造を有しており、該別個の検出信号に基づいて特別操作受け部3333において物理オブジェクトが何ら存在していない旨の情報を周辺制御基板1510に対して出力する。
一方、特別操作受け部3333に対して図119に示される態様で遊技者による操作があった場合、左側外周外発光部34aから広い角度範囲で照射される光の一部が遊技者の指(物理オブジェクト)によって遮られることとなり、その遮られた方向(角度範囲)に向かった光以外の光のみが反射立壁部33における反射光となって左側外周外光検出部35aに向かうこととなる。すなわちこの場合、左側外周外光検出部35aでは、上記複数の受光素子(少なくとも一の特定仮想平面P上に並んでいる複数の受光素子)からの情報に基づいて、上記左側外周外発光部34aから発光された光の遮られた方向(角度)とその大きさ(角度範囲)を判定することで、上記左側外周外発光部34aから見たときにいずれの方向にどれだけの大きさの物理オブジェクトが存在しているかについての情報を周辺制御基板1510に対して出力する。
またこの際、右側外周外発光部34bから広い角度範囲で照射される光の一部も遊技者の指(物理オブジェクト)によって遮られることとなり、その遮られた方向(角度範囲)に向かった光以外の光のみが反射立壁部33における反射光となって右側外周外光検出部35bに向かうこととなる。すなわちこの場合、右側外周外光検出部35bでは、上記複数の受光素子(少なくとも一の特定仮想平面P上に並んでいる複数の受光素子)からの情報に基づいて、上記右側外周外発光部34bから発光された光の遮られた方向(角度)とその大きさ(角度範囲)を判定することで、上記右側外周外発光部34bから見たときにいずれの方向にどれだけの大きさの物理オブジェクトが存在しているかについての情報を周辺制御基板1510に対して出力する。
周辺制御基板1510では、このような左側外周外光検出部35aからの情報と右側外周外光検出部35bからの情報とをそれぞれ取得してこれを解析することで、特別操作受け部3333において物理オブジェクトが存在しているか否かの情報(特別操作受け部3333に対する操作が行われたか)はもとより、特別操作受け部3333において物理オブジェクトが存在しているときにはその座標位置(x、y)及び大きさに関わる情報を取得することができるようになる。そして後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、こうした情報を定期的に取得するようにしており、これによって特別操作受け部3333における物理オブジェクトの移動や、物理オブジェクトの大きさの変化などの操作ジェスチャーを判定可能しており、該判定に応じた演出制御を実行するものとなっている。
なお、これらの解析処理については、周辺制御基板1510側で必ずしも行わなくてもよく、左側外周外光検出部35a及び右側外周外光検出部35bからの情報を取得する外部手段で行うようにして該外部手段から周辺制御基板1510がその解析結果を取得するようにしてもよいし、外部手段と周辺制御基板1510とで分担して解析するようにしてもよい。
また、左側外周外発光部34aからの発光と右側外周外発光部34bからの発光とをそれぞれ点滅態様とし、左側外周外発光部34aが発光状態にあり且つ右側外周外発光部34bが消灯状態にある期間と、左側外周外発光部34aが消灯状態にあり且つ右側外周外発光部34bが発光状態にある期間とが交互に発生するようにしてもよい。すなわちこの場合、左側外周外発光部34aが発光状態にあるときの反射光を左側外周外光検出部35a側で検出し、右側外周外発光部35aが発光状態にあるときの反射光を右側外周外光検出部35b側で検出してこれらの情報をもとに解析するようにすれば、左側外周外発光部34aからの光と右側外周外発光部34bからの光とが干渉することがなくなりその分だけより精度の高い検出情報を得ることが期待されるようになる。
またさらに、左側外周外発光部34aからの発光と右側外周外発光部34bからの発光とをそれぞれ点滅態様とし、左側外周外発光部34aが発光状態にあり且つ右側外周外発光部34bが消灯状態にある期間と、左側外周外発光部34aが消灯状態にあり且つ右側外周外発光部34bが発光状態にある期間と、左側外周外発光部34aが消灯状態にあり且つ右側外周外発光部34bも消灯状態にある期間とが順次に発生する1つのサイクルが繰り返し現れるようにしてもよい。すなわちこの場合、左側外周外発光部34aが発光状態にあるときの反射光を左側外周外光検出部35a側で検出し、右側外周外発光部35aが発光状態にあるときの反射光を右側外周外光検出部35b側で検出し、左側外周外発光部34a及び右側外周外発光部35aが消灯状態にあるときのオフセット分も検出してこれらの情報をもとに解析するようにすれば、左側外周外発光部34aからの光と右側外周外発光部34bからの光とが干渉することがなくなるとともに検出したオフセット分も排除してから判定することができるようになりその分だけより精度の高い検出情報を得ることが期待されるようになる。
また、左側外周外発光部34a及び右側外周外発光部34bからの光として可視光線を用いるようにしてもよい。ただし、パチンコ機1にあっては、様々な箇所で光による演出を行っていることに鑑みれば、赤外線などの不可視光線を用いるようにすることが、これらの演出光からの外乱や該演出光に対する悪影響を好適に抑制する上でより望ましい。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、「開口窓の外周外にある所定光源からの光が、上記一の特定仮想平面P上を進行して開口窓の外周内に取り込まれ、ひいては反射立壁部33で反射されるようにする」ことを可能ならしめる第一部分と、「反射立壁部33で反射された光が上記一の特定仮想平面P上を進行して開口窓の外周外で検出されるようにする」ことを可能ならしめる第二部分とを、略コの字状に形成された反射立壁部33のうちの同じ部位として設けることとした。ただし、開口窓の外周内と外周外との間で光の進行が許容される領域を、反射立壁部33に対して複数設けて、それらの領域の別に外周外発光部と外周外光検出部とをそれぞれ配置するようにしてもよい。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、反射立壁部33を、上方が開口された略コの字状に形成することとしたが、開口窓上部のうち内部空間3435aと内部空間3435bの間の周縁にも反射立壁部33を形成するようにしてもよい。ただし、内部空間3435a及び内部空間3435bが開口される方向は下向きの方向となるように設けられるようにすることが、照明などからの直接光が取り込まれて外乱となることを抑制する上で望ましい。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、左側外周外発光部34a及び左側外周外光検出部35aと、右側外周外発光部34b及び右側外周外光検出部35bとを用いることで、特別操作受け部3333における操作を検出可能ならしめるようにしたがこれに限られない。すなわち、特別操作受け部3333における操作を検出可能ならしめる構造であればよく、例えば、左側外周外発光部34aからの反射光と右側外周外光検出部35bからの反射光とを1つの外周外光検出部で検出し、その検出結果から物理オブジェクトの座標(x、y)や大きさを判定するようなものであってもよい。
このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、開口窓の外周外に設けられる外周外発光部34(左側外周外発光部34a,右側外周外発光部34b)からの光を、開口窓の外周に沿うように立設されて少なくともその内側面で光を反射可能に形成された反射立壁部33からの反射光として、開口窓の外周外に設けられる外周外光検出部35(左側外周外光検出部35a,右側外周外光検出部35b)で検出することで、開口窓近傍を特別操作受け部3333として機能させ、該特別操作受け部3333における遊技者の操作態様に応じた演出を実行可能としている。
そして、外周外光検出部35を、露な状態で配設せず、開口窓の設けられる側に向けて開口されたサイドベース572の内部空間3435にて配設することで、外周外光検出部35にて光を検出するにあたり、外乱になりうる演出光を好適に排除することができるようにしていることも上述した。
ただし、このような構成であったとしても、内部空間3435のうち開口窓の設けられる側に向けて開口された部分からは、外周外発光部34からの光が反射立壁部33によって反射された光のほか、演出光も取り込まれうる構造となっていることから、こうした演出光が外乱となって外周外光検出部35による検出精度に悪影響を及ぼすことが懸念される。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図120に示されるように、本体枠4の右ユニットベース551に設けられる枠側発光部L1については、まず、上記一の特定仮想平面P上を進行する光を照射することができない位置にて配設されるようにしている。より具体的には、枠側発光部L1は、特別操作受け部3333よりも前方側となる位置にて設けられて光の透過率が極めて低い(若しくは、0)ベース部BL1に対し、その前方側に取り付けられている。ベース部BL1は、枠側発光部L1よりも幅広形状になっていることから、枠側発光部L1からの光が後方側(開口窓の設けられる側)に進行することは困難とされており、これによって上記枠側発光部L1からの光は上記内部空間3435に取り込まれ難くなっている。
しかも、この実施の形態にかかる右ユニットベース551では、上記枠側発光部L1からの光が高い透過率で進行可能とされる素材によって設けられた第1右側飾りベース部551aと、上記枠側発光部L1からの光の進行を妨げる低い透過率(若しくは、透過率が0)の素材(例えば、金属)によって設けられた第2右側飾りベース部551bとを有している。そして、第1右側飾りベース部551aは、上記枠側発光部L1を囲むように形成されて枠側発光部L1からの光が演出光として寄与しうるようにするのに対し、第2右側飾りベース部551bは、上記枠側発光部L1と開口窓との間にて形成されて上記枠側発光部L1からの光が開口窓の設けられる側に向けて進行し難くなるようにしており、これによっても上記枠側発光部L1からの光は上記内部空間3435に取り込まれ難くなっている。
特に、この実施の形態にかかる第2右側飾りベース部551bは、上記枠側発光部L1からの光が第1右側飾りベース部551aを通して遊技者側に進行可能となるようにしつつも、第1右側飾りベース部551aに対してその前面側の一部にまで延びるように設けられており、これによって枠側発光部L1からの光が開口窓に進行することを好適に抑制するようにしている。
なお、この実施の形態に係るパチンコ機1では、右ユニットベース551において、ベース部BL1と第2右側飾りベース部551bとの両方を備えるようにしたが、これらのいずれかのみを備えるようにした場合であっても、上記枠側発光部L1からの光を上記内部空間3435に取り込まれ難くすることは可能である。
これに対し、本体枠4の左ユニットベース531に設けられる枠側発光部L2は、光の透過率が極めて低い(若しくは、0)ベース部BL2に対し、その前方側に取り付けられるが、上記一の特定仮想平面P上を進行する光を照射することができる位置にある。ただし、図120から明らかであるように、枠側発光部L2と開口窓との間には上記反射用部材36が設けられることから、該枠側発光部L2からの光が開口窓の設けられる側に進行することは困難とされており、これによって上記枠側発光部L2からの光は上記内部空間3435に取り込まれ難くなっている。
ただし、上記反射用部材36は、高さ幅が低くなっていることから、枠側発光部L2からの光が他の部材などで反射されて開口窓のほうに向かうことが懸念される。そこで、この実施の形態にかかる左ユニットベース531でも、上記枠側発光部L2からの光が高い透過率で進行可能とされる素材によって設けられた第1左側飾りベース部531aと、上記枠側発光部L2からの光の進行を妨げる低い透過率(若しくは、透過率が0)の素材(例えば、金属)によって設けられた第2左側飾りベース部531bとを有している。そして、第1左側飾りベース部531aは、上記枠側発光部L2を囲むように形成されて枠側発光部L2からの光が演出光として寄与しうるようにするのに対し、第2左側飾りベース部531bは、上記枠側発光部L2と開口窓との間にて形成されて上記枠側発光部L2からの光が開口窓の設けられる側に向けて進行し難くなるようにしており、これによっても上記枠側発光部L2からの光は上記内部空間3435に取り込まれ難くなっている。
特に、この実施の形態にかかる第2左側飾りベース部531bは、上記枠側発光部L2からの光が第1左側飾りベース部531aを通して遊技者側に進行可能となるようにしつつも、第1左側飾りベース部531aに対してその前面側の一部にまで延びるように設けられており、これによって枠側発光部L2からの光が開口窓に進行することを好適に抑制するようにしている。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、左ユニットベース531にて第2左側飾りベース部531bを設けるとともに、右ユニットベース551にて第2右側飾りベース部551bを設けることとしたが、これらの部材については必ずしも設けなくてもよく、この場合であっても、上記内部空間3435に演出光が取り込まれ難くなっていることは上述した通りである。そして、第2左側飾りベース部531bと第2右側飾りベース部551bとを設けないようにした場合、上記反射用部材36については、第1左側飾りベース部531aや第1右側飾りベース部551aの外面(外部から接触可能な面)に取り付けるのではなく、第1左側飾りベース部531aや第1右側飾りベース部551aの内面(外部から接触不可能な面)に取り付けるようにすれば、外部からの直接的な物理的接触によって反射性能が劣化することを回避することが期待されるようになる。なおこの場合、外周外発光部34(左側外周外発光部34a,右側外周外発光部34b)からの光は、第1左側飾りベース部531aや第1右側飾りベース部551aを透過してから上記反射用部材36で反射されて、第1左側飾りベース部531aや第1右側飾りベース部551aを再び透過してから上記内部空間3435に取り込まれるようになる。
また、左ユニットベース531にて第2左側飾りベース部531bを設けるとともに、右ユニットベース551にて第2右側飾りベース部551bを設けるようにする場合は、反射用部材36を割愛し、第2左側飾りベース部531b及び第2右側飾りベース部551b自体を金属などの素材を用いた反射用部材としても機能させるようにしてもよい。このような構成によれば、反射用部材(第2左側飾りベース部531b、第2右側飾りベース部551b)を備えるだけで、枠側発光部L1,L2からの演出光が外乱になることを好適に抑制しつつ、反射用部材(第2左側飾りベース部531b、第2右側飾りベース部551b)からの反射光によって外周外光検出部35による検出精度を好適に確保することができるようになる。
この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、このような開口窓近傍における操作情報の取得原理を利用することで、開口窓近傍に位置する物理オブジェクトの座標や大きさなどの情報を得ることができるようになっており、これによって開口窓の略全域(ガラス板192の正面視で視認可能とされる略全域)を特別操作受け部3333として用いた、よりダイナミックで自由度の高い操作性とこれに適した演出性とを実現可能としている。
以下、このような特別操作受け部3333を用いることにより実現可能とされる操作性と演出性とについて説明する。図121〜図127は、特別操作受け部3333を用いることにより実現可能とされる操作性と演出性とを説明するための模式図であり、操作性と演出性とを説明する上で関係のない部材を割愛しているほか、関係のある部材についてもこれらを模式的に示している。
図121は、パチンコ機1を正面視で見たときの特別操作受け部3333と、該特別操作受け部3333に対して正面視で重なる位置にて配されている各種の演出部材A〜Eとを模式的に示している。なお、同図中における矢印は、演出部材A〜Eのうちの各種可動体の可動範囲を簡単に示すものである。
同図121に示されるように、この説明例にかかる特別操作受け部3333を正面視で見た場合、ガラス板192を挟んだ奥側には、大当り判定の結果に応じた演出に寄与しうる部材として、可動体A1,A2,B,Cと、表示部Dと、遊技球が流下しうる部分やそれ以外の部分にて発光可能に設けられた盤面発光部Eとが配設されている。図121中の矢印は、可動体A1,A2,B,Cの可動範囲を模式的に示したものである。
なお、これらの部材は、本願の技術説明をするための一例として示したものであり、図60などを用いて先に説明した実施例とは必ずしも一致しない。ただし基本的には、可動体A1,A2,B,Cは、「裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500などの可動部材」に相当するものであり、表示部Dは、「演出表示装置1600」に相当するものであり、盤面発光部Eは、「遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LED」に相当するものである。なお、盤面発光部Eは、遊技盤5に必ずしも備えられなくてもよく、例えば、遊技盤5よりも前側に設けられる部材(導光板など)であってもよい。
ここで、周辺制御基板1510では、まず、大当り判定の結果に応じた演出表示が行われる表示部Dを操作演出の対象として位置付けており、特別操作受け部3333のうち表示部Dと正面視で重なる座標領域に対して遊技者が操作を行ってこれが物理オブジェクトとして検出されると、該操作に応じた演出変化が表示部Dにて現れるように制御可能となっている。
以下、特別操作受け部3333に対する操作によって表示部Dで演出変化を生じさせる場合の演出制御の例について説明する。
[表示部Dに対する第1の操作制御態様]
例えば、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図121及び図122(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて第1の演出条件が満たされた場合、特別操作受け部3333を正面視で見たときの全座標領域(図119を参照)のうち、表示部Dの第1表示領域と対向する第1座標領域Z1を演出受付可能に設定(制御)するとともに、表示部Dの第1表示領域において特定の操作指示画像S1を表示する。そして、該特定の操作指示画像S1が表示されている所定期間において、特別操作受け部3333のうちの第1座標領域Z1内のどこかに対して操作(例えば、ガラス板192に対するタッチ操作(厳密には、特別操作受け部3333内に指などあればよく、必ずしもタッチしなくてもよい))が行われてこれが物理オブジェクトとして検出されると、上記特定の操作指示画像S1を非表示にして第1座標領域Z1に対する演出受付を終了させるとともに上記表示部Dにおいて演出変化を生じさせ、該生じた演出変化の種別によって大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能としている。
この際、特別操作受け部3333のうちの第1座標領域Z1内のどこかに対して操作が行われたことに基づいて演出変化を生じさせるにあたり、該演出変化を、少なくとも上記表示部Dのうちの第1座標領域Z1と対向する第1表示領域内において生じさせるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、遊技者が自らの指などによって第1表示領域を正面視で視認し難くしているときに少なくとも該第1表示領域内にて演出変化が生じるようになることから、遊技者が自らの指をずらしたり、正面視ではなく斜め方向から(ガラス板192と表示部Dとの間の空間を利用して)第1表示領域を視認するまでの間、該第1表示領域にて現れている演出変化を認識し難くさせることができるようになる。若しくは、遊技者は、第1座標領域Z1に対して指を置いたままで自らは第1表示領域内の演出変化を確認せずに遊技を進行させたり、当該パチンコ機1の正面に位置していない第3者に対して該第1表示領域内の演出変化を確認してもらうなどの楽しみ方も選択することができるようになり、遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
なお、特定の操作指示画像S1が出現してから所定期間が経過(特定のタイミングが到来)するまでの間、遊技者による操作が検出されなかった場合は、特定の操作指示画像S1が非表示にされるとともに、第1座標領域Z1に対する演出受付が終了されるようになっている。このとき、第1座標領域Z1に対する演出受付があった場合に現れる演出変化を生じさせるようにしてもよいし、第1座標領域Z1に対する演出受付があったときに現れる演出変化を生じさせずに第1座標領域Z1に対する演出受付を終了させるようにしてもよい。
[表示部Dに対する第2の操作制御態様]
また、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図121及び図122(b)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて第2の演出条件が満たされた場合、特別操作受け部3333を正面視で見たときの全座標領域(図119を参照)のうち、「上記表示部Dの第2表示領域と対向する第2座標領域Z2」と「上記表示部Dの第3表示領域と対向する第3座標領域Z3」との両方を演出受付可能に設定(制御)するとともに、上記表示部Dの第2表示領域において第2の操作指示画像S2を表示し、第3表示領域において第3の操作指示画像S3を表示する。そして、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3との両方が表示されている所定期間において、特別操作受け部3333のうちの第2座標領域Z2または第3座標領域Z3内のどこかに対して操作(例えば、ガラス板192に対するタッチ操作(厳密には、特別操作受け部3333内に指などあればよく、必ずしもタッチしなくてもよい))が行われてこれが物理オブジェクトとして検出されると、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3との両方を非表示にして第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3の演出受付を終了させるとともに上記表示部Dにおいて特定演出(選択した側(物理オブジェクトが検出された座標領域側)に応じた演出)を発生させ、該生じた特定演出において大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能としている。
なお、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3との両方が出現してから所定期間が経過(特定のタイミングが到来)するまでの間、遊技者による操作が検出されなかった場合は、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3との両方が非表示にされるとともに、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3に対する演出受付が終了されるようになっている。この際、第2座標領域Z2または第3座標領域Z3に対する演出受付があった場合に現れる特定演出を生じさせるようにしてもよいし、特定演出を生じさせないようにしてもよい。ただし、第2座標領域Z2または第3座標領域Z3に対する演出受付があった場合に現れる特定演出を生じさせる場合は、該特定演出の実行に先立って、第2の操作指示画像S2に対する操作が受け付けられたときに発生させる表示(エフェクトなど)、または第3の操作指示画像S3に対する操作が受け付けられたときに発生させる表示(エフェクトなど)を出現させるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3のいずれに対しても操作していないなかで、エフェクトが発生した側の演出が強制実行されていることを把握することができるようになることから、何の演出が実行されているのかがわからずに遊技興趣が低下することが抑制されるようになる。
また、表示部Dに対する第1の操作制御態様や第2の操作制御態様では、第1座標領域Z1や、第2座標領域Z2、第3座標領域Z3に対する演出受付を許容するのみならず、同じ期間内において、操作ボタン410などの他の操作手段に対しても同じ演出受付を許容するようにしてもよい。
例えば、表示部Dに対する第1の操作制御態様では、上記第1の演出条件が満たされた場合、第1座標領域Z1と操作ボタン410との両方を演出受付可能とし、特定の操作指示画像S1が表示されている所定期間において、第1座標領域Z1に対する操作(物理オブジェクトの検出)ではなく、操作ボタン410に対する押圧操作(ボタンスイッチの検出)が行われた場合であっても、上記特定の操作指示画像S1を非表示にして第1座標領域Z1及び操作ボタン410の演出受付を終了させるとともに上記表示部Dにおいて演出変化を生じさせ、該生じた演出変化の種別によって大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
なお、第1座標領域Z1に対する操作(物理オブジェクトの検出)があった場合も、上記特定の操作指示画像S1を非表示にして第1座標領域Z1及び操作ボタン410の演出受付を終了させるとともに上記表示部Dにおいて演出変化を生じさせ、該生じた演出変化の種別によって大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
また、表示部Dに対する第2の操作制御態様では、上記第2の演出条件が満たされた場合、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3と、操作ボタン410とをいずれも演出受付可能とする。そして、特定の操作指示画像S2及び特定の操作指示画像S3が表示されている所定期間において、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3のいずれかに対する操作(物理オブジェクトの検出)ではなく、操作ボタン410に対する押圧操作(ボタンスイッチの検出)が行われた場合、特定の操作指示画像S2を選択している状態にあることを示す第2選択画像と、特定の操作指示画像S3を選択している状態にあることを示す第3選択画像との間での切り替え表示を行う。そして、第2選択画像と第3選択画像とのいずれかが表示されている状態で、特定の操作指示画像S2及び特定の操作指示画像S3が表示されてからの所定期間が経過すると、選択画像が現れている側の操作指示画像S2,S3に対する操作が受け付けられたことを把握可能な表示(エフェクトなど)を発生させるとともに、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3と選択画像(第2選択画像、第3選択画像)をいずれも非表示にして第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3と操作ボタン410とに対する演出受付を終了させる。そしてこの後、上記表示部Dにおいて特定演出(選択した側の演出)を発生させ、該生じた特定演出において大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
なお、上記所定の期間内に、さらに別の操作手段に対する操作(いずれかの決定を受け付ける操作)を演出受付可能とし、該別の操作手段に対する操作があった場合に、選択画像が現れている側の操作指示画像S2,S3に対する操作が受け付けられたことを把握可能な表示(エフェクト)を発生させるとともに、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3と選択画像(第2選択画像、第3選択画像)をいずれも非表示にして第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3や、操作ボタン410や、さらに別の操作手段に対する演出受付を終了させるようにしてもよい。そしてこの後、上記表示部Dにおいて特定演出(選択した側の演出)を発生させ、該生じた特定演出において大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
また、特定演出が出現されるまでの上記所定の期間内であれば、第2選択画像と第3選択画像とのいずれが現れている場合であっても、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3は演出受付可能とされている。そして、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3のいずれかに対する操作が検出された場合は、第2選択画像と第3選択画像とのいずれが現れている状態にあったかは関係無しで、演出受付がなされた側の表示(エフェクトなど)を出現させ、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3と選択画像(第2選択画像、第3選択画像)とをいずれも非表示にして第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3や、操作ボタン410や、さらに別の操作手段に対する演出受付を終了させる。なおこの際、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3と選択画像(第2選択画像、第3選択画像)とをいずれも非表示にするのに先立って、操作が検出された側の選択画像(第2選択画像、第3選択画像)が現れるように切り替え表示を行うようにしてもよい。そしてこの後、上記表示部Dにおいて特定演出(選択した側の演出)を発生させ、該生じた特定演出において大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
このような構成によれば、第1座標領域Z1や、第2座標領域Z2、第3座標領域Z3に対する演出受付を許容するのみならず、操作ボタン410などの他の操作手段に対しても、同じ演出受付が可能とされる。この点、第2の操作制御態様では、同じ演出受付を可能としつつも、第2座標領域Z2または第3座標領域Z3に対する操作を行うようにした場合は、第2座標領域Z2または第3座標領域Z3に対して1度の操作(物理オブジェクトの検出)が受け付けられるだけで、遊技者による好みに応じた側の演出を発生させることが可能である。すなわち、他の操作手段を用いた場合には、「特定の操作指示画像S2及び特定の操作指示画像S3が表示されてからの所定期間が経過するまでの間、遊技者による好みに応じた側の演出を発生させることができない」か、「少なくとも2回以上の操作を複数の操作手段を用いて行う」ことが求められるのに対し、特定の操作受け部3333を用いた場合にはこれよりも少ない回数(この演出例では、1回)の操作だけで遊技者による好みに応じた表示態様を出現させることが可能であるから、より複雑な演出性を簡単な操作性で実現することが期待されるようになる。
また、こうした効率的な操作性を提供しつつも、少なくとも2回以上の操作を複数の操作手段を用いて行うことによって所望の操作を達成しうる操作性をも同時提供するようにした場合、遊技者は、所望の操作に至るまでの過程段階にある操作を行いながら、所望の操作としていずれを選択すべきかを悩むことができるようになる。すなわちこの場合、所望の操作に至るまでの過程段階にある操作を行うなかで、選択した後の演出状況をイメージし易くなり、所定の期間内で余裕を持っていずれの操作にすべきかを悩むことができるようになる。このように、遊技者が、即決できる状態にあるか、悩んでいる状態にあるかに応じて、求められる操作回数の異なる操作手段を選択的に用いることができることから、遊技興趣が維持されうるようになる。
このように、周辺制御基板1510では、表示部Dを、特別操作受け部3333を用いた操作演出の対象とすることで、これまでにない面白みのある演出を実現可能としている。ただし上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、特別操作受け部3333を、表示部Dよりも正面視で大きな操作受付範囲(検出対象とされる座標範囲は、ガラス板192の略全域)を持つように設けており、このような特殊な関係性を利用した演出を実現することによって、よりダイナミックで自由度の高い操作性とこれに適した演出性とを実現可能としている。
[表示部Dに対する第3の操作制御態様]
例えば、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図121及び図123(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて第3の演出条件が満たされた場合、特別操作受け部3333を正面視で見たときの全座標領域(図119を参照)のうち、表示部Dの第4表示領域と対向する第4座標領域Z4を演出受付可能に設定(制御)するとともに、表示部Dの第4表示領域において特定の操作対象画像S4を表示し、表示部Dの他の表示領域において特定の操作対象画像S4を可動体Bまで動かすように操作すべきことを促す特定画像を表示する。
そして、該特定の操作対象画像S4が表示されてからの所定期間において、特別操作受け部3333のうちの第4座標領域Z4内のどこかに対して操作(例えば、ガラス板192に対するタッチ操作(厳密には、特別操作受け部3333内に指などがあればよく、必ずしもタッチしなくてもよい))が行われてこれが物理オブジェクトとして検出されると、図123(b)に示されるように、演出受付可能とされる座標領域を、表示部D内の限られた第4座標領域Z4ではなく、少なくとも表示部D外に設けられる可動体Bと対向する座標領域を含む大きな第5座標領域Z5に設定変更する。なお、この説明例の第5座標領域Z5は、第4表示領域と対向する座標領域(第4座標領域Zと必ずしも一致しなくてもよい)から表示部D外に設けられる可動体Bと対向する座標領域までを含むものとなっており、可動体B、表示部D、及び盤面発光部Eを跨ぐかたちで設定されている。
なおこの際、特別操作受け部3333のうちの第4座標領域Z4内のどこかに対して操作があったことに基づいて、特定の操作対象画像S4の表示態様を変化(例えば、色を変化させたり、振動態様で表示)させて、当該特定の操作対象画像S4が、遊技者による操作によって移動可能な状態になっていることを認識可能とするようにしてもよい。
すなわち、この第3の操作制御態様では、特別操作受け部3333内に指などの物理オブジェクトを留めた状態で、該物理オブジェクトを、第5座標領域Z5内の上記可動体Bと対向する座標位置まで移動させると、表示部D内にて現れていた特定の操作対象画像S4が、表示部D外にて設けられる可動体Bに作用して該可動体Bにおける演出が開始されるかのような演出を実現している。
したがって、特別操作受け部3333内に指などの物理オブジェクトを留めた状態で該物理オブジェクトを第5座標領域Z5内で移動させると、周辺制御基板1510では、こうした物理オブジェクトの移動を検出し、該検出された物理オブジェクトの移動に追従するように上記特定の操作対象画像S4を上記表示部D内で移動させる制御を実行可能としている。これにより、特定の操作対象画像S4は、物理オブジェクトが上記可動体Bと対向する座標位置まで移動し終わっていない移動途中の段階にあるときから、こうした物理オブジェクトの上記特別操作受け部3333内における正面視での移動に追従するように上記表示部D内を移動するようになる。
より具体的には、特別操作受け部3333内に指などの物理オブジェクトを留めた状態で、該物理オブジェクトを第5座標領域Z5内の図123(b)に示される位置から図124(a)に示される位置まで移動させると、周辺制御基板1510では、このような物理オブジェクトの移動に追従するように上記特定の操作対象画像S4を上記表示部D内で移動させる。ただし、指などの物理オブジェクトが図124(a)に示される位置にある場合に、該位置に対向する表示領域において特定の操作対象画像S4を表示しようとすると、該特定の操作対象画像S4の一部が上記表示部Dからはみ出てしまい、その全体を表示することはできない。そこで、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、上記表示部Dにおいては表示することのできる部分だけ特定の操作対象画像S4を表示し、表示部Dからはみ出ている部分については、その存在が認識可能とされるように盤面発光部Eのうちの該当する部分を発光させる制御を行うこととしている。より具体的には、表示部Dの縁部と対向する座標位置に物理オブジェクトが近づくにつれて、特定の操作対象画像S4が上記表示部Dに表示される部分を少なくさせていき、盤面発光部Eの発光領域として該当する部分を多くさせていくように制御することとなる。
このような構成によれば、表示部Dにおける特定の操作対象画像S4が、遊技者による操作によって今まさに表示部D外に飛び出そうとしている様子を表現することができるようになり、表示部Dこれ単体に収まらない、よりダイナミックで自由度の高い操作性とこれに適した演出性とが実現されるようになる。
特に、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図124(a)に示されるように、遊技者の指などの物理オブジェクトが第5座標領域Z5内の表示部Dと対向する座標位置に置かれている状態にあるにもかかわらず、該表示部Dだけではなく、該表示部Dとは異なる部材(盤面発光部E)に対して演出制御を行うようにしている。したがって、特別操作受け部3333のうち複数の部材と対向する座標領域で物理オブジェクトを移動させた場合であっても、該移動に応じた演出が出現していることを認識し易くなり、これによってダイナミックな操作性に適した演出性を好適に実現することができるようになる。
なお、遊技者の指などの物理オブジェクトを第5座標領域Z5内の図124(a)に示される位置から少しだけ上方に移動させた場合、該物理オブジェクトは、表示部Dではなく遊技盤5(ここでは、盤面発光部E)と対向する座標位置に置かれる状態になる。ただしこの場合も、特定の操作対象画像S4の全てを突然に非表示にして盤面発光部Eのみを発光させるのではなく、表示部Dと対向する座標位置から物理オブジェクトが離れるにつれて、特定の操作対象画像S4が上記表示部Dにおいて表示される部分を少なくさせていき、盤面発光部Eの発光領域として該当する部分を多くさせていくように制御する。すなわちこの場合、表示部Dと対向する座標位置から物理オブジェクトが特定距離だけ離れたときに、表示部Dと盤面発光部Eとのうちの盤面発光部Eのみに演出(ここでは、発光)を生じさせることとなり、これによって特定の操作対象画像S4が表示部D外に移動したかのような演出を表現することができるようになる。
そして、遊技者の指などの物理オブジェクトが第5座標領域Z5内をさらに上方に移動して図124(b)に示される位置に到達すると、周辺制御基板1510では、該物理オブジェクトと対向する位置にある盤面発光部Eと可動体Bとの両方を発光させる制御を行う。すなわち、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、盤面発光部Eと可動体Bとの間でも、表示部Dと盤面発光部Eとの間で行った上述の演出制御と同様の制御を行うようにしている。より具体的には、遊技盤5(ここでは、盤面発光部E)と対向する座標領域内にある物理オブジェクトが上記可動体Bと対向する座標領域に対して所定距離まで近づくと、物理オブジェクトこれ自体は盤面発光部Eと対向する座標領域内にあるにもかかわらず、該盤面発光部Eだけではなく、該盤面発光部Eとは異なる部材(可動体B)に対して演出制御を行うようにしている。したがって、特別操作受け部3333のうち盤面発光部Eと可動体Bとの両方と対向する座標領域内で物理オブジェクトを移動させた場合であっても、該移動に応じた演出(ここでは、表示部D外に移動した特定の操作対象画像S4)が出現(移動)していることを認識し易くなり、これによってダイナミックな操作性に適した演出性を好適に実現することができるようになる。
そして、遊技者の指などの物理オブジェクトが第5座標領域Z5内をさらに上方に移動して図125に示される位置に到達すると、周辺制御基板1510では、特定の操作対象画像S4を可動体Bまで移動させたかのような操作が適正に行われた旨判断し、当該第3の操作制御態様における条件が満たされたとして、上記第5座標領域Z5に対する演出受付を終了させる。また、当該第3の操作制御態様における条件(特定の操作対象画像S4を可動体Bまで移動させる)が満たされたことを認識可能な表示を表示部Dにおいて出現させ、可動体Bを用いた演出を開始させる制御を実行する。可動体Bを用いた演出は、例えば、可動体Bを所定の態様で発光させる演出や、可動体Bを所定の態様で動作させる演出などとして実現することが可能であり、こうした演出を通じて大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうるようにする。
なお、当該第3の操作制御態様において物理オブジェクトが上記特別操作受け部3333内を移動しているなかで、該物理オブジェクトが第5座標領域Z5から外れた場合(特別操作受け部3333から指を離した場合も含む)は、図123(a)に示した状態からやり直しにすることが望ましい。すなわち後述するが、周辺制御基板1510は、基本的には、演出の実行状況にかかわらず物理オブジェクトの位置情報などを定期的に取得しており、これによって物理オブジェクトが第5座標領域Z5内を移動している旨の情報や、第5座標領域Z5外に移動した旨の情報などを得るようになっている。
また、物理オブジェクトの移動に追従するように上記特定の操作対象画像S4を移動させるようにしたが、これに限られず、例えば、物理オブジェクトの特定方向成分の移動のみに追従するように上記特定の操作対象画像S4を移動させるようにしてもよい。
また、第5座標領域Z5については、特別操作受け部3333の全座標領域であってもよい。また、物理オブジェクトの置かれた座標位置と対抗する側に、特定の操作対象画像S4が存在することを示唆する演出表現のできる部位が無かった場合は、物理オブジェクトの置かれた座標位置と近い部位にて特定の操作対象画像S4が存在することを示唆する演出表現を行うようにしてもよい。
また、この説明例では、表示部Dと可動体Bとの間に、演出表現(発光)することが可能な盤面発光部Eが置かれているが、該盤面発光部Eは必ずしもなくてもよい。すなわちこの場合、表示部Dに特定の操作対象画像S4が表示されなくなってから、可動体Bと対向する座標位置(若しくは、近傍の座標位置)に物理オブジェクトが移動されるまでの間、遊技者は、特定の操作対象画像S4が移動しているイメージを頭の中で持ちながら操作を継続することとなる。
また、表示部Dにおいて、表示部Dと可動体Bとの位置関係を把握可能なマップを表示し、物理オブジェクトの移動に応じて特定の操作対象画像S4がどの位置に存在するかをマップ内で示唆する演出表示を行うようにしてもよい。
なお、図122〜図125の図中では、各座標領域Z1〜Z5が記されているが、実際には、遊技者が視認することができないものである。
一方、周辺制御基板1510では、図121に示される各種の演出部材のうち、大当り判定の結果に応じた演出動作が行われる可動体A1,A2,Cも操作演出の対象として位置付けており、特別操作受け部3333のうち可動体A1,A2,Cと正面視で重なる座標領域に対して遊技者が操作を行ってこれが物理オブジェクトとして検出されると、該操作に応じた演出動作が現れるように制御可能となっている。したがって、遊技者は、複数の可動体のいずれか1つを選択しながら適宜の態様(速度、移動量)で操作することが可能である。
[可動体Cに対する第4の操作制御態様]
例えば、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図121及び図126(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて第4の演出条件が満たされた場合、特別操作受け部3333を正面視で見たときの全座標領域(図119を参照)のうち、可動体Cの一部と対向する第6座標領域Z6を演出受付可能に設定(制御)する。なおこの際、可動体Cを動作させるべく第6座標領域Z6が演出受付可能とされていることを遊技者側が認識可能とすべく、表示部Dにおいて特定の表示画像を出現させたり、可動体Cを第1態様で発光(例えば、点滅態様での発光)させたり、振動させたりすることが望ましい。
そして、第6座標領域Z6が演出受付可能に設定されてからの所定期間において、該第6座標領域Z6内のどこかに対して操作(例えば、ガラス板192に対するタッチ操作(厳密には、特別操作受け部3333内に指などあればよく、必ずしもタッチしなくてもよい))が行われてこれが物理オブジェクトとして検出されると、図126(b)に示されるように、演出受付可能とされる座標領域を、上記第6座標領域Z6ではなく、少なくとも可動体Cの可動範囲CTを含む大きな第7座標領域Z7に設定変更する。なおここでは、第7座標領域Z7は、第6座標領域Z6の全てを含む座標領域として設定されている。
すなわち、この第4の操作制御態様では、特別操作受け部3333内に指などの物理オブジェクトを留めた状態で、該物理オブジェクトを、第7座標領域Z7内の可動体Cの可動範囲CTの末端部分と対向する座標位置まで移動させると、該物理オブジェクトの移動に追従するように可動体Cを移動させうる演出を実現している。
したがって、図126(b)に示される状態になった場合は、第7座標領域Z7において指などの物理オブジェクトが検出されており、該物理オブジェクトの移動によって可動体Cを移動させる状態にあることを認識可能とする制御を行うようにすることが望ましい。なお、図126(b)に示される例では、可動体Cを第2態様で発光(例えば、常時態様での発光)させるようにしている。
ただし、遊技者側からすれば、該可動体Cにどのような可動範囲CTが設けられているのかを把握しておらず、第6座標領域Z6において指などの物理オブジェクトが検出されてから該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTに沿うように移動させようとしてもこれを適正に行うことができないことが懸念される。そしてこの結果、可動体Cの可動範囲CTに沿うように操作を行う意思はあるにもかかわらず、遊技者の指などの物理オブジェクトが第7座標領域Z7から外れてしまうと(特別操作受け部3333から指を離した場合も含む)、遊技者の意図に反して図126(a)に示した状態からやり直しになり、遊技興趣が低下しかねない。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図126(a)、(b)に示されるように、当該第4の操作制御態様における第7座標領域Z7を、その制御対象とされる可動体Cの可動範囲CTが延びる上方側とは逆側となる方向を含めて、第6座標領域Z6が正面視での全方位にわたって少なくとも第1距離分は拡大された範囲にて設定することとしている。
このような構成によれば、可動体Cにどのような可動範囲CTが設けられているのかを遊技者が把握していなかった場合であっても、可動体Cの可動範囲CTからズレた方向側へと指(物理オブジェクト)を移動させたときには、演出受付がなされているにもかかわらず(図126(a)に示した状態からやり直しにならないにもかかわらず)、可動体Cが移動しない現象が生じるようになることから、こうした現象の確認を通じて可動体Cの可動範囲CTを推測して操作を行うことができるようになる。
また、周辺制御基板1510では、可動体Cに対して設定されている可動範囲CTのなかで、該可動体Cを、予め定められた複数位置(図126(b)に示される第1位置(原位置)、図126(c)に示される第2位置、図127(a)に示される第3位置、及び図127(b)に示される第4位置(末端位置))のいずれかに位置させる制御を実行可能とする。そしてこの上で、第7座標領域Z7を、第1位置(原位置)と対向する部分を含んだ第1駆動座標領域Z7−1、第2位置と対向する部分を含んだ第2駆動座標領域Z7−2、第3位置と対向する部分を含んだ第3駆動座標領域Z7−3、及び第4位置と対向する部分を含んだ第4駆動座標領域Z7−4に分類可能とし、それらの駆動座標領域Z7−1〜Z7−4のいずれまで上記第6座標領域Z6にて検出された物理オブジェクトが移動したかを判定することで、該判定に応じた駆動座標領域まで可動体Cを移動させる制御を実行可能としている。
ここで、可動範囲CT内の第1位置(原位置)と対向する部分を含んだ第1駆動座標領域Z7−1は、図126(a)、(b)に示されるように、その制御対象とされる可動体Cの可動範囲CTが延びる上方側を除いた左、右、下方向に対して上記第6座標領域Z6から少なくとも第1距離分だけ広がった範囲として設定されている。
このような構成によれば、第6座標領域Z6(図126(a))において指などの物理オブジェクトが検出されて第7座標領域Z7(図126(b))に設定変更された以降、該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTが延びる方向とは異なる方向に移動(第1距離未満の移動)させたとしても、該物理オブジェクトは、単一の第1駆動座標領域Z7−1内にて検出されるだけであるから、可動体Cは、移動することなく、該物理オブジェクトが検出された第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置(原位置)にて留まり続けるようになる。すなわちこの場合、遊技者による操作が演出受付がなされているにもかかわらず(図126(a)に示した状態からやり直しにならないにもかかわらず)、可動体Cが移動しない現象が生じるようになることから、こうした現象の確認を通じて可動体Cの可動範囲CTが延びる方向を推測して操作を行うことができるようになる。
その一方で、第6座標領域Z6(図126(a))において指などの物理オブジェクトが検出されて第7座標領域Z7(図126(b))に設定変更された以降、該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTが延びる方向に移動(第1距離未満の移動)させた場合は、該物理オブジェクトは、上記第1距離よりも短い第2距離を移動するだけで、図126(b)に示される第1駆動座標領域Z7−1から図126(c)に示される第2駆動座標領域Z7−2に到達するようになる。すなわちこの場合、該物理オブジェクトが第2駆動座標領域Z7−2内にて検出されたことに基づいて、可動体Cは、第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置(図126(b))から、第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置(図126(c))に移動することとなる。
ここで、図126(c)に示されるように、可動範囲CT内の第2位置と対向する部分を含んだ第2駆動座標領域Z7−2も、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向と直交する左、右方向については上記第1駆動座標領域Z7−1と同じ距離分だけ広がる範囲を有している。これに対し、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向は、左右方向の長さよりも短くなるように設定されている。
このような構成によれば、第2駆動座標領域Z7−2にて検出されている物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向のいずれとも異なる方向に移動させる場合、該物理オブジェクトは、単一の第2駆動座標領域Z7−2内にて検出されるに留まり易くなり、可動体Cは、移動することなく、該物理オブジェクトが検出された第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置にて留まり続けるようになる。すなわちこの場合、遊技者による操作が演出受付がなされているにもかかわらず(図126(a)に示した状態からやり直しにならないにもかかわらず)、可動体Cが移動しない現象が生じるようになることから、こうした現象の確認を通じて可動体Cの可動範囲CTが延びる方向を推測して操作を行うことができるようになる。
しかも、このように可動体Cの可動範囲CTからズレた左右の範囲にまで第2駆動座標領域Z7−2が広げられて設定されることで、第6座標領域Z6(図126(a))において指などの物理オブジェクトが検出されてから該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTに沿うように移動させるときの操作として適正と判断される基準が緩和されるようになる。これにより、可動体Cにどのような可動範囲CTが設けられているのかを把握していないなかでこれを推測しながら物理オブジェクトを移動させるときの困難性を和らげることができるようになり、遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
なお、可動体Cが第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置に移動したときには、可動体Cが第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置に位置していたときの発光態様(例えば、青色)とは異なる態様(例えば、緑色)で発光させるようにしてもよい。またこの際、可動体Cが第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置まで移動し終わるよりも前の、第2駆動座標領域Z7−2内で物理オブジェクトが検出されたとき(可動体Cが第2駆動座標領域Z7−2に向けて移動し始めるとき)に発光態様を変化(例えば、青色から緑色)させるようにすれば、遊技者による操作が適正に演出受付されたことを早い段階から認識することができるようになり、遊技者の指などによる素早い操作に対して発生することが避けられない可動体の挙動遅れによるイライラ感を抑制することができるようになる。
また、可動体の移動速度を超える速度で物理オブジェクトの移動があった場合、該物理オブジェクトに追従させるように可動体を移動させることはできないが、この場合は、予め定められた移動速度で、最新の検出位置まで移動させる制御を行うこととなる。
そして、遊技者による指などの操作によって第2駆動座標領域Z7−2(図126(c))内にある物理オブジェクトが上方側へと移動して第3駆動座標領域Z7−3(図127(a))内にて検出されると、可動体Cは、第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置(図126(c))から、第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置(図127(a))に移動することとなる。
ここで、図126(c)に示されるように、可動範囲CT内の第3位置と対向する部分を含んだ第3駆動座標領域Z7−3は、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向と直交する左、右方向については上記第1駆動座標領域Z7−1や第2駆動座標領域Z7−2よりも長い距離にわたって広がる範囲を有している。これに対し、可動体Cの可動範囲CTが延びる当該第3駆動座標領域Z7−3内の上下方向は、左右方向の長さよりも短くなるように設定されている。
すなわち上述の通り、表示手段などとは異なり操作方向を指示し得る術を持たない可動体を操作対象とする場合、どのような可動範囲が設けられているのかを把握していないなかでこれを推測しながら物理オブジェクトを移動させなければならない。そこで、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、第1駆動座標領域Z7−1及び第2駆動座標領域Z7−2において、可動体Cの可動範囲CTからズレた左右の範囲にまで演出受付範囲を広げることで、可動体Cの可動範囲CTに沿うように移動させるときの操作として適正と判断される基準を緩和していることも上述した。
しかしながら、第6座標領域Z6(図126(a))において指などの物理オブジェクトが検出されてから該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTに沿うように移動させる場合、該第6座標領域Z6から離れるにつれて可動範囲CTからのズレが大きくなる傾向がある。したがって、第3駆動座標領域Z7−3(図127(a))では、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向と直交する左、右方向に、第1駆動座標領域Z7−1や第2駆動座標領域Z7−2よりも長い距離にわたって広がる範囲を有することで、第6座標領域Z6からの物理オブジェクトの移動距離が大きくなり可動範囲CTからのズレも次第に大きくなるような操作であったとしても、これを適正な演出操作として受け付け可能としている。これにより、可動体Cにどのような可動範囲CTが設けられているのかを把握していないなかでこれを推測しながら物理オブジェクトを長い距離にわたって移動させるときの困難性を和らげることができるようになり、遊技興趣の維持を図ることができるようになる。例えば、可動体Cの可動範囲CTとは対向しない座標範囲を物理オブジェクトが上方向に移動した場合であっても、可動体Cは、上方向へと移動するようになる。
なお、可動体Cが第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置に移動するときには、可動体Cが第1位置に位置していたときの発光態様(例えば、青色)や第2位置に位置していたときの発光態様(例えば、緑色)とのいずれとも異なる発光態様(例えば、赤色)で発光させるようにしてもよい。また、可動体Cが第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置まで移動し終わるよりも前の、第3駆動座標領域Z7−3内で物理オブジェクトが検出されたとき(可動体Cが第3駆動座標領域Z7−3に向けて移動し始めるとき)に発光態様を変化(例えば、青色から緑色)させるようにしてもよい。
そして、第4駆動座標領域Z7−4も、これと同様の理由で、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向と直交する左、右方向に、第3駆動座標領域Z7−3よりもさらに長い距離にわたって広がる範囲を有している。ただし、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、遊技者による指などの操作によって第3駆動座標領域Z7−3内にある物理オブジェクトが上方側へと移動して第4駆動座標領域Z7−4内にて検出された場合、可動体Cを、第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置(図127(a))から、第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置(図127(b))へと必ずしも移動させない。そればかりか、遊技者による指などの操作によって第3駆動座標領域Z7−3内にある物理オブジェクトが上方側へと移動して第4駆動座標領域Z7−4内にて検出された場合、可動体Cを、第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置(図127(a))から、第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置(図127(c))へと移動させうるものとなっている。
すなわち、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、大当り判定の結果に基づいて、可動体Cを、第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置まで移動可能とするか否かを決定しており、該決定済みとされているなかで、可動体Cを用いたこのような演出を遊技者に対して提供するものとなっている。そして、第6座標領域Z6で検出された物理オブジェクトが遊技者による指などの操作によって第4駆動座標領域Z7−4で検出されたときに、該可動体Cが、第4位置(図127(b))まで移動する演出が現れるのか、それとも第4位置まで移動することなく第1位置(図127(c))に戻ってしまう演出が現れるのかによって期待度(特定結果が得られていることを確定的に示すものであってもよい)を示唆するようにしている。
なお、周辺制御基板1510では、遊技者による指などの操作によって第3駆動座標領域Z7−3内にある物理オブジェクトが上方側へと移動して第4駆動座標領域Z7−4内にて検出された場合、当該第4の操作制御態様における条件が満たされたとして、上記第7座標領域Z7に対する演出受付を終了させる。そして、可動体Cが第4位置まで移動可能である旨決定されているときは、図127(b)に示されるように、演出受付可能とされる領域が設定されていないなかで可動体Cを第4位置まで移動させる制御を行うこととなる。これに対し、可動体Cが第4位置まで移動可能でない旨決定されているときは、図127(c)に示されるように、演出受付可能とされる領域が設定されていないなかで可動体Cを第1位置まで移動させる制御を行うこととなる。
ただしこの際、可動体Cが第4位置まで移動可能である旨決定されている場合であっても、可動体Cが下方向へと一旦移動する動き(可動体Cが第4位置(図127(b))まで移動するか否かの演出)を見せるようにしたり、可動体Cが第4位置まで移動可能でない旨決定されている場合であっても、可動体Cが上方向へと一旦移動する動き(可動体Cが第4位置(図127(b))まで移動するか否かの演出)を見せるようにすることが、遊技興趣の向上を図る上で望ましい。
そして、可動体Cが第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置に移動するときには、可動体Cが第1位置に位置していたときの発光態様(例えば、青色)や第2位置に位置していたときの発光態様(例えば、緑色)や第3位置に位置していたときの発光態様(例えば、赤色)とのいずれとも異なる発光態様(例えば、レインボー色)で発光させるようにしてもよいが、そのタイミングとしては、第1〜第3位置の場合とは異なり、第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが検出されたときではなく、それよりも遅いタイミング(可動体Cの動きから第4位置まで移動することが確定的に把握可能となるタイミング)以降で出現させるようにすることが望ましい。また、これと同様、可動体Cが第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置に移動するときも、第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが検出されたときではなく、それよりも遅いタイミング(可動体Cの動きから第4位置まで移動しないことが確定的に把握可能となるタイミング)以降で発光を終了させるようにすることが望ましい。
周辺制御基板1510は、可動体Cを、第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置に移動させた後は、所定時間の経過後、第1位置(原位置)まで移動させる制御を行うことで、当該第4の操作制御態様が終了されるようになる。
ところで、この第4の操作制御態様では、大当りの期待度にかかわらず、可動範囲CTの第1位置(図126(b))〜第3位置(図127(a))までの間は可動体Cを自在に動かすことが可能である。例えば、可動体Cを第2位置(図126(c))まで移動させた後に物理オブジェクトを第1駆動座標領域Z7−1側に戻すように操作した場合、周辺制御基板1510は、第1駆動座標領域Z7−1で物理オブジェクトが再び検出されたことに基づいて、可動体Cを、第2位置(図126(c))から第1位置(図126(b))まで移動させる制御を行う。また、可動体Cを第3位置(図127(a))まで移動させた後に物理オブジェクトを第2駆動座標領域Z7−2側に戻すように操作した場合、周辺制御基板1510は、第2駆動座標領域Z7−2で物理オブジェクトが再び検出されたことに基づいて、可動体Cを、第3位置(図127(a))から第2位置(図126(c))まで移動させる制御を行うこととなる。
このような構成によれば、可動体Cが第4位置(図127(b))まで移動するか否かの演出として、可動体Cを上下に小刻みに移動させる駆動態様を、遊技者の好みに応じて出現させたり、遊技者の好みに合った時間だけ行うことができるようになることから、演出で最終結果が現れるまでの「間」を操ることができるようになり、遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。なお、第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが検出された以降は、当該第4の操作制御態様に対する演出受付は終了されることから、可動体Cを自在に操ることはできなくなる。
なお、第6座標領域Z6(図126(a))が演出受付可能に設定(制御)されてから所定期間が経過(特定のタイミングが到来)するまでの間に第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが適正に検出されなかった場合は、第6座標領域Z6または第7座標領域Z7に対する演出受付が終了されるようになっている。この際、第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが適正に検出された場合に現れる可動体Cの挙動を生じさせるようにしてもよいし、こうした挙動を生じさせることなく、可動体Cを、予め定められた複数位置(図126(b)に示される第1位置(原位置)に位置させるように制御してもよい。
また、この説明例にかかる第4の操作制御態様では、大当りの期待度にかかわらず、可動範囲CTの第1位置(図126(b))〜第3位置(図127(a))までの間は可動体Cを自在に動かすことを可能としたが、これに代えて、可動範囲CTの第1位置(図126(b))〜第4位置(図127(b))の範囲内で上方側に位置するほど示唆される大当りの期待度が高くなるようにしてもよい。すなわちこの場合、周辺制御基板1510では、大当り判定の結果に基づいて大当り期待度の異なる複数の演出パターンのいずれかを選択し、該選択した演出パターンにより定められる位置(第1位置〜第4位置)まで可動体Cを動作可能に制御することとなる。なおこの際、物理オブジェクトが第1駆動座標領域Z7−1から第2駆動座標領域Z7−2に移動するときや、第2駆動座標領域Z7−2から第3駆動座標領域Z7−3に移動するときにも、可動体Cが次の位置まで移動するか否かの演出(行ったり来たりする挙動)を出現させるようにしてもよい。
また、表示部Dに対する第1〜第3の操作制御態様では、画像S1〜S4を演出受付可能にするときに正面視でこれら画像S1〜S4よりも大きな座標領域Z1〜4を発生させるのに対し、可動体Cに対する第4の操作制御態様では、可動体Cを演出受付可能にするときに正面視で該可動体Cよりも小さな第6座標領域Z6を発生させることとした。すなわち、可動体では、相対的に大きな移動量をもった部位と相対的に小さな移動量をもった部位などを含むことが多いことから、例えば、相対的に小さな移動量をもった部位を演出受付の対象から外すようにすることが遊技興趣の低下を抑制する上で望ましい。これに対し、表示部では、演出受付可能にする画像の大きさに合わせて座標領域を設定しようとすると、操作性を好適に維持するために大きな画像にすることが求められることとなり、他の表示画像とのバランスが悪くなったりすることが懸念されることから、演出受付可能にする画像については座標領域の設定範囲と切り離してその大きさを独自設定するようにすることが望ましい。
ただし、特定の座標領域(ここでは、第1駆動座標領域Z7−1〜第4駆動座標領域Z7−4)内で物理オブジェクトの移動を検出してこれに応じた演出を出現させる制御を行う場合は、例えば、第1駆動座標領域Z7−1で検出されていた物理オブジェクトが移動して、第2駆動座標領域Z7−2や第3駆動座標領域Z7−3を経ることなく第4駆動座標領域Z7−4で突然に検出される事態が生じるようなことも想定される。こうした事態は、例えば、第1駆動座標領域Z7−1で右手を検出対象とした後、この右手を移動させずに第4駆動座標領域Z7−4で左手を検出対象とした場合などに生じうるものであるから、物理オブジェクトは移動していないと判定し、該移動に応じた演出(可動体Cの移動など)を実行すべきではない。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、上述の周辺制御部定常処理(33.3ms毎)を実行しているなかで、4ms毎の割込タイマ処理を発生させ、この割込タイマ処理内で左側外周外光検出部35aからの情報と右側外周外光検出部35bからの情報とをそれぞれ取得して物理オブジェクトが検出された座標位置が示される座標情報として記憶する。そして、上述の周辺制御部定常処理内で、前回の周辺制御部定常処理が終了してから4ms毎に記憶された複数個(8,9個)の座標情報を解析することで特定の座標領域(例えば、第1駆動座標領域Z7−1〜第4駆動座標領域Z7−4)内で物理オブジェクトが適正に移動しているか否かを判定するとともに、該判定の結果に応じてアクチュエータに対する制御データをセットする。そして、1ms毎の割込処理内において、こうしてセットされた制御データに基づいて可動体Cを駆動させる制御が行われることで、可動体Cが、物理オブジェクトが第4駆動座標領域Z7−4まで移動し終わっていない移動途中の段階にあるときから、物理オブジェクトの上記第6座標領域Z6内における正面視での移動に追従するように移動するようになる。なお、座標情報は、座標位置が取得された時系列順に記憶されている。
例えば、第1駆動座標領域Z7−1で物理オブジェクトが検出された後に第4駆動座標領域Z7−4内で物理オブジェクトが検出された場合であっても、該第4駆動座標領域Z7−4内で物理オブジェクトが検出されるよりも前のタイミングで、第2駆動座標領域Z7−2内で物理オブジェクトが検出されたことを示す座標情報と、第3駆動座標領域Z7−3内で物理オブジェクトが検出されたことを示す座標情報とがそれぞれ存在しなければ、物理オブジェクトは適正に移動しなかった旨判定されて、可動体Cを動作させないように制御することとなる。
すなわち、上記第4の操作制御態様にあって、可動体Cが、第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置から第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置までの移動を行う場合とは、第1駆動座標領域Z7−1で検出された物理オブジェクトが、第2駆動座標領域Z7−2内、第3駆動座標領域Z7−3内、及び第4駆動座標領域Z7−4内で時系列順でそれぞれ検出されている場合であり、例えば、第3駆動座標領域Z7−3内での検出がなければ、第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置までしか可動体Cは移動しないようになっている。これにより、特別操作受け部3333に対して適正な操作があった場合に限り、適正な演出を出現させることができるようになる。
また、第4の操作制御態様では、各座標領域Z7−1〜Z7−4で物理オブジェクトが検出されたかに応じて可動体Cを移動させる制御を行うこととしたが、これに限られず、例えば、可動体Cの可動範囲CT内で、第4駆動座標領域Z7−4に向かう方向へのベクトル成分をもった物理オブジェクトの移動が検出されたかに応じて可動体Cを移動させる制御を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、取得された時系列順に記憶されている座標位置に基づいて物理オブジェクトのベクトル成分を解析することとなる。
なお、この第4の操作制御態様で用いられた座標領域の設定制御や、物理オブジェクトの移動検出や、可動体Cの演出制御については、例えば、上述の第3の操作制御態様において、表示部内の画像S4に対して適用するようにしてもよい。
また、上記第3の操作制御態様や第4の操作制御態様では、特別操作受け部3333において物理オブジェクトの移動が開始されてからの該移動に関する検出(演出受付)が終了しておらず未だ継続されている間に、既に検出済みとされた物理オブジェクトの少なくとも移動方向と移動量とに応じた態様で演出対象(表示画像や可動体)を移動させる制御を行うこととした。このような構成では、遊技者自らが演出を作り上げるかのような演出性を生み出すことができるようになることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
ところで、第1の操作制御態様、第2の操作制御態様、第3の操作制御態様、及び第4の操作制御態様において、特別操作受け部3333に対する演出受付は、その際に設定されている座標領域内に限られる。ただし、特別操作受け部3333における物理オブジェクトの検出これ自体は常時(4ms毎に)行われており、検出された座標情報は、取得された時系列に対応付けして記憶されている。そして、周辺制御基板1510では、周辺制御部定常処理(33.3ms毎)内で、時系列に対応付けして記憶されている座標情報に基づいて物理オブジェクトの位置や動きなどを解析する。この点、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、特別操作受け部3333内に物理オブジェクトが検出された場合、解析内容が異なる複数の解析処理のいずれかを実行可能としており、特別操作受け部3333における物理オブジェクトの動きとして同じ動きが検出されたとしても解析結果に応じて異なる制御を行いうるものとなっている。
図128は、周辺制御部定常処理内で実行される物理オブジェクトの検出情報解析処理について、その制御例を示すフローチャートである。
すなわち、周辺制御基板1510では、まず、大当り判定の結果に応じた特定の演出条件が満たされたことに基づいて発生する操作演出受付期間にあるか否かを判断する(ステップS3301)。そしてこの結果、操作演出受付期間にある場合は、上述の通り、時系列に対応付けして記憶されている座標情報に基づいて、演出受付可能とされる座標領域内で物理オブジェクトが検出されているか否かを解析するとともに、演出受付可能とされる座標領域内に物理オブジェクトが検出されている場合には該物理オブジェクトの移動態様や大きさなどをさらに解析する(ステップS3302)。そして、こうした演出用の解析結果に基づいて、演出受付可能とされる座標領域に関する制御(再設定や、終了)や、表示画像や可動体などの演出対象に演出変化を生じさせる制御や、現状の演出状態を維持する制御を行うこととなる(ステップS3303)。なお、ステップS3302の処理が行われた結果、演出受付可能とされる座標領域内に物理オブジェクトが検出されなかった場合であっても、演出受付可能とされる座標領域に関する制御(再設定や、終了)や、表示画像や可動体などの演出対象を原位置に戻す制御(例えば、可動体Cを図126(a)に示される第1位置に移動させる制御)などを行う場合がある。
これに対し、ステップS3301の処理において、特別操作受け部3333に対して演出受付可能とされる座標領域が設定されている操作演出受付期間にない旨判断された場合は、上記演出用の解析内容とは異なる内容で解析を行う(ステップS3312)。すなわち、この実施の形態にかかる特別操作受け部3333は、遊技盤5全域と対向するかたちで設けられている。したがって、遊技球の入賞を不正に容易化させるべく特別操作受け部3333のうち各種の入賞口と対向する座標位置に磁石を置く行為や、扉枠3とガラス板192との隙間から針金などを侵入させて不正時に警報音を発するスピーカを破壊するような行為などが行われることが想定されうる。
そこで、上記ステップS3312の処理では、時系列に対応付けして記憶されている座標情報に基づいて、特別操作受け部3333内で不正行為が行われている可能性があるかについての解析を行うようにしている。例えば、特別操作受け部3333内で物理オブジェクトが検出されているか否かを判断するとともに、特別操作受け部3333内で物理オブジェクトが検出されている場合には該物理オブジェクトの移動態様や大きさなどが不正行為が行われているときに現れうる移動態様や大きさなどと一致するかを解析する。そして、こうした不正対策用の解析結果、不正行為が行われている可能性がある旨判定された場合は、不正行為が行われている旨を示す外部出力を実行したり警報音や警報光を発するなどの不正対策が行われるように制御し(ステップS3313)、不正行為が行われている可能性がある旨判定されなかった場合は、こうした不正対策が行われないように制御する(ステップS3313)。
このような不正対策用の解析手順(ステップS3312)としては、例えば、まず、特別操作受け部3333内で物理オブジェクトが検出されたときに、該検出された座標位置を解析用基準位置として設定(記憶)する。次いで、該解析用基準位置を含んで該解析用基準位置から所定距離分だけ広がる解析用座標範囲を設定し、上記検出された物理オブジェクトが該解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けるか(物理オブジェクトがほとんど移動しないか)を監視する。そしてこの結果、上記検出された物理オブジェクトが該解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けた場合は、該解析用座標範囲内で何らかの不正行為が行われている可能性がある旨判定するようにする手法を採用することが可能である。なおこの際、物理オブジェクトの大きさが不正行為を行い得ない大きさ(極めて薄い形状をしているなど)であるときには、こうした移動態様が検出された場合であっても不正行為が行われている可能性がある旨判定しないようにしてもよい。これにより、ガラス板192に汚れなどが付着したときに誤って不正報知されるようなことを抑制することができるようになる。
このような構成によれば、操作演出受付期間にある場合は、あらゆる行為が行われていたとしても不正行為として判断されることはなく、演出行為としてのみの解析が行われて該解析の結果に応じた演出制御が行われるのに対し、操作演出受付期間にない場合は、あらゆる行為を不正行為の解析対象として判定し、該解析の結果に応じた不正対策用の制御が行われうるようになる。したがって、特別操作受け部3333において一の事象(例えば、30秒にわたって特定の座標領域にて物理オブジェクトが検出される事象)が発生してこれが検出された場合であっても、演出状況によっては、演出行為とみなされて特定の演出変化を生じさせることもあれば、不正行為とみなされて不正報知されてしまうこともありえるようになる。このように、一の検出情報を、異なる複数の目的(ここでは、演出目的と不正対策目的)に遊技や演出の状況に応じて使い分けるようにしたことで、より少ない検出情報でより多くの目的を達成し得るようになり、効率的な制御構造を実現することができるようになる。
なお、この説明例では、大当り判定の結果に応じた特定の演出条件が満たされたことに基づいて発生する操作演出受付期間にないときは、特別操作受け部3333に対する操作によって演出変化を生じさせないものとして説明したが、該操作演出受付期間にないときにも(常時)、特別操作受け部3333における物理オブジェクトの検出によって表示画像が変化したり、可動体が発光、移動したりするようにしてもよい。ただしこの場合、操作演出受付期間にないときは、あらゆる行為を不正行為の解析対象として判定するほか、演出行為の解析対象としても判定し、これらの判定の結果に応じた制御をそれぞれ行うこととなる。したがって、特別操作受け部3333において一の事象が発生したときに演出変化と不正報知との両方が出現しうるようになる。
また、物理オブジェクトが解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けるかの監視をしている途中段階で、大当り判定の結果に応じた特定の演出条件が満たされたことに基づいて操作演出受付期間が発生した場合は、当該不正対策用の解析処理を終了させず、物理オブジェクトが解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けるかの監視を、該操作演出受付期間が発生した以降も継続して行うようにすることが望ましい。すなわちこの場合、操作演出受付期間にあるときに、演出用の解析処理とその結果に応じた制御を行うほか、物理オブジェクトが解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けるかの監視を継続し、該監視の結果によっては不正報知を行うこととなる。
ところで、特別操作受け部3333において第1の演出事象(例えば、可動体を移動させる演出)に関する演出受付が許容される第1演出期間にあるときに、特別操作受け部3333とは異なる操作手段(例えば、操作ボタン410)において第2の演出事象(例えば、表示画像を変化させる演出)に関する演出受付が許容される第2演出期間をさらに発生させる制御を行うようにしてもよい。
例えば、図129(a)に示されるように、タイミングt1において、特別操作受け部3333において第1の演出事象(例えば、可動体を移動させる演出)に関する演出受付(パネル操作受付)が許容される第1演出期間が発生したとする。なお、この第1演出期間では、当該期間が発生してから第1の受付時間が経過したタイミングt2が到来するまでの間、特別操作受け部3333において物理オブジェクトの移動が開始されてからの該移動に関する検出(解析)が終了しておらず未だ継続されている間に、既に検出(解析)済みとされた物理オブジェクトの少なくとも移動方向と移動量とに応じた態様で可動体を動作させる制御(例えば、物理オブジェクトの移動に追従するように特定の可動体を移動させる制御など)が実行可能とされる。
この点、周辺制御基板1510では、大当り判定の結果に基づいて特定の演出条件が満たされた旨判断した場合は、上記第1演出期間を発生させてこれが未だ終了されずに継続されている間に、特別操作受け部3333とは異なる操作手段(例えば、操作ボタン410)において第2の演出事象(例えば、表示画像を変化させる演出)に関する演出受付(ボタン操作受付)が許容される第2演出期間を発生させるように定められている演出パターンや予告演出などを設定する制御を実行可能としている。
すなわちこの場合、第1演出期間が発生している間にタイミングt11が到来すると、操作ボタン410において第2の演出事象(例えば、表示画像を変化させる演出)に関する演出受付(ボタン操作受付)が許容される第2演出期間を発生させる制御を行う。そして、こうして第2演出期間が発生してから第2の受付時間が経過したタイミングt12が到来するまでの間に操作ボタン410に対する操作が受け付けられたときには、その時点で当該第2演出期間を終了させる。若しくは、タイミングt12が到来するまでの間に操作ボタン410に対する操作が受け付けられたなかったときには、タイミングt12が到来したときに当該第2演出期間を終了させることとなる。
このような構成によれば、第1の演出事象に関する演出受付が第1の操作部位(ここでは、特別操作受け部3333)で許容される第1演出期間と、第2の演出事象に関する演出受付が第2の操作部位(ここでは、操作ボタン410)で許容される第2演出期間との両方が同時発生するようになる(図129(a)に示されるタイミングt11〜t12)。しかも、上記構成では、第1演出期間と第2演出期間との終了タイミングが異なっており、第1演出期間に遅れて発生した第2演出期間のほうが先に終了されるようになっている。すなわちこの場合、第1演出期間に遅れて第2演出期間が発生すると、第1の操作部位を操作している途中であったとしても該操作を中断して第2の操作部位を操作するか、第1の操作部位と第2の操作部位とを同時に異なる態様で操作することが求められることとなり、これまでに無い面白みのある演出操作性を提供して遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
なお、このような演出操作性を好適に実現する上では、図129(b)に示されるように、第2の演出事象に関する演出受付(相対的に短時間の経過で終了される側の演出受付)については、第2の操作部位(ここでは、操作ボタン410)で所定回数(好ましくは1回)や所定量の操作(有限量の操作)が行われたことが検出されたときに演出実行条件が満たされたとして、それ以降は操作を必要とせずに第2の演出事象(例えば、表示画像を変化させる演出動作)を発生させる制御を行うようにすることが望ましい。例えば、操作ボタン410に対して1回の押圧操作が検出されると、タイミングt12が到来するよりも前に第2演出期間を終了させ、これ以降は操作を必要とせず、表示画像に演出変化を生じさせる制御などがこれに該当する。
これに対し、第1の演出事象に関する演出受付(相対的に長時間の経過で終了される側の演出受付)については、少なくとも第2演出期間が終了するまでの間、さらにはそれ以降も第1の操作部位に対する操作回数や操作量などにかかわらず第1の演出事象に関する演出受付を終了させずに継続し、該継続されている間に第1の操作部位に対する操作が行われる都度、該操作に応じた演出変化を反映させる制御を行うようにすることが望ましい。例えば、特別操作受け部3333内で検出される物理オブジェクトの移動を解析し、該物理オブジェクトの移動態様(移動量など)に応じて演出受付を終了させることなくこれを継続し、こうして物理オブジェクトの移動が定期的(33.3ms毎)に解析される都度、該解析された最新の座標位置まで可動体を移動させる処理を繰り返し実行する制御などがこれに該当する。
このような構成によれば、第1演出期間に遅れて第2演出期間が発生したときに第1の操作部位に対する操作を中断した場合であっても、第1の操作部位に対する操作機会は失われないことを好適に保証することができることから、該中断による遊技興趣の低下が抑制されるようになる。また、第1の操作部位に対する操作を中断した後、第2の操作部位を操作すれば比較的早い段階で第2演出期間を終了させることができ、それ以降は該第2の操作部位に対する操作を必要とせずに該操作に応じた演出変化(第2の演出事象)が生じるようになることから、第1の操作部位に対する操作を比較的早い段階で再開させることができるようになり、第1の操作部位に対する操作機会についてもこれが好適に確保されるようになる。
そしてこの場合、第1の操作部位に対する操作が再開される状況では、第2の操作部位に対する操作に応じた演出変化(第2の演出事象)が今まさに開始されるところとなり、第1の操作部位に対する操作機会が提供されるなかで第2の演出事象を楽しむことができる、といった特殊な演出状況を発生させることができるようになる。この点、「第2の操作部位に対する操作を行うと特定表示画像の大きさが変化する演出事象が発生するようにしておき、第1の操作部位に対する操作を行うと特定表示画像が特定位置まで移動する演出事象が発生するようにする」など、上記第2の演出事象の演出対象の態様に影響を及ぼすこと(変化させること)を上記第1の演出事象として設定するようにすれば、上記特殊な演出状況において、第1の操作部位に対する操作によって上記第2の演出事象の演出対象の態様を変化させながら、第2の演出事象を楽しむことができるようになり、よりダイナミックで自由度の高い操作性とこれに適した演出性とが実現されるようになる。
ここで、第1の操作部位に対する操作を行ったときに上記第2の演出事象の演出対象の態様に影響を及ぼすこと(変化させること)の例としては、例えば、第2の演出事象の演出対象(表示画像や、可動体など)の移動量、移動方向、移動速度、発光態様(光の色や進行方向、光量など)、大きさ、または形状の少なくとも1つを変更することを挙げることができるが、これらに限られず、第2の演出事象の演出対象(表示画像や音響演出、可動体など)に何らかの影響を及ぼすことができるものであればよい。すなわち、第1の操作部位に対する操作演出の対象と、第2の操作部位に対する操作演出の対象とを同じ演出対象にしながらも、該演出対象に生じさせる演出の態様(例えば、第1の操作部位に対する操作演出では大きさを変化させ、第2の操作部位に対する操作演出では表示位置を変化させる)を互いに異ならせるようにしておけばよい。また、第1演出期間については、必ずしも有限の時間として設定されるものでなくてもよく、第2演出期間が終了した以降も第1の操作部位に対する操作を受け付けるものであり、第2の演出事象が発生しているときに第1の操作部位に対する操作を行うことができるものであればよい。
また、第1演出期間と第2演出期間との両方が同時発生している期間では、第1の演出事象に関する演出受付と第2の演出事象に関する演出受付とのうち、第2の演出事象に関する演出受付についてのみ、操作指示を促す表示や、上記第2演出期間としての最大残り時間を示唆する表示を行うようにすることが、第1の操作部位に対する操作の中断を好適に促すようにする上で望ましい。
なお、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、こうした演出の関係性を好適に実現するために、第1演出期間に遅れて第2演出期間を発生させる制御を行うことはあっても、第2演出期間に遅れて第1演出期間を発生させることはないように制御することとしている。
また、上記説明例では、第1演出期間と第2演出期間との両方が同時発生するようにしたが、第1演出期間に遅れて第2演出期間が発生する場合は、第1演出期間を一時終了させ、第2演出期間が終了するときに第1演出期間を再び発生させるようにしてもよい。この場合であっても、第1の操作部位に対する操作を行ったときに上記第2の演出事象の演出対象の態様に影響を及ぼすようにした上述の操作性と演出性とを実現することは可能である。
また、上記説明例では、第1の操作部位に対する操作が行われる都度、該操作に応じた演出変化を反映させる制御を行うこととしたが、第1の操作部位に対して複数回の操作があったときに、該操作に応じた演出変化を反映させる制御を行うようにしてもよい。
そして、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、上述した各説明例にかかる制御手法を適宜に用いて、以下のような様々な操作受付演出を実現可能としている。
[特別操作受け部3333を用いた演出例1]
例えば、いま、図130(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて演出例1の演出パターン(演出例1の変動パターン)が設定され、表示部Dにおいて該演出例1の演出パターンで装飾図柄SZの変動が行われているとする。すると、周辺制御基板1510では、該演出例1の演出パターンが現れている期間内において、特別操作受け部3333のうち可動体A1,A2と対向する座標領域(図示略)を演出受付可能に設定(制御)する操作演出期間を発生させる。
ここで、演出例1の演出パターンとしては、少なくとも、可動体A1を動作させるように定められている演出例1の演出パターンA1と、可動体A2を動作させるように定められている演出例1の演出パターンA2とが含まれている。ただし、可動体A1は、遊技盤5の表側にて遊技者側から視認可能に設けられているのに対し、可動体A2は、遊技盤5の背後側で遊技者側から視認し難くされており且つ正面視で可動体A1と重なる位置にて設けられている。したがって、周辺制御基板1510では、上記演出例1の演出パターンとしていずれの演出パターンA1,A2が行われる場合であっても、表示部Dにおいては、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライドさせる操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG1を表示することとしている。またこれも同様、いずれの演出パターンA1,A2が行われている場合であっても、可動体A1を発光させてこれと対向する座標領域(図示略)を操作すべき旨を示唆するようにしている。
そして、演出パターンA1が行われているなかでこうしたスライド操作が適正に受け付けられた場合、周辺制御基板1510では、図130(b)に示されるように、遊技者によるスライド操作に追従させるかたちで可動体A1の左方向への移動を開始させるように制御する。なおこの状況においても、表示部Dでは、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライド操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG1が表示されるとともに、可動体A1は、発光状態にされている。
そして、演出パターンA1が行われているなかでこうしたスライド操作が特定箇所まで達すると、周辺制御基板1510では、図131(a)に示されるように、遊技者によるスライド操作に追従させるかたちで可動体A1を特定の演出位置まで移動させた後、該可動体A1に対する演出受付が許容される操作演出期間を終了させるように制御する。なおこの状況においては、表示部Dでは、可動体A1を特定の演出位置まで移動させることに成功して大当り判定に対する期待度が高いことが示唆される表示が現れるとともに、可動体A1では、発光の態様や形状が変化するなどの演出が行われるようにすることが望ましい。
ただし、演出パターンA1が行われているなかで遊技者によるスライド操作が特定箇所まで達した場合であっても、所定の演出条件が満たされていない場合は、周辺制御基板1510では、図131(b)に示されるように、遊技者のスライド操作に対する可動体A1の追従移動が中断されるべく可動体A1に対する演出受付が許容される操作演出期間を終了させ、該可動体A1を原位置に戻すように移動させる制御を行う。そしてこの場合、表示部Dでは、可動体A1を特定の演出位置まで移動させることに失敗して大当り判定に対する期待度が低いことが示唆される表示が現れるとともに、可動体A1では、発光が終了されるように制御することとなる。
これに対し、演出パターンA2が行われているなかで遊技者のスライド操作が適正に受け付けられた場合、周辺制御基板1510では、図130(c)に示されるように、遊技者によるスライド操作に追従させるかたちで可動体A2の左方向への移動を開始させるように制御する。なおこの状況においても、表示部Dでは、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライド操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG1が表示されるとともに、可動体A1は、発光状態にされている。ただしこれに加えて、可動体A2も、発光状態にされるように制御されている。
そして、演出パターンA2が行われているなかでこうしたスライド操作が特定箇所まで達すると、周辺制御基板1510では、図131(c)に示されるように、遊技者によるスライド操作に追従させるかたちで可動体A2を特定の演出位置まで移動させた後、該可動体A2に対する演出受付が許容される操作演出期間を終了させるように制御する。なおこの状況においては、表示部Dでは、可動体A2を特定の演出位置まで移動させることに成功して大当り判定に対する期待度が極めて高いことが示唆される表示が現れるとともに、可動体A2では、発光の態様や形状が変化するなどの演出が行われるようにすることが望ましい。
ただし、演出パターンA2が行われているなかで遊技者によるスライド操作が特定箇所まで達した場合であっても、所定の演出条件が満たされていない場合は、周辺制御基板1510では、図131(b)に示されるように、遊技者のスライド操作に対する可動体A2の追従移動が中断されるべく可動体A2に対する演出受付が許容される操作演出期間を終了させ、該可動体A2を原位置に戻すように移動させる制御を行う。そしてこの場合、表示部Dでは、可動体A2を特定の演出位置まで移動させることに失敗して大当り判定に対する期待度が低いことが示唆される表示が現れるとともに、可動体A1,A2では、発光が終了されるように制御することとなる。
このような演出例1によれば、可動体A1が動作するかのように見せる図130(a)に示される状況が現れているなかで、遊技者によるスライド操作が行われると、可動体A1ではなく、視認し難くされていた可動体A2が突然に登場するかたちで移動するようになることから、このような演出対象が入れ替わったかのようなサプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、図示は割愛するが、このような演出例1によれば、図130(a)の状況が現れてから図130(c)の状況が現れるまでの期間内で、遊技者によるスライド操作によって可動体A2が移動開始しているもののこれが未だ視認し難い位置(遊技盤5の背後側)にあり、遊技者側から見ると、何らの演出変化も発生していないかのように見える状況が現れうるようになる。すなわちこの場合、遊技者によるスライド操作が適正に行われているにもかかわらず何らの演出変化も発生していないことへの落胆を生じさせてから、可動体A2が表示部Dの前方側へと出現するようになることから、このようなサプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下がより好適に抑制されうるようになる。
また、上記演出例1では、図131(a),(c)に示されるように、可動体A1,A2を、変動状態にある装飾図柄SZと重なる位置にまで進出させるようにしていることから、装飾図柄SZから可動体A1,A2へと遊技者による注視を移すことが促されるようになり、可動体A1,A2のいずれが出現したのかを見逃し難くすることができるようになる。
しかも、上記構成では、可動体A1が出現した場合と可動体A2が出現した場合とで装飾図柄SZと重なる態様が異なるようになっていることから、装飾図柄SZから可動体A1,A2へと遊技者による注視を移すことに失敗した場合であっても、装飾図柄SZが視認し難くされた部分の大きさや位置などを確認することで、可動体A1,A2のいずれが出現したのかを予測することができるようになり、可動体A1,A2のいずれが出現したのかを見逃したときの遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
なお、上記演出例1では、可動体A1を遊技盤5よりも前側に配設するとともに、可動体A2を遊技盤5よりも背後側に配設することとしたが、遊技盤5よりも前側に可動体A1,A2をいずれも配設することとしてもよいし、遊技盤5よりも背後側に可動体A1,A2をいずれも配設することとしてもよい。
ここで、遊技盤5よりも前側に可動体A1,A2をいずれも配設する場合は、可動体A2を視認し難くなるようにその前側に可動体A1を配設することとなり、該可動体A1が移動するときにもその可動ベース部(移動しない部分)などが可動体A2の前側にて位置し続けるようにすることで、可動体A2の視認し難さを維持することが望ましい。
これに対し、遊技盤5よりも背後側に可動体A1,A2をいずれも配設する場合は、遊技者による操作によって可動体A1,A2のいずれが現れるかについての楽しみを付与することができるようになる。なおこの場合は、遊技盤5のうち可動体A1,A2の前側に位置する部分を発光させるようにして、該部分に対向する座標領域(特別操作受け部3333)への操作を促すようにすることが望ましい。
また、上記演出例1では、可動体A1,A2の可動方向(左方向)が同じになるように設定することとしたが、これに限られない。例えば、可動体A1の可動方向を左方向に設定し、可動体A2の可動方向を上方向に設定した場合は、左方向を示唆する操作指示(示唆画像HG1)に促されて左方向に遊技者によるスライド操作が行われたにもかかわらず、可動体A2が上方向に移動することとなり、このようなサプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下がより好適に抑制されうるようになる。若しくは、可動方向が左方向に設定されている可動体A1に対する操作が促されているにもかかわらず、上方向を示唆する操作指示を出現させるようにして、上方向に遊技者によるスライド操作が行われると、視認し難くされていた可動体A2が上方向に移動して出現するようにしてもよい。
また、上記演出例1では、遊技者による操作によって可動体A2が出現するとき、可動体A1が動作しないようにしたが、これに限られない。例えば、遊技者による操作によって可動体A2を移動させるときに可動体A1も遊技者によるスライド操作に追従して移動させるようにする。そして、可動体A1,A2が所定距離だけ移動した後、可動体A1のみを原位置まで戻るように移動させるようにしても、サプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下がより好適に抑制されうるようになる。若しくは、遊技者による操作によって可動体A2を移動させるにあたり、まずは、可動体A1のみを遊技者によるスライド操作に追従して移動させるようにする。そして、可動体A1が所定距離だけ移動した後、可動体A1を原位置まで戻るように移動させるとともに、可動体A2を遊技者によるスライド操作に追従して移動させるようにしても、サプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下がより好適に抑制されうるようになる。ただし、遊技者による操作対象を可動体A1,A2の間で入れ替える際には、遊技者による操作を所定箇所にて所定時間(可動体A2が所定箇所に移動するまでに要する時間)にわたって留まらせる演出を実行するようにすることが望ましい。
また、上記演出例1では、可動体A2が移動している状況において(図130(c)、図131(c)を参照)、可動体A1及び可動体A2をそれぞれ発光させることとしたが、該状況においては可動体A1は必ずしも発光しなくてもよい。すなわちこの場合、可動体A1と対向する座標領域(特別操作受け部3333)で物理オブジェクトの検出があったタイミングや、可動体A2が表示部Dの前方側へと進出を開始して原位置にあるときよりも視認し易くされたタイミング(所定位置まで移動したタイミング)などで可動体A1の発光を終了させる制御を行うこととなる。
また、上記演出例1やその別例では、可動体A2を、可動体A1と正面視で重なる後方側に配設することとしたが、可動体A1に代えて盤面発光部Eを配設するようにしてもよい。すなわちこの場合、可動体A2を移動させるにあたり(図130(a)に示される状況において)、可動体A2の前側に位置する盤面発光部Eを発光させることで、視認し難い状態にある可動体A2と対向する座標領域(特別操作受け部3333)への操作を促すこととなる。
また、上記演出例1にかかる表示部Dでは、図130(a)〜(c)に示される各状況において、可動体A1,A2の位置する箇所にかかわらず、示唆画像HG1においては一の演出状況(いずれの可動体も動作していない初期状況)を示すようにした。ただしこれに代えて、可動体A1,A2の位置する箇所に応じて示唆画像HG1の表示態様を変化させ、該示唆画像HG1を見るだけでも可動体A1,A2の移動状況を認識可能とするようにしてもよい。
[特別操作受け部3333を用いた演出例2]
例えば、いま、図132(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて演出例2の演出パターン(演出例2の変動パターン)が設定され、表示部Dにおいて該演出例2の演出パターンで装飾図柄SZの変動が行われているとする。すると、周辺制御基板1510では、該演出例2の演出パターンが現れている期間内において、特別操作受け部3333のうち可動体A1と対向する座標領域(図示略)を演出受付可能に設定(制御)する操作演出期間を発生させる。
ここで、演出例2の演出パターンとしては、少なくとも、可動体A1を動作させるように定められている演出例2の演出パターンA1と、可動体A1と可動体Bとをそれぞれ動作させるように定められている演出例2の演出パターンABとが含まれている。そして、演出例2の演出パターンA1では、上述の演出例1の演出パターンA1の場合と同様、図130(a),(b)、及び図131(a)(若しくは、図131(b))に示される態様で可動体A1に対する操作演出の受付機会が提供されて、可動体A1が移動するようになっている。これに対し、演出例2の演出パターンABでは、可動体A1に対する操作演出の受付機会が提供された後、可動体Bに対する操作演出の受付機会が提供されるようになっている。したがって、周辺制御基板1510では、上記演出例2の演出パターンとしていずれの演出パターンA1,ABが行われる場合であっても、表示部Dにおいては、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライドさせる操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG1を表示することとしている。またこれも同様、いずれの演出パターンA1,ABが行われている場合であっても、可動体A1を発光させてこれと対向する座標領域(図示略)を操作すべき旨を示唆するようにしている。
ただし、演出例2の演出パターンABでは、可動体A1と対向する座標領域(図示略)への操作が受け付けられると(物理オブジェクトが検出されると)、可動体A1に対して特定の演出事象を発生させず、まずは、図132(b)に示されるように、表示部Dにおける示唆画像HG1を非表示にし、可動体A1と対向する座標領域における演出受付を中断させる制御を行う。なおこの際、表示部Dにおける装飾図柄SZについては、視認可能ではあるものの視認し難い態様で表示(半透明での表示など)されるようにすることが望ましく、可動体A1の発光状態も中断させるようにすることが望ましい。
そして次に、図132(c)に示されるように、こうして示唆画像HG1が非表示にされた表示部Dにおいて、特別操作受け部3333とは別の操作手段(操作ボタン410など)に対する操作を促す操作指示画像SGを表示するとともに、該別の操作手段(操作ボタン410など)を用いた特定演出の操作受付期間を発生させる。そして、該特定演出の操作受付期間において別の操作手段(操作ボタン410など)に対する操作が受け付けられると、図133(a)に示されるように、表示部Dにおける操作指示画像SGを非表示にするとともに、当初演出対象として示されていた可動体A1とは異なる可動体Bを動作させるように制御する。なお、この演出例2では、表示部Dの前方側まで可動体Bを所定時間だけ進出させるようにしている。
そして、演出例2の演出パターンABでは、こうして可動体Bが動作した後に、図133(b)に示されるように、表示部Dにおいて、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライドさせる操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG2を表示するとともに、特別操作受け部3333のうち可動体A1と対向する座標領域(図示略)を演出受付可能に設定(制御)する操作演出期間を再び発生させる。なおこの際、可動体A1の演出操作の機会が再び付与されることとなるが、図132(a)に示される状況が現れた以降、可動体Bが動作せずに可動体A1が動作する上記演出例2の演出パターンA1よりも、可動体Bが動作した後に可動体A1が動作する当該演出例2の演出パターンABのほうが期待度が高くなるように設定することが望ましい。そしてこの場合、図133(b)に示されるように、示唆画像HG2の表示態様を、図132(a)に示した示唆画像HG1と異なるようにして期待度が高い演出パターンであることを示唆するようにしたり、可動体A1の発光態様を、図132(a)に示した可動体A1の発光態様と異なるようにして期待度が高い演出パターンであることを示唆するようにすることが望ましい。
なお、演出例2の演出パターンABでは、図133(b)に示される状況が現れた以降は、上述の演出例1の演出パターンA1の場合と同様、図130(b)、及び図131(a)(若しくは、図131(b))に示される態様で可動体A1に対する操作演出の受付機会が提供されて、可動体A1が移動するようになっている。また、図133(b)に示される状況が現れた以降、上述の演出例1の演出パターンA2の場合と同様、図130(c)、及び図131(c)(若しくは、図131(b))に示される態様で可動体A1に対する操作演出の受付機会が提供されて、可動体A1が移動する演出パターンが現れるようにしてもよい。
特に、この演出例2の演出パターンABでは、図133(b)に示したように、期待度が高い演出パターンであることを示唆する示唆画像HG2を出現させたり、可動体A1の発光態様を異ならせるようにしていることから、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライドさせる操作を行ったときに現れる可動演出としてもこれを演出例2の演出パターンA1の場合とは異なる特別な実行態様で行うようにすることが望ましい。
このような演出例2の演出パターンABによれば、第1の操作部位(ここでは、特別操作受け部3333)を用いた第1の演出機会をまずは付与する(この状況では、第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)に対する第2の演出機会は付与されていない)にもかかわらず、第1の操作部位を操作してこれが演出受付されると、該第1の操作部位とは異なる第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)に対する第2の演出機会が付与されて上記第1の演出機会は一旦喪失されるようになる。そして、第1の演出機会が一旦喪失されている状況において第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)を操作してこれが演出受付されると、該演出受付に応じた第2の演出事象(ここでは、可動体Bの動作)が発生するようになる。すなわちこの場合、第1の操作部位に対する演出受付がなされたときに第2の操作部位に対する第2の演出機会が付与されるか否かについての演出性を生じさせることができるようになり、複数の操作部位を用いた斬新な操作性が提供されるようになる。
なお、このような複数の操作部位を用いた斬新な操作性を好適に実現する上では、第2の操作部位については常には物理的に操作し難い態様にて設けるようにすることが望ましい。そして、第2の操作部位に対する第2の演出機会を付与する旨判断された場合は、第1の操作部位に対する演出受付がなされたことに基づいて第2の操作部位を物理的に操作し難い態様から操作し易い態様へと制御し、該操作し易い態様にあるときに該第2の操作部位に対する演出受付を許容するようにすることが望ましい。ここで、「物理的に操作し難い態様」とは、例えば、第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)が他の部材によって覆われて操作困難とされる態様や、第2の操作部位が既に操作されたときの状態で位置している態様などのことであり、「物理的に操作し難い態様から操作し易い態様へと制御」とは、例えば、第2の操作部位これ自体を他の部材によって覆われない位置まで動作させる制御や、第2の操作部位を覆っている他の部材を該第2の操作部位を覆わない位置まで動作させる制御や、第2の操作部位を操作されたときの状態とは異なる位置まで動作させる制御などとして実現可能である。またこの場合、第2の操作部位を物理的に操作し難い態様から操作し易い態様へと制御する契機としては、必ずしも第1の操作部位に対する演出受付がなされたときでなくてもよく、特定の演出パターンが実行されてから特定の時間が経過したときなどであってもよい。いずれにしろ、第1の操作部位に対する演出受付がなされたときに第2の操作部位に対する第2の演出機会を付与するにあたり、第2の操作部位これ自体やその近傍に設けられる部材を動作させるようにすることは、第1の操作部位から第2の操作部位へと操作の対象が変更されたことや該変更によって期待度が高くなることを示唆する上で望ましい。
また、上記演出例2の演出パターンABでは、第1の操作部位(ここでは、特別操作受け部3333)を用いた第1の演出機会を付与した後、第1の操作部位を操作してこれが演出受付されたことに基づいて第2の演出機会を付与することとした。ただし、第1の操作部位(ここでは、特別操作受け部3333)を用いた第1の演出機会を付与してから(若しくは、示唆画像HG1を表示してから)所定時間の経過後に該第1の操作部位とは異なる第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)に対する第2の演出機会が付与されて上記第1の演出機会が一旦喪失されるようにしてもよい。なおこの場合、所定時間が経過するまでの間は第1の操作部位に対する操作によって第1の演出事象を発生させることとなるが、所定時間が経過したことに基づいて第1の演出事象を終了(演出対象が可動体である場合は、可動体を原位置まで戻すように制御)させることとなる。若しくは、第1の操作部位を用いた第1の演出機会は付与せず、示唆画像HG1を表示してから所定時間の経過後に該第1の操作部位とは異なる第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)に対する第2の演出機会が付与されるようにしてもよい。すなわちこの場合、示唆画像HG1が表示されているにもかかわらず第1の操作部位に対する操作によって演出受付がなされないときの遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、上記演出例2の演出パターンABでは、示唆画像HG1を表示した後、該示唆画像HG1を非表示にすることとしたがこれに限られず、例えば、示唆画像HG1を表示したままで図132に示される操作指示画像SGをさらに表示するようにしてもよい。このような構成によれば、示唆画像HG1がより期待度の高い示唆画像HG2に変化する様子を描写することができることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。ただしこの際、第1の操作部位に対する演出受付が行われない状態において示唆画像HG1を表示する場合は、該示唆画像HG1の表示態様を変化(例えば、カラー表示から白黒表示にしたり、半透明などの相対的に視認し難い表示態様にしたりするなど)させるようにすることが望ましい。またさらに、示唆画像HG1の表示残り時間(第1の操作部位に対する演出受付がなされる残り時間)が示される計時画像を併せて表示させておき、第1の操作部位に対する演出受付が行われない状態においては該残り時間が減少しない様子を該計時画像によって示すようにすれば、第1の操作部位に対する演出受付が行われる残り期間が減らない状態にあることを遊技者に認識させることができるようになり、安心して別の操作手段(例えば、操作ボタン410)を用いた遊技を楽しませることができるようになる。
なおこの場合、第1の操作部位に対する演出受付が行われない状態にあるにもかかわらず該演出受付がなされる残り時間が所定量だけ減少したように見せてから、該残り時間が減少しない様子を上記計時画像によって示すようにすれば、より面白みのある演出性を提供することができるようになる。
また、上記演出例2の演出パターンABでは、示唆画像HG1を表示した後、第1の操作部位に対する演出受付が行われたことに基づいて第1の操作部位に対する演出受付が行われない所定の期間を発生させ、該所定の期間において示唆画像HG1の表示態様を変化(例えば、カラー表示から白黒表示にしたり、半透明などの相対的に視認し難い表示態様にしたりするなど)させるとともに、計時画像によって残り時間が減少しない様子(表示メータが減少せず静止状態になるなど)を示すようにしてもよい。またこの際、表示部Dにおける示唆画像HG1とは異なる画像の表示態様も変化させるようにすることが望ましい。なおこの場合、第2の演出機会が提供された後に所定の期間が終了すると、示唆画像HG1の表示態様をより期待度の高い態様に変化させ、第1の操作部位に対する演出受付が再び行われるようにしてもよい。
また、上記演出例2の演出パターンでは、可動体A1を演出対象とする操作を促す示唆画像HG1を表示した後(若しくは、示唆画像HG1が表示されている状態で)、可動体Bを動作させうるようにしたが、該可動体Bについては、遊技者による操作によって動作するものでなくてもよく、例えば、所定の動作条件が満たされるかの判定で特別結果が得られたことに基づいて動作する非操作可動体であってもよい。このような非操作可動体を採用する場合、動作することが決定された(特別結果が得られた)としても該非操作可動体についての操作指示が行われることはなく、操作受付がなされることもない。この点、非操作可動体についての所定の動作条件が満たされるかの判定を、演出パターンの実行状況に関わらずに適宜に発生させるようにしておけば、他の演出対象(可動体や表示画像など)についての示唆画像HG1が表示されている状態で非操作可動体を動作させる旨の決定が密かに行われうるようになることから、他の演出対象に関する操作指示が出現して操作が受け付け可能とされているなかで、これとは関係のない非操作可動体が突如として動作する可能性や、特殊可動体と他の演出対象とが同時に動作する可能性などを持たせることができるようになり、こうした意外性のある操作演出によって遊技興趣の向上が図られることを期待できるようになる。
また、表示部D内に示唆画像HG1,HG2や、操作指示画像SGが現れている場合、その対象とされる操作部位(特別操作受け部3333のうちの特定の座標領域や、操作ボタン410など)のみを演出受付可能とするのではなく、示唆画像HG1,HG2や、操作指示画像SGが現れている部分と対向する座標領域(特別操作受け部3333)においても演出受付可能とするようにしてもよい。このような構成によれば、操作部位を認識することができなかった場合であっても、表示部D内に現れる特定画像(示唆画像HG1,HG2や、操作指示画像S)を操作するだけで同様の演出を発生させることができるようになり、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
上記実施の形態では、特別操作受け部3333において物理オブジェクトの移動が開始されてからの該移動に関する検出が終了しておらず未だ継続されている間に、既に検出済みとされた物理オブジェクトの少なくとも移動方向と移動量とに応じた態様で演出対象(表示画像や可動体)を移動させる制御を実行可能としたが、該演出対象の移動にかかる制御を行うにあたり、物理オブジェクトの移動速度を検出し、該移動速度の高低を可動体の動きに反映させるようにしてもよい。
また、上記実施の形態にかかるパチンコ機1では、特別操作受け部3333を用いた操作演出を実現するにあたり、該特別操作受け部3333のうち操作対象とされる部位と対向する座標領域にて演出受付がなされるようにしたが、必ずしも操作対象とされる部位と対向する座標領域でなくてもよく、特別操作受け部3333のうちの特定の座標領域にて演出受付がなされるようにしてもよい。
また、上記実施の形態にかかるパチンコ機1では、特別操作受け部3333に対する操作(指などの物理オブジェクト)によって生じる光の変化を外周外光検出部35で検出してこれを周辺制御基板1510で解析することで、特別操作受け部3333に対する操作態様(指などの物理オブジェクトの移動情報など)を判定することとしたが、例えば、ガラス板192に対して設置されたタッチパネルを用いて特別操作受け部3333に対する操作態様(この場合は、ガラス板192に対するタッチ操作の態様)を判定するようにしてもよい。ただしこの場合、ガラス板192を通した遊技領域や表示領域などの視認性に悪影響が及ぼされる懸念はある。
次に、本実施例におけるパチンコ機1の遊技制御について詳述する。図134は、特別図柄及び特別電動役物制御処理(図94:ステップS114)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、メイン制御プログラムにおいて、特別図柄及び特別電動役物制御処理(図94:ステップS114)に移行されたとすると、主制御基板1310の主制御MPU1310aはまず、図134に示されるように、上記第一始動口センサ4002による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS5231におけるYES)、第一大当り判定用乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS5232)。また、上記第二始動口センサ4004による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS5233におけるYES)、第二特別図柄の第二特別乱数(第二大当り判定用乱数)を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS5234)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS5235)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS5240a)を実行する。
なお、この実施の形態にかかる大当り制御処理では、図140に示されるように、
・第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての判定処理の結果が「8R確変大当りA」、及び「8R通常大当り」のいずれかを示唆する態様となったときに、大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返す8R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての判定処理の結果が「16R確変大当り」を示唆する態様となったときに、大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を16回繰り返す16R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての判定処理の結果が「8R確変大当りB」を示唆する態様となったときに、大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返す8R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての判定処理の結果が「2R通常大当り」を示唆する態様となったときに、大入賞口2005を短時間開放(例えば0.6秒)した後に閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を2回繰り返す2R大当り遊技状態に制御する。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上記時短制御が実行される状況においては左打ちよりも右打ちが遊技者にとって有利であり、上記時短制御が実行されない状況においては右打ちよりも左打ちが遊技者にとって有利であることは上述した通りである。この点、左打ち状態では、第一始動口2002への遊技球の受け入れに応じた第一特別図柄についての抽選の結果として大当りが当選されたとしても最大で8ラウンドの長時間開放の大当り遊技状態(概ね1000個の遊技球が獲得可能)しか発生しない。
これに対し、右打ち状態では、第二始動口2004への遊技球の受け入れに応じた第二特別図柄についての抽選において、大当りが当選されると、概ね50%の確率(当選種の割り振り率)で16ラウンドの長時間開放の大当り遊技状態(概ね2000個の遊技球が獲得可能)が実行されるようになっているなど、大当りに当選したときに獲得可能とされる賞球の期待値が多くなっているため、右打ち状態に移行制御された場合には左打ち状態にあるときよりも多量の賞球獲得が期待できるようになっている。
なお、大当り制御処理では、このような大入賞口2005の開放制御を開始させるにあたり、まず、条件装置の作動を開始させる処理、後述の変動回数カウンタをリセットする処理、等々といった処理が行われる。
また、大当り制御処理では、このような大入賞口2005の開放制御を行った後、図140に示されるように、当該大当り遊技が行われる契機となった大当りの当選種に応じて、高確率フラグ、時短フラグの各セット処理を実行する。
高確率フラグは、高確率状態であることを示すフラグであって、後述する図139に示す大当り判定処理で用いられるものであり、大当り遊技状態終了後に確変制御する大当り(8R確変大当りA、16R確変大当り、8R確変大当りB)に基づく大当り遊技状態を終了するときにセットされ、次に大当りとなったときに後述する図144に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
時短フラグは、時短制御の実行中(低確率時短状態、高確率時短状態)であることを示すフラグであり、図140に示されるように、大当り遊技状態終了後に時短制御(高確率時短状態)する大当り(8R確変大当りA、16R確変大当り、8R確変大当りB)に基づく大当り遊技状態を終了するときにセットされ、次に大当りとなったときに後述する図144に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。若しくは、低確率時短状態が発生してから大当りに当選しないままで特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)が100回消化されたときに後述する図144に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
変動回数カウンタは、該変動回数カウンタがリセットされてからの特別図柄の変動回数を示すカウンタであって、後述する図142に示す第1変動パターン設定処理(第2変動パターン設定処理)で用いられるものであり、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動が行われるときに更新(例えば、カウントアップ)されるとともに、少なくとも特定種別の大当り(16R確変大当り、8R確変大当りB)に基づく大当り遊技状態を開始するときにリセットされる。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ(ステップS5235におけるNO)、次にステップS5236の処理として、小当り遊技状態に制御している旨を示す小当り実行中フラグがセットされているか否かを判別する。そしてこの結果、小当り実行中フラグがセットされていれば、小当り遊技状態の制御を行う小当り制御処理(ステップS5240b)を実行する。なお、小当り制御処理では、大入賞口2005を特定の開放時間(例えば1.8秒)だけ開放させる処理が行われる。
ここで、小当り制御処理(ステップS5240b)では、大当り制御処理(ステップS5240a)の場合とは異なり、このような大入賞口2005の開放制御が行われた後、高確率フラグ、時短フラグ、時短回数カウンタなどの各セット処理が行われることはない。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図140(a)に示されるように、大当り判定にて小当りに当選することはない。
また、小当り実行中フラグがセットされていなければ(ステップS5236におけるNO)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二大当り判定用乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS5237)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS5238)。
これに対し、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二大当り判定用乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でない場合は(ステップS5237)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS5239)。これにより、保留状態にされている第二特別図柄についての抽選が無くならないように遊技している限りは(第二特別保留数カウンタの値が「0」でない限りは)、第一特別図柄についての抽選の保留状況にかかわらず、第二大当り判定用乱数についての抽選のみが途切れることなく連続して行われるようになる(優先実行)。
したがって、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技者は、時短状態(高確率時短状態)においてはセンター役物2500の右側への遊技球の打込み(右打ち)を維持するだけで、第二大当り判定用乱数についての抽選(判定処理)のみを途切れることなく連続して行うことができるようになる。
なお、第2特図(第二特別図柄)を用いた特図ゲーム(図柄変動)が第1特図(第一特別図柄)を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば、第一始動口2002や第二始動口2004を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
図135は、上記第一始動口通過処理(ステップS5232)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS5231の処理において、上記第一始動口センサ4002がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図135に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5241の処理として、まず、第一特別図柄側の各乱数(大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、大当り図柄用乱数、変動表示パターン用乱数)を上記乱数カウンタから取得する。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一特別図柄の保留数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS5242)。このステップS5242の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示(第一特別図柄についての判定処理)を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS5243〜S5245の処理を行うこととなる。
すなわち、まず、上記ステップS5243の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS5244の処理として、上記ステップS5241で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
そして次に、第1特図側の先読み演出を実行するための第1特図先読み処理を実行し、処理を終了する(ステップS5245)。後述するが、第1特図側の先読み演出は、第一特別図柄の変動表示を開始する前に第一特別図柄の判定結果(若しくは、その期待度)を事前に示唆する演出である。この第1特図先読み処理では、周辺制御基板1510側で先読み演出の実行有無や演出内容などを決定するために必要とされる情報(先読み判定用の当落に関する情報、先読み判定用の図柄種別に関する情報、先読み判定用の変動パターン番号に関する情報等)を生成し、周辺制御基板1510に対する送信情報として対応する記憶領域に記憶する。この際、第一特別図柄の判定結果そのものの代わりに、大当り遊技の種別を示唆している情報として特別図柄の停止図柄に関する情報をコマンドに含めるようにしてもよい。例えば、変動パターンのうちのSPリーチ群、ノーマルリーチ群、図柄種別のうちの潜確当り群、小当り群といった、最終的に決定される前の段階の情報を先読みコマンドとして送信してもよい。
一方、上記ステップS5242の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示は新たに保留されない。すなわち、ステップS5243〜ステップS5245の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示を新たに保留の状態としない。
図136は、上記第二始動口通過処理(ステップS5234)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS5233の処理において、上記第二始動口センサ4004がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図136に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5251の処理として、まず、上記第二特別図柄側の各乱数(第二大当り判定用乱数、第二リーチ判定用乱数、第二大当り図柄用乱数、第二変動表示パターン用乱数)を上記乱数カウンタから取得する。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS5252)。このステップS5252の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御(第二特別図柄についての抽選)を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS5253〜S5255の処理を行うこととなる。
すなわち、まず、上記ステップS5253の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS5254の処理として、上記ステップS5251で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
そして次に、第2特図側の先読み演出を実行するための第2特図先読み処理を実行し、処理を終了する(ステップS5255)。後述するが、第2特図側の先読み演出は、第二特別図柄の変動表示を開始する前に第二特別図柄の判定結果(若しくは、その期待度)を事前に示唆する演出である。この第2特図先読み処理では、周辺制御基板1510側で先読み演出の実行有無や演出内容などを決定するために必要とされる情報(当落情報、図柄種別、変動パターン番号等)を生成し、周辺制御基板1510に対する送信情報として対応する記憶領域に記憶する。この際、第二特別図柄の判定結果そのものの代わりに、大当り遊技の種別を示唆している情報として特別図柄の停止図柄に関する情報をコマンドに含めるようにしてもよい。例えば、変動パターンのうちのSPリーチ群、ノーマルリーチ群、図柄種別のうちの潜確当り群、小当り群といった、最終的に決定される前の段階の情報を先読みコマンドとして送信してもよい。また、このステップS5255の処理内では後述の一変演出を実現するための処理(図176)が行われうる。
一方、上記ステップS5252の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS5253〜ステップS5255の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて第一特別図柄の保留数が変化すると上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第一特別図柄の保留数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信する。また、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二特別図柄の保留数が変化すると上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第二特別図柄の保留数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信する。
図137は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS5238)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5238で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5239で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5238で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上記第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御内蔵RAMに格納されている第一特別図柄に対応する大当り判定用乱数を読み出し、読み出した大当り判定用乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS5280)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての判定処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS5281)
3.変動表示パターン用乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器1403に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置(遊技盤側演出表示装置)1600に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS5282)
4.第一特別図柄表示器1403における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS5283)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての判定処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器1403に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS5284)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグの初期値は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS5280)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図138は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS5280)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図138に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS5301の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示があると判断された場合には、次にステップS5302の処理として、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一大当り判定用乱数、第一リーチ判定用乱数、第一大当り図柄用乱数、第一変動表示パターン用乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同主制御内蔵RAMから読み出す。そして次に、ステップS5303及びS304の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(例えば、第一大当り判定用乱数、第一リーチ判定用乱数、第一大当り図柄用乱数、第一変動表示パターン用乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域d)を有し、第一始動口2002への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示の保留が解除されるようになる。同様に第二特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第二特別図柄保留記憶領域a〜第二特別図柄保留記憶領域d)を有し、第二始動口2004への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第二特別図柄の変動表示の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS5305の処理として、上記読み出された第一大当り判定用乱数に基づいて上記大当りの当落についての判定処理である大当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS5281)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS5306)、この処理を終了する。
図139は、上記大当り判定処理(ステップS5305)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS5311)、図140(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS5312)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS5311)、図140(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS5313)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した大当り判定用乱数とを比較する(ステップS5314)。
図140(A)に示すように大当り判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、特別乱数の種類毎(第一大当り判定用乱数、第二大当り判定用乱数)に遊技状態が低確率時(低確率非時短状態、低確率時短状態)の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、第一大当り判定用乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、204種類の第一大当り判定用乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、65332種類の第一大当り判定用乱数が上記ハズレであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一大当り判定用乱数(65536種類)がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率;概ね「321分の1」)。これに対し、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5239で実行される第二特別図柄プロセス処理内において第二特別図柄の大当り判定用乱数(第二大当り判定用乱数)と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、204種類の第二大当り判定用乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、65332種類の第二大当り判定用乱数が上記ハズレであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二大当り判定用乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率;概ね「321分の1」)。
また、第一大当り判定用乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、2040種類の第一大当り判定用乱数が大当り判定値と一致し、63496種類の第一大当り判定用乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一大当り判定用乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率;概ね「32分の1」)。これに対し、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5239で実行される第二特別図柄プロセス処理内において第二大当り判定用乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、2040種類の第二大当り判定用乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、63496種類の第二大当り判定用乱数が上記ハズレであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二大当り判定用乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率;概ね「32分の1」)。なお、第一大当り判定用乱数と比較するために参照される大当り判定テーブルと、第二大当り判定用乱数と比較するために参照される大当り判定テーブルに設定される大当り判定値(大当り判定値の個数を同数として大当り判定値を異ならせるものであってもよいし(大当り確率は同一)、大当り判定値の個数を異ならせるものであってもよい(大当り確率を異ならせる))を異ならせるようにしてもよく、この場合には低確率時の大当り判定テーブルと高確率時の大当り判定テーブルのうち少なくとも一方の大当り判定値を異ならせるようにすればよい(両方異ならせるようにしてもよい)。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した大当り判定用乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS5315)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS5316)、大当り判定処理を終了する。
また、上記ステップS5315で、大当りに落選した旨判断された場合は、選択した大当り判定テーブルに基づいて、上記読み出した大当り判定用乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致するか否かの判断を行う(ステップS5317)。ただし上述の通り、本例の第一特別図柄通常処理(第二特別図柄プロセス処理)のステップS5302においては小当り判定値と一致する大当り判定用乱数が読み出されることはないので(小当り確率;65536分の0)、このステップS5317では、小当りに当選されていない旨判断される(ハズレ判定される)こととなる。
一方、上記ステップS5317で、ハズレとすると判定した場合には、リーチ判定テーブルとステップS5302で読み出したリーチ判定用乱数とを比較する(ステップS5319)。
図示しないリーチ判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、遊技状態が高確率非時短状態時の場合に使用する高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が高確率時短状態時の場合に使用する高確率時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が低確率状態時(低確率非時短状態)の場合に使用する低確率状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。
ここで、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ判定用乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ判定用乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ判定用乱数がそれぞれ関連付けされている。ただし、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルでは、時短状態にあるときの遊技の進行スピードを最大限まで高めるべく、72種類のリーチ判定用乱数の全てがリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するようにして、リーチすることを示すリーチ判定値と一致することがないようにしてもよい。
また、低確率状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ判定用乱数と同一のリーチ判定用乱数を含む5種類のリーチ判定用乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ判定用乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ判定用乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、低確率状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が高確率時短状態時よりも高められ、所定の確率で得られるようになっている。
さらに、高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時及び低確率状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ判定用乱数と同一のリーチ判定用乱数を含む5種類のリーチ判定用乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ判定用乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ判定用乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が低確率非時短状態と同じとされている。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択したリーチ判定テーブルとステップS5302で読み出したリーチ判定用乱数との比較の結果(ステップS5319)、リーチハズレとすると判定した場合には(ステップS5120におけるYES)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS5121)。
図141は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS5281)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図141に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS5305)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS5331)を判別することにより行う。
主制御MPU1310aは、ステップS5331で大当りフラグがセットされていれば、図140(B)に示す図柄決定テーブルを選択して、第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した第一大当り図柄用乱数と選択した図柄決定テーブルとを比較することにより第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)としての大当り図柄を決定する(ステップS5332)。
図140(B)に示すように、第一特別図柄側の図柄決定テーブルには、判定結果(8R確変大当りA,8R通常大当り)に対して第一大当り図柄用乱数(ここでは、総数200個の第一大当り図柄用乱数)がそれぞれ関連付けされるかたちで記憶されている。なお、図140(C)に示すように、第二特別図柄側の図柄決定テーブルには、判定結果(16R確変大当り,8R確変大当りB,2R通常大当り)に対して第二大当り図柄用乱数(ここでは、総数200個の第二大当り図柄用乱数)がそれぞれ関連付けされるかたちで記憶されている。
主制御基板1310の主制御MPU1310aでは、取得した大当り図柄用乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一大当り図柄用乱数に基づいて決定される大当りの種類と第二大当り図柄用乱数に基づいて決定される大当りの種類とが異なるように設定している。より具体的には、高確率状態への移行契機となる確変大当りと、高確率状態への移行契機とならない通常大当りとの振分け率(割り振り)は同じとされているが、第一大当り図柄用乱数に基づいて決定される大当りによって獲得可能とされる遊技球の期待値よりも、第二大当り図柄用乱数に基づいて決定される大当りによって獲得可能とされる遊技球の期待値のほうが大きくなっている。
大当りの種類毎の具体的な遊技・演出内容を簡潔にまとめると以下の通りである。
1.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な8R大当り遊技状態に制御し、この8R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、8R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが勝利するバトル演出(バトル勝利演出)を行い、高確率時短状態においては相対的に有利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される8R確変大当りA
2.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な8R大当り遊技状態に制御し、この8R大当り遊技状態の後は、特別図柄の変動表示が100回消化される(若しくは、100回消化されるまでの期間内で大当りに当選する)まで低確率時短状態に制御するとともに、8R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが敗北するバトル演出(バトル敗北演出)を行い、低確率時短状態においては、相対的に不利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される8R通常大当り
3.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を16回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な16R大当り遊技状態に制御し、この16R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、16R大当り遊技状態の実行期間中はラウンド数が8ラウンドを超えるか(16ラウンドになるか)についての演出(成功演出)が行われる上乗せチャレンジ演出を行い、高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過した以降は相対的に有利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される16R確変大当り
4.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な8R大当り遊技状態に制御し、この8R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、8R大当り遊技状態の実行期間中はラウンド数が8ラウンドを超えるか(16ラウンドになるか)についての演出(失敗演出)が行われる上乗せチャレンジ演出を行い、高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過した以降は相対的に有利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される8R確変大当りB
5.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を短時間開放(例えば0.6秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を2回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球され難い2R大当り遊技状態に制御し、この2R大当り遊技状態の後は、特別図柄の変動表示が100回消化される(若しくは、100回消化されるまでの期間内で大当りに当選する)まで低確率時短状態に制御するとともに、2R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが敗北するバトル演出(バトル敗北演出)を行い、低確率時短状態においては、相対的に不利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される2R通常大当り
なお、上記左打ち状態では遊技球がゲート部2003を通過することがなく、第二始動口2004を開状態にする可動片(図示略)の駆動は行われない。そのため、左打ち状態では第二始動口2004への遊技球の入賞は発生せず、第一始動口2002への遊技球の入賞のみが発生することになり、第二特別図柄の保留球がある場合を除き第一特別図柄表示器1403における第一特別図柄の変動表示のみが実行され、第一特別図柄に関連した大当り(8R確変大当りA,8R通常大当り)が発生することになる。同様に、上記右打ち状態では第一始動口2002に遊技球は入賞しない。そのため、右打ち状態では第二始動口2004への遊技球の入賞のみが発生することになり、第一特別図柄の保留球がある場合を除き第二特別図柄表示器1186における第二特別図柄の変動表示のみが実行され、第二特別図柄に関連した大当り(16R確変大当り,8R確変大当りB,2R通常大当り)が発生することになる。
また、第一特別図柄に関連した大当りでは最大で大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを8回繰り返して概ね1000個の遊技球しか払い出されないのに対し、第二特別図柄に関連した大当りでは最大で大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを16回繰り返して概ね2000個の遊技球を払い出し可能である。
なお、第一特別図柄停止図柄設定処理において8R確変大当りAに決定した場合には大当り図柄として8R確変大当りA図柄に決定し、8R通常大当りに決定した場合には大当り図柄として8R通常大当り図柄に決定する。また、図示しないが第二特別図柄停止図柄設定処理において16R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として16R確変大当り図柄に決定し、8R確変大当りBに決定した場合には大当り図柄として8R確変大当りB図柄に決定し、2R通常大当りに決定した場合には大当り図柄として2R通常大当り図柄に決定する。
また、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5331で大当りフラグがセットされていなければ、次にステップS5333の処理として、小当りフラグがセットされているか否かを判断する。そしてこの結果、第二特別図柄プロセス処理(ステップS5239)内の当該ステップS5333に相当する処理にて小当りフラグがセットされていれば、第二特別図柄の変動停止時の態様として小当り図柄(特有の図柄停止態様)に決定した後(ステップS5334)、ステップS5337に移行する。
またさらに、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5333で小当りフラグがセットされていなければ、特別図柄の変動停止時の態様としてハズレ図柄に決定した後(ステップS5336)、ステップS5337に移行する。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5337の処理として、上記抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS5338の処理として、上記第1変動パターン設定処理(ステップS5282)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
なお、周辺制御MPU1511aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて演出表示装置1600を表示制御する(左・中・右の装飾図柄を変動表示して左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示させる(なお左・中・右の装飾図柄を同一図柄で同期して変動表示し同時に停止表示する場合もある))。例えば、周辺制御MPU1511aは、大当りとして2R通常大当り以外の種別に当選した場合には左・中・右の装飾図柄が3つ揃いとなる組合わせに決定する。これに対し、2R通常大当りが得られた場合は、特定の図柄組合わせ(左・中・右の装飾図柄の少なくとも1つが他の図柄と同じとならない組合わせ)に決定する。また、リーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(左・右の装飾図柄が「0」〜「9」の同一の図柄の組み合わせであって中装飾図柄が異なる図柄の組み合わせ;リーチハズレ図柄)に決定し、はずれを特定した場合には、リーチを伴わないはずれ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定する。こうして決定された停止図柄は、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)において演出表示装置1600に表示される。
いずれにせよ、周辺制御MPU1511aは、遊技が進行された結果として当りが得られたときは、大当り遊技が開始されるよりも前に当り時の演出表示(特別表示態様)を出現させ、大当り遊技が開始された後に大当り遊技中の演出表示を出現させるようになっている。
図142は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS5282)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図142に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS5341)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS5332で決定した大当りの種類に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS5342)、小当りフラグがセットされていれば(ステップS5343)、小当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS5344)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS5345)、リーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS5346)、大当りフラグと小当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS5347)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した変動表示パターン用乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS5348)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器1403に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS5349)。また、主制御MPU1310aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS5350)。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS5283)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS5355)、この処理を終了する。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器1403にて第一特別図柄の変動表示制御が行われるとともに該特別図柄の変動表示に同期して上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、大当り判定用乱数(第一大当り判定用乱数、第二大当り判定用乱数)及び大当り図柄用乱数(第一大当り図柄用乱数、第二大当り図柄用乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記第一変動表示パターン用乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU1310aは、大当り判定用乱数及び大当り図柄用乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した変動表示パターン用乱数とを比較し、上記読み出した変動表示パターン用乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての判定処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶されている。
ただし上述の通り、本例では小当りに当選することがないことから、小当り時の変動パターンテーブルが用いられることはない。本例では、小当りに当選することはないが、小当りに当選するようにしてもよい。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動表示パターン用乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、非時短状態においては、241種類の変動表示パターン用乱数のうち164種類の変動表示パターン用乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜163)として設定され、59種類の変動表示パターン用乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164〜222)として設定され、18種類の変動表示パターン用乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223〜240)として設定される。
なお、スーパーリーチ演出(SP演出)とは、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、大当り遊技状態の発生を望む遊技者に対してはスーパーリーチ演出が実行されたときに大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。すなわち、このようなスーパーリーチ演出は、大当り時の変動パターンテーブルにおいて最も選択率が高いものとなっており、これによって最終的にはハズレが表示されたとしても大当り遊技状態に対する遊技者の期待度を高めることができるようになる。ただし実際には、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度を十分に高める上では、スーパーリーチ演出が実行されている期間中に、変動パターンとは別抽選とされている高期待の予告演出が出現する(複合する)ことが求められる。
また、第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄用乱数に対応して設けられて第一特別図柄の変動時間を決定するときに用いられるはずれ時の変動パターンテーブルでは、非時短状態と時短状態とに共通して12秒の変動時間が設定されている。一方、第二大当り判定用乱数及び第二図柄乱数に対応して設けられて第二特別図柄の変動時間を決定するときに用いられるはずれ時の変動パターンテーブルでは、時短状態として0.1秒〜12秒の変動時間が設定可能とされ、非時短状態として12秒の変動時間が設定されている。このように第一特別図柄の変動時間は、時短状態中と非時短状態中とで同一とされ、時短状態において第一特別図柄の変動中に、第二始動口2004への遊技球の入賞を促すとともに遊技者が第二始動口2004へ遊技球を入賞させるための時間を確保している。
また、第二特別図柄のハズレ時の変動時間のうち0.1秒が選択される場合、時短状態(高確率時短状態など)において遊技領域5aに0.6秒間隔で打ち込まれる各遊技球が抽選処理に供されないままで排出されてしまうようなことが抑制されるようになる。
すなわち、右打ちされた遊技球は、ゲート部2003の直上となる領域に供給される。
そして、時短状態(高確率時短状態など)にあるときに、この領域からゲート部2003に同遊技球が受け入れられると、普通図柄としての当りが得られて(例えば、当選確率が100%)、第二始動口2004の開閉に関わる可動片が長期間(本例では5.5秒間)に亘って開状態にて維持されるようになる。これにより、第二始動口2004に連続して次々と受け入れられうる状況下(センター役物2500の右側へ打込まれた遊技球の略全てが第二始動口2004に受け入れられうる時短状態)にあっても、それら遊技球の受け入れがある都度、「概ね32分の1」前後の高い大当り確率(高確率状態での確率)で第二特別図柄側の抽選が次々と消化されうる制御が実行可能とされるようになる。
そして本例では、遊技者がハンドル302を操作しているときには0.6秒間隔で遊技球が発射されるようになっていることから、時短状態(高確率時短状態など)においては、第二始動口2004には0.6秒間隔で遊技球が受け入れられることが多くなる。この点、本例では上記したように第二始動口2004への遊技球の入賞に基づく第二特別図柄のはずれ時の変動パターンテーブルには時短状態(高確率時短状態など)の変動時間として極めて短い0.1秒に設定可能とされている。すなわちこの場合、ハズレが得られたときは、遊技球の発射間隔(0.6秒)未満の時間(0.1秒)だけで図柄変動が終了されるようになることから、0.6秒間隔で打ち出される遊技球が第二始動口2004に次々と受け入れるような状況であっても、それらの遊技球が抽選処理に供されないままで排出されてしまうようなことが抑制されるようになる。
図143は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS5283)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図143に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS5371の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS5282)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そしてこの結果、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS5372)、次にステップS5373の処理に移行する。すなわち、このステップS5373の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS5284)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
なお、変動タイマを1減算したにもかかわらず(ステップS5371)、変動時間タイマが0になっていないときは、変動時間タイマが0になるまで(図柄を確定停止させるべき時間になるまで)、当該タイマ割り込み処理が行われる都度、上記ステップS5371,S5372の処理が行われることとなる。
図144は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS5284)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図144に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS5381の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器1403に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS5382)。
また、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS5386におけるYES)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS5387)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS5388)。そして、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットするとともに上記高確率フラグがセットされていれば当該高確率フラグをリセットし、また、上記時短フラグがセットされていれば当該時短フラグをリセットし(ステップS5389)、さらに上記変動回数カウンタをリセットし、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS5394)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS5235の処理にて大当り実行中フラグがセットされている旨判断されることとなり、上述の大当り制御処理(ステップS5240a)にて大当り遊技状態が実行されるようになる。
なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS5387では、大当りの種類(8R確変大当りA、8R通常大当り、16R確変大当り、8R確変大当りB、2R通常大当り)に応じた大当り開始コマンド(8R確変大当りAコマンド、8R通常大当りコマンド、16R確変大当りコマンド、8R確変大当りBコマンド、2R通常大当りコマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出(バトル演出や上乗せチャレンジ演出)が演出表示装置1600、各ランプ・LED及び各スピーカ等により実行される。
一方、上記ステップS5386の処理において、大当りフラグがセットされていない旨判断されたときは(ステップS5386におけるNO)、まず、低確率時短状態にあるか否かを判断する(ステップS5390)。そして、低確率時短状態にあるときには、低確率時短状態に制御されてから消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(ここでは100回)に達したか否かを判断する(ステップS5391)。すなわち、低確率時短状態に制御されてから消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(100回)に達したときには、低確率時短状態を終了させるべき条件が成立したとして、時短機能を停止させて通常遊技状態(低確率非時短遊技状態)に移行させることとなる(ステップS5392)。
そして、こうして時短機能に関する処理が行われた後は、小当りフラグがセットされているか否かを判断する(ステップS5393)。そしてこの結果、小当りフラグがセットされている旨判断されたときは(ステップS5393におけるYES)、小当り遊技状態を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS5394)、小当り遊技状態の開始までの待機時間(小当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS5395)。そして、小当り遊技状態の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットし(ステップS5396)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS5394)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS5236の処理にて小当り実行中フラグがセットされている旨判断されることとなり、上述の小当り制御処理(ステップS5240b)にて小当り遊技状態が実行されるようになる。ちなみに、大当りが当選された場合とは異なり、このような小当り遊技状態の実行に際しては、遊技状態が変更されるようなことはない。
他方、大当りフラグと小当りフラグとのいずれもセットされていない旨判断されたときは(ステップS5393におけるNO)、ハズレであるとして、大当りや小当りに関する処理を行うことなく、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS5394)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、大当り実行中フラグや小当り実行中フラグがセットされていない旨判断されることとなり(ステップS5235,S236)、保留の状況にしたがって新たな遊技(抽選や、図柄制御)の進行にかかる処理が行われるようになる(ステップS5237〜S5239)。
図145は、上記普通図柄及び普通電動役物制御処理(ステップS116)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS5401の処理において、上記ゲートセンサ4003による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図145に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5402の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPU1310aのRAMに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS5403)
2.普図変動乱数に基づいて上記普通図柄表示器1402に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS5404)
3.普通図柄表示器1402における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS5405)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記普通図柄表示器1402に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS5406)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記可動片が開状態になって第二始動口2004への遊技球の受け入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS5407)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、その初期値が、上記普通図柄通常処理(ステップS5403)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図146は、上記ゲート部通過処理(ステップS5402)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS5401の処理において、上記ゲートセンサ4003による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図146に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5411の処理として、まず、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU1310aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS5411の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS5412〜S5414の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS5412の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。
次いで、ステップS5413の処理として、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS5414の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU1310aのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS5411の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS5412〜ステップS5414の処理を実行しないことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図147は、上記普通図柄通常処理(ステップS5403)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図147に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS5421の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS5422の処理として、上記主制御MPU1310aのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS5423及びS5424の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU1310aのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2003への遊技球の通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2003に遊技球が通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、現在の遊技状態が時短状態(高確率時短状態)であれば(ステップS5426)、時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS5426)、現在の遊技状態が非時短状態(低確率非時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS5425)、非時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS5427)、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS5422で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS5428)。
なお、普図当り判定テーブルは、上記主制御MPU1310aのROMに記憶され、遊技状態が時短時(高確率時短状態)の場合に使用する時短時の普図当り判定テーブルと、遊技状態が非時短時(低確率非時短状態、高確率非時短状態)の場合に使用する非時短時の普図当り判定テーブルと、を備えている。そして、普通乱数と比較するために参照される時短時の普図当り判定テーブルでは、255種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致し、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致することがないように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、時短時では、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったとき、普図当りに必ず当選し、上記可動片が開状態になって第二始動口2004への遊技球の受け入れを可能に制御している。255種類の全てではなく、非時短状態のときよりも多くの普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致するようにしてもよい。
また、普通乱数と比較するために参照される非時短時の普図当り判定テーブルでは、255種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致することがなく、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致するように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、非時短時では、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったとしても、普図当りに当選することがないため、上記可動片2106が開状態になって第二始動口2004への遊技球の受入れを可能に制御することがない。ただし上述の通り、非時短状態においても普通図柄の当りが得られるようにしてもよく、この場合には時短状態よりも低い当選確率(例えば50%)とし、普通図柄の抽選結果が当りとなったときに上記第二始動口2004の可動片を時短状態よりも短い時間、例えば、2秒間開状態にさせて第二始動口2004への遊技球の受入れを可能とした後に再び前進させて第二始動口2004への遊技球の受入れを不能にするようにしてもよい。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS5422で読み出した普通乱数との比較の結果、普図
当りとすると判定した場合には(ステップS5429)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットした後(ステップS5430)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図当り図柄を決定する(ステップS5431)、一方、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS5422で読み出した普通乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図はずれ図柄を決定する(ステップS5432)。そしてその後、上記普通図柄変動時間決定処理(ステップS5404)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS5433)、この処理を終了する。
そして、このような主制御MPU1310aによる制御が行われるなかで、周辺制御MPU1511aでは、該主制御MPU1310aから送信される上述の各種コマンドを取得することで上記周辺制御部定常処理(受信コマンド解析処理(ステップS1022))内でその都度の遊技状況を把握し、該遊技状況に応じた演出を実行可能としている。
より具体的には、周辺制御MPU1511aは、まず、始動入賞が発生した状況にあるかを判断し、該状況にあるときには始動入賞に応じた保留表示や先読み演出に関する制御を行う。そしてこの後、把握した遊技状況に基づいてプロセスフラグを更新することで、以下の変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄変動開始処理、演出図柄変動中処理、演出図柄変動停止処理、大当り表示処理、大当り遊技中処理、及び大当り終了演出処理のいずれかを実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理:主制御MPU1310aから変動パターンに関する変動パターンコマンドを受信するまでの間、図柄が変動状態になく且つ大当りに関する制御が行われていないときの演出(デモ演出など)にかかる制御を行うとともに、主制御MPU1310aから変動パターンに関する変動パターンコマンドを受信するとプロセスフラグを演出図柄変動開始処理に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理:変動パターンコマンドなどに基づいて図柄変動期間における各種の演出内容(演出パターンや予告演出など)を決定するとともに、該決定した演出内容に基づいて装飾図柄の変動が開始されるように制御する。そしてこの後、プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理:演出図柄変動開始処理にて決定した各種の演出内容を、図柄変動期間中のそれぞれのタイミングで開始させる制御などを行うとともに、変動時間が終了するとプロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理:全図柄停止を指示するコマンド(図柄確定コマンド)の受信に基づいて装飾図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御などを行う。
そして、装飾図柄を大当り図柄で停止させる場合はプロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値に更新し、装飾図柄をハズレ図柄で停止させる場合はプロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値に更新する。
大当り表示処理:装飾図柄が大当り図柄で停止してから大当り遊技が開始されるまでの期間における演出(演出表示装置1600に大当りの発生を報知する表示演出など)を制御する。そしてこの後、プロセスフラグの値を大当り遊技中処理に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理:大当り遊技状態の発生期間中における各種演出にかかる制御を行う。大当り遊技状態が終了すると、プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理:演出表示装置1600において、大当り遊技状態が終了してから変動許容状態になるまでの期間における演出(大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示演出など)を制御する。そして、プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値に更新する。
図148は、通常遊技状態にあるときに上記演出図柄変動開始処理で参照される演出パターン(変動演出)の判定テーブルT1を示す図である。
同図148に示されるように、判定テーブルT1では、変動パターンコマンドにより示される変動番号1〜22の各別にそれぞれ演出パターン(変動演出)が対応付けされている。したがって、周辺制御MPU1511aでは、主制御MPU1310aから変動パターンコマンドを取得すると、該変動パターンコマンドに対応付けされている演出パターン(変動演出)を上記判定テーブルT1に基づいて決定し、該決定した演出パターン(変動演出)に基づいて装飾図柄の変動が開始されるように制御することとなる。
なお、演出パターン(変動演出)については、上記変動パターンコマンドにより示される変動番号との間で必ずしも一対一で対応するものでなくてもよい。例えば、変動パターンコマンドによって示される一の変動番号に対して複数の演出パターン(変動演出)を対応付けておき、これら演出パターン(変動演出)のいずれかを演出抽選や遊技状況などに基づいて決定するようにしてもよい。後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aも、変動番号1〜22のうちの一部については複数の演出パターンが対応付けられるようにしている。
また、これも後述するが、周辺制御MPU1511aでは、こうして演出パターン(変動演出)を決定した後に、大当り判定の結果や図柄種別、変動パターンに基づいて予告抽選(予告演出の判定処理)を行うとともに、該予告抽選で当選した予告演出を、上記決定された演出パターン(変動演出)が行われるなかでの所定タイミングで出現させる制御(演出図柄変動中処理)を行うことで、複数の演出内容を複合可能としてそれらの出現態様などによって大当り図柄の現れる期待度を示唆するようにしている。
そして従来、このような複合演出のなかには、同じ特定予告演出(例えば、タイマ演出)でありながらも一の演出パターン(変動演出)が実行されている間に複数出現させて実行することがあり、これによって遊技興趣の維持を図ることが期待されるようにしている。しかしながら、大当り図柄の現れる期待度が高いときにしか予告演出は複合可能とされないため、一の演出パターン(変動演出)が実行されている間に複数のタイマ演出が実行される頻度は自ずと低くなり、遊技興趣の向上を十分に図ることは困難とされていた。
なお後述するが、「タイマ演出」とは、演出パターン(変動演出)の実行中に現れる所定の演出を対象とし、該所定の演出が行われるタイミングに向けてのカウント表示を第一の所定数値(例えば「60秒」)から第二の所定数値(例えば「0秒」)まで行うカウント演出表示として実行されたり、カウント表示を開始する前の待機表示(準備中など)として実行されたりするものである。すなわちこの場合、タイマ演出として第一の所定数値からのカウント表示(例えば、カウントダウン)が開始されると、第二の所定数値になったときに何らかの演出が必ず発生することが保証されるようになる。若しくは、遊技者にとって相対的に不利な演出態様(期待度の低い演出態様)と有利な演出態様(期待度の高い演出態様)とのいずれかを出現させる演出(例えば、会話予告やカットインA,Bなど)がタイマ演出の対象とされる場合には、第二の所定数値になったときに有利な演出結果が必ず発生することが保証されるようになる。ただし、タイマ演出(特に、予告抽選の結果として実行される予告側タイマ演出)においては、少なくともカウント表示が開始される時点ではその演出対象となっている演出がいずれであるのかについて秘匿とされるようにすることが望ましい。また、「タイマ演出の演出対象」とは、タイマ演出として第一の所定数値からのカウント表示(例えば、カウントダウン)が第二の所定数値(例えば「0秒」)になったときに現れる演出のことであり、タイマ演出では、該演出対象の発生するタイミングに向けてカウント表示を行うこととなる。
なお、この実施の形態にかかる「タイマ演出」では、カウント開始されてからの時間経過を小数点第2位まで表示して秒数などを正確に表示するものとなっている。ただし、必ずしもこのようなタイマ演出として実行されるものでなくてもよく、カウントアップまたはカウントダウンなどによるカウント表示が行われるカウント演出として実行されるものであれば、カウント開始されてからの時間経過(秒数など)を正確に示すものでなくてもよい。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、予告抽選で当選したときにのみ現れる演出内容としてのタイマ演出(予告側タイマ演出)のほか、判定テーブルT1に基づいて決定された上記演出パターン(変動演出)の演出内容として予め組み込まれているタイマ演出(変動側タイマ演出)を実行可能としている。すなわちこの場合、カウント演出表示を、「変動パターンコマンドに基づいて決定された演出パターンに対し、大当り期待度が上積みされるように機能する予告演出の演出内容」として実行する予告側タイマ演出のみならず、「変動パターンコマンドに基づいて決定された演出パターンそのものの演出内容」としても実行するようにしたことで、変動パターンコマンドに基づいて決定された演出パターンによって示される大当り期待度からその期待度を無駄に上積み(「予告抽選での当選」という条件を満たすことによる期待度の上積み)することなくカウント演出表示(タイマ演出)を出現させることが可能とされるようになる。例えば、変動パターンコマンドに基づいて決定された特定の演出パターンが出現したときの大当り期待度が「20%」である場合、予告側タイマ演出をさらに実行すると複合演出の機能によって大当り期待度が上積みされて例えば「40%」になってしまいその分だけ出現頻度を低くせざるを得ないのに対し、特定の演出パターンこれ自体の演出内容として変動側タイマ演出が実行される場合には大当り期待度を「20%」としたままでタイマ演出を実行することが可能(特定の変動パターンが選択されるだけで出現可能)であり出現頻度を好適に維持することができるようになる。
なお、判定テーブルT1において演出パターン(変動演出)が出現したときの大当り期待度は、変動番号(さらには演出パターン)に応じてそれぞれ異なっており、基本的には変動番号が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなる傾向が持たされている。例えば、変動番号5(6),9(10),17(18)に対応する演出パターンではその演出内容としていずれも「会話予告」が演出対象とされる変動側タイマ演出が実行されるが、その出現比率は、変動番号5(6)>変動番号9(10)>変動番号17(18)であるのに対し、出現時の大当り期待度は、変動番号5(6)<変動番号9(10)<変動番号17(18)となるように設定されている。またここでは、説明の便宜上、通常遊技状態のときに参照される判定テーブルしか詳述しないが、低確率時短状態や高確率時短状態において参照される判定テーブルにおいても、演出パターンこれ自体の演出内容として変動側タイマ演出が実行されうる演出パターン(カウント変動パターン)が含まれるようになっており、通常遊技状態にあるときとは異なる確率で出現可能とされている。
また、判定テーブルT1において、変動番号3〜6はいずれも同じノーマルリーチ演出が行われる点で同じであるが、変動番号5,6は、会話予告を演出対象とした変動側タイマ演出が実行されうる点で変動番号3,4と異なっている。また、変動番号7〜14はいずれも同じキャラリーチ演出が行われる点で同じであるが、変動番号9,10は、会話予告を演出対象とした変動側タイマ演出が実行され、変動番号11,12は、カットインAを演出対象とした変動側タイマ演出が実行され、変動番号13,14は、会話予告とカットインAとが実行されるとともにそれらを演出対象とした変動側タイマ演出が実行されうる点で異なっている。また、変動番号15〜22はいずれも同じSPリーチ演出が行われる点で同じであるが、変動番号17,18は、会話予告を演出対象とした変動側タイマ演出が実行され、変動番号19,20は、カットインBを演出対象とした変動側タイマ演出が実行され、変動番号21,22は、会話予告とカットインBとが実行されるとともにそれらを演出対象とした変動側タイマ演出が実行されうる点で異なっている。なお、会話予告を演出対象とした変動側タイマ演出が実行される場合よりも、カットインA,Bを演出対象とした変動側タイマ演出が実行される場合のほうが大当り期待度が高くなり、さらには会話予告とカットインA,Bとの両方を演出対象とした変動側タイマ演出が実行される場合のほうが大当り期待度が高くなる傾向を持つように設定されている。
なお、「会話予告」とは、演出パターン(装飾図柄の変動演出)が実行されてから相対的に早い段階で出現可能とされ、且つ相対的に低い期待度の上積みがなされることが多い演出であるのに対し、カットインA,Bとは、演出パターン(装飾図柄の変動演出)が実行されてから相対的に遅い段階で出現可能とされ、且つ相対的に高い期待度の上積みがなされることが多い演出(若しくは、相対的に高い期待度の上積みが必ずなされる演出)である。したがって、「会話予告」は、これよりも期待度の高い他の演出(カットインA,Bや、後述の役物A動作,Bなど)よりも出現割合(実行確率)が高くなるように設定されるものとなっている。また、変動演出の内容として出現する「カットイン」は、キャラリーチでは、予告演出の演出内容として出現するカットインAに相当するように実行されるものであるのに対し、SPリーチでは、予告演出の演出内容として出現するカットインAではなくカットインBに相当するように実行されるものである。
しかも、この実施の形態にかかる判定テーブルT1では、同図148に示されるように、複数の変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)に対してその演出内容(演出パターン)を変動側タイマ演出として割り当てるようにしている。そしてこの上で、変動パターンが「短縮変動や期待度の低いノーマルリーチ演出などの予め定められた種別(例えば、変動番号1〜6など)」である場合は予告側タイマ演出としてのカウント演出表示が演出当選されないようにして(プレミアム度合いを高めて)該予告側タイマ演出が出現したときの期待度UPを好適に確保しているなかで、変動パターンが「変動側タイマ演出を実行する変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22などのカウント変動パターン)」である場合は、このようなカウント変動パターンでない場合に比べて当該変動パターンが上記予め定められた種別(例えば、変動番号1〜6など)に該当する割合が低くなるようにしている。
なおここでは、変動側タイマ演出が実行されるカウント変動パターンとしては14個の変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)が用意されているが、そのうちの2個(0個に設定してもよい)の変動パターン(変動番号5,6)しか上記予め定められた種別(変動番号1〜6など)に該当しないから、その該当割合は「2/14」である。これに対し、変動側タイマ演出が実行されない変動パターンとしては8個の変動パターン(変動番号1〜4,7,8,15,16)が用意されており、そのうちの4個の変動パターン(変動番号1〜4)が上記予め定められた種別(変動番号1〜6など)に該当するから、その該当割合は「4/8」である。
このような構成では、変動パターンの演出内容がカウント演出表示(変動側タイマ演出)を行いうるもの(カウント変動パターン)であるときには、変動側タイマ演出を行わない変動パターンである場合よりも、予告演出の演出内容としてカウント演出表示(予告側タイマ演出)が実行し得ないと判断される割合が低くなる。したがって、期待度を無駄に上積みさせて出現頻度を低くすることなく、一の演出パターン(変動演出)内で複数のカウント表示が出現することを促すことができるようになる。
また後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上記演出図柄変動開始処理において決定された演出パターン(変動演出)がカウント変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)である場合であっても、該カウント変動パターンがいずれのカウント変動パターンであるかに応じて上記予告側タイマ演出の出現する割合が異なるようにしている。例えば、同図148に示されるように、変動番号5,6に対応する演出パターンが実行されるときには上記予告側タイマ演出は全く出現されず、変動番号9〜14に対応する演出パターンが実行されるときには上記予告側タイマ演出は中程度の抽選確率で出現可能とされており、変動番号17〜22に対応する演出パターンが実行されるときには上記予告側タイマ演出は高い抽選確率で出現可能とされている。
なお、変動番号5,6に対応する演出パターンが実行されるときにも、低確率で上記予告側タイマ演出が出現されるようにしてもよい。また、高い抽選確率で上記予告側タイマ演出が出現可能とされる変動番号15〜22に対応する演出パターンのいずれかが実行される場合であっても、実際には、ハズレの場合よりも大当りに当選している演出パターンのほうがより高い抽選確率で上記予告側タイマ演出が出現可能とされるし、変動番号16よりも変動番号22のほうがさらに高い抽選確率で出現可能とされるようになっている。
このような構成では、変動パターンが第1のカウント変動パターン(例えば、変動番号10)及び第2のカウント変動パターン(例えば、変動番号22)のいずれであるかによっても、カウント演出表示を予告演出の演出内容(予告側タイマ演出)として実行する割合が異なるようになる。したがって、一の演出パターン(変動演出)内で複数のカウント表示の出現する割合が高くされている上記カウント変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)のなかでも、その種別によっては複数のカウント表示が出現する割合をより一層高くすることができるようになることから、遊技興趣の好適な維持を図ることが期待されるようになる。
特に、後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、同じリーチ種別の演出内容が現れる演出パターン(例えば、キャラリーチ、SPリーチ)であっても、変動側タイマ演出が演出内容として含まれる演出パターン(例えば、変動番号17〜22)では、変動側タイマ演出が演出内容として含まれない演出パターン(例えば、変動番号15,16)に比べて当該演出パターンの実行期間内に予告側タイマ演出の出現する割合(予告抽選にて予告側タイマ演出を実行する旨決定される割合)が高くなるようにしている。すなわちこの場合、予告抽選にて一の予告側タイマ演出が当選されるだけの大当り期待度を要するだけで一の演出パターン内に2つのタイマ演出(変動側タイマ演出、予告側タイマ演出)を出現させることができるようになり、ひいてはダブルタイマの演出機会を、大当り期待度の無駄な上積みをすることなく実現することができるようになる。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上記演出図柄変動開始処理において決定された演出パターン(変動演出)がカウント変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)である場合であっても、「会話予告」が演出対象とされる変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)と「カットイン」が演出対象とされる変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)とではカウント表示の態様(カウント数字の形態や色など)が異なるようにしている。すなわちこの場合、同じリーチ演出を演出内容とする演出パターン(例えば、変動番号9,11)が実行される場合であっても変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)のカウント表示の態様を確認することで、「いずれのカウント変動パターンであるかに応じて上記予告側タイマ演出の出現する割合が異なるようにされていること」と相まって、予告側タイマ演出の出現し易さを認識して期待することができるようになる。
なお、予告側タイマ演出(予告側カウント演出表示)で現れるカウント表示の態様については、その演出対象が同じ(会話予告、カットイン)であるか否かにかかわらず、変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)で現れるカウント表示の態様(会話予告、カットイン)と異なる(若しくは、少なくともいずれかと異なる)ようにしてもよいし、同態様と同じ(若しくは、少なくともいずれかと同じ)にしてもよい。
ただし、予告側タイマ演出(予告側カウント演出表示)として実行されるカウント表示については、その演出対象となる演出の種別にかかわらず共通の態様で実行されるようにすることが、相対的に期待度が高く設定される予告側タイマ演出が出現している状態にあることを遊技者に認識させて期待感の向上を図る上で有益である。この意味では、予告側タイマ演出については、変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)で現れるカウント表示の態様(会話予告、カットイン)のいずれとも異なるようにすることがより望ましい。予告側タイマ演出(予告側カウント演出表示)としての上記共通の態様については、期待度の異なる複数の態様(例えば、青色カウントや赤色カウントなど)が用意されており、それらのいずれかを実行するようにしてもよい。
また、予告側タイマ演出が実行されていることをより好適に認識可能とする上では、予告側タイマ演出が実行されるときのカウント表示と、変動側タイマ演出が実行されるときのカウント表示とでカウント速度(例えば、カウントアップやカウントダウンにおいて数字が変化する速度)を異ならしめるようにすることが望ましい。このような構成では、タイマ演出が開始された以降、カウント表示が進行されている期間中においても当該タイマ演出のカウント速度に注視させて、相対的に期待度の低い変動側タイマ演出と相対的に期待度の高い予告側タイマ演出とのいずれが実行されているのかについての興味を持たせることができるようになり、タイマ消化期間中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
またこの際、変動側タイマ演出においては、その演出対象(会話予告、カットイン)に応じて、予告側タイマ演出のカウント速度と相対的に近い速度(若しくは同じ速度)でカウント表示される態様(カットイン)と、予告側タイマ演出のカウント速度と相対的に近くない速度でカウント表示される態様(会話予告)とでカウント表示するようにすれば、予告側タイマ演出が実行されているか否かの判断し難さを異ならせて面白みを付与することができるようになる。また、変動側タイマ演出(または予告側タイマ演出)においてはカウント数字の出現と消去の繰り返しによってカウント表示するのに対し、予告側タイマ演出(または変動側タイマ演出)においてはカウント数字を継続的に表示することによってカウント表示するようにしてもよい。
このような構成によれば、変動側タイマ演出のカウント表示と予告側タイマ演出のカウント表示とが同時に実行される状況が発生すると、予告側タイマ演出が実行されているのか否かを容易に把握することができるようになり、遊技興趣の向上が図られることが期待される。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動側タイマ演出に対応する変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22などのカウント変動パターン)に対しては、カウント表示の開始タイミングまたは終了タイミング(カウント総数、または全カウント消化に要する時間)が異なる複数の演出パターンを選択可能な演出パターンとして設定している。そして、変動側タイマ演出に対応する変動パターンを取得した場合は、演出用の乱数などに基づいて上記複数の演出パターンのいずれかを決定するようにして変動側タイマ演出のカウント表示と予告側タイマ演出のカウント表示との同時実行のし易さ(例えば、カウント総数が大きいほうが重なり易いなど)を異ならせるようにすることで、予告側タイマ演出が実行されているか否かの判断容易性を異ならせて面白みを付与するようにしている
なお、この実施の形態では、一の変動パターンに対してカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミング(カウント総数、または全カウント消化に要する時間)が異なる複数の演出パターン(タイマ演出の演出対象と、リーチ演出の内容は同じ)を用意することとしたが、カウント表示の開始タイミングまたは終了タイミング(カウント総数、または全カウント消化に要する時間)が異なる複数の演出パターン(ただし、タイマ演出の演出対象にされる演出の種別と、変動パターンの演出内容として実行されるリーチ演出の種別とは、各演出パターンで同じ)の別に異なる複数の変動パターンを用意して一対一対応させるようにしてもよい。
また、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで出現したときのカウント表示数(カウント総数)を異ならせるようにしたり、同じ特定カウント表示数を選択可能であったとしても変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで特定カウント表示数の選択率を異ならせるようにすれば、予告側タイマ演出が実行されているか否かの判断し難さを異ならせて面白みを付与することができるようになる。
また、予告側タイマ演出をカウントダウン表示で実行するのに対し、変動側タイマ演出についてはカウントアップ表示で実行するようにすれば、予告側タイマ演出が実行されているのか否かを確定的に把握することができるようになり、遊技興趣の向上を大幅に図ることが期待される。また、予告側タイマ演出をカウントダウン表示で実行するのに対し、特定演出(例えば、会話予告)を対象とした変動側タイマ演出についてはカウントアップ表示で実行し、特定演出とは異なる演出(例えば、カットイン)を対象とした変動側タイマ演出についてはカウントダウン表示で実行するようにすれば、予告側タイマ演出が実行されているか否かの判断し難さを演出対象に応じて異ならせて面白みを付与することができるようになる。
また、後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出を演出対象にする場合と、異なる演出を演出対象にする場合とがあるように制御する。そして、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)を演出対象にする場合は、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで異なる演出を対象にする場合に比べて大当り期待度が低くなる割合が高くなるように設定するとともに、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)を演出対象にする場合であっても、各カウント表示の終了タイミングを異ならせるようにしている。
すなわちこの場合、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)が演出対象にされていたとしても、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との一方が先に所定数値に達して終了されるのに対し他方のカウント表示は継続されるようになることから、この時点では、あたかも異なる演出を演出対象としている(相対的に期待度の高い態様でタイマ演出が実行されている)かのように見える。そしてこの後、継続されていた他方のカウント表示も同じ演出(例えば、会話予告)を演出対象としていることが明らかとされる態様で所定数値に達して終了されるようになることから、先に終了した側のタイマ演出によって相対的に期待度の低い会話予告が演出対象とされていることが明らかにされた場合であっても、その後に出現可能とされる異なる演出を演出対象としている(相対的に期待度の高い態様でタイマ演出が実行されている)ことへの期待感を維持して遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
また、このように変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)が演出対象にされる場合、変動側タイマ演出が所定数値に達するタイミングと、予告側タイマ演出が所定数値に達するタイミングとでそれぞれ別個のカウント終了対応表示(例えば、「カウント成功!」、「チャンスUP!」など)を出現させるようにすることが望ましい。
より具体的には、変動側または予告側の演出として実行される「会話予告」を演出対象にした変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とを一の演出パターン内でそれぞれ出現させる。そしてこの場合、変動側タイマ演出のカウント表示と予告側タイマ演出のカウント表示とがそれぞれ同時進行されることとなるが、変動側タイマ演出では、「会話予告」に関連して変動側の演出として発生する変動側特定演出(「カウント成功!」や、会話予告の出現に合わせたエフェクトなど)に合わせてカウント表示を進行させるのに対し、予告側タイマ演出では、「会話予告」に関連して予告側の演出として発生する予告側特定演出(「チャンスUP!」や、会話予告の開始タイミング(若しくは、演出開始の所定数秒前)に合わせて出現するタイマ終了表示など)に合わせてカウント表示を進行させることで、それぞれ別個のカウント終了対応表示を異なるタイミングで出現させることとなる。
ところで、会話予告及びカットインの各演出については、変動側タイマ演出の演出対象にされる場合(カウント変動パターンが決定された場合)は必ず実行されることが求められるものである。特に、会話予告やカットインは、期待度の異なる複数の態様で実行可能とされる演出であるから、変動側タイマ演出の演出対象とされる場合にはカウント表示が所定数値に達するときに相対的に期待度の高い態様で出現させることが求められる。したがって、変動側タイマ演出の演出対象にされる演出については、上記演出パターン(変動演出)の演出内容として予め組み込んでおき、該演出パターンが実行されるだけで変動側タイマ演出とその演出対象とされる演出(相対的に期待度の高い態様)とがそれぞれ出現可能とされるようにすることが望ましい。ただしこれに代えて、変動側タイマ演出が実行されるときには予告抽選にてその演出対象にされる演出(相対的に期待度の高い態様)が必ず選択されるように制御することも可能である。
なお、会話予告及びカットインの各演出は、変動側タイマ演出の演出対象にされない場合は、後述の予告抽選において予告側の演出内容として出現させるか否かの判定が行われることはもとより、予告側の演出内容としていかなる態様(相対的に期待度の高い態様または低い態様)で出現させるかについての判定が行われ、該判定の結果に基づいて出現にかかる制御が行われるようになっている。
以下、図148を用いた演出パターンの決定処理について総括する。
すなわち、周辺制御MPU1511aでは、主制御MPU1310aから変動パターンコマンドや図柄種別コマンドなどを取得すると、まず、変動パターンコマンドにより示される変動番号や図柄種別コマンドにより示される図柄種別などに基づいて、現在の遊技状態に応じた判定テーブルを参照する。例えば、図柄種別に基づいて演出パターンを決定するようにすれば、特定の演出パターンが出現したときの確変期待度や大当り遊技状態におけるラウンド数などに偏り(期待度)を持たせることができるようになる。
そして次に、変動番号に対応付けされている演出パターンとして、複数の演出パターン(変動側タイマ演出で出現するカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミングが異なる複数の演出パターンなど)が選択可能に用意されている場合には、大当り判定の当落に基づいてカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミングが異なる複数の演出パターンのいずれかを選択する。なおこの際、大当り判定に当選している場合にはカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミングが遅くなる割合が高くなるように演出パターンを設定することとしており、これによってカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミングが遅くなるほど大当り図柄が現れる可能性が高くなる傾向を持たせるようにしている。
また後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、特別な演出条件が成立しているときには、カウント変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)が取得されている場合であっても、複数の演出パターンのうち、変動側タイマ演出が出現しないように設定されている演出パターンを選択する。
そして、周辺制御MPU1511aでは、図柄変動中に現れる演出パターン(装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出)がこうして選択された後に、該演出パターンの実行期間内でどのような予告演出をどのような態様で付加的に実行するのか(複合させるのか)を決定することとなる(予告抽選)。
図149は、演出パターンの実行期間(図柄の変動時間)内で現れる予告演出に関する抽選(演出図柄変動開始処理内で行われる予告抽選)について、その処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する予告抽選の処理手順はあくまでも一例にすぎず、予告演出としての所期の目的を達成しうるものであれば、予告抽選の処理手順としてはこれに限られない。
同図149に示されるように、予告抽選に際しては、まず、開始待ちとなっている当該変動(消化される保留)が後述するタイマ先読み演出の対象になっているか否かを判断する(ステップS5501)。そしてこの結果、タイマ先読み演出の対象になっている場合は第1タイマ予告抽選を行うのに対し(ステップS5502)、タイマ先読み演出の対象になっていない場合は第2タイマ予告抽選を行う(ステップS5521)。
すなわち、タイマ先読み演出の対象になっている場合(第1タイマ予告抽選)は、タイマ先読み演出の対象になっていない場合(第2タイマ予告抽選)に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が高くなるように設定されている。なお、該割合については100%で決定される割合も含むようにしてもよい。また、第1タイマ予告抽選と第2タイマ予告抽選とのいずれにおいても、遊技状態の別に異なる決定テーブルが用意されており、これによって遊技状態に応じて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合(例えば、高確率時短遊技状態においては、通常遊技状態よりも低い割合(0%で決定される割合も含む)で予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる)が異なるようになっている。
図150は、通常遊技状態において当該変動(消化される保留)がタイマ先読み演出の対象になっていない場合(第2タイマ予告抽選)に参照されるタイマ予告決定テーブルT2の一例を示す図である。
同図150に示されるように、この実施の形態にかかる第2タイマ予告抽選では、予め定められた種別の変動パターンコマンド(ここでは変動番号1〜6)が取得されているときには予告側タイマ演出を実行する旨の決定をすることはない。この点については、第1タイマ予告抽選や他の遊技状態にある場合においても同様である。
また、図148に併せて示されるように、第2タイマ予告抽選では、同じリーチ種別の演出内容が現れる演出パターン(例えば、変動番号15〜22に対応するSPリーチ)であっても、変動側タイマ演出が演出内容として含まれる演出パターン(例えば、変動番号17〜22)では、変動側タイマ演出が演出内容として含まれない演出パターン(例えば、変動番号15,16に対応するSPリーチ)に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が高くなるように設定されている。すなわちこの場合、予告抽選にて後述のダブルタイマ演出に当選せずとも、一の演出パターン内に2つのタイマ演出(変動側タイマ演出、予告側タイマ演出)を出現させることができるようになり、ひいてはダブルタイマの演出機会を、大当り期待度の無駄な上積み(ダブルタイマ演出に当選)をすることなく実現することができるようになる。この点については、第1タイマ予告抽選や他の遊技状態にある場合においても同様である。
ただし、第1タイマ予告抽選では、このような第2タイマ予告抽選で参照されるタイマ予告決定テーブルT2に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が総じて高くなっている。より具体的には、第1タイマ予告抽選では、変動番号7〜22のいずれが選択されている場合であっても、第2タイマ予告抽選で参照されるタイマ予告決定テーブルT2に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が高くなっている。
また、後述するが、この実施の形態にかかるタイマ先読み演出では、該先読みの対象とされる変動において予告側タイマ演出の実行される割合が異なる複数の態様(低期待態様、高期待態様、確定態様)のいずれかで実行されるようになっている。そして、第1タイマ予告抽選では、まず、タイマ先読み演出がいずれの態様で実行されているかを判定するとともに、該先読みが低期待態様で実行されている場合であっても、第2タイマ予告抽選で参照されるタイマ予告決定テーブルT2に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が総じて高くなるように設定されている。なお、タイマ先読み演出が高期待態様で実行される場合は、低期待態様で実行される場合に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が総じて高くなり、タイマ先読み演出が確定態様で実行される場合は、変動パターン(変動番号1〜22)にかかわらず予告側タイマ演出を実行する旨の決定が必ずなされるように設定されている。
そして、こうしたタイマ予告抽選(第1タイマ予告抽選、第2タイマ予告抽選)の結果として予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされた場合は(ステップS5503におけるYES)、ステップS5504の処理として第1ミッション演出抽選を行うのに対し、予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされなかった場合は(ステップS5503におけるNO)、ステップS5551の処理として第2ミッション演出抽選を行う。
すなわち上述の通り、タイマ演出では、カウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が大きいほど(タイマの時間消費に要する時間が長いほど)、大当り期待度が高くなる傾向を持つように設定される。ただしこれでは、カウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が小さかったときには、大当り期待度が低い傾向になってしまうことからタイマ演出が実行されるにもかかわらず遊技興趣の低下が懸念されていた。
そこで、後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、演出表示装置1600において「第一演出を出現させろ」といったような「第一演出に関連した特定表示」を表示させ、該特定表示の表示中に第一演出が発生(出現)すると「ミッション成功」といったような特別表示を出現させることで、大当りに当選していることを確定示唆するミッション演出を実行可能としている。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上記タイマ演出の演出対象にされる演出種別のうち相対的に早い段階で出現する演出種別(ここでは、会話予告)を上記第一演出として採用することとしている。すなわちこの場合、「会話予告(第一演出)を出現させろ」といったような特定表示が出現しているなかで(ミッション演出が出現しているなかで)タイマ演出が実行された場合は、カウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が仮に小さかったとしても当該タイマ予告の演出対象が「相対的に早い段階で出現する会話予告」であること(ミッション成功によって大当りに当選していることが確定示唆されること)を期待できるし、カウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が大きくて会話予告が終了した以降もカウント表示が継続される場合であっても大当り期待度が高くなることを期待できることから、タイマ演出が実行されたときの遊技興趣を安定的に高めることができるようになる。
しかも、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、このようなタイマ演出とミッション演出とによって生じる相乗効果をより好適に奏するようにするべく、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるときには、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されないときに比べてタイマ演出の出現割合が高くなるように予告抽選(図149に示される各処理)を行うこととしている。これにより、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるだけでタイマ演出が実行されることへの期待感を持つことができることから、遊技興趣の低下を好適に抑制することができるようになる。ミッション表示の対象にされる第一演出については、「会話予告」でなくてもよく、例えば、図160に示される各演出のいずれかに代えて実行するようにしてもよい。
なお、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるときには、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されないときに比べてタイマ演出の出現割合を高くする方法としてはいかなる方法を採用してもよいが、例えば、以下の方法のいずれかを採用することによって実現可能である。
a.ミッション演出を行うかをまずは決定するとともに、該ミッション演出を行うことが決定されたときには、ミッション演出を行うことが決定されなかったときに比べてタイマ演出の出現率が高くなるようにタイマ演出を出現させるかを決定する手法
b.タイマ演出を行うかをまずは決定するとともに、該タイマ演出を行うことが決定されたときには、タイマ演出を行うことが決定されなかったときに比べてミッション演出の出現率が高くなるようにミッション演出を出現させるかを決定する手法
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上記手法bを採用している。したがって、ステップS5503の処理において予告側タイマ演出に当選している旨判断した場合における第1ミッション演出抽選(ステップS5504)では、ステップS5503の処理において予告側タイマ演出に当選している旨判断しなかった場合における第2ミッション演出抽選(ステップS5551)に比べて第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)を表示(ミッション表示)する旨の決定がなされる割合が高くなるように、当該変動(演出パターン)内においてミッション表示するか否かの判定が行われる。
なお、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)と、予告側タイマ演出が実行されることを示唆する後述のタイマ先読み演出(第1先行態様、第2先行態様、第3先行態様)とは同時に表示されうるものとなっている。また、所定条件下では、出現すると第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が現れる割合が高くなる所定表示(ミッション示唆表示)を表示するようにしてもよい。
また、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)については、例えば、該ミッション演出の対象になる保留情報(ミッション演出を発生させる保留情報)が得られたときに該保留情報が消化されるまでの複数回の変動表示に跨って表示されうるようにしてもよい。またこの際、ミッション演出の対象になる保留情報(ミッション演出を発生させる保留情報)が大当りになる保留情報であるときには、該大当りになる保留情報が消化されるよりも前に実行されている変動表示内において会話予告を出現させて特別表示(ミッション成功)を表示するようにしてもよい。ただし、このように特別表示(ミッション成功)を先行して表示させる場合(ミッション演出を発生させる保留情報が未だ消化されていないときにミッション成功を表示させる場合)は、ハズレ変動表示が実行されているときに限られるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、特別表示(ミッション成功)が表示されたにもかかわらず該特別表示の現れた変動表示ではハズレ図柄(ハズレ演出)が現れることとなるが、こうして特別表示(ミッション成功)が表示されている状態でミッション演出の対象になる保留情報が消化されて該変動表示において大当り図柄(大当り演出)が表示されるようにすることで、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
このような構成によれば、複数変動にわたってミッション演出とタイマー先読み演出とが実行されるなかで、タイマー演出のカウント表示が開始されるよりも前にミッション成功したとしてもその変動表示ではハズレ図柄を表示させて、タイマー演出のカウント表示が開始される変動表示が現れるまで大当り図柄の現れる変動表示が持ち越されているかのような演出を実現することができるようになる。
図151(a)は、通常遊技状態において予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出決定テーブルT3a(第1ミッション演出抽選)の一例を示す図であり、図151(b)は、通常遊技状態において予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出決定テーブルT3b(第2ミッション演出抽選)の一例を示す図である。
同図151(a),(b)から明らかであるように、まず、予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出決定テーブルT3aでは、予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出決定テーブルT3bに比べて第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)を表示(ミッション表示)する旨の決定がなされる割合が高くなるように設定されている。この点については、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
また、図148に併せて示されるように、変動番号5,6は「会話予告」を変動演出として出現させる変動パターンに対応するものであるにもかかわらず、該変動番号5,6が取得されているときには、第1ミッション演出決定テーブルT3a及び第2ミッション演出決定テーブルT3bのいずれにおいても第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるミッション演出を実行しないように設定されている。すなわち、変動番号5,6とは、いわゆるノーマルリーチ演出(期待度の低いリーチ種別)であるから、このような期待度の低いリーチ演出でタイマ演出とミッション演出との両方が発生してミッション成功になると、「より期待度の高い種別のリーチ演出でこのような演出を見たかった」といった願望が満たされなかったことによって遊技興趣が低下してしまう懸念がある。このため、変動番号5,6では、「会話予告」を演出対象にした変動側タイマ演出が行われるリーチ演出ではあるものの、第1ミッション演出決定テーブルT3a及び第2ミッション演出決定テーブルT3bのいずれにおいても第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示される演出を実行しないように設定することが望ましい。この点については、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
また、図148に併せて示されるように、変動番号9,13,17,21も「会話予告」を変動演出として出現させる変動パターンに対応するものではあるが、これらの変動番号が取得されているときも、第1ミッション演出決定テーブルT3a及び第2ミッション演出決定テーブルT3bのいずれにおいても第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるミッション演出を実行しないように設定されている。これは、変動番号9,13,17,21がハズレ時の変動パターンであり、演出上、ミッション成功(大当りに当選していることを確定示唆)の旨を表示することはできないからである。この点についても、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
また、図148に併せて示されるように、変動番号10,14,18,22は「会話予告」を変動演出として出現させる当り変動パターンに対応するものであり、これらの変動番号10,14,18,22が取得されているときに第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されると、ミッション成功(大当りに当選していることを確定示唆)の旨が表示されることとなる。したがって、予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出抽選(ステップS5504)では、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させる当り変動パターン(変動番号10,14,18,22)が取得されているときには、予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出抽選(ステップS5551)に比べて実行確率が大幅に高くなるように設定(3倍)されている。このような制御を通じて、タイマ演出が出現するときにはミッション演出が出現し易くなっているという印象を持たせることができるようになる。この点についても、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
これに対し、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させない当り変動パターン(変動番号8,12,16,20)の実行中に第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されると、「ミッション表示されたにもかかわらず会話予告を出現させることができず、ミッション失敗となった後に大当り図柄が表示される」といったような違和感のある演出状況が発生しかねない。したがって、予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出抽選(ステップS5504)であっても、「会話予告」を変動演出として出現させない当り変動パターン(変動番号8,12,20など)が取得されているときには、予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出抽選(ステップS5551)に比べて実行確率がそれほど高確率化されないように設定(2倍)されている。この点についても、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
ただし後述するが、「会話予告」を変動演出として出現させない当り変動パターン(変動番号8,12,20など)が取得されてミッション演出が実行されることが決定されたときには、相対的に高い確率で予告演出の演出内容として「会話予告」が実行される確率が高くなるように制御されることとなる(後述のステップS5509やステップS5534)。このような制御が行われることに鑑みれば、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させない当り変動パターン(変動番号8,12,20など)についても、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させる当り変動パターン(変動番号8,12,20など)と比べて同程度の実行確率でミッション演出を行うようにしてもよい。
これに対し、変動番号7,11,15,19は「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させないハズレ時のリーチ演出である。このようなリーチ演出は、「会話予告」を出現させずミッション演出が失敗とされるかたちでハズレ時の演出を実行することができるものであることから、予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出抽選では、予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出抽選(ステップS5551)に比べて実行確率が大幅に高くなるように設定(3倍)されている。このような制御を通じて、タイマ演出が出現するときにはミッション演出が出現し易くなっているという印象を持たせることができるようになる。この点についても、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
なお後述するが、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させないハズレ時のリーチ演出(変動番号7,11,15,19など)が取得されてミッション演出が実行されることが決定されたときには、予告演出の演出内容として「会話予告」が実行される確率が0になるように制御されることとなる。これは、ハズレ時のリーチ演出では、演出上、ミッション成功(大当りに当選していることを確定示唆)の旨を表示することはできないからである。
このようなミッション演出にかかる構成によれば、常には(ミッション演出が出現しないときには)、タイマ演出(カウント演出表示)の演出対象は、第一演出(会話予告)よりも第二演出(会話予告よりも期待度の高い演出(例えば、カットインや後述の役物動作))であることのほうが期待感を得る上で望ましくなっており、タイマ演出(カウント演出表示)の演出対象が第一演出(会話予告)であるときには期待感を好適に得ることはできない。ただし、第一演出(会話予告)に関わる特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されたときにタイマ演出(カウント演出表示)が実行された場合は、該タイマ演出の演出対象が第一演出(会話予告)と第二演出(カットイン)とのいずれであっても、少なくとも第二演出(カットイン)で得られる期待感以上の期待感を得ることができるようになることから、タイマ演出を安心して楽しむことができるようになる。
しかも、このような第一演出(会話予告)に関わる特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されたときには、図柄演出において第一演出(会話予告)に関わる特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されないときに比べてタイマ演出(カウント演出表示)の出現割合が高くなっていることから、第一演出(会話予告)に関わる特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるだけで遊技興趣の低下を好適に抑制することができるようになる。なお、このような演出制御を実現する上で、変動側タイマ演出は必ずしも実行可能に用意しなくてもよく、予告側タイマ演出のみによってこれを実現するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、一の演出パターン内で会話予告とカットイン(または、後述の役物動作)との両方が実行可能とされており、会話予告はカットイン(または、後述の役物動作)よりも前のタイミングで出現されるようになっている。したがって、ミッション表示(会話予告を出現させろ)が実行されている場合、タイマ演出のカウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が小さかったとしてもミッション成功の可能性が意識されることから期待感の低下が抑制されるようになる。また、タイマ演出のカウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が大きいときにはそれだけで期待感を好適に維持することができることから、タイマ演出が出現したときの遊技興趣を安定的に維持することが期待されるようになる。
また、これも後述するが、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)を表示(ミッション表示)するタイミングとしては、該特定表示の対象とされる図柄変動が行われている期間中のみならず、該特定表示の対象とされる図柄変動が未だ保留の状態にされている期間中においても出現しうるようになっている。また、当該ミッション演出の対象とされる図柄変動が未だ保留の状態にされている期間中に第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されている状況において第一演出が発生(出現)して「ミッション成功」といったような特別表示を出現させうる場合があることについても後述することとする。
そして、図149に示されるように、こうして第1ミッション演出抽選(ステップS5504)が行われると、次にステップS5505の処理として予告側タイマ演出の実行態様を決定するべく予告側タイマ種別抽選を行う。
図152は、予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)において参照される予告側タイマ種別決定テーブルT4の一例を示す図である。
同図152に示されるように、この予告側タイマ種別決定テーブルT4では、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行するのかそれともダブルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行するのかが、取得されている変動番号の別に異なる配分にて演出乱数が割り振られている。この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動パターンコマンドにより示される変動番号に基づいて予告側タイマ種別決定テーブルT4を参照し、取得した演出乱数の値がシングルタイマの態様とダブルタイマの態様とのいずれに割り振られているかを判定することで、当該予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)を実行する。
なお、当該予告側タイマ種別抽選において判定対象とされる「シングルタイマ」とは「一の演出パターン内に一の予告側タイマ演出が実行される態様」に相当するものであり、「ダブルタイマ」とは「一の演出パターン内に演出対象の異なる2つの予告側タイマ演出が実行される態様」に相当するものである。この予告側タイマ種別決定テーブルT4では、「シングルタイマ」よりも「ダブルタイマ」のほうが出現したときの大当り期待度が高くなるように各変動番号毎の演出乱数の割り振りがなされている。
また上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動パターンの種別(変動番号)によっては上述の変動側タイマ演出を実行しうるものとなっている。したがって、このようなカウント変動パターンが選択されているときに予告側タイマ演出がシングルタイマの態様で実行する旨決定されると、一の演出パターン内に変動側タイマ演出及び予告側タイマ演出が現れることによってダブルタイマ(若しくは、トリプルタイマ)の態様でタイマ演出が実行されることとなる。また、これと同様、カウント変動パターンが選択されているときに予告側タイマ演出がダブルタイマの態様で実行する旨決定されると、一の演出パターン内に変動側タイマ演出及び予告側タイマ演出が現れることによってトリプルタイマ(若しくは、クアドラプルタイマ)の態様でタイマ演出が実行されることとなる。
すなわちこの場合、カウント変動パターンが選択されているか否かにかかわらず予告側タイマ演出の出現数(シングル、ダブル)を決定するようにしてしまうと、「一の演出パターン内に現れるタイマ演出の出現数が多いほど大当り期待度が高くなる」といった関係性が崩壊しかねず、これではタイマ演出が実行されたときの演出の意味合い(いずれの態様が高期待度であるのか)を理解できなくなることによる遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、この実施の形態にかかる予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)では、図148に併せて示されるように、予告側タイマ演出が出現可能とされる変動パターン(変動番号7〜22)のうち変動側タイマ演出を実行しない変動パターン(変動番号7,8,15,16)が選択されているときには、リーチ種別(相対的に期待度の低いキャラリーチ、相対的に期待度の高いSPリーチ)に応じて相対的に期待度の高いSPリーチのほうがダブルタイマの態様が選択され易くなるようにしている。
一方、予告側タイマ演出が出現可能とされる変動パターン(変動番号7〜22)のうち、演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出を実行する変動パターン(変動番号13,14,21,22)が選択されているときには、リーチ種別(相対的に期待度の低いキャラリーチ、相対的に期待度の高いSPリーチ)に応じて相対的に期待度の高いSPリーチの場合に限りダブルタイマの態様が選択されるようにしている。すなわちこの場合、一の演出パターン内に演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出と2つの予告側タイマ演出が現れることによってクアドラプルタイマの態様が現れると、相対的に期待度の高いSPリーチの種別で演出パターンが実行されることが確定的に示唆されるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。ただしこれに代えて、一の演出パターン内に演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出と2つの予告側タイマ演出が現れることによってクアドラプルタイマの態様が現れると、大当り図柄が現れることが確定的に示唆されるようにしてもよい。
なお、演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出を実行する変動パターン(変動番号13,14,21,22)が選択されているときには、当該予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)においてシングルタイマの態様が選択された場合であっても、一の演出パターン内に演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出と1つの予告側タイマ演出が現れることによってトリプルタイマの態様が現れることとなる。このようなトリプルタイマの態様が出現したときの期待度を維持するべく、上述のタイマ予告抽選(第1タイマ予告抽選、第2タイマ予告抽選)では、相対的に期待度の低い変動パターンに相当する変動番号13,14が選択されているときには、同じキャラリーチの変動番号7〜12と比較して相対的に低い確率でしか予告側タイマ演出を実行する旨の決定(トリプルタイマにする決定)がなされないようにしている(図150の変動番号13の振分態様を参照)。
また一方、予告側タイマ演出が出現可能とされる変動パターン(変動番号7〜22)のうち、1つの変動側タイマ演出を実行する変動パターン(変動番号9〜12,17〜20)が選択されているときには、相対的に期待度の低いキャラリーチ(変動番号9〜12)の場合におけるダブルタイマの態様の選択確率を大幅に低く設定するとともに、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号17〜20)のほうがダブルタイマの態様の選択確率が大幅に高くなるように設定されている。すなわちこの場合、上述した図150の変動番号13の振分態様と相まって、一の演出パターン内にトリプルタイマの態様(1つの変動側タイマ演出と2つの予告側タイマ演出、または2つの変動側タイマ演出と1つの予告側タイマ演出)が現れると、相対的に期待度の低いキャラリーチではなく相対的に期待度の高いSPリーチの出現する割合が高くなることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、この実施の形態にかかる予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)では、予告側タイマ演出の種別として、シングルタイマとダブルタイマとのいずれかを選択する処理のみを行うこととした。ただし、当該予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)については、トリプルタイマ以上の予告側タイマ演出が実行されうるように抽選処理を行ってもよいし、予告側タイマ演出のカウント表示の態様を期待度の異なる複数態様(例えば、色違いなど)のいずれで実行するかについての抽選処理として実行するようにしてもよい。
そして、図149に示されるように、こうして予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)が行われた後は、該予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)の結果としてシングルタイマの態様とダブルタイマの態様とのいずれで予告側タイマ演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5506)、さらには第1ミッション演出抽選(ステップS5504)の結果としてミッション演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5507,S532)の各結果に応じた内容(テーブル)でタイマ対象候補演出(予告側タイマ演出の演出対象になりうる予告演出)を対象にした演出抽選(ステップS5508,S5509,S5523,S5524,S5533,S5534,S5543,S5544)を行う。
より具体的には、以下のいずれかの処理を実行することとなる。
・シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5507におけるYES)がなされている第1の処理状況にある場合は、まず、該第1の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5508)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5509)。
・シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況にある場合は、まず、該第2の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5523)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5524)。
・ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5532におけるYES)がなされている第3の処理状況にある場合は、まず、該第3の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5533)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5534)。
・ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5532におけるNO)がなされている第4の処理状況にある場合は、まず、該第4の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5543)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5544)。
図153は、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされているときとミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされていないときとで、リーチ種別や処理状況(第1〜第4の処理状況のほか、後述の第5の処理状況及び第6の処理状況)などに応じて定められるタイマ対象候補演出の出現上限数を比較して示す図である。
同図153に示されるように、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされているときは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされていないときに比べてタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が多くなるように制御するようにしている。
すなわち、予告側タイマ演出を実行するか否かや、予告側タイマ演出がシングルタイマの態様で実行されるか否かや、リーチ種別が相対的に期待度の高いリーチ演出であるか否か、等々といった判定結果がいずれの場合であっても、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされているときは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされていないときに比べてタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が多くなるようになっている。
なお、このような処理設定は、上述の予告側タイマ演出実行時の演出抽選(ステップS5508,S5509,S5523,S5524,S5533,S5534,S5543,S5544)や、後述の予告側タイマ演出非実行時の演出抽選(ステップS5553,S5554,S5563,S5564)で参照される各テーブルの設定を通じて実現される。
このような構成によれば、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行されると予告演出の出現割合が高くなって平均出現数が多くなることによる遊技興趣の向上を図ることが期待されることはもとより、「これだけ予告演出が頻出するのであれば、それら予告演出のなかでも相対的に期待度の低い会話予告も出現してミッション成功になるかもしれない」といった期待感を持たせることができるようになる。なお上述の通り、ミッション表示の対象にされる演出は、会話予告などの相対的に期待度の低い演出であることが求められるが、必ずしも期待度が最も低いものでなくてもよく、予告側タイマ演出の演出対象とされうる演出の種別を期待度に応じて2つのグループに分類したときに相対的に期待度が低い側のグループに分類される程度のものであってもよい。若しくは、リーチ演出が開始された後に現れる相対的に期待度の高い特定演出と比較して、これよりも期待度が低くてリーチ演出が開始されるよりも前のタイミングで現れる予告演出であってもよい。
図154は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5507におけるYES)がなされている第1の処理状況にある場合にステップS5508の処理において参照されるテーブルT5aの一例を示す図である。
まず、同図154に示されるように、テーブルT5aは、予告側タイマ演出やミッション演出が実行される場合に参照されるものであるから、予告側タイマ演出を実行し得ない変動パターンに相当する変動番号1〜6や、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときには当該テーブルT5aが参照されることはない。
また、テーブルT5aでは、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、少なくとも1つのタイマ対象候補演出は選択されるように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。ただし、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が出現する変動番号については、必ずしも予告演出の演出内容としてタイマ対象候補演出が選択されないようにしてもよい。
また、テーブルT5aでは、キャラリーチ演出に相当する変動番号7,8,10〜12,14のなかでも、変動番号7,8のうちの当り演出に対しては最大4つのタイマ対象候補演出が割り振られているのに対し、変動番号10〜12のうちの当り演出に対しては最大3つのタイマ対象候補演出が割り振られており、変動番号14に至っては最大2つのタイマ対象候補演出しか割り振られていない。ただし、変動番号7,8では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットインA)が現れないものであるのに対し、変動番号10〜12では、変動演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(会話予告またはカットインA)が現れるようになっており、変動番号14に至っては変動演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出(会話予告及びカットインA)が現れるようになっている。したがって、変動番号10〜12では、実質的に1つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義であり、変動番号14では、実質的に2つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義である。
そうすると、例えば、変動番号14では、実質的には、予告数3に対して「400」の演出乱数が割り振られており、予告数4に対して「600」の演出乱数が割り振られているのと同義になることから、当該キャラリーチ演出に相当する変動番号7,8,10〜12,14のなかでは最も予告演出が数多く出現し易くなるように割り振られていると言える。
ちなみに、変動番号10のときに現れる演出パターン(キャラリーチ+会話予告)は、変動番号11,12のときに現れる演出パターン(キャラリーチ+カットインA)に比べて大当り期待度が低く設定されていることは上述した通りである。ただし、上記第1の処理状況にあるときに参照される当該テーブルT5aにあって、変動番号10とは、「ミッション成功(特別表示)が表示され、その後に大当り図柄で停止される演出パターンとして実行されるもの」であることに鑑み、変動番号11,12の場合(ミッション成功(特別表示)が表示されない場合)に比べて予告演出の出現数や出現確率が高くなるようにしており、これによってミッション成功(特別表示)が表示されたときの遊技興趣の向上が図られるようにしている。
これに対し、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号15,16,18〜20,22)においても、このようなキャラリーチ内の各変動番号の関係と概ね同じ関係が設定されている。ただし、SPリーチのうち変動番号18が上記変動番号10に相当し、変動番号19,20が上記変動番号11,12に相当するものであるが、上記キャラリーチの場合とは異なり、当り時の変動番号18よりも当り時の変動番号20のほうが予告演出の出現数や出現確率が高くなっている(大当り期待度の高い変動番号ほど予告数が多くなり易くなっている)。また、SPリーチでは、キャラリーチに比べて予告数の出現割合(平均出現数)が高くなっている。
なお後述するが、第1の処理状況にあるときのキャラリーチでは、図柄変動が停止されるまでの間に最大5つのタイマ対象候補演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ)が出現しうるタイミングが到来するようになっている。ただし、最大5つのタイマ対象候補演出のうち1つは大当り確定演出(特別タイマ)であるほか、会話予告が選択されたときにもミッション成功による大当り演出として機能することとなることから、タイマ対象候補演出が4つ以上出現するときには大当り確定の予告演出が現れることとなる。したがって、テーブルT5aでは、ハズレ時のキャラリーチである変動番号7では、タイマ対象候補演出が最大3つまでしか出現可能とされておらず、ハズレ時のキャラリーチ(カットインA)である変動番号11では、タイマ対象候補演出が最大2つ(実質では最大3つ)までしか出現可能とされていない。
これに対し、第1の処理状況にあるときのSPリーチでは、図柄変動が停止されるまでの間に最大6つのタイマ対象候補演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作)が出現しうるタイミングが到来するようになっている。ただし、会話予告が選択されたときにはミッション成功による大当り演出として機能することとなることから、タイマ対象候補演出が6つ出現するときには大当り確定の予告演出が現れることとなる。したがって、テーブルT5aでは、ハズレ時のSPリーチである変動番号15では、タイマ対象候補演出が最大5つまでしか出現可能とされておらず、ハズレ時のキャラリーチ(カットインB)である変動番号19では、タイマ対象候補演出が最大4つ(実質では最大5つ)までしか出現可能とされていない。
なお、上記タイマ対象候補演出として用意されている各演出についてその一例を下記に記載する。
・会話予告:演出表示装置1600において所定キャラクタのセリフが表示されるものでありセリフの内容に応じて大当り期待度が変化しうるが、当該会話予告が出現したときの大当り期待度は、他の演出(保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作)に比べて低く設定されている。
・保留変化:保留消化に応じて行われる図柄変動中においても該消化対象になった保留表示に対応した表示(既に保留状態ではないが、保留状態にあったときの保留表示に対応した表示)が表示されているなかで、該消化対象になった保留表示の表示態様(色など)を変化させるものであり変化後の表示態様に応じて示唆される大当り期待度が変化しうるが、当該保留変化が出現した時点での大当り期待度は、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作に比べて低く設定されている。
・カットインA:図柄変動中に行われている演出に対して優先表示されるかたちで特定画像Aを表示させるものであり、当該カットインAが出現したときの大当り期待度は、役物A動作、カットインB、役物B動作に比べて低く設定されている。
・役物A動作:上述した演出用可動体のいずれかを動作させるものであり、当該役物A動作が出現したときの大当り期待度は、役物B動作に比べて低く設定されている。
・カットインB:図柄変動中に行われている演出に対して優先表示されるかたちで特定画像Bを表示させるものであり、当該カットインBが出現したときの大当り期待度は、役物A動作、役物B動作に比べて低く設定されている。
・役物B動作:上述した演出用可動体のいずれかを動作させるものであり、当該役物B動作が出現したときの大当り期待度は、他の演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB)に比べて高く設定されている。当該役物B動作で動作させる演出用可動体については、役物A動作で用いられる演出用可動体と異なっていても同じであってもよいが、同じ演出用可動体を用いる場合には動作態様を異ならせることとなる。
なお、これらの各演出は、タイマ対象の演出として実行されうるものであることはもとより、カウント表示が実行される前や、実行中、実行された後の期間、若しくはタイマ演出が実行されない変動期間においてもタイマ対象でない演出として実行されうるものとなっている。また、これらの各演出は、例えば、青色のカットインA、赤色のカットインAなど、期待度の異なる複数の演出態様のいずれかで実行可能とされるものであってもよい。また、保留変化については、出現すると大当り確定となるプレミア態様(特別態様)を含むようにしてもよい。ただしこの場合、カウント表示の実行中にプレミア態様(特別態様)が現れるとカウント表示が所定値になったときにタイマ演出の対象として保留変化が実行されることはなくなることとなる。
図155は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況にある場合にステップS5523の処理において参照されるテーブルT5bの一例を示す図である。
まず、同図155に示されるように、テーブルT5bは、予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、予告側タイマ演出を実行し得ない変動パターンに相当する変動番号1〜6が取得されているときには当該テーブルT5bが参照されることはない。ただし、ミッション演出が実行されないときに参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときにも当該テーブルT5bは参照される。したがって、テーブルT5bでは、変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている。
また、テーブルT5bも同様、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、少なくとも1つのタイマ対象候補演出は選択されるように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。ただし、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が出現する変動番号については、必ずしも予告演出の演出内容としてタイマ対象候補演出が選択されないようにしてもよい。
また、これも同様、テーブルT5bでは、キャラリーチ演出に相当する変動番号7〜14のなかでも、変動番号7〜12に対しては最大2つのタイマ対象候補演出が割り振られているのに対し、相対的に期待度の高い変動番号13,14に対しては最大1つのタイマ対象候補演出しか割り振られていない。ただし、変動番号7,8では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が現れないものであるのに対し、変動番号9〜12では、変動演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(会話予告またはカットイン)が現れるようになっており、変動番号13,14に至っては変動演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出(会話予告及びカットイン)が現れるようになっている。したがって、変動番号9〜12では、実質的に1つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義であり、変動番号13,14では、実質的に2つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義である。
そうすると、例えば、変動番号14では、実質的には、予告数3に対して「1000」の演出乱数が割り振られているのと同義になることから、当該キャラリーチ演出に相当する変動番号7〜14のなかでは最も予告演出が数多く出現し易くなるように割り振られていると言える。
なお、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号15〜22)においても、このようなキャラリーチ内の各変動番号の関係と概ね同じ関係が設定されている。ただし、SPリーチでは、キャラリーチに比べて予告数の出現割合(平均出現数)が高くなっている。
その他、テーブルT5bでは、テーブルT5aと概ね同じ態様で演出乱数の振り分けがなされているが、ミッション演出が実行されないときに参照されるものであることから、ミッション演出が実行されないときに参照されるテーブルT5aよりもタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が少なくなるようになっている。
図156は、ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5532におけるYES)がなされている第3の処理状況にある場合にステップS5533の処理において参照されるテーブルT5cの一例を示す図である。
まず、同図156に示されるように、テーブルT5cも、予告側タイマ演出やミッション演出が実行される場合に参照されるものであるから、予告側タイマ演出を実行し得ない変動パターンに相当する変動番号1〜6や、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときには当該テーブルT5cが参照されることはない。
ただし、テーブルT5cでは、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、少なくとも2つのタイマ対象候補演出は選択されるように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。ただし、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が出現する変動番号については、必ずしも予告演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出を割り振らなくてもよく、変動演出の演出内容に応じて予告演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(変動番号9,17)を割り振ったり、タイマ対象候補演出を割り振らない(変動番号13,21)ようにしてもよい。
また、テーブルT5cでは、キャラリーチ演出に相当する変動番号7,8,10〜12,14のなかでも、変動番号7,8のうちの当り演出に対しては最大5つのタイマ対象候補演出が割り振られているのに対し、変動番号10〜12のうちの当り演出に対しては最大4つのタイマ対象候補演出が割り振られており、変動番号14に至っては最大3つのタイマ対象候補演出しか割り振られていない。ただし、変動番号7,8では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が現れないものであるのに対し、変動番号10〜12では、変動演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(会話予告またはカットイン)が現れるようになっており、変動番号14に至っては変動演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出(会話予告及びカットイン)が現れるようになっている。したがって、変動番号10〜12では、実質的に1つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義であり、変動番号14では、実質的に2つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義である。
そうすると、例えば、変動番号14では、実質的には、予告数4に対して「400」の演出乱数が割り振られており、予告数5に対して「600」の演出乱数が割り振られているのと同義になることから、当該キャラリーチ演出に相当する変動番号7,8,10〜12,14のなかでは最も予告演出が数多く出現し易くなるように割り振られていると言える。
また、第3の処理状況にあるときのキャラリーチでは、図柄変動が停止されるまでの間に最大5つのタイマ対象候補演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ)が出現しうるタイミングが到来するようになっている。ただし、最大5つのタイマ対象候補演出のうち1つは大当り確定演出(特別タイマ)であるとともに、会話予告が選択されたときにはミッション成功による大当り演出として機能することとなることから、タイマ対象候補演出が4つ以上出現するときには大当り確定の予告演出(ミッション成功または特別タイマ)が現れることとなる。したがって、テーブルT5cでは、ハズレ時の変動番号では最大でも3つまで(変動側のタイマ対象候補演出の数と、予告側のタイマ対象候補演出の数の合計が3つまで)しかタイマ対象候補演出が出現可能とされていない。
しかも、最大5つのタイマ対象候補演出のうち1つは大当り確定演出(特別タイマ)であるから、変動番号8のときに予告数5が選択された場合や、変動番号10,12のときに予告数4が選択された場合、変動番号14のときに予告数3が選択された場合は、大当り確定演出(特別タイマ)を実行することが確定されることとなる。このように、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合は、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に比べて後述の特別タイマの出現する割合が高くなることから、大当りに当選することだけではなく高確率時短状態に移行することや16ラウンドの大当り遊技が実行されることへの期待感を持つことができるようになる。特に、ダブルタイマの態様であり且つミッション演出が実行されるときには、より一層、このような期待感を持つことができるようになることから、そもそも期待度の低いミッション演出をうまく利用して効果的な演出状況を生み出すことができるようになる。
ちなみに、変動番号10のときに現れる演出パターン(キャラリーチ+会話予告)は、変動番号11,12のときに現れる演出パターン(キャラリーチ+カットイン)に比べて大当り期待度が低く設定されていることは上述した通りである。ただし、上記第3の処理状況にあるときに参照される当該テーブルT5cにあって、変動番号10とは、「ミッション成功(特別表示)が表示され、その後に大当り図柄で停止される演出パターンとして実行されるもの」であることに鑑み、変動番号11,12の場合(ミッション成功(特別表示)が表示されない場合)に比べて予告演出の出現数や出現確率が高くなるようにしており、これによってミッション成功(特別表示)が表示されたときの遊技興趣の向上が図られるようにしている。
これに対し、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号15,16,18〜20,22)においても、このようなキャラリーチ内の各変動番号の関係と概ね同じ関係が設定されている。ただし、SPリーチのうち変動番号18が上記変動番号10に相当し、変動番号19,20が上記変動番号11,12に相当するものであるが、上記キャラリーチの場合とは異なり、当り時の変動番号18よりも当り時の変動番号20のほうが予告演出の出現数や出現確率が高くなっている(大当り期待度の高い変動番号ほど予告数が多くなり易くなっている)。また、SPリーチでは、キャラリーチに比べて予告数の出現割合(平均出現数)が高くなっている。
なお後述するが、第3の処理状況にあるときのSPリーチでは、図柄変動が停止されるまでの間に最大6つのタイマ対象候補演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作)が出現しうるタイミングが到来するようになっている。ただし、会話予告が選択されたときにはミッション成功による大当り演出として機能することとなることから、タイマ対象候補演出が6つ出現するときには大当り確定の予告演出が現れることとなる。したがって、テーブルT5cでは、ハズレ時のSPリーチに相当する変動番号では最大でも5つまで(変動側のタイマ対象候補演出の数と、予告側のタイマ対象候補演出の数の合計が5つまで)しかタイマ対象候補演出が出現可能とされていない。
図157は、ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5532におけるNO)がなされている第4の処理状況にある場合にステップS5543の処理において参照されるテーブルT5dの一例を示す図である。
まず、同図157に示されるように、テーブルT5dは、予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、予告側タイマ演出を実行し得ない変動パターンに相当する変動番号1〜6が取得されているときには当該テーブルT5dが参照されることはない。ただし、ミッション演出が実行されないときに参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときにも当該テーブルT5bは参照される。したがって、テーブルT5dでは、変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている。
また、テーブルT5dも同様、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、少なくとも2つのタイマ対象候補演出は選択されるように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。ただし、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が出現する変動番号については、必ずしも予告演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出を割り振らなくてもよく、変動演出の演出内容に応じて予告演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(変動番号9,17)を割り振ったり、タイマ対象候補演出を割り振らない(変動番号13,21)ようにしてもよい。
また、これも同様、テーブルT5dでは、キャラリーチ演出に相当する変動番号7〜14のなかでも、変動番号7,8のうちの当り演出に対しては最大4つのタイマ対象候補演出が割り振られているのに対し、変動番号10〜12のうちの当り演出に対しては最大3つのタイマ対象候補演出が割り振られており、変動番号13,14の当り演出に至っては最大2つのタイマ対象候補演出しか割り振られていない。ただし、変動番号7,8では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が現れないものであるのに対し、変動番号9〜12では、変動演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(会話予告またはカットイン)が現れるようになっており、変動番号13,14に至っては変動演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出(会話予告及びカットイン)が現れるようになっている。したがって、変動番号9〜12では、実質的に1つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義であり、変動番号13,14では、実質的に2つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義である。
そうすると、例えば、変動番号14では、実質的には、予告数4に対して「1000」の演出乱数が割り振られているのと同義になることから、当該キャラリーチ演出に相当する変動番号7〜14のなかでは最も予告演出が数多く出現し易くなるように割り振られていると言える。
なお、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号15〜22)においても、このようなキャラリーチ内の各変動番号の関係と概ね同じ関係が設定されている。ただし、SPリーチでは、キャラリーチに比べて予告数の出現割合(平均出現数)が高くなっている。
その他、テーブルT5dでは、テーブルT5cと概ね同じ態様で演出乱数の振り分けがなされているが、ミッション演出が実行されないときに参照されるものであることから、ミッション演出が実行されないときに参照されるテーブルT5cよりもタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が少なくなるようになっている。
そして、図149に示されるように、こうして予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)の結果としてシングルタイマの態様とダブルタイマの態様とのいずれで予告側タイマ演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5506)、さらには第1ミッション演出抽選(ステップS5504)の結果としてミッション演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5507,S5532)の各結果に応じた内容(テーブルT5a〜d)でタイマ対象候補演出(予告側タイマ演出の演出対象になりうる予告演出)の出現数を決定した後に(ステップS5508,S5523,S5533,S5543)、該決定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5509,S5524,S5534,S5544)。
図158は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5507におけるYES)がなされている第1の処理状況において、ステップS5508の処理を実行した結果として予告数を1にすることが決定された場合(ステップS5509)に参照されるテーブルT6a−1の一例を示す図である。
例えば、同図158に示されるように、このテーブルT6a−1(ステップS5509:予告数1)では、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、タイマ対象候補演出として実行することが決定された1つの予告演出が、予告側タイマ演出の演出対象として自ずと設定されることとなる(図中、○印が予告側タイマ演出の演出対象として実行されることを示している)。これに対し、図示は割愛するが、タイマ対象候補演出としてN個(2以上)の予告演出を決定することが求められる場合は(ステップS5509:予告数N)、タイマ対象候補演出としてN個の予告演出を決定するとともにそのうちの1つを予告側タイマ演出の演出対象として決定することとなる。
なお、タイマ対象候補演出としてN個(2以上)の予告演出を決定することが求められる場合であって、そのうちのN−1個(シングル態様のときは1個、ダブル態様のときは2個)以下の数の演出を予告側タイマ演出の演出対象とするときには(ステップS5509,S524,S534,S544)、タイマ対象候補演出としてN個分の同じ演出組み合わせの演出を選択した場合であっても、それら演出のいずれを予告側タイマ演出として決定するかに応じて大当り期待度が異なるようにすることが望ましい。例えば、一の演出パターンのなかで相対的に早いタイミングで出現する先演出(例えば、会話予告)と、一の演出パターンのなかで相対的に遅いタイミングで出現する後演出(例えば、役物A動作)とがタイマ対象候補演出として選択された場合は、先演出(例えば、会話予告)を予告側演出タイマの演出対象にするときよりも後演出(例えば、役物A動作)を予告側演出タイマの演出対象にするときのほうが大当り図柄(特別表示態様)の現れる割合が高くなるように設定することとなる(ステップS5509,S5524,S5534,S5544)。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動演出の演出内容として「会話予告」や「カットインA,B」を実行する変動番号が取得されている場合であっても、予告演出の演出内容として「会話予告」や「カットインA,B」を決定しうるものとなっている。ただしこの結果、変動演出の演出内容と予告演出の演出内容との両方で同じ演出を出現させることが決定された場合は、予告演出の演出内容としてこれを別個に出現させる制御はせず、変動演出の演出内容として現れる演出(会話予告、カットインA,B)を予告側タイマ演出の演出対象として設定する処理が行われる(ステップS5509,S524,S534,S544)。
例えば、テーブルT6a−1(予告数1)の例では、変動番号10,14,18,22で「会話予告」が予告演出の演出内容として決定された場合や、変動番号11〜14で「カットインA」が予告演出の演出内容として決定された場合や、変動番号19〜22で「カットインB」が予告演出の演出内容として決定された場合は、変動演出の演出内容と予告演出の演出内容との両方で同じ演出を出現させることが決定されることとなる。ただしここでは、予告演出の演出内容として別個に出現させる制御は行われず、変動演出の演出内容として現れる演出(会話予告、カットインAまたはカットインB)を予告側タイマ演出の演出対象として設定する処理が行われるようになっている。
なお、変動演出の演出内容と予告演出の演出内容との両方で特定演出(会話予告、カットインAまたはカットインB)を出現させることが決定された場合、予告演出の演出内容としてこれを別個に出現させる制御を行うようにして、該別個に出現させる側の特定演出(予告演出の演出内容)を予告側タイマ演出の演出対象として設定するようにしてもよい。
また、このテーブルT6a−1(予告数1)では、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、図148に併せて示されるように、変動演出の内容として「会話予告」を実行する変動番号10,14,18,22が取得されている場合や、タイマ対象候補演出(予告演出の内容)として「会話予告」を選択した場合(PTN1)は、特別表示(ミッション成功)が表示されて大当り図柄が現れることが確定的に示唆されるようになる。
この点、変動演出の内容として「会話予告」を実行する当り時の変動番号10,14,18,22では、変動演出の内容として「会話予告」を実行しない当り時の変動番号8,12,16,20に比べて予告演出の演出内容として「会話予告」を決定する割合が低くなるように設定されている。すなわち上述の通り、変動番号10,14,18,22において予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されると変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が「会話予告」を演出対象として実行されることとなるが、このように2つのタイマ演出が同じ演出を演出対象にする場合は、基本的には、2つのタイマ演出が異なる演出を演出対象にする場合に比べて大当り期待度が低くなるように設定しているためである。これにより、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が「会話予告」を演出対象とする場合における特別表示(ミッション成功)の出現割合を相対的に低くすることができるようになる。
このような「会話予告」以外の変動演出の演出内容なども同様であり、例えば、SPリーチに相当する変動番号15〜22のうち変動演出の演出内容として「カットインB」を実行しない変動番号15,16のうち、ハズレ時の変動番号15には150個の演出乱数が割り振られているのに対し、当り時の変動番号16には250個もの演出乱数が割り振られている。一方、SPリーチに相当する変動番号15〜22のうち変動演出の演出内容として「カットインB」を実行する変動番号19,20のうち、ハズレ時の変動番号19には250個の演出乱数が割り振られているのに対し、当り時の変動番号20には200個の演出乱数しか割り振られていない。
すなわちこの場合、変動番号15,16で変動側タイマ演出によってのみ「カットインB」が演出対象にされる場合は、変動番号19,20で変動側タイマ演出及び予告側タイマ演出の両方が出現してこれらの両方が「カットインB」を演出対象にする場合に比べて大当り図柄の現れる割合が高くなるようになる。これにより、2つのタイマ演出が同時にカウント表示される状況においてはそれらのタイマ演出が同じ演出対象で所定数値に達してしまうのか否かが重要な演出要素として機能するようになり、カウント表示中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、キャラリーチに相当する変動番号7〜14のうち当り時の変動番号8,10,12,14では、演出パターンにおいて大当り図柄(特別表示態様)が停止されるまでの間(図柄変動中)に出現する演出ではなく演出パターンにおいて大当り図柄(特別表示態様)が停止された後に現れる演出(例えば、大当り遊技中の確変示唆演出や高ラウンド示唆演出など)を演出対象にする特別タイマの態様で予告側タイマ演出を実行することが決定されうるようになっている。この特別タイマについては後述することとするが、この実施の形態では、当該ステップS5509の処理において特別タイマを発生させることが決定された場合であっても特別タイマを出現させないことがあり、その実行の有無を含めて、特別タイマの実行態様については後のステップS5514の処理にて決定されることとなる。
ここで、予告側タイマ演出は、カウント表示が開始されてから終了されるまでのカウント総数が少なくても大当り期待度が相対的に高い場合(変動表示の途中から開始される場合など)があるのに対し、変動側タイマ演出では、カウント表示が開始されてから終了されるまでのカウント総数が少ない場合は多い場合よりも該タイマ演出にて示唆される期待度が必ず低くなるように制御してもよい。
なお後述するが、このような特別タイマは、演出パターンにおいて大当り図柄(特別表示態様)が現れることを確定的に示唆するものであることはもとより、出現したときには高確率時短遊技状態や16ラウンド大当り遊技が実行される割合が相対的に高くなる点で、他の演出を演出対象にするタイマ演出に比べて遊技者にとって有益なものであると言える。なお、該割合については100%を含むようにしてもよい。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、ミッション演出において特別表示(ミッション成功)が現れるときには、特別表示(ミッション成功)が現れないときに比べて特別タイマの出現割合が高くなるように制御することで、特別表示(ミッション成功時)が現れたときの期待感がより好適に奏されるようにしている(ステップS5509,S5534)。例えば、テーブルT6a−1(予告数1)においては、特別タイマが出現しうるキャラリーチに相当する変動番号7〜14のうち、会話予告を演出対象にした変動側タイマ演出(ミッション成功)が出現する当り時の変動番号10、14には100個の演出乱数が特別タイマに対して割り振られているのに対し、会話予告を演出対象にした変動側タイマ演出(ミッション成功)が出現しない当り時の変動番号8、12には50個の演出乱数しか特別タイマに対して割り振られていない。
またさらに、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、特別表示(ミッション成功)が現れなかったとしてもミッション演出(会話予告を出現させろ)が行われるときには(ステップS5509,S5534)、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が行われないとき(ステップS5524、S5544)に比べて特別タイマの出現割合が高くなるように制御することで、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が現れたときの期待感がより好適に奏されるようにしている。
また、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とによるダブルの態様でタイマ演出が行われる場合は、予告側タイマ演出のみによるダブルの態様でタイマ演出が行われる場合に比べて特別タイマの出現割合が低くなるように設定されている。また、1つの変動側タイマ演出と2つの予告側タイマ演出とによるトリプルの態様でタイマ演出が行われる場合であっても、予告側タイマ演出の1つが変動側タイマ演出と同じ演出を演出対象にする場合には、予告側タイマ演出と変動側タイマ演出とで同じ演出を演出対象にしない場合に比べて特別タイマの出現割合が低くなるように設定されている。
図159は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、ステップS5523の処理を実行した結果として予告数を1にすることが決定された場合(ステップS5524)に参照されるテーブルT6b−1の一例を示す図である。
同図159に示されるように、このテーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)では、特別タイマが出現しうるキャラリーチに相当する変動番号7〜14のうち、変動番号10、14には50個の演出乱数が割り振られており、変動番号8、12には20個の演出乱数が割り振られている。このように、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が行われないとき(テーブルT6b−1)では、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が行われるとき(テーブルT6b−1)に比べて特別タイマの出現割合が低くなるように設定されていることは明らかである。
また、このテーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)は、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行されないときに参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときにも当該テーブルT6b−1(予告数1)は参照される。したがって、テーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)では、変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている。
しかも、変動番号9,10,13,14,17,18,21,22では、変動演出の演出内容として「会話予告」を演出対象にした変動側タイマ演出を出現させるものであるから、予告演出の演出内容として「会話予告」が選択されるときには変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が「会話予告」を演出対象として実行されることとなるものである。したがって、テーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)では、変動番号9,10,13,14,17,18,21,22において「会話予告」が選択されるときには、その他の変動番号において「会話予告」が選択されるときに比べて大当り期待度が低くなるように演出乱数の振り分けがなされている。
このような「会話予告」以外の変動演出の演出内容なども同様であり、例えば、SPリーチにおいて変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が演出対象にしうる「カットインB」についても、上述のテーブルT6a−1(予告数1)の場合と同じ態様での割り振りがなされている。
また、これも同様、このテーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)も、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、タイマ対象候補演出として実行することが決定された1つの予告演出が、予告側タイマ演出の演出対象として自ずと設定されることとなる。これに対し、図示は割愛するが、タイマ対象候補演出としてN個(2以上)の予告演出を決定することが求められる場合は(ステップS5524:予告数N)、タイマ対象候補演出としてN個の予告演出を決定するとともにそのうちの1つを予告側タイマ演出の演出対象として決定する点も同様である。
このようなシングルの態様で予告側演出タイマが行われるときのタイマ対象予告抽選(ステップS5509,S5524)に対し、ダブルの態様で予告側演出タイマが行われるときのタイマ対象予告抽選(ステップS5534,S5544)においても、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が同じ演出を演出対象にする場合、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とが異なる演出を演出対象にする場合に比べて大当り期待度が低くなるように設定されている点など、基本的には同じ態様で演出乱数の振り分けがなされている。
図160は、ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5532におけるNO)がなされている第4の処理状況において、ステップS5543の処理を実行した結果として予告数を2にすることが決定された場合(ステップS5544)に参照されるテーブルT6d−2の一例を示す図である。
同図160に示されるように、このテーブルT6d−2f(ステップS5544:予告数2)では、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、タイマ対象候補演出として実行することが決定された2つの予告演出はいずれも、予告側タイマ演出の演出対象としてそれぞれ自ずと設定されることとなる。これに対し、図示は割愛するが、タイマ対象候補演出としてN個(3以上)の予告演出を決定することが求められる場合は(ステップS5544:予告数N)、タイマ対象候補演出としてN個の予告演出を決定するとともにそのうちの2つを予告側タイマ演出の演出対象として決定することとなる。このような処理は、他の演出状況におけるタイマ対象予告抽選においても実行されるものである。
また、同図160に示されるように、このテーブルT6d−2fにおいても、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が同じ演出を演出対象にする場合、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とが異なる演出を演出対象にする場合に比べて大当り期待度が低くなるように設定されている。
また、予告側演出タイマとして選択される2つの予告演出の一方が変動側演出タイマと同じ演出対象になっている場合は、特別予告側演出タイマとして選択される2つの予告演出の一方が変動側演出タイマと同じ演出対象になっていない場合に比べて特別タイマの選択割合が低くなっている。
特に、変動番号13,14,21,22において、予告側演出タイマとして選択される2つの予告演出の両方が一の演出パターン内で現れる2つの変動側演出タイマと同じ演出対象になっている場合は、大当り期待度が大幅に低くなっている。
そして、図149に示されるように、こうしたタイマ対象予告抽選(ステップS5509,S5524,S5534,S5544)が行われた結果、タイマ対象候補演出のいずれの演出を出現させるかと、予告側タイマ演出の演出対象をいずれにするかがそれぞれ決定されると、次にステップ510の処理としてカウント表示抽選を行う。
このカウント表示抽選(ステップ510)では、タイマ対象候補演出として出現させる旨の決定がなされた各演出を一の演出パターン(変動パターン)内のいずれのタイミングでそれぞれ出現させるか、さらには演出対象に向けてカウント表示する予告側タイマ演出を一の演出パターン(変動パターン)内のいずれのタイミングから実行させるかについての決定が行われる。なお、この決定では、予告側タイマ演出の演出対象とされる演出の出現タイミングが遅いときには、予告側タイマ演出の演出対象とされる演出の出現タイミングが早いときに比べて大当り図柄(特別表示態様)の出現割合が高くなるように行われることが望ましい。
図161は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、キャラリーチに相当する変動番号が選択されているときに行われるカウント表示抽選(ステップ510)の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
例えば、このような第2の処理状況においてキャラリーチに相当する変動番号7〜14が選択されているときには、同図161に示されるように、まず、変動演出(演出パターン)側の演出として、
・通常演出が行われる通常演出期間、
・通常演出時の背景のもとで装飾図柄がリーチ態様になった以降の通常リーチ演出期間、・通常演出時とは異なる背景に切り替わって演出進展されるキャラリーチ演出期間、及び・大当りの当落が示されるように装飾図柄が確定停止(大当り図柄、ハズレ図柄)される図柄停止期間
といった各期間が、50秒の変動時間(図柄変動が行われる期間)内で順次に現れることが決定済みとされている処理状況にある(同図中における「変動時間」、「変動PTN演出」の行を参照)。
また、この処理状況においては、例えば、変動番号14が取得されているときには、演出パターンとして、図柄変動の開始に合わせて変動側タイマ演出を開始させてこれを10秒にわたって表示した後に「会話予告」を出現させることと、所定時間経過後に変動側タイマ演出を再び開始させてこれを10秒にわたって表示した後に「カットインA」を出現させることなども決定済みとされている。
なお上述の通り、一の変動パターン(変動番号)であったとしても演出パターンについてはこれに限られず、図柄変動の開始から所定時間後に変動側タイマ演出を開始させてこれを5秒にわたってカウント表示した後に「会話予告」を出現させるような、他の演出パターンも選択可能とされている。また、これも上述したが、このような演出パターンの選択は、当該予告演出に関する抽選(図149に示される各処理)よりも前に実行済みとなっている。
そして、カウント表示抽選(ステップ510)では、このような各演出期間が順次現れることや変動側の演出内容が決定済みとされているなかで、タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)で決定された予告側演出タイマの演出対象と、該演出対象に向けてカウント表示する予告側演出タイマとをどのようなタイミングでそれぞれ出現させるかについての判定が行われることとなる。なお、タイマ対象予告抽選において予告側演出タイマの演出対象になるタイマ対象候補演出のほか、演出対象にならないタイマ対象候補演出がさらに決定されている場合には該演出対象にならないタイマ対象候補演出の出現タイミングについても当該カウント表示抽選(ステップ510)で決定することとなる。
例えば、上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)において上記予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されている場合は、同図161に示されるように、会話予告1〜4のいずれの態様で会話予告と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定する。なお、この実施の形態では、図中における会話予告1〜4のうち会話予告1の態様が最も大当り期待度の低い態様になっており、数が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなるように選択確率が設定されている。したがって、このカウント表示抽選(ステップ510)では、大当りの当落や変動パターン(変動番号7〜14)などに基づいて会話予告1〜4のいずれか1つを選択することとなり、大当りの当落の別に異なる選択テーブルに基づいて当該カウント表示抽選を行うようにすることが望ましい。
ただしこの際、変動演出の演出内容として会話予告が出現する変動番号9,10,13,14が取得されているときに、上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)においても上記予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されている場合は、会話予告1の態様を必ず選択する。そしてこの場合、変動演出の演出内容として行われる会話予告とは別に、変動演出の演出内容として会話予告を出現させず、変動演出の演出内容として行われる会話予告に向けてタイマ演出のカウント表示が行われる制御を実行することとなる(図中における会話予告1の態様)。
また、同図161に示されるように、キャラリーチに相当する変動番号7〜14が取得されているときに上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)において上記予告演出の演出内容として「保留変化」が決定されている場合は保留変化1〜5のいずれの態様で保留変化と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「カットインA」が決定されている場合はカットインA1〜3のいずれの態様でカットインAと予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「役物A動作」が決定されている場合は役物A動作1〜4のいずれの態様で役物A動作と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「特別タイマ」が決定されている場合は特別タイマ1,2のいずれの態様で予告側タイマ演出を実行するのかを決定することとなる。
なお、この実施の形態では、図中における保留変化1〜5、カットインA演出1〜3、役物A動作1〜4のいずれの演出選択においても、最も数の小さい態様が最も大当り期待度の低い態様になっており、数が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなるようにそれぞれ選択確率が設定されている。これに対し、特別タイマ1,2はいずれも大当り図柄(特別表示態様)が必ず現れることを示す演出である。
また、同図161に示されるように、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、一の演出パターン(ここでは、キャラリーチ)が行われるなかで予告側タイマ演出の出現しうるタイミングを3つ用意しているが(変動開始時、予告E2の出現タイミングの少し前、予告Fの出現タイミングの少し前)、それらの出現タイミングは、複数種のタイマ対象予告(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ)でそれぞれ兼用されるかたちとなっている。そして、こうした複数の出現タイミング(変動開始時、予告E2の出現タイミングの少し前、予告Fの出現タイミングの少し前)では、予告側タイマ演出が出現するときのカウント表示総数としてもこれが複数用意(10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、70秒など)されるとともに、それらのカウント表示総数のいずれが表示されたとしても、その演出対象がいずれの演出であるのかを予測し難い構成とされるようにしている。
例えば、同図161に示されるように、キャラリーチに相当する変動番号7〜14が取得されているときには、上記複数の出現タイミングのうち予告E2の出現タイミングの少し前に到来するタイミングで10秒,20秒,30秒のいずれかのカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現しうるようになっている。ただし、10秒のカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現したときには、キャラリーチの演出パターンのなかだけでも会話予告3及び保留変化3のいずれの態様が実行されているのかを予測し難くなっているし、20秒のカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現したときにも、キャラリーチの演出パターンのなかだけでも保留変化4及びカットインA2のいずれの態様が実行されているのかを予測し難くなっている。
この点、上記複数の出現タイミングのうち予告E2の出現タイミングの少し前に到来するタイミングで30秒のカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現したときには、キャラリーチの演出パターンのなかだけを見ると役物A動作2の態様しか実行され得ない。ただし、後述のSPリーチの演出パターン(図162を参照)を見ると変動開始から同じタイミングで役物A動作2の態様が実行されうるようになっていることから、予告E2の出現タイミングの少し前に到来するタイミングで30秒のカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現した場合であっても、キャラリーチであるのかSPリーチであるのかも含めていずれの態様で予告側タイマ演出が実行されるのかを予測することは困難とされている。
このような構成によれば、予告側タイマ演出が出現したときにいずれの演出を演出対象としているのか(演出対象とされる演出の種別によって大当り期待度が異なる)を不明のままとすることができることから、当該タイマ演出のカウント表示が特定数値(ここでは0)になるまで遊技興趣を好適に維持することができるようになる。なお、この実施の形態では、同じタイミングで同じカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現した場合、基本的には(ミッション演出などとの兼ね合いがなければ)、演出対象が会話予告であるときが最も大当り期待度が低くなっており、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作の順に次第に大当り期待度が高くなるように設定されている。
また、上記構成によれば、予告側タイマ演出が出現するときには、いずれの出現タイミングであっても複数のカウント表示総数(秒数の長さによって大当り期待度が異なる)が用意されていることから、予告側タイマ演出が出現するときにはカウント表示総数がいずれであるのかについての興味を持たせることができるようになり、予告側タイマ演出の出現時の遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、この実施の形態では、いずれのタイミングで出現する予告側タイマ演出であっても、出現時にはその演出対象が予測困難とされるようにしているが、カウント表示総数に対して一の演出対象(例えば、特別タイマ)しか対応付けせずに演出対象を予測可能として設定された態様も含まれるようにしてもよい。また、予告側タイマ演出が出現しうる出現タイミングとして、一のカウント表示総数しか現れない出現タイミングが含まれるようにしてもよい。
また、図161に示される例(キャラリーチ:予告数1)では、説明の便宜上、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出を演出対象にしている場合に、図中においては、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ秒数分だけカウント表示したり、同じタイミングでカウント表示が終了されるかのように記載している。ただし上述の通り、実際は、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)を演出対象にする場合であっても、各カウント表示の終了タイミングを異ならせるようにしており、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との一方が先に特定数値(ここでは0)に達して終了されるのに対し他方のカウント表示は継続させるようにしている。
また、図161に示される例(キャラリーチ:予告数1)では、秒単位でタイマ演出のカウント表示がなされるかのように記載されているが、カウント表示で現れる数字の単位としては「秒」に限られない。したがって、例えば、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とでカウント表示の数字変化に要する時間が異なっていてもよいし、変動側タイマ演出で現れるカウント表示において各数字の変化に要する時間が一定でなくてもよい。
また、図161に示される例(キャラリーチ:予告数1)では、上記予告演出の演出内容として「特別タイマ」が決定されている場合は特別タイマ1,2のいずれの態様で予告側タイマ演出を実行するのかを決定することとしている。すなわちこの場合、当該演出パターン(キャラリーチ)において大当り図柄(特別表示態様)が現れた後、20秒が経過したとき(大当り遊技の実行期間中)にカウント表示が特定数値(ここでは0)に達することとなる。そしてこの後、大当りの種別として遊技者に有利な種別であることを示唆する演出(例えば、高確率時短状態に移行させる当り種別や、16ラウンドの大当り遊技が行われる当り種別など)が開始されることとなるが、このような特別タイマの態様については後述のステップS5514にて設定される。
なお、この実施の形態では、カウント表示抽選(ステップS5511)内にて特別タイマ1,2の態様のいずれを選択するかを決定することとしているが、この決定にかかる処理も含めて、後述のステップS5514にて設定するようにしてもよい。
また、保留情報に応じた変動表示が開始されるタイミングではなく、変動表示が開始されてから所定時間経過後にカウント表示を開始させるときは、後述のタイマ先読み演出が実行されていない場合であっても該カウント表示が開始されるまでの所定時間にわたって後述のタイマ先読み演出で表示される態様(例えば、タイマ準備中)を出現(例えば、所定確率で出現)させるようにしてもよい。
図162は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、SPリーチに相当する変動番号が選択されているときに行われるカウント表示抽選(ステップ510)の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
例えば、このような第2の処理状況においてSPリーチに相当する変動番号15〜22が選択されているときには、同図162に示されるように、まず、変動演出(演出パターン)側の演出として、
・通常演出が行われる通常演出期間、
・通常演出時の背景のもとで装飾図柄がリーチ態様になった以降の通常リーチ演出期間、・通常演出時とは異なる背景に切り替わって演出進展されるキャラリーチ演出期間、
・キャラリーチ演出期間内で装飾図柄が確定停止されず、さらに演出進展されるかたちで現れるSPリーチ演出期間、及び
・大当りの当落が示されるように装飾図柄が確定停止(大当り図柄、ハズレ図柄)される図柄停止期間
といった各期間が、90秒の変動時間(図柄変動が行われる期間)内で順次に現れることが決定済みとされている処理状況にある(同図中における「変動時間」、「変動PTN演出」の行を参照)。
また、この処理状況においては、例えば、変動番号22が取得されているときには、演出パターンとして、図柄変動の開始に合わせて変動側タイマ演出を開始させてこれを10秒にわたって表示した後に「会話予告」を出現させることと、所定時間経過後に変動側タイマ演出を再び開始させてこれを10秒にわたって表示した後に「カットインB」を出現させることなども決定済みとされている。
なお、この例(SPリーチ:予告数1)においても、図161に示される例(キャラリーチ:予告数1)の場合と同様、一の変動パターン(変動番号)であったとしても演出パターンについてはこれに限られず、図柄変動の開始から所定時間後に変動側タイマ演出を開始させてこれを5秒にわたってカウント表示した後に「会話予告」を出現させるような、他の演出パターンも選択可能とされている。
そして、この例(SPリーチ:予告数1)においては、例えば、上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)において上記予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されている場合は、同図162に示されるように、会話予告1〜6のいずれの態様で会話予告と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定する。なお、この実施の形態では、図中における会話予告1〜6のうち会話予告1の態様が最も大当り期待度の低い態様になっており、数が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなるように選択確率が設定されている。したがって、このカウント表示抽選(ステップ510)では、大当りの当落や変動パターン(変動番号15〜22)などに基づいて会話予告1〜6のいずれか1つを選択することとなり、大当りの当落の別に異なる選択テーブルに基づいて当該カウント表示抽選を行うようにすることが望ましい。
ただし、これも同様、変動演出の演出内容として会話予告が出現する変動番号17,18,21,22が取得されているときに、上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)においても上記予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されている場合は、会話予告1の態様を必ず選択する。そしてこの場合、変動演出の演出内容として行われる会話予告とは別に、変動演出の演出内容として会話予告を出現させず、変動演出の演出内容として行われる会話予告に向けてタイマ演出のカウント表示が行われる制御を実行することとなる(図中における会話予告1の態様)。
また、同図162に示されるように、キャラリーチに相当する変動番号15〜22が取得されているときに上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)において上記予告演出の演出内容として「保留変化」が決定されている場合は保留変化1〜7のいずれの態様で保留変化と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「カットインA」が決定されている場合はカットインA1〜5のいずれの態様でカットインAと予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「役物A動作」が決定されている場合は役物A動作1〜4のいずれの態様で役物A動作と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「カットインB」が決定されている場合はカットインB1〜5のいずれの態様でカットインBと予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「役物B動作」が決定されている場合は役物B動作1〜4のいずれの態様で役物B動作と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定することとなる。
なお、このSPリーチの例でも、図中における保留変化1〜7、カットインA1〜5、役物A動作1〜4、カットインB1〜5、役物B動作1〜4のいずれの演出選択においても、最も数の小さい態様が最も大当り期待度の低い態様になっており、数が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなるようにそれぞれ選択確率が設定されている。
また、図162に示される例では、一の演出パターン(ここでは、SPリーチ)が行われるなかで予告側タイマ演出の出現しうるタイミングを6つ用意しているが(変動開始時、予告E2の出現タイミングの少し前、予告Fの出現タイミングの少し前、通常リーチ演出期間が終了する少し前、キャラリーチ演出期間内、SPリーチ演出期間が開始されるタイミング)、これらのタイミングにおいて予告側タイマ演出が出現されるときにはその演出対象がいずれの演出であるのかを予測し難い構成とされている点なども、図161に示した例の場合と同様である。
ただし、図162に示される例では、カウント表示総数に対して一の演出対象しか対応付けせずに演出対象を予測可能として設定された態様(例えば、カットインBのタイマ40秒)や、予告側タイマ演出が出現しうる出現タイミングとして、一のカウント表示総数しか現れない出現タイミング(例えば、SPリーチ演出期間が開始されるタイミングでの10秒)が含まれている。
このように、カウント表示抽選(ステップS5510)では、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出や予告側タイマ演出の出現時期などが決定される。この点、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出の数が2つ以上の場合には予告側タイマ演出の演出対象とされる演出のほか、予告側タイマ演出の演出対象とされない演出の出現時期なども併せて決定される。また、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合には、2つの予告側タイマ演出とそれらの演出対象となる演出をそれぞれどのようなタイミングで出現させるか(2つの予告側タイマ演出のカウント表示を重なる時期に実行するか否かも含めて)などもさらに決定されることとなる。
ただし、このカウント表示抽選(ステップS5510)では、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出の数や、ダブルタイマの態様であるか否かや、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行されるか否かなどの処理状況に応じて、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出や予告側タイマ演出の出現時期などが異なる態様で決定されるようにすることが望ましい。例えば、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行される処理状況においては、変動開始されてから比較的早い段階で会話予告が出現すると演出的な盛り上がりに欠けることから、変動開始されてから比較的遅い段階で出現する会話予告が選択され易くすることが望ましい。また、ダブルタイマの態様では、一の演出パターン内で各カウント表示が重ならない期間でそれぞれ実行される場合よりも、各カウント表示が同時に進行される状況が現れたほうが2つのタイマ演出が実行されていることへの実感を持たせることができることから、各カウント表示が同時に進行される状況が現れない場合よりも各カウント表示が同時に進行される状況が現れる場合のほうが選択割合が高くなるようにすることが望ましい。また、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出の数が2つ以上の場合には、予告演出が同時期に出現しないようにそれらの予告演出の出現時期を決定することとなる。
なお、予告側タイマ演出の出現しうるタイミング(例えば、変動開始時、予告E2の出現タイミングの少し前、予告Fの出現タイミングの少し前、通常リーチ演出期間が終了する少し前、キャラリーチ演出期間内、SPリーチ演出期間が開始されるタイミング)については、各予告演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作)が行われうる期間内に設定することが望ましい。すなわちこの場合、特定のタイミングで予告演出が出現しなかったとしても予告側タイマ演出が開始されたり、特定のタイミングで予告側タイマ演出が開始されなかったとしても予告演出が行われたりすることで遊技興趣の低下が抑制されることが期待できるようになる。また、特定のタイミングで予告演出が出現し、さらには予告側タイマ演出が開始される演出状況も発生しうることから、遊技興趣の向上を図ることも期待されるようになる。そしてこの場合、変動開始から所定時間が経過しているときに(特定のタイミングで)予告演出が実行されているときには、変動開始から所定時間が経過しているときに予告演出が実行されていないときよりも予告側タイマ演出が開始される割合が高くなるように設定することが望ましい。
そして、図149に示されるように、こうしてカウント表示抽選(ステップS5510)が行われると、次にステップS5511の処理として、上記カウント表示抽選で決定された予告側タイマ演出の態様が特殊タイマになりうるものであるかを判定する。
すなわち、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、図161及び図162に併せて示されるように、タイマ対象候補演出(予告側タイマ演出の演出対象になりうる予告演出)とは別に、非対象予告演出(予告側タイマ演出の演出対象になりえない予告演出)として非対象予告E1,E2,E3及び非対象予告Fを実行可能としている。そしてこのうち、非対象予告E2は、予告側タイマ演出のカウント表示が行われていない状況では非対象予告Fと比べて大当り期待度が低くなるように設定されるのに対し、予告側タイマ演出のカウント表示が行われている状況では非対象予告Fと比べて大当り期待度が高くなるように設定されるものとなっている。
このような構成では、カウント表示が行われていない間に非対象予告E2(第一演出)が実行されたときにはカウント表示が行われていない間に非対象予告F(第二演出)が実行されたときに比べて大当り図柄(特定の図柄態様)が現れる期待度が低くなる関係があるなかで、カウント表示が行われている間に非対象予告E2(第一演出)が実行されたときにはカウント表示が行われている間に非対象予告F(第二演出)が実行されたときに比べて大当り図柄(特定の図柄態様)が現れる期待度が高くされるように、予告側タイマ演出(カウント演出表示)が実行可能とされるようになる。そこで、このように非対象予告E2(第一演出)が出現したときの期待度を大幅に高くするかたちでカウント表示が行われる予告側タイマ演出(カウント表示の実行期間中に非対象予告E2(第一演出)が開始され且つ終了されるタイマ演出)を「特殊タイマ」と呼称することとしている。
すなわちこの場合、カウント表示が行われていない間は、非対象予告E2(第一演出)が非対象予告F(第二演出)よりも期待度の低い演出として機能するのに対し、カウント表示が行われている間は、非対象予告E2(第一演出)が非対象予告F(第二演出)よりも期待度の高い演出として機能するようになる。したがって、予告側タイマ演出(カウント演出表示)の演出対象にならず本来関係のない非対象予告E2(第一演出)ではあるものの、カウント表示が消化されるまでの間に該非対象予告E2(第一演出)が出現するか否かの興味を抱かせることができるようになり、これによってカウント表示が消化されて所定の演出(タイマ対象候補演出)が行われるまでの期間における遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。
また、予告側タイマ演出が少ないカウント総数でカウント表示を開始した場合、予告側タイマ演出が多いカウント総数でカウント表示を開始した場合よりも大当り期待度が低くなる傾向に設定されているなかで、このような特殊タイマにかかる制御を実現するようにしたことで、予告側タイマ演出が少ないカウント総数でカウント表示を開始した場合であっても該カウント表示が実行されている間に非対象予告E2が出現する可能性を意識させることができるようになり、遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。この意味では、カウント表示が実行されている間に非対象予告E2が出現する場合は、その後のタイマ演出の対象となる演出(会話予告やカットイン、役物動作など)で大当り確定のプレミア態様が出現する割合が高くなるように制御することが望ましい。なお、該割合については100%を含むようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、非対象予告E1〜E3は、いわゆるステップ演出として実行されるものとなっており、非対象予告E2(第一演出)は、非対象予告E1が出現したことを条件に出現可能とされるものとなっている。また、非対象予告E3は、非対象予告E1,E2がそれぞれ出現したことを条件に出現可能とされるものとなっており、この実施の形態では該非対象予告E3が出現すると必ず大当り図柄が現れるようにしている。このような構成によれば、予告側タイマ演出のカウント表示が行われている間に非対象予告E1(特定の演出)が出現すると、非対象予告E2が出現するかについての興味を持たせることができるようになり、カウント消化期間中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
ただし、非対象予告E1〜E3は、いわゆるステップ演出として必ずしも実行されるものでなくてもよいし、非対象予告E2と非対象予告Fとの間での上述した演出関係を実現する上では非対象予告E1,E3については必ずしも用意されなくてもよい。また、非対象予告E2(第一演出)が出現した後に非対象予告Fを出現させる順番になっているが、これに限られず、例えば、非対象予告F(第二演出)が出現した後に非対象予告E2(第一演出)が出現するようにしてもよい。要は、非対象予告E2は、全ての予告演出の中で最初に出現するものであってもよいし、全ての予告演出の中で最後に出現するものであってもよく、その出現タイミングについては適宜に設定すればよい。また、非対象予告E2は、当該変動表示にて実行されるリーチ演出の種別に関連(示唆)する画像であってもよい。
また、非対象予告E2をいわゆるステップ演出として実現しない場合は、大当り期待度の異なる複数の態様のいずれかで当該非対象予告E2が行われるようにすることが望ましい。そしてこの際、非対象予告E2が最も大当り期待度の高い態様で出現したときには、カウント表示が行われていない状況にあったとしても非対象予告Fより大当り期待度が高くなるようにしてもよい。ただし、カウント表示が行われていない状況での非対象予告E2の出現時に期待できる大当り期待度(全態様を含めた期待度)と非対象予告Fの出現時に期待できる大当り期待度とで比較すると、非対象予告Fの出現時のほうが大当り期待度が高くなっていることが求められる。
この点、カウント表示が行われている状況で非対象予告E2を出現させる場合(特殊タイマの場合)、非対象予告E2を、大当り期待度の低い態様も含めて複数の態様のいずれかで出現させるようにするとともに、いずれの態様が出現した場合であっても非対象予告Fよりも大当り期待度が高くなるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、大当り期待度の低い態様で非対象予告E2が実行されているにもかかわらず大当り期待度が飛躍的に高くなる演出状況が創出されるようになることから、低期待の態様が現れたことで一瞬がっかりすることがあったとしてもカウント表示が実行されていることが確認されることでサプライズ的に遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。この意味では、このような特殊タイマの状況であっても大当り期待度の低い態様で非対象予告E2が実行されうるようにした上で、該低い態様を含めたいずれの態様で非対象予告E2が実行されたとしても(さらには、他の予告演出が発生したか否かにかかわらず)大当り図柄の現れる期待度が同じになるようにすることが望ましい。なお、該期待度については100%を含むようにしてもよい。ただしこの場合であっても、カウント表示が行われている状況で非対象予告E2を出現させる場合は、複数の態様のうち高期待の態様が出現し易くなるように設定することが望ましい。
また、非対象予告E2を跨ぐカウント表示を実行する場合、例えば、カウント表示が異なるカウント総数(例えば、「10」、「5」)のいずれで開始される場合であっても、同じ数字(例えば「1」)になっているときに非対象予告E2が出現されるように制御することが望ましい。またこの際、カウント表示の開始時に現れるカウント総数としての候補(例えば、「20」、「10」、「5」)のうち、最もカウント総数の小さい候補(例えば、「5」)の半分未満の数字(2.5未満の数字)になっているときに非対象予告E2が出現されるように制御することが望ましい。このように、カウント表示が消化し終わるギリギリまで非対象予告E2が出現されないようにすることで、カウント表示が消化し終わるまでの期間における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
なお、非対象予告Fについても大当り期待度の異なる複数の態様のいずれかで実行可能とされるようにしてもよいが、特殊タイマの状況では、当該非対象予告Fが最も大当り期待度の高い態様で出現していたとしても、該非対象予告Fが非対象予告E2(例えば、最も大当り期待度の低い態様)よりも大当り期待度が高くならないように設定することが求められる。
また、非対象予告E2については、変動表示が開始されたときから複数のタイミングのいずれかで出現可能とされるようにしてもよい。すなわちこの場合、同じタイミングでカウント表示が同じカウント総数で出現したとしても、非対象予告E2を跨ぐときと跨がないときとが生じるようになり、カウント表示が実行されているときの遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動側タイマ演出については、その実行態様(演出パターン)として選択可能な候補のなかにカウント表示の実行期間内で非対象予告E2が現れる関係となるような態様が含まれないようにしている。
そして、図149に示されるように、ステップS5511の処理において、上記カウント表示抽選(ステップS5510)で決定された予告側タイマ演出の態様が特殊タイマになりうるものである旨判定した場合はステップS5512の処理として第1のタイマ非対象予告抽選を行うとともに、上記カウント表示抽選(ステップS5510)で決定された予告側タイマ演出の態様が特殊タイマになりうるものでない旨判定した場合はステップS5525の処理として第2のタイマ非対象予告抽選を行うこととなる。
なお、特殊タイマになりうるものである旨判定される場合とは、例えば、図161や図162に示される例では、複数の演出態様のうち太字且つ斜字で示される演出態様(例えば、図161に示される会話予告2,3、保留変化2〜4、カットインA1,2、役物動作1,2など)が選択されている場合であり、特殊タイマになりうる演出態様であるか否かは予め分類されている。
図163は、第1のタイマ非対象予告抽選(ステップS5512)で参照されるテーブルT7aの一例を示す図であり、図164は、第2のタイマ非対象予告抽選(ステップS5525)で参照されるテーブルT7bの一例を示す図である。
同図163及び図164に示されるように、タイマ非対象予告抽選(ステップS5512、S5525)では、大当りの当落結果や変動パターン(変動番号)などに基づいて予告側タイマ演出の演出対象となりえない演出として用意されている非対象演出E1〜E3,Fのうちいずれの演出を実行するかについての判定処理が行われる。
そしてこのうち、特殊タイマ時に参照されるテーブルT7a(第1のタイマ非対象予告抽選)では、特殊タイマでないときに参照されるテーブルT7b(第2のタイマ非対象予告抽選)に比べて予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときの大当り期待度が大幅に高くなっている。より具体的には、予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときには、予告Fを実行する態様(PTN5,6)が選択されたときに比べて大当り期待度が高くなっている。
これに対し、特殊タイマでないときに参照されるテーブルT7b(第2のタイマ非対象予告抽選)では、予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときには、予告Fを実行する態様(PTN5,6)が選択されたときに比べて大当り期待度が低くなっている。
なお、この実施の形態では、特殊タイマ時に参照されるテーブルT7aと特殊タイマでないときに参照されるテーブルT7bとを比較すると、予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときには演出乱数の振り分けに変化があり大当り期待度に変化があるが、予告Fを実行する態様(PTN5,6)が選択されたときには大当り期待度に変化がないことはもとより演出乱数の振り分けにすら変化はなく同じになっている。
このような特殊タイマによる演出によれば、非対象予告E2を跨ぐ態様(特殊タイマの態様)でカウント表示を実行する場合は、非対象予告E2を跨がずに非対象予告Fを跨ぐ態様(特殊タイマではない態様)でカウント表示を実行する場合に比べて、カウント表示が所定値に達したときに期待度の高い演出態様が現れる割合や、図柄演出が停止されるときに大当り図柄が現れる割合が高くされるようになる。
さらに言えば、カウント演出が実行されない一の図柄演出において非対象予告E2(第一演出)及び非対象予告F(第二演出)の両方がそれぞれ実行されるときには、カウント演出が実行されない一の図柄演出において非対象予告F(第二演出)が実行されず非対象予告E2(第一演出)が実行されるときに比べて大当り図柄が現れる割合が高くなる関係があるなかで、非対象予告F(第二演出)が実行されず非対象予告E2(第一演出)が一の図柄演出内で実行される場合であっても該非対象予告E2(第一演出)を跨ぐ第一態様でカウント演出が実行されるときには、非対象予告E2(第一演出)及び非対象予告F(第二演出)の両方が一の図柄演出内でそれぞれ実行され且つ非対象予告F(第二演出)を跨ぐ第二態様でカウント演出が実行されるときに比べて大当り図柄が現れる割合が高くされるようになる。
すなわちこの場合、「非対象予告E2(第一演出)」と「カウント演出」とがそれぞれ実行される図柄演出であったとしても、そのカウント演出が、「非対象予告E2(第一演出)」を跨いでいたか、それとも「非対象予告E2(第一演出)」を跨いでおらず本来は期待度がさらに上がったことを示唆するように実行される「非対象予告F(第二演出)」を跨いでいたかによって、一の図柄演出において「非対象予告F(第二演出)」が行われる場合よりも「非対象予告F(第二演出)」が行われない場合のほうが期待度が高くなることとなる。したがって、カウント演出の演出対象(非対象予告E2(第一演出)及び非対象予告F(第二演出)のいずれとも異なる演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)に設定されておらず、本来関係のない非対象予告E2(第一演出)や非対象予告F(第二演出)でありながらも、「カウント演出が終了されるまでの間に非対象予告E2(第一演出)が出現するか」や、「カウント演出が終了された後に非対象予告E2(第一演出)が出現したとしてもその後に非対象予告F(第二演出)がさらに実行されるか」などに興味を抱かせることができるようになり、これによってカウント表示が消化されて所定の演出(タイマ対象候補演出)が行われるまでの期間における遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。
なお、この実施の形態では、カウント演出の演出対象として実行されることがない非対象予告E2(第一演出)をカウント演出が跨いだときと、カウント演出の演出対象として実行されることがない非対象予告F(第二演出)をカウント演出が跨いだときとではそれら期待度にかかる関係性が、いずれもカウント演出が跨がなかったときのそれら期待度にかかる関係性から逆転される演出として例示することとしたが、非対象予告E2(第一演出)や非対象予告F(第二演出)は、カウント演出の演出対象として実行されうるものであってもよい。このような構成によれば、カウント演出が実行されたときに、該カウント演出が、非対象予告E2(第一演出)や非対象予告F(第二演出)を跨ぐか否かについての演出性も付加されるようになる。
また、非対象予告E2(第一演出)及び非対象予告F(第二演出)のいずれか一方がカウント演出の演出対象として実行されうるものであり、他方は、カウント演出の演出対象として実行されることがないものであってもよい。
また、予告E2(第一演出)をカウント演出が跨いだときは、予告F(第二演出)をカウント演出が跨いだときに比べて、大当り期待度が高くなることはもとより、遊技者に有利な遊技状態(高確率時短遊技状態など)に移行される割合が高くなるように構成してもよい。この際、遊技者に有利な遊技状態(高確率時短遊技状態など)に移行される割合は100%であってもよい。
また上述の通り、カウント演出は、複数態様(カウント数の総数や、表示態様や、カウント開始されるタイミングなど)のいずれかで実行されるものである。この点、特定態様のカウント演出については、予告E2(第一演出)を跨ぎ且つ予告F(第二演出)を跨がないように実行される場合と、予告E2(第一演出)を跨がず且つ予告F(第二演出)を跨ぐように実行される場合とが少なくともあるように実行されるようにすることが望ましい。このような構成によれば、例えば、同じ秒数のカウント演出が開始されたとしても、予告E2(第一演出)のみを跨ぐ場合と、予告F(第二演出)のみを跨ぐ場合とのいずれであるかを不明としたままでカウント演出を進展させることができるようになることから、該カウント演出が実行されている期間中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
またさらに、特定態様のカウント演出については、予告E2(第一演出)を跨ぎ且つ予告F(第二演出)を跨がないように実行される場合と、予告E2(第一演出)を跨がず且つ予告F(第二演出)を跨ぐように実行される場合とのほか、予告E2(第一演出)と予告F(第二演出)とのいずれも跨がないように実行される場合もあるようにすることが望ましい。このような構成によれば、カウント演出が開始されてから終了されるまでの全期間にわたって、予告E2(第一演出)や予告F(第二演出)が現れることに対する期待感を持たせることができるようになる。なおこの場合、予告E2(第一演出)や予告F(第二演出)は、特定態様のカウント演出が実行された同一の図柄変動内で出現するようにしてもよいが、同一の図柄変動内で出現されないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、予告E2(第一演出)をカウント演出が跨いだときは、予告F(第二演出)をカウント演出が跨いだときに比べて、大当り図柄が現れる割合が高くなるように構成した。ただし、予告E2(第一演出)をカウント演出が跨いだときには、該カウント演出がいずれの態様で実行されるものであったとしても、大当り図柄が現れる割合に変化はないようにすることが望ましい。このような構成によれば、「カウント演出としていずれの態様が現れるか」といった演出性による影響を受けない、完全に独立した演出性を提供することができるようになり、カウント演出が実行されたときの演出性を好適に高めることができるようになる。
これに対し、予告F(第二演出)をカウント演出が跨いだときには、該カウント演出がいずれの態様で実行されるかに応じて、大当り図柄が現れる割合に変化を生じさせるようにすることが望ましい。このような構成によれば、カウント演出の跨ぐ対象が予告E2(第一演出)と予告F(第二演出)とのいずれであるかに応じて、該カウント演出としての態様が大当り期待度に影響を及ぼすかの演出性を異ならせることができるようになることから、カウント演出が行われている期間中における遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
ただし、予告F(第二演出)を跨いだカウント演出が複数態様のうち最も期待度の高い態様であったとしても、予告E2(第一演出)をカウント演出が跨いだときの期待度は超えないようにすることが望ましく、例えば、それらの期待度が同じになるようにすることが望ましい。該期待度は100%であってもよい。
また、複数態様のカウント演出のうち、少なくとも一部の態様のカウント演出では、予告F(第二演出)を跨ぐことはあっても、予告E2(第一演出)を跨ぐことはないように構成することが望ましい。このように、予告E2(第一演出)を跨ぐことができるカウント演出としての態様の数を、予告F(第二演出)を跨ぐことができるカウント演出としての態様の数よりも少なくするようにすることで、カウント演出がいずれの態様で行われるかに応じて、予告F(第二演出)を跨ぐ可能性を示唆することができるようになる。ただし、予告E2(第一演出)を跨ぐことができるカウント演出の態様については、少なくとも2以上の複数態様を用意するようにすることが望ましい。
また、予告F(第二演出)については、予告E2(第一演出)よりも先に実行されるようにし、該予告F(第二演出)が終了された後に予告E2(第一演出)が実行されるようにしてもよいことは上述した通りである。そしてこの際、予告F(第二演出)の実行に際してこれを跨ぐカウント演出が現われたときには、予告F(第二演出)は実行されたもののこれを跨ぐカウント演出が現われなかったときと比べて、予告E2(第一演出)を跨ぐカウント演出が出現される割合が高くなるようにすることが望ましい。このような構成によれば、カウント演出が実行されたときにこれが予告E2(第一演出)ではなく予告F(第二演出)を跨いで終了されたとしても、予告E2(第一演出)を跨ぐカウント演出がさらに出現されることを期待することができるようになり、遊技興趣が好適に維持されうるようになる。
またさらに、この実施の形態にかかるパチンコ機1は、大当り判定の結果に基づいて演出パターンを実行するものであることは上述した通りである。この点、予告F(第二演出)が出現しない演出パターンであったとしても、予告E2(第一演出)とこれを跨ぐカウント演出とはそれぞれ出現しうるようにすることが望ましい。このような構成によれば、予告F(第二演出)が出現しなかったとしても、予告E2(第一演出)を跨ぐカウント演出が出現することに対する期待感を維持することが可能とされるようになる。ただし、予告F(第二演出)が出現しなかったときには、予告F(第二演出)は実行されたもののこれを跨ぐカウント演出が現われなかったときと比べて、予告E2(第一演出)を跨ぐカウント演出が出現される割合が低くなるようにすることが望ましい。
また、予告F(第二演出)を跨ぐことが可能とされるカウント演出の態様(カウント数の総数や、表示態様や、カウント開始されるタイミングなど)として複数の態様が用意されることについては上述したが、該複数の態様のいずれかでカウント演出が実行された場合であっても、該カウント演出が実行されている期間内に予告F(第二演出)が必ずしも実行されないようにすることが望ましい。このような構成によれば、カウント演出が所望の態様で実行された場合であっても、該カウント演出が実行されている期間内に予告F(第二演出)が出現するか否かについても面白みを持たせることができるようになり、該カウント演出が行われている間における遊技興趣が好適に維持されうるようになる。
また、予告E2(第一演出)を跨ぐことが可能とされるカウント演出の態様(カウント数の総数や、表示態様や、カウント開始されるタイミングなど)も複数の態様が用意されることについては上述したが、該複数の態様のいずれかでカウント演出が実行された場合は、該カウント演出が実行されている期間内に予告E2(第一演出)が必ず実行されるようにすることが望ましい。このような構成によれば、カウント演出が所望の態様で実行されると、該カウント演出が予告E2(第一演出)を跨いで期待度が大幅に高められることが先行示唆されるようになることから、該カウント演出が行われている間における遊技興趣を好適に向上させることができるようになる。
そして、こうしてタイマ非対象予告抽選(第1のタイマ非対象予告抽選、第2のタイマ非対象予告抽選)が行われて非対象予告のいずれを実行するかが決定されると、次にステップS5513の処理として上述の特別タイマを実行する旨決定された状態にあるか否かを判断する。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、特定種別のリーチ演出(キャラリーチ)が選択されている状況において、大当り判定の結果(当落や変動パターンなど)に基づいて予告側タイマ演出(カウント演出表示)を開始してそのカウント表示を演出パターン(演出表示)において大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降も継続させる制御を実行可能としている。すなわちこの場合、大当り判定の結果に応じた演出パターン(演出表示)が終了して非表示とされた以降も、カウント表示が継続されるようになることから、カウント表示の残り時間などから特別図柄の変動時間(リーチの種別)を予測することが困難とされるようになり、例えば、図柄停止後の大当り遊技状態中の演出に図柄変動中に開始されたカウント表示が関わっていく演出が実現可能とされるなど、その後の演出展開に面白みを持たせることができるようになる。
より具体的には、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、まず、大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降(例えば、図柄が確定停止された以降の大当り遊技の開始インターバル期間や大当り遊技期間)において、出現すると高確率時短遊技状態に移行させる種別に当選している割合が高くなる第1特別演出や、出現すると賞として獲得可能な量の期待値が大きいラウンド数(16ラウンド)が実行される割合が高くなる第2特別演出を実行可能としている。なお、これらの割合については100%を含むようにしてもよい。そして、このような大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降に開始される演出を演出対象とした予告側タイマ演出を、大当り図柄(特別表示態様)が現れるよりも前から開始させてそのカウント表示を大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降も継続的に実行する制御を行うこととしている。
すなわちこの場合、大当り図柄(特別表示態様)が現れるよりも前から開始された予告側タイマ演出のカウント表示が大当り図柄(特別表示態様)が現れるときに終了されず該大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降も継続的に実行された後に特定数値(ここでは0)に達すると、上記第1特別演出または上記第2特別演出が出現するようになる。したがって、このような特別タイマが現れると、演出パターンにおいて大当り図柄(特別表示態様)が現れることを確定的に示唆するものであることはもとより、出現したときには高確率時短遊技状態や16ラウンド大当り遊技が実行される割合が相対的に高くなることから、遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
ただし、このような特別タイマを実現するためには、まず、大当り判定で大当りに当選していることはもとより、該大当りが特定種別(高確率時短遊技状態を発生させる種別や、16ラウンド大当り遊技を発生させる種別)であるか否かを判断し、該特定種別である旨判断したときには、該特定種別でない旨判断したときに比べて高い実行確率で特別タイマを出現させるように制御することが求められる。
したがって、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、ステップS5513の処理において上述の特別タイマの実行が決定されているときには、次にステップS5514の処理として、特別タイマを出現させるか否かの実行の有無を含めて、特別タイマの実行態様を決定することとしている。
例えば、このステップS5514の処理では、まず、大当りが特定種別(高確率時短遊技状態を発生させる種別や、16ラウンド大当り遊技を発生させる種別)であるか否かを判断する。そしてこの結果、大当りが特定種別でないときには所定の確率で特別タイマを出現させない旨の決定を行うことで、こうして間引きされる分だけ、特別タイマが出現すると大当りが特定種別である期待度を高くすることができるようになる。なお、該期待度は100%であってもい。また、特別タイマを出現させない旨の決定を行った場合、特別タイマではなく他の予告演出(タイマ対象候補演出、非対象予告)や予告側タイマ演出を出現させるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、タイマ対象予告抽選にて特別タイマを実行する旨の決定を一旦行った後のステップS5514の処理において、大当りの種別を判定してその結果に基づいて特別タイマを実行するか否かを改めて決定し直すこととしたが、大当りの当落のほか、大当りの種別にも基づいてタイマ対象予告抽選を行うようにすることで、ステップS5514の処理において特別タイマを実行するか否かを改めて決定し直さないようにしてもよい。
また、大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降(例えば、図柄が確定停止された以降の大当り遊技の開始インターバル期間や大当り遊技期間)の第1特別演出または第2特別演出については、大当りが特別種別である期待度の異なる複数の態様のいずれかで実行するようにしてもよい。すなわちこの場合、特別タイマが現れたときにはそのカウント表示が特定数値(ここでは0)に達すると、上記第1特別演出または上記第2特別演出が複数の態様のうち高期待の態様で実行されることとなる。
また、この実施の形態では、大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降の演出(第1特別演出または第2特別演出)については、大当り図柄(特別表示態様)が現れてから所定時間が経過したタイミング(図161に示す例では、20秒が経過したタイミング)で出現させることとしたが、大当り図柄(特別表示態様)が現れてからの複数のタイミング(例えば、15秒が経過した第1タイミングと、30秒が経過した第2タイミング)で出現させるようにしてもよい。すなわちこの場合、特別タイマとしては、大当り図柄(特別表示態様)が現れてから15秒が経過するとき(若しくは、その少し前)に特定数値(ここでは0)に達する第1態様と、大当り図柄(特別表示態様)が現れてから30秒が経過するとき(若しくは、その少し前)に特定数値(ここでは0)に達する第2態様とのいずれかを選択して出現させることとなる。
なおこの際、第1タイミングで演出が現れる場合よりも第2タイミングで演出が現れる場合のほうが特別種別の大当りが得られている割合が高くなるように設定しておき、大当りが特定種別であるときには、第1態様よりも第2態様で特別タイマを出現させる割合が高くなるように実行するようにすれば、大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降のカウント表示がどこまで継続されるかの面白みを付加的に持たせることができるようになる。
なお、これらの割合については100%を含むようにしてもよい。ちなみに、第1タイミングと第2タイミングとのいずれにおいても演出が出現しなかった場合、第1タイミングで演出が現れる場合よりも特別種別の大当りが得られている割合が低く設定されることとなる。
また、特別タイマについては、大当り図柄(特別表示態様)が現れるよりも前の変動表示の実行期間においては、例えば、「タイマ準備中」として表示しておき、該「タイマ準備中」と表示されているままで大当り図柄(特別表示態様)を出現させた後にカウント表示を開始するようにしてもよい。すなわち、大当り遊技中は、各ラウンド遊技の消化に要する時間が遊技進行に応じて変動するようになっていることから、大当り図柄(特別表示態様)が現れるよりも前の変動表示の実行期間においてカウント表示を開始させてしまうと、特定のラウンド遊技中に特別タイマのカウント表示が所定数値に達するようにすること、さらには演出対象になる演出を開始させるように設定することは困難である。この点、大当り図柄(特別表示態様)を出現させた後にカウント表示を開始させるようにすれば、例えば、大当り遊技中の特定のラウンド遊技が開始されるまでは「タイマ準備中」の状態を維持し、該特定のラウンド遊技が開始されるのに合わせてカウント表示を開始させるようにすることで、特定のラウンド遊技中にカウント表示が所定数値に達して演出対象になる演出が実行されるように設定することが可能とされるようになる。なおこの際、大当り図柄(特別表示態様)を出現させた後にカウント表示が開始されるまでの間、「タイマ準備中」などの表示を何ら行わないようにしてもよい。
また、このように大当り図柄(特別表示態様)を出現させた後にカウント表示を開始するようにした場合、大当り図柄(特別表示態様)を出現させるよりも前の変動表示の実行期間中においても別の予告側タイマ演出のカウント表示を開始させるようにしてもよい。
該別の予告側タイマ演出については、大当り図柄(特別表示態様)が出現するよりも前にそのカウント表示が消化し終わって演出対象になる演出が現れるものであってもよいし、大当り図柄(特別表示態様)が出現した後にそのカウント表示が消化し終わって演出対象になる演出が現れるもの(ダブル特別タイマ)であってもよい。
なお、変動表示中の演出と大当り遊技中の演出とは異なる演出内容が現れるものであり、通常、それらの間にはいずれの演出とも異なる演出切替時の演出(例えば、オープニング演出など)が実行されることが多い。この点、このような演出切替時の演出が実行される切替期間内ではいずれのタイマ演出もそのカウント表示が所定数値に達しないように設定した上で、該切替期間内ではカウント表示が非表示にされるようにすることが、2つの演出(ここでは、変動表示中の演出と大当り遊技中の演出)が互いに繋がっていないことを遊技者に認識させるようにする上で望ましい。ただしこの場合、タイマ演出のカウント表示が非表示にされている間も、時間が経過した分だけカウント表示が消化されるようにして、カウント表示が再び表示されるときには非表示にされた時点での数値よりも少ない値(カウントダウンではなく、カウントアップのときは多い値)になっているように制御することが望ましい。
そして、こうして特別タイマの実行態様が決定されるか(ステップS5514)、特別タイマの実行が決定されていないとき(ステップS5513におけるNO)は、次にステップS5515の処理として上記タイマ対象予告抽選やカウント表示抽選などで決定された予告演出を所定の記憶領域にセットした後、当該予告抽選にかかる処理を終了する。これにより、当該予告抽選にて決定された演出に相当する描画データなどが作成されて演出図柄変動中処理においてそれぞれの演出を出現させるべきタイミングで開始させる制御が行われるようになる。
一方、予告側タイマ演出に当選していない旨判断した場合(ステップS5503におけるNO)における上記第2ミッション演出抽選(ステップS5551)が行われた後は、予告側タイマ演出に関する各種の抽選(予告側タイマ種別抽選やシングル抽選など)を行うことなく、該第2ミッション演出抽選の結果としてミッション演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5552)に応じた内容(テーブル)でタイマ対象候補演出(予告側タイマ演出の演出対象になりうる予告演出)を対象にした演出抽選(ステップS5553,S5554,S5563,S5564)を行う。
より具体的には、以下のいずれかの処理を実行することとなる。
・予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5552におけるYES)がなされている第5の処理状況にある場合は、まず、該第5の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5553)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5554)。
・予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5552におけるNO)がなされている第6の処理状況にある場合は、まず、該第6の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5563)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5564)。
そして、図153を参照して上述した通り、予告側タイマ演出を実行しない第5,第6の処理状況であっても(ステップS5503におけるNO)、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされているときは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされていないときに比べてタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が多くなるように制御するようにしている。
図165は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5552におけるYES)がなされている第5の処理状況にある場合にステップS5553の処理において参照されるテーブルT5eの一例を示す図である。また、図166は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5552におけるNO)がなされている第6の処理状況にある場合にステップS5563の処理において参照されるテーブルT5fの一例を示す図である。
まず、図165に示されるように、テーブルT5eは、ミッション演出が実行される場合に参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときには当該テーブルT5eが参照されることはない。これに対し、図166に示されるように、テーブルT5fでは、ミッション演出が実行されない場合に参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときにも当該テーブルT5fは参照される。したがって、テーブルT5fでは、変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている。
また、テーブルT5e及びテーブルT5fではいずれも、予告側タイマ演出が実行されない第5,第6の処理状況にあるときに参照されるものであり、これらの処理状況においては、予告側タイマ演出の演出対象になりうるタイマ対象候補演出のいずれかを選択することが必須ではない。したがって、テーブルT5e及びテーブルT5fではいずれも、タイマ対象候補演出を必ずしも選択しなくてもいいように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている(予告数0)。
その他、テーブルT5e及びテーブルT5fにおいて同じリーチ演出の内容(キャラリーチやSPリーチ)のなかでも、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットインA)が現れない変動番号では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットインA)が現れない変動番号に比べて多くの数のタイマ対象候補演出が選択される割合が高くなっている点や、ハズレ時のキャラリーチである変動番号7では、タイマ対象候補演出が最大3つまでしか出現可能とされない点や、ハズレ時のSPリーチである変動番号15では、タイマ対象候補演出が最大5つまでしか出現可能とされない点などは、上述したテーブルT5aなどと同じである。
そして、図149に示されるように、こうして予告側タイマ演出が実行されない第5,第6の処理状況にあるときにどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理(ステップS5553,S5563)が行われた後に、該決定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるかについての判定処理(ステップS5554,S5564)を行う。ただし、上記予告数決定処理(ステップS5553,S5563)の結果としていずれのタイマ対象候補演出も出現させない旨の決定がなされた場合(予告数0)、タイマ対象予告抽選(ステップS5554,S5564)では、変動番号にかかわらずタイマ対象候補演出をいずれも選択しない一の処理結果を必ず選択することとなる。
図167は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5552におけるYES)がなされている第5の処理状況において、ステップS5553の処理を実行した結果として予告数を1にすることが決定された場合(ステップS5554)に参照されるテーブルT6e−1の一例を示す図である。また、図168は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5552におけるYES)がなされている第5の処理状況において、ステップS5553の処理を実行した結果として予告数を2にすることが決定された場合(ステップS5554)に参照されるテーブルT6e−2の一例を示す図である。
また、図169は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5552におけるNO)がなされている第6の処理状況において、ステップS5563の処理を実行した結果として予告数を1にすることが決定された場合(ステップS5564)に参照されるテーブルT6f−1の一例を示す図である。また、図170は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5552におけるNO)がなされている第6の処理状況において、ステップS5563の処理を実行した結果として予告数を2にすることが決定された場合(ステップS5564)に参照されるテーブルT6f−2の一例を示す図である。
例えば、同図167〜図170に示されるように、第5,第6の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6e,T6fは、予告側タイマ演出を実行しないことが決定されているときに参照されるものであることから、タイマ対象候補演出として実行することが決定されたN個の予告演出がいずれも予告側タイマ演出の演出対象として設定されることはなく、それらの全てが通常の予告演出の態様として実行されることとなる(図中、×印が通常の予告演出の態様として実行されることを示している)。
また、同図167〜図170に示されるように、第5,第6の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6e,T6fでは、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出を演出対象にすることがないことから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させる変動パターンに相当する変動番号9,10,13,14,17,18,21,22が取得されているときには、実行すべき予告演出として会話予告が選択されることがないように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。また、これも同様、該テーブルT6e,T6fでは、変動演出の演出内容としてカットインA,Bを出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号11〜14,19〜22が取得されているときには、実行すべき予告演出としてカットインA,Bが選択されることがないように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。
また、同図167〜図170に示されるように、第5,第6の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6e,T6fは、予告側タイマ演出が実行されないときに参照されるものであるから、選択対象とされる予告演出のなかに予告側タイマ演出を行うことを前提とした演出(ここでは、特別タイマ)が含まれていない。
その他、第5の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6eでは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、図148に併せて示されるように、変動演出の内容として「会話予告」を実行する変動番号10,14,18,22が取得されている場合や、タイマ対象候補演出(予告演出の内容)として「会話予告」を選択した場合(PTN1)は、特別表示(ミッション成功)が表示されて大当り図柄が現れることが確定的に示唆される点などは、上述のテーブル6aの場合と同じである。
また、第6の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6fでは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行されないときに参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている点などは、上述のテーブル6aの場合と同じである。
そして、図149に示されるように、上記ステップS5503の処理において予告側タイマ演出を実行しないことが決定された場合においても、こうしてタイマ対象予告抽選(ステップS5554,S5564)が行われた後は、大当りの当落結果や変動パターン(変動番号)などに基づいて予告側タイマ演出の演出対象となりえない演出として用意されている非対象演出E1〜E3,Fのうちいずれの演出を実行するかについての判定処理(第3のタイマ非対象予告抽選:ステップS5555)が行われる。
なお、ステップS5555で参照されるテーブルは割愛するが、基本的には、特殊タイマでないときに参照されるテーブルT7b(第2のタイマ非対象予告抽選)と同じ態様になっており、例えば、予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときには、予告Fを実行する態様(PTN5,6)が選択されたときに比べて大当り期待度が低くなっている。
そして、こうして第3のタイマ非対象予告抽選(ステップS5555)が行われた後は、次にステップS5515の処理として上記タイマ対象予告抽選(ステップS5554,S5564)や第3のタイマ非対象予告抽選(ステップS5555)などで決定された予告演出を所定の記憶領域にセットした後、当該予告抽選にかかる処理を終了する。これにより、当該予告抽選にて決定された演出に相当する描画データなどが作成されて演出図柄変動中処理においてそれぞれの演出を出現させるべきタイミングで開始させる制御が行われるようになる。
なお、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、ステップS5503の処理において予告側タイマ演出を実行しないことが決定された場合、タイマ対象予告抽選と第3のタイマ非対象予告抽選とを別の処理として行うこととした。ただし、ステップS5503の処理において予告側タイマ演出を実行しないことが決定された場合は、予告側タイマ演出との関係で非対象演出E1〜E3,Fの実行態様を決定する必要がないことから、タイマ対象予告抽選と第3のタイマ非対象予告抽選とを一の抽選処理内で実行するようにしてもよい。
また、上述の特殊タイマの態様(非対象予告E2は、予告側タイマ演出のカウント表示が行われていない状況では非対象予告Fと比べて大当り期待度が低くなるように設定されるのに対し、予告側タイマ演出のカウント表示が行われている状況では非対象予告Fと比べて大当り期待度が高くなるように設定される)を採用しないようにする場合も、予告側タイマ演出との関係で非対象演出E1〜E3,Fの実行態様を決定する必要がないことから、タイマ対象予告抽選と第3のタイマ非対象予告抽選とを一の抽選処理内で実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、予告側タイマ演出の実行有無を決定した後に、予告演出としていずれの演出をどのような態様で実行するかについての判定処理を行うこととしたが、予告演出としていずれの演出をどのような態様で実行するかを決定した後に予告側タイマ演出の実行有無や実行態様を決定するようにしてもよい。
ところで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上述の通り、始動口2002,2004への入賞(遊技球の受け入れ)が発生したとき、該入賞に応じた保留情報についての先読み演出を行うか否かについての判定処理を行う(ステップS5245,S5255)。この点、この判定処理では、保留情報に含まれる大当り判定の当落や変動パターンにかかる情報などに基づいて、先読み演出の対象とされる保留表示の表示態様(色や形態など)を変化させる保留変化演出についての抽選(実行の有無や、表示態様についての抽選)や、複数変動に跨る先読みゾーン演出についての抽選(実行の有無や、実行態様(色や連続実行数など)についての抽選)などを行うほか、該保留情報に応じた変動表示を「タイマ先読み演出」の対象にするか否かについての抽選を行うこととしている。
ここで、タイマ先読み演出とは、出現すると保留状態にあった変動表示(演出対象の変動表示)が実行中になったときに該変動時間内で予告側タイマ演出が出現する割合が高くなる演出のことであり、例えば、演出表示装置1600などにおいて、入賞したタイミング(タイマ先読み演出に当選したタイミング)以降に開始される特別図柄の変動表示の開始タイミングで、所定画像(例えば、「タイマ準備中」など)を表示することによって実行される。なお、入賞したタイミング(タイマ先読み演出に当選したタイミング)で所定画像(例えば、「タイマ準備中」など)を出現させない理由は、いずれの保留情報に対応したタイマ先読み演出であるのかを遊技者側に認識し難くするためである。
このようなタイマ先読み演出によれば、いずれの保留表示に対応したものであるかを不特定としたままで複数回の変動表示にわたって予告側タイマ演出の出現する割合が高いことを示唆することができるようになることから、複数回の変動表示にわたって遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。しかしながら、先行演出(先読み演出)のうち、このようなタイマ先読み演出を含めて、いずれの保留表示に対応したものであるかを特定せず複数回の変動表示にわたって連続(または継続)させるタイプの演出(先行期間演出)を実行する場合は、同じタイプの演出(先行期間演出)とその実行期間が重なってしまうようなことがあると、演出が複雑になりすぎて何を対象・目的にした演出であるのかを理解できず遊技興趣が低下してしまう懸念がある。
したがって、このような先行期間演出を実行するか否かの判断(入賞時の先読み判定)に際しては、先に入賞された他の保留情報に応じた先行期間演出が実行されておらず且つ実行待ちの状態にもなっていないかについての判断を行う。そして、先に入賞された他の保留情報に応じた先行期間演出が実行されておらず且つ実行待ちの状態にもなっていないことを少なくとも条件として、上記タイマ先読み演出などの先行期間演出を新たに発生させる旨の判断を行いうるようにしている。これにより、2つの先行期間演出が重なって実行されることが回避されるようになり、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
なお、先行期間演出としては、例えば、上記タイマ先読み演出のほか、複数変動にわたって停止図柄の少なくとも一部を同じ態様(数字の色など)として出現させる同態連続先読み演出や、複数変動にわたって背景画像を特別な態様に変化させる先読みゾーン演出などを採用することが可能である。そして、上記処理(入賞時の先読み判定)では、これらの先行期間演出のうち、同種別の先行期間演出が重なって出現しないことはもとより、異種別の先行期間演出であってもこれらの実行期間が重ならないように制御されることとなる。先読み演出のうち、いずれの保留表示に対応したものであるかを特定して複数回の変動表示にわたって行われるタイプの演出(例えば、保留変化演出など)については、これらの先行期間演出の実行状況にかかわらず出現可能としうるようにすることが望ましいが、先行期間演出が実行中または実行待ちの状況にあるときに新たな入賞が発生した場合は、該状況にないときに新たな入賞が発生した場合に比べて該入賞に応じた先読み演出として当該タイプの演出(例えば、保留変化演出など)の出現割合が低くなるように、上記入賞時の先読み判定を行うようにすることが望ましい。
このように、タイマ先読み演出などの先行期間演出(いずれの保留表示に対応したものであるかを特定せず複数回の変動表示にわたって連続(または継続)させるタイプの演出)が実行されている間は遊技球の入賞が新たに発生したとしてもこれに対応する先行期間演出についてはこれが発生しないようにする禁止制御を行うようにしたことで、2つの先行期間演出が干渉してしまうことによる遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。しかしながら、このような禁止制御を行うようにすると先行期間演出が禁止制御の対象にされる分だけ、上記先行演出として先行期間演出が行われる頻度が低くなってしまい、遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、保留情報に対応する特別図柄の変動表示が未だ開始されていないなかで該保留情報に対応した先行期間演出を実行するときには、まず、特定の演出制限状況にある旨を示す情報を設定する。そして、先に記憶された保留情報によって該情報が設定されているときに保留情報が新たに記憶された場合、該先に記憶された保留情報に対応する特別図柄の変動表示が少なくとも終了されるまでの間は上記新たに記憶された保留情報に対応した先行期間演出は実行されない一方で、上記先に記憶された保留情報に対応する特別図柄の変動表示が終了した以降に上記新たに記憶された保留情報に対応した先行期間演出が実行されうるように制御することとしている。
すなわちこの場合、保留情報が新たに記憶された時点では該保留情報に対応した先行期間演出の実行が許容されない旨の判断が一旦なされたとしても、その後、遊技が進行されて先に記憶された保留情報に対応した先行期間演出との間での演出干渉が発生する懸念がなくなった遊技状況になると、実行が許容されない旨の判断が一旦なされた上記先行期間演出の実行が許容されるようになることから、先行期間演出に対する禁止制御を行いつつも該先行期間演出が行われる頻度を好適に維持することができるようになり、これによって遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
より具体的には、新たな入賞が発生した場合における第1特図先読み処理(図135:ステップS5245)や第2特図先読み処理(図136:ステップS5255)では、まず、上記第一特別保留数カウンタまたは上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値などに基づいて該新たな入賞の保留順位(消化順位)が何番目であるかを判断する。例えば、第1特図先読み処理の場合であれば、まず、新たな入賞に応じた保留情報が上記第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域dのいずれに記憶されている状態にあるかを判断する。そしてこの後、新たな入賞よりも先に記憶されており変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報とのなかに上記先行期間演出の実行対象になっているものがあるかを判断する。そしてこの結果、上記先行期間演出の実行対象になっている特定の保留情報がある場合であっても新たな入賞に応じた先行期間演出の実行を全面的に禁止にするのではなく、上記特定の保留情報に応じた変動表示が終了した以降の期間においては新たな入賞に応じた先行期間演出の実行が許容されるように制御することとしている。
以下、こうした制御を実現する手法について、より詳細な遊技状況を例に挙げて説明する。
図171(a)は、変動表示が実行中の状態にある保留情報(第1特別図柄)と変動表示が未実行の状態にある3つの保留情報(いずれも第1特別図柄)とが記憶されている状態において新たな入賞(第1特別図柄)が発生したときに第1特図先読み処理内で参照されるテーブルT7aについてその一例を示す図である。また、図171(b)は、変動表示が実行中の状態にある保留情報(第1特別図柄)と変動表示が未実行の状態にある2つの保留情報(いずれも第1特別図柄)とが記憶されている状態において新たな入賞(第1特別図柄)が発生したときに第1特図先読み処理内で参照されるテーブルT7bについてその一例を示す図である。
同図171(a)に示されるように、このテーブルT7aでは、変動表示が実行中の状態にある保留情報(第1特別図柄)と変動表示が未実行の状態にある3つの保留情報(いずれも第1特別図柄)とのうちのいずれが先行期間演出の対象になっているのか、またはいずれも先行期間演出の対象になっていないのかに応じて、新たな入賞(第1特別図柄)に応じた保留情報をどのタイミングから先行期間演出の対象にすることができるのか(先読み可能変動数)についての判定を行いうるものとなっている。
例えば、テーブルT7aにおいては、変動表示が実行中の状態にある保留情報(第1特別図柄)と変動表示が未実行の状態にある3つの保留情報(いずれも第1特別図柄)とのいずれもが先行期間演出の対象になっていなければ、保留1(第一特別図柄保留記憶領域aに記憶されている1番目の保留情報)に応じた変動表示と、保留2(第一特別図柄保留記憶領域bに記憶されている2番目の保留情報)に応じた変動表示と、保留3(第一特別図柄保留記憶領域bに記憶されている3番目の保留情報)に応じた変動表示と、当該新たな入賞に応じた保留4(第一特別図柄保留記憶領域dに記憶されている4番目の保留情報)に応じた変動表示との4つの変動表示期間にわたって、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることが判定(先読み変動可能数が4である旨の判定)される。すなわちこの場合、実行中の状態にあった変動表示が終了し、1番目の保留情報に応じた変動表示が開始される以降のタイミングで、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行が許容されることとなる。
また、テーブルT7aにおいて、変動表示が実行中の状態にある保留情報が先行期間演出の対象になっている場合は、保留2に応じた変動表示と、保留3に応じた変動表示と、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示との3つの変動表示期間にわたって、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることが判定(先読み変動可能数が3である旨の判定)される。すなわちこの場合、実行中の状態にあった変動表示が終了し、1番目の保留情報に応じた変動表示がさらに終了して、2番目の保留情報に応じた変動表示が開始される以降のタイミングで、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行が許容されることとなる。
ここで、変動表示が実行中の状態にある保留情報が先行期間演出の対象になっている場合であっても、保留1に応じた変動表示と、保留2に応じた変動表示と、保留3に応じた変動表示と、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示との4つの変動表示期間にわたって、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることを判定(先読み変動可能数が4である旨の判定)するようにしてもよい。ただしこの場合、実行中の状態にある変動表示で現れていた先行期間演出と、保留1に応じた変動表示で開始される新たな先行期間演出とが連続して実行されることとなり、これらの先行期間演出が同じ演出であるのか(前の先行期間演出が継続しているのか)、それとも別の先行期間演出が新たに開始されているのか(前の先行期間演出は終了しているのか)の見分けがし難くなることから、先行期間演出が終了してからの最初の変動表示では先行期間演出が新たに発生しないようにこれを禁止期間として設定する手法(テーブルT7aで採用される手法)を採用するようにすることがより望ましい。なお、こうした手法は、テーブルT7aのみならず、他のテーブルT7(テーブルT7bのほか、図示しないテーブル)においても採用されている。
また、テーブルT7aにおいて、保留1が先行期間演出の対象になっている場合は、保留3に応じた変動表示と、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示との2つの変動表示期間にわたって、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることが判定(先読み変動可能数が2である旨の判定)される。すなわちこの場合、実行中の状態にあった変動表示が終了し、1番目の保留情報に応じた変動表示が終了し、2番目の保留情報に応じた変動表示がさらに終了して、3番目の保留情報に応じた変動表示が開始される以降のタイミングで、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行が許容されることとなる。
また、テーブルT7aにおいて、保留2が先行期間演出の対象になっている場合は、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示の期間のみで、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることが判定(先読み変動可能数が1である旨の判定)される。すなわちこの場合、実行中の状態にあった変動表示が終了し、1番目の保留情報に応じた変動表示が終了し、2番目の保留情報に応じた変動表示が終了し、3番目の保留情報に応じた変動表示がさらに終了して、4番目の保留情報に応じた変動表示が開始される以降のタイミングで、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行が許容されることとなる。
また、テーブルT7aにおいて、保留3が先行期間演出の対象になっている場合は、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出が実行可能でないことが判定(先読み変動可能数が0である旨の判定)される。すなわちこの場合、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行は許容されない。
これに対し、テーブルT7bでは、先行期間演出の対象になっているかの判定対象として保留3が含まれておらず、上記テーブルT7aと比べるとその分だけ判定結果として得られる先読み可能変動数が少なくなっているが、基本的には、テーブルT7aと同様であるから、説明は割愛することとする。また、保留2入賞時や保留1入賞時にもこれらと同様のテーブルが用意されているが説明は割愛する。
ちなみに、保留4の入賞時などには、先行期間演出の対象になっている保留情報が2つ存在する場合も想定されるが、この場合は、保留順の遅い側の保留情報に基づいていずれの先読み可能変動数にするかを決定する。例えば、保留4の入賞時、テーブルT7aにおいて、変動保留と保留2とがそれぞれ別の先行期間演出の対象になっている場合は、保留順の遅い側の保留2が先行期間演出の対象になっているときの「先読み可能変動数=1」を決定することとなる。
また上述の通り、このような先行期間演出の禁止期間にかかる制御は、いずれの保留表示に対応したものであるかを特定せず複数回の変動表示にわたって連続(または継続)させるタイプの演出の実行状況をもとに、該タイプの演出の禁止期間を設定することを目的としてなされるものである。したがって、いずれの保留表示に対応したものであるかを特定するタイプの演出(保留変化演出)などの実行状況によって先行期間演出の禁止期間が発生することはないし、先行期間演出の実行状況(先読み可能変動数=0であったとしても)によっていずれの保留表示に対応したものであるかを特定するタイプの演出(保留変化演出)が禁止にされることはない。
また、先行期間演出の禁止期間にある場合であっても、タイマ先読み演出のうち、後述の第1先行態様や第2先行態様で行われるタイマ先読み演出については予告側タイマ演出を出現させることに確実性が求められないことからこれを出現させるようにしてもよい。
なお、先行期間演出の禁止制御として、変動表示が未実行の状態にある保留情報のなかに第2特別図柄側の保留情報が含まれている場合、該第2特別図柄側の保留情報が先行期間演出の対象になっていなかったとしても、該第2特別図柄側の保留情報に応じた変動表示が終了されるまでの間は新たな先行期間演出が開始されないように制御するようにしてもよい。またこの際、第2特別図柄側の保留情報に応じた変動表示が終了した次の変動表示の期間を禁止期間とする必要はなく、該次の変動表示が実行されるときから新たな先行期間演出が開始されることを許容するようにすることが望ましい。
また、このように保留に対して設定されている先読み演出の状況を確認してその結果に応じて先読み変動可能数を決定する処理については、保留消化される都度、または新たな入賞が発生する都度に行うようにすることが望ましい。
そして、第1特図先読み処理(図135:ステップS5245)や第2特図先読み処理(図136:ステップS5255)では、こうして先読み可能変動数が決定されると、該決定された期間(先読み可能変動数)でどのような態様の先行期間演出を実行するか(実行の有無も含めて)についての判定処理を行う。
例えば、まず、新たな入賞に応じた保留情報を対象にしていずれの種別の先行期間演出を実行するかを判定する。上述の通り、先行期間演出の種別としては、複数変動に跨って関連した背景画像を表示する先読みゾーン演出や、予告側タイマ演出が実行される可能性が高いことを示唆する特定先行表示を複数変動に跨って表示するタイマ先読み演出などを選択候補として用意することが可能である。そしてこの結果、先行期間演出の種別が決定されると、該決定された種別の先行期間演出をどのような態様で実行するかについての判定処理が行われることとなる。
図172(a),(b)は、先読み変動可能数が4である状況においてタイマ先読み演出の実行態様を決定するときに参照されるテーブルT8a−1,テーブルT8a−2についてその一例を示す図である。図173(a),(b)は、先読み変動可能数が3である状況においてタイマ先読み演出の実行態様を決定するときに参照されるテーブルT8b−1,テーブルT8b−2についてその一例を示す図である。
上述の通り、タイマ先読み演出とは、出現すると先読み対象になっている保留情報が消化されたときに予告側タイマ演出が出現する割合が高くなる演出のことであり、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、予告側タイマ演出の出現する割合が異なる第1先行態様や第2先行態様、第3先行態様などでタイマ先読み演出を実行するようにしている。
ここで、第1先行態様とは、例えば、演出表示装置1600において「タイマ発生の予感」といった第一態様が表示されるものであり、該第1先行態様でタイマ先読み演出が実行されたときに予告側タイマ演出が実行される確率は概ね20%に設定されている(ステップS5502)。
また、第2先行態様とは、例えば、演出表示装置1600において「タイマ発生チャンス」といった第二態様が表示されるものであり、該第2先行態様でタイマ先読み演出が実行されたときに予告側タイマ演出が実行される確率は概ね80%に設定されている(ステップS5502)。
また、第3先行態様とは、例えば、演出表示装置1600において「タイマ準備中」といった第三態様が表示されるものであり、該第3先行態様でタイマ先読み演出が実行されたときには予告側タイマ演出が必ず(100%でなくても、第2先行態様よりも高い確率であってもよい)実行されるようになっている(ステップS5502)。
そして、先読み判定用の大当りの当落に関する情報や、先読み判定用の変動パターン番号に関する情報などに基づいて、タイマ先読み演出としていずれの実行態様で実行するかを決定することとなる。例えば、先読み変動可能数が4である状況においては、図172(a),(b)に示されるテーブルT8a−1,T8a−2を参照して、変動番号1〜22に相当する先読み用の情報と該情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいていずれかの態様を選択するとともに、先読み変動可能数が3である状況においては、図173に示されるテーブルT8b−1,T8b−2を参照して、変動番号1〜22に相当する先読み用の情報と該情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいていずれかの態様を選択する。
同図172(a)に示されるように、テーブルT8a−1では、最終的に第1先行態様が現れている状態で当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が開始される態様として以下の3つの態様が用意されている。
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3及び保留2の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留1の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示する態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留2の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示してこれを保留1の状態においても継続させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示してこれを保留2、保留1の状態においても継続させる態様
また、テーブルT8a−1では、最終的に第2先行態様が現れている状態で当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が開始される態様としては、以下の6つの態様が用意されている。
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3及び保留2の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留1の状態にあるときにタイマ先読み演出を第2先行態様(タイマ発生チャンス)で表示する態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留2の状態にあるときにタイマ先読み演出を第2先行態様(タイマ発生チャンス)で表示してこれを保留1の状態においても継続させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第2先行態様(タイマ発生チャンス)で表示してこれを保留2、保留1の状態においても継続させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留2の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示するとともに、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留1の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)から第2先行態様(タイマ発生チャンス)に変化させて表示させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示してこれを保留2の状態においても継続させるが、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留1の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)から第2先行態様(タイマ発生チャンス)に変化させて表示させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示するとともに、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留2の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)から第2先行態様(タイマ発生チャンス)に変化させて表示してこれを保留1の状態においても継続させる態様
なお、これらの第1先行態様及び第2先行態様のタイマ先読み演出については保留1の状態において表示された後、該保留情報が消化されて変動表示が開始された以降も継続して表示されるようにすることが望ましい。また、該保留情報が消化されて開始された変動表示においてさらに態様が変化しうるようにしてもよい。また、当該変動表示において予告側タイマ演出が開始されるときに第1先行態様及び第2先行態様のタイマ先読み演出を非表示にするようにしてもよいが、予告側タイマ演出が開始される場合であっても、該予告側タイマ演出が開始されるよりも前に第1先行態様及び第2先行態様を非表示にする態様や、該予告側タイマ演出が開始された以降も表示が継続されてその後の所定のタイミングで非表示にされるようにすれば、面白みを付与することができるようになる。なお、第1先行態様及び第2先行態様のいずれかでタイマ先読み演出を実行したにもかかわらず予告側タイマ演出が実行されない場合は、図柄変動が開始されてから所定時間が経過したときに非表示にされることとなる。また、この非表示にされるタイミングについては、予告側タイマ演出が実行される場合に非表示にされるタイミング(上記所定のタイミングなど)と同じであることがより望ましい。
この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、いずれも出現すると予告側タイマ演出の実行割合が高くなるタイマ先読み演出であるにもかかわらず、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出と、第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出とを、互いに別の異なる演出として出現させるようにしている。したがって、テーブルT8a−1の内容からも明らかであるように、第1先行態様や第2先行態様が表示されている状態において、タイマ先読み演出をこれらの先行態様から第3先行態様に変更させて表示する態様についてはこれを採用しないようにしている。また、第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出が出現している状況において第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出が出現することや、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出が出現している状況において第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出が出現することが生じうるようになっている。
したがって、先読み変動可能数が4である状況においては、図172(a)に示されるテーブルT8a−1を参照して第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出に関する実行態様を決定することはもとより、図172(b)に示されるテーブルT8a−2を参照して第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出に関する実行態様をさらに決定することとなる。
ここで、図172(b)に示されるように、この実施の形態にかかるテーブルT8aでは、最終的に第3先行態様が現れている状態で当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が開始される態様としては、以下の一の態様しか用意していない。
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第3先行態様(タイマ準備中)で表示してこれを保留2、保留1の状態においても継続させる態様
ただし、第3先行態様の場合も、上記一の態様に限らず、上述の第1先行態様の場合と同様、保留3や保留2の状態にあるときにはいずれのタイマ先読み演出も出現させず、途中から第3先行態様を表示させる態様なども選択しうるようにしてもよい。
このような構成によれば、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出が実行される場合と、第3先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出が実行される場合と、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出及び第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出の両方がそれぞれ実行される場合とが現れるようになる。
そして、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出及び第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出の両方がそれぞれ実行される場合は、予告側タイマ演出が実行されることが確定的に示唆されている状況にあることから、第1先行態様から第2先行態様に変化するかなどの演出を余裕や安心感のあるなかで楽しむことができるようになる。
また、第1先行態様のタイマ先読み演出と、第2先行態様のタイマ先読み演出と、第3先行態様のタイマ先読み演出とが同時に出現しうるように制御してもよい。
なお、上記第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出についても対象になる保留情報が消化されて変動表示が開始された以降も継続して表示されるようにすることが望ましい。そしてこの場合、対象になる保留情報が消化されて変動表示が開始された以降、予告側タイマ演出が開始されるときに第3先行態様(タイマ準備中)が非表示にされることとなる。
また、この実施の形態では、タイマ先読み演出の第3先行態様を、演出表示装置1600において「タイマ準備中」を表示する態様として採用することとしたが、例えば、保留1の状態において、予告側タイマ演出の演出対象にされている演出(未実行の変動表示内で現れる演出)に向けてのカウント表示を開始する態様として採用するようにしてもよい。すなわちこの場合、例えば、保留1の状態が継続される残り時間(保留1の状態にあるときに変動表示の状態にある特別図柄の残り変動時間)と、保留1が消化されてその変動表示が開始されてから予告側タイマ演出の演出対象にされている演出が開始されるまでの時間とを合算した時間にわたってカウント表示が行われることとなり、タイマ先読み演出(第3先行態様)と予告側タイマ演出とが2つの変動表示で連なった一のカウント表示として実行されるようになる。
この点、第3先行態様をこのような予告側タイマ演出と連なった一のカウント表示として実現する場合、保留3や保留2ではカウント表示を実行せず、保留1の状態にあるときにカウント表示を実行するようにすることが望ましい。すなわち、保留3や保留2にあるときにカウント表示を開始するようにしてしまうと、保留1の状態になったときの保留数に応じて「予告側タイマ演出の演出対象にされている演出(未実行の変動表示内の演出)が開始されるまでの残り時間」が変化することで、同演出に向けてのカウント表示(所定数になるまでのカウント表示)を適切に実行することができなくなる懸念があるためである。
なお、図173(a)に示されるテーブルT8b−1や図173(b)に示されるテーブルT8b−2については、図172(a)に示されるテーブルT8a−1や図172(b)に示されるテーブルT8a−2と基本的に同じ関係にあることから、詳述は割愛することとする。
また上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、第1特図先読み処理(図135:ステップS5245)や第2特図先読み処理(図136:ステップS5255)において保留変化演出についての判定処理も行う。この保留変化演出とは、入賞に応じて取得される保留情報に対応する保留表示の態様を通常保留の態様とは異なる複数の態様のいずれかに変化させることで、いずれの態様で保留表示が表示されるかによって該保留表示が消化されたときの大当り期待度を示唆するようにしたものである。
より具体的には、この実施の形態にかかる保留表示としては、保留変化演出が行われないときの通常保留の態様のほかに、白点滅で表示する態様、青色で表示する態様、緑色で表示する態様、赤色で表示する態様、レインボー色で表示する態様のいずれかで表示することが可能となっており、基本的には、白点滅で表示する態様で保留表示されたときの大当り期待度が低くなっており、青色、緑色、赤色の順番で次第に大当り期待度が高くなる関係にあり、レインボー色で表示する態様で保留表示されると保留消化されたときに大当り図柄が現れる確率が100%になる関係となるように設定されている。なお、通常保留の態様に対しても自ずと大当り期待度が設定されることとなるが、該通常保留が表示されているときの大当り期待度については、白点滅で表示する態様より低くするようにしてもよいし、白点滅で表示する態様と同じかそれよりも高くするようにしてもよい。
したがって、通常は、例えば白点滅や青色で表示する態様が現れると、緑色や赤色で表示するときよりも大当り期待度の低い第一の演出状況が提供されることとなる。ただし、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、所定条件下では緑色や赤色ではなく、白点滅や青色で表示する態様が現れると大当り期待度が高くなる第二の演出状況を提供しうる制御を実行可能としている。
図174は、変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報(例えば、保留1〜保留3)とのなかに大当り図柄を出現させるものがないときに参照される通常時保留変化テーブルT9aを示す図である。また、図175は、変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報(例えば、保留1〜保留3)とのなかに大当り図柄を出現させるものがあるときに参照される特別時保留変化テーブルT9bを示す図である。
この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、始動口2002,2004への新たな入賞(遊技球の受け入れ)が発生したとき、第1特図先読み処理(図135:ステップS5245)や第2特図先読み処理(図136:ステップS5255)において、該新たな入賞よりも先に記憶されており変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報(例えば、保留1〜保留3)とのなかに大当り図柄を出現させるもの(大当り判定または先読み判定の結果として大当りに当選する旨の判定がなされたもの)があるかを判断する。そしてこの結果、大当り図柄を出現させるものがない旨判断した場合は、白点滅、青色、緑色、赤色、レインボー色の順番で次第に大当り期待度が高くなる関係に設定されている通常時テーブルT9a(図174)を参照して保留変化演出を実行することで、通常は、例えば白点滅や青色で表示する態様が現れると、赤色で表示するときよりも大当り期待度の低い第一の演出状況が提供されるようにしている。
ただし、新たな入賞よりも先に記憶されており変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報とのなかに大当り図柄を出現させるものがある旨判断した場合(稀な事象が発生した場合)は、特別時保留変化テーブルT9b(図175)を参照して保留変化演出を実行することで、上記第二の演出状況を提供するようにしている。
すなわち、図175に示されるように、特別時保留変化テーブルT9bでは、まず、保留表示の態様に関する赤色及びレインボー色については、新たな入賞に応じた保留情報として取得されている「大当りの当落に関する先読み情報」や「変動パターンに関する先読み情報」がいずれの内容を示していたとしてもこれらが選択されることがないように演出乱数の振り分けがなされている。
また、保留表示の態様に関する緑色については、通常時保留変化テーブルT9aでは選択可能とされるように演出乱数が振り分けられている変動パターン(変動番号7〜14)であっても、特別時保留変化テーブルT9bでは選択されることがないように演出乱数の振り分けがなされている。この点、変動パターンに関する先読み情報がSPリーチに相当するものである場合は(変動番号15〜22)、特別時保留変化テーブルT9bにおいても緑色が選択されうるようになっているが、通常時保留変化テーブルT9aと比べて大当りに当選するときも落選するときも緑色の出現確率が低くなるように演出乱数の振り分けがなされている。
これに対し、保留表示の態様に関する白点滅や青色について、特別時保留変化テーブルT9bでは、通常時保留変化テーブルT9aと比べて大当りに当選するときも落選するときもそれらの出現確率が高くなるように演出乱数の振り分けがなされている。また、保留表示の態様に関する白点滅や青色については、通常時保留変化テーブルT9aにおいて選択されることがない変動番号1,2であっても、特別時保留変化テーブルT9bでは、選択可能とされるように演出乱数の振り分けがなされている。
このような構成によれば、例えば、大当り図柄の現れる期待度の高い演出(例えば、SPリーチの変動パターンで役物B動作を対象にした予告側タイマ演出が出現される演出)が実行されている間に新たな入賞が発生した場合(所定条件下にある場合)、該新たな入賞に応じた保留表示として緑色または赤色の態様が現れると当該実行中の高期待演出で大当り図柄が現れることへの期待を持ち難くなってしまうのに対し、白点滅や青色の態様が現れると当該実行中の高期待演出で大当り図柄が現れることへの期待を相対的に持ち易くなる第二の演出状況を提供することができるようになる。
特に、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上述の通り、タイマ先読み演出の第3先行態様として、保留1の状態が継続される残り時間(保留1の状態にあるときに変動表示の状態にある特別図柄の残り変動時間)と、保留1が消化されてその変動表示が開始されてから予告側タイマ演出の演出対象にされている演出が開始されるまでの時間とを合算した時間にわたってのカウント表示を実行可能としている。すなわちこの場合、演出表示装置1600においてカウント表示が現れたとしても該カウント表示が所定数値に達するよりも前に変動表示が終了して次の変動表示が開始される可能性が生じるようになることから、上述の特別時保留変化テーブルT9bを用いた制御と相まって遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
例えば、保留1として白点滅または青色の保留表示が現れている状況において変動表示(例えば、SPリーチ)の実行中に予告側タイマ演出のカウント表示(若しくは、タイマ準備中)が現れているとすると、以下の第1の遊技進行よりも第2の遊技進行のほうが大当り図柄が現れることへの期待感を持つことができるようになる。
・予告側タイマ演出が、低期待度(白点滅または青色)しか示していない保留1内の演出を演出対象としており、実行中の変動表示(例えば、SPリーチ)がハズレ態様で終了した後に保留1の保留情報に応じた変動表示が開始される第1の遊技進行
・予告側タイマ演出が、低期待度(白点滅または青色)しか示していない保留1内の演出ではなく、実行中の変動表示(例えば、SPリーチ)内の演出を演出対象にしている第2の遊技進行
すなわち、大当り期待度の高い予告側タイマ演出(例えば、出現すると十%以上の確率で大当り図柄が現れる)が実行されるにもかかわらず、該予告側タイマ演出が低期待度(例えば、出現しても数%程度の確率でしか大当り図柄が現れない白点滅または青色)の保留1内の演出を演出対象にするようなことがあると、大当り図柄が現れる可能性が大幅に低減してしまうかのような演出状況になるが、上記第2の遊技進行によれば、このような演出状況が発生することを回避したことによるチャンスアップと、実行中の変動表示が大当りであるからこそ特別時保留変化テーブルT9b(図175)が参照されて保留1の保留表示が(出現確率の高い)白点滅または青色になっている演出状況にあることを期待できることによるチャンスアップ(大当り期待度の高い予告側タイマ演出が「実行中の変動表示内の演出」を演出対象としていることも「実行中の変動表示が大当りである」ことを裏付けているかのように機能する)とのダブルでチャンスアップが生じるようになることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、タイマ先読み演出の第3先行態様はカウント表示ではなく「タイマ準備中」として実行されるようにしてもよい。すなわちこの場合、「タイマ準備中」が表示されている状況からカウント表示に切り替わった時点で当該変動表示内の演出を演出対象にした予告側タイマ演出が実行されることを認識することができるようになることから、該カウント表示が現れた時点で白点滅または青色になっている保留表示があるときには当該変動表示で大当り図柄が現れることを期待することができるようになる。
これに対し、緑色や赤色(特に赤色)の保留表示が表示されている状況において「タイマ準備中」が非表示になってカウント表示が開始されると、予告側タイマ演出が行われるにもかかわらず当該変動表示内で大当り図柄が現れることへの期待感を持ち難くなってしまうことはもとより、緑色や赤色(特に赤色)の保留表示に対してさらなる期待度アップを生じさせるように予告側タイマ演出が機能し得なくなってしまう。したがって、緑色や赤色(特に赤色)の保留表示が表示されている状況において「タイマ準備中」が表示されている場合は、緑色や赤色(特に赤色)の保留表示が消化されるまでの間はカウント表示が開始されないことを願うようになり、カウント表示(予告側タイマ演出)が開始されるまでの期間内での遊技興趣を維持することが期待されるようになる。
また、このような構成によれば、実行中の変動表示で大当り期待度の高い演出が出現したときには、新たな入賞を発生させて白点滅、青色、緑色、赤色などのいずれの態様の保留表示が現れるかを確認するようにすることで、実行中の変動表示で大当り図柄が現れるか否かを所定確率で予測可能となることから遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、このような特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出は、新たな入賞に応じた保留表示に対して実行されるものではあるが、その演出対象は、実際には、「新たな入賞に応じた保留情報(保留変化のあった保留情報)の変動表示で大当り図柄が現れるか」ではなく、「新たな入賞よりも前に記憶されている保留情報(保留変化の対象にならない保留情報)の変動表示で大当り図柄が現れるか」についての演出として機能するようになっている。したがって、新たな入賞が発生したときに何らの保留変化が実行されなかったり上述の先行期間演出の禁止対象にされたりした場合であっても、その後に入賞した保留情報によって特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出が実行されると、何らの先読み演出も実行されなかった保留情報に対して先読み演出が事後的に生じたかのような演出として機能しうるようになることから、先読み演出が行われないことによる遊技興趣を低下させることが期待されるようになる。
なお、特別時保留変化テーブルT9bでは、緑色の態様について、一部のリーチ種別では選択されうるようにしたが、赤色の態様と同様、いずれの変動パターンであっても選択されないようにしてもよい。要は、保留表示として出現しうる期待度の高い態様の出現する割合が、通常時保留変化テーブルT9aに比べて低い割合(0も含む)になっていれば、カウント表示が現れた時点で白点滅または青色になっている保留表示があるときの遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、保留変化については、入賞時や、変動開始時、変動途中の所定タイミングで生じさせることが可能であり、その回数についても複数回にわたって生じさせるようにしてもよい。すなわちこの場合、白点滅または青色になっている保留表示に応じた変動表示において予告側タイマ演出のカウント表示が開始された場合であっても、白点滅または青色が緑色や赤色に変化する可能性があることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。なお、この実施の形態では、保留消化に応じて行われる図柄変動中においても該消化対象になった保留表示に対応した表示(既に保留状態ではないが、保留状態にあったときの保留表示に対応した表示)が表示されることや、該保留表示に対応した表示の態様がさらに変化(保留変化)することは上述した通りである。
ただし、このような特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出を実現した場合、変動表示の実行中に高期待度の特定演出が実行されているなかで新たな入賞が発生して該入賞に応じた保留表示が赤色であるようなことが生じると、高期待度の特定演出(例えば、役物B動作を演出対象にしているタイマ演出など)が実行されている変動表示で大当り図柄が現れないことを確定的に示唆する状況にもなりかねず、遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、タイマ演出のうち少なくとも役物B動作を演出対象にしている特定のタイマ演出が実行されている期間中(高期待度の特定演出が実行されている期間中)では、新たな入賞が発生したとしても該入賞に応じた保留表示が演出表示装置1600において現れずに保留変化の態様が非表示にされるように制御することが望ましい。また、カウント表示が所定数値に達して消化し終わった以降も該保留表示に対する非表示の状態を維持するようにすることが望ましい。
ただしこの場合、非表示にした保留表示を変動表示が終了されるまで継続して非表示にするのではなく、例えば、当該変動表示の期間内において、大当りの当選を示唆する当り演出またはハズレ(大当りの落選)を示唆するハズレ演出が現れるタイミング以降で非表示になっていた保留表示を出現させてその保留変化の態様を表示するようにすることが望ましい。このような構成によれば、新たな入賞に応じた保留表示が赤色であったとしても既にハズレであることが示唆されている状況にあることから遊技興趣が低下しないことはもとより、該保留表示が赤色であることによって保留内に大当り期待度の高い保留情報が含まれていることによる遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、このような保留表示の非表示にかかる制御は、タイマ演出(予告演出)の全てを対象にするのではなく、タイマ演出のうち役物B動作を演出対象にするものなどの比較的大当り期待度の高い特定のタイマ演出(高期待度の予告演出)のみを対象にして実行するようにすることが望ましい。
また上述の通り、特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出を実現した場合、例えば、青色の保留表示が現れているなかで第3先行態様(タイマ準備中など)でタイマ先読み演出が実行されている場合、青色の保留表示が消化されるよりも前の変動表示においてカウント表示(タイマ演出)が開始されて大当り図柄が現れる遊技進行が望まれることとなる。この点、このような遊技進行が行われる遊技状況にある場合であっても、当該変動中にカウント表示(タイマ演出)が開始されるのか、それとも開始されずに青色の保留表示に応じた変動表示でカウント表示が開始されるのかについてのドキドキ感が付与されるように、青色の保留表示が消化されるよりも前にカウント表示(タイマ演出)が開始されて大当り図柄が現れる変動表示においては、該変動表示の開始タイミングに合わせてカウント表示(タイマ演出)が開始される割合(0%も含む)よりも該変動表示が開始されてから所定時間が経過したときにカウント表示(タイマ演出)が開始される割合のほうが高くなるように制御することが望ましい。なお、該割合については100%を含むようにしてもよい。若しくは、赤色の保留表示が現れている場合と比べて該変動表示が開始されてから所定時間が経過したときにカウント表示(タイマ演出)が開始される割合が高くなるように制御することが望ましい。なお、該割合については100%を含むようにしてもよい。
このようなダブルでチャンスアップが生じるカウント演出(特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出)とは、要は、「複数の態様のうち第2の態様で表示された保留情報(例えば、赤色の先読み保留)が消化されることにより開始された識別情報の可変表示では、複数の態様のうち第1の態様で表示された保留情報(例えば、青色の先読み保留)が消化されることにより開始された識別情報の可変表示よりも大当り図柄(特定表示結果)が導出表示される割合が高くされる」が、「識別情報の可変表示が実行される期間内で少なくとも特定カウント演出を実行しているときに該実行状態にある可変表示よりも消化順序の遅い保留情報(可変表示の実行期間内で特定カウント演出が実行されているときに、未だ実行されていない状態にある可変表示に対する先読み保留)が第2の態様(例えば、赤色の先読み保留)で表示されている場合は、該保留情報が第1の態様(例えば、青色の先読み保留)で表示されている場合よりも該実行状態にある可変表示において特定表示結果が導出表示される割合が低くされる」といったことに特徴を有するものである。
このような構成によれば、消化順序が遅く未だ実行されていない可変表示に対して赤色の保留表示(第2の態様)がされているときに、既に実行状態にある可変表示内で特定カウント演出のカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達して終了されたとすると、消化順序が遅く未だ実行されていない可変表示に対して青色の保留表示(第1の態様)がされているときに、既に実行状態にある可変表示内で特定カウント演出のカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達して終了されたときよりも、その演出対象として期待度の低い演出態様が現れる割合が高くなってしまう。すなわちこの場合、特定カウント演出が実行されている期間中は、未だ実行されていない可変表示に対して赤色の保留表示(第2の態様)が現れるか否かが重要な演出的要素として機能しうるようになり、このようなカウント演出と先読み演出との間での特殊な演出関係性を通じて、特定カウント演出が開始されてから終了されるまでの長い期間にわたって遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。この意味では、特定カウント演出が実行されている期間中、新たな入賞時や、保留変化演出(例えば、青色の保留表示を、赤色の保留表示に格上げする演出)などを契機として、未だ実行されていない可変表示に対する保留表示を、青色の保留表示(第1の態様)や赤色の保留表示(第2の態様)などの複数の態様のいずれかで出現可能とするようにすることが重要であると言える。
このようなカウント演出と先読み演出との間での特殊な演出関係性によれば、未だ実行されていない可変表示に対して赤色の保留表示(第2の態様)が現れたときには、当該実行中の可変表示でカウント演出が終了されず、次回以降の可変表示にまで継続されるほうが、カウント演出が終了したときに期待度が高い演出態様が現れる割合が高くなることから、特定カウント演出が終了されないことを期待するようになる。これに対し、未だ実行されていない可変表示に対して青色の保留表示(第1の態様)が現れたときには、当該実行中の可変表示でカウント演出が終了されるほうが、期待度の低い青色保留の可変表示内で終了されるときよりも、カウント演出が終了したときに期待度が高い演出態様が現れる割合が高くなることから、特定カウント演出が早期終了されることを期待するようになる。
ただし、カウント演出については、必ずしも複数の可変表示をまたぐようにしなくてもよく、当該カウント演出が開始された一の可変表示内で終了されるようにしてもよい。このような構成であったとしても、カウント演出が実行されている間に新たな入賞が発生すると、未だ実行されていない可変表示に対して青色の保留表示(第1の態様)と赤色の保留表示(第2の態様)とのいずれが現れるかが当該カウント演出に対して重要な演出的指標として機能しうる点に変わりはないことから、カウント演出と先読み演出との間での特殊な演出関係性を通じて、特定カウント演出が開始されてから終了されるまでの長い期間にわたって遊技興趣を好適に維持することは可能である。
なお、特定カウント演出の開始に際して、複数の保留表示が表示されているがいずれも特定態様(例えば、緑色や赤色などの先読み保留)ではない演出状況(例えば、先読み保留に変化していない状況)が現われていたとしても、当該特定カウント演出が実行されている期間中に特定態様を出現させる処理(例えば、通常保留から赤色保留に変化させる処理)を実行可能としてもよい。このような構成によれば、特定カウント演出の開始に際して、複数の保留表示が表示されているがいずれも特定態様ではない演出状況(例えば、先読み保留に変化していない状況)が現われていたとしても、特定カウント演出におけるカウント表示が所定値に達するまでの間に特定態様(緑色や赤色などの先読み保留)をもった保留表示に変化しうる可能性(実行状態にある可変表示において特定表示結果が導出表示される割合が高い状態から該割合が低い状態へと移行されうる可能性)が生じるようになることから、特定カウント演出が開始されてから終了されるまでの遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
ただしこの際、特定カウント演出によるカウント表示として複数の表示態様を用意しておき、カウント表示が第1態様で表示されているなかでカウント消化している状況にある場合には、第2態様で表示されているなかでkカウント消化している状況にある場合よりも、特定カウント演出におけるカウント表示が所定値に達するまでの間に保留表示に対して特定態様を出現させる処理(例えば、通常保留から赤色保留に変化させる処理)が実行される割合が低くなるようにすることが望ましい。このような構成によれば、特定カウント演出によるカウント表示を確認することで、その表示態様からは「カウント期間中に特定態様(緑色や赤色などの先読み保留)をもった保留表示に変化しうる可能性の高さ」を認識し、その残りカウント値からは「次の図柄変動が開始された以降にまで特定カウント演出が継続されるかの可能性の高さ」を予測することができるようになることから、それらの認識・予測の結果を照らし合わせることによる面白みを提供することができるようになる。
一方、これとは逆に、特定カウント演出の開始に際して、複数の保留表示が表示されているがいずれも特定態様ではない演出状況(例えば、先読み保留に変化していない状況)にあったときには、特定カウント演出の実行期間中、当該特定カウント演出が実行されている期間中に特定態様を出現させる処理(例えば、通常保留から赤色保留に変化させる処理)が実行可能とされないようにしてもよい。このような構成によれば、特定カウント演出におけるカウント表示が所定値に達するまでの間に特定態様(緑色や赤色などの先読み保留)をもった保留表示に変化しうる可能性(実行状態にある可変表示において特定表示結果が導出表示される割合が高い状態から該割合が低い状態へと移行されうる可能性)が生じないようになることから、特定カウント演出が開始されてから終了されるまでの安心感を提供することができるようになる。
また、特定カウント演出に要する所定時間が経過するまでの間に、複数個の保留表示が順次消化されて複数回の図柄変動が順次消化し終わる場合があるようにしてもよい。このような構成によれば、特定カウント演出が開始された状況で3つ目の保留表示が赤色保留になっている場合であっても、3つ目の保留表示に対応した図柄変動が開始されてその実行期間中に当該特定カウント演出が所定値に達する可能性もありうるようになることから、特定カウント演出が終了されるまでの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、特定カウント演出が実行されている期間中、図柄変動を停止状態(仮停止)にさせた後、該図柄変動を再び変動状態にする処理を実行可能としてもよい。このような構成によれば、例えば、未だ実行されていない状態にある可変表示に対して先読み保留が現われているなかで図柄変動が停止状態(仮停止)にされると、実行状態にある特定カウント演出が継続されたままで次の図柄変動が開始されるかのような演出として機能するようになることから、特定カウント演出が終了されるまでの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、上述の「ダブルでチャンスアップ」に係る演出例(特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出)では、カウント演出におけるカウント表示よりも保留表示を小さく表示したり、保留表示の前側に可動装飾体を移動させたり、保留表示に被るように別の表示画像を表示させるようにして、保留表示に変化が生じたとしてもこれに気付き難くするようにすることが、保留表示に変化が生じたときの遊技興趣の低下を抑制する上では望ましい。
また、「特定カウント演出」として「相対的に長い時間を要する第1態様」と「相対的に短い時間を要する第2態様」とを用意するとともに、「演出パターン(図柄の変動時間)」として「上記相対的に長い時間(第1態様)よりも短いが、上記相対的に短い時間(第2態様)よりは長くなっている特定の演出パターン」を大当り判定の結果に基づいて複数の演出パターンの中から選択、実行するようにしてもよい。このような構成によれば、特定の演出パターンが現れた場合、特定カウント演出がいずれの態様(第1態様,第2態様)で実行されているかによって、当該特定カウント演出が次変動まで継続されたり、継続されなかったりするようになることから、遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
また、上述の「ダブルでチャンスアップ」に係る演出例(特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出)では、「複数の態様のうち第2の態様で表示された保留情報(例えば、赤色の先読み保留)が消化されることにより開始された識別情報の可変表示では、複数の態様のうち第1の態様で表示された保留情報(例えば、青色の先読み保留)が消化されることにより開始された識別情報の可変表示よりも大当り図柄(特定表示結果)が導出表示される割合が高くされる」が、「識別情報の可変表示が実行される期間内で少なくとも特定カウント演出を実行しているときに該実行状態にある可変表示よりも消化順序の遅い保留情報(可変表示の実行期間内で特定カウント演出が実行されているときに、未だ実行されていない状態にある可変表示に対する先読み保留)が第2の態様(例えば、赤色の先読み保留)で表示されている場合は、該保留情報が第1の態様(例えば、青色の先読み保留)で表示されている場合よりも該実行状態にある可変表示において特定表示結果が導出表示される割合が低くされる」ようにするにあたり、特定カウント演出に要する所定時間が経過するよりも短い時間で図柄変動を実行する場合と、特定カウント演出に要する所定時間が経過するよりも長い時間で図柄変動実行する場合とがあるようにした。ただしこの場合、上述の「特定カウント演出」については、「特定演出に関しての残り時間(特定演出に関して特定の演出変化が生じるまでの残り時間)を時間経過に応じたカウント値の更新によって示唆する演出」として必ずしも実行されるものでなくてもよく、例えば、「特定演出に関しての残り時間を時間経過に応じた画像変化などによって示唆する演出」として実行するようにしてもよい。要は、残り時間を示唆することができるものであれば、この残り時間が消化されるまでの間に図柄変動が終了されるのかについての面白みを提供することは可能であり、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
なお、「特定カウント演出」を、「特定演出に関しての残り時間を時間経過に応じたカウント値の更新によって示唆する演出」ではなく、「特定演出に関しての残り時間を時間経過に応じた画像変化などによって示唆する演出」などの他の描写によって実現することについては、上述の「ダブルでチャンスアップ」に係る演出例(特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出)とは異なる演出例(カウント演出)に対して適用するようにしてもよい。
また、「特定カウント演出」については、示唆している「特定演出に関して特定の演出変化が生じるまでの残り時間」が消化されるよりも前の、途中段階で終了されて特定演出に関しての演出変化が生じるようにしてもよい。この際、途中段階で終了されず「特定演出に関して特定の演出変化が生じるまでの残り時間」が全て消化されたときには出現し得ない演出変化が生じうるようにしてもよい。これらの変形例についても、上述の「ダブルでチャンスアップ」に係る演出例(特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出)とは異なる演出例(カウント演出)に対して適用するようにしてもよい。
またさらに、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出(テーブルT8a−1,テーブルT8b−1)が実行されている期間中に新たな入賞が発生してこれに応じた保留情報が新たに取得されると当該タイマ先読み演出の対象にされる変動表示が開始されてこれが実行中になったときに予告側タイマ演出が実行される割合が上記新たに取得された保留情報(新たな入賞)に応じて異なるように、タイマ先読み演出を実行可能な制御(一変演出にかかる制御)を行うこととしている。
図176は、このような一変演出を実現するために行われる処理についてその処理手順の一例を示す図である。なお、この処理は、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出(テーブルT8a−1,テーブルT8b−1)が実行されている期間中に特定の始動口への入賞(遊技球の受け入れ)が発生したときに行うようにしてもよいし、該入賞よりも前に保留されている保留情報(演出に関する情報が消去・再設定される保留情報)が消化されるよりも前の期間内の所定タイミングで行われるようにしてもよい。
同図176に示されるように、周辺制御MPU1511aでは、まず、ステップS5601の処理として、新たな入賞に応じた保留情報が特定の遊技情報を示すものであるかを判断する。なお、特定の遊技情報としては、例えば、「該新たな保留情報が消化されたときにSPリーチなどの高期待の特定変動パターンを出現させる遊技情報」であってもよいし、「該新たな保留情報が消化されたときに大当りに当選する遊技情報」であってもよい。ここでは、説明の便宜上、「該新たな保留情報が消化されたときに大当りに当選する遊技情報」を上記特定の遊技情報として説明することとする。
そしてこの結果、新たな入賞に応じた保留情報が特定の遊技情報を示すものである旨判断した場合は、次にステップS5602の処理として、該新たな入賞に応じた保留情報よりも前に記憶されている保留情報のうちタイマ先読み演出(第1先行態様または第2先行態様)の対象にされている保留情報について、演出に関する少なくとも一部の情報を削除して当該一変演出が行われるときの内容に再設定する。
例えば、タイマ先読み演出として第1先行態様(タイマ発生の予感)が設定されているときには該タイマ先読み演出の対象にされている保留情報が消化されると概ね20%の確率で予告側タイマ演出が実行されるようになっており、タイマ先読み演出として第2先行態様(タイマ発生チャンス)が設定されているときには該タイマ先読み演出の対象にされている保留情報が消化されると概ね80%の確率で予告側タイマ演出が実行されるようになっていることは上述した通りである。ただし、ステップS5602の処理においては、これらのタイマ先読み演出に関する情報の全て(若しくは、少なくとも一部)が削除されたり、演出パターン(SPリーチなど)や予告抽選を決定するときに参照されるテーブルを通常時とは異なるものに変更させるための設定(一変フラグの設定など)がなされることとなる。そして、周辺制御MPU1511aでは、こうして改変(削除・設定)された演出情報に基づいて演出にかかる制御(図149)を行うことで、タイマ先読み演出として第1先行態様(タイマ発生の予感)と第2先行態様(タイマ発生チャンス)とのいずれが設定されていたとしても上記ステップS5502(図149)の処理においては概ね50%の確率で予告側タイマ演出が実行されるようになる。また、演出パターンや予告演出などの内容の決定に際しても、例えば、一変フラグが設定されていることに基づいて一変演出時のテーブル(図示略)が参照されて通常時とは異なる態様で各種演出が実行されるようになる。
そして、こうしてタイマ先読み演出の対象にされている保留の演出情報についての改変処理(ステップS5602)が行われた後は、ステップS5603の処理として、背景画像を、一変演出が行われるときの背景画像に変更させるための処理を行う。なおこの際、タイマ先読み演出として現れている表示(第1先行態様,第2先行態様)も非表示にするようにすることが望ましい。すなわちこの場合、新たな入賞が発生したとき(若しくは、該入賞が発生してからタイマ先読み演出の対象になっている保留情報が消化されるまでの間)に、背景画像が一変演出時の背景画像へと突然に変更されるとそれまで現れていた第1先行態様または第2先行態様は非表示とされるが、該一変演出時の背景画像これ自体がタイマ先読み演出の一態様として機能しうるようになる。そして、こうして一変演出時の背景画像が現れている期間においては、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報が消化されたときに予告側タイマ演出が出現するか否か(ガセなのか)に大きな興味を持たせることができるようになり、これによってタイマ先読み演出が行われている期間中における遊技興趣を維持することができるようになる。
これに対し、上記ステップS5601の処理において、新たな入賞に応じた保留情報が特定の遊技情報を示すものでない旨判断した場合は、次にステップS5611の処理として、一変ガセ演出を実行するか否かについての判定処理を行う。この一変ガセ演出とは、上述の保留情報についての改変処理(ステップS5602)を行わないにもかかわらず、ステップS5603の処理において、背景画像を、一変演出が行われるときの背景画像に変更させる演出のことである。
なお、上記ステップS5611の処理において、一変ガセ演出を実行しない旨の判断がなされた場合は、現状のタイマ先読み演出(第1先行態様,第2先行態様)や各種演出の決定態様を継続させるべく、一変演出に関わる処理を何も行うことなく当該処理(図176)を終了させることとなる。
このような構成では、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出(テーブルT8a−1,テーブルT8b−1)が実行されている期間中に新たな入賞が発生すると(特定の始動領域に遊技球が受け入れられてこれに応じた遊技情報が新たに取得されると)当該タイマ先読み演出の対象になっている変動表示が開始されてこれが実行中になったときに上記予告側タイマ演出が実行される割合が上記新たに取得された遊技情報(保留情報)に応じて異なるように、上記予告側タイマ演出を実行可能としている。すなわちこの場合、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出が実行されている期間で保留情報が新たに取得されると、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報ではなく該新たに取得された保留情報が特定の遊技情報(SPリーチなどの特定の変動パターンを示す情報、または大当りを示す情報、または大当りの種別が高確率時短遊技状態に移行させるものであることを示す情報など)であるかに応じて、タイマ先読み演出の対象になっている変動表示の実行中に予告側タイマ演出が実行される割合が変化するようになることから、タイマ先読み演出の対象になっている変動表示が実行されるまでの間に他の演出に対する期待を持たせることができるようになり、該期間における遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、上記構成では、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出が実行されている期間で保留情報が新たに取得されると、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報ではなく該新たに取得された保留情報が特定の遊技情報であるかに応じて、上記改変処理(ステップS5602)を行った上で、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報が消化されるよりも前に背景画像を一変演出時の背景画像に変化させるとともにタイマ先読み演出にかかる表示を非表示にするようにしている。すなわちこの場合、一変演出が開始されるまでの間は、演出の主体がタイマ先読み演出になっており該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報に対して期待感を持たせる演出状況が提供されるのに対し、一変演出が開始された以降は演出の主体が一変演出へと変更されて、上記タイマ先読み演出も含めて、新たに取得された保留情報に対して期待感を持たせるために各種の演出が行われる演出状況へと移行されることとなる。したがって、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報よりも高期待の保留が取得されたときに演出の主体を機動的に変化させることが可能とされるようになり、既に設定済みとされている演出によって期待度の高い保留情報に対する演出時間が奪われてしまうようなことが回避されるようになる。
なお、このような一変演出は、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報が大当りに当選することを示すものであったとしても実行するようにしてもよい。すなわちこの場合、演出の主体が新たに入賞した保留情報に移ったにもかかわらずそれよりも前に消化される保留にて大当り演出が出現するようになることから、サプライズ的な演出が実現されるようになり遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、この実施の形態では、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出が実行されている期間で保留情報が新たに取得されたときに上記一変演出にかかる処理(図176)を実行することとしたが、第3先行態様のタイマ先読み演出が実行されている期間で保留情報が新たに取得されたときにも上記一変演出にかかる処理(図176)を実行するようにしてもよい。
また、一変演出時の背景画像については、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報に応じた変動表示が終了した以降も継続させるようにしてもよい。すなわちこの場合、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報に応じた変動表示が終了した以降に消化される保留情報に対しては、一変ガセ演出として機能するようになる。
また、このような一変演出については、タイマ先読み演出が実行されていないときも、上記新たな入賞が発生して特定の条件が満たされたことを条件に実行するようにしてもよい。なおこの場合、例えば、新たな入賞よりも前に記憶されている全ての保留情報について演出パターン(SPリーチなど)や予告抽選を決定するときに参照されるテーブルを通常時とは異なるものに変更させるための設定(一変フラグの設定など)がなされることとなり、これによって一変ガセ演出でない限りは各種演出の出現確率が変化するようになる。
また、上記実施の形態では、一変演出時に、予告側タイマ演出が実行される割合を変化させるようにしたが、一変フラグの設定時には通常時とは異なる演出パターンを決定することで、変動側タイマ演出が実行される割合を変化させるようにしてもよい。これにより、一変演出の非実行時に変動側タイマ演出を出現させない変動番号であっても一変演出の実行時には変動側タイマ演出を出現させる、または一変演出の非実行時に変動側タイマ演出を出現させる変動番号であっても一変演出の実行時には変動側タイマ演出を出現させないように制御することが可能とされるようになる。
なお、このような一変演出を行うようにした場合、一変演出の非実行時にはタイマ演出を出現させるようになっていたとしても、一変演出の実行時には変動側タイマ演出を出現させないようになる可能性もあり遊技興趣の低下が懸念されることから、一変演出の実行時には、通常時(一変演出の非実行時)には出現し得ない特別な予告演出に関する抽選を行って当選すると該特別な予告演出が出現しうるように制御してもよい。
また、一変演出時にタイマ先読み演出の対象になっていた変動表示において予告側タイマ演出が実行される割合については必ずしも一定(ここでは50%)でなくてもよく、例えば、該タイマ先読み演出の対象になっていた変動表示で大当り図柄が現れるか否かに応じて異なるように制御してもよい。
以下、図177,図178を参照して上述のタイマ演出例についてその演出内容を詳述する。ここで、上述の各演出にかかる処理例とは、あくまでも一例に過ぎず、例えば、予告演出の内容として上記した種別以外の演出を実行するようにしてもよいし、各予告演出の出現タイミングや出現条件なども同じ技術思想の範囲内であれば適宜に変更するようにしてもよい。したがって、以下に説明する演出例では、上述の各演出にかかる処理内容とは辻褄が合わないものも含まれうるが、同じ技術思想の範囲内であり且つ当業者であれば実施可能な範囲内で処理内容を適宜に変更しただけであるから問題はない。また、以下の「タイマ演出」とは、基本的には、予告側タイマ演出または変動側タイマ演出でカウント表示が実行されることを意味するものであるが、該カウント表示中の演出のほか、タイマ先読み演出を包含する意味を持つ場合もある。また、「カウント表示」の態様としても、以下では「秒数」をカウントすることとしているがこれに限られない。
図177(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。図177(B)は、図177(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に2つの入賞が発生してそれらの入賞に応じた保留情報が記憶され、1番目に入賞した保留1に対応する保留表示が通常保留の態様、2番目に入賞した保留2に対応する保留表示が赤色の態様で表示された演出状況を示している。図177(C)は、図177(B)で示した演出状況において変動表示の状態にあった装飾図柄SZがハズレ図柄で停止表示された後、保留情報がそれぞれ先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作されて保留1として記憶されていた保留情報が消化されて変動状態になった演出状況を示している。なお、この演出例では、図中から明らかであるように、保留1の保留情報が消化されて変動表示の状態(保留0の状態)になった状況においても、保留1のときに示されていた保留表示の態様を遊技者が認識可能とされるように表示制御が行われるようになっている(保留0の保留表示)。また、この保留0の保留表示は、このような変動表示の状態においても保留変化の態様(白色点滅、青色、緑色、赤色、レインボー色)でさらに変化しうるようになっていることは上述した通りである。
ここで、図177(C)に示される演出状況においては、図177(A),(B)のときに保留1の状態にあった保留情報が消化されて変動表示が開始されるのに合わせて、若しくは同変動表示が開始されてからの所定時間経過後に保留先読み演出が実行されている。保留先読み演出の態様としては上述の第1先行態様,第2先行態様,第3先行態様のいずれで実行されるものであってもよいが、図177(C)に示される演出状況において保留先読み演出が現れたということは、保留0(変動表示の状態にある)の保留情報または保留1の保留情報が当該保留先読み演出の対象にされていることを意味することとなる(ここでの例では、保留1の保留情報が当該保留先読み演出の対象にされている)。
図177(D)は、図177(C)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に1つの入賞が発生して該入賞に応じた保留情報が保留2に対応する保留表示として通常保留の態様で表示された演出状況を示している。ただし、この保留2に対応する保留表示が特定の遊技情報(ここでは、大当り情報)を示すものであり上述の一変演出の実行条件を満たすものであるとすると、図177(E)に示されるように、保留2に対応する保留情報(遊技情報)に基づいて一変演出にかかる制御が実行されることとなる。
なお上述の通り、一変演出とは、該一変演出を発生させる保留情報(ここでは保留2)よりも前に記憶されて保留状態にある保留情報(ここでは保留1)の内容を改変して保留消化させるものである。これに対し、上述の一変ガセ演出とは、例えば、保留2に対応する保留表示が特定の遊技情報(ここでは、大当り情報)を示すものでないときに発生して該一変ガセ演出を発生させる保留情報(ここでは保留2)よりも前に記憶されて保留状態にある保留情報(ここでは保留1)の内容を改変させずに保留消化させるものである。すなわちこの場合、一変演出と一変ガセ演出とのいずれが行われるかによって保留1が消化されたときに各種演出の発生し易さが異なるようになることから、これらの演出の発生状況から特定の遊技情報を示す保留が含まれているか否か(一変演出と一変ガセ演出とのいずれが行われているか)を遊技者側が推測可能とし、遊技興趣の低下が抑制されうるようにしている。一変演出と一変ガセ演出とのいずれにおいても、それらの演出に対応する保留表示(ここでは、保留2)については大当り判定の結果に関わらず保留変化が生じないように制御することが望ましい。
したがって、このような保留2に対応する保留情報(遊技情報)に基づいて一変演出にかかる制御が実行されるタイミングについては、保留情報の改変対象にならない保留0の変動表示が終了した後であり、且つ保留情報の改変対象になる保留1の変動表示が開始されるよりも前であることが望ましい。この点、この実施の形態では、保留0の変動表示でハズレ図柄が停止された後であるが保留1の保留表示が未だシフト表示されていないときに当該一変演出にかかる制御を実行することで、保留1の保留情報(特に、演出に関わる情報)を改変することはもとより、図177(E)に示されるように、それまで表示されていたタイマ先読み演出や保留変化の態様(赤色)を非表示にする(通常保留の態様で表示する)とともに、背景画像を一変演出が行われるときの背景画像に変更させることとしている。またこの際、所定の表示画像(ここでは、「一変」)が所定時間だけ表示される。
また、このような演出状況(図177(E))では、保留0の変動表示が終了されるまでの間にそれまで出現していたタイマ先読み演出がカウント表示を開始することなく表示を継続させていたことから、該タイマ先読み演出の対象は保留1であることが認識可能とされている。
図177(F)は、図177(E)で示した一変演出背景の出現後、保留情報がそれぞれシフト操作されることにより保留1として記憶されていた保留情報が消化されて変動状態になった演出状況を示している。
ここで、図177(F)に示される演出状況においては、図177(E)のときに保留1の状態にあった保留情報が消化されて変動表示が開始されるのに合わせて、若しくは同変動表示が開始されてからの所定時間経過後にタイマ演出のカウント表示が開始されている。また、これと同様、図177(F)に示される演出状況においては、第一演出(ここでは、「会話予告」)に関連した特定表示(ここでは、「会話予告を出現させろ」)が表示されている。特定表示(会話予告を出現させろ)が出現するタイミングについては、タイマ演出(カウント表示)が出現するタイミングより前であってもよいし、タイマ演出(カウント表示)が出現するタイミングより後であってもよく、適宜のタイミングで出現可能とされるものである。
なお、タイマ演出は、タイマ先読み演出の態様にある場合(図177(D))も含めて、他の予告演出や装飾図柄などよりも優先的に表示されるものとなっており、ここでは、いわゆるティッカーの態様(スライド映像)で「会話予告を出現させろ」を表示する予告演出のうちの一部表示範囲(左部分)が、これよりも優先的に表示されるタイマ演出によって非表示にされている。
また、この演出状況(図177(F))では、タイマ演出が「10秒」といった相対的に少ないカウント数でカウント表示を開始していることから、これだけを見れば低期待度の演出を当該タイマ演出の対象にしている可能性が高くなっており遊技興趣の低下が懸念される。ただし、この演出状況(図177(F))では、タイマ演出の演出対象にされる演出種別のうち相対的に早い段階で出現する演出種別(会話予告)を出現させる旨の特定表示(会話予告を出現させろ)が出現しており、当該タイマ演出の演出対象が「相対的に早い段階で出現する会話予告」でありミッション成功によって大当りに当選していることが確定示唆されることが期待されることから、遊技興趣の低下は抑制されるようになる。
しかも、一変演出が実行されているときには上述の通り、通常時とは異なる確率でタイマ演出が出現するようになっている。例えば、図177(D)で表示されていたタイマ先読み演出が第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示されていたときには、通常時であれば概ね20%の確率でしかタイマ演出が出現しないのに対し、一変演出が実行されているときには概ね50%の確率でタイマ演出が出現するようになる。したがって、こうした一変演出背景が現れているなかでタイマ演出が出現した場合は、タイマ演出の出現確率が変化しない一変ガセ演出(概ね20%)ではなく、タイマ演出の出現確率が変化する一変演出(概ね50%)が実行されている期待感、ひいては大当りに当選することへの期待感(一変演出実行時は大当りの保留情報が含まれていることが確定されるため)が高まるようになる。ただしこの際、こうした一変演出背景が現れているなかでタイマ演出が出現しなかった場合は、タイマ演出の出現確率が変化する一変演出(概ね50%)ではなく、タイマ演出の出現確率が変化しない一変ガセ演出(概ね20%)が実行されている懸念度が高まる結果になる。
なお、図177(D)で表示されていたタイマ先読み演出が第3先行態様(タイマ準備中)で表示されていたときには、通常時であれば100%の確率でタイマ演出が出現するのに対し、一変演出が実行されているときには概ね50%の確率でしかタイマ演出が出現しないようになる。したがって、こうした一変演出背景が現れているなかでタイマ演出が出現しなかった場合は、タイマ演出の出現確率が変化しない一変ガセ演出(概ね100%)ではなく、タイマ演出の出現確率が変化する一変演出(概ね50%)が実行されていること、ひいては大当りに当選する保留情報が含まれていることが確定的に示唆されるようになる。ただしこの際、こうした一変演出背景が現れているなかでタイマ演出が出現した場合は、タイマ演出の出現確率が変化する一変演出(概ね50%)ではなく、タイマ演出の出現確率が変化しない一変ガセ演出(概ね100%)が実行されている懸念度が高まる結果になる。
図178(G)は、図177(F)で実行されているタイマ演出のカウント表示が所定数値(ここでは0)に達し、該所定数値(ここでは0)に達した旨を示唆するタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が出現された演出状況を示している。なお、所定数値(ここでは0)に達した旨を示唆するタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)は、タイマ演出のカウント表示が非表示にされてから出現してもよい。
この図178(G)に示される演出状況では、ミッション表示(会話予告を出現させろ)が未だ表示されている間にカウント表示が所定数値に達していることから、タイマ演出の演出対象として何らかの演出が今まさに出現しようとしている状況にあることは確定的に示唆されている状況であり、該演出として会話予告が出現するか否かに大きな注目が集まる状況であるといえる。
図178(H)は、図178(G)で所定数値に達したタイマ演出とそのタイマ関連表示とがそれぞれ非表示にされた後、該タイマ演出の演出対象となる演出として会話予告(ここでは「チャンスかもしれないわ」)が出現した演出状況を示している。なおこの直後、ミッション演出(会話予告を出現させろ)にてミッション成功したことを示す特別表示が現れることとなる。
この図178(H)に示される演出状況では、ミッション演出(会話予告を出現させろ)にてミッション成功したことが示されることから、大当りに当選することが確定的に示唆されるようになる。
図178(I)は、図178(H)でミッション成功した後、特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)が現れている状況にあるにもかかわらず当該変動表示がハズレ図柄で停止された演出状況を示している。
すなわち上述の通り、この実施の形態では、第一演出(ここでは、「会話予告」)に関わる特定表示(ここでは、「会話予告を出現させろ」)については、その演出対象にされる保留情報(図178(I)に示される状況では保留1)に応じた変動表示の期間内で出現可能とされることはもとより、所定条件下では該変動表示よりも前の保留情報(図178(I)に示される状況では保留0)に応じた変動表示の期間内においても先行して出現可能とされている。しかも、該第一演出(ここでは、「会話予告」)が表示されて特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)を出現させるタイミングこれ自体も、その演出対象にされる保留情報(大当りになる保留情報)に応じた変動表示の期間内で出現可能とされることはもとより、所定条件下では該変動表示よりも前の保留情報(大当りにならない保留情報)に応じた変動表示の期間内においても先行して出現可能とされている。
このような構成によれば、ミッション演出において特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)が現れて大当りになることが確定的に示唆されたにもかかわらず、当該変動表示がハズレ図柄で終了(停止)されるようになることから、遊技者としては不測の事態が生じることとなる。ただしこの後、次の変動表示が開始されると該変動表示が大当り図柄で終了(停止)されるようになることから、絶望状態に一旦落とされてからの幸福感が付与されるようになる。これにより、大当りになることが確定的に示唆された後にも演出的な抑揚を付けることが可能とされるようになり、大当り図柄が停止されるまでの遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
しかしながら、このように特別表示を先行して出現させる場合、当該変動表示がハズレ図柄で終了(停止)された時点でホール側に対する遊技者側の苦情が発生することが懸念される。したがって、特別表示が先行して出現されるハズレ変動においてはその変動表示の実行期間内に次の変動表示(大当りになる変動表示)にまで跨る先読み演出が実行される割合が特別表示が現れないときよりも高くなるように設定することが望ましい。なお、この演出例では、図178(I)に示されるように、図178(H)でミッションが達成された後、該変動表示がハズレ図柄で終了(停止)されるまでの期間内でタイマ先読み演出を新たに発生させることとしている。このような構成によれば、タイマー演出のカウント表示が開始されるよりも前にミッション成功したとしてもその変動表示ではハズレ図柄を表示させて、タイマー演出のカウント表示が開始される変動表示が現れるまで大当り図柄の現れる変動表示が持ち越されているかのような演出を実現することができるようになる。これにより、変動表示がハズレ図柄で終了(停止)された時点でホール側に対する遊技者側の苦情が発生することが抑制されうるようになる。
ただし、こうした複数回の変動表示(大当りになる変動表示まで)に跨る先読み演出は必ずしも実行されなくてもよく、この意味では、図178(J)に示されるように、大当り図柄が現れる保留情報が消化されてその変動表示が開始された以降も、ハズレ図柄が現れる変動表示の実行期間内で現れた特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)を表示し続けるようにすることが望ましい。この点、こうした特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)を、大当り図柄が現れる変動表示において大当り図柄が現れるまで継続して表示させるようにすると、大当り図柄が停止されるまでの間に演出的な抑揚が付けられずに遊技興趣の低下が懸念されることから、図178(K)に示されるように、演出パターン内の演出として大当りに当選することが確定的に示唆される演出画像が現れるよりも前のタイミングで特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)を非表示にすることが望ましい。これにより、特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)が非表示にされた以降、図178(K)に示される演出画像(演出パターン内の演出内容として大当りに当選することが確定的に示唆される演出画像)が現れるまでの間、大当り図柄が現れることへの不安感が多少なりとも増大するようになり、図178(L)に示される演出状況(大当り図柄が停止される演出状況)になるまでの間の遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
なお、図178(J)では、30秒のタイマ演出のカウント表示が開始されており、この図178(J)に示される演出状況が現れた以降、図178(K)に示される演出状況が現れるまでの間には、当該30秒のタイマ演出のカウント表示が終了してタイマ関連表示(ここでは、「ゆくぞ」)が表示されるとともに、その演出対象になる演出が発生していることは言うまでもない。
次に、図177及び図178に示したタイマ演出例とは別のタイマ演出例を図179,図180を参照して詳述する。
図179(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。図179(B)は、図179(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に3つの入賞が発生してそれらの入賞に応じた保留情報が記憶され、1番目に入賞した保留1に対応する保留表示が通常保留の態様、2番目に入賞した保留2に対応する保留表示が赤色の態様、3番目に入賞した保留3に対応する保留表示が青色の態様で表示された演出状況を示している。図179(C)は、図179(B)で示した演出状況において変動表示の状態にあった装飾図柄SZがハズレ図柄で停止表示された後、保留情報がそれぞれ先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作されて保留1として記憶されていた保留情報が消化されて変動状態になった演出状況を示している。なお、この演出例でも、図中から明らかであるように、保留1の保留情報が消化されて変動表示の状態(保留0の状態)になった状況においても、保留1のときに示されていた保留表示の態様を遊技者が認識可能とされるように表示制御が行われるようになっている(保留0の保留表示)。また、この保留0の保留表示は、このような変動表示の状態においても保留変化の態様(白色点滅、青色、緑色、赤色、レインボー色)でさらに変化しうるようになっていることは上述した通りである。また、図179及び図180では、図177及び図178においては説明の便宜上、割愛されていた演出用の可動体KTが図中にて記されている。
なお、可動体KTは、例えば、「裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500などの可動部材」などに相当するものである
ここで、図179(C)に示される演出状況においては、図179(A),(B)のときに保留1の状態にあった保留情報が消化されて変動表示が開始されるのに合わせて、若しくは同変動表示が開始されてからの所定時間経過後に保留先読み演出が実行されている。保留先読み演出の態様としては上述の第1先行態様,第2先行態様,第3先行態様のいずれで実行されるものであってもよいが、図179(C)に示される演出状況において保留先読み演出が現れたということは、保留0(変動表示の状態にある)の保留情報または保留1の保留情報、保留2の保留情報のいずれかが当該保留先読み演出の対象にされていることを意味することとなる(ここでの例では、保留1の保留情報が当該保留先読み演出の対象にされている)。
ここで、保留先読み演出の態様として、対応する保留表示(ここでは、保留1の保留情報)が未だ保留状態にあるときからカウント表示を実行するようにしてもよい。すなわちこの場合、カウント表示が所定数値(ここでは「0」)に達した後に装飾図柄SZの変動表示が終了する事象が発生しうることはもとより、カウント表示が所定数値(ここでは「0」)に達するよりも前に装飾図柄SZの変動表示が終了する事象が発生しうるようになることから、カウント表示が実行中になっても該タイマ演出の対象がいずれの保留情報を対象にしているのかを把握し難くすることができるようになる。
ただし、この演出例では、保留先読み演出の態様として、第1先行態様(タイマ発生の予感)、第2先行態様(タイマ発生チャンス)、及び第3先行態様(タイマ発生チャンス)のいずれかが表示されうる。
この点、図179(C)に示される演出状況では、保留情報0,1,2のうち、保留情報1が赤色の態様になっており最も大当り期待度の高い保留表示の態様になっていることに鑑みれば、遊技者側からすれば、タイマ先読み演出が、保留情報1を対象にしており赤色の保留表示との複合演出を発生させるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、複合演出によって保留情報1で大当りの得られる期待度がさらに高いことが示されるようになることから、通常保留の態様の保留0や、期待度の低い青色の保留2をタイマ先読み演出の対象にして大当り期待度が分散されてしまう場合よりも保留情報0〜2のいずれかで大当り図柄が現れる期待度を高くすることができるようになる。また、期待度の低い青色の保留2がタイマ先読み演出の対象になってしまうと遊技興趣の低下が懸念されることから、遊技興趣の維持を図る上では期待度の低い青色の保留2がタイマ先読み演出の対象にならないように演出進展することも重要である。
しかも、上述の通り、この実施の形態では、大当り図柄の現れる保留情報(大当り保留)が記憶されているときに新たな入賞が発生すると、通常時テーブルT9a(図174)ではなく、大当り保留時専用のテーブル(図175:特別時保留変化テーブルT9b)を参照して保留変化演出を実行するようにしている。この特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出では、大当り保留が既に含まれているときには(赤色の態様の保留1が大当りであるときには)、保留2の態様として赤色や緑色は出現し難くなっており且つ青色や白色点滅の態様が相対的に出現し易くなる。したがって、図179(C)に示される演出状況において、タイマ先読み演出が、保留情報1を対象にしており大当り期待度を高くするように機能した場合は、期待度の低い青色の保留2をタイマ対象にすることによる遊技興趣の低下を回避したことによるチャンスアップと、赤色の態様の保留1の保留情報が大当りであるからこそ特別時保留変化テーブルT9b(図175)が参照されて青色の態様の保留2の保留表示が(出現確率の高い)青色になっている演出状況にあることを期待できることによるチャンスアップ(大当り期待度の高い予告側タイマ演出が「実行中の変動表示内の演出」を演出対象としていることも「実行中の変動表示が大当りである」ことを裏付けているかのように機能する)とのダブルでチャンスアップが生じるようになることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
したがって、図179(B)や(C)に示される演出状況においては、新たな入賞を発生させたときに青色や白色点滅の保留表示が新たに発生するのか、若しくは緑色や赤色の保留表示が新たに発生するのかを確認するようにすれば、大当り保留が含まれているのかを認識することが可能であり、新たな入賞が促される演出状況にあるともいえる。
図179(D)は、図179(C)で示したタイマ先読み演出の態様が維持されたままで(カウント開始しないままで)、実行中の状態にあった装飾図柄SZの変動表示がハズレ図柄で終了(停止)した後、保留情報がそれぞれシフト操作されることにより保留1として記憶されていた保留情報が消化されて変動状態になった演出状況を示している。
この図179(D)に示される演出状況になると、遊技者は、タイマ先読み演出の対象が、赤色の態様である保留0(変動表示の状態にある)の保留情報、及び青色の態様である保留1の保留情報のいずれかであることを認識可能となり、赤色の態様である保留0の保留情報に応じた当該変動表示の実行期間内でカウント表示が実行されることを願うようになる。
なお、この演出例においても、タイマ演出は、タイマ先読み演出の態様にある場合(図179(D))も含めて、他の予告演出や装飾図柄などよりも優先的に表示されるものとなっており、ここでは、会話予告における女性キャラクタのセリフ部分の一部範囲(左部分)が、これよりも優先的に表示されるタイマ演出によって非表示にされている。
図179(E)は、図179(D)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中にタイマ先読み演出が終了してタイマ演出のカウント表示が実行中になっている演出状況を示している。
ただし上述の通り、赤色の保留情報の消化に応じた当該装飾図柄SZの変動表示の実行中にカウント表示が開始されるか否か(タイマ先読みが赤色の保留情報を対象にしたものであるか)は遊技者にとって関心度の極めて高い事項となっている。そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、こうしたカウント表示が実行中の状態になっていることが遊技者側から視認し難くされるように、該実行中の状態になっているカウント表示の前方にまで演出用の可動体KTを移動させて所定時間にわたって位置させるように制御可能としている。このような構成によれば、タイマ演出(タイマ先読み演出、カウント表示)が実行されており遊技者にドキドキ感を与えているなかでタイマ演出のカウント表示が実行されているか否かの確認がし難くなることで、該タイマ演出への注目をさらに強くしてドキドキ感を高めることができるようになる。
なお、このような演出を好適に実現する上では、タイマ演出は実行されているがそのカウント表示が未だ実行されていない状況(タイマ先読み演出の実行中など)においては上記演出用の可動体KTを動作(移動)させないように制御することが望ましい。すなわちこの場合、演出用の可動体KTの存在を遊技者側が気にしていないところで該演出用の可動体KTが突然に移動してカウント表示が見難くされるようになることから、遊技者にとっては最も悪いタイミングで発生するこのようなサプライズ的な演出によってタイマ演出への注目をさらに強くしてドキドキ感を高めることができるようになる。
また、該演出用の可動体KTによる動作演出については、タイマ演出のうちタイマ先読み演出を視認し易くしてカウント表示を視認し難くする演出としてのみ機能させるようにしてもよいが、上述の非対象予告E2(第一演出)としても機能させるようにしてもよい。すなわちこの場合、タイマ演出の演出対象にならず本来関係のない非対象予告E2(第一演出)ではあるものの、カウント表示の実行中に非対象予告E2(第一演出)が実行される演出状況(図179(E))になることで、例えば、次の演出状況(図179(F))で示されるカットイン演出よりも高い大当り期待度が示されるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお上述の通り、この非対象予告E2(ここでは、演出用の可動体KTによる動作演出)については、期待度の異なる複数の態様のいずれかで実行するようにすることが望ましく、例えば、カウント表示が非実行の状態においては、演出用の可動体KTが動作したときの発光態様(青色、緑色、赤色)のいずれが出現したかによって大当り期待度を示すようにすることが望ましい。このとき、赤色の発光態様で演出用の可動体KTが動作すると、次の演出状況(図179(F))で示されるカットイン演出よりも高い大当り期待度を示すようにしてもよいが、演出用の可動体KTによる動作演出が発生したときの大当り期待度の期待値は、次の演出状況(図179(F))で示されるカットイン演出の大当り期待度の期待値よりも低くなっていることが求められる。ただし、これも上述した通り、カウント表示の実行中に演出用の可動体KTによる動作演出を実行する場合は、発光態様として青色、緑色、赤色のいずれが現れたとしても、当該演出用の可動体KTによる動作演出によって示される大当り期待度は同じ(例えば、70%)であるように制御することが望ましい。このような構成によれば、カウント表示の実行中は、演出用の可動体KTによる動作演出でいかなる態様が現れるかではなく、演出用の可動体KTによる動作演出これ自体が発生するかに注目が集まるようになることから、該演出用の可動体KTによる動作演出が発生したときの態様によって遊技興趣が低下するようなことが回避されるようになる。
ところで、図179(E)に示される演出状況では、タイマ先読み演出の対象が青色の態様の保留2ではなく赤色の保留1であることによる上述のダブルでのチャンスアップに成功していることに加えて、カウント表示の実行中に非対象予告E2(ここでは、演出用の可動体KTによる動作演出)が実行されたことによるチャンスアップにも成功している。したがって、仮に、このような期待度の高い演出状況にあるにもかかわらず該変動表示では大当りに当選しない可能性が高いことが示唆されるようなことがあれば、本来、遊技興趣が高められるはずの変動表示において、遊技興趣が著しく低下することは避けられない。この点、大当り保留(保留0も含む)が含まれているときに参照される上述の特別時保留変化テーブルT9b(図175)では、新たな入賞が発生したときに緑色や赤色の態様の保留情報が出現し難くなっていることから、図179(E)に示される演出状況において新たな入賞が発生したことに応じた保留2が赤色の態様で保留表示されてしまうと大当り保留が含まれていないことが遊技者側に露にされる事態が発生しかねない。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイマ演出のうち、期待度の高い態様とされる特定のタイマ演出のカウント表示が実行される期間中や、それ以降の期間においては新たな入賞が発生したとしてもその態様(白色点滅、青色、緑色、赤色、レインボー色)が認識し難くなるとともに、既に表示されていた保留表示がさらに保留変化したとしてもその態様が認識し難くなる制御を行うこととしている。なお、図179(E)に示される例では、保留1,2が隠されてその影によって表示することで保留表示の態様を認識し難くしているが、演出表示装置1600において保留表示これ自体を非表示にするようにしてもよい。これにより、期待度の高いカウント表示が実行されているにもかかわらず、新たな入賞が発生したときに緑色や赤色の保留表示が現れることで遊技興趣が低下するようなことが回避されるようになる。
図179(F)は、図179(E)で示したタイマ演出のカウント表示が所定数値(ここでは「0」)に達してタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる演出(味方キャラクタによるカットイン演出)が実行されている演出状況を示している。同図179(F)に示されるように、タイマ演出の演出対象になる演出(味方キャラクタによるカットイン演出)が実行されている状況においても、保留1,2は隠されたままでありその影によって保留表示の態様は認識し難くされている。
図180(G)は、図180(F)においてタイマ演出の演出対象になる演出(味方キャラクタによるカットイン演出)が実行された後、その味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することで当該変動表示が大当り図柄で確定停止されることが示されている演出状況を示している。
この図180(G)に示される演出状況においては、大当りになることが確定的に示唆されていることから、保留1,2の態様としていずれの態様が現れていたとしても遊技興趣が低下するようなことはない。したがって、認識し難くされている保留1,2については、このように大当りになるか否かが示される演出が表示された以降に、いずれの態様が現れているのかを認識可能な態様で表示されるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北することで当該変動表示がハズレで確定停止されることが示されたとしても、その時点で保留1,2の態様が認識可能となった結果、保留1,2のいずれかが赤色やレインボー色の態様であることが認識されるような場合もあることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、図180(G)に示される演出状況では、新たなタイマ演出が発生してそのカウント表示が開始されている状態にある。このカウント表示は、大当り図柄が確定停止されて変動表示が終了される図180(H)に示される演出状況においても、残りカウント数を残したまま(カウント表示の開始時に表示されるカウント数のうち、最も少ないカウント数(10秒)よりも多くのカウント数を残したまま)になっており、タイマ演出の演出対象になる演出も何ら発生させないままで、当該変動表示が終了した以降も継続して実行される上述の特別タイマ演出として実行されている。
ただしこの後、図180(I)に示される演出状況においてオープニング演出が実行される期間中は、タイマ演出のカウント表示を非表示にするようにしている。これにより、図180(H)に示される演出状況で終了した変動表示(図柄演出)と、図180(J)に示される演出状況で開始される大当り遊技中の演出(大当り遊技演出)とが互いに繋がりのない演出であることが認識可能とされるようになり、遊技者は、こうして新たに開始される演出を新鮮な気持ちで楽しむことができるようになる。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイマ演出のカウント表示が非表示にされる期間(オープニング演出の実行期間)中も時間経過に応じてカウント表示を密かに実行するようにしており、図180(J)に示される演出状況で開始される大当り遊技中の演出(大当り遊技演出)において上記タイマ演出のカウント表示を再表示させるときには、カウント表示の数値がその分だけ進行されているようにしている。
そうすると、タイマ演出のカウント表示が所定数値に達するまでの残り時間が急激に減少したかのような演出状況が生み出されるようになることから、遊技者側の気持ちの準備ができていない状態でカウント表示を所定数値に達するようにすることが可能とされるようになり、変動表示の状態から継続されているタイマ演出がマンネリになってしまうことが好適に回避されるようになる。
そして、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、こうして変動表示の状態から継続されているタイマ演出を、そのカウント表示が大当り遊技の実行期間内で所定数値に達するように制御する。なおこの際、所定数値(ここでは0)に達した旨を示唆するタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)を出現させる点は、変動表示の期間内で行われるタイマ演出と同様である。
図180(K)は、図180(J)で示したタイマ演出のカウント表示が所定数値(ここでは「0」)に達してタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる特定演出(上述の第1特別演出や第2特別演出に相当、図中では「CHANCE」の表示)が実行されている演出状況を示している。
同図180(K)に示されるように、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、大当り遊技の実行期間内で特定演出(「CHANCE」の表示)を実行可能としており、該特定演出(「CHANCE」の表示)が実行されると、当選した大当りが遊技者に有利な大当り種別(例えば、当該大当り遊技のラウンド数が16ラウンドである種別や、当該大当り遊技の終了後に高確率時短遊技状態が発生する種別)である期待度が高いことが示されるようにしている。なお、該割合については100%であってもよい。このように、大当り遊技が開始された以降にまでカウント表示が継続される上述の特別タイマ演出が実行されると、大当り確定であることはもとより、当選した大当りが遊技者に有利な大当り種別である期待度も高くなることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
そしてこの後、特定のラウンド遊技などで味方キャラクタが敵キャラクタと戦う演出が行われて、その結果として味方キャラクタが勝利すると(図180(L))、当選した大当りが遊技者に有利な大当り種別であることが示されるようになる。なお、当該演出において味方キャラクタが敗北したときは、当選した大当りが遊技者に有利な大当り種別でないことが示されることとなる。
こうして大当り遊技中の演出の結果が現れると、該結果に応じた内容で遊技が進行されるようになり、例えば、味方キャラクタが勝利する結果が得られた場合は、16ラウンドまで大当り遊技が実行されたり、該大当り遊技の終了後に高確率時短状態に制御されるようになる。これに対し、味方キャラクタが敗北する結果が得られた場合は、8ラウンドで大当り遊技が終了されたり、該大当り遊技の終了後に高確率時短状態よりも有利度合いの低い遊技状態(例えば、低確率時短状態など)に制御されるようになる。
ここで、図180(K)に示される特定演出(「CHANCE」の表示)の演出内容については、特定のラウンド遊技において味方キャラクタが敵キャラクタと戦う演出に関連するものであってもよい。例えば、図180(K)に示される特定演出で味方キャラクタが武器を獲得する演出内容を設定しておき、特定のラウンド遊技において獲得した武器を使って敵キャラクタと戦う演出を実行するようにすれば、図180(K)に示される特定演出においてその後の戦いで味方キャラクタが勝利する可能性が高まったことを暗示させることができるようになる。
次に、このようなタイマ演出を実行するときに出現しうる該タイマ演出これ自体の各種態様や、該タイマ演出に関連して行われる各種演出について記載する。なお、以下に説明する各演出は、それら演出の間で適宜に組み合わせて実行することが可能であるとともに、上述した各演出との間でも適宜に組み合わせて実行することが可能である。また、以下の各演出例では、予告側タイマ演出として実行される場合について記載しているが、予告側タイマ演出ではなく、変動側タイマ演出として実行されるようにしてもよい。すなわちこの場合、以下の各演出例にかかる演出内容を変動パターンの演出内容として予め定めておくこととなる。
[タイマ対象除外演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、タイマ対象となる演出候補として複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作など)を用意しており、それら演出態様のいずれかをタイマ対象(カウント対象)にして(タイマ対象予告抽選)、該タイマ対象にした演出態様が現れるタイミングに向けてのカウント表示が行われるタイマ演出を実行する。この点、この実施の形態にかかるタイマ演出では、複数の演出態様(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作(役物A予告)、特別タイマ、カットインB、役物B動作(役物B予告))のいずれがタイマ対象になっているかを不明にしたまま行われるようになっており、このような演出状況にあるなかでタイマ対象になっていない演出態様(タイマ対象予告抽選でタイマ対象として決定されなかった演出態様)がいずれであるかを示唆する表示を行いうる(タイマ対象除外演出)。
すなわちこの場合、タイマ演出における残りカウントを消化している段階で、タイマ対象になっている演出態様がいずれであるかについての推測材料が提供されるようになる。
例えば、タイマ対象になっていない演出態様として、低期待の演出態様(例えば、会話予告)が示唆された場合には、その時点で、低期待の演出態様がタイマ対象として出現する可能性が排除されることとなることから、タイマ演出における残りカウントを消化している段階でありながらも高期待の演出態様(例えば、役物B動作など)がタイマ対象として出現することに対する期待感によって遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。また、タイマ対象になっていない演出態様として、高期待の演出態様(例えば、役物B動作など)が示唆された場合には、その時点で、当該タイマ演出には期待が持てないとして他の演出に着目させることができるようになり、カウント表示が所定値に達したときの遊技興趣の低下を抑制することが期待される。このような構成によれば、残りカウントを消化している間に、カウント表示これ自体の態様を変化させることなく、当該タイマ演出に対する期待感を適宜に変動させることができるようになる。
図181(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし キャラリーチ」に相当する変動番号7,8(図148参照)が選択されているときに行われるタイマ対象除外演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。図181(b)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし SPリーチ」に相当する変動番号15,16(図148参照)が選択されているときに行われるタイマ対象除外演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図181(a)に示す例では、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(「保留変化5」、「役物A動作3」、「特別タイマ1」のいずれか)が選択された場合(図161を参照)にタイマ対象除外演出を実行するようになっており、図181(b)に示す例でも、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(「保留変化5」、「役物A動作3」、「役物B動作1」のいずれか)が選択された場合(図161を参照)にタイマ対象除外演出を実行するようになっている。
ただし、タイマ対象除外演出については、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときに行うようにするのではなく、例えば、タイマ種別は関係なしで、変動パターンの種別や大当り判定の結果などに基づく所定の演出抽選で特別結果が得られたことに基づいて行うようにしてもよい。また後述するが、タイマ対象除外演出は、タイマ演出が実行されないことが決定されている変動パターン内で出現させるようにしたり、タイマ演出が実行されるよりも前のタイミングで出現させるようにしてもよい。このような構成によれば、タイマ演出のカウント表示が(タイマ対象先出し演出に対して)事後的に実行されると仮定した場合(実行されるか不明であるが)、タイマ対象として出現しない演出態様がいずれの種別であるのかを先行して示すことができるようになる。なお、タイマ演出が未だ実行されていない状態(タイマ先読み演出の表示すら現れていない状態)でタイマ対象除外演出が出現したときには、タイマ対象除外演出が出現しなかった場合に比べてその後にタイマ演出が実行される割合が高くなるようにしておき、タイマ演出が実行されることを先行示唆する演出としても実行されるようにすることが望ましい。
まず、図181(a)に示す例のうち、「保留変化5」または「役物A動作3」の態様でタイマ演出が実行される例では、図柄変動が開始されてから20秒が経過したあたりのタイミングで、20秒のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっている演出態様(「保留変化5」または「役物A動作3」)が現れるようになっている。
また、図181(b)に示す例のうち、「保留変化5」または「役物A動作3」の態様でタイマ演出が実行される例においても同様、図柄変動が開始されてから20秒が経過したあたりのタイミングで、20秒のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっている演出態様(「保留変化5」または「役物A動作3」)が現れるようになっている。
この点、これらの例の場合、図柄変動が開始されてから10秒が経過したタイミングで、タイマ演出が未実行の状態(タイマ先読み演出の表示すら現れていない状態)にされているにもかかわらず1回目のタイマ対象除外演出が発生しうる。1回目のタイマ対象除外演出では、例えば、「会話予告」がタイマ対象の候補になっていないことが示されるようになっており、これによって当該変動内でタイマ演出が発生したときにはタイマ対象の候補が保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作のいずれかに絞られたことを遊技者に把握可能とされるようになる。すなわちこの場合、複数の演出態様(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作)のうち低期待の演出態様がタイマ対象の候補から外れたこと(高期待の演出態様がタイマ対象の候補とされている期待を持てること)を認識しうるようになることから、遊技者としては、当該変動内でタイマ演出が発生することを願うようになり、タイマ演出(カウント表示)が未実行の状態とされているときの遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
なお、カウント表示が未実行の状態とされている期間(この例では、図柄変動が開始されてから20秒が経過するまでの期間)では、上述のタイマ先読み演出(第1先行態様、第2先行態様、第3先行態様)が表示されるようにしてもよい。
次いで、図柄変動が開始されてから20秒が経過したタイミングでは、タイマ演出におけるカウント表示が開始されるのに合わせて2回目のタイマ対象除外演出が発生しうる。
2回目のタイマ対象除外演出では、1回目のタイマ対象除外演出で除外済みとなっている演出(会話予告)以外の演出が除外されることとなる。例えば、2回目のタイマ対象除外演出では、「特別タイマ」がタイマ対象の候補になっていないことが示されると、タイマ対象の候補が保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作のいずれかに絞られたことを遊技者に把握可能とされるようになる。そしてこの場合、複数の演出態様(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作)のうち大当り確定となる演出態様がタイマ対象の候補から外れたことを認識しうるようになることから、1回目のタイマ対象除外演出が実行されたときから一転してタイマ対象として高期待の演出が現れるかについての不安感を煽ることができるようになる。
そして次に、図柄変動が開始されてから30秒が経過したタイミングで3回目のタイマ対象除外演出が発生しうる。3回目のタイマ対象除外演出では、1,2回目のタイマ対象除外演出で除外済みとなっている演出(会話予告、特別タイマ)以外の演出がさらに除外されることとなる。例えば、「カットインB」がタイマ対象の候補になっていないことが示されると、タイマ対象の候補が保留変化、カットインA、役物A動作、役物B動作のいずれかに絞られたことを遊技者に把握可能とされるようになる。
そして、図柄変動が開始されてから40秒が経過したタイミングでは、カウント表示が所定値(ここでは0)に達することとなり、タイマ対象予告抽選で決定済みとなっている演出態様(「保留変化5」の場合は保留変化が発生し、「役物A動作3」の場合は役物A動作が発生する)がタイマ対象の演出として実行されることとなる。
ところで、図181(a),(b)に示す「保留変化5」や「役物A動作3」のタイマ演出では、図柄変動が開始されてからいずれも40秒が経過したときにタイマ対象の演出が実行されるものであるが、図161、図162に併せて示されるように、このような態様のタイマ演出(40秒が経過したときにタイマ対象の演出が実行されるタイマ演出)では、タイマ演出の対象として会話予告、保留変化、役物動作の3つしか用意されていないことがわかる。すなわちこの場合、経験豊かな遊技者は、図柄変動が開始されてから40秒のタイミングでカウント表示が所定値に達する態様のタイマ演出が発生したことを確認した時点で、タイマ対象は、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作の7つのいずれかではなく、会話予告、保留変化、役物A動作の3つのいずれかであることを見抜くことが想定される。そしてこの際、会話予告、保留変化、役物A動作のうち2つの演出を上記タイマ対象除外演出によってそれぞれ除外するようなことがあると、カウント表示が所定値に達したときにいずれの演出が出現するか暴露されてしまうことから、少なくとも2つ以上の演出がタイマ演出の候補として残されるように上記タイマ対象除外演出を実行するようにすることが望ましい。
このようなタイマ対象除外演出によれば、タイマ演出(カウント表示)が未実行の状態とされているときやカウント表示の実行中における期待感や不安感に抑揚(いずれの演出がタイマ対象から外されるかに応じて)を持たせることができるようになることから、カウント表示が所定値に達するまでの間における遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。
しかも、図181(a),(b)に示した例では、タイマ対象除外演出を発生させるタイミングを、タイマ演出におけるカウント表示が所定値(ここでは0)に達するタイミング(若しくは、タイマ対象の演出が出現するタイミング)の候補として用意されている複数のタイミング(変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒など)のいずれかが到来するときに合わせて設定することとしている。
例えば、図161及び図162に示されるタイムチャートを見ると、変動開始から45秒が経過した時点では、その後にカウント表示が0になったとしてもタイマ対象の演出として「役物A動作」が出現する可能性がないことがわかる。このように、タイマ演出では通常、カウント表示が所定値(ここでは0)に達するタイミングの候補として用意されている各タイミング(この例では、変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒など)が過ぎ去っていくにつれてタイマ対象として出現し得る演出の種別も絞られていく関係性がある。この点、タイマ対象除外演出を行うようにしたことで、初心者であっても、カウント表示が所定値(ここでは0)に達するタイミングの候補として用意されている各タイミング(この例では、変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒など)が過ぎ去っていくにつれてタイマ対象として出現し得る演出の種別が絞られていくことを認識してタイマ演出を高度に楽しむことができるようになる。
したがって、図181(a)に示す例のうち、「特別タイマ1」の態様でタイマ演出が実行される例(キャラリーチの図柄変動の開始に合わせて70秒のカウント数をもったカウント表示が行われる例)では、変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒が経過する都度、1回目のタイマ対象除外演出、2回目のタイマ対象除外演出、3回目のタイマ対象除外演出、4回目のタイマ対象除外演出がそれぞれ実行されることとなる。また、図181(b)に示す例のうち、「役物B動作1」の態様でタイマ演出が実行される例(SPリーチの図柄変動の開始に合わせて70秒のカウント数をもったカウント表示が行われる例)では、変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒、50秒が経過する都度、1回目のタイマ対象除外演出、2回目のタイマ対象除外演出、3回目のタイマ対象除外演出、4回目のタイマ対象除外演出、5回目のタイマ対象除外演出がそれぞれ実行されることとなる。
なお、この実施の形態にかかるタイマ対象除外演出では、図柄変動が開始されてから予め定められている複数のタイミングが到来する都度、カウント演出においてタイマ対象になっていない一の演出態様を示唆するようにした。ただし、予め定められている複数のタイミングが到来する度にタイマ対象除外演出を必ずしも実行しなくてもよく、変動パターンの種別や大当り判定の結果などに基づいてそれらタイミングが到来する度に所定確率でタイマ対象除外演出が現れるようにしたり、タイマ対象除外演出を実行するタイミングをそれらタイミングから選択するようにしてもよい。またこの際、予め定められている複数のタイミングの別にタイマ対象除外演出の実行確率を異ならせるようにしてもよい。例えば、図柄変動が開始されてから相対的に早いタイミング(例えば、図181(a)に示される1回目のタイマ対象除外演出が発生しうるタイミング)では、図柄変動が開始されてから相対的に遅いタイミング(例えば、図181(a)に示される4回目のタイマ対象除外演出が発生しうるタイミング)に比べてタイマ対象除外演出の実行される割合が高くなるようにしておけば、一の演出態様がタイマ対象になっていないことが示唆されている状態で相対的に長い時間にわたってカウント表示を消化することができるようになる。ただしこの場合、1回目のタイマ対象除外演出が発生しうるタイミングでタイマ対象除外演出が実行されたときと、4回目のタイマ対象除外演出が発生しうるタイミングでタイマ対象除外演出が実行されたときとで(若しくは、いずれのタイミングでタイマ対象除外演出が実行されたとしても)、大当り図柄の現れる割合(期待度)は同じになるようにすることが望ましい。この場合、該期待度については100%を含むようにしてもよい。このような構成によれば、カウント表示が開始されてから(図柄が変動開始されてから)早いタイミング(タイマ対象除外演出の実行される割合が高くされている間)でタイマ対象除外演出が出現することを意識するようになることから、演出の序盤にあるときから遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
このような演出を実現する場合、周辺制御MPU1511aでは、まず、大当り判定の結果、変動パターンの種別、またはタイマ演出の態様(例えば、キャラリーチの「保留変化5」など)に基づいて、タイマ対象除外演出を発生させるのか、さらにはタイマ対象除外演出をいずれのタイミング(図181(a)の例では、最大3個のタイミング(10秒、20秒、30秒))で発生させるかについての判定処理を行う。次いで、タイマ対象除外演出を発生させる旨の決定をした各タイミングでいずれの演出態様をタイマ対象となっていない演出態様として示唆するのかについての判定処理を行うこととなる。なお、これらの判定処理は、例えば、図149に示される各処理が行われた後、若しくはステップS5510が行われた後であり且つステップS5511が行われるよりも前のタイミングで、それ以前の各処理の結果情報に基づいて行うことが可能である。
若しくは、特定の演出態様(例えば、会話予告)がタイマ対象となっていないことを示唆する専用(会話予告専用)のタイマ対象除外演出を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、周辺制御MPU1511aでは、まず、大当り判定の結果、変動パターンの種別、またはタイマ演出の態様(例えば、キャラリーチの「保留変化5」など)に基づいて、専用のタイマ対象除外演出を発生させるのか、さらには専用のタイマ対象除外演出をいずれのタイミングで発生させるかについての判定処理を行うこととなる。
いずれにせよ、タイマ対象となっていない演出態様として示唆された演出態様が相対的に低期待の演出態様のものであるときは、示唆された演出態様が相対的に高期待の演出態様のものであったときに比べて、高期待の演出態様がタイマ対象の演出として出現する割合が高くなるようにすることが望ましい。このような構成によれば、低期待の演出態様(会話予告)を除外する専用のタイマ対象除外演出が現れたときには遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、上記複数のタイミングのうち少なくとも特定のタイミングでは、特定の演出態様(例えば、想定的に低期待の演出態様である「会話予告」)のみがタイマ対象となっていない演出態様として示唆されうるように設定してもよい。すなわちこの場合、タイマ対象除外演出が特定のタイミングで発生した時点で、特定の演出態様(例えば、想定的に低期待の演出態様である「会話予告」)がタイマ対象となっていないことが把握可能とされるようになることから、タイマ対象の演出が高期待の演出態様となっていることに対する期待感を持たせて遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
また、この実施の形態にかかるタイマ対象除外演出では、タイマ対象となっていない演出として一の演出態様を示唆するようにしたが、所定条件下では、タイマ対象となっていない演出として2つ以上の演出態様を示唆するようにしてもよい。例えば、2つの低期待演出が示唆されるようなことがあれば、タイマ演出における残りカウントを消化している段階でありながらも遊技興趣を大きく高めることができるようになる。
また、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」については、カウント表示が開始されてからカウント表示が所定値(ここでは0)に達するまでの期間内(若しくは、タイマ対象になっている演出が実行されるまでの期間内)にて出現させ、同期間内においてはその表示を維持するようにすることが望ましい。またさらに、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」については、タイマ対象になっている演出が実行された以降もその表示を維持するようにすれば、タイマ演出の対象がいずれの演出態様であったかを思い出すときの材料として用いることができるようになる。
また、所定の演出条件が満たされたときは、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」をカウント表示の残りカウントを消化している間(例えば、特定のタイマ種別のタイマ演出が実行される場合、カウント表示が所定値に達するよりも前の特定カウント値に達したとき)の所定タイミング(特定のカウント値になったタイミングなど)で非表示にして該非表示が維持されているままでカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達してタイマ対象とされている演出を実行するようにしてもよい。すなわちこの場合、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」がいつ非表示にされるかわからないなかでカウント表示の残りカウントが消化されていくこととなることから、同期間(マンネリ化し易い期間)における緊張感を維持することが期待されるようになる。なお、このような作用効果を得る上では、非表示にした「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」については、カウント表示が所定値に達してタイマ対象になっている演出態様が出現した以降もその非表示の状態を維持するようにすることが望ましい。ただし、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」が非表示にされたとしても、タイマ対象になっていない演出態様として一旦示唆された演出がタイマ対象の演出として現れることはないように制御することが重要であり、非表示にされた演出態様についての記憶を忘却しなければ安心してタイマ演出を楽しむことは可能である。また、非表示にした「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」については、カウント表示が所定値に達してタイマ対象になっている演出態様が出現した以降もその非表示の状態を維持した後(例えば、所定時間の経過後)であれば、図柄が確定停止されるよりも前のタイミングで再び表示されるようにして、遊技者の記憶が正しかったかの確認を行うことができるようにすることが望ましい。
また、タイマ演出(カウント表示)が未実行の状態とされているときに「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」を出現させた場合も、所定の演出条件が満たされたときは、タイマ演出(カウント表示)が未実行の状態とされている間にこれを非表示とするようにしてもよい。すなわちこの場合、カウント表示が開始されるよりも前からタイマ演出に関しての緊張感を持たせることができるようになり、メリハリのある演出を提供することができるようになる。
なお後述するが、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」については、図198(C)〜(K)や図200(B)〜(J)に示されるように、カウント表示が0になったときにその演出態様が発生しないことを把握可能なものであればよい。その他の手法としては、例えば、演出表示装置1600において演出態様の名称を表示してこれに×印を付すような手法のほか、カウント表示が0に達するよりも前のタイミングで会話予告やカットインを行うときに用いる女性キャラクタや男性キャラクタが死亡した様子を見せて会話予告やカットインが実行され得ないことを示唆する手法や、カウント表示が0に達するよりも前のタイミングで保留表示がモノクロで表示されて色変化し得なくされるようにする手法や、カウント表示が0に達するよりも前のタイミングで役物A,Bが故障して動作不可能な状態になっていることを見せて役物A動作,Bが行われ得ないことを示唆する手法などを採用するようにしてもよい。要は、タイマ対象の演出として選択されているときにはカウント表示が0に達するよりも前のタイミングで出現し得ない特別態様を用意しておき、カウント表示が0に達するよりも前のタイミングでこの特別態様で会話予告や保留変化などのタイマ対象になっていない演出を実行するようにすれば、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」を実現することができる。
また、タイマ対象除外演出を発生させた場合は、該タイマ対象除外演出が発生しなかった場合に比べて、カウント表示が所定値に達したときにタイマ対象として高期待の演出態様が現れ易くするように制御するようにすれば、カウント表示が残りカウントを消化しているときの遊技興趣の向上をより好適に図ることが期待されるようになる。
ところで、タイマ対象除外演出にて当り確定の演出態様(特別タイマ)がタイマ対象になっていないことが示唆されると、カウント表示が所定値に達したときに他のいずれの演出態様が現れたとしても、当り確定の演出態様(特別タイマ)と見比べてしまい、遊技興趣が低下する懸念がある。そこで、当り確定の演出態様(特別タイマ)がタイマ対象になっていないことが示された場合には、カウント表示が所定値に達したときに他のいずれの演出態様が現れたとしても当該図柄変動が大当り図柄で必ず停止されるようにしてもよい。
若しくは、タイマ対象除外演出を発生させた場合は、カウント表示が所定値(ここでは「0」)に達したときにタイマ対象としていずれの演出態様が現れた場合であっても、大当り図柄の現れる割合(期待度)が同じになるようにしてもよい。この場合、該期待度については100%を含むようにしてもよい。すなわちこの場合、カウント表示が所定値に達したときにタイマ対象としていずれの演出態様が出現するかに着目する必要がなくなることから、実質的に、タイマ対象除外演出が現れた時点(カウントの残り時間を消化している段階)でタイマ演出を早期終了させることができるようになる。これにより、カウント表示の残りカウントを消化している段階にありながらも他の演出に注目を移させることができるようになることから、単位時間当たりに出現する演出の種別を多くする演出設計を促すことができるようになる。
また、一の図柄変動期間内で2つ以上のカウント表示(タイマ演出)が現れてタイマ対象除外演出が実行された後にそれらが異なるタイミングで所定値に達する演出状況が発生した場合は、該タイマ対象除外演出にてタイマ対象になっていないことが示唆された演出態様を、いずれのタイマ演出(カウント表示)においてもそのタイマ対象として出現させることがないように制御することが望ましい。
また、タイマ対象除外演出にてタイマ対象になっていないことが示唆された演出態様については、カウント表示が所定値に達するタイミングとは異なるタイミングであっても、その後に出現することがないように制御する(タイマ対象でない演出としても出現させないように制御する)ことが望ましい。
また、タイマ対象除外演出の実行に際しては、タイマ対象になっていないことを示唆するか否かの先行演出を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、先行演出にて所定の態様が現れなかったときにはタイマ対象除外演出は実行されず、先行演出にて所定の態様が現れた後にタイマ対象除外演出が実行されることとなる。
また、この実施の形態では、タイマ演出におけるカウント表示が所定値(ここでは0)に達するタイミングの候補として用意されている複数のタイミングのいずれかに合わせてタイマ対象除外演出を実行するようにしたが、予め定められている複数のタイミングのいずれかに合わせてタイマ対象除外演出を実行するものであればよく、必ずしもこれらのタイミングに合わせて行わなくてもよい。ただし、カウント表示が実行されている期間内であっても、残りカウントが少なくなっている期間などの特定の演出期間にあるときには、タイマ対象除外演出が実行されないようにすることが望ましい。
また、カウント表示抽選(ステップS5510)で決定されるタイマ種別のなかには、カウント表示が実行されている全期間にわたってタイマ対象除外演出の実行が許容されないものや、カウント表示が実行されている期間のうちの一部期間でタイマ対象除外演出の実行が許容されないものがあるようにしてもよい。このような特殊なタイマ種別も用意するようにすることで、該タイマ種別が現れたときにはカウント表示を消化していく様子に集中することができるようになり、本来のタイマ演出を楽しむことができるようになる。
なお、このような作用効果を得る上では、タイマ対象除外演出が発生し得ない特殊な期間にあるときには、該特殊な期間にないときとは異なる演出態様を出現させて該特殊な期間にあることを遊技者が認識しうるようにすることが重要であると言える。またその一方で、カウント表示が実行されている全期間にわたってタイマ対象除外演出の実行が許容されないタイマ種別であったとしても、カウント表示が開始されるよりも前の期間においては、タイマ演出に対する集中が殺がれる懸念は無いことから、タイマ対象除外演出の実行が許容されるようにすることが望ましい。
なお、上述した「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」を非表示にする期間を、タイマ対象除外演出の実行が許容されない期間と同じ期間として制御するようにしてもよい。
また、タイマ演出におけるカウント表示を少なくとも第1の態様と第2の態様とを含む複数の態様のいずれかで実行するようにしておき、第2の態様でカウント表示が行われる場合、第1の態様でカウント表示が行われる場合に比べてタイマ対象除外演出が実行される割合が高くなるように制御することとしてもよい。この場合、該割合については100%を含むようにしてもよい。すなわちこの場合、カウント表示の態様によってタイマ対象除外演出が行われることを示唆することができるようになり、カウント表示の態様によってカウント表示中の演出に注目させることができるようになる。
タイマ対象除外演出については、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときに行うようにするのではなく、例えば、タイマ種別は関係なしで、変動パターンの種別や大当り判定の結果などに基づく所定の演出抽選で特別結果が得られたことに基づいて行うようにしてもよい。また後述するが、タイマ対象除外演出は、タイマ演出が実行されないことが決定されている変動パターン内で出現させるようにしたり、タイマ演出が実行されるよりも前のタイミングで出現させるようにしてもよい。
また、上述したが、タイマ演出が未だ実行されていない状態(タイマ先読み演出の表示すら現れていない状態)でタイマ対象除外演出が出現したときには、タイマ対象除外演出が出現しなかった場合に比べてその後にタイマ演出が実行される割合が高くなるようにしておき、タイマ演出が実行されることを先行示唆する演出としても実行されるようにすることが望ましい。この意味では、タイマ対象除外演出については、タイマ先読み演出のうちの第1先行態様または第2先行態様として実行されるものであってもよい。すなわちこの場合、タイマ演出が実行される図柄変動が開始されておらずこれが未だ保留状態にあるときに、該タイマ演出でタイマ対象にされない特定の演出態様が示唆されうるようになることから、変動中にある図柄変動でタイマ演出が出現するのか、保留状態にある図柄変動でタイマ演出が出現するのか、若しくはタイマ演出が出現しないのか、などといった思惑と共に特定の演出態様がタイマ対象にされていないタイマ演出が発生するまでの間における遊技興趣を維持することが期待されるようになる。
[タイマ対象先出し演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、特定装飾部材(役物B)を用いた所定の演出(役物B動作)をカウント対象にしており、該所定の演出が現れるタイミングに向けてのカウント表示を図柄演出が行われている期間内で所定値まで実行する。この点、この実施の形態にかかるタイマ演出では、図柄演出が行われる期間のうち、カウント表示が所定値になり所定の演出が現れることとなるタイミングが到来するよりも前の期間内で、特定装飾部材を用いた演出を出現させることで、所定の演出がカウント対象にされていることを示唆しうる(タイマ対象先出し演出)。
すなわちこの場合、カウント表示における残りカウントを消化している段階にあるときにどのような演出が出現するかに着目するようにすることで、カウント表示が所定値になったときに現れる演出の種別を予測することができるようになることから、カウント表示が開始されてからこれが所定値になるまでの間の遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
図182は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし SPリーチ」に相当する変動番号15,16(図148参照)が選択されているときに行われるタイマ対象先出し演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図182に示す例では、説明の便宜上、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として図162で例示しなかった特定のタイマ種別(先出しタイマ1〜6)のいずれかが選択された場合にタイマ対象先出し演出を実行するようになっている。また、先出しタイマ1〜6のうちの先出しタイマ4〜6では、タイマ対象の演出として、「役物A動作」で用いられる役物Aと「役物B動作」で用いられる役物Bとの両方を動作させる「役物A&B動作」といった演出が行われるようになっている。
ただし、タイマ対象先出し演出については、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(先出しタイマ1〜6)が決定されたときに行うようにするのではなく、例えば、図162で例示したタイマ種別のいずれかが選択された場合にタイマ対象先出し演出を行うようにしてもよいし、タイマ種別は関係なしで、変動パターンの種別や大当り判定の結果などに基づく所定の演出抽選で特別結果が得られたことに基づいて行うようにしてもよい。また後述するが、タイマ対象先出し演出は、タイマ演出が実行されないことが決定されている変動パターン内で出現させるようにしたり、タイマ演出が実行されるよりも前のタイミングで出現させるようにしてもよい。このような構成によれば、タイマ演出のカウント表示が(タイマ対象先出し演出に対して)事後的に実行されると仮定した場合(実行されるか不明であるが)、そのタイマ演出のカウント表示が所定値になったときに現れる演出態様がいずれの種別であるのかを先行して示すことができるようになる。そしてこの場合、タイマ演出が未だ実行されていない状態(タイマ先読み演出の表示すら現れていない状態)でタイマ対象先出し演出が出現したときには、タイマ対象先出し演出が出現しなかった場合に比べてその後にタイマ演出が実行される割合が高くなるようにしておき、タイマ演出が実行されることを先行示唆する演出としても実行されるようにすることが望ましい。
図182に示す例のうち、まず、先出しタイマ1,4の態様でタイマ演出が実行される例では、図柄変動が開始されてから20秒が経過したあたりのタイミングで、50秒のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっている演出態様(「役物B動作」または「役物A&B動作」)が現れるようになっている。これに対し、先出しタイマ2,5の態様でタイマ演出が実行される例では、図柄変動の開始タイミングに合わせて70秒のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっている演出態様(「役物B動作」または「役物A&B動作」)が現れるようになっている。一方、先出しタイマ3,6の態様でタイマ演出が実行される例では、図柄変動の開始タイミングに合わせてタイマ先読み演出の表示(第1先行態様、第2先行態様、または第3先行態様)が現れるとともに、該タイマ先読み演出の表示が現れているなかで50秒が経過したあたりのタイミングで該タイマ先読み演出が非表示とされ且つ20秒のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっている演出態様(「役物B動作」または「役物A&B動作」)が現れるようになっている。
この点、先出しタイマ1,4の態様の場合、図柄変動が開始されてからタイミングTa1(例えば、7秒)が経過したタイミングで、タイマ演出が未実行の状態(タイマ先読み演出の表示すら現れていない状態)にされているにもかかわらず1回目のタイマ対象先出し演出が発生しうる。1回目のタイマ対象先出し演出では、例えば、先出しタイマ1,4のタイマ対象の演出である「役物B動作」や「役物A&B動作」で用いられる役物Bを、第1位置若しくはその近傍にてガタガタと振動させる演出(役物Bガタガタ)が行われる。
すなわち、先出しタイマ1のタイマ対象の演出である「役物B動作」は、「役物Bを第1位置から第2位置まで変位させる演出」であり、先出しタイマ4のタイマ対象の演出である「役物A&B動作」は、「役物Bを第1位置から第2位置まで変位させるとともに、役物Aを第3位置から第4位置まで変位させる演出」であるのに対し、1回目のタイマ対象先出し演出では、それら演出で用いられる役物Bを用いる点では共通しているものの、それら演出のいずれとも異なる演出(役物Bガタガタ)を行うこととしている。このような構成によれば、タイマ演出が実行されるよりも前の段階にありながらも、その後にタイマ演出が行われる可能性を示唆することができることはもとより、該タイマ演出での対象演出がいずれの演出態様であるかを示唆(役物Bを用いた演出であることを示唆)することができるようになる。また、1回目のタイマ対象先出し演出では、役物Bを用いてタイマ対象の演出(役物B動作、役物A&B動作)とは異なる演出(役物Bガタガタ)を行うようにしたことで、タイマ演出での対象演出が役物Bを用いた演出であることを示唆するようにしつつも、カウント表示が所定値に達したときに役物Bがどのように動作するかについてはこれを秘匿にすることができるようになり、カウント表示が所定値に達してタイマ対象の演出が行われるまでの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、先出しタイマ1,4の態様の場合、図柄変動が開始されてからタイミングTa2(例えば、27秒)が経過したタイミングでは、タイマ演出のカウント表示が行われているなかで2回目のタイマ対象先出し演出が発生しうる。2回目のタイマ対象先出し演出では、例えば、先出しタイマ1,4のタイマ対象の演出である「役物B動作」や「役物A&B動作」で用いられる役物Bを、「第1位置」から「第1位置と第2位置との間にある第1の中途位置」まで変位させる演出(役物B途中動作(小))が行われる。
すなわち、2回目のタイマ対象先出し演出も、「役物B動作」や「役物A&B動作」で用いられる役物Bを用いる点では共通しているものの、それら演出のいずれとも異なる演出(役物B途中動作(小))を行うこととしている。このような構成によれば、カウント表示が所定値に達するよりも前の特定のカウント値になったとき(残りカウントを消化しているとき)にその対象演出がいずれの演出態様であるかを示唆(役物Bを用いた演出であることを示唆)することができるようになる。また、2回目のタイマ対象先出し演出でも、役物Bを用いてタイマ対象の演出(役物B動作、役物A&B動作)とは異なる演出(役物B途中動作(小))を行うようにしたことで、タイマ演出での対象演出がいずれの演出態様であるかを示唆するようにしつつも、カウント表示が所定値に達したときに役物Bがどのように動作するかについてはこれを秘匿にすることができるようになり、カウント表示が所定値に達してタイマ対象の演出が行われるまでの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
しかも、2回目のタイマ対象先出し演出では、1回目のタイマ対象先出し演出(「第1位置」近傍でガタガタ)よりも役物Bを用いた演出の範囲(「第1位置」から「第1の中途位置」までの変位)が大きくなっており、「役物B動作」や「役物A&B動作」が行われるときに現れる演出の範囲(「第1位置」から「第2位置」までの変位)に近づく態様となっている。したがって、1回目のタイマ対象先出し演出と2回目のタイマ対象先出し演出とを見比べるようにすることで、タイマ対象の演出(「役物B動作」や「役物A&B動作」)で役物Bがどのような態様で動作するかについての推測材料を提供することができるようになる。
また、先出しタイマ1,4の態様の場合、図柄変動が開始されてからタイミングTa3(例えば、57秒)が経過したタイミングでは、タイマ演出のカウント表示が行われているなかで3回目のタイマ対象先出し演出が発生しうる。3回目のタイマ対象先出し演出では、例えば、先出しタイマ1,4のタイマ対象の演出である「役物B動作」や「役物A&B動作」で用いられる役物Bを、第1位置から「第1の中途位置と第2位置との間にある第2の中途位置」まで変位させる演出(役物B途中動作(大))が行われる。
すなわち、3回目のタイマ対象先出し演出も、「役物B動作」や「役物A&B動作」で用いられる役物Bを用いる点では共通しているものの、それら演出のいずれとも異なる演出(役物B途中動作(大))を行うこととしている。このような構成によれば、カウント表示が所定値に達するよりも前の特定のカウント値になったとき(残りカウントを消化しているとき)にその対象演出がいずれの演出態様であるかを示唆(役物Bを用いた演出であることを示唆)することができるようになる。また、3回目のタイマ対象先出し演出でも、役物Bを用いてタイマ対象の演出(役物B動作、役物A&B動作)とは異なる演出(役物B途中動作(大))を行うようにしたことで、タイマ演出での対象演出がいずれの演出態様であるかを示唆するようにしつつも、カウント表示が所定値に達したときに役物Bがどのように動作するかについてはこれを秘匿にすることができるようになり、カウント表示が所定値に達してタイマ対象の演出が行われるまでの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
しかも、3回目のタイマ対象先出し演出では、1,2回目のタイマ対象先出し演出よりも役物Bを用いた演出の範囲(「第1位置」から「第2の中途位置」までの変位)が大きくなっており、「役物B動作」や「役物A&B動作」が行われるときに現れる演出の範囲(「第1位置」から「第2位置」までの変位)により一層近づく態様となっている。したがって、1〜3回目のタイマ対象先出し演出とを見比べるようにすることで、タイマ対象の演出(「役物B動作」や「役物A&B動作」)で役物Bがどのような態様で動作するかについてのより多くの推測材料を提供することができるようになる。
これに対し、先出しタイマ2,5の態様の場合も、タイミングTa1(例えば、7秒)、タイミングTa2(例えば、27秒)、タイミングTa3(例えば、57秒)において、「役物Bガタガタ」、「役物B途中動作(小)」、「役物B途中動作(大)」といった各演出が、1回目〜3回目のタイマ対象先出し演出として行われる。ただし、図182に示されるように、先出しタイマ2,5の態様の場合は、タイミングTa1〜Ta3のいずれのタイミングにおいても、カウント表示が残りのカウントを消化している状況においてタイマ対象先出し演出が行われることとなる。
一方、先出しタイマ3,6の態様の場合も、タイミングTa1(例えば、7秒)、タイミングTa2(例えば、27秒)、タイミングTa3(例えば、57秒)において、「役物Bガタガタ」、「役物B途中動作(小)」、「役物B途中動作(大)」といった各演出が、1回目〜3回目のタイマ対象先出し演出として行われる。ただし、図182に示されるように、先出しタイマ3,6の態様の場合は、タイミングTa1,Ta2の各タイミングにおいては、カウント表示が未実行の状態にあり、且つタイマ先読み演出が表示されているもとで1,2回目のタイマ対象先出し演出が行われることとなる。このような構成によれば、カウント表示が未実行の状態にあるときにタイマ対象先出し演出が実行されることにはなるものの、タイマ先読み演出すら表示されていない先出しタイマ1,4の態様の場合と比べて、「タイマ対象先出し演出が実行されたにもかかわらずタイマ演出これ自体が実行されなかった」といった事象が発生する割合が少なくなることから、遊技者としても、より高い期待感を持ってタイマ対象先出し演出を楽しむことができるようになる。
そして、図182に示す各例では、こうして1回目〜3回目のタイマ対象先出し演出が実行された後にカウント表示が所定値に達する。そしてこの後、タイマ対象の演出が実行された後に図柄変動が停止されることとなる。
なお、この実施の形態にかかるタイマ対象先出し演出では、図柄変動が開始されてから予め定められている複数のタイミングta1〜ta3が到来する都度、「役物B動作」や「役物A&B動作」で用いられる役物Bを用いた演出を行うこととした。ただし、予め定められている複数のタイミングta1〜ta3が到来する度にタイマ対象先出し演出を必ずしも実行しなくてもよく、変動パターンの種別や大当り判定の結果などに基づいてそれらタイミングta1〜ta3が到来する度に所定確率でタイマ対象先出し演出が現れるようにしたり、タイマ対象先出し演出を実行するタイミングをそれらタイミングから選択するようにしてもよい。またこの際、予め定められている複数のタイミングta1〜ta3の別にタイマ対象先出し演出の実行確率や演出内容の選択割合を異ならせるようにしてもよい。
このような演出を実現する場合、周辺制御MPU1511aでは、まず、大当り判定の結果、変動パターンの種別、またはタイマ演出の態様(例えば、SPリーチの「先出しタイマ1」など)に基づいて、タイマ対象先出し演出を発生させるのか、さらにはタイマ対象先出し演出をいずれのタイミングで発生させるかについての判定処理(図183を参照)を行う。次いで、タイマ対象先出し演出を発生させる旨の決定をした各タイミングでいずれの演出態様をタイマ対象先出し演出として実行するのかについての判定処理(図184,図185を参照)を行うこととなる。なお、これらの判定処理は、例えば、図149に示される各処理が行われた後、若しくはステップS5510が行われた後であり且つステップS5511が行われるよりも前のタイミングで、それ以前の各処理の結果情報に基づいて行うことが可能である。
図183は、タイマ対象先出し演出を発生させるのか、さらにはタイマ対象先出し演出をいずれのタイミングで発生させるかについての判定処理の内容(テーブルT10)についてその一例を示す図である。
上述の通り、タイマ対象先出し演出とは、図柄演出が行われる期間のうち、カウント表示が所定値になりタイマ対象の演出が現れることとなるタイミングが到来するよりも前の期間内で、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材を用いた演出を出現させることで、特定装飾部材を用いた演出がタイマ対象にされていることを示唆する演出のことであり、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、このようなタイマ対象先出し演出が出現しうるタイミングとして3つのタイミングTa1〜Ta3を用意することとしている。
したがって、周辺制御MPU1511aでは、まず、図183に示されるテーブルT10を参照し、当落情報や、変動パターンの種別に関する情報、タイマ種別に関する情報と、それらの情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいてタイミングTa1〜Ta3のいずれでタイマ対象先出し演出を実行するか(または、タイミングTa1〜Ta3のいずれでもタイマ対象先出し演出を実行しないか)を選択することとなる。
同図183に示されるように、テーブルT10では、タイマ対象先出し演出の実行に関する選択候補として、「タイミングTa1〜Ta3のいずれにおいてもタイマ対象先出し演出を実行しない(図中では「なし」)」、「タイミングTa1〜Ta3のうちのタイミングTa1においてのみタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta1」)」、「タイミングTa1〜Ta3のうちのタイミングTa2においてのみタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta2」)」、「タイミングTa1〜Ta3のうちのタイミングTa3においてのみタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta3」)」、「タイミングTa1〜Ta3のうちのタイミングTa1、Ta2においてタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta1&2」)」、「タイミングTa1〜Ta3のうちのタイミングTa1、Ta3においてタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta1&3」)」、「タイミングTa1〜Ta3のうちのタイミングTa2、Ta3においてタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta2&3」)」、「タイミングTa1〜Ta3の全てでタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta1&2&3」)」といった選択候補が用意されている。
なお、テーブルT10の例では、カウント表示が未実行の状態にあり、且つタイマ先読み演出が表示されていない状態にあるときには、タイマ対象先出し演出が行われないように演出乱数が振り分けられている。したがって、テーブルT10の例では、特別タイマ1,4のタイマ種別の場合、タイミングT1,タイミングT1&T2,タイミングT1&T3,タイミングT1&T2&T3においてタイマ対象先出し演出が行われることはない。
ただし、これらのタイミングでタイマ対象先出し演出を行ってもよいことは上述した通りである。
また、テーブルT10の例では、大当り図柄が現れる変動パターンが選択されているときは、大当り図柄が現れない変動パターンが選択されているに比べて、タイマ対象先出し演出が実行される割合が高くなるように設定されるとともに、タイマ対象先出し演出が実行される回数も多くなる傾向になるように設定されている。
また、テーブルT10の例では、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材が「役物A&B」であるとき、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材が「役物B」であるときに比べて、タイマ対象先出し演出が実行される割合が高くなるように設定されるとともに、タイマ対象先出し演出が実行される回数も多くなる傾向になるように設定されている。
そして、周辺制御MPU1511aでは、こうしてテーブルT10に基づく判定処理を行った結果、少なくともタイミングTa1〜Ta3のいずれかでタイマ対象先出し演出を行う旨の判定がなされた場合、タイマ対象先出し演出を出現させるときの演出種別についての判定処理をさらに行う。
図184は、タイミングTa1〜Ta3のいずれか1つのタイミングでタイマ対象先出し演出を行う場合、該タイミングで発生させる演出態様をいずれの種別にするかについての判定処理の内容(テーブルT11)についてその一例を示す図である。
すなわち、タイミングTa1〜Ta3のいずれか1つのタイミングでタイマ対象先出し演出を行う旨の判定がなされた場合、周辺制御MPU1511aでは、図184に示されるテーブルT11を参照する。そして、当落情報や、変動パターンの種別に関する情報、タイマ種別に関する情報と、それらの情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいて、いずれの種別の演出態様(「役物Bガタガタ」、「役物B途中動作(小)」、「役物B途中動作(大)」)を、上記判定済みとされている一のタイミングで出現させるかについての判定を行うこととなる。
図185は、タイミングTa1〜Ta3のいずれか2つのタイミングでタイマ対象先出し演出を行う場合、それらタイミングで発生させる演出態様をいずれの種別にするかについての判定処理の内容(テーブルT12)についてその一例を示す図である。
すなわち、タイミングTa1〜Ta3のいずれか2つのタイミングでタイマ対象先出し演出を行う旨の判定がなされた場合、周辺制御MPU1511aでは、図185に示されるテーブルT12を参照する。そして、当落情報や、変動パターンの種別に関する情報、タイマ種別に関する情報と、それらの情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいて、いずれの種別の演出態様(「役物Bガタガタ→役物Bガタガタ」、「役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)」、「役物B途中動作(小)→役物B途中動作(小)」、「役物Bガタガタ→役物B途中動作(大)」、「役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大)」、「役物B途中動作(大)→役物B途中動作(大)」)を、上記判定済みとされている2つのタイミングでそれぞれ出現させるかについての判定を行うこととなる。
例えば、テーブルT12に基づいて「役物Bガタガタ→役物Bガタガタ」を出現させる旨の判定がなされたときには、上記判定済みとされている2つのタイミングのいずれにおいても「役物Bガタガタ」をタイマ対象先出し演出として実行することとなり、テーブルT12に基づいて「役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)」を出現させる旨の判定がなされたときには、上記判定済みとされている2つのタイミングのうちの先のタイミングで「役物Bガタガタ」をタイマ対象先出し演出として実行し、上記判定済みとされている2つのタイミングのうちの後のタイミングで「役物B途中動作(小)」をタイマ対象先出し演出として実行することとなる。
図186は、タイミングTa1〜Ta3の全てのタイミングでタイマ対象先出し演出を行う場合、それらタイミングで発生させる演出態様をいずれの種別にするかについての判定処理の内容(テーブルT13)についてその一例を示す図である。
すなわち、タイミングTa1〜Ta3の全てのタイミングでタイマ対象先出し演出を行う旨の判定がなされた場合、周辺制御MPU1511aでは、図186に示されるテーブルT13を参照する。そして、当落情報や、変動パターンの種別に関する情報、タイマ種別に関する情報と、それらの情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいて、いずれの種別の演出態様(「役物Bガタガタ→役物Bガタガタ→役物Bガタガタ」、「役物Bガタガタ→役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)」、「役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(小)」、「役物B途中動作(小)→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(小)」、「役物Bガタガタ→役物Bガタガタ→役物B途中動作(大)」、「役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大)」、「役物B途中動作(小)→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大)」、「役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大)→役物B途中動作(大)」、「役物B途中動作(大)→役物B途中動作(大)→役物B途中動作(大)」)を、上記判定済みとされている3つのタイミングでそれぞれ出現させるかについての判定を行うこととなる。
例えば、テーブルT13に基づいて「役物Bガタガタ→役物Bガタガタ→役物Bガタガタ」を出現させる旨の判定がなされたときには、上記判定済みとされている3つのタイミングのいずれにおいても「役物Bガタガタ」をタイマ対象先出し演出として実行することとなり、テーブルT13に基づいて「役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大)」を出現させる旨の判定がなされたときには、上記判定済みとされている3つのタイミングのうちの1番目のタイミングで「役物Bガタガタ」をタイマ対象先出し演出として実行し、上記判定済みとされている3つのタイミングのうちの2番目のタイミングで「役物B途中動作(小)」をタイマ対象先出し演出として実行し、上記判定済みとされている3つのタイミングのうちの3番目のタイミングで「役物B途中動作(大)」をタイマ対象先出し演出として実行することとなる。
なお、テーブルT11,T12の例では、タイミングTa1〜Ta3のいずれでタイマ対象先出し演出を出現させる旨判定されているかにかかわらず、当該判定処理を同じ態様(選択割合)で行うこととしたが、タイミングTa1〜Ta3のいずれでタイマ対象先出し演出を出現させる旨判定されているかに応じて、当該判定処理を別の態様(選択割合)で行うようにしてもよい。例えば、タイマ対象先出し演出を出現させる旨判定されているタイミングが遅いタイミングであるときほど、演出範囲の大きい演出態様が選択される割合が高くなる態様で当該判定処理を行うようにすれば、タイマ対象の演出が行われるまでの残り時間がどの程度残されているかをタイマ対象先出し演出で現れた演出の範囲の大きさに基づいて推測することができるようになる。そしてこの場合、図199(G)を参照して後述するが、タイマ演出のカウント表示に対して正面視で重なる態様で特定装飾部材(ここでは、役物B)を動作させることにより当該タイマ対象先出し演出(役物B途中動作(小)、「役物B途中動作(大))の実行中はカウント表示が視認し難くされるようにすることが、このような作用効果を好適に得る上で望ましい。これにより、カウント表示にあまり注目せずにタイマ対象先出し演出が実行されたような場合は、同じタイミングでタイマ対象先出し演出が実行されていたとしてもそのときに現れる演出の種別によってタイマ対象の演出がもうすぐ行われることを覚悟したり(演出の範囲が大きかったとき)、タイマ対象の演出が行われるまでに時間的な余裕が残されていると感じたり(演出の範囲が小さかったとき)するようになり、その後に正確な残りカウントを把握したときとのギャップが生じうるようにすることで面白さを持たせることが期待されるようになる。またこの際、タイマ対象先出し演出の実行中はカウント表示が非表示とされるようにして、タイマ対象先出し演出が終了したときにカウント表示が再表示されるようにしてもよい。
ただし、タイマ演出のカウント表示に対して正面視で重なる態様で特定装飾部材(ここでは、役物B)を動作させてタイマ対象先出し演出の実行中はカウント表示が視認し難くされるようにすると(若しくは、カウント表示が非表示にされると)、タイマ対象先出し演出が実行されているにもかかわらずカウント表示が所定値に達してタイマ対象の演出が実行されている状態にあると誤認してしまう懸念がある。そこで、タイマ対象先出し演出の実行中はカウント表示が視認し難くされるようにする一方で、カウント表示の実行に合わせて発生するカウント音についてはこれを継続して実行するようにすることが望ましい。すなわち、このようなカウント音は、カウント表示が所定値に達したときにその出力が終了されることとなり、タイマ対象の演出が行われるときにこれが出力されることはないことから、タイマ対象先出し演出の実行中にカウント音を継続して出力させるようにすることで、タイマ対象の演出が実行されている状態にあると誤認してしまうことを抑制することが期待されるようになる。
また、テーブルT11〜T13の例では、大当り図柄が現れる変動パターンが選択されているときは、大当り図柄が現れない変動パターンが選択されているに比べて、タイマ対象先出し演出において演出範囲の大きい演出態様が選択される割合が高くなるように設定されている。
また、テーブルT11〜T13の例では、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材が「役物A&B」であるとき、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材が「役物B」であるときに比べて、タイマ対象先出し演出において演出範囲の大きい演出態様が選択される割合が高くなるように設定されている。
また、テーブルT12,T13の例では、タイミングTa1〜Ta3のうちの遅いタイミングであるとき、タイミングTa1〜Ta3のうちの早いタイミングであるときに比べて、タイマ対象先出し演出において演出範囲の大きい演出態様が選択される割合が高くなるように設定されている。したがって、タイマ対象の演出が行われるまでの残り時間があまり残されていないか否かをタイマ対象先出し演出で現れた演出の範囲の大きさに基づいて推測することができるようになる。
また、テーブルT12,T13の例では、基本的に、時間が経過するにつれてタイマ対象先出し演出における演出の範囲(役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大))が広がっていくようになっており、現状維持(役物Bガタガタ→役物Bガタガタなど)はあったしてもその逆(演出範囲が狭まる態様)が発生しないように設定されている。すなわちこの場合、時間が経過するにつれて、タイマ対象の「役物B動作」や「役物A&B動作」が行われるときに現れる演出の範囲に近づく態様とされることから、複数回のタイマ対象先出し演出を確認するようにすることで、タイマ対象の「役物B動作」や「役物A&B動作」が行われるまでの残り時間が少なくなっていることを認識することができるようになる。
また、この実施の形態にかかるタイマ対象先出し演出では、タイマ対象の演出(例えば、役物B動作)時に用いられる特定装飾部材(役物B)を必ず用いることとしたが、タイマ対象の演出(例えば、役物B動作)時に用いられる特定装飾部材(役物B)を用いずにこれとは異なる装飾部材(例えば、役物A)を用いてタイマ対象先出し演出を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、タイマ対象先出し演出では、カウント表示が所定値に達したときに現れる演出の種別を所定精度で示唆する演出として機能することとなる。そして、このようなタイマ対象先出し演出を実現する場合は、該タイマ対象先出し演出として出現させる演出の種別(役物Bガタガタ、役物B途中動作(小)、役物B途中動作(大))や、その実行回数の多少によって、示唆された演出の種別がカウント表示が所定値に達したときに現れる割合(精度)を異ならせるようにすることが望ましい。例えば、演出の範囲が大きい演出の種別(役物B途中動作(大))が現れたときには、演出の範囲が小さい演出の種別(役物Bガタガタ)が現れたときに比べて、タイマ対象先出し演出で用いられた特定装飾部材(役物B)を用いた演出(役物B動作、役物A&B動作)がカウント表示が所定値に達したときに現れる割合が高くなるようにしたり、一の変動内におけるタイマ対象先出し演出の実行回数が多いときは、その実行回数が少ないときに比べて、それらタイマ対象先出し演出で用いられた特定装飾部材(役物B)を用いた演出(役物B動作、役物A&B動作)がカウント表示が所定値に達したときに現れる割合が高くなるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、カウント表示が所定値に達したときに「役物B動作」、「役物A&B動作」を含めた複数の演出態様(「役物B動作」、「役物A&B動作」以外は、役物Bを用いない演出態様)のいずれかが現れうるようになっていることを前提として、タイマ対象先出し演出として特定装飾部材(役物B)を用いた演出を行うこととした。
ただし、役物Bを用いた演出態様としては「役物B動作」、「役物A&B動作」のいずれかのみが用意されていることを前提として、タイマ対象先出し演出として特定装飾部材(役物B)を用いた演出を行うようにしてもよい。
例えば、役物Bを用いた演出態様としては「役物A&B動作」のみがタイマ対象の演出として出現しうるようになっているなかで、タイマ対象先出し演出として特定装飾部材(役物B)を用いた演出を行うようにした場合は、タイマ対象の演出(役物A&B動作)で用いられる装飾部材の一部(役物B)のみがタイマ対象先出し演出にて用いられるようになる。すなわちこの場合、タイマ対象先出し演出によってカウント表示が所定値に達したときに「役物Bを用いた演出」が現れることを示唆するようにしつつも、当該「役物Bを用いた演出」の全貌(役物B以外に、役物Aも用いること)を予測することを一層困難としてこれを秘匿にすることができるようになる。したがって、複数回のタイマ対象先出し演出(役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大))によって、カウント表示が所定値に達したときの役物Bの演出範囲に近づく演出が実行されてその予測が可能とされたとしても、役物Aについてはその演出範囲はもとより、その存在すら秘匿にされることから、カウント表示が所定値に達したときのタイマ対象の演出の内容(役物A&B動作)を秘匿の状態にて好適に維持することができるようになる。なおこの際、役物A&B動作が行われるときの役物Bの動作態様を、タイマ対象先出し演出として行うようにしてもよい。
このような構成によれば、タイマ対象の演出である「役物A&B動作」で用いられる役物A,Bの一部(役物B)のみを用いてタイマ対象先出し演出が行われるようになることはもとより、該タイマ対象先出し演出では、「役物A&B動作」で用いられる役物A,Bの一部(役物B)のみを用いて「役物A&B動作」における役物Bの演出範囲の一部のみで演出(役物B途中動作(小)、役物B途中動作(大))が現れるようになる。そして、複数回のタイマ対象先出し演出によってこのような小さな演出範囲が次第に広がっていった後、タイマ対象の演出である「役物A&B動作」が行われることによってより大きな演出範囲で役物Bだけでなく役物Aをも用いた演出が現れるようになることから、残りカウントを消化しているときにタイマ対象先出し演出を行うことによってタイマ対象の演出が行われるときの目新しさが喪失されるようなことがなく遊技興趣を好適に維持することが期待される。
また、この実施の形態では、タイマ対象先出し演出で用いられる特定装飾部材と、タイマ対象の演出(カウント表示が所定値に達したときの演出)で用いられる特定装飾部材とを完全一致させることとしたが、これらについては必ずしも完全一致するものでなくてもよく、タイマ対象の演出としていずれの演出態様が現れるかをタイマ対象先出し演出によって示唆可能なものであればよい。例えば、扇形状の役物として「相対的に小さな扇形状の役物」と「相対的に大きな扇形状の役物」とが正面視で重なって配設されているなかで、タイマ対象先出し演出で用いられる特定装飾部材を「相対的に小さな扇形状の役物」とし、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材を「相対的に大きな扇形状の役物」とするようにした場合であっても、タイマ対象の演出として扇形状の役物を用いた演出が行われるよりも前の段階(カウント表示が実行されている間)で、タイマ対象先出し演出として扇形状の役物を用いた演出を行うことは可能である。
また、この実施の形態では、特定装飾部材として役物を用いることとしたが、これに代えて特定装飾部材として表示手段を用いるようにしてもよい。特定装飾部材として表示手段を用いる場合、表示が現れる範囲(演出の範囲)を大きくしたり、その表示内容を異ならせたりすることによって、上述した役物を用いた演出と同様の演出を実現することが可能である。
ちなみに、タイマ対象先出し演出として行われる「特定装飾部材を用いた演出」については、所定時間の経過後に終了させるようにすることが望ましい。特定装飾部材が役物である場合には、所定時間の経過後、特定装飾部材を原位置まで戻らせる制御を行うとともに、特定装飾部材が表示手段である場合には、所定時間の経過後、タイマ対象先出し演出としての表示を非表示にする制御を行うこととなる。そしてこの際、タイマ対象先出し演出に要する上記所定時間については、カウント表示が所定値に達したときに現れる演出(タイマ対象の演出)に要する時間よりも短くすることが望ましい。このように、時間の長短によって異なる演出態様を実現するようにすることで、タイマ対象先出し演出では、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材が、あまり満足できない程度のチョイ見せに留められるようになることから、カウント表示が所定値に達することを待ち遠しいようにして遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
[復活タイマ演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、カウント表示が非表示にされると複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作など)の少なくとも1つが現れるカウント演出を実行可能としている。この点、この実施の形態にかかるタイマ演出では、カウント表示が所定値に達してこれが非表示にされた後、複数の演出態様のうち第1の演出態様(例えば、会話予告)が現れた場合であっても、この後にカウント表示が再表示されて当該タイマ演出をさらに継続させる。そして、カウント表示が再表示されてから所定時間の経過後にカウント表示を再び非表示にして複数の演出態様のうち第2の演出態様(例えば、役物A動作(役物A予告))が現れるようにしている(復活タイマ演出)。
すなわちこの場合、第1の演出態様がタイマ対象(カウント対象)であったかのように見せた後、カウント表示が再表示されて当該タイマ演出をさらに継続させ、第1の演出態様とは異なる第2の演出態様がタイマ対象であることが示されるようになることから、相対的に期待度の低い演出が出現するタイミングでカウント表示が所定値に達してこれが非表示にされた場合であっても、その後にタイマ対象が変更される可能性を意識付けすることができるようになり、遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
図187(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、予告数が2つであることが決定され(ステップS5523)、且つ先のタイミングで「会話予告」を行うとともに後のタイミングで「役物A動作1」を行うことが決定されており、「タイマなし キャラリーチ」に相当する変動番号7,8(図148参照)が選択されているときに行われる復活タイマ演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図187(a)に示す例では、説明の便宜上、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(役物A動作1だけでなく複数あってもよい)が選択された場合(図161を参照)に復活タイマ演出に関する下記処理を実行するようになっている。ただし、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときに復活タイマ演出に関する下記処理を行うのではなく、いずれのタイマ種別が決定された場合であっても復活タイマ演出に関する下記処理を実行するようにしてもよい。
図187(a)に示されるように、いま、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として「役物A動作1」のタイマ種別が選択されたとすると、周辺制御MPU1511aでは、次の処理として、該選択した「役物A動作1」を、復活タイマ演出の態様を含めた複数の演出態様(「役物A動作1−1」,「役物A動作1−2」,「役物A動作1−3」,「役物A動作1−4」)のいずれで実行するかについての判定処理を行う。なお、該判定処理は、大当り判定の結果や所定の抽選の結果に基づいて行われるようにすることが望ましい。
図187(a)に示す例のうち、「役物A動作1−1」の態様では、図柄変動の開始に合わせて40秒のカウント数をもったカウント表示が開始された後、20秒が経過したときにタイマ対象になっていない「会話予告」が実行されるとともに、40秒が経過したときに所定値に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「役物A動作(役物A予告)」が実行される。
これに対し、「役物A動作1−2」の態様では、図柄変動の開始に合わせて20秒のカウント数をもったカウント表示が開始された後、20秒が経過したときに所定値に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっていない「会話予告」(第1の演出態様)が実行されるが、該「会話予告」が終了されるとカウント表示は再表示されて当該タイマ演出が継続することとなり、所定時間の経過後(20秒のカウント数をもったカウント表示が開始されてからの40秒の経過後)にカウント表示を再び非表示にしてタイマ対象になっている「役物A動作(役物A予告)」(第2の演出態様)が実行される。
一方、「役物A動作1−3」の態様では、図柄変動の開始に合わせて12秒のカウント数をもったカウント表示が開始された後、12秒が経過したときに所定値に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象の演出になり得ない非対象予告としての予告E2(第1の演出態様)が実行されるが、該予告E2(非対象予告)が終了されるとカウント表示は再表示されて当該タイマ演出が継続することとなり、所定時間の経過後(12秒のカウント数をもったカウント表示が開始されてからの40秒の経過後)にカウント表示を再び非表示にしてタイマ対象になっている「役物A動作(役物A予告)」(第2の演出態様)が実行される。
また一方、「役物A動作1−4」の態様では、図柄変動の開始に合わせて8秒のカウント数をもったカウント表示が開始された後、8秒が経過したときに所定値に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象の演出になり得ない非対象予告としての予告E1(第1の演出態様)が実行されるが、該予告E1(非対象予告)が終了されるとカウント表示は再表示されて当該タイマ演出が継続することとなり、所定時間の経過後(8秒のカウント数をもったカウント表示が開始されてからの40秒の経過後)にカウント表示を再び非表示にしてタイマ対象になっている「役物A動作(役物A予告)」(第2の演出態様)が実行される。
すなわち、「役物A動作1」に対応して用意されている複数の演出態様のうち、「役物A動作1−2」、「役物A動作1−3」、及び「役物A動作1−4」の態様が復活タイマ演出に相当している。そして、これらの復活タイマ演出では、カウント表示が開始されてからタイマ対象の演出(役物A動作)が行われるまでの間にカウント表示が一旦非表示にされてタイマ対象になっていない演出(会話予告、予告E2、または予告E1)が現れることから、該演出が現れた時点で当該タイマ演出が終了したかのように思わせることができるようになる。
この点、「役物A動作1−2」の態様では、タイマ対象として採用されうる複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作など)のうち、タイマ対象になっている演出(役物A動作)よりも大当り期待度の低い演出(会話予告)を対象(第1の演出態様)にして復活タイマ演出を行うこととしている。すなわちこの場合、大当り期待度の低い演出(会話予告)がタイマ対象の演出として現れたかのように見せた後、該演出(会話予告)はタイマ対象の演出でないことが示されることはもとより(カウント表示を再表示)、該演出(会話予告)よりも大当り期待度の高い演出(役物A動作)がタイマ対象の演出(第2の演出態様)として現れるようになることから(カウント表示を再び非表示)、こうした逆転性のある演出によって遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
また、「役物A動作1−3」や「役物A動作1−4」の態様では、タイマ対象として採用され得ない複数の演出態様(例えば、予告E1、予告E2、予告E3、予告Fなど)のいずれかを対象(第1の演出態様)にして復活タイマ演出を行うこととしている。このような構成では、タイマ対象として採用され得ない演出態様(ここでは、予告E2または予告E1)がタイマ対象の演出であるかのように現れた時点で、タイマ演出がこのタイミングでは終了されずに継続されることが示唆されるようになる。すなわちこの場合、特に、「役物A動作1−4」の態様が実行されるときに現れる予告E1はこれ自体の期待度は低いが、タイマ演出がこのタイミングでは終了されずに継続されることを示唆する演出として機能することで遊技興趣の向上に寄与することができるようになる。なお、タイマ対象として採用され得ない複数の演出態様(例えば、予告E1、予告E2、予告E3、予告Fなど)は、タイマ演出が行われないときにも出現しうるものである。
また、この実施の形態にかかる「役物A動作1−2」,「役物A動作1−3」,「役物A動作1−4」の各態様では、カウント表示を開始させるときに現れる数値を40秒とは異なる数値(20秒、12秒、8秒など)で表示しているが、周辺制御MPU1511aとしては、制御上は40秒の演出用タイマを秘かに設定しており、カウント表示が一旦非表示にされている間も内部的には該演出用タイマを継続して更新させる処理を行うことで、カウント表示が開始されてから40秒が経過したときにタイマ対象の演出(役物A動作)が現れるようにしている。このような構成によれば、「役物A動作1−1」,「役物A動作1−2」,「役物A動作1−3」,「役物A動作1−4」のいずれの態様で役物A動作1を実行した場合であっても、変動開始から同じタイミングでカウント表示を再び非表示にしてタイマ対象の演出(役物A動作)を出現させることができるようになる。
そして、このような復活タイマ演出では、「一旦非表示にされるよりも前に現れていたカウント表示」と「一旦非表示とされてから再表示されたカウント表示」とが別のカウント消化をしているのではなく、同じカウント消化をしていることを認識可能とされるようにすることが、タイマ演出が途中で終了しておらず継続していることを示唆する上で重要である。
例えば、図187(a)に示されるように、「役物A動作1−2」の態様では、20秒のカウント数をもったカウント表示が「0秒」になるとカウント表示が非表示にされて「会話予告」が実行されることとなるが、該「会話予告」が終了した後には、カウント表示をマイナス表記にして再表示することで、非表示になったときの「0秒」ではカウント消化が終わっておらずこれが継続している様子を表現するようにしている。
また、図187(a)に示されるように、「役物A動作1−2」の態様では、カウント表示が非表示にされている間もカウント消化が秘かに継続されるようにしており、非表示にされていた時間分だけカウント消化された状態からカウント表示を再表示するようにしている。より具体的には、「役物A動作1−2」の態様では、カウント表示が「0秒」で非表示になり、該非表示の状態が2秒にわたって維持された後に該カウント表示が再表示されるようになっているが、カウント表示が再表示されると「−2秒」から18秒間にわたってマイナスカウントによるカウント消化が行われるようになっている。
そして、図187(a)に示す各例では、こうしてタイマ対象の演出が実行された後に図柄変動が停止されることとなる。
このような復活タイマ演出を実現する場合、周辺制御MPU1511aでは、まず、大当り判定の結果、変動パターンの種別、またはタイマ演出の態様(例えば、キャラリーチの「役物A動作1」など)に基づいて、復活タイマ演出を発生させるのか、さらには復活タイマ演出をいずれの態様で発生させるかについての判定処理(図187(b)を参照)を行うこととなる。なお、この判定処理は、例えば、図149に示されるステップS5510が行われた後であり且つステップS5511が行われるよりも前のタイミングで、それ以前の各処理の結果情報に基づいて行うことが可能である。
図187(b)は、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として「役物A動作1」のタイマ種別が選択された場合、該「役物A動作1」を、復活タイマ演出の態様を含めた複数の演出態様のいずれで実行するかについての判定処理の内容(テーブルT14)についてその一例を示す図である。
上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、キャラリーチの「役物A動作1」が選択された場合、該「役物A動作1」を、「役物A動作1−1」,「役物A動作1−2」,「役物A動作1−3」,「役物A動作1−4」のいずれかの態様で実行するものとなっている。
したがって、周辺制御MPU1511aでは、まず、図187(b)に示されるテーブルT14を参照し、当落情報や、変動パターンの種別に関する情報、タイマ種別に関する情報と、それらの情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいて、「役物A動作1−1」,「役物A動作1−2」,「役物A動作1−3」,「役物A動作1−4」のいずれの態様でタイマ演出を実行するかを選択することとなる。
そしてこの結果、「役物A動作1−3」,「役物A動作1−4」のいずれかの態様でタイマ演出を実行する旨の判定がなされた場合は、ステップS5512,S5525の処理において、該判定された種別に基づいて非対象予告の種別を決定することとなる。例えば、「役物A動作1−3」の態様でタイマ演出を実行する旨の判定がなされた場合は、ステップS5512,S5525の処理において非対象予告として少なくとも予告E2を実行する旨の判定がなされることとなり、「役物A動作1−4」の態様でタイマ演出を実行する旨の判定がなされた場合は、ステップS5512,S5525の処理において、非対象予告として少なくとも予告E1を実行する旨の判定がなされることとなる。
なお、テーブルT14の例では、タイマ対象として採用され得る演出態様(会話予告)を対象にした復活タイマ演出が実行される場合は、タイマ対象として採用され得ない演出態様(予告E1,E2)を対象にした復活タイマ演出が実行される場合に比べて、大当り期待度が高くなるように設定されている。また、タイマ対象として採用され得ない演出態様(予告E1,E2)のうち期待度の高い演出態様を対象にした復活タイマ演出が実行される場合は、タイマ対象として採用され得ない演出態様(予告E1,E2)のうち期待度の低い演出態様を対象にした復活タイマ演出が実行される場合に比べて、大当り期待度が高くなるように設定されている。また、テーブルT14の例では、大当り図柄が現れる変動パターンが選択されているときは、大当り図柄が現れない変動パターンが選択されているに比べて、復活タイマ演出が実行される割合が高くなるように設定されている。
このような復活タイマ演出によれば、カウント表示の非表示によって期待度の低い演出態様(第1の演出態様)が一旦現れることとなり、一時的に遊技者に残念感を与えるものの、その後にカウント表示を再表示してこれを続行し、その所定時間後に続行したカウント表示を再び非表示にして期待度の高い演出態様(第2の演出態様)を出現させることとなる。これにより、カウント表示に注目していた遊技者に一時的に残念感を与えつつも、カウントの継続および逆転演出による意外性や驚きを与えることが可能となり、従来に比べて、遊技興趣が低下することを抑制することができる。
この意味では、期待度の高い演出態様(第2の演出態様)を2つの異なる装飾部材を用いた演出として実行するようにした上で、期待度の低い演出態様(第1の演出態様)を上記2つの異なる装飾部材のうちの一方(若しくは、これに関連した装飾部材)のみを用いた演出として実行するようにすることが、復活タイマ演出による逆転性を表現する上で望ましい。なおこの際、上記2つの異なる装飾部材のうちの一方については、第2の演出態様で用いるときと第1の演出態様で用いるときとで必ずしも完全一致するものでなくてもよい。例えば、扇形状の役物として「相対的に小さな扇形状の役物」と「相対的に大きな扇形状の役物」とが正面視で重なって配設されているなかで、第1の演出態様で用いられる装飾部材を「相対的に小さな扇形状の役物」とし、第2の演出態様で用いられる装飾部材を「相対的に大きな扇形状の役物」とするようにした場合であっても、第1の演出態様として行われる演出のほうが期待度が低いことを明示することは可能である。
また、このような復活タイマ演出にあって、「一旦非表示にされるよりも前に現れていたカウント表示」と「一旦非表示とされてから再表示されたカウント表示」とが別のカウント消化をしているのではなく、同じカウント消化をしていることを認識可能とされるようにする上では、カウント表示が非表示にされている間も、カウント音を、「一旦非表示にされるよりも前に現れていたカウント表示」と「一旦非表示とされてから再表示されたカウント表示」とにわたって継続して実行するようにすることが望ましい。
また、この実施の形態では、一の図柄変動が行われる期間内で復活タイマ演出を1回だけ行うようにしたが、該復活タイマ演出については、一の図柄変動が行われる期間内で複数回にわたって実行されるようにしてもよい。またこの際、カウント表示が非表示にされる都度、同じ演出態様を繰り返し表示させるようにしてもよい。そして、一の図柄変動が行われる期間内で復活タイマ演出が実行される回数が多くなるにつれて、タイマ対象の演出として期待度の高い演出態様(演出種別や演出内容(カットインの態様など))が出現する割合が高くなるようにすることが望ましい。
また、復活タイマ演出では、カウント表示を非表示にしてから第1の演出態様(会話予告,予告E1,E2など)を出現させるまでの時間と、再表示したカウント表示を再び非表示にしてから第2の演出態様(役物A動作)を出現させるまでの時間との長さを異ならせるようにして、タイマ対象の演出が出現している状態にあるか否かを認識可能とするようにすることが望ましい。
また、タイマ演出としての遊技興趣の向上を図る上では、タイマ対象として採用され得る演出態様(会話予告)を対象にした復活タイマ演出が実行される場合は、タイマ対象として採用され得ない演出態様(予告E1,E2)を対象にした復活タイマ演出が実行される場合に比べて、タイマ対象の演出としてより期待度の高い演出態様(演出種別や演出内容(カットインの態様など))が現れる割合が高くなるように制御することが望ましい。
また、タイマ対象として採用され得ない演出態様(予告E1,E2)のうち期待度の高い演出態様を対象にした復活タイマ演出が実行される場合は、タイマ対象として採用され得ない演出態様(予告E1,E2)のうち期待度の低い演出態様を対象にした復活タイマ演出が実行される場合に比べて、タイマ対象の演出としてより期待度の高い演出態様(演出種別や演出内容(カットインの態様など))が現れる割合が高くなるように制御することが望ましい。
また、この実施の形態にかかる復活タイマ演出では、カウント表示が所定値(ここでは「0」)に達してこれが非表示とされた後に第1の演出態様を出現させるとともに、該第1の演出態様が終了されるとカウント表示を再表示してこれをマイナスカウントさせてこれが特定のマイナス値に達してこれが非表示とされた後に第2の演出態様を出現させることとしたが、カウント表示が非表示とされているもとで第1の演出態様や第2の演出態様を出現させるものであれば、第1の演出態様や第2の演出態様を出現させるにあたってカウント表示が非表示とされるときの各カウント値については適宜に設定するようにしてもよい。
[タイマ対象抑制制御]
すなわち、タイマ演出の対象(カウント対象)にされる演出は、タイマ演出が行われていないときにも実行されうるものであることが多く、例えば、変動パターンに基づいて所定タイミングで実行される特定演出(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)や、入賞時のタイミングで実行される所定演出(例えば、保留変化など)などが用意される。ただしこのうち、「変動パターンに基づいて所定タイミングで実行される特定演出」がタイマ演出の対象(カウント対象)にされている状況下にあって、カウント表示が所定値に達するときに新たな入賞が偶然発生してしまいこれによって所定演出(例えば、保留変化など)が発生するようなことがあると、タイマ演出の対象としてカウント表示が所定値に達したのに関係して所定演出が発生したのか、それともタイマ演出とは関係のない演出として新たな入賞の発生に起因して所定演出が発生したのか把握困難な事態(混同する事態)が生じうることとなり、ひいてはタイマ演出の対象(カウント対象)にされている特定演出(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)を見逃すことにもなりかねない。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、特定演出をタイマ対象にした特定種別のタイマ演出が実行される場合、該特定種別のタイマ演出におけるカウント表示が所定値に達するまでの残り時間が比較的多い第1期間にあるときは新たな入賞が発生したときにタイマ対象でない所定演出の表示を許容するが、第1期間が終了し、該特定種別のタイマ演出におけるカウント表示が所定値に達するまでの残り時間が比較的少ない第2期間になったときは新たな入賞が発生したとしてもタイマ対象でない所定演出の表示を許容しないようにしている(タイマ対象抑制制御)。これにより、特定演出をタイマ対象にした特定種別のカウント演出が実行される状況において新たな入賞の発生に起因したタイマ対象でない所定演出の発生を許容しつつも、タイマ演出の対象としてカウント表示が所定値に達したのに関係して所定演出が発生したのか、それともタイマ演出とは関係のない演出として新たな入賞の発生に起因して所定演出が発生したのか把握困難となってしまう(混同してしまう)ようなことを好適に回避することができるようになる。
図188(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、特定の変動番号が選択されているときに行われるタイマ対象抑制制御の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
同図188(a)に示されるように、特定のタイマ種別では、まず、図柄変動が開始されてから所定のタイミング(例えば、10秒)が経過したタイミングで20秒のカウント数をもったカウント表示が開始される。そして、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっている特定演出が現れるようになっている。この点、周辺制御MPU1511aでは、図柄変動が開始されてからカウント表示が所定値(ここでは「0秒」)に達するよりも前の特定カウント値(例えば、「5秒」)になるまでの期間(第1期間)は、新たな入賞が発生したときにタイマ対象でない所定演出の表示を許容するが(許容期間)、カウント表示が特定カウント値(例えば、「5秒」)になった以降の所定期間(第2期間)では、新たな入賞が発生したとしてもタイマ対象でない所定演出の表示を許容しないタイマ対象抑制制御を行うこととしている(抑制期間)。
しかも、同図188(a)に示されるように、この実施の形態にかかるタイマ対象抑制制御では、所定演出の表示が許容されない抑制期間(第2期間)を、「カウント表示が特定カウント値(例えば、「5秒」)になってから、該カウント表示が所定値(例えば、「0秒」)に達してタイマ対象である特定演出が実行(終了)されるまでの期間」のみならず、「該特定演出が終了した以降の期間」にまでわたって継続させることとしている。すなわちこの場合、カウント表示が所定値(例えば、「0秒」)に達してタイマ対象である特定演出が発生した以降は、演出発生これ自体が抑制されるようになることから、タイマ対象である特定演出が貴重な演出発生機会として機能するようになり、該特定演出に対する注目度を向上させてカウント表示が所定値(例えば、「0秒」)に達したときの遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
ただし、同図188(a)に示されるように、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイマ対象である特定演出が終了してから所定時間((例えば、「5秒」)が経過したとき、タイマ対象でない所定演出の表示を許容しない抑制期間(第2期間)を終了させるようにしている。このようなタイマ対象抑制制御によれば、こうして抑制期間が終了してから図柄変動が停止されるまでの期間では、新たな入賞が発生したときにタイマ対象でない所定演出の表示が再び許容されるようになる。
ところで、上記抑制期間においては、新たな入賞が発生したとしてもタイマ対象でない所定演出の表示を許容しないことは上述した通りである。ただしこの場合、新たな入賞を発生させても所定演出の表示が許容されない抑制期間においては、遊技者によって新たな入賞を発生させない遊技が行われる懸念があり、ひいては単位時間当たりの遊技の進行速度が低下してホール側の不利益が発生しかねない。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、抑制期間にあるときに新たな入賞が発生したとしてもこれに起因した所定演出の表示を許容しないが、該許容しなかった所定演出の表示については、該所定演出の表示これ自体を破棄するのではなく、該表示を行う時期を当該抑制期間が終了するときまで遅らせる(持ち越す)制御を行うこととしている。このような構成によれば、抑制期間にあるときに新たな入賞が発生したとしてもこれに起因した所定演出の表示を許容しないようにしつつも、該所定演出の表示についてはこれを好適に実行することができるようになることから、抑制期間にあるときに新たな入賞を発生させない遊技を行うことが抑制されるようになる。
なお、許容期間内で新たな入賞が発生して所定演出の表示を行う場合は、該所定演出の表示に合わせた音響出力を行うのに対し、抑制期間内で新たな入賞が発生して所定演出の表示を当該抑制期間が終了するときまで遅らせる(持ち越す)ようにする場合は、該所定演出の表示を行うときに該表示に合わせた音響出力を行わないようにすることが望ましい。これにより、所定演出の表示を、通常(入賞時)とは異なるタイミングで秘かに行うことができるようになり、遊技者が知らない間に表示されている所定演出を見たときにサプライズ性を付与して遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
また、タイマ対象である演出の実行期間が開始されるよりも前のタイミング(特定カウント値)から該実行期間が終了されるよりも後のタイミングにまでわたって発生する抑制期間については、タイマ対象である演出が行われるときに必ずしも発生しないように制御することが望ましい。
例えば、タイマ演出が行われるときに所定確率でこのような抑制期間が発生するようにするとともに、大当り判定にて大当りに当選しているときは、大当りに落選(ハズレ)しているときに比べて、このような抑制期間が発生する割合が高くなるようにすれば、タイマ対象の演出が行われる前後あたりのタイミングを狙って入賞を発生させたときに該入賞に起因した所定演出が発生するか否か(抑制期間が発生しており大当りに当選している可能性が高い状況にあるか否か)を確認することが促されるようになり、抑制期間にあるときに新たな入賞を発生させない遊技が行われてしまうことが抑制されるようになる。
また、タイマ対象の演出として現れる演出態様の種別(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)によって抑制期間が発生する割合を異ならせるようにすれば、タイマ対象の演出が行われるよりも前の期間内で入賞を発生させたときに該入賞に起因した所定演出が発生する否か(抑制期間が発生しており特定種別の演出がタイマ対象として実行される可能性が高い状況にあるか否か)を確認することが促されるようになり、抑制期間にあるときに新たな入賞を発生させない遊技が行われてしまうことが抑制されるようになる。
図188(b)は、タイマ対象の演出として現れる演出態様の種別によって抑制期間が発生する割合を異ならせるときのタイマ対象抑制制御において参照されるテーブル(テーブルT15)についてその一例を示す図である。
上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイマ対象の演出として、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作などが用意されている。
この点、図188(b)に示されるテーブルT15では、基本的に、大当り期待度の低い演出態様であるほど、タイマ対象の演出の実行前後にわたる抑制期間を発生させる割合が低くなり、大当り期待度の高い演出態様であるほど、タイマ対象の演出の実行前後にわたる抑制期間を発生させる割合が高くなるように設定されている。
より具体的には、タイマ対象の演出が「会話予告」であるときには抑制期間を必ず発生させないようになっており、タイマ対象の演出が「カットインA」であるときには抑制期間を20%の割合で発生させるようになっており、タイマ対象の演出が「カットインB」であるときには抑制期間を40%の割合で発生させるようになっており、タイマ対象の演出が「役物A動作」であるときには抑制期間を60%の割合で発生させるようになっており、タイマ対象の演出が「役物B動作」であるときには抑制期間を80%の割合で発生させるようになっており、タイマ対象の演出が「特別タイマ」であるときには抑制期間を必ず発生させるようになっている。
このような構成によれば、大当り期待度の高い演出態様であるほどタイマ対象の演出の実行前後にわたる抑制期間を発生させる割合が高くなることから、新たな入賞によって所定演出が発生してしまいこの結果として大当り期待度の高い演出態様を見逃してしまうようなことを抑制することができるようになる。逆に言えば、大当り期待度の低い演出態様であるほどこれを見逃してしまう可能性が高くなるようになることから、カウント表示が所定値に達したときに大当り期待度の低い演出態様が現れていたことを秘匿にしたまま演出を進行させることができるようになり、図柄が停止されるときまで遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
また、図188(b)に示されるテーブルT15では、大当りに当選しているか否かにかかわらず、タイマ対象の演出として現れる演出態様の種別に応じて抑制期間の発生割合を決定付けるようにしている。したがって、大当りに当選しているときも落選(ハズレ)しているときも、タイマ対象の演出として現れる演出態様の種別が同じであれば、同じ割合で抑制期間を発生させることができるようになる。
ところで、図188(b)に示されるテーブルT15では、タイマ対象の演出が「保留変化」であるときには、大当り期待度が相対的に低い演出態様であるにもかかわらず、抑制期間を必ず発生させるようにしている。すなわち、この実施の形態にかかる「保留変化」は、タイマ対象である特定演出として表示されうるものであることはもとより、新たな入賞が発生したときにタイマ対象でない所定演出としても表示されうるものであるから、このような「保留変化」が発生したときに抑制期間が発生しないようなことがあると、カウント表示が所定値に達したときにタイマ対象としての「保留変化(変動中の図柄に対応した保留表示の変化)」と新たな入賞に起因した「保留変化(保留中の図柄に対応した保留表示の変化)」とが同時発生しうる可能性がありそれらの混同が生じる懸念がある。したがって、タイマ対象の演出が「保留変化」であるときには抑制期間を必ず発生させるようにすることが望ましい。ただし上述の通り、「保留変化」についても、「会話予告」と同様、これを見逃してしまう可能性をあえて高くして、カウント表示が所定値に達したときに大当り期待度の低い演出態様が現れていたことを秘匿にしたまま演出進行させることを狙うのであれば、タイマ対象の演出が「保留変化」であるときにも抑制期間が発生しないように制御するようにしてもよい。
なお、図188(b)に示されるテーブルT15の例では、タイマ対象の演出として現れる演出態様の種別によって抑制期間が発生する割合を異ならせるようにしたが、これに加えて、同じ種別の演出態様であっても、カウント表示抽選(図149:ステップS5510)で決定されるタイマ種別によって抑制期間が発生する割合をさらに異ならせるようにしてもよい。
例えば、タイマ対象の演出として「会話予告」が選択されている場合であっても、該「会話予告」が、図161に示される「会話予告1〜4」、さらには図162に示される「会話予告1〜6」のいずれに該当するものであるかに応じて抑制期間の発生割合を異ならせるようにすることが望ましい。この場合、該発生割合については100%や0%を含むようにしてもよい。
また、タイマ対象の演出が「会話予告」、「保留変化」、「カットインA」、「特別タイマ」、「役物A動作」、「カットインB」、「役物B動作」のいずれかであるとき、所定の割合で、タイマ対象の演出の実行前後にわたる所定期間のみならず、図柄変動が開始されてから停止されるまでの全期間にわたって上記抑制期間を発生させるようにしてもよい。特に、タイマ対象の演出が最も大当り期待度の高い「特別タイマ」であるときには、図柄変動が開始されてから停止されるまでの全期間にわたって上記抑制期間を必ず発生させるようにして、「特別タイマ」が行われることへの期待感を高めるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、抑制期間にあるときに新たな入賞が発生したとしてもこれに起因した所定演出の表示これ自体を破棄せず、該表示を行う時期を当該抑制期間が終了するときまで遅らせる(持ち越す)制御を行うこととしたが、所定演出の表示これ自体を破棄して行わないようにしてもよい。
[新タイマを演出対象にしたタイマ演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、図柄演出が行われている期間内でカウント表示を実行しているなかで、カウント対象の候補として用意されている複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)の少なくとも1つが現れるタイミングに合わせて該カウント表示を非表示にするタイマ演出を実行可能としている。この点、この実施の形態にかかるタイマ演出では、カウント表示が所定値に達したときに現れる上記複数の演出態様の1つとして「特定の演出態様」を用意した上で、該「特定の演出態様」が現れるとそれまでのカウント表示(第1カウント表示)とは別のカウント表示(第2カウント表示)を新たに開始させるようにしている。
すなわちこの場合、タイマ演出としてのカウント表示が、第1カウント表示と第2カウント表示とに分かれるかたちで実行されるようになることから、該タイマ演出としての全体に要する時間は同じであっても、一のカウント表示(第1カウント表示または第2カウント表示)の消化に要する時間これ自体は短くすることができるようになり、カウント表示を消化している間における単調さを解消して遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
図189(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし キャラリーチ」に相当する変動番号7,8(図148参照)が選択されているときに行われる新タイマを演出対象にしたタイマ演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
図189(b)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし SPリーチ」に相当する変動番号15,16(図148参照)が選択されているときに行われる新タイマを演出対象にしたタイマ演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図189(a),(b)に示す例では、説明の便宜上、各変動パターンに対して「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」の種別を1つのパターンのみ用意することとしているが、第1カウント表示の発生時期(例えば、図柄変動の途中から第1カウント表示が開始されるパターン)や終了時期が異なっている複数の種別(新タイマ1、新タイマ2など)を用意するようにして、それらを抽選(図149:ステップS5510)によって選択するようにしてもよい。
図189(a)に示される「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」では、まず、図柄変動の開始に合わせて30秒のカウント数をもった第1カウント表示が開始される。そして、該第1カウント表示が所定値になりこれが非表示にされた後にタイマ対象となっている「特定の演出態様」が現れる。こうして「特定の演出態様」が現れた後、それまで現れていた第1カウント表示(非表示)とは別のカウント表示(40秒のカウント数をもった第2カウント表示)を新たに表示させてこれを開始させることとしている(新タイマ)。
なお、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、「特定の演出態様」が現れた場合は必ず、それまで現れていた第1カウント表示(非表示)とは別のカウント表示(第2カウント表示)を新たに表示させてこれを開始させるようになっている。ただし、こうして第1カウント表示が所定値になったにもかかわらずこれとは別のカウント表示(第2カウント表示)を新たに開始させるようにしただけでは、タイマ対象とされている演出の実行がお預けにされたかのような感覚を覚えかねず、遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、この実施の形態にかかる「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」では、まず、第1カウント表示が所定値に達してこれが非表示にされたときに現れる「特定の演出態様」として、何らの期待度も示さない「失敗演出」を出現させることとしている。すなわちこの場合、第1カウント表示が所定値に達したとき、タイマ対象の演出として期待度を持った演出(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)を発生させることに失敗したかのような残念な演出状況が生み出されることとなるが、該演出状況においては第2カウント表示が新たに開始されるようになることから、遊技者としては失敗したタイマ演出に再びチャレンジすることができるような感覚を覚えるようになり、このような気持ちの抑揚を通じて遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
ただし、図189(a)に示される「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」では、「失敗演出」の後に開始させた第2カウント表示を図柄変動の期間内で終了させず、残りカウントを消化し終わっていない状態で図柄停止(大当り図柄またはハズレ図柄)が行われるようにしている。このような構成によれば、第2カウント表示が所定値(ここでは「0」)に達したときにいかなる期待度をもった演出が現れるかを遊技者が楽しみにしていたとしても、カウント消化よりも先に図柄停止(大当りの当落)が表示された時点で大当り期待度に関する興味を完全喪失させることができるようになるから、遊技興趣の低下を招くことなく何らの演出も出現させずに当該タイマ演出を終了させることができるようになる。第2カウント表示が全て消化されるよりも先に現れる図柄停止では、ハズレ図柄のほか、大当り図柄も現れうるようになっていることから、特に、大当り図柄が現れた場合には遊技興趣が一切低下するようなことはない。
換言すると、図189(a)に示される「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」では、タイマ対象として期待度を持った演出を何ら出現させないにもかかわらず図柄変動のほぼ全期間(少なくとも半分以上の期間)にわたってカウント表示(第1カウント、第2カウント)を行うこととなるが、
・その中途段階で何らかの期待度を持った演出が出現するかもしれない可能性を意識付けする演出(第1カウントが所定値に達する演出)を行うことに加えて、
・新たに開始させた第2カウント表示がカウント数を残したまま図柄停止されるようにする
といった構成を備えることで、タイマ対象の演出がもうすぐ発生することへの期待感を図柄変動のほぼ全期間にわたって持続させることができるようになる。また、第1カウント表示と第2カウント表示とのいずれにおいても期待度を持った演出を発生させないことに起因した遊技興趣の低下についてもこれが好適に抑制される仕組みになっていることは上述した通りである。
これに対し、図189(b)に示される「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」においても、図189(a)に示した例と同様、図柄変動の開始に合わせて30秒のカウント数をもった第1カウント表示が開始される。そして、該第1カウント表示が所定値になりこれが非表示にされた後にタイマ対象となっている「特定の演出態様(失敗演出)」が現れる。こうして「特定の演出態様(失敗演出)」が現れた後、それまで現れていた第1カウント表示(非表示)とは別のカウント表示(40秒のカウント数をもった第2カウント表示)を新たに表示させてこれを開始させる点も、図189(a)に示した例と同様である。
ただし、図189(b)に示される例では、「失敗演出」の後に開始させた第2カウント表示が図柄変動の期間内で所定値(ここでは「0」)に達した後に図柄停止が発生するようになっている。この点、「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」とは、上述の通り、タイマ対象として期待度を持った演出を何ら出現させることなくタイマ対象の演出がもうすぐ発生することへの期待感を持続させることに技術的特徴を有するものであるから、図柄変動の期間内で第2カウント表示が所定値(ここでは「0」)に達したとしても、期待度を持った演出を出現させることはしない。その一方で、図柄変動の期間内で第2カウント表示が所定値(ここでは「0」)に達したときに、期待度を持った演出を単に出現させない処理が行われるだけでは、タイマ対象の演出がもうすぐ発生することへの期待感を持続させることはできない。
そこで、図189(b)に示される例では、「失敗演出」の後に開始させた第2カウント表示が図柄変動の期間内で所定値(ここでは「0」)に達した場合、該第2カウント表示を非表示にせず所定値(ここでは「0」)に達している表示のままで維持し、該表示が維持されている状態で図柄停止が行われるようにしている。第2カウント表示が所定値に達してこれが維持されている状態では、遊技者側からすれば、第2カウント表示が所定値に達したことに応じた演出(カウント対象の演出)がいつ現れてもおかしくない状態であるように見えることとなることから、図柄停止が行われるときまでタイマ対象の演出がもうすぐ発生することへの期待感を好適に持続させることができるようになる。そして、このような構成であっても、第2カウント表示が非表示にされるよりも先に図柄停止(大当りの当落)が表示された時点で大当り期待度に関する興味を完全喪失させることができるようになるから、遊技興趣の低下を招くことなく何らの演出も出現させずに当該タイマ演出を終了させることができるようになる。
ところで、図189(a),(b)に示した例では、「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」を確認済みの遊技者にとっては、失敗演出や第2カウント表示が発生した時点で何らの演出も発生しないことが見抜かれてしまう懸念がある。したがって、第2カウント表示が残りカウントを消化している間(第2カウント表示が所定値に達した状態の表示が維持されている期間を含む)に大当り図柄が停止されたときに限り、第2カウント表示に対応する演出として特別の演出を発生させるようにしてもよい。若しくは、特別の演出が発生する割合が高くなるようにしてもよい。このような構成によれば、第2カウント表示は、第1カウント表示とはカウント目的が異なるものとなり、該第2カウント表示が残りカウントを消化している期間内で大当り図柄が停止されるか否かの面白みを付与することができるようになる。この意味では、第1カウント表示と第2カウント表示とではそれらの表示の態様(形態や位置、大きさなど)を互いに異ならせるようにしてもよい。
なお、特別の演出は、第2カウント表示が残りカウントを残しておりこれが実行中の状態にあるときに発生させるようにしてもよい。ただし、第2カウント表示に対応する演出として特別の演出を発生させることに鑑みれば、大当り図柄が停止されたときには第2カウント表示を非表示にした後に(第2カウント表示が残りカウントを残した状態であったとしてもこれを非表示にした後に)、特別の演出を実行するようにすることが望ましい。
そして、こうして実行された特別の演出については、大当り遊技の実行期間やその後の遊技期間を含めてこれを継続して表示するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」に関する処理とは別の処理内で所定の条件が満たされたときに特別の演出を終了させることとなる。
特別の演出については、図柄変動の期間内に発生させるようにしてもよい。この場合、図柄変動の期間内で大当り図柄を出現(例えば、仮停止の状態で表示)させ且つ第2カウント表示を非表示にした後、特別の演出を実行するようにすることが望ましい。ただし、図柄変動の期間内で大当り図柄を出現(例えば、仮停止の状態で表示)させ、特別の演出を実行した後に第2カウント表示を非表示にするようにしてもよい。
そして、第2カウント表示が残りカウントを消化している間に大当り図柄が停止されたときに特別の演出の発生割合(100%を含む)が高くなるようにするのであれば、図柄停止が行われるよりも前に第2カウント表示が所定値に達したときにこれを非表示にし、該非表示にされた状態で図柄停止が行われるようにしてもよい。このような場合であっても、第2カウント表示が行われている間は遊技興趣を維持することが可能とされるようになる。ただし、第2カウント表示が所定値に達してこれが非表示にされた後に図柄停止で大当り図柄が現れたとしても、特別の演出が発生する割合は相対的に低いままとされることとなる。この場合、該割合については0%を含むようにしてもよい。
このような「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」を実現する場合、特に、第1カウント表示が所定値に達したときに何らの期待度も示さない「失敗演出」を出現させることとするのであれば、他の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)を出現させる上述のタイマ演出の場合とは異なり(これらとは別抽選で)、大当り判定の結果や変動パターンの種別などとは一切関係のない所定の演出条件が満たされたことに基づいて当該「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」を行う旨の判定がなされるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、図柄変動が停止されたときに大当りとハズレとのいずれもが停止されうる状況(大当り抽選の確率通りで大当り図柄が現れる可能性がある状況)にあるなかで、「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」を発生させることができるようになり、これによって第1カウント表示が所定値に達したときに何らの期待度も持たない失敗演出を出現させることができるようになる。これにより、タイマ対象として期待度を持った演出を何ら出現させることなくタイマ対象の演出がもうすぐ発生することへの期待感を図柄変動が行われる期間にわたって持続させることができるようになる。
ただし、このような作用効果を奏することを求めないのであれば、第1カウント表示が所定値に達したときに出現させる「特定の演出態様」を、何らの期待度も持たない失敗演出ではなく、他の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)として実行するようにしてもよい。この場合、他の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)を出現させる上述のタイマ演出を行う場合と同様の処理を通じて「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」を実行することとなる。
なお、図189(a)では、第1の変動パターン(タイマなし キャラリーチ)が選択された例において、「失敗演出」の後に開始させた第2カウント表示が所定値に達するよりも前に図柄変動が停止されるようにし、図189(b)では、第2の変動パターン(タイマなし SPリーチ)が選択された例において、第2カウント表示が所定値に達した後に図柄変動が停止されるようにした。ただし、第1の変動パターン(タイマなし キャラリーチ)が選択された例において、第2カウント表示が所定値に達した後に図柄変動が停止されるパターンが現れうるようにしてもよいし、第2の変動パターン(タイマなし SPリーチ)が選択された例において、「失敗演出」の後に開始させた第2カウント表示が所定値に達するよりも前に図柄変動が停止されるようにしてもよい。また、これらの変動パターンとは異なる変動パターンが選択されたときに、「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」を行うようにしてもよい。
また、第1カウント表示については、カウント表示の実行途中で図柄停止されうる第2カウント表示よりも短いカウント数をもったカウント表示として実行されるようにすることが、タイマ対象の演出がもうすぐ発生することへの期待感を持続させるようにする上で望ましい。
この実施の形態では、「失敗演出」が行われた後に発生させたカウント表示では、該カウント表示が消化し終わる前に図柄停止された場合、大当り図柄とハズレ図柄とのいずれかが現れうるようにしたが、「失敗演出」とは無関係で発生する通常のカウント表示では、該カウント表示が消化し終わる前に図柄停止された場合、大当り図柄が必ず現れるようにすることが望ましい。
第1カウント表示については、そのカウント数として複数の態様(例えば、10秒、20秒、30秒)を有し、それらのいずれかで実行するようにしてもよいが、第2カウント表示については、第1カウント表示で実行されたカウント数にかかわらず一の態様(例えば、40秒)のみで実行されるようにすることが、第1カウント表示と第2カウント表示とが別のカウント表示として実行されるものであることを認識可能とする上で望ましい。
また、第1カウント表示と第2カウント表示とが別のカウント表示として実行されるものであることに鑑みれば、第1カウント表示が行われる期間にあるときと、第2カウント表示が行われる期間にあるとき(所定値に達している表示のままで維持されている期間を含む)とで背景画像などの表示の態様(色違いやエフェクトを含む)を異ならせる処理を行うようにすることが望ましい。このような処理では、第1カウント表示が行われる期間内でリーチ演出が発生してリーチ演出用の背景画像に移行した場合であっても、その後に第2カウント表示が実行されるときにはそれまでと異なる表示の態様を出現させることとなり、第2カウント表示が行われる期間内でリーチ演出が発生してリーチ演出用の背景画像に移行した場合であっても、第2カウント表示が実行されるときに出現させたそれまでと異なる表示の態様をリーチ演出の期間においても維持させ、当該第2カウント表示が非表示にされるときまで維持するようにすることとなる。
なお、この実施の形態にかかる「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」では、第1カウント表示が所定値に達してこれが非表示にされたときに現れる「特定の演出態様」として、何らの期待度も示さない「失敗演出」を出現させることとしたが、これに代えて、それまで実行されていたカウント表示とは別のカウント表示が新たに開始されることを示唆する別カウント開始示唆演出を出現させるようにしてもよい。そしてこの場合、該別カウント開始示唆演出によって期待度を示すようにしてもよいし、期待度を示さないようにしてもよい。
[タイマモード演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、図柄演出が行われている期間内で、カウント対象の候補として用意されている複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)の少なくとも1つが現れるタイミングに向けてのカウント表示が所定値まで行われるタイマ演出を実行可能としている。この点、この実施の形態にかかるタイマ演出では、所定の演出条件が満たされた場合、カウント表示が所定値(ここでは「0」)になるよりも前の期間内で、カウント表示が所定値になったときにタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様(演出種別や演出内容(カットインの態様など))の現れる割合が相対的に低い地獄タイマモード(第1タイマモード表示)と、カウント表示が所定値になったときにタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様の現れる割合が相対的に高い天国タイマモード(第2タイマモード表示)とのいずれかが表示されうるようにしている(タイマモード演出)。
すなわちこの場合、カウント表示の残り時間が消化されているときに当該タイマ演出に関して有利度合いの異なるタイマモード表示のいずれかが表示されるようになることから、カウント表示が開始されてからこれが所定値(ここでは「0」)になるまでの間における遊技興趣が維持されることが期待されるようになる。
図190は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし SPリーチ」に相当する変動番号15,16(図148参照)が選択されており、タイマ対象の演出として「カットインB1」を行うことが決定されているときに行われるタイマモード演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図190に示す例では、説明の便宜上、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(実際は、カットインB1だけでなく複数ある)が選択された場合(図161を参照)にタイマモード演出に関する下記処理を実行するようになっている。ただし、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときにタイマモード演出に関する下記処理を行うのではなく、いずれのタイマ種別が決定された場合であってもタイマモード演出に関する下記処理を実行するようにしてもよい。
図190に示されるように、いま、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として「カットインB1」のタイマ種別が選択されたとすると、周辺制御MPU1511aでは、次の処理として、該選択した「カットインB1」を、タイマモード演出の態様を含めた複数の演出態様(「カットインB1−1」,「カットインB1−2」,「カットインB1−3」,「カットインB1−4」)のいずれで実行するかについての判定処理を行う。なお、該判定処理は、大当り判定の結果や所定の抽選の結果に基づいて行われるようにすることが望ましい。
図190に示す例のうち、「カットインB1−1」の態様では、図柄変動の開始に合わせて「50」のカウント数をもったカウント表示が開始された後、50秒が経過したときに所定値(ここでは「0」)に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB(カットB予告)」が実行される。
これに対し、「カットインB1−2」の態様では、図柄変動の開始に合わせて「50」のカウント数をもったカウント表示が開始された後、20秒が経過してこれが第1の特定カウント値(ここでは「30」)になったときにカウント消化が進行されているなかで地獄タイマモード(第1タイマモード表示)の表示が行われるとともに、カウント表示が開始されてから50秒が経過して所定値(ここでは「0」)に達するとこれが非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB」が実行されるが、地獄タイマモード(第1タイマモード表示)の表示についてはこれが非表示にされることなく「カットインB」が非表示になった以降も維持される。
一方、「カットインB1−3」の態様では、図柄変動の開始に合わせて「50」のカウント数をもったカウント表示が開始された後、18秒が経過してこれが第1の特定カウント値よりも前の第2の特定カウント値(ここでは「32」)になったときにカウント消化が進行されているなかで天国タイマモードが表示されるか否かの天国チャレンジ演出が行われて該天国チャレンジ演出に失敗した結果として地獄タイマモード(第1タイマモード表示)の表示が行われるとともに、カウント表示が開始されてから50秒が経過して所定値(ここでは「0」)に達すると該カウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB」が実行されるが、地獄タイマモード(第1タイマモード表示)の表示についてはこれが非表示にされることなく「カットインB」が非表示になった以降もその表示が維持される。
また一方、「カットインB1−4」の態様では、図柄変動の開始に合わせて「50」のカウント数をもったカウント表示が開始された後、18秒が経過してこれが第1の特定カウント値よりも前の第2の特定カウント値(ここでは「32」)になったときにカウント消化が進行されているなかで天国タイマモードが表示されるか否かの天国チャレンジ演出が行われて該天国チャレンジ演出に成功した結果として天国タイマモード(第2タイマモード表示)の表示が行われるとともに、カウント表示が開始されてから50秒が経過して所定値(ここでは「0」)に達すると該カウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB」が実行されるが、天国タイマモード(第2タイマモード表示)の表示についてはこれが非表示にされることなく「カットインB」が非表示になった以降もその表示が維持される。
すなわち、「カットインB1」に対応して用意されている複数の演出態様のうち、「カットインB1−2」、「カットインB1−3」、及び「カットインB1−4」の態様がタイマモード演出に相当している。そして、これらのタイマモード演出では、カウント消化が進行されているなかで天国タイマモードまたは地獄タイマモードが発生して、それらタイマモードのいずれかの表示が現れているなかでタイマ対象の演出が実行されることとなる。したがって、カウント表示が残りカウントを消化しているときにもタイマ演出に関連したタイマモード演出によって当該タイマ演出に演出性を持たせることができるようになる。
より具体的には、タイマモード演出の種別として天国タイマモードが現れた場合は、地獄タイマモードが現れた場合に比べて、タイマ対象の演出としてより期待度の高い演出種別が出現する割合が高くなったり、タイマ対象の演出であるカットインBの態様(演出内容)として期待度の高い態様が現れる割合が高くなるようになることから、カウント表示が所定値に達するタイミングが到来することが待ち遠しいようになり、タイマ演出に対してより一層注視させることができるようになる。これに対し、タイマモード演出の種別として地獄タイマモードが現れた場合は、天国タイマモードが現れた場合に比べて、タイマ対象の演出これ自体に期待が持てなくなることから、タイマ演出とは異なる演出のほうに注視を向けさせることができるようになり、これによってカウント表示が所定値に達したときに低期待の演出態様が現れたとしても遊技興趣が低下することが抑制されうるようになる。
なお、このような天国タイマモードと地獄タイマモードとをより有効に機能させる上では、天国タイマモードが表示されているときと地獄タイマモードが表示されているときとでタイマ対象の演出として同じ演出態様が現れた場合であっても、天国タイマモードが表示されているときに該演出態様が現れた場合のほうがその後の図柄停止時に大当り図柄の現れる割合が高くなるように制御することが望ましい。
また、この実施の形態にかかるタイマモード演出(図190に示した例では、「カットインB1−2」、「カットインB1−3」、及び「カットインB1−4」の態様)では、タイマ対象の演出が実行されてこれが非表示にされた以降も、タイマモードの種別(天国タイマモード,地獄タイマモード)に関する表示を維持するようにしている。したがって、タイマ演出が終了した以降もタイマ関連の演出が表示されているもとで演出進行させることができるようになり、天国タイマモードと地獄タイマモードとのいずれによってタイマ演出が実行された演出状況にあるかを遊技者に認識させた状態で図柄停止が行われるようになる。なお、天国タイマモードや地獄タイマモードの表示については、カウント表示が所定値に達するよりも前(タイマ対象の演出が発生するよりも前)に非表示にしたり、図柄停止が表示されるよりも前のタイミングで非表示にするようにしてもよいし、図柄停止が表示されているときにも表示を維持して図柄停止が終了したときに非表示にするようにしてもよい。
また、天国タイマモードや地獄タイマモードの表示、または天国チャレンジ演出については、カウント表示が実行されるよりも前(例えば、タイマ先読み演出の実行中など)に発生させるようにしてもよい。また、カウント表示が実行されていない状態で天国タイマモードや地獄タイマモードの表示、または天国チャレンジ演出を行う場合、それらの演出が実行されてから図柄停止されるまでの間にタイマ演出を必ずしも発生させないようにしてもよい。ただし、カウント表示が実行されていない状態で天国タイマモードや地獄タイマモードの表示、または天国チャレンジ演出を行う場合は、カウント表示が実行されていない状態でそれらの演出が実行されない場合に比べて、図柄停止されるまでの間にタイマ演出が実行される割合が高くなるようにしておき、タイマ演出が実行されることを先行示唆する演出としても実行されるようにすることが望ましい。
また、「カットインB1−3」、「カットインB1−4」の態様では、カウント表示が第2の特定カウント値になったときに天国チャレンジ演出を行って、その後、カウント表示が第1の特定カウント値になったときに天国チャレンジ演出の結果として天国タイマモードまたは地獄タイマモードを表示するのに対し、「カットインB1−2」の態様では、カウント表示が第2の特定カウント値になったときに天国チャレンジ演出を行わず、その後、カウント表示が第1の特定カウント値になったときに地獄タイマモードを表示するようにしている。
このような構成によれば、カウント表示が開始された後は、まず、第2の特定カウント値になったときに天国チャレンジ演出が出現するか否かに注視させることができるようになる。そしてこの結果、第2の特定カウント値になったときに天国チャレンジ演出が出現しなければ、天国タイマモードが発生する可能性が喪失されることとなる。すなわちこの場合、カウント表示が第1の特定カウント値になったときに地獄タイマモードが発生するか、若しくはタイマモード演出これ自体が発生しないこととなることから、カウント表示が第1の特定カウント値になったときに地獄タイマモードが発生するか否かにさらに注視させることができるようになる。
なお、タイマモード演出これ自体が発生しないときは、地獄タイマモードが発生する場合に比べてタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様が現れる割合が高くなるようにすることが望ましい。たたし、タイマモード演出これ自体が発生しない場合と、地獄タイマモードが発生する場合とでタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様が現れる割合を異ならせるようにしておけば、その逆の関係性を採用した場合であっても、カウント表示が第1の特定カウント値になったときに地獄タイマモードが発生するか否かにさらに注視させることは可能である。
これに対し、第2の特定カウント値になったときに天国チャレンジ演出が出現した場合には、カウント表示が第1の特定カウント値になったときにタイマモード演出として天国タイマモード及び地獄タイマモードのいずれかが実行されるようになることから、カウント表示が第1の特定カウント値になったときに現れるタイマモード演出の種別にさらに注視させることができるようになる。
このようなタイマモード演出によれば、カウント表示が所定値に達したときだけではなく、該所定値とは異なるいくつかの特定カウント値(第1の特定カウント値、第2の特定カウント値)に達したときにも当該タイマ演出(カウント値)やこれに関連した演出に面白みを持たせてこれに注視させることができるようになることから、カウント表示が実行されている期間中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
そして、図190に示す各例では、こうしてタイマ演出のカウント表示が第2の特定カウント値、第1の特定カウント値に順次に達し、さらに所定値に達するとタイマ対象の演出が実行され、その後に図柄変動が停止されることとなる。
なお、この実施の形態では、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(実際は、カットインB1だけでなく複数ある)が選択された場合(図161を参照)に、該特定のタイマ種別(図190に示す例では、カットインB1)としていずれの態様(カットインB1−1、カットインB1−2、カットインB1−3、カットインB1−4)で実行するかを決定することとしたが、カウント表示抽選(ステップS5510)の選択候補として、カットインB1に代えて、カットインB1−1、カットインB1−2、カットインB1−3、カットインB1−4を用意して、これら候補の中からいずれのタイマ種別にするかを決定するようにしてもよい。この処理手法については、他の演出(例えば、復活タイマ演出など)の実行にかかる処理においても同様に採用可能である。
図190に示した例では、天国タイマモードが表示されている場合にタイマ対象の演出が行われると、地獄タイマモードが表示されている場合に比べて、特定種別の演出(カットインB)として期待度の高い内容(期待度の高い色でカットインBが行われるなど)にされる割合が高くなるようにした。ただしこれに代えて、天国タイマモードが表示されている場合にタイマ対象の演出が行われると、地獄タイマモードが表示されている場合に比べて、複数の演出種別(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、特別タイマ、役物A動作、カットインB、役物B動作など)のうち期待度の高い演出種別が現れる割合が高くなるようにしてもよい。若しくは、天国タイマモードにおいては、タイマ対象の演出として、期待度の高い演出種別が現れる割合が高くなり、且つ期待度の高い内容にされる割合が高くなるようにしてもよい。
また、タイマ対象の演出として複数の演出種別(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、特別タイマ、役物A動作、カットインB、役物B動作など)のうちの特定演出種別が選択された場合、若しくはカウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が選択された場合は、カウント表示の実行期間内で天国タイマモード及び地獄タイマモードのいずれかが必ず発生するようにしてもよい。なおこの際、天国チャレンジ演出が行われることなく地獄タイマモードが発生するパターンも現れうるようにすることが望ましい。
また、天国チャレンジ演出が実行される第2の特定カウント値に達するよりも前の期間内で天国タイマモード及び地獄タイマモードのいずれかが必ず発生することを示す演出を行うようにしてもよい。
また、所定の演出条件が満たされた場合、通常時に比べて、天国チャレンジ演出が発生したときに該天国チャレンジ演出に成功する割合(天国タイマモードに表示される割合)が高くなる天国高確率モードに移行させるようにしてもよい。すなわちこの場合、天国高確率モードにおいては、天国タイマモードを表示させない場合における天国チャレンジ演出これ自体の発生確率を低くするか(天国チャレンジ演出を発生させずに地獄タイマモードを発生させる確率や、タイマモード演出を発生させない確率を高くするか)、天国タイマモードにあるときに発生したタイマ対象演出これ自体の期待度を通常時に比べて低くすることで、天国高確率モードを実現することとなる。
また、天国チャレンジ演出では、遊技者による操作を演出受付可能な期間を設定し、該期間内において遊技者による操作が行われたことに基づいて天国チャレンジ演出にかかる成否の結果(天国タイマモード、地獄タイマモードのいずれが発生するか)を表示するようにしてもよい。
また、タイマ演出のカウント表示が開始されるのと同時に天国チャレンジ演出が発生するなどカウント表示におけるカウント実行済み数が比較的少ない状況にあるときに天国チャレンジ演出が発生した場合は、カウント表示におけるカウント実行済み数が比較的多い状況にあるときに天国チャレンジ演出が発生した場合に比べて、該天国チャレンジ演出に成功する割合(天国タイマモードに表示される割合)が高くなるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、タイマ演出の対象となっている演出の出現間際では該演出が近々発生することに対する期待感によって遊技興趣を維持することが可能であり、タイマ演出の対象となっている演出が出現するまでに長い時間(カウント数)を要するときには天国チャレンジ演出が発生することに対する期待感によって遊技興趣を維持することが期待されるようになる。なおこの場合、タイマ対象の演出が実行された後に、天国チャレンジ演出を発生させるようにしてもよく、この場合、天国チャレンジ演出で成功する割合は最も低くされるとともに、既に実行済みのタイマ対象の演出に対して天国タイマモードまたは地獄タイマモードが後追いのかたちで発生することとなる。
また、タイマ演出の対象演出の1つとして天国チャレンジ演出を発生させるようにしてもよい。なお、タイマ演出の対象演出として天国チャレンジ演出が実行された場合には、該天国チャレンジ演出で成功する割合(天国タイマモードに表示される割合)を100%とし、天国タイマモードが表示された以降の図柄変動期間内においては、タイマ対象にならなかったものの、タイマ対象の候補の1つとして用意されている演出のうち高期待の演出(例えば、役物B動作)が出現する割合が当該演出が出現しなかった場合よりも高くなるようにすることが望ましい。
[カウント出力中止制御]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、図柄演出が行われている期間内でカウント表示を実行しているなかで、カウント対象の候補として用意されている複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)の少なくとも1つが現れるタイミングに合わせて該カウント表示を非表示にするタイマ演出を実行可能としている。この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、カウント表示の実行中にタイマ演出とは異なる所定演出(所定の期待度をもった演出であることが望ましいが、必ずしもそれに限られない)が実行される場合、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を所定値になるまで継続させる演出態様と、該カウント表示にかかる出力を所定値になるまで行わず所定演出の実行に際してその中途段階でこれを出力中止にする演出態様とのいずれかを選択的に出現させるようにしている(カウント出力中止制御)。
このような構成によれば、タイマ演出においてカウント表示にかかる出力が行われたとしても該カウント表示は必ずしも所定値になるまで行われず、その途中で出力中止にされて所定演出にかかる出力が行われうるようになることから、タイマ演出のカウント表示にかかる出力が行われておりこれが所定値に達するまでの間(カウント消化期間)における遊技興趣が維持されることが期待されるようになる。
図191(a)〜(c)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、特定の変動番号が選択されているときに行われるカウント出力中止制御の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
同図191(a)に示されるように、特定のタイマ種別では、まず、図柄変動が開始されてから所定のタイミング(例えば、5秒)が経過したタイミングで20秒のカウント数をもったカウント表示が開始される。そして、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっているタイマ対象の演出が現れるようになっている。
この点、周辺制御MPU1511aでは、図191(b)に示されるように、タイマ演出のカウント表示が実行されている間に所定演出が実行される場合は、該所定演出を出現させる時点での演出状況が予め定められた特定の演出状況にあるかを判断する。そしてこの結果、特定の演出状況にあるときには、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止して所定演出を実行する制御を行うこととしている。なお、タイマ演出のカウント表示にかかる出力をその途中で中止させるか否かの判断に供される「予め定められた特定の演出状況」とは、例えば、タイマ演出のカウント表示が実行されている領域を利用して所定演出を実行する場合など、タイマ演出と所定演出との間で演出出力に関して競合が発生する演出状況のことである。
また、図191(b)に示されるように、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止して所定演出を実行するようにした場合は、該所定演出にかかる出力が終了した以降もタイマ演出のカウント表示が再出力されることがないようにしている。その一方で、周辺制御MPU1511aでは、カウント表示にかかる出力を中止した以降も、内部的には、カウント表示が開始されてからの時間(若しくは、変動開始からの時間)を秘かに計時しておりこれが所定値(カウント表示が開始されてから20秒が経過したときの値)に達したときには、出力中止されたカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達するタイミングが到来したとして、タイマ対象の演出を出現させるようにしている。
このような構成によれば、所定演出が実行された以降、カウント表示にかかる出力の中止状態を維持しつつも、該カウント表示が出力中止されていなければ所定値(ここでは「0」)に達していたはずのタイミングが到来したときにタイマ対象の演出が出現されるようになる。すなわちこの場合、所定演出の実行によって中途終了されてしまったかのように見せていたタイマ演出が秘かに継続されていたサプライズ性によってタイマ対象の演出が現れたときの遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
ただし、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、図191(c)に示されるように、タイマ演出のカウント表示が実行されている間に所定演出が実行される場合であっても、該所定演出を出現させる時点での演出状況が予め定められた特定の演出状況にないときには、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止することなくこれが所定値になるまで継続させ、該カウント表示が消化されているなかで所定演出を実行することとなる。
より具体的には、所定演出が「特定の領域に敵キャラクタを登場させる演出」であったり、「特定の領域に向けて攻撃する演出」であったり、「特定の領域において演出失敗時の表示や音楽を出力する演出」であるとした場合、特定の領域でカウント表示が実行されているときにこのような所定演出を実行してしまうと、遊技者としては、タイマ演出(カウント表示)に対して何らかの演出上の悪影響(例えば、タイマ演出としての期待度が下がってしまうなど)を及ぼしてしまうのではないか、といった懸念が生じかねない。そこで、このような懸念が生じかねない演出状況にあるときには、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止して所定演出を実行するようにすることで、タイマ演出に対して何らかの悪影響を演出的に及ぼすかのようなイメージを生じさせることなく、所定演出を実行することができるようになる(図191(b)の演出態様)。しかも、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、カウント表示にかかる出力中止の状態を維持したままでタイマ対象の演出をサプライズ的に出現させるようにしたことから、このような所定演出を利用して遊技興趣を逆に向上させることが期待できるようになる(図191(b)の演出態様)。
ただし、このような所定演出が実行される都度、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止させるようにしてしまうと、該所定演出これ自体の演出イメージが悪くなってしまい、遊技興趣の低下が懸念がされる。したがって、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、所定演出の実行に際して、タイマ演出のカウント表示が出力されている特定の領域とは異なる領域に空き(何らの演出も出力されていない領域)がある場合は、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止せずにこれを維持したまま、上記特定の領域ではなく、空きのある領域で当該所定演出を出力するようにしている(図191(c)の演出態様)。これにより、所定演出は、タイマ演出のカウント表示の実行をその途中で中止させる演出ではないことが明らかとされるようになり、当該所定演出が実行されるときに遊技興趣が低下するようなことが回避されるようになる。
そして、図191に示す各例では、こうしてタイマ対象の演出が実行された後に図柄変動が停止されることとなる。
図192は、このようなカウント出力中止制御を実現するときの処理手順について、その一例を示すフローチャートである。
同図192に示されるように、いま、大当り判定の結果や変動パターンの種別に基づいて所定演出を実行する旨の判断がなされた状態にあるとすると、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、まず、図柄変動の実行期間内で所定演出を発生させるべきタイミングが到来したときに、該所定演出にかかる出力を開始するのに先立って、特定の演出状況にあるか否かの判断を行う(ステップS5701)。
ここで、「特定の演出状況」とは、所定演出を新たに出力するにあたり、該所定演出を新たに出力するために必要な領域が他の各種演出(ここでは、タイマ演出のカウント表示など)によって全て使用されており、該所定演出を新たに出力するための空きがなくなってしまっている状況のことであることは上述した通りである。例えば、後述の図201(G),(H)に示される例では、大砲による「弾丸発射演出」が所定演出に相当している。そして、弾丸発射演出では、表示領域内の左上の領域、右上の領域、左の領域、右の領域、下の領域のうち空き(未使用)となっている領域を弾丸の発射先として選択的に使用可能となっており、通常は、該未使用の領域を使用して弾丸発射の演出を行うこととなる。ただし、後述の図201(G)に示される状況では、このような弾丸発射演出を新たに出力するために必要な領域が他の各種演出(カウント表示(左上の領域)、図柄変動(右上の領域)、タイマモード演出(左の領域)、タイマ対象除外演出(右の領域)、保留表示(下の領域))によって全て使用されており、該所定演出を新たに出力するための空きがなくなってしまっており、これが上述の「特定の演出状況」に相当している。そして、このような特定の演出状況にあるままで弾丸発射を仮に行ってしまったとすると、弾丸の発射先で既に出力状態にある演出(例えば、カウント表示)が、発射された弾丸によって故障・破壊されてしまい(タイマ演出と所定演出との間での演出出力に関しての競合が発生してしまい)、その結果として大当り期待度が下がってしまうのではないか、といったような懸念が生じかねないことも上述した。
したがって、図192に示されるように、所定演出にかかる出力を開始するのに先立って、特定の演出状況にある旨判断したときは(ステップS5701におけるYES)、該所定演出とは別の、既に出力状態にある演出(ここでは、カウント表示)を出力中止させ(ステップS5702)、これによって生まれる空き領域を利用して所定演出の出力にかかる処理を行うこととなる(ステップS5703)。
これに対し、所定演出にかかる出力を開始するのに先立って、特定の演出状況にない旨判断したときは(ステップS5701におけるNO)、演出出力するために必要な領域のなかに他の演出によって使用されていない未使用の領域が存在していることから、該所定演出とは別の演出を出力中止させることなく、該未使用の領域を用いて所定演出の出力にかかる処理を行うこととなる(ステップS5713)。
ここで、上記ステップS5703の処理を通じて所定演出が実行される場合は、上記ステップS5713の処理を通じて所定演出が実行される場合に比べて、該所定演出が実行された後に遊技者に有利な演出態様が現れる割合が高くなるようにすることが望ましい。
例えば、図191(b),(c)の例であれば、カウント表示にかかる出力が中止されたもとでタイマ対象の演出が突然実行される図191(b)の演出態様が現れた場合は、図191(c)の演出態様が現れた場合に比べて、タイマ対象の演出として期待度の高い演出態様(演出種別や演出内容)が現れる割合が高くなるように制御することが望ましい。
なお、ステップS5702とステップS5703との処理については、一の処理として実行するようにしてもよい。例えば、カウント表示の出力データが記憶されている処理領域に、所定演出の出力データを上書きするようにすれば、カウント表示にかかる出力は自ずと中止されることとなり、この出力中止された状態で当該所定演出にかかる出力を行うことができるようになる。
また、この実施の形態では、特定の演出状況にあるときにはカウント表示にかかる出力を中止して所定演出を実行することとしたが、出力中止の対象とされる演出としてはこれに限られず、他の演出にかかる出力を中止するようにしてもよい。
ステップS5702の処理では、所定演出を出力するために必要な領域を使用している(出力状態にある)複数の演出のなかから出力中止させる演出種別を選択し、該選択した演出を出力中止して所定演出を出力するようにしてもよい。なおこの場合、出力中止の選択候補とされる複数の演出に対して予め優先順位を設定しておき、該優先順位に基づいて出力中止させる演出種別を選択するようにすることが望ましい。この優先順位については、遊技者にとってより重要度の高い演出であるかを基準としてプログラム上で予め設定させておくことが望ましい。優先順位を判断した結果、出力状態にある他の演出の全てが所定演出よりも優先順位が高い場合、他の演出にかかる出力を維持して所定演出の出力を行わないようにすることとなる。
そして、出力中止させることとなった演出種別が、演出内容に関連性があり繋がった複数演出として実行されるものであり(例えば、カウント表示とタイマ対象演出とで繋がったタイマ演出など)、それら演出のうちの先に出現する演出中(例えば、カウント表示の実行中)にこれが出力中止とされて、且つ後に出現する演出(例えば、タイマ対象演出)が開始されるよりも前に上記所定演出が終了される場合は、後に出現する演出についてはこれを出力中止にせずに実行するようにすることが望ましい。
また、所定演出を実行するときに出力中止の対象とされる演出や所定演出については、画像表示による演出のほか、役物動作による演出や、音楽による演出、盤面ランプによる演出などであってもよい。また、所定演出を実行するときに出力中止の対象とされる演出や所定演出が、画像表示、役物動作、音楽、及び盤面ランプなどの各演出要素のうちの少なくとも2つ以上を複合させた複合演出として実行されるものである場合は、それら複合させた演出要素のうちの少なくとも1つを出力中止するだけであってもよい。例えば、所定演出が後述の図201(G)に示される「弾丸発射演出」であり、出力中止の対象とされる演出が「画像表示と盤面ランプとの複合演出」である場合は、複合演出のうち画像表示にかかる出力のみを中止し、盤面ランプにかかる出力についてはこれを維持するようにしたとしても、表示領域内の画像表示としての弾丸が届かないところにある盤面ランプによる演出に悪影響(演出による競合)が生じる懸念が発生することはないといえる。
[タイマプラス演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、まず、複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)の少なくとも1つをカウント対象にしており、図柄演出が行われる期間内でカウント表示を表示可能であり、該カウント表示を所定時間だけ表示してからこれを非表示にして該非表示の状態でカウント対象の演出を出現させるカウント演出を実行可能としている。この点、カウント演出では、特定カウント値(例えば「0」)になったカウント表示を非表示にした後、上記複数の演出態様のいずれかを出現させるだけでなく、特定カウント値(例えば「0」)よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示することによりカウント演出を継続させる演出を実行可能とした(タイマプラス演出)。
すなわちこの場合、カウント表示が特定カウント値(例えば「0」)になってこれが非表示とされているもとで複数の演出態様のいずれかを出現させる状況になったとしても、該カウント表示が特定カウント値よりも大きなカウント値を持って再表示されてカウント演出がさらに継続される可能性(より期待度の高い演出態様がさらに出現する可能性)が生じるようになることから、カウント表示が非表示になった以降の遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。
図193(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、特定の変動番号(タイマなし SPリーチ)が選択されているときに行われるタイマプラス演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図193(a)に示す例では、説明の便宜上、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(カットインB2だけでなく複数あってもよい)が選択された場合(図162を参照)にタイマプラス演出に関する下記処理を実行するようになっている。ただし、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときにタイマプラス演出に関する下記処理を行うのではなく、いずれのタイマ種別が決定された場合であってもタイマプラス演出に関する下記処理を実行するようにしてもよい。
図193(a)に示されるように、いま、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として「カットインB2」のタイマ種別が選択されたとすると、周辺制御MPU1511aでは、次の処理として、該選択した「カットインB2」を、タイマプラス演出の態様を含めた複数の演出態様(「カットインB2−1」,「カットインB2−2」)のいずれで実行するかについての判定処理を行う。なお、該判定処理は、大当り判定の結果や所定の抽選の結果に基づいて行われるようにすることが望ましい。
図193(a)に示す例のうち、「カットインB2−1」の態様では、図柄変動から所定時間の経過後に「40」のカウント値をもったカウント表示が表示された後、40秒が経過したときに所定値(ここでは「0」)に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB(カットB予告)」が実行される。
これに対し、「カットインB2−2」の態様では、図柄変動から所定時間の経過後に、「カットインB2−1」の態様よりも大幅にカウント数が少なくされたカウント表示を表示することとしている。一般に、このようなタイマ演出では、カウント表示が実行されてからカウント表示が所定値に達するまでの期間は何らの演出も行われないことが多いことから、該期間における遊技興趣の低下が懸念される。そこで、図193(a)に示されるタイマプラス演出(「カットインB2−2」の態様)では、まず、図柄変動から所定時間経過後に比較的小さい第1のカウント値(ここでは「4」)をもったカウント表示を表示してこれが非表示にされた後、該非表示の状態で、第1のダブル対応演出を、カウント表示が表示されていた時間(ここでは4秒間)よりも長い時間(例えば9秒間)にわたって実行することとしている。
ここで、第1のダブル対応演出では、まず、第1のカウント値(ここでは、「4」)をもったカウント表示に対応する演出(第1のタイマ対象演出)として、カットインBの演出を実行する。ただし、当該第1のタイマ対象演出では、カットインBの態様として、比較的期待度の低い態様(青色のオーラをまとったキャラクタ)を出現させる。そしてこの後、第1のカウント値よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)を実行することとなる。なお、カウント表示を再表示するか否かについての演出としては、例えば、特定の表示画像(カウントアップ画像)が現れるか否かや、特定の可動役物(カウントアップ役物)が動作するか否かなどの演出として実現することが可能である。
なお、カウント表示を再表示するか否かについての演出(カウントアップ演出)では、非表示の状態にあるカウント表示が再表示される都度、それに先立って実行されることとなるが、特定の表示画像(カウントアップ画像)や特定の可動役物(カウントアップ役物)を用いた演出として出現させるときの演出態様(色や発光態様など)については、該再表示された回数に応じて異ならせるようにすることが望ましい。また、特定の可動役物(カウントアップ役物)をカウント表示が再表示されることを示す役物として採用する場合、該特定の可動役物(カウントアップ役物)については、当該カウントアップ演出のみならず、例えば、大当り確定などの他の演出にも用いられるようにすることが望ましい。ただしこの場合、特定の可動役物(カウントアップ役物)の動作態様を異ならせることはもとより、該特定の可動役物(カウントアップ役物)のほか、これとは異なる可動役物をさらに動作させてそれらで協働した可動演出を行うようにすることが、カウントアップ演出の実行中でないことを把握させるようにする上で望ましい。
このような構成によれば、カウント「4」の対象として2つの異なる演出(期待度が示される第1のタイマ対象演出(カットインB),カウント表示が再表示されるかについての第2のタイマ対象演出(カウントアップ演出))が行われるようになることから、比較的短い時間のカウント表示(カウント「4」)が実行されると、これよりも長い時間にわたるタイマ対象演出を楽しむことができるようになる。したがって、タイマ演出としての総時間を維持しつつもカウント表示が実行されるのに要する時間を削減して、カウント表示が所定値に達するまでの期間における遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
この点、「カットインB2−2」の態様では、第1のダブル対応演出において上記カウント表示を再表示することに成功する演出結果が現れるようになっており、該演出結果が現れると第1のカウント値よりも大きな第2のカウント値(ここでは、「5」)を持たせるかたちでカウント表示が再表示されることでタイマ演出を継続させる。ただし、第1のダブル対応演出においては、上記カウント表示を再表示することに失敗する演出結果が現れる演出パターンも用意しておき、該演出パターンが現れたときにはカウント表示が再表示されることなくこの時点でタイマ演出が終了とされるようにすることが望ましい。
そしてこの後、第2のカウント値(ここでは、「5」)を持たせたカウント表示が所定時間後に非表示にされると、該非表示の状態で、第2のダブル対応演出を、カウント表示が表示されていた時間(ここでは5秒間)よりも長い時間(例えば9秒間)にわたって実行することとしている。
この第2のダブル対応演出においても、まず、第2のカウント値(ここでは、「5」)をもったカウント表示に対応する演出(第3のタイマ対象演出)として、カットインBの演出を実行する。ただし、当該第3のタイマ対象演出では、カットインBの態様として、第1のタイマ対象演出よりも期待度の高い態様(緑色のオーラをまとったキャラクタ)を出現させる。そしてこの後、第2のカウント値よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示するか否かについての演出(第4のタイマ対象演出)を実行することとなる。
このような構成によれば、第1のカウント値(ここでは、「4」)よりも長い時間を要する第2のカウント値(ここでは、「5」)のカウント表示が実行されることとはなるが、これと引き換えに、第1のタイマ対象演出よりも期待度の高い態様でカットインBの演出が実行されるようになる。したがって、タイマ演出としての総時間を維持するにあたりカウント消化に要する時間の引き延ばしを図りながらも、該カウント表示が所定値に達するまでの期間における遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
この点、「カットインB2−2」の態様では、第2のダブル対応演出において上記カウント表示を再表示することに成功する演出結果が現れるようになっており、該演出結果が現れると第2のカウント値よりも大きな第3のカウント値(ここでは、「7」)を持たせるかたちでカウント表示が再表示されることでタイマ演出を継続させる。ただし、第2のダブル対応演出においても上記カウント表示を再表示することに失敗する演出結果が現れる演出パターンを用意しておき、該演出パターンが現れたときにはカウント表示が再表示されることなくこの時点でタイマ演出が終了とされるようにすることが望ましい。
そしてこの後、第3のカウント値(ここでは、「7」)を持たせたカウント表示が非表示にされると、該非表示の状態で、第3のダブル対応演出を、カウント表示が表示されていた時間(ここでは7秒間)よりも長い時間(例えば9秒間)にわたって実行することとしている。
ここで、第3のダブル対応演出にあっても、まず、第3のカウント値(ここでは、「7」)をもったカウント表示に対応する演出(第5のタイマ対象演出)として、カットインBの演出を実行する。ただし、当該第3のタイマ対象演出では、カットインBの態様として、第1,2のタイマ対象演出よりも期待度の高い態様(赤色のオーラをまとったキャラクタ)を出現させる。そしてこの後、第3のカウント値よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示するか否かについての演出(第6のタイマ対象演出)を実行することとなる。
このような構成によれば、第1,2のカウント値(ここでは、「4」,「5」)よりもさらに長い時間を要する第3のカウント値(ここでは、「7」)のカウント表示が実行されることとはなるが、これと引き換えに、第1,2のタイマ対象演出よりもさらに期待度の高い態様でカットインBの演出が実行されるようになることから、カウント表示が所定値に達するまでの期間における遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
この点、「カットインB2−2」の態様では、第3のダブル対応演出において上記カウント表示を再表示することに失敗する演出結果が現れるようになっており、この時点でタイマ演出が終了とされることとなる。すなわちこの場合、当該タイマ演出では、タイマ対象の演出として、赤色のオーラをまとったキャラクタによるカットインBが最終的に実行されることとなるが、該態様によるカットインBが現れるまでの間に比較的短い時間のカウント表示を複数回にわたって表示するとともに、それらのカウント表示に対応する演出を複数回にわたって実行するようにしたことから、タイマ演出が開始されてからこれが終了されるまでの間における遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
しかも、カウント表示が再表示される都度、そのカウント値を大きくして演出全体としての尺を稼ぎつつも、カウント表示が表示される総時間これ自体はカウント表示が非表示にされる総時間よりも短くなっており、カウント表示が非表示にされる都度、より期待度の高い態様でタイマ対象演出を実行するようにしたことから、タイマ演出を、長い時間にわたって遊技興趣の維持を図りつつ実行することができるようになる。
また、「カットインB2−2」の態様では、カウント表示が非表示にされる都度、同じ演出(カットインB)を対象としてその態様(色)を変化させることによって期待度が次第に高くなっていく様子を表現するようにしたことから、それら複数回のカウント表示を「カットインB」を対象にした一のタイマ演出として実行させることができるようになり、最終的に表示された演出(赤色のオーラをまとったキャラクタによるカットインB)が当該タイマ演出の演出対象であることを認識させることができるようになる。
なお、第3のダブル対応演出においては、上記カウント表示を再表示することに成功する演出結果が現れる演出パターンも用意しておき、該演出パターンが現れたときにはカウント表示を再表示してタイマ演出を継続させるようにすることが望ましい。ただし、カウント表示が再表示される最大回数に達したときには、それまで実行していたカットインBの演出ではなく、これとは異なる演出(カットインBのいずれの態様よりも期待度が演出であり、タイマ対象の候補として用意されていない特別演出)を実行するようにして最大回数に達したことを認識可能とされるようにすることが望ましい。この場合、特別演出が実行された後にカウント表示を再表示するか否かについての演出は出現されないこととなるが、該特別演出に要する時間については、それまでに出現したダブル対応演出(2つのタイマ対象演出が実行される演出)よりも長い時間にわたって実行されるようにして、それまでに出現した演出(赤色のオーラをまとったキャラクタによるカットインB)よりも期待度が高いことを示唆するようにすることが遊技興趣の向上を図る上で望ましい。この場合、期待度は100%であってもよい。
図193(b)は、タイマプラス演出の変形例を説明するためのタイムチャートである。
上記タイマプラス演出については、図193(b)に示される態様で行うようにしてもよい。すなわち、図193(b)に示される態様では、変動開始から所定時間の経過後に第1のカウント値(ここでは「4」)をもったカウント表示が開始されると、第1のカウント値(ここでは「4」)に対応するカウント「4」対応演出(4秒タイマ時演出)を実行するようにしている。
ここで、カウント「4」対応演出(4秒タイマ時演出)では、第1のカウント値(ここでは「4」)が消化されるのに要する時間分だけの演出期間が設定されており、この演出期間内においてカットインBなどのタイマ対象演出が所定の態様(青色のオーラをまとったキャラクタなど)で実行される。
このような構成によれば、カウント表示が実行されている状況においてタイマ対象の演出を実行することができるようになることから、カウント消化中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
しかも、このようなカウント「4」対応演出(4秒タイマ時演出)が終了されると、カウント「4」のカウント表示も所定値(ここでは「0」)に達する頃合になることから、タイマ演出のカウント表示を確認せずとも、当該カウント「4」対応演出(4秒タイマ時演出)を確認するだけで、カウント表示が所定値(ここでは「0」)に達したことを容易に認識することができるようになる。
そして、こうしてカウント「4」対応演出(4秒タイマ時演出)が終了されるタイミングが到来した後には(カウント「4」のカウント表示が所定値に達した後には)、第1のカウント値(ここでは「4」)よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示するか否かについての演出(第1のカウントアップ演出)を実行することとなる。この第1のカウントアップ演出は、図193(a)の例における「カウント表示を再表示するか否かについての演出」と同じ演出として実行されるものであり、その演出結果として上記カウント表示を再表示することに失敗する演出パターンが現れたときには、カウント表示が再表示されることなくこの時点でタイマ演出が終了されるようになる。
ただし、第1のカウントアップ演出の結果、上記カウント表示を再表示することに成功する演出パターンが現れたときには、第1のカウント値(ここでは「4」)よりも大きな第2のカウント値(ここでは、「5」)を持たせるかたちでカウント表示が再表示されることでタイマ演出を継続させる。この点、この変形例では、第2のカウント値(ここでは「5」)を持たせるかたちでカウント表示が再表示された場合、第2のカウント値(ここでは「5」)に対応するカウント「5」対応演出(5秒タイマ時演出)を実行する。
ここで、カウント「5」対応演出(5秒タイマ時演出)では、第2のカウント値(ここでは「5」)が消化されるのに要する時間分だけの演出期間が設定されており、この演出期間内においてカットインBなどのタイマ対象演出を、上記カウント「4」対応演出(4秒タイマ時演出)の場合に比べて期待度の高い態様(緑色のオーラをまとったキャラクタなど)で出現させることとなる。
そして、カウント「5」対応演出(5秒タイマ時演出)が終了されるタイミングが到来した後には(カウント「5」のカウント表示が所定値に達した後には)、第2のカウント値(ここでは「5」)よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のカウントアップ演出)を実行することとなる。この第2のカウントアップ演出も、図193(a)の例における「カウント表示を再表示するか否かについての演出」と同じ演出として実行されるものであり、その演出結果として上記カウント表示を再表示することに失敗する演出パターンが現れたときには、カウント表示が再表示されることなくこの時点でタイマ演出が終了されるようになる。
ただし、第2のカウントアップ演出の結果、上記カウント表示を再表示することに成功する演出パターンが現れたときには、第2のカウント値(ここでは「5」)よりも大きな第3のカウント値(ここでは、「7」)を持たせるかたちでカウント表示が再表示されることでタイマ演出を継続させる。この点、この変形例では、第3のカウント値(ここでは「7」)を持たせるかたちでカウント表示が再表示された場合、第3のカウント値(ここでは「7」)に対応するカウント「7」対応演出(7秒タイマ時演出)を実行する。
ここで、カウント「7」対応演出(7秒タイマ時演出)では、第3のカウント値(ここでは「7」)が消化されるのに要する時間分だけの演出期間が設定されており、この演出期間内においてカットインBなどのタイマ対象演出を、上記カウント「5」対応演出(5秒タイマ時演出)の場合に比べて期待度の高い態様(赤色のオーラをまとったキャラクタなど)で出現させることとなる。
そして、カウント「7」対応演出(7秒タイマ時演出)が終了されるタイミングが到来した後には(カウント「7」のカウント表示が所定値に達した後には)、第3のカウント値(ここでは「7」)よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示するか否かについての演出(第3のカウントアップ演出)が実行される場合がある。
この第3のカウントアップ演出も、図193(a)の例における「カウント表示を再表示するか否かについての演出」と同じ演出として実行されるものであり、その演出の結果として上記カウント表示を再表示することに失敗する演出パターンが現れたときには、カウント表示が再表示されることなくこの時点でタイマ演出が終了されるようになる。
この点、この変形例では、カウント「7」対応演出(7秒タイマ時演出)が終了されるタイミングが到来した後に(カウント「7」のカウント表示が所定値に達した後に)、さらなるカウントアップの可能性を示唆するカウントアップ演出これ自体が出現しなかった例を示している。このように、カウントアップ演出これ自体が出現しなかった場合も、カウントアップ演出においてカウント表示を再表示することに失敗する演出パターンが現れた場合と同様、カウント表示が再表示されることなくこの時点でタイマ演出が終了されるようになる。
このような変形例にかかるカウントアップ演出によれば、所定数のカウント値をもったカウント表示が表示されると、該カウント値が表示されてすぐにそのカウント値に対応して予め定められている時間分の演出内容をもったカウント対応演出(カットインBなど)が開始されるようになることから、カウント表示の実行中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。また、こうしたカウント対応演出が終了されると(カウント表示が所定値に達すると)、カウント表示により大きなカウント値を持たせて再表示させるかについての演出が行われ、これら2つの演出が交互に現れることによってタイマ演出が実行、継続されるようになることから該タイマ演出においてカウント表示がひたすら行われて演出が何ら行われない状況が発生することが抑制されるようになり、遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
なお、この変形例では、表示されたカウント値(例えば「4」)に対応して予め定められている時間(例えば4秒)分の演出内容をもったカウント対応演出(例えば、カウント「4」対応演出)を実行している間、カウント表示の消化(4→3→2→1→0のカウントダウン)も合わせて行うようにしている。ただし上述の通り、この変形例にかかるカウント対応演出(例えば、カウント「4」対応演出)は、表示されたカウント値(例えば「4」)が消化し終わるタイミングに合わせて演出終了されるように実行されるものであることから、カウント表示については、その出現時のカウント値(例えば「4」)のみを所定時間にわたって表示することとし、カウント消化中のカウント表示(4→3→2→1→0のカウントダウン)についてはこれを必ずしも行わないようにすることが、カウント対応演出(例えば、カウント「4」対応演出)に対する注視を促すようにする上でより望ましい。
そして、図193(a),(b)に示す各例では、こうしてタイマ演出が実行された後、図柄変動が停止されることとなる。
なお、上記タイマプラス演出のうち、カウント表示を再表示するか否かについての演出では、所定時間の演出受付期間を設定し、該期間内において遊技者による操作が行われたことに基づいてカウント表示が再表示されることを示唆する演出(成功演出)か、カウント表示が再表示されないことを示唆する演出(失敗演出)を出現させるようにしてもよい。すなわちこの場合、成功演出が現れた後に、カウント数が大きくなるかたちでカウント表示を再表示してタイマ演出を継続させることとなり、失敗演出が現れたときにはその後にカウント表示が再表示されることはない。このような演出を採用した場合、演出受付期間内で遊技者による操作が行われなかったとしても、該期間の経過後の所定タイミングで予め定められている演出結果(成功演出または失敗演出)を表示させることとなる。
また、上記実施の形態では、第1〜第3のダブル対応演出に要する時間をそれぞれ同じ時間に設定することとしたが、各カウント表示(「4」,「5」,「7」)に対応する演出時間として互いに異なる時間に設定するようにしてもよい。例えば、カウント表示が再表示される都度、各カウント表示のカウント値が次第に大きくなっていくことに伴って、各カウント値に対応したダブル対応演出としてもこれに要する時間が次第に大きくなっていくように設定するようにすれば、カウント表示に要する総時間これ自体は比較的短い時間のままにして遊技興趣の維持を図りつつ演出全体としての尺を好適に引き伸ばすことができるようになる。
また、カウント表示を再表示するか否かについての演出では、その演出結果を表示するにあたり、カウント数が大きくなるかたちでカウント表示が再表示される割合(期待度)の異なる複数の演出態様のいずれかを表示するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、カウント表示が再表示される都度、前回のカウント表示が表示されたときのカウント値よりも大きいカウント値を持たせたカウント表示を出現させることとしたが、前回のカウント表示が表示されたときのカウント値よりも必ずしも大きいカウント値を持たせたカウント表示を再表示するようにしなくてもよい。すなわち、カウント表示が所定値に達してタイマ対象演出が実行された場合であっても、その後に所定の演出画像が現れるとカウント表示が再表示されるようにするだけでも、遊技興趣の向上を図ることは期待できる。ただし、前回のカウント表示が表示されたときのカウント値よりも小さいカウント値を持たせたカウント表示を再表示するにもかかわらず、前回のカウント表示よりもタイマ対象演出として期待度の高い演出が出現する割合(100%であってもよい)が高くなるようにすれば、カウント表示が表示されてからタイマ対象演出が出現するまでのスピード感が高まることと相まって、遊技興趣のさらなる向上を図ることができるようになる。そして、このような小さいカウント値を持たせたカウント表示での再表示を繰り返し実行するようにした場合は、カウント表示が最初に表示されたときからタイマ対象演出の出現タイミングが次第に短くなっていくようになることから、このような加速度的なタイマ演出によって遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
[タイマ停滞演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、まず、複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作など)のいずれかをカウント対象にしており、図柄演出が行われる期間内においてカウント表示を実行し、該カウント表示が所定値になると上記複数の演出態様のうちカウント対象にしている演出態様を出現させることとしている。この点、この実施の形態にかかるタイマ演出では、カウント表示を開始させてからこれが所定値になるまでの間に該カウント表示を非表示にすることを可能とした上で、該カウント表示は、第1の時間にわたって非表示にされる場合と、該第1の時間よりも長い第2の時間にわたって非表示にされる場合とがあるようにした(タイマ停滞演出)。
すなわちこの場合、カウント表示が所定値になるとカウント対象として複数の演出態様のいずれかが出現するようになっているなかで、該所定値になるまでの間にカウント表示が第1の時間またはこれよりも長い第2の時間にわたって非表示にされる場合があることから、複数の演出態様のいずれかが発生するまでの残り時間を把握困難にしてカウント対象の演出が実行されるまでの緊張感を持続させることができるようになる。
図194(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし キャラリーチ」に相当する変動番号7,8(図148参照)が選択されているときに行われるタイマ停滞演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図194(a)に示す例では、説明の便宜上、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(役物A動作2だけでなく複数あってもよい)が選択された場合(図161を参照)にタイマ停滞演出に関する下記処理を実行するようになっている。ただし、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときにタイマ停滞演出に関する下記処理を行うのではなく、いずれのタイマ種別が決定された場合であってもタイマ停滞演出に関する下記処理を実行するようにしてもよい。
図194(a)に示されるように、いま、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として「役物A動作2」のタイマ種別が選択されたとすると、周辺制御MPU1511aでは、次の処理として、該選択した「役物A動作2」を、復活タイマ演出の態様を含めた複数の演出態様(「役物A動作2−1」,「役物A動作2−2」のいずれで実行するかについての判定処理を行う。なお、該判定処理は、大当り判定の結果や所定の抽選の結果に基づいて行われるようにすることが望ましい。
図194(a)に示す例のうち、「役物A動作2−1」の態様では、図柄変動の開始から所定時間後に「30」のカウント値をもったカウント表示が開始された後、30秒が経過したときに所定値(ここでは「0」)に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「役物A動作(役物A予告)」が実行される。
これに対し、「役物A動作2−2」の態様では、図柄変動の開始から所定時間後に「10」のカウント値をもったカウント表示が開始された後、5秒が経過してそのカウント値が「5」になるとこれが非表示にされ、該非表示の状態が6秒間にわたって維持されると「4」のカウント値をもって当該カウント表示を再表示させる。そしてこの後、2秒が経過してそのカウント値が「2」になるとこれが再び非表示にされ、該非表示の状態が16秒間にわたって維持されると「1」のカウント値をもって当該カウント表示を再表示し、その1秒後に「0」に達した後に、カウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「役物A動作(役物A予告)」が実行されるようになっている。
このような「役物A動作2−2」の態様によれば、図194(a)に示されるように、図柄変動の開始から所定時間後に「10」のカウント値をもったカウント表示が開始される態様であるにもかかわらず、「30」のカウント値をもったカウント表示が開始される場合と同様、そのカウント表示が開始されてから30秒が経過したときに所定値(ここでは「0」)に達してタイマ対象の演出が実行されるようになる。すなわちこの場合、比較的小さいカウント値をもったカウント表示が現れたとしても、該カウント表示が消化されるなかでこれを所定時間にわたって非表示にさせる演出(タイマ停滞演出)が発生すれば、カウントの進行速度がその時間分だけ停滞されるようになり、比較的大きいカウント値をもったカウント表示が現れた場合と同様の時間を要したタイマ演出として実行されることが期待されるようになる。そして上述の通り、タイマ演出では、これに要する時間が長いほど期待度の高いタイマ対象の演出態様が現れる割合が高くなる傾向が持たされているが、カウント消化が行われるなかでこのようなタイマ停滞演出を発生させうるようにしたことで、比較的小さいカウント値をもったカウント表示が現れたときの遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。また、カウント表示が非表示にされる時間を加えることによってタイマ演出全体としての時間を引き伸ばすようにしたことから、カウント表示が実行される間における遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
また、「役物A動作2−2」の態様では、図194(a)に示されるように、カウント表示が所定値(ここでは「0」)になるまでの間に第1の時間(6秒間)にわたってカウント表示を非表示にする期間(カウント値「5」→「4」の間の期間)と、該第1の時間よりも長い第2の時間(16秒間)にわたってカウント表示を非表示にする期間(カウント値「2」→「1」の間の期間)とを出現可能としているが、それら時間(第1の時間、第2の時間)の長短にかかわらず、カウント表示が「非表示状態」から「表示状態」に戻るときには最小単位である特定数(ここでは「1」)分しかカウント値が進展(変化)しないようにしている。すなわちこの場合、カウント表示が「非表示状態」で維持される時間が長くなれば長くなるほどカウントの進行速度がその時間分だけ停滞されることとなり、ひいては期待度の高い演出態様が現れる割合が高くなることが期待されるようになることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、「役物A動作2−2」の態様では、タイマ演出におけるカウント値が進展するにつれて、カウント表示が非表示にされたときにこれが「非表示状態」で維持される時間が長くなるように設定することとしている。すなわちこの場合、比較的小さいカウント値をもったカウント表示が実行されているなかでそのカウント消化が終わりそうな状況(あと少しで所定値に達する状況)になった場合であっても、この時点でタイマ停滞演出が出現すれば当該タイマ演出に要する時間が大幅に上増しされて期待度が大幅向上するようになることから、カウント表示が所定値に達するまでの期間にわたって遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、「役物A動作2−2」の態様では、カウント表示が非表示にされた後、該カウント表示を再表示して所定値に達した後にタイマ対象演出を実行するようにした。ただし、カウント表示が非表示にされた後、該カウント表示を必ずしも再表示しないようにして、タイマ対象演出を実行せずにこの時点でタイマ演出が中途終了される演出パターンも出現しうるようにしてもよい。この演出パターンが現れたときには、所定値に達してタイマ対象演出が実行される場合に比べて大当り図柄で図柄変動が停止される割合は低くなるが、こうした演出パターンを用意することで、タイマ演出これ自体の発生頻度を高くすることはできるようになる。しかも、カウント表示が非表示にされた以降(タイマ演出が中途終了された以降)、該カウント表示が再表示されるのを待っているなかで、大当り図柄で図柄変動が停止される場合も生じうるようになることから、このようなサプライズ性のある演出が実現されることで、遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
また、「役物A動作2−2」の態様では、カウント表示が表示されている総時間(10秒間)よりも、カウント表示が非表示にされている総時間(22秒間)のほうが長くなるようになっており、これによってカウント表示が実行されている間における遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
図194(b)は、カウント表示が再表示されるまでの時間(非表示状態が維持される時間)と、カウント表示が再表示されないリスク度合いとの関係について、その一例を、カウント表示が非表示にされるときのカウント値の別に示す表H1である。すなわち、周辺制御MPU1511aでは、表H1に示される関係が現れるように、大当り判定の結果や変動パターンの種別などに基づいて、タイマ停滞演出の態様を含めたタイマ演出の種別やその実行態様にかかる処理を行うようにすることが望ましい。
このような表H1に示される態様によれば、カウント値が進展するにつれて(所定値に近づくにつれて)非表示にされたときの維持時間が長くなる傾向が持たされるのに対し、非表示にされたままカウント表示が再表示されることなく当該タイマ演出が終了されてしまうリスクも次第に高くなる傾向が持たされるようになっている。すなわちこの場合、カウント値があまり進展していない段階で非表示にされるとタイマ演出としての総時間は僅かではあるが終了リスクの少ないなかで手堅く延ばすことができるのに対し、カウント値が大きく進展した段階で非表示にされると終了リスクも大きいがタイマ演出としての総時間を大きく延ばすことができるようになることから、カウント値が進展するにつれてタイマ停滞演出としての演出性を徐々に変化させていくことができるようになり、これによってカウント表示が実行される間における遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
なお、表H1では、各カウント値に対して一の非表示時間を対応させることとしたが、各カウント値に対して複数の非表示時間を対応させ、それら非表示時間のいずれかでタイマ停滞演出を発生させるようにしてもよい。
また、カウント表示が実行されている間のいずれのタイミング(カウント値)で該カウント表示を非表示状態にするかや、非表示にする回数については、大当り判定の結果や変動パターンの種別などに基づいて図柄変動の開始に際して決定するようにすることが望ましい。
また、このようなタイマ停滞演出では、カウント表示が非表示にされる間にこれに対応する演出を行うようにしてもよい。例えば、カウント値「6」で6秒間にわたって非表示にされる場合には、カウント値「6」に対応する非表示用演出を6秒間にわたって行うとともに、カウント値「2」で16秒間にわたって非表示にされる場合には、カウント値「2」に対応する非表示用演出(カウント値「6」に対応する非表示用演出とは演出態様が異なる演出)を16秒間にわたって行うようにすれば、カウント表示が非表示状態にあるときの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。またこの際、非表示用演出においてカウント表示が再表示されるか否かの演出を出現させ、その演出結果に応じてカウント表示が再表示されたり、タイマ演出が終了されるようにしてもよい。
より好ましくは、カウント表示が開始されてからこれが所定値に達するまでの期間のうち、カウント表示が表示状態にあるときには大当り期待度を示唆する演出(タイマ演出とは別の演出)が何ら新たに開始されないようにしておき、カウント表示が非表示状態にあるときには大当り期待度を示唆する演出(タイマ演出とは別の演出)が新たに開始されうるようにすれば、残りカウントを気にすることなくタイマ演出とは別の演出を楽しむことができるようになる。また、タイマ停滞演出が発生したことこれ自体による期待度アップに加えて、タイマ演出とは別の演出が行われることによる期待度アップを楽しむことができるようになり、タイマ停滞演出に対する期待感をより一層高くすることができるようになる。
そして、カウント表示が非表示状態にあるときに出現する別の演出には、当該タイマ演出とは別の新たなタイマ演出が含まれるようにしてもよい。ただしこの場合、非表示状態になっているカウントの進展速度よりも高速でカウントを進展させ、非表示状態になっているカウント表示が再表示されるタイミングが到来するよりも前に、新たなタイマ演出のカウント表示が所定値に達してその対象演出を出現させるようにすることが望ましい。なお、新たなタイマ演出の対象演出として、非表示状態になっているカウント表示を再表示させる演出を行うようにしてもよい。
[タイマ対象演出へと繋がる進展演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、まず、図柄演出が行われる期間内において所定値までのカウント表示を実行し、該カウント表示に対応する演出の候補として用意されている複数の演出態様の少なくとも1つをタイマ対象の演出として出現させるタイマ演出を実行可能としている。この点、本願にかかるタイマ演出では、上記タイマ対象の演出(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作など)を含めた一連のタイマ対応演出を、カウント表示が所定値になる前から開始させ、カウント表示が所定値になった後に終了可能としている(タイマ対象演出へと繋がる進展演出)。
すなわちこの場合、カウント表示が所定値になるよりも前からタイマ演出に対応する一連のタイマ対応演出が実行されるようになることから、カウント表示が所定値になるまでの間における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
図195は、タイマ対象演出へと繋がる進展演出について、その具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
同図195に示されるように、いま、図柄の変動期間内において特定のタイマ種別でタイマ演出が実行されており、カウント表示のカウント値が第1特定値(ここでは、カウント「6」)まで進展したとすると、周辺制御MPU1511aでは、まず、カウント表示のカウント値が所定値(ここでは、カウント「0」)になった後に現れるタイマ対象演出の演出内容へと繋がる進展演出(一連のタイマ対応演出)を開始させる。
ここで、この説明例では、同図195に示されるように、カウント表示のカウント値が所定値(ここでは、カウント「0」)になった後に現れるタイマ対象演出として、味方キャラクタによるカットインが行われる表示画像SEG3−1が表示されるようになっている。この点、この説明例にかかるタイマ演出では、カウント表示のカウント値が所定値(ここでは、カウント「0」)になるよりも前の、カウント消化中の期間において、味方キャラクタによるカットインが行われる状況へと至った経緯を演出画像として表示するようにしている(タイマ対象演出の演出内容へと繋がる進展演出)。
例えば、この説明例では、カウント表示のカウント値が所定値(ここでは、カウント「0」)になるよりも前の、カウント表示のカウント値が第1特定値(ここでは、カウント「6」)になったときはこれに対応する演出として、味方キャラクタに対して助けを求める人物を描写する表示画像SEG1が表示される。
次いで、カウント表示のカウント値が所定値(ここでは、カウント「0」)になるよりも前の、カウント表示のカウント値が第2特定値(ここでは、カウント「3」)になったときはこれに対応する演出として、助けを求める人物からの依頼を受諾して味方キャラクタが敵キャラクタと対峙する様子を描写する表示画像SEG2が表示される。
すなわち、カウント表示が所定値に向けて進展されるなかでこのような表示画像SEG1,SEG2を順次出現させることで、カウント表示がさらに進展して所定値に達すると味方キャラクタによるカットイン(ここでは、敵キャラクタを倒すべく味方キャラクタがオーラを纏う演出)が行われる表示画像SEG3−1が表示されることを期待することができるようになり、これによってカウント表示が実行されている間における遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
ただし、図195に示される説明例では、第2特定値(ここでは、カウント「3」)に対応する表示画像SEG2が現れたとしても、カウント表示が所定値になったときに味方キャラクタによるカットインが行われる表示画像SEG3−1ではなく、味方キャラクタが敵前逃亡する様子を描写した表示画像SEG3−2が表示される演出パターンも用意されている。このような構成によれば、カウント表示が所定値に達するよりも前の期間でタイマ演出の対象としていずれの演出が出現するのかの目星を付けることを可能としつつも、カウント表示が所定値に達したときに現れる演出態様を特定するまでには至らなくなることから、カウント表示が所定値になった以降の遊技興趣についてもこれを好適に維持することができるようになる。なお、表示画像SEG3−2については必ずしも用意しなくてもよく、カウント表示が所定値に達すれば表示画像SEG3−1が必ず現れるようにしてもよい。
この点、この説明例では、第1特定値(ここでは、カウント「6」)に対応する表示画像SEG1が現れた後や、第2特定値(ここでは、カウント「3」)に対応する表示画像SEG2が現れた後に、カウント表示がそれ以上進展せず所定値に達するよりも前に中途終了される演出パターンを用意することとしている。このような構成によれば、所定値に達するよりも前に現れるこうした演出進展が行われるなかで、タイマ対象演出が現れることなく当該タイマ演出が中途終了してしまうリスクを抱えながらカウント表示の進展を楽しむことができるようになる。なお、タイマ演出が中途終了される演出パターンについては必ずしも用意しなくてもよく、カウント表示が所定値に必ず達してタイマ対象の演出が現れるようにしてもよい。
また、図195に示される説明例にあって、第1特定値(ここでは、カウント「6」)に対応する表示画像SEG1は、味方キャラクタによるカットインが行われる表示画像SEG3−1のほか、図示は割愛するが、タイマ対象演出として用意されている異なる表示画像(例えば、異なるキャラクタによるカットイン)にも繋がる演出画像として表示されるようになっている。例えば、後述の図204(C)〜(F),図205(G)〜(I)に示される例では、図204(D)に示される3人の味方キャラクタのいずれかが、助けを求める人物からの依頼を受諾するようになっており、その受諾した味方キャラクタが敵キャラクタと対峙してカットイン演出を行う流れとなっている。
したがって、図195に示される説明例にあって、第1特定値(ここでは、カウント「6」)に対応する表示画像SEG1が表示された後には、第2特定値(ここでは、カウント「3」)に対応する表示画像として、表示画像SEG2ではなくこれとは別の表示画像が表示されることがあり、該別の表示画像が表示された場合は、所定値に達したときに表示画像SEG3−1とは別の表示画像(例えば、異なるキャラクタによるカットイン)へと繋がるように演出進展がなされることとなる。なお、表示画像SEG1は、味方キャラクタによるカットインが行われる表示画像SEG3−1へと必ず繋がる演出として実行されるようにしてもよい。
なお、カウント表示が実行されている間にいずれの経路で演出進展させるかについては、図柄変動に際して、大当り判定の結果や変動パターンの種別などに基づいて決定するようにすることが望ましい。タイマ対象の演出が実行されない演出パターンが出現した場合は、所定値に達してタイマ対象演出が実行される場合に比べて大当り図柄で図柄変動が停止される割合は低くなるが、こうした演出パターンを用意することで、タイマ演出これ自体の発生頻度を高くすることはできるようになる。
また、第1特定値(ここでは、カウント「6」)に対応する表示画像SEG1が現れた後、カウント表示が第2特定値(ここでは、カウント「3」)になるまでの間は、カウント表示が非表示にされるようにしてもよい。例えば、図195に示される説明例にあって、カウント「6」が表示されると、該カウント「6」に対応する表示画像SEG1を、カウント「5」〜「4」が消化される時間分にわたって表示するとともに、該表示画像SEG1が表示される間はカウント表示を非表示にする。そしてこの後、カウント数が「3」になるタイミングに合わせてカウント表示を表示するとともに、該カウント「3」に対応する表示画像SEG2を、カウント「2」〜「1」が消化される時間分にわたって表示し、該表示画像SEG2が表示される間はカウント表示を非表示にする。そしてこの後、カウント数が「0」になるタイミングに合わせてカウント表示を表示するとともに、該カウント「0」に対応する表示画像SEG3−1(タイマ対象演出)を実行するようにすれば、所定値に向けたカウント消化を気にせずにカウント数に対応する演出進展を楽しむことができるようになる。
なお、表示画像SEG1,表示画像SEG2,表示画像SEG3−1などについては、静止画像として表示するようにしてもよいし、所定時間を要した動画として表示するようにしてもよい。静止画像として表示する場合は、特定カウント値(第1特定値や第2特定値)に対応する所定時間内に複数の静止画像を順次表示するようにしてもよい。
また、第1特定値に対応する表示画像SEG1が表示される時間や、第2特定値に対応する表示画像SEG2が表示される時間や、所定値に対応する表示画像SEG3−1が表示される時間については、それらが互いに異なる時間として設定されるようにすることが望ましい。
また、この実施の形態では、タイマ対象演出へと繋がる進展演出として、複数種類のタイマ対象演出のいずれかへと繋がる複数種類の進展演出を用意することとしたが、特定のタイマ対象演出が現れるときに限り、カウント表示が所定値になるよりも前から該特定のタイマ対象演出へと繋がる進展演出を実行可能とするようにしてもよい。
また、図195に示される説明例では、カウント数が「6」のときからタイマ対象演出へと繋がる進展演出を実行することとしたが、これに限られない。例えば、残りカウントが相対的に少ない第1の特定カウント数(例えば、「3」)のときと、残りカウントが相対的に多い第2の特定カウント数(例えば、「6」)のときとでタイマ対象演出へと繋がる進展演出を実行可能としておき、残りカウントが相対的に多い第2の特定カウント数(例えば、「6」)のときにタイマ対象演出へと繋がる進展演出が実行されると大当り期待度が相対的に高くなるようにすれば、大当り期待度が高くなるかのように継続されるカウント数が多いなかで演出がより多く進展されるようになることから遊技興趣をより好適に維持することができるようになる。
[タイマ内操作演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、まず、図柄演出が行われる期間内において所定値までのカウント表示を実行し、該カウント表示の対象とされるカウント対象演出を実行可能である。この点、本願にかかるタイマ演出では、カウント表示の実行中に操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作を演出受付可能な期間を設定可能であり、該期間内において操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作が行われると、カウント表示が所定値になったときにカウント対象演出として期待度の高い演出態様(例えば、カットインB)が出現する割合が異なる複数の操作時演出態様のいずれかを発生させる。また、演出受付可能な期間として、カウント表示が第1カウント値のときから第2カウント値のときまでの第1期間と、カウント表示が上記第2カウント値よりも後にカウントされる第3カウント値のときから第4カウント値のときまでの第2期間とが少なくとも設定可能な期間として用意している。そしてこの上で、カウント対象演出として期待度の高い演出態様(例えば、カットインB)が出現することが決定されている図柄演出期間中のうち、カウント表示が第1カウント値のときから第2カウント値のときまでの上記第1期間にあるときに上記操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作が行われてこれが演出受付された場合と、カウント表示が第3カウント値のときから第4カウント値のときまでの上記第2期間にあるときに上記操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作が行われてこれが演出受付された場合とで、それら演出受付の結果として特定の操作時演出態様(例えば、期待度の高い特定演出がタイマ対象演出として出現する割合が高いことを示唆する態様)が発生する割合が異なるようにしている(タイマ内操作演出)。
すなわちこの場合、カウント対応演出として期待度の高い演出(例えば、カットインB)が出現することが決定されていたとしても、カウント表示が第1カウント値のときから第2カウント値のときまでに操作手段(例えば、操作ボタン410)を操作した場合と、カウント表示が第3カウント値のときから第4カウント値のときまでに操作手段(例えば、操作ボタン410)を操作した場合とで、特定の操作時演出態様の発生し易さが異なることから、カウント表示が第1カウント値のときから第2カウント値のときまでに操作手段(例えば、操作ボタン410)を操作するべきか、カウント表示が第3カウント値のときから第4カウント値のときまでに操作手段(例えば、操作ボタン410)を操作するべきか、若しくはそれらの両方で操作手段(例えば、操作ボタン410)を操作するべきかといった遊技戦略に面白みを持たせることができるようになる。
例えば、特定の操作時演出態様が発生し易い期間内で操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作を行った場合は、特定の操作時演出態様が出現しないという演出リスクを抑えることはできるが、該特定の操作時演出態様が発生し易くなっている分だけこれが現れたとしてもカウント対象演出として期待度の高い演出(例えば、カットインB)が出現することへの期待感を持ち難い。これに対し、特定の操作時演出態様が発生し難い期間内で操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作を行った場合は、特定の操作時演出態様が出現しないという演出リスクは高くなるものの、該特定の操作時演出態様が発生し難くなっている分だけこれが現れたときにはカウント対応演出として期待度の高い演出(例えば、カットインB)が出現することへの期待感を持ち易くなる。
そして、こうした性格の異なる2つの期間(第1カウント値のときから第2カウント値のときまでと、第3カウント値のときから第4カウント値のときまで)がカウント表示が所定値になるまでの間に現れうることとなることから、これら2つの期間に対して操作手段(例えば、カットインB)をどのように操作するかについての面白みを持たせてカウント消化中における遊技興趣を維持することが期待されるようになる。
図196(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、特定の変動番号(タイマなし SPリーチ)が選択されているときに行われるタイマ内操作演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図196(a)に示す例では、説明の便宜上、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が選択された場合(図162を参照)にタイマ内操作演出に関する下記処理を実行するようになっている。ただし、タイマ内操作演出が「タイマ対象演出として特定演出が現れる期待度を示唆する演出」として機能するものであることに鑑みれば、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときにタイマ内操作演出に関する下記処理を行うのではなく、タイマ対象演出としてカットインBではなく、他の演出態様が現れるタイマ種別が決定された場合にもタイマ内操作演出に関する下記処理を実行する。なお、カットインBよりも期待度の低い演出がタイマ対象演出として現れるタイマ種別が決定されている場合は、カットインBがタイマ対象演出として現れるタイマ種別が決定されている場合に比べて、演出受付がなされたときに特定の操作時演出態様が発生する割合が低くされることとなる。
図196(a)に示されるように、いま、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として「カットインB2」のタイマ種別が選択されたとすると、周辺制御MPU1511aでは、次の処理として、該選択した「カットインB2」を、タイマ内操作演出の態様を含めた複数の演出態様(「カットインB2−11」,「カットインB2−12」)のいずれで実行するかについての判定処理を行う。なお、該判定処理は、大当り判定の結果や所定の抽選の結果に基づいて行われるようにすることが望ましい。
図196(a)に示す例のうち、「カットインB2−11」の態様では、図柄変動から所定時間の経過後に「40」のカウント値をもったカウント表示が表示された後、40秒が経過したときに所定値(ここでは「0」)に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB(カットB予告)」が実行される。
これに対し、「カットインB2−12」の態様も、図柄変動から所定時間の経過後に「40」のカウント値をもったカウント表示が表示された後、40秒が経過したときに所定値(ここでは「0」)に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB(カットB予告)」が実行される。ただし、「カットインB2−12」の態様では、カウント表示のカウント値が「35(第1カウント値)」のときから「25(第2カウント値)」のときまでの第1期間と、同カウント値が「15(第3カウント値)」のときから「5(第4カウント値)」のときまでの第2期間とで、操作ボタン410)に対する操作があったときにタイマ内操作演出に関しての演出受付がなされるようになっており、該演出受付が許容される状態にあることを示唆する表示が現れるようになっている。なお、演出受付が許容される状態にあることを示唆する表示としては、特定の表示画像を表示する手法のほか、「35(第1カウント値)」のときから「25(第2カウント値)」のときまで、さらには「15(第3カウント値)」のときから「5(第4カウント値)」のときまでのカウント値の表示態様(大きさや形状、色など)を変化させることによっても実現可能である。
すなわち、「カットインB2−12」の態様では、第1期間(カウント値が「35」〜「25」)と、第2期間(カウント値が「15」〜「5」)とのいずれかの期間内において操作ボタン410に対する操作が行われると、タイマ内操作演出としての演出受付がなされることとなり、該演出受付に基づいて、カウント対象演出として期待度の高い特定演出が出現する割合が異なる複数の操作時演出態様のいずれかを発生させる。なお、複数の操作時演出態様については、例えば、所定のランプを青色、赤色(特定の操作時演出態様)のいずれかで点灯させる態様として採用することが可能であり、青色で点灯する態様が現れるとカウント対象演出として期待度の高い特定演出が出現する割合が最も低く、赤色(特定の操作時演出態様)で点灯する態様が現れるとカウント対象演出として期待度の高い特定演出が出現する割合が最も高くなるように設定することが可能である。
図196(b)は、第1期間にあるときに演出受付された場合と、第2期間にあるときに演出受付された場合とで操作時演出態様としていずれの演出態様を出現させるかを決定するときに参照されるテーブル(テーブルT16)についてその一例を示す図である。
上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、操作時演出態様として、所定のランプを青色、赤色(特定の操作時演出態様)のいずれかで点灯させる態様が用意されている。
この点、図196(b)に示されるテーブルT16では、タイマ対象演出として「カットインB」が現れる演出パターン(カットインB2−12)において、第1期間にあるときに演出受付されると「30/100」の割合で青色(低期待態様)を選択し、「70/100」の割合で赤色(高期待態様)を選択するようになっており、第2期間にあるときに演出受付されると「70/100」の割合で青色(低期待態様)を選択し、「30/100」の割合で赤色(高期待態様)を選択するようになっている。したがって、第1期間で操作ボタン410に対する操作を行った場合は、赤色(高期待態様)が出現しないという演出リスクを抑えることはできるが、該赤色(高期待態様)が発生し易くなっている分だけこれが現れたとしてもカウント対象演出として期待度の高い演出(例えば、カットインB)が出現することへの期待感を持ち難い。これに対し、第2期間で操作ボタン410に対する操作を行った場合は、赤色(高期待態様)が出現しないという演出リスクは高くなるものの、赤色(高期待態様)が発生し難くなっている分だけこれが現れたときにはカウント対象演出として期待度の高い演出(例えば、カットインB)が出現することへの期待感を持ち易くなる。
すなわち、図示は割愛するが、タイマ対象演出として「カットインB」よりも期待度の低い演出態様が現れる演出パターンにおいては、例えば、第1期間にあるときに演出受付されると「50/100」の割合で青色(低期待態様)を選択し、「50/100」の割合で赤色(高期待態様)を選択するようになっており、第2期間にあるときに演出受付されると「90/100」の割合で青色(低期待態様)を選択し、「10/100」の割合で赤色(高期待態様)を選択するようになっている。したがって、第2期間で赤色(高期待態様)が現れたときには、タイマ対象演出として「カットインB」が現れる演出パターン(カットインB2−12)が選択されている期待感を持つことができるようになる。
なお、この実施の形態では、特定のタイマ種別が決定されているときにその変動時間内で第1期間と第2期間との2つの期間を発生させることとしたが、大当り判定の結果や変動パターンの種別、またはタイマ種別などに基づいて第1期間と第2期間との少なくとも一方を発生させるようにしてもよい。例えば、第1期間しか発生しないようにしたときには、演出受付がなされたときに赤色(高期待態様)が出現しないリスクは抑えられるが、赤色(高期待態様)が出現したときの期待度もそれほど高くならないという単一条件のもとでのみ操作機会が付与されることとなり、第2期間しか発生しないようにしたときには、演出受付がなされたときに赤色(高期待態様)が出現しないリスクは高いが、赤色(高期待態様)が出現したときの期待度は高くなるという単一条件のもとでのみ操作機会が付与されることとなる。すなわちこの場合、遊技者の好みによっては、第1期間側で操作したい場合であっても第2期間側でしか操作機会が付与されなかったり、第2期間側で操作したい場合であっても第1期間側でしか操作機会が付与されなかったりするようになることから、カウントが消化されるなかで好みでない側での期間内で操作するか否かの葛藤を生じさせて、カウント表示が実行される間における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、第1期間や第2期間においては、演出受付が許容される状態にあることを示す表示を必ずしも行わないようにしてもよい。すなわちこの場合、第1期間と第2期間とのいずれで演出受付が許容されるのか、若しくは第1期間と第2期間とのいずれにおいても演出受付が許容されるのかを不明にした状態でカウント表示が進展されるようになることから、タイマ演出に対してより興味を持たせることができるようになり、カウント表示が実行される間における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、第1期間と第2期間とについては、それらの期間で演出受付が許容される時間長さを同じに設定することが望ましい。このような構成によれば、第1期間と第2期間とのいずれであっても同じ時間分だけ演出受付が許容されるようになることから、カウント値が特定数分(ここでは「10」)だけ進展する期間を「操作を行うのかのシンキングタイム」として提供することができるようになり、このような演出要素の付加を通じてカウント表示が実行される期間中における遊技興趣の維持を図ることできるようになる。
また、第1期間や第2期間においては、遊技者による操作を複数回にわたって演出受付することが可能であり、複数回の演出受付を通じて演出態様に変化(例えば、青色→緑色→赤色)が生じるほど、カウント対象演出として期待度の高い演出(例えば、カットインB)が出現する割合が高くなるようにしてもよい。ただしこの場合、複数回の演出受付がなされたとしても、第1期間と第2期間とでは、最終的に現れる演出態様の出現し易さは互いに異なるように設定することとなる。
[タイマ隠匿演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、まず、図柄演出が行われる期間内において所定値までのカウント表示を実行し、該カウント表示に対応したタイマ対象演出を実行可能としている。この点、本願発明では、カウント表示の実行中、該カウント表示の前方側で装飾体によるカウント前方演出が実行されうるようにしている。
すなわちこの場合、カウント表示が所定値になるとカウント対象演出が実行される状況にあるなかで、カウント表示が所定値になるまでの間に該カウント表示を視認し難くするかたちでの装飾体によるカウント前方演出が行われるようになることから、カウント表示によるカウント値が飛び飛びでしか把握できなくなるなど、カウント対象演出が実行されるまでの残り時間を少しの間(装飾体によるカウント前方演出中)だけ把握し難くさせてカウント表示に対する興味を増大させることができるようになる。
また、カウント表示を視認し難くする代わりに、装飾体によるカウント前方演出を通じて大当り図柄が現れることに対する期待感を高くするようにしたことから、カウント表示を視認し難くしたことによる遊技興趣の低下についてはこれを抑制することが期待されるようになる。
図197(a)〜(c)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、特定の変動番号が選択されているときに行われるタイマ隠匿演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
図197(a)に示されるタイマ演出例では、まず、図柄変動が開始されてから所定のタイミング(例えば、5秒)が経過したタイミングで「30」のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっているタイマ対象演出が現れるようになっている。ただし、同図197(a)に示される演出パターンでは、カウント表示の実行中における所定タイミングで該カウント表示の前方側で装飾体によるカウント前方演出が実行されうるようにしている。
ここで、このような装飾体によるカウント前方演出としては、例えば、後述の図206(B),(C)の例では、カウント表示の前方にまで演出用の可動体KTを移動させて所定時間にわたってこれを位置させるカウント数侵食演出などとして実現可能である。装飾体については、必ずしも可動体として設けられるものでなくてもよく、演出時には非演出時よりもカウント表示を相対的に視認し難くするものであればよい。
図197(a)に示される演出例では、装飾体によるカウント前方演出は、カウント値が「10」になるまで演出状態(カウント表示が視認し難くされる状態)として実行されるようになっており、該演出状態では、装飾体による動作態様または発光態様などによってタイマ対象演出として期待度の高い特定演出の出現し易さを示唆するようにしている。
そして、図197(a)に示される演出例では、装飾体によるカウント前方演出が終了されると、カウント表示が視認し易い状態のもとでカウント値が「10」から「0」になるまで進展することとなり、その後、タイマ対象演出として複数の演出態様のいずれかが現れるようになっている。
これに対し、図197(b)に示されるタイマ演出例も、まず、図柄変動が開始されてから所定のタイミング(例えば、5秒)が経過したタイミングで「30」のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっているタイマ対象演出が現れるようになっている。また、カウント表示の実行中に該カウント表示の前方側で装飾体によるカウント前方演出が実行される点も、図197(a)に示されるタイマ演出例の場合と同様である。
ただし、図197(b)に示されるタイマ演出例にあって、装飾体によるカウント前方演出は、比較的短い時間で終了されるようになっており、装飾体によるカウント前方演出が終了されると、カウント表示が視認し易い状態のもとでカウント値が「15」から「0」になるまで進展し、その後、タイマ対象演出として複数の演出態様のいずれかが現れるようになっている。
一方、図197(c)に示されるタイマ演出例では、まず、図柄変動が開始されてから所定のタイミング(例えば、5秒)が経過したタイミングで「25」のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっているタイマ対象演出が現れるようになっている。カウント表示の実行中に該カウント表示の前方側で装飾体によるカウント前方演出が実行される点については、図197(a),(b)に示されるタイマ演出例の場合と同様である。
ただし、図197(c)に示されるタイマ演出例にあって、装飾体によるカウント前方演出は比較的早い段階で発生・終了するようになっており、装飾体によるカウント前方演出が終了されると、カウント表示が視認し易い状態のもとでカウント値が「20」から「0」になるまで進展し、その後、タイマ対象演出として複数の演出態様のいずれかが現れるようになっている。
ところで、タイマ演出では、カウント表示が開始されるときのカウント値が大きいほど、タイマ対象演出として期待度の高い演出対象が出現される割合が高くなっていることは上述した通りである。この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、装飾体によるカウント前方演出が発生すると、カウント表示が開始されるときのカウント値を基準とするのではなく、カウント前方演出が終了して視認し易くされたときのカウント値が大きいほど、タイマ対象演出として期待度の高い演出対象が出現される割合が高くなる関係が現れるように設定することとしている。該割合については100%を含むようにしてもよい。
例えば、上述の図197(a),(b)の演出例では、いずれの演出パターンにおいてもカウント表示が開始されるときのカウント値は「30」で一致しているが、図197(a)の演出例ではカウント前方演出が終了して視認し易くされるときのカウント値が「10」であるのに対し、図197(b)の演出例ではカウント前方演出が終了して視認し易くされるときのカウント値が「15」になっていることから、図197(b)の演出例のほうがタイマ対象演出として期待度の高い演出が出現する割合が高くなっている。
このような構成によれば、カウント表示の実行中にカウント前方演出が発生すると、カウント開始時に現れていたカウント数の大きさとしての演出価値が毀損され、カウント前方演出が終了するときのカウント数の大きさが再注目されるようになることから、カウント表示の実行中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
例えば、上述の図197(c)の演出例では、カウント開始時には比較的小さいカウント値である「25」が表示されるが、カウント前方演出が終了するときには該演出の終了時としては比較的大きいカウント値である「20」が表示されるようになっており、図197(a),(b)の演出例に比べて、タイマ対象演出として期待度の高い演出が出現する割合が高くされている。
すなわちこの場合、カウント前方演出が発生すれば、カウント開始時に比較的大きいカウント値が表示された場合よりもタイマ対象演出として期待度の高い演出が現れる割合が高くなる可能性が生じるようになることから、カウント開始時に比較的小さいカウント値が表示されたときの遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
ただし、カウント開始時に比較的大きいカウント値が表示された場合は、カウント開始時に比較的小さいカウント値が表示された場合に比べて、その後にカウント前方演出が発生するとその終了時にも比較的大きいカウント値が現れる割合が高くなるように設定することが望ましい。
また、上述の図197(a)〜(b)の演出例では、カウント表示が開始されてからカウント前方演出が発生するまでの時間として複数の時間が用意されていることから、カウント表示が実行されている長い期間にわたってカウント前方演出が発生するかもしれない可能性を意識付けさせて遊技興趣を維持することができるようになる。
また、上述の図197(a)〜(b)の演出例では、カウント前方演出が開始されてから終了されるまでの時間として複数の時間が用意されていることから、カウント前方演出が開始された時点で終了時のカウント値を予測し難くなり、カウント前方演出が終了されるまでの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
なお、カウント前方演出については、カウント表示の実行中のほか、カウント表示が実行されるよりも前の期間、例えば、出現するとタイマ演出が出現する割合が高くなるタイマ先読み演出の実行中に現れるようにしてもよい。ただし、カウント表示の実行中にカウント前方演出を出現させることでカウント進展を視認し難くして演出としての面白みを狙うようにした本願にかかる構成に鑑みれば、カウント表示が開始される前よりも、カウント表示がカウントされた後の方が高い割合でカウント前方演出が実行されるようにすることが望ましい。また、一の図柄変動内の期間においてタイマ先読み演出が実行されているなかでカウント前方演出が実行された場合、該カウント前方演出が終了するときにカウント表示が未だ開始されておらずタイマ先読み演出が実行されている状態にあるときは、カウント前方演出が終了するときにカウント表示が実行されている状態にあるときに比べて、タイマ対象演出として期待度の高い演出が出現する割合が高くなるように設定することが望ましい。
また、タイマ先読み演出が実行されている状態でカウント前方演出を実行するとした場合、タイマ先読み演出とカウント表示とについてはそれらの表示箇所を異なる位置にて表示するようにした上で、タイマ先読み演出の実行中には該タイマ先読み演出の表示位置の前方側で装飾体によるカウント前方演出を実行し、カウント表示の実行中には該タイマ先読み演出の表示位置の前方側で装飾体によるカウント前方演出を実行するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、装飾体は、例えば、タイマ先読み演出の実行中であるか、カウント表示の実行中であるかに応じて異なる位置まで移動することとなるが、タイマ先読み演出の前方側で装飾体が位置している状況にあるときにタイマ先読み演出が終了すると、これまで視認し難くされていたタイマ先読み演出とは異なる位置でカウント表示が開始されるようになる。このような構成によれば、タイマ先読み演出が実行されている状態でカウント前方演出が発生した場合は、カウント前方演出が未だ実行中の状態にありこれが終了されていない段階でカウント表示が開始されたとしても、カウント表示のカウント値をその開始時から視認し易い状態にすることができるようになることから、カウント開始時におけるカウント数の大きさとしての演出価値が毀損されてしまう可能性が排除されているもとでカウント前方演出を楽しむことができるようになる。
また、カウント前方演出については、カウント表示が開始されてからあまり時間の経過していない比較的早い段階よりも、カウント表示が開始されてからある程度の時間が経過した比較的遅い段階にあるときのほうがカウント前方演出が実行される割合が高くなるようにすることが望ましい。
また、タイマ対象演出が実行されるまでの残りカウント(残り時間)が比較的少ない状況でカウント前方演出が実行されると、これが終了されるときに現れるカウント値の大きさに期待が持てないことに加えて、タイマ対象演出と混同しかねない懸念が生じることから、残りカウント数が所定数未満の状況になるよりも前にカウント前方演出を終了させるとともに、残りカウント数が所定数未満の状況においてはカウント前方演出が新たに実行されないようにすることが望ましい。
また、カウント前方演出については、複数のカウント表示が実行されているときにそれらのカウント表示に跨ってその前方側に装飾体が位置されるかたちで行うようにしてもよい。
なお、タイマ演出のうち、特定カウント値になったときに所定の演出画像(例えば、タイマ対象除外演出、タイマモード演出など)や所定の演出可動体(タイマ対象先出し演出)を出現させる種別のタイマ演出が実行される場合は、装飾体によるカウント前方演出の実行中であっても、それらの関連演出によって現在のカウント値を実質的に露にすることが可能であり、これによってカウント表示が視認し難くされてからどの程度のカウント進展がなされているかを予測することができるようになる。ただしこれに代えて、カウント値の前方側でのみ装飾体によるカウント前方演出を行うのではなく、特定カウント値になったときに所定の演出画像(例えば、タイマ対象除外演出、タイマモード演出など)や所定の演出可動体(タイマ対象先出し演出)を出現させる位置にまで跨ってその前方側に装飾体が位置されるかたちでカウント前方演出を行うようにして、カウント表示が視認し難くされてからどの程度のカウント進展がなされているかを予測し難くするようにしてもよい。
カウント表示の前方側で演出を行う装飾体については、1つに限らず、複数の装飾体がいずれもカウント表示の前方側にて位置するようにカウント前方演出を行うようにしてもよい。この場合、複数の装飾体がいずれもカウント表示の前方側にて位置する態様のほか、複数の装飾体のいずれかのみがカウント表示の前方側にて位置する態様など、複数の態様のいずれかでカウント前方演出が選択的に実行されるようにしてもよい。
以下、図198〜図207を参照して上述のタイマ演出これ自体の各種態様や、該タイマ演出に関連して行われる各種演出についてその演出内容を詳述する。ここで、上述の各演出にかかる処理例とは、あくまでも一例に過ぎず、例えば、演出の内容として上記した種別以外の演出を実行するようにしてもよいし、各演出の出現タイミングや出現条件なども同じ技術思想の範囲内であれば適宜に変更するようにしてもよい。したがって、以下に説明する演出例では、上述の各演出にかかる演出内容とは辻褄が合わないものも含まれうるが、同じ技術思想の範囲内であり且つ当業者であれば実施可能な範囲内で処理内容を適宜に変更しただけであるから問題はない。また、以下の「タイマ演出」とは、基本的には、予告側タイマ演出または変動側タイマ演出でカウント表示が実行されることを意味するものであるが、該カウント表示中の演出のほか、タイマ先読み演出を包含する意味を持つ場合もある。また、「カウント表示」の態様としても、以下では「秒数」をカウントすることとしているがこれに限られない。
図198(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示(例えば、SPリーチ)が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。なお、図198及び図199においては説明の便宜上、割愛されていた演出用の特定装飾部材SDYが図中にて記されている。なお、特定装飾部材SDYは、例えば、「裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500などの可動部材」などに相当するものである
図198(B)は、図198(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、タイマ演出が「70」のカウント数をもって表示されて、そのカウント表示(ここでは、カウントダウン)が開始される演出状況を示している。
ここで、図198(B)に示される演出状況においては、タイマ演出(カウント数)が表示されるのに合わせて、該タイマ演出のカウント表示が所定値になったときに該タイマ演出の対象として出現しうる演出種別の候補が表示されており、カウント表示が実行されるなかでそれら候補のいずれがタイマ対象の演出として出現するかを不明としつつも、それら候補のいずれかがタイマ対象の演出として出現することを認識可能としている。なお、図中における「会話」が会話予告に相当しており、図中における「保留」が保留変化に相当しており、図中における「カットA」がカットインAに相当しており、図中における「役A」が役物A動作に相当しており、図中における「マル秘」が特別タイマに相当しており、図中における「カットB」がカットインBに相当しており、図中における「役B」が役物B動作に相当している。
図198(C)は、図198(B)で示したカウント数が「60」になったときに上述のタイマ対象除外演出が実行される演出状況を示している。
なお上述の通り、タイマ対象除外演出とは、タイマ対象の演出がいずれの演出態様であるかが不明にされているなかで、タイマ対象として選択されていない演出態様(タイマ対象予告抽選でタイマ対象として決定されなかった演出態様)のうちの少なくとも1つ(2つ以上を示唆するようにしてもよい)を示唆する表示を行いうるものである。
ここで、これも上述したが、タイマ演出では通常、カウント表示が所定値(ここでは0)に達してタイマ対象の演出が出現しうるタイミングの候補として用意されている各タイミング(この例では、変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒、50秒など)が過ぎ去っていくにつれてタイマ対象として出現し得る演出の種別も絞られていく関係性がある。したがって、図198(C)の演出例では、タイマ対象除外演出を発生させるタイミングを、タイマ対象の演出が出現しうるタイミングの候補として用意されている複数のタイミング(変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒など)が到来するときに合わせて設定することとしている。
例えば、図198(B)に示した例では、タイマ演出を「70」のカウント数をもって表示させる演出パターンを記載している。ただし、このタイミングでは、タイマ演出に「70」のカウント数を持たせるのではなく、「10」、「20」、「30」、「40」、または「50」などの他のカウント数を持たせて表示させる演出パターンも発生しうるようになっている。そしてこのうち、図198(B)に示したタイミングで「10」のカウント数をもったタイマ演出が現れた場合を想定したとすると、該タイマ演出のカウント表示は、図198(C)に示したタイミングで所定値(ここでは「0」)に達することとなり、タイマ対象の演出として、例えば、「会話予告」を出現させることとなる。その一方で、図198(B)に示したタイミングで「10」以外のカウント数をもったタイマ演出が現れた場合は、タイマ対象の演出として「会話予告」を出現させることがないとすると、図198(C)に示したタイミングでカウント数を残した状態でこれが過ぎ去った時点で、タイマ対象として出現し得る演出の種別から「会話予告」は実質的に除外されることとなり、タイマ対象の演出として出現しうる候補が絞られたといえる。この点、図198(C)に示す例では、「60」のカウント数を残した状態でカウント表示が実行されている演出状況にあることから、このタイミングでは、タイマ対象の演出候補から実質的に除外されている演出種別(会話予告)がいずれであるかを示唆する演出(タイマ対象除外演出)を行うようにすることが望ましい。これにより、遊技者の置かれている演出状況を適正に表現することができるようになる。
ただし、図198(C)に示される1回目のタイマ対象除外演出では、このタイミングで「会話予告」ではなく、「特別タイマ」がタイマ対象の演出として選択されていないことを示唆するようにしている。このようなタイマ対象除外演出によれば、「出現すると大当り確定であることを示す演出」がタイマ対象の演出として選択されていないことがカウントの消化途中で明らかとされるようになることから、タイマ対象として高期待の演出が現れるかについての不安感を煽ることができるようになる。
なお、図198,図199に示されるタイマ対象除外演出では、タイマ演出の対象演出の候補を表示している表示画像のうち、「特別タイマ」に対応する表示画像(マル秘)に対して施錠状態にある南京錠を重ねて表示するとともに、「ロック!!」といった表示を行うことで、「特別タイマ」がタイマ対象の演出として選択されていないことを示唆するようにしている。
図198(D)は、図198(C)で示した1回目のタイマ対象除外演出の出現後、カウント表示が特定のカウント値になったときにタイマモード演出が実行される演出状況を示している。
なお上述の通り、タイマモード演出とは、カウント表示が所定値(ここでは「0」)になるよりも前の期間内で、カウント表示が所定値になったときにタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様(演出種別や演出内容(カットインの態様など))の現れる割合が相対的に低い地獄タイマモード(第1タイマモード表示)と、カウント表示が所定値になったときにタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様の現れる割合が相対的に高い天国タイマモード(第2タイマモード表示)とのいずれかを表示させるものである。
ここで、図198(D)に示す例では、まず、カウント消化が進行されているなかで天国タイマモードが表示されるか否かの天国チャレンジ演出を行うこととしており、該天国チャレンジ演出が現れた時点で、地獄タイマモードと天国タイマモードとのいずれかが必ず発生することが示されるようになる。
なお、天国チャレンジ演出では、地獄タイマモードに移行する可能性が高いか、天国タイマモードに移行する可能性が高いかの演出(例えば、悪魔と天使が押し合いを行って、どちらが優勢の状況にあるかを示す演出など)を行うようにしてもよく、この場合は、このような演出を経た後に、地獄タイマモードと天国タイマモードとのいずれが発生するかを示唆することとなる。
ちなみに、図198(D)に示す例では、タイマ対象除外演出で除外された演出種別が示されているもとで天国チャレンジ演出が実行されることから、タイマ対象除外演出でいずれの演出種別が除外されているか(期待度の低い演出種別が除外されているのか、それとも期待度の高い演出種別が除外されているのか)に応じて、地獄タイマモードが発生し易い状況にあるのか、それとも天国タイマモードが発生し易い状況にあるかを一定の精度のもとで予測可能な演出状況にあるといえる。
図198(E)は、図198(D)で示した天国チャレンジ演出に成功した結果(例えば、天使が悪魔との押し合いに勝利した結果)として天国タイマモード(第2タイマモード表示)の表示が行われている演出状況を示している。
この演出状況では、カウント表示が所定値になったときにタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様の現れる割合が相対的に高い天国タイマモード(第2タイマモード表示)に移行したことが示される。したがって、天国タイマモード(第2タイマモード表示)にあるときにタイマ対象除外演出が行われると、遊技者にとって有利な結果(ここでは、複数の演出種別のうち低期待の演出がタイマ対象の演出として選択されていないこと)が示唆される割合が高くなり、タイマ対象除外演出が発生したときの期待感を高くすることができるようになる。
これに対し、図示は割愛するが、図198(D)で示した天国チャレンジ演出に失敗した結果として地獄タイマモード(第1タイマモード表示)が現れているもとでタイマ対象除外演出が実行された場合は、遊技者にとって不利な結果(ここでは、複数の演出種別のうち高期待の演出がタイマ対象の演出として選択されていないこと)が示唆される割合が高くなることから、タイマ対象除外演出が発生したときの不安感を煽ることができるようになる。
なお、図198(E)の例では、天国タイマモード(若しくは、地獄タイマモード)に移行したことを、カウント表示の態様として表現するのではなく、変動中の装飾図柄SZの態様若しくはこれに関連させて表現するようにしており、これによって残りカウントの消化中に、他の演出を見逃すことなく天国タイマモード(若しくは、地獄タイマモード)に移行していることを認識可能としている。またこの場合、タイマ対象除外演出が発生したときにも現在のタイマモードの確認を容易に行いうるようになる。
図198(F)は、図198(C)に示した1回目のタイマ対象除外演出の出現後、図198(E)で発生した天国タイマモードが表示されているもとで2回目〜4回目のタイマ対象除外演出が実行され、カウント表示が「20」になったときに5回目のタイマ対象除外演出が実行された演出状況を示している。
ここで、図198(F)に示す例では、タイマ対象の演出候補として用意されている7種類の演出のうち5種類の演出がタイマ対象除外演出によってロック表示されている状態(5種類の演出がタイマ対象になっていないことが示されている状態)にあることから、カウント表示が所定値に達したときには、残りの2種類の演出(保留変化、役物B動作)のいずれかが発生することが認識可能な状態にあるといえる。ただし、図198(F)に示す例では、天国タイマモードが表示されている状況にあることから、天国タイマモードが表示されていない場合に比べて、残りの2種類の演出候補(保留変化、役物B動作)のうち期待度の高い側の演出が発生する割合が高くなっており、カウント表示が所定値に達するまでの期待感を好適に持続させることができるようになる。
なおこの際、図198(F)に示したタイマ対象除外演出の出現後、タイマ対象の演出が出現するまでの間に天国タイマモードの表示を非表示にするようにしてもよい。このような構成によれば、天国タイマモードが表示されていたことを記憶していなければ残りの演出候補のいずれの発生割合が高いのか不明になり、演出に集中していなかった代償として、カウント表示が所定値に達するまでの間の緊張感を持たせることができるようになる。
図199(G)は、図198(F)に示した5回目のタイマ対象除外演出の出現後、カウント表示が所定値になりタイマ対象の演出が現れることとなるタイミングが到来するよりも前の期間内で、特定装飾部材(ここでは、役物Bとしての特定装飾部材SDY)を用いた演出を出現させることで、特定装飾部材SDY(役物B)を用いた演出がタイマ対象にされていることを示唆するタイマ対象先出し演出が実行されている演出状況を示している。
すなわちこの場合、タイマ対象除外演出にかかる表示が現れているなかでタイマ対象先出し演出が実行されることから、タイマ対象除外演出によって絞られた演出候補のいずれがタイマ対象の演出として出現する可能性が高いのかについての判断材料をさらに提供することができるようになる。
そしてこの例では、タイマ対象先出し演出として「役物B途中動作(小)」が実行されていることから、タイマ対象除外演出によって絞られた演出候補(保留変化、役物B動作)のうち特定装飾部材SDY(役物B)を用いる演出である「役物B動作」がタイマ対象の演出として実行される可能性が高い(100%にしてもよい)状況にあることを認識することができるようになる。なお上述の通り、「役物B途中動作(小)」とは、タイマ対象の演出である「役物B動作」が「特定装飾部材SDY(役物B)が第1位置から第2位置まで変位する」ものであるとしたとき、「特定装飾部材SDY(役物B)が第1位置から該第1位置と第2位置との間にある所定位置まで変位する演出」のことである。
ただしこの説明例では、「役物B動作」にかかる演出の内容として、特定装飾部材SDY(役物B)を第1位置から第2位置まで変位させるだけの比較的期待度の低い第一演出内容のほか、特定装飾部材SDY(役物B)を第1位置から第2位置まで変位させることに加えて役物Aを第3位置から第4位置まで変位させる比較的期待度の高い第二演出内容が用意されており、それら演出内容のいずれかで「役物B動作」にかかる演出が実行されるようになっている。
この点、この説明例にかかる天国タイマモードでは、地獄タイマモードが現れた場合に比べて、タイマ対象の演出として「役物B動作」が選択されているときにはその演出内容として比較的期待度の高い第二演出内容が現れる割合が高くなるようにされており、これによってタイマ対象先出し演出によってタイマ対象の演出として出現される演出種別が完全に絞られた場合であっても、当該天国タイマモードとしての遊技者にとって有益な機能が奏されるようになっている。
また、図199(G)に示される例では、特定装飾部材(ここでは、特定装飾部材SDY(役物B))を用いたタイマ対象先出し演出が実行される際、特定装飾部材がカウント消化中のカウント表示に重なるかたちで当該タイマ対象先出し演出に供されるようになっており、これによってカウント表示を視認し難くするようにしている。すなわちこの場合、カウント表示にあまり注目していないなかでこのようなタイマ対象先出し演出が実行されると、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材SDY(役物B)が演出実行中の状態にあることも相まって、カウント消化中のタイマ対象先出し演出ではなく、カウント表示が所定値に達してこれが非表示とされた後のタイマ対象演出が実行されている状態にあると勘違いし易い演出状況が生み出されることとなる。したがって、図199(G)に示される演出がタイマ対象演出ではなく、タイマ対象先出し演出であることを認識したときには、該タイマ対象先出し演出として特定装飾部材SDY(役物B)が用いられたことを強く印象付けることができるようになり、その後、カウント表示が所定値になるまでタイマ対象先出し演出に関する何らの表示が行われないようにしても、タイマ対象先出し演出として特定装飾部材SDY(役物B)が用いられたことを認識させたもとでタイマ対象演出を発生させることが期待されるようになる。なお、タイマ対象先出し演出が実行される際は、カウント表示を視認し難くするのではなく、当該タイマ対象先出し演出が終了されるまで非表示にするようにしてもよい。
図199(H)は、図199(G)に示したタイマ対象先出し演出が実行された後、カウント表示が所定値(ここでは「0」)よりも前の特定のカウント値(ここでは、「3」)に達した以降に新たな入賞が発生し、該入賞に応じて演出実行(保留変化)させることが決定された状況にあるにもかかわらず、該入賞に応じた演出を抑制させるタイマ対象抑制制御が実行されている演出状況を示している。
すなわち上述の通り、特に、図199(H)に示す例では、タイマモード演出やタイマ対象先出し演出によってタイマ対象の演出として「保留変化」が選択されている可能性は極めて低い状況にあるとは言え、タイマ対象の演出候補として「保留変化」が未だ残されている状況にあることから、カウント表示が所定値に達するタイミング付近で新たな入賞に応じた保留変化が発生するようなことがあると、該保留変化がタイマ対象の演出であると誤認してしまい、この結果としてタイマ対象の演出これ自体を見逃してしまう事態を招きかねない。なお、タイマ対象の演出として「保留変化」が実行される場合は、図中の「保留0」を対象として実行されることから、タイマ対象の演出であるかを見分けることは比較的簡単であるが、残りカウント数の少ない切羽詰ったような状況下ではこれらの保留変化を誤認してしまう可能性は大いにあると考えられる。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイマ演出が実行される場合、該タイマ演出におけるカウント表示が所定値に達するまでの残り時間が比較的多い第1期間(ここでは、カウント数が残り「3」になるまでの期間)にあるときは新たな入賞が発生したことに応じた保留変化を許容するが、該第1期間が終了し、カウント表示が所定値に達するまでの残り時間が比較的少ない第2期間(ここでは、カウント数が残り「3」になった以降の期間)になったときは新たな入賞が発生したとしてもこれに応じた保留変化を許容しないようにすることで、上述の懸念を解消するようにしている(タイマ対象抑制制御)。
図199(I)は、図199(H)に示したタイマ対象抑制制御が実行されている演出状況にあるなかでタイマ演出のカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達してタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる演出(役物B動作)が実行されている演出状況を示している。
図199(I)に示す例では、天国タイマモードにあることが示されているもとで、タイマ対象の演出である役物B動作が、比較的期待度の低い第一演出内容ではなく比較的期待度の高い第二演出内容として実行されている様子を示している。ただしここでは、役物Bが特定装飾部材SDYに相当しており、役物Aが特定装飾部材TGYに相当していることから明らかであるように、第二演出内容であるときの演出に供される特定装飾部材TGYは、第一演出内容と第二演出内容とのいずれの演出にも供される特定装飾部材SDYよりも正面視で奥側となる位置であり、且つその大部分(少なくとも半分以上の面積)が重なる位置で演出するものとなっている。
このような構成によれば、比較的期待度の低い第一演出内容と比較的期待度の高い第二演出内容とのいずれが実行されているか(特定装飾部材TGYが演出状態にあるか否か)については判定し難くすることができるようになり、これによってタイマ対象の演出への集中を促すようにしている。なお、このような作用効果を得る上では、第二演出内容については、特定装飾部材SDY(役物B)とこれよりも奥側で演出しうるものであればよく、この意味では、特定装飾部材SDY(役物B)と特定装飾部材TGY(役物A)との複合演出ではなく、特定装飾部材TGY(役物A)に代えて演出表示装置1600における特定表示演出を用い、該特定表示演出と特定装飾部材SDY(役物B)との複合演出として実行するようにしてもよい。
なお、図199(I)に示す例においても、図199(H)で示したタイマ対象抑制制御は継続して実行されており、新たな入賞が発生したとしてもこれに応じた保留変化が発生することはないし、図199(H)で入賞した保留表示についてもこれを未変化のままで維持させるようになっている。
また、図199(I)に示す例では、タイマ対象の演出候補として残されていた「保留変化」と「役物B動作」とのうち「役物B動作」がタイマ対象の演出として実行されていることを認識可能な表示(図中の「役B」が点滅表示)が現れており、「保留変化」についてはタイマ対象の演出となっていないことを認識可能な表示(図中の「保留」に対して×印が付される表示)が現れている。
図199(J)は、図199(I)においてタイマ対象の演出が実行されてから所定時間が経過したときにタイマ対象抑制制御が非実行とされるときの演出状況を示している。
すなわち、タイマ対象の演出が実行されてから所定時間が経過したときは「保留変化」を実行したとしてもこれがタイマ対象の演出であると誤認される懸念がなくなる。したがって、図199(J)の例では、図199(H)に示されるタイミングで入賞に応じて保留変化させることが決定されていたもののその実行が持ち越されていた保留表示を対象にし、図199(J)に示されるタイミングでこれを保留変化させるようにしている。これにより、タイマ対象の演出が実行されるタイミング付近で保留変化の対象とされる新たな入賞が発生した場合であっても、該保留変化を、タイマ対象の演出でないことを明示しつつ適正に実行することができるようになる。
なお、図199(J)に示される例では、図199(J)に示されるタイミングで、変動中の保留表示(保留0)とは異なる保留表示を対象にしてこれを青色に変化させるようにしているが、大当り保留(保留0も含む)が含まれているときに参照される上述の特別時保留変化テーブルT9b(図175)に鑑みれば、このような青色の保留表示が現れたことは、赤色の保留表示が現れた場合よりも当該変動で大当り図柄が現れる割合が高いことを明示していることから、遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
また、図199(J)に示される例では、タイマ対象の演出が実行されてから所定時間が経過した状態にあるにもかかわらず、タイマ対象除外演出で除外された演出種別がいずれであるかや、タイマ対象の演出がいずれであったかなどを示す表示が継続実行されている。また、天国タイマモードにあることを示唆する表示についても継続実行されている。
ただし、天国タイマモードにあることを示唆する表示は、装飾図柄SZがリーチ表示の態様になって縮小表示されているのに合わせてこれも小さくなって表示される態様となっている。
そして、この説明例では、図199(J)に示される状況においてもこうして継続実行されている各表示は、装飾図柄SZが停止された状況においても継続実行されるようにしている(図199(K))。このような構成によれば、例えば、図柄停止された状態(大当り図柄が現れた状態)においても、それまでの演出過程でタイマ演出が実行されたことや、該タイマ演出で対象とされた演出が「役物B動作」であったことを認識することが可能である。
次に、図198及び図199に示したタイマ演出これ自体の各種態様や、該タイマ演出に関連して行われる各種演出とは別の演出例を図200,図201を参照して詳述する。
図200(A)は、通常遊技状態において、保留数が4の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示(例えば、SPリーチ)が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図200(B)は、図200(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、タイマ演出が実行されていない状況にあるにもかかわらず、タイマ対象除外演出が実行される演出状況を示している。
このタイマ対象除外演出では、「役物B動作」がタイマ対象の候補になっていないことが示されるようになっており、これによって当該変動内でタイマ演出が発生したときにはタイマ対象の候補が会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインBのいずれかに絞られたことを遊技者に把握可能とされるようになる。すなわちこの場合、複数の演出態様(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作)のうち比較的期待度の高い演出態様がタイマ対象の候補から外れたことを認識しうるようになることから、遊技者としては、当該変動内でタイマ演出が発生しないことを願うようになり、タイマ演出(カウント表示)が未実行の状態とされているときの遊技興趣を刺激することができるようになる。
なお、図200,図201に示される例では、図198及び図199に示した例とは異なり、タイマ対象除外演出を行うにあたり、タイマ対象の演出候補として用意されている各種演出を示唆する表示は実行されておらず、単に、タイマ対象の演出として少なくとも「役物B動作」は選択されていない状態にあることを示す表示が現れるようになっている。したがって、この例にかかるタイマ対象除外演出では、「役物B動作」がタイマ対象の演出でないことは把握可能であるが、タイマ対象の演出候補として他にいかなる演出種別があるかは不明とされることとなる。
図200(C)は、図200(B)においてタイマ対象除外演出が実行された後、タイマ演出が「15」のカウント数をもって表示されて、そのカウント表示(ここでは、カウントダウン)が開始される演出状況を示している。
ここで、この説明例におけるタイマ対象除外演出では、タイマ対象の演出として少なくとも「役物B動作」は選択されていないことを表示した後(図200(B))、該表示を、タイマ演出(カウント表示)が実行されるまで非表示にせずにこれを継続表示するようになっており、該表示が現れているもとでタイマ演出(カウント表示)を開始させるようにしている。このような構成では、カウント表示が開始されるときからこれがどの程度の期待度を持ったタイマ演出(ここでは、比較的期待度の高い「役物B動作」が実行されないタイマ演出)であるかを認識することができるようになる。
なお、図200(B),(C)に示される例では、タイマ対象の演出として少なくとも「役物B動作」が選択されていないことを示唆する表示を出現させるときと、これを継続表示するときとでそれらの表示にかかる態様を異ならせるようにしているが、必ずしも異ならせなくてもよく、同じであってもよい。
図200(D)は、図200(C)で示したタイマ演出のカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達した後、カウント表示が非表示にされているもとでタイマ演出の演出候補として用意されている「会話予告(第1の演出態様)」が実行されている演出状況を示している。
すなわちこの場合、遊技者側からすれば、「会話予告(第1の演出態様)」としての「チャンスかもしれないわ」といった演出が、タイマ演出の演出対象として実行されていると認識するようになる。ただし、図200(D)で示した「会話予告」は、タイマ演出の演出態様として実行されておらず、次の演出状況(図200(E))から明らかであるように、当該会話予告が終了されると図200(C)で示したタイマ演出のカウント表示が再表示されてさらに継続されるようになっている(復活タイマ演出)。
すなわちこの場合、「会話予告(第1の演出態様)」がタイマ対象(カウント対象)であったかのように見せた後、カウント表示が再表示されて当該タイマ演出をさらに継続させ、第1の演出態様とは異なる第2の演出態様がタイマ対象であることが示されるようになることから、相対的に期待度の低い演出が出現するタイミングでカウント表示が所定値に達してこれが非表示にされた場合であっても、その後にタイマ対象が変更される可能性を意識付けすることができるようになり、遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
図200(E)は、図200(D)でカウント表示が非表示とされているもとで実行された「会話予告」が終了した後、非表示とされていたカウント表示を再表示してこれを継続させる演出状況を示している(復活タイマ演出)。
ここで、このような復活タイマ演出では、カウント表示が非表示にされている間(図200(D))もカウント消化が秘かに継続されるようにしており、図200(E)の例では、非表示にされていた時間分(ここでは2秒分)だけカウント消化された状態からカウント表示を再表示するようにしている。すなわちこの場合、「会話予告」が終了した後には、カウント表示をマイナス表記(ここでは、「−2」)にして再表示することとなるが、これによって非表示になったときの「0」ではカウント消化が終わっておらずこれが継続して実行されている様子を表現することができるようになり、ひいては図200(D)で出現した「会話予告」がタイマ対象の演出でなかったことを認識することができるようになる。
また、このような復活タイマ演出にあって、「一旦非表示にされるよりも前に現れていたカウント表示」と「一旦非表示とされてから再表示されたカウント表示」とが別のカウント消化をしているのではなく、同じカウント消化をしていることをより確実に認識可能とされるようにする上では、カウント表示が非表示にされている間も、カウント音を、「一旦非表示にされるよりも前に現れていたカウント表示」と「一旦非表示とされてから再表示されたカウント表示」とにわたって継続して実行するようにすることが望ましい。
また、カウント表示をマイナス表記(ここでは、「−2」)にして実行する場合は、カウント数がどれだけ残っているかを認識可能な表示(例えば、「−2(残り18)」など)を行うようにすることが望ましい。この場合、カウント表示が所定値として「−20(残り0)」に達したとき(「−2」から18秒間にわたってマイナスカウントをしたとき)にこれが非表示とされてタイマ対象の演出が実行されるようになる。
図200(F)は、図200(E)に示したカウント表示が継続されているなかで天国チャレンジ演出(図示略)が発生してその結果として天国タイマモードに移行した演出状況を示している。
このようなタイマモード演出(天国チャレンジ演出、天国タイマモード)が現れたことで、タイマ演出が終了しておらず未だ継続している状況(カウント表示の実行中の状況)にあることをより明確に認識させることができるようになる。なお、図200,図201に示す例では、図198,図199で示した例とは異なり、天国タイマモードの状態にあることを示す表示を装飾図柄SZに関連させるのではなく、表示領域内の左側にてスタンプ表記の態様として表示するようにしている。
図201(G)は、図200(F)で天国タイマモードの状態にあることを示す表示が行われた後、カウント消化が実行されているなかで、タイマ演出とは関係のない別演出(所定演出)として「大砲チャンス演出」が発生した演出状況を示している。
すなわち、この「大砲チャンス演出」では、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を所定値(ここでは−20)になるまで継続させる演出態様と、該カウント表示にかかる出力を所定値(ここでは−20)になるまで行わず「大砲チャンス演出」の実行に際してその中途段階でこれを出力中止にする演出態様とのいずれかを選択的に出現させるものとなっている(カウント出力中止制御)。
より具体的には、「大砲チャンス演出」では、表示領域内における中央付近に大砲画像を表示した後、該大砲画像から、表示領域内の左上の領域、右上の領域、左の領域、右の領域、下の領域のうち空き(未使用)となっている領域を弾丸の発射先として選択的に使用して弾丸発射する演出(図201(H)に示される弾丸発射演出(所定演出))が行われるようになっている。ただし、図201(G)に示される状況では、このような弾丸発射演出(図201(H))を新たに出力するために必要な領域が他の各種演出(カウント表示(左上の領域)、リーチ変動(右上の領域)、タイマモード演出(左の領域)、タイマ対象除外演出(右の領域)、保留表示(下の領域))によって全て使用されており、該弾丸発射演出(図201(H)を新たに出力するための空きがなくなってしまっている(特定の演出状況)。そして、このような特定の演出状況にあるままで弾丸発射を仮に行ってしまったとすると、弾丸の発射先で既に出力状態にある演出(例えば、カウント表示)が、発射された弾丸によって故障・破壊されてしまうのではないか(タイマ演出と所定演出との間での演出出力に関しての競合が発生してしまい)、さらにはその結果として大当り期待度が下がってしまうのではないか、といったような懸念が生じかねない。
そこで、この説明例では、弾丸発射演出(所定演出)の実行に際して、その出力のための空きがなくなってしまっている特定の演出状況(図201(G)に示される状況)にある場合は、弾丸の発射先として使用可能な領域(左上の領域、右上の領域、左の領域、右の領域、下の領域)のうち、左上の領域を使用しているカウント表示にかかる出力を所定値(ここでは−20)になるまで行わずこれをその中途段階で出力中止するようにしている(カウント出力中止制御)。
図201(H)は、カウント表示にかかる出力が所定値(ここでは−20)になるまで行われずその中途段階で出力中止されたもとで弾丸発射演出が実行される演出状況を示している。
このようにタイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止して弾丸発射演出(所定演出)を実行するようにした場合は、上述の復活タイマ演出の場合とは異なり、該弾丸発射演出にかかる出力が終了した以降にタイマ演出のカウント表示が再出力されることはない。
その一方で、カウント表示にかかる出力を中止した以降も、内部的には、カウント表示が開始されてからの時間(若しくは、変動開始からの時間)を秘かに計時しておりこれが所定値(図200(C)でカウント表示が開始されてから35秒が経過したときの値(−20))に達したときには、出力中止されたカウント表示が所定値に達するタイミングが到来したとして、タイマ対象の演出を出現させるようにしている。
図201(I)は、出力中止されたカウント表示が出力中止されていなければ所定値に達していたはずのタイミングが到来した後、タイマ対象の演出としてカットインA(味方キャラクタによるカットイン演出)が実行されている演出状況を示している。なお、上記復活タイマ演出との関係では、該カットインAが「第2の演出態様」として実行されることとなる。
このような演出進展によれば、弾丸発射演出(所定演出)が実行された以降、カウント表示にかかる出力の中止状態を維持しつつも、該カウント表示が出力中止されていなければ所定値に達していたはずのタイミングが到来したときにタイマ対象の演出が出現されるようになる。すなわちこの場合、弾丸発射演出(所定演出)の実行によって中途終了されてしまったかのように見せていたタイマ演出が秘かに継続されていたサプライズ性によってタイマ対象の演出が現れたときの遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
なお、図201(G)に示される演出状況において、例えば、タイマモード演出に関する表示が行われておらず左の領域に空きがあった場合は、タイマ演出のカウント表示(左上の領域)についてはその出力を維持したままとし、該空き(左の領域)を使用して弾丸発射演出(所定演出)を出力することとなる。すなわちこの場合、タイマ演出のカウント表示と弾丸発射演出(所定演出)とが同時出力されるかたちで実行されることとなり、タイマ演出のカウント表示は、弾丸発射演出(所定演出)が終了した以降も、所定値(ここでは−20)になるまで継続して実行されることとなる。
このように、弾丸発射演出(所定演出)は、複数の領域のいずれかを使用してその出力を行うものであるが、それら領域のいずれに向けて弾丸発射した場合であっても、該弾丸発射演出(所定演出)によって示される大当り期待度に変化はなく同じにされている。
そして、この説明例においても、図200(B)で実行されたタイマ対象除外演出において除外された演出種別がいずれであるかを示す表示や、図200(F)で表示された天国タイマモードに関する表示については、それらが継続実行されているもとで、装飾図柄SZが停止されるようにしている(図201(J))。
次に、図198〜図201に示したタイマ演出これ自体の各種態様や、該タイマ演出に関連して行われる各種演出とは別の演出例を図202,図203を参照して詳述する。
図202(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図202(B)は、図202(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、タイマ演出が「3」のカウント数をもって表示されて、そのカウント表示(ここでは、カウントダウン)が開始される演出状況を示している。
図202(C)は、図202(B)に示したタイマ演出のカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達してタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる演出(カットインB)が実行されている演出状況を示している。
ここで、図202(C)に示される例では、タイマ対象演出としての「カットインB」が、比較的期待度の低い態様(青色オーラ)で実行されている。そしてこの際、カウント表示も非表示の状態になっていることから、遊技者としては、比較的期待度の低い態様(青色オーラ)とされた「カットインB」の出現によってタイマ演出が終了されたと認識するようになる。ただし、この演出例では、こうしてタイマ対象演出(第1のタイマ対象演出)としての「カットインB」が比較的期待度の低い態様(青色オーラ)で実行された後、カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)をさらに出現させるものとなっている。
図202(D)は、図202(C)に示したタイマ対象演出(第1のタイマ対象演出)としての「カットインB」が表示されているなかで、カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)が実行されている演出状況を示している。
ここで、図202(D)に示される例では、カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)として、遊技者による操作が所定時間にわたって許容される操作系演出を実行しており、該所定時間内に遊技者による操作が行われると、カウント表示を再表示する旨を示す第1演出結果(図示略)、若しくはカウント表示を再表示しない旨を示す第2演出結果(図示略)を出現させるようになっている。また、遊技者による操作が所定時間にわたって許容される操作系演出としては、操作ボタン410を操作することを促す操作指示画像SSGを表示することのほか、該操作ボタン410を操作した場合における第1演出結果の出現し易さ(割合)を示唆する操作期待画像SKGを表示するようにしている。割合については、100%を含むようにしてもよい。
なお、図202(D)に示される例では、操作期待画像SKGとして用意されている複数の演出態様のうち、第1演出結果の出現し易さが最も高くなっている演出態様(好々爺の味方キャラクタ)が出現されている。したがって、タイマ対象演出(第1のタイマ対象演出)としての「カットインB」が比較的期待度の低い態様(青色オーラ)で実行済みとされた状況ではあるものの、カウント表示が再表示されてタイマ演出が継続されることを遊技者に対して強く意識させることのできる状況にあるといえる。しかも、この実施の形態にかかるタイマプラス演出では、1回目のカウント表示で表示されたカウント値(ここでは、図202(B)に示されるカウント値「3」)よりも大きなカウント値を持たせるかたちでカウント表示が再表示されるようになっていることから、より期待度の高い演出態様がタイマ対象演出としてさらに出現することが期待されるようになる。
また、図202(D)に示される例では、図202(C)に示したタイマ対象演出(第1のタイマ対象演出)としての「カットインB(青色オーラ)」が表示されているなかで(表示を非表示とせず)、カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)を実行することとしたが、図202(C)に示したタイマ対象演出(第1のタイマ対象演出)としての「カットインB(青色オーラ)」を非表示にしてから、カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)を実行するようにしてもよい。ただしこの場合、図202(C)に示したタイマ対象演出(第1のタイマ対象演出)から、カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)に演出切替するかたちで実行されるようにすることが、タイマ演出が終了されておらずこれが継続されている(若しくは、継続される可能性がある)ことを遊技者に対して認識させる上で望ましい。
図202(E)は、図202(D)に示した操作系演出においてカウント表示を再表示する旨を示す第1演出結果(図示略)が現れた後、タイマ演出が「5」のカウント数をもって再表示されて、2回目のカウント表示(ここでは、カウントダウン)が表示される演出状況を示している。なお、操作系演出においては、所定時間内に遊技者による操作が受け付けられる場合のほか、所定時間内に遊技者による操作が受け付けられなかった場合も、受け付けられた場合と同じ演出結果(第1演出結果、第2演出結果)が上記所定時間の終了後に現れるようになっている
図202(F)は、図202(E)に示した2回目のカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達してタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる演出(カットインB)が実行されている演出状況を示している。
ここで、図202(F)に示される例では、タイマ対象演出としての「カットインB」が、比較的期待度の高い態様(赤色オーラ)で実行されている。すなわち、この演出例では、1回目のカウント表示と再表示された2回目のカウント表示とでそれらの対象演出を同じ種別の演出として実行するとともに、2回目の対象演出では、1回目の対象演出よりも期待度の高い演出態様に変化(昇格)させるかたちで実行するようにしている。このような構成によれば、タイマ対象演出として同じ種別の演出が実行されることで、1回目のカウント表示と2回目のカウント表示とが繋がった一のタイマ演出として実行されていることを認識させることができるようになるとともに、カウント表示が再表示される回数が多くなるほどタイマ対象演出としての演出態様がより期待度の高い態様に変化(昇格)されることで、タイマ対象演出が発生したときではなくカウント表示が再表示された時点から遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
図203(G)は、図202(F)に示したタイマ対象演出としての「カットインB(赤色オーラ)」が表示されているなかで、カウント表示を再表示するか否かについての演出が実行されている演出状況を示している。
ここで、図203(G)に示される例では、操作期待画像SKGとして用意されている複数の演出態様のうち、図202(D)に示される例よりも第1演出結果の出現し易さが低くなっている演出態様(壮年の味方キャラクタ)が出現されている。したがって、タイマ対象演出としての「カットインB」が比較的期待度の高い態様(赤色オーラ)で実行済みとされた状況にあって、カウント表示が再表示されることはないかもしれないとの意識を持たせる状況にあるといえる。このように、カウント表示が所定値になった後、タイマ対象演出として、一方では、遊技者に相対的に有利な態様(赤色オーラ)をもった演出(カットインB)が実行されるものの、もう一方では、遊技者に相対的に不利な態様(壮年の味方キャラクタ)をもった演出(操作期待画像SKG)が実行されるようになっている。しかも、このようなタイマプラス演出では、一方側で、カウント再表示が繰り返されて「カットインB」が遊技者にとって有利な態様に変化する回数が多くなるほど、もう一方側では、遊技者にとって相対的に不利な態様をもった操作期待画像SKGが現れやすくなっており再表示される割合が低くなるようになっていることから、カウント再表示が行われる都度、遊技興趣を高めることと緊張感を維持させることとの両方を好適に付与することができるようになる。
そして、このような演出の結果、カウント表示が再表示されない場合はタイマ演出がその時点で終了されることとなり、その後、装飾図柄SZが停止される(図203(H))。
次に、図198〜図203に示したタイマ演出これ自体の各種態様や、該タイマ演出に関連して行われる各種演出とは別の演出例を図204,図205を参照して詳述する。
図204(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図204(B)は、図204(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、タイマ演出が「10」のカウント数をもって表示されて、そのカウント表示(ここでは、カウントダウン)が開始される演出状況を示している。
ここで、タイマ演出では、一般に、カウント消化に要する時間が長いほどタイマ対象演出として期待度の高い演出の出現する割合が高くなるようにされていることから、このような小さいカウント数(ここでは「10」)しか持たないカウント表示が表示された場合は遊技興趣の低下が懸念される。そこで、この演出例では、カウント表示を実行するなかで、カウント値を所定時間にわたって非表示にさせる演出を発生させ、カウントの進行速度をその時間分だけ停滞させるようにすることで、カウント消化に要する時間を引き延ばすようにして期待感を維持させるタイマ停滞演出を実行可能としている。
図204(C),(D)は、図204(B)に示したタイマ演出のカウント表示が第1の特定値(ここでは「5」)になったときと、これが非表示にされているときの演出状況を示している。
すなわち、この演出例では、カウント表示が第1の特定値(ここでは「5」)になったとき、カウント表示が所定値(ここでは「0」)になるとタイマ対象演出としていずれの演出種別(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作)が出現するかを示唆する演出(タイマ対象演出へと繋がる進展演出)を開始させるとともに、該演出が実行される間、カウント表示を非表示にするようにしている。タイマ対象演出へと繋がる進展演出については、カウント表示が第1の特定値になった後、これが非表示とされているもとで開始させるようにしてもよい。
この演出例では、タイマ対象演出へと繋がる進展演出として、味方キャラクタに対して助けを求める人物を描写する表示画像SEG11と、助けを求める人物からの依頼を受諾する表示画像SEG12とが順次表示されるようになっている。ここで、表示画像SEG11や表示画像SEG12が表示された時点では、タイマ対象演出としていずれの種別の演出が出現するかをある程度絞ることはできるものの、いずれの種別の演出が出現するかを特定することはできないようにすることが望ましい。例えば、表示画像SEG12では、3人の味方キャラクタが助けを求める人物からの依頼を受諾する様子を示しているが、3人の味方キャラクタのうちの誰かが敵キャラクタと対峙していくことは予測できるものの、3人の味方キャラクタのうちの誰が敵キャラクタと対峙するのか(例えば、カットインA,Bのいずれであるのかなど)は不明にされるようにすることが望ましい。
図204(E)は、図204(C),(D)で示した「タイマ対象演出へと繋がる進展演出(1回目)」が終了した後、カウント表示が「4」のカウント値で再表示される演出状況を示している。
このような構成によれば、カウント値が「10」〜「5」の間は、1秒経過する都度、カウント値も「1」ずつ進展されるのに対し、カウント値が「5」から「4」に進展される際は、カウント値が「5」になったときに出現する「タイマ対象演出へと繋がる進展演出(1回目)」が終了するまでの間(ここでは、6秒間)、カウント値の進展が行われずこれを停滞させることができるようになる。なお、カウント値の進展を停滞させる上では、カウント表示については必ずしも非表示にせず、同じカウント値(ここでは「5」)のままで表示を維持するようにしてもよい。
図204(F),図205(G)は、図204(E)で再表示されたカウント表示が進展されて第2の特定値(ここでは「2」)になったときと、これが非表示にされているときの演出状況を示している。
すなわち、この演出例では、カウント表示が所定値になるまでの間に複数回にわたってカウント表示が非表示にされるようになっており、こうしてカウント表示が非表示にされる都度、タイマ対象演出へと繋がる進展演出が実行されるようになっている。タイマ対象演出へと繋がる進展演出については、カウント表示が第2の特定値になった後、これが非表示とされているもとで開始させるようにしてもよい。
この演出例では、タイマ対象演出へと繋がる進展演出として、図204(D)で描写された3人の味方キャラクタのうち壮年の味方キャラクタが敵キャラクタと対峙する意思を見せる表示画像SEG13と、壮年の味方キャラクタが敵キャラクタと対峙する様子を描写する表示画像SEG14とが順次表示されるようになっている。ここで、表示画像SEG13や表示画像SEG14が表示された時点では、タイマ対象演出として特定種別の演出(カットインB)が出現することを把握することはできるものの、いずれの演出内容(青色のオーラを纏うか、赤色のオーラを纏うかなど)が出現するかを特定することはできないようになっている。
図205(H)は、図204(F)及び図205(G)で示した「タイマ対象演出へと繋がる進展演出(2回目)」が終了した後、カウント表示が「1」のカウント値で再表示される演出状況を示している。
このような構成によれば、カウント値が「2」から「1」に進展される際は、カウント値が「2」になったときに出現する「タイマ対象演出へと繋がる進展演出(2回目)」が終了するまでの間(ここでは、14秒間)、カウント値の進展が行われずこれを停滞させることができるようになる。
図205(I)は、図205(H)で再表示されたカウント表示が進展されて所定値(ここでは「0」)に達し、タイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる演出(カットインB)が実行されている演出状況を示している。
このような構成によれば、カウント表示が所定値になるよりも前からタイマ対象演出に繋がる演出が実行されるようになることから、カウント表示が所定値になるまでの間における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。また、タイマ対象演出に繋がる演出が実行される間は、カウント表示が非表示にされてカウント値の進展が停滞されるようになることからその分だけカウント消化に要する時間を長くすることができるようになり、これによって遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
そして、このようなタイマ対象演出が行われた後、装飾図柄SZが停止されることとなる(図205(J))。
次に、図198〜図205に示したタイマ演出これ自体の各種態様や、該タイマ演出に関連して行われる各種演出とは別の演出例を図206,図207を参照して詳述する。なお、図206及び図207においては説明の便宜上、他の図面にて割愛されていた演出用の可動体KTが図中にて記されている。なお、可動体KTは、例えば、「裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500などの可動部材」などに相当するものである
図206(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図206(B)は、図206(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、タイマ演出が「40」のカウント数をもって表示されて、そのカウント表示(ここでは、カウントダウン)が開始される演出状況を示している。
ここで、タイマ演出では、一般に、カウント消化に要する時間が長いほどタイマ対象演出として期待度の高い演出の出現する割合が高くなるようにされていることから、このような大きいカウント数(ここでは「40」)を持ったカウント表示が表示されると安心してしまい、カウント数が消化される間における緊張感を好適に維持することができなくなる懸念が生じる。そこで、この演出例では、カウント表示を実行するなかで、該カウント表示を視認し難くするかたちでの装飾体によるカウント前方演出を発生させるようにしており、該カウント前方演出が終了されてカウント表示が再び視認し易くされたときのカウント値が大きいほどタイマ対象演出として期待度の高い演出が出現し易くなるようにしている。
図206(C)は、図206(B)に示したタイマ演出でカウント表示が実行されている間に、該カウント表示の前方側にまで上記装飾体としての可動体KTが変位して所定時間にわたって留まり続ける演出状況(装飾体によるカウント前方演出)を示している。また、図206(D)は、図206(C)に示した可動体KT(装飾体)によるカウント前方演出が終了してカウント表示が視認し易い状態に戻った演出状況を示している。
このような構成によれば、大きなカウント値が一旦表示された場合であってもこれが可動体KT(装飾体)によって侵食されてしまい、より少ないカウント値のカウント表示としてやり直しされるかのような演出性を提供することができるようになることから、カウント数が消化される間における緊張感を好適に維持することができなくなる懸念が生じる。
また、このような可動体KT(装飾体)によるカウント前方演出では、該演出に要する時間が長いほど該演出が終了したときに視認し易くされるカウント値が小さくなり、ひいてはタイマ対象演出として期待度の高い演出が出現し難くされることによる遊技興趣の低下が懸念される。したがって、可動体KT(装飾体)によるカウント前方演出においては、可動体KT(装飾体)側でも、タイマ演出の演出態様の決定にかかる抽選とは別抽選で期待度の異なる複数の演出態様(例えば、可動体KTの動作態様や、発光態様など)のいずれかを出現させるようにすることが望ましい。このような構成によれば、タイマ対象演出として期待度の高い演出が出現し難くされたとしても、別抽選である可動体KT(装飾体)側の演出態様によって大当り期待度が高いことが示されれば遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
この点、この演出例では、カウント値が「35」といった比較的大きいカウント値を維持した状態で視認し易い状態に戻されるようになっていることから、これ以降もタイマ演出に対する期待感を維持した状態でカウント表示が継続されることを期待することができるようになる。
図206(E)は、図206(D)に示したタイマ演出でカウント表示が第1カウント値(ここでは「30」)になったときに操作指示画像SSGを表示し遊技者に対して操作機会が付与される演出状況を示しており、図206(F)は、図206(E)に示した操作機会で遊技者による操作が演出受付されてその演出結果が現れている演出状況を示している。
すなわち、この演出例では、カウント表示が第1カウント値(ここでは「30」)から第2カウント値(ここでは「20」)になるまでの第1期間においては遊技者による操作があると演出受付を許容し、その演出受付の結果として、タイマ対象演出として期待度の高い演出が出現する割合の異なる複数の操作時演出態様(出現する割合が高い順から、例えば、大吉、吉、凶など)のいずれかを出現させるようにしている。
この演出例では、図206(F)に示されるように、カウント値が「23」になったときに遊技者による操作が行われ、その演出結果として遊技者に最も有利な操作時演出態様(大吉)が現れていることから、カウント表示が所定値になるまでの遊技興趣が維持されることが期待されるようになる。なお、カウント表示が第1カウント値(ここでは「30」)から第2カウント値(ここでは「20」)になるまでの第1期間において、遊技者による操作が演出受付されなかったときは、何らの演出結果も出現されないままカウント表示が進展されることとなる。
図207(G)は、図206(F)に示した演出結果が現れてからカウント表示が第3カウント値(ここでは「15」)になったときに操作指示画像SSGを表示し遊技者に対して操作機会が再び付与される演出状況を示しており、図207(H)は、図207(G)に示した操作機会で遊技者による操作が演出受付されてその演出結果が現れている演出状況を示している。
すなわち、この演出例では、カウント表示が第3カウント値(ここでは「15」)から第4カウント値(ここでは「5」)になるまでの第2期間においても遊技者による操作があると演出受付を許容し、その演出受付の結果として、タイマ対象演出として期待度の高い演出が出現する割合の異なる複数の操作時演出態様(出現する割合が高い順から、例えば、大吉、吉、凶など)のいずれかを出現させるようにしている。
この演出例では、図207(G)に示されるように、カウント値が「8」になったときに遊技者による操作が行われ、その演出結果として遊技者に最も有利な特別の操作時演出態様(大吉)が現れていることから、カウント表示が所定値になるまでの遊技興趣が維持されることが期待されるようになる。なお、カウント表示が第3カウント値(ここでは「15」)から第4カウント値(ここでは「5」)になるまでの第2期間において、遊技者による操作が演出受付されなかったときは、何らの演出結果も出現されないままカウント表示が進展されることとなる。
ただし、この演出例では、カウント表示が第1カウント値(ここでは「30」)のときから第2カウント値(ここでは「20」)のときまでの上記第1期間にあるときに操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作が行われてこれが演出受付された場合と、カウント表示が第3カウント値(ここでは「15」)のときから第4カウント値(ここでは「5」)のときまでの上記第2期間にあるときに上記操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作が行われてこれが演出受付された場合とで、それら演出受付の結果として特別の操作時演出態様(大吉)が発生する割合が異なるようにしている。
より具体的には、第1期間にあるときに演出受付されると特別の操作時演出態様(大吉)の発生割合が相対的に高くなっており、第2期間にあるときに演出受付されると特別の操作時演出態様(大吉)の発生割合が相対的に低くなっている。したがって、第1期間で操作ボタン410に対する操作を行った場合は、特別の操作時演出態様(大吉)が出現しないという演出リスクを抑えることはできるが、該特別の操作時演出態様(大吉)が発生し易くなっている分だけこれが現れたとしてもタイマ対象演出として期待度の高い演出が出現することへの期待感を持ち難い。これに対し、第2期間で操作ボタン410に対する操作を行った場合は、特別の操作時演出態様(大吉)が出現しないという演出リスクは高くなるものの、特別の操作時演出態様(大吉)が発生し難くなっている分だけこれが現れたときにはタイマ対象演出として期待度の高い演出が出現することへの期待感を持ち易くなる。
このような構成によれば、遊技者の好みや、他の演出で示されている期待度などの演出状況に応じて、カウント表示が第1カウント値(ここでは「30」)のときから第2カウント値(ここでは「20」)のときまでの演出リスクの低い第一期間で操作手段(例えば、操作ボタン410)を手堅く操作するべきか、カウント表示が第3カウント値(ここでは「15」)のときから第4カウント値(ここでは「5」)のときまでの演出リスクの高い第二期間で操作手段(例えば、操作ボタン410)を強気に操作するべきか、若しくはそれらの両方で操作ボタン410を操作するべきかといった遊技戦略に面白みを持たせることができるようになる。
図207(I)は、図207(H)に示した演出結果が現れてからカウント表示がさらに進展されて所定値(ここでは「0」)に達し、タイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる演出(カットインB)が実行されている演出状況を示している。そして、このようなタイマ対象演出が行われた後、装飾図柄SZが停止されることとなる(図207(J))。
なお、上記した各カウント演出においては、そのカウント値が所定値(ここでは「0」)に達した時点でカウント対象演出がすぐには実行されず、少し時間を置いてからカウント対象演出が実行されるようにしている。この点、カウント値が所定値(ここでは「0」)に達してからカウント対象演出が実行されるまでの期間内においては、カウント対象演出としていずれの演出が実行されるかを示唆する表示態様を出現させるようにしてもよい。このような構成によれば、カウント値が所定値(ここでは「0」)に達したときに複数の演出が並行される状況が現れた場合であっても、それら演出のいずれがカウント演出対象として実行されているかを誤認せずに楽しむことができるようになる。
この点、カウント値が所定値(ここでは「0」)に達してからカウント対象演出が実行されるまでの期間内においては上記表示態様に代えて「カウント対象演出と一対一対応せずいくつかの異なるカウント対象演出で共通して用いられる特定の表示態様」が出現される場合もあるようにすることが望ましい。そしてこの場合、特定の表示態様が現れると、共通して用いられるカウント対象演出のいずれが出現されるか示唆されることはないが、カウント対象演出として本来出現させるべき表示態様が行われた場合よりも大当り図柄が現れる割合が高くなるようにすることがより望ましい。このような構成によれば、いずれの演出がカウント演出対象として実行されているかを誤認してしまうリスクはあるものの、大当り図柄の現れる割合が高くなることが保証されているなかでいずれの演出がカウント演出対象として実行されているかを見つける面白みを持たせることができるようになることから、遊技興趣の向上が図られることが期待されるようになる。
ただし、カウント対象演出として実行可能とされている演出の種別数をN個とするとき、カウント値が所定値(ここでは「0」)に達してからカウント対象演出が実行されるまでの期間内において特定の表示態様が現れた場合であっても「N個よりも少ないM(2以上の数)個の演出のいずれかがカウント演出対象として実行される」といった程度にまではカウント演出対象としていずれの演出が実行されるかを絞ることはできるようにすることが、いずれの演出がカウント演出対象として実行されているかを見つける面白みを持たせるようにする上で望ましい。
[12.自動チャンネル方式による音制御]
ところで、既に説明済みの音データ作成処理(図95のステップS1032)において、その一部である自動チャンネル音制御に関する説明について後述することになっていた。そこで、次に、本実施形態による自動チャンネル音制御について説明する。まずは、その背景について簡単に説明する。
一般的なパチンコ機においては、遊技の進行に応じて各シーンにおいてスピーカから様々な音を出力することにより遊技者の興味を引く演出を実現しようとしている。例えば、遊技者の期待を向上させるはずのリーチであっても、その種類に応じて多彩な音が出力されるものもあればそうでないものも存在している。このような一般的なパチンコ機では、そのような各リーチを含め、各シーンにおいて出力されるべき各音に対して各チャンネルが予め割り当てられており、このような各音は対応する既定の各チャンネルを用いて再生される(特許第5627044号公報参照)。しかしながら、一般的なパチンコ機においては、仮に空きチャンネルがあったとしても、チャンネルの割り当て上、再生しようとした音が当該空きチャンネルに割り当てられ得ない場合があり、当該再生しようとした音が再生できず多彩な音演出を実現し難いという問題点があった。
そこで、本実施形態では、空きチャンネルを有効に活用して多彩な音演出を実現し遊技者の興趣を高めることを目的とし、周辺制御基板1510の周辺制御MPU1511aが、一対の上部スピーカ573(音出力手段)及び一対の下部スピーカ921(音出力手段)から出力されるべき各音に対して動的に各チャンネルを割り当てて管理する一方、当該出力予定である音の組み合わせの数が各チャンネルの最大チャンネル数(本実施形態では16チャンネルを例示する)を超える場合、所定の優先順位に従って最大チャンネル数の範囲内において上記出力予定である音の組み合わせに対して動的に各チャンネルを割り当てるようにしている(チャンネル制御手段)。さらに周辺制御MPU1511aは、上記所定の優先順位に従って最大チャンネル数の範囲内において動的に割り当てられた各チャンネルを介して上記出力予定である音の組み合わせを同時に再生している(音出力制御手段)。以下、具体的に説明する。
[12−1.固定チャンネル方式による音制御]
図208(A)及び図208(B)は、それぞれ、本実施形態に対する比較対象としての固定チャンネル方式による音制御の一例を示している。図208(A)は、音の再生チャンネルの一例を示している。この固定チャンネル方式による音制御では、後述する本実施形態による自動チャンネル方式による音制御と同様に、例えば、再生チャンネル00〜再生チャンネル15の全16チャンネルを用いる。なお、図示の「再生ch」は、再生チャンネルを省略したものである。
一方、図208(B)は、各音に対する再生チャンネルの割り当ての一例を示している。この固定チャンネル方式による音制御では、図示のように、使用する各再生チャンネルに各音が予め割り当てられている。ここで、基本的な音再生ルールについて触れると、1つの音は、ステレオで出力する場合には2チャンネルが必要になる一方、モノラルで出力する場合には1チャンネルが必要となる。
図示の「報知音1」〜「ボタン押下音」は、再生を開始した音は再生終了までいかなることがあっても途中で消音してはならないものとする。チャンネル割り当て方法としては、再生チャンネルと音と一対で専用に割り当て、音の上書きが起こらないようにする。一方、図示の「通常BGM」〜「保留入賞音」は、再生を開始した音は再生中に別な音で上書きされて消音しても問題ない。チャンネル割り当て方法としては、できるだけ、再生タイミングが被らないように同一チャンネルに割り当てるようにしている。
固定チャンネル方式による音制御では、出力中の同じチャンネルに新しい音を出力すると、出力中の音は消音され新しい音が出力される。上書きされると支障がある音に関しては、独立したチャンネルを割り当てるか、または、再生タイミングが重ならない音を同じチャンネルに割り当てるようにしている。
図209は、固定チャンネル方式による音制御を実現するための音定義テーブルの一例を示している。この音定義テーブルにおいては、音の区分及び音名称ごとに、再生チャンネル番号、左右パン初期値、上下パン初期値、ボリューム初期値、音番号、再生タイプ設定及び出力タイプ設定の定義を管理している。再生チャンネル番号については上述しているため、説明を省略する。
左右パン初期値は、上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921Lと上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921Rとの組み合わせでなる左右のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に左右パンの設定値を動的に変化させることにより左及び右スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、左右スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。例えば「0x00」と設定されると、左スピーカ(上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921L)のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921Lと上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921Rとの組み合わせでなる左及び右スピーカから個別に出力される音量差は0となり左右スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xFF]と設定されると右スピーカ(上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921R)のみから出力されることを示している。
上下パン初期値は、例えば一対の上部スピーカ573(上部左スピーカ573L及び上部右スピーカ573R)及び一対の下部スピーカ921(下部左スピーカ921L及び下部右スピーカ921R)などの上下のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に上下パンの設定値を動的に変化させることによりそれら上及び下スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、上下スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。例えば「0x00」と設定されると一対の上部スピーカ573のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、これらの組み合わせでなる上及び下スピーカから個別に出力される音量差は0となり上下スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xFF]と設定されると一対の下部スピーカ921のみから出力されることを示している。
ボリューム初期値は、再生開始時の音量設定を表しており、例えば「0x00」から「0xFF」の設定範囲で定めることができる。音番号は、上述した各音を区別するための識別子である。再生タイプ設定は、対象とする音を繰り返し再生するループ再生(図示の「LOOP」に相当)であるか、或いは、対象とする音を1回再生する1SHOT再生(図示の「1SHOT」に相当)であるかを表している。出力タイプ設定は、対象とする音をモノラルで再生するか、或いは、ステレオで再生するかを表している。
図210は、遊技状態、再生音及び再生チャンネルとの関係を示している。横軸である時間軸は遊技状態を示し、遊技状態としては順に、例えば「変動前半」、「変動後半」、「左図柄停止」、「右図柄停止」、「中図柄停止」及び「大当り中」を挙げることができる。一方、縦軸は(再生)優先順位を表し、下から上に向けて(再生)優先順位が高くなることを表している。
図211(A)は、演出タイムチャートの一例を示し、図211(B)は、チャンネル再生タイムチャートの一例を示し、図211(C)は、各音を再生しようとした際に再生できないという問題点の一例を示している。これら図211(A)〜図211(C)は、互いに横軸が共通の時間軸となっている。
図211(A)では、横軸である時間軸に沿って遊技状態として順に「変動前半」、「変動後半」、「左図柄停止」、「右図柄停止」、「中図柄停止」及び「大当り中」となるように遊技が制御されることを挙げることができる。
図211(A)に示す「変動前半」において、例えば、図211(C)の問題点1に示すように新たな音として「前半予告A」の再生時間中に始動口入賞(図示の「保留入賞」に相当)があると、図208(B)で示されるように、「保留入賞音」が「前半予告A」と同じ再生チャンネル14、15に予め割り当てられているため、「前半予告A」の再生音が、保留入賞音で上書きされて「前半予告A」音の出力が停止してしまうことなる(固定チャンネルによる音制御の場合)。
図211(A)に示す「変動後半」において、例えば、図211(C)の問題点2に示すように新たな音として「全画面予告」の再生時間中に始動口入賞(図示の「保留入賞」に相当)があると、図208(B)で示されるように、「保留入賞音」が「全画面予告」と同じ再生チャンネル14,15に予め割り当てられているため、「全画面予告」の再生音が、保留入賞音で上書きされて「全画面予告」音の出力が停止してしまうことになる(固定チャンネルによる音制御の場合)。
[12−2.自動チャンネル方式による音制御]
次に本実施形態による自動チャンネル方式による音制御の一例について説明する。図212(A)及び図212(B)は、それぞれ、本実施形態としての自動チャンネル方式による音制御の一例を示している。
図212(A)は、音の再生チャンネルの一例を示しており、上述した固定チャンネルによる音制御とは、再生チャンネルの属性としてのチャンネル区分が自動チャンネル(図示の「AUTOch」に相当)となっている点が異なっている。ここでチャンネル区分が自動チャンネルであるとは、各音に対する各再生チャンネルが固定されておらず可変であり、後述する規則に沿って自動的に割り当てられるように制御することを示している(上述した「自動チャンネル方式による音制御」に相当)。
本実施形態による自動チャンネル方式による音制御では、既述の固定チャンネル方式による音制御と同様に、例えば、再生チャンネル00〜再生チャンネル15の全16チャンネルを用いる。なお、図示の「再生ch」は、再生チャンネルを省略したものである。
一方、図212(B)は、各音に対する再生チャンネルの割り当ての一例を示している。この自動チャンネル方式による音制御では、図示のように、各音に個別に優先順位が割り当てられている。ここで、基本的な音再生ルールについて触れると、上述したように、1つの音は、ステレオで出力する場合には2チャンネルが必要になる一方、モノラルで出力する場合には1チャンネルが必要となる。
図示の「報知音1」〜「ボタン押下音」は、再生を開始した音は再生終了までいかなることがあっても途中で消音してはならない。一方、図示の「通常BGM」〜「保留入賞音」は、再生を開始した音は再生中に別な音で上書きされて消音しても問題ない。
自動チャンネル方式による音制御では、個々の再生チャンネルを、AUTOグループチャンネル(以下「AUTOグループ」と省略する)として定義している。AUTOグループは複数定義できる一方、複数の再生チャンネルをAUTOグループ内に定義することができる。各AUTOグループは、AUTOグループ用の音を再生するために用いられる。
AUTOグループに音を割り当てる場合、各AUTOグループにおいて特定のAUTOグループを指定するための識別子と優先順位(プライオリティ)を指定することができる。
新規な音を再生する際にAUTOグループに定義されている音であれば、指定されたAUTOグループ内に空きチャンネル(未使用チャンネル)が存在すれば、即時再生される。
上記の場合において空きチャンネルが存在しない場合は、演出制御プログラムが、新規に再生しようとする音の優先順位に基づいて、AUTOグループ内おいて現在再生中の全てのチャンネルを検索する。演出制御プログラムは、再生中の音自身より優先順位が低いか又は同一であるチャンネルが存在すればそのAUTOチャンネルの使用を終了し、新規の音の再生を行う。一方、演出制御プログラムは、AUTOグループ内に、再生中の音自身よりも優先順位が低いか或いは同一でない空きチャンネルが存在しない場合には、当該新規な音の再生を行わない。
図213は、自動チャンネル方式による音制御を実現するための音定義テーブルの一例を示している。この自動チャンネル方式における音定義テーブルにおいては、音の区分及び音名称ごとに、既に説明済みの固定チャンネルによる音制御のような再生チャンネル番号、左右パン初期値、上下パン初期値、ボリューム初期値、音番号、再生タイプ設定及び出力タイプ設定の代わりに、AUTOグループを指定するための識別子と優先順位(「再生優先順位」ともいう)、左右パン初期値、上下パン初期値、ボリューム初期値、音番号、シークポイント、再生タイプ設定及び出力タイプ設定の定義を管理している。
まず、各特定のAUTOグループを指定するための識別子は、各音が複数存在するAUTOグループのうちどのAUTOグループで再生されるかを表す。また優先順位は、各音が同時に再生される際に、どちらの音が優先して再生されるべきであるかを示す指標である。この優先順位は、数値が大きいほど優先して再生されるべき音である一方、数値が小さいほど優先されずに再生されるべき音であることを表している。本実施形態では、優先して再生されるべき音の種類の順序として、例えば、優先順位が「25」である報知音(「報知音1」、「報知音2」及び「報知音3」)、優先順位が「20」である効果音(「大当り確定音」及び「ボタン押下音」)、優先順位が「15」であるBGM(「通常BGM」など)、優先順位が「10」である効果音(「全画面予告効果音」など)、優先順位が「05」である効果音(「前半予告効果音」〜「後半予告効果音」)、優先順位が「01」である保留入賞音としている。これにより、空きチャンネルが存在しない状態において、例えば、報知音を再生しようとした場合、予め定められた再生チャンネルを用いて再生する必要がなく、優先順位がより低い方の音(例えば保留入賞音)を再生中のチャンネルを用いて、報知音が優先して再生されることになる。
既に説明したように左右パン初期値は、上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921Lと上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921Rとの組み合わせでなる左右のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に左右パンの設定値を動的に変化させることにより左及び右スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、左右スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。この左右パン初期値は、パン情報として管理されている。例えば「0x00」と設定されると左スピーカ(上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921L)のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921Lと上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921Rとの組み合わせでなる左及び右スピーカから個別に出力される音量差は0となり左右スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xFF]と設定されると右スピーカ(上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921R)のみから出力されることを示している。
また既に説明済みのように上下パン初期値は、例えば一対の上部スピーカ573(上部左スピーカ573L及び上部右スピーカ573R)及び一対の下部スピーカ921(下部左スピーカ921L及び下部右スピーカ921R)などの上下のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に左右パンの設定値を動的に変化させることによりそれら上及び下スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、上下スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。この上下パン初期値は、パン情報として管理されている。例えば「0x00」と設定されると一対の上部スピーカ573のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、これらの組み合わせでなる上及び下スピーカから個別に出力される音量差は0となり上下スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xFF]と設定されると一対の下部スピーカ921のみから出力されることを示している。
同様にボリューム初期値は、再生開始時の音量設定を表しており、例えば「0x00」から「0xFF」の設定範囲で定めることができ、加えて3バイト目に「1」(0xFFであれば0x1FF)を設定することで、遊技機に備えられている一つまたは複数の音量調整装置を操作したことによる、音量変更の影響は受けず、必ず初期値で設定された音量で再生されることを表している。音番号は、上述した各音を区別するための識別子である。
シークポイントは、各音に対応する音データにおいて同一フレーズ内の再生開始位置番号を表している。本実施形態では、このシークポイントとして、例えば「右上スピーカ確認音」〜「前半予告A効果音」にそれぞれ「0」が設定されている一方、「後半予告A効果音」及び「後半予告B効果音」にそれぞれ[1」が設定されている。このようなシークポイントにより音源内に登録できる、音の最大数を超えた場合に登録できる最大数を超えて音の登録を行うことができる。
再生タイプ設定は、対象とする音を繰り返し再生するループ再生(図示の「LOOP」に相当)であるか、或いは、対象とする音を1回再生する1SHOT再生(図示の「1SHOT」に相当)であるかを表している。出力タイプ設定は、対象とする音をモノラルで再生するか、或いは、ステレオで再生するかを表している。
図214は、遊技状態、再生音及び優先順位との関係を示している。横軸である時間軸は遊技状態を示し、遊技状態としては順に、例えば「変動前半」、「変動後半」、「左図柄停止」、「右図柄停止」、「中図柄停止」及び「大当り中」を挙げることができる。一方、縦軸は(再生)優先順位を表し、下から上に向けて(再生)優先順位が高くなることを表している。
図215(A)は、演出タイムチャートの一例を示し、図215(B)は、AUTOチャンネル再生タイムチャートの一例を示している。これら図215(A)及び図215(B)は、それぞれ横軸が共通の時間軸となっている。図215(A)では、横軸である時間軸に沿って遊技状態として順に、「変動前半」、「変動後半」、「左図柄停止」、「右図柄停止」、「中図柄停止」及び「大当り中」となるように遊技が制御されることを挙げることができる。
図215(A)に示す「変動前半」においては、図215(B)に示すように、その一部として、例えば再生チャンネル00〜01において「通常BGM再生」の音が終始再生されている(範囲Aに相当)。ここで、始動口入賞(図示の「保留入賞」に相当)があったために新たな音として保留入賞音を再生しようとすると、その開始タイミングにおいて再生チャンネル12〜13が空きチャンネルとして存在しており、この保留入賞音を再生チャンネル12〜13を用いて再生することができるため、再生中の音がいずれも保留入賞音(図示の「保留音再生」に相当)によって上書きされることなく、その他全ての種類の音の出力が継続する。
図215(A)に示す「変動後半」においては、図215(B)に示すように、その一部として、例えば再生チャンネル00〜01において「リーチBGM再生」の音が終始再生されている(範囲Bに相当)。ここで、例えば始動入賞(図示の「保留入賞」に相当)があったために新たな音として保留入賞音を再生しようとすると、その開始タイミングにおいて再生チャンネル02〜03が空きチャンネルとして存在しており、再生中の音がいずれも保留入賞音(図示の「保留音再生」に相当)によって上書きされることなく、その他全ての種類の音の出力が継続する。
図215(A)に示す「変動後半」においては、その後さらに、例えば報知(図示の「報知2発生」に相当)が発生したために新たな音として優先順位が「25」と最も高い報知音(図示の「報知2」に相当)を再生しようとすると、空きチャンネルの検索の結果、図215(B)に示すように、その開始タイミングにおいて空きチャンネルが存在しないことが判明する。そこで、当該開始タイミングにおいて再生中の音のうち最も優先順位の低い音を検索し、優先順位が「01」と最も低い保留入賞音を再生しているチャンネルとして再生チャンネル04〜05を見つけ出す。これらの再生チャンネル04〜05においては、上述のように保留入賞音が再生されているが、次に再生しようとする報知音(図示の「報知音2」に相当)の優先順位(25)がその保留入賞音の優先順位(01)よりも高いため、これら再生チャンネル04〜05において再生中の保留入賞音が当該報知音で上書きされる。
図216は、周辺制御RAMに設けられたAUTOグループチャンネル制御用ワーク領域に格納されている自動チャンネル制御用ワーク情報の一例を示す。この自動チャンネル制御用ワーク情報は、ワーク名称として、各チャンネルごとに、設定予約フラグ、要求音番号、再生中音番号、自動割り付けグループ、自動割り付け時の優先度、登録からの経過時間、音量制御用ワーク及びパン制御用ワークを含み、これらに対応する各情報を有する。
設定予約フラグは、「0」以外の値であれば設定予約がなされていることを示している。要求音番号は、「−1」が停止、「−1」以外であれば、再生すべき音を識別するための識別子としての音データインデックス番号を表している。再生中音番号は、「−1」が停止、「−1」以外であれば、再生中の音を識別するための識別子としての音データインデックス番号を表している。
自動割り付けグループは、「0」であるとチャンネルが固定的に割り付けられる一方、「1〜」であるとチャンネルが自動的に割り付けられるようになっている(後述する「自動チャンネル方式による音制御」に相当)。ここで、自動割り付けグループは、例えば「1」であればAUTOグループ1であることを示し、「2」であればAUTOグループ2を示している。一方、自動割り付け時の優先度は、後述の自動チャンネル方式による音制御を行う場合における優先度を表している。
登録からの経過時間は、所望の再生音の登録時を「0」として、その登録時からの経過時間を表している。なお、当該登録からの経過時間は、上記自動割り付け時の優先度が同一である音が複数再生中である状況において新たな音を再生しようとした場合に、当該複数の再生中の音のうちどの音を上書きして消去すべきであるかを判定するのに使用される。例えば、より長時間に亘って再生していた音を割り出して、この音を当該新たな音で上書きして消去するようにしている。
音量制御用ワークは、再生する音の音量値(ボリューム値)が格納されている。パン制御用ワークは、上述した左右パン及び上下パンの設定値を含むパン情報を格納している。
図217は、自動チャンネル方式においてAUTOグループを一つだけ定義した場合の音制御を行うに際における空きチャンネルの検索処理の一例を示している。なお、図217においてもチャンネルを「ch」と省略している。
演出制御プログラムは、新規な音の再生要求があると(ステップS1100A)、当該新規な音に関する自動割り付けグループを確認し(ステップS1102A)、この自動割り付けグループが「0」である場合には固定割付であると判定し、指定されたチャンネルで新規な音の再生を開始する。
一方、演出制御プログラムは、この自動割り付けグループが「0」以外である場合には自動割り付けであると判定し、当該新規な音がモノラルチャンネルに対応しているかどうかが判定される(ステップS1106A)。
演出制御プログラムは、新規の音がモノラルである場合、空いている(モノラル)チャンネル(1チャンネル)が存在するか否かを判定し(ステップS1108A)、存在している場合には当該空き(モノラル)チャンネルで上記新規の音の再生を開始する一方(ステップS1109A)、存在していない場合には再生中の(モノラル)チャンネル内で当該新規の音の優先順位と同一或いはそれより低い再生音のチャンネルが存在するか否かを判定する(ステップS1110A)。
演出制御プログラムは、そのような再生中の(モノラル)チャンネル内で当該新規の音の優先順位と同一或いはそれより低い再生音のチャンネルが存在しない場合には処理を終了する一方、存在する場合には該当するチャンネルが複数存在しているか否かを判定する(ステップS1112A)。
演出制御プログラムは、当該該当するチャンネルが複数存在している場合には、既述の登録からの経過時間に基づいて当該該当するチャンネルの中で、登録からの再生時間が最も長い音を再生中の(モノラル)チャンネルで上記新規の音の再生を開始する(ステップS1114A)。一方、演出制御プログラムは、当該該当するチャンネルが複数存在せず1つである場合、所望の条件を満たす(モノラル)チャンネルで上記新規の音の再生を開始する(ステップS1116A)。
その一方、既述のステップS1106Aにおいて、演出制御プログラムが、上記新規の音がモノラルでないと判定した場合、空いている(ステレオ)チャンネル(2チャンネル)が存在しているか否かを判定する(ステップS1120A)。演出制御プログラムは、空きチャンネルが存在していると判定した場合、所望の条件を満たす(ステレオ)チャンネルを選択し上記新規な音の再生を開始する(ステップS1122A)。
一方、演出制御プログラムは、空きチャンネルが存在しないと判定した場合、再生中の音の(ステレオ)チャンネル内に新規の音の優先順位と同一或いは低いものが存在するか否かを判定し(ステップS1124A)、存在しない場合には処理を終了するため、再生しようとした新規の音による再生中の音の上書きは実施しない。一方、演出制御プログラムは、存在する場合には、該当するチャンネルが複数存在するか否かを判定する(ステップS1126A)。
演出制御プログラムは、該当するチャンネルが複数存在しない場合には所望の条件を満たす(ステレオ)チャンネルで上記新規な音の出力を開始する一方、該当するチャンネルが複数存在する場合には、既述の登録からの経過時間に基づいて、該当するチャンネルの中で登録からの再生時間が最も長い(ステレオ)チャンネルで上記新規な音の再生を開始する(ステップS1130A)。
以上のように演出制御プログラムは、新規な音を再生するために空きチャンネルを検索する。このような空きチャンネルの検索処理をより視覚的に分かり易く説明する。
図218(A)及び図218(B)〜図221(A)及び図221(B)は、それぞれ、空きチャンネル検索処理の具体的な内容の一例を示している。演出制御プログラムは、図218(A)に示すように、優先順位が15である通常BGMの再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01が空いているため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで通常BGMの再生を開始する。
演出制御プログラムは、図218(B)に示すように、優先順位が05である前半予告_Aの効果音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル02〜03に空きが存在するため、これら再生チャンネル02〜03を用いてステレオで前半予告_Aの効果音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図219(A)に示すように、優先順位が20であるホタン押下音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル04〜05に空きが存在するため、これら再生チャンネル04〜05を用いてステレオでボタン押下音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図219(B)に示すように、優先順位が05である前半予告_Bの効果音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル06〜07に空きが存在するため、これら再生チャンネル06〜07を用いてステレオで前半予告_Bの効果音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図220(A)に示すように、優先順位が20である大当り確定音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル08〜09に空きが存在するため、これら再生チャンネル08〜09を用いてステレオで大当り確定音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図220(B)に示すように、優先順位が05である前半予告_Cの効果音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル10〜11に空きが存在するため、これら再生チャンネル10〜11を用いてステレオで前半予告_Cの効果音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図221(A)に示すように、優先順位が01である保留入賞音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル12〜13に空きが存在するため、これら再生チャンネル12〜13を用いてステレオで保留入賞音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図221(B)に示すように、優先順位が25である報知音3の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル14〜15に空きが存在するため、これら再生チャンネル14〜15を用いてステレオで報知音3の再生を開始する。
図222(A)及び図222(B)〜図225(A)及び図225(B)は、それぞれ、空きチャンネル検索処理の具体的な内容の一例を示している。演出制御プログラムは、図222(A)に示すように、優先順位が15であるリーチBGMの再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01が空いているため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオでリーチBGMの再生を開始する。
演出制御プログラムは、図222(B)に示すように、優先順位が25である報知音1の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル02〜03に空きが存在するため、これら再生チャンネル02〜03を用いてステレオで報知音1の再生を開始する。
以上のような処理を繰り返した後、次に演出制御プログラムは、図223(A)に示すように、優先順位が10である全画面予告音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル10〜11に空きが存在するため、これら再生チャンネル10〜11を用いてステレオで全画面予告音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図223(B)に示すように、優先順位が25である報知音1の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、図223(A)に示すように再生チャンネル02〜03(図示の「非再生(空き)」に相当)に空きが存在するため、これら再生チャンネル02〜03を用いてステレオで報知音1の効果音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図224(A)に示すように、優先順位が25である報知音3の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル04〜05(図示の「非再生(空き)」に相当)に空きが存在するため、これら再生チャンネル04〜05を用いてステレオで報知音3の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図224(B)に示すように、優先順位が10である役物予告音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル12〜13に空きが存在するため、これら再生チャンネル12〜13を用いてステレオで役物予告音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図225(A)に示すように、優先順位が01である保留入賞音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル14〜15(図示の「非再生(空き)」に相当)に空きが存在していたため、これら再生チャンネル14〜15を用いてステレオで保留入賞音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図225(B)に示すように、優先順位が25である報知音2の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行うが、空きチャンネルが存在しないため、再生中の音に対応する各チャンネル内で優先順位が最も低い「保留入賞音」を再生している再生チャンネル14〜15の使用を停止し、この再生チャンネル14〜15を用いてステレオで所望の音である報知音2の再生を開始する。
このようにすると、上記出力予定の各音が予め特定のチャンネルに固定的に割り付けられておらず音の優先順位に応じて優先順位の低い再生チャンネルを検索し、より優先順位の高い上記出力予定の各音が検索で見つかった再生チャンネルで再生されることとなる。
従って、本実施形態によれば、既述のように空きチャンネルを有効に活用することができるばかりでなく、当該空きチャンネルを含めた各チャンネルを用いて上記出力予定の各音を可能な限り多く再生できるようになるため、多彩な音演出を実現し遊技者の興趣を高めることができる。
図226(A)及び図226(B)〜図227(A)及び図227(B)は、それぞれ、空きチャンネル検索処理の具体的な内容の一例を示している。演出制御プログラムは、図226(A)に示すように、優先順位が15である左図柄停止音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01が空いているため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで左図柄停止音の再生を開始する。
演出制御プログラムは、図226(B)に示すように、優先順位が15である右図柄停止音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01に空きが存在するため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで右図柄停止音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図227(A)に示すように、優先順位が15である中図柄停止音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01に空きが存在するため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで中図柄停止音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図227(B)に示すように、優先順位が15である大当りBGMの再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01に空きが存在するため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで大当りBGMの再生を開始する。
なお、演出制御プログラムは、ある再生チャンネルを用いて優先順位に従った音の差し替え再生が発生した場合、その再生の完了後に、その再生チャンネルにおいて差し替え前に再生していた従前の音を復帰させるようにしても良いことは云うまでもない。
[12−3.音制御のバリエーション]
以上の実施形態においては、最大チャンネル数分の全ての再生チャンネルを用いて自動チャンネル方式による音制御を行うことを一例として説明してきたが、これに限られず、上述した固定チャンネルによる音制御との組み合わせなどによって次のように音制御を行うようにしても良い。
図228(A)〜図228(F)は、それぞれ、既述の2種類の各チャンネル方式又はこれらの組み合わせによる音制御におけるチャンネル割り当てのバリエーション例を示す図である。
図228(A)は、上述した実施形態との比較例としてこれまでに説明した最大チャンネル数分(16チャンネル)固定チャンネル方式による音制御におけるチャンネル割り当て例を示し、図228(B)は、これまでに説明した本発明の実施形態に相当し、最大チャンネル数分自動チャンネル方式によって音制御を行う場合のチャンネル割り当て例を示している。これら2つのチャンネル割り当てによる音制御については説明済みであるため、詳細な説明は省略する。
図228(C)は、複数の自動チャンネルグループを用いつつ最大チャンネル数分の再生チャンネルについてチャンネル割り当てを行い自動チャンネル方式による音制御を行う実施形態を示している(図示の「PTN2」に相当)。図228(D)は、1つの自動チャンネルグループを用いつつ最大チャンネル数分の再生チャンネルについてチャンネル割り当てを行うとともに一部の再生チャンネルについて既述の固定チャンネル方式による音制御を行う実施形態を示している(図示の「PTN3」に相当)。
図228(E)は、複数の自動チャンネルグループを用いつつ最大チャンネル数分の再生チャンネルについてチャンネル割り当てを行うとともに一部の再生チャンネルについて既述の固定チャンネル方式による音制御を行う実施形態を示している(図示の「PTN4」に相当)。なお、図228(E)に示したチャンネル方式の具体例については、図229以降の図面を参照しながら詳細に後述する。
図228(F)は、1つの自動チャンネルグループを用いつつ最大チャンネル数分の再生チャンネルについてチャンネル割り当てを行い自動チャンネル方式による音制御を行うとともに一部の再生チャンネルについて既述の固定チャンネル方式による音制御を行うが、上述の例とは各再生チャンネル数が可変となるようにチャンネル数が確保される点が異なっている。なお、図228(F)に示したチャンネル方式の具体例については、図235以降の図面を参照しながら詳細に後述する。
本実施形態に示したように、すべてのチャンネルを1グループとする自動チャンネル方式を採用することによって、あらかじめ指定された基準に基づいて空きチャンネルの割り当て又は出力中のチャンネルの入れ替えを行うため、音の優先順位を決定するだけで音の出力が可能となる。したがって、チャンネルを指定して音を出力するといった従来の制御方式とは異なり、チャンネルの管理が不要となるため、音出力に関する制御を簡素化することが可能となり、開発効率を向上させることが可能となる。
また、自動チャンネル方式を採用することによって、チャンネル数を最小限にすることが可能となり、例えば、チャンネル数の少ない廉価版の音源ICを採用することが可能となり、遊技機の製造コストを削減することができる。
[15.自動チャンネル方式による音制御の別形態]
続いて、前述した音制御方式の別形態の詳細について説明する。前述した音制御方式では、自動チャンネル方式として各チャンネルに対する音の割り当てを動的に変化させることによって、空きチャンネルを有効に活用して多くの音を再生できるようにしていたが、遊技の演出が多様化している近年の遊技機では、数百、数千種類の音を選択して出力するため、音源の管理が複雑化してしまうおそれがある。
また、複数の音を重ねて出力することによって、重複して予告演出を実行したり、少ない音源で多様な音演出を可能としたりする。そこで、図228(C)に示したように、音を複数のグループに分割し、グループごとに複数の音と再生チャンネルとの割り当てを動的に行うことによって、確実に重複して音を出力することができる。また、音を種類ごとに分割することによって管理が容易になる利点も有する。
さらに、音には、報知音のように演出音よりも優先して出力すべき音やBGMのように継続して出力される音がある。これらの音では、動的にチャンネルを割り当てるよりも出力するチャンネルを固定したほうが都合がよい。そこで、図228(D)に示したように、優先して出力される音や常時出力される音については固定チャンネル方式で出力し、始動入賞や変動表示の結果に応じて変化する音については自動チャンネル方式で出力する。
以上のように構成することによって、自動チャンネル方式によって空きチャンネルを有効に活用するとともに、固定チャンネル方式によって不要なチャンネル切替制御が発生することを防ぐことができる。また、BGM、演出音、報知音などの音の種類によって分類することが可能となるため、演出データの管理が容易になる。
図228(E)に示した音制御方式は、図228(C)及び図228(D)に示した音制御方式を組み合わせたものであり、各方式の利点を有している。以下、図228(E)に示した音制御方式について具体的に説明する。
[15−1.固定チャンネル方式と複数の自動チャンネル方式とが混在する音制御]
本実施形態では、前述した例と異なり、音源制御におけるチャンネル数は32チャンネル(ch)とし、固定チャンネル方式で音を再生するチャンネルと、自動チャンネル方式で音を再生するチャンネルとが含まれている。また、自動チャンネル方式で音を再生するチャンネルは、2つのグループに分けられている。以下、図229を参照しながら具体的に説明する。
[15−1−1.再生チャンネルの構成]
図229は、本実施形態における音源制御における再生チャンネルの構成表の一例を示す図である。前述のように、本実施形態の音源制御では、32個のチャンネルを使用し、各チャンネルにはユニークな識別子(チャンネル番号)が割り当てられている。
チャンネルの構成表は、チャンネル番号に対し、自動割付を行うか否かを示す「自動割付け」、各チャンネルの属するグループを示す「区分」、各チャンネルの「使用目的」が含まれる。なお、図229に示す構成表には、補足として「備考」が追加されている。
本実施形態の各チャンネルの構成は、図229に示すように、チャンネル番号0から7までが固定チャンネル方式、8から19までが自動チャンネル方式、20から23までが固定チャンネル方式、24から29までが自動チャンネル方式、30及び31が固定チャンネル方式となっている。
また、チャンネル番号8から19までの自動チャンネル方式のチャンネルが「AUTOグループ1」、チャンネル番号24から29までの自動チャンネル方式のチャンネルが「AUTOグループ2」となっている。
本実施形態における遊技機では、ステレオで音を出力可能としており、ステレオ出力の場合には1ペア(2個)のチャンネルを使用する。一方、モノラル出力場合には1個のチャンネルを使用する。
チャンネル番号0のチャンネル(以下、「チャンネル0」とし、各チャンネルを「チャンネル」+「チャンネル番号」で表現する)は、システム用に使用されるチャンネルである。例えば、特定の機種によらずに、メーカー共通で使用される音を出力するためのチャンネルである。具体的には、遊技機起動時にメーカーのロゴを表示するとともに出力される音などである。また、チャンネル1はステレオで音が出力される場合にチャンネル0とペアになるチャンネルである。
チャンネル2は、遊技中又は客待ち状態でBGMを出力するために使用されるチャンネルである。チャンネル3は、ステレオでBGMが出力される場合にチャンネル2とペアになるチャンネルである。同様に、チャンネル4及びチャンネル6は、BGMを出力するために使用されるチャンネルであり、チャンネル5及びチャンネル7は、ステレオでBGMが出力される場合にチャンネル4及びチャンネル6とペアになるチャンネルである。
また、本実施形態では、単にステレオ出力をしているだけでなく、複数の音を同時に出力することでBGMの音質を向上させている。そのため、BGMを出力するために複数(ペア)のチャンネルを使用可能となっており、BGM1からBGM3を同時に出力することが可能となっている。さらに、後述するように、チャンネル20(及びチャンネル21)でもBGMを出力することが可能となっているため、最大8チャンネル(4ペア)を使用してBGMを4本同時に出力することが可能となっている。
遊技機が正常に稼動している間、BGMは継続して出力されており、所定の音源が繰り返し再生される。そのため、BGMを再生するためのチャンネルは継続して占有されており、動的にチャンネルを割り当てるよりもあらかじめチャンネルを固定しておいたほうが効率的になる。そこで、本実施形態の遊技機における音源制御では、BGMを再生するためのチャンネルを固定チャンネル方式とし、BGMのみを出力するようにしている。これにより、空きチャンネルが発生させてしまうことを防ぎながら、自動チャンネル方式のみで音を再生するよりも制御を簡素化することができる。
チャンネル8から19は、予告演出の実行時に出力される音を再生するためのチャンネルである。予告演出では、変動表示の結果や期待度、遊技の進行状況などに応じて抽選によって選択された音が都度出力される。このように、所定の条件に基づいて都度出力される音については、自動チャンネル方式を適用することによってチャンネルを有効に使用することができる。
本実施形態では、前述した例と異なり、自動チャンネル方式を適用するチャンネルをグループ化する。予告演出時の音を出力するチャンネルのグループは、AUTOグループ1となっている。
予告演出の実行時に音を出力する場合、周辺制御MPU1511aは、まず、AUTOグループ1に割り当てられたチャンネルのうち、空きチャンネルをサーチする。なお、ステレオの場合には2チャンネル分の空きチャンネルをサーチし、原則的に連続するチャンネルを出力用のチャンネルとして設定する。このとき、空きチャンネルが存在すれば、当該空きチャンネルから指定された音を出力するように設定する。一方、空きチャンネルが存在しない場合には、所定の条件に基づいて、使用中のチャンネルを開放して新たに音を出力したり、指定された音の出力を中止したりする。なお、チャンネル選択の詳細な手順については図230を参照しながら後述する。
チャンネル20及び21は、固定チャンネル方式が適用されるチャンネルである。チャンネル21は、チャンネル20とステレオ出力時にペアとなるチャンネルである。チャンネル20及び21は、BGM出力又は演出音を出力するためのチャンネルである。4つの音を重ねてBGMを出力する場合や特定の演出音を出力する場合に使用される。特定の演出音は、例えば、自動チャンネル方式で出力される予告演出以外の演出で出力される音である。
チャンネル22及び23は、チャンネル20及び21と同様に、固定チャンネル方式が適用されるチャンネルである。チャンネル23は、チャンネル22とステレオ出力時にペアとなるチャンネルである。チャンネル22及び23は、保留音が出力されるチャンネルである。チャンネル22及び23で出力される保留音は、例えば、始動入賞時に抽選結果によらずに出力される音であったり、大当り確定時など優先して出力する音であったりする。なお、始動入賞時の抽選結果に基づく音などは、後述するように、チャンネル24から29から出力される。
チャンネル24から29は、自動チャンネル方式が適用されるチャンネルである。チャンネル24から29は、始動入賞時に抽選結果に応じた期待度などに基づいて出力される音や変動開始時に保留表示が変化する場合に出力される音が再生される。チャンネル22及び23を固定チャンネル方式で出力することによって、チャンネル24から29に空きチャンネルがない場合であっても大当り確定時の音を確実に出力することが可能となり、遊技者の注意を引くことができる。
チャンネル30及び31は、固定チャンネル方式が適用されるチャンネルである。チャンネル30及び31は、システム用に使用されるチャンネルである。チャンネル30は、ボリューム変更時の変更音や遊技媒体の払い出し時の報知音が出力される。また、チャンネル31は、遊技機に異常が発生した場合に報知音が出力される。このように、遊技機の操作に関わる報知音や異常発生時の報知音が確実に外部に伝達されるように、あらかじめ出力先が確保された固定チャンネル方式が適用されている。
以上のように、本実施形態では、BGMのように定常的に出力が継続される場合や異常報知音のように確実に出力する必要がある場合には固定チャンネル方式のチャンネルが割り当てられる。これに対し、遊技状態などに応じて臨機応変に出力される音については自動チャンネル方式を適用することによって、空きチャンネルが生じていながら音が出力されなくなることを防止し、有限数であるチャンネルを有効に活用することができる。
[15−1−2.空きチャンネル検索処理]
続いて、本実施形態の音源制御の空きチャンネルを検索する手順について説明する。図230は、本実施形態の音を出力する制御を実行する場合における空きチャンネル検索処理の手順の一例を示すフローチャートである。図217ではAUTOグループが1つの場合について説明したが、図230では複数のAUTOグループを有する点で相違する。なお、共通する処理については説明を省略する。
図230に示す空きチャンネル検索処理では、ステップS1108B及びステップS1120Bの処理において、新規音が自動チャンネル方式の場合に、同じグループのチャンネルに空きチャンネルが存在するか否かを判定する。すなわち、異なるグループのチャンネルが空いていても同じチャンネルのグループに空きがなければ、ステップS1108B及びステップS1120Bの結果は「No」となる。
さらに、図230に示す空きチャンネル検索処理では、空きチャンネルがない場合に所定の条件に基づいて選択されたチャンネルから出力されている音の再生を中止し、新規音を当該チャンネルから出力する(ステップS1118B、ステップS1132B)。以下、図231を参照しながら音の再生を中止するチャンネルの選択条件について説明する。
なお、音の出力が中止された演出は画像表示や役物の動作については中止せずに継続して実行される。
図231は、本実施形態において新規音の出力時にチャンネルが空いていなかった場合に、音の出力を入れ替える(音の再生を中止する、開放する)チャンネルを選択する条件の一例を示す図である。具体的な選択条件としては、再生中の音と新規音について属性を比較し、より重要度の高い音を優先する。属性とは、後述するように、再生時間、出力がステレオであるかモノラルであるか、ボリュームの大きさ、再生中の音の変化量などを含み、さらに、チャンネル選択時点における音の再生時間、再生残り時間なども含む。以下、各条件について具体的に説明する。
条件1は、再生開始からの再生時間(経過時間)に基づいてチャンネルを選択する。例えば、図217のステップS1114A及びS1130Aに示したように、再生時間の長いチャンネルを選択する。このように再生が開始されてからの経過時間が長いチャンネルを選択することによって十分に実行された演出音の出力を終了し、新たな演出が実行されたことを遊技者が認識しやすくなる。
条件2は、演出全体の再生時間に基づいてチャンネルを選択する。例えば、再生時間の長い演出ほど期待度の高い演出となり得るため、再生時間の短い演出を選択する。一方、再生時間の長い演出を中止することによって、以降実行される演出に与える影響を最小限にするようにしてもよい。この場合、再生開始からの再生時間によらずにあらかじめ設定されている総再生時間に基づいて判定する。
条件1及び条件2は再生時間に関する条件であったが、これ以外にも、例えば、残り演出時間の短い(又は長い)演出の音出力を中止してもよい。また、演出全体の時間に対して再生開始からの経過時間、すなわち、演出の進行比率に応じてチャンネルを選択するようにしてもよい。このように条件を設定することによって、演出の初期段階又は最終段階で音の出力を中止することができる。
条件3は、再生中の音のボリュームの大きさに基づいてチャンネルを選択する。例えば、ボリュームの大きい音が出力される演出のほうが重要度の高い演出となり得るため、出力されている音のボリュームが小さいチャンネルを優先して選択する。反対に、出力されている音のボリュームが大きいチャンネルを優先して選択し、新たに演出が実行されることを遊技者に認識させるようにしてもよい。
条件4は、再生中の音のボリュームの変化に基づいてチャンネルを選択する。例えば、フェードイン又はフェードアウトされる音が出力される演出のほうが重要度の高い演出となり得るものとし、ボリュームの変化量の少ないチャンネルを優先して選択する。反対に、ボリュームの変化の多いチャンネルを優先して選択し、音制御の負荷を低減するようにしてもよい。
条件5は、動的な音像定位位置の変化(パンポット)に基づいてチャンネルを選択する。例えば、ステレオスピーカーの左右の音の出力を変化させることによってより立体的な音響効果をもたらすような演出のほうが重要度の高い演出となり得るものとして、動的な音像定位位置の変化の少ないチャンネルを優先して選択する。一方、動的な音像定位位置の変化の多いチャンネルを優先して選択し、音制御の負荷を低減するようにしてもよい。
条件6は、音番号(インデックス)に基づいてチャンネルを選択する。例えば、音番号の大きい(小さい)番号を選択する。このとき、音番号に優先順位を対応付けるようにしてもよい。
条件7は、音がモノラルであるかステレオであるかによってチャンネルを選択する。例えば、音質のよいステレオ音で出力される演出のほうが期待度が高いものとして、モノラル音を出力するチャンネルを選択する。一方、モノラル音は1チャンネルのみ使用するため、モノラル音を出力するチャンネルを開放しても空きチャンネルの数が足りない場合には、空きチャンネルを増やすためにステレオ音を出力するチャンネルを選択するようにしてもよい。
条件8は、ボリュームの調整が許可されているか否かによってチャンネルを選択する。
例えば、ボリューム調整を行えないように設定された演出ほど重要度が高いものとしてもよいし、ボリューム調整を行えるように設定された演出ほど重要度の高いものとしてもよい。
以上示した条件のほかにも、例えば、同じ優先順位の場合には、チャンネルを入れ替えずに新たな音の再生要求を破棄するようにしてもよい。また、すべての音に対してユニークな優先順位を割り当てることで、同じ優先順位とならないように演出データを設定するようにしてもよい。
図231に示す表には、例として1から8までの条件を示したが、これらの条件は単独で適用してもよいし、複数の条件を組み合わせて適用するようにしてもよい。例えば、各条件に閾値を設定し、より多くの条件を満たすチャンネルを選択してもよいし、各条件に優先順位を設定し、順次条件を適用するようにしてもよい。
[15−1−3.ボリューム制御]
続いて、新たに出力する音に割り当てられた優先順位に基づいて、チャンネルを割り当てる制御を行う例について説明する。ここでは、変動前半に3種類の予告(前半予告A〜C)が実行される例について説明する。図232は、本実施形態の音制御を説明するための演出例を示すタイミングチャートであり、(A)は効果音が再生されるタイミング、(B)は各効果音が出力されるチャンネルを示している。図233は、本実施形態の演出例における効果音の優先順位の一例を示す図である。
図232に示す演出例では、変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、前半予告_Aが発生する。このとき、表示画面上に演出ボタンの操作指示が表示され、遊技者が演出ボタンを操作すると、前半予告_Bが発生する。さらに、前半予告_A及び前半予告_Bが実行中に前半予告Cが発生する。
また、図233に示すように、前半予告_Aの優先順位が03、前半予告_Bの優先順位が05、前半予告_Cの優先順位が20となっている。さらに、前半予告_B及び前半予告_Cにはボリューム抑制フラグが設定されているため、同じグループ内で優先順位の低い予告演出が重複して実行される場合には、抑制ボリューム値に基づいて音量が低減される。
各予告の内容について説明すると、前半予告_Aは、例えば、キャラクタが登場する演出であり、表示画面にキャラクタが登場するとともに、効果音がチャンネル08及び09からステレオで出力される。
前半予告_Bは、演出ボタンの操作によって実行される演出であり、ボタン操作時にボタン押下音が再生されるとともに(チャンネル18,19)、前半予告_Bが開始され、チャンネル10及び11からステレオで効果音が出力される。
前半予告_Cは、効果音の出力とともに(チャンネル12,13)、所定時間、画面表示が中止され、前半予告_Cよりも優先順位の低い音、具体的には他の予告演出及びBGMが一時的に消音される(ブラックアウト演出)。その後、演出画面が表示されると、前半予告_C以外の効果音の出力が再開される。
ここで、図234を参照しながら各予告演出の効果音のボリューム変化についてさらに詳細に説明する。図234は、本実施形態の前半変動における効果音のボリューム変化の一例を示すタイミングチャートであり、(A)は演出効果音の出力タイミング、(B)は各演出効果音のボリューム変化を示す。また、横軸は時間軸、(B)の縦軸はボリューム(音量)を示す。
前述のように、本実施形態では、時刻t0から変動表示が開始され、時刻t1になると、前半予告_Aが開始される。このとき、前半予告_Aの演出効果音のあらかじめ設定されたボリュームV_Aで出力される。
その後、演出ボタンの操作指示が演出画面上に表示され、演出ボタンの押下によって前半予告_Bが実行される(時刻t2)。このとき、演出ボタンのボタン押下音がボリュームV_Tで再生されるとともに前半予告_Bの演出効果音がボリュームV_Bで出力される。また、前半予告_Bの優先順位は前半予告_Aの優先順位よりも高いため、前半予告_Aの効果音のボリュームを50%に抑制する。
なお、後で実行された予告演出の優先順位が実行中の予告演出の優先順位よりも低い又は同じ場合にはボリュームを下げなくてもよいし、同時に出力されている効果音が少ない場合にもボリュームを下げなくてもよい。また、特定の予告演出の組み合わせの場合のみボリュームを下げるようにしてもよい。
さらに、時刻t3で前半予告Cが実行されると、時刻t5までの間、画面が暗転し、前半予告_C以外の効果音が消音される。このとき、前半予告_Cの効果音は、ボリュームV_Cで出力される。
また、時刻t3から消音された前半予告_A及び前半予告_Bの演出効果音は、時刻t5で出力が再開される。ボタン押下音は、本来であれば、時刻t4まで出力されるがt5>t4であるため、時刻t3で再生が終了する。
その後、前半予告_A及び前半予告_Bは、あらかじめ設定された終了時刻まで演出が継続される(時刻t6,t7)。さらに、時刻t8において前半予告_Cが終了し、変動前半が終了する。
なお、演出効果音が消音されている期間は、ボリュームを0にした状態で演出効果音の出力を継続するようにしてもよいし、演出効果音の出力を停止するようにしてもよい。ボリュームを0にする場合、チャンネルごとのボリューム(サブボリューム)を0に設定してもよいし、演出効果音全体のボリュームを制御するメインボリュームを0に設定し、前半予告_Cの効果音の出力をメインボリュームによる制御の影響を受けないようにバイパスして出力するようにしてもよい。また、前半予告_Cによって他の効果音の出力が抑制されている状態であっても、より優先順位の高い効果音、警告音、報知音については出力される。
以上のように、新たな音を出力して再生中の音のボリュームを下げる場合、ボリューム抑制フラグなどによって指定された音のボリュームを下げるのではなく、すべてのチャンネルで再生中の音のボリュームを下げるようにしてもよいし、チャンネル方式(固定チャンネル方式、自動チャンネル方式)が同じチャンネルで再生中の音のボリュームを下げるようにしてもよい。また、同じグループ(AUTOグループ)内のチャンネルで再生中の音のボリュームを下げるようにしてもよい。
[15−1−4.効果]
以上のように構成することによって、本実施形態では、優先順位の高い音を優先して出力することができる。優先順位の高い音は、例えば、報知音や警告音など遊技者や遊技場の従業員に確実に伝達するための音であったり、変動表示の結果が大当りとなる期待度が高く、遊技者の期待感を高めるための効果音であったり、演出効果が高く遊技の興趣を向上させることが可能な効果音であったりする。
さらに、本実施形態では、音源制御で使用する各チャンネルを複数のグループに分類することによって、演出効果音に関する演出データの管理を容易にすることが可能となる。
これにより、系統的なテストの実施などによるバグ発生の抑止など開発効率の向上を図ることができる。また、安定した遊技を可能とすることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
特に、本実施形態では、自動チャンネル方式のチャンネルが複数のグループに分類されている。具体的には、予告演出の効果音を出力するグループ(AUTOグループ1)と、保留関連の効果音を出力するグループ(AUTOグループ2)である。予告演出の効果音は、チャンネル数と比較して膨大な数となっており、また、重複して同時に複数の演出効果音が再生可能となっている。特に、変動前半時には、当該変動の予告とともに保留中の変動の先読み予告が実行されるなどして割り当てられたチャンネル数を超える演出効果音の出力が要求されることがありうる。このような場合に、AUTOグループ1に割り当てられたチャンネル内で、優先順位の低い演出効果音を優先順位の高い演出効果音を入れ替えながら出力することによって、遊技の興趣を最大限高めることができる。
さらに、変動表示の保留表示の変化及びこれにともなって演出効果音を出力することによって期待度を報知する演出は、遊技者の期待感を大きく高めることができ、確実に実行されることが望ましい。本実施形態では、このような保留表示(保留音)に関する演出効果音をAUTOグループ2に属するチャンネルから出力することによって、変動表示に係る予告演出とは独立して、より確実に再生することができる。また、変動表示おける予告演出の場合と異なり、AUTOグループ2に割り当てられたチャンネル数と比較して、同時に出力される演出効果音の数が大きく超えることはないため、演出効果音の出力が中止される可能性が少なくなっている。また、中止された場合であっても、優先順位の低い演出効果音の出力が中止されるだけである。したがって、遊技者の期待感を高める効果の高い演出を確実に実行することにより、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、本実施形態では、自動チャンネル方式が適用されたチャンネルと固定チャンネル方式が適用されたチャンネルとが混在している。前述したように、自動チャンネル方式では、空きチャンネルをサーチすることによって有限数のチャンネルを有効に活用するとともに、優先順位を設定することによって演出効果や重要度の高い音を優先して出力することを可能としている。一方、固定チャンネル方式は、BGMのように継続して音を出力する場合や遊技機の故障や不正行為などの報知するために優先して音を出力する場合に適用される。このように、音の特性や用途に応じて適したチャンネル方式を適用することによって、各チャンネルを有効に利用し、さらに、音の出力状況に合わせた適切な制御を行うことができる。例えば、BGMを出力する制御では、遊技状態に関わらず、あらかじめ割り当てられたチャンネルに音を出力すればよく、また、警報音を出力する制御では、空きチャンネルをサーチすることなく、指定されたチャンネルに直接音を出力すればよい。一方、自動チャンネル方式では、前述したように、空きチャンネルを最大限に活用し、また、演出効果の高い音を優先して出力することができる。
さらに、本実施形態では、演出効果音(チャンネル)ごとのボリュームを制御することによって、優先順位の高い演出を強調して実行することができる。また、実行中の演出についても中断することなくボリュームを下げながら継続させることができる。このとき、優先順位の高い演出が終了した後も先に実行された優先順位の低い演出が継続中であれば、ボリュームを元の音量に戻すことも可能である。また、実施例に記載したように、他の演出を停止させ、特定の演出を単独で実行することによって、当該特定の演出の演出効果を際立たせることができる。このようにして、本実施形態では、演出のバリエーションを増加させ、遊技の興趣を向上させることができる。
[15−2.固定チャンネル方式と自動チャンネル方式とが混在する音制御の変形例] 以上説明した音制御方式では、自動チャンネル方式が設定されているチャンネル数と固定チャンネル方式が設定されているチャンネル数があらかじめ設定された数となっていたが、本変形例では、自動チャンネル方式が設定されているチャンネル数と固定チャンネル方式が設定されているチャンネル数が可変となっている変形例について説明する。
[15−2−1.演出例]
チャンネル数を可変にした場合に、例えば、一時的に同種類の音を割り当て可能なチャンネル数よりも多く出力したい場合があげられる。例えば、複数のシーンを含む演出を実行可能な遊技機の場合において、画面を複数に分割し(例えば、9分割)、分割された各画面で異なるシーンを表示する。そのとき、各シーンに対応するBGMを出力することが考えられる。図235は、本実施形態の変形例における演出の画面構成例を示す図である。図235に示す演出例はリーチ発生後の後半変動における予告演出となっている。
本変形例では、表示画面を9分割し、各画面に異なるシーンの表示する演出(マルチ画面演出)を実行する。そして、いずれか一つのシーンが選択され、選択されたシーンに対応する演出が実行される。このとき、各シーンのBGM(9種類)が同時に出力される。
なお、シーンの選択は抽選によるものであってもよいし、遊技者が選択するものであってもよい。
本変形例の遊技機は、前述した実施例と同様に、音源制御において32個のチャンネルを使用する。また、デフォルトのチャンネルの割り当ては、図229に示した配置と同様である。したがって、最大同時に4種類(8チャンネル)のBGMを出力することが可能となっている。しかしながら、本変形例におけるマルチ画面演出では、同時に9種類のBGMを出力する必要がある。そこで、本変形例では、BGMを出力するためのチャンネルを再割り当てし、チャンネルの配置を再編成する。
[15−2−2.チャンネル配置]
図236は、本実施形態の変形例における音源制御における再生チャンネルの構成表の一例を示す図であり、(A)はデフォルトの構成、(B)はマルチ画面演出実行時の構成を示す。図236(A)のデフォルトの構成は、前述したように、図229に示した配置と同様である。
本変形例では、マルチ画面演出が開始されると、図236(A)に示したチャンネルの配置を図236(B)に示した配置に変更する。具体的には、BGMを出力するための固定チャンネル方式のチャンネルを追加し(チャンネル8〜17)、AUTOグループ1に割り当てられた自動チャンネル方式が採用されたチャンネルの数を削減している。これは、マルチ画面演出の実行中にさらに異なる予告演出を実行しても遊技者に認識されにくいためである。
マルチ画面演出開始後、すべてのシーンが表示されている間は各シーンに対応するBGMがすべて再生される。このとき、すべてのBGMを通常のボリュームで出力すると、音量が大きくなりすぎるため、音量を通常よりも小さくした状態で出力する。そして、シーンが選択されると、選択されたシーンに基づく予告演出(後半予告)が実行され、選択されたシーンのBGMのボリュームを通常の音量に設定し、これ以外のBGMの再生を終了する。また、遊技者がシーンを選択する場合には、例えば、遊技機に備えられた操作部によって分割された画面を選択し、シーンを決定するまでの間、選択されているシーンのBGMを他のシーンのBGMよりもボリュームを大きくするようにしたり、他のシーンのBGMのボリュームを小さくするようにしてもよい。
[15−2−3.ボリューム制御]
図237は、本実施形態の変形例の変動後半における効果音のボリューム変化の一例を示すタイミングチャートであり、(A)は演出効果音の出力タイミング、(B)は各演出効果音のボリューム変化を示す。
図237に示す演出例では、マルチ画面演出の実行が決定したタイミングで(例えば、変動開始時)、チャンネル配置がデフォルト状態(図236(A))からマルチ画面演出用の配置(図236(B))に変更される。前半変動終了後(時刻t11)、リーチが発生し、後半変動が開始される。後半変動の開始後、マルチ画面演出が開始される(時刻t12)。このとき、図235に示したように、表示画面が分割され、分割された表示領域に異なるシーンが表示されるとともに、各シーンに対応するBGMが出力される。
マルチ画面演出が開始されると、そして、マルチ画面演出用の配置(図236(B))に変更後の各チャンネルの使用目的に対応するBGMを出力する。このとき、通常のボリュームV_1よりも小さいボリュームV_2で出力する。
その後、演出を継続するシーンが選択されると(時刻t13)、選択されたシーンに対応するBGMのボリュームを通常のボリュームV_1に設定し、他のBGMの出力を停止する。図237に示す演出例では、シーン5が選択され、BGM_0−5の音量を通常のボリュームV_1に設定する。このとき、シーン5に対応する表示領域が表示画面全体に表示され、さらに、シーン5に対応する後半予告_5が実行される。
なお、マルチ画面演出の終了後、BGM_0−5を出力するチャンネルをチャンネル10,11からチャンネル2,3に変更し、チャンネルの配置をデフォルトに戻してもよい。本変形例のように、チャンネル10,11からのBGMの出力を継続する場合には、次の変動の開始時にチャンネルをデフォルトの配置に戻すようにしてもよい。
また、チャンネル配置の変更は、必要になったタイミングで変更するようにしてもよい。例えば、本変形例では、マルチ画面演出の実行を開始する直前にチャンネルの配置を変更してもよいし、後半変動の開始時に変更するようにしてもよい。
さらに、演出内容に応じてチャンネルの配置を変更するのではなく、遊技状態(例えば、大当り状態、時短状態、背景変化などの演出モード)が変化した場合に変更してもよい。
[15−2−4.効果]
以上のように構成することによって、固定チャンネル方式による音制御を行う固定チャンネル(図228(F)の「可変固定ch」に相当)の数と、自動チャンネル方式による音制御を行う自動チャンネル(図228(F)の「可変AUTOch」に相当)の数とが、再生しようとする音の種類や数に応じて柔軟に変化させることができる。これにより、状況に応じてより多くの報知音、BGM或いは効果音を再生可能な状態とすることができるようになり、例えば遊技されていない状況においてはより多くの種類の報知音を出力するようにしたり、再生可能な報知音の数を抑制して演出上再生すべきBGMや効果音の数を増やすなどの柔軟な対応が可能となる。
[16.他のチャンネルで出力中の音に対する制御]
以上説明した実施形態では、チャンネルをグループ化し、出力する音を各グループに対応付けることによって管理する例について説明した。また、同じグループで同時に割り当て可能な音の数を超えてしまう場合に所定条件に基づいて発音中の音の出力を中止して新たな音を出力したり、新たな音の出力を中止したりし、同じグループに属する出力中の音に対する制御について説明した。ここでは、新たにチャンネルに音を割り当てて出力する場合に、他のチャンネルで出力中の音に対して音量を変更するなどの制御を行う場合について説明する。
特別図柄の変動開始後、リーチが発生前の状態において(前半変動中)、所定の効果音の出力とともに、再生中のBGMや他の演出による音の出力を所定時間規制(消音)する。このような制御を行う代表的な演出としては、効果音の出力を規制するとともに、画面を暗転させるブラックアウト演出がある。ブラックアウト演出では、効果音の出力を規制してから所定時間経過後、画面の暗転を解除し、BGMや他の演出による音の出力を再開することによって、新たに出力される音(当該音の出力を含む演出)を際立たせて遊技者の注意を引き、当該変動に対する遊技者の期待感を増大させることができる。
本実施形態では、効果音が出力されているチャンネルの割り当てを解除して新たに音を割り当てるのではなく、空きチャンネルに新たな音を割り当てて出力する場合について説明する。この場合、BGMなどの出力を規制前の状態に復帰するために、チャンネルに音を再割り当てするなどの処理について考慮せずにボリューム(音量)を戻せばよい。以下、具体的な実施形態について説明する。
[16−1.異なるグループの音が出力中の場合の制御]
本実施形態では、チャンネルをグループ化し、グループごとに優先順位を設定する。そして、優先順位の低いグループに属するチャンネルで音が出力されている場合に、新たに優先順位の高いグループに属するチャンネルで音を出力する場合について説明する。
[16−1−1.チャンネルグループ別ボリューム制御テーブル]
図238は、本実施形態におけるグループごとのボリューム(音量)制御の優先順位を示すチャンネルグループ別ボリューム制御テーブルの一例を示す図である。本実施形態では、各チャンネルを、固定チャンネル(固定ch)1、固定チャンネル(固定ch)2、自動チャンネルグループ(AUTOグループ)1、自動チャンネルグループ(AUTOグループ)2、自動チャンネルグループ(AUTOグループ)3の5つのグループに分割している。
各グループには、グループボリューム優先順位、抑制ボリューム値が設定されている。
グループボリューム優先順位は、グループ間の優先順位を示しており、数値が小さいほど優先順位が高くなっている。本実施形態では、1以上の数値が設定され、「1」が最も優先順位が高くなっている。
抑制ボリューム値は、優先順位の低いグループに属するチャンネルで音が再生されている場合に、再生中の他の音のボリュームを変化させる態様を示す数値である。具体的には、「−1」が設定されている場合には、再生中の他の音を変化させずにそのまま音の再生を継続する。「0」が設定されている場合には、再生中の他の音を消音させるように制御する。「0」以外の数値が設定されている場合、例えば、「50」が設定されている場合には、再生中の他の音のボリュームを50%に抑制する。すなわち、1から100までの数値が設定されている場合には、単位を%としてボリュームを変化させる。なお、100以上の数値を設定して通常よりもボリュームを大きくするように制御してもよい。
さらに、図238を参照して各設定値について説明すると、本実施形態においても前述した実施形態と同様に、固定チャンネル方式と自動チャンネル方式のチャンネルが混在している。固定チャンネルでは、報知音やBGMなどの優先して出力されたり、常時出力されたりする音が割り当てられる。自動チャンネルでは、演出の種類や重要度などに応じてグループ化された演出効果音が割り当てられる。
固定ch1では、グループボリューム優先順位が最も高い「1」に設定されている。また、抑制ボリューム値に「0」が設定されているため、固定ch1で音が再生される場合には、再生中の他の音はすべて消音される。固定ch1で再生される音は、参考再生音として示しているように遊技者や遊技場の従業員など外部に報知するための報知音であり、具体的には、磁気異常を検出したことや遊技機に障害が発生したことを報知するために報知させる警報音であったり、球詰まりなどの報知音であったりする。すなわち、固定ch1から音が出力される場合には、不正行為や故障の発生などを要因とするため、演出効果音などの出力を中止し、報知音のみを出力するようにしている。また、優先順位が最も高い固定ch1から報知音が出力されている間は、相対的に優先順位の低い他の音の出力は規制される。
固定ch2では、図238ではグループボリューム優先順位が最も低い「4」に設定されている。また、抑制ボリューム値に「−1」が設定されているため、固定ch2で音の再生が開始されても再生中の他の音には影響を与えないようになっている。固定ch2で再生される音は主に遊技におけるBGMであり、通常の遊技ではBGMが出力されている状態で特別図柄の変動表示の実行などに対応して遊技者の注意を引く演出効果音などが出力される。
AUTOグループ1では、グループボリューム優先順位が「2」に設定されている。また、抑制ボリューム値に「0」が設定されているため、AUTOグループ1で音が再生される場合には、固定ch1から出力される報知音以外の再生中の音はすべて消音される。
すなわち、AUTOグループ1で出力される音は演出において最優先で出力され、他の音を消音させて単独で出力されるものである。
AUTOグループ1で出力される具体的な音としては、参考再生音に示すように、大当り確定音、ブラックアウト効果音、V入賞音などである。大当り確定音は、始動入賞時などの所定のタイミングで変動表示の結果が大当りとなることを報知する音であり、遊技者にとって期待感が最大限に向上する演出効果音となる。V入賞音は、Vゾーンに遊技球が入賞し、例えば、高確率状態に移行することが確定したことを報知する音であり、大当り確定音と同様に、遊技者の期待感を大幅に向上させることができる。
ブラックアウト効果音は、前述したブラックアウト演出の実行時に他の演出効果音の出力を抑制し、無音の状態で出力される効果音である。このとき、演出画面の表示についても暗転させる。このとき、ブラックアウト効果音の出力とともに画面に閃光を発する演出などを実行してもよい。大当り確定音やV入賞音は、これらの音の出力を遊技者が聞き逃さないようにするために他の音の出力を抑制するため、音の出力後短時間で抑制されている音の出力が再開される。一方、ブラックアウト効果音では、当該ブラックアウト効果音を出力した後も所定時間、他の演出による効果音が出力されていない状態とすることで、ブラックアウト演出に遊技者の注意を集中させる。また、ブラックアウト演出の実行後、ブラックアウト演出に連動した演出を当該変動で実行するようにしてもよく、例えば、前半変動でブラックアウト演出を実行し、後半変動で対応する演出を実行するようにしてもよい。
AUTOグループ2では、グループボリューム優先順位が「3」に設定されている。また、抑制ボリューム値に「50」が設定されているため、AUTOグループ2で音が再生される場合には、優先度が「4」以下のグループの再生中の音はすべて半減(50%の出力に抑制)される。例えば、固定ch2から出力されるBGMは前述のようにグループボリューム優先順位が「4」であるからボリュームが半減され、AUTOグループ2の音は通常の音量で出力される。これにより、BGMを完全に消音せずに遊技の流れを継続しながら遊技者の注意を引く演出を実行することができる。AUTOグループ2で出力される具体的な音としては、例えば、前半予告効果音や後半予告効果音などである。
AUTOグループ3では、グループボリューム優先順位が「2」に設定されている。また、AUTOグループ2の場合と同様に、抑制ボリューム値に「50」が設定されているため、AUTOグループ3で音が再生される場合には、優先度が「3」以下のグループの再生中の音はすべて半減される。例えば、AUTOグループ2から予告効果音が出力されている場合には、当該予告効果音の音量が半減される。このとき、固定ch2から出力されるBGMの音量が既に半減されている場合には、音量を変更せずに継続してもよいし、さらに音量を半減(当初の音量の4分の1)してもよい。
AUTOグループ3で出力される具体的な音としては、例えば、始動入賞時の保留入賞音、保留表示が変化したことを示す保留変化音、演出ボタンを押下したことを報知するボタン押下音などである。本実施形態では、グループボリューム優先順位が同じ場合には、通常のボリュームでそのまま音を出力する。そのため、AUTOグループ2のブラックアウト演出が実行されて、BGMなどの出力が規制されている状態であっても、AUTOグループ3に属する音は出力される。例えば、遊技球が始動入賞口に入球した場合には、ブラックアウト演出実行中であっても保留入賞音が出力されることになる。
[16−1−2.グループボリューム制御処理]
続いて、本実施形態におけるボリューム制御の手順について説明する。図239は、本実施形態の出力された音が属するグループに対応した音制御を行うグループボリューム制御処理の手順を示すフローチャートである。グループボリューム制御処理は、周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理(図95)における音データ作成処理(ステップS1032)で実行される。以下、グループボリューム制御処理について説明する。
周辺制御MPU1511aは、グループボリューム制御処理が開始されると、まず、新規音の再生要求があるか否かを判定する(ステップS1401)。新規音の再生要求がない場合には(ステップS1401の結果が「No」)、ステップS1420以降の処理を実行する。
一方、周辺制御MPU1511aは、新規音の再生要求がある場合には(ステップS1401の結果が「Yes」)、再生要求のあった音の音番号からチャンネルグループを特定し、チャンネルグループ別ボリューム制御テーブル(図238)から、チャンネルグループに対応する、抑制ボリューム値とグループボリューム優先順位を取得する(ステップS1402)。
次に、周辺制御MPU1511aは、取得した抑制ボリューム値が「−1」(抑制制御なし)であるか否かを判定する(ステップS1403)。取得した抑制ボリューム値が「−1」である場合(ステップS1403の結果が「Yes」)、すなわち、再生中の音に対する制御を行わない場合には、ステップS1406以降の処理を実行する。
取得した抑制ボリューム値が「−1」でない場合(ステップS1403の結果が「No」)、すなわち、再生中の音に対する制御を行う場合には、周辺制御MPU1511aは、さらに、再生要求された音の音番号、抑制ボリューム値及びグループボリューム優先順位がワーク領域に登録済みか否かを判定する(ステップS1404)。音番号、抑制ボリューム値及びグループボリューム優先順位が登録済みの場合には(ステップS1404の結果が「Yes」)、ステップS1406以降の処理を実行する。
音番号、抑制ボリューム値及びグループボリューム優先順位が登録済みでない場合には(ステップS1404の結果が「No」)、周辺制御MPU1511aは、再生要求された音の音番号、抑制ボリューム値及びグループボリューム優先順位をワーク領域に保持する(ステップS1405)。このワーク領域は、現在再生中の優先順位が最も高い音のパラメータ(音番号、抑制ボリューム値及びグループボリューム優先順位)が記録される。
続いて、周辺制御MPU1511aは、既に再生中の音があるか否かを判定する(ステップS1406)。再生中の音がない場合には(ステップS1406の結果が「No」)、新規再生要求のあった音のボリュームにあらかじめ定められたボリューム値をセットする(ステップS1407)。一方、既に再生中の音がある場合には(ステップS1406の結果が「Yes」)、ステップS1410以降の処理でワーク領域に記憶されたパラメータ及び新規音のパラメータに基づいて音制御を行う。
再生中の音に対する制御について説明すると、周辺制御MPU1511aは、まず、ワーク領域に再生中の音の出力を抑制する音のパラメータが登録済みか否かを判定する(ステップS1410)。再生中の音の出力を抑制する音のパラメータが登録済みでない場合には(ステップS1410の結果が「No」)、新規再生要求のあった音の出力をセットする(ステップS1407)。
ステップS1410以降で実行される音制御について説明すると、再生中の音の出力を抑制する音が登録済みの場合には(ステップS1410の結果が「Yes」)、周辺制御MPU1511aは、新規再生要求のあった音のグループボリューム優先順位と、ワーク領域に保持済みのグループボリューム優先順位とを比較する(ステップS1411)。
新規再生要求のあった音のグループボリューム優先順位が、既にワーク領域に保持済みのグループボリューム優先順位よりも低い場合には(ステップS1411の結果が「<」)、周辺制御MPU1511aは、新規再生要求のあった音のボリュームをワーク領域の抑制ボリューム値に基づいて低減させる(ステップS1414)。
また、新規再生要求のあった音のグループボリューム優先順位が、ワーク領域に保持済みのグループボリューム優先順位よりも高い場合には(ステップS1411の結果が「>」)、周辺制御MPU1511aは、新規再生要求のあった音の音番号、抑制ボリューム値及びグループボリューム優先順位をワーク領域に上書きし(ステップS1412)、新規再生要求のあった音のボリュームをあらかじめ定められたボリューム値に設定する(ステップS1413)。
さらに、新規再生要求のあった音のグループボリューム優先順位が、ワーク領域に保持済みのグループボリューム優先順位と等しい場合には(ステップS1411の結果が「=」)、周辺制御MPU1511aは、ワーク領域の内容を維持したまま、新規再生要求のあった音のボリュームをあらかじめ定められたボリューム値に設定する(ステップS1413)。
続いて、周辺制御MPU1511aは、既に再生中の音のグループボリューム優先順位はワーク領域に記録済みのグループボリューム優先順位よりも低いか否かを判定する(ステップS1415)。再生中の音のグループボリューム優先順位はワーク領域に記録済みのグループボリューム優先順位よりも低い場合には(ステップS1415の結果が「Yes」)、再生中の音のボリュームをワーク領域に記録された抑制ボリューム値に基づいて低減させる(ステップS1416)。
すべての再生中の音に対してステップS1415及びステップS1416の処理を実行した場合(ステップS1417)、又は、ステップS1407の処理の終了後、周辺制御MPU1511aは、抑制ボリューム値とグループボリューム優先順位がワーク領域に登録済みか否かを判定する(ステップS1420)。抑制ボリューム値とグループボリューム優先順位がワーク領域に登録済みでない場合には(ステップS1420の結果が「No」)、本処理を終了する。
抑制ボリューム値とグループボリューム優先順位がワーク領域に登録済みである場合には(ステップS1420の結果が「Yes」)、周辺制御MPU1511aは、ワーク領域に登録済みの音番号に対応する音の再生が終了したか否かを判定する(ステップS1421)。ワーク領域に登録済みの音番号に対応する音の再生が終了していない場合には(ステップS1421の結果が「No」)、本処理を終了する。
ワーク領域に登録済みの音番号に対応する音の再生が終了した場合には(ステップS1421の結果が「Yes」)、周辺制御MPU1511aは、音番号、抑制ボリューム値及びグループボリューム優先順位をワーク領域から消去する(ステップS1422)。最後に、再生中のすべての音に対し、あらかじめ定められた元のボリューム値に戻し(ステップS1423、ステップS1424)、本処理を終了する。
以上が本実施形態における新規音の再生が要求された場合に、再生中の音のボリュームを制御する処理である。続いて、時系列に沿って音のボリューム制御について説明する。
図240は、本実施形態におけるボリュームを制御する手順を時系列に沿って説明するためのタイミングチャートであり、(A)は演出の実行タイミング、(B)は各演出のボリュームを示す。図240では、予告演出及びブラックアウト演出を実行する例について説明する。
遊技機の電源が投入されると、遊技が開始され、通常BGMが固定チャンネル(固定ch2)で出力される。固定ch2は、図238に示したように、グループボリューム優先順位が「4」、抑制ボリューム値が「−1」になる。通常BGMは、抑制ボリューム値が「−1」であるため、通常BGMの音番号、グループボリューム優先順位及び抑制ボリューム値がワーク領域に記録されずに音が再生される。
遊技球が始動入賞口に入賞すると(ここでは、保留入賞時の音出力は省略する)、特別図柄の変動表示(動的表示)が開始され、前半予告Aが開始される(時刻t21)。前半予告Aの演出効果音は、AUTOグループ2に属するチャンネルで出力され、グループボリューム優先順位が「3」、抑制ボリューム値が「50」になる(ステップS1402、ステップS1403の結果が「No」)。前半予告開始時には、ワーク領域にパラメータが記録されていなかったため(ステップS1404の結果が「No」)、前半予告の演出効果音のパラメータがワーク領域に記録される(ステップS1405)。
前半予告Aの開始時には、通常BGMが出力されており(ステップS1406の結果が「Yes」)、ワーク領域には前半予告Aの演出効果音の音番号が登録されている(ステップS1410の結果が「Yes」)。このとき、新規再生要求のあった音のグループ優先順位と、ワーク領域のグループ優先順位とは同じであるため(ステップS1411の結果が「=」)、新規再生要求のあった音のボリュームにあらかじめ定められたボリューム値をセットする(ステップS1413)。
このとき、通常BGMが再生中であり、前半変動の演出効果音よりもグループボリューム優先順位が低いため(ステップS1415の結果が「Yes」)、前半予告Aの演出効果音のパラメータに基づいて音の出力が抑制される(ステップS1416)。具体的には、通常BGMのボリュームが50%の出力に低減(抑制)される。
その後、所定条件の成立により、ブラックアウト演出が実行される(時刻t22)。ブラックアウト演出の効果音は、AUTOグループ1に属するチャンネルで出力され、グループボリューム優先順位が「2」、抑制ボリューム値が「0」になる(ステップS1402)。このとき、ワーク領域には前半予告Aのパラメータが記録されているが、ブラックアウト演出のほうがグループボリューム優先順位が高いため(ステップS1411の結果が「>」)、ワーク領域の内容をブラックアウト演出のパラメータに更新し(ステップS1412)、新規再生要求のあった音のボリュームにあらかじめ定められたボリューム値をセットする(ステップS1413)。
さらに、再生中の通常BGM及び前半予告Aの演出効果音はグループ優先順位がブラックアウト演出の効果音のグループ優先順位がブラックアウト演出よりも低いため(ステップS1415の結果が「Yes」)、これらの効果音のボリュームが低減される(ステップS1416)。ブラックアウト演出では、抑制ボリューム値が0であるため消音される。
さらに、ブラックアウト演出実行中に後半予告Bが開始される(時刻t23)。このとき、後半予告Bのグループボリューム優先順位はブラックアウト演出のグループボリューム優先順位よりも低いため(ステップS1411の結果が「<」)、後半予告Bは消音された状態で開始され、ブラックアウト演出が終了するまで継続する。
その後、遊技球が始動入賞口に入賞すると、保留入賞音が出力される(時刻t24)。
保留入賞音は、AUTOグループ3に属するチャンネルで出力され、グループボリューム優先順位が「2」、抑制ボリューム値が「50」になる。本実施形態では、グループボリューム優先順位が同じ場合には(ステップS1411の結果が「=」)、ワーク領域に記録されたパラメータを維持する一方、あらかじめ定められたボリュームで出力する。したがって、ブラックアウト演出の実行中であっても保留入賞音は通常通り出力されることになる。
そして、ブラックアウト演出が終了すると(時刻t26)、ワーク領域に記録されたブラックアウト演出のパラメータが消去され(ステップS1422)、規制されていたボリュームがあらかじめ定められたボリュームに戻される(ステップS1423)。具体的には、通常BGM、前半予告A及び後半予告Bのボリュームがあらかじめ定められたボリュームに戻される。その後、前半予告A及び後半予告Bの音の出力が終了する(時刻t27、t28)。
以上のように、本実施形態では、グループ優先順位の高い効果音が出力されている間は、グループ優先順位の低い効果音の出力を抑制することによって、特定の演出を際立たせることができる。さらに、抑制ボリューム値によるボリューム制御によって、複数の演出が同時に進行していることを遊技者に認識させることができ、大当り確定音のように遊技者の期待感を大きく高める演出効果音についてはグループ優先順位を高く設定することによって、演出効果を損なうことなく実行することが可能となる。
また、新たに優先順位の高い音が出力され、再生中の演出効果音の出力が抑制される場合、前述した実施形態では、再生中の演出効果音のボリュームを抑制ボリューム値に基づいて即時出力を低下させるように制御していたが、優先順位の高い音が出力されるタイミングから他の演出効果音のボリュームを徐々に目標値(抑制ボリューム値に基づく音量)まで下げてフェードアウトさせるようにしてもよい。この場合、開始値(現在再生中の音量)及び目標値までに達する時間、変化量を規定してもよいし、演出効果音の再生時間の長さ等の演出内容に基づいて目標値までに達する時間、変化量を設定するようにしてもよい。例えば、新たな演出効果音の出力が短ければ、目標値まで達する時間を短く設定して演出効果音を際立たせるようにしてもよいし、新たな演出効果音の出力が比較的長ければ、目標値までに達する時間を長く設定して演出効果音が切り替わる際に生じる可能性のある違和感を低減させるようにしてもよい。
例えば、新たに出力される効果音が大当り確定音やV入賞音のように短時間の出力であれば、BGMなどの再生中の演出効果音の出力を比較的短時間でフェードアウトさせることで、遊技のテンポを崩さずに、新たに出力される演出効果音をより際立たせることができる。
さらに、新たな演出効果音の出力が終了し、他の演出効果音の出力が再開される場合に、当該他の演出効果音のボリュームを目標値(あらかじめ定められたボリューム値)にすぐに戻すのではなく、開始値(規制中の音量)及び目標値までに達する時間、変化量を規定して、フェードインさせるように制御してもよい。例えば、前半予告Aの効果音再生時に通常BGMの出力が50%に抑制されるが、通常BGMの出力を再開する際に通常のボリュームを目標値とし、開始値(現在再生中の音量。ここでは、50%に抑制されている音量)として、規定した時間、変化量に基づいてフェードインするように制御する。このように構成することによって、演出効果音の切り替わりを際立たせながらも、遊技者の違和感を抑制することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態は演出効果音を例に説明したが、警報音や報知音の場合にも同様に適用することができる。一例としては、重要度(優先順位)の高い報知音(例えば、不正行為による警報音)を出力する場合には、演出効果音だけでなく、比較的重要度(優先順位)の低い報知音(例えば、球詰まりの報知音)の出力を規制してもよい。一方、重要度(優先順位)の低い報知音が出力されている間に不正行為が行われた場合には、当該報知音の出力を中断し、重要度(優先順位)の高い報知音(警報音)を優先して出力するようにしてもよい。
なお、警報音や報知音は、演出効果音のように音の出力時間が設定されているのではなく、警報や報知の原因が解消されるまで音の出力が継続される。そのため、警報音や報知音が複数種類出力される状況になった場合には、優先順位の最も高い音を出力し、当該音を出力する原因が解消された後、他の報知音を出力する。このとき、次に優先順位の高い音を出力して残りの音の出力を規制するようにしてもよいし、残りのすべての音を同時に出力するようにしてもよい。
[16−2.音の出力時間(長短)によるボリューム制御]
以上、グループ間の優先順位によって重複して出力される音の制御の説明をした。続いて、音の出力時間(長短)に基づいて、音のボリュームを制御する制御例について説明する。
[16−2−1.効果音別ボリューム制御テーブル]
図241は、本実施形態における音の総再生時間(出力時間)ごとのボリューム(音量)制御を示す効果音別ボリューム制御テーブルの一例を示す図である。効果音ごとに、使用再生チャンネル(ch)、総再生時間、抑制ボリューム値が設定されている。
使用再生チャンネルは、図238に示した例と同様に、各チャンネルを、固定ch1、固定ch2、AUTOグループ1、AUTOグループ2、AUTOグループ3の5つのグループに分割している。
総再生時間は、効果音の出力開始から停止までの時間である。総再生時間に−1が設定されている場合には、他に出力する効果音による抑制制御の影響を受けず、あらかじめ設定されたボリュームで当該効果音が出力される。このとき、当該効果音のボリュームを抑制することができないように制御される。
総再生時間に0が設定されている場合には、繰り返して出力されるループ再生となっており、同じチャンネルに別の効果音が割り当てられるまで出力が継続される。総再生時間に設定されている数値がこれ以外の数(正の数)の場合には、当該効果音の再生時間である。なお、総再生時間の単位はミリ秒(ms)である。
抑制ボリューム値は、図238に示した例と同様に、同時に出力される他の効果音のボリュームを変化させる態様を示す数値である。具体的には、「−1」の場合には、再生中の音を変化させずにそのまま音の再生を継続し、「0」の場合には、再生中の効果音(総再生時間に−1が設定されている効果音を除く)の出力を抑制(消音)させる。「0」以外の数値の場合、例えば、「50」が設定されている場合には、再生中の音のボリュームを50%に抑制する。
続いて、図241を参照して各効果音について説明すると、本実施形態においても前述した実施形態と同様に、固定チャンネル方式と自動チャンネル方式のチャンネルが混在しており、割り当てられる効果音も同様である。また、図241に示す例では、チャンネルグループごとに抑制ボリューム値が設定されているが、効果音ごとに設定するようにしてもよい。
固定ch1に割り当てられる効果音には、総再生時間が「−1」、抑制ボリューム値に「0」が設定されているため、これらの効果音が再生される場合には、再生中の他の音はすべて消音される。固定ch1で再生される音は、遊技者や遊技場の従業員など外部に報知するための報知音であり、不正行為や故障の発生などを要因とするものであるため、出力される効果音のボリュームを抑制することができず、また、他の再生中の効果音の出力は強制的に抑制(中止、消音)される。
固定ch2に割り当てられる効果音には、総再生時間が「0」、抑制ボリューム値に「−1」が設定されているため、出力の開始から繰り返し、効果音が出力される。これらの効果音は再生中の他の音には影響を与えないようになっている。固定ch2に割り当てられる効果音は主に遊技におけるBGMである。
AUTOグループ1に割り当てられる効果音には、総再生時間が効果音ごとに設定された値(再生時間)、抑制ボリューム値に「0」が設定されているため、固定ch1から出力される報知音以外の再生中の音はすべて消音される。すなわち、AUTOグループ1で出力される音は演出において最優先で出力され、他の音を消音させて単独で出力されるものである。AUTOグループ1で出力される具体的な音としては、図238に示したように、大当り確定音、ブラックアウト効果音、V入賞音などである。
AUTOグループ2及びAUTOグループ3に割り当てられる効果音には、総再生時間が効果音ごとに設定された値(再生時間)、抑制ボリューム値に「50」が設定されているため、AUTOグループ2で音が再生される場合には、再生中の他の音の出力がすべて半減(50%の出力に抑制)される。これにより、例えば、BGMの出力を半減させて遊技の流れを継続しながら演出を際立たせることができるAUTOグループ2で出力される具体的な音としては、例えば、前半予告効果音や後半予告効果音などであり、また、AUTOグループ3で出力される具体的な音としては、例えば、始動入賞時の保留入賞音、保留表示が変化したことを示す保留変化音、演出ボタンを押下したことを報知するボタン押下音などである。
[16−2−2.ボリューム制御処理]
本実施形態では、効果音の再生時間によって、重複して再生される効果音の出力を制御する。図242A及び図242Bは、本実施形態の効果音ごとに設定されたパラメータに基づいて音制御を行うボリューム制御処理の手順を示すフローチャートである。以下、本実施形態における効果音の出力制御の手順について説明する。
周辺制御MPU1511aは、ボリューム制御処理が開始されると、まず、新規音の再生要求があるか否かを判定する(ステップS1501A)。新規音の再生要求がない場合には(ステップS1501Aの結果が「No」)、ステップS1530A以降の処理を実行する。
一方、周辺制御MPU1511aは、新規音の再生要求がある場合には(ステップS1501Aの結果が「Yes」)、再生要求のあった音の音番号に基づいて効果音名を特定し、効果音別ボリューム制御テーブル(図241)から、抑制ボリューム値と総再生時間を取得する(ステップS1502A)。
次に、周辺制御MPU1511aは、取得した抑制ボリューム値が「−1」(抑制制御なし)であるか否かを判定する(ステップS1503A)。取得した抑制ボリューム値が「−1」である場合(ステップS1503Aの結果が「Yes」)、すなわち、再生中の音に対する制御を行わない場合には、ステップS1506A以降の処理を実行する。
取得した抑制ボリューム値が「−1」でない場合(ステップS1503Aの結果が「No」)、すなわち、再生中の音に対する制御を行う場合には、周辺制御MPU1511aは、さらに、再生要求された音の音番号、抑制ボリューム値及び総再生時間がワーク領域に登録済みか否かを判定する(ステップS1504A)。音番号、抑制ボリューム値及び総再生時間がワーク領域に登録済みの場合には(ステップS1504Aの結果が「Yes」)、ステップS1506A以降の処理を実行する。
音番号、抑制ボリューム値及びグループボリューム優先順位が登録済みでない場合には(ステップS1504Aの結果が「No」)、周辺制御MPU1511aは、再生要求された音の音番号、抑制ボリューム値及び総再生時間をワーク領域に保持する(ステップS1505A)。
続いて、周辺制御MPU1511aは、既に再生中の音があるか否かを判定する(ステップS1506A)。再生中の音がない場合には(ステップS1506Aの結果が「No」)、新規再生要求のあった音のボリュームにあらかじめ定められたボリューム値をセットする(ステップS1507A)。一方、既に再生中の音がある場合には(ステップS1506Aの結果が「Yes」)、ステップS1510A以降の処理でワーク領域に記憶されたパラメータ及び新規音のパラメータに基づいて音制御を行う。
ワーク領域に記憶されたパラメータ及び新規音のパラメータに基づく音制御について説明すると、周辺制御MPU1511aは、まず、新規再生要求のあった音の総再生時間が「−1」であるか否かを判定する(ステップS1510A)。新規再生要求のあった音の総再生時間が「−1」である場合には(ステップS1510Aの結果が「Yes」)、前述のように、異常発生時などにおける警報音が出力され、当該新規再生音のボリュームの抑制を禁止し、他の再生中の効果音の出力を強制的に抑制する。
周辺制御MPU1511aは、新規再生要求のあった音にあらかじめ定められたボリューム値をセットする(ステップS1511A)。さらに、新規再生要求のあった音番号、抑制ボリューム値及び総再生時間をワーク領域に上書きする(ステップS1512A)。
そして、周辺制御MPU1511aは、新規再生要求のあった音の抑制ボリューム値に基づいて、再生中の効果音のボリュームを抑制する(ステップS1513A)。すべての再生中の効果音のボリュームを抑制すると、ステップS1530A以降の処理を実行する(ステップS1514A)。
一方、周辺制御MPU1511aは、新規再生要求のあった音の総再生時間が「−1」でない場合には(ステップS1510Aの結果が「No」)、ワーク領域に保持された音の総再生時間が「−1」又はワーク領域に音番号が設定されていないか判定する(ステップS1520A)。ワーク領域に保持された音の総再生時間が「−1」又はワーク領域に音番号が設定されていない場合には(ステップS1520Aの結果が「Yes」)、ステップS1530A以降の処理を実行する。
ワーク領域に保持された音の総再生時間が「−1」でなく、かつ、ワーク領域に音番号が設定されている場合には(ステップS1520Aの結果が「No」)、周辺制御MPU1511aは、ワーク領域に保持済みの抑制ボリューム値よりも新規再生要求のあった音の抑制ボリューム値が小さいか否かを判定する(ステップS1521A)。
ワーク領域に保持済みの抑制ボリューム値よりも新規再生要求のあった音の抑制ボリューム値が小さい場合には(ステップS1521Aの結果が「Yes」)、周辺制御MPU1511aは、新規再生要求のあった音番号、抑制ボリューム値及び総再生時間をワーク領域に上書きする(ステップS1522A)。
続いて、周辺制御MPU1511aは、ワーク領域に保持済みの総再生時間よりも新規再生要求のあった音の総再生時間が短いか否かを判定する(ステップS1523A)。ワーク領域に保持済みの総再生時間よりも新規再生要求のあった音の総再生時間が短い又は同じ場合には(ステップS1521Aの結果が「Yes」)、新規再生要求のあった音のボリュームにあらかじめ定められたボリューム値をセットする(ステップS1524A)。一方、ワーク領域に保持済みの総再生時間よりも新規再生要求のあった音の総再生時間のほうが長い場合には(ステップS1521Aの結果が「No」)、新規再生要求のあった音のボリュームに、ワーク領域の抑制ボリューム値に基づいて低減させたボリューム値をセットする(ステップS1525A)。
続いて、周辺制御MPU1511aは、すべての再生中の音に対し、抑制ボリューム値がワーク領域に記録済みの抑制ボリューム値よりも小さい又は同じであるか否かを判定する(ステップS1526A)。そして、再生中の音の抑制ボリューム値がワーク領域に記録済みの抑制ボリューム値よりも大きい場合には(ステップS1526Aの結果が「No」)、再生中の音のボリュームをワーク領域に記録された抑制ボリューム値に基づいて低減させる(ステップS1527A)。
周辺制御MPU1511aは、すべての再生中の音に対してステップS1526A及びステップS1527Aの処理を行うと、ステップS1530A以降の処理を実行する(ステップS1528A)。
新規再生要求のあった音及び再生中の音に対するボリューム制御を完了すると(ステップS1507A、ステップS1514A、ステップS1524A、ステップS1525A、ステップS1528A)、周辺制御MPU1511aは、音番号、抑制ボリューム値及び総再生時間がワーク領域に登録済みか否かを判定する(ステップS1530A)。音番号、抑制ボリューム値及び総再生時間がワーク領域に登録済みでない場合には(ステップS1530Aの結果が「No」)、本処理を終了する。
音番号、抑制ボリューム値及び総再生時間がワーク領域に登録済みの場合には(ステップS1530Aの結果が「Yes」)、周辺制御MPU1511aは、ワーク領域に登録済みの音番号に対応する音の再生が終了したか否かを判定する(ステップS1531A)。ワーク領域に登録済みの音番号に対応する音の再生が終了していない場合には(ステップS1531Aの結果が「No」)、本処理を終了する。
ワーク領域に登録済みの音番号に対応する音の再生が終了した場合には(ステップS1531Aの結果が「Yes」)、周辺制御MPU1511aは、音番号、抑制ボリューム値及び総再生時間をワーク領域から消去する(ステップS1532A)。最後に、再生中のすべての音に対し、あらかじめ定められた元のボリューム値に戻し(ステップS1533A、ステップS1534A)、本処理を終了する。
以上が本実施形態における効果音の総再生時間に基づいて、音のボリュームを制御する処理である。続いて、時系列に沿って音のボリューム制御について具体的に説明する。図243は、本実施形態におけるボリュームを制御する手順を時系列に沿って説明するためのタイミングチャートであり、(A)は演出の実行タイミング、(B)は各演出のボリュームを示す。図243では、前半予告演出及びブラックアウト演出を実行する例について説明する。
遊技機の電源が投入されると、遊技が開始され、通常BGMが出力される。通常BGMは、固定ch2で出力され、図241に示したように、抑制ボリューム値が「−1」に設定される。また、通常BGMは、BGMが切り替えられるまで再生が繰り返されるループ再生であり、総再生時間には0が設定される。抑制ボリューム値が「−1」であるため(ステップS1503Aの結果が「Yes」)、ワーク領域には通常BGMのパラメータは登録されない。そして、あらかじめ設定されたボリューム値が設定され、通常BGMが出力される(ステップS1507A)。
その後、遊技球が始動入賞口に入賞し、特別図柄の変動表示(動的表示)が開始されると、前半予告Aを実行するために、前半予告Aの効果音の出力が新規に要求される(時刻t31)。前半予告Aの効果音は、AUTOグループ2に属するチャンネルで出力され、総再生時間が15000ms、抑制ボリューム値が50に設定されている(ステップS1503Aの結果が「No」)。
また、この時点でワーク領域にパラメータが登録されていないため(ステップS1504Aの結果が「No」)、前半予告Aの効果音の音番号、総再生時間及び抑制ボリューム値をワーク領域に保持する(ステップS1505A)。
さらに、前半予告Aの開始タイミングでは通常BGMが再生中であり(ステップS1506Aの結果が「Yes」)、前半予告Aの総再生時間が15000msであり(ステップS1510Aの結果が「No」)、新規再生要求のあった前半予告Aの効果音のパラメータがワーク領域に登録済みとなっている(ステップS1520Aの結果が「No」、ステップS1521Aの結果が「No」、ステップS1523Aの結果が「Yes」)。そのため、新規再生要求のあった前半予告Aの効果音のボリュームをあらかじめ定められたボリューム値に設定する(ステップS1524A)。
続いて、この時点で通常BGMが再生中であり、まだボリュームが抑制されていないため抑制ボリューム値は「100」となり、ワーク領域に記録済みの前半予告Aの抑制ボリューム値「50」より大きいため(ステップS1526Aの結果が「No」)、前半予告Aの抑制ボリューム値「50」に基づいて通常BGMのボリュームを50%に低減する(ステップS1527A)。
続いて、前半予告Aの効果音のパラメータがワーク領域に登録済みとなっており(ステップS1530Aの結果が「Yes」)、前半予告Aが継続されるため(ステップS1531Aの結果が「No」)、本処理は終了する。
その後、所定条件の成立によりブラックアウト演出が実行され、ブラックアウト演出効果音の新規音再生要求を受信する(時刻t32)。ブラックアウト演出効果音は、AUTOグループ1に属するチャンネルで出力され、総再生時間が「8000」、抑制ボリューム値が「0」になる(ステップS1503Aの結果が「No」)。このとき、前半予告Aの効果音のパラメータがワーク領域に登録済みとなっており(ステップS1504Aの結果が「Yes」)、通常BGM及び前半予告Aの効果音が出力中である(ステップS1506Aの結果が「Yes」)。
さらに、新規再生要求のあったブラックアウト演出効果音は総再生時間が「8000」であり(ステップS1510Aの結果が「No」)、ワーク領域に保持された前半予告Aの効果音の総再生時間は「15000」となっている(ステップS1520Aの結果が「No」)。
次に、ワーク領域に保持された前半予告Aの効果音の抑制ボリューム値は「50」であり、新規再生要求のあったブラックアウト演出効果音の抑制ボリューム値が「0」であるため(ステップS1521Aの結果が「Yes」)、新規再生要求のあったブラックアウト演出効果音の音番号、抑制ボリューム値「0」及び総再生時間「8000」をワーク領域に上書きする(ステップS1522A)。
また、前半予告Aの効果音の総再生時間(15000ms)よりもブラックアウト予告演出の効果音の総再生時間(8000ms;a1)のほうが短いため(ステップS1523Aの結果が「Yes」)、ブラックアウト予告演出効果音のボリュームにあらかじめ定められたボリューム値がセットされる(ステップS1524A)。
続いて、再生中の音の抑制ボリューム値は通常BGMが「50」、前半予告Aの効果音が「100」であり、ワーク領域に記録済みのブラックアウト予告演出効果音の抑制ボリューム値「0」よりも大きいため(ステップS1526Aの結果が「No」)、通常BGM及び前半予告Aの効果音のボリュームを「0」にする(ステップS1527A)。
その後、ブラックアウト演出の実行中に、始動入賞口に遊技球が入賞すると、保留入賞音の新規音再生要求を受信する(時刻t33)。保留入賞音は、AUTOグループ3に属するチャンネルで出力され、総再生時間が「2000」、抑制ボリューム値が「50」になる(ステップS1503Aの結果が「No」)。このとき、ブラックアウト演出効果音のパラメータがワーク領域に登録済みとなっており(ステップS1504Aの結果が「Yes」)、ブラックアウト演出効果音、通常BGM及び前半予告Aの効果音が出力中である(ステップS1506Aの結果が「Yes」)。なお、このとき通常BGM及び前半予告Aの効果音は出力が抑制されている。
さらに、新規再生要求のあった保留入賞音は総再生時間が「2000」であり(ステップS1510Aの結果が「No」)、ワーク領域に保持されたブラックアウト演出効果音の総再生時間は「8000」となっている(ステップS1520Aの結果が「No」)。
次に、ワーク領域に保持されたブラックアウト演出効果音の抑制ボリューム値は「0」で、新規再生要求のあった保留入賞音の抑制ボリューム値が「50」であるため(ステップS1521Aの結果が「No」)、ワーク領域を上書きしないが、ブラックアウト演出効果音の総再生時間(8000ms;a1)よりも保留入賞音の総再生時間(2000ms;a2)のほうが短いため(ステップS1523Aの結果が「Yes」)、保留入賞音のボリュームにあらかじめ定められたボリューム値がセットされる(ステップS1524A)。また、ワーク領域は更新されていないため、再生中の音の抑制ボリューム値はワーク領域に記録された抑制ボリューム値と同じである(ステップS1526Aの結果が「Yes」)。そして、保留入賞音の出力が終了しても(時刻t34)、ワーク領域にはブラックアウト演出効果音のパラメータが記録されているため、ブラックアウト演出効果音の出力が継続される。
その後、ブラックアウト演出が終了すると(時刻t35)、ワーク領域に登録済みの音番号に対応する音の再生が終了するため(ステップS1531Aの結果が「Yes」)、ワーク領域に格納されたブラックアウト演出効果音のパラメータが消去される(ステップS1532A)。そして、音の再生が抑制されていた(ボリュームが低減されていた)通常BGMと前半予告Aの効果音のボリュームがあらかじめ定められたボリューム値に戻される(ステップS1533A)。このとき、前半予告Aの効果音再生時に通常BGMは抑制されたが、通常のボリュームで復帰している。
以上のように、本実施形態では、他の再生中の効果音のボリュームを消音し、特定の演出(例えば、ブラックアウト演出)を際立たせることを可能としながら、消音期間中に演出効果音の出力が終了してしまう場合であっても遊技者に演出機会を提供することが可能となる。具体的には、消音期間中に効果音の出力が完了してしまう場合には特定の演出が実行されて他の演出の効果音の出力が抑制されている間であっても効果音を出力して遊技者に報知する一方、消音期間終了後まで効果音の出力が継続される場合には消音期間中の当該演出の効果音の出力を抑制することによって、特定の演出の実行を際立たせることができる。
ところで、上述の通り、チャンネルの数が有限とされるパチンコ機1では、音データの割り当て対象とされるチャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)にあるときに新たな音データの割り当て条件が成立すると、いずれかの音出力を破棄せざるを得ず、演出設計上の意図しない音出力の態様が現れることによる遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、この実施例にかかるパチンコ機1では、上述の通り、チャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)にあるときに新たな音データの割り当て条件が成立した場合、予め設定した優先順位に基づいて、より重要度の低い音出力が選択的に破棄されるように制御することで、演出設計上の意図しない音出力の態様が現れることを回避して遊技興趣の低下が抑制されるようにすることを提案した。ただし、チャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)これ自体をいかに現れ難くするか、といった点で技術的工夫を施すようにすることも重要であるといえる。
この点、この実施例にかかるパチンコ機1では、演出効果音(演出音)に対してより多くのチャンネルリソースの割り当てを可能ならしめるべく、適正な遊技が行われる限り出力されることのない各種の報知音については単一のチャンネルのみで異常内容などを適切に報知可能とするチャンネル節約型の制御構造を採用可能となっている。以下、各種の報知音の出力に関してチャンネル節約型の制御構造を採用した場合についての一例を説明する。
図244は、演出音を除いた各種の報知音(払出報知音や異常報知音)を固定チャンネル方式による音制御として、用意されている有限数のチャンネルのうちの特定チャンネル(以下、チャンネルXと言う)でのみ出力させる処理を実現する場合における音定義テーブルの一例を示している。この音定義テーブルにおいては、音の名称ごとに、再生にかかる優先順位、左右パン初期値、上下パン初期値、ボリューム初期値、音番号、シークポイント、再生タイプ設定及び出力タイプ設定の定義を管理している。なおここでは、説明の便宜上、報知音1〜7に関しての定義のみを示しており、その他の報知音や演出音などの定義については説明を省略している。なお、演出音については、図209で例示した固定チャンネル方式による定義のほか、報知音の割り当て対象とされるチャンネルXを除く他の各チャンネルに対して図213で例示した自動チャンネル方式による定義を用いるようにすることも可能である。
優先順位は、複数の報知音が出力条件をそれぞれ満たした状況にあるとき、それら報知音のいずれをチャンネルXに割り当てて出力させるかについての判断に供されるパラメータであり、優先順位の数値が高い報知音は、優先順位の数値が低い報知音のチャンネルXに対する割り当て状態に関係なく、チャンネルXに対して割り当てられて出力されることとなる。なお後述するが、優先順位が同じ場合は、チャンネルXに対して先に割り当てられている報知音が優先されることとなり、該報知音の出力が終了した後にチャンネルXに対して割り当てられて出力されることとなる。
左右パン初期値は、上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921Lと上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921Rとの組み合わせでなる左右のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に左右パンの設定値を動的に変化させることにより左及び右スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、左右スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。例えば「0x00」と設定されると、左スピーカ(上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921L)のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、上部左スピーカ573L及び下部左スピーカ921Lと上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921Rとの組み合わせでなる左及び右スピーカから個別に出力される音量差は0となり左右スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xFF]と設定されると右スピーカ(上部右スピーカ573R及び下部右スピーカ921R)のみから出力されることを示している。
上下パン初期値は、例えば一対の上部スピーカ573(上部左スピーカ573L及び上部右スピーカ573R)及び一対の下部スピーカ921(下部左スピーカ921L及び下部右スピーカ921R)などの上下のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に上下パンの設定値を動的に変化させることによりそれら上及び下スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、上下スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。例えば「0x00」と設定されると一対の上部スピーカ573のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、これらの組み合わせでなる上及び下スピーカから個別に出力される音量差は0となり上下スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xFF]と設定されると一対の下部スピーカ921のみから出力されることを示している。
ボリューム初期値は、再生開始時の音量設定を表しており、例えば「0x00」から「0xFF」の設定範囲で定めることができる。音番号は、上述した各音を区別するための識別子である。再生タイプ設定は、対象とする音を繰り返し再生するループ再生(図示の「LOOP」に相当)であるか、或いは、対象とする音を1回再生する1SHOT再生(図示の「1SHOT」に相当)であるかを表している。出力タイプ設定は、対象とする音をモノラルで再生するか、或いは、ステレオで再生するかを表している。
図245は、図244で例示した各報知音について、それら報知音の種類別に、報知内容や、報知態様、報知時間のほか、報知が終了される条件(解除条件)を示す表である。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、いずれの報知音に関しても有限の報知時間を定めることとしているが、これは単一のチャンネルXを有効活用するべくこれを可能な限り空きチャンネルの状態にて維持しておき、その後の報知音出力に控えるための処置である。
同図245に示されるように、報知音1(磁気異常)は、磁気検出センサ4024によって磁気の検出が行われた状態(磁石を用いた不正行為が行われている可能性が高い状態)にあることを報知するものである。そして、その報知態様としては、「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(例えば、「磁気を検知しました」)と、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプ(発光装置)による点灯とがそれぞれ実行されるようになっている。また、報知時間としては、「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理については磁気検出センサ4024による検出があったときから60秒(6回分の報知音繰り返しに相当)で終了されるのに対し、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示、及び各種ランプによる点灯については、解除条件である「電源再投入」が満たされるまでその実行が継続されるようになっている。
この点、この実施例にかかるパチンコ機1では、報知音1(磁気異常)のほか、振動センサ2405によって振動の検出が行われた状態(ドツキ行為による不正行為が行われている可能性が高い状態)にあることを報知する報知音2(振動異常)、及び大当り遊技状態(大入賞口が開放された状態)にないにもかかわらずカウントセンサ4005(第一大入賞口センサまたは第二大入賞口センサ)による検出が行われた状態(閉鎖状態にある大入賞口を強制開放させて遊技球を入賞させる不正行為が行われている可能性が高い状態)にあることを報知する報知音3(大入賞異常)を、何らかの不正行為が行われた可能性が高い状態にあるときの第1報知グループに属するものとして捉えており、該第1報知グループに属する報知音については、それらの報知態様や報知時間、解除条件をいずれも共通したものに設定することとしている。
例えば、報知音2(振動異常)では、その報知態様として、「ブーブー 振動を検知しました」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(例えば、「振動を検知しました」)と、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプ(発光装置)による点灯とがそれぞれ実行されるとともに、報知時間として、振動センサ2405による検出があったときから60秒(6回分の報知音繰り返しに相当)で報知音を繰り返し出力させるループ処理を終了させるのに対し、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示、及び各種ランプによる点灯については、解除条件である「電源再投入」が満たされるまでその実行が継続されることとなる。また、報知音3(大入賞異常)では、その報知態様として、「ブーブー 大入賞異常を検知しました」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(例えば、「大入賞異常を検知しました」)と、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプ(発光装置)による点灯とがそれぞれ実行されるとともに、報知時間として、カウントセンサ4005による検出があったときから60秒(6回分の報知音繰り返しに相当)で報知音を繰り返し出力させるループ処理を終了させるのに対し、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示、及び各種ランプによる点灯については、解除条件である「電源再投入」が満たされるまでその実行が継続されることとなる。
なお、この実施例にかかるパチンコ機1では、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示については、第1報知グループに属する報知音1〜3でそれぞれ異なる表示態様を採用するが、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプ(発光装置)による点灯については、第1報知グループに属する報知音1〜3でそれぞれ同じ点灯態様(各種のランプの全てを必ずしも点灯させる態様でなくてもよい)を採用するようにしている。また、ループ処理の対象とされる報知音については、第1報知グループに属するもの(不正行為が行われた可能性が高い状態)であることを報知する役割を担う「ブーブー」といった報知音1〜3のいずれでも用いられる警報音と、報知の内容がいずれであるかについての個体識別を報知する役割を担うメッセージ音(ユニーク音)との順次出力による組み合わせを採用するようにしている。警報音は、緊迫した不正状況下での警告的な意味合いをもたせるために単調な音からなるものであり、メッセージ音は、他の報知音との区別を明確にするために多様な音から構成されるようにすることが望ましい。
すなわち、第1報知グループに属するもの(不正行為が行われた可能性が高い状態)を報知する場合は、それがいずれの報知種別であるかを特定することよりも、不正行為に対するホール側対応の初動を迅速化させることが重要である。この点、上記構成によれば、「ブーブー」の報知音や、各種のランプ(発光装置)による第1報知グループ独自の点灯態様が出力されるだけで第1報知グループに属するもの(不正行為が行われた可能性が高い状態)であることが認識可能とされることから、不正行為に対するホール側対応の初動を迅速化させることが期待されるようになる。またさらに、「ブーブー」の報知音に続くようにいずれの報知種別であるかを報知するメッセージ音を出力したり、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示を行うようにしていることから、ホール側対応の初動後の処置もスムーズに行うことが期待されるようになる。
一方、報知音4(扉開放)は、扉枠開放スイッチ618によって本体枠4に対して扉枠3が開放していることが検出された状態(扉開放による不正行為が行われている可能性はあるものの、ホール側による異常対応処置によって扉開放されている可能性もある状態)にあることを報知するものである。そして、その報知態様としては、「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(例えば、「扉が開いています」)と、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプ(発光装置)による点灯とがそれぞれ実行されるようになっている。また、報知時間としては、「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理については扉枠開放スイッチ618による検出があったときから30秒(3回分の報知音繰り返しに相当)で終了されるのに対し、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示、及び各種ランプによる点灯については、解除条件である「扉閉鎖検知(扉枠開放スイッチ618によって本体枠4に対して扉枠3が閉鎖したことの検出)」が満たされるまでその実行が継続されるようになっている。
この点、この実施例にかかるパチンコ機1では、報知音4(扉開放)のほか、本体枠開放スイッチ619によって外枠2に対して本体枠4が開放していることが検出された状態(本体枠開放による不正行為が行われている可能性はあるものの、ホール側による異常対応処置によって本体枠開放されている可能性もある状態)にあることを報知する報知音5(枠開放)を、何らかの不正行為が行われた可能性が中程度ありこれを否定できない状態にあるときの第2報知グループに属するものとして捉えており、該第2報知グループに属する報知音については、それらの報知態様や報知時間、解除条件をいずれも共通したものに設定することとしている。
例えば、報知音5(枠開放)では、その報知態様として、「枠が開いています ピンポンピンポン」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(例えば、「枠が開いています」)と、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプ(発光装置)による点灯とがそれぞれ実行されるとともに、報知時間として、本体枠開放スイッチ619による検出があったときから30秒(3回分の報知音繰り返しに相当)で報知音を繰り返し出力させるループ処理を終了させるのに対し、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示、及び各種ランプによる点灯については、解除条件である「枠閉鎖検知(本体枠開放スイッチ619によって外枠2に対して本体枠4が閉鎖したことの検出)」が満たされるまでその実行が継続されることとなる。
なお、この実施例にかかるパチンコ機1では、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示については、第2報知グループに属する報知音4,5でそれぞれ異なる表示態様を採用するが、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプ(発光装置)による点灯については、第2報知グループに属する報知音4,5でそれぞれ同じ点灯態様(各種のランプの全てを必ずしも点灯させる態様でなくてもよい)を採用するようにしている。ただし、第2報知グループに属する場合におけるランプ(発光装置)による点灯態様は、第1報知グループに属する場合におけるランプ(発光装置)による点灯態様とは異なっている。また、ループ処理の対象とされる報知音については、報知の内容がいずれであるかについての個体識別を報知する役割を担うメッセージ音(ユニーク音)と、第2報知グループに属するもの(不正行為が行われた可能性が中程度ある状態)であることを報知する役割を担う「ピンポンピンポン」といった報知音4,5のいずれでも用いられる警報音との順次出力による組み合わせを採用するようにしている。
すなわち、第2報知グループに属するもの(不正行為が行われた可能性が中程度ある状態)を報知する場合は、適正な遊技を行っている者に対して嫌悪感を覚えさせないようにしつつもホール側の異常対応処置もある程度迅速に行いうるようにすることが重要である。この点、上記構成によれば、報知音として、まず、後述の第3報知グループに属するものである場合と同様、いずれの報知種別であるかを報知するメッセージ音を出力するようにしていることから、適正な遊技を行っている者が嫌悪感を覚え難くなることが期待されるようになる。その一方で、適正な遊技を行っている者に対して嫌悪感を覚えさせ難くするべく第1報知グループに属する場合とは異なる警報音ではあるものの「ピンポンピンポン」といった警報音をメッセージ音に続くように出力したり、適正な遊技を行っている者に対して嫌悪感を覚えさせ難くするべく第1報知グループに属する場合とは異なる点灯態様ではあるものの第3報知グループに属する場合には出力されない各種ランプの点灯による報知を行うことで、ホール側の異常対応処置をある程度迅速化させることが期待されるようになる。
また一方、報知音6(左打ち案内)は、非時短の状態にあるにもかかわらず遊技領域5aのうちセンター役物2500に対して右側となる領域内に設けられるゲート部2003を遊技球が通過したことがゲートセンサ4003によって検出された状態(遊技者にとって不利益となる態様で遊技が行われており、それを適正な態様(左打ち)での遊技へと是正させるべき状態)にあることを報知するものである。そして、その報知態様としては、「左打ちに戻してください」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(例えば、「左打ちに戻してください」)とがそれぞれ実行されるようになっている。また、報知時間としては、「左打ちに戻してください」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示とのいずれもが、非時短の状態においてゲートセンサ4003による検出があったときから20秒(2回分の報知音繰り返しに相当)で終了されるようになっている。
この点、この実施例にかかるパチンコ機1では、報知音6(左打ち案内)のほか、満タン検知センサ279によって下皿322が遊技球で満タンであることが検出された状態(下皿322内にある遊技球の玉抜きを行うべき状態)にあることを報知する報知音7(玉抜き案内)を、不正行為の可能性は低いものの遊技を適正に進行させるための遊技案内を行うべき状態にあるときの第3報知グループに属するものとして捉えており、該第3報知グループに属する報知音については、それらの報知態様や報知時間、解除条件をいずれも共通したものに設定することとしている。
例えば、報知音7(玉抜き案内)では、その報知態様として、「下皿の球を抜いてください」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(例えば、「下皿の球を抜いてください」)とがそれぞれ実行されるとともに、報知時間として、「下皿の球を抜いてください」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示とのいずれもが、満タン検知センサ279による検出があったときから20秒(2回分の報知音繰り返しに相当)で終了されるようになっている。
ただし、報知音6(左打ち案内)や報知音7(玉抜き案内)については、ゲートセンサ4003や満タン検知センサ279による検出があったときから20秒で終了された時点でそれらセンサ2401,279が未だ検出状態にあるときには、再び最初から報知処理(報知音6(左打ち案内)や報知音7(玉抜き案内))を実行することとなる。
なお、この実施例にかかる第3報知グループでは、報知音6,7としてメッセージ音のみが出力されるが、より厳密には、例えば5秒間のメッセージ音が出力し終わった後には5秒間の無音データがチャンネルXに割り当てられてそれに応じた音が出力(無音出力)されるようになっており、それらメッセージ音と無音データとをセットにした10秒間の報知音を繰り返すループ処理が行われるようになっている。そして、報知音6,7では、いずれも同じ時間分だけ無音データを出力するようになっていることから、第1報知グループや第2報知グループとは異なる独自の報知態様として機能することとなり、ホール側としても、喧騒なホール内で聞き取りにくいメッセージ音の部分ではなく無音データの部分を確認するだけでも第3報知グループに属する報知であることを適正に認識することができるようになる。無音データに関しては、メッセージ音を含めた一の音データ(10秒間の音データ)として予め用意し、これをチャンネルXに割り当てたままでループ処理を行うようにすることが望ましい。
ちなみに、第1報知グループや第2報知グループで用いられる報知音内(警報音とメッセージ音との間など)にも無音部分は存在しうるが、これらは「間」を持たせるためのごく短時間のものであり、グループ識別機能を有する上述の比較的長い時間を持った無音部分(第3報知グループ)とは根本的に異なるものであることは明らかである。
このような構成によれば、「ブーブー」や「ピンポンピンポン」などの警報音が出力されず、メッセージ音のみが所定の無音時間を挟んで繰り返し出力されるようになることから、遊技者に対して嫌悪感を覚えさせることなく、遊技案内に関する報知を行うことができるようになる。
図244や図245に示した例では、同じ報知グループ内に属する報知音に関しては、優先順位を同じに設定することとしたが、同じ報知グループ内に属する報知音の間で優先順位を異ならせるようにしてもよい。また、再生タイプ設定として、対象とする音を繰り返し再生するループ再生を採用することとしたが、必ずしもこれに限られず、対象とする音を1回再生する1SHOT再生を採用するようにしてもよい。また、第1報知グループに属する報知音で共通して用いられる「ブーブー」や、第2報知グループに属する報知音で共通して用いられる「ピンポンピンポン」については、メッセージ音と繋がりをもった一の音データとして各報知音の別にそれぞれ用意するようにしてもよいし、メッセージ音とは別の音データとして用意しておき、出力に際してメッセージ音と警報音とを結合させた音データを作成してからチャンネルに割り当てるようにしてもよい。
図246(a)は、第1報知グループに属する一の報知音が再生されているときに、第1報知グループに属する別の報知音の出力条件(異常検出)が満たされたときの処理についてその一例を示すものである。
同図246(a)に示されるように、いま、何らの報知音も出力されていないタイミングtα1において、ステップS112(図94)の処理内で磁気検出センサ4024による磁気検出があったとすると、主制御MPU1310aでは、まず、磁気検出があったことが示されるように報知フラグの状態を更新する。次いで、磁気検出があった旨の情報を周辺制御基板1510に対するコマンドとしてセットする。これにより、ステップS118(図94)の処理では、上記更新された報知フラグの状態に基づいて磁気検出があった旨の情報が外部出力されてホールコンピュータ内で管理されるようになるとともに、ステップS120(図94)の処理では、周辺制御基板1510に対してコマンドが送信されてその情報(磁気検出)が上記周辺制御MPU1511a内の報知に関する処理に供されるようになる。
これに対し、周辺制御MPU1511aでは、何らの報知音も出力されていない上記タイミングtα1(若しくは、その直後)においてステップS1022(図95)の受信コマンド解析処理でコマンドを解析した結果、磁気検出の情報が含まれていることを把握すると、ステップS1024(図95)の警告処理にて、図245で示した報知音1(磁気異常)をチャンネルXに対して割り当てて(セットして)その報知態様(ここでは、「ブーブー 磁気を検知しました」のループ)での報知音再生を開始させるとともに、報知音1(磁気異常)の報知時間を計時するためのタイマ(60秒)をセットする。
なお、報知音1(磁気異常)をチャンネルXに対して割り当てるに際しては、磁気検出に応じた音生成用スケジュールデータを、周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットすることとなる。そしてこの上で、報知音1(磁気異常)をチャンネルXに対して割り当てることで、「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音が予め定められた処理態様(ループ)で報知音再生されるようになる。
またこの際、周辺制御MPU1511aでは、磁気検出に応じた画面生成用スケジュールデータ、及び磁気検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータを、周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットすることで、上述した液晶内表示やランプ点灯も併せて実行することとなる。これら液晶内表示及びランプ点灯の実行は、磁気異常の解除条件である電源再投入が行われるときまで継続して実行される。
このような処理を通じて、タイミングtα1から「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音が60秒間にわたって繰り返し実行されるとともに、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(例えば、「磁気を検知しました」)と、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプによる点灯(第1報知グループの点灯態様)とがそれぞれ実行されるようになる。
ただし、図246(a)に示される例では、タイミングtα1から60秒が経過しておらず「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音がループ再生中の状態にあるタイミングtα2において、ステップS112(図94)の処理内で振動センサ2405による振動検出があった場合を想定している。この点、主制御MPU1310aでは、磁気検出があったタイミングtα1の場合と同様、まず、振動検出があったことが示されるように報知フラグの状態を更新する。次いで、振動検出があった旨の情報を周辺制御基板1510に対するコマンドとしてセットする。これにより、ステップS118(図94)の処理では、上記更新された報知フラグの状態に基づいて振動検出があった旨の情報が外部出力されてホールコンピュータ内で管理されるようになるとともに、ステップS120(図94)の処理では、周辺制御基板1510に対してコマンドが送信されてその情報(振動検出)が上記周辺制御MPU1511a内の報知に関する処理に供されるようになる。
これに対し、周辺制御MPU1511aでは、報知音1(磁気異常)が出力状態(再生状態)にある上記タイミングtα2(若しくは、その直後)においてステップS1022(図95)の受信コマンド解析処理でコマンドを解析した結果、振動検出の情報が含まれていることを把握したとしても、ステップS1024(図95)の警告処理にて、図245で示した報知音2(振動異常)をチャンネルXに対して割り当てることはしない。すなわち、チャンネルXには優先順位が同じである報知音1(磁気異常)が既に割り当て状態になっていることから、報知音2(振動異常)をチャンネルXに対して新たに割り当てないようにすることで、既に割り当て状態になっている側の報知音1(磁気異常)の再生を優先的に実行してこれを継続させるようにしている。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイミングtα2において振動検出に応じた音生成用スケジュールデータこれ自体のセットも行わないようにしている。したがって、チャンネルXに対して割り当てられていない状態で報知音2(振動異常)に応じた音生成用スケジュールデータが進展処理されることもない。
ただしその一方、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイミングtα2(若しくは、その直後)においては、未だセットしていない報知音2(振動異常)の報知時間を計時するためのタイマ(60秒)についてはこれをセットするようにしておき、報知音1(磁気異常)の出力状態(再生状態)が終了した時点で該タイマ(60秒)がタイムアップしていないときには振動検出に応じた音生成用スケジュールデータをセットし、その残り時間分だけ報知音2(振動異常)をチャンネルXに対して割り当ててその報知態様(ここでは、「ブーブー 振動を検知しました」のループ)での報知音再生を実行するものとなっている。
また、周辺制御MPU1511aでは、タイミングtα2(若しくは、その直後)においては、振動検出に応じた音生成用スケジュールデータをセットすることはしないものの、振動検出に応じた画面生成用スケジュールデータ、及び振動検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータを、周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットすることで、上述した液晶内表示やランプ点灯についてはこれらを実行するようにしている。
なお、液晶内表示では、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域のうち磁気異常に応じた表示が行われている位置とは異なる位置にて振動異常に応じた表示が別に現れるようになっている。ランプ点灯では、振動検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータこそセットされるものの、磁気検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータが既にセットされておりその優先順位が同じになっていることから、既にセット状態にあった磁気検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータの点灯態様が各種のランプ発光でそれぞれ反映されることとなり、振動検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータの点灯態様が各種のランプ発光でそれぞれ反映されることはない。振動検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータについても、音生成用スケジュールデータと同様、タイミングtα2(若しくは、その直後)においてセットしないようにしてもよい。
ただし上述の通り、この実施例では、磁気検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータと、振動検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータとは同じデータ内容になっていることから、それらのいずれを反映させるようにした場合であってもランプ点灯に変化が生じることはない。
そしてこの後、タイミングtα1から60秒が経過したタイミングtα3では、報知音1(磁気異常)のタイマ(60秒)がタイムアップしたことに基づいて「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音を繰り返し実行させるループ処理が終了されることとなる。なおここでは、「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音を1回再生するのに要する時間を10秒に設定してあることから、報知音1(磁気異常)のタイマ(60秒)がタイムアップしたタイミングtα3では、「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音が6回分再生し終わった、切りの良いタイミングでそのループ処理が終了されるようになっている。
またこの際、報知音2(振動異常)のタイマ(60秒)がタイムアップしていない状態にあることから、周辺制御MPU1511aでは、振動検出に応じた音生成用スケジュールデータをセットし、その残り時間(タイミングtα2からタイミングtα3までの時間(α)を60秒から減算した時間)分だけ報知音2(振動異常)をチャンネルXに対して割り当てることで、その報知態様(ここでは、「ブーブー 振動を検知しました」のループ)での報知音再生を実行することとなる。
すなわち、タイミングtα2においては報知音2(振動異常)のタイマをセットする一方で、振動検出に応じた音生成用スケジュールデータについてはこれをセットせずタイミングtα3になったときにセットするようにしたことから、タイミングtα3においては、「ブーブー 振動を検知しました」の報知音を頭から再生させることができるとともに、報知音2(振動異常)のタイマがタイムアップするときには、「ブーブー 振動を検知しました」といった報知音のうち中途半端なタイミング(例えば、「ブーブー 振」などのタイミング)でそのループ処理が終了されて再生されなくなるように促すことができるようになる。
このような構成によれば、第1報知グループに属する一の報知音が再生されているときに第1報知グループに属する別の報知音の出力条件(異常検出)が満たされたときは(図246(a))、6回目の警報音(ここでは「ブーブー」)と6回目のメッセージ音(ここでは「磁気を検知しました」)とが再生し終わったところで、7回目の警報音(ここでは「ブーブー」)が再生されたかのような、スムーズな報知音切り替えを実現することができるようになる。これにより、「ブーブー 磁気を検知しました」と「ブーブー 振動を検知しました」が変な箇所で繋がってしまい、緊迫した状況にあるなかで不正報知を認識できなくなってしまうような事態(例えば、報知音1が「ブーブー 磁」で終了し、報知音2が「動を検知しました」で開始されるようなことがあれば、「ブーブー 磁動を検知しました」のような意味不明な報知内容となり、現場を混乱させかねない)の発生を好適に抑制することができるようになる。
また、上記構成によれば、タイミングtα3において、振動検出に応じたタイマの残り時間が短くなっており、報知音2が「ブーブー」の警報音のところでタイムアップして終了してしまいメッセージ音が再生されなかったとしても、中途半端なタイミングでそのループ処理が終了されて再生されなくなったことで、何らかの異常検出が同時に発生した状態にあることを認識することが可能である(磁気異常のみの報知であれば、切りの良いところで報知音が終了されるため)。これにより、中途半端なタイミングで報知音が途絶えたときには液晶内表示を確認することが促されるようになり、液晶内表示に「磁気を検知しました」と「振動を検知しました」とがそれぞれ表示されていることで、磁気検出と振動検出とが行われた状態にあることを適正に認識することができるようになる。
図246(b)は、第2報知グループに属する一の報知音が再生されているときに、第2報知グループに属する別の報知音の出力条件(状態検出)が満たされたときの処理についてその一例を示すものである。
ここで、第2報知グループに属する一の報知音が再生されているときに第2報知グループに属する別の報知音の出力条件(状態検出)が満たされたときの処理は、図246(a)を参照しつつ上述した処理(第1報知グループに属する一の報知音が再生されているときに第1報知グループに属する別の報知音の出力条件(状態検出)が満たされたときの処理)と概ね同様である。
例えば、同図246(b)に示されるように、いま、何らの報知音も出力されていないタイミングtβ1において、ステップS110またはS112(図94)の処理内で本体枠開放スイッチ619による枠開放検出があったとすると、主制御MPU1310aでは、まず、枠開放検出があったことが示されるように報知フラグの状態を更新する。次いで、枠開放検出があった旨の情報を周辺制御基板1510に対するコマンドとしてセットする。これにより、ステップS118(図94)の処理では、上記更新された報知フラグの状態に基づいて枠開放検出があった旨の情報が外部出力されてホールコンピュータ内で管理されるようになるとともに、ステップS120(図94)の処理では、周辺制御基板1510に対してコマンドが送信されてその情報(枠開放検出)が上記周辺制御MPU1511a内の報知に関する処理に供されるようになる。
これに対し、周辺制御MPU1511aでは、何らの報知音も出力されていない上記タイミングtβ1(若しくは、その直後)においてステップS1022(図95)の受信コマンド解析処理でコマンドを解析した結果、枠開放検出の情報が含まれていることを把握すると、ステップS1024(図95)の警告処理にて、図245で示した報知音5(枠開放)をチャンネルXに対して割り当てて(セットして)その報知態様(ここでは、「枠が開いています ピンポンピンポン」のループ)での報知音再生を開始させるとともに、報知音5(枠開放)の報知時間を計時するためのタイマ(30秒)をセットする。
なお、報知音5(枠開放)をチャンネルXに対して割り当てるに際しては、枠開放検出に応じた音生成用スケジュールデータを、周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットすることとなる。そしてこの上で、報知音5(枠開放)をチャンネルXに対して割り当てることで、「枠が開いています ピンポンピンポン」といった報知音が予め定められた処理態様(ループ)で報知音再生されるようになる。
またこの際、周辺制御MPU1511aでは、枠開放検出に応じた画面生成用スケジュールデータ、及び枠開放検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータを、周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットすることで、上述した液晶内表示やランプ点灯も併せて実行することとなる。これら液晶内表示及びランプ点灯の実行は、枠開放検出の解除条件である枠閉鎖検知が行われるときまで継続して実行される。
このような処理を通じて、タイミングtβ1から「枠が開いています ピンポンピンポン」といった報知音が30秒間にわたって繰り返し実行されるとともに、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(例えば、「枠が開いています」)と、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプによる点灯(第2報知グループの点灯態様)とがそれぞれ実行されるようになる。
ただし、図246(b)に示される例では、タイミングtβ1から30秒が経過しておらず「枠が開いています ピンポンピンポン」といった報知音がループ再生中の状態にあるタイミングtβ2において、ステップS110またはS112(図94)の処理内で扉枠開放スイッチ618による扉開放検出があった場合を想定している。この点、主制御MPU1310aでは、枠開放検出があったタイミングtβ1の場合と同様、まず、扉開放検出があったことが示されるように報知フラグの状態を更新する。次いで、扉開放検出があった旨の情報を周辺制御基板1510に対するコマンドとしてセットする。これにより、ステップS118(図94)の処理では、上記更新された報知フラグの状態に基づいて扉開放検出があった旨の情報が外部出力されてホールコンピュータ内で管理されるようになるとともに、ステップS120(図94)の処理では、周辺制御基板1510に対してコマンドが送信されてその情報(扉開放検出)が上記周辺制御MPU1511a内の報知に関する処理に供されるようになる。
これに対し、周辺制御MPU1511aでは、報知音5(枠開放)が出力状態(再生状態)にある上記タイミングtβ2(若しくは、その直後)においてステップS1022(図95)の受信コマンド解析処理でコマンドを解析した結果、扉開放検出の情報が含まれていることを把握したとしても、ステップS1024(図95)の警告処理にて、図245で示した報知音4(扉開放)をチャンネルXに対して割り当てることはしない。すなわち、チャンネルXには優先順位が同じである報知音5(枠開放)が既に割り当て状態になっていることから、報知音4(扉開放)をチャンネルXに対して新たに割り当てないようにすることで、既に割り当て状態になっている側の報知音5(枠開放)の再生を優先的に実行してこれを継続させるようにしている。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイミングtβ2において扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータこれ自体のセットも行わないようにしている。したがって、チャンネルXに対して割り当てられていない状態で報知音4(扉開放)に応じた音生成用スケジュールデータが進展処理されることもない。
ただしその一方、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイミングtβ2(若しくは、その直後)においては、未だセットしていない報知音4(扉開放)の報知時間を計時するためのタイマ(30秒)についてはこれをセットするようにしておき、報知音5(枠開放)の出力状態(再生状態)が終了した時点で該タイマ(30秒)がタイムアップしていないときには扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータをセットし、その残り時間分だけ報知音4(扉開放)をチャンネルXに対して割り当ててその報知態様(ここでは、「扉が開いています ピンポンピンポン」のループ)での報知音再生を実行するものとなっている。
また、周辺制御MPU1511aでは、タイミングtβ2(若しくは、その直後)においては、扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータをセットすることはしないものの、扉開放検出に応じた画面生成用スケジュールデータ、及び扉開放検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータを、周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットすることで、上述した液晶内表示やランプ点灯についてはこれらを実行するようにしている。
なお、液晶内表示では、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域のうち枠開放に応じた表示が行われている位置とは異なる位置にて扉開放に応じた表示が別に現れるようになっている。ランプ点灯では、扉開放検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータこそセットされるものの、枠開放検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータが既にセットされておりその優先順位が同じになっていることから、既にセット状態にあった枠開放検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータの点灯態様が各種のランプ発光でそれぞれ反映されることとなり、扉開放検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータの点灯態様が各種のランプ発光でそれぞれ反映されることはない。扉開放検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータについても、音生成用スケジュールデータと同様、タイミングtβ2(若しくは、その直後)においてセットしないようにしてもよい。
ただし上述の通り、この実施例では、枠開放検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータと、扉開放検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータとは同じデータ内容になっていることから、それらのいずれを反映させるようにした場合であってもランプ点灯に変化が生じることはない。
そしてこの後、タイミングtβ1から30秒が経過したタイミングtβ3では、報知音5(枠開放)のタイマ(30秒)がタイムアップしたことに基づいて「枠が開いています ピンポンピンポン」といった報知音を繰り返し実行させるループ処理が終了されることとなる。なおここでは、「枠が開いています ピンポンピンポン」といった報知音を1回再生するのに要する時間を10秒に設定してあることから、報知音5(枠開放)のタイマ(30秒)がタイムアップしたタイミングtβ3では、「枠が開いています ピンポンピンポン」といった報知音が3回分再生し終わった、切りの良いタイミングでそのループ処理が終了されるようになっている。
またこの際、報知音4(扉開放)のタイマ(30秒)がタイムアップしていない状態にあることから、周辺制御MPU1511aでは、扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータをセットし、その残り時間(タイミングtβ2からタイミングtβ3までの時間(β)を30秒から減算した時間)分だけ報知音4(扉開放)をチャンネルXに対して割り当てることで、その報知態様(ここでは、「扉が開いています ピンポンピンポン」のループ)での報知音再生を実行することとなる。
すなわち、タイミングtβ2においては報知音4(扉開放)のタイマをセットする一方で、扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータについてはこれをセットせずタイミングtβ3になったときにセットするようにしたことから、タイミングtβ3においては、「扉が開いています ピンポンピンポン」の報知音を頭から再生させることができるとともに、報知音4(扉開放)のタイマがタイムアップするときには、「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音のうち中途半端なタイミング(例えば、「扉が開いています ピ」などのタイミング)でそのループ処理が終了されて再生されなくなるように促すことができるようになる。
このような構成によれば、第2報知グループに属する一の報知音が再生されているときに第2報知グループに属する別の報知音の出力条件(状態検出)が満たされたときも(図246(b))、3回目のメッセージ音(ここでは「枠が開いています」)と3回目の警報音(ここでは「ピンポンピンポン」)とが再生し終わったところで、4回目のメッセージ音(ここでは「扉が開いています」)が再生されたかのような、スムーズな報知音切り替えを実現することができるようになる。これにより、「枠が開いています ピンポンピンポン」と「扉が開いています ピンポンピンポン」が変な箇所で繋がってしまい、緊迫した状況にあるなかで報知内容を認識できなくなってしまうような事態の発生を好適に抑制することができるようになる。
また、上記構成によれば、タイミングtβ3において、扉開放検出に応じたタイマの残り時間が短くなっており、報知音4が中途半端なところで途切れてしまったとしても、メッセージ音が先に再生されるようになっていることから、扉が開放していることを確実に把握可能にすることができるようになる。
図246(c)は、第3報知グループに属する一の報知音が再生されているときに、第3報知グループに属する別の報知音の出力条件(状態検出)が満たされたときの処理についてその一例を示すものである。
同図246(c)に示されるように、いま、何らの報知音も出力されていないタイミングtγ1において、ステップS112またはS116(図94)の処理内で非時短の状態にあるにもかかわらず遊技領域5aのうちセンター役物2500に対して右側となる領域内に設けられるゲート部2003を遊技球が通過したことがゲートセンサ4003によって検出(非時短状態での右打ち検出)されたとすると、主制御MPU1310aでは、非時短状態での右打ち検出があった旨の情報を周辺制御基板1510に対するコマンドとしてセットする。これにより、ステップS120(図94)の処理では、周辺制御基板1510に対してコマンドが送信されてその情報(時短状態での右打ち検出)が上記周辺制御MPU1511a内の報知に関する処理に供されるようになる。なお、第3報知グループの処理に関しては、主制御MPU1310a内で報知フラグの更新は行われず、その情報がホールコンピュータへと外部出力されることはない。
これに対し、周辺制御MPU1511aでは、何らの報知音も出力されていない上記タイミングtγ1(若しくは、その直後)においてステップS1022(図95)の受信コマンド解析処理でコマンドを解析した結果、非時短状態での右打ち検出の情報が含まれていることを把握すると、ステップS1024(図95)の警告処理にて、図245で示した報知音6(左打ち案内)をチャンネルXに対して割り当てて(セットして)その報知態様(ここでは、「左打ちに戻してください」のループ)での報知音再生を開始させるとともに、報知音6(左打ち案内)の報知時間を計時するためのタイマ(20秒)をセットする。
非時短状態での右打ち検出に関して、この実施の形態では、主制御MPU1310aからその旨の情報がコマンドとして出力されるようにしたが、これに代えて、主制御MPU1310aからはゲート部2003を遊技球が通過したことがゲートセンサ4003によって検出された旨の情報だけをコマンドとして出力されるようにして、周辺制御MPU1511a側で、ゲートセンサ4003による検出が非時短状態で行われたか否かの判断を行い、非時短状態でゲートセンサ4003による検出があったことに基づいて報知音6(左打ち案内)に関する処理を行うようにしてもよい。
なお、報知音6(左打ち案内)をチャンネルXに対して割り当てるに際しては、非時短状態での右打ち検出に応じた音生成用スケジュールデータを、周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットすることとなる。そしてこの上で、報知音6(左打ち案内)をチャンネルXに対して割り当てることで、「左打ちに戻してください」といった報知音が予め定められた処理態様(ループ)で報知音再生されるようになる。
またこの際、周辺制御MPU1511aでは、非時短状態での右打ち検出に応じた画面生成用スケジュールデータを、周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットすることで、上述した液晶内表示も併せて実行することとなる。液晶内表示の実行は、報知音6(左打ち案内)の解除条件である報知終了(報知音6(左打ち案内)の報知時間を計時するためのタイマ(20秒)がタイムアップ)になるまで継続して実行される。なお、不正可能性が低い第3報知グループの処理に関しては、演出の進行妨げを回避することを重要視しており、非時短状態での右打ち検出に応じた発光態様生成用スケジュールデータがセットされることはない。
このような処理を通じて、タイミングtγ1から「左打ちに戻してください」といった報知音が20秒間にわたって繰り返し実行されるとともに、その報知音が終了されるまでの間、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(例えば、「左打ちに戻してください」)が実行されるようになる。
ただし、図246(c)に示される例では、タイミングtγ1から20秒が経過しておらず「左打ちに戻してください」といった報知音がループ再生中の状態にあるタイミングtγ2において、ステップS110またはS112(図94)の処理内で満タン検知センサ279による下皿満タン検出があった場合を想定している。この点、主制御MPU1310aでは、非時短状態での右打ち検出があったタイミングtγ1の場合と同様、下皿満タン検出があった旨の情報を周辺制御基板1510に対するコマンドとしてセットする。
これにより、ステップS120(図94)の処理では、周辺制御基板1510に対してコマンドが送信されてその情報(下皿満タン検出)が上記周辺制御MPU1511a内の報知に関する処理に供されるようになる。
これに対し、周辺制御MPU1511aでは、報知音6(左打ち案内)が出力状態(再生状態)にある上記タイミングtγ2(若しくは、その直後)においてステップS1022(図95)の受信コマンド解析処理でコマンドを解析した結果、下皿満タン検出の情報が含まれていることを把握したとしても、ステップS1024(図95)の警告処理にて、図245で示した報知音7(球抜き案内)をチャンネルXに対して割り当てることはしない。すなわち、チャンネルXには優先順位が同じである報知音6(左打ち案内)が既に割り当て状態になっていることから、報知音7(球抜き案内)をチャンネルXに対して新たに割り当てないようにすることで、既に割り当て状態になっている側の報知音6(左打ち案内)の再生を優先的に実行してこれを継続させるようにしている。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイミングtγ2において下皿満タン検出に応じた音生成用スケジュールデータこれ自体のセットも行わないようにしている。したがって、チャンネルXに対して割り当てられていない状態で報知音7(球抜き案内)に応じた音生成用スケジュールデータが進展処理されることもない。
ただしその一方、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイミングtγ2(若しくは、その直後)においては、未だセットしていない報知音7(球抜き案内)の報知時間を計時するためのタイマ(20秒)についてはこれをセットするようにしておき、報知音6(左打ち案内)の出力状態(再生状態)が終了した時点で該タイマ(20秒)がタイムアップしていないときには下皿満タン検出に応じた音生成用スケジュールデータをセットし、その残り時間分だけ報知音7(球抜き案内)をチャンネルXに対して割り当ててその報知態様(ここでは、「下皿の球を抜いてください」のループ)での報知音再生を実行するものとなっている。
また、周辺制御MPU1511aでは、タイミングtγ2(若しくは、その直後)においては、下皿満タン検出に応じた音生成用スケジュールデータをセットすることはしないものの、下皿満タン検出に応じた画面生成用スケジュールデータを、周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットすることで、上述した液晶内表示についてはこれを実行するようにしている。
なお、液晶内表示では、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域のうち左打ち案内に応じた表示が行われている位置とは異なる位置にて球抜き案内に応じた表示が別に現れるようになっている。
そしてこの後、タイミングtγ1から20秒が経過したタイミングtγ3では、報知音6(左打ち案内)のタイマ(20秒)がタイムアップしたことに基づいて「左打ちに戻してください」といった報知音を繰り返し実行させるループ処理が終了されることとなる。
なおここでは、「左打ちに戻してください」といった報知音を1回再生するのに要する時間を10秒に設定してあることから、報知音6(左打ち案内)のタイマ(30秒)がタイムアップしたタイミングtγ3では、「左打ちに戻してください」といった報知音が2回分再生し終わった、切りの良いタイミングでそのループ処理が終了されるようになっている。
またこの際、報知音7(球抜き案内)のタイマ(20秒)がタイムアップしていない状態にあることから、周辺制御MPU1511aでは、下皿満タン検出に応じた音生成用スケジュールデータをセットし、その残り時間(タイミングtγ2からタイミングtγ3までの時間(γ)を20秒から減算した時間)分だけ報知音7(球抜き案内)をチャンネルXに対して割り当てることで、その報知態様(ここでは、「下皿の球を抜いてください」のループ)での報知音再生を実行することとなる。
すなわち、タイミングtγ2においては報知音7(球抜き案内)のタイマをセットする一方で、下皿満タン検出に応じた音生成用スケジュールデータについてはこれをセットせずタイミングtγ3になったときにセットするようにしたことから、タイミングtγ3においては、「下皿の球を抜いてください」の報知音を頭から再生させることができるとともに、報知音7(球抜き案内)のタイマがタイムアップするときには、「下皿の球を抜いてください」といった報知音のうち中途半端なタイミング(例えば、「下皿の球を抜いてくだ」などのタイミング)でそのループ処理が終了されて再生されなくなるように促すことができるようになる。
このような構成によれば、第3報知グループに属する一の報知音が再生されているときに第3報知グループに属する別の報知音の出力条件(状態検出)が満たされたときも(図246(c))、2回目のメッセージ音(ここでは「左打ちに戻してください」)が再生し終わったところで、3回目のメッセージ音(ここでは「下皿の球を抜いてください」)が再生されたかのような、スムーズな報知音切り替えを実現することができるようになる。これにより、「左打ちに戻してください」と「「下皿の球を抜いてください」が変な箇所で繋がってしまい、報知内容を認識できなくなってしまうような事態の発生を好適に抑制することができるようになる。
また、この実施例にかかる第3報知グループでは、上述した通り、メッセージ音が出力し終わった後には5秒間の無音データがチャンネルXに割り当てられてそれに応じた音が出力(無音出力)されるようになっている。したがって、第3報知グループに属する一の報知音が再生されているときに第3報知グループに属する別の報知音の出力条件(状態検出)が満たされたときは、5秒間の無音データを挟んで別の報知音のメッセージ音が再生されるようになることから、警報音が無いことによって2つの異なるメッセージ音が繋がってしまい、報知内容を認識できなくなってしまうような事態の発生を好適に回避することができるようになる。
図247(a)は、第1報知グループに属する一の報知音が再生されているときに第2報知グループに属する報知音の出力条件(状態検出)が満たされたときの処理についてその一例を示すものである。
同図247(a)に示されるように、何らの報知音も出力されていないタイミングt‐1において、ステップS112(図94)の処理内で磁気検出センサ4024による磁気検出があったとすると、該磁気検出に応じた処理(磁気異常処理)に関しては、図246(a)を参照して説明した場合と同様の処理が行われる。したがって、タイミングt‐1では、「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音を繰り返し実行させるループ処理が開始されることとなり、報知音1(磁気異常)のタイマ(60秒)がタイムアップしたタイミングt‐3では、「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音が6回分再生し終わった、切りの良いタイミングでそのループ処理が終了されることとなる。また、液晶内表示及びランプ点灯の実行は、磁気異常の解除条件である電源再投入が行われるときまで継続して実行されることとなる。
ここで、図247(a)に示される例では、タイミングt‐1から60秒が経過しておらず「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音がループ再生中の状態にあるタイミングt‐2において、ステップS110またはS112(図94)の処理内で扉枠開放スイッチ618による扉開放検出があった場合を想定している。この点、磁気検出に応じた報知音1(磁気異常)の処理は、扉開放検出に応じた報知音4(扉開放)の処理よりも優先順位が高くされていることから(図244を参照)、扉開放検出が生じた場合であっても、報知音1(磁気異常)の処理を継続して行うこととなる。
そして通常は、優先順位が低い側の処理については、図246(a)〜(c)を参照しつつ説明した同じ優先順位の処理が重なった場合と同様、優先順位が低い側の報知音のタイマだけをセットし、音生成用スケジュールデータこれ自体のセットは行わないようにする処理がなされる。
ただし、磁気異常が発生してすぐに扉開放されるような状況とは、単に扉開放だけが発生した場合とは異なり、何らかの不正行為が行われている可能性が高くなっており、もはや「不正可能性が中程度である第2報知グループ」に属する報知とは言い難い状況になっていると言える。そこで、図247(a)に示される例では、タイミングt‐2において、扉開放検出に応じた報知音4(扉開放)のタイマと音生成用スケジュールデータとのいずれについてもそれらをセットせず、扉開放検出に応じたフラグのセットのみを行う。そして、タイミングt‐3において、該フラグがセットされていることに基づいて、扉開放検出に応じた報知音4(扉開放)のタイマと扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータとをそれぞれセットするとともに、報知音4(扉開放)をチャンネルXに対して割り当ててその報知態様(ここでは、「扉が開いています ピンポンピンポン」のループ)での報知音再生を開始させるようにしている。なお、扉開放検出に応じた液晶内表示及びランプ点灯の実行は、タイミングt‐2から開始される。
このような構成によれば、「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音がループ再生中の状態において扉枠開放スイッチ618による扉開放検出があったにもかかわらず、「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音のループ再生が終了されるタイミングt‐3から扉開放検出に応じた報知音4(扉開放)が30秒間にわたって丸々再生されるようになり、「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音が3回分再生し終わった、切りの良いタイミングでそのループ処理が終了されることとなる。このように、通常の優先順位に基づく処理とは異なる、より丁寧な報知態様で扉開放検出に応じた報知音4(扉開放)を再生するようにしたことで、第2報知グループに属する報知内容(ここでは、「扉が開いています ピンポンピンポン」のループ)ではあるものの、不正可能性が高くなっている状況にあることの認識を促すことが期待されるようになる。
また、「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音の後、メッセージ音(扉が開いています)から報知内容が開始されるようになることで、最も緊迫した状況下にある第1報知グループに属する報知は終了されたことを早い段階で認識させることができるようになる。その一方で、メッセージ音の後に「ピンポンピンポン」の警報音が再生されることにより第3報知グループに属する報知でもないことを容易に認識させることができるようになる。
図247(b)は、第2報知グループに属する一の報知音が再生されているときに第3報知グループに属する報知音の出力条件(状態検出)が満たされたときの処理についてその一例を示すものである。
同図247(b)に示されるように、何らの報知音も出力されていないタイミングtδ1において、ステップS110またはS112(図94)の処理内で扉枠開放スイッチ618による扉開放検出があったとすると、該扉開放検出に応じた処理(扉開放時処理)に関しては、図246(b)を参照して説明した「枠開放検出に応じた処理(枠開放時処理)」と同様の処理が行われる。したがって、タイミングtδ1では、「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音を繰り返し実行させるループ処理が開始されることとなり、報知音4(扉開放)のタイマ(30秒)がタイムアップしたタイミングtδ3では、「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音が3回分再生し終わった、切りの良いタイミングでそのループ処理が終了されることとなる。また、液晶内表示及びランプ点灯の実行は、扉開放の解除条件である扉閉鎖が検出されるときまで継続して実行されることとなる。
ここで、図247(b)に示される例では、タイミングtδ1から30秒が経過しておらず「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音がループ再生中の状態にあるタイミングtδ2において、ステップS112またはS116(図94)の処理内でゲートセンサ4003による非時短状態での右打ち検出があった場合を想定している。この点、扉開放検出に応じた報知音4(扉開放)の処理は、非時短状態での右打ち検出に応じた報知音6(左打ち案内)の処理よりも優先順位が高くされていることから(図244を参照)、非時短状態での右打ち検出が生じた場合であっても、報知音4(扉開放)の処理を継続して行うこととなる。
すなわち上述の通り、優先順位が低い側の処理については、図246(a)〜(c)を参照しつつ説明した同じ優先順位の処理が重なった場合と同様、優先順位が低い側の報知音のタイマだけをセットし、音生成用スケジュールデータこれ自体のセットは行わないようにする処理がなされる。
したがって、図247(b)に示される例では、タイミングtδ2において、報知音6(左打ち案内)のタイマ(20秒)をセットする一方で、非時短状態での右打ち検出に応じた音生成用スケジュールデータはセットしない。そして、タイミングtδ3において、報知音6(左打ち案内)のタイマ(20秒)がタイムアップしていないときには非時短状態での右打ち検出に応じた音生成用スケジュールデータをセットし、その残り時間分だけ報知音6(左打ち案内)をチャンネルXに対して割り当ててその報知態様(ここでは、「左打ちに戻してください」のループ)での報知音再生を実行することとなる。
このような構成によれば、「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音が3回分再生し終わった、切りの良いタイミングで「左打ちに戻してください」といった警報音が含まれない報知音が再生されるようになることから、報知状態を継続させつつも、不正可能性が低くなったことを容易に認識可能とすることができるようになる。また、この実施例にかかる第3報知グループでは、上述した通り、メッセージ音が出力し終わった後には5秒間の無音データがチャンネルXに割り当てられてそれに応じた音が出力(無音出力)されるようになっている。したがって、このような無音データによっても、それまで再生されていた種別の報知音は終了しており、第3報知グループに属する報知音が再生されていることを容易に認識可能とすることができるようになる。
図247(c)は、第2報知グループに属する一の報知音が再生されているときに第1報知グループに属する報知音の出力条件(状態検出)が満たされたときの処理についてその一例を示すものである。
同図247(c)に示されるように、何らの報知音も出力されていないタイミングtε1において、ステップS110またはS112(図94)の処理内で扉枠開放スイッチ618による扉開放検出があったとすると、該扉開放検出に応じた処理(扉開放時処理)に関しては、図246(b)を参照して説明した「枠開放検出に応じた処理(枠開放時処理)」と同様の処理が行われる。したがって、タイミングtε1では、「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音を繰り返し実行させるループ処理が開始されることとなり、報知音4(扉開放)のタイマ(30秒)がタイムアップしたタイミングtε3では、「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音が3回分再生し終わった、切りの良いタイミングでそのループ処理が終了されることとなる。また、液晶内表示及びランプ点灯の実行は、扉開放の解除条件である扉閉鎖が検出されるときまで継続して実行されることとなる。
ただし、図247(c)に示される例では、タイミングtε1から30秒が経過しておらず「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音がループ再生中の状態にあるタイミングtε2において、ステップS112(図94)の処理内で磁気検出センサ4024による磁気検出があった場合を想定している。この点、扉開放検出に応じた報知音4(扉開放)の処理は、磁気検出センサ4024による磁気検出に応じた報知音1(磁気異常)の処理よりも優先順位が低くされていることから(図244を参照)、磁気検出センサ4024による磁気検出に応じた報知音1(磁気異常)の処理を優先させ、報知音4(扉開放)の処理については、音、ランプ点灯のいずれにおいてもその出力内容が各アクチュエータの作動として反映されないようにすることとなる。なお、液晶内表示については、各報知ごとに、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内の異なる位置にそれぞれ表示されるようになっていることから、優先順位の低い報知の実行中に優先順位の高い報知が発生した場合であっても、優先順位の低い側の液晶内表示は維持される。
ここで、報知音4(扉開放)の処理について、音、ランプ点灯のいずれにおいてもその出力内容が各アクチュエータの作動として反映されないようにする手法としては、タイミングtε2において、それまでセットしていた扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータ及び発光態様生成用スケジュールデータをセット状態からそれぞれ解消させる処理を行うようにしてもよい。
この点、この実施の形態では、タイミングtε2においては、扉開放検出に応じた画面生成用スケジュールデータのみならず、扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータ及び発光態様生成用スケジュールデータについてもそれらをセット状態で維持したままとし、それらの各データよりも優先順位がそれぞれ高くなっている磁気検出に応じた音生成用スケジュールデータ、画面生成用スケジュールデータ、及び発光態様生成用スケジュールデータをそれぞれセット状態にする。そして、チャンネルXと各種のランプ作動に対する割り当てを、扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータに基づく内容から、磁気検出に応じた音生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータに基づく内容へと切り替えるようにすることで、磁気検出センサ4024による磁気検出に応じた報知音1(磁気異常)の処理を、音、液晶内表示、ランプ点灯のいずれにおいてもその出力内容が各アクチュエータの作動として反映させるようにしている。
このような構成によれば、図247(c)に示されるように、タイミングtε2において、実行状態にある優先順位が低い側の処理(扉開放時処理)については何らの操作も行うことなく、2つの異なる処理(扉開放処理、磁気異常処理)の間での優先順位に基づく報知内容の変更を実現することができるようになる。
したがって、図247(c)に示される例では、タイミングtδ2において、「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音を繰り返し実行させるループ処理が開始されることとなり、報知音1(磁気異常)のタイマ(60秒)のタイムアップに合わせて「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音が6回分再生し終わった、切りの良いタイミングでそのループ処理が終了されることとなる。また、液晶内表示及びランプ点灯の実行は、磁気異常の解除条件である電源再投入が行われるときまで継続して実行されることとなる。
このような構成によれば、不正行為が行われている可能性の高い磁気検出が発生してすぐに、報知音1(磁気異常)の処理を、音、液晶内表示、ランプ点灯のいずれにおいてもその出力内容が各アクチュエータの作動として反映されるようになる。しかも、報知音として、まず、「ブーブー」といった警報音が再生されることから、第1報知グループに属する報知が行われており、緊迫した状況へと切り替わったことをホール側へといち早く伝達することが期待されるようになる。
図247(d)は、第3報知グループに属する一の報知音が再生されているときに第2報知グループに属する報知音の出力条件(状態検出)が満たされたときの処理についてその一例を示すものである。
同図247(d)に示されるように、何らの報知音も出力されていないタイミングtζ1において、ステップS112またはS116(図94)の処理内でゲートセンサ4003による非時短状態での右打ち検出があったとすると、該非時短状態での右打ち検出に応じた処理(左打ち案内処理)に関しては、図246(c)を参照して説明した場合と同様の処理が行われる。したがって、タイミングtζ1では、「左打ちに戻してください」といった報知音を繰り返し実行させるループ処理が開始されることとなり、報知音6(左打ち案内)のタイマ(20秒)がタイムアップしたタイミングtζ3では、「左打ちに戻してください」といった報知音が2回分再生し終わった、切りの良いタイミングでそのループ処理が終了されることとなる。また、液晶内表示及びランプ点灯の実行は、左打ち案内の解除条件である報知音のタイマアップまで継続して実行されることとなる。
ただし、図247(d)に示される例では、タイミングtζ1から20秒が経過しておらず「左打ちに戻してください」といった報知音がループ再生中の状態にあるタイミングtζ2において、ステップS110またはS112(図94)の処理内で扉枠開放スイッチ618による扉開放検出があった場合を想定している。この点、非時短状態での右打ち検出に応じた報知音6(左打ち案内)の処理は、扉開放検出に応じた報知音4(扉開放)の処理よりも優先順位が低くされていることから(図244を参照)、扉開放検出に応じた報知音4(扉開放)の処理を優先させ、報知音6(左打ち案内)の処理については、その出力内容がアクチュエータの作動として反映されないようにすることとなる。なお、液晶内表示については、各報知ごとに、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内の異なる位置にそれぞれ表示されるようになっていることから、優先順位の低い報知の実行中に優先順位の高い報知が発生した場合であっても、優先順位の低い側の液晶内表示は維持される。
ここで、報知音6(左打ち案内)の処理について、その出力内容がアクチュエータの作動として反映されないようにする手法としては、タイミングtζ2において、それまでセットしていた非時短状態での右打ち検出に応じた音生成用スケジュールデータをセット状態から解消させる処理を行うようにしてもよい。
この点、この実施の形態では、タイミングtζ2においては、非時短状態での右打ち検出に応じた画面生成用スケジュールデータのみならず、非時短状態での右打ち検出に応じた音生成用スケジュールデータについてもそれらをセット状態で維持したままとし、これよりも優先順位が高くなっている扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータはもとより、扉開放検出に応じた画面生成用スケジュールデータ及び発光態様生成用スケジュールデータをそれぞれセット状態にする。そして、チャンネルXに対する割り当てを、非時短状態での右打ち検出に応じた音生成用スケジュールデータに基づく内容から、扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータに基づく内容へと切り替えるようにすることで、扉開放検出に応じた報知音4(扉開放)の処理を、音、液晶内表示、ランプ点灯のいずれにおいてもその出力内容が各アクチュエータの作動として反映されるようにしている。
このような構成によれば、図247(d)に示されるように、タイミングtζ2において、実行状態にある優先順位が低い側の処理(左打ち案内処理)については何らの操作も行うことなく、2つの異なる処理(左打ち案内処理、扉開放処理)の間での優先順位に基づく報知内容の変更を実現することができるようになる。
したがって、図247(d)に示される例では、タイミングtζ2において、「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音を繰り返し実行させるループ処理が開始されることとなり、報知音4(扉開放)のタイマ(30秒)のタイムアップに合わせて「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音が3回分再生し終わった、切りの良いタイミングでそのループ処理が終了されることとなる。また、液晶内表示及びランプ点灯の実行は、扉開放の解除条件である扉閉鎖検出が行われるときまで継続して実行されることとなる。
このような構成によれば、不正行為が行われている可能性が中程度の扉開放検出が発生してすぐに、報知音4(扉開放)の処理を、音、液晶内表示、ランプ点灯のいずれにおいてもその出力内容が各アクチュエータの作動として反映されるようになる。しかも、報知音としては、まず、メッセージ音(扉が開いています)から再生させるようにしていることから、適正な遊技を行っている者に対して嫌悪感を覚えさせないようにしつつも、その後の「ピンポンピンポン」による警報音によって第2報知グループに属する報知が行われており、不正可能性が生じた状況へと切り替わったことをホール側へといち早く伝達することが期待されるようになる。
この実施例にかかるパチンコ機1では、図244に示した各報知音が複数出力されるべき状況になった場合は、優先順位に応じた上述の各処理を行うようにすることで、各種の報知音に関して単一のチャンネル(チャンネルX)のみを用いるものでありながらも、異常内容や遊技案内などを適切に報知可能としている(チャンネル節約型の制御構造)。ただし上述の通り、不正可能性が中程度である第2報知グループに属する報知音であっても、その他の検出状況によっては、不正可能性が中程度よりも高くなる場合があることから、上述の優先順位に基づく制御だけでは現在の遊技機の状態を適正に報知しているとは言い難い。
また、報知音とは、不正行為が行われた可能性の高い異常検出があったときのみならず、不正行為が行われた可能性の低い異常検出があったときにも出力されるものである。すなわち、不正行為が行われた可能性の高い異常検出であればその検出状態が継続される限り報知音の出力を行うことが求められるが、不正行為が行われた可能性の低い異常検出であれば、ホール側の都合(各種エラーの復旧対応など)でそのような検出状態を維持している可能性もあることから、その検出状態が継続されていたとしても、報知音の出力を必ずしも継続させることは求められないなど、当該パチンコ機1の状況に応じてより柔軟な報知処理を実行可能とすることが重要である。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図248〜図253に例示する各状況においては、上述の優先順位に基づく制御のほか、特殊な条件も加味して、遊技機の状態をより適切に表現可能とするような態様での報知を実現することとしている。以下、特殊な報知処理について、図248〜図253を参照して各状況の別に説明する。
図248に示される例では、何らの報知音も出力されていないタイミングtα11において、扉枠開放スイッチ618による扉開放検出が発生する。すると、扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータがセットされてその報知音がチャンネルXに割り当てられるとともに、扉開放検出に応じた画面生成用スケジュールデータ及び発光態様生成用スケジュールデータについてもそれらがセット状態にされる。そしてこの際、報知音4(扉開放)の報知時間を計時するためのタイマ(30秒)がセットされることで、扉開放検出に応じた報知音については、タイミングtα12が到来するまでの30秒間にわたって再生されるようになる。
これに対し、扉開放検出に応じた液晶内表示については、扉枠開放スイッチ618によって扉開放が検出されなくなるタイミングtα16が到来するまでその表示が維持されることとなる。
ただし、図248に示される例では、扉開放検出に応じた報知音再生が終了してチャンネルXが空き状態になっているタイミングtα13において、報知に関する優先順位が相対的に高くされている磁気検出センサ4024による磁気検出が発生する。したがって、タイミングtα11から開始された扉開放検出に応じたランプ発光については、発光態様生成用スケジュールデータこそ上記タイミングtα16が到来するまでセット状態にて維持されるものの、各種のランプ作動に対する割り当てに関しては、タイミングtα13において磁気検出に応じたランプ発光の態様へと切り替えられることとなる。
すなわち、タイミングtα13では、磁気検出に応じた音生成用スケジュールデータがセットされてその報知音がチャンネルXに割り当てられるとともに、磁気検出に応じた画面生成用スケジュールデータ及び発光態様生成用スケジュールデータについてもそれらがセット状態にされる。そしてこの際、報知音1(磁気異常)の報知時間を計時するためのタイマ(60秒)がセットされることで、磁気検出に応じた報知音については、タイミングtα14が到来するまでの60秒間にわたって再生されるようになる。
これに対し、磁気検出に応じた液晶内表示及びランプ発光については、電源オフにされない限り、その表示と発光とがそれぞれ維持されることとなる。
ところで、図248に示される例では、扉開放検出に応じた報知音再生が終了しており、且つ扉枠開放スイッチ618による扉開放検出が未だ継続している状況にあるときに、磁気検出センサ4024による磁気検出が発生している。このような状況とは、何らかの不正工作を行う意図のある者が扉枠3を開放させてこれを開放状態にした後、扉開放検出に応じた報知音再生が終了するのを待って、ほとぼりが冷めた状態で扉枠3内部に不正目的の磁石を秘かに配置させようとしたときに磁気検出センサ4024の検出範囲に磁石が瞬間的に入った状況にある可能性が想定され、極めて悪質な行為であることから、磁気検出に応じた報知音処理を行うだけではその対策として不十分であることが懸念される。その一方で、磁気検出センサ4024による磁気検出の状態は既にオフになっていることから、何らかの対策を行おうとしてもその契機として磁気検出を用いることはできない。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、磁気検出に応じた報知音再生が終了されるタイミングtα14になると、扉枠開放スイッチ618による扉開放検出が未だ継続していることを利用し、これに基づいて、報知音再生がその報知時間(30秒)分だけ既に報知し終わった状態にある「扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータ」を再びセットしてその報知音をチャンネルXに再び割り当てる特殊処理を行うこととしている。なおこの際も、報知音4(扉開放)の報知時間を計時するためのタイマ(30秒)がセットされることで、タイミングtα15が到来するまでの30秒間にわたって扉開放検出に応じた報知音が再生される。
このような構成では、既に終了状態にあった扉開放検出に応じた報知音が「磁気検出に応じた報知音再生」と繋がるかたちで再生されるようになることから、ホール内に大きな違和感を生じさせて皆の注目が集まることが期待されるようになる。また、不正を行う者としても「磁気報知が終われば報知音再生が全て終了されたこととなり、不正行為をしていることをようやく目立ち難い状況にすることができる」と安心しているところで、既に終了したはずの扉開放検出に応じた報知音が再生されることで、想定外の報知状況になることから、これ以上の不正行為はリスクが大きすぎるとの認識を持たせることが期待されるようになる。
なお後述するが、この実施例では、第1報知グループに属する報知処理が行われている期間中と、第2報知グループに属する報知処理が行われている期間中とにおいては、その他のチャンネルに割り当てられている図柄変動中の演出音やそれ以外の遊技音のボリュームを抑制させる処理(音量を特定値まで低下させる処理)を行うこととしている。特定値は、音量0であってもよい。第3報知グループに属する報知処理が行われている期間中は、その他のチャンネルに割り当てられている図柄変動中の演出音やそれ以外の遊技音のボリュームは抑制されない。
ここで、報知処理が行われている期間(ボリュームの抑制対象とされる期間)とは、第1報知グループまたは第2報知グループで用いられるセンサのいずれかが特定の検出状態にあるか(異常状態にあるか)、第1報知グループまたは第2報知グループに属する報知音が再生中であるか(報知音再生中か)の条件が満たされている期間のことである。したがって、図248に示される例では、タイミングtα11〜tα13の期間とタイミングtα14〜tα16の期間とにおいては、第1報知グループによる報知処理が行われている期間中であることに基づいて、図柄変動中の演出音やそれ以外の遊技音のボリュームを抑制させる処理(音量を特定値まで低下させる処理)が行われ、タイミングtα13〜tα14の期間においては、第1報知グループ及び第2報知グループによる報知処理が行われている期間中であることに基づいて、図柄変動中の演出音やそれ以外の遊技音のボリュームを抑制させる処理(音量を特定値まで低下させる処理)が行われることとなる。
なお、この実施例では、第1報知グループによる報知処理のみが行われている期間中(タイミングtα11〜tα13,tα14〜tα16)と、第1報知グループ及び第2報知グループによる報知処理が両方行われている期間中とで、図柄変動中の演出音やそれ以外の遊技音の音量を同じ値まで低下させることとしたが、第1報知グループ及び第2報知グループによる報知処理が両方行われている期間中になると、第1報知グループによる報知処理のみが行われている期間中よりも低い値にまで低下させる処理を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、報知以外の演出音を確認するだけでも複数の報知状態にあることが認識することができるようになり、ホール側の初動をより迅速化させることが期待されるようになる。
また、図248に示される例では、扉開放検出が終了されるタイミングtα16になると、図柄変動中の演出音やそれ以外の遊技音のボリュームを抑制させる処理を終了させることとした。ただし、既に終了状態にあった扉開放検出に応じた報知音が「磁気検出に応じた報知音再生」と繋がるかたちで再生された場合は、極めて悪質な行為が行われていた可能性があることに鑑みて、扉開放検出が終了されるタイミングtα16になっても図柄変動中の演出音やそれ以外の遊技音のボリュームを抑制させず、これを継続させるようにしてもよい。
また、図248に示される例では、扉開放検出に応じた処理を見ると明らかであるように、扉開放検出に応じた報知音が再生される期間、扉開放検出に応じた液晶内表示が行われる期間、及び扉開放検出に応じた態様でランプ発光する期間は、それらの開始時期は同じであるものの、それらの終了時期は全て異なるようにされている。このように、報知音、液晶内表示、ランプ発光でそれぞれ異なる役割を持たせるようにそれらを作動させるようにしたことで、各種の報知音に関して単一のチャンネル(チャンネルX)のみを用いるものでありながらも、異常内容や遊技案内などを適切に報知することができるようになる。
これに対し、図249に示される例では、扉開放検出に応じた報知音(タイミングtα21〜tα22)が終了した後、タイミングtα23において、ゲートセンサ4003による非時短状態での右打ち検出が発生した場合を想定している。ただしこの例では、図248に示した例の場合とは異なり、極めて悪質な行為が行われている可能性は低いことから、該非時短状態での右打ち検出に応じた報知音再生が終了されるタイミングtα24において、既に終了状態にある扉開放検出に応じた報知音が再び再生されることはない。また、タイミングtα22〜タイミングtα23の期間において、図柄変動中の演出音やそれ以外の遊技音の音量の抑制態様が変化されることもない。ちなみに、扉開放検出に応じた報知音(タイミングtα21〜tα22)が終了した後、ゲートセンサ4003による非時短状態での右打ち検出ではなく、枠開放検出が発生した場合であっても、極めて悪質な行為が行われている可能性は低いことから、これに応じた報知音が終了したときに既に終了状態にある扉開放検出に応じた報知音が再び再生されることはない。
一方、図250に示される例では、扉開放検出に応じた報知音(タイミングtα31〜tα32)が終了した後のタイミングtα33において磁気検出センサ4024による磁気検出が発生する点では、図248に示した例と同じである。ただし、図250に示される例では、該磁気検出に応じた報知音が再生されている期間内であるタイミングtα34において、扉枠3が閉鎖されて扉開放検出が終了された場合を想定している。
図250に示される例では、磁気検出に応じた報知音再生が終了されるタイミングtα35において、既に終了状態にあった扉開放検出に応じた報知音が「磁気検出に応じた報知音再生」と繋がるかたちで再生されるようなことはない。すなわち、図250に示される例でも、図248に示した例の場合と同様、何らかの不正工作を行う意図のある者が扉枠3を開放させてこれを開放状態にした後、扉開放検出に応じた報知音再生が終了するのを待って、ほとぼりが冷めた状態で扉枠3内部に不正目的の磁石を秘かに配置させようとしたときに磁気検出センサ4024の検出範囲に磁石が瞬間的に入った状況にある可能性が想定される。ただし、タイミングtα34以降は、扉枠3が閉鎖されており且つ磁気検出も生じていない非不正の状態にあることに鑑みれば、このような非不正の状態にありながらも、磁気検出に応じた報知音をタイミングtα35が到来するまで継続再生するだけで報知音処理としては十分な役割を果たしていると考えられ、それよりも更なる報知音処理が必要になったときのためにチャンネルXを空き状態にして確保しておくことのほうが有益であると言える。したがって、図250に示される例では、各種の報知音に関して単一のチャンネル(チャンネルX)のみを用いるものでありながらも、異常内容や遊技案内などを適切に報知することができるようになる。
また一方、図251に示される例では、扉開放検出に応じた報知音(タイミングtα41〜tα42)が終了した後のタイミングtα43において磁気検出センサ4024による磁気検出が発生する点では、図248に示した例と同じである。ただし、図251に示される例では、該磁気検出に応じた報知音が再生されている期間内であるタイミングtα44において、磁気検出センサ4024による磁気検出が再び発生した場合を想定している。
すなわち、図251に示される例では、扉開放検出に応じた報知音再生が終了するのを待って、ほとぼりが冷めた状態で扉枠3内部に不正目的の磁石を秘かに配置させようとしたときに磁気検出センサ4024の検出範囲に磁石が瞬間的に入り、これに応じて磁気異常の報知音が再生されたにもかかわらず、こうした状況にひるむことなく磁気検出センサ4024の検出範囲内に磁石を再び置こうとしていることが想定され、より悪質な不正行為が行われている可能性がある。そこで、この例では、タイミングtα44において、磁気検出センサ4024による磁気検出が再び発生した場合は、磁気検出に応じた音生成用スケジュールデータをセット状態で維持させたままにする一方で、報知音1(磁気異常)の報知時間を計時するためのタイマ(60秒)をセットし直す処理を行うようにしている。
このような構成によれば、1回目の磁気検出があったときから2回目の磁気検出があったタイミングtα44を基点とした60秒が経過するまでのより長い時間にわたって磁気検出に応じた報知音を継続再生させることができるようになる。またこの場合、タイミングtα43からタイミングtα45までの期間にわたって「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音が途切れることなく継続して再生されるようになる。そして最後には、「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音が、切りの良いタイミングでそのループ処理が終了されず、例えば、「ブーブー 磁気を検」といった中途半端なタイミングでそのループ処理が終了されるようになることから、ホール内に大きな違和感を生じさせて皆の注目が集まることが期待されるようになる。
またさらに、2回目の磁気検出があったタイミングtα44を基点とした60秒が経過したタイミングtα44では、報知音再生がその報知時間(30秒)分だけ既に報知し終わった状態にある「扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータ」を再びセットしてその報知音をチャンネルXに再び割り当てる特殊処理を行うこととしている。なおこの際も、報知音4(扉開放)の報知時間を計時するためのタイマ(30秒)がセットされることで、タイミングtα15が到来するまでの30秒間にわたって扉開放検出に応じた報知音が再生される。
このような構成では、既に終了状態にあった扉開放検出に応じた報知音が「磁気検出に応じた報知音再生」と繋がるかたちで再生されることはもとより、「ブーブー 磁気を検」といった中途半端なタイミングでそのループ処理が終了された「磁気検出に応じた報知音再生」と繋がるかたちで再生されるようになる。したがって、既に終了状態にあった扉開放検出に応じた報知音の優先状態が高くなって磁気検出の報知音を途中で止めるかたちで再生されたかのような報知態様が現れるようになり、ホール内にさらに大きな違和感を生じさせて皆の注目が集まることが期待されるようになる。
また一方、図252に示される例では、扉開放検出に応じた報知音(タイミングtα51〜tα52)が終了した後のタイミングtα53において磁気検出センサ4024による磁気検出が発生する点では、図248に示した例と同じである。ただし、図252に示される例では、該磁気検出に応じた報知音が再生されている期間内であるタイミングtα54において、振動センサ2405による振動検出が発生した場合を想定している。
図252に示される例でも、扉開放検出に応じた報知音再生が終了するのを待って、ほとぼりが冷めた状態で扉枠3内部に不正目的の磁石を秘かに配置させようとしたときに磁気検出センサ4024の検出範囲に磁石が瞬間的に入り、これに応じて磁気異常の報知音が再生されたにもかかわらず、こうした状況にひるむことなく当該パチンコ機1を大きく揺らした状況にあることが想定され、より悪質な不正行為が行われている可能性がある。
そこで、この例では、磁気検出に応じた報知音再生が終了されるタイミングtα55において、振動検出に応じた報知音を「磁気検出に応じた報知音再生」と繋がるかたちで再生させた後、該振動検出に応じた報知音再生が終了されるタイミングtα56において、既に終了状態にあった扉開放検出に応じた報知音を「振動検出に応じた報知音再生」とさらに繋がるかたちで再生させるようにしている。
しかも、振動センサ2405による振動検出が発生したタイミングtα54においては、振動検出に応じた音生成用スケジュールデータをセットせず、且つ報知音2(振動異常)の報知時間を計時するためのタイマ(60秒)をセットするようにし、磁気検出に応じた報知音再生が終了されるタイミングtα55において、振動検出に応じた音生成用スケジュールデータをセットしてその報知音をチャンネルXに割り当てるようにしている。
このような構成によれば、「ブーブー 振動を検知しました」といった報知音が、切りの良いタイミングでそのループ処理が終了されなくなり、例えば、「ブーブー 振動を検」といった中途半端なタイミングでそのループ処理が終了されるようになることから、ホール内に大きな違和感を生じさせて皆の注目が集まることが期待されるようになる。
またさらに、振動検出に応じた報知音再生が終了されるタイミングtα56では、報知音再生がその報知時間(30秒)分だけ既に報知し終わった状態にある「扉開放検出に応じた音生成用スケジュールデータ」を再びセットしてその報知音をチャンネルXに再び割り当てる特殊処理を行うこととしている。なおこの際も、報知音4(扉開放)の報知時間を計時するためのタイマ(30秒)がセットされることで、タイミングtα15が到来するまでの30秒間にわたって扉開放検出に応じた報知音が再生される。
このような構成では、既に終了状態にあった扉開放検出に応じた報知音が「磁気検出に応じた報知音再生」と繋がった「振動検出に応じた報知音再生」に対してさらに繋がるかたちで再生されることはもとより、「ブーブー 振動を検」といった中途半端なタイミングでそのループ処理が終了された「振動検出に応じた報知音再生」と繋がるかたちで再生されるようになる。したがって、既に終了状態にあった扉開放検出に応じた報知音の優先状態が高くなって振動検出の報知音を途中で止めるかたちで再生されたかのような報知態様が現れるようになり、ホール内にさらに大きな違和感を生じさせて皆の注目が集まることが期待されるようになる。
他方、図253に示される例では、扉開放検出ではなく、枠開放検出に応じた報知音(タイミングtα61〜tα62)が終了した後のタイミングtα63において磁気検出センサ4024による磁気検出が発生した場合を想定している。
図253に示される例でも、枠開放検出があってからすぐに磁気検出がさらに発生する状況が、何らかの不正行為を行っている可能性が高い状況にあると言える。ただしその一方で、不正行為を目的として磁石を用いるのであれば扉枠3を開放状態にするはずであり、本体枠4を開放状態にしたとしても磁石を配置させて有益となるようなことはないことから、ホール側が球タンクや払い出し通路などにおける球詰まり解消のために磁石を用いた時に誤って磁気検出センサ4024を誤検出させてしまった可能性も想定されうる状況にあるといえる。
そこで、図253に示される例においても、磁気検出に応じた報知音再生が終了されるタイミングtα64では、既に終了状態にあった枠開放検出に応じた報知音が「磁気検出に応じた報知音再生」と繋がるかたちで再生させることで(タイミングtα64〜tα65)、ホール内に大きな違和感を生じさせて皆の注目が集まることが期待されるようにする。ただしその後、本体枠4が閉鎖されて枠開放検出が終了されるタイミングtα66においては、枠開放検出に応じた各報知処理(報知音、液晶内表示、ランプ)のみならず、磁気検出に応じた各報知処理(報知音、液晶内表示、ランプ)についてもそれらを終了させる特殊処理を行うこととしている。
このような構成によれば、不正行為に対する機能を好適に奏するようにしつつも、ホール側の誤検出であったときには本体枠4を閉鎖させるだけで枠開放検出及び磁気検出に応じた報知処理(報知音、液晶内表示、ランプ)を全て終了させることができるようになることから、誤検出に対するホール側の対応を迅速化させてホール内の雰囲気を好適に維持することが期待されるようになる。
なお、図253に示される例において、磁気検出に応じた報知音が再生されている期間内にあるときに本体枠4が閉鎖されて枠開放検出が終了された場合も、該枠開放検出が終了されたタイミングで、枠開放検出に応じた各報知処理(報知音、液晶内表示、ランプ)のみならず、磁気検出に応じた各報知処理(報知音、液晶内表示、ランプ)についてもそれらを終了させる特殊処理を行うようにしてもよい。
ところで、この実施例にかかるパチンコ機1には、遊技者側音量調整機能が搭載されていることは上述した通りである。
例えば、周辺制御MPU1511aでは、ステップS1108の処理(図217を参照)において、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332が操作されたか否かを監視しており、演出選択左ボタン331が操作された旨判断されるとスピーカのボリュームに関して遊技者による設定値(遊技者設定値)を低下させる処理を行い、演出選択右ボタン332が操作された旨判断されるとスピーカのボリュームに関して遊技者による設定値(遊技者設定値)を上昇させる処理を行う。また、遊技者設定値が低下されて実際に低下された音量がスピーカから出力される状況になると、音量調整完了音(例えば、「ピ!」)をその低下後の音量値で出力させるのに対し、遊技者設定値が上昇されて実際に上昇された音量がスピーカから出力される状況になると、音量調整完了音(例えば、「ピピ!」)をその上昇後の音量値で出力させることで、音量調整が完了してどの程度の音量に変化したかを把握することが可能とされるようにしている。なお、音量調整完了音については、音量値を低下させる場合と上昇させる場合とで同じ音を出力させるようにしてもよい。
ちなみに、音量調整完了音は、空きチャンネルがなくなったときに参照される上述の優先順位が比較的高いものとなっており(例えば、ボタン押下音と同じ「20」)、演出音の出力音量(可聴音の音量)が変化したことをより確実に伝達することができるようになっている。
そして、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、このような音量調整処理を、大当り判定に応じた図柄変動が未だ行われておらず遊技が開始されるよりも前の期間(デモ表示などが行われうる期間)のみならず、遊技が開始されて大当り判定に応じた図柄変動が実行されている期間中においても遊技者による受付を許容するようになっており、より重要な演出が出現したときなどに音量値の機動的な設定変化を可能ならしめることで遊技興趣の維持を図るようにしている。
一方、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、これも上述した通り、図柄変動の実行期間中に表示演出の進展に応じて各種の演出音のチャンネル割り当てがなされている状況において、当該パチンコ機1が磁気異常や扉開放などの特定の状態になったことが検出されると、複数種類の報知音のうち検出内容に応じた特定の報知音をチャンネルに割り当てて出力させる処理を行う。またこの際、表示演出の進展に応じた各種の演出音のチャンネル割り当てこれ自体も中止せず、その出力音量を特定値まで低下させる演出進展下報知処理を実行可能としている。すなわちこの場合、複数種類の報知音のうち特定の報知音がチャンネルに割り当てて出力される状況になったとしても、表示演出の進展に応じた各種の演出音のチャンネル割り当てこれ自体は中止されないことから、特定の報知音のチャンネル割り当て若しくは異常状態が終了しさえすれば、演出表示の進展に応じた演出音の出力音量を適切に復帰させることで演出を再び楽しむことができるようになる。
ただし、上記演出進展下報知処理では、表示演出の進展に応じた各種の演出音のチャンネル割り当てこれ自体を中止させないようにしていることから、特定の報知音がチャンネルに割り当てられる分だけ通常時(非報知の状態)よりも多くのチャンネルが使用されることとなり、特定の報知音のチャンネル割り当て(報知状態)が終了するよりも前の段階で音データが割り当てられていない空きチャンネルがなくなってしまうリスクが高くなる傾向にある。そして、特定の報知音のチャンネル割り当て(報知状態)が終了するよりも前の段階で音データが割り当てられていない空きチャンネルがなくなってしまうようなことがあれば、その時点で音データのいずれか1つのチャンネル割り当てを破棄せざるを得なくなることから、その後、特定の報知音のチャンネル割り当て(報知状態)が終了したとしても、チャンネルに割り当てることができずに破棄された音データを再生させることはできず、遊技興趣が低下する懸念がある。
こうした演出音に関わる空きチャンネルの懸念については、報知音のチャンネル割り当てに関して固定チャンネル方式を採用している場合には直接的な弊害は生じないが、報知音のチャンネル割り当てに関して固定チャンネル方式を採用するか、若しくは自動チャンネル方式を採用するかは、遊技や演出の設計上の観点から決定されるべきものであるから、いずれのチャンネル方式が採用された場合であっても上記演出進展下報知処理として共通の処理プログラムを採用することができるような処理構造を用意しておくことが、パチンコ機1の開発にかかるコスト低減や信頼性の向上を確保する上で重要である。したがって、以下に説明する例では、報知音と演出音とのいずれについても、固定チャンネル方式と自動チャンネル方式とのいずれを採用するようにしてもよい。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、演出進展下報知処理が実行されている間、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する操作が行われたとしても、特定値まで低下されている演出音の出力音量は可変とされずこれを維持させるようにしている。すなわちこの場合、演出進展下報知処理が実行されている間は遊技者による操作があったとしても上述の音量調整完了音(「ピ!」または「ピピ!」)を発生させる必要がなくなることから、その分だけチャンネルに余裕を持たせて空きチャンネルがなくなってしまうリスクの低減を促すことが期待されるようになる。
ただし、より重要な演出が出現したときなどに音量値の機動的な設定変更を可能としたパチンコ機1であるにもかかわらず、演出進展下報知処理が実行されている間は出力音量の設定変更が不可とされてしまうと、誤検出やホール側都合(扉開放など)による報知を起因とした演出進展下報知処理が実行された場合に、演出進展の内容に合わせた音量適正値に適宜に設定変更できなくなったことによる遊技興趣の低下が避けられない。また、演出進展下報知処理が行われている期間中に演出が進展した結果、演出内容に合わせた音量適正値と実際の設定値との間に大きなズレが生じるようになると、出力音量(可聴音の音量)の設定変更が許容されるようになった以降、音量適正値に変更させるために複数回の操作受付が必要とされるが、これでは上述の音量調整完了音によってチャンネルが占有されることとなってしまい、演出進展下報知処理がようやく終了したにもかかわらず空きチャンネルが足らずに演出音を適切に出力させることができなくなってしまうことによる遊技興趣の低下が懸念される。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、まず、演出進展下報知処理が実行されている間、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する操作が行われると、特定値まで低下されている演出音の出力音量(可聴音の音量)は可変とせずこれを維持させる一方で、音量に関しての遊技者による設定値(遊技者設定値)これ自体の変更受付は許容して、上記演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)が終了されたときにそれまでの操作が全て反映された出力音量(可聴音の音量)へと一括変化させるようにしている。
このような構成によれば、演出進展下報知処理が実行されている間に演出進展に合わせて遊技者による設定値(遊技者設定値)の変更受付を行うようにしておけば、新たな操作を行わずとも、当該演出進展下報知処理が終了されたときにそれまでの操作が全て反映された出力音量(可聴音の音量)へと一括変化させることができるようになる。このように、演出進展下報知処理が実行されている期間中であっても遊技者による設定値(遊技者設定値)の変更受付を許容するようにしたことで、演出進展下報知処理が終了するまでの遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。また、当該演出進展下報知処理が終了してすぐに音量値(可聴音の音量)が複数段階にわたって設定変更されてその都度の音量調整完了音によって空きチャンネルに不足が発生するような事態の発生も好適に回避されるようになる。
なお、上記構成によれば、演出進展下報知処理が終了されたときに遊技者設定値への出力音量の一括変化を実行する場合は、演出進展下報知処理が実行されていた期間中における遊技者設定値の変更回数や遊技者による操作回数などにかかわらず、音量調整完了音を、一括変更された後の音量で1回分だけ再生することとなるが、この音量調整完了音については通常時とは異なる特別態様の音(例えば、「ビー!」)で出力させるようにしてもよい。
またさらに、演出進展下報知処理が終了したときの空きチャンネルの不足をより好適に解消させる上では、演出進展下報知処理が実行されていた期間中における遊技者設定値の変更回数や遊技者による操作回数などにかかわらず、演出進展下報知処理が終了されることに伴って出力音量(可聴音の音量)を一括変更させるときには音量調整完了音これ自体の再生を行わないようにすることが望ましい。このような構成によれば、特に、誤検出やホール側都合(扉開放など)による報知を起因とした演出進展下報知処理がようやく終了されたにもかかわらず、空きチャンネルの不足によって適正な演出を楽しむことができなくなるような事態の発生を好適に抑制することができるようになる。
以下、このような演出進展下報知処理が実行されてから出力音量(可聴音の音量)が一括変更されるまでの処理についてその一例を説明する。
図254は、演出進展下報知処理の内容について当該パチンコ機1の報知状態の別に説明する図である。
まず、演出進展下報知処理が実行されてから出力音量(可聴音の音量)が一括変更されるまでの処理を説明するのに先立って、図254を参照して、演出進展下報知処理の内容について簡単に説明する。ここでは、説明の便宜上、図244で例示した報知音1〜7に関してのみ示しており、その他の報知音については説明を省略している。
同図254に示されるように、この説明例では、まず、演出音の音量抑制態様として、2種類の抑制態様(第1の音量抑制態様、第2の音量抑制態様)が用意されており、例えば、第1の音量抑制態様は、音量に関しての遊技者による設定値(遊技者設定値)変更では「20」〜「50」の範囲での演出音の出力音量(可聴音の音量)変更が可能とされているなかで、演出音の出力音量(可聴音の音量)を「10」に設定するものとなっている。これに対し、第2の音量抑制態様は、演出音の出力音量(可聴音の音量)を「0」に設定するものとされている。したがって、第2の音量抑制態様は、第1の音量抑制態様よりもその抑制度合いが大きいものとなっており、特に、この説明例では、出力にかかる処理これ自体は行われるものの演出音を無音化させるものとして例示されている。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、報知音1〜7のうち、不正可能性が高い第1報知グループに属する報知音1〜3(磁気異常、振動異常、大入賞異常)のいずれかに関する報知処理が実行される場合は、抑制度合いの高い側である第2の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理を行うこととしている。しかも、第1報知グループに属する報知音1〜3(磁気異常、振動異常、大入賞異常)のいずれかに関する報知処理が実行される場合は、異常検出がオフになった場合であっても、異常検出があってから予め定められた時間(ここでは、60秒)が経過するまでの間は、抑制度合いの高い側である第2の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理を終了させず、これを継続させるようにしている。
なお、この説明例では、第1報知グループに属する報知音1〜3(磁気異常、振動異常、大入賞異常)のいずれかに関する報知処理が実行される場合は、演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理が継続される期間を、異常検出に応じた報知音(磁気異常、振動異常、大入賞異常)の再生がされてからこれが終了されるまでの期間と同じになるように設定されている。
一方、報知音1〜7のうち、不正可能性が中程度の第2報知グループに属する報知音4,5(扉開放、枠開放)のいずれかに関する報知処理が実行される場合は、抑制度合いの低い側である第1の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理を行うこととしている。ただし、第2報知グループに属する報知音4,5(扉開放、枠開放)のいずれかに関する報知処理が実行される場合は、異常検出が生じてからすぐに異常検出がオフになると、その時点で、抑制度合いの低い側である第1の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理を終了させることとなる。
他方、報知音1〜7のうち、遊技案内に関連した第3報知グループに属する報知音6,7(左打ち案内、球抜き案内)のいずれかに関する報知処理が実行される場合は、演出性の維持を重視しており、演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理は何ら実行されない。
なお、この説明例では、第1報知グループに属する報知音が実行される場合と、第2報知グループに属する報知音が実行される場合とで抑制態様を異ならせるようにしたが、該抑制態様については必ずしも異ならせなくてもよく、第1報知グループに属する報知音が実行される場合と、第2報知グループに属する報知音が実行される場合とで一の抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理を行うようにしてもよい。ただし、該抑制させる処理の終了条件については、第1報知グループに属する報知音が実行される場合のほうが、第2報知グループに属する報知音が実行される場合よりも厳格化されるかたちで異ならせるようにすることが重要である。
図255は、異常検出が発生しておらず報知音に関する処理が実行されていないなかで、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332が操作されたことに伴う音量調整に関する処理についてその内容を説明する図である。
なお、この説明例にあって、遊技者設定値は、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332による操作によって「1」〜「5」の範囲内で「1」ずつ可変とされるようになっており、その値が小さいほど演出音の音量が小さくなるものとして設定されている。また、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、演出音に対して上述の抑制態様(第1の音量抑制態様、第2の音量抑制態様)が設定されていない状態では、遊技者設定値の20倍の数値として設定されるものとなっている。したがって、この説明例では、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、遊技者による操作によって「20」〜「100」の範囲で可変とされることとなる。
いま、同図255(A)に示されるように、演出音の音量に関して遊技者設定値が「1」〜「5」のうちの「3」であり、何らの報知フラグも設定されておらず、演出音の出力音量(可聴音の音量)がその20倍の「60」に設定されているとする。また、装飾図柄SZが停止した状態にあり、且つ大当り判定が行われておらず始動入賞待ちの状態にあるとすると、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、演出選択左ボタン331を模した表示画像331aと、演出選択右ボタン332を模した表示画像332aとが表示されており、それらの操作を通じて音量調整を行うことができる旨の音量調整案内表示OAHが行われる。またこの際、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、現在の遊技者設定値が「1」〜「5」のいずれであるかを認識可能とする第1の音量値表示OH1も実行される。これら音量調整案内表示OAH及び第1の音量値表示OH1については、常時表示されるようにしてもよいし、背景画像が変化した状態で実行されるリーチ演出であるスーパーリーチ演出などの特定期間中にあるときには非表示にして遊技者による操作があったときに第1の音量値表示OH1及び後述の第2の音量値表示OH2の少なくとも一方が現れるようにしてもよい。また、音量調整案内表示OAH及び第1の音量値表示OH1については、必ずしもそれらの両方を表示しなくてもよく、それらの一方を割愛し、その他方のみを表示するようにしてもよい。
このような図255(A)に示される状況にあるなかで、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332による操作が行われると、該操作がある都度、遊技者設定値が「1」ずつ変化され、これに伴って演出音の出力音量(可聴音の音量)が「20」ずつ変化されるようになる。また、演出音の出力音量(可聴音の音量)が変化する都度、その変化後の音量で、音量調整完了音(例えば、「ピ!」)が再生されるようになる。
またこの際、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」のなかで現在の設定値がいずれであるかをゲージ表示によって示す第2の音量値表示OH2(図255(C)を参照)が、音量調整案内表示OAHに代わって実行されることとなるが、これについては後述することとする。
なお、遊技者設定値が「1」のときに演出選択左ボタン331が操作された場合は、遊技者設定値と演出音の出力音量(可聴音の音量)とのいずれも低下されず、遊技者設定値は「1」のまま(演出音の出力音量(可聴音の音量)は「20」のまま)とされる。したがって、遊技者設定値が「1」のときに演出選択左ボタン331が操作されたとしても、音量調整完了音はチャンネル自体に割り当てないようにするか、チャンネルに割り当てたとしてもその音量を「0」にすることによって可聴出力されないようにすることが望ましい。このことは、遊技者設定値が「5」のときに演出選択右ボタン332が操作された場合も同様である。
これに対し、始動入賞が発生して大当り判定が行われると、図255(B)に示されるように、大当り判定の結果や変動パターンの種別に基づいて装飾図柄SZが所定の演出パターンで変動表示される。また、装飾図柄SZが変動表示される間は、所定演出が進展されるとともに、該所定演出の進展に合わせた演出音が出力される。
この点、この実施の形態にかかる音量調整処理では、図255(A)に示される期間(デモ表示などが行われうる期間)のみならず、遊技が開始されて大当り判定に応じた図柄変動が実行されている期間中においても遊技者による受付を許容するようになっており、例えば、図255(C)に示されるリーチ演出などのより重要な演出が出現したときに音量値の機動的な設定変化を可能ならしめる構成とされていることは上述した通りである。
すなわち、図255(C)では、図255(B)に示される状態においてリーチ演出が実行されたことに伴い遊技者によって演出選択右ボタン332による操作が2回行われた後の様子を示しており、そのうちの1回目の操作では、遊技者設定値が「3」→「4」に変化されており、且つ演出音の出力音量(可聴音の音量)がそれらの20倍の「60」→「80」に設定変更されているもとで、その変化後の音量である「80」で音量調整完了音が所定のチャンネルに割り当てられて再生されるとともに、2回目の操作では、遊技者設定値が「4」→「5」に変化されており、且つ演出音の出力音量(可聴音の音量)がそれらの20倍の「80」→「100」に設定変更されているもとで、その変化後の音量である「100」で音量調整完了音が所定のチャンネルに割り当てられて再生されることとなる。
また、この実施の形態にかかる遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、こうした操作によって遊技者設定値が変化されると、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」のなかで現在の設定値がいずれであるかをゲージ表示によって示す第2の音量値表示OH2が、音量調整案内表示OAHに代わって実行されることとなる。これは、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」に対して現在の設定値がいずれであるかを明瞭化させることで、より重要な演出が現れた緊迫した状況下においても、遊技者設定値が最大値の「5」であるにもかかわらず演出選択右ボタン332に対する操作が繰り返し実行されるなどの操作ミスが生じないようにすることを目的としたものである。ゲージ表示では、「1」〜「5」の数値範囲が定常的にブロック表示されており、これらのブロックのうち塗り潰されているブロックの数が遊技者設定値の変化に応じて増加・減少される表示を行うことで、現在の遊技者設定値を示すようになっている。
なお、第2の音量値表示OH2は、図255(D)に示されるように、図255(C)に示される状態において演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332に対する操作があったときから所定時間(例えば5秒)の経過後に非表示にされ、その後は音量調整案内表示OAHが再び実行されるようにしている。したがって、遊技者設定値に変更が生じない態様での操作(遊技者設定値が最大値の「5」であるときの演出選択右ボタン332に対する操作)であったとしても、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332に対する操作が繰り返される限りは、第2の音量値表示OH2の表示は維持されることとなる。すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技者設定値に変更が生じない態様での操作(遊技者設定値が最大値の「5」であるときの演出選択右ボタン332に対する操作)が行われる場合、該操作がある都度、音量調整完了音は可聴出力されないが、第2の音量値表示OH2を非表示にするまでの時間を計時するタイマ値はリセットされることとなる。これにより、遊技者設定値が最大値の「5」であるにもかかわらず演出選択右ボタン332に対する操作が繰り返し実行されるなどの操作ミスが生じないようにすることがより好適に促されるようになる。
一方、図256は、図柄変動の実行期間中に扉開放検出が発生してこれに応じた報知音に関する処理が実行されているなかで、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332が操作されたことに伴う音量調整に関する処理についてその内容を説明する図である。
図256(A)に示される状況は、図柄変動が開始される前の状況であり、図255(A)を参照しつつ説明した状況と同じである。このような状況において始動入賞が発生して大当り判定が行われると、図256(B)に示されるように、図255(B)を参照しつつ説明した状況と同様、大当り判定の結果や変動パターンの種別に基づいて装飾図柄SZが所定の演出パターンで変動表示される。また、装飾図柄SZが変動表示される間は、所定演出が進展されるとともに、該所定演出の進展に合わせた演出音が出力される。
ただし、図256(B)に示される状況では、図柄変動の実行期間中に第2報知グループに属する扉開放検出が発生してこれに応じた報知音4(扉開放)に関する処理が実行されており、より具体的には、「扉が開いています ピンポンピンポン」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理(30秒間)と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(ここでは、「扉開放中」)と、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプ(発光装置)による点灯とがそれぞれ実行されるようになっている。
また上述の通り、図柄の変動期間中、第2報知グループに属する扉開放検出が発生してこれに応じた報知音4(扉開放)に関する処理が実行されると、第1の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる演出進展下報知処理が行われるようになる。したがって、図256(B)に示される状況においては、遊技者設定値は、図256(A)の状況にあったときと同様の「3」のままで維持されているにもかかわらず、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、本来の数値(遊技者設定値の20倍)よりも低い予め定められた第1特定値(ここでは「10」)に設定されることとなり、こうした音量値のもとで演出内容が進展されるようになる。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような演出進展下報知処理が実行されている間、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する操作が行われると、第1特定値(ここでは「10」)まで低下されている演出音の出力音量(可聴音の音量)は可変とせずこれを維持させる一方で、音量に関しての遊技者による設定値(遊技者設定値)これ自体の変更受付は許容して、上記演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)が終了されたときにそれまでの操作が全て反映された出力音量(可聴音の音量)へと一括変化させるようにしていることは上述した通りである。
すなわち、図256(C)では、図256(B)に示される状態においてリーチ演出が実行されたことに伴い遊技者によって演出選択右ボタン332による操作が2回行われた後の様子を示しており、演出選択右ボタン332による操作によって遊技者設定値が「3」→「5」に変更されているにもかかわらず、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、本来の数値(遊技者設定値の20倍)よりも低い予め定められた第1特定値(ここでは「10」)のままで維持されていることがわかる。したがって、遊技者によって演出選択右ボタン332による操作が2回行われたとしても、上記演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)が終了されるまでの間は演出音の音量は変化されず、第1特定値の音量のままで演出内容が進展されるようになる。
またこの際、遊技者による操作のうち、1回目の操作では、遊技者設定値が「3」→「4」に変化されるものの、演出音の出力音量(可聴音の音量)は第1特定値(ここでは「10」)のままで維持されることから音量調整完了音が可聴出力されることはないし、2回目の操作でも、遊技者設定値が「4」→「5」に変化されるものの、演出音の出力音量(可聴音の音量)は第1特定値(ここでは「10」)のままで維持されることから音量調整完了音が可聴出力されることはない。
ただし、1回目の操作では、遊技者設定値これ自体は「3」→「4」に変化しており、音量調整のための遊技者操作は受け付られていることから、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」のなかで現在の設定値が「4」であることをゲージ表示によって示す第2の音量値表示OH2が、音量調整案内表示OAHに代わって実行されるとともに、第1の音量値表示OH1においてもその数値を「3」→「4」に変化して表示させることとなる。
また、2回目の操作も、遊技者設定値これ自体は「4」→「5」に変化しており、音量調整のための遊技者操作は受け付られていることから、第2の音量値表示OH2では、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」のなかで現在の設定値が「4」→「5」に変化したことをゲージ表示によって示すとともに、第1の音量値表示OH1においてもその数値を「4」→「5」に変化して表示させることとなる。
そしてその後、音量調整案内表示OAHが再び実行される状態に戻っているもとで扉枠3が閉鎖されて報知音4(扉開放)に関する処理と演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)とがそれぞれ終了すると、図256(D)に示されるように、当該処理が終了されたことに応じてそれまでの操作が全て反映された出力音量(可聴音の音量)へと一括変化させる。すなわちこの場合、遊技者設定値は、演出進展下報知処理の実行期間中に「3」から1回目の操作に応じた「4」、2回目の操作に応じた「5」へと段階的に変化していることから、出力音量(可聴音の音量)としても、本来であれば、第1特定値(ここでは「10」)から1回目の操作に応じた「80」、2回目の操作に応じた「100」へと段階的に変化させるべきところ、第1特定値(ここでは「10」)からそれまでの操作が全て反映された「100」へと一括変化されるようになる。
このように、演出進展下報知処理が実行されている期間中であっても遊技者による設定値(遊技者設定値)の変更受付を許容するようにしたことで、演出進展下報知処理が終了するまでの遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。また、当該演出進展下報知処理が終了してすぐに音量値(可聴音の音量)が複数段階にわたって設定変更されてその都度の音量調整完了音によって空きチャンネルに不足が発生したり余裕がなくなったりするような事態の発生も好適に回避されるようになる。
しかも、この説明例では、演出進展下報知処理が終了されることに伴って出力音量(可聴音の音量)を一括変更(「10」→「100」)させるときには、出力音量に変化が生じるにもかかわらず音量調整完了音のチャンネル割り当てこれ自体を行わないようにしている。このような構成によれば、特に、誤検出やホール側都合(扉開放など)による報知を起因とした演出進展下報知処理がようやく終了されたにもかかわらず、空きチャンネルの不足によって適正な演出を楽しむことができなくなるような事態の発生を好適に抑制することができるようになる。
他方、図257は、図256で発生した状態検出が扉開放ではなく磁気異常であった場合に、これに応じた報知音に関する処理が実行されているなかで、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332が操作されたことに伴う音量調整に関する処理についてその内容を説明する図である。
図257(A)に示される状況は、図柄変動が開始される前の状況であり、図256(A)を参照しつつ説明した状況と同じである。このような状況において始動入賞が発生して大当り判定が行われると、図257(B)に示されるように、図256(B)を参照しつつ説明した状況と同様、大当り判定の結果や変動パターンの種別に基づいて装飾図柄SZが所定の演出パターンで変動表示される。また、装飾図柄SZが変動表示される間は、所定演出が進展されるとともに、該所定演出の進展に合わせた演出音が出力される。
図257(B)に示される状況では、図柄変動の実行期間中に第1報知グループに属する磁気検出が発生してこれに応じた報知音1(磁気異常)に関する処理が実行されており、より具体的には、「ブーブー 磁気を検知しました」といった報知音を繰り返し出力させるループ処理(60秒間)と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(ここでは、「磁気検出」)と、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプ(発光装置)による点灯とがそれぞれ実行されるようになっている。
また上述の通り、図柄の変動期間中、第1報知グループに属する磁気検出が発生してこれに応じた報知音1(磁気異常)に関する処理が実行されると、第2の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる演出進展下報知処理が行われるようになる。したがって、図257(B)に示される状況においては、遊技者設定値は、図257(A)の状況にあったときと同様の「3」のままで維持されているにもかかわらず、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、本来の数値(遊技者設定値の20倍)よりも低い予め定められた第2特定値(ここでは「0」)に設定されることとなり、こうした音量値(ここでは、消音)のもとで演出内容が進展されるようになる。
この点、このような磁気異常に応じた演出進展下報知処理が実行される場合も、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する操作が行われると、第2特定値(ここでは「0」)まで低下されている演出音の出力音量(可聴音の音量(ここでは消音))は可変とせずこれを維持させる一方で、音量に関しての遊技者による設定値(遊技者設定値)これ自体の変更受付は許容して、上記演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)が終了されたときにそれまでの操作が全て反映された出力音量(可聴音の音量)へと一括変化させるようにしていることは上述した通りである。
すなわち、図257(C)では、図257(B)に示される状態においてリーチ演出が実行されたことに伴い遊技者によって演出選択右ボタン332による操作が2回行われた後の様子を示しており、演出選択右ボタン332による操作によって遊技者設定値が「3」→「5」に変更されているにもかかわらず、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、本来の数値(遊技者設定値の20倍)よりも低い予め定められた第2特定値(ここでは「0(消音)」)のままで維持されていることがわかる。したがって、遊技者によって演出選択右ボタン332による操作が2回行われたとしても、上記演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)が終了されるまでの間は演出音の音量は変化されず、第2特定値の音量のままで演出内容が進展されるようになる。
またこの際、遊技者による操作のうち、1回目の操作では、遊技者設定値が「3」→「4」に変化されるものの、演出音の出力音量(可聴音の音量)は第2特定値(ここでは「0」)のままで維持されることから音量調整完了音が可聴出力されることはないし、2回目の操作でも、遊技者設定値が「4」→「5」に変化されるものの、演出音の出力音量(可聴音の音量)は第2特定値(ここでは「0」)のままで維持されることから音量調整完了音が可聴出力されることはない。
ただし、1回目の操作では、遊技者設定値これ自体は「3」→「4」に変化しており、音量調整のための遊技者操作は受け付られていることから、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」のなかで現在の設定値が「4」であることをゲージ表示によって示す第2の音量値表示OH2が、音量調整案内表示OAHに代わって実行されるとともに、第1の音量値表示OH1においてもその数値を「3」→「4」に変化して表示させることとなる。
また、2回目の操作も、遊技者設定値これ自体は「4」→「5」に変化しており、音量調整のための遊技者操作は受け付られていることから、第2の音量値表示OH2では、遊技者設定値の範囲である「1」〜「5」のなかで現在の設定値が「4」→「5」に変化したことをゲージ表示によって示すとともに、第1の音量値表示OH1においてもその数値を「4」→「5」に変化して表示させることとなる。
ちなみに、この説明例では、図257(C)に示される状況において、磁気検出これ自体は既に非検出の状態とされている。ただし、扉検出の場合とは異なり、磁気検出があってから所定時間(ここでは、60秒)が経過するまでの間は第2の音量抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる演出進展下報知処理が継続して実行されるようになっている。
そしてその後、音量調整案内表示OAHが再び実行される状態に戻っているもとで磁気検出があってから所定時間(ここでは、60秒)が経過して演出進展下報知処理(出力音量を特定値まで低下させる処理)が終了すると、図257(D)に示されるように、当該処理が終了されたことに応じてそれまでの操作が全て反映された出力音量(可聴音の音量)へと一括変化させる。すなわちこの場合、遊技者設定値は、演出進展下報知処理の実行期間中に「3」から1回目の操作に応じた「4」、2回目の操作に応じた「5」へと段階的に変化していることから、出力音量(可聴音の音量)としても、本来であれば、第2特定値(ここでは「0」)から1回目の操作に応じた「80」、2回目の操作に応じた「100」へと段階的に変化させるべきところ、第2特定値(ここでは「0」)からそれまでの操作が全て反映された「100」へと一括変化されるようになる。
なお、磁気異常に応じた報知処理が実行された場合は、扉開放に応じた報知処理が実行された場合とは異なり、図257(D)に示される状況においても、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における表示(ここでは、「磁気検出」)と、扉枠3及び遊技盤5に配設されている各種のランプ(発光装置)による点灯とはそれぞれ実行されたままとなっている。すなわち、磁気異常に応じた報知処理では、報知音が終了されると、液晶内表示による報知とランプによる報知とが継続されるなかで、演出音は抑制対象から外れて遊技者設定値に応じた出力音量に反映させるのに対し、扉開放に応じた報知処理では、報知音が終了したとしても、液晶内表示による報知とランプによる報知とが継続されるなかでは演出音は抑制対象のままとされるようになっている。
このように、磁気異常が発生した場合も、演出進展下報知処理が実行されている期間中であっても遊技者による設定値(遊技者設定値)の変更受付を許容するようにしたことで、演出進展下報知処理が終了するまでの遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。また、当該演出進展下報知処理が終了してすぐに音量値(可聴音の音量)が複数段階にわたって設定変更されてその都度の音量調整完了音によって空きチャンネルに不足が発生したり余裕がなくなったりするような事態の発生も好適に回避されるようになる。
しかも、この説明例では、磁気異常に伴う演出進展下報知処理が終了されることに伴って出力音量(可聴音の音量)を一括変更(「0」→「100」)させるときにも、出力音量に変化が生じるにもかかわらず音量調整完了音のチャンネル割り当てこれ自体を行わないようにしている。このような構成によれば、特に、誤検出による報知を起因とした演出進展下報知処理がようやく終了されたにもかかわらず、空きチャンネルの不足によって適正な演出を楽しむことができなくなるような事態の発生を好適に抑制することができるようになる。
なお、「扉が開いています ピンポンピンポン」といった扉開放に応じた報知音や、「ブーブー 磁気を検知しました」といった磁気異常に応じた報知音については、図244に示したように、ボリューム初期値の3バイト目に「1」(0x1FF)を設定していることから、遊技者設定値にかかわらず、必ず初期値で設定された音量で再生される。
また、報知音6(左打ち案内)や報知音7(球抜き案内)が実行される場合には、演出進展下報知処理が実行されないことから、それらの報知の実行中には、遊技者設定値と演出音の出力音量(可聴音の音量)との両方を適宜可変させることが可能である。ただし、これらの報知音6,7についても、図244に示したように、ボリューム初期値の3バイト目に「1」(0x1FF)を設定していることから、遊技者設定値にかかわらず、必ず初期値で設定された音量で再生されることとなる。
報知音1〜7のうち、第3報知グループに属する報知音6(左打ち案内)や報知音7(球抜き案内)については、ボリューム初期値の3バイト目に「1」を設定せず、遊技者による音量調整の対象に含ませるようにしてもよい。
また、図256及び図257で説明した各処理については、図柄変動の実行期間中のみならず、図柄変動が開始される前の状態や、図柄変動の開始や終了のタイミングに跨るかたちで状態検出に応じた報知処理が実行される場合においても、同じ態様で実行されるようにしてもよい。
また、図256及び図257で説明した各処理において、演出進展下報知処理が終了された後は、該演出進展下報知処理が開始される前と同様、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332による操作によって遊技者設定値が変化されると、これに伴って演出音の出力音量(可聴音の音量)が変化される。そして、演出音の出力音量(可聴音の音量)が変化する都度、その変化後の音量で、音量調整完了音(例えば、「ピ!」)が再生されるようになる。
また、図256で説明した処理と図257で説明した処理とで、演出進展下報知処理が行われている期間中における演出音の抑制態様を異ならせるようにしたが、該抑制態様については必ずしも異ならせなくてもよく、第1報知グループに属する報知音が実行される場合と、第2報知グループに属する報知音が実行される場合とで一の抑制態様で演出音の出力音量(可聴音の音量)を抑制させる処理を行うようにしてもよいことは上述した通りである。
また、演出進展下報知処理では、各種遊技音の出力音量(可聴音の音量)を抑制することとなるが、これら遊技音のうち、第一始動口2002または第二始動口2004に遊技球が入賞したことに応じて再生される音(入賞音)など、一部の遊技音については音量抑制の影響を受けることなく初期値設定の音量のままで再生するようにしてもよい。すなわちこの場合、パチンコ機1としての異常状態が発生しているにもかかわらず遊技が継続されている状況にあるか否かをホール側が把握し易くすることができるようになる。この意味では、演出進展下報知処理が実行されているときに第一始動口2002または第二始動口2004に遊技球が入賞したことに応じて再生される音(入賞音)など、一部の遊技音については、演出進展下報知処理が実行されていないときには出力され得ない特殊な音として再生するようにすることが望ましい。
上述の通り、図244〜図257では、各種の報知音に関して単一のチャンネルのみで異常内容などを適切に報知可能とするチャンネル節約型の制御構造を採用することで、チャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)これ自体をいかに現れ難くするか、といった点での技術的工夫を施すようにすることを提案した。ただし、このような制御構造を採用した場合であっても、演出効果音(演出音)の割り当て対象とされるチャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)が生じて演出設計上の意図しない音出力の態様が現れることに対する懸念は未だ残される。
この点、この実施例にかかるパチンコ機1では、演出音のチャンネル割り当てに関しても、チャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)が発生するよりも前の段階で様々な技術的工夫を施すようにしている。以下、演出音の出力に関して施されている様々な技術的工夫について順次説明する。なお、当該パチンコ機1としてこれらの技術的工夫を採用するにあたり、各種の報知音に関して単一のチャンネルのみで異常内容などを適切に報知可能とする上述のチャンネル節約型の制御構造については必ずしも採用しなくてもよい。また、以下に説明する各例では、報知音と演出音とのいずれについても、固定チャンネル方式と自動チャンネル方式とのいずれを採用するようにしてもよい。また、自動チャンネル方式を採用した場合、上述の優先順位に基づく制御については必ずしも採用しなくてもよく、全てのチャンネルが使用状態になったときには新たな音を破棄する処理を行うようにしてもよい。また、以下に説明する各例は、適宜に組み合わせて実施することが可能である。
[チャンネル予約処理]
上述の通り、チャンネルの数が有限とされる遊技機では、入賞に応じた判定手段による判定にて特別の結果が得られたとしても、音データの割り当て対象とされるチャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)では特別の結果が得られたことに応じた特別音をチャンネルに割り当てることができず、これを出力できないことによる遊技興趣の低下が懸念される。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、まず、「当該パチンコ機1に対して手をかざしてお祈りする行為」や「ボタン操作」などの特定行為が行われたか否かを所定の検出手段によって検出可能としている。このような特定行為が行われたことが検出されると、例えば、無音の音のみから構成される無音データに応じた音(音量が0の出力音)など、何らの期待度も示さない所定音を予め定められた時間にわたってチャンネルに割り当てる処理を実行することで(チャンネル予約処理)、該チャンネルが他の音によって使用状態にされることないように維持する。一方、こうしてチャンネル予約処理が行われている間は、特定入賞口に遊技球が受け入れられた結果として、例えば、大当り確定演出や先読み演出などの特別の演出条件が成立した場合であってもその時点では該演出に応じた特別音をチャンネルに割り当てない。そして、上記チャンネル予約処理が終了するのを待ってから特別音をチャンネルに割り当ててこれを再生させる演出を実行可能としている(後告知演出)。
すなわちこの場合、特別音の割り当て対象にすることができるチャンネルのうち少なくとも1つが、遊技者による特定行為に起因して、何らの期待度も示さない所定音によって事前確保(チャンネル予約)されるようになることから、入賞に応じた判定にて特別の結果が得られたにもかかわらずチャンネル不足によって特別音を出力させることができなくなるような事態の発生を回避させることができるようになる。
なお、特別音については、例えば、入賞に応じた大当り判定で大当りに当選したときにのみ実行される大当り確定音のほか、入賞に応じた大当り判定に基づく演出判定で高期待の演出態様(例えば、リーチ演出の実行中などに行われる期待度の高い予告演出)が選択されたときに実行される高期待告知音や、入賞に応じた先読み判定で所定の判定結果が得られたときに先読み演出として実行される先読み告知音などを例示することが可能であるが、要は、入賞に応じた所定の判定手段による判定にて特別の判定結果が得られたときにチャンネルに割り当てられて出力されるものであればよい。
図258は、第一始動口2002または第二始動口2004に遊技球が入賞したときに「特別音」としていわゆる先読み演出に合わせた特別音(例えば、キュイン)を出力するのに先立って、その特別音を割り当てることのできるチャンネルを、該特別音が未出力の状態(より正確には、特別音を出力させる旨の判定(先読み演出を行う旨の判定)が未だされていない状態)にあるときから事前に確保しておくチャンネル予約処理についての一例を示すタイムチャートである。
はじめに、チャンネル予約処理についての一例を説明するのに先立って、まず、周知技術である一般的な先読み演出について簡単に説明する。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第一始動口2002または第二始動口2004への入賞が発生すると、該入賞に基づいて所定数の遊技球の払い出しが行われるほか、図134に示される第一・第二始動口入賞処理(ステップS5231〜S5234)が行われる。この第一・第二始動口入賞処理(図134:ステップS5231〜S5234)では、始動口(第一始動口2002または第二始動口2004)に遊技球が入賞したか否かの判断が行われ、入賞した旨判断したときには該当する特別図柄側の保留数を1増加させる処理などが行われることは上述した通りである。
また、これも上述した通り、この第一・第二始動口入賞処理(図134:ステップS5231〜S5234)では、入賞した始動口側の先読み演出を実行するための先読み処理も実行される(図135:ステップS5245,図136:ステップS5255)。
ここで、第1特図側の先読み演出は、上述の通り、第一特別図柄の変動表示を開始する前に第一特別図柄の判定結果(若しくは、その期待度)を事前に示唆する演出である。この第1特図先読み処理では、周辺制御基板1510側で先読み演出の実行有無や演出内容などを決定するために必要とされる情報(先読み判定用の当落に関する情報、先読み判定用の図柄種別に関する情報、先読み判定用の変動パターン番号に関する情報等)を生成し、周辺制御基板1510に対する送信情報として対応する記憶領域に記憶する。この際、第一特別図柄の判定結果そのものの代わりに、大当り遊技の種別を示唆している情報として特別図柄の停止図柄に関する情報をコマンドに含めるようにしてもよい。例えば、変動パターンのうちのSPリーチ群、ノーマルリーチ群、図柄種別のうちの潜確当り群、小当り群といった、最終的に決定される前の段階の情報を先読みコマンドとして送信してもよい。
これに対し、第2特図側の先読み演出は、これも上述した通り、第二特別図柄の変動表示を開始する前に第二特別図柄の判定結果(若しくは、その期待度)を事前に示唆する演出である。この第2特図先読み処理では、周辺制御基板1510側で先読み演出の実行有無や演出内容などを決定するために必要とされる情報(当落情報、図柄種別、変動パターン番号等)を生成し、周辺制御基板1510に対する送信情報として対応する記憶領域に記憶する。この際、第二特別図柄の判定結果そのものの代わりに、大当り遊技の種別を示唆している情報として特別図柄の停止図柄に関する情報をコマンドに含めるようにしてもよい。例えば、変動パターンのうちのSPリーチ群、ノーマルリーチ群、図柄種別のうちの潜確当り群、小当り群といった、最終的に決定される前の段階の情報を先読みコマンドとして送信してもよい。
すなわち、周辺制御基板1510では、大当りに当選したか否かについての判定処理やその図柄変動が消化されておらず、それらが保留の状態にされているときに、上記先読みコマンドから得られる情報(第1特図側の先読み演出に関わる情報、第2特図側の先読み演出に関わる情報)に基づいて、保留の状態にされている大当り判定が特別の結果を得るものであるかについての期待度を事前示唆する先読み演出を実行可能としている。
より具体的には、周辺制御MPU1511aは、まず、始動入賞が発生した状況にあるかを判断し、該状況にあるときには始動入賞に応じた保留表示や先読み演出に関する制御を行う。そしてこの後、把握した遊技状況に基づいて特別図柄の処理フラグを更新することで、図256に示される上述の変動開始処理、変動パターン設定処理、変動中処理、大当り遊技処理、小当り成立時処理のいずれかを実行する。そしてこのうち、先読み演出に関する制御では、例えば、始動入賞に応じた新たな保留表示を複数態様(例えば、相対的に期待度の低い青色、相対的に期待度の高い赤色)のいずれの態様で表示させるかによって先読み期待度を示唆する特定の先読み演出を行うか否かの判定を行うとともに、該判定の結果に応じた態様(例えば、青色、赤色、若しくは先読み演出を行わない旨判定したときの通常の表示態様)で保留表示を行う処理を行うこととなる。これにより、該保留表示に対応した大当り判定が消化されるまでの間、その表示態様によって大当り期待度が先行示唆される先読み演出が実行されるようになる。
ところで、このような先読み演出では、期待度の高い態様で保留表示(大当り確定の保留表示も含む)を出現させる場合、先読み実行に合わせて特別音(例えば、キュイン)の出力が行われることが多い。ただし、このような特別音(先読み演出)は、不定期に発生する遊技球の入賞タイミングで再生されるものであるから、チャンネルに空きがないタイミングで遊技球の入賞が発生して先読み判定に当選するようなことがあると、先読み判定に当選したにもかかわらず特別音が再生されず、期待度の高い態様(青色や赤色)で保留表示が出現していることを遊技者が認識できずに遊技興趣が低下することが懸念される。
そこで、図258に示される例では、上述の通り、第一始動口2002または第二始動口2004に遊技球を入賞させて特別音(先読み演出)を出力させるのに先立って、その特別音を割り当てることのできるチャンネルを、該特別音が未出力の状態(より正確には、特別音を出力させる旨の判定(先読み演出を行う旨の判定)が未だされていない状態)にあるときから事前に確保しておくチャンネル予約処理を実行可能としている。
例えば、図258に示されるタイミングtY10において、いま、保留状態にされている大当り判定の数(保留数)が0の状態であり、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において通常背景表示が現れているもとで装飾図柄の変動表示が行われている状況にあるとすると、遊技者は、通常、保留数を増加させるべく、第一始動口2002または第二始動口2004に遊技球が入賞されるように遊技(ハンドル操作)を行う。そしてこの結果、第一始動口2002または第二始動口2004に遊技球が入賞されると、それらの入賞に応じて最大で4つまでの大当り判定が保留状態にされるとともに、それら大当り判定が保留状態にされる都度、入賞に応じた保留表示や先読み演出に関する処理が行われることとなる。
ここで、チャンネル予約処理が実行されていないときの先読み演出としては、例えば、第一始動口2002または第二始動口2004への入賞順で、1回目入賞(第1保留)、2回目入賞(第2保留)、3回目入賞(第3保留)、4回目入賞(第4保留)が発生したとすると、それらの保留が発生した各タイミングで先読み演出に関する処理が行われる。
そして、先読み判定に当選して先読み演出が行われるときには、該当する保留が発生したタイミング(入賞して先読み判定が行われた各タイミング)で特別音(例えば、キュイン)を出力するとともに、特定態様をもった保留表示を出現させることとなる。
これに対し、チャンネル予約処理が実行されているときの先読み演出も、例えば、第一始動口2002または第二始動口2004への入賞順で、1回目入賞(第1保留)、2回目入賞(第2保留)、3回目入賞(第3保留)、4回目入賞(第4保留)が発生したとすると、それらの保留が発生した各タイミングで先読み演出に関する処理が行われる。ただし、先読み判定に当選して先読み演出が行われるときには、該当する保留が発生したタイミング(入賞したタイミング)で特別音(例えば、キュイン)を出力させるのではなくこれを実行待ちの状態にて維持させ、チャンネル予約処理の対象とされたチャンネルが空きになるのを待ってから特別音(例えば、キュイン)を出力させるようにしている。なお、特定態様をもった保留表示については、特別音(例えば、キュイン)を出力させるタイミングに合わせて出現させてもよいし、先読み判定に当選した保留が発生したタイミングで出現させるようにしてもよい。ただし、先読み判定に当選した保留が発生したタイミングで特定態様をもった保留表示を出現させる場合は、チャンネル予約処理が実行されているときの先読み演出と、チャンネル予約処理が実行されていないときの先読み演出とのいずれにおいても、特定態様として一の態様のみ(例えば、赤色のみ)を出現可能とするようにすることが望ましい。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の前方辺りに手をかざすと、図示しない非接触タイプのセンサ(例えば、超音波センサや赤外線センサなど)がこれをオブジェクトとして検出し、これを契機としてチャンネル予約処理を開始させる構成となっている。
例えば、同図258に示されるタイミングtY11では、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の前方辺りに遊技者が手をかざした状態にあり、これがオブジェクトとして検出された状態となっている。すると、周辺制御基板1510では、該検出があったことに基づいて、お祈り演出モードを発生させる。このお祈り演出モードでは、まず、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において「神社の鳥居」が背景画像として表示されるお祈りモード背景表示が行われるとともに、所定時間(30秒間)にわたって「カウントダウンの音声」を所定チャンネルに割り当てて再生させる処理が行われる。なお、カウントダウンの音声は、例えば、「30」から開始されて1秒ごとにカウントダウンされ「0」になったときに終了される。また、こうしてお祈りモード背景表示が表示されている期間中も、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、装飾図柄が所定の演出パターンで変動表示される演出が継続して実行される。
ただし、このような表示領域における「神社の鳥居(お祈りモード背景表示)」や所定チャンネルにおける「カウントダウンの音声」は、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の前方辺りに遊技者が手をかざすだけでこれを契機(センサによる検出を契機)として発生させることができるものであり、実行中の図柄変動内で進展されている演出内容(期待度を示唆する演出)に関係したものではないし、大当り判定の結果にも何ら依存するものではない。したがって、遊技者が手をかざしたときに発生させる表示や音については別の内容に適宜変更してもよいが、このような処理を行うようにすることで、所定時間(30秒間)にわたって所定チャンネルを使用状態(ここでは、何らの期待度も示さない「カウントダウンの音声」による使用状態)にて維持させることができるようになり、この所定時間(30秒間)が経過するまでの間は、所定チャンネルに対していつ終わるかもわからない他の音が割り当てられてしまうような事態の発生を回避することができるようになる(チャンネル予約処理)。
そして、こうしてチャンネル予約処理が実行されている所定時間(30秒間)が経過するまでの間に、遊技者は、第一始動口2002または第二始動口2004に遊技球が入賞されるように遊技(ハンドル操作)を行うこととなる。そしてこの結果、図258に示されるように、1回目入賞(第1保留)、2回目入賞(第2保留)、3回目入賞(第3保留)、4回目入賞(第4保留)が発生したとすると、それらの保留が発生した各タイミングで先読み演出に関する処理が行われる。ただし上述の通り、「カウントダウンの音声」が再生されている間(チャンネル予約処理が実行されている間)は、入賞に応じた判定の結果として先読み演出を行う旨の判定結果(先読み当選)が得られたとしても、該入賞時に特別音(例えば、キュイン)をチャンネルに割り当てるようなことはせず、これを実行待ちの状態として記憶させる。こうして実行待ちの状態とされた特別音(例えば、キュイン)は、タイミングtY11から所定時間(30秒間)が経過したタイミングtY12において、入賞時よりも後で出力される後告知音として出力させることとなる。
これに対し、遊技者が手をかざして「カウントダウンの音声」の再生(チャンネル予約処理)を自らの意思で開始させてからこれが終了されるまでの間(タイミングtY11〜tY12)に入賞が発生しなかった場合や、入賞は発生したものの特別の判定結果が得られなかった(先読み演出に当選しなかった)場合は、「カウントダウンの音声」の再生が終了されるタイミングtY12が到来したとしても特別音は再生されない。
このような構成によれば、遊技者が手をかざして「カウントダウンの音声」の再生(チャンネル予約処理)を自らの意思で開始させてからこれが終了されるまでの間(タイミングtY11〜tY12)に入賞を発生させ、該入賞に応じた判定にて特別の判定結果(先読み当選)が得られるようなことがあると、特別音(キュイン)をその時点では出力させず、「カウントダウンの音声」が終了されてチャンネルに空きが生じるタイミングを狙って出力させる後告知演出として実行されるようになる。したがって、特別の判定結果(先読み当選)が得られたにもかかわらず、空きチャンネルがないことによって特別音を出力させることができないような事態の発生を好適に回避することができるようになる。また、タイミングtY11〜tY12の間のいずれのタイミングで特別の判定結果(先読み当選)が得られたとしても、これに応じた特別音(キュイン)を、少なくとも1つのチャンネルに空きが生じる一のタイミングtY12を狙って再生させることとなることから、タイミングtY12で特別音(キュイン)が発生するか否かを確認しさえすれば、タイミングtY11〜tY12の比較的長い時間内で特別の判定結果(先読み当選)が得られたかを容易に認識することができるようになる。
なお、特別音(キュイン)をこのような後告知音として出力させる場合は、タイミングtY12において空き状態になっているチャンネルのうち、いずれのチャンネルに割り当てて再生するようにしてもよい。ただし、特別音(キュイン)を、「カウントダウンの音声」がそれまで割り当てられていた所定チャンネルに選択的に割り当てるようにすれば、1つのチャンネルだけで、チャンネル予約処理とそれに応じた後告知演出を実現することができるようになり、限られたチャンネル数のなかで演出の幅を広げることができるようになる点で有益であるといえる。
また、この実施の形態では、「神社の鳥居」が背景画像として表示されるお祈りモード背景表示については、「カウントダウンの音声」の再生が終了されるタイミングtY12や、特別音(キュイン)の再生が終了されるタイミングが到来した以降も継続して表示させるようにしている。これは、このようなチャンネル予約処理の実行を求める者は、保留数が少なくなる都度、チャンネル予約処理を再び発生させるように手をかざす傾向にあることを踏まえたものであり、手をかざす前から「神社の鳥居」が背景画像として表示されているほうが手をかざしたときのご利益がある(後告知のタイミングで特別音が再生される確率が高くなる)ように見えることを考慮したものであり、チャンネル予約処理とは関係のない特定条件が成立(例えば、ボタンによる解除操作など)するまでお祈りモード背景表示を継続して行うようにしている。ただし実際には、「神社の鳥居」が背景画像として表示されている状態であっても、「神社の鳥居」が背景画像として表示されていない状態であっても、遊技者が手をかざしたときにこれが検出されると、所定音(カウントダウンの音声)によって所定チャンネルを所定時間にわたって割り当て状態にて維持する処理が行われるだけであるから、「カウントダウンの音声」の再生が終了されるタイミングtY12や、後告知音としての特別音(キュイン)の再生が終了されるタイミングなどでその表示を通常背景表示に戻すようにしてもよい。
また、タイミングtY11〜tY12の期間中に遊技者が再び手をかざしてこれが検出されたときには、該再度の検出から所定時間(ここでは30秒間)が経過するタイミングまで「カウントダウンの音声」の再生時間を延長させ、該タイミングが到来したときに先読み当選に応じた特別音を出力させるようにしてもよい。
また、このようなお祈り演出モードについては、図柄変動が変動中の状態にあるときのほか、図柄変動が変動中の状態にないときにも遊技者による特定行為が検出されたことに基づいて実行するようにしてもよい。また、特定行為については、非接触タイプのセンサによる検出対象とされる行為のほか、所定のボタン操作など、接触タイプのセンサによる検出対象とされる行為であってもよい。
ただし、特別音(キュイン)をこのような後告知音として出力させるようにした場合、入賞時に特別音(キュイン)を出力させる場合に比べて、1回目入賞(第1保留)、2回目入賞(第2保留)、3回目入賞(第3保留)、4回目入賞(第4保留)のいずれの保留で特別の判定結果(先読み当選)が得られたのかを把握し難くなることから、先読み当選した保留であることを認識しないままで保留消化されることによる遊技興趣の低下が懸念される。これに対し、特別音として再生される内容を、一律の音(ここでは、「キュイン」)ではなく、1回目入賞(第1保留)、2回目入賞(第2保留)、3回目入賞(第3保留)、4回目入賞(第4保留)のいずれの保留で先読み当選したかに応じて異ならせるようにすることも考えられる。ただしこれでは、チャンネル予約処理が実行されていないときの先読み演出で再生される音(ここでは、「キュイン」)からその内容が変わってしまうことで、先読み当選したことこれ自体把握することができなくなってしまうことが懸念される。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイミングtY11〜tY12の間のいずれのタイミングで入賞されたもの(第1保留、第2保留、第3保留、第4保留)で特別の判定結果(先読み当選)が得られたかに応じて、タイミングtY12から開始される特別音(ここでは、「キュイン」)の再生時間を可変させる処理を行うこととしている。
例えば、図258に示される例では、タイミングtY11〜tY12の間のうち極めて早いタイミングで入賞した1回目入賞(第1保留)で特別の判定結果(先読み当選)が得られた場合を想定しているが、この場合は、タイミングtY12から3秒間にわたって特別音(ここでは、「キュイン」)を再生させるようにしている。
これに対し、図259に示される例では、タイミングtY11〜tY12の間のうち比較的早いタイミングで入賞した2回目入賞(第2保留)で特別の判定結果(先読み当選)が得られた場合を想定しているが、この場合は、タイミングtY12から6秒間にわたって特別音を再生させるようにしている。なおここでは、「キュイン」を1回再生するのに要する時間が3秒になっており、6秒間にわたって特別音(ここでは、「キュイン」)を再生した場合は、「キュイン」が2回分再生されて「キュイン キュイン」といった態様の音が出力されるようになっている。
一方、図260に示される例では、タイミングtY11〜tY12の間のうち比較的遅いタイミングで入賞した3回目入賞(第3保留)で特別の判定結果(先読み当選)が得られた場合を想定しているが、この場合は、タイミングtY12から9秒間にわたって特別音を再生させるようにしている。なおここでは、「キュイン」を1回再生するのに要する時間が3秒になっていることから、9秒間にわたって特別音(ここでは、「キュイン」)を再生した場合は、「キュイン」が3回分再生されて「キュイン キュイン キュイン」といった態様の音が出力されるようになっている。
また一方、図261に示される例では、タイミングtY11〜tY12の間のうち極めて遅いタイミングで入賞した4回目入賞(第4保留)で特別の判定結果(先読み当選)が得られた場合を想定しているが、この場合は、タイミングtY12から12秒間にわたって特別音を再生させるようにしている。なおここでは、「キュイン」を1回再生するのに要する時間が3秒になっていることから、12秒間にわたって特別音(ここでは、「キュイン」)を再生した場合は、「キュイン」が4回分再生されて「キュイン キュイン キュイン キュイン」といった態様の音が出力されるようになっている。
このような構成によれば、タイミングtY12において特別音が出力されると、タイミングtY11〜tY12の間で特別の判定結果(先読み当選)が得られたことが把握可能とされることはもとより、タイミングtY11〜tY12の間のいずれのタイミングで発生した入賞で特別の判定結果(先読み当選)が得られたかを予測することができるようになる。この例では、タイミングtY12からの特別音の再生時間が短いほど、タイミングtY11〜tY12の間のうちの早いタイミングで発生した入賞で特別の判定結果(先読み当選)が得られたことを示唆しており、タイミングtY12からの特別音の再生時間が長いほどタイミングtY11〜tY12の間のうちの遅いタイミングで発生した入賞で特別の判定結果(先読み当選)が得られたことを示唆するようにしている。
なおこの例では、タイミングtY11〜tY12の間に1回目入賞しか発生せず該入賞に応じて特別の判定結果が得られる場合も想定されうるが、この場合も、その入賞が発生したタイミングに応じて、タイミングtY12からの特別音の再生時間の長さを上述のように可変させることとなる。ただしこれに代えて、保留数が最大で4つまでに制限されていることに鑑み、1回目入賞で特別の判定結果が得られた場合はその入賞タイミングにかかわらず特別音を「キュイン」1回分の再生時間に設定し、2回目入賞で特別の判定結果が得られた場合はその入賞タイミングにかかわらず特別音を「キュイン」2回分の再生時間に設定し、3回目入賞で特別の判定結果が得られた場合はその入賞タイミングにかかわらず特別音を「キュイン」3回分の再生時間に設定し、4回目入賞で特別の判定結果が得られた場合はその入賞タイミングにかかわらず特別音を「キュイン」4回分の再生時間に設定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、先読み当選が得られた場合、特別音として「キュイン」を再生させるようにしたが、入賞したときの先読み判定で第1の判定結果(例えば、比較的期待度の低い先読み当選)と第2の判定結果(例えば、比較的期待度の高い先読み当選)とのいずれが得られたかに応じて、特別音としての再生内容を変化させるようにしてもよい。例えば、入賞したときの先読み判定で第1の判定結果(例えば、比較的期待度の低い先読み当選)が得られた場合は特別音として「キュイン」を再生させるのに対し、入賞したときの先読み判定で第2の判定結果(比較的期待度の高い先読み当選)が得られた場合は特別音として「ドカン」を再生させるようにすれば、タイミングtY11〜tY12の間のいずれのタイミングで発生した入賞で先読み当選が得られたかについての予測に加えて、先読み当選として第1の判定結果(比較的期待度の低い先読み当選)及び第2の判定結果(比較的期待度の高い先読み当選)のいずれが得られたかについての予測も行うことができるようになる。なおこの場合、チャンネル予約処理が実行されていないときの先読み演出においても、判定結果に応じて特別音として「キュイン」または「ドカン」を再生するようにすることが望ましい。
例えば、図262に示される例では、タイミングtY11〜tY12の間のうち極めて早いタイミングで入賞した1回目入賞(第1保留)における先読み判定で第1の判定結果(比較的期待度の低い先読み当選)が得られており、且つ極めて遅いタイミングで入賞した4回目入賞(第4保留)における先読み判定で第2の判定結果(比較的期待度の高い先読み当選)が得られた場合を想定しているが、この場合は、タイミングtY12から3秒間にわたって「キュイン」の態様で特別音を再生させてから、さらに9秒間にわたって「ドカン」の態様で特別音を再生させるようにしている。
このような構成によれば、「キュイン」の態様での特別音の再生時間が3秒であることを確認することで、タイミングtY11〜tY12の間のうち極めて早いタイミングで入賞した1回目入賞(第1保留)における先読み判定で第1の判定結果(比較的期待度の低い先読み当選)が得られたことを予測することが可能とされるようになる。また、特別音の再生時間これ自体は12秒間(3+9秒間)にわたって行われたことを確認することで、極めて遅いタイミングで入賞した4回目入賞(第4保留)における先読み判定で先読み当選したことが把握可能とされる。さらに、タイミングtY11〜tY12の間のうち極めて早いタイミングで入賞した1回目入賞(第1保留)における先読み判定で第1の判定結果(比較的期待度の低い先読み当選)が得られたことに応じて再生された1回分の「キュイン」が終了してから「ドカン」の態様で特別音が再生されていることを確認することで、4回目入賞(第4保留)における先読み判定では第2の判定結果(比較的期待度の低い先読み当選)が得られたことを予測することが可能とされるようになる。
若しくは、第一始動口2002への入賞に応じた先読み判定で第1の判定結果(第1特図側の先読み当選)が得られた場合に特別音として「キュイン」を再生させるようにするとともに、第二始動口2004への入賞に応じた先読み判定で第2の判定結果(第2特図側の先読み当選)が得られた場合に特別音として「ドカン」を再生させるようにしてもよい。なおこの場合、チャンネル予約処理が実行されていないときの先読み演出においても、第一始動口2002への入賞に応じた先読み判定と第二始動口2004への入賞に応じた先読み判定とのいずれであるかに応じて、特別音として「キュイン」または「ドカン」を再生するようにすることが望ましい。
このような構成によれば、例えば、図262に示される状況が発生した場合、「キュイン」の態様での特別音の再生時間が3秒であることを確認することで、タイミングtY11〜tY12の間のうち極めて早いタイミングで入賞した1回目入賞(第1保留)は第一始動口2002側への入賞であり、且つこれに応じた先読み判定で第1の判定結果(第1特図側の先読み当選)が得られたことを予測することが可能とされるようになる。また、特別音の再生時間これ自体は12秒間(3+9秒間)にわたって行われたことを確認することで、極めて遅いタイミングで入賞した4回目入賞(第4保留)における先読み判定でも先読み当選していることが把握可能とされる。さらに、タイミングtY11〜tY12の間のうち極めて早いタイミングで入賞した1回目入賞(第1保留)における先読み判定で第1の判定結果(第1特図側の先読み当選)が得られたことに応じて再生された1回分の「キュイン」が終了してから「ドカン」の態様で特別音が再生されていることを確認することで、4回目入賞(第4保留)は第二始動口2004側への入賞であり、且つこれに応じた先読み判定で第2の判定結果(第2特図側の先読み当選)が得られたことを予測することが可能とされるようになる。
なお上述の通り、この実施の形態では、チャンネル予約処理を実行している間に特定入賞口に遊技球が受け入れられたことに基づいて特別の判定結果が得られた場合におけるチャンネル制御の例として、先読み演出における先読み当選が得られた場合を例示することとした。ただし、図258〜図262を参照して説明した実施例とは、要は、特定入賞口に遊技球が受け入れられたときに判定処理が行われる遊技機にあって、その判定処理で特別の判定結果が得られたときに特別音を出力させる場合にチャンネル不足が発生して出力することができなくなることを回避可能としたチャンネル制御(チャンネル予約処理など)これ自体に技術的特徴を有するものであるから、その適用例としては必ずしも先読み演出における先読み当選に限られないことは明らかである。
[チャンネル使用制限]
上述の通り、チャンネルの数が有限とされる遊技機では、入賞に応じた判定手段による判定にて特別の結果が得られたとしても、音データの割り当て対象とされるチャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)では特別の結果が得られたことに応じた特別音をチャンネルに割り当てることができず、これを出力できないことによる遊技興趣の低下が懸念される。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技が進行されるなかで空きチャンネルの数を監視しておりこれが所定数未満になると、各種の遊技音のうち少なくとも一部の遊技音の出力に関連する処理の実行を制限する割合が高くされるようにしている(チャンネル使用制限)。すなわちこの場合、少なくとも一部の遊技音については空きチャンネルの数が0になるよりも前の段階からその出力に関連する処理の実行に制限をかけるとともに、空きチャンネルの数が0に近づくにつれて実行制限する割合が高くなるようになることから、空きチャンネルの数を0にし難くすることができるようになる。
より具体的には、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、保留状態にあった大当り判定に応じた図柄変動が消化される都度(始動条件が成立する都度)、該消化される図柄変動の実行期間中におけるチャンネルの空き状況を判定する。そしてこの結果、チャンネルの空き状況に余裕があるときには判定対象とされた当該図柄変動が少なくとも終了されるまでの間はチャンネル使用が制限される割合(チャンネル制限レベル)を低くし、該チャンネルの空き状況に余裕がないときには判定対象とされた当該図柄変動が少なくとも終了されるまでの間はチャンネル使用が制限される割合(チャンネル制限レベル)を高くし、こうした図柄変動を一単位としたチャンネル制限を実行することで、判定対象とされた図柄変動の実行期間中に空きチャンネルの数が0になってしまうような事態の発生を抑制するようにしている。なお後述するが、チャンネル制限レベルとしては複数のレベル値が用意されており、該レベル値が高くなるにつれて遊技音の出力に関連する処理の実行を制限する割合が高くなるようになっている。
図263は、このようなチャンネル制限レベルの設定にかかる処理についてその手順の一例を示すフローチャートである。
いま、ステップS1022(図95)の処理内において、主制御基板1310からパターンコマンド(変動パターン)を受信した旨判定された状態にあるとする。すると、周辺制御MPU1511aでは、まず、同図263に示されるように、ステップS3101の処理として、前回設定したチャンネル制限レベルの値をリセットする。なお、このリセット処理(ステップS3101)については、図柄変動が終了されるときに行うようにしてもよい。
次いで、ステップS3102の処理として、受信した変動パターンに対応した変動前半の演出パターンの種別に基づいて、該変動前半の期間(例えば、図柄変動開始からリーチ演出が開始されるまでの期間や、図柄変動開始からリーチ演出が開始されることなく図柄停止されるまでの期間など)内でチャンネルに最も空きがなくなるタイミングを基準とした空きチャンネルの数(最小空きチャンネル数)である「X」を特定する。また、ステップS3103の処理として、受信した変動パターンに対応した変動後半の演出パターンの種別に基づいて、該変動後半の期間(例えば、リーチ演出の開始から図柄変動停止までの期間など)内でチャンネルに最も空きがなくなるタイミングを基準とした空きチャンネルの数(最小空きチャンネル数)である「Y」を特定する。
ただし、図柄変動開始からリーチ演出が開始されることなく図柄停止される演出パターンが選択されている場合は「変動後半」に相当する図柄変動が行われない。この場合は、ステップS3103の処理これ自体を行わずに次のステップ処理を行うか、若しくはステップS3103の処理において空きチャンネルの数「Y」として設定可能な最大数値(チャンネル制限の対象とならない数値)を設定することとなる。
そして次に、ステップS3104の処理として、上記ステップS3102の処理で特定された「X」と上記ステップS3103の処理で特定された「Y」とを比較し、これら「X」及び「Y」のうちの最小空きチャンネル数が小さい側(空きチャンネルの数に余裕がない側)の値に基づいて、判定対象とされた当該図柄変動が少なくとも終了されるまでの間におけるチャンネル制限レベルを設定する。これにより、判定対象とされた図柄変動が開始されてから終了されるまでの間は、該設定されたチャンネル制限レベルに基づいて遊技音の出力に関連する処理の実行が制限されうるようになり、空きチャンネルの数を0になり難くし、意図しない演出態様が現れることによる遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
なお、この実施の形態では、チャンネル制限レベルを設定するにあたり、その判断に供される「最小空きチャンネル数」を、変動前半(ステップS3102)と変動後半(ステップS3103)とで分けてそれぞれ特定することとしている。これは、変動前半の演出内容(図柄変動開始からリーチ演出が開始されるまでの期間など)が、複数の演出パターン(例えば、ロングリーチ,スーパーリーチA,スーパーリーチBなど)で共用になっていることが多いことから、変動前半を単位としてその最小空きチャンネル数を特定するようにすれば、最小空きチャンネル数を特定するのに必要なデータ量を削減することができることを考慮したものである。
ただし、チャンネル制限レベルの設定判断に供される最小空きチャンネル数については、必ずしも変動前半と変動後半とで分けてそれぞれ特定しなくてもよく、図柄変動が開始されてから停止されるまでの演出パターンを一単位として、該演出パターンが実行される期間内でチャンネルに最も空きがなくなるタイミングを基準とした空きチャンネルの数(最小空きチャンネル数)を特定するようにしてもよい。
また、ここでの「最小空きチャンネル数」とは、判定対象とされる演出パターン(演出内容)が進展すると自動的に発生する音(BGM関連や大当り判定に応じた図柄停止関連、大当り判定に応じた効果音関連など)のみを対象としてそれらが各チャンネルに対して割り当て状態になったときにどれだけのチャンネルが空き状態として残されるかを示すものである。したがって、ボタン押下音(ボタン操作に基づいて発生する演出に伴う音など)や音量調整完了音、各種報知音、ブロック入賞音(一般入賞口への入賞に伴う音)、保留入賞音(第一始動口2002または第二始動口2004への入賞に伴う音)、普電演出音(普通図柄の判定に応じた演出に伴う音)など、判定対象とされる演出パターン(演出内容)が進展されるだけでは必ずしも実行されない各種の音についてはその判断対象として含まれていない。
図264は、ステップS3104の処理において特定された「最小空きチャンネル数」の別に設定されるチャンネル制限レベルの値を示すとともに、該チャンネル制限レベルの別に定められる制限内容についての一例を示す図である。
同図264に示されるように、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、まず、チャンネル使用の制限対象とされる音として、各種の遊技音のうち、ブロック入賞音(一般入賞口への入賞に伴う音)、保留入賞音(第一始動口2002または第二始動口2004への入賞に伴う音)、普電演出音(普通図柄の判定に応じた演出に伴う音)、音量調整完了音を例示している。したがって、空きチャンネルに余裕がない図柄変動の実行期間中は、各種の遊技音のうち、少なくともこれらの遊技音(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)に対してチャンネル使用の制限が発生しうることとなる。
より具体的には、上記ステップS3103の処理において特定された「最小空きチャンネル数」が12以上である場合、上記ステップS3104の処理では、図264に示される対応付けをもとにチャンネル制限レベルを「0」に設定する。すなわちこの場合、空きチャンネルに余裕がある図柄変動が実行される状況にあるとして、チャンネル使用の制限対象とされる音(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)のうちいずれも制限されず、当該図柄変動の実行中に一般入賞口への入賞があればブロック入賞音を所定の空きチャンネルに割り当てて再生し、当該図柄変動の実行中に第一始動口2002または第二始動口2004への入賞があれば保留入賞音を所定の空きチャンネルに割り当てて再生し、当該図柄変動の実行中に普通図柄の判定に応じた演出が行われるときには該演出に応じた普電演出音を所定の空きチャンネルに割り当てて再生し、当該図柄変動の実行中に音量調整が行われたときにはこれに応じた音量調整完了音を所定の空きチャンネルに割り当てて再生することとなる。
これに対し、上記ステップS3103の処理において特定された「最小空きチャンネル数」が6〜11のいずれかである場合、上記ステップS3104の処理では、図264に示される対応付けをもとにチャンネル制限レベルを「1」に設定する。すなわちこの場合、空きチャンネルに若干余裕のない図柄変動が実行される状況にあるとして、チャンネル使用の制限対象とされる4つの音(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)のうち、ブロック入賞音に対してチャンネル使用の制限(25%制限)を発生させる。すなわちこの場合、当該図柄変動の実行中に一般入賞口への入賞がありこれが検出されたときには、該入賞に応じた数量分の賞球の払い出しは行うものの、ブロック入賞音についてはこれを所定の空きチャンネルに割り当てないように処理することとなる。なおこの際、一般入賞口への入賞に応じた音生成用スケジュールデータをセットせず、ブロック入賞音の再生これ自体を行わないようにすることが望ましい。
一方、上記ステップS3103の処理において特定された「最小空きチャンネル数」が2〜5のいずれかである場合、上記ステップS3104の処理では、図264に示される対応付けをもとにチャンネル制限レベルを「2」に設定する。すなわちこの場合、空きチャンネルに比較的余裕のない図柄変動が実行される状況にあるとして、チャンネル使用の制限対象とされる4つの音(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)のうち、ブロック入賞音及び保留入賞音の2つの音に対してチャンネル使用の制限(50%制限)を発生させる。すなわちこの場合、上述のブロック入賞音に対する制限に加えて、当該図柄変動の実行中に第一始動口2002または第二始動口2004への入賞がありこれが検出されたときには、該入賞に応じた数量分の賞球の払い出し、及び上述の第一・第二始動口入賞処理は行うものの、保留入賞音についてはこれを所定の空きチャンネルに割り当てないように処理することとなる。なおこの際、第一始動口2002または第二始動口2004への入賞に応じた音生成用スケジュールデータをセットせず、保留入賞音の再生これ自体を行わないようにすることが望ましい。
また一方、上記ステップS3103の処理において特定された「最小空きチャンネル数」が0,1のいずれかである場合、上記ステップS3104の処理では、図264に示される対応付けをもとにチャンネル制限レベルを「3」に設定する。すなわちこの場合、空きチャンネルに全く余裕のない図柄変動が実行される状況にあるとして、チャンネル使用の制限対象とされる4つの音(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)の全てに対してチャンネル使用の制限(100%制限)を発生させる。すなわちこの場合、上述のブロック入賞音に対する制限、及び保留入賞音に対する制限に加えて、当該図柄変動の実行中に普通図柄の判定に応じた演出が行われたとしても普電演出音についてはこれを所定の空きチャンネルに割り当てないように処理することとなる。また、当該図柄変動の実行中に遊技者による音量調整操作があったときにはこれに応じた音量調整これ自体は行うものの、音量調整完了音についてはこれを所定の空きチャンネルに割り当てないように処理することとなる。なおこの際、普電演出音や音量調整完了音についても、それらに相当する音生成用スケジュールデータをセットせず、普電演出音や音量調整完了音の再生これ自体を行わないようにすることが望ましい。
このような構成によれば、遊技が進行されるなかで、音が割り当てられていない状態にある空きチャンネルの数が所定数未満になる図柄変動が実行される場合、同空きチャンネルの数が所定数未満にならない図柄変動が実行される場合に比べて、各種の遊技音のうち少なくとも一部の遊技音の出力に関連する処理の実行を制限する割合が高くされるようになる。すなわちこの場合、一部の遊技音(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)については、空きチャンネルの数が実際に0になるよりも前の段階からその出力に関連する処理の実行に制限がかけられ、且つ空きチャンネルの数が少なくなるにつれて実行制限される割合が高くされるようになることから、図柄変動の実行中に空きチャンネルの数が0になってしまうような事態の発生を好適に抑制することが期待されるようになる。
また、上記構成では、各種の遊技音のうちチャンネル使用の制限対象とされる音を、当該パチンコ機1において最も重要な「大当り判定に関わる演出音」ではなく、それ以外の「入賞に伴う音」や、「普通判定に関わる演出音」、「音量調整に関わる音」だけに限定することとしている。すなわち、図柄変動の実行中にチャンネル使用の制限を発生させたとしても、該図柄変動で大当り図柄が現れるかについての演出に制限はかけられず好適に実行されることから、図柄変動の実行中にチャンネル使用の制限をかけたときの遊技興趣の低下は抑制されるようになる。
なお、上記構成では、各種の遊技音のうちチャンネル使用の制限対象の候補とされる音の種別としてこれを複数用意(ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、音量調整完了音)し、チャンネル制限レベルが高くなるにつれて(最小空きチャンネル数が小さい図柄変動であるほど)、チャンネル使用の制限対象とされる音の種別数を増加させることとした。ただし、空きチャンネルの数が実際に0になるよりも前の段階からその出力に関連する処理の実行に制限をかけて、且つ空きチャンネルの数が少なくなるにつれて実行制限される割合を高くさせる手法としてはこれに限られず、例えば、以下に図265を参照して説明する手法を採用するようにしてもよい。
図265は、チャンネル制限レベルの別に定められる制限内容についての別例を示す図である。
同図265に示されるように、この別例では、上記ステップS3103の処理において特定された「最小空きチャンネル数」や、上記ステップS3104の処理において特定されたチャンネル制限レベルに応じて、チャンネル使用に制限をかけるか否かについての制限抽選を行う。ただしここでは、チャンネル使用の制限対象の候補とされる音を複数用意せず、該制限抽選において制限をかける旨の判定結果が得られたときは、一の遊技音(例えば、音量調整完了音など)に対してのみチャンネル使用にかかる制限処理を行うようにしている。
例えば、この別例においてチャンネル制限レベルが0(最小空きチャンネル数が12以上)である場合、制限抽選において制限をかける旨の判定結果が得られる確率は0/100にされており、チャンネル使用の制限対象とされる特定遊技音(例えば、音量調整完了音)に対してチャンネル使用にかかる制限処理が実行されることはない。
ただし、チャンネル制限レベルが1以上になると、その値が大きくなるにつれて制限抽選において制限をかける旨の判定結果が得られる確率が高くされるなるようになっており、チャンネル制限レベルが1(最小空きチャンネル数が6〜11)である場合における同確率は25/100であり、チャンネル制限レベルが2(最小空きチャンネル数が2〜5)である場合における同確率は50/100であり、チャンネル制限レベルが3(最小空きチャンネル数が0,1)である場合における同確率は100/100である。そして、この別例では、制限抽選において制限をかける旨の判定結果が得られた場合は、チャンネル制限レベルにかかわらず同じ内容でチャンネル使用にかかる制限処理が実行されるようにしている。
このような構成であっても、遊技が進行されるなかで、音が割り当てられていない状態にある空きチャンネルの数が所定数未満になる図柄変動が実行される場合、同空きチャンネルの数が所定数未満にならない図柄変動が実行される場合に比べて、各種の遊技音のうち少なくとも一部の遊技音の出力に関連する処理の実行を制限する割合が高くされるようになる。すなわちこの場合、遊技音のうちの一部の遊技音(音量調整完了音)については、空きチャンネルの数が実際に0になるよりも前の段階からその出力に関連する処理の実行に制限がかけられ、且つ空きチャンネルの数が少なくなるにつれて実行制限される割合が高くされるようになることから、図柄変動の実行中に空きチャンネルの数が0になってしまうような事態の発生を好適に抑制することが期待されるようになる。
また、上記構成によれば、図柄変動の実行期間中に特定音(音量調整完了音)が再生されるか否かを確認するようにすることで、当該図柄変動の実行期間中における最小空きチャンネル数に余裕がなくなる可能性を推測することが可能とされるようになり、その推測に見合った遊技進行(入賞やボタン操作など)を促すことができるようになる。
なお、図264や図265で例示した構成では、演出パターンに基づいて各種の予告演出にかかる判定処理を実行した後にそれら予告演出の発生状況から最小空きチャンネル数を特定し、該特定した最小空きチャンネル数に基づいてチャンネル制限レベルを設定することとしたが、必ずしもこれに限られない。例えば、図柄変動期間中に最大でどれだけの音が同時にチャンネル割り当てされた状態になるかについては演出パターン毎に予め想定可能であることから、演出パターンの別にチャンネル不足の生じ易さを予め分類しておく。そして、演出パターンが決定されたときに、該演出パターンが予め分類されているチャンネル不足の生じ易さが高いほど、チャンネル制限する割合が高くなるようにしてもよい。すなわちこの場合、多くのチャンネルを同時使用する傾向にある特定種別の演出パターンが実行されると、実際にはボタン操作がなかったり、各種入賞が発生せずに多くのチャンネルが使用されず空きチャンネルの数に余裕がある場合であっても、その図柄変動の実行中は遊技音の出力に関連する処理の実行が制限されうる事態が生じることとなるが、簡単な処理を行うだけで空きチャンネルの数が0になることを回避することができるようになる点では極めて有益であるし、このような処理を実行した場合であっても、「図柄変動中における空きチャンネルの数が相対的に少ないときには遊技音の出力に関連する処理の実行が制限される割合が高くなり、図柄変動中における空きチャンネルの数が相対的に多いときには遊技音の出力に関連する処理の実行が制限される割合が低くなる」といった現象が現れるだけであり、遊技者側からしても特に違和感のない現象であるから遊技興趣についても好適に維持することが期待されるようになる。またこの場合、音が制限されたか否かを確認するようにすることで、チャンネル不足の生じ易い演出パターンである可能性を推測することが可能とされるようになる。
また、図264や図265で例示した構成やそれらの別例では、図柄変動を一単位としたチャンネル制限を実行するようにしたが、一の図柄変動内で演出内容が進展されるなかでチャンネル制限レベルを可変させ、その都度のチャンネル制限レベルに応じたチャンネル制限を実行するようにしてもよい。若しくは、複数回の図柄変動にわたって特定の演出モードが実行される場合など、所定の制限条件が満たされたときには複数回の図柄変動にわたってチャンネル制限レベルを特定値にて不変とし、該チャンネル制限レベルに応じてチャンネル制限を実行するようにしてもよい。
ところで、図264や図265で例示した構成やそれらの別例では、チャンネル使用の制限対象とされる音として、パチンコ機1において最も重要な「大当り判定に関わる演出音」ではなく、それ以外の「入賞に伴う音」や、「普通判定に関わる演出音」、「音量調整に関わる音」のみを採用することとした。しかしながら、これらの音には、演出音に比べて発生頻度が低いものも含まれていることから、空きチャンネルをより効果的に確保可能とする制限処理を実現する上では、「大当り判定に関わる演出音」についても制限対象として採用するようにすることが望まれる。ただしその一方で、「大当り判定に関わる演出音」に対して上述の制限処理を実行すると、演出音が再生されないことで盛り上がりに欠けた演出に成り下がってしまうことが懸念され、このような状況にあるなかで大当り図柄が停止されるようなことがあると遊技興趣が低下するおそれがある。
この点、図264や図265で例示した構成やそれらの別例にあって、「大当り判定に関わる演出音」のうち、「保留状態にあり将来消化される図柄変動に関する演出」に限りその演出音のチャンネル使用を制限するようにすれば(例えば、図265やその別例において制限対象とされる特定遊技音として採用するようにすれば)、実行中の図柄変動の結果に関わる演出に対しては何ら制限をかけずに、発生頻度の高い演出音を制限対象として採用することができるようになる。
例えば、図柄変動が実行されている期間中に、第一始動口2002または第二始動口2004への入賞が発生してこれに応じた大当り判定が保留状態にされる場合、通常は、該保留状態にされた大当り判定に関して先読み演出を行うかについての判定処理を行う。なおこの結果、特別の結果が得られたときには該保留状態にされた大当り判定が大当りに当選するものであるかについての期待度を事前示唆する先読み演出(演出表示、演出音)を行うこととなる。
ただし、使用チャンネル数が多くなって空きに不安が生じるような事態(最小空きチャンネル数が0,1の図柄変動が実行中の状態など)になり、チャンネル使用の制限対象として、「保留状態にあり将来消化される図柄変動に関する演出に応じた演出音」が対象にされている場合は、第一始動口2002または第二始動口2004への入賞が発生してこれに応じた大当り判定が保留状態にされたとしても、保留状態にされた大当り判定に関して先読み演出についての判定処理これ自体を実行せず、先読み演出とこれに応じた演出音との両方が行われないようにする。
このような構成によれば、使用チャンネル数が多くなって空きに不安が生じるような事態になると、実行中の図柄変動ではない将来分の図柄変動に関する演出にあてがわれるチャンネル分を、実行中の変動に関する演出音に対して供給することができるようになることから、実行中の図柄変動の結果に関わる演出に対しては何ら悪影響を及ぼすことなく、発生頻度の高い演出音を制限対象にすることができるようになる。また、制限対象にする演出は、「未実行の状態にある将来分の図柄変動に関する演出」のみであり、制限対象にされた図柄変動であっても、将来、これが保留消化されたときには制限対象にされない図柄変動中演出(演出パターンに応じた演出内容)が必ず実行されるようになることから、演出を制限対象にすることによる遊技興趣の低下も好適に抑制されるようになる。
また、「大当り判定に関わる演出音」を制限対象にするとき、演出(演出表示、演出音)のうち演出音のみを制限対象(音出力なし)にしてしまうと、盛り上がりに欠けた演出に成り下がってしまい遊技興趣を逆に低下させかねない状況になりうるが、上記構成では、使用チャンネル数が多くなって空きに不安が生じるような事態になると、入賞して大当り判定が保留状態にされるときに先読み演出についての判定処理これ自体を実行せず、先読み演出に関する演出表示と演出音との両方を行わないようにしたことから、先読み判定にて特別の結果(先読み当選)が得られなかったときと同じ演出状況(先読み演出が実行されないときの保留表示)になるだけであり、盛り上がりに欠けた演出実行による遊技興趣の低下を好適に回避することができるようになる。
なお、「大当り判定に関わる演出音」を制限対象にするとき、入賞して大当り判定が保留状態にされるときに先読み演出についての判定処理これ自体を実行せず、先読み演出に関する演出表示と演出音との両方を行わないようにしたが、これに限られない。例えば、「大当り判定に関わる演出音」を制限対象にするとき、入賞したときに先読み演出についての判定処理は行うが、特別の結果が得られたとしても図柄変動中における特定タイミングが到来するまでは先読み演出に関する演出表示と演出音との両方を実行せずこれらを制限するようにして、図柄変動中における特定タイミングが到来したときに、演出表示と演出音とのうちの演出表示に対する制限のみを解除してこれを行うようにしてもよい。すなわちこの場合、「大当り判定に関わる演出音」が制限対象にされていないとき(通常時)とは異なる、専用の態様(タイミング)で先読み演出に関する演出表示が行われるようになり、且つ特別の結果(先読み当選)が得られなかったかのように見せた後に先読み演出が実行されるようになることから、先読み演出に応じた演出音を出力させないことによる遊技興趣の低下を抑制しつつ先読み演出を好適に行うことができるようになる。
また、チャンネル使用が制限されている状況下における将来演出に関する処理として、・入賞したときに先読み演出についての判定処理は行うが、特別の結果が得られたとしても図柄変動中における特定タイミングが到来するまでは先読み演出に関する演出表示と演出音との両方を実行せずこれらを制限するようにして、図柄変動中における特定タイミングが到来したときに、演出表示と演出音とのうちの演出表示に対する制限のみを解除してこれを行う
といった構成を第1の制限下処理とし、
・入賞したときに先読み演出についての判定処理これ自体を実行せず、先読み演出に関する演出表示と演出音との両方を行わない
といった構成を第2の制限下処理としたとき、遊技が進行されるなかで、音が割り当てられていない状態にある空きチャンネルの数が所定数未満になる図柄変動が実行される場合、同空きチャンネルの数が所定数未満にならない図柄変動が実行される場合に比べて、第1の制限下処理及び第2の制限下処理のいずれかが実行される割合が高くされるようにするとともに、第1の制限下処理が行われるときに実行状態にあった図柄変動内で使用されるチャンネルの数の期待値を「A」、第2の制限下処理が行われるときに実行状態にあった図柄変動内で使用されるチャンネルの数の期待値を「B」とするとき、それらの関係が「A<B」なる関係となるように、それら第1の制限下処理及び第2の制限下処理のいずれかが実行されるようにすることがより望ましい。すなわちこの場合、使用チャンネル数が多くなって空きにより大きな不安が生じるようになるにつれて、演出音のみを制限対象にした第1の制限下処理ではなく、演出表示と演出音との両方を制限対象にした第2の制限下処理によってチャンネル制限がかけられる割合が高くなるようになることから、使用チャンネル数が多くなったときの不安感をより好適に抑制することが期待されるようになる。
[チャンネル特別開放処理]
上述の通り、チャンネルの数が有限とされる遊技機では、入賞に応じた判定手段による判定にて特別の結果が得られたとしても、音データの割り当て対象とされるチャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)では特別の結果が得られたことに応じた特別音をチャンネルに割り当てることができず、これを出力できないことによる遊技興趣の低下が懸念される。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、複数の遊技音が各別のチャンネルに割り当てられて出力状態にあるとき、それら遊技音のうち少なくともいくつかの遊技音の音量を低下させ、該音量が低下されている状態(抑制状態)で特定遊技音のチャンネルへの割り当てを終了させる処理を行いうる。そして、こうして特定遊技音のチャンネルへの割り当てが終了された後、チャンネルへの割り当てが継続されている他の遊技音の音量を上昇させる処理を実行可能としている(チャンネル特別開放処理)。
このような構成によれば、遊技音のチャンネル割り当ての態様に変化が生じたことを認識し難い状況(遊技音の音量が低下されている状態(抑制状態))にあるタイミングを狙って使用状態にあるチャンネルの数を減少させる(空きチャンネルの数を増加させる)こととなる。したがって、例えば、重要な遊技音をより確実に出力させるために、これに先立って使用状態にあるチャンネルの数を減少させるようにした場合であっても、該使用状態にあるチャンネルの数が減少したことには気付かれ難くなり、特定の遊技音が出力されなくなったことによる遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
図266は、このようなチャンネル特別開放処理が行われるときの各チャンネルの割り当て状況の一例を示すタイムチャートである。
同図266に示されるように、大当り判定の結果に応じた図柄変動が実行されている期間中にあって、タイミングtk11では、遊技盤側演出表示装置1600で演出進展されている所定の演出パターンに応じた「通常BGM再生」の音が再生チャンネル02,03に割り当てられて再生(ここでは、ステレオ再生)されており、且つ遊技盤側演出表示装置1600で表示されている演出Aに応じた「演出A再生」の音が再生チャンネル08,09に割り当てられて再生(ここでは、ステレオ再生)されている状況にある。
この点、図266(a)に示されるように、これら再生状態にある音(通常BGM再生、演出A再生)のうち、「演出A再生」の音は、所定の演出パターンが演出途中の段階(図柄変動の実行途中)であるタイミングtk13になると再生チャンネル08,09から外されてその再生が終了されるようになっている。このように、所定の演出パターンが演出途中の段階であっても、チャンネルから演出音の割り当てを終了させてこれを速やかに空きチャンネルに変える処理を行うことで、所定の演出パターンの演出内容が進展するときに空きチャンネルに不足して新たな音を割り当てて再生することができなくなる事態の発生を抑制することができるようになる。
ただし上述の通り、大当り判定の結果に応じた所定の演出パターンが演出途中の段階(図柄変動の実行途中)にあるときにチャンネルから演出音の割り当てを外してこれを空きチャンネルに変化させる場合、再生状態にある演出音の数が減少することとなり、その減少分だけ当該演出パターンで大当り図柄が現れる期待度が低下したかのように思わせてしまう懸念が生じる。
そこで、この説明例では、図266(a)に示されるように、まず、「演出A再生」の音を再生チャンネル08,09から外してその再生を終了させるタイミングtk13が到来するよりも前の「タイミングtk12」から、上記タイミングtk13よりも後の「タイミングtk14」が到来するまでの期間にわたって、遊技盤側演出表示装置1600で表示されている演出Bに応じた「演出B再生」の音を再生チャンネル08,09に割り当てて再生(ここでは、ステレオ再生)の状態にさせる。そして、図266(b)に示されるように、こうして「演出B再生」の音が再生の状態にされる期間(タイミングtk12〜tk14)のうち、「演出A再生」が再生終了されるタイミングtk13が到来するのに合わせて、当該「演出B再生」の音を含めた複数の演出音をチャンネルに割り当てた状態にしたままでそれぞれ音量低下させる処理(音量抑制処理)を行うこととしている。
より具体的には、この説明例における「演出B再生」の音は、図266(c)に示されるように、最大4回まで演出内容が発展可能なステップ演出に応じた演出音として出力されるものとなっており、演出内容が3回(ステップ1,ステップ2,ステップ3)にわたって順次発展した後は、ステップ4に応じた演出内容へとさらに発展するかについての演出が実行されるなかで、当該ステップ演出に応じた「演出B再生」の音を含めた複数の演出音をチャンネルに割り当てた状態にしたままでそれぞれ音量低下させる処理(音量抑制処理)を行うようにしている。なお、この音量抑制処理が終了されて通常時の音量に戻されるときにステップ4に応じた演出内容へとさらに発展する高期待演出態様が現れる場合は(相対的に期待度の高い演出)、「演出B再生」の音として該ステップ4の演出内容に応じた特定演出音が出力されるのに対し、ステップ4に応じた演出内容へと発展せずステップ3に応じた演出内容で当該ステップ演出が終了される低期待演出態様が現れる場合は(相対的に期待度の低い演出)、「演出B再生」の音として特定演出音とは異なる演出音が出力されることとなる。
このような構成によれば、複数の演出音に対して音量抑制処理が行われるときを狙って上記タイミングtk13を到来させる演出設計がなされており、該音量抑制処理が行われるなかで「演出A再生」の音を再生チャンネル08,09から外してその再生が終了されるようになることから、使用状態にあるチャンネルの数が減少したこと(「演出A再生」の音が非再生の状態にされたこと)に気付かれ難くすることができるようになる。
特に、同図266(a)〜(c)に示される例では、相対的に期待度の高い演出内容(ステップ4へと発展する演出内容)と、相対的に期待度の低い演出内容(ステップ4へと発展しない演出内容)とのいずれにも繋がる演出内容(ステップ4へと発展するか否かの演出)が現れている期間(発展するかが不明にされる期間)内で、上述の音量抑制処理を実行し、「演出A再生」の音を再生チャンネル08,09から外してその再生を終了させるようにしている。このような構成によれば、演出音の音量が低下されている状況にあるだけでなく、遊技者の興味これ自体を演出B(「演出B再生」の音)へと強く惹きつけているなかで演出A(「演出A再生」の音)が終了されるようになることから、その後、「演出B再生」の音も含めて音量抑制の対象とされていた演出音の音量が戻されたときに、「演出A再生」の音が再生されないようにしたとしても、相対的に期待度の高い演出内容(ステップ4へと発展する演出内容)と、相対的に期待度の低い演出内容(ステップ4へと発展しない演出内容)とのいずれが現れたかに興味を惹きつけて、「演出A再生」の音が再生されなくなったことに気付かれ難くすることができるようになる。
しかも、この説明例にかかる音量抑制処理では、「演出B再生」の音を含めた複数の演出音をチャンネルに割り当てた状態にしたままでそれぞれ音量低下させるものではあるが、全ての演出音を音量低下させることはせず、特定の演出音(ここでは、「通常BGM再生」の音)についてはこれを通常時の音量のままで継続して再生させるようにしている。
すなわちこの場合、一部の演出音(「通常BGM再生」の音)については音量が抑制されることなく通常通り再生されているなかで複数の演出音の音量が低下されて、こうして音の聞き分けがより一層困難とされる間に「演出A再生」の音の再生が終了されるようになることから、「演出A再生」の音が再生されなくなったことにより一層気付かせ難くすることができるようになる。
またさらに、この説明例では、複数の演出音に対して音量抑制処理が行われてすぐに「演出A再生」の音の再生を終了させず、該音量抑制処理が開始されてから所定時間が経過したタイミングtk13が到来するのを待ってから「演出A再生」の音の再生を終了させるようにしている。すなわち、音量抑制処理が開始された直後は、「音量の低下」という変化が生じた演出音A,Bに対して遊技者による興味が惹きつけられるおそれがあるが、音量が特定値まで低下して該特定値で変化しない状態が所定時間維持されたときには、このような興味はもはや薄れたものとなっていると想定されることから、このようなタイミングを狙って「演出A再生」の音の再生を終了させることで、「演出A再生」の音が再生されなくなったことにより一層気付かせ難くすることができるようになる。
特に、この説明例では、音量抑制処理の対象とされる演出音を段階的に音量低下させ、その音量が0(消音)になってから「演出A再生」の音の再生を終了させるようにしたことから、「演出A再生」の音が再生されなくなったことにより一層気付かせ難くすることができるようになる。
なお、図266に示した例では、「演出A再生」の音を再生している状態において「演出B再生」の音を再生開始させることとしたが、これに限られない。例えば、「演出B再生」の音を再生している状態において「演出A再生」の音を再生開始させ、「演出B再生」の音が抑制状態にて再生されているなかで「演出A再生」の音の再生を終了させるようにしてもよい。
また、演出A,Bについては、必ずしも遊技盤側演出表示装置1600における演出表示を伴う演出でなくてもよく、例えば、音のみの演出として実行されるものであってもよい。
また、図266に示した例では、「演出B再生」の音を再生させるタイミングtk12を、大当り判定に応じた変動パターン(演出パターン)が進展されることにより到来するものとしたが、これに限られない。例えば、所定の操作手段(操作ボタン410など)に対する操作に基づいて「演出B再生」の音を再生開始させ、該「演出B再生」の音が再生されるなかで「演出A再生」の音の再生を上述の態様で終了させるようにしてもよい。
また、音量抑制処理の対象とされる演出音については、必ずしも段階的に音量低下させるようにしなくてもよい。また逆に、演出音の音量を戻すときの処理としても、音量を段階的に戻すようにしてもよい。また、音量についても必ずしも0(消音)にしなくてもよく、通常時よりも低い音量へと抑制するものであれば、「演出A再生」の音の再生が終了したことを気付かれ難くすることは可能である。
また、図266に示した例では、演出パターンに応じた特定の演出音(ここでは、「通常BGM再生」の音)についてはこれを音量抑制処理の対象外とし、通常時の音量のままで継続して再生させるようにしたが、音量抑制処理が行われるときには全ての演出音の音量を低下させるようにしてもよい。また逆に、「演出A再生」の音については、音量抑制処理が行われるときに必ずしも音量を低下させずにこれを維持するようにしてもよく、このような場合であっても、音量低下された状態にある「演出B再生」の音に対して遊技者による興味を惹きつけているなかで「演出A再生」の音の再生を終了させ、その後、「演出B再生」の音も含めて音量抑制の対象とされていた複数の演出音の音量が戻されたときに、「演出A再生」の音が再生されないようにしたとしても、相対的に期待度の高い演出内容(ステップ4へと発展する演出内容)と、相対的に期待度の低い演出内容(ステップ4へと発展しない演出内容)とのいずれが現れたかに興味を惹きつけて、「演出A再生」の音が再生されなくなったことに気付かれ難くすることができるようになる。
また、「演出A再生」,「演出B再生」の音を再生させる演出パターンが行われる期間のうち少なくとも音量抑制処理が行われる間(「演出B再生」の音量が通常値から低下されてから通常値に戻されるまでの間)は、「演出B再生」の音への興味をより好適に持続させるべく、第一始動口2002または第二始動口2004への入賞が発生したとしてもこれに応じた保留入賞音を再生させないようにすることが望ましい。また、第一始動口2002または第二始動口2004への入賞が発生したときに先読み判定で特別の結果(先読み当選)が得られたとしても先読み演出に応じた演出音を再生させないようにすることが望ましい。
また、図266に示した例では、演出音が音量低下される期間内で「演出A再生」の音再生を終了させ、当該期間が終了するときにそれまで音量低下の状態でチャンネルに割り当てられていた演出音の音量を上昇させる(元の音量値まで戻す)こととしたが、これに加えて、当該期間が終了するときにそれまでチャンネルに割り当てられていなかった特別の演出音をチャンネルに新たに割り当てて再生(通常時の音量で再生)させるようにしてもよい。このような構成によれば、音量が戻されるときに特別の演出音が再生されるか否かに興味が集まるようになり、「演出A再生」の音が再生されなくなったことにより一層気付かれ難くすることができるようになる。しかも、音量低下前よりも音量復帰後に使用しているチャンネル数が減少すると、当該図柄変動で大当り図柄が現れる期待度が低下したかのように思わせてしまう懸念があるが、特別の演出音をチャンネルに新たに割り当てて再生(通常時の音量で再生)させるようにすることで、音量低下前と音量復帰後とで同じか、それよりも多く(2つ以上の演出音をチャンネルに対して新たに割り当てた場合)のチャンネルを使用した状態にすることが可能とされるようになることから、期待度が低下したかのような感覚を遊技者が覚えてしまうようなことも好適に回避されるようになる。なおこの場合、音量が戻されるときに特別の演出音が再生される場合と再生されない場合とがあり、特別の演出音が再生されると期待度が相対的に高いことが示唆されるようにすることが望ましい。
なお、音量が戻されるときにチャンネルに割り当てられていなかった特別の演出音をチャンネルに新たに割り当てて再生させる場合は、「演出A再生」の音割り当てが外されたことによって空きとなったチャンネルに対して特別の演出音を割り当てるようにすることが望ましい。このような構成によれば、少ないチャンネル資源で幅広い演出を実現することが可能とされるようになる。
また、このようなチャンネル特別開放処理については特定の演出パターンを実行する旨決定されたときに必ずしも行わなくてもよく、例えば、図264や図265を参照して説明した処理内での制限対象として「演出A」を採用し、最小空きチャンネル数が少ない図柄変動であるほど(図柄変動での最小空きチャンネル数が所定数未満であるときには、所定数未満でないときに比べて)当該チャンネル特別開放処理の行われる割合が高くされるようにしてもよい。このような構成によれば、チャンネル不足になる不安感を覚えさせないような、空きチャンネル数に余裕がある状況では、「演出A」を途中で終了させることなく継続して出力させることができるようになる。
[抑制下操作音出力処理]
上述の通り、チャンネルの数が有限とされる遊技機では、入賞に応じた判定手段による判定にて特別の結果が得られたとしても、音データの割り当て対象とされるチャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)では特別の結果が得られたことに応じた特別音をチャンネルに割り当てることができず、これを出力できないことによる遊技興趣の低下が懸念される。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、大当り判定の結果に応じた図柄変動として特定の演出パターンを実行する旨決定されると、当該図柄変動が開始されてから終了されるまでの期間中、遊技盤側演出表示装置1600において特定の演出パターンに応じた表示演出を進展させる処理を行うとともに、所定チャンネルに対して特定の演出パターンに応じた「BGM再生」の音を割り当てて再生させる処理を行う。そして、遊技盤側演出表示装置1600における表示演出が図柄変動期間内の所定タイミングまで進展すると所定チャンネルに対して「BGM再生」の音を割り当てたままにして抑制態様または無音で出力される状態(「BGM再生」の音量を特定値まで低下して出力される状態)にし、この状態で所定の操作手段(操作ボタン410など)に対する操作が検出されると、当該図柄変動にて大当り図柄(当該演出パターンで特別の表示態様)が現れる期待度を示唆する特別演出音を非抑制の態様で出力させることとしている(抑制下操作音出力処理)。特別演出で示唆される期待度は100%であってもよい。
すなわちこの場合、操作検出に応じた特別演出音の出力に際しては、所定チャンネルに対して「BGM再生」の音が割り当てられたままの状態ではあるものの抑制態様または無音で出力される状態にされることから、チャンネルの使用状況に余裕がありそうな雰囲気を提供することができるようになる。したがって、「もしかするとチャンネルに空きがなく、特別演出音を出力させることができないかもしれない」といった不安感を取り除いた状態で、遊技者に対して特別演出音を出力させる操作機会を提供することができるようになり、これによって遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
ところで、特定の演出パターンに応じた音(「BGM再生」の音)をチャンネルに割り当てたままにしてこれを抑制態様または無音で出力させようとする場合、一般的には、チャンネルに割り当てられている音(「BGM再生」の音)のボリュームを抑制させる処理(音量を特定値まで低下させる処理)を行うことが想定される。事実、遊技者に対して操作機会を付与する(演出受付の有効期間を発生させる)のに先立って、このようなボリューム抑制処理を行うようにすれば、特定の演出パターンに応じた音(「BGM再生」の音)を抑制態様または無音で出力される状態にしてから遊技者に対して操作機会を付与する(演出受付の有効期間を発生させる)ようにすることは可能である。
ただし周知の通り、遊技者に対して操作機会を付与する場合は演出受付の有効期間を所定時間にわたって発生させることとなるが、この有効期間内のいずれのタイミングで操作(演出受付)が行われるかは不定(遊技者次第)でありこれを事前予測することはできない。したがって、有効期間内で操作(演出受付)が行われたときにこれを契機としてボリューム抑制処理を終了させボリュームを初期値まで戻す処理を行うことはできたとしても、こうして音量が戻されることとなる不定のタイミングでこれに合わせた音を再生開始させるように「BGM再生」の音を予め記憶しておくようにすることは不可能である。
なお、遊技者による操作があったときに音量を戻す処理を行うことに加えて、「BGM再生」の音データを、「特別演出音再生時専用のBGM再生」の音データに切り換えてこれを再生させる処理を行うようにすることも考えられる。ただし、「BGM再生」の音とは、特定の演出パターンが図柄停止されて終了されるまでの各種演出の内容や図柄停止のタイミングなどに合わせて再生されるものであるから、有効期間内のいずれのタイミングで操作(演出受付)が行われるか不定(遊技者次第)とされるなかで、該操作(演出受付)を契機として「BGM再生」の音を新たに再生させるようにしてしまうと、それ以降の各種演出や図柄停止のタイミングとの間にいわゆる音ズレが発生してしまい遊技興趣が低下することが懸念される。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特定の演出パターンが実行される場合は、まず、該特定の演出パターンに対応する「BGM再生」の音として記憶されている複数の音データ(例えば、通常変動時の音データ、スーパーリーチ演出前半時の音データ、スーパーリーチ演出後半時の音データなど)を、これらに対応した各音生成用スケジュールデータにより規定されている時系列通りに所定チャンネルに順次割り当てる処理を行う。そして、このような特定の演出パターンに対応する「BGM再生」の音として記憶されている複数の音データのうち、特定の音データ(1つの音素材)は、上記音生成用スケジュールデータにより規定されている時系列通りに所定チャンネルに割り当てられると、当該特定の演出パターン内で演出受付の有効期間が発生するよりも前のタイミングから所定チャンネルに割り当てられて再生開始され、該有効期間が終了した後のタイミングまでの長い期間にわたって所定チャンネルに対する割り当て状態を維持して再生されるようにしている。
この点、上記特定の音データ(1つの音素材)を時系列的に見たときの一部区間(特別期間)には、その他の区間と比べて抑制態様、または無音で音出力にかかる処理が行われることを規定するデータ内容が予め設定されており、当該特定の音データが上記音生成用スケジュールデータにより規定されている時系列通りに所定チャンネルに割り当てられると、その一部区間(特別期間)内で演出受付の有効期間が発生する時系列的関係となるようにされている。これに加えて、特別期間(一部区間)内で発生する上記演出受付の有効期間内のいずれのタイミングで遊技者による操作が行われたとしても、特別期間(一部区間)から該特別期間(一部区間)が終了した後の期間(他の区間)との、当該特定の音データ内の2つの区間に跨って、演出受付に応じた特別演出音を、「BGM再生」の音が割り当てられている所定チャンネルとは別のチャンネルで非抑制の態様で再生させるようにしている。
このような構成によれば、特定の演出パターンに対応する「BGM再生」の音として記憶されている複数の音データ(例えば、通常変動時の音データ、スーパーリーチ演出前半時の音データ、スーパーリーチ演出後半時の音データなど)を、これらに対応した各音生成用スケジュールデータにより規定されている時系列通りに所定チャンネルに順次割り当てる処理を行うだけで、初期値からのボリューム調整を行わずとも、「抑制態様または無音で出力される状態(特別期間)」を創出させることが可能とされるようになる。また、こうして創出される「抑制態様または無音で出力される状態(特別期間)」において遊技者による操作が演出受付されたときには、これを契機とした即時性の高い処理によって非抑制の態様で特別演出音が再生開始されるようにする一方で、所定チャンネルで再生状態にある「BGM再生」の音については、演出受付とは関係なく、「抑制態様または無音で出力される状態(特別期間)」を所定時間にわたって維持させる。そしてこの後、特別演出音が再生されているなかでこれに紛れ込ませるかたちで、特定の音データ(1つの音素材)のうちの一部区間(抑制態様または無音の音出力)が終了してその他の区間(非抑制の音出力)のデータ内容が再生されるようになることから、「BGM再生」の音を密かに非抑制の態様での出力に戻すことが可能とされるようになり違和感のない演出音を提供することができるようになる。すなわちこの場合、抑制態様または無音で「BGM再生」の音が出力される状態において遊技者による操作が演出受付されたときにはこれを契機とした即時性の高い処理によって特別演出音を非抑制の態様で再生開始させるようにしつつも、それ以降に各種演出や図柄停止のタイミングとの間に音ズレが生じることを好適に回避することができるようになる。
図267は、このような抑制下操作音出力処理が行われるときの各チャンネルの割り当て状況の一例を示すタイムチャートである。以下、図267を参照して、このような抑制下操作音出力処理を実行するときの具体例について説明する。
同図267(a)に示されるように、大当り判定の結果に応じた図柄変動が実行されている期間中にあって、タイミングts11では、遊技盤側演出表示装置1600で演出進展されている特定の演出パターンに応じた「BGM再生」の音が再生チャンネル02,03に割り当てられて既に再生(ここでは、ステレオ再生)されている状況にある。この「BGM再生」の音は、例えば、特定の演出パターンが実行される旨決定されたときに図柄変動が開始されてから終了されるまでの図柄変動の全期間にわたる一の音データ(1つの音素材)として音生成用スケジュールデータに基づいて再生されるものであってもよいし、図柄変動の全期間が複数期間に分けられてそれらの期間毎に用意された各別の音データがそれらに対応した音生成用スケジュールデータに基づいて順次再生されるものであってもよい。なお、図267に示される例では、タイミングts11を含めた図中の全期間(図柄変動期間のうちの一部期間)にわたって「BGM再生」の音としての一の音データ(1つの音素材)がチャンネル02,03に対して割り当てられて再生の状態になっている。
この点、図267(a),(b)に示されるように、チャンネル02,03に対して割り当てられて再生の状態になっている一の音データ(「BGM再生」の音)は、特別演出音の発生契機となる操作機会が付与される操作有効期間(演出受付の有効期間)が発生するタイミングts13が到来するよりも前の、タイミングts12になると、無音のデータ内容が設定されている一部区間での再生状態にされるようになっている。これにより、「BGM再生」の音に関して初期値からのボリューム調整を行わずとも、これを所定チャンネルに割り当てたままで無音で出力される状態にすることができるようになる。
このような構成によれば、タイミングts13において、「BGM再生」の音が無音のデータ内容として設定されている一部区間内での再生状態になっておりチャンネルの使用状況に余裕がありそうな雰囲気が提供されているなかで、遊技者に対して操作機会が付与される操作有効期間(演出受付の有効期間)を発生させることができるようになる。これにより、「もしかするとチャンネルに空きがなく、特別演出音を出力させることができないかもしれない」といった不安感を取り除いた状態で、遊技者に対して特別演出音を出力させる操作機会を提供することができるようになり、これによって遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
しかも、この説明例にかかる操作有効期間は、遊技者による操作がなかった場合であっても、「BGM再生」の音として無音のデータ内容が設定されている一部区間が終了されるタイミングts16が到来するよりも前の、タイミングts15になると、遊技者による操作を演出受付しなくなるように当該期間を終了させるようにしている。したがって、操作有効期間のうちのいずれのタイミングで遊技者による操作が受け付けられたとしても、「BGM再生」の音が無音のデータ内容として設定されている一部区間内での再生状態になっておりチャンネルの使用状況に余裕がありそうな雰囲気が提供されているなかで、遊技者による操作に応じた特別演出音を発生させることができるようになる。なお、操作有効期間は、遊技者による操作がないままでタイミングts15が到来したときのほか、遊技者による操作が演出受付されたときにも終了される。遊技者による操作がないままでタイミングts15が到来したときには、そのタイミングで遊技者による操作があったときと同様、特別演出音を発生させるようにしてもよい。
そして、この説明例では、タイミングts14において、遊技者による操作が演出受付された場合を想定しており、該演出受付されたことに基づいて、「BGM再生」の音が割り当てられているチャンネル02,03とは異なるチャンネル08,09に対して特別演出音を割り当てて再生させるようにしている。
この点、この説明例では、操作有効期間が開始されてから終了されるまでの最大時間(タイミングts13からタイミングts15までの時間)を「SY」とし、且つこの最大時間で操作有効期間が終了されてから「BGM再生」の音として無音のデータ内容が設定されている一部区間が終了されるまでの時間(タイミングts15からタイミングts16までの時間)を「BF」とするとき、操作有効期間内のいずれのタイミングで遊技者による操作が受け付けられたとしても、特別演出音を「SY+α(>BF)」の一定時間にわたってチャンネル08,09に対して割り当てて再生させるようにしている。
このような構成によれば、操作有効期間内のいずれのタイミングで遊技者による操作が受け付けられたとしても、特別演出音が再生状態にあるときにタイミングts16が必ず到来するようになることから、特別演出音に紛れ込ませるかたちで「BGM再生」の音を非抑制の態様として出力させることができるようになる。すなわちこの場合、遊技者による操作が受け付けられるタイミングに応じて特別演出音の再生が開始されてから「BGM再生」の音が非抑制の態様として出力されるようになるまでの時間は可変するものの、当該特別演出音の出力期間を、「BGM再生」の音を非抑制の態様で復帰させるためのバッファ期間(特別演出音に紛れ込ませて「BGM再生」の音が非抑制の態様で復帰されたことに気付き難くする期間)として機能させることで、遊技者による操作が受け付けられたときに「BGM再生」の音を非抑制の態様として復帰させず、その所定時間後に復帰させることによる違和感を覚え難くすることができるようになる。
そして、こうして「BGM再生」の音がBGM再生用演出音のデータ内容(非抑制態様)として復帰された後は、タイミングts17が到来したときに、「BGM再生」の音が非抑制態様で再生状態にあるなかで特別演出音の再生が終了されるようになる。
なお、上記説明例では、「特別演出音の再生が開始されるタイミング」及び「特別演出音の再生が終了されるタイミング」は、図267(b)に示されるように、遊技者による操作が受け付けられるタイミングに応じて点線矢印で示される範囲内でそれぞれ可変とされることとなるが、それらがいずれのタイミングに該当したとしても、特別演出音が再生状態にあるときにタイミングts16が到来し、「BGM再生」の音としてBGM再生用演出音のデータ内容(非抑制態様)が設定されている通常区間が開始されるようになることは明らかである。
また、図267に示した例において、「遊技者による操作が受け付けられたときに「BGM再生」の音を非抑制の態様として復帰させずその所定時間後に復帰させることによる違和感」をより一層覚え難くするようにする上では、特別演出音のボリューム初期値を、通常区間におけるBGM再生の初期値よりも大きく設定するようにすることが望ましい。
このような構成によれば、ボリューム初期値の大きい特別演出音に注目を集めているなかで、BGM再生の音を通常区間での再生状態へと密かに移行させることができるようになる。
また、図267に示した例では、遊技者による操作が演出受付されると該演出受付に基づいて特別演出音を発生させることとしたが、変動パターンや大当り判定の結果に応じた特定の演出条件が満たされているときに限り演出受付されたことに基づいて特別演出音を発生させるようにしてもよい。なお、特定の演出条件が満たされていない場合であっても、タイミングts14においては操作有効期間を発生させ、該操作有効期間内で遊技者による操作が演出受付されたときには、該演出受付されたことに基づいて所定の演出音(失敗演出音など)を再生させる。そして、操作有効期間内のいずれのタイミングで操作されたとしても、所定の演出音(失敗演出音など)が再生状態にされているなかでBGM再生の音を通常区間での再生状態へと密かに移行させるようにする点も、図267に示した例の場合と同様にすることが望ましい。
ただしこれに代えて、所定の演出音(失敗演出音など)を再生させる場合は、その再生時間を、特別演出音が再生状態にされる場合よりも短くし、該所定の演出音(失敗演出音など)の再生が終了した状態でBGM再生の音を通常区間での再生状態へと復帰させるようにしてもよい。なおこの場合、操作有効期間内のいずれのタイミングで操作されたとしても、BGM再生の音が通常区間での再生状態へと復帰されるタイミングを、所定の演出音(失敗演出音など)の再生が終了した後に到来するように設定することとなる。このような構成によれば、所定の演出音(失敗演出音など)が終了してからBGM再生の音が通常区間での再生状態へと復帰されるまでの間に無音期間(操作タイミングに応じて長さが可変される期間)をバッファ期間として発生させることができるようになる。また、この無音期間で、期待度(100%であってもよい)が高くなる復活演出が発生しうるように設定すれば、遊技興趣の維持を図ることも期待されるようになる。
若しくは、所定の演出音(失敗演出音など)を再生させる場合は、BGM再生の音が通常区間での再生状態へと復帰されることなく、当該図柄変動がハズレ態様で停止されるようにしてもよい。なおこの場合、タイミングts12において、チャンネル02,03に対するBGM再生の音の割り当てを終了させ、これを空きチャンネルにするようにしてもよい。
また、特別演出音を発生させる場合は、演出受付に基づいて所定の可動体を動作させる可動演出も併せて行うようにして、BGM再生の音に対する注目度合いを低下させるようにすることが、BGM再生の音を通常区間での再生状態へと密かに移行させるようにする上で望ましい。
また、図267に示した例では、一部区間において「BGM再生」の音を無音出力させるようにしたが、これに限られず、その他の区間における「BGM再生」の音よりも抑制された態様で出力されるものであればよい。ここで、抑制された態様とは、相対的に音量が低くされる態様のほか、単位時間当たりのスピーカのコーンの振動頻度を低下させる態様などを例示することができる。
また、図267に示した例では、所定チャンネルに割り当てられる「BGM再生」の音データこれ自体に抑制態様または無音とされる時系列的な期間を設定しておくことで、「BGM再生」の音のボリューム調整を行うことなく、これを再生するだけで抑制態様または無音で出力される状態(特別期間)を創出可能とした。ただし、所定チャンネルに割り当てられる「BGM再生」の音データこれ自体に抑制態様または無音とされる時系列的な期間を必ずしも設定しなくてもよく、例えば、タイミングts12において「BGM再生」の音の音量を特定値(消音であってもよい)まで低下させるボリューム調整を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、タイミングts14において遊技者による操作が演出受付されたとしても、該演出受付を契機として「BGM再生」の音の音量を特定値から上昇させる処理(ボリューム初期値に戻す処理)は行わないようにする。そして、特定の演出条件が満たされている場合は、予め定められたタイミングts16が到来するときに、特別演出音が再生されているなかで「BGM再生」の音の音量を特定値から上昇させる処理(ボリューム初期値に戻す処理)を行うこととなる。これに対し、特定の演出条件が満たされていない場合は、上述の別例と同様、所定の演出音(失敗演出音など)が再生されているなかで「BGM再生」の音の音量を特定値から上昇させる処理(ボリューム初期値に戻す処理)を行うようにしてもよいし、所定の演出音(失敗演出音など)の再生が終了した状態で「BGM再生」の音の音量を特定値から上昇させる処理(ボリューム初期値に戻す処理)を行うようにしてもよいし、所定の演出音(失敗演出音など)を特定値から上昇させることなく当該図柄変動が終了されるようにしてもよい。
また、図267に示した例においては、少なくともタイミングts12が到来するよりも前の所定タイミングからタイミングts16までの期間にわたって、空きチャンネルに対して新たな音割り当てを発生し難くさせる制限処理を行うようにすることが望ましい。
なお、このような制限処理としては、例えば、ブロック入賞音、保留入賞音、普電演出音、調整音など、実行中の図柄変動で大当り図柄が現れるか否かの結果とは何ら関係のない特定の遊技音を制限対象とし、この制限対象とした特定の遊技音をチャンネルに新たに割り当てずにその再生を行わないようにすることが望ましい。
また、大当り判定の結果に応じた図柄変動として特定の演出パターンを実行する旨決定された場合は、タイミングts12が到来するよりも前にチャンネル02,03とは異なるチャンネルで特定の演出音(BGMの音とかぶらないように、音楽ではなく、効果音やセリフなどの演出音であることが望ましい)を再生させ、該特定の演出音が再生されている間にタイミングts12が到来してBGM再生の音が抑制態様または無音で出力されるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、特定の演出音にBGM再生の音が紛れ込むようになることから、BGM再生の音が抑制態様または無音の状態にされたことを気付き難くすることができるようになる。なお、特定の演出音については、特別演出音(または、所定の演出音)が出力されるタイミングts14以前(タイミングts14、または該タイミングts14よりも前)にその再生状態を終了させるようにすることが特別演出音が出力されない不安感を緩和させる上で望ましい。
また、大当り判定の結果に応じた図柄変動として特定の演出パターンを実行する旨決定された場合は、特別演出音(または、所定の演出音)が出力されるタイミングts14から、BGM再生の音が抑制態様または無音にされる状態が終了されるタイミングts16までの間に、複数のチャンネルで演出音を出力させるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、特別演出音を含めた複数の演出音が出力されるようになることから、それら演出音にBGM再生の音を容易に紛れ込ませることができるようになり、BGM再生の音を通常態様での再生状態へと密かに移行させることができるようになる。
また、このような抑制下操作音出力処理については特定の演出パターンを実行する旨決定されたときに必ずしも行わなくてもよく、例えば、図264や図265を参照して説明した処理内での制限対象として「BGM再生の音」を採用し、最小空きチャンネル数が少ない図柄変動であるほど(図柄変動での最小空きチャンネル数が所定数未満であるときには、所定数未満でないときに比べて)当該抑制下操作音出力処理の行われる割合が高くされるようにしてもよい。このような構成によれば、チャンネル不足によって特別演出音が出力されない不安感を覚えさせないような、空きチャンネル数に余裕がある状況では、BGM再生の音を抑制態様または無音にすることなく出力させることができるようになる。
[チャンネル割当解消操作]
上述の通り、チャンネルの数が有限とされる遊技機では、入賞に応じた判定手段による判定にて特別の結果が得られたとしても、音データの割り当て対象とされるチャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)では特別の結果が得られたことに応じた特別音をチャンネルに割り当てることができず、これを出力できないことによる遊技興趣の低下が懸念される。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、音データが割り当てられているチャンネルのうち少なくとも1つを、音データが割り当てられていない空きチャンネルに変化させる処理を検出手段による検出を契機として実行可能としている(チャンネル割当解消操作)。すなわちこの場合、遊技者による操作を契機として空きチャンネルが創出されるようになることから、遊技者の好みの演出音や特別音が発生する直前タイミングなどで遊技者による操作を行って空きチャンネルを事前確保するようにすることで、こうして事前確保された空きチャンネルを通じて遊技者の好みの演出音や特別音を確実に出力させることができるようになる。
なお、この説明例における操作(チャンネル割当解消操作)としては、「ボタン操作」に限られず、当該パチンコ機1に対して手をかざしてお祈りする行為など、図258〜図262を参照して例示した特定行為であってもよく、要は、こうした検出対象とされる特定行為(チャンネル割当解消操作)が行われたときに生じる何らかの状態変化を検出可能な接触式または非接触式の所定センサによる検出があったことを契機として、チャンネルに割り当てられている状態にある音を該チャンネルから外して再生終了させる処理を行うものであればよい。
図268は、このようなチャンネル割当解消操作に関連した処理が行われるときの各チャンネルの割り当て状況の一例を示すタイムチャートである。
同図268に示されるように、大当り判定の結果に応じた図柄変動が実行されている期間中にあって、タイミングtw11では、遊技盤側演出表示装置1600で演出進展されている所定の演出パターンに応じた「BGM1再生」の音(例えば、スーパーリーチ演出の実行中に再生される演出効果音など)が再生チャンネル00,01に割り当てられて再生(ここでは、ステレオ再生)されており、且つ演出モードに応じた「BGM2再生」の音(例えば、時短遊技状態などで複数変動に跨って継続再生される一の楽曲など)が再生チャンネル02,03に割り当てられて再生(ここでは、ステレオ再生)されている状況にある。
この点、図268(a),(b)に示されるように、これら再生状態にある音(BGM1再生、BGM2再生)のうち、「BGM2再生」の音は、特定行為(チャンネル割当解消操作)が検出された時点でチャンネル割り当てを強制終了させる対象とされており、当該図柄変動が実行されている期間中にあって、タイミングtw12になると、該特定行為(チャンネル割当解消操作)の演出受付が許容される受付期間をタイミングtw13までにわたって発生可能としている。なお、タイミングtw12〜タイミングtw13の受付期間では、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において「ボタンを操作し、空きチャンネルを確保せよ」などの検出対象とされる特定行為(チャンネル割当解消操作)を行うことを促す操作指示画像が表示される。
ここで、図268(a)は、タイミングtw12〜タイミングtw13の受付期間内で特定行為(チャンネル割当解消操作)が行われず、所定の検出手段による検出がなされなかった場合における各チャンネルの割り当て状況を示している。
同図268(a)に示されるように、タイミングtw13が到来するまでの間に所定の検出手段による検出がなされなかった場合は、再生チャンネル02,03から「BGM2再生」の音が外されることなく、タイミングtw13が到来した以降もこれが継続して再生される。また、受付期間が終了されるタイミングtw13では、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において表示されていた操作指示画像(ボタンを操作し、空きチャンネルを確保せよ)が非表示とされる。
また、タイミングtw13では、空きチャンネル(再生チャンネル10,11)に対して所定の演出音(ここでは、大当り確定音)を割り当てて再生させる処理が行われる。この説明例では、所定の検出手段による検出によって再生チャンネル02,03を空きチャンネルに変化させなくても、他のチャンネル(再生チャンネル10,11)に空きが事前確保されていたことから、該空きチャンネルに対して所定の演出音(ここでは、大当り確定音)を割り当てて再生させることが可能とされている。しかしながら、他のチャンネルに空きが事前確保されていなかった場合は、所定の演出音(ここでは、大当り確定音)を割り当てることのできる空きチャンネルが存在せず、これを再生出力することができなくなる懸念が生じることとなる。
図268(b)は、タイミングtw12〜タイミングtw13の受付期間のうち、タイミングtw12aにおいて特定行為(チャンネル割当解消操作)が行われ、所定の検出手段による検出がなされた場合における各チャンネルの割り当て状況を示している。
これに対し、同図268(b)に示されるように、タイミングtw13が到来するまでの間に所定の検出手段による検出がなされた場合は、該検出がなされたタイミングtw12aにおいて再生チャンネル02,03から「BGM2再生」の音が外されるようになる。これにより、タイミングtw13が到来するまでの間に所定の演出音(ここでは、大当り確定音)の割り当て対象として機能しうる空きチャンネル(再生チャンネル02,03)を事前確保することができるようになり、所定の演出音(ここでは、大当り確定音)を再生出力することができなくなる懸念が解消されるようになる。また、所定の検出手段による検出がなされた時点で「BGM2再生」の音の再生状態が強制終了されることとなり、この場合、「BGM2再生」の音としての楽曲やセリフなどが最後まで(若しくは、切りの良いところまで)再生されることなく中途半端な箇所で再生終了とされるようになることから、遊技者による特定行為(チャンネル割当解消操作)によって空きチャンネルが事前確保された実感を覚えやすくすることができるようになり、所定の演出音(ここでは、大当り確定音)が再生されるタイミングを安心して待つことができるようになる。
なお、所定の検出手段による検出がなされたタイミングtw12aにおいては、「BGM2再生」の音の再生状態が強制終了されるほか、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において表示されていた操作指示画像(ボタンを操作し、空きチャンネルを確保せよ)が非表示とされるとともに、特定行為(チャンネル割当解消操作)の演出受付が許容される受付期間が終了されるようになる。
また、図268(b)に示される例では、タイミングtw13において、空きチャンネルとして事前確保した再生チャンネル02,03ではなく、それよりも前から空きチャンネルとされていた他のチャンネル(再生チャンネル10,11)に対して所定の演出音(ここでは、大当り確定音)を割り当てて再生させるようにしている。ただし、タイミングtw13において他のチャンネルに空きがない場合は、事前確保した再生チャンネル02,03に対して所定の演出音(ここでは、大当り確定音)を割り当てて再生させることとなる。
若しくは、タイミングtw12aにおいて特定行為(チャンネル割当解消操作)が行われて所定の検出手段による検出がなされたことに基づいて特定のチャンネルから演出音が外されるときには、他のチャンネルに空きがあったとしても、該特定のチャンネルに対して所定の演出音(ここでは、大当り確定音)を割り当てて再生させるようにしてもよい。
すなわちこの場合、特定のチャンネルに対して所定の演出音(ここでは、大当り確定音)を割り当ててこれを再生させるにあたり、該特定のチャンネルに対して所定の演出音とは異なる演出音(ここでは、BGM2)が割り当てられていたとしても、ボタン操作などの特定行為検出(チャンネル割当解消操作)を契機として割り当て状態をその時点で解消させることとなることから、一のチャンネル(特定のチャンネル)を用いるだけで「BGM2再生」の音と所定の演出音(ここでは、大当り確定音)とをそれぞれ再生することができるようになり、有限資源である再生チャンネルを有効利用することができるようになる。
また、図268(b)に示される例では、受付期間が終了されるタイミングtw13において、所定の演出音(ここでは、大当り確定音)を再生させることとしたが、タイミングtw13よりも後のタイミングで所定の演出音(ここでは、大当り確定音)を再生させるようにしてもよい。
また、所定の演出音としては、大当り確定音のほか、大当り図柄が現れる期待度を示唆する演出音や、大当りに落選したことを示唆する演出音などであってもよい。これらの演出音については、当該図柄変動で現れる演出パターンの種別に基づいて選択的に出力されるようにすることが望ましい。若しくは、大当りに落選したことを示唆する場合は、タイミングtw13が到来したとしても何らの演出音も出力せず、空きチャンネルを必ずしも利用しないようにしてもよい。
これに対し、特定行為(チャンネル割当解消操作)が検出された時点でチャンネル割り当てが終了される音としては、複数の態様のいずれかで出力される音ではなく、一の態様のみで出力される特定音として実行するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、再生状態が強制終了されるときにその特定音の内容を聞き逃したとしても、その内容を容易に予測することが可能であり何らの支障も出ないことから、特定行為によって再生状態が強制終了されるときの遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
また、図268(b)に示される例では、図柄変動内の所定のタイミングが到来したときに特定行為(チャンネル割当解消操作)の演出受付が許容される受付期間を発生させることとしたがこれに限られない。例えば、少なくともチャンネル割り当てから外される対象としての特定音が再生状態にある期間中はいつでも特定行為(チャンネル割当解消操作)の受付を許容し、該受け付けられたことに基づいて特定音のチャンネル割り当てを解消させるようにしてもよい。なおこの場合、例えば、特定音が再生状態にされてからの所定時間が経過した所定タイミングなど、事前確保した空きチャンネルの状態を所定時間にわたって維持してから該空きチャンネルに対して別の音が割り当てられて再生されるようにすることが望ましい。
また、強制終了の対象とされる特定音のチャンネル割り当てを解消させる手法としては、該特定音が割り当てられていたチャンネルをその時点で空きチャンネルにする手法のほか、所定の音(例えば、0.1秒などの極めて短い割当解消受付音)を同チャンネルに上書きするかたちで割り当てることによって特定音のチャンネル割り当てを解消させるようにしてもよい。このような構成であっても、特定行為が受け付けられて強制終了されたときのほうが、同強制終了がなかったときよりも早い段階で特定音のチャンネル割り当てを解消させることが可能である。
また、少なくとも特定行為(チャンネル割当解消操作)の演出受付が許容されてから、該演出受付によって創出された空きチャンネルを利用した所定の演出音の再生が終了されるまでの期間では、新たな音が発生してチャンネルが無駄に利用されることがないように、当該図柄変動内で大当り図柄が現れるかの演出とは関係のない特定遊技音(例えば、入賞音や保留変化音、音量調整音、先読み演出音など)についてはその出力を行わないようにすることが望ましい。
また、強制終了の対象とされる特定音(「BGM2再生」の音)については、ループせずに所定時間に限って再生される楽曲やセリフなどの非ループ演出音として再生されるものであることが、最後まで再生されることなく中途半端な箇所で再生終了とされるようにして遊技者による特定行為(チャンネル割当解消操作)によって空きチャンネルが事前確保された実感を覚えやすくする上で望ましい。
[演出パターンに応じた演出が行われているなかでの異常報知]
上述の通り、チャンネルの数が有限とされる遊技機では、入賞に応じた判定手段による判定にて特別の結果が得られたとしても、音データの割り当て対象とされるチャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)では特別の結果が得られたことに応じた特別音をチャンネルに割り当てることができず、これを出力できないことによる遊技興趣の低下が懸念される。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特定の異常状態が発生した場合であっても、これに応じた特定の報知音を必ずしもチャンネルに割り当てて出力せず、該特定の異常状態が特定の状況において発生したことを条件として特定の報知音をチャンネルに割り当てて出力させるようにしている。すなわちこの場合、特定の異常状態が発生したときにこれに応じた特定の報知音が必ずしも出力されないことで、その分だけチャンネルに余裕を持たせて空きチャンネルがなくなってしまうリスクの低減を促すことが期待されるようになる。
より具体的には、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、所定の可動装飾体が特定位置(原点位置)にあるべきタイミングであるにもかかわらず、該特定位置(原点位置)にないことが所定のセンサにより検出(可動体異常)されると、所定の可動装飾体に異常(可動体異常)が生じた旨判断する。そして、このような可動体異常が発生した場合は、パチンコ機1による報知処理として、該可動体異常に対応した報知音(例えば、「可動体異常が発生しました」など)の出力と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における異常時表示(例えば、「裏中可動演出ユニット3200に異常発生」など)とをそれぞれ実行可能としている。なお、表示領域内における異常時表示としては、複数の可動装飾体のいずれに異常が発生したのかが特定可能とされるように行うことが望ましいが、複数の可動装飾体をグループ分けし、それらグループのいずれに属する可動装飾体に異常が発生したかを特定する態様であってもよい。例えば、複数の可動装飾体として、扉枠3側に設けられる図示しない複数の枠側可動装飾体と、遊技盤5側に設けられる複数の盤側可動装飾体(例えば、裏前飾りユニット3100や、裏中可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏右可動演出ユニット3400、裏上可動演出ユニット3500、裏下可動演出ユニット3700など)とがそれぞれ設けられる場合であれば、枠側可動装飾体と盤側可動装飾体とのいずれの側に異常が発生したかを特定可能な態様で表示領域内における異常時表示を行うこととなる。なお、複数の可動装飾体とは、駆動源がそれぞれ異なり別個に設けられる関係にある可動装飾体のことを言うこととする。
しかしながら、このような可動体異常は、基本的には、可動装飾体の故障によって生じるものであり遊技者側には何らの過失もない可能性が高いことはもとより、報知されたところで対処のしようもないことから、大当り判定に応じた各種遊技(図柄変動や、大当り遊技など)が実行されている期間中にその報知処理が表立って実行されるようなことがあると、実行中の演出に対して悪影響が及ぼされることとなり遊技者にとっては興ざめである。そればかりか、可動体異常に応じた報知音が出力される分だけ空きチャンネルの数に余裕がなくなることから、新たな音を出力することができなくなる不安感を遊技者に対して与えかねず、遊技興趣の低下が懸念される。
ただしその一方で、可動装飾体の故障は、通常、該可動装飾体が動作するときに発生することが多く、何ら動作していないときに突然故障するような事態は想定し難い側面もある。そうすると、可動装飾体が何ら動作していないときに可動体異常が発生した場合とは、ドツキ行為または針金進入などによる不正行為によって可動装飾体が特定位置(原点位置)から外されたことによって異常検出された状況にある可能性があり、このような状況下にあるにもかかわらず可動体異常に対応した報知音を出力しないようにすることがあれば、不正行為を助長しかねず、正当な遊技者からすれば遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような可動体異常が大当り判定に応じた各種遊技(図柄変動や、大当り遊技など)が実行されている期間中に発生してこれが検出された場合であっても、パチンコ機1による報知処理(報知音の出力、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における異常時表示、各種ランプによる異常時点灯など)を実行可能としている。ただし、大当り判定に応じた各種遊技(図柄変動や、大当り遊技など)が実行されている期間のうち、少なくとも周辺制御基板1510による演出制御によって可動装飾体を動作させる処理(変動パターン(演出パターン)や大当り遊技中の演出パターンなどに基づいて可動装飾体を動作させる可動体駆動処理)が行われているなかで可動体異常が検出された場合は、パチンコ機1による報知処理(報知音の出力、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における異常時表示、各種ランプによる異常時点灯など)を行わないようにしている。なお、可動装飾体に異常が発生した旨の情報の外部出力(ホール側報知)については表立って行われるものではなく演出に悪影響を及ぼすものではないから状況にかかわらず行うようにしてもよい。
このような構成によれば、大当り判定に応じた各種遊技(図柄変動や、大当り遊技など)が実行されている期間内といえども可動装飾体に故障が発生し難い状況(周辺制御基板1510による演出制御によって可動装飾体を動作させる処理(変動パターン(演出パターン)や大当り遊技中の演出パターンなどに基づいて可動装飾体を動作させる可動体駆動処理)が行われていない状況)で可動体異常が発生した場合は異常報知音などのパチンコ機1による報知処理が行われうるようにするが、少なくとも可動装飾体に故障が発生しやすい状況下(可動体の演出動作中)で可動体異常が発生した場合は異常報知音などのパチンコ機1による報知処理を行わないようにしたことから、不正行為を行う者に対しては該不正行為を行うことを抑制させるようにしつつも、正当な遊技者に対しては実行中の演出に対して悪影響が及ぼされることを回避するようにすることが期待されるようになる。
例えば、周辺制御基板1510による演出制御によって可動装飾体を動作させる処理内で可動体異常が検出されたとしても、遊技盤側演出表示装置1600における表示制御、チャンネルに対する演出音の割り当て制御、異常発生した可動装飾体に搭載されているランプも含めた発光部の発光制御については、可動体異常が検出されなかったときと同じ態様でそのまま実行されることから、実行中の演出に対して悪影響が及ぼされることは抑制されるようになる。ただし、可動体異常が検出された後に該当の可動装飾体を再び動作させる演出タイミングが到来したとしても、該可動装飾体が異常状態から未だ復旧されていない間は該可動装飾体を動作させる可動演出は実行されない。
すなわち、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、可動体異常が検出されると、該可動体異常に応じた異常報知音などのパチンコ機1による報知処理を行う状況にあるか否かにかかわらず該当の可動装飾体を異常状態から復旧させるべく該可動装飾体に対して所定の復元動作(特定位置(原点位置)へと移動させる動作)を行わせる復元処理を実行可能としている。この復元処理は、異常が発生した可動装飾体の種別によって異なる内容で実行されるものであってもよい。このような構成によれば、特定の可動装飾体を動作させる特定可動演出が行われる図柄変動の実行期間中、特定の可動装飾体が異常状態にあったとしても、特定可動演出が開始されるよりも前の段階で特定の可動装飾体が異常状態から復旧された場合は、該特定の可動装飾体を動作させる特定可動演出を実行することができるようになる。
なお、該当の可動装飾体に対して所定の復元動作(特定位置(原点位置)へと移動させる動作)を行わせる復元処理を実行したにもかかわらず、該可動装飾体が所定時間内に特定位置(原点位置)へと復帰しなかった場合は、復旧に失敗したとして、その異常状態を維持したまま遊技や演出が進展されるようになる。
図269は、図柄変動が行われる期間のうち、大当り判定に応じた変動パターン(演出パターン)に応じて可動装飾体を動作させる処理内で可動体異常が検出されたときの各チャンネルの割り当て状況や、可動装飾体側の状況について、それらの一例を示すタイムチャートである。
同図269(a)に示されるように、大当り判定の結果に応じた図柄変動(特定の演出パターン)が実行されている期間中にあって、タイミングti11では、遊技盤側演出表示装置1600で演出進展されている特定の演出パターンに応じた「BGM再生」の音が再生チャンネル02,03に割り当てられて既に再生(ここでは、ステレオ再生)されている状況にある。
この図柄変動(特定の演出パターン)では、タイミングti12になると、遊技者に対して操作機会が付与される操作有効期間(演出受付の有効期間)が最大でタイミングti14までの期間にわたって発生しうる。そして、この期間(タイミングti12〜タイミングti14までの期間)内で遊技者による操作(例えば、操作ボタン410)が検出されると、これを契機として操作有効期間(演出受付の有効期間)が終了されて特定の可動装飾体を動作させる演出制御が実行されるようになっている。なお、操作有効期間(演出受付の有効期間)内に遊技者による操作(例えば、操作ボタン410)が検出されなかった場合は、タイミングti14以降に特定の可動装飾体を動作させる演出制御を実行するようにしてもよいし、特定の可動装飾体を動作させる演出制御これ自体を実行しないようにしてもよい。
この点、図269に示す例では、タイミングti13において、遊技者による操作が演出受付された場合を想定している。したがって、タイミングti13では、遊技者による操作が演出受付されたことに基づいて、可動体駆動処理が実行されて特定の可動装飾体を演出動作させる可動演出が行われるとともに(図269(b)を参照)、チャンネル08,09に対して該可動演出に合わせた演出音が割り当てられて再生されるようになる(図269(a)を参照)。
ここで、可動体駆動処理としては、例えば、特定の可動装飾体を動作させるに際して、まず、異常履歴が記憶されている状態にあるかを判定する。そしてこの結果、異常履歴が記憶されているときには、復元処理に失敗した状態にあり復旧が見込めないことから何らの駆動も行うことなく当該可動体駆動処理を終了させる。これに対し、異常履歴が記憶されていないときには、所定センサからの情報を取得し、該情報に基づいて特定の可動装飾体が特定位置(原位置)にあるかを判定する。そしてこの結果、特定の可動装飾体が特定位置(原位置)にあれば、演出パターンにより定められる態様で特定の可動装飾体を動作させる。このような動作では、特定の可動装飾体は最終的には特定位置(原位置)まで戻されるようになっており、特定の可動装飾体に対する駆動が終了すると所定センサからの情報を取得し、該情報に基づいて特定位置(原位置)まで戻された状態にある旨判定されると当該可動体駆動処理が終了される。ただし、当該可動体駆動処理内で特定の可動装飾体が特定位置(原位置)にない旨判定された場合は、特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる復元処理を実行してから当該可動体駆動処理を終了させることとなる。
またこの際、復元処理に失敗した場合は、異常履歴を所定の記憶領域に記憶させることとなる。
このような可動体駆動処理によって、特定の可動装飾体はタイミングti13から演出動作を行うこととなるが、この説明例では、この演出動作が行われる期間内のタイミングti15において特定の可動装飾体に異常が発生してこれが動作し得なくなった場合を想定している。なお、図269(b)では、点々の付されている範囲が、特定の可動装飾体が異常状態にある期間を示している。したがって、特定の可動装飾体に対する駆動(演出動作用の駆動)が終了された後のタイミングti17では、特定の可動装飾体が特定位置(原位置)まで戻された状態にない旨判定(可動体異常の判定)されるとともに、該判定に基づいて特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる復元処理を実行することとなる。
ただし上述の通り、大当り判定の結果に応じた演出パターンに基づいて特定の可動装飾体が動作しているなかで該特定の可動装飾体に異常(可動体異常)が発生した状況とは、可動装飾体の故障によって生じた可能性が高い状況にあるといえることから、この説明例では、可動体異常に応じた異常報知音をチャンネルに割り当てて再生させるようなことは行われない。すなわちこの場合、遊技盤側演出表示装置1600における表示制御、チャンネルに対する演出音の割り当て制御、異常発生した可動装飾体に搭載されているランプも含めた発光部の発光制御については、可動体異常が検出されなかったときと同じ態様でそのまま実行されることから、実行中の演出に対して悪影響が及ぼされることは抑制されるようになる。
なお、タイミングti18では、特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる復元処理が終了されるが、この際、可動装飾体が特定位置(原点位置)へと復帰したことが検出された場合(可動体異常が解消された旨判定された場合)は異常履歴の記憶は消去されることとなり、それ以降は、通常通りの可動演出を実行することが可能とされるようになる。これに対し、図269(b)に示される例のように、可動装飾体が特定位置(原点位置)へと復帰したことが検出(可動体異常が解消された旨判定)されず復旧に失敗した場合は、それ以降、RAMクリアされず電源供給が継続される限りは所定の復元動作を行わせることもなくその異常状態を維持したまま遊技や演出が進展されるようになる。すなわちこの場合、同じ図柄変動内、若しくは次回以降の図柄変動内で、演出パターンに基づいて特定の可動装飾体を用いた可動演出が実行されるタイミングが到来したとしても、特定の可動装飾体の演出動作は行われず、遊技盤側演出表示装置1600において該可動演出が行われるときの表示演出が実行され、チャンネルに対しては該可動演出が行われるときの操作演出音が割り当てられて再生され、異常発生した可動装飾体に搭載されているランプも含めて各種の発光部が該可動演出が行われるときの発光態様で発光されるに留まることとなる。しかしながら、特に、可動装飾体これ自体は動作しなくてもこれに搭載されているアクチュエータ(ランプ)を動作時の態様で作動(発光)させるようにしたことで、可動演出が行われないときの遊技興趣を抑制することが期待されるようになる。
このように、図柄変動が行われる期間のうち、少なくとも、大当り判定に応じた変動パターン(演出パターン)に基づいて可動装飾体を動作させる処理内で可動体異常が検出された場合は、可動体異常に応じた異常報知音をチャンネルに割り当てず、これを再生しないようにすることで、実行中の演出に対して悪影響が及ぼされることが抑制されうるようになる。
これに対し、図269に示した例と同じ変動パターン(特定の演出パターン)内で同じ可動装飾体(特定の可動装飾体)に異常が発生した場合であっても、この可動体異常が、演出制御(演出パターン)によって特定の可動装飾体を動作させるときとは異なるタイミングで発生したときには、該可動体異常に応じた異常報知音をチャンネルに割り当てて再生させることとなる。
図270は、図柄変動が行われる期間のうち、大当り判定に応じた変動パターン(演出パターン)に応じて可動装飾体を動作させる処理内ではなく、これとは別の処理内で可動体異常が検出されたときの各チャンネルの割り当て状況や、可動装飾体側の状況について、それらの一例を示すタイムチャートである。
同図270(a)に示されるように、大当り判定の結果に応じた図柄変動(特定の演出パターン)が実行されている期間中にあって、タイミングti11では、上述の通り、遊技盤側演出表示装置1600で演出進展されている特定の演出パターンに応じた「BGM再生」の音が再生チャンネル02,03に割り当てられて既に再生(ここでは、ステレオ再生)されている状況にある。
そして、これも上述した通り、この図柄変動(特定の演出パターン)では、タイミングti12になると、遊技者に対して操作機会が付与される操作有効期間(演出受付の有効期間)が最大でタイミングti14までの期間にわたって発生しうる。そして、この期間(タイミングti12〜タイミングti14までの期間)内で遊技者による操作(例えば、操作ボタン410)が検出されると、これを契機として操作有効期間(演出受付の有効期間)が終了されて特定の可動装飾体を動作させる演出制御が実行されるようになっている。
ただし、図270に示す例では、このような特定の可動装飾体が演出動作しうるタイミングti12よりも前のタイミングti11aにおいて特定の可動装飾体が何らかの外力によって移動(演出パターンに基づかずに動作)してしまい、特定位置(原位置)にあるべきタイミングti11bにおいて特定の可動装飾体が特定位置(原位置)で検出されなかった場合(可動体異常)を想定している。なお、図270(b)においても、点々の付されている範囲が、特定の可動装飾体が異常状態にある期間を示している。したがって、タイミングti11bでは、可動体異常が発生した旨の判定がなされたことに基づいて、特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる復元処理が実行されることとなる。
タイミングti13aでは、特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる復元処理が終了されるが、この際、可動装飾体が特定位置(原点位置)へと復帰したことが検出(可動体異常が解消された旨判定)された場合は異常履歴の記憶は消去されることとなり、それ以降は、何らの異常報知も行われないままで通常通りの可動演出を実行することが可能とされるようになる。この点、図270に示す例では、操作有効期間(タイミングti12〜タイミングti14)が、このようなタイミングti13aを跨ぐように発生するようになっている。したがって、操作有効期間のうち、タイミングti12〜タイミングti13aの期間内で遊技者による操作が受け付けられたときは特定の可動装飾体が未だ異常状態にあることから、特定の可動装飾体の演出動作は行われず、遊技盤側演出表示装置1600において該可動演出が行われるときの表示演出が実行され、チャンネルに対しては該可動演出が行われるときの操作演出音が割り当てられて再生され、異常発生した可動装飾体に搭載されているランプも含めて各種の発光部が該可動演出が行われるときの発光態様で発光されるに留まることとなる。これに対し、操作有効期間(タイミングti12〜タイミングti14)のうち、タイミングti13a〜タイミングti14の期間内で遊技者による操作が受け付けられたときは、上記復元処理によって特定の可動装飾体の異常状態が解消されていれば、特定の可動装飾体の演出動作も含めて、通常通りの演出制御(可動体、表示演出、演出音、発光)が実行されるようになる。なお、この説明例は、特定の可動装飾体(一の可動装飾体)のみに可動体異常が発生してこれに応じた復元処理が実行されている状況下にあることを想定したものである。すなわち、特定の可動装飾体を含めた複数の可動装飾体が復元処理を実行している状況下にあるときには、タイミングti13a〜タイミングti14の期間内で遊技者による操作が受け付けられたとしても特定の可動装飾体の演出動作は必ずしも行われないが、これについては、図271及び図272を参照して後述することとする。
ただし、図270に示す例では、タイミングti13aにおいて、可動装飾体が特定位置(原点位置)へと復帰したことが検出(可動体異常が解消された旨判定)されず復旧に失敗した場合を想定している。したがって、タイミングti13a以降は、RAMクリアされず電源供給が継続される限りは所定の復元動作を行わせることもなくその異常状態を維持したまま遊技や演出が進展されるようになる。
また上述の通り、大当り判定の結果に応じた演出パターンに基づいて特定の可動装飾体が動作されるタイミングでないにもかかわらず、該特定の可動装飾体に異常(可動体異常)が発生した状況とは、ドツキ行為または針金進入などによる不正行為によって特定の可動装飾体が特定位置(原点位置)から外されたことによって異常検出された状況にある可能性があるといえる。しかも、タイミングti13aとは、特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる復元処理ですら何らかの外力によって可動体異常が解消されなかった状況にあり、不正行為が行われた可能性がますます高まっているといえる。
そこで、このタイミングti13aでは、図柄変動(特定の演出パターン)の実行中ではあるものの、可動体異常に応じた報知処理を実行することとしている。すなわちこの場合、チャンネルにおいては、特定の演出パターンに応じた各種の演出音が演出内容の進展に応じて割り当てられて再生されるのに加えて、異常報知音を所定時間にわたって再生チャンネル00,01に割り当てて再生させることとなる。また、遊技盤側演出表示装置1600における表示領域においては、特定の演出パターンに応じた表示演出がそのまま進展して実行されるのに加えて、可動体異常に対応した異常時表示(例えば、「裏中可動演出ユニット3200に異常発生」など)が実行されることとなる。また、各種の発光部においては、可動体異常に対応した態様として、一部の発光部を異常時態様で発光させるとともに、それ以外の発光部を演出内容の進展に合わせた通常通りの態様で発光させることとなる。
図269及び図270の例によれば、一の図柄変動中に同じ可動体異常が発生した場合であっても、少なくとも変動パターンに基づく可動装飾体の演出動作にかかる制御を実行している期間中に当該可動体異常が発生したときには、不正行為が行われている可能性が低く、且つ演出動作時の故障の可能性もあることから異常報知よりも演出を優先して出力させることとなる。これに対し、変動パターンに基づく可動装飾体の演出動作にかかる制御を実行していないときに当該可動体異常が突然発生したときには、不正行為が行われている可能性が高く、演出よりも異常報知を出力させることのほうが重要とされうることを想定した特徴的な構成となっている。
なお、図270に示す例では、タイミングti11bにおいては可動体異常に応じた報知処理を行わず、復元処理を実行したものの可動体異常が解消されなかったタイミングti13aにおいて可動体異常に応じた報知処理を行うこととした。ただし、タイミングti11bでは、特定の可動装飾体が演出パターンに基づいて動作し得ない状況にあるにもかかわらず可動体異常が検出されており、これだけでもドツキ行為または針金進入などによる不正行為が行われている可能性が高い状況にあるといえることから、このタイミングti11bにおいて可動体異常に応じた報知音を出力開始するようにしてもよい。またこの際、表示による報知やランプによる報知も行うようにしてもよい。
要は、可動体異常に応じた報知処理については、図柄変動が行われる期間内では、「特定の可動装飾体が演出パターンに基づく演出動作を行っていないにもかかわらず該特定の可動装飾体に異常が発生したこと」を必要条件として実行されるようにし、且つ「特定の可動装飾体が演出パターンに基づいて演出動作しているなかで該特定の可動装飾体に異常が発生したこと」を十分条件として実行されないようにすることが重要であり、これによって不正行為を行う者に対しては該不正行為を行うことを抑制させるようにしつつも、正当な遊技者に対しては実行中の演出に対して悪影響が及ぼされることを回避するようにすることが期待されるようになる。なお、図柄変動が行われる期間内で可動体異常に応じた報知処理を行う条件としては、「特定の可動装飾体が演出パターンに基づく演出動作を行っていないにもかかわらず該特定の可動装飾体に異常が発生したこと」を少なくとも採用した上で、例えば、「異常発生に応じて行われる復元処理に失敗すること」や、「異常発生が特定の状況下にあるときに発生したこと」などをさらなる条件として採用することが可能である。
また、図269や図270に示す例では、特定の可動装飾体を演出パターンに応じて動作させる処理内では該特定の可動装飾体に異常が発生したか否かを判定することとした。
ただし、特定の可動装飾体を演出パターンに応じて動作させるときに異常が発生した場合は、これを契機として可動体異常に応じた報知処理が行われるようなことがないことから、特定の可動装飾体を演出パターンに応じて動作させる処理内で該特定の可動装飾体に異常が発生したか否かを判定しないようにしてもよい。この場合、可動装飾体に異常が発生したか否かの判定については、定期的に訪れる所定タイミングや所定時間ごとに行われるようにすることが望ましい。
また、可動体異常の検出手法としては、検出対象とされる可動装飾体の位置検出に限られず、例えば、可動装飾体を動作させるモータなどのアクチュエータに過負荷がかかったときに可動体異常の検出を行うなどの他の手法を採用するようにしてもよい。すなわちこの場合、図269の例ではタイミングti17において可動装飾体を動作させるモータなどのアクチュエータに過負荷がかかり、これによって可動体異常の検出が行われることとなる。また、図270の例ではタイミングti11bにおいて可動装飾体を動作させるモータなどのアクチュエータに過負荷がかかり、これによって可動体異常の検出が行われることとなる。
また、図269や図270に示す例では、遊技者による操作があったタイミングで特定の可動装飾体を演出動作させるものとして例示したが、演出パターンにより定められる特定のタイミングで特定の可動装飾体を演出動作させるものであってもよい。
また、可動体異常に応じた報知のうち、異常報知音は、所定時間にわたってチャンネルに割り当てられて再生されることとなるが、この再生期間中は、演出音の音量を特定値(0)まで低下させる処理を行うようにしてもよい。
なお、「特定の可動装飾体が演出パターンに基づいて演出動作しているなかで該特定の可動装飾体に異常が発生したこと」を十分条件として異常報知が実行されなかった場合は、それ以降も、異常状態が解消されず残されていたとしても少なくともRAMクリアされず電源供給が継続される限りは異常報知が行われないようにすることが望ましい。また、所定の復元動作を行わせることもなくその異常状態を維持したまま遊技や演出が進展されるようにすることが望ましい。
[複数の可動装飾体の復元処理]
上述の通り、チャンネルの数が有限とされる遊技機では、入賞に応じた判定手段による判定にて特別の結果が得られたとしても、音データの割り当て対象とされるチャンネルに空きがない状況(空きチャンネルの数が0の状況)では特別の結果が得られたことに応じた特別音をチャンネルに割り当てることができず、これを出力できないことによる遊技興趣の低下が懸念される。したがって、従来は、複数の可動装飾体(駆動源がそれぞれ異なり別個に設けられる関係にある可動装飾体)のいずれに可動体異常が生じた場合であっても共通の異常音データ(一の異常音データ)をチャンネルに割り当てて再生させるようにすることで、複数の可動装飾体に対して可動体異常が同時発生した状況下でも使用チャンネルの数が無駄に多くならないようにすることがなされていた。なお、可動体異常とは、可動体が適正に動作し得なくなった状態にあることであり、「演出パターンに応じた演出が行われているなかでの異常報知」で例示したものと同じである。
しかしながら、近年は、遊技機に搭載される可動装飾体の数が多くなってきており、全ての可動装飾体に対して共通の異常音データ(一の異常音データ)を対応付けるだけでは、当該遊技機としての状態を適切に報知し難くなりつつある。そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、まず、複数の可動装飾体を2以上のグループに分け、それらグループのいずれに属する可動装飾体に異常が生じたかによって異なる異常報知音をチャンネルに割り当てて再生可能とすることで、パチンコ機1に搭載される可動装飾体の数が多くなってきているなかでも当該パチンコ機1としての状態を適切に報知することができるようにしている。
なお、この例でも、可動体異常が発生した場合は、上述した「演出パターンに応じた演出が行われているなかでの異常報知」の例(図269や図270を参照)で説明した通りの処理が行われる。したがって、この例においても、各種遊技(図柄変動や、大当り遊技など)が実行されている期間中に発生してこれが検出された場合であっても、パチンコ機1による報知処理(報知音の出力、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における異常時表示、各種ランプによる異常時点灯など)は実行可能とされる。また、これも同様、大当り判定に応じた各種遊技(図柄変動や、大当り遊技など)が実行されている期間のうち、少なくとも周辺制御基板1510による演出制御によって可動装飾体を動作させる処理(変動パターン(演出パターン)や大当り遊技中の演出パターンなどに基づいて可動装飾体を動作させる可動体駆動処理)が行われているなかで可動体異常が検出された場合は、パチンコ機1による報知処理(報知音の出力、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における異常時表示、各種ランプによる異常時点灯など)を行わないようにしている。
ただしこの例では、さらに、複数の可動装飾体に可動体異常が同時発生した場合、チャンネルに割り当てられて再生状態とされる異常音データを、上記グループのうちの特定グループに対応する1つのみにする一方で、該異常が生じた複数の可動装飾体のすべてに対して復元動作を行わせる処理を実行することとしている。このような構成によれば、複数の可動装飾体に可動体異常が発生した場合であっても、チャンネルに余裕を持たせて空きチャンネルがなくなってしまうリスクの低減を促すことが期待されるようになることはもとより、各可動装飾体についての迅速な異常復帰が可能とされるようになり、異常発生時の処理これ自体の効率化を通じてチャンネル使用時間を低減させることが期待されるようになる。なお、復元処理の内容や、その成功時、失敗時の各処理については、上述の「演出パターンに応じた演出が行われているなかでの異常報知」の例(図269や図270を参照)の場合と同様である。
ここで、複数の可動装飾体を2以上のグループに分ける態様としては、当該パチンコ機1としての状態を報知するのに適した態様であることが求められ、例えば、扉枠3側に設けられる図示しない複数の枠側可動装飾体と、遊技盤5側に設けられる複数の盤側可動装飾体(例えば、裏前飾りユニット3100や、裏中可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏右可動演出ユニット3400、裏上可動演出ユニット3500、裏下可動演出ユニット3700など)との2つにグループ分けした場合は、扉枠3を開放せずとも接触可能な枠側可動装飾体に異常が発生したのか、それとも扉枠3を開放しなければ接触が困難とされる盤側可動装飾体に異常が発生したのかを異常報知音の種別によってホール側に伝達することが可能とされるようになる。すなわち、盤側可動装飾体に異常が発生した場合は、枠側可動装飾体に異常が発生した場合よりも接触が困難とされる分だけ不正行為が行われている可能性が高いといえることから、このようなグループ分けに基づく報知音出力を行うようにすることで、可動体異常に応じた報知音でありながらもその種類によって、遊技者側には気付かれることなく(不快な思いをさせることなく)、当該パチンコ機1が不正可能性の度合いが高い状況にあることを密かにホール側に対して伝達することができるようになる。
そして、この実施の形態にかかるパチンコ機1も、可動体異常が発生した場合は、パチンコ機1による報知処理として、該可動体異常に対応した上記報知音の出力のほか、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内における異常時表示を実行可能としていることは上述した通りである。この点、この説明例では、可動体異常に応じた報知処理のうち遊技盤側演出表示装置1600における表示による報知態様としても、複数の可動装飾体を2以上のグループに分け、それらグループのいずれに属する可動装飾体に異常が生じたかによって異なる報知表示を行うようにすることが望ましい。ただし、上記「表示による報知」とは、上記「音による報知」の場合よりも異常が生じたことに対する拡散機能に劣るのに対し、異常内容をより詳細に報知することに対する情報伝達機能では優れた性質を有するものである。したがって、上記「表示による報知」では、その性質上の違いを利用して、上記「音による報知」を行う場合とは異なる態様で、情報伝達機能がより発揮される態様で上記グループ分けを行うこととし、こうして独自に分けられたグループのいずれに属する可動装飾体に異常が生じたかによって異なる表示を行うようにすることが望ましい。
すなわちこの場合、例えば、可動装飾体Aに可動体異常が発生した場合と可動装飾体Bに可動体異常が発生した場合とで、それら可動装飾体A,Bがいずれにグループ分けされたものであるかに応じて、「いずれの可動体異常が発生した場合であっても再生される異常報知音は同じとされるにもかかわらず、遊技盤側演出表示装置1600において表示される報知内容としては異なる表示が行われる第1の報知態様」、「いずれの可動体異常が発生した場合であっても再生される異常報知音も表示される報知内容も互いに同じとされる第2の報知態様」、及び「いずれの可動体異常が発生した場合であっても再生される異常報知音も表示される報知内容も互いに異なる態様とされる第3の報知態様」のいずれかが発生するようになり、こうした音と表示との2つの異なる内容による報知によってよりきめ細やかな報知態様を提供することができるようになる。
図271は、図柄変動が行われる期間のうち特定のタイミングで複数の可動装飾体に可動体異常が同時発生したときの各チャンネルの割り当て状況や、可動装飾体側の状況について、それらの一例を示すタイムチャートである。
同図271(a)に示されるように、大当り判定の結果に応じた図柄変動(特定の演出パターン)が実行されている期間中にあって、タイミングtj11では、遊技盤側演出表示装置1600で演出進展されている特定の演出パターンに応じた「BGM再生」の音が再生チャンネル02,03に割り当てられて既に再生(ここでは、ステレオ再生)されている状況にある。
この図柄変動(特定の演出パターン)では、タイミングtj13になると、遊技者に対して操作機会が付与される操作有効期間(演出受付の有効期間)が最大でタイミングtj15までの期間にわたって発生しうる。そして、この期間(タイミングtj13〜タイミングtj15での期間)内で遊技者による操作(例えば、操作ボタン410)が検出されると、これを契機として操作有効期間(演出受付の有効期間)が終了されて特定の可動装飾体を動作させる演出制御が実行されるようになっている。なお、操作有効期間(演出受付の有効期間)内に遊技者による操作(例えば、操作ボタン410)が検出されなかった場合は、タイミングtj15以降に特定の可動装飾体を動作させる演出制御を実行するようにしてもよいし、特定の可動装飾体を動作させる演出制御これ自体を実行しないようにしてもよい。
この点、図271に示す例では、タイミングtj14において、遊技者による操作が演出受付された場合を想定している。したがって、タイミングtj14では、本来であれば、遊技者による操作が演出受付されたことに基づいて、可動体駆動処理が実行されて特定の可動装飾体を演出動作させる可動演出が行われるとともに、チャンネル08,09に対して該可動演出に合わせた演出音が割り当てられて再生されることとなる。
ただし、図271に示す例では、タイミングtj11において複数の可動装飾体が何らかの外力によって移動(演出パターンに基づかずに動作)してしまい、上記特定の可動装飾体が演出動作しうるタイミングtj13よりも前のタイミングtj12においてそれらの可動体異常が検出された場合を想定している。なお、図271(b)や後述の図272(b)においては、点々の付されている範囲が、各可動装飾体が異常状態にある期間を示している。したがって、タイミングtj12では、可動体異常が発生した旨の判定がなされたことに基づいて、可動体異常が発生した各可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる上述の復元処理が実行されることとなり、この復元処理との関係では、タイミングtj14にて遊技者による操作が演出受付されたとしても特定の可動装飾体を必ずしも動作させないこととなる。なお、図271に示す例では、遊技盤5側に設けられる盤側可動装飾体A、遊技盤5側に設けられる盤側可動装飾体B、遊技盤5側に設けられる盤側可動装飾体C、扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体D、扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体E、及び扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体Fに対して可動体異常がそれぞれ発生した状況を想定している。
より具体的には、図271に示す例にかかる復元処理では、まず、遊技盤5側に設けられる盤側可動装飾体A,B,Cと、扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体D,E,Fとの間でその処理態様を異ならせている。例えば、遊技盤5側に設けられる盤側可動装飾体A,B,Cについては、比較的狭い空間内に複数の可動装飾体が配されており、同時動作すると互いに接触による干渉が生じかねないことから、タイミングtj12以降、予め定められた順番に基づいて動作期間が互いに重ならないように復元処理を行うようにしている。これに対し、扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体D,E,Fについては、パチンコ機1外部の空間を利用して動作するものであり、盤側可動装飾体A,B,Cとの関係も含めて互いの動作によって干渉する懸念は無いことから、タイミングtj12において同時に復元処理を行うようにして各可動装飾体についての迅速な異常復帰が可能とされるようにしている。
このような構成では、タイミングtj12〜タイミングtj18までの長い時間にわたって遊技盤5側に設けられる盤側可動装飾体A,B,Cの復元処理が行われることとなるのに対し、扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体D,E,Fでは、タイミングtj12〜タイミングtj16までの比較的短い時間でそれらの復元処理を終了させることができるようになる。
しかしながら、図271に示す例では、遊技者に対して操作機会が付与される操作有効期間(演出受付の有効期間)が終了するまでの間に、遊技盤5側に設けられる盤側可動装飾体A,B,Cの復元処理と、扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体D,E,Fの復元処理とのいずれもが終了されない場合を想定している。したがって、上記特定の可動装飾体が盤側可動装飾体A,B,Cのいずれかに該当する場合は、盤側可動装飾体A,B,Cのいずれに該当しており、且つ上記操作有効期間(演出受付の有効期間)内のいずれのタイミングで演出受付されたとしても、該演出受付されたときにこれを契機とした演出動作を行わないように処理されることとなる。
すなわちこの場合、特定の可動装飾体に対する復元処理が実行されている期間内に演出受付が発生したとすれば、これを契機として該特定の可動装飾体を演出動作させることができないことは明らかであるし、特定の可動装飾体に対する復元処理が終了された後に演出受付が発生したとしても、未だ復元処理を実行している段階にある他の盤側可動装飾体との間で互いの動作によって干渉する懸念が生じてしまう。したがって、図271に示す例にあって、上記特定の可動装飾体が盤側可動装飾体A,B,Cのいずれかに該当する場合は、操作有効期間(タイミングtj13〜タイミングtj15)内のいずれのタイミングで遊技者による操作が受け付けられたとしても、特定の可動装飾体の演出動作は行われず、遊技盤側演出表示装置1600において該可動演出が行われるときの表示演出が実行され、チャンネルに対しては該可動演出が行われるときの演出音(操作演出音)が割り当てられて再生され、異常発生した可動装飾体に搭載されているランプも含めて各種の発光部が該可動演出が行われるときの発光態様で発光されるに留まることとなる。要は、特定の可動装飾体が盤側可動装飾体A,B,Cのいずれかに該当する場合は、それらの復元処理が全て終了(全ての復元処理が成功で終了)された後に、当該特定の可動装飾体の演出動作が行われるタイミングが到来したときに限り、該演出動作の実行が許容されることとなる。
これに対し、上記特定の可動装飾体が枠側可動装飾体D,E,Fのいずれかに該当する場合は、枠側可動装飾体D,E,Fのいずれに該当しており、且つ上記操作有効期間(演出受付の有効期間)内のいずれのタイミングで演出受付されたかによって、該演出受付されたときにこれを契機とした演出動作を行うか否かが変化するように処理されることとなる。
すなわちこの場合、まず、特定の可動装飾体が枠側可動装飾体Eであれば、その復元処理が終了(復元処理に成功)した後に、特定の可動装飾体が演出動作しうるタイミングtj13〜tj15が必ず到来するし、他の可動装飾体A〜C,D,Fが復元処理の実行中であったとしてもそれらとの間で干渉する懸念はない。したがって、図271に示す例にあって、上記特定の可動装飾体が枠側可動装飾体Eに該当する場合は、操作有効期間(タイミングtj13〜タイミングtj15)内のいずれで遊技者による操作が受け付けられた場合であっても、特定の可動装飾体の演出動作が行われ、遊技盤側演出表示装置1600において該可動演出が行われるときの表示演出が実行され、チャンネルに対しては該可動演出が行われるときの演出音(操作演出音)が割り当てられて再生され、異常発生した可動装飾体に搭載されているランプも含めて各種の発光部が該可動演出が行われるときの発光態様で発光されることとなる。
一方、特定の可動装飾体が枠側可動装飾体Dであれば、操作有効期間(タイミングtj13〜タイミングtj15)が、その復元処理が終了されるタイミングを跨ぐように発生するようになっている。したがって、操作有効期間のうち、その復元処理が終了されるよりも前の期間内で遊技者による操作が受け付けられたときは特定の可動装飾体が未だ異常状態にあることから、特定の可動装飾体の演出動作は行われず、遊技盤側演出表示装置1600において該可動演出が行われるときの表示演出が実行され、チャンネルに対しては該可動演出が行われるときの演出音が割り当てられて再生され、異常発生した可動装飾体に搭載されているランプも含めて各種の発光部が該可動演出が行われるときの発光態様で発光されるに留まることとなる。これに対し、操作有効期間のうち、その復元処理の終了(復元処理に成功)後の期間内で遊技者による操作が受け付けられたときは、他の可動装飾体A〜C,Fが復元処理の実行中であったとしてもそれらとの間で干渉する懸念はないことから、特定の可動装飾体の演出動作も含めて、通常通りの演出制御(可動体、表示演出、演出音、発光)が実行されるようになる。
他方、特定の可動装飾体が枠側可動装飾体Fであれば、その復元処理が終了(復元処理に成功)された以降に、操作有効期間(タイミングtj13〜タイミングtj15)が到来することはない。したがって、したがって、図271に示す例にあって、上記特定の可動装飾体が盤側可動装飾体Fに該当する場合は、操作有効期間(タイミングtj13〜タイミングtj15)内で遊技者による操作が受け付けられたとしても、特定の可動装飾体の演出動作は行われず、遊技盤側演出表示装置1600において該可動演出が行われるときの表示演出が実行され、チャンネルに対しては該可動演出が行われるときの演出音(操作演出音)が割り当てられて再生され、異常発生した可動装飾体に搭載されているランプも含めて各種の発光部が該可動演出が行われるときの発光態様で発光されるに留まることとなる。
ここで、図271に示す例にかかる報知処理について説明すると、この例では、可動体異常に応じた報知音の報知に際しては、遊技盤5側に設けられる複数の盤側可動装飾体A,B,Cと、扉枠3側に設けられる複数の枠側可動装飾体D,E,Fとの2つにグループ分けしており、異常発生した可動装飾体がこれらのグループのいずれに属するものであるかに応じて異なる報知音を出力するようにしている。
この点、図271に示す例では、盤側可動装飾体と枠側可動装飾体とに可動体異常が同時発生する場合を想定している。しかしながら、このような事態とは、適正な遊技が進行されるなかでは通常は起こり得ないし、不正行為の結果として生じることもあり得ないことから、ホール側が役物の動作確認や修理のために全ての可動装飾体を手作業でいじった、等々といった特殊な状況にある可能性が高い。いずれにせよ、このような特殊な状況では、報知処理これ自体が煩わしいものとなりかねず、該報知状態を早期終了させることが求められる。
そこで、図271に示す例にあって、盤側可動装飾体A,B,Cと枠側可動装飾体D,E,Fとに対して可動体異常が発生していることがそれぞれ検出されたタイミングtj12では、盤側可動装飾体側の復元処理と枠側可動装飾体側の復元処理とについては、上述の通り、それらの復元処理を同時に開始させるのに対し、報知音出力については、枠側可動装飾体D,E,F側に対応する枠側共通の異常報知音についてはチャンネルに割り当てず、盤側可動装飾体A,B,C側に対応する盤側共通の異常報知音をチャンネルに割り当てて出力させるのに留めるようにしている。
すなわち、可動体異常に応じた異常報知音が再生される時間は、報知対象とされる可動装飾体の異常が解消されるまでの時間か、異常報知音が出力されてから予め定められた所定時間(例えば、盤側と枠側とで共通の30秒)が経過するまでの時間として設定されるものである。したがって、盤側可動装飾体A,B,Cと枠側可動装飾体D,E,Fとのうち、復元処理が終了されるまでに要する時間が長い側である「盤側可動装飾体A,B,C側に対応する盤側共通の異常報知音」のみをチャンネルに割り当てるようにすることで、「盤側可動装飾体A,B,C側に対応する盤側共通の異常報知音」が再生されている間に枠側可動装飾体D,E,Fの復元処理を終了させることができるようになり、「盤側可動装飾体A,B,C側に対応する盤側共通の異常報知音」の出力が終了した以降に、「枠側可動装飾体D,E,F側に対応する枠側共通の異常報知音」の出力要求が求められることが回避されるようになることから、より簡易な態様で報知処理を終了させることができるようになる。
したがって、図271に示す例では、盤側可動装飾体A,B,Cと枠側可動装飾体D,E,Fとに対して復元処理が行われているなか、盤側可動装飾体A,B,Cの復元処理が全て終了されるタイミングtj18までの期間にわたって「盤側可動装飾体A,B,C側に対応する盤側共通の異常報知音」がチャンネルに割り当てられて再生されることとなり、「枠側可動装飾体D,E,F側に対応する枠側共通の異常報知音」が再生されることはない。なおこの際、チャンネルに対する演出音の割り当て制御については通常通り行われることは上述した通りである。
一方、可動体異常に応じた報知処理のうち遊技盤側演出表示装置1600における表示による報知態様では、上述した報知音との性質上の違いを利用して、上記「音による報知」を行う場合とは異なる態様で、情報伝達機能がより発揮される態様で上記グループ分けを行うこととし、こうして独自に分けられたグループのいずれに属する可動装飾体に異常が生じたかによって異なる表示を行うようにしている。すなわちこの場合、例えば、枠側可動装飾体Eが、枠側可動装飾体Fとの間でグループ化されているとすると、枠側可動装飾体Eの復元処理が終了したとしてもこれに応じた「表示による報知」は維持されたままとなり、枠側可動装飾体Fの復元処理が終了したタイミングで該「表示による報知」が終了される。また、これと同様、例えば、盤側可動装飾体Aが、枠側可動装飾体Dとの間でグループ化されているとすると、枠側可動装飾体Aの復元処理が終了したとしてもこれに応じた「表示による報知」は維持されたままとなり、枠側可動装飾体Dの復元処理が終了したタイミングで該「表示による報知」が終了されることとなる。したがって、特定の可動装飾体の復元処理が先に終了したとしても、該特定の可動装飾体とグループ化されている可動装飾体の復元処理にかかる実行状況によっては、特定の可動装飾体よりも後に復元処理の終了された可動装飾体に応じた「表示による報知」が先に終了されることが生じうることとなる。
図271の例によれば、可動体異常に対応する報知音として、可動体異常が発生した可動装飾体の種別に応じた複数の報知音が用意されている。そして、それらの各報知音に対応する複数の可動装飾体に可動体異常が同時発生した場合は、複数の報知音のうちの1つのみを再生可能とするが、復元処理については、再生状態にある報知音に対応した可動装飾体に限られず、該報知音に対応しない可動装飾体もその再生期間中に実行される。しかも、再生状態にある報知音に対応した可動装飾体として、複数の可動装飾体が異常状態になっているときにはこれらの可動装飾体を予め定められた順序にしたがって個別に復元処理を行うのに対し、再生状態にある報知音に対応しない可動装飾体として、複数の可動装飾体が異常状態になっているときにはこれらの可動装飾体にかかる復元処理を同時に実行させるようにしている。これにより、再生状態にある報知音に対応しない可動装飾体については、再生状態にある報知音に対応した可動装飾体よりも復元処理に要する総時間を短くすることができるようになり、複数の報知音のうち1つの特定報知音が再生されている間に全ての可動装飾体を異常状態から正常状態へと復帰させることができるようになり、2つ目の報知音が出力されるのを回避することが可能とされるようになる。
すなわち、この実施の形態では、複数の可動装飾体を、盤側可動装飾体と枠側可動装飾体とにグループ分けしてそれらのグループ毎に応じた復元処理をそれぞれ同時に行うこととしたがこれに限られない。要は、複数の可動装飾体(上記例ではA〜F)を、他のグループに属する可動装飾体の動作状況に影響されることなく動作可能な2つ以上のグループ(上記例では盤側と枠側)に分類してそれらグループ毎に復元処理を独立して実行可能とし、且つそのうちの少なくとも1つのグループ(上記例では枠側)に属する複数の可動装飾体(D〜F)については、それらの間のなかでも互いの動作状況に影響されることなく動作可能な可動装飾体として選定するようにして全てを同時に復元動作可能としたものであれば、図271及び図272を参照して説明した作用効果が得られるように構成することは可能である。
なお、図271に示す例において、可動装飾体に異常が発生したか否かの判定については、定期的に訪れる所定タイミングや所定時間ごとに行われるようにすることが望ましい。また、可動体異常の検出手法としては、検出対象とされる可動装飾体の位置検出に限られず、例えば、可動装飾体を動作させるモータなどのアクチュエータに過負荷がかかったときに可動体異常の検出を行うなどの他の手法を採用するようにしてもよい。
また、図271に示す例では、遊技者による操作があったタイミングで特定の可動装飾体を演出動作させるものとして例示したが、演出パターンにより定められる特定のタイミングで特定の可動装飾体を演出動作させるものであってもよい。
また、可動体異常に応じた報知のうち、異常報知音は、所定時間にわたってチャンネルに割り当てられて再生されることとなるが、この再生期間中は、演出音の音量を特定値(0)まで低下させる処理を行うようにしてもよい。
また、図271に示す例では、図柄変動が実行されている期間内に、盤側可動装飾体A,B,Cと枠側可動装飾体D,E,Fとに可動体異常がそれぞれ発生した状況を想定したものとして説明したが、図柄変動は必ずしも実行されていなくてもよい。すなわち、大当り遊技の実行期間中や、特別図柄の遊技が進行待ちの状態(例えば、デモ画面中など)にあるときに、盤側可動装飾体A,B,Cと枠側可動装飾体D,E,Fとに可動体異常がそれぞれ発生した場合であっても、図271を参照して説明した例と同じ態様で可動体異常に応じた各処理が行われることとなる。
また、図271に示す例では、遊技盤5側に設けられる盤側可動装飾体A,B,Cの全てを予め定められた順番に基づいて動作期間が互いに重ならないように復元処理を行うこととした。ただし、同時動作しても互いに接触による干渉が起こらない複数の可動装飾体が盤側可動装飾体のなかに含まれている場合は、予め定められている順番に基づいて盤側可動装飾体の復元処理を行うなかで、互いに接触による干渉が起こらない一部の可動装飾体に限り同時に復元処理を行うようにしてもよい。
また、図271に示す例では、盤側可動装飾体A,B,Cに可動体異常が発生したかの判定が行われるタイミングと、枠側可動装飾体D,E,Fに可動体異常が発生したかの判定が行われるタイミングとが同じである場合を想定したが、これらのタイミングは異なっていてもよい。例えば、図272に示されるように、盤側可動装飾体A,B,Cに可動体異常が発生した旨判定された後に、枠側可動装飾体D,E,Fに可動体異常が発生した旨判定された場合であっても、盤側可動装飾体A,B,C側の復元処理が終了されるよりも早いタイミングで枠側可動装飾体D,E,Fの復元処理が終了される関係にある限りは、「盤側可動装飾体A,B,C側に対応する盤側共通の異常報知音」の出力が終了した以降に、「枠側可動装飾体D,E,F側に対応する枠側共通の異常報知音」の出力要求が求められることは回避されうる。
また逆に、図271に示す例では、枠側可動装飾体D,E,Fに可動体異常が発生した旨判定された後に、盤側可動装飾体A,B,Cに可動体異常が発生した旨判定される処理構造とするようにしてもよい。ただしこの場合、枠側可動装飾体D,E,Fに可動体異常が発生した旨判定された時点では可動体異常に応じた報知処理と、枠側可動装飾体D,E,Fの復元処理とをそれぞれ行わないようにして、盤側可動装飾体A,B,Cに可動体異常が発生した旨判定されるのを待ってから、盤側可動装飾体A,B,C側に対応した報知処理が行われるなかで、盤側可動装飾体A,B,Cの復元処理と枠側可動装飾体D,E,Fの復元処理とをそれぞれ行うようにすることが望ましい。なお、盤側可動装飾体A,B,Cに可動体異常が発生したかの判定処理が行われるのを待った結果、盤側可動装飾体A,B,Cに可動体異常が発生しなかった場合は、枠側可動装飾体D,E,F側に対応した報知処理が行われるなかで、枠側可動装飾体D,E,Fの復元処理が行われることとなる。
[自動複数回操作機能(オート連打機能)]
ところで、パチンコ機1では、所定の操作手段への複数回操作(操作ボタン410を連打させるなど)を促してそれらの各操作に応じた複数回操作演出が行われることがある。
ただし近年は、このような複数回操作(連打など)の操作機会が付与される所定の有効期間においては、所定の操作手段(操作ボタン410)を複数回操作せずとも、該所定の操作手段を比較的長い時間にわたって操作状態にて維持させる長態様での操作(いわゆる長押しなど)を行うだけで複数回操作が行われたときの演出態様が現れるようにする自動複数回操作機能(オート連打機能)を搭載することが多くなってきている。
そして、このような自動複数回操作機能(オート連打機能)においては、いわゆる長押しなどの長態様での操作が行われたときに比較的短い時間内で単発操作(短時間での1回操作)が繰り返し行われているかのような感覚(速い連打が行われているかのような感覚など)を遊技者に覚えさせるようにすることが、複数回操作が苦手な遊技者(連打速度が遅い遊技者など)の遊技興趣の低下を抑制したり、様々な遊技者による当該機能の利用を促すようにする上で重要であるといえる。ただし、操作状態にあるときには比較的短い時間が経過する毎に演出受付がなされたときの演出変化(例えば、操作音など)を単純に生じさせるようにしてしまうと、遊技者としては同じように単発押しによる操作を行っているつもりであったとしてもその短い操作時間(単発押しで操作状態が僅かに維持される時間)が微妙に長くなったり短くなったりすることで、演出受付が複数回生じてしまったり(複数回分の操作音が発生したり)、演出受付が1回だけ生じたり(1回分の操作音が発生したり)して、1回分の単発操作に対する演出受付の回数が安定しないことによる違和感によって遊技興趣が低下する懸念がある。
この点、従来のオート連打機能では、いわゆる長押しによる操作が行われた場合、まず、単発押しによる操作が行われた場合と同様、演出受付がなされたことに伴う演出変化(例えば、操作音など)を1回だけ発生させる。そして、1回目の演出変化(例えば、操作音など)を生じさせた以降は、所定短時間よりも長い所定の間隔時間が経過するまでの間は新たな演出受付(操作音)を生じさせず、該所定の間隔時間が経過するのを待ってから、所定短時間が経過する度に演出受付がなされたときの演出変化(操作音)を繰り返し生じさせるようにしている。すなわちこの場合、1回目の演出受付(操作音)を生じさせてから2回目の演出受付(操作音)を生じさせるまでの間に時間的な余裕が持たせられるようになることから、単発押しによる操作が行われたときに演出受付の回数が安定しないことによる違和感が発生することを回避しつつ、いわゆる長押しによる操作を行うだけで比較的短い時間内で操作が繰り返し行われているかのように見せる演出が実現可能とされるようになる。
しかしながら、遊技者側からすれば、1回目の演出受付(操作音)を生じさせてから2回目の演出受付(操作音)を生じさせるまでの間に時間的な余裕を持たせることこれ自体が操作演出上無駄であり、このような無駄な時間がある分だけ単位時間当たりの演出受付(操作音)の発生回数が少なくなってしまう(いわゆる長押しによる操作を行ったときの擬似的な連打速度が遅く感じてしまう)ことによる遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、この実施例にかかるパチンコ機1では、操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作が単発操作の態様で1回だけしか行われなかった場合であっても、該操作手段に対する操作が長操作(長押しなど)の態様で行われた場合と同様、該操作手段に対する操作に伴う特定音を断続的に出力させうる。すなわちこの場合、操作手段に対して操作が行われたときには、その操作態様にかかわらず、比較的短い時間内で単発操作(短時間での1回操作)が繰り返し行われているかのような感覚(速い連打が行われているかのような感覚など)を遊技者に覚えさせることができるようになる。これにより、単発押しによる操作が行われたときの演出の反応性(1回の演出変化なのか、複数回の演出変化なのか)についての安定化を図りつつ、あらゆる操作態様が採用されるであっても単位時間当たりの演出変化(例えば、操作音など)の発生回数を好適に維持することが可能とされるようになる。
図273は、このような自動複数回操作機能(オート連打機能)を実現するための制御内容についてその一例を示すタイムチャートである。なおここでは、操作手段として操作ボタン410が採用されているものとして説明する。また、図273を含めて他の図面においても、図中白抜きの特定音出力は、ボタン410に対する操作が行われたことに応じた演出受付に基づいて発生した特定音を示すものであり、図中黒抜きの特定音出力は、操作ボタン410に対する操作が行われていないときに演出受付が発生していないなかで図中白抜きの特定音出力に続くかたちで発生した特定音を示すものである。これらの特定音の音量や音色は互いに違いはなく同じであることが望ましい。
まず、図273(a)に示される例では、複数回操作(連打など)の操作機会が付与される所定の有効期間のうちタイミングtx11において短時間だけしか操作状態が維持されない態様(単発操作)で1回分の操作が行われた場合を想定している。したがって、タイミングtx11では、操作ボタン410に対して操作が行われた旨の検出(判定)が行われ、該検出(判定)に基づいて、操作ボタン410に対する操作に伴う特定音の出力と、同操作に伴う表示(操作時表示パターン)の出力とをそれぞれ開始させる処理を行うこととなる。
そして上述の通り、この実施例にかかるパチンコ機1では、タイミングtx11において操作ボタン410に対する操作に伴う特定音(例えば、「ピコーン」)を出力させた以降、操作ボタン410から遊技者の手が離れて何らの操作も行われていない状況(図中では、タイミングtx12〜tx13の期間)になったとしても、該状況において、操作ボタン410に対する操作に伴う特定音(例えば、「ピコーン」)を断続的に出力させうるものとなっている。
例えば、いま、タイミングtx12において、タイミングtx11からの操作状態(検出状態)が終了されたとする。すると、この実施例にかかるパチンコ機1では、まず、該操作状態(検出状態)が終了されたことに基づいて予め定められた時間長さを持った猶予時間TY1を設定する。そして、この猶予時間TY1が経過するまでの間は遊技者による操作が一切検出されない状況にあったとしても、該猶予時間TY1よりも短い自動化時間TY2が経過する度に特定音(例えば、「ピコーン」)が出力されるようにすることで、操作ボタン410に対する操作に伴う特定音(例えば、「ピコーン」)を断続的に出力させうることとしている。
ここで、この実施例にかかる猶予時間TY1及び自動化時間TY2では、図273(a)に示されるように、当該猶予時間TY1が開始されてからこれが経過するまでの間に5回(N回)分の特定音(例えば、「ピコーン」)を出力させることができるような時間長さを持つように設定されている。これにより、複数回操作(連打など)の操作機会が付与される所定の有効期間内で単発操作の態様で操作が行われたとしても、該操作に伴う特定音(演出受付に応じた音)は、少なくとも5回(N回)分(操作検出のタイミングで出力される1回分の特定音と、それ以降、操作無しの状態でも自動化時間TY2が経過する度に出力される4回(N−1回)分の特定音との合計数)にわたって断続的に出力されるようになる。
特に、この実施例では、特定音(例えば、「ピコーン」)の出力途中で猶予時間TY1が終了されるタイミング(図273(a)に示される例では、5回目の特定音の出力途中で猶予時間TY1が終了されるタイミングtx13)が到来した場合であっても、そのタイミングtx13で出力中の特定音をぶつ切り((例えば、「ピコ」))にするような処理(出力中断処理や、他の音で上書きする処理など)は行わず、該タイミングtx13が到来した以降も、それまで出力していた特定音(図273(a)に示される例では、1〜4回目の特定音)と同じ態様での出力(音波形)が現れるようにしている。すなわち、操作に伴う特定音が途中で途切れるようなことがあると、複数回操作が演出受付されたのか演出受付されていないのかが曖昧となり、結局は、複数回操作したかのような操作感を遊技者に覚えさせ難くなってしまう(非操作状態において擬似的に発生させた特定音に過ぎないと思わせてしまう)ことが懸念されるが、このような構成によれば、こうした懸念を好適に解消することが期待されるようになる。
またさらに、この実施例では、猶予時間TY1が開始されてからこれが経過するまでの間に所定の有効期間が終了して新たな操作を演出受付しなくなる状況になった場合であっても、当該猶予時間TY1が終了されるまでの間は自動化時間TY2が到来する度に特定音(例えば、「ピコーン」)を出力させることとしている。すなわちこの場合、所定の有効期間が終了した以降も特定音が断続的に出力されうることとなることから、単発押しによる操作が行われたときに演出受付の回数が安定しないことを回避することはもとより、所定の有効期間を超えた期間内で操作を行ったかのような感覚を遊技者に対して覚えさせることができるようになり、遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。この意味では、所定の有効期間が継続されている状態にあるか、終了されている状態にあるかを遊技者に認識可能とさせる表示(有効期間が継続される残り時間表示など)を行うようにし、終了されている状態にあることが認識可能とされているもとで残り回数分(1〜4回分)の特定音を出力させるようにすることがより望ましいといえる。
なお、図中の「操作に伴う特定音出力」に関しては、特定音出力に伴う信号波形というよりはむしろ、自動化時間TY2が経過する度に出力される特定音の音量波形(他の音出力を除いた波形)を概念的に示したものである。同図から明らかであるように、この実施例では、前回出力の特定音が最後まで出力し終わるのに要する時間が経過するよりも前に自動化時間TY2が消化されて、前回出力の特定音に対して新たな特定音の音データが特定チャンネルに上書きされるかたちで出力されるようになっており、これによって特定音を絶え間なく断続的に出力可能として速い連打操作が行われているかのような感覚を遊技者に覚えさせることが期待されるようになる。
ちなみに、特定音の再生タイプとしては、対象とする音を1回再生する1SHOT再生(図示の「1SHOT」に相当)を自動化時間TY2が経過する度に実行する態様のほか、対象とする音を自動化時間TY2が経過する度に繰り返し再生するループ再生(図示の「LOOP」に相当)であってもよい。また、絶え間なく断続的に出力される複数の特定音を1つの音データとして再生するような態様であってもよい。複数の特定音を1つの音データとして再生する態様である場合には、全ての特定音を同じ単発音として必ずしも出力するものでなくてもよく、複数の異なる単発音として順次出力されるものであってもよい。
一方、図273(a)に示される例のうち、遊技盤側演出表示装置1600における表示出力に関しても、タイミングtx11において操作ボタン410に対する操作に伴う操作時表示パターンを表示させた以降、操作ボタン410から遊技者の手が離れて何らの操作も行われていない状況(図中では、タイミングtx12〜tx13の期間)になったとしても、該状況において、操作時表示パターンの表示内容を複数回進展させうるものとなっている。
例えば、いま、タイミングtx12において、タイミングtx11からの操作状態(検出状態)が終了されたとする。すると、この実施例にかかるパチンコ機1では、まず、該操作状態(検出状態)が終了されたことに基づいて予め定められた時間長さを持った猶予時間TY1を設定することは上述した通りである。この点、この実施例では、タイミングtx11から上記設定した猶予時間TY1がタイムアップするまでの時間にわたって、複数の表示シーン1〜5(表示内容)を予め定められた時間及び順序に従って順次出力させる処理を実行することにより操作時表示パターンの表示内容を進展させうることとしている。
なお、各表示シーン1〜5の内容としては、例えば、図274に示される態様としてそれぞれ設定することが可能である。すなわち、図274に示される例にあって、「表示シーン1」は、味方キャラクタが刀を把持して今まさに抜刀しようとする様子までを描写した動画であり、「表示シーン2」は、味方キャラクタが抜刀して居合い切りするまでの様子を描写した動画であり、「表示シーン3」は、味方キャラクタが敵キャラクタと第1の態様で刀による打ち合いを行っている様子を描写した動画であり、「表示シーン4」は、味方キャラクタが敵キャラクタと第2の態様で刀による打ち合いを行っている様子を描写した動画であり、「表示シーン5」は、味方キャラクタが敵キャラクタと第3の態様で刀による打ち合いを行っている様子を描写した動画である。
タイミングtx11において操作ボタン410に対する操作に伴う操作時表示パターンを表示させた以降、特定音が断続的に出力されるなかで、こうした表示シーン1〜5が順次表示されることによって、味方キャラクタが敵キャラクタと戦う演出内容が複数回の操作に応じて進展されているかのような感覚を遊技者に対して覚えさせることができるようになる。なお、各表示シーン1〜5については、必ずしも動画でなくてもよく、静止画であってもよい。また、遊技盤側演出表示装置1600においては、操作時表示パターンが表示されるほか、各種の演出表示(保留表示や、操作指示画像など)も表示されるようにしてもよい。それら演出表示の1つとして、遊技者による操作によって演出受付が発生する度に演出変化(色変化など)する画像が含まれるようにしてもよいが、演出受付が発生しているか否かを認識し難くする上では操作時表示パターンよりも小さな画像として表示されるようにすることが重要である。
ここで、この実施例にかかる操作時表示パターン(各表示シーン)及び猶予時間TY1では、図273(a)に示されるように、当該猶予時間TY1が開始されてからこれが経過するまでの間に少なくとも5個(M個)分の表示シーン1〜5(表示内容)を順次表示させることができるような時間長さを持つように設定されている。これにより、複数回操作(連打など)の操作機会が付与される所定の有効期間内で単発操作の態様で操作が行われたとしても、操作時表示パターンの表示内容が少なくとも5個(M個)分(操作検出のタイミングで表示される1個分の表示シーン1と、それ以降、操作無しの状態でも順次表示(進展)される4個(M−1回)分の表示シーン2〜5との合計数)にわたって表示内容が進展されるようになる。
特に、この実施例では、表示シーンの出力途中で猶予時間TY1が終了されるタイミング(図273(a)に示される例では、表示シーン5の出力途中で猶予時間TY1が終了されるタイミングtx13)が到来した場合、特定音の場合とは異なり、表示シーン5を最後まで表示することなくその時点でぶつ切りにするかたちで中断することにより操作時表示パターンを終了させることとしている。すなわち、演出内容に進展性のある操作時表示パターンについては、進展性のない特定音の場合とは異なり、その表示シーンの途中であえて中断させることで、操作を継続していれば表示内容をさらに進展させることができたかもしれないという印象を遊技者に対して与えて、これによって遊技者によるさらなる操作を促すことが期待されるようになる。この意味では、操作時表示パターン(各表示シーン)及び猶予時間TY1の関係については、猶予時間TY1が開始されてから終了されるまでの間に全ての表示シーン1〜5が表示し終わらないように設定することが、遊技者によるさらなる操作を促すようにする上でより望ましいといえる。遊技者によるさらなる操作を促すようにする上では、猶予時間TY1が開始されてから終了されるまでの間に全ての表示シーン1〜5のうちの一部の表示シーンしか表示されないようにすることがより望ましい。
またさらに、この実施例では、猶予時間TY1が開始してからこれが経過するまでの間に所定の有効期間が終了して新たな操作を演出受付しなくなる状況になった場合は、該所定の有効期間が終了した時点(猶予時間TY1の残り時間が残されている状態)で、出力状態にある表示シーンを中断させて当該操作時表示パターンとしての結果が示される表示を行うようにしているが、これについては後述することとする。
なお、表示シーン2〜5は、表示シーン1が表示された以降、操作の態様にかかわらず、予め定められたスケジュール通りに順次表示されて進展していくものであるが、順次表示させるスケジュールについては、特定音が出力されてから再出力されるまでの時間(自動化時間TY2)に合わせてあらかじめ設定されたものであってもよいし、該時間(自動化時間TY2)とは関係なく設定されたものであってもよい。この意味では、各表示シーンこれ自体の内容のなかに別表示への切替や新たな表示の発生などの表示変化(図274の例のうち、表示シーン1には「剣を把持した状態から、剣を抜刀した状態への動画描写」による表示変化があり、表示シーン3には「味方キャラクタが敵キャラクタと戦うなかでのエフェクト発生」による表示変化がある)がそれぞれ差し込まれるようにすることがより望ましいといえる。このような表示変化を有する表示シーンを用いるようにすれば、各表示シーンのなかの表示変化が演出受付によって生じたかのように思わせることができることから、特定音の出力タイミングと表示シーンの切り替えタイミングとを厳密に合わせなくても違和感を解消することが期待されるようになる。また、操作時表示パターンとしては必ずしも複数の表示シーンを用意しなくてもよく、同じ表示シーンが繰り返し表示されるものであってもよい。
これに対し、図273(b)に示される例では、複数回操作(連打など)の操作機会が付与される所定の有効期間のうちタイミングtx21において、比較的長い時間にわたって操作ボタン410を操作状態で維持させる長態様での操作が行われた場合を想定している。したがって、タイミングtx21においても、タイミングtx11の場合と同様、操作ボタン410に対して操作が行われた旨の検出(判定)が行われ、該検出(判定)に基づいて、操作ボタン410に対する操作に伴う特定音の出力と、同操作に伴う表示(操作時表示パターン)の出力とをそれぞれ開始させる処理を行うこととなる。
また、タイミングtx21からタイミングtx22までの操作状態が維持されている操作維持期間においても、上述の非操作期間(タイミングtx12〜tx13の期間)にある場合と同様、自動化時間TY2が経過する度に特定音(例えば、「ピコーン」)が出力されるようにしてこれを断続的に出力させうるとともに、複数の表示シーン1〜5(表示内容)を予め定められた時間及び順序に従って順次出力させて操作時表示パターンの表示内容を図273(a)で示した例と同じ態様で進展させうることとなる。
すなわち、この実施例にかかる周辺制御MPU1511aでは、操作維持期間(タイミングtx21〜tx22までの期間)においては、まず、操作ボタン410に対する操作が継続されている状態(操作状態)にあるか否かを定期的に監視(操作状態(操作検出状態)が終了されたか否かを判定(例えば、検出信号における立ち下りのエッジ検出など))する。そして、操作状態が継続されている限りは予め定められた時間長さを持った猶予時間TY1を設定せず、定期的な監視が行われているなかで、「自動化時間TY2が経過する度に特定音(例えば、「ピコーン」)を出力させる処理」、及び「複数の表示シーン1〜5(表示内容)を予め定められた時間及び順序に従って順次出力させる処理」をそれぞれ行うこととしている。換言すれば、操作維持期間(タイミングtx21〜tx22までの期間)においては、「自動化時間TY2が経過する度に操作検出の状態にあるかを判定し、該操作検出の状態にある旨の判定に基づいて特定音(例えば、「ピコーン」)を出力させる」といったような処理や、「自動化時間TY2が経過する度に操作検出の状態にあるかを判定し、該操作検出の状態にある旨の判定に基づいて表示内容を進展させる」といったような処理は行っておらず、「操作ボタン410に対する操作が継続されている状態(操作状態)にあるか否かの定期的な監視(判定)」と、「自動化時間TY2が経過する度に特定音(例えば、「ピコーン」)を出力させる処理」と、「複数の表示シーン1〜5(表示内容)を予め定められた時間及び順序に従って順次出力させる処理」とがそれぞれ行われるようになっている。なお、「操作ボタン410に対する操作が継続されている状態(操作状態)にあるか否かの定期的な監視(判定)」は、自動化時間TY2が経過する間に複数回実行される処理として実行されるものである。
そしてこの後、「操作ボタン410に対する操作が継続されている状態(操作状態)にあるか否かの定期的な監視(判定)」の結果として、操作ボタン410に対する操作が継続されている状態(操作状態)が終了された旨の判定がなされるタイミングtx22が到来するようになると、この実施例にかかる周辺制御MPU1511aでは、まず、該判定の結果に基づいて、予め定められた時間長さを持った猶予時間TY1を設定する。ただしこの際、「自動化時間TY2が経過する度に特定音(例えば、「ピコーン」)を出力させる処理」、及び「複数の表示シーン1〜5(表示内容)を予め定められた時間及び順序に従って順次出力させる処理」については、操作状態が終了されるタイミングtx22が到来した以降も、猶予時間TY1が終了されるまでのタイミングtx23までの期間にわたって継続してそれぞれ実行するようにしている。すなわちこの場合、操作ボタン410に対する操作が継続されている状況(タイミングtx21〜x22)から、操作ボタン410から遊技者の手が離れて何らの操作も行われていない状況(タイミングtx22〜x23)へと移り変わるタイミングを跨いだ特定期間(タイミングtx21〜x23)で、自動化時間TY2が経過する度に出力し直しされるだけの一の処理態様で特定音を断続的に出力させることができるようになり、且つ複数の表示シーン1〜5(表示内容)を予め定められた時間及び順序に従って順次出力させるだけの一の処理態様で操作時表示パターンを継続的に出力させることができるようになる。
このような構成によれば、図273(a)に示される単発操作時における特定音の出力態様と、図273(b)に示される長押し操作時における特定音の出力態様とをそれぞれ生み出すにあたり、それらの間で特定音の出力にかかる処理態様(プログラム)を共通化させることができるようになる。また、これと同様、図273(a)に示される単発操作時における操作時表示パターンの出力態様と、図273(b)に示される長押し操作時における操作時表示パターンの出力態様とをそれぞれ生み出すにあたり、それらの間で操作時表示パターンの出力にかかる処理態様(プログラム)を共通化させることができるようになる。すなわちこの場合、図273(a)の例では、タイミングtx12において、「操作ボタン410に対する操作が継続されている状態(操作状態)にあるか否かの定期的な監視(判定)」の結果として操作状態(操作検出状態)が終了された旨の判定がなされることとなる。また、操作ボタン410に対する操作が継続されている状況(タイミングtx11〜x12)から、操作ボタン410から遊技者の手が離れて何らの操作も行われていない状況(タイミングtx12〜x13)へと移り変わるタイミングを跨いだ特定期間(タイミングtx11〜x13)で、自動化時間TY2が経過する度に出力し直しされるだけの一の処理態様で特定音が断続的に出力されることとなり、複数の表示シーン1〜5(表示内容)を予め定められた時間及び順序に従って順次出力させるだけの一の処理態様で操作時表示パターンが継続的に出力されることとなる。
これにより、操作ボタン410に対する操作が単発押しの態様で1回だけしか行われなかった場合であっても、操作ボタン410に対する操作がいわゆる長押しの態様で行われた場合と同じ態様で、該操作ボタン410に対する操作に伴う特定音が断続的に出力されるようになる。すなわちこの場合、操作ボタン410に対して操作が行われたときには、その操作態様(単発押し、長押し)にかかわらず、比較的短い時間内で単発押し(短時間での1回操作)が繰り返し行われているかのような感覚(速い連打が行われているかのような感覚など)を遊技者に覚えさせることができるようになる。これにより、単発押しによる操作が行われたときの演出の反応性(1回の演出変化なのか、複数回の演出変化なのか)についての安定化を図りつつ、いずれの操作態様(単発押し、長押し)が採用されるであっても単位時間当たりの操作に伴う演出変化(特定音)の発生回数を好適に維持することが可能とされるようになる。
ただし、図273に示す例では、操作ボタン410に対する操作が単発押しの態様で1回だけしか行われなかった場合(図273(a))といわゆる長押しの態様で行われた場合(図273(b))とで同じ演出変化を生じさせるとは言え、実際には、図273(a)に示す例では、タイミングtx11において1回分の演出受付がなされ、それに応じた図中白抜きの特定音出力が1回分だけなされるのに対し、図273(b)に示す例では、タイミングtx11から自動化時間TY2が経過する度に合わせて4回分の演出受付がなされ、それらに応じた図中白抜きの特定音出力が4回分なされるようになっている。したがって、所定の有効期間内において特定の演出結果を出現させるためには特定回数以上の演出受付が少なくとも求められる場合や、演出受付なされる度に演出抽選が行われてその結果に応じて特定の演出結果を出現させるタイプの演出が行われている場合は、図273(a)に示す例では、実質的には1回分の演出受付しか発生していないことから、特定の演出結果を出現させることはあまり期待できないこととなる。しかしながら、当該実施例にかかるパチンコ機1とは、演出受付が発生していないときにも図中黒抜きの特定音出力をあえて行うようにすることで、実際には演出受付がそれほど多く発生しておらず特定の演出結果が出現することにはあまり期待できないような状況であったとしても、多くの演出受付が発生しているかのような演出状況を生み出すようにしたことで、複数回操作が苦手(連打速度が遅いなど)な遊技者が単発操作した場合であっても遊技興趣が低下するようなことが好適に抑制されうるようになる。
なお、この実施例では、1回1回の特定音出力を確認するだけでは演出受付がどれだけ発生しているかを認識することは困難であるが、操作開始してから操作終了するまでの間にどれだけの数の特定音出力が行われたかを確認することで、演出受付がどれだけ発生したかの目星程度は付けることが可能である。
また、この実施例にかかる操作時表示パターンでは、表示シーン1から表示シーン5までを順次出力した後は表示シーン3から再び出力し直して、それ以降は、猶予時間TY1がタイムアップするか、所定の有効期間が終了するか、所定の有効期間内で演出条件が満たされて特定の演出結果が現れるようになるまで表示シーン3〜5を繰り返し出力することで、味方キャラクタが敵キャラクタと刀による打ち合いをひたすら行う描写が現れるようにしている。したがって、特定の演出結果としては、このような刀による打ち合いを行った結果として味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する様子を描写するものであることが望ましく、所定の有効期間内に該特定の演出結果が現れなかったときには、その終了時に、このような刀による打ち合いを行った結果として味方キャラクタが敵キャラクタに敗北した様子が描写された失敗時の演出結果を表示するようにすることが望ましい。
このように、操作ボタン410に対する操作が単発押しの態様で1回だけしか行われなかった場合(図273(a))と、操作ボタン410に対する操作が長押しの態様で行われた場合(図273(b))とのいずれの場合であっても、操作に伴う特定音を複数回にわたって断続的に出力させ、操作に伴う操作時表示パターンを予め定められたスケジュール通りに順次表示して進展させるようにすることで、複数回操作の苦手な遊技者であっても安心して操作を行うことが促されるようになる。ただし実際には、上記所定の有効期間においては、単発押しの態様での複数回にわたる連打操作として操作ボタン410に対する操作が行われることも多く、このような連打操作が行われる場合には、1回1回の操作で演出受付がそれぞれ発生している操作感を遊技者に覚えさせるようにすることが遊技興趣の向上を図る上で重要である。しかしながら、1回1回の操作で演出受付が発生している操作感を演出として完全に反映させるようにすると、複数回操作の苦手な遊技者よりも複数回操作の得意な遊技者が有利であるかのような演出性になってしまうことから、こうしたトレードオフの関係にある演出要素(操作感、演出公平性)の両立を図ることが求められる。
そこで、この実施例にかかるパチンコ機1では、まず、1回1回の操作で演出受付が発生している操作感を確保する上では、操作に対して即時性のある演出として、「操作したときに表示が発生(または変化)するか」よりも「操作したときに音が発生(または変化)するか」がより重要なパラメータであることに着目し、所定の有効期間においては、操作ボタン410に対する操作が単発押しの態様で行われる都度、その操作タイミングに合わせて演出受付に応じた特定音を出力させることとしている。
例えば、いま、図275(a)に示されるように、所定の有効期間のうちのタイミングtx31〜tx32の期間において、単発押しの態様での複数回にわたる連打操作として操作ボタン410に対する操作が行われたとする。すると、この実施例にかかる周辺制御MPU1511aでは、操作ボタン410に対する操作が検出される都度、該検出を契機として、前回出力の特定音(出力状態にある特定音)に対して新たな特定音の音データが特定チャンネルに上書きされるかたちで新たな特定音を出力させる。このように、操作ボタン410に対する操作が単発押しの態様で1回だけしか行われなかった場合であっても特定音を複数回にわたって断続的に出力させるようにしつつも、そうした出力が行われているなかで操作ボタン410に対する操作が再び行われたときには出力状態にある特定音をその途中であえてぶつ切り(中断)にする態様で新たな特定音を出力するようにしたことで、遊技者による操作が行われたタイミングで特定音が新たに出力されて演出受付されたことを明示的に示唆することができるようになる。
なお、この実施例では、操作ボタン410に対する操作が単発押しの態様で1回だけしか行われなかった場合や長押しによる操作の場合であっても、前回出力の特定音が最後まで出力し終わるのに要する時間が経過するよりも前に自動化時間TY2が消化されて、前回出力の特定音に対して新たな特定音の音データが特定チャンネルに上書きされるかたちで出力されるようにしていることは上述した通りである。ただしこの場合、特定音は、一定時間(自動化時間TY2)毎の正確なリズムで出力されることとなるのに対し、単発押しの態様での複数回にわたる連打操作として操作ボタン410に対する操作が行われる場合には、不定期な遊技者による操作タイミングが到来する度に出力状態にある特定音がぶつ切りにされて新たな特定音が出力されることとなることから、1回1回の操作で演出受付が発生している操作感を遊技者に対して好適に覚えさせることができるようになる。
ちなみに、図275(a)に示される例においても、所定の有効期間においては、操作ボタン410に対する操作が行われる都度、該操作が継続されている状態(操作状態)にあるか否かを定期的に監視(操作状態(操作検出状態)が終了されたか否かを判定)する処理が行われる。この点、単発押しの態様での複数回にわたる連打操作として操作ボタン410に対する操作が行われるタイミングtx31〜tx32の期間においては、操作ボタン410に対する操作が行われる都度、該操作が継続されている状態(操作状態)にあるか否かの定期的な監視の結果として該操作状態の継続が終了した旨の判定がすぐになされることとなり、これに応じて予め定められた時間長さを持った猶予時間TY1が設定されることとなる(図示略)。
この点、この実施例にかかる周辺制御MPU1511aでは、猶予時間TY1が終了(タイムアップ)されるまでの間に操作ボタン410に対する操作が新たに行われたときには、当該猶予時間TY1の設定は解除されて、操作ボタン410に対する操作が継続されている状態(操作状態)にあるか否かを定期的に監視する処理が行われる状態に戻されるようになっている。したがって、タイミングtx31〜tx32の期間においては、操作ボタン410が操作状態になったり、非操作状態になったりする度に、操作状態にあるか否かを定期的に監視する処理が行われる状態と、予め定められた時間長さを持った猶予時間TY1(図示略)が設定される状態との間で目まぐるしく状態移行が行われることとなる。
ここで、図275(a)に示される例では、タイミングtx31〜tx32の間で6回分の連打操作が行われた後、複数回にわたる連打操作に疲れてしまい、それ以降は、繰り返しの操作に要する時間が大幅に長くなってしまった場合を想定している。このような複数回操作が苦手な遊技者からすれば、タイミングtx32以降は、複数回にわたる連打操作を上手く行うことができなくなることから、複数回操作が得意な遊技者よりも演出受付の回数が少なくされることによる遊技興趣の低下が懸念される。ただし、この実施例にかかる周辺制御MPU1511aでは、操作状態が終了されてからの猶予時間TY1が経過するまでの間は遊技者による操作が検出されないなかでも自動化時間TY2が経過する度に特定音を出力させる処理を行うようにしていることは上述した通りである。したがって、この実施例にかかる周辺制御MPU1511aによれば、タイミングtx32以降、繰り返しの操作に要する時間が大幅に長くなった場合であっても、少なくとも前回の操作状態が終了してからの猶予時間TY1よりも短い時間内で繰り返しの操作を行うことさえできれば、操作に伴う特定音を絶え間なく断続的に出力可能として速い連打操作が行われているかのような感覚を遊技者に覚えさせることができるようになる。
例えば、いま、タイミングtx33において、タイミングtx32からの操作状態が継続されているか否かの定期的な監視の結果として該操作状態の継続が終了した旨の判定がなされたとすると、該判定に基づいて、予め定められた時間長さを持った猶予時間TY1が設定される。そしてこれ以降は、繰り返しの操作に要する時間が大幅に長くなってしまう状況にはなるものの、遊技者による操作が行われていない状況にあるなかで自動化時間TY2が経過する度に特定音を出力させる処理が行われることで、操作に伴う特定音は絶え間なく断続的に出力されるようになる。ただし、これらの特定音は、演出受付が発生していない状況下での図中黒抜きの特定音(7番目から9番目までの特定音)として出力されるものである。
この点、図中黒抜きの特定音(7番目から9番目までの特定音)は、前回の操作状態が終了してからの猶予時間TY1が経過するまでの間に限り発生しうるものであるが、図275(a)に示される例では、タイミングtx33で設定された猶予時間TY1については、該猶予時間TY1が経過するよりも前のタイミングtx34で操作ボタン410に対する操作が再び行われることにより該操作に基づいてその設定が解除(タイムアップしない)されるようになっている。またそれに伴い、タイミングtx34では、出力状態にあった特定音をぶつ切り(中断)にするかたちで演出受付が発生したことに伴う図中白抜きの特定音(10番目の特定音)が出力されるとともに、その操作状態が継続されているか否かを定期的に監視する処理が行われる状態に戻されることとなる。
ただし、このような操作状態もタイミングtx35になると終了されて上記監視の結果としてその旨の判定がなされることとなり、該判定に基づいて、予め定められた時間長さを持った猶予時間TY1が再び設定されるようになる。そして、遊技者による操作が行われていない状況にあるなかで自動化時間TY2が経過する度に図中黒抜きの特定音(11番目〜14番目の特定音)を再び出力させることとなり、該猶予時間TY1がタイムアップするよりも前のタイミングtx36において遊技者による操作がようやく行われるようになると、出力状態にある図中黒抜きの特定音(14番目の特定音)をぶつ切り(中断)にするかたちで図中白抜きの特定音(15番目の特定音)を出力させることとなる。
このように、タイミングtx32以降、繰り返しの操作に要する時間が大幅に長くなった場合であっても、少なくとも前回の操作状態が終了してからの猶予時間TY1よりも短い時間内で繰り返しの操作を行うことさえできれば、遊技者による操作が行われたタイミングにおける図中白抜きの特定音と、遊技者による操作が行われていない状況にあるなかでの定期的な図中黒抜きの特定音とがそれぞれ出力されることで、操作に伴う特定音を絶え間なく断続的に出力可能として速い連打操作が行われているかのような感覚を遊技者に覚えさせることができるようになる。したがって、このような特定音の出力にかかる態様によれば、1回1回の操作で演出受付が発生している操作感を確保することができることはもとより、複数回操作の苦手な遊技者であっても、非操作状態における図中黒抜きの特定音出力によって操作に伴う特定音が絶え間なく断続的に出力可能とされるようになることから、トレードオフの関係にある演出要素(操作感、演出公平性)の両立を図ることが期待されるようになる。
とは言え、このような態様で特定音を出力させるようにした場合であっても、所定の有効期間内における操作に基づいて演出結果を報知する役割を担った操作時表示パターンにおいて、複数回操作の得意な遊技者と複数回操作の苦手な遊技者との間で、表示内容の進展にかかる態様を大きく異ならせるようにしてしまうと、結局は、複数回操作の苦手な遊技者よりも複数回操作の得意な遊技者が有利であるかのような演出性になりかねず、遊技興趣の低下が懸念される。そこで、この実施例にかかる周辺制御MPU1511aでは、操作時表示パターンについては、操作に伴う特定音の発生タイミングに合わせて表示内容を段階的に進展させるのではなく、猶予時間TY1がタイムアップして終了されるタイミング(特定の終了タイミング)が到来するまでの間は操作の態様にかかわらず予め定められた動的表示出力によって表示内容を進展させうるようにしている。
この点、図275(a)に示した例では、上述の通り、所定の有効期間のうちのタイミングtx32以降は、繰り返しの操作に要する時間が大幅に長くなってしまった場合を想定したものではあるものの、設定された猶予時間TY1がタイムアップするまでの間には操作ボタン410に対する操作が再び行われて猶予時間TY1の設定が解除されるようになっている。したがって、所定の有効期間内において猶予時間TY1がタイムアップしてこれが終了されるタイミング(特定の終了タイミング)が到来することはない。
このような図275(a)に示される態様で操作が行われた場合は、タイミングtx31において遊技者による操作に基づいて操作時表示パターンの表示(遊技盤側演出表示装置1600)が開始された以降は、その連打操作の速度が上述のように大幅に変化される状況下にありながらもそれらの操作状況にかかわらず、操作時表示パターンとして図274に示した表示シーン1〜5が予め定められたスケジュール通りに順次表示されて進展するだけであり、これによって複数回操作の苦手な遊技者と複数回操作の得意な遊技者との間での演出公平性が維持されているように見せることができるようになる。
ただし、操作時表示パターンとしての表示内容が進展される態様は同じであったとしても、操作に伴う演出受付が実際に発生している回数は、複数回操作の苦手な遊技者と複数回操作の得意な遊技者との間で異なることは避けられない。したがって、所定の有効期間内において特定の演出結果を出現させるためには特定回数以上の演出受付が少なくとも求められる場合や、演出受付なされる度に演出抽選が行われてその結果に応じて特定の演出結果を出現させるタイプの演出が行われている場合は、やはり、複数回操作の得意な遊技者のほうが特定の演出結果を出現させ易いこととなり、これによって複数回操作を行うことの演出的な意義は保たれることとなる。すなわち、このような演出的な意義は保ちながらも、音や表示などの演出上は、複数回操作の苦手な遊技者と複数回操作の得意な遊技者との間での演出公平性が維持されているように見せることで、複数回操作の苦手な遊技者の遊技興趣が低下することを抑制しうることに技術的特徴があるといえる。
また、このような構成によれば、長押しによる操作を行ったときに演出受付される間隔(自動化時間TY2)よりも早く連打操作を行ったとしても、操作時表示パターンの進展にかかる態様は同じとされることから、あまりに早い連打操作が行われることによってボタン劣化が早まってしまうような事態の発生を回避することが期待されるようになる。
ちなみに、図275(b)に示される例は、タイミングtx33で設定された猶予時間TY1が経過するまでの間に操作ボタン410に対する操作が間に合わなかった場合を想定している。すなわちこの場合、所定の有効期間内において、猶予時間TY1がタイムアップして終了されるタイミングtx37(特定の終了タイミング)が到来することとなり、該タイミングtx37(特定の終了タイミング)においてはタイミングtx31からの動的表示出力(表示シーン1〜5を予め定められたスケジュール通りに順次表示して進展させる処理)がその時点で中断、終了されるようになる。
この点、この実施例にかかる周辺制御MPU1511aでは、特定音(例えば、「ピコーン」)の出力に関しては、出力状態にあるときに猶予時間TY1が終了されるタイミングtx37(特定の終了タイミング)が到来したとしても、そのタイミングtx37で出力状態にある特定音をぶつ切り((例えば、「ピコ」))にするような処理(出力中断処理や、他の音で上書きすることによって中断させる処理など)は行わず、該タイミングtx37が到来した以降も、それまで出力していた特定音と同じ態様での出力(音波形)が現れるようにすることは上述した通りである。したがって、特定音の出力に関しては、猶予時間TY1が終了されるタイミングtx37(特定の終了タイミング)が到来した以降であっても、その最後の特定音(図中では、10番目の特定音)が消音されるまでの間に操作ボタン410に対する操作を行うようにすれば、操作に伴う特定音を絶え間なく断続的に出力可能として速い連打操作が行われているかのような感覚を遊技者に覚えさせるようにすることは可能である。
事実、図275(b)に示される例では、タイミングtx37(特定の終了タイミング)を跨いで出力される図中黒抜きの特定音(10番目の特定音)が消音になるよりも前に、該10番目の特定音出力を中断させるかたちで図中白抜きの特定音が2回にわたって発生した後、再び図中黒抜きの特定音が断続的に出力されることで、操作に伴う特定音が絶え間なく断続的に出力されていることがわかる。また、図275(b)に示される例では、こうして特定音が絶え間なく断続的に出力されているのに対し、操作時表示パターンでは、タイミングtx37においてその表示内容の進展が一旦終了されている。そしてその後、図中白抜きの特定音が再び出力されるタイミングtx38に合わせて最初の表示シーン(表示シーン1)から表示内容の進展をやり直すようになっていることが明らかである。
図276は、図273〜図275で説明した自動複数回操作機能(オート連打機能)が搭載される当該パチンコ機1において、複数回操作(連打など)の操作機会が付与される所定の有効期間を発生させる特定の演出パターンが実行された場合に、該所定の有効期間(タイミングtx41〜tx48)内で操作が行われたときに現れる演出例を示すタイムチャートである。
同図276に示されるように、いま、タイミングtx41において、複数回操作(連打など)の操作機会が付与される所定の有効期間が発生し、該所定の有効期間内のタイミングtx42において遊技者による操作が開始されたとすると、この演出例においても、該操作の検出に基づいて、操作ボタン410に対する操作に伴う特定音の出力と、同操作に伴う表示(操作時表示パターン)の出力とをそれぞれ開始させる処理を行うこととなる。
ただし、この演出例では、所定の有効期間内において操作ボタン410に対する操作が演出受付されたときには、図中白抜きの特定音出力を発生させるほか、該特定音とは異なる特別音を所定確率で出力させる処理を実行可能としている。
すなわち上述の通り、この実施例にかかる周辺制御MPU1511aでは、操作ボタン410に対する操作が行われておらず演出受付が発生していない状況下にあっても図中黒抜きの特定音出力が発生するようになっており、この図中黒抜きの特定音出力は、演出受付が発生したタイミングで発生する図中白抜きの特定音出力との聞き分けをし難くする態様(この演出例では、同じ態様)で出力されるようになっている。また、遊技盤側演出表示装置1600にて現れる操作時表示パターンとしても、操作の態様にかかわらず予め定められたスケジュール通りに表示内容を進展させるようになっていることは上述した通りである。したがって、遊技者側からすれば、所定の有効期間内において長押しによる態様での操作や複数回操作を行ったとしても、これらの操作によってどれだけの演出受付が発生しているのかを認識し難い状況にあると言える。そこで、この演出例では、所定の有効期間内において操作ボタン410に対する操作が演出受付されたときには、図中白抜きの特定音出力を発生させるほか、該特定音とは異なる特別音を所定確率(例えば、50%など)で出力させる処理を行うようにすることで、こうした特別音の出力状況を通じてどれだけの演出受付が発生したのかをある程度予測することができるようにしている。
例えば、図276に示される例では、所定の有効期間が開始されてからの比較的早い期間(タイミングtx41〜tx45)にあるときには、タイミングtx42,tx43での2回にわたる連打操作と、タイミングtx44からの長押し操作とがそれぞれ行われることによって合計9回分の演出受付が発生してこれらに応じた図中白抜きの特定音出力が9回にわたって連続発生するなど(図中では、1〜9番目の白抜き特定音)、単位時間当たりに演出受付の発生する回数が比較的多くなっている。これに対し、所定の有効期間が開始されてからの比較的遅い期間(タイミングtx45〜tx48)においては、単発操作の態様での操作が連打とは言えないような長い時間を要してタイミングtx46,tx47での2回にわたって行われることによって2回分の演出受付が発生してこれらに応じた図中白抜きの特定音出力が時間を空けて2回にわたって発生するなど(図中では、10番目、11番目の白抜き特定音)、単位時間当たりに演出受付の発生する回数が比較的少なくなっている。
しかしながら、特定音の出力状況や操作時表示パターンの出力状況を確認してみると、特定音は、上述した黒抜きの特定音出力が行われることによって所定の有効期間が開始されてからの比較的早い期間(タイミングtx41〜tx45)と比較的遅い期間(タイミングtx45〜tx48)とのいずれにおいても絶え間なく出力されているし、操作時表示パターンも、所定の有効期間が開始されてからの比較的早い期間(タイミングtx41〜tx45)と比較的遅い期間(タイミングtx45〜tx48)とのいずれにおいても予め定められたスケジュール通りに表示シーンが切り換えられるかたちで進展しているだけであるから、これらの出力状況を確認するだけでは単位時間当たりに演出受付の発生する回数が多い状況にあるのか少ない状況にあるのかを判断し難くなっていることがわかる。
この点、図中白抜きの特定音出力が発生するときに所定確率で出力される特別音の出力状況を確認してみると、所定の有効期間が開始されてからの比較的早い期間(タイミングtx41〜tx45)では、所定の有効期間が開始されてからの比較的遅い期間(タイミングtx45〜tx48)にあるときよりも単位時間当たりの発生回数が多くなっていることから、このような特別音の出力状況を通じてどれだけの演出受付が発生したのかをある程度予測することができるようになる。また、このような特別音の出力態様によれば、図中白抜きの特定音出力と図中黒抜きの特定音出力とのいずれが発生しているのかをある程度は秘匿にすることができるようになることから、複数回操作の苦手な遊技者の遊技興趣についてもこれを好適に維持することが期待されるようになる。この意味では、特別音については、特定音出力が発生したときに発生しうるものではあるものの、該特定音出力が発生することとは別の出力条件が満たされたことに基づいて出力されるようにするなど、該特定音出力が発生したとしても特別音は必ずしも発生しない態様で出力させるようにすることが求められる。
また、演出受付が発生したときに特別音を発生させるか否かの所定確率については、所定の有効期間内で発生した演出受付の回数などに応じて変化するようにしてもよい。すなわちこの場合、図中白抜きの特定音出力と図中黒抜きの特定音出力とのいずれが発生しているのかの予測をより困難にさせることができるようになる。
また、特別音については、特定音よりも出力頻度が低くされるものであることに鑑みれば、特定音が出力されてから消音されるまでの時間や、自動化時間TY2よりも長い時間値をもったものとして設定されるようにすることが望ましい。なおこの例では、「自動化時間TY2」の2倍の時間値として設定されている。また、前回の特別音が出力されているときに新たな特別音を出力させるときには前回の特別音をぶつ切り(中断)にして新たな特別音を出力させるようにすることが望ましい。
ただし、このようなパチンコ機1では、長押しによる操作が行われるだけで、複数回操作が行われた場合と同じ演出を楽しむことができることから、複数回操作を行う遊技者の数が少なくなり、複数回操作を求める演出としての意義が廃れてしまうことが懸念される。そこで、図276に示した演出例では、所定の有効期間(タイミングtx41〜tx48)のうち少なくともタイミングtx42において遊技者による操作が開始された以降の期間では、遊技者による操作が長押しの態様として継続して行われる状態(タイミングtx44〜tx45)にあるときと単発操作の態様として行われる状態(タイミングtx42〜tx44,tx45〜tx48)にあるときとのうち、単発操作の態様として行われる状態にあり且つ特定の表示条件が満たされた場合に限り特定画像の表示(特定表示)が許容されうるようにしている。
すなわちこの場合、特定画像を確認するためには、少なくとも長押しによる操作ではなく単発操作の態様として操作を行うことが求められることから、オート連打(自動複数回操作)機能を利用せずに複数回操作(連打など)を行うことに演出上の意味を持たせることができるようになり、遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
しかも、この演出例では、特定画像を確認するためには、単発操作の態様として操作することのみを条件とせず、特定の表示条件が満たされなければ特定画像が必ずしも表示されないようにしている。すなわちこの場合、特定画像これ自体の出現困難性が高くされるようになることから、所定の有効期間が発生する度にオート連打(自動複数回操作)機能を利用せずに複数回操作(連打など)を行うようにしたとしても、出現困難性の高い特定画像を表示させようとチャレンジしているように見えるようになり、オート連打(自動複数回操作)機能を利用せずにあえて複数回操作することに対する周囲の理解を促すことが期待されるようになる。
図276に示した演出例では、前回の演出受付が発生したタイミングから新たな演出受付が発生しないままで特定の非操作時間(ここでは、「自動化時間TY2」の2倍の時間)が経過しており、且つ該特定の非操作時間が経過したときに行われる所定の演出抽選で演出当りが得られたことを上記「特定の表示条件」として、所定の有効期間内において特定画像の表示(特定表示)を出現させることとしている。この点、所定の演出抽選では、大当り判定にて大当りに当選しているとき(若しくは、所定の有効期間内における操作態様によっては成功表示を出現させることが可能な演出状況(大当り期待度が高い演出状況)にある場合)には70%の確率で演出当りが得られるようになっているのに対し、大当り判定にて大当りに落選しているとき(若しくは、所定の有効期間内において操作をどれだけ行ったとしても成功表示を出現させることができない演出状況(大当り期待度が低い演出状況)にある場合)には30%の確率でしか演出当りが得られないようになっている。したがって、所定の有効期間内において特定画像の表示(特定表示)が現れたときには大当り図柄が現れる期待度が高いことが示唆されるようになり、遊技興趣が好適に維持されうるようになる。なお、上記「特定の表示条件」としては、これに限られず、「前回の演出受付が発生したタイミングから新たな演出受付が発生しないままで特定の非操作時間(ここでは、「自動化時間TY2」の2倍の時間)が経過していること」、及び「所定の演出抽選で演出当りが得られたこと」のいずれかのみを「特定の表示条件」として採用し、これが満たされたときに特定画像の表示(特定表示)を出現させるようにしてもよいし、他の条件を「特定の表示条件」として採用するようにしてもよい。
なお、所定の演出抽選の態様としては上述したタイプのほか、例えば、所定の有効期間内における操作態様によっては成功表示を出現させることが可能な演出状況(大当り期待度が低い演出状況)にあるときには0%の確率で演出当りが得られる(若しくは、演出抽選これ自体を行わない)のに対し、所定の有効期間内において操作をどれだけ行ったとしても成功表示を出現させることができない演出状況(大当り期待度が低い演出状況)にあるときには60%の確率で演出当りが得られる態様であってもよい。このような態様によれば、特定表示が現れた時点で成功表示が現れないことが確定的に示されるようになることから、特定表示を出現させるための不毛な操作を行う必要性が無いことが所定の有効期間内で認識可能とされるようになる。そしてこの場合、特定表示としては、成功表示が現れることなく所定の有効期間が終了されるときに現れる失敗表示と同じ表示内容を用いるようにすることが望ましい。
また、この演出例では、図276に示されるように、特定画像の表示(特定表示)が行われている状態にあるときに新たな演出受付が発生すると(タイミングtx46)、その時点で該特定表示を非表示にするようにしており、遊技者による操作が行われていない状態(新たな演出受付が発生していない状態)が維持されていることを条件としてその出力を継続させるようにしている。
また、図276に示した演出例では、所定の有効期間(タイミングtx41〜tx48)内において特定の演出結果(成功表示)を出現させるためには特定回数以上の演出受付が発生することを少なくとも求められるようになっており、11回目の演出受付(11回目の白抜きの特定音出力)が発生したタイミングtx47においてその出現条件が満たされ、その際に表示状態にあった表示シーン3をぶつ切り(中断)にするかたちで操作時表示パターンとして成功表示を出現させる処理を行うようにしている。この成功表示の内容としては、表示シーン3〜5で刀による打ち合いを行っていた敵キャラクタを撃破するものであるなど、操作時表示パターンにおいて繰り返される部分(表示シーン3〜5)の演出内容と関連するものであることが望ましい。また、成功表示が出現したときには、大当り判定にて大当りに当選している期待度が高いことが示唆されるようにすることが望ましい。
また、11回目の演出受付(11回目の白抜きの特定音出力)が発生したタイミングtx47においてその出現条件が満たされたときには、その時点で当該所定の有効期間を終了させて新たな演出受付が発生しないようにされることとなる。したがって、タイミングtx47よりも後のタイミングでは、図中白抜きの特定音や特別音が新たに発生したり、特定表示が新たに現れたりすることもない。
図277は、図276に示した演出例と同じ処理条件のもとで実行されるものではあるが、遊技者による単発操作の態様での操作が猶予時間TY1より短い間隔ではあるものの連打とは言えないような長い時間を要して繰り返されたときに現れる演出例を示すタイムチャートである。
同図277に示されるように、遊技者による単発操作の態様での操作が長い時間を要して繰り返される場合であっても、それらの操作が猶予時間TY1より短い間隔で繰り返される限りは、所定の有効期間(タイミングtx51〜tx56)内において操作が開始されたタイミングtx52以降、特定音は絶え間なく断続的に出力されることとなり、操作時表示パターンは予め定められたスケジュール通りにその表示内容が進展されることとなる。このような演出態様によれば、所定の有効期間内に4回だけしか操作を行わなかった場合であっても、20回程度の連打操作が行われているかのような演出状況を生み出すことができるようになる。ただしこれでは、真面目に連打操作を行っている者からすれば、連打操作を行うことの意味が理解できなくなり遊技興趣が低下する懸念もある。
そこで、この実施例にかかる周辺制御MPU1511aでは、所定の有効期間の長さを「Tx1」、猶予時間TY1の長さを「Tx2」、所定の有効期間内において特定の演出結果(成功表示)を出現させるために最低限必要とされる演出受付の回数を「EU」とするとき、[「Tx1/Tx2」<EU]なる関係が成立するようにこれらの各数値を設定することとしている。このような構成によれば、猶予時間TY1が経過するギリギリのタイミングで操作を繰り返し行って特定音と操作時表示パターンとがそれぞれ絶え間なく出力される演出状況を生み出したとしても、これらの操作によって生じる演出受付の回数は、所定の有効期間内において特定の演出結果(成功表示)を出現させるために最低限必要とされる演出受付の回数(EU)を下回るようになる。すなわちこの場合、このような悪意のある態様で操作が行われたときには特定の演出結果(成功表示)を出現し得ないようにすることができるようになることから、真面目に連打操作を行っている者の遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。なお、このような作用効果をより確実に得る上では、所定の有効期間内において特定の演出結果(成功表示)を出現させるために最低限必要とされる演出受付の回数(EU)については、「Tx1/Tx2」によって算出される数値を切り上げによって整数化したときの該整数値よりも大きな数値として設定することが厳密には求められることとなる。
この点、この演出例では、所定の有効期間内において特定の演出結果(成功表示)を出現させるために最低限必要とされる演出受付の回数(EU)が「Tx1/Tx2」によって算出される数値を切り上げによって整数化したときの該整数値の2倍以上である「11回」とされていることから、当該所定の有効期間が終了されるタイミングtx56においては失敗表示が表示されることとなる。すなわちこの場合、操作回数の不足によって失敗表示が現れるようになることから、大当り期待度が低いか高いかを認識することができない演出状況とされることとなる。
またさらに、この実施例にかかる周辺制御MPU1511aでは、単発操作の態様として行われる状態にあり且つ特定の表示条件が満たされた場合に限り、特定画像の表示を出現可能としていることは上述した通りである。この点、この演出例では、特定画像を表示させるために最低限必要とされる上記「特定の非操作時間」を「Tx3」とするとき、[「Tx1/Tx3」<EU]なる関係が成立するようにこれらの各数値を設定することとしている。このような構成では、所定の有効期間内で1回操作する度に特定表示を出現させようとする試みを行おうとすると、所定の有効期間内において生じる演出受付の回数は、所定の有効期間内において特定の演出結果(成功表示)を出現させるために最低限必要とされる演出受付の回数(EU)を下回るようになる。すなわちこの場合、特定の演出結果(成功表示)が現れなくなるリスクを犯してまで特定表示を出現させようとする試みを行うかの演出的な選択機能が奏されるようになるとともに、特定表示を出現させようとする試みを気軽に何度も行うことができないようになることでその試みを行ったときの演出性が高められるようになることから、遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
また、この演出例では、図277に示されるように、成功表示が現れないままで所定の有効期間が終了されるタイミングtx55aが到来すると、その際に表示状態にあった表示シーン4をぶつ切り(中断)にするかたちで操作時表示パターンとして失敗表示を出現させる処理を行うようにしている。この失敗表示の内容としては、表示シーン3〜5で刀による打ち合いを行っていた敵キャラクタに敗北するものであるなど、操作時表示パターンにおいて繰り返される部分(表示シーン3〜5)の演出内容と関連するものであることが望ましい。また、失敗表示が出現したときには、大当り判定にて大当りに当選している期待度が低いことが示唆されるようにすることが望ましい。
これに対し、この演出例では、図276及び図277に示されるように、成功表示及び失敗表示のいずれが現れる場合であっても所定の有効期間が終了されるときに出力状態にある特定音がぶつ切り(中断)にされることはないようになっているが、これについては上述した通りである。ただし、これらの特定音がそれ以降も断続的に出力されたとしても、成功表示または失敗表示が行われている間にそれらの特定音は消音されることとなり、その後に成功表示または失敗表示が非表示にされる関係性となるように設定されている。
なお、この実施の形態では、遊技者による操作状態が終了してから猶予時間TY1を設定し、この猶予時間TY1が経過されるまでの間は非操作状態における図中黒抜きの特定音出力を少なくとも4回以上にわたって行うこととしたが、非操作状態にあるときに発生する「図中黒抜きの特定音出力」の回数についてはこれに限られない。例えば、猶予時間TY1を、自動化時間TY2の少なくとも2倍以上の長さを持つ時間として設定するようにすれば、非操作状態にあるときの図中黒抜きの特定音出力は少なくとも2回以上にわたって発生するようになることから、非操作状態にあるときにも連打操作(複数回操作)が継続されたかのような感覚を覚えさせるようにすることは可能である。
また、この実施の形態では、操作時表示パターンとして、表示シーン1〜5を順次に出力させた後は、表示シーン3〜5を繰り返し出力させて表示シーン1,2は表示されないようにすることで、味方キャラクタが敵キャラクタと刀による打ち合いをひたすら行う描写が現れるようにしている。そこで、表示シーン1,2の少なくとも一方において大当り期待度が示される特定表示を行うようにしてもよい。このような構成によれば、特定表示を見逃すようなことがあると、猶予時間TY1が経過するまで非操作状態を継続させなければ再確認することができないようになることから、所定の有効期間がその分だけ無駄に消化されてしまうデメリットと、特定表示を確認できないことによるデメリットとの間でどちらを選択するかの演出性を提供することができるようになる。
また、この実施の形態では、長押しによる操作が行われたときに演出受付が発生する間隔(自動化時間TY2)よりも短い間隔で演出受付が発生するような態様での連打操作を許容することで、遊技者による自由度の高い操作時演出を実現可能としている(図275を参照)。ただしその一方で、このような高速の連打操作が行われた場合であっても、操作時表示パターンにおける表示シーンの進展態様は、長押しによる操作が行われたときと同じであるようにしたから、高速の連打操作を行うことに魅力をあまり感じさせないようにすることができるようになり、これによって操作ボタン410に対する過度な操作を抑制して破損などが発生するリスクを低減することが期待されるようになる。
なお、所定の有効期間内において特定の演出結果を出現させるためには特定回数以上の演出受付が少なくとも求められるタイプの演出を行う場合、所定の有効期間内において長押しによる操作が行われるだけで該特定回数以上の演出受付が発生するように該特定回数の値を設定することが望ましい。より好ましくは、所定の有効期間の半分の期間にわたって長押しによる操作が行われるだけで該特定回数以上の演出受付が発生するように、該特定回数の値を設定することが望ましい。
また、図276や図277に示したように、前回の演出受付が発生したタイミングから新たな演出受付が発生しないままで「自動化時間TY2」の2倍の時間(特定の非操作時間)が経過したときに特定画像の表示(特定表示)を出現させることとしたが、特定の非操作時間としてはこれに限られない。例えば、特定の非操作時間として、「自動化時間TY2」の2倍以上であり、且つ猶予時間TY1を上限値(猶予時間TY1以下)とする範囲内のいずれかの時間値を用いるようにすれば、非操作状態にあるときに2回以上の図中黒抜きの特定音が出力されている状態(非操作状態にあるときに連打操作が行われているかのような状態)にあるなかで、該非操作状態での擬似操作回数(図中黒抜きの特定音の出力回数)が所定値に達したことに基づいて特定画像の表示(特定表示)が出現したかのような演出を生み出すことは可能である。
[複数の演出操作ユニットを備えた遊技機]
ところで、前述では遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができる演出操作ユニット400を皿ユニット320に備えた遊技機について説明したが、以下では、図278〜図329を参照して、より遊技者の操作意欲を高めることが可能な遊技機について説明する。なお、以下に述べる演出操作ユニットの演出制御は、周辺制御基板1510によって行われる。
図278は、刀演出操作ユニット5000を備えた遊技機の正面図である。図279は、刀演出操作ユニット5000を備えた遊技機の右側面図である。ここでは、前述の遊技機1の扉枠3に配設される刀演出操作ユニット5000について述べ、前述と同様の構成については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
刀演出操作ユニット5000は、正面視右側の扉枠3の前面に設けられる。刀演出操作ユニット5000は、刀身部5011と、柄部5012と、刀身部5011と柄部5012との間に挟まれる鍔部5013とを有する刀部5010と、刀部5010の刀身部5011を納めることが可能な鞘部5020とからなる刀装飾体5001を構成している。
刀装飾体5001は、扉枠3に正面視左右方向に鞘部5020を可動可能に設けられている。また、刀部5010を抜刀方向及び納刀方向に可動可能に設けられている。刀部5010は、通常は刀身部5011が鞘部5020に納められた納刀状態であり、抜刀演出において抜刀動作により刀身部5011が遊技者に視認可能になる抜刀状態になる。そして、抜刀状態となった刀部5010は、遊技者による納刀操作を受け付けて納刀状態に戻る操作手段として機能可能になる。
ここで、図280を参照して、刀演出操作ユニット5000(刀装飾体5001)の可動を伴う抜刀演出の実行機会ついて説明する。図280は、抜刀演出を実行可能な演出モードにおける演出パターンの選択テーブルの一例を示す図であり、(A)変動パターンの種別に応じた抜刀準備移行演出の有無を選択する選択テーブルの一例を示し、(B)抜刀本演出の有無を選択する選択テーブルの一例を示す。
ここで述べる演出パターンには、抜刀準備移行演出実行後に抜刀本演出が行われるパターン、事前に抜刀準備移行演出が行われることなく抜刀本演出が行われるパターン、事前に抜刀準備移行演出が行われたにもかかわらず抜刀本演出が行われないパターン、抜刀準備移行演出が行われることも抜刀本演出が行われることもないパターンがあり、さらに抜刀本演出における刀装飾体5001の形態には、オーラ部材付き形態とオーラ部材なし形態の2パターンが設けられている。
図280(A)に示すように、主制御基板1310において決定され、周辺制御基板1510に送信される変動パターンの種類に応じて、抜刀準備移行演出の実行有無が抽選される。ここで、複数種類の変動パターンは大当り時の大当り変動用変動パターン、小当り時の小当り変動用変動パターン及びはずれ時のはずれ変動用変動パターンに分類され、遊技者にとって有利な結果となる変動パターンであるほど抜刀準備移行演出が実行される確率が高くなるように設定されている。具体的には、抜刀準備移行演出は、大当り変動用変動パターンのときは50%の確率で実行され、小当り変動用変動パターンのときには30%の確率で実行され、はずれ変動用変動パターンのときには20%の確率で実行される。
なお、はずれ変動時変動パターンは、リーチ演出が行われる場合は行われない場合に比べて抜刀準備移行演出が実行される確率が高くなるようにリーチ演出の有無に応じて確率を変えてもよい。
次に、図280(B)に示すように、変動パターンの種類と抜刀準備移行演出の有無に応じて、抜刀本演出の実行有無が抽選される。変動パターンの種類が同じでも抜刀準備移行演出が実行される場合は、抜刀準備移行演出が実行されない場合よりも抜刀本演出が実行される確率が高くなるよう設定される。また、遊技者にとって有利な結果となる変動パターンであるほど抜刀本演出が実行される確率が高くなるように設定される。ここで、変動パターンの有利度が低くても抜刀準備移行演出が実行される方が、抜刀本演出が実行される確率が高くなるよう設定される。具体的には、はずれ変動用変動パターンで抜刀準備移行演出が実行される場合は、小当り変動用変動パターンで抜刀準備移行演出が実行されない場合よりも抜刀本演出が実行される確率が高い。なお、大当り変動用変動パターンの場合には抜刀準備移行演出の有無に関わらず必ず抜刀本演出が実行される。
また、抜刀本演出が実行される場合は、事前に抜刀準備移行演出が実行され、遊技者にとって有利な結果となる変動パターンであるほどオーラ部材付き形態の抜刀本演出が実行される確率が高くなるよう設定される。なお、ここでは小当り変動用変動パターンの場合にはオーラ部材付き形態の抜刀本演出が選択されることはない。
(刀装飾体の抜刀動作による状態遷移とオーラ部材の動作)
続いて、図281〜図284を参照して、抜刀演出(抜刀準備移行演出及び抜刀本演出)における刀装飾体5001の抜刀動作について説明する。また、オーラ部材5030が遊技者による納刀操作を受け付け可能な刀部5010(刀身部5011)自体に設けられ、刀部5010が自身の構成部材(オーラ部材5030)によって変形する場合(図281、図282)と、オーラ部材5035が刀部5010(刀身部5011)を収納する扉枠3の鞘部5020に設けられ、刀部5010が扉枠3側の部材(オーラ部材5035)と合体して一体的な装飾体となる場合(図283、図284)について、オーラ部材5030、5035の動作について説明する。
図281は、オーラ部材5030が刀部5010(刀身部5011)自体に設けられる場合の刀装飾体5001の抜刀動作について説明する状態遷移図であり、(A)納刀状態、(B)第一抜刀状態、(C)第二抜刀状態を示す。図282は、オーラ部材5030の動作について説明する縦断面図である。なお、図282は、オーラ部材5030の動作を分かり易くするために刀身部5011を鞘部5020から抜き出した状態における縦断面図である。
通常状態における刀装飾体5001は、図281(A)に示すように、刀身部5011が鞘部5020に納められた納刀状態である。抜刀準備移行演出における抜刀動作後の刀装飾体5001は、図281(B)に示すように、刀身部5011の手元に嵌められるハバキ5011aの部分のみが鞘部5020から抜かれて遊技者から視認可能になる第一抜刀状態となる。そして、抜刀本演出における抜刀動作後の刀装飾体5001は、図281(C)に示すように、刀身部5011が鞘部5020からさらに抜かれて大部分が遊技者から視認可能になる第二抜刀状態となる。ここで、第二抜刀状態となった刀装飾体5001は、遊技者による納刀操作を受け付け可能な操作手段として機能することができるようになる。
刀身部5011に設けられるオーラ部材5030は、刀身部5011の抜刀動作とは別に単独で動作可能に構成されている。刀装飾体5001がオーラ部材付き形態となる場合では、オーラ部材5030は、刀身部5011が納刀状態(図281(A))から第一抜刀状態(図281(B))となるときに鞘部5020の内部で閉状態(図282(A))から開状態(図282(B))に可動域を可能な限り動作(最大動作)し、刀身部5011を変形させる。このため、オーラ部材5030によって変形された刀身部5011が第一抜刀状態から第二抜刀状態(図281(C))となる変化過程においても遊技者はオーラ部材5030を視認することができる。なお、後述するがオーラ部材5030は最大動作しても刀身部5011のハバキ5011aの下方に位置するよう設けられるので、遊技者は第一抜刀状態でオーラ部材5030を視認することができない。
通常状態(閉状態)におけるオーラ部材5030は、図282(A)に示すように、刀身部5011に内包される。オーラ部材5030は、刀身部5011のハバキ5011aの下方に設けられ、右オーラ部材5031と、左オーラ部材5032と、右オーラ部材5031に設けられるラック5031a及び左オーラ部材5032に設けられるラック5032aと噛み合うピニオン5033とを有する。オーラ部材5030は、駆動手段(図示省略)によってピニオン5033が正面視反時計回りに回転されることで、回転力がラック5031aの右方向及びラック5032aの左方向の直線運動に変換され、図282(B)に示すように、右オーラ部材5031及び左オーラ部材5032がそれぞれ刀身部5011の外形から外側に突出した位置(開状態)で停止する。
また、刀身部5011のハバキ5011aの下方には刀身軸5011bに複数のLEDを有するLED基板5011cが内包されている。これらLEDが発光されることで、刀身部50011(オーラ部材5030)を発光装飾させることが可能となる。
なお、ここでは、オーラ部材5030の動作タイミングについて刀装飾体5001(刀部5010)が納刀状態から第一抜刀状態になるときに閉状態から開状態となり、オーラ部材5030の動作によって刀身部5011を変形させた上で刀装飾体5001が第一抜刀状態から第二抜刀状態に変化する例を示したが、これに限らない。オーラ部材5030は、刀装飾体5001が第二抜刀状態になってから動作(変形)を開始してもよい。第二抜刀状態となった刀装飾体5001が操作手段として機能するまでに設定された演出パターンに基づく最終態様(最大動作して成る形態に限らず、途中で動作を停止して成る形態を含む)になっていればよい。
図283は、オーラ部材5035が鞘部5020に設けられる場合の刀装飾体5001の抜刀動作について説明する状態遷移図であり、(A)納刀状態、(B)第一抜刀状態、(C)第二抜刀状態を示す。図284は、オーラ部材5035の動作について説明する縦断面図である。なお、図284は、オーラ部材5035の動作を分かり易くするために刀身部5011を鞘部5020から抜き出した状態における縦断面図である。ここでは、前述の図282及び図283と同様の構成には同じ符号を付して説明を適宜省略する。
図283(A)〜(C)に示すように、刀部5010(刀身部5011)を収納する扉枠3の鞘部5020に設けられるオーラ部材5035は、前述の刀部5010(刀身部5011)自体に設けられるオーラ部材5030が左右方向に可動するのに対し、上下方向に可動する。また、オーラ部材5035は、刀身部5011の外周を囲うように設けられる。そして、刀装飾体5001がオーラ部材付き形態となる場合では、オーラ部材5035は、納刀状態における刀身部5011とオーラ部材5035との相対位置関係を保ちながら刀身部5011の状態変化(納刀状態⇔第一抜刀状態⇔第二抜刀状態)に合わせて動作する。これにより、刀部5010(刀身部5011)が枠側の部材(オーラ部材5035)と合体して一体的な装飾体とみせることを可能にしている。
通常状態(完全収容状態)におけるオーラ部材5035は、図284(A)に示すように、鞘部5020に収容される。オーラ部材5035は、完全収容状態において上端が刀身部5011のハバキ5011aの下方になるよう設けられ、刀身部5011の外周を囲うように設けられる中空円柱状の囲いオーラ部材5036と、囲いオーラ部材5036の中空部下方に設けられる右ラック5036a及び左ラック5036bと、右ラック5036a及び左ラック5036bとそれぞれ噛み合う右ピニオン5037a及び左ピニオン5037bとを有する。囲いオーラ部材5036は、駆動手段(図示省略)によって右ピニオン5037aが正面視反時計回りに回転され、左ピニオン5037bが正面視時計回りに回転され、両ピニオンも噛み合うことで、回転力がラック右ラック5036a及び左ラック5036bの上方向の直線運動に変換され、図284(B)に示すように、囲いオーラ部材5036が刀身部5011と合体して第二抜刀状態を形成する位置で停止する。このときのオーラ部材5035は、囲いオーラ部材5036が可動域上限まで可動(最大動作)している完全出現状態となる。
また、図示は省略しているが、刀身部5011には複数のLEDを有するLED基板が内包されており、刀身部5011及びオーラ部材5035を発光装飾させることが可能である。
なお、ここでは、オーラ部材5035の動作タイミングについて刀装飾体5001(刀部5010)の状態変化(納刀状態⇔第一抜刀状態⇔第二抜刀状態)に応じて相対位置関係を保ちながら刀身部5011と合体する例を示したが、これに限らない。オーラ部材5035は、刀装飾体5001が第二抜刀状態になってから動作(合体)を開始してもよい。第二抜刀状態となった刀装飾体5001が操作手段として機能するまでに設定された演出パターンに基づく最終態様(最大動作して成る完全出現状態に限らず、途中で動作を止めて成る途中出現状態のオーラ部材付き形態を含む)になることができればよい。また、オーラ部材5035は、納刀状態から第一抜刀状態において遊技者から視認されないように刀身部5011と合体すればよい。
(刀装飾体を用いた抜刀演出例)
続いて、図285〜図290を参照して、刀演出操作ユニット5000(刀装飾体5001)を用いた抜刀演出について説明する。以下では、リーチ演出において抜刀準備移行演出が実行される場合(図中(X1)〜(X5))であって、抜刀本演出は実行されない演出パターン(図中(X6)及び(X7))と、抜刀本演出が実行される演出パターン(図中(A1)〜(D2))について、演出表示装置1600の画面遷移及び刀装飾体5001の動作遷移を説明する。図285〜図289は、抜刀演出の演出遷移図である。図290は、刀装飾体5001の状態変化タイミングと操作手段に係る操作有効期間との関係を示すタイミングチャートである。
リーチ演出は、まず、演出表示装置1600の表示領域において変動表示されていた左側装飾図柄及び右側装飾図柄が同一図柄(ここでは「7」)で停止表示され、中央装飾図柄のみが変動表示されるリーチ状態を形成して始まる(図285(X1))。続いて、リーチ状態の装飾図柄が表示領域の右上方に縮小表示され、中央の表示領域では、抜刀演出(刀装飾体5001の可動)の実行を示唆する演出画像が表示される。具体的には、2人の武士が向き合い、居合を開始する画像(図285(X2))が表示された後、一方の武士が柄を握って鞘に納まったままの刀を構える画像(図285(X3))が表示される。
ここでは、演出表示装置1600の表示領域における画像によって、刀装飾体5001が可動することを示唆する演出が行われる。この間、刀演出操作ユニット5000の刀装飾体5001は、納刀状態(図281(A))を維持している。
次に、周辺制御基板1510に送信される変動パターンの種類に基づく抽選によって抜刀準備移行演出が実行される場合には、図286(X4)及び(X5)に示すように、抜刀準備移行演出が開始されると、演出表示装置1600の表示領域では、前述の画像で刀を構えた武士の目を閉じた顔が表示され、時間経過とともに目元が拡大表示される。このとき、刀装飾体5001が納刀状態から第一抜刀状態に変化することで抜刀準備移行演出が行われる。なお、抜刀準備移行演出が行われると、行われない場合に比べて、その後抜刀本演出が実行されやすい。したがって、抜刀準備移行演出は、抜刀本演出が実行される期待度を刀装飾体5001の可動によって示す期待度演出とも言える。抜刀準備移行演出では、第一抜刀状態となった刀装飾体5001を上下に揺動させることで、遊技者に刀装飾体5001がさらに第二抜刀状態へと変化する期待を煽るようにしてもよい。なお、第一抜刀状態における刀装飾体5001の上下揺動は、オーラ部材付き形態である場合にオーラ部材5030(5035)が遊技者から視認されない程度に行われる。一方、抜刀準備移行演出が実行されない場合には、刀装飾体5001は納刀状態を維持し、前述の図285(X3)に示す画像が表示され続けるようにすればよい。
ここで、その後の抜刀本演出における刀装飾体5001がオーラ部材付き形態である場合には、この抜刀準備移行演出のタイミングにおいて、オーラ部材5030が鞘部5020の内部で閉状態(図282(A))から開状態(図282(B))に可動域を可能な限り動作(最大動作)し、刀身部5011を変形させている。このとき、第一抜刀状態における刀装飾体5011は、刀身部5011の手元からハバキ5011aの部分までが遊技者から視認可能となるが、前述したようにオーラ部材5030は刀身部5011のハバキ5011aの下方に設けられるので、オーラ部材5030が最大動作してもオーラ部材5030を遊技者に視認される恐れがない。さらには、オーラ部材5030は、刀装飾体5001が第一抜刀状態から第二抜刀状態に変化するタイミングとほぼ同時のタイミングで遊技者に視認可能となるように構成されている。したがって、第二抜刀状態となった刀装飾体5001は、遊技者による納刀操作を受け付け可能な操作手段として機能すると同時に、遊技者が操作する操作部(刀部5010)の形態によって期待度を示唆することが可能である。
そして、抜刀準備移行演出が終了した後、変動パターンの種類と抜刀準備移行演出の有無に基づく抽選によって抜刀本演出が実行されない場合には、演出表示装置1600の表示領域において、目元が拡大表示された武士の額に汗が滲み(図286(X6))、変動表示されていた中央装飾図柄が停止表示されるタイミングで武士が居合を断念する画像とともに画面中央にて中央装飾図柄が左側装飾図柄及び右側装飾図柄とは異なる停止態様、すなわちはずれ態様(ここでは「6」)で停止表示される(図286(X7))。このとき、刀装飾体5001は、図286(X6)の時点で第一抜刀状態から納刀状態に状態を戻され、納刀状態を維持する。すなわち、刀装飾体5001が操作手段として機能することなくリーチ演出が終了される。
一方、抜刀本演出が実行される場合には、抜刀準備移行演出が終了した後、演出表示装置1600の表示領域において居合斬りが行われる画像が表示されるとともに、刀装飾体5001が第二抜刀状態となる。ここで、第二抜刀状態となった刀装飾体5001の形態には、オーラ部材5030によって刀身部5011を変形させた形態にて視認可能となるオーラ部材付き形態と、オーラ部材5030は視認不能で変形していない刀身部5011を視認可能なオーラ部材なし形態とが設けられる。
まず、図287及び図288を参照して、第二抜刀状態となる刀装飾体5001がオーラ部材なし形態である場合について説明する。抜刀本演出が始まると、演出表示装置1600の表示領域では、前述の図286(X5)の目を閉じた武士の目元拡大画像から、武士が目を開け眼光が鋭くなる画像が表示され(図287(A1))、構えていた刀を抜刀して相手の武士を斬る画像が表示される(図287(A2))。このとき、刀装飾体5001は、図287(A1)の時点で第一抜刀状態から第二抜刀状態に変化し、刀身部5011が遊技者から視認可能となる。
次いで、刀装飾体5001が第二抜刀状態になって所定期間が経過すると、刀装飾体5001を、遊技者による納刀操作、すなわち遊技者が鞘部5020から飛び出た刀部5010の柄部5012を握って刀身部5011が鞘部5020に納まるよう下方に押し込む動作を受付可能な操作手段として機能させるべく、刀装飾体5001の納刀操作を有効検出する操作有効期間が発生する。このとき、演出表示装置1600の表示領域では、刀装飾体5001の納刀操作を促す操作促進演出が行われる。具体的には、刀装飾体5001の第二抜刀状態と同じ形態の刀が表示され、「刀を納めろ!」のメッセージとともに操作方向及び操作有効期間を示す画像が表示される(図287(A3))。なお、刀装飾体5001は、操作有効期間中であることを示すために内部のLED基板5011cのLEDが点滅発光される。また、操作促進演出における画像は、一連の居合に関連する画像であることが好ましく、直前の居合斬りシーン画像(図287(A2))に重ねて操作演出画像が前面に表示されるようにしてもよい(後述の図293(G2)参照)。
そして、操作有効期間中に遊技者が刀装飾体5001の柄部5012を掴んで刀身部5011を鞘部5020に納める納刀操作を行い、刀装飾体5001が納刀状態になると、遊技者にとって有利な結果となる期待度に応じた操作後演出が行われ、図柄種別の当落通知とともに演出が終了される(図288)。具体的には、図柄種別が大当りである場合、演出表示装置1600の表示領域では、斬ったエフェクト画像が派手に表示され(図288(C1))、変動表示されていた中央装飾図柄が停止表示されるタイミングで相手の武士を倒して居合の決着がついた画像とともに画面中央にて中央装飾図柄が左側装飾図柄及び右側装飾図柄と同じ停止態様、すなわち大当り態様(ここでは「7」)で停止表示される(図288(C2))。一方、図柄種別がはずれである場合、演出表示装置1600の表示領域では、斬ったエフェクト画像が大当りの場合よりも地味に表示され(図288(D1))、変動表示されていた中央装飾図柄が停止表示されるタイミングで相手の武士を倒せず居合の決着がつかない画像とともに画面中央にて中央装飾図柄が左側装飾図柄及び右側装飾図柄と異なる停止態様、すなわちはずれ態様(ここでは「6」)で停止表示される(図288(D2))。
次に、図289を参照して、第二抜刀状態となる刀装飾体5001がオーラ部材付き形態である場合について説明する。抜刀本演出が始まると、演出表示装置1600の表示領域では、前述の図286(X5)の目を閉じた武士の目元拡大画像から、武士が目を開け眼光が鋭くなる画像が表示され(図289(B1))、構えていた刀を抜刀して相手の武士を斬る画像が表示される(図289(B2))。このとき、刀装飾体5001は、図289(B1)の時点で第一抜刀状態から第二抜刀状態に変化し、オーラ部材5030(右オーラ部材5031及び左オーラ部材5032)によって変形した刀身部5011が遊技者から視認可能となる。なお、ここでは第一抜刀状態から第二抜刀状態に状態変化する時点でオーラ部材5030によって刀身部5011がすでに変形しているが、これに限らない。まずは、刀身部5011のみ遊技者から視認可能に第二抜刀状態となった後にオーラ部材5030が閉状態から開状態となって刀身部5011を変形させてオーラ部材付き形態を形成するようにしてもよく、操作有効期間が開始されるまでに刀装飾体5001が第二抜刀状態にてオーラ部材付き形態になっていればよい。但し、既に刀装飾体5001は遊技者が納刀操作可能な第二抜刀状態になっているので、オーラ部材5030の出現により期待度の変化を確実認識させることができる一方で、オーラ部材5030の動作に時間を要していると、遊技者による誤操作を誘発させる懸念がある。したがって、本例のように第一抜刀状態から第二抜刀状態への一連の可動が行われる中でオーラ部材5030を遊技者に認識可能にさせ、刀装飾体5001が第二抜刀状態になったら速やかに操作有効期間が開始されるようにするのが好ましい。
また、図289(B1)及び(B2)の画像は前述の図287(A1)及び(A2)の画像と同じであり、遊技者は画像を見るだけでは刀装飾体5001がオーラ部材付き形態か否かの判断ができないようにしている。遊技者は実際に刀装飾体5001を見ることで、オーラ部材付き形態及びオーラ部材なし形態のどちらであるかを把握可能である。これにより、刀装飾体5001を操作手段として機能させる以前から刀装飾体5001に注目させることができ、遊技者は操作手段としての刀装飾体5001を認識し易くなり、戸惑い無く操作演出を楽しむことができる。なお、このとき演出表示装置1600に表示される画像は、前述のように同一である必要はなく、遊技者に刀装飾体5001を見るように仕向けることができる程度に似通った画像であればよい。例えば、武士画像の一部の違い(目の色やエフェクト効果の違い)があってもよい。
そして、遊技者による刀装飾体5001の操作が有効な操作有効期間となると、演出表示装置1600の表示領域で行われる操作促進演出における刀の画像は、刀装飾体5001と同じオーラ部材付き形態で表示されることになる(図289(B3))。その後の演出は、前述の図288と同様であるので、説明は省略する。なお、オーラ部材付き形態の場合は、前述の図288(C1)及び(D1)におけるエフェクト画像がオーラ部材なし形態に比べて派手に表示されるようにしてもよい。
続いて、図290を参照して、抜刀準備移行演出及び抜刀本演出が行われる抜刀演出における刀装飾体5001の状態変化タイミングと操作有効期間の関係について説明する。
図290に示すように、リーチ演出が開始されると(時刻t0)、演出表示装置1600の表示領域では居合演出が開始され、まずは抜刀準備移行演出として刀装飾体5001が納刀状態から第一抜刀状態へと状態変化する(時刻t1)。このとき、オーラ部材付き形態となる演出パターンが設定されている場合は、オーラ部材5030が閉状態から開状態となっているが、開状態となっても第一抜刀状態ではオーラ部材5030が遊技者から視認不能となるように設けられている。したがって、第一抜刀状態の段階で遊技者は、刀装飾体5001がさらに第二抜刀状態に変化するのか否か、変化する場合に刀装飾体5001はオーラ部材付き形態なのか否か、把握することができない。しかし、抜刀準備移行演出が実行されると抜刀本演出が実行され、さらにオーラ部材付き形態となる可能性が高くなるので、遊技者の期待感を高めることができる。また、抜刀本演出が実行されない場合であっても、抜刀準備移行演出の開始前に演出表示装置1600にて刀可動示唆演出(図285(X3))が実行されるので、遊技者に刀可動示唆演出に対応する可動体演出として刀装飾体5001の納刀状態から第一抜刀状態への状態変化(可動)を捉えさせることができる。
そして、抜刀準備移行演出が終わると、続いて抜刀本演出が開始され、刀装飾体5001が第一抜刀状態から第二抜刀状態へと変化する(時刻t2)。その後、所定期間経過したのちに操作有効期間が開始され、刀装飾体5001が操作手段として機能する(時刻t3)。操作有効期間になると演出表示装置1600の表示領域では、一連の居合演出に関連する刀を用いた操作促進演出が行われる。そして、操作有効期間中に遊技者による納刀操作が検出されると(時刻tx)、操作後演出が行われる。このとき、刀装飾体5001は、遊技者による納刀操作によって第二抜刀状態から納刀状態に戻る。そして、予め設定されていた操作有効期間が終了するとともにリーチ状態が終了し(時刻t4)、演出表示装置1600の表示領域にて図柄種別が報知されることで一連の居合演出が終了される(時刻t5)。なお、操作有効期間は、図中一点鎖線で示すように、遊技者による操作の検出により終了してもよい。また、操作有効期間中に操作が検出されない場合には、操作有効期間終了とともに刀装飾体5001は第二抜刀状態から納刀状態へと自動的に戻される。
ここで、刀装飾体5001が第二抜刀状態になってから操作有効期間が始まるまでの所定期間(時刻t3−t2)は、遊技者が刀装飾体5001の第二抜刀状態における態様(オーラ部材付き形態か否か、発光態様等)を確認することができる態様確認期間として、操作有効期間(時刻t4−t3)よりも長い期間を確保している。すなわち、遊技者により操作可能な操作部(刀部5010)が操作手段として機能する操作位置(第二抜刀状態)になっても、すぐに操作受け付けを開始する(操作有効期間を発生させる)のではなく、遊技者が操作位置における操作部の最終態様を確認してから操作できるようにしている。これにより、遊技者は刀装飾体5001を操作する前に最終態様を確認し、その後の展開に期待感を膨らませたり(例えば、オーラ部材付き形態の場合は期待感が高まる)、心の準備をしたりすることができるので、第二抜刀状態になった途端に操作有効期間が始まって操作手段の態様を確認できないまま慌しく操作演出に移行してしまうことによって遊技の興趣が低下する懸念を払拭することができる。
また、刀装飾体5001の抜刀演出は、演出表示装置1600の表示領域にて行われる一連の居合演出の中で行われ、刀装飾体5001の可動体としての可動演出(時刻t0〜t3)と操作手段としての操作演出(時刻t3〜t4)とを関連した演出とする。これにより、遊技者に刀装飾体5001の機能の切り替えに意外性や演出の多様性を印象付けることができるので、従来の操作手段による画一的な演出が招く遊技興趣の低下を抑制することができる。
なお、前述の演出例はオーラ部材5030が刀部5010(刀身部5011)自体に設けられ、オーラ部材5030によって刀身部5011が変形する場合について説明したが、オーラ部材5035が扉枠3の鞘部5020に設けられ、刀部5010が枠側の部材(オーラ部材5035)と合体して一体的な装飾体となる場合についても同様である。
このように、本例の刀装飾体5001は、外観が一般的な装飾可動体と同系統の部材(刀部5010やオーラ部材5030)の態様が変化(変形や合体)可能な操作手段を構成している。そして、刀装飾体5001の態様(納刀状態、第一抜刀状態、第二抜刀状態、オーラ部材なし形態及びオーラ部材あり形態)は、一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に基づいて決定される(図280参照)。したがって、刀装飾体5001は、自身の態様の変化によって変動表示が遊技者にとって有利な結果となる期待度を示唆することができ、遊技者の操作手段(刀装飾体5001)への関心を高めることができるので、遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、刀装飾体5001が遊技者による操作可能な第二抜刀状態(操作位置)となる前に、刀装飾体5001を納刀状態から第一抜刀状態への状態変化させることで期待度を示唆している。また、第一抜刀状態から第二抜刀状態への状態変化においてオーラ部材5030、5035を出現させることで期待度を示唆している。このように、本例の刀装飾体5001は、納刀状態から第二抜刀状態(操作位置)に変化する過程で期待示唆態様(第一抜刀状態やオーラ部材の出現)に変化していくので、遊技者は操作手段が操作可能な状態になるまで操作手段に対して強い関心を抱くようになる。また、操作手段の状態変化と期待度示唆が別々に行われる場合に、具体的には、先行して期待度示唆が行われた後に操作位置への動作が行われる場合に、期待度が高い態様になると遊技者が把握した時点でまだ操作手段が操作可能な操作位置になっていないにも関わらず遊技者が操作してしまう誤操作が懸念されるが、本例の刀装飾体5001は操作位置への状態変化と期待度示唆が同時進行されるので、上述のような誤操作を未然防止することができる。
なお、前述の第一抜刀状態では、オーラ部材5030(5035)を遊技者が視認することができないように刀身部5011のハバキ5011a部分のみを鞘部5012から抜き出した状態を示していたが、第一抜刀状態においてオーラ部材5030(5035)の一部を視認可能にしてもよい。このとき、第一抜刀状態における抜刀量が第二抜刀状態(操作位置)の最大抜刀量に満たないようにする。ここで、オーラ部材5030(5035)は第二抜刀状態になったときに完全出現状態となる。第一抜刀状態から期待度が高いことを示すオーラ部材5030(5035)の一部を遊技者が視認可能となるので、遊技者に第一抜刀状態の時点でより高い期待感を抱かせるとともに、その後の変化への関心を高めることができる。
また、第一抜刀状態においてオーラ部材5030(5035)の一部を遊技者が視認可能となる場合には、抜刀準備移行演出の段階でオーラ部材付き形態であること(期待度が高いこと)を遊技者が把握するができ、大きな期待を寄せるので、その後の展開で抜刀本演出が実行されなかったときの落胆は非常に大きくなる。よって、抜刀準備移行演出が行われるときは抜刀本演出の有無により遊技者の心情を大きく揺さぶることになり、遊技興趣の高い演出を提供することができる。
(変形例1-操作ボタンを用いた抜刀演出)
以下では、図291〜図294を参照して、リーチ演出において抜刀演出が実行される場合であって、抜刀演出における刀装飾体5001の抜刀動作を、遊技者による操作ボタン410の押圧操作を契機とする場合について説明する。図291〜図293は、変形例1の抜刀演出の演出遷移図の例である。図294は、変形例1の刀装飾体5001の状態変化タイミングと操作手段の操作タイミングとの関係を示すタイミングチャートである。
なお、前述の抜刀演出(図285〜図290)と同様の説明は適宜省略する。
ここでは、抜刀準備移行演出が行われることも抜刀本演出が行われることもない演出パターン(図中(Y1)〜(Y3)→(E1)及び(E2))と、抜刀準備移行演出実行後に抜刀本演出が行われる演出パターン(図中(Y1)〜(Y3)→(F1)〜(F3)→(G1)〜(G4))について、演出表示装置1600の画面遷移、操作ボタン410の状態遷移及び刀装飾体5001の動作遷移を説明する。
リーチ演出が開始されると、演出表示装置1600の表示領域では、居合演出が開始され(図291(Y1))、エフェクトが付加された操作ボタン画像の表示により操作ボタン410の操作を示唆する演出が行われる(図291(Y2))。そして、操作ボタン410の操作有効期間が開始されると、操作対象となる操作ボタンの画像表示と操作有効期間のゲージ表示を行い、遊技者に操作を促す操作促進演出が行われる(図291(Y3)。このとき、操作対象となる操作ボタン410は発光されており、画像表示の操作ボタンも同様の発光態様で表示される。このため、遊技者は容易に操作ボタン410の操作演出が行われることを察知することができる。なお、操作ボタン410の発光は、遊技者による操作が検出されると終了される。
抜刀準備移行演出及び抜刀本演出が行われず、はずれ結果となる場合には、遊技者による操作ボタン410への押圧操作が検出されると、演出表示装置1600の表示領域では、リーチ演出を終えてはずれ結果(「767」)を報知する画像が表示され(図292(E1)及び(E2))、演出が終了される。このとき、刀装飾体5001及び操作ボタン410に変化はない。
また、抜刀準備移行演出実行後に抜刀本演出が行われる場合には、遊技者による操作ボタン410への押圧操作が検出されると、刀装飾体5001が納刀状態から第一抜刀状態に変化する抜刀準備移行演出が行われる(図292(F1)及び(F2))。このとき演出表示装置1600の表示領域では、ブラックアウト画面に「天誅」の白文字が表示され(図292(F1))、まさに味方の武士が刀に手をかけようとする画像が表示される(図292(F2))。次いで、刀装飾体5001が第一抜刀状態から第二抜刀状態(オーラ部材付き形態)に変化する抜刀本演出が開始される(図292(F3)、図293(G2)及び(G2))。このとき演出表示装置1600の表示領域では、刀装飾体5001が抜刀本演出によって第一抜刀状態から第二抜刀状態(オーラ部材付き形態)となったときに、直前の図292(F2)及び直後の図293(G1)の武士の居合画像とは異なり、図292(F3)に示すようなブラックアウト画面に稲妻が走る画像が割り込み表示され、刀装飾体5001の態様(オーラ部材付き形態か否か)とともに稲妻の強弱によって居合に勝利する(当りとなる)期待度が示される。
その後の演出は、前述の図287(A2)、(A3)及び図288と同様であり、刀装飾体5001が第二抜刀状態となって所定期間が経過すると、刀装飾体5001を、遊技者の操作を有効に受付可能な操作手段として機能させるべく、刀装飾体5001の納刀操作を有効検出する操作有効期間が発生する。そして、遊技者に操作有効期間内の納刀操作を促し(図293(G2))、遊技者による納刀操作によって図柄種別(当り、はずれ)の報知が行われる(図293(G3)又は(G4))。
続いて、図294に示すタイミングチャートを参照して、遊技者による操作ボタン410及び刀装飾体5001の操作と刀装飾体5001の状態変化について説明する。変形例1では、遊技者による操作ボタン410の操作が刀装飾体5001の状態変化を開始させる点に特徴がある。リーチ演出が開始されると(時刻t0)、早い段階で操作ボタン410の操作有効期間が発生し、遊技者に操作ボタン410の操作を促す操作促進演出が行われる(時刻t1)。そして、操作ボタン410の操作有効期間内(時刻t1〜t2)に遊技者が操作すると(時刻ty)、刀装飾体5001が状態変化を開始し、まずは納刀状態から第一抜刀状態になる。ここで、第一抜刀状態では遊技者はオーラ部材5030が出現するのか否か(オーラ部材5030によって刀身部5011が変形されるのか否か)判断できない。その後、刀装飾体5001は、第一抜刀状態から第二抜刀状態に変化し(時刻t2)、所定時間経過したのちに今度は刀装飾体5001を操作手段として機能させるべく刀装飾体5001の操作有効期間が発生し、遊技者に刀装飾体5001の操作を促す操作促進演出が行われ(時刻t3)、刀装飾体5001の操作有効期間内(時刻t3〜t4)に遊技者が操作すると(時刻tx)、リーチ状態の装飾図柄が停止して結果が報知されて演出が終了される(時刻t5)。なお、予め設定される操作ボタン410の操作有効期間内(時刻t1〜t2)に遊技者による操作ボタン410の操作が検出されない場合には、操作有効期間終了とともに刀装飾体5001が最終形態(第二抜刀状態のオーラ部材付き形態)に一気に変形及び状態変化するようにしてもよい。また、第一抜刀状態から第二抜刀状態への状態変化タイミングは、遊技者の操作ボタン410の操作に応じて、すなわち第一抜刀状態になって一定時間経過後に第二抜刀状態に変化するようにしてもよい。また、予め設定される刀装飾体5001の操作有効期間内(時刻t3〜t4)に遊技者による刀装飾体5001の操作が検出されない場合には、操作有効期間終了とともに刀装飾体5001は第二抜刀状態から納刀状態へと戻される。
変形例1では、刀装飾体5001の状態変化タイミングが遊技者による操作ボタン410又は刀装飾体5001の操作によって決まる。刀装飾体5001の抜刀動作開始タイミングは操作ボタン410の操作によって決まり(時刻ty)、刀装飾体5001の納刀動作開始タイミングは刀装飾体5001の操作によって決まる(時刻tx)。このように操作ボタン410及び刀装飾体5001のどちらの操作手段を操作対象とするかに応じて刀装飾体5001の可動が間逆(抜刀動作と納刀動作)となるので、互いの操作有効期間(時刻t1〜t2と時刻t3〜t4)が重複しないように設けられる。したがって、一方の操作手段の操作有効期間中に他方の操作手段を操作しても無効になる。
このように、変形例1では、遊技者による操作ボタン410の操作に基づいて刀装飾体5001の状態変化が開始される。したがって、遊技者による操作ボタン410の操作によって、刀装飾体5001が操作手段として機能するときの形態(最終形態)が決定される(例えば刀装飾体5001を変形及び状態変化させてオーラ部材付き形態の第二抜刀状態にする)ように見せることができる。これにより、操作ボタン410の操作価値をより高めることができ、遊技者の操作意欲を高めることができる。
また、遊技者による操作ボタン410の操作に基づき、演出表示装置1600の表示領域では、刀装飾体5001の変形及び状態変化に対応させた演出画像(図292(F1)〜(F3)→図293(G1)及び(G2))が表示されるので、より操作ボタン410の操作価値を高めるとともに、遊技の興趣を高めることができる。
(変形例2-操作ボタンを用いた段階オーラ抜刀演出)
以下では、図295〜図299を参照して、変形例1をベースに、刀装飾体5001のオーラ部材付き形態におけるオーラ部材5035の出現度、具体的には刀身部5011に対するオーラ部材5035の合体度合い(オーラレベル)を、遊技者による操作ボタン410の操作回数に応じて変化させる場合について説明する。図295〜図299は、変形例2の抜刀演出の演出遷移図の例である。なお、前述と同様の演出については適宜説明を省略する。
ここで設けられるオーラレベルには0〜3の段階がある。オーラレベル0は、オーラ部材5035が遊技者に視認されない完全収容状態(図284(A))を示す。オーラレベル3は、オーラ部材5035が第二抜刀状態の刀身部5011に対して納刀状態における相対位置関係を保って合体していることで遊技者から最大限に視認される完全出現状態(図284(B))を示す。オーラレベル1は、完全出現状態の3分の1だけオーラ部材5035が遊技者に視認可能に出現している1/3出現状態を示す。オーラレベル2は、完全出現状態の3分の2だけオーラ部材5035が遊技者に視認可能に出現している2/3出現状態を示す。
ここでは、抜刀準備移行演出が行われることも抜刀本演出が行われることもない演出パターン(図中(Z1)〜(Z3)→(H1)及び(H2))と、抜刀準備移行演出はないが抜刀本演出が行われる場合であって、1回の操作ボタン410の操作で刀装飾体5001が最終形態(完全出現状態(オーラレベル3)のオーラ部材付き形態)となる演出パターン(図中(Z1)〜(Z3)→(I1)及び(I2)→(G1)〜(G4))と、複数回の操作ボタン410の操作が要求され、刀装飾体5001のオーラレベルが段階的に変化する演出パターン(図中(Z1)〜(Z3)→(J1)〜(I2)→(G1)〜(G4))について、演出表示装置1600の画面遷移、操作ボタン410の状態遷移及び刀装飾体5001の動作遷移を説明する。
前述の変形例1では、一度の操作ボタン410の操作によって刀装飾体5001の最終形態(操作時の形態)が判明するが、変形例2では、複数回の操作ボタン410の操作によって段階的にオーラ部材5035を刀身部5011に合体させて刀装飾体5001のオーラレベルを変化させる段階操作演出が行われることを特徴とする。
まず、抜刀準備移行演出が行われることも抜刀本演出が行われることもない、すなわち操作ボタン410を操作しても刀装飾体5001が状態変化しない演出パターンでは、前述の変形例1の図291(Y1)〜(Y3)→図292(E1)(E2)と同じ演出遷移を辿る(図295(Z1)〜(Z3)→図296(H1)及び(H2))。
また、抜刀準備移行演出はないが抜刀本演出が行われる場合であって、1回の操作ボタン410の操作で刀装飾体5001が最終形態(完全出現状態(オーラレベル3)のオーラ部材付き形態)となる演出パターンでは、前述の変形例1の図291(Y1)〜(Y3)と同じ演出の後(図295(Z1)〜(Z3))、遊技者による操作ボタン410の操作が検出されると、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態へと状態変化する。このとき、刀装飾体5001のオーラ部材5035は、納刀状態における刀身部5011との相対位置関係を保ちながら刀身部5011と合体しており、刀装飾体5001が第二抜刀状態になると完全出現状態(オーラレベル3)となる(図296(I1))。前述の変形例1の刀装飾体5001のオーラ部材付き形態がオーラ部材5030で構成され、変形例2ではオーラ部材5035で構成される点は異なるが、その他の演出は、前述の変形例1の図292(F1)(F2)→図293と同様の演出遷移を辿る(図296(I1)(I2)→図293(G1)〜(G4))。
また、抜刀準備移行演出はないが抜刀本演出が行われる場合であって、複数回の操作ボタン410の操作が要求され、刀装飾体5001のオーラレベルが段階的に変化する演出パターンでは、1回目の操作ボタン410の操作まではこれまでと同様の演出遷移を辿るが(図295(Z1)〜(Z3))、1回目操作後の刀装飾体5001は、納刀状態から第二抜刀状態に状態変化するが、オーラ部材5035が遊技者に視認されない完全収容状態(オーラレベル0)である。このときの演出表示装置1600の表示領域に表示される画像は、前述の図296(I1)と同じ画像である(図297(J1))。
次いで、2回目の操作ボタン410の操作演出が開始される。操作ボタン410の操作有効期間が始まると、演出表示装置1600の表示領域に遊技者による操作ボタン410の操作を促す操作促進画像が表示され、操作対象の操作ボタン410が発光装飾される操作促進演出が行われる(図297(J2))。そして、遊技者による操作ボタン410の操作が検出されると、予め設定されるオーラレベル0〜3に応じて次の演出が行われる。
まず、設定されるオーラレベルが「0」の場合(すなわち、オーラ部材なし形態の場合)は、遊技者による操作ボタン410の操作が検出されてもオーラ部材5035は完全収容状態を維持し、演出表示装置1600の表示領域では段階操作演出を終了(これ以降、操作ボタン410の操作要求なし)し、第二抜刀状態の刀装飾体5001に対応する抜刀演出(居合演出)に戻ることを報知する画像(ここでは、ブラックアウト画面に「いざ」の白文字)が表示される(図297(J3))。その後、刀装飾体5001はオーラ部材なし形態で、オーラレベル0に応じた演出態様(色や音など)にて前述の変形例1の図292(F2)→図293と同様の演出遷移を辿る(図297(J4)→図293(G1)〜(G4))。
一方、設定されるオーラレベルが「1」〜「3」のいずれかの場合は、遊技者による操作ボタン410の操作が検出されると、オーラ部材5035が完全収容状態から1/3出現状態となる。そして、演出表示装置1600の表示領域では、オーラレベル1を示す画像が表示される(図297(J5))。このとき刀装飾体5001は、オーラレベル1を示す緑色に発光装飾される。
次いで、3回目の操作ボタン410の操作演出が開始される。操作ボタン410の操作有効期間が始まると、演出表示装置1600の表示領域に遊技者による操作ボタン410の操作を促す操作促進画像が表示され、操作対象の操作ボタン410が発光装飾される操作促進演出が行われる。このとき、演出表示装置1600の表示領域には、オーラレベル1を示す画像が表示される(図298(K1))。このときの操作ボタン410の発光色は、オーラレベル1を示す緑色にしてもよい。そして、遊技者による操作ボタン410の操作が検出されると、予め設定されるオーラレベルに応じて次の演出が行われる。
オーラレベルが「1」の場合は、遊技者による操作ボタン410の操作が検出されてもオーラ部材5035は1/3出現状態を維持し、演出表示装置1600の表示領域では段階操作演出を終了(これ以降、操作ボタン410の操作要求なし)し、第二抜刀状態の刀装飾体5001に対応する抜刀演出(居合演出)に戻ることを報知する画像(ここでは、ブラックアウト画面に「いざ」の白文字)が表示されるとともに、オーラレベル1を示す画像が表示される(図298(K2))。その後、刀装飾体5001は1/3出現状態のオーラ部材付き形態で、オーラレベル1に応じた演出態様(色や音など)にて前述の変形例1の図292(F2)→図293と同様の演出遷移を辿る(図298(K3)→図293(G1)〜(G4))。このとき、演出表示装置1600の表示領域には、常にオーラレベル1を示す画像が表示される。
オーラレベルが「2」又は「3」の場合は、遊技者による操作ボタン410の操作が検出されると、オーラ部材5035が1/3出現状態から2/3出現状態となる。そして、演出表示装置1600の表示領域では、オーラレベル2を示す画像が表示される(図298(K4))。このとき刀装飾体5001は、オーラレベル2を示す赤色に発光装飾される。
次いで、4回目の操作ボタン410の操作演出が開始される。操作ボタン410の操作有効期間が始まると、オーラレベル2を示す画像とともに演出表示装置1600の表示領域に遊技者による操作ボタン410の操作を促す操作促進画像が表示され、操作対象の操作ボタン410が発光装飾される操作促進演出が行われる(図298(K5))。このときの操作ボタン410の発光色は、オーラレベル2を示す赤色にしてもよい。そして、遊技者による操作ボタン410の操作が検出されると、予め設定されるオーラレベルに応じて次の演出が行われる。
オーラレベルが「2」の場合には、遊技者による操作ボタン410の操作が検出されてもオーラ部材5035は2/3出現状態を維持し、演出表示装置1600の表示領域では段階操作演出を終了(これ以降、操作ボタン410の操作要求なし)し、第二抜刀状態の刀装飾体5001に対応する抜刀演出(居合演出)に戻ることを報知する画像(ここでは、ブラックアウト画面に「いざ」の白文字)が表示されるとともに、オーラレベルを示す画像が表示される(図299(M1))。その後、刀装飾体5001は2/3出現状態のオーラ部材付き形態で、オーラレベル2に応じた演出態様(色や音など)にて前述の変形例1の図292(F2)→図293と同様の演出遷移を辿る(図299(M1)→図293(G1)〜(G4))。このとき、演出表示装置1600の表示領域には、常にオーラレベル2を示す画像が表示される。
オーラレベルが「3」の場合には、遊技者による操作ボタン410の操作が検出されると、オーラ部材5035が2/3出現状態から完全出現状態となる。そして、演出表示装置1600の表示領域では、オーラレベル3(MAX)を示す画像が表示される(図299(L1))。このとき刀装飾体5001は、オーラレベル3を示す虹色に発光装飾される。続いて、演出表示装置1600の表示領域では、段階操作演出を終了(これ以降、操作ボタン410の操作要求なし)し、第二抜刀状態の刀装飾体5001に対応する抜刀演出(居合演出)に戻ることを報知する画像(ここでは、ブラックアウト画面に「いざ」の白文字)が表示されるとともに、オーラレベル3を示す画像が表示される(図299(L2))。その後、刀装飾体5001は完全出現状態のオーラ部材付き形態で、オーラレベル3に応じた演出態様(色や音など)にて前述の変形例1の図292(F2)→図293と同様の演出遷移を辿る(図299(L3)→図293(G1)〜(G4))。このとき、演出表示装置1600の表示領域には、常にオーラレベル3を示す画像が表示される。
なお、前述では、オーラレベルが上がる操作タイミングでオーラ部材5035の刀身部5011との合体度合を都度変化させて遊技者から視認される範囲を広げている(出現度を上げている)が、これに限らない。オーラレベルが上がってもオーラ部材5035の出現度を上げることなく、オーラレベルが確定したときに(具体的には、ブラックアウト画面に「いざ」の白文字が表示されるときに)確定したオーラレベルに応じた出現度になるよう一気にオーラ部材5035を刀身部5011に合体させるストックタイプの合体を行うようにしてもよい。また、段階的に出現度を上げる対象はオーラ部材5035に限らず、刀部5010(刀身部5011)を対象としてもよい。例えば、刀部5010(刀身部5011)を第一抜刀状態から段階的に状態変化させて第二抜刀状態になるようにしてもよい。
このように、変形例2では、操作手段として機能する刀装飾体5001が可動状態にある最中にあえて他方の可動していない操作ボタン410の操作を遊技者に要求するので、意外性ある斬新な操作演出を提供することができ、変形例1よりもさらに遊技の興趣を高めることができる。また、複数の操作機会を遊技者に与えて段階的に演出を発展させていくので、遊技者に演出への多大な関与を印象付けることができるとともに、演出への関心が途切れるのを防止することができる。また、確定したオーラレベルはその後の演出でも認識可能に報知されるので、遊技者は操作演出の余韻を感じることができる。
(刀装飾体5001を用いる他の演出パターン1)
続いて、図300〜図302を参照して、前述の刀装飾体5001を用いる他のリーチ演出について説明する。図300〜図302は、姫リーチ演出における演出表示装置1600の画面遷移及び刀装飾体5001の動作遷移を説明する図である。ここでは、前述の刀装飾体5001と主に以下の点が異なる。第一に、納刀状態の刀装飾体5001が操作手段として機能し、遊技者による抜刀操作を操作検出する。第二に、扉枠3に設けられる鞘部5020は、正面視左右方向に可動することができるように構成されており、第二抜刀状態となった刀装飾体5001は、演出表示装置1600の前面中央まで動作可能である。
変動中の図柄がリーチ状態を形成すると、演出表示装置1600の表示領域では、三つの装飾図柄の変動表示がリーチ状態となり(図300(A1))、姫リーチの開始画像が表示される(図300(A2))。ここで、演出表示装置1600の表示領域の上方には、上下方向に可動させることができる特定装飾部材SDY(簾役物)が設けられている。
特定装飾部材SDYは、通常状態では正面視で演出表示装置1600の表示領域に重なることなく、表示領域の上方にて簾の一部が遊技者から視認可能な状態(初期状態)で静止されている。また、このとき刀装飾体5001は納刀状態である。
姫リーチ演出では、簾の奥に姫が向かう画像が表示されたのち(図300(A3))、操作演出を示唆する操作演出示唆画像が表示される(図300(B1))。そして、刀装飾体5001の操作演出が開始されて刀装飾体5001の操作を受け付ける操作有効期間が始まるとともに、演出表示装置1600の表示領域には、遊技者に刀装飾体5001の抜刀操作を促す操作促進画像と操作有効期間を示すゲージが表示される(図301(B2))。このとき、操作演出示唆画像が表示されてから操作促進画像と操作有効期間を示すゲージが表示されるまでの間、刀装飾体5001や特定装飾部材SDYを上下方向に小刻みに可動させるようにしてもよい。そして、遊技者による抜刀操作が検出されると、予め設定される発展パターンもしくは終了パターンに応じて演出が行われる。
遊技者による抜刀操作は、納刀状態の刀装飾体5001の柄部5012を遊技者が掴んで上方に刀部5010を持ち上げるようにして刀身部5011を鞘部5020から抜き出す動作をいう。刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態になると遊技者による抜刀操作が検出され、遊技者に検出を報知する検出報知動作が行われる。検出報知動作は、刀部5010(もしくは柄部5012)が上下運動する可動や振動等、遊技者が掴んだ柄部5012を介して自身の抜刀操作とは別の動作を感じ取れるような動作であればよい。また、検出報知動作は、操作を検出してから一定期間行われ、遊技者が柄部5012から手を離しても動作を視認することができる。このため、遊技者は視覚でも操作検出を確認することができるので、刀装飾体5001への不要な接触(検出確認のために再度掴む等)を減らし、可動体の故障や破損を防止することができる。
ここでの遊技者による抜刀操作では、オーラ部材5030(5035)は出現しないが、期待度に応じて、遊技者が抜刀操作したときにオーラ部材5030(5035)が遊技者から視認可能に出現するようにしてもよい。
終了パターンが行われる場合には、遊技者による抜刀操作が検出されると、特定装飾部材SDYは、演出表示装置1600の表示領域に重なることなく、表示領域の上方にて静止された状態(初期状態)を維持し、刀装飾体5001による操作演出の終了を示す画面が表示される(図301(C1))。そして、装飾図柄がはずれ態様「767」で停止表示される(図301(C2))。このとき、刀装飾体5001は、図301(C2)の停止結果が報知されるタイミングで納刀状態に戻されるが、これに限らず、検出報知動作を終了するタイミングで納刀状態に戻されるようにしてもよい。
一方、発展パターンが行われる場合には、遊技者による抜刀操作が検出されると、特定装飾部材SDY(簾役物)は、演出表示装置1600の表示領域と重なる前面中央(表示領域の下方の保留表示領域のみ視認可能な状態(全落下状態)に落下可動される(図301(D1))。次いで、演出表示装置1600の表示領域には姫の影が映し出される。このとき、刀装飾体5001は、第二抜刀状態を維持している(図301(D2))。なお、このときに演出表示装置1600の表示領域に映し出される姫の影の表示を複数パターン設けてもよく、例えば、影の色や影の大きさ、その後表示されるコメントを異ならせることで姫リーチによる抽選結果の期待度(当り期待度や、当りであるときの遊技利益など)を示唆するようにしてもよい。
そして、刀装飾体5001が遊技者による抜刀操作によって第二抜刀状態となってから、すなわち演出表示装置1600の表示領域に姫の影が映し出されてから所定期間が経過すると、第二抜刀状態の刀装飾体5001は、扉枠3に設けられる鞘部5020が可動されることで演出表示装置1600の表示領域の前面左右方向中央まで移動する(図301(D3))。そして、刀装飾体5001が演出表示装置1600の表示領域の前面中央位置に到達すると、特定装飾部材SDYが全落下状態から初期状態に戻り、視界良好となった演出表示装置1600の表示領域には簾を外されて驚く姫の画像が表示される(図302(D4))。その後、刀装飾体5001は、再び元の抜刀操作が行われた位置まで戻り、演出表示装置1600の表示領域では、今回の変動表示の結果が当りとなる場合に笑顔の姫とともに当りを報知する画像が表示され(図302(E1)(E2))、はずれとなる場合に悲しむ姫とともにはずれを報知する画像が表示される(図302(F1)(F2))。
なお、遊技者による抜刀操作が検出された際には、上述した通り検出報知動作を行うこととしているが、刀装飾体5001が演出表示装置1600の表示領域の前面左右方向中央まで移動する可動演出を実行する際に遊技者が掴んでいることにより移動できない場合には、「刀を離して下さい」等のアナウンスや表示が行われる。遊技者が刀装飾体5001の掴みを止めなくても演出自体は進行するが、刀装飾体5001の左右方向の可動演出タイミング(図301(D3))に刀装飾体5001が遊技者による操作が行われた位置に保持される場合には左右方向の可動演出の遅延を引き起こすことになる。しかし、刀装飾体5001の左右方向の可動演出が実行されたか否かに拘わらず演出表示装置1600の表示領域にて実行される演出及び特定装飾部材SDY(簾役物)の落下可動演出は進展するように構成されているため、遊技進行が停滞することはない。なお、刀装飾体5001は、遊技者による刀装飾体5001の保持が解除された場合に、直ちに左右方向の可動演出を行うように構成されてもよいし、可動演出を行わないように構成されてもよい。
このように、姫リーチ演出では、遊技者による刀装飾体5001の抜刀操作(上下方向動作)によって、刀装飾体5001の操作演出(操作有効)の示唆を行った特定装飾部材SDYを落下可動させるとともに、演出表示装置1600の表示領域外にて操作が行われた刀装飾体5001自体を、扉枠3に設けられる鞘部5020が可動されることで演出表示装置1600の前方方向(操作位置に対して左方向)に可動させることができる。すなわち、遊技者による抜刀操作に基づき、刀装飾体5001自体を抜刀操作が行われた操作位置とは異なる動作位置に移動させることが可能となり、遊技者の操作価値を高め、遊技者の操作意欲の減退を抑制することができる。また、遊技者による操作によって、一の操作手段が段階的に異なる態様(操作時は上下方向、操作後は左右方向)で動作可能に構成されているので、複数の可動態様を用いる演出を提供することができ、一可動態様しか持たない従来の操作手段に比べて操作手段の操作価値を高めることができる。よって、遊技興趣の低下を抑制することができる。
なお、刀装飾体5001の左右方向の可動演出は、演出表示装置1600の表示領域で行われる演出画像、及び特定装飾部材SDY(簾役物)との一体的な演出を行う目的で、演出表示装置1600の表示領域外となる操作位置から演出表示装置1600の表示領域の前方となる動作位置に変位させたが、これに限らない。例えば、演出表示装置1600の表示領域の前方に刀装飾体5001を位置させた状態で抜刀操作を行わせたのち、刀装飾体5001を可動させて演出表示装置1600の表示領域外に位置するように左方向(枠の左端)まで変位させる左右方向の可動演出を行ってもよい。また、本例の刀装飾体5001の遊技者による操作が上下方向の動作(刀部5011を下から上に引き上げる抜刀動作)となるので、操作に基づいて当該操作後に行われる刀装飾体5001の可動演出は遊技者の操作時の動作方向(ここでは上下方向)とは異なる方向(本例のように左右方向等)に刀装飾体5001が動作することが望ましい。
また、遊技者による抜刀操作が検出されたときには遊技者が操作した操作部(刀部5010)を介して遊技者に検出を報知する検出報知動作が行われるので、遊技者は操作終了タイミングを的確に判断することができる。また、検出報知動作は一定期間、遊技者が視覚でも確認できるように行われるので、検出確認のために再度操作部に触れる等の不要な接触を抑制することができる。よって、遊技者が操作を継続してしまい、その後の刀装飾体5001の可動演出が遅延してしまったり、不要な接触により可動体が破損してしまったりするのを防止することができる。さらに、検出報知動作後も刀装飾体5001への接触により可動演出が実行できない場合には、遊技者に手を離すようアナウンス等の警告が行われ、操作有効期間には操作を求められていた操作手段が検出報知動作終了後は接触すら禁止されるので、操作手段の操作価値を高めることができる。
(刀装飾体5001を用いる他の演出パターン2)
続いて、図303〜図305を参照して、前述の刀装飾体5001を用いる他のリーチ演出について説明する。図303〜図305は、多面的に使われる操作ボタン410の操作演出を含むリーチ演出における演出表示装置1600の画面遷移、操作ボタン410の状態遷移及び刀装飾体5001の動作遷移を説明する図である。ここでは、操作ボタン410の操作演出として実行中の変動が大当りとなる期待度を示唆する期待度示唆演出が行われるパターン(図中(A)(B)→N)と、操作ボタン410の操作演出として刀装飾体5001の操作演出の示唆及び展開が行われるパターン(図中(A)(B)→M)とについて説明する。
ここでのリーチ演出は、演出表示装置1600の表示領域において、三つの装飾図柄の変動表示がリーチ状態となると(図303(A))、まず、操作ボタン410の押圧操作を受け付ける操作有効期間が開始され、遊技者に操作ボタン410の押圧操作を促す操作促進演出が行われる(図303(B))。演出表示装置1600の表示領域には、操作対象となる操作手段(操作ボタン410)の画像と操作有効期間が表示され、操作対象の操作ボタン410は発光装飾される。このとき、刀装飾体5001は納刀状態を維持している。そして、遊技者による操作ボタン410への押圧操作が検出されると、予め設定される演出パターンに応じて演出が行われる。
まず、操作ボタン410の押圧操作によって期待度示唆演出が行われるパターンでは、遊技者による操作ボタン410への押圧操作が検出されると、演出表示装置1600の表示領域には、エフェクト画像が表示されたのち(図303(N1))、大当り期待度を示唆する画像が表示される(図304(N2))。その後、今回の変動表示の結果(大当り、はずれ)が報知される(図304(N3)又は(N4))。なお、実行中の変動表示に対する期待度示唆演出の代わりに先読み演出が行われてもよく、例えば、期待度を示す画像(図304(N2))の代わりに演出表示装置1600の表示領域に表示されている保留表示を変化させるキャラクタを登場させるようにしてもよい。
また、操作ボタン410の押圧操作によって刀装飾体5001の操作演出の示唆及び展開が行われるパターンでは、遊技者による操作ボタン410への押圧操作が検出されると、演出表示装置1600の表示領域には、刀装飾体5001の納刀操作を要求する操作演出が行われることを示唆するエフェクト画像が表示される図303(M1))。次いで、演出表示装置1600の表示領域に、刀装飾体5001の操作演出の開始画像(ここでは、タイトル「抜刀チャンス」及び操作説明「刀を納めて頂きたくござ候う」のメッセージ)が表示されるとともに、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に変化する。このときの刀装飾体5001は、オーラ部材5030の最大動作によって刀身部5011が変形されたオーラ部材付き形態である(図305(M2))。続いて、第二抜刀状態になって所定期間が経過し、刀装飾体5001の操作有効期間が始まると、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態で上下方向に小刻みに可動され、演出表示装置1600の表示領域には、遊技者に刀装飾体5001の納刀操作を促す操作促進画像と操作有効期間を示すゲージが表示される(図305(M3))。そして、遊技者による納刀操作が検出されると、今回の変動表示の結果に基づいた演出が行われる。
今回の変動表示の結果が大当りとなる場合には、遊技者による納刀操作が検出されると、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から全落下状態になるよう落下可動される(図305(M4))。次いで、特定装飾部材SDY(簾役物)が再び初期状態に戻されると、特定装飾部材SDY(簾役物)との重複が解除された演出表示装置1600の表示領域には、大当りを報知する画像(装飾図柄の停止態様「777」、「お見事」のメッセージ)が表示される(図305(M5))。一方、今回の変動表示の結果がはずれとなる場合には、遊技者による納刀操作が検出されると、特定装飾部材SDY(簾役物)は、初期状態における小刻み可動が停止されるのみで、演出表示装置1600の表示領域には、はずれを報知する画像(装飾図柄の停止態様「767」)が表示される(図305(M6))。
このように、操作ボタン410の押圧操作によって、期待度を示唆したり他の操作手段(刀装飾体5001)の操作演出を展開したりと多様な演出が可能になり、遊技者は操作ボタン410を操作する時点でその後の展開を特定することができない。したがって、遊技者の操作ボタン410の操作への関心を高めることができ、操作後の演出が単調なことで懸念される操作意欲の減退及び遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、一連のリーチ演出において一回目の操作(操作ボタン410の押圧操作)と二回目の操作(刀装飾体5001の納刀操作)とで異なる操作態様(押圧操作と納刀操作)が一回目の操作(操作ボタン410の押圧操作)に基づいて遊技者に要求されることとなる。したがって、遊技者の操作参加への関心を高めることができ、代わり映えせず単調な操作になることで懸念される遊技興趣の低下を抑制することができる。
なお、本例では一回目の操作機会として操作ボタン410を有効な操作手段とし、操作ボタン410の押圧操作に基づいて二回目の操作機会(刀装飾体5001の納刀操作)を付与するものとしたが、これに限らない。一回目の操作機会として刀装飾体5001の納刀操作を有効な操作としてもよい。この場合の二回目の操作機会に有効とする操作手段は、一回目の刀装飾体5001よりも相対的に期待度が低い操作ボタン410を対象とするよりも、刀装飾体5001を対象とするのが望ましい。
(刀装飾体5001を用いる他の演出パターン3)
続いて、図306〜図310を参照して、前述の刀装飾体5001を用いる他のリーチ演出について説明する。図306〜図310は、リーチ演出における演出表示装置1600の画面遷移、操作ボタン410の状態遷移及び刀装飾体5001の動作遷移を説明する図である。ここでは、操作ボタン410の押圧操作に基づいて特定装飾部材SDY(簾役物)が可動した場合に大当りとなるパターン(図中(A)(B1)(B2)→O)と、操作ボタン410の押圧操作に基づいて特定装飾部材SDY(簾役物)が可動せずに、はずれ態様で表示された場合でも、はずれ態様の図柄表示から再変動が行われ再度遊技者に操作機会が与えられるパターン(図中(A)(B1)(B2)→(P1)〜(P4)→刀装飾体5001の操作機会が与えられる場合はQ/操作ボタン410の操作機会が与えられる場合はR)とについて説明する。
ここでのリーチ演出は、演出表示装置1600の表示領域において、三つの装飾図柄の変動表示がリーチ状態となると(図306(A))、まず、操作ボタン410の操作演出の開始画像(ここでは、「ボタン一撃で可動体を動かすでござる」のメッセージ)が表示され(図306(B))、次いで、操作ボタン410の押圧操作を受け付ける操作有効期間が開始され、操作ボタン410の押圧操作を促す操作促進演出が行われる(図306(C))。演出表示装置1600の表示領域には、操作対象となる操作手段(操作ボタン410)の画像と操作回数と操作有効期間が表示され、操作対象の操作ボタン410は発光装飾される。このとき、刀装飾体5001は納刀状態を維持している。そして、遊技者による操作ボタン410への押圧操作が検出されると、予め設定される演出パターンに応じて演出が行われる。なお、操作ボタン410の押圧操作は、一撃(1回)に限らず連打(複数回)でもよい。また、遊技者が操作によって動く対象(可動体)を把握しやすいように、操作ボタン410の操作有効期間中に特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態で上下方向に小刻みに可動されるようにしてもよい。また、後に刀装飾体5001が操作対象となる場合には、この時点で刀装飾体5001を納刀状態から第二抜刀状態に状態変化させてもよい。
特定装飾部材SDY(簾役物)が可動して大当りとなるパターンでは、遊技者による操作ボタン410の押圧操作が検出されると、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から全落下状態になるよう落下可動される(図307(O1))。次いで、特定装飾部材SDYが再び初期状態に戻されると、特定装飾部材SDY(簾役物)との重複が解除された演出表示装置1600の表示領域には、大当りを報知する画像(装飾図柄の停止態様「777」、「お見事」のメッセージ)が表示される(図307(O2))。このとき、操作ボタン410を振動させるようにしてもよい。
特定装飾部材SDY(簾役物)が可動しないパターンでは、遊技者による操作ボタン410の押圧操作が検出されると、特定装飾部材SDY(簾役物)の小刻み可動が停止されるのみで落下可動されない。そして、演出表示装置1600の表示領域には、画面中央にはずれ態様(「767」)の装飾図柄が揺動表示される(図308(P1)。その後、設定される演出パターンに応じて、そのまま装飾図柄がはずれ態様(「767」)で停止表示されるパターン(図308(P2))、又は、再度リーチ状態が復活する復活パターンに展開される。
復活パターンでは、演出表示装置1600の表示領域には、図308(P1)のはずれ態様の装飾図柄の揺動表示から、まだ変動表示が終わらないことを示す復活開始画像(「まだじゃ」と言う武士画像)が挿入され(図308(P3))、再度、装飾図柄がリーチ状態となって画面右上に縮小表示されるとともに、画面中央に操作ボタン410及び刀装飾体5001のどちらかの操作手段が有効となる操作有効示唆画像(味方の武士の目を閉じた顔)が表示される(図308(P4))。そして、時間経過とともに、表示された武士の目元が拡大表示されるとともに、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態で上下方向に小刻みに可動される(図308(P5))。これにより遊技者は特定装飾部材SDY(簾役物)を用いる演出が行われることへの期待感を高める。また、このとき操作ボタン410を高速点滅態様で発光装飾させたり、刀装飾体5001を納刀状態から第一抜刀状態に変化させて上下可動させたりしてもよい。そして、設定される演出パターンに応じて、操作ボタン410又は刀装飾体5001が操作有効な操作手段として機能し、操作ボタン410の押圧操作又は刀装飾体5001の納刀操作に基づく特定装飾部材SDY(簾役物)の演出が行われる。なお、操作ボタン410が操作対象となるパターンは、刀装飾体5001が操作対象となるパターンよりも期待度が低いように設定されている。
操作手段として操作ボタン410が用いられる場合には、演出表示装置1600の表示領域に表示されていた操作有効示唆画像の武士の額に汗が滲む画像(操作ボタン確定画像)が表示され、操作ボタン410が発光装飾される(図309(R1))。そして、特定装飾部材SDY(簾役物)の小刻み可動が継続されるとともに、操作ボタン410が発光装飾される中、操作ボタン410の操作有効期間が開始され、操作ボタン410の押圧操作を促す操作促進演出が行われる(図309(R2))。演出表示装置1600の表示領域には、操作対象となる操作手段(操作ボタン410)の画像と操作回数と操作有効期間が表示される。ここで、操作ボタン410は、必要回数操作されると発光装飾されなくなる。
そして、変動表示の結果が大当りとなる場合には、遊技者による操作ボタン410の押圧操作が検出されると、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から全落下状態に落下可動される(図309(R3))。このとき、演出表示装置1600の表示領域の画面右上に表示されていた装飾図柄は画面右下に遊技者から視認可能に停止表示される。なお、前述(図305(M4))と同様にこの時点では遊技者に装飾図柄の態様が把握されにくいようにしてもよい。次いで、特定装飾部材SDY(簾役物)が全落下状態から再び初期状態に戻され、特定装飾部材SDY(簾役物)との重複が解除された演出表示装置1600の表示領域には、画面中央に大当りを報知する画像(装飾図柄の停止態様「777」、「お見事」のメッセージ)が表示される(図309(R4))。
一方、変動表示の結果がはずれとなる場合には、遊技者による操作ボタン410の押圧操作が検出されると、特定装飾部材SDY(簾役物)の小刻み可動が停止され、演出表示装置1600の表示領域には、画面中央にはずれ態様(「767」)の装飾図柄が停止表示される(図309(R5))。
操作手段として刀装飾体5001が用いられる場合には、演出表示装置1600の表示領域に表示されていた操作有効示唆画像の目を閉じていた武士が目を開け眼光が鋭くなる画像(刀装飾体確定画像)が表示され、刀装飾体5001は、納刀状態からオーラ部材付き形態の第二抜刀状態にされる(図310(Q1))。このとき、刀装飾体5001は発光装飾されてもよい。遊技者は表示領域の画像によって操作ボタン410ではなく刀装飾体5001が操作有効であることを把握可能であるが、この時点で刀装飾体5001がオーラ部材付き形態であるか否か等の形態は刀装飾体5001を実際に見ることで把握可能である。次いで、特定装飾部材SDY(簾役物)が小刻みに可動される中、第二抜刀状態になって所定期間が経過し、刀装飾体5001の操作有効期間が始まると、演出表示装置1600の表示領域には、遊技者に刀装飾体5001の納刀操作を促す操作促進画像と操作有効期間を示すゲージが表示される(図310(Q2))。
そして、今回の変動表示の結果が大当りとなる場合には、遊技者による納刀操作が検出されると、前述の図309(R3)及び(R4)と同様の演出遷移を辿る(図310(Q3)及び(Q4))。一方、変動表示結果がはずれとなる場合には、遊技者による納刀操作が検出されると、前述の図309(R5)と同様の演出遷移を辿る(図310(Q5))。
このように、操作ボタン410の押圧操作に基づいて実行される特定装飾部材SDY(簾役物)の落下状態に応じて期待度が示唆されるので、画像による期待度示唆よりも迫力ある期待度示唆を提供することができ、遊技興趣の低下を抑制することができる。また、操作ボタン410の押圧操作に基づいて特定装飾部材SDY(簾役物)が落下可動されない場合でも、遊技者に操作ボタン410及び刀装飾体5001のどちらかの操作手段の操作機会が再度付与される。操作機会が付与される操作手段によっても期待度を示唆することができるので、代わり映えせず単調な操作演出となることで懸念される遊技興趣の低下を抑制することができる。
なお、前述の図300〜図310には、刀装飾体5001を用いたリーチ演出の演出パターンを3例挙げたが、各種演出態様を組合せてもよい。これにより、多種多様な演出を提供でき、より遊技興趣を高めることができる。
(刀装飾体を用いた擬似連演出)
続いて、図311〜図325を参照して、擬似連変動(再変動)の継続回数に応じて形態を段階変化させる刀装飾体5001を用いた擬似連演出について説明する。擬似連演出は、装飾図柄の変動表示を仮停止し、再変動する演出であって仮停止及び再変動が一回又は複数回繰り返される擬似連変動とともに擬似連変動に対応して行われる役物等の演出を示す。ここで、前述の仮停止は、あたかも変動表示が停止したように見せるが実際にはわずかに揺動して変動を継続している状態を示す。本例では、主制御基板1310によって擬似連変動(再変動)を行う変動パターンが選択された場合に、周辺制御基板1510による演出内容の抽選にて選択され得る演出パターンの擬似連演出について、以下に説明する。
(刀装飾体の形態)
まず、図311を参照して、本例の刀装飾体5001の形態について説明する。前述までの刀装飾体5001の形態は、オーラ部材付き形態とオーラ部材なし形態の2種類が設けられていたが、ここでは、さらに柄部5012が動作されることで刀部5010が変形する形態が2種類設けられる。
図311は、擬似連演出に用いられる刀装飾体5001の形態について説明する図である。ここでの刀装飾体5001は、柄部5012の変形によって2段階の形態変化を可能に設けられるとともに、扉枠3の鞘部5020の内部に設けられ、鞘部5020の左右側部から遊技者に視認可能に出現するオーラ部材5040を有することを特徴とする。オーラ部材5040は、前述のオーラ部材5035と同様に扉枠3の鞘部5020の内部に設けられるが、その動作態様は前述のオーラ部材5030と同様に左右方向に可動するものである。図311(A)〜(D)は、納刀状態における刀装飾体5001の形態の種類(段階変化)を示す図であり、順に、段階0形態〜段階3形態を示す。刀装飾体5001は、演出に応じて段階0形態〜段階3形態のいずれかの形態となる。
図311(A)に示すように、段階0形態は、前述の図281(A)及び図283(A)と同様の通常状態における形態であり、どの構成部材も動作が何ら要求されていない初期形態を示す。図311(B)に示すように、段階1形態は、段階0形態からオーラ部材5040の動作によってオーラ部材5040が鞘部5012の側面外部に出現する形態を示す。図311(C)に示すように、段階2形態は、段階1形態から柄部5012が中心から左右に二分割されるように広がって可動し、中から第一装飾部5012aが出現する形態を示す。図311(D)に示すように、段階3形態は、段階2形態においてさらに柄部5012の内部から第二装飾部5012bが上方に可動されて第一装飾部5012aと一体的な装飾を形成する形態を示す。ここでの段階1形態〜段階3形態は刀装飾体5001を第二抜刀状態にさせずとも形態変化を可能としている。さらに、操作手段の操作部として遊技者による操作を受け付け可能な刀部5010と、動作しない鞘部5020が共に動作して一体的な装飾体を形成するので、より迫力ある操作手段を提供することができる。
(擬似連演出例)
次に、図312〜図325を参照して、擬似連演出を行う演出パターンについて演出遷移の一例を説明する。まず、図320を参照して、演出パターンの種類について説明する。図320は、変動パターンに基づいて選択可能な演出パターンの種類を説明する図である。
図320(A)に示すように、主制御基板1310によって、刀LV1弱変動パターン、刀LV1強変動パターン、刀LV2弱変動パターン、刀LV2強変動パターン、刀LV3弱変動パターン及び刀LV3強変動パターンの6種類の変動パターンのうちいずれかの変動パターンが選択される場合に擬似連演出が行われる。擬似連演出を行う演出パターンには、6種類の変動パターンにそれぞれ対応する基本演出パターン(刀LV1弱演出パターン、刀LV1強演出パターン、刀LV2弱演出パターン、刀LV2強演出パターン、刀LV3弱演出パターン及び刀LV3強演出パターン)の他に、特定演出パターン(擬似刀LV1弱演出パターン、擬似刀LV1強演出パターン及び擬似復活刀LV1演出パターン)が設けられている。変動パターンが刀LV1弱変動パターン(刀LV1強変動パターン)である場合に、刀LV1弱演出パターン又は擬似刀LV1弱演出パターン(刀LV1強演出パターン又は擬似刀LV1強演出パターン)が選択され、変動パターンが刀LV2弱変動パターン(刀LV2強変動パターン)である場合に、刀LV2弱演出パターン(刀LV2強演出パターン)が選択され、変動パターンが刀LV3弱変動パターン(刀LV3強変動パターン)である場合に、刀LV3弱演出パターン、擬似刀LV1弱演出パターン及び擬似復活刀LV1演出パターン(刀LV3強演出パターン、擬似刀LV1強演出パターン及び擬似復活刀LV1演出パターン)のいずれかが選択される。
演出パターンには、それぞれ擬似連変動(再変動)の継続回数(1回〜3回)と、継続回数に応じた刀装飾体5001の操作機会付与の有無と、操作機会が付与された場合の特定装飾部材SDY(簾役物)の態様とが設定されている(図320(B)参照)。演出パターン名の「LV1」〜「LV3」は、擬似連変動(再変動)の継続回数1回〜3回に対応する。また、「弱」及び「強」は、特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出における落下位置(半落下、全落下)に対応する。また、「擬似刀LV1」は、擬似連変動(再変動)1回目に刀装飾体5001の選択操作機会を付与し、遊技者が操作しない選択をすることで擬似連変動(再変動)の継続を獲得し得る演出であることを示す。また、「擬似復活刀LV1」は、擬似連変動(再変動)1回目に刀装飾体5001の操作機会を付与する基本演出パターンの刀LV1弱演出パターンと同様の演出遷移を辿るが、擬似連変動1回目の操作機会に基づく特別装飾部材SDY(簾役物)の落下演出終了後に、再び擬似連変動(再変動)が行われる演出であることを示す。なお、各演出パターンの演出内容の詳細については、後述する。
ここで、基本演出パターンは、擬似連変動(再変動)の継続回数が多いほど、すなわち刀装飾体5001の形態変化が進むほど期待度が高くなるよう設定され、さらに特定装飾部材SDY(簾役物)の落下位置が低いほど期待度が高くなるよう設定されるが、特定装飾部材SDY(簾役物)の落下位置が半落下の場合と、擬似連変動(再変動)の継続回数が1回少ない演出パターンで特定装飾部材SDY(簾役物)の落下位置が全落下となる場合とでは同じ期待度になるよう設定されている。具体的には、擬似連変動(再変動)の継続回数1回及び半落下の刀LV1弱演出パターンの期待度は29%、擬似連変動(再変動)の継続回数1回及び全落下の刀LV1強演出パターンの期待度は40%、擬似連変動(再変動)の継続回数2回及び半落下の刀LV2弱演出パターンの期待度は40%、擬似連変動(再変動)の継続回数2回及び全落下の刀LV2強演出パターンの期待度は50%、擬似連変動(再変動)の継続回数3回及び半落下の刀LV3弱演出パターンの期待度は50%、擬似連変動(再変動)の継続回数3回及び全落下の刀LV3強演出パターンの期待度は65%となるよう設定されている。また、特定演出パターンは、同じ演出パターンであっても選択された変動パターンに応じて期待度が異なるように設定され、期待度の高い変動パターンであるほど期待度が高くなるよう設定される。遊技者に選択操作機会を付与する擬似刀LV1弱演出パターンの期待度は、選択された変動パターンが刀LV1弱変動パターンの場合と刀LV3弱変動パターンの場合とで、それぞれ38%と53%となる。
また、擬似刀LV1強演出パターンの期待度は、選択された変動パターンが刀LV1強変動パターンの場合と刀LV3強変動パターンの場合とで、それぞれ47%と74%となる。また、刀LV1弱演出パターンと同じ演出遷移を辿った後、擬似連変動(再変動)が復活する擬似復活刀LV1演出パターンの期待度は、変動パターンに拘わらず100%に設定される。
以下では、図320(B)に示す各演出パターンの擬似連演出について、図312〜図319に示す演出遷移例と、図321〜図325に示す演出実行タイミングチャートとを参照して説明する。図312は、全演出パターンに共通する擬似連演出の演出遷移例を示す図である。図313〜図315は、擬似連変動(再変動)が行われている中、刀装飾体5001の操作機会が付与されるか否かの演出の遷移例を示す図である。また、図316は、全演出パターンに共通する擬似連変動(再変動)中における刀装飾体5001の操作後演出(特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出)の遷移例を示す図である。また、図317及び図318は、擬似刀LV1弱演出パターン及び擬似刀LV1強演出パターンの特徴となる演出遷移例を示す図である。また、図319は、擬似復活刀LV1演出パターンの特徴となる演出遷移例を示す図である。また、図321〜図325は、擬似連演出における刀装飾体5001及び特定装飾部材SDY(簾役物)の動作実行タイミングチャートであり、図321は刀LV1弱演出パターン(刀LV1強演出パターン)、図322は刀LV2弱演出パターン(刀LV2強演出パターン)、図323は刀LV3弱演出パターン(刀LV3強演出パターン)、図324は擬似刀LV1弱演出パターン(擬似刀LV1強演出パターン)、図325は擬似復活刀LV1演出パターンを示す。以下では、変動表示が開始されてリーチ状態となる前の演出において擬似連演出が実行される場合の演出遷移例に沿って説明する。
(全演出パターン共通)
図312(A)に示すように、変動表示が開始されると、演出表示装置1600の表示領域には、三つの装飾図柄が変動表示される。このとき、特定装飾部材SDY(簾役物)は正面視で演出表示装置1600の表示領域と重複することなく、表示領域の上方にて簾の一部が遊技者から視認可能な状態(初期状態)で静止されている。また、このとき刀装飾体5001は段階0形態(初期形態)の納刀状態である。
次いで、図312(B)及び(C)に示すように、演出表示装置1600の表示領域には、擬似連演出の開始を示す開始画像(演出内容報知「100体撃破できれば大チャンス」メッセージ、武士がオーラを溜める画像)が表示され、擬似連演出が開始されることを遊技者に示唆している。このとき、特定装飾部材SDY(簾役物)及び刀装飾体5001に変化はない。
次いで、図312(D)に示すように、演出表示装置1600の表示領域に変動表示されていた三つの装飾図柄が擬似連態様で仮停止表示され、遊技者に装飾図柄の再変動が行われることを報知する。ここでは、三つの装飾図柄のうち中央の装飾図柄を左右の装飾図柄には用意されていない擬似連刀図柄、具体的には刀装飾体5001の形態及び演出レベル(擬似連変動回数)を示す態様の擬似連刀図柄で表示することで、遊技者が容易に装飾図柄の再変動(擬似連変動の開始)を認識できるようにしている。このとき、特定装飾部材SDY(簾役物)及び刀装飾体5001に変化はないが、演出表示装置1600の表示領域に表示される擬似連刀図柄には、1回目の擬似連変動(再変動)における刀装飾体5001の形態(段階1形態)を事前に示す刀画像が表示される。このように、擬似連変動(再変動)が始まる直前の仮停止表示時に当該擬似連変動(再変動)における刀装飾体5001の形態及び演出レベル(擬似連変動回数)を報知するので、遊技者はどの段階の擬似連変動(再変動)なのかを把握して臨むことができる。
そして、1回目の擬似連変動(再変動)が開始されると、図312(E)に示すように、演出表示装置1600の表示領域には、前述の図312(D)の時点で表示された擬似連刀図柄が拡大表示されるとともにエフェクト表示が刀装飾体5001に作用するように刀装飾体5001に向けて移動表示され、装飾図柄の再変動が表示される。そして、刀装飾体5001は、段階0形態(初期形態)からオーラ部材5040が視認可能になる段階1形態に形態変化する。このときの刀装飾体5001の形態変化は、擬似連変動(再変動)が開始されて刀装飾体5001に向けて移動表示されるエフェクト表示から遊技者の視線が刀装飾体5001に移ったタイミングで、すなわち擬似連変動(再変動)開始後に行われる。なお、刀装飾体5001の形態変化タイミングは、擬似連変動(再変動)開始前でもよく、例えば、前述の図312(D)の時点で擬似連刀図柄の表示とともに行われるようにして、その後に擬似連変動(再変動)が開始されるようにしてもよい。
その後、図312(F)に示すように、演出表示装置1600の表示領域に表示される擬似連刀図柄の刀画像が拡大表示された状態で納刀状態から第二抜刀状態に変化されるとともに、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化する。
そして、図312(G)に示すように、演出表示装置1600の表示領域には、遊技者による納刀操作が可能となった第二抜刀状態の刀装飾体5001を操作手段として有効にするか否か、すなわち遊技者に操作機会を付与するか否かの決定結果を示す操作機会示唆画像(目を閉じた武士画像)が表示される。その後の演出は、予め設定される演出パターンに応じて、刀装飾体5001が操作有効となるパターン(名に「LV1」が付く演出パターン)と、刀装飾体5001が操作有効とならないパターン(名に「LV2」又は「LV3」が付く演出パターン)とに分岐する。以下では、9種類の演出パターンについて順に演出遷移の一例を説明する。
(刀LV1弱演出パターン/刀LV1強演出パターン)
まず、図313及び図316を参照して、1回目の擬似連変動(再変動)において刀装飾体5001を操作手段として有効にする刀LV1弱演出パターン又は刀LV1強演出パターンが設定されている場合の演出遷移例について説明する。これらの演出パターンが設定され、1回目の擬似連変動(再変動)で刀装飾体5001の操作機会が付与される場合には、演出表示装置1600の表示領域には、前述の図312(G)に示す操作機会示唆画像から操作機会が付与されることを示す操作確定画像(武士の目が開いた画像)が表示される(図313(T1))。次いで、演出表示装置1600の表示領域には、遊技者に積極的な操作を求める操作機会が付与されることを示す画像(「好機!!」メッセージ)が表示される(図313(T2))。そして、刀装飾体5001の操作有効期間を発生させると共に、演出表示装置1600の表示領域では、刀装飾体5001の納刀操作を促す操作促進演出が行われる。具体的には、刀装飾体5001と同じ第二抜刀状態(段階1形態)の刀画像が表示され、「刀を納めろ!」のメッセージとともに操作方向及び操作有効期間を示す画像が表示される(図313(T3))。そして、遊技者による納刀操作が検出されると、設定された演出パターンに応じて特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出による期待度報知演出が行われる。
ここで、設定された演出パターンが「強」演出パターンである場合には、遊技者による納刀操作が検出されると、図316(U1)に示すように、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から全落下状態に落下可動される。そして、刀装飾体5001は、遊技者による納刀操作により第二抜刀状態から納刀状態になるとともに段階0形態(初期形態)に戻される。その後、図316(U2)に示すように、特定装飾部材SDY(簾役物)が全落下状態から初期状態に戻され、演出表示装置1600の表示領域には、前述の図312(B)に示す擬似連演出の開始画像に対応させた態様で変動表示結果の期待度を報知する期待度報知画像(「100体撃破!」)が表示される。ここで、全落下状態が示す期待度は、後述の半落下状態が示す期待度よりも高くなるよう設定されている。このとき刀装飾体5001に変化はない。ここで期待度報知画像が表示されたことによって擬似連変動(再変動)の終了を遊技者が把握できるようにしている。
また、設定された演出パターンが「弱」演出パターンである場合には、遊技者による納刀操作が検出されると、図316(U3)に示すように、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から半落下状態になるよう落下可動される。半落下状態とは、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態と全落下状態の中間位置に落下可動され、正面視で演出表示装置1600の表示領域の上半分領域と重複する状態をいう。そして、刀装飾体5001は、遊技者による納刀操作により第二抜刀状態から納刀状態になるとともに段階0形態(初期形態)に戻される。その後、図316(U4)に示すように、特定装飾部材SDY(簾役物)が半落下状態から初期状態に戻され、演出表示装置1600の表示領域には、前述の図312(B)に示す擬似連演出の開始画像に対応させた態様で変動表示結果の期待度を報知する期待度報知画像(「50体撃破!」)が表示される。このとき刀装飾体5001に変化はない。そして、「強」演出パターンと同様に、このときの期待度報知画像が表示されたことによって擬似連変動(再変動)の終了を遊技者が把握できるようにしている。
なお、刀装飾体5001の操作有効期間内に遊技者による納刀操作が検出されない場合には、設定された演出パターンが「強」演出パターンであるか「弱」演出パターンであるかに拘わらず、演出表示装置1600の表示領域には、特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出が行われずに擬似連変動(再変動)が終了したことを示す逃走画像(「敵、逃走!」)が表示される(図318(W2)参照)。つまりは、操作有効期間内に遊技者による納刀操作が検出されない場合には、遊技者に変動表示結果の期待度を把握させないようにしている。このとき、刀装飾体5001は、操作有効期間が終了すると初期形態の納刀状態に戻される。ここでは逃走画像が表示されることによって擬似連変動(再変動)の終了を遊技者が把握できるようにしている。
そして、擬似連変動(再変動)が終了すると、図316(U5)に示すように、演出表示装置1600の表示領域には、通常態様の装飾図柄によってリーチ状態が形成され、リーチ演出が開始される。このときのリーチ演出については、「弱」演出パターンと「強」演出パターンとで同じ演出内容のリーチ演出が実行される。このように、刀装飾体5001の納刀操作が求められたときに操作することで、遊技者は、特定装飾部材SDY(簾役物)の落下位置によって期待度を把握した上でリーチ演出を迎えることができる。よって、後のリーチ演出が同じものであっても、毎回異なる期待感を抱くことができるので、遊技者による操作意欲の減退を抑制し、さらには画一的な演出に対する遊技興趣の低下を抑制することができる。
続いて、図320(B)及び図321を参照して、刀LV1弱演出パターン又は刀LV1強演出パターンが設定されている場合の刀装飾体5001及び特定装飾部材SDY(簾役物)の動作実行タイミングについて説明する。
図320(B)に示すように、刀LV1弱演出パターン及び刀LV1強演出パターンでは、1回目の擬似連変動(再変動)が行われる期間T1において、段階1形態の刀装飾体5001を操作手段として有効にし、遊技者に操作機会を付与する。そして、刀LV1弱演出パターンが設定されている場合は、遊技者の操作によって特定装飾部材SDY(簾役物)が半落下する落下演出(期待度報知演出)が行われる。また、刀LV1強演出パターンが設定されている場合は、遊技者の操作によって特定装飾部材SDY(簾役物)が全落下する落下演出(期待度報知演出)が行われる。なお、遊技者の操作がない場合は、どちらの演出パターンであっても落下演出(期待度報知演出)は行われない。
図321に示すように、刀LV1弱演出パターンが設定される場合には、1回目の擬似連変動(再変動)の開始と同時に刀装飾体5001が初期形態から段階1形態に形態変化する(図312(E)参照)。その後、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化し(図312(F)参照)、演出表示装置1600の表示領域に表示される操作機会示唆画像によって操作が有効になるか否か遊技者のドキドキ感を高め、遊技者に操作可能状態(第二抜刀状態)となった刀装飾体5001を十分認識させたのち(図312(G)→図313(T1)→(T2)参照)、遊技者の操作を有効に受け付ける操作有効期間が開始される(図313(T3)参照)。
そして、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行うと、刀装飾体5001は、第二抜刀状態から納刀状態に状態変化するとともに、段階1形態から初期形態に形態変化する。このとき、「弱」演出パターンの場合は、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から半落下状態に変化する(図316(U3)参照)。そして、1回目の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T1の終了タイミングで、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態に戻り、演出表示装置1600の表示領域に半落下に対応する期待度の期待度報知画像が表示されるので(図316(U4)参照)、遊技者は期間T1の終了を認識する。
また、「強」演出パターンの場合は、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から全落下状態に変化し(図316(U1)参照)、全落下に対応する期待度の期待度報知画像が表示される(図316(U2)参照)点が異なる。
一方、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行わない場合は、刀装飾体5001は、操作有効期間の終了とともに第二抜刀状態から納刀状態に状態変化し、段階1形態から初期形態に形態変化する。そして、1回目の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T1の終了タイミングで、演出表示装置1600の表示領域に期待度を報知しないことを示す逃走画像が表示されるので(図318(W2)参照)、遊技者は期間T1の終了を認識する。
(刀LV2弱演出パターン/刀LV2強演出パターン)
次に、図313及び図314を参照して、2回目の擬似連変動(再変動)において刀装飾体5001を操作手段として有効にする刀LV2弱演出パターン又は刀LV2強演出パターンが設定されている場合の演出遷移例について説明する。前述の演出パターンと同様の演出遷移の説明は、適宜省略する。
設定された演出パターンが刀LV2弱演出パターン又は刀LV2強演出パターンである場合には、1回目の擬似連変動(再変動)の操作機会付与タイミングでは刀装飾体5001の操作機会は付与されないので、前述の図312(A)〜(G)に示す演出遷移を辿ったのち、演出表示装置1600の表示領域には、前述の図312(G)に示す操作機会示唆画像から操作機会を付与しないことを示す継続画像(武士の目が閉じたままの画像)が表示され、第二抜刀状態であった刀装飾体5001は、形態を段階1形態に維持したまま納刀状態に戻される(図313(S1))。
次いで、演出表示装置1600の表示領域に変動表示されていた三つの装飾図柄が擬似連態様で仮停止表示され、遊技者に装飾図柄の再変動が行われることを報知する(図313(S2))。ここでは、三つの装飾図柄のうち中央の装飾図柄を左右の装飾図柄には用意されていない擬似連刀図柄、具体的には刀装飾体5001の形態及び演出レベル(擬似連変動回数)を示す態様の擬似連刀図柄で表示することで、遊技者が容易に装飾図柄の再変動(擬似連変動の開始)を認識できるようにしている。そして、演出表示装置1600の表示領域に表示される擬似連刀図柄には、2回目の擬似連変動(再変動)における刀装飾体5001の形態(段階2形態)を事前に示す刀画像が表示される。このとき、特定装飾部材SDY(簾役物)及び刀装飾体5001に変化はない。また、刀装飾体5001は段階1形態を維持している。このように、2回目の擬似連変動(再変動)が始まる直前の仮停止表示時に当該2回目の擬似連変動(再変動)における刀装飾体5001の形態及び演出レベル(擬似連変動回数)を報知するので、遊技者はどの段階の擬似連変動(再変動)なのかを把握して臨むことができる。
そして、2回目の擬似連変動(再変動)が開始されると、演出表示装置1600の表示領域には、前述の図313(S2)の時点で表示された擬似連刀図柄が拡大表示されるとともにエフェクト表示が刀装飾体5001に作用するように刀装飾体5001に向けて移動表示され、装飾図柄の再変動が表示される。そして、刀装飾体5001は、段階1形態から柄部5012が左右に割れて第一装飾部5012aが視認可能になる段階2形態に形態変化する(図313(S3))。続いて、演出表示装置1600の表示領域に表示される擬似連刀図柄の刀画像が納刀状態から第二抜刀状態にされるとともに、実際に刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化する(図313(S4))。なお、刀装飾体5001の段階1形態から段階2形態への形態変化タイミングと納刀状態から第二抜刀状態への状態変化タイミングは、同時になるように設定されてもよい。演出表示装置1600の表示領域に表示されるエフェクト表示は刀装飾体5001に作用するように行われ、遊技者の視線が刀装飾体5001に向けられるタイミングで刀装飾体5001が一気に変化するので、迫力ある動作を印象付け、遊技者の関心を惹きつけることができる。
その後、演出表示装置1600の表示領域には、遊技者による納刀操作が可能となった第二抜刀状態(段階2形態)の刀装飾体5001を操作手段として有効にするか否か、すなわち遊技者に操作機会を付与するか否かの決定結果を示す操作機会示唆画像(目を閉じた武士画像)が表示される(図314(V1))。
ここで、設定された演出パターンが刀LV2弱演出パターン又は刀LV2強演出パターンである場合には、2回目の擬似連変動(再変動)で刀装飾体5001の操作機会が付与されるので、演出表示装置1600の表示領域には、前述の図314(V1)に示す操作機会示唆画像から操作機会が付与されることを示す操作確定画像(武士の目が開いた画像)が表示される(図314(V2))。次いで、演出表示装置1600の表示領域には、遊技者に積極的な操作を求める操作機会が付与されることを示す画像(「好機!!」メッセージ)が表示される(図314(V3))。そして、刀装飾体5001の操作有効期間を発生させると共に、演出表示装置1600の表示領域では、刀装飾体5001の納刀操作を促す操作促進演出が行われる。具体的には、刀装飾体5001と同じ第二抜刀状態(段階2形態)の刀画像が表示され、「刀を納めろ!」のメッセージとともに操作方向及び操作有効期間を示す画像が表示される(図314(V4))。そして、遊技者による納刀操作が検出されると、前述の図316に示すように、設定された演出パターンに応じて特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出による期待度報知演出が行われ、擬似連変動(再変動)が終了したことを遊技者が把握できるようにしている。また、操作有効期間中に遊技者による納刀操作が検出されない場合は、設定された演出パターンが「強」演出パターンであるか「弱」演出パターンであるかに拘わらず、演出表示装置1600の表示領域には、特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出が行われずに擬似連変動(再変動)が終了したことを示す逃走画像(「敵、逃走!」)が表示される(図318(W2)参照)。つまりは、操作有効期間内に遊技者による納刀操作が検出されない場合には、遊技者に変動表示結果の期待度を把握させないようにしている。このとき、刀装飾体5001は、操作有効期間が終了すると初期形態の納刀状態に戻される。ここでは逃走画像が表示されることによって擬似連変動(再変動)の終了を遊技者が把握できるようにしている。
続いて、図320(B)及び図322を参照して、刀LV2弱演出パターン又は刀LV2強演出パターンが設定されている場合の刀装飾体5001及び特定装飾部材SDY(簾役物)の動作実行タイミングについて説明する。
図320(B)に示すように、刀LV2弱演出パターン及び刀LV2強演出パターンでは、1回目の擬似連変動(再変動)が行われる期間T1では刀装飾体5001の操作機会を付与せず、2回目の擬似連変動(再変動)が行われる期間T2において、段階2形態の刀装飾体5001を操作手段として有効にし、遊技者に操作機会を付与する。そして、刀LV2弱演出パターンが設定されている場合は、遊技者の操作によって特定装飾部材SDY(簾役物)が半落下する落下演出(期待度報知演出)が行われる。また、刀LV2強演出パターンが設定されている場合は、遊技者の操作によって特定装飾部材SDY(簾役物)が全落下する落下演出(期待度報知演出)が行われる。なお、遊技者の操作が検出されない場合は、どちらの演出パターンであっても落下演出(期待度報知演出)は行われない。
図322に示すように、刀LV2弱演出パターンが設定される場合には、1回目の擬似連変動(再変動)の開始と同時に刀装飾体5001が初期形態から段階1形態に形態変化する(図312(E)参照)。その後、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化し(図312(F)参照)、演出表示装置1600の表示領域に表示される操作機会示唆画像によって操作が有効になるか否か遊技者のドキドキ感を高めるが(図312(G)参照)、遊技者の操作を有効に受け付ける操作有効期間を発生させることなく、操作可能状態(第二抜刀状態)の刀装飾体5001を納刀状態に戻す(図313(S1)参照)。そして、刀装飾体は段階1形態を維持したまま、2回目の擬似連変動(再変動)を迎える(図313(S2)参照)。
そして、2回目の擬似連変動(再変動)の開始と同時に刀装飾体5001が段階1形態から段階2形態に形態変化する(図313(S3)参照)。その後、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化し(図313(S4)参照)、演出表示装置1600の表示領域に表示される操作機会示唆画像によって操作が有効になるか否か遊技者のドキドキ感を高め、遊技者に操作可能状態(第二抜刀状態)となった刀装飾体5001を十分認識させたのち(図314(V1)→(V2)→(V3)参照)、遊技者の操作を有効に受け付ける操作有効期間が開始される(図314(V4)参照)。
そして、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行うと、刀装飾体5001は、第二抜刀状態から納刀状態に状態変化するとともに、段階2形態から初期形態に形態変化する。このとき、「弱」演出パターンの場合は、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から半落下状態に変化する(図316(U3)参照)。そして、2回目の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T2の終了タイミングで、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態に戻り、演出表示装置1600の表示領域に半落下に対応する期待度の期待度報知画像が表示されるので(図316(U4)参照)、遊技者は期間T2の終了を認識する。
また、「強」演出パターンの場合は、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から全落下状態に変化し(図316(U1)参照)、全落下に対応する期待度の期待度報知画像が表示される(図316(U2)参照)点が異なる。
一方、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行わない場合は、刀装飾体5001は、操作有効期間の終了とともに第二抜刀状態から納刀状態に状態変化し、段階2形態から初期形態に形態変化する。そして、2回目の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T2の終了タイミングで、演出表示装置1600の表示領域に期待度を報知しないことを示す逃走画像が表示されるので(図318(W2)参照)、遊技者は期間T2の終了を認識する。
(刀LV3弱演出パターン/刀LV3強演出パターン)
続いて、図314及び図315を参照して、3回目の擬似連変動(再変動)において刀装飾体5001を操作手段として有効にする刀LV3弱演出パターン又は刀LV3強演出パターンが設定されている場合の演出遷移例について説明する。前述の演出パターンと同様の演出遷移の説明は、適宜省略する。
設定された演出パターンが刀LV3弱演出パターン又は刀LV3強演出パターンである場合は、前述の図314(V1)に示す2回目の擬似連変動(再変動)の操作機会付与タイミングでは刀装飾体5001の操作機会は付与されないので、前述の図312(A)〜(G)→図313(S1)〜(S4)→図314(V1)に示す演出遷移を辿ったのち、演出表示装置1600の表示領域には、前述の図314(V1)に示す操作機会示唆画像から操作機会を付与しないことを示す継続画像(武士の目が閉じたままの画像)が表示され、第二抜刀状態であった刀装飾体5001は、形態を段階2形態に維持したまま納刀状態に戻される(図314(V5))。
次いで、演出表示装置1600の表示領域に変動表示されていた三つの装飾図柄が擬似連態様で仮停止表示され、遊技者に装飾図柄の再変動が行われることを報知する(図314(V6))。ここでは、三つの装飾図柄のうち中央の装飾図柄を左右の装飾図柄には用意されていない擬似連刀図柄、具体的には刀装飾体5001の形態及び演出レベル(擬似連変動回数)を示す態様の擬似連刀図柄で表示することで、遊技者が容易に装飾図柄の再変動(擬似連変動の開始)を認識できるようにしている。そして、演出表示装置1600の表示領域に表示される擬似連刀図柄には、3回目の擬似連変動(再変動)における刀装飾体5001の形態(段階3形態)を事前に示す刀画像が表示される。このとき、特定装飾部材SDY(簾役物)及び刀装飾体5001に変化はない。また、刀装飾体5001は段階2形態を維持している。このように、3回目の擬似連変動(再変動)が始まる直前の仮停止表示時に当該3回目の擬似連変動(再変動)における刀装飾体5001の形態及び演出レベル(擬似連変動回数)を報知するので、遊技者はどの段階の擬似連変動(再変動)なのかを把握して臨むことができる。
そして、3回目の擬似連変動(再変動)が開始されると、演出表示装置1600の表示領域には、前述の図314(V6)の時点で表示された擬似連刀図柄が拡大表示されるとともにエフェクト表示が刀装飾体5001に作用するように刀装飾体5001に向けて移動表示され、装飾図柄の再変動が表示される。そして、刀装飾体5001は、段階2形態から第一装飾部5012aの上方に第二装飾部5012bが突出して両装飾部が一体的な装飾体として視認可能になる段階3形態に形態変化する(図314(V7))。続いて、演出表示装置1600の表示領域に表示される擬似連刀図柄の刀画像が納刀状態から第二抜刀状態にされるとともに、実際に刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化する(図314(V8))。なお、刀装飾体5001の段階2形態から段階3形態への形態変化タイミングと納刀状態から第二抜刀状態への状態変化タイミングは、同時になるように設定されてもよい。また、刀装飾体5001の形態は、擬似連変動の回数に応じて都度変化させなくてもよく、最終段階に到達したとき複数段階分まとめて形態変化させるようにしてもよい。演出表示装置1600の表示領域に表示されるエフェクト表示は刀装飾体5001に作用するように行われ、遊技者の視線が刀装飾体5001に向けられるタイミングで刀装飾体5001が一気に変化するので、迫力ある動作を印象付け、遊技者の関心を惹きつけることができる。
その後、演出表示装置1600の表示領域には、遊技者による納刀操作が可能となった第二抜刀状態(段階3形態)の刀装飾体5001を操作手段として有効にするか否か、すなわち遊技者に操作機会を付与するか否かの決定結果を示す操作機会示唆画像(目を閉じた武士画像)が表示される(図315(X1))。
ここで、設定された演出パターンが刀LV3弱演出パターン及び刀LV3強演出パターンである場合には、3回目の擬似連変動(再変動)で刀装飾体5001の操作機会が付与されるので、演出表示装置1600の表示領域には、前述の図315(X1)に示す操作機会示唆画像から操作機会が付与されることを示す操作確定画像(武士の目が開いた画像)が表示される(図315(X2))。次いで、演出表示装置1600の表示領域には、遊技者に積極的な操作を求める操作機会が付与されることを示す画像(「好機!!」メッセージ)が表示される(図315(X3))。そして、刀装飾体5001の操作有効期間を発生させると共に、演出表示装置1600の表示領域では、刀装飾体5001の納刀操作を促す操作促進演出が行われる。具体的には、刀装飾体5001と同じ第二抜刀状態(段階3形態)の刀画像が表示され、「刀を納めろ!」のメッセージとともに操作方向及び操作有効期間を示す画像が表示される(図315(X4))。そして、遊技者による納刀操作が検出されると、前述の図316に示すように、設定された演出パターンに応じて特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出による期待度報知演出が行われ、擬似連変動(再変動)が終了したことを遊技者が把握できるようにしている。また、操作有効期間中に遊技者による納刀操作が検出されない場合は、設定された演出パターンが「強」演出パターンであるか、「弱」演出パターンであるかに拘わらず、演出表示装置1600の表示領域には、特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出が行われずに擬似連変動(再変動)が終了したことを示す逃走画像(「敵、逃走!」)が表示される(図318(W2)参照)。
つまりは、操作有効期間内に遊技者による納刀操作が検出されない場合には、遊技者に変動表示結果の期待度を把握させないようにしている。このとき、刀装飾体5001は、操作有効期間が終了すると初期形態の納刀状態に戻される。ここでは逃走画像が表示されることによって擬似連変動(再変動)の終了を遊技者が把握できるようにしている。
続いて、図320(B)及び図323を参照して、刀LV3弱演出パターン又は刀LV3強演出パターンが設定されている場合の刀装飾体5001及び特定装飾部材SDY(簾役物)の動作実行タイミングについて説明する。
図320(B)に示すように、刀LV3弱演出パターン及び刀LV3強演出パターンでは、1回目の擬似連変動(再変動)が行われる期間T1及び2回目の擬似連変動(再変動)が行われる期間T2では刀装飾体5001の操作機会を付与せず、3回目の擬似連変動(再変動)が行われる期間T3において、段階3形態の刀装飾体5001を操作手段として有効にし、遊技者に操作機会を付与する。そして、刀LV3弱演出パターンが設定されている場合は、遊技者の操作によって特定装飾部材SDY(簾役物)が半落下する落下演出(期待度報知演出)が行われる。また、刀LV3強演出パターンが設定されている場合は、遊技者の操作によって特定装飾部材SDY(簾役物)が全落下する落下演出(期待度報知演出)が行われる。なお、遊技者の操作が検出されない場合は、どちらの演出パターンであっても落下演出(期待度報知演出)は行われない。
図323に示すように、刀LV3弱演出パターンが設定される場合には、1回目の擬似連変動(再変動)の開始と同時に刀装飾体5001が初期形態から段階1形態に形態変化する(図312(E)参照)。その後、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化し(図312(F)参照)、演出表示装置1600の表示領域に表示される操作機会示唆画像によって操作が有効になるか否か遊技者のドキドキ感を高めるが(図312(G)参照)、遊技者の操作を有効に受け付ける操作有効期間を発生させることなく、操作可能状態(第二抜刀状態)の刀装飾体5001を納刀状態に戻す(図313(S1)参照)。そして、刀装飾体は段階1形態を維持したまま、2回目の擬似連変動(再変動)を迎える(図313(S2)参照)。
そして、2回目の擬似連変動(再変動)の開始と同時に刀装飾体5001が段階1形態から段階2形態に形態変化する(図313(S3)参照)。その後、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化し(図313(S4)参照)、演出表示装置1600の表示領域に表示される操作機会示唆画像によって操作が有効になるか否か遊技者のドキドキ感を高めるが(図314(V1)参照)、遊技者の操作を有効に受け付ける操作有効期間を発生させることなく、操作可能状態(第二抜刀状態)の刀装飾体5001を納刀状態に戻す(図314(V5)参照)。そして、刀装飾体は段階2形態を維持したまま、3回目の擬似連変動(再変動)を迎える(図314(V6)参照)。
そして、3回目の擬似連変動(再変動)の開始と同時に刀装飾体5001が段階2形態から段階3形態に形態変化する(図314(V7)参照)。その後、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化し(図314(V8)参照)、演出表示装置1600の表示領域に表示される操作機会示唆画像によって操作が有効になるか否か遊技者のドキドキ感を高め、遊技者に操作可能状態(第二抜刀状態)となった刀装飾体5001を十分認識させたのち(図315(X1)→(X2)→(X3)参照)、遊技者の操作を有効に受け付ける操作有効期間が開始される(図315(X4)参照)。
そして、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行うと、刀装飾体5001は、第二抜刀状態から納刀状態に状態変化するとともに、段階3形態から初期形態に形態変化する。このとき、「弱」演出パターンの場合は、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から半落下状態に変化する(図316(U3)参照)。そして、3回目の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T3の終了タイミングで、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態に戻り、演出表示装置1600の表示領域に半落下に対応する期待度の期待度報知画像が表示されるので(図316(U4)参照)、遊技者は期間T3の終了を認識する。
また、「強」演出パターンの場合は、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から全落下状態に変化し(図316(U1)参照)、全落下に対応する期待度の期待度報知画像が表示される(図316(U2)参照)点が異なる。
一方、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行わない場合は、刀装飾体5001は、操作有効期間の終了とともに第二抜刀状態から納刀状態に状態変化し、段階3形態から初期形態に形態変化する。そして、3回目の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T3の終了タイミングで、演出表示装置1600の表示領域に期待度を報知しないことを示す逃走画像が表示されるので(図318(W2)参照)、遊技者は期間T3の終了を認識する。
(擬似刀LV1弱演出パターン/擬似刀LV1強演出パターン)
続いて、図317及び図318を参照して、1回目の擬似連変動(再変動)において刀装飾体5001を操作手段として有効にするが、遊技者が操作しない選択をすることで擬似連変動(再変動)の継続(レベルアップ演出)を獲得し得る擬似刀LV1弱演出パターン又は擬似刀LV1強演出パターンが設定されている場合の演出遷移例について説明する。前述の演出パターンと同様の演出遷移の説明は、適宜省略する。
設定された演出パターンが擬似刀LV1弱演出パターン又は擬似刀LV1強演出パターンである場合は、1回目の擬似連変動(再変動)の操作機会付与タイミングで刀装飾体5001の操作機会を付与する。ただし、このときの操作機会は、前述のような遊技者に積極的な操作を求める操作機会ではなく、遊技者に操作するか否かの選択を求める選択操作機会である。したがって、前述の図312(A)〜(G)→図313(T1)に示す演出遷移を辿ったのち、演出表示装置1600の表示領域には、前述の図313(T1)の操作機会が付与されることを示す操作確定画像から遊技者に操作するか否かの選択を求める選択操作機会であることを示す操作選択画像(「好機かも!?」メッセージ)が表示される(図317(Z1))。そして、刀装飾体5001の操作有効期間を発生させると共に、演出表示装置1600の表示領域では、刀装飾体5001の納刀操作の選択を促す操作選択促進演出が行われる。具体的には、刀装飾体5001と同じ第二抜刀状態(段階1形態)の刀画像が表示され、「刀を納めるか選んで頂きたくござ候う」のメッセージとともに操作方向及び操作有効期間を示す画像が表示される(図317(Z2))。
ここで、設定された擬似刀LV1弱演出パターン(擬似刀LV1強演出パターン)は、刀LV1弱変動パターン及び刀LV3弱変動パターン(刀LV1強変動パターン及び刀LV3強変動パターン)のどちらの変動パターンに基づいて設定された演出パターンであるかにより、その後の演出遷移が大きく異なる。
刀LV1弱変動パターン(刀LV1強変動パターン)に基づいて設定された擬似刀LV1弱演出パターン(擬似刀LV1強演出パターン)である場合には、操作有効期間中に遊技者による納刀操作が検出されると、基本演出パターンの刀LV1弱演出パターン(刀LV1強演出パターン)と同様の演出遷移(図316)を辿る。
一方、操作有効期間中に遊技者による納刀操作が検出されない場合は、設定された演出パターン(「弱」又は「強」)に拘わらず、前述の図317(Z2)に示す操作選択促進演出が行われる操作有効期間が終了すると、刀装飾体5001は段階1形態の第二抜刀状態から初期形態の納刀状態に戻され、演出表示装置1600の表示領域には、今回の選択操作機会は操作すべき機会であったことを示す画像(「好機であったか・・・」)が表示される(図318(W1))。このとき、特定装飾部材SDY(簾役物)に変化はない。
次いで、演出表示装置1600の表示領域には、特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出が行われずに擬似連変動(再変動)が終了したことを示す逃走画像(「敵、逃走!」)が表示される(図318(W2))。そして、擬似連変動(再変動)が終了すると、演出表示装置1600の表示領域には、通常態様の装飾図柄によってリーチ状態が形成され、リーチ演出が開始される(図318(W3))。
刀LV3弱変動パターン(刀LV3強変動パターン)に基づいて設定された擬似刀LV1弱演出パターン(擬似刀LV1強演出パターン)である場合には、操作有効期間中に遊技者による納刀操作が検出されると、基本演出パターンの刀LV3弱演出パターン(刀LV3強演出パターン)において操作機会に操作が検出されたときと同様に図316(U3)→(U4)(図316(U1)→(U2))の演出遷移を辿ったのち、残りの演出期間(期間T2及びT3の合計期間)は通常態様の装飾図柄による変動表示が行われる(図示省略)。そして、刀LV3弱変動パターン(刀LV3強変動パターン)にて予め定められたタイミングと同じタイミングで通常態様の装飾図柄によってリーチ状態が形成され、その後リーチ演出が開始される(図316(U5)参照)。
一方、操作有効期間中に遊技者による納刀操作が検出されない場合は、設定された演出パターン(「弱」又は「強」)に拘わらず、前述の図317(Z2)に示す操作選択促進演出が行われる操作有効期間が終了すると、レベルアップ演出の獲得により操作擬似連変動(再変動)が継続される。このときの演出遷移は、前述の図317(Z2)から1回目の操作付与タイミングで操作機会を付与しないことを示す、すなわち擬似連変動の継続を示す継続画像(図313(S1))に移行し、その後、基本演出パターンの刀LV3弱演出パターン(刀LV3強演出パターン)と同様に、前述の図313(S2)〜(S4)→図314(V1)→図314(V5)〜(V8)→図315(X1)〜(X4)→図316(U1)→(U2)又は(U3)→(U4)→図316(U5)の演出遷移を辿る。
このように、擬似刀LV1弱演出パターン(擬似刀LV1強演出パターン)は、主制御基板1310にて選択された変動パターンに応じて選択操作機会が付与された後の演出展開が大きく異なる。選択された変動パターンが刀LV1弱変動パターン(刀LV1強変動パターン)である場合は、選択操作機会に遊技者は操作することを選択するべきであり、選択操作機会に操作すると基本演出パターンと同様に期待度を把握してリーチ演出に臨むことができる。一方、操作しないことを選択すると、後述のレベルアップ演出を獲得することができないだけでなく、本来操作をしていれば知り得た期待度を把握することもできないままリーチ演出を迎えることになる。また、選択された変動パターンが刀LV3弱変動パターン(刀LV3強変動パターン)である場合は、選択操作機会に遊技者は操作しないことを選択するべきである。選択操作機会に操作しなければ、基本演出パターンと同様に擬似連変動(再変動)の継続による演出を楽しむことができる。一方、操作してしまうと、操作しなければ獲得できた擬似連変動(再変動)の継続による演出(レベルアップ演出による刀装飾体5001の形態変化)を見逃すとともに刀装飾体5001の形態を初期形態に戻すことになる。選択操作機会における操作は、遊技者には知り得ない主制御基板1310によって選択される変動パターンに応じて得られる操作効果が真逆になり、操作が有効に受け付けられる操作有効期間における操作が遊技者に不利益となる操作結果をもたらすという斬新な演出を提供している。また、基本演出パターンの操作機会における操作よりも特定演出パターンの選択操作機会における操作の方がその後の演出展開に及ぼす影響が大きい。したがって、遊技者は緊張感と期待感をもって選択操作機会における操作に臨むことになる。よって、遊技者の操作意欲の減退を抑制するとともに画一的な操作効果が招く遊技興趣の低下を抑制することができる。
特に、擬似刀LV1弱演出パターン(擬似刀LV1強演出パターン)が刀LV3弱変動パターン(刀LV3強変動パターン)に基づいて設定された場合には、1回目の擬似連変動(再変動)における選択操作機会において遊技者が刀装飾体5001を操作すると、段階3形態どころが選択操作機会のときの段階1形態から段階0形態(初期形態)にレベルダウンされる。一方、遊技者が刀装飾体5001を操作しなければ継続して擬似連変動(再変動)が2回行われて段階3形態にレベルアップされるとともに再び操作機会が付与される。従来は演出パターンで予め設定された回数の操作が要求されるが、本例では予め2回(LV1とL3)の操作機会が付与可能であるところ、遊技者が操作することで1回の操作機会で付与終了となり、より遊技者の意思を反映した目新しい演出を提供することができる。よって、代わり映えしない操作効果に対する遊技者の操作意欲の減退を抑制するとともに遊技興趣の低下を抑制することができる。
言い換えると、主制御基板1310によって選択された変動パターンによって刀装飾体5001が初期形態から段階3形態まで変化可能な演出パターンが設定されていても、遊技者の操作によっては初期形態から段階1形態までの変化しか見ることできずにリーチ演出に至ることになる。選択された変動パターン(設定された演出パターン)に捉われずに遊技者に操作選択させることができるので、より遊技者に自身の操作選択が演出を決めている実感を与えることができる。よって、遊技者の操作意欲の減退を抑制するとともに遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、選択操作機会において刀装飾体5001を操作すると、刀装飾体5001の形態は初期形態に戻ってしまうが、特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出によって期待度を把握することができる。刀装飾体5001を操作しないと、期待度を把握することができずに終わる場合と、さらに形態が段階変化(レベルアップ)し、段階3形態になってから付与される操作機会において操作することで特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出によって期待度を把握することができる場合とがある。このように、選択操作機会での操作選択は基本演出パターンと同じ通常の操作効果を生み、操作しない選択は通常の操作効果よりも低い効果若しくは通常の操作効果よりも高い効果を生み出す。そこで、高い効果となる場合は低い効果となる場合よりも期待度が高くなるように設定するのが好ましい。
図320(A)では同一演出パターン(擬似刀LV1弱演出パターン、擬似刀LV1強演出パターン)における期待度を変動パターンに応じて変えているが、これに限らない。例えば、同一演出パターンの期待度を変動パターンに拘わらず一定にしてもよい。なお、より遊技者自身の選択感覚に合った適切な演出を提供するためには、同一演出パターンにおける期待度を変動パターンや効果に応じて変えたほうが好ましい。これにより、遊技者の操作意欲の減退を抑制するとともに遊技興趣の低下を抑制することができる。
続いて、図320(B)及び図324を参照して、擬似刀LV1弱演出パターン又は擬似刀LV1強演出パターンが設定されている場合の刀装飾体5001及び特定装飾部材SDY(簾役物)の動作実行タイミングについて説明する。
図320(B)に示すように、擬似刀LV1弱演出パターン及び擬似刀LV1強演出パターンでは、1回目の擬似連変動(再変動)が行われる期間T1において、段階1形態の刀装飾体5001を操作手段として有効にし、遊技者に操作機会を付与する。そして擬似刀LV1弱演出パターンが設定されている場合は、遊技者の操作によって特定装飾部材SDY(簾役物)が半落下する落下演出(期待度報知演出)が行われる。また、擬似刀LV1強演出パターンが設定されている場合は、遊技者の操作によって特定装飾部材SDY(簾役物)が全落下する落下演出(期待度報知演出)が行われる。また、このとき選択されている変動パターンが刀LV3弱変動パターン又は刀LV3強変動パターンである場合は、本来3回の擬似連変動(再変動)が実行可能に設けられているので、特定装飾部材SDYの落下演出の後、残りの演出期間(期間T2+期間T3)において通常態様の図柄変動が行われる。
なお、遊技者の操作が検出されない場合は、どちらの演出パターンであっても落下演出(期待度報知演出)は行われない。そして、このとき選択されている変動パターンが刀LV3弱変動パターン又は刀LV3強変動パターンである場合は、2回目及び3回目の擬似連変動(再変動)を継続し、2回目の擬似連変動(再変動)が行われる期間T2では刀装飾体5001の操作機会を付与せず、3回目の擬似連変動(再変動)が行われる期間T3において、段階3形態の刀装飾体5001を操作手段として有効にし、遊技者に操作機会を付与する。そして、擬似刀LV1弱演出パターンが設定されている場合は、遊技者の操作によって特定装飾部材SDY(簾役物)が半落下する落下演出(期待度報知演出)が行われる。また、擬似刀LV1強演出パターンが設定されている場合は、遊技者の操作によって特定装飾部材SDY(簾役物)が全落下する落下演出(期待度報知演出)が行われる。なお、遊技者の操作が検出されない場合は、どちらの演出パターンであっても落下演出(期待度報知演出)は行われない。
図324に示すように、擬似刀LV1弱演出パターンが設定される場合には、1回目の擬似連変動(再変動)の開始と同時に刀装飾体5001が初期形態から段階1形態に形態変化する(図312(E)参照)。その後、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化し(図312(F)参照)、演出表示装置1600の表示領域に表示される操作機会示唆画像によって操作が有効になるか否か遊技者のドキドキ感を高め、遊技者に操作可能状態(第二抜刀状態)となった刀装飾体5001を十分認識させたのち(図312(G)→図313(T1)→図317(Z1)参照)、遊技者の操作を有効に受け付ける操作有効期間が開始される(図317(Z2)参照)。
そして、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行うと、刀装飾体5001は、第二抜刀状態から納刀状態に状態変化するとともに、段階1形態から初期形態に形態変化する。このとき、「弱」演出パターンの場合は、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から半落下状態に変化する(図316(U3)参照)。そして、1回目の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T1の終了タイミングで、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態に戻り、演出表示装置1600の表示領域に半落下に対応する期待度の期待度報知画像が表示されるので(図316(U4)参照)、遊技者は期間T1の終了を認識する。
また、図示は省略するが、「強」演出パターンの場合は、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から全落下状態に変化し(図316(U1)参照)、全落下に対応する期待度の期待度報知画像が表示される(図316(U2)参照)点が異なる。
一方、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行わず、擬似連変動(再変動)が継続する場合(刀LV3弱変動パターン又は刀LV3強変動パターンに基づいて設定された場合)は、刀装飾体5001は、操作有効期間の終了とともに第二抜刀状態から納刀状態に状態変化するが、段階1形態を維持する(図313(S1)参照)。
そして、2回目の擬似連変動(再変動)の開始と同時に刀装飾体5001が段階1形態から段階2形態に形態変化する(図313(S3)参照)。その後、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化し(図313(S4)参照)、演出表示装置1600の表示領域に表示される操作機会示唆画像によって操作が有効になるか否か遊技者のドキドキ感を高めるが(図314(V1)参照)、遊技者の操作を有効に受け付ける操作有効期間を発生させることなく、操作可能状態(第二抜刀状態)の刀装飾体5001を納刀状態に戻す(図314(V5)参照)。そして、刀装飾体は段階2形態を維持したまま、3回目の擬似連変動(再変動)を迎える(図314(V6)参照)。
そして、3回目の擬似連変動(再変動)の開始と同時に刀装飾体5001が段階2形態から段階3形態に形態変化する(図314(V7)参照)。その後、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化し(図314(V8)参照)、演出表示装置1600の表示領域に表示される操作機会示唆画像によって操作が有効になるか否か遊技者のドキドキ感を高め、遊技者に操作可能状態(第二抜刀状態)となった刀装飾体5001を十分認識させたのち(図315(X1)→(X2)→(X3)参照)、遊技者の操作を有効に受け付ける操作有効期間が開始される(図315(X4)参照)。
そして、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行うと、刀装飾体5001は、第二抜刀状態から納刀状態に状態変化するとともに、段階3形態から初期形態に形態変化する。このとき、「弱」演出パターンの場合は、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から半落下状態に変化する(図316(U3)参照)。そして、3回目の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T3の終了タイミングで、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態に戻り、演出表示装置1600の表示領域に半落下に対応する期待度の期待度報知画像が表示されるので(図316(U4)参照)、遊技者は期間T3の終了を認識する。
また、図示は省略するが、「強」演出パターンの場合は、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から全落下状態に変化し(図316(U1)参照)、全落下に対応する期待度の期待度報知画像が表示される(図316(U2)参照)点が異なる。
一方、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行わない場合は、刀装飾体5001は、操作有効期間の終了とともに第二抜刀状態から納刀状態に状態変化し、段階3形態から初期形態に形態変化する。そして、3回目の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T3の終了タイミングで、演出表示装置1600の表示領域に期待度を報知しないことを示す逃走画像が表示されるので(図318(W2)参照)、遊技者は期間T3の終了を認識する。
また、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行わず、擬似連変動(再変動)が継続されない場合(刀LV1弱変動パターン又は刀LV1強変動パターンに基づいて設定された場合)は、刀装飾体5001は、操作有効期間の終了とともに第二抜刀状態から納刀状態に状態変化し、段階1形態から初期形態に形態変化する。そして、1回目の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T1の終了タイミングで、演出表示装置1600の表示領域に期待度を報知しないことを示す逃走画像が表示されるので(図318(W2)参照)、遊技者は期間T1の終了を認識する。
(擬似復活刀LV1演出パターン)
続いて、図319を参照して、前述の刀LV1弱演出パターンと同じ演出遷移を辿り、そのままリーチ演出に突入するかのように見せた後、擬似連変動(再変動)が復活する擬似復活刀LV1演出パターンが設定された場合の演出遷移例について説明する。前述の演出パターンと同様の演出遷移の説明は、適宜省略する。
擬似復活刀LV1演出パターンは、主制御基板1310によって刀LV3弱変動パターン又は刀LV3強変動パターンが選択された場合に、周辺制御基板1510によって設定され得る演出パターンである。
設定された演出パターンが擬似復活刀LV1演出パターンである場合は、前述の刀LV1弱演出パターンと同様に、前述の図312(A)〜(G)→図313(T1)〜(T3)の演出遷移を辿る。そして、1回目の操作機会において遊技者による操作が検出された場合は、変動パターンの種類に拘わらず、前述の図316(U3)、(U4)及び(U5)と同じ演出である図319(UA1)→(UA2)→(UA3)の演出遷移を辿ったのち、再び擬似連刀図柄による擬似連変動が再開される。なお、1回目の操作機会において遊技者による操作が検出されなかった場合は、他の演出パターンと同様に、操作有効期間の終了とともに刀装飾体5001が初期形態の納刀状態に状態変化し、前述の図319(UA1)→(UA2)の代わりに、演出表示装置1600の表示領域には、特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出が行われずに擬似連変動(再変動)が終了したことを示す逃走画像(「敵、逃走!」)が表示される(図318(W2)参照)。
擬似連変動(再変動)の復活再開は、前述の図319(UA3)に示す演出表示装置1600の表示領域に表示されているリーチ状態(「7↓7」)の三つの装飾図柄のうち中央の装飾図柄が左右の装飾図柄には用意されていない擬似連刀図柄、具体的には刀装飾体5001の形態及び演出レベル(擬似連変動回数)を示す態様の擬似連刀図柄で仮停止表示されることで遊技者に報知する(図319(UA4))。このときの擬似連刀図柄には、段階3形態の刀装飾体5001の刀画像及び演出レベル3が表示されている。この時点では、刀装飾体5001に変化はなく、初期形態(納刀状態)を維持している。このように、擬似復活刀LV1演出パターンでは、擬似連変動(再変動)が復活すると、段階1形態及び段階2形態の刀装飾体5001に対応する擬似連変動(再変動)を行うことなく、段階3形態の刀装飾体5001に対応する擬似連変動(再変動)が行われる。そして、段階3形態での擬似連変動(再変動)が始まる直前の仮停止表示時(図319(UA4))に当該擬似連変動(再変動)における刀装飾体5001の形態及び演出レベルを報知するので、遊技者はどの段階の擬似連変動(再変動)なのかを把握して臨むことができる。
そして、演出表示装置1600の表示領域には、前述の図319(UA4)の時点で表示された擬似連刀図柄が拡大表示されるとともにエフェクト表示が刀装飾体5001に作用するように刀装飾体5001に向けて移動表示され、装飾図柄の再変動が表示される。
そして、刀装飾体5001は、初期形態からオーラ部材5040、第一装飾部5012a及び第二装飾部5012bが動作して両装飾部が一体的な装飾体として視認可能になる段階3形態に形態変化する(図319(UA5))。続いて、演出表示装置1600の表示領域に表示される擬似連刀図柄の刀画像が納刀状態から第二抜刀状態にされるとともに、実際に刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化する(図319(UA6))。ここでは、刀装飾体5001が初期形態から段階3形態まで複数段階分まとめて一気に形態変化するので、迫力ある動作を印象付け、遊技者の関心を惹きつけることができる。
その後、遊技者による納刀操作が可能となった第二抜刀状態(段階3形態)の刀装飾体5001を操作手段として有効にし、操作機会を付与する前述の図315(X1)〜(X5)の演出遷移を辿ったのち、遊技者による操作が検出された場合は、図示しないが、変動パターンの種類に拘わらず、1回目の操作機会での操作検出の有無に応じて特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出の種類が決定される。1回目の操作機会で操作検出されていた場合には、特定装飾部材SDY(簾役物)は一度半落下状態になっているので、レベルアップして前述の図316(U1)→(U2)→(U5)と同じ特定装飾部材SDY(簾役物)の全落下演出による期待度報知演出が行われ、擬似連変動(再変動)が終了する。一方、1回目の操作機会で操作検出されていない場合には、前述の図316(U3)→(U4)→(U5)と同じ特定装飾部材SDY(簾役物)の半落下演出による期待度報知演出が行われ、擬似連変動(再変動)が終了する。
なお、第二抜刀状態(段階3形態)の刀装飾体5001を操作手段として有効にする操作機会において遊技者による操作が検出されない場合には、他の演出パターンと同様に、操作有効期間の終了とともに刀装飾体5001が初期形態の納刀状態に状態変化し、演出表示装置1600の表示領域には、特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出が行われずに擬似連変動(再変動)が終了したことを示す逃走画像(「敵、逃走!」)が表示され(図318(W2)参照)、擬似連変動(再変動)が終了する。
このように、擬似復活刀LV1演出パターンでは、前述の刀LV1弱演出パターンと同様の演出遷移を辿り、再度擬似連変動(再変動)が復活すると、段階2形態のレベルを飛び越えて段階3形態のレベルの演出(基本演出パターンにおける3回目の擬似連変動(再変動)の演出)と同様の展開が行われるので、遊技者は驚きとともに他の演出パターンよりも強い期待感を持ってリーチ演出に臨むことができる。また、遊技者は1回目の擬似連変動(再変動)で操作機会が付与されたり、その後の特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出が半落下となっても、気を落とすことなく擬似連変動(再変動)の復活を期待して遊技を楽しむことができる。
続いて、図320(B)及び図325を参照して、擬似復活刀LV1演出パターンが設定されている場合の刀装飾体5001及び特定装飾部材SDY(簾役物)の動作実行タイミングについて説明する。
図320(B)に示すように、擬似復活刀LV1演出パターンでは、1回目の擬似連変動(再変動)が行われる期間T1において、段階1形態の刀装飾体5001を操作手段として有効にし、遊技者に操作機会を付与する。このとき、選択されている変動パターン(刀LV3弱変動パターン又は刀LV3強変動パターン)に拘わらず、遊技者の操作によって特定装飾部材SDY(簾役物)が半落下する落下演出(期待度報知演出)が行われる。
なお、遊技者の操作がない場合は、落下演出(期待度報知演出)は行われない。
そして、1回目の擬似連変動(再変動)が終了し、一旦は通常態様の装飾図柄の変動表示に戻った後、他の演出パターンにおける3回目の擬似連変動(再変動)が行われる期間T3に対応する、すなわち段階3形態に形態変化する刀装飾体5001を用いた擬似連変動(再変動)が行われる。そして、段階3形態の刀装飾体5001を操作手段として有効にし、遊技者に操作機会を付与する。このとき期間T1にて特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出が行われた場合には、遊技者の操作によって特定装飾部材SDY(簾役物)が全落下する落下演出(期待度報知演出)が行われる。また、期間T1にて期間T1にて特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出が行われていない場合には、遊技者の操作によって特定装飾部材SDY(簾役物)が半落下する落下演出(期待度報知演出)が行われる。なお、遊技者の操作がない場合は、落下演出(期待度報知演出)は行われない。
図325に示すように、擬似復活刀LV1演出パターンが設定される場合には、1回目の擬似連変動(再変動)の開始と同時に刀装飾体5001が初期形態から段階1形態に形態変化する(図312(E)参照)。その後、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化し(図312(F)参照)、演出表示装置1600の表示領域に表示される操作機会示唆画像によって操作が有効になるか否か遊技者のドキドキ感を高め、遊技者に操作可能状態(第二抜刀状態)となった刀装飾体5001を十分認識させたのち(図312(G)→図313(T1)→(T2)参照)、遊技者の操作を有効に受け付ける操作有効期間が開始される(図313(T3)参照)。
そして、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行うと、刀装飾体5001は、第二抜刀状態から納刀状態に状態変化するとともに、段階1形態から初期形態に形態変化する。そして、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から半落下状態に変化する(図319(UA1)参照)。そして、1回目の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T1の終了タイミングで、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態に戻り、演出表示装置1600の表示領域に半落下に対応する期待度の期待度報知画像が表示されるので(図319(UA2)参照)、遊技者は期間T1の終了を認識する。
一方、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行わない場合は、刀装飾体5001は、操作有効期間の終了とともに第二抜刀状態から納刀状態に状態変化し、段階1形態から初期形態に形態変化する。そして、1回目の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T1の終了タイミングで、演出表示装置1600の表示領域に期待度を報知しないことを示す逃走画像が表示されるので(図318(W2)参照)、遊技者は期間T1の終了を認識する。
その後、演出表示装置1600の表示領域では、一旦、通常態様の装飾図柄によってリーチ状態が形成されるが(図319(UA3)参照)、擬似連変動(再変動)が復活する(図319(UA4)参照)。
そして、擬似連変動(再変動)の再開と同時に刀装飾体5001が初期形態(段階0形態)から段階3形態に形態変化する(図319(UA5)参照)。その後、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に状態変化し(図319(UA6)参照)、演出表示装置1600の表示領域に表示される操作機会示唆画像によって操作が有効になるか否か遊技者のドキドキ感を高め、遊技者に操作可能状態(第二抜刀状態)となった刀装飾体5001を十分認識させたのち(図315(X1)→(X2)→(X3)参照)、遊技者の操作を有効に受け付ける操作有効期間が開始される(図315(X4)参照)。
そして、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行うと、刀装飾体5001は、第二抜刀状態から納刀状態に状態変化するとともに、段階3形態から初期形態に形態変化する。このとき、1回目の擬似連変動(再変動)において特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出が行われた場合は、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から全落下状態に変化する落下演出が行われる(図316(U1)参照)。そして、復活の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T3の終了タイミングで、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態に戻り、演出表示装置1600の表示領域に全落下に対応する期待度の期待度報知画像が表示されるので(図316(U2)参照)、遊技者は期間T3の終了を認識する。
また、図示しないが、1回目の擬似連変動(再変動)において特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出が行われていない場合は、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から半落下状態に変化し(図316(U3)参照)、半落下に対応する期待度の期待度報知画像が表示される(図316(U4)参照)点が異なる。
一方、操作有効期間において遊技者が納刀操作を行わない場合は、刀装飾体5001は、操作有効期間の終了とともに第二抜刀状態から納刀状態に状態変化し、段階3形態から初期形態に形態変化する。そして、復活の擬似連変動(再変動)の終了、すなわち期間T3の終了タイミングで、演出表示装置1600の表示領域に期待度を報知しないことを示す逃走画像が表示されるので(図318(W2)参照)、遊技者は期間T3の終了を認識する。
このように、刀装飾体5001を用いた擬似連演出では、擬似連変動(再変動)が複数回行われる刀LV2演出パターン及び刀LV3演出パターンにおいて、擬似連変動回数がそれぞれ2回及び3回未満の場合に、擬似連変動(再変動)一回ごとに刀装飾体5001を納刀状態から第二抜刀状態に状態変化させて遊技者が操作可能な状態にするが、操作有効期間を設けることなく(遊技者に操作機会を付与することなく)、納刀状態に戻すことを特徴とする。このため、遊技者は、刀装飾体5001が操作可能な状態になっても操作有効となるのか否か期待感を募らせることになるので、操作手段としての刀装飾体5001に関心を持たせることができ、操作意欲の減退及び遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、擬似連変動(再変動)では、初期形態から形態変化した刀装飾体5001を遊技者が納刀操作することにより、刀装飾体5001が初期形態に戻ることを特徴とする。このため、遊技者の操作により遊技者にとって有益な演出を提供する従来の画一的な操作効果とは異なる斬新な印象を遊技者に与えることができる。遊技者の操作選択を慎重にさせる。よって、刀装飾体5001における操作に関心を持たせることができ、操作意欲の減退及び遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、刀装飾体5001は、操作機会が付与されるまで(操作有効期間が発生されるまで)に段階的に形態変化することができるので、遊技者の期待や関心を段階的に高め、遊技興趣の低下を抑制することができる。なお、刀装飾体5001が操作時形態かつ第二抜刀状態(操作位置)となってから操作有効期間が発生されるまでの期間は、遊技者が操作位置における操作時態様(形態、発光、可動等)を十分に確認することができる期間設けられることが望ましい。これにより、遊技者は刀装飾体5001を操作する前に操作時態様を確認することができるので、第二抜刀状態になった途端に操作有効期間が発生されて操作手段の態様を確認できないまま慌しく操作演出に移行してしまうことによって遊技興趣が低下してしまう懸念を払拭することができる。
なお、前述の刀装飾体5001の段階変化は形態で示したが、これに限らない。刀装飾体5001の発光態様や動作態様の変化等、各演出態様を擬似連変動(再変動)の継続回数に対応させて段階変化することができるようにしてもよい。
(先読み演出への適用)
なお、前述では擬似連リーチ演出における抜刀演出について説明したが、先読み演出としても実行可能である。先読み演出に適用する場合について以下に述べる。以下では、3つ目の保留が先読み演出対象となって、先読み演出パターンとして刀LV3強演出パターンが設定された場合を例に説明する。
先読み演出対象となる保留が3番目の保留3として発生すると、発生時に実行される変動表示において前述の図312(B)〜(F)と同様の演出が行われる。なお、刀装飾体5001は、第二抜刀状態となるのは操作機会が付与される(操作有効期間が発生される)ときに限定される点が異なる。そして、次の変動表示(すなわち保留3発生時における保留1の変動表示)において前述の図312(G)→図313(S1)〜(S4)と同様の演出が行われる。さらに次の変動表示(すなわち保留3発生時における保留2の変動表示)において前述の図314(V1)→(V5)→(V8)→図315(X1)〜(X3)と同様の演出が行われる。なお、前述したように、先読み演出において刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態に変化するのは、操作有効期間の発生タイミングに限られる。ここで操作有効期間は、先読み演出対象となる保留3の変動表示が開始されるタイミングで発生され、前述の図315(X4)に示す操作促進演出及び刀装飾体5001の状態変化(納刀状態から第二抜刀状態)が行われる。その後、図316(U1)→(U2)→(U5)と同様の演出遷移を辿り、先読み演出が終了される。
刀装飾体5001の納刀状態から第二抜刀状態への状態変化は操作有効期間の発生タイミングに限定されるが、段階的な形態変化は変動表示終了時に行われるようにしても次の変動表示開始時に行われるようにしてもよい。先読み演出においても擬似連リーチ演出と同様の効果を奏する。
(特定装飾部材SDYを用いた操作前示唆演出)
続いて、図326〜図329を参照して、リーチ演出において操作ボタン410又は刀装飾体5001が操作有効となる操作有効期間の前に実行される操作前示唆演出について説明する。操作前示唆演出では、特定装飾部材SDY(簾役物)の動作によって複数の操作手段のうち、操作ボタン410が操作有効となるか、刀装飾体5001が操作有効となるかを示唆可能としている。具体的には、特定装飾部材SDY(簾役物)を用いた操作前示唆演出による示唆パターンとして、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期位置に位置された状態で操作有効期間を発生させる第1示唆パターンと、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期位置から示唆位置へ動作された状態で操作有効期間を発生させる第2示唆パターンとがあり、刀装飾体5001(操作ボタン410よりも当り期待度が高く設定)が操作有効になる場合には、第1示唆パターンよりも高い割合で第2示唆パターンが実行される。具体的には、操作有効期間においても特定装飾部材SDY(簾役物)が初期位置に位置された状態で操作有効期間を発生させる第1示唆パターン(図326(B))の操作前示唆演出が行われた場合には、30%の確率で刀装飾体5001が操作有効となり、70%の確率で操作ボタン410が操作有効となる。これに対し、特定装飾部材SDY(簾役物)が示唆位置へ動作された状態で操作有効期間が発生させる第2示唆パターン(図328(AA1))の操作前示唆演出が行われた場合には、70%の確率(ステップアップパターン含む)で刀装飾体5001が操作有効となり、30%の確率で操作ボタン410が操作有効となる。以下に、操作前示唆演出の第1示唆パターン及び第2示唆パターンにおける特定装飾部材SDY(簾役物)の動作に応じた演出遷移例について説明する。
(第1示唆パターン)
図326及び図327は、主制御基板1310によって抽選された変動パターンの変動演出(リーチ演出)に基づいて、周辺制御基板1510による抽選によってリーチ演出中に操作ボタン410又は刀装飾体5001のいずれかが操作有効とされると決定した場合に、第1示唆パターンの操作前示唆演出が実行されるリーチ演出の遷移例を示す図である。このリーチ演出では、演出表示装置1600の表示領域において三つの装飾図柄がリーチ状態となると(図326(A))、周辺制御基板1510の抽選により操作有効とされることが予め決定された操作ボタン410又は刀装飾体5001のいずれかの操作手段に対する操作有効期間が発生される前に第1示唆パターンの操作前示唆演出が実行される。
第1示唆パターンの具体的な演出内容として、操作有効期間が発生される前の演出表示装置1600の表示領域に操作手段が操作有効となることを示唆する操作演出示唆画像(オーラの回転)が表示され(図326(B))、このとき、特定装飾部材SDY(簾役物)は、初期位置を維持している。また、操作ボタン410及び刀装飾体5001に変化はない。
そして、特定装飾部材SDY(簾役物)を初期位置に維持した状態で、操作有効とされることが予め決定されている操作手段(操作ボタン410又は刀装飾体5001)に対する操作有効期間を発生させる。本例では、操作ボタン5001が操作有効とされる場合には、操作前示唆演出として第2示唆パターン(後述する)よりも高い割合で第1示唆パターンが実行されるように設定している。つまりは、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期位置にある状態で操作有効期間が発生した場合には、刀装飾体5001よりも操作ボタン410のほうが高い割合で操作有効とされることを遊技者に示唆可能となる。
操作ボタン410が操作有効になる場合には、図326(C)に示すように、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期位置を維持している状態で操作ボタン410に対する操作有効期間を発生させる。それとともに演出表示装置1600の表示領域では、遊技者に操作ボタン410の押圧操作を促す操作促進画像と操作有効期間を示すゲージが表示される操作促進演出が行われる。また、このとき操作ボタン410は発光装飾され、遊技者が操作対象を容易に認識できるようにしている。また、刀装飾体5001が操作有効となる場合においても、操作ボタン410よりも低い割合であるが操作前示唆演出が第1示唆パターンで実行される場合がある。そのときには、図326(D)に示すように、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期位置を維持している状態で、刀装飾体5001に対する操作有効期間を発生させる。それとともに演出表示装置1600の表示領域では、遊技者に刀装飾体5001の納刀操作を促す操作促進画像と操作有効期間を示すゲージが表示される操作促進演出が行われる。また、このとき刀装飾体5001は納刀状態から第二抜刀状態(オーラ部材付き形態)に状態変化され、遊技者による納刀操作が可能にされる。
前述の図326(C)又は(D)において操作有効な操作手段(操作ボタン410又は刀装飾体5001)への操作が検出されると、今回の変動表示の結果が大当りとなる場合には、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から全落下状態になるよう落下可動される(図327(CC1))。次いで、特定装飾部材SDY(簾役物)が再び初期状態に戻されると、特定装飾部材SDY(簾役物)との重複が解除された演出表示装置1600の表示領域には、大当りを報知する画像(装飾図柄の停止態様「777」、「お見事」のメッセージ)が表示される(図327(CC2))。一方、今回の変動表示の結果がはずれとなる場合には、特定装飾部材SDY(簾役物)は初期状態を維持して可動されないまま、演出表示装置1600の表示領域には、はずれを報知する画像(装飾図柄の停止態様「767」)が表示される(図327(CC3))。
(第2示唆パターン)
図328は、前述した第1示唆パターンと同様にリーチ演出中に操作ボタン410又は刀装飾体5001のいずれかが操作有効とされると決定した場合に、第2示唆パターンの操作前示唆演出が実行されるリーチ演出の遷移例を示す図である。尚、図329は、操作前示唆演出として第2示唆パターンが行われたにも拘わらず、刀装飾体5001が操作有効とならずに一旦は操作ボタン410が操作有効になり、その後に刀装飾体5001が操作有効になるステップアップパターンの操作前示唆演出について示す図である。
図328(AA1)に示すように、第2示唆パターンの操作前示唆演出は、周辺制御基板1510の抽選により操作有効とされることが予め決定された操作ボタン410又は刀装飾体5001のいずれかの操作手段に対する操作有効期間が発生される前に実行される。第2示唆パターンの具体的な演出内容として、操作有効期間が発生される前の演出表示装置1600の表示領域に操作手段が操作有効となることを示唆する操作演出示唆画像(オーラの回転)が表示される。このとき表示される操作演出示唆画像は、第1示唆パターンにおいて表示される画像と同じであるが、第2示唆パターンにおいては操作演出示唆画像の表示とともに、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期位置から正面視で演出表示装置1600の表示領域の上方部分と重なる小落下状態(示唆位置)に動作し、特定装飾部材SDY(簾役物)は、初期位置と示唆位置との間で上下方向に小刻みに可動される。このとき、操作ボタン410及び刀装飾体に変化はない。
そして、特定装飾部材SDY(簾役物)を示唆位置に動作された状態で、操作有効とされることが予め決定されている操作手段(操作ボタン410又は刀装飾体5001)に対する操作有効期間を発生させる。本例では、刀装飾体5001が操作有効とされる場合には、操作前示唆演出として第1示唆パターンよりも高い割合で第2示唆パターンが実行されるように設定している。つまりは、特定装飾部材SDY(簾役物)が示唆位置にある状態で操作有効期間が発生した場合には、操作ボタン410よりも刀装飾体5001のほうが高い割合で操作有効とされることを遊技者に示唆可能となる。
刀装飾体5001が操作有効となる場合には、図328(AA3)に示すように、特定装飾部材SDY(簾役物)が示唆位置に動作している状態で刀装飾体5001に対する操作有効期間を発生させる。それとともに演出表示装置1600の表示領域では、遊技者に刀装飾体5001の納刀操作を促す操作促進画像と操作有効期間を示すゲージが表示される操作促進演出が行われる。このとき刀装飾体5001は納刀状態から第二抜刀状態(オーラ付き形態)に状態変化され、遊技者による納刀操作が可能にされる。また、操作ボタン410が操作有効となる場合においても、低い割合ではあるが操作前示唆演出が第2示唆パターンで実行される場合がある。そのときには、図328(AA2)に示すように、特定装飾部材SDY(簾役物)が示唆位置に動作している状態で操作ボタン410に対する操作有効期間を発生させ、それとともに演出表示装置1600の表示領域では、遊技者に操作ボタン410の押圧操作を促す操作促進画像と操作有効期間を示すゲージが表示される操作促進演出が行われる。なお、第2示唆パターンでは、操作促進演出において遊技者の操作が検出されると、特定装飾部材SDY(簾役物)が示唆位置に動作している状態から初期状態に可動される。また、初期状態に戻されることなく示唆位置に動作している状態から特定装飾部材SDY(簾役物)の全落下状態若しくは初期状態への可動が行われるようにしてもよい。
そして、前述の図328(AA2)又は(AA3)において操作有効な操作手段(操作ボタン410又は刀装飾体5001)への操作が検出されると、前述の図326(C)又は(D)と同様に、今回の変動表示の結果が大当りとなる場合には、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期状態から全落下状態になるよう落下可動される(図327(CC1))。次いで、特定装飾部材SDY(簾役物)が再び初期状態に戻されると、特定装飾部材SDY(簾役物)との重複が解除された演出表示装置1600の表示領域には、大当りを報知する画像(装飾図柄の停止態様「777」、「お見事」のメッセージ)が表示される(図327(CC2))。一方、今回の変動表示の結果がはずれとなる場合には、特定装飾部材SDY(簾役物)は初期状態を維持して可動されないまま、演出表示装置1600の表示領域には、はずれを報知する画像(装飾図柄の停止態様「767」)が表示される(図327(CC3))。操作促進演出以降の演出遷移は、第1示唆パターンにおける操作促進演出以降の演出遷移と同様である。
なお、第2示唆パターンにおける特定装飾部材SDY(簾役物)の動作パターンは示唆位置に動作されるパターンだけでなく、複数の動作パターンが設けられてもよい。例えば、刀装飾体5001が操作有効となる割合が異なるように複数種類の動作パターンを設ける場合には、動作に対する遊技者の関心を高めることができるので、特定装飾部材SDY(簾役物)を用いた操作前示唆演出及び操作促進演出の興趣を高めることができる。
(ステップアップパターン)
特定装飾部材SDY(簾役物)が示唆位置へ動作された状態で操作有効期間が発生させる第2示唆パターンの操作前示唆演出が行われ、刀装飾体5001が操作有効になる場合には、刀装飾体5001が操作有効となるまでに前述の図328(AA1)→(AA3)の演出遷移を辿る基本パターンの他に、一旦は操作ボタン410が操作有効になり、その後刀装飾体5001が操作有効になるステップアップパターンが設けられている。
図329(BB1)〜(BB4)に示すように、ステップアップパターンの操作前示唆演出は、周辺制御基板1510の抽選により操作有効とされることが予め決定された刀装飾体5001に対する操作有効期間が発生される前に、すなわち前述の図328(AA3)に示す刀装飾体5001の操作促進演出が行われる前に実行される。
ステップアップパターンでは、まず、前述の図328(AA1)と同様の操作演出示唆画像(オーラの回転)の表示及び特定装飾部材SDY(簾役物)の小刻み可動が行われる(図329(BB1))。次いで、特定装飾部材SDY(簾役物)を示唆位置に動作された状態で、操作ボタン410に対する操作有効期間を発生させる。それとともに操作ボタン410が発光装飾され、演出表示装置1600の表示領域では、遊技者に操作ボタン410の押圧操作を促す操作促進画像と操作有効期間を示すゲージが表示される操作促進演出が行われる(図329(BB2))。ここでは操作ボタン410の操作有効期間中に遊技者による操作ボタン410の押圧操作が検出されても前述の図327に示すような結果報知は行われず、操作有効な操作手段の切り替えを示唆する切替示唆画像(大部分のブラックアウト画像)が表示される(図329(BB3))。切替示唆画像は、遊技者による操作ボタン410の押圧操作又は操作ボタン410の操作有効期間の終了を契機に表示される。その後、刀装飾体5001が納刀状態から第二抜刀状態(オーラ付き形態)に変化するとともに、演出表示装置1600の表示領域には、操作有効となる操作手段が操作ボタン410から刀装飾体5001に切り替えられることを報知する切替報知画像(「抜刀チャンス」「刀を納めて頂きたくござ候う」のメッセージ)が表示される(図329(BB4))。この間、特定装飾部材SDY(簾役物)は示唆位置に動作した状態である。そして、刀装飾体5001の操作有効期間を発生させると、前述の図328(AA3)に示す刀装飾体5001の操作促進演出が行われる。操作促進演出以降の演出遷移は、前述の第2示唆パターンにおける操作促進演出以降の演出遷移(図327)と同様である。
なお、前述の図329(BB2)のときにボタン操作410を操作有効にすることなく(操作促進演出なし)、ボタン操作410の画像表示のみが行われるようにしてもよい。
遊技者の関心を一旦はボタン操作410に向けたのちに刀装飾体5001を操作させるようにできればよい。また、ステップアップパターンは、第2示唆パターンとなるときに限らず、第1示唆パターンとなるときにも選択可能にしてもよい。
このように、本例の操作前示唆演出では、複数の操作手段のうち一方の操作手段が操作有効とされる操作手段の操作有効期間が発生される前に、特定装飾部材SDY(簾役物)の位置を変化可能とし、その位置によって操作有効とされる操作手段を示唆する。具体的には、特定装飾部材SDY(簾役物)が初期位置に位置している状態において操作有効期間が発生される第1示唆パターン(図326(B))では、操作ボタン410が操作有効とされる期待度が高く、特定装飾部材SDY(簾役物)が示唆位置に位置している状態において操作有効期間が発生される第2示唆パターン(図328(AA1)では、刀装飾体5001が操作有効とされる期待度が高い。このため、遊技者はいずれの操作手段が操作有効となるか把握するために特定装飾部材SDY(簾役物)の状態に着目するので、操作前示唆演出の興趣を高めることができる。
また、第2示唆パターンでは操作前示唆演出において特定装飾部材SDY(簾役物)の上下方向の小刻み可動が行われる。そして、操作手段の操作後の結果報知(図327)にも特定装飾部材SDY(簾役物)の動作演出(落下演出)が用いられるので、操作前示唆演出の上下小刻み可動から落下演出を一連の演出に見せることができ、遊技興趣の低下を抑制することができる。なお、前述では特定装飾部材SDY(簾役物)の状態、すなわち可動体によって操作有効となる操作手段が操作有効となる期待度を示したが、これに限らず、操作前示唆演出中にキャラクタ表示を行って期待度を示唆してもよい。また、操作有効となる操作手段が決まったときに、操作ボタン410の点灯、又は、刀装飾体5001の第二抜刀状態への変化だけでなく、操作有効となる操作手段を振動等によって可動させたりしてもよい。
また、第2示唆パターンには、特定装飾部材SDY(簾役物)が示唆位置に位置している状態において一旦は操作ボタン410が操作有効になったのちに(もしくは操作有効になると見せかけたのちに)刀装飾体5001が操作有効になるステップアップパターンが設けられている。これにより、遊技者は双方の操作手段に関心を持つ。また、操作前示唆演出の直後に操作ボタン410が操作有効となってもその後に刀装飾体5001が操作有効になるかもしれない期待をもつことができるので、操作意欲の減退及び遊技興趣の低下を抑制することができる。
なお、操作前示唆演出の第1示唆パターンにおいて、複数の操作手段(操作ボタン410又は刀装飾体5001)のうちいずれかが操作有効とされる操作有効期間の前の操作演出示唆画像が表示されるタイミングにおいて(図326(B))、第2示唆パターンと同様に(図328(AA1))、特定装飾部材SDY(簾役物)を初期位置から正面視で演出表示装置1600の表示領域の上方部分と重複する小落下状態(示唆位置)に動作し、初期位置と示唆位置との間で上下方向の小刻み可動をさせるようにしても良い。なお、その後に操作有効期間を発生させるときには特定装飾部材SDY(簾役物)は初期位置(静止)に戻される。これにより、第1示唆パターンにおける特定装飾部材SDY(簾役物)の動作は、同タイミングの第2示唆パターンにおける動作と一部同じ動作となるので、遊技者に第1示唆パターンによる操作演出示唆画像が表示された場合においても、第2示唆パターンの操作前示唆演出が実行されていると思わせることが可能となる。このため、第1示唆パターンによる操作前示唆演出が実行されている場合においても遊技者に刀装飾体5001が操作有効となることを期待させることが可能となる。そして、遊技者は、操作演出示唆画像の表示タイミングで動作される特定装飾部材SDY(簾役物)が示唆位置に動作された状態で操作有効期間が発生することを強く望むので、操作前示唆演出の興趣を向上させることができる。
[特定の操作関連演出]
上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、大当り判定の結果に応じた演出判定で特定の結果が得られた場合、遊技盤側演出表示装置1600において特定の演出パターンで演出を実行する。特定の演出パターンが実行される演出期間では、遊技者による操作によって特定の演出実行条件を成立させる特定演出受付期間(有効期間)を発生可能であり、該特定演出受付期間内で操作が行われると、特定の演出実行条件の成立に基づき特定の操作時演出(特典付与にかかる期待度が示唆される演出など)を実行可能としている。特定の操作時演出の結果として示唆される特典付与にかかる期待度は100%や0%であってもよい。
また、これも上述した通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような操作時演出(操作すると特典付与にかかる期待度が示唆される演出など)に供される操作手段として、操作ボタン410のほか、これとは別の操作手段(刀装飾体5001など)をさらに備えることが可能とされている。この点、特定の演出パターンでは、演出判定の結果に基づいて、操作ボタン410に対して操作機会が付与される場合(操作ボタン410を操作すると特定の演出実行条件が成立する場合)と、これとは別の操作手段(刀装飾体5001など)に対して操作機会が付与される場合(別の操作手段を操作すると特定の演出実行条件が成立する場合)とがある。そして、別の操作手段(刀装飾体5001など)に対して操作機会が付与されると、その操作機会で操作が行われずとも該操作機会が付与される当該操作前演出が発生しただけで、操作ボタン410に対して操作機会が付与される場合よりも特典付与にかかる期待度(大当り期待度)が高いことを遊技者に対して認識可能とされるようにしている。別の操作手段(刀装飾体5001など)に対して操作機会が付与されたときに示唆される特典付与にかかる期待度は100%や0%であってもよい。
このような構成によれば、別の操作手段(刀装飾体5001など)に対して操作機会が付与された場合は、該別の操作手段(刀装飾体5001など)に対する操作に応じた操作時演出が未だ行われていない前段階にあり、且つ今まさに操作が行われようとしている状況にあるときの遊技興趣の向上を図ることができるようになる。すなわちこの場合、別の操作手段(刀装飾体5001など)に対する操作に応じた操作時演出において所望の演出結果(特典付与にかかる期待度が高いことが示唆される演出結果など)が現れないようになっていたり、特定演出受付期間(有効期間)内に操作手段に対する操作を行うことができなかった場合であっても、このような操作関連演出を通じて遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
そして、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、このような演出的性質を有した複数の操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001など)のいずれかに操作機会を付与する場合は、それら操作機会の付与に際して、共通の操作関連演出を実行可能としている。
例えば、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、操作ボタン410に対する操作が有効化(演出受付可能に)される有効期間(演出受付期間)を発生させる演出態様として、少なくとも、
・刀装飾体5001に対する操作が有効化(演出受付可能に)される場合にも現れうる「特定の操作関連演出」が演出開始されてから当該操作ボタン410に対する操作が有効化(演出受付可能に)される有効期間(演出受付期間)を発生させる第1の演出態様、及び・「特定の操作関連演出」が演出開始されることなく当該操作ボタン410に対する操作が有効化(演出受付可能に)される有効期間(演出受付期間)を発生させる第2の演出態様
といった複数の演出態様を用意しており、それら演出態様のいずれかを実行することで、操作ボタン410に対する操作が有効化(演出受付可能に)される有効期間(演出受付期間)を発生させるようにしている。
このような構成によれば、複数の操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001など)のうち特定操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作が演出受付可能とされる期間が発生する場合と該特定操作手段とは別の操作手段(例えば、刀装飾体5001)が演出受付可能とされる期間が発生する場合とのいずれの場合であっても、それらの期間発生に先立って共通(特定)の操作関連演出が実行可能とされるようになることから、特定操作手段及び別の操作手段のいずれが演出受付可能とされるかについての面白みを持たせることができるようになり、こうした演出が行われるもとで操作を行わせることで、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
なお、このような共通(特定)の操作関連演出では、該演出が演出開始されてから所定時間が経過すると複数の操作手段(例えば、操作ボタン410、刀装飾体5001)のいずれかに対応する演出受付期間が発生されることとなるが、少なくとも該演出が演出開始された時点ではそれら操作手段(例えば、操作ボタン410、刀装飾体5001)のいずれに対応する演出受付期間が発生するかについては秘匿にするようにすることが望ましい。
以下、このような共通(特定)の操作関連演出を実施するときに採用可能ないくつかの演出態様を順次説明する。なお、以下の各説明例やそれらの別例では、共通(特定)の操作関連演出の対象とされる複数の操作手段として操作ボタン410と刀装飾体5001とをそれぞれ用いることとしているが、該操作手段の種類としてはこれらに限られないし、共通(特定)の操作関連演出の対象とされる複数の操作手段として3つ以上の操作手段を用意するようにしてもよい。また、以下の演出例やそれらの別例では、主に、共通(特定)の操作関連演出が実行されてからいずれかの演出受付期間が発生する場合における演出内容を示しており、共通(特定)の操作関連演出が実行されることなくいずれかの演出受付期間が発生する場合についてはその演出内容を割愛する場合がある。ただし、共通(特定)の操作関連演出が実行されないままで、いずれかの演出受付期間が発生する場合における演出内容としては、例えば、図206(E),(G)などで示した通りである。すなわちこの場合、特定の操作関連演出が実行されないままで、操作ボタン410に対する操作を促す操作指示画像が現れるか、刀装飾体5001に対する操作を促す操作指示画像が現れることとなる。またさらに、以下の各演出例やそれらの別例では、リーチ状態が形成されていない状態にあるときに共通(特定)の操作関連演出を行うこととしているが、リーチ状態が形成されてリーチ演出が実行されている期間中に該リーチ演出として表示されている演出画像とは別の画像として共通(特定)の操作関連演出を発生させるようにしてもよいし、大当り遊技の実行期間中に共通(特定)の操作関連演出を発生させるようにしてもよい。
なお、以下に説明する各演出は、後述する各別例の演出との間で適宜に組み合わせて実行することが可能であるとともに、上述した各演出との間でも適宜に組み合わせて実行することが可能である。以下に説明する各演出は、後述する各別例の演出にその一部を置き換えることによって組み合わせることも可能であるし、第1の演出パターンが実行されるときには以下に説明する各演出が行われて、第2の演出パターンが実行されるときには後述する各別例の演出が行われるようにすることも可能である。このことは、後述する各別例の演出の間でも同じことが言える。
[第1の演出態様]
図330及び図331は、特定の操作関連演出が演出開始された以降、該特定の操作関連演出が実行されている期間中に操作ボタン410と刀装飾体5001との少なくとも一方が演出受付可能とされる演出例(第1の演出態様)を示す図である。
図330(a)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が大当り判定の結果に応じた特定の演出パターンで演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図330(b)は、図330(a)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、特定の操作関連演出が演出開始された演出状況を示している。
ここで、図330(b)に示される特定の操作関連演出では、操作ボタン410に対応するボタン画像BTGと、刀装飾体5001に対応する刀装飾画像SYGとが、演出表示装置1600の表示領域内をそれぞれ移動する表示が行われる。このように、異種の操作手段にそれぞれ対応する複数種の操作関連画像(ここでは、ボタン画像BTG、刀装飾画像SYG)を表示領域内で同時表示するようにしたことで、操作ボタン410と刀装飾体5001とのいずれが演出受付可能とされるのかを不明としたままで、それら操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001)のいずれかに対する操作が間もなく演出受付可能とされることを示唆することができるようになる。
図330(c)は、図330(b)に示した特定の操作関連演出が進展し、操作ボタン410に対応するボタン画像BTGと刀装飾体5001に対応する刀装飾画像SYGとの両方が表示領域内でそれぞれ停止表示された状態で、それら操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001)のいずれかを操作することを促す指示表示(ここでは、「操作せよ」といった文字表示と、演出受付可能期間の残り時間を示すバー表示)が現れた演出状況を示している。
このような演出態様によれば、操作ボタン410と刀装飾体5001との少なくともいずれかに対する操作が演出受付可能とされているにもかかわらず、それら操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001)のいずれが演出受付可能とされているのかを不明とすることができるようになる。これは、操作ボタン410に対する操作が演出受付可能とされる状況と、刀装飾体5001に対する操作が演出受付可能とされる状況とのいずれの状況においても同じ演出態様(図330(c))が表示されているからに他ならない。すなわち、この演出例(第1の演出態様)では、複数の操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001)の少なくとも1つに対する操作が演出受付可能とされるよりも前から、複数の操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001)の少なくとも1つに対する操作が演出受付可能とされた後までの期間にわたって、図330(b),(c)に示されるような共通(特定)の操作関連演出を実行するようにしている。
したがって、この演出例はもとより、以下に説明する各演出例やそれらの別例においても、特定の操作関連演出の演出内容としては、図330(b),(c)に示される内容に限られない。要は、特定の操作関連演出が実行されると、操作ボタン410に対する演出受付期間、及び刀装飾体5001に対する演出受付期間の少なくともいずれかがその後(ここでは、当該特定の操作関連演出の実行期間中)に発生するようになっていればよい。
このような構成であれば、操作ボタン410と刀装飾体5001とのいずれが演出受付可能とされるのかを不明としたままで、それら操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001)の少なくとも1つに対する操作が演出受付可能とされることを示唆することは可能である。例えば、異種の操作手段にそれぞれ対応する複数種の操作関連画像(ここでは、ボタン画像BTG、刀装飾画像SYG)についても、必ずしもそれらを同時表示しなくてもよいし、ボタン画像BTG及び刀装飾画像SYGのいずれも出現させずそれらのいずれとも異なる演出画像を特定の操作関連演出として出現させるようにしてもよい。
ただし、操作ボタン410と刀装飾体5001とのいずれが演出受付可能とされるのかをより確実に秘匿にする上では、操作ボタン410に対する演出受付期間が発生する場合と、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生する場合とで、特定の操作関連演出が実行(演出開始)されてからそれらの演出受付期間が発生するまでに要する時間を同じに設定するようにすることがより望ましい。
また、特定の操作関連演出が行われているなかで表示される操作指示としては、操作手段のいずれを操作すべきかは不明であるが、いずれかの操作手段に対する操作を促す表示(「操作せよ」など)を行うものであってもよいし、複数の操作手段がそれぞれどのように演出受付可能とされるかにかかわらず、常に、複数の操作手段のうちの特定の操作手段を操作することを促す表示を行うようにしたものであってもよい。要は、操作指示としても、操作ボタン410に対する操作が演出受付可能とされる状況と、刀装飾体5001に対する操作が演出受付可能とされる状況とのいずれの状況においても同じ演出態様を出現させるようにすることで、複数の操作手段のいずれが演出受付可能とされているのかを秘匿にしたままで操作機会を付与することが可能とされるようになる。
また、図330(c)に示される演出例(第1の演出態様)では、操作ボタン410と刀装飾体5001とのいずれに対する操作が演出受付可能とされているのか秘匿にされているなかで、刀装飾体5001に対する操作が演出受付可能とされているときも、刀装飾体5001に対する操作が演出受付可能とされていないときも(後述する第1〜第3状況のいずれの状況にある場合であっても)、操作ボタン410と刀装飾体5001とのうちの操作ボタン410のみを発光状態にしており、操作ボタン410に対する操作を促すようにしている。ただしこれに代えて、操作ボタン410と刀装飾体5001との両方を非発光の状態にしてもよいし、刀装飾体5001側にも発光手段を設けて操作ボタン410と刀装飾体5001との両方を発光させるようにしてもよい。
ここで、この演出例(第1の演出態様)では、図330(c)に示される画像が現れる演出状況とは、操作ボタン410と刀装飾体5001とのうちの操作ボタン410に対する操作のみが演出受付可能とされている第1状況にあるか、刀装飾体5001に対する操作のみが演出受付可能とされている第2状況にあるか、若しくは操作ボタン410に対する操作と刀装飾体5001に対する操作との両方が演出受付可能とされている第3状況のいずれかにあるように設定されている。なお、これら複数の状況のうち、第2状況(刀装飾体5001に対して操作機会が付与される状況)が発生した場合は、第1状況(操作ボタン410に対して操作機会が付与される状況)が発生したときよりも特典付与にかかる期待度が高くなるようにされている。したがって、大当り判定の結果に応じた図柄変動内で第2状況(刀装飾体5001に対して操作機会が付与される状況)が発生する割合は、第1状況(操作ボタン410に対して操作機会が付与される状況)が発生する割合よりも低くされるようにすることが望ましい。
そして、この演出例(第1の演出態様)では、第1状況(操作ボタン410)及び第3状況(操作ボタン410、刀装飾体5001)のいずれかの状況にあるときに操作ボタン410に対する操作が行われるか(図中「FF」の進展がなされるか)、第2状況(刀装飾体5001)及び第3状況(操作ボタン410、刀装飾体5001)のいずれかの状況にあるときに刀装飾体5001に対する操作が行われると(図中「GG」の進展がなされると)、演出受付がなされて該操作に応じた操作時演出(図331(d)、図331(f))が行われるようになっている。
操作時演出では、図331(d),(f)に示される状況のいずれの場合であっても、特定装飾部材SDYを表示領域の前方まで変位させるとともに、演出表示装置1600において所定の表示演出(「チャンス!!」)を実行させるようになっている。なお、所定の表示演出としては、例えば、相対的に低い期待度であることが示唆される「チャンス!!」と、相対的に高い期待度であることが示唆される「激熱!!」といった複数の演出態様を用意し、これら演出態様のいずれかを演出受付に応じて表示させることで、特典付与にかかる期待度を示唆するようにしてもよい。特定装飾部材SDYの動作についても、これと同様、例えば、表示領域の前方まで変位させる動作を行わない演出態様を持たせておき、それら演出態様のいずれかを演出受付に応じて出現させることで、特典付与にかかる期待度を示唆するようにしてもよい。期待度は、「100%」や「0%」であってもよい。
しかも、この演出例(第1の演出態様)にかかる操作時演出では、図331(d),(f)に示される状況のいずれの場合であっても、遊技者による操作によって演出受付がなされると該操作に基づいて操作手段を動作状態(操作前の非動作状態とは異なる状態)にする制御を実行可能としている。
より具体的には、まず、図331(d)に示される演出状況においては、操作ボタン410に対して遊技者による操作が行われたにもかかわらず、その演出受付に応じて、該操作が行われていない側の刀装飾体5001を第一位置と第二位置との間で往復動作させる制御を実行可能としている。このような構成によれば、操作ボタン410に対して遊技者による操作が行われた結果として演出受付が発生して操作ボタン410側の操作時演出が実行された状況にはあるものの、「操作ボタン410を操作せず、より期待度の高い側の刀装飾体5001を操作した場合であっても、演出受付が発生して刀装飾体5001側の操作時演出が実行されたのではないか」といった可能性を遊技者に対してアピールすることができるようになる。
これに対し、図331(f)に示される演出状況においては、刀装飾体5001に対して遊技者による抜刀操作が行われた結果、その演出受付に応じて、刀装飾体5001を納刀位置(納刀状態)へと戻すのではなく抜刀位置(抜刀状態)にて維持させる制御を実行可能としている。これにより、刀装飾体5001は、遊技者による操作に基づいて納刀位置(納刀状態)から抜刀位置(抜刀状態)へと移動することとなり、こうした抜刀状態にて維持されている状態にあるときに操作時演出が行われるようになる。したがって、操作ボタン410側の操作時演出と刀装飾体5001側の操作時演出とで同じ演出(特定装飾部材SDYや、所定の表示演出など)が実行されたとしても、その際の刀装飾体5001の動作状態を確認することで、刀装飾体5001側の操作に起因した操作時演出が実行されている実感を覚えさせることができるようになる。
そして、こうして操作時演出(図331(d),(f))が行われた後は、図331(e)に示されるように、リーチ状態が形成されてリーチ演出が行われうる。ただし、リーチ演出の実行期間中は刀装飾体5001を用いた演出が実行される可能性があることから、操作ボタン410側の操作時演出と刀装飾体5001側の操作時演出とのいずれが実行された場合であっても、所定時間が経過したときに(該リーチ演出が開始されるよりも前の段階で)刀装飾体5001を非操作の状態(納刀位置(納刀状態))へと戻す制御を行うこととなる。ただし、上述の作用効果を好適に得る上では、刀装飾体5001については、特定装飾部材SDYが表示領域側へと移動してから初期位置(非駆動位置)に戻るまでの期間の少なくとも半分以上の期間にわたって、その動作状態(往復動作、または抜刀状態での維持)を継続させるようにすることが望ましい。また、刀装飾体5001については、特定装飾部材SDYが初期位置(非駆動位置)へと戻るまでよりも早い段階でその動作状態を終了させて駆動力が付与されないようにすることが消費する電力量(可動負荷)との関係でより望ましい。
このような図330及び図331に示される演出例(第1の演出態様)によれば、複数の操作手段(操作ボタン410及び刀装飾体5001)のうち特定の操作手段(例えば、刀装飾体5001)が演出受付可能とされる場合と演出受付可能とされない場合とのいずれの場合であっても、共通(特定)の操作関連演出が演出開始され、該演出開始された共通(特定)の操作関連演出が実行されているなかで特定の操作手段(例えば、刀装飾体5001)が演出受付可能とされたり、該特定の操作手段(例えば、刀装飾体5001)は演出受付可能とされずに操作ボタン410が演出受付可能とされたりするようになることから、該特定の操作手段(例えば、刀装飾体5001)及び別の操作手段(例えば、操作ボタン410)がそれぞれ演出受付可能とされているかを秘匿にした状態で操作機会を付与することができるようになる。
この演出例(第1の演出態様)では、特に、特定の操作手段(例えば、刀装飾体5001)が演出受付可能とされるか、該特定の操作手段(例えば、刀装飾体5001)は演出受付可能とされずに操作ボタン410が演出受付可能とされるかにかかわらず、このような共通(特定)の操作関連演出が行われている間に操作機会が付与されるときには操作ボタン410及び刀装飾体5001のうちの操作ボタン410のみが発光するようになっていることも相まって、刀装飾体5001が演出受付可能とされていたとしても、該刀装飾体5001は演出受付可能とされていないかのように惑わすことができるようになる。すなわちこの場合、演出受付されると相対的に期待度の高い演出が行われる割合の高い側である刀装飾体5001ではなく、低い側の操作ボタン410に対する操作を促すことができるようになり、共通(特定)の操作関連演出が行われたときにいずれの操作手段を操作すべきかについての面白みを付与することが期待されるようになる。
なお、このような共通(特定)の操作関連演出が行われている間に演出受付可能とされていない側(演出受付期間が発生していない側)の操作手段が操作された場合には、何らの反応も生じないこととなる。ただし、このような誤った操作を行った分だけ演出受付期間が消化されてその残り時間が少なくなってしまうデメリットを享受させることは可能である。
ただし、共通(特定)の操作関連演出が行われている間に演出受付可能とされていない側(演出受付期間が発生していない側)の操作手段が操作された場合には、上記操作時演出(特定装飾部材SDYや、所定の表示演出など)の実行に要する演出受付は成立させないものの該操作の検出これ自体は行うこととし、該検出に基づいて演出受付可能とされている側の操作手段に対する演出受付期間をその時点で終了させる制御を行うようにしてもよい。このような構成によれば、操作機会が喪失されるリスクが生じるようになることから、複数の操作手段のいずれが演出受付可能とされているかを熟慮させて慎重に操作させることを促すことができるようになる。
また、上記演出例(第1の演出態様)では、操作ボタン410側の操作時演出と刀装飾体5001側の操作時演出とで同じ演出(特定装飾部材SDYや、所定の表示演出など)が実行されるようにしたが、これらの操作時演出を互いに異なる演出内容にしてもよい。
例えば、刀装飾体5001側の操作時演出では、操作ボタン410側の操作時演出で行われる演出態様に加えて、別の演出態様(例えば、演出表示装置1600とは異なる発光部が発光したり、独自の演出音が発生したりするなど)がさらに現れるようにすれば、刀装飾体5001に対する操作が演出受付されたときの遊技興趣の向上をより適切に図ることができるようになる。
また、第1の操作手段(例えば、操作ボタン410または刀装飾体5001)が操作されたときにのみ実行可能とされる別の演出態様を用意する場合は、該別の演出態様の発生に関わる演出受付期間が当該第1の操作手段(例えば、操作ボタン410または刀装飾体5001)に対して設定されている場合と、該別の演出態様の発生に関わる演出受付期間は設定されておらず第2の操作手段(例えば、第1の操作手段が操作ボタン410であれば刀装飾体5001であり、第1の操作手段が刀装飾体5001であれば操作ボタン410)に対する演出受付期間が設定されている場合とのいずれの場合であっても、図330(c)に示される状況において第1の操作手段に対する操作があったときには操作時演出を行いうるようにしてもよい。すなわちこの場合、共通(特定)の操作関連演出が行われているなかで上記別の演出態様の発生に関わる演出受付期間が設定されているときに第1の操作手段に対する操作があったときには、操作時演出として別の演出態様を実行するのに対し、共通(特定)の操作関連演出が行われているなかで上記別の演出態様の発生に関わる演出受付期間が設定されていないとき(第2の操作手段に対する演出受付期間が設定されているとき)に第1の操作手段に対する操作があったときには、操作時演出として別の演出態様は実行しないが、操作ボタン410が操作されたときと同じ操作時演出を行うこととなる。要は、別の演出態様の発生に関わる演出受付期間が上記第1の操作手段に対して設定されないときには、第2の操作手段側の操作時演出の発生に関わる演出受付期間を上記第2の操作手段と上記第1の操作手段との両方に対して設定することとなる。なお、操作時演出として別の演出態様を出現させる場合は、第2の操作手段側の操作時演出で行われる演出態様に加えて当該別の演出態様を出現させるのではなく、第2の操作手段側の操作時演出とは異なる演出内容として操作時演出を行うようにしてもよい。
なお、上記演出例(第1の演出態様)では、共通(特定)の操作関連演出が行われている間に操作を促す指示表示が現れる状況とは、操作ボタン410と刀装飾体5001とのうちの操作ボタン410に対する操作のみが演出受付可能とされている第1状況、刀装飾体5001に対する操作のみが演出受付可能とされている第2状況、及び操作ボタン410に対する操作と刀装飾体5001に対する操作との両方が演出受付可能とされている第3状況のいずれかに該当するように設定することとしている。なおこの場合、第1状況及び第2状況では、演出受付がなされると同じ操作時演出が現れるようにするのに対し、第3状況では、第1状況及び第2状況のいずれとも異なる操作時演出または上記別の演出態様(第1状況及び第2状況の操作時演出とも異なる)が現れるようにすることが望ましい。ただし、上記演出例にあって、上記第3状況は必ずしもなくてもよい。
また、上記演出例にかかる操作ボタン410は、周辺制御MPU1511aによる制御によって駆動力が付与される操作手段としては設けられないものではあるが、操作ボタン410を動作可能な操作手段として設けるようにした上で、上記演出例(第1の演出態様)のうち、図331(f)に示される演出状況においても、図331(d)に示される演出状況と同様、遊技者による操作が行われなかった側の操作ボタン410を動作させる制御を実行可能とするようにしてもよい。なお、このような制御では、遊技者による操作が行われなかった側の操作手段を少なくとも動作させることが重要なのであり、この際に、遊技者による操作が行われた側の操作手段も動作させるか否かについては適宜に設計するようにすればよい。ただし、遊技者による操作が行われなかった側の操作手段を動作させる制御については、遊技盤5側に設けられる特定装飾部材SDYが初期位置(非駆動位置)へと戻るまでよりも早い段階でその動作状態を終了させ、遊技者による注視が遊技盤5側へと自然に戻されるようにすることが望ましい。
また、操作ボタン410を動作可能な操作手段として設ける場合、操作ボタン410に対して駆動力を付与する駆動源と刀装飾体5001に対して駆動力を付与する駆動源とは異なる駆動源であってもよいし、同じ駆動源であってもよい。
[第2の演出態様]
図332〜図335は、特定の操作関連演出が第1の演出結果と第2の演出結果とのいずれかが出現するまでの演出経過を示す演出として実行されるものとなっており、該演出の結果として第1の演出結果が出現すると複数の操作手段のうち操作ボタン410に対する演出受付期間が発生することが示唆されて、該演出の結果として第2の演出結果が出現すると複数の操作手段のうち刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生することが示唆される演出例(第2の演出態様)を示す図である。
図332(a)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が大当り判定の結果に応じた特定の演出パターンで演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図332(b)は、図332(a)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、特定の操作関連演出が演出開始された演出状況を示している。
ここで、図332(b)に示される特定の操作関連演出では、操作ボタン410に対応するボタン画像BTGと、刀装飾体5001に対応する刀装飾画像SYGとが、演出表示装置1600の表示領域内で同時表示されて、それらの画像BTG,SYGに対して稲妻画像IZが作用している様子が描写されている。このように、異種の操作手段にそれぞれ対応する複数種の操作関連画像(ここでは、ボタン画像BTG、刀装飾画像SYG)を表示領域内で同時表示するようにしたことで、操作ボタン410と刀装飾体5001とのいずれが演出受付可能とされるのかを不明としたままで、それら操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001)のいずれかに対する操作が間もなく演出受付可能とされることを示唆することができるようになる。
図332(c)は、図332(b)に示した特定の操作関連演出が進展し、操作ボタン410に対応するボタン画像BTGと、刀装飾体5001に対応する刀装飾画像SYGとが演出表示装置1600の表示領域内で互いに押し合いを行って、相手方を表示領域内から押し出そうとする演出が行われている。
すなわち、この演出例(第2の演出態様)にかかる特定の操作関連演出(図332(b),(c))は、「ボタン画像BTGと刀装飾画像SYGとが押し合いを行って、それら画像BTG,SYGのいずれが表示領域内に残されるか」といった演出として実行されるようになっており、ボタン画像BTGが残される演出結果(第1の演出結果)が現れると操作ボタン410に対する演出受付期間が発生し、刀装飾画像SYGが残される演出結果(第2の演出結果)が現れると刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生するようになっている。したがって、この演出例(第2の演出態様)では、図332(b),(c))に示される演出が、「操作ボタン410に対する演出受付期間と刀装飾体5001に対する演出受付期間とのいずれが発生する場合であってもそれら期間の発生に先立って出現可能とされる特定の操作関連演出」に相当している。
なお、図332(c)のうち左側の図は、ボタン画像BTGが表示領域内に残るのに優勢な状況になっている様子を描写しており、右側の図は、刀装飾画像SYGが表示領域内に残るのに優勢な状況になっている様子を描写している。特定の操作関連演出では、このような劣勢・優勢の状況が時間経過に応じて刻々と変化するようになっている。
図333(d)は、図332(c)に示した演出が行われた結果、刀装飾画像SYGが表示領域外へと完全に押し出されて、ボタン画像BTGが表示領域内に残された様子を描写した演出が行われている(第1の演出結果)。この演出内容へと進展したときには、刀装飾体5001に対する演出受付期間は発生せず、操作ボタン410に対する演出受付期間のみが発生することとなる。
すなわち、複数の操作手段のいずれが演出受付可能とされるのかを秘匿にしつつ操作機会が間もなく付与されることを示唆する特定の操作関連演出(図332(b),(c))が実行された結果として、刀装飾体5001に対応する刀装飾画像SYGが表示領域にて表示されず、且つ操作ボタン410に対応するボタン画像BTGが表示領域にて表示される演出(図333(d))が実行されることで、複数の操作手段のうち操作ボタン410に対する操作が演出受付可能とされること(操作ボタン410に対する演出受付期間が発生すること)が認識可能とされるようになる。
またこの際、操作ボタン410に対応するボタン画像BTGに加えて、操作を促す指示表示(「押せ」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が表示されることで、複数の操作手段のうち操作ボタン410に対する操作が演出受付可能とされている状態にあること(操作ボタン410に対する演出受付期間中にあること)が認識可能とされるようになる。特に、この演出例では、操作ボタン410と刀装飾体5001とのうちの操作ボタン410のみを発光状態にすることによっても、操作ボタン410に対する操作を促すようにしている。
なお、図333(d)に示される演出は、特定の操作関連演出(図332(b),(c)など)を経て演出進展される場合のほか、該特定の操作関連演出を経ることなく演出進展(例えば、図332(a)に示される演出状態からの演出進展)される場合もあるようにされている。ただし、図333(d)に示される同じ演出が行われるとしても、特定の操作関連演出を経て当該演出が行われた場合は、特定の操作関連演出を経ずに当該演出が行われた場合よりも特典付与にかかる期待度が高くされるようにすることが望ましい。
また、演出受付期間の長さに関しても、特定の操作関連演出を経て操作ボタン410に対して操作機会が付与される演出(図333(d))が行われた場合は、特定の操作関連演出を経ずに操作ボタン410に対して操作機会が付与される演出(図333(d))が行われた場合よりも、操作ボタン410に対して発生する演出受付期間の長さが短くなる割合が高くなるようにすることが望ましい。このような構成によれば、特定の操作関連演出を経たときの後述の演出的間延びによる遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
図333(e)は、図333(d)に示した演出が行われているなかで複数の操作手段のうち操作ボタン410に対する操作が行われた結果、演出受付がなされて該操作に応じた操作時演出が行われている様子を描写したものである。
図333(e)に示される操作時演出は、図331(d)と同様である。すなわち、図333(e)に示される操作時演出では、特定装飾部材SDYを表示領域の前方側まで変位させるとともに、演出表示装置1600において所定の表示演出(「チャンス!!」)を実行させるようになっている。またこの際、操作ボタン410に対して遊技者による操作が行われたにもかかわらず、その演出受付に応じて、該操作が行われていない側の刀装飾体5001を第一位置と第二位置との間で往復動作させる制御(動作状態にする制御)が実行可能とされている点も同じである。なお、所定の表示演出としては、例えば、相対的に低い期待度であることが示唆される「チャンス!!」と、相対的に高い期待度であることが示唆される「激熱!!」といった複数の演出態様を用意し、これら演出態様のいずれかを演出受付に応じて表示させることで、特典付与にかかる期待度を示唆するようにしてもよい。特定装飾部材SDYの動作についても、これと同様、例えば、表示領域の前方側まで変位させる動作を行わない演出態様を持たせておき、それら演出態様のいずれかを演出受付に応じて出現させることで、特典付与にかかる期待度を示唆するようにしてもよい。期待度は、「100%」や「0%」であってもよい。
そして、このような操作時演出(図333(e))が行われた後は、図333(f)に示されるように、リーチ状態が形成されてリーチ演出が行われうることとなる。ただし、リーチ演出の実行期間中は刀装飾体5001を用いた演出が実行される可能性があることから、操作時演出が実行されてから所定時間が経過したときに(リーチ演出が開始されるよりも前の段階で)刀装飾体5001を非操作の状態(納刀状態))へと戻す制御を行うこととなる。ただし、上述の作用効果を好適に得る上では、刀装飾体5001については、特定装飾部材SDYが表示領域側へと移動してから初期位置(非駆動位置)に戻るまでの期間の少なくとも半分以上の期間にわたって、その動作状態(往復動作、または抜刀状態での維持)を継続させるようにすることが望ましい。また、刀装飾体5001については、特定装飾部材SDYが初期位置(非駆動位置)へと戻るまでよりも早い段階でその動作状態を終了させて駆動力が付与されないようにすることが消費する電力量(可動負荷)との関係でより望ましい。
これに対し、図334(g)は、図332(c)に示した演出が行われた結果、ボタン画像BTGが表示領域外へと完全に押し出されて、刀装飾画像SYGが表示領域内に残された様子を描写した演出が行われている(第2の演出結果)。この演出内容へと進展したときには、操作ボタン410に対する演出受付期間は発生せず、刀装飾体5001に対する演出受付期間のみが発生することとなる。
すなわち、複数の操作手段のいずれが演出受付可能とされるのかを秘匿にしつつ操作機会が間もなく付与されることを示唆する特定の操作関連演出(図332(b),(c))が実行された結果として、操作ボタン410に対応するボタン画像BTGが表示領域にて表示されず、且つ刀装飾体5001に対応する刀装飾画像SYGが表示領域にて表示される演出(図334(g))が実行されることで、複数の操作手段のうち刀装飾体5001に対する操作が演出受付可能とされること(刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生すること)が認識可能とされるようになる。
またこの際、刀装飾体5001に対応する刀装飾画像SYGに加えて、操作を促す指示表示(「抜刀せよ」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が表示されることで、複数の操作手段のうち刀装飾体5001に対する操作が演出受付可能とされている状態にあること(刀装飾体5001に対する演出受付期間中にあること)が認識可能とされるようになる。特に、この演出例では、操作ボタン410と刀装飾体5001とのうちの刀装飾体5001を備える操作ユニット(刀装飾体5001これ自体を発光状態にするようにしてもよい)のみを発光状態にすることによっても、刀装飾体5001に対する操作を促すようにしている。
なお、図334(g)に示される演出は、特定の操作関連演出(図332(b),(c)など)を経て演出進展される場合のほか、該特定の操作関連演出を経ることなく演出進展(例えば、図332(a)に示される演出状態からの演出進展)される場合もあるようにされている。ただし、図334(g)に示される同じ演出が行われるとしても、特定の操作関連演出を経て当該演出が行われた場合は、特定の操作関連演出を経ずに当該演出が行われた場合よりも特典付与にかかる期待度が高くされるようにすることが望ましい。またさらに言えば、特定の操作関連演出を経て図333(d)に示される演出が行われた場合は、特定の操作関連演出を経ずに図334(g)に示される演出が行われた場合よりも特典付与にかかる期待度が高く、且つ特定の操作関連演出を経て図334(g)に示される演出が行われた場合よりも特典付与にかかる期待度が低くされるようにすることが望ましい。
図334(h)は、図334(g)に示した演出が行われているなかで複数の操作手段のうち刀装飾体5001に対する操作が行われた結果、演出受付がなされて該操作に応じた操作時演出が行われている様子を描写したものである。
図334(h)に示される操作時演出も、図333(e)に示される操作時演出と基本的には同様、特定装飾部材SDYを表示領域の前方側へと変位させるとともに、演出表示装置1600において所定の表示演出を実行させるようになっている。なおここでは、相対的に高い期待度であることが示唆される「激熱!!」といった演出態様を演出受付に応じて表示させているが、相対的に低い期待度であることが示唆される「チャンス!!」が表示される場合もある。特定装飾部材SDYの動作についても、これと同様、例えば、表示領域の前方側へと変位させる動作を行わない演出態様を持たせておき、それら演出態様のいずれかを演出受付に応じて出現させることで、特典付与にかかる期待度を示唆するようにしてもよい。期待度は、「100%」や「0%」であってもよい。
ただし、図334(h)に示される操作時演出では、刀装飾体5001に対する操作に基づいて、該刀装飾体5001これ自体の演出態様が、上述した複数の態様のうちのいずれかに変化(図311に示される段階0形態から、段階1形態〜段階3形態のいずれかへの変化)可能とされており、これらの態様のいずれが現れるかによっても大当りなどの特典付与にかかる期待度の高さが示唆されるようになっている。
しかも、図334(i)に示されるように、操作時演出(図334(h))が終了されて特定装飾部材SDYが初期位置(非駆動位置)へと戻される状況になったとしても、刀装飾体5001については納刀状態へと戻さず、これを抜刀状態にて維持したままにするようにしている。すなわち、この演出例では、図示は割愛するが、刀装飾体5001を抜刀状態にて維持したままにして、その後(リーチ演出が行われる期間中など)、刀装飾体5001を納刀状態へと操作させる操作機会をさらに付与するようにしており、その際には該納刀状態への操作に応じた操作時演出をさらに実行可能としている。
このような構成によれば、1つの操作手段(刀装飾体5001)に対して2段階にわたって操作機会が付与されるとともに、1段階目の操作(抜刀状態への操作)と2段階目の操作(納刀状態への操作)との各操作に応じてそれぞれ操作時演出が行われるようになることから、操作手段(刀装飾体5001)に対する操作を行っているときのみならず、1段階目の操作(抜刀状態への操作)が行われてから2段階目の操作(納刀状態への操作)が行われるまでの非操作期間においても操作に対する遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。なお、1段階目の操作と2段階目の操作とは互いに異なる操作態様(ここでは、互いに逆向きの方向への操作)であることが望ましい。また、1段階目の操作に応じた操作時演出と、2段階目の操作に応じた操作時演出とは互いに異なる演出内容であることが望ましい。
また、1段階目の操作に応じた操作時演出(図334(h))が行われた場合には、刀装飾体5001が必ずしも抜刀状態にて維持されないようにし、抜刀状態にて維持されなかった場合は2段階目の操作機会が付与されないようにすることが望ましい。1段階目の操作に応じた操作時演出では、2段階目の操作機会(抜刀状態から納刀状態への操作機会)を付与可能とする位置(抜刀状態)で刀装飾体5001を維持するか否かの期待度を示唆する演出として実行されるようにしてもよい。すなわち、刀装飾体5001が抜刀状態で維持されず納刀状態に戻されたときには、2段階目の操作機会(抜刀状態から納刀状態への操作機会)を付与することが実質的に不可能とされるようになることは明らかである。期待度は、「100%」や「0%」であってもよい。
なお、1段階目の操作に応じた操作時演出(図334(h))が行われた結果、刀装飾体5001が抜刀状態にて維持されない場合は、所定時間が経過したときに(リーチ演出が開始されるよりも前の段階で)刀装飾体5001を非駆動の状態(納刀状態))へと戻す制御を行うこととなる。ただしこの場合、刀装飾体5001については、特定装飾部材SDYが表示領域側へと移動してから初期位置(非駆動位置)に戻るまでの期間の少なくとも半分以上の期間にわたって、その動作状態(往復動作、または抜刀状態での維持)を継続させるようにすることが望ましい。また、刀装飾体5001については、特定装飾部材SDYが初期位置(非駆動位置)へと戻るまでよりも早い段階でその動作状態を終了させて駆動力が付与されないようにすることが消費する電力量(可動負荷)との関係でより望ましい。
一方、図335(j)は、図332(c)に示した演出が行われた結果、図333(d)に示される場合と同様、刀装飾画像SYGが表示領域外へと完全に押し出されて、ボタン画像BTGが表示領域内に残された様子を描写した演出が行われている。すなわち、この演出例(第2の演出態様)では、図332(c)に示した演出が行われてから所定時間が経過すると、図333(d)に示される演出か、図334(g)に示される演出か、若しくは図335(j)に示される演出のいずれかが現れるようになっている。なお、いずれの演出内容が現れるかについては、大当り判定の結果に応じた演出パターンの判定処理内にて予め決定済みとされている。
ただし、図335(j)に示される演出では、図333(d)に示した演出の場合とは異なり、特定の操作関連演出(図332(b),(c))で行われていた演出(ここでは、稲妻画像IZ)が継続されており、このような稲妻画像IZによってボタン画像BTGに対して何らかの変化が生じる可能性を示唆するようにしている。
また、図335(j)に示される演出では、操作を促す指示表示(「押せ」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が表示されていない点でも、図333(d)に示した演出の場合とは異なっている。これにより、刀装飾画像SYGが表示領域外へと完全に押し出されて、ボタン画像BTGが表示領域内に残された状況ではあるものの、ボタン画像BTGに対する演出受付期間は未だ発生していない状況にあることが認識可能とされるようになる。
図335(k)は、図335(j)に示される演出が進展した結果、稲妻画像IZがボタン画像BTGに作用して該ボタン画像BTGが靄MYに包まれて、その外形描写すらも失われてしまう演出が行われている。
すなわち、図335(k)に示される演出では、操作ボタン410に対する操作が演出受付可能とされることを示唆していた演出要素(ボタン画像BTG)が全て取り除かれることとなる。したがって、操作ボタン410に対する操作が演出受付可能とされることが図335(j)に示される演出によって一旦示唆された状況にはあるものの、このような図335(k)に示される演出が現れることで、操作ボタン410に対する演出受付期間が果たして発生するのかの疑念を持たせることができるようになる。
なお、図335(k)に示される演出においても、特定の操作関連演出(図332(b),(c))で行われていた演出表示(ここでは、稲妻画像IZ)が継続されている。ただしここでは、稲妻画像IZの態様が変化(消えかかっている)しつつあり、複数の操作手段のいずれに対して演出受付期間が発生するのかが確定的に示されるまでの残り時間が少なくなっていることを示唆している。
図335(i)は、図335(k)に示される演出が進展した結果、靄MYの外形が、操作ボタン410(ボタン画像BTG)ではなく、刀装飾体5001(刀装飾画像SYG)に近付いてきた様子を描写した演出が行われている。
このような構成によれば、刀装飾画像SYGが未だ表示されていない状況にあるものの、靄MYの外形によって、操作ボタン410ではなく、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生する可能性を示唆することができるようになる。
また、図335(i)に示される演出においても、特定の操作関連演出(図332(b),(c))で行われていた演出表示(ここでは、稲妻画像IZ)が継続されている。ただしここでは、稲妻画像IZの態様が図335(k)よりもさらに変化(消える直前)しており、複数の操作手段のいずれに対して演出受付期間が発生するのかが確定的に示されるまでの残り時間がより一層少なくなっていることを示唆している。
そして、この演出例(第2の演出態様)では、図335(i)に示される演出がさらに進展して靄MYが非表示にされるようになると、刀装飾画像SYGが表示されて図334(g)に示される演出が行われるようになっている。
このような構成によれば、特定の操作関連演出(図332(b),(c))が行われた結果、演出表示装置1600において刀装飾画像SYGが表示されず、且つボタン画像BTGが表示された場合(図333(d),図335(j))であっても、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生する可能性が残されるようになることから、遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
特に、この演出例(第2の演出態様)では、演出表示装置1600において刀装飾画像SYGが表示されず、且つボタン画像BTGが表示された場合(図333(d),図335(j))、特定の操作関連演出(図332(b),(c))で現れていた稲妻画像IZによる演出表示が未だ継続されているか否かを確認するようにすることで、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生する可能性が残されているかを把握可能とされており、これによっても遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
なお、この演出例(第2の演出態様)では、図335(j)に示される演出が現れた時点で、ボタン画像BTGが靄MYによって非表示にされて(図335(k))、さらに演出進展されると、刀装飾画像SYGが表示されて図334(g)に示される演出が必ず発生するようになっている。この意味では、図335(j)に示される演出は、演出表示装置1600において刀装飾画像SYGを表示せず、且つボタン画像BTGを表示させるものではあるが、こうした表示内容に反して、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生することを示唆する演出であるということもできる。
ただしこれに代えて、図335(k)に示される演出が進展すると、靄MYの外形が、刀装飾体5001(刀装飾画像SYG)に必ずしも近付かないようにして、操作ボタン410(ボタン画像BTG)の外形に近付く演出パターンも現れうるように設定し、該演出パターンが現れると、その後、ボタン画像BTGが再び表示されて図333(d)に示される演出が行われるようにしてもよい。なお、このような演出パターンが行われうるようにした場合は、図335(j),(k)に示される演出も、複数の操作手段のいずれが演出受付可能とされるのかを秘匿にする特定の操作関連演出として実行されることとなる。
また、操作ボタン410を動作可能な操作手段として設けるようにした上で、上記演出例(第2の演出態様)のうち、図334(h)に示される演出状況においても、図333(e)に示される演出状況と同様、遊技者による操作が行われなかった側の操作ボタン410を動作させる制御を実行可能とするようにしてもよい。なお、このような制御では、遊技者による操作が行われなかった側の操作手段を少なくとも動作させることが重要なのであり、この際に、遊技者による操作が行われた側の操作手段も動作させるか否かについては適宜に設計するようにすればよい。
また、操作ボタン410を動作可能な操作手段として設ける場合、操作ボタン410に対して駆動力を付与する駆動源と刀装飾体5001に対して駆動力を付与する駆動源とは異なる駆動源であってもよいし、同じ駆動源であってもよい。
[第3の演出態様]
図336〜図339は、特定の操作関連演出に関して基本的には第2の演出態様と同じであるが、該第2の演出態様とは別の演出例(第3の演出態様)を示す図である。
図336(a)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が大当り判定の結果に応じた特定の演出パターンで演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図336(b)は、図336(a)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、特定の操作関連演出が演出開始された演出状況を示している。ただし、同図336(b)に示されるように、この演出例(第3の演出態様)にかかる特定の操作関連演出では、まず、演出表示装置1600とは異なる所定の可動部材を動作させることによって、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれかが間もなく演出受付可能とされることを示唆するようにしている。
特に、この演出例(第3の演出態様)では、このような所定の可動部材として操作ボタン410及び刀装飾体5001を採用することとしており、これら操作ボタン410及び刀装飾体5001をそれぞれ動作させることで、操作に関連した演出表示が演出表示装置1600側で未だ行われていない状態にあるときから、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれかが間もなく演出受付可能とされることを容易に認識可能とされるようにしている。なおここでは、操作ボタン410及び刀装飾体5001を初期位置から操作位置へと向けて動作させる制御が行われることとなるが、操作機会を付与するときに操作位置へとそれぞれ動作させるときに比べてゆっくりとした速度でそれぞれ動作させるようにしている。
このような構成によれば、演出受付期間が発生するまでに時間が未だ残されている操作手段、若しくは当該図柄変動が終了するまでの間に演出受付期間がそもそも発生しない操作手段であるにもかかわらず、これらの操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001)がそれぞれ動作することとなる。したがって、演出受付期間が発生するまでに時間が未だ残されている状況、若しくは当該図柄変動が終了するまでの間に演出受付期間がそもそも発生しない状況にあるときから、それらの操作に対する遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
そして、この演出例(第3の演出態様)では、演出表示装置1600における演出表示ではなく、こうして操作ボタン410及び刀装飾体5001による各動作(図336(b))によって特定の操作関連演出が開始された以降は、基本的に、上記第2の演出態様と同じ演出進展がなされるようになっている。
例えば、まず、図336(c)に示される演出のうち、演出表示装置1600における演出表示は、ボタン画像BTGが「可動式の操作ボタン410」に対応するものとして表示されていることを除けば、図332(b)を参照して説明した通りの演出内容になっている。
ただし、図336(c)に示される演出では、図332(b)に示した演出とは異なり、操作ボタン410及び刀装飾体5001が、それぞれ初期位置(非駆動時の位置)から動作した状態になっている。図336(c)に示される演出では、このような可動演出によっても、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれかが演出受付可能とされることを示唆するようにしている。
また、図336(c)に示される演出では、操作ボタン410及び刀装飾体5001については、特定の操作関連演出が演出開始された以降、それぞれ初期位置(非駆動時の位置)とは異なる位置であり、且つ操作機会が付与されるときの操作位置とも異なる位置にて動作状態(駆動力を付与した状態)として位置させるようにしている。
すなわち、このような操作関連演出を行うようにした場合、該操作関連演出が行われずにすぐに操作機会が付与される場合と比べて操作関連の演出が間延びすることとなるが、可動式の操作手段が採用されている場合は、このような操作関連演出がようやく終了したとしても、演出受付可能とされた側の操作手段についてはこれを少なくとも操作位置まで動作させる必要が生じることとなる。したがって、こうした動作に要する時間分だけさらに操作関連の演出に間延びを生じてさせてしまうこととなり、このような間延びによって遊技興趣が低下する懸念がある。
そこで、この演出例(第3の演出態様)では、特定の操作関連演出が行われる期間中、操作ボタン410及び刀装飾体5001を、初期位置(非駆動時の位置)及び操作位置のいずれとも異なる位置(例えば、中間位置)にて動作状態(駆動力を付与した状態)として位置させるようにしている。これにより、特定の操作関連演出が終了されて演出受付期間が発生するときには、演出受付期間が発生した側の操作手段をより短い時間だけで操作位置まで動作させたり、演出受付期間が発生しなかった側の操作手段をより短い時間だけで初期位置まで動作させることができるようになり、操作関連の演出の間延びによって遊技興趣が低下するのを抑制することができるようになる。また、演出受付期間が発生するまでの間は、操作対象とされる側の操作手段を操作位置とは異なる位置にて動作状態として位置させるようにしたことで、動作状態ではあるものの演出受付期間これ自体は未だ発生していないことを容易に認識可能とすることができるようになる。
そして、図336(c)に示される演出が進展し、図336(d)に示される演出が行われるようになると、演出表示装置1600における演出表示は、ボタン画像BTGが「可動式の操作ボタン410」に対応するものとして表示されていることを除けば、図332(c)を参照して説明した通りの演出内容になっている。ただし、図336(d)に示される演出においても、図332(c)に示した演出とは異なり、操作ボタン410及び刀装飾体5001を、それぞれ初期位置(非駆動時の位置)と操作位置とのいずれとも異なる位置にて動作状態(駆動力を付与した状態)として位置させるようにしている。
なお、図336(b),(c)に示される演出にあっては、演出表示装置1600内におけるボタン画像BTG及び刀装飾画像SYGは、初期位置(非駆動の位置)にあるときの態様を模して表示されるのに対し、操作ボタン410及び刀装飾体5001は、初期位置(非駆動の位置)とは異なる位置で動作状態として位置されている。このように、演出表示装置1600内におけるボタン画像BTG及び刀装飾画像SYGの態様と、操作ボタン410及び刀装飾体5001の態様とをあえて異ならせるようにすることで、近いうちにそれらの整合が図られる演出(ボタン画像BTG及び刀装飾画像SYGの態様が変化するか、操作ボタン410及び刀装飾体5001が動作するか)が発生することを示唆することができるようになる。
また、図336(d)に示される演出が行われた結果、図337(e)に示される演出が行われるようになると、演出表示装置1600における演出表示は、ボタン画像BTGが「操作位置にあるときの可動式の操作ボタン410」に対応するものとして表示されていることを除けば、図333(d)を参照して説明した通りの演出内容になっている。
ただし、図337(e)に示される演出においては、図333(d)に示した演出とは異なり、操作ボタン410が操作位置で動作した状態になっており、且つ刀装飾体5001が初期位置(非駆動時の位置)と操作位置とのいずれとも異なる位置で動作した状態になっている。すなわちこの場合、操作ボタン410は、初期位置(非駆動時の位置)よりも操作位置に近い位置から操作位置に向けて移動したこととなることから、操作関連の演出の間延びが好適に抑制されるようになる。
なお、図337(e)に示される演出としては、「ボタン画像BTGが表示(操作位置まで移動した態様で表示されることが望ましい)され、且つ刀装飾画像SYGが表示されない表示演出」をまずは行うこととし、該表示演出を行った後に、操作ボタン410を操作位置まで動作させるとともに、該操作ボタン410に対する演出受付期間を発生させて操作を促す指示表示(「押せ」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)を表示するようにしてもよい。このような構成によれば、特定の操作関連演出が実行された結果として現れたボタン画像BTGは「操作位置まで移動した態様」で表示されるのに対し、該表示される時点での操作ボタン410は「操作位置まで移動した態様」とは異なる態様とされることとなる。このように、特定の操作関連演出が実行された結果として現れるボタン画像BTGを、その際における操作ボタン410の態様とはあえて異なる態様として表示させるようにすることで、それら態様のズレが間もなく埋まる(ここでは、操作ボタン410が操作位置へと動く)ことを事前示唆することができるようになる。
そして、図337(e)に示される演出が行われた結果、図337(f)に示される演出が行われるようになると、演出表示装置1600においては図333(e)を参照して説明した通りの演出内容が現れることとなる。ただし、図337(f)に示される演出では、図333(e)に示した演出とは異なり、操作ボタン410が操作位置から初期位置(非駆動の位置)に戻された状態になっており、且つ刀装飾体5001が初期位置(非駆動時の位置)と操作位置とのいずれとも異なる位置で動作した状態になっている。
このような操作時演出(図337(f))が行われた後は、図337(g)に示されるように、リーチ状態が形成されてリーチ演出が行われうることとなるが、これについても図333(f)を参照して説明した通りである。
これに対し、図336(d)に示される演出が行われた結果、図338(h)に示される演出が行われるようになると、演出表示装置1600における演出表示は、刀装飾体5001の操作に関する指示内容が「押し込め」になっており、且つ刀装飾画像SYGが「操作位置まで移動した態様」で表示されていることを除けば、図334(g)を参照して説明した通りの演出内容になっている。
ただし、図338(h)に示される演出においては、図334(g)に示した演出とは異なり、操作ボタン410が初期位置(非駆動時の位置)と操作位置とのいずれとも異なる位置で動作した状態になっており、且つ刀装飾体5001が操作位置で動作した状態になっている。すなわちこの場合、刀装飾体5001は、初期位置(非駆動時の位置)よりも操作位置に近い位置から操作位置に向けて移動したこととなることから、操作関連の演出の間延びが好適に抑制されるようになる。
なお、図338(h)に示される演出としても、「ボタン画像BTGが表示されず、且つ刀装飾画像SYGが表示(操作位置まで移動した態様で表示されることが望ましい)される表示演出」をまずは行うこととし、該表示演出を行った後に、刀装飾体5001を操作位置まで動作させるとともに、該刀装飾体5001に対する演出受付期間を発生させて操作を促す指示表示(「押し込め」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)を表示するようにしてもよい。このような構成によれば、特定の操作関連演出が実行された結果として現れた刀装飾画像SYGは「操作位置まで移動した態様」で表示されるのに対し、該表示される時点での刀装飾画像SYGは「操作位置まで移動した態様」とは異なる態様とされることとなる。このように、特定の操作関連演出が実行された結果として現れる刀装飾画像SYGを、その際における刀装飾体5001の態様とはあえて異なる態様として表示させるようにすることで、それら態様のズレが間もなく埋まる(ここでは、刀装飾体5001が操作位置へと動く)ことを事前示唆することができるようになる。
そして、図338(h)に示される演出が行われた結果、図338(i)に示される演出が行われるようになると、演出表示装置1600においては図334(h)を参照して説明した通りの演出内容が現れることとなる。ただし、図338(i)に示される演出では、図334(h)に示した演出とは異なり、操作ボタン410が初期位置(非駆動時の位置)と操作位置とのいずれとも異なる位置で動作した状態になっており、且つ刀装飾体5001が操作位置から初期位置(非駆動の位置)に戻された状態になっている。
このような操作時演出(図338(i))が行われた後は、図338(j)に示されるように、リーチ状態が形成されてリーチ演出が行われうることとなるが、これについては図333(f)を参照して説明した通りである。
一方、図336(d)に示される演出が行われた結果、図339(k)に示される演出が行われるようになると、演出表示装置1600における演出表示は、ボタン画像BTGが「操作位置にあるときの可動式の操作ボタン410」に対応するものとして表示されていることを除けば、図335(j)を参照して説明した通りの演出内容になっている。
ただし、図339(k)に示される演出においては、図335(j)に示した演出や図337(e)に示した演出とは異なり、操作ボタン410及び刀装飾体5001がそれぞれ初期位置(非駆動時の位置)と操作位置とのいずれとも異なる位置で動作した状態になっている。このような動作状況にすることによっても、操作ボタン410に対する演出受付期間が未だ発生していないことや、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生する可能性が未だ残されていることを示唆することができるようになる。
そして、図339(k)に示される演出が行われた結果、図339(l)に示される演出が行われるようになると、演出表示装置1600においては図335(k)を参照して説明した通りの演出内容が現れることとなる。ただし、図339(l)に示される演出では、図335(k)に示した演出とは異なり、操作ボタン410及び刀装飾体5001がそれぞれ初期位置(非駆動時の位置)と操作位置とのいずれとも異なる位置で動作した状態になっている。
そして、図339(l)に示される演出が行われた結果、図339(m)に示される演出が行われるようになると、演出表示装置1600においては図335(l)を参照して説明した通りの演出内容が現れることとなる。ただし、図339(l)に示される演出では、図335(k)に示した演出とは異なり、操作ボタン410及び刀装飾体5001がそれぞれ初期位置(非駆動時の位置)と操作位置とのいずれとも異なる位置で動作した状態になっている。図339(m)に示される演出では、靄MYの外形を、初期位置にあるときの刀装飾体5001ではなく、操作位置にあるときの刀装飾体5001に近付けるようにすることがより望ましい。
なお、図339(m)に示される演出がさらに演出進展されると、刀装飾画像SYGが表示されて図338(h)に示される演出が必ず発生するようになっている。この意味では、図339(k)に示される演出は、演出表示装置1600において刀装飾画像SYGを表示せず、且つボタン画像BTGを表示させるものではあるが、こうした表示内容に反して、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生することを示唆する演出であるということもできる。
ただしこれに代えて、図339(l)に示される演出が進展すると、靄MYの外形が、刀装飾体5001(刀装飾画像SYG)に必ずしも近付かないようにして、操作ボタン410(ボタン画像BTG)の外形に近付く演出パターンも現れうるように設定し、該演出パターンが現れると、その後、ボタン画像BTGが再び表示されて図337(e)に示される演出が行われるようにしてもよい。なお、このような演出パターンが行われうるようにした場合は、図339(k),(l)に示される演出も、複数の操作手段のいずれが演出受付可能とされるのかを秘匿にする特定の操作関連演出として実行されることとなる。
なお、この演出例(第3の演出態様)においては、操作ボタン410に対して駆動力を付与する駆動源と刀装飾体5001に対して駆動力を付与する駆動源とは異なる駆動源であってもよいし、同じ駆動源であってもよい。
上記した各演出態様、及びそれらの別例では、特定の操作関連演出が行われた演出結果として「操作ボタン410を模したボタン画像BTG(第1の表示態様)」が現れた場合、基本的には、操作ボタン410と刀装飾体5001とのうち操作ボタン410に対してのみ操作機会が付与され、該操作ボタン410に対する操作が演出受付されるとボタン側の操作時演出が行われることとなる。また、特定の操作関連演出が行われた演出結果として「刀装飾体5001を模した刀装飾画像SYG(第2の表示態様)」が現れた場合、基本的には、操作ボタン410と刀装飾体5001とのうち刀装飾体5001に対してのみ操作機会が付与され、該刀装飾体5001に対する操作が演出受付されると刀役物側の操作時演出が行われることとなる。この点、ボタン側の操作時演出では、大当り判定に応じた演出抽選の結果に基づいて成功時演出(特定装飾部材SDYを動作させる)と失敗時演出(特定装飾部材SDYを動作させない)とのいずれかを出現させることとしているのに対し、刀役物側の操作時演出でも、大当り判定に応じた演出抽選の結果に基づいて成功時演出(特定装飾部材SDYを動作させる)と失敗時演出(特定装飾部材SDYを動作させない)とのいずれかを出現させることとしており、それらの演出内容は同じとされている。したがって、操作ボタン410及び刀装飾体5001のうち遊技者が所望する側とは異なる側の操作手段に対して操作機会が付与されたときの遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
なお、ボタン側の操作時演出と刀役物側の操作時演出とでは、特定装飾部材SDYが動作するか否かについての演出のほか、演出表示装置1600で行われる表示演出についても互いに同じ演出内容とするようにしてもよい。
また、特定の操作関連演出に関して上記説明した各演出例では、複数の操作手段のいずれに対して操作機会が付与されるかについての演出を行うこととし、その結果に応じた側の操作手段に対して操作機会が付与されるようにした。ただし、特定の操作手段同士で押し合いを行うようにするなど、いずれの演出結果が現れたとしても特定の操作手段に対して操作機会が付与される演出内容で特定の操作関連演出を行う場合があるようにしてもよい。
例えば、1つの操作手段に対していずれの態様(例えば、納刀状態にある刀装飾体5001を抜刀状態にする態様での操作、抜刀状態にある刀装飾体5001を納刀状態にする態様での操作)で操作機会が付与されるかについての演出を行うこととし、その結果に応じた側の態様で操作手段に対して操作機会が付与されるようにしてもよい。なおこの場合、特定の操作関連演出が行われる間に刀装飾体5001を納刀状態と抜刀状態とのいずれとも異なる状態に動作させるようにし、該特定の操作関連演出にていずれの態様で操作させるかの演出結果が示されるときに刀装飾体5001を納刀状態または抜刀状態に動作させるようにすることが望ましい。
また、保留状態にある図柄変動が消化されると該図柄変動の実行期間内で特定の操作関連演出が行われることを、該図柄変動が保留状態にあるとき(これよりも前に消化された図柄変動の実行期間内)から示唆する演出を行うようにしてもよい。このような構成によれば、複数の操作手段のいずれかにしか操作機会が付与されないにもかかわらず、操作機会が付与される側の操作手段と、操作機会が付与されない側の操作手段との両方に対して操作に関する遊技興趣をより長い期間にわたって持続させることができるようになる。なお、このような演出としては、特定の操作関連演出が行われる図柄変動が保留状態にあるとき(これよりも前に消化された図柄変動の実行期間内)に、該特定の操作関連演出に供される複数の操作手段をそれぞれ動作させるようにすることが望ましい。
上記した第2,第3の演出態様、及びそれらの別例では、特定の操作関連演出として、複数の操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001)に対応する複数の画像(ボタン画像BTG、刀装飾画像SYG)を表示することとしたが、これらの画像は必ずしも表示しなくてもよい。要は、特定の操作関連演出が実行されると、操作ボタン410に対する演出受付期間、及び刀装飾体5001に対する演出受付期間のいずれかがその後に発生するようになっていればよい。このような構成であれば、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれかに対して演出受付期間が発生することを示唆するようにしつつも、演出受付期間が発生するまでの間は、それら操作手段のいずれに対して演出受付期間が発生するのかを秘匿にすることができるようになる。したがって、異種の操作手段にそれぞれ対応する複数種の操作関連画像(ここでは、ボタン画像BTG、刀装飾画像SYG)についても、必ずしもそれらを同時表示しなくてもよいし、ボタン画像BTG及び刀装飾画像SYGのいずれも出現させずそれらのいずれとも異なる演出画像を特定の操作関連演出として出現させるようにしてもよい。
ただし、特定の操作関連演出が実行されている間はボタン画像BTG及び刀装飾画像SYGを同時表示しない演出態様を採用する場合であっても、該特定の操作関連演出が終了されるときにはボタン画像BTG(操作ボタン410に対応する画像)及び刀装飾画像SYG(刀装飾体5001に対応する画像)のいずれかを表示して、それら操作手段のいずれに対して演出受付期間が発生するのかを示すこととなる。そしてこの場合、こうして表示されるボタン画像BTG(操作ボタン410に対応する画像)または刀装飾画像SYG(刀装飾体5001に対応する画像)に対し、特定の操作関連演出の実行期間中に表示されていた特定画像(例えば、稲妻画像IZなど)が関わる演出内容として実行するようにすることが、当該特定の操作関連演出を、複数の操作手段のいずれに対して演出受付期間が発生するかを示唆する演出として機能させるようにする上で重要であるといえる。例えば、特定の操作関連演出を、二つの岩のいずれかに向けて稲妻を落とす演出として実行されるようにし、一方側の岩に稲妻が落ちると岩の中からボタン画像BTGを出現させ、他方側の岩に稲妻が落ちると岩の中から刀装飾画像SYGを出現させるようにすることで、図333(d)や図334(g)に示される演出へと演出進展させることが可能である。
若しくは、特定の操作関連演出を、1つの岩に向けて稲妻を落とす演出として実行されるようにし、岩に稲妻が落ちると岩の中からボタン画像BTG及び刀装飾画像SYGのいずれかを出現させて、図333(d)や図334(g)に示される演出へと演出進展させるようにすることも可能である。要は、特定の操作関連演出の演出結果としてボタン画像BTGまたは刀装飾画像SYGが表示されるような演出内容として演出進展させるようにすることが望ましい。
また、上記した第2,第3の演出態様、及びそれらの別例では、操作ボタン410に対する演出受付期間が発生する場合と、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生する場合とで、特定の操作関連演出が実行(演出開始)されてからそれらの演出受付期間が発生するまでに要する時間を同じに設定するようにすることがより望ましい。また、特定の操作関連演出が行われた後、いずれの操作手段に対して操作機会が付与される場合であっても、同じ時間だけ演出受付期間が発生するように設定することが望ましい。
また、特定の操作関連演出として複数の演出態様を用意しておき、それら演出態様のいずれで当該演出が行われるかに応じて、特定演出(操作時演出)を発生可能とする演出受付期間が複数の操作手段のうちの特定操作手段に対して設定される割合が異なるようにしてもよい。該割合は、100%であってもよいし、0%であってもよい。
また、上記した第2,第3の演出態様、及びそれらの別例において、特定の操作関連演出で示された側の操作手段に対して操作を行ったことに基づいて、該操作しなかった側の操作手段を動作させるときには(図333(e)など)、該操作があったときを基準とした所定時間の経過後に該操作しなかった側の操作手段を初期位置に戻す制御を行うようにしてもよい。ただし、該操作があったときを基準とせず、演出受付期間のうちのいずれのタイミングで操作されたかに応じて、該操作しなかった側の操作手段を動作させてからその動作を終了させるまでの時間長さを異ならせるようにすることが望ましい。
すなわち、特定の操作関連演出で示された側の操作手段が操作されたときにその演出受付期間の残り時間が少なかったときほど、特定の操作関連演出で示された側の操作手段を操作すべきか、若しくは特定の操作関連演出で示されなかった側の操作手段を操作すべきかで遊技者が葛藤した可能性が高いといえる。したがって、演出受付期間のうちのいずれのタイミングで操作されたかに応じて(葛藤した可能性の高さに応じて)、該操作しなかった側の操作手段を動作させてからその動作を終了させるまでの時間長さ(「特定の操作関連演出で示された側の操作手段を操作した場合であっても、演出受付が発生して操作時演出が実行されたのではないか」といった可能性を遊技者に対してアピールする時間長さ)を異ならせるようにすれば、遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、特定の操作関連演出が行われた後、該演出に供された複数の操作手段のいずれも操作されなかった場合、演出受付期間が終了するときに該演出に供された複数の操作手段を全て動作させるようにしてもよい。
また、特定の操作関連演出が開始されてから演出結果(ボタン画像BTGや、刀装飾画像SYGなど)が表示されるまでの間に、該特定の操作関連演出の演出結果として期待度の高い側の演出画像(刀装飾画像SYG)が表示される割合を示唆する所定の演出を行うようにしてもよい。所定の演出として可動体演出を行うようにしてもよいが、この場合は、特定の操作関連演出が行われた後の演出受付期間内での演出受付に基づいて動作する特定可動体(ここでは、特定装飾部材SDY)とは異なる可動体を動作させるようにすることが、特定の操作関連演出が行われた後の演出受付期間内での演出受付に基づいて特定可動体をより確実に動作可能とする上で望ましい。
また、特定の操作関連演出が開始されてから演出結果(ボタン画像BTGや、刀装飾画像SYGなど)が表示されるまでの間に、それら演出結果で現れうる画像のいずれか1つに対応する特定の操作手段(例えば、操作ボタン410)に対して操作機会を付与するようにしてもよい。このような構成によれば、例えば、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれを用いて特定演出(特定装飾部材SDYを動作させるなどの演出)に関する演出受付期間を発生させるかについての特定の操作関連演出が行われているなかで、それら操作手段のあえて一方側(例えば、操作ボタン410)に対してのみ演出受付期間を発生させることとなる。これにより、特定の操作関連演出の途中段階であるにもかかわらずその演出結果が示されて当該演出が終了されたかのような特殊な演出態様を生み出すことができるようになり、当該演出が行われている間における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。なお、特定の操作関連演出が行われているなかで、それら操作手段の一方側(例えば、操作ボタン410)に対する操作が演出受付された場合は、該演出受付に基づいて所定の演出を行うことで、該特定の操作関連演出の演出結果として期待度の高い側の演出画像(刀装飾画像SYG)が表示される割合を示唆するようにすることが望ましい。
ここで、特定の操作関連演出の実行途中に操作機会が付与される上記特定の操作手段としては、複数の操作手段(例えば、操作ボタン410,刀装飾体5001)のうち相対的に期待度が低い側の操作手段(例えば、操作ボタン410)を用いるようにすることが、特定の操作関連演出の途中段階であったことが遊技者側に把握されたときの遊技興趣を向上させる上で望ましい。
また、複数の操作手段に関する上記特定の操作関連演出が行われている途中段階にあるなかで、それら操作手段のあえて操作ボタン410に対してのみ演出受付期間を発生させる場合、該演出受付期間内において操作ボタン410に対して操作が行われると、所定の演出条件が満たされているときには特別操作演出が実行されるようにし、該特別操作演出が実行されると、複数の操作手段(例えば、操作ボタン410,刀装飾体5001)のいずれが演出結果として現れた場合であっても特典付与にかかる期待度が同じになるようにしてもよい。期待度は、100%であってもよい。このような構成によれば、特定の操作関連演出が演出開始されてからその演出結果が示されるまでの間に当該特定の操作関連演出としての演出性を喪失させることができるようになり、その結果として、相対的に期待度が低い側の操作手段に対して操作機会が付与されたときの遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。ただし、特別操作演出が実行されたときには、該特別操作演出が実行されず、且つ複数の操作手段のうち期待度が高い側の操作手段に対して操作機会が付与されたときよりも特典付与にかかる期待度が高くなるようにすることが望ましい。
また、上述した各演出受付期間では通常、遊技者による操作があったとき該操作に基づいて演出を発生させることとなるが、このような操作が行われなかったとしても演出受付期間が経過するよりも前に該操作が行われたときと同じ演出を開始させる制御が行われる後述の自動ボタン演出状態を設定可能とするようにしてもよい。このような自動ボタン演出状態によれば、演出受付期間が発生する度に操作せずとも操作時演出が発生するようになることから操作し忘れによる遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。そして、このような自動ボタン演出状態に設定されているなかで上記特定の操作関連演出が行われた場合は、該演出の結果として上記複数の操作手段のいずれに対する演出受付期間が発生した場合であっても、それらの演出受付期間内で対応する側の操作手段を操作せずとも該操作手段を操作したときと同じ操作時演出が実行されることとなる。
ただし、後述の自動ボタン演出状態に設定されている場合であっても、特定の操作関連演出が行われている途中段階にあるなかでそれら操作手段のあえて操作ボタン410に対してのみ演出受付期間を発生させる場合は、該演出受付期間内で操作ボタン410が操作されなければ上記特別操作演出が実行されないようにすること(自動ボタン機能が機能しないようにすること)が望ましい。なおこの後、特定の操作関連演出が行われた結果として上記複数の操作手段のいずれに対する演出受付期間が発生した場合であっても、それらの演出受付期間内では対応する側の操作手段を操作せずとも該操作手段を操作したときと同じ操作時演出が実行されるようにすること(自動ボタン機能が機能するようにすること)が望ましい。このような構成によれば、自動ボタン機能が機能するか否かによって特定の操作関連演出が行われている途中段階にあるか否かを把握することが可能とされるようになり、遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
なお、自動ボタン演出状態のオン・オフにかかる設定変更に関しては、例えば、操作ボタン410の操作によって、図柄変動が実行されていない期間のみならず、図柄変動が実行されている期間中にも可能とされるようにすることが望ましい。例えば、自動ボタン演出状態がオフ状態において操作ボタン410に対する演出受付期間が発生していないときに該操作ボタン410を操作すると自動ボタン演出状態がオフ状態からオン状態に設定変更可能とされ、自動ボタン演出状態がオン状態において操作ボタン410に対する演出受付期間が発生して該演出受付期間内で該操作ボタン410を操作すると該操作に応じた操作時演出が行われることに加えて自動ボタン演出状態がオン状態からオフ状態に設定変更可能とされるようにすることが可能である。ただし、自動ボタン演出状態のオン状態を維持したままで遊技者による操作によって操作時演出を発生させたくなる場合もありうると考えられることから、例えば、自動ボタン演出状態がオン状態にされているときの操作ボタン410に対する演出受付期間内では、操作ボタン410はもとより、該操作ボタン410とは別の操作手段に対する操作も有効化させて該別の操作手段に対して操作が行われたときには、操作ボタン410が操作された場合とは異なり、自動ボタン演出状態がオン状態で維持されたままで実行中の演出に変化を生じさせるようにすることが望ましい。なおこの際、操作ボタン410を操作したときと同じ操作時演出を発生させるようにすることがより望ましい。
自動ボタン演出状態がオフ状態からオン状態にされるときと、オン状態からオフ状態にされるときとで操作態様を異ならせてもよい。
また、上記した第2,第3の演出態様、及びそれらの別例では、特定の操作関連演出が行われた演出結果として、操作ボタン410を模したボタン画像BTG、または刀装飾体5001を模した刀装飾画像SYGを表示させた状態で、それらに対応した操作機会を付与することとしたが、これに限られない。すなわち、2つの異なる表示態様(第1の表示態様、第2の表示態様)を用意し、それら表示態様のうち第1の表示態様が表示されると操作ボタン410に対して操作機会(演出受付期間)を付与し、且つ第2の表示態様が表示されると刀装飾体5001に対して操作機会(演出受付期間)を付与するものであれば、第1の表示態様及び第2の表示態様としていかなる表示内容のものを採用してもよい。
例えば、上記した第2,第3の演出態様にあって、図333(d),図337(e)に示される演出画像に代えて図340(a)に示される演出画像CG(第1の表示態様)を表示させ、図334(g),図338(h)に示される演出画像に代えて図340(b)に示される演出画像TG(第2の表示態様)を表示させるようにしてもよい。このような構成によれば、特定の操作関連演出が行われているなかでその演出部分とそれ以外の背景画像(特定の操作関連演出が演出開始される前から表示されていた部分)との両方が、当該特定の操作関連演出の演出結果としての演出画像CG(第1の表示態様)、または演出画像TG(第2の表示態様)へと突然に差し替え(表示領域における演出の略全体が差し替え)られるようになることから、図333(d),図334(g),図337(e),図338(h)に示した表示領域内における部分的な表示態様(ボタン画像BTG,刀装飾画像SYG)が現れる場合とは異なり、表示領域の略全域を用いて(期待度が示唆されうる背景部分などの他の演出画像を非表示にしてまで)操作機会の付与に関わる演出表示が行われることで操作に対する遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
なお、図340(a)に示される演出画像CG(第1の表示態様)では、操作ボタン410をデザインに取り入れた盾(操作ボタン410を模したボタン画像BTG)を保有している第1のキャラクタが表示されるようになっており、図340(b)に示される演出画像TG(第2の表示態様)では、刀装飾体5001を模した剣(刀装飾画像SYG)を保有している第2のキャラクタが表示されるようになっており、いずれの操作手段(操作ボタン410,刀装飾体5001)を操作すべき状況にあるかについてはそれとなく示唆するようにしている。このように、演出画像CG(第1の表示態様)及び演出画像TG(第2の表示態様)としては、操作ボタン410や刀装飾体5001そのものを模した演出画像として用意する必要性はないが、それら操作手段の少なくとも一部形状や一部デザインなどの態様を取り入れた演出画像として表示するようにすることが望ましい。
また、このように表示領域全体を用いた演出画像CG(第1の表示態様)、演出画像TG(第2の表示態様)については、それら演出画像CG(第1の表示態様)及び演出画像TG(第2の表示態様)のいずれが表示されるかによって異なる期待度を示唆する演出を兼ねて行われるようにしてもよい。例えば、演出画像TG(第2の表示態様)が現れたときには、演出画像CG(第1の表示態様)が現れたときよりも特典付与にかかる期待度が高いことが示唆されるようにする。また、演出画像CG(第1の表示態様)や演出画像TG(第2の表示態様)として、複数の演出態様(色違いなど)を用意し、それら演出態様のいずれで表示されるかに応じて期待度を示唆するようにしてもよい。この場合、演出画像CG(第1の表示態様)が現れたとしても特定の表示態様で表示されたときには、演出画像TG(第2の表示態様)が現れたときよりも期待度が高くなるようにしてもよい。
また、ボタン画像BTGや刀装飾画像SYGについては、特定の操作関連演出が実行されてその演出結果として表示される場合(相対的に期待度が高い演出状況であることが望ましい)と、特定の操作関連演出が実行されずに(例えば、特定の操作関連演出ではない後述の前兆演出が実行された後に)表示される場合(相対的に期待度が低い演出状況であることが望ましい)とがあるようにしてもよい。そしてこの場合、例えば、特定の操作関連演出が実行されてその演出結果としてボタン画像BTG(第1の表示態様)が表示された場合は、複数の操作手段のうち操作ボタン410に対してのみ演出受付期間を発生させるのに対し、特定の操作関連演出が実行されずに(例えば、特定の操作関連演出ではない後述の前兆演出が実行された後に)ボタン画像BTG(第1の表示態様)が表示された場合は、該ボタン画像BTGと対応する操作手段(操作ボタン410)のほか、該ボタン画像BTGと対応しない別の操作手段(例えば、刀装飾体5001など)に対しても演出受付期間を発生させるようにしてもよい。このような構成によれば、特定の操作関連演出が実行されず相対的に期待度の低い演出状況にあるなかでボタン画像BTGが現れた場合であっても、特定の操作関連演出が実行されて相対的に期待度の高い演出状況にあるなかでボタン画像BTGが現れる場合とは異なる面白みを操作に関して付与することができるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。別の操作手段は、刀装飾体5001とは異なる操作手段であってもよい。
また、特定の操作関連演出が実行されず相対的に期待度の低い演出状況にあるなかでボタン画像BTGが現れた場合にその演出受付期間内でボタン画像BTGと対応しない別の操作手段に対する操作が演出受付されると、所定の演出条件が満たされているときには特別操作演出が実行されるようにし、該特別操作演出が実行されると、「特定の操作関連演出が実行されて相対的に期待度の高い演出状況にあるなかで刀装飾画像SYGが現れる演出状況」にあるときよりも期待度が高い演出状況にあることが示唆されるようにすることが望ましい。期待度は100%であってもよい。
ここで、特定の操作関連演出が実行されず相対的に期待度の低い演出状況にあるなかでボタン画像BTGが現れた場合にその演出受付期間内でボタン画像BTGと対応する操作手段(操作ボタン410)が操作された場合は、これと同時に発生している別の操作手段に対する演出受付期間も終了させて特別操作演出が実行されないようにするとともに、操作手段(操作ボタン410)に対する操作に応じた操作時演出が実行されるようにすることが望ましい。
これに対し、特定の操作関連演出が実行されず相対的に期待度の低い演出状況にあるなかでボタン画像BTGが現れた場合にその演出受付期間内でボタン画像BTGと対応する操作手段とは別の操作手段が操作された場合は、ボタン画像BTGと対応する操作手段に対する演出受付期間も終了させて、所定の演出条件が満たされているときには特別操作演出が実行されるようにすることが望ましい。なおこの場合、所定の演出条件が満たされていないときには特別操作演出を実行せず、これに代えて、ボタン画像BTGと対応する操作手段(操作ボタン410)が操作されておらず、且つ該操作手段とは別の操作手段が操作されているにもかかわらず、ボタン画像BTGと対応する操作手段(操作ボタン410)が操作されたときの操作時演出を実行するようにしてもよい。
なお、上述の自動ボタン演出状態に設定されているときに特定の操作関連演出が実行された場合は、該演出が行われた結果として上記ボタン画像BTG,刀装飾画像SYGのいずれに対応する側の操作手段に対して演出受付期間が発生する場合であっても、その演出受付期間内では対応する側の操作手段を操作せずとも該操作手段を操作したときと同じ操作時演出が実行されるようにすること(自動ボタン機能が機能するようにすること)が望ましい。ただし、上述の自動ボタン演出状態に設定されているときに特定の操作関連演出が実行されずにボタン画像BTGが現れた場合には、該ボタン画像BTGと対応する操作手段(操作ボタン410)と、該操作手段とは別の操作手段との両方に対して演出受付期間を発生させるようにした場合であっても、何らの操作が行われなくても該ボタン画像BTGと対応する操作手段を操作したときと同じ操作時演出のみが実行されるようにして、該ボタン画像BTGと対応しない別の操作手段を操作したときにのみ現れうる特別操作演出については実行されないようにすることが望ましい。
ただし、演出受付期間内のうち、上述の自動ボタン機能によって操作時演出(ボタン画像BTGと対応する操作手段を操作したときの演出)が出現されることとなる特定タイミングよりも前に、別の操作手段に対して操作が行われた場合であり、且つ所定の演出条件が満たされている場合は、該演出受付に応じて特別操作演出が行われるようにするとともに、特定タイミングが到来したとしても操作時演出(ボタン画像BTGと対応する操作手段を操作したときの演出)が現れないようにすることが望ましい。この場合、上述の自動ボタン機能については、該演出受付期間では実質的に機能しないこととなるが、該演出受付期間が終了した以降も自動ボタン演出状態はオン状態にて継続されるようにすることが望ましい。
また、上記した演出例では、ボタン画像BTGと刀装飾画像SYGとを逆転させた上で、上記説明した各演出(操作時演出や自動ボタン機能など)をそれぞれ適用するようにしてもよい。すなわちこの場合、特定の操作関連演出が実行されずに(例えば、特定の操作関連演出ではない後述の前兆演出が実行された後に)ボタン画像BTG(第1の表示態様)が表示された場合ではなく、特定の操作関連演出が実行されずに(例えば、特定の操作関連演出ではない後述の前兆演出が実行された後に)刀装飾画像SYG(第2の表示態様)が表示された場合に、該刀装飾画像SYGと対応する操作手段(刀装飾体5001)のほか、該刀装飾画像SYGと対応しない別の操作手段(例えば、操作ボタン410など)に対しても演出受付期間を発生させることとなる。
また上述の通り、上記した各演出態様、及びそれらの別例では、特定の操作関連演出が行われた演出結果として「操作ボタン410を模したボタン画像BTG(第1の表示態様)」、または「刀装飾体5001を模した刀装飾画像SYG(第2の表示態様)」のいずれかが表示された場合であり、且つ表示された側の操作手段によって演出受付がなされた場合は、相対的に期待度の高いことが示唆される演出内容とされた第1の操作時演出(例えば、特定装飾部材SDYが動作する演出態様)と、相対的に期待度の低いことが示唆される演出内容とされた第2の操作時演出(例えば、特定装飾部材SDYが動作しない演出態様)とのいずれかを出現させることが可能とされている。すなわちこの場合、刀装飾画像SYG(第2の表示態様)が表示されたときには、ボタン画像BTG(第1の表示態様)が表示されたときよりも高い割合で、相対的に期待度が高いことを示唆する演出内容とされた第1の操作時演出が実行されることとなる。ただし、特定の操作関連演出を経て発生する演出受付期間内における演出受付に基づいて第1の操作時演出が実行された場合は、該第1の操作時演出が、上記ボタン画像BTG(第1の表示態様)が表示されたときの操作ボタン410に対する演出受付に基づいて実行されたときと、上記刀装飾画像SYG(第2の表示態様)が表示されたときの刀装飾体5001に対する演出受付に基づいて実行されたときとで同じ期待度を示唆するようにすることが望ましい。期待度は、0%であってもよいし、100%であってもよい。このような構成によれば、特定の操作関連演出が行われた演出結果として相対的に期待度の低い側の演出画像(ボタン画像BTG(第1の表示態様))が表示された場合であっても、演出受付されたことに基づいて第1の操作時演出が実行されさえすれば、特定の操作関連演出が行われた演出結果として相対的に期待度の高い側の演出画像(刀装飾画像SYG(第2の表示態様))が表示された場合と比べて演出結果上は何らのデメリットも生じないようになることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、上述したタイマ演出では(図148〜図207)、「操作手段に対する操作機会の付与」をその演出対象(タイマ対象とされる上記複数の演出態様の1つ)として設定することが可能である。すなわち、「操作手段に対する操作機会の付与」を演出対象としたタイマ演出では、カウント表示が所定値(ここでは、「0」)に達すると、操作手段に対して操作機会が間もなく付与されるようになり、これによって操作時演出を楽しむことができるようになる。なおこの場合、タイマ演出の演出対象の候補として用意される「操作手段に対する操作機会」では、操作手段に対する操作が行われると、所定の演出抽選の結果に応じて遊技者に有利な演出結果と不利な演出結果とのいずれかが現れうるようにしておく。ただし、タイマ演出の演出対象として当該「操作手段に対する操作機会」が付与された場合は、タイマ演出の演出対象とされなかった場合と比較して、遊技者に有利な演出結果が現れる割合が高くなるようにすることがより望ましい。割合は、100%であってもよい。
この点、「操作手段(例えば、刀装飾体5001)に対する操作機会の付与」を演出対象としたタイマ演出が実行される演出パターンが現れる場合、該演出対象とされる「操作手段に対する操作機会の付与」を利用した特定の操作関連演出がさらに行われうるようにしてもよい。すなわちこの場合、タイマ演出のカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達すると、刀装飾画像SYGが現れて刀装飾体5001に対して操作機会が付与されることとなるが、この際、該刀装飾画像SYGが現れるよりも前に、ボタン画像BTGと刀装飾画像SYGとのいずれが現れるかについての特定の操作関連演出が実行されることとなる。
このような構成によれば、タイマ演出と特定の操作関連演出とがそれぞれ同じ演出を対象として実行されるようになることから、操作手段(例えば、刀装飾体5001)に対して操作機会が付与されたときの遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
ただしこの際、一の演出対象(刀装飾体5001に対する操作機会の付与)に対して2つの異なる演出(タイマ演出、特定の操作関連演出)がその直前まで同時進展されるようなことがあると、いずれの演出を注視すべきかを理解できず、注意が散漫となり、遊技興趣が逆に低下する懸念がある。
そこで、一の演出対象(刀装飾体5001に対する操作機会の付与)に対して特定のタイマ演出と特定の操作関連演出とをそれぞれ実行する場合は、以下に図341を参照して説明するように、特定のタイマ演出のカウント表示が実行されてそのカウント値が所定値(ここでは、カウント「0」)になるまでの間は「特定の操作関連演出」を未実行の状態とし、該カウント値が所定値(ここでは、カウント「0」)になった以降に「特定の操作関連演出」を演出開始させるようにすることが望ましい。
図341は、一の演出対象(刀装飾体5001に対する操作機会の付与)に対して特定のタイマ演出と特定の操作関連演出とをそれぞれ実行するときの演出についてその一例を説明する図である。なお、以下のタイマ演出は、上述した予告側タイマ演出に相当するものであり、それに応じた各種の処理が行われた結果として実行されるものである。
図341(a)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が大当り判定の結果に応じた特定の演出パターンで演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図341(b)は、図341(a)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、タイマ演出が特定数値(ここでは「3」)をもって演出開始(ここではカウントダウン表示)された演出状況を示している。なお、図341(b)に示される演出状況では、「特定の操作関連演出」は未だ実行されておらず、当該タイマ演出がいずれの演出を対象としたものであるか不明な状態となっている。
すなわち、この演出例にかかるタイマ演出では、複数用意されているタイマ対象演出候補のうちいずれの演出を対象として実行されているのか不明な状態としたままで、まず、そのカウント値が所定値(ここでは、カウント「0」)に達してこれが表示されるようにする。そして、こうしてカウント値としての「0(所定値)」が表示された後、図341(d)に示されるように、「特定の操作関連演出」を演出開始させるようにしている。なお、「特定の操作関連演出」が演出開始される時点では、カウント値は「0」ですらもなく、非表示にされている。
このようなタイマ演出によれば、カウント表示が所定値(ここでは、カウント「0」)に達した後に、ボタン画像BTG(第1の表示態様)と刀装飾画像SYG(第2の表示態様)とのいずれが表示されるかについての特定の操作関連演出が実行されるようになる。
すなわちこの場合、一の演出対象(刀装飾体5001に対する操作機会の付与)に対して2つの異なる演出(タイマ演出、特定の操作関連演出)が実行されるにもかかわらず、それらの演出が時系列的に重なることが回避されるようになることから、各異なる演出をそれぞれ楽しむことができるようになる。
ただし、特定の操作関連演出が未実行の状態にあるときにタイマ演出のカウント表示が所定値(ここでは、カウント「0」)に達するようにしてしまうと、該タイマ演出がいずれの演出を対象として行われたものであるかを認識できず、遊技興趣が低下してしまう懸念がある。そこで、この演出例では、図341(c)に示されるように、カウント表示が所定値(ここでは、カウント「0」)に達してから特定の操作関連演出が開始されるまでの間に、当該タイマ演出が演出対象としている演出種別(刀装飾体5001に対する操作機会の付与)を示唆する演出を行うようにしている。
図341(c)に示される例では、タイマ演出のカウント表示が所定値(ここでは、カウント「0」)に達すると、まず、演出表示装置1600において「納刀」の表示が行われるようにしており、これによって「刀装飾体5001に対する操作機会(「納刀」による操作機会)の付与」を演出対象としたタイマ演出であったことが示唆されるようにしている。
このような構成によれば、図341(d)に示されるように、刀装飾体5001に対応する演出画像(刀装飾画像SYG(第2の表示態様))が表示されること(「納刀」による操作機会が付与されること)を遊技者側が認識した演出状況にあるなかで「特定の操作関連演出」が演出開始されるようになることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。なお、タイマ演出のカウント表示が所定値(ここでは、カウント「0」)に達したとき、そのカウント表示(カウント「0」)は、演出表示装置1600において「納刀」の表示が行われるときにも継続して表示されるようにしてもよい。
また、この演出例では、図341(c)に示されるように、タイマ演出のカウント表示が所定値(ここでは、カウント「0」)に達すると、刀装飾体5001が所定動作(ここでは、上下方向への往復動作)を行うようになっており、これによっても「刀装飾体5001に対する操作機会(「納刀」による操作機会)の付与」がタイマ演出の演出対象とされていることを示唆するようにしている。
なお、こうした刀装飾体5001による所定動作については、タイマ演出が「刀装飾体5001に対する操作機会の付与」を演出対象としているときのみならず、他の演出を演出対象としている場合にもカウント表示が0になったときに行うようにしてもよい。すなわちこの場合、刀装飾体5001による所定動作は、当該タイマ演出が演出対象としている演出種別を示唆する演出として機能するのではなく、カウント表示が0になったことを示唆する演出として機能することとなる。この意味では、刀装飾体5001による所定動作については、カウント表示が0になった以降であり、且つ演出対象とされる演出が開始されるよりも前であり、且つ当該タイマ演出が演出対象としている演出種別を示唆する演出が開始されるタイミングと同じか、これよりも前に実行されるようにし、その実行状態中に当該タイマ演出が演出対象としている演出種別を示唆する演出も実行中とされるようにすることが重要であると言える。
図341(d)は、「特定の操作関連演出」が演出開始された演出状況を示している。
この演出状況では、上述の通り、カウント値が既に非表示にされていることはもとより、当該タイマ演出が演出対象としている演出種別を示唆する演出も非表示にされている。
また、刀装飾体5001による所定動作についても終了した状態になっている。ただし、タイマ演出が演出対象としている演出種別を示唆する演出や、刀装飾体5001による所定動作については、特定の操作関連演出が演出開始されるよりも前に実行することが重要なのであり、特定の操作関連演出が演出開始された以降もその実行状態を継続させるようにしてもよい。
そして、こうして「特定の操作関連演出」が演出開始された以降は、図341(e)〜(h)の順に演出が進展されることとなるが、これらの演出内容については、図332(c),図334(g)〜(i)、若しくは図336(d),図338(h)〜(j)を参照して説明した内容と概ね同じであるから、詳細は割愛することとする。
なお、特定の操作関連演出と関連して行われるタイマ演出としては、図341に示したタイマ演出と、該タイマ演出とは別のタイマ演出とのいずれかが所定の演出抽選の結果に基づいて実行可能とされるようにしてもよい。すなわち、別のタイマ演出では、タイマ演出を開始させた後に特定の操作関連演出が演出開始される点については、図341に示したタイマ演出と同じであるが、該特定の操作関連演出が演出開始されるタイミング(厳密には、これよりも少し前)に合わせてカウント値が所定値(ここでは「0」)に達せず、該特定の操作関連演出が演出開始された以降も継続するようになっている。そしてこの場合、特定の操作関連演出の演出結果としてボタン画像BTG(第1の表示態様)及び刀装飾画像SYG(第2の表示態様)のいずれが示された場合であっても、特典付与(大当り)にかかる期待度が同じになるようになっている。期待度は、100%であってもよい。
このような別のタイマ演出によれば、特定の操作関連演出とタイマ演出とが同時に演出進展されることとなるが、同時に演出進展される演出状況が現れた時点で、特定の操作関連演出の演出結果としてボタン画像BTG(第1の表示態様)及び刀装飾画像SYG(第2の表示態様)のいずれが示されたとしてもそれらの演出価値は同じ(特典付与(大当り)にかかる期待度が同じ)とされるようになる。すなわちこの場合、特定の操作関連演出これ自体の演出性を実質的に喪失させることができるようになることから、特定の操作関連演出とタイマ演出とが同時に演出進展されたとしても、いずれの演出に注視すべきかを理解できず、注意が散漫となるような事態が発生することは回避されるようになる。ただし、遊技興趣の向上を図る上では、特定の操作関連演出とタイマ演出とが同時に演出進展される演出パターンが現れた場合は、図341に示した演出パターンが現れた場合よりも特典付与にかかる期待度が高くなるようにすることが望ましい。
また、図341(c)に示される例では、タイマ演出のカウント表示が所定値(ここでは、カウント「0」)に達すると、まず、演出表示装置1600において演出対象の種別を示唆する表示(「納刀」)が行われるようにしたが、このような演出対象を示唆する表示については、タイマ演出として別の演出態様を演出対象とした場合にも行うようにしてもよい。ただし、タイマ対象とされうる複数の演出のうち、特定の演出がタイマ対象とされたときにはいずれの演出を対象としたタイマ演出であるかを示唆する表示を行わないようにしてもよい。
また、上記した各演出態様、及びそれらの別例では、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれかに対して操作機会を付与するのに先立って、それら操作手段のいずれに対して操作機会が付与されるかについての特定の操作関連演出を行うこととした。ただし、操作ボタン410に対して操作機会を付与するのに先立って(演出受付期間が発生するのに先立って)、刀装飾体5001に対して操作機会が付与されるときには現れない第一前兆演出を行うようにしたり、刀装飾体5001に対して操作機会を付与するのに先立って(演出受付期間が発生するのに先立って)、操作ボタン410に対して操作機会が付与されるときには現れない第二前兆演出を行ったりする演出パターンが現れうるようにしてもよい。これらの前兆演出(第一前兆演出、第二前兆演出)を行うようにする場合は、特定の操作関連演出が行われる場合よりも当該演出(前兆演出)に要する時間を短く設定するとともに、該演出が出現したときの特典付与にかかる期待度も低くなるようにすることが、特定の操作関連演出が行われるときの遊技興趣を高めるようにする上で望ましい。
ここで、前兆演出としては、例えば、操作機会が付与される側の操作手段(例えば、操作ボタン410)を模した演出画像(例えば、ボタン画像BTG)が現れるよりも前に、例えば、霧が立ち込めた様子を表現するなどの特定画像を表示する。次いで、特定画像の表示が行われているなかで、該特定画像と重なることによって視認し難くされる位置(レイヤー上、特定画像の背後側となる位置)にボタン画像BTGを表示する。そしてこの後、特定画像を徐々に非表示へと変化(透過率を高くしていったり、特定画像が表示される領域を減少させていくなど)させるようにすることで、ボタン画像BTGが徐々に露にされるようにする演出などとして実行することが可能である。なお、このような前兆演出にかかる具体的な描写態様の例については後述することとする。
そしてこの際、特典付与(大当り)にかかる期待度が異なる複数の表示態様(例えば、青色のボタン画像BTG、赤色のボタン画像BTGなど)のいずれかでボタン画像BTGを表示させるようにすれば、ボタン画像BTGが徐々に露にされていく前兆演出が進展されるなかで、いずれの表示態様のボタン画像BTGが現れるかについての面白みを持たせることができるようになる。
なお、操作ボタン410に対して操作機会が付与され且つ刀装飾体5001に対して操作機会が付与されないときに現れる第一前兆演出と、操作ボタン410に対して操作機会が付与されず且つ刀装飾体5001に対して操作機会が付与されるときに現れる第二前兆演出と、操作ボタン410と刀装飾体5001とのいずれかに対して操作機会が付与されるときに現れる上記特定の操作関連演出とは、それぞれ異なる演出内容として実行されるようにすることが重要である。また、演出内容のみならず、該演出に要する時間も異なるようにすることが望ましい。
このような前兆演出は、「特定の操作手段に対して操作機会を付与するに際し、該操作機会の付与に関連した演出として行われるもの」という意味では、上述の「特定の操作関連演出」を含む上位の概念であると言える。そして、「特定の操作関連演出」を含めて、前兆演出については、以下に図342を参照して説明するように、複数の演出態様を用意するとともに、それら演出態様のいずれで前兆演出が行われたかによって、該前兆演出に対応して発生する演出受付期間がどれだけの長さを有するものであるかを示唆するようにすることが、当該前兆演出が行われるときの遊技興趣の向上を図るようにする上でより望ましい。
図342は、前兆演出として複数の種別(前兆演出A,B1,B2,C)が用意されているときの演出について、それら種別毎に演出内容の一例を説明するタイムチャートである。
まず、図342(a)に示される例(前兆演出A)では、図柄変動が開始されてから第1の所定時間が経過したときに、前兆演出Aが演出開始されるようになっている。この前兆演出Aは、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれに対して操作機会が付与されるかについての上述した「特定の操作関連演出」として実行されるものとなっており、該前兆演出Aが実行されると、その演出結果として示された側の特定操作手段に対して演出受付期間(有効期間)T1が発生するようになっている。すなわち、図342(a)に示される例(前兆演出A)では、前兆演出Aが行われると、いずれの操作手段に対して操作機会を付与することになったとしても、同じ時間長さを持った演出受付期間(有効期間)T1が発生することとなる。
演出受付期間(有効期間)T1では、前兆演出Aの結果として示した側の特定操作手段に対して操作を促す指示表示(「押せ」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が表示される。そして、演出受付期間(有効期間)T1内で特定操作手段に対する操作によって演出受付がなされると、該演出受付に基づいて、上述した操作時演出(例えば、図331(d),(f)や、図333(e),図334(h),図337(f),図338(i)などを参照して説明した演出)が実行されるとともに、当該期間T1をその時点で終了させる処理が行われるようになっている。
これに対し、図342(b)に示される例(前兆演出B1)では、図柄変動が開始されてから第1の所定時間が経過したときではなく、第2の所定時間が経過したときに、前兆演出B1が演出開始されるようになっている。この前兆演出B1は、「特定の操作関連演出」ではなく、特定の操作手段(例えば、操作ボタン410)に対して操作機会が付与されるときにこれに先立って実行されるもの(特定の操作手段に対して操作機会が付与されるときには実行されないもの)となっており、該前兆演出B1が実行されると、特定の操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する演出受付期間(有効期間)T2が発生するようになっている。
演出受付期間(有効期間)T2では、前兆演出B1に対応する特定の操作手段に対して操作を促す指示表示(「押せ」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が表示される。そして、演出受付期間(有効期間)T2内で特定の操作手段に対する操作によって演出受付がなされると、該演出受付に基づいて、上述した操作時演出とは異なる所定の操作時演出が実行されるとともに、当該期間T2をその時点で終了させる処理が行われるようになっている。
この点、この演出例にあって、前兆演出B1に対応する演出受付期間(有効期間)T2は、図342(a),(b)に示されるように、前兆演出Aに対応する演出受付期間(有効期間)T1とは異なる時間長さ(ここでは、短い時間長さ)をもった期間として発生するようになっている。これにより、いずれの態様(前兆演出A,前兆演出B1)で前兆演出が行われたかによって、該前兆演出に対応して発生する演出受付期間がどれだけの長さを有するものであるかを示唆することができるようになり、前兆演出が行われるときの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
一方、図342(c)に示される例(前兆演出B2)では、図柄変動が開始されてから第2の所定時間が経過したときに、前兆演出B2が演出開始されるようになっている。この前兆演出B2も、前兆演出B1と同様、「特定の操作関連演出」ではなく、特定の操作手段(例えば、操作ボタン410)に対して操作機会が付与されるときにこれに先立って実行されるもの(特定の操作手段に対して操作機会が付与されるときには実行されないもの)となっている。ただし、前兆演出B2が実行されると、前兆演出B1に対応する演出受付期間(有効期間)T2とは異なる時間長さをもった演出受付期間(特定の操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する演出受付期間)T3が発生するようになっている。
なお、この演出受付期間(有効期間)T3においても、前兆演出B2に対応する特定の操作手段に対して操作を促す指示表示(「押せ」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が表示される。また、演出受付期間(有効期間)T3内で特定の操作手段に対する操作によって演出受付がなされると、該演出受付に基づいて、前兆演出A,B1が実行された場合といずれとも異なる操作時演出が実行されるとともに、当該期間T3をその時点で終了させる処理が行われる。
この点、この演出例にあって、前兆演出B2に対応する演出受付期間(有効期間)T3は、図342(a),(c)に示されるように、前兆演出Aに対応する演出受付期間(有効期間)T1と同じ時間長さを持った期間として発生するようになっている。すなわちこの場合、相対的に特典付与(大当り)にかかる期待度の低い前兆演出B2が実行されたにもかかわらず、相対的に期待度の高い特定の操作関連演出が実行されたときと同じ時間長さを持った演出受付期間(有効期間)T3が発生することが示唆されるようになることから、特定の操作関連演出が行われたかのような演出状況が生み出されることとなり、前兆演出B2が行われるときの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。なおこの場合、演出受付期間(有効期間)T2が発生したときと、演出受付期間(有効期間)T3が発生したときとで特典付与にかかる期待度が異なるようにすることが望ましい。
なお、前兆演出B1,B2については、当該演出が開始されてからその途中のタイミングまでは同じ演出態様が現れるようにし、該タイミングが経過してから異なる演出態様が現れるようにすることで、特定の操作手段に対して演出受付期間(有効期間)T2と演出受付期間(有効期間)T3とのいずれを発生させるのかについての演出性を持たせるようにしてもよい。ただし、こうした演出性については必ずしも持たせなくてもよいし、前兆演出B1,B2が演出開始されるタイミングとしても、図柄変動が開始されてから異なる時間が経過したときに演出開始されるようにしてもよいし、前兆演出B1,B2が互いに異なる時間長さを有したものであってもよい。
他方、図342(d)に示される例(前兆演出C)では、図柄変動が開始されてから第3の所定時間が経過したときに、前兆演出Cが演出開始されるようになっている。この前兆演出Cは、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれに対して操作機会が付与されるかについての上述した「特定の操作関連演出」として実行されるものとなっており、該前兆演出Cが実行されると、その演出結果として示された側の特定操作手段に対して演出受付期間(有効期間)T4が発生するようになっている。すなわち、図342(d)に示される例(前兆演出C)では、前兆演出Cが行われると、いずれの操作手段に対して操作機会を付与することになったとしても、同じ時間長さを持った演出受付期間(有効期間)T4が発生することとなる。
演出受付期間(有効期間)T4でも、前兆演出Cの結果として示した側の特定操作手段に対して操作を促す指示表示(「押せ」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が表示される。そして、演出受付期間(有効期間)T4内で特定操作手段に対する操作によって演出受付がなされると、該演出受付に基づいて、上述した操作時演出(例えば、図331(d),(f)や、図333(e),図334(h),図337(f),図338(i)などを参照して説明した演出)が実行されるとともに、当該期間T4をその時点で終了させる処理が行われるようになっている。
この点、この演出例にあって、前兆演出Cに対応する演出受付期間(有効期間)T4は、図342(a),(d)に示されるように、前兆演出Aに対応する演出受付期間(有効期間)T1と同じ時間長さを持った期間として発生するようになっている。すなわちこの場合、前兆演出Cこれ自体に要する時間の長さが、前兆演出Aよりも短い場合であっても、当該前兆演出が上述した「特定の操作関連演出」として実行されるものであれば、前兆演出Aの場合と同じ時間長さを持った演出受付期間(有効期間)T4が発生することが示唆されるようになることから、前兆演出Cが行われるときの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
なお、図342に示した演出例では、前兆演出A,B1,B2,Cの種別に対し、演出受付期間(有効期間)の長さを一対一の関係で対応付けすることで、演出受付期間(有効期間)の長さを示唆するようにした。ただし、前兆演出の種別毎に、所定時間の長さを持った特定の演出受付期間(例えば、演出受付期間T2など)が発生する割合が異なるように設定することで、演出受付期間(有効期間)の長さを示唆するようにしてもよい。
また、上記した各演出態様、及びそれらの別例では、特定の操作関連演出が行われた後、該演出の結果として示唆された側の特定の操作手段(例えば、操作ボタン410)に対して演出受付期間(有効期間)が発生するときには、該特定の操作手段を模した演出画像(例えば、ボタン画像BTG)が表示される。そしてこの際、該演出画像(例えば、ボタン画像BTG)については、特定の操作手段のその時点における状態と同じ状態を模すように表示されるようにしている。例えば、図337(e)に示される例では、操作ボタン410が操作位置で動作した状態になっているがボタン画像BTGもこれに合わせて操作位置で動作した状態として表示されており、図338(h)に示される例では、刀装飾体5001が操作位置で動作した状態(抜刀状態)になっているが刀装飾画像SYGもこれに合わせて操作位置で動作した状態(抜刀状態)として表示されている。
ただし、特定の操作関連演出が行われた後に操作機会が付与される特定の操作手段(例えば、操作ボタン410)をその見た目どおりに模した演出画像(例えば、ボタン画像BTG)として表示するようにしてしまうと、相対的に期待度の高い特定の操作関連演出が行われているにもかかわらず演出の結果を表示するに際しては当該演出としての幅が著しく狭められることとなり、遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、特定の操作関連演出が行われる場合は、以下に図343及び図344を参照して説明するように、特定の操作手段(例えば、操作ボタン410)を模した演出画像(例えば、ボタン画像BTG)については、その際における特定の操作手段の状態を必ずしもそのまま表現せず、その際における特定の操作手段とは異なる状態として表示するようにすることが望ましい。
図343は、特定の操作関連演出ではない前兆演出が行われるときの演出内容と、特定の操作関連演出としての前兆演出が行われるときの演出内容とについてそれらの演出例を示す図である。
まず、図343(a)〜(c)では、特定の操作関連演出ではない前兆演出が行われるときの演出内容を示している。例えば、いま、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が大当り判定の結果に応じた特定の演出パターンで演出表示装置1600にて行われている演出状況にあるとする。そして、該演出状況にあるなかで、図343(a)に示されるように、「特定の操作関連演出」ではなく、操作ボタン410及び刀装飾体5001のうち刀装飾体5001側にのみ対応する前兆演出が実行されたとすると、刀装飾体5001に対して操作機会が間もなく付与されることが認識可能とされるようになる。なお、前兆演出(他の別例における前兆演出も同様)では、操作機会が間もなく付与される側の操作手段に対応する所定の表示がなされるものであれば、該操作手段を模した演出画像については必ずしも表示しなくてもよい。このような構成によれば、演出受付期間中に表示される刀装飾画像SYGが未だ表示されていない状況にあるときから、刀装飾体5001に対して操作機会が間もなく付与されることが認識可能とされるようになる。
なお、図343(a)に示される前兆演出では、相対的に期待度の低い青色のオーラをまとった刀装飾画像SYGaと、相対的に期待度の高い赤色のオーラをまとった刀装飾画像SYGbとが演出表示装置1600にて表示されており、それらのいずれが最終的に表示領域内に残されるかについての演出内容が現れている。したがって、この演出状況においては、刀装飾体5001に対して操作機会が間もなく付与されることは認識可能とされるものの、刀装飾画像SYGとして期待度の低い刀装飾画像SYGaか、若しくは期待度の高い刀装飾画像SYGbのいずれが表示されるかについては秘匿にされている。
図343(b)は、赤色のオーラをまとった刀装飾画像SYGbが最終的に残された演出結果を示しており、これによって相対的に期待度の高い演出状況にあるなかで刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生することが示唆されるようになる。図343(b)に示される表示では、赤色のオーラをまとった刀装飾画像SYGbから他の演出画像(刀装飾画像SYGaなど)に変化することがないことを示唆する最終エフェクトが表示されている。
図343(c)は、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生したときの演出例を示しており、該演出受付期間が発生すると、刀装飾体5001に対して操作を促す指示表示(「押し込め」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が表示される。また、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生するときには、刀装飾体5001が納刀状態から抜刀状態へと状態変化することとなるが、刀装飾画像SYGbもこれに合わせて納刀状態から抜刀状態へと状態変化させるようにしている。なお、該演出受付期間内で演出受付がなされたときには、該演出受付に基づいて所定の操作時演出が行われるとともに、刀装飾画像SYGは非表示とされ、刀装飾体5001は納刀状態で維持される。また、当該演出受付期間をその時点で終了させる処理が行われる。
このような構成によれば、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれか側にのみ対応する前兆演出が行われた場合は、その演出受付期間が発生すると、操作対象側の操作手段(ここでは、刀装飾体5001)を模した演出画像(ここでは、刀装飾画像SYGb)が、その際における操作対象側の操作手段(ここでは、刀装飾体5001)と同じ状態(抜刀状態)で表示されるようになる。特に、この演出例にかかる演出受付期間では、操作対象側の操作手段を模した演出画像(ここでは、刀装飾画像SYGb)と、操作対象側の操作手段(ここでは、刀装飾体5001)とがいずれも所定位置にて停止された状態とされるようになっている。
これに対し、図343(d)〜(g)は、前兆演出として特定の操作関連演出が行われるときの演出内容を示している。例えば、いま、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が大当り判定の結果に応じた特定の演出パターンで演出表示装置1600にて行われている演出状況にあるとする。そして、該演出状況にあるなかで、図343(d)に示されるように、「特定の操作関連演出」としての前兆演出が演出開始されたとすると、操作ボタン410と刀装飾体5001とのいずれかに対して操作機会が間もなく付与されることが認識可能とされるようになる。
図343(e)は、「特定の操作関連演出」としての前兆演出が進展してその演出結果が現れた演出状況を示している。この演出状況では、「特定の操作関連演出」の演出結果として、刀装飾体5001に対して操作機会が付与されることを示唆するべく、ボタン画像BTGは表示されず、刀装飾画像SYGが表示されている。図343(e)に示される表示では、刀装飾画像SYGから他の演出画像(ボタン画像BTGなど)に変化することがないことを示唆する最終エフェクトが表示されている。
図343(f)は、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生したときの演出例を示しており、該演出受付期間が発生すると、刀装飾体5001に対して操作を促す指示表示(「押し込め」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が表示される。また、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生するときには、刀装飾体5001が納刀状態から抜刀状態へと状態変化するとともに、刀装飾画像SYGが抜刀状態で表示されることとなる。
この点、図343(f)、(g)に示される例では、当該演出受付期間において、刀装飾画像SYGは、刀装飾体5001が抜刀状態にあるときの表示内容として維持(刀装飾画像SYGが停止された状態に)されるのに対し、刀装飾体5001は、演出受付期間が終了するまでの期間にわたってゆっくりと上方向への変位を継続実行するようにしており、互いに異なる状態とされるようにしている。
なお、演出受付期間では、刀装飾体5001がいずれの位置にあったとしても、該操作対象役物141に対して納刀状態への操作を行ったときには演出受付がなされることとなり、該演出受付に基づいて所定の操作時演出が行われるとともに、刀装飾画像SYGは非表示とされ、刀装飾体5001は納刀状態で維持される。また、当該演出受付期間をその時点で終了させる処理が行われる。
このような構成によれば、特定の操作関連演出を経て演出受付期間が発生するときには、刀装飾体5001と刀装飾画像SYGとの一方側は動作を継続して演出に供されるようになっているのに対し、その他方側は動作せず現在の状況を正確に伝達する役割を担わせることができるようになる。なお、図343(f),(g)の例では、演出受付期間において、刀装飾画像SYGを停止状態とし、刀装飾体5001を継続的に動作させることとしたが、これに限られず、刀装飾画像SYGを継続的に動作させ、刀装飾体5001を停止状態にするようにしてもよい。
このように、図343に示した演出例においては、特定の操作関連演出を経ずに発生する演出受付期間(図343(c))では、刀装飾体5001と刀装飾画像SYGとの両方を停止状態とするのに対し、特定の操作関連演出を経て発生する演出受付期間(図343(f))では、刀装飾体5001と刀装飾画像SYGとの一方についてはこれを停止状態にするが、その他方側については演出に供することが可能とされるようにこれを動的な状態として継続させるようにしている。したがって、特定の操作関連演出を経て演出受付期間が発生するときにはその演出の幅を広げることができるようになり、遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
特に、操作ボタン410これ自体は周辺制御MPU1511aによる制御によって駆動力が付与される操作手段でなかったとしても、特定の操作関連演出を経て該操作ボタン410に対する演出受付期間が発生するときには、該操作ボタン410これ自体は停止状態にされるのに対し、該操作ボタン410を模したボタン画像BTGについてはこれを動的な状態としてその描写を継続させるようにすれば、特定の操作関連演出を経て操作ボタン410に対する演出受付期間が発生するときの演出の幅を大きく改善することが期待されるようになる。
なお、相対的に期待度の低い青色のオーラをまとった刀装飾画像SYGaと、相対的に期待度の高い赤色のオーラをまとった刀装飾画像SYGbとのいずれかを刀装飾画像SYGとして表示する手法については、特定の操作関連演出ではない前兆演出が行われるときのみならず、前兆演出としての特定の操作関連演出が行われるときにも採用するようにしてもよい。すなわちこの場合、特定の操作関連演出では、操作ボタン410を模したボタン画像BTGと、刀装飾体5001を模した刀装飾画像SYGとのいずれが現れるかについての演出性に加えて、いずれかの演出画像(例えば、ボタン画像BTG)が現れるときには、該演出画像(ボタン画像BTG)が相対的に期待度の高い表示態様と相対的に期待度の低い表示態様とのいずれで表示されるかについての演出性をさらに提供することができるようになる。該手法については、図343の演出例のほか、上記した各演出態様、及びそれらの別例においても適宜に採用するようにしてもよい。
そして、このような2つの演出性を特定の操作関連演出に対して持たせるようにする場合は、まず、該特定の操作関連演出の演出結果としてボタン画像BTGと刀装飾画像SYGとのいずれが現れるか認識可能な状態であり、且つ現れる側の演出画像の表示態様が期待度の高いものであるか否か不明な状態(例えば、操作手段を模した演出画像を白抜きにして輪郭だけを認識可能な表示状態にするなど)が演出進展によって現れるようにする。
そしてこの後、特定の操作関連演出の演出結果として現れる側の演出画像の表示態様が期待度の高いものであるか否かを認識可能な状態(例えば、操作手段を模した演出画像の白抜き状態を解除して色を確認可能にするなど)をさらなる演出進展によって順次に出現させるようにすることが望ましい。また、このような演出進展を経てボタン画像BTGが表示された場合は、所定の条件下では、その表示態様が期待度の高いものであるか否かを認識可能な状態(例えば、操作手段を模した演出画像の白抜き状態を解除するなど)とした後に、さらにボタン画像BTGを非表示にして、該特定の操作関連演出の演出結果として刀装飾画像SYGが現れることを認識可能な状態であり、且つ刀装飾画像SYGの表示態様が期待度の高いものであるか否かを不明な状態(例えば、刀装飾画像SYGを白抜きにして輪郭だけを認識可能な表示状態にするなど)へとさらに演出進展させる演出パターンが発生しうるようにしてもよい。なおこの後は、特定の操作関連演出の演出結果として現れた刀装飾画像SYGの表示態様が期待度の高いものであるか否かを認識可能な状態(例えば、刀装飾画像SYGの白抜き状態を解除して色を確認可能にするなど)にすることとなる。なおこの場合、ボタン画像BTGが表示されたときの表示態様が期待度の高い側の表示態様(例えば、赤色)であるときには、期待度の低い側の表示態様(例えば、青色)であるときよりも、このようなさらなる演出進展が発生する割合が高くなるようにすることが望ましい。
図344(a)〜(e)は、前兆演出として特定の操作関連演出が行われるときの演出内容として、図343(d)〜(g)に示した演出の別例を示す図である。すなわち、図344(a)では、「特定の操作関連演出」としての前兆演出が演出開始されているが、該前兆演出では、操作ボタン410を模した盾(ボタン画像BTG)を保有している第1のキャラクタ(操作ボタン410に対応する演出画像)と、刀装飾体5001を模した剣(刀装飾画像SYG)を保有している第2のキャラクタ(刀装飾体5001に対応する演出画像)とが対峙している様子が描写されており、これらキャラクタのいずれが表示領域内に残されるかによって操作ボタン410と刀装飾体5001とのいずれに対して操作機会が付与されるかを示唆するようにしている。
図344(b)は、「特定の操作関連演出」としての前兆演出の演出結果が現れている演出状況にある。この演出状況では、刀装飾体5001に対して操作機会が付与されることを示唆するべく、第1のキャラクタ(操作ボタン410に対応する演出画像)は表示されず、第2のキャラクタ(刀装飾体5001に対応する演出画像)が表示されている。図344(b)に示される表示画像は、図340(b)に示される表示画像TGと概ね同じ(刀装飾体5001に対して操作を促す指示表示は非表示の状態)であり、特定の操作関連演出が行われているなかでその演出部分(キャラクタ同士の対峙)とそれ以外の背景画像(特定の操作関連演出が演出開始される前から表示されていた部分)との両方が、当該特定の操作関連演出の演出結果としての演出画像(図344(b)に示される表示画像)へと突然に差し替え(表示領域における演出の略全体が差し替え)られるようになる。
図344(c)〜(e)は、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生したときの演出例を示しており、該演出受付期間が発生すると、まず、図344(c)に示されるように、刀装飾体5001に対して操作を促す指示表示(「押し込め」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が表示される。
ここで、この演出例では、図344(c)に示されるように、演出受付期間が発生するときに刀装飾体5001が納刀状態から抜刀状態への動作を開始するようになっており、図344(d)に示されるように、該演出受付期間が開始されてから比較的短い時間が経過するだけで、刀装飾体5001は、納刀状態から抜刀状態への動作(移動)を完了するようになっている。そしてこれ以降、図344(e)に示されるように、遊技者による操作がない限り、刀装飾体5001は、演出受付期間が少なくとも終了されるまでの間は抜刀状態にて維持され、遊技者による操作(抜刀状態から納刀状態への操作)を待つこととなる。
これに対し、演出表示装置1600では、図344(c)〜(e)に示されるように、このような刀装飾体5001の動き(直線方向の動作)とは全く異なる動き(回転方向の振り下ろし動作)で、第2のキャラクタが刀装飾画像SYGを振り下ろす描写が行われるようになっており、刀装飾体5001が抜刀状態にて維持された以降も、刀装飾画像SYGは継続して動作を行うようになっている。この演出例にかかる刀装飾画像SYGは、振り下ろしの動作が開始(図344(c))されてから終了(図344(e))されるまでの一連の表示を、演出受付期間内においてループ処理によって繰り返し行うようになっている。
ただし、このループ処理が行われたとしても、演出受付期間の残り時間を示すバー表示はその影響を受けずに時間経過に応じた分だけ表示変化が進展することとなる。また、刀装飾体5001についても、振り下ろしの動作が開始(図344(c))されてから終了(図344(e))されるまでの一連の表示が行われている間に抜刀状態への動作を完了させるものとなっているが、ループ処理が行われたとしてもその影響を受けずに抜刀状態のままで維持されることとなる。なお、演出受付期間内で操作対象役物141に対して納刀状態への操作を行ったときには演出受付がなされることとなり、該演出受付に基づいて所定の操作時演出が行われるとともに、上記ループ処理は終了されて刀装飾画像SYGは非表示とされ、刀装飾体5001は納刀状態で維持される。また、当該演出受付期間をその時点で終了させる処理が行われる。
このような構成によれば、特定の操作関連演出としての前兆演出が行われた場合は、その演出受付期間内で刀装飾体5001と刀装飾画像SYGとの両方が動作することとなるが、その動作態様(現在の状況を正確に伝達する役割を担った動作(操作位置に移動するまでの動作)、演出に供されるループ動作)は互いに異なっており、刀装飾体5001の動作が終了した以降も、刀装飾画像SYGはその動作を終了せず継続させるようになる。
これにより、特定の操作関連演出を経て発生する演出受付期間(図344(c)〜(e))が発生するときには、特定の操作関連演出の演出内容を演出受付期間が発生した後にまで継続(背景も継続)して実行可能とするなど、その演出の幅を広げることができるようになり、遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、図344に示した演出例によれば、特定の操作関連演出としての前兆演出(図344(a))が行われているときに現れていた演出内容(キャラクタ同士が対峙する表示)と背景画像との両方を変化させるかたちで演出受付期間が発生するときの演出(図344(c)〜(e))を実行するようにしている。特に、この演出例にかかる演出受付期間では、専用背景(満月)が表示されているもとで、操作手段を模した演出画像(刀装飾画像SYG)とキャラクタ(刀装飾画像SYGとは異なる特定画像)との両方を動的表示することによって受付期間中表示を行うようにしていることから、当該演出受付期間にあるときの演出性を向上させることができるようになる。この意味では、前兆演出においても、操作手段を模した演出画像(刀装飾画像SYG)とキャラクタとの少なくとも一方を用いて演出を行うようにすることが、前兆演出と演出受付期間における演出との間に演出的な繋がりを持たせてさらなる演出性の向上を図るようにする上でより望ましいといえる。
また、専用背景(満月)については、特典付与にかかる期待度の異なる複数の表示態様を有しており、それら表示態様のいずれかによって表示されるようにしてもよい。
なお、特定の操作関連演出としての前兆演出や、演出受付期間内における演出では、それらの演出として複数の演出態様を用意することとし、それら演出態様のいずれが現れるかに応じて、該演出受付期間で演出受付がなされたときの操作時演出として期待度の高い態様が現れるかについての示唆を行うようにしてもよい。前兆演出が行われるときに現れている背景画像を用いて特典付与にかかる期待度が示唆されるようにしてもよい。
また、図344に示した演出例では、特定の操作関連演出としての前兆演出が行われているときに、その前兆演出で現れていた演出内容と背景画像との両方を変化させるかたちで演出受付期間内における演出を実行することとしたが、特定の操作関連演出ではない上述の前兆演出が行われているときに、その前兆演出で現れていた演出内容と背景画像との両方を変化させるかたちで演出受付期間が発生するときの演出を実行するようにしてもよい。
なお、図344に示した演出例では、演出受付期間が発生した後に刀装飾体5001の動作を開始させることとしたが、演出受付期間が発生するよりも前に刀装飾体5001の動作を開始させるようにしてもよいし、演出受付期間が発生するよりも前に開始させた刀装飾体5001の動作が演出受付期間が発生するよりも前に完了(現在の状況を正確に伝達する役割を担った動作を演出受付期間が発生するよりも前に完了)してその後は停止状態を維持するようにしてもよい。
また、特定の操作手段(例えば、刀装飾体5001)に対して操作機会を付与する場合であっても、演出受付期間の発生に際して背景画像を変更させる表示を行う場合と、該背景画像を変更させる表示が行われない場合とがあるようにしてもよい。そしてこの場合、演出受付期間の発生に際して背景画像を変更させる表示が行われると、演出受付期間の発生に際して背景画像を変更させる表示が行われない場合よりも特典付与にかかる期待度が高くなるようにすることが望ましい。
また、上記した各演出態様、及びそれらの別例では、特定の操作関連演出が行われた後、該演出の結果として示唆された側の特定の操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作によって演出受付がなされると、該演出受付に基づく操作時演出として特定装飾部材SDY(遊技盤5側に設けられる可動体)を動作させることとした。そしてこの際、例えば、図331(d),図333(e),図334(h)に示した演出例などでは、扉枠3側に設けられる可動体として刀装飾体5001(または、操作ボタン410)も動作させるようにすることで、特定の操作関連演出を経たときの操作時演出にかかる演出性の向上を図るようにしている。このように、特定の操作関連演出を経たときの操作時演出にかかる演出性の向上を図るようにする上では、特定の操作関連演出を経たときの操作時演出では、その演出の結果に応じて、遊技盤5側に設けられる可動体と扉枠3側(遊技機本体側)に設けられる可動体との両方が作動する成功時の演出状況が現れるか、遊技盤5側に設けられる可動体と扉枠3側に設けられる可動体との両方が作動しない失敗時の演出状況が現れるようにするのに対し、特定の操作関連演出を経ずに行われる操作時演出(例えば、特定の操作関連演出ではない前兆演出が行われた後の操作時演出)では、その演出の結果に応じて、遊技盤5側に設けられる可動体と扉枠3側に設けられる可動体とのいずれかのみが作動する成功時の演出状況が現れるか、遊技盤5側に設けられる可動体と扉枠3側に設けられる可動体との両方が作動しない失敗時の演出状況が現れるようにすることが望ましい。
また、上記した各演出態様、及びそれらの別例にかかる特定の操作関連演出では、該演出の結果として刀装飾画像SYGが表示されると、該演出の結果としてボタン画像BTGが表示されたときよりも特典付与にかかる期待度が高くなるようにしている。この点、特定の操作関連演出の演出結果としてボタン画像BTGが表示されるときには、例えば、図345(a)に示されるように、姫キャラクタが付加された態様(特定の演出態様)で該ボタン画像BTGが表示される場合があるようにし、ボタン画像BTGが該態様で表示されたときには、特定の操作関連演出の演出結果として刀装飾画像SYGが表示されたときよりも特典付与にかかる期待度が高くなるようにすれば、特定の操作関連演出の演出結果としてボタン画像BTGが表示されたときの遊技興趣を好適に維持することが可能とされるようになる。
また、姫キャラクタが表示される態様(特定の演出態様)については、図345(b)に示されるように、刀装飾画像SYGに対して適用するようにしてもよい。なおこの場合、刀装飾画像SYGが特定の演出態様で表示されたときは、通常態様で表示されたときよりも特典付与にかかる期待度が高くなるようにすることが望ましい。
また、特定の操作関連演出が行われた結果として現れる可能性のある演出パターンとして、ボタン画像BTGが特定の演出態様(姫キャラクタが表示される態様)で表示される第1の演出パターン(図345(a))と、特定の操作関連演出が行われた結果として刀装飾画像SYGが特定の演出態様(姫キャラクタが表示される態様)で表示される第2の演出パターン(図345(b))とをそれぞれ用意するようにしてもよい。そしてこの場合、特定の操作関連演出が行われた結果として第1の演出パターンが現れた場合と第2の演出パターンが現れた場合とでは、特典付与にかかる期待度が同じになるように設定することが望ましい。このような構成によれば、特定の操作関連演出が行われた結果としてボタン画像BTGと刀装飾画像SYGとのいずれが現れるかについての面白みを提供することができることはもとより、ボタン画像BTGと刀装飾画像SYGとのいずれが現れるかには拘らないが特定の演出態様(姫キャラクタが表示される態様)が現れるか否かといった全く別の面白みを提供することができるようになる。期待度は、0%であってもよいし、100%であってもよい。
また、特定の操作関連演出が行われた結果として、このような特定の演出態様(姫キャラクタが表示される態様)が現れうるようにする場合は、所定の演出条件が満たされているときには、図345(c)に示されるように、該特定の演出態様を、特定の操作関連演出の演出結果(ボタン画像BTG及び刀装飾画像SYGのいずれが現れるか)が未だ現れていない段階にあるときから(例えば、特定の操作関連演出の演出途中にあるときから)これを先行して表示させるようにしてもよい。このような構成によれば、ボタン画像BTG及び刀装飾画像SYGのいずれが現れるかについての特定の操作関連演出が行われている段階にあるにもかかわらず、特定の演出態様(姫キャラクタが表示される態様)が現れることで、それらボタン画像BTG及び刀装飾画像SYGは同じ演出価値(同じ期待度)にされてしまうこととなる。すなわちこの場合、特定の操作関連演出これ自体の演出性は喪失されることとなることから、特定の操作関連演出が行われている状況にあるにもかかわらず「姫キャラクタによる前兆演出」といったような全く趣旨の異なる演出性を提供することができるようになる。
また、上記した各演出態様、及びそれらの別例にかかる刀装飾体5001は、該刀装飾体5001のうちの刀部位(柄部5012、刀身部5011)が上下方向に操作可能とされる第1の操作態様(第1の動作態様)のほか、図301に示したように、該刀装飾体5001のうちの鞘部位(鞘部5020)が横方向に操作可能とされる第2の操作態様(第2の動作態様)を併せ持つように設けられている。したがって、上記した各演出態様、及びそれらの別例では、1つの操作ユニットとして設けられる刀装飾体5001に対して第1の操作態様及び第2の操作態様のいずれによる操作機会が付与されるかについての演出として上記特定の操作関連演出を行うようにしてもよい。なお、刀部位(柄部5012、刀身部5011)及び鞘部位(鞘部5020)はいずれも扉枠3に設けられる図示しない一の本体支持部によって動作(操作)可能に支持されており、且つ刀部位(柄部5012、刀身部5011)及び鞘部位(鞘部5020)の一方側が動作(操作)された状態にある場合であっても、その他方側が動作(操作)可能とされる構造をもって形成されている。
ただし、このような態様で特定の操作関連演出を行うようにした場合は、いずれの演出結果が現れたとしても操作態様が異なるだけであり、刀装飾体5001に対して操作を行うことには変わりがないことから、遊技者側に操作誤りが発生してしまう可能性が高くなる懸念がある。特に、第1の操作態様と第2の操作態様とのいずれに対して操作機会を付与する場合であっても、例えば、刀装飾体5001のうちの刀部位を模した演出画像(及び、その操作を促す指示表示)が表示されるようになっている場合は、遊技者側に第1の操作態様と第2の操作態様との間での操作誤りが発生する懸念がますます生じることとなる。すなわちこの場合、演出受付期間の残り時間が刻々と少なくなっていくなかで、操作誤りを是正する操作を遊技者側にまずは行わせて、その後、本来の正しい態様での操作をさらに行わせようとすることは困難であり、相対的に期待度の高い特定の操作関連演出が行われたにもかかわらず演出受付がなされる前に当該演出受付期間が終了してしまうようなことになれば、遊技興趣が低下する懸念が生じる。
また、刀装飾体5001では、刀部位による「上下方向への移動」といった態様と、鞘部位による「横方向への移動」といった態様とがあり、このような逆転関係にない複雑な複数の操作態様を提供可能とする操作ユニットでは、操作機会が付与されたときに誤った側の操作を行ってしまうと、適正な側の操作を行うまでに時間を要してしまい、演出受付期間が終了して操作機会が喪失されるリスクが高くされるといえる。
そこで、1つの操作ユニットとして設けられる刀装飾体5001に対して第1の操作態様及び第2の操作態様のいずれによる操作機会が付与されるかについての演出として上記特定の操作関連演出を行うときには、以下に図346及び図347を参照して説明するように、遊技者側に第1の操作態様と第2の操作態様との間での操作誤りが発生してその操作誤りの状態が是正されず本来の正しい操作がそのままの状態から行われたとしても、演出受付が適正になされるようにし、該演出受付に応じた操作時演出が実行されるようにすることが望ましい。
図346及び図347は、特定の操作関連演出が行われる演出パターンにおいて、遊技者側に第1の操作態様と第2の操作態様との間での操作誤りが発生した場合における演出例を示す図である。
図346(a)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が大当り判定の結果に応じた特定の演出パターンで演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図346(b)は、図346(a)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、特定の操作関連演出が演出開始された演出状況を示している。
ここで、図346(b)に示される特定の操作関連演出では、刀装飾体5001のうちの刀部位を抜刀状態から納刀状態へと操作させる第1の操作態様を模した第1の演出画像OXと、該刀装飾体5001のうちの鞘部位を横方向に移動させるように操作する第2の操作態様を模した第2の演出画像TXとが、演出表示装置1600の表示領域内で同時表示されて、それら操作態様のいずれかによる操作機会が間もなく演出受付可能とされることを示唆するようにしている。この点、第1の演出画像OXでは、刀装飾体5001のうちの刀部位を模した画像部分が第2の演出画像TXよりも大きく表示されてはいるものの、第1の演出画像OXと第2の演出画像TXとではいずれも刀部位が画像として表示されており、第1の操作態様と第2の操作態様との間での操作誤りが発生しかねないものとなっている。
図346(c)は、図346(b)に示した特定の操作関連演出が進展し、第1の操作態様に対応する第1の演出画像OXと、第2の操作態様に対応する第2の演出画像TXとが演出表示装置1600の表示領域内で互いに押し合いを行って、相手方を表示領域内から押し出そうとする演出が行われている。第1の演出画像OXが残される演出結果(第1の演出結果)が現れると第1の操作態様に対する演出受付期間が発生し、第2の演出画像TXが残される演出結果(第2の演出結果)が現れると第2の操作態様に対する演出受付期間が発生するようになっている。
なお、この演出例にかかる特定の操作関連演出では、図346(c)に示されるように、第1の演出画像OXが残されるのに優勢な状況になると「押し込め」といった表示が視認可能とされるようになり、第2の演出画像TXが残されるのに優勢な状況になると「スライド」といった表示が視認可能とされるようになっている。演出の状況に応じて操作内容の詳細が認識しやすくされるようにしている。ただし、これらの表示は、演出受付期間が未だ発生していない当該タイミングでの操作を促していると誤認識される懸念があることから、必ずしも行わないようにしてもよい。
図346(d)は、図346(c)に示した演出が行われた結果、第2の演出画像TXが表示領域外へと完全に押し出されて、第1の演出画像OXが表示領域内に残された様子を描写した演出が行われている(第1の演出結果)。この演出内容へと進展したときには、第2の操作態様での操作が行われたとしても特定の操作時演出(特定装飾部材SDYによる可動演出など)は発生せず、第1の操作態様での操作が行われたときに演出受付がなされて該演出受付に応じた特定の操作時演出(特定装飾部材SDYによる可動演出など)が発生することとなる。
すなわち、図346(d)に示される演出状況では、第1の操作態様及び第2の操作態様のうち第1の操作態様側に対してのみ、特定の操作時演出に関する演出受付期間が発生することとなり、該演出受付期間においては、第1の操作態様に対応する第1の演出画像OXに加えて、操作を促す指示表示(「押し込め」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が表示されるようになる。またこの際、刀装飾体5001は、第1の操作態様による操作を行いうるように納刀状態から抜刀状態へと動作することとなる。
図347(e)は、第1の操作態様に対応する第1の演出画像OXが表示されているにもかかわらず、第1の操作態様ではなく、第2の操作態様による操作(誤操作)が遊技者によって行われたときの演出状況を示している。
すなわち、この演出例では、第1の操作態様及び第2の操作態様のうち第1の操作態様側に対してのみ、特定の操作時演出に関する演出受付期間が発生した場合であっても、第2の操作態様これ自体の操作検出は有効化されるようにしている。そして、該演出受付期間において第2の操作態様での操作が検出されたときには、遊技者による操作誤りがあったとして、第1の操作態様による操作が演出受付されたときには出現し得ない特定報知(ここでは、「そのままで良い」)を行うようにしている。
また、図347(f)に示されるように、このような特定報知は、遊技者が冷静さを取り戻せるように時間経過に応じて報知内容が変化(ここでは、「落ち着いて押し込め」)されるようになっている。このような構成によれば、報知すべき内容が複雑であったとしても、短いワードで順次報知することができるようになることから、遊技者側がパニック状態になっていたとしてもこれを好適に抑制することが期待されるようになる。これにより、第2の操作態様の状態になっている刀装飾体5001に対してそのままの状態で第1の操作態様による操作を行ったとしてもこれが適正に演出受付されることを遊技者側に認識させることができるようになる。
図347(g)は、図347(e)や図347(f)の演出状況(誤操作状態にあるときの演出受付期間)にあるなかで適正な側の操作(第1の操作態様)が行われた結果、演出受付がなされて該操作に応じた上述の操作時演出が行われている様子を描写したものである。ただしこの際、遊技者による手が刀装飾体5001から離されると(操作が終了されると)、該刀装飾体5001は、第2の操作態様の状態から非操作の状態(通常時の状態)へと戻されることとなる。
このような構成によれば、遊技者側に第1の操作態様と第2の操作態様との間での操作誤りが発生してその操作誤りの状態が是正されず本来の正しい操作がそのままの状態(操作誤りの状態)から行われたとしても、演出受付が適正になされるようになることから、操作誤りが発生したときの遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
なお、上記演出例では、遊技者による誤操作が行われたとき、操作誤りを是正せずにそのまま操作すべき旨の報知を行うこととしたが、該内容(操作誤りを是正せずにそのまま操作すべき)を目的とした詳細な報知については必ずしも行わなくてもよい。すなわち上述の通り、誤操作が行われた状況では遊技者がパニックになっている可能性があることから、複雑な内容の報知を行うことは逆効果になりかねない。したがって、該演出受付期間において遊技者による操作誤りがあったときには、適正な態様での操作が演出受付されたときには出現し得ない特定報知として、メッセージによる表示ではなく、エフェクトや、音のみによる報知などの簡単な報知を行うようにすることが望ましい。この場合、操作誤りを行ったことを遊技者側が認識しない可能性もあるが、操作を行ったことに基づいて特定報知が行われ且つ操作時演出が行われない、といった特殊な状況を確認することで、適正な側の操作に操作を切り換えたりすることも十分期待することは可能であるといえる。
一方、遊技者(特に、高齢の遊技者など)によっては、特定の操作関連演出のうち演出受付期間が発生する前から誤って操作を行ってしまうような事態が発生することも想定されうる。例えば、第2の操作部(例えば、鞘部位)に関する操作指示がなされていないにもかかわらず第2の操作部に対する操作(鞘部位を横移動など)を行った状態にあるときに、第1の操作部(例えば、刀部位)側に対してのみ特定の操作時演出に関する演出受付期間が発生するような事態が発生することも想定され、この場合も、遊技者側がどのように操作すればよいか認識できなくなってしまう懸念がある。
したがって、第1の操作部(刀部位)と第2の操作部(鞘部位)とのいずれに対して操作機会が付与されるかについての特定の操作関連演出が行われているときに、第2の操作部側に対する操作指示(残り時間のバー表示)がなされていない状況(例えば、図346(b),(c)に示される状況など)にあるにもかかわらず、第2の操作部に対する操作が行われた場合も、適正な態様での操作が演出受付されたときには出現し得ない特定報知を行いうるようにすることが望ましい。この特定報知としては、「その操作状態を維持したままで、間もなく操作機会が付与される適正な側の操作部を操作すればよい旨のメッセージ表示」であってもよいし、メッセージによる表示ではなく、エフェクトや、音のみによる報知などの簡単な報知などであってもよい。いずれにせよ、操作を行ったにもかかわらず、該操作に基づいて特定報知が行われ且つ操作時演出が行われない、といった特殊な状況を確認することで、その後に適正な側で操作を行ったりするキッカケになることも十分期待することは可能であるといえる。
そしてこの場合、例えば、第2の操作部(例えば、鞘部位)に対する操作が行われている状態(刀装飾体5001が左方向に移動した状態)にあるままで、第1の操作部(例えば、刀部位)側に対してのみ特定の操作時演出に関する演出受付期間が発生した場合であっても、第2の操作部(例えば、鞘部位)に対する操作が行われている状態(刀装飾体5001が左方向に移動した状態)を維持したままで、第1の操作部(例えば、刀部位)側が操作されたときには演出受付がなされて該操作に応じた上述の操作時演出が行われることとなる。
このような構成によれば、演出受付期間が発生する前に第1の操作態様と第2の操作態様との間での操作誤りが発生し、その操作誤りが維持されたままで発生した演出受付期間内においてその操作誤りの状態が是正されず本来の正しい操作がそのままの状態から行われたとしても、演出受付が適正になされるようになることから、演出受付期間が発生する前に操作誤りが発生したときも遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
ただし、第1の操作部と第2の操作部とのいずれに対して操作機会が付与されるかについての特定の操作関連演出が行われる期間のうち、その演出結果が示されて演出受付期間が発生する直前の期間で上述の特定報知を行うようにしてしまうと、演出受付期間内で報知(指示表示など)される内容との間で情報が交錯して遊技者をますます混乱させてしまう懸念がある。したがって、第1の操作部に対して操作機会が付与されることを示唆する演出結果が最終的には表示される特定の操作関連演出にあって、該演出結果が表示されるまでの期間では、第2の操作部(例えば、鞘部位)に関する操作指示が表示されていない状況にあるにもかかわらず第2の操作態様での操作を行ったときに上述の特定報知が実行される第一期間と、該状況において第2の操作態様での操作を行ったとしても上述の特定報知が実行されない第二期間とがあるようにし、第一期間と第二期間とを順次に経た後に上記第1の操作部に対する演出受付期間を発生させるようにすることが望ましい。
上記演出例にあって、特定報知を行うときには特典付与にかかる期待度が示唆されうるようにしてもよい。期待度は0%や100%であってもよい。
また、上記した各演出態様、及びそれらの別例にかかる刀装飾体5001では、該刀装飾体5001これ自体の演出態様が、上述した複数の態様のうちのいずれかに変化(例えば、図311に示される段階0形態から、段階1形態〜段階3形態のいずれかへの変化)可能とされている。この点、特定の操作関連演出が行われた後には、刀装飾体5001を上述した複数の態様のうちのいずれかに変化させ、該変化した状態で該刀装飾体5001に対する演出受付期間を発生させるようにしてもよい。若しくは、特定の操作関連演出が行われた後に演出受付期間が発生するときに、刀装飾体5001を上述した複数の態様のうちのいずれかに変化させるようにしてもよい。
そしてこの場合、演出受付期間における演出表示装置1600では、刀装飾体5001に対する操作を促す指示表示(「押し込め」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)や、刀装飾体5001を模した刀装飾画像SYGを表示することとなるが、該刀装飾画像SYGについては、その際における刀装飾体5001と同じ態様(図311に示される段階0形態〜段階3形態)で表示することとなる。
ただし、演出表示装置1600において刀装飾画像SYGを表示する際、刀装飾体5001と常に同じ態様で表示されるようにすると、該刀装飾画像SYGを確認することに何ら面白みを持たせることができず、演出受付期間にあるときの演出性が乏しいものとなる。そこで、演出表示装置1600において刀装飾画像SYGを表示する場合、所定の演出条件が満たされているときには、その際における刀装飾体5001と異なる態様で刀装飾画像SYGを表示するようにすることが演出受付期間にあるときの演出性を確保する上で望ましい。
この際、刀装飾体5001の態様よりも、刀装飾画像SYGで表現されている態様のほうが期待度が高い態様になっているようにすることが、演出受付期間にあるときの演出性をより好適に確保するようにする上で望ましい。例えば、刀装飾体5001が段階1形態とされる場合であり、且つ所定の演出条件が満たされている場合は、刀装飾画像SYGを、段階1形態ではなく、段階2形態または段階3形態で表示するようにする。このような構成によれば、刀装飾体5001が段階1形態であったとしても、刀装飾画像SYGの態様を確認することでより高い期待度になっていることを把握可能とされるようになることから、演出受付期間にあるときの遊技興趣が好適に維持されるようになる。
なお、このような作用効果を得る上では、刀装飾体5001側の演出態様の数よりも、刀装飾画像SYG側の演出態様の数のほうが多ければよい。刀装飾体5001側の演出態様の数は1つであってもよい。また、刀装飾体5001として複数の演出態様を用意する場合、それら複数の演出態様としては必ずしも形態を変化させるものでなくてもよい。
ただし、刀装飾体5001の態様と刀装飾画像SYGの態様とをこのように単純に異ならせるようにしてしまうと、遊技者によっては、虚偽的な表示がなされているとして不快感を持つことが懸念され、これによって遊技興趣が低下しかねない。したがって、より好ましくは、刀装飾画像SYGの態様としては、刀装飾体5001の態様として用意されている態様(ここでは、図311に示される段階0形態〜段階3形態)のいずれとも異なる特別態様を用意しておき、所定の演出条件が満たされたときには、刀装飾画像SYGを、その際における刀装飾体5001の態様ではなく、特別態様で表示することによって、刀装飾体5001の態様と刀装飾画像SYGの態様とを互いに異ならせるようにすることが望ましい。該特別態様については、刀装飾画像SYGをさらに変形、合体させることによってその外形を変化させる態様であってもよいし、刀装飾体5001では現れない態様で動作したり、若しくは刀装飾体5001では現れない態様で発光したりするものであってもよい。
このような構成によれば、刀装飾体5001の構造上難しい演出表現を刀装飾画像SYGによって実現した格好になることから、虚偽的な表示がなされているとして不快感を持たれる懸念を抑制することができることはもとより、刀装飾体5001の構造を見たときの遊技者側の想像を超えた演出性が提供されることで、遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
なお、このように刀装飾画像SYGに特別態様を持たせる場合であっても、該刀装飾画像SYGについては、刀装飾体5001の態様として用意されている各態様(ここでは、図311に示される段階0形態〜段階3形態)での表示も行いうるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、基本的には、刀装飾体5001と同じ態様で刀装飾画像SYGが表示されるようになっているなかで、所定の演出条件が満たされた場合に限り、刀装飾画像SYGが特別態様で表示されることとなる。なお、刀装飾画像SYGが特別態様で表示されたときには、それ以外の態様で表示されたときよりも特典付与にかかる期待度が高いことが示唆されるようにすることが望ましい。期待度は、100%であってもよい。
また、刀装飾画像SYGを特別態様で表示可能とする手法については、特定の操作関連演出が行われる場合のほか、別の演出(例えば、図312〜図319に示した演出など)に対して適用するようにしてもよい。
例えば、いま、図315(X1)に示される演出状況にあるとすると、次の演出進展先として、図315(X2)に示される演出状況のほか、図348(a)に示される演出状況へと演出進展される演出パターンが用意されることとなる。そして、演出パターンへと演出進展されたときには、まず、図348(a)に示されるように、演出表示装置1600の表示領域には、前述の図315(X1)に示す操作機会示唆画像から操作機会を付与しないことを示す継続画像(武士の目が閉じたままの画像)が表示され、第二抜刀状態であった刀装飾体5001は、形態を段階3形態に維持したまま納刀状態に戻される。
次いで、演出表示装置1600の表示領域に変動表示されていた三つの装飾図柄が擬似連態様で仮停止表示され、遊技者に装飾図柄の再変動が行われることを報知する(図348(b))。ここでは、三つの装飾図柄のうち中央の装飾図柄を左右の装飾図柄には用意されていない擬似連刀図柄、具体的には刀装飾体5001の形態及び演出レベル(擬似連変動回数)を示す態様の擬似連刀図柄で表示することで、遊技者が容易に装飾図柄の再変動(擬似連変動の開始)を認識できるようにしている。
ただしここでは、図348(c)に示されるように、演出表示装置1600の表示領域に表示される擬似連刀図柄には、4回目の擬似連変動(再変動)における刀装飾体5001の形態(特別態様)を示す刀画像が表示されるが、この特別態様は、表示領域内において刀装飾体5001を模した刀画像(刀装飾画像SYG)でのみ現れうるものとなっており、刀装飾体5001これ自体は変化し得ないものとなっている。この演出例にかかる特別態様は、鞘部位が2つに分かれる態様となっている。したがって、同図348(c)に示されるように、表示領域内において刀装飾体5001を模した刀画像(刀装飾画像SYG)が特別態様に変化したとしても、刀装飾体5001は段階3形態を維持したまま、納刀状態から第二抜刀状態に変化することとなる。
そしてこの後、刀装飾体5001の操作有効期間を発生させると共に、演出表示装置1600の表示領域では、刀装飾体5001の納刀操作を促す操作促進演出が行われる。具体的には、刀装飾体5001が第二抜刀状態(段階3形態)であるのに対し、特別態様になっている刀装飾体5001を模した刀画像(刀装飾画像SYG)が表示され、「刀を納めろ!」のメッセージとともに操作方向及び操作有効期間を示す画像(バー表示)が表示される(図348(d))。そして、図348(e)に示されるように、操作有効期間において遊技者による納刀操作が検出されると、設定された演出パターンに応じて特定装飾部材SDY(簾役物)の落下演出による期待度報知演出が行われるとともに、刀装飾体5001が段階3形態から初期形態に形態変化するようになる。これにより、擬似連変動(再変動)が終了したことを遊技者が把握できるようになる。
また、上記した各演出態様、及びそれらの別例では、例えば、大当り判定の結果に基づいて第1の演出パターンで図柄変動が行われる場合は、該図柄変動内で、操作ボタン410に対して操作機会が付与され且つ刀装飾体5001に対して操作機会が付与されないときに現れる第一前兆演出を実行可能としている。また、大当り判定の結果に基づいて第2の演出パターンで図柄変動が行われる場合は、該図柄変動内で、操作ボタン410に対して操作機会が付与されず且つ刀装飾体5001に対して操作機会が付与されるときに現れる第二前兆演出を実行可能としている。また、大当り判定の結果に基づいて第3の演出パターンで図柄変動が行われる場合は、操作ボタン410と刀装飾体5001とのいずれかに対して操作機会が付与されるときに現れる第三前兆演出(特定の操作関連演出)を実行可能としている。
この点、これらの前兆演出は、互いに異なった演出内容として実行されるものとなっているが、それらの演出内容としては、例えば、
・操作機会が付与される側の操作手段を模した演出画像が表示領域内にて現れるよりも前に、少なくとも該演出画像が現れる領域部分を覆うように特定画像を表示し、
・その後、該特定画像によって視認困難とされる位置に、操作機会が付与される側の操作手段を模した演出画像を表示し、
・その後、特定画像を表示領域から徐々に非表示へと変化(特定画像これ自体の透過率を高くしていったり、特定画像が表示される領域を減少させていくなど)させる
といった点で共通化させるようにしてもよい。例えば、第一前兆演出では、特定画像として「雲エフェクト」による表示演出(操作手段を模した演出画像を徐々に視認し易くする表示演出)を行い、第二前兆演出では、特定画像として「炎エフェクト」による表示演出(操作手段を模した演出画像を徐々に視認し易くする表示演出を行い、第三前兆演出では、特定画像として「水エフェクト」による表示演出(操作手段を模した演出画像を徐々に視認し易くする表示演出を行うようにするなど、特定画像の種別を異ならせるようにすれば、それらの前兆演出を互いに異ならせることは可能である。すなわちこの場合、「雲エフェクト」による表示演出が行われたときには、操作ボタン410に対して操作機会が付与されるのに先立って第一前兆演出が行われていることが認識可能とされ、「炎エフェクト」による表示演出が行われたときには、刀装飾体5001に対して操作機会が付与されるのに先立って第二前兆演出が行われていることが認識可能とされ、「水エフェクト」による表示演出が行われたときには、操作ボタン410と刀装飾体5001とのいずれに操作機会が付与されるかについての第三前兆演出(特定の操作関連演出)が行われていることが認識可能とされるようになる。
そして、このような演出内容で前兆演出(第一前兆演出、第二前兆演出、及び第三前兆演出の少なくとも1つ)を行うようにする場合は、特定画像によって操作手段を模した演出画像が視認し難くされている期間中に、該操作手段に対する演出受付期間を発生させるようにすることが望ましい。第一前兆演出及び第二前兆演出のいずれかに対してこのような構成を適用した場合は、操作手段を模した演出画像が、期待度の高い表示態様(例えば、赤色)と期待度の低い表示態様(例えば、青色)とのいずれで表示されるかについての確信が持てない段階から該操作手段に対して操作機会が付与されるようになることから、該演出受付期間にあるときの演出性を向上させることができるようになる。また、第三前兆演出(特定の操作関連演出)に対してこのような構成を適用した場合も、操作ボタン410と刀装飾体5001とのいずれに対して操作機会が付与されるかについての確信が持てない段階から該操作手段に対して操作機会が付与されるようになることから、該演出受付期間にあるときの演出性を向上させることができるようになる。
図349は、このような演出内容で第一前兆演出が行われるとするときの演出例を示す図であり、図350は、同内容で第一前兆演出が行われるとするときの演出例を示すタイムチャートである。以下、図349及び図350を参照して、第一前兆演出が行われるとするときの演出例を説明するが、この演出例については、第一前兆演出ではなく、第二前兆演出や第三前兆演出に対して適用することも可能である。
図349(a)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が大当り判定の結果に応じた特定の演出パターンで演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図349(b)は、図349(a)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、第一前兆演出が演出開始された演出状況を示している。
ここで、図349(b)に示される演出状況では、演出表示装置1600の表示領域内の大きな範囲で「雲エフェクト」による表示演出が行われている。このような「雲エフェクト」による表示演出は、図350に示されるタイミングt1で演出開始された以降は、表示領域から徐々に非表示へと変化(特定画像これ自体の透過率を高くしていったり、特定画像が表示される領域を減少させていくなど)されるようになっている。
そして、この演出例では、同図350に示されるように、「雲エフェクト」による表示演出が徐々に非表示へと変化している途中段階となるタイミングt2において、操作ボタン410に対する演出受付期間が発生するとともに、該操作ボタン410を模したボタン画像BTGと、該操作ボタン410に対する操作を促す指示表示(演出受付期間の残り時間を示すバー表示)とがそれぞれ表示されるようになっている(図349(c))。
この演出例では、ボタン画像BTGとして複数態様のいずれかによる表示が可能とされており、第1の表示態様(例えば、赤色)でボタン画像BTGが表示されたときには、第2の表示態様(例えば、青色)でボタン画像BTGが表示されたときよりも、期待度の高い態様で操作時演出が行われる割合が高くなるようになっている。この点、図349(c)に示される演出状況では、「雲エフェクト」によってボタン画像BTGが第1の表示態様と第2の表示態様とのいずれで表示されるかの確信を持てない状況となっているにもかかわらず、操作ボタン410に対して操作が行われると演出受付がなされて該演出受付に応じた操作時演出が実行されるようになる。すなわちこの場合、演出表示装置1600の表示領域においても、このような前兆演出から演出内容が切り替わるかたちで操作時演出が実行されるようになることから、ボタン画像BTGが第1の表示態様と第2の表示態様とのいずれで表示されるかの確信を持てないままで演出を進展させることができるようになる。
また、図349(c)に示される演出状況では、「雲エフェクト」によってボタン画像BTGが第1の表示態様と第2の表示態様とのいずれで表示されるかの確信を持てない状況となっているにもかかわらず、操作ボタン410に対する操作を促す指示表示は、演出受付期間の残り時間が徐々に減少していることを示唆するように、バー表示の長さを変化し続ける。
これに対し、図349(c)に示される演出状況が発生してから所定時間が経過したタイミングt3になると、タイミングt2にて発生した演出受付期間は継続されているなかで、「雲エフェクト」が完全に非表示の状態とされるようになる(図349(d))。このような状況では、ボタン画像BTGが第1の表示態様と第2の表示態様とのいずれで表示されているかが容易に認識可能とされているなかで、操作ボタン410に対する操作を行うことができるようになる。すなわちこの場合、図349(d)に示される演出から演出内容が切り替わるかたちで操作時演出が実行されるようになる。
このような構成によれば、演出受付期間(タイミングt2〜t4)のうち、ボタン画像BTGが表示されてから「雲エフェクト」が完全に非表示の状態とされるまでの期間(タイミングt2〜t3)では、ボタン画像BTGが相対的に視認し難くされることによる演出性を提供することができるようになる。
なお、演出受付期間(タイミングt2〜t4)にあるときの演出性をその全期間で高めるようにする上では、「雲エフェクト」が完全に非表示の状態とされる期間(タイミングt3〜t4)にあるときに、上記タイミングt2〜t3の期間では行われない演出表示を行うようにすることが望ましい。この演出例では、「雲エフェクト」が完全に非表示の状態とされる期間(タイミングt3〜t4)になると、「押せ」といったメッセージ表示を行うようにしているが、例えば、タイミングt2〜t3の期間では停止態様で表示されていたボタン画像BTGを、タイミングt3〜t4の期間では動的表示させる演出を行うようにすれば、該期間(タイミングt3〜t4)における演出性をより好適に高めることができるようになる。
また、図349に示した演出例では、操作ボタン410に対する操作を促す指示表示と、操作ボタン410を模したボタン画像BTGとを同時(演出受付期間の発生時)に表示することとしたが、操作ボタン410を模したボタン画像BTGについては、演出受付期間が発生するよりも前から表示するようにしてもよい。すなわちこの場合、「雲エフェクト」による演出表示が行われた後、ボタン画像BTGが視認し難い演出状況がまずは現れることとなり、該状況になってから所定時間後、視認し難い演出状況とされたままで、操作ボタン410に対する演出受付期間が発生して該操作ボタン410に対する操作を促す指示表示が現れることとなる。
なおこの際、演出受付期間が発生する前の、ボタン画像BTGが視認し難い演出状況にあるときには、該ボタン画像BTGの表示態様がより期待度の高い態様へと変化する演出パターン(第三前兆演出の場合は、ボタン画像BTGから刀装飾画像SYGに変化する演出パターン)が現れうるようにしてもよい。このような構成によれば、ボタン画像BTGが視認し難い演出状況にあるときほど、該ボタン画像BTGに対して注視する価値が高くなる面白さを提供することができるようになり、遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、図349に示した演出例では、ボタン画像BTGについては、「雲エフェクト」によって視認し難くされるようにしたが、操作ボタン410に対する操作を促す指示表示については、「雲エフェクト」による影響を受けずその視認性が維持されるように表示することとした。これにより、演出受付期間の残り時間を把握しながら、ボタン画像BTGの視認性が変化していく様子を安心して楽しむことができるようになる。
ただし、操作ボタン410に対する操作を促す指示表示についても、「雲エフェクト」による影響を受けてタイミングt3までは視認し難くされるようにしてもよい。すなわちこの場合、演出受付期間の残り時間をうまく把握することができないなかで、表示態様の確信を持てないまま操作ボタン410を操作すべきかについての葛藤を遊技者に対して持たせることができるようになり、これまでにない斬新な演出性を提供することができるようになる。
なお、第一前兆演出、第二前兆演出、及び第三前兆演出のいずれにおいても、このような演出性を適用する場合は、それら前兆演出が開始されてから操作手段を模した演出画像が明瞭に視認可能とされるまでの時間(特定画像が非表示にされるまでの時間)の長さが互いに異なっていたとしても、操作手段を模した演出画像が表示されてから該演出画像が明瞭に視認可能とされるまでの時間(特定画像が非表示にされるまでの時間)については互いに同じ時間に設定するようにすることが望ましい。また、第一前兆演出、第二前兆演出、及び第三前兆演出のいずれかの前兆演出に対してこのような演出性を適用する場合、該前兆演出が開始されてから操作手段を模した演出画像が明瞭に視認可能とされるまでの時間(特定画像が非表示にされるまでの時間)の長さについてはこれを複数用意するようにして期待度の異なる複数の演出性を持たせるようにしてもよいが、操作手段を模した演出画像が表示されてから該演出画像が明瞭に視認可能とされるまでの時間(特定画像が非表示にされるまでの時間)についてはいずれも同じ時間に設定するようにすることが望ましい。
また、操作手段を模した演出画像を視認し難くする手法としては、必ずしも別画像(特定画像)を用いなくてもよい。例えば、操作手段を模した演出画像これ自体の透過率の設定変化などによって、操作手段を模した演出画像が、相対的に視認し難くされる表示態様(タイミングt2)で現れるようにしてから、相対的に視認し易い表示態様(タイミングt3)に向けて徐々に変化されるようにしてもよい。ただし、操作手段を模した演出画像が相対的に視認し難くされる表示態様で現れるタイミングは、タイミングt2よりも前のタイミングであってもよく、この場合、このような表示態様で現れることこれ自体を前兆演出として行うようにしてもよいし、これとは別の表示を前兆演出として行っているなかで操作手段を模した演出画像を相対的に視認し難くされる表示態様で出現させるようにしてもよい。
また、大当り判定の結果に応じた特定の演出パターンが実行されている場合、図330〜図350を参照して説明した特定の操作関連演出については、後述する特定の演出状態(自動ボタン演出状態)が発生しているときにのみ実行されうるようにしてもよい。すなわち、特定の操作関連演出が演出開始される時点では、複数の操作手段のいずれが演出受付可能とされるのか秘匿にされるようになっており、該演出が進展された結果として、複数の操作手段のいずれかにのみ対応する演出受付期間が発生することとなることから、複数の操作手段のいずれを操作すべきかの判断に遅れるようなことがあると、遊技者によって操作されるよりも前に演出受付期間が残り時間の全てを消化して終了されてしまうことにもなりかねない。この点、特定の操作関連演出を、後述する特定の演出状態(自動ボタン演出状態)が発生しているときにのみ実行されうるようにすれば、特定の操作関連演出が行われた後の演出受付期間では、特定の操作関連演出の演出結果としていずれの操作手段に対応する画像が現れた場合であっても、操作対象とされている側の操作手段に対する遊技者による操作と自動演出機能とのいずれかによって演出受付がなされて操作後演出が必ず実行されるようになることから、特定の操作関連演出が行われたときの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
[自動ボタン演出状態]
上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への制御が実行可能とされており、この自動ボタン演出状態に制御されているときに、大当り判定の結果に基づいて操作ボタン410に対する演出受付期間(より正確には、操作ボタン410に対する演出受付期間が設定されている所定の演出パターン)が発生すると、該演出受付期間内において遊技者による操作が演出受付されなかったとしても、該演出受付期間内において遊技者による操作が演出受付されたときと同じ変化を演出に対して生じさせる処理(自動演出機能)を実行可能としている。このような自動ボタン演出状態によれば、演出受付期間が発生する度に操作せずとも、操作したときの操作後演出が発生するようになることから、操作し忘れによる遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。なお、自動演出機能についてはこれが機能したときに操作が実際にあったときと同じ演出受付を生じさせることで、該演出受付に応じた処理が行われるようにしてもよいし、演出受付を生じさせずに演出受付があったときと同じ処理が行われるようにしてもよい。
以下に説明する「自動演出機能」に関する実施例では、上述した操作関係の各技術や演出、設定などを適宜に組み合わせて用いたり、置き換えて用いたりするようにしてもよい。
ここで、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、図柄変動が未実行の状態にあるデモ画面が表示されている期間中は、操作手段を複数回操作させることによって自動ボタン演出状態への設定がなされうるようにしている。より具体的には、操作ボタン410に対する1回目の操作によってメニュー画面を表示させた後、操作ボタン410に対する2回目の操作(若しくは、操作ボタン410とは異なる操作手段)によってメニュー画面内に表示されている「各種設定」が選択されて「各種設定」の画面が表示されるようにし、操作ボタン410に対する3回目の操作(若しくは、操作ボタン410とは異なる操作手段)によって「各種設定」の画面内に表示されている「自動ボタン演出状態の設定」が選択されると、自動ボタン演出状態への設定がなされるようになっている。なお、操作ボタン410のみを複数回にわたって操作するようにしてもよいし、操作ボタン410に対する操作とこれとは異なる操作手段に対する操作とで合わせて複数回にわたって操作するようにしてもよい。
これに対し、図柄変動が実行状態にある期間中は、操作ボタン410が1回操作されるだけで自動ボタン演出状態への設定がなされうるようにしており、このような操作の簡易化によって、図柄変動中における演出進展への注視を維持しつつ自動ボタン演出状態への設定が可能とされるようにしている。ただし、遊技者の中には、有効期間が発生しているか否かにかかわらず操作ボタン410に対する操作を積極的に行いたいと思う者がおり、このような者からすれば、操作ボタン410を操作しただけで自動ボタン演出状態への設定がなされるようなことがあると、遊技興趣が低下しかねない。そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図柄変動が実行状態にある期間中に自動ボタン演出状態への設定がなされるようにするためには、操作ボタン410に対する操作状態が所定時間(ここでは2秒間)にわたって維持される態様(いわゆる「長押しの態様」)でこれを1回操作させることが求められるようにしている。これにより、図柄変動が実行状態にある期間中、有効期間が発生しているか否かにかかわらず操作ボタン410に対する操作が積極的に行われるようなことがあったとしても、自動ボタン演出状態へと誤って設定されてしまうことを生じ難くすることができるようになる。なお、図柄変動が実行状態にある期間のうち少なくとも演出受付期間が発生しているときには長押しの態様で操作が行われたとしても自動ボタン演出状態への設定がなされないようにすることが望ましい。
一方、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、自動ボタン演出状態が設定されている状態においてこれを設定解除させる方法としても、図柄変動が未実行の状態にあるデモ画面が表示されている期間中と、図柄変動が実行状態にある期間中とで異なる操作態様が求められるようになっている。
すなわち、図柄変動が未実行の状態にあるデモ画面が表示されている期間中は、操作手段を複数回操作させることによって自動ボタン演出状態の設定解除がなされうるようにしている。より具体的には、操作ボタン410に対する1回目の操作によってメニュー画面を表示させた後、操作ボタン410に対する2回目の操作(若しくは、操作ボタン410とは異なる操作手段)によってメニュー画面内に表示されている「各種設定」が選択されて「各種設定」の画面が表示されるようにし、操作ボタン410に対する3回目の操作(若しくは、操作ボタン410とは異なる操作手段)によって「各種設定」の画面内に表示されている「自動ボタン演出状態の解除」が選択されると、自動ボタン演出状態が設定解除されるようになっている。
これに対し、図柄変動が実行状態にある期間中は、操作ボタン410が1回操作されるだけで自動ボタン演出状態の設定解除がなされうるようにしており、このような操作の簡易化によって、図柄変動中における演出進展への注視を維持しつつ自動ボタン演出状態の設定解除が可能とされるようにしている。ただし、自動ボタン演出状態へと設定する場合とは異なり、操作ボタン410に対する操作状態を所定時間にわたって維持せずとも(長押しの操作態様でなくても)、操作ボタン410が操作状態へと位置したことが検出されるだけで(単発の操作態様で操作されるだけで)自動ボタン演出状態が設定解除されるようになっている。すなわち、操作ボタン410に対して何らかの操作が行われたということは、該操作ボタン410に対する操作を行いたい願望が現われている状況にあると言えることから、該操作があった時点で自動ボタン演出状態を設定解除させて通常の演出状態へと早期復帰させることで、遊技興趣が好適に維持されることが期待されるようになる。
なお上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、操作ボタン410を含めて複数の操作手段を備えて構成されている。この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、操作ボタン410に対する操作によって設定された自動ボタン演出状態にあるときに、大当り判定の結果に基づいて操作ボタン410とは異なる特定の操作手段(例えば、刀装飾体5001など)に対して操作機会が付与される演出受付期間(より正確には、刀装飾体5001などに対する演出受付期間が設定されている所定の演出パターン)が発生し、該演出受付期間内において遊技者による操作(刀装飾体5001に対する操作)が演出受付されなかったとしても、該演出受付期間内において遊技者による操作(刀装飾体5001に対する操作)が演出受付されたときと同じ変化を演出に対して生じさせる処理(自動演出機能)を実行可能としている。このような構成によれば、複数の操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001など)のうち操作ボタン410に対する操作が演出受付可能とされる期間が発生するのか、それとも別の操作手段(例えば、刀装飾体5001)に対する操作が演出受付可能とされる期間が発生するのかについての上述した演出(特定の操作関連演出(図330〜図350を参照))が実行された場合、その演出結果として操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれが演出受付可能とされたとしても操作し忘れを心配する必要がなくなることから、このような特定の操作関連演出を安心して楽しむことができるようになる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、
・特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているときに複数の操作手段のうち第一操作手段(例えば、操作ボタン410)を操作対象として設定した第一側演出受付期間が発生すると、該第一側演出受付期間内に第一操作手段に対する操作が行われなかったとき、第一操作手段に対する操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせる自動処理を実行可能であり(第一自動演出手段)、
・特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているときに複数の操作手段のうち第二操作手段(例えば、刀装飾体5001など)を操作対象として設定した第二側演出受付期間が発生すると、該第二側演出受付期間内に第二操作手段に対する操作が行われなかったとき、第二操作手段に対する操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせる自動処理を実行可能である(第二自動演出手段)
といった構成を備えることとした上で、第一側演出受付期間及び第二側演出受付期間のいずれが発生した場合であっても、該期間が発生してから同じ特定時間が経過したときに第一自動演出手段による自動処理または第二自動演出手段による自動処理が実行可能とされるようにしている。
このような構成によれば、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているとき、第一操作手段を操作対象として設定した第一側演出受付期間と、第二操作手段を操作対象として設定した第二側演出受付期間とのいずれが図柄変動の実行期間内で発生した場合であっても、それら期間の発生から同じ特定時間が経過したときに自動演出機能が機能しうるようになることから、安心して演出を楽しむことができるようになる。
ただし、第一操作手段(例えば、操作ボタン410)を操作対象として設定した第一側演出受付期間が発生した場合は、該第一側演出受付期間が発生してから特定時間が経過したときに第一自動演出手段による自動処理が実行される場合と、該第一側演出受付期間が発生してから特定時間とは異なる時間が経過したときに第一自動演出手段による自動処理が実行される場合とがあるように図柄変動内における演出進展を行うようにしてもよい。
このような構成によれば、第一側演出受付期間が発生してから特定時間が経過したときに第一自動演出手段による自動処理が実行されると想定していたところ、これとは異なるタイミングで演出受付がなされて操作後演出が自動発生するようになることから、サプライズ的な演出として機能させることができるようになる。
なお、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されると、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されていないときよりも図柄変動期間内で操作手段に対して操作機会が付与される演出受付期間が発生する割合が高くなるようにしてもよい。すなわちこの場合、演出受付期間が発生する頻度が高くなることで、該演出受付期間内での操作し忘れが生じる頻度も高くなることが想定されうるが、操作し忘れが生じたとしても自動演出機能が機能することによって操作後演出は実行されることから、操作し忘れが多発することによる遊技興趣の低下を抑制しつつ、演出受付期間がより高い頻度で発生させることができるようになる。ちなみに、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されると、第一操作手段に対する演出受付期間と第二操作手段に対する演出受付期間とのいずれの発生割合も高くなるようにすることが望ましいが、発生割合の高くなる度合いについては、第一操作手段に対する演出受付期間と第二操作手段に対する演出受付期間とで異ならせるようにすることがより望ましい。
また上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、
・演出受付期間内で演出受付条件が成立すると、操作後演出を実行可能であり(操作後演出実行手段)、
・演出受付期間内で遊技者による操作が行われたことに基づいて演出受付条件を成立させる処理を実行可能とし(遊技者操作受付手段)、
・演出受付期間内で遊技者による操作が行われなかったとき、該演出受付期間内の特定タイミングで遊技者による操作を受けること無しで演出受付条件を成立させる処理を実行可能(自動演出受付手段)
としたものであるが、演出受付期間内の特定タイミングについては、該演出受付期間が開始されてから当該演出受付期間として設定されている時間の少なくとも半分以上が経過するまでは到来しないように設定することとしている。これにより、自動演出機能が機能するまでの間に遊技者自らが操作するだけの十分な余裕が与えられるようになり、遊技者による操作によって演出受付を生じさせる選択肢も残されるようになることから、遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
なおこの場合、第一側演出受付期間が発生してから特定時間が経過したときに第一自動演出手段による自動処理が実行される場合と、第一側演出受付期間が発生してから特定時間とは異なる時間が経過したときに第一自動演出手段による自動処理が実行される場合とがあるように図柄変動内における演出進展を行うとしたときには、上記「特定時間」や、上記「特定時間とは異なる時間」のいずれもが、当該第一側演出受付期間として設定されている時間の少なくとも半分よりも長い時間値として設定されるようにすることとなる。
ここで、自動ボタン演出状態に制御されているときの図柄変動の実行期間中に操作ボタン410に対する演出受付期間が発生し、該演出受付期間内において操作ボタン410に対する操作が演出受付された場合は、該演出受付に応じた操作後演出を発生させる処理が実行されることとなる。ただしこの際、該演出受付に応じた操作後演出を発生させる処理に加えて、自動ボタン演出状態を設定解除させる処理も併せて行うようにしてもよい。
また、これも同様、自動ボタン演出状態に制御されているときの図柄変動の実行期間中に操作ボタン410とは異なる操作手段(刀装飾体5001など)に対する演出受付期間が発生し、該演出受付期間内において刀装飾体5001に対する操作が演出受付された場合も、該演出受付に応じた操作後演出を発生させる処理と、自動ボタン演出状態を設定解除させる処理とをそれぞれ実行するようにすることが望ましい。なおこの際も、「演出受付に応じた操作後演出」については、自動ボタン演出状態に制御されていない期間中に刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生し、該演出受付期間内において刀装飾体5001に対する操作が演出受付された場合に実行される操作後演出と同じ内容の演出として実行されることとなる。
すなわち、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)へと制御された後には、遊技者自らの操作次第で演出を進展させることのできる演出状態(通常の演出モード)に戻したい願望(特定の演出状態を終了させたい願望)が生じることがある。このような願望は、遊技者に対して操作機会が付与される演出受付期間が発生したときに生じることが多いが、該演出受付期間が開始されてからこれが終了されるまでの限られた時間内で、特定の演出状態を終了させるための操作と操作受付がなされるようにするための操作との両方をそれぞれ行うことは困難であり、その結果として操作機会が喪失されるようなことがあれば、遊技興趣が低下しかねない。この点、上記構成では、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されているときに特定演出に関する演出受付期間が発生したときには、該演出受付期間内において操作機会が付与されている操作ボタン410または刀装飾体5001に対する操作を1回行うだけで(単発の操作態様で操作されるだけで)、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)を終了させる処理と演出に変化を生じさせうる処理(操作後演出を実行する処理)とがそれぞれ行われるようにしたことから、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)を終了させて遊技者自らの操作次第で演出を進展させたい願望が演出受付期間内で生じた場合であっても、演出状態の切り替えをスムーズに行うことが可能とされるようになる。
ただし、デモ画面が表示されている期間(図柄変動が未実行の状態)中における自動ボタン演出状態にかかる設定変更(自動ボタン演出状態への設定変更や、自動ボタン演出状態の設定解除)に関しては、刀装飾体5001に対する操作を必要とせずにその設定変更が可能とされるようになっている。すなわち、刀装飾体5001は、図柄変動の実行期間中において操作ボタン410よりも操作機会の付与される頻度が低くなっており、その分だけ操作機会が付与されたときには操作ボタン410よりも大当り期待度が高くされるものである。したがって、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)にかかる設定変更だけを目的として刀装飾体5001に対する操作が許容されることがないようにし、これによって刀装飾体5001に対して操作機会が付与されたときのプレミアム感を高めて遊技興趣を維持するようにすることがより望ましいといえる。なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図柄変動が未実行の状態にあるデモ画面が表示されている期間中は、複数の操作手段のうち刀装飾体5001以外の操作手段(操作ボタン410や、これとは別の操作手段など)を複数回操作させることによって自動ボタン演出状態への設定や設定解除がなされうるようになっている。
したがって、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、自動ボタン演出状態に制御されていないときの図柄変動の実行期間中においても、刀装飾体5001に対する操作を必要とせずに自動ボタン演出状態への設定変更がなされうるようになっている。すなわち、操作ボタン410を「長押しの態様」で1回操作すれば自動ボタン演出状態へと制御されるようになっていることは上述した通りであるが、自動ボタン演出状態への設定変更だけを目的として刀装飾体5001に対する操作が許容されることはないようにされている。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、刀装飾体5001に対する操作によって自動ボタン演出状態にかかる設定に変更が生じうる場合とは、自動ボタン演出状態に制御されているときの図柄変動の実行期間中に刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生し、該演出受付期間内において刀装飾体5001に対する操作が演出受付されてこれに応じた操作後演出が出現される場合に限られる。このような構成によれば、刀装飾体5001に対して操作機会が付与されたときのプレミアム感を損なうことなく、刀装飾体5001に対する操作によって自動ボタン演出状態への設定変更を行うことができるようになる。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)が備える複数の操作手段としては、自動ボタン演出状態にあるときに「演出受付期間内において操作せずとも操作時演出を発生させる自動演出機能」の対象にされうる操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001)のほか、「演出受付期間内において操作せずとも操作時演出を発生させる自動演出機能」の対象にされない特殊操作手段をさらに含むものであってもよい。すなわちこの場合、図柄変動が実行状態にあるときに、特殊操作手段に対する操作機会が付与される演出受付期間が発生し、該演出受付期間内において特殊操作手段に対する操作が演出受付されると、該演出受付に応じた操作後演出によって大当りにかかる期待度が示唆されることとなる。ただし、自動ボタン演出状態に制御されている状況にあったとしても、該演出受付期間内において特殊操作手段に対する操作が演出受付されなければ、上記演出受付されたときと同じ操作後演出が現れることはない。ただしこの場合、上記演出受付されたときと同じ操作後演出が現れることはないが、上記演出受付されたときと異なる演出であればこれを出現させるようにしてもよい。
また、操作ボタン410(長押しの態様での操作)を用いた自動ボタン演出状態への設定については、図柄変動が実行状態にある期間のうち該操作ボタン410に対する演出受付期間が発生しているときのみならず、該操作ボタン410とは別の操作手段に対する演出受付期間(刀装飾体5001を操作すると期待度が示唆される演出受付期間や、特殊操作手段を操作すると期待度が示唆される演出受付期間など)が発生している場合であってもこれが許容されないようにすることが望ましい。すなわち、操作ボタン410とは異なる操作手段に対する演出受付期間内にあるときに、操作ボタン410を操作(長押しの態様での操作)することによって自動ボタン演出状態が発生されるようにしてしまうと、演出受付期間の途中段階で「演出受付期間内において操作せずとも操作時演出を発生させる自動演出機能」が有効化されることによって本来の演出受付(操作ボタン410とは異なる操作手段を操作したときの演出受付)が操作無しで発生しかねず、このような自動ボタン演出状態に対する知識に疎い遊技者からすれば、操作ボタン410に対する演出受付期間が発生していたのか、それとも操作ボタン410とは異なる操作手段に対する演出受付期間が発生していたのか困惑しかねず、これによって遊技興趣が低下することが懸念されるためである。
また上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、演出受付期間の発生に先立って前兆演出を実行可能としているが、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されていないときに演出受付期間の発生に先立って出現される前兆演出と、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているときに演出受付期間の発生に先立って出現される前兆演出とは異なる表示態様として実行されうるようにしてもよい。すなわちこの場合、特定演出受付期間内で自動演出機能が機能しうる演出状態にあるかを先行認識させることができるようになり、安心して演出を楽しむことができるようになる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、演出受付期間において、残り時間を示唆する特定画像(例えば、残り時間を示唆する「バー表示」)を表示するものとなっているが、演出受付期間の発生に際しては、少なくとも特定画像(例えば、残り時間を示唆する「バー表示」)が表示されるまでの間にわたって該特定画像が表示される特定領域に向かうように該特定領域外に特定画像とは異なる演出画像(例えば、稲妻が特定領域に向けて落ちる画像)を表示(前兆演出)するようにしてもよい。すなわちこの場合、演出受付期間の発生に際しては、特定画像とは異なる演出画像の動きを確認することによって、非表示の状態にある「残り時間を示唆する特定画像」がこれから出現する箇所へと注視を促すことができるようになることから、遊技者による操作が間に合わずに特定演出受付期間が終了してしまうような事態が発生することを好適に抑制することができるようになり、さらには、遊技者による操作が間に合わなかったとしても自動演出機能が機能することによって操作後演出は実行されることから、遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技者による操作によって自動ボタン演出状態にかかる状態設定や設定解除を実行可能としているが、以下の各説明例も含めて、大当り判定の結果に基づいて遊技や演出が進展されることに応じて自動ボタン演出状態へと状態設定されたり、該自動ボタン演出状態の設定解除が行われたりするようにしてもよい。遊技や演出が進展されることに応じて状態設定や設定解除が行われうる例としては、例えば、「通常遊技状態に制御されている間は自動ボタン演出状態として制御されるが、大当り遊技状態や高確率時短状態へと移行されると自動ボタン演出状態が解除される」といった制御態様や、「図柄変動の実行期間内で自動ボタン演出状態を発生させ、該実行状態にある図柄変動が終了されるよりも前の、発生から所定時間が経過したときに設定解除させる演出パターンを発生させる」といった制御態様や、「複数回の図柄変動が実行される期間にわたって自動ボタン演出状態を発生させる」といった制御態様、等々といった態様を採用することが可能である。また、自動ボタン演出状態に常に制御されているパチンコ機1であってもよく、この場合は、該自動ボタン演出状態が設定解除されることはない。
また、上述の自動演出機能が機能するタイミングとしては、演出受付期間の残り時間が消化されたとき、またはそれ以降の所定タイミングであってもよいし、演出受付期間の残り時間が残されている途中タイミング(特定タイミング)であってもよい。演出受付期間の残り時間が消化されたとき、またはそれ以降の所定タイミングで上述の自動演出機能が機能する場合は、演出受付期間が終了された以降に演出受付がなされたかのように操作後演出が実行されることとなる。これに対し、演出受付期間の残り時間が残されている途中タイミング(特定タイミング)で上述の自動演出機能が機能する場合は、実際に操作があった場合と同様、上述の自動演出機能が機能した時点(特定タイミング)で演出受付期間が終了されて操作後演出が実行されることとなる。
ただし、自動ボタン演出状態に制御されているときに操作しなくても操作後演出が発生することに対する安心感を確保するようにする上では、演出受付期間が終了されるまでの間(演出受付期間内の特定タイミング)に上述の自動演出機能を機能させてこれに応じた操作後演出を開始させるようにすることが重要である。すなわちこの場合、演出受付期間内の特定タイミングが到来したにもかかわらず上述の自動演出機能が機能しなかったときには、特定タイミングが到来した以降に遊技者自らが操作することによって操作後演出を発生させることも可能であり、これによって自動ボタン演出状態に制御されているときの不安感(例えば、「自動ボタン演出状態に制御されていないにもかかわらず自動ボタン演出状態に制御されていると誤認識しており、操作後演出を確認できなくなってしまうかもしれない」、「何らかのトラブルによって自動演出機能が機能せず、操作後演出を確認できなくなってしまうかもしれない」など)を好適に抑制することができるようになる。
そして、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような自動ボタン演出状態に関連した特徴的技術を有するものとなっている。以下、自動ボタン演出状態に関連した特徴的技術について順次に説明するが、これらの特徴的技術については上述の各演出例に対して適用するようにしてもよいし、以下の各特徴的技術を適宜に組み合わせて用いるようにしてもよい。
なお、以下の各特徴的技術を説明するにあたり、その前提として、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)においては、通常、該特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されていないときにも発生しうる演出受付期間が発生したときに、該演出受付期間内において操作が行われなくても該操作が行われたときと同じ操作後演出を発生させるものとなっている。ただしこれに代えて、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているときにしか実行可能とされない特定の表示演出(大当り判定の結果に基づいて選択されうる表示演出)を用意し、該特定の表示演出が行われているなかでこれに関する特定有効期間が発生すると、該特定有効期間内において操作が行われなくても該操作が行われたときと同じ操作後演出を発生させるようにしてもよい。このような構成によれば、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているときの演出性が高められること(特定の表示演出の発生が許容されることによる演出性の向上)はもとより、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)が発生しているとしても特定の表示演出が行われていないときに設定される別の演出受付期間では自動演出機能が機能し得ない場合もありうるのに対し、特定の表示演出が行われているときの特定有効期間においては自動演出機能が機能することによって操作する手間が省けるようになることによるVIP感を味わうことができるようになることから、遊技興趣を好適に高めることが期待されるようになる。なお、特定の表示演出が行われていないときに設定される別の演出受付期間の全てで必ずしも自動演出機能が機能し得ないようにしなくてもよく、少なくとも一部の演出受付期間で自動演出機能が機能し得ないようにすれば、特定の表示演出が行われているときに特定有効期間が発生したとき(自動演出機能が必ず機能する演出受付期間が発生したとき)の上述の作用効果を期待することは可能である。また、このような特定有効期間が発生した場合も、特定有効期間内の特定タイミングが到来するまでの間に遊技者による操作がなかった場合に、該特定タイミングで上述の自動演出機能を機能させてこれに応じた操作後演出を開始させるようにすることが望ましい。
また、大当り判定の結果に基づいて実行されうる特定の表示演出として、少なくとも第1の特定表示演出、第2の特定表示演出、及び第3の特定表示演出を用意した上で、
・第1の特定表示演出が実行されているときに第1の特定有効期間が発生すると、該第1の特定有効期間が発生してから第1の所定時間が経過したタイミングで上述の自動演出機能が機能して、第1の特定有効期間を終了させるとともにこれに応じた操作後演出を発生させるのに対し、
・第2の特定表示演出が実行されているときに第2の特定有効期間が発生すると、該第2の特定有効期間が発生してから上記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したタイミングで上述の自動演出機能が機能して、第2の特定有効期間を終了させるとともにこれに応じた操作後演出を発生させ、さらに、
・第3の特定表示演出が実行されているときに第3の特定有効期間が発生すると、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているにもかかわらず該第3の特定有効期間が終了されるまでの間に操作がなければ該操作があったときと同じ操作後演出は出現し得ないようにする
といった各処理を特定の演出状態にあるときに行うようにしてもよい。このような構成によれば、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているときに演出受付期間(特定有効期間)が発生したとしても、該演出受付期間が発生したときから第1の所定時間が経過したときに上述の自動演出機能が機能したり、該第1の所定時間よりも長い第2の所定時間が経過しなければ上述の自動演出機能が機能しないようにされたり、演出受付期間が終了しても上述の自動演出機能がそもそも機能し得ないようにされたりするようになる。したがって、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されている場合であっても、演出受付期間(特定有効期間)が発生したときにいずれの種別の特定表示演出が行われていたかを確認する必要性を持たせることができるようになり、例えば、第1の所定時間が経過したにもかかわらず上述の自動演出機能が機能しなかったときには、第2の所定時間が経過するときに上述の自動演出機能が機能するのか、若しくは上述の自動演出機能がそもそも機能しないのか、などといった緊張感を持たせて演出進展させることができるようになる。なお、第1の特定有効期間、第2の特定有効期間、及び第3の特定有効期間はいずれも、操作対象とされる操作手段(例えば、操作ボタン410)が操作状態になったとき(いわゆる単発操作が行われたとき)に演出受付されて操作後演出を発生させるものである。
なお、第1の特定表示演出、第2の特定表示演出、及び第3の特定表示演出については、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているときにしか実行可能とされないものであってもよい。このように、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているときには、該特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されていないときには出現し得ない表示態様が表示されうるようにした場合は、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)にあるときの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。また、第1の特定表示演出(第1の特定有効期間)及び第2の特定表示演出(第2の特定有効期間)を用意し、第3の特定表示演出(第3の特定有効期間)については必ずしも用意するようにしなくてもよい。また、第1の特定有効期間、第2の特定有効期間、及び第3の特定有効期間で演出受付されたときに発生する操作後演出は互いに異なる演出内容であってもよい。
また、上述の自動演出機能が機能することによって操作後演出を発生させる場合は、演出受付期間内のいずれのタイミングで該自動演出機能が機能したのか(演出受付されたときに演出受付期間としてどれだけの時間が残されていたか)を認識しうるように、演出受付可能期間の残り時間を示すバー表示(時間経過とともに画像変化(ここでは面積変化)する表示)については自動演出機能が機能した時点で非表示とせずこれを表示した状態で操作後演出を発生させるようにしてもよい。このような構成によれば、例えば、自動演出機能が機能した時点で継続表示されている「バー表示」によって示される残り時間を確認することで、当該演出受付期間が第1の特定有効期間(演出受付期間が発生してから比較的早い段階である第1の所定時間が経過したときに自動演出機能が機能する期間)と第2の特定有効期間(演出受付期間が発生してから比較的遅い段階である第2の所定時間が経過したときに自動演出機能が機能する期間)とのいずれであったのかを認識することができるようになる。
この意味では、第1の特定有効期間(演出受付期間が発生してから第1の所定時間が経過したときに自動演出機能が機能する期間)が発生したときと、第2の特定有効期間(演出受付期間が発生してから第2の所定時間が経過したときに自動演出機能が機能する期間)が発生したときとで大当り期待度が異なる(例えば、第2の特定有効期間のほうが有利)ようにすることが望ましい。またこの場合、第1の特定表示演出や第2の特定表示演出については必ずしも実行されないようにしてもよい。ただし、第1の特定表示演出や第2の特定表示演出が実行されるようにした場合は、第1の特定表示演出が現われたときと第2の特定表示演出が現われたときとで大当り期待度が異なる(例えば、第2の特定表示演出のほうが有利)ように機能することとなる。また、演出受付期間内において遊技者による操作によって操作後演出が発生する場合は、操作後演出が発生した状態において「バー表示」を非表示とするようにしてもよいし、上述の自動演出機能が機能した場合と同様、「バー表示」を非表示とせずこれを表示した状態で操作後演出を発生させるようにしてもよい。操作後演出については、演出表示装置1600における表示変化として実行されるものでなくてもよく、例えば、遊技盤5にて設けられるランプによる発光または可動装飾体による動作として実行されるものであってもよい。
また、上述の自動演出機能が機能することによって操作後演出を発生させた場合は、操作対象となっている操作手段(例えば、操作ボタン410)に対して遊技者は何ら関与しないままで操作後演出を自動発生させることとなることから、遊技者側からすれば、該自動発生した操作後演出がいずれの操作手段に対応したものであるのか把握できなくなってしまう懸念がある。したがって、上述の自動演出機能を機能させて操作後演出を発生させる場合は、まず、演出受付期間内において操作対象とされる操作手段を示唆する操作対象示唆画像(例えば、操作対象とされる操作手段を模した画像表示など)を表示するとともに、上述の自動演出機能が機能した場合であっても、該操作対象示唆画像を非表示とせずこれを表示した状態で操作後演出を発生させるようにすることが望ましい。なおこの場合、操作後演出が発生する前と発生した後とで操作対象示唆画像の表示態様(例えば、色や透過率など)は必ずしも同じでなくてもよく、操作対象とされていた操作手段がいずれであったのかを操作後演出が発生した状態においても認識可能であればよい。これに対し、演出受付期間内において遊技者による操作によって操作後演出が発生する場合は、操作後演出が発生した状態において操作対象示唆画像を非表示とするようにしてもよいし、上述の自動演出機能が機能した場合と同様、操作対象示唆画像を非表示とせずこれを表示した状態で操作後演出を発生させるようにしてもよい。上述の第1の特定有効期間内で自動演出機能が機能した場合や、上述の第2の特定有効期間内で自動演出機能が機能した場合など、上述の自動演出機能が機能したときには、必ず、操作対象示唆画像を非表示とせずこれを表示した状態で操作後演出を発生させるようにしてもよい。
またこの際、大当り期待度の異なる複数態様のいずれかで操作対象示唆画像を表示した状態で操作後演出を発生させるようにすれば、操作対象示唆画像の態様と操作後演出の態様との両方を同時確認することができるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。また、操作後演出については、演出表示装置1600における表示変化として実行されるものでなくてもよく、例えば、遊技盤5にて設けられるランプによる発光または可動装飾体による動作として実行されるものであってもよい。
また、操作手段(複数の操作手段のいずれか)に対して操作機会が付与される演出受付期間を発生させる演出を「操作系演出」とするとき、該操作系演出については、これとは関係のない別の特定演出(例えば、可動体演出や、カウント演出など)と並行して実行される場合があるようにしてもよい。ただしこの場合、「操作系演出」は実行されるが「これと関わりのない別の特定演出」が実行されていない演出状況にあるときは、「操作系演出」及び「これと関わりのない別の特定演出」が並行される演出状況にあるときよりも上述の自動演出機能が機能する割合が高くなるようにすることが望ましい。すなわち、「操作系演出」及び「これと関わりのない別の特定演出」が並行される演出状況にあるときは、「操作系演出」で演出受付がなされず操作後演出が実行されなかったとしても「これと関わりのない別の特定演出」が実行状態にあることから、遊技興趣の低下は抑制されうるのに対し、「操作系演出」は実行されるが「これと関わりのない別の特定演出」が実行されていない演出状況にあるときは、「操作系演出」で演出受付がなされず操作後演出が実行されないようなことがあると何らの演出も実行されない状況になってしまうことから、遊技興趣の低下が避けられない。したがって、「操作系演出」は実行されるが「これと関わりのない別の特定演出」が実行されていない演出状況にあるときは、「操作系演出」及び「これと関わりのない別の特定演出」が並行される演出状況にあるときよりも上述の自動演出機能が機能する割合を高くするようにすることで、操作系演出が発生したときの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。割合については100%であってもよい。ちなみに、演出受付期間が発生するのに合わせてその前から行われる前兆演出や、操作対象とされる操作手段が動作する演出などについては「操作系演出」またはこれに関連した演出として実行されるものであるといえる。また、「別の特定演出」として、例えば、演出受付期間(好ましくは、前兆演出)の開始前から発生させるものとすれば、上述の自動演出機能が機能する割合が高くなることを事前に示唆することができるようになる。
この場合、演出受付期間(好ましくは、操作後演出)の終了後に終了される演出として実行されるものとするようにすることが望ましい。これに対し、「別の特定演出」として、例えば、演出受付期間(好ましくは、前兆演出)の開始後に発生し、演出受付期間の終了前に終了される演出として実行されるものとすれば、上述の自動演出機能が機能する割合が高い状況にあるのかを直前にしか認識し得ないようになり、緊張感のあるなかで演出を提供することができるようになる。この点、「別の特定演出」として、演出受付期間(好ましくは、前兆演出)の開始前から発生させるものとする場合、該「別の特定演出」を、一の図柄変動内で複数回にわたって行われるようにすれば、演出受付期間が発生しないときにも実行されるようになることから、「別の特定演出」が実行されたときに自動演出機能が機能する割合が高くされているなかで演出受付期間が発生するかについての緊張感を持たせることができるようになる。
また、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)にあるときに大当り判定の結果に応じたハズレ変動が順次消化されてその実行回数が特定値(例えば、999回連続してハズレ変動が実行され、1000回目のハズレ変動)に達するまでの間は、大当り判定の結果に基づいて操作手段(複数の操作手段のいずれか)に対して操作機会が付与される演出受付期間が所定確率で発生されうるようにするとともに、該演出受付期間が発生したとしても遊技者による操作がなかったときには上述の自動演出機能を機能させる場合と上述の自動演出機能を機能させない場合とがあるようにする。これに対し、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)にあるときに大当り判定の結果に応じたハズレ変動が順次消化されてその実行回数が特定値(例えば、999回連続してハズレ変動が実行され、1000回目のハズレ変動)に達した場合、該特定値に達した図柄変動(演出パターン)では、大当り判定の結果にかかわらず操作手段(複数の操作手段のいずれか)に対して操作機会が付与される演出受付期間を必ず発生させるとともに、該演出受付期間内で遊技者による操作がなかったとしても上述の自動演出機能を機能させて該演出受付期間内で遊技者による操作があったときと同じ操作後演出を必ず発生させる処理を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、ハズレ変動の連続実行回数が特定値に達すると、「ハズレ変動が連続して実行されているなかで演出受付期間が発生する度に遊技者に対して操作すべきことを促してきたにもかかわらず何らの成果も挙げられなかった」これまでの責任を感じたかのように、遊技者による操作がなかったとしても当該パチンコ機1これ自体が自動演出機能を必ず機能させる演出として実現されることから、遊技興趣を好適に維持することができるようになる。なおこの際、ハズレ変動が順次消化されてその実行回数が特定値に達した状態(例えば、1000回目のハズレ変動)にあるときに発生する演出受付期間では、ハズレ変動が順次消化されてその実行回数が特定値(例えば、999回までのハズレ変動)に達するまでの演出受付期間にあるときに出現していた表示画像(例えば、「操作しろ」など)とは異なる特別の表示画像(例えば、「面倒であれば、わたくしが代行して操作させていただきます」など)を出現させるようにすることが望ましい。また、特定値に達した図柄変動(演出パターン)が消化された以降も、特定の条件(例えば、大当り遊技状態の発生)が満たされるまでの間は図柄変動が消化される都度、該図柄変動(演出パターン)内で、大当り判定の結果にかかわらず操作手段(複数の操作手段のいずれか)に対して操作機会が付与される演出受付期間を必ず発生させるとともに特別の表示画像(例えば、「面倒であれば、わたくしが代行して操作させていただきます」など)を出現させ、該演出受付期間内で遊技者による操作がなかったとしても上述の自動演出機能を機能させて演出受付に応じた操作後演出を必ず発生させる処理を実行するようにすることが望ましい。
なお、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)にあるときに大当り判定の結果に応じたハズレ変動が順次消化されてその実行回数が特定値(例えば、999回連続してハズレ変動が実行され、1000回目のハズレ変動)に達するまでの残り変動数の表示を行うようにしてもよい。
また、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)にあるときに大当り判定の結果に応じたハズレ変動が順次消化されてその実行回数が特定値に達するまでの間は、図柄変動中、第一操作手段に対する演出受付期間と、第二操作手段に対する演出受付期間とのいずれもが発生しうるようにされるが、ハズレ変動が順次消化されてその実行回数が特定値に達したときの図柄変動では、第一操作手段に対する演出受付期間と第二操作手段に対する演出受付期間とのいずれかのみが常に発生して、その他方側は発生し得ないように演出進展させるようにしてもよい。このような構成によれば、常に同じ操作手段に対して操作機会が付与されることから、演出受付期間が発生したことこれ自体に対して期待を持たせてしまうようなことが好適に抑制されうるようになる。ただしこの演出例が、「ハズレ変動が連続して実行されているなかで演出受付期間が発生する度に遊技者に対して操作すべきことを促してきたにもかかわらず何らの成果も挙げられなかった」これまでの責任を感じたかのように、遊技者による操作がなかったとしても当該パチンコ機1これ自体が自動演出機能を必ず機能させる演出として実現されるものであることに鑑みれば、過渡な期待をこれ以上持たせないように、発生時の期待度が相対的に低い側の第一操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する演出受付期間を発生させて、第二操作手段(例えば、刀装飾体5001)に対する演出受付期間は発生させないようにすることが望ましい。
また、複数の操作手段のうち第1の操作手段(例えば、操作ボタン410)に対して操作機会が付与される第1演出受付期間については、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されていないときと特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているときとのいずれにおいても発生可能であるが、複数の操作手段のうち第2の操作手段(例えば、刀装飾体5001)に対して操作機会が付与される第2演出受付期間については、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されていないときには発生し得ず、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているときに発生可能とされるようにしてもよい。このような構成によれば、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているときの演出性を高めることができるようになり、該特定の演出状態(自動ボタン演出状態)にあるときの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、大当り判定の結果に基づいて演出受付期間を発生させるとき、
・操作手段を模した摸画像(操作対象とされる操作手段を示唆する操作対象示唆画像)を表示し(摸画像表示手段)、
・演出受付期間が発生した以降、摸画像が表示されているなかで遊技者による操作が行われると、該操作に基づいて操作後演出を実行可能であり(遊技者操作受付手段)、
・演出受付期間が発生した以降、摸画像が表示されているなかで遊技者による操作が行われないままで特定タイミングが到来すると、遊技者による操作を受けること無しで操作後演出を実行可能(自動演出受付手段)
としたものであるが、摸画像については、演出受付がなされたときに「遊技者に有利な態様」で操作後演出が実行される割合(期待度)が異なる複数態様のいずれかで、表示されうるようにすることが望ましい。このような構成によれば、遊技者操作受付手段によって操作後演出が発生する場合と、自動演出受付手段によって操作後演出が発生する場合とのいずれの場合であっても、期待度が認識可能とされているなかで操作後演出を発生させることができるようになる。
また、上述の自動演出機能が機能することによって操作後演出を発生させた場合は、操作対象となっている操作手段(例えば、操作ボタン410)に対して遊技者は何ら関与しないままで操作後演出を自動発生させることとなることから、遊技者側からすれば、該自動発生した操作後演出がいずれの操作手段に対応したものであるのか把握できなくなってしまう懸念がある。したがって、上述の自動演出機能を機能させて操作後演出を発生させる場合は、まず、演出受付期間内において摸画像(操作対象とされる操作手段を示唆する操作対象示唆画像)を表示するとともに、上述の自動演出機能が機能した場合であっても、該摸画像を非表示とせずこれを表示した状態で操作後演出を発生させるようにすることが望ましい。なおこの場合、操作後演出が発生する前と発生した後とで操作対象示唆画像の表示態様(例えば、色や透過率など)は必ずしも同じでなくてもよく、操作対象とされていた操作手段がいずれであったのかを操作後演出が発生した状態においても認識可能であればよい。これに対し、演出受付期間内において遊技者による操作によって操作後演出が発生する場合は、操作後演出が発生した状態において操作対象示唆画像を非表示とするようにしてもよいし、上述の自動演出機能が機能した場合と同様、操作対象示唆画像を非表示とせずこれを表示した状態で操作後演出を発生させるようにしてもよい。操作後演出については、演出表示装置1600のうち少なくとも摸画像が表示される領域とは異なる領域を用いて実行するようにしてもよいし、遊技盤5にて設けられるランプによる発光または可動装飾体による動作として実行されるものであってもよい。
なおこの際、摸画像を、期待度が異なる複数態様のいずれかで表示するようにした場合は、操作後演出が発生した状態においても、演出受付期間内で示唆されていた期待度(摸画像の表示態様)を確認することができるようになる。
こうして表示継続される摸画像については、操作後演出が発生した後に非表示にされることとなる。ただし、第一側演出受付期間が発生してから特定時間が経過したときに第一自動演出手段による自動処理が実行される場合と、第一側演出受付期間が発生してから特定時間とは異なる時間が経過したときに第一自動演出手段による自動処理が実行される場合とでは、操作後演出が実行されてから摸画像が非表示にされるまでの時間についても互いに異なるようにすることが望ましい。このような構成によれば、特定時間が経過したときに自動処理によって操作後演出が発生したのか、特定時間とは異なる時間が経過したときに自動処理によって操作後演出が発生したのかを認識できなかったとしても、操作後演出が実行されてから摸画像が非表示にされるまでの時間を確認することで、いずれの時間で操作後演出が発生したのかを認識することができるようになる。
なお、特定時間が経過したときに自動処理によって操作後演出が発生したときと、特定時間とは異なる時間が経過したときに自動処理によって操作後演出が発生したときとで、大当り判定にて大当りが得られている期待度が異なるようにしてもよい。
また、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているときに、遊技者に対して操作機会が付与される演出受付期間が発生される場合は、該演出受付期間中、2つの表示態様(例えば、相対的に大当り期待度の低い低期待表示態様、相対的に大当り期待度の高い高期待表示態様)のいずれかが現れうるようにし、高期待表示態様(例えば、赤色の操作画像)が現れたときには該演出受付期間内で操作が行われなかったとしても必ず演出受付(自動演出機能が必ず機能)されて該演出受付に応じた操作後演出が実行されるが、低期待表示態様(例えば、青色の操作画像)が現れたときには該演出受付期間内で操作が行われなかったときに演出受付(自動演出機能が機能)されて該演出受付に応じた操作後演出が実行される場合と、演出受付(自動演出機能が機能)されず操作後演出が実行されない場合とがあるように演出進展させるようにしてもよい。すなわち、高期待表示態様(例えば、赤色の操作画像)が現れたときに操作し忘れが生じると操作後演出を確認することができなかったことによる遊技興趣の低下が避けられないが、低期待表示態様(例えば、青色の操作画像)が現れたときには操作し忘れが生じたとしてもそれほど遊技興趣は低下しないと想定されることから、高期待表示態様(例えば、赤色の操作画像)が現れたときに操作し忘れが生じた場合は演出受付期間内で自動演出機能を必ず機能させることで操作し忘れによる遊技興趣の低下を回避するようにしつつも、低期待表示態様(例えば、青色の操作画像)が現れたときに操作し忘れが生じた場合は演出受付期間内で自動演出機能を必ずしも機能させないようにすることで操作し忘れを生じさせないように遊技することに対する緊張感を持たせて遊技者参加意識を高めることが期待されるようになる。なお、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されていないときには、低期待表示態様(例えば、青色の操作画像)は出現されるが、高期待表示態様(例えば、赤色の操作画像)は出現し得ないようにしてもよい。また、演出受付期間中は、3つ以上の表示態様のいずれかが現れうるようにしてもよい。
そして、以下に説明する各特徴的技術では、これらの自動ボタン演出状態にかかる別例についても適宜適用して実施するようにしてもよい。
[自動演出機能による期待度示唆]
上述の通り、自動ボタン演出状態においては、演出受付期間(上述の別例を適用する場合、第1の特定有効期間や第2の特定有効期間)内で遊技者による操作が行われずとも、該操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせる処理(自動演出機能)が実行可能とされうる。この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、自動ボタン演出状態において、演出受付期間内で遊技者による操作が演出受付されなかったとき、演出受付されたときと同じ変化を演出に対して生じさせる処理(自動演出機能)が実行されない演出パターンも生じうるようにしている。そしてこの際、自動ボタン演出状態において、演出受付期間内で遊技者による操作が演出受付されなかった場合に自動演出機能が機能しなかったときには、該自動演出機能が機能したときよりも当該図柄変動において大当り図柄が現れる期待度(割合)が低くなるように図柄変動内における演出が進展される処理を実行可能としている。この際、大当り図柄が現れる期待度(割合)は0%であってもよい。
このような構成によれば、自動ボタン演出状態において操作ボタン410に対する演出受付期間が発生した場合は、該演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作をあえて行わないようにしたときに自動演出機能が機能するか否かを確認するようにすることで、実行状態にある図柄変動で大当り図柄が現れるかについての期待度を把握することが可能である。すなわちこの場合、自動ボタン演出状態においては、「演出受付期間内で演出受付(操作ボタン410に対する操作)さえしておけば確認できたはずの操作後演出これ自体も確認することができなくなる」といった演出的なデメリットが生じうるリスクが持たされているなかで、「演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作をあえて行わない」といった演出的選択を遊技者に対して行使させる、といった斬新な演出性によって遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
また上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、複数の操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001など)のうち操作ボタン410に対する操作が演出受付可能とされる期間が発生するのか、それとも別の操作手段(例えば、刀装飾体5001)に対する操作が演出受付可能とされる期間が発生するのかについての上述した演出(特定の操作関連演出(図330〜図350を参照))を実行可能としている。この点、自動ボタン演出状態においては、このような特定の操作関連演出に対応して発生する演出受付期間では、特定の操作関連演出が実行されずに発生する演出受付期間に比べて、それら演出受付期間内で操作(演出受付)がなかったときに上述の自動演出機能が機能する割合が高くされるように図柄変動内における演出が進展される処理を実行可能としている。この際、自動演出機能が機能する割合は100%であってもよい。
このような構成によれば、演出受付期間が発生するよりも前に特定の操作関連演出が実行されること自体が、上述の自動演出機能が機能する割合が高いことを示唆する演出としても機能しうるようになることから、特定の操作関連演出が実行されたときの遊技興趣をより好適に向上させることができるようになる。
また、これも上述したが、特定の操作関連演出では、その演出結果として操作ボタン410に対して操作機会が付与されることが示された場合よりも、刀装飾体5001に対して操作機会が付与されることが示された場合のほうが実行状態にある図柄変動で大当り図柄が現れる期待度が高くなるように設定される。ただし、自動ボタン演出状態において、特定の操作関連演出に対応して発生する演出受付期間内で操作(演出受付)がなかったときに上述の自動演出機能が機能する割合については、操作ボタン410に対して操作機会が付与されることが示された場合と、刀装飾体5001に対して操作機会が付与されることが示された場合とで同じ割合になるように設定することがより望ましい。
このような構成によれば、特定の操作関連演出の演出結果として相対的に期待度の低い演出状況(操作ボタン410に対して操作機会が付与されることが示唆)が現われた場合であっても、上述の自動演出機能が機能する割合はこれ(特定の操作関連演出の演出結果)によって変化しないようにされることから、上述の自動演出機能が機能することへの期待感についてはこれを好適に維持することが可能とされるようになる。このように、互いの演出結果の影響を受けない2つの異なる演出(特定の操作関連演出,自動演出機能による期待度示唆)が並行されることによって遊技興趣を高めることができるようになる。
以下、このような自動演出機能によって期待度が示唆される演出の具体例について、図351〜図353を参照して説明する。
図351(a)は、自動ボタン演出状態において、保留数が3の状態にあり、装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が大当り判定の結果に応じた特定の演出パターンで演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。図中に示されるように、自動ボタン演出状態に制御されている期間中、演出表示装置1600の表示領域内においては自動ボタン演出状態に制御されている旨を示す表示(ここでは、「オートボタン設定中」)が継続的に現れるようになっている。
図351(b)は、図351(a)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、操作ボタン410に対する特定の演出受付期間が発生した演出状況を示している。図中に示されるように、特定の演出受付期間においては、操作ボタン410に対応するボタン画像BTGが表示領域内で表示されるとともに、操作ボタン410に対する操作を促す指示表示(ここでは、「押せ」といった文字表示と、特定の演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が現れるようになっている。なおこの際、操作機会の付与対象とされる操作ボタン410は発光状態になっており、これによっても該操作ボタン410に対する操作が促されている。
ここで、図351(b)に示される特定の演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が演出受付されたとすると、該演出受付に応じた操作後演出として、特定装飾部材SDY(簾役物)など)を演出動作させるとともに、表示領域内においても期待度が異なる複数態様(例えば、期待度が相対的に低い「チャンス!」や、期待度が相対的に高い「激熱!」など)のいずれかが表示されることとなる。またこの際、自動ボタン演出状態が設定解除されて通常の演出状態に戻されるとともに、特定の演出受付期間も残り時間を消化することなく演出受付があった時点で終了されることとなる。
これに対し、図351(b)に示される演出状況において、特定の演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が行われなかったとき(演出受付が発生しなかったとき)は、60%の割合で上述の自動演出機能が機能せず、40%の割合で上述の自動演出機能が機能するようになっている。
すなわち、60%の割合で上述の自動演出機能が機能しなかった場合は、図351(c)に示されるように、特定の演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が演出受付されなかったものとして、該演出受付さえ行われていれば発生していたはずの操作後演出が実行されることはない。そしてこの後、特定の演出受付期間が発生してから所定時間後にリーチ状態が形成されるかたちで演出進展されることとなる。
一方、40%の割合で上述の自動演出機能が機能した場合は、特定の演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が行われなかったにもかかわらず、図351(d)に示されるように、特定の演出受付期間内で操作が行われて演出受付がなされたときと同じ内容とされた操作後演出が実行されることとなる。すなわち上述の通り、特定の演出受付期間内での演出受付によって発生する操作後演出では、特定装飾部材SDY(簾役物)など)が演出動作されるとともに、表示領域内においては期待度が異なる複数態様(例えば、「チャンス!」や「激熱!」など)のいずれかが表示されるようになっているが、特定の演出受付期間内で操作されたことに応じて操作後演出が発生する場合と、自動演出機能が機能したことによって操作後演出が発生する場合とではいずれの場合も、表示領域内において表示される態様は互いに同じとされることとなる。そしてこの後、図351(e)に示されるように、特定の演出受付期間が発生してから所定時間後にリーチ状態が形成されるかたちで演出進展されることとなる。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、特定の演出受付期間を「上述の自動演出機能が機能する演出受付期間」として発生させるか、それとも「上述の自動演出機能が機能しない演出受付期間」として発生させるかについては、図柄変動の実行に際して、大当り判定の結果に基づいて決定(選択)するようにしており、その結果として、特定の演出受付期間においては60%の割合で上述の自動演出機能が機能せず、40%の割合で上述の自動演出機能が機能するようになっている。例えば、大当り判定の結果として大当りに当選しているときは当選時用の選択テーブルが参照され、該当選時用の選択テーブルにおける振分比率に基づいて「上述の自動演出機能が機能する演出受付期間」または「上述の自動演出機能が機能しない演出受付期間」を発生させることとなり、大当り判定の結果として大当りに落選しているときは落選時用の選択テーブルが参照され、該落選時用の選択テーブルにおける振分比率に基づいて「上述の自動演出機能が機能する演出受付期間」または「上述の自動演出機能が機能しない演出受付期間」を発生させることとなる。そしてその結果として、特定の演出受付期間においては60%の割合で上述の自動演出機能が機能せず、40%の割合で上述の自動演出機能が機能するようになっている。
しかも、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、特定の演出受付期間が「上述の自動演出機能が機能する演出受付期間」として発生されることとなった場合は、「上述の自動演出機能が機能しない演出受付期間」として発生されることとなった場合よりも当該図柄変動が停止されたときに大当り図柄が現れる割合が高くなるように、それら期間のいずれとして発生させるかを上記大当り判定の結果に基づいて決定(選択)するようにしている。
このような構成によれば、演出受付されると操作後演出として期待度の高い態様(「激熱!」など)が現れることが決定されている演出受付期間が発生したときには自動演出機能が機能する割合が相対的に高くなるのに対し、演出受付されると操作後演出として期待度の低い態様(「チャンス!」など)が現れることが決定されている演出受付期間が発生したときには自動演出機能が機能する割合が相対的に低くなるようになる。したがって、自動ボタン演出状態において操作ボタン410に対する演出受付期間が発生した場合は、該演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作をあえて行わないようにしたときに自動演出機能が機能するか否かを確認するようにすることで、実行状態にある図柄変動で大当り図柄が現れるかについての期待度を把握することが可能である。すなわちこの場合、自動ボタン演出状態においては、「演出受付期間内で演出受付(操作ボタン410に対する操作)さえしておけば確認できたはずの操作後演出これ自体も確認することができなくなる」といった演出的なデメリットが生じうるリスクが持たされているなかで、「演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作をあえて行わない」といった演出的選択を遊技者に対して行使させる、といった斬新な演出性によって遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
ただし、図351(d)に示されるように、演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作をあえて行わないようにしたときに自動演出機能が機能した場合であっても、操作後演出としては期待度の低い態様(「チャンス!」など)も現れうるようになっていることから、自動演出機能が機能したことによって相対的に高い期待度であることが示唆された場合であっても、このような期待度の立て続けの示唆(自動演出機能が機能したことによる示唆、操作後演出の態様による示唆)によって気を抜けない演出性が実現されることとなり、遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
また、図351(c)に示されるように、演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作をあえて行わないようにしたときに自動演出機能が機能しなかった場合であっても、演出受付さえしておけば現われていたはずの操作後演出では期待度の高い態様が現れていた可能性が残されることから、遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
ただし、図351(c)に示される演出状況(自動演出機能が機能せず、操作後演出が現れなかった状況)が現われたときは、図351(d)に示される演出状況(自動演出機能は機能したが、操作後演出として期待度の低い態様が現れた状況)が現われたときよりも期待度が低くなるようにすることが望ましい。
図352及び図353は、自動ボタン演出状態において特定の操作関連演出(図330〜図350を参照)に対応する演出受付期間が発生したときに、自動演出機能によって期待度が示唆される演出の具体例を示している。
図352(a)は、自動ボタン演出状態において、保留数が3の状態にあり、装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が大当り判定の結果に応じた特定の演出パターンで演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。この例でも、図中に示されるように、自動ボタン演出状態に制御されている期間中、演出表示装置1600の表示領域内においては自動ボタン演出状態に制御されている旨を示す表示(ここでは、「オートボタン設定中」)が継続的に現れるようになっている。
図352(b)は、図352(a)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、図332〜図335に例示した特定の操作関連演出が演出開始された演出状況を示している。
すなわち上述の通り、図332〜図335に例示した特定の操作関連演出では、操作ボタン410に対して操作機会が付与される場合と、刀装飾体5001に対して操作機会が付与される場合とで共通の表示演出が行われるようになっており、該共通の表示演出が行われている間は操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれに対して操作機会が付与されるか秘匿にされる。ただし、特定の操作関連演出が開始されてから所定時間が経過すると、相対的に期待度の低い第1の演出結果として操作ボタン410を操作すべき状態にある旨を示す演出状況が現れるか、相対的に期待度の高い第2の演出結果として刀装飾体5001を操作すべき状態にある旨を示す演出状況が現れることで、相対的に期待度の低い操作ボタン410及び相対的に期待度の高い刀装飾体5001のいずれに対して操作機会が付与されるかが示されるようになる。
図352(c)は、図352(b)に示した特定の操作関連演出が行われた結果、相対的に期待度の低い第1の演出結果として操作ボタン410を操作すべき状態にある旨を示す演出状況が現われて、操作ボタン410に対する演出受付期間が発生した様子を示している。この演出状況においては、図中に示されるように、操作ボタン410に対応するボタン画像BTGが表示領域内で表示されるとともに、操作ボタン410に対する操作を促す指示表示(ここでは、「押せ」といった文字表示と、特定の演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が現れるようになっている。なおこの際、操作機会の付与対象とされる操作ボタン410は発光状態になっており、これによっても該操作ボタン410に対する操作が促されている。
ここで、図352(c)に示される演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が演出受付されたとすると、該演出受付に応じた操作後演出として、特定装飾部材SDY(簾役物など)を演出動作させるとともに、表示領域内においても期待度が異なる複数態様(例えば、期待度が相対的に低い「チャンス!」や、期待度が相対的に高い「激熱!」など)のいずれかが表示されることとなる。またこの際、自動ボタン演出状態が設定解除されて通常の演出状態に戻されるとともに、特定の演出受付期間も残り時間を消化することなく演出受付があった時点で終了されることとなる。
これに対し、図352(c)に示される演出状況において、演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が行われなかったとき(演出受付が発生しなかったとき)は、20%の割合で上述の自動演出機能が機能せず、80%の割合で上述の自動演出機能が機能するようになっている。
すなわち、特定の操作関連演出(特定表示演出)では、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれが有効化されるかについて遊技者側が困惑してしまい、その結果として、演出受付期間内に適正な操作を行うことができなくなる事態が発生しかねない。そこで、自動ボタン演出状態において、このような特定の操作関連演出に対応する演出受付期間が発生した場合(図352(c)を参照)は、特定の操作関連演出が実行されずに発生する演出受付期間(図351(b)を参照)に比べて、それら演出受付期間内で操作(演出受付)がなかったときに上述の自動演出機能が機能する割合が高くされるように図柄変動内における演出が進展される処理を実行可能としている。このような構成によれば、「演出受付期間内に適正な操作を行うことができず該操作に応じた演出が出現しないかもしれない」といった不安感を抑制しつつ、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれが有効化されるかについての面白みを上記特定の操作関連演出を通じて提供することができるようになる。このような作用効果を得る上では、自動演出機能が機能したか否かによって期待度を示唆する構成については必ずしも備えなくてもよい。
したがって、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、自動ボタン演出状態に制御されている期間中のうち、特定の操作関連演出(特定表示演出)が実行されてからこれに対応する演出受付期間が終了されるまでの間は、図中に示されるように、自動演出機能が機能する割合が高くなっている演出状況にある旨を示す表示(ここでは、「オートボタン高確中」)が継続的に現れるようになっている。
なお、20%の割合で上述の自動演出機能が機能しなかった場合は、図352(d)に示されるように、演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が演出受付されなかったものとして、該演出受付さえ行われていれば発生していたはずの操作後演出が実行されることはない。そしてこの後、特定の演出受付期間が発生してから所定時間後にリーチ状態が形成されるかたちで演出進展されることとなる。ただし、図352(c)に示される演出状況において、演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が行われなかったとき(演出受付が発生しなかったとき)に上述の自動演出機能が機能しなかった場合は、図351(b)に示される演出状況において、演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が行われなかったとき(演出受付が発生しなかったとき)に上述の自動演出機能が機能しなかった場合よりも期待度は高くされるようにすることが望ましい。
また、80%の割合で上述の自動演出機能が機能した場合は、演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が行われなかったにもかかわらず、図352(e)に示されるように、演出受付期間内で操作が行われて演出受付がなされたときと同じ内容とされた操作後演出が実行されることとなる。すなわち上述の通り、特定の演出受付期間内での演出受付によって発生する操作後演出では、特定装飾部材SDY(簾役物)など)が演出動作されるとともに、表示領域内においては期待度が異なる複数態様(例えば、「チャンス!」や「激熱!」など)のいずれかが表示されるようになっているが、特定の演出受付期間内で操作されたことに応じて操作後演出が発生する場合と、自動演出機能が機能したことによって操作後演出が発生する場合とではいずれの場合も、表示領域内において表示される態様は互いに同じとされることとなる。そしてこの後、図352(f)に示されるように、特定の演出受付期間が発生してから所定時間後にリーチ状態が形成されるかたちで演出進展されることとなる。
一方、図353(g)は、図352(b)に示した特定の操作関連演出が行われた結果、相対的に期待度の高い第2の演出結果として刀装飾体5001を操作すべき状態にある旨を示す演出状況が現われて、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生した様子を示している。この演出状況においては、図中に示されるように、刀装飾体5001に対応する刀装飾画像SYGが表示領域内で表示されるとともに、刀装飾体5001に対する操作を促す指示表示(ここでは、「刀を納めろ」といった文字表示と、特定の演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が現れるようになっている。なおこの際、操作機会の付与対象とされる操作ボタン410は動作状態になっており、これによっても該操作ボタン410に対する操作が促されるとともに、刀装飾体5001に対して動作状態から原位置への操作が許容されるようになる。
ここで、図353(g)に示される演出受付期間内で刀装飾体5001に対する操作が演出受付されたとすると、図352(c)に示される演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が演出受付されたときと同じ操作後演出が実行されることとなる。ただし、図352(g)に示される演出受付期間内で刀装飾体5001に対する操作が演出受付されたときには、図352(c)に示される演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が演出受付されたときに比べて、期待度が異なる複数態様(例えば、期待度が相対的に低い「チャンス!」や、期待度が相対的に高い「激熱!」など)のうち期待度の高い態様が表示領域内において出現する割合が高くなっている。この割合は、100%であってもよい。また、演出受付期間内で刀装飾体5001に対する操作が演出受付されると、自動ボタン演出状態が設定解除されて通常の演出状態に戻されるとともに、特定の演出受付期間も残り時間を消化することなく演出受付があった時点で終了される点についても、図352(c)に示される演出受付期間の場合と同じである。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図353(g)に示される演出状況において演出受付期間内で刀装飾体5001に対する操作が行われなかった場合(演出受付が発生しなかった場合)は、図352(c)に示される演出状況が発生したときよりも期待度の高い演出状況になっているにもかかわらず、図352(c)に示される演出状況において演出受付が発生しなかった場合と同様、20%の割合で上述の自動演出機能が機能せず、80%の割合で上述の自動演出機能が機能するようになっている。
このような構成によれば、特定の操作関連演出が行われた結果、相対的に期待度の低い第1の演出結果として操作ボタン410を操作すべき状態にある旨を示す演出状況(図352(c)を参照)が現れた場合であっても、上述の自動演出機能が機能する割合はこれ(特定の操作関連演出の演出結果)によって変化しないようにされることから、上述の自動演出機能が機能することへの期待感についてはこれを好適に維持することが可能とされるようになる。このように、互いの演出結果の影響を受けない2つの異なる演出(特定の操作関連演出,自動演出機能による期待度示唆)が並行されることによって一方側の演出で不利な演出結果が現われたときの遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
ただしこの場合、図352(c)に示される演出状況において、演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が行われなかったとき(演出受付が発生しなかったとき)に上述の自動演出機能が機能した場合は、図353(g)に示される演出状況において、演出受付期間内で刀装飾体5001に対する操作が行われなかったとき(演出受付が発生しなかったとき)に上述の自動演出機能が機能した場合よりも期待度は低くされることとなる。
なお、20%の割合で上述の自動演出機能が機能しなかった場合は、図353(h)に示されるように、演出受付期間内で刀装飾体5001に対する操作が演出受付されなかったものとして、該演出受付さえ行われていれば発生していたはずの操作後演出が実行されることはない。そしてこの後、特定の演出受付期間が発生してから所定時間後にリーチ状態が形成されるかたちで演出進展されることとなる。ただし、図353(g)に示される演出状況において、演出受付期間内で刀装飾体5001に対する操作が行われなかったとき(演出受付が発生しなかったとき)に上述の自動演出機能が機能しなかった場合も、図351(b)に示される演出状況において、演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が行われなかったとき(演出受付が発生しなかったとき)に上述の自動演出機能が機能しなかった場合よりも期待度は高くされるようにすることが望ましい。
また、80%の割合で上述の自動演出機能が機能した場合は、演出受付期間内で刀装飾体5001に対する操作が行われなかったにもかかわらず、図353(i)に示されるように、演出受付期間内で操作が行われて演出受付がなされたときと同じ内容とされた操作後演出が実行されることとなる。すなわち上述の通り、特定の演出受付期間内での演出受付によって発生する操作後演出では、特定装飾部材SDY(簾役物)など)が演出動作されるとともに、表示領域内においては期待度が異なる複数態様(例えば、「チャンス!」や「激熱!」など)のいずれかが表示されるようになっているが、演出受付期間内で操作されたことに応じて操作後演出が発生する場合と、自動演出機能が機能したことによって操作後演出が発生する場合とではいずれの場合も、表示領域内において表示される態様は互いに同じとされることとなる。そしてこの後、図353(j)に示されるように、特定の操作関連演出に対応する演出受付期間が発生してから所定時間後にリーチ状態が形成されるかたちで演出進展されることとなる。
なお、特定の操作関連演出に対応する演出受付期間(図352(c),図353(g)を参照)を「上述の自動演出機能が機能する演出受付期間」として発生させるか、それとも「上述の自動演出機能が機能しない演出受付期間」として発生させるかについても、特定の操作関連演出が実行されずに発生する演出受付期間(図351(b)を参照)の場合と同様、図柄変動の実行に際して、大当り判定の結果に基づいて決定(選択)するようにしており、その結果として、特定の操作関連演出に対応する演出受付期間においては20%の割合で上述の自動演出機能が機能せず、80%の割合で上述の自動演出機能が機能するようになっている。例えば、大当り判定の結果として大当りに当選しているときは当選時用の選択テーブルが参照され、該当選時用の選択テーブルにおける振分比率に基づいて「上述の自動演出機能が機能する演出受付期間」または「上述の自動演出機能が機能しない演出受付期間」を発生させることとなり、大当り判定の結果として大当りに落選しているときは落選時用の選択テーブルが参照され、該落選時用の選択テーブルにおける振分比率に基づいて「上述の自動演出機能が機能する演出受付期間」または「上述の自動演出機能が機能しない演出受付期間」を発生させることとなる。そしてその結果として、特定の操作関連演出に対応する演出受付期間(図352(c),図353(g)を参照)においては20%の割合で上述の自動演出機能が機能せず、80%の割合で上述の自動演出機能が機能するようになっている。
またこれも同様、特定の操作関連演出に対応する演出受付期間(図352(c),図353(g)を参照)も、「上述の自動演出機能が機能する演出受付期間」として発生されることとなった場合は、「上述の自動演出機能が機能しない演出受付期間」として発生されることとなった場合よりも当該図柄変動が停止されたときに大当り図柄が現れる割合が高くなるように、それら期間のいずれとして発生させるかを上記大当り判定の結果に基づいて決定(選択)するようにしている。
なお、操作後演出については、特定の操作関連演出に対応する演出受付期間(図352(c),図353(g)を参照)の場合と、特定の操作関連演出が実行されずに発生する演出受付期間(図351(b)を参照)の場合とで異なる演出として実行されるようにしてもよい。ただし、異なる演出として実行する場合であっても、操作後演出においては期待度の異なる複数態様のいずれかが出現しうるようにすることが望ましい。期待度は0%や100%であってもよい。
また、図351〜図353に示した演出例で用いられる刀装飾体5001は、図311で示したタイプの刀装飾体5001であってもよい。また、図352及び図353では、図332〜図335に示した特定の操作関連演出に対して「自動演出機能を利用した演出」が適用された例として説明することとしたが、「自動演出機能を利用した演出」については、図330〜図350のいずれの特定の操作関連演出に対して適用するようにしてもよい。
また、図352及び図353に示した演出例にあって、自動ボタン演出状態に制御されていない状態で特定の操作関連演出が実行されたときには、該特定の操作関連演出に対応する演出受付期間内で自動ボタン演出状態への設定操作が受け付けられないようにすることはもとより、該「自動ボタン演出状態への設定操作が受け付けられない」状態については、演出受付期間が発生するよりも前の、少なくとも図352(b)に示される演出状況(特定の操作関連演出が開始された演出状況)にあるときから発生させてこれが演出受付期間までにわたって継続されるようにすることが望ましい。このような構成によれば、特定の操作関連演出が開始されたのを確認してから自動ボタン演出状態への設定操作を行おうとしてもこれが受け付けられないようになることから、自動ボタン演出状態を維持しながら遊技を継続的に行っている者だけを対象にして「自動演出機能を利用した演出」を提供することができるようになり、自動ボタン演出状態を維持しながら遊技を継続的に行うことに対する演出的な価値を提供することができるようになる。
また、特定の操作関連演出が実行されずに発生する演出受付期間(図351(b)を参照)や、特定の操作関連演出に対応する演出受付期間(図352(c),図353(g)を参照)においては、第1の表示態様(例えば、青色のボタン画像BTGや、青色の刀装飾画像SYG)や、第2の表示態様(例えば、緑色のボタン画像BTGや、緑色の刀装飾画像SYG)が出現されうるようにし、第2の表示態様が出現したときには第1の表示態様が出現したときに比べて「上述の自動演出機能が機能する演出受付期間」が発生している状態にある割合が高くなるようにすることが望ましい。
また、特定の操作関連演出が実行されずに発生する演出受付期間(図351(b)を参照)や、特定の操作関連演出に対応する演出受付期間(図352(c),図353(g)を参照)においては、第3の表示態様(例えば、赤色のボタン画像BTGや、赤色の刀装飾画像SYG)が出現されうるようにし、第3の表示態様が出現したときには「上述の自動演出機能が機能する演出受付期間」が必ず発生している状態にあるようにしてもよい。
これらの構成によれば、自動ボタン演出状態において、「演出受付期間内で演出受付(操作ボタン410に対する操作)さえしておけば確認できたはずの操作後演出これ自体も確認することができなくなる」といった演出的なデメリットが生じうるリスクが持たされているなかで、「演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作をあえて行わない」といった演出的選択を行使すべきかについての判断材料を提供することができるようになり、遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
また、「自動演出機能を利用した演出」を適用するか否かにかかわらず、図330〜図350や、図352,図353で例示した各「特定の操作関連演出」に対応する演出受付期間については、特定の操作関連演出が実行されずに発生する演出受付期間(図351(b)など)よりも長い時間をもった期間として発生させるようにすることが望ましい。すなわち、特定の操作関連演出(特定表示演出)では、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれが有効化されるかについて遊技者側が困惑してしまい、その結果として、演出受付期間内に適正な操作を行うことができなくなる事態が発生しかねないが、「特定の操作関連演出」に対応する演出受付期間に長い時間を持たせるようにすることで、こうした事態が発生することを抑制することが期待されるようになる。
特に、図352及び図353の例にあって、「特定の操作関連演出」に対応する演出受付期間では、自動演出機能が機能する割合が相対的に高くなるように設定されていることに鑑みれば、当該演出受付期間を、「特定の操作関連演出」が実行されずに発生する演出受付期間よりも長い時間を持つように設定するようにすることが、自動演出機能が機能するか否かについての演出性をより長く持続させて遊技興趣の向上を図るようにする上で望ましいといえる。なおこの場合、自動演出機能が機能するタイミングについては、「特定の操作関連演出」が実行されずに発生する演出受付期間では該期間が発生してから第一時間が経過したときに到来するのに対し、「特定の操作関連演出」に対応する演出受付期間では該期間が発生してから上記第一時間よりも長い第二時間が経過したときに到来するようにすることが、自動演出機能が機能するか否かについての演出性をより長く持続させる上で重要である。
また、「特定の操作関連演出」が実行されずに発生する演出受付期間と、「特定の操作関連演出」に対応する演出受付期間とで、それら期間が開始されてから終了されるまでの時間を異ならせるようにした場合であっても、演出受付期間の残り時間を示すバー表示についてはこれを同じ態様(同じ長さのバー表示)で表示するようにし、ゲージ残量が減少されていく速度を異ならせるだけにするようにすることが望ましい。すなわちこの場合、「特定の操作関連演出」に対応する演出受付期間が発生した場合であっても、「特定の操作関連演出」が実行されずに発生する演出受付期間と同じ時間だけ期間継続されるように思わせることができるようになることから、想定よりも長い時間にわたって期間継続されることによる「じれったさ」も相まって、自動演出機能が機能するか否かについての演出性を好適に持続させることができるようになる。
図351〜図353に示した例によれば、特定の演出状態(自動ボタン演出状態)に制御されているときに第1の演出受付期間(特定操作手段(操作ボタン410)に対する演出受付期間)が発生し、該第1の演出受付期間内において特定操作手段(操作ボタン410)に対する操作が行われなかったとしても、第1の自動演出手段による処理(操作ボタン410に対する自動演出機能)は必ずしも実行されるとは限らないが、特定表示演出(特定の操作関連演出)が実行されてから所定時間が経過したときに発生する演出受付期間では、特定表示演出が実行されることなく発生する第1の演出受付期間(特定操作手段(操作ボタン410)に対する演出受付期間)よりも該第1の演出受付期間内において特定操作手段(操作ボタン410)に対する操作が行われなかったときに第1の自動演出手段による処理(操作ボタン410に対する自動演出機能)が実行される割合が高くされることとなる。
この点、このような自動ボタン演出状態としては、演出受付期間の種別によって自動演出機能が機能する割合(「60%−40%」,「20%−80%」)が上述の如く異なるように設定される自動ボタン演出状態を「第1の自動ボタン演出状態」とするとき、演出受付期間の種別によって自動演出機能が機能する割合が別の配分率(「50%−50%」,「10%−90%」)で異なるように設定される「第2の自動ボタン演出状態」や、演出受付期間が発生したときにその期間としての種別にかかわらず自動演出機能が必ず機能するように設定される第3の自動ボタン演出状態をさらに用意するようにし、自動演出機能が機能しない通常の演出状態も含めて、それら演出状態のいずれかに設定可能とされるようにしてもよい。また、自動演出機能が機能しない通常の演出状態は用意せず、常時、自動ボタン演出状態(第1の自動ボタン演出状態,第2の自動ボタン演出状態,第3の自動ボタン演出状態)で遊技や演出が実行されるようにしてもよい。
また、図351〜図353に示した演出例については以下のように変形して実施するようにしてもよい。すなわち、図351(b)に示される第1の演出受付期間で自動演出機能が機能する場合は、該第1の演出受付期間が発生してから第1の所定時間が経過したタイミング(第1の演出受付期間内のタイミング)で上述の自動演出機能が機能して、第1の演出受付期間を終了させるとともにこれに対応した操作後演出を発生させる。ただし、図351(b)に示される第1の演出受付期間内で自動演出機能が機能しない場合は、該第1の演出受付期間が発生してから第1の所定時間が経過したタイミング(第1の演出受付期間内のタイミング)で上述の自動演出機能が機能せず、その後、操作後演出が実行されないままで第1の演出受付期間を終了させる(それ以降も、操作後演出は実行されない)。これに対し、図352(c)に示される第2の演出受付期間や図353(g)に示される第3の演出受付期間で自動演出機能が機能する場合は、第2の演出受付期間または第3の演出受付期間が発生してから上記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したタイミングで上述の自動演出機能が機能して、第2の演出受付期間または第3の演出受付期間を終了させるとともにそれに応じた操作後演出を発生させる。ただし、図352(c)に示される第2の演出受付期間や図353(g)に示される第3の演出受付期間内で自動演出機能が機能しない場合は、該第2の演出受付期間または第3の演出受付期間が発生してから第2の所定時間が経過したタイミングで上述の自動演出機能が機能せず、その後、操作後演出が実行されないままで第2の演出受付期間または第3の演出受付期間を終了させる(それ以降も、操作後演出は実行されない)。
このような構成によれば、自動演出機能の機能する割合の低い側の第1の演出受付期間では、比較的早い段階で自動演出機能が機能しうるようになっており、該自動演出機能が機能しなかったとしても当該第1の演出受付期間が終了されるまでの間に遊技者自らの操作で演出受付されるようにするだけの時間的余裕が持たされるようになることから、安心して遊技を行うことができるようになる。これに対し、自動演出機能の機能する割合の高い側の第2の演出受付期間または第3の演出受付期間では、比較的遅い段階でしか自動演出機能が機能しえず、該自動演出機能が機能しなかったときに遊技者自らが操作するための時間的な余裕があまり残されないようになることから、自動演出機能の機能する割合が高いとは言え、緊張感のある遊技を提供することができるようになる。
なお、上記変形例については、第1の演出受付期間では、第1の所定時間が経過したタイミング(第1の演出受付期間内のタイミング)で上述の自動演出機能が機能する場合と機能しない場合とがあるが、第2の演出受付期間及び第3の演出受付期間では、第2の所定時間が経過したタイミング(第2の演出受付期間内のタイミング)で上述の自動演出機能が必ず機能するようにしてもよい。このような構成であったとしても、比較的遅い段階でしか自動演出機能が機能しえず、自動演出機能が万が一に(何らかのトラブルで)機能しなかったとすると遊技者自らが操作するための時間的な余裕があまり残されないことを遊技者が妄想すると考えられることから、同様の作用効果が奏されることを期待できる。
また、図351〜図353を参照して上述した演出例のほか、他の演出例においても、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への制御は必ずしも遊技者による操作によってなされるものでなくてもよく、例えば、大当り判定の結果に基づいて制御されたり、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)として常に制御されるものであってもよい。また、自動ボタン演出状態への設定これ自体が行われず、常に、自動演出機能が所定の割合で機能しうる遊技機として設けられるように構成してもよい。
[自動ボタン演出状態にあるときの操作統一化制御]
上述の通り、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)においては、演出受付期間(上述の別例を適用する場合、第1の特定有効期間や第2の特定有効期間)内で遊技者による操作が行われずとも、該操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせる処理(自動演出機能)が実行可能とされうる。ただし、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)へと制御された後に、遊技者自らの操作次第で演出を進展させることのできる通常の演出モードに戻したい願望(自動ボタン演出状態を終了させたい願望)が生じることがある。このような願望は、遊技者に対して操作機会が付与される演出受付期間が発生したときに生じることが多いが、該演出受付期間が開始されてからこれが終了されるまでの限られた時間内で、自動ボタン演出状態を終了させるための操作と操作受付がなされるようにするための操作との両方をそれぞれ行うことは困難であり、その結果として操作機会が喪失されるようなことがあれば、遊技興趣が低下しかねない。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されているときに特定演出に関する演出受付期間が発生したときには、該演出受付期間内において操作機会の付与対象とされる操作手段(操作ボタン410や、刀装飾体5001など)に対する操作を1回行うだけで、自動ボタン演出状態を終了させる処理と演出受付に応じた操作後演出(演出に変化を生じさせうる処理)とがそれぞれ行われるようにしている(自動ボタン演出状態における操作統一化制御)。これにより、自動ボタン演出状態を終了させて遊技者自らの操作次第で演出を進展させたい願望が演出受付期間内で生じた場合であっても、操作機会の喪失を回避して演出モードの切り替えをスムーズに行うことが可能とされるようになる。
なお上述の通り、図柄変動が実行状態にあるときに自動ボタン演出状態への設定を行う場合は、操作ボタン410及び刀装飾体5001のうち操作ボタン410に対してのみその設定操作が許容される。
一方、これも上述したが、図柄変動が実行状態にあるときに自動ボタン演出状態を設定解除させる場合、演出受付期間が発生していない状態においては、操作ボタン410及び刀装飾体5001のうち操作ボタン410に対してのみ設定解除のための操作が許容される。これに対し、演出受付期間が発生している状態においては、該演出受付期間内において操作機会の付与対象とされる操作手段(操作ボタン410、または刀装飾体5001など)に対する操作が行われると、自動ボタン演出状態を終了させる処理と演出受付に応じた操作後演出(演出に変化を生じさせうる処理)とがそれぞれ行われることとなる(操作統一化制御)。したがって、刀装飾体5001に対する演出受付期間が発生している状態において操作ボタン410に対する操作を行ったとしても該操作は受け付けられず、自動ボタン演出状態を終了させる処理が実行されることはない。
ただし、遊技者のなかには、「自動ボタン演出状態を維持したままで(演出モードの切り替えを発生させず)好きなときだけ自ら操作を行って演出を進展させる」といった我侭な遊技手法で遊技を行うことを望む者もいることが想定されうる。そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれとも異なる特別操作手段(自動モード継続用ボタン)を扉枠3にてさらに備えるようにしており、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されているときに特定演出に関する演出受付期間内において操作ボタン410(または、刀装飾体5001)に対する操作が行われた場合、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)を終了させる処理と演出に変化を生じさせうる処理とがそれぞれ行われるが(自動ボタン演出状態における操作統一化制御)、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されているときに特定演出に関する演出受付期間内において上記特別操作手段に対する操作が行われた場合、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)を終了させる処理は行われず該操作に応じて演出に変化を生じさせうる処理が行われるようにしている。
このような構成によれば、自動ボタン演出状態を終了させてこれ以降は積極的に操作遊技を行いたい場合は、演出受付期間内において操作ボタン410(または、刀装飾体5001)に対する操作を行うこととし、自動ボタン演出状態を維持したままで(演出モードの切り替えを発生させず)稀に操作を行うだけにしたい場合は、演出受付期間内において特別操作手段に対する操作を行うようにする、といったように操作手段を使い分けるようにするだけで、遊技者所望の遊技を実現することができるようになる。
以下、このような自動ボタン演出状態にあるときの操作統一化制御について、図354〜図356を参照して説明する。
図354(a)は、自動ボタン演出状態において、保留数が1の状態にあり、装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が大当り判定の結果に応じた特定の演出パターンで演出表示装置1600にて行われている演出状況にあって、リーチ状態が形成されているもとで操作ボタン410の押圧操作を受け付ける演出受付期間が発生した様子を示している。図中に示されるように、自動ボタン演出状態に制御されている期間中、演出表示装置1600の表示領域内においては自動ボタン演出状態に制御されている旨を示す表示(ここでは、「オートボタン設定中」)が継続的に現れるようになっている。
また、図中に示されるように、この演出受付期間においても、操作ボタン410に対応するボタン画像BTGが表示領域内で表示されるとともに、操作ボタン410に対する操作を促す指示表示(ここでは、下方向への矢印表示と、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が現れるようになっている。なおこの際、操作機会の付与対象とされる操作ボタン410は発光状態になっており、これによっても該操作ボタン410に対する操作が促されている。ただし実際は、発光状態にある操作ボタン410のみならず、何らの変化も生じていない特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対する操作も許容される状態とされている。
図354(b)〜(d)は、図354(a)で発生した演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作は行われなかったものの、上述の自動演出機能が機能することで、演出受付期間内で操作が行われて演出受付がなされたときと同じ内容とされた操作後演出が実行されている様子を示している。なお、上述の自動演出機能が機能した時点で図354(a)で発生した演出受付期間は終了されることとなり、操作ボタン410に対する操作機会と、特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対する操作機会とはいずれも喪失されることとなる。
すなわち、この演出例にかかる操作後演出では、段階的な演出進展が現れるようになっており、期待度の異なる複数態様(図354(c),図354(d))のいずれの演出結果を最終的に出現させることが図柄変動の開始に際して決定(大当り判定の結果に基づいて決定)されていたとしても、まずは、図354(b)に示されるように特定の演出画像(ここでは、爆発による煙画像)を表示させる。そしてこの後、相対的に期待度の低い演出結果へと演出進展される場合は、図354(c)に示されるように、図354(b)に示される特定の演出画像(ここでは、爆発による煙画像)が徐々に消えていくなかで、相対的に期待度の低い演出結果であることを示唆する演出画像(ここでは、「吉」のおみくじ)を表示させることとなり、相対的に期待度の高い演出結果へと演出進展される場合は、図354(d)に示されるように、図354(b)に示される特定の演出画像(ここでは、爆発による煙画像)が徐々に消えていくなかで、相対的に期待度の高い演出結果であることを示唆する演出画像(ここでは、「中吉」のおみくじ)を表示させることとなる。
そして、このような図354(a)〜(d)に示した演出の流れが、自動ボタン演出状態において演出受付期間が発生したときの基本的な演出進展として現れることとなり、上述の自動演出機能によって操作後演出(図354(b)〜図354(d))が実行された以降も、遊技者による操作が行われない限りは自動ボタン演出状態は終了されることなく維持されることとなる。
ただし上述の通り、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)へと制御された後に、遊技者自らの操作次第で演出を進展させることのできる通常の演出モードに戻したい願望(自動ボタン演出状態を終了させたい願望)が生じることがある。このような願望は、遊技者に対して操作機会が付与される演出受付期間が発生したときに生じることが多いが、該演出受付期間が開始されてからこれが終了されるまでの限られた時間内で、自動ボタン演出状態を終了させるための操作と操作受付がなされるようにするための操作との両方をそれぞれ行うことは困難であり、その結果として操作機会が喪失されるようなことがあれば、遊技興趣が低下しかねない。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、図354(a)で発生した演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が行われた場合、該操作のあったことが検出(操作ボタン410が操作位置に位置した旨の検出)されたことに基づいて、自動ボタン演出状態を終了させる処理と、演出受付に応じた操作後演出とがそれぞれ行われるようにしている(自動ボタン演出状態における操作統一化制御)。
なお、操作ボタン410に対する操作が演出受付された時点で図354(a)で発生した演出受付期間は終了されることとなり、上述の自動演出機能が機能し得なくされるとともに、特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対する操作機会も喪失されることとなる。
図354(a)で発生した演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が行われた場合も、図355(e)に示されるように、演出受付期間内で操作が行われて演出受付がなされたことに応じた操作後演出として、まず、特定の演出画像(ここでは、爆発による煙画像)が表示されるようになる。そしてこの後、相対的に期待度の低い演出結果へと演出進展される場合は、図355(f)に示されるように、図355(e)に示される特定の演出画像(ここでは、爆発による煙画像)が徐々に消えていくなかで、相対的に期待度の低い演出結果であることを示唆する演出画像(ここでは、「吉」のおみくじ)を表示させることとなり、相対的に期待度の高い演出結果へと演出進展される場合は、図355(g)に示されるように、図355(e)に示される特定の演出画像(ここでは、爆発による煙画像)が徐々に消えていくなかで、相対的に期待度の高い演出結果であることを示唆する演出画像(ここでは、「中吉」のおみくじ)を表示させることとなる。
ただし、図354(a)で発生した演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が行われた場合は、該操作に基づいて自動ボタン演出状態を終了させる処理も併せて行われることとなる。したがって、図355(e)〜(g)に示されるように、操作ボタン410に対する操作が演出受付された以降は、演出表示装置1600の表示領域内において自動ボタン演出状態に制御されている旨を示す表示(ここでは、「オートボタン設定中」)は非表示とされることとなる。なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図354(a)で発生した演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が行われると、自動ボタン演出状態を終了させる処理が実行されたことを示唆する表示(ここでは、「オートボタン解除」)を出現させるものとなっている(図355(e)を参照)。
また上述の通り、図354(a)で発生した演出受付期間においては、発光状態にある操作ボタン410のみならず、何らの変化も生じていない特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対する操作も許容される状態とされている。そして、この特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410は、「自動ボタン演出状態を維持したままで(演出モードの切り替えを発生させず)好きなときだけ自ら操作を行って演出を進展させる」といった我侭な遊技手法を可能ならしめるために用意されるものであることは上述した。
したがって、図354(a)で発生した演出受付期間内で特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対する操作が行われた場合も、図356(h)に示されるように、演出受付期間内で操作が行われて演出受付がなされたことに応じた操作後演出として、まず、特定の演出画像(ここでは、爆発による煙画像)が表示されるようになる。そしてこの後、相対的に期待度の低い演出結果へと演出進展される場合は、図356(i)に示されるように、図356(h)に示される特定の演出画像(ここでは、爆発による煙画像)が徐々に消えていくなかで、相対的に期待度の低い演出結果であることを示唆する演出画像(ここでは、「吉」のおみくじ)を表示させることとなり、相対的に期待度の高い演出結果へと演出進展される場合は、図356(j)に示されるように、図356(h)に示される特定の演出画像(ここでは、爆発による煙画像)が徐々に消えていくなかで、相対的に期待度の高い演出結果であることを示唆する演出画像(ここでは、「中吉」のおみくじ)を表示させることとなる。なお、特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対する操作が演出受付された時点で図354(a)で発生した演出受付期間は終了されることとなり、上述の自動演出機能が機能し得なくされるとともに、操作ボタン410に対する操作機会も喪失されることとなる。
ただし、図354(a)で発生した演出受付期間内で特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対する操作が行われた場合は、該操作に基づいて自動ボタン演出状態を終了させる処理が併せて行われることはない。したがって、図356(h)〜(j)に示されるように、操作ボタン410に対する操作が演出受付された以降も、演出表示装置1600の表示領域内において自動ボタン演出状態に制御されている旨を示す表示(ここでは、「オートボタン設定中」)は継続して表示されることとなる。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、図354(a)で発生した演出受付期間内で特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対する操作が行われた場合、上述の自動演出機能が機能した場合(図354(b))や、操作ボタン410に対する操作が行われた場合(図355(e))などには出現し得ない特別演出が現われうるようにしている。このような特別演出としては、可動体やランプなどを用いた演出であってもよいが、図356(j)に示される演出例では、演出表示装置1600において、上述の自動演出機能が機能した場合(図354(b))や、操作ボタン410に対する操作が行われた場合(図355(e))などに現れる演出画像(操作後演出)に加えて、キラキラと光り輝くエフェクト表示が追加表示されるようにしている。キラキラと光り輝くエフェクト表示に代えて、可動体やランプなどを用いた演出が追加実施されるようにしてもよい。
このような構成によれば、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されているときにおみくじ演出に関する演出受付期間内において操作ボタン410に対する操作が行われた場合に生じさせる演出の変化内容と、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されているときにおみくじ演出に関する演出受付期間内において特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対する操作が行われた場合に生じさせる演出の変化内容とは互いに異なるようにされることとなる。そしてこの場合、上述の特別演出(ここでは、キラキラと光り輝くエフェクト表示)が現われたときには、「操作手段に対する操作が行われて演出受付に応じた操作後演出が現われたが、自動ボタン演出状態は設定解除されておらずこれが継続されている状態」にあることを操作後演出を楽しみながら認識することができるようになる。したがって、図356(i)に示されるように、相対的に期待度の低い演出結果であることを示唆する演出画像(ここでは、「吉」のおみくじ)を表示させる場合であっても、特別演出(ここでは、キラキラと光り輝くエフェクト表示)は出現されうるようになっている。
また、このような特別演出(ここでは、キラキラと光り輝くエフェクト表示)については、大当り判定の結果に基づいて所定の割合で上述の操作後演出に対して追加的に出現されるようにし、該特別演出が追加的に出現されたときには、該特別演出が出現しなかったときよりも当該図柄変動で大当り図柄が現れる割合が高くなるようにすることが望ましい。ただしこれでは、操作ボタン410ではなく、特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対して操作を行うようにすることが遊技者にとって有益になってしまい、操作ボタン410に対する操作が行われなくなることが懸念される。したがって、図354(a)で発生した演出受付期間内で特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対して操作を行ったときに特別演出(ここでは、キラキラと光り輝くエフェクト表示)が出現しなかった場合は、図354(a)で発生した演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作を行うことによって、若しくは上述の自動演出機能が機能することによっていかなる演出結果が現われた場合よりも当該図柄変動で大当り図柄が現れる割合が低くなるようにすることが望ましい。
このような構成によれば、「特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対する操作によって「操作手段に対する操作が行われて演出受付に応じた操作後演出が現われたが、自動ボタン演出状態は設定解除されておらずこれが継続されている状態」を生み出すためには、「図柄変動で大当り図柄が現れる割合が著しく低いことが示唆されうる」といった演出的なデメリットが生じうるリスクが持たされるようになることから、このような演出的選択を遊技者に対して行使させることにより遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
したがって、図356(i)に示される例では、図355(f)に示される例と同じ演出態様が現れているにもかかわらず、上述の演出的なデメリットが生じてしまったかたちとなっており、図354(c)や図355(f)に示される例よりも当該図柄変動で大当り図柄が現れる割合が低いことが認識可能とされる状況になっている。ただし、図356(i)に示される例では、期待度が低い状況にあることを認識可能とさせるようにしつつも、その演出態様については図354(c)や図355(f)に示される場合と互いに同じとするようにしたことで、特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410を操作していない第三者には演出的選択に失敗した演出状況にあることを把握し難くしており、これによって遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図354(a)で発生した演出受付期間内でいずれの演出的選択が行われた場合であっても、図354(b)や図355(e)、図356(h)などに示されるように特定の演出画像(ここでは、爆発による煙画像)を表示させることとしたが、該特定の演出画像については、操作後演出として相対的に期待度の高い演出態様(ここでは、「中吉」のおみくじ)が現れる割合、または特別演出が現れる割合が異なる複数態様のいずれかで表示されるようにしてもよい。
また、図354(a)で発生した演出受付期間内でいずれの演出的選択が行われた場合であっても、特定の演出画像を表示させることなくこれを割愛し、期待度の異なる演出態様(ここでは、「吉」または「中吉」のおみくじ)のいずれかを操作後演出として直接出現させるようにしてもよい。ただし、演出的選択に失敗した演出状況(図356(i))が現われたときに該演出状況にあることを第三者が把握し難くするようにする上では、期待度の異なる演出態様(ここでは、「吉」または「中吉」のおみくじ)のいずれかを操作後演出として出現させるに際して、特定の演出画像(ここでは、爆発による煙画像)をまずは表示させるようにすることが望ましい。
また、図354(a)で発生した演出受付期間内においても期待度が示唆される演出が行われうるようにし、これによって上述の演出的リスクを取るか否かの判断に供されるようにしてもよい。
また、特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410については、自動ボタン演出状態にあるときに該状態を継続させるための専用の操作手段として必ずしも用意されるものでなくてもよく、既に用意されている他の操作手段が担うようにしてもよい。
また、図354(a)で発生した演出受付期間は、複数の操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001など)のうち操作ボタン410に対する操作が演出受付可能とされる期間が発生するのか、それとも別の操作手段(例えば、刀装飾体5001)に対する操作が演出受付可能とされる期間が発生するのかについての上述した演出(特定の操作関連演出(図330〜図350を参照))が実行された結果として発生するものであってもよい。
また、操作ボタン410に対して操作機会が付与される演出受付期間には、特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対する操作機会も併せて付与される第1の演出受付期間(図354(a)を参照)と、特別操作手段(図中では「PUSH」と記載されたボタン)1410に対する操作機会は付与されない第2の演出受付期間とが含まれるようにしてもよい。そしてこの場合、第1の演出受付期間(図354(a)を参照)が発生したときには、第2の演出受付期間が発生したときよりも上述した特定の操作関連演出(図330〜図350を参照)が図柄変動が停止されるまでの間に出現する割合が高くなるようにすることが望ましい。このような構成によれば、第1の演出受付期間及び第2の演出受付期間のいずれが発生しているかによって、上述した特定の操作関連演出(図330〜図350を参照)が現れる割合が示唆される演出として機能するようになる。
[安定側自動演出処理]
上述の通り、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)においては、演出受付期間(上述の別例を適用する場合、第1の特定有効期間や第2の特定有効期間)内で遊技者による操作が行われずとも、該操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせる処理(自動演出機能)が実行可能とされうる。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、「複数の操作手段が演出受付可能とされており、いずれの操作手段を操作したかによって異なる演出が実行される」といった特別の演出受付期間を発生可能としている。したがって、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されている状態にあるときにこのような特別の演出受付期間が発生し、且つ該特別の演出受付期間内でいずれの操作手段に対しても操作がなかった場合に、複数の操作手段のいずれに対して自動演出機能を有効化させるか(複数の操作手段のいずれが演出受付されたときと同じ変化を演出に対して生じさせるのか)が問題となる。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、「複数の操作手段が演出受付可能とされており、いずれの操作手段を操作したかによって異なる演出が実行される」といった特別の演出受付期間が発生した場合は、「より期待度の高い演出結果が出現する可能性があるか否か」ではなく「より期待度の低い演出結果が出現する可能性があるか否か」を基準とし、「より期待度の低い演出結果が出現する可能性がある演出を発生させうる側の操作手段」とは異なる操作手段に対して自動演出機能を有効化させる処理(安定側自動演出処理)を実行可能としている。
このような構成によれば、特別の演出受付期間内において複数の操作手段のいずれかに対して演出受付がなされたときに発生しうる複数の演出態様のうち最も期待度の低い演出態様は、自動演出機能が機能したときには出現し得ないようになることから、「操作し忘れがあったときに自動演出機能によって最も期待度の低い演出態様が出現されてしまう」といったような事態の発生を好適に回避することができるようになる。
以下、このような自動ボタン演出状態にあるときの安定側自動演出処理について、図357〜図359を参照して説明する。
まず、自動ボタン演出状態に制御されておらず、通常の演出状態にあるときに特別の演出受付期間が発生したときの演出例について説明する。図357(a)では、通常の演出状態において、保留数が3の状態にあり、装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が大当り判定の結果に応じた特定の演出パターンで演出表示装置1600にて行われている演出状況にあって、リーチ状態が形成されているもとで、操作ボタン410の押圧操作と、刀装飾体5001の納刀操作とのいずれかを遊技者側に選択させうる特別の演出受付期間が開始されることを示唆する演出表示が現れている演出状況を示している。なお、この演出状況では、操作ボタン410に対する演出受付と、刀装飾体5001に対する演出受付とのいずれもが未だ有効化されていない状況にはあるものの、該状況にあるときから操作ボタン410と刀装飾体5001とのいずれを操作すべきかの判断を促すべく、操作ボタン410は発光状態にあり、且つ刀装飾体5001は抜刀位置へと移動した状態にされている。また、演出表示装置1600においては、ボタン画像BTGと刀装飾画像SYGとがそれぞれ表示されている。
図357(b)は、図357(a)に示した演出表示によって示唆された特別の演出受付期間(操作ボタン410の押圧操作と、刀装飾体5001の納刀操作とのいずれかを遊技者側に選択させうる演出受付期間)が発生した演出状況を示している。この演出状況では、図357(a)に示した演出状況にあるときから現われていた演出表示装置1600における演出表示の少なくとも一部(ここでは、ボタン画像BTG、刀装飾画像SYG)や、操作ボタン410及び刀装飾体5001の状態が継続されたままとされているなかで、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれかに対する操作を促す指示表示(ここでは、ボタン画像BTGや刀装飾画像SYGに対応してそれぞれ表示される下方向矢印や、特別の演出受付期間の残り時間を示すバー表示など)が現れるようになっている。
ここで、図357(b)に示される演出状況では、ボタン画像BTGに対応して「安定」といった文字画像が表示されるとともに、刀装飾画像SYGに対応して「波乱」といった文字画像が表示されている。ただしこれに代えて、ボタン画像BTGや刀装飾画像SYGを表示せず、2つの操作手段がいずれも演出受付可能とされているときの専用マークを表示するようにしてもよい。
すなわち、この演出例では、図357(b)に示した特別の演出受付期間内で操作ボタン410に対する演出受付がなされると、ボタン側操作後演出として、まず、該操作ボタン410に対する演出受付がなされたことが表示された後(図357(c))、撃破した数が少ないほど期待度が低く且つ撃破した数が大きいほど期待度が高いことが示唆される演出結果として「50体撃破」及び「100体撃破」のいずれかを大当り判定の結果に基づいて出現させる演出(図357(d),図357(e))が実行される。例えば、大当りに当選しているときのボタン側操作後演出では、「40%」の割合で図357(d)に示される演出態様が現れ、「60%」の割合で図357(e)に示される演出態様が現れるようにし、大当りに落選しているときのボタン側操作後演出では、「60%」の割合で図357(d)に示される演出態様が現れ、「40%」の割合で図357(e)に示される演出態様が現れるようにすることが可能である。
これに対し、特別の演出受付期間内で刀装飾体5001に対する演出受付がなされると、刀側操作後演出として、まず、該刀装飾体5001に対する演出受付がなされたことが表示された後(図358(f))、撃破した数が少ないほど期待度が低く且つ撃破した数が大きいほど期待度が高いことが示唆される演出結果として「1体撃破」、「100体撃破」、及び「777体撃破」のいずれかを大当り判定の結果に基づいて出現させる演出(図358(g)〜図358(i))が実行される。例えば、大当りに当選しているときの刀側操作後演出では、「10%」の割合で図358(g)に示される演出態様が現れ、「50%」の割合で図358(h)に示される演出態様が現れ、「40%」の割合で図358(i)に示される演出態様が現れるようにし、大当りに落選しているときの刀側操作後演出では、「40%」の割合で図358(g)に示される演出態様が現れ、「50%」の割合で図358(h)に示される演出態様が現れ、「0%」の割合で図358(i)に示される演出態様が現れるようにすることが可能である。
なお、図357〜図359に示される演出例では、ボタン側操作後演出と刀側操作後演出とのいずれが行われた結果として現われたものであるかにかかわらず、撃破数が少ない演出態様は、撃破数が多い演出態様よりも期待度が低くなっている。また、撃破数が同じ演出態様(例えば、図357(e)に示される演出態様や、図358(h)に示される演出態様、後述の図359(e)に示される演出態様)である場合、期待度は違っていてもよいが、同じとなるようにすることが望ましい。
このような構成では、操作ボタン410(第1の操作手段)及び刀装飾体5001(第2の操作手段)のいずれに対しても演出受付を許容する特別の演出受付期間を発生させ、該特別の演出受付期間内で操作された側の操作手段の種別に応じて異なる操作演出(ボタン側操作後演出,刀側操作後演出)を発生させうるようにしたことから、一の操作手段を操作するだけの単調な演出性が改善されるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
特に、操作ボタン410(第1の操作手段)及び刀装飾体5001(第2の操作手段)のいずれを操作しても同じ期待度が示されるようにするのではなく、刀装飾体5001(第2の操作手段)を操作したときに限り、当該図柄変動(実行状態にある図柄変動)で大当り図柄が現れ難いことを示唆する特定の演出態様(ここでは、図358(g)に示される「1体撃破」の演出態様)が出現されうるようにしたことから、このようなリスクを負ってまで刀装飾体5001(第2の操作手段)側の演出(刀側操作後演出)を見たいかについての葛藤や刺激を与えて遊技興趣を維持することが期待されるようになる。
そしてこの場合、ボタン側操作後演出は、特別の演出受付期間内において操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれかが操作されたときに現れる演出態様のうち「最も期待度の低い特定の演出態様(ここでは、図358(g)に示される「1体撃破」の演出態様)」の出現リスクが排除されているといった意味で、相対的に安定した操作後演出として機能することとなる。また、刀側操作後演出は、特別の演出受付期間内において操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれかが操作されたときに現れる演出態様のうち「最も期待度の低い特定の演出態様(ここでは、図358(g)に示される「1体撃破」の演出態様)」の出現リスクを有しているといった意味で、相対的に波乱を含んだ操作後演出として機能することとなる。
またさらに、この演出例では、図357(a)に示される演出状況が現われてから図357(b)に示される演出状況が現われるまでの間(ここでは、特別の演出受付期間内)に、図357(a−b)に示される演出態様を大当り判定の結果に基づいて出現させうるものとなっており、該演出態様が出現された場合は、該演出態様が出現されなかった場合よりも、刀装飾体5001に対する操作を行ったときに「最も期待度の低い特定の演出態様(ここでは、図358(g)に示される「1体撃破」の演出態様)」の出現する割合が低くなるかたちで演出進展を実行可能としている。この割合は0%であってもよい。
このような構成によれば、「最も期待度の低い特定の演出態様(ここでは、図358(g)に示される「1体撃破」の演出態様)」が出現しうるリスクを負ってまで、操作ボタン410ではなく刀装飾体5001に対する操作を行うべきかの判断材料として、図357(a−b)に示される演出態様が現れたか否かの演出結果を用いることができるようになることから、図357(b)に示した特別の演出受付期間が発生したときの遊技興趣を好適に向上させることが期待されるようになる。
なお、通常の演出状態において、図357(b)に示した特別の演出受付期間が発生したにもかかわらず該特別の演出受付期間内で何らの演出受付もなされなかったときには、上述の自動演出機能は機能せず、ボタン側操作後演出と刀側操作後演出とのいずれもが実行されることなく演出進展されることとなる。
これに対し、図359(a)〜(e)は、自動ボタン演出状態に制御されているときに、このような特別の演出受付期間が発生したときの演出例を示している。
図359(a)、図359(a−b)、及び図359(b)に示されるように、自動ボタン演出状態に制御されている場合であっても、自動ボタン演出状態に制御されている旨を示す表示(ここでは、「オートボタン設定中」)が演出表示装置1600において継続的に現れている点を除けば、特別の演出受付期間が開始されることを示唆する演出表示が現れてから特別の演出受付期間が終了されるまでの間は上述した通常の演出状態にある場合(図357(a)、図357(a−b)、及び図357(b))と同じ内容で演出進展される。
ただし上述の通り、図359(b)に示した特別の演出受付期間内で操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれも操作されなかったときには、「より期待度の低い演出結果(ここでは、図358(g)に示される「1体撃破」の演出態様)が出現する可能性がある演出を発生させうる側の刀装飾体5001」とは異なる操作ボタン410に対して自動演出機能を有効化させる処理(安定側自動演出処理)を実行可能としている。
すなわちこの場合、図359(b)に示した特別の演出受付期間内で操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれも操作されなかったにもかかわらず、操作ボタン410に対する自動演出機能が有効化されることで、該特別の演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が演出受付された場合と同じ変化を演出に対して生じさせることとなる。したがって、ボタン側操作後演出として、まず、操作ボタン410に対する演出受付がなされたことが表示された後(図359(c))、撃破した数が少ないほど期待度が低く且つ撃破した数が大きいほど期待度が高いことが示唆される演出結果として「50体撃破」及び「100体撃破」のいずれかを大当り判定の結果に基づいて出現させる演出(図359(d),図359(e))が実行されるようになる。
このような構成によれば、特別の演出受付期間内において操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれかに対して演出受付がなされたときに発生しうる複数の演出態様のうち最も期待度の低い演出態様(ここでは、図358(g)に示される「1体撃破」の演出態様)は、自動演出機能が機能したときには出現し得ないようになることから、「操作し忘れがあったときに自動演出機能によって最も期待度の低い演出態様が出現されてしまう」といったような事態の発生を好適に回避することができるようになる。
ここで、自動演出機能の便利さによって、遊技者が、自動ボタン演出状態を維持するべく操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれも操作しなくなることが懸念される。
ただし上述の通り、特別の演出受付期間内においては、図359(a−b)に示される演出態様が大当り判定の結果に基づいて出現しうるようになっており、該演出態様が現われたときには、「最も期待度の低い特定の演出態様(ここでは、図358(g)に示される「1体撃破」の演出態様)」の出現する割合が低くなっているなかで刀側操作後演出を楽しむことのできる機会が付与されるようになることから、刀装飾体5001に対して操作を行うことを好適に促すことが期待されるようになる。
なお、図357〜図359に示した演出例では、操作ボタン410に対する操作が演出受付される期間と刀装飾体5001に対する操作が演出受付される期間とが同時発生されて同時終了される特別の演出受付期間として制御することとしたが、それら期間については必ずしも同時発生させるようにしなくてもよい。例えば、操作ボタン410に対する操作が演出受付される期間と、刀装飾体5001に対する操作が演出受付される期間とがそれらの一部期間で重複されるようになっていれば、それら期間を別々のタイミングで発生させるようにしてもよい。
また、大当り判定の結果に基づいて複数の演出パターンのうち特定の演出パターンが選択されたときには、「複数の操作手段が演出受付可能とされており、いずれの操作手段を操作したかによって異なる演出が実行される」といった上記特別の演出受付期間を必ず発生させるようにしてもよい。すなわちこの場合、特定の演出パターンをもって図柄変動が開始されたときから比較的早い段階で「特別の演出受付期間内において複数の操作手段のいずれを操作すべきか、さらには特別の演出受付期間が発生するよりも前に自動ボタン演出状態への設定操作を行っておくべきか」などといった、特別の演出受付期間が発生することを前提とした演出的な戦略に思いを巡らせることができるようになる。例えば、「どれだけの予告演出がどのような演出態様(期待度)で行われたか」を特別の演出受付期間が発生するまでの間に確認することができるようになることから、これらの確認結果を「特別の演出受付期間内において複数の操作手段のいずれを操作すべきか」についての判断材料として用いることが可能とされるようになり、特別の演出受付期間が発生するまでの間における遊技興趣についてもこれを好適に維持することができるようになる。
ただし、特定の演出パターンが選択された場合であっても、特別の演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作があったときや、刀装飾体5001に対する操作があったとき、さらには自動演出機能が機能したときにいずれの演出態様を出現させるかについては、図柄変動の開始時や演出受付の発生時(または自動演出機能の機能時)に大当り判定の結果に基づく抽選(判定)によって決定するようにすることが望ましい。
また、特別の演出受付期間が未だ発生していない演出状況にあったとしても、「操作ボタン410の押圧操作と、刀装飾体5001の納刀操作とのいずれかを遊技者側に選択させうる特別の演出受付期間が開始されることを示唆する演出表示(図357(a),図359(a))」が行われている演出状況にあるときは、自動ボタン演出状態への設定が許容されないようにこれを禁止期間として制御するようにすることが望ましい。このような構成によれば、「操作ボタン410の押圧操作と、刀装飾体5001の納刀操作とのいずれかを遊技者側に選択させうる特別の演出受付期間が開始されることを示唆する演出表示」が開始されたのを確認してから自動ボタン演出状態への設定操作を行おうとしてもこれが受け付けられないようになることから、自動ボタン演出状態を維持しながら遊技を継続的に行っている者だけを対象にして「自動ボタン演出状態にあるときの安定側自動演出処理」を提供することができるようになり、自動ボタン演出状態を維持しながら遊技を継続的に行うことに対する演出的な価値を提供することができるようになる。
また、図357〜図359に示した演出例では、刀側操作後演出が行われたときに出現しうる「最も期待度の低い特定の演出態様(図358(g)」を、ボタン側操作後演出が行われたときに出現しうる演出態様のいずれとも異なるユニークな演出態様として実行することとしたが、該「最も期待度の低い特定の演出態様」については、ボタン側操作後演出が行われたときに出現しうる演出態様と同じ態様(例えば、(図357(d)に示される「50体撃破」)として実行されるようにしてもよい。すなわちこの場合、刀側操作後演出が行われた結果として「最も期待度の低い特定の演出態様」が現れたとしても、見た目的には、ボタン側操作後演出が行われたときに出現しうる演出態様と同じ態様が現れるようになることから、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれを操作したかを把握していない第三者には、期待度が著しく低くなっている演出状況にあることを認識し難くすることができるようになり、遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。すなわちこの場合、演出表示装置1600においては「演出受付に基づいて特定の演出態様が表示されている」といった一の演出状況が現われているだけであるにもかかわらず、該演出状況が、操作ボタン410に対する操作によって発生したものであるのか、それとも刀装飾体5001に対する操作によって発生したものであるのかによって当該図柄変動(実行状態にある図柄変動)で大当り図柄が現れる期待度が異なるようになることから、複数の操作手段を用いた演出としての面白みをより一層持たせることができるようになる。
ただし、刀側操作後演出における「最も期待度の低い特定の演出態様」を、ボタン側操作後演出が行われたときにも出現しうる演出態様と同じ態様として実行するようにした場合であっても、刀側操作後演出における「最も期待度の高い特別の演出態様」については、ボタン側操作後演出が行われたときに出現しうる演出態様のいずれとも異なるユニークな演出態様(例えば、(図358(i)に示される「777体撃破」)として実行するようにすることが望ましい。このような構成によれば、刀側操作後演出で「最も期待度の低い特定の演出態様」が現れたときには、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれを操作したかを把握していない第三者に対して期待度が著しく低くなっている演出状況にあることを認識し難くするのに対し、刀側操作後演出で「最も期待度の高い特別の演出態様」が現れたときには、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれを操作したかを把握していない第三者であっても期待度が著しく高くなっている演出状況にあることを容易に認識することができるようになる。したがって、遊技者としては、第三者の目を気にすることなく、上述のリスクを負って刀装飾体5001(第2の操作手段)側の演出(刀側操作後演出)を楽しむことができるようになる。なお、「最も期待度の高い特別の演出態様」については、第三者が認識可能であるものであればよく、例えば、可動体動作やランプ発光を実行することによって他の演出態様との間でのユニーク性を確保するようにしてもよい。
また、図357〜図359に示した演出例では、刀側操作後演出(図358(f)〜図358(i))が行われた結果として「777体撃破」の演出態様(図358(i))が現れうるようになっており、該「777体撃破」の演出態様(図358(i))が現れたときには、他のいかなる演出態様(図357(d),図357(e),図358(g),図358(h))が現われたときよりも当該図柄変動(実行状態にある図柄変動)で大当り図柄が現れる割合が高くなるようになっている。この割合は100%であってもよい。
ただし、該「777体撃破」の演出態様(図358(i))については必ずしも出現されるようにしなくてもよく、この場合は、図357(d)に示した演出態様に対して図358(g)に示した演出態様の期待度を低くする分だけ、図358(h)に示した演出態様の出現割合が、図357(e)に示した演出態様の出現割合よりも高くされることとなる。
また、図357〜図359に示した演出例では、ボタン側操作後演出(図357(c)〜図357(e))と刀側操作後演出(図358(f)〜図358(i))とのいずれが行われた場合であっても、共通の演出態様(ここでは、「100体撃破」の演出態様)が出現されうるようにしたが、共通の演出態様は出現されないようにしてもよい。また、ボタン側操作後演出では、表示変化のみが現れるのに対し、刀側操作後演出では、表示変化のほか、可動体動作やランプ発光なども実行可能とされうるようにしてもよい。また、ボタン側操作後演出と刀側操作後演出とで、撃破数に関する演出内容としての共通性も持たせず、該演出内容これ自体も互いに異なる演出として実行されるようにしてもよい。
また、図357〜図359に示した演出例では、自動演出機能が機能することによって演出受付されたときを含めて、演出受付の発生時には、まず、操作ボタン410及び刀装飾体5001のいずれに対する演出受付がなされたかが示唆される表示(図357(c),図358(f),図359(c))を出現させるここととしたが、該表示を出現させることなく、期待度が示唆される演出結果を出現させる演出を実行するようにしてもよい。
また、図357〜図359に示した演出例では、刀側操作後演出(図358(f)〜図358(i))が行われた結果として「777体撃破」の演出態様(図358(i))が現れたときには、他のいかなる演出態様(図357(d),図357(e),図358(g),図358(h))が現われたときよりも上述した特定の操作関連演出(図330〜図350を参照)が図柄変動が停止されるまでの間に出現する割合、さらには該特定の操作関連演出が現われたときには期待度のより高い側の操作手段(刀装飾体5001)に対して操作機会が付与される割合が高くなるようにすることが望ましい。このような構成によれば、図357〜図359に示した演出例にあって、演出リスクが高い側の刀装飾体5001に対して操作を行うことを好適に促すことができるようになる。
[表示種別に応じた演出受付処理]
上述の通り、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)においては、演出受付期間(上述の別例を適用する場合、第1の特定有効期間や第2の特定有効期間)内で遊技者による操作が行われずとも、該操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせる処理(自動演出機能)が実行可能とされうる。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、
・操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間内において第1の表示演出を表示可能であり、該第1の表示演出が表示されているなかで操作ボタン410に対する操作が行われると、該操作により演出受付されたことに基づいて第1の期待演出(期待度が示唆される操作後演出)を発生させる処理、及び
・操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間内において第2の表示演出を表示可能であり、該第2の表示演出が表示されているなかで操作ボタン410に対する操作が行われると、該操作により演出受付されたことに基づいて上記第1の期待演出とは異なる第2の期待演出(期待度が示唆される操作後演出)を発生させる処理
といった複数の異なる操作演出にかかる処理を実行可能としている。
このような構成では、演出受付期間内において表示されている表示演出(第1の表示演出,第2の表示演出)に応じて操作時に現れる期待演出(操作後演出)としての演出種別が異なるようになることから、操作したときの遊技興趣が高められることはもとより、演出受付期間が発生してから操作されるまでの遊技興趣についてもこれを好適に高めることができるようになる。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、少なくとも自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されているときに、操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間内において第1の表示演出が表示されている演出状況、または操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間内において第2の表示演出が表示されている演出状況が現れると、該演出受付期間内において操作ボタン410に対する操作が行われなかったとしても該操作ボタン410に対する操作が行われたときと同じ期待演出(ここでは、第1の期待演出または第2の期待演出)を発生させる処理を実行可能としている。
このような構成によれば、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されているときには、演出受付期間内において第1の表示演出が表示される演出状況が現れると、操作ボタン410が操作されたか否かにかかわらず第1の表示演出が実行されるようになり、演出受付期間内において第2の表示演出が表示される演出状況が現れると、操作ボタン410が操作されたか否かにかかわらず第2の表示演出が実行されるようになる。したがって、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)においては、演出受付期間内において第1の表示演出と第2の表示演出とのいずれが表示された場合であっても、操作し忘れを心配することなく演出を楽しむことができるようになる。
またさらに、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、上記第1の表示演出については、操作後演出を発生させるための演出受付期間が発生するときにしか表示可能とされないようにするが、上記第2の表示演出については、操作後演出を発生させるための演出受付期間が発生しないときにも表示可能とするようにしている。そして、
・自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されており且つ操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間が発生しており且つ第1の表示演出が表示されている演出状況において操作ボタン410に対する操作が行われた場合、第1の期待演出(操作後演出)を発生させる処理と、自動ボタン演出状態を終了させる処理とがそれぞれ行われ(後述の図360に示される演出進展を参照)、
・自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されており且つ操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間が発生しており且つ第2の表示演出が表示されている演出状況において操作ボタン410に対する操作が行われた場合、第2の期待演出(操作後演出)を発生させる処理は行われるが、自動ボタン演出状態を終了させる処理は行われず(後述の図361に示される演出進展を参照)、
・自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されており且つ操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間が発生しておらず且つ第2の表示演出が表示されている演出状況において操作ボタン410に対する操作が行われた場合、第1の期待演出(操作後演出)を発生させる処理及び第2の期待演出(操作後演出)を発生させる処理のいずれも行われず、自動ボタン演出状態を終了させる処理も行われないようにされ(後述の図362に示される演出進展を参照)、
・自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されており且つ操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間が発生しておらず且つ第1の表示演出及び第2の表示演出のいずれも表示されていない演出状況において操作ボタン410に対する操作が行われた場合、第1の期待演出(操作後演出)を発生させる処理及び第2の期待演出(操作後演出)を発生させる処理のいずれも行われず、自動ボタン演出状態を終了させる処理が行われうる
といった各処理が、それぞれの演出状況に応じて実行されるようにしている(表示種別に応じた演出受付処理)。
このような構成によれば、第1の表示演出が出現しており且つ第2の表示演出が出現していないときに操作ボタン410に対する操作が行われた場合と、第1の表示演出が出現しておらず且つ第2の表示演出が出現しているときに操作ボタン410に対する操作が行われた場合とで、操作(演出受付)に応じた期待演出(操作後演出)としての種別(第1の期待演出,第2の期待演出)が異なるようにされることはもとより、第2の表示演出が出現しているときに限り操作したとしても期待演出(操作後演出)これ自体が出現されない可能性があったり、自動ボタン演出状態を終了させる処理が行われないようにされることとなる。したがって、操作ボタン410を用いた演出としての多様性が確保されるようになり、操作ボタン410を用いた演出が行われるときの遊技興趣を好適に向上させることができるようになる。
以下、このような自動ボタン演出状態にあるときの表示種別に応じた演出受付処理について、図360〜図364を参照して説明する。
図360は、自動ボタン演出状態に制御されているなかで、図柄変動の実行期間のうちタイミングtb11〜tb13の期間(図360(a)を参照)を、「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」として設定可能な第一演出パターンが実行されるときの演出例を示している。
この第一演出パターンでは、「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」を発生させるタイミングtb11が到来すると、図360(b)に示されるように、演出表示装置1600においては、操作ボタン410に対応するボタン画像BTGが表示されるとともに、操作ボタン410に対する操作を促す指示表示(ここでは、下方向への矢印表示と、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が現れる(第1の表示演出)。
そして、上記タイミングtb13よりも前のタイミングtb12において、操作ボタン410に対する操作が演出受付されたとすると、図360(c)に示されるように、該演出受付に基づいて当該図柄変動(実行状態にある図柄変動)で大当り図柄が現れる期待度を示唆する第1の操作後演出(図中では、「中吉」のおみくじ)が実行される(第1の期待演出)。またこの際、該演出受付に基づいて自動ボタン演出状態が設定解除されて通常の演出状態に戻されるとともに、タイミングtb11から発生していた演出受付期間も残り時間を消化することなく演出受付があった時点で終了されることとなる。したがって、演出受付のあったタイミングtb12においては、演出表示装置1600の表示領域内においてそれまで現れていた「自動ボタン演出状態に制御されている旨を示す表示(ここでは、「オートボタン設定中」)」も非表示にされることとなる。
ただしこの場合、タイミングtb11〜tb13の期間内のいずれで演出受付がなされたとしても、タイミングtb13においては、図360(d)に示されるように、演出受付によって発生した第1の操作後演出(第1の期待演出)が未だ終了されず、実行途中の状態にあるようにすることが、演出受付のあったタイミングにかかわらず、タイミングtb11〜tb13の期間にわたって遊技興趣を好適に維持するようにする上で望ましい。
図361は、自動ボタン演出状態に制御されているなかで、図柄変動の実行期間のうちタイミングtb21〜tb23の期間(図361(a)を参照)を、「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」として設定可能な第二演出パターンが実行されるときの演出例を示している。
この第二演出パターンでは、「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」を発生させるタイミングtb21が到来すると、図361(b)に示されるように、演出表示装置1600においては、「プレゼント箱を持ったお化けOBK」を登場させる(第2の表示演出)。
ここで、「プレゼント箱を持ったお化けOBK」が表示された場合は、ボタン画像BTGが表示された場合とは異なり、操作ボタン410を操作したときに期待度が示唆される演出を必ずしも発生させるとは限らないようにされていることから、操作ボタン410に対する操作を促す指示表示(下方向への矢印表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が現れることはない。
この点、図361に示される演出例では、タイミングtb21〜tb23の期間内でプレゼント箱を持ったお化けOBKを表示可能としており、該お化けOBKが表示される期間のうち上記タイミングtb23よりも前のタイミングtb22で操作ボタン410に対する操作が行われるとこれが演出受付されて、図361(c)に示されるように、該演出受付に基づいて当該図柄変動(実行状態にある図柄変動)で大当り図柄が現れる期待度を示唆する第2の操作後演出(図中では、「激熱」の文字表示)が実行されるようにしている(第2の期待演出)。
ただしこの際、タイミングtb21から発生していた演出受付期間は、残り時間を消化することなく該演出受付があった時点で終了されるのに対し、自動ボタン演出状態は、設定解除されることなくこれが維持されるようにしている。したがって、タイミングtb22においては、演出表示装置1600の表示領域内において現れていた「自動ボタン演出状態に制御されている旨を示す表示(ここでは、「オートボタン設定中」)」もその表示を継続することとなる。
なお、タイミングtb21〜tb23の期間内のいずれで演出受付がなされたとしても、タイミングtb23においては、図361(d)に示されるように、演出受付によって発生した第2の操作後演出(第2の期待演出)が未だ終了されず、実行途中の状態にあるようにすることが、演出受付のあったタイミングにかかわらず、タイミングtb21〜tb23の期間にわたって遊技興趣を好適に維持するようにする上で望ましい。
図362は、自動ボタン演出状態に制御されているなかで、図柄変動の実行期間のうちタイミングtb31〜tb33の期間(図362(a)を参照)で、第2の操作後演出を発生させるための演出受付期間が発生していないにもかかわらず「プレゼント箱を持ったお化けOBK」を表示させる第三演出パターンが実行されるときの演出例を示している。
この第三演出パターンでは、タイミングtb31が到来すると、図362(b)に示されるように、演出表示装置1600においては、プレゼント箱を持ったお化けOBKを登場させる(第2の表示演出)。
ただし上述の通り、プレゼント箱を持ったお化けOBKが表示される演出状況では、ボタン画像BTGが表示される場合とは異なり、操作ボタン410を操作したとしても期待度が示唆される操作後演出を必ずしも発生させるとは限らないようにされていることから、操作ボタン410に対する操作を促す指示表示(下方向への矢印表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が現れることはない。
この点、図362に示される演出例では、タイミングtb31〜tb33の期間内でプレゼント箱を持ったお化けOBKを表示可能としているが、図362(a)に示されるように、該お化けOBKが表示される当該期間で「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」が発生することはないようになっている。したがって、図361(a),(c)に示されるように、プレゼント箱を持ったお化けOBKが表示されているなかで操作ボタン410に対する操作が行われたとしても、該操作に応じた操作後演出(第1の操作後演出、第2の操作後演出)が出現されることはなく、タイミングtb31〜tb33の期間にわたってプレゼント箱を持ったお化けOBKが表示されることとなる。
ただし上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、自動ボタン演出状態において、操作後演出に関する演出受付期間が発生していないときに操作ボタン410に対する操作が行われた場合、基本的には、該自動ボタン演出状態を終了(設定解除)させる処理を行うこととしているが、操作後演出に関する演出受付期間が発生していない場合であっても、図362に示されるような演出状況(プレゼント箱を持ったお化けOBKが表示されている演出状況)にあるときに操作ボタン410に対する操作が行われた場合は、操作後演出を発生させる処理と、自動ボタン演出状態を終了させる処理とのいずれもが行われないように演出進展させることとしている。
したがって、図361(b)と同じ態様である図362(b)に示される態様(プレゼント箱を持ったお化けOBK)が表示されているときに、図361(c)に示した第2の操作後演出(第2の期待演出)が発生することを期待して操作ボタン410を操作してしまった場合であっても、演出変化こそ発生しないものの、自動ボタン演出状態については設定解除することなくこれを継続させることができるようになる。なおこの際、自動ボタン演出状態を設定解除しない手法としては、
・操作後演出に関する演出受付期間が発生していない状態においても操作ボタン410に対する操作があったか否かの検出だけは有効化させておき、操作後演出に関する演出受付期間が発生していないときに該検出があった場合は、該検出のあったタイミングが「プレゼント箱を持ったお化けOBKが表示されているタイミングtb31〜tb33の期間内」であるか否かを判断し、該「プレゼント箱を持ったお化けOBKが表示されるタイミングtb31〜tb33の期間内」であったときには自動ボタン演出状態を設定解除する処理が行われないようにするとともに、「プレゼント箱を持ったお化けOBKが表示されるタイミングtb21〜tb23の期間内」でなかったときには自動ボタン演出状態を設定解除する処理が行われるようにする手法(タイミングtb31〜tb33の期間を、自動ボタン演出状態の設定解除にかかる禁止期間として設定する手法)
・プレゼント箱を持ったお化けOBKが表示されているタイミングtb21〜tb23の期間内では、操作ボタン410に対する操作があったか否かの検出これ自体を行わないようにする手法
等々、といった手法を採用することが可能であり、その実現手法についてはいずれであってもよい。
図363は、自動ボタン演出状態に制御されているなかで、図柄変動の実行期間のうちタイミングtb11〜tb13の期間(図363(a)を参照)を「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」として設定可能な上述の第一演出パターンが実行されたものの、該タイミングtb11〜tb13の期間内で操作ボタン410に対する操作が行われなかったときの演出例を示している。
上述の通り、この第一演出パターンでは、「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」を発生させるタイミングtb11が到来すると、図363(b)に示されるように、演出表示装置1600においては、操作ボタン410に対応するボタン画像BTGが表示されるとともに、操作ボタン410に対する操作を促す指示表示(ここでは、下方向への矢印表示と、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が現れる(第1の表示演出)。
この点、図363に示される演出例では、タイミングtb11〜tb13の期間内で操作ボタン410に対する操作が行われることはないが、タイミングtb13よりも前のタイミングtb12´が到来すると上述の自動演出機能が機能するようになっており、これによって操作ボタン410に対する操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせるようにしている。したがって、図363(c)に示されるように、タイミングtb12´においては、上述の自動演出機能が機能したことに基づいて当該図柄変動(実行状態にある図柄変動)で大当り図柄が現れる期待度を示唆する第1の操作後演出(図中では、「中吉」のおみくじ)が実行される(第1の期待演出)。ただしこの際、タイミングtb11から発生していた演出受付期間は、残り時間を消化することなく自動演出機能が機能した時点で終了されるが、自動ボタン演出状態は設定解除されず継続されることとなる。
したがって、タイミングtb12´においては、演出表示装置1600の表示領域内においてそれまで現れていた「自動ボタン演出状態に制御されている旨を示す表示(ここでは、「オートボタン設定中」)」も継続表示されることとなる。
また、タイミングtb12´において上述の自動演出機能が機能した場合も、タイミングtb13においては、図363(d)に示されるように、上述の自動演出機能によって発生した第1の操作後演出(第1の期待演出)が未だ終了されず、実行途中の状態にあるようにすることが、タイミングtb11〜tb13の期間にわたって遊技興趣を好適に維持するようにする上で望ましい。
図364は、自動ボタン演出状態に制御されているなかで、図柄変動の実行期間のうちタイミングtb21〜tb23の期間(図364(a)を参照)を「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」として設定可能な上述の第二演出パターンが実行されたものの、該タイミングtb21〜tb23の期間内で操作ボタン410に対する操作が行われなかったときの演出例を示している。
上述の通り、この第二演出パターンでは、「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」を発生させるタイミングtb21が到来すると、図364(b)に示されるように、演出表示装置1600においては、「プレゼント箱を持ったお化けOBK」を登場させる(第2の表示演出)。
ここで、これも上述したが、「プレゼント箱を持ったお化けOBK」が表示された場合は、ボタン画像BTGが表示された場合とは異なり、操作ボタン410を操作したときに期待度が示唆される演出を必ずしも発生させるとは限らないようにされていることから、操作ボタン410に対する操作を促す指示表示(下方向への矢印表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が現れることはない。
この点、図364に示される演出例では、タイミングtb21〜tb23の期間内で操作ボタン410に対する操作が行われることはないが、タイミングtb23よりも前のタイミングtb22´が到来すると上述の自動演出機能が機能するようになっており、これによって操作ボタン410に対する操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせるようにしている。したがって、図364(c)に示されるように、タイミングtb22´においては、上述の自動演出機能が機能したことに基づいて当該図柄変動(実行状態にある図柄変動)で大当り図柄が現れる期待度を示唆する第2の操作後演出(図中では、「激熱」の文字表示)が実行される(第2の期待演出)。ただしこの際も、タイミングtb21から発生していた演出受付期間は、残り時間を消化することなく自動演出機能が機能した時点で終了されるが、自動ボタン演出状態は設定解除されず継続されることとなる。したがって、タイミングtb22´においては、演出表示装置1600の表示領域内においてそれまで現れていた「自動ボタン演出状態に制御されている旨を示す表示(ここでは、「オートボタン設定中」)」も継続表示されることとなる。
また、タイミングtb22´において上述の自動演出機能が機能した場合も、タイミングtb23においては、図364(d)に示されるように、上述の自動演出機能によって発生した第2の操作後演出(第2の期待演出)が未だ終了されず、実行途中の状態にあるようにすることが、タイミングtb21〜tb23の期間にわたって遊技興趣を好適に維持するようにする上で望ましい。
ちなみに、図示は割愛するが、自動ボタン演出状態に制御されているなかで上述の第三演出パターン(図362を参照)が実行されたものの、該タイミングtb31〜tb33の期間内で操作ボタン410に対する操作が行われなかったときには、第2の操作後演出を発生させるための演出受付期間がそもそも発生していないことから、上述の自動演出機能は機能し得ず、自動ボタン演出状態も設定解除されず継続されることとなる(つまり、変化は何も起こらない)ことは言うまでもない。
図360〜図364に示した演出例では、図360に示される第1の表示演出と図361及び図362に示される第2の表示演出とで、互いに異なる内容で進展される演出を実行し、第1の表示演出及び第2の表示演出のいずれが表示されているときに操作ボタン410に対する操作が行われたかに応じて、該操作があったときの操作後演出としての種別(第1の期待演出,第2の期待演出)が異なるようにされることはもとより、第2の表示演出が出現しているときに限り操作したとしても期待演出(操作後演出)これ自体が出現されない可能性があったり、自動ボタン演出状態を終了させる処理が行われないようにされることとなる。したがって、操作ボタン410を用いた演出としての多様性が確保されるようになり、操作ボタン410を用いた演出が行われるときの遊技興趣を好適に向上させることができるようになる。
なお、第1の表示演出については、期待度の異なる複数の演出態様があり、それら演出態様のいずれかで実行されうるようにしてもよい。また、第2の表示演出についても、期待度の異なる複数の演出態様があり、それら演出態様のいずれかで実行されうるようにしてもよい。ただし、第1の表示演出と第2の表示演出とは互いに何ら関係性のない内容を持った表示内容として実行されるようにすることが重要である。図360〜図364に示した演出例では、第1の表示演出においては、ボタン画像BTGや操作ボタン410に対する操作を促す指示表示が表示されるのに対し、第2の表示演出においては、ボタン画像BTGや操作ボタン410に対する操作を促す指示表示のいずれも表示されず、第1の表示演出が行われているときには表示されない特定の背景画像(プレゼント箱を持ったお化け)が表示されるようになっている。
また、第1の期待演出については、期待度の異なる複数の演出態様があり、それら演出態様のいずれかで実行されうるようにしてもよい。また、第2の期待演出についても、期待度の異なる複数の演出態様があり、それら演出態様のいずれかで実行されうるようにしてもよい。ただし、第1の期待演出と第2の期待演出とは互いに何ら関係性のない内容を持った演出内容として実行されるようにすることが重要である。図360〜図364に示した演出例では、第1の期待演出においては、おみくじ画像が表示されるのに対し、第2の期待演出においては、おみくじ画像は表示されず、文字表示による期待度の示唆が行われるようになっている。第1の期待演出と第2の期待演出とのいずれかを可動演出やランプ表示による演出として実行するようにすることで、互いに何ら関係性のない内容とするようにしてもよい。
また、図360〜図364に示した演出例では、図柄変動の実行期間内で第2の表示演出を出現させる演出パターンとして、第2の表示演出が現われているときに「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」が発生することが予め(例えば、図柄変動の開始に際して行われる判定処理などで)定められている第二演出パターンと、第2の表示演出が現われているときに「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」が発生しないことが予め(例えば、図柄変動の開始に際して行われる判定処理などで)定められている第三演出パターンとを用意することとした。ただし、第2の表示演出が現われているときに「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」が発生することが予め定められている第二演出パターンを用意した上で、該「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」内で演出受付がなされたことに基づいて第2の期待演出を発生させるか否かについての判定(抽選)を行い、該判定にて特定の結果が得られたときに第2の期待演出を発生させ、該判定にて特定の結果が得られなかったときには第2の期待演出を発生させないようにすることで、図360〜図364に示した演出例を実現するようにしてもよい。また、このような別例にかかる第二演出パターンとは別に、第2の表示演出が現われているときに「操作ボタン410に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」が発生しないことが予め(例えば、図柄変動の開始に際して行われる判定処理などで)定められている上述の第三演出パターンをさらに用意することとしてもよい。
なお、第2の表示演出が行われているなかで操作ボタン410に対する演出受付(操作)がなされた結果として第2の期待演出が発生した場合、第1の表示演出が行われているなかで操作ボタン410に対する演出受付(操作)がなされた結果として第1の期待演出が発生したときよりも当該図柄変動(実行状態にある図柄変動)で大当り図柄が現れる割合が高くなるようにすることが望ましい。
また、第2の表示演出が行われた場合は、第1の表示演出が行われた場合よりも上述した特定の操作関連演出(図330〜図350を参照)が図柄変動が停止されるまでの間に出現する割合が高くなるようにすることが望ましい。このような構成によれば、第2の表示演出が行われているなかで操作ボタン410に対する演出受付(操作)がなされた結果として第2の期待演出が発生しなかったとしても、特定の操作関連演出(図330〜図350を参照)が行われることへの期待感を持つことができるようになり、遊技興趣を好適に抑制することができるようになる。
また、図360〜図364に示した演出例では、第1の表示演出(図360(b)を参照)が表示されているときと、第2の表示演出(図361(b),図362(b)を参照)が表示されているときとのいずれにおいても上述の自動演出機能が機能するようにした。ただし、操作があったとしても必ずしも第2の期待演出が発生するとは限らない第2の表示演出(図361(b),図362(b)を参照)が表示されているときに上述の自動演出機能が機能するようにしてしまうと、第2の表示演出(図361(b),図362(b)を参照)が表示されているときには上述の自動演出機能に任せて、操作が行われなくなってしまうことが懸念される。したがって、第1の表示演出(図360(b)を参照)が表示されているときには上述の自動演出機能が機能するが、第2の表示演出(図361(b),図362(b)を参照)が表示されているときには上述の自動演出機能が機能しないようにして、第2の表示演出が表示されているときには操作したとしても第2期待演出が発生するかわからないが、少なくとも操作しなければ第2期待演出が発生し得ないようにしてもよい。
また、図360〜図364に示した演出例において、お化けOBKを表示させる場合、該お化けOBKが表示されているなかで「操作手段に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」を発生させるようにしてもよい。また、図360〜図364に示した演出例において、お化けOBKを表示させる場合、「操作手段に対する演出受付(操作)を許容する演出受付期間」内で自動演出機能が機能したり、遊技者による操作が行われたとしてもお化けOBKを非表示にせず、タイミングtb23やタイミングtb33においてもお化けOBKが表示される演出が継続されるようにしてもよい。
[自動ボタン演出状態におけるオート連打機能]
上述の通り、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)においては、演出受付期間(上述の別例を適用する場合、第1の特定有効期間や第2の特定有効期間)内で遊技者による操作が行われずとも、該操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせる処理(自動演出機能)が実行可能とされうる。ただし、パチンコ機1では、所定の操作手段への複数回操作(操作ボタン410を連打させるなど)を促してそれら操作がある度に演出受付を発生させてこれに応じた複数回操作演出が行われることがある。したがって、自動ボタン演出状態においては、このような複数回操作演出が行われる特定演出受付期間が発生したときに上述の自動演出機能をどのように機能させるかが問題となる。
一方、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、複数回操作(連打など)の操作機会が付与される特定演出受付期間においては、所定の操作手段(例えば、操作ボタン410)を複数回操作せずとも、該所定の操作手段を比較的長い時間にわたって操作状態にて維持させる長態様での操作(いわゆる長押しなど)を行うだけで複数回操作が行われたときの演出態様が現れるようにする自動複数回操作機能(オート連打機能)を搭載しており、長操作の態様で所定の操作手段に対する操作が行われることによって自動複数回操作機能(オート連打機能)が機能したときには、操作状態が維持されるなかで所定時間が経過する度に演出受付がなされてこれらに応じた操作後演出を複数回にわたって発生させる処理を実行可能としている。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されているときに複数回操作(連打など)の操作機会が付与される特定演出受付期間が発生した場合は、該特定演出受付期間内において操作手段に対する操作が行われなかったとしても、該特定演出受付期間内において長操作の態様で操作手段に対する操作が行われて自動複数回操作機能(オート連打機能)が機能したときと同様、所定時間が経過する度に演出受付に応じた演出を発生させる処理を実行するようにしている(自動演出機能)。
このような構成によれば、複数回操作(連打など)の操作機会が付与される特定演出受付期間内においていわゆる長押しによる操作が行われるとオート連打機能が有効化されるパチンコ機1にあって、少なくとも自動ボタン演出状態に制御されているときには、特定演出受付期間内において長押しによる操作が行われずとも上記オート連打機能が有効化されたときと同じ演出態様が現れることとなる。したがって、自動ボタン演出状態において複数回の操作受付が求められる特定演出受付期間が発生したときに自動演出機能を機能させた場合であっても、該特定演出受付期間内における特定演出(操作受付)の発生頻度に対して遊技者が不満を覚えることはなく演出を楽しむことができるようになる。
図365(a)は、自動ボタン演出状態に制御されていないときに、図柄変動の実行期間のうちタイミングtc11〜tc13の期間を「操作ボタン410に対して複数回操作(連打など)の操作機会が付与される特定演出受付期間」として設定可能な特定演出パターンが実行され、該特定演出受付期間内において操作状態が比較的短い時間しか維持されない単発操作の態様で操作ボタン410に対する操作が複数回にわたって行われたときの演出例を示している。
同図365(a)に示されるように、この演出例では、特定演出受付期間(タイミングtc11〜tc13)内で上記単発操作の態様で操作ボタン410に対する操作が行われる度(操作ボタン410が原位置から操作状態へと位置したことが検出(ここでは、立ち上がり検出)される度)に該操作に応じた演出受付がなされて該演出受付に応じた特定演出(操作後演出)が実行される。そして、操作ボタン410に対して操作検出(演出受付)がなされた回数が特定回数に達したり、演出受付されたときの抽選で特定結果が得られたりするなどの特定の演出条件が満たされると、該特定の演出条件が満たされたことに応じて期待度が示唆される演出態様を出現させるとともに、特定演出受付期間をその残り時間を消化することなくその時点で終了させるようになっている。
ここで、図中では割愛しているが、特定演出受付期間(タイミングtc11〜tc13)内においては、演出受付に応じた特定演出(操作後演出)が開始されてから終了されるまでの特定時間内に新たな演出受付(操作検出)がなされることがある。このような場合は、演出受付された時点で実行途中の状態にある特定演出(操作後演出)を中断し、該演出受付に応じた特定演出(操作後演出)を新たに発生させるようにすることで、遊技者が操作したときの操作感(演出反応性)を好適に維持するようにすることが望ましい。なお、新たに発生された特定演出(操作後演出)は、該特定演出の実行中に新たな演出受付が再び発生しない限りは、開始されてから特定時間が経過したときに終了されることとなる。
図365(b)は、自動ボタン演出状態に制御されていないときに、図柄変動の実行期間のうちタイミングtc11〜tc13の期間を「操作ボタン410に対して複数回操作(連打など)の操作機会が付与される特定演出受付期間」として設定可能な特定演出パターンが実行され、該特定演出受付期間内において操作状態が比較的長い時間にわたって維持される長態様での操作(いわゆる長押し)で操作ボタン410に対する操作が行われたときの演出例を示している。
同図365(b)に示されるように、特定演出受付期間(タイミングtc11〜tc13)において、長押しの態様で操作ボタン410に対する操作状態が維持されているなかでは、操作ボタン410が操作状態になったときの操作検出(演出受付)に基づいて1回目の特定演出(操作後演出)が発生した以降、所定時間t1が経過する度に新たな特定演出(操作後演出)を発生させる処理(オート連打機能)が実行されるようになっている。
この処理(オート連打機能)としては、例えば、「所定時間t1が経過する度に操作ボタン410が操作状態にあることを条件として操作検出(演出受付)がなされるようにし、それら操作検出(演出受付)に基づいて新たな特定演出(操作後演出)を発生させる」といった処理として実行するようにすることが可能である。そして、操作ボタン410に対して操作検出(演出受付)がなされた回数が特定回数に達したり、演出受付されたときの抽選で特定結果が得られたりするなどの特定の演出条件が満たされると、該特定の演出条件が満たされたことに応じて期待度が示唆される演出態様を出現させるとともに、特定演出受付期間をその残り時間を消化することなくその時点で終了させるようになっている。
図366(a)は、自動ボタン演出状態に制御されているときに、図柄変動の実行期間のうちタイミングtc11〜tc13の期間を「操作ボタン410に対して複数回操作(連打など)の操作機会が付与される特定演出受付期間」として設定可能な特定演出パターンが実行され、該特定演出受付期間内において何らの操作も行われなかったときの演出例を示している。
まず、自動ボタン演出状態に制御されていないときに、特定演出受付期間(タイミングtc11〜tc13)において何らの操作も行われなかったとすると、特定演出が1度も実行されることなく、タイミングtc13に達した時点で当該特定演出受付期間が終了されることとなる。
これに対し、自動ボタン演出状態に制御されているときに、特定演出受付期間(タイミングtc11〜tc13)において何らの操作も行われなかったとすると、同図366(a)に示されるように、特定演出受付期間が発生してから所定時間が経過したタイミングtc12において上述の自動演出機能が機能する。すなわちこの場合、該自動演出機能は、タイミングt12において1回目の特定演出を発生させた以降は、上述のオート連打機能が機能した場合と同様、所定時間t1が経過する度に新たな特定演出(操作後演出)を発生させる処理を実行することとなる。
なお、この処理(自動演出機能)としては、例えば、「所定時間t1が経過する度に操作検出(演出受付)がなされるようにし、それら操作検出(演出受付)に基づいて新たな特定演出(操作後演出)を発生させる」といった処理として実行するようにすることが可能である。また、タイミングtc12において上述の自動演出機能が機能すると、オート連打機能を機能させることによりこれを用いて「所定時間t1が経過する度に操作検出(演出受付)がなされるようにし、それら操作検出(演出受付)に基づいて新たな特定演出(操作後演出)を発生させる」といった処理を行うようにしてもよい。そして、操作ボタン410に対して操作検出(演出受付)がなされた回数が特定回数に達したり、演出受付されたときの抽選で特定結果が得られたりするなどの特定の演出条件が満たされると、該特定の演出条件が満たされたことに応じて期待度が示唆される演出態様を出現させるとともに、特定演出受付期間をその残り時間を消化することなくその時点で終了させるようになっている。
図366(b)は、自動ボタン演出状態に制御されているときに、図柄変動の実行期間のうちタイミングtc11〜tc13の期間を「操作ボタン410に対して複数回操作(連打など)の操作機会が付与される特定演出受付期間」として設定可能な特定演出パターンが実行され、該特定演出受付期間のうち上述の自動演出機能が機能している状態で操作ボタン410に対する操作が長押しの態様で行われた場合における演出例を示している。
図366(b)に示される演出例においては、図366(a)に示した演出例と同様、タイミングtc12で上述の自動演出機能が機能することとなり、これによってタイミングtc12において1回目の特定演出を発生させた以降は、上述のオート連打機能が機能した場合と同様(または、オート連打機能を機能させることで)、所定時間t1が経過する度に新たな特定演出(操作後演出)を発生させる処理が実行されることとなる。
ただし、この演出例では、こうして自動演出機能による処理が実行されている状態にあるときのタイミングtc12aにおいて、操作ボタン410に対する操作が長押しの態様で行われた場合を想定している。したがって、タイミングtc12aにおいては、自動ボタン演出状態にあるときに操作ボタン410に対する操作が検出されたことで、自動ボタン演出状態が設定解除(終了)されることとなる。しかしながら、この演出例では、タイミングtc12aにおいて遊技者による操作が検出されたにもかかわらず、演出受付はなされないようにしている。そして、こうして演出受付に応じた特定演出(操作後演出)が当該タイミングtc12aにおいて発生しないようにした上で、自動ボタン演出状態が設定解除されるよりも前から実行されている処理(所定時間t1が経過する度に新たな特定演出(操作後演出)を発生させる処理)を終了させずにこれを継続させるようにしている。
このような構成によれば、自動ボタン演出状態において、特定演出受付期間内で上述の自動演出機能が機能している状態にあるときは、該状態にあるときのいずれのタイミングで長押しによる操作が開始されたとしても、該操作を契機として特定演出(操作後演出)の発生にかかるリズムやテンポに変化が生じて演出進展に遅延が発生するようなことがなくなり、既に実行状態にあった処理(所定時間t1が経過する度に新たな特定演出(操作後演出)を発生させる処理)が長押しによる操作態様が開始された以降にまで引き継がれるかたちで実行されるようになる。したがって、自動ボタン演出状態において、特定演出受付期間内で上述の自動演出機能が機能している状態にあったとしても、遊技者は、実行状態にある演出への悪影響を懸念することなく操作を行うことができるようになり、これによって遊技者による操作が好適に促されるようになる。すなわち、図366(b)に示される演出例では、タイミングtc12aにおいて遊技者による長押し操作が開始されている点で、図366(a)に示される演出例と異なった演出状況にあるものの、特定演出受付期間内で現れる特定演出の態様としては同じ態様が現れることとなる。
なお、このように既に実行状態にあった処理(所定時間t1が経過する度に新たな特定演出(操作後演出)を発生させる処理)が長押しによる操作態様が開始された以降にまで引き継がれるかたちで実行することが可能とされているのは、特定演出受付期間内で長押しによる操作が行われたときに機能するオート連打機能と、特定演出受付期間内で操作しなかったときに機能する自動演出機能とのいずれが機能した場合であっても、同じ処理(所定時間t1が経過する度に新たな特定演出(操作後演出)を発生させる処理)が実行されるようになっているからに他ならない。
ただし、タイミングtc12aにおいて遊技者による長押し操作が開始された以降は、所定時間t1が消化される度に操作ボタン410が操作状態にあるか否かの判断が行われ、該操作状態にある旨の判断がなされたことを条件に、自動ボタン演出状態にあったときから実行されている処理(所定時間t1が経過する度に新たな特定演出(操作後演出)を発生させる処理)を継続することとなる。したがって、前回実行された特定演出を基準とした所定時間t1が消化された時点で操作ボタン410が操作状態になっていない場合は、その時点で新たな特定演出(操作後演出)を発生させることなく、自動ボタン演出状態にあったときから実行されている処理(所定時間t1が経過する度に新たな特定演出(操作後演出)を発生させる処理)を終了させることとなる。
なお、図365(b)に示されるオート連打機能や、図366(a),(b)に示される自動演出機能を用いた演出例では、特定演出が終了したタイミングを基準として所定時間t1の経過後に新たな特定演出(操作後演出)を発生させる処理(オート連打機能,自動演出機能としての第1の態様)を実行することしたが、これに代えて、特定演出が開始したタイミングを基準として所定時間t2の経過後に新たな特定演出(操作後演出)を発生させる処理(オート連打機能,自動演出機能としての第2の態様)を実行するようにしてもよい。そしてこの場合、所定時間t2については、特定演出が開始してから終了されるまでに要する特定時間よりも長くするようにしてもよいが、好ましくは、特定演出が開始してから終了されるまでに要する特定時間よりも短くなるように設定する。このような構成によれば、特定演出が実行途中の状態にあるときにこれを中断するかたちで新たな特定演出が実行されるようになることから、長押しによる操作を行っているだけ、若しくは何らの操作も行っていないにもかかわらず単発操作を高速で繰り返し行っているかのような感覚を覚えさせることができるようになり、遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
なお、図366(b)に示される演出例において、自動演出機能が機能するタイミングtc12よりも前(タイミングtc11〜tc12の期間内)に操作ボタン410に対する操作が行われたときは、その時点で自動ボタン演出状態が設定解除(終了)されることとなる。またこの際、操作ボタン410に対する操作に応じて1回目の特定演出を発生させ、それ以降は、該操作が長押しの態様であれば、所定時間t1(または所定時間t2)が経過する度に新たな特定演出(操作後演出)を発生させる処理(オート連打機能)が実行されることとなり、該操作が単発押しの態様であれば、操作ボタン410が操作状態に位置したことが検出される度に新たな特定演出(操作後演出)を発生させることとなる。
また、図365及び図366に示した演出例では、特定演出が実行途中の状態にあるときに演出受付がなされたときには、該実行途中の状態にある特定演出を中断させるかたちで演出受付に応じた新たな特定演出を発生させることとしたが、実行途中の状態にある特定演出を終了させずにこれと並行させるかたちで演出受付に応じた新たな特定演出を発生させるようにしてもよい。
このように、図365及び図366に示した演出例では、単発操作によって発生した前回の特定演出が実行途中の状態にあるときに新たな単発操作が行われて演出受付された場合は、該演出受付に応じた新たな特定演出(操作後演出)を発生させるのに対し、自動演出機能(またはオート連打機能)が機能することによって発生した前回の特定演出が実行途中の状態にあるときに操作ボタン410が単発操作や長押し操作などによって原位置から操作状態になったことが検出されたとしても該検出があった時点では新たな特定演出(操作後演出)を発生させず既に実行状態にある処理(特定演出を所定時間が経過する度に発生させる処理)を継続させることとした。そしてこれ以降も、前回の特定演出を基準とした所定時間が経過したときに操作状態が維持されている場合(長押し操作の場合)は、既に実行状態にある処理(特定演出を所定時間が経過する度に発生させる処理)をさらに継続させるようにしたことから、自動ボタン演出状態にあるときから実行状態にある操作系演出を好適に継続させつつも自動ボタン演出状態を終了させて遊技者による操作によって操作系演出が行われる状態へと移行させることができるようになり、これによって遊技者参加意識を高めることが期待されるようになる。
[演出パターンの種別に応じた自動ボタン演出状態にかかる設定処理]
上述の通り、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)においては、演出受付期間(上述の別例を適用する場合、第1の特定有効期間や第2の特定有効期間)内で遊技者による操作が行われずとも、該操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせる処理(自動演出機能)が実行可能とされうる。また、これも上述したが、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、図柄変動の実行期間中であったとしても、所定の操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作によって自動ボタン演出状態にかかる設定や解除がなされうるようにしており、このような操作の簡易化によって、図柄変動中における演出進展への注視を維持したままで自動ボタン演出状態にかかる設定や解除を行いうるようにしている。
ただし、図柄変動の実行期間中に自動ボタン演出状態にかかる設定や解除がなされると、図柄変動の開始時には想定していなかった設定変更が生じることによって処理負荷が増大し、図柄変動の開始時に決定された演出進展に悪影響を及ぼすことが懸念される。この点、「大当り判定の結果に基づいて実行される演出パターン」の種別としては、少なくとも、「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定されうる第1演出パターン」と、「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定され得ない第2演出パターン」とが用意されることから、演出パターンの種別によっては、自動ボタン演出状態にかかる設定や解除が必ずしも速やかに実行されずとも何ら問題が生じない場合もありうる。したがって、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、第1演出パターンと第2演出パターンとのいずれが実行状態にあるかに応じて、図柄変動の実行期間中にあるときの自動ボタン演出状態にかかる設定や解除にかかる処理態様を異ならせるようにすることで、図柄変動の実行期間中における処理負荷の増大を抑制するようにしている。
図367は、自動ボタン演出状態に制御されており且つ保留数が3つの演出状況にあるときに、「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定されうる第1演出パターン」で図柄変動が開始され、該図柄変動の実行期間内で自動ボタン演出状態を解除するための操作(解除操作)や設定するための操作(設定操作)が行われたときの処理例を示すタイムチャートである。なお、第1演出パターンは、当り変動とハズレ変動とのいずれであってもよい。
同図367に示されるように、いま、自動ボタン演出状態に制御されており且つ保留数が3つの演出状況にあるときに「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定されうる第1演出パターン」で図柄変動が開始されたとする。すると、図柄変動の実行期間中ではあるものの、自動ボタン演出状態が解除されうる状態(解除操作が許容されている状態)にあるなかで当該第1演出パターンとしての演出進展がなされることとなる。
そして、この演出例では、図中に示されるタイミングtd11において、遊技者による解除操作が検出される場合を想定しており、該解除操作が検出されたことに基づいて自動ボタン演出状態が設定解除(終了)されるようになっている。なお上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、図柄変動中における自動ボタン演出状態の設定解除は、操作ボタン410が操作状態になったことが検出されたことに基づいて実行される。
また、この演出例では、こうして自動ボタン演出状態が設定解除された後、図中に示される特定演出受付期間内のタイミングtd12において、操作ボタン410に対する操作(操作ボタン410が操作状態になったこと)が検出される場合を想定している。特定演出受付期間内で操作ボタン410に対する操作が検出されると演出受付がなされ、該演出受付に応じた操作後演出が実行されるとともに、当該特定演出受付期間が残り時間を消化することなく終了されることとなる。なお上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、自動ボタン演出状態に設定されていないときの特定演出受付期間では、操作ボタン410に対する操作が行われると演出受付はなされるが、自動ボタン演出状態への設定操作として受け付られることはない。これに対し、自動ボタン演出状態に設定されているときの特定演出受付期間では、操作ボタン410に対する操作が行われると演出受付がなされて操作後演出が実行されるとともに、自動ボタン演出状態の解除操作としての受け付けもなされて自動ボタン演出状態が設定解除(終了)される。
またさらに、この演出例では、こうして特定演出受付期間が終了された後、図中に示されるタイミングtd13において、遊技者による設定操作が検出される場合を想定しており、図柄変動中ではあるものの、該設定操作が検出されたことに基づいて自動ボタン演出状態へと設定されるようになっている。なお上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、図柄変動中における自動ボタン演出状態への設定は、操作ボタン410が操作状態にて所定時間(例えば2秒)にわたって維持されたことが検出されたときに実行されるようになっている。ただしこれに代えて、図柄変動中における自動ボタン演出状態への設定についても、操作ボタン410が操作状態になったことが検出されたことに基づいて実行されるようにしてもよい。
そして、この演出例では、自動ボタン演出状態への設定がなされた後に図柄変動が停止されると、該図柄変動が停止されてから所定時間(例えば、0.5秒)後に、保留状態にあった次の図柄変動が消化(変動開始)されるようになっている。そして、次の図柄変動が実行されている期間では、遊技者による解除操作が行われない限り、自動ボタン演出状態にて設定されている状態のままで演出進展がなされることとなる。
このように、図367に示される演出例では、自動ボタン演出状態に制御されておらず且つ第1演出パターンが実行されている状態において、該第1演出パターンが実行される期間のうち特定演出受付期間が設定されていないときに操作ボタン410に対する操作が行われた場合、該第1演出パターンが実行状態にあるなかで自動ボタン演出状態への制御を実行しうるようにしている。このような構成によれば、自動ボタン演出状態に制御されている状態で「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定されうる第1演出パターン」で図柄変動が開始されてしまったとしても、特定演出受付期間が発生するよりも前に解除操作を行うことで、自動ボタン演出状態を解除した状態で特定演出受付期間が発生されるようにすることが可能であり、遊技者自ら操作したい願望が生じたときの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。図367に示した演出例では、特定演出受付期間が開始されるよりも前に解除操作が受け付けられる場合を想定しているが、特定演出受付期間が終了された後に解除操作が行われて第1演出パターンの期間内で自動ボタン演出状態を終了させるようにすることも可能である。
また、上記構成によれば、「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定されうる第1演出パターン」で図柄変動が実行されている期間中においては、自動ボタン演出状態への設定操作も許容されるようになっている。図367に示した演出例では、特定演出受付期間が終了した後に設定操作が受け付けられる場合を想定しているが、特定演出受付期間が開始されるよりも前の期間内において遊技者による設定操作が行われた場合であっても、該設定操作は受け付けられる。したがって、自動ボタン演出状態に制御されていない状態で「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定されうる第1演出パターン」で図柄変動が開始されたときには、特定演出受付期間が発生するよりも前の期間で自動ボタン演出状態への設定操作が検出されるように操作ボタン410に対する操作を行うことで、自動ボタン演出状態に設定した状態で特定演出受付期間が発生されるようにすることも可能であり、自動演出機能によって操作後演出を楽しみたくなったときの遊技興趣についてもこれを好適に維持することができるようになる。
なお、このような作用効果を得るようにする上では、図柄変動の開始に際して第1演出パターンが選択されたときには、該第1演出パターン内の演出内容にかかる判定(抽選)に関していかなる演出判定結果が得られた場合であっても、特定演出受付期間についてはこれを必ず発生させるようにすることが望ましい。また、図柄変動の期間内においては特定演出表示が出現されうるようにし、該特定演出表示が出現したときには、実行状態にある図柄変動が終了されるまでの間に特定演出受付期間が必ず発生するように演出進展させるようにすることが望ましい。これらの構成によれば、図柄変動の実行期間内で現れる演出内容を確認することで、特定演出受付期間が発生することを認識しうるようになり、該特定演出受付期間が発生するまでの間に自動ボタン演出状態を解除または設定するかについての選択を行うことができるようになる。
またこの際、上記特定演出表示については、特定演出受付期間内で演出受付されたときに操作後演出が期待度の高い態様で行われる可能性が高いか否かについての示唆を行いうるように、複数態様のいずれかによって行われるようにすれば、自動ボタン演出状態を解除または設定するかについての選択にかかる判断に供されるようにすることが期待されるようになる。
またさらに、上記特定演出表示については、少なくとも第1の特定演出表示と第2の特定演出表示とがあるようにし、第1の特定演出表示が現れたときには、該第1の特定演出表示が現れてから特定演出受付期間が発生するまでの間に遊技者による操作によって自動ボタン演出状態への設定(または解除)を行うことが許容されうるが、第2の特定演出表示が現れたときには、該第2の特定演出表示が現れてから特定演出受付期間が発生するまでの間に遊技者による操作によって自動ボタン演出状態への設定(または解除)を行うことが許容されないようにすれば、特定演出表示が現れてから特定演出受付期間が発生するまでの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
図368は、自動ボタン演出状態に制御されており且つ保留数が3つの演出状況にあるときに、「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定され得ない第2演出パターン(ハズレ変動)」で図柄変動が開始され、該図柄変動の実行期間内で自動ボタン演出状態を解除するための操作(解除操作)や設定するための操作(設定操作)が行われたときの処理例を示すタイムチャートである。
同図368に示されるように、いま、自動ボタン演出状態に制御されており且つ保留数が3つの演出状況にあるときに「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定され得ない第2演出パターン」で図柄変動が開始されたとする。すると、この演出例においても、図367に示した場合と同様、図柄変動の実行期間中ではあるものの、自動ボタン演出状態が解除されうる状態(解除操作が許容されている状態)にあるなかで当該第2演出パターンとしての演出進展がなされることとなる。
そして、この演出例では、図中に示されるタイミングtd21において、遊技者による解除操作が検出される場合を想定しており、該解除操作が検出されたことに基づいて自動ボタン演出状態が設定解除(終了)されるようになっている。なお上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、図柄変動中における自動ボタン演出状態の設定解除は、操作ボタン410が操作状態になったことが検出されたことに基づいて実行される。
すなわち、特定演出受付期間が設定されない第2演出パターンが実行状態にあるときに自動ボタン演出状態を終了させるメリットは少ないように思われるが、例えば、先読み演出などで大当り期待度の高い演出態様が現れると、通常は、この保留状態にある図柄変動が消化されたときには「特定演出受付期間が設定される第1演出パターン」が現れる可能性が高くなる。そしてこの際、遊技者自らの操作次第で演出を進展させることのできる通常の演出モードに戻したい願望(特定の演出状態を終了させたい願望)が生じることがある。
この点、上記構成によれば、特定演出受付期間が設定される第1演出パターンが実行されている期間中はもとより、特定演出受付期間が設定されない第2演出パターンが実行されている期間中においても、遊技者による操作によって自動ボタン演出状態を終了可能とするようにしている。したがって、「特定演出受付期間が設定される第1演出パターン」が未だ保留状態にあるときに自動ボタン演出状態を事前終了させることが可能とされるようになり、これによって「第1演出パターン内の特定演出受付期間が設定される直前などに自動ボタン演出状態が終了されて操作手段(操作ボタン410)に対する操作をせわしなく行わなければならない事態」などが発生することが回避されうるようになる。
またさらに、図368に示される演出例では、こうして自動ボタン演出状態が設定解除された後、図中に示されるタイミングtd23において、遊技者による設定操作が行われる場合を想定している。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、自動ボタン演出状態に制御されておらず且つ特定演出受付期間が設定されない第2演出パターンが実行されている期間内にあるときに遊技者による操作が行われたとしても(操作ボタン410が原位置から操作状態になって該操作状態が所定時間(ここでは2秒間)にわたって維持されたとしても)、少なくとも当該第2演出パターンが実行されている期間内では遊技者による設定操作が受け付けられること(自動ボタン演出状態への設定が行われること)がないようにされている。なおこれに代えて、図柄変動中における自動ボタン演出状態への設定について、操作ボタン410が操作状態になったことが検出されたことに基づいて実行されるようにした場合であっても、当該第2演出パターンが実行されている期間内では遊技者による設定操作が受け付けられることはないようにされる。
すなわち、「通常の演出状態から自動ボタン演出状態への設定」が特定演出受付期間が発生する直前に行われるようなことがあったとしても、該特定演出受付期間内では何ら操作を行う必要がないし、また仮に操作してしまったとしても演出受付はなされて操作後演出は実行されることとなる。このような事実に鑑みれば、特定演出受付期間が設定されない第2演出パターンが実行されている期間中では、設定操作が行われたとしても、自動ボタン演出状態への設定を速やかに行う必要はなく、次の図柄変動が消化された以降に発生しうる特定演出受付期間が開始されるまでの間に自動ボタン演出状態への設定がなされるようにすれば問題は生じないと考えられる。
この点、図368に示される演出例においては、特定演出受付期間が設定されない第2演出パターン(ハズレ変動)が実行されている期間中では、該期間内で遊技者による設定操作が行われたとしても、該期間が終了するまでの間(図柄変動が実行されている間)は自動ボタン演出状態への設定がなされず、第2演出パターンに応じた図柄変動が終了されて図柄停止(ハズレ図柄停止)の状態にあるときに(図中では、タイミングtd24)、該設定操作に基づいて自動ボタン演出状態への設定がなされるようにしている。このように、第2演出パターンの図柄変動が実行されている期間内では、遊技者による操作が行われたとしても自動ボタン演出状態への設定を許容せず、該設定されるタイミングを、図柄停止された以降に持ち越すようにしたことから、図柄の変動開始時には決定されていなかった演出状態にかかる設定変更が図柄変動の実行途中で(遊技者による操作によって)生じることによって処理負荷が増大するようなことが好適に抑制されうるようになる。
そして、図368に示される演出例では、図柄変動が停止されてから所定時間(例えば、0.5秒)が経過したときに、自動ボタン演出状態への設定がなされた状態で、保留状態にあった次の図柄変動が消化(変動開始)されるようになっている。そして、次の図柄変動が実行されている期間では、遊技者による解除操作が行われない限り、自動ボタン演出状態にて設定されている状態のままで演出進展がなされることとなる。
このように、図368に示される演出例では、自動ボタン演出状態に制御されておらず且つ第2演出パターンが実行されている状態においては、該第2演出パターンが実行状態にある期間のうちいずれのタイミングで操作ボタン410に対する操作が行われた場合であっても、該第2演出パターンが実行状態にあるなかで自動ボタン演出状態への制御は実行されず、該第2演出パターンが終了された以降に自動ボタン演出状態への制御を実行しうるようにしている。これにより、図柄の変動開始時には決定されていなかった演出状態にかかる設定変更が図柄変動の実行途中で(遊技者による操作によって)生じることによって処理負荷が増大するようなことが好適に抑制されうるようになる。
なお、図368に示した演出例では、特定演出受付期間が設定されない第2演出パターンの図柄変動が停止された後、保留状態にあった次の図柄変動が開始される場合を想定しているが、該第2演出パターンの図柄変動が停止(ハズレ図柄停止)された時点で、次の図柄変動が保留状態になかったとしても、図柄停止(ハズレ図柄停止)の状態にあるときに自動ボタン演出状態への設定がなされることとなる。
また、図368に示した演出例では、特定演出受付期間が設定されない第2演出パターン(ハズレ変動)が実行されている期間内で遊技者による設定操作が行われた場合、該第2演出パターンの図柄変動が停止された状態にあるときに自動ボタン演出状態への設定がなされるようにしたが、必ずしもこれに限られず、要は、第2演出パターンが実行されている期間内における自動ボタン演出状態への設定を許容せず、該設定されるタイミングを、図柄停止された以降に持ち越すようにしたものであればよい。例えば、図柄停止(ハズレ図柄停止)の状態にあるとき、または次の図柄変動が実行されている期間内で自動ボタン演出状態への設定がなされるようにすることが望ましい。すなわち、次の図柄変動が開始される時点で「図柄変動内で、演出状態にかかる設定変更を行うことが決定されている」といった演出状況にあるのであれば、該決定されたスケジュール通りに演出進展させるだけでよいことから、図柄変動の実行途中で意図しない状態変更によって処理負荷が増大してしまうようなことは好適に回避されるようになる。
なおこの場合、次の図柄変動が第2演出パターン(前回と同じ演出パターン)として実行される場合であっても、図柄停止(ハズレ図柄停止)の状態にあるとき、または次の図柄変動が実行されている期間内で自動ボタン演出状態への設定がなされるようにすることが望ましい。このような構成によれば、第2演出パターンで図柄変動が実行されている期間内で遊技者による設定操作が行われるときには、次の図柄変動がいずれの演出パターンで実行されるかについての判断を行うことなく、図柄停止された以降に自動ボタン演出状態への設定が行われるタイミングを持ち越すことができるようになる。
また、自動ボタン演出状態への設定を行うべく第2演出パターンが実行されている期間内で操作ボタン410が操作状態にされた場合、第2演出パターンが終了されてから少なくとも所定時間が経過した以降にしか自動ボタン演出状態への設定がなされないようにしてもよい。すなわちこの場合、次の図柄変動が保留状態にあるなかで第2演出パターンが終了されると、次の図柄変動の実行期間内で自動ボタン演出状態への設定がなされるが、次の図柄変動が保留状態にないなかで第2演出パターンが終了されると、図柄停止(ハズレ図柄停止)の状態にあるときに自動ボタン演出状態への設定がなされうることとなる。
また、「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定され得ない第2演出パターン(ハズレ変動)」とは別に、「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定され得ない第3演出パターン(当り変動)」をさらに用意し、該第3演出パターンで図柄変動が実行されている期間内で遊技者による設定操作が行われたときには、図柄停止の状態または大当り遊技の実行期間内で自動ボタン演出状態への設定が行われるようにしてもよい。
[自動ボタン演出状態の設定にかかる禁止期間]
上述の通り、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)においては、演出受付期間(上述の別例を適用する場合、第1の特定有効期間や第2の特定有効期間)内で遊技者による操作が行われずとも、該操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせる処理(自動演出機能)が実行可能とされうる。また、これも上述したが、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、図柄変動の実行期間中であったとしても、所定の操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作によって自動ボタン演出状態にかかる設定がなされうるようにしており、このような操作の簡易化によって、図柄変動中における演出進展への注視を維持したままで自動ボタン演出状態にかかる設定を行いうるようにしている。
ただし、このような自動ボタン演出状態への設定処理を含めて、図柄変動の実行期間中に遊技者による操作によって演出設定などの演出に関わる特定処理がいつでも許容されるようにすると、緊張感のない演出性によって遊技興趣が低下しかねない。したがって、大当り判定の結果に応じた図柄変動が実行される期間のうち、少なくとも特定の演出受付期間が発生していない状態にあるときに遊技者による操作によって演出設定などの演出に関わる特定処理が許容される遊技機においては、図柄変動が開始されてから特定の演出受付期間が発生するまでの間に上記演出に関わる特定処理が許容されない禁止期間が発生開始されうるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、禁止期間が発生する懸念が持たされるようになることで、特定の演出受付期間が発生していない状態においても、禁止期間が発生していない間に操作手段(操作ボタン410など)に対する操作を行っておく必要性が生じるようになり、遊技や演出に対する遊技者参加意識を好適に維持することが可能とされるようになる。
以下、「演出に関わる特定処理」として「自動ボタン演出状態への設定処理」を採用した演出例について詳述するが、「演出に関わる特定処理」としてはこれに限られず、例えば、演出モード(第1キャラクタが主役になる演出モード)を他の演出モード(第2キャラクタが主役になる演出モード)に変更させる処理など、他の処理として適用するようにしてもよい。
図369は、自動ボタン演出状態に制御されていないときに「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間(特定有効期間)が設定されうる第3演出パターン」で図柄変動が開始され、該図柄変動の実行期間内で自動ボタン演出状態への設定を行うための操作が行われたときの処理例を示すタイムチャートであり、図370は、第3演出パターンで演出進展されるときの演出例を示す図である。なお、第3演出パターンは、当り変動とハズレ変動とのいずれであってもよく、上述の第1演出パターンと同じであってもよい。
図369及び図370(a)に示されるように、いま、自動ボタン演出状態に制御されていない演出状況にあるときに「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定されうる第3演出パターン」で図柄変動が開始されたとする。すると、図柄変動の実行期間中ではあるものの、自動ボタン演出状態に設定されうる状態(設定操作が許容されている状態)にあるなかで当該第3演出パターンとしての演出進展がなされることとなる。
ただし、この演出例では、「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定されうる第3演出パターン」で図柄変動が行われる場合、特定演出受付期間が発生するよりも前のタイミングte11(図369を参照)において、自動ボタン演出状態への設定を行うための操作受付これ自体、または自動ボタン演出状態への設定処理が許容されない禁止期間を発生開始させる。そして、図370(b)に示されるように、この禁止期間では、該禁止期間が発生するときにしか出現し得ない特定演出(禁止中画像)が表示されるようになっている。なお、図370(b)に示される特定演出(禁止中画像)では、南京錠にチェーンが纏わり付いている画像が表示されるとともに、「オート設定無効」といった文字が表示されるボタンロック演出として実行されている。
こうして発生した禁止期間は、タイミングte11から第1特定時間(例えば25秒)が経過したタイミングte12が到来したときに終了される。ただし、タイミングte12が到来するまでの間にどれだけ操作(操作ボタン410に対する操作)が行われたとしても、図370(c),(d)に示されるように、上記特定演出(禁止中画像)には何らの変化も生じないようにされている。
そして、タイミングte12において禁止期間が終了されると、特定演出(禁止中画像)は非表示にされるようになり、自動ボタン演出状態への設定処理が許容される状態に戻される。そしてこの後、上述の「前兆演出」または「特定の操作関連演出」が行われると(図370(e)を参照)、タイミングte13において、操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が発生することとなる((図370(f)を参照))。なお、図370(f)に示される例では、刀装飾体5001に対して操作機会が付与される演出受付期間として設定されているが、操作ボタン410に対して操作機会が付与される演出受付期間として設定されるものであってもよい。
この点、図369及び図370(f)に示される演出例では、自動ボタン演出状態に設定されていない状態で特定演出受付期間が発生するようになっていることから、特定演出受付期間内の特定タイミングで上述の自動演出機能が機能することはない。ただし、図369に示される演出状況で「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定されうる第3演出パターン」が実行された場合であっても、禁止期間が開始されるよりも前に自動ボタン演出状態への設定を行うようにしておけば、自動ボタン演出状態に設定されている状態で特定演出受付期間が発生されるようにすることは可能であり、この場合は、特定演出受付期間内の特定タイミングで上述の自動演出機能を機能させることができるようになる。
なお上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、図柄変動中における自動ボタン演出状態への設定は、操作ボタン410が操作状態になったタイミングではなく、操作ボタン410が操作状態になってから所定時間(例えば2秒)にわたって維持されたときに実行されるようにしてもよい。ただしこの場合、図369に示されるタイミングte11が到達するよりも前の2秒未満の期間内で、操作ボタン410が操作状態にされてこれが2秒間にわたって維持されると、タイミングte11が発生した以降に自動ボタン演出状態への設定が許容されうることとなる。したがって、上記特定演出(禁止中画像)については、図369に示した演出例のように禁止期間が開始されるタイミングte11で発生させるのではなく、タイミングte11に遅れるかたちで発生させるようにすることが望ましい。
図371及び図372は、「演出設定などの演出に関わる特定処理」にかかる禁止期間(ここでは、自動ボタン演出状態の設定にかかる禁止期間)についての変形例を示す図である。
すなわち上述の通り、図369及び図370を参照して上述した演出例では、タイミングte11(図369を参照)において禁止期間が発生すると、該禁止期間が発生してから第1特定時間(例えば25秒)が経過してこれが終了されるまでの間はどれだけ操作(操作ボタン410に対する操作)が行われたとしても、設定操作が受け付けられないことはもとより、上記特定演出(禁止中画像)には何らの変化も生じないようにされている。
ただし、図371及び図372を参照して詳述する以下の変形例では、禁止期間が「発生してから終了されるまでに第1特定時間(例えば25秒)を要するもの」である点については同じであるが、該禁止期間が発生してから第1特定時間よりも短い第2特定時間(例えば10秒)が経過すると、当該禁止期間を早期終了させるための遊技者による操作(操作ボタン410に対する操作)を許容しうる処理が実行可能とされている点で、図369及び図370を参照して詳述した上述の演出例と異なっている。
すなわち、図371及び図372(a)に示されるように、いま、自動ボタン演出状態に制御されていない演出状況にあるときに「操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が設定されうる第3演出パターン」で図柄変動が開始されたとする。すると、この変形例においても、図柄変動の実行期間中ではあるものの、自動ボタン演出状態に設定されうる状態(設定操作が許容されている状態)にあるなかで当該第3演出パターンとしての演出進展がなされることとなる。
また、特定演出受付期間が発生するよりも前のタイミングte11(図371を参照)において、自動ボタン演出状態への設定を行うための操作受付これ自体、または自動ボタン演出状態への設定処理が許容されない禁止期間を発生開始させるとともに、この禁止期間では、該禁止期間が発生するときにしか出現し得ない特定演出(禁止中画像)が表示されるようになっている点も、図369及び図370を参照して上述した演出例と同様である。
ただしこの変形例では、図371に示されるように、禁止期間のうち、タイミングte11から第2特定時間(例えば10秒)が経過したタイミングte11aが到来するまでの期間(解除不可とされる期間)では、該期間内でどれだけ操作(操作ボタン410に対する操作)が行われたとしても上記特定演出(禁止中画像)には何らの変化も生じないようにされるが(図372(c)を参照)、タイミングte11aからタイミングte12(禁止期間が発生してから第1特定時間(例えば25秒)が経過したタイミング)が到来するまでの期間(解除が許容される期間)では、遊技者による操作(操作ボタン410に対する操作)が行われると当該禁止期間が早期終了されうる処理を実行可能としている。
より具体的には、タイミングte11aが到来して当該禁止期間が遊技者による操作(操作ボタン410に対する操作)によって早期終了されうる状態になると、まず、演出表示装置1600において、該タイミングte11aが到来するまでの期間(解除不可とされる期間)では出現されていなかった特別画像が表示される。この変形例では、図372(d)に示されるように、当該禁止期間としての残り時間を示唆する画像NJGが上記特別画像として表示されるようになっている。
すなわち、この変形例にかかる禁止期間においては、タイミングte11aが到来するとこのような画像NJGが出現するようになることで(図372(d)を参照)、当該禁止期間を解除不可とする期間(タイミングte11〜te11a)から、当該禁止期間の解除が許容される期間(タイミングte11a〜te12)へと移行したことが示唆されうるようになり、これによって残り時間が示されているなかで当該禁止期間を早期終了させるかについての演出として機能させることができるようになる。
そして、禁止期間のうち、当該禁止期間の解除が許容される期間(タイミングte11a〜te12)内で1回目の操作(操作ボタン410に対する操作)が行われると、該操作ボタン410が操作状態になったことに基づいて当該禁止期間を早期終了させる処理を実行する。これにより、該1回目の操作(操作ボタン410に対する操作)が行われた以降は、タイミングte12が未だ到来していない状態にあったとしても、遊技者による設定操作が受け付けられるようになる。
ここで、この変形例では、遊技者による1回目の操作(操作ボタン410に対する操作)によって当該禁止期間が早期終了されるときには、演出表示装置1600においても、該1回目の操作に基づいて演出変化を生じさせる処理を実行可能としている。この変形例では、図372(e)に示されるように、南京錠にチェーンが纏わり付いている画像が破壊されて「解除成功」といった文字が表示されることで演出変化を生じさせることとしている。これにより、特定演出(禁止中画像)も、タイミングte12が到来するよりも前に非表示にされるようになる。
そして、こうして禁止期間が早期終了された状態では、タイミングte12が到来するよりも前の期間内で2回目の操作(操作ボタン410に対する操作)が行われると、図371に示されるように、該2回目の操作があったとき(ここでは、2秒間にわたって操作状態が維持されたとき)に自動ボタン演出状態への設定処理が行われうるようになる。そしてこの場合、演出表示装置1600においては、演出設定がなされたことに伴う表示(ここでは「オートボタン設定中」)が現れることとなる。
そしてこの後、上述の「前兆演出」または「特定の操作関連演出」が行われると(図372(f)を参照)、タイミングte13において、操作を促す指示表示が現れる特定演出受付期間が発生することとなる((図372(g)を参照))。なお、図372(g)に示される例では、刀装飾体5001に対して操作機会が付与される演出受付期間として設定されているが、操作ボタン410に対して操作機会が付与される演出受付期間として設定されるものであってもよい。
この点、図371及び図372(g)に示される演出例では、自動ボタン演出状態に設定されている状態で特定演出受付期間が発生するようになっていることから、特定演出受付期間内の特定タイミングが到来するまでの間に遊技者による操作が行われなければ上述の自動演出機能が機能することとなる。ただし、図371及び図372(g)に示される演出例であったとしても、無効期間の解除が許容される期間(タイミングte11a〜te12)内で1回目の操作を行って当該無効期間をまずは早期終了させ、該早期終了された状態で2回目の操作を行うことによって自動ボタン演出状態への設定処理が行われるようにしなければ、図369及び図370(f)に示した演出例の場合と同じ演出状況が現れることとなることは言うまでもない。
図369〜図372に示した演出例では、「自動ボタン演出状態への設定処理が許容されない禁止期間」が終了されてから所定時間が経過した後に特定演出受付期間を発生させることとしたが、「自動ボタン演出状態への設定処理が許容されない禁止期間」が終了されてすぐに(禁止期間と繋がるかたちで)特定演出受付期間を発生させるようにしてもよい。すなわちこの場合、自動ボタン演出状態に制御されていないときに禁止期間が発生すると、自動ボタン演出状態への設定機会が禁止状態にされたままで特定演出受付期間が発生することとなることから、特定演出受付期間が発生していない状態にあるときの遊技者参加意識を高めることができるようになる。
また、図369〜図372に示した演出例にあって、「自動ボタン演出状態への設定処理が許容されない禁止期間」では、その後に発生する特定演出受付期間内で演出受付がなされたときに操作後演出として比較的高い期待度の演出態様が現れる割合や、実行状態にある図柄変動で大当り図柄が現れる割合などが異なる複数の演出態様のいずれかを出現させるようにしてもよい。
また、図371及び図372に示した演出例では、大当り判定の結果に基づいて、
・図372(e)の演出画像が現れている第三状態にあるときには、実行状態にある図柄変動で大当り図柄が現れる割合(期待度)がそれぞれ異なる複数の第三演出態様(例えば、「南京錠にチェーンが纏わり付いている画像の破壊具合が異なる複数の演出態様」など)のいずれかを出現させ、
・図372(d)の演出画像が現れている第二状態にあるときには、上記第三状態になったときに複数の第三演出態様のうち「特定の第三演出態様(複数の第三演出態様のうち、遊技者に最も有利な第三演出態様)」が現れる割合(期待度)がそれぞれ異なる複数の第二演出態様(例えば、「画像NJGの色が異なる複数の演出態様」など)のいずれかを出現させ、
・図372(b),(c)の演出画像が現れている第一状態にあるときには、上記第二状態になったときに複数の第二演出態様のうち「特定の第二演出態様(複数の第二演出態様のうち、遊技者に最も有利な第二演出態様)」が現れる割合(期待度)がそれぞれ異なる複数の第一演出態様(例えば、「背景画像の色が異なる複数の演出態様」など)のいずれかを出現させる
等々、といった処理を実行するようにすることが望ましい。このような構成によれば、禁止期間内で演出が進展されたり、当該禁止期間が早期終了される処理が実行されるなかで、互いに関連した演出によって期待度が段階的に示唆されうるようになることから、当該禁止期間にあるときの遊技興趣を好適に維持することができることはもとより、当該禁止期間の早期終了を促して遊技者参加意識を高めることが期待されるようになる。この意味では、第一演出態様や第二演出態様については、可動装飾体が動作し得ない演出として実行されるようにし、禁止期間の早期終了へと直接繋がる第三演出態様についてのみ所定の可動装飾体を動作させる演出態様として実行されうるようにすることが望ましい。複数の第三演出態様のうち特定の第三演出態様が現れたときに所定の可動装飾体を動作させ、該特定の第三演出態様とは異なる第三演出態様が現れたときには所定の可動装飾体を動作させないようにしてもよい。
また、図370(e),(f)や、図372(f),(g)で例示した演出については、複数の操作手段(操作ボタン410、刀装飾体5001など)のうち操作ボタン410に対する操作が演出受付可能とされる期間が発生するのか、それとも別の操作手段(例えば、刀装飾体5001)に対する操作が演出受付可能とされる期間が発生するのかについての上述した演出(特定の操作関連演出(図330〜図350を参照))として実行されるものであってもよい。
また、図369〜図372に示した演出例では、「自動ボタン演出状態への設定処理が許容されない禁止期間」を発生させた後に特定演出受付期間を必ず発生させることとして説明した。ただし、特定演出受付期間については必ずしも発生させなくてもよく、「自動ボタン演出状態への設定処理が許容されない禁止期間」を発生させた後、特定演出受付期間が発生しないままで図柄変動が停止されうる演出パターンを用意するようにしてもよい。
また、図369〜図372に示した演出例にあって、「自動ボタン演出状態への設定処理が許容されない禁止期間」については、大当り期待度が相対的に低い演出パターン(例えば、スーパーリーチ状態が発生しない演出パターン)よりも大当り期待度が相対的に高い演出パターン(例えば、スーパーリーチ状態が発生する演出パターン)のほうが出現割合が高くなるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、大当り期待度が相対的に高い演出パターンが現われたにもかかわらず、所定期間にわたって自動ボタン演出状態への設定処理を実行させる機会が強制的に喪失されることとなることから、遊技者による操作への参加を促すことができるようになり、大当りを得ることに対する遊技者参加意識が高まることが期待されるようになる。
ただし、所定期間にわたって自動ボタン演出状態への設定処理を完全禁止にしてしまうと、自動ボタン演出状態の発生を希望している遊技者の興趣低下が避けられなくなることから、図371及び図372に示したように、ある程度の時間経過があったところで、遊技者によって禁止期間の早期解除を可能とし、解除されると自動ボタン演出状態への遊技者による設定操作が再び許容される状態に戻すようにすることが望ましい。
自動ボタン演出状態への設定操作について、遊技者による操作によって設定する操作対象は、操作ボタン410のほか、タッチパネルや、刀装飾体5001、十字キーなど、他の操作手段であってもよい。また、自動ボタン演出状態への設定の際に用いられる操作対象とは別の操作対象を操作することによって禁止期間を早期終了させるようにしてもよいし、自動ボタン演出状態への設定の際に用いられる操作対象を操作することによって禁止期間を早期終了させるようにしてもよい。ただし、自動ボタン演出状態への設定の際に用いられる操作対象を操作することによって禁止期間を早期終了させる場合は、操作時の態様(単発押し、長押しなど)を互いに異ならせるようにすることが望ましい。
なお上述の通り、図369〜図372では、「演出に関わる特定処理」として「自動ボタン演出状態への設定処理」を採用した演出例を示したが、「演出に関わる特定処理」としてはこれに限られない。ただし、「演出に関わる特定処理」については、大当り判定の結果に応じた演出パターンとしていずれの種別で図柄変動が行われた場合であっても、該図柄変動の実行期間内で、操作手段に対する操作によって実行されうるものであることが望ましい。
[可動操作手段に対する自動演出機能]
上述の通り、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)においては、演出受付期間(上述の別例を適用する場合、第1の特定有効期間や第2の特定有効期間)内で遊技者による操作が行われずとも、該操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせる処理(自動演出機能)が実行可能とされうる。また、これも上述したが、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、図柄変動の実行期間中であったとしても、所定の操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作によって自動ボタン演出状態にかかる設定がなされうるようにしており、このような操作の簡易化によって、図柄変動中における演出進展への注視を維持したままで自動ボタン演出状態にかかる設定を行いうるようにしている。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、操作手段として、操作ボタン410のほか、原位置と操作位置との間で所定の駆動力によって動作可能に設けられる可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)を備えており、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)においては、該可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する演出受付期間内で遊技者による操作が行われなかった場合であっても、該操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせる処理(自動演出機能)が実行可能とされうるようにしている。
ところで、このような可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する演出受付期間の発生に際しては、例えば、図293(G2)に示したように、所定の駆動力によって可動操作手段を原位置から操作位置へとまずは移動させて、該移動した状態にある可動操作手段を操作するように遊技者に対して操作機会が付与される場合がある。なお、この操作機会では、操作位置から原位置へと戻す操作ではなく、操作位置から原位置とは異なる位置へと移動させる操作によって演出受付がなされるものであってもよい。
ただし、このような演出受付期間の発生に際しては、該可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に何らかの異常・故障が生じている可能性があり、これによって該可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)を原位置から操作位置へと駆動させることができないようなことがあると、図293(G2)に示したような操作機会を適正に付与することができず、演出受付に応じた操作後演出が発生し得なくなってしまう懸念が生じる。そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に何らかの異常・故障が生じており、これによって該可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)を原位置から操作位置へと駆動させることができないままで、図293(G2)に示したような演出受付期間が発生した場合であっても、自動ボタン演出状態に制御されているときには、該演出受付期間内で操作位置からの遊技者による特定操作が検出されたときと同じ変化を演出に対して生じさせる処理(自動演出機能)が実行可能とされうるようにしている。
このような構成によれば、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に何らかの異常・故障が生じてこれが動作し得ない状態になったとしても、自動演出機能を利用することで、可動操作手段を利用した操作後演出を適正に出現させることができるようになる。
しかしながら、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に何らかの異常・故障が生じてこれが動作し得ない状態にあるときには、該可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する操作これ自体が難しい状況にあることから、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への設定を行うために該可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する操作が求められるようにしてしまうと、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への設定を行うことができず、結局は、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する演出受付に応じた操作後演出が発生し得なくなってしまう。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、まず、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)においては、操作ボタン410と可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)とのいずれに対する演出受付期間が発生したとしても、操作機会が付与された側の操作手段(ここでは、操作ボタン410または刀装飾体5001)に対して操作があったときと同じ演出変化を生じさせる処理を実行可能としている(自動演出機能)。そしてこの上で、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への設定については、操作ボタン410と可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)とのうち、操作ボタン410に対する操作のみによって実行可能とされるようにしている。
すなわちこの場合、異常・故障が生じたときに動作し得なくなる懸念がある側の可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)ではなく、一般的な押下型の操作ボタン410に対する操作だけで、操作ボタン410と可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)との両方に対応した自動ボタン演出状態(特定の演出状態)を発生させることができるようになる。したがって、図柄変動の実行期間中に可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に異常・故障が生じたとしても、操作ボタン410に対する操作によって自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への設定を行うようにすることで、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する演出受付に応じた操作後演出を適正に発生させることができるようになる。
なお、このような異常・故障時における操作性を好適に確保する上では、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への設定操作に供される操作手段(ここでは、操作ボタン410)については、異常・故障における上述の復元処理の対象とならないような、基本的に非駆動(駆動系があったとしても振動する程度)とされた操作手段として設けられるものであることが重要であるといえる。
しかしながら、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に異常・故障が生じていたとしても、該可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)が停止状態を維持する限りは、異常・故障状態にあることを遊技者側が認識することは困難であるから、これでは自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への設定が行われることを期待することはできない。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、図柄変動の開始タイミング(または終了タイミング)で可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に異常・故障が生じているときには、該可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)を正常(原位置)に戻すための復元処理を実行するようにしている。なお、復元処理については、上述した処理内容として実行することが可能であり、例えば、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)を原位置に戻すための復元動作(5秒間の動作)が、原位置に適正復帰するまで所定回数(例えば3回)を上限として繰り返し実行されるようになっている。
このような構成によれば、図柄変動の開始タイミング(または終了タイミング)で可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対して復元処理が開始されている様子を確認することで、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に異常・故障が生じている状態にあることを遊技者側が認識することができるようになる。またさらに、該復元処理が実行された結果、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)が原位置へと適正に戻されたか否かを確認することで、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する復元処理に成功して異常・故障が生じている状態が解消されたのか、それとも復元処理に失敗して異常・故障が生じている状態が継続されているのかを遊技者側が認識することができるようになる。すなわちこの場合、復元処理に失敗して異常・故障が生じている状態が継続されていることを遊技者側が認識したときに、操作ボタン410に対する操作によって自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への設定を行うようにすることで、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に異常・故障が生じている状態にあったとしても該可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する演出受付に応じた操作後演出を適正に発生させることができるようになる。
ただし、異常・故障が生じている状態にある可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する復元処理に失敗した様子を確認した後に自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への設定操作を行ったとしても、該自動ボタン演出状態が発生するよりも前(例えば、復元処理の実行期間中など)に可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する演出受付期間が発生するようなことがあると、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する演出受付に応じた操作後演出を適正に発生させることができなくなってしまう懸念が生じる。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、さらに、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対して操作機会が付与される特別演出受付期間を発生させうる複数の演出パターンのうち、いずれの演出パターンが大当り判定の結果に基づいて選択・実行されたとしても、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する復元処理に要する最大時間(復元動作(5秒間の動作)が上限回数(例えば3回)まで繰り返されたときの時間)と、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への設定操作に要する時間(ここでは2秒)との加算時間が経過した後にしか特別演出受付期間が発生されないように演出進展させる処理を実行可能としている。
このような構成によれば、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対して操作機会が付与される特別演出受付期間を発生させうる演出パターンで図柄変動が開始されるとき、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に異常・故障が生じていたとしても、遊技者は、特別演出受付期間が発生するまでの間に異常・故障が発生している状態にあることを認識し、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への設定操作を行うことができるようになることから、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する演出受付に応じた操作後演出を適正に発生させることができるようになる。すなわち、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)においては、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に異常・故障が発生している状態で特別演出受付期間が発生したとしても、特別演出受付期間内において可動操作手段に対する操作が行われたときと同じ変化を演出に対して生じさせることとなる。
図373は、このような演出処理についての一例を示すタイムチャートである。
同図373に示されるように、この演出処理にかかる例では、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に異常・故障が生じた場合、図柄変動の開始タイミングで該可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)を正常に戻すための復元処理が最大で15秒間にわたって実行されるようになっている。また、自動ボタン演出状態への設定操作には、2秒間を要するようになっている。また、特別演出受付期間は、最大で3秒間にわたって継続されうるようになっており、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する操作が演出受付されたことに応じた操作後演出には、10秒間を要するようになっている。
このような各時間設定値に鑑みれば、まず、特別演出受付期間を発生させうる演出パターン(変動パターン)としては、15秒(復元処理)、2秒(設定操作)、3秒(特別演出受付期間)、及び10秒(操作後演出)をそれぞれ加算した「30秒」よりも長い時間が割り当てられたものであり、且つ15秒(復元処理)及び2秒(設定操作)を加算した「17秒」よりも後のタイミングで特別演出受付期間を発生させるように演出進展させるものでなければ、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に異常・故障が生じている状態で図柄変動(特別演出受付期間を発生させうる演出パターン)が開始されたときの上述の演出性を確保することはできない。
したがって、図中では、大当り判定の結果に基づいて選択可能とされる複数の演出パターンとして、それぞれ異なる時間(11秒〜60秒の図柄変動時間)が割り当てられている演出パターンA〜Eが例示されているが、上述の加算時間である「30秒」よりも短い時間しか割り当てられていない演出パターンA〜Cでは、特別演出受付期間が発生し得ない演出進展しか実行されないようになっている。これに対し、上述の加算時間である「30秒」よりも長い時間が割り当てられている演出パターンD,Eでは、特別演出受付期間を発生させうるようになっているが、図柄変動が開始されてから「17秒(15秒(復元処理)及び2秒(設定操作)の加算時間)」よりも前のタイミングでは特別演出受付期間が発生し得ない演出進展しか実行されないようにすることで、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に異常・故障が生じている状態で図柄変動(特別演出受付期間を発生させうる演出パターン)が開始されたときの上述の演出性を確保するようにしている。
なお、この演出処理にかかる例では、上述の加算時間である「30秒」よりも長い時間が割り当てられている複数の演出パターンの全てで特別演出受付期間を発生させうるようにしているが、「30秒」よりも長い時間が割り当てられている複数の演出パターンの一部でのみ特別演出受付期間を発生させうるようにしてもよい。
ただし実際は、図柄変動が開始されてから15秒(復元処理)及び2秒(設定操作)の加算時間が経過してすぐに特別演出受付期間が発生するようなことがあると、復元処理に失敗したことを認識してすぐに自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への設定操作を行わなければ、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に設定変更した状態で特別演出受付期間を発生させることができず現実的ではない。すなわち、復元処理に失敗したことを遊技者が認識したときには、通常、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への設定操作を行うか否かについて判断する時間が必要とされることから、このような時間値をも想定した上で上述の各時間設定値を設計しなければ、上述の作用効果についての実効性はないといえる。
この点、このような時間値をも含めて設計されているのが、複数回の操作が演出受付されてそれら演出受付される都度に操作後演出を発生させる複数回操作有効期間(例えば、8秒間)や、操作機会が付与される操作手段を所定時間以上にわたって操作状態で維持させたときに演出受付されて操作後演出を発生させる長押し有効期間(例えば、10秒間)などであり、これらの有効期間(演出受付期間)では、該有効期間の発生から遅れて操作を開始した場合であっても該有効期間が終了されるまでの間に複数回操作や長押しを適正回数・適正時間にわたって行いうるようになっている。
このような事実に鑑みれば、上述の時間設定のうち、2秒(設定操作)に代えて、複数回操作有効期間(例えば、8秒間)または長押し有効期間(例えば、10秒間)を用いるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、特別演出受付期間を発生させうる演出パターン(変動パターン)としては、「15秒(復元処理)」、「8秒または10秒(複数回操作有効期間または長押し有効期間)」、「3秒(特別演出受付期間)」、及び「10秒(操作後演出)」をそれぞれ加算した「36秒」または「38秒」よりも長い時間が割り当てられたものであり、且つ「15秒(復元処理)」及び「8秒または10秒(複数回操作有効期間または長押し有効期間)」を加算した「23秒」または「25秒」よりも後のタイミングで特別演出受付期間を発生させるように演出進展させるようにすることとなり、演出パターンA〜Eのうち演出パターンEのみが条件を満たす演出パターンとして実行可能とされることとなる。
なお、複数回操作有効期間(例えば、8秒間)や長押し有効期間(例えば、10秒間)については、特別演出受付期間を発生させうる演出パターン(変動パターン)のなかで必ずしも発生するものでなくてもよく、これとは別の演出パターンで発生するものであってもよい。また、パチンコ機1(周辺制御MPU1511a)として、複数回操作有効期間(例えば、8秒間)及び長押し有効期間(例えば、10秒間)のいずれかのみを発生するものであってもよく、この場合は、発生する側の有効期間の長さを、2秒(設定操作)に代えて設定することとなる。また、パチンコ機1(周辺制御MPU1511a)として、複数回操作有効期間(例えば、8秒間)及び長押し有効期間(例えば、10秒間)の両方を発生可能とするものである場合は、それら有効期間の長い側を、2秒(設定操作)に代えて設定するようにすることが望ましい。
また、時短機能が有効とされる遊技状態においては、より短い時間で図柄変動を次々と消化することが求められることから、該時短機能が有効とされる遊技状態においては、上述の各時間設定にかかる設計を必ずしも行わないようにしてもよい。ただしこの場合、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対して復元処理が実行されている期間中に特別演出受付期間が発生することが懸念される。したがって、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対して復元処理が実行されている期間中にも、遊技者による設定操作によって自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への制御がなされうるようにすることが望ましい。このような構成によれば、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対して復元処理が実行されている期間中にありながらも、該可動操作手段を用いた演出としての操作後演出が実行可能とされうるようになり、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対する復元処理と操作後演出との両方が並行される効率的な処理が実現されうるようになる。なお、この処理については、時短機能が有効とされる遊技状態に限られず、時短機能が有効とされない遊技状態に対して適用するようにしてもよく、この場合、上述の各時間設定にかかる設計は行わないこととなる。
また、図373を参照して説明した演出処理にかかる例において、可動操作手段を用いた演出については、図279〜図350に示した各演出のいずれかとして実行されるものであってもよい。特定の操作関連演出が実行される場合、図中に示した「可動操作手段を用いた演出」は、特定の操作関連演出、特別演出受付期間、及び操作後演出を順次に行う演出として実現されることとなる。
また、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されているときにしか可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対して操作機会が付与される特別演出受付期間が発生しないようにし、該特別演出受付期間が発生したときには、操作しなかったとしても当該特別演出受付期間内で可動操作手段に対する演出受付が必ずなされて操作後演出が現れるようにしてもよい。なお、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されていないときには、少なくとも通常遊技状態にあるときの図柄変動中は、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に対して操作機会が付与される特別演出受付期間は発生しないが、異常・故障における上述の復元処理の対象とならない操作手段(ここでは、操作ボタン410)に対して操作機会が付与される演出受付期間を発生させることは可能である。異常・故障における上述の復元処理の対象とならない操作手段(ここでは、操作ボタン410)に対して操作機会が付与される演出受付期間については、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)に制御されているときにも発生可能である。このような構成を採用した場合、上述の各時間設定にかかる設計を行ってもよいが、上述の各時間設定にかかる設計を行わずとも、可動操作手段(ここでは、刀装飾体5001)に異常・故障が生じている状態で特別演出受付期間を発生させうる演出パターンが開始されたときの上述の演出性を確保することができるようになる。
また、この演出処理にかかる例では、遊技者による設定操作によって自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への制御がなされるようにしたが、自動ボタン演出状態(特定の演出状態)への制御は必ずしも遊技者による操作によってなされるものでなくてもよく、例えば、大当り判定の結果に基づいて制御されたり、若しくは自動ボタン演出状態への設定これ自体が行われず、常に、自動演出機能が機能しうる遊技機として設けられるようにしてもよい。
[図柄遊技の条件とは別の条件成立を契機とした可動演出]
上述の通り、このパチンコ機1(主制御MPU1310a)では、始動口(第一始動口2002,第二始動口2004)に遊技球が受け入れられると、当りに関する判定を行う。そしてこの結果、大当りに当選したときは、大当り図柄が表示される図柄変動を実行した後に大量の遊技球が獲得可能とされる大当り遊技を実行するとともに、該大当り遊技の後、遊技者に有利な遊技状態(時短状態、確変状態)に制御しうる。また、このような図柄遊技が行われるなかで、周辺制御MPU1511aでは、当りに関する判定の結果に応じた演出(例えば、演出パターンのほか、タイマ演出や、操作演出、先読み演出などの各種の予告演出など)を実行可能としており、これによって大当り遊技が行われるまでの遊技興趣の維持を図るようにしていることも上述した通りである。
しかしながら、上記主制御MPU1310aによる図柄遊技に応じた演出を行うだけでは、演出表示装置1600における表示変化や、可動装飾体の挙動(例えば、裏前飾りユニット3100や、裏中可動演出ユニット3200、特定装飾部材SDY(簾役物)など)などが単調になってしまい、当該パチンコ機1を長い期間にわたって高い稼動率にて維持することが困難とされる懸念がある。
そこで、このパチンコ機1では、遊技の進行にかかる判定処理やそれに応じた図柄変動(図柄遊技の開始条件)とは関係のない別条件が成立したときにも演出表示装置1600における表示内容や可動装飾体の挙動に変化を生じさせることが可能とされる処理を実行可能としている。すなわちこの場合、図柄遊技の範疇を超えた態様での表示変化や可動体動作が現れることとなり、その単調さが解消されることで、当該パチンコ機1を長い期間にわたって高い稼動率にて維持することが期待されうるようになる。
ここで、遊技の進行にかかる判定処理やそれに応じた図柄変動(図柄遊技の開始条件)とは関係のない別条件が成立したときに演出表示装置1600における表示内容や可動装飾体の挙動に変化を生じさせる手法としては、例えば、以下に列記する各手法などを想定することができる。なお、図柄遊技の開始条件とは関係のない別条件が成立したときに演出表示装置1600における表示内容や可動装飾体の挙動に変化を生じさせるにあたっては、以下の各手法のいずれを採用してもよいし、以下に列記した各手法のいずれとも異なる手法を採用してもよいが、図柄変動が仮に実行されていない状況(図256に示した処理フラグが「0」であり、且つ保留数が「0」である状態)にあったとしても上述の別条件は成立しうるものでなければならないし、該状況において別条件が成立した場合であっても、演出表示装置1600における表示内容や可動装飾体の挙動に変化を生じさせることが可能とされるものでなければならない。
・図柄変動とは関係のない演出抽選を定期的に実行し、この演出抽選で特定の結果が得られることを上述の「別条件の成立」とする手法
・特定の操作手段に対する累積の操作回数が所定数に達することを上述の「別条件の成立」とする手法
・RTC(リアルタイムクロック)機能または周辺制御MPU1511a(または主制御MPU1310a)内の演算処理によって時間を計測(例えば、電源投入されてからの時間を計測)し、この計測した時間が所定時間に達することを上述の「別条件の成立」とする手法
一般に、パチンコ機では、RTC機能を用いてその計測した時間が所定時間に達したときに、別条件が成立したとして、演出表示装置1600における表示内容や可動装飾体の挙動に変化を生じさせる手法を採用することが多い。ただし、いずれの手法を採用するにせよ、図柄遊技の開始条件とは関係のない別条件が成立したときに表示内容や可動体の挙動に変化を生じさせる場合は、その変化タイミングが到来するまでに比較的長い時間(少なくとも数時間など)を要するようにすることが一般的であることから、こうした長い時間を要したにもかかわらず表示内容または可動装飾体の挙動に変化を生じさせることができない事態が生じるようなことがあると、遊技興趣が低下することが懸念される。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、まず、可動装飾体を特定態様で動作させる可動体動作時期が予め設定されている特定状態(例えば、RTC状態)を、図柄遊技の開始条件とは別の特定条件(例えば、RTC機能による計測時間が所定時間に達すること)が成立したことに基づいて発生可能としている。そして、可動装飾体が異常状態(例えば、原位置に位置するべき状況であるにもかかわらず原位置に位置していないなど)にあり且つ特定状態が発生していない状況においては、図柄変動に対応する復元動作時期が到来したときに、該可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理を開始可能とするのに対し、可動装飾体が異常状態にあり且つ特定状態が発生している状況においては、予め定められた復元動作時期が到来しても所定の復元動作を行わせる処理を開始させず、特定状態内における所定時期で所定の復元動作を行わせる処理を開始可能としている。
すなわちこの場合、図柄遊技の開始条件とは別の特定条件が成立したことに基づいて発生可能とされる特定状態においては、図柄変動側に応じた所定の復元動作を行わせる処理を禁止状態にし、特定状態内における所定時期で所定の復元動作を行わせる処理が開始可能とされることから、図柄変動の実行状況による影響を受けずに特定状態内の予め定められた手順で可動体異常を復元させて、可動装飾体による特定態様での動作(別条件が成立したときの動作)をより確実に実行させることが期待されるようになる。
以下、図374を参照して、このような特定条件が成立したときに可動装飾体を動作させるときの処理内容についてその一例を説明する。なお、図374に示される例では、説明の便宜上、「電源投入からの経過時間がRTC機能を利用して所定時間に達した旨判定されるとそれまでとは異なる表示内容が現れるRTC状態(特定状態)を発生させ、該RTC状態(特定状態)の発生タイミングに合わせて3つの可動装飾体A,B,Cを順次に動作させる処理を実行可能なもの」として記載しているが、図柄遊技の開始条件とは関係のない別条件(特定条件)が成立したときに演出表示装置1600における表示内容や可動装飾体の挙動に変化を生じさせる手法としてはこれに限られないことは上述した通りであり、他の手法を採用したときにも以下に説明する各技術を適宜採用することは可能である。
いま、RTC状態(特定状態)が発生するよりも前の状態にあるとすると、周辺制御MPU1511aでは、まず、電源投入からの経過時間が所定時間に達するまでの残り時間(RTC状態が発生するまでの残り時間)を定期的に更新することとなる。この点、図374に示される例では、タイミングRt2において、電源投入からの経過時間が所定時間に達してRTC状態(特定状態)を発生させるようになっており、RTC状態(特定状態)が発生したことに基づいて3つの可動装飾体A,B,Cを順次に動作させる処理を実行可能としている。このように、図柄変動の状況とは関係のない条件成立(第二条件の成立)に基づいて3つの可動装飾体A,B,Cが順次動作されることで、これまでの遊技の流れが変わるかのような期待感を持たせることができるようになる。この際、演出表示装置1600における表示内容に変化を生じさせるようにしてもよい。
なお、RTC状態(特定状態)が発生するときの期待感をより好適に高めるようにする上では、例えば、該RTC状態を所定時間(10分間)に制限された演出期間として機能させ、該演出期間(RTC状態)が発生してから終了するまでの間に大当りに当選すると、RTC状態(特定状態)が発生していないとき(通常状態)には出現し得ない演出用キャラクタによる演出進展(特別演出モード)が可能とされるようにするなどの演出特典を持たせるようにすることがより望ましい。
また、図374に示される例では、このようなタイミングRt2より少し前(例えば、5秒前)のタイミングRt1においても図柄変動の状況とは関係のない条件が成立するようになっており、該条件成立(第一条件の成立)に基づいて、もうすぐRTC状態が発生すること(第二条件が成立すること)を示す前表示を実行可能としている。すなわち、この例にかかる周辺制御MPU1511aでは、電源投入からの時間経過を定期的に確認することで、タイミングRt2のほか、タイミングRt1が到来したか否かを判定するものとなっており、タイミングRt1が到来した旨判定されると前表示(表示変化)が出現され、タイミングRt2が到来した旨判定されるとRTC状態の発生に応じた処理(可動装飾体の挙動)が実行されるようになる。なお、「前表示」としては、例えば、「間もなくRTC状態」といった表示や、タイミングRt2に向けてのカウントダウン表示などとして実行することが可能である。
このような構成によれば、RTC状態(特定状態)が発生するタイミングRt2に合わせて3つの可動装飾体A,B,Cを順次に動作させるときに、これらの可動体動作が大当り判定の結果を基にしたものではない(何らの大当り期待度も持たない)ことが遊技者に対して事前示唆されるようになることから、遊技者による認識誤りによって遊技興趣が低下することを好適に回避することができるようになる。
特に、図374に示される例では、少なくともタイミングRt1〜Rt2の期間においては、演出表示装置1600における表示内容として何らの期待度も示されない表示(図柄変動に準じない表示)のみが現れるようにしており、装飾図柄(演出パターン)これ自体の表示もされないようにこれを非表示とするようにしている。すなわちこの場合、演出表示装置1600における表示内容として何らの期待度も示されない表示(図柄変動に準じない表示)のみが現れているなかで、3つの可動装飾体A,B,Cを順次に動作させる処理が開始されるようになることから、遊技者による認識誤りによって遊技興趣が低下することをより好適に回避することが期待されるようになる。
ここで、「タイミングRt1において現れる前表示」や「タイミングRt2において現れる可動体動作」はそれぞれ、「図柄変動に準じない表示」に相当し、「図柄変動に準じない可動装飾体の挙動」に相当するものである。したがって、タイミングRt1,Rt2においては、それらタイミングにおける図柄変動の実行状況(実行有無を含めて)にかかわらず、表示や可動体の挙動がそれぞれ生じることなる。しかしながら、図柄変動の実行状況によっては可動装飾体A,B,Cを動作させるための準備が整っていない事態(タイミングRt2が到来したにもかかわらず可動装飾体A,B,Cが原位置に位置していないなど)が生じかねず、ひいてはタイミングRt2がようやく到来したにもかかわらず可動装飾体A,B,Cを順次に動作させる処理を行い得なくなることが懸念される。
例えば、大当り判定の結果に応じた図柄変動としていくつかの変動パターンのうちのいずれかが選択された場合、それら図柄変動が行われる期間内においては、可動装飾体Aや、可動装飾体B、可動装飾体Cを用いた可動演出が実行されることがあるが、こうした可動演出の実行途中で上述したRTC状態内における可動体動作時期(ここでは、RTC状態の発生時)が到来するようなことがあると、少なくとも可動装飾体A,B,Cのうち実行途中の状態にある可動装飾体についてはこれを上述した「図柄変動に準じない可動装飾体の挙動」として用いることができなくなる場合が想定されうる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、図柄変動に対応する復元動作時期が到来すると、可動装飾体A,B,Cはもとより、当該パチンコ機1が備える各種の可動装飾体が原位置(正常状態)にあるか否かなどの可動異常判定を実行可能としている。そして、この可動異常判定において正常状態にない可動装飾体がある旨判定(異常判定)されると、該異常判定の処理に続くかたちで、その判定対象とされた可動装飾体に対して所定の復元動作(原位置へと移動させる動作など)を行わせる復元処理を実行することで、異常状態にある可動装飾体の早期復旧を可能ならしめるものとなっている。したがって、可動装飾体に対して所定の復元動作(原位置へと移動させる動作など)を行わせる復元処理を実行している途中で上述したRTC状態内における可動体動作時期が到来するようなことがあると、少なくとも可動装飾体A,B,Cのうち復元動作の途中段階にある可動装飾体についてはこれを上述した「図柄変動に準じない可動装飾体の挙動」として用いることができなくなる場合が想定されうる。
なお、「図柄変動に対応する復元動作時期」としては、例えば、図柄変動の開始時期(図柄変動が開始されるときに主制御MPU1310a側から送出されるコマンドを取得する時期)や、図柄変動の停止時期(図柄変動が停止されるときに主制御MPU1310a側から送出されるコマンドを取得する時期)のうち少なくとも一方のタイミングなどとして実行(コマンドの取得に基づいて復元処理を実行)することが可能である。
そこで、図374に示される例(周辺制御MPU1511a)では、まず、少なくとも「RTC状態(特定状態)が発生するタイミングRt2が到来してから、RTC状態内における可動体動作時期によって可動装飾体が特定態様で動作(ここでは、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作)し終わるまでの期間」にあるときには、該期間内で用いられる可動装飾体(可動装飾体A、可動装飾体B、可動装飾体C)が図柄変動側の演出パターンに応じた可動演出として用いられないようにこれを禁止することで、RTC状態内における特定態様での可動体動作(図柄変動に準じない可動装飾体の挙動)が図柄変動側の可動演出によって行い得なくなる事態が生じることを抑制しうるようにしている。
ただしこの際、可動演出に対応する演出パターンが表示されているにもかかわらず、該演出パターン内で可動演出が実行されないようなことがあると遊技興趣の低下が懸念される。この点、図374に示される例(周辺制御MPU1511a)では、タイミングRt1において、演出表示装置1600における表示内容として何らの期待度も示されない表示(図柄変動に準じない表示)のみが現れるようにしていることは上述した。
そこで、図374に示される例では、タイミングRt2が到来したときに実行途中の段階にある図柄変動(図中では、B変動(ハズレ))があるときには、それまで表示していた「何らの期待度も示されない表示(タイミングRt1からの表示)」をこの時点で非表示にはせず、該図柄変動(図中では、B変動(ハズレ))が停止されるタイミングRt2aまでの期間にわたってこれを維持するようにしている。
このような構成によれば、タイミングRt2〜Rt2aでは、RTC状態(特定状態)が発生して図柄変動が実際には行われている状況であるにもかかわらず、演出表示装置1600においては、装飾図柄による演出パターンが非表示にされており何らの期待度も示されない表示のみが現れるようになる。そして、このような表示が現れているなかで、RTC状態の発生に応じた可動装飾体による動作(ここでは、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作)が進展されることから、タイミングRt2〜Rt2aの期間内で演出パターンに応じた可動演出が実行されないことによる遊技興趣の低下を好適に抑制することが期待されるようになる。
図374に示される例では、タイミングRt2が到来したときに実行途中の段階にあった図柄変動(図中では、B変動(ハズレ))が終了(停止)されると(タイミングRt2aが到来すると)、RTC状態の発生に応じた可動装飾体による動作期間内であったとしても、それまで表示していた「何らの期待度も示されない表示(タイミングRt1からの表示)」をこの時点で非表示にして、RTC状態(特定状態)の発生後の特定背景(例えば、RTC状態中)を出現可能としている。そしてこの後、新たな図柄変動(図中では、C変動(ハズレ))が開始されると、RTC状態の発生に応じた可動装飾体による動作期間内であったとしても、該図柄変動に応じた演出パターンや予告演出などの期待度が示される表示を通常通りに開始させるようにしている。
ただし、こうして新たな図柄変動(図中では、C変動(ハズレ))が開始されて演出パターンが表示される状況になったとしても、「RTC状態(特定状態)が発生するタイミングRt2が到来してから、RTC状態内における可動体動作時期によって可動装飾体が特定態様で動作(ここでは、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作)し終わるまでの期間」にある限りは、少なくとも可動装飾体A、可動装飾体B、及び可動装飾体Cのいずれかを用いた図柄変動側の可動演出が禁止にされることは言うまでもない。この状態では、図柄変動側の可動演出こそ禁止されているが、RTC状態の発生に応じた可動体動作が実行途中の状態にあることから、図柄変動側の可動演出を禁止にしたことによる遊技興趣の低下は抑制されるようになる。
このような禁止処理としては、図柄変動(図中では、C変動)の開始時に禁止すべき状況にあるかを判定し、禁止すべき状況にある旨判定したときは、該当の図柄変動(図中では、C変動)これ自体を可動演出(少なくとも可動装飾体A、可動装飾体B、及び可動装飾体Cのいずれかを用いた可動演出)の禁止対象として設定するようにしてもよい。すなわちこの場合、該当の図柄変動(図中では、C変動)の途中で「RTC状態(特定状態)が発生するタイミングRt2が到来してから、RTC状態内における可動体動作時期によって可動装飾体が特定態様で動作(ここでは、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作)し終わるまでの期間」が完了されたとしても、当該図柄変動が終了されるまでの間は、可動演出(少なくとも可動装飾体A、可動装飾体B、及び可動装飾体Cのいずれかを用いた可動演出)の実行が許容されないようになる。
ところで、図374に示される例では、RTC状態(特定状態)の発生後の特定背景(例えば、RTC状態中)を出現させるタイミングを、本来のタイミングRt2よりも遅いタイミングRt2aとしていることによる遊技興趣の低下が懸念される。ただし、RTC状態これ自体はタイミングRt2にて発生するが、RTC状態が発生したことによる演出特典(RTC状態が発生してから終了するまでの間に大当りに当選すると、特別演出モードに制御されるなど)についてはタイミングRt2にて発生せず、該RTC状態が発生してから最初に消化された図柄変動以降の図柄変動(図中では、C,D変動)のみが対象になっていることから、タイミングRt2aが到来したときに特定背景(例えば、RTC状態中)を出現させることは適正であると言える。
ちなみに、タイミングRt2が到来したときに実行途中の段階にあった図柄変動(図中では、B変動(ハズレ))が終了(停止)されるまでの間に(タイミングRt2aが到来するまでの間に)、「RTC状態(特定状態)が発生するタイミングRt2が到来してから、RTC状態内における可動体動作時期によって可動装飾体が特定態様で動作(ここでは、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作)し終わるまでの期間」が経過するような場合も想定されうる。ただし、この場合であっても、タイミングRt2aが到来しない限りは、「何らの期待度も示されない表示(タイミングRt1からの表示)」が現れている状態は維持されることとなる。これは、図374に示される例にあって、RTC状態の発生前後(タイミングRt2前後)に跨るように実行される図柄変動(図中では、B変動)は、RTCの演出特典の対象にされていないためである。
またさらに、図374に示される例(周辺制御MPU1511a)では、少なくとも「RTC状態(特定状態)が発生するタイミングRt2が到来してから、RTC状態内における可動体動作時期によって可動装飾体が特定態様で動作(ここでは、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作)し終わるまでの期間」にあるときには、図柄変動に対応する復元動作時期が到来したとしてもこれを契機とした復元処理(異常状態にある可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理)が行われないようにこれを禁止することで、RTC状態内における特定態様での可動体動作(図柄変動に準じない可動装飾体の挙動)が図柄変動側の復元処理によって行い得なくなる事態が生じることを抑制しうるようにしている。
このような構成によれば、遊技開始条件とは別の特定条件が成立したことに基づいて発生可能とされるRTC状態(特定状態)においては、図柄変動側に応じた所定の復元動作を行わせる処理が禁止状態とされるようになり、RTC状態(特定状態)内における所定時期で所定の復元動作を行わせる処理が実行可能とされるようになることから、図柄変動の実行状況による影響を受けずにRTC状態(特定状態)内の予め定められた手順で可動体異常を復元させて、可動装飾体による上記特定態様での動作をより確実に実行させることが期待されるようになる。
すなわち、図374に示される例では、通常遊技状態に制御されており、且つ大当り判定に応じた図柄変動(図中では、A変動(ハズレ))が行われている途中の段階にあるときに上記タイミングRt1が到来する場合を想定している。そして上述の通り、まず、該タイミングRt1においては、該図柄変動に準じない表示として、例えば、演出表示装置1600における背景表示に「間もなくRTC状態」といった表示が現れる。そして、「間もなくRTC状態」といった表示が行われてからRTC状態が発生するタイミングRt2が到来するまでの間に該図柄変動(図中では、A変動(ハズレ))が終了されて、新たな図柄変動(変動B(ハズレ))が開始される。そして、該図柄変動が行われている途中の段階にあるときに上記タイミングRt2が到来するようになっており、該タイミングRt2においては、図柄変動に準じない可動装飾体の挙動として、3つの可動装飾体A,B,Cを順次に動作させる処理が実行されるようになっている。なお、タイミングRt1からの「図柄変動に準じない表示」は、新たな図柄変動(図中では、変動B(ハズレ))が停止されるまでの期間にわたって継続される。
また、これも上述したが、図374に示される例では、「RTC状態(特定状態)が発生するタイミングRt2が到来してから、RTC状態内における可動体動作時期によって3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作が完了されるまでの期間(正常時:タイミングRt2〜Rt5、異常時:タイミングRt2〜Rt5´)」においては、各種の可動装飾体のうち少なくとも可動装飾体A,B,Cを用いた図柄変動側の可動演出と、図柄変動側の復元処理とがいずれも行われないようにこれを禁止することとしている。したがって、図374に示される例にあって、タイミングRt2〜Rt2aの期間では、図柄変動(図中では、B変動(ハズレ))が実行されているにもかかわらず、図柄変動側の演出表示(期待度が示される表示)と、図柄変動側の可動演出(期待度が示される可動体動作)と、図柄変動側の復元処理とのいずれもが実行されない期間として制御されることとなる(第一の制限)。これに対し、図374に示される例にあって、タイミングRt2a〜Rt5の期間では、図柄変動側の演出表示(期待度が示される表示)は実行されるが、図柄変動側の可動演出(期待度が示される可動体動作)と、図柄変動側の復元処理とのいずれもが実行されない期間として制御されることとなる(第二の制限)。
なお、このようなタイミングRt2〜Rt2aにおける制御(図柄変動側の演出表示(期待度が示される表示)と可動演出(期待度が示される可動体動作)とのいずれもが実行されない)は、該期間における図柄変動が、ハズレ変動ではなく、大当りの当選に基づいて行われるもの(大当り変動)であったとしても実行される。すなわちこの場合、何らの期待演出も実行されておらず、且つ3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作が実行途中の段階にあるタイミングRt2aになると、大当り図柄が突然現れるようになることから、RTC状態になることを期待していた遊技者としてはその期待を超えたサプライズ的な演出としての面白みを享受することができるようになる。なお、こうして大当り図柄が現れた後は、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作が行われているなかで大当り遊技状態が発生することとなる。
また、これも上述したが、タイミングRt1からの表示(装飾図柄の変動すら行われず、何らの期待度も示されない表示のみ)については、タイミングRt2が到来したときに実行途中にあった図柄変動が停止されるタイミングRt2aにて非表示にされることとなり、これに代えてRTC状態が発生した後の特定背景(「RTC状態中」など)が表示されるようになる。また、特定背景(「RTC状態中」など)が表示される状態で図柄変動(図中では、変動パターンC)が新たに開始されると、その変動パターンに応じた演出表示(期待度が示される表示)が通常通りに実行されるようになる。ただし、可動装飾体A,B,Cを用いた図柄変動側の可動演出については、3つの可動装飾体A,B,Cを順次に動作させる処理が完了されない限りは、タイミングRt2aが到来した以降も禁止状態として維持されることとなる。したがって、大当り判定の結果に基づいて、可動装飾体A,B,Cのいずれかを用いた図柄変動側の可動演出が行われる演出パターンが仮に選択された場合であっても、該可動演出時の液晶内表示や音響、ランプ点灯などは通常通りに実行されるものの、該当の可動装飾体が動作することはないようにされている。
また、これも上述したが、図374に示される例では、RTC状態(特定状態)が発生するタイミングRt2が到来してから、RTC状態内における可動体動作時期によって3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作が完了されるまでの期間(正常時:タイミングRt2〜Rt5、異常時:タイミングRt2〜Rt5´)」においては、図柄変動に対応する復元動作時期(ここでは、図柄変動の開始時期、停止時期)が到来したとしてもこれを契機とした復元処理(異常状態にある可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理)が行われないようにこれを禁止することとしている。したがって、図374に示される例にあって、タイミングRt2aでは、図柄変動(図中では、B変動(ハズレ))の停止時期(復元動作時期)や、図柄変動(図中では、C変動(ハズレ))の開始時期(復元動作時期)が到来するようになっているが、これらの復元動作時期では、異常状態にある可動装飾体が存在していたとしても、該可動装飾体に対して復元処理が実行されることはない。
ただし、タイミングRt2〜Rt5(異常時は、タイミングRt2〜Rt5´)の期間においては、こうして図柄変動側の復元処理を禁止にする代わりに、まず、タイミングRt2において、可動装飾体Aが異常状態になっているか否かを判定する。そして、図374(f)に示される例では、可動装飾体Aが異常状態になっていない旨判定されることとなり、該判定の結果に基づいて、可動装飾体Aを正常時の動作態様で動作(正常時動作)させる処理が実行されることとなる。ここで、可動装飾体Aにかかる正常時の動作態様とは、例えば、原位置にある可動装飾体Aを所定の演出位置(第1位置)まで移動させた後、該所定の演出位置にある可動装飾体Aを原位置まで移動させる動作態様のこととして実現することが可能である。
次いで、可動装飾体Aによる正常時動作が終了した後のタイミングRt3において、可動装飾体Bが異常状態になっているか否かを判定する。そして、図374(f)に示される例では、可動装飾体Bが異常状態になっていない旨判定されることとなり、該判定の結果に基づいて、可動装飾体Bを正常時の動作態様で動作(正常時動作)させる処理が実行されることとなる。ここで、可動装飾体Bにかかる正常時の動作態様とは、例えば、原位置にある可動装飾体Bを所定の演出位置(第2位置)まで移動させた後、該所定の演出位置にある可動装飾体Bを原位置まで移動させる動作態様のこととして実現することが可能である。
そして次に、可動装飾体Bによる正常時動作が終了した後のタイミングRt4において、可動装飾体Cが異常状態になっているか否かを判定する。そして、図374(f)に示される例では、可動装飾体Cが異常状態になっていない旨判定されることとなり、該判定の結果に基づいて、可動装飾体Cを正常時の動作態様で動作(正常時動作)させる処理が実行されることとなる。ここで、可動装飾体Cにかかる正常時の動作態様とは、例えば、原位置にある可動装飾体Cを所定の演出位置(第3位置)まで移動させた後、該所定の演出位置にある可動装飾体Cを原位置まで移動させる動作態様のこととして実現することが可能である。
そして、図374(e)に示される例では、このような可動装飾体A,B,Cによる各動作が順次完了された後のタイミングRt5が到来すると、RTC状態(特定状態)の発生時における「図柄変動に準じない可動装飾体の挙動」が終了されて、図柄変動側の復元処理に対する禁止状態が解除されることとなる。
これに対し、可動装飾体A,B,Cに対する各異常判定のいずれかで異常状態にある旨判定された場合は、該異常状態にある可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理を実行可能としている。ただし、RTC状態の発生時における一連の可動体動作(ここでは、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作)を実行しているなかで、異常状態にある可動装飾体に対して所定の復元動作を行っている様子を遊技者側が感じ取ってしまうようなことがあると興ざめとなり、遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、異常状態にある可動装飾体に対する所定の復元動作を、RTC状態の発生時における一連の可動体動作(ここでは、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作)とは別の動作として独立して実行するのではなく、異常状態にある可動装飾体を復帰させる動作を含む特殊態様の動作として実行させるようにしている。すなわちこの場合、異常状態にある可動装飾体に対する所定の復元動作これ自体が、RTC状態の発生時動作の一部に組み込まれている動作であるかのように見せることができるようになることから、異常状態にある可動装飾体に対して所定の復元動作を行うときの遊技興趣の低下が好適に回避されるようになる。
例えば、図374(f)に示される例では、可動装飾体Aによる正常時動作が終了した後のタイミングRt3において、可動装飾体Bが異常状態になっている旨判定される場合を想定したものであるが、該異常判定の結果に基づいて、可動装飾体Bを正常時の動作態様で動作(正常時動作)させる処理ではなく、可動装飾体Bを復帰(復元)させる動作を含む異常時の動作態様で動作(特殊動作)させる処理を実行可能としている。そしてこの後は、該復帰(復元)させた可動装飾体Bを正常時の動作態様で動作(正常時動作)し直すようなことをせず、図374(e)において示したタイミングRt4(可動装飾体Bによる正常時動作が終了した後のタイミング)と同様、可動装飾体Cが異常状態になっているか否かを判定し、該可動装飾体Cが異常状態になっていないときには、可動装飾体Cを正常時の動作態様で動作(正常時動作)させる処理が実行されることとなる。なお、可動装飾体Bによる正常時動作に要する時間と、可動装飾体Bによる特殊動作に要する時間とは同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
このような構成によれば、RTC状態が発生した以降(例えば、可動装飾体Aの動作中など)に可動装飾体Bに異常が発生した場合であっても、その異常発生した可動装飾体Bを動作させるべきタイミングが到来するまでの間は、図柄変動側の状況にかかわらず、これを異常状態のままであえて放置することとなる。そして、可動装飾体Bを動作させるべきタイミングが到来したときには、可動装飾体Bを、正常時の動作態様に代えて、復元動作を含む特殊態様で動作させるようにしていることから、「3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作」といったRTC状態の発生時における演出態様を好適に維持しつつ、該異常発生した可動装飾体Bを復元させることができるようになる。すなわちこの場合、RTC状態の発生時動作として複数用意されている動作態様の1つが実行されたかのように見せることができるようになることから、異常状態にある可動装飾体に対して所定の復元動作を行うときの遊技興趣の低下が好適に回避されるようになる。
なお、タイミングRt2aで開始される図柄変動(図中では、C変動(ハズレ))は、RTC状態内における可動体動作時期によって3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作が実行されている途中段階にあるときに開始されて、該3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作が完了された以降までにわたって継続されるものとなっている。したがって、図柄変動(図中では、C変動(ハズレ))の停止時期(復元動作時期)やその次の図柄変動(図中では、D変動(ハズレ))の開始時期(復元動作時期)が到来するときには、図柄変動側の復元処理に対する禁止状態は既に解除されていることから、それら時期において異常状態にある可動装飾体が存在しているときには、該可動装飾体に対して復元処理が実行されることとなる。
また、図374(f)に示される例にあって、可動装飾体Bを「復元動作を含む特殊態様」で動作させるときの該「復元動作を含む特殊態様」については、「正常時の動作態様」と異なる動作態様によって可動装飾体Bを復元(原位置復帰)させるものであればよく、例えば、可動装飾体Bを原位置に戻すために要する最低限の動作態様であってもよい。
また、図374に示される例では、タイミングRt1において、演出表示装置1600における表示内容として何らの期待度も示されない表示(例えば、「まもなくRTC状態」など)のみが現れるようにしている。そして、該表示については、タイミングRt2aが到来するまで維持することとしたが、該表示については、タイミングRt2においてRTC状態が発生したことに基づいて異なる表示内容(例えば、「RTC準備状態」など)へと切り換えるようにしてもよい。ただし、タイミングRt2において表示内容を切り換えて新たな表示を出現させる場合であっても、タイミングRt2〜Rt2aの期間においては、演出表示装置1600における表示内容として何らの期待度も示されない表示(図柄変動に準じない表示)が現れるようにすることが重要である。
また、図374に示される例では、可動装飾体Bに異常発生した場合について説明したが、可動装飾体A,Cを動作させるにあたり、異常判定がなされた場合にも、正常時の動作態様に代えて、復元動作を含む特殊態様でそれぞれ動作させるようにすることが望ましい。
また、図374に示される例では、可動装飾体を特定態様で動作させる可動体動作時期を、RTC状態(特定状態)の発生時期として設定することとした。ただし、該可動体動作時期については、RTC状態(特定状態)が発生してから所定時間が経過したタイミングに設定するようにしてもよい。
また、図374に示される例では、周辺制御MPU1511a側の図柄変動に準じない機能(RTC機能)に基づいて条件成立されるタイミングRt1,Rt2が到来したことに基づいて、「図柄変動に準じない表示」や、「図柄変動に準じない可動装飾体の挙動」を開始させることとした。ただしこれに代えて、主制御MPU1310a側の図柄変動に準じない機能に基づいて送信されたコマンドに基づいて、「図柄変動に準じない表示」や、「図柄変動に準じない可動装飾体の挙動」を開始させるようにしてもよい。
また、図374に示される例では、「RTC状態(特定状態)が発生するタイミングRt2が到来してから、RTC状態内における可動体動作時期によって可動装飾体が特定態様で動作(ここでは、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作)し終わるまでの期間」にあるときに、図柄変動側の復元処理が行われないようにこれを禁止するものとなっており、これによってRTC状態(特定状態)内における特定態様での可動体動作(図柄変動に準じない可動装飾体の挙動)が図柄変動側の復元処理との競合によって行い得なくなる事態を生じ難くするようにしている。しかしながら、RTC状態(特定状態)の発生直前に、3つの可動装飾体A,B,Cのいずれかに対する復元処理が開始されるようなことがあると、該復元処理が実行状態とされているなかでRTC状態(特定状態)が発生し、ひいてはRTC状態(特定状態)内における可動体動作時期が到来することにもなりかねない。すなわちこの場合、RTC状態(特定状態)の発生直前に開始された復元処理によって、RTC状態(特定状態)内における特定態様での可動体動作(図柄変動に準じない可動装飾体の挙動)が行い得なくなることが懸念される。したがって、図374に示される例にあっては、タイミングRt1〜Rt2の期間においても、当該パチンコ機1が備える各種の可動装飾体のうち少なくとも3つの可動装飾体A,B,Cに対する復元処理が実行されないようにこれを禁止することが望ましい。
図375は、図374に示した例に対する変形例であり、「タイミングRt1〜Rt2の期間において、当該パチンコ機1が備える各種の可動装飾体のうち少なくとも3つの可動装飾体A,B,Cの復元処理が実行されない」ようになっている点で、図374に示した例と異なるものとなっている。
すなわち、図375に示される例では、タイミングRt1が到来してからRTC状態が発生するまでの期間(タイミングRt1〜Rt2)においては、少なくとも3つの可動装飾体A,B,Cに対する異常判定(若しくは、復元処理)これ自体を実行しないようにしている。これにより、図柄変動に準じない表示(「間もなくRTC状態」など)がなされているなかで、3つの可動装飾体A,B,Cのいずれかが異常状態になっていたとしてもこれが復元されることはなく、異常状態のままで放置されることとなる。
そして、図375に示される例では、RTC状態が発生するタイミングRt2が到来すると、まず、RTC状態内における可動体動作に関する処理を実行するのに先立って、3つの可動装飾体A,B,Cのいずれかが異常状態になっているか否かについての異常判定(第一異常判定)を行うこととしている。
上記異常判定の結果、3つの可動装飾体A,B,Cのいずれにも異常がない旨判定されたときには、RTC状態内における可動体動作時期(第二異常判定)が到来したとして、図374を参照して上述した通りの処理(RTC状態内における可動体動作に関する処理)を行うこととなる。したがって、3つの可動装飾体A,B,Cを順次に動作させるに際しては、動作対象の可動装飾体に異常が発生していないかの異常判定が改めて個別実行されることとなり、異常がない旨判定されたときには正常時態様での動作(図374(e)を参照)が現れ、異常がある旨判定されたときには特殊態様での動作(図374(f)を参照)が現れるようになる。すなわちこの場合、例えば、可動装飾体Bでは、RTC状態内における可動体動作に関する処理が開始されるのに先立って、第一異常判定が実行され、RTC状態内における可動体動作に関する処理が開始された後にも当該可動装飾体Bを動作させるのに先立って、第二異常判定が実行されることとなる。
これに対し、RTC状態内における可動体動作に関する処理を実行するのに先立って、上記異常判定が行われた結果、3つの可動装飾体A,B,Cのいずれかに異常がある旨判定されたときには、RTC状態内における可動体動作時期が到来するのを遅延させるかたちで、該異常状態にある可動装飾体に対する復元処理を実行するようにしている。すなわち、当該異常判定がなされた状況とは、「RTC状態内における可動体動作時期が未だ到来しておらず、可動装飾体による特定態様での動作が未だ開始されていない状況」であることから、該状況を維持させたままで異常状態にある可動装飾体を復元させることで、可動装飾体による特定態様での動作が、上述の「特殊態様」ではなく「正常時態様」で実行可能とされるようになる。
例えば、いま、図375(f)に示されるように、RTC状態が発生するタイミングRt2において、「RTC状態内における可動体動作時期が未だ到来しておらず、可動装飾体による特定態様での動作が未だ開始されていない状況」にあるときの異常判定が行われた結果として、3つの可動装飾体A,B,Cのいずれかに異常がある旨判定されたとする。すると、「RTC状態内における可動体動作時期が未だ到来しておらず、可動装飾体による特定態様での動作が未だ開始されていない状況」を維持したままで、該異常判定された可動装飾体に対する復元処理を実行することとなる。
すなわちこの場合、図375(e),(f)に併せて示されるように、3つの可動装飾体A,B,Cのいずれもが異常でない旨判定されたときに比べて、RTC状態内における可動体動作時期が到来するのを遅延(図中では、タイミングRt2から、タイミングRt2bへの遅延)させることとなるが、こうした遅延によって生まれる期間(図中では、タイミングRt2〜Rt2b)を利用することで、異常判定された可動装飾体を復元させてからRTC状態内における可動体動作時期が到来するようにすることができるようになる。そしてこの後、RTC状態内における可動体動作時期が到来すると、図374を参照して上述した通りの処理が行われることとなる。
この点、図375(f)に示される例では、3つの可動装飾体A,B,Cを順次に動作させるに際して、いずれの可動装飾体も異常が発生していない旨判定される場合を想定している。すなわちこの場合、遅延されたタイミングRt2bから、図374(e)を参照して説明した態様で3つの可動装飾体A,B,Cが順次動作することとなる。そして、3つの可動装飾体A,B,Cがそれぞれ正常時態様で順次動作し終わった後のタイミングRt5bが到来すると、RTC状態(特定状態)の発生時における「図柄変動に準じない可動装飾体の挙動」が終了されて、図柄変動側の復元処理に対する禁止状態(タイミングRt1〜Rt5aにわたる禁止状態)が解除されることとなる。
これに対し、図375(g)に示される例では、3つの可動装飾体A,B,Cを順次に動作させるに際して、可動装飾体Bに異常が発生している旨判定された場合(タイミングRt2における異常判定(第一異常判定)が行われた後(若しくは、復元された後)、可動装飾体Bに対して異常が新たに発生した場合)を想定している。すなわちこの場合、遅延されたタイミングRt2bから、図374(f)を参照して説明した態様で3つの可動装飾体A,B,Cが順次動作することとなる。そして、3つの可動装飾体A,B,Cが各判定結果に応じた態様(可動装飾体A,Cは正常時態様であり、可動装飾体Bは特殊態様)で順次動作し終わった後のタイミングRt5bが到来すると、RTC状態(特定状態)の発生時における「図柄変動に準じない可動装飾体の挙動」が終了されて、図柄変動側の復元処理に対する禁止状態(タイミングRt1〜Rt5bにわたる禁止状態)が解除されることとなる。すなわちこの場合、例えば、第一異常判定においても可動装飾体Bに異常が発生していた場合は、該第一異常判定に応じた復元処理(復元動作)と、上記第二異常判定に応じた特殊態様での動作とがそれぞれ実行されることとなる。
このような構成によれば、RTC状態の開始直前や開始直後の可動体動作中に可動異常が発生した場合であっても、RTC状態の発生時における一連の可動体動作(ここでは、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作)を適切に実行することができるようになり、RTC状態が発生したことに対する期待感が好適に維持されうるようになる。
なお、図375に示す例にあって、タイミングRt2における異常判定において複数の可動装飾体に異常があったときには、それら異常状態にある可動装飾体に対する復元処理を順次に実行した後、RTC状態の発生時における一連の可動体動作(ここでは、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作)を実行するようにすることが望ましい。なおこの場合、復元処理の対象とされる可動装飾体の数が多くなる分だけ、RTC状態の発生時における一連の可動体動作(ここでは、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作)が開始される時期がより長い時間にわたって遅延されることとなるが、RTC状態の発生時における一連の可動体動作を正常時態様で実行することが可能とされるようになる。複数の可動装飾体に対する復元動作を並行して実行させるようにしてもよく、この場合は、RTC状態の発生時における一連の可動体動作が開始されるまでの遅延時間を抑制することができるようになる。
ただし、図375に示される例にあっても、異常状態にある可動装飾体に対して所定の復元動作を行っている様子を遊技者側が感じ取ってしまうようなことがあると興ざめとなり、遊技興趣の低下が懸念される。したがって、図375(f),(g)に示される例では、「復元動作」が終了されるとこれに続いて「3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作」が実行(順次実行)されるようにすることで、タイミングRt2にて現れる復元動作も含めたタイミングRt5a,Rt5bまでの一連の可動体動作が「RTC状態の発生時における一連の可動体動作」として見えるようにして、異常状態にある可動装飾体に対して所定の復元動作を行っていることを認識し難くするようにしている。
したがって、当該パチンコ機1では、これらの異常発生状況とは異なる状況において異常が発生した場合は、可動装飾体に異常が発生していることを示す表示(エラーコードなど)を行いうるが、図374(f)に示される例ではもとより、図375(f),(g)に示される例においては、異常状態にある可動装飾体に対して復元動作(復元処理)を実行している期間中(第一異常判定に応じた復元動作中)や、可動装飾体Bを特殊態様で動作させる期間中(第二異常判定に応じた特殊態様での動作中)で、可動装飾体に異常が発生していることを示す表示(エラーコードなど)を出現させることはない。また、正常時態様での動作が終わってから特殊態様での動作が開始されるタイミングや、特殊態様での動作が終わってから正常時態様での動作が開始されるタイミング、さらには図375(f),(g)に示した復元動作が終わってから3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作が開始されるタイミングなどにおいて、これらタイミングの発生を契機として演出表示装置1600における表示内容に変化を生じさせるようなこともない。これらのことも、「RTC状態の発生時における一連の可動体動作」が行われているだけに見えるようにして、異常状態にある可動装飾体に対して所定の復元動作を行っていることを認識し難くするようにする上で重要であるといえる。
なお、図374及びその別例や、図375及びその別例においては、RTC状態の発生に基づく可動体動作として、3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作を行うこととしたがこれに限られず、図柄変動側の可動演出でも用いられる可動装飾体(1つ、または2つ、若しくは3つ以上など)を、遊技開始条件(始動条件)とは別の特定条件の成立に基づいて発生する特定状態内における可動体動作時期において特定の態様で動作させるものであればよい。
また、このようなRTC状態(特定状態)内における可動体動作時期にて動作可能とされる可動装飾体として、扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体(例えば、動作可能に設けられた操作ボタン410や、刀装飾体5001など)と、遊技盤5側に設けられる盤側可動装飾体(例えば、裏前飾りユニット3100や、裏中可動演出ユニット3200、特定装飾部材SDY(簾役物)など)とをそれぞれ用いるようにしてもよい。
ただし、例えば、図374及びその別例や、図375及びその別例において、RTC状態(特定状態)内における可動体動作時期にて動作可能とされる可動装飾体の1つとして、操作手段としても用いられる枠側可動装飾体(操作ボタン410や刀装飾体5001など)を用いるようにした場合、タイミングRt2aが到来した以降においても、このような操作手段としても用いられる枠側可動装飾体が「図柄変動に準じない動作」を行っている状況が生じかねない。
すなわち上述の通り、タイミングRt2aにおいては、RTC状態の発生に応じた可動装飾体による動作期間内であったとしても、それまで表示していた「何らの期待度も示されない表示(タイミングRt1からの表示)」をこの時点で非表示にして、RTC状態(特定状態)の発生後の特定背景(例えば、RTC状態中)が出現可能とされる。そしてこの後、新たな図柄変動(図中では、C変動(ハズレ))が開始されると、RTC状態の発生に応じた可動装飾体による動作期間内であったとしても、該図柄変動に応じた演出パターンや予告演出などの期待度が示される表示が通常通りに開始されることも上述した。したがって、このような新たな図柄変動(図中では、C変動(ハズレ))が行われる期間内では、操作手段としても用いられる枠側可動装飾体(操作ボタン410や刀装飾体5001など)がRTC状態の発生に応じた特定動作に供されている状態にあるにもかかわらず、その演出パターンによっては、操作手段としても用いられる枠側可動装飾体に対して操作機会が付与されかねず、演出的に混乱を招く事態が生じうる。なお、タイミングRt2〜Rt2aの期間(さらには、それ以前のタイミングRt1〜Rt2の期間)においては、図柄変動に準じない表示(何らの期待度も示されない表示)が現れているだけであるから、図柄変動(図中では、C変動(ハズレ))が行われていたとしても当該期間内で操作機会が付与されることはない。
そこで、特定の操作手段(枠側可動装飾体)がRTC状態の発生に応じた特定動作に供されている状態にあるにもかかわらず、該特定の操作手段に対して大当り判定の結果に応じた操作機会付与にかかる演出時期が到来した場合は、演出表示装置1600においては、該特定の操作手段に対して操作を行うことを促す特定表示(操作指示画像)を行うようにする一方で、特定動作を行っている状態にある特定の操作手段を操作したとしてもこれを演出受付しないようにすることが望ましい。このような構成によれば、RTC状態の発生に応じた特定動作が実行されているときに、該特定の操作手段に対して本来であれば操作機会が付与された状況にあったことを遊技者に対して適切に示唆することが可能である。また、特定の操作手段に対する操作を演出受付しないようにしたことで、動作状態にある特定の操作手段に対して操作が行われることにより故障や異常などが発生することを好適に抑制することが期待されるようになる。
ただし、RTC状態の発生に応じた特定動作の実行期間中、特定の操作手段に対して操作を行うことを促す特定表示が行われているにもかかわらず特定の操作手段に対する操作が演出受付されないようなことが頻出すると、演出が進展されないことによる遊技興趣が低下しかねない。したがって、扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体(例えば、動作可能に設けられた操作ボタン410や、刀装飾体5001など)のうち、大当り判定に応じた図柄変動内での操作演出の発生割合が相対的に高い操作手段(例えば、操作ボタン410)については、RTC状態(特定状態)内における可動体動作時期にて動作可能とされる可動装飾体の1つとして用いられないようにすることが望ましい。なおこの場合、RTC状態の発生に応じた可動装飾体による動作期間内に、図柄変動内での操作演出の発生割合が相対的に高い操作手段(例えば、操作ボタン410)に対して操作機会が付与されるときには、操作指示画像にかかる表示と操作されたときの演出受付(演出受付に応じた所定演出)とが通常通りに実行されるようにすることが望ましい。
すなわち、扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体(例えば、動作(例えば、振動など)可能に設けられた操作ボタン410や、刀装飾体5001など)のうち、大当り判定に応じた図柄変動内での操作演出の発生割合が相対的に低い特定の操作手段(例えば、刀装飾体5001)を、RTC状態(特定状態)内における可動体動作時期にて動作可能とされる可動装飾体の1つとして用いるようにすることで、該可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)がRTC状態の発生に応じた特定動作に供されている状態にあるにもかかわらず、該可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)に対して大当り判定の結果に応じた操作機会付与にかかる演出時期が到来する事態が発生することを抑制することができるようになる。
また、扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体(好ましくは、図柄変動内での操作演出の発生割合が相対的に低い特定の操作手段)を、RTC状態(特定状態)内における可動体動作時期にて動作可能とされる可動装飾体の1つとして用いるようにする場合は、RTC状態の発生時に、上記3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作とは独立した動作として、該枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)による動作を行うようにすることが望ましい。このような構成によれば、上記3つの可動装飾体A,B,Cのいずれかに対して特殊動作(図374を参照)や復元動作(図375を参照)が実行された場合であっても、これら動作が行われたことによる影響(遅延など)を受けることなく枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)による図柄変動に準じない動作を行うことができるようになる。なおこの場合、上記3つの可動装飾体A,B,Cについてはいずれも盤側可動装飾体として用いられるようにすることが望ましい。これにより、上記3つの可動装飾体A,B,Cのいずれが復元動作していたとしても、該可動装飾体との間で干渉が生じる可能性を排除して、扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体による動作を並行して実行させることができるようになる。
そしてこの上で、RTC状態(特定状態)が発生してから枠側可動装飾体(好ましくは、図柄変動内での操作演出の発生割合が相対的に低い特定の操作手段(例えば、刀装飾体5001))による図柄変動に準じない動作(RTC状態の発生に応じた動作)が完了されるまでに要する時間を「特定時間」とするとき、大当り判定に応じた演出パターンのいずれが実行された場合であっても、図柄変動が開始(演出パターンが開始)されてから「特定時間」が少なくとも経過しない限りは、演出パターン内の予め定められた操作機会付与タイミング(ここでは、枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)に対する操作機会)が到来しないように、各演出パターン(内の操作機会付与タイミング)にかかる設定を行うようにすることが望ましい。
このような構成によれば、図374及びその別例や、図375及びその別例にあって、タイミングRt2aにていずれの演出パターンをもった図柄変動が開始されたとしても、該図柄変動内で枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)に対して操作機会が付与される頃には、RTC状態の発生に応じた該枠側可動装飾体による動作(RTC状態の発生に応じた動作)は既に完了されており演出受付可能とされることから、図柄変動側の演出性を犠牲にすることなくRTC状態の発生時における演出性を高めることができるようになる。
また上述の通り、RTC状態が発生してから最初に消化された図柄変動以降の図柄変動でしか通常通りの演出制御が許容されないようになっていることに鑑みれば、枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)による図柄変動に準じない動作(RTC状態の発生に応じた動作)については、RTC状態の発生に基づいてその実行が開始可能とされるのに対し、RTC状態が発生してから最初に消化される図柄変動はこれに遅れて開始せざるを得ないこととなることから、その遅れ時間(タイミングRt2〜Rt2a)分だけ、枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)による図柄変動に準じない動作を先行して完了させるのに余裕を持たせることができるようになる。
また、枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)によるRTC状態の発生時における動作を、上記3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作とは独立した動作として実行する場合も、その実行に際しては、該枠側可動装飾体に異常が発生していないかを判定し、該異常が発生している旨判定したときには、正常時態様の動作に代えて、復元動作を含む特殊態様の動作として枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)による動作を実行するか、復元動作を行ってからこれに続くかたちで正常時態様の動作を行うようにすることが望ましい。なお、この場合における「復元動作を含む特殊態様」も、「正常時の動作態様」と異なる動作態様によって枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)を復元(原位置復帰)させるものであればよく、例えば、枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)に戻すために要する最低限の動作態様であってもよい。
そして、枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)によるRTC状態の発生時における動作が、「正常時態様」、「復元動作を含む特殊態様」、及び「復元動作を行ってからこれに続くかたちで正常時態様の動作を行う態様」のいずれの態様で実行される場合であっても、当該動作が完了しない限りは、上記枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)に対して操作機会が付与されるタイミングが到来しないように、各演出パターンにかかる設定を行うようにすることがより望ましい。このような構成によれば、タイミングRt2aにおいて大当り判定に応じた演出パターンのいずれが実行された場合であっても、枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)によるRTC状態の発生時における動作が、正常時態様と、異常判定されたときの態様とのいずれで実行されるかにかかわらず、該動作が完了した後に限り、上記枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)に対して操作機会が付与されうるようにすることができるようになる。
また、枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)に対する操作機会が演出受付されると、該演出受付に基づいて、上記3つの可動装飾体A,B,Cの少なくとも1つを動作させる特定の可動演出を実行可能とするようにしてもよい。ただしこの場合、タイミングRt2aにて開始された図柄変動内で枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)に対して操作機会が付与されるときに、該枠側可動装飾体による動作(RTC状態の発生に応じた動作)は既に完了されていたとしても、上記3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作は未だ実行途中の段階にあるようなことがあると、その操作機会を演出受付することができなくなってしまい、遊技興趣の低下が懸念される。したがって、上記3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作が正常時態様で行われたときにこれが完了されるまでに要する上記タイミングRt2からの時間を「特別時間」とするとき、大当り判定に応じた演出パターンのいずれが実行された場合であっても、図柄変動が開始(演出パターンが開始)されてから上記「特定時間」と当該「特別時間」とのいずれもが経過しない限りは、演出パターン内の予め定められた操作機会付与タイミング(ここでは、枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001に対する操作機会)が到来しないように、各演出パターン(内の操作機会付与タイミング)にかかる設定を行うようにすることが望ましい。
なお、枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)についてもこれがタイミングRt1〜Rt2の期間内において異常状態であったときには、該枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)に対する復元処理を禁止にするようにして、異常状態をあえて維持したままでタイミングRt2が到来するようにすることが望ましい。
これに対し、上記3つの可動装飾体A,B,Cのうち特定の可動装飾体(例えば、動作順序の早い可動装飾体Aや、復元動作に要する時間が長い可動装飾体など)についてはこれがタイミングRt1〜Rt2の期間内において異常状態であったときには、該可動装飾体に対する復元処理(復元動作)を禁止にするが、特定の可動装飾体とは異なる可動装飾体(例えば、動作順序の遅い可動装飾体B(または、可動装飾体C)や、復元動作に要する時間が短い可動装飾体など)についてはこれがタイミングRt1〜Rt2の期間内において異常状態であったときには、該可動装飾体に対する復元処理(復元動作)を禁止にせず行うようにしてもよい。これは、例えば、可動装飾体B(または、可動装飾体C)に対する復元処理(復元動作)は、タイミングRt2までに完了される必要はなく、上記可動装飾体AがRTC発生時の動きを行っている間に完了させることができれば、上記3つの可動装飾体A,B,Cによる順次動作を正常時態様にて実行することが可能とされるためである。
また、RTC状態が発生してから上記3つの可動装飾体A,B,Cの一連の動作が開始されるタイミングと、枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001)の動作が開始されるタイミングとは異なっていてもよい。
[可動演出への影響を少なくした可動異常に対する復元処理]
上述の通り、このパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、特定の可動装飾体が異常状態にある状況(より正確には、且つ特定状態が発生していない状況)にあるときに図柄変動に対応する復元動作時期(例えば、図柄変動の開始時期や停止時期など)が到来すると、該特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理を実行可能としている。ただし、演出の状況にかかわらずこのような復元処理が実行されると興ざめであり遊技興趣の低下が懸念される。
例えば、「図柄変動に対応する復元動作時期」として、上述した「図柄変動の開始時期」が設定されているとする。そして、いま、図376に示されるように、特定の可動装飾体が異常状態にある状況において新たな図柄変動が開始されるタイミングtm1が到来したとすると、周辺制御MPU1511aでは、少なくとも下記の各処理を実行することとなる。
・図柄変動が開始されるときに主制御MPU1310a側から送出されるコマンドを取得したことに基づいて該図柄変動に応じた演出パターンを設定するとともに、該設定した演出パターンを、図柄変動が行われるなかで演出進展させる処理
・図柄変動が開始されるときに主制御MPU1310a側から送出されるコマンドを取得したことに基づいて(図柄変動に対応する復元動作時期が到来したことに基づいて)、特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理
ここで、図376に示される例では、演出パターンとして「特定の可動装飾体を図柄変動内の特定タイミングtm2で動作させうる特定の演出パターン」が設定された場合を想定している。したがって、タイミングtm1が到来すると、「特定の可動装飾体を図柄変動内の特定タイミングtm2で動作させうる特定の演出パターン」にかかる演出進展と、特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理とがそれぞれ並行される状況が現れることとなる。
なお一般に、このような特定の演出パターンが実行可能とされるパチンコ機1にあっては、該特定の演出パターンとの間で演出的に対の関係となる演出パターン(相対的に期待度の低い演出パターン)が用意される。そして、対の関係となる演出パターン(相対的に期待度の低い演出パターン)においては、特定の可動装飾体を図柄変動内の特定タイミングtm2で動作させないにもかかわらず、特定タイミングtm2に向けて「特定の可動装飾体を図柄変動内の特定タイミングtm2で動作させうる特定の演出パターン(相対的に期待度の高い演出パターン)」の場合と同じ態様の演出が行われるようにすることがなされる。このように、演出的に対の関係となる2つの演出パターン(特定の可動装飾体を動作させる演出パターン、特定の可動装飾体を動作させない演出パターン)が用意されることで、特定タイミングtm2に際しては(例えば、特定タイミングtm2が到来するまでの所定時間は)、特定の可動装飾体が動作するか否かの演出性をもった所定演出(例えば、動作するか否かについての演出表示など)が実行可能とされるようになり、こうした演出性によって遊技興趣が好適に維持されるようになる。
ただし、図柄変動が開始された以降、特定タイミングtm2が到来する時点においても特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理が未だ実行状態にあるようなことがあると、特定タイミングtm2が到来したにもかかわらず該特定の可動装飾体が演出動作し得ない状況にあることが明らかになってしまう。すなわちこの場合、図柄変動内の特定タイミングtm2に際して上記所定演出が行われたとしても、特定の可動装飾体が動作するか否かの演出性をもった当該所定演出としての機能が喪失されかねず、遊技興趣が低下する懸念がある。
そこで、同図376に示される例では、演出パターンのうち「特定の可動装飾体を特定タイミングtm2で動作させうる特定の演出パターン」にかかる演出進展と、特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理(図柄変動に対応する復元動作時期に基づく復元処理)とがそれぞれ並行される状況が現れると、復元の状況にかかわらず特定タイミングtm2が到来するまでの間に「特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理」が終了されるようになっている。なお、「特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理」としては、様々な手法を採用することが可能であるが、以下の説明では、「異常状態が解消されるか、所定の上限数に達するまで特定の可動装飾体に対する復元動作が繰り返し行われる処理」が実行されるものとして説明する。
より具体的には、「特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理」については、該特定の可動装飾体が異常になっている程度によって、該異常状態からの復元が完了されるまでに要する時間が異なることとなる。例えば、特定の可動装飾体に対して1回目の復元動作を実行しただけでその異常状態が解消されて原位置へと復帰(復元)したときには、「特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理」が完了されるタイミングtxも比較的早い時期で到来することとなるが、特定の可動装飾体に対する復元動作が失敗して復帰(復元)されるまでにこれが繰り返される回数が多くなるほど、「特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理」が完了されるタイミングtxは遅い時期へとずれるかたちで先送りされることとなる。そして遅くとも、特定の可動装飾体に対する復元動作に失敗しており未だ復帰(復元)されていないが復元動作をもう一回実行するとタイミングtxを超えてしまうような状況になると、該特定の可動装飾体を異常状態にしたままで所定の復元動作を行わせる処理を終了させることで、復元の状況にかかわらず特定タイミングtmが到来するまでの間に所定の復元動作を行わせる処理が終了されるようになる。
なお、特定の可動装飾体に対する復元動作を1回行うとx時間を要するとするときに、「x時間×n回<タイミングtm1〜tm2の時間」なる関係が成立するように、1回の図柄変動内で所定の復元動作を繰り返す上限回数nを設定しておき、該上限回数nに達した段階で復帰(復元)していなかったとしても所定の復元動作を行わせる処理が終了されるようにすることで、復元の状況にかかわらず特定タイミングtm2が到来するまでの間に所定の復元動作を行わせる処理が終了されるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定の可動装飾体を図柄変動内の特定タイミングtm2で動作させうる特定の演出パターンにかかる演出進展と、特定の可動装飾体に対する所定の復元動作とがそれぞれ並行される状況が現れると、復元の状況にかかわらず特定タイミングtm2が到来するまでの間に所定の復元動作を行わせる処理が終了されるようになる。すなわちこの場合、特定タイミングtm2が到来するまでの間に特定の可動装飾体が復元された場合はもとより、特定の可動装飾体が復元されなかった場合であっても、特定タイミングtm2においては特定の可動装飾体が停止状態とされるようになることから、該特定タイミングtm2が到来したときに特定の可動装飾体が動作するか否かの演出性についてはこれを好適に維持することができるようになる。例えば、特定の可動装飾体が原位置とは異なる位置で停止状態にあったとしても、特定タイミングtm2が到来したときにはこれを契機として何らかの挙動を生じさせるかもしれない、または可動装飾体は動作しないとしても該可動装飾体が有するランプは発光するかもしれない(可動装飾体による演出動作が行われるときには該可動装飾体が有するランプが発光するとした場合)などといった希望を持たせることは可能である。
ただし実際は、上記所定演出が行われている間に特定の可動装飾体が復元動作を行っているような状況にあると、該特定の可動装飾体が動作するか否かの演出性をもった当該所定演出としての機能が喪失されかねない。したがって、「特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理」が完了されるタイミングtxについては、復元の状況にかかわらず上記所定演出が開始されるまでの間に終了されるようにすることが、遊技興趣を維持する上でより望ましいといえる。
なお、所定演出としては、例えば、特定の可動装飾体が「スーパーリーチ演出内で特定の表示結果(例えば、攻撃が命中する表示結果)が現れると動作し該特定の表示結果が現れなければ動作しないもの」として設けられるものであるときには、「特定の表示結果が現れるか否かを煽るようなかたちで先行して現れる表示演出」を例示することが可能であり、特定の可動装飾体が「遊技者による操作によって演出受付されたことに基づいて動作する(若しくは、演出受付されたが動作しない)もの」として設けられるものであるときには、「遊技者による操作を促す特定表示を出現させる演出」を例示することが可能である。
ここで、図376に示される例では、「特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理」が完了されるタイミングtxにおいて、特定の可動装飾体が異常状態から復帰(復元)されて正常状態になった場合を想定している。このように、変動開始時(若しくは、前回の図柄停止時などの「復元動作時期」)には異常状態であったとしても、正常状態へと復元されたもとで図柄変動内の特定タイミングtm2が到来すると、該特定タイミングtm2において特定の可動装飾体を演出動作させることが可能とされるようになる。
これに対し、「特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理」が完了されるタイミングtxにおいて、特定の可動装飾体が異常状態から復帰(復元)できず、異常状態のままで図柄変動内の特定タイミングtm2が到来するときには、少なくとも該特定タイミングtm2(より正確には、タイミングtx)から図柄変動が終了されて次の復元動作時期が到来するときまで停止状態を維持することとなる。すなわちこの場合、特定タイミングtm2において特定の可動装飾体を演出動作させることはできないものの、特定の可動装飾体が動作するか否かの演出性についてはこれを好適に維持することが可能であり、当該特定の演出パターンが大当り変動に基づくものであるときには、特定タイミングtm2において特定の可動装飾体が演出動作しなかったにもかかわらず大当り図柄が停止されることで、サプライズ的な演出を提供することができるようになる。
しかしながら、近年、パチンコ機では、より複雑な構造で多段階の動きを行う可動装飾体を備えるようになりつつあり、このような可動装飾体では、その復元処理としてもこれが完了されるまでにより長い時間を要することとなることが多い。ただしその一方で、特定の可動装飾体を図柄変動内の特定タイミングtm2で動作させうる特定の演出パターンや、これと対の関係となる演出パターンなどでは、それらの演出パターンが開始されるときに特定の可動装飾体が異常状態にあったとしても、図柄変動が開始されてから特定タイミングtm2が到来するまでに要する時間(より好ましくは、所定演出が行われるまでの時間)よりも短い時間内で特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理を終了させることが求められることは上述した。すなわちこの場合、特定の可動装飾体が異常状態になる度にこれを応急処置的で簡素な態様でしか復元させることができず、これでは当該特定の可動装飾体としての劣化を早めてしまうことにもなりかねない。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、特別の演出パターン(復元・診断用の演出パターン)を用意しており、図柄変動が開始されるときに主制御MPU1310a側から送出されるコマンドに基づいて該特別の演出パターンを選択した場合は、該特別の演出パターンが演出進展される間(特別の演出パターンに対応する図柄変動が行われている間)、特定の可動装飾体を動作させず、且つ所定演出(例えば、動作するか否かについての演出表示など)を出現させないように制御するものとなっている。そして、図377(a),(d)に示されるように、特定の可動装飾体が異常状態にある状況において図柄変動が開始されるタイミングtm11が到来した結果、特別の演出パターンにかかる演出進展と、特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理とがそれぞれ並行される状況が現れたときには、少なくとも特別の演出パターンが行われている間(図柄停止されるまでの期間)は復元処理を終了させずにこれが継続されるようにしている。
より具体的には、タイミングtm11から開始された復元処理において、特定の可動装飾体に対して1回目の復元動作を実行しただけでその異常状態が解消されて原位置へと復帰(復元)する場合であっても、当該復元処理は、少なくとも特別の演出パターンが行われている間は終了されず、その全期間にわたって特定の可動装飾体に対する復元処理を実行することとなる。
このような構成によれば、特定の可動装飾体が異常状態にあるときには上記特別の演出パターンが行われるときを狙って、より本格的な態様での復元処理(例えば、復元後にも正常診断を追加実施するなど)を行うことができるようになることから、当該特別の演出パターンについてはこれが復元・診断用の演出パターンとして機能するようになり、遊技者としてもこのように念入りに復元される様子を見て安心してその後の演出を楽しむことができるようになる。なおこの意味では、特別の演出パターンについては、大当り判定にて落選したときに限り選択可能とされるものとして用意するようにすることが望ましい。
また、演出表示装置1600における表示内容としても「復元・診断用の演出パターンです。しばらくお待ちください」などといったようなユニークな表示態様を出現させることが望ましい。
しかも、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、図377(a),(d)に示されるように、特定の可動装飾体が異常状態にあるときにタイミングtm11が到来して上記特別の演出パターンが行われる場合、該特別の演出パターンが終了されるタイミングtm12以降も、タイミングtm11にて開始させた復元処理を終了させずこれを継続するようにしている。このような構成によれば、「特定の可動装飾体に異常が発生しているにもかかわらずその復元処理については図柄変動が行われる単位毎に実行せざるを得ない」といった制約が排除されることから、より本格的な態様での復元処理を行うことが可能とされるようになる。
ただし、特別の演出パターンが終了されるタイミングtm12において、保留消化が途切れず、新たな図柄変動に応じた演出パターンが行われるようなことがあると、次の復元動作時期(ここでは、次回の図柄変動開始時期)が到来することとなる。そしてこの際、タイミングtm11にて開始させた復元処理を未だ継続しているような状況にあったとすると、特定の可動装飾体が未だ異常状態(原位置に位置していないなど)にある旨判定されることとなる。そして、該判定に基づいて、特定の可動装飾体に対する復元処理を新たに開始させることがなされるようなことがあると、実質的には、一の図柄変動が行われる時間内で完結可能な復元処理しか行い得なくなることからその処理内容としても自ずと限界のあるものとなり、異常に対して十分な対処ができないことによって当該特定の可動装飾体としての劣化を早めてしまうことにもなりかねない。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、図377(b),(d)に示されるように、特定の可動装飾体に対する復元処理を実行している状況にあるときに次の復元動作時期(ここでは、次回の図柄変動開始時期)が到来した場合、実行状態にある復元処理を終了させずこれを次の復元動作時期を跨るかたちで継続させるようにしている。このような構成によれば、特定の可動装飾体に対する復元処理を実行しているときの保留がいかなる状況にあったとしても、「特定の可動装飾体に異常が発生しているにもかかわらずその復元処理については図柄変動が行われる単位毎に実行せざるを得ない」といった制約が排除されることから、より本格的な態様での復元処理を行うことが可能とされるようになる。
ただし、図377(c),(d)に示されるように、特定の可動装飾体に対する復元処理を実行している状況にあるときに新たな図柄変動が開始された結果、該新たな図柄変動として、「特定の可動装飾体を図柄変動内の特定タイミングtm2で動作させうる特定の演出パターン」が現れる場合もありうる。したがって、図377(a)〜(c)に示されるように、特別の演出パターンが終了された後の遊技や演出の状況(さらには、復元の状況など)にかかわらず、タイミングtm11から開始された「特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理」が完了されるタイミングtxについては、その次の図柄変動内の特定タイミングtm2が到来するまでに要する時間(より好ましくは、所定演出が行われるまでの時間)よりも短い時間内で終了させるようにすることが望ましい。このような構成であっても、タイミングtm11〜tm12の時間(特別の演出パターンの消化に要する時間)に加えて、タイミングtm12〜txの時間が終了されるまでの比較的長い時間にわたって特定の可動装飾体に対する復元処理を継続して行うことが可能とされるようになる。
なお、特別の演出パターン(復元・診断用の演出パターン)が終了された後、特別の演出パターン(復元・診断用の演出パターン)が連続して実行される状況が現れた場合には、該新たな特別の演出パターン(復元・診断用の演出パターン)内で復元処理を終了させず、3回以上の図柄変動(演出パターン)に跨る(一の復元処理が開始された後、該一の復元処理が2つ以上の復元動作時期に跨る)かたちで一の復元処理を継続させるようにしてもよい。
図377に示される例では、「特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理」が完了されるタイミングtxにおいて、特定の可動装飾体が異常状態から復帰(復元)されて正常状態になった場合を想定している。このように、次の復元動作時期(ここでは、次回の図柄変動開始時期)を跨ぐかたちで一の復元処理を継続させるようにしたことで、従来では復元し得なかった深刻な異常状態であってもこれが復帰可能とされうるようになり、特定タイミングtm2において特定の可動装飾体を演出動作させることが可能とされるようになる。
これに対し、次の復元動作時期(ここでは、次回の図柄変動開始時期)を跨ぐかたちで一の復元処理を継続させるようにしたにもかかわらず、タイミングtxにおいて、特定の可動装飾体が異常状態から復帰(復元)できなかったときには、タイミングtxから図柄変動が終了されて次の復元動作時期がさらに到来するときまで停止状態を維持することとなる。すなわちこの場合、特定タイミングtm2において特定の可動装飾体を演出動作させることはできないものの、特定の可動装飾体が動作するか否かの演出性についてはこれを好適に維持することが可能であり、当該特定の演出パターンが大当り変動に基づくものであるときには、特定タイミングtm2において特定の可動装飾体が演出動作しなかったにもかかわらず大当り図柄が停止されることで、サプライズ的な演出を提供することができるようになる。
なお、特定の可動装飾体が異常状態にあり、且つ該特定の可動装飾体に対する復元処理が実行されていない状況において、復元動作時期(ここでは、図柄変動開始時期)が到来する都度、該特定の可動装飾体に対する復元処理を幾度も開始させるようなことがあると、特定の可動装飾体が復元不可能な程度に故障している場合、復元し得ないにもかかわらず該特定の可動装飾体に対する復元処理がひたすら繰り返されることによって遊技興趣が低下することが懸念される。したがって、特定の可動装飾体が異常状態にされた以降、復元動作時期が所定の上限数だけ到来したにもかかわらず(復元処理(特定の可動装飾体)の実行回数が所定の上限数に達したにもかかわらず)該異常状態から復元されていないときには、これ以降、新たな復元動作時期が到来したとしても特定の可動装飾体に対する復元処理を新たに開始させないようにすることが望ましい。
ただしその一方で、特定の可動装飾体が異常状態にされた以降、特別の演出パターン(復元・診断用の演出パターン)のみが上記所定の上限数分だけ連続して実行(開始)された後に、特別の演出パターン(復元・診断用の演出パターン)とは異なる演出パターン(例えば、特定の演出パターン)が実行される状況が現れた場合は、所定の上限数分の特別の演出パターンとその次の演出パターンとに跨るかたちで一の復元処理を継続させるようにしてもよい。すなわちこの場合、特定の可動装飾体が異常状態にされた以降、復元動作時期が所定の上限数だけ到来したにもかかわらず該異常状態から復元されていないこととなるが、「所定の上限数+1」回目の復元動作時期が到来したときにも特定の可動装飾体に対する復元処理を終了させずにこれを継続させることとなる。このように、復元動作時期を跨ぐかたちで一の復元処理が継続される態様については、該一の復元処理が継続されている間に復元動作時期が何回到来したとしても上記所定の上限数に対する計数としては1回分の復元処理として扱ってこれが終了されないようにすることで、より本格的な態様での復元処理を行うことが妨げられないようにすることが望ましい。
ところで、このような復元処理(図柄変動に対応する復元動作時期に基づいて行われる復元処理)については、遊技盤5側に設けられる盤側可動装飾体(例えば、裏前飾りユニット3100や、裏中可動演出ユニット3200、特定装飾部材SDY(簾役物)など)のほか、扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体に対しても、基本的には、上述した通りの態様で実行される。ただし、扉枠3側に設けられる枠側可動装飾体のうち、操作手段としても用いられる枠側可動装飾体(例えば、動作可能に設けられた操作ボタン410や、刀装飾体5001など)については、上述した特定の可動装飾体(盤側可動装飾体)の場合とは異なる態様で復元(復帰)させる場合があるようにしている。
例えば、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、上述の通り、図柄変動が行われる期間中、刀装飾体5001に対する操作機会を付与する操作機会付与演出が実行される可動操作系の演出パターン(例えば、図341で示した演出パターン)を用意している。そして、これも上述したが、このような操作機会付与演出では、「刀装飾体5001を原位置から操作位置へと所定の駆動力によって移動させる処理(図341(f)を参照)」と、「刀装飾体5001に対する演出受付期間を発生させる処理(図341(f)を参照)」、さらには「操作を促す表示(「押し込め」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)を行う処理(図341(f)を参照)」がそれぞれ行われる。そしてこの結果、操作位置へと移動した状態にある刀装飾体5001が操作(ここでは、押し込む操作)されてこれが演出受付されると、該演出受付に基づいて「特定装飾部材SDY(簾役物)などの盤側可動装飾体を演出動作させる処理(図341(g)を参照)」と「表示内容に変化を生じさせる処理(図341(g)を参照)」とがそれぞれ行われることとなる。なお、この処理にて演出動作される盤側可動装飾体は、図376や図377にて説明した特定の可動装飾体であってもよい。
ただし、このような操作機会付与演出のうち「刀装飾体5001を原位置から操作位置へと所定の駆動力によって移動させる処理」については、刀装飾体5001が異常状態にあるときには実行されず正常状態にあるときに実行可能とされるのに対し、「刀装飾体5001に対する演出受付期間を発生させる処理」と「操作を促す表示を行う処理」とについては、刀装飾体5001が正常状態にあるときと異常状態にあるときとのいずれであっても実行可能とされるものとなっている。したがって、可動操作系の演出パターンでは、刀装飾体5001が異常状態にあったとしても、「操作を促す表示」を見た遊技者によって刀装飾体5001が操作されてこれが演出受付されると、「特定装飾部材SDY(簾役物)などの盤側可動装飾体を演出動作させる処理」と「演出表示装置1600における表示内容に変化を生じさせる処理」とがそれぞれ行われることとなる。そればかりか、可動操作系の演出パターンでは、刀装飾体5001が異常状態にあったとしても、こうした遊技者による操作によって刀装飾体5001が外力を受けて操作部位が動作することでその異常状態が自ずと解消される場合も生じうることとなる。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、操作手段としても用いられる枠側可動装飾体(例えば、動作可能に設けられた操作ボタン410や、刀装飾体5001など)が異常状態になった場合、当該枠側可動装飾体(操作手段)に対して原位置へと復帰させるための駆動力を付与する復帰処理(図376,図377を参照して説明した態様での復元処理)を、「上述の復元動作時期(ここでは、図柄変動の開始時期)」と、「可動操作系の演出パターン内で遊技者による操作によって演出受付された後」との各タイミングにおいてそれぞれ実行可能としている。
このような構成によれば、盤側可動装飾体が異常状態であるときには、図柄変動の開始時や停止時(より厳密には、開始後や停止後)などのタイミングを狙って、盤側可動装飾体を復帰させる処理が行われるのに対し、枠側可動装飾体が異常状態であるときには、図柄変動の開始時や停止時などのタイミングはもとより、これとは別の独自タイミング(変動期間中のうち、枠側可動装飾体(操作手段)に対して外力(遊技者による操作)が加えられてその異常状態が解消される可能性があるタイミング)を狙って、枠側可動装飾体(操作手段)を復元(復帰)させる処理が行われるようになることから、異常状態にある枠側可動装飾体(操作手段)の原位置復帰を早期に実現可能とすることが期待されるようになる。
図378は、このような枠側可動装飾体(操作手段)として刀装飾体5001が用いられた場合に、該刀装飾体5001が原位置復帰されるまでの処理についてその一例を示すタイムチャートである。
同図378に示されるように、いま、可動操作系の演出パターン(図柄変動が行われる期間中、刀装飾体5001に対する操作機会を付与する操作機会付与演出が実行される演出パターン)が実行されており、タイミングtm21において、「刀装飾体5001を原位置から操作位置へと移動させる処理」が実行されたとする。そして、刀装飾体5001が操作位置に位置した状態にあるときに、「刀装飾体5001に対する演出受付期間を発生させる処理」、「操作を促す表示(「押し込め」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)が実行されているなかで、遊技者によって刀装飾体5001が操作されてこれが演出受付されたとすると(タイミングtm22)、「特定装飾部材SDY(簾役物)などの盤側可動装飾体を演出動作させる処理」と「演出表示装置1600における表示内容に変化を生じさせる処理」とがそれぞれ行われることとなる。なお、図378に示される例では、演出受付されたことに基づいて、図376や図377にて説明した特定の可動装飾体を盤側可動装飾体として演出動作させるようになっている。
この点、図378に示される例では、こうして演出受付されたタイミングtm22において刀装飾体5001に異常が発生してこれが原位置に復帰されなくなるとともに、演出受付に基づいて演出動作した特定の可動装飾体(盤側可動装飾体)にも別の異常が発生してこれが原位置に復帰されなくなった場合を想定している。なおこの際、刀装飾体5001に異常が発生した旨の判定と、特定の可動装飾体に異常が発生した旨の判定がそれぞれなされることとなるが、特定の可動装飾体に異常が発生した旨の判定についてはこれに伴う特定の報知音及び表示報知のいずれもが実行されないようにするとともに、刀装飾体5001に異常が発生した旨の判定についてはこれに伴って特定の報知音及び表示報知の少なくとも一方が行われるようにすることが望ましい。これは、刀装飾体5001が「遊技者による手の届くところ(扉枠3)に置かれるもの」であり、これが異常状態になったことを報知するようにすれば異常状態からの修復作業を遊技者の手によって行うことが期待されるのに対し、特定の可動装飾体は「遊技者による手の届かないところ(遊技盤5)に置かれるもの」であり、これが異常状態になったことを報知したところで、遊技者として何も手助けできないし、可動演出が実行されない状態にあることを強調するだけで遊技興趣の低下を助長しかねないからである。ただし、こうした報知は、所定時間が経過したときに終了されるようにすることが望ましい。
さらに言えば、図378に示される例では、タイミングtm22において演出受付されたことに基づいて「特定の可動装飾体を演出動作させる処理」を行っているなかで該特定の可動装飾体に異常が発生することとなるが、「演出表示装置1600における表示内容に変化を生じさせる処理」についてはこれが通常通りに実行されるようにすることで、特定の可動装飾体に異常発生したことを認識し難くするようにすることが望ましい。そしてこの後、刀装飾体5001及び特定の可動装飾体はいずれも異常状態とされたままで当該可動操作系の演出パターンが演出進展されることとなり、タイミングtm23において図柄変動が停止されることとなる。
図378に示される例では、タイミングtm23になると、既に保留状態になっている図柄変動がすぐに(例えば、0.6秒後に)消化(開始)されるようになっており、該新たな図柄変動に応じた演出パターンとして図376にて説明した特定の演出パターンが実行される場合を想定している。すなわち、特定の演出パターンでは、図柄変動が開始されてから所定時間が経過したタイミングtm2において特定の可動装飾体を演出動作させるものとなっているが、復元動作時期(ここでは、図柄変動開始時)に開始される「特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理」が完了されるタイミングtxについては、復元の状況にかかわらずタイミングtm2よりも短い時間内(より好ましくは、所定演出が開始されるまでの間)で終了されるようになっていることは上述した通りである。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、刀装飾体5001についても復元動作時期(ここでは、図柄変動開始時)が到来したことに基づいて、「特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理」と少なくとも一部の動作が並行されるかたちでこれを原位置へと戻すように動作(駆動力付与)させる処理を実行可能としている。しかも、このような「刀装飾体5001に対して所定の復元動作を行わせる処理」が完了されるタイミングも同様、復元の状況にかかわらずタイミングtm2よりも短い時間内(より好ましくは、所定演出が開始されるまでの間)で終了されるようにしている。
このような構成によれば、特定の可動装飾体の異常状態が解消され、タイミングtm2において該特定の可動装飾体による可動演出が行われる状況になったときに、刀装飾体5001による復元動作が継続されているようなことがなくなることから、復元動作と可動演出とが並行されるときの興ざめの発生を回避することができるようになる。
なお、図378に示される例では、特定の可動装飾体に対する復元処理が開始・終了されるタイミングと、刀装飾体5001に対する復元処理が開始・終了されるタイミングとがいずれも同じとされているが、それらタイミングの一方のみが同じであってもよいし、それらタイミングのいずれもが異なっていてもよい。
また、「特定の可動装飾体に対して所定の復元動作を行わせる処理」については、図377を参照して説明した通り、特別の演出パターン(復元・診断用の演出パターン)が現れたときには該特別の演出パターンが終了した以降も継続可能であることはもとより、特別の演出パターンが終了されてから保留状態にある図柄変動がすぐに(例えば、0.6秒後に)消化(開始)される状況においては次の復元動作時期(ここでは、次回の図柄変動開始時期)を跨るときに当該処理(一の復元処理)を終了せずこれを継続させるかたちで実行可能としているが、「刀装飾体5001に対して所定の復元動作を行わせる処理」についてもこれと同じ態様(図377を参照して説明した態様)で実行可能とされるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、「刀装飾体5001に対して所定の復元動作を行わせる処理」についても、特別の演出パターンが現れたときには次の復元動作時期(ここでは、次回の図柄変動開始時期)を跨るかたちで実行されることとなるが、次の図柄変動が開始されてからタイミングtm2が到来するまでに要する時間が経過するまでの間に、復元の状況にかかわらず終了されるようにすることとなる。
また、刀装飾体5001についてもこれが異常状態にされた以降、特別の演出パターン(復元・診断用の演出パターン)のみが所定の上限数分だけ連続して実行された後に、特別の演出パターン(復元・診断用の演出パターン)とは異なる演出パターン(例えば、特定の演出パターン)が実行される状況が現れた場合、所定の上限数分の特別の演出パターンとその次の演出パターンとに跨るかたち当該刀装飾体5001に対する一の復元処理を継続させるようにしてもよい
そして、図378に示される例では、タイミングtxにおいて、特定の可動装飾体に対する復元処理と刀装飾体5001に対する復元処理とがそれぞれ終了されるがいずれも復元に失敗した場合を想定している。したがって、タイミングtm2においては特定の可動装飾体による可動演出が行われることなく、刀装飾体5001及び特定の可動装飾体はいずれも異常状態とされたままで当該特定の演出パターンが演出進展されることとなり、タイミングtm24において図柄変動が停止されることとなる。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、特定の演出パターン内においてタイミングtx〜tm2の期間内で、特定の可動装飾体を外力(モータなどによる駆動力を付与しない)によって原位置へと復帰させた(正常状態にさせた)としても、タイミングtm2において、特定の可動装飾体による演出動作が行われることはない。すなわち、タイミングtx〜tm2の期間内で特定の可動装飾体に対して外力(モータなどによる駆動力を付与しない)が加えられることこれ自体が異常な事態であるといえる。このような信頼性の低い状況にあるなかで特定の可動装飾体による演出動作を行ったとしてもこれに失敗する可能性が高いことからこれを行わないようにすることが遊技興趣の低下を抑制する上で望ましいといえる。
また、刀装飾体5001に対する復元処理に失敗して再び異常状態になった場合は、これに伴う特定の報知音及び表示報知のいずれもが行われないようにすることが望ましい。
すなわち、刀装飾体5001に対する復元処理に失敗して再び異常状態になる都度に報知を行うようなことがあると、異常状態が解消されないことを遊技者の責任にしているかのような誤解を与えかねないことから、正常状態から異常状態になった最初の異常発生時に限り上述の報知(特定の報知音及び表示報知の少なくとも一方)を行うようにして遊技者による修復作業を促すようにすることが望ましい。
また、図378に示される例では、タイミングtm24以降に到来するいずれかの復元動作時期(ここでは、図柄変動開始時期)を契機とした復元処理によって、刀装飾体5001及び特定の可動装飾体のうち特定の可動装飾体のみが異常状態から復帰した場合を想定している。そして、いま、刀装飾体5001のみが異常状態にあるなかで可動操作系の演出パターンが再び行われており、図378に示されるように、タイミングtm25において異常状態にあった刀装飾体5001が遊技者による操作によって演出受付されたとすると、このような操作によって刀装飾体5001に発生していた異常が解消された可能性を期待することができるようになる。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、タイミングtm25において異常状態にあった刀装飾体5001が遊技者による操作によって演出受付されたときには、その後、刀装飾体5001を原位置へと戻す(原位置にて留まらせる)ように駆動力を付与可能となっている。なおこの際、演出受付に基づいて特定の可動装飾体による可動演出が行われることに鑑みれば、刀装飾体5001を原位置へと戻すように駆動力を付与する処理が行われる期間(1回の復帰動作で成功した場合の期間)としては、特定の可動装飾体による可動演出が開始された後に発生させ、且つ特定の可動装飾体による可動演出が終了(特定の可動装飾体が原位置へと戻る)されるよりも前に終了させるようにすることが、このような復帰処理が実行されていることを認識し難くする上で望ましい。ただし、このような外力(遊技者による操作)によってこれまで復帰できなかった刀装飾体5001の復帰可能性が高まっている数少ないチャンスが到来していることに鑑みれば、刀装飾体5001を原位置へと戻すように駆動力を付与する処理(刀装飾体5001に対する復帰動作)に失敗した場合は、特定の可動装飾体による可動演出が終了された後の期間までにわたって、刀装飾体5001を原位置へと戻すように駆動力を付与する処理を継続して実行(刀装飾体5001に対する復帰動作を再び実行)するようにして遊技者側に異常状況を認識し易くすることで、遊技者による手助けを促すようにすることが望ましい。ただし、この復帰処理に失敗した場合も、これに伴う特定の報知音及び表示報知のいずれもが行われないようにすることが望ましい。
そして、図378に示される例では、このような外力(遊技者による操作)を利用した刀装飾体5001に対する復帰処理(原位置への復帰)に成功した場合を想定しており、この後は、刀装飾体5001及び特定の可動装飾体はいずれも正常状態とされたままで当該可動操作系の演出パターンが演出進展されることとなり、タイミングtm26において図柄変動が停止されることとなる。
このように、図378に示した例によれば、操作手段としても用いられる枠側可動装飾体(刀装飾体5001)については、盤側可動装飾体(特定の可動装飾体)に対して設定される復元動作時期(図柄変動開始時)に加えて、外力(遊技者による操作)を利用した復元動作時期(演出受付された後のタイミング)が設定されることとなる。すなわち、操作手段としても用いられる枠側可動装飾体(刀装飾体5001)は、遊技者によって直接接触されることもあって異常状態になり易いものの、異常状態になった場合であっても原位置復帰の機会が多めに付与されるとともにその復帰方法としても様々な態様(駆動力付与のみによって復帰させる態様、少なくとも外力を利用して復帰させる態様)が用いられることから、異常状態が解消される可能性も高くなり遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
なお、異常状態にあった刀装飾体5001が遊技者による操作によって演出受付された後に該刀装飾体5001に対して原位置へと復帰させるための駆動力を付与する処理については、図柄変動開始時期(例えば、タイミングtm23)が到来したときに行われる復元処理と異なる内容(異なる動作態様)で刀装飾体5001に対して駆動力を付与するようにしてもよい。すなわち、当該処理については、外力(遊技者による操作)を利用して刀装飾体5001を復帰させるものであるから、外力を利用しないときの処理とは異なる内容で行うようにすることが、復帰確率を高める上で望ましいといえる。また、当該処理については、復帰の状況にかかわらずその図柄変動内で復帰処理が終了されるような簡易的な態様で実行することとし、復帰に失敗したときには次の復元動作時期でより本格的な復帰処理が行われるようにすることが望ましい。
また、図378に示した例にあっては、復元動作時期(ここでは、図柄変動開始時期)が所定の上限数だけ到来してその回数分だけ該刀装飾体5001に対する復元処理を実行したにもかかわらず異常状態から復元されず、新たな復元動作時期(ここでは、図柄変動開始時期)が到来したとしても刀装飾体5001に対する復元処理を新たに開始させない状況になっているときに、可動操作系の演出パターンが開始されて、タイミングtm25において異常状態にある刀装飾体5001が遊技者による操作によって演出受付された場合であっても、該演出受付された後には、刀装飾体5001を原位置へと戻す(原位置にて留まらせる)ように駆動力を付与する処理を行うようにすることが望ましい。すなわち上述の通り、演出受付された後の復帰処理は、外力(遊技者による操作)によってこれまで復帰できなかった刀装飾体5001の復帰可能性が高まっている状況にあるときに行われるものであるといえることから、外力無しでの復帰が諦められている上述の状況にあったとしても、当該処理については諦めずに実行するようにすることが望ましいといえる。
したがって、「刀装飾体5001に対する演出受付期間を発生させる処理(図341(f)を参照)」、及び「操作を促す表示(「押し込め」といった文字表示や、演出受付期間の残り時間を示すバー表示)を行う処理(図341(f)を参照)」についても、外力無しでの復帰が諦められている上述の状況においても通常通りに行われるようにすることが重要である。
また、刀装飾体5001が、操作位置に位置した状態で押し込む(特定の検出位置まで動作させる)ように第1操作機会を付与する場合と、原位置にあるときに押し込む(特定の検出位置まで動作させる)ように第2操作機会を付与する場合とがあるように設けられる操作手段であったときは、異常状態にあった刀装飾体5001に対する第2操作機会において演出受付が発生したとしても原位置へと復帰させるための駆動力を付与せず、異常状態にあった刀装飾体5001に対する第1操作機会において演出受付が発生したときに限り原位置へと復帰させるための駆動力を付与するようにすることが望ましい。すなわち、第2操作機会が付与されるときに演出受付されたとしても操作部位の動作量は比較的少ないことから、異常状態が解消されている可能性も自ずと低いと予想されるためである。
また、異常状態にあった刀装飾体5001が遊技者による操作によって演出受付された後に該刀装飾体5001に対して原位置へと復帰させるための駆動力を付与する処理については、必ずしも演出受付されたことを条件として実行されるものでなくてもよく、例えば、演出受付期間が終了した以降に実行するようにしてもよい。
なお、図374〜図378に示した例では、図柄変動に対応する復元動作時期として図柄変動開始時期(さらには、演出受付後のタイミング)を例示することとしたが、該復元動作時期については、図柄変動が実行されることを少なくとも条件として到来する所定のタイミングであればよく、例えば、図柄変動開始時期及び図柄変動停止時期の少なくとも一方として用いるようにしてもよい。図柄変動に対応する復元動作時期として図柄変動停止時期を用いるようにした場合、図柄変動が停止されるときに主制御MPU1310a側から送出されるコマンドに基づいて復元処理を開始させることとなり、この開始させた復元処理を、保留消化された特定の演出パターン内のタイミングtm2が到来するまでの間に終了させたり、保留消化された特別の演出パターンの終了後までに跨るように実行させたりするなどの上述した各処理が行われることとなる。
また、特別の演出パターン(復元・診断用の演出パターン)については、遊技の状態に応じてその出現頻度が異なるようにしてもよい。例えば、可動装飾体の動作頻度が高くなる特別の演出状態が発生した場合は、動作頻度が高くされる分だけ異常状態も発生しやすくなることから、該特別の演出状態においては、通常の演出状態にあるときよりも特別の演出パターン(復元・診断用の演出パターン)の出現頻度が高くなるように遊技可能とすることが望ましい。
ところで、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU1511a)では、操作手段としても用いられる枠側可動装飾体(例えば、刀装飾体5001など)や特定の可動装飾体などが異常状態にあるときに上記特別の演出パターン(復元・診断用の演出パターン)が行われると、図377に示したように、次の図柄変動に応じた演出パターンが開始された以降までの期間にわたって該異常状態にある可動装飾体に対する一の復元処理を継続して実行可能なものとなっている。ただしこの場合、一の復元処理が継続して実行されている間に新たな復元動作時期(例えば、図柄変動開始時期)が到来したとしても、該異常状態にある可動装飾体に対する復元処理を改めて開始させるようなことはせず、既に実行状態にある一の復元処理を終了させずにこれを継続させることとなることから、該復元処理の対象となっている可動装飾体とは別の可動装飾体が新たに異常状態になったときに該別の可動装飾体に対する復元処理をいずれのタイミングで開始させるかが問題となる。
例えば、図377に示される例にあって、タイミングtm11において開始された特定の可動装飾体に対する復元処理は、特別の演出パターンが終了されるタイミングtm12が到来した以降、新たな復元動作時期(次の図柄変動の開始時期)を跨ぐときにも終了することなく継続実行されるようになっている。この点、タイミングtm11が経過してから新たな復元動作時期(次の図柄変動の開始時期)が到来するまでの間に特定の可動装飾体とは別の可動装飾体に新たに異常が発生した場合は、少なくとも以下の手法1〜3のうちの1つ、または「手法1及び手法2の両方」、または「手法1及び手法3の両方」を採用して該別の可動装飾体に対する復元処理を実行するようにすることが望ましい。
手法1:少なくとも「特定の可動装飾体が盤側可動装飾体として設けられるものであるのに対し、上記別の可動装飾体が枠側可動装飾体として設けられるもの」といった関係にある場合、特定の可動装飾体に対する一の復元処理が継続実行されるなかで新たな復元動作時期(次の図柄変動の開始時期)が到来したときに、該新たな復元動作時期(次の図柄変動の開始時期)が到来したことに基づいて別の可動装飾体(枠側可動装飾体)に対する復元処理を新たに開始させるようにする。
このような手法1によれば、新たな復元動作時期(次の図柄変動の開始時期)は、既に実行状態にある特定の可動装飾体に対する復元処理に対しては無効なものとして扱われるが、復元処理が未だ実行状態にない別の可動装飾体(枠側可動装飾体)に対しては有効なものとして扱われることとなり、当該タイミング(新たな復元動作時期)を契機として該別の可動装飾体(枠側可動装飾体)に対する復元処理を新たに開始させることができるようになる。すなわちこの場合、特定の可動装飾体(盤側可動装飾体)に対する復元処理と、別の可動装飾体(枠側可動装飾体)に対する復元処理とが同時実行される状況が現れることとなるが、それら可動装飾体の間で干渉が生じる懸念はなく、それら可動装飾体の早期復帰が期待されるようになる。
手法2:少なくとも「特定の可動装飾体と別の可動装飾体とのいずれもが盤側可動装飾体として設けられるもの」といった関係にある場合は、特定の可動装飾体に対する一の復元処理が継続実行されるなかで新たな復元動作時期(次の図柄変動の開始時期)が到来したとしても、その時点では別の可動装飾体(枠側可動装飾体)に対する復元処理を開始させず、特定の可動装飾体に対する一の復元処理が終了されるのを待ってから、上記新たな復元動作時期(次の図柄変動の開始時期)が到来したことに基づいて別の可動装飾体(枠側可動装飾体)に対する復元処理を新たに開始させるようにする。
このような手法2によれば、新たな復元動作時期(次の図柄変動の開始時期)は、既に実行状態にある特定の可動装飾体に対する復元処理に対しては無効なものとして扱われるが、復元処理が未だ実行状態にない別の可動装飾体(枠側可動装飾体)に対しては有効なものとして扱われることとなる。この点、別の可動装飾体(枠側可動装飾体)に対する復元処理についてはこれを開始させるにあたり、特定の可動装飾体に対する一の復元処理が終了されるのを待つようにしたことから、それら可動装飾体の間で干渉が生じる懸念はなく、それら可動装飾体の早期復帰が期待されるようになる。
手法3:少なくとも「特定の可動装飾体と別の可動装飾体とのいずれもが盤側可動装飾体として設けられるもの」といった関係にある場合は、特定の可動装飾体に対する一の復元処理が継続実行されるなかで新たな復元動作時期(次の図柄変動の開始時期)が到来したとしても、該新たな復元動作時期(次の図柄変動の開始時期)の到来を契機として別の可動装飾体に対する復元処理を実行することはせず、特定の可動装飾体に対する一の復元処理が終了されるのを待ってからその後に到来した復元動作時期を契機として、別の可動装飾体(枠側可動装飾体)に対する復元処理を新たに開始させるようにする。
このような手法3によれば、新たな復元動作時期(次の図柄変動の開始時期)は、既に実行状態にある特定の可動装飾体に対する復元処理と、未だ実行状態にない別の可動装飾体に対する復元処理とのいずれに対しても無効なものとして扱われることとなり、特定の可動装飾体に対する一の復元処理が終了されない限りは、別の可動装飾体に新たな異常が発生したとしても該異常状態に対する処理が何ら実行されないこととなる。すなわちこの場合、特定の可動装飾体に対する一の復元処理が実行状態にあるときに別の可動装飾体が異常状態になったとしても、それら可動装飾体を1つずつ丁寧に復元させることができるようになり、異常に対して十分な対処を行うことが可能とされるようになることで、それら可動装飾体としての劣化の進行速度を抑えることが期待されるようになる。
(操作ボタンの動作確認期間)
上述の通り、このパチンコ機1(主制御MPU1310a)では、上記主制御MPU1310aによる図柄遊技に応じた演出として、操作ボタン410や刀演出操作ユニット5000(刀装飾体5001)といった駆動による動作が可能な駆動式の操作手段を用いた操作時演出(操作だけでなく駆動により特典付与にかかる期待度が示唆される演出など)を実行可能にしたことは上述した通りである。しかしながら、こうした操作時演出を実行可能にしたものの、これら操作手段に何らかの異常が生じて各種の操作手段が正常に動作できない場合には、設計者の意図する態様で操作時演出を遊技者に体感させることが困難になり、結果、遊技興趣の低下に繋がる懸念がある。そこで、このパチンコ機1では、操作時演出の実行可否に関するメンテナンスの一環として、予め定められた条件が成立したときに後述の動作確認期間(任意動作確認期間および自動動作確認期間)を発生させて設計者の意図する態様の操作時演出を遊技者に体感させられることを確認し、遊技興趣の低下を抑制しうるようにしている。
具体的には、演出操作ユニット400における操作ボタン410や刀演出操作ユニット5000における刀装飾体5001の動作確認が可能な動作確認期間について、図379を参照して説明する。以下では、便宜上、演出操作ユニット400における操作ボタン410の動作確認について説明するが、刀演出操作ユニット5000における刀装飾体5001についても同様の動作確認期間を設けるようにしてもよい。なお、操作ボタン410に対する動作確認期間と、刀装飾体5001に対する動作確認期間は並行して発生させてもよいし、順次に発生させるようにしてもよい。また、各部材について、より確実な確認作業を実現するためには、操作ボタン410に対する動作確認期間と、刀装飾体5001に対する動作確認期間との間で重複する期間を設けず(期間重複を避けて)、順次に発生させることが好ましい。図379は、一連の動作確認期間(任意動作確認期間及び自動動作確認期間)における操作ボタン410の動作状態を示すタイムチャートである。
操作ボタン410は、前述したとおり、演出操作ユニット400から突出していない通常の状態(初期位置)と、演出操作ユニット400から突出した状態(操作位置)と、に変化可能となっている。具体的には、演出操作ユニット400にロック機構やバネ機構を有しており、通常の状態では、操作ボタン410が突出しないようにロック機構によりロックされているが、所定の突出開始条件が成立したときにロック機構のロックが外れ、バネ機構により操作ボタン410が突出した状態となる。また、操作ボタン410が突出した状態では、通常の状態の位置となるまで遊技者が押し込むように操作すると、操作ボタン410が再びロック機構によりロックされ、通常の状態に戻ることとなる。なお、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が突出した状態から通常の状態に戻すための駆動機構(例えば、駆動モータ)も有しており、操作ボタン410が突出した状態で、所定の突出終了条件が成立するまで(所定の突出開始条件が成立してから所定時間が経過するまで)に通常の状態に戻るように操作されなかった場合には、その駆動機構により操作ボタン410が通常の状態に戻されることとなる。
また、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が通常の状態であることを検知可能な通常位置センサと、操作ボタン410が突出した状態であることを検知可能な突出位置センサと、が設けられている。すなわち、所定の突出開始条件が成立していない場合には、操作ボタン410が通常の状態に位置するべきであり、このような場合、通常位置センサにより操作ボタン410が通常の状態であることを検知することで、操作ボタン410が正常の位置にあると判別することができる。一方、所定の突出開始条件が成立している場合には、操作ボタン410が突出した状態に位置するべきであり、このような場合、突出位置センサにより操作ボタン410が突出した状態であることを検知することで、操作ボタン410が正常の位置にあると判別することができる。
また、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が押下されたことを検知可能な押圧検知センサ440が設けられている。このような押圧検知センサ440の検知により、通常の状態で操作ボタン410が押下されていることや、突出した状態にある操作ボタン410が通常の状態まで押下されていることを判別することができる。
また、変動パターンに設定された演出として、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出と、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出と、が設けられている。
通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出では、例えば、遊技盤側演出表示装置1600での演出の実行中に、通常の状態にある操作ボタン410を、指示に従って押下または連打することで、その押下(操作)が検知されて所定の演出結果を導出することができる。一方、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出では、例えば、遊技盤側演出表示装置1600での演出の実行中に、通常の状態にある操作ボタン410を突出した状態に変化させ、その突出した状態にある操作ボタン410を、指示に従って通常の状態まで押下することで、その押下(操作)が検知されて所定の演出結果を導出することができる。なお、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出は、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出よりも期待度(大当り期待度)が高い演出としている。すなわち、操作ボタン410が突出した状態となった場合には、通常の状態である場合よりも期待をもって操作ボタン410を押下することができる。
図379に示すように、動作確認期間のうちの任意動作確認期間では、操作ボタン410が通常の状態から突出した状態に正常に動作するか否かの動作確認をその作業者(遊技者またはホール管理者)の任意で実現可能となっている。具体的には、後述する動作確認期間の発生条件が成立すると、任意動作確認期間が開始され、その発生期間である所定時間(本実施例では10秒)にわたって通常の状態にある操作ボタン410の押下検知状況(操作検知状況)を監視し、その通常の状態にある操作ボタン410の押下(操作)を検知した場合には、その押下検知(操作検知)に基づいて操作ボタン410を突出した状態に変化させる。一方、任意動作確認期間の発生条件が成立した後でありながらも(任意動作確認期間を発生させながらも)、所定時間にわたって通常の状態にある操作ボタン410の押下(操作)を検知しなかった場合には、所定時間の経過により、任意動作確認期間を終了させる。これによれば、操作ボタン410が正常に検知および動作するか否かを確認したい遊技者やホール管理者にとっては、任意動作確認期間の発生中に操作ボタン410を押下すればよく、その押下によって操作ボタン410が正常に検知および動作するとの確証を与え、操作ボタン410を用いた操作時演出を安心して実行・提供することができる。
そして、操作ボタン410を押下して突出した状態とした後、所定時間が経過するよりも前に、その突出した状態にある操作ボタン410を押下し、通常の状態まで押下したことを検知した場合には、再び通常の状態に戻し、所定時間の経過をもって任意動作確認期間を終了させる。一方、所定時間が経過するよりも前に、突出した状態にある操作ボタン410の押下を検知しなかった場合には、所定時間の経過により、操作ボタン410が駆動により強制的に通常の状態に戻されることとなる。なお、任意動作確認期間を発生させた後、操作ボタン410を押下して突出した状態とし、再び操作ボタン410を押下して通常の状態に戻した時点で、任意動作確認期間を終了させるようにしてもよく、このような場合には、操作ボタン410が正常に検知および動作するとの確認後に、所定時間が経過するまでの不必要な時間が発生することを防止することができる。
上記した動作確認期間(任意動作確認期間)は、予め定められた発生条件が成立することで発生する。本例では、動作確認期間の発生条件として、操作時演出との重複発生を避けるために、デモ演出の実行時に発生条件が成立するものとして構成されている。具体的には、デモ演出は、変動パターンに設定された演出が終了した後に一定の時間、第一始動口2002や第二始動口2004への入球がなく、変動パターンに設定された演出が開始されない(上記主制御MPU1310aによる図柄遊技の進行に関する情報が周辺制御MPU1511a側で一定の時間受信されない)ときの客待ちの演出であり、操作時演出との重複発生を避けることに適している。このように、デモ演出の実行時を利用して、確認動作期間のうちの任意動作確認期間を発生させることで、変動パターンに設定された演出が開始されないことの退屈な時間を、操作ボタン410が正常に検知・動作するか否かの有意義な確認時間に変えることができる。
なお、デモ演出の開始は、図柄遊技が進行していないなかで第一始動口2002や第二始動口2004への入球が一定の時間ない場合に、上記主制御MPU1310aによる指示(例えばデモ演出開始コマンド)を周辺制御MPU1511a側に送信し、それを受信することによって周辺制御MPU1511a側で確認動作期間(任意動作確認期間)を発生させるようにしてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源投入時に、主制御MPU1310aによる指示(例えばデモ演出開始コマンド)を周辺制御MPU1511a側に送信し、それを受信することによって周辺制御MPU1511a側で確認動作期間(任意動作確認期間)を発生させるようにしてもよく、これにより、操作時演出との重複発生を避け、且つ、遊技者が遊技を開始する前に操作ボタン410が正常に検知および動作するか否かを確認することができ、操作ボタン410を用いた操作時演出をより安心して実行・提供することができる。
また、操作ボタン410にはLED(操作ボタン内装飾部材432の各LED)が実装されており、任意動作確認期間が発生しているか否かや、任意動作確認期間の進行段階(任意動作確認期間における操作ボタン410の状態)に応じて、発光態様が複数段階で変化するようにしている。具体的には、任意動作確認期間が発生していない場合には、操作ボタン410のLEDは消灯状態とされている。そして、任意動作確認期間が発生した場合には、操作ボタン410のLEDを、特定色(例えば赤色)で、且つ、所定の光量(任意動作が可能であることを示唆する確認期間用発光態様A)で発光させる。これにより、任意動作確認期間が発生したこと、および、操作ボタン410の押下が要求されていることを外部に知らせることができる。そして、任意動作確認期間が発生した後、操作ボタン410を押下して突出した状態とした場合には、操作ボタン410のLEDを、操作ボタン410を1回も押下していない場合と同色でありながらも、一段光量を高めた態様(任意動作中を示唆する確認期間用発光態様B)で発光させる。これにより、操作ボタン410を押下して突出した状態とした後にも、さらに操作ボタン410の押下が要求されていることを外部に知らせることができる。その後、操作ボタン410の押下によって操作ボタン410が通常の状態になると、少なくとも残りの任意動作確認期間(所定時間)が経過するまでの間、操作ボタン410のLEDを、操作ボタン410を1回も押下していない場合と同色でありながらも、前述した確認期間用発光態様A、Bよりも光量を弱めた態様(任意動作の完了済みを示唆する確認期間用発光態様C)で発光させる。これにより、任意動作確認期間での確認作業が正常に行われたことを外部に知らせることができる。なお、任意動作確認期間が発生していない場合にも、操作ボタン410を所定の態様で発光させるようにしてもよく、例えば、動作確認期間用発光態様A〜Cのいずれとも異なる態様で発光させること等が例示できる。
また、図379に示すように、任意動作確認期間が終了してから所定の待機期間が経過した後には、遊技者の押下によらず操作ボタン410を動作させ、その操作ボタン410が正常の位置に位置するように原点を確認するための自動動作確認期間が設けられている。自動動作確認期間では、まず、操作ボタン410を通常の状態付近で数回上下するように動作させ、通常の状態にある操作ボタン410が正常の位置にあると検知しうるように通常位置センサにより原点を確認している。そして、原点の確認後、操作ボタン410を突出した状態とし、その突出した状態から通常の状態に戻すように動作させている。このとき、通常位置センサにより操作ボタン410が通常の状態であることを検知することで、操作ボタン410が正常の位置で動作していることを把握することができる。これによれば、操作ボタン410が正常の位置で動作することを担保し、操作ボタン410を用いた演出の実行時において、操作ボタン410の動作にズレが生じることを防止することができる。
また、任意動作確認期間は、自動動作確認期間よりも長い期間が設定されている。具体的には、任意動作確認期間として、上述した通り「10秒」という所定時間が設定されているのに対し、自動動作確認期間として、一連の動作に掛かる時間として「5秒」という短時間が設定されている。自動動作確認期間は、遊技者の押下によらず操作ボタン410が動作して原点を確認するものであり、言い換えると駆動系の動作確認が自動で進行していくものである。一方で、任意動作確認期間では、遊技者が押下しなければ、通常の状態にある操作ボタン410が突出した状態に変化するものではなく、かつ、突出した状態で遊技者が押下しなければ、その突出した状態を任意動作確認期間が経過するまで維持される。このため、任意動作確認期間を自動動作期間よりも長くしておくことで、操作ボタン410の押下を逃すことがなく、且つ、突出状態にある操作ボタン410の外観の状況などを、駆動による変化がない状況で長期にわたって、遊技者やホール管理者にじっくりと確認させることができる一方で、そうした長期の確認の必要性の低い駆動系の動作確認(自動動作期間)を迅速に終了させることが可能であり、駆動式の操作手段の一連の確認作業の効率を高めることができる。
なお、任意動作確認期間と自動動作確認期間との間の待機期間では、演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332の操作により、操作ボタン410の周縁に設けられたフレームサイドレンズ417や第二ボタン装飾部411b(操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423の各LED)が点灯するか否かの点灯確認などが可能な周辺確認期間が設けられている。演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332は、上記したように扉枠3の皿ユニット320に設けられ、演出提示時に遊技者の操作が受付可能とされている。また、周辺確認期間では、演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332のいずれかを押下したときに、フレームサイドレンズ417や第二ボタン装飾部411bが点灯するものであるが、いずれを押下するかによって、フレームサイドレンズ417や第二ボタン装飾部411bが点灯する態様(例えば、明るさや色などの発光態様)が異なるものとしている。このため、周辺確認期間では、演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332を押下することで、その押下が正常に認識されるか否かを確認することができると共に、フレームサイドレンズ417や第二ボタン装飾部411bが正常に点灯するか否かを確認することができ、一連の動作確認期間(任意動作確認期間、周辺確認期間、自動動作確認期間)によって、駆動式の操作手段そのものの確認だけでなく、その周囲の関連部材の確認も合わせて実行することが可能となる。
また、任意動作確認期間に操作ボタン410を押下せず、突出した状態としなかった場合には、その後に周辺確認期間を設けないようにしてもよい。このような場合には、演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332を押下したとしても、フレームサイドレンズ417や第二ボタン装飾部411bが点灯せず、一連の動作確認期間が短縮されることとなる。
また、一連の動作確認期間よりも前には、操作ボタン410の操作により、演出操作ユニット400に設けられた振動モータ424が動作するか否かの振動確認が可能な振動確認期間が設けられている。振動確認期間では、操作ボタン410を押下したときに、振動モータ424が動作して演出操作ユニット400が振動するものである。このため、振動確認期間では、操作ボタン410を押下することで、振動モータ424が動作して演出操作ユニット400が正常に振動するか否かを確認することができる。また、一連の動作確認期間を振動確認期間と重複しない時期に発生させることで、振動確認期間の振動によって一連の動作確認期間の確認が妨げられることを抑止でき、各種の確認作業を効率的に実現できる。
また、図柄遊技の進行過程で成立する所定の突出開始条件が成立していない場合には、操作ボタン410が通常の状態に位置するべきであるが、何らかの異常により通常位置センサにより操作ボタン410が通常の状態であると検知されておらず、操作ボタン410が正常の位置ではない場合がある。原因としては、例えば、所定の突出終了条件の成立時に操作ボタン410を通常の状態に戻す際に、不具合が生じた場合や、遊技者が故意に操作ボタン410が通常の状態に戻らないようにした場合などが考えられる。このような場合には、操作ボタン410が異常突出した状態であると判断し、操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われる。
図380(A)に示すように、一連の動作確認期間以外では、図柄遊技の開始時に相当する特別図柄の変動開始時(変動パターンに基づいた演出開始時)、図柄遊技の終了時に相当する特別図柄の変動終了時(変動パターンに基づいた演出終了時)、上述したデモ演出の開始時のタイミング(一連の動作確認期間の開始に先立つタイミング)で、操作ボタン410が異常突出した状態であるか否か(正常の位置ではないか否か)を判断し、異常突出した状態である(正常の位置ではない)と判断した場合には、操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われる。これによれば、操作ボタン410が異常突出した状態である場合であっても、変動パターンに基づいた演出とは関わりのないタイミングで、操作ボタン410が通常の状態に戻されることとなり、変動パターンに基づいた演出の一環として操作ボタン410が動作したのではないかという勘違いが生じることを防止している。また、操作ボタン410が通常の状態に戻された後において、操作ボタン410を用いた演出が行われたとしても、操作ボタン410が正常に動作することを担保し、その演出に対する興趣低下が発生することを防止している。
なお、上述のようにデモ演出の実行時を利用して、確認動作期間のうちの任意動作確認期間を発生させることが設定されている場合、そのデモ演出を開始するときに操作ボタン410が異常突出した状態であり、操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御(正常の位置に戻す制御)が行われるときには、一連の動作確認期間の開始を遅延させるようにしてもよい。例えば、デモ演出の開始時のタイミング(一連の動作確認期間の開始に先立つタイミング)で、操作ボタン410が異常突出した状態である場合、一連の動作確認期間の開始タイミングであっても動作確認期間を開始させず、操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御(正常の位置に戻す制御)を優先に行い、操作ボタン410が通常の状態に戻った場合(正常の位置に戻った場合)に、そのことに基づいて一連の動作確認期間の全体を遅延するかたちで開始するようにしてもよい。
一方、図380(B)に示すように、一連の動作確認期間では、図柄遊技の開始時に相当する特別図柄の変動開始時(変動パターンに基づいた演出開始時)、図柄遊技の終了時に相当する特別図柄の変動終了時(変動パターンに基づいた演出終了時)のタイミングで、操作ボタン410が異常突出した状態であるか否か(正常の位置ではないか否か)の判断が行われず、異常突出した状態である(正常の位置ではない)場合であっても、その時点で、操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われない。これは、特に前述した任意動作確認期間での操作ボタン410を押下して突出した状態となるか否かの動作確認を優先するこためであり、任意動作確認期間で任意に発生させた操作ボタン410の突出状態を、図柄遊技の進行によって終了させないように維持するためである。このように、動作確認期間に操作ボタン410が異常突出した状態が発生している場合には、遊技者が押下して突出した状態となった場合と同じく、その動作確認期間の終了時に、操作ボタン410を戻すための制御が行われることとなる。なお、動作確認期間としての所定期間が経過するよりも前に、異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下した場合には、所定期間が経過するのを待たずとも、その異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態に戻すこととしている。
(刀装飾体の異常検知)
次に、上述した刀演出操作ユニット5000における刀装飾体5001の刀身部5011(図278〜図281参照)が納刀状態にあるべき状況であるにも拘らず、納刀状態にない場合の異常検知について、図381を参照して説明する。図381は、刀装飾体5001の動作状態と異常検知との関係を示すタイムチャートである。
刀装飾体5001は、刀身部5011が収納された納刀状態と、刀身部5011が露出した抜刀状態(第二抜刀状態)と、に変化可能となっている。なお、上記した演出例では、刀装飾体5001を用いた演出として、納刀状態と抜刀状態との間の状態(第一抜刀状態)を用いていたが、本例では、そのような状態を用いないこととする。なお、刀装飾体5001には、刀身部5011が納刀状態であることを検知可能な納刀位置センサと、刀身部5011が抜刀状態であることを検知可能な抜刀位置センサと、が設けられている。
また、刀装飾体5001には、刀身部5011を抜刀状態から納刀状態に戻すための駆動機構(例えば、駆動モータ)が設けられている。本例では、納刀状態は、遊技者が刀身部5011を抜刀することができる操作可能状態に相当し、抜刀状態は、遊技者が刀身部5011を抜刀することができない操作不能状態に相当する。
また、変動パターンに設定された演出として、刀装飾体5011を用いた演出が設定されている。図381(A)に示すように、刀装飾体5001を用いた演出では、その演出時間内に、納刀状態にある刀装飾体5001を抜刀することが可能な操作受付期間を発生させ、その操作受付期間内に、遊技側演出表示装置1600の表示領域等での指示(例えば、「抜刀せよ」の表示など)に従って納刀状態にある刀身部5011を抜刀状態とすることで、所定の演出結果を得ることができる。そして、操作受付期間内に遊技者が刀装飾体5001を抜刀し、刀身部5011を抜刀状態とした場合には、演出時間の終了時に、その刀身部5011を納刀状態に戻すための制御が行われる。また、操作受付期間内に遊技者が刀装飾体5001を抜刀せず、刀身部5011が納刀状態のままとされた場合には、操作受付期間の終了時に、その刀身部5011の納刀状態を保持する。なお、刀装飾体5001を用いた演出は、上記した操作ボタン410を用いた演出のうち、少なくとも通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出よりも期待度(大当り期待度)が高い演出としている。すなわち、刀装飾体5001を用いた演出が行われた場合には、通常の状態にある操作ボタン410を押下する場合よりも期待をもって刀装飾体5001を抜刀することができる。
図381(B)に示すように、操作受付期間以外では、刀身部5011が納刀状態に位置するべきであるが、操作受付期間以外にて納刀状態ではない期間が所定期間(本例では、2秒)に達したと判断した場合には、刀装飾体5001に異常が発生したと判断し、刀身部5011を納刀状態に戻すための納刀復元制御が行われる。すなわち、操作受付期間以外では、刀身部5011が抜刀状態である場合や、抜刀状態と納刀状態との間の状態である場合に、刀装飾体5001に異常が発生したと判断することが可能となっている。なお、本例では、上述した納刀位置センサの検出状態がOFF状態(刀身部5011が納刀状態ではない状態)になったときから、前述の所定期間(操作受付期間以外にて納刀状態ではない期間)の計測を開始するものとしている。
一方、図381(C)に示すように、操作受付期間では、遊技者が刀装飾体5001を抜刀しない限り、刀身部5011が納刀状態に位置するべきであるが、納刀状態ではない期間が所定期間(本例では、2秒)に達したと判断した場合には、刀装飾体5001に異常が発生したと判断し、刀身部5011を納刀状態に戻すための納刀復元制御が行われる。すなわち、操作受付期間では、遊技者が刀装飾体5001を抜刀した場合には刀身部5011が抜刀状態に位置するため、抜刀状態と納刀状態との間の状態である場合のみ、刀装飾体5001に異常が発生したと判断し、この場合に、納刀位置センサの検出状態がON状態(刀身部5011が納刀状態である状態)になるように刀装飾体5001を動作させることとしている。なお、本例では、納刀復元制御にて、刀身部5011を納刀状態に戻すための1サイクルの処理時間を「0.5秒」としている。
また、操作受付期間は、刀装飾体5001に異常が発生したと判断するまでの時間よりも長い期間(本例では4秒)が設定されている。操作受付期間では、刀装飾体5001に異常が発生したと判断した場合に、刀身部5011を納刀状態に戻すための納刀復元制御が行われるが、その納刀状態に戻した後に操作受付期間の残り期間が発生しやすくなり、その残り期間において、遊技者が刀装飾体5001を抜刀することが可能となっている。
このため、操作受付期間内に刀装飾体5001に異常が発生したと判断した場合であっても、刀装飾体5001を抜刀するという演出への参加が阻害されることを防止することができる。
上記したように、操作ボタン410が異常突出した状態であるか否か(正常の位置ではないか否か)の判断は、図柄遊技の開始時に相当する特別図柄の変動開始時(変動パターンに基づいた演出開始時)、図柄遊技の終了時に相当する特別図柄の変動終了時(変動パターンに基づいた演出終了時)、上述したデモ演出の開始時のタイミングでしか行われていない。つまり、操作ボタン410を押下することが可能な操作ボタン410の操作受付期間には、操作ボタン410が異常突出した状態であるか否か(正常の位置ではないか否か)の判断が行われていない。これに対し、刀装飾体5001に異常が発生したか否かの判断は、刀装飾体5001を抜刀することが可能な操作受付期間にも行われるようにしている。このため、操作受付期間内に刀装飾体5001に異常が発生した場合であっても、遊技者が刀装飾体5001を抜刀できないといった状況を極力回避することができる。また、刀装飾体5001を用いた演出は、操作ボタン410を用いた演出のうち、少なくとも通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出よりも期待度(大当り期待度)が高い演出としているが、そのような期待度の高い演出での演出結果を見逃すことを防止することができる。
なお、本例では、操作受付期間内に、遊技者が刀装飾体5001を抜刀した場合を除き、刀身部5011が納刀状態ではない期間が所定期間(本例では、2秒)に達した場合に、刀装飾体5001に異常が発生したと判断しているが、そのうち、操作受付期間の開始時点で刀身部5011が納刀状態ではない場合のみ、刀装飾体5001に異常が発生したと判断するようにしてもよい。例えば、操作受付期間の開始時点で刀身部5011が納刀状態であり、操作受付期間の開始後において、遊技者が刀装飾体5001を完全に抜刀すべきかどうかが分からず、刀身部5011を抜刀状態と納刀状態との間の状態で所定期間にわたって放置してしまう可能性があるが、そのような場合において、刀装飾体5001に異常が発生したと判断されることを防止することができる。
また、刀装飾体5001の抜刀に関して遊技側演出表示装置1600の表示領域等で指示を行うにあたり、操作受付期間内における刀装飾体5001の異常の発生、解消に拘らず、当該指示を継続して実行するようにしてもよい。例えば、操作受付期間では、刀装飾体5001に異常が発生したと判断した場合に、刀身部5011を納刀状態に戻すための納刀復元制御が行われるが、その「納刀復元制御が終了するまでの間」および「刀身部5011を納刀状態に戻した後の操作受付期間の残り期間」でも、遊技側演出表示装置1600の表示領域等での指示を継続する。また、仮に、「納刀復元制御が終了するまでの間」に、当該指示に従って遊技者が刀装飾体5001を抜刀した場合には、刀身部5011が抜刀状態になったことで、納刀復元制御を強制終了させるとともに、当該指示を終了させる。これにより、刀装飾体5001の異常によって、刀装飾体5001を抜刀するという演出への参加タイミングが阻害されることを防止することができる。
また、本例にて刀身部5011を納刀状態に戻すための納刀復元制御が行われたものの、異物の引っ掛かり等によって刀身部5011が納刀状態に戻れないことは起こりうることであり、この場合は、本来「0.5秒」で完了すべき1サイクルの納刀復元制御を複数サイクル(例えば10サイクル)繰り返すものとしてもよい。この場合、刀身部5011を納刀状態に戻すための納刀復元制御が操作受付期間を超えて継続することとなるが、そうした場合には、納刀復元制御が行われているなかで、操作受付期間の終了をもって結果演出を導出し、さらに、結果演出の導出以後にも納刀復元制御を継続させるようにすればよい。これにより、刀装飾体5001の異常が解消できない状況でも、演出の進展を妨げることなく、遊技興趣が低下する虞を抑制できる。
(操作ボタンの異常判定タイミング)
次に、演出操作ユニット400における操作ボタン410の異常判定タイミングについて、図382を参照して説明する。図382は、操作ボタン410及び遊技盤5に設けられた可動装飾体の異常判定タイミングを示すタイムチャートである。本例では、遊技者が操作しうる操作ボタン410の異常判定タイミングについて、遊技者が操作しえない可動装飾体の異常判定タイミングと比較して説明する。
操作ボタン410は、遊技者が操作しうる(触れることのできる)部材であって、演出操作ユニット400から突出していない通常の状態(初期位置)と、演出操作ユニット400から突出した状態(操作位置)と、に変化可能となっている。具体的には、演出操作ユニット400にロック機構やバネ機構を有しており、通常の状態では、操作ボタン410が突出しないようにロック機構によりロックされているが、所定の突出開始条件が成立したときにロック機構のロックが外れ、バネ機構により操作ボタン410が突出した状態となる。また、操作ボタン410が突出した状態では、通常の状態の位置となるまで遊技者が押し込むように操作すると、操作ボタン410が再びロック機構によりロックされ、通常の状態に戻ることとなる。
なお、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が通常の状態であることを検知可能な通常位置センサと、操作ボタン410が突出した状態であることを検知可能な突出位置センサと、が設けられている。また、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が突出した状態から通常の状態に戻すための駆動機構(例えば、駆動モータ)が設けられている。
図382(A)に示すように、図柄遊技の開始時に相当する特別図柄の変動開始時(変動パターンに基づいた演出開始時)、図柄遊技の終了時に相当する特別図柄の変動終了時(変動パターンに基づいた演出終了時)、上述したデモ演出の開始時のタイミングでは、所定の突出開始条件が成立することがなく操作ボタン410が通常の状態に位置するべきであるが、それらのタイミングで、操作ボタン410が異常突出した状態であるか否か(正常の位置ではないか否か)を判断し、異常突出した状態である(正常の位置ではない)と判断した場合には、操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われる。このように、操作ボタン410が異常突出した状態である場合には、少なくとも特別図柄の変動開始時に通常の状態に戻されることから、変動パターンに基づいた演出として操作ボタン410を用いた演出が行われる際に、操作ボタン410を押下するという演出への参加が阻害されることを防止することができる。
遊技盤5には、遊技盤側演出表示装置1600の周囲に、裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500などの可動装飾体(図60参照)が設けられている。これらの可動装飾体は、遊技者が操作しえない(触れることのできない)部材であって、遊技側演出表示装置1600の周囲で待機する非動作状態(待機位置)と、遊技側演出表示装置1600の表示領域の前面に表出する動作状態(表出位置)と、に変化可能となっている。また、これらの可動装飾体は、所定の動作開始条件が成立したときに、非動作状態から動作状態に変化するものである。
なお、裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500には、それぞれの可動装飾体が非動作状態であることを検知可能な待機位置センサが設けられている。また、裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500には、可動装飾体が非動作状態と動作状態との間で動作するための駆動機構(例えば、駆動モータ)が設けられている。
図382(B)に示すように、図柄遊技の開始時に相当する特別図柄の変動開始時(変動パターンに基づいた演出開始時)、図柄遊技の終了時に相当する特別図柄の変動終了時(変動パターンに基づいた演出終了時)、上述したデモ演出の開始時のタイミングでは、所定の動作開始条件が成立することがなく可動装飾体が非動作状態に位置するべきであるが、それらのタイミングで、可動装飾体が非動作状態であるか否か(正常の位置であるか否か)を判断し、非動作状態ではない(正常の位置ではない)と判断した場合には、異常が発生したと判断し、可動装飾体を非動作状態に戻すための制御が行われる。このように、異常の発生により可動装飾体が非動作状態でない場合には、少なくとも特別図柄の変動開始時に非動作状態に戻されることから、変動パターンに基づいた演出として可動装飾体を用いた演出が行われる際に、可動装飾体が動作しないことがなく、演出の興趣が削がれることを防止することができる。また、変動パターンに基づいた演出の実行中において、異常の発生により、遊技側演出表示装置1600の表示領域の前面に可動装飾体が位置したままであると、その表示領域の視認が妨げられてしまうが、少なくとも特別図柄の変動開始時に非動作状態に戻すことで、そのような状況の発生を防止することができる。
操作ボタン410は、遊技者が触れることのできる部材であり、通常の状態や突出した状態に制御するタイミングで、その状態への変化を遊技者が阻害しうるのに対し、可動装飾体は、遊技者が触れることのできない部材であり、非動作状態や動作状態に制御するタイミングで、その状態への変化を遊技者が阻害しえない。このため、操作ボタン410は、可動装飾体よりも異常が発生する可能性が高い。この点、操作ボタン410は、可動装飾体よりも異常が発生したか否かを判断する異常判定の機会を多くすることで、操作ボタン410に異常が発生した場合であっても、早い段階で正常の位置に復帰させることを可能としている。このため、操作ボタン410に異常が発生する可能性が高いながらも、変動パターンに基づいた演出として操作ボタン410を用いた演出が行われる際に、操作ボタン410を押下するという演出への参加が阻害されることを防止することができる。
また、変動パターンに設定された演出として、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出、可動装飾体を用いた演出が行われるものであるが、操作ボタン410を用いた演出は、可動装飾体を用いた演出よりも出現率が高くなっている。このため、操作ボタン410は、可動装飾体よりも使用する頻度が高くなる傾向にあり、例えば、操作ボタン410を通常の状態や突出した状態に制御するタイミングで不具合が生じるなど、操作ボタン410に異常が発生する可能性が高くなる。しかしながら、上記したように、操作ボタン410は、可動装飾体よりも異常が発生したか否かを判断する異常判定の機会が多い。このため、操作ボタン410を使用する頻度が高いながらも、変動パターンに基づいた演出として操作ボタン410を用いた演出が行われる際に、異常の発生によりその演出への参加が阻害されることを防止することができる。
(操作時演出における操作ボタンの異常発生)
次に、演出操作ユニット400における操作ボタン410に異常が発生した場合に行われる操作時演出について、図383及び図384を参照して説明する。図383は、突出した状態にある操作ボタン410を用いた操作時演出における操作ボタン410の動作状態を示すタイムチャートであり、図384は、通常の状態にある操作ボタン410を用いた操作時演出における操作ボタン410の動作状態を示すタイムチャートである。
操作ボタン410は、前述したとおり、演出操作ユニット400から突出していない通常の状態(初期位置)と、演出操作ユニット400から突出した状態(操作位置)と、に変化可能となっている。具体的には、演出操作ユニット400にロック機構やバネ機構を有しており、通常の状態では、操作ボタン410が突出しないようにロック機構によりロックされているが、所定の突出開始条件が成立したときにロック機構のロックが外れ、バネ機構により操作ボタン410が突出した状態となる。また、操作ボタン410が突出した状態では、通常の状態の位置となるまで遊技者が押し込むように操作すると、操作ボタン410が再びロック機構によりロックされ、通常の状態に戻ることとなる。なお、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が突出した状態から通常の状態に戻すための駆動機構(例えば、駆動モータ)も有しており、操作ボタン410が突出した状態で、所定の突出終了条件が成立するまで(所定の突出開始条件が成立してから所定時間が経過するまで)に通常の状態に戻るように操作されなかった場合には、その駆動機構により操作ボタン410が通常の状態に戻されることとなる。
また、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が通常の状態であることを検知可能な通常位置センサと、操作ボタン410が突出した状態であることを検知可能な突出位置センサと、が設けられている。すなわち、所定の突出開始条件が成立していない場合には、操作ボタン410が通常の状態に位置するべきであり、このような場合、通常位置センサにより操作ボタン410が通常の状態であることを検知することで、操作ボタン410が正常の位置にあると判別することができる。一方、所定の突出開始条件が成立している場合には、操作ボタン410が突出した状態に位置するべきであり、このような場合、突出位置センサにより操作ボタン410が突出した状態であることを検知することで、操作ボタン410が正常の位置にあると判別することができる。
また、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が押下されたことを検知可能な押圧検知センサ440が設けられている。このような押圧検知センサ440の検知により、通常の状態で操作ボタン410が押下されていることや、突出した状態にある操作ボタン410が通常の状態まで押下されていることを判別することができる。
また、変動パターンに設定された演出として、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出と、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出と、が設けられている。
なお、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出は、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出よりも期待度(大当り期待度)が高い演出としている。すなわち、操作ボタン410が突出した状態となった場合には、通常の状態である場合よりも期待をもって操作ボタン410を押下することができる。
まず、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出の実行時には、操作ボタン410が押下されたときに押圧検知センサ440の検知が有効となる操作受付期間を発生させるが、その操作受付期間の開始時において、操作ボタン410が通常の状態に位置するか否か、すなわち正常の位置であるか否かを判断する。そして、図383(A)に示すように、操作受付期間の開始時において、操作ボタン410が通常の状態である(正常の位置である)と判断した場合には、通常の状態にある操作ボタン410を突出した状態に変化させる。また、操作受付期間では、突出した状態にある操作ボタン410を操作するように指示する突出操作時の指示演出Aとして、遊技側演出表示装置1600の表示領域での表示による指示(例えば、突出した状態にある操作ボタン410を模写した表示や、「突出した操作ボタンを押し込め!」のメッセージ表示など)や、スピーカからの音声による指示(例えば、「突出した操作ボタンを押し込め!」の音声など)が組み合わされて行われる。
上記した操作受付期間では、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下することで、その押下(操作)が検知されて所定の演出結果を導出することができる。
このように、操作受付期間内に、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下した場合には、操作ボタン410がロック機構にロックされ、通常の状態に戻ることとなる。なお、操作受付期間内に、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下しなかった場合には、操作受付期間の終了時に、その操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われる。また、操作受付期間内に、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下した場合に、前述した突出操作時の指示演出Aを終了させるようにしてもよい。
一方、図383(B)に示すように、操作受付期間の開始時において、操作ボタン410が通常の状態ではない(正常の位置ではない)と判断した場合には、操作ボタン410に異常が発生していると判断し、操作ボタン410が異常突出した状態を維持する。また、操作ボタン410に異常が発生している場合にも、異常が発生していない場合と同じタイミングで、操作受付期間において、突出操作時の指示演出Bが行われている。この突出操作時の指示演出Bは、異常突出ではあるものの正規の突出と同等の位置づけであることを遊技者に知らせるものであり、例えば、遊技側演出表示装置1600の表示領域での表示による指示(例えば、突出した状態にある操作ボタン410を模写した表示や、「これはホンモノの突出だ!気にせずに操作ボタンを押し込め!」のメッセージ表示など)や、スピーカからの音声による指示(例えば、「これはホンモノの突出だ!気にせずに操作ボタンを押し込め!」の音声など)が組み合わされて行われる。このように、操作ボタン410に異常が発生している場合には、通常の状態にある操作ボタン410が突出した状態に変化するという動作が行われないため、その動作からは、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出が行われているのか、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出が行われているのか、を認識することができず、さらには突出した状態にある操作ボタン410に対する操作を遊技者に躊躇させてしまう虞がある。しかしながら、遊技側演出表示装置1600の表示領域での表示や、スピーカからの音声により突出操作時の指示演出Bが行われることで、その表示や音声から、少なくとも突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出が行われている旨を認識することができる。すなわち、操作ボタン410に異常が発生している場合であっても、操作ボタン410を用いた演出に対する期待度の確認が妨げられることを抑止することができる。なお、突出操作時の指示演出A、Bは、上述にように異なる演出内容で構成されるものに限らず、異常突出ではあるものの正規の突出と同等の位置づけであることを遊技者に知らせることができるのであれば、指示演出A、Bを同一の演出内容で構成してもよい。
また、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出の実行時には、操作ボタン410に異常が発生している場合であっても、その異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下することで、その押下(操作)が検知されて所定の演出結果を導出することができる。また、操作受付期間内に、異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下した場合には、操作ボタン410がロック機構にロックされ、通常の状態に戻ることとなる。なお、操作受付期間内に、異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下しなかった場合には、操作受付期間の終了時に、その異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われる。また、操作受付期間内に、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下した場合に、前述した突出操作時の指示演出Bを終了させるようにしてもよい。
次に、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出の実行時には、操作ボタン410が押下されたときに押圧検知センサ440の検知が有効となる操作受付期間を発生させるが、その操作受付期間の開始時において、操作ボタン410が通常の状態に位置するか否か、すなわち正常の位置であるか否かを判断する。そして、図384(A)に示すように、操作受付期間の開始時において、操作ボタン410が通常の状態である(正常の位置である)と判断した場合には、操作ボタン410が通常の状態を維持する。また、操作受付期間では、通常の状態にある操作ボタン410を操作するように指示する通常操作時の指示演出Cとして、遊技側演出表示装置1600の表示領域での表示による指示(例えば、通常の状態にある操作ボタン410を模写した表示や「操作ボタンを押せ!」のメッセージ表示など)や、スピーカからの音声による指示(例えば、「操作ボタンを押せ!」の音声など)が組み合わされて行われる。また、操作受付期間では、通常の状態にある操作ボタン410を押下することで、その押下(操作)が検知されて所定の演出結果を導出することができる。また、操作受付期間内に、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下した場合に、前述した通常操作時の指示演出Cを終了させるようにしてもよい。
一方、図384(B)に示すように、操作受付期間の開始時において、操作ボタン410が通常の状態ではない(正常の位置ではない)と判断した場合には、操作ボタン410に異常が発生していると判断し、操作ボタン410が異常突出した状態を維持する。また、操作ボタン410に異常が発生している場合にも、異常が発生していない場合と同じタイミングで、操作受付期間において、上記した通常操作時の指示演出Dが行われている。
この通常操作時用の指示演出Dは、現状の突出は正規の突出と同等の位置づけでないことを遊技者に知らせるものであり、例えば、遊技側演出表示装置1600の表示領域での表示による指示(例えば、通常の状態にある操作ボタン410を模写した表示や「この突出は関係ないが操作ボタンを押せ!」のメッセージ表示など)や、スピーカからの音声による指示(例えば、「この突出は関係ないが操作ボタンを押せ!」の音声など)が組み合わされて行われる。このように、操作ボタン410に異常が発生している場合には、操作ボタン410が異常突出した状態であるという不自然な状況が発生するが、遊技側演出表示装置1600の表示領域での表示や、スピーカからの音声により通常操作時の指示演出が行われることで、その表示や音声から、少なくとも通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出が行われている旨を認識することができる。また、操作受付期間内に、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下した場合に、前述した通常操作時の指示演出Dを終了させるようにしてもよい。なお、通常操作時の指示演出C、Dは、上述にように異なる演出内容で構成されるものに限らず、現状の突出は正規の突出と同等の位置づけでないことを遊技者に知らせることができるのであれば、通常操作時の指示演出C、Dを同一の演出内容で構成してもよい。
また、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出の実行時には、操作ボタン410に異常が発生している場合であっても、その異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下することで、その押下(操作)が検知されて所定の演出結果を導出することができる。しかしながら、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出の実行時とは異なり、操作受付期間内に、異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下した場合であっても、操作ボタン410がロック機構にロックされず、その異常突出した状態が維持される。また、操作受付期間の終了時においても、異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われない。
上記したように、操作ボタン410に異常が発生している場合において、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出の実行時には、操作受付期間内に、異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下すると、操作ボタン410がロック機構にロックされ、通常の状態に戻される。これに対し、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出の実行時には、操作受付期間内に、異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下したとしても、操作ボタン410がロック機構にロックされず、その異常突出した状態が維持される。このように、操作ボタン410に異常が発生している場合には、異常突出した状態にある操作ボタン410の見た目からは、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出が行われているのか、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出が行われているのか、を認識することができないが、異常突出した状態にある操作ボタン410の押下時に通常の状態に戻るかどうかにより、いずれの演出が行われているのかを認識することができる。
なお、操作ボタン410の異常発生時において、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出の実行時における操作受付期間と同様に、操作受付期間以外で、異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下したとしても、操作ボタン410がロック機構にロックされず、その異常突出した状態が維持される。このように、操作ボタン410が異常突出した状態である場合には、後述するように、図柄遊技の開始時に相当する特別図柄の変動開始時(変動パターンに基づいた演出開始時)、図柄遊技の終了時に相当する特別図柄の変動終了時(変動パターンに基づいた演出終了時)、上述したデモ演出の開始時のタイミングで、操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われる。
また、本例では、操作ボタン410の異常発生時において、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出の実行時における操作受付期間には、上記した通常操作時の指示演出が行われているが、そのような通常操作時の指示演出を行わないようにしてもよい。これは、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出は、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出と比べて期待度の低い演出であることから、通常操作時の指示演出が行われないことでその演出に対する期待度が確認できなかったとしても、遊技者が不利益を被ることが殆どないためである。
また、本例では、操作ボタン410の異常発生時において、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出の実行時における操作受付期間には、異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下すると、操作ボタン410がロック機構にロックされ、通常の状態に戻るようにしているが、異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下しても、操作ボタン410がロック機構にロックされないようにし、その異常突出した状態を維持するようにしてもよい。すなわち、操作ボタン410の異常発生時には、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出と、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出と、のいずれが行われた場合にも、異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下した際に、その操作ボタン410が通常の状態に戻らないようにしてもよい。これは、操作ボタン410に異常が発生することとなった原因として、操作ボタン410を通常の状態に戻す際に、遊技者が故意に操作ボタン410が通常の状態に戻らないようにした場合などが考えられるが、操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御タイミングが到来するまでは、操作ボタン410に異常突出した状態が発生したという痕跡を残すことで、そのような行為者に対して注意喚起することができる。
(操作ボタンの異常発生時の通知)
次に、演出操作ユニット400における操作ボタン410に異常が発生した場合に行われる通知態様について、図385を参照して説明する。図385は、操作ボタン410に異常が発生した場合における操作ボタン410の動作状態と通知態様との関係を示すタイムチャートである。
操作ボタン410は、遊技者が操作しうる(触れることのできる)部材であって、演出操作ユニット400から突出していない通常の状態(初期位置)と、演出操作ユニット400から突出した状態(操作位置)と、に変化可能となっている。具体的には、演出操作ユニット400にロック機構やバネ機構を有しており、通常の状態では、操作ボタン410が突出しないようにロック機構によりロックされているが、所定の突出開始条件が成立したときにロック機構のロックが外れ、バネ機構により操作ボタン410が突出した状態となる。また、操作ボタン410が突出した状態では、通常の状態の位置となるまで遊技者が押し込むように操作すると、操作ボタン410が再びロック機構によりロックされ、通常の状態に戻ることとなる。
なお、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が通常の状態であることを検知可能な通常位置センサと、操作ボタン410が突出した状態であることを検知可能な突出位置センサと、が設けられている。また、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が突出した状態から通常の状態に戻すための駆動機構(例えば、駆動モータ)が設けられている。
図385(A)に示すように、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出の実行時には、操作ボタン410が押下されたときに押圧検知センサ440の検知が有効となる操作受付期間を発生させるが、その操作受付期間の開始時には、通常の状態にある操作ボタン410を突出した状態に変化させる。そして、操作受付期間内に、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下した場合には、操作ボタン410がロック機構にロックされ、通常の状態に戻ることとなる。
しかしながら、操作受付期間内に、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下したにもかかわらず、何らかの異常により操作ボタン410がロック機構にロックされなかった場合には、通常の状態に戻らない。このような場合には、操作ボタン410が異常突出した状態となるが、操作受付期間の終了時に、その操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われる。なお、操作受付期間内に、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下しなかった場合にも、操作受付期間の終了時に、その操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われる。
また、操作受付期間の終了時に、操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われたにもかかわらず、何らかの異常により操作ボタン410がロック機構にロックされなかった場合にも、通常の状態に戻らない。このように、操作受付期間の終了後において、操作ボタン410が異常突出した状態である場合には、後述するように、図柄遊技の開始時に相当する特別図柄の変動開始時(変動パターンに基づいた演出開始時)、図柄遊技の終了時に相当する特別図柄の変動終了時(変動パターンに基づいた演出終了時)、上述したデモ演出の開始時のタイミング(一連の動作確認期間の開始に先立つタイミング)で、再度、操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われる。
上記したように、操作受付期間おいて、操作ボタン410に異常が発生した場合には、その操作受付期間の終了時以降に、異常突出した操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が繰り返し行われる。また、操作受付期間において、操作ボタン410に異常が発生した場合には、後述するような、操作ボタン410に異常が発生したことを通知する演出が行われていない。つまり、操作受付期間では、操作ボタン410を操作したことに起因し、その操作ボタン410に異常が発生した可能性が高く、遊技者の故意ではない可能性が高いため、操作ボタン410に異常が発生したことを目立たせることがないままに、その操作ボタン410の異常を解消しようとしている。
一方、操作受付期間以外で、操作ボタン410に異常が発生した場合には、操作受付期間で、操作ボタン410に異常が発生した場合と比べて、その対応を異ならせている。例えば、操作受付期間以外として、上述したデモ演出の実行時には、同じく上述した自動動作確認期間が設けられており、その自動動作確認期間には、遊技者の押下によらず操作ボタン410を動作させ、その操作ボタン410が正常の位置に位置するように原点を確認している。具体的には、図385(B)に示すように、自動動作確認期間では、まず、操作ボタン410を通常の状態付近で数回上下するように動作させ、通常の状態にある操作ボタン410が正常の位置にあると検知しうるように通常位置センサにより原点を確認している。そして、原点の確認後、操作ボタン410を突出した状態とし、その突出した状態から通常の状態に戻すように動作することで、操作ボタン410がロック機構にロックされるものとしている。
しかしながら、自動動作確認期間内に、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態に戻すように動作したにもかかわらず、何らかの異常により操作ボタン410がロック機構にロックされなかった場合には、通常の状態に戻らない。このような場合には、操作ボタン410が異常突出した状態であり、その異常突出した状態にある操作ボタン410が通常の状態に戻らない限りは、異常突出した操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が繰り返し行われる。そして、複数回(本例では、5回)、異常突出した操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われた時点で、操作ボタン410が通常の状態に戻らなかった場合には、自動動作確認期間を終了するようにし、その自動動作確認期間の終了後には、異常突出した操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御を行わないようにしている。すなわち、自動動作確認期間に操作ボタン410に異常が発生し、その自動動作確認期間の終了後にその異常が継続している場合であっても、上述した操作受付期間の終了後のような、図柄遊技の開始時に相当する特別図柄の変動開始時(変動パターンに基づいた演出開始時)、図柄遊技の終了時に相当する特別図柄の変動終了時(変動パターンに基づいた演出終了時)、デモ演出の開始時のタイミング(一連の動作確認期間の開始に先立つタイミング)で、異常突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われることがない。
また、自動動作確認期間において、操作ボタン410に異常が発生した場合には、操作ボタン410に異常が発生したことを通知する演出が行われる。具体的には、遊技側演出表示装置1600の表示領域での表示による通知(例えば、「操作ボタンに異常が発生しました」の表示など)や、本体枠4に設けられたランプ・LEDの点滅による通知(例えば、通常の演出時よりもランプ・LEDを激しく点滅するなど)を行うことで、操作ボタン410に異常が発生したことを外部に向けてアピールしている。
上記したように、自動動作確認期間において、操作ボタン410に異常が発生した場合には、その自動動作確認期間の終了時以降に、異常突出した操作ボタン410を通常の状態に戻すための制御が行われない。また、自動動作確認期間において、操作ボタン410に異常が発生した場合には、操作ボタン410に異常が発生したことを通知する演出が行われている。つまり、操作確認期間以外では、自動動作確認期間のように操作ボタン410の操作が要求されていないにもかかわらず、遊技者が操作ボタン410を操作することで異常が発生した可能性が高く、遊技者の故意である可能性が高いため、操作ボタン410に異常突出した状態が発生したという痕跡を残し、そのような行為者に対して注意喚起するようにしている。
なお、本例では、操作受付期間において、操作ボタン410に異常が発生した場合には、操作ボタン410に異常が発生したことを通知する演出が行われていないが、そのような演出を行うようにしてもよい。ただし、このような場合には、自動動作確認期間において、操作ボタン410に異常が発生した場合における通知する演出よりも、外部に向けてアピールする度合いを抑制した態様で行うことが好ましい。これにより、操作受付期間の終了後においても、操作ボタン410に異常が発生したことを通知する演出に妨げられることがなく、遊技進行にかかる演出(変動パターンに基づいた演出)に注目させることができる。
(可動装飾体の異常発生時における確認演出)
次に、遊技盤5に設けられた可動装飾体に異常が発生した場合に行われる確認演出について、図386を参照して説明する。図386は、可動装飾体に異常が発生した場合における演出の流れを示すタイムチャートである。
遊技盤5には、遊技盤側演出表示装置1600の周囲に、裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500などの可動装飾体(図60参照)が設けられている。これらの可動装飾体は、遊技者が操作しえない(触れることのできない)部材であって、遊技側演出表示装置1600の周囲で待機する非動作状態(待機位置)と、遊技側演出表示装置1600の表示領域の前面に表出する動作状態(表出位置)と、に変化可能となっている。また、これらの可動装飾体は、所定の動作開始条件が成立したときに、非動作状態から動作状態に変化するものである。
なお、裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500には、それぞれの可動装飾体が非動作状態であることを検知可能な待機位置センサが設けられている。また、裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500には、可動装飾体が非動作状態と動作状態との間で動作するための駆動機構(例えば、駆動モータ)が設けられている。
図386に示すように、図柄遊技の開始時に相当する特別図柄の変動開始時(変動パターンに基づいた演出開始時)、図柄遊技の終了時に相当する特別図柄の変動終了時(変動パターンに基づいた演出終了時)、上述したデモ演出の開始時のタイミング(一連の動作確認期間の開始に先立つタイミング)では、所定の動作開始条件が成立することがなく可動装飾体が非動作状態に位置するべきであるが、それらのタイミングで、可動装飾体が非動作状態であるか否か(正常の位置であるか否か)を判断し、非動作状態ではない(正常の位置ではない)と判断した場合には、異常が発生したと判断し、可動装飾体を非動作状態に戻すための制御が行われる。
しかしながら、可動装飾体に異常が発生した場合において、可動装飾体を非動作状態に戻すための制御が行われたにもかかわらず、可動装飾体が非動作状態に戻らなかった場合には、可動装飾体に異常が発生したことを通知する演出が行われる。具体的には、遊技側演出表示装置1600の表示領域をブラックアウトし、表示されていた装飾図柄や背景画像などの表示内容を非表示に変化させる。また、本体枠4に設けられたランプ・LEDを激しく点滅させる。このように、可動装飾体に異常が発生した場合には、可動装飾体に異常が発生したことを外部に向けてアピールしている。
また、可動装飾体が非動作状態に戻らなかった場合には、可動装飾体に異常が発生したことを通知する演出に加え、その異常が発生した状態で遊技を進行させるか否かを確認する確認演出が行われる。具体的には、遊技側演出表示装置1600の表示領域において、「異常報知を終了して遊技を続行する場合には、操作ボタンを押下して下さい」などの表示が行われる。そして、確認演出にて操作ボタン410を押下しない限りは、可動装飾体が動作しないだけでなく、遊技側演出表示装置1600の表示領域に装飾図柄や背景画像などの表示内容を非表示のままとし、本体枠4に設けられたランプ・LEDの点灯やスピーカからの音声など、表示内容に伴う演出が行われないようにしている。
一方、確認演出にて操作ボタン410を押下した場合には、可動装飾体に異常が発生したことを通知する演出や、その異常が発生した状態で遊技を進行させるか否かを確認する確認演出を終了させる。そして、確認演出にて操作ボタン410を押下した後には、可動装飾体が動作しない点で変化はないが、遊技側演出表示装置1600の表示領域に装飾図柄や背景画像などの表示内容が表示されるように復帰し、本体枠4に設けられたランプ・LEDの点灯やスピーカからの音声など、表示内容に伴う演出が行われるようになる。例えば、確認演出にて操作ボタン410を押下した後に、可動装飾体を動作させる演出が行われる際には、可動装飾体に異常が発生していない場合と比べて、表示領域の表示、ランプ・LEDの点灯、スピーカからの音声に変化はないものの、可動装飾体の動作タイミングで可動装飾体が動作しないこととなる。このように、可動装飾体に異常が発生した場合には、確認演出を行い、可動装飾体を用いた演出が行われる際に可動装飾体が動作しないことを認識させたうえで遊技を進行させることで、可動装飾体が動作しないことによる興趣の低下を抑止することができる。なお、動作状態にある可動装飾体が非動作状態に戻らなかった場合だけでなく、可動装飾体が非動作状態から動作しなくなったなどの異常が発生した場合にも、同様の確認演出が行われている。
本例では、操作ボタン410を用いた演出として、操作ボタン410を押下することにより可動装飾体が動作しうる演出が行われている。しかしながら、可動装飾体に異常が発生した場合には、操作ボタン410を用いた演出における操作受付期間(操作ボタン410が押下されたときに押圧検知センサ440の検知が有効となる期間)に、操作ボタン410を押下したとしても、可動装飾体が非動作状態から動作状態に動作しないこととなる。このような場合にも、可動装飾体に異常が発生したことを通知する演出や、その異常が発生した状態で遊技を進行させるか否かを確認する確認演出を行うことで、操作ボタン410を用いた演出が行われる際に操作ボタン410を押下したとしても、可動装飾体が動作しないことを認識させることができる。
なお、本例では、操作ボタン410を用いた演出として、操作ボタン410を押下することにより可動装飾体が動作することなく、所定の演出結果を導出しうる演出も行われている。上記したような、可動装飾体に異常が発生した場合であっても、表示領域の表示、ランプ・LEDの点灯、スピーカからの音声には影響がないことから、可動装飾体が動作することのない演出は、可動装飾体に異常が発生していない場合と同様の演出を行うことができる。
また、本例では、可動装飾体に異常が発生した場合に、可動装飾体を非動作状態に戻すための制御を行い、その可動装飾体が非動作状態に戻らなかった時点で、可動装飾体に異常が発生したことを通知する演出や、その異常が発生した状態で遊技を進行させるか否かを確認する確認演出を行っているが、可動装飾体に異常が発生した時点で、そのような演出を行うようにしてもよい。このような場合、確認演出の開始後に、可動装飾体を非動作状態に戻すための制御を行い、例えば、確認演出の実行中に、その可動装飾体が非動作状態に戻った場合には、操作ボタン410の押下前であっても確認演出を終了させるようにすればよい。
(複数の可動体の干渉回避動作)
次に、互いが干渉しうる状態にある複数の可動体のいずれか一方に異常が発生した場合における干渉回避動作について、図387を参照して説明する。図387は、操作受付期間における操作ボタンカバー419の動作状態と操作ボタン410の動作状態との関係を示すタイムチャートである。本例では、本体枠4の演出操作ユニット400において、遊技者が操作しうる操作ボタン410に加え、操作ボタン410を操作しうる状態とするか否かの開閉部材としての操作ボタンカバー419が設けられる場合について説明する。
操作ボタンカバー419は、通常の状態にある操作ボタン410の上部に設けられるものであって、操作ボタン410を操作しえないように操作ボタン410が密閉された閉鎖状態と、操作ボタン410を操作しえるように操作ボタン410が露出された開放状態と、に変化可能となっている。なお、演出操作ユニット400には、操作ボタンカバー419が閉鎖状態であることを検知可能な閉鎖位置センサと、操作ボタンカバー419が開放状態であることを検知可能な開放位置センサと、が設けられている。また、演出操作ユニット400には、操作ボタンカバー419を閉鎖状態から開放状態に移動させるとともに、開放状態から閉鎖状態に戻すための駆動機構(例えば、駆動モータ)が設けられている。
操作ボタン410は、本例以外の操作ボタン410と同じく、演出操作ユニット400から突出していない通常の状態(初期位置)と、演出操作ユニット400から突出した状態(操作位置)と、に変化可能となっている。具体的には、演出操作ユニット400にロック機構やバネ機構を有しており、通常の状態では、操作ボタン410が突出しないようにロック機構によりロックされているが、所定の突出開始条件が成立したときにロック機構のロックが外れ、バネ機構により操作ボタン410が突出した状態となる。また、操作ボタン410が突出した状態では、通常の状態の位置となるまで遊技者が押し込むように操作すると、操作ボタン410が再びロック機構によりロックされ、通常の状態に戻ることとなる。
なお、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が通常の状態であることを検知可能な通常位置センサと、操作ボタン410が突出した状態であることを検知可能な突出位置センサと、が設けられている。また、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が突出した状態から通常の状態に戻すための駆動機構(例えば、駆動モータ)が設けられている。
また、変動パターンに設定された演出として、操作ボタン410を用いた演出が設定されている。図387(A)に示すように、操作ボタン410を用いた演出では、その演出時間内に、操作ボタン410を操作することが可能な操作受付期間を発生させ、その操作受付期間の発生時に、閉鎖状態にある操作ボタンカバー419を開放状態に変化させる。
そして、操作ボタンカバー419が開放状態であると判断した場合には、通常の状態にある操作ボタン410を突出した状態に変化させる。操作受付期間では、その突出した状態にある操作ボタン410を、指示に従って通常の状態まで押下することで、所定の演出結果を得ることができる。
なお、操作受付期間内に、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下した場合には、通常の状態に戻ることとなるが、その突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下しなかった場合には、操作受付期間の終了とともに、操作ボタン410を強制的に通常の状態に戻すこととなる。また、操作受付期間の終了時には、操作ボタン410が通常の状態にあると判断した場合に、開放状態にある操作ボタンカバー419を閉鎖状態に戻すための制御が行われる。
本例では、閉鎖状態にある操作ボタンカバー419を開放状態とした後、通常の状態にある操作ボタン410を突出した状態とし、その突出した状態にある操作ボタン410を押下可能とするものであるが、操作ボタンカバー419を開放状態とする際に、操作ボタンカバー419が閉鎖状態と開放状態との間で停止するなどの不具合が生じる場合がある。すなわち、操作ボタン410と操作ボタンカバー419は、同時期に動作すると、互いに干渉してしまう関係にある。このような場合には、操作ボタンカバー419を開放状態としないままで操作ボタン410を突出した状態に制御すると、突出しようとする操作ボタン410と操作ボタンカバー419とが干渉してしまい、操作ボタン410と操作ボタンカバー419とにさらなる不具合が生じる可能性がある。このため、操作ボタンカバー419が開放状態にならなかった場合には、操作ボタン410と操作ボタンカバー419とが干渉することがないように、その干渉を回避するための制御が行われている。
具体的には、図387(B)に示すように、操作受付期間の発生時点で、閉鎖状態にある操作ボタンカバー419を開放状態とする制御が行われるが、操作ボタンカバー419が開放状態ではないと判断した場合には、操作ボタンカバー419に異常が発生したと判断し、通常の状態にある操作ボタン410を突出した状態とする制御を行わない(操作ボタン410を突出した状態とする制御を禁止する)ようにしている。これにより、操作ボタンカバー419が開放状態にならなかった場合において、操作ボタン410と操作ボタンカバー419とが干渉することを防止することができる。なお、操作受付期間が発生する以前に、操作ボタンカバー419が閉鎖状態と開放状態との間で停止している場合にも、操作受付期間の発生時点で操作ボタンカバー419が開放状態にならない限りは、通常の状態にある操作ボタン410を突出した状態とする制御を行わない(操作ボタン410を突出した状態とする制御を禁止する)ようにしている。
また、操作受付期間の発生時点で、操作ボタンカバー419が開放状態にならなかったにも関わらず、その後に遊技者自身の指触により強制的に操作ボタンカバー419を開放状態とした場合には、操作ボタンカバー419の異常が解消したと判断し、操作ボタン410を突出した状態とすることを許容して、通常の状態にある操作ボタン410を突出した状態とする制御が行われる。このように、操作ボタン410と操作ボタンカバー419とが干渉する状況にあったにもかかわらず、その干渉する状況がの接触により解消された場合には、操作ボタン410を突出した状態とすることで、操作受付期間の残り期間において、突出した状態にある操作ボタン410を押下することが可能となっている。このため、操作受付期間の発生時点で操作ボタンカバー419に異常が発生したと判断した場合であっても、遊技者の自助努力によって、突出した状態にある操作ボタン410を押下するという演出への参加が阻害されることを防止することができる。なお、突出した状態にある操作ボタン410を押下後には、異常が発生していた操作ボタンカバー419を閉鎖状態に戻すための制御を行い、操作ボタンカバー419を正常な状況に戻し、後に、操作ボタン410と操作ボタンカバー419が干渉する状況が再度発生してしまうことを未然に防止している。
なお、操作受付期間の発生時点で、操作ボタンカバー419が開放状態にならなかったにも関わらず、遊技者自身の指触により強制的に操作ボタンカバー419を開放状態とした場合には、通常の状態にある操作ボタン410を突出した状態としているが、その突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下しなかった場合には、操作受付期間の終了とともに、順次に操作ボタン410および操作ボタンカバー419を強制的に通常の状態に戻すこととなる。具体的には、操作受付期間の終了とともに、操作ボタン410を通常の状態に戻す制御が行われ、その後に、操作ボタン410が通常の状態にあると判断した場合に、開放状態にある操作ボタンカバー419を閉鎖状態に戻すための制御が行われる。これにより、後に、操作ボタン410と操作ボタンカバー419が干渉する状況が再度発生してしまうことを未然に防止している。
一方、操作受付期間の発生時点で、操作ボタンカバー419が開放状態にならず、その後も遊技者がその状態で放置した場合には、通常の状態にある操作ボタン410を突出した状態としない。このような場合には、突出した状態にある操作ボタン410を押下するという演出に対して参加することができない。また、操作受付期間の終了時には、異常が発生している操作ボタンカバー419を閉鎖状態に戻すための制御を行い、操作ボタンカバー419の異常が解消されるようにしており、後に、操作ボタン410と操作ボタンカバー419が干渉する状況が発生してしまうことを未然に防止している。
(遊技状態に応じた操作ボタンの異常発生時の動作)
次に、遊技状態に応じて操作ボタン410の待機位置を異ならせた場合における操作ボタン410の異常発生時の動作について、図388を参照して説明する。図388は、非時短状態および時短状態時において、操作ボタン410に異常が発生した場合における操作ボタン410の動作状態を示すタイムチャートである。本例では、本体枠4の演出操作ユニット400において、遊技者が操作しうる操作ボタン410に加え、操作ボタン410を操作しうる状態とするか否かの開閉部材としての操作ボタンカバー419が設けられる場合について説明する。
操作ボタンカバー419は、通常の状態にある操作ボタン410の上部に設けられるものであって、操作ボタン410を操作しえないように操作ボタン410が密閉された閉鎖状態と、操作ボタン410を操作しえるように操作ボタン410が露出された開放状態と、に変化可能となっている。なお、演出操作ユニット400には、操作ボタンカバー419が閉鎖状態であることを検知可能な閉鎖位置センサと、操作ボタンカバー419が開放状態であることを検知可能な開放位置センサと、が設けられている。また、演出操作ユニット400には、操作ボタンカバー419を閉鎖状態から開放状態に移動させるとともに、開放状態から閉鎖状態に戻すための駆動機構(例えば、駆動モータ)が設けられている。
操作ボタン410は、本例以外の操作ボタン410と同じく、演出操作ユニット400から突出していない通常の状態(初期位置)と、演出操作ユニット400から突出した状態(操作位置)と、に変化可能となっている。演出操作ユニット400には、ロック機構やバネ機構を有している。本例では、非時短状態(通常状態)時において、操作ボタン410が突出しないようにロック機構によりロックされ、通常の状態に位置しているのに対し、時短状態時において、ロック機構のロックが外れ、バネ機構により操作ボタン410が突出した状態に位置している。なお、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が通常の状態であることを検知可能な通常位置センサと、操作ボタン410が突出した状態であることを検知可能な突出位置センサと、が設けられている。また、演出操作ユニット400には、操作ボタン410が突出した状態から通常の状態に戻すための駆動機構(例えば、駆動モータ)が設けられている。
本例では、非時短状態(通常状態)時において、通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出を行いうる。通常の状態にある操作ボタン410を用いた演出では、その演出時間内に、操作ボタン410を操作することが可能な操作受付期間を発生させ、その操作受付期間の発生時に、閉鎖状態にある操作ボタンカバー419を開放状態に変化させることで、通常の状態にある操作ボタン410を押下することが可能となる。そして、操作受付期間では、その通常の状態にある操作ボタン410を、指示に従って押下することで、所定の演出結果を得ることができる。なお、操作受付期間の終了時には、開放状態にある操作ボタンカバー419を閉鎖状態に戻すための制御が行われる。
また、非時短状態(通常状態)時には、操作受付期間を除いて、操作ボタンカバー419が閉鎖状態にあるとともに、操作ボタン410が通常の状態にあるべきである。しかしながら、図388(A)に示すように、所定の異常判定タイミングで、操作ボタンカバー419が開放状態にあるとともに、操作ボタン410が突出した状態にある場合には、異常が発生したと判断し、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態に戻した後、開放状態にある操作ボタンカバー419を閉鎖状態に戻すための制御が行われる。なお、所定の異常判定タイミングで、操作ボタン410が通常の状態にあるが、操作ボタンカバー419が開放状態にある場合には、開放状態にある操作ボタンカバー419を閉鎖状態に戻すための制御のみが行われる。また、所定の異常判定タイミングとは、本例以外と同じく、図柄遊技の開始時に相当する特別図柄の変動開始時(変動パターンに基づいた演出開始時)、図柄遊技の終了時に相当する特別図柄の変動終了時(変動パターンに基づいた演出終了時)、上述したデモ演出の開始時のタイミングである。
一方、時短状態時において、突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出を行いうる。突出した状態にある操作ボタン410を用いた演出では、その演出時間内に、操作ボタン410を操作することが可能な操作受付期間を発生させ、その操作受付期間の発生時に、突出した状態にある操作ボタン410を、指示に従って通常の状態まで押下することで、所定の演出結果を得ることができる。なお、時短状態時である限りは、突出した状態にある操作ボタン410を通常の状態まで押下したとしても、ロック機構によりロックされることがなく、操作ボタン410が突出した状態に戻されることとなる。
また、時短状態時には、操作ボタンカバー419が開放状態にあるとともに、操作ボタン410が突出した状態にあるべきである。しかしながら、図388(B)に示すように、所定の異常判定タイミングで、操作ボタンカバー419が閉鎖状態にあるとともに、操作ボタン410が通常の状態にある場合には、異常が発生したと判断し、閉鎖状態にある操作ボタンカバー419を開放状態に戻した後、通常の状態にある操作ボタン410を突出した状態に戻すための制御が行われる。なお、所定の異常判定タイミングで、操作ボタン410が通常の状態にあるが、操作ボタンカバー419が開放状態にある場合には、通常の状態にある操作ボタン410を突出した状態に戻すための制御のみが行われる。
上記したように、非時短状態(通常状態)時には、操作ボタンカバー419が閉鎖状態にあるとともに、操作ボタン410が通常の状態にあるのに対し、時短状態時には、操作ボタンカバー419が開放状態にあるとともに、操作ボタン410が突出した状態にあるべきである。このように、非時短状態時と時短状態時とでは、操作ボタン410および操作ボタンカバー419が異なる位置で待機することが決められているが、操作ボタン410および操作ボタンカバー419のいずれか一つ以上に異常が発生した場合には、その異常が発生した部材の復帰先の位置を異ならせることで、遊技状態に応じた位置での操作ボタン410を用いた演出が行われる際に、操作ボタン410を操作するという演出への参加が阻害されることを防止することができる。
[18.スケジューラによる演出制御]
遊技機は、音声出力、ランプの点灯・点滅、画像の表示などによって、遊技中に種々の演出が行われ、遊技の興趣を高めるために、種々の趣向を凝らした演出が試みられている。遊技機は、前述したように、主制御基板1310から出力されるコマンドに基づいて演出制御装置である周辺制御基板1510によって複数種類の演出装置を制御して遊技の遊技状態に応じた演出を実行する。主制御基板1310と周辺制御基板1510とは、単方向で信号伝達を行う単方向信号線で接続されている。
複数種類の演出を連携して実行するために、例えば、特開平7−313694号公報には、シナリオデータを用いて、多様な演出表示を実現する制御技術を開示している。シナリオデータとは、画面に表示する図柄を時系列で順次規定したデータである。このシナリオデータに従って、指定された図柄を順次表示させる汎用的な処理を実現する制御処理を用意しておくことにより、シナリオデータを切り換えるだけで多種多様な演出表示を容易に実現できる利点がある。シナリオデータには、BGMの指定を含めることも可能である。この場合は、音源ICが指定されたBGMを出力することによって、表示画面に対応した音声を出力させることが可能となる。
しかしながら、遊技機では、更に趣向を凝らした演出が求められている。上述の従来技術では、音声出力、ランプの点灯、画像の表示など、複数の演出装置を連動させて多様な演出を行うことが困難であった。例えば、シナリオデータに従った画像表示を実行している間にBGMを変更することはできなかった。また、画像表示の途中で、ユーザの操作に応じて効果音を出力する場合には、画像の表示及びBGMの出力を停止し、効果音を出力していた。効果音の出力が終わると、BGMがどこまで演奏されていたかに関わらず、また最初からBGM及び画像表示が再開され、違和感を与える演出となっていた。ランプの点灯・点滅については、遊技状態に応じて、画像表示の内容とは無関係に、個別のプログラムによって制御されており、画像表示に連動した多種多様な点灯・点滅を実現することは困難であった。
[18−1.周辺制御部におけるソフトウェア構成]
本実施形態の遊技機では、周辺制御基板1510に備えられる周辺制御部1530が主制御基板1310からのメインコマンドを受信し、遊技の演出を実行する。本実施形態では、受信したメインコマンドに基づいて演出を実行する各構成をソフトウェアとして構成しているが、ハードウェアとして構成してもよい。以下、本実施形態における演出制御を実現するための機能の構成及び概要を説明した後、各機能の詳細について説明する。
[18−1−1.各機能の構成及び概要]
図389は、本実施形態における演出制御を実行するための機能の構成及び概要を説明する機能ブロック図である。周辺制御部1530は、入力コマンド解析部5010、演出制御部5020、レイヤデータ記憶部5030、演出ブロック制御部5040、演出ブロックデータ記憶部5050、スケジューラ実行部5060、スケジューラーデータ記憶部5070及び出力モジュール部5080を備える。
入力コマンド解析部5010は、メインコマンドの入力を受け付け、入力されたコマンドを解析する。演出制御部5020は、メインコマンドの解析結果に基づいて、レイヤデータ記憶部5030からレイヤデータを取得し、ブロック制御情報(演出ブロック番号)を決定する。レイヤについて説明すると、本実施形態では、背景やキャラクタなどの演出区分ごとにレイヤを設定し、各レイヤに各演出要素を描画して、これらのレイヤを重ねて表示することで液晶表示装置に画像を出力する。これにより、例えば、背景のみが異なり、キャラクタの表示(動作)が同じであれば、キャラクタを表示するレイヤを共通化することが可能となる。これにより、演出データ(スケジューラーデータ)の容量を削減したり、開発効率を向上させたりすることができる。レイヤデータ記憶部5030には、レイヤ毎の演出を特定するための情報などが格納される。
演出ブロック制御部5040は、演出制御部5020で決定されたブロック制御情報(演出ブロック番号)を受け取り、演出ブロック番号に対応した演出ブロックデータを演出ブロックデータ記憶部5050から取得する。演出ブロックデータには演出を実行するためのスケジューラーデータが含まれる。スケジューラーデータとは、各演出装置における演出の制御を行うために、演出装置に応じて要求される複数の処理のうち実行すべき所定の処理を指示するファンクションを、実行すべき順序で複数格納したデータである。演出ブロックデータは、液晶表示装置に表示する演出を実行するための「液晶演出ブロックデータ」と、液晶表示装置に識別図柄を変動表示するための「液晶図柄ブロックデータ」と、サウンド(音)、ランプ、役物などを制御するための「サブ演出ブロックデータ」との3種類がある。演出ブロック制御部5040は、演出ブロックデータの種類に応じた制御を実行し、演出ブロックデータを含むスケジューラ制御情報をスケジューラ実行部5060に受け渡す。
スケジューラ実行部5060は、演出ブロックデータに含まれるスケジューラーデータをスケジューラーデータ記憶部5070から取得する。そして、スケジューラーデータを実行し、各演出装置に対応したファンクションを呼び出し、出力モジュール部5080に演出装置制御情報を送信する。
出力モジュール部5080は、スケジューラ実行部5060から演出装置制御情報を受け取り、当該演出装置制御情報に基づいて各演出装置に演出装置駆動データを送信する。
各演出装置は、演出装置駆動データに基づく動作を行う。出力モジュール部5080は、演出制御装置(周辺制御基板1530)に備えられたCPU(周辺制御MPU1511a)によって演出制御部5020がソフトウェア的に構成されており、当該CPUが別のコンピュータプログラムを実行することによって実現している。なお、演出制御部5020と別の演算回路によって構成し、ハードウェアとして構成してもよい。
[18−1−2.モジュール構成]
続いて、前述した各機能を実現するモジュール等の構成の詳細について説明する。図390は、本実施形態の遊技機の周辺制御部1530におけるモジュール等の構成の一例を示す図である。各構成は、周辺制御部1530の周辺制御MPU1511aが実行するコンピュータプログラムによってソフトウェアとして構成されているが、一部又は全部をハードウェアとして構成してもよい。
本実施形態では、各演出装置を駆動するためのシステムモジュール5100が周辺制御部1530によって処理される。システムモジュール5100には、演出に関するモジュールとして、コマンド解析モジュール5200、液晶モジュール5400、サウンドモジュール5500、ランプモジュール5600及び駆動装置モジュール5700などが含まれる。また、メインコマンドに基づいて各演出装置を駆動するための演出装置制御情報を作成するための演出制御部5020が含まれる。
システムモジュール5100は、メインコマンドバッファ5110、液晶ディスプレイリストコマンドバッファ5120、ランプデータ出力バッファ5130、モータデータ出力バッファ5140及びシリアル制御IC5150を含む。メインコマンドバッファ5110は、主制御基板1310から送信されるメインコマンドを受信し、コマンド解析モジュール5200に受け渡す。本実施形態では、メインコマンドは3バイトワンセットの情報であり、先頭バイトから順にコマンドステータス値、コマンドモード値、コマンドステータスとモード値のチェックサム値となっており、8ビットずつ3回に分けて出力される、メインコマンドバッファ5110で、この信号を受信して、チェックサム値を評価し、受信したコマンドが正しいと判断されなかった場合には、受信したコマンドを破棄し、また正しいコマンドと判断された場合には、コマンド解析モジュール5200に受け渡す。
メインコマンドには、遊技状態や遊技機の動作状態のうち演出に関連する内容を表す情報が含まれる。例えば、始動入賞口等への遊技球の入賞の有無、特図抽選の結果、特別図柄の変動パターン(変動時間)などをメインコマンドに含めることができる。また、本実施形態をスロットマシンに適用する場合には、扉開放その他のセンサ出力や、始動レバーや停止ボタンの操作、リールの回転や停止、停止時の役の成否などが挙げられる。なお、ここに挙げたコマンドは例示であり、遊技機の機種や、演出内容に応じて種々のコマンドを含めることができる。
コマンド解析モジュール5200は、入力コマンド解析部5010に含まれ、メインコマンドの内容を解析し、演出に関わるコマンドか否かを判定する。演出に関わるコマンドと判定された場合には、演出制御部5020に受け渡す。
演出制御部5020は、メインコマンドの解析結果に基づいて、演出制御の対象となるレイヤをレイヤーデータテーブルから特定する。そして、特定されたレイヤからブロックデータ番号(演出ブロック番号)を取得し、各レイヤに対応するブロックデータ番号を演出ブロック制御部5040に送信する。
演出ブロック制御部5040は、液晶演出ブロック制御部5310及びサブ演出ブロック制御部5320を含む。液晶演出ブロック制御部5310は、液晶表示装置に画像を表示する演出を実行するための制御情報を決定する。サブ演出ブロック制御部5320は、音出力やランプの点灯・点滅、役物の動作などを実行するための制御情報を決定する。
液晶演出ブロック制御部5310は、演出ブロック番号が決定されると、当該演出ブロック番号に対応する液晶演出ブロックデータを実行する。液晶演出ブロックデータは、液晶表示演出を実行するためのブロックデータであり、一又は複数の描画スケジューラーデータを含む。描画スケジューラーデータを実行することによって、背景、キャラクタ、識別図柄などが液晶表示装置に表示される。
液晶演出ブロック制御部5310は、制御(表示)対象に応じたスケジューラ実行部5060を起動し、ブロックデータに含まれる描画スケジューラーデータを実行する。液晶表示用のスケジューラ実行部5060には、背景、キャラクタなどの演出要素を表示するための液晶演出1f描画スケジューラ実行部5331と、識別図柄を表示するための液晶図柄1f描画スケジューラ実行部5332とが含まれる。
液晶演出1f描画スケジューラ実行部5331及び液晶図柄1f描画スケジューラ実行部5332は、画面の更新周期であるフレーム周期(1f=約33.334ミリ秒)で実行される。液晶演出1f描画スケジューラ実行部5331及び液晶図柄1f描画スケジューラ実行部5332は、液晶演出ブロックデータで特定される描画スケジューラーデータを描画スケジューラで駆動し、液晶モジュール5400によって液晶ディスプレイリストコマンドを生成する。液晶ディスプレイリストコマンドは、液晶ディスプレイリストコマンドバッファ5120を介して、演出表示装置(遊技盤側演出表示装置1600、扉枠側液晶表示装置460)に受け渡される。
音源内蔵VDP1540aは、液晶ディスプレイリストコマンドバッファ5120に基づき表示データを生成し、演出表示装置(遊技盤側演出表示装置1600、扉枠側液晶表示装置460)に出力する。表示データは、例えば、液晶ディスプレイリストコマンドで指定されたキャラクタデータを指定された位置にフレームバッファ上に展開する方法で生成する。
サブ演出ブロック制御部5320は、演出ブロック番号が決定されると、当該演出ブロック番号に対応するサブ演出ブロックデータを実行する。サブ演出ブロックデータは、ランプ、音、モータの各演出を実行するためのブロックデータであり、一又は複数のサブ演出スケジューラーデータを含む。サブ演出スケジューラーデータを実行することによって、ランプ、音、モータの各演出装置が、サブ演出スケジューラーデータに予め定義された動作を行う。
サブ演出ブロック制御部5320は、各種演出装置の実行周期に応じたスケジューラ実行部5060を起動し、サブ演出ブロックデータに含まれるサブ演出スケジューラーデータを実行する。各種演出装置制御用のスケジューラ実行部5060には、1フレーム間隔で演出装置を制御するサブ演出1fスケジューラ実行部5333と、1ミリ秒間隔で演出装置を制御するサブ演出1msスケジューラ実行部5334とが含まれる。このように、実行間隔に応じたスケジューラ実行部を備えることによって遊技機の構成や演出装置の要求仕様に応じて演出を実行することが可能となる。例えば、1fは描画の更新間隔に対応するため、音出力や役物の動作などを液晶表示と同期させることが可能となる。また、センサの検出間隔が1ms単位であれば、役物の動作に不具合が生じた場合に迅速に対応することが可能となる。
サブ演出ブロック制御部5320は、液晶表示以外の演出制御を実行するが、本実施形態では、例として、サウンド(音)出力、ランプの点灯・点滅、役物の動作の3種類の演出制御について説明する。なお、サブ演出1fスケジューラ実行部5333とサブ演出1msスケジューラ実行部5334による演出制御は、実行周期以外は同じものとして特に区別することなく説明する。以下、演出装置の種類に応じた制御の概要について説明する。
まず、サウンド(音)出力による演出を実行する場合について説明する。サブ演出ブロックデータに音出力用のスケジューラーデータが含まれていると、スケジューラ実行部5060が音出力用のスケジューラを起動し、当該スケジューラーデータを実行する。そして、音出力用のファンクション(例えば、SPLAY)を実行すると、指定されたパラメータに基づいてサウンドモジュール5500が音源駆動データ(音源コマンド)を生成する。なお、スケジューラは複数起動することが可能となっており、例えば、BGMと演出効果音の出力を異なるスケジューラで制御することによって並行して音源駆動データを生成し、同時に音を出力することができる。音源内蔵VDP1540aは、音源駆動データで指定された音源データを液晶及び音ROM1540bから読み出し、オーディオデータ送信IC1540cによってスピーカ921、573から出力する。
次に、ランプによる演出を実行する場合について説明する。サブ演出ブロックデータにランプ制御用のスケジューラーデータが含まれていると、スケジューラ実行部がランプ用スケジューラを起動し、当該スケジューラーデータを実行する。そして、ランプ制御用のファンクション(例えば、HPLAY)を実行すると、指定されたパラメータに基づいてランプモジュール5600がランプ駆動データを生成する。なお、音出力の場合と同様にスケジューラを複数起動することが可能となっており、複数のランプやレイヤを並行して制御することができる。
ランプモジュール5600は、ランプ駆動データを周期(1フレーム又は1ミリ秒)毎に作成し、ランプデータ出力バッファ5130に出力する。ランプデータ出力バッファ5130は、ダブルバッファ構造を有しており、ランプモジュール5600によって生成されたランプ駆動データを一時的に格納し、シリアル制御IC5150に出力する。ランプデータ出力バッファ5130をダブルバッファにすることによって単一周期でランプデータの作成と出力を同時に行うことができる。このように構成することによって、ランプの系統が増加したり、ランプのレイヤーを重ね合わせたりすることによるランプ制御の処理時間の増加に対して、ランプデータの出力をランプデータの作成の次の動作周期とすることで、ランプデータの作成に関わる処理が処理周期内で終了すれば良いことになる。
具体的には、ランプデータ出力バッファ5130がバッファAとバッファBとによって構成されている場合、例えば、バッファAに前回作成済みのランプ駆動データが格納されていればバッファBに次周期用のデータを出力し、バッファAから前回作成済みのランプ駆動データをDMAによってシリアル制御IC5150に出力し、各ランプを点灯・点滅させる。次の周期では、バッファを切り替え、ランプモジュール5600からバッファAにランプ駆動データを出力し、バッファBに格納されたランプ駆動データをシリアル制御IC5150に出力する。なお、LEDの点灯・点滅を制御する場合についてもランプと同様であり、ランプの制御についての説明は特に断りのない限りLEDに置き換えることができる。
最後に、役物を動作させるための駆動装置(例えば、モータ、ソレノイド)を制御する場合について説明する。サブ演出ブロックデータに駆動装置制御用のスケジューラーデータが含まれていると、スケジューラ実行部が駆動装置用スケジューラ(モータスケジューラ)を起動し、当該スケジューラーデータを実行する。そして、駆動装置制御用のファンクション(例えば、MPLAY)を実行すると、指定されたパラメータに基づいて駆動装置モジュール5700がランプ駆動データを生成する。なお、音出力の場合と同様にスケジューラを複数起動することが可能となっており、複数の駆動装置を並行して制御することができる。
駆動装置モジュール5700は、モータ駆動データを周期毎に作成し、モータデータ出力バッファ5140に出力する。本実施形態では、1ミリ秒周期でモータ駆動データの作成及び出力が行われる。モータデータ出力バッファ5140は、駆動装置モジュール5700によって生成されたモータ駆動データを一時的に格納し、シリアル制御IC5150に出力する。なお、モータ駆動データは、DMAによらずに周辺制御MPU1511aのシリアルポートから出力される。ただし、各駆動装置にモータデータを反映するためのラッチ信号の出力は、モータデータ出力バッファ5140からシリアル制御IC5150に出力するタイミングと同一タイミングではなく、全モータデータ送信の次の周期でラッチ信号を出力している。これはラッチ信号の出力タイミングが、全モータデータのシリアル送信完了後になるため、モータデータのシリアル送信時間が長くなるにつれて、シリアル送信完了までの待ち時間がオーバーヘッドとなり、フレーム周期毎の全体の処理時間が足りなくなるためである。本実施形態ではモータデータシリアル送信と対応するラッチ信号出力のタイミングをずらすことで、シリアル送信完了までの待ち時間を0にすることを実現しているが、使用するCPUにより、DMAを複数使用できる場合には、モータ駆動データをDMAを用いてシリアル送信し、DMA完了割り込みでラッチ信号を出力することで、同じようにシリアル送信完了までの待ち時間を0にすることができる。また、モータ駆動データの出力と同時に、演出駆動フォト情報が駆動装置モジュール5700(周辺制御MPU1511a)に入力される。各演出駆動フォト情報はパラレルシリアル制御IC経由でシリアル通信で受信される。
[18−2.データ構成]
本実施形態において、スケジューラーデータは、種々の構造を採ることができる。例えば、他のスケジューラーデータをスケジューラーデータの一部として取り込むためのコールファンクションを設けてもよい。スケジューラ実行部5060は、スケジューラーデータで規定された処理を順次実行するとともに、コールファンクションの実行時には、一旦、コールファンクションで指定された他のスケジューラーデータを実行した後、元のスケジューラーデータの処理を継続して実行することになる。こうすることにより、一般のプログラムにおいてサブルーチンをコールするのと同じように、汎用的な演出内容を、種々の場面で活用することが可能となる。
この機能は、単にスケジューラーデータを作成する負荷を軽減できるというだけでなく、次に示す通り、遊技機に特有の効果も有する。遊技機では、遊技中に種々の抽選等が行われ、その結果に応じて遊技の展開が変わってくる。遊技者の中には、抽選中の演出内容の微妙な違いを見つけて、抽選結果等を推測することができる者もいる。これに対し、本実施形態では、コールファンクションによって、汎用的な演出内容を種々の場面で活用することができるため、こうした微妙な違いを解消することができ、抽選結果等を予測しづらくすることができ、遊技の興趣が損なわれるのを抑制することができるのである。
スケジューラーデータは、また別の構成として、遊技状態に応じて演出内容を切り替える条件分岐ファンクションを含めるようにしてもよい。スケジューラ実行部5060は、スケジューラーデータで規定された処理を順次実行するとともに、条件分岐ファンクションの実行時には、メインコマンドに基づいて遊技状態を判定し、遊技状態に応じた演出内容を実行することになる。こうすることにより、一つのスケジューラーデータで、多種多様に分岐する遊技状態に対応することが可能となる。条件分岐に用いられる遊技状態としては、例えば、遊技中に行われる抽選の結果や、遊技者によるボタン等の操作の有無などが挙げられる。回胴式遊技機では、回転リールの停止状態、パチンコ機では始動入賞口への入賞状態などを用いてもよい。また、遊技中のエラー発生の有無によって条件分岐するようにしてもよい。
条件分岐後の演出内容も種々の構成が可能である。例えば、条件分岐以後は、2つ以上の処理に完全に分離される構成としてもよい。また、条件分岐によって所定の処理を行った後は、分岐前の処理に復帰するように構成してもよい。後者の態様によれば、例えば、遊技中にボタンが押された場合に一時的に効果音を出力する処理を実行した後、従前の演出に違和感なく復帰させることが可能となる。
先に説明した通り、遊技機には、種々の演出装置を含めることができ、一例として、画像を表示するための表示装置を含めることもできる。表示装置としては、液晶パネル、CRT、有機ELパネル、プラズマディスプレイなど、画像を表示可能な種々の装置を用いることができる。表示装置の表示内容は、画像処理装置によって制御される。画像処理装置は、所定の表示コマンドに従って画像をビットマップ展開し、表示装置に画像を表示するための表示データを生成する装置である。例えば、VDP(Video Display Processor)と、画面に表示するキャラクタ等をビットマップで用意したキャラクタROMなどの組合せで構成することができる。
[18−3.演出制御の基本概念]
図391は、本実施形態の遊技機における演出制御の基本概念を示す説明図である。ここでは、主な演出制御がファンクションを含むスケジューラーデータを実行することによって実行されるサブ演出の場合について説明し、特に、サウンド(音)出力を例として説明する。
スケジューラ実行部5060(サブ演出スケジューラ実行部5320)は、演出実行時に演出装置に応じた種類及び数のスケジューラ5502を起動する。スケジューラ実行部5060は、サブ演出ブロックデータに指定されたスケジューラーデータをスケジューラーデータ記憶部5070から取得し、当該スケジューラーデータに含まれるファンクションを実行する。スケジューラーデータの構造については後述する。
音出力時に実行されるサウンド用ファンクションには、フレーズを再生させる「SPLAY」、再生中のフレーズを停止させる「STOP_PH」、フレーズ再生時のボリュームレベルを設定する「VOL_PH」などが含まれる。これらのサウンド用ファンクションは、サウンドモジュール5500によって処理され、パラメータなどによって指定された制御が実行される。サウンドモジュール5500は、サウンド用ファンクションの実行を受け付けると、音源駆動データを生成し、音源駆動データを音源内蔵VDP1540aに対して出力する。
サウンドモジュール5500によって処理されたファンクションによって、指定されたチャンネルに対応する音の出力が制御される。本実施形態の遊技機では、32個のチャンネルが設けられているが、理解を容易にするためにチャンネル数を4として説明する。また、各チャンネルによって出力される音は、ボリューム5506v[1]〜[4]を介してスピーカ[1]〜[4]から出力される。なお、ここに図示したスピーカ[1]〜[4]は、各チャンネルCh1〜Ch4の出力を模式的に表したものであり、遊技機に設けられた物理的ないずれか一つのスピーカと対応していることを意味している訳ではない。
スケジューラ5502と出力チャンネルとの対応関係は、チャンネルCh1〜Ch4に対応づけて設けられたチャンネル管理用ワーク5507[1]〜5507[4]によって管理される。図の右下にチャンネル管理用ワーク5507のデータ構造を例示した。ワーク5507には、フレーズ番号、ステレオ再生フラグ、出力ボリューム、ループ属性が格納される。フレーズ番号は、現在、どのフレーズが再生されているのかを示す情報である。ステレオ再生フラグは、ステレオ出力するか否かを表している。出力ボリュームはチャンネルごとのボリュームである。ループ属性は、繰り返し再生するか否かの指定である。
これらの情報は、サウンド用ファンクションに基づいてサウンドモジュール5500によって指定される。
以上、図391では音(サウンド)出力制御を例として本実施形態における演出制御の基本概念を示した。サブ演出スケジューラ実行部は、サブ演出ブロックデータで指定されたスケジューラを起動し、当該スケジューラ上でスケジューラーデータを実行する。スケジューラーデータが実行されると、各演出装置を制御するファンクションが呼び出され、各演出装置に対応するモジュール(サウンドモジュール5500、ランプモジュール5600、駆動装置モジュール5700)によって処理される。
[18−4.演出制御におけるデータの流れ]
以上、遊技機の演出制御におけるモジュール構成及び制御の基本概念について説明した。続いて、メインコマンドを受信してからスケジューラーデータを取得するまでの演出制御の流れについて説明する。
[18−4−1.演出制御に必要なデータの取得]
図392Aは、本実施形態の遊技機の演出制御に必要なデータを取得するまでの構成を説明する図である。演出制御部5020は、図390にて説明したように、主制御基板1310からメインコマンドを受信すると、コマンド解析モジュール5200によって解析し、解析結果を演出制御部5020に通知する。
演出制御部5020は、レイヤデータテーブルを元に、各レイヤ、変動パターンレイヤ(変動パターンに関わる演出を行うレイヤ)、保留レイヤ(保留演出に関わる演出を行うレイヤ)、遊技指示レイヤ(遊技指示を行うレイヤ)、通信エラーレイヤ(通信エラーの報知を行うレイヤ)、報知レイヤ(各種報知を行うレイヤ)、異常報知レイヤ(異常報知を行うレイヤ)毎に、コマンド解析モジュール5200による解析結果に基づいて、各レイヤ毎に対応する演出ブロックデータ番号の取得及び更新管理を行う。また、取得した演出ブロックデータ番号を演出ブロック制御部5040に引き渡す。演出ブロック番号は、例えば、変動パターンレイヤであれば、変動パターン番号に基づいて、変動パターン別液晶演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル、変動パターン別液晶図柄ブロックデータ組み合わせ番号テーブル、変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブルから決定される。演出ブロックの分割の単位は、一連の演出(例えば、特別図柄の変動が開始されてから停止するまでに実行される演出)内で共通の演出となる所定単位(ブロック)に分割される。また、ブロックごとに各演出装置毎の演出内容、演出時間などの制御情報を含むブロックデータが定義される。演出ブロック番号に基づき演出ブロック単位で演出を制御することによって各演出装置による演出を同期させることができる。また、レイヤの並びは液晶表示上のレイヤと対応しており、本実施形態であれば、変動パターンレイヤは最背面、異常報知レイヤは最前面となり、これは重要な情報ほど、前面に表示するための構成である。
演出ブロック制御部5040は、各レイヤに対応するブロックデータ番号(演出ブロック番号)を受信すると、各レイヤに対応するスケジューラ制御部(液晶演出ブロック制御部5310、液晶図柄ブロック制御部5311、サブ演出ブロック制御部5320)によって、対応するブロックデータ(液晶演出ブロックデータ5051、液晶図柄ブロックデータ5052、サブ演出ブロックデータ5053)を取得する。各ブロックデータには、前述のように、演出を実行するためのスケジューラーデータが含まれる。
例えば、メインコマンドが始動入賞コマンドの場合には保留レイヤが特定され、液晶表示画面上に保留表示を行うための液晶演出ブロックデータ5051や始動入賞時の効果音を出力するためのサブ演出ブロックデータ5053が取得される。また、特別図柄の変動開始時には、変動開始コマンドなどが送信され、変動パターンレイヤが特定される。さらに、エラーの発生や警告を報知する場合にもコマンドが送信され、異常検知レイヤが特定される。また、レイヤ毎に演出を行うことで複数の演出を同時に重ねて行うことができる。
液晶演出ブロック制御部5310は、液晶演出ブロックデータ番号を元に、各レイヤに対応する液晶演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブルから、液晶演出ブロックデータ5051を取得すると、液晶演出1f描画スケジューラ実行部5331によって液晶演出1fスケジューラを起動する。液晶演出1f描画スケジューラ実行部5331は、さらに、液晶演出スケジュールデータ5071を取得する。そして、液晶演出1fスケジューラ上で液晶演出スケジュールデータ5071を実行することによって、液晶演出スケジュールデータ5071に定義されたファンクションの処理を液晶モジュール5400に指示する。液晶モジュール5400は、指定されたスケジューラーデータに基づいて実行を指示されたファンクションを処理し、VDP1540aを駆動するために必要なディスプレイリストコマンドを作成し、VDP1540aに当該ディスプレイリストコマンドを出力し、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に画像を描画する。液晶演出1fスケジューラにおける処理は、画面の更新間隔(1フレーム)に同期して実行される。
また、液晶図柄ブロック制御部5311は、液晶図柄ブロックデータ番号を元に、各レイヤに対応する液晶図柄ブロックデータ組み合わせ番号テーブルから、液晶図柄ブロックデータ5052を取得すると、液晶図柄1f描画スケジューラ実行部5332によって液晶図柄1fスケジューラを起動する。液晶図柄1f描画スケジューラ実行部5332は、さらに、液晶図柄スケジュールデータ5072を取得する。そして、液晶図柄1fスケジューラ上で液晶図柄スケジュールデータ5072を実行することによって、液晶図柄スケジュールデータ5072に定義されたファンクションの処理を液晶モジュール5400に指示する。液晶モジュール5400は、指定されたスケジューラーデータに基づいて実行を指示されたファンクションを処理し、VDP1540aを駆動するために必要なディスプレイリストコマンドを作成し、VDP1540aに当該ディスプレイリストコマンドを出力し、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に画像を描画する。液晶図柄1fスケジューラにおける処理は、画面の更新間隔(1フレーム)に同期して実行される。
サブ演出ブロック制御部5320は、サブ演出ブロックデータ5053を取得すると、サブ演出ブロックデータ5053に指定された情報などに基づいて、実行周期(1フレーム又は1ミリ秒)を特定する。そして、実行周期が1フレームの場合にはサブ演出1fスケジューラ実行部5333によってサブ演出1fスケジューラを起動し、又は、実行周期が1ミリ秒の場合にはサブ演出1msスケジューラ実行部5334によってサブ演出1msスケジューラを起動する。
さらに、サブ演出1fスケジューラ実行部5333又はサブ演出1msスケジューラ実行部5334は、サブ演出スケジュールデータ5073を取得し、対応するスケジューラ上で実行する。サブ演出スケジュールデータ5073は、実行周期による差違はなく、すべてのファンクションをすべての実行周期のスケジューラで実行可能である。これにより、実行周期の異なるスケジューラで共通で使用するスケジューラデータの作成が可能となり、データ容量の削減となる。また、演出装置の実行周期の変更にも迅速に対応できる。
また、同一のスケジュールデータを別々のスケジューラで同時に実行可能であり、これによりスケジューラデータの共有化が可能となり、同種の不具合が複数個所で発生することを防ぎ、データ容量の削減も実現することができる。
ここで、同一のスケジュールデータを別々のスケジューラで同時に実行する具体例について説明する。図392Bは、本実施形態のステップアップ予告の液晶描画演出を説明する図である。ステップアップ予告には、ステップアップ予告1から4までの4種類が実行可能となっており、段階的に演出内容を発展させた演出を実行することにより、遊技者に図柄の変動表示結果の期待度を示唆する。
ステップアップ予告1では、ステップアップ1演出が実行されると予告演出が終了する。ステップアップ予告2では、ステップアップ1演出の終了間際にステップアップ2演出が発生し、ステップアップ2演出の終了後、予告演出が終了する。ステップアップ予告3、4に関しても同様に演出が実行され、それぞれステップアップ3演出、ステップアップ4演出の終了後、予告演出が終了する。
ステップアップ予告では、液晶演出に合わせて、音及びランプもステップアップ予告演出を実行する。音の演出ではステップアップ演出の各段階で異なる音を出力するため、演出の進行状況(段階)ごとに、ステップ1からステップ4までの4種類のスケジューラーデータが定義される。一方、ランプの演出では、ステップアップ演出の各段階で同じランプパターンを表示するため、共通のランプ用スケジューラーデータを1種類定義しておけばよい。
なお、ステップアップ予告の液晶演出は次の段階に発展する際には、現段階のステップアップ予告終了間際に次のステップアップ予告が開始されるため、一時的に複数のステップアップ演出が同時に行われる期間がある。前述のように、ランプの演出では後続のステップアップ演出に対しても同一のスケジューラーデータを実行する必要があるが、本実施形態では、複数のスケジューラで同一のスケジューラーデータを同時に実行可能な構成となっている。そのため、各段階で同一の演出を実行する場合、演出の実行期間が重複しても共通のスケジューラーデータを1種類定義しておけばよい。
具体的には、ステップアップ1演出においてランプスケジューラ(LMP_SCH01)でステップアップ予告ランプスケジューラデータ(SCH_LMP_STEP)を実行する場合、ステップアップ1演出終了間際に開始されるステップアップ2演出発生時に、同じステップアップ予告ランプスケジューラデータ(SCH_LMP_STEP)を別のランプスケジューラ(LMP_SCH02)で実行する。このように構成することによって、同一のスケジューラーデータを重複して定義することなく、同一のスケジューラーデータを同時に(重複して)実行することによって、一連の演出において、同一パターンの演出を並行して実行することを実現している。
サブ演出1fスケジューラ実行部5333又はサブ演出1msスケジューラ実行部5334は、制御対象の演出装置に対応するモジュール(サウンドモジュール5500、ランプモジュール5600、駆動装置モジュール5700)を呼び出し、サブ演出スケジュールデータ5073に定義されたファンクションの処理を指示する。各モジュールは、指定されたスケジューラーデータに基づいて実行を指示されたファンクションを処理し、演出装置を駆動するために必要なデータを作成し、演出装置に当該駆動データを出力する。
[18−4−2.スケジューラーデータの実行概要]
図393は、本実施形態のスケジューラーデータの実行時の流れを説明する図である。
演出制御部5020は、コマンド解析モジュール5200によるメイン(主基板)コマンドの解析結果に基づいて演出内容を決定し、音源内蔵VDP1540a、サウンドモジュール5500、ランプモジュール5600及び駆動装置モジュール5700によって各種演出装置を制御する。図393には、このコマンドを設定するために参照されるスケジューラーデータ5401の構造を示す。
本実施形態では、スケジューラーデータ5401は、演出ブロック制御部5040から指定される演出番号ごとに用意され、周辺制御ROM1530bに格納されている。スケジューラーデータ5401と演出番号との対応関係は、演出管理テーブルに規定されている。図の左側に示す通り、演出管理テーブルは、スケジューラーデータの格納アドレスを示す、演出管理ポインタを備えている。演出管理ポインタは、演出番号に対応する数だけ用意されているが、ここでは5つのみを例示した。図の例では、例えば、演出管理ポインタ[1]は、最初は、スケジューラーデータ5401の先頭アドレスA1を格納していることになる。スケジューラーデータの処理が実行されるにつれ、演出管理ポインタ[1]の値は、順次、A1、A2と移行していく。
本実施形態では、演出番号は、演出管理ポインタのアドレス値を用いる。図393の例では、演出番号01H、02H等は、それぞれ演出管理ポインタ[1]、[2]等の格納アドレスを表している。なお、演出番号はアドレス値に限らず、任意の識別情報を用いることができる。この場合には、演出管理テーブルを、演出番号と演出管理ポインタとを対応づけた構成とすればよく、スケジューラ実行部5060は、演出番号をキーとして演出管理ポインタを検索した上で、スケジューラーデータの処理を行うようにすればよい。また、演出管理ポインタのアドレス値を演出番号として用いれば、演出管理テーブルのデータ量を軽減できるとともに、上述の検索も不要となるため、スケジューラーデータの処理に要する負荷を軽減することができる。
スケジューラーデータ5401を構成する各コマンドは、図393に示すように、原則としてファンクションとパラメータから構成される。ファンクションとは、前述したように、演出装置を制御するための命令であり、例えば、演出装置の動作を各モジュールに指示するためのものである。パラメータは、ファンクションの処理内容を具体的に指示する変数である。なお、パラメータを指定する必要がないファンクションを設けてもよい。
ファンクションは、シーケンス制御、ランプ、音、モータ(駆動装置)及びユーザなどグループに分類されている。シーケンス制御は、演出制御を行うための基本的なファンクションであり、ランプ、音及びモータは、各演出装置を制御するためのファンクションである。ユーザは、これらのグループに属さないファンクションである。ファンクションの具体的な説明については、図396から図398にて後述する。
図393に示す例では、アドレスA2において「コール」ファンクションが指定されている。「コール」ファンクションは、シーケンス制御のグループに属し、次のファンクションのポインタ値を待避した上で、パラメータで指定されたアドレスを演出管理ポインタにセットする。スケジューラ実行部5060は、一時的にパラメータで指定されたアドレスに移行してスケジューラーデータの処理を行った後、上述の待避したポインタ値に基づき、従前の処理に復帰することができる。
スケジューラ実行部5060は、アドレスA2の次に、「コール」ファンクションのパラメータで指定されたアドレスA31を実行する。アドレスA31において液晶コマンドをセットし、A32において音声動作番号、A33においてランプ動作番号をセットして、A3nでリターンする。演出コマンドは、これらの処理を終了すると、「コール」が指定されたアドレスA2に復帰し、次のアドレスA3の処理に移行する。
このように、「コール」ファンクションを活用することによって、アドレスA31〜A3nで指定された一連のブロックBL3の内容をスケジューラーデータの種々の部分に取り込むことが可能となる。こうすることによって、スケジューラーデータの容量を低減できるとともに、その作成負荷を軽減することができる。パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機では、遊技中に種々の抽選等が行われ、その結果に応じて遊技の展開が変わってくる。遊技者の中には、抽選中の演出内容の微妙な違いを見つけて、抽選結果等を推測することができる者もいる。これに対し、本発明では、コールによって、汎用的な演出内容を種々の場面で活用することができるため、こうした微妙な違いを解消することができ、抽選結果等を予測しづらくすることができ、遊技の興趣が損なわれるのを抑制することができるのである。
このように「コール」ファンクションを用いることが可能ではあるが、本実施形態のスケジューラーデータ5401は、インタプリタのプログラムとは異なるものである。上述の通り、スケジューラーデータ5401で使用する主たるファンクションは、「役物動作番号セット」、「音声動作番号セット」、「ランプ動作番号セット」など、他のスケジューラへの指示内容を設定するものであり、スケジューラ実行部5060が実現できる非常に限定的な機能を具体的に指示するものに過ぎないからである。
図393に示す例では、次にアドレスA3でNOP(ウェイト)が実行される。「NOP」ファンクションでは、指定されたフレーム数分だけ待機し、スケジューラーデータの処理を継続する。ここでは、パラメータPrm[031]で指定された時間が経過するまで、スケジューラーデータの処理を待機する。後述する通り、本実施形態では、タイマ割り込みによって処理が繰り返し実行される。したがって、スケジューラ実行部5060は、「NOP」ファンクションでは、パラメータPrm[031]の値が0でなければ、以降の処理を行うことなくスケジューラーデータの処理を一旦終了し、この値が0であれば、次のアドレスのファンクションに移行する処理を行う。
本実施形態では、図392Aで示したワーク領域5301と同じ形式のワークを利用して、音声動作番号等の指定を行っている。システムイベントが使用するワーク領域5301とスケジューラ実行部5060が使用するワークとは別に用意されており、スケジューラ実行部5060は、スケジューラーデータの指定に従って、音声動作番号等をそれぞれワークに格納する。また、演出制御部5020が指定するレイヤも、システムモジュール用のレイヤ(図392A参照)とは別に設けられている。各モジュール用のワークにおいても、これらのレイヤの中から、音声動作番号、ランプ動作番号を並行して複数指定可能となっている。
条件分岐のアドレスA11以降も同様にスケジューラーデータは、ファンクション及びパラメータによって規定される。図393に示した例では、条件分岐のアドレスA11以降、演出終了(アドレスAn)に至るまで、条件分岐は設けられていない。この範囲は、上述のブロックBL1とは別のブロックBL2となるため、ブロックBL1との抵触を考慮することなく、役物コマンド(アドレスA22)や音声動作番号(アドレスA21)などが指定可能である。これらの設定に代えて、「コール」ファンクションによって、ブロックBL3等を取り込むようにしてもよい。
スケジューラーデータでは、条件分岐と「コール」ファンクションとを組み合わせて用いてもよい。例えば、演出内容を切り換えるための乱数を発生させ、その乱数の値に応じて異なるアドレスをコールすればよい。図393に示した例では、アドレスA2において、「乱数値≦Th1?」という条件を付せば、この条件を満たす時にアドレスA31〜A3nの演出が実行されることになる。また、アドレスA2の次(アドレスA2+1)において、「Th1<乱数値≦Th2?」という条件を付して、アドレスA41(図示しない)をコールすれば、乱数の値に応じて、アドレスA31以降とは異なる演出が実行される。このように、乱数に応じた条件分岐で異なるアドレスをコールすれば、乱数によって演出内容をランダムに切り換えることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。以下、このように演出内容を切り換えることを、本明細書では、「演出抽選」と呼ぶものとする。
演出抽選では、表示、音、ランプ、駆動装置のすべてを切り換える場合もあれば、一部のみを切り換える場合もある。すべてを切り換える場合には、「コール」ファンクションで呼び出されたスケジューラーデータ内で、表示、音、ランプの内容をすべて指定すればよい。一部のみを切り換える場合には、「コール」ファンクションで呼び出されたスケジューラーデータ内で、切り換えの対象となる部分のみを指定し、その他の部分は「コール」ファンクションからリターンしてきた後に統一して指定すればよい。
また、スケジューラーデータ内で、条件分岐と「コール」ファンクションを用い、演出抽選用の乱数に応じて、異なるスケジューラーデータをコールするように規定してもよい。この場合には、表示、サウンド、ランプ、駆動装置が独立して演出抽選を行う結果、その組み合わせによって実現される演出態様は非常に多彩となり、より興趣を高めることができる利点がある。
ただし、表示、サウンド、ランプ、駆動装置の演出抽選の結果に関わらず、違和感のない演出を実現するためには、これらの演出が同時に終了することが好ましい。したがって、本実施形態では、演出抽選の選択対象となるスケジューラーデータは、同一時間で演出が終了する内容となっている。なお、同一時間で演出が終了することは必須の要件ではなく、これらの演出時間が同じでなくてもよい。
スケジューラーデータでの演出抽選には、演出内容が多彩になるほか、表示、サウンド、ランプ、駆動装置の出力状況に応じて抽選態様を切り換えることができる利点もある。
例えば、演出抽選が指示された時点で、駆動装置が8の字状の振り分け動作を実行中であり、他の動作が制限されている時には、駆動装置モジュール5700は駆動装置に関する演出抽選を禁止してもよい。同様に、表示、サウンド、ランプについても、演出抽選が指示された時の状況に応じて、演出抽選を禁止してもよい。また、演出抽選禁止において、一部のスケジューラーデータを選択禁止とすることにより、演出抽選を一部禁止としてもよい。
上述の通り、演出抽選は、あくまでも周辺制御基板1510の制御処理によって、演出内容を切り換えるものであり、遊技自体に影響を与えるものではない。しかし、このように演出抽選を可能とすることによって、主制御基板1310から出力されるコマンドの種類よりも多彩な演出を実現することができ、興趣をより高めることができる。
[18−4−3.サウンド(音)出力制御の概要]
続いて、音の出力を制御するサウンドモジュールの機能について説明する。図394は、本実施形態のサウンドモジュール5500の機能を示す説明図である。サウンドモジュール5500は、スケジューラ実行部5060から指示を受け、スケジューラーデータに含まれるファンクションに指定された処理を実行し、音声出力を行う。サウンドモジュール5500は、複数のスケジューラ5502から要求を受け付けて処理を行うことができる。各スケジューラ5502は、音声用のサウンドレイヤと対応づけて設けられている。
また、各スケジューラ5502には、動作管理用のワーク5507がそれぞれ用意されている。ワーク5507の内容は後述する。
スケジューラ実行部5060は、スケジューラ制御情報に基づいて音声動作番号を特定すると、音声動作番号テーブルを参照し、実行すべきスケジューラーデータ5505を特定する。音声動作番号テーブルは、音声動作番号に対して、サウンドポインタ及びサウンドレイヤを対応づけたテーブルである。本実施形態では、音声動作番号は、音声動作番号テーブルの格納アドレスに対応する。音声動作番号は、任意の識別情報を用いることが可能であるが、前述した演出番号の場合と同様に、格納アドレスに対応させたほうが音声動作番号テーブルの容量低減及びテーブル参照時の処理負荷軽減を可能とするという利点がある。
サウンドポインタは、スケジューラーデータ5505の格納アドレスを指定している。
本実施形態では、サウンドポインタ[1]にアドレスSA1が格納されている。
スケジューラーデータ5505は、ファンクションとパラメータによって構成される。
音出力を制御するためのスケジューラーデータ5505で使用されるファンクションについては、図397及び図398にて後述する。
図394に示す例では、アドレスSA2において、「コール」ファンクションが規定されている。スケジューラ実行部5060は、アドレスSA31(図示せず)以降の一連のブロックを実行した後、アドレスSA2の次のアドレスSA3の処理を行う。
アドレスSA3では、フレーズ再生が規定されている。スケジューラ実行部5060は、パラメータで指定されたフレーズ番号00Hに対応するフレーズデータ5508を読み込み、これを再生する。
また、図394の右側にフレーズデータ5508の構造例を示す。フレーズ番号は、各フレーズデータに付された識別情報である。本実施形態では、任意の識別情報を用いることが可能だが、フレーズデータ5508の格納アドレスをフレーズ番号として用いてもよい。この場合には、フレーズデータ5508からフレーズ番号を省略することが可能となる。
チャンネルは、フレーズ再生時に指定された出力チャンネルである。左右パンポット、上下パンポットとは、遊技機に備えられた各スピーカの左右/上下の出力バランスである。ボリュームは、出力ボリュームである。曲番号は、再生すべき音声の識別番号である。
曲番号が音源内蔵VDP1540aに通知されると、音源内蔵VDP1540aは、曲番号に対応する音源データを液晶及び音ROM1540bから読み出し、音声を再生する。
ループは、音声を繰り返し再生するか否かの指定である。ステレオは、ステレオ出力するか否かの指定である。
各スケジューラ5502には、動作管理用のワーク5507が対応づけられている。ワーク5507には、図中に示す種々の情報が格納される。動作状態は、各レイヤが動作中か否かを示している。音声番号は、動作中のスケジューラーデータ5505の番号を表している。本実施形態では、スケジューラーデータ5505の先頭アドレスを用いている。
サウンドポインタは、スケジューラ5502が実行しているスケジューラーデータ5505のアドレスである。図394に示す例では、処理が進むにつれ、サウンドポインタの値が、順次、SA2、SA3と移行する。タイマ値は、次のファンクションを実行するまでの待ち時間を表す。スケジューラーデータ5505で待ち時間が指定された時に設定され、時間の経過とともに、順次、減算される。サウンドモジュール5500は、この値が0となった時に次のファンクションを実行する。
コールネスト数、ループネスト数は、スケジューラーデータ5505及びフレーズ番号で多重的に指定されたコール、ループのネスト数を表している。つまり、例えば、アドレスSA2の「コール」ファンクション(第1コール)で呼び出されるアドレスSA31以降の処理において、さらに「コール」ファンクション(第2コール)によって別のアドレスのスケジューラーデータ5505を呼び出すと、コールネスト数は2となる。第2コールを終えて、第1コールに復帰すると、コールネスト数は1に減じられる。ループも同様である。コール戻りアドレスはコール先からの戻りアドレスでありコールネスト数に応じて設けられる。ループ先頭アドレスは、ループ範囲の先頭アドレスであり、ループ回数は、ループの繰り返し回数である。ループ先頭アドレス等は、ループネスト数に応じて設けられる。
[18−4−4.ランプ出力制御の概要]
続いて、ランプの出力を制御するランプモジュールの機能について説明する。図395は、本実施形態のランプモジュール5600の機能を示す説明図である。ランプモジュール5600は、スケジューラ実行部5060から指示を受け、スケジューラーデータに含まれるファンクションに指定された処理を実行し、ランプ出力、すなわちランプの点灯・点滅制御を行う。ランプモジュール5600も、サウンドモジュール5500と同様に、複数のスケジューラ5602から要求を受け付けて処理を行うことができる。各スケジューラ5602は、ランプ用のランプレイヤと対応づけて設けられている。また、各スケジューラ5602には、動作管理用のワーク5603がそれぞれ用意されている。ワーク5603の内容は後述する。
スケジューラ実行部5060は、スケジューラ制御情報に基づいてランプ動作番号を特定すると、ランプ動作番号テーブルを参照して、実行すべきスケジューラーデータ5601を特定する。ランプ動作番号テーブルは、ランプ動作番号に対して、ランプポインタ及びランプレイヤを対応づけたテーブルである。本実施形態では、ランプ動作番号は、ランプ動作番号テーブルの格納アドレスに対応する。ランプ動作番号は、任意の識別情報を用いることが可能であるが、前述した演出番号の場合と同様に、格納アドレスを用いたほうがランプ動作番号テーブルの容量低減及びテーブル参照時の処理負荷軽減を可能とするという利点がある。
ランプポインタは、スケジューラーデータ5601の格納アドレスを指定している。本実施形態では、ランプポインタ[1]にアドレスLA1が格納されている。
スケジューラーデータ5505は、演出データ(図393)と同様に、ファンクションとパラメータによって構成されている。ランプを制御するためのスケジューラーデータ5505で使用されるファンクションについては、図397にて後述する。
図395に示した例では、アドレスLA2において、「コール」ファンクションが規定されている。スケジューラ実行部5060は、アドレスLA31(図示せず)以降の一連のブロックを実行した後、アドレスLA2の次のアドレスLA3の処理を行う。
アドレスLA3では、階調パターン設定が規定されている。スケジューラ実行部5060は、パラメータで指定されたアドレスLA11に格納されている階調パターンデータ5606を設定する。ランプスケジューラ5602には、それぞれ階調スケジューラ5604が対応づけて設けられており、指定された階調データ1でランプを点灯させ、タイマ値で指定された時間が経過すると、階調データ2でランプを点灯させる。ここでは、2通りの階調データが指定されている例を示したが、3つ以上指定されている場合も、タイマ値の時間間隔で順次、階調データを切り換えつつ、ランプを点灯させる。階調パターン設定をアドレスLA12以降も複数用意しておくことにより、階調データ間の切り換えタイマ値を変化させつつ、種々の階調パターンでランプを点灯させることが可能となる。階調パターンデータ内に、ループを設けることも可能である。階調スケジューラ5604は、アドレスLA11〜LA1nの一連の処理を実行すると、ランプの点灯を終了する。ランプスケジューラ5602は、スケジューラーデータ5601のアドレスLA3の処理に復帰し、次のアドレスの処理を停止(アドレスLAn)に至るまで実行する。
各スケジューラ5602には、動作管理用のワーク5603が対応づけられている。ワーク5603には、図中に示す種々の情報が格納される。スケジューラステータスは、スケジューラが起動中か否かを示す。動作パターンナンバーは、動作中のスケジューラーデータ5601の番号を表している。本実施形態では、スケジューラーデータ5601の先頭アドレスを用いるものとした。スケジューラタイマは、次のファンクションを実行するまでの待ち時間を表す。スケジューラーデータで待ち時間が指定された時に設定され、時間の経過とともに、順次、減算される。ランプは、この値が0となった時に次のファンクションを実行する。階調データタイマは、階調パターンデータ5606の実行時に、次の階調データを実行するまでの待ち時間を表す。図395に示す例で、アドレスLA11に規定された階調データを実行する際には、階調データタイマに、設定されたタイマ値が0になると、階調データ1から階調データ2に移行し、再びタイマ値が0になると、アドレスLA11の処理を終了してアドレスLA12の処理に移行する。
ランプポインタは、スケジューラ5602が実行しているスケジューラーデータ5601のアドレスである。図395に示す例では、処理が進むにつれ、ランプポインタの値が、順次、LA1、LA2、LA3と移行する。階調データポインタは、階調スケジューラ5604が実行している階調パターンデータ5606のアドレスである。図中の例では、処理が進むにつれ、階調データポインタの値は、順次、LA11、LA12と移行する。
ループ回数は、ループの繰り返し回数であり、ループ先頭アドレスは、ループ範囲の先頭アドレスである。サウンドの場合と同様、ループにネストを許容してもよい。
[18−4−5.駆動装置制御の概要]
続いて、駆動装置の動作を制御する駆動装置モジュール5700の機能について説明する。駆動装置は、例えば、ステッピングモータである。制御に関してはランプモジュール5600と同様であるため図示を省略する。駆動装置モジュール5700は、スケジューラ実行部5060から指示を受け、スケジューラーデータに含まれるファンクションに指定された処理を実行し、駆動装置の動作制御を行う。駆動装置モジュール5700も、複数のスケジューラから要求を受け付けて処理を行うことができる。
駆動装置の制御項目には、例えば、移動量(ステッピングモータの回転ステップ角)、移動時間、移動速度(モータの回転速度)、励磁方法、台形駆動、回転方向などがある。
さらに、原点位置まで戻すための復帰動作の実行指示やメカエンド停止(駆動装置の可動範囲が機械的に制限されている場合に可動範囲の限界位置に付勢した状態で停止させること)の指示が含まれる。なお、台形駆動では、回転開始、停止時にステップ関数的に速度を変化させるのではなく、所定の角加速度で回転速度を変化させる。
スケジューラーデータは、ファンクションとパラメータによって構成されている。駆動装置を制御するためにスケジューラーデータで使用されるファンクションについては、図398にて後述する。
[18−5.ファンクション]
以上、演出制御に用いられるモジュールにおいてファンクションを使用する例について説明した。ここで、その他のファンクションについて説明する。図396から図398は、本実施形態の遊技機の演出制御におけるファンクションの一例を示す図である。前述のように、ファンクションは、シーケンス制御、ランプ、サウンド(音)、モータ及びユーザのグループに分類されている。以下、各グループに属するファンクションについて説明する。
[18−5−1.ファンクションの詳細(シーケンス制御)]
シーケンス制御のグループに属するファンクションは、主として、演出の流れを制御するための機能である。図396には、シーケンス制御のファンクションの一例が挙げられている。以下、各ファンクションの概要を説明する。
「STOP」は、スケジューラーデータの終端を表すファンクションである。「NOP」は、パラメータとして実行回数を指定することによって、実行回数に応じた時間だけ待機するウエイト用ファンクションである。実行回数に応じた時間は「NOP」ファンクションを実行する処理周期により異なり、フレーム周期で実行する場合であれば、1フレームは本実施形態では、約33.334ミリ秒であるため、実行回数として30を指定すると約1秒間待機することになり、また1ms周期で実行する場合であれば、同じく実行回数を30と指定すると約30ms間待機することになる。「NOP_F_VALUE」は、実行回数(フレーム数)、スケジューラメモリ番号、マスク値及び比較値をパラメータとし、スケジューラメモリ番号、マスク値及び比較値に基づく条件を満たすと「NOP_F_VALUE」ファンクションを終了し、条件を満たさない場合には、実行回数に応じた時間だけ待機する条件付きウエイト用ファンクションである。
「MEMW」は、対象スケジューラワーク番号及び値をパラメータとし、対応するスケジューラワークエリアに指定された値を書き込むファンクションである。「LOOPST」は、繰り返し処理(ループ)を行うためのファンクションであり、ループ先頭の指定し、パラメータとしてループ回数を設定する。なお、ループ回数に「0」を設定した場合、無限ループになる。「LOOP」は、繰り返し処理(ループ)の終端を指定するためのファンクションである。
「RET」は、呼び出し元のブロック(ファンクションデータ)に処理を復帰させるためのファンクションである。「コール」ファンクションによって待避されたポインタ値を、演出管理テーブルに設定する。「CALL」は、前述した「コール」ファンクションであり、指定されたアドレス(ブロック)から処理を実行し、パラメータとしてアドレス値やラベルなどの呼び出し先を特定する情報が設定される。「CALL」では、次に実行されるファンクションのポインタ値を退避し、呼び出し先のアドレスを演出管理ポインタにセットする。そして、呼び出し先の処理を実行した後、上述した「RET」ファンクションで退避されたアドレスを演出管理ポインタにセットし、従前の処理に復帰する。
「SUBC」は、パラメータに指定された対象スケジューラワーク番号及び分岐テーブルに基づいて、スケジューラーワーク番号値をインデックスとして、呼び出す処理(実行するブロック)を選択し、選択された処理を実行する。すなわち、指定された条件に基づいて「コール」ファンクションを実行する。「SUBC」を利用した具体例については、図401にて後述する。「SUBC」ファンクションによって呼び出し先の処理が終了すると、呼び出し元の処理(「SUBC」ファンクションの次の処理)に復帰する。
「SUBJ」は、パラメータに指定された対象スケジューラワーク番号及びテーブルに基づいて、スケジューラーワーク番号値をインデックスとして、呼び出す処理(実行するブロック)を選択し、選択された処理を実行する。すなわち、指定された条件に基づいて後述する「JUMP」ファンクションを実行する。「SUBJ」を利用した具体例については、図402にて後述する。「SUBJ」ファンクションを実行した呼び出し元の処理には復帰せず、呼び出し先の処理をそのまま継続する。「JUMP」は、パラメータで指定したアドレスを演出管理ポインタにセットし、指定されたアドレスやラベルから処理を継続する。
「REQ」は、パラメータで指定された他のスケジューラを起動するためのファンクションである。「REQ」を利用した具体例については、図403にて後述する。「REQF」は、「REQ」と同様に、パラメータで指定された他のスケジューラを起動するためのファンクションであり、パラメータで指定された上書き禁止時間が経過するまでは、他のスケジューラーデータが上書きされて起動することを禁止する。「REQ」では複数のスケジューラーデータによる制御を並列して実行することができる。一方、「REQF」は実行するスケジューラーデータの処理を指定した期間、単独で実行させることが可能となり、例えば、役物の初期化の場合に役物を動作させる他のスケジューラーデータが実行されて制御不能になることを防止することができる。
[18−5−2.ファンクションの詳細(ランプ)]
ランプのグループに属するファンクションは、ランプ演出の流れを制御するための機能である。図397にはランプ制御に関するファンクションの一例が挙げられており、各ファンクションの概要について説明する。
「HPLAY」は、パラメータで指定された階調データに基づいてランプを点灯させるランプ階調データ再生処理を実行するためのファンクションである。「HPLAY」では、同じ階調データでランプが再生されている状態であっても再セットし、ファンクション実行時に最初からランプの再生を開始する。階調データは階調パターンデータアドレスを設定することで指定し、ワーク5603内の階調データタイマをクリアすることによって、階調データの実行を指示する。
「KPLAY」は、「HPLAY」と同様に、パラメータで指定された階調データに基づいてランプを点灯させるランプ階調データ再生処理を実行するためのファンクションである。「KPLAY」では、同じ階調データでランプが再生されている場合には再セットせずに実行中のランプの再生を継続する。
「HPLAY2」は、パラメータで階調データに加えてレイヤを指定してランプ階調データ再生処理を実行するファンクションである。処理については「HPLAY」と同様である。「KPLAY2」は、「HPLAY2」と同様に、パラメータで階調データに加えてレイヤを指定してランプ階調データ再生処理を実行するファンクションである。処理については「KPLAY」と同様である。
「HPLAY」及び「KPLAY」は、パラメータに指定されたランプ階調データを再生する、指定ランプ階調データ再生処理を実行する。ランプ階調データが既に再生されている場合、「HPLAY」による再生時には当該ランプ階調データの再生を中断して同じランプ階調データを先頭から再生し、「KPLAY」による再生時にはランプ階調データの再生を中断せずに継続する。すなわち、ランプ階調データが再生されている間に、同一のランプの階調データを「KPLAY」を用いて実行を行ったとしても特に処理を実行しない。
「HPLAY2」は、前述した「HPLAY」の機能に加えて、パラメータでランプ階調データを再生するレイヤーを指定する、パラメーターでレイヤーを指定すること以外は「HPLAY」と処理は変わらない。
「KPLAY2」は、前述した「KPLAY」の機能に加えて、パラメータでランプ階調データを再生するレイヤーを指定する、パラメーターでレイヤーを指定すること以外は「KPLAY」と処理は変わらない。
[18−5−3.ファンクションの詳細(サウンド(音))]
サウンド(音)のグループに属するファンクションは、音出力を制御するための機能である。図397及び図398には音制御に関するファンクションの一例が挙げられており、各ファンクションの概要について説明する。
「SPLAY」は、パラメータで指定されたフレーズ番号に基づいて音を出力するフレーズ再生処理を実行するためのファンクションである。「SPLAY」では、同じフレーズ番号の音が再生されている状態であっても再セットし、ファンクション実行時に最初から音の再生を開始する。「SXPLAY」は、「SPLAY」と同様に、パラメータで指定されたフレーズ番号に基づいて音を出力するフレーズ再生処理を実行するためのファンクションである。「SXPLAY」では、同じフレーズ番号の音が再生されている場合には再セットせずに音の再生を継続する。「STOP_PH」は、パラメータで指定されたフレーズ番号に基づく音の再生を停止するフレーズ停止処理を実行するためのファンクションである。
「PAN_PH」は、パラメーターで指定された再生中のフレーズを「PAN_PH」ファンクション実行開始時の音声出力座標位置から、同じくパラメーターで指定された遷移時間とパンポット終了座標位置を用いて、パンポット終了座標位置まで指定された遷移時間で音声出力座標位置の移動を行うためのファンクションである。「PAN_PH2」は「PAN_PH」ファンクションの機能に加えて、パラメータでパンポット開始座標位置も指定できるようになっており、「PAN_PH」ファンクションと同じように、ファンクション実行開始時に対象のフレーズの音声出力座標位置がパラメータで指定されたパンポット開始座標位置からパンポット終了座標位置まで指定された遷移時間で音声出力座標位置の移動を行うためのファンクションである。
「VOL_FADE_PH」は、パラメータで指定された再生中のフレーズを「VOL_FADE_PH」ファンクション実行開始時のボリューム値から同じくパラメーターで指定された遷移時間とフェード終了ボリューム値を用いて、フェード終了ボリューム値まで指定された遷移時間でボリューム値の増減を行うためのファンクションである。「VOL_FADE_PH2」は「VOL_FADE_PH」ファンクションの機能に加えて、パラメータでフェード開始ボリューム値も指定できるようになっており、「VOL_FADE_PH」ファンクションと同じように、ファンクション実行開始時に対象のフレーズのボリューム値がパラメータで指定されたフェード開始ボリューム値からフェード終了ボリューム値まで指定された遷移時間でボリューム値の増減を行うためのファンクションである。
「VOL_PH」は、パラメータで指定された再生中のフレーズのボリューム値の増減をパラメータで指定されたボリューム値で行うファンクションである。「VOL_MUTE_ON_PH」は、パラメータで指定されたフレーズの音量を消音(ミュート)にするファンクションである。「VOL_MUTE_OFF_PH」は、パラメータで指定されたフレーズの音量の消音(ミュート)を解除するファンクションである。
「SCPLAY」及び「SXCPLAY」は、パラメータに指定されたフレーズ番号に対応するフレーズを、指定されたチャンネルで再生する指定ch曲再生処理を実行する。
同じフレーズが既に再生されている場合、「SCPLAY」による再生時には当該フレーズの再生を中断して同じフレーズを先頭から再生し、「SXCPLAY」による再生時にはフレーズの再生を中断せずに継続する。すなわち、すなわち、フレーズが再生されている間に、同一のフレーズを「SXCPLAY」を用いて実行を行ったとしても特に処理を実行しない。
「PAN_CH」は、前述した「PAN_PH」がフレーズを対象としたパンポットを行うのに対して、ch(チャンネル)を対象としたパンポットを行う、chはパラメータで指定されフレーズがchに変わること以外「PAN_PH」と処理は変わらない。「PAN_CH2」に関しても前述した「PAN_PH2」がフレーズを対象としたパンポットを行うのに対して、chを対象としたパンポットを行う、chはパラメータで指定されフレーズがchに変わること以外「PAN_PH2」と処理は変わらない。
「VOL_FADE_CH」は、前述した「VOL_FADE_PH」がフレーズを対象としたフェードを行うのに対して、chを対象としたフェードを行う、chはパラメータで指定されフレーズがchに変わること以外「VOL_FADE_PH」と処理は変わらない。「VOL_FADE_CH2」に関しても前述した「VOL_FADE_PH2」がフレーズを対象としたフェードを行うのに対して、chを対象としたフェードを行う、chはパラメータで指定されフレーズがchに変わること以外「VOL_FADE_PH2」と処理は変わらない。
「VOL_CH」は、前述した「VOL_PH」がフレーズを対象としたボリューム値の増減を行うのに対して、chを対象としたボリューム値の増減を行う、chはパラメータで指定されフレーズがchに変わること以外「VOL_PH」と処理は変わらない。「VOL_MUTE_ON_CH」に関しても前述した「VOL_MUTE_ON_PH」がフレーズを対象とした消音(ミュート)を行うのに対して、chを対象とした消音(ミュート)を行う、chはパラメータで指定されフレーズがchに変わること以外「VOL_MUTE_ON_PH」と処理は変わらない。「VOL_MUTE_OFF_CH」に関しても前述した「VOL_MUTE_OFF_PH」がフレーズを対象とした消音(ミュート)の解除を行うのに対して、chを対象とした消音(ミュート)の解除を行う、chはパラメータで指定されフレーズがchに変わること以外「VOL_MUTE_OFF_PH」と処理は変わらない。
[18−5−4.ファンクションの詳細(モータ)]
モータのグループに属するファンクションは、モータやソレノイドの出力を制御するための機能である。図398にはモータ制御に関するファンクションの一例が挙げられており、各ファンクションの概要について説明する。
「MPLAY」は、パラメータに指定されたモータデータ番号に基づく動作をモータに再生させるモータ再生処理を実行する。「MMPLAY」は、パラメータに指定されたモータにモータデータ番号に基づく動作を再生させるモータ再生処理を実行する。「SOL_ON」は、パラメータに指定されたソレノイドデータ番号に基づく動作をソレノイドに実行させるソレノイドON処理を実行する。「SOL_OFF」は、パラメータに指定されたソレノイドデータ番号に基づく動作をソレノイドに停止させるソレノイドOFF処理を実行する。
[18−5−5.ファンクションの詳細(ユーザ)]
ユーザのグループに属するファンクションは、ここまでに説明したグループに属さない制御を実行するための機能である。図398にはこれらのファンクションの一例が挙げられており、各ファンクションの概要について説明する。
「MBUF_SET」は、モータ出力バッファにスケジューラワーク値をセットするモータ出力バッファスケジューラワーク値セット処理を実行する。「COMMAND」及び「COMMAND0」は、スケジューラ内からコマンドを発行する処理である。「COMMAND」では音源内蔵VDP1540aなどに対してコマンドを発行する。例えば、液晶表示装置に描画を開始するためのコマンドを発行する。一方、「COMMAND0」によって発行されたコマンドは、コマンド解析モジュール5200によって解析され、メインコマンドと同様の動作を行う。「MEMC」は、実行中のスケジューラのワーク領域の内容を、別のスケジューラのワーク領域にコピーするスケジューラメモリコピー処理を実行する。
[18−6.スケジューラ]
続いて、各ファンクションを呼び出すスケジューラについて説明する。スケジューラは、一連の処理を実行するために必要なファンクションを実行順に定義したデータ列であるスケジューラーデータを実行するために使用される。スケジューラは、管理上用途ごとに一又は複数設けられているが、すべてのスケジューラですべてのファンクションが実行可能であり、音用のスケジューラでランプに関わるファンクションを実行したり、役物用のスケジューラで音用のファンクションを実行することができる、用途毎に複数設けられたスケジューラには処理周期(フレーム又は1ms)以外の差違はなく、全てのファンクションを混在して実行することも可能である。またスケジューラの実行本数に制限はなく、登録済みのスケジューラを複数同時に実行することができる。
図399は、本実施形態のスケジューラ定義の一例を示す図である。スケジューラは、状態遷移や制御対象となる装置によって便宜的に分類することができる。以下、スケジューラの代表的な種類について概要を説明する。
まず、状態遷移に関するスケジューラの例について説明すると、遊技全体の遊技状態の遷移を制御するメイン状態遷移スケジューラーデータを実行するための特図状態スケジューラ(特図状態SCH、TOK_SCH)がある。周辺制御基板1510における演出制御において、主制御基板1310から受信したコマンドに基づいて遊技状態の遷移を制御する。特図状態スケジューラの処理周期は1f(フレーム)である。
また、周辺制御基板1510における内部状態(サブ内部状態)の遷移を制御するサブ状態スケジューラーデータを実行するためのサブ状態スケジューラ(サブ状態SCH、SUB_SCH)がある。内部状態は、所定条件成立時などに遷移し、例えば、遊技者が演出ボタンを操作したり、演出の実行抽選に当選したり、変動開始から所定時間経過したりする場合に他の状態に遷移する。サブ状態スケジューラの処理周期は1f(フレーム)である。
音を対象とするスケジューラには、背景表示や図柄の変動表示にともなって出力される音の出力を制御する背景、図柄音スケジューラーデータを実行するためのスケジューラ(SND_SCH01)、予告演出実行時に出力される音の出力を制御するスケジューラ(SND_SCH02、03)、役物による予告実行時の音の出力を制御するスケジューラ(SND_SCH04)がある。音を対象とするスケジューラの処理周期は1f(フレーム)である。
ランプを対象とする関連のスケジューラには、音関連のスケジューラと同様に、背景表示や図柄の変動表示にともなうランプの点灯・点滅を制御する背景、図柄ランプスケジューラーデータを実行するためのスケジューラ(LMP_SCH01)、予告演出実行時のランプの点灯・点滅を制御するスケジューラ(LMP_SCH02、03)、役物による予告実行時のランプの点灯・点滅を制御するスケジューラ(LMP_SCH04)がある。ランプを対象とするスケジューラの処理周期は1f(フレーム)である。
また、音及びランプを連動させて制御するスケジューラも定義されている。このようなスケジューラには、球切れや球詰まりなどの報知や磁気センサなどによる異常検知による警報などを外部に報知するために、音の出力やランプの点灯・点滅を実行する音・ランプ報知レイヤスケジューラーデータをレイヤごとに実行するためのスケジューラ(INF_SCH01〜03)がある。また、音の出力とランプの点灯・点滅を連動させた演出を実行するために汎用的に使用される音・ランプ汎用スケジューラ(SNDLMP_SCH01〜05)がある。これらのスケジューラの処理周期は1f(フレーム)である。
モータを対象とするスケジューラには、システム動作を実行するためのモータシステムスケジューラーデータを実行するためのスケジューラ(MOTSYS_SCH)、RAMクリア時の設定を行うためのモータラムクリアスケジューラーデータを実行するためのスケジューラ(MOTRAM_SCH)、役物の配置などを初期化するためのモータ役物初期化スケジューラーデータを実行するためのスケジューラ(MOTINI_SCH)、役物の位置補正を行うためのモータ役物補正スケジューラーデータを実行するためのスケジューラ(MOTHOS_SCH)、演出等による役物の動作を実行するためのスケジューラ(MOT_SCH)がある。
演出等による役物の動作を実行するためのスケジューラには、特定の役物の動作を制御するためのスケジューラ(MOT_SCH01〜05)や役物の種類などに依存せずに使用される汎用的なスケジューラ(MOT_SCH05〜10)とがある。
なお、モータを対象とするスケジューラの処理周期は1ms(ミリ秒)であり、遊技状態の管理、音やランプを対象とするスケジューラの処理周期(本実施形態 1f=約33.334ms)よりも短くなっている。
なお、各対象装置を制御するスケジューラの数は、本実施形態では固定であるが、スケジューラの本数を遊技状態や予告に対応して動的に増減するように制御してもよい。これにより、遊技機に備えられた役物などの数や演出数に依存せずに各スケジューラを起動することが可能となり、演出を実行するための制約を少なくすることができる。
[18−7.スケジューラーデータの適用例(演出1)]
以上、演出制御で用いられるファンクションやこれらのファンクションを組み合わせて一連の制御を行うスケジューラの種類や機能の概要について説明したが、以下、図面を参照しながらスケジューラーデータ、ファンクションの具体的な適用例について説明する。
[18−7−1.演出概要]
図400Aは、本実施形態のスケジューラーデータを利用して制御される役物の動作の一例を示す図である。図400Aに示すように、本実施形態の遊技盤5には、ロゴ役物5001、星役物5002(左星役物5002a、中星役物5002b、右星役物5002c)及び鉈役物5003が配置される。
ロゴ役物5001は、遊技領域の左上方に配置される。ロゴ役物5001が動作すると、初期位置(上段位置)から中間位置まで落下(移動)し、演出終了後、初期位置に復帰する。さらに、ロゴ役物5001は、上下方向の移動のほか、移動前後に上下左右に振動する演出を行うことも可能となっている。
星役物5002は、遊技領域の上方に配置され、左星役物5002aは左側、中星役物5002bは中央、右星役物5002cは右側に配置される。各星役物5002はそれぞれ独立して動作可能となっており、演出内容に応じて一又は複数の星役物5002が所定のタイミングで動作する。
左星役物5002aは左下方に移動し、遊技領域の中央やや左下の位置まで移動可能となっている。また、中星役物5002bは下方に移動し、遊技領域の中心よりもやや上方の位置まで移動可能となっている。右星役物5002cは右下方に移動し、遊技領域の中央やや右下の位置まで移動可能となっている。なお、各星役物5002は、最終到達位置まで移動する前に停止してもよいし、最終到達位置に到達後、途中位置まで戻って停止するようにしてもよい。
鉈役物5003は、遊技領域の中央上方に配置される。鉈役物5003は、初期位置(上段位置)から、中間位置及び下段位置まで落下(移動)可能となっている。遊技者による演出ボタンの操作や鉈役物予告演出の抽選結果などに応じて、初期位置から中間位置まで移動して一旦停止し、その後下段位置まで移動したり、初期位置から下段位置まで一気に移動したりする動作態様が設定されている。鉈役物5003についてもロゴ役物5001と同様に、移動前後に上下左右に振動する演出を行うことが可能となっている。
続いて、1回の図柄変動で実行される予告演出の流れについて説明する。まず、図400Bを参照して、ステップアップ予告、ボタン(BTN)カットイン予告、群予告、星役物予告及びボタン(BTN)ロゴ役物落下予告について説明する。なお、鉈予告演出を含む予告演出の流れについては、図410を参照して説明する。
図400Bは、本実施形態における特別図柄の変動開始から停止するまでの一連の変動表示において実行される予告演出の実行タイミングの一例を示し、このとき使用されるスケジューラ及びスケジューラーデータを説明する図である。図400Bに示す一連の変動表示では、変動前半にステップアップ予告及びボタン(BTN)カットイン予告が実行される。その後、リーチが発生し、変動後半には群予告、星役物予告及びボタン(BTN)ロゴ役物落下予告が実行される。各予告演出には、ランプの点灯や音の出力、画像出力、役物の動作などを制御するためのスケジューラーデータが実行される。
以下、各予告演出を実行するためのスケジューラーデータの一部を抜粋し、当該スケジューラーデータによる制御及び構成するファンクションについて説明する。具体的には、ステップアップ予告においてランプを制御するスケジューラーデータ「SCH_LMP_YKK_STP」(図401)、ボタンカットイン予告においてランプを制御するスケジューラーデータ「SCH_LMP_YKK_CUT」(図402)、星役物予告において星役物5002の動作を制御するモータスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA1」(図403〜図405)、ボタンロゴ役物落下予告においてロゴ役物5001の動作を制御するモータスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_LGO」(図406)について説明する。
[18−7−2.ステップアップ予告におけるランプ制御]
本実施形態のステップアップ予告では、期待度(ステップアップ予告の抽選結果値)に応じて、所定のランプの点灯態様が段階的に変化するように制御する。図400Bに示したように、ステップアップ予告ランプスケジューラーデータ「SCH_LMP_YKK_STP」は、予告グループ01に属し、予告グループ01ランプスケジューラーデータ用スケジューラ(ランプSCH予告01)「LMP_SCH02」で駆動される。
図401は、本実施形態のステップアップ予告におけるランプの点灯・点滅制御を行うスケジューラーデータ「SCH_LMP_YKK_STP」の内容を説明する図である。
スケジューラーデータ「SCH_LMP_YKK_STP」が開始されると、まず、ファンクション「SUBC:YKK_STP:TBL_LMP_STP」が実行される。このファンクションは、スケジューラワークエリアインデックス分岐コール「SUBC」であり、対象スケジューラワーク番号「YKK_STP」、ステップアップ予告分岐コールアドレステーブル「TBL_LMP_STP」をパラメータとして実行される。
スケジューラ実行部5060は、指定されたステップアップ予告分岐コールアドレステーブル「TBL_LMP_STP」を参照し、ステップアップ予告ワークエリア「YKK_STP」の内容に基づいて、分岐先となるスケジューラーデータのアドレスを特定する。ステップアップ予告ワークエリア「YKK_STP」には、ステップアップ予告の抽選結果値が格納され、ステップアップ予告分岐コールアドレステーブル「TBL_LMP_STP」の各レコードのインデックス(アドレス)に対応する。
ステップアップ予告分岐コールアドレステーブル「TBL_LMP_STP」には、ステップアップ予告ランプスケジューラーデータのアドレスが格納されている。具体的には、スケジューラーデータのアドレスを示すSUBC_NON、SUBC_LMP_STP1、SUBC_LMP_STP2、SUBC_LMP_STP3、SUBC_LMP_STP4が格納されている。なお、SUBC_NONは、何も処理をしないことを示すダミーコール用のアドレスであり、ダミーコール用のアドレスを用意しておくことで、予告非当選時にランプを非点灯とすることを実現している。SUBC_LMP_STP1、SUBC_LMP_STP2、SUBC_LMP_STP3、SUBC_LMP_STP4は、ステップアップ数(1〜4)に対応するステップアップ予告を実行するためのスケジューラーデータのアドレスである。
本実施形態では、ステップアップ予告ワークエリア「YKK_STP」にはステップアップ数が4のステップアップ予告に対応する抽選結果値が格納されており、スケジューラーデータ「SUBC_LMP_STP4」が実行される。スケジューラーデータ「SUBC_LMP_STP4」は、各ステップに対応する階調パターンデータ(PTA_STP_PT1〜4)を指定してランプ階調データ再生処理(KPLAY)を実行し、ステップごとに90フレーム(約3秒間)のウエイト処理を実行する。これにより、各ステップで、3秒間、対応する階調パターンでランプを点灯・点滅させる。このとき、スケジューラーデータ「SUBC_LMP_STP4」は、背景、図柄ランプスケジューラーデータ用スケジューラ「LMP_SCH01」を使用して駆動される。
その後、スケジューラーデータ「SUBC_LMP_STP4」において、ファンクション「RET」が実行されることで、呼び出し元(スケジューラーデータ「SUBC_LMP_YKK_STP」)の処理に戻る。さらに、ファンクション「STOP」を実行し、スケジューラーデータ「SUBC_LMP_YKK_STP」を終了する。
本実施形態では、ステップアップ予告ワークエリア「YKK_STP」にはステップアップ数が4のステップアップ予告に対応する抽選結果値が格納されており、スケジューラーデータ「SUBC_LMP_STP4」が実行される。スケジューラーデータ「SUBC_LMP_STP4」は、各ステップアップに対応するランプ階調パターンデータ(PTA_STP_PT1〜4)を指定してランプ階調データ再生処理(KPLAY)を実行し、ステップごとに90フレーム(約3秒間)のウェイト処理を実行する。これにより、各ステップで、3秒間、対応するランプ階調パターンでランプを点灯・点滅させる。このとき、スケジューラーデータ「SUBC_LMP_STP4」は、予告グループ01ランプスケジューラーデータ用スケジューラ「LMP_SCH02」を使用して駆動される。
その後、スケジューラーデータ「SUBC_LMP_STP4」において、ファンクション「RET」が実行されることで、呼び出し元(スケジューラーデータ「SUBC_LMP_YKK_STP」)の次の処理に戻る。さらに、ファンクション「STOP」を実行し、スケジューラーデータ「SCH_LMP_YKK_STP」を終了する。
以上、ステップアップ予告について説明したが、ここで、スケジューラワークエリアインデックス分岐コール「SUBC」で実現可能な機能を記載する。1つ目には動的に書き換わるワークメモリ内容(本実施形態では予告抽選結果値)に基づき複数の抽選結果に対して、ワンアクションで、抽選結果に対するスケジューラーデータの呼び出しを可能としていることである。予告の内容によっては、抽選結果値の範囲が数百になるものも存在し、IF文の様な二分岐では、判断に対するスケジューラデータ数が増え複雑になりすぎ修正等の管理が困難になる。一方、「SUBC」では、ワークメモリ内容をインデックスとすることで上記の問題を簡単に解決している。また、本実施形態ではワークメモリ及び分岐用のコールアドレステーブルの個数は互いに1つとなっているが、共に複数にすることで複雑な条件分岐をワンアクションで処理するようにしてもよい。2つ目には「CALL」の形式を取っているため、「SUBC」ファンクション実行後に共通のスケジューラデータを実行することが可能となり、分岐後のスケジューラデータを分岐数分記載する必要がなく、たった1つのスケジューラデータを記載することで、すべての分岐後に同じ処理を実行することができる。また、プログラムの不具合に対応するために、ワークメモリの値が分岐用のコールアドレステーブルの要素数を超える場合には分岐処理を行わず、「SUBC」ファンクションを終了するようにしてもよい。
すなわち、ファンクション「SUBC」は、あらかじめテーブル形式で保持された分岐先からワーク領域に格納された値に基づいて分岐先のスケジューラーデータを選択し、選択されたスケジューラーデータを呼び出すことができる。単なる条件分岐では、分岐の数に応じて条件を定義し、分岐先のスケジューラーデータを各々設定する必要があるが、ファンクション「SUBC」では、分岐先の追加や削除を容易に行うことができるため、演出内容の追加・変更の対応を容易にし、開発効率を向上させることができる。
[18−7−3.ボタンカットイン予告におけるランプ制御]
本実施形態のボタンカットイン予告は、変動前半に開始され、所定期間内に遊技者による演出ボタンの操作入力を受け付けることによって最後まで予告が実行される。また、ステップアップ予告と同様に、期待度(ボタンカットイン予告の抽選結果値)に応じて、所定のランプの点灯態様が制御される。
ボタンカットイン予告は予告グループ02に属し、ランプスケジューラーデータ「SCH_LMP_YKK_CUT」は、図400Bに示したように、予告グループ02ランプスケジューラーデータ用スケジューラ(ランプSCH予告02)「LMP_SCH03」で駆動される。ステップアップ予告とは別の予告グループに属し、別のスケジューラでスケジューラーデータが駆動されるため、並行して予告を実行することが可能となっている。
図402は、本実施形態のボタンカットイン予告におけるランプの制御を行うスケジューラーデータ「SCH_LMP_YKK_CUT」の内容を説明する図である。
スケジューラーデータ「SCH_LMP_YKK_CUT」が開始されると、まず、ファンクション「KPLAY:LMP_SCH03:PTA_CUT_STA」を実行し、その後、30フレーム(約1秒間)のウエイト処理「NOP:30」を実行する。これにより、階調パターンデータ「PTA_CUT_STA」に基づいて、1秒間、指定されたランプが点灯(点滅)する。このとき、ランプスケジューラ「LMP_SCH03」が使用される。
続いて、遊技者からの演出ボタンの入力を受け付けるために、3秒間のループ処理を実行する。具体的には、パラメータのループ回数を90回としてファンクション「LOOPST」を実行する。ループ1回あたり1フレームに対応するため、90回のループで3秒間に相当する。ループ処理では、ループの開始を示す「LOOPST」からループの終了を示すファンクション「LOOP」までのファンクションを最大で指定された回数だけ実行する。したがって、ファンクション「SUBC:YKK_BTN:TBL_LMP_CUB」が最大90回実行される。
ファンクション「SUBC:YKK_BTN:TBL_LMP_CUB」について説明すると、スケジューラワークエリアインデックス分岐コール「SUBC」が、対象スケジューラワーク番号「YKK_BTN」及びボタンカットイン予告分岐コールアドレステーブル「TBL_LMP_CUB」をパラメータとして実行される。
スケジューラ実行部5060は、ボタンカットイン予告分岐コールアドレステーブル「TBL_LMP_CUB」を参照し、ボタンON_OFFワークエリア「YKK_BTN」の内容に基づいて、分岐先となるスケジューラーデータの先頭アドレスを特定する。ボタンON_OFFワークエリア「YKK_BTN」には演出ボタンの操作状態が格納され、演出ボタンが操作されていない場合には「0:ボタン OFF」、演出ボタンが操作された場合には「1:ボタン ON」が設定される。演出ボタンの操作状態は、ボタンカットイン予告分岐コールアドレステーブル「TBL_LMP_CUB」の各レコードのインデックス(アドレス)に対応する。また、ボタンON_OFFワークエリア「YKK_BTN」の内容は、スケジューラーデータ外のボタン処理用のプログラムで書き換えが行われる。
ボタンON_OFFワークエリア「YKK_BTN」に「0:ボタン OFF」が設定されている間はボタンカットイン予告分岐コールアドレステーブル「TBL_LMP_CUB」において、ボタンカットイン予告ボタンOFF時ランプスケジューラーデータ「SUBC_LMP_CUT_BTNOFF」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_LMP_CUT_BTNOFF」の内容は、ファンクション「RET」のみであり、呼び出し元のスケジューラーデータ「SCH_LMP_YKK_CUT」のファンクション「SUBC:YKK_BTN:TBL_LMP_CUB」の直後(ファンクション「LOOP」)に戻る。したがって、90回のループ処理の間に演出ボタンの入力が検出されなかった場合には、ループ処理から抜け出してファンクション「STOP」が実行され、スケジューラーデータ「SCH_LMP_YKK_CUT」が終了する。
一方、ボタンON_OFFワークエリア「YKK_BTN」に「1:ボタン ON」が設定された場合には、ボタンカットイン予告分岐コールアドレステーブル「TBL_LMP_CUB」において、ボタンカットイン予告ボタンON時ランプスケジューラーデータ「SUBC_LMP_CUT_BTNON」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_LMP_CUT_BTNON」の内容は、ファンクション「SUBJ:YKK_CUT:TBL_LMP_CUT」であり、スケジューラワークエリアインデックス分岐ジャンプ「SUBJ」が、対象スケジューラワーク番号「YKK_CUT」及びボタンカットイン予告分岐ジャンプアドレステーブル「TBL_LMP_CUT」をパラメータとして実行される。
ボタンカットイン予告分岐ジャンプアドレステーブル「TBL_LMP_CUT」には、ボタンカットイン予告ランプスケジューラーデータのアドレスが格納されている。具体的には、スケジューラーデータのアドレスを示すSUBJ_NON、SUBJ_LMP_CUT1、SUBJ_LMP_CUT2、SUBJ_LMP_CUT3、SUBJ_LMP_CUT4が格納されている。なお、SUBJ_NONは、何も処理をしないことを示すダミーコール用のアドレスであり、ダミーコール用のアドレスを用意しておくことで、予告非当選時にランプを非点灯とすることを実現している。SUBJ_LMP_CUT1、SUBJ_LMP_CUT2、SUBJ_LMP_CUT3、SUBJ_LMP_CUT4は、ボタンカットイン予告の抽選結果値に対応するランプの点灯パターン(色、点灯時間)を実行するためのスケジューラーデータのアドレスである。
本実施形態では、ボタンカットイン予告ワークエリア「YKK_CUT」には、ボタンカットイン予告のパターン(PTN)4を示す抽選結果値が格納されており、スケジューラーデータ「SUBJ_LMP_CUT4」が実行される。スケジューラーデータ「SUBJ_LMP_CUT4」では、まず、ランプ階調データ再生処理(KPLAY)によってランプを赤色(階調データパターン「PTA_CUT_RED」)に点灯させた後、150フレームのウェイト処理を実行することで5秒間継続させる。このとき、ランプスケジューラ「LMP_SCH03」を使用してスケジューラーデータを駆動する。このとき、スケジューラーデータ「SUBC_LMP_STP4」は、予告グループ02ランプスケジューラーデータ用スケジューラ「LMP_SCH03」を使用して駆動される。
なお、ボタンカットイン予告ランプスケジューラーデータ「SUBJ_LMP_CUT4」の呼び出しは、CALLではなくJUMPなので、ボタンカットイン予告ランプスケジューラーデータの実行はファンクション「STOP」で終了し、呼び出し元のスケジューラ「SUBC_LMP_YKK_CUT」には復帰しない。したがって、スケジューラ「SCH_LMP_YKK_CUT」の終了は、「SCH_LMP_YKK_CUT」に含まれる「STOP」ファンクションが実行された場合と、スケジューラ「SUBJ_LMP_CUT1」から「SUBJ_LMP_CUT4」に含まれる「STOP」ファンクションが実行された場合の2種類がある。
以上、ボタンカットイン予告について説明したが、ここで、スケジューラワークエリアインデックス分岐ジャンプ「SUBJ」で実現可能な機能を記載する。1つ目には動的に書き換わるワークメモリ内容(本実施形態では予告抽選結果値)に基づき複数の抽選結果に対して、ワンアクションで、抽選結果に対するスケジューラーデータの呼び出しを可能としていることである、予告の内容によっては、抽選結果値の範囲が数百になるものも存在し、IF文の様な二分岐では、判断に対するスケジューラデータ数が増え複雑になりすぎ修正等の管理ができなくなる。「SUBJ」では、ワークメモリ内容をインデックスとすることで上記の問題を簡単に解決している。また、本実施形態ではワークメモリ及び分岐用のコールアドレステーブルの個数は互いに1つとなっているが、共に複数にすることで複雑な条件分岐をワンアクションで処理するようにしてもよい。2つ目には「JUMP」の形式を取っているため、「SUBJ」ファンクション実行後の分岐したスケジューラデータ別にすべて違った処理を実行することができる。また、「SUBC」と同様に、プログラムの不具合に対応するために、ワークメモリの値が分岐用のコールアドレステーブルの要素数を超える場合には分岐処理を行わず、「SUBC」ファンクションを終了するようにしてもよい。
すなわち、ファンクション「SUBJ」は、ファンクション「SUBC」と同様に、あらかじめテーブル形式で保持された分岐先からワーク領域に格納された値に基づいて分岐先のスケジューラーデータを選択し、選択されたスケジューラーデータに処理を遷移させることが可能となり、ファンクション「SUBC」と同様の効果を得ることができる。
また、ファンクション「SUBJ」は、ファンクション「SUBC」とは異なり、呼び出し先のスケジュールデータの処理を継続して実行し、呼び出し元の処理に復帰しないため、択一的に処理を実行する場合に適している。例えば、演出ボタンを操作するか否かによって実行する演出内容が異なる場合にファンクション「SUBJ」を使用することによって重複して演出が実行されることを抑制することができる。一方、ファンクション「SUBC」では呼び出し元のスケジューラーデータによる処理に復帰するため、呼び出し先の処理実行後、共通化した事後処理を実行することが可能となり、処理を簡素化することができる。
したがって、ファンクション「SUBC」及びファンクション「SUBJ」を用いることによって、スケジューラーデータの構造を簡素化しながら処理分岐に柔軟に対応可能な構造とすることが可能となる。さらに、テーブル形式の分岐先を変更するだけでの追加・変更の対応も容易になるため、開発効率を向上させるとともに、遊技機の仕様変更に対応することも容易になる。
[18−7−4.星役物予告におけるモータ制御]
続いて、本実施形態における変動後半において実行される星役物予告の制御について説明する。特別図柄の変動表示にリーチが発生し、変動後半に移行すると、群予告が発生し、群予告とは独立して星役物予告が実行される。星役物予告は、駆動体(モータ)によって動作可能な複数種類の星役物5002(本実施形態では、左星役物5002a、中星役物5002b及び右星役物5002cの3種類)が動作することによって図柄変動の期待度を報知する。具体的には、星役物5002が出現する数が多いほど期待度が高くなる。
本実施形態の星役物予告は、図400Bに示したように、星役物予告モータスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA1」をモータスケジューラ「MOT_SCH02」(左星役物スケジューラーデータ用スケジューラ)で駆動することによって実行される。なお、本実施形態の遊技機では、星役物5002を動作させるための専用スケジューラ(MOT_SCH02〜04)があらかじめ設けられているが、汎用のスケジューラ(MOT_SCH05〜09)を使用することも可能である。
図403から図405は、本実施形態の星役物予告におけるモータ制御を行うスケジューラーデータの内容を説明する図である。図403は全体の流れ及び左星役物5002aを制御するスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA1」、図404は右星役物5002cを制御するスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA2」、図405は中星役物5002bを制御するスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA3」を説明する図である。
スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA1」が開始されると、まず、ファンクション「SUBC:YKK_HYA:TBL_MOT_HYA」が実行される。
このファンクションは、スケジューラワークエリアインデックス分岐コール「SUBC」であり、対象スケジューラワーク番号「YKK_HYA」、星役物予告分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_HYA」をパラメータとして実行される。
スケジューラ実行部5060は、指定された星役物予告分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_HYA」を参照し、星役物予告ワークエリア「YKK_HYA」の内容に基づいて、分岐先となるスケジューラーデータのアドレスを特定する。星役物予告ワークエリア「YKK_HYA」には、星役物予告の抽選結果値が格納され、星役物予告分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_HYA」の各レコードのインデックス(アドレス)に対応する。
星役物予告分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_HYA」には、星役物出現スケジューラーデータのアドレスが格納されている。具体的には、スケジューラーデータのアドレスを示すSUBC_NON、SUBC_MOT_HYA1、SUBC_MOT_HYA2、SUBC_MOT_HYA3が格納されている。なお、SUBC_NONは、何も処理をしないことを示すダミーコール用のアドレスであり、ダミーコール用のアドレスを用意しておくことで、予告非当選時に役物を非動作とすることを実現している。SUBC_MOT_HYA1、SUBC_MOT_HYA2、SUBC_MOT_HYA3は星役物予告を実行するためのスケジューラーデータのアドレスであり、具体的には、SUBC_MOT_HYA1は左星役物5002aのみ、SUBC_MOT_HYA2は左星役物5002a及び右星役物5002c、SUBC_MOT_HYA3は3種類すべての星役物5002を動作させるためのスケジューラーデータである。
本実施形態では、星役物予告ワークエリア「YKK_HYA」には、左星役物5002a、中星役物5002b、右星役物5002cを出現させる星役物予告を実行することを示す抽選結果値「3」が格納されており、スケジューラーデータ「SUBC_MOT_HYA3」が実行される。なお、左星役物5002aのみを動作させる場合には星役物予告の抽選結果値に「1」、左星役物5002a及び右星役物5002cを動作させる場合には星役物予告の抽選結果値に「2」が設定される。
スケジューラーデータ「SUBC_MOT_HYA3」は、まず、左星役物5002aの出現動作のパターンを示すパラメータ「PTA_HYA_LEF」を指定して、モータ再生処理に対応するファンクション「MPLAY」を実行する。このとき、ファンクション「MPLAY」は、スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA1」が実行されているモータスケジューラ「MOT_SHC02」で実行される。
次に、スケジューラ実行部5060は、ファンクション「REQ」によって、右星役物5002c出現スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA2」を実行する。ファンクション「REQ」は、パラメータで指定したスケジューラーデータを、同じくパラメータで指定したスケジューラで実行するためのファンクションである。ここでは、右星役物5002c出現スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA2」を、右星役物5002cスケジューラーデータ用スケジューラ「MOT_SHC03」を使用して実行する。同様に、ファンクション「REQ」によって、中星役物5002b出現スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA2」を、中星役物5002bスケジューラーデータ用スケジューラ「MOT_SHC04」を使用して実行する。なお、本実施形態では、左星役物5002aに対するモータ再生処理と同一フレーム内で、右星役物5002c及び中星役物5002bを動作させるためのモータ再生処理(ファンクション「MPLAY」)を実行させている。以上のように、各星役物5002を動作させるスケジューラーデータを異なるスケジューラで実行させることによって、各星役物5002を並行して制御することができる。
続いて、スケジューラ実行部5060は、300フレーム(10秒間)のウエイト処理「NOP:300」を実行する。このウエイト時間の間、指定した態様で左星役物5002aが動作する。ウエイト処理終了後、ファンクション「RET」を実行し、呼び出し元の星役物予告モータスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA1」に戻り、ファンクション「ストップ」によってスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA1」の実行が終了する。
次に、図404を参照して右星役物5002cの制御について説明する。右星役物5002c出現スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA2」は、ファンクション「REQ」による実行時に指定された右星役物5002cスケジューラーデータ用スケジューラ「MOT_SHC03」を使用して実行される。
スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA2」が開始されると、図404に示すように、右星役物5002cの出現動作態様(パターン)を示すパラメータ「PTA_HYA_RGT」を指定して、モータ再生処理「MPLAY」を実行する。続いて、300フレーム(10秒間)のウエイト処理「NOP:300」を実行する。このウエイト時間が右星役物5002cの動作時間となる。ウエイト処理終了後、呼び出し元のスケジューラーデータの処理には復帰せずにファンクション「STOP」の実行によって処理を終了する。
最後に、図405を参照して中星役物5002bの制御について説明する。中星役物5002b出現スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA3」は、ファンクション「REQ」による実行時に指定された中星役物5002bスケジューラーデータ用スケジューラ「MOT_SHC04」を使用して実行される。
スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_HYA3」が開始されると、図405に示すように、中星役物5002bの出現動作態様(パターン)を示すパラメータ「PTA_HYA_MID」を指定して、モータ再生処理「MPLAY」を実行する。続いて、300フレーム(10秒間)のウエイト処理「NOP:300」を実行する。このウエイト時間が中星役物5002bの動作時間となる。ウエイト処理終了後、呼び出し元のスケジューラーデータの処理には復帰せずにファンクション「STOP」の実行によって処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、左星役物5002aを動作させるスケジューラーデータにおいて、右星役物5002cを動作させるスケジューラーデータと中星役物5002bを動作させるスケジューラーデータとを、ファンクション「REQ」を使用して実行することによって、各役物を並列して動作させることが可能となる。すなわち、各役物の動作はそれぞれ個別に定義したスケジューラーデータを必要に応じて実行することで、特別な制御を行うことなく並列して実行することができる。スケジューラーデータを並列に実行させる利点は、まず、他のスケジューラを意識することなく単一の役物動作を記載できる点である。さらに、スケジューラ1本で予告パターンに対応する複数の動作を行う場合、組み合わせ数が膨大となり、スケジューラーデータが複雑化するとともにデータ数が膨大となってしまうことに対し、ファンクション「REQ」を使用してスケジューラーデータを並列に呼び出すことによって、最小数のスケジューラーデータを作成し、呼び出すことで、簡易に制御することが可能となる。なお、本実施形態では、3種類の役物を並行して動作させる例について説明したが、役物の動作に支障がなければさらに多くの役物を並列して実行することが可能である。以上より、本実施形態によれば、複雑な制御を必要とすることなく複数の役物を並列して動作させることを可能とし、バリエーションに富んだ演出を容易に実現することができる。
[18−7−5.ロゴ役物落下予告におけるモータ制御]
続いて、本実施形態における変動後半に実行されるロゴ役物落下予告の制御について説明する。ロゴ役物落下予告は、群予告及び星役物予告とは独立して実行される。ロゴ役物落下予告は、遊技機のロゴを模したロゴ役物5001が遊技盤側演出表示装置1600の前方を垂直方向に落下するように動作する予告演出であり、通常よりも大当りの発生確率が高いことを示している。
本実施形態のロゴ役物落下予告は、図400Bに示したように、ロゴ役物落下予告モータスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_LGO」をモータスケジューラ「MOT_SCH01」(ロゴ役物スケジューラーデータ用スケジューラ)で駆動することによって実行される。なお、汎用のスケジューラ(MOT_SCH05〜09)をロゴ役物5001を動作させることも可能である。
図406は、本実施形態のロゴ役物落下予告におけるモータ制御を行うスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_LGO」の内容を説明する図である。
スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_LGO」が開始されると、まず、ファンクション「MPLAY:PTA_LGO_GAT」を実行し、その後、30フレーム(約1秒間)のウエイト処理「NOP:30」を実行する。これにより、動作パターンデータ「PTA_LGO_GAT」に基づいて、1秒間、指定された動作を行う。具体的には、ロゴ役物5001がガタガタ振動する。このとき、モータスケジューラ「MOT_SCH01」が使用される。
続いて、遊技者からの演出ボタンの入力を受け付けるために、3秒間のループ処理を実行する。具体的には、パラメータのループ回数を90回としてファンクション「LOOPST」を実行する。前述のように、ループ処理では、「LOOPST」と「LOOP」の間のファンクションを繰り返し実行する。したがって、ファンクション「SUBC:YKK_LGO:TBL_YKK_LGO」が最大90回実行される。
ファンクション「SUBC:YKK_LGO:TBL_YKK_LGO」について説明すると、スケジューラワークエリアインデックス分岐コール「SUBC」が、対象スケジューラワーク番号「YKK_LGO」及びボタンロゴ役物落下予告抽選結果分岐コールテーブル「TBL_YKK_LGO」をパラメータとして実行される。
スケジューラ実行部5060は、ボタンロゴ役物落下予告抽選結果分岐コールテーブル「TBL_YKK_LGO」を参照し、ボタンロゴ役物予告ワークエリア「YKK_LGO」の内容に基づいて、分岐先となるスケジューラーデータの先頭アドレスを特定する。
ボタンロゴ役物予告ワークエリア「YKK_LGO」にはボタンロゴ役物落下予告の実行抽選の結果が格納され、ボタンロゴ役物落下予告の実行抽選にはずれた場合には「0:未実行」、ボタンロゴ役物落下予告の実行抽選に当選した場合には「1:ロゴ落下予告実行」が設定される。ボタンロゴ役物落下予告の実行抽選の結果は、ボタンロゴ役物落下予告抽選結果分岐コールテーブル「TBL_YKK_LGO」の各レコードのインデックス(アドレス)に対応する。
ボタンロゴ役物予告ワークエリア「YKK_LGO」に「0:未実行」が設定されている間はボタンロゴ役物落下予告抽選結果分岐コールテーブル「TBL_YKK_LGO」において、ロゴ役物落下予告未実行時モータスケジューラーデータ「SUBC_YKK_LGO_NON」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_YKK_LGO_NON」の内容は、ファンクション「RET」のみであり、呼び出し元のスケジューラ「SCH_MOT_YKK_LGO」のファンクション「SUBC:YKK_LGO:TBL_YKK_LGO」の直後(ファンクション「LOOP」)に戻る。したがって、ボタンロゴ役物落下予告の実行抽選にはずれた場合には、90回のループ処理が実行された後、ループ処理から抜け出してファンクション「STOP」が実行され、スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_LGO」が終了する。
一方、ボタンロゴ役物予告ワークエリア「YKK_LGO」に「1:ロゴ落下予告実行」が設定された場合、すなわち、ボタンロゴ役物落下予告の実行抽選に当選した場合には、ボタンロゴ役物落下予告抽選結果分岐コールテーブル「TBL_YKK_LGO」において、ロゴ役物落下予告実行時モータスケジューラーデータ「SUBC_YKK_LGO_DOWN」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_YKK_LGO_DOWN」の内容は、ファンクション「SUBC:YKK_BTN:TBL_MOT_LGO」であり、スケジューラワークエリアインデックス分岐コール「SUBC」が、対象スケジューラワーク番号「YKK_BTN」及びボタンロゴ役物落下予告ボタン分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_LGO」をパラメータとして実行される。
スケジューラ実行部5060は、ボタンロゴ役物落下予告ボタン分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_LGO」を参照し、ボタンON_OFFワークエリア「YKK_BTN」の内容に基づいて、分岐先となるスケジューラーデータの先頭アドレスを特定する。ボタンカットイン予告の場合と同様に、ボタンON_OFFワークエリア「YKK_BTN」には演出ボタンの操作状態が格納され、演出ボタンが操作されていない場合には「0:ボタン OFF」、演出ボタンが操作された場合には「1:ボタン ON」が設定される。演出ボタンの操作状態は、ボタンロゴ役物落下予告分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_LGO」の各レコードのインデックス(アドレス)に対応する。
ボタンON_OFFワークエリア「YKK_BTN」に「0:ボタン OFF」が設定されている間はボタンロゴ役物落下予告ボタン分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_LGO」において、ロゴ役物落下予告ボタンOFF時モータスケジューラーデータ「SUBC_MOT_LGO_BTNOFF」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_MOT_LGO_BTNOFF」の内容は、ファンクション「RET」のみであり、呼び出し元のスケジューラーデータ「SUBC_YKK_LGO_DOWN」のファンクション「SUBC:YKK_BTN:TBL_MOT_LGO」の直後(ファンクション「RET」)に戻る。これにより、さらに、スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_LGO」のファンクション「LOOP」に戻る。したがって、ボタンロゴ役物落下予告の実行抽選に当選した場合であっても90回のループ処理の間に演出ボタンの入力が検出されなかった場合には、ループ処理から抜け出してファンクション「STOP」が実行され、スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_LGO」が終了する。
一方、ボタンON_OFFワークエリア「YKK_BTN」に「1:ボタン ON」が設定された場合には、ボタンロゴ役物落下予告ボタン分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_LGO」において、ロゴ役物落下予告ボタンON時モータスケジューラーデータ「SUBC_MOT_LGO_BTNON」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_MOT_LGO_BTNON」の内容は、まず、ファンクション「COMMAND:COM_LGO_ON」を実行する。ファンクション「COMMAND」は、スケジューラーデータの実行時にコマンドを発行するためのファンクションである。ここでは、コマンド「COM_LGO_ON」を発行する。コマンド「COM_LGO_ON」は、ロゴ役物5001落下時のエフェクトを遊技盤側演出表示装置1600に描画を開始させるためのコマンドであり、演出制御部5020に対して発行される。
さらに、スケジューラ実行部5060は、コマンド「COM_LGO_ON」の発行と同じフレーム内で、ファンクション「MPLAY:PTA_LGO_DOWN」を実行する。パラメータ「PTA_LGO_DOWN」はロゴ役物5001を落下させる動作を行うためのパターンデータである。さらに、ファンクション「NOP:120」によって、120フレーム(約4秒間)のウエイト処理を実行する。このとき、ロゴ役物5001は3秒間かけて落下動作を行い、残りの1秒間は落下位置で停止する。
さらに、ファンクション「MPLAY:PTA_LGO_INI」を実行することによって、ロゴ役物5001が落下位置から初期位置に移動する動作を行う。続いて、ファンクション「NOP:90」によって、90フレーム(約3秒間)のウエイト処理を実行し、その間にロゴ役物5001を初期位置に復帰させる。ウエイト処理終了後には、ロゴ役物落下動作の実行を終了したため、ファンクション「MEMW:YKK_LGO:0」を実行し、ボタンロゴ役物予告抽選結果を「0:未実行」に書き換え、呼び出し元のスケジューラーデータ「SUBC_YKK_LGO_DOWN」のファンクション「SUBC:YKK_BTN:TBL_MOT_LGO」の直後(ファンクション「RET」)に戻る。これにより、さらに、スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_LGO」のファンクション「LOOP」に戻る。スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_LGO」のファンクション「LOOP」に復帰するが、ボタンロゴ役物予告抽選結果を「0:未実行」に書き換えているため、ボタンロゴ役物の落下を行うスケジューラデータ「PTA_LGO_DOWN」は実行されず残りのループ回数処理を行い、ファンクション「STOP」によってスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_LGO」の実行を終了する。
以上のように、ロゴ役物5001を落下させる場合にコマンドを内部発行することによって、ロゴ役物5001の落下時のみ、かつ、ロゴ役物5001の落下タイミングで、液晶にエフェクトを表示することが実現できる。本実施形態では、ファンクション「COMMAND」を使用することによって、複数種類の演出装置を連携して適切なタイミングで必要に応じて実行することを可能とし、より興趣の高い演出を実行することができる。
本実施形態では、ファンクション「COMMAND」を用いて、音源内蔵VDP1540aに液晶にエフェクトを表示させているが、ファンクション「COMMAND」で発行したコマンドをプログラム側で処理することで、制御をスケジューラからプログラムに一旦戻し、ファンクションコマンドでは対応できない複雑な処理を行い、処理結果をその後のスケジューラで使用するワークエリアに書き込むことで、本来ファンクションコマンドでは制御できない処理も行うことができる。また、スケジューラーデータ内でコマンドを発行するメリットは、コマンド発行タイミングがそのまま処理タイミングとすることで、プログラムによる時間管理や実行判定が必要ない点である。また、変動開始時にあらかじめ決定されないユーザによる外部入力(ボタン、ジョグダイヤル、タッチパッド)に対してインタラクティブに処理し、ファンクション「COMMAND」を用いてコマンド発行を行い、処理を行うことが可能となる。
また、本実施形態で、ファンクション「COMMAND」は、固定値のコマンドを送信する機能となっているが、固定値ではなく、ワークエリアを指定して、ワークエリアの内容をコマンドとして送信するようにしてもよい。
[18−8.スケジューラーデータの適用例(電源投入時)]
続いて、遊技機の電源投入時に周辺制御基板1510において実行されるスケジューラーデータについて説明する。ここでは、遊技機の電源投入から遊技が開始されて最初の変動表示が開始されるまでの制御について説明する。
[18−8−1.処理概要]
図407は、本実施形態の遊技機の電源投入時に実行されるスケジューラーデータを説明する図面である。本実施形態の遊技機では、遊技機の電源が投入されると、主制御基板1310から周辺制御基板1510に電源投入時コマンドが出力される。
スケジューラ実行部5060は、電源投入時コマンドを受信すると、サブ状態スケジューラ「SUB_SCH」で、スケジューラーデータ「SCH_STS_POWERON」を駆動する。
スケジューラーデータ「SCH_STS_POWERON」が実行されると、所定の順序でサブ内部状態遷移スケジューラが実行され、サブ遊技状態(サブ内部状態)に対応するスケジューラーデータが起動される。スケジューラーデータ「SCH_STS_POWERON」の進行にともなって、液晶表示画面にはサブ内部状態に対応する画面、例えば図407に示すように、待機中画面、メーカデモ画面、機種デモタイトル画面、ゴト防止画面などが表示される。このとき、メイン遊技状態は待機中状態となっている。待機中状態が終了すると、遊技が開始され、始動入賞口に遊技球が入賞すると、メイン遊技状態及びサブ内部状態が変動中状態に遷移する。
[18−8−2.電源投入時制御]
続いて、各種コマンド及びスケジューラーデータを処理するための構成について説明する。図408は、本実施形態の遊技機の周辺制御基板1510においてコマンド及びスケジューラーデータを処理するための構成及びこれら構成の関係を説明する図である。
前述のように、遊技機の電源を起動した場合や主制御基板1310における遊技制御において所定のイベントが発生した場合には、主制御基板1310からメインコマンドが送信され、周辺制御基板1510によって受信される。メインコマンドは、図390にて説明したように、システムモジュール5100のメインコマンドバッファ5110に格納され、コマンド解析モジュールにおけるメインコマンド解析処理によって解析される。コマンド解析モジュールは、メインコマンド解析処理によって発生したイベントの種類などを特定し、対応するスケジューラを起動してスケジューラーデータを実行する。
また、ファンクション「COMMAND0」(図397)が実行され、スケジューラからコマンドが出力された場合にも、メインコマンドと同様に、出力されたコマンドがメインコマンドバッファ5110に格納され、メインコマンド解析処理によって解析される。
メインコマンドやファンクション「COMMAND0」によって出力されたコマンドを受信すると、メインコマンド解析処理によって周辺制御基板1510での制御を実行するためのコマンドが生成される。生成されるコマンドには、スケジューラを起動するコマンドや各種演出装置を制御するコマンド(サブ内部出力用コマンド)が含まれる。
スケジューラを起動するコマンドでは、例えば、主制御基板1310における遊技状態の変化や周辺制御基板1510における制御の進行によるサブ内部状態の変化に対応する制御を行うためのスケジューラーデータ、始動入賞など主制御基板1310から通知されたイベントに対応した演出を実行させるためのスケジューラーデータ、各種演出装置が一連の態様で動作するように定義されたスケジューラーデータなどが実行される。本実施形態では、コマンドから直接スケジューラを起動する以外にも、スケジューラーデータに含まれるファンクション「REQ」によって別のスケジューラを起動することが可能となっている。
一方、演出装置を制御するコマンド(サブ内部出力用コマンド)は、例えば、液晶表示装置に所定の画像を表示する液晶コマンドなどである。演出装置を制御するコマンドは、メインコマンドを解析した結果に基づいて出力される場合の他に、スケジューラーデータに含まれるファンクション「COMMAND」によって出力される。演出装置を制御するコマンドは、一旦、サブ内部出力用コマンドバッファに格納され、バッファの先頭から格納された順に処理される。
以上のように、本実施形態では、スケジューラから他のスケジューラをさらに起動させることによって、一のメインコマンドを受信することで複数のスケジューラを階層的に組み合わせて実行することが可能となる。これにより、周辺制御基板1510における各種制御をスケジューラーデータ単位で部品化することが可能となり、スケジューラを組み合わせることによって、多様な演出制御を実現しながら、複数種類の演出を並行して実装したり、デバッグの作業を効率化したりするなど、遊技機の開発効率を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、ファンクション「COMMAND0」によるコマンド出力によって、コマンドの解析処理を共通化することが可能となる。これにより、コマンド解析によるスケジューラーデータの選択ロジック、ファンクションのパラメータの決定ロジックを共通化することが可能となるため、膨大な数のスケジューラーデータの組み合わせをテーブルで管理しなければならないといった問題点が生じることを抑制することができる。
続いて、主制御基板1310から電源投入時のコマンドを受信した場合のスケジューラの起動及びスケジューラーデータの実行について説明する。図409は、本実施形態の電源投入時においてスケジューラーデータを実行する過程について説明する図である。
図408にて説明したように、遊技機に電源が投入され、主制御基板1310から送信された電源投入コマンドを周辺制御基板1510が受信すると、メインコマンド解析処理によって電源投入コマンドが解析され、スケジューラ起動処理によってサブ状態スケジューラが起動され、対応するスケジューラーデータが順次実行される。各スケジューラーデータを実行において、ファンクション「COMMAND0」を実行してコマンをド発行することにより、サブ内部状態を作成し、さらに、必要に応じてサブ内部状態に対応する、ランプや音の出力を行う。
実行されるスケジューラについて具体的に説明すると、まず、サブ状態スケジューラ「SUB_SCH」を使用して、状態電源投入スケジューラーデータ「SCH_STS_POWERON」を実行する。状態電源投入スケジューラーデータ「SCH_STS_POWERON」では、ファンクション「COMMANDO」によって次の内部状態に遷移するコマンド「COM_STS_TAIKI」を発行し、スケジューラを停止する。
コマンド「COM_STS_TAIKI」は、「メインコマンド解析処理」で処理され、次のサブ内部状態に対応する状態待機時スケジューラーデータ「SCH_STS_TAKI」が実行される。
続いて、サブ状態スケジューラ「SUB_SCH」を使用して、状態待機時スケジューラーデータ「SCH_STS_TAKI」が実行されると、ファンクション「KPLAY:PTA_LAMP_TAIKI」を実行する。これにより、待機状態のランプ点灯パターン「PTA_LAMP_TAIKI」に基づいて、ランプの点灯が開始される。その後、ファンクション「NOP:900」を実行することで900フレーム(30秒)の間、待機状態になる。待機状態終了後、ファンクション「COMMANDO」によって次の内部状態に遷移するコマンド「COM_STS_MDEMO」を発行し、スケジューラを停止する。
コマンド「COM_STS_MDEMO」は、「メインコマンド解析処理」で処理され、次のサブ内部状態に対応する状態メーカーデモスケジューラーデータ「SCH_STS_MDEMO」が実行される。
続いて、サブ状態スケジューラ「SUB_SCH」を使用して、状態メーカーデモスケジューラーデータ「SCH_STS_MDEMO」が実行されると、ファンクション「KPLAY:PTA_LAMP_MDEMO」を実行する。これにより、メーカデモ状態のランプ点灯パターン「PTA_LAMP_MDEMO」に基づいて、ランプの点灯が開始される。その後、ファンクション「NOP:300」を実行することで300フレーム(10秒)の間、待機状態になる。待機状態終了後、ファンクション「COMMANDO」によって次の内部状態に遷移するコマンド「COM_STS_KDEMO」を発行し、スケジューラを停止する。
コマンド「COM_STS_KDEMO」は、「メインコマンド解析処理」で処理され、次のサブ内部状態に対応する状態機種デモスケジューラーデータ「SCH_STS_KDEMO」が実行される。
続いて、サブ状態スケジューラ「SUB_SCH」を使用して、状態メーカーデモスケジューラーデータ「SCH_STS_KDEMO」が実行されると、ファンクション「KPLAY:PTA_LAMP_KDEMO」を実行する。これにより、機種デモ状態のランプ点灯パターン「PTA_LAMP_KDEMO」に基づいて、ランプの点灯が開始される。その後、ファンクション「NOP:900」を実行することで900フレーム(30秒)の間、待機状態になる。待機状態終了後、ファンクション「COMMANDO」によって次の内部状態に遷移するコマンド「COM_STS_GOTO」を発行し、スケジューラを停止する。
コマンド「COM_STS_KDEMO」は、「メインコマンド解析処理」で処理され、次のサブ内部状態に対応する状態ゴト防止スケジューラーデータ「SCH_STS_GOTO」が実行される。
続いて、サブ状態スケジューラ「SUB_SCH」を使用して、状態ゴト防止スケジューラーデータ「SCH_STS_GOTO」が実行されると、ファンクション「KPLAY:PTA_LAMP_GOTO」を実行する。これにより、ゴト防止状態のランプデータ「PTA_LAMP_GOTO」の点灯パターンに基づいて、ランプの点灯が開始される。さらに、ファンクション「SPLAY:PTA_SND_GOTO」を実行することで、ゴト防止状態の音データ「PTA_SND_GOTO」に基づいて、音の再生が開始される。その後、ファンクション「NOP:450」を実行することで450フレーム(15秒)の間、待機状態になる。待機状態終了後、ファンクション「COMMANDO」によって次の内部状態に遷移するコマンド「COM_STS_TAIKI」を発行し、スケジューラを停止する。
コマンド「COM_STS_TAIKI」は、「メインコマンド解析処理」で処理され、次のサブ内部状態に対応する状態待機時スケジューラーデータ「SCH_STS_TAKI」が実行される。遊技機は、この段階で遊技可能な状態となり、遊技が開始され、遊技球が入賞するまで、この待機状態のままループする。
以上のように、本実施形態では、主制御基板から送信される電源投入コマンドを受信するのみで周辺制御基板1510における内部状態を設定することを可能としている。具体的には、ファンクション「COMMAND0」によって、あたかも主制御基板1310がコマンドを発行したかのように制御することができる。例えば、電源投入時の初期化コマンドはパラメータが固定値の場合があり、主制御基板1310からのメインコマンドではなく、ファンクション「COMMAND0」でコマンドを出力することによって、主制御基板1310から送信されるメインコマンドの数を削減することが可能となる。これにより、主制御基板1310の遊技制御プログラムの容量を削減することが可能となり、特に遊技制御プログラムの容量に制約がある場合には有効である。
[18−9.スケジューラーデータの適用例(演出2)]
続いて、ボタンカットイン予告とボタンロゴ役物落下予告の代わりに鉈役物落下予告を実行する例について説明する。鉈役物落下予告は、前半と後半に分かれており、前半予告と後半予告が連携して実行される。この際、前半予告に使用されたパラメータを後半予告に引き継ぐなどの制御が行われる点でここまで説明した制御とは異なる制御が行われる。
[18−9−1.演出概要]
図410は、本実施形態における特別図柄の変動開始から停止するまでの一連の変動表示における予告演出の一例を示す図であり、(A)は変動開始から終了するまでに実行される演出及び当該演出を実行するためのスケジューラーデータ及び実行されるスケジューラを示し、(B)は鉈役物落下予告における鉈役物5003の位置を説明する図である。
図410(A)に示す一連の変動表示では、変動前半にステップアップ予告及び鉈役物落下予告の前半部であるボタン(BTN)鉈役物前半落下予告が実行される。その後、リーチが発生し、変動後半には群予告、前半から継続されたボタン鉈役物前半落下予告に続いて鉈役物後半落下予告が実行される。各予告演出には、ランプの点灯や音の出力、画像出力、役物の動作などを制御するためのスケジューラーデータが実行される。ステップアップ予告の内容については、前述した通りである。
次に、図410(B)を参照しながら、鉈役物落下予告の内容について説明する。鉈役物落下予告は、前述のように、ボタン(BTN)鉈役物前半落下予告と、鉈役物後半落下予告に分かれて構成されている。
前半部であるボタン鉈役物前半落下予告では、演出ボタンを操作することによって予告演出が進行する。そのため、ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選に当選していても演出ボタンを操作しなければ、鉈役物5003の落下演出が実行しないようになっている。一方、後半部である鉈役物後半落下予告では、演出ボタンの操作によらず、鉈役物後半落下予告の実行抽選の結果に基づいて演出が実行される。
ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選に当選し、演出ボタンを所定のタイミングで操作すると、鉈役物5003は中段位置まで落下する。さらに、鉈役物5003が中段位置まで落下した状態で鉈役物後半落下予告の実行抽選に当選すると、鉈役物5003が下段位置まで落下する。すなわち、鉈役物5003は、鉈役物落下予告の前半で上部(上段位置、初期位置)から中央(中段位置)まで落下し、後半で下部(下段位置)まで落下するようになっている。なお、鉈役物後半落下予告の実行抽選に当選すると、鉈役物5003の位置に関わらず、下部まで落下するようになっている。また、鉈役物落下予告が終了すると、鉈役物5003は上部(初期位置)に復帰する。
したがって、図410(B)に示すように、鉈役物落下予告は6種類のパターンで演出が実行される。具体的に説明すると、ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選の結果が非当選の場合には、演出ボタンの操作に依存しないため、鉈役物後半落下予告が非当選の場合(パターン1)と当選の場合(パターン2)がある。パターン1の場合、ボタン鉈役物前半落下予告及び鉈役物後半落下予告が非当選であるため、鉈役物5003は落下せず上部から移動せずに維持される。パターン2の場合には、鉈役物落下予告では鉈役物5003が落下せずに上部に位置する一方、鉈役物後半落下予告では実行抽選に当選したため、鉈役物5003が上部から下部まで一気に落下する。
ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選に当選した場合には、演出ボタンを操作したか否かによってボタン鉈役物前半落下予告の演出態様が異なっている。したがって、鉈役物落下予告は、演出ボタンの操作の有無、鉈役物後半落下予告の実行抽選の結果によって4パターンの演出態様が実行可能となっている。
ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選に当選し、演出ボタンを操作せず、さらに、鉈役物後半落下予告の実行抽選の結果が非当選の場合には、鉈役物5003は落下せずに上部に位置したままとなる(パターン3)。ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選に当選し、演出ボタンを操作し、さらに、鉈役物後半落下予告の実行抽選の結果が非当選の場合には、演出ボタン操作時に、鉈役物5003が上部から中間まで落下し、鉈役物落下予告が終了するまで中間に位置したままとなる(パターン4)。
ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選に当選し、演出ボタンを操作せず、さらに、鉈役物後半落下予告の実行抽選に当選した場合には、演出ボタンを操作していないため、鉈役物後半落下予告が開始されるまで鉈役物5003は落下せずに上部に位置し、鉈役物後半落下予告において上部から下部まで落下する(パターン5)。ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選に当選し、演出ボタンを操作し、さらに、鉈役物後半落下予告の実行抽選に当選した場合には、演出ボタン操作時に、鉈役物5003が上部から中間まで落下し、さらに、鉈役物後半落下予告において上部から下部まで落下する(パターン6)。
以上のように、本実施形態の鉈役物落下予告は、6パターンの演出態様が出現可能であり、以下、鉈役物落下予告における鉈役物5003の動作を制御するスケジューラーデータについて説明する。具体的には、図410(A)に示した、ボタン鉈役物前半落下予告において鉈役物5003の動作を制御するボタン鉈役物前半落下予告モータスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA1」と、鉈役物後半落下予告において鉈役物5003の動作を制御する鉈役物後半落下予告モータスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA2」について説明する。
[18−9−2.鉈役物落下予告における各種制御]
図411は、本実施形態の鉈役物落下予告の前半部であるボタン鉈役物前半落下予告におけるモータ制御を行うボタン鉈役物前半落下予告スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA1」の内容を説明する図である。前述のように、ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選に当選した場合には、ファンクション「LOOP」によって3秒間演出ボタンの操作を受け付け、演出ボタンが操作された場合に鉈役物5003を動作させる演出を実行する。ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選が非当選の場合、当選しても演出ボタンが操作されなかった場合には、鉈役物5003を動作させずに終了する。ボタン鉈役物前半落下予告スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA1」の実行には、モータスケジューラ「MOT_SCH01」が使用される。
スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA1」が開始されると、まず、ファンクション「COMMAND:COM_NTA1_STA」を実行し、遊技盤側演出表示装置1600に鉈役物5003をガタガタさせる時のエフェクトの描画を開始する。
その後、ファンクション「MPLAY:PTA_NTA_GAT」を実行し、その後、30フレーム(約1秒間)のウエイト処理「NOP:30」を実行する。これにより、動作パターンデータ「PTA_NTA_GAT」に基づいて、1秒間、指定された動作を行う。具体的には、鉈役物5003がガタガタ振動する。
続いて、遊技者からの演出ボタンの入力を受け付けるために、3秒間のループ処理を実行する。具体的には、パラメータのループ回数を90回としてファンクション「LOOPST」を実行する。前述のように、ループ処理では、「LOOPST」と「LOOP」の間のファンクションを繰り返し実行する。したがって、ファンクション「SUBC:YKK_NTA1:TBL_YKK_NTA1」が最大90回実行される。
ファンクション「SUBC:YKK_NTA1:TBL_YKK_NTA1」について説明すると、スケジューラワークエリアインデックス分岐コール「SUBC」が、対象スケジューラワーク番号「YKK_NTA1」及びボタン鉈役物前半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA1」をパラメータとして実行される。
スケジューラ実行部5060は、ボタン鉈役物前半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA1」を参照し、ボタン鉈役物前半落下予告ワークエリア「YKK_NTA1」の内容に基づいて、分岐先となるスケジューラーデータの先頭アドレスを特定する。ボタン鉈役物前半落下予告ワークエリア「YKK_NTA1」にはボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選の結果が格納され、ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選に非当選の場合には「0:非当選」、ボタン鉈役物前半落下予告実行抽選に当選した場合には「1:鉈役物前半落下予告実行」が設定される。ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選の結果は、ボタン鉈役物前半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA1」の各レコードのインデックス(アドレス)に対応する。
ボタン鉈役物前半落下予告ワークエリア「YKK_NTA1」に「0:非当選」が設定されている場合には、ボタン鉈役物前半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA1」において、ボタン鉈役物前半落下予告未実行時モータスケジューラーデータ「SUBC_YKK_NTA1_NON」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_YKK_NTA1_NON」の内容は、ファンクション「STOP」のみであり、ボタン鉈役物前半落下予告抽選の結果が「非当選」であるため、ボタン鉈役物前半落下予告を実行せずにスケジューラーデータの実行を終了する。
一方、ボタン鉈役物前半落下予告ワークエリア「YKK_NTA1」に「1:鉈役物前半落下予告実行」が設定された場合、すなわち、ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選に当選した場合には、ボタン鉈役物前半落下予告抽選結果分岐コールテーブル「TBL_YKK_NTA1」において、鉈役物落下予告実行時モータスケジューラーデータ「SUBC_YKK_NTA1_DOWN」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_YKK_NTA1_DOWN」の内容は、ファンクション「SUBC:YKK_BTN:TBL_MOT_NTA1」であり、スケジューラワークエリアインデックス分岐コール「SUBC」が、対象スケジューラワーク番号「YKK_BTN」及びボタン鉈役物前半落下予告ボタン分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_NTA1」をパラメータとして実行される。
スケジューラ実行部5060は、ボタン鉈役物前半落下予告ボタン分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_NTA1」を参照し、ボタンON_OFFワークエリア「YKK_BTN」の内容に基づいて、分岐先となるスケジューラーデータの先頭アドレスを特定する。ボタンカットイン予告やボタンロゴ役物落下予告の場合と同様に、ボタンON_OFFワークエリア「YKK_BTN」には演出ボタンの操作状態が格納され、演出ボタンが操作されていない場合には「0:ボタン OFF」、演出ボタンが操作された場合には「1:ボタン ON」が設定される。演出ボタンの操作状態は、ボタン鉈役物前半落下予告分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_NTA1」の各レコードのインデックス(アドレス)に対応する。
ボタンON_OFFワークエリア「YKK_BTN」に「0:ボタン OFF」が設定されている間はボタン鉈役物前半落下予告ボタン分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_NTA1」において、ボタン鉈役物前半落下予告ボタンOFF時モータスケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_BTNOFF」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_BTNOFF」の内容は、ファンクション「RET」のみであり、呼び出し元のスケジューラーデータ「SUBC_YKK_NTA1_DOWN」のファンクション「SUBC:YKK_BTN:TBL_MOT_NTA1」の直後(ファンクション「RET」)に戻る。これにより、さらに、スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA1」のファンクション「LOOP」に戻る。したがって、ボタン鉈役物前半落下予告の実行抽選に当選した場合であっても90回のループ処理の間に演出ボタンの入力が検出されなかった場合には、ループ処理から抜け出してファンクション「STOP」が実行され、スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA1」が終了する。
一方、ボタンON_OFFワークエリア「YKK_BTN」に「1:ボタン ON」が設定された場合には、ボタン鉈役物前半落下予告ボタン分岐コールアドレステーブル「TBL_MOT_NTA1」において、ボタン鉈役物前半落下予告ボタンON時モータスケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_BTNON」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_BTNON」の内容は、まず、ファンクション「COMMAND:COM_NTA_STA−MID」を実行し、コマンド「COM_NTA_STA−MID」を発行する。コマンド「COM_NTA_STA−MID」は、鉈役物落下時のエフェクトを遊技盤側演出表示装置1600に描画を開始させるためのコマンドであり、演出制御部5020に対して発行される。
さらに、スケジューラ実行部5060は、コマンド「COM_NTA_STA−MID」の発行と同じフレーム内で、ファンクション「MPLAY:PTA_NTA_STA−MID」を実行する。パラメータ「PTA_NTA_STA−MID」は鉈役物5003を中間位置まで落下させる動作を行うためのパターンデータである。さらに、ファンクション「NOP:120」によって、120フレーム(約4秒間)のウエイト処理を実行し、この間に鉈役物5003が中間位置まで落下する。
最後に、ファンクション「MEMW:SCH_MEM_NTA:1」を実行することによって、スケジューラ用鉈位置情報ワークエリア「SCH_MEM_NTA」に「1」を書き込み、鉈役物5003が中間位置に移動したことを記録する。その後、ファンクション「STOP」によってスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA1」の実行を終了する。
鉈役物落下予告の前半部であるボタン鉈役物前半落下予告が終了すると、後半部である鉈役物後半落下予告を開始する。図412及び図413は、本実施形態の鉈役物落下予告の後半部である鉈役物後半落下予告におけるモータ制御を行う鉈役物後半落下予告スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA2」の内容を説明する図である。鉈役物後半落下予告スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA2」の実行には、ボタン鉈役物前半落下予告スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA1」と同様に、モータスケジューラ「MOT_SCH01」が使用される。
スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA2」が開始されると、まず、ファンクション「COMMAND:COM_NTA2_STA」を実行し、遊技盤側演出表示装置1600に鉈役物5003が落下するか否かを示唆するエフェクトの描画を開始する。その後、90フレーム(約3秒間)のウエイト処理「NOP:90」を実行する。
鉈役物5003が落下した場合に大当りの期待が大きくなるため、3秒間、エフェクト描画を行うことによって遊技者の期待感を高める。
続いて、スケジューラ実行部5060は、ファンクション「SUBC:YKK_NTA2:TBL_YKK_NTA2」を実行する。ファンクション「SUBC:YKK_NTA2:TBL_YKK_NTA2」では、スケジューラワークエリアインデックス分岐コール「SUBC」が、対象スケジューラワーク番号「YKK_NTA2」及び鉈役物後半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA2」をパラメータとして実行される。
スケジューラ実行部5060は、鉈役物後半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA2」を参照し、鉈役物後半落下予告2ワークエリア「YKK_NTA2」の内容に基づいて、分岐先となるスケジューラーデータの先頭アドレスを特定する。鉈役物後半落下予告2ワークエリア「YKK_NTA2」には鉈役物後半落下予告の実行抽選の結果が格納され、鉈役物後半落下予告の実行抽選に非当選の場合には「0:非当選」、鉈役物後半落下予告実行抽選に当選した場合には「1:鉈役物後半落下予告実行」が設定される。鉈役物後半落下予告の実行抽選の結果は、鉈役物後半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA2」の各レコードのインデックス(アドレス)に対応する。
鉈役物後半落下予告2ワークエリア「YKK_NTA2」に「0:非当選」が設定されている場合には、鉈役物後半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA2」において、鉈役物後半落下予告未実行時モータスケジューラーデータ「SUBC_YKK_NTA2_NON」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_YKK_NTA2_NON」では、ファンクション「SUBC:SCH_MEM_NTA:TBL_YKK_NTA2NON」を実行し、スケジューラ用鉈位置情報ワークエリア「SCH_MEM_NTA」の値及び鉈役物後半落下予告抽選結果非当選時分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA2NON」に基づいて分岐する。
スケジューラ用鉈位置情報ワークエリア「SCH_MEM_NTA」に「0:初期位置」が設定されている場合には、鉈役物後半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA2NON」において、鉈役物後半落下予告未実行時モータスケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_NON_NTA2_NON」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_NON_NTA2_NON」では、ファンクション「RET」を実行し、スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA2」まで復帰する。
「0:初期位置」が設定されている場合には、鉈役物後半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA2NON」において、鉈役物後半落下予告未実行時モータスケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_NON_NTA2_NON」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_NON_NTA2_NON」では、ファンクション「RET」を実行し、スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA2」まで復帰する。その後、スケジューラ用鉈位置情報ワークエリア「SCH_MEM_NTA」の値を「0:初期位置」に上書きし、スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA2」を終了する。
一方、スケジューラ用鉈位置情報ワークエリア「SCH_MEM_NTA」に「1:中間位置」が設定されている場合には、鉈役物後半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA2NON」において、鉈役物前半落下予告実行・後半落下予告非当選時モータスケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_DOWN_NTA2_NON」が選択される。
鉈役物前半落下予告実行・後半落下予告非当選時モータスケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_DOWN_NTA2_NON」では、まず、120フレーム(約4秒間)のウエイト処理「NOP:120」を実行する。ここで実行されるウエイト処理では、後述するように、鉈役物5003が下段位置にある場合に中間位置まで戻すための待機時間になる。ここでは、もともと中間位置に鉈役物5003があるため、4秒間待機することになる。
ウエイト処理終了後、ファンクション「MPLAY:PTA_NTA_INIT_MID−TOP」を実行し、鉈役物5003を中間位置から初期位置に復帰させる。さらに、鉈役物5003の動作時間を確保するために、120フレーム(約4秒間)のウエイト処理「NOP:120」を実行し、ファンクション「RET」によってスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA2」まで復帰する。
また、鉈役物後半落下予告2ワークエリア「YKK_NTA2」に「1:鉈後半落下予告」が設定されている場合には、鉈役物後半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA2」において、鉈役物後半落下予告当選時モータスケジューラーデータ「SUBC_YKK_NTA2_DOWN」が選択される。スケジューラーデータ「SUBC_YKK_NTA2_DOWN」では、ファンクション「SUBC:SCH_MEM_NTA:TBL_YKK_NTA2DOWN」を実行し、スケジューラ用鉈位置情報ワークエリア「SCH_MEM_NTA」の値及び鉈役物落下予告2分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA2DOWN」に基づいて分岐する。
スケジューラ用鉈位置情報ワークエリア「SCH_MEM_NTA」に「0:初期位置」が設定されている場合には、鉈役物後半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA2DOWN」において、鉈役物前半落下予告未実行・後半落下予告当選時モータスケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_NON_NTA2_DOWN」が選択される。
スケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_NON_NTA2_DOWN」では(図413)、まず、ファンクション「COMMAND:COM_NTA_STA−END」を実行し、コマンド「COM_NTA_STA−END」を発行する。コマンド「COM_NTA_STA−END」は、遊技盤側演出表示装置1600に鉈役物5003が初期位置から下段位置まで落下するエフェクトの描画を開始させるためのコマンドである。
さらに、スケジューラ実行部5060は、コマンド「COM_NTA_STA−END」の発行と同じフレーム内で、ファンクション「MPLAY:PTA_NTA_STA−END」を実行する。パラメータ「PTA_NTA_STA−END」は鉈役物5003を下段位置まで落下させる動作を行うためのパターンデータである。さらに、ファンクション「NOP:240」によって、240フレーム(約8秒間)のウエイト処理を実行し、この間に鉈役物5003を初期位置から下段位置まで落下させる。
そして、鉈役物5003が下段位置まで移動したタイミングで、ファンクション「COMMAND:COM_NTA_END」を実行し、コマンド「COM_NTA_END」を発行する。コマンド「COM_NTA_END」は、遊技盤側演出表示装置1600に鉈役物5003が下段位置に到達したエフェクトの描画を開始させるためのコマンドである。さらに、ファンクション「NOP:90」によって、90フレーム(約3秒間)のウエイト処理を実行し、遊技盤側演出表示装置1600でエフェクトの描画を継続させる。
その後、ファンクション「MPLAY:PTA_NTA_INIT_END−MID」を実行する。パラメータ「PTA_NTA_INIT_END−MID」は鉈役物5003を下段位置から中間位置まで復帰させる動作を行うためのパターンデータである。
続いて、ファンクション「CALL:SUBC_MOT_NTA1_DOWN_NTA2_NON」を実行し、前述したスケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_DOWN_NTA2_NON」を呼び出すことで、鉈役物5003を中段位置から初期位置に復帰させる。その後、ファンクション「RET」によってスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA2」まで復帰する。
一方、スケジューラ用鉈位置情報ワークエリア「SCH_MEM_NTA」に「1:中間位置」が設定されている場合には、鉈役物後半落下予告抽選結果分岐コールアドレステーブル「TBL_YKK_NTA2DOWN」において、鉈役物前半落下予告実行・後半落下予告当選時モータスケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_DOWN_NTA2_DOWN」が選択される。
スケジューラーデータ「SUBC_MOT_NTA1_DOWN_NTA2_DOWN」では(図413)、まず、ファンクション「COMMAND:COM_NTA_MID−END」を実行し、コマンド「COM_NTA_MID−END」を発行する。コマンド「COM_NTA_MID−END」は、遊技盤側演出表示装置1600に鉈役物5003が中間位置から下段位置まで落下するエフェクトの描画を開始させるためのコマンドである。
さらに、スケジューラ実行部5060は、コマンド「COM_NTA_STA−END」の発行と同じフレーム内で、ファンクション「MPLAY:PTA_NTA_STA−END」を実行する。パラメータ「PTA_NTA_STA−END」は鉈役物5003を下段位置まで落下させる動作を行うためのパターンデータである。さらに、ファンクション「NOP:120」によって、120フレーム(約4秒間)のウエイト処理を実行し、この間に鉈役物5003を中間位置から下段位置まで落下させる。
そして、鉈役物5003が下段位置まで移動したタイミングで、ファンクション「COMMAND:COM_NTA_END」を実行し、コマンド「COM_NTA_END」を発行する。コマンド「COM_NTA_END」は、遊技盤側演出表示装置1600に鉈役物5003が下段位置に到達したエフェクトの描画を開始させるためのコマンドである。さらに、ファンクション「NOP:90」によって、90フレーム(約3秒間)のウエイト処理を実行し、遊技盤側演出表示装置1600でエフェクトの描画を継続させる。
ここで、初期位置から下段位置まで鉈役物5003が落下した場合と鉈役物5003を初期位置に復帰させる動作を開始するタイミングを合わせるために、ファンクション「NOP:120」によって、120フレーム(約4秒間)のウエイト処理を実行する。この時間は、鉈役物5003が初期位置から中間位置に移動するまでの時間である。
その後、「SUBC_MOT_NTA1_NON_NTA2_DOWN」の場合と同様に、ファンクション「MPLAY:PTA_NTA_INIT_END−MID」を実行し、鉈役物5003を下段位置から中間位置まで復帰させる。さらに、ファンクション「CALL:SUBC_MOT_NTA1_DOWN_NTA2_NON」を実行し、鉈役物5003を中段位置から初期位置に復帰させる。その後、ファンクション「RET」によってスケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA2」まで復帰する。
鉈役物5003が初期位置に戻り、スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA2」まで復帰すると、ファンクション「MEMW:SCH_MEM_NTA:0」を実行し、スケジューラ用鉈位置情報ワークエリア「SCH_MEM_NTA」の値を「0:初期位置」に更新し、スケジューラーデータ「SCH_MOT_YKK_NTA2」を終了する。
鉈役物落下予告では、前半部と後半部にスケジューラーデータが分割されており、前半部において遊技者が演出ボタンを操作するか否かによって、後半部における鉈役物5003の動作が異なる。そこで、前半部においてファンクション「MEMW」を使用して鉈役物5003の位置を書き込み、後半部で書き込まれた位置情報を取得することによって、鉈役物5003の位置を特定することを可能とする。これにより、鉈役物5003の位置ごとにモータの移動量を判断することができ、各対応したスケジューラデータを呼び出すことで演出ボタンの操作結果に応じた演出を実行することを可能としている。
また、鉈役物5003の動作後の初期位置への復帰動作においても中間位置から初期位置への移動で共通のスケジューラーデータを呼び出しているため、スケジューラーデータ全体を簡素化することができる。
ファンクション「MEMW」は、スケジューラーデータの実行時に所定の領域に固定値を書き込み、他のスケジューラーデータの実行時に参照することによって共通の値を参照することができる。これにより、複数のスケジューラーデータの実行によって変化する状態などを示す値を各スケジューラーデータの実行時に特定することができるため、遊技者の操作などに応じた処理をプログラムコードを作成したり、状態ごとにスケジューラーデータを作成したりすることなく、スケジューラーデータの定義のみで処理を完結させることができる。これにより、状態によって異なる処理を必要とするスケジューラーデータであっても必要数を最低限に抑制することが可能となり、スケジューラーデータの作成やデバッグを効率化し、管理を容易にすることができる。また、本実施形態では、固定値を書き込むファンクションとなっているが、固定値の代わりにワーク名称をファンクションのパラメータで指定することで、プログラム側からのデータの受け渡しや、コマンド情報に基づいた処理をスケジューラ上で行えることになり、より複雑な処理をスケジューラで行えることになる。ファンクション「MEMW」の特異な特徴は、ファンクション「MEMW」を含むスケジューラデータ実行開始時に決定していない情報に関しても、ファンクション「MEMW」実行時までに情報が決定すれば処理を行うことができる。これにより有効時間の制御やインタラクティブな制御を可能としている。
[18−10.スケジューラーデータの構成例(変動パターン)]
以上、一連の予告演出を実行する流れについて説明した。このような一連の予告演出の実行内容は、主制御基板1310から送信された変動パターンコマンドに基づいて抽選される。さらに、具体的な演出内容が予告演出ごとに抽選される。
以下、主制御基板1310から送信された変動パターンコマンドに基づいて、一連の予告演出の実行を制御する手順と、これら一連の予告演出と変動パターンに関わる基本演出(予告演出以外の抽選に関わらず演出され、変動パターンと一対一となる背景演出や図柄演出に関わる演出)を実行するためのスケジューラーデータの構成について説明する。
本実施形態では、特別図柄の変動が開始されてから変動停止するまでの期間を所定の構成単位で分割したブロック単位(演出区間)で管理している。ブロックは、例えば、図柄変動の開始からリーチが発生するまで、又は、リーチが発生しない場合には図柄が停止するまでの間(前半変動)、リーチ発生から図柄が停止するまでの間(後半変動)、図柄の停止から当該変動が終了するまでの間などとなっている。また、各ブロックには、変動パターンに対応した時間が割り当てられており、割り当てられた時間内での予告演出の実行タイミングや実行時間が定義されている。各ブロックに対応する時間及び実行される基本演出に関するデータをあわせてブロックデータとする。
また、ブロック分割のルールは、複数の変動パターンで変動に関わる基本演出を比較した場合、同一の基本演出部分を共通のブロックデータとし、液晶表示の基本演出に相違がある部分をブロックデータとして分割する。図414Aを参照すると、本実施形態における変動パターンコマンドに対応する液晶演出ブロックデータの組み合わせを格納する変動パターン別液晶演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル(LCD_CTL_BLOCKDATA_NO)では、変動パターン「10H01H」は通常変動6秒ハズレとなっており、通常の変動を6秒間行い、その後ハズレの図柄演出を行う。通常変動の6秒演出、ハズレ停止演出は他の変動パターンでも使用するため、通常変動の6秒間の液晶演出ブロックデータ(LCD01_BLK)と、ハズレ停止の液晶演出ブロックデータ(LCD02_BLK)に分割される。
変動パターン「10H02H」は通常変動12秒ハズレとなっており、通常の変動を12秒間行い、その後ハズレの図柄演出を行う。通常変動の12秒演出は他の変動パターンでも使用するため、通常変動の12秒間の液晶演出ブロックデータ(LCD03_BLK)として分割し、ハズレの図柄演出に関しては変動パターン「10H01H」とまったく同じとなるため、ハズレ停止の液晶演出ブロックデータは、変動パターン「10H01H」で液晶表示ブロックに分割した、ハズレ停止の液晶演出ブロックデータ(LCD02_BLK)を共通で使用する。他の変動パターンに関しても、同じように、基本演出に関して既にブロックデータ化されている部分に関しては、共通で使用し、相違がある部分に関しては新たにブロックデータ化を行う。
以上のように、ブロック化を行うことによって共通の基本演出部分はユニークな数のブロックデータとなり、すべての変動パターン及び変動以外の大当り等の基本演出は、ユニークな液晶演出ブロックデータを組み合わせることで、すべての変動パターン及び変動以外の大当り等の基本演出の実現が可能となる。なお、作成すべき演出データの総量が大幅に少なくなることも重要であるが、ブロック化の最大の目的は、特定の基本演出の変更があった場合に、特定の基本演出が含まれる液晶演出ブロックデータを使用しているすべての変動パターンに変更が反映されることである。
本実施形態における液晶表示に関しては、音源内蔵VDP1540aを制御するため、本実施形態における、音、ランプ、役物のスケジューラーデータとはまったく異なったフォーマットと機能になっているが、ブロックデータごとに基本演出用の描画スケジューラーデータと予告演出用の描画スケジューラーデータが組み合わされる構成は、音、ランプ、役物等を制御するサブ演出ブロックデータと同じ構成となっている。また、液晶表示用の描画スケジューラーデータは、背景に表示される絵やムービー、図柄に関わる演出に関わる、フレーム情報、静止画や動画素材ID、表示位置情報、拡大縮小情報、回転角度情報、色情報、アルファ情報等、音源内蔵VDP1540aに対するディスプレイリストコマンドを生成するための制御情報を指定可能なファンクションで構成されており、また、ブロックデータ内で発生する予告演出に関わる演出の種類や実行タイミングを示す情報などが埋め込まれている。
さらに、本実施形態では、液晶表示装置に識別図柄を変動表示させるためのブロックデータを、その他の液晶演出を行うためのブロックデータとは別に、液晶図柄ブロックデータとして定義している。これにより、識別図柄を変動表示させるための制御を他の液晶演出の制御と独立させることが可能となり、例えば、識別図柄の形状を異ならせて変動表示させる場合であっても共通の予告演出を液晶表示装置で実行することが可能となる。なお、図柄表示用の描画スケジューラーデータは、液晶演出用の描画スケジューラーデータと同じフォーマットと機能になっている。また、ブロックデータごとに基本演出用の描画スケジューラーデータと図柄に関わる予告演出用の描画スケジューラーデータが組み合わされる構成は、前述したサブ演出ブロックデータや液晶演出ブロックデータと同じ構成となっている。図柄表示用の描画スケジューラーデータは、液晶表示用の描画スケジューラーデータと同じ構成及び機能となっており、加えて、識別図柄の変動表示の態様を特定する情報などが埋め込まれている。
図414Aは、本実施形態における変動パターンコマンドに対応する液晶演出ブロックデータの組み合わせを格納する変動パターン別液晶演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル(LCD_CTL_BLOCKDATA_NO)を説明する図である。図414Bは、本実施形態における変動パターンコマンドに対応する液晶図柄ブロックデータの組み合わせを格納する変動パターン別液晶図柄ブロックデータ組み合わせ番号(ZUG_CTL_BLOCKDATA_NO)を説明する図である。図415は、本実施形態における変動パターンコマンドに対応するサブ演出ブロックデータの組み合わせを格納する変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル(SCH_CTL_BLOCKDATA_NO)を説明する図である。
変動パターン別液晶演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル(LCD_CTL_BLOCKDATA_NO)は、変動パターンごとの液晶演出ブロックデータの組み合わせを示す情報を保持するテーブルである。例えば、変動パターン番号に対し、構成する液晶演出ブロックデータを特定するユニークな番号が時系列順に保持されている。例えば、変動パターン番号が「10H03H」の場合には、前半変動において12秒間の通常変動を示す「LCD03_BLK」、後半変動においてノーマルショートリーチを示す「LCD04_BLK」、はずれ停止時を示す「LCD02_BLK」によって構成される。このとき、「LCD03_BLK」、「LCD04_BLK」、「LCD02_BLK」の順に格納される。このように、変動パターンごとに液晶演出ブロックデータをつなげ合わせることによって基本演出及び予告演出の構成を定義(実現)することができる。
また、図414に示すように、同一の演出区間には、すべて同じ液晶演出ブロックデータが使用されている。例えば、前半変動が通常変動12秒の場合には実際に実行される予告演出の内容に関わらず「LCD03_BLK」が使用される。これにより、液晶演出ブロックデータの数を変動の種類に対応するユニークな個数で実現することが可能となっており、変動パターンごとに液晶演出ブロックデータを一意に特定することができる。
図414Bに示すように、変動パターン別液晶図柄ブロックデータ組み合わせ番号テーブル(ZUG_CTL_BLOCKDATA_NO)は、変動パターン別液晶演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブルと同様に、変動パターンごとのブロックデータの組み合わせを示す情報を保持する。また、変動パターン番号に対応するサブ演出ブロックデータは、同じ変動パターン番号の液晶演出ブロックデータと一対一に対応する構成(同じ組み合わせ、同じ演出時間)で定義される。
また、図415に示すように、変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル(SCH_CTL_BLOCKDATA_NO)は、変動パターン別液晶演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブルと同様に、変動パターンごとのブロックデータの組み合わせを示す情報を保持する。また、変動パターン番号に対応するサブ演出ブロックデータは、同じ変動パターン番号の液晶演出ブロックデータ及び液晶図柄ブロックデータと一対一に対応する構成(同じ組み合わせ、同じ演出時間)で定義される。
次に、変動パターンに対応するスケジューラーデータに基づく予告演出の実行手順について説明する。ここでは、変動パターン「10H03H」に対応する演出スケジューラーデータに基づく基本演出と予告演出の実行手順について説明する。まず、液晶演出ブロックデータに基づく演出制御、液晶図柄ブロックデータに基づく演出制御及びサブ演出ブロックデータに基づく演出制御を実行する手順の概要について説明する。図416は、本実施形態における変動パターン「10H03H」の前半変動(通常変動12秒)の演出制御の概要を説明する図である。
主制御基板1310から変動パターンコマンド(メイン変動関連コマンド)「10H03H」を受信すると、コマンド解析モジュール5200が受信したコマンドを解析することによって、変動パターン番号「10H03H」が特定され、演出制御部5020に通知する。
演出制御部5020は、図392Aにて説明したように、使用するレイヤを決定するとともに、レイヤに対応するブロックデータ番号を決定し、決定したブロック番号を元に、各変動パターン番号「10H03H」に対応するブロックデータ番号を、変動パターン別液晶演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル(LCD_CTL_BLOCKDATA_NO)、変動パターン別液晶図柄ブロックデータ組み合わせ番号テーブル(ZUG_CTL_BLOCKDATA_NO)及び変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル(SCH_CTL_BLOCKDATA_NO)から取得する。各演出装置に対応するブロックデータ番号をすべて同じ番号とすることで、各演出装置の演出をすべて同期して実行することが可能となる。
そして、演出制御部5020は、液晶演出ブロック制御部5310、液晶図柄ブロック制御部5311及びサブ演出ブロック制御部5320に、全レイヤ数分のブロックデータ番号を送信する。
その後、液晶演出ブロック制御部5310は液晶演出1f描画スケジューラ実行部5331、液晶図柄ブロック制御部5311は液晶図柄1f描画スケジューラ実行部5332、サブ演出ブロック制御部5320はサブ演出1f(1ms)スケジューラ実行部5333(5334)によって、送信されたブロックデータ番号に対応するブロックデータを時系列順に実行する。具体的には、液晶演出1f描画スケジューラ実行部5331は前半変動に対応する通常変動12秒液晶演出ブロックデータ「LCD03_BLK」、液晶図柄1f描画スケジューラ実行部5332は通常変動12秒液晶図柄ブロックデータ「ZUG03_BLK」、サブ演出1f(1ms)スケジューラ実行部5333(5334)は通常変動12秒サブ演出ブロックデータ「SCH03_BLK」を実行する。
液晶演出ブロックデータの処理を開始すると、当該液晶演出ブロックデータに対応する一又は複数の液晶演出1fスケジューラを起動し、演出内容に応じて特定された描画スケジューラーデータを実行する。描画スケジューラーデータには、液晶表示装置に画像を表示するための液晶ファンクション情報が含まれ、演出内容に応じたパラメータを指定し、所定の順序で液晶ファンクション情報を液晶モジュール5400に送信する。液晶モジュール5400は受信した液晶ファンクション情報を解析実行し、音源内蔵VDP1540aに対してDISPLAYリストを送信することで液晶表示装置に描画が行われる。
また、液晶図柄ブロックデータを処理する場合には、液晶図柄1fスケジューラを起動し、識別図柄の変動表示態様に応じた描画スケジューラーデータを実行する。液晶表示装置に描画する手順については、液晶演出ブロックデータを処理する場合と同様である。
一方、サブ演出ブロックデータの処理を開始すると、当該サブ演出ブロックデータに対応する一又は複数のサブ演出1f(1ms)スケジューラを起動し、演出内容に応じて特定されたスケジューラーデータを実行する。なお、スケジューラは実行周期に応じて用意してもよいし、共用として起動時に実行周期を設定するようにしてもよい。
スケジューラーデータには、前述したように、ランプ(「KPLAY」)、スピーカー(「SPLAY」)、役物(「MPLAY」)などの演出装置を制御するための演出データ指定ファンクションが含まれている。演出データ指定ファンクションを定義された順序で順次実行することによって指定された演出を実行するように構成されている。演出データ指定ファンクションは、制御対象の演出装置に対応するモジュール(ランプモジュール5600、サウンドモジュール5500、駆動装置(モータ)モジュール5700等)に送信され、各モジュールによって各種演出装置による演出が実行される。
また、スケジューラーデータから他のスケジューラーデータをファンクション「REQ、REQF」によって呼び出すことも可能である。このとき呼び出されたスケジューラーデータにおいて演出データ指定ファンクションを実行することによって各種演出装置を制御することが可能となっている。さらに、コマンド送信ファンクション「COMMAND」又は「COMMAND0」を使用することによって、ファンクションではなくコマンドによる制御が可能となっている。例えば、役物の動作を制御する演出データ指定ファンクションを実行するタイミングで、液晶コマンドを液晶モジュール5400に送信することによって、前述した鉈役物落下予告演出のように役物の動作と描画が連携した演出を実行することができる。
ここで、サブ演出ブロックデータを使用して演出制御を実行する手順について説明する。図417は、本実施形態の変動パターンレイヤに関わる変動パターン別サブ演出ブロックデータ制御開始処理の手順を示すフローチャートである。
演出ブロック制御部5040は、コマンド解析モジュール5200から通知された変動パターン番号に基づいて、演出制御部5020で変動パターンレイヤが選択され、変動パターンに対応する、変動パターン別ブロックデータ番号の制御を変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル(図415)用いて制御を開始する。変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル(図415)の行位置を変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル行インデックスにセットする(ステップS7001)。例えば、図415に示すテーブルであれば、変動パターン番号が「10H01H」であれば変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル行インデックスに「0」が設定され、変動パターン番号が「10H03H」であれば3行目であるため、変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル行インデックスに「2」(行―1)が設定される。
次に、演出ブロック制御部5040は、変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル列インデックスを「0」で初期化する(ステップS7002)。指定された行(変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル行インデックス)の1列目に対応するサブ演出ブロックデータから開始される。最後に、演出ブロック制御部5040は、スケジューラ実行部5060によって変動パターン別サブ演出ブロックデータ制御スケジューラ起動処理を実行する(ステップS7003)。これにより、変動パターン別サブ演出ブロックデータを実行するためのスケジューラを起動し、サブ演出ブロックデータに含まれるスケジューラーデータを実行する。
図418は、本実施形態の変動パターン別サブ演出ブロックデータ制御起動処理の手順を示すフローチャートである。
スケジューラ実行部5060は、まず、変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブルから行及び列インデックスに基づいて、変動パターン別サブ演出ブロックデータ番号テーブルの番号を取得する(ステップS7011)。さらに、サブ演出ブロックデータ番号テーブル行インデックスを「0」で初期化する(ステップS7012)。
これにより、変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブルから特定された変動パターン別サブ演出ブロックデータ番号テーブルの先頭のレコードから処理を開始する。
続いて、スケジューラ実行部5060は、変動パターン別サブ演出ブロックデータ内に登録されたスケジューラデータを起動する(ステップS7013)。スケジューラデータは、変動パターン別サブ演出ブロックデータ番号テーブル(図420(B))に登録された各演出に対応するサブ演出ブロックデータ内に登録されている。具体的には、サブ演出ブロックデータ番号テーブル行インデックスに基づいて、サブ演出ブロックデータ番号テーブルから各演出(背景サブ演出ブロックデータ、予告に対応するサブ演出ブロックデータ)に対応するサブ演出ブロックデータを取得する。各演出(背景サブ演出ブロックデータ、予告に対応するサブ演出ブロックデータ)に対応するサブ演出ブロックデータには、一又は複数のスケジューラデータが登録されており、スケジューラデータ毎に対応するスケジューラが定義されている。複数のスケジューラデータが登録されている場合には、予告の抽選結果等に基づいて一又は複数のスケジューラデータを対応させる。
さらに、スケジューラ実行部5060は、サブ演出ブロックデータ内に定義されたすべてのスケジューラデータの起動が終了すると、サブ演出ブロックデータ番号テーブル行インデックスを更新し、サブ演出ブロックデータ番号テーブル行インデックスが変動パターン別サブ演出ブロックデータ番号テーブルの行の要素数を超えたか否かを判定する(ステップS7014)。変動パターン別サブ演出ブロックデータ番号テーブルの行の要素数を超えた場合には(ステップS7014の結果が「YES」)、サブ演出ブロックデータ制御起動処理を終了する。一方、変動パターン別サブ演出ブロックデータ番号テーブル行要素数を超えない場合には(ステップS7014の結果が「NO」)、次のサブ演出ブロックデータを処理する。
図419は、本実施形態の変動パターン別サブ演出ブロックデータ制御更新処理の手順を示すフローチャートである。変動パターン別サブ演出ブロックデータ制御更新処理では、変動パターン別サブ演出ブロックデータ番号テーブルを構成する各演出(背景サブ演出ブロックデータ、予告に対応するサブ演出ブロックデータ)に対応するサブ演出ブロックデータ内のすべてのスケジューラデータの実行が完了した場合に、次の変動パターン別サブ演出ブロックデータを実行するための処理である。変動パターン別サブ演出ブロックデータ制御更新処理は、周期的に実行され、変動パターン別サブ演出ブロックデータの実行状況を監視する。
スケジューラ実行部5060は、まず、変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブルから変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル行及び列インデックスを用いて、変動パターン別サブ演出ブロックデータ番号テーブルの番号を取得する(ステップS7021)。これにより、変動パターン別サブ演出ブロックデータ番号テーブルを構成する各演出(背景サブ演出ブロックデータ、予告に対応するサブ演出ブロックデータ)に対応するサブ演出ブロックデータを特定し、サブ演出ブロックデータに定義されているスケジューラが実行中であるか否かを判定する(ステップS7022)。実行中であれば(ステップS7022の結果が「YES」)、そのままスケジューラの実行を継続し、サブ演出ブロックデータ制御更新処理を終了する。
次に、スケジューラ実行部5060は、変動パターン別サブ演出ブロックデータで定義された各演出(背景サブ演出ブロックデータ、予告に対応するサブ演出ブロックデータ)に対応するサブ演出ブロックデータの全スケジューラの動作が終了した場合には(ステップS7022の結果が「NO」)、変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせ番号テーブル列インデックスをインクリメントし、次の列データが終了データ(「DATA_END」)であるか否かを判定する(ステップS7023)。終了データであれば(ステップS7023の結果が「YES」)、一連の演出が完了しているため、変動パターン別サブ演出ブロックデータ制御更新処理を終了する。
一方、次の列データが終了データでない場合には(ステップS7023の結果が「NO」)、スケジューラ実行部5060は、次の列データに対応する変動パターン別サブ演出ブロックデータの実行を開始するため、変動パターン別サブ演出データブロック制御スケジューラ起動処理を実行する(ステップS7024)。
図414A、図414B及び図415にて説明したように、変動パターン別サブ演出ブロックデータは液晶演出ブロックデータや液晶図柄ブロックデータに対応付けて定義され、対応するブロックデータを同じタイミングで実行し、各ブロックデータの実行時間を同一にすることによって描画スケジューラによる演出制御とサブ演出スケジューラによる演出制御、複数のスケジューラによる演出制御を同期させることができる。また、ブロック化を行うことで、同一の変動パターンであれば、演出の組み合わせや演出の出現の有無にかかわらず、演出ブロック及び演出ブロックで定義されるスケジューラの起動回数は必ず同じ回数となり、プログラムの複雑さを低減することができ、結果、品質を向上させることができる。
以上のように、本実施形態では、一又は複数の描画スケジューラ及びサブ演出スケジューラによる演出制御を同期させることによって、各種演出装置の動作を連携させることを可能とし、違和感のない多彩な演出を実行することができる。また、同一の実行時間を有するスケジューラーデータを並行して実行可能とすることから、各種演出装置の制御を行うスケジューラーデータを演出装置単位、ブロックデータ単位で、独立して開発及び動作確認を行うことが可能となり、開発効率を向上させることができる。
図420は、本実施形態の変動パターン「10H03H」に対応する変動表示の基本演出と予告演出を実行する手順について説明する図であり、(A)は基本演出と予告演出を実行するタイミング及び当該予告演出の実行時間、(B)は変動パターン別サブ演出ブロックデータの構成を示している。変動パターン別サブ演出ブロックデータは、背景演出と予告演出を実行するための背景サブ演出ブロックデータと予告サブ演出ブロックデータを含む。なお、図420(B)では、背景ブロックデータ、予告ブロックデータの2種類のサブ演出ブロックデータの組み合わせとなっているが、サブ演出ブロックデータの数を変動させることができる。
図420に示すように、変動パターン「10H03H」の変動表示を構成する変動パターン別サブ演出ブロックデータは、「SCH03_BLK」(通常変動12秒)、「SCH04_BLK」(ノーマルショートリーチ)、「SCH02_BLK」(ハズレ停止)によって構成される。変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH03_BLK」は、変動開始から左図柄及び右図柄が停止するまでの12秒間に対応する。変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH04_BLK」は、左図柄及び右図柄が同じ識別図柄で停止し、ノーマルショートリーチが実行される期間に対応する。変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH02_BLK」は、中図柄が停止して変動表示の結果がハズレに確定し、確定図柄が表示されている期間に対応する。
変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH03_BLK」では、図420(A)に示すように、ステップアップ予告、BTNロゴ役物落下予告及び図柄停止予告の予告に関わるサブ演出ブロックデータと背景に関わるサブ演出ブロックデータが定義される。また、サブ演出ブロックデータ「SCH04_BLK」では、カットイン予告及び群予告のサブ演出ブロックデータと背景に関わるサブ演出ブロックデータが定義される。さらに、サブ演出ブロック「SCH02_BLK」では、予告演出サブ演出ブロックデータは定義せず、背景に関わるサブ演出ブロックデータが定義される。なお、図中では、予告演出の実行が重複しないようになっているが複数の予告演出を重複するよう予告ブロックデータを複数定義して実行してもよい。なお、図420に示した各予告演出の内容は前述したとおりである。
以下、各サブ演出ブロックデータによる演出制御について説明する。図420(B)に示すように、変動パターン「10H03H」の変動表示における2種類のサブ演出ブロックデータが並行して実行される。まず、変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH03_BLK」について説明する。
背景に関わるサブ演出スケジューラデータには、通常変動12秒背景サブ演出ブロックデータが定義されている。通常変動12秒背景サブ演出ブロックデータには、通常変動12秒背景に関わるサブ演出スケジューラ番号とサブ演出スケジューラデータが定義されている。通常変動12秒背景サブ演出ブロックデータは、背景に関わるスケジューラデータとなるため、サブ演出ブロックデータ「SCH03_BLK」と同一の演出時間となっている。そのため、サブ演出ブロックデータ「SCH03_BLK」が終了するまで継続して実行される。
予告に関わるサブ演出スケジューラデータには、ファンクション「NOP」とステップアップ予告サブ演出ブロックデータ、BTNロゴ役物落下予告サブ演出ブロックデータ、図柄停止予告サブ演出ブロックデータが定義されている。ファンクション「NOP」は液晶演出スケジューラと同期させるためのウエイトとなり、液晶演出に合わせてサブ演出を行うために定義している。ステップアップ予告サブ演出ブロックデータは、ステップアップ予告に関わるサブ演出スケジューラ番号とサブ演出スケジューラデータが定義されている。ステップアップ予告サブ演出ブロックデータは、ステップアップ予告液晶演出ブロックデータと同一の演出時間となっている。BTNロゴ役物落下予告サブ演出ブロックデータはBTNロゴ役物落下予告に関わるサブ演出スケジューラ番号とサブ演出スケジューラデータが定義されている。BTNロゴ役物落下予告サブ演出ブロックデータは、BTNロゴ役物落下予告液晶演出ブロックデータと同一の演出時間となっている。図柄停止予告サブ演出ブロックデータは図柄停止予告に関わるサブ演出スケジューラ番号とサブ演出スケジューラデータが定義されている。図柄停止予告サブ演出ブロックデータは、図柄停止予告液晶演出ブロックデータと同一の演出時間となっている。変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH03_BLK」は、上記のサブ演出ブロックデータを組み合わせ実行することで構成される。
上記のサブ演出ブロックデータを液晶演出ブロックデータと同期して実行することにより、サブ演出ブロックデータ内に定義される、各音、ランプ、モータのスケジューラデータが、液晶演出と同期して実行されることになる。
このとき、変動開始から最初の液晶演出ブロックデータ(ステップアップ予告)が開始されるまでの間、各液晶予告演出に対応する液晶演出ブロックデータの終了から次の液晶予告演出対応する液晶演出ブロックデータの開始までの間、及び、最後の液晶予告演出(図柄停止予告)に対応する液晶演出ブロックデータが終了してから変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH03_BLK」の実行が終了するまでの間、ファンクション「NOP」が実行され、指定された時間だけ待機する。このように、変動パターン別スケジューラブロック内での各液晶演出ブロックデータに対応するサブ演出スケジューラーデータの出現タイミングをファンクション「NOP」によって制御することにより、プログラムなどによって各予告演出の実行タイミングで逐次スケジューラーデータの実行を指示することなく、対応するスケジューラーデータを開始すれば、指定されたタイミングで液晶予告演出に対応した各演出装置の演出を実行することが可能となる。また、変動パターン別サブ演出ブロックデータ内の各スケジューラーデータの最後のファンクション「NOP」はなくてもよいものとする。
ランプ、音、役物などの演出装置を制御するスケジューラーデータで設定される予告演出の実行時間は、予告演出ごとに共通の時間が定義される。これにより、サブ演出ブロックデータによる制御が開始されてから各予告演出が実行されるまでの時間が一意に決定されるため、各演出装置の制御タイミングを同期させることができる。
また、変動パターン別サブ演出ブロックデータ実行時における時間情報は、変動開始でからはなく変動パターン別サブ演出ブロックデータ実行開始時からの相対値で管理される。これにより、同一の変動パターン別サブ演出ブロックデータを複数の変動パターンで使用した場合に、変動パターン毎に、変動パターン別サブ演出ブロックデータ内の各演出は、変動開始時からの演出開始時間が異なることになるが、変動パターン別サブ演出ブロックデータ内で時間値が相対的に管理されているため、問題なく処理することができる。なお、変動パターン別液晶演出ブロックデータの場合も同様に変動パターン別液晶演出ブロックデータ実行開始時からの相対値で管理され、変動パターン別液晶図柄ブロックデータの場合も同様に変動パターン別液晶図柄ブロックデータ実行開始時からの相対値で管理される。
次に、変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH04_BLK」について説明する。変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH04_BLK」はノーマルショートリーチに対応するが、このとき、2種類のサブ演出ブロックデータが並行して実行される。
背景に関わるサブ演出スケジューラデータには、ノーマルショートリーチ背景サブ演出ブロックデータが定義されている。ノーマルショートリーチ背景サブ演出ブロックデータには、ノーマルショートリーチ背景に関わるサブ演出スケジューラ番号とサブ演出スケジューラデータが定義されている。ノーマルショートリーチ背景サブ演出ブロックデータは、背景に関わるスケジューラデータとなるため、変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH04_BLK」と同一の演出時間となっている。そのため変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH04_BLK」が終了するまで継続して実行される。
予告に関わるサブ演出スケジューラデータには、ファンクション「NOP」とカットイン予告サブ演出ブロックデータ、群予告サブ演出ブロックデータが定義されている。ファンクション「NOP」は、液晶演出スケジューラと同期させるためのウエイトとなり、液晶演出に合わせてサブ演出を実行するために定義されている。カットイン予告サブ演出ブロックデータは、カットイン予告に関わるサブ演出スケジューラ番号とサブ演出スケジューラデータが定義されている。カットイン予告サブ演出ブロックデータは、カットイン予告液晶演出ブロックデータと同一の演出時間となっている。群予告サブ演出ブロックデータは、群予告に関わるサブ演出スケジューラ番号とサブ演出スケジューラデータが定義されている。群予告サブ演出ブロックデータは、群告液晶演出ブロックデータと同一の演出時間となっている。変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH04_BLK」は上記のサブ演出ブロックデータを組み合わせ実行することで構成される。
上記のサブ演出ブロックデータを液晶演出ブロックデータと同期して実行することにより、サブ演出ブロックデータ内に定義される、各音、ランプ、モータのスケジューラデータが、液晶演出と同期して実行されることになる。
また、変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH04_BLK」では、変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH03_BLK」と同じ、サブ演出ブロックデータ列数となっているが、サブ演出ブロックデータ列数の増減することは問題ない。
最後に、変動パターン別サブ演出ブロックデータ「SCH02_BLK」では、予告に関わる演出が行われないため、ハズレ停止背景サブ演出ブロックデータのみ実行される。
背景に関わるサブ演出スケジューラデータには、ハズレ停止背景サブ演出ブロックデータが定義されている。ハズレ停止背景サブ演出ブロックデータには、通常変動12秒背景に関わるサブ演出スケジューラ番号とサブ演出スケジューラデータが定義されている。ハズレ停止背景サブ演出ブロックデータは、背景に関わるスケジューラデータとなるため、サブ演出ブロックデータ「SCH02_BLK」と同一の演出時間となっている。そのためサブ演出ブロックデータ「SCH02_BLK」が終了するまで継続して実行される。
図421は、本実施形態の変動パターン別液晶演出ブロックデータと変動パターン別液晶図柄ブロックデータとの関係を説明する図である。変動パターン別液晶演出ブロックデータと変動パターン別液晶図柄ブロックデータは、液晶演出スケジューラデータ内でのスケジューラデータにおいて実行されるファンクションが、サブ演出ブロックデータ内のスケジューラデータで実行されるファンクションと相違するのみであり、データフォーマット及び制御方法に関しては共通であるため説明を省略する。
続いて、図392Bにて説明したステップアップ演出を例に、サブ演出ブロックデータの構成について説明する。まず、ステップアップ予告用の液晶表示スケジューラーデータを作成する概要について説明する。図422は、本実施形態の液晶表示用のステップアップ予告を映像合成・モーション作成グラフィックツールでステップアップ演出単位(ステップアップ1演出〜4演出)で描画用データファイルを作成するイメージを示す図である。
描画用データファイルは、ステップアップ演出単位で作成され、静止画や動画を組み合わせた一連の演出で構成されている。また、図422に示すように、描画用データファイルは、ツールによって本実施形態における液晶演出スケジューラデータにステップアップ演出単位で変換される。
液晶予告演出(ステップアップ予告1〜4)と一対一で描画用データファイルを作成しない理由は、例えば、ステップアップ1演出のみが変更された場合、本実施形態のように4種類のステップアップ予告が実行可能であれば4本分の描画用データファイルを変更する必要があり、変更に要する作業時間や修正漏れのリスクを考量すると、描画用データファイルはステップごとにユニークな個数で作成し、組み合わせて予告を実現したほうが効率がよいからである。
図423は、本実施形態のステップアップ予告の演出ブロックデータの構成を説明する図である。(A)はステップアップ予告液晶演出ブロックデータの構成を示し、(B)はステップアップ予告サブ演出ブロックデータの構成を示す。前述のように、本実施形態では4種類のステップアップ予告が実行可能となっているが、(A)及び(B)にはステップアップ予告1及び2について示す。ステップアップ予告3及び4では、ステップアップ3演出、ステップアップ4演出が所定のタイミングで実行される。
ステップアップ予告液晶演出ブロックデータについて説明すると、まず、変動開始時に取得されたステップアップ予告の抽選結果値に基づいて、ステップアップ予告1〜4の何れかのステップアップ予告を実行するかが決定される。ステップアップ予告の抽選結果値が非当選であれば、ステップアップ予告液晶演出ブロックデータを実行せずに終了するため、ステップアップ予告は実行されず、液晶表示装置に対する描画は行わない。
一方、ステップアップ予告の抽選結果値がステップアップ予告1であれば、ステップアップ予告液晶演出ブロックデータのステップアップ予告1が選択され、ステップアップ予告の抽選結果値がステップアップ予告2であれば、ステップアップ予告液晶演出ブロックデータのステップアップ予告2が選択され、対応する演出ブロックデータが選択される。
ステップアップ予告2の演出ブロックデータは、ステップアップ1液晶演出スケジューラデータを実行するための液晶スケジューラLCD_SCH01、及び、ステップアップ2液晶演出スケジューラデータを並行して実行するための液晶スケジューラLCD_SCH02において動作する。
液晶スケジューラLCD_SCH01では、ステップアップ1液晶演出スケジューラデータを実行すると、次に実行するデータが「DATA_END」であるため、液晶スケジューラLCD_SCH01における動作を終了する。
また、液晶スケジューラLCD_SCH02でファンクション「NOP」を実行し、パラメータで指定された時間分ウエイトを行った後、ステップアップ2液晶演出スケジューラデータを実行する。ステップアップ2液晶演出スケジューラデータ実行終了後、次に実行するデータが「DATA_END」であるため、液晶スケジューラLCD_SCH02における動作を終了する。
以上のように、予告の演出スケジューラデータを最小の構成単位で組み合わせることによって、単一の予告の複数のバリエーションを実現できることになる。
続いて、図423(B)を参照しながらステップアップ予告サブ演出ブロックデータについて説明する。ステップアップ予告サブ演出ブロックデータは、ステップアップ予告液晶演出ブロックデータと、ブロック構成及び実行時間がすべて一対一で対応して構成されている。これにより、変動パターンや予告の抽選結果の組み合わせに対しても、動的にすべての演出装置で同期させることが可能となり、一体感のある演出を実現することができる。
なお、ステップアップ予告サブ演出ブロックデータは、ステップアップ予告液晶演出ブロックデータとの間で、液晶演出スケジューラデータで実行されるファンクションと、サブ演出スケジューラデータで実行されるファンクションが相違するだけであり、データフォーマット及び制御方法に関しては共通するため説明を省略する。
以上のように、本実施形態では、主制御基板1310から変動パターンコマンドを受信すると、変動パターン別サブ演出ブロックデータ組み合わせテーブル「SCH_CTL_BLOCKDATA_NO」からデータアクセス順に格納されたサブ演出ブロックデータを取得する。そして、データアクセス順に従って、取得したサブ演出ブロックデータに含まれるスケジューラーデータを実行することによって、所定の順序、かつ、所定のタイミングで定義された基本演出と予告演出を実行することが可能となる。
したがって、本実施形態によれば、各種演出装置を制御するスケジューラーデータを並行して実行可能とするとともに、同じタイミングで実行されるスケジューラーデータを同一の実行時間に定義することによって、各種演出装置による演出を同期させることができる。さらに、スケジューラーデータの実行を開始すると、その後はスケジューラーデータ内で設定されたタイミングで所定の動作が行われる。これにより、変動パターンなどの演出内容を特定する情報に基づいて対応するブロックデータを実行するだけで、階層化されて定義されたスケジューラーデータが自動的に取得され、定義されたタイミングで演出を実行することが可能となっている。
さらに、本実施形態によれば、複数のスケジューラを起動し、各スケジューラでスケジュールデータを各々独立して実行できるため、複数種類のスケジューラーデータを並行して開発することが可能となり、開発効率を飛躍的に向上させることができる。
また、本実施形態によれば、所定のフォーマットで記述されたスケジューラーデータをスケジューラが解析し、演出装置を制御するように構成されている。したがって、遊技機の制御機構(例えば、周辺制御基板1510やこれに含まれる演算装置など)が更新された場合であっても、新たな遊技機に対応するスケジューラを搭載することによって、共通のスケジュールデータを使用することができる。すなわち、スケジューラは異なるプラットフォームで共通のスケジュールデータを実行するためのミドルウェアとしての機能を有しており、遊技機の演出制御に関するソフトウェア資産を長期的に活用することが可能となる。
なお、本実施形態におけるスケジューラはソフトウェアによって実現してもよいし、ハードウェアによって実現してもよい。ソフトウェアによってスケジューラを実現する場合には、スケジューラーデータの実行時に起動されたスケジューラを使用後停止させ、メモリの使用領域を開放するようにしてもよい。スケジューラを停止させることによってメモリの使用量を削減することができる。例えば、スケジュールデータの実行が完了してから所定時間経過した場合に開放してもよいし、遊技機が客待ち状態になった場合に最低限のスケジューラ以外停止させるようにしてもよい。
[19.液晶演出スケジューラーデータによる演出制御]
続いて、液晶演出ブロックデータを構成する液晶演出スケジューラーデータの詳細について説明する。液晶演出スケジューラーデータは、サブ演出ブロックデータと同様に、演出対象を制御するファンクションの組み合わせによって構成される。サブ演出ブロックデータでは、音の出力、ランプの点灯、駆動装置の動作などが制御対象となっていたが、液晶演出スケジューラーデータは、液晶表示装置への描画が制御対象となる。
[19−1.液晶演出用スケジューラファンクション]
まず、液晶演出スケジューラーデータを構成するファンクション(液晶演出用スケジューラファンクション)について説明する。液晶演出用スケジューラファンクションは、前述した液晶演出ブロックデータを構成する液晶演出用スケジューラデータに記述される演出制御用の命令(ファンクション、コマンド)であり、液晶演出用スケジューラファンクションによって音源内蔵VDP1540aにコマンドを送信し、演出を実行する。また、液晶演出用スケジューラファンクションを実行する際に、パラメータを指定することによって表示するオブジェクトの属性(例えば、色や形状、動作内容など)を変化させることができる。
[19−1−1.液晶演出用スケジューラファンクション]
図424は、本実施形態の液晶演出用スケジューラファンクションの一例を示す図である。以下、各液晶演出用スケジューラファンクションの概要について説明する。
各液晶演出用スケジューラファンクションは、グループごとに管理されている。本実施形態では、座標設定、スケール設定、回転角度設定、α設定、フレーム設定、Zインデックス設定、演出SW設定、サブスケジューラ設定のグループがある。
まず、座標設定のグループに属するファンクションについて説明する。座標設定グループに属するファンクションは、例えば、液晶表示装置の表示領域の座標を指定して、液晶表示対象物をセットするものである。これにより、液晶表示対象物の位置を指定して表示することが可能となる。
ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_POSX」「LCD_FUNC_TYPE_POSY」「LCD_FUNC_TYPE_POSZ」は、それぞれX軸座標位置、Y軸座標位置、Z軸座標位置を指定して液晶表示対象物の表示位置を設定する。
ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_ANCHORX」はX軸座標位置、ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_ANCHORY」はY軸座標位置を指定して、液晶表示対象アンカーポイント位置を設定する。ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_ANCHORXY」は、X軸、Y軸座標位置を指定して、液晶表示対象アンカーポイント位置を設定する。液晶表示対象アンカーポイント位置とは、液晶表示対象物の中心位置である。
次に、表示対象(静止画、動画)のスケーリング(スケール設定)を行うためのファンクションが属するグループについて説明する。スケーリングとは、例えば、CGROM上に格納される静止画や動画のサイズから液晶表示装置に表示する際に拡大や縮小を行う指定となる表示領域の中心を設定したり、座標の単位を変換したりすることである。表示領域に適切な座標系を設定して描画処理を行うことにより、液晶表示対象物を適切な位置・サイズで表示することができる。
スケール設定のグループには、ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_SCALE」「LCD_FUNC_TYPE_SCALEX」「LCD_FUNC_TYPE_SCALEY」「LCD_FUNC_TYPE_SCALEZ」「LCD_FUNC_TYPE_SCALEXY」「LCD_FUNC_TYPE_SCALEXYZ」が属する。ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_SCALE」は、X軸、Y軸値を指定して、液晶表示対象物の拡大又は縮小率を設定する。ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_SCALEX」は、X軸値を指定して、液晶表示対象物の座標を設定する。
ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_SCALEY」は、Y軸値を指定して、液晶表示対象物の拡大又は縮小率を設定する。ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_SCALEZ」は、Z軸値を指定して、液晶表示対象物の拡大又は縮小率を設定する。ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_SCALEXY」は、X軸、Y軸値を指定して、液晶表示対象物の拡大又は縮小率を設定する。ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_SCALEXYZ」は、X軸、Y軸、Z軸値を指定して、液晶表示対象物の拡大又は縮小率を設定する。
次に、液晶表示対象物を回転させて表示させる際の角度を設定するためのファンクションが属するグループについて説明する。基準となる液晶表示対象物のみをCGROMに記憶しておき、角度を指定して表示することによって、回転後の液晶表示対象物を複数記憶する必要がなくなり、記憶容量の増大を抑制することができる。
回転角度設定のグループには、ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_ANGLEX」「LCD_FUNC_TYPE_ANGLEY」「LCD_FUNC_TYPE_ANGLEZ」「LCD_FUNC_TYPE_ANGLEXYZ」が属する。ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_ANGLEX」はX軸値、ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_ANGLEY」はY軸値、ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_ANGLEZ」はZ軸値を指定して、液晶表示対象物を回転させる。また、ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_ANGLEXYZ」は、X軸値、Y軸値、Z軸値を指定して、液晶表示対象物を回転させる。
続いて、その他のファンクションについて説明する。ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_ALPHA」はα設定処理であり、具体的にはα値を指定して液晶表示対象物の透過度を設定する。α値とは透過度を示す数値であり、背景色を完全に透過する透明(無色)から、背景色をまったく通さない完全な不透明まで設定することができる。
ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_FRAME」はフレーム設定処理であり、具体的には、液晶表示対象物の描画更新間隔であるフレーム値を設定する。フレーム値とは、アニメーション処理時に液晶表示対象物を再描画する間隔を示す数値である。
ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_ZINDEX」は、液晶表示対象物のZインデックスを設定する。Zインデックスとは、液晶表示対象物を表示する階層であり、これを設定することによって液晶表示対象物を画面上で前面に表示させたり、背面側に移動させたりする。例えば、液晶表示対象物が背景である場合には、最背面に描画されるようにZインデックスを設定する。
ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_LCDSW」「LCD_FUNC_TYPE_FRAMELCDSW」「LCD_FUNC_TYPE_KICKLCDSW」は、演出SWに関する情報を設定するため演出SW設定グループに属する。
演出SWは、詳細は後述するが、描画(画像、動画)を行うための制御情報に組み込まれた情報であり、この情報を検出することで所定の処理がコールバックされ、演出内容を切り替えたり、別の演出を実行したりする。ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_LCDSW」は、液晶演出スケジューラーデータ内のCGROM上の静止画インデックス番号やCGROM上の動画インデックス番号に演出SW情報を設定する。ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_FRAMELCDSW」は、液晶演出スケジューラーデータ全体にフレーム演出SW情報を設定する。ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_KICKLCDSW」は、液晶演出スケジューラーデータに後述する特殊制御の情報を定義したSW情報を設定する。
ファンクション「LCD_FUNC_TYPE_SUBSCH」は、サブスケジューラを呼び出すためのファンクションである。汎用性の高い処理をサブスケジューラとして定義し、所定のタイミングでコールバックすることによって、処理を簡素化するとともに開発効率を向上させることができる。
[19−1−2.液晶演出用スケジューラファンクションパラメータ]
以上、本実施形態の遊技機で使用される液晶演出用スケジューラファンクションの一例について説明した。続いて、液晶演出用スケジューラファンクションの実行時に指定されるパラメータについて例を挙げて説明する。図425及び図426は、本実施形態における液晶演出用スケジューラファンクション用のパラメータの一例を示す図である。
液晶演出用スケジューラファンクションのパラメータは、液晶演出用スケジューラファンクションと同様にグループごとに管理されている。液晶演出用スケジューラファンクションのグループとパラメータのグループとは、異なるグループ分けとなっている。パラメータのグループには、シーケンス制御、演出SW、フッテージ設定、図柄差し替え関連、サブ演出用スケジューラファンクションなどがある。
シーケンス制御のパラメータのグループには、「AAD_FRAME」「AAD_POS」「AAD_POS2」「AAD_POS3」「AAD_ALPHA」「AAD_ANGLE」「AAD_ENTRY」「AAD_ENTRY_B」「AAD_SKIP」「AAD_SKIP_B」「AAD_SCALE」「AAD_SCALE2」「AAD_SCALE3」「AAD_SIZE」などが含まれる。以下、各パラメータについて説明する。
「AAD_FRAME」は、フレーム値を指定するためのパラメータであり、16ビットの長さである。「AAD_POS」は、X軸座標位置を指定するためのパラメータであり、16ビットの長さである。「AAD_POS2」は、X軸及びY軸座標位置を設定するための用パラメータであり、各々16ビットの長さである。「AAD_POS3」は、X軸、Y軸及びZ軸座標位置を設定するためのパラメータであり、各々16ビットの長さである。
「AAD_ALPHA」は、液晶表示対象物の透過度であるα値を指定するためのパラメータであり、8ビットの長さである。「AAD_ANGLE」は、液晶表示対象物の回転角度を指定するためのパラメータであり、16ビットの長さである。「AAD_ENTRY」は、設定するパラメータの総データ数を指定するパラメータであり、16ビットの長さである。「AAD_ENTRY_B」は、設定するパラメータの総データ数を指定するパラメータであり、8ビットの長さに分割した2個のパラメータとなる。
「AAD_SKIP」は、スキップするフレーム数を指定するパラメータであり、16ビットの長さである。「AAD_SKIP_B」は、液晶表示の際にスキップするフレーム数を指定するパラメータであり、8ビットの長さに分割した2個のパラメータとなる。
「AAD_SCALE」は、表示領域の座標系が1軸である場合にスケール値を指定するパラメータであり、16ビットの長さである。「AAD_SCALE2」は、表示領域の座標系が2軸である場合に拡大又は縮小率を指定するパラメータであり、それぞれ16ビットの長さである。「AAD_SCALE3」は、表示領域の座標系が3軸である場合に拡大又は縮小率を指定するパラメータであり、それぞれ16ビットの長さである。「AAD_SIZE」は、XY2軸で液晶表示対象物のサイズを指定するパラメータであり、それぞれ16ビットの長さである。
演出SWのパラメータのグループには、「AAD_LCDSWENTRY」「AAD_LCDSW」「AAD_LCDSW_PARAM」「AAD_KICKLCDSWENTRY」「AAD_KICKLCDSW」「AAD_FRAMELCDSWENTRY」「AAD_FRAMELCDSW_PARAM」などが含まれる。
「AAD_LCDSWENTRY」は、演出SWの総登録数を指定するパラメータであり、16ビットの長さである。「AAD_LCDSW」は、演出SWの番号を指定するパラメータであり、16ビットの長さの数値を2個指定する。「AAD_LCDSW_PARAM」は、演出SW番号を渡すためのパラメータであり、16ビットの長さである。
「AAD_KICKLCDSWENTRY」は、キック演出SWの総登録数を指定するパラメータであり、16ビットの長さである。「AAD_KICKLCDSW」は、キック演出SWの番号を指定するパラメータであり、16ビットの長さの数値を2個指定する。「AAD_FRAMELCDSWENTRY」は、フレーム演出SWの総登録数を指定するパラメータであり、16ビットの長さである。「AAD_FRAMELCDSW_PARAM」はフレーム演出SW番号を渡すためのパラメータであり、16ビットの長さである。
フッテージ設定のパラメータのグループには、「AAD_SEQFOOTENTRY」「AAD_SEQFOOT」などが含まれる。「AAD_SEQFOOTENTRY」は、所定の領域に登録する静止画像の数を指定するパラメータであり、16ビットの長さである。「AAD_SEQFOOT」は、CGROMに格納された静止画像のインデックス番号を指定するパラメータであり、16ビットの長さである。
図柄差し替え関連のパラメータのグループには、「AAD_ZUGARA」などが含まれる。「AAD_ZUGARA」は、図柄インデックス番号を指定するパラメータであり、16ビットの長さである。
サブ演出用スケジューラファンクションのパラメータのグループには、「AAD_SUBENTRY」「AAD_SUB」などが含まれる。「AAD_SUBENTRY」は、サブスケジューラファンクションパラメータ数を指定するパラメータであり、16ビットの長さである。「AAD_SUB」は、サブスケジューラファンクション番号を指定するパラメータであり、16ビットの長さである。
[20.画像情報に基づくコールバック制御]
遊技機における演出制御は、従来、各種演出装置を個別に制御するプログラムや複数の演出装置を連携させるプログラムなどを組み合わせて実行することによって実現していた。これらのプログラムは、変動パターンと関連するコマンドに加えて予告の内容毎に、演出装置の動作内容や制御手順を表すプログラムコードによって記述され、高度な技術を有するプログラマによって作成されていた。液晶描画においては、演出が実行されるフレームで個々の演出描画データを呼び出し、複数の演出描画(背景、図柄、予告、保留等)を組み合わせていた。
しかしながら、近年の遊技機では、ハードウェアの性能向上とともに遊技機の興趣を向上させるため、多種多様な演出を実行することが求められ、複雑な演出制御を実現する必要があった。これにより、プログラマ個人に高度な技術が要求されるとともに開発工数が増大し、質的にも量的にも必要な人員(プログラマ)を確保することが困難になった。さらに、演出制御プログラムのプログラムコードの総量が増大することで、遊技機の動作確認や品質向上を目的とするテストに要する工数も増大していた。
そこで、前述の課題を解決するため、本実施形態の遊技機では、開発期間短縮と品質向上のために、液晶描画(画像表示)と連携して実行される演出をプログラムコードによって実現するのではなく、液晶描画演出を作成するツールによって遊技機用のプログラムデータを出力し、出力されたプログラムデータに基づいて演出を制御することによって、開発期間の短縮と品質の向上を実現する。
具体的には、液晶表示装置に表示される画像や動画を時系列に沿って割り当てることによって、液晶描画演出を実行するためのデータを作成可能なツールを利用する。このツールでは、単一の演出描画データ(予告、背景、図柄、保留等)を一の演出ブロックと定義し、変動パターンや大当り等の状態ごとに演出ブロックをまとめて演出共通ブロックを作成し、複数の演出共通ブロックを組み合わせることで、変動パターンや大当り等の一連の演出描画を実現する。
しかしながら、遊技機の構成上、抽選に関わる演出の表示又は非表示、演出及び図柄の差し替え、遊技者による外部入力に対するインタラクティブな演出が発生するため、単に組み合わせられた演出共通ブロックをそのまま実行するだけでは、すべての演出を実現することは不可能である。
そこで、本実施形態では、上述したツールによって演出共通ブロックを作成する際に、所定のタイミングで演出を実行したり、所定の制御を実行したりするためのプログラムを呼び出すための演出スイッチ(演出SW)を設定する(組み込む)ことができる。演出SWは、RAM上のフラグであり、ON又はOFFに設定される。描画を行うための演出データに設定された演出SWが設定されている場合には、演出SWの「ON」「OFF」に関わらず、必ずコールバックが発生する。また、コールバック先の関数で演出SWがONであった場合には、演出SWに対応する定義済みの演出SW情報に基づいてあらかじめ定められた制御を行う。演出SWは、主制御基板1310又は周辺制御基板1510の内部で発行するコマンドによりONに設定される。演出SWは、液晶レイヤーテーブル、液晶演出共通ブロック、液晶演出ブロック、液晶演出スケジューラデータ、液晶演出スケジューラデータ内の各表示対象、静止画、動画にそれぞれ設定される。
液晶演出ブロック制御部5310が液晶描画時に演出共通ブロックに含まれる演出ブロックを実行解析し、組み込まれた演出SWを検出すると、検出された演出SWに基づいてプログラム関数を動的に呼び出す(コールバックする)。そして、コールバックされたプログラム関数によって処理された情報に基づいて、ディスプレイリストコマンドを作成し、演出表示のON/OFFや演出の差し替えを実現することができる。なお、コールバックによって呼び出されるプログラム関数では、液晶演出以外の演出(例えば、音出力、ランプの点灯、役物の動作など)を実行することも可能となっている。また、フラグの設定や所定領域のデータの更新など、後続の演出制御に必要な情報を設定するなどの処理も可能である。以上のように、演出SWの検出によってプログラム関数を呼び出すことで、複数の演出ブロックによる描画の表示又は非表示、演出及び図柄の差し替え、遊技者による外部入力に対するインタラクティブな演出を実現することができる。
コールバックによって呼び出される液晶演出のON/OFFや演出の差し替え用のプログラム関数は、周辺制御部1530にあらかじめ組み込まれており、新たに作成する必要がない。したがって、高度なプログラムの知識を持たないデザイナーや企画作成者が演出設計時に画像や動画などの演出要素を設定しながら、あらかじめ定義されているプログラム関数を呼び出すように演出SWを設定することによって、複雑な演出仕様を実現することができる。さらに、演出作成ツールを利用して演出の構成単位で演出ブロック(液晶演出スケジューラーデータ)を作成することで大幅な開発期間の短縮が可能となり、加えて、ランダムな抽選結果に基づいて演出内容のテストを行わずに、演出SWを用いたテストを行うことによってテスト工程の簡略化とテストに要する時間の大幅な削減を実現することができる。
[20−1.演出スイッチの構成]
続いて、演出スイッチ(SW)の構成について説明する。図427は、本実施形態における演出スイッチの構成を説明する図である。演出SWは、演出SW番号によって一意に識別され、演出を差し替えるために必要な情報やコールバックによって呼び出されるプログラム関数などが関連付けられている。
演出SW番号には、演出SWグループID、演出SWリセットグループID、演出SWアトリビュート、演出SW起動コマンドアドレス、演出差し替え情報テーブルアドレス等が関連付けられる。
演出SWグループとは、演出の実行態様に応じてグループ化された演出SWの集合であり、演出SWグループIDは演出SWグループの識別子であり、どの演出SWグループに属しているかを定義する。演出SWリセットグループは演出SWグループと同じ構成であり、演出SWリセットグループIDを指定することで当該演出SWリセットグループに属する演出SWグループをOFFに設定し、一括して演出SWグループに属する演出を非表示にすることができる。演出SWリセットグループIDは演出SWリセットグループの識別子である。演出SWグループID及び演出SWリセットグループIDは、ビット構成になっているため、複数の演出SWグループを指定することができる。
図428は、本実施形態の演出SWグループの構成の一例を示す図である。また、前述のように、演出SWにはアクティブとパッシブとがあり、演出SWグループは、一又は複数のアクティブ演出SWとパッシブ演出SWによって構成されている。具体的には、演出SWグループに属するアクティブ演出SWの先頭グループ番号とアクティブ演出SWの個数、及び、パッシブ演出SWの先頭グループ番号とパッシブ演出SWの個数が含まれる。
演出SWアトリビュートは、演出SWの属性を示す情報であり、具体的には、液晶演出SW全リセット情報、差し替え情報、特殊制御情報、パッシブ・アクティブ情報等が含まれる。液晶演出SW全リセット情報は、演出SWの評価時に指定された演出グループに属する演出SWをOFFに設定するか否かを指定する情報である。差し替え情報は、演出SWの評価時に演出差し替え用のコールバック関数を呼び出すか否かを指定する情報である。特殊制御情報(特殊制御ビヘイビア)は、演出SWの評価時に既定のコールバック関数を呼び出すか否かを指定する情報である。パッシブ・アクティブ情報は、演出SWの評価方法を示すものであり、パッシブでは演出SWを静的に評価し、アクティブでは演出SWを動的に評価する。
演出SW起動コマンドアドレスは、演出SW起動コマンドテーブルのアドレスである。
演出SW起動コマンドとは、演出SWをONに設定するためのコマンド列であり、演出SW起動コマンドテーブルには、演出SWをONに設定するためのコマンドが定義される。
図429は、本実施形態の演出SW起動コマンドテーブルの一例を示す図である。図429には、演出SW起動コマンドテーブル「lcdsw_cmd_en_ykk_b051_crs_charenge_suc」と演出SW起動コマンドテーブル「lcdsw_cmd_act_b056_cmc_su3_out_red」が例示されている。各テーブルは、コマンド数と、判定用のコマンド数分のデータによって構成されている。
[20−2.ステップアップ予告演出における演出スイッチによる制御]
次に、演出スイッチを利用した演出制御を、ステップアップ予告演出を例として説明する。図430は、本実施形態におけるステップアップ予告の一例を示す図であり、(A)はステップアップ予告演出が実行される段階を示し、(B)は各段階で液晶表示装置に表示される画面の一例を示す。
本実施形態のステップアップ予告は、図430(A)に示したように、最大4段階まで実行可能であり、各段階のステップアップ予告の終了時に、次の段階への発展演出が実行される。ステップアップ予告が発展する場合には次段階のステップアップ予告演出が継続して実行され、発展しない場合にはそのままステップアップ予告が終了する。
ここで、各段階のステップアップ予告演出のバリエーションについて説明する。ステップアップ予告演出開始後の最初の段階であるステップアップ予告1では、表示画面が墨によって塗りつぶされる演出が実行される。このとき、墨の色と塗りつぶしのパターンによって期待度が示唆される。例えば、墨の色が黒の場合には期待度が低く、白、赤、虹色の順で期待度が高くなる。また、塗りつぶしのパターンとしては、塗りつぶしが開始される位置が多いほど期待度が高く、また、塗りつぶしが開始される位置そのもので期待度が変化するようにしてもよい。例えば、左下一箇所のみから塗りつぶしが開始される場合には期待度が低く、左下と左上の二箇所から塗りつぶしが開始される場合、左下と左上と右上の三箇所から塗りつぶしが開始される場合の順で期待度が高くなり、そして、四隅から塗りつぶしが開始される場合には最も期待度が高くなる。
また、前述のように、各段階のステップアップ予告の終了時に、次の段階のステップアップ予告への発展演出が実行される。発展演出は、実際に次の段階に発展するか否かに関わらず遊技者の期待感を高めるために途中まで共通の態様で演出が実行される。ステップアップ予告1の場合について説明すると、まず、液晶表示画面を抽選によって決定された墨の色と塗りつぶしパターンの組み合わせで画面を塗りつぶしていく。その後、完全に画面が塗りつぶされると、徐々に墨がはけていき(薄くなり)、ステップアップ予告2で表示するための文字が浮かび上がる。ステップアップ予告2に発展する場合には、そのまま墨がはけるとともに文字の表示が濃くなり、演出が継続される。一方、発展演出に失敗する場合には、文字の表示が濃くならずに墨がはけるとともに非表示になる。
ステップアップ予告2では、期待度に応じた文字が表示される。文字のパターンは、「変化」「押忍」「気合」「継続」「一撃必殺」の順で期待度が高くなる。ステップアップ予告2の演出態様は、まず、文字が表示された状態でステップアップ予告1における墨の色と塗りつぶしのバリエーションの組み合わせで塗りつぶされる領域を拡大しながら画面を埋める。その後、墨によって画面が完全に塗りつぶされると、ステップアップ予告3に移行する。一方、発展演出が失敗した場合には、墨によって画面が完全に塗りつぶされる前に徐々に墨がはけていき、最終的に墨が完全にはけてしまい、表示されていた文字が消えてしまうことになる。
ステップアップ予告3では、ステップアップ予告2によって液晶表示画面が墨によって塗りつぶされた状態なっており、この状態から徐々に墨がはけていく演出が実行される。
このとき、墨がはけていくパターンに応じて期待度が示唆される。例えば、左下一箇所のみから墨がはけていく場合には期待度が低く、左下と左上の二箇所から墨がはけていく場合、左下と左上と右上の三箇所から墨がはけていく場合の順で期待度が高くなり、そして、四隅から墨がはけていく場合には最も期待度が高くなる。墨がはけていく過程で文字が表示され、すべてはけた後に液晶表示画面上に文字が表示されている場合には発展演出が成功し、ステップアップ予告4に移行する。一方、墨がすべてはけた後に液晶表示画面上に文字が表示されていない状態であれば発展演出に失敗したことになる。
ステップアップ予告4は、ステップアップ予告の最終段階であり、液晶表示画面に表示された文字の内容(パターン)及び色によって期待度が示唆される。例えば、文字のパターンは、「勝負」「好機」「発展」「熱闘」「激熱」「幸福」の順で期待度が高くなる。
また、文字色は、黒、白、赤、虹の順で期待度が高くなる。ステップアップ予告4の演出態様では、表示された文字が拡大するアニメーション等が実行される。
続いて、以上説明したステップアップ予告を演出SWによって実行する手順について説明する。図431から図433は、本実施形態における演出SWを用いたステップアップ予告の実行手順を説明するための図である。図431はステップアップ予告1におけるすべての演出内容と演出SWの対応を示す図である。図432(A)は画面の四方向から黒の墨で塗りつぶすステップアップ予告1を実行するためのステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータ及び描画イメージ、(B)は画面の右上及び左下から赤の墨で塗りつぶすステップアップ予告1を実行するためのステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータ及び描画イメージを示している。図433はステップアップ予告1に関わる演出を差し替えるための演出SWと演出の関係性を示す図である。
図431は、ステップアップ予告1で演出されるすべての演出となり、各描画(墨描画左下、墨描画左上、墨描画右下、墨描画右上、文字失敗、文字成功)別に区分されており、各区分毎に演出SWの名称と演出内容を対応させて記載している。図に示すステップアップ演出の総数は、左下、左上、右下、右上描画区分について各4演出で計16演出、また、文字失敗、文字成功描画区分について各5演出で計10演出、総計26演出となっている。また、各描画区分内で同時に実行可能な演出は常に一つとなり、描画区分「文字失敗」と「文字成功」に関してはどちらか一方のみ実行されるため、ステップアップ予告1で同時に実行する最大演出数は描画区分「左下」、描画区分「左上」、描画区分「右下」、描画区分「右上」と描画区分「文字失敗」又は描画区分「文字成功」の合わせて5演出となる。
また、ステップアップ予告1の予告抽選結果値に合わせて、各描画区分の演出決定方法に関して具体的に説明する。まず、ステップアップ予告1の抽選が行われ、墨描画に関わる演出内容を決定する。墨描画に関わる演出内容とは、具体的には、描画区分「左下、左上、右下、右上」から墨が出現する位置の選択と、選択された墨の出現場所から出現する墨の色となる。加えて描画区分「文字失敗」又は描画区分「文字成功」のいずれかと、このとき表示される文字の内容となる。
次に、図432(A)を用いてステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータの構成とステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータを何の制御も行わず実行した場合のステップアップ予告1描画イメージを説明する。上述したように、ステップアップ予告1の演出総数は総計26演出になるが、ステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータには左下、左上、右下、右上、文字失敗、文字成功の描画区分毎に一の演出データだけが定義されている。ステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータを何の制御も行わず実行した場合、すなわち、すべてのステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータを同時に実行した場合には、ステップアップ予告1描画イメージの図にあるように、画面の左下、左上、右下、右上から同時に黒色の墨が広がり、描画区分「文字失敗」と描画区分「文字成功」で「変化」の文字が薄く表示され、その後、描画区分「文字失敗」で「変化」の文字が消去され、同時に描画区分「文字成功」で「変化」の文字がはっきり表示される。
さらに、図432(B)では、ステップアップ予告1の抽選結果によって、描画区分「左下」が「赤」、描画区分「左上」が「なし」、描画区分「右下」が「なし」、描画区分「右上」が「赤」、描画区分「文字失敗」が「気合」、描画区分「文字成功」が「なし」のコマンドを発行する。これにより、描画イメージは描画区分「左下」から赤色の墨が広がり、かつ、描画区分「右上」から赤色の墨が広がり、描画区分「文字失敗」で「気合」の文字が薄く表示され、その後、描画区分「文字失敗」で「気合」の文字が消去される。
このとき、発行された各抽選コマンドの内容によって対応する演出に対応する演出SWがそれぞれONに設定される。具体的には、ステップアップ予告1抽選コマンド描画区分「左下」が「赤」に対して、「LEDSW_LEFDW_S1_RED」がONに設定され、ステップアップ予告1抽選コマンド描画区分「右上」が「赤」に対して、「LEDSW_RIGUP_S1_RED」がONに設定され、ステップアップ予告1抽選コマンド描画区分「文字失敗が気合」に対して、「LEDSW_MOJI_NGS1_KIA」がONに設定される。一方、ステップアップ予告1抽選コマンド描画区分「左上」が「なし」、ステップアップ予告1抽選コマンド描画区分「右下」が「なし」、ステップアップ予告1抽選コマンド描画区分「文字成功」が「なし」のコマンドは演出が行われないため、いずれの演出SWもONに設定されずにOFFに設定された状態となる。
以上により、ステップアップ予告1の全演出の中から描画区分「左下」から赤色の墨が広がり、かつ、描画区分「右上」から赤色の墨が広がり、描画区分「文字失敗」で「気合」の文字を表示する場合に対応する演出SWを、ステップアップ予告1の抽選結果に基づいてコマンドに対応させてONに設定することを実現している。
続いて、図433を参照しながら、図432(A)のステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータを用いて、図433(B)のステップアップ予告1の抽選結果にあわせた演出を行うための、演出差し替えを行う仕組みを説明する。
図433は、本実施形態における描画区分毎に液晶演出スケジューラデータ上に定義されるマスタデータと、当該マスタデータと差し替えられる差し替えデータに対応する演出SWを説明する図である。図433の左下墨演出差し替えグループを参照して具体的に説明すると、ステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータのマスタデータに対応する演出SWは、左下から黒の墨が広がる動画のCGROM上のインデックス番号と対応する演出SW「LEDSW_LEFDW_S1_BLK」となる。一方、差し替えデータに対応する演出SWは、左下から白の墨が広がる動画のCGROM上のインデックス番号と対応する演出SW「LEDSW_LEFDW_S1_WHI」、左下から赤の墨が広がる動画のCGROM上のインデックス番号と対応する演出SW「LEDSW_LEFDW_S1_RED」、左下から虹の墨が広がる動画のCGROM上のインデックス番号と対応する演出SW「LEDSW_LEFDW_S1_REI」になる。なお、差し替えデータはステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータには定義されず、左下墨演出差し替えテーブルに別途定義される。また、マスタデータの左下から黒の墨が広がる動画のCGROM上のインデックス番号と対応する演出SW「LEDSW_LEFDW_S1_BLK」はステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータと左下墨演出差し替えテーブルの両方に定義される。
液晶演出1f描画スケジューラ実行部5331では、演出の描画を行うためにディスプレイリストコマンドを作成する行程でステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータを解析実行し、ステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータに定義されている演出SW「LEDSW_LEFDW_S1_BLK」をトリガとして(検出すると)、コールバックを発生させ、液晶演出1f描画スケジューラ実行部5331から演出差し替え用のプログラム関数に制御を移す。
コールバックにより呼び出される差し替え用のプログラム関数では、左下墨演出差し替えテーブルを参照し、当該左下墨演出差し替えテーブルに登録されているすべての演出SWを判定し、ONに設定されている演出SWを特定する。本実施形態では、ステップアップ予告1抽選コマンド描画区分「左下」が「赤」となっており、演出SW「LEDSW_LEFDW_S1_RED」がONに設定されているので、演出SW「LEDSW_LEFDW_S1_RED」に対応する「左下から赤の墨」のCGROM上の動画番号が特定される。
コールバックにより呼び出される差し替え用のプログラム関数は、特定した左下から赤の墨のCGROM上の動画番号を液晶演出1f描画スケジューラ実行部5331に引き渡し実行を終了する。制御が再び液晶演出1f描画スケジューラ実行部5331に戻ると、液晶演出1f描画スケジューラ実行部5331は、ステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータに定義された左下から黒の墨が出現する動画に対応するCGROM上の動画番号を用いてディスプレイリストコマンドを作成するのではなく、差し替え用のプログラム関数から引き渡された左下から赤の墨が出現する動画に対応するCGROM上の動画番号を用いてディスプレイリストコマンドを作成する。
本実施形態のコールバックによる演出の差し替えの特徴は、低レベルな制御構造(本実施形態では液晶演出スケジューラデータ、変更が容易でツール化に適したデータ構造)から高レベルな制御構造(本実施形態では差し替え用のプログラム関数、変更は不向きだが複雑な処理を実行可能とするプログラム関数)をコールバックにより呼び出すことで、差し替えを行うタイミングの検知と差し替え制御を分離することが可能となり、簡易なデータ構造である液晶演出スケジューラデータを用いて複雑な処理を行うことを実現する。
また、本実施形態では、コールバックするための識別子(本実施形態における演出SWのON/OFF設定値)に関わらず、必ずコールバックによって処理が実行される。本実施形態の演出制御と同じ制御をコールバックによって実行するのではなく、液晶演出スケジューラデータ側に複雑な制御を行うための構造を取り入れて、液晶1f描画スケジューラ実行部側で複雑な液晶演出スケジューラデータを解析実行することで演出制御を実現した場合には、液晶1f描画スケジューラ実行部側で処理するプログラムコードの複雑さが増し、さらに、新しい機能の追加や機能の変更を行う場合には必ず液晶演出スケジューラデータの変更が必要になる。この場合、プログラムコードとデータの両方の変更が必ず必要となり、制御の変更による不具合の発生だけではなく、変更前には正常に動作していた機能にも影響を与えて新たな不具合が発生してしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態では、コールバックの実行はコールバックするための識別子(演出SWのON/OFF設定値)に関わらず、必ずコールバックによって処理を実行し、コールバックによって実行された複数のコールバック関数内で実行可否や処理内容を判断する。単一の機能を実現するために対応するコールバック関数を作成することで、新しい機能の追加や機能の変更を行う場合でも液晶演出スケジューラデータ構造の変更は必要なく、新たな機能に対応するコールバック関数を作成するか、既存のコールバック関数を変更することで実現できる。このため、機能の変更や追加による影響範囲が新規追加又は変更対象のコールバック関数にとどまり、他のコールバック関数に影響を与えて不具合の原因となる可能性が少なくなる。また、単一の大きなプログラムで液晶演出スケジューラデータの実行解析を一元的に実行する場合と比較して、各機能を実現するための複数のコールバック関数と液晶演出スケジューラデータによって実行解析を行う方が、プログラムの構造や構成をより単純化することができる。
本実施形態では、演出の差し替えに特化して説明したが、本実施形態のコールバックによる制御の仕組みは演出の差し替えだけではなく、図柄の差し替え、演出の表示又は非表示の制御、描画対象の描画データの変換及び他の演出表示装置のスケジューラデータの実行やスケジューラデータの変換にも適用可能である。
ここで、マスタデータの左下から黒の墨が広がる動画のCGROM上のインデックス番号と対応する演出SW「LEDSW_LEFDW_S1_BLK」をステップアップ予告1液晶演出スケジューラデータと左下墨演出差し替えテーブルの両方に定義する目的について説明する。演出差し替えテーブルにマスタの演出SWと対応するCGROM上のインデックス番号を定義しない場合には、マスタと差し替え対象の関係性、すなわち、マスタの演出SWと対応するCGROM上のインデックス番号は必ず液晶演出スケジューラデータ上にのみ存在し、また、マスタに対応する差し替え用の演出SWと対応するCGROM上のインデックス番号は演出差し替えテーブルのみに存在することになる。本実施形態の遊技機では演出差し替えテーブル及び演出SWが各々数千程度定義されている。遊技機の企画開発から市場に投入されるまでの間に遊技仕様の変更や遊技仕様の追加が頻繁に発生する状況下では、CGROM上の動画(画像)のインデックス番号と演出SWとの整合性を維持することはきわめて困難となる。
CGROM上のインデックス番号と演出SWとの関係性では、演出差し替えテーブルにマスタの演出SWと対応するCGROM上のインデックス番号を誤って定義してしまったり、逆に差し替え用の演出SWと対応するCGROM上のインデックス番号を液晶演出スケジューラデータに誤って登録してしまったりすることが起こりえる。この場合には、演出抽選のコマンド値と差し替えテーブル上の演出SWと対応するCGROM上のインデックス番号のデータ数に相違が発生し、演出抽選で選択された演出とは異なる演出で差し替えが行われる。演出にはそれぞれ期待度が設定されているため、はずれの変動では出現しない大当り専用の演出が出現するようなことが起こりえるため、遊技機としては致命的な不具合となる。本実施形態のように、演出差し替えテーブルにマスタの演出SWと対応するCGROM上のインデックス番号も含めて定義することで、整合性の確認は演出総数と差し替えテーブルとを対比することによって実現可能となる。また、液晶演出スケジューラデータでは差し替えテーブル内のいずれのデータを定義しても問題なく動作するため、きわめて不具合が起こりにくい制御手法となる。本実施形態では、演出抽選の結果、液晶演出スケジューラデータ上に定義されているマスタの演出が抽選されたとしても、液晶演出スケジューラデータ上のマスタのCGROM上のインデックス番号は使用されず、必ず差し替えテーブル内に定義されたマスタのCGROM上のインデックス番号を用いてディスプレイリストコマンドが作成され演出が描画される。
ステップアップ予告3では、前述のように、塗りつぶされた状態から表示領域の頂点の一部又は全部から徐々に墨が消去され、発展演出成功時には文字が浮かび上がる。一方、発展演出失敗時には文字は表示されずに墨が完全に消去され、そのままステップアップ予告が終了する。成功時及び失敗時のいずれの場合であっても表示領域の頂点から墨が徐々に消去される演出が実行されるため、頂点ごとに墨を徐々に消去する描画パターン4種類分の演出SWフラグ(レイヤ)が定義される。また、発展演出の結果に対応する2種類の演出SWフラグ(レイヤ)が定義される。
図433に記載した左下墨差し替えグループ以外の左上墨差し替えグループ、右下墨差し替えグループ、右上墨差し替えグループ、文字失敗演出差し替えグループ、文字成功演出差し替えグループも左下墨差し替えグループと構成と制御方法は同様である。
ステップアップ予告4では、以降継続してステップアップ予告が実行されないため、表示された文字のアニメーションに態様に応じた演出SWフラグ(レイヤ)を定義してもよいし、1種類の演出SWフラグ(レイヤ)のみを定義し、パラメータで文字のアニメーションの種類を設定するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態では、墨の出現位置又は文字内容別の描画演出パターンを個別に定義し、実行する演出に対応する演出SWフラグをONに設定することで、異なる種類の演出を実行したり、組み合わせた演出を実行することができる。演出の切り替えや組み合わせは演出SWフラグの設定を個別に切り替えるだけであるため、新たにプログラムを作成するなどの技術を必要とせずに演出を構成する企画者などがツールによってパラメータを設定するだけで様々なバリエーションの演出を実現することができる。例えば、ステップアップ予告1では、墨の出現位置による描画パターン4種類、発展演出の結果表示パターン2種類を組み合わせるだけで数十種類の描画パターンを実現可能とする。これにより、開発するプログラムの種類を最小限に抑制し、遊技機の演出制御プログラムの開発効率を向上させるとともに、開発された演出制御プログラムの検査を効率化することが可能となり品質を向上させることができる。
[20−3.演出スイッチに基づく制御の概要]
続いて、演出スイッチに基づく制御の概要について説明する。図434は、本実施形態の演出スイッチによる制御手順を説明する図であり、特に、演出SWをONに設定する評価手順を示す。本実施形態では、まず、主制御基板1310から演出開始の契機となるメインコマンド(主制御コマンド)を受信すると、周辺制御部1530によって周辺制御基板1510内の構成に対して発行される周辺制御内部発行コマンドが生成される。周辺制御内部発行コマンドは、予告抽選を実行したり、周辺制御部1530によって演出を実行したりするためのコマンドである。
周辺制御基板1510の演出SWコマンド解析モジュールは、解析された主制御コマンドと受信したサブ内部発行コマンドを評価し、対応する演出SWをONに設定する。具体的には、周辺制御ROM1530bに格納されている演出SW判定データと比較し、受信したコマンドと一致するデータが登録されているか否かを判定する。演出SW判定データのコマンド列に受信したコマンドと一致するデータが登録されているか否かを判定し、一致するデータが存在する場合には、コマンド列に対応する演出SW番号に基づいて、周辺制御RAM1530cに記憶されている演出SWフラグをONに設定する。
演出SW判定データは2種類の情報で構成され、第1の情報は演出SWをONにするための演出SW判定コマンド列となる。演出SW判定コマンド列は固定長ではなく、複数のコマンド値、主制御コマンド値とサブ内部コマンド値を組み合わせたり、周辺制御内部発行コマンド値と周辺制御内部コマンド値を組み合わせることが可能となっている。例えば主制御基板1310から送信される変動開始指定コマンド値と確率状態指定コマンド値とを並べて定義したり、周辺制御内部発行コマンド値の背景指定コマンドとミニキャラ予告の抽選結果のコマンド値を並べて定義することが可能となっている。
複数のコマンドを並べて定義することによって、例えば、同じミニキャラ予告であっても背景別に演出表示されるミニキャラが異なる場合、背景コマンド値を判定し、背景を特定した後にミニキャラコマンド値を判定することで初めて背景に対応したミニキャラの演出を特定できることになるが、コマンドの数分だけ複数回の判定が必要となってしまう。
これに対し、本実施形態のように、背景指定コマンドとミニキャラ予告の抽選結果のコマンド値を並べて定義することで、コマンド値に対応する演出SWは背景に対応したミニキャラとすることが可能となり、複数回判断する必要がなく、複数のコマンドの組み合わせで定義される演出に関しても、単一のコマンドで定義される演出と同じように対応する演出を特定することができる。また、同一のコマンド値に対して、複数の演出SWを定義することが可能であるため、単一のコマンド値で複数の演出SWを同時に起動することができる。
演出SW判定データの第2の情報は演出SW番号となり、演出SWフラグ配列のインデックス番号となる。演出SW判定データは、演出SW判定コマンド値と演出SW番号の組み合わせで、すべての演出SWに対して登録される。
以上より、図434に示すように、コマンド「0x103001」を受信した場合には、演出SW判定データに演出SW番号100の「LCDSW_LEFDW_S1」が登録されているため、RAMに記憶されている演出SWフラグlcdsw_flg[LCDSW_LEFDW_S1]をONに設定する。
以上のように、コマンドに対応する演出SWフラグを設定することによって、図431から図433に示したように、対応する予告演出を実行するための液晶演出スケジューラーデータの実行時に所定の処理が呼び出される。
また、演出SWコマンド解析モジュールには、演出SWに基づく演出を実行するための関数が定義されている。以下、これらの関数の一例を説明する。図435は、本実施形態の演出SWコマンド解析モジュールに定義される関数の一例を説明する図である。各関数は、演出SW番号(LEDSW番号)を引数とする。
LEDSW_TSTは、定常プログラムやコールバックされたプログラムから、演出SW番号がONであるか否かを判定する関数である。LEDSW_SETは、コマンドによる演出SW起動ではなく、定常プログラムやコールバックされたプログラムから演出SWをONにするための関数である。
LEDSW_OFFは、定常プログラムやコールバックされたプログラムから演出SWをOFFにする関数である。また、演出SWのアトリビュートに「全リセット」の属性が定義されている場合には、演出SW番号に対応する「演出SW情報テーブル」の「リセット対象演出SWグループID」に基づき、リセット対象演出SWグループに属するすべての演出SWをOFFに設定する。
LEDSW_GETは、定常プログラムやコールバックされたプログラムから、対象の演出SWのアトリビュート情報を取得する関数である。LCDSW_ATIMERは、定常プログラムやコールバックされたプログラムから、アクティブ演出SW起動時からのフレーム時間を取得する関数である。
[20−4.演出スイッチの実装例]
続いて、演出スイッチを用いた制御の実装例について説明する。図436から図441は、本実施形態における演出スイッチを用いた制御を実行するためのプログラムコードの一部を示す図である。なお、各図に示すプログラムコードはC言語によって記載されている。
演出SWは、前述のように、液晶レイヤーテーブル、液晶演出共通ブロック、液晶演出ブロック、液晶演出スケジューラデータ、液晶演出スケジューラデータ内の各表示対象、静止画、動画にそれぞれに設定される。なお、すべての演出ブロックに演出SWが設定されるため、演出ブロックの実行時には常に演出SWに基づく処理をコールバックする。特定の処理を実行する必要がない場合であってもコールバックを実行し、コールバック関数内で特定の処理を行わない判断を行いコールバック関数を終了する。
図436は、本実施形態の演出SW情報テーブルの構成の詳細を説明する図であり、(A)は演出SW情報テーブルを定義するプログラムコードの一例、(B)は演出SW制御情報のビットアサイン、(C)は演出SWグループの一例を示す図である
演出SW情報テーブルは、(A)に示す演出SW情報テーブル管理構造体に基づいて構成されており、演出SWグループID、リセット対象演出SWグループID、演出SW制御情報(演出SWアトリビュート)、演出SWコマンド情報アドレス、演出差し替え情報テーブル情報を含む。
演出SWグループIDは、対応する演出SWが属する演出SWグループの識別情報である。演出SWグループは、同じ(同種の)予告演出を行うための演出SWであったり、保留表示のための演出SWであったり、報知のための演出SWであったりするなど、機能などによってグルーピングされている。演出SWグループIDはビットで表現されており、一の演出SWが複数の演出SWグループに属することが可能となっている。
リセット対象演出SWグループIDは、後述する「attribビットアサイン」で「演出SW全リセット」が指定されていた場合に、演出SWをOFFにセットする演出SWグループを指定するための識別情報である。これにより、演出SWの切り替え時などに同時に処理を中止(リセット)する演出SWをまとめて指定することが可能となる。リセット対象演出SWグループIDは演出SWグループIDと同様にビットで表現されており、複数のグループを指定することが可能となっている。
演出SW制御情報は、演出SWの機能を定義する情報であり、具体的には、液晶演出SW全リセット情報、差し替え情報、特殊制御情報、パッシブ・アクティブ情報を含む。また、演出SW制御情報は、16ビットで構成されており、各ビットで演出SWの機能を定義する。演出SWの機能に対応するビットは図436(B)に示したとおりであり、以下、内容を説明する。
パッシブ(PASSIVE)・アクティブ(ACTIVE)情報は、演出SWの評価方法を示すものであり、ビットが“0”の場合は「PASSIVE」、“1”の場合は「ACTIVE」となる。パッシブでは演出SWが定義されている期間に演出SWを起動する
コマンドを複数回受信した場合においても演出SWに対応する描画演出は一度のみ行われ、アクティブでは演出SWが定義されている期間に演出SWを起動するコマンドを複数回受信した場合は対応する演出を受信したコマンド回数分演出を再実行する。アクティブはボタン有効期間内でボタンが複数回押下される場合にボタン押下に対応する描画演出を表示する場合等に使用する。
特殊制御情報(特殊制御ビヘイビア)は、演出SWの評価時に既定のコールバック関数を呼び出すか否かを指定する情報である。ビットに“1”設定されている場合には、システム側のコールバック関数ではなく、ユーザ側のコールバック関数が呼び出される。
差し替え情報は、演出SWの評価時に演出差し替え用のコールバック関数を呼び出す情報である。ビットに“1”設定されている場合には、液晶演出スケジューラデータ内の各表示対象、静止画、動画にそれぞれに定義された演出SW評価時に、あらかじめ定義済み
の差し替え用のコールバック関数が呼び出される。
液晶演出SW全リセット情報は、演出SWの評価時に指定された演出グループに属する演出SWをOFFに設定するか否かを指定する情報である。ビットに“1”設定されている場合には、演出SW評価時に、「リセット対象演出SWグループID」で設定されたす
べてのグループに属する演出SWがOFFに設定される。
ここで、図436(A)の説明に戻る。演出SWコマンド情報アドレスは、演出SW評価時において演出SWがONに設定されている場合に、定義されたコマンド情報が出力される。出力されるコマンドは、演出SWコマンド情報アドレスの参照先に格納されており、出力されたコマンドによって新たな演出SWの制御や演出を実行する。
演出SW差し替えテーブル情報は、演出SW制御情報の差し替え情報のビットに“1”が設定されていた場合(「差し替えあり」が指定されていた場合)、差し替え対象のデー
タが定義されている差し替えテーブルのアドレスが格納されている。差し替えテーブルの詳細については、図439にて後述する。
次に、演出SWグループについて説明する。本実施形態では、関連する複数の演出SWを設定する場合など、演出グループとして管理する。演出グループは、演出SWグループID、アクティブ演出SW先頭ID、アクティブ演出SW個数、パッシブ演出SW先頭ID、パッシブ演出SW個数を含んで構成される。
演出SWグループIDは、演出SWグループの識別子である。演出SWグループでは、アクティブ演出SW及びパッシブ演出SWが連続した領域で格納されている。アクティブ演出SW先頭IDは、演出SWグループに属するアクティブ演出SWの中で、先頭に位置する演出SWの識別情報である。アクティブ演出SW個数は、アクティブ演出SW先頭IDに対応する演出SWから配置されたアクティブ演出SWの個数である。パッシブ演出SW先頭IDは、演出SWグループに属するパッシブ演出SWの中で、先頭に位置する演出SWの識別情報である。パッシブ演出SW個数は、パッシブ演出SW先頭IDに対応する演出SWから配置されたパッシブ演出SWの個数である。以上のように、演出SWグループIDをリセット対象演出SWグループIDに定義することにより、「attribビットアサイン」で「演出SW全リセット」が指定されていた場合には、演出SWグループIDに属する連続した複数のパッシブ演出SW及び連続した複数のアクティブ演出SWを同時にOFFに設定することが可能となる。
図437は、本実施形態における演出SWに対応する演出SW番号を定義するプログラムコードの一例を示す図である。図437に示すプログラムコードでは、列挙型(enum)を用いて演出SW番号に具体的な数値を定義している。本実施形態では、演出SW番号をインデックスとしてワーク領域や演出情報テーブルを参照することができる。
このように演出SW番号を列挙型で定義することによって、プログラム内で演出SW番号を設定又は参照する場合に直接数値で扱う必要がなくなり、プログラムの可読性を向上させることができる。
次に、演出SWフラグ及び演出SW情報テーブルについて説明する。図438は、本実施形態の演出SWフラグ及び演出SW情報テーブルを定義するプログラムデータの一例を示す図であり、(A)は演出SWフラグ、(B)は演出SW情報テーブルを示す。
演出SWフラグは、対応する演出SWに基づく処理をコールバックしたコールバック関数側で実行するか否か(ON/OFF)を示すフラグである。(A)に示すように、演出SWフラグはバイト型の配列変数に格納されており、配列のインデックスは演出SW番号に対応する。演出SW番号に対応する演出SWを実行する場合には“1”(ON)が設定され、実行しない場合には“0”(OFF)が設定される。
演出SW情報テーブルは、図436(A)に示した演出SW情報テーブル管理構造体によって定義されており、演出SW情報テーブルの各要素はプログラム実行時に読み込まれ、プログラムデータを変更しない限り更新されない定数となっている。また、演出SW情報テーブルは、演出SWフラグと同じく演出SW番号をインデックスとする配列に格納され、すべての演出SWに対応するデータが格納される。
続いて、演出差し替えを行うための演出SW差し替えテーブル情報及び演出SW差し替えテーブルについて説明する。演出SW差し替えテーブル情報は、図436(A)に示したように、演出SW情報テーブルに含まれている。図439は、本実施形態の演出SW情報テーブルに含まれる演出SW差し替えテーブル情報及び演出SW差し替えテーブルを定義するプログラムデータの一例を示す図であり、(A)は演出SW差し替えテーブル情報、(B)は演出SW差し替えテーブルを示す。
図439(A)は、演出SW差し替えテーブル情報「lcdsw_cchanege_info_lefdw_s1」の構成を示すプログラムデータである。演出SW差し替えテーブル情報には、演出SW差し替えテーブルのアドレス、演出SWマスタデータ、演出SW差し替えデータが格納される。演出SW差し替えテーブルのアドレスは、実際の差し替え素材の番号が格納されているテーブルのアドレスとなる。
演出SWマスタデータは、液晶演出スケジューラデータに定義される演出SWデータであり、「lcdsw_cchanege_info_lefdw_s1」の場合は、墨の色が黒の場合がこれに該当する(LCDSW_LEFDW_S1_BLK)。差し替えデータは、マスターデータから差し替えられる素材を示す情報であり、例えば、墨の色を白に差し替える場合(LCDSW_LEFDW_S1_WHI)等があり、演出SWを評価することで対応する差し替えデータに素材情報を差し替える。
図439(B)は、演出SW差し替えテーブル「lcdsw_cchanege_lefdw_s1」の構成を示すプログラムデータである。演出SW差し替えテーブルには、まず、差し替えテーブル内に定義される素材番号の列数及び行数が定義されており、本実施形態では列数が1、行数が4となっている。列数及び行数の定義の後、差し替え素材を示す情報が格納される。
本実施形態では、差し替え情報は1次元のテーブル構造となっているが、2次元や3次元のテーブル構造でも問題ない。
具体的な差し替え方法は、まず、演出SW差し替えテーブル情報を参照し、演出SW差し替えテーブル情報内に定義されている演出SW演出スイッチマスタデータ、演出SW差し替えデータをすべて評価する。このとき、演出抽選の結果により発行されたコマンドにより演出SW差し替えテーブル情報内に定義されているいずれかの演出SWがONに設定されている。ここでは、演出SW差し替えデータ(LCDSW_LEFDW_S1_WHI)がONに設定されていると仮定して説明する。演出SW差し替えテーブル情報内でONに設定されている演出SWの行数をインデックスとして演出SW差し替えテーブルの同じ行を特定する。演出差し替えデータ内で演出SW差し替えデータ(LCDSW_LEFDW_S1_WHI)の行に対応するのは、素材番号(CG_MOVE_LEFDW_S1_WHI)となり、差し替えを行う素材番号が特定される。
素材番号とはCGROM上の静止画又は動画を特定するインデックス番号となる。
[21.レイヤの構成]
次に、画像や動画を表示するレイヤーについて説明する。レイヤは、液晶表示対象物を複数の領域(層、レイヤ)に分割して描画することによって、表示結果を汎用的に利用することが可能となる。例えば、背景のレイヤを分けることによって、表示されるキャラクタを変更しても共通の方法で描画することができる。
本実施形態では、レイヤーの情報を格納するテーブル(レイヤー情報テーブル)を個別に格納・管理することによって、一部のレイヤの変更があっても他のレイヤに影響を与えないように構成することができる。
図440は、本実施形態のレイヤー情報テーブルを定義するプログラムデータの一例を示す図であり、(A)は各レイヤー情報テーブルを格納するアドレスを格納するリスト、(B)はレイヤー情報テーブル(背景用)の内容を示す。レイヤー情報テーブルにも上述した演出SWが定義されており、演出SWをトリガとしてコールバック関数が呼び出されコールバック関数内において演出SWの情報に基づいて対応する液晶レイヤーテーブルを実行するか否かを決定する。例えば演出SW(LEDSW_BG_RIV)がONの場合、川背景のレイヤーテーブル(direct_layer01_common0002)が実行される。また、図441は、本実施形態のレイヤー情報テーブルを定義するプログラムデータの一例を示す図であり、(A)はレイヤー情報テーブル(予告前半1)の内容、(B)はレイヤー情報テーブル(予告前半2)の内容を示す。予告前半1、2のレイヤー情報テーブルは、ともに背景用のレイヤー情報テーブルと同じく、演出SWによって実行するレイヤーテーブルを決定する。
本実施形態では、図440(A)に示すように、背景用、図柄表示用、前半予告用、大当り演出用、役物動作用、保留表示用等のレイヤー情報テーブルが定義される。
また、図440(B)は背景用のレイヤー情報テーブルを示しており、本実施形態における演出では、海背景、山背景、川背景が定義されており、さらに、遊技状態に応じた背景(時短中背景、高確中背景)も定義されている。さらに、演出SWによって、一部背景色を変更するなどバリエーションを追加することができる。
図441(A)は予告前半1用のレイヤー情報テーブルを示しており、ルーレット予告、ブラックアウト予告、ウインドウ予告が定義されており、予告クリア用のコマンドも定義されている。図441(B)は予告前半1用のレイヤー情報テーブルを示しており、ステップアップ予告、ボタンミニキャラ予告、会話予告が定義されており、予告前半1の場合と同様に、予告クリア用のレイヤーテーブルも定義している。予告クリア用のレイヤーテーブルは各予告のレイヤー情報テーブルで定義する各予告のレイヤーテーブルで実行する予告の描画を終了するために使用される。具体的には、上述した演出SWの演出SW制御情報のリセット対象演出SWグループIDに予告レイヤーの演出SWグループIDを定義し、「attribビットアサイン」で「演出SW全リセット」を定義する。そして、演出SW(LEDSW_YKK_CLR)がONに設定されている場合、リセット対象演出SWグループIDに定義された演出SWグループIDに属するすべての予告の演出SWがOFFに設定されて演出SWに対応する描画が終了し、非表示となる。なお、予告クリア用のレイヤーテーブルは演出を何も行わないため空のデータとなる。
なお、レイヤテーブルを格納するリストやレイヤ情報を格納するテーブルに割り当てられた領域の最後には、終端判断用レコードが格納され、終端判断用レコードを検出すると、データの読み込みが終了したことを判定することが可能となる。これにより、要素数をあらかじめリストやテーブルごとに設定することなく、動的にデータ量(レコード数)を変更することが可能となる。
[22.ステップアップ予告の実装例]
続いて、液晶演出ブロックデータ(共通ブロック)による予告演出の実装例について、ステップアップ予告演出を例として説明する。
[22−1.演出レイヤーテーブル・液晶演出ブロックデータ]
図442は、本実施形態における液晶レイヤーテーブル及び液晶演出共通ブロックを定義するプログラムデータの一例を示す図であり、(A)はステップアップ予告演出の液晶レイヤーテーブル、(B)は液晶演出共通ブロックの構成を示す。
図442(A)に示すように、ステップアップ予告演出に対応する液晶レイヤーテーブルは、液晶レイヤーテーブル内に登録される液晶演出共通ブロックの個数と個数分の液晶演出共通ブロックが液晶演出共通ブロックの総描画フレーム数及び演出SWと対になって定義されている。本実施形態では、総描画フレーム数(580)フレーム、演出SW「LCDSW_STEPUP」、共通ブロック「LCD_COMMONBLK_STEPUP」が定義されている。演出SW「LCDSW_STEPUP」に基づいてコールバックを実行し、コールバック関数内で演出SW「LCDSW_STEPUP」の情報に基づいて共通ブロック「LCD_COMMONBLK_STEPUP」を実行するか否かを決定する。
液晶演出共通ブロック「LCD_COMMONBLK_STEPUP」は、演出SW、描画総フレーム数、ループ開始フレーム位置、再生時間、液晶演出ブロックの順で定義される。図442(B)に示すように、液晶演出ブロックが複数の場合には、同じフォーマットで複数行定義される。ステップアップ予告4の後には、終端(terminal)が設定されており、液晶演出ブロックの追加削除によってステップ数の増減に対応できるように構成されている。例えば、ステップアップ予告5を追加する場合には、ステップアップ予告4と終端との間にステップアップ予告5に対応するデータを追加すればよい。
演出SWは、レイヤーテーブルで定義されている演出SWと同様に、設定値に基づいて対応する液晶演出ブロックの実行可否を制御する。描画総フレーム数は、液晶演出ブロックの総演出フレーム数を定義する。1行目のステップアップ予告1を用いて説明すると、ステップアップ予告1の液晶演出ブロックの再生を(150)フレーム行うことが定義されている。ループ開始フレーム位置は、1行目の液晶演出ブロック「LCD_YKK_STEPUP_SU1」の再生終了後にどの表示データフレームに復帰するかを決定するためのフレーム位置となる。
再生時間は、液晶演出ブロック「LCD_YKK_STEPUP_SU1」の再生時間となる。総再生時間、ループ開始フレーム位置及び再生時間の関係は、再生時間が液晶演出ブロック「LCD_YKK_STEPUP_SU1」の再生時間となるため、液晶演出ブロック「LCD_YKK_STEPUP_SU1」の再生完了後に、再度、液晶演出ブロック「LCD_YKK_STEPUP_SU1」の先頭又は途中からループ再生を行う場合には、ループさせるフレーム数を再生時間に加算し、加算したフレーム数を総再生時間に定義する。ステップアップ予告1「LCD_YKK_STEPUP_SU1」の液晶演出ブロックの再生時間は(150)フレームのため、液晶演出ブロック「LCD_YKK_STEPUP_SU1」の再生終了後に後半の50フレームを2回ループさせる場合には、総再生時間に再生時間(150)フレーム+ループ再生時間(50×2)フレームの(250)フレームを定義し、ループ開始フレーム位置に(100)フレームを定義することで実現できる。擬似連演出時に図柄が確定せずにゆらゆら変動を行うような演出は、ループ再生の機能を使用することで実現できる。
また、本実施形態の液晶演出ブロック「LCD_YKK_STEPUP_SU1」の総再生時間と再生時間が同じであるにも関わらずループ開始フレームが再生終了の1つ前のフレームに定義されている理由は、何らかの不具合で次の演出共通ブロックが実行されない場合に描画の更新が行われなくなり、液晶画面が停止することを防ぐために、総再生時間を超えた場合にはループ開始ポイントに基づいて描画を繰り返している。
本実施形態でステップアップ予告1からステップアップ予告3までの演出を実行する場合における液晶演出共通ブロック「LCD_COMMONBLK_STEPUP」による制御は、周辺制御基板1530で演出に関わる予告の抽選を実行した後、ステップアップ予告演出に関わる周辺制御内部コマンド、ステップアップ予告1コマンド、ステップアップ予告2コマンド、ステップアップ予告3コマンドを発行する。続いて、発行されたコマンドに対応してステップアップ1演出SW「LEDSW_YKK_STEP_SU1」、ステップアップ2演出SW「LEDSW_YKK_STEP_SU2」、ステップアップ3演出SW「LEDSW_YKK_STEP_SU3」をONに設定する。一方、ステップアップ4演出SW「LEDSW_YKK_STEP_SU4」はステップアップ予告4コマンドが発行されていないため、OFFに設定されたままとなる。
演出SWの設定後、液晶演出共通ブロック「LCD_COMMONBLK_STEPUP」内に定義されているすべての演出SWに基づいてコールバックを実行し、コールバック関数を呼び出す。呼び出されたコールバック関数内で、各演出SWがONに設定されているか否かを判定し、ONに設定されている演出SWに対応する液晶演出ブロックを実行する。液晶演出共通ブロック「LCD_COMMONBLK_STEPUP」では、「LEDSW_YKK_STEP_SU1」、「LEDSW_YKK_STEP_SU2」、「LEDSW_YKK_STEP_SU3」がONに設定されているので、それぞれ液晶演出ブロック「LCD_YKK_STEPUP_SU1」、「LCD_YKK_STEPUP_SU2」、「LCD_YKK_STEPUP_SU3」が実行される。一方、「LEDSW_YKK_STEP_SU4」はOFFに設定されているため、「LCD_YKK_STEPUP_SU4」は実行されない。以上のように、液晶演出共通ブロック内に複数の液晶演出ブロックを定義し、演出SWを用いて液晶演出ブロックを実行するか否かを制御可能であるため、複数の予告を組み合わせて実行することを可能とし、さらに、各演出の表示/非表示の切り替えを可能とする。
続いて、ステップアップ予告における各ステップの液晶演出ブロックの内容について説明する。図443は、ステップアップ予告の各ステップの液晶演出ブロック(LCD_YKK_STEPUP_SU1〜4)を定義するプログラムデータの一例を示す図である。
液晶演出ブロックの内容は、まず、液晶演出ブロックに定義するデータの総数が定義される。実行フレーム数、ファンクション又は液晶演出スケジューラデータとなる液晶演出ブロックで使用されるファンクションは、「LCD_NOP」と「LCD_NULL」の2種類と液晶演出スケジューラデータとなる。「LCD_NOP」は実行フレーム数分ウエイトするファンクションとなり、また、「LCD_NULL」は液晶演出ブロックの終了を示すファンクションとなる。
続いて、液晶演出ブロックについて具体的な説明を行う。液晶演出ブロック「LCD_YKK_STEPUP_SU2」を参照しながら説明すると、先頭の(3)は「LCD_YKK_STEPUP_SU2」が3行のデータ(ステップ数が3)で構成されていることを示す。次の行では、実行フレーム数(120)を指定した「LCD_NOP」となるため、液晶演出ブロックの実行開始から(120)フレームの間、ウエイトする。(120)フレームの間ウエイトした後、液晶演出スケジューラーデータ「LCD_DIR_STEPUP_SU2」を実行フレーム数(175)に対応するフレーム分だけ実行する。その後、実行フレーム数(1)が指定された「LCD_NULL」を実行し、液晶演出ブロック「LCD_YKK_STEPUP_SU2」の実行を終了する。
図430で説明したようにステップアップ予告の各段階のステップアップ予告の終了時に、次の段階のステップアップ予告への発展演出の実行を実現するために「LCD_NOP」のウエイトを使用することで実現している。
具体的には、液晶演出ブロック「LCD_DIR_STEPUP_SU1」はウエイトを行わず、液晶演出スケジューラーデータ「LCD_DIR_STEPUP_SU1」の実行を開始する。液晶演出ブロック「LCD_DIR_STEPUP_SU2」は「LCD_NOP」によるウエイトを実行し、(120)フレームの間ウエイトをした後、液晶演出スケジューラーデータ「LCD_DIR_STEPUP_SU2」の実行を開始することで、液晶演出スケジューラーデータ「LCD_DIR_STEPUP_SU1」が実行を開始してから(120)フレーム経過した時点で液晶演出スケジューラーデータ「LCD_DIR_STEPUP_SU2」が実行を開始する。これにより、ステップアップ予告1の終了時に、次の段階のステップアップ予告2への発展演出を重ねて実行することを可能にしている。
また、液晶演出ブロックには時系列順に複数の液晶演出スケジューラデータを定義することが可能であり、連続して液晶演出スケジューラデータを定義した場合には、実行フレーム数の期間対応した液晶演出スケジューラデータを実行し、次の行の液晶演出スケジューラデータを実行する。
ステップアップ予告2の演出スケジューラーデータでは、ファンクションの総数が定義された後、ステップアップ予告演出1を実行している間待機するためのファンクションNOP、ステップアップ予告演出2を実行するためのファンクションLCD_YKK_STEPUP_SU2、最後にスケジューラーデータの終了を示すファンクションLCD_NULLが定義される。ステップアップ予告3及びステップアップ予告4についても同様に記述される。
[23.ボタンミニキャラ演出の実装例]
以上、ステップアップ予告演出の液晶演出スケジューラーデータの説明をした。続いて、図柄の変動中に演出ボタンの操作をうながし、所定期間内に演出ボタンを操作することによって、液晶表示画面にミニキャラクタが登場する演出について説明する。
[23−1.ボタンミニキャラ演出の態様]
図444は、本実施形態のボタンミニキャラ演出の概要を説明する図である。ボタンミニキャラ演出は、メインコマンド受信時又は変動開始時に実行抽選を行い、当選した場合に実行される。ボタンミニキャラ演出では、ボタンの操作入力の受付期間に演出ボタンが操作されると、液晶表示画面上に所定のキャラ(ミニキャラ)が表示される。また、ボタンの操作入力の受付期間には、前半有効期間と後半有効期間とが設定されており、異なる態様でミニキャラが表示される。
さらに説明すると、ボタンミニキャラ演出の実行抽選に当選し、変動開始から90フレーム(f)経過すると、ボタンミニキャラ前半有効期間となる。ボタンミニキャラ前半有効期間は90フレームであり、ボタンミニキャラ前半有効期間の開始とともに液晶表示画面上にボタンの押下をうながす画像(動画)が表示される。ボタンミニキャラ前半有効期間にボタンを操作するとミニキャラが表示される。具体的には後述するが、ボタンミニキャラ前半有効期間にボタンを操作するとミニキャラを表示するための演出SWがONに設定され、コールバックによって対応する液晶演出ブロックが実行される。
ボタンミニキャラ後半有効期間にボタンを操作すると、ボタンミニキャラ後半前半有効期間と同様に、ミニキャラが表示される。図378では、ボタンミニキャラ前半有効期間にボタンを操作した場合と異なる態様でキャラクタが表示されているが、同じ態様で表示してもよいし、ボタンミニキャラ前半有効期間でボタンが操作された場合に限り異なる態様でキャラクタを表示するようにしてもよい。
ボタンミニキャラ後半有効期間にボタンを操作すると、ボタンミニキャラ前半有効期間と同様に、ミニキャラが表示される。図444では、ボタンミニキャラ前半有効期間にボタンを操作した場合と異なる態様でキャラクタが表示されているが、同じ態様で表示してもよいし、ボタンミニキャラ前半有効期間でボタンが操作された場合に限り異なる態様でキャラクタを表示するようにしてもよい。
[23−2.液晶演出共通ブロック]
図445は、本実施形態におけるボタンミニキャラ演出に対応する液晶レイヤーテーブルを定義するプログラムデータの一例を示す図である。
図445に示すように、ボタンミニキャラ演出に対応する液晶レイヤーテーブル「direct_layer05_common0002」は液晶レイヤーテーブル内に登録する液晶演出共通ブロックの個数と個数分の液晶演出共通ブロックが液晶演出共通ブロックの総描画フレーム数、演出SWと対になって定義されている。本実施形態では、総描画フレーム数(180)フレーム、演出SW「LCDSW_BTN_MINIBEF」、液晶演出共通ブロック「LCD_COMMONBLK_MINIBEF」が定義されている。続いて、総描画フレーム数(150)フレーム、演出SW「LCDSW_BTN_MINIAFT」、液晶演出共通ブロック「LCD_COMMONBLK_MINIAFT」が定義されている。液晶レイヤーテーブル「direct_layer05_common0002」では、まず、(180)フレームの間、液晶演出共通ブロック「LCD_COMMONBLK_MINIBEF」を実行する。その後、(150)フレームの間、液晶演出共通ブロック「LCD_COMMONBLK_MINIAFT」を実行し、液晶レイヤーテーブル「direct_layer05_common0002」の実行を終了する。
次に、ボタンミニキャラ演出の各液晶演出共通ブロックの構成について説明する。図446は、本実施形態におけるボタンミニキャラ演出の個別の共通ブロックを定義するプログラムデータの一例を示す図である。
図446の液晶演出共通ブロック「LCD_COMMONBLK_MINIBEF」と「LCD_COMMONBLK_MINIAFT」の構成及び制御方法に関しては、図442にて説明した演出レイヤーテーブル及び液晶演出ブロックデータと同様である。液晶演出ブロックデータ「LCD_YKK_MINIBEF」及び「LCD_YKK_MINIAFT」を実行するか否かを判断するためのコールバック関数を呼び出す演出SW「LEDSW_YKK_MINIBEF」及び「LEDSW_YKK_MINIAFT」は、演出SW制御情報にアクティブ属性を定義したアクティブ演出SWとなる。したがって、ボタンを操作した回数だけ、演出SWに対応する描画演出(演出ブロック)が実行される。
[23−3.液晶演出ブロックデータ]
図447は、本実施形態におけるボタンミニキャラ演出を実行するための液晶演出ブロックデータを定義するプログラムデータの一例を示す図である。
図447に示した液晶演出ブロックデータ「LCD_YKK_MINIBEF」及び「LCD_YKK_MINIAFT」の構成及び制御方法に関しては、図377にて説明した液晶演出ブロックデータと同様である。各液晶演出ブロックデータによる処理について説明すると、まず、前半の演出では、液晶演出ブロックデータ「LCD_YKK_MINIBEF」内の先頭に定義される「LCD_NOP」を実行し、変動開始から(90)フレームの間ウエイトする。続いて、ボタンミニキャラ前半有効期間に対応する液晶演出スケジューラーデータ「LCD_DIR_MINIBEF」を(90)フレーム実行し、液晶演出ブロックデータ「LCD_YKK_MINIBEF」の実行を終了する。また、後半の演出では、ボタンミニキャラ後半有効期間に対応する液晶演出ブロックデータ「LCD_YKK_MINIAFT」内の先頭に定義される「LCD_NOP」を実行し、変動開始から(30)フレームの間ウエイトする。その後、ボタンミニキャラ後半有効期間に対応する液晶演出スケジューラーデータ「LCD_DIR_MINIAFT」を(120)フレーム実行し、液晶演出ブロックデータ「LCD_YKK_MINIAFT」の実行を終了する。
上述したように、演出SW「LEDSW_YKK_MINIBEF」と「LEDSW_YKK_MINIAFT」はアクティブ演出SWであるため、液晶演出スケジューラーデータ「LCD_DIR_MINIBEF」と「LCD_DIR_MINIAFT」の実行中に演出SW「LEDSW_YKK_MINIBEF」と「LEDSW_YKK_MINIAFT」をONに設定するコマンドが複数回発行された場合には、演出SW「LEDSW_YKK_MINIBEF」と「LEDSW_YKK_MINIAFT」に対応する描画演出を発行された回数分実行する。また、演出SWにより必ず毎フレーム、コールバックが発生し、対応するコールバック関数が呼び出される。
呼び出されたコールバック関数内でボタン押下時の制御を実行し、また、ボタン押下制御終了後も液晶演出スケジューラーデータ実行終了後まで毎フレームコールバックを実行する。ボタン有効期間中の演出描画を行う液晶演出スケジューラーデータを作成してアクティブ演出SWで制御することにより、別途ボタン有効期間を判断することなくコールバックが実行されている期間をボタン有効期間とする制御が可能となる。例えば、ボタンを連打することによって連打した回数をカウントし、回数に応じた演出を実行することができる。また、コールバック関数内でランプの制御を行うファンクションを含むサブ演出スケジューラーデータを呼び出すことによってボタン操作に応じてランプを点灯させることができる。さらに、役物を制御するファンクションを含むサブ演出スケジューラーデータを呼び出すことによってボタン操作回数に応じた動作をさせ、ボタン操作有効期間が終了した後に初期位置に復帰させるスケジューラーデータを実行させることができる。役物を初期位置に復帰させる手順は、例えば、ボタン操作有効期間が終了するまで「LCD_NOP」によって待機させ、その後、役物を初期位置に復帰させるファンクションを含む演出ブロックを実行する。
[24.図柄用液晶演出スケジューラ]
以上のように、本実施形態では、予告演出を実行する場合に、遊技状態や予告対象となる変動表示ゲームの期待度に応じて描画内容を差し替えることを可能とする。同様に、変動表示ゲームにおいて変動表示させる識別図柄を遊技状態などの所定条件が成立した場合に差し替えることも可能である。以下、識別図柄の差し替えの手順について概要を説明する。
本実施形態の遊技機では、左図柄、右図柄、中図柄の順に識別図柄の変動表示が停止し、各列には識別図柄が所定の順序で配置されたリールが割り当てられる。各リールには遊技状態に応じた態様で識別図柄が描画されており、態様ごとに各リールが定義される。識別図柄の変動表示は、各リールに描画された識別図柄を背景画像とともに順次表示することによって実現される。
識別図柄の表示は、予告演出と同様に、1フレームごとに更新され、演出SWが割り当てられている。識別図柄を表示するための液晶演出スケジューラデータには、識別図柄を表示するための静止画又は動画のCGROM上のインデックス番号とCGROM上のインデックス番号に対応する演出SWがマスタデータとして定義されている。識別図柄差し替え用の演出SWにはリール番号が定義されている。リール番号は遊技状態や演出別に表示されるユニークな識別番号を表す。例えば、山背景、川背景、海背景で表示される識別図柄がそれぞれ違う場合は山背景の左図柄はR0、中図柄はR1、右図柄はR2となり、川背景の左図柄はR3、中図柄はR4、右図柄はR5となり、山背景の左図柄はR6、中図柄はR7、右図柄はR8となる。リール番号を用いることで遊技状態や演出に対して個別に対応させることが可能となり、また、識別図柄の表示位置も特定することが可能となる。
さらに、リール番号はリールインデックス番号を含む。リールインデックス番号とは識別図柄のリール配列数毎に定義される。リール配列とは識別図柄が1,2,3,4,5,6,7,8,9,0と順に表示され0の次は1に戻って表示する時の識別図柄のデザインと識別図柄の総数と識別図柄の表示順を定義したものをリールインデックスと定義する。
リールインデックスも複数定義することが可能である。
また、識別図柄を差し替えるためのテーブルには、リール番号とリール番号に対応するリールインデックス番号に対応した識別図柄の差し替えテーブルと、リール差し替え用のリール差し替えワーク番号テーブルがある。識別図柄の差し替えテーブルには、リールインデックス毎にリール配列に対応した静止画又は動画のCGROM上のインデックス番号が定義されている。
識別図柄の差し替えは、識別図柄の差し替えテーブルに加えてリールインデックス差し替えワーク番号テーブルを用いて行う。リールインデックス差し替えワーク番号テーブルには、リールインデックス毎に対応する一又は複数のRAM上のリール差し替え用のワーク番号を定義している。リール差し替えワークには、擬似連変動に関わる識別図柄の仮停止図柄番号値や識別図柄の確定図柄番号値等、識別図柄が停止又は遊技者から停止しているように認識可能な場合に表示される識別図柄番号値が演出内容に合わせて周辺制御プログラムによって変動開始時にあらかじめ格納される。
識別図柄を差し替えためのデータの特定について説明すると、識別図柄差し替え用の演出SWに基づいてコールバックを実行したときに、識別図柄差し替え用のコールバック関数内でリール番号に対応するリールインデックス番号に基づいてリールインデックス差し替えワーク番号テーブルから対象となるリールインデックス差し替えワーク番号を特定する。さらに、リールインデックス差し替えワーク内に格納される識別図柄番号値を取り出し、液晶演出スケジューラデータ内で演出される識別図柄の表示個数に基づいてリールインデックス差し替えワーク番号を補正する。同じく、リール番号に対応するリールインデックス番号に基づいて、識別図柄の差し替えテーブルで対応する差し替えテーブルを特定し、特定したテーブル内の差し替え対象の静止画又は動画のCGROM上のインデックス番号を補正したリールインデックス差し替えワーク番号を用いて特定する。
また、識別図柄の差し替えは、演出差し替えと同様に液晶演出スケジューラデータ上に定義されているマスタの演出が選択されたとしても、液晶演出スケジューラデータ上のマスタのCGROM上のインデックス番号は使用されず、必ず差し替えテーブル内に定義されたマスタのCGROM上のインデックス番号を用いてディスプレイリストコマンドが作成され、演出内容が描画される。
さらに、識別図柄の差し替えを毎フレーム行うことによって、ノイズの発生などによって誤った識別図柄が表示されてもすぐに正常な表示に復帰することが可能となる。また、遊技状態に応じたリールを設定することで、エラーによって識別図柄の差し替えに不具合が生じた場合であっても、識別図柄の内容に関わらず遊技者は遊技状態を把握することが可能となり、遊技者の興趣低下を抑制することができる。
[25.コールバックタイミング]
続いて、演出SW検出時におけるコールバックの発生タイミングについて説明する。本実施形態では、コールバックするコールバック関数内で関数に引き渡されるパラメータにより、描画区分の判別が可能となっている。
図448は、本実施形態の演出SWによるコールバック実行時のコールバック関数内で判断可能な描画区分の一例を示す図である。
「LCD_EFF_BEF_LCD_A」は液晶A描画開始前、「LCD_EFF_AFT_LCD_A」は液晶A描画開始後にコールバックが発生する。また、「LCD_EFF_BEF_LCD_B」は液晶B描画開始前、「LCD_EFF_AFT_LCD_B」は液晶B描画開始後にコールバックが発生する。液晶Aと液晶Bはそれぞれ別の液晶となり、各液晶の描画開始前、描画完了の判定を可能とすることで液晶Aの描画完了を契機として液晶Bに描画を行ったり、液晶Bの描画終了を契機として液晶Aに描画を行うことが可能となる。
「LCD_EFF_BEF_ANIM」は、すべての描画が開始される前にコールバックが発生し、「LCD_EFF_AFT_ANIM」は、すべての描画が完了した後にコールバックが発生する。描画開始前の判定を行うことで描画前にフレームバッファを必要な背景色で初期化したり、描画終了の判定を行うことで描画完了時に他の演出装置に対して演出の実行を指示することが可能となる。
「LCD_EFF_BEF_ANIM」は対応するレイヤの描画が開始される前にコールバックが発生し、「LCD_EFF_AFT_ANIM」は対応するレイヤの描画が完了した後にコールバックが発生する。特定のレイヤの描画の開始前又は完了後に所定の処理を実行することができる。例えば、レイヤ描画開始前の判定を行うことで報知のレイヤの描画時に複数の報知が発生している場合には、優先順位の高い報知の表示を拡大して描画することが可能となる。また、レイヤ描画開始後の判定を行うことで図柄レイヤ描画開始前に期待度の高い図柄が停止するタイミングに合わせて描画された図柄の周りにエフェクトの描画を行うことにより、期待度の高い図柄が停止するときにのみ図柄の周りにエフェクトを表示することが可能となる。
以上のように、描画区分を特定して描画の開始前又は完了後に所定の処理を実行することができる。また、共通ブロックごとにコールバックを発生させることも可能である。図448に示すように、「LCD_EFF_BEF_COMBLK」は共通ブロック描画開始前、「LCD_EFF_AFT_COMBLK」は共通ブロック描画完了後にコールバックを発生させることができる。共通ブロック描画開始前の判定を行うことで液晶演出共通ブロックを構成する単一の演出に対応する特定の液晶演出ブロックの実行を中止して演出の描画を行わなくすることや、液晶演出共通ブロック描画終了後の判定を行うことで変動開始時にあらかじめ決定していた実行予定の液晶演出共通ブロックとは別の液晶演出共通ブロックの実行を行うことも可能となる。
また、「LCD_EFF_BEF_DIR」は液晶演出共通ブロック中の液晶演出ブロック描画開始前、「LCD_EFF_AFT_DIR」は液晶演出ブロック描画完了後にコールバックを発生させる。液晶演出ブロック描画開始前の判定を行うことで遊技者による外部入力の結果で実行する液晶演出ブロックを変更することが可能となる。また、液晶演出ブロック描画開始後の判定を行うことで単一の演出を描画する液晶演出ブロックの描画内容に基づいて新たな描画を液晶演出ブロックで描画した内容に加えることが可能となる。さらに、「LCD_EFF_BEF_CAST」は液晶演出スケジューラデータ中の静止画及び動画描画開始前、「LCD_EFF_AFT_CAST」は静止画及び動画描画完了後にコールバックを発生させることができる。静止画や動画の描画開始前の判定を行うことで各種演出の差し替えが可能となる。また、静止画や動画の描画完了後の判定を行うことで各種演出の差し替え内容に応じた演出の描画を加えることが可能となる。
以上のように描画区分によって実現可能な制御が異なるため、コールバックした各種コールバック関数内で描画区分を判断することは大変重要となる。
[26.演出スイッチグループ管理]
ここまで説明したとおり、本実施形態では、液晶演出ブロックごとに液晶演出スケジュラーデータによって複数の手順(ファンクション)が管理され、遊技機の状態や演出の区分に基づいてレイヤごとに画像や動画が描画される。また、前述のように、各レイヤに一又は複数の演出SWが設定される。
演出の実行時には、複数のレイヤに並行して画像などが描画されており、複数の液晶演出スケジュラーデータが並列して実行される。例えば、ステップアップ予告演出では、ステップアップ予告1の実行時には、背景レイヤ背景が描画され、図柄レイヤに識別図柄が描画される。さらに、予告レイヤ(予告_前半1レイヤ)にステップアップ予告1による描画が行われる。図449は、本実施形態の予告演出実行時における個別のレイヤの描画結果及び全レイヤの描画結果の一例を示す図である。
このとき、各レイヤに一又は複数の演出SWが設定されているが、これらの演出SWを個別に管理しようとすると、処理が複雑になってしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、レイヤや遊技機の状態、演出の区分ごとに演出SWをグループ化して管理する。
例えば、レイヤごとに割り当てられた演出SWをグループ化する。具体的には、図449に示すように、背景レイヤ、図柄レイヤ、予告レイヤに対応して演出SWグループ背景、演出SWグループ図柄、演出SWグループ予告を構成する。これらの演出SWグループをさらにグループ化して管理し、遊技機の状態や演出の区分ごとに演出SWを管理してもよい。
このように、演出SWをグループ化して管理することによって、個別の演出要素を一括して制御することができる。例えば、現在表示中の背景と背景に合わせた図柄表示及び保留表示を新たな変動開始する際に別の背景に変化させる場合には、背景に合わせた区分で背景レイヤ、図柄レイヤ、保留レイヤの演出SWをグループ化し、グループに属する演出SWをコールバックを用いたコールバック関数内で一括してOFFに設定する。これにより、現在の背景に合わせた図柄表示及び保留表示を背景とともに一括して非表示にすることが可能となり、新たな背景に合わせた図柄表示及び保留表示を対応するレイヤで行うことによって複数のレイヤで重ね合わせて表示している複数の演出表示の中から必要な演出表示のみを対象として描画の切り替えを行うことが可能となる。
また、遊技状態にまたがる演出、例えば、変動開始から変動終了後の大当り演出では、図柄は非表示となり、背景は大当りの演出に変更されるが、保留に関しては変動中に描画していた保留を継続して表示することも可能である。このような制御は、上述した非表示にする対象の演出グループをリセット対象演出SWグループIDに定義し、かつ、演出SW全リセットの指定を行った演出SWを変動開始時の液晶演出共通ブロックや大当り演出開始時の液晶演出共通ブロックに定義することで実現することができる。
[27.例外共通ブロック]
ここまで説明した本実施形態では、遊技者の興趣を高めるため、複雑化する遊技演出の制御を効率化する目的で、演出をすべて一定の長さのブロック単位で共通ブロックとして管理していた。これにより、変動パターンや予告抽選の結果に合わせて演出ブロックを選択し、選択された演出ブロックに基づいて描画することで図柄の変動表示や大当り等の一連の演出を実現し、複雑な制御をすることなく、役物やランプ、音の出力などのサブ演出と描画内容とを同期させる制御を実現していた。共通ブロックは、図柄の変動開始から図柄確定までの間で所定のタイミングで区切られた期間が設定されており、これらの期間は、例えば、前半変動や後半変動に対応し、変動パターンに割り当てられた図柄の変動時間に合わせて設定されていた。
このように構成することによって、複数種類の変動パターンで共通ブロックを汎用的に利用可能となっていた。さらに、前半変動で実行される予告演出と、後半変動で実行される予告演出との独立性を確保することによって、共通ブロックの組み合わせの自由度を高くすることができた。
しかし、上述のように共通ブロックは所定の期間で区切られているため、一定の長さの演出ブロックを組み合わせるだけでは変動開始から変動終了まで継続する演出は実現することは困難であった。このような複数の期間にまたがる演出を実行する場合、先行する共通ブロックと後続の共通ブロックとが対応付けられて汎用性が低下してしまうことに加えて、各共通ブロックが独立して実行されるため、演出の連続性を維持するために制御が複雑になってしまうおそれがあった。そのため、このような演出を実現するためには、プログラムデータの設定ではなく、個別にプログラムコードを作成して制御する必要があった。
そこで、前述の課題を解決するため、本実施形態では、すべての演出で一定の長さの演出ブロックを組み合わせて図柄の変動表示や大当りの一連の演出を行うだけではなく、演出ブロックの長さを例外的に一定の長さではなく、演出期間に合わせた演出ブロック長を許容するように構成する。さらに、演出時間の異なる演出ブロックを組み合わせて描画可能とし、また、組み合わせた演出ブロックにまたがるような演出ブロックも同時に描画可能とすることで、変動開始から変動終了まで継続する描画演出を実現する。
複数の期間にまたがる演出には、例えば、図柄の変動開始とともに数字をカウントダウン表示し、前半変動から後半変動にまたがってカウントダウン表示を継続するカウントダウン演出がある。図450は、本実施形態の複数期間にまたがる共通ブロックの一例を説明する図であり、(A)は図柄の表示及び予告演出の実行タイミング、(B)は共通ブロックによる液晶予告演出ブロック、及び、複数期間にまたがる共通ブロックによる液晶予告演出ブロックの構成を示す。
図450に示す例では、変動パターン「10H03H」に対応し、前半変動が「通常変動12秒」、後半変動が「ノーマルショートリーチ」となっている。図450(A)に示すように、前半変動では、ステップアップ予告及びBTNロゴ役物落下予告が実行され、後半変動では、カットイン予告及び群予告が実行される。各予告演出の内容については前述したとおりである。また、ステップアップ予告の開始時から群予告の終了時までカウントダウン予告が実行される。
図450(B)では、共通ブロックを使用する予告演出(ステップアップ予告、BTNロゴ役物落下予告、カットイン予告及び群予告)の液晶演出ブロックデータと、ステップアップ予告の開始時から群予告の終了時までの期間、実行されるカウントダウン予告の演出ブロックの構成を示している。共通ブロックに対応する各ブロックデータについては、前述したとおりである。
カウントダウン予告の演出ブロックでは、液晶演出予告ブロックデータを開始するまで待機するファンクションNOP、液晶演出予告ブロックデータ、液晶演出予告ブロックデータ終了後、後半変動が終了するまで待機するファンクションNOPによって構成されている。なお、液晶演出予告ブロックデータを開始するまで待機するファンクションNOPはステップアップ予告が開始される前に実行されるNOP、後半変動が終了するまで待機するファンクションNOPは群予告終了後に実行されるNOPと同じ待機時間が設定されている。
以上のように、演出ブロックの実行期間に例外を設定することを可能とすることで、共通ブロックの運用をより柔軟に行うことが可能となる。また、演出開始前後に待機時間を設定することによって、例外設定によって他の演出ブロックの実行タイミングがずれるなどの影響を最小限にすることができる。なお、例外共通ブロックの制御も他の共通ブロックと同様に演出SWを用いたコールバック関数によって制御を行う。
[28.画像変換]
遊技の興趣を高める目的や描画に関わる処理時間の短縮のために、液晶表示1画面分の描画データをフレームバッファから取り出し、フレームバッファとは別に音源内蔵VDP1540aのキャプチャー用の記憶領域に格納することで、画像の再利用や変形・追加描画などの加工処理を行っていた。このように、一時的に別の領域に描画データを格納し、次フレームの描画に利用することによって、効率的に多様な演出表現を実現していた。
図451は、各レイヤに書き込まれた画像をそれぞれ書き込むことでフレームバッファに画像を書き込む従来の構成を説明する図である。図451に示すように、従来は各レイヤに描画された画像をフレームバッファに重ねて書き込み、その後、表示装置に出力するように構成されていた。
具体的には、まず、背景レイヤに表示される動画や静止画をディスプレイリストコマンドを用いてフレームバッファ上に書き込む。次に、図柄レイヤに表示される動画や静止画をディスプレイリストコマンドを用いて、フレームバッファ上に上書きする。さらに、予告レイヤに表示される動画や静止画をディスプレイリストコマンドを用いて、フレームバッファ上に上書きする。最後に、保留レイヤに関わる動画や静止画をディスプレイリストコマンドを用いて、フレームバッファ上に上書きし、1フレーム分の描画データを作成している。
その後、周辺制御基板1530は、フレームバッファに作成された表示予定の1フレーム分の描画データを、音源内蔵VDP1540aのRAMに別途割り当てられたキャプチャー用のバッファにコピーする。キャプチャー用のバッファに記憶された描画データに対して新たに図柄の周りにエフェクトを加えた後、フレームバッファに書き戻し、次回表示用の1フレーム分の描画データを作成する。
このようにすることで、次回フレームに表示する描画データを、作成済みの描画データに対してエフェクトを加えることだけで、簡易に作成することが可能となっている。しかしながら、このような従来技術による画像変換では、1フレーム分の描画データに対する画像変換のみが実現可能であり、1フレーム分の液晶描画画面に対する新たな描画要素の加算に加えて、1フレーム分の液晶描画画面全体の拡大や縮小に限られてしまう。キャプチャー用のバッファ上で各レイヤに描画された描画要素又はレイヤ内の各描画要素に画像変換を行うことは不可能である。
描画要素ごとに画像変換を行うことができない理由は、各演出における描画要素、例えば、背景、図柄、予告などは、レイヤ順にフレームバッファ上で上書きされるため、重なりがある描画要素に関しては、後から描画されるレイヤの描画要素によって上書きされてしまう。また、描画要素は、フレームバッファ上に描画された時点で色が付されたドット(点)の集合となるため、矩形で描画要素を取り出そうとしても、別の描画要素で上書きされた時点で、上書きされた部分の描画要素のデータは失われているためである。
現在では、VDPの処理能力が向上したことにより、描画済みの液晶表示1画面分の画像データを再利用する必要性は乏しくなったが、遊技の興趣向上を目的として演出の表現を多様化するために複雑化した描画処理を実行するために負荷の増大が予想されていた。
本実施形態では、前述の課題を解決し、より多様性のある演出を行うために、作成済みのフレームバッファの液晶表示1画面分の画像データをキャプチャし、キャプチャした画像に対する変形や新たな描画の追加を行うのではなく、液晶表示1画面分の画像データを新たに描画する時に、液晶表示1画面分の画像データを構成する各演出表示単位で、描画中に動的に画像の変更や新たな描画を加えることにより複雑な演出表現を実現する。
具体的には、単一の演出描画データ(予告、背景、図柄、保留等)をひとつの演出ブロックと定義し、演出ブロックによる表示を行うための液晶演出スケジューラデータ内に演出ブロック単位で演出SWを組み込む。そして、液晶描画時に液晶演出スケジューラデータを実行解析し、液晶演出スケジューラデータに組み込まれた演出SWの情報に基づいて処理(プログラム関数)を動的に呼び出す(コールバック)。
画像を変更する場合には、液晶演出スケジューラデータ及びコールバックされたプログラム関数内で対応する演出ブロックをフレームバッファ上に描画するのではなく、フレームバッファとは別に音源内蔵VDP1540aのRAM上に割り当てたオフスクリーンバッファ(画像表示情報一時記憶手段)上に描画を行う。そして、オフスクリーンバッファ上の画像に対し画像の変更や新たな画像の追加を行った後、当該画像をフレームバッファ上に書き戻す。このように構成することによって、特定の予告のみの画像の変更や新たな画像の追加や背景のみの演出の差し替えに加えて、複数の演出を重ね合わせた画像に対する画像の変更や新たな画像の追加を実現することができる。
以下、各レイヤに描画された画像をオフスクリーンバッファに格納し、当該オフスクリーンバッファに格納された画像を変換してフレームバッファに書き込む構成について具体的に説明する。図452は、本実施形態におけるオフスクリーンバッファに格納された画像ファイルを変換してからフレームバッファに書き込む手順を説明する図である。
前述のように、音源内蔵VDP1540aのRAMにフレームバッファとは別のオフスクリーンバッファと呼ばれる画像変換用のバッファを一又は複数割り当てる。そして、画像変換用のバッファで画像変換を行い、一又は複数のオフスクリーンバッファ上で変換された画像とフレームバッファ上に描画された画像を組み合わせることで複雑な画像変換を可能とする。
さらに説明すると、演出に対応して各レイヤを構成する液晶演出ブロックデータと液晶演出ブロックデータを構成する各液晶演出スケジューラデータに演出SWが埋め込まれており、液晶描画時のディスプレイリストコマンド作成時に埋め込まれた演出SWに基づいてコールバックによってコールバック関数が呼び出され、当該コールバック関数において画像変換を行う。
図452では、まず、背景レイヤの描画を開始する前に、演出SWに基づいてコールバックされた関数内で、描画対象をフレームバッファからオフスクリーンバッファAに切り替える。次に、背景レイヤの各演出要素の描画タイミングで、演出SWに基づいてコールバックされた関数内で、オフスクリーンバッファAに背景レイヤの各演出要素の拡大用のディスプレイリストコマンドを作成して送信することで、オフスクリーンバッファA上に拡大された各背景を描画する。
続いて、図柄レイヤの描画を開始する前に、演出SWに基づいてコールバックされた関数内で、描画対象をフレームバッファからオフスクリーンバッファAに切り替えて描画する。次に、図柄レイヤの各演出要素の描画タイミングで、演出SWに基づいてコールバックされた関数内で、オフスクリーンバッファA上に描画された背景上に描画された図柄に対して、エフェクトを加えるディスプレイリストコマンドを作成する。このディスプレイリストコマンドを送信することにより、オフスクリーンバッファAに描画された背景と図柄に対してエフェクトを加えることができ、さらに、オフスクリーンバッファAに描画された画像をフレームバッファに上書きする。
続いて、予告レイヤの描画を開始する前に、演出SWに基づいてコールバックされた関数内で、描画対象をフレームバッファからオフスクリーンバッファBに切り替えて描画する。次に、予告レイヤに関連するすべての演出要素の描画が終了したタイミングで、演出SWに基づいてにコールバックされた関数内で、予告レイヤの各演出要素の予告描画を回転させるディスプレイリストコマンドを作成する。このディスプレイリストコマンドを送信することにより、オフスクリーンバッファBに回転した各予告を描画し、さらに、オフスクリーンバッファBに描画された画像をフレームバッファに上書きする。
最後に、保留レイヤのすべての演出要素をフレームバッファに書き込み、今回表示するための1フレーム分の液晶描画画面を作成する。
以上の手順によって、前述した従来の画像変換とは異なり、画面全体に対する画像変換ではなく、各レイヤ描画単位、レイヤを構成する描画要素単位、また、フレームバッファに描画する順番によらずに画像変換を行うことができる。
本実施形態では、1フレーム分の液晶画面の描画開始から描画終了までの期間内で同一の演出SWに基づくコールバックが描画タイミング毎に複数回行われることが特徴となっている。なお、描画タイミングの種類についての詳細は、上述した図448を使用した説明の通りである。
また、コールバックにより画像変換を行うことによって、描画中の画像が画像変換の対象であるか否かを判定したり監視したりする必要がない。さらに、一連の変動関連の描画開始ではなく、画像変換対象の画像を描画するディスプレイリストコマンドを作成するタイミングで、予告抽選の抽選結果値やユーザの外部入力によるインタラクティブな動作の結果に基づいて画像変換の方法を決定することが可能となる。
[29.RAMレス転送]
従来、CGROM上に記憶されたアニメーションデータを元にしてディスプレイリストコマンドを作成し、作成されたディスプレイリストコマンドを音源内蔵VDP1540aが処理することによって遊技演出実行時の描画を行っていた。このとき、CGROMに記憶されたアニメーションデータを解析しながら作成したディスプレイリストコマンドを、周辺制御RAM1530cに割り当てられたバッファに格納し、1画面分のディスプレイリストコマンド作成終了後に外部リクエストDMA(転送手段)を用いてバッファの内容をVDPに送信していた。
しかしながら、現状では演出仕様が複雑化し、処理の負荷が増大することにより、変動開始時の予告抽選処理等の処理時間が増加する一方、ランプ系統数増加によるランプ点灯データレイヤ合成処理や、モータ系統数増加によるモータデータ作成処理の処理時間も同様に増加している。演出等の周辺制御の処理時間は定められた周期で実行されているため、上記のような負荷の高い処理が重複して実行される場合には、周期内に処理を完了できないおそれがあった。
例外的に周期内に処理を完了できない場合はともかく、定常的に周期内に処理を完了できない場合には、処理周期に基づいて主制御装置による遊技制御と周辺制御装置による演出制御を同期させることができなくなり、遊技の進行と各演出装置による遊技の演出とが乖離し、遊技の興趣を著しく低下させてしまうおそれがあった。
そのため、演出等の周辺制御処理において負荷の高い処理に要する時間を削減するなどして周辺制御処理の処理時間を短縮する必要があった。そこで、本実施形態では、周辺制御処理において比較的負荷の高い描画処理、特に前述した、CGROM上のアニメーションデータを解析し、音源内蔵VDP1540aが処理可能なネイティブなディスプレイリストコマンドを作成する処理時間を削減し、周辺制御処理全体の処理時間を短縮する手段について説明する。
まず、液晶表示装置に画像を表示するためのディスプレイリストコマンド群を音源内蔵VDP1540aに転送する従来の手順について説明する。図453は、ディスプレイリストコマンド群を周辺制御RAM1530cに一時的に記憶してから音源内蔵VDP1540aに転送する手順を説明する図である。
図453に示す手順では、まず、液晶演出スケジューラディスプレイリスト制御モジュールによって周辺制御ROM1530bから各種液晶演出スケジューラーデータを取得し、当該液晶演出スケジューラーデータをVDPネイティブディスプレイリストコマンド群に解析変換する。液晶演出スケジューラーデータをVDPネイティブディスプレイリストコマンド群に変換する目的は、液晶演出スケジューラーデータには音源内蔵VDP1540aに送信するディスプレイリストコマンドに関する情報(VDPレジスタ番号やレジスタ番号に対応するパラメータ値)が含まれていないため、液晶演出スケジューラーデータを音源内蔵VDP1540aが実行可能なVDPネイティブディスプレイリストコマンドに変換する必要がある。変換されたVDPネイティブディスプレイリストコマンド群は、周辺制御RAM1530cに一時的に記憶される。また、液晶演出スケジューラーデータ実行時に演出SWによって呼び出されたコールバック関数が実行された場合に必要に応じて液晶演出スケジューラーデータをVDPネイティブディスプレイリストコマンド群に解析変換し、周辺制御RAM1530cに記憶する。
そして、周辺制御MPU1511aが液晶演出スケジューラーデータを処理する過程で外部リクエストDMAにディスプレイリスト転送設定を行う。これにより、周辺制御RAM1530cに記憶されたVDPネイティブディスプレイリストコマンド群は、外部リクエストDMAによって周辺制御RAM1530cから取得され、音源内蔵VDP1540aに転送される。
音源内蔵VDP1540aは、転送されたVDPネイティブディスプレイリストコマンドを受信すると、ディスプレイリスト用FIFOに一時的に記憶する。音源内蔵VDP1540aは、ディスプレイリスト用FIFOに記憶されたディスプレイリストを先頭から処理し、液晶表示装置に画像(動画)を出力する。
以上のように、1フレーム分のディスプレイリストコマンド群を周辺制御RAM1530cのバッファに記憶し、ディスプレイリストコマンド群を作成した次の処理周期で外部リクエストDMAを用いてバッファからディスプレイリストコマンド群をVDP1540aに送信することで描画を実現している。ただし、一画面分の膨大な液晶演出スケジューラデータをVDPネイティブディスプレイリストコマンド群に解析変換する処理は大きな処理負荷となる。なお、一の遊技機に異なるメーカのVDPを複数搭載する構成であった場合には、中間データ形式である液晶演出スケジューラデータをメーカ毎のVDPに対応したVDPネイティブディスプレイリストコマンド群に解析変換することが可能となる。
そこで、本実施形態では、一部又は全部のディスプレイリストコマンド群について、周辺制御RAM1530cに記憶することなく音源内蔵VDP1540aに転送可能な構成を適用する。図454は、本実施形態におけるディスプレイリストコマンド群を周辺制御RAM1530cに記憶せずに音源内蔵VDP1540aに転送する手順を説明する図である。
図454に示す手順では、まず、液晶演出スケジューラディスプレイリスト選択管理モジュールによって外部リクエストDMAにディスプレイリスト転送設定を行う。外部リクエストDMAは、設定されたディスプレイリストコマンド群を周辺制御RAM1530cからではなく、周辺制御ROM1530bから取得する。
周辺制御ROM1530bには、ディスプレイリストコマンド群を周辺制御RAM1530cに一時的に記憶する場合と同様に液晶演出スケジューラーデータが記憶されているが、各液晶演出スケジューラーデータは変換済のVDPネイティブディスプレイリストコマンド群と、割り込みディスプレイリストコマンドによって構成されている。
外部リクエストDMAは、液晶演出スケジューラディスプレイリスト選択管理モジュールによる転送設定に基づいて、指定された液晶演出スケジューラーデータを周辺制御ROM1530bから取得し、音源内蔵VDP1540aに転送する。音源内蔵VDP1540aは、転送されたVDPネイティブディスプレイリストコマンド及び割り込みディスプレイリストコマンドを、ディスプレイリスト用FIFOに一時的に記憶する。
音源内蔵VDP1540aは、ディスプレイリスト用FIFOからVDPネイティブディスプレイリストコマンドを取り出し、取り出したVDPネイティブディスプレイリストコマンドを解析及び実行し、フレームバッファに画像を書き込む。さらに、VDPネイティブディスプレイリストコマンド群とともに転送された割り込みディスプレイリストコマンドを解析実行した契機でディスプレイリストの解析を中断し、外部リクエストDMAに対して転送中断要求を発生させる。その後、周辺制御MPU1511aに対して割り込みを発生させる。
周辺制御MPU1511aは、音源内蔵VDP1540aからの割り込みを検知すると、割り込み処理モジュールにおいて割り込み要因が割り込みディスプレイリストコマンドによる割り込みであることを判断し、コールバックを実行する。コールバック関数では、液晶演出スケジューラーデータ対応コールバック情報テーブルを参照し、演出の差し替えや図柄の差し替えを行う。演出の差し替え方法に関しては上述した図439等を使用した説明と同じとなり、また、図柄の差し替え方法も上述した図439等を使用した説明と同じとなる。液晶演出スケジューラーデータ対応コールバック情報テーブルは、液晶演出スケジューラーデータ内に定義されている割り込みディスプレイリストコマンドの数と対応する演出SWが定義されている。コールバック関数によって差し替え情報を確定し、確定した差し替え情報を元にディスプレイリストコマンドを作成し、音源内蔵VDP1540aに送信する。その後、周辺制御MPU1511aは、音源内蔵VDP1540aに対してディスプレイリスト解析再開のディスプレイリストコマンドを送信する。音源内蔵VDP1540aは、ディスプレイリスト解析再開のディスプレイリストコマンドを解析し、外部リクエストDMAに対して転送再開要求を発生させるとともにディスプレイリストコマンドの解析を再開する。
上記のようにコールバック関数を用いて演出の差し替え部分のみ処理することによって、差し替え以外のすべての演出に関わるVDPネイティブディスプレイリストの変換を一切行わずに周辺制御RAM1530c(一時記憶手段)を使用せず、周辺制御ROM1530bから外部リクエストDMA(転送手段)を用いて音源内蔵VDP1540aに転送を行うことが可能となる。
以上のように構成することによって、VDPネイティブディスプレイリストコマンド群を周辺制御RAM1530cに記憶することなく、音源内蔵VDP1540aに転送することができる。これにより、画像の表示にともなう周辺制御MPU1511aの負荷を軽減することが可能となり、画像処理を高速化することができる。また、周辺制御RAM1530cの使用領域を節約することができるため、記憶領域を有効に利用することが可能となる。
なお、周辺制御ROM1530bには、使用頻度の高いVDPネイティブディスプレイリストコマンド群のみを記憶し、使用頻度の低いVDPネイティブディスプレイリストコマンド群については、従来の手順で処理してもよい。これにより、使用頻度の高いディスプレイリストコマンドの処理が短縮されることで全体的に処理速度を高めることができるとともに周辺制御ROM1530bの容量の増大を抑制することができる。また、汎用性の高い画像(動画)に対応するディスプレイリストコマンドを周辺制御ROM1530bに記憶し、機種やバージョンの相違により異なる画像の処理を従来の手順で行うことにより、開発効率の向上を図ることも可能となる。
[30.アライメント調整]
遊技機の遊技制御や周辺制御(演出制御)で使用されるプロセッサ(CPU,MPU)は、基本的には整数型及び浮動小数型のデータ型を扱うことができる。32ビットのCPUで使用可能な整数型は、char(文字、キャラクタ)型、int(整数)型、long(長整数)型であり、それぞれ1バイト、2バイト、4バイトのサイズとなっている。
また、浮動小数点型は、float(単精度)型、double(倍精度)型であり、それぞれ4バイト、8バイトのサイズとなっている。
遊技機の周辺制御で使用するプロセッサは、CISCプロセッサ又はRISCプロセッサのいずれであっても、メモリ(ROM、RAM)上のデータを1バイト単位ですべてのアドレスに格納されたデータを読み書き可能なバイトマシンとなっている。なお、複数バイトのデータを読み書きするアドレスはこの限りではない。プロセッサが複数バイトのデータの読み込みを行う場合には、常にバイト境界から読み込みが行われ、バイト境界をまたぐようにアクセスした場合にはアライメント違反が発生する。アライメント違反発生時の挙動はプロセッサによるが、例えば、処理を継続できる代わりにメモリアクセスが複数回発生することによってプログラムの実行が遅延してしまったり、実行時例外の発生により処理が中断してしまったりする。
しかし、現状の遊技機の開発において、遊技を制御するプログラムを実行したときに、メモリ(ROM、RAM)上に複数の情報で構成されるデータ構造に関しては、アライメントを意識せずに作成されることが多かった。そのため、プログラム実行時にアライメント違反が発生し、プログラムの実行速度が低下してしまうことがあった。遊技機の周辺制御では、所定の処理周期内ですべての処理を完了させる必要があったため、プログラムの実行速度の低下は大きな問題となる場合があった。特に、遊技機の演出は、複数の要素に基づいて構成されているため、各要素に関連する様々な情報を一括して管理する必要があり、異なる種類のデータ型で様々な情報を格納するデータ構造が採用されている。
以上の課題を解決するため、本実施形態に係る遊技機では、遊技制御に用いる複数の情報で構成されるデータ構造では、メモリ上に当該データ構造に対応するデータを記憶する場合に、各情報を格納する領域間又は終端に空のデータを明示的に埋め込む。これにより、プロセッサによるデータのアクセス開始位置を調整し、必ずバイト境界アドレスからプロセッサがアクセスするように情報を配置することで、アライメント違反を発生させないようにし、プログラムの実行速度の低下を防止することができる。すべてのROM上、RAM上のデータ構造に対してアライメントの調整を行うことは膨大な作業となるため、プロセッサに対する負荷が大きく処理時間が長くなる変動開始時の演出抽選処理、電源投入時の初期化処理、液晶の描画に関わる制御処理、ランプ制御処理等に関わるROM上、RAM上のデータ構造でアライメントの調整を行うことが望ましい。また、上述した処理以外でアライメントの調整を行うことは何も問題ない。
[31.複数の識別図柄を表示する構成]
ところで、近年では、遊技の興趣を高めるために多種多様な演出が要求されるようになったため、演出表示装置での演出内容の複雑化や描画内容の多様化などが生じている。ここまで説明した実施形態では、変動表示の結果を報知する識別図柄を一組だけ表示するように構成し、この一組の識別図柄の変動表示に対し比較的多種多様な演出を付加して遊技進行させることを主としていたが、遊技者のなかには、多種多様な演出を好まない遊技者層も存在しており、広範の遊技者ニーズに合った遊技機を開発することが課題とされるなか、多種多様な演出が頻出する構成では遊技興趣を低下させてしまうおそれがあった。そこで、広範の遊技者ニーズに合った遊技機を提供することを目的に、以下では特異な態様の複数組の識別図柄を表示可能な構成について説明する。具体的には、演出表示装置1600にて識別図柄の変動表示を行うための表示領域を一又は複数の表示装置(表示画面)に複数割り当て、異なる遊技者ニーズがあるなかでいずれの遊技者ニーズにも対応できるように、別組の識別図柄の変動表示を同時進行させることとしている。各表示領域では、識別図柄によって変動表示の結果を報知する点で共通であるが、識別図柄の変動態様など異なる演出態様で表示する。
[31−1.識別図柄の表示領域の態様]
図455は、本実施形態における周辺制御MPU1511aの制御下にて上述した複数組の識別図柄を変動表示するにあたり、それら識別図柄を表示する複数の表示領域を有する構成の例を示す図であり、(A)は演出表示装置1600における一の表示画面上に識別図柄の表示領域Aと表示領域Bを有する構成例、(B)は2つの表示画面を有する場合に各表示画面上に識別図柄の表示領域Aと表示領域Bを有する構成例である。
図455(A)に示す例では、一の画面上に識別図柄の表示領域A及び表示領域Bを有し、表示領域Aは画面上部、表示領域Bは画面下部に割り当てられている。表示領域Aには第1識別図柄8010、表示領域Bには第2識別図柄8020が表示される。図455(A)に示す例では、表示領域A及び表示領域Bが同等の大きさの表示領域として構成されており、中央横方向に向かう波状の境界によって表示領域Aと表示領域Bとが区分けされている。また、第1識別図柄8010は、第1左図柄8010a、第1中図柄8010b及び第1右図柄8010cの3桁の図柄によって構成される。同様に、第2識別図柄8020は、第1識別図柄8010が3桁の図柄であることに合わせて、第2左図柄8020a、第2中図柄8020b及び第2右図柄8020cの3桁の図柄によって構成される。なお、表示領域A、Bの大きさは同等のものに限らず、異なる大きさにしても良い。
第1識別図柄8010及び第2識別図柄8020は、同時に変動表示が開始され、同時に停止する。各識別図柄の個々の図柄(左図柄、中図柄、右図柄)の停止タイミングは任意であるが、すべての識別図柄の停止態様が最終的に確定するタイミングは同じになる。
また、最終的な停止図柄は、いずれの識別図柄を遊技者が認識しても誤認したり、違和感を与えないように同じ停止図柄の組み合わせ(抽選結果)としている。例えば、抽選の結果として当り結果を導出する場合には、第1識別図柄8010の個々の識別図柄がすべて同一の図柄組み合わせ(例えば「777」など)になるとともに、それに同調するかたちで、第2識別図柄8020の個々の識別図柄もすべて同一の図柄組み合わせ(第1識別図柄8010と同等の「777」など)になる。また、抽選の結果としてリーチ無しはずれ結果を導出する場合には、第1識別図柄8010の個々の識別図柄がリーチ表示(左図柄と右図柄が同一)を構成しない図柄組み合わせ(例えば「135」、「224」など)になるとともに、それに同調するかたちで、第2識別図柄8020の個々の識別図柄もリーチ表示(左図柄と右図柄が同一)を構成しない図柄組み合わせ(第1識別図柄8010と同等の「135」、「224」など)になる。また、抽選の結果としてリーチ有りはずれ結果を導出する場合には、第1識別図柄8010の個々の識別図柄がリーチ表示(左図柄と右図柄が同一)を構成しつつもすべてが同一とならない図柄組み合わせ(例えば「131」、「242」など)になるとともに、それに同調するかたちで、第2識別図柄8020の個々の識別図柄もリーチ表示(左図柄と右図柄が同一)を構成しない図柄組み合わせ(第1識別図柄8010と同等の「135」、「224」など)になる。
なお、表示領域Aで表示される第1識別図柄8010及び表示領域Bで表示される第2識別図柄8020は、同等の図柄組み合わせであることを遊技者が認識可能な図柄表示態様であればよく、例えば、一方の表示領域では「漢数字」からなる図柄表示態様(「一二三」など)で図柄組み合わせ表示するように構成する一方で、他方の表示領域で「英数字」等からなる図柄表示態様(「123」など)で図柄組み合わせを表示するように構成するようにしてもよい。また、双方の表示領域で同一種の図柄表示態様(例えば、いずれの表示領域でも「123」を表示する)で図柄組み合わせを表示するように構成してもよい。また、同一種の図柄表示態様を表示するに当たり、その表示様式(フォント)については、同一であってもよいし、異なるものとしてもよい。また、本実施形態では、第1識別図柄8010及び第2識別図柄8020の桁数を3桁としたが、最終的に導出した図柄の組み合わせとして同等の図柄組み合わせを遊技者に示すことができれば他の桁数でもよく、例えば、第1識別図柄8010及び第2識別図柄8020の桁数をいずれも2桁で構成したり、第1識別図柄8010及び第2識別図柄8020の桁数をいずれも4桁以上の同数で構成するものとしてもよい。なお、詳細は後述するが、第1識別図柄8010においては、第2識別図柄8020の停止態様が最終的に確定する際に第2識別図柄8020と同一の桁数となっていればよく、第1識別図柄8010の変動表示過程にて、最終的な桁数とは異なる桁数に一時的に変化するように構成してもよい。
なお、本実施形態では第1識別図柄8010と第2識別図柄8020の双方の表示領域で同一種の図柄表示態様(本実施例では英数字の数字図柄)を採用しながらも、各識別図柄の個々の図柄に付加する付加装飾表示の態様を異なるものとしている。具体的には、第1識別図柄8010は、各識別図柄に対して付加装飾表示がなされており、各々の識別図柄そのものにインパクトを与え、それら付加装飾表示によっても多彩な演出が実行される(高装飾動的表示)。一方、第2識別図柄8020は、第1識別図柄8010のような付加装飾表示がなされていない、若しくは、少なくとも第1識別図柄8010よりもシンプルな付加装飾表示がなされたものとなっている(低装飾動的表示)。
さらに、第1識別図柄8010を構成する図柄の種類と、第2識別図柄8020を構成する図柄の種類は必ずしも厳密に一致若しくは厳密に一対一で対応しなければならないのではない。例えば、演出態様に応じて、第1識別図柄8010は、各識別図柄で変動表示される図柄として、数字図柄(0〜9)及びキャラクタ図柄(例えば、飛行機を模した図柄)を有するものとし、第2図柄は数字図柄(0〜9)のみであってもよい。また、このようにした場合、第1識別図柄8010がキャラクタ図柄で停止した場合には当該図柄が再変動するなどして最終的な停止図柄が数字図柄となるように制御されるといったように、キャラクタ図柄には数字図柄とは異なる特殊な遊技要素を含むものとすることが考えられ、数字図柄が最終的な抽選結果に直結したものである一方で、キャラクタ図柄は、最終的な抽選結果ではなく専ら変動表示の過程での演出に特化して用いられるものとして位置付けることができる。
表示領域Aに表示される第1識別図柄8010では、変動表示(図柄変動)の結果表示(抽選結果の導出)までに多様な演出が行われる(高装飾動的表示)。例えば、識別図柄の変動表示において、遊技者が識別図柄の内容を認識困難な高速表示態様から、所定のタイミングで遊技者が識別図柄の内容を認識可能な低速表示態様に切り替える。具体的には、前述したように、識別図柄差し替え用の演出SWに基づいてコールバックを実行することによって、識別図柄の切替タイミングで停止図柄や図柄の停止タイミングに基づいて、識別図柄の差し替えテーブル及びリールインデックス差し替えワーク番号テーブルを用いて識別図柄を差し替えることとし、停止間際まで識別図柄に対する装飾を細かに行い、第1識別図柄8010に注目する遊技者に対して停止間際まで面白みを付与することとしている。
なお、表示領域Aに表示される第1識別図柄8010は、遊技状態や演出モード、あるいは特別図柄の変動パターンの種別によって、第1識別図柄8010を構成する識別図柄の全部あるいは一部を変更可能であり、遊技状態や演出モード、あるいは特別図柄の変動パターンの種別によって、遊技進行のなかで第1識別図柄8010を多様に変更することとしている。具体的には、表示領域Aに表示される第1識別図柄8010の図柄列データが複数設けられており(例えば、0〜9の図柄列データ、零〜九の図柄列データなど)、遊技状態切替時や演出モード切替時、あるいは特別図柄の変動パターン選択時に、これら複数の図柄列データの種別に個別に対応する図柄列データ選択演出SW(例えば、0〜9の図柄列データに対応する図柄列データ選択演出SW1、零〜九の図柄列データに対応する図柄列データ選択演出SW2)をONに設定し、他の演出SWをOFFに設定することによって、第1識別図柄8010の表示に用いる図柄列データを多様に変更可能とし、多彩な演出を実行可能にしている。
また、上述したように、第1識別図柄8010においては、最終的に確定する際に第2識別図柄8020と同一の桁数にすることを前提に、その変動表示過程にて、最終的な桁数とは異なる桁数に一時的に変化するように構成してもよい。例えば、最終的には3桁となるものの、変動表示中の特定の期間(たとえば、左図柄が停止した後のリーチになるかどうかを煽るリーチ煽り期間など)だけ2桁の表示としたりすること等が例示できる。これについては、変動パターンなどに基づいて選択された液晶演出スケジューラデータに定義された演出SWに基づいて実行するようにすればよく、例えば、変動パターンなどに基づいて選択された液晶演出スケジューラデータに定義される演出SWとして、桁数データに対応する桁数データ選択演出SW(例えば、3桁の桁数データに対応する桁数データ選択演出SW1、2桁の桁数データに対応する桁数データ選択演出SW2など)を用いて、2桁表示する際には、桁数データ選択演出SW2をONに設定し、他の演出SWをOFFに設定することによって、多彩な演出を実行可能にしている。
第1識別図柄8010には、識別図柄そのものを変更して表示態様を変化させるだけでなく、前述したように識別図柄になされた付加装飾表示を用いた演出が行われる。例えば、図455(A)に示すように、第1識別図柄8010の左識別図柄8010aに星形状の付加装飾8011を表示することで、実行中の変動表示において有利な抽選結果(当りなど)が導出される可能性が高いことを示唆するようにしてもよい。このとき、付加装飾8011の数や色、あるいは動作の種類に応じて期待度を報知するようにしてもよい(例えば、付加装飾8011の数が1個→3個→5個の順に期待度が高くなるようしたり、付加装飾8011の色が白→青→赤の順に期待度が高くなるようしたり、付加装飾8011の動作が静止→振動動作→回転動作の順に期待度が高くなるようしたりする)。また、右識別図柄8010cにも同様の付加装飾8011を表示することで、第1識別図柄8010での演出を遊技者に一層注目させ、期待度が高まったことをより明確に示唆するようにしてもよい。さらには、識別図柄ごとに異なる付加装飾を施して、第1識別図柄8010のいずれかにより有利な抽選結果を導出する期待度を報知するようにしてもよい。
また、別例として、第1識別図柄8010に含まれる各図柄に上述した星形状の付加装飾8011とは別の付加装飾表示である炎エフェクト画像(白、青、赤)を重ねる演出表示制御を実行し、期待度に応じて炎の色を変化させる演出を実行するようにしてもよい(例えば、白→青→赤の順に期待度高)。このように、第1識別図柄8010に対する付加装飾表示を複数設ける場合には、当り外れの抽選結果に基づいて周辺制御基板1510がいずれかの付加装飾表示を表示するかの抽選などを行い、その決定結果を反映して、変動パターンなどに基づいて選択された液晶演出スケジューラデータに定義された演出SWに基づいて実行するようにすればよい。
表示領域Aでは、第1識別図柄8010に付加する付加装飾表示を、識別図柄を表示するレイヤとは異なるレイヤに描画する。これにより、識別図柄の表示制御は付加装飾表示の有無や種類にかかわらず共通の制御とすることが可能となる。また、識別図柄と付加装飾表示を別のレイヤに描画することにより、付加装飾表示を識別図柄の前面側に表示するか背面側に表示するかを指定することができ、液晶演出スケジューラデータで設定しておけば演出実行時に自動的に制御することができる。さらに、前述したように、付加装飾表示を表示するか否かは、変動パターンなどに基づいて選択された液晶演出スケジューラデータに定義された演出SWに基づいて実行時に判断されて対応する処理を実行するだけであるため、演出制御を複雑化させることなく、より効果の高い演出を実現することができる。
さらに、第1識別図柄8010が表示される表示領域Aにおいて、識別図柄とは独立してキャラクタ演出表示を実行してもよい。例えば、左識別図柄8010aと右識別図柄8010cが同じ図柄で停止したリーチ状態で、期待度に応じたキャラクタを表示する演出(キャラクタの種類・アクション等により有利な抽選結果が導出される可能性を示唆する図柄演出)を実行するようにしてもよい。
また、表示領域Aの背景表示を変動表示における抽選結果の期待度に応じて変更するようにしてもよい(背景表示の種類により有利な抽選結果が導出される可能性を示唆する図柄演出)。また、背景表示そのものを変更するのではなく、背景表示色のみを変化させる演出を実行するようにしてもよい(例えば、白→青→赤の順に期待度高)。
なお、前述のように、表示領域Aにおいては、キャラクタ演出表示や背景表示についても、識別図柄が描画されるレイヤとは別のレイヤに描画されるようにすることで、識別図柄の前面側に表示するか背面側に表示するかを指定することが可能となり(例えば、キャラクタ演出表示は前面側、背景表示は背面側など)、それらを液晶演出スケジューラデータで予め設定しておけば演出実行時に自動的に制御することができる。これにより、キャラクタ演出表示の態様、背景表示の変化の有無、背景表示の種類にかかわらず、識別図柄の変動表示を行うための制御を独立したものとすることができる。
その他の表示領域Aでの演出態様としては、第1識別図柄8010とは独立して、第1識別図柄8010の前面側レイヤに操作部の操作指示画像を表示し、遊技者による操作部の操作態様に応じた操作演出を実行する(操作対応画像等により有利な抽選結果が導出される可能性を示唆する図柄演出)。例えば、ボタン操作指示画像の表示後に遊技者が演出ボタンを押下すると、期待度に応じてキャラクタが表示されるとともに特定のアクションを行う操作演出が実行される。
さらに、表示領域Aにおいては、遊技盤5aに備えられた可動体と連動した演出を実行するようにしてもよい(可動体動作により有利な抽選結果が導出される可能性を示唆する演出)。例えば、遊技領域5aの上部に配置された可動体を、第1識別図柄8010の一部又は全部を遊技者の視線を遮る位置までに移動させることで期待度が高いことを示唆するようにしてもよい。
続いて、表示領域Bについて説明する。表示領域Bに表示される第2識別図柄8020は、変動開始コマンドを受信して識別図柄の変動表示が開始されると、変動停止コマンドを受信した後又は変動時間経過後に識別図柄の変動表示が終了し、指定された停止図柄で停止する。識別図柄が変動表示されている間は、遊技者が識別図柄の内容を認識困難な高速表示態様となっており、変動時間経過後に停止図柄が表示されるだけのシンプルな演出態様となる(低装飾動的表示)。
表示領域Bでは、第1識別図柄8010に対してなされた付加装飾表示や、識別図柄の変動表示中に期待度を報知するためのキャラクタ演出表示を表示したり、操作演出を実行したりすることはない。さらに、第1識別図柄8010とは異なり、第2識別図柄8020の表示態様を高速表示態様から低速表示態様に変化させるような制御は実行されない。
また、第1識別図柄8010が仮停止及び再変動を行う場合であっても第2識別図柄8020の変動表示は継続する。
そのため、第2識別図柄8020を表示制御するための液晶演出スケジューラデータでは、図柄の差し替えなど表示態様を変化させるための演出SWは定義されておらず、きわめてシンプルなスケジューラデータとなる。なお、演出制御プログラムは液晶演出スケジューラデータに定義された内容を順次実行するだけであるため、このようなシンプルなスケジューラデータであっても高装飾動的表示を行う場合と同様の演出制御が実行され、演出SWなどによる演出の実行がスキップされるのみである。
なお、変動表示中に表示態様を変化させるのでなければ、第2識別図柄8020の態様を変更してもよい。例えば、遊技状態や演出モードに対応する第2識別図柄8020の態様をあらかじめ用意し、変動開始時に対応する態様を選択するようにしてもよい。
また、背景表示については、表示領域Bのための背景表示(表示領域A以外の背景)を描画するようにしてもよい。この場合には、遊技状態や演出モードに対応する背景を用意するようにしてもよい。なお、制御面での簡素化を図る上で、表示領域Bの背景部分は透過させるようにするとともに、表示領域Aの背景表示を拡大して、表示領域Aと共通の背景表示を行うようにしてもよい。
このように、表示領域Bにおける第2識別図柄8020の変動表示は、第1識別図柄8010とは異なり、変動開始後、識別図柄差し替え用の演出SWに基づいてコールバックが実行されたり、付加装飾表示等による多様な演出が行われるわけではなく、いずれの図柄組み合わせで停止表示されるかを待つことに特化したシンプルなものとしている。このため、表示領域Bでは、遊技者が各種演出の種類等で一喜一憂するわけではなく、いずれの図柄組み合わせで停止表示されるか固唾を呑んで見守るゲーム性で遊技が進行することになる。
また、表示領域Bでは、第1識別図柄8010に対してなされた付加装飾表示や、識別図柄の変動表示中に期待度を報知するためのキャラクタ演出表示を表示したり、操作演出を実行したりすることはなく、背景表示も透過するように設定するだけでもよいため、第1識別図柄8010(表示領域A)のような多様なレイヤ設定が不要となっている。
また、図455に示す画面左上部には、第1識別図柄8010、第2識別図柄8020とは異なる第4図柄8030が表示される。第4図柄8030は、特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間であることを示すものであり、特別図柄の変動表示中には、第1識別図柄8010、第2識別図柄8020が変動表示しているなかで、特別図柄の変動表示中であることを表す特別図柄変動明示表示が行われ、特別図柄の変動が停止したとき、あるいが停止しているときには、第1識別図柄8010、第2識別図柄8020が停止表示しているなかで、特別図柄の停止中であることを表す特別図柄停止明示表示が行われる。例えば、識別図柄が見かけ上停止している状態であっても(仮停止)、変動表示の結果表示が完了するまでは、第4図柄8030では特別図柄変動明示表示が行われる。第4図柄8030の特別図柄変動明示表示が行われている間は、三角形状の図柄が所定間隔で90度ずつ回転し、縦縞で表示する。また、第4図柄8030の特別図柄停止明示表示が行われている間は、三角形状の図柄を所定色で塗りつぶした状態で表示する。なお、第4図柄8030は、上述した表示領域A又は表示領域Bに描画するためのレイヤとは独立した上位レイヤに描画される。また、本実施形態における第4図柄8030は、第1識別図柄8010や第2識別図柄8020とは異なり、客待ち状態などを含む全ての状況下で外部から認識できるように表示されている。なお、図455に示す例では、表示領域Aに重なるかたちで第4図柄8030を設けることとしているが、必ずしもこうした形態に限られるものではなく、表示領域Bに重なるかたちで第4図柄8030を設けるようにしたり、演出表示装置1600とは別の表示装置(ランプ装置)などで第4図柄8030の特別図柄変動明示表示、特別図柄停止明示表示に相当する制御を行うようにしてもよい。
第1識別図柄8010、第2識別図柄8020は、上述したように、どのような抽選結果になったかを、その経緯(当り、リーチ無しはずれ、リーチ有りはずれなど)まで含めたかたちで遊技者に伝達する役割を担うものであるのに対し、第4図柄は、どのような遊技の状況であるか(特別図柄の変動表示中なのか、停止表示中や客待ち状態中であるのか)を遊技設計者や遊技機管理者(あるいは遊技者)に伝達する役割を担うものである。つまり、第1識別図柄8010、第2識別図柄8020は各々の役割が類似しているものの、抽選結果の詳細を遊技者に伝達するという面で第4図柄では果たす事のできない役割を有している。また、詳細は後述するが、第1識別図柄8010や第2識別図柄8020は、特別図柄の変動表示中や客待ち状態中に一時的に消去されたり隠蔽されたりする可能性がある。これに対し、第4図柄は、常に遊技の状況を遊技者に伝達するという面で、特別図柄の変動表示中や客待ち状態中に一時的に消去されたり隠蔽されたりする可能性のある第1識別図柄8010や第2識別図柄8020では果たす事のできない役割を有している。
また、図455に示す画面下部には、保留記憶表示8040が描画される。本実施形態では、画面左下部に第1特別図柄の保留記憶表示が描画され、図示されていないが、画面右下部に第2特別図柄の保留記憶表示が描画される。また、図455(A)では、表示領域Bに保留記憶表示8040が重なっているが、識別図柄と重ならなければ問題ない。なお、保留記憶表示8040は、前述したように、独立したレイヤに描画され、表示領域Bに対応するレイヤよりも前面側に配置される。なお、第4図柄8030と同様に、必ずしもこうした形態に限られるものではなく、保留記憶表示8040も演出表示装置1600とは別の表示装置(ランプ装置)などで代用するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態では、表示領域ごとにレイヤを定義する。これにより、表示領域ごとに独立して描画演出を実行することが可能となり、表示領域Aで実行される演出効果の高い高装飾動的表示と、表示領域Bで実行される低装飾動的表示とを任意の組み合わせで実行することができる。高装飾動的表示と低装飾動的表示の組み合わせは、液晶演出スケジューラーデータで定義することができるため、演出制御プログラムそのものを変更する必要がなく、演出構成を容易に作成及び変更することができる。
次に、図455(B)を参照しながら2つの表示画面を有する場合に各表示画面上に識別図柄の表示領域Aと表示領域Bを有する例について説明する。図455(B)では物理的に異なる表示装置にそれぞれ表示領域が割り当てられており、表示領域A及び表示領域Bは、同等の大きさの表示装置で構成されている。なお、(A)に示す例と共通の機能を有する構成については、同じ符号を付与して説明を省略する。なお、表示領域A及び表示領域Bの大きさは同等のものに限らず、異なる大きさにしてもよい。
図455(B)に示す例では、遊技盤5に演出表示装置を複数設け、メイン液晶表示装置に表示領域Aが割り当てられ、サブ液晶表示装置に表示領域Bが割り当てられている。
表示領域Aには、第1識別図柄8010が表示されるとともに、第4図柄8030、保留記憶表示8040が描画される。一方、表示領域Bには、第2識別図柄8020が表示される。
なお、メイン液晶表示装置の全表示領域を表示領域Aとするのではなく、第4図柄8030及び保留記憶表示8040を表示する領域を表示領域Aと異なる領域としてもよい。
また、第4図柄8030及び保留記憶表示8040を表示領域Bに割り当てるようにしてもよい。
図455(B)に示す例では、第1識別図柄8010がリーチ状態となっており、左識別図柄8010a及び右識別図柄8010cに装飾8011が描画されている。さらに、当該変動において有利な抽選結果を導出する可能性が高いことを示唆する予告画像8050が表示されている。
また、第2識別図柄8020は、変動表示中はすべての識別図柄が高速表示態様となっており、遊技者はすべての識別図柄を認識することができないようになっている。表示領域Aでは第1識別図柄8010がリーチ状態となっており、予告画像8050が表示されるなどの予告演出が実行されているが、表示領域Bでは上記演出は実行せずに第2識別図柄8020の低装飾動的表示を継続するのみとなっている。
[31−2.表示領域の強調態様]
以上のように、本実施形態では、表示領域A及び表示領域Bでそれぞれ異なる表示態様で識別図柄の変動表示が行われる。以下では、各表示領域に表示される識別図柄の変動表示が並行して実行されるなかで、遊技者による選択操作が行われる(図示しない切替操作部が操作される)ことによって、いずれか一方の表示領域で実行されている変動表示を他方の表示領域よりも強調して表示する制御について説明する(強調態様、大設定)。
図456は、本実施形態における識別図柄の変動表示を実行する表示領域の強調態様を説明する図であり、(A)は表示領域A及び表示領域Bを標準的な態様(規定のサイズ)で表示する通常パターン、(B)は表示領域Aを強調態様で表示する強調パターンA、(C)は表示領域Bを強調態様で表示する強調パターンBである。本実施形態では、強調しない側である表示領域を縮小されたワイプ表示(小設定、抑制態様)とし、強調しない側の表示領域についても遊技進行のなかで遊技者が認識可能な状態となっている。なお、強調して表示する表示領域の切り替えは、所定の切替操作部(切替ボタンなど)を操作することによって可能とされ、特別図柄が変動表示していない状態であっても、特別図柄の変動表示中であっても切替可能となっている。
遊技者は、切替操作部を操作することによって、(A)通常パターン、(B)強調パターンA、(C)強調パターンBを順次切り替えることが可能となっている。なお、切替態様としては、遊技者が切替操作部を操作する都度、(A)通常パターン、(B)強調パターンA、(C)強調パターンBを予め定められた順序で切り替えるようにしてもよいし、遊技者が希望する表示パターンへと直ちに選択できるようにしてもよい。遊技者が希望する表示パターンへと直ちに選択できるようにする構成としては、例えば、遊技者による切替操作部に対する複数種類の操作態様に夫々対応するように切替先の表示パターンを設定しておき、切替操作部に対する操作態様によって、遊技者が希望する表示態様に直ちに切り替えられるように構成する。具体的には、切替操作部に対する第1操作(例えば5秒以上の長押し)に対応して切替先の表示パターンを通常パターンを設定する一方、切替操作部に対する第2操作(例えば2秒未満の短押し)に対応して切替先の表示パターンを強調パターンAを設定し、さらに、切替操作部に対する第3操作(例えば2秒以上5秒未満の長押し)に対応して切替先の表示パターンを強調パターンBを設定する。例えば、切替操作部に対して第3操作を行うことにより、図456(C)に示す表示領域Bの強調態様(強調パターンB)で遊技進行している場合、大領域で低装飾動的表示による図柄変動が進行することとなる。このとき、図456(C)に示すように、ワイプに表示された表示領域Aでは、高装飾動的表示に相当する表示がなされることとなり、そのなかで「珍しそうな演出」が行われていることを遊技者が認識した際に、切替操作部に対して第2操作を行うことで、遊技者の意思で即座に強調パターンAに変更することが可能となる。「珍しそうな演出」の一例としては、中識別図柄8010bでキャラクタ図柄(飛行機)が仮停止する予告演出等が挙げられ、ワイプに表示された表示領域Aにてキャラクタ図柄が確認できた際に切替操作部を第2操作することにより、表示領域Aの強調態様(強調パターンA)に即座に変更することが可能となる。なお、強調パターンAに移行すると、縮小された領域では表示されていなかったキャラクタ演出や役物動作を行なうようにしてもよい(図456(C)→(B))。
また、図456(C)に示すような表示領域Aが縮小(ワイプ)して表示されている場合であっても、その表示領域Aにて遊技者操作を要する操作演出を実行可能としてもよい。なお、表示領域Aが縮小(ワイプ)して表示されている場合には、遊技者が実際に切替操作部を操作しなくても、操作演出開始から規定時間後に操作がなされたものとみなして、切替操作部が操作されたときと同様の態様で操作演出を自動的に進行させるようにしてもよい。一方、図456(C)に示すような表示領域Aが縮小(ワイプ)して表示されている場合において、表示領域Aに対応して役物を駆動させる演出、例えば、識別図柄を一時的に遮蔽して所定タイミングで視認可能とする演出は、役物の動作態様を変更する必要があり制御が複雑になるため、実行を抑制(中止)する。
一方、図456(B)に示すように、表示領域Aを強調する態様(強調パターンA)を選択した場合には、縮小(ワイプ)表示された表示領域Bは低装飾動的表示で図柄変動が進行するため、上述したような「珍しそうな演出」が行われることはない。このため、強調パターンAを選択した場合には、表示領域Bの背景を透明化したり、表示領域Bの背景もあわせて表示領域Aにおける演出を実行したりすることで、表示領域Aにおける演出効果を向上させるようにしてもよい。なお、表示領域Bがワイプ表示されている場合であっても表示領域Bの識別図柄の視認性は維持する必要があるため、表示領域Bにおいて識別図柄を描画するレイヤは表示領域Aに関する画像が表示されるレイヤよりも上位レイヤに設定することが好ましい。
また、本実施形態では、各表示領域における識別図柄の変動表示に対応して演出効果音が出力される。具体的には、表示領域Aにおける第1識別図柄8010は多彩な演出を伴って変動表示が行われるため、それら演出に合わせて、演出モードや遊技状態、変動パターンなどに基づく演出効果音が出力される。ここで、表示領域Aにおける識別図柄の変動表示や実行される演出に伴って出力される音(BGM、演出効果音)を一のAUTOグループとして管理し、自動チャンネル方式による音制御を行う。これにより、表示領域Aにおける演出が重複して実行される場合であっても使用されるチャンネルの上限が限定されるため、遊技機の演出の実行によるリソースの消費量を抑制することができる。また、優先順位の高い音を自動的に出力することが可能となるため、演出制御の複雑化を抑制することができる。
一方、表示領域Bにおける第2識別図柄8020は高速表示態様で変動表示が実行され、出力される演出効果音も簡素(変動BGM、停止音のみ)である。そのため、表示領域A及び表示領域Bがいずれも縮小(ワイプ)表示されない通常パターン(図456(A))となっている場合には、表示領域Bに対応する演出効果音を出力しない、あるいは、出力音を小さくする等して、表示領域Bに対応する演出効果音の出力を抑制する態様で制御することとしている。また、一方の表示領域が強調パターンで表示されている場合には、強調パターンで表示されている表示領域における演出効果音のみを出力し、縮小(ワイプ)表示されている表示領域における演出効果音を出力しない、あるいは、出力音を小さくする等して、縮小(ワイプ)表示されている表示領域に対応する演出効果音の出力を抑制する態様で制御することとしている。
図柄の変動表示が行われていない(始動記憶が保留されていない)待機状態の場合には、図456(B)(C)のように一方の表示領域を縮小(ワイプ)表示をせずに、図456(A)のように通常パターンで各表示領域を表示する。識別図柄の変動表示が行われていない状態で一方の表示領域を強調する意義は小さく、また、客寄せ表示用の画面は全画面表示を前提に設計されているためである。
また、特別図柄の変動表示が行われている状態で電源が切断され、その後に電源投入された場合には、予め定められた態様で各識別図柄を表示する。例えば、表示領域Aを強調表示する強調パターンAであってもよいし、通常パターンとしてもよい。このとき、表示される図柄の組み合わせは、直前の変動の結果に関係なく、初期状態用の図柄組み合わせ(例えば、「123」)に設定する。なお、図柄が変動していない状態で電源断され、その後に電源投入された際は、図柄変動開始するまでワイプ表示をせずに(強調パターンA、Bで表示せずに)、通常パターンで識別図柄を表示する。前述のように、図柄が変動表示されていない状態では、一方の表示領域を強調表示する意義が乏しいからである。
本実施形態では、前述のように、各表示領域が異なるレイヤによって構成される。各表示領域では、強調態様で描画されるか縮小表示で描画されるかによって描画する領域が異なっている。具体的には、各レイヤ全体のサイズは表示画面全体のサイズと同じであり、指定された表示領域(例えば、表示領域A)内に描画する。このとき、描画領域の座標系を変換することによって、領域のサイズが異なっていても共通の手段で描画することが可能となる。したがって、既定のサイズ(通常パターン)で表示する場合、拡大して(強調態様で)表示する場合、縮小(ワイプ)表示する場合、いずれの場合であっても描画内容が同じであれば表示領域の実際のサイズが異なっていても共通の手段(プログラムやデータ)で描画することができる。
したがって、特定の表示態様(例えば、強調態様のみ)で特定のオブジェクト(例えば、装飾画像)を表示する場合に限り、新たにオブジェクトを描画すればよい。例えば、識別図柄に装飾画像を付与する場合には、装飾画像を描画するためのレイヤを新たに用意し、識別図柄を描画するレイヤと合成すればよい。このとき、装飾画像を描画するレイヤの優先度を識別図柄を描画するレイヤの優先度よりも高く設定することで、各レイヤを合成したときに識別図柄の前面側に装飾画像を配置することができる。
以上のように、本実施形態では、強調態様で表示する場合であっても縮小表示する場合であっても同じ画像で表示するオブジェクト(例えば、識別図柄)については共通のプログラムやデータを利用して描画する一方、識別図柄に装飾画像を重ねて表示する場合には、識別図柄よりも優先度の高いレイヤを用意し、当該レイヤに装飾画像を描画して識別図柄のレイヤよりも前面側に配置することによって強調態様の描画を行う。これにより、識別図柄のように各表示態様で描画内容が共通のオブジェクトについては、表示態様ごとにプログラムやデータを個別に用意する必要はなく、共通のプログラムやデータを利用することが可能となり、差分となる最小限のプログラムやデータを用意すればよい。このように構成することによって、演出内容の多様化にともなう画像データの増大を抑制し、演出制御の複雑化を抑制したり、記憶容量の増大を抑制したりすることができる。
[31−3.画面遷移]
続いて、特別図柄の変動開始から停止するまでの識別図柄の変動表示の態様について説明する。図457は、本実施形態の識別図柄の変動表示を表示領域A及び表示領域Bでそれぞれ行う構成の画面遷移の一例を説明する図であり、表示領域Aにおいて識別図柄の一部の変動が停止した場合に連動して表示領域Bにおいて識別図柄の変動が停止する例を示す。図458は、本実施形態の識別図柄の変動表示を表示領域A及び表示領域Bでそれぞれ行う構成の画面遷移の一例を説明する図であり、表示領域Aの表示態様にかかわらず、変動停止時に表示領域Bに停止図柄をすべて表示する例を示す。図457及び図458に示す各画面はそれぞれ同じ状態を示す画面となっており、いずれも通常態様で表示されている。以下、各画面について説明する。
(A)は、始動記憶数が3の状態で図柄の変動表示が終了した直後の状態を示している。このとき、前述したように、三角形状の第4図柄8030は、塗り潰された状態で停止表示されている。また、表示領域Aに表示された第1識別図柄8010及び表示領域2に表示された第2識別図柄8020は、ともに識別図柄が「125」となった状態で停止表示されている。
(B)は、始動記憶を消化して(始動記憶数3→2)、図柄の変動表示を開始した状態である。表示領域Aの第1識別図柄8010及び表示領域Bの第2識別図柄8020はそれぞれ高速表示態様で表示される。図柄の変動表示が開始されると、三角形状の第4図柄8030は、塗りつぶしから縦縞に変化し、回転表示される。
(C)は、第1識別図柄8010の左識別図柄8010aが停止した状態を示している。図457(C)では、第1識別図柄8010の左識別図柄8010aが停止すると、第2識別図柄8020の左識別図柄8020aも停止表示される。一方、図458(C)では、第1識別図柄8010の左識別図柄8010aが停止しても、第2識別図柄8020の左識別図柄8020aは変動表示が継続される。また、第1識別図柄8010の左識別図柄8010aが高速表示態様から低速表示態様に変化した後に変動表示が停止する。一方、第2識別図柄8020の左識別図柄8020aを停止する場合には、低速表示態様に移行せずに停止表示する。表示領域Bによる識別図柄の変動表示は、演出効果を高めることよりも遊技者に変動中であることを報知するとともに、停止図柄を明確に表示することが目的となるからである。
(D)は、(C)の状態から第1識別図柄8010の右識別図柄8010cがさらに停止した状態を示している。このとき、左識別図柄8010aと右識別図柄8010cが同じ図柄で停止しており、リーチ状態となる。表示領域Aでは変動パターンに応じたリーチ演出が実行される一方、表示領域Bでは特別な演出を実行せずに第2識別図柄8020の変動表示が継続される。
(E)は、リーチ状態で第1識別図柄8010の中識別図柄8010bがキャラクタ(飛行機)の図柄で停止(仮停止)した状態を示している。ここで、飛行機の図柄は変動表示を再開することを示す図柄であり、いわゆる擬似連続変動の実行を示すものである。そのため、中識別図柄8010bが停止している状態であっても第4図柄8030の変動表示は継続しており、図457(E)に示すように、第2識別図柄8020の中識別図柄8020bは高速表示態様で変動表示が継続されている。第1識別図柄8010が所定時間仮停止した状態を継続すると、その後、(F)に示すように、第1識別図柄8010及び第2識別図柄8020の再変動を開始する。なお、図458に示す例では、第1識別図柄8010の再変動などの表示態様にかかわらず、第2識別図柄8020の高速表示態様による変動表示が継続される。
(G)は、第1識別図柄8010の再変動が開始された後、第1識別図柄8010の左識別図柄8010aが停止した状態を示している。このとき、左識別図柄8010aには装飾8011が重ねて描画され、当該変動において有利な抽選結果を得られる可能性(期待度)が高いことが報知される。なお、第2識別図柄8020については期待度に応じた演出は特に実行されず、図457(G)では第1識別図柄8010の左識別図柄8010aに対応する図柄で第2識別図柄8020の左識別図柄8020aが停止し、図458(G)では高速表示態様による変動表示が継続される。
(H)は、(G)の状態から第1識別図柄8010の右識別図柄8010cがさらに停止した状態を示している。このとき、左識別図柄8010aと右識別図柄8010cが同じ図柄(「5」)で停止してリーチ状態となるとともに、右識別図柄8010cにも装飾8011が表示される。その後、(I)に示すように、中識別図柄8010bも左識別図柄8010a及び右識別図柄8010cと同じ図柄(「5」)で停止し、停止図柄が確定すると、第2識別図柄8020も第1識別図柄8010に対応する図柄で停止し、大当り演出が実行される。
高装飾動的表示によって識別図柄を表示する場合には、バラエティに富んだ演出を実現して遊技の興趣を高めることが可能となる。一方、低装飾動的表示によって識別図柄を表示する場合には、華美な演出を避けて図柄変動に対する期待感を最大限に高めることができる。本実施形態では、識別図柄を高装飾動的表示で変動表示する表示領域Aと、識別図柄を低装飾動的表示で変動表示する表示領域Bを提供し、いずれか一方を選択、若しくは、両方の表示態様による変動表示を並行して実行することによって、遊技者が好みに合った態様で遊技を行うことができる。
また、高装飾動的表示と低装飾動的表示とを遊技者が変動表示中に自由に切り替えることが可能となっているため、例えば、リーチ発生時には期待度を報知する演出が実行される表示領域Aを強調表示し、これ以外の状態では表示領域Bを強調表示することによって、状況に合わせた遊技を行うことができる。
なお、上述した実施形態では、高装飾動的表示と低装飾動的表示とを並行して実行するとともに、いずれも遊技者が視認可能な態様で遊技進行させることとしていたが、以下のようにしてもよい。例えば、高装飾動的表示と低装飾動的表示とを並行して実行しながらも、遊技者が希望する一方側の表示だけを遊技者が視認できるように、他方側の表示を遊技者が視認できない、あるいは、視認困難にするように隠蔽する機能を有する可動体等(一方側隠蔽手段)を設け、このような可動体で他方側の表示を隠すようにしてもよい。例えば、図455(A)における表示領域Aの全部あるいは少なくとも一部に重なる被覆位置と、被覆位置よりも表示領域Aに可動体が重なる領域が少なく、表示領域Aで行われる演出表示が視認容易となる退避位置(表示領域Aの上方位置)とに移動可能な上被覆可動体と、図455(A)における表示領域Bの全部あるいは少なくとも一部に重なる被覆位置と、被覆位置よりも表示領域Bに可動体が重なる領域が少なく、表示領域Bで行われる演出表示が視認容易となる退避位置(表示領域Bの下方位置)とに移動可能な下被覆可動体とを設けた構成とし、表示領域Aを隠す被覆条件Aが成立することで(遊技者による切替操作部に対する第1の特定操作等)、上被覆可動体を被覆位置に移動させ、表示領域Bを隠す被覆条件Bが成立することで(遊技者による切替操作部に対する第2の特定操作等)、下被覆可動体を被覆位置に移動させるようにすること等が例示できる。これにより、例えば、演出表示の切替等の複雑な制御なしで、遊技者が希望する一方側の表示だけに集中させ遊技進行させることが可能となる。
また、上述した実施形態では、遊技の進行過程では、高装飾動的表示と低装飾動的表示とを並行して実行するものとしたが、客待ち状態となって演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間等においては、高装飾動的表示と低装飾動的表示とを並行して実行する必要が無く、たとえば、積極的な外部アピールが可能な高装飾動的表示だけを残して低装飾動的表示を消去するなどしておいてもよい。例えば、上述した実施形態の図456(A)のように表示領域A及び表示領域Bを標準的な態様(規定のサイズ)で表示する通常パターンでの遊技進行が終了し、所定時間後に客待ち状態に移行する際に、表示領域Aを残したまま表示領域Bを消去したり、表示領域Bを消して表示領域Aを大領域に拡大したり、すること等が例示できる。なお、客待ち状態にあるなかで新たな始動条件が成立した場合には、低装飾動的表示である表示領域Bの表示を復帰させればよい。
[32.複数変動にわたって継続する演出への演出ブロックの適用]
続いて、複数変動にわたって継続する演出に対して演出ブロックを適用する例について説明する。前述した例では、図柄の変動開始から停止までの期間を所定期間に分割し、各期間に対応する演出ブロックを定義していた。そして、これらの演出ブロックを組み合わせることによって多彩な演出を実現しながら演出制御の複雑化を抑制することを可能としていた。また、あらかじめ規定された期間を超える演出ブロックを定義することを可能とた例についても説明したが、一の変動内に収まる演出ブロックに限定されており、複数変動にわたって実行される演出に対して演出ブロックを適用するには不十分であった。
そこで、本実施形態では、複数変動にわたって実行される一連の演出に対して演出ブロックを適用する例について説明する。ここは、複数変動にわたって実行される一連の演出として始動入賞時に先読み演出(事前報知演出)として実行されるタイマ演出及び背景演出、演出モードの切り替え時に実行され、所定条件を満たすまで継続するミニキャラ演出について説明する。
[32−1.先読み演出(事前報知演出)の制御]
始動入賞時に先読み演出として実行されるタイマ演出や背景演出について説明する前に、先読み演出の制御について補足説明する。
始動入賞口に遊技球が入賞すると、主制御基板1310は、始動入賞した始動口に応じて第1始動口通過処理(図135)又は第二始動口通過処理(図136)を実行し、始動記憶として乱数値を抽出(取得)する(ステップS5241、S5251)。そして、第1特図先読み処理(S5245)又は第2特図先読み処理(S5255)において、抽出された乱数値又は当該乱数値に基づく抽選結果に基づいて、特別図柄1記憶先読み演出コマンド又は特別図柄2記憶先読み演出コマンド(図90参照、以下、「特図先読み演出コマンド」)を周辺制御基板1510に送信する。
周辺制御基板1510では、特図先読み演出コマンドを受信すると、受信したコマンドに基づいて先読み演出を実行するか否かを判定する。主制御基板1310からのコマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理(図98)によって、周辺制御部受信リングバッファに記憶される。そして、受信したコマンドは、周辺制御部電源投入時処理(図95)における周辺制御部定常処理の受信コマンド解析処理(S1022)によって解析される。
特図先読み演出コマンドを受信すると、周辺制御基板1510は、受信コマンド解析処理において、先読み演出制御処理を実行する。先読み演出制御処理では、始動記憶表示を変更する通常先読み演出を実行するための処理と、前述したタイマ演出や背景演出を実行するための処理を実行する。なお、先読み演出制御処理は、受信コマンド解析処理で先読み演出コマンドを受信したことを示すフラグを設定し、周辺制御部電源投入時処理(図95)における周辺制御部定常処理で呼び出すようにしてもよい。
始動記憶表示を変更する通常先読み演出を実行するための処理では、特図先読み演出コマンドに基づいて抽選し、当該抽選結果に基づいて変化後の始動記憶表示の態様を選択する。このとき、特図先読み演出コマンドに対応する特別図柄の変動表示においてリーチ状態に移行する場合にのみ始動記憶表示の態様を変化させるようにしてもよい。始動記憶表示の態様は、例えば、色や形状を変化させる。そして、始動記憶表示の態様を変化させるための通常先読み演出設定処理を実行する。通常先読み演出設定処理では、始動記憶表示の表示色を変化させる設定を行うとともに、変化のタイミングで効果音を出力させたり、ランプを点灯させたり、役物を可動させたりするための設定を行う。タイマ演出や背景演出を実行するための処理については後述する。
[32−2.タイマ演出]
タイマ演出は、特定の始動記憶に対する抽選結果や当り可能性を示唆する示唆演出の実行時期が近づいていることをカウントダウン表示で示す事前示唆演出である。タイマ演出としては、大きく2種類が設けられており、前述した先読み演出の1つとして制御されるものであって、特定の始動記憶に対する変動表示が開始される前から特定の始動記憶に対する変動表示の所定タイミングまでの期間をカウントダウン表示する複数変動にまたがるタイマ演出(以下、先読みタイマ演出と称す)と、前述した先読み演出とは異なり変動パターンに基づき制御されるものであって、特定の始動記憶に対する変動表示が開始された後の所定タイミングからこの特定の始動記憶に対する変動表示の別のタイミングまでの期間をカウントダウン表示する複数変動に跨らないタイマ演出(以下、変動内タイマ演出と称す)と、を有している。つまり、先読みタイマ演出と変動内タイマ演出は、何れも特定の始動記憶に対する図柄変動が完了していない事前報知演出であり、演出表示装置1600における表示画面上にカウントダウン表示を行い、カウント表示が0になると所定の演出を行う点で共通するものの、先読みタイマ演出については、複数の図柄変動にわたって表示画面上にカウントダウン表示を行うもので変動内タイマ演出と相違する。また、先読みタイマ演出と変動内タイマ演出で行われるカウントダウン表示の初期値は様々な値が設定される可能性があるが、複数変動にまたがる点から先読みタイマ演出で用いられる初期値の平均値のほうが、変動内タイマ演出で用いられる初期値の平均値よりも相対的に大きい値となる。本実施形態では、先読みタイマ演出について特徴的な要素を含んでいるため、以下では先読みタイマ演出について詳細に説明する。
先読みタイマ演出を実行するための処理では、まず、先読みタイマ演出を実行するか否かを判定する。先読みタイマ演出は、前述したように複数変動にまたがって実行可能な先読み演出であるため、受信した特図先読み演出コマンドに対応する変動表示が開始されるまでに先読みタイマ演出を実行するために十分な時間が確保されているか、を判定する。
すなわち、当該変動が開始されるまでに保留されているすべての始動記憶の変動時間の合計が特定時間以上(本実施例では40秒以上)であるかを判定する。さらに、演出実行対象の始動記憶に対する当落及び当該始動記憶の変動パターンに基づいて、先読みタイマ演出の実行可否とともに演出内容を決定する。また、演出内容決定時に先読みタイマ演出の実行タイミング(開始タイミング)をあわせて決定する。先読みタイマ演出の実行タイミング(開始タイミング)としては、例えば、先読み演出対象の始動記憶よりも前に記憶された始動記憶に対応する変動開始時であったり、先読み演出対象の始動記憶よりも前に記憶された始動記憶に対応する変動のリーチ開始時であったり、先読み演出対象の始動記憶よりも前に記憶された始動記憶に対応する変動の終了時等のいずれかが設定される。
先読みタイマ演出は、カウントダウン表示を行うタイマ計数演出と、タイムアップしたときに実行されるタイマ終了演出によって構成される。タイマ計数演出とタイマ終了演出とは連続して実行される。また、タイマ計数演出の実行時間、すなわち、タイマ終了演出の実行タイミングは、タイマ計数演出の長さによって相違するものの、先読み対象となった始動記憶に対する変動中となり、リーチ発生前や、リーチ発生後など、多彩なタイミングとなる。
先読みタイマ演出の実行が決定されると、まず、タイマ計数演出の実行時間を決定する。タイマ計数演出の実行時間は、始動入賞から先読み演出対象の始動記憶に対応する変動が開始されるまでの時間に基づいて決定される。例えば、本実施形態では、先読み演出対象の始動記憶よりも前に保留されている始動記憶の変動時間の合計に10秒を加算し、かつ、先読みタイマ演出の実行タイミング(開始タイミング)として設定された時期に基づく時間を差し引いて算出した所定の時間を、タイマ計数演出の実行時間(カウントダウン表示の初期値)に設定する。さらに、タイマ計数演出として実行される演出の内容(カウントダウン中演出パターン)を設定する。カウントダウン中演出パターンとしては、例えば、遊技盤5に設けられている特定のランプの発光態様をカウントダウン表示の進行と共に徐々に高速点滅に変化させるパターン1や、遊技盤5に設けられている特定のランプの発光色をカウントダウン表示の進行と共に変化させるパターン2や、遊技盤5に設けられている特定の可動体をカウントダウン表示の進行と共に動作させるパターン3などが例示でき、これらパターン1〜3は先読み演出対象の変動の当り期待度に対応しており、抽選によって設定される。例えば、パターン1→パターン2→パターン3の順に当り期待度が高まるように設定しておき、パターン1は当りの場合よりもはずれの場合の方が選択されやすく、パターン2は当りの場合とはずれの場合の双方が同率で選択され、パターン3ははずれの場合よりも当りの場合の方がが選択されやすくなっている。
タイマ計数演出として実行される演出の内容(カウントダウン中演出パターン)を設定した後は、タイマ終了演出の内容(カウントダウン後演出パターン)を設定する。タイマ終了演出では、例えば、表示画面上に期待度に応じた色(例えば、黒→青→赤の順で期待度が高くなる)で「終了!!」の文字を識別図柄に重畳するかたちで所定時間表示し、タイムアップしたことを遊技者に確実に認知させる。カウントダウン後演出パターンとしては、例えば、「終了!!」の文字色が黒色であるパターン1や、「終了!!」の文字色が青色であるパターン2や、「終了!!」の文字色が赤色であるパターン3などが例示できる。これらパターン1〜3は先読み演出対象の変動の当り期待度に対応しており、抽選によって設定される。例えば、パターン1→パターン2→パターン3の順に当り期待度が高まるように設定しておき、パターン1は当りの場合よりも外れの場合の方が選択されやすく、パターン2は当りの場合と外れの場合の双方が同率で選択され、パターン3ははずれの場合よりも当りの場合の方が選択されやすくなっている。なお、カウントダウン後演出パターンは、これに限定されるものではなく、文字色だけでなく、文字を装飾したり、キャラクタを表示させたりしてもよいし、メッセージの内容を相違させて、夫々を異なる期待度に対応させてもよい。
以上のように、先読みタイマ演出に係る各種の設定を行った後、所定の開始条件(先読みタイマ演出の開始時期の到来)が成立することに基づいて先読みタイマ演出を実行(開始)する。上述したとおり、先読みタイマ演出は、タイマ計数演出及びタイマ終了演出によって構成され、タイマ計数演出及びタイマ終了演出に対応する演出ブロックが個別に定義される。これらの演出ブロックはあらかじめ定義されており、先読みタイマ演出の実行が決定すると、タイマ計数演出の実行時間や期待度などに基づいてタイマ計数演出の演出ブロック及びタイマ終了演出の演出ブロックを選択する。タイマ計数演出の演出ブロック及びタイマ終了演出の演出ブロックは個別に選択するようにしてもよいし、タイマ計数演出の演出ブロックとタイマ終了演出の演出ブロックをセットで管理し、セットごとに選択するようにしてもよい。タイマ計数演出の演出ブロック及びタイマ終了演出の演出ブロックを選択すると、タイマ計数演出の演出ブロックを実行し、当該演出ブロックの終了後、タイマ終了演出の演出ブロックを実行する。
また、タイマ計数演出の演出ブロックでは、演出内容のみを定義し、実行時間を可変に設定可能としている。これにより、実行時間のみが異なる同一内容の演出ブロックを重複して保持する必要がなくなり、演出内容の多様化にともなう記憶容量の増大を抑制することができる。先読みタイマ演出は、前述した変動時間に対応する演出ブロックのように実行タイミングと終了タイミングが厳密に決定される演出ではなく、上述したように種々の条件に基づいて算出された実行時間に基づくものであるため、算出された演出の実行時間に合わせて柔軟に対応することができる。具体的には、算出された演出の実行時間を所定の記憶領域に記憶し、タイマ計数演出の演出ブロック開始時に当該所定の記憶領域に記憶された演出の実行時間を読み出せばよい。
また、タイマ計数演出の実行時間を網羅できる場合には、タイマ計数演出の実行時間を網羅するようにあらかじめ演出ブロックを用意してもよい。タイマ計数演出の実行時間は所定範囲内であればよいため、保留数や変動パターン(変動時間)に基づいてすべてのパターンを網羅するようにしても現実的な数の演出ブロックに限定できる場合がある。例えば、先読みタイマ演出の実行タイミング(開始タイミング)が1パターンであれば、始動入賞から先読み演出対象の変動が開始されるまでの時間を下限とし、この時間に当該変動の変動時間を加算し、さらに、タイマ終了演出の実行時間を減算した時間を上限とすることで、タイマ計数演出の実行時間の範囲を特定することができる。この範囲に含まれる実行時間の演出ブロックが少なくとも一つ存在すればよいため、最低限の数の演出ブロックを用意すればよい可能性がある。また、実行頻度の高い演出ブロックのみをあらかじめ用意し、実行頻度の低い演出ブロックについては変動時間を可変に設定可能な演出ブロックとして管理対象の演出ブロックの数を抑制してもよい。
図459は、本実施形態の先読みタイマ演出の演出ブロックの構成の一例を示す図である。図460は、本実施形態の先読みタイマ演出の実行例を示す図である。図460に示す先読みタイマ演出の実行例は、図459に対応している。
図459及び図460には、変動1及び変動2にまたがって先読みタイマ演出を実行する例を示している。変動1は前半変動が「通常変動」でリーチ無し、変動2は前半変動が「通常変動」で、リーチ発生後、大当りとなる。なお、各変動内で演出が実行される場合については、前述したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
図460(A)に示すように、変動1が開始されるとすべての識別図柄の変動表示が開始される(時刻t0)。このとき図柄変動の保留数は0である。なお、変動1は、前述したように、リーチの発生しない通常変動である。
さらに、図柄の変動表示が継続され、所定のタイミングで左図柄の変動表示を停止する。その後、始動入賞が発生し、図柄変動の保留数が1となる。始動入賞時に先読みタイマ演出の実行可否が判定され、ここでは先読みタイマ演出の実行が決定されるとともに、タイマ計数演出ブロック及びタイマ終了演出ブロックが選択される。このとき、図460(B)に示すように、左図柄のみが停止して他の図柄が変動表示中の状態であり、画面右下部にタイマ表示部が配置される(時刻t1)。なお、図460(B)では、先読みタイマ演出の残り時間ではなく、タイマ演出の開始を示す「START」が表示されている。
その後、図460(C)に示すように、変動1が終了し、すべての識別図柄の停止図柄が確定する(時刻t2)。このとき、タイマ計数演出は継続しており、タイマ表示部には先読みタイマ演出(タイマ計数演出)の残り時間が表示されている。
続いて、図460(D)に示すように、先読み対象となる変動2が開始され、タイマ表示部に表示される残り時間が継続して更新される。そして、図460(E)に示すように、タイマ計数演出の実行が終了すると、タイマ表示部には残り時間「0.00」が表示され、タイマ終了演出ブロックを実行してタイマ終了演出が開始される(時刻t3)。このとき、タイマ終了演出として、画面上にタイマ演出の終了を示すメッセージ「終了!!」を表示したり、キャラクタなどの予告画像を表示する。ここで表示されるメッセージは、前述のように、当該変動の期待度などに応じて文字色が設定される。また、当該変動の期待度に応じてメッセージの内容を設定してもよい。
そして、図460(F)に示すように、タイマ終了演出が継続している状態で、左図柄及び右図柄の同じ図柄「5」で停止してリーチが発生する。さらに、図460(G)に示すように、タイマ終了演出が終了してから中図柄の変動が停止し、全図柄が確定する。その後、図460(H)に示すように、大当り状態に移行する。
図459及び図460に示す例では、リーチ発生前にタイマ終了演出を実行するが、リーチ発生後にタイマ終了演出を実行するようにしてもよい。このとき、リーチ演出とタイマ終了演出が重複して実行されるため、タイマ終了演出の内容を当該変動のリーチ演出の内容に基づいて決定するようにしてもよい。これにより、重複して演出が実行されることによって演出効果が低減してしまうことを防止することができる。
以上のように、複数変動にまたがって実行する演出についても演出ブロックによって定義することが可能となり、共通ブロックの運用をより柔軟に行うことが可能となる。先読みタイマ演出のような始動入賞時に先読み演出として実行される演出についても前述した共通ブロックのように定義することで、演出制御を共通化及び簡素化することが可能となり、遊技機の開発を効率化することができる。
また、複数変動にまたがる演出ブロックの制御も他の共通ブロックと同様に演出SWを用いたコールバック関数によって制御を行う。これにより、先読みタイマ演出の進行に合わせた役物の可動や音の出力が可能となり、多彩な演出を実現することができる。
[32−3.背景演出]
次に、先読みタイマ演出と同様に、図柄変動が完了していない始動記憶に対する抽選結果を示唆する事前報知演出である背景演出について説明する。背景演出の概要としては、複数の図柄変動にわたって表示画面の背景を変更し、先読み対象の変動中の所定のタイミングで背景演出を終了する。本実施形態では、先読み対象の変動中のリーチ発展時に背景を元に戻す。
図461は、本実施形態の背景演出の演出ブロックの構成の一例を示す図である。図462は、本実施形態の背景演出の実行例を示す図である。図462に示す背景演出の実行例は、図461に対応している。
図461及び図462には、変動1、変動2及び変動3にまたがって背景演出を実行する例を示している。変動1及び変動2は前半変動が「通常変動」でリーチ無し、変動3は前半変動が「通常変動」でリーチに発展する。変動3の後半変動については記載を省略している。なお、先読みタイマ演出と同様に、各変動内で演出が実行される場合については、前述したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
図462(A)に示すように、変動1が開始されるとすべての識別図柄の変動表示が開始される(時刻t0)。このとき図柄変動の保留数は1である。前述のように、変動1はリーチが発生しない通常変動である。その後、図柄の変動表示が継続され、左図柄が停止する。そして、時刻t1には始動入賞が発生し、図柄変動の保留数が2となる。ここでは始動入賞時に背景演出の実行が決定され、背景演出ブロックが選択される。このとき、図462(B)に示すように、背景が「山」から「海」に変更される。
その後、図462(C)に示すように、変動1が終了し、停止図柄が確定する(時刻t2)。さらに、図462(D)に示すように、変動2が開始され、識別図柄の変動表示が開始される。そして、図462(E)に示すように、変動2が終了し、停止図柄が確定する(時刻t3)。この間、背景演出の実行によって変更された背景が継続して表示されている。
続いて、図462(F)に示すように、先読み対象となる変動3が開始される。そして、図462(G)に示すように、図柄変動においてリーチに発展するととともに、背景演出が終了し、「海」の背景から「山」の背景に復帰する(時刻t4)。
背景演出を実行するための演出ブロックは、タイマ演出と同様に、先読み対象となる始動入賞が発生したときに選択及び実行される。終了するタイミングは、先読み対象となる変動においてリーチに発展するタイミング、すなわち、始動入賞時に実行中の変動の残り時間、先読み対象の変動が開始されるまでに実行される変動の総変動時間及び先読み対象となる変動の前半変動時間の合計値を算出して設定してもよい。また、背景演出を実行するための演出ブロックに実行時間を設定せず、終了条件を満たすまで継続して背景演出を実行するようにしてもよい。この場合における終了条件は、先読み対象の変動においてリーチ状態に発展したことを検出することとなる。終了条件の判定は、コールバックによって行い、終了条件を満たすと背景演出を終了するための処理を呼び出す。
以上のように、本実施形態における背景演出では、背景演出が開始されてから先読み演出の対象となる変動においてリーチが発展するまでの間、継続して背景表示を変更したままとなる。遊技者は、リーチ発展時に背景が元に戻ることで当該変動の期待度が高いことを認識し、後半変動に対する注目度が高くなる。
一方、先読み演出の対象となる変動が開始される前の変動でリーチが発生する場合には、リーチ発生時に背景を一時的に元に戻し、当該変動が終了した後、背景表示を切り替え、背景演出を再開する。これにより、リーチ発生後にはずれとなって遊技者が落胆しても、再び期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[32−4.ミニキャラ演出]
続いて、演出モードの切り替え時に開始されるミニキャラ演出について説明する。ミニキャラ演出は、演出モードに対応するキャラクタ(ミニキャラ)が出現する演出である。
このとき表示されるミニキャラは図柄変動中のみ表示されるため、保留された変動の数が0となって状態で図柄変動が終了するとミニキャラは非表示になる。なお、非表示となったミニキャラは、所定の条件が成立した場合に再度表示されるようにしてもよい。また、ミニキャラは客待ち状態に移行するまでの間、複数変動にまたがって継続して表示される。以下、図463を参照しながらミニキャラ演出について説明する。
図463は、本実施形態のミニキャラ演出の一例を示す図である。図463(A)に示すように、「山」モードで遊技を継続されている。この状態で、図463(B)に示すように、「山」モードから「海」モードに変更すると、画面左中央にミニキャラ「くじら」が表示される。モードの変更は図示しない操作部(演出ボタン)を操作するなどしてモードを切り替える。
その後、図463(C)及びに図463(D)に示すように、保留された図柄変動を実行する。そして、図463(E)に示すように、保留された図柄変動がすべて完了すると、客待ち状態に移行し、表示されたミニキャラが非表示になる。
ミニキャラ演出の実行条件は図柄変動が継続していることであるため、保留された変動がない場合であっても図柄変動中であればミニキャラ演出は継続される。ミニキャラ演出の実行条件は、モード変更時以外にも、客待ち状態が所定期間継続した後に始動入賞が発生した場合などであってもよい。このように制御することによって、モード変更時以外にもミニキャラが出現し、遊技者に意外性を与え、興趣を高めることができる。また、ミニキャラ演出の実行条件として遊技状態を判定条件に追加してもよい。例えば、確率状態が明瞭に報知されていない遊技状態で、高確率状態であればミニキャラが登場しやすくすることによって遊技者に現在の遊技状態を示唆することができる。
また、ミニキャラ演出の終了条件は、客待ち状態に移行した場合以外にも、例えば、ミニキャラの表示が所定時間継続した場合などとしてもよい。このように構成することによって、ミニキャラの出現にプレミア感が生じさせることができる。
ミニキャラ演出は演出ブロックで定義されており、ミニキャラ演出の実行中はコールバックによってミニキャラ演出の終了条件を判定し、終了条件を満たした場合にはミニキャラ演出を終了する。このように構成することによって、ミニキャラ演出の継続時間をあらかじめ設定する必要がなく、客待ち状態への移行や遊技状態などの条件で柔軟にミニキャ2ラ演出の継続可否を決定することができる。このように、ミニキャラ演出の終了条件をコールバックによって動的に判定することができるため、ミニキャラ演出の実行時間に対応して演出ブロックを個別に定義する必要がなく、キャラクタごとに演出ブロックを定義して管理を容易にすることができる。
なお、以上説明した先読みタイマ演出、背景演出及びミニキャラ演出などの複数変動にまたがりうる演出に対する演出ブロックは重複して設定してもよく、その場合、先読みタイマ演出、背景演出及びミニキャラ演出などが重複して実行されることとなる。また、複数変動にまたがりうる演出に対する複数の演出ブロックが異なるタイミングで重複するようにしてもよく、その場合、先読みタイマ演出及び背景演出において先読み対象となる始動記憶を異なるものとしたり、同じ始動記憶であっても各演出の開始タイミングを異ならせることが可能となる。これにより、一方の演出が終了した後も後続の変動に対して期待感を維持することが可能となり、また、同じ始動記憶が先読み対象となっている場合には当該変動に対する期待感をさらに高めることができる。
また、複数の変動にまたがる演出において自動チャンネル方式を適用して演出効果音を出力する場合には、一の変動で実行される演出(例えば、リーチ演出)で出力される演出効果音とは異なるAUTOグループを割り当てるようにしてもよい。例えば、一の変動で実行される演出の効果音をより多くのチャンネルに割り当て可能なAUTOグループとすることで、当該変動の演出効果音の出力を優先させることができる一方、少ないチャンネルで構成されるAUTOグループに複数の変動にまたがる演出の効果音(例えば、先読タイマ演出の開始音である「スタート!」の音声、カウントダウン中の音である計数音(チッチッチッ等)と、タイマ終了演出音である「終了!」の音声等)を割り当てることで多くのチャンネルが長期間占有されることを防止することができる。
さらに、複数の変動にまたがる演出について種類ごとに異なるAUTOグループを設定してもよい。例えば、先読みタイマ演出用に2チャンネルで構成されるAUTOグループ、ミニキャラ演出用に2チャンネルで構成されるAUTOグループを定義する。これにより、先読みタイマ演出とミニキャラ演出が並行して実行される場合であっても各演出の演出効果音が阻害されることなく出力することができる。背景演出における演出効果音は、BGMのように演出継続中に定常的に出力するものであったり、背景切り替え時に出力されるだけであるので、背景演出用のAUTOグループは設定せずにBGM用のチャンネル(AUTOグループ)で代用してもよい。
先読みタイマ演出、背景演出及びミニキャラ演出などの複数変動にまたがる演出における演出効果音の出力、可動役物の動作及びランプの点灯等の制御は、演出SWにより液晶表示に合わせて実行することが可能である。特に、演出の終了タイミングが演出開始時に特定できない場合には、サブ演出ブロックデータによってあらかじめ設定されたタイミングで演出装置を制御することは困難であるため、演出SWによって液晶表示と連携して演出装置を制御することで一体感のある演出を実現することができる。また、演出開始時に演出の終了タイミングが特定されない演出の演出効果音を出力する場合には、演出継続中は対応する演出効果音を出力するためのサブ演出ブロックデータを繰り返し実行し、演出終了時に当該サブ演出ブロックデータの実行を停止するようにしてもよい。
一方、先読みタイマ演出のように、演出開始時に演出の終了タイミングを特定可能な場合には、表示演出を行う液晶演出ブロックデータと、音や役物等による演出を行うサブ演出ブロックデータとを並行して実行することが可能である。これにより、表示演出と音や役物等による演出とを独立して定義することが可能となり、各種演出ブロックデータを自由に組み合わせて演出を構成することができる。例えば、タイマ計数演出におけるタイマの表示態様を定義する液晶演出ブロックデータと、タイマ計数演出実行時に出力される報知音を定義するサブ演出ブロックデータとをそれぞれ複数種類用意し、これらを自由に組み合わせることで演出のバリエーションを多様化させることができる。
[33.複数の識別図柄を表示する構成2]
ところで、近年の遊技機では、演出表示装置1600において遊技の興趣を高めるために多種多様な演出が実行されるが、識別図柄の変動表示を遊技者に確実に視認させるために、識別図柄が表示されている領域によって演出領域が狭められるおそれがあった。これを防ぐために、識別図柄を表示する領域を一時的に縮小するなどして対応していた。しかしながら、識別図柄の表示領域を変化させながら変動表示を継続することは制御が複雑化したり、制御に対する負荷が増大したりする可能性があった。さらに、識別図柄を縮小又は拡大させる態様を演出内容に適合するものとして遊技の興趣を低下させてしまうことを抑制する必要があった。
そこで、演出表示装置1600にて識別図柄の変動表示を行うための表示領域を複数設け、複数組の識別図柄の変動表示を同時進行させるように構成する。遊技者のニーズに対応するために複数組の識別図柄を異なる態様(高装飾動的表示、低装飾動的表示)で表示する構成については図455等を参照しながら説明したが、以降説明する実施形態では、図柄変動中は少なくともいずれかの表示領域で識別図柄の変動表示を遊技者が視認できるように構成する。このとき、各表示領域における識別図柄の装飾態様が同じであってもよいし、異なってもよい。
[33−1.識別図柄を複数領域で同時に表示する構成の一例]
図464Aは、本実施形態の複数の表示領域でそれぞれ識別図柄が変動表示を行う一例を示す図である。表示領域Aは、演出表示装置1600における表示領域の全体の上部から7割程度の領域を占める。また、表示領域Bは、表示領域全体の正面から見て右下方の領域を占める。また、保留表示は画面左下部に配置される。さらに、本実施形態では、第4図柄は演出表示装置1600の表示領域内に表示されず、図示しないLED又はランプなどの発光体によって表示される。
図464Aに示す例では、まず、(A)に示すように、始動記憶が消化され、識別図柄の変動表示が開始される。このとき、表示領域A(第1表示領域)で第1識別図柄の変動表示が開始され、表示領域B(第2表示領域)で第2識別図柄の変動表示が開始される。
本実施形態では、表示領域Aに表示される第1識別図柄と表示領域Bに表示される第2識別図柄とは略同じ態様で表示されるが、表示領域Aで表示される第1識別図柄及び表示領域Bで表示される第2識別図柄は、同等の図柄組み合わせであることを遊技者が認識可能な図柄表示態様であればよい。
また、第1識別図柄及び第2識別図柄は、同時に変動表示が開始され、同時に停止し、すべての識別図柄の停止態様が最終的に確定するタイミングは同じになる。本実施形態では、各識別図柄の個々の図柄(左図柄、中図柄、右図柄)の停止タイミングも同時としているが、図柄の確定タイミングが同じであれば、個々の図柄の停止タイミングは任意としてもよい。
また、図464Aに示す画面のレイヤは、背景レイヤ、図柄レイヤ(第1識別図柄)、図柄レイヤ(第2識別図柄)、予告レイヤ等によって構成される。本実施形態では、第1識別図柄と第2識別図柄が同じ態様で表示されるため、識別図柄を表示する座標やサイズなどを変更して他の描画情報を流用することが可能となる。これにより、描画データを共用することが可能となり、データ容量を削減することが可能となる。また、描画処理を共通化することが可能となり、プログラム構造が複雑化することを抑制することができる。
前述した例と同様に、第1識別図柄は、変動表示(図柄変動、動的表示)の結果表示(抽選結果の導出)までに多様な演出が行われる。例えば、識別図柄を高速表示態様から低速表示態様に切り替える場合に、識別図柄差し替え用の演出SWに基づいてコールバックを実行することで識別図柄を差し替え、停止間際まで識別図柄に対する装飾を行うことができる。また、本実施形態では、第2識別図柄も第1識別図柄と同様の演出態様で変動表示させているが、表示領域に適合させて演出内容を変更することも可能である。さらに、第1識別図柄に定義された演出SWに基づいて、第2識別図柄の表示態様を変化させるようにしてもよい。これにより、第1識別図柄の変動表示と第2識別図柄の変動表示との連動をスムーズに行うことができる。
本実施形態では、図柄の変動表示が開始されると、左識別図柄、右識別図柄、中識別図柄の順に停止する。図464A(B)は、第1識別図柄及び第2識別図柄の左識別図柄が停止した状態を示している。このとき、表示領域の右上側に飛行機の形状をした予告キャラクタが表示され、表示領域の下部には、木の形状をした予告キャラクタが表示されている。なお、各予告キャラクタはそれぞれ異なるレイヤに描画され、個別に画像を変更したり、消去したりすることができる。これにより、変動表示の期待度に応じて複数の予告演出を独立して実行することが可能となる。
予告演出として表示される飛行機のキャラクタが大当りの期待度に応じて画面前方に接近するように視認される演出を実行することで拡大しながら表示される。具体的には、図464A(B)に示すように、表示領域の左上部に縮小された状態で飛行機のキャラクタが表示され、変動表示の進行に応じて徐々に拡大される。図464A(C)は、右識別図柄の変動表示が停止し、リーチが発生した状態である。飛行機のキャラクタは、中央上部に移動し、図464A(B)に示したキャラクタよりも大きく表示されている。その後、図464A(D)に示すように、リーチ状態において、第1識別図柄に付加装飾表示がなされる予告演出が実行される。
その後、図464A(E)に示すように、飛行機のキャラクタの表示がさらに拡大し、第1識別図柄の前面側に表示される。このとき、第1識別図柄の中識別図柄が飛行機のキャラクタによって隠される状態となり、その後、さらに、飛行機のキャラクタが拡大し、図464A(F)に示すように、第1識別図柄の表示が中断される。このとき、第1識別図柄の変動表示を中止せずに拡大された飛行機のキャラクタの背面側に継続して表示するようにしてもよい。
その後、図464A(G)に示すように、識別図柄の変動表示が終了し、確定表示となる。さらに、図464A(H)に示すように、変動表示の結果が大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。
続いて、第2識別図柄についてさらに説明すると、図464A(A)及び図464A(B)に示すように、第1識別図柄と同様に第2識別図柄も変動表示が実行される。また、図464A(C)に示すように、左識別図柄と右識別図柄とが同じ識別図柄「5」で停止し、リーチが発生すると、図464A(D)に示すように、第1識別図柄と同様に、第2識別図柄にも付加装飾表示がなされる。
その後、図464A(E)及び図464A(F)に示すように、リーチ発生後の変動表示における予告演出によって第1識別図柄を遊技者が視認できない状態となっても第2識別図柄の変動表示については遊技者が視認できる状態となっている。
本実施形態では、識別図柄の変動表示中には、少なくとも第1識別図柄又は第2識別図柄の一方を遊技者が視認できるように構成されている。そのため、第1識別図柄又は第2識別図柄を視認できない状態であっても、第2識別図柄に対して第1識別図柄と同様に付加装飾表示がなされるため、識別図柄の装飾態様の変化による大当りの期待度を遊技者に確実に報知することができる。
また、第1識別図柄の付加装飾と第2識別図柄の付加装飾とを異ならせてもよく、例えば、表示領域の広い第1識別図柄には付加装飾の星の数を5、表示領域の狭い第2識別図柄には付加装飾の星の最大数を3として遊技者により認識しやすくしてもよい。遊技者は、第2識別図柄のみ表示されている状態で第1識別図柄が隠れるような期待度の高い予告画像が表示されている状態と判断させることも可能であるし、また、第2識別図柄の付加装飾がない場合には第1識別図柄が隠れるような予告画像が表示されていても期待度の低いいわゆるガセ演出と判断させるようにしてもよい。
第1識別図柄及び第2識別図柄については、共通の画像データを使用し、各表示領域に対応するレイヤにそれぞれ描画し、付加装飾については表示領域ごとに設定するようにしてもよい。このように、複数領域で識別図柄を変動表示し、変動表示に必要な画像データの一部を共通化することによって、画像データを格納するための容量を節約するとともに演出の多様性を図ることができる。
また、画像データだけでなく、各表示領域で識別図柄を変動表示するための液晶演出スケジューラデータについても共通化してもよい。例えば、識別図柄の表示位置(座標)、レイヤ関連の情報などをパラメータ化し、共通の手順で処理することによって、演出関連のプログラムの開発効率の向上させるとともに演出仕様の変更に柔軟に対応することが可能となる。さらに、付加装飾を表示するか否かは、変動パターンなどに基づいて選択された液晶演出スケジューラデータに定義された演出SWに基づいて実行時に判断されて対応する処理を実行するだけであるため、演出制御を複雑化させることなく、より効果の高い演出を実現することができる。
なお、図464Aに示した例では、予告画像(キャラクタ)が識別図柄の前面側に表示されることで識別図柄の視認が阻害されるように構成されていたが、遊技盤に備えられた可動役物が動作することによって識別図柄の変動表示の視認が阻害される場合であっても同様である。例えば、表示領域の前面側に役物が移動し、画面下部を除いて視認が困難になった場合でも表示領域Bが視認可能になるように役物の可動領域を設定すればよい。
以上のように、本実施形態では、予告演出によって第1識別図柄の視認が困難になり、第2識別図柄のみ遊技者が視認可能となる期間がある。そこで、第2識別図柄の識別図柄差し替え用演出SWに基づいてコールバックを実行し、識別図柄の切替タイミングで停止図柄や図柄の停止タイミングに基づいて、識別図柄の差し替えテーブル及びリールインデックス差し替えワーク番号テーブルを用いて、第2識別図柄だけでなく第1識別図柄をも差し替えることで、停止間際まで識別図柄に対する装飾を行う。これにより、第1識別図柄に対する装飾と第2識別図柄に対する装飾を同じタイミング若しくは連動するタイミングで実行することが可能となり、演出効果を増大させ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2識別図柄を表示する表示領域Bは固定でなくてもよい。予告演出の種類に応じて表示領域Bの配置を変更し、第2識別図柄を表示する位置を変更するようにしてもよい。例えば、表示領域Bに対応するレイヤの座標を予告演出に応じた値に設定する。また、表示領域Bに対応するレイヤを複数用意するようにしてもよい。このとき、第2識別図柄が表示される位置に対応して複数種類レイヤを用意し、予告演出の種類に応じて対応するレイヤを表示するためのパラメータをONに設定し、表示しないレイヤのパラメータをOFFに設定する。このように構成することによって、あらかじめ設定された位置に第2識別図柄を表示することが可能となり、第1識別図柄及び第2識別図柄とは別に識別図柄を表示することも可能となり、また、すべてのレイヤのパラメータをOFFに設定することで、第1識別図柄のみを表示することも可能となる。
表示領域に対応するレイヤの表示については、変動パターンや予告演出などに基づいて選択された液晶演出スケジューラデータに定義された演出SWに基づいて実行するようにすればよい。例えば、可動役物が画面左前方に移動することで、画面の左側が視認しにくくなる場合には、画面右側に表示領域Bを設定する演出SWをONに設定して第2識別図柄を表示し、他の位置に表示する演出SWをOFFに設定するようにしてもよい。
また、各表示領域における識別図柄の変動表示に対応して演出効果音が出力されるが、本実施形態では、第1識別図柄の変動表示と第2識別図柄の変動表示が類似する態様で実行されるため、共通の演出効果音を出力するようにしてもよい。また、予告演出が前面で実行されるなどして領域の狭い表示領域Bのみが表示される場合には、演出効果音の音量を下げたり、演出効果音の出力を停止したりするなどして、予告演出に関連する出力を優先して変動表示に関する音の出力を抑制するようにしてもよい。
さらに、識別図柄の変動表示に関わる音(BGM、演出効果音)を一のAUTOグループとして管理し、予告演出に関わる音(BGM、演出効果音)を他のAUTOグループとして管理して自動チャンネル方式による音制御を行う。このとき、予告演出に関わる音を出力するAUTOグループの優先順位を高く設定することで、自動的に予告演出によって出力される音の出力を優先することが可能となり、演出制御が複雑化することを抑制することができる。前述のように、音の出力可否やボリュームの抑制値などのパラメータを設定することによって、予告演出に関わる音が出力している間に出力される他の演出効果音の出力を抑制することができる。
以上のように、本実施形態では、予告演出などによって変動表示中の識別図柄を視認することが困難な状態になっても複数の表示領域で識別図柄の変動表示を行うことによって、いずれかの識別図柄の変動表示を遊技者が視認できればよいため、予告演出を実行する領域の制限を緩和することができる。また、可動役物が動作する範囲の制約を緩和することが可能となる。
さらに、本実施形態では、複数の表示領域における変動表示が同等の態様で実行されるため、共通のプログラムや画像データを利用して描画することを可能とする。一方、表示領域ごとに識別図柄に装飾画像を重ねて表示する場合であっても、表示領域ごとに識別図柄よりも前面側に表示するレイヤを用意し、装飾画像に対応するプログラムや画像データだけで実現することができる。これにより、差分となる最小限のプログラムやデータを用意すればよく、演出内容の多様化にともなう画像データの増大を抑制し、演出制御の複雑化を抑制したり、記憶容量の増大を抑制したりすることができる。
[33−2.識別図柄を複数領域で同時に表示可能な構成の変形例1]
上述した構成例では、識別図柄の変動開始から停止までの間、表示領域A及び表示領域Bで同等の態様で識別図柄が変動表示されていたが、ここでは、各表示領域で独立した態様で識別図柄が変動表示され、所定条件の成立時に各表示領域で同等の態様で(同期させて)変動表示を行う例について説明する。
図464Bは、本実施形態の複数の表示領域でそれぞれ識別図柄が独立して変動表示し、所定のタイミングで同等の態様で変動表示する例を示す図である。本変形例では、識別図柄の変動表示は各表示領域で同時に開始されるが、(B)に示すように、表示領域Aにおいて左図柄が停止しても、表示領域Bでは左図柄が停止表示されずに変動表示が継続されている。同様に、(C)に示すように、表示領域Aにおいて右図柄が停止して左右の図柄がリーチ態様を形成したとしても表示領域Bではすべての識別図柄の変動表示が継続されている。
続いて、(C)においてリーチ態様を形成した後、所定期間のリーチ演出が進行した後、改めて左中右の図柄すべてを再変動させるべく、(D)に示すように、識別図柄の再変動を示す図柄(「Next」)が中図柄に表示され、(E)に示すように、すべての識別図柄の変動表示が再度開始される。続いて、(F)に示すように、左右の図柄がリーチ態様を形成するように停止する。なお、このリーチとなったタイミングでは、表示領域Bにおける第2識別図柄ではリーチ態様を形成しない。上述したように、表示領域Aに表示される第1識別図柄がリーチ態様を形成した後、上記識別図柄の再変動を示す図柄が中図柄に表示されることで再変動が行われるようになっているため、表示領域Aに表示される第1識別図柄がリーチ態様となったタイミングで、再変動する場合は第2識別図柄がリーチ態様を形成せず、再変動しない場合には第2識別図柄がリーチ態様を形成するとなると、この第2識別図柄の表示を見て遊技者が再変動されるかされないかが判別できるようになり興趣の低下を招くおそれがある(特に上記再変動図柄を停止させて再変動を繰り返すことで大当り期待度を高める遊技仕様のため遊技者に対しては再変動されるかもしれないという興趣をできる限り維持する必要がある)。このため本変形例では、第1識別図柄がリーチ態様を形成したタイミングにおいては第2識別図柄でリーチ態様を形成しないようにすることでこうした課題を解決するようにしている。そして、第1識別図柄においてリーチ態様が形成されて所定期間経過後(例えばリーチとなった後に大当り期待度の高い高期待演出リーチ演出が行われる場合)、(G)に示すように、第2識別図柄の表示を第1識別図柄の態様と同じくリーチ態様とし、これ以降、表示領域Bは表示領域Aと同様に付加装飾表示がなされ、表示領域Bにおいても表示領域Aと同等の表示態様で識別図柄が表示される。(H)(I)は図464Aの(G)(H)と同様である。なお、図464Bでは例えば高期待リーチ演出が行われるタイミングとなって以降、表示領域Bにおいて第2識別図柄の表示を第1識別図柄と同じ態様とするとともに(換言すれば、第1識別図柄がリーチとなってから所定期間は、第1識別図柄と第2識別図柄とで異なる表示態様となっている)、表示領域Bにおいても表示領域Aと同様に付加装飾表示がなされるようにしたが、このタイミングとしては他の所定条件を契機とすることが可能である。
所定条件としては、例えば、識別図柄の仮停止を繰り返し実行する中で最後の再変動が開始された時点であってもよいし、擬似連における最後の仮停止後の再変動の開始タイミングとすることもできる。また、リーチ演出の開始タイミングを各表示領域の表示態様を同等とするタイミングとしてもよい。
その他の所定条件としては、特定の可動役物による予告演出が実行される場合、例えば、表示領域の一部が視認できなくなる可能性がある場合に所定条件が成立するようにしてもよい。このとき、変動開始から所定条件が成立していることとして最初から各表示領域の表示態様を同等にしてもよいし、特定の可動役物による予告演出の実行タイミングに合わせてもよい。予告演出の実行タイミングは、例えば、変動開始等の特定タイミングからの経過時間である。さらに、演出ボタンの操作によって可動役物が動作する場合には、演出ボタンの操作を所定条件として各表示領域の表示態様が同等になるように制御してもよい。
また、大当りの期待度が高い場合には所定条件が成立するようにしてもよい。これは、可動役物による演出以外にも派手な演出が実行される可能性が高くなるためである。この場合についても、変動開始から所定条件が成立していることにしてもよい。さらに、以上説明した各種タイミングを組み合わせてもよく、例えば、大当りの期待度が高いリーチ演出を実行するタイミングや可動役物による演出を実行する場合に最後の仮変動が開始されるタイミングとしてもよい。
以上のように、本変形例によれば、前述した実施形態と同様に、予告演出を実行する領域の制限を緩和する効果を維持しながら、各表示領域における識別図柄の表示態様を同等にする(同期させる)タイミングを調整することによって、多彩な演出を実現することが可能となる。また、可動役物などによる演出の実行頻度が少ない前半では一部の表示領域の表示態様を簡素化(低装飾態様)することで制御負荷を低減し、期待度の高い演出が行われる後半ではすべての表示領域で同等の表示態様(高装飾態様)とすることで可動役物の動作範囲が制約されるなど演出内容が制限されることを抑制することが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
[33−3.識別図柄を複数領域で同時に表示可能な構成の変形例2]
以上説明した例では、各表示領域において識別図柄を同等の表示態様で変動表示した後、同じ図柄で停止表示していた。これに対し、ここで説明する変形例では、各表示領域における識別図柄の変動表示が行われた後、異なる態様(図柄)で識別図柄を停止表示することを可能とする。
図464Cは、本実施形態の複数の表示領域でそれぞれ識別図柄が変動表示し、異なる図柄で停止する例を示す図である。なお、(A)から(F)までは、図464Aに示した例と同じであるため、(C)から(E)までは図示を省略する。なお、図464Bに示した変形例1と同様に識別図柄を変動表示させるとともに、本変形例2のように各表示領域の停止図柄を異ならせる遊技機としてもよい。
本変形例では、複数種類の当り種別を用意した場合であって、各表示領域で同じ態様(識別図柄)で停止表示した場合には「第1当り」を示す一方、各表示領域で異なる態様(識別図柄)で停止表示した場合には「第1当り」とは異なる「第2当り」(例えば「小当り」)を示している。図464C(G)に示すように、表示領域Aでは識別図柄がすべて同一の「5」「5」「5」で停止表示している一方、表示領域Bでは中図柄が異なり、識別図柄「5」「V」「5」で停止表示している。本変形例では、第2当りとして例えば小当りが用意されている場合、図464C(H)に示すように、図柄変動の結果が「第2当り」となり、「第2当り」に当選すると、遊技領域に配置されたVゾーンに遊技球を受け入れ可能となる。Vゾーンに遊技球が入賞すると、例えば、高確率状態に移行することが可能となる。
以上のように、本変形例によれば、複数の表示領域で停止表示した各識別図柄の組み合わせによって当りの種類を示すことによって、当りの詳細な内容を遊技者に報知することが可能となる。例えば、表示領域Aの停止図柄で「当り」か否かを示し、表示領域Bの停止図柄で「当り」の種類を示すことも可能である。
また、各表示領域における停止図柄の組み合わせは、遊技者が変動表示の結果を誤認しにくいようにする。具体的には、表示領域Aの停止図柄で「当り」を示す場合には同じ識別図柄で停止表示するなど遊技者が当りであることを明確に認識できるようにする。表示領域Bについても遊技者が誤認しないようにしたほうがよく、例えば、変動表示の結果が「はずれ」の場合には同じ識別図柄で停止表示させて遊技者に誤認させないようにしてもよい。なお、いわゆる「大当り」の場合には表示領域Aで同じ識別図柄で停止表示する一方、「大当り」よりも付与される遊技価値が少ない「小当り」の場合には表示領域Bだけで同じ識別図柄で停止表示させるようにしてもよい。
表示領域Bの表示態様によって「当り」の種類を示唆する場合には、例えば、表示領域Aと同じ識別図柄で停止表示した場合には「確変大当り」としたり、表示領域Aとは異なる同一の識別図柄で停止表示した場合には確変状態に移行しない「通常大当り」としたりしてもよい。さらに、中図柄のみを別の識別図柄として大当りの種類を認識させるようにしてもよく、前述のように中図柄が「V」であればVゾーンに遊技球を受け入れ可能となることを示したり、中図柄において大当り遊技のラウンド数に対応した図柄を停止させるようにしてラウンド数を示唆したりしてもよい。
さらに、識別図柄の停止とともに表示領域Bを非表示とし、「当り」であることを報知しつつも「当り」の種類を報知せずに遊技者に期待感を持たせるようにしてもよい。例えば、大当り後に確率変動状態になっているか否かを曖昧にすることで遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。また、表示領域Bによって、大当り遊技終了後に発生させる有利遊技状態(確率変動状態、時間短縮状態等)を示唆するようにしてもよい。
また、表示領域Aにおける表示態様で遊技者に大当りであることを報知した後、表示領域Bだけで識別図柄の表示を継続するようにしてもよい。表示領域Bの表示が継続されていれば、遊技者は大当りであることを認識可能であり、大当りを報知した後に表示領域Aにおける識別図柄を非表示とすることでその後の演出を行うための領域を確保することができる。また、この場合、表示領域Bにおいて大当り開始時は「5」「V」「5」とされていた表示を大当り遊技の途中から表示領域Aにおいて表示されていた「5」「5」「5」にあわせるように表示してもよい。また、この表示は大当り遊技が終了し、大当り遊技終了後の遊技において識別図柄が変動開始されるまで表示してもよいし、大当り遊技の途中の所定のタイミングで表示をやめるようにしてもよい。ただし、大当り遊技の途中で表示をやめた場合であっても、大当り遊技終了後の遊技が開始されたときには表示領域Aや表示領域Bにおいて当り図柄に対応した表示をするようにすることが好ましい。この場合、例えば表示領域Bにおいては当りタイミングでは「5」「V」「5」の表示がなされていたが、大当り遊技終了後には同じく「5」「V」「5」としてもよいし、大当り遊技を挟んで「5」「5」「5」の表示にかえるようにしてもよい。
本変形例によれば、前述した実施形態と同様に、複数の表示領域で識別図柄の変動表示を行うことで、予告演出を実行する領域の制限を緩和できるとともに、複数の表示領域における停止図柄の組み合わせによって遊技者に遊技の結果を詳細に報知することが可能となり、さらに、様々な報知態様を実現することが可能となる。これにより、遊技者の期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[34.装飾体の構成要素となる基板]
ところで、近年の遊技機では、多種多様な演出を実現するために、遊技機に搭載される役物(装飾体)を増やしたり、大型化や変形などによって遊技興趣の向上を図っていた。
しかしながら、遊技機の大きさは所定のサイズに定められているため遊技領域は限られており、液晶表示装置の大型化などの要因もあって役物の大きさや配置に制限があった。そのため、単調な演出になって遊技興趣が低下するおそれがあった。以降、説明する実施形態は、上記事情に鑑みなされたもので、役物の大型化や配置の柔軟性の向上を図る一手段を提供することを目的とする。
遊技機に備えられる役物は、遊技者か正面側から視認可能であって遊技の興趣を高めるために装飾性に富んだ装飾部が配置されており、内部にLEDなどの発光体が備えられ、遊技状態や変動表示の期待度などに応じた態様で発光する。発光体がLEDのように基板上に配置されるものであれば、装飾部は発光体から出力された光を透過させることが可能な透過部を備えている。透過部は、例えば、光を透過可能な透明な部材であってもよいし、網目状に穴が形成され、当該穴から光が通過するようなものであってもよい。
一方、透過部を備えることによって、当該透過部を介してLEDや抵抗などの電子部品を搭載した基板を遊技者から視認できるようになる。通常、基板は演出効果を発揮するために必要な電子部品を搭載するものであって、遊技者から視認されることを前提とするものではない。しかしながら、光が通過可能な透過部を有する装飾部では、装飾部の内部に配置された基板を遊技者から視認され、装飾効果が低減してしまうおそれがある。
一方、透過部の透過度を少なくしたり、透過部の表面に外部からの光を反射させる素材を用いたりするなどして基板を視認できないようにすると、期待した演出効果が得られなくなるおそれがある。さらに、装飾部の外部や透過部から遊技者が視認できない位置にLEDを配置すると、装飾部のサイズが意図せず大型化してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、装飾部を構成する透過部から基板が視認されても装飾効果が低減することを抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
[34−1.遊技盤]
図465は、本実施形態における遊技機の遊技盤5の構成例を示す図である。図465に示す例では、遊技領域5aの中央部に(遊技盤側)演出表示装置1600が配置されている。また、図示していないが、遊技領域5a内には、前述した遊技盤5と同様に、打込まれた遊技球を受入可能に常時開口している複数の一般入賞口と、複数の一般入賞口とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している始動口と、遊技球の通過を検知するゲート部と、第一始動口又は第二始動口への遊技球の受入れにより抽選の結果に応じて遊技球の受入れが何れかにおいて可能となる大入賞口などを備えている。
さらに、遊技領域5aの右上部には、「激熱」の文字形状の文字役物9100が配置されている。図466は、本実施形態における文字役物9100の形状を示す斜視図である。文字役物9100は、図466に示すように、「激熱」の文字形状を模した板状の役物である。文字役物9100による演出は、図柄変動の期待度に応じた態様で実行される。
例えば、期待度に応じた色で発光させたり、所定のパターンで点灯・消灯を繰り返すなどの発光態様を変化させたりしてもよい。また、「激」と「熱」を交互に点灯させ、期待度が高い場合には両方の文字を点灯させることによって大当りを報知したり、最終的に両方の文字を消灯させるいわゆるガセ演出を実行したりしてもよい。
文字役物9100は、後述するように、遊技者に視認されるカバー部材(カバー体)9110が透過部9111及び非透過部9112によって構成されており、遊技の進行状況や演出内容に応じた態様で内部に備えられた発光体によって透過部9111から発光可能に構成されている。本実施形態では、透過部(第1領域)9111は文字に対応する部分、非透過部(第2領域)9112は文字の外縁部分となっており、透過部9111は略無色透明となっている。非透過部9112も透過性を有していてもよく、例えば、透過部9111とは異なる透過度で有色としてもよい。文字役物9100の詳細については、図468以降の図面を参照しながら説明する。
また、文字役物9100は、その一部が演出表示装置1600の右上部分に重なっており、演出表示装置1600の表示領域から出力される光が文字役物9100の裏面側に照射される。このとき、文字役物9100の裏面側を反射可能な部材とすることで、演出表示装置1600によって実行される演出と組み合わせた演出を実行することも可能である。また、文字役物9100の一部について光を透過可能に構成し、演出表示装置1600の表示領域から出力される光が文字役物9100を透過させる演出を実行するようにしてもよい。
また、遊技盤側演出表示装置1600の前面側には遊技領域5aとの間に空間が形成されており、演出表示装置1600の左下部前面側に「雪だるま」の形状を模した雪だるま役物9200が配置されている。雪だるま役物9200は、立体的な人形の形状に形成されており、雪だるま役物9200の側面及び裏面側の一部を遊技者が側方から視認することが可能となっている。
図467は、本実施形態における雪だるま役物9200の形状を示す斜視図であり、(A)は前方、(B)は後方から見た図である。雪だるま役物9200は、外観が透過性を有する部材によって形成されており、内部に備えられた発光体(LED)の光が外部に透過することで演出効果を発揮する。
雪だるま役物9200は、外観上、帽子部、頭部及び胴体部によって構成される。頭部及び胴体部は、透過可能な部材で構成され、遊技者が内部まで視認可能となっている。帽子部は、バケツの形状となっており、頭部の上側に備えられている。帽子部は、有色の部材で構成されており、本実施形態では、内部に備えられたLEDなどの発光体から照射された光が透過可能となっている。雪だるま役物9200の詳細については、図480以降の図面を参照しながら説明する。
雪だるま役物9200は、文字役物9100と同様に、図柄変動の期待度に応じた態様で実行される。例えば、期待度に応じた色で発光させたり、点灯・消灯を繰り返したりしてもよい。また、頭部のみを点灯させたり、胴体部のみを点灯させたりしてもよい。また、予告演出の最初の段階で帽子部のみを点灯させて遊技者の期待感を高め、頭部から胴体部に向かって順次点灯させるようにしてもよい。
[34−2.文字役物(激熱)]
続いて、文字役物9100の詳細な構成について説明する。図468は、本実施形態の文字役物9100の分解斜視図である。文字役物9100は、遊技者に視認可能な前面側に配置されるカバー部材(カバー体)9110と、カバー部材9110の裏面側に配置され、LEDなどの発光体9301を搭載した文字役物基板9120と、カバー部材9110及び文字役物基板9120の裏面側に取り付けられるベース部材9130によって構成される。
[34−2−1.カバー部材]
カバー部材9110は、外周に後方に突出する周壁部9113が形成されており、周壁部9113に囲まれた裏面側の空間には文字役物基板9120を収容可能となっている。図469は、本実施形態の文字役物9100のカバー部材9110を裏面側から見た図である。なお、文字役物基板9120を収納した状態については、図471にて後述する。カバー部材9110は、前述のように、「激熱」の文字を模した光を透過可能な透過部9111と、透過部9111の周縁に形成された光を透過させにくい非透過部9112によって形成されている。
また、文字役物9100の外周部を形成する周壁部9113は非透過部9112と同じく光を透過させにくい素材で形成されており、非透過部9112と同じ部材であってもよい。なお、文字を個別に点灯させる場合には、各文字の間を区分けするために文字の間に周壁部9113を設ける必要がある。このとき、文字役物基板9120を文字ごとに用意してもよいし、基板については一体としてもよい。
透過部9111は、無色透明な素材によって形成されており、文字役物9100の内部を視認可能となっている。演出実行時には内部に備えられた発光体9301によって、透過部9111に光を透過させるとともに非透過部9112が光を遮断することによって「激熱」の文字を際立たせて遊技者の期待感を高めることができる。また、文字役物基板9120に配置された発光体(LED)9301からの光を透過可能となっているだけでなく、文字役物基板9120そのものを遊技者が視認することも可能となっている。
本実施形態では、カバー部材9110の裏面側の非透過部9112に光を拡散させる光拡散部を形成している。光拡散部を形成する代わりにカバー部材9110と文字役物基板9120との間に導光部材を備えるようにしてもよく、発光体9301からの光を透過部9111に導くことで拡散部材を設けた場合と同様の効果を得ることができる。導光部材を用いる変形例については後述する。
以上のように構成することにより、少ない発光体の数で役物内部の光を効率的に集約することができるため、文字役物基板9120に配置する発光体9301の数を削減したり、発光体9301の配置の自由度を高めることができる。
さらに、非透過部9112は、光拡散部を形成せずに、透過部9111よりも透過度の低い透過性の素材によって形成してもよい。例えば、透過性を有する着色された素材を用いることで文字役物9100を全体的に発光させ、透過度の違いで文字部分を際立たせながら光拡散部を用いた場合とは異なる演出効果を奏することができる。
[34−2−2.文字役物基板]
図470は、本実施形態の本実施形態の文字役物9100の文字役物基板9120の前面側を示す図である。また、図471は、本実施形態の文字役物9100のカバー部材9110に文字役物基板9120を収容した状態を示し、文字役物基板9120の裏面側を示す図である。
文字役物基板9120は、図470及び図471に示すように、一般的な矩形状ではなく、カバー部材9110の周壁部9113に囲まれた空間の外郭形状に合わせて文字役物9100の形状に類似した形状となっている。また、文字役物基板9120の表面には、所定の色(特定色)に着色されたレジストが塗布されている。文字役物基板9120には各種情報が表示されているが、シルク印刷等によって表示してもよいし、エッチング文字で表示してもよい。
また、文字役物基板9120の裏面側は、遊技盤5に取り付けられている状態ではベース部材9130によってふさがれているため、遊技者が視認できないようになっている。
そのため、基板の色を特定色とする必要はないが、素材のコストよりも表面と裏面とを別の加工をするための製造コストとを比較して表面のみ又は両面にレジストを塗布するかを決定すればよい。
文字役物基板9120は、前述のように、カバー部材9110の透過部9111から視認可能となっている。そのため、基板の色が役物の装飾態様に合わない場合には装飾効果を低減させてしまったり、基板に配置された電子部品によって装飾効果を阻害してしまったりするおそれがある。そこで、本実施形態では、文字役物基板9120そのものを装飾要素の一つとして利用する。例えば、文字役物基板9120を一般的な緑色ではなく、役物の装飾態様に沿った色(特定色)に着色したり、文字役物基板9120に搭載された電子部品が役物の模様をなすように配置する。役物の装飾態様に沿った色とは、例えば、役物(遊技機)の演出に登場するキャラクタやテーマに関連する色などである。以降、図面を参照しながら具体的に説明する。
まず、役物などの装飾体に備えられる基板の形状や色などを装飾要素として利用するための具体的な態様について説明する。本実施形態の文字役物9100は、前述のように、透過部9111を有しているため、内部に備えられた文字役物基板9120を視認することができる。そこで、文字役物基板9120の色を文字役物9100の装飾態様に合わせた特定色に着色することで、文字役物9100の全体の色彩を構成する。例えば、文字役物基板9120の表面を青色とした場合には、発光体9301が非発光時には役物全体が青色となり、発光時には発光体9301の発光色となることで、全く異なった印象を遊技者に与えることができる。特に役物全体で透過部9111が占める領域が大きい場合には、より大きな効果を得ることができる。
[34−2−3.発光体/電子部品]
文字役物基板9120の表面(前面)側には、複数の発光体(LED)9301が配置されている。発光体9301は、すべて同じ発光色としてもよいし、異なる種類の発光色を複数用意してもよい。発光体9301は、遊技の進行状況に応じて点灯し、演出内容に応じて点灯箇所が異ならせてもよく、例えば、大当りの期待度に応じて点灯させる発光体の数を決定したり、複数種類の発光色がある場合には、期待度に応じた色で発光させるようにしてもよいし、異なる種類の発光色を同時に点灯させてもよい。
そして、本実施形態では、前述したように文字役物基板9120の色を特定色に着色している。そのため、文字役物基板9120の特定色と、発光体9301の発光色との組み合わせによっても色彩が変化するため、発光体9301を複数種類の色で発光させることで多彩な演出を実現することが可能となる。
また、発光体9301が消灯しているときは、文字役物基板9120に着色した特定色を認識することになるため、発光体9301を点滅させるだけでも、ひとつの演出表現として、文字役物基板9120に着色した特定色と発光体9301の発光色とを交互に異なる色として認識させることができる。例えば、前述したように文字役物基板9120の色が青色で着色されている場合には、発光体9301をゆっくり赤色で点滅すると、明暗をもたせ交互に赤色の文字役物、青色の文字役物として全く異なる色の役物として認識させることができる。
文字役物基板9120の裏面側には、発光体9301以外の電子部品が搭載されている。具体的には、抵抗9302、IC9303及びコネクタ9304である。本実施形態では、これらの電子部品は遊技者から視認できないため、技術的に問題の生じない配置であればよい。また、図471に示すように、文字役物基板9120の裏面側には、表面側に配置されている発光体9301に関する情報が印字されており、裏面側からでも表面側に配置された電子部品に関する情報を認識することができる。発光体9301の位置を示す情報については誤認を防ぐために点線で表示している。
一方、図470に示したように、表面側には発光体9301が配置されているのみであり、電子部品に関する情報は表示されていない。これは、シルク印刷されている文字(例えば電子部品の部品番号(図471の「LED1」等))が遊技者から視認されることで装飾効果が低減することを防ぐためであるが、組み立て作業の効率化など必要に応じて遊技者が視認しにくい色で情報を表示するようにしてもよい。例えば、前述したよう文字役物基板9120の色が青色で着色されている場合には、水色といったように同系色であって識別可能に濃淡調整された色を情報表示として採用し、シルク印刷すればよい。あるいは、エッチング文字で情報を形成するようにしてもよい。
また、本実施形態における文字役物9100では、発光体9301以外の電子部品が遊技者の視認できない基板の裏面側に配置されているため、抵抗9302やIC9303などの電子部品は黒色となっている。また、電子部品を前面側に配置しなければならない場合には、非透過部9112の裏面側など少なくとも電子部品の一部を遊技者から視認しにくい配置としたり、遊技者から視認しにくい色又は形状の電子部品を採用したりしてもよい。例えば、特定色と同色の電子部品であれば、前面側に配置するようにしてもよい。
一方、前述したように、本願発明では、役物内部に備えられた基板を遊技者が視認できる構成となっている。そこで、基板に配置された電子部品を役物の装飾要素として利用する例について説明する。
文字役物基板9120の表面側に電子部品をカバー部材9110の透過部9111から遊技者が視認可能な位置に配置する。このとき、文字役物9100によって表示される文字の模様をなすように電子部品を配置する。例えば、規則的な位置に電子部品を配置し、文字の装飾となるようにする。
また、発光体9301の配置によって、発光時には遊技者が文字の模様を認識できないようにしてもよい。さらに、発光時であっても電子部品を認識可能な位置にある発光体9301と、発光時に電子部品を認識不可能にする位置にある発光体9301とを選択して発光させることによって、模様の有無を切り替え可能に構成してもよい。
また、黒色以外の電子部品を表面側に配置することによって装飾要素としてもよい。透過部9111は、無色透明としていたが、レンズ部材や拡散部材として光を透過可能とする一方、電子部品を明確に判別できないようにして遊技者に模様と認識させやすくしてもよい。なお、電子部品の配置によって装飾効果を発揮する態様については、後述する雪だるま役物9200にて別の具体例を説明する。
また、基板表面側に印刷された文字を模様として利用することも可能である。装飾効果が阻害されることを防止するために遊技者に認識されにくい色で文字を印刷するのではなく、電子部品や基板の情報を示す文字を装飾要素となるように遊技者に認識可能な態様(色、形状)で印刷してもよい。これにより、役物の模様をより複雑な態様にしたり、カバー部材9110とは異なる色で印刷することで色彩に変化を加えたりすることができ、装飾効果を高めることが可能となる。また、基板に印刷する文字を集約させることによってカバー部材9110や基板上の他の部分とは異なる色彩の領域を基板上に形成するように遊技者に認識させることで役物全体の装飾効果を高めるようにしてもよい。
[34−2−4.発光体の配置]
続いて、発光体9301とカバー部材9110の透過部9111及び非透過部9112との位置関係について説明する。図472は、本実施形態の文字役物9100において発光体9301とカバー部材9110の透過部9111及び非透過部9112との位置関係を説明する図である。
本実施形態では、透過部9111から視認可能な位置及び非透過部9112の裏側で遊技者が視認しにくい位置にも発光体9301が配置される。ここでは、透過部9111から視認可能な位置に配置された発光体9301を発光体9301aとし、非透過部9112の裏側に配置された発光体9301bとする。
例えば、強く発光したい場合には透過部9111から視認可能な位置に発光体9301aを配置して直接光を外部に照射するようにする。また、図469にて説明したように、非透過部9112の裏側には光拡散部が設けられているため、非透過部9112の裏側に発光体9301bを配置することで光を拡散させてやわらかい光で発光させることが可能となる。
このように、役物の種類に応じて発光体9301aの位置を決定すればよく、発光体9301を選択して発光させることで、一の役物で発光態様を切り替えることも可能である。具体的には、役物全体を強く発光させたいときには発光体9301aのみ若しくはすべての発光体9301を発光させればよく、やわらかい光で発光させたいときには発光体9301bのみを発光させて光を拡散させればよい。
また、透過部9111の透過度を調整し、完全な無色透明とせずに発光体9301aをやや視認しにくくなるようにしてもよい。例えば、透過部9111をやや透過度を低くして(有色透明、例えば薄い青色)内部を視認しにくくしてもよいし、透過部9111の表面を加工(例えばシボ加工)して光を拡散させるようにして内部を視認しにくくするようにしてもよい。このように構成することで、発光体そのものは視認しにくくなるが、非透過部9112の裏側に配置するよりも強く発光することができる。また、発光体9301の位置の自由度が高くなるため、設計の自由度が高くなり開発効率を向上させることができる。
また、文字役物基板9120自体を直接的な装飾要素とせずに、間接的に演出効果を高めるものであってもよい。例えば、文字役物基板9120の特定色を白色とした場合には、配置された発光体9301が点灯していない状態であっても反射率を高めることが可能となり、発光体9301の点灯時はもちろんのこと、外部からの光を反射させることで文字役物9100の内部が暗くなりすぎることを防止することができる。
また、文字役物基板9120の特定色が白色なので、消灯時の特徴として文字役物9100の文字色を白色として認識させることができる。この場合、発光体9301にフルカラーのLED(R・G・B色のLED)を用いると、文字色を多彩な色として表現できるが、発光体9301からの光と、非透過部9112の裏面側に設けられた光拡散部から反射(拡散)した光と、基板表面から反射した光とが重なり合って融合させることによって、単一種類の発光体9301では表現できない幻想的な演出を実行することができる。このとき、複数種類の発光体9301を使用せずに多彩な演出を実現することができるため、コストを削減することができる。
以上のように、本実施形態の文字役物では、基板の色や搭載された電子部品を装飾要素とすることによって、遊技者に視認させるように構成しているため、基板を隠すように配置する必要がないため、設計の自由度を向上させることができる。また、装飾要素とはならない電子部品については基板の裏面側に配置すればよく、LEDなどの発光体以外の電子部品を裏面側に配置することで基板の色だけを装飾要素としてもよい。
[34−2−5.ベース部材]
ベース部材9130は、取り付け時に正面から見てカバー部材9110と同じ形状となっている。カバー部材9110の周壁部9113とベース部材9130とを当接させ、図示しない取付部材によって固定する。このとき、文字役物基板9120をカバー部材9110又はベース部材9130に固定するようにしてもよいし、文字役物基板9120を固定せずにカバー部材9110の周壁部9113に囲まれた空間に収容するようにしてもよい。なお、文字役物基板9120に信号を送信したり電力を供給したりするための配線については図示を省略しており、例えば、ベース部材9130やカバー部材9110の周壁部9113に配線用の穴を形成すればよい。
なお、ベース部材9130を使用せずにカバー部材9110に取付部を備えることによって遊技盤5に直接取り付けるようにしてもよい。この場合、カバー部材9110に文字役物基板9120を取り付けるようにする。
[34−3.文字役物の変形例1]
続いて、文字役物基板9120の形状が文字役物9100の形状に完全に類似せずに、文字役物基板9120の外縁がカバー部材9110の周壁部9113に囲まれた空間の外郭形状と一致しない場合について説明する。この場合、文字役物9100の全体に発光体9301を配置することができないため、カバー部材9110と文字役物基板9120との間に導光部材9140を配置し、光を拡散させることで発光体9301の配置されていない部分の光量の不足を補填する。なお、カバー部材9110及びベース部材9130については前述した例と同様である。
図473は、本実施形態の文字役物9100における発光体9301からの光を拡散させる導光部材9140の一例を示す図である。導光部材9140は、光を文字役物9100のカバー部材9110の裏面側全体に拡散させるために、前述した文字役物基板9120の形状と同様に、カバー部材9110の周壁部9113に囲まれた空間の外郭形状に合わせて文字役物9100の形状に類似した形状となっている。
図474は、本実施形態の変形例1の文字役物9100の文字役物基板9120の前面側を示す図である。また、図475は、本実施形態の変形例1の文字役物9100のカバー部材9110に文字役物基板9120を収容した状態を示し、文字役物基板9120の裏面側を示す図である。なお、文字役物基板9120の形状以外の構成は、前述した実施形態と同じである。
文字役物基板9120は、図474及び図475に示すように、カバー部材9110の周壁部9113に囲まれた空間の外郭形状の一部が欠けている切欠部9122が形成されている。また、文字役物基板9120の中央部にはベース部材9130に固定するための取付用穴9121が形成されている。図475に示すように、カバー部材9110の取付部は、取付用穴9121を挿通し、ベース部材9130に取り付けられる。
また、同様に、導光部材9140にもベース部材9130の取付部が挿通するよう取り付け用の穴が形成されている。なお、切欠部9122の占める割合が少なく基板の位置がずれなければ、取付用の構成を設けずにカバー部材9110とベース部材9130との間に挟んで固定するようにしてもよい。
図476は、本実施形態の変形例の文字役物9100において発光体9301とカバー部材9110の透過部9111及び非透過部9112との位置関係を説明する図である。
本変形例では、切欠部9122には発光体9301を配置することができないため、導光部材9140によって光を導くことによって文字役物9100全体を発光させる。このとき、非透過部9112の裏面側に光拡散部を設け、導光部材9140を補助するように構成してもよい。
したがって、本変形例の文字役物9100には、文字役物基板9120の色や電子部品などを装飾要素とすることで文字役物基板9120によって装飾される部位と、切欠部9122が形成されているために、文字役物基板9120によって装飾されない部位とが混在するようになる。このとき、導光部材9140やカバー部材9110の非透過部9112の裏面側に設けられた光拡散部によって、光装飾を行うことで装飾効果を維持することができる。
本変形例にて説明したように、文字役物基板9120の形状を文字役物9100と類似させなくてもよく、文字役物基板9120によって装飾されない部位は導光部材9140や光拡散部などを設けて光装飾を行うことによって装飾効果の低減を抑制するようにしてもよい。また、ベース部材9130の色を文字役物基板9120の特定色と同じにすることによって装飾効果の低減を抑制するようにしてもよい。これにより、文字役物基板9120の形状を複雑な形状とせずに比較的単純な形状とすることを可能としたり、基板の大きさに自由度を高くすることによって基板の加工などの製造コストの増大を抑制することができる。
また、ベース部材9130を使用せずに、文字役物9100の裏面側に配置された発光可能な装飾部によって、切欠部9122を介して装飾部からの光を透過させて演出するようにしてもよい。例えば、本実施形態のように文字役物9100が液晶表示装置1600の前面側に配置されている場合には、画面右上部に画像を表示させることで、液晶表示装置1600の表示と、文字役物9100による発光演出とが一体となった演出を実行するようにしてもよい。また、ベース部材9130に透明な部材を使用することでも同様の演出を実行することができる。なお、液晶表示装置1600の表示を利用した例については変形例2でさらに詳しく説明する。
[34−4.文字役物の変形例2]
変形例1で基板の一部に切欠部9122が形成されていたが、変形例2では前述した文字役物基板9120が文字役物9100の半分程度のサイズとする例について説明する。
また、ベース部材9130を使用せずに、カバー部材9110を直接遊技盤5を取り付けるように構成し、本変形例における文字役物9100の構成は、カバー部材9110、文字役物基板9120及び導光部材9140によって構成される。
本変形例では、変形例1と同様に導光部材9140によって発光体9301の配置できない部位に光を導いて光装飾を行う。また、本変形例では、ベース部材9130を備えていないため、文字役物9100の裏面側に発光体が備えられていれば、当該発光体の光を透過させることが可能となっている。
図477は、本実施形態の本実施形態の変形例2の文字役物9100の文字役物基板9120の前面側を示す図であり、文字役物基板9120と導光部材9140とが重なっている状態を示している。また、図478は、本実施形態の変形例2の文字役物9100のカバー部材9110に文字役物基板9120を収容した状態を示し、文字役物基板9120の裏面側を示す図である。
図477及び図478に示すように、文字役物基板9120は、文字役物9100の上半分程度を占めるように構成されている。そのため、本変形例の文字役物9100を遊技盤5に取り付けると、上半分は文字役物基板9120に着色された特定色によって装飾されるが、下半分は文字役物基板9120によって装飾されないこととなる。一方、文字役物9100の下半分は透過部9111から透過可能となっているため、文字役物9100の裏面側を特定色とすることで違和感を抑制するようにしてもよい。
また、上下の領域で異なる演出を実行するようにしてもよい。例えば、文字を二段で表記した文字役物であれば、上段側に文字役物基板9120を配置し、下段側の裏面側に発光体を配置して上段と下段で異なる演出を実行する。また、この役物が移動可能であれば、停止位置ごとに異なる発光体を裏面側に配置することによって停止位置ごとに異なる演出を実行することができる。
さらに、発光体はLEDやランプだけでなく、前述したように液晶表示装置1600であってもよく、例えば、遊技盤5の上部には発光体としてLEDを配置し、液晶表示装置1600の前面側まで下方向に移動した場合には液晶表示装置1600に表示された画像によって役物の下部から光を透過させて演出を実行することができる。
なお、文字役物9100の裏側に表示する画像としては、透過部9111、非透過部9112にかかわらず、下半分(変形例1では切欠部)も含む文字役物9100を模した同色(文字役物基板9120を見せる箇所については特定色と同じ色)、同形状の画像を表示するとよい。なぜなら、文字役物9100になんらか故障が生じた場合であっても画像が表示されるので、遊技者に故障による不安感を与えることなく遊技を進行させることができる。
以上のように構成することで、一の役物で複数種類の演出を実現することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、図479に示すように、液晶表示装置1600の一部を文字役物9100を介して遊技者が視認できるようになっている。そのため、導光部材9140によって導かれる光以外にも液晶表示装置1600に表示された画像(映像)による光が文字役物9100の裏面側から表示されることとなり、文字役物基板9120による発光演出と、液晶表示装置1600による表示演出を連携して実行することが可能となる。このように構成することで、文字役物基板9120の下辺部が境界となり、装飾を構成する一要素とすることもできる。
図479は、本実施形態の変形例2の文字役物9100を遊技盤5に取り付けた状態を示す図である。文字役物9100の上部は、文字役物基板9120に搭載された発光体9301による光を導光部材9140によって拡散させる。一方、文字役物9100の下部は、液晶表示装置1600によって出力された光(表示された画像)を導光部材9140によって拡散させる。このとき、発光体9301による光と液晶表示装置1600からの光とを融合させることによって、文字役物9100による演出と液晶表示装置1600による演出とを一体化した演出を実行することができる。
なお、文字役物9100や液晶表示装置1600以外の演出を融合させてもよい。例えば、遊技盤5を透明な部材とし、裏面側に発光体を配置したり、シールなどを貼付したりして装飾効果を高めた場合に、役物の透過部を介して視認させて組み合わせることによって装飾効果をさらに高めることができる。
[34−5.雪だるま役物]
続いて、雪だるま役物9200について説明する。雪だるま役物9200は、図467に示したように、雪だるまを模した役物(装飾体)であり、球状の頭部が当該頭部よりもやや大きい球状の胴体部の上に載っている形状となっている。さらに、頭部の上にはバケツ状の帽子部が傾斜した状態で載っている。帽子部は有色の部材で構成されており、本実施形態では、内部に備えられたLEDなどの発光体から照射された光が透過可能となっている。
図480は、本実施形態の雪だるま役物9200の断面図を示す図である。雪だるま役物9200は、前面側カバー部材9210aと裏面側カバー部材9210bとに分割されたカバー部材9210の内部にLEDなどの発光体9301を含む電子部品が搭載された基板(雪だるま基板9220)が収容される。
雪だるま役物9200は、所定の条件成立時に実行される演出で使用され、例えば、図柄変動の期待度に応じて内部の発光体を発光させるなどの演出が実行される。また、カバー部材9210が光を透過可能とする素材で構成されており、液晶表示装置1600の前面側に配置されているため、表示された画像を透過させたり反射させたりする演出を実行してもよい。以下、雪だるま役物9200の各構成について具体的に説明する。
図481は、本実施形態の雪だるま役物9200の前面側カバー部材9210aを裏面側から見た図である。図482は、本実施形態の雪だるま役物9200の裏面側カバー部材9210bを示す図である。図483は、本実施形態の本実施形態の雪だるま役物9200の雪だるま基板9220の前面側を示す図である。また、図484は、本実施形態の本実施形態の雪だるま役物9200の雪だるま基板9220の裏面側を示す図である。
雪だるま役物9200のカバー部材9210(前面側カバー部材9210a、裏面側カバー部材9210b)は一部を除き略無色透明で透過性を有しており、前方から内部に収容された基板(雪だるま基板9220)の表面側の視認することが可能となっている。
雪だるま基板9220は、図483及び図484に示すように、雪だるま役物9200の形状となっており、非常に意匠性に富んだ形状をしている。また、雪だるま基板9220は、文字役物基板9120と同様に、所定の色(特定色)に着色されたレジストが塗布されている。その他、基板そのものの構成については文字役物基板9120と同様であり、表面側及び裏面側に各種電子部品が搭載されている。なお、基板上の電子部品の符号については文字役物9100と共通の符号を使用する。
本実施形態では、雪だるま基板9220の形状は雪だるま役物9200の裏面側を正面から視認できないように役物内部を占有する形状となっている。これにより、雪だるま役物9200全体が雪だるま基板9220に着色された特定色と認識され、役物全体の色彩を決定することとなる。一方、雪だるま基板9220の一部に切欠部や穴を形成し、雪だるま役物9200の裏面側を視認可能としてもよい。このとき、雪だるま役物9200の後方から液晶表示装置1600によって画像を表示したり、発光体などの装飾体を配置したりして演出の多様性を高めるようにしてもよい。
また、雪だるま役物9200は、立体的な形状となっており、遊技者は正面から視線を少し傾けるだけで雪だるま役物9200の側面を視認することが可能となっている。カバー部材9210が透過性を有するため、雪だるま基板9220の側面を超えて裏面まで遊技者が視認することができる。基板を裏面側から視認することができないように構成されていた文字役物9100では基板の裏側まで特定色とする必要はなかったが、雪だるま基板9220は裏面側も特定色に着色されている。これにより、遊技者が液晶表示装置1600に近づいて雪だるま役物9200を側方から視認した場合であっても装飾効果が低減することを抑制することが可能となる。これにより、役物の形態の自由度を向上させることができ、演出効果を向上させるとともに遊技興趣の向上を図ることができる。
雪だるま基板9220の側面を超えて裏面まで遊技者が視認することができることから、雪だるま基板9220の裏面側に発光体9301を配置して、雪だるま役物9200の全体を裏面側から発光させてもよい。さらに、雪だるま基板9220の裏面側を表面側と異なる色に着色することで前面側の発光体9301だけが発光したときと異なる印象を遊技者に与えることができる。なお、雪だるま基板9220の色は共通で異なる発光色の発光体9301を配置することでも同様の効果を期待できる。このように構成することによって、役物の発光態様を多様化させて遊技の興趣を高めることができる。
図480に示したように、雪だるま役物9200の帽子部には開口部が設けられ、雪だるま役物9200の内部に収容された雪だるま基板9220に電力や信号を送信するためのコードが挿通されている。供給された電力及び演出制御装置からの信号によって雪だるま基板9220に配置された発光体(LED)9301を発光させることで各種演出を実行する。
また、雪だるま役物9200の帽子部は、前述のように、有色(例えば、赤色)であるとともに透過性を有している。帽子部の透過性は雪だるま役物9200の他の部位よりも透過度が低くなっており、内部を視認しにくくなっている。そこで、雪だるま基板9220に配置されるコネクタ9304や当該コネクタ9304に接続されるコードなどを帽子部に配置することで遊技者から視認しにくくしている。
カバー部材9210(前面側カバー部材9210a)には、遊技者が正面から見た場合に雪だるまの目に相当する部位に透過度の異なる透過部B9211bが形成されている。
なお、帽子部を除く他の透過部は透過部A9211aとする。本実施形態では、透過部B9211bは、軟焦点(ソフトフォーカス)レンズのように収差を残してぼやけた状態で雪だるま役物9200の内部が視認されるように構成されている。そのため、雪だるま役物9200の内部に収容された雪だるま基板9220に配置された電子部品の輪郭をぼやけさせて視認させることができる。
また、図483に示すように、本実施形態では、雪だるま役物9200の目に相当する部分に対応して雪だるま基板9220に電子部品(抵抗9302)が集約されて配置されている。抵抗9302は、黒い電子部品であり、密集して円状に配置される。遊技者は遊技中に雪だるま役物9200を見ると、透過部B9211bを介して視認されることで電子部品の輪郭がぼやけて見える。これにより、集約されて基板に配置された電子部品(抵抗9302)が雪だるまの黒い目として認識され、装飾要素を構成することができる。
また、電子部品の部品番号(「R1」等シルク印刷された部品番号)については、識別可能なように、雪だるま基板9220のレジストと同じ特定色である白色と同系統の黄色としシルク印刷している。本実施形態では抵抗9302同様密集して印刷されているので、識別可能なうえ、密集して印刷されている分、光を反射するものとして機能している。
なお、本実施形態では電子部品の部品番号(「R1」等シルク印刷された部品番号)も抵抗と同じように黒色でシルク印刷するようにしてもよい。上述したようにレンズの効果により抵抗9302ともども雪だるまの目として認識させることができる。
さらに、本実施形態では、図484に示すように、雪だるま基板9220の裏面側、かつ、雪だるま役物9200を遊技盤5に設置したときに外側となる位置に装飾要素を構成しない電子部品(IC9303等)を配置している。これにより、装飾効果の低い若しくは装飾効果を低減させるおそれのある電子部品を遊技者が視認困難な位置となるため、演出効果が低減することによって遊技の興趣が低下することを抑制することができる。このとき、雪だるま基板9220を遊技機の中心側に向けることで裏面側に配置された電子部品をさらに視認しにくくすることができる。
ここで、雪だるま役物9200の構成について、カバー部材9210(前面側カバー部材9210a、後面側カバー部材9210b)に着目して説明する。前面側カバー部材9210a及び後面側カバー部材9210bは前後均等に分割されている必要はなく、例えば、前面側カバー部材9210aの一方が雪だるま基板9220を超えて後方に向けて形成されるようにしてもよい。以下、前面側カバー部材9210aの一方(内側)を雪だるま基板9220を超えて後方に向けて形成する例について図485を参照しながら説明する。
図485は、本実施形態の雪だるま役物9200の水平方向の断面を上から見た図である。図485に示すように、前面側カバー部材9210aのうち内側のカバー部材を、雪だるま基板9220の側面を超えて後方に延びるように形成すると、遊技者から視認される雪だるま役物9200の外観のほとんどが表面側カバー部材9210aで構成されることになる。これにより、裏面側カバー部材9210bに対する前面側カバー部材9210aの取り付け箇所(前面側カバー部材9210aと後面側カバー部材9210bのつなぎ目)が雪だるま基板9220よりも後方の奥側となることから装飾性が高い役物を実現することができる。
また、無色透明(又は略無色透明)の前面側カバー部材9210aが雪だるま基板9220よりも後方まで延びるため、白色(特定色)に着色された雪だるま基板9220が表面だけでなく裏面も雪だるま役物9200を白色に装飾する。本実施形態のように両面ともに白色であることが望ましいが遊技者は主に前面側から視認するため表面側のみを白色としてもよい。
また、図485では前面側カバー部材9210aのうち内側のカバー部材のみが雪だるま基板9220を超えて後方に延びる態様を示したが、採用する役物の装飾次第で、外側のみ基板後方に延びる態様や内側及び外側の両方で基板後方まで延びる態様を採用してもよい。
さらに、役物の各構成同士を取り付けたり、役物を遊技盤に取り付けたりするための構成について説明する。本実施形態における雪だるま役物9200では、図485に示すように、雪だるま基板9220は、裏面側カバー部材9210bに形成された基板取付部9213及び取付部材9214によって取り付けられる。このとき、基板取付部9213は遊技者から視認しにくい雪だるま役物9200の外側に設けることが好ましい。さらに、表面側カバー部材9210aは図示しないカバー取付部によって裏面側カバー部材9210bに取り付けられるが、基板取付部9213と同様に、カバー取付部は雪だるま役物9200の外側に設けることが好ましい。また、裏面側カバー部材9210bは、図示しない遊技盤5の構造体に取り付けられ、基板取付部9213と同様に、構造体との取付部は雪だるま役物9200の外側に設けることが好ましい。このように、役物の各構成の取付部や役物と遊技盤5の取付部を遊技者から視認しにくい外側に配置することで、役物の装飾性が阻害されることを抑制することができる。
なお、役物の外側だけでなく、遊技者が視認しにくい箇所(例えば、有色部材からなる箇所(本実施形態の雪だるま役物9200では帽子部)、装飾のためのレンズカット等で視認性が低下する箇所、役物形状のうち屈曲する箇所(本実施形態の雪だるま役物9200では頭部と胴体部との境界部分)など)に取付部を設けるようにすることで、取り付け箇所によって装飾性が損なわれることを抑制することができる。
図485に示した例では、前面側カバー部材9210a及び裏面側カバー部材9210bにより雪だるま役物9200を構成することとしたが、図486に示すように、1つのカバー部材9210で雪だるまの形状を形づくるようにしてもよい。図486は、本実施形態の変形例における雪だるま役物9200の水平方向の断面を上から見た図である。
図486に示す変形例では、カバー部材9210及び雪だるま基板9220は、ベース体9230を介して遊技盤5に取り付けられる。本変形例においても図485に示した例と同様に、雪だるま基板9220が両面とも白色であることが好ましいが、表面側だけ白色でもよい。
本変形例では、内側のカバー部材が雪だるま基板9220を超えて後方に延びるだけでなく、ベース体9230も超えて後方に延びて設けられており、雪だるま基板9220だけでなくベース体9230も遊技者から視認されるようになる。このため、本変形例では、ベース体9230についても雪だるま基板9220と同様の特定色(例えば、白色)とすることで装飾として構成することができる。なお、ベース体9230に対するカバー部材9210や雪だるま基板9220の取り付けについては、前述したように、遊技者が視認しにくい箇所に取付部を設け、取付部材等で取り付けるようにすることで、取り付け箇所によって装飾性が損なわれることを抑制することができる。
なお、本変形例では、カバー部材9210のうち内側のみが雪だるま基板9220やベース体9230を超えて後方に延びる態様のものを示したが、採用する役物の装飾次第で、カバー部材のうち外側のみ基板やベース体の後方に延びる態様や内側及び外側の両方において基板やベース体の後方にまで延びる態様を採用してもよい。
[34−6.効果等]
一般的に電子回路基板は、基本となる大きさの生板というものがあり、この生板を基準に1枚の生板から何枚の基板が取れるかによってコストに大きく影響する。ごくごくシンプルに考えれば四角形状で設計されるものであるが、本実施形態の雪だるま役物9200の雪だるま基板9220については、非常に意匠性に富んだ形状をしている。つまり、レジスト、基板の色から電子部品まで、基板を構成する全てのあらゆる要素を役物の装飾性能として利用しているといえる。
なお、先に説明した文字役物の文字役物基板9120に関して言えばほぼ四角形状をしている。雪だるま基板9220と比較するとシンプルな設計のうちに入る形状をしているが、基板を覆うカバー体に意匠性を有するための機能をより持たせたものといえる。
以上説明したように、近年に見られる役物の内部には、発光体(LED)のみならず、発光体を制御する電子部品からなる電子回路が形成された基板が、ほぼ役物の形状に合わせて備えられている。そもそも電子回路が形成される基板には、その電子回路を構成する電子部品と電子部品とを電気的に結ぶ配線が引かれており、その配線の酸化を防止するために基板表面を保護膜(レジスト)で覆っている。
そこで、役物を彩るものとして、保護膜であるレジストの色、つまり基板の色に着目した。それでも前面側に透過部を備える場合に、透過部から基板に搭載された電子部品が視認されることによって役物としての装飾効果が低減してしまうおそれがあったが、本実施形態の文字役物9100や雪だるま役物9200で例示したように基板の色しかり、さらには基板を構成する全ての要素、搭載された電子部品そのものをも装飾要素とすることによって装飾効果の低減を防止し、遊技の興趣低下を抑制することができる。
遊技機においては、電子部品が実装された基板が複数搭載されている。このうち、遊技機裏面側に設けられている主基板や払出制御基板などは一般に無色透明なケースに収納されており、その点検や確認が容易である。一方、遊技盤パネルに搭載される可動または非可動の装飾部材に採用される発光装飾基板において、前面側の遊技者側に相対する面については、発光装飾基板からの光を反射・散乱するレンズ部材などが設けられ、後面側には遊技盤パネルに取付けられる演出表示装置に相対する状態で遊技盤パネルに取付けられている。また、発光装飾基板の後面側には、発光装飾という機能を実現するために、周辺制御手段から制御信号などを受け取るためのフラットケーブルを接続するためのコネクタ、制御素子、ドライバ、抵抗、コンデンサなどの電子部品が実装されている。このような遊技機を遊技店に設置した場合、設置後の遊技機において、発光装飾基板の後面に実装された電子部品に不具合が発生しているか否かを確認することは、困難であった。これは、発光装飾基板の後面が演出表示装置の表示領域をなす面と相対した状態となっているためである。そこで、このような課題を解決するための手段を以下に示す。
図487は、本実施例における遊技盤5の全体を示した図である。遊技盤5は無色透明な合成樹脂からなる遊技パネル1100と遊技盤側演出表示装置1600を備えている。
また、遊技パネル1100は、遊技領域5aとレール部材5950と遊技パネル開口部1100aを備えている。遊技パネル開口部1100aは遊技パネル1100に打ち抜き状に物理的な開口を設けることで形成されている。遊技盤側演出表示装置1600の前面側には遊技パネル1100との間に空間が形成されており、この空間に複数の役物が層状に配置されている。具体的には、手前側から、遊技パネル1100の裏面に近接する位置に、盤裏草役物6800、第1巨木役物6600、第2巨木役物6650、第1雲役物6700、第2雲役物6750が設けられている。第1巨木役物6600は、第1巨木幹基板6610と第1巨木葉基板6630とから、第2巨木役物6650は、第2巨木幹基板6660と第2巨木葉基板6680とから構成されている。また、これらの後方に第1草役物6470、第2草役物6475が設けられ、これらの後方にウサギ役物6000が設けられ、これらの後方に山役物6500が設けられ、山役物6500の後方に遊技盤側演出表示装置1600が設けられている。このように複数の役物を層状に配置することで、奥行き感を出すことができる。
図488(A)は、ウサギ役物6000の正面図である。図488(B)は、ウサギ役物6000の斜視図である。図488(C)は、ウサギ役物6000の分解斜視図である。ウサギ役物6000は、手前側の顔カバー部6010と顔カバー部6010の後ろ側に設けられた顔基板6020、胴体部6030によりユニットとして構成されている。顔基板6020は前面に顔発光部6023として第1顔発光部6023a、第2顔発光部6023bを有している。また、顔基板6020はウサギの口を模した形状の口装飾部6024を有している。顔カバー部6010の鉛直方向底面にはウサギの左右の前脚を模しており、白色不透明の合成樹脂からなる第1腕部6016、第2腕部6017が取り付けられている。また、顔基板6020の下端には、ウサギの胴体部分を模しており、白色不透明の合成樹脂からなる板状の部材である胴体部6030が設けられている。
図489(A)は顔基板6020の正面図である。図489(B)は顔基板6020の背面図である。顔基板6020はプリント基板により構成される板状の部材であり、顔基板6020の前面及び後面は、面上に設けられた電気回路を保護するための白色の保護膜により全体が覆われている。また、顔基板6020の前面側には第1顔発光部6023aを構成するLED、第2顔発光部6023bを構成するLEDが、顔基板6020の後面側には制御素子6025、ドライバ6026、第1抵抗6027a〜第6抵抗6027f、第1コンデンサ6028a、第2コンデンサ6028b、コネクタ6029が表面実装されている。
図489(A)に示すように、顔基板6020は、横長の長方形状であり、長方形をなす上辺において、第1耳部6021、第2耳部6022として、2つの長方形部分が上方に延出した形状をなしている。横長の長方形状の部分はウサギの顔を模したものであり、第1耳部6021、第2耳部6022はウサギの耳を模したものである。顔基板6020に顔カバー部6010が取り付られた状態において、第1耳部6021と第2耳部6022は顔カバー部6010に覆われず、顔基板6020が露出した状態となっている。
第1耳部6021、第2耳部6022はそれぞれ、ウサギの耳の中を模した第1耳装飾部6021a、第2耳装飾部6022aを有している。第1耳装飾部6021aと第2耳装飾部6022aは、顔基板6020の前面の白色の保護膜の上に茶色のインクにより印刷を施すことにより形成されており、茶色で視認可能な領域となっている。なお、第1耳部6021、第2耳部6022において、第1耳装飾部6021a、第2耳装飾部6022a以外の領域は上述した白色の保護膜により覆われている。また、第1耳部6021、第2耳部6022の前面および後面には、制御素子6025等の電子部品は実装されておらず、プリント基板を装飾のためにのみ用いている領域となっている。
顔基板6020には、第1顔発光部6023aと第2顔発光部6023bが設けられている。具体的には、第1顔発光部6023aと第2顔発光部6023bはそれぞれ顔基板6020の前面に実装されたLEDにより構成されている。第1顔発光部6023aと第2顔発光部6023bは周辺制御基板1510による制御によって発光可能であるが詳細は後述する。
顔基板6020には、口装飾部6024が設けられている。具体的には、口装飾部6024は顔基板6020の前面の白色の保護膜の上に桃色のインクにより印刷をほどこすことにより形成されており、ウサギの口を模した形状が桃色で視認可能となっている。顔基板6020の前面は、第1耳装飾部6021aと第2耳装飾部6022aが茶色、口装飾部6024が桃色、それ以外の領域が白色で視認可能に構成されている。
図489(B)は顔基板6020の後面側を示した図である。上述したように顔基板6020の後面についても顔基板6020の前面と同様に回路を保護するための白色の保護膜により全体が覆われている。顔基板6020の後面の上方左右には、前面側に設けられている第1顔発光部6023aと第2顔発光部6023bに対応する位置に、第1顔発光部6023aと第2顔発光部6023bの実装箇所を示す点線と、実装されている部材名を示す「LED1」、「LED2」という文字列が、それぞれ、白色の保護膜の上に黒色のインキにより印刷を施すことにより形成されている。また、「LED1」という文字列と「LED2」という文字列の間には、ドライバ6026が表面実装されている。またドライバ6026の下には、「DR1」という文字列が白色の保護膜の上に黒色のインキにより印刷を施すことにより形成されている。
第1顔発光部6023aの実装箇所を示す点線と第2顔発光部6023bの実装箇所を示す点線の間には、コンデンサ6028(第1コンデンサ6028aと第2コンデンサ6028b)が表面実装されている。また、第1コンデンサ6028aと第2コンデンサ6028bに対応して、「C1」、「C2」という文字列が白色の保護膜の上に黒色のインキにより印刷を施すことにより形成されている。
顔基板6020の後面の下方左側には、抵抗6027(第1抵抗6027a〜第6抵抗6027f)が表面実装されている。また、第1抵抗6027a〜第6抵抗6027fに対応して、「R1」〜「R6」という文字列が白色の保護膜の上に黒色のインキにより印刷を施すことにより形成されている。
抵抗6027が実装されている領域の右方には、マイクロコンピュータからなる制御素子6025が表面実装されている。また、制御素子6025に対応して、「IC1」という文字列が白色の保護膜の上に黒色のインキにより印刷を施すことにより形成されている。制御素子6025は、周辺制御基板1510からの制御信号に基づいて、ドライバ6026を駆動し、第1顔発光部6023aを構成するLEDと第2顔発光部6023bを構成するLEDの点灯制御を行う。
顔基板6020の後面の下方右側には、コネクタ6029が表面実装されている。また、コネクタ6029に対応して、「CN1」という文字列が白色の保護膜の上に黒色のインキにより印刷を施すことにより形成されている。コネクタ6029を介して、周辺制御基板1510からの制御信号が制御素子6025に伝達され、また、電源基板931からの電力が顔基板6020に供給される。コネクタ6029を介して顔基板6020に供給された電力は、制御素子6025、ドライバ6026、第1顔発光部6023aと第2顔発光部6023bを構成するLEDなどに供給される。
制御素子6025、ドライバ6026、抵抗6027、コンデンサ6028、コネクタ6029はそれぞれ黒色の本体部と金属製の端子部を備えている。また、制御素子6025、ドライバ6026、抵抗6027、コンデンサ6028、コネクタ6029が備える金属製の端子部がハンダによって顔基板6020に表面実装されている。図489(B)においては、これらの電子部品の本体部を黒色で、これらの電子部品が具備する金属端子とはんだを白色で表現している。
図490は顔カバー部6010の斜視図である。顔カバー部6010は後方が開放された箱型の形状をしており、無色透明な合成樹脂により形成されている。顔カバー部6010は正面側の面を構成する顔カバー部正面部6011と、上面を構成する顔カバー部上面部6012と、右面を構成する顔カバー部右面部6013と、下面を構成する顔カバー部下面部6014と、左面を構成する顔カバー部左面部6015とにより構成されている。
図488〜図490に示すように、顔カバー部6010の正面側の面を構成する顔カバー部正面部6011の前面側には、ウサギの目を模した第1顔光散乱部6011aと第2顔光散乱部6011bが設けられている。第1顔光散乱部6011aは、顔基板6020の前面に設けられる第1顔発光部6023aに正面視で重なる位置に設けられている。また、第2顔光散乱部6011bは、顔基板6020の前面に設けられる第2顔発光部6023bに正面視で重なる位置に設けられている。具体的には、図488(A)に示すように、第1顔光散乱部6011aと第2顔光散乱部6011bはそれぞれ、第1顔発光部6023aと第2顔発光部6023bよりも正面視での面積が大きく構成されており、第1顔発光部6023aと第2顔発光部6023bの正面視での外形がそれぞれ、第1顔光散乱部6011aと第2顔光散乱部6011bによって囲われるように構成されている。
第1顔光散乱部6011aと第2顔光散乱部6011bは顔カバー部正面部6011の前面側に、微細なレンズカットを形成したり、梨地状とする加工などを施すことで第1顔発光部6023aや第2顔発光部6023bから照射された光が入射したときに、その光を乱反射することが可能な粗面により形成されている。顔カバー部正面部6011は、第1顔光散乱部6011aと第2顔光散乱部6011b以外の部分には、第1顔光散乱部6011aと第2顔光散乱部6011bのように入射した光を乱反射する構造が設けられておらず、後方に位置する顔基板6020を正面から直接視認可能に構成されている。顔基板6020において第1耳部6021と第2耳部6022を除いた領域をなす長方形の部分と、顔カバー部6010をなす長方形とは、縦横の流さが同一であり、正面視でちょうど重なった位置に設けられている。顔基板6020は、顔カバー部上面部6012、顔カバー部右面部6013、顔カバー部下面部6014と、顔カバー部左面部6015などに設けられたネジ穴に対して後方からねじ止めされることで取り付けられている。
顔カバー部正面部6011の後面と顔発光部6023とは所定の間隔(1−2mm程度)をおいて、設けられている。このような構成とすることで、顔発光部6023において発生した熱を放熱することが容易となり、顔発光部6023が、自身が発生した熱により故障するといった事態の発生を抑止することが可能となる。なお、他の例において、発光部と発光部に対応して設けられるカバー等の部材の関係においてもこのような構成を採用してもよい。
このように、ウサギ役物6000は、顔基板6020と、顔基板6020の前方を覆う顔カバー部6010と、顔基板6020の下端に設けられる胴体部6030とから構成されている。顔基板6020の前面側には、第1顔発光部6023a、第2顔発光部6023bとして機能するLEDが表面実装されており、それぞれ前方を覆う顔カバー部6010の正面側を構成する顔カバー部正面部6011に設けられた第1顔光散乱部6011a、第2顔光散乱部6011bに対して、光を照射するように構成されている。また、顔基板6020の後面には、制御素子6025、ドライバ6026、抵抗6027、コンデンサ6028、コネクタ6029などの電子部品が表面実装されている。
コネクタ6029には、図示しないフラットケーブルが接続されており、顔基板6020の前面に実装された顔発光部6023を構成するLEDを駆動するための制御信号を周辺制御基板1510から受信する。また、フラットケーブルからは、顔基板6020に実装された各電子部品を駆動させるための電力が供給される。制御素子6025は周辺制御基板1510から受け取った制御信号に基づいて、ドライバ6026を制御して、顔発光部6023を構成するLEDの発光態様を制御する。
顔発光部6023を構成するLEDは、赤色で発光可能なLEDチップ、緑色で発光可能なLEDチップ、青色で発光可能なLEDチップの3つを無色透明な樹脂により封入することで形成されている。また、顔発光部6023を構成するLEDには、各LEDチップのアノードとなる3本の金属端子と、カソードとなる3本の金属端子が設けられている。また、ドライバ6026から各LEDチップのアノードに電流が流れることで、各LEDチップを発光した状態とすることができる。具体的には、各LEDチップを流れる電流をドライバ6026によって制御することで、赤色、緑色、青色をそれぞれ独立して発光させることが可能である。
またドライバ6026と各LEDチップのアノードとを接続する回路間には、LEDチップに流れる電流を調整するための制限抵抗として、それぞれ抵抗6027が設けられている。具体的には、ドライバ2026と顔発光部6023aを構成するLEDが備える各LEDチップのアノードを接続する回路間にそれぞれ第1抵抗6027a〜第3抵抗6027cが、ドライバ2026と顔発光部6023bを構成するLEDが備える各LEDチップのアノードを接続する回路間にそれぞれ第4抵抗6027d〜第6抵抗6027fが設けられている。このように各LEDチップのアノードに対応して第1抵抗6027a〜第6抵抗6027fを設けることで、各LEDチップに流れる電流を調整するとともに、LED内部に短絡が発生した場合には回路に過電流が流れることを防止している。
また、第1コンデンサ6028aは制御素子6025が備える電源端子に、第2コンデンサ6028bはドライバ6026が備える電源端子に対して電気回路的に並列に設けられており、制御素子6025やドライバ6026を安定的に動作させるための機能を有している。
ウサギ役物6000は、遊技盤側演出表示装置1600の手前側下方の待機位置と遊技盤側演出表示装置1600手前側中央付近の移動位置との間を、図示しない駆動機構によって移動させるように制御することが可能である。なお、この駆動機構も周辺制御基板1510によって制御される。そして、ウサギ役物6000の移動態様と発光態様によって、所定の遊技内容が遊技者に対して報知されるように構成されている。例えば、ウサギ役物6000を待機位置から移動位置へと移動させ、ウサギ役物6000が移動位置にある状態で、顔基板6020に実装された第1顔発光部6023aと第2顔発光部6023bとを赤色で点灯させて、第1顔光散乱部6011aと第2顔光散乱部6011bを赤色に点灯した状態にすることで、変動中の装飾図柄の停止態様が大当りを示す態様で停止表示する期待度が通常よりも高いことを示唆するように構成してもよい。なお、他の実施例においても、役物や役物を構成する部材の一部を可動したり、役物が備える発光部を所定の発光態様に制御する例を示しているが、これらの態様を演出として機能させ、その演出によって、変動中の装飾図柄の停止態様が大当りを示す態様で停止表示する期待度が通常よりも高いことを示唆するような構成を採用してもよい。
上述したように、このような装飾部材(ウサギ役物6000)が備える発光装飾基板(顔基板6020)において、発光機能に不具合が発生する恐れがある。例えば、顔基板6020を構成するプリント基板に表面実装を行う工程において、はんだ面のはんだ量が不足してプリント基板上の回路と実装される電子部品との電気的接続が適切に行われなかった場合や、工場での組立時にプリント基板の裏面側に実装された電子部品に対して、他の部材や工具などが接触して実装された電子部品が欠落してしまうおそれがある。また、遊技機の遊技店への設置後の経年劣化などにより、電子部品に故障が発生するおそれがある。
例えば、ドライバ6026によって赤色、青色、緑色の三色を多階調で発光させることでフルカラー発光が可能な顔発光部6023として機能するLEDにおいて、6本の金属端子のうちの1本の電気的な接続が失われた状態となると、3色のうちの1色が制御的には発光している状態を意図しているにもかかわらず、実際は2色分の発光しか行われず、1色分については非発光の状態が発生してしまうこととなる。このような状態は、LEDチップが故障して電流が流れなくなった場合や、制限抵抗として機能している抵抗6027が顔基板6020から欠落して回路が断線状態となったときなどに発生しうる。
このような事態は、遊技を行う遊技者に対して可動装飾部材の見栄えが悪いという印象を与えるおそれがある。特に複数のLEDを同色で発光させるように制御した場合に、不具合の起きたLEDだけ異なる発光色で発光するといった事態が発生するおそれがある。
また、大当りの期待度に関して遊技者の誤解を招くといった事態を引き起こすおそれがある。
また、顔基板6020に設けられたコネクタ6029に接続されたフラットケーブルが、可動装飾部材としてのウサギ役物6000の度重なる移動により何度も折れ曲がることで、フラットケーブルの所定箇所の強度が劣化し、フラットケーブルが断線状態となり、ウサギ役物6000に対する信号の送信や電力の供給が適切に行われなくなるという事態の発生も想定しうる。あるいは、ウサギ役物6000の度重なる移動により、コネクタ6029の一部に繰り返し応力がかかることで、コネクタ6029が破損してしまうといった事態の発生も想定しうる。この場合、ウサギ役物6000に対して意図しない制御信号が送られた形となって、意図しない発光態様が遊技者に対して示されてしまったり、電力の供給が完全に行われなくなってしまった場合には、ウサギ役物6000が備える顔発光部6023が点灯態様を取ることなく、消灯状態で待機位置から移動位置へと移動したり、移動位置から待機位置へとすることとなり、演出としての見栄えが悪くなってしまったりするおそれがある。
そこで本発明では、遊技機を電断状態としたときに、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域が黒く視認可能で、また、その表面に、前方に位置する顔基板6020の後面が反射して映り込むように構成している。具体的には、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域が、入射光を鏡面反射するように構成されているものを採用するとよい。あるいは、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の全面全体を覆うように、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に近接して、無色透明な反射板(反射シート)を設置するように構成して、この反射板が入射光を鏡面反射するように構成してもよい。このような構成により、遊技盤側演出表示装置1600の前方に位置するウサギ役物6000が備える顔基板6020に何らかの異常があった場合に、後方に位置する遊技盤側演出表示装置1600の表示領域を視認することで、異常の内容を確認することができる。あるいは、異常が発生していないかを確認することができる。
図491(A)はウサギ役物6000が待機位置にある状態を示した斜視図である。図491(A)において、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に、ウサギ役物6000が備える顔基板6020に実装される電子部品が映り込むように、ウサギ役物6000を遊技機に設けた例を示している。
この例においては、遊技盤側演出表示装置1600の手前側にウサギ役物6000が配置され、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域をなす前面とウサギ役物6000に設けられた顔基板6020の背面とが所定距離(具体的には数cm程度)離間して位置するように構成されている。図491(A)に示す例においては、顔基板6020の後面に実装されているドライバ6026の一部と第1抵抗6027aと第2抵抗6027bの全体が、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込んでいる状態を示している。
なお、図491(A)はウサギ役物6000を斜め右上から視認した様子を示しているが、他の角度からのぞき込むことで、他の電子部品の実装態様を視認することも可能である。例えば、ウサギ役物6000を左右方向中央で上からのぞき込むように視認した場合には、ドライバ6026の全体や第1コンデンサ6028aの全体や第2コンデンサ6028bの全体を視認することも可能である。あるいは、ウサギ役物6000を斜め左上から視認した場合には、コネクタ6029の全体やコネクタ6029に接続されるフラットケーブルを視認することも可能である。なお、この例においては、制御素子6025、第5抵抗6027e、第6抵抗6027fについては、実装態様を確認することが困難であるが、この点については後述する。
図491(B)はウサギ役物6000が待機位置にある状態を示した斜視図である。図491(B)においては、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に、ウサギ役物6000が備える顔基板6020に実装される電子部品が映り込むように、ウサギ役物6000を遊技機に設けた例を示している。この例においては、顔基板6020の後面の下半分に実装される制御素子6025、第1抵抗6027a〜第6抵抗6027fなどの電子部品について視認困難であり、ドライバ6026の全体と第1コンデンサ6028aの一部と第2コンデンサ6028bの一部のみについてのみ実装態様を確認することが可能である。なお、顔基板6020の後面の下半分に実装される電子部品を視認する方法については後述する。
このように、電断状態とした遊技機において、装飾手段としてのウサギ役物6000が備える顔基板6020の背面が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込むように構成されていることで、顔基板6020の裏側に実装された電子部品の状況を、遊技機が遊技店へ設置された後も確認することが可能となる。また、顔基板6020の後面が白色の保護膜により覆われており白色で視認可能となっているため、黒く視認される遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込んだ顔基板6020が視認しやすく構成されている。
顔基板6020の全面および後面が白色の保護膜により覆われている例を示したが、白色に限らず、クリーム色などの明色の保護膜により顔基板6020上の回路を覆うように構成してもよい。これは、暗色の保護膜を採用した場合と比べて、明色の保護膜を採用した場合の方が、黒色である遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に対して明暗の差がはっきりするため、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込んだ顔基板6020が視認しやすくなるためである。
顔基板6020に色を付ける工程としては、プリント基板に銅メッキで回路構造を作成したのちに、配線構造を保護するための保護剤として白色の保護剤を採用し、スルーホールを設けた個所を除いて、プリント基板の両面全体にこの保護剤を塗布することで白色の保護膜を形成して、顔基板6020の表面全体を白色とすることが望ましい。配線構造を保護するための保護剤として白色以外の保護剤を採用した場合には、非白色の保護剤の上に白色のインキを塗布して、顔基板6020の表面が白色となるように構成してもよい。
あるいは、これらの態様を組み合わせて、白色の保護剤を塗布して保護膜を形成したのちに、白色の保護膜の上に白色のインキを塗布して、顔基板6020の表面がより白色となるように構成してもよい。このような態様で顔基板6020を形成することで、顔基板6020を白色で視認可能とすることが可能となる。なお、基板を白色とするのみでなく、黒色、緑色などの他の色で視認可能としたい場合にも同様の方法を採用することができる。なお、他の例において、基板を特定色とする際にこのような構成を採用してもよい。
顔基板6020の両面全体を白色とする例を示したが、顔基板6020の色を白色とする領域は一部のみでもよく、例えば、顔基板6020の後面全体のみを白色としたり、顔基板6020の後面の電子部品が実装される所定の領域のみを白色としたりするようにしてもよい。なお、顔基板6020の後方を薄板状のカバーによって覆うとともに、実装態様を確認したい電子部品が視認可能となるようにこのカバーに打ち抜き状の開口を設けるように構成することで、この開口を介して、顔基板6020の後面と実装態様を確認したい特定の電子部品が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込むことが可能となるように構成してもよい。このようなカバーとしては、無色透明のものを採用した場合、カバー表面で光が乱反射してしまい顔基板6020の裏面に実装される電子部品の視認性が下がってしまう。また、このようなカバーとして有色不透明のものを採用した場合には、顔基板6020の裏面に実装される電子部品がカバーに隠されてしまい、実装態様を確認することが極めて困難となってしまう。そこで、顔基板6020の裏面に実装される電子部品のうち、少なくとも一部が視認可能となるように、打ち抜き状の開口を設けるように構成するとよい。このような構成とすることで、顔基板6020の裏面に実装される電子部品をカバーによって保護しつつ、実装態様を確認したい電子部品についてはカバーに設けられた開口から実装態様を確認することができる。また、このような開口を設けることで、顔基板6020の裏面に実装される電子部品から発せられる熱を外部に逃がすことが可能となり、実装される電子部品が熱により破損や劣化するといった事態の発生を抑止することが可能となる。なお、カバーの裏面をなす面から電子部品が後方に突出した状態で開口から飛び出すことがないように構成するとよい。また、カバーの色としては黒色不透明あるいは暗色不透明のものを採用するようにしてもよい。このような構成とすることで、カバーから露出する白色の顔基板6020を視認することが容易となる。
顔基板6020に実装される電子部品の色は、顔基板6020を覆う保護膜の色と明暗差があることが望ましい。具体的には、顔基板6020の色を白色、クリーム色などの明色とし、顔基板6020に実装される電子部品の色を黒色、紺色などの暗色とするとよい。このような構成とすることで、黒色である遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に対して、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込んだ顔基板6020が視認しやすくなる。また、顔基板6020が明色で、実装された電子部品が暗色となるので、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込んだ顔基板6020において、顔基板6020と顔基板6020に実装された電子部品とを区別して視認可能となる。
なお、多色発光が可能なLEDは反射率を高めるために白色の部材で形成されている。
この場合、顔基板6020の色を白色や明色としてしまうと、顔基板6020の後面に実装されたLEDの実装態様が視認しにくくなる。このように、実装される電子部品が白色の場合には、顔基板6020の色を黒色や暗色とするようにしてもよい。この場合、遊技盤側演出表示装置1600に映り込む顔基板6020は視認しがたくなるものの、顔基板6020に実装されるLEDについては視認しやすくなる。あるいは、実装された電子部品あるいは実装される前の電子部品に黒色や暗色のインキを塗布して白色や明色の顔基板に電子部品が実装するように構成してもよい。
本願明細書において白色とは、物体が、入射した自然光のすべての波長の可視光線について均一にほぼ(100〜80%程度)乱反射したときに視認可能となる色を指している。また、明色とは、特定の波長領域を多少吸収し残りの波長領域を乱反射することで、例えば、クリーム色や明るい灰色で視認可能となる色を指している。一方、黒色とは、物体が、入射した自然光のすべての波長の可視光線の大部分について均一に吸収し、一部を(20〜数%程度)乱反射したときに視認可能となる色を指している。また、暗色とは、すべての波長の可視光線の大部分について均一に吸収し、一部のみを(20〜数%程度)乱反射するものの、特定の波長領域において光の吸収率が異なるため黒色に近い色、例えば、濃紺色として視認可能となる色を指している。
図491(A)や図491(B)に示すウサギ役物6000において、待機位置から上方の移動位置へと手で動かすことができるように構成するとよい。この場合には、待機位置にあるウサギ役物6000が電断時にロック機構によって移動不能状態とされておらず、また、遊技パネル1100に設けられる遊技パネル開口部1100aにいわゆる導光板を備えていないように構成されている。
ウサギ役物6000を手動で動かすことができるようにするための構成として、まず、移動不能状態について述べる。一般に、可動装飾体を移動位置と待機位置との間で自由に移動可能であるように構成すると、遊技機の搬送時や遊技店への設置時などに可動装飾体に大きな加速度がかかった場合に、可動装飾体が破損してしまう恐れがある。そこで、電源がオンとなっている状態において可動装飾体が待機位置にあるときにロックする機構を設け、可動装飾体がロックされた状態で電源をオフにした場合には、ロック機構によって可動装飾体を移動不能状態とするという方法が考えられている。しかしながら、このようなロック機構を設けた場合には、可動装飾体としてのウサギ役物6000を手で動かすことが困難となる。そこで、このようなロック機構を設けないように構成することでウサギ役物6000を手で動かすことが可能となる。
ウサギ役物6000を手動で動かすことができるようにするための構成として、次いで導光板について述べる。導光板は、側面から入射された光を面上に設けられた所定のパターンにおいて乱反射することで、遊技者に所定のパターンが光っている態様を視認可能とする板状の装飾部材である。また、このような発光パターンが所定の演出として遊技者に視認可能に構成されている。しかしながら、このような導光板を遊技パネル1100が備える遊技パネル開口部1100aに設けるように構成した場合には、可動装飾体としてのウサギ役物6000を手で動かすことが困難または不能となる。そこで、このような遊技パネル開口部1100aにこのような導光板を設けないように構成することでウサギ役物6000を手で動かすことが可能となる。
このような構成とすることで、電断時において、遊技パネル1100に設けられた遊技パネル開口部1100aを介して、ウサギ役物6000を店員が手によって直接で移動させることが可能となり、顔基板6020の後面の異なる領域を、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込ませることが可能となる。
例えば、図491(A)に示す例においては、ウサギ役物6000を手で上方に動かしたのちに、ウサギ役物6000を下方からのぞき込むように遊技盤側演出表示装置1600の表示領域を視認することで、それまで視認困難であった制御素子6025、第5抵抗6027e、第6抵抗6027fについても、実装態様を確認することが容易となる。また、図491(B)に示す例においては、ウサギ役物6000を手で上方に動かすことで、それまで視認不能であった、顔基板6020の後面の下半分に実装される制御素子6025、第1抵抗6027a〜第6抵抗6027fなどの電子部品について視認することが可能となる。
遊技パネル1100に設けられる遊技パネル開口部1100aに導光板を設けない例を示したが、遊技パネル開口部1100aに導光板を設ける場合には、遊技パネル開口部1100aの全体を導光板で覆うのではなく、遊技パネル開口部1100aの一部のみを覆うように構成するとよい。具体的には、ウサギ役物6000の待機位置が遊技盤側演出表示装置1600の下方前方であり、ウサギ役物6000の移動位置が遊技盤側演出表示装置1600の中央前方である場合に、導光板を遊技パネル開口部1100aの上半分のみが覆われるように配置するようにするとよい。このように、導光板が設けられていたとしても、遊技パネル開口部1100aの一部が導光板に覆われていない構成となっているため、導光板による演出効果を発揮する機能とウサギ役物6000を手動で移動させることで遊技盤側演出表示装置1600に対して顔基板6020の映り込む領域を変化させることができるといった機能の双方を両立することができる。
ウサギ役物6000を手によって直接動かすことで、顔基板6020の映り込む領域を変化させる例を示したが、遊技パネル開口部1100aのうち導光板に覆われていない領域において手が挿入できないほど導光板を大きくしてもよく、この場合には手よりも小さい物品によってウサギ役物を動かすようにしてもよい。例えば、直径5mm程度の棒状の部材、あるいは幅1cm、厚さ1mm程度の細板状の部材を遊技パネル開口部1100aの導光板に覆われていない領域に差し込んで、ウサギ役物6000を移動できるように構成してもよい。この場合、遊技パネル開口部1100aのうちの導光板に覆われていない領域を、このような棒状の部材や板状の部材が挿入することが可能な大きさとしておけばよく、例えば、横2.0cm、縦1.0cm程度の開口が設けられていればよい。このような構成とすることで、遊技パネル開口部1100aの導光板に覆われる面積を広くすることができ、導光板を用いた演出が可能な領域を広げることが可能となる。
電断時において、待機位置にあるウサギ役物6000が移動不能状態となるロック機構を備えておらず、また遊技パネル開口部1100aに導光板が設けられていない場合には、店員が手あるいは細長い部材によってウサギ役物6000を直接移動できる例を示したが、電断時において、待機位置にある役物がロック機構により移動不能状態とされている場合や、遊技パネル開口部1100aを完全に覆うように導光板が設けられている場合には、手動でウサギ役物6000を移動させることができず、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に対して顔基板6020の映り込む領域を変化させることができない。このような問題は、ウサギ役物が待機位置にあるときに遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に顔基板6020の後面に実装された電子部品がまったく、あるいはほとんど映り込まない例において大きな問題となる。
そこで、このような例においては電源投入時に実行される可動装飾体の初期チェックが行なわれている途中に遊技機に設けられた電源スイッチをオフにすることで、遊技機の制御部や駆動部に対する電源供給が行われない状態を強制的に作り出した場合に、待機位置以外の位置にある可動装飾体が自重で待機位置に戻ってくることなく、電源スイッチをオフにした位置あるい電源スイッチをオフにした位置から自重によって少し移動した位置で停止するように構成するとよい。以下にその具体例を示す。
初期チェック時においては、まず待機位置にあるウサギ役物6000のロック機構によるロックが解除されて移動不能状態から移動可能状態となり、そののち、ウサギ役物6000が上方の移動位置へと移動を開始する。ウサギ役物6000が上方の移動位置への移動を完了したのちは、移動位置に所定時間(2秒程度)留まったのち、下方の待機位置への移動を開始し、その後ウサギ役物6000は待機位置に停止し、ロック機構によって移動可能状態から移動不能状態となり初期チェックが終了する。遊技が開始され、始動入賞などに応じて、ウサギ役物6000を演出として可動させる場合にも、まず待機位置にあるウサギ役物6000が移動不能状態から移動可能状態となり、次いで、ウサギ役物6000を待機位置と移動位置との間で所定の移動態様で移動させる制御を行ったのちに、ウサギ役物6000を待機位置に移動させる制御を行い、その後ウサギ役物6000を非ロック状態からロック状態とする。
このような構成の遊技機において、意図的に電断状態を発生させることで、店員が手によって直接ウサギ役物6000を移動させることなく、ウサギ役物6000が備える顔基板6020の後面に実装される電子部品を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込ませることが可能となる。また、初期チェック時において、ウサギ役物6000が移動位置に所定時間留まるように構成したため、ウサギ役物6000が移動位置に留まっているタイミングで強制的に電断状態とすることでウサギ役物6000をそのまま移動位置に停止させることができ、遊技機に設けられた電源スイッチをオフにして電断状態とするタイミングがシビアなものとなることがない。また、あらかじめ定まった位置でウサギ役物6000を停止させることが可能となるため、顔基板6020の確認動作をパターン化することが可能となる。
なお、初期チェックにおいて、移動位置で所定時間留まるだけではなく、待機位置から移動位置への移動を行う際に、待機位置と移動位置の間の所定位置(例えば、待機位置と移動位置の中間の位置)でウサギ役物6000が所定時間(2秒程度)留まったのち移動位置に移動するように構成し、所定位置にあるときに遊技機に設けられた電源スイッチをオフにして電断状態とした場合に、ウサギ役物6000が所定位置に留まるように構成してもよい。このような構成とすることで、ウサギ役物6000を異なる位置で容易に停止させることが可能となり、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込む電子部品を異なる角度から視認することが可能となる。また、あらかじめ定まった位置でウサギ役物6000を停止させることが可能となるため、顔基板6020の確認動作をパターン化することが可能となる。
初期チェック時において、ウサギ役物6000を移動位置や所定位置に所定時間留まらせる例を示したが、これらの例においてウサギ役物6000が移動位置や所定位置に留まっている状態において、顔基板6020が備える第1顔発光部6023aや第2顔発光部6023bを所定の態様で点灯させるように構成してもよい。あるいは、初期チェック開始時において、ウサギ役物6000が待機位置にあり移動位置への移動を開始する前に第1顔発光部6023aや第2顔発光部6023bを所定の態様で点灯させるように構成してもよい。例えば、発光態様としては、第1顔発光部6023aや第2顔発光部6023bを同一色で点灯させるとよい。またこの際の発光色としては白色が望ましい。このような構成とすることで、店員は、第1顔発光部6023aや第2顔発光部6023bの発光態様に異常がないかどうかを確認でき、発光態様に異常があった場合には、ウサギ役物6000が所定位置あるいは移動位置にある遊技機を電断状態として顔基板6020の裏面側を視認してどのような異常が発生しているかを確認することができる。また、遊技者から発光態様に対する苦情があったときに速やかに異常の原因を特定することが可能となる。
第1顔発光部6023aや第2顔発光部6023bを同一色で点灯させる例を示したが、顔発光部6023を3つ以上設け、それぞれを同一色で発光させるように構成するとよい。またこの際の発光色としては少なくとも白色を含むように構成するとよい。このような構成とした場合、複数の顔発光部6023に対応して設けられるいずれかの抵抗が欠落していた場合には、1の顔発光部6023が他の複数の顔発光部6023とは異なる色で発光する(例えば、緑色で発光可能なLEDチップに直列で設けられる抵抗が欠落した場合には、LEDとしては、青色と赤色しか発光することができず、それらの色の混色である赤紫色で発光している態様が視認可能となる。)こととなるためその発光色によって容易に不具合があった顔発光部を特定することが可能となる。
強制的に電断状態を発生させた場合には、ウサギ役物6000が待機位置にない状態に位置することになる。このような状態で電源がオンされた場合には、ウサギ役物6000を一旦、待機位置に移動させたのち、改めて上述したような初期動作チェックを最初から開始するように制御するとよい。このような構成とすることで、顔基板6020の裏面を視認しやすい適切な位置でウサギ役物6000を停止させることが可能となる。
ウサギ役物6000そのものの態様、ウサギ役物6000の移動態様、ウサギ役物6000と遊技盤側演出表示装置1600との位置関係については、様々な実施態様が考えられる。以下に複数の実施例を示す。
図492は、ウサギ役物6000についての一実施例を示している。この実施例においては、ウサギ役物が下方の待機位置から上方の移動位置へと移動することで、遊技盤側演出表示装置1600に映り込む顔基板6020の面積が変化している。なお、この例においては顔カバー部6010と顔基板6020とによってウサギ役物6000が構成されており、待機位置と移動位置の間とを移動可能となっているものの、胴体部6030については遊技パネル1100に対して移動しないように構成されている。図492(A)はウサギ役物6000が待機位置にある状態を示しており、この状態においては、遊技盤側演出表示装置1600には、顔基板6020の裏面の上半分のみしか映り込んでいない。また、制御素子6025、第5抵抗6027e、第6抵抗6027fについては、胴体部6030がこれら電子部品のすぐ後方に位置するため遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込むことがない。図492(B)はウサギ役物6000が移動位置にある状態を示しており、この状態においては、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域には、顔基板の裏面のほぼ全域が映り込んでいる。
なお、ウサギ役物6000が待機位置にあるときに、図示しない駆動機構によりウサギ役物6000が前後方向を軸にしてゆっくり回転するように構成してもよい。あるいはウサギ役物6000が待機位置にあるときに、手動によりウサギ役物6000を前後方向を軸にして回転できるように構成してもよい。このような構成とすることで、本来ならば、顔基板6020の下方に位置して実装態様を確認することが困難な制御素子6025、第5抵抗6027e、第6抵抗6027fの視認が極めて容易となる。
図493は、ウサギ役物6000についての一実施例を示している。この実施例においては、ウサギ役物6000を構成する顔基板6020に対して第1耳部6021と第2耳部6022とが別体として設けられている。第1耳部6021と第2耳部6022は縦長長方形の形状である。ウサギ役物6000の動作時には、顔カバー部6010と顔基板6020については移動せず、第1耳部6021と第2耳部6022が上方の移動位置へと移動することで、所定の演出を実行することになる。
図493(A)は第1耳部6021と第2耳部6022とが待機位置にある状態を示しており、この状態においては、遊技盤側演出表示装置1600には、第1耳部6021と第2耳部6022に隠された状態で顔基板6020の裏面に実装された電子部品が一部のみしか映り込んでいない。図493(B)は第1耳部6021と第2耳部6022が移動位置にある状態を示しており、この状態においては、遊技盤側演出表示装置1600には、顔基板6020の裏面のほぼ全域が映り込んでいる。このように電子部品の実装態様を確認したい部材と遊技盤側演出表示装置1600の表示領域との間にある部材を動かすことで、電子部品の実装態様を確認したい部材の視認態様を変化させることが可能となる。なお、他の実施例において、ウサギ役物6000についての態様について述べたが、これらの態様を図493において示した例における第1耳部6021と第2耳部6022に適用してもよい。
図494は、ウサギ役物6000についての一実施例を示している。この実施例においては、ウサギ役物6000の胴体部6030が縦長に構成されている。ウサギ役物6000が待機位置にあるときには、胴体部6030によって、ウサギ役物6000の後面に実装される電子部品が視認不能に構成されており、ウサギ役物6000が移動位置にあるときには、胴体部6030の上方にウサギ役物6000が位置することとなる。この状態において、遊技盤側演出表示装置1600には、顔基板6020の裏面のほぼ全域が映り込むように構成されている。
これまで述べた実施例においてウサギ役物6000の顔カバー部6010の面積は変化するものではないが、移動位置に移動した状態において、顔カバー部6010に相当する部材が不透明の部材で構成されるとともに遊技パネル1100に対して水平の方向に展開することで正面視で見た面積が大きくなる可動装飾部材においては、正面視で見た面積が大きくなることで、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域への基板の映り込みを視認しにくくなるという事態が発生しうる。そこでこのような可動装飾部材を採用した場合には、初期チェック時に強制的に電断した状態において、正面視の面積を手動で小さくできるように構成してもよい。あるいは、初期チェック時に移動位置に移動した場合に、正面視で見た面積が大きくならないように、正面視で見たときの面積が大きくなる前の状態を所定時間(例えば2秒程度)維持したのちに、正面視で見たときの面積が大きくなるように構成してもよい。このような構成とすることで、電断状態としたときの遊技盤側演出表示装置1600の表示領域への顔基板6020の映り込みの確認が容易となる。
遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に顔基板6020の後面を映り込ませる例を示した。一方で、顔基板6020の後面が映り込んだ状態を遊技者に視認されてしまうことは好ましくない。例えば、大当り期待度が高いことを示す演出として、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域のほぼ全面を暗くする演出を実行した場合には、遊技者によって顔基板6020の後面に実装される電子部品が視認されることとなり、演出を実行することで盛り上げようとしているのにかえって遊技者を興ざめな状態としてしまうおそれがある。また、装飾図柄が、リーチ状態を形成したのちにハズレを示す態様で停止する、いわゆるリーチはずれが発生した時に、遊技に区切りをつけることを目的として、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域のほぼ全面を暗くする演出を実行した場合にも、遊技者によって顔基板6020の後面に実装される電子部品が視認されることとなり、リーチはずれという遊技者にとって残念な状態となっているときに、さらに遊技者を興ざめな状態としてしまうおそれがある。
そこで、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域のほぼ全面を暗くする演出を実行するタイミングにおいて、ウサギ役物6000が待機位置に位置する場合には、このような映り込みが視認されることを抑制する構成を採用するとよい。図493に示す実施例では第1耳部6021と第2耳部6022が、顔基板6020と遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の中間の位置にあるため、第1耳部6021と第2耳部6022に隠されて、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に対する顔基板6020の映り込みが抑制されることとなる。図494に示す実施例では胴体部6030が、顔基板6020と遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の中間の位置にあるため、これらの部材に隠されて、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に対する顔基板6020の映り込みが抑制されることとなる。
なお、図492に示す例において、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域のほぼ全面を暗くする演出を実行する場合には、ドライバ6026、第1コンデンサ6028a、第2コンデンサ6028bなどが遊技者に視認されてしまう恐れがある。そこで、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の下方前方においてのみ何らかの表示を行うことで、表示領域を暗くする演出効果に合わせて、遊技者が興ざめとなる事態の発生を抑止することが可能となる。遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の下方前方には、例えば、装飾図柄を表示したり保留数を表示したりあるいは当該変動に係る大当り期待度を示す当該保留画像をするように構成するとよい。なお、この際には、通常、装飾図柄や保留数や当該保留画像を表示する場合よりも画像の色を暗くしたり、画像の大きさを小さくしたりするように構成してもよい。また、これらを静的に表示するのではなく、アニメーションのように動的に表示してもよい。このような構成とすることで、遊技中に、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に発生する映り込みを目立たなくすることが可能となる。
なお、暗転演出が開始されたのち、暗転演出が行われている途中に、図492(A)に示す待機位置から図492(B)に示す移動位置へウサギ役物6000を移動させたり、図493(A)に示す待機位置から図493(B)に示す移動位置へ第1耳部6021と第1耳部6022を移動させたり、図494(A)に示す待機位置から図494(B)に示す移動位置へとウサギ役物6000を移動させる演出を行なうように構成してもよい。
ところが、この場合には、顔基板6020の裏側に実装された電子部品が視認しやすくなってしまう。
そこで、ウサギ役物6000を下方の待機位置から上方の移動位置へと移動させる演出を実行する場合には、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域における正面視でウサギ役物6000と重なる領域に映り込みを抑制する映り込み抑制画像を表示するように構成してもよい。このように、ウサギ役物6600が移動する際に、顔基板6020の遊技盤側演出表示装置1600の表示領域への映り込みを視認することが困難または不能となる画像を、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域へ表示することで、遊技者が興ざめとなる事態の発生を抑止することが可能となる。
遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示される映り込み抑制画像の大きさは、正面視でウサギ役物6000と同じ大きさあるいは、ウサギ役物よりも一回り(1−2cm程度)大きなものとし、正面視で映り込み抑制画像の外形とウサギ役物6000の外形とが完全に重なるか、正面視でウサギ役物の周囲に1−2mm程度、映り込み抑制画像がはみ出した態様で表示するとよい。また、映り込み抑制画像は、白色あるいは明色で構成してもよい。白色あるいは明色とすることで、映り込みを目立たなくすることが可能となる。なお、白色あるいは明色に加えて、黒色あるいは暗色も用いて映り込み抑制画像を構成してもよい。さらには映り込み抑制画像が動的に表示される画像であってもよい。
映り込み抑制画像の表示を開始するタイミングは、暗転演出の開始前、暗転演出の開始時、暗転演出の途中においてウサギ役物6000が移動を開始するときなどとするとよい。ウサギ役物6000を待機位置から移動位置へと移動させる場合には、映り込み抑制画像についても、ウサギ役物6000との位置関係を保った状態で、移動させるように構成するとよい。映り込み抑制画像の表示は暗転演出が終了するまで表示するとよい。例えば、暗転演出中にウサギ役物6000が待機位置において、停止している場合には、映り込み抑制画像を表示し続けるとよい。その後、ウサギ役物6000が待機位置から移動位置に戻る際にも、暗転演出が行われている限りは、映り込み抑制画像を表示し続けるとよい。
なお、このような映り込み抑制画像の態様を複数用意しておくとともに、異なる大当り期待度を映り込み抑制画像の態様に割り当て、ウサギ役物の移動時にいずれかの映り込み抑制画像を表示することで、大当り期待度を示唆する演出として機能するように構成してもよい。例えば、映り込み抑制画像の色として青色と赤色とを用意しておき、赤色の映り込み抑制画像の方が、大当りの期待度が高いことを示すように構成するとよい。この場合には、遊技者が映り込み抑制画像そのものの表示態様にも注目することとなるため、電子部品が多少映り込んだとしても、そのような映り込みに気づかれにくくすることが可能となる。
なお、ウサギ役物6000を移動させる際に映り込み抑制画像を表示する点について述べたが、第1耳部6021と第1耳部6022を移動させる場合にも、上述した態様を適用してもよい。
なお、図493に示す実施例では第1耳部6021と第2耳部6022の背面の色を黒色または暗色としておくことが望ましい。また、第1耳部6021と第2耳部6022の背面には電子部品を実装しないことが望ましい。第1耳部6021と第2耳部6022の背面に電子部品を実装する場合には、電子部品を暗色とすることが望ましい。このような構成とすることで、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域への、顔基板6020の映り込みを抑制する部材である第1耳部6021と第2耳部6022の後面が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込んだとしても、その映り込みを遊技者に気づきにくくすることができる。
また、図494に示す実施例では胴体部6030の背面の色を暗色としておくことが望ましい。また、胴体部6030の背面には電子部品を実装しないことが望ましい。胴体部6030の背面に電子部品を実装する場合には暗色のものとすることが望ましい。このような構成とすることで、顔基板6020の映り込みを抑制する部材である胴体部6030の後面が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込んだとしても、その映り込みによる遊技者への影響を低減できる。
初期チェック時におけるウサギ役物6000の移動位置を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の中央部前方とするように構成してもよい。この場合、上下左右すべての方向から遊技盤側演出表示装置1600の表示領域への映り込みを確認できることとなり、顔基板6020の後面の全領域が視認可能となる。
一方、上述した遊技盤側演出表示装置1600の表示領域のほぼ全面を暗くする演出を実行する際には、ウサギ役物6000を、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の中央部前方の移動位置に移動させたのちに、この演出を実行するように構成してもよい。この場合、遊技者の目線の方向と遊技盤側演出表示装置1600の表示領域のちょうど中間にウサギ役物6000が位置することとなり、遊技者が顔を動かして無理にウサギ役物6000の映り込む態様を視認しようとしない限りは、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込んだ状態が遊技者に視認される事態の発生を抑止することができる。なお、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域のほぼ全面を暗くする演出を終了する場合には、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域を明るくしたのちにウサギ役物6000を移動位置から待機位置へと移動することで、その映り込みによる遊技者への影響を低減できる。
遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込む部材の例として、ウサギ役物6000を構成する顔基板6020を示したが、ウサギ役物6000を構成する顔基板6020以外の部材の後面を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込ませることで、その部材の後面の状態を確認できるように構成してもよい。例えば、顔基板6020に対して周辺制御基板1510からの制御信号を伝達したり、電源基板931からの電力を供給したりするために設けられている図示しない中継基板の後面が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込むように構成してもよい。また、中継基板の背面には、制御信号の伝達や電力の供給のために用いられるフラットケーブルが接続されるコネクタや制御素子などが表面実装されている。これらが遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込むように構成するとよい。このような構成とすることで、中継基板に実装される電子部品に異常がないか確認することが可能となる。
ウサギ役物6000の待機位置と移動位置との関係が上下方向の例を示したが、ウサギ役物6000を前後方向に移動可能に構成し、後方の待機位置と前方の移動位置との間で移動するように構成してもよい。あるいは、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の前面下方に設けられたウサギ役物6000が、ウサギ役物6000の下方に設けられた回動軸を中心として回動することで、ウサギ役物6000の上部が前に傾くように移動するように移動可能に構成してもよい。ウサギ役物6000が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域と平行な位置関係にある待機位置と、ウサギ役物6000の上部が前に傾くように移動した移動位置との間で移動可能に構成してもよい。このような構成とした場合でも、ウサギ役物6000を待機位置から移動位置へと移動させることで、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込む顔基板6020の後面の面積を広くすることが可能となる。
遊技盤側演出表示装置1600を固定的に設け、遊技盤側演出表示装置1600に対してウサギ役物6000が可動する例を示したが、ウサギ役物6000を固定的に設けるように構成し、遊技盤側演出表示装置1600を可動可能に構成してもよい。例えば、遊技盤側演出表示装置1600全体を後方に移動可能に構成したり、遊技盤側演出表示装置1600全体を所定の可動軸を中心として回動可能に構成したりしてもよい。あるいは、遊技盤側演出表示装置1600全体を上下左右方向に水平に移動可能に構成し、移動した方向に固定的に設けられたウサギ役物6000が位置するように構成してもよい。このような構成とすることで、固定的に設けられたウサギ役物に対しても、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込む顔基板6020の後面の面積を広くすることが可能となる。
遊技盤側演出表示装置1600を固定的に設け、遊技盤側演出表示装置1600に対してウサギ役物6000が可動する例と、固定的に設けられたウサギ役物6000に対して、遊技盤側演出表示装置1600が可動する例を示したが、遊技盤側演出表示装置1600とウサギ役物6000の双方を可動可能に構成してもよい。例えば、遊技盤側演出表示装置1600が後方に、ウサギ役物6000が前方に移動するように構成してもよい。あるいは、正面視で重なった状態にない遊技盤側演出表示装置1600とウサギ役物6000とが、それぞれ水平方向に近づくように移動して、正面視で重なった状態となるように構成してもよい。このような構成とした場合でも、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に映り込む顔基板6020の後面の面積を広くすることが可能となる。
遊技盤側演出表示装置1600を1つ設ける例を示したが、複数の演出表示装置を設けるように構成してもよい。そして、複数の演出表示装置の表示領域の少なくとも1つに顔基板6020の後面が映り込むように構成してもよい。また、1の演出表示装置の表示領域のなす面と他の演出表示装置の表示領域のなす面が異なる方向を向くように構成し、その前方側にウサギ役物6000が移動可能となるように構成してもよい。このような構成とした場合には、複数の演出表示装置の表示領域に顔基板6020の後面を異なる角度から映り込ませることが可能となり、異常の原因を探ることが容易となる。
また、可動可能な演出表示装置を複数設けるように構成し、演出表示装置を可動させることで、ウサギ役物6000が備える顔基板6020の後面が少なくとも1の演出表示装置の表示領域あるいは複数の演出表示装置の表示領域に映り込むように構成してもよい。
強制的に電断状態とした際に遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に顔基板6020の後面が映り込む例を示したが、遊技者が所定時間遊技をおこなっていない、いわゆるデモ中に遊技盤側演出表示装置1600の表示領域のほぼ全面を暗くすることで遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に顔基板6020の後面が映り込むように構成してもよい。
図495は図487において示した例の変形例を示している。この実施例においては図487〜図494において示したウサギ役物6000が設けられる位置が、遊技盤側演出表示装置1600の手前側下方中央ではなく、遊技盤側演出表示装置1600の左側下方手前となっている。また、遊技盤側演出表示装置1600の右側下方手前に切り株を模した形状の切り株役物6100が設けられている。遊技盤5の全体としては、図487を用いて説明した実施例と同様に遊技盤側演出表示装置1600の前面側には遊技パネル1100との間に空間が形成されており、この空間に複数の役物が層状に配置されている。具体的には、手前側から、遊技パネル1100の裏面に近接する位置に、盤裏草役物6800、第1巨木役物6600、第2巨木役物6650、第1雲役物6700、第2雲役物6750が設けられている。第1巨木役物6600は、第1巨木幹基板6610と第1巨木葉基板6630とから、第2巨木役物6650は、第2巨木幹基板6660と第2巨木葉基板6680とから構成されている。また、これらの後方に第1草役物6470、第2草役物6475が設けられ、これらの後方に第3草役物6480が設けられ、この後方において第3草役物6480と重なるように第4草役物6485が設けられ、この後方にウサギ役物6000と切り株役物6100が設けられ、これらの後方に山役物6500が設けられ、山役物6500の後方に遊技盤側演出表示装置1600が設けられている。このように複数の役物を層状に配置することで、奥行き感を出すことができる。
遊技盤側演出表示装置1600の右側下方手前に切り株を模した形状の切り株部6200と草を模した形状の第1草可動部6360及び第2草可動部6370が設けられており、切り株部6200、第1草可動部6360、第2草可動部6370により切り株役物6100がユニットとして構成されている。
図496は切り株役物6100を示している。切り株部6200の前方左側には第1草可動部6360が、切り株部6200の前方右側には第2草可動部6370が設けられている。第1草可動部6360と第2草可動部6370はそれぞれ板状で緑色透明の合成樹脂により形成されている。第1草可動部6360は、その下端部を除いた外縁部分において緑色透明の合成樹脂により形成される面が露出して後方に位置する部材を透視して視認可能となっている。一方、下端部および外縁以外の部分には、緑色のインキが塗布された第1草装飾部6360aが設けられており、この第1草装飾部6360aにおいては、その後方が視認不能となっている。第2草可動部6370も、第1草可動部6360と同様の構成を有しており、第2草装飾部6370aを備えている。
第1草可動部6360と第2草可動部6370は、図496(A)に示すように第1草可動部6360と第2草可動部6370が切り株部6200の前面に位置する状態と、図496(B)に示すように第1草可動部6360が切り株部6200の前面に位置する状態から左方向に移動し、第2草可動部6370が切り株部6200の前面に位置する状態から右方向に移動した状態とをとることが可能である。第1草可動部6360と第2草可動部6370は、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構によって移動することが可能である
図496(A)に示す状態においては、第1草可動部6360の右端部をなす端面と第2草可動部6370の左端部をなす端面とが接しており、後方に位置する切り株部6200の下半分が視認困難な状態となっている。このとき、切り株開口部6210aの一部の領域が、第1草可動部6360の第1草装飾部6360aが設けられていない領域と第2草可動部6370の第2草装飾部6370aが設けられていない領域を通して視認可能に構成されている。この状態においては、切り株開口部6210aの後方に設けられている切り株箱部6300の箱後壁部6350を構成する後壁基板6352と後壁カバー6356と、後壁基板6352の前面に設けられる後壁発光部6354の一部が視認可能に構成されている。
この状態において、第1発光演出として、後壁発光部6354を発光態様とし、後壁発光部6354から照射された光が、第1草可動部6360の第1草装飾部6360aが設けられていない領域と第2草可動部6370の第2草装飾部6370aが設けられていない領域に照射されて、第1草可動部6360の第1草装飾部6360aが設けられていない領域と第2草可動部6370の第2草装飾部6370aが設けられていない領域を通過して遊技者に対して照射された状態をとることができるように構成してもよい。
一方、図496(B)に示す状態においては、第1草可動部6360が切り株部6200の前面に位置する状態から左方向に移動し、第2草可動部6370が切り株部6200の前面に位置する状態から右方向に移動した状態となっているため、切り株部6200の下半分の視認性が高まった状態となっている。この状態においては、切り株部6200に設けられた切り株開口部6210aから、切り株箱部6300が視認可能となっている。
この状態において、切り株開口部6210aの後方に設けられている切り株箱部6300の箱後壁部6350を構成する後壁基板6352と後壁カバー6356と、後壁基板6352の前面に設けられる後壁発光部6354は、第1草可動部6360と第2草可動部6370が移動する前の状態と比べて、視認困難な状態から視認容易な状態へと変化している。
この状態において、第2発光演出として、後壁発光部6354を発光態様とし、後壁発光部6354から照射された光が、切り株開口部6210aを通過して、遊技者の位置する前方に向けて直接照射された状態をとることができるように構成してもよい。第2発光演出においては、第1草可動部6360の第1草装飾部6360aが設けられていない領域と第2草可動部6370の第2草装飾部6370aが設けられていない領域を通過して遊技者に対して光が照射される第1発光演出と比べて、視覚的に強い刺激を遊技者に与えることが可能となる。
なお、第1遊技状態と、第1遊技状態(例えば通常遊技状態)よりも遊技者に有利な第2遊技状態(例えば通常遊技状態に対して有利な確変遊技状態、時短遊技状態や大当たり遊技状態)を取ることが可能な遊技機において、第1遊技状態の場合には、第2発光演出が実行される期間よりも第1発光演出が実行される期間を長く構成し、第2遊技状態の場合には、第1発光演出が実行される期間よりも第2発光演出が実行される期間を長く構成するとよい。あるいは、第2遊技状態と比べて第1遊技状態の方が、相対的に長い期間、第1発光演出が実行され、第1遊技状態と比べて第2遊技状態の方が、相対的に長い期間、第2発光演出が実行されるように構成してもよい。また、第1遊技状態においては第1発光演出のみが行われるようにし、第2遊技状態において第1発光演出および第2発光演出の両方が、または第2発光演出のみが行われるようにしてもよい。第1発光演出に比べて視覚的に刺激の強い第2発光演出は遊技者に対して興趣を与える演出(特別感を与える演出)として機能するため、有利な遊技状態であるときにのみ用いられたり、有利な遊技状態であるときの方がその演出期間が長く用いられることで遊技者の興趣の向上を図ることができるようになる。
このように、遊技者に有利な第2遊技状態においては、遊技者にとって相対的に不利な第1遊技状態と比べて、視覚的に強い刺激をより長い期間遊技者が体感することとなるため、有利な状態の発生により興奮した状態となっている遊技者の興奮をより高めることが可能となる。
図497(A)は切り株部6200を示している。切り株部6200は、手前側に設けられた有色不透明の板状の部材である切り株板部6210と、奥側に設けられた箱型の形状をなす切り株箱部6300とから構成されている。切り株板部6210は板状の部材で、外形が木の切り株を模した形状となっており、その中央に切り株開口部6210aが設けられている。
図497(B)は、切り株板部6210と切り株箱部6300の正面視での位置関係を示している。なお、図中において、切り株板部6210、切り株開口部6210aを点線で示している。切り株箱部6300の前面側は、切り株板部6210に設けられた切り株開口部6210aに対応するように配置されており、切り株の側面に穴が空いている状態を模したものとなっている。
図498(A)は切り株箱部6300を示している。切り株箱部6300は、上側の壁を構成する箱上壁部6310、右側の壁を構成する箱右壁部6320、下側の壁を構成する箱下壁部6330、左側の壁を構成する箱左壁部6340、後ろ側の壁を構成する箱後壁部6350により構成されている。箱上壁部6310と箱下壁部6330は平面視で台形形状であり、奥側の辺と手前側の辺が平行であり、奥側の辺よりも手前側の辺の長さの方が長く構成されている。箱右壁部6320と箱左壁部6340はそれぞれ手前側が外側に傾くように設けられている。また、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340は無色透明な合成樹脂により構成されている。このような構成とすることで奥行き感を出すことができる。
図498(B)は切り株箱部6300を分解した状態を示した図である。箱後壁部6350は、手前側に位置する後壁カバー6356と後ろ側に位置する後壁基板6352により構成されている。この図においては、後壁基板6352に対して点線で、後壁カバー6356が備える後壁カバー光散乱部6358が位置する箇所を模式的に示している。
図498(C)は後壁カバー6356の正面図である。後壁カバー6356は、横長の長方形形状であり、無色透明の合成樹脂により形成されている。後壁カバー6356の前面には、根菜を模した形状の後壁カバー光散乱部6358が形成されている。後壁カバー光散乱部6358は、根菜の根を模した形状の第1後壁カバー光散乱部6358aと根菜の葉を模した形状の第2後壁カバー光散乱部6358bにより構成されている。
図498(D)は後壁基板6352の正面図である。後壁基板6352は、横長の長方形形状のプリント基板である。後壁基板6352の前面及び後面は白色である。後壁基板6352の前面には複数のLEDを表面実装することで構成される後壁発光部6354が設けられている。後壁基板6352は、正面視で後壁カバー6356と同じ大きさである。後壁発光部6354を構成するLEDから発せられる光は後壁基板6352をなす面に対して垂直に前方に向けて照射される。後壁発光部6354は後壁カバー光散乱部6358に対して、正面視で重なる位置に設けられている。具体的には、根菜の根を模した形状の第1後壁カバー光散乱部6358aに対応して第1後壁発光部6354aが、根菜の葉を模した形状の第2後壁カバー光散乱部6358bに対応して第2後壁発光部6354bが設けられている。なお、図496(A)に示すように第1草可動部6360と第2草可動部6370とが切り株部6200の前面に位置する状態において、後壁発光部6354を構成する各LEDを、第1草可動部6360の第1草装飾部6360aが設けられていない領域や第2草可動部6370の第2草装飾部6370aが設けられていない領域と正面視で重ならない位置に設けるように構成するとよい。この場合、後壁発光部6354が演出として発光態様となったとしても遊技者に直接光が照射されないため、視覚的に弱い刺激が遊技者に与えられることとなる。
後壁カバー6356の後面と後壁基板6352の前面とは完全に接触しているのではなく、所定の間隔(1−2mm程度)をおいて、設けられている。この際、第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bが後壁カバー6356の後面に接しないように後壁カバー6356の後面と後壁基板6352の間隔を設定することが望ましい。このような構成とすることで、後壁発光部6354において発生した熱を放熱することが容易となり、後壁発光部6354が、自身が発生した熱により故障するといった事態の発生を抑止することが可能となる。
切り株役物6100は遊技機における大当り期待度を報知する演出に用いられる。具体的には、切り株開口部6210aが視認困難な状態から、第1草可動部6360が左に、第2草可動部6370が右に移動して、切り株開口部6210aが視認容易な状態となるか否か、次いで、切り株開口部6210aが視認容易な状態となった場合には、切り株開口部6210aを介して視認可能となる切り株箱部6300の奥側に位置する箱後壁部6350の発光態様がどのようなものとなるか(例えば、後壁カバー光散乱部6358が、赤色に光って見えるか、白色に光って見えるか、消灯状態となって後方に位置する後壁基板6352の色である白色で見えるか)に応じて、変動中の装飾図柄の停止態様が大当りを示す態様で停止表示する期待度が通常よりも高いことを示唆するように構成されている。例えば、このような後壁基板6352の発光態様それぞれにおいて、変動中の装飾図柄の停止態様が大当りを示す態様で停止表示する期待度が異なるように設定してもよい。このような構成とすることで、後壁基板6352の発光態様について、遊技者に大きな関心を抱かせることができる。
後壁基板6352の発光態様によって、変動中の装飾図柄の停止態様が大当りを示す態様で停止表示する期待度を報知する例を示したが、第1後壁発光部6354aと第2後壁発光部6354bとを異なる発光態様とすることでこのような報知を行うようにしてもよい。
例えば、第1後壁発光部6354aを発光させず、第2後壁発光部6354bを緑色で弱く発光させることで、根菜の根を模した形状の第1後壁カバー光散乱部6358aが白色で、根菜の葉を模した形状の第2後壁カバー光散乱部6358bが緑色で遊技者から視認可能となる。また、第1後壁発光部6354aを白色で弱く発光させ、第2後壁発光部6354bを緑色で弱く発光させることで、根菜の根を模した形状の第1後壁カバー光散乱部6358aが白色で、根菜の葉を模した形状の第2後壁カバー光散乱部6358bが緑色で遊技者から視認可能となる。また、第1後壁発光部6354aを赤色で弱く発光させ、第2後壁発光部6354bを緑色で弱く発光させることで、根菜の根を模した形状の第1後壁カバー光散乱部6358aが赤色で、根菜の葉を模した形状の第2後壁カバー光散乱部6358bが緑色で遊技者から視認可能となる。
なお、第1後壁発光部6354aを弱く発光させているのは、第1後壁発光部6354aから照射される光が第1後壁カバー光散乱部6358a以外の部位を強く装飾しないようにするためである。また、第2後壁発光部6354bを弱く発光させているのは、第2後壁発光部6354bから照射される光が第2後壁カバー光散乱部6358b以外の部位を強く装飾しないようにするためである。このような構成とすることで、実質的に後壁カバー光散乱部6358のみが発光態様となっているかのような演出を実現できる。
このような発光態様とすることで、第1の発光例及び第2の発光例においては根菜の大根を、第3の発光例においては根菜の人参を模した表現が実現できる。また、第1の発光例においては、第1後壁発光部6354aを発光させていないにも関わらず、第1後壁カバー光散乱部6358aの後方に位置する後壁基板の色と第1後壁カバー光散乱部6358aの形状によって、所定のモチーフ(この例においては大根の根部)を表現することを可能としている。また、第2の発光例と第3の発光例の関係においては、第1後壁発光部6354aにおける発光色を異なるものとすることにより複数のモチーフ(この例においては、大根と人参)を表現することを可能としている。
第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bを弱く発光させることで、実質的に後壁カバー光散乱部6358のみが発光態様となっているかのような演出を実現できる例を示したが、このような演出において第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bを強く発光させることで、切り株箱部6300の内面全体に第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bからの光が強く到達するように構成してもよい。なお、この場合には、第1後壁発光部6354aと第2後壁発光部6354bとを同一色(例えば白色)で発光させるように構成するとよい。
後壁基板6352からの光が、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340で反射して遊技者側に視認可能となるように構成してもよい。例えば、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340を構成する透明な合成樹脂において、切り株箱部6300を構成する各内面を散乱可能な光散乱部とするように構成してもよい。あるいは、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340おいて、少なくとも切り株箱部6300を構成する各内面にアルミニウムなどの金属薄膜を形成するメッキなどの処理を施すことで反射部を構成するようにしてもよい。このような構成とすることで、後壁基板6352から発せられ、切り株箱部6300の内面全体に照射された光を遊技者に向けて効率的に反射させることが可能となる。また、この場合には、白色である後壁基板6352自体も前方に光を乱反射する機能を有することとなる。
箱後壁部6350を構成する後壁基板6352は、無色透明な後壁カバー6356を介して、白色で視認可能となっている。そのため、第1草可動部6360と第2草可動部6370とがそれぞれ移動位置に移動して、切り株開口部6210aから箱後壁部6350が視認可能となっている場合には、後壁発光部6354が消灯状態にある場合でも、後壁基板6352そのものの色によって箱後壁部6350を装飾された状態として、遊技者に視認させることが可能となる。また、後壁カバー6356には、根菜の形を模した後壁カバー光散乱部6358が設けられており、後壁発光部6354を発光させない場合でも、後壁カバー光散乱部6358の形状により、箱後壁部6350を装飾されている状態として、遊技者に視認させることが可能となる。
後壁カバー光散乱部6358が根菜の形を模した形状となっている例を示したが、後壁カバー6356の前面全体を、光散乱部とするように構成してもよい。あるいは、後壁カバー6356において、後壁発光部6354から照射された光を散乱する部位を設けずに、後壁カバー6356の前面全体を平滑な形状とし、後壁発光部6354から照射された光がそのまま通過するように構成してもよい。このような構成とした場合でも、上述した例のように後壁基板6352そのものの色によって、箱後壁部6350を装飾された状態として、遊技者に視認させることが可能となる。
切り株箱部6300の箱後壁部6350が後壁発光部6354や後壁カバー6356を備える例を示したが、箱後壁部6350に代えて、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340のいずれかに後壁発光部6354や後壁カバー6356に相当する構成を設けるように構成してもよい。あるいは、切り株箱部6300を構成する箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340、箱後壁部6350の少なくともいずれか1の壁部に対して、後壁発光部6354や後壁カバー6356に相当する構成を設けるように構成してもよく、例えば、切り株箱部6300を構成する箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340、箱後壁部6350のすべてに、後壁発光部6354や後壁カバー6356に相当する構成を設けるように構成してもよい。またこれらの例において、所定の壁部に後壁発光部6354に相当する構成を設けるようにした場合には、他の壁部においては、後壁発光部6354に相当する構成を設けずに、後壁カバー6356に相当する構成のみを設けるように構成してもよい。
切り株箱部6300を構成する箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340を透明または半透明の合成樹脂により形成するとともに、切り株板部6210を透明または半透明の合成樹脂により形成して、第1草可動部6360と第2草可動部6370が待機位置にあるときに、後壁発光部6354を発光状態とすることで、後壁発光部6354から照射される光によって、切り株板部6210の後面が照明されるように構成してもよい。このような構成とすることで、後壁発光部6354からの光が切り株板部6210を通過し、切り株板部6210が光により装飾された状態を遊技者に視認させることが可能となる。切り株箱部6300を構成する箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340、切り株板部6210を有色透明または有色半透明の合成樹脂により形成してもよい。例えば、これらを茶色の合成樹脂により形成してもよい。また、切り株板部6210の後面に茶色のインクで木の模様形状の印刷を施して、切り株板部の一部に不透明または半透明の領域を形成するように構成してもよい。
後壁基板6352の色を白色とする例を示したが、その他の色を採用してもよい。例えば、切り株板部6210と同様に後壁基板6352の色を茶色としてもよい。このような態様とした場合には、第1後壁発光部6354aを消灯状態とすることで、後壁カバー光散乱部6358において土が付着した根菜を表現することができる。
第1草可動部6360が左方向に、第2草可動部6370が右方向に移動したときに切り株板部6210に設けられた切り株開口部6210aが露出して、後方に位置する箱後壁部6350が視認可能となる例を示したが、第1草可動部6360と第2草可動部6370の下端の左右方向を回動軸として、第1草可動部6360と第2草可動部6370の上部が前方に倒れるよう駆動可能に構成し、第1草可動部6360と第2草可動部6370の上部が前方に倒れたときに切り株板部6210に設けられた切り株開口部6210aが露出して、後方に位置する箱後壁部6350が視認可能となるように構成してもよい。
第1草可動部6360と第2草可動部6370を切り株部6200の前方に設ける例を示したが、第1草可動部6360と第2草可動部6370の一方のみを切り株部6200の正面前方に設け、右方あるいは左方の移動位置へと移動することで、切り株開口部6210aが露出するように構成してもよい。あるいは、第1草可動部6360と第2草可動部6370とを一体の部材として構成し、この部材が右方あるいは左方の移動位置に移動することで、切り株開口部6210aが露出するように構成してもよい。
箱後壁部6350は、後壁基板6352と後壁カバー6356とから構成されているが、後壁カバー6356を回動可能に構成してもよい。具体的には、後壁カバー6356の上辺を回動軸として、図示しない駆動源により後壁カバー6356の前面が箱上壁部6310の内面に接するように回動するように構成したり、後壁カバー6356の左辺を回動軸として、図示しない駆動源により後壁カバー6356の前面が箱左壁部6340の内面に接するように回動させるように構成したりするとよい。このような構成とすることで、後壁基板6352の手前側に後壁カバー6356が位置し、後壁カバー6356を介して後壁基板6352が遊技者から視認可能となる態様と、後壁基板6352の手前側に後壁カバー6356が位置せず、後壁基板6352が直接視認可能となる態様のいずれかの態様で、箱後壁部6350を遊技者に視認させることが可能となる。また、遊技者目線から見て切り株役物6100は遊技盤側演出表示装置1600の右下に位置するため、上辺や左辺を軸として後壁カバー6356を回動させることで、移動後の後壁カバー6356が目立たなくなる。なお、右辺や可変を軸として回動させるようにしてもよい。
後壁基板6352を後壁カバー6356よりも大きな形状のものとしてもよい。例えば、後壁基板6352を切り株板部6210と同じ大きさ及び形状として、それぞれの外縁が正面視で重なるように構成してもよい。この場合、後壁基板6352はもともとの形状から周囲に拡大されたような形状となる。この場合には、白色の後壁基板6352を周囲に拡張した部分において、後壁発光部6354から照射されて、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340などで後方に反射した光を再度前方の遊技者に向けて反射することが可能となる。
また、後壁カバー6356によってカバーされる領域以外の部分に発光部を設けるように構成してもよい。例えば、切り株板部6210において根を模した部分や木の切り口を模した部分の後方において、後壁基板6352の前面に発光部を設け、後壁発光部6354を発光させるタイミングで同時に発光させるように構成してもよい。このような構成とすることで、後壁発光部6354を発光させる演出をより盛り上げることが可能となる。
あるいは、このような後壁基板6352において後壁発光部6354以外の発光部を設けないように構成してもよい。この場合においても、白色の後壁基板6352を周囲に拡張した部分において、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340などで後方に反射した光を再度前方の遊技者に向けて反射することが可能となる。
図498を用いて示した例においては、箱後壁部6350を、手前側に設けられる長方形の後壁カバー6356と、奥側に設けられる長方形の後壁基板6352とにより構成している。一方、図499を用いて以下に示す例においては、箱後壁部6350を、手前側に位置する後壁カバー6356と中間に位置する後壁基板6352と奥側に位置する後壁板部6380とから構成するようにした。この例においては、後壁カバー6356は根菜を模した形状であり、根菜の根を模した外形形状の第1後壁カバー光散乱部6358aと、根菜の葉を模した外形形状の第2後壁カバー光散乱部6358bを備えている。後壁カバー6356は、無色透明の合成樹脂により形成されており、後方に位置する後壁基板6352の色が視認可能となっている。
後壁基板6352は全体として根菜を模した形状をしており、根菜の根部を模した第1後壁基板6352aと根菜の葉部を模した第2後壁基板6352bとから構成されている。第1後壁基板6352aの前面及び後面には白色の保護剤により白色の保護膜が形成されている。また、第2後壁基板6352bの前面及び後面には緑色の保護剤により緑色の保護膜が形成されている。第1後壁基板6352aには第1後壁発光部6354aとして4つのLEDが表面実装されている。また、第2後壁基板6352bには第2後壁発光部6354bとして2つのLEDが表面実装されている。このような後壁基板6352の前面に、後壁カバー6356が取り付けられている。また、後壁板部6380は、長方形状であり、その前面に後壁基板6352が取り付けられている。そして、この例においては、後壁板部6380により、切り株箱部6300の後壁が形成されている。
なお、第1後壁基板6352aと第2後壁基板6352bを別々のプリント基板として構成しておき、それぞれ後壁板部6380に取付けることで、後壁基板6352として機能させるように構成してもよいし、1のプリント基板を白色の保護剤と緑色の保護剤で塗り分けることで、第1後壁基板6352aと第2後壁基板6352bとを形成するように構成してもよい。
このような構成の切り株箱部6300において、第1草可動部6360や第2草可動部6370を上述したように移動位置へと移動させる演出を実行するとよい。また、この実施例においても第1後壁発光部6354a、第2後壁発光部6354bを演出に用いる際の発光態様としては、根菜が発光しているように視認可能となる弱い発光態様と、切り株箱部6300全体が発光しているように視認可能となる強い発光態様を採用してもよい。
また、第1後壁発光部6354a、第2後壁発光部6354bを消灯状態とした場合でも、第1後壁基板6352a、第2後壁基板6352bの色と形状により、切り株箱部6300内において所定のモチーフを表現することが可能となっている。この例においては根部を模している第1後壁カバー光散乱部6358aを通して、第1後壁基板6352aが白色で、葉部を模している第2後壁カバー光散乱部6358bを通して第2後壁基板6352bが緑色で視認可能となっている。このように基板の外形形状と基板の色のみによって、1の装飾体を構成することができる。
この例では、ウサギ役物と切り株役物の手前側よりも手前側で、遊技盤側演出表示装置1600の下方前方に複数の草役物6400が設けられている。
図495に示す例においては、上述したように遊技盤側演出表示装置1600と遊技領域5aとの間に草役物6400として、第1草役物6470〜第4草役物6485が設けられている。以下に、このような草役物6400における複数の実施態様を示す。
図500(A)に示す草役物6400は、有色不透明で板状で、草を模した外形形状の草基板6420により構成されている。この例において、草基板6420は、草基板前面発光部6422を備えている。草基板前面発光部6422は草基板6420の前面に表面実装されたLEDにより形成される。また、図500(B)に示す草役物6400は、有色不透明で板状で、草を模した外形形状の草基板6420を備える。この例において、草基板6420は、草基板後面発光部6424を備えている。草基板後面発光部6424は草基板6420の後面に表面実装されたLEDにより形成される。図500(A)、図500(B)に示す例において、草基板6420の外形形状が草を模したものとなっており、その外形形状自体により装飾という機能を有している。草基板6420の色としては白色を採用してもよい。この場合、草基板前面発光部6422を緑色や茶色で発光させることで、草基板6420を草基板前面発光部6422の発光色により装飾することができる。草基板6420の色としては緑色や茶色を採用してもよい。緑色は生きている草の色を表現し、茶色は枯れた草の色を表現できる。これにより、草基板6420の色と形状の双方により、草を模した装飾が実現できる。
また、草基板6420に実装されるLEDとして、草基板6420と同じ色のLEDを採用している。具体的には、草基板6420を白色とした場合には実装されるLEDとして白色のものを採用する。このような構成とすることで、草基板6420に実装されるLEDを目立たないものとすることができる。なお、他の例において、基板に発光部としてLEDを設ける際にもこのような構成を採用してもよい。
草基板6420に設けられる草基板前面発光部6422を構成するLEDから発せられる光は草基板6420をなす面に対して垂直に前方に向けて照射される。このような構成とすることで、視覚的に強いイメージを感じさせる演出を遊技者に対して視認させることができる。なお、後述する草前カバー6440を設ける際には、草基板6420をなす面に対して水平に上方に向けて光が照射されるように草基板前面発光部6422を構成するLEDを草基板6420に実装するように構成してもよい。このような構成とすることで、草前カバー6440の上方端部に向けて光が照射されることとなるため、草前カバー6440全体に草基板前面発光部6422から照射された光が伝達され、草前カバー6440全体が光ったかのような演出を遊技者に対して視認させることができる。なお、他の例において、基板に発光部を設ける際にもこのような構成を採用してもよい。
一方、草基板6420に設けられる草基板後面発光部6424を構成するLEDから発せられる光は草基板6420をなす面に対して水平に上方に向けて照射される。この場合、草基板6420に後光が射したかのような演出を遊技者に対して視認させることができる。なお、後述する草後カバー6460を設ける際には、草後カバー6460の上方端部に向けて光が照射されることとなるため、草後カバー6460の上方端部まで草基板後面発光部6424から照射された光が伝達され、草後カバー6460全体が光ったかのような演出を遊技者に対して視認させることができる。なお、他の例において、基板に発光部を設ける際にもこのような構成を採用してもよい。
草基板6420の前面及び後面には電子回路を構成する図示しないスルーホールが設けられている。また、スルーホールにはプリント基板上に設けられる電子回路を構成する金属が露出しており、金属として銅を採用した場合には、スルーホールが銅の色である茶色で視認されることとなる。ここで草基板6420の少なくとも一部が遊技者から視認可能となっている場合には、スルーホールについても遊技者から視認可能となってしまうおそれがある。特に、草基板6420の色として白色を採用した場合には、草基板6420の前面に設けられているスルーホールの色である茶色が遊技者から視認されてしまい、草基板6420の装飾としての機能が損なわれてしまうという問題がある。そこで、このような問題を解決するために以下のような構成を採用してもよい。例えば、スルーホールを草基板6420の前面において、所定の箇所に集中させるのではなく、草基板6420の前面において全体にばらつくように配置するとよい。あるいは、スルーホールを草基板6420の外形形状に沿うように配置したり、草基板6420の外形形状をなす輪郭線の延長線上に配置したりすることで、スルーホールが草基板6420の外形形状の一部であるかのように視認させることが可能となる。草基板6420の外形の内側に外形形状と同様の形状で線状にスルーホールを配置することで、草を模した装飾形状を形成するようにしてもよい。また、スルーホールと同系色の模様を草基板6420の前面の一部に1つ以上形成するように構成してもよい。あるいはスルーホールと同形状の模様を草基板6420の前面の一部に1つ以上形成するように構成してもよい。例えばスルーホールが茶色で円形である場合には、茶色のインクで円形の模様を草基板6420の前面に1つ以上形成するとよい。なお、上述した例は、草基板6420の前面に設けられるすべてのスルーホールについて適用することが望ましいが、少なくとも一部のスルーホールにおいて適用するようにしてもよく、その場合においても、草基板6420の装飾としての機能が損なわれてしまうという事態の発生を抑止することが可能となる。なお、他の例における役物が備える基板にスルーホールを設け、このようなスルーホールに関する実施態様を適用するようにしてもよい。
図500(C)〜図500(E)は、草基板6420の前面に草前カバー6440を取り付け、草基板6420と草前カバー6440により草役物6400を構成した例を示している。草前カバー6440は、合成樹脂により形成され、外形形状が草を模した装飾的な形状で形成されている。また、草基板6420が備える草基板前面発光部6422を実装した部位が正面視で草前カバー6440によって覆われるように構成されている。
図500(C)に示す例では、草基板6420よりも草前カバー6440の大きさが小さく、草基板6420の前面の一部が草前カバー6440によって覆われている。図500(D)に示す例では、草基板6420と草前カバー6440が同じ大きさであり、草基板6420の前面のすべて草前カバー6440によって覆われている。図500(E)に示す例では、草基板6420よりも草前カバー6440の大きさが大きく、草基板6420の前面が草前カバー6440によって覆われるとともに、草基板6420の外形よりも外側に草前カバー6440がはみ出した状態となっている。
図500(C)に示す例においては、草基板6420の外形形状と草前カバー6440の外形形状がともに草を模した装飾的な態様を実現している。また、奥行き感を出すことができる。また、図500(D)、図500(E)に示す例においては、草前カバー6440を有色透明、または、無色透明の合成樹脂により形成することで、後方に位置する草基板6420を視認可能としてもよい。その場合には、草基板6420の外形形状と草前カバー6440の外形形状の双方により装飾的な態様を実現できる。また、奥行き感を出すことができる。
図500(F)〜図500(H)は、草基板6420の後面に草後カバー6460を取り付け、草基板6420と草後カバー6460により草役物6400を構成した例を示している。草後カバー6460は、合成樹脂により形成され、外形形状が草を模した装飾的な形状で形成されている。また、草基板6420が備える草基板後面発光部6424を実装した部位が草後カバー6460によって覆われるように構成されている。
図500(F)に示す例では、草基板6420よりも草後カバー6460の大きさが小さく、草基板6420の後方が草後カバー6460によって覆われている。図500(G)に示す例では、草基板6420と草後カバー6460が同じ大きさであり、草基板6420の後方が草後カバー6460によって覆われている。図500(H)に示す例では、草基板6420よりも草後カバー6460の大きさが大きく、草基板6420の後方が草後カバー6460によって覆われるとともに、草基板6420の外形よりも外側に草後カバー6460がはみ出した状態となっている。この例においては草後カバー6460の外形形状が正面視で視認可能となっている。
図500(F)、図500(G)に示す例においては、上下方向を軸として草役物6400を回動可能に構成してもよい。例えば、周辺制御基板1510による駆動制御によって草役物6400が180度回転して草後カバー6460が前方を向くような演出を実行可能に構成してもよい。このような構成とすることで、図500(C)、図500(D)のような視認態様となり、図500(C)、図500(D)において示した例と同様の効果を奏することとなる。図500(H)に示す例では、草基板6420の外形形状と草後カバー6460の外形形状の双方により装飾的な態様を実現できる。また、奥行き感を出すことができる。
図501(A)〜図501(G)は、図500(C)において示した例を変形した例を示している。これらの例においては、草基板6420よりも草前カバー6440の大きさが小さく構成されているが、さらに、草前カバー6440の具体的構造の変形例について以下に説明する。
図501(A)に示す例においては、白色の草基板6420の手前に無色透明の草前カバー6440が設けられている。草前カバー6440をなす面にはレンズカットや梨地などの処理は施されておらず平滑に成形されており、草前カバー6440を通過する光が乱反射することがなく通過するように構成されている。なお、後述する草前カバー透明部6442についても、同様の構成により通過する光が乱反射することがなく通過するように構成されている。このような構成とすることで、草前カバー6440の後方に位置する草基板6420を直接視認可能となっている。
この例においては、草基板前面発光部6422を発光状態とすることで、草前カバー6440全体および草基板6420を草基板前面発光部6422の発光色で装飾された状態とすることができる。例えば、草基板前面発光部6422を緑色で発光させた場合には、草前カバー6440全体と草基板6420を緑色に装飾することができる。
図501(B)に示す例においては、白色の草基板6420の手前に草前カバー6440が設けられている。草前カバー6440は上部の草前カバー無色透明部6442aと下部の草前カバー有色透明部6442bとにより形成されている。無色透明の合成樹脂により草前カバー無色透明部6442aを形成し、有色透明の合成樹脂により草前カバー有色透明部6442bを形成し、このように形成された草前カバー無色透明部6442aと草前カバー有色透明部6442bとを組み立てることで草前カバー6440を構成してもよい。あるいは、無色透明の合成樹脂により草前カバー6440全体を形成し、草前カバー6440前面の一部に、有色透明のシールを張り付けたり有色透明の印刷をほどこしたりすることで、草前カバー有色透明部6442bを形成してもよい。草前カバー6440前面の一部に、有色透明のシールを張り付けたり有色透明の印刷をしたりすることで、草前カバー有色透明部6442bを形成する例を示したが、草前カバー6440の後面の一部に、有色透明のシールを張り付けたり有色透明の印刷をしたりすることで、草前カバー有色透明部6442bを形成するようにしてもよい。また、草前カバー有色透明部6442bの色としては緑色を採用するとよい。また、草前カバー有色透明部6442bの色を草基板6420と同色あるいは略同色としてもよく、この場合には、草基板6420がプリント基板であることを目立ちにくくすることができる。なお、他の例において、有色透明部を設ける際にもこのような構成を採用してもよい。
この例においては、白色の草基板6420が草前カバー無色透明部6442aを介して視認可能となる。また、白色の草基板6420の前方に緑色の草前カバー有色透明部6442bが位置することで、白色の草基板6420を緑色に見せることができる。また、草基板前面発光部6422の前方に草前カバー有色透明部6442bが位置することで、草基板前面発光部6422を構成するLEDが遊技者から視認困難な状態となり、消灯状態の草基板前面発光部6422を遊技者が直接視認してしまうことで遊技者が興ざめとなってしまうという事態の発生を抑止することが可能となる。一方、草基板前面発光部6422を点灯状態とした場合には、草前カバー有色透明部6442bにより光源からの光の強さが緩和されるため、遊技者がまぶしく感じてしまうといった事態の発生を抑止することが可能となる。また、草基板前面発光部6422を発光させることで、草前カバー6440全体および草基板6420を発光色で装飾された状態とすることができる。
図501(C)は、図501(B)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー有色透明部6442bに、草前カバー有色透明部6442bを草前カバー無色透明部6442aに変形した例である。この例においては、草基板前面発光部6422が消灯状態にあるときに、正面視で上から、白色、緑色、白色の態様を表現することが可能となっている。
図501(D)に示す例においては、白色の草基板6420の手前に草前カバー6440が設けられている。草前カバー6440は、この例においては、草前カバー光散乱部6444を備えている。具体的には、草前カバー6440は無色透明の合成樹脂により形成されており、上部に設けられた草前カバー無色透明部6442aと下部に設けられた草前カバー無色光散乱部6444aとから構成されている。草前カバー無色光散乱部6444aは、草前カバー6440の前面または後面の少なくとも一方にレンズカットや梨地加工を施すことにより形成されている。好ましくは、草前カバー無色光散乱部6444aを草前カバー6440の前面あるいは前面と後面の双方に形成することが望ましい。このように無色透明の合成樹脂に対して、レンズカットや梨地加工を施すことで半透明の状態としているため、後方に位置する部材の形状については、視認が困難または不能となるものの、その色については、変化することなく遊技者が視認可能となっている。無色透明の合成樹脂に光散乱部が形成する例を示したが有色透明の合成樹脂に光散乱部を形成するように構成してもよい。この場合には、後方に位置する部材に、前方に位置する有色透明の合成樹脂の色が混ざり合った態様で視認可能となる。また、草前カバー有色光散乱部6444bの色を草基板6420と同色あるいは略同色としてもよく、この場合には、草基板6420がプリント基板であることを目立ちにくくすることができる。また、草前カバー6440や草後カバー6460において、正面視で外周縁をなす端部において端部を縁取るように光散乱部を設けてもよい。この場合には、草基板前面発光部6422や草基板後面発光部6424からの光を草前カバー6440や草後カバー6460の端部において乱反射させることができるため、草役物6400の正面視での外形形状を際立たせることができる。なお、他の例において、光散乱部を設ける際にもこのような構成を採用してもよい。
この例においては、草基板前面発光部6422の前方に草前カバー無色光散乱部6444aが位置することで、草基板前面発光部6422を構成するLEDが遊技者から視認困難な状態となり、消灯状態の草基板前面発光部6422を遊技者が直接視認してしまうことで遊技者が興ざめとなってしまうという事態の発生を抑止することが可能となる。一方、草基板前面発光部6422を点灯状態とした場合には、草前カバー無色光散乱部6444aにより草基板前面発光部6422からの光が散乱されるため、遊技者がまぶしく感じてしまうといった事態の発生を抑止することが可能となる。
草前カバー無色光散乱部6444aを草前カバー6440の前面のみに形成しているが、このような構成とすることで、草前カバー無色光散乱部6444aを草前カバー6440の後面のみに形成した場合と比べて、草基板6420の前面に実装される電子部品(草基板前面発光部6422を構成するLED)がぼやけてみえることになるため、電子部品の存在がより目立ちにくくなり、遊技者に興ざめとなってしまうという事態の発生を抑止することが可能となる。なお、草前カバー無色光散乱部6444aを草前カバー6440の前面と後面の双方に形成した場合には、草基板6420の前面に実装される電子部品(草基板前面発光部6422を構成するLED)の存在をより目立ちにくくすることが可能となる。また、草前カバー無色光散乱部6444aを通して後方の草基板6420の色が視認可能となり、草基板6420の前面に実装される電子部品の形状をぼかしつつ、草基板6420の色を生かして装飾としての機能を奏する態様となっている。
図501(E)は、図501(D)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー無色光散乱部6444aに、草前カバー無色光散乱部6444aを草前カバー無色透明部6442aに変形した例である。この例においては、草基板前面発光部6422が消灯状態にあるときに、正面視で上から、白色、緑色、白色の態様の草を表現することが可能となっている。
図501(F)に示す例は、図501(B)に示す例における草前カバー6440を変形した例である。この例においては、草前カバー有色透明部6442bに代えて草前カバー不透明部6446を設けている。無色透明の合成樹脂により草前カバー無色透明部6442aを形成し、不透明の合成樹脂により草前カバー不透明部6446を形成し、草前カバー無色透明部6442aと草前カバー不透明部6446とで草前カバー6440を構成してもよい。あるいは、無色透明の合成樹脂により草前カバー6440全体を形成し、草前カバー6440前面の一部に後方が視認不能となるシールや印刷をほどこすことで、草前カバー不透明部6446を形成してもよい。また、草前カバー6440前面の一部に後方が視認不能となるシールや印刷をほどこすことで、草前カバー不透明部6446を形成するのではなく、草前カバー6440後面の一部に後方が視認不能となるシールや印刷をほどこすことで、草前カバー不透明部6446を形成するように構成してもよい。この場合、草前カバー6440において、シールや印刷を施した部位の手前側については、その態様が視認可能となる。例えば、草前カバー6440が有色透明の合成樹脂によって形成されている場合には、有色透明の合成樹脂の色を視認可能としつつ、草前カバー6440の後方を視認不能とすることが可能となる。また、草前カバー6440の前面に草前カバー光散乱部6444が設けられている場合には、草前カバー光散乱部6444を視認可能としつつ、草前カバー6440の後方を視認不能とすることが可能となる。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。なお、他の例において、不透明部を設ける際にもこのような構成を採用してもよい。
この例においては、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、草基板6420が白色で直接視認可能であり、また、草前カバー無色透明部6442aを介して草基板6420の白色が間接的に視認可能である。一方、草前カバー不透明部6446については、草基板6420の色に左右されず草前カバー不透明部6446の色が視認可能である。
草前カバー不透明部6446の色として黄色や茶色を採用する例を示したが、この態様においては、枯れ草に雪が積もった態様を表現することが可能となっている。
一方、草基板前面発光部6422を発光状態とした場合には、草基板前面発光部6422の発光色で草基板6420と草前カバー無色透明部6442aを装飾することが可能である。例えば、発光色として緑色を採用することで、草基板前面発光部6422の発光色で草基板6420と、草前カバー無色透明部6442aを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
草前カバー不透明部6446としては光を鏡面反射することが可能な銀色の部材を採用してもよい。例えば、全体をアルミニウム薄膜によりメッキした合成樹脂により草前カバー不透明部6446を構成し、このように構成された草前カバー不透明部6446と、無色透明の合成樹脂により構成される草前カバー無色透明部6442aとを組み立てることで、草前カバー6440を構成してもよい。あるいは、無色透明の合成樹脂により草前カバー6440全体を形成し、草前カバー6440前面の一部に、銀色のシールを張り付けたり、銀色の塗料による印刷を施したり、アルミニウム薄膜によりメッキした部位を設けたりすることで、草前カバー不透明部6446を構成してもよい。なお、このように銀色に形成した不透明部においては、光を反射するという機能を有することとなる。なお、銀色に形成した不透明部状に有色の塗料を塗布したり有色透明のシールを張り付けたりするように構成してもよい。例えば、黄色の塗料を薄く塗布することで不透明部を金色で視認可能とすることが可能となる。なお、他の例において、不透明部や反射部を設ける際にもこのような構成を採用してもよい。
図501(F)に示す例において、草前カバー不透明部6446は銀色で視認可能に構成されている。この場合、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、草前カバー不透明部6446の前面が銀色に、草前カバー無色透明部6442aと草基板6420とが白色で視認可能となるため、草の上に、霜が降りたり、雪が降ったりした態様を表現することが可能となる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様としたときには、草基板前面発光部6422から前方に照射された光が、草前カバー不透明部6446において後方に反射される。
さらに草基板6420が白色であるため、草前カバー不透明部6446において後方に反射された光が草基板6420に入射することで散乱し、最終的に、草基板6420や草前カバー無色透明部6442aを装飾することとなる。このように草基板前面発光部6422から照射された光を効率よく装飾に利用することが可能となる。なお、草前カバー不透明部6446の最前層に有色透明の層を設けることで、草前カバー不透明部6446を銀色でかつ所定色で視認可能とすることができる。
図501(G)は、図501(F)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー不透明部6446に、草前カバー不透明部6446を草前カバー無色透明部6442aに変形した例である。この例においては、草基板前面発光部6422が消灯状態にあるときに、正面視で上から、白色、銀色、白色の態様の草を表現することが可能となっている。
図502(A)は、図501(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては、緑色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。この場合、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、草基板6420により白色に視認可能な部位と、草前カバー有色透明部6442bによる緑色の態様により、草を表現することが可能となっている。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、その発光色として草前カバー有色透明部6442bの色と同じまたは同系統の発光色とすることが望ましく、例えば緑色や黄緑色で発光することが望ましい。この場合には、草前カバー有色透明部6442bの色をそのままに動的な態様での演出が実行可能となる。また、草前カバー有色透明部6442bを通過せずに反射した光が白色の草基板6420を装飾することで、白色の草基板6420が緑色に視認可能となる。
図502(B)は、図502(A)において示した例において、草前カバー有色透明部6442bの一部を草前カバー有色光散乱部6444bに変形した例である。草前カバー6440の色としては、緑色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、白色、緑色、緑色の態様の草を表現できる。また、草基板前面発光部6422の前方に草前カバー有色光散乱部6444bが位置するため、草基板6420の白色に草前カバー有色光散乱部6444bの緑色が混ざった色で視認可能となるもの、草基板前面発光部6422自体は視認困難に構成されている。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、草基板前面発光部6422から照射された光が草前カバー有色光散乱部6444bにおいて散乱し、草前カバー有色透明部6442bを装飾態様とすることが可能となる。また、露出している白色の草基板6420を草基板前面発光部6422の発光色で視認可能とすることができる。
図502(C)は、図502(B)において示した例において、草前カバー有色透明部6442bを草前カバー有色光散乱部6444bに、草前カバー光散乱部6444を草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー6440の色としては、緑色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、白色、緑色、緑色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、草基板前面発光部6422から照射された光が草前カバー有色透明部6442bを通過するとともに、一部の光が通過せずに反射して草前カバー光散乱部6444において散乱し、草前カバー光散乱部6444を装飾態様とすることが可能となる。また、露出している白色の草基板6420まで乱反射した光が到達し、白色の草基板6420を草基板前面発光部6422の発光色で視認可能とすることができる。
図502(D)は、図502(B)において示した例において、草前カバー有色光散乱部6444bを草前カバー不透明部6446に変形した例である。草前カバー6440の色としては、緑色を採用するとよい。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、白色、緑色、黄色または茶色または銀色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、草基板前面発光部6422から照射された光が草前カバー不透明部6446の裏面において反射して、草前カバー有色透明部6442bを装飾態様とすることが可能となる。また反射した光が、露出している白色の草基板6420を装飾することで、白色の草基板6420を草基板前面発光部6422の発光色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草基板前面発光部6422の発光色で草前カバー有色透明部6442bと草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図502(E)は、図502(D)において示した例において、草前カバー有色透明部6442bを草前カバー不透明部6446に、草前カバー不透明部6446を草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー6440の色としては、緑色を採用するとよい。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、白色、黄色または茶色または銀色、緑色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、草前カバー有色透明部6442bを装飾態様とすることが可能となる。また、草基板前面発光部6422から照射された光が草前カバー有色透明部6442bの裏面において散乱したり、草前カバー不透明部6446の裏面において反射したりすることで、露出している白色の草基板6420を装飾することで、白色の草基板6420を草基板前面発光部6422の発光色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草基板前面発光部6422の発光色で草前カバー有色透明部6442bと草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図503(A)は、図501(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー無色光散乱部6444aに変形した例である。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、白色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、草前カバー無色光散乱部6444aを装飾態様とすることが可能となる。また、草基板前面発光部6422から照射された光が草前カバー無色光散乱部6444aの裏面において散乱することで、露出している白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草基板前面発光部6422の発光色で草前カバー無色光散乱部6444aと草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図503(B)は、図503(A)において示した例において、草前カバー無色光散乱部6444aの一部を草前カバー不透明部6446に変形した例である。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、白色、白色、黄色または茶色または銀色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、草前カバー不透明部6446の裏面において反射した光によって草前カバー光散乱部6444を装飾態様とすることが可能となる。また、草前カバー無色光散乱部6444aの裏面において光が散乱することで、露出している白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色光散乱部6444aと、草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図503(C)は、図503(B)において示した例において、草前カバー無色光散乱部6444aを草前カバー不透明部6446に、草前カバー不透明部6446を草前カバー無色光散乱部6444aに、変形した例である。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、白色、黄色または茶色または銀色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、草前カバー無色光散乱部6444aにおいて散乱した光によって、露出している白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色光散乱部6444aと、草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図503(A)〜図503(C)に示した例において、草前カバー6440を有色透明の合成樹脂により形成することで、草前カバー無色光散乱部6444aに代えて草前カバー有色光散乱部6444bを構成するようにしてもよい。具体的には、草前カバー6440を緑色透明の合成樹脂により形成するとよい。
図503(D)は、図503(C)において示した例において、草前カバー無色光散乱部6444aを草前カバー不透明部6446に変形した例である。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、白色、黄色または茶色または銀色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、草前カバー不透明部6446の裏面において反射した光によって、露出している白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草基板6420を緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図501(A)〜図503(D)において示した例においては、草前カバー6440と草前カバー6440よりも外形形状が大きい草基板6420のそれぞれの外形形状が装飾形状として遊技者から視認可能に構成されている。また、草基板前面発光部6422は、草前カバー無色透明部6442a、草前カバー有色透明部6442b、草前カバー無色光散乱部6444a、草前カバー有色光散乱部6444b、草前カバー不透明部6446のうちの1の部材にのみ正面視で覆われる位置に設けられているが、草基板前面発光部6422を構成するLEDをこれらの部材の境界線をなす位置の後方に配置するように構成してもよい。このような構成とすることで、消灯状態において草基板前面発光部6422を構成するLEDが草基板6420に実装されていることを遊技者に目立ちにくくすることが可能となる。
例えば、図501(B)に示す草役物6400において、草前カバー無色透明部6442aと草前カバー有色透明部6442bとのなす境界線の後方に、草基板前面発光部6422を構成するLEDを配置するように構成した場合には、草基板前面発光部6422を構成するLEDの存在が目立ちにくくなるため、草前カバー無色透明部6442aを白色として、草前カバー有色透明部6442bを緑色としてより鮮明に遊技者に視認させることが可能となる。
同様に、草前カバー無色透明部6442aと無色光散乱部6444aとの関係、草前カバー無色透明部6442aと草前カバー不透明部6446との関係、草前カバー有色透明部6442bと草前カバー有色光散乱部6444bとの関係、草前カバー有色透明部6442bと草前カバー不透明部6446との関係、草前カバー無色光散乱部6444aと草前カバー不透明部6446との関係、草前カバー有色光散乱部6444bと草前カバー不透明部6446との関係においてもこれらの境界線の後方に、草基板前面発光部6422を構成するLEDを配置するように構成した場合には、草基板前面発光部6422を構成するLEDの存在を目立ちにくくすることが可能となる。
また、草基板6420が露出している部位と草前カバー無色透明部6442aとの関係、草基板6420が露出している部位と草前カバー有色透明部6442bとの関係、草基板6420が露出している部位と草前カバー無色光散乱部6444aとの関係、草基板6420が露出している部位と草前カバー有色光散乱部6444bとの関係、草基板6420が露出している部位と草前カバー不透明部6446との関係においてもこれらの境界線の後方に、草基板前面発光部6422を構成するLEDを配置するように構成した場合には、草基板前面発光部6422を構成するLEDの存在が目立ちにくくすることが可能となる。
なお、上述した組み合わせにおいて、草前カバー不透明部6446と、草前カバー不透明部6446と組み合わさって境界線をなす部材との組み合わせにおいては、草基板前面発光部6422を構成するLEDの光を、草前カバー不透明部6446と組み合わさって境界線をなす部材に対して効率よく伝達することが可能となる。
草基板前面発光部6422を構成するLEDからの光は、草基板6420に対して垂直に照射するようにしてもよいし、草基板前面発光部6422を構成するLEDが実装される位置における境界線の接線と垂直な方向に照射するようにしてもよい。
例えば、草前カバー無色透明部6442aと無色光散乱部6444aとの組み合わせのように、双方が光を透過可能な部材となっている場合には、草基板前面発光部6422を構成するLEDからの光の照射方向は、草基板6420に対して垂直に照射するように構成するとよい。一方、草前カバー不透明部6446と、草前カバー不透明部6446と組み合わさって境界線をなす部材との組み合わせにおいては、草基板前面発光部6422を構成するLEDが実装される位置における境界線の接線と垂直であり、かつ、草前カバー不透明部6446と組み合わさって境界線をなす部材の方向に光を照射するように構成するとよい。
なお、草基板前面発光部6422を構成するLEDとして長方形状のLEDを採用している場合には、LEDの長手方向が、境界線の向きあるいはLEDを配置する位置における境界線の接戦と一致するように配置するとよい。
なお、境界線をなす2つの部位を1の部材により形成する場合には、境界線にあたる部位に、草基板前面発光部6422を構成するLEDが正面視ではみ出さない同幅程度の大きさのV字状の溝を設けるように構成してもよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422を構成するLEDの前方から視認した場合に、V字状の溝によって草基板前面発光部6422を構成するLEDが屈折して視認されることとなり、草基板前面発光部6422を構成するLEDの存在を目立ちにくくすることが可能となる。なお、形状としては、V字状の溝に限らず屈折可能な構造であればよい。一方、複数の部材を組み合わせることで、境界線が構成される場合には、このような溝を設けることなく、草基板前面発光部6422を構成するLEDが屈折して視認されることとなり、草基板前面発光部6422を構成するLEDの存在を目立ちにくくすることが可能となる。
図501(A)〜図503(D)において示した例においては、草前カバー6440と草前カバー6440よりも外形形状が大きい草基板6420のそれぞれの外形形状が装飾形状として遊技者から視認可能に構成されている。これにより、奥行き感を出すことができる。また、草前カバー6440において、草前カバー無色透明部6442a、草前カバー有色透明部6442b、草前カバー無色光散乱部6444a、草前カバー有色光散乱部6444b、草前カバー不透明部6446のなす境界線においても装飾的な形状が形成されている。
また、草基板6420が露出した状態となっているために、草基板6420そのものの色によって装飾が行われるとともに、草基板前面発光部6422から照射される光によっても、草基板6420に対する装飾が行われる。特に草基板6420を白色として、草基板前面発光部6422から白色以外の色の光を照射した場合には、草基板6420の色を照射した色に変化させて視認可能とすることができる。
また、草基板6420の前面に位置する草前カバー6440と草基板6420との間で、草基板前面発光部6422から照射された光が反射しあうことで、草基板6420の端部方向へ光が反射するように構成されているため、草前カバー6440を構成する部材であって、草基板前面発光部6422の前方に位置しない部材を間接的に照明することが可能である。また、草基板前面発光部6422を消灯状態とした場合と、発光状態とした場合において、異なる色で草役物6400を構成する各部材を装飾態様とすることができる。なお、草基板6420をなす面に対して水平に上方に向けて光が照射されるように草基板前面発光部6422を構成するLEDを草基板6420に実装することで、草基板6420の上方の端部までより光を到達させることができる。
図504(A)〜図506(D)は、図500(D)において示した例を変形した例を示している。これらの例においては、草基板6420と草前カバー6440の大きさが同一に構成されているが、さらに、草前カバー6440の具体的構造の変形例について以下に説明する。
図504(A)に示す例においては、白色の草基板6420の手前に無色透明の草前カバー6440が設けられている。草前カバー6440をなす面にはレンズカットや梨地などの処理は施されておらず平滑に成形されており、草前カバー6440を通過する光が乱反射することがなく通過するように構成されている。この例においては草前カバー6440全体が草前カバー無色透明部6442aとして機能している。このような構成とすることで、草前カバー無色透明部6442aの後方に位置する草基板6420を直接視認可能となっている。また、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、草役物6400全体で白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、露出している白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。
例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色透明部6442aと、草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図504(B)は、図504(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aの一部を草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては、緑色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、白色、緑色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー無色透明部6442aと、草前カバー6440を通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図504(C)は、図504(B)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー有色透明部6442bに、草前カバー有色透明部6442bを草前カバー無色透明部6442aに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては、緑色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、緑色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー無色透明部6442aと、草前カバー6440を通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図504(D)は、図504(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aの一部を草前カバー無色光散乱部6444aに変形した例である。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、白色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色透明部6442aと、草前カバー無色光散乱部6444aと、草前カバー6440を通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図504(E)は、図504(D)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー無色光散乱部6444aに、草前カバー無色光散乱部6444aを草前カバー無色透明部6442aに、変形した例である。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、白色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色透明部6442aと、草前カバー無色光散乱部6444aと、草前カバー6440を通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図504(F)は、図504(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aの一部を草前カバー不透明部6446に変形した例である。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、白色、黄色または茶色または銀色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色透明部6442aと、草前カバー無色透明部6442aを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図504(G)は、図504(F)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー不透明部6446に、草前カバー不透明部6446を草前カバー無色透明部6442aに変形した例である。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、黄色または茶色または銀色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色透明部6442aと、草前カバー無色透明部6442aを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図505(A)は、図504(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては緑色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、草役物6400全体で緑色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー有色透明部6442bを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図505(B)は、図504(D)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては緑色を採用するとよい。この場合、草前カバー6440は、緑色の草前カバー有色光散乱部6444bを有している。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から緑色、緑色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー有色光散乱部6444bと、草前カバー6440を通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図505(C)は、図504(E)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては緑色を採用するとよい。この場合、草前カバー6440は、緑色の草前カバー有色光散乱部6444bを有している。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から緑色、緑色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー光散乱部6444と、草前カバー6440を通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図505(D)は、図504(F)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては緑色を採用するとよい。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から緑色、黄色または茶色または銀色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー有色透明部6442bを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図505(E)は、図504(G)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては緑色を採用するとよい。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から黄色または茶色または銀色、緑色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー有色透明部6442bを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図506(A)は、図504(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー無色光散乱部6444aに変形した例である。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、草役物6400全体で、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色光散乱部6444aと、草前カバー無色光散乱部6444aを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図506(B)は、図504(F)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー無色光散乱部6444aに変形した例である。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、白色または緑色、黄色または茶色または銀色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色光散乱部6444aと、草前カバー無色光散乱部6444aを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図506(C)は、図504(G)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー無色光散乱部6444aに変形した例である。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、黄色または茶色または銀色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー光散乱部6444と、草前カバー光散乱部6444を通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図506(A)〜図506(C)に示した例において、草前カバー6440を有色透明の合成樹脂により形成することで、草前カバー無色光散乱部6444aに代えて草前カバー有色光散乱部6444bを構成するようにしてもよい。具体的には、草前カバー6440を緑色透明の合成樹脂により形成するとよい。
図506(D)は、図504(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー不透明部6446に変形した例である。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、草役物6400全体で、黄色または茶色または銀色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420と草前カバー不透明部6446との間で光が反射することで草役物6400の外周をなす端部まで光が到達し、草役物6400の端部を所定色で装飾することが可能となる。より具体的には、草役物6400を斜めから見たときには草基板6420の端部が露出して見えるため、この露出して見える部分が所定の発光色により光った態様で視認可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草役物6400の外周をなす端部を緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
なお、他の草前カバー不透明部6446を設けた例においてもこのような態様で視認可能とすることができる。
図504(A)〜図506(D)において示した例においては、草前カバー6440と草前カバー6440と同じ大きさの草基板6420のそれぞれの外形形状が装飾形状として遊技者から視認可能に構成されている。また、草前カバー6440において、草前カバー無色透明部6442a、草前カバー有色透明部6442b、草前カバー無色光散乱部6444a、草前カバー有色光散乱部6444b、草前カバー不透明部6446のなす境界線においても装飾的な形状が形成されている。
また、草前カバー無色透明部6442aや草前カバー無色光散乱部6444aを介して草基板6420の色が直接視認可能な状態となっているために、草基板6420そのものの色によって装飾が行われるとともに、草基板前面発光部6422から照射される光によっても、草基板6420に対する装飾が行われる。また、草前カバー有色透明部6442bや草前カバー有色光散乱部6444bを介して草基板6420の色が視認可能な状態となっているために、草前カバー6440の色と草基板6420の色の双方が混ざり合った色によって装飾が行われ、さらには、草基板前面発光部6422から照射される光によっても、草基板6420に対する装飾が行われる。
また、草基板6420の前面に位置する草前カバー6440と草基板6420との間で、草基板前面発光部6422から照射された光が反射しあうことで、草基板6420の端部方向へ光が反射するように構成されているため、草前カバー6440を構成する部材であって、草基板前面発光部6422の前方に位置しない部材を間接的に照明することが可能である。また、草基板前面発光部6422を消灯状態とした場合と、発光状態とした場合において、異なる色で草役物6400を構成する各部材を装飾態様とすることができる。
図507(A)〜図509(D)は、図500(E)において示した例を変形した例を示している。これらの例においては、草基板6420よりも草前カバー6440の大きさが大きく、草基板6420の前面が草前カバー6440によって覆われるとともに、草基板6420の外形よりも外側に草前カバー6440がはみ出した状態に構成されているが、さらに、草前カバー6440の具体的構造の変形例について以下に説明する。
図507(A)に示す例においては、白色の草基板6420の手前に無色透明の草前カバー6440が設けられている。草前カバー6440をなす面にはレンズカットや梨地などの処理は施されておらず平滑に成形されており、草前カバー6440を通過する光が乱反射することがなく通過するように構成されている。この例においては草前カバー6440全体が草前カバー無色透明部6442aとして機能している。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草前カバー無色透明部6442aの後方に位置する草基板6420を直接視認可能となっている。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、無色透明、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色透明部6442aと、草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図507(B)は、図507(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aの一部を草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては、緑色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、無色透明、白色、緑色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー無色透明部6442aと、草前カバー6440を通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図507(C)は、図507(B)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー有色透明部6442bに、草前カバー有色透明部6442bを草前カバー無色透明部6442aに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては、緑色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、緑色透明、緑色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー無色透明部6442aと、草前カバー6440を通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図507(D)は、図507(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aの一部を草前カバー無色光散乱部6444aに変形した例である。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、無色透明、白色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色透明部6442aと、草前カバー光散乱部6444と、草前カバー6440を通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図507(E)は、図507(D)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー無色光散乱部6444aに、草前カバー無色光散乱部6444aを草前カバー無色透明部6442aに変形した例である。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、無色半透明、白色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色光散乱部6444aと、草前カバー無色透明部6442aと、草前カバー6440を通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図507(F)は、図507(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aの一部を草前カバー不透明部6446に変形した例である。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、無色透明、白色、黄色または茶色または銀色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色透明部6442aと、草前カバー無色透明部6442aを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図507(G)は、図507(F)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー不透明部6446に、草前カバー不透明部6446を草前カバー無色透明部6442aに変形した例である。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、黄色または茶色または銀色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色透明部6442aと、草前カバー無色透明部6442aを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図508(A)は、図507(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては緑色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、緑色透明、緑色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー有色透明部6442bを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図508(B)は、図507(D)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては緑色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から緑色透明、緑色、緑色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー有色光散乱部6444bと、草前カバー6440を通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図508(C)は、図508(B)において示した例において、草前カバー有色透明部6442bを草前カバー有色光散乱部6444bに、草前カバー有色光散乱部6444bを草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては、緑色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、緑色半透明、緑色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色光拡散部6444bと、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー6440を通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図508(D)は、図507(F)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては緑色を採用するとよい。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から緑色透明、緑色、黄色または茶色または銀色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー有色透明部6442bを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図508(E)は、図508(D)において示した例において、草前カバー有色透明部6442bを草前カバー不透明部6446に、草前カバー不透明部6446を草前カバー有色透明部6442bに変形した例である。草前カバー有色透明部6442bの色としては、緑色を採用するとよい。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、黄色または茶色または銀色、緑色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー有色透明部6442bと、草前カバー有色透明部6442bを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図509(A)は、図507(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー無色光散乱部6444aに変形した例である。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、無色透明、白色となる態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色光散乱部6444aと、草前カバー無色光散乱部6444aを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図509(B)は、図507(F)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー無色光散乱部6444aに変形した例である。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、無色透明、白色、黄色または茶色または銀色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色光散乱部6444aと、草前カバー無色光散乱部6444aを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図509(C)は、図507(G)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー無色光散乱部6444aに変形した例である。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、黄色または茶色または銀色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420を装飾することができ、白色の草基板6420を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草前カバー無色光散乱部6444aと、草前カバー無色光散乱部6444aを通して視認可能となる草基板6420とを緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図509(A)〜図509(C)に示した例において、草前カバー6440を有色透明の合成樹脂により形成することで、草前カバー無色光散乱部6444aに代えて草前カバー有色光散乱部6444bを構成するようにしてもよい。具体的には、草前カバー6440を緑色透明の合成樹脂により形成するとよい。
図509(D)は、図507(A)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー不透明部6446に変形した例である。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、草役物6400全体で、黄色または茶色または銀色の態様の草を表現できる。
一方、草基板前面発光部6422を発光態様とする際には、白色の草基板6420と草前カバー不透明部6446との間で光が反射することで草基板6420の外周をなす端部まで光が到達し、草基板6420の上方の端部において上方や後方に向けて光を照射することが可能となる。これにより、他の部材に対して所定色の光を照射した装飾を行うことが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草基板6420の外周をなす端部の上方や後方に位置する部材を緑色で装飾することが可能となる。この例においては、草基板6420は、草役物6400自体を装飾するのではなく、他の部材を装飾するために設けられているともいえる。
図507(A)〜図509(D)において示した例においては、草前カバー6440と草基板6420のうちの少なくとも一方の外形形状が装飾形状として遊技者から視認可能に構成されている。また、草前カバー6440において、草前カバー無色透明部6442a、草前カバー有色透明部6442b、草前カバー無色光散乱部6444a、草前カバー有色光散乱部6444b、草前カバー不透明部6446のなす境界線においても装飾的な形状が形成されている。
また、草前カバー無色透明部6442aや草前カバー光散乱部6444を介して草基板6420の色が視認可能な状態となっているために、草基板6420そのものの色によって装飾が行われるとともに、草基板前面発光部6422から照射される光によっても、草基板6420に対する装飾が行われる。また、草基板6420の前面に位置する草前カバー6440と草基板6420との間で、草基板前面発光部6422から照射された光が反射しあうことで、草基板6420の端部方向へ光が反射するように構成されているため、草前カバー6440を構成する部材であって、草基板前面発光部6422の前方に位置しない部材を間接的に照明することが可能である。また、草基板前面発光部6422を消灯状態とした場合と、発光状態とした場合において、異なる色で草役物6400を構成する各部材を装飾態様とすることができる。
図510(A)〜図510(D)は、図500(H)において示した例を変形した例を示している。これらの例においては、草基板6420の後面に草基板後面発光部6424が設けられている。また、草基板6420よりも草後カバー6460の大きさが大きく、草後カバー6460の前面が草基板6420によって覆われるとともに、草基板6420の外形よりも外側に草後カバー6460がはみ出した状態に構成されているが、さらに、草前カバー6440の具体的構造の変形例について以下に説明する。
図510(A)に示す例においては、白色の草基板6420の後方に無色透明の草後カバー6460が設けられている。草後カバー6460をなす面にはレンズカットや梨地などの処理は施されておらず平滑に成形されている。この例においては草前カバー6440全体が草前カバー無色透明部6442aとして機能している。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板6420と草基板6420の後方に位置する草後カバー無色透明部6462aを直接視認可能となっている。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、無色透明、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板後面発光部6424を発光態様とする際には、草後カバー無色透明部6462aを装飾することが可能となる。例えば、草基板後面発光部6424の発光色として緑色を採用することで、草後カバー無色透明部6462aの正面視で露出している部位を緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図510(B)は、図510(A)において示した例において、草後カバー無色透明部6462aを草後カバー有色透明部6462bに変形した例である。草後カバー有色透明部6462bの色としては、緑色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、緑色透明、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板後面発光部6424を発光態様とする際には、草後カバー有色透明部6462bを装飾することが可能となる。例えば、草基板後面発光部6424の発光色として緑色を採用することで、草後カバー有色透明部6462bの正面視で露出している部位を緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図510(C)は、図510(A)において示した例において、草後カバー無色透明部6462aを草後カバー無色光散乱部6464aに変形した例である。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、無色半透明、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板後面発光部6424を発光態様とする際には、草後カバー無色光散乱部6464aを装飾することが可能となる。例えば、草基板後面発光部6424の発光色として緑色を採用することで、草後カバー無色光散乱部6464aの正面視で露出している部位を緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図510(D)は、図510(A)において示した例において、草後カバー無色透明部6462aを草後カバー不透明部6466に変形した例である。草後カバー不透明部6466の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。また、草基板6420の色としては白色を採用するとよい。このような構成とすることで、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、上から、黄色または茶色または銀色、白色の態様の草を表現できる。
一方、草基板後面発光部6424を発光態様とする際には、白色の草基板6420と草後カバー不透明部6466との間で光が反射することで草基板6420の外周をなす端部まで光が到達し、草基板6420の端部周辺を所定色で装飾することが可能となる。例えば、草基板前面発光部6422の発光色として緑色を採用することで、草基板6420の端部周辺を緑色で装飾することが可能となり、草が生えている態様を表現できる。
図510(A)〜図510(D)において示した例においては、草基板6420と草基板6420よりも外形形状が大きい草後カバー6460のそれぞれの外形形状が装飾形状として遊技者から視認可能に構成されている。これにより、奥行き感を出すことができる。
また、草基板6420が露出した状態となっているために、草基板6420そのものの色によって装飾が行われる。また、草基板後面発光部6424を所定色による発光態様とした場合には、草後カバー6460の上方端部に草基板後面発光部6424からの光が到達し、草後カバー6460の上方端部が所定色による装飾されている態様が視認可能となる。
図511(A)〜図512(G)は、図500(A)〜図501(G)において示した例を変形した例を示している。具体的には、図511(A)〜図511(B)に示す例においては、草基板6420にウサギの頭部を模した装飾的な形状の草基板開口部6426が設けられており、草基板開口部6426を介して後方が視認可能に構成されている。
また、図511(C)〜図511(E)、図512(A)〜図512(G)、に示す例においては、草基板6420の前方に草前カバー6440が位置し、草前カバー6440にウサギの頭部を模した装飾的な形状の草前カバー開口部6448が設けられており、草前カバー開口部6448を介して草基板6420が視認可能に構成されている。
また、図511(F)〜図511(H)に示す例においては、草基板6420の後方に草後カバー6460が位置し、草基板6420にウサギの頭部を模した装飾的な形状の草基板開口部6426が設けられており、いる。草基板開口部6426を介して草後カバー6460が視認可能に構成されている。
図511(A)は、図500(A)において示した例において、草基板6420に草基板開口部6426を設けた例である。草基板開口部6426は、草基板6420に打ち抜き穴状の物理的な開口を設けた態様で形成されている。草基板開口部6426はウサギの頭部を模した形状である。草基板開口部6426は複数設けてもよく、この例においては、草基板第1開口部6426aと、草基板第1開口部6426aよりも小さい草基板第2開口部6426bが設けられている。このような構成とすることで、草基板6420の外形形状のみでなく、草基板開口部6426においても装飾的な形状を実現することができる。また、草基板開口部6426から後方を視認することが可能となる。
図511(B)は、図500(B)において示した例において、草基板6420に草基板開口部6426を設けた例である。草基板開口部6426は、草基板6420に打ち抜き穴状の物理的な開口を設けた態様で形成されており、草基板開口部6426を介して後方に位置する部材が直接視認可能に構成されている。基板草基板開口部6426はウサギの頭部を模した形状である。草基板開口部6426は複数設けてもよく、この例においては、草基板第1開口部6426aと、草基板第1開口部6426aよりも小さい草基板第2開口部6426bが設けられている。このような構成とすることで、草基板6420の外形形状のみでなく、草基板開口部6426においても装飾的な形状を実現することができる。また、草基板開口部6426から後方を直接視認することが可能となる。
図511(C)は、図500(C)において示した例において、草前カバー6440に草前カバー開口部6448を設けた例である。草前カバー開口部6448は、草前カバー6440に打ち抜き穴状の物理的な開口を設けた態様で形成されており、草前カバー開口部6448を介して後方に位置する草基板6420が直接視認可能に構成されている。草前カバー開口部6448はウサギの頭部を模した形状である。草前カバー開口部6448は複数設けてもよく、この例においては、草前カバー第1開口部6448aと、草前カバー第1開口部6448aよりも小さい草前カバー第2開口部6448bが設けられている。
草前カバー第1開口部6448aは正面視において、草基板前面発光部6422の一部を構成する草基板前面第1発光部6422aと重なる位置に設けられており、草前カバー第1開口部6448aを介して草基板前面第1発光部6422aが直接視認可能に構成されている。一方、草前カバー第2開口部6448bは正面視において、草基板前面発光部6422の一部を構成する草基板前面第2発光部6422bや草基板前面第3発光部6422cとは重ならない位置に設けられている。このような構成とすることで、草前カバー6440の外形形状のみでなく、草前カバー開口部6448においても装飾的な形状を実現することができる。また、草前カバー開口部6448から草基板6420を視認することが可能となっており、草前カバー開口部6448の形状と、草前カバー開口部6448から視認される草基板6420の色とにより装飾が行われる。
草基板前面第1発光部6422aを発光態様とした場合には、草前カバー6440における草前カバー第1開口部6448aをなす端面と草前カバー第1開口部6448aが設けられる部位において露出する草基板6420が草基板前面第1発光部6422aから発せられた光によって直接装飾された態様となる。
一方、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cを発光態様とした場合には、草前カバー第2開口部6448bをなす端面については草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cから発せられた光によって装飾された態様となる。一方、草前カバー第2開口部6448bが設けられる部位において露出する草基板6420については、露出する部分の全面が完全に照明されるわけではなく、露出する部分の外周をなす部分が、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cから発せられた光によって装飾された態様となる。
図511(D)は、図511(C)において示した例において、草前カバー6440の大きさを草基板6420と同じ大きさに変形した例である。また、図511(E)は、図511(C)において示した例において、草前カバー6440の大きさを草基板6420よりも大きく変形した例である。これらの例においても、図511(C)に示す例における草前カバー開口部6448と同様の態様を採用することで同様の効果が得られる。
図511(F)は、図500(F)において示した例において、草基板6420に草基板開口部6426を設けた例である。草基板開口部6426は、草基板6420に打ち抜き穴状の物理的な開口を設けた態様で形成されており、草基板開口部6426を介して後方に位置する草後カバー6460が直接視認可能に構成されている。草基板開口部6426はウサギの頭部を模した形状である。草基板開口部6426は複数設けてもよく、この例においては、草基板第1開口部6426aと、草基板第1開口部6426aよりも小さい草基板第2開口部6426bが設けられている。草基板第1開口部6426aの周囲には、草基板後面発光部6424は設けられていない。また、草基板第2開口部6426bの左右を挟むように草基板後面第1発光部6424aと草基板後面第2発光部6424bとが設けられている。
このような構成とすることで、草基板6420の外形形状のみでなく、草基板開口部6426においても装飾的な形状を実現することができる。また、草基板開口部6426から草後カバー6460を視認することが可能となる。また、草基板開口部6426の形状と、草基板開口部6426から視認される草後カバー6460の色とにより、装飾が行われる。
草基板後面第1発光部6424aと草基板後面第2発光部6424bを発光態様とした場合には、草基板第2開口部6426bから露出する草後カバー6460が草基板後面第1発光部6424aと草基板後面第2発光部6424bから照射される光により装飾される。一方、草基板第1開口部6426aから露出する草後カバー6460は、草基板後面第1発光部6424aと草基板後面第2発光部6424bから照射される光により装飾されるものの、草後カバー6460の草基板第2開口部6426bから露出する部位と比べると到達する光量が少なくなる。このため、草後カバー6460の草基板第1開口部6426aから露出する部位は、草後カバー6460の草基板第2開口部6426bから露出する部位よりも少ない光量で装飾された態様となる。
なお、草基板後面第1発光部6424aを消灯態様とし、草基板後面第2発光部6424bのみを所定色(例えば緑色)で点灯態様とする演出を実行可能に構成してもよい。この場合には、草後カバー6460の草基板第1開口部6426aから露出する部位については、光がほぼ届かないため実質的に装飾状態とならず、草後カバー6460の草基板第2開口部6426bから露出する部位についてのみ装飾態様とすることができる。
図511(G)は、図511(F)において示した例において、草後カバー6460の大きさを草基板6420と同じ大きさに変形した例である。また、図511(H)は、図511(F)において示した例において、草後カバー6460の大きさを草基板6420よりも大きく変形した例である。これらの例においても、図511(F)に示す例における草基板開口部6426と同様の態様を採用することで同様の効果が得られる。
図512(A)は、図501(A)において示した例において、草前カバー6440に草前カバー開口部6448を設けた例である。この例においては、白色の草基板6420の手前に無色透明の草前カバー6440が設けられている。草前カバー第1開口部6448aは正面視において、草基板前面発光部6422の一部を構成する草基板前面第1発光部6422aと重なる位置に設けられており、草前カバー第1開口部6448aを介して草基板前面第1発光部6422aが直接視認可能に構成されている。一方、草前カバー第2開口部6448bは正面視において、草基板前面発光部6422の一部を構成する草基板前面第2発光部6422bや草基板前面第3発光部6422cとは重なっておらず、草前カバー6440と重なる位置に設けられている。
この例においては、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、草前カバー開口部6448を介して草基板6420が白色で直接視認可能であり、また、草前カバー無色透明部6442aを介していることで、草基板6420が白色として視認可能である。そのため、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、草前カバー開口部6448により形成されるウサギを模した形状は目立つことがない。また、草基板6420の前面に設けられる草基板前面発光部6422は草基板6420と同じ色である白色のLEDから構成されているため草基板6420の前面に設けられる草基板前面発光部6422が目立つことがなく、遊技者が草基板前面発光部6422の存在に気付くといった事態の発生を抑止することが可能となる。
草基板前面第1発光部6422aを発光態様とした場合には、草前カバー第1開口部6448aをなす端面と草前カバー第1開口部6448aが設けられる部位において露出する草基板6420が草基板前面第1発光部6422aから発せられた光によって直接装飾された態様となる。例えば、草基板前面第1発光部6422aの発光色として茶色を採用した場合には、草前カバー第1開口部6448aが設けられる部位において露出する草基板6420と草前カバー第1開口部6448aをなす端面については茶色で装飾態様となるものの、草基板6420の露出しない部分については基板の色である白色として遊技者に視認される。
一方、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cを発光態様とした場合には、草前カバー第2開口部6448bをなす端面については草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cから発せられた光によって装飾された態様となる。一方、草前カバー第2開口部6448bが設けられる部位において露出する草基板6420については、露出する部位の全面が完全に照明されるわけではなく、露出する部位の外周をなす部分が、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cから発せられた光によって装飾された態様となる。例えば、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cの発光色として緑色を採用した場合には、草前カバー6440と草前カバー第2開口部6448bをなす端面については緑色で装飾態様となるものの、草前カバー第2開口部6448bが設けられる部位において露出する草基板6420の中央付近については草基板6420の色である白色として遊技者に視認される。
図512(B)は、図501(B)において示した例において、草前カバー6440に草前カバー開口部6448を設けた例である。この例においては、草前カバー6440が上部の草前カバー無色透明部6442aと下部の草前カバー有色透明部6442bとにより形成されているが、草前カバー有色透明部6442bに草前カバー開口部6448を設けている。草前カバー有色透明部6442bの色としては緑色を採用するとよい。この例においては、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、草前カバー開口部6448を介して草基板6420が白色で直接視認可能であり、また、緑色の草前カバー有色透明部6442bを介していることで、白色の草基板6420が緑色として視認可能である。これにより緑色の草の中に白色のウサギがいるかのような態様を表現することができる。
草基板前面第1発光部6422aを発光態様とした場合には、草前カバー第1開口部6448aをなす端面と草前カバー第1開口部6448aが設けられる部位において露出する草基板6420が草基板前面第1発光部6422aから発せられた光によって直接装飾された態様となる。例えば、草基板前面第1発光部6422aの発光色として茶色を採用した場合には、草前カバー第1開口部6448aが設けられる部位において露出する草基板6420と草前カバー第1開口部6448aをなす端面については茶色で装飾態様となるものの、草基板6420の草前カバー第1開口部6448aから露出しない部分については白色の草基板6420が緑色として遊技者に視認される。あるいは、草基板前面第1発光部6422aの発光色として、草前カバー有色透明部と同じ色である緑色を採用した場合には、草前カバー第1開口部6448aが設けられる部位において露出する草基板6420と草前カバー第1開口部6448aをなす端面が緑色の発光色により装飾態様となり、草前カバー有色透明部と同様の色となるため、ウサギが草に隠れたかのような態様を表現することができる。
一方、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cを発光態様とした場合には、草前カバー第2開口部6448bをなす端面については草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cから発せられた光によって装飾された態様となる。一方、草前カバー第2開口部6448bが設けられる部位において露出する草基板6420については、露出する部分の全面が完全に照明されるわけではなく、露出する部分の外周をなす部分が、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cから発せられた光によって装飾された態様となる。例えば、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cの発光色として緑色を採用した場合には、草前カバー6440と草前カバー第2開口部6448bをなす端面については緑色で装飾態様となるものの、草前カバー第2開口部6448bが設けられる部位において露出する草基板6420については基板の色である白色として遊技者に視認される。
図512(C)は、図512(B)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー有色透明部6442bに、草前カバー有色透明部6442bを草前カバー無色透明部6442aに変形した例である。この例においては、正面視で上から、白色、緑色、白色の態様の草を表現することが可能となっている。また、草前カバー開口部6448を設けたことに関して、図512(A)を例示して示した実施態様を採用することで同様の効果を奏する。
図512(D)は、図501(D)において示した例において、草前カバー6440に草前カバー開口部6448を設けた例である。この例においては、草前カバー6440が上部の草前カバー無色透明部6442aと下部の草前カバー無色光散乱部6444aとにより形成されているが、草前カバー無色光散乱部6444aに草前カバー開口部6448を設けている。この例においては、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、草前カバー開口部6448を介して草基板6420が白色で直接視認可能であり、また、草前カバー無色光散乱部6444aを介していることで、白色の草基板6420が白色として視認可能である。これにより白色の草の中に白色のウサギが隠れているかのような態様を表現することができる。
草基板前面第1発光部6422aを発光態様とした場合には、草前カバー第1開口部6448aをなす端面と草前カバー第1開口部6448aが設けられる部位において露出する草基板6420が草基板前面第1発光部6422aから発せられた光によって直接装飾された態様となる。例えば、草基板前面第1発光部6422aの発光色として緑色を採用した場合には、草前カバー第1開口部6448aが設けられる部位において露出する草基板6420と草前カバー第1開口部6448aをなす端面については緑色で装飾態様となるものの、草基板6420の草前カバー第1開口部6448aから露出しない部分については白色の草基板6420が白色として遊技者に視認される。
一方、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cを発光態様とした場合には、草前カバー第2開口部6448bをなす端面については草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cから発せられた光によって装飾された態様となる。一方、草前カバー第2開口部6448bが設けられる部位において露出する草基板6420については、露出する部分の全面が完全に照明されるわけではなく、露出する部分の外周をなす部分が、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cから発せられた光によって装飾された態様となる。例えば、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cの発光色として緑色を採用した場合には、草前カバー6440と草前カバー第2開口部6448bをなす端面については緑色で装飾態様となるものの、草前カバー第2開口部6448bが設けられる部位において露出する草基板6420については基板の色である白色として遊技者に視認される。これにより、緑色の草の中に白色のウサギがいるかのような態様を表現することができる。
図512(E)は、図512(D)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー無色光散乱部6444aに、草前カバー無色光散乱部6444aを草前カバー無色透明部6442aに変形した例である。この例においては、正面視で上から、白色、白色、白色の態様の草を表現することが可能となっている。また、草前カバー開口部6448を設けたことに関して、図512(A)を例示して示した実施態様を採用することで同様の効果を奏する。
図512(F)は、図501(F)において示した例において、草前カバー6440に草前カバー開口部6448を設けた例である。この例においては、草前カバー6440が上部の草前カバー無色透明部6442aと下部の草前カバー不透明部6446とにより形成されているが、草前カバー不透明部6446に草前カバー開口部6448を設けている。草前カバー不透明部6446の色としては黄色や茶色あるいは銀色を採用するとよい。
この例においては、草基板前面発光部6422が消灯状態の場合には、草前カバー開口部6448を介して草基板6420が白色で直接視認可能であり、また、草前カバー不透明部6446は黄色や茶色あるいは銀色で視認可能である。これにより黄色や茶色あるいは銀色の草の中に白色のウサギが隠れているかのような態様を表現することができる。
草基板前面第1発光部6422aを発光態様とした場合には、草前カバー第1開口部6448aをなす端面と草前カバー第1開口部6448aが設けられる部位において露出する草基板6420が草基板前面第1発光部6422aから発せられた光によって直接装飾された態様となる。例えば、草基板前面第1発光部6422aの発光色として黄色や茶色を採用した場合や、発光態様として白色の点滅態様を採用した場合には、草前カバー第1開口部6448aが設けられる部位において露出する草基板6420と草前カバー第1開口部6448aをなす端面については黄色や茶色あるいは白色の点滅態様で装飾態様となる。また、草基板6420の草前カバー第1開口部6448aから露出しない部分については草前カバー不透明部6446の色である黄色や茶色あるいは銀色として遊技者に視認される。これにより、草前カバー第1開口部6448aと草前カバー不透明部6446とが同一の装飾態様となり、上記した消灯状態からこのような発光態様とした場合には、白色のウサギがいなくなったかのような態様を表現することができる。一方、草基板前面第1発光部6422aの発光色として白色を採用した場合には、草前カバー第1開口部6448aが設けられる部位において露出する草基板6420と草前カバー第1開口部6448aをなす端面については白色で装飾態様となる。また、草基板6420の草前カバー第1開口部6448aから露出しない部分については草前カバー不透明部6446の色である黄色や茶色あるいは銀色として遊技者に視認される。これにより、上記した消灯状態からこのような発光態様とした場合には、基板の色のみで白色として視認されていた草前カバー第1開口部6448aが設けられる部位において露出する草基板6420を、草基板前面第1発光部6422aの発光色によっても白色とすることができ、白色のウサギをより強調する態様で表現することができる。
一方、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cを発光態様とした場合には、草前カバー第2開口部6448bをなす端面については草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cから発せられた光によって装飾された態様となる。一方、草前カバー第2開口部6448bが設けられる部位において露出する草基板6420については、露出する部分の全面が完全に照明されるわけではなく、露出する部分の外周をなす部分が、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cから発せられた光によって装飾された態様となる。例えば、草基板前面第2発光部6422b、草基板前面第3発光部6422cの発光色として白色を採用した場合には、草前カバー第2開口部6448bをなす端面については開口部が縁取られるように白色で装飾態様となるものの、草前カバー第2開口部6448bが設けられる部位において露出する草基板6420については基板の色である白色として遊技者に視認される。これにより、黄色や茶色あるいは銀色の草の中に白色のウサギが隠れているかのような態様をより強調して態様で表現することができる。
図512(G)は、図512(F)において示した例において、草前カバー無色透明部6442aを草前カバー不透明部6446に、草前カバー不透明部6446を草前カバー無色透明部6442aに変形した例である。この例においては、正面視で上から、白色、黄色または茶色または銀色、白色の態様の草を表現することが可能となっている。また、草前カバー開口部6448を設けたことに関して、図512(A)を例示して示した実施態様を採用することで同様の効果を奏する。
図511(A)〜図512(G)において示した例においては、前方(草基板6420や草前カバー6440)に設けられる装飾部材に装飾的な形状の開口部(草基板開口部6426や草前カバー開口部6448)を設けて後方に設けられる部材を視認可能とすることで、装飾的な形状の開口部が際立った状態で遊技者に視認可能に構成されている。また、前方に設けられる部材と後方に設けられる部材とで、色や透明度などが異なるものとなっているため、開口部の形状をより際立てることができる。またこのような開口部が装飾状態となることを演出として用いるように構成してもよい。
図500(A)〜図500(H)、図501(A)〜図501(G)に示した例において、開口部を設ける変形例を図511(A)〜図512(G)において示したが、図502(A)〜図510(D)に示した例において、同様に開口部を設けるように構成してもよい。
草前カバー6440に打ち抜き状に物理的な開口を設けることで、草前カバー開口部6448を形成し後方を視認可能とする領域を形成する例を示したが、打ち抜き状に物理的な開口を設ける方法に代えて、後方が視認不能あるいは視認困難な領域と、後方が相対的に視認容易な領域との境界線により視認可能領域の外形形状を形成するようにしてもよい。
例えば、外側の視認不能な領域を草前カバー不透明部6446により構成し、内側の視認容易な領域を草前カバー透明部6442により構成するようにしてもよい。あるいは、外側の視認困難な領域を有色の草前カバー不透明部6446により構成し、内側の視認容易な領域を草前カバー光散乱部6444により構成したり、外側の視認困難な領域を有色の草前カバー光散乱部6444により構成し、内側の視認容易な領域を草前カバー有色透明部6442bにより構成したり、外側の視認困難な領域を無色の草前カバー光散乱部6444により構成し、内側の視認容易な領域を草前カバー無色透明部6442aにより構成したり、外側の視認困難な領域を草前カバー有色透明部6442bにより構成し、内側の視認容易な領域を草前カバー無色透明部6442aにより構成したりするようにしてもよい。あるいは、草前カバー6440が、草前カバー無色透明部6442a、草前カバー有色透明部6442b、草前カバー無色光散乱部6444a、草前カバー有色光散乱部6444b、草前カバー不透明部6446の内の少なくとも2つを備え、このうちの2つ以上の領域にまたがって、内側の視認容易な領域を設けるように構成してもよい。このような態様とすることでも、装飾的な形状でありかつ後方が視認容易な領域を設けることができる。
図512(B)〜図512(G)において、草前カバー開口部6448を設ける箇所は、草前カバー有色透明部6442b、草前カバー光散乱部6444、草前カバー不透明部6446などの1の領域のみとしていたが、草前カバー6440を構成する複数の領域にまたがって、草前カバー開口部6448を設けるように構成してもよい。具体的には、草前カバー6440が、草前カバー無色透明部6442a、草前カバー有色透明部6442b、草前カバー無色光散乱部6444a、草前カバー有色光散乱部6444b、草前カバー不透明部6446の内の少なくとも2つを備え、このうちの2つ以上の領域にまたがって、草前カバー開口部6448を設けるように構成してもよい。
図500(A)〜図512(G)を示して、草役物6400について消灯状態あるいは発光状態において装飾態様として視認可能である例を示したが、これらの状態は遊技における演出として用いられる。例えばこれらの状態のうちの1の状態が遊技機における所定の事象を遊技者に報知するように構成してもよい。あるいは、これらの状態が上述したある状態から上述した他の状態に変化したときに変化することによって所定の事象を遊技者に報知するように構成するとよい。所定の事象としては、例えば、大当り期待度を示したり、操作ボタン410が操作可能になることを示す予告などとしてもよい。
図500(C)〜図500(E)、図501(A)〜図509(D)、図511(C)〜図512(G)において、草基板6420の前方に草前カバー6440を設ける例を示した。また、図500(F)〜図500(H)、図510(A)〜図510(D)において、草基板6420の後方に草後カバー6460を設ける例を示したが、草基板6420の前方に草前カバー6440を設ける実施態様のうちの任意の1の実施態様と、草基板6420の後方に草後カバー6460を設ける実施態様の内の任意の1の実施態様とを組み合わせるように構成してもよい。
実施態様を組み合わせる場合には、草基板6420の形状としては同じ大きさのものを採用することが好ましい。また、図500(C)や図500(F)に示す実施態様のように草基板6420よりも草前カバー6440と草後カバー6460がそれぞれ小さく構成されている場合には、草前カバー6440と草後カバー6460を同じ大きさとして、実施例同士を組み合わせるとよい。この場合には、正面視で、草前カバー6440と草後カバー6460の外縁とがちょうど重なり合うこととなる。また、図500(D)や図500(G)に示す実施態様のように草基板6420と草前カバー6440と草後カバー6460が同じ大きさとなっている場合には、それらを同じ大きさとして、実施例同士を組み合わせるとよい。この場合には、正面視で、草前カバー6440と草基板6420と草後カバー6460の外縁とがちょうど重なり合うこととなる。また、図500(E)や図500(H)に示す実施態様のように草基板6420よりも草前カバー6440と草後カバー6460がそれぞれ大きく構成されている場合には、草前カバー6440と草後カバー6460を同じ大きさとして、実施例同士を組み合わせるとよい。この場合には、正面視で、草前カバー6440と草後カバー6460の外縁とがちょうど重なり合うこととなる。また、草前カバー6440と草後カバー6460を同じ色の合成樹脂により構成するとよく、また、草前カバー6440が無色透明の合成樹脂により形成されている場合には、草後カバー6460を無色透明の合成樹脂により形成するとよい。また、草前カバー6440が緑色透明の合成樹脂により形成されている場合には、草後カバー6460を緑色透明の合成樹脂により形成するとよい。
実施態様を組み合わせた場合には、草基板6420が草基板前面発光部6422と草基板後面発光部6424の双方を備えることとなるが、草基板前面発光部6422と草基板後面発光部6424のうち一方については備えないように構成してもよい。例えば、図500(E)、図500(H)に示した例同士を組み合わせた場合には、草前カバー6440と草後カバー6460とが草基板6420よりも正面視で大きくなる。そのため、草基板前面発光部6422からの光によって、草後カバー6460を装飾することが可能となる。また、草基板後面発光部6424からの光によって、草前カバー6440を装飾することも可能となる。この場合、草前カバー6440や草後カバー6460において、正面視で外周縁をなす端部において端部を縁取るように光散乱部を設けることが望ましい。なお、草基板前面発光部6422と草基板後面発光部6424の双方を備えないように構成してもよい。この場合、草基板6420は、例えば、周辺制御基板1510からの信号を他の役物に中継する機能を有するように構成してもよい。
図496において示した第1草可動部6360と第2草可動部6370の各々に対して、上述した草役物6400における任意の1の例を適用してもよい。具体的には、第1草可動部6360、第2草可動部6370の外形形状については変更せず、第1草可動部6360において外側の領域を構成する第1草装飾部6360a以外の領域と、第1草可動部6360において内側の領域を構成する第1草装飾部6360aとに対し、草役物6400における任意の1の例における外側の領域を構成する部材と、内側の領域を構成する部材とを当てはめるとよい。また、第2草可動部6370において外側の領域を構成する第2草装飾部6370a以外の領域と、第2草可動部6370において内側の領域を構成する第2草装飾部6370aとに対し、草役物6400における任意の1の例における外側の領域を構成する部材と内側の領域を構成する部材とを当てはめるとよい。
また、草役物6400における任意の1の例を、第1草可動部6360、第2草可動部6370の双方に対して適用してもよい。例えば、第1草可動部6360、第2草可動部6370の双方に図510(B)に示す例を適用してもよい。この場合、左右の白色の草基板6420が接していることで1の装飾体を形成していることとなる。また、左右の緑色透明の草後カバー6460が接していることで1の装飾体を形成していることともなる。一方、第1草可動部6360、第2草可動部6370が左右に移動した場合でも、左右の白色の草基板6420、左右の緑色透明の草後カバー6460はそれぞれ単体として1の装飾体を形成している。
図495において、第3草役物6480が設けられ、その後方に第4草役物6485が設けられているが、正面視で第4草役物6485の左半分は、前方に位置する第3草役物6480に隠されるように構成されている。ここで、第3草役物6480と第4草役物6485の各々に対して、上述した草役物6400における任意の1の例を適用してもよい。この際、第3草役物6480と第4草役物6485が備える草基板6420の大きさを同一とすることが望ましい。また、第3草役物6480と第4草役物6485が備えうる草基板前面発光部6422や草基板後面発光部6424の一方あるいは双方を同時に上述した例のごとく発光態様として演出をなすように構成してもよい。
以下に、第3草役物6480として図510(A)に示した草役物6400を、第4草役物6485として図507(E)に示した草役物6400を採用した例を示す。この場合、前方に設けられた第3草役物6480の草基板6420が備える草基板後面発光部6424を発光させた場合に、第4草役物6485が備える草前カバー無色光散乱部6444a、草前カバー無色透明部6442a、白色の草基板6420を前方側から照明することが可能となる。また、第4草役物6485は、第3草役物6480から照射された光を効率よく前方に乱反射し演出として遊技者の興趣を高めることが可能となる。
一方で、第4草役物6485が備える草基板前面発光部6422から光を照射することで、第3草役物6480の草後カバー6460を装飾することが可能である。このとき、遊技者から装飾された態様として視認可能となるのは草後カバー6460の上方等の周縁部のみであるが、草後カバー6460を通過して光は白色の草基板6420によって後方に乱反射して、第4草役物6485に向けて照射され、第4草役物6485が備える草前カバー無色光散乱部6444aを装飾することとなる。
このように、前方に設けられる第3草役物6480と後方に設けられる第4草役物6485との間で交互に光が乱反射することで、光源の位置を遊技者から視認不能な位置に配置しつつ効率よく前方に光を反射させることが可能となる。特に、草前カバー不透明部6446や草後カバー不透明部6466として光を鏡面反射することが可能な銀色の部材を採用したときには、より効率よく光を反射させることが可能となる。
前方に設けられる第3草役物6480と後方に設けられる第4草役物6485とが、正面視で一部重なっている例を示したが、第3草役物6480と第4草役物6485とが正面視で完全に重なるように構成してもよい。また、第3草役物6480を第4草役物6485よりも大きく構成してもよい。そして、正面視において、第4草役物6485が第3草役物6480の後方に完全に隠れるように構成してもよい。あるいは、正面視で隣接はするものの重ならない位置に配置するように構成してもよい。
第3草役物6480と後方に設けられる第4草役物6485の一方あるいは双方を演出として移動可能に構成してもよい。例えば、前方に設けられる第3草役物6480と後方に設けられる第4草役物6485とが、正面視で一部重なっている例を示したが、この状態から、第3草役物6480と第4草役物6485とが正面視で完全に重なるように構成してもよい。この場合、第3草役物6480と第4草役物6485のいずれか一方が左右方向に移動することで、第3草役物6480と第4草役物6485とが正面視で完全に重なるように構成してもよいし、第3草役物6480と第4草役物6485の双方が左右方向に移動することで、第3草役物6480と第4草役物6485とが正面視で完全に重なるように構成してもよい。なお、この場合、第3草役物6480と第4草役物6485とが、正面視でまったく重ならない状態から、重なる状態に移動できるように構成してもよい。また、移動方向としては左右方向のみでなく、上下方向に移動可能に構成してもよい。この場合には、草役物自身の高さ分、上方あるいは下方に移動する可能に構成するとよい。このような構成とした場合でも、第3草役物6480と第4草役物6485とが、正面視でまったく重ならない状態から、重なる状態に移動できるように構成することができる。そして、このような第3草役物6480と第4草役物6485が正面視で重なった状態において上述した各例のような発光態様をとることが可能なように構成するとよい。
草役物6400が移動可能な例を示したが、草役物6400が移動することでまた、開口部(草基板開口部6426や草前カバー開口部6448)が視認困難または視認不能な状態から視認可能な状態へと変化することを演出として採用するようにしてもよい。具体的には、前方に設けられる第3草役物6480と、後方に設けられ、草基板開口部6426や草前カバー開口部6448を備える第4草役物6485との関係において、正面視で第3草役物6480の後方に、第4草役物6485が備える草基板開口部6426や草前カバー開口部6448が位置する状態から、正面視で第3草役物6480の後方に、第4草役物6485が備える草基板開口部6426や草前カバー開口部6448が位置しない状態へと変化して、正面視で草基板開口部6426や草前カバー開口部6448が遊技者から視認可能となるように構成するとよい。
草役物6400が移動可能な例を示したが、草役物6400が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域と重なる位置に演出として移動できるように構成してもよい。また、このとき、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に演出として所定の画像を表示するように構成してもよい。具体的には、草役物6400が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域と重なる位置に下方から移動してきたときに、草役物6400の移動に合わせて、草役物6400の輪郭を模した画像を上方に移動表示するように構成してもよい。このとき、正面視で草役物6400のやや上方において草役物6400の輪郭を模した画像を表示しながら移動するように構成することが望ましい。このような構成とすることで、草役物6400の輪郭を模した画像、草前カバー6440あるいは草基板6422あるいは草後カバー6460によって構成される草役物6400の外形、草前カバー6440を構成する複数の部材間の境界線あるいは透明な草前カバー6440よりも小さく草前カバー6440を通して視認可能な草基板6420などによってそれぞれ表現される草を模した形状が、正面視で上から下にかけて複数設けられている装飾態様を遊技者に対して視認可能とすることができる。このように、表示装置に表示される画像、役物の外形、役物内に設けられている形状の3つによって、1の装飾態様を演出として実現することができる。なお、図502(B)、図507(B)などに示すように草役物6400内に正面視で2つの形状をもつ場合には、合計4つの形状によって1の装飾態様を演出として実現することができる。
草基板6420の背面については、ウサギ役物6000が備えるものと同じ電子部品を実装するように構成してもよい。また、草基板6420を無色透明な合成樹脂により構成し、草基板6420に草基板前面発光部6422や草基板後面発光部6424を構成するLEDを接着剤により取り付けるとともに、LEDに対して電力を供給する配線についても同様に草基板6420に接着剤により取り付けるように構成してもよい。この場合、この配線が遊技者から視認困難となるように草前カバー6440に、草前カバー有色透明部6442bや前カバー無色光散乱部6444aや草前カバー有色光散乱部6444bを設け、正面視でこれらの後方にLEDや配線が位置するように構成してもよい。また、透明な草基板6420にLEDや配線と同形状の模様を印刷や彫刻等により付すことで、草基板6420の透明性を確保しつつもLEDや配線が遊技者から視認困難となるように構成してもよい。この場合、草基板前面発光部6422や草基板後面発光部6424を発光させることで、草前カバー有色透明部6442bや前カバー無色光散乱部6444aや草前カバー有色光散乱部6444b、あるいはLEDや配線と同形状の模様が、照明されて装飾状態となるようにしてもよい。このような構成とすることで、LEDや配線の存在を隠すという機能と装飾という機能の双方をこれらの部材によって実現できる。
図500(C)〜図512(G)に示した例において、1の草基板6420と1の草前カバー6440とで、あるいは1の草基板6420と1の草後カバー6460とで、あるいは1の草基板6420と1の草前カバー6440と1の草後カバー6460とで1の草役物6400を構成する例を示したが、草基板6420、草前カバー6440、草後カバー6460のうちの少なくとも1の部材を複数個に増やして1の草役物6400を構成するようにしてもよい。例えば、1の草基板6420に2つの草前カバー6440を取り付けて、1の草役物6400を構成するようにしてもよいし、1の草前カバー6440に2つの草基板6420を取り付けて、1の草役物6400を構成するようにしてもよい。また、草基板6420、草前カバー6440、草後カバー6460を複数にした場合、複数にした部材のそれぞれにおいて、図500(C)〜図512(G)に示した例における実施態様を独立に適用してもよい。例えば、後述する山役物6500は、1の基板に2の前カバーを設け、このうちの1の前カバーにおいて開口部を設けて後方に位置する基板を視認可能にするとともに、基板にも開口部が設けられている例である。
図507(A)〜図509(D)に示す例において草基板6420の前面に草基板6420よりも大きい草前カバー6440が設けられている。この場合において、草基板6420の外縁部は草前カバー6440を介して視認可能であるが、草基板6420の外縁部が視認困難あるいは視認不能となるように、正面視で草基板6420の外縁部の前方の少なくとも一部に草前カバー光散乱部6444や草前カバー不透明部6446を設けるように構成し、正面視で草基板6420において、外縁部以外の部分の前方に草前カバー無色透明部6442a、草前カバー有色透明部6442bを設けるよう構成してもよい。この様な構成とした場合でも、草基板6420の色を装飾に利用することができる。なお、この場合、草基板6420の外縁部の前方を帯状に覆うように草前カバー光散乱部6444や草前カバー不透明部6446を設けてもよい。あるいは、図507(D)に示した例において、草前カバー6440における草前カバー無色光散乱部6444bの占める領域を上方に拡大して草基板6420の外縁部の前方が草前カバー無色光散乱部6444bによって覆われるように構成してもよい。また、図507(E)に示した例においては、草前カバー6440における草前カバー無色光散乱部6444bの占める領域を上方に縮小して草基板6420の外縁部の前方が草前カバー無色光散乱部6444bによって覆われるように構成してもよい。また、図507(F)、図507(G)においても、同様に、草前カバー不透明部6446の占める領域を上方に拡大あるいは縮小することで、草基板6420の外縁部の前方が草前カバー不透明部6446によって覆われるように構成してもよい。あるいは、装飾的な形状の草前カバー光散乱部6444や草前カバー不透明部6446によって、草基板6420の外縁部の少なくとも一部が覆われるように草前カバー光散乱部6444や草前カバー不透明部6446を設けるように構成した場合でも、同様の効果を得ることができる。
図487や図495において、草役物6400を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域と遊技パネル1100との間の領域に設ける例を示したが、これ以外の位置に草役物6400を設けるように構成してもよい。例えば、遊技パネル1100とガラスユニット190との間の領域に草役物6400を設けるように構成してもよい。あるいは、扉枠3を構成する部材に草役物6400を設けるように構成してもよい。例えば、扉枠左サイドユニット530、扉枠右サイドユニット550、扉枠トップユニット570において草役物を設けるように構成してもよい。なお、草役物6400に限らず、他の役物においても草役物6400と同様の位置に設けるように構成してもよい。
このように、草役物6400においては、草役物6400を構成する複数の部材により、緑色、白色、黄色、茶色、銀色などで視認可能とする演出を実行することが可能となっており、青々とした草や枯れた草、枯れ草に霜が降りたり雪が降ったりした様子を表現することができる。また、これらのうちの1の態様から他の態様に草が変化した様子を表現することができる。
図495に示した例において、ウサギ役物6000や切り株役物6100が山役物6500の前方に設けられている。また、これらの例において、ウサギ役物6000は顔発光部6023を、切り株役物6100は第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bを有しており、これらの発光部から光が前方に照射されることで演出状態をとることが可能である。ところで、これらの例においては、発光部の周囲に設けられた部材によって発光部からの光が乱反射されて、発光部から照射された光の一部が後方に向かってしまい、発光部からの光を効率よく前方に照射できず照射した光の利用効率が低下してしまうという問題点があった。そこで以下に、後方に向かってしまった光を装飾体である山役物6500の前面側において前方に反射させることで、発光部からの光の利用効率を高めることができる例を示す。
図513は、図488などにおいて示したウサギ役物6000の変形例を示している。
図513(A)は、ウサギ役物6000の正面図である。図513(B)は、ウサギ役物6000の斜視図である。図513(C)は、ウサギ役物6000の分解斜視図である。
ウサギ役物6000は、手前側の顔カバー部6010と顔カバー部6010の後ろ側に設けられた顔基板6020、胴体部6030によりユニットとして構成されている。顔基板6020は前面に顔発光部6023として第1顔発光部6023a、第2顔発光部6023bを有している。また、顔基板6020はウサギの口を模した形状の口装飾部6024を有している。顔カバー部6010の鉛直方向底面にはウサギの左右の前脚を模しており、白色不透明の合成樹脂からなる第1腕部6016、第2腕部6017が取り付けられている。また、顔基板6020の下端には、ウサギの胴体部分を模しており、白色不透明の合成樹脂からなる板状の部材である胴体部6030が設けられている。また、顔カバー部6010は無色透明の合成樹脂によって形成されるとともに、第1顔発光部6023a、第2顔発光部6023bに対応する位置にそれぞれ第1顔光散乱部6011a、第2顔光散乱部6011bが設けられている。ここまでは、図488などにおいて示したウサギ役物6000と同一の構成となっている。
一方、図513(A)に示す例においては、顔基板6020が第1耳部6021、第2耳部6022を備えておらず横長の長方形状となっている。また、顔基板6020が、顔カバー部6010が備える顔カバー部上面部6012、顔カバー部右面部6013、顔カバー部下面部6014、顔カバー部左面部6015が形成する後方に向けて凹状となっている部位にはめ込まれるように取付けられている。また顔カバー部6010においては顔カバー部上面部6012の上面が左右2か所で上方に突出した形状となることで、第1耳部6021、第2耳部6022が形成されている。また顔カバー部6010の前面に茶色のインクにより印刷を施すことで第1耳装飾部6021aと第2耳装飾部6022aとが形成されている。
ウサギ役物6000がこのような態様を取る場合には、第1顔発光部6023aや第2顔発光部6023bからの光が、第1顔光散乱部6011aや第2顔光散乱部6011bで乱反射したのちに、顔カバー部上面部6012、顔カバー部右面部6013、顔カバー部下面部6014、顔カバー部左面部6015、第1耳部6021、第1耳装飾部6021a、第2耳部6022、第2耳装飾部6022aなどにおいて、多数回反射して後方へ光が向かってしまう恐れがある。
また、図496〜図499において示した切り株役物6100が備える第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bが発光した場合にも、第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bからの光が、第1後壁カバー光散乱部6358aや第2後壁カバー光散乱部6358bで乱反射したのちに、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340などにおいて、反射して後方へ光が向かってしまう恐れがある。
そこで、ウサギ役物6000や切り株役物6100から後方に向かってしまった光を再度山役物6500の前面側において前方に反射させることで光の利用効率を高める例を以下に示す。
図514(A)は、山役物6500を示している。なお、図中における点線は、ウサギ役物6000と切り株役物6100が設けられている位置を示している。また、ウサギ役物6000については、顔基板6020の外形についても点線で示している。山役物6500は、山基板6520と山基板6520の前面左側に設けられる第1山前カバー6540と山基板6520の前面右に設けられる第2山前カバー6560とから構成されている。
山基板6520は前面および後面が白色のプリント基板により構成されている。また、山基板6520の前面には、山基板前面発光部6522を構成する複数のLEDが実装されている。また、山基板6520の左右方向略中央には、山基板開口部6524が設けられている。山基板開口部6524は、山基板6520に打ち抜き状に物理的な開口を設けることで形成されている。山基板開口部6524を介して後方に位置する部材を視認可能である。
第1山前カバー6540は有色透明の合成樹脂によって構成されており、第1山前カバー有色透明部6542と第1山前カバー有色光散乱部6544と第1山前カバー開口部6548を備えている。このような構成とすることで、白色の山基板6520を第1山前カバー6540の色で視認可能となる。第1山前カバー6540の色は具体的には青色とするとよい。この場合、山に雪が積もったり、山が氷河を有したりしている態様を表現することができる。第1山前カバー開口部6548は、第1山前カバー6540に打ち抜き状に物理的な開口を設けることで形成されている。また、第1山前カバー開口部6548は第1山前カバー有色透明部6542と第1山前カバー有色光散乱部6544にまたがって形成されている。第1山前カバー開口部6548を介して後方に位置する山基板6520が白色で視認可能である。第2山前カバー6560は、無色透明の合成樹脂によって構成されており、第2山前カバー無色透明部6562と第2山前カバー無色光散乱部6564とを備えている。このような構成とすることで、山に雪が積もったり、山が氷河を有したりしている態様を表現することができる。また、山基板開口部6524と第1山前カバー開口部6548はそれぞれ山に洞窟がある態様をその形状により装飾的に表現している。
山基板6520の前面には、山基板前面発光部6522として、山基板前面第1発光部6522a〜山基板前面第9発光部6522iが設けられている。山基板前面第1発光部6522aの前方には、第1山前カバー有色透明部6542が設けられている。山基板前面第2発光部6522bの前方には、第1山前カバー有色光散乱部6544が設けられている。山基板前面第3発光部6522cの前方には、第1山前カバー有色光散乱部6544が設けられているおり、さらにその前方には待機位置にあるウサギ役物6000が備える顔基板6020が位置している。山基板前面第4発光部6522dの前方には、第1山前カバー有色透明部6542が設けられており、さらにその前方には待機位置にあるウサギ役物6000が備える顔基板6020が位置している。山基板前面第5発光部6522eの前方には、切り株役物6100が位置している。山基板前面第6発光部6522fの前方には、切り株役物6100が位置している。山基板前面第7発光部6522gの前方には、第2山前カバー無色透明部6562が設けられており、さらにその前方には切り株役物6100が位置している。山基板前面第8発光部6522hの前方には、第2山前カバー無色透明部6562が設けられている。山基板前面第9発光部6522iの前方には、第2山前カバー無色光散乱部6564が設けられている。
山役物6500は正面視で、山基板6520が露出して白色に視認される領域と、山基板6520の前方が第1山前カバー有色透明部6542に覆われて水色に視認される領域と、山基板6520の前方が第1山前カバー有色光散乱部6544に覆われて水色に視認される領域と、第1山前カバー有色透明部6542の後方に山基板6520が位置せず青色透明に視認される領域と、第1山前カバー有色光散乱部6542bの後方に山基板6520が位置せず青色半透明に視認される領域と、山基板開口部6524が設けられていることで開孔状に後方の部材が視認可能となっている領域と、山基板6520の前方が第2山前カバー無色透明部6562に覆われて白色に視認される領域と、山基板6520の前方が第2山前カバー無色光散乱部6564に覆われて白色に視認される領域と、第2山前カバー無色透明部6562の後方に山基板6520が位置せず透明に視認される領域とから構成されている。
図514(B)は、このような山役物6500の前方に、上述したウサギ役物6000や切り株役物6100が設けられている状態を示している。ウサギ役物6000の後方には、山基板6520が露出して白色に視認される領域と、山基板6520の前方が第1山前カバー有色透明部6542に覆われて水色に視認される領域と、山基板6520の前方が第1山前カバー有色光散乱部6544に覆われて水色に視認される領域が設けられており、これらの領域において前方に設けられたウサギ役物6000が備える第1顔発光部6023aや第2顔発光部6023bからの光を前方に向けて乱反射することで、光の利用効率を高めることが可能となっている。また、切り株役物6100の後方には、山基板6520が露出して白色に視認される領域と、山基板6520の前方が第2山前カバー無色透明部6562に覆われて白色に視認される領域とが設けられており、これらの領域において、前方に設けられた切り株役物6100が備える第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bからの光を前方に向けて乱反射することで、光の利用効率を高めることが可能となっている。このように、この実施形態においては、1の基板が、発光部を備える複数の部材に各々対応して複数の反射領域を備えるように構成されている。
なお、このようにウサギ役物6000や切り株役物6100の後方に位置する山基板6520によって、ウサギ役物6000や切り株役物6100からの光を前方に反射可能に構成する場合には、ウサギ役物6000や切り株役物6100によって隠される基板領域における反射効率を高めることが望ましい。具体的には山基板6520の色として、白色や明色を採用することが望ましい。また、ウサギ役物6000や切り株役物6100によって隠される基板領域において、前方にカバーを設けずに山基板6520が露出するように構成したり、カバーを設ける場合には無色透明なカバーを設けたりするように構成するとよい。図514(A)に示した例においては、ウサギ役物6000の正面視右側に対応する領域において山基板6520が露出した状態となっている。また、この山基板6520が露出した領域においては、山基板6520の前面に、山基板前面発光部6522などの電子部品を実装しないように構成している。また、切り株役物6100に対応する領域において山基板6520は露出するか、第2山前カバー無色透明部6562に覆われる態様のいずれかとなっている。このような態様を採用することで、前方への光の反射効率をより高めることが可能となる。
山基板6520に設けられる山基板前面発光部6522のうち、山基板前面第1発光部6522a、山基板前面第4発光部6522dについては、前方に第1山前カバー有色透明部6542が、山基板前面第2発光部6522b、山基板前面第3発光部6522cについては、前方に第1山前カバー有色光散乱部6544が、山基板前面第9発光部6522iについては、前方に第2山前カバー無色光散乱部6564が設けられている。このように、山基板前面発光部6522の前方に有色あるいは光を散乱するカバーを設けることで、遊技者の目に発光部からの光が直接照射されないように構成されている。一方、山基板前面第5発光部6522e、山基板前面第6発光部6522fについては、前方にカバーが設けられておらず、山基板6520の前面において露出した状態となっている。これは山基板前面第5発光部6522e、山基板前面第6発光部6522fからの光が前方に位置する切り株役物6100を照明するために用いられており、山基板前面第5発光部6522e、山基板前面第6発光部6522fからの光が遊技者に直接照射されることがないためである。このような構成とすることで、山基板前面発光部6522が存在することを目立たなくすることが可能となる。このように、山役物6500においては、山基板前面発光部6522を山基板6500の前面において均等に配置するのではなく、山基板前面発光部6522の前方に位置する第1山前カバー6540、第2山前カバー6560、ウサギ役物6000、切り株役物6100に対応して偏在して配置されている。
図514(C)は、待機位置から移動位置へと移動した状態のウサギ役物6000を点線で示している。この状態においては、それまで正面視でウサギ役物6000の後方に重なる位置にあった山基板前面第3発光部6522cと山基板前面第4発光部6522dが正面視で遊技者から視認可能に構成されている。ウサギ役物6000は上述したような待機位置にある状態で発光するのみでなく、移動位置にある状態においても演出として所定色で発光することが可能である。なお、このときには遊技盤側演出表示装置1600において、ウサギ役物6000の発光色と同じ発光色による演出表示を行うようにしてもよい。例えば、ウサギ役物6000を白色で発光させる場合には、遊技盤側演出表示装置1600においてウサギ役物6000が位置する箇所から放射状に延びる白色の線を表示する演出を実行するように構成してもよい。
図514(C)は、待機位置から移動位置へと移動した状態のウサギ役物6000を点線で示している。正面視でウサギ役物6000の背後には山基板前面第3発光部6522c、山基板前面第4発光部6522dが設けられており、ウサギ役物6000が待機位置にある状態においても、ウサギ役物6000が移動位置にある状態においても演出として所定色で発光することが可能である。例えば、ウサギ役物6000が移動位置にある場合には、遊技盤側演出表示装置1600における白色の線の表示と同時に白色で山基板前面発光部6522を発光させるように構成してもよい。
ウサギ役物6000が待機位置にある状態で山基板前面第3発光部6522c、山基板前面第4発光部6522dが演出として発光態様となった場合には、ウサギ役物6000の顔カバー部上面部6012、顔カバー部右面部6013、顔カバー部下面部6014、顔カバー部左面部6015を、山基板前面第3発光部6522c、山基板前面第4発光部6522dから照射された光が通過して、ウサギの顔の輪郭が発光態様となる。このとき、ウサギ役物6000を構成する顔基板6020の後面においては山基板前面第3発光部6522c、山基板前面第4発光部6522dから照射されて前方に向かってきた光を後方に乱反射することとなり、この光が再度、山役物6500の前面において前方に乱反射されることとなる。このような構成となっていることで、照射された光の利用効率を高めることができる。
図514において示した例においては、正面視における面積において、ウサギ役物6000や切り株役物6100よりも山役物6500が大きく構成されていたが、正面視における面積がウサギ役物6000や切り株役物6100より小さい役物を、ウサギ役物6000や切り株役物6100の後方に配置して、山役物6500と同様の機能を発揮するように構成してもよい。例えば、正面視におけるウサギ役物6000の顔基板6020や切り株役物6100の切り株板部6210が形成する領域内に納まるようにこのような役物を配置するようにしてもよい。また、このような役物としては例えば、図500(A)、図501(A)、図504(A)、図510(A)〜図510(D)に示す草役物6400のように白色の草基板6420の前面が露出していたり、白色の草基板6420の前面を草前カバー無色透明部6442aが覆っていたりするものを採用するようにしてもよい。このような構成とした場合でも、露出している白色の草基板6420あるいは前面を草前カバー無色透明部6442aに覆われた白色の草基板6420によって、ウサギ役物6000や切り株役物6100からの光を前方に乱反射することが可能となる。
図513に示したウサギ役物6000においては、顔カバー部6010に対して、正面視で顔基板6020の全体が完全に納まる態様となっている。このような態様を上述した草役物6400における草前カバー6440と草基板6420との関係に対して適用にするようにしてもよい。この場合には、草前カバー6440に対して、正面視で草基板6420の全体が納まることとなる。あるいは、草役物6400における草後カバー6460と草基板6420との関係に対して適用にするようにしてもよい。この場合には、草後カバー6460に対して、正面視で草基板6420の全体が納まることとなる。具体的には、例えば、花を模した形状の基板を複数個、草前カバー6440の後面や、草後カバー6460の前面に対して、各基板が正面視で重ならず、さらに、草前カバー6440や草後カバー6460に対して各基板の全体が完全に納まるように取付けるように構成してもよい。このような構成とした場合でも、基板と草前カバー6440の組み合わせ、あるいは、基板と草後カバー6460との組み合わせによる装飾を実現することが可能となる。なお、他の例において、基板とカバーを設ける際にもこのような構成を採用してもよい。
図495において示したように、遊技盤5においては、遊技盤側演出表示装置1600と、遊技盤側演出表示装置1600の前方に設けられる遊技パネル1100との間に空間が形成されており、この空間に複数の役物が設けられている。これらの役物の中でも遊技パネル1100の裏面に近接する位置に、第1巨木役物6600、第2巨木役物6650、第1雲役物6700、第2雲役物6750、盤裏草役物6800が設けられている。これらは無色透明な合成樹脂製の遊技パネル1100を介して視認可能であり、遊技パネル1100の後面を装飾するという機能を備えている。
第1巨木役物6600、第2巨木役物6650は、遊技パネル1100の裏面の左右を覆うように設けられている。具体的には、遊技パネル1100の裏面の左側に位置する第1巨木役物6600と、遊技パネル1100の裏面の右側に位置する第2巨木役物6650とからなっている。第1巨木役物6600は、第1巨木幹基板6610と第1巨木葉基板6630とから構成されている。第1巨木幹基板6610は茶色のプリント基板により、第1巨木葉基板6630は緑色のプリント基板により構成されている。第1巨木幹基板6610と第1巨木葉基板6630の後面には、LEDからなる光源が複数配置されており、これらの光源の向きは右方とされている。第2巨木役物6650は、第2巨木幹基板6660と第2巨木葉基板6680とから構成されている。第2巨木幹基板6660は茶色の基板で、第2巨木葉基板6680は緑色の基板により構成されている。第2巨木幹基板6660と第1巨木葉基板6680の後面には、LEDからなる光源が複数配置されており、これらの光源の向きは左方とされている。第1巨木役物6600は、第1巨木幹基板6610と第1巨木葉基板6630から、第2巨木役物6650は、第2巨木幹基板6660と第2巨木葉基板6680とから構成されているが、これらの各基板に対して、図500(A)〜図512(G)に示した草役物6400の草基板6420に係る構造を採用するように構成してもよい。
第1雲役物6700、第2雲役物6750は、遊技パネル1100の裏面の上方を覆うように設けられている。第1雲役物6700と第2雲役物6750はそれぞれ、白色のプリント基板により構成されている。これらの各基板に対して、図500(A)〜図512(G)に示した草役物6400の草基板6420に係る構造を採用するように構成してもよい。
第1巨木役物6600を構成する第1巨木葉基板6630と、第2巨木役物6650を構成する第2巨木葉基板6680は、遊技パネル1100の端部から、遊技領域5a内、さらには遊技パネル開口部1100aに渡り、連続して遊技者から視認可能に構成されている。また、第2雲役物6750は、遊技領域5aの外側から、遊技領域5a内、さらには遊技パネル開口部1100aに渡り、連続して遊技者から視認可能に構成されている。
一方、第1巨木役物6600を構成する第1巨木葉基板6630と、第2巨木役物6650を構成する第2巨木葉基板6680は遊技盤側演出表示装置1600の左上と右上に追いかぶさるように設けられており、遊技盤側演出表示装置1600が四角形状に見えないように構成されている。なお、山役物6500も遊技盤側演出表示装置1600の左下と右下に追いかぶさるように設けられており、遊技盤側演出表示装置1600を四角形状に見えないように構成されている。また、山役物6500は、遊技盤側演出表示装置1600前方に設けられる各役物の中で遊技盤側演出表示装置1600に最も近接した位置に設けられている。
図515は盤裏草役物6800を示している。盤裏草役物6800は、遊技パネル1100の裏面の下方を覆うように、遊技パネル1100の裏面に近接して設けられている。
盤裏草役物6800は、盤裏草基板6820と盤裏草前カバー6840とから構成されている。盤裏草前カバー6840は例えば有色透明の合成樹脂により構成するとよく、具体的には、緑色透明の合成樹脂により構成するとよい。盤裏草基板6820と盤裏草前カバー6840との関係においては、図500(A)〜図512(G)に示した草役物6400の草基板6420と草前カバー6440に係る構造を採用するように構成してもよい。
同様に、盤裏草役物6800に対して草後カバー6460に係る構造を採用するように構成してもよい。
盤裏草役物6800には前面に位置する遊技パネル1100の前面側に設けられた入賞口に入賞し、遊技パネル1100に設けられた開口部を通過してきた遊技球を通過させるための通過部として円形形状の盤裏草基板開口部6824と盤裏草前カバー開口部6848とが設けられている。盤裏草基板開口部6824と盤裏草前カバー開口部6848を通過した遊技球は、盤裏草役物6800に設けられたセンサによって検出される。また、遊技球を検出するセンサは、各通過部の下方かつ盤裏草基板6820の裏面に取付けられている。このような構成とすることでセンサの存在を遊技者に視認しがたくすることが可能となる。なお、以下に示すように盤裏草基板開口部6824として盤裏草基板第1開口部6824a〜盤裏草基板第4開口部6824dが、盤裏草前カバー開口部6848として盤裏草前カバー第1開口部6848a〜盤裏草前カバー第4開口部6848dが設けられている。
盤裏草基板第1開口部6824aと盤裏草前カバー第1開口部6848aは、それぞれ同じ大きさの円形であり、盤裏草役物6800において正面視で重なる位置に設けられている。そして、盤裏草基板第1開口部6824aと盤裏草前カバー第1開口部6848aによって遊技パネル1100に前面側に設けられた入賞口に入賞して遊技パネル1100の裏面に移動してきた遊技球を通過させるための通過部を形成している。
盤裏草基板第2開口部6824bはその前面が盤裏草前カバー6840に覆われておらず、露出した盤裏草基板6820に直接遊技球を通過させるための通過部を構成している。
盤裏草前カバー第2開口部6848bはその後方に盤裏草基板6820が位置しておらず、盤裏草前カバー第2開口部6848bのみで直接遊技球を通過させるための通過部を構成している。この例においては、盤裏草基板6820の形状を盤裏草前カバー第2開口部6848b下方の輪郭に沿う形状としている。このような構成とすることで、盤裏草基板6820の形状を装飾的な外形形状としつつ、盤裏草前カバー第2開口部6848bを通過した遊技球を下方に位置するセンサに誘導する通路を可能な限り視認しがたくすることが可能となっている。
盤裏草基板第3開口部6824cと盤裏草前カバー第3開口部6848cは、それぞれ同じ大きさの円形であり、盤裏草役物6800において正面視で重なる位置に設けられている。そして、盤裏草基板第3開口部6824cと盤裏草前カバー第3開口部6848cによって遊技パネル1100に前面側に設けられた入賞口に入賞して遊技パネル1100の裏面に移動してきた遊技球を通過させるための通過部を形成している。そして、この例においては盤裏草基板第3開口部6824cと盤裏草前カバー第3開口部6848cによって形成される通過部の上部において盤裏草前カバー6840に2つの楕円形状の領域を形成することで、ウサギの頭部を模した装飾的な形状を視認可能としている。このように、遊技球が通過する通過部の形状を装飾的な形状の一部として利用することにより、通過部の存在を目立ちにくくすることができ、盤裏草役物6800の装飾的な機能が損なわれるといった事態の発生を抑止することが可能となっている。
盤裏草基板第4開口部6824dと盤裏草前カバー第4開口部6848dは、それぞれ同じ大きさ及び形状であり、円形形状の外形の上部に2つの楕円形部分が突出したような形状をなしている。また、これらは、盤裏草役物6800において正面視で重なる位置に設けられている。そして、盤裏草基板第4開口部6824dと盤裏草前カバー第4開口部6848dによって遊技パネル1100に前面側に設けられた入賞口に入賞して遊技パネル1100の裏面に移動してきた遊技球を通過させるための通過部を形成している。そして、この例においては盤裏草基板第3開口部6824cと盤裏草前カバー第3開口部6848cの形状そのものをウサギの頭部を模した装飾的な形状として視認可能に構成している。このように、遊技球が通過する通過部の形状を装飾的な形状の一部として利用することにより、通過部の存在を目立ちにくくすることができ、盤裏草役物6800の装飾的な機能が損なわれるといった事態の発生を抑止することが可能となっている。
なお、遊技球が通過する通過部には無色透明の合成樹脂により形成される筒状部材を配置して遊技球を通過させるように構成するとよい。また、筒状部材の有色透明の合成樹脂により形成し、合成樹脂の色として盤裏草前カバー6840と同じ色のものあるいは盤裏草基板6820と同じ色のものを採用するとよい。このような構成とすることで、筒状部材の存在を目立ちにくくすることができ、盤裏草役物6800の装飾的な機能が損なわれるといった事態の発生を抑止することが可能となっている。
第1巨木役物6600、第2巨木役物6650、第1雲役物6700、第2雲役物6750、盤裏草役物6800は正面視でみたときにそれぞれ、遊技パネル1100の前面に取付けられるレール部材5950をまたぐ態様で、遊技パネル1100の後方に位置している。これにより、レール部材5950の存在を意識しない態様で、各役物を装飾物として視認することが可能となる。なお、レール部材5950全体を無色透明の合成樹脂により構成してもよい。あるいは、レール部材5950を長手方向に複数の部材で構成し、そのうちの少なくとも1の部材を無色透明の合成樹脂により構成してもよい。このような構成とすることで、後方に位置する各役物の視認性が向上し、装飾が行われる範囲を広げることが可能となる。また、レール部材5950を後方に位置する役物と同じ色の合成樹脂で形成してもよい。例えば、盤裏草役物6800が緑色で視認可能である場合には、盤裏草役物6800と正面視で重なる位置に設けられるレール部材5950を緑色透明の合成樹脂により形成してもよい。
遊技領域5aに打ち込まれる遊技球は帯電している場合には、意図しない箇所で放電が発生し、高電圧により電子部品が故障したり、放電により発生する電磁パルスにより制御素子が意図しない不正な制御をおこなってしまう恐れがある。特に、第1巨木役物6600、第2巨木役物6650、第1雲役物6700、第2雲役物6750、盤裏草役物6800のように電子部品が実装されるプリント基板を備える役物を遊技パネル1100の裏面に近接して設ける場合には、これらの基板上に実装される電子部品において、このような事態が発生する可能性がより高くなってしまう。
そこで、これらの役物において、前カバーを備える態様のものにおいては、前カバーの少なくとも一部に上述した金属製の薄膜により形成される銀色の不透明部を備えるように構成してもよい。より具体的には、基板上に電子部品が実装されている箇所の前方にこのような不透明部が位置するように前カバーを設けるように構成するとよい。また、このような帯電した遊技球の影響を受ける可能性のある各役物の前面が、遊技パネル1100の裏面に接しないように各役物を設けるように構成してもよい。あるいは、帯電した遊技球が転動して落下する遊技領域5aに正面視で重なる領域においては少なくとも、各役物の前面が、遊技パネル1100の裏面に接しないように各役物を設けるように構成してもよい。
また、遊技パネル1100に設けられる図示しないアース線のアース経路と、各役物に設けられる図示しないアース線のアース経路とを可能な限り別経路とすることが望ましい。例えば、遊技パネル1100に設けられる図示しないアース線を各役物に設けられるアース回路を経由して最終的に島設備に設置させたり、逆に、各役物のアース線を遊技パネル1100に設けられるアース回路を経由して、最終的に島設備に設置させたりすることは好ましくない。そこで、遊技機裏面の所定箇所に除電機能を備えるアース回路基板を設けて、遊技パネル1100からのアース経路と、各役物からのアース経路とが、アース回路基板において合流するように構成するとよい。このような構成とすることで、遊技領域5aに打ち込まれた帯電する遊技球による影響を軽減することが可能となる。
図487や図495において、遊技パネル1100の裏面下方に盤裏草役物6800を設ける例を示したが、盤裏草役物6800に代えて、山役物6500、ウサギ役物6000、切り株役物6100を遊技パネル1100の裏面下方に設けるように構成してもよい。この場合においても、ウサギ役物6000、切り株役物6100から後方に乱反射した光を前方に再度反射させ光の利用効率を高めることができる。なお、山基板6520の反射という機能を利用して、他の装飾役物や入賞口を備えた入賞口ユニットを山役物の前方にウサギ役物6000、切り株役物6100と同様に配置するように構成してもよい。この場合においても、装飾役物や入賞校ユニットが備える発光部から発せられ、後方に乱反射した光を山基板6520の前面において、前方に反射させることが可能となる。
またこれらの役物を構成する前カバーの裏面に、円柱状のスペーサを複数個設けることで、基板の前面がスペーサの頂部に接して、前カバーの裏面には直接接することがないように構成してもよい。各スペーサの構造としては、具体的には、前カバーの裏面から垂直に高さ2mm程度、直径2mm程度の円柱状の構造を採用するとよい。また、スペーサは前カバーは同じ素材により一体成型により成形するとよい。また、スペーサは、前カバーが複数の領域を有している場合にはより後方を視認しがたい領域に設けるように構成するするとよい。例えば、緑色透明の合成樹脂によって前カバーの有色透明部と有色光散乱部とスペーサとを一体成型により成形するとよい。このとき、スペーサは緑色透明となる。
また、この場合には有色透明部にはスペーサは設けず、有色光散乱部にスペーサを設けるように構成するとよい。このような構成のスペーサを設けることにより、前カバーと基板とがスペーサの高さ分離間した状態で平行に配置されることとなる。このような構成とすることで、遊技パネル1100裏面に最も近接する部分においては、前カバーによって装飾が行われ、前カバーから後方に数mm離れた位置において基板による装飾が行われることとなる。このとき、遊技パネル1100裏面に最も近接する部分において基板による装飾が行なった場合と比べると、基板が後方に位置することとなるため、基板の色や基板の外形形状による装飾効果を発揮しつつも、基板上に設けられているスルーホールや電子部品の存在を遊技者に気づかれにくくすることができる。また、遊技パネル1100の裏面と基板とを離間させていることで、帯電した遊技球からの放電や電磁パルスの基板に対する影響を減少させることが可能となる。
盤裏草役物6800、第1巨木役物6600、第2巨木役物6650、第1雲役物6700、第2雲役物6750はそれぞれ、遊技パネル1100の裏面に近接して設けられている。具体的には、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域をなす面と、遊技パネル1100の裏面との中間位置よりも手前側に配置されている。また、盤裏草役物6800、第1巨木役物6600、第2巨木役物6650、第1雲役物6700、第2雲役物6750と遊技盤側演出表示装置1600との間の空間には、可動役物としてウサギ役物6000や切り株役物6100が設けられている。なお、ウサギ役物6000や切り株役物を600を、盤裏草役物6800が設けられる遊技パネル1100下部に設けるように構成してもよい。
第1巨木役物6600、第2巨木役物6650、第1雲役物6700、第2雲役物6750のように前カバーを備えない役物において、基板の前面に発光部を設けるように構成する場合には、正面視でその発光部と重なる遊技パネル1100の裏面に発光部から照射された光を散乱する散乱部を形成するようにしてもよい。あるいは、これらの役物において、前カバーとして有色透明あるいは無色透明のものを正面視で発光部に重なる位置に設けた場合においても、同様に遊技パネル1100の裏面に散乱部を形成するように構成してもよい。
図496〜図499において、切り株役物6100を設ける例を示したが、切り株役物6100を構成する部材を演出として移動可能に構成してもよい。例えば、切り株箱部6300を構成する箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340、箱後壁部6350を演出として移動可能に構成してもよい。
図516(A)〜図516(D)は、図498(A)や図499(A)に示した切り株箱部6300において、箱上壁部6310〜箱左壁部6340を各々待機位置から移動位置へと移動させた状態を示した図である。図516(A)は、箱上壁部6310を、箱上壁部6310の前端部が箱後壁部6350の上端部と接する状態まで後方に移動させた例を示している。図516(B)は、箱右壁部6320を、箱右壁部6320の前端部が箱後壁部6350の右端部と接する状態まで左後方に移動させた例を示している。図516(C)は、箱下壁部6330を、箱下壁部6330の前端部が箱後壁部6350の下端部と接する状態まで後方に移動させた例を示している。図516(D)は、箱右壁部6320を、箱右壁部6320の前端部が箱後壁部6350の左端部と接する状態まで右後方に移動させた例を示している。なお、箱上壁部6310〜箱左壁部6340のうち1つの壁部のみを図示したように移動可能に構成し、他の壁部については移動不能に構成してもよいし、箱上壁部6310〜箱左壁部6340のうち複数の壁部を移動可能に構成してもよく、例えば、箱上壁部6310〜箱左壁部6340のすべてを移動可能に構成してもよい。
このような構成とすることで、切り株箱部6300前方に設けられた切り株板部6210、第1草可動部6360、第2草可動部6370への第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bからの光の照射態様を変化させることができる。例えば、箱上壁部6310を後方に移動させる前の状態においては切り株箱部6300の各内壁において光が反射されて切り株箱部6300の前面形状に対応した形状で、切り株板部6210が照明されることとなる。一方、箱上壁部6310を後方に移動させた状態においては、箱上壁部6310において第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bからの光が反射されなくなるため、後壁発光部6354から斜め上に向けて照射された光は、そのまま直進して切り株板部6210の裏側を照明することとなる。したがって、切り株箱部6300の前面形状に対応した形状に加えて、切り株箱部6300の前面の上方の領域においても切り株板部6210が照明されることとなる。このように、箱上壁部6310を移動させることで、照明される領域を変化させることが可能となる。なお、箱上壁部6310に代えて、箱右壁部6320〜箱左壁部6340を後方にスライド移動させた場合においても、移動させた各壁部に対応して、照明される領域を変化させることが可能となる。
また、箱後壁部6350をその傾きを保ったまま前後方向に移動することが可能なように構成してもよい。例えば、図498(A)や図499(A)に示した状態から、箱後壁部6350の上端が箱上壁部6310の前端に、箱後壁部6350の下端が箱下壁部6330の前端にそれぞれ接するように箱後壁部6350を前方に移動可能に構成してもよい。また、図498(A)に示した状態から、後方に移動可能に構成してもよい。
また、箱上壁部6310〜箱左壁部6340を箱後壁部6350に対して回動可能に構成してもよい。例えば、箱右壁部6320や箱左壁部6340を、箱後壁部6350と同じ大きさの長方形形状とし、箱右壁部6320と箱後壁部6350とがなす辺、箱左壁部6340と箱後壁部6350とがなす辺を軸として回動可能に構成してもよい。そして、箱右壁部6320や箱左壁部6340を内側に回動させることで、箱後壁部6350の前面を箱右壁部6320や箱左壁部6340が覆うように構成したり、箱右壁部6320や箱左壁部6340を外側に回動させることで、箱後壁部6350と箱右壁部6320や箱左壁部6340が平行な状態となるように構成してもよい。また、箱上壁部6310や箱下壁部6330を箱後壁部6350と同じ大きさの長方形形状とし、箱右壁部6320や箱左壁部6340と同様の態様で、箱後壁部6350に対して回動可能に構成してもよい。
箱後壁部6350を移動可能な例を示したが、図498(A)〜図498(D)に示す例において、後壁発光部6354を備える後壁基板6352は固定的に設け、箱後壁部6350を構成する後壁カバー6356を、上述した箱後壁部6350と同様に回動可能あるいは前後方向に移動可能に構成してもよい。後壁カバー6356を回動させた場合には、後壁発光部6354からの光を、後壁カバー6356を介すことなく切り株開口部6210aに対して直接照射することが可能となる。一方、後壁カバー6356を前方に移動させた場合には、後壁発光部6354と後壁カバー6356との間に距離ができることになり、後壁発光部6354からの光が放射状に広がり後壁カバー6356の全体を照明することが可能となる。なお、このような態様を採用する場合には、後壁カバー6356における、第1後壁カバー光散乱部6358aや第2後壁カバー光散乱部6358b以外の領域についても散乱部にするとよい。このような構成とすることで、後壁カバー6356を前後方向に移動可能とすることで、後壁カバー6356の一部が照明された状態と、後壁カバー6356の全体が照明された状態とを遊技者に対して視認可能とすることができる。
図499(A)〜図499(D)に示す例において、後壁板部6380は固定的に設け、後壁板部6380に対して、後壁基板6352と後壁カバー6356を、上述した箱後壁部6350と同様に前後方向に移動可能に構成してもよい。
固定的に設けられている部材を移動可能にしてもよい例を示してきたが、これらの例において、部材が移動を開始する前から移動を終了した以降において、第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bを継続して、所定の発光態様を維持するように構成するとよい。所定の発光態様としては、例えば、第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bが点灯し続けたり、あるいは周期的に点滅したり、あるいは光を発しない消灯状態などの態様を採用するようにしてもよい。また、このように点灯し続けたり周期的な点滅したりする発光態様を実行する場合には同一色で発光させ続けるように構成してもよい。このような構成とすることで、第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bの発光態様を変化させるのではなく、箱上壁部6310〜箱後壁部6350、後壁カバー6356などの部材を動かすことによって遊技者の視認する演出態様を変化させることが可能となる。
一方、部材の移動を開始するタイミングから、部材の移動を終了したタイミングまでの期間において、第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bの発光態様を変化させるように構成してもよい。このような構成とすることでより複雑な演出態様を実現することが可能となる。
なお、図498や図499に示す状態から、箱上壁部6310〜箱後壁部6350、後壁カバー6356などの部材を演出として移動させる例を示したが、箱上壁部6310〜箱後壁部6350、後壁カバー6356などの部材を演出として移動させることで、移動させた所定の1の部材が図498や図499に示す状態になるように構成してもよい。このような構成とした場合においても、遊技者の視認する演出態様を変化させることが可能となる。
第1草可動部6360、第2草可動部6370が左右方向などに動く例を示したが、第1草可動部6360、第2草可動部6370を動かないように構成してもよい。このような構成とした場合でも、箱上壁部6310〜箱後壁部6350、後壁カバー6356などの部材を移動させることで、切り株役物6100の発光態様を多様化できる。また、第1草可動部6360と第2草可動部6370を1の部材として構成してもよい。この場合、第1草装飾部6360a、第2草装飾部6370aを1の装飾部として構成してもよいし、複数の装飾部のままに構成してもよい。また、第1草装飾部6360a、第2草装飾部6370aを塗装、シール張り付け等の手法により有色半透明にして、後壁発光部6354からの光が前方に照射されたときに、第1草装飾部6360a、第2草装飾部6370aに光が当たって演出状態となるように構成してもよい。
また、以下に示すように、第1草可動部6360、第2草可動部6370、切り株板部6210を設けずに、切り株箱部6300と草板部6381によって、切り株役物6100を構成するように構成してもよい。
図517は、切り株箱部6300の前方に、切り株板部6210を設けず、第1草可動部6360と第2草可動部6370に代えて、固定的に設けられる草板部6381を設けた例を示している。草板部は無色透明の合成樹脂により構成するとよい。また、草板部6381は、複数の装飾部を有している。具体的には、草の外形形状を模した緑色の草板有色透明部6381a、動物の顔の形状を模した草板中央装飾部6382a、草板上装飾部6382b、草板右装飾部6382c、草板下装飾部6382d、草板左装飾部6382e、これら以外の領域である無色透明の草板無色透明部6381bを備えている。草板有色透明部6381a、草板中央装飾部6382a、草板上装飾部6382b、草板右装飾部6382c、草板下装飾部6382d、草板左装飾部6382eはそれぞれ、無色透明の合成樹脂で構成される草板部6381の前面あるいは後面に印刷あるいはシールを張り付けることにより構成される。なお、草板中央装飾部6382aは動物の顔と耳の形状が線状に形成されており、後方に位置する後壁基板6352が視認可能となっている。一方、草板上装飾部6382b、草板右装飾部6382c、草板下装飾部6382d、草板左装飾部6382eについては動物の顔を模した形状で、光を透過可能な半透明あるいは有色透明に構成されている。
このような構成において、上述したように、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340、箱後壁部6350、後壁カバー6356などの部材を移動させることで、草板中央装飾部6382a、草板上装飾部6382b、草板右装飾部6382c、草板下装飾部6382d、草板左装飾部6382eの照明態様を変化させることができる。特に、草板上装飾部6382b、草板右装飾部6382c、草板下装飾部6382d、草板左装飾部6382eについては、それまで光がほとんど照射されていなかった状態から、光が照射された態様に変化させることができ、各動物の顔を模した形状を遊技者に対して視認可能に構成することができる。
切り株箱部6300は、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340、箱後壁部6350を各面とするとともに前方に当たる面を有しない箱型の形状をなしているが、これらの部材のうちの少なくとも1の部材の位置、大きさ、形状を変更するように構成してもよい。
図518は、図517に示した例の変形例を示している。この例においては、箱上壁部6310と箱下壁部6330を箱後壁部6350と同幅の長方形状とし、箱右壁部6320と箱左壁部6340を箱後壁部6350に対して直角をなすように設けることで、切り株箱部6300を直方体形状にするとともに、切り株板部6210を設けず、切り株箱部6300の開口部前方に近接して草板部6381が位置するように構成している。このような構成において、上述したように、演出として、後壁発光部6354を発光態様とするとともに、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340を回動させたり、前後方向にスライドさせたりするように構成することで、後壁発光部6354から照射される光の草板部6381への照射態様を変化させることができる。また、このように切り株箱部6300を直方体形状とするのにあわせて、図517に示した例と比べて、草板右装飾部6382cを左側に、草板左装飾部6382eに右側に移動させた位置に設けている。
図519〜図521は、図518に示した例の変形例を示している。図519〜図521に示す例においては箱後壁部6350の形状や取り付け態様がそれぞれ異なっている。
図519(A)に示す例においては、正面視で箱後壁部6350を左方向に半分ずらす位置に設けるように構成している。図519(B)は図519(A)に示す例における切り株箱部6300を拡大した状態を示している。
また、図520(A)に示す例においては、正面視で箱後壁部6350全体を左方向に2倍の長さに拡大するように構成している。図520(B)は図520(A)に示す例における切り株箱部6300を拡大した状態を示している。図522(A)は、図520(A)において示した変形例における後壁カバー6356を示した図である。また、図522(B)は、図520(A)において示した変形例における後壁基板6352を示した図である。
また、図521(A)に示す例においては、正面視で箱後壁部6350を左方向に半分の大きさに縮小したように構成している。図521(B)は図521(A)に示す例における切り株箱部6300を拡大した状態を示している。図522(C)は、図521(A)において示した変形例における後壁カバー6356を示した図である。また、図522(D)は、図521(A)において示した変形例における後壁基板6352を示した図である。
このような前提において、図519(A)や図520(A)に示す切り株箱部6300が備える第1後壁発光部6354aと第2後壁発光部6354b(詳細は、図499(A)、図499(B)、図522(A)、図522(B)を参照)を発光した状態としたときに、草板中央装飾部6382aと草板左装飾部6382eを後方から照明した発光装飾状態とすることが可能となる。ここで、箱上壁部6310を後方に移動させることで、草板上装飾部6382bについても発光装飾状態とすることが可能となる。一方、草板中央装飾部6382aについては照射される光量が減少するため相対的に目立たない状態となる。また、箱上壁部6310に代えて、箱右壁部6320、箱下壁部6330を後方に移動させた場合には、草板右装飾部6382c、草板下装飾部6382dを発光装飾状態とすることができる。なお、第1後壁発光部6354aと第2後壁発光部6354bの双方を発光させる例を示したが、図520において(A)において示した例において、正面視で切り株箱部6300から左側にはみ出している領域においては、発光させないように構成してもよい。この場合には、草板中央装飾部6382aのみを発光装飾状態とすることができる。この状態から、上述したように、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330を後方に移動させるように構成してもよい。
また、図521(A)に示す切り株箱部6300が備える第1後壁発光部6354aと第2後壁発光部6354b(詳細は、図522(C)、図522(D)を参照)を発光した状態としたときに、草板中央装飾部6382aを後方から照明した発光装飾状態とすることが可能となる。ここで、箱上壁部6310を後方に移動させることで、草板上装飾部6382bについても発光装飾状態とすることが可能となる。一方、草板中央装飾部6382aについては照射される光量が減少するため相対的に目立たない状態となる。また、箱上壁部6310に代えて、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340を後方に移動させた場合には、草板右装飾部6382c、草板下装飾部6382d、草板左装飾部6382eを発光装飾状態とすることができる。
このように、草板中央装飾部6382aが発光装飾された状態において、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340を後方に移動させることで、草板上装飾部6382b、草板右装飾部6382c、草板下装飾部6382d、草板左装飾部6382eを発光装飾状態とすることができる。またこのとき、草板中央装飾部6382aについてはそれまでよりも弱い光量によって発光装飾状態となる。このように、草板上装飾部6382b、草板右装飾部6382c、草板下装飾部6382d、草板左装飾部6382eを発光装飾状態とすることによって、遊技機における何らかの状態を示唆あるいは報知するように構成してもよい。例えば、遊技者にとって有利度が異なる4つの状態が起こっている、あるいは起こりうる状態にある場合に、最も有利な状態に対応して草板上装飾部6382bを発光装飾状態とし、2番目に有利な状態に対応して草板右装飾部6382cを発光装飾状態とし、3番目に有利な状態に対応して草板左装飾部6382eを発光装飾状態とし、4番目に有利な状態に対応して草板下装飾部6382dを発光装飾状態とするように構成してもよい。このような態様とすることで、草板中央装飾部6382aが発光装飾された状態において、どの壁部が移動するのかといった期待感を遊技者に抱かせることが可能となる。
あるいは、第1後壁発光部6354aと第2後壁発光部6354bを消灯状態として、草板中央装飾部6382aが発光装飾されていない状態で、まず、箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340のいずれかを後方に移動させて所定時間が経過したのちに、第1後壁発光部6354aと第2後壁発光部6354bを発光状態にしてもよい。このような構成とすることで、草板上装飾部6382b、草板右装飾部6382c、草板下装飾部6382d、草板左装飾部6382eのいずれが視認可能となるかを遊技者に対して事前に報知することが可能となる。この場合、各壁部は正面方向に対して立直した状態で設けられており、各壁部が移動したことに遊技者が必ずしも気づくことができるわけではない。そのため、いずれかの壁部の移動に気が付くことができた遊技者は大きな期待感を持ってその後のいずれかの装飾部の発光装飾態様への変化を見守ることとなり、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、例えば、遊技者にとって不利な遊技状態(いわゆる通常遊技状態など)においては箱上壁部6310〜箱左壁部6340が前方位置(非動作位置)とされて前方の草板中央装飾部6382aのみが限定的に発送装飾態様とされるようにし、遊技者にとって有利な状態(例えば確率変動状態、時短遊技状態、大当たり遊技状態)である場合に限って箱上壁部6310〜箱左壁部6340が後方に移動されて、草板上装飾部6382b〜草板左装飾部6382eに対しても光が照射されて発光装飾態様となる領域を増大させるようにしてもよい。これにより、不利な遊技状態から有利な遊技状態へと移行して向上する遊技者の興趣に合わせて発光領域の見た目も変化させることができる。
なお、図519(A)や図521(A)を参照して示した例においては、箱後壁部6350の右側に開口部が設けられるようになるが、この場合には、例えば前後方向に移動する装飾部材が開口部から出没するように構成してもよい。
図519(A)〜図522(D)を参照して、箱後壁部6350を左方向にずらしたり、拡大あるいは縮小して設ける例を示したが、上方向、右方向、下方向に対しても同様にずらしたり、拡大あるいは縮小して設けるように構成してもよい。また、切り株箱部6300の構造としては、図498に示す例に限らず、図499に示す例を採用してもよい。
図498〜図499において、箱後壁部6350に第1後壁発光部6354aや第2後壁発光部6354bを設ける例を示したが、箱後壁部6350に代えて、箱上壁部6310〜箱左壁部6340の少なくとも1の壁部に発光部や光散乱部などの発光に係る構成を設けるように構成してもよい。
具体体には、図517(A)〜図522(D)を参照して示した変形例において、箱上壁部6310に、図498や図499を参照して説明した発光部や光散乱部を設けて、切り株箱部6300内や草板部6381を照明するように構成してもよい。このとき、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340の少なくとも1つの壁部を図516(A)〜図516(D)に示した例の様に後方に移動させるように構成するとよい。このような構成とすることで、草板部6381において、切り株箱部6300の開口部に対応する前方の領域のみが主に照明されていた状態から、切り株箱部6300の開口部の前方に加えて右方、下方、左方についても照明することが可能となる。なお、箱上壁部6310に発光部や光散乱部を設けて、切り株箱部6300内を照明するように構成する例を示したが、箱上壁部6310に代えて、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340において発光部や光散乱部を設けて、各壁部を移動させることで照明態様を変化可能に構成してもよい。
箱上壁部6310、箱右壁部6320、箱下壁部6330、箱左壁部6340はそれぞれ同じ厚さの板状に構成されているが、これらの壁部において、前方に向かうに従って壁部の厚さが薄くなるように壁部の内壁が外側に向けて傾斜したような構造にしてもよい。
このような構成とすることで、切り株箱部6300内で反射している光を、前方に向けてより反射させることが可能となる。
箱上壁部6310〜箱左壁部6340を移動させて、草板部6381への光の照射態様を上述したように変化させるには、箱上壁部6310〜箱左壁部6340を有色不透明な素材により形成したり、その内壁にアルミニウム薄膜によりメッキすることで光を反射可能な反射部や光を散乱可能な散乱部を設けるように構成するとよい。このような構成とすることで、草板部6381への光の照射態様が変化する態様をより際立たせることが可能となる。なお、箱上壁部6310〜箱左壁部6340を無色透明、有色透明な素材により形成し、その内壁や外壁を平滑な態様とした場合でも、草板部6381への光の照射態様を変化させることは可能である。
箱上壁部6310〜箱後壁部6350、後壁カバー6356などの部材を移動可能に変形してもよい点を上述したが、移動可能とする部材はこれら部材のうち1の部材のみとしてもよいし、任意の複数の部材を移動可能としてもよいし、すべての部材を移動可能としてもよい。例えば、箱上壁部6310のみを移動可能とし、他の部材を移動不能に固定的に設けるように構成してもよい。また、箱上壁部6310と箱右壁部6320を移動可能とし、他の部材を移動不能に固定的に設けるように構成してもよい。。また、箱上壁部6310〜箱後壁部6350、後壁カバー6356のすべてを移動可能としてもよい。このような構成とした場合でも草板部6381に対する発光装飾態様を変化させることができる。
なお、箱上壁部6310〜箱後壁部6350、後壁カバー6356などの移動は、周辺制御基板1510によって図示しない駆動手段によって行われるように構成するとよい。
また、第1後壁発光部6354a、第2後壁発光部6354bなどの発光も周辺制御基板1510によって制御されるように構成するとよい。
図487〜図522を例示して、パチンコ機1が備える遊技盤5に対して演出や装飾に用いられる各種の可動体(ウサギ役物6000、切り株役物6100など。以下、遊技盤内可動体という場合がある。)を設ける実施形態を示したが、以下に、パチンコ機1が備える扉枠3に対して演出や装飾に用いられる可動体(以下、枠可動体という場合がある。
)を設ける実施形態を示す。
図523(A)〜図523(E)は、扉枠3を構成する扉枠トップユニット570に枠可動体として、動物(具体的にはウサギ)の耳を模した右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200を設けた実施形態を示している。右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は上下方向に移動可能であるが、具体的な構造や動作態様については後述する。
図523(A)、図523(B)は、パチンコ機1の正面図である。図523(C)は、パチンコ機1の平面図である。図523(D)、図523(E)は、パチンコ機1の右側面図である。図523(A)、図523(C)、図523(D)は、扉枠トップユニット570内に右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が収納された状態を示している。図523(B)、図523(E)は、扉枠トップユニット570から右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が上方に突出した状態を示している。図523(D)は、扉枠トップユニット570内に右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が収納された状態を示している。
本実施形態において、扉枠3の上部には、扉枠トップユニット570が設けられている。扉枠3の中央部にはガラスユニット190が設けられており、ガラスユニット190を介して、後方に位置する遊技領域5a、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域、各種の遊技盤内可動体(ウサギ役物6000、切り株役物6100など)が視認可能である。
扉枠3の下部には、皿ユニット320とハンドルユニット300が設けられている。また、演出操作ユニット400は操作ボタン410を備えており、遊技者による操作入力を受け付けることが可能である。なお、図中において、上皿321、下皿322、球貸ボタン328、返却ボタン329等については図示を省略してある。
扉枠トップユニット570は、横長の直方体形状であり、その上面、右側面及び左側面は、それぞれ、外枠2及び扉枠3を構成する扉枠ベースユニット100の上面、右側面及び左側面と正面視で重なるように設けられている。扉枠トップユニット570は白色で半透明な合成樹脂によって数mm程度の厚さで形成されており、光を透過することが可能である。扉枠トップユニット570は、上下方向に移動可能な右耳枠可動体7100に対応した扉枠トップユニット上右耳開口部7000と、上下方向に移動可能な左耳枠可動体7200に対応した扉枠トップユニット上左耳開口部7010とを備えている。
図523(A)〜図523(E)に示すように本実施形態における扉枠トップユニット570は正面視において、左側に右耳枠可動体7100を、右側に左耳枠可動体7200を備えている。以下にこれらの具体的な構造及び動作態様を示す。なお、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は基本的に構造が同一であるため、以下の説明においては、右耳枠可動体7100のみを代表して説明する場合がある。
右耳枠可動体7100は正面視において、縦長の長方形の形状であり、前方を向いた右耳枠可動体第1面7110と後方を向いた右耳枠可動体第2面7120とを有している。
右耳枠可動体第1面7110は、内側の有色(具体的には桃色)透明の合成樹脂からなる右耳枠可動体第1面内側装飾部7112と、外側の白色半透明の合成樹脂からなる右耳枠可動体第1面外側装飾部7114とを有している。右耳枠可動体7100が有する右耳枠可動体第1面7110以外の面(上面、左側面、右側面、右耳枠可動体第2面7120)は、右耳枠可動体第1面外側装飾部7114と同じ白色半透明の合成樹脂により形成されている。なお、左耳枠可動体7200も右耳枠可動体7100と同一のこのような構造を備えている。
右耳枠可動体7100の内部には、右耳枠可動体第1面内側装飾部7112に対して正面視において重なる位置に右耳枠可動体内側発光部7116が設けられている。また、右耳枠可動体第1面外側装飾部7114に対して正面視において重なる位置に右耳枠可動体外側発光部7118が設けられている。右耳枠可動体内側発光部7116は、具体的には、白色の保護膜が両面に塗布されたプリント基板により構成されており、遊技者側に向けて発光可能な発光ダイオードがその表面に実装されている。右耳枠可動体内側発光部7116と右耳枠可動体外側発光部7118は、周辺制御基板1510による制御により、前方に向けて、所定の発光態様で発光することが可能であり、右耳枠可動体内側発光部7116によって右耳枠可動体第1面内側装飾部7112を、右耳枠可動体外側発光部7118によって右耳枠可動体第1面外側装飾部7114を発光装飾することが可能である。なお、左耳枠可動体7200も右耳枠可動体7100と同一のこのような構造を備えている。
右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構によって、それぞれ図523(A)、図523(C)、図523(D)に示すような扉枠トップユニット570内の待機位置に収納された状態(第1状態)から、図523(B)、図523(E)に示すような扉枠トップユニット570の上面から上方に向けて垂直に突出した状態(第2状態)へと制御することが可能である。右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の上面は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が待機位置にある状態において、扉枠トップユニット570の上面と面一に形成されている。右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は動物の耳を模した形状となっており、扉枠トップユニット570に収納された状態と扉枠トップユニット570の上面から垂直に上方に突出した状態とを取ることで動物の耳が動いた状態を装飾的に表現することが可能なものとなっている。
本実施形態において扉枠トップユニット570は、白色で半透明な合成樹脂により数mm程度の厚さで形成されている。そのため、図523(A)に示すように右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が扉枠トップユニット570に収納された状態で、右耳枠可動体内側発光部7116、右耳枠可動体外側発光部7118、左耳枠可動体内側発光部7216、左耳枠可動体外側発光部7218を所定の態様で発光させた場合には、扉枠トップユニット570の前面をぼんやりと発光させた状態で遊技者に視認させることが可能となっている。なお、他の実施形態における扉枠トップユニット570についても、同様の構造を採用してもよく、この場合も、枠可動体に対応して設けられた発光部から照射された光が扉枠トップユニット570内で反射・散乱して、扉枠トップユニット570の前面や側面をぼんやりと発光させた状態で遊技者に視認させることが可能となる。
一方、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が扉枠トップユニット570から飛び出した状態において、右耳枠可動体内側発光部7116、右耳枠可動体外側発光部7118、左耳枠可動体内側発光部7216、左耳枠可動体外側発光部7218を所定の態様で発光させた場合には、右耳枠可動体第1面7110が有する右耳枠可動体第1面内側装飾部7112と右耳枠可動体第1面外側装飾部7114、左耳枠可動体第1面7210が有する左耳枠可動体第1面内側装飾部7212と左耳枠可動体第1面外側装飾部7214とを所定の発光演出状態で遊技者に視認させることが可能となっている。
このように、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200(以下、枠可動体という場合がある)が移動することで枠可動体の一部が外枠2や扉枠ベースユニット100の上面よりも上方に位置することになるため、遊技者が見上げた際の視界に対する占有面積が増え、筐体の体積が増えたように見えることで、従来にない驚きや面白さを遊技者に対して与えることが可能となる。
次いで、図524(A)〜図525(B)を参照して、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の具体的な動作態様、枠可動体の動作態様に合わせて遊技盤側演出表示装置1600において表示される右耳枠可動体7100や左耳枠可動体7200を模した画像である枠可動体模擬画像の表示態様、操作ボタン410(以下、操作部という場合がある)に対する遊技者の操作受付態様、右耳枠可動体内側発光部7116、右耳枠可動体外側発光部7118、左耳枠可動体内側発光部7216、左耳枠可動体外側発光部7218(以下、枠可動体発光部という場合がある)における発光態様等を組み合わせた演出例を示す。
図524(A)〜図525(B)は、それぞれ、枠可動体の動作態様と、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体を模した画像である枠可動体模擬画像の表示状態と、操作部の受け付け状態と、遊技盤側演出表示装置1600に表示される操作指示表示の表示状態と、枠可動体発光部の発光演出状態とを示したタイムチャートである。
なお、図524(A)〜図525(B)に示すタイムチャートにおいては演出のタイミングを説明するために時間経過に応じてt0、t1〜t34、t35等と表記してある。
各タイミング間の時間はそれぞれ1秒である。また、これらの点は、後述する図533(A)〜図534(B)、図539(A)〜図540(B)、図548(A)〜図549(B)等の各図面及びこれらを変形させた各図面等においても同様である。
図524(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図524(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図525(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。図525(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。
図524(A)〜図525(B)に示す各演出パターンにおいて、枠可動体が移動する態様、枠可動体模擬画像の表示態様、操作部に対する操作受付が有効となるタイミング、操作指示表示が開始されるタイミング、枠可動体が有する発光部が発光演出状態から消灯状態となるタイミングは同一である。一方、操作指示表示が終了するタイミング、枠可動体が有する発光部が消灯状態から発光演出状態や特定発光演出状態となるタイミングは演出パターンによって相違する場合がある。以下に、図524(A)〜図525(B)を参照して各演出パターンにおける具体的な演出例を示す。
図524(A)〜図525(B)に示す演出パターンにおいては、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は初期状態(タイミングt0以前)において、扉枠トップユニット570に収納された状態(以下、第1状態、待機状態という場合がある)となっている。この状態において、特別抽選結果に対応したリーチ演出状態がタイミングt0〜タイミングt7の間の所定のタイミング(例えばタイミングt4)で発生すると、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が同時に上昇を開始する(タイミングt7)。
同時に、遊技盤側演出表示装置1600の中央において、枠可動体模擬画像の表示が開始される。また、同時に、扉枠トップユニット570を模した画像である扉枠トップユニット模擬画像の表示も開始される。枠可動体模擬画像は、具体的には右耳枠可動体7100を模した画像、左耳枠可動体7200を模した画像とから構成されている。枠可動体模擬画像は現実の右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の上昇に合わせて、右耳枠可動体7100を模した画像、左耳枠可動体7200を模した画像が上昇する態様で動的に表示される。枠可動体模擬画像は現実の右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の上昇が終了するタイミング(タイミングt9)に合わせて、右耳枠可動体7100を模した画像、左耳枠可動体7200を模した画像の上昇が終了し、その後は停止した状態を示す態様で表示され続ける(タイミングt9以降)。右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200はタイミングt7において上昇を開始してから2秒後のタイミングt9において上昇を完了した状態(以下、第2状態、上昇状態という場合がある)となる。
一方、タイミングt9においては、操作部に対する操作受付が有効となるとともに、遊技盤側演出表示装置1600に操作部に対する操作を指示する画像の表示(以下、操作指示表示という場合がある)が開始される。操作指示表示としては、例えば、操作ボタン410の外観を模した画像を表示してもよいし、操作部を操作することを指示する文字列(例えば「プッシュ!!」という文字列)を表示してもよい。なお、操作有効期間は、操作部に対して操作受付が行われるまで(以下に示す例においては、タイミングt14)、あるいは、所定時間が経過するまで(タイミングt18まで)継続する。また、タイミングt9においては、すべての枠可動体発光部が発光演出を行った状態から消灯状態となる。
図524(A)、図524(B)は、操作部への操作が有効となる期間が開始された(タイミングt9)のち、タイミングt14において操作部への操作が行われた場合の演出態様を示している。これらの演出パターンにおいては、タイミングt14において操作指示表示が終了するとともに、枠可動体発光部が特別抽選結果に対応した所定の発光演出状態となる。
図524(A)は、特別抽選結果が大当りである場合の演出パターンであり、操作部への操作が行われたとき(タイミングt14)に枠可動体が有する発光部が、消灯状態から通常の発光演出状態とは異なる特定発光演出状態となる。このように、枠可動体発光部が特定発光演出状態となることにより遊技者に対して特別抽選結果が大当りであることが示されることとなる。
一方、図524(B)は、特別抽選結果が外れである場合の演出パターンであり、操作部への操作が行われたとき(タイミングt14)に、枠可動体発光部が消灯状態から通常の発光演出状態となる。このように、枠可動体発光部が通常の発光演出状態となることにより遊技者に対して特別抽選結果がハズレであることが示されることとなる。
特定発光演出状態においては、通常の発光演出状態における発光態様と比べて、光の点滅態様が速くなったり、光量が強くなったり、色数が多くなったりする遊技者がより刺激を感じるような発光態様を採用するとよい。このように通常とは異なる特定の発光態様の演出状態が遊技者に視認される状態となることで遊技者に対して特別抽選結果が大当りであることが示されることとなる。なお、具体的には、特定発光演出状態において、枠可動体の内側の部分と、枠可動体の外側の部分とを異なる態様で発光演出状態とするように構成してもよい。例えば、枠可動体の内側の部分については、枠可動体の外側の部分よりも、より刺激が強い発光態様で視認可能となるように構成するとよい。なお、特定発光演出状態、通常の発光演出状態についてのこの定義を他の実施形態に適用するように構成してもよい。
図525(A)、図525(B)は、操作部への操作が有効となる期間が開始された(タイミングt9)のち、操作有効期間中に遊技者によって操作部への操作が行われず、予め定められた所定時間が経過してタイミングt18において操作有効期間が終了した場合の演出態様を示している。これらの演出パターンにおいては、タイミングt18において操作指示表示が終了するとともに、枠可動体発光部が特別抽選結果に応じた所定の発光演出状態となる。
図525(A)は、特別抽選結果が大当りである場合の演出パターンであり、操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)において、枠可動体発光部が通常の発光演出状態とは異なる特定発光演出状態となる。このように、枠可動体発光部が特定発光演出状態となることにより遊技者に対して特別抽選結果が大当りであることが示されることとなる。
一方、図525(B)は、特別抽選結果がハズレである場合の演出パターンであり、操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)において、枠可動体の発光部が通常の発光演出状態となる。このように、発光部が通常の発光演出状態となることにより遊技者に対して特別抽選結果がハズレであることが示されることとなる。
図524(A)〜図525(B)に示す各演出パターンにおいては、操作有効期間終了後の予め定められたタイミング(タイミングt20)において、変動していた装飾図柄が特別抽選結果に対応した態様で停止表示される。例えば、図524(A)、図525(A)に示す演出パターンの場合は、特別抽選結果が大当りであることを示すぞろ目の態様(例えば、「7」「7」「7」)で装飾図柄が停止表示され、図524(B)、図525(B)に示す演出パターンの場合は、特別抽選結果がハズレであることを示すリーチハズレ態様(例えば、「7」「6」「7」)で装飾図柄が停止表示される。
装飾図柄が停止してから2秒が経過したタイミング(タイミングt22)において、枠可動体は、特定発光演出状態あるいは通常の発光演出状態のいずれかの発光態様を維持したまま上昇位置(第2状態)から収納位置(第1状態)へと移動を開始する。同時に、枠可動体模擬画像は現実の右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の下降する動作に合わせて、下降していく表示態様となる。枠可動体の収納位置への移動が終了したタイミング(タイミングt24)で、枠可動体模擬画像は現実の枠可動体の下降する動作に合わせて、下降が終了しきった表示態様となるとともに、その表示が終了する。
特別抽選結果が大当りの場合、枠可動体の発光状態を大当たり中の所定のタイミングで特定発光演出状態から通常の発光演出状態へと変化させるように構成するとよい。特別抽選結果がハズレの場合は、通常の発光演出状態が継続され、次の装飾図柄の変動が開始される。
図526(A)〜図526(C)は、図524(A)に示す演出パターンが実行されたときの枠可動体の移動状態と、枠可動体模擬画像の表示態様と、操作部の受け付け状態と、操作指示表示の状態と、枠可動体の発光演出状態の時間経過にともなう状態の変化を模式図的に示したものである。なお、図524(A)に示す演出パターンは上述したように、特別抽選結果が大当たりのときに遊技者が操作部に対して操作を行った場合の演出パターンである。
図526(A)は、タイミングt5における状態を示しており、装飾図柄はリーチ状態で変動中であり、枠可動体は通常の発光演出状態で収納位置(第1状態)に位置しており、枠可動体模擬画像は非表示であり、操作部は操作無効期間となっており、操作指示表示は非表示である。
図526(B)は、タイミングt8における状態を示しており、装飾図柄はリーチ状態で変動中であり、枠可動体は発光演出状態で収納位置(第1状態)から上昇位置(第2状態)へと移動中の状態であり、枠可動体模擬画像は収納位置(第1状態)から上昇位置(第2状態)への移動中の状態を模した表示となっており、操作部は操作無効期間となっており、操作指示表示は非表示である。
図526(C)は、タイミングt11における状態を示しており、装飾図柄はリーチ状態で変動中であり、枠可動体は消灯状態で上昇位置(第2状態)にあり、枠可動体模擬画像は上昇位置(第2状態)に位置する枠可動体を模した表示となっており、操作部においては操作有効期間が開始されて、操作指示表示として操作部を模した画像が指示表示として表示されている。
図527(A)は、タイミングt19における状態を示しており、装飾図柄はリーチ状態で変動中であり、枠可動体は特別発光演出状態で上昇位置(第2状態)にあり、枠可動体模擬画像は上昇位置(第2状態)を模した表示となっており、操作部は操作無効期間となっており、操作指示表示は非表示である。
図527(B)は、タイミングt23における状態を示しており、特別抽選結果が大当りであることを示すぞろ目の態様(例えば、「7」「7」「7」)で装飾図柄が停止表示され、枠可動体は特別発光演出状態で上昇位置(第2状態)から収納位置(第1状態)へと移動中であり、枠可動体模擬画像は上昇位置(第2状態)から収納位置(第1状態)への移動中の状態を模した表示となっており、操作部は操作無効期間となっており、操作指示表示は非表示である。
図527(C)は、タイミングt28における状態を示しており、特別抽選結果が大当りであることを示すぞろ目の態様(例えば、「7」「7」「7」)で装飾図柄が停止表示され、枠可動体は特別発光演出状態で収納位置(第1状態)に位置し、枠可動体模擬画像は非表示であり、操作部は操作無効期間であり、操作指示表示は非表示である。
このように、枠可動体が移動を開始するタイミングで、枠可動体模擬画像を表示するようにしたことで、枠可動体が動作していることや操作部の操作に応じた発光態様の変化を遊技者が見逃すといった事態の発生を抑制することが可能となる。また、特別抽選結果に対応して(例えばリーチ演出の発生に対応して)枠可動体が従来にない位置に出現することで、遊技者に大きな驚きや面白みを感じさせることが可能となる。また、遊技者による操作部への操作を契機として、枠可動体発光部の発光態様が変化することで、特別抽選結果を自分が決定したかのような感覚を遊技者に付与することが可能となる。
図528(A)〜図528(F)は、図523(A)〜図523(E)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図528(A)、図528(B)は、パチンコ機1の正面図である。図528(C)、図528(D)は、パチンコ機1の平面図である。図528(E)、図528(F)は、パチンコ機1の右側面図である。図528(A)、図528(C)、図528(E)は、扉枠トップユニット570内に右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が収納された状態(第1状態)を示している。図528(B)、図528(D)、図528(F)は扉枠トップユニット570から右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が上方に突出した状態(第2状態)を示している。
この実施形態においては、図528(C)、図528(E)に示すように、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200がそれぞれ、待機位置にある状態(第1状態)で手前側に右耳枠可動体回動軸7140と左耳枠可動体回動軸7240とを有しており、右側方から見て反時計回りに90度回動することで、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が待機位置にある状態(第1状態)から移動位置へと移動した移動状態(第2状態)となる。このような構造の枠可動体において、図524(A)〜図525(B)を参照して上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。また、後述するタイムチャートの変形例をこのような構造の枠可動体に適用してもよい。
図529(A)〜図529(F)は、図528(A)〜図528(F)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図529(A)、図529(B)は、パチンコ機1の正面図である。図529(C)、図529(D)は、パチンコ機1の平面図である。図529(E)、図529(F)は、パチンコ機1の右側面図である。図529(A)、図529(C)、図529(E)は扉枠トップユニット570内に右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が収納された状態(第1状態)を示している。図529(B)、図529(D)、図529(F)は扉枠トップユニット570から右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が上方に突出した状態(第2状態)を示している。
この実施形態においては、図529(C)、図529(E)に示すように、枠可動体が奥側に回動軸を有しており、右側方から見て時計回りに90度回動することで、枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から移動位置へと移動した状態(第2状態)となる。
このような構造の枠可動体において、図524(A)〜図525(B)を参照して上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。また、後述するタイムチャートの変形例をこのような構造の枠可動体に適用してもよい。
図530(A)〜図530(E)は、図523(A)〜図523(E)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図530(A)、図530(B)はパチンコ機1の正面図である。図530(C)はパチンコ機1の平面図である。図530(D)、図530(E)はパチンコ機1の右側面図である。図530(A)、図530(C)、図530(D)は扉枠トップユニット570内に右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が収納された状態(第1状態)を示している。図530(B)、図530(E)は扉枠トップユニット570から右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が上方に突出した状態(第2状態)を示している。
この実施形態においては、枠可動体の上部が待機状態(第1状態)において正面視において視認可能となっている。このような構造の枠可動体において、図524(A)〜図525(B)を参照して上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。また、後述するタイムチャートの変形例をこのような構造の枠可動体に適用してもよい。このように待機状態において、正面視で枠可動体の一部が視認可能となっていることで、枠可動体が移動することを遊技者に想起させることが可能となる。また、通常の遊技中は、右耳枠可動体外側発光部7118と左耳枠可動体外側発光部7218のみを通常の発光演出状態とし、特定発光演出状態とするときのみ右耳枠可動体内側発光部7116と左耳枠可動体内側発光部7216についても発光させるように構成してもよい。また、他の構造の枠可動体において同様の発光パターンを採用するように構成してもよい。
図531(A)〜図531(F)は、図530(A)〜図530(E)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図531(A)、図531(B)はパチンコ機1の正面図である。図531(C)、図531(D)はパチンコ機1の平面図である。図531(E)、図531(F)はパチンコ機1の右側面図である。図531(A)、図531(C)、図531(E)は扉枠トップユニット570内に右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が収納された状態(第1状態)を示している。図531(B)、図531(D)、図531(F)は扉枠トップユニット570から右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が上方に突出した状態(第2状態)を示している。
この実施形態においては、待機位置にある状態(第1状態)において左右の枠可動体同士が隣接しているとともに正面視において枠可動体の上部が視認可能となっている。なお、この実施形態においては扉枠トップユニット上両耳開口部7040に、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200とが収納されている。また、枠可動体はそれぞれ左右方向に離間しつつ上方に移動可能に構成されている。移動位置に移動した状態(第2状態)においては、図523(B)と同様の状態で遊技者から視認可能となる。このような構造の枠可動体において、図524(A)〜図525(B)を参照して上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。また、後述するタイムチャートの変形例をこのような構造の枠可動体に適用してもよい。
図532(A)〜図532(E)は、扉枠3を構成する扉枠トップユニット570に枠可動体を設けた他の実施形態を示している。本実施形態において枠可動体は回転可能であるが、具体的な構造や動作態様については後述する。
図532(A)、図532(B)は、パチンコ機1の正面図である。図532(C)はパチンコ機1の平面図である。図532(D)、図532(E)はパチンコ機1の右側面図である。図532(A)、図532(C)、図532(D)は、扉枠トップユニット570内に右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が収納された状態を示している。
図532(B)、図532(E)は、図532(A)、図532(D)に示した状態から右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が右から見て時計回りに90度回転して、扉枠トップユニット570の上方に突出した状態を示している。
扉枠トップユニット570は白色で半透明な合成樹脂により形成されており、図532(A)に示す収納状態において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は正面視で遊技者から視認不能に構成されている。一方、遊技者が前方斜め上から扉枠トップユニット570を視認した場合には、図532(C)に示すように右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200がそれぞれ視認可能である。
図532(A)〜図532(E)に示すように、扉枠トップユニット570は、扉枠トップユニット上右耳開口部7000と扉枠トップユニット上左耳開口部7010を有している。扉枠トップユニット上右耳開口部7000と扉枠トップユニット上左耳開口部7010の形状は平面視で見たときに、縦長の長方形状となっている。また、扉枠トップユニット570内には、右耳枠可動体7100を照明する扉枠トップユニット内右側発光部7050と、左耳枠可動体7200を照明する扉枠トップユニット内左側発光部7052とが設けられている。本実施形態における扉枠トップユニット570は、これらの点以外については、基本的には、図523(A)〜図523(E)を参照して説明した構造と同様の構造を有している。
図532(A)〜図532(E)に示すように本実施形態における扉枠トップユニット570は正面視において、左側に右耳枠可動体7100を、右側に左耳枠可動体7200を備えている。以下にこれらの具体的な構造及び動作態様を示す。なお、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は基本的に構造が同一であるため、以下の説明においては、右耳枠可動体7100のみを代表して説明する場合がある。
図532(A)、図532(C)、図532(D)は右耳枠可動体7100が収納状態にある状態を示している。収納状態にある右耳枠可動体7100は、平面視において、縦長の長方形の形状であり、下方を向いた右耳枠可動体第1面7110と上方を向いた右耳枠可動体第2面7120とを有している。右耳枠可動体第1面7110は、内側の有色(具体的には桃色)透明の合成樹脂からなる右耳枠可動体第1面内側装飾部7112と、外側の白色半透明の合成樹脂からなる右耳枠可動体第1面外側装飾部7114とを有している。一方、右耳枠可動体第2面7120は全体が灰色不透明の合成樹脂により形成されている。右耳枠可動体7100が有するその他の面(上面、左側面、右側面)は、右耳枠可動体第1面外側装飾部7114と同じ白色半透明の合成樹脂により形成されている。なお、左耳枠可動体7200も右耳枠可動体7100と同一のこのような構造を備えている。
右耳枠可動体7100は右耳枠可動体回動軸7140を有している。また、右耳枠可動体回動軸7140は、扉枠トップユニット570の上面付近に取付けられている。右耳枠可動体7100は、周辺制御基板1510によって制御される図示しないパルスモータからの動力が右耳枠可動体回動軸7140に伝達されることにより、左右方向を軸として回転することが可能である。左耳枠可動体7200も同様の構造の左耳枠可動体回動軸7240を有しており、周辺制御基板1510によって制御される図示しないパルスモータからの動力が左耳枠可動体回動軸7240に伝達されることにより、左右方向を軸として回転することが可能である。右耳枠可動体7100と、左耳枠可動体7200とは、それぞれ独立して、図示しないパルスモータを制御することにより、右から見て時計回りあるいは反時計回りに任意の角度回動したり、任意の角度で停止したりすることが可能である。
図532(A)〜図532(E)に示すように、扉枠トップユニット570内には、右耳枠可動体7100を照明する扉枠トップユニット内右側発光部7050が設けられている。扉枠トップユニット内右側発光部7050は、右から見たときに水平面から時計回りに約30度回転した状態で設置されている。扉枠トップユニット内右側発光部7050は、具体的には白色の保護膜が両面に塗布されたプリント基板により構成されており、周辺制御基板1510による制御により、後方に位置する右耳枠可動体第1面7110に対して光を照射可能な発光ダイオードがその上面に実装されている。この発光ダイオードを所定色で発光させることで、右耳枠可動体第1面7110を所定の発光演出態様とすることが可能である。なお、扉枠トップユニット内左側発光部7052も扉枠トップユニット内右側発光部7050と同一のこのような構造を備えている。
右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構によって、それぞれ図532(A)、図532(C)、図532(D)に示すような扉枠トップユニット570内の待機位置に収納された状態から、所定角度回動した任意の位置で停止した状態となることが可能である。図532(B)、図532(E)はその一例であり、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が収納状態から、右から見て時計回りに90度回転して、垂直な状態で、右耳枠可動体第1面7110と左耳枠可動体第1面7210が正面を向いて停止している状態を示している。右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は動物の耳を模した形状となっており、扉枠トップユニット570に収納された状態と扉枠トップユニット570の上面から垂直となった状態とを取ることで動物の耳が立った状態を装飾的に表現することが可能なものとなっている。
また、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構を連続して駆動させることにより、回転した状態で遊技者に視認させることも可能である。このように回転させる際には、1秒に1回転程度の速度で右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200とを同じ方向に複数回回転させるとよい。図532(B)、図532(E)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の回転中の状態を示しているものともいうことができる。右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の回転方向は、右から見て時計回りに複数回回転させるように構成してもよいし、右から見て反時計回りに複数回回転させるように構成してもよい。このような構成とすることで、右耳枠可動体第1面7110と右耳枠可動体第2面7120が交互に遊技者から視認可能となる。また、左耳枠可動体第1面7210と左耳枠可動体第2面7220が交互に遊技者から視認可能となる。
右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が所定位置で停止したり、回転可能である点、扉枠トップユニット内右側発光部7050と扉枠トップユニット内左側発光部7052から照射される光によって、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200とをそれぞれ所定の装飾状態とすることが可能である点を示したが、以下に具体的な例を示す。
図532(A)、図532(C)、図532(D)に示すように、右耳枠可動体7100が有する右耳枠可動体第1面7110と左耳枠可動体7200が有する左耳枠可動体第1面7210とが下方を向いた状態で、扉枠トップユニット内右側発光部7050と扉枠トップユニット内左側発光部7052から光を照射した場合には、扉枠トップユニット570内で反射した光により、扉枠トップユニット570全体をぼんやりと発光させた状態とすることが可能である。これは、扉枠トップユニット570が白色で半透明な合成樹脂により形成されているためである。
一方、図532(B)、図532(E)に示すように、右耳枠可動体7100が有する右耳枠可動体第1面7110と左耳枠可動体7200が有する左耳枠可動体第1面7210とが前方を向いた状態で、扉枠トップユニット内右側発光部7050と扉枠トップユニット内左側発光部7052から光を照射した場合には、その光によって、右耳枠可動体第1面7110と左耳枠可動体第1面7210が装飾されている状態を遊技者に視認させることが可能となる。なお、この場合にも、扉枠トップユニット内右側発光部7050と扉枠トップユニット内左側発光部7052から照射された光の一部は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200において反射され、その反射光によって扉枠トップユニット570を内側から照明することとなるため、扉枠トップユニット570全体がややぼんやりと発光した状態で遊技者から視認可能となる。
一方、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が回転した状態で、扉枠トップユニット内右側発光部7050と扉枠トップユニット内左側発光部7052から光を照射した場合には、照射された光によって右耳枠可動体第1面7110と右耳枠可動体第2面7120と、左耳枠可動体第1面7210と左耳枠可動体第2面7220とがそれぞれ交互に照明された状態となる。また、扉枠トップユニット570全体がややぼんやりと発光した状態で遊技者から視認可能となる。
このように、外枠2や扉枠ベースユニット100の上面よりも上方に右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が停止した状態で位置したり、回転したりすることになるため、遊技者が見上げた際の視界に対する占有面積が増え、筐体の体積が増えたように見ることで、従来にない驚きや面白さを遊技者に対して与えることが可能となる。
次いで、図533(A)〜図534(B)を参照して、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の具体的な動作態様、枠可動体の動作態様に合わせて遊技盤側演出表示装置1600において表示される右耳枠可動体7100や左耳枠可動体7200を模した画像である枠可動体模擬画像の表示態様、操作ボタン410(以下、操作部という場合がある)に対する遊技者の操作受付態様、扉枠トップユニット内右側発光部7050、扉枠トップユニット内左側発光部7052における発光態様等を組み合わせた演出例を示す。
図533(A)〜図534(B)は、それぞれ、枠可動体の動作態様と、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体を模した画像である枠可動体模擬画像の表示状態と、操作部の受け付け状態と、遊技盤側演出表示装置1600に表示される操作指示表示の表示状態と、枠可動体に対する光の照射態様とを示したタイムチャートである。
図533(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図533(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図534(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。図534(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。
図533(A)〜図534(B)に示す各演出パターンにおいて、枠可動体が待機状態(第1状態)から回転状態(第2状態)へと変化するタイミング、枠可動体模擬画像の表示態様、操作部に対する操作受付が有効となるタイミング、操作指示表示が開始されるタイミング、枠可動体に対する光の照射態様が発光演出状態から消灯状態となるタイミングは同一である。一方、操作指示表示が終了するタイミング、枠可動体が回転状態(第2状態)から他の状態に変化するタイミング、枠可動体に対する光の照射態様が消灯状態から発光演出状態や特定発光演出状態となるタイミングは演出パターンによって相違する場合がある。以下に、図533(A)〜図534(B)を参照して各演出パターンにおける具体的な演出例を示す。
図533(A)〜図534(B)に示す演出パターンにおいては、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は初期状態(タイミングt0以前)において、扉枠トップユニット570に収納された状態(以下、第1状態、待機状態という場合がある)となっており、具体的には、図532(A)、図532(C)、図532(D)に示すように右耳枠可動体第1面7110と左耳枠可動体第1面7210とが下方を向いた状態となっている。この状態において、特別抽選結果に対応したリーチ演出状態がタイミングt0〜タイミングt9の間の所定のタイミング(例えばタイミングt4)で発生すると、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200がタイミングt9において同時に回転を開始し、回転が継続された状態(以下、第2状態、回転状態という場合がある)となる。回転方向は右から見て時計回り方向であり、回転速度は1秒間に1回転する速度である。
同時に、遊技盤側演出表示装置1600の中央において、枠可動体模擬画像の表示が開始される。また、同時に、扉枠トップユニット570を模した画像である扉枠トップユニット模擬画像の表示も開始される。枠可動体模擬画像は、具体的には右耳枠可動体7100を模した画像、左耳枠可動体7200を模した画像とから構成されている。枠可動体模擬画像は現実の右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の回転に合わせて、右耳枠可動体7100を模した画像、左耳枠可動体7200を模した画像が同じ方向に回転する態様で動的に表示され続ける。右耳枠可動体7100を模した画像、左耳枠可動体7200を模した画像の回転速度も現実の枠可動体の回転速度と同じ速度(1秒間に1回転する速度)で回転するように表示される。これにより、右耳枠可動体第1面7110や左耳枠可動体第1面7210が図532(B)、図532(E)に示すように正面を向いた回転状態にあるときには、右耳枠可動体7100を模した画像、左耳枠可動体7200を模した画像もそれぞれ、右耳枠可動体7100を模した画像が有する右耳枠可動体第1面7110を模した画像や左耳枠可動体7200を模した画像が有する左耳枠可動体第1面7210を模した画像が正面を向いた態様で枠可動体模擬画像として遊技盤側演出表示装置1600に表示される。
一方、タイミングt9においては、操作部に対する操作受付が有効となるとともに、遊技盤側演出表示装置1600に操作部に対する操作を指示する画像の表示(以下、操作指示表示という場合がある)が開始される。操作指示表示としては、例えば、操作ボタン410の外観を模した画像を表示してもよいし、操作部を操作することを指示する文字列(例えば「プッシュ!!」という文字列)を表示してもよい。なお、操作有効期間は、操作部に対して操作受付が行われるまで(以下に示す例においては、タイミングt14)、あるいは、所定時間が経過するまで(タイミングt18まで)継続する。また、タイミングt9においては、枠可動体に対して光を照射する扉枠トップユニット内右側発光部7050、扉枠トップユニット内左側発光部7052が発光演出を行った状態から消灯状態となる。
図533(A)、図533(B)は、操作部への操作が有効となる期間が開始された(タイミングt9)のち、タイミングt14において操作部への操作が行われた場合の演出態様を示している。これらの演出パターンにおいては、タイミングt14において操作指示表示が終了するとともに、それまで回転していた枠可動体が特別抽選結果に対応した所定の回動角度において停止するとともに、枠可動体に対する光の照射態様が特別抽選結果に対応した所定の発光演出状態となる。
図533(A)は特別抽選結果が大当りである場合の演出パターンであり、操作部への操作が行われたとき(タイミングt14)に、右耳枠可動体7100が右耳枠可動体第1面7110を手前側にして垂直に停止するとともに左耳枠可動体7200が左耳枠可動体第1面7210を手前側にして垂直に停止した状態(以下、第3状態という場合がある)となる。同時に、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200に対する光の照射態様が通常の発光演出状態とは異なる特定発光演出状態となる。このように、光の照射態様が特定発光演出状態となることにより遊技者に対して特別抽選結果が大当りであることが示されることとなる。
一方、図533(B)は特別抽選結果が外れである場合の演出パターンであり、操作部への操作が行われたとき(タイミングt14)に、右耳枠可動体7100が右耳枠可動体第2面7120を手前側にして垂直に停止するとともに左耳枠可動体7200が左耳枠可動体第2面7220を手前側にして垂直に停止した状態(以下、第4状態という場合がある)となる。同時に、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200に対する光の照射態様が消灯状態から通常の発光演出状態となる。このように、光の照射態様が通常の発光演出状態となることにより遊技者に対して特別抽選結果がハズレであることが示されることとなる。
図534(A)、図534(B)は、操作部への操作が有効となる期間が開始された(タイミングt9)のち、操作有効期間中に遊技者によって操作部への操作が行われず、予め定められた所定時間が経過してタイミングt18において操作有効期間が終了した場合の演出態様を示している。これらの演出パターンにおいては、タイミングt18において操作指示表示が終了するとともに、それまで回転していた枠可動体が特別抽選結果に対応した所定の回動角度において自動的に停止するとともに、枠可動体に対する光の照射態様が特別抽選結果に対応した所定の発光演出状態となる。
図534(A)は特別抽選結果が大当りである場合の演出パターンであり、操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)において、右耳枠可動体7100が右耳枠可動体第1面7110を手前側にして垂直に停止するとともに左耳枠可動体7200が左耳枠可動体第1面7210を手前側にして垂直に停止した状態(第3状態)となる。同時に、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200に対する光の照射態様が通常の発光演出状態とは異なる特定発光演出状態となる。このように、光の照射態様が特定発光演出状態となることにより遊技者に対して特別抽選結果が大当りであることが示されることとなる。
一方、図534(B)は特別抽選結果がハズレである場合の演出パターンであり、操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)において、右耳枠可動体7100が右耳枠可動体第2面7120を手前側にして垂直に停止するとともに左耳枠可動体7200が左耳枠可動体第2面7220を手前側にして垂直に停止した状態(第4状態)となる。同時に、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200に対する光の照射態様が消灯状態から通常の発光演出状態となる。このように、光の照射態様が通常の発光演出状態となることにより遊技者に対して特別抽選結果がハズレであることが示されることとなる。
図533(A)〜図534(B)に示す各演出パターンにおいては、操作有効期間終了後の予め定められたタイミング(タイミングt20)において、変動していた装飾図柄が特別抽選結果に対応した態様で停止表示される。例えば、図533(A)、図534(A)に示す演出パターンの場合は、特別抽選結果が大当りであることを示すぞろ目の態様(例えば、「7」「7」「7」)で装飾図柄が停止表示され、図533(B)、図534(B)に示す演出パターンの場合は、特別抽選結果がハズレであることを示すリーチハズレ態様(例えば、「7」「6」「7」)で装飾図柄が停止表示される。
装飾図柄が停止してから4秒が経過したタイミング(タイミングt24)において、枠可動体は、特定発光演出状態あるいは通常の発光演出状態のいずれかの発光態様を維持したまま、右耳枠可動体第1面7110と左耳枠可動体第1面7210とが前方を向いた状態(第3状態)あるいは右耳枠可動体第2面7120と左耳枠可動体第2面7220とが前方を向いた状態(第4状態)から右耳枠可動体第1面7110と左耳枠可動体第1面7210とが下方を向いた状態(第1状態)へと状態を変化させる。同時に、枠可動体模擬画像の表示は終了する。
特別抽選結果が大当りの場合、枠可動体に対する光の照射状態を大当たり中の所定のタイミングで特定発光演出状態から通常の発光演出状態へと変化させるように構成するとよい。特別抽選結果がハズレの場合は、通常の発光演出状態が継続され、次の装飾図柄の変動が開始される。
このように、枠可動体が待機状態(第1状態)から回転状態(第2状態)となるタイミングで、枠可動体模擬画像を表示するように構成したことで、枠可動体が回転状態(第2状態)となっていることを遊技者が見逃すといった事態の発生を抑制することが可能となる。また、特別抽選結果に対応して(例えばリーチ演出の発生に対応して)、枠可動体が従来にない位置に出現することで、遊技者に大きな驚きや面白みを感じさせることが可能となる。また、遊技者による操作部への操作を契機として、枠可動体の所定の停止状態(第3状態あるいは第4状態)で停止するとともに枠可動体への光の照射態様が変化することで、特別抽選結果を自分が決定したかのような感覚を遊技者に付与することが可能となる。
図535(A)〜図535(E)は、図532(A)〜図532(E)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図535(A)、図535(B)はパチンコ機1の正面図である。図535(C)はパチンコ機1の平面図である。図535(D)、図535(E)はパチンコ機1の右側面図である。図535(A)、図535(C)、図535(D)は右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が待機位置にある状態(第1状態)を示している。図535(B)、図535(E)は右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が回転している状態(第2状態)を示している。
この実施形態において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は、その下部に右耳枠可動体回動軸7140と左耳枠可動体回動軸7240とをそれぞれ有している。また、扉枠トップユニット570の上下方向の厚さが、図532(A)〜図532(E)を参照して説明した実施形態と比べて小さくなっている。また、扉枠トップユニット570の上面に対して、右耳枠可動体回動軸7140と左耳枠可動体回動軸7240がそれぞれ直交するように設けられている。また、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の上半分は、外枠2や扉枠ベースユニット100の上面よりも高い位置に位置している。
右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が待機位置にある状態(第1状態)において、右耳枠可動体第1面7110と左耳枠可動体第1面7210は互いに向き合うように位置している。一方、回転状態においては、右耳枠可動体第1面7110は平面視で見て時計回りに回転し、左耳枠可動体第1面7210は平面視で見て反時計回りに回転する。例えば、図535(B)、図535(E)は、右耳枠可動体第1面7110が平面視で見て時計回りに90度回転し、左耳枠可動体第1面7210が平面視で見て反時計回りに90度回転した状態を示しているものともいえる。なお、このような回転態様とすることで、右耳枠可動体第1面7110を平面視で見て反時計回りに回転させ、左耳枠可動体第1面7210を平面視で見て時計回りに回転させる場合と比べ、遊技者や遊技店の店員が枠可動体に不用意に手や顔を近づけていたとしても、手や顔が遊技機後方に引きずり込まれてけがをするといった事態の発生を抑制することが可能となる。このような構造の枠可動体において、図533(A)〜図534(B)を参照して上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。また、後述するタイムチャートの変形例をこのような構造の枠可動体に適用してもよい。
図536(A)〜図536(E)は、図535(A)〜図535(E)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図536(A)、図536(B)はパチンコ機1の正面図である。図536(C)はパチンコ機1の平面図である。図536(D)、図536(E)はパチンコ機1の右側面図である。図536(A)、図536(C)、図536(D)は右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が待機位置にある状態(第1状態)を示している。図536(B)、図536(E)は扉枠トップユニット570から右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が回転している状態(第2状態)を示している。
この実施形態においても、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は、扉枠トップユニット570の上面に対して直交するように設けられている。一方で、本実施形態においては、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の上、左、右、後ろを覆うように扉枠トップユニット570の一部が上方に突出する部位を有している。また、右耳枠可動体7100が有する右耳枠可動体第1面7110と左耳枠可動体7200が有する左耳枠可動体第1面7210はそれぞれ有色(具体的には桃色)透明の合成樹脂により形成されている。また、右耳枠可動体7100が有する右耳枠可動体第2面7120と左耳枠可動体7200が有する左耳枠可動体第2面7220はそれぞれ灰色不透明の合成樹脂により形成されている。本実施形態においても、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200を、図535(A)〜図535(E)を示して説明した実施形態と同様の状態とすることが可能である。このように枠可動体を覆う部位を設けるようにしたことで、遊技者や遊技店の店員が枠可動体に不用意に手や顔を近づけていたとしても、手や顔が遊技機後方に引きずり込まれてけがをするといった事態の発生を抑制することが可能となる。このような構造の枠可動体において、図533(A)〜図534(B)を参照して上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。また、後述するタイムチャートの変形例をこのような構造の枠可動体に適用してもよい。
図537(A)〜図537(E)は、図536(A)〜図536(E)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図537(A)、図537(B)はパチンコ機1の正面図である。図537(C)はパチンコ機1の平面図である。図537(D)、図537(E)はパチンコ機1の右側面図である。図537(A)、図537(C)、図537(D)は右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が待機位置にある状態(第1状態)を示している。図537(B)、図537(E)は扉枠トップユニット570から右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が回転している状態(第2状態)を示している。
この実施形態においても、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の上、左、右、後ろを覆うように扉枠トップユニット570の一部が上方に突出する部位を有している。一方で、本実施形態においては、上方に突出する部位と右耳枠可動体7100、あるいは、上方に突出する部位と左耳枠可動体7200とを一体に構成し、それらが前方に移動したのちに右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200とが回転を開始するように構成している。図537(D)は前方への移動を開始する前の状態を、図537(E)は前方への移動が完了した状態を示している。
本実施形態においても、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200を、図535(A)〜図535(E)を示して説明した実施形態と同様の状態とすることが可能である。
このように枠可動体を覆う部位を設けるようにしたことで、遊技者や遊技店の店員が枠可動体に不用意に手や顔を近づけていたとしても、手や顔が遊技機後方に引きずり込まれてけがをするといった事態の発生を抑制することが可能となる。なお、上方に突出する部位の前方を無色透明の合成樹脂により覆うことで、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200を視認可能としつつも、遊技者や遊技店の店員が接触できないように構成してもよい。
このような構造の枠可動体において、図533(A)〜図534(B)を参照して上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。この場合、上方に突出する部位と右耳枠可動体7100、上方に突出する部位と左耳枠可動体7200の前方への移動は、タイミングt5〜タイミングt7にかけて行ってもよいし、タイミングt7〜タイミングt9にかけて行ってもよい。また、上方に突出する部位を模した画像を枠可動体模擬画像として、上方に突出する部位が移動を開始するタイミングに合わせて表示するように構成してもよい。また、後述するタイムチャートの変形例をこのような構造の枠可動体に適用してもよい。
図523〜図525を参照して、扉枠トップユニット570に枠可動体を設けるとともに遊技盤側演出表示装置1600に枠可動体模擬画像を表示する実施形態を示したが、以下に、図538〜図540を参照してこの実施形態を変形させた実施形態を示す。以下に示す実施形態において、扉枠トップユニット570は、右耳枠可動体7100に代えて右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350を備えるとともに、左耳枠可動体7200に代えて左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450とを備えている。
図538(A)、図538(B)はパチンコ機1の正面図である。また、図538(C)、図538(D)はパチンコ機1の平面図である。また、図538(E)、図538(F)はパチンコ機1の右側面図である。図538(A)、図538(C)、図538(E)は扉枠トップユニット570内に右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が収納された状態(以下、第1状態という場合がある)を示している。また、図538(B)、図538(D)、図538(F)は扉枠トップユニット570から右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が上方に突出した状態(以下、第2状態という場合がある)を示している。
図538(A)〜図538(F)に示すように本実施形態における扉枠トップユニット570は正面視において、左側に右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350を、右側に左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450を備えている。以下にこれらの具体的な構造及び動作態様を示す。なお、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450は基本的に構造が同一であるため、以下の説明においては、右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350のみを代表して説明する場合がある。
なお、図538(A)〜図538(F)や後述する図547(A)〜図547(E)を参照して示す実施形態において、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450を指して枠可動体という場合がある。また、右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400を指して内側枠可動体と、右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450を指して外側枠可動体という場合がある。
右耳内側枠可動体7300は、収納状態を平面視した状態において前後方向に縦長の長方形形状をした可動体である。右耳内側枠可動体7300は、収納状態(第1状態)において上方を、突出状態(第2状態)において前方を向く右耳内側枠可動体第1面7310と、収納状態(第1状態)において下方を、突出状態(第2状態)において後方を向く右耳内側枠可動体第2面7320とを有している。右耳内側枠可動体第1面7310は、有色(具体的には桃色)透明の合成樹脂により形成されている。右耳内側枠可動体7300が有する右耳内側枠可動体第1面7310以外の面(上面、左側面、右側面、右耳内側枠可動体第2面7320)は、白色半透明の合成樹脂により形成されている。なお、左耳内側枠可動体7400も右耳内側枠可動体7300と同一のこのような構造を備えている。
右耳外側枠可動体7350は、正面視において縦長の長方形形状をした可動体であり、前方を向いた右耳外側枠可動体第1面7360と後方を向いた右耳外側枠可動体第2面7370とを有している。右耳外側枠可動体7350が有する右耳外側枠可動体第1面7360、右耳外側枠可動体第2面7370、及びその他の面(上面、左側面、右側面)は、白色半透明の合成樹脂により形成されている。なお、左耳外側枠可動体7450も右耳外側枠可動体7350と同一のこのような構造を備えている。
右耳内側枠可動体7300の内部には、長方形形状の右耳内側枠可動体発光部7330が設けられている。また、右耳外側枠可動体7350の内部には、正方形形状の右耳外側枠可動体発光部7380が設けられている。
右耳内側枠可動体発光部7330と右耳外側枠可動体発光部7380は、具体的には、白色の保護膜が両面に塗布されたプリント基板により構成されており、扉枠トップユニット570から突出した状態(第2状態)において遊技者側に向けて発光可能な発光ダイオードがその表面に実装されている。右耳内側枠可動体発光部7330と右耳外側枠可動体発光部7380は、周辺制御基板1510による制御により、所定の発光態様で発光することが可能である。なお、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450も、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350と同一のこのような構造を備えている。
右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400は、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構によって、右耳内側枠可動体回動軸7340と左耳内側枠可動体回動軸7440を回動軸として、右から見て反時計回りに90度回転させることで、それぞれ図538(A)、図538(C)、図538(E)に示すような扉枠トップユニット570内の待機位置に収納された状態(第1状態)から、図538(B)、図538(D)、図538(F)に示すような扉枠トップユニット570の上面から上方に向けて垂直に突出した状態(第2状態)へと制御することが可能である。
一方、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450は、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構によって上方に移動することで、それぞれ図538(A)、図538(C)、図538(E)に示すような扉枠トップユニット570内の待機位置に収納された状態(第1状態)から、図538(B)、図538(D)、図538(F)に示すような扉枠トップユニット570の上面から上方に向けて垂直に突出した状態(第2状態)へと制御することが可能である。
右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が、それぞれ扉枠トップユニット570の上面から上方に向けて垂直に突出した状態(第2状態)になったときには、図538(B)に示すように、右耳外側枠可動体7350の内側に右耳内側枠可動体7300が位置し、左耳外側枠可動体7450の内側に左耳内側枠可動体7400が位置した状態で遊技者から視認可能となる。右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450は動物の耳を模した形状となっており、扉枠トップユニット570に収納された状態(第1状態)と扉枠トップユニット570の上面から垂直に上方に突出した状態(第2状態)とを取ることで動物の耳が動いた状態を装飾的に表現することが可能なものとなっている。
なお、右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400は周辺制御基板1510による制御によりそれぞれ独立して扉枠トップユニット570に収納された状態(第1状態)と扉枠トップユニット570の上面から垂直に上方に突出した状態(第2状態)とをとることが可能である。
また、右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450は、それぞれ、右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400が扉枠トップユニット570の上面から垂直に上方に突出した状態(第2状態)になっている場合に、周辺制御基板1510による制御によりそれぞれ独立して扉枠トップユニット570に収納された状態(第1状態)から、扉枠トップユニット570の上面から垂直に上方に突出した状態(第2状態)に状態を変化させることが可能である。
本実施形態において扉枠トップユニット570は、白色で半透明な合成樹脂により形成されている。そのため、図538(A)に示すように右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450が扉枠トップユニット570に収納された状態で、右耳外側枠可動体発光部7380、左耳外側枠可動体発光部7480を所定の態様で発光させた場合には、扉枠トップユニット570の前面をぼんやりと発光させた状態で遊技者に視認させることが可能となっている。
一方、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が扉枠トップユニット570から飛び出した状態において、右耳内側枠可動体発光部7330、右耳外側枠可動体発光部7380、左耳内側枠可動体発光部7430、左耳外側枠可動体発光部7480を所定の態様で発光させた場合には、右耳内側枠可動体第1面7310、右耳外側枠可動体第1面7360、左耳内側枠可動体第1面7410、左耳外側枠可動体第1面7460を所定の発光演出状態で遊技者に視認させることが可能となっている。
なお、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が扉枠トップユニット570から飛び出した状態(第2状態)においては、右耳内側枠可動体7300の背後を覆うように右耳外側枠可動体7350が、左耳内側枠可動体7400の背後を覆うように左耳外側枠可動体7450が位置する関係となるため、右耳外側枠可動体発光部7380や左耳外側枠可動体発光部7480から前方に照射された光が、右耳内側枠可動体第2面7320や左耳内側枠可動体第2面7420に向かったとしても右耳内側枠可動体第2面7320や左耳内側枠可動体第2面7420において後方に向けて乱反射され、最終的には、右耳外側枠可動体第1面7360や左耳外側枠可動体第1面7460によって前方に光が乱反射されることとなるため、右耳外側枠可動体発光部7380や左耳外側枠可動体発光部7480から照射された光の利用効率を高めることが可能となっている。
このように、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が移動して、外枠2や扉枠ベースユニット100の上面よりも上方に位置することになるため、遊技盤内可動体を移動させる場合と比べると従来にない驚きや面白さを遊技者に対して与えることが可能となる。
次いで、図539(A)〜図540(B)を参照して、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450の具体的な動作態様、枠可動体の動作態様に合わせて遊技盤側演出表示装置1600において表示される枠可動体を模した画像である枠可動体模擬画像の表示態様、操作ボタン410(以下、操作部という場合がある)に対する遊技者の操作受付態様、右耳内側枠可動体発光部7330、右耳外側枠可動体発光部7380、左耳内側枠可動体発光部7430、左耳外側枠可動体発光部7480(以下、枠可動体発光部という場合がある)における発光態様等を組み合わせた演出例を示す。
図539(A)〜図540(B)は、それぞれ、枠可動体の動作態様と、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体を模した画像である枠可動体模擬画像の表示状態と、操作部の受け付け状態と、遊技盤側演出表示装置1600に表示される操作指示表示の表示状態と、枠可動体発光部の発光演出状態とを示したタイムチャートである。
図539(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図539(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図540(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。図540(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。
図539(A)〜図540(B)に示す各演出パターンにおいて、内側枠可動体が収納された状態(第1状態)から突出した状態(第2状態)へと変化するタイミング、枠可動体模擬画像の表示態様、操作部に対する操作受付が有効となるタイミング、操作指示表示が開始されるタイミング、枠可動体発光部が発光演出状態から消灯状態となるタイミングは同一である。一方、外側枠可動体の動作の有無、操作指示表示が終了するタイミング、枠可動体発光部が消灯状態から発光演出状態や特定発光演出状態となるタイミングは演出パターンによって相違する場合がある。以下に、図539(A)〜図540(B)を参照して各演出パターンにおける具体的な演出例を示す。
図539(A)〜図540(B)に示す演出パターンにおいては、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450は初期状態(タイミングt0以前)において、扉枠トップユニット570に収納された状態(以下、第1状態、待機状態という場合がある)となっている。この状態において、特別抽選結果に対応したリーチ演出状態がタイミングt0〜タイミングt7の間の所定のタイミング(例えばタイミングt4)で発生すると、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400が右から見て反時計回りの方向に回動を開始する(タイミングt7)。
同時に、遊技盤側演出表示装置1600の中央において、一部の枠可動体模擬画像の表示が開始される。また、同時に、扉枠トップユニット570を模した画像である扉枠トップユニット模擬画像の表示も開始される。枠可動体模擬画像は、具体的には右耳内側枠可動体7300を模した画像、右耳外側枠可動体7350を模した画像、左耳内側枠可動体7400を模した画像、左耳外側枠可動体7450を模した画像とから構成されている。
枠可動体模擬画像は現実の右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400の回動に合わせて、右耳内側枠可動体7300を模した画像、左耳内側枠可動体7400を模した画像が回動する態様で動的に表示される。なお、枠可動体模擬画像のうち、右耳外側枠可動体7350を模した画像、左耳外側枠可動体7450を模した画像についてはこの段階ではまだ表示されていない。現実の右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400の上昇が終了するタイミング(タイミングt9)に合わせて、右耳内側枠可動体7300を模した画像、左耳内側枠可動体7400を模した画像の回動する態様の表示が終了し、その後は停止した状態を示す態様で表示され続ける(タイミングt9以降)。右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400はタイミングt7において上昇を開始してから2秒後のタイミングt9において回動を完了した状態(以下、第2状態、上昇状態という場合がある)となる。
一方、タイミングt9においては、操作部に対する操作受付が有効となるとともに、遊技盤側演出表示装置1600に操作部に対する操作を指示する画像の表示(以下、操作指示表示という場合がある)が開始される。操作指示表示としては、例えば、操作ボタン410の外観を模した画像を表示してもよいし、操作部を操作することを指示する文字列(例えば「プッシュ!!」という文字列)を表示してもよい。なお、操作有効期間は、操作部に対して操作受付が行われるまで(以下に示す例においては、タイミングt14)、あるいは、所定時間が経過するまで(タイミングt18まで)継続する。また、タイミングt9においては、すべての枠可動体発光部が発光演出状態から消灯状態となる。
図539(A)、図539(B)は、操作部への操作が有効となる期間が開始された(タイミングt9)のち、タイミングt14において操作部への操作が行われた場合の演出態様を示している。これらの演出パターンにおいては、タイミングt14において操作指示表示が終了するとともに、枠可動体発光部が特別抽選結果に対応した所定の発光演出状態となる。
図539(A)は特別抽選結果が大当りである場合の演出パターンであり、操作部への操作が行われたとき(タイミングt14)に、枠可動体発光部が、消灯状態から通常の発光演出状態とは異なる特定発光演出状態となる。同時に、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450が扉枠トップユニット570に収納された状態(第1状態)から上昇を開始し、2秒後(タイミングt16)に上昇動作を完了した状態(第2状態)となる。また、同時に、遊技盤側演出表示装置1600には、すでに停止した態様で表示されている右耳内側枠可動体7300を模した画像、左耳内側枠可動体7400を模した画像に加えて、新たな枠可動体模擬画像として、右耳外側枠可動体7350を模した画像、左耳外側枠可動体7450を模した画像の表示が開始される。右耳外側枠可動体7350を模した画像、左耳外側枠可動体7450を模した画像は、現実の右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450の上昇動作と同じ態様で、タイミングt14からタイミングt16にかけて、収納された状態を示す表示態様から上昇動作を完了した表示態様へと変化する。このように、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400が回動動作を完了した状態(第2状態)で消灯状態から特定発光演出状態となること、消灯状態から特定発光演出状態となった右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450が扉枠トップユニット570に収納された状態(第1状態)から上昇動作を完了した状態(第2状態)となること、右耳外側枠可動体7350を模した画像と左耳外側枠可動体7450を模した画像とが遊技盤側演出表示装置1600において上昇する態様で表示されることにより遊技者に対して特別抽選結果が大当りであることが示されることとなる。
一方、図539(B)は特別抽選結果が外れである場合の演出パターンであり、操作部への操作が行われたとき(タイミングt14)に、枠可動体発光部が消灯状態から通常の発光演出状態となる。この場合、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450については収納された状態(第1状態)が維持され、何らかの動作が行われることはない。また、右耳外側枠可動体7350を模した画像や左耳外側枠可動体7450を模した画像の表示が行われることはない。このように、枠可動体発光部が通常の発光演出状態となることや、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450が動作しないことなどにより遊技者に対して特別抽選結果がハズレであることが示されることとなる。
図540(A)、図540(B)は、操作部への操作が有効となる期間が開始された(タイミングt9)のち、操作有効期間中に遊技者によって操作部への操作が行われず、予め定められた所定時間が経過してタイミングt18において操作有効期間が終了した場合の演出態様を示している。これらの演出パターンにおいては、タイミングt18において操作指示表示が終了するとともに、枠可動体発光部が特別抽選結果に応じた所定の発光演出状態となる。
図540(A)は、特別抽選結果が大当りである場合の演出パターンであり、操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)において、枠可動体発光部が通常の発光演出状態とは異なる特定発光演出状態となる。同時に、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450が扉枠トップユニット570に収納された状態(第1状態)から上昇を開始し、2秒後(タイミングt16)に上昇動作を完了した状態(第2状態)となる。また、同時に、遊技盤側演出表示装置1600には、すでに停止した態様で表示されている右耳内側枠可動体7300を模した画像、左耳内側枠可動体7400を模した画像に加えて、新たな枠可動体模擬画像として、右耳外側枠可動体7350を模した画像、左耳外側枠可動体7450を模した画像の表示が開始される。右耳外側枠可動体7350を模した画像、左耳外側枠可動体7450を模した画像は、現実の右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450の上昇動作と同じ態様で、タイミングt18からタイミングt20にかけて、収納された状態を示す表示態様から上昇動作を完了した表示態様へと変化する。
このように、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400が回動動作を完了した状態(第2状態)で消灯状態から特定発光演出状態となること、消灯状態から特定発光演出状態となった右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450が扉枠トップユニット570に収納された状態(第1状態)から上昇動作を完了した状態(第2状態)となること、右耳外側枠可動体7350を模した画像と左耳外側枠可動体7450を模した画像とが遊技盤側演出表示装置1600において上昇する態様で表示されることにより遊技者に対して特別抽選結果が大当りであることが示されることとなる。
一方、図540(B)は、特別抽選結果がハズレである場合の演出パターンであり、操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)において、枠可動体発光部が通常の発光演出状態となる。この場合、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450については収納された状態(第1状態)が維持され、何らかの動作が行われることはない。また、右耳外側枠可動体7350を模した画像や左耳外側枠可動体7450を模した画像の表示が行われることはない。このように、枠可動体発光部が通常の発光演出状態となることや、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450が動作しないことなどにより遊技者に対して特別抽選結果がハズレであることが示されることとなる。
図539(A)〜図540(B)に示す各演出パターンにおいては、操作有効期間終了後の予め定められたタイミング(タイミングt24)において、変動していた装飾図柄が特別抽選結果に対応した態様で停止表示される。例えば、図539(A)、図540(A)に示す演出パターンの場合は、特別抽選結果が大当りであることを示すぞろ目の態様(例えば、「7」「7」「7」)で装飾図柄が停止表示され、図539(B)、図540(B)に示す演出パターンの場合は、特別抽選結果がハズレであることを示すリーチハズレ態様(例えば、「7」「6」「7」)で装飾図柄が停止表示される。
装飾図柄が停止してから2秒が経過したタイミング(タイミングt26)において、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450は、特定発光演出状態あるいは通常の発光演出状態のいずれかの発光態様を維持したまま上昇位置(第2状態)から収納位置(第1状態)へと移動を開始する。同時に、現実の右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450の下降する動作に合わせて、枠可動体模擬画像のうち右耳外側枠可動体7350を模した画像と左耳外側枠可動体7450を模した画像とが、下降していく表示態様となる。右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450の収納位置への移動が終了したタイミング(タイミングt28)で、右耳外側枠可動体7350を模した画像と左耳外側枠可動体7450を模した画像は、現実の右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450の下降する動作に合わせて、下降が終了しきった表示態様となるとともに、その表示が終了する。
右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450の収納位置への移動が終了してから2秒が経過したタイミング(タイミングt30)において、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400は、特定発光演出状態あるいは通常の発光演出状態のいずれかの発光態様を維持したまま上昇位置(第2状態)から収納位置(第1状態)へと移動を開始する。同時に、現実の右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400が回動しながら下降していく動作に合わせて、枠可動体模擬画像のうち右耳内側枠可動体7300を模した画像と左耳内側枠可動体7400を模した画像とが、回動しながら下降していく表示態様となる。右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400の収納位置への移動が終了したタイミング(タイミングt32)で、右耳内側枠可動体7300を模した画像と左耳内側枠可動体7400を模した画像は、現実の右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400の下降する動作に合わせて、下降が終了しきった表示態様となるとともに、その表示が終了する。
特別抽選結果が大当りの場合、枠可動体の発光状態を大当たり中の所定のタイミングで特定発光演出状態から通常の発光演出状態へと変化させるように構成するとよい。特別抽選結果がハズレの場合は、通常の発光演出状態が継続され、次の装飾図柄の変動が開始される。
このように、枠可動体が移動を開始するタイミングで、枠可動体模擬画像を表示するようにしたことで、枠可動体が動作していることや操作部の操作に応じた発光態様の変化を遊技者が見逃すといった事態の発生を抑制することが可能となる。また、特別抽選結果に対応して、枠可動体が従来にない位置に出現することで、遊技者に大きな驚きや面白みを感じさせることが可能となる。また、内側枠可動体が待機状態(第1状態)から移動状態(第2状態)へと変化したのち、遊技者による操作部への操作を契機として、外側枠可動体が待機状態(第1状態)から移動状態(第2状態)変化する場合としない場合とがあることで、特別抽選結果を自分が決定したかのような感覚を遊技者に付与することが可能となる。また、内側枠可動体が先に移動状態(第2状態)となり、移動状態となったことに遊技者が気づきうる状況において、遊技者に操作部への操作の要求が行われることとなる。これにより、遊技者は内側枠可動体に続いて、外側枠可動体が移動状態(第2状態)になるか否かに期待感を持ちながら操作部を操作することが可能となる。
図541(A)〜図541(E)は、図538(A)〜図538(F)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図541(A)、図541(B)はパチンコ機1の正面図である。図541(C)はパチンコ機1の平面図である。図541(D)、図541(E)はパチンコ機1の右側面図である。図541(A)、図541(C)、図541(D)は扉枠トップユニット570内に右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が収納された状態(第1状態)を示している。図541(B)、図541(E)は扉枠トップユニット570から右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が上方に突出した状態(第2状態)を示している。
この実施形態においては、右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450に加えて、右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400についても、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構によって上方に移動することで、それぞれ図541(A)、図541(C)、図541(D)に示すような扉枠トップユニット570内の待機位置に収納された状態(第1状態)から、図541(B)、図541(E)に示すような扉枠トップユニット570の上面から上方に向けて垂直に突出した状態(第2状態)へ制御することが可能である。
なお、扉枠トップユニット570の上面には、右耳内側枠可動体7300に対応する位置に扉枠トップユニット上第1右耳開口部7002が、右耳外側枠可動体7350に対応する位置に扉枠トップユニット上第2右耳開口部7004が、左耳内側枠可動体7400に対応する位置に扉枠トップユニット上第1左耳開口部7012が、左耳外側枠可動体7450に対応する位置に扉枠トップユニット上第2左耳開口部7014が設けられている。このような構造の枠可動体において、図539(A)〜図540(B)を参照して上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。また、後述するタイムチャートの変形例をこのような構造の枠可動体に適用してもよい。なお、図530(A)〜図530(E)を参照して示したように本実施形態における構造の枠可動体においても、右耳外側枠可動体7350や左耳外側枠可動体7450の上部の一部が第1状態において、扉枠トップユニット570の上面から突出しているように構成してもよい。
図542(A)〜図542(E)は、図541(A)〜図541(E)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図542(A)、図542(B)は、パチンコ機1の正面図である。図542(C)は、パチンコ機1の平面図である。図542(D)、図542(E)は、パチンコ機1の右側面図である。図542(A)、図542(C)、図542(D)は、扉枠トップユニット570内に右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が収納された状態(第1状態)を示している。図542(B)、図542(E)は扉枠トップユニット570から右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が上方に突出した状態(第2状態)を示している。
この実施形態においては、右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400が上方に向けて移動するのではなく、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構によって下方に移動することで、それぞれ図542(A)、図542(C)、図542(D)に示すような扉枠トップユニット570内の待機位置に収納された状態(第1状態)から、図542(B)、図542(E)に示すような扉枠トップユニット570の上面から上方にあるいは扉枠トップユニット570の下面から下方に向けて垂直に突出した状態(第2状態)へ制御することが可能である。
なお、扉枠トップユニット570の上面には、右耳外側枠可動体7350に対応する位置に扉枠トップユニット上右耳開口部7000が、左耳外側枠可動体7450に対応する位置に扉枠トップユニット上左耳開口部7010が設けられている。また、扉枠トップユニット570の下面には、右耳内側枠可動体7300に対応する位置に扉枠トップユニット下右耳開口部7020が、左耳内側枠可動体7400に対応する位置に扉枠トップユニット下左耳開口部7030が設けられている。
このような構造の枠可動体において図539(A)〜図540(B)を参照して上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。また、後述するタイムチャートの変形例をこのような構造の枠可動体に適用してもよい。この場合、特別抽選の結果が大当りになるか否かが明らかでない状態において、内側枠可動体が扉枠トップユニット570の下面から下方に向けて移動を開始し(タイミングt7)、特別抽選の結果が大当りとなる場合には、外側枠可動体が扉枠トップユニット570の上面から上方に向けて移動を開始する(タイミングt14やタイミング18など)。一方で、特別抽選の結果がハズレとなる場合には、外側枠可動体は移動することはない。このような構成とすることで、特別抽選の結果が大当りとなる場合には、外側枠可動体を他の遊技者や遊技店の店員に視認させることが可能となる。一方、特別抽選の結果がハズレとなる場合には、内側枠可動体は移動するものの外側枠可動体は移動しないため、特別抽選の結果がハズレになったことにより遊技者が感じる気まずさや恥ずかしさを軽減することが可能となる。なお、図538(A)〜図538(F)を参照して説明した実施形態においては、外側枠可動体と内側枠可動体とで動物の耳を装飾的に表現していたが、図542(A)〜図542(E)を参照して説明した実施形態においては、上方に突出する外側枠可動体によって動物の耳が表現されるとともに、内側枠可動体によって動物の眼が表現されている。
図543(A)〜図543(E)、図544(A)〜図544(E)は、図541(A)〜図541(E)や図542(A)〜図542(E)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図543(A)、図543(B)、図544(A)、図544(B)はパチンコ機1の正面図である。図543(C)、図544(C)はパチンコ機1の平面図である。図543(D)、図543(E)、図544(D)、図544(E)はパチンコ機1の右側面図である。本実施形態において、各枠可動体は、扉枠トップユニット570の下面から下方へ突出した状態(第1状態)と、扉枠トップユニット570の上面から上方へ突出した状態(第2状態)とをとることが可能である。
図543(A)、図543(C)、図543(D)は、内側枠可動体と外側枠可動体が扉枠トップユニット570の下面から下方へ突出した状態(第1状態)を示している。図543(B)、図543(E)は、内側枠可動体が扉枠トップユニット570の上面から上方へ突出した状態(第2状態)を示すとともに、外側枠可動体が扉枠トップユニット570の下面から下方へ突出した状態(第1状態)を示している。図544(A)、図544(C)、図544(D)は、内側枠可動体が扉枠トップユニット570の下面から下方へ突出した状態(第1状態)を示すとともに、外側枠可動体が扉枠トップユニット570の上面から上方へ突出した状態(第2状態)を示している。図544(B)、図544(E)は、内側枠可動体と外側枠可動体が扉枠トップユニット570の上面から上方へ突出した状態(第2状態)を示している。
この実施形態においては、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450は、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構によってそれぞれ第1状態から第2状態までの任意の位置に移動させ、停止させることが可能である。
なお、扉枠トップユニット570の上面には、右耳内側枠可動体7300に対応する位置に扉枠トップユニット上第1右耳開口部7002が、右耳外側枠可動体7350に対応する位置に扉枠トップユニット上第2右耳開口部7004が、左耳内側枠可動体7400に対応する位置に扉枠トップユニット上第1左耳開口部7012が、左耳外側枠可動体7450に対応する位置に扉枠トップユニット上第2左耳開口部7014が設けられている。
また、扉枠トップユニット570の下面には、右耳内側枠可動体7300に対応する位置に扉枠トップユニット下第1右耳開口部7022が、右耳外側枠可動体7350に対応する位置に扉枠トップユニット下第2右耳開口部7024が、左耳内側枠可動体7400に対応する位置に扉枠トップユニット下第1左耳開口部7032が、左耳外側枠可動体7450に対応する位置に扉枠トップユニット下第2左耳開口部7034が設けられている。
このような構造の枠可動体において、図539(A)〜図540(B)を参照して上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。また、後述するタイムチャートの変形例をこのような構造の枠可動体に適用してもよい。
この場合、特別抽選の結果が大当りになるか否かが明らかでない状態において、内側枠可動体が扉枠トップユニット570の下面から突出した状態(第1状態)から上方に向けて移動を開始し(タイミングt7)、タイミングt9において移動が完了する。図543(B)、図543(E)は内側枠可動体の移動が完了した状態を示している。特別抽選の結果が大当りとなる場合には、外側枠可動体が扉枠トップユニット570の下面から突出した状態(第1状態)から上方に向けて移動を開始する(タイミングt14やタイミング18など)。図544(B)、図544(E)は、外側枠可動体の移動が完了した状態(第2状態)を示している。一方で、特別抽選の結果がハズレとなる場合には、外側枠可動体は移動することはない。このような構成とすることで、特別抽選の結果が大当りとなる場合には、外側枠可動体を他の遊技者や遊技店の店員に視認させることが可能となる。一方、特別抽選の結果がハズレとなる場合には、内側枠可動体は移動するものの外側枠可動体は移動しないため、特別抽選の結果がハズレになったことにより遊技者が感じる気まずさや恥ずかしさを軽減することが可能となる。
内側枠可動体が上方に突出して第2状態となったのち、外側枠可動体が上方に突出して第2状態となる例を示したが、両者の関係を逆にしてもよい。この場合、外側枠可動体が、タイミングt7において上方に突出する動作を開始する。その後、移動が完了した状態(タイミングt9)においては、図544(A)、図544(D)に示す状態となる。さらに、タイミングt14やタイミング18において、内側枠可動体が上方に向けて移動を開始するように構成するとよい。このような枠可動体の動作する順序が逆の2つの演出パターンを実行可能に構成してもよい。さらに、内側枠可動体が先に動作する演出パターンよりも、外側枠可動体が先に動作する演出パターンの大当り期待度を高く設定するとよく、例えば外側枠可動体が先に動作した場合には確実に大当たりとなるように構成してもよい。
図545(A)〜図546(B)は、図538(A)〜図538(F)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図545(A)、図545(B)は、パチンコ機1の正面図である。図545(C)、図545(D)は、パチンコ機1の平面図である。図546(A)、図546(B)はパチンコ機1の右側面図である。図545(A)、図545(C)、図546(A)は扉枠トップユニット570内に右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が収納された状態(第1状態)を示している。図545(B)、図545(D)、図546(B)は扉枠トップユニット570から右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が上方に突出した状態(第2状態)を示している。
この実施形態においては、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450のすべてが、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構によって右から見て時計回りに90度回動することで上方に移動可能に構成されている。
このような構造の枠可動体において、図539(A)〜図540(B)を参照して上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。なお、図539(A)〜図540(B)を参照して説明した実施形態においては、内側枠可動体が第2状態となったのち、外側枠可動体を第2状態としているが、図545(A)〜図546(B)を参照して説明した枠可動体においては、内側枠可動体と外側枠可動体の移動する順番を逆にして、外側枠可動体をタイミングt7からタイミングt9において第1状態から第2状態に変化させたのち、内側枠可動体をタイミングt14あるいはタイミングt18において、第1状態から第2状態に変化させはじめるように構成するとよい。また、後述するタイムチャートの変形例をこのような構造の枠可動体に適用してもよい。
図532〜図534を参照して、扉枠トップユニット570に枠可動体を設けるとともに遊技盤側演出表示装置1600に枠可動体模擬画像を表示する実施形態を示したが、以下に、図547〜図549を参照してこの実施形態を変形させた実施形態を示す。以下に示す実施形態において、扉枠トップユニット570は、右耳枠可動体7100に代えて右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350を備えるとともに、左耳枠可動体7200に代えて左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450とを備えている。
図547(A)、図547(B)はパチンコ機1の正面図である。また、図547(C)はパチンコ機1の平面図である。また、図547(D)、図547(E)はパチンコ機1の右側面図である。図547(A)、図547(C)、図547(D)は扉枠トップユニット570内に右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が収納された状態(以下、第1状態という場合がある)を示している。また、図547(B)、図547(E)は扉枠トップユニット570から右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が上方に突出した状態(以下、第2状態という場合がある)を示している。
図547(A)〜図547(E)に示すように扉枠トップユニット570は、扉枠トップユニット上右耳開口部7000、扉枠トップユニット上左耳開口部7010、扉枠トップユニット内右側発光部7050、扉枠トップユニット内左側発光部7052を有している。なお、これらの具体的な構造や機能については図532(A)〜図532(E)を参照したものと同一であるため説明は省略する。
図547(A)〜図547(E)に示すように本実施形態における扉枠トップユニット570は正面視において、左側に右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350を、右側に左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450を備えている。以下にこれらの具体的な構造及び動作態様を示す。なお、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450は基本的に構造が同一であるため、以下の説明においては、右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350のみを代表して説明する場合がある。
図547(A)、図547(C)、図547(D)は右耳内側枠可動体7300が収納状態にある状態を示している。収納状態にある右耳内側枠可動体7300は、平面視において、縦長の長方形形状であり、下方を向いた右耳内側枠可動体第1面7310と上方を向いた右耳内側枠可動体第2面7320とを有している。右耳内側枠可動体第1面7310は、有色(具体的には桃色)透明の合成樹脂により形成されている。一方、右耳内側枠可動体第2面7320は灰色不透明の合成樹脂により形成されている。収納状態にある右耳外側枠可動体7350は、平面視において、右耳内側枠可動体7300を囲うように中央付近がくり抜かれたような縦長の長方形形状であり、下方を向いた右耳外側枠可動体第1面7360と上方を向いた右耳外側枠可動体第2面7370とを有している。右耳外側枠可動体第1面7360は、白色半透明の合成樹脂により形成されている。一方、右耳外側枠可動体第2面7370は灰色不透明の合成樹脂により形成されている。なお、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450も、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350と同一のこのような構造を備えている。
右耳内側枠可動体7300は、平面視における右側(内側)に右耳内側枠可動体回動軸7340を有している。また、右耳外側枠可動体7350は、平面視における左側(外側)に右耳外側枠可動体回動軸7390を有している。また、右耳内側枠可動体回動軸7340と右耳外側枠可動体回動軸7390は同一の軸線上に位置している。また、右耳内側枠可動体回動軸7340と右耳外側枠可動体回動軸7390は、扉枠トップユニット570の上面付近に取付けられている。なお、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450についても、右耳内側枠可動体、右耳外側枠可動体7350と同一のこのような構造を備えている。右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350は、周辺制御基板1510によって制御される図示しないパルスモータからの動力が右耳内側枠可動体回動軸7340と右耳外側枠可動体回動軸7390に伝達されることにより、左右方向を軸として回転することが可能である。また、左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450も同様の構造の左耳内側枠可動体回動軸7440と左耳外側枠可動体回動軸7490を有しており、周辺制御基板1510によって制御される図示しないパルスモータからの動力が左耳内側枠可動体回動軸7440と左耳外側枠可動体回動軸7490に伝達されることにより、左右方向を軸として回転することが可能である。右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450は、それぞれ独立して、図示しないパルスモータを制御することにより、右から見て時計回りあるいは反時計回りに任意の角度回動したり、任意の角度で停止したりすることが可能である。
図547(A)〜図547(E)に示すように、扉枠トップユニット570内には、右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350とを照明する扉枠トップユニット内右側発光部7050と、左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450とを照明する扉枠トップユニット内左側発光部7052が設けられている。扉枠トップユニット内右側発光部7050と扉枠トップユニット内左側発光部7052の具体的な構造は、図532(A)〜図532(E)を参照して説明したものと同一であるので省略する。
右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450は、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構によって、それぞれ図547(A)、図547(C)、図547(D)に示すような扉枠トップユニット570内の待機位置に収納された状態から、所定角度回動した任意の位置で停止した状態となることが可能である。図547(B)、図547(E)はその一例であり、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が収納状態から、右から見て時計回りに90度回転して、垂直な状態で、右耳内側枠可動体第1面7310、右耳外側枠可動体第1面7360、左耳内側枠可動体第1面7410、左耳外側枠可動体第1面7460が正面を向いて停止している状態を示している。右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450は動物の耳を模した形状となっており、扉枠トップユニット570に収納された状態と扉枠トップユニット570の上面から垂直となった状態とを取ることで動物の耳が動いた状態を装飾的に表現することが可能なものとなっている。
また、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450は、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構を連続して駆動させることにより、回転した状態で遊技者に視認させることも可能である。このように回転させる際には、1秒に1回転程度の速度で右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450を同じ方向に複数回回転させるとよい。図547(B)、図547(E)は、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450の回転中の状態を示しているともいうことができる。右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の回転方向は、右から見て時計回りに複数回回転させるように構成してもよいし、右から見て反時計回りに複数回回転させるように構成してもよい。このような構成とすることで、右耳内側枠可動体第1面7310と右耳内側枠可動体第2面7320が交互に遊技者から視認可能となる。また、右耳外側枠可動体第1面7360と右耳外側枠可動体第2面7370が交互に遊技者から視認可能となる。また、左耳内側枠可動体第1面7410と左耳内側枠可動体第2面7420が交互に遊技者から視認可能となる。また、左耳外側枠可動体第1面7460と左耳外側枠可動体第2面7470が交互に遊技者から視認可能となる。
右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が所定位置で停止したり、回転可能である点、扉枠トップユニット内右側発光部7050と扉枠トップユニット内左側発光部7052から照射される光によって、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450をそれぞれ所定の装飾状態とすることが可能である点を示したが、以下に具体的な例を示す。
図547(A)、図547(C)、図547(D)に示すように、右耳内側枠可動体7300が有する右耳内側枠可動体第1面7310、右耳外側枠可動体7350が有する右耳外側枠可動体第1面7360、左耳内側枠可動体7400が有する左耳内側枠可動体第1面7410、左耳外側枠可動体7450が有する左耳外側枠可動体第1面7460が下方を向いた状態で、扉枠トップユニット内右側発光部7050と扉枠トップユニット内左側発光部7052から光を照射した場合には、扉枠トップユニット570内で反射した光により、扉枠トップユニット570全体をぼんやりと発光させた状態とすることが可能である。これは、扉枠トップユニット570が白色で半透明な合成樹脂により形成されているためである。
一方、図547(B)、図547(E)に示すように、右耳内側枠可動体7300が有する右耳内側枠可動体第1面7310、右耳外側枠可動体7350が有する右耳外側枠可動体第1面7360、左耳内側枠可動体7400が有する左耳内側枠可動体第1面7410、左耳外側枠可動体7450が有する左耳外側枠可動体第1面7460が前方を向いた状態で、扉枠トップユニット内右側発光部7050と扉枠トップユニット内左側発光部7052から光を照射した場合には、その光によって、右耳内側枠可動体7300が有する右耳内側枠可動体第1面7310、右耳外側枠可動体7350が有する右耳外側枠可動体第1面7360、左耳内側枠可動体7400が有する左耳内側枠可動体第1面7410、左耳外側枠可動体7450が有する左耳外側枠可動体第1面7460が装飾されている状態を遊技者に視認させることが可能となる。なお、この場合にも、扉枠トップユニット内右側発光部7050と扉枠トップユニット内左側発光部7052から照射された光の一部は、扉枠トップユニット570を内側から照明することとなるため、扉枠トップユニット570全体がややぼんやりと発光した状態で遊技者から視認可能となる。
一方、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が回転した状態で、扉枠トップユニット内右側発光部7050と扉枠トップユニット内左側発光部7052から光を照射した場合には、照射された光によって、右耳内側枠可動体第1面7310と右耳内側枠可動体第2面7320、右耳外側枠可動体第1面7360と右耳外側枠可動体第2面7370、左耳内側枠可動体第1面7410と左耳内側枠可動体第2面7420、左耳外側枠可動体第1面7460と左耳外側枠可動体第2面7470とがそれぞれ交互に照明された状態となる。
このように、外枠2や扉枠ベースユニット100の上面よりも上方において、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が停止した状態で位置したり、回転したりすることになるため、遊技盤内可動体を移動させる場合と比べると従来にない驚きや面白さを遊技者に対して与えることが可能となる。
次いで、図548(A)〜図549(B)を参照して、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450(以下、枠可動体という場合がある)の具体的な動作態様、枠可動体の動作態様に合わせて遊技盤側演出表示装置1600において表示される枠可動体を模した画像である枠可動体模擬画像の表示態様、操作ボタン410(以下、操作部という場合がある)に対する遊技者の操作受付態様、扉枠トップユニット内右側発光部7050、扉枠トップユニット内左側発光部7052における発光態様等を組み合わせた演出例を示す。
図548(A)〜図549(B)は、それぞれ、外側に設けられた枠可動体(右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450)の動作態様と、遊技盤側演出表示装置1600に表示される外側に設けられた枠可動体(右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450)を模した画像である枠可動体模擬画像の表示状態と、内側に設けられた枠可動体(右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400)の動作態様と、遊技盤側演出表示装置1600に表示される内側に設けられた枠可動体(右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400)を模した画像である枠可動体模擬画像の表示状態と、操作部の受け付け状態と、遊技盤側演出表示装置1600に表示される操作指示表示の表示状態と、枠可動体に対する光の照射態様とを示したタイムチャートである。
図548(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図548(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図549(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。図549(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。
図548(A)〜図549(B)に示す各演出パターンにおいて、外側に設けられた枠可動体や内側に設けられた枠可動体が待機状態(第1状態)から回転状態(第2状態)へと変化するタイミング、枠可動体模擬画像の表示態様、操作部に対する操作受付が有効となるタイミング、操作指示表示が開始されるタイミング、枠可動体に対する光の照射態様が発光演出状態から消灯状態となるタイミングは同一である。一方、操作指示表示が終了するタイミング、枠可動体が第2状態(回転状態)から他の状態に変化するタイミング、枠可動体に対する光の照射態様が消灯状態から発光演出状態や特定発光演出状態となるタイミングは演出パターンによって相違する場合がある。以下に、図548(A)〜図549(B)を参照して各演出パターンにおける具体的な演出例を示す。
図548(A)〜図549(B)に示す演出パターンにおいては、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450は初期状態(タイミングt0以前)において、扉枠トップユニット570に収納された状態(以下、第1状態、待機状態という場合がある)となっており、具体的には、図547(A)、図547(C)、図547(D)に示すように右耳内側枠可動体第1面7310、右耳外側枠可動体第1面7360、左耳内側枠可動体第1面7410、左耳外側枠可動体第1面7460が下方を向いた状態となっている。この状態において、特別抽選結果に対応したリーチ演出状態がタイミングt0〜タイミングt5の間の所定のタイミング(例えばタイミングt1)で発生すると、右耳外側枠可動体第1面7360と左耳外側枠可動体第1面7460がタイミングt5において同時に回転を開始し、回転が継続された状態(以下、第2状態、回転状態という場合がある)となる。回転方向は右から見たときに時計回り方向であり、回転速度は1秒間に1回転する速度である。
同時に、遊技盤側演出表示装置1600の中央において、枠可動体模擬画像の表示が開始される。また、同時に、扉枠トップユニット570を模した画像である扉枠トップユニット模擬画像の表示も開始される。枠可動体模擬画像は、具体的には右耳内側枠可動体7300を模した画像、右耳外側枠可動体7350を模した画像、左耳内側枠可動体7400を模した画像、左耳外側枠可動体7450を模した画像とから構成されている。枠可動体模擬画像は現実の右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450の回転に合わせて、右耳外側枠可動体7350を模した画像、左耳外側枠可動体7450を模した画像が同じ方向に回転する態様で動的に表示され続ける。右耳外側枠可動体7350を模した画像、左耳外側枠可動体7450を模した画像の回転速度も現実の外側枠可動体の回転速度と同じ速度(1秒間に1回転する速度)で回転するように表示される。これにより、右耳外側枠可動体第1面7360や左耳外側枠可動体第1面7460が図547(B)、図547(E)に示すように正面を向いた回転状態にあるときには、右耳外側枠可動体7350を模した画像、左耳外側枠可動体7450を模した画像もそれぞれ、右耳外側枠可動体7350を模した画像が有する右耳外側枠可動体第1面7360を模した画像や左耳外側枠可動体7450を模した画像が有する左耳外側枠可動体第1面7460を模した画像が正面を向いた態様で枠可動体模擬画像として遊技盤側演出表示装置1600に表示される。
外側枠可動体の回転状態(第2状態)がタイミングt4からタイミングt9まで継続されたのち、タイミングt9においては、内側枠可動体(右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400)が同時に回転を開始し、回転が継続された状態(以下、第2状態、回転状態という場合がある)となる。内側枠可動体の回転態様や、内側枠可動体を模した画像の表示態様については、外側枠可動体と同様であるので説明は省略する。一方、タイミングt9においては、操作部に対する操作受付が有効となるとともに、遊技盤側演出表示装置1600に操作部に対する操作を指示する画像の表示(以下、操作指示表示という場合がある)が開始される。操作指示表示としては、例えば、操作ボタン410の外観を模した画像を表示してもよいし、操作部を操作することを指示する文字列(例えば「プッシュ!!」という文字列)を表示してもよい。なお、操作有効期間は、操作部に対して操作受付が行われるまで(以下に示す例においては、タイミングt14)、あるいは、所定時間が経過するまで(タイミングt18まで)継続する。また、タイミングt9においては、枠可動体に対して光を照射する扉枠トップユニット内右側発光部7050、扉枠トップユニット内左側発光部7052が発光演出を行った状態から消灯状態となる。
図548(A)、図548(B)は、操作部への操作が有効となる期間が開始された(タイミングt9)のち、タイミングt14において操作部への操作が行われた場合の演出態様を示している。これらの演出パターンにおいては、タイミングt14において操作指示表示が終了するとともに、それまで回転していた枠可動体が特別抽選結果に対応した所定の回動角度において停止するとともに、枠可動体に対する光の照射態様が特別抽選結果に対応した所定の発光演出状態となる。
図548(A)は特別抽選結果が大当りである場合の演出パターンであり、操作部への操作が行われたとき(タイミングt14)に、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が、それぞれ右耳内側枠可動体第1面7310、右耳外側枠可動体第1面7360、左耳内側枠可動体第1面7410、左耳外側枠可動体第1面7460を手前側にして垂直に停止した状態(以下、第3状態という場合がある)となる。同時に、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450に対する光の照射態様が通常の発光演出状態とは異なる特定発光演出状態となる。このように、光の照射態様が特定発光演出状態となることにより遊技者に対して特別抽選結果が大当りであることが示されることとなる。
一方、図548(B)は特別抽選結果がハズレである場合の演出パターンであり、操作部への操作が行われたとき(タイミングt14)に、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450がそれぞれ右耳内側枠可動体第2面7320、右耳外側枠可動体第2面7370、左耳内側枠可動体第2面7420、左耳外側枠可動体第2面7470を手前側にして垂直に停止した状態(以下、第4状態という場合がある)となる。同時に、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450に対する光の照射態様が消灯状態から通常の発光演出状態となる。このように、光の照射態様が通常の発光演出状態となることにより遊技者に対して特別抽選結果がハズレであることが示されることとなる。
図549(A)、図549(B)は、操作部への操作が有効となる期間が開始された(タイミングt9)のち、操作有効期間中に遊技者によって操作部への操作が行われず、予め定められた所定時間が経過してタイミングt18において操作有効期間が終了した場合の演出態様を示している。これらの演出パターンにおいては、タイミングt18において操作指示表示が終了するとともに、それまで回転していた枠可動体が特別抽選結果に対応した所定の回動角度において自動的に停止するとともに、枠可動体に対する光の照射態様が特別抽選結果に対応した所定の発光演出状態となる。
図549(A)は特別抽選結果が大当りである場合の演出パターンであり、操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)において、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が、それぞれ右耳内側枠可動体第1面7310、右耳外側枠可動体第1面7360、左耳内側枠可動体第1面7410、左耳外側枠可動体第1面7460を手前側にして垂直に停止した状態(以下、第3状態という場合がある)となる。同時に、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450に対する光の照射態様が通常の発光演出状態とは異なる特定発光演出状態となる。このように、光の照射態様が特定発光演出状態となることにより遊技者に対して特別抽選結果が大当りであることが示されることとなる。
一方、図549(B)は特別抽選結果がハズレである場合の演出パターンであり、操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)において、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450がそれぞれ右耳内側枠可動体第2面7320、右耳外側枠可動体第2面7370、左耳内側枠可動体第2面7420、左耳外側枠可動体第2面7470を手前側にして垂直に停止した状態(以下、第4状態という場合がある)となる。同時に、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450に対する光の照射態様が消灯状態から通常の発光演出状態となる。このように、光の照射態様が通常の発光演出状態となることにより遊技者に対して特別抽選結果がハズレであることが示されることとなる。
このように、特別抽選の結果が大当りである場合には、各枠可動体が第3状態で停止して、大当りであることが示され、特別抽選の結果がハズレである場合には、各枠可動体が第4状態で停止して、ハズレであることが示される。
図548(A)〜図549(B)に示す各演出パターンにおいては、操作有効期間終了後の予め定められたタイミング(タイミングt20)において、変動していた装飾図柄が特別抽選結果に対応した態様で停止表示される。例えば、図548(A)、図549(A)に示す演出パターンの場合は、特別抽選結果が大当りであることを示すぞろ目の態様(例えば、「7」「7」「7」)で装飾図柄が停止表示され、図548(B)、図549(B)に示す演出パターンの場合は、特別抽選結果がハズレであることを示すリーチハズレ態様(例えば、「7」「6」「7」)で装飾図柄が停止表示される。
装飾図柄が停止してから4秒が経過したタイミング(タイミングt24)において、枠可動体は、特定発光演出状態あるいは通常の発光演出状態のいずれかの発光態様を維持したまま、右耳内側枠可動体第1面7310、右耳外側枠可動体第1面7360、左耳内側枠可動体第1面7410、左耳外側枠可動体第1面7460が前方を向いた状態(第3状態)あるいは右耳内側枠可動体第2面7320、右耳外側枠可動体第2面7370、左耳内側枠可動体第2面7420、左耳外側枠可動体第2面7470が前方を向いた状態(第4状態)から右耳内側枠可動体第1面7310、右耳外側枠可動体第1面7360、左耳内側枠可動体第1面7410、左耳外側枠可動体第1面7460が下方を向いた状態(第1状態)へと状態を変化させる。同時に、枠可動体模擬画像の表示は終了する。
特別抽選結果が大当りの場合、枠可動体に対する光の照射状態を大当たり中の所定のタイミングで特定発光演出状態から通常の発光演出状態へと変化させるように構成するとよい。特別抽選結果がハズレの場合は、通常の発光演出状態が継続され、次の装飾図柄の変動が開始される。
このように、枠可動体が待機状態(第1状態)から回転状態(第2状態)となるタイミングで、枠可動体模擬画像を表示するように構成したことで、枠可動体が回転状態(第2状態)となっていることを遊技者が見逃すといった事態の発生を抑制することが可能となる。また、特別抽選結果に対応して、枠可動体が従来にない位置に出現することで、遊技者に大きな驚きや面白みを感じさせることが可能となる。また、外側枠可動体が待機状態(第1状態)から回転状態(第2状態)へと変化したのち、操作有効期間の開始に伴って内側枠可動体が待機状態(第1状態)から回転状態(第2状態)へと変化し、さらに遊技者による操作部への操作を契機として、内側枠可動体と外側枠可動体が、特別抽選の結果が大当りであることを示す第3状態あるいは、特別抽選の結果がハズレであることを示す第4状態のいずれかに変化することで、特別抽選結果を自分が決定したかのような感覚を遊技者に付与することが可能となる。
図550(A)〜図550(E)は、図547(A)〜図547(E)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図550(A)、図550(B)はパチンコ機1の正面図である。図550(C)はパチンコ機1の平面図である。図550(D)、図550(E)はパチンコ機1の右側面図である。図550(A)、図550(C)、図550(D)は右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が待機位置にある状態(第1状態)を示している。図550(B)、図550(E)は右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が回転している状態(第2状態)を示している。
この実施形態において、扉枠トップユニット570の上下方向の厚さが、図547(A)〜図547(E)を参照して説明した実施形態と比べて小さくなっており、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が下方からも視認可能に構成されている。
扉枠トップユニットの前端部付近には右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350に対応して扉枠トップユニット内右側発光部7050が設けられている。また、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450に対応して扉枠トップユニット内左側発光部7052が設けられている。扉枠トップユニット内右側発光部7050、扉枠トップユニット内左側発光部7052は、光を後方に向けて照射することが可能である。これにより、後方に位置する右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450を所定の発光演出状態とすることが可能である。
このような構造の枠可動体において、図548(A)〜図549(B)を参照して上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。なお、特別抽選結果が大当りである場合には、右耳内側枠可動体第1面7310、右耳外側枠可動体第1面7360、左耳内側枠可動体第1面7410、左耳外側枠可動体第1面7460が、図550(B)、図550(E)に示すように正面を向いて停止した状態(第3状態)にするとよい。一方、特別抽選結果がハズレである場合には、右耳内側枠可動体第2面7320、右耳外側枠可動体第2面7370、左耳内側枠可動体第2面7420、左耳外側枠可動体第2面7470が正面を向いて停止した状態(第4状態)にするとよい。また、後述するタイムチャートの変形例をこのような構造の枠可動体に適用してもよい。
図551(A)〜図552(B)は、図547(A)〜図547(E)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図551(A)、図551(B)はパチンコ機1の正面図である。図551(C)、図551(D)はパチンコ機1の平面図である。図552(A)、図552(B)はパチンコ機1の右側面図である。図551(A)、図551(C)、図552(A)は右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が待機位置にある状態(第1状態)を示している。図551(B)、図551(D)、図552(B)は右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が回転している状態(第2状態)を示している。
この実施形態において、扉枠トップユニット570の中央部が左右方向にくり抜かれたような形状となっており、右側面視でコの字状に視認可能である。左右方向にくり抜かれた形状の扉枠トップユニット570の下部には、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400が、左右方向にくり抜かれた形状の扉枠トップユニット570の上部には、右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450がそれぞれ設けられている。
右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400は、図551(A)、図551(C)、図552(A)に示すように待機状態(第1状態)において、右耳内側枠可動体第1面7310と左耳内側枠可動体第1面7410とが向かい合うように位置している。
一方、右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450は本実施形態においては、円筒状の側面の一部が切断された有底円筒形を上下方向に反転させた形状をしており、図551(A)、図551(C)、図552(A)に示すように待機状態(第1状態)において、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400の前方において、右耳外側枠可動体第1面7360、左耳外側枠可動体第1面7460が前方を向いた状態で位置しており、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400は正面視で視認不能に構成されている。一方、第1状態において、右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450を斜め下から視認した場合には、内側に位置している右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400の下部をそれぞれ視認することが可能である。
扉枠トップユニット570の下部には、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350に対応して扉枠トップユニット内右側発光部7050が設けられている。また、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450に対応して扉枠トップユニット内左側発光部7052が設けられている。扉枠トップユニット内右側発光部7050、扉枠トップユニット内左側発光部7052は、前方斜め上に向けて光を照射することが可能である。これにより、前方斜め上に位置する右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450を所定の発光演出状態とすることが可能である。
このような構造の枠可動体において、図548(A)〜図549(B)を参照して上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。なお、特別抽選結果が大当りである場合には、図551(B)、図551(D)、図552(B)に示すように、右耳内側枠可動体第1面7310、左耳内側枠可動体第1面7410が、正面を向いて停止した状態(第3状態)にするとよい。一方、特別抽選結果がハズレである場合には、右耳内側枠可動体第2面7320、左耳内側枠可動体第2面7420が正面を向いて停止した状態(第4状態)にするとよい。一方、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450については、特別抽選結果が大当りである場合でもハズレである場合でも、右耳外側枠可動体第2面7370、左耳外側枠可動体第2面7470が遊技者側を向いた状態にするとよい。また、後述するタイムチャートの変形例をこのような構造の枠可動体に適用してもよい。
図553(A)〜図553(D)、図554(A)〜図554(B)は、図523(A)〜図523(E)を示して説明した枠可動体の変形例を示している。図553(A)、図553(B)はパチンコ機1の正面図である。図553(C)、図553(D)はパチンコ機1の平面図である。図554(A)、図554(B)はパチンコ機1の右側面図である。図553(A)、図553(C)、図554(A)は複数の枠可動体が待機位置に収納された状態(第1状態)を示している。図553(B)、図553(D)、図554(B)は複数の枠可動体が移動位置に移動した状態(第2状態)を示している。
以下に示す実施形態において、扉枠トップユニット570に代えて、扉枠トップユニット顔装飾部7500を備えるとともに、扉枠サイドユニット右腕部7600と、扉枠サイドユニット左腕部7650と、幕板ボトムユニット右足可動体7700と、幕板ボトムユニット左足可動体7750と、を備えている。
扉枠トップユニット顔装飾部7500は、蓋付きの二部材で構成される箱を模した横長の直方体形状であり、その右側面及び左側面は、それぞれ、外枠2及び扉枠3を構成する扉枠ベースユニット100の右側面及び左側面と正面視で重なるように設けられている。
また、扉枠トップユニット顔装飾部7500の上面は、扉枠ベースユニット100よりも常時上方に位置している。
扉枠トップユニット顔装飾部7500は、蓋付きの二部材で構成される箱において上に被せる蓋箱にあたる扉枠トップユニット顔上可動体7510と、蓋付きの二部材で構成される箱において蓋を被せられる身箱にあたる扉枠トップユニット顔下部7520と、で構成されている。
扉枠トップユニット顔上可動体7510は、奥側の側面部のない蓋箱状で、扉枠トップユニット顔下部7520の上部を覆うように備えられていて、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構によって上下方向へ移動可能に設置されている。また、扉枠トップユニット顔上可動体7510の手前側の側面部には、正面視で見たときに縦長の長方形状であり、動物のロボットの目を模した形状の扉枠トップユニット右目装飾部7512と扉枠トップユニット左目装飾部7514とが設けられている。扉枠トップユニット顔上可動体7510には、扉枠トップユニット570と同様に動物の耳を模した右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が設けられている。本実施形態においても右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200は、上下方向に移動可能に構成されている。
扉枠トップユニット顔下部7520は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200とを収納可能な凹部を備えた身箱状の形状をしており、扉枠トップユニット570同様に扉枠3の上部に固定された状態で設けられている。また、扉枠トップユニット顔下部7520は、扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522と、扉枠トップユニット顔下口可動体7524とを備えている。
扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522は、扉枠トップユニット顔下部7520の手前側の側面部における左右方向中央付近において、扉枠トップユニット顔下部7520に埋め込まれるように設けられている。扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522は、直方体形状であるが、タンスの引戸を上下逆さにしたように下面が開放された箱型の形状をしている。扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522は、前後方向に移動可能である。扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522は、動物のロボットの鼻口部を模した枠可動体である。
扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522は、扉枠トップユニット顔上可動体7510の手前側の側面部に覆われるように設けられている。そのため、扉枠トップユニット顔上可動体7510の手前側の側面部に覆われた状態(第1状態)において、扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522は視認不能である。また、扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522は前方への移動ができない状態である。
扉枠トップユニット顔上可動体7510が上方に移動して第2状態となることで、扉枠トップユニット顔下部7520において埋め込まれるように設けられている扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522の手前側の面が、正面から視認可能な状態となるとともに、扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522は前方に移動可能な状態となる。
扉枠トップユニット顔下口可動体7524は、扉枠トップユニット顔下部7520の底面部の手前側の左右方向中央付近に設けられている。扉枠トップユニット顔下口可動体7524は円柱を扇型に切り取ったような形状をしており、図554(A)や図554(B)に示すように右側から見たときに扇型の中心角を成す辺が右方に位置するように設けられている。扉枠トップユニット顔下口可動体7524は、扇型の中心角を成す辺を回動軸として、所定の角度範囲内で回動することが可能である。また、扉枠トップユニット顔下口可動体7524は、手前側に位置する曲面状の面を有していない。このため、図553(B)、図554(B)に示すように扉枠トップユニット顔下口可動体7524が右側方から見て反時計回りに約35度回動した状態となったときには、その内部が視認可能となるように構成されている。
扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522が、扉枠トップユニット顔下部7520に埋め込まれるように設けられた状態(第1状態)から、前方に移動した状態(第2状態)へと変化し、扉枠トップユニット顔下口可動体7524が、扉枠トップユニット顔下部7520内に収納された状態(第1状態)から、右側方から見て反時計回りに約35度回動した状態(第2状態)へと変化することで、動物のロボットが口を開けた状態を模した状態を装飾的に表現することが可能なものとなっている。
扉枠サイドユニット右腕部7600と、扉枠サイドユニット左腕部7650はそれぞれ扉枠トップユニット顔装飾部7500の下方において、扉枠ベースユニット100の左右両端の前面から手前方向に突出するように設けられている。
扉枠サイドユニット右腕部7600は、扉枠サイドユニット右腕ケース部7610と、扉枠サイドユニット右腕上腕部7620と、扉枠サイドユニット右腕下腕部7630とにより構成されている。
扉枠サイドユニット右腕ケース部7610は、無色透明な合成樹脂によって形成されている。扉枠サイドユニット右腕ケース部7610は、内側に空隙を持つ箱型の形状となっており、その内部において、扉枠サイドユニット右腕上腕部7620と、扉枠サイドユニット右腕下腕部7630が移動可能である。扉枠サイドユニット右腕ケース部7610の厚さは数mm程度であり、内部で移動する扉枠サイドユニット右腕上腕部7620と、扉枠サイドユニット右腕下腕部7630を視認可能に構成されている
扉枠サイドユニット右腕上腕部7620は、柔軟性のある合成樹脂によりパイプ状の形状に形成されている。扉枠サイドユニット右腕上腕部7620の長さは約50cmであり、周辺制御基板1510によって制御される扉枠トップユニット顔下部7520内に設けられた図示しないリール状の駆動機構を回転させることによって、巻き上げたり下ろしたりすることが可能である。図553(A)、図554(A)は扉枠サイドユニット右腕上腕部7620が図示しないリール状の駆動機構によって巻き上げられた状態(第1状態)を示している。
扉枠サイドユニット右腕下腕部7630は、側面から見てアルファベットLの字状の二つの部材とそれらを係止する軸を模した円柱形状の部材により形成されていて、ロボットのマニピュレータを模した形状となっている。また、この円柱形状の部材には扉枠サイドユニット右腕上腕部7620の端部が取り付けられており、扉枠サイドユニット右腕上腕部7620が上述した図示しないリール状の駆動機構によって巻き上げられた状態(第1状態)において、扉枠サイドユニット右腕下腕部7630は扉枠サイドユニット右腕ケース部7610内の上部に位置している。
図示しないリール状の駆動機構を巻き上げる方向と逆の方向に回転させることで、扉枠サイドユニット右腕ケース部7610内において、扉枠サイドユニット右腕上腕部7620が下ろされることで、扉枠サイドユニット右腕下腕部7630が、自重により扉枠サイドユニット右腕ケース部7610内の下部に位置した状態となる。図553(B)は、扉枠サイドユニット右腕下腕部7630が扉枠サイドユニット右腕ケース部7610内の下部に位置した状態(第2状態)を示している。なお、第2状態においては、それまで視認不能であった扉枠サイドユニット右腕上腕部7620が視認可能となる。
扉枠サイドユニット左腕部7650は、扉枠サイドユニット右腕部7600と左右対称の同等の構造及び機能を有している。具体的には、扉枠サイドユニット左腕ケース部7660は、扉枠サイドユニット右腕ケース部7610と同等の構造及び機能を有しており、扉枠サイドユニット左腕上腕部7670は扉枠サイドユニット右腕上腕部7620と同等の構造及び機能を有しており、扉枠サイドユニット左腕下腕部7680は、扉枠サイドユニット右腕下腕部7630と同等の構造及び機能を有している。このため、扉枠サイドユニット左腕部7650を構成する各部材についての詳細な説明は省略する。
また、扉枠サイドユニット左腕部7650についても、扉枠サイドユニット右腕部7600と同様に扉枠サイドユニット左腕下腕部7680が図示しないリール状の駆動機構によって巻き上げられた状態(第1状態)と、リール状の駆動機構を巻き上げる方向と逆の方向に回転させることで下部に位置した状態(第2状態)とをとることが可能である。例えば、図553(B)、図554(B)は、扉枠サイドユニット左腕下腕部7680が下部に位置した状態(第2状態)を示している。なお、第2状態においては、それまで視認不能であった扉枠サイドユニット左腕上腕部7670が視認可能となる。
扉枠サイドユニット右腕ケース部7610の外側(正面視で左側)全体あるいは一部、扉枠サイドユニット左腕ケース部7660の外側(正面視で右側)全体あるいは一部を不透明な合成樹脂により形成したり、無色透明な合成樹脂で形成したのちに有色不透明なシールなどを張り付けるように構成してもよい。なお、扉枠サイドユニット右腕ケース部7610の内側(正面視で右側)全体、扉枠サイドユニット左腕ケース部7660の内側(正面視で左側)全体は無色透明な合成樹脂により形成するとよい。
このような構成とすることで、扉枠サイドユニット右腕上腕部7620、扉枠サイドユニット右腕下腕部7630、扉枠サイドユニット左腕上腕部7670、扉枠サイドユニット左腕下腕部7680が移動したことを左右の遊技者から視認することが困難となり、動作したことを他の遊技者に知られることなく、パチンコ機1で遊技を行っている遊技者のみで満喫することが可能となる。また、後述するようにこれらの枠可動体を所定の期待度を示唆する目的で動作させた場合には、これらの枠可動体が動作したのち、特別抽選結果がハズレとなった場合でも、他の遊技者によって視認されにくくなり、他の遊技者に対して恥ずかしさを感じにくくなる。
幕板部材50は、正面視で左側に幕板ボトムユニット右足可動体7700を、正面視で右側に幕板ボトムユニット左足可動体7750を有している。幕板ボトムユニット右足可動体7700と幕板ボトムユニット左足可動体7750は、図553(A)、図554(A)に示すように待機位置にある状態(第1状態)では、皿ユニット320とハンドルユニット300の下方にそれぞれ位置している。
幕板ボトムユニット右足可動体7700は、幕板ボトムユニット右足スネ部7710と幕板ボトムユニット右足先部7720とで構成されている。幕板ボトムユニット右足スネ部7710の形状は円柱状である。また、幕板ボトムユニット右足先部7720は、足の形を模した直方体の形状をしており、足裏にあたる部分には二つの円形状の凹部を備えている。幕板ボトムユニット右足スネ部7710の手前側の面に対して、幕板ボトムユニット右足先部7720が取付けられている。このため、幕板ボトムユニット右足スネ部7710と幕板ボトムユニット右足先部7720とは一体に動作する。
外枠2の下部には、周辺制御基板1510によって制御される図示しない駆動機構が設けられており、幕板ボトムユニット右足スネ部7710を前後方向に移動させることが可能である。また、幕板ボトムユニット右足スネ部7710を、幕板ボトムユニット右足スネ部7710の長手方向を軸として所定角度回動させることが可能である。
例えば、幕板ボトムユニット右足スネ部7710を、図553(A)、図554(A)に示す待機位置にある状態(第1状態)から、前方に所定距離移動させたのち、正面から見て時計回りに90度回転させ、停止した状態(第2状態)に動作するように構成してもよい。図553(B)、図554(B)はこのようにして停止した状態(第2状態)となった幕板ボトムユニット右足スネ部7710を示している。
幕板ボトムユニット左足可動体7750は、幕板ボトムユニット右足可動体7700と左右対称の同等の構造及び機能を有している。具体的には、幕板ボトムユニット左足スネ部7760は、幕板ボトムユニット右足スネ部7710と同等の構造及び機能を有しており、幕板ボトムユニット左足先部7770は、幕板ボトムユニット右足先部7720と同等の構造及び機能を有している。このため、幕板ボトムユニット左足可動体7750を構成する各部材についての詳細な説明は省略する。
このように遊技機の下方に枠可動体を設けることで、従来のように枠可動体が動作したことを遊技者が視覚により認識するのではなく、遊技者の腕などの身体の一部に枠可動体が接触することで、枠可動体が動いたことを遊技者が認識するといった従来にない知覚体験を遊技者に与えることが可能となる。
図553、図554を参照して、パチンコ機1に複数の枠可動体がもうけられ、それらが動作する実施形態を示してきた。具体的には、扉枠トップユニット顔上可動体7510、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522、扉枠トップユニット顔下口可動体7524、扉枠サイドユニット右腕上腕部7620、扉枠サイドユニット右腕下腕部7630、扉枠サイドユニット左腕上腕部7670、扉枠サイドユニット左腕下腕部7680、幕板ボトムユニット右足可動体7700、幕板ボトムユニット左足可動体7750が、それぞれ、枠可動体として、図553(A)、図553(C)、図554(A)に示す待機位置にある状態(第1状態)から、図553(B)、図553(D)、図554(B)に示す移動位置にある状態(第2状態)へと変化する。また、各枠可動体には、各枠可動体に対応して設けられた図示しない駆動手段を周辺制御基板1510によって制御することで、第1状態と第2状態とを取ることが可能となる。
また、各枠可動体に周辺制御基板1510によって制御される発光手段を設け、上述したような通常の発光演出状態と特定発光演出状態とをとることができるように構成してもよい。
このような各枠可動体を、図524(A)〜図525(B)に示す演出パターンや図533(A)〜図534(B)に示す演出パターン、あるいはこれらの演出パターンを変形した演出パターンに適用して、動作させたり発光させたりするように構成してもよい。
なお、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200は、扉枠トップユニット顔上可動体7510に設けられている。扉枠トップユニット顔上可動体7510を上方に位置する第2状態とした後に、扉枠トップユニット顔上可動体7510に収納された状態(第1状態)の右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200とを上方に突出した状態(第2状態)とするように構成してもよい。また、このような動作を図539(A)〜図540(B)に示すタイムチャートやその変形例のタイムチャートに適用してもよい。具体的には、各タイムチャートにおいて最初に扉枠トップユニット顔上可動体7510を第1状態から第2状態とし、操作部への操作などに対応して、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200を第1状態から第2状態とするように構成してもよい。
あるいは、扉枠トップユニット顔上可動体7510を上方に位置する第2状態とした後に、扉枠トップユニット顔下部7520に収納された状態(第1状態)の扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522を前方に突出した状態(第2状態)とするように構成してもよい。また、このような動作を図539(A)〜図540(B)に示すタイムチャートやその変形例のタイムチャートに適用してもよい。具体的には、各タイムチャートにおいて最初に扉枠トップユニット顔上可動体7510を第1状態から第2状態とし、操作部への操作などに対応して、扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522を第1状態から第2状態とするように構成してもよい。
また、扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522を第1状態から第2状態としたのちに、扉枠トップユニット顔下口可動体7524を第1状態から第2状態とするように構成してもよい。また、このような動作を図539(A)〜図540(B)に示すタイムチャートやその変形例のタイムチャートに適用してもよい。
あるいは、扉枠トップユニット顔下口可動体7524を第1状態から第2状態としたのちに、扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522を第1状態から第2状態とするように構成してもよい。また、このような動作を図539(A)〜図540(B)に示すタイムチャートやその変形例のタイムチャートに適用してもよい。
図555(A)〜図555(K)は、図524(A)〜図525(B)を参照して説明した演出パターンに適応可能な枠可動体模擬画像の表示態様についての変形例を示したものである。なお、図555(A)は、図524(A)〜図525(B)を参照して説明した各演出パターンをまとめて表現したものである。
図555(B)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、タイミングt4において枠可動体模擬画像の動的表示が開始され、タイミングt6において枠可動体模擬画像の動的表示が完了する。その後、タイミングt7において、枠可動体の上昇動作が開始される。
このような動作・表示パターンを演出として実行可能に構成することで、枠可動体模擬画像の表示が、枠可動体が動作することの予告となる。また、枠可動体模擬画像の動的な表示により、枠可動体がどのように動作するのかを遊技者に認識させることができ、このような枠可動体模擬画像を見た遊技者は、枠可動体の動作を動作の開始時点から視認できる。これにより、遊技者が枠可動体の動作を見逃すといった事態の発生を抑制できる。また、枠可動体に不用意に触れていた遊技者が指などをケガするといった事態の発生を抑制することができる。また、枠可動体の上に軽量の荷物などを載置していた遊技者がそれらを別の位置に移動させることを示すことができる。これにより、荷物が落下して遊技者がケガをしたり、枠可動体を可動させる駆動部に負荷がかかるといった事態の発生を抑制することができる。
図555(C)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、タイミングt9において耳枠可動体の上昇動作が完了し、その後、タイミングt10において枠可動体模擬画像の動的表示が開始され、タイミングt12において枠可動体模擬画像の動的表示が完了する。
このような構成とすることで、枠可動体の上昇位置(移動位置)への移動を遊技者に気づかれにくくすることが可能となる。そのため、遊技者が枠可動体の移動に気が付かなかった場合には、そのような遊技者に対して上昇位置への移動を完了した枠可動体がいきなり視認される状態となるため大きな驚きを遊技者に与えることが可能となる。また、上昇位置への移動後に枠可動体模擬画像が表示されるため、遊技者が移動した枠可動体を見逃すといった事態の発生を抑制することが可能となる。また、遊技者は枠可動体がどのように動いたのかを知ることができる。
図555(D)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、タイミングt6において枠可動体模擬画像の動的表示が開始され、次いで、タイミングt7において枠可動体の上昇動作が開始され、タイミングt8において、枠可動体模擬画像の動的表示が完了し、タイミングt9において枠可動体の上昇動作が完了する。
このような構成とすることで、枠可動体模擬画像の表示が、枠可動体が移動することの予告となる。枠可動体がどのように動作するのかを遊技者に認識させることができる。枠可動体の移動を移動の開始時点から視認できる。遊技者が枠可動体の移動を見逃すといった事態の発生を抑制できる。枠可動体に不用意に触れていた遊技者が指などにケガをするといった事態の発生を抑制することができる。
図555(E)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、タイミングt7において枠可動体の上昇動作が開始され、次いで、タイミングt8において枠可動体模擬画像の動的表示が開始され、タイミングt9において枠可動体の上昇動作が完了し、タイミングt10において、枠可動体模擬画像の動的表示が完了する。
このような構成とすることで、枠可動体がいつのまにか移動を開始していて遊技者を驚かせることができる。また、枠可動体が移動を開始したことを遊技者に知らせることができる。
図555(F)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、タイミングt3からタイミングt7(4秒間)にかけて、枠可動体模擬画像の動的表示が行われる。一方、枠可動体の上昇動作はタイミングt7からタイミングt9(2秒間)にかけて行われる。枠可動体模擬画像は現実の枠可動体の移動よりも半分のスピードで遊技盤側演出表示装置1600において動的に表示されることとなる。
このような構成とすることで、枠可動体がどのように移動するのかを遊技者が詳細に認識することが可能となる。
図555(G)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、タイミングt5からタイミングt9(4秒間)にかけて、枠可動体模擬画像の動的表示が行われる。一方、枠可動体の上昇動作はタイミングt7からタイミングt9(2秒間)にかけて行われる。枠可動体模擬画像は現実の枠可動体の移動よりも半分のスピードで遊技盤側演出表示装置1600において動的に表示されることとなる。
このような構成とすることで、枠可動体がどのように移動するのかを遊技者が詳細に認識することが可能となる。
図555(H)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、枠可動体の上昇動作がタイミングt7からタイミングt9(2秒間)にかけて行われた後、タイミングt9からタイミングt13(4秒間)にかけて、枠可動体模擬画像の動的表示が行われる。枠可動体模擬画像は現実の枠可動体の移動よりも半分のスピードで遊技盤側演出表示装置1600において動的に表示されることとなる。
このような構成とすることで、枠可動体がどのように移動したのかを遊技者に詳細に認識することが可能となる。
図555(I)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、タイミングt5からタイミングt7(2秒間)にかけて枠可動体模擬画像の動的表示が行われたのちに、再度、タイミングt7からタイミングt9にかけて枠可動体模擬画像の動的表示が行われる。一方、枠可動体の上昇動作はタイミングt7からタイミングt9(2秒間)にかけて行われる。なお、枠可動体模擬画像の動的表示を行う回数は3回以上としてもよく、例えば、タイミングt3〜タイミングt5において、枠可動体模擬画像の動的表示を行うように構成してもよい。
このような構成とすることで、枠可動体がどのように移動するのかを遊技者に認識させることが可能となる。
図555(J)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、タイミングt7からタイミングt9(2秒間)にかけて枠可動体模擬画像の動的表示が行われたのちに、再度、タイミングt9からタイミングt11にかけて枠可動体模擬画像の動的表示が行われる。一方、枠可動体の上昇動作はタイミングt7からタイミングt9(2秒間)にかけて行われる。なお、枠可動体模擬画像の動的表示を行う回数は3回以上としてもよく、例えば、タイミングt11〜タイミングt13において、枠可動体模擬画像の動的表示を行うように構成してもよい。
このような構成とすることで、枠可動体がどのように移動したのかを遊技者により認識させることが可能となる。
図555(K)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、枠可動体が第1状態から第2状態へと変化する以前のタイミングであるタイミングt4からタイミングt5、タイミングt5からタイミングt6、タイミングt6からタイミングt7にかけて計3回、現実の枠可動体の倍の速度で、枠可動体模擬画像を、第1状態を模した状態の表示態様から第2状態を模した状態の表示態様へと変化させる。なお、このような表示をタイミングt5からタイミングt6、タイミングt6からタイミングt7にかけて計2回行うようにしてもよいし、タイミングt6からタイミングt7にかけて1回のみ行うようにしてもよい。
このような構成とすることで、枠可動体がどのように移動するのかを短時間で遊技者に認識させることが可能となる。また、枠可動体模擬画像が素早く表示されるため、現実の枠可動体の動作を見る際には目が慣れた状態となり、現実の枠可動体の動作態様を遊技者に十分に満喫させることが可能となる。また複数回の表示を行うことで遊技者に動作態様をより認識させることが可能となる。
図555(A)〜図555(K)を示して説明した各演出パターンが、パチンコ機1における所定の状況に対応して、実行されるように構成するとよい。この場合、演出パターン毎に大当りに対する期待度やその出現頻度が異なるように構成してもよい。例えば、所定のリーチ演出が発生したときに、図555(A)〜図555(K)を示した説明した演出パターンの中からいずれかの演出パターンが選択されて、実行されるように構成するとよい。また、図555(A)を示して説明した演出パターンが最も出現頻度が高く、図555(B)〜図555(K)を示して説明した演出パターンとなるにつれ徐々に出現頻度が低くなる一方で、図555(A)を示して説明した演出パターンが大当りに対する期待度が最も低く、図555(B)〜図555(K)を示して説明した演出パターンとなるにつれ徐々に大当たりに対する期待度が高くなるように、大当り抽選結果に基づいて、実行される演出パターンが選択されるように構成してもよい。また以下に示す各変形例についても同様に所定の期待度や出現頻度をもって実行されるように構成してもよい。
このような構成とすることで、通常とは異なる枠可動体についての演出パターンが出現したときに、遊技者に対して大当たりに対する期待度を通常の枠可動体の演出パターンよりも大きいのではないかと感じさせることが可能となる。
なお、図555(A)〜図555(K)に示す演出例のうちの一部同士を組み合わせて演出として実行するように構成してもよい。この場合、遊技盤側演出表示装置1600において、同時に複数の枠可動体模擬画像が表示されないように組み合わせるとよい。例えば、タイミングt4からタイミングt7にかけて、図555(K)に示す演出パターンを実行し、タイミングt7からタイミングt11にかけて、図555(J)に示す演出パターンを実行することで、両演出パターンが奏する効果の双方を奏することが可能な演出パターンを実行可能となる。
図556(A)〜図556(E)は、図524(A)〜図525(B)を参照して説明した演出パターンに適応可能な枠可動体の発光部の発光態様についての変形例を示したものである。なお、図556(A)は、図524(A)〜図525(B)を参照して説明した各演出パターンをまとめて表現したものである。
図556(B)は枠可動体が待機位置から移動位置へと移動し始めるタイミング(タイミングt7)に合わせて、枠可動体が有する発光部を消灯状態とする演出パターンを示している。また、図556(C)は枠可動体が待機位置から移動位置へと移動し始めるタイミング(タイミングt7)よりも前のタイミング(タイミングt5)において、枠可動体が有する発光部を消灯状態とする演出パターンを示している。
このように、枠可動体が第2状態となる前のタイミングで、枠可動体が有する発光部が消灯状態となり、その状態が操作部への操作が行われるまで、あるいは操作有効期間の終了まで維持されることで、枠可動体が待機位置から移動位置へ移動していることを遊技者が気が付きにくくなる。そして、このような状況において、遊技者が操作部への操作を行った場合には、移動位置への移動を完了した枠可動体が消灯状態から突然発光した状態(特別発光演出状態あるいは発光演出状態)となるため、遊技者に大きな驚きを与えることが可能となる。
図556(D)は、枠可動体が有する発光部をタイミングt9において消灯状態とすることに代えて、発光が抑制された状態にする演出パターンを示している。発光が抑制された状態とは、例えば、発光演出状態と比べて、点滅周期が長くなるように発光したり、光量を小さくしたりするとよい。
このように、消灯状態とすることに代えて、発光が抑制された状態とすることでも消灯状態にした場合と同様の効果を得ることができる。
図556(E)は、枠可動体が有する発光部をタイミングt9において消灯状態とすることに代えて、特定発光演出状態とする演出パターンを示している。この演出パターンが選択されるのは特別抽選結果が大当りの場合のみとするとよい。枠可動体が第2状態となるタイミングt9において、枠可動体が有する発光部を特定発光演出状態とする演出パターンとする例を示したが、枠可動体が動作を開始するタイミングt7や枠可動体が動作を開始する前のタイミングであるタイミングt5において、枠可動体が有する発光部を特定発光演出状態としてもよい。
消灯状態とすることに代えて、枠可動体が有する発光部の状態をいきなり特定発光演出状態とすることで、大当りに対する大きな期待感を遊技者に抱かせることができる。
図557(A)〜図557(E)は、図533(A)〜図534(B)を参照して説明した演出パターンに適応可能な枠可動体模擬画像の表示態様についての変形例を示したものである。なお、図557(A)は、図533(A)〜図534(B)を参照して説明した各演出パターンをまとめて表現したものである。
図557(B)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、タイミングt7において枠可動体模擬画像の動的表示が開始され、その後、タイミングt9において、待機位置(第1状態)にある右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が回転を開始して回転状態(第2状態)となる。
なお、上述したように右耳枠可動体7100を模した画像、左耳枠可動体7200を模した画像は右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が回転する速度と同じ速度で動的に表示される。したがって、タイミングt7からタイミングt9までの間に右耳枠可動体7100を模した画像、左耳枠可動体7200を模した画像が2回転する表示が実行されたのちに、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が現実に回転を開始する。なお、枠可動体模擬画像の表示を開始するタイミングを、より早いタイミングとしてもよい。例えばタイミングt5において枠可動体模擬画像の表示を開始するように構成すれば、右耳枠可動体7100を模した画像、左耳枠可動体7200を模した画像が4回転する表示が実行されたのちに、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が現実に回転を開始するようになる。
このように、枠可動体が動作を開始する前に、枠可動体模擬画像を表示するように構成することで、枠可動体模擬画像の表示が、枠可動体が動作することの予告となる。また、枠可動体模擬画像の動的な表示により、枠可動体がどのように動作するのかを遊技者に認識させることができる。そして、このような枠可動体模擬画像を見た遊技者は、枠可動体の動作を動作の開始時点から視認できる。遊技者が枠可動体の動作を見逃すといった事態の発生を抑制できる。また、枠可動体が動作を開始する前に、枠可動体模擬画像の動的表示が繰り返し行われることによって、枠可動体がどのように動作するのかを遊技者により確実に認識させることが可能となる。また、枠可動体に不用意に触れていた遊技者が指などにケガをするといった事態の発生を抑制することができる。また、枠可動体の上に軽量の荷物などを載置していた遊技者がそれらを別の位置に移動させることを示すことができる。これにより、荷物が落下して遊技者がケガをしたり、枠可動体を可動させる駆動部に負荷がかかるといった事態の発生を抑制することができる。
図557(C)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、タイミングt9において、待機位置(第1状態)にある右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が回転を開始して回転状態(第2状態)となり、その後、タイミングt11において枠可動体模擬画像の動的表示が開始される。
このように、枠可動体が動作を開始したあとに、枠可動体模擬画像を表示するように構成することで、枠可動体が回転状態(第2状態)へ変化したことを遊技者に気づかれにくくすることが可能となる。そのため、遊技者が枠可動体の状態の変化に気が付かなかった場合には、回転状態となった枠可動体がいきなり遊技者によって視認されることとなるため大きな驚きを遊技者に与えることが可能となる。
図557(D)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、タイミングt7において枠可動体模擬画像の動的表示が開始される。タイミングt7からタイミングt9にかけて枠可動体模擬画像の動的表示が高速度(1秒間に2回転)に行われる。その後、タイミングt9において、待機位置(第1状態)にある右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が回転を開始して回転状態(第2状態)となる。
このように、枠可動体が動作を開始する前に、枠可動体模擬画像を現実の枠可動体よりも速い速度(2倍の速度)で回転表示するように構成することで、枠可動体が回転状態(第2状態)へ変化したときにその動作態様に目を慣らすことが可能となる。
図557(E)は、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作パターンと、遊技盤側演出表示装置1600に表示される枠可動体模擬画像の表示状態を示したタイムチャートである。この演出パターンにおいては、タイミングt5において枠可動体模擬画像の動的表示が開始される。タイミングt5からタイミングt9にかけて枠可動体模擬画像の動的表示が低速度(1秒間に半回転)に行われる。その後、タイミングt9において、待機位置(第1状態)にある右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が回転を開始して回転状態(第2状態)となる。
このように、枠可動体が動作を開始する前に、枠可動体模擬画像を現実の枠可動体よりも遅い速度(半分の速度)で低速で回転表示するように構成することで、枠可動体が回転状態(第2状態)へ変化したときにその動作態様が速すぎると感じる遊技者に対して、枠可動体の動作態様を知るしめることが可能となる。
図555(B)〜図555(E)に示した枠可動体模擬画像の表示態様についての変形例を、図538〜図540などを参照して説明した実施形態やそれらの実施形態の変形例における内側枠可動体に適宜適用して演出パターンとして実行可能に構成してもよい。
図557(B)〜図557(E)に示した枠可動体模擬画像の表示態様についての変形例を、図547〜図549等を参照して説明した実施形態やそれらの実施形態の変形例における内側枠可動体や外側枠可動体のいずれか一方に対して適用したり、あるいは双方に対して同じ態様で適用して演出パターンとして実行可能に構成してもよい。
図539と図540、図548と図549をそれぞれ参照して上述した例においては、第1の枠可動体を第1状態から第2状態へと変化させたのち、その状態を一定時間維持したのちに、第2の枠可動体を第1状態から第2状態へと変化させるように構成されている。また、図539と図540に示す例においては、第1の枠可動体を第1状態から第2状態へと変化させる際にも所定の時間をかけるように構成されている。
このような構成とすることで、枠可動体が状態を変化させる態様を遊技者が見逃すといった事態の発生を抑制することが可能となる。
図524と図525、図533と図534、図539と図540、図548と図549をそれぞれ参照して上述した演出例においては、枠可動体が第1状態から第2状態へと変化するタイミングと同じタイミングで、枠可動体模擬画像が、現実の枠可動体の変化態様と同じ態様で遊技盤側演出表示装置1600において動的に表示されるように構成されているが、図555(C)、図555(E)、図555(H)、図557(C)を参照して上述したように枠可動体模擬画像の動的表示を開始するよりも前のタイミングにおいて、現実の枠可動体を、第1状態から第2状態へと変化させる動作を開始したり、第1状態から第2状態へと変化させるように構成してもよい。
このような構成とすることで、現実の枠可動体が動作していることに気が付かずに、枠可動体模擬画像の動的表示を見た遊技者が、動作中の枠可動体を見つけやすくすることが可能となる。
図533と図534、図539と図540、図548と図549をそれぞれ参照して上述した例においては、操作有効期間中に操作部に対する遊技者の操作が行われることで、特別抽選の結果に応じて、枠可動体の状態が第1状態から第2状態へ変化する場合がある、あるいは第2状態から第3状態か第4状態のいずれかの状態へ変化するように構成されている。
このような構成とすることで、遊技者は操作部の位置と状態が変化する可能性のある枠可動体の位置とをそれぞれ見定めたのち、枠可動体へと視線を合わせた状態で、操作部を見ずに、遊技者が所望するタイミングで操作部を操作することが可能となる。これにより、枠可動体の状態が変化するか否か、枠可動体の状態が変化するとすればどのような状態に変化するのか、確実に視認することができる。
図533と図534、図539と図540、図548と図549をそれぞれ参照して上述した例においては、操作部への操作を指示する画像を遊技盤側演出表示装置1600に表示するように構成されているが、特別抽選の結果が大当りの場合にのみ表示されうる特別な操作指示画像を表示する演出パターンを上述した例に加えて実行可能に構成してもよい。例えば、操作指示画像として、枠可動体の画像が操作部の画像に含まれる態様で同時に表示するように構成してもよい。
このような構成とすることで、遊技者は特別な操作指示画像を視認したときには、特別抽選の結果が大当りであり、操作部を操作すると枠可動体が必ず動作すると認識できる。
これにより枠可動体へ視線を合わせた状態で操作部を操作することが可能となり、枠可動体の動作を満喫することが可能となる。
図524と図525、図533と図534、図539と図540、図548と図549を参照してそれぞれ上述した例においては、枠可動体が発光部を備えたり、枠可動体に対して光を照射可能な発光部を枠可動体とは別体に設け、枠可動体が状態を変化させたのち、操作有効期間が開始されるタイミングと同じタイミングで消灯状態とし、操作部への操作タイミングや操作有効期間の終了に応じて所定の発光態様による発光演出状態となるように構成されているが図556(D)、図556(E)を参照して説明したように、操作有効期間において必ずしも消灯状態とする必要はなく、通常の発光演出状態と区別がつく発光演出状態とするように構成してもよい。例えば、外側枠可動体のみを消灯状態とし、内側枠可動体を特定発光演出状態としたり、右側の枠可動体を消灯状態とし、左側の枠可動体を特定発光演出状態とすることで、大当りが発生することを報知するように構成してもよい。あるいは、操作有効期間まではすべての枠可動体を消灯状態とし、操作有効期間の発生に応じて内側枠可動体を発光演出状態として操作有効期間が発生していることを報知し、その後操作部への操作や操作有効期間の終了に応じて、すべての枠側可動体の発光演出状態を特別抽選結果に応じた発光演出状態とするように構成してもよい。
このように枠可動体の状態の変化に応じて、枠可動体の発光状態が異なる状態に変化することで、枠可動体が動作したことを発光態様の変化によって捉えやすくなる。また、枠可動体の少なくとも一部が照明された状態であれば、枠可動体が動いたときに、枠可動体を消灯状態としていた場合と比べて遊技者がケガをしにくい、という効果がある
図524と図525、図533と図534、図539と図540、図548と図549をそれぞれ参照して上述した例においては、枠可動体が第1状態から第2状態へと変化するタイミングと同じタイミングで、枠可動体模擬画像が、現実の枠可動体の変化態様と同じ態様で遊技盤側演出表示装置1600において動的に表示されるように構成されているが、図555(B)、図555(D)、図555(F)、図555(G)、図555(I)、図555(K)、図557(B)、図557(D)、図557(E)を参照して上述したように、現実の枠可動体を、第1状態から第2状態へと変化させる動作を開始したり、第1状態から第2状態へと変化させるタイミングよりも前のタイミングにおいて、枠可動体模擬画像の動的表示を開始するように構成してもよい。
このような構成とすることで、枠可動体がどのように動作するのかを事前に把握した状態で、枠可動体を視認できるため、枠可動体の動作態様の一挙手一投足を見逃すといった事態の発生を抑制することが可能となる。特に図539と図540、あるいは図548と図549に示すタイムチャートのように枠可動体が複雑に動作する場合にこのような構成は効果的である。
図524と図525、図539と図540をそれぞれ参照して上述した例においては、枠可動体が第1状態から第2状態へと変化する時間(2秒間)と同じ時間で、枠可動体模擬画像が、現実の枠可動体の変化態様と同じ速度で動的に表示されるように構成されているが、図555(K)を参照して上述したように、枠可動体模擬画像が第1状態を模した状態の表示態様から第2状態を模した状態の表示態様へとなる速度を枠可動体が第1状態から第2状態へと変化する速度よりも速いものとしてもよい。
このように、枠可動体が第1状態から第2状態へと変化する時間(2秒間)よりも短い時間(1秒間)で枠可動体模擬画像が第1状態を模した状態の表示態様から第2状態を模した状態の表示態様へとなるように構成することで、枠可動体模擬画像の素早い動きに目が慣れるため、現実の枠可動体が第1状態から第2状態に変化する際にはその動きを十分に満喫することが可能となる。
図533と図534、図548と図549をそれぞれ参照して上述した例においては、枠可動体が第2状態において1秒に1回転するように構成されているが、図557(D)を参照して上述したように、枠可動体が第2状態となる前に、枠可動体模擬画像をそれよりも速い速度で回転する態様で動的に表示するように構成してもよい。例えば、0.5秒で1回転する速度で、1回転あるいは複数回転するように枠可動体模擬画像を表示したのち、枠可動体を第2状態とするように構成してもよい。
このように、枠可動体が1回転をするのに要する時間(1秒間)よりも短い時間(0.5秒間)で枠可動体模擬画像が1回転する態様の動的表示を行うように構成することで、枠可動体模擬画像の素早い動きに目が慣れるため、現実の枠可動体の第2状態における回転動作を十分に満喫することが可能となる。
図524と図525、図539と図540をそれぞれ参照して上述した例においては、枠可動体が第1状態から第2状態へと変化する時間(2秒間)と同じ時間で、枠可動体模擬画像が、現実の枠可動体の変化態様と同じ速度で動的に表示されるように構成されているが、図555(F)、図555(G)図555(H)を参照して上述したように、枠可動体模擬画像が第1状態を模した状態の表示態様から第2状態を模した状態の表示態様へとなる速度を枠可動体が第1状態から第2状態へと変化する速度よりも遅いものとしてもよい。
このように、枠可動体が第1状態から第2状態へと変化する時間(2秒間)よりも長い時間(4秒間)をかけて枠可動体模擬画像が第1状態を模した状態の表示態様から第2状態を模した状態の表示態様へとなるように構成することで、枠可動体の動作が遊技者にとって速すぎると感じられるものであっても、枠可動体模擬画像を見ていることで、その動作態様を遊技者が認識することが可能となる。
図533と図534、図548と図549をそれぞれ参照して上述した例においては、枠可動体が第2状態において1秒に1回転するように構成されているが、図557(E)を参照して上述したように、枠可動体が第2状態となる前に、枠可動体模擬画像をそれよりもゆっくりした速度で回転する態様で動的に表示するように構成してもよい。例えば、0.5秒で1回転する速度で、1回転あるいは複数回転するように枠可動体模擬画像を表示したのち、枠可動体を第2状態とするように構成してもよい。
このように、枠可動体が1回転をするのに要する時間(1秒間)よりも長い時間(2秒間)をかけて枠可動体模擬画像が1回転する態様の動的表示を行うように構成することで、現実の枠可動体の第2状態における回転動作が遊技者にとって速すぎると感じられるものであっても、枠可動体模擬画像を見ることで、その動作態様を遊技者が認識することが可能となる。
図524と図525、図539と図540をそれぞれ参照して上述した例においては、現実の枠可動体が第1状態から第2状態へと変化する態様と同じ態様で、枠可動体模擬画像が、第1状態を模した状態を示す画像から第2状態を模した状態を示す画像へと動的に変化する表示が一度だけ行われるように構成されているが、図555(I)、図555(J)、図555(K)を参照して説明したように、枠可動体模擬画像のこのような表示を複数回行うように構成してもよい。
図533と図534、図548と図549をそれぞれ参照して上述した例においては、枠可動体が第1状態から第2状態へと変化するタイミングと同じタイミングで、枠可動体模擬画像の表示が開始され、現実の枠可動体が第2状態(回転状態)を継続する期間中、現実の枠可動体の変化態様と同じ態様で枠可動体模擬画像が動的に回転表示されるように構成されている。このため枠可動体模擬画像は、ループするように繰り返し回転表示されることとなる。
このように、枠可動体の状態が変化する態様を枠可動体模擬画像として複数回、動的に表示したり、枠可動体が周期的に変化する状態にある場合には、その状態に合わせて枠可動体模擬画像を周期的に変化させる態様で繰り返し動的表示することで、枠可動体が第1状態から第2状態に変化したことを遊技者が見逃すといった事態の発生を抑制することが可能となる。
図558(A)〜図559(B)は、図524(A)〜図525(B)を参照して説明した演出パターンの変形例を示したものである。本実施形態においては、操作有効期間の開始(タイミングt9)に合わせて、枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から、移動が完了した状態(第2状態)への変化を開始する点、枠可動体模擬画像が表示されない点、操作有効期間が発生する前のタイミングt7からタイミングt9において前兆表示を行う点、操作部への操作がおこなわれたとき(タイミングt14)あるいは操作が行われず操作有効期間が終了したとき(タイミングt18)に操作後表示を行う点で、図524(A)〜図525(B)を参照した説明した演出パターンとは異なっている。これら以外の点(例えば、枠可動体の発光演出状態や装飾図柄の停止タイミングなど)については、演出態様は基本的に共通であるため、演出態様が共通である部分については、説明を省略し、上述した異なる部分について、以下に重点的に説明する。
図558(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図558(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図559(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。図559(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。
図558(A)〜図559(B)に示す各演出パターンにおいては、遊技盤側演出表示装置1600において、操作有効期間が発生することを示唆する表示である前兆表示がタイミングt7から開始される。前兆表示としては「プッシュ?」という文字を画像として表示し、操作有効期間が開始されるタイミングt9まで継続される。タイミングt9においては、操作有効期間が開始され、操作部が受付状態となったことを示す操作指示表示として、「プッシュ!!」という文字を画像として表示する。操作指示表示は操作部への操作がおこなわれたとき(タイミングt14)あるいは操作が行われず操作有効期間が終了したとき(タイミングt18)に終了し、代わりに、操作後表示として「!!」という文字を画像として表示する。操作後表示は2秒間継続されたのち終了する(タイミングt16あるいはタイミングt20)。
一方で、タイミングt9においては、枠可動体が消灯状態となるとともに待機位置にある状態(第1状態)から、移動を開始しはじめ、タイミングt11において、移動が完了した状態(第2状態)となる。
このように、枠可動体が移動を開始する前や移動中に、遊技者が枠可動体から意識をそらすような表示(前兆表示や操作指示表示)を行うことで、遊技者が操作部への操作を行ったときに、枠可動体が消灯状態から特定発光演出状態や通常の発光演出状態となることで遊技者の視線が枠可動体に誘導されることとなる。そして、枠可動体が第1状態から第2状態にいつの間にか変わっていたように遊技者には感じられるため、遊技者に大きな驚きを与えることが可能となる。また、枠可動体の第1状態から第2状態への状態の変化に、時間がかかる場合であっても、前兆表示や操作指示表示によって、枠可動体が第2状態となることに遊技者がいらいらした感情を感じるといった事態の発生を抑制することが可能となる。また、枠可動体をゆっくり動作させることが可能となるため、枠可動体に不用意に手を触れていた遊技者がけがをするといった事態の発生を軽減することが可能となる。
図560(A)〜図561(B)は、図558(A)〜図559(B)を参照して説明した演出パターンの変形例を示したものである。本実施形態においては、操作部への操作があったタイミング(t14)、あるいは操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt9)に合わせて、枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から、移動が完了した状態(第2状態)への変化を開始する点、枠可動体が第2状態へ変化するのは特別抽選結果が大当りである場合のみである点で図558(A)〜図559(B)を参照した説明した演出パターンとは異なっている。これら以外の点(例えば、枠可動体の発光演出状態や装飾図柄の停止タイミングなど)については、演出態様は基本的に共通であるため、演出態様が共通である部分については、説明を省略し、上述した異なる部分について、以下に重点的に説明する。
図560(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図560(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図561(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。図561(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。
図560(A)、図560(B)に示す演出パターンにおいては、操作有効期間が発生し、操作指示表示が行われている状態において遊技者によって操作部への操作が行われ(タイミングt14)、特別抽選結果が大当りである場合には、枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から移動が完了した状態(第2状態)への移動を行うとともに、操作後表示を行い(タイミングt14〜タイミングt16)、特別抽選結果がハズレである場合には、枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から変化せず、操作後表示のみが行われる演出パターンが示されている。
図561(A)、図561(B)に示す演出パターンにおいては、操作有効期間が終了したタイミング(t18)で、特別抽選結果が大当りである場合には、枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から移動が完了した状態(第2状態)への移動を行うとともに、操作後表示を行い(タイミングt18〜タイミングt20)、特別抽選結果がハズレである場合には、枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から変化せず操作後表示のみが行われる演出パターンが示されている。
図560(A)、図561(A)に示す演出パターンにおいては、タイミングt22において、枠可動体の移動が完了した状態(第2状態)から、待機位置にある状態(第1状態)への移動を開始し、タイミングt24において待機位置への移動が完了する。
このように、遊技者が操作部への操作を行った後も、操作指示表示に代えて操作後表示を行うことで、第1状態から第2状態へと状態を変化させる枠可動体から遊技者の意識をそらすことが可能となる。そして、枠可動体の第2状態への変化が完了したタイミングで操作後表示を終了させることで遊技者はようやく枠可動体が第2状態となっていたことに気が付くこととなり、遊技者に大きな驚きを与えることが可能となる。また、枠可動体の第1状態から第2状態への状態の変化に、時間がかかる場合であっても、操作後表示によって、枠可動体が第2状態となることに遊技者がいらいらした感情を感じるといった事態の発生を抑制することが可能となる。また、枠可動体をゆっくり動作させることが可能となるため、枠可動体に不用意に手を触れていた遊技者がけがをするといった事態の発生を軽減することが可能となる。
なお、枠可動体を消灯状態から特定発光演出状態へと変化させるタイミングについては、枠可動体が第1状態から第2状態への変化を完了させたタイミング(タイミングt16)に行うように構成してもよい。このような構成とすることで、枠可動体の状態の変化に遊技者がより気が付きにくくなる。
図562(A)〜図563(B)は、図539(A)〜図540(B)を参照して説明した演出パターンの変形例を示したものである。本実施形態においては、操作有効期間の開始(タイミングt7)に合わせて、内側枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から、移動が完了した状態(第2状態)への変化を開始する点、枠可動体模擬画像が表示されない点、操作有効期間が発生する前のタイミングt5からタイミングt7において前兆表示を行う点、操作部への操作がおこなわれたとき(タイミングt11)あるいは操作が行われず操作有効期間が終了したとき(タイミングt16)に操作後表示を行う点で、図539(A)〜図540(B)を参照した説明した演出パターンとは異なっている。これら以外の点(例えば、枠可動体の発光演出状態や装飾図柄の停止タイミングなど)については、演出態様は基本的に共通であるため、演出態様が共通である部分については、説明を省略し、上述した異なる部分について、以下に重点的に説明する。
図562(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図562(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図563(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。図563(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。
図562(A)〜図563(B)に示す各演出パターンにおいては、遊技盤側演出表示装置1600において、操作有効期間が発生することを示唆する表示である前兆表示がタイミングt5から開始される。前兆表示としては「プッシュ?」という文字を画像として表示し、操作有効期間が開始されるタイミングt7まで継続される。タイミングt7においては、操作有効期間が開始され、操作部が受付状態となったことを示す操作指示表示として、「プッシュ!!」という文字を画像として表示する。操作指示表示は操作部への操作がおこなわれたとき(タイミングt11)あるいは操作が行われず操作有効期間が終了したとき(タイミングt16)に終了し、代わりに、操作後表示として「!!」という文字を画像として表示する。操作後表示は2秒間継続されたのち終了する(タイミングt13あるいはタイミングt18)。
一方で、タイミングt7においては、内側枠可動体が消灯状態となるとともに待機位置にある状態(第1状態)から、移動を開始しはじめ、タイミングt9において、移動が完了した状態(第2状態)となる。
図562(A)、図562(B)に示す演出パターンにおいては、操作有効期間が発生し、操作指示表示が行われている状態において遊技者によって操作部への操作が行われ(タイミングt11)、特別抽選結果が大当りである場合には、外側枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から移動が完了した状態(第2状態)への移動を行うとともに、操作後表示を行い(タイミングt11〜タイミングt13)、特別抽選結果がハズレである場合には、外側枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から変化せず、操作後表示のみが行われる演出パターンが示されている。
図563(A)、図563(B)に示す演出パターンにおいては、操作有効期間が終了したタイミング(t16)で、特別抽選結果が大当りである場合には、外側枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から移動が完了した状態(第2状態)への移動を行うとともに、操作後表示を行い(タイミングt16〜タイミングt18)、特別抽選結果がハズレである場合には、枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から変化せず、操作後表示のみが行われる演出パターンが示されている。
その後、図562(A)、図563(A)に示す演出パターンにおいては、外側枠可動体がタイミングt26からタイミングt28にかけて第2状態から第1状態への変化を完了する。また、図562(A)〜図563(B)に示す演出パターンにおいては、内側枠可動体がタイミングt30からタイミングt32にかけて第2状態から第1状態への変化を完了し、一連の枠可動体の動作が終了する。
このように、内側枠可動体が移動を開始する前や移動中に、遊技者が枠可動体から意識をそらすような表示(前兆表示や操作指示表示)を行うことで、遊技者の意識が遊技盤側演出表示装置1600に集中することとなる。また、遊技者が操作部への操作を行った後の外側枠可動体の移動中においても、それまで行われていた操作指示表示に代えて操作後表示が行われるため、遊技者の意識が引き続き遊技盤側演出表示装置1600に向けられ続けることとなる。このような構成とすることで、内側枠可動体と外側枠可動体の双方が第1状態から第2状態にいつの間にか変わっていたように遊技者には感じられるため、遊技者に大きな驚きを与えることが可能となる。また、内側枠可動体や外側枠可動体の第1状態から第2状態への状態の変化に、時間がかかる場合であっても、前兆表示、操作指示表示、操作後表示によって、内側枠可動体や外側枠可動体が第2状態となることに遊技者がいらいらした感情を感じるといった事態の発生を抑制することが可能となる。また、枠可動体をゆっくり動作させることが可能となるため、枠可動体に不用意に手を触れていた遊技者がけがをするといった事態の発生を軽減することが可能となる。
なお、枠可動体を消灯状態から特定発光演出状態へと変化させるタイミングについては、外側枠可動体が第1状態から第2状態への変化を完了させたタイミング(タイミングt13やタイミングt18)に行うように構成してもよい。このような構成とすることで、枠可動体の状態の変化に遊技者がより気が付きにくくなる。
図564(A)〜図565(B)は、図539(A)〜図540(B)を参照して説明した演出パターンの変形例を示したものである。本実施形態においては、操作部への操作が行われたとき(タイミングt11)や操作有効期間の終了(タイミングt16)に合わせて、内側枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から、移動が完了した状態(第2状態)への変化を開始し、その後外側枠可動体が第1状態から第2状態へ変化する点、枠可動体模擬画像が表示されない点、操作有効期間が発生する前のタイミングt5からタイミングt7において前兆表示を行う点、操作部への操作がおこなわれたとき(タイミングt11)あるいは操作が行われず操作有効期間が終了したとき(タイミングt16)に操作後表示を行う点で、図539(A)〜図540(B)を参照した説明した演出パターンとは異なっている。これら以外の点(例えば、枠可動体の発光演出状態や装飾図柄の停止タイミングなど)については、演出態様は基本的に共通であるため、演出態様が共通である部分については、説明を省略し、上述した異なる部分について、以下に重点的に説明する。
図564(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図564(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われたときの演出パターンの例を示している。図565(A)は、特別抽選結果が大当りであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。図565(B)は、特別抽選結果がハズレであり、操作部に対する操作受付が有効となっている期間中に遊技者によって操作部への操作が行われなかったときの演出パターンの例を示している。
図564(A)〜図565(B)に示す各演出パターンにおいては、遊技盤側演出表示装置1600において、操作有効期間が発生することを示唆する表示である前兆表示がタイミングt5から開始される。前兆表示としては「プッシュ?」という文字を画像として表示し、操作有効期間が開始されるタイミングt7まで継続される。タイミングt7においては、操作有効期間が開始され、操作部が受付状態となったことを示す操作指示表示として、「プッシュ!!」という文字を画像として表示する。操作指示表示は操作部への操作がおこなわれたとき(タイミングt11)あるいは操作が行われず操作有効期間が終了したとき(タイミングt16)に終了し、代わりに、操作後表示として「!!」という文字を画像として表示する。操作後表示は2秒間継続されたのち終了する(タイミングt13あるいはタイミングt18)。
図564(A)、図564(B)に示す演出パターンにおいては、操作有効期間が発生し、操作指示表示が行われている状態において遊技者によって操作部への操作が行われ(タイミングt11)、特別抽選結果が大当りである場合には、内側枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から移動が完了した状態(第2状態)へと変化した(タイミングt11〜タイミングt13)のち、外側枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から移動が完了した状態(第2状態)へと変化(タイミングt15〜タイミングt17)し、特別抽選結果がハズレである場合には、外側枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から変化しない演出パターンが示されている。
図565(A)、図565(B)に示す演出パターンにおいては、操作有効期間が終了したタイミング(t16)で、特別抽選結果が大当りである場合には、内側枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から移動が完了した状態(第2状態)へと変化した(タイミングt16〜タイミングt18)のち、外側枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から移動が完了した状態(第2状態)へと変化(タイミングt20〜タイミングt22)し、特別抽選結果がハズレである場合には、外側枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から変化しない演出パターンが示されている。
その後、図564(A)、図565(A)に示す演出パターンにおいては、外側枠可動体がタイミングt26からタイミングt28にかけて第2状態から第1状態への変化を完了する。また、図564(A)、図565(B)に示す演出パターンにおいては、内側枠可動体がタイミングt30からタイミングt32にかけて第2状態から第1状態への変化を完了し、一連の枠可動体の動作が終了する。
このように、遊技者が操作部への操作を行ったことを契機として、内側枠可動体が第1状態から第2状態へと変化し、その後、外側枠可動体が第1状態から第2状態へと変化させることで、枠可動体が状態を変化させる態様をゆっくり遊技者に観察されることとなり、遊技者からすると、時間をかけて徐々に興奮度が高まっていくこととなる。
図562(A)〜図563(B)を参照して説明した演出パターンと、図564(A)〜図565(B)を参照して説明した演出パターンを遊技状態に応じて実行するように構成してもよい。
例えば、装飾図柄の平均的な変動時間が比較的長い通常遊技状態(非確率変動中や非時短中・非電サポ中など)である場合には、図564(A)〜図565(B)を参照して説明した演出パターンを実行するとよい。この場合、大当りが発生しにくい状態で行われる演出であるので枠可動体の動きを遊技者はじっくりと堪能することができる。
一方、一度大当りが発生したのちに発生しうる状態であり、通常遊技状態と比べて、装飾図柄の平均的な変動時間が相対的に短く遊技者にとって相対的に有利な遊技状態(確率変動中、時短中・電サポ中など)である場合には、図562(A)〜図563(B)を参照して説明した演出パターンを実行するように構成するとよい。この場合、操作部を操作してから枠可動体が第2状態になるまでの時間が短くテンポよく大当り遊技状態に移行できる。
通常遊技状態においては、図564(A)〜図565(B)を参照して説明した演出パターンのみを実行可能とし、遊技者に有利な状態においては、図562(A)〜図563(B)を参照して説明した演出パターンのみを実行可能としてもよい。
あるいは、通常遊技状態においては、図562(A)〜図563(B)を参照して説明した演出パターンよりも、図564(A)〜図565(B)を参照して説明した演出パターンの実行される割合が高く、遊技者に有利な状態においては、図564(A)〜図565(B)を参照して説明した演出パターンよりも、図562(A)〜図563(B)を参照して説明した演出パターンの実行される割合を高くするように構成してもよい。
また、図564(A)〜図565(B)を参照して説明した演出パターンを実行するタイミングを、装飾図柄の停止表示が行われる直前でなく、より早い段階で実行するように構成してもよい。例えば、装飾図柄がリーチ状態を形成する前に、図564(A)〜図565(B)を参照して説明した演出パターンを、装飾図柄を停止せずに実行し、内側枠可動体と外側枠可動体が第1状態から第2状態となる場合には、装飾図柄がリーチ状態を形成するように構成してもよい。このような構成とすることで、内側枠可動体と外側枠可動体が時間をかけて動作する態様を視認した遊技者に対して、特別抽選の結果が大当りとなることに対する期待感を徐々に高めることが可能となる。なお、装飾図柄がリーチ状態を形成するタイミングは外側枠可動体が第2状態にあるとき(例えばタイミングt24)に行うことが望ましい。
また、このような、図564(A)〜図565(B)を参照して説明した演出パターンをリーチ状態が形成されるか否かの演出として実行したのちに、装飾図柄が停止する直前のタイミングにおいて図562(A)〜図563(B)を参照して説明した演出パターンや図564(A)〜図565(B)を参照して説明した演出パターンを実行するように構成してもよい。
このように、図564(A)〜図565(B)を参照して説明した演出パターンをリーチ状態が形成されるか否かの演出として実行したのちに、装飾図柄が停止する直前のタイミングにおいて図562(A)〜図563(B)を参照して説明した演出パターンや図564(A)〜図565(B)を参照して説明した演出パターンを実行するように構成した場合には、リーチ状態が形成されるか否かの演出パターンとして図564(A)〜図565(B)を変形した態様として、遊技者による操作部への操作を受け付けることなく、単なる演出として枠可動体が動作する演出パターンを実行するように構成してもよい。この場合、操作部の受け付け状態としては操作無効期間が継続され、前兆表示、操作指示表示、操作後表示は当然行われない。このような変形態様の演出パターンが実行されることで、大当りの期待度がそれほど高くない状態において遊技者が操作部を操作することがわずらわしく感じるといった事態の発生を抑制することが可能となる。
図562(A)〜図563(B)を参照して説明した演出パターンにおいて、前兆表示として「プッシュ?」という文字を画像として表示する例を示したが、この画像を操作指示表示が行われる位置に移動させるように表示してもよい。また、枠可動体がある位置から離れるように移動させるとよい。例えば、操作指示表示が遊技盤側演出表示装置1600の中央部において行われる場合には、前兆表示として、遊技盤側演出表示装置1600の真上の位置や斜め上の位置から中央部に向けて「プッシュ?」という文字が移動表示され、中央部で停止表示されるように構成するとよい。また、操作後表示として、「!!」という文字が遊技盤側演出表示装置1600の中央部から遊技盤側演出表示装置1600の真下や斜め下の方向に移動するように構成してもよい。このような構成とすることで、上にある枠可動体から遊技者の意識をよりそらすことが可能となる。なお後述するように枠可動体が遊技盤側演出表示装置1600よりも下方に設けられている場合には、前兆表示や操作後表示を逆の態様で上方に動かすように構成してもよい。
図564(A)〜図565(B)を参照して説明した演出パターンにおいて、前兆表示として「プッシュ?」という文字を画像として表示する例を示したが、この画像を操作指示表示が行われる位置に移動させるように表示してもよい。また、枠可動体がある位置に近づくように移動させるとよい。例えば、操作指示表示が遊技盤側演出表示装置1600の中央部において行われる場合には、前兆表示として、遊技盤側演出表示装置1600の下部から中央部に「プッシュ?」という文字が移動表示されるように構成するとよい。また、操作後表示として、「!!」という文字が遊技盤側演出表示装置1600の中央部から遊技盤側演出表示装置1600の上部に移動するように構成してもよい。このような構成とすることで、枠可動体に遊技者の視線を誘導することができ、遊技者は枠可動体が一連の変化全体を余すところなく視認することが可能となる。
また、操作指示表示として、特別抽選結果が大当りの場合のみ発生する特別な操作指示表示として「!!プッシュ!!」という文字を表示するように構成してもよい。なお、操作後表示として「!!」という文字に代えて、操作指示表示である「プッシュ!!」という文字や特別な操作指示表示である「!!プッシュ!!」という文字をそのまま表示し続けてもよい。また、特別な操作指示表示である「!!プッシュ!!」に対応して、特別な前兆表示として「!?プッシュ?!」という文字を表示したり、特別な操作後表示として「!!!!」という文字を表示するようにしてもよい。このように特別抽選の結果が大当りであるときにのみ表示される特別な文字が操作有効期間よりも前から操作部の操作後にわたって継続して表示されることで遊技者に大きな満足感を与えることが可能となる。
図566(A)〜図566(D)、図567(A)〜図567(C)、図568(A)〜図568(C)は、図524(A)〜図525(B)を参照して説明した演出パターンの変形例を示したものである。これらの変形例においては、右耳枠可動体7100(以下、第1枠可動体という場合がある)と左耳枠可動体7200(以下、第2枠可動体という場合がある)のうち一方のみを移動させる場合がある点、第1枠可動体と第2枠可動体の双方を移動させる際に移動させるタイミングが異なる場合がある点、第1枠可動体については第1枠可動体を模した枠可動体模擬画像を表示するものの、第2枠可動体については第2枠可動体を模した枠可動体模擬画像を基本的に表示しない点、操作部に対する操作とは無関係に枠可動体を動作させる点、枠可動体が動作するタイミングを装飾図柄が停止する直前のタイミングに限定しない点などで主に異なっている。
図566(A)〜図566(D)、図567(A)〜図567(C)、図568(A)〜図568(C)に示す演出パターンは、装飾図柄の変動途中に行われる演出パターンであり、装飾図柄の変動開始からあらかじめ定められた秒数が経過した状態を示している(例えばタイミングt0において装飾図柄の変動開始から10秒が経過しているものとする)。
図566(A)に示す演出パターンにおいては、第1枠可動体がタイミングt5からタイミングt7にかけて、第1状態から第2状態へと変化し、所定時間(8秒間)、第2状態を維持したのち(タイミングt7〜タイミングt15)、第2状態から第1状態へと変化する(タイミングt15〜タイミングt17)。また、第1枠可動体の動作に合わせて、第1枠可動体を模した枠可動体模擬画像が、第1状態から第2状態へと変化し、第2状態で所定時間継続して表示され、第2状態から第2状態へ変化する(タイミングt5〜タイミングt17)。一方、第2枠可動体は待機位置から移動せずに第1状態を維持する。
また、第2枠可動体を模した枠可動体模擬画像が表示されることはない。
一方、図566(B)に示す演出パターンにおいては、第2枠可動体がタイミングt5からタイミングt7にかけて、第1状態から第2状態へと変化し、所定時間第2状態を維持したのち(タイミングt7〜タイミングt15)、第2状態から第1状態へと変化する(タイミングt15〜タイミングt17)。なお、第2枠可動体が動作する際には、第2枠可動体を模した枠可動体模擬画像が表示されることはない。一方、第1枠可動体は待機位置から移動せずに第1状態を維持する。また、第1枠可動体を模した枠可動体模擬画像が表示されることはない。
図566(A)に示す演出パターンと図566(B)に示す演出パターンとを比較すると、図566(A)に示す演出パターンの場合には、第1枠可動体を模した枠可動体模擬画像が表示されるため、第1枠可動体が動作したことに遊技者が気が付きやすい。一方で、図566(B)に示す演出パターンの場合には、第2枠可動体を動作させた場合でも、第2枠可動体を模した枠可動体模擬画像が表示されることがないため、第2枠可動体が動作したことに遊技者が気が付きにくい。
第1枠可動体や第2枠可動体が動作する場合には、変動中の装飾図柄に対応する特別抽選結果が大当りである期待度が、第1枠可動体や第2枠可動体が動作しない場合と比べて、高くなるように演出パターンが選択されるように構成するとよい。例えば、第1枠可動体が動作したときの期待度と第2枠可動体が動作したときの期待度とをそれぞれ10%とするとよい。このような構成とした場合、第1枠可動体を模した枠可動体模擬画像が表示されたことで、第1枠可動体に目を向けて第1枠可動体が動作した状態にあることに気が付いた遊技者は、大当りに対して期待感を抱くこととなる。
一方、第2枠可動体の動作に気が付くためには、装飾図柄が表示される遊技盤側演出表示装置1600から大きく目をそらして、第2枠可動体を見る必要がある。そのため、第2枠可動体が動作しているか否かを頻繁に確認したり、第2枠可動体の設けられている方向に偶然顔を向けたときに、第2枠可動体が動作していることに気が付くこととなる。この場合、遊技者は、自分の力で大当たりに対する期待度が高いことを知ることができたと感じ、第1枠可動体を模した枠可動体模擬画像が表示されるような演出の一環として第1枠可動体をいわば視認させられた場合と比べ、大きな達成感を感じることとなる。
このような構成とすることで、枠可動体に対する遊技者の関心をより高めることが可能となり、従来、遊技盤5を中心とした所定範囲内にあった遊技者の関心をより外側に向けて広げることが可能となる。
図566(A)や図566(B)に示す演出パターンにおいて第1枠可動体や第2枠可動体が動作した場合の期待度を同じ10%である例を示したが、図566(B)に示す演出パターンにおいて第2枠可動体が動作した場合の期待度を、図566(A)に示す演出パターンにおいて第1枠可動体が動作した場合の期待度よりも高く設定してもよい。例えば、第2枠可動体が動作した場合の期待度が15%に、第1枠可動体が動作した場合の期待度が10%となるように演出パターンが選択されるように構成するとよい。このような構成とした場合、第2枠可動体が動作していることに気が付いた遊技者は、より大きな達成感を感じることとなる。
図566(C)に示す演出パターンは、図566(B)に示す演出パターンを変形させた演出パターンである。この演出パターンにおいては、第2枠可動体が第2状態となっている時間(タイミングt7〜タイミングt21)が14秒間で、図566(B)に示す演出パターンにおいて第2枠可動体が第2状態となっている時間(タイミングt7〜タイミングt15)である8秒間と比べて長くなっている。このように第2枠可動体が第2状態となっている時間を、第1枠可動体が第2状態となっている時間よりも長くすることで、遊技者が第2枠可動体が第2状態となっていることにより気が付きやすくなる。
図566(C)に示す演出パターンの期待度を、図566(B)に示す演出パターンの期待度よりも高くするようにしてもよい。例えば、図566(B)に示す演出パターンの期待度が15%に、図566(C)に示す演出パターンの期待度が25%となるように、演出パターンが選択されるように構成するとよい。このような構成とした場合、第2枠可動体が動作していることに気が付いた瞬間から、第2状態がどれだけ維持されるのかについて遊技者はより大きな期待感を感じることとなる。第2枠可動体が第2状態となっていることに遊技者が気が付くタイミングは一定ではなく、いつから第2状態となっていたのかわからない場合があるため、第2状態となっている継続時間が続けば続くほど遊技者は大きな期待感を抱くこととなる。
図566(B)に示す演出パターンと図566(C)に示す演出パターンとで、第2枠可動体が第2状態となっている継続時間が長いほど、特別抽選結果が大当りである期待度を高くする実施形態を示したが、第2状態となっている時間が異なる演出パターンを3以上設けるように構成してもよい。例えば、タイミングt7からタイミングt27まで第2状態を維持する演出パターンも実行可能とし、この演出パターンの期待度を30%としてもよい。
図566(B)に示す演出パターンと図566(C)に示す演出パターンでは、第2枠可動体が第2状態となっている継続時間が長いほど、特別抽選結果が大当りである期待度を高くするように構成したが、第2枠可動体が第2状態となっている継続時間ではなく、第2枠可動体が第2状態となる回数によって、期待度を示唆するように構成してもよい。
図566(D)に示す演出パターンは、その一例を示している。図566(D)に示す演出パターンは第2枠可動体が第1状態から第2状態に2回動作した例を示しているが、第2枠可動体が2回目の動作を行わない演出パターンや、2回目の動作の次に3回目の動作を行う演出パターンを実行可能に構成してもよい。また、このときも、動作回数が増すほど、期待度が高くなるように構成するとよい。例えば、第2枠可動体が1回のみで動作した場合の期待度が15%に、第2枠可動体が2回動作した場合の期待度が25%に、第2枠可動体が3回動作した場合の期待度が35%となるように構成するとよい。このように、第2枠可動体の動作回数が増すほど、期待度が高くなるように構成することで、第2枠可動体が動作していることに早いタイミングで気が付いた遊技者は、第2枠可動体が何回動作するのかについて、大きな期待感を抱きながら第2枠可動体を視認することとなる。
図567(A)に示す演出パターンは、図566(A)に示す演出パターンを変形させた演出パターンである。この演出パターンにおいては、第1枠可動体の動作態様と第1枠可動体を模した枠可動体模擬画像の表示態様は図566(A)に示す演出パターンと同一である(タイミングt20までは演出態様に差異がない)。一方、図567(A)に示す演出パターンにおいては、第2枠可動体がタイミングt21において、第1状態から第2状態への変化を開始し、タイミングt23からタイミングt33まで第2状態となり、タイミングt35において第1状態に戻る点で図566(A)に示す演出パターンと異なっている。また、図567(A)に示す演出パターンにおいては、第2枠可動体を移動する際に、第2枠可動体を模した枠可動体模擬画像が表示されることはない。
図566(A)に示す演出パターンと図567(A)に示す演出パターンとを実行可能な遊技機において、装飾図柄の変動中の所定のタイミングで、いずれか一方の演出パターンが実行される場合には、第1枠可動体が、第1状態から第2状態となり、その後第1状態に戻ったのち、所定時間(4秒間)が経過したタイミングで、第2枠可動体が第1状態を維持して第2状態とならない場合(図566(A)に示す演出パターンが選択された場合)と、第2枠可動体が第1状態から第2状態になる場合(図567(A)に示す演出パターンが選択された場合)とがありうる。
このような構成とすることで第1枠可動体の動作時に遊技者の目線が一度第1枠可動体に向いたのち、遊技者の目線が遊技盤側演出表示装置1600に戻る前に、第2枠可動体が動く場合がありうるため、遊技経験が少ない遊技者に対して、第2枠可動体が動作する場合があるということを認識させることが可能となる。
図567(A)に示す演出パターンの期待度を、図566(A)に示す演出パターンの期待度よりも高くするようにしてもよい。例えば、図567(A)に示す演出パターンの期待度が25%に、図566(A)に示す演出パターンの期待度が10%となるように、演出パターンが選択されるように構成するとよい。このような構成とすることで、第1枠可動体が動いたのちに、第2枠可動体が動くのではないかという期待感を遊技者に抱かせることが可能となる。
図567(B)、図567(C)に示す演出パターンは、図566(A)に示す演出パターンを変形させた演出パターンである。この演出パターンにおいては、第1枠可動体の動作と第1枠可動体を模した枠可動体模擬画像の表示が複数回行われる点で図566(A)に示す演出パターンと異なっている。
図567(B)、図567(C)に示す演出パターンにおいては、第1枠可動体が、タイミングt2において、第1状態から第2状態への変化を開始し、タイミングt4からタイミングt6まで第2状態となり、タイミングt8において第1状態に戻ったのち、再度、タイミングt11において、第1状態から第2状態への変化を開始し、タイミングt13からタイミングt15まで第2状態となり、タイミングt17において第1状態に戻った状態となる。また、第1枠可動体の動作に同期して第1枠可動体を模した枠可動体模擬画像の動的表示が行われる。
その後、図567(C)に示す演出パターンにおいては、第2枠可動体がタイミングt21において、第1状態から第2状態への変化を開始し、タイミングt23からタイミングt33まで第2状態となり、タイミングt35において第1状態に戻る。一方、図567(B)に示す演出パターンにおいては、第2枠可動体の動作は行われない。
図567(B)に示す演出パターンと図567(C)に示す演出パターンとを実行可能な遊技機において、装飾図柄の変動中の所定のタイミングで、いずれか一方の演出パターンを実行する場合には、第1枠可動体が、第1状態から第2状態となり、その後第1状態に戻ったのち(タイミングt17)、所定時間(4秒間)が経過したタイミング(タイミングt21)で、第2枠可動体が第1状態から第2状態になる場合と第2枠可動体が第1状態を維持して第2状態とならない場合とがありうる。
このような構成とすることで第1枠可動体の動作時に遊技者の目線が継続して第1枠可動体に向いたのち、遊技者の目線が遊技盤側演出表示装置1600に戻る前に、第2枠可動体が動く場合がありうるため、遊技経験が少ない遊技者に対して、第2枠可動体が動作する場合があるということを認識させることが可能となる。
図567(C)に示す演出パターンの期待度を、図567(B)に示す演出パターンの期待度よりも高くするようにしてもよい。例えば、図567(B)に示す演出パターンの期待度が25%に、図567(C)に示す演出パターンの期待度が35%となるように、演出パターンが選択されるように構成するとよい。このような構成とすることで、第1枠可動体が動いたのちに、第2枠可動体が動くのではないかという期待感を遊技者に抱かせることが可能となる。
図568(A)〜図568(C)に示す演出パターンは、図566(A)に示す演出パターンを変形させた演出パターンである。この演出パターンにおいては、第1枠可動体の動作よりも前のタイミングで第2枠可動体が動作する場合がある点で図566(A)に示す演出パターンと異なっている。
図568(A)〜図568(C)に示す演出パターンにおいては、第1枠可動体が動作するタイミングや第1枠可動体を模した枠可動体模擬画像が表示されるタイミングは同一である。具体的には、第1枠可動体がタイミングt21からタイミングt23にかけて、第1状態から第2状態へと変化し、所定時間(8秒間)、第2状態を維持したのち(タイミングt23〜タイミングt31)、第2状態から第1状態へと変化する(タイミングt31〜タイミングt33)。また、第1枠可動体の動作に合わせて、第1枠可動体を模した枠可動体模擬画像が、第1状態から第2状態へと変化し、第2状態で所定時間継続して表示され、第2状態から第1状態へ変化する(タイミングt21〜タイミングt33)。
一方で、図568(A)〜図568(C)に示す各演出パターンにおいて、第2枠可動体の動作態様は、以下に示すようにそれぞれ異なっている。
図568(A)に示す演出パターンにおいては、第2枠可動体はt0からt39までの期間において第1状態をとり続け、第2状態となることはない。図568(B)に示す演出パターンにおいては、第2枠可動体が、タイミングt5において、第1状態から第2状態への変化を開始し、タイミングt7からタイミングt15まで第2状態となり、タイミングt17において第1状態に戻った状態となる。図568(C)に示す演出パターンにおいては、第2枠可動体が、タイミングt5において、第1状態から第2状態への変化を開始し、タイミングt7からタイミングt33まで第2状態となり、タイミングt35において第1状態に戻った状態となる。なお、いずれの演出パターンにおいても、第2枠可動体を模した枠可動体模擬画像の表示は行われない。
図568(C)に示す演出パターンの期待度を、図568(B)に示す演出パターンの期待度よりも高くするとともに、図568(B)に示す演出パターンの期待度を、図568(A)に示す演出パターンの期待度よりも高くするようにしてもよい。例えば、図568(A)に示す演出パターンの期待度が10%に、図568(B)に示す演出パターンの期待度が20%に、図568(C)に示す演出パターンの期待度が30%となるように、演出パターンが選択されるように構成するとよい。
図568(A)に示す演出パターンと図568(B)に示す演出パターンを比較すると、図568(B)に示す演出パターンの実行時には、遊技者が第2枠可動体の動作を見逃す場合がある。第2枠可動体の動作を視認できた遊技者にとっては、その後、第1枠可動体が動作することで、期待度が20%であると認識できることとなる。一方、第2枠可動体が動作したことに気が付けなかった遊技者にとっては、第1枠可動体が動作したとしても正確な期待度がよくわからないといった状態となる。
図568(A)に示す演出パターンと図568(C)に示す演出パターンを比較すると、図568(C)に示す演出パターンの場合は、第1枠可動体が移動したのちも、第2枠可動体は移動位置(第2状態)にありつづける。このため、第1枠可動体を模した枠可動体模擬画像を見て、第1枠可動体が第2状態となったことに気が付いた遊技者は、第2枠可動体の状態を確認し、第2枠可動体がその時点で動作しておらず第1状態となっている場合には、期待度がそれほど高くないことを認識できる。一方、第2枠可動体がその時点で動作しており第2状態となっている場合には、期待度が相対的に高いということを認識できる。
図568(B)に示す演出パターンと図568(C)に示す演出パターンを比較すると、第2枠可動体が動作して第2状態となっていると遊技者が気が付いた時点で、第2枠可動体の第2状態となっている間に第1枠可動体が動くのではないかという点に遊技者の興味が行くこととなる。そして、第1枠可動体が動作して第2状態となった場合には、期待度が高いことを遊技者は認識できる。一方で、第1枠可動体が第1状態となる前に、第2枠可動体が第1状態となってしまった場合には、遊技者は、相対的に期待度が低いと認識することとなる。
なお、図568(C)に示す演出パターンにおいては、第1枠可動体が第1状態となったのちに、第2枠可動体を第1状態とするように構成している。このような構成とすることで、期待度が高いという遊技者にとって望ましい状態を遊技者に長期間楽しませることが可能となっている。
図523に示す右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200をそれぞれ、第1枠可動体、第2枠可動体として、実施例を説明してきたが、図532等に示すような右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200をそれぞれ第1枠可動体、第2枠可動体として上記した演出パターンを実行するように構成してもよい。
図523に示す右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200をそれぞれ、第1枠可動体、第2枠可動体として、実施例を説明してきたが、図538等、図547等に示すような右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350のいずれか一方または双方を第1枠可動体とし、左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450のいずれか一方または双方を第2枠可動体としてもよい。そして、右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350のいずれか一方または双方が第2状態となった状態を、第1枠可動体の第2状態とし、左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450のいずれか一方または双方が第2状態となった状態を、第2枠可動体の第2状態として、上記した演出パターンを実行するように構成してもよい。
図538等、図547等に示す実施形態において上記した演出パターンを実行する場合には、右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350のうちの一方を第1状態から第2状態としたのち、右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350のうちの他方を第1状態から第2状態とすることを、第1枠可動体を第1状態から第2状態とする動作として採用してもよい。また、右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350のうちの他方を第2状態から第1状態としたのち、右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350のうちの一方を第2状態から第1状態とすることを、第1枠可動体を第2状態から第1状態とする動作として採用してもよい。
同様に、図538等、図547等に示す実施形態において上記した演出パターンを実行する場合には、左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450のうちの一方を第1状態から第2状態としたのち、左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450のうちの他方を第1状態から第2状態とすることを、第2枠可動体を第1状態から第2状態とする動作として採用してもよい。また、左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450のうちの他方を第2状態から第1状態としたのち、左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450のうちの一方を第2状態から第1状態とすることを、第2枠可動体を第2状態から第1状態とする動作として採用してもよい。
このように、複数の枠可動体による連続的な動作による状態の変化をまとめて、1の枠可動体の状態の変化としてもよい。
右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350を第1枠可動体として状態を変化させるとともに、左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450を第2枠可動体として状態を変化させる例を示したが、右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350の一方のみを第1枠可動体として動作させるように構成し、他方については動作させず待機状態のままとするように構成してもよい。あるいは、左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450の一方のみを第2枠可動体として動作させるように構成し、他方については動作させず待機状態のままとするように構成してもよい。
例えば、右耳内側枠可動体7300と右耳外側枠可動体7350のうち、右耳内側枠可動体7300のみを第1枠可動体として状態を変化させるとともに、左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450を第2枠可動体として状態を変化させるように構成してもよい。
この場合、第1枠可動体と第2枠可動体とで、正面視や側面視によって視認される面積が異なることとなる。具体的には、第1枠可動体は右耳内側枠可動体7300から構成されるため、視認される面積が相対的に小さく、第2枠可動体は左耳内側枠可動体7400と左耳外側枠可動体7450とから構成されるため、視認される面積が相対的に大きくなる。
このような構成とすることで、相対的に小さい第1枠可動体の状態の変化に際しては、状態を変化させる際に第1枠可動体の状態の変化に対応した枠可動体模擬画像が表示されるため、第1枠可動体の状態の変化を遊技者が見落とすといった事態の発生を抑制することが可能となる。一方で、相対的に大きい第2枠可動体の状態の変化に際しては、あえて、第2枠可動体に対応する枠可動体模擬画像を表示しないことで、第2枠可動体が状態を変化させていることに遊技者が気が付いたときに、遊技者により大きな驚きを与えることが可能となる。
図553と図554を参照して説明した複数の枠可動体の構造において、上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。
例えば、幕板ボトムユニット右足可動体7700を第1枠可動体とし、幕板ボトムユニット左足可動体7750を第2枠可動体としてもよい。さらに、幕板ボトムユニット右足可動体7700と幕板ボトムユニット左足可動体7750が、図553(A)、図553(C)、図554(A)に示す待機位置にある状態を第1状態とし、図553(B)、図553(D)、図554(B)に示す移動位置にある状態を第2状態として、上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。
あるいは、扉枠サイドユニット右腕上腕部7620と扉枠サイドユニット右腕下腕部7630を第1枠可動体とし、扉枠サイドユニット左腕上腕部7670と扉枠サイドユニット左腕下腕部7680を第2枠可動体としてもよい。さらに、扉枠サイドユニット右腕上腕部7620と扉枠サイドユニット右腕下腕部7630、扉枠サイドユニット左腕上腕部7670と扉枠サイドユニット左腕下腕部7680が、図553(A)、図553(C)、図554(A)に示す待機位置にある状態を第1状態とし、図553(B)、図553(D)、図554(B)に示す移動位置にある状態を第2状態として、上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。
例えば、図567(A)に示した演出パターンを実行した場合には、扉枠サイドユニット右腕上腕部7620と扉枠サイドユニット右腕下腕部7630が、扉枠サイドユニット右腕上腕部7620と扉枠サイドユニット右腕下腕部7630を模した枠可動体模擬画像の表示を伴いつつ、待機位置にある状態(第1状態)から移動位置にある状態(第2状態)に変化したのち、待機位置にある状態(第1状態)に変化し、次いで、扉枠サイドユニット左腕上腕部7670と扉枠サイドユニット左腕下腕部7680が、扉枠サイドユニット左腕上腕部7670と扉枠サイドユニット左腕下腕部7680を模した枠可動体模擬画像の表示を伴わずに、待機位置にある状態(第1状態)から移動位置にある状態(第2状態)に変化したのち、待機位置にある状態(第1状態)に変化することとなる。
あるいは、幕板ボトムユニット右足可動体7700と幕板ボトムユニット左足可動体7750のいずれか一方あるいは双方を第1枠可動体とし、扉枠トップユニット顔装飾部7500が有する扉枠トップユニット顔上可動体7510、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522、扉枠トップユニット顔下口可動体7524のうちの少なくとも1つを第2枠可動体としてもよい。さらに、幕板ボトムユニット右足可動体7700、幕板ボトムユニット左足可動体7750、扉枠トップユニット顔上可動体7510、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、扉枠トップユニット顔下鼻可動体7522、扉枠トップユニット顔下口可動体7524が、図553(A)、図553(C)、図554(A)に示す待機位置にある状態を第1状態とし、図553(B)、図553(D)、図554(B)に示す移動位置にある状態を第2状態として、上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。
例えば、幕板ボトムユニット右足可動体7700を第1枠可動体とし、扉枠トップユニット顔上可動体7510を第2枠可動体として、上述した演出パターンを実行するように構成してもよい。この場合、幕板ボトムユニット右足可動体7700よりも大きさが大きい扉枠トップユニット顔上可動体7510について枠可動体模擬画像を表示しないこととなる。このような構成とすることで、扉枠トップユニット顔上可動体7510(第2枠可動体)が状態を変化させていることに遊技者が気が付いたときに、遊技者に対してより大きな驚きを与えることが可能となる。
なお、扉枠トップユニット顔上可動体7510に加え、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200についても第2枠可動体とし、扉枠トップユニット顔上可動体7510が下方に収納された位置から上方への移動を完了したのちに、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が扉枠トップユニット顔上可動体7510に収納された状態から上方の移動への移動を完了した状態を、第2枠可動体の第2状態としてもよい。
このように、遊技領域5aや遊技盤側演出表示装置1600をはさんで対向する位置に、第1枠可動体と第2枠可動体とを距離を置いて設ける構成とすることで、遊技者が一方の枠可動体を視認しているときに、他方の枠可動体が遊技者に視認されにくくなるように構成されている。特に、図567(A)に示すような演出パターンを実行した場合には、第1枠可動体に遊技者の意識が集中して、視角上、遠い位置にある第2枠可動体が視界に入らない状態となる。そして、第2枠可動体の動作後の状態に気が付いた遊技者に対して、第2枠可動体が予想もしない状態へと変化したという大きな驚きを与えることが可能となる。
第2枠可動体を動作させる際に、第2枠可動体を模した枠可動体模擬画像を表示しない演出パターンを示してきたが、短時間だけ、第2枠可動体を模した枠可動体模擬画像を表示するように構成してもよい。この場合、第2枠可動体が第2状態となった後半の所定の期間において短期間(例えば1秒間)、第2枠可動体を模した枠可動体模擬画像を遊技盤側演出表示装置1600に表示するように構成してもよい。例えば、図567(A)に示す演出パターンにおけるタイミングt30〜タイミングt31にかけて、第2枠可動体を模した枠可動体模擬画像を表示するように構成するとよい。
このような構成とすることで、第2枠可動体が動作したことを遊技者に気が付かれない、といった事態の発生を抑制することが可能となる。
あるいは、図567(A)に示す演出パターンにおけるタイミングt33〜タイミングt34にかけて、第2枠可動体を模した枠可動体模擬画像を表示するように構成してもよい。
このような構成とした場合には第2枠可動体が第2状態から第1状態へと状態を変化させている状態を遊技者が視認することとなり、遊技者は、第2枠可動体が第2状態となっている状態を楽しむことができなかったという悔しさを感じることとなる。これにより、それ以降の遊技において、第2枠可動体がいつの間にか動作しているのではないかという注意意識を高めることが可能となる。
図524(A)〜図525(B)を参照して枠可動体が動作する演出パターンを示したが、このように枠可動体を移動させた場合には、遊技者が予期せぬ位置に移動後の枠可動体が位置することで、遊技者が手や頭部を枠可動体に激しく接触させて、遊技者がけがをしたり、枠可動体が破損してしまうおそれがある。一方、枠可動体を動作可能な遊技機にあっては、枠可動体の動作に加えて、遊技盤5側における各種の演出が行われ、遊技者に対して過剰な態様で演出が実行されてしまうおそれがある。以下に示す実施形態は、このような課題を解決することを目的とするものである。図569と図570、図571と図572、図573と図574、図575と図576は、それぞれ図524と図525、図533と図534、図539と図540、図548と図549をそれぞれ参照して説明した演出パターンの変形例を示したものである。
図569と図570、図571と図572、図573と図574、図575と図576に示す各実施形態においては、所定のタイミングで、変動演出音の音量を通常の状態から、音量が低下した抑制状態とするように構成されている。変動演出音は、装飾図柄の変動に合わせて、所定の楽曲が再生され、遊技者からはバックグランドミュージックのように認識される音のことである。例えば、所定の歌手が歌う音声と複数の楽器の演奏音とからなる楽曲が数分間再生され、その間に、装飾図柄の変動(例えば、装飾図柄の変動結果がすべて非リーチハズレで変動時間が平均10秒程度の場合)が複数回行われる。このような変動演出音を遊技者に対して出力することで遊技に対する興趣を向上させることが可能となる。なお、このような楽曲を予め複数用意しておき、ある楽曲の再生が最後まで終了したタイミングで、異なる楽曲の再生を開始するように構成してもよい。あるいは、遊技状態の変更に合わせて、それまで再生していた楽曲を再生途中でフェードアウトさせ、それまで再生していた楽曲とは異なる他の楽曲を再生するように構成してもよい。本実施形態においては、枠可動体が動作するタイミングに合わせて、このような変動演出音の音量を抑制させることで、演出が過剰となる状態を抑制している。
また、本実施形態においては、枠可動体が動作するタイミングに合わせて、枠可動体が動作することや動作したことを遊技者に喚起する特別な音を短時間再生するように構成している。特別喚起音としては、変動演出音のように長時間再生される一連の楽曲として認識されるような音を発するのではなく、効果音(例えば「ピンポーン」といったチャイム音)を1秒間で再生したり、短期間(例えば2秒)で再生が終了する楽曲を再生したり、太鼓を連続して叩いた様な音(例えば「ドコドコドコ・・・・」といった音)を数秒間再生するとよい。また、特別喚起音を構成する音に、変動演出音の一部として用いられる楽器音が含まれないように構成するとよい。また、特別喚起音は、変動演出音の出力状態に影響を受けることがなく所定の音量で出力される。例えば、変動演出音の音量が抑制されない通常状態であっても、変動演出音の音量が抑制された抑制状態であっても、予め定められた音量で特別喚起音の出力は行われる。また、特別喚起音の音量は、抑制状態における変動演出音の音量より大きくするとよい。なお、後述する演出パターンにおいては、特別喚起音が出力された状態を10秒程度維持する場合もある。この場合には、このような効果音や再生が短期間で終了する楽曲を繰り返し再生して、特別喚起音が出力された状態を維持するように構成するとよい。
このように枠可動体の動作に合わせて、変動演出音の音量を抑制させるとともに、特別喚起音を発生させることで、遊技者に提供される演出が過剰になることを防止することが可能となる。さらに、遊技者が枠可動体に接触することで、遊技者がけがをしたり、枠可動体が破損するといった事態の発生を抑制することが可能となる。
図569(A)〜図570(B)に示す演出パターンにおいては、枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から移動位置への移動を開始したタイミング(タイミングt7)で、変動演出音の状態を抑制状態にするとともに、特別喚起音を出力した状態にするように構成している。また特別喚起音の出力は、操作部への操作が行われたタイミング(タイミングt14)や操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)で終了するように構成している。また、変動演出音の抑制状態についても、操作部への操作が行われたタイミング(タイミングt14)や操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)で終了するように構成している。
図571(A)〜図572(B)に示す演出パターンにおいては、枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から回転を開始した状態(第2状態)に変化したタイミング(タイミングt9)で、変動演出音の状態を抑制状態にするとともに、特別喚起音を出力した状態にするように構成している。また特別喚起音の出力は、操作部への操作が行われたタイミング(タイミングt14)や操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)で終了するように構成している。また、変動演出音の抑制状態についても、操作部への操作が行われたタイミング(タイミングt14)や操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)で終了するように構成している。
図573(A)〜図574(B)に示す演出パターンにおいては、内側枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から移動位置への移動を開始したタイミング(タイミングt7)で、変動演出音の状態を抑制状態にするとともに、特別喚起音を出力した状態にするように構成している。また特別喚起音の出力は、操作部への操作が行われたタイミング(タイミングt14)や操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)で終了するように構成している。また、変動演出音の抑制状態についても、操作部への操作が行われたタイミング(タイミングt14)や操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)で終了するように構成している。
図575(A)〜図576(B)に示す演出パターンにおいては、内側枠可動体が待機位置にある状態(第1状態)から回転を開始した状態(第2状態)に変化したタイミング(タイミングt5)で、変動演出音の状態を抑制状態にするとともに、特別喚起音を出力した状態にするように構成している。また特別喚起音の出力は、操作部への操作が行われたタイミング(タイミングt14)や操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)で終了するように構成している。また、変動演出音の抑制状態についても、操作部への操作が行われたタイミング(タイミングt14)や操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)で終了するように構成している。
このように、枠可動体が動作を始めるタイミングで、変動演出音の出力状態を通常状態から抑制状態にするとともに特別喚起音を非出力状態から出力状態にすることで、演出状態が過剰になることを抑制することが可能となる。
また、図573(A)〜図574(B)を参照して示したように、複数の枠可動体が順に動作しうる場合には、2番目に動作する枠可動体が動作を始めるタイミングで、変動演出音の出力状態を抑制状態から通常状態にするとともに特別喚起音を出力状態から非出力状態としている。このような構成とすることで、演出に必要な変動演出音を過剰に止めすぎることを抑制することができる。
変動演出音の出力状態を抑制状態から通常状態に戻すタイミング及び特別喚起音の出力状態を非出力にするタイミングとしては、遊技者により操作部への操作が行われたときあるいは操作有効期間が終了したタイミングとしている。これは、枠可動体が移動してから所定時間が経過しているので、変動演出音を抑制する意味が低い、枠可動体模擬画像が遊技盤側演出表示装置1600に表示されることで枠可動体が動作したことに遊技者が気が付く、といった理由からである。
一方、変動演出音の出力状態を抑制状態から通常状態に戻すタイミングや特別喚起音の出力状態を出力状態から非出力状態にするタイミングを枠可動体が第1状態に戻ったときとしてもよい。このような構成とすることで、遊技者が枠可動体に接触することで、遊技者がけがをしたり、枠可動体が破損するといった事態の発生を抑制することが可能となる。なお、複数の枠可動体が異なるタイミングで第1状態に戻る演出パターンの場合には、最も遅く第1状態となる枠可動体が第1状態に戻ったタイミングで変動演出音の出力状態を抑制状態から通常状態に戻すとともに特別喚起音の出力状態を出力状態から非出力状態にするとよい。
あるいは、操作部への操作があったタイミングあるいは操作有効期間が終了したタイミングで変動演出音の出力状態を抑制状態から通常状態に戻す一方で、特別喚起音を出力状態から非出力状態にするタイミングを枠可動体が第1状態に戻ったときとしてもよい。このような構成とすることで、遊技者が枠可動体に接触することで、遊技者がけがをしたり、枠可動体が破損するといった事態の発生を抑制することが可能となる。
あるいは、操作部への操作があったタイミングあるいは操作有効期間が終了したタイミングで特別喚起音を出力状態から非出力状態とするとともに、変動演出音の出力状態を抑制状態から通常状態に戻すタイミングを枠可動体が第1状態に戻ったときとしてもよい。
このような構成とすることで、遊技者が枠可動体に接触することで、遊技者がけがをしたり、枠可動体が破損するといった事態の発生を抑制することが可能となる。
図573と図574、図575と図576を示してそれぞれ説明した演出パターンのように、枠可動体が複数あり、枠可動体が動作しはじめるタイミングが複数ある場合には、複数の枠可動体のそれぞれに対応して、異なる特別喚起音を出力するように構成してもよい。
図573と図574を示して説明した演出パターンにおいて、操作部への操作が行われたタイミング(タイミングt14)あるいは操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)で、変動演出音の出力状態を抑制状態から通常状態とし、特別喚起音を非出力状態とする例を示したが、操作部への操作が行われたタイミングあるいは操作有効期間が終了したタイミング以降も変動演出音の抑制状態や特別喚起音の出力状態を継続する場合があるように構成してもよい。
例えば、図573(A)に示す演出パターンにおいては、外側枠可動体が移動位置へ移動中のタイミングt15や外側枠可動体が移動位置への移動を完了するタイミングt16まで、あるいは、外側枠可動体が待機位置へ移動中のタイミングt27や外側枠可動体が待機位置への移動を完了するタイミングt28まで変動演出音の抑制状態や特別喚起音の出力状態を継続するように構成してもよい。
また、図574(A)に示す演出パターンにおいては、外側枠可動体が移動位置へ移動中のタイミングt19や外側枠可動体が移動位置への移動を完了するタイミングt20まで、あるいは、外側枠可動体が待機位置へ移動中のタイミングt27や外側枠可動体が待機位置への移動を完了するタイミングt28まで変動演出音の抑制状態や特別喚起音の出力状態を継続するように構成してもよい。
一方、図573(B)、図574(B)に示す演出パターンにおいては、演出パターンは変形せず、図573(B)に示す演出パターンにおいてはタイミングt14において、図574(B)に示す演出パターンにおいてはタイミングt18において、変動演出音の出力状態を抑制状態から通常状態とし、特別喚起音を非出力状態とする。
このように、外側枠可動体が動作する場合(すなわち特別抽選結果が大当りである場合)には、外側枠可動体の動作に応じて、変動演出音の抑制状態や特別喚起音の出力状態を継続するように構成することで、移動位置への移動中あるいは移動位置へ移動した状態(第2状態)の外側枠可動体に、遊技者が接触することで、遊技者がけがをしたり、外側枠可動体が破損するといった事態の発生を抑制することが可能となる。特に外側枠可動体は特別抽選結果が大当りであることが確定したタイミングで移動を開始することとなるため遊技者の感じる興奮は非常に大きなものとなるが、このような実施形態によれば、遊技者を興ざめさせることなく、外側枠可動体が動作していることを遊技者に認識させることが可能となる。
特別喚起音を出力するタイミングを限定的なものとしてもよい。例えば、枠可動体が第1状態から第2状態に変化している期間、第2状態から第1状態に変化している期間の少なくとも一方の期間においてのみ特別喚起音を出力するように構成してもよい。
例えば、図569(A)〜図570(B)に示す演出パターンにおいては、枠可動体が第1状態から第2状態に変化している期間(タイミングt7からタイミングt9の期間)、枠可動体が第2状態から第1状態に変化している期間(タイミングt22からタイミングt24の期間)の少なくとも一方の期間においてのみ特別喚起音を出力し、その他の期間においては特別喚起音を出力しないように構成してもよい。このような構成とした場合も、遊技者が枠可動体に接触するという事態の発生を抑制することが可能となる。
また、図573(A)、図574(B)に示す演出パターンにおいては、内側枠可動体が第1状態から第2状態に変化している期間(タイミングt7からタイミングt9の期間)、内側枠可動体が第2状態から第1状態に変化している期間(タイミングt30からタイミングt32の期間)の少なくとも一方の期間においてのみ特別喚起音を出力し、その他の期間においては特別喚起音を出力しないように構成してもよい。このような構成とした場合でも、遊技者が枠可動体に接触するという事態の発生を抑制することが可能となる。
また、図573(A)、図574(A)に示す演出パターンにおいては、外側枠可動体が第1状態から第2状態に変化する期間(図573(A)に示す演出パターンにおいてはタイミングt14からタイミングt16の期間、図574(A)に示す演出パターンにおいてはタイミングt18からタイミングt20の期間)、外側枠可動体が第2状態から第1状態に変化する期間(タイミングt26からタイミングt28)の少なくとも一方の期間においてのみ特別喚起音を出力し、その他の期間においては特別喚起音を出力しないように構成してもよい。このような構成とした場合でも、遊技者が枠可動体に接触するという事態の発生を抑制することが可能となる。
また、内側枠可動体が第1状態から第2状態に変化している期間(タイミングt7からタイミングt9の期間)、内側枠可動体が第2状態から第1状態に変化している期間(タイミングt30からタイミングt32の期間)、外側枠可動体が第1状態から第2状態に変化する期間(図573(A)に示す演出パターンにおいてはタイミングt14からタイミングt16の期間、図574(A)に示す演出パターンにおいてはタイミングt18からタイミングt20の期間)、外側枠可動体が第2状態から第1状態に変化する期間(タイミングt26からタイミングt28)のうちの少なくとも一の期間においてのみ特別喚起音を出力し、その他の期間においては特別喚起音を出力しないように構成してもよい。
このような構成とした場合でも、遊技者が枠可動体に接触するという事態の発生を抑制することが可能となる。
上述した各演出パターンにおいて、変動演出音の状態を抑制状態としたのち、少し遅れて特別喚起音を出力するように構成してもよい。例えば、変動演出音を抑制した状態にしてから2秒後に特別喚起音を出力するように構成してもよい。例えば、図569(A)〜図570(B)に示す演出パターンにおいては、タイミングt7において変動演出音を抑制状態としたのち、タイミングt9において特別喚起音を出力するように構成するとよい。このような構成とすることで、変動演出音が抑制状態となったこと、特別喚起音が変動演出音と異なる性質のものであることを、遊技者が明確に認識できるようになる。
あるいは、上述した各演出パターンにおいて、特別喚起音を出力するタイミングよりも所定時間前のタイミングで変動演出音の状態を抑制状態とするように構成してもよい。例えば、特別喚起音を出力するタイミングの2秒前に変動演出音を抑制した状態にするように構成してもよい。例えば、図569(A)〜図570(B)に示す演出パターンにおいては、タイミングt5において変動演出音を抑制状態としたのち、タイミングt7において特別喚起音を出力するように構成するとよい。このような構成とすることで、変動演出音が抑制状態となったこと、特別喚起音が変動演出音と異なる性質のものであることが明確に認識できるようになる。
特別喚起音の出力を終了するタイミングをあらかじめ定められたタイミングとしてもよい。例えば、枠可動体が動き始めてから最初の2秒間のみ特別喚起音が出力された状態とするように構成してもよい。例えば、図569(A)〜図570(B)に示す演出パターンにおいては、タイミングt7において変動演出音を抑制状態とするとともに特別喚起音の出力を開始し、タイミングt9において特別喚起音の出力を終了するように構成するとよい。なお、変動演出音については、操作部への操作があったタイミング(タイミングt14)、あるいは、操作有効期間が終了したタイミング(タイミングt18)で終了するとよい。このような構成とすることで、特別喚起音の出力が終了したタイミング以降も変動演出音が抑制された状態が続くため、特別喚起音が出力されたことを遊技者が認識しやすくなる。
枠可動体の動作開始よりも前に変動演出音の抑制及び特別喚起音の出力を行うように構成してもよい。例えば、枠可動体が動作を開始する2秒前のタイミングで変動演出音の抑制及び特別喚起音の出力を行うように構成するとよい。例えば、図569(A)〜図570(B)に示す演出パターンにおいては、タイミングt5において変動演出音を抑制状態とするとともに特別喚起音の出力を開始し、タイミングt7において、枠可動体の状態を第1状態から第2状態へと変化させる動作を開始するように構成するとよい。このような構成とした場合でも、枠可動体が動くことを認識可能となり、遊技者が枠可動体に接触してケガをするといった事態の発生を抑制することが可能となる。
枠可動体の動作開始と変動演出音を抑制状態とするタイミングに合わせて、操作有効期間を発生させるように構成してもよい。例えば、図573(A)〜図574(B)に示す演出パターンにおいては、タイミングt7において操作有効期間を発生させるとともに、操作指示表示を開始し、枠可動体の発光演出状態を消灯状態とするように構成するとよい。このような構成とした場合でも、枠可動体が動くことを認識可能となり、遊技者が枠可動体に接触してケガをするといった事態の発生を抑制することが可能となる。
図532、図535、図536、図537を参照して示した実施形態における枠可動体を所定角度ゆっくりと回動させることで、図524(A)〜図525(B)に示したタイムチャートあるいは図524(A)〜図525(B)に示したタイムチャートの変形例における枠可動体のように動作させてもよい。例えば、図532に示した実施形態における枠可動体を2秒間かけて右から見て時計回りに90度回転させるとよい。なお、待機位置へ移動させる際には、枠可動体を2秒間かけて右から見て反時計回りに90度回転させるとよい。
また、図547、図550、図551と図552をそれぞれ参照して示した実施形態における外側枠可動体と内側枠可動体を、図539と図540に示したタイムチャートあるいは図539と図540に示したタイムチャートの変形例における内側枠可動体と外側枠可動体のように動作させてもよい。例えば、図547に示した実施形態における外側枠可動体を2秒間かけて右から見て時計回りに90度回転させるとよい。さらに、特別抽選結果が大当りであり、操作部への操作があったタイミングあるいは操作有効期間の終了タイミングにおいて、内側枠可動体を2秒間かけて右から見て時計回りに90度回転させるとよい。なお、待機位置へ移動させる際には、内側枠可動体を2秒間かけて右から見て反時計回りに90度回転させたのち、外側枠可動体を2秒間かけて右から見て反時計回りに90度回転させるとよい。
図523、図528、図529、図530、図531を参照して説明した枠可動体、図538、図541、図542、図543と図544、図545と図546をそれぞれ参照して説明した内側枠可動体、図538、図541、図542、図543と図544、図545と図546をそれぞれ参照して説明した外側枠可動体が第2状態となっている状態において、枠可動体あるいは、内側枠可動体と外側枠可動体のいずれか一方または双方が、1〜2センチ程度の上下方向の動作あるいは5度程度の回動動作を続けるように構成してもよい。このような構成とすることで枠可動体、内側枠可動体、外側枠可動体が動作して第2状態となったことに遊技者が気が付きやすくすることが可能となる。
図533と図534、図548と図549をそれぞれ参照して説明した実施形態においては、枠可動体の回転方向が右側から見て時計回りとなっている。このため、枠可動体の回転方向が右側から見て反時計回りの場合と比べると、枠上に遊技者が手などを置いていたときに、手などを扉枠トップユニット570内に巻き込むといった事態の発生を抑制することが可能となっている。
一方、図533と図534、図548と図549に示した実施形態において、枠可動体の回転方向を右側から見て反時計回りに回転させるように構成してもよい。このような構成とすることで回転体が遊技者に近づくように視認されることとなり、枠可動体を迫力ある態様で遊技者に視認させることが可能となる。
図533と図534、図548と図549に示した実施形態において、枠可動体、内側枠可動体、外側枠可動体を第2状態において360度以上ぐるぐると回転させるのではなく、所定の回動範囲内で右から見て時計回り方向の回動動作と右から見て反時計回りの回動動作を交互に繰り返すように構成してもよい。例えば、図532(B)、図532(E)あるいは図547(B)、図547(E)に示すように枠可動体、内側枠可動体、外側枠可動体が直立した状態を中心として、手前側に45度、後ろ側に45度の範囲内で枠可動体、内側枠可動体、外側枠可動体が回動動作を繰り返すように構成してもよい。このような構成とした場合でも、枠上に遊技者が手などを置いていたときに、手などを扉枠トップユニット570内に巻き込むといった事態の発生を抑制することが可能となっている。
なお、図547(A)〜図547(E)に示した内側枠可動体、外側枠可動体においては、内側枠可動体が右から見て時計回り方向の回動動作を行う際に、外側枠可動体が右から見て反時計回りの回動動作を行い、内側枠可動体が右から見て反時計回り方向の回動動作を行う際に、外側枠可動体が右から見て時計回りの回動動作を行うように構成してもよい。このような構成とした場合でも、枠上に遊技者が手などを置いていたときに、手などを扉枠トップユニット570内に巻き込むといった事態の発生を抑制することが可能となっている。
図523、図538を参照した説明した実施形態においては、枠可動体が発光部を備えていたが、枠可動体外の所定の箇所(例えば、扉枠トップユニット570内)に枠可動体を照明する発光部を有するように構成し、その発光部により枠可動体を照明するように構成してもよい。あるいは、これらの双方を設けるように構成し、枠可動体が備える発光部と枠可動体外の発光部とで枠可動体を照明し所定の演出状態とするように構成してもよい。
一方、図532(A)〜図532(E)、図547(A)〜図547(E)を参照して説明した実施形態においては、枠可動体に対応して扉枠トップユニット内右側発光部7050、扉枠トップユニット内左側発光部7052を扉枠トップユニット570に設ける例を示したが、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200内にそれぞれ発光部を設けたり、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450内にそれぞれ発光部を設けることで、扉枠トップユニット内右側発光部7050、扉枠トップユニット内左側発光部7052と同様の発光態様で枠可動体を発光させるように構成してもよい。あるいは、これらの双方を設けるように構成し、枠可動体が備える発光部と枠可動体外の発光部とで枠可動体を照明し所定の演出状態とするように構成してもよい。
図523から図576を参照して、枠可動体が第1状態から第2状態となったり、第2状態を経て第3状態や第4状態となる例を示してきたが、第1状態から第2状態へと変化する途中の枠可動体、第2状態〜第4状態への変化が完了した枠可動体を遊技者や遊技店の店員が手を使って押し込むなどすることで、むりやり初期位置に位置する状態(第1状態)に戻せるように構成してもよい。この場合、枠可動体を駆動する図示しない駆動機構に枠可動体の位置を検知可能なセンサを設け、枠可動体が初期位置に位置するはずがないタイミングで初期位置に位置していた場合には、遊技者や遊技店の店員による押し込み等の操作が行われたものと判断して、それ以上駆動機構を動作させないようして枠可動体が初期位置に留まるように構成してもよい。
このような構成とすることで、枠可動体を任意のタイミングで遊技者や遊技店の店員が初期位置(第1状態)に戻すことが可能となる。また、枠可動体の上に重量のある物品(遊技者が所持するバッグなど)が載置されていた場合でも、枠可動体を動作させる駆動機構が枠可動体を動作させないように制御されることとなるため、駆動機構に負荷がかかることを抑制することが可能となる。また、遊技者や遊技店の店員がケガをするといった事態の発生を抑制することが可能となる。
図523から図576を参照して、枠可動体の基本的な構造と枠可動体の構造についての変形例、枠可動体の基本的な制御態様と枠可動体の制御態様の変形例を示してきたが、枠可動体の構造についての所定の実施例や変形例に対して、枠可動体の制御態様の所定の実施例や変形例を適用してもよい。また、枠可動体の構造についての所定の実施例や変形例に対して、枠可動体の構造についての他の実施例や変形例を1以上適用してもよい。また、枠可動体の制御態様の所定の実施例や変形例に対して、枠可動体の制御態様の他の実施例や変形例を1以上適用してもよい。
実施形態における各演出例や各演出例における各技術的事項を組合せて適用して実施形態としても良い。また、各役物構成における各技術的事項を組合せて適用して実施形態としても良い。
(第2実施形態)
以下では、図577〜図604に図示された実施の態様にもとづいて、本第2実施形態の説明を行う。
[35.障害釘に対する不正対策]
ところで、遊技機における遊技球の転動領域には複数の障害釘が設置されているわけであるが、従来、悪意のある遊技者等によって不正に障害釘が曲げられ、これによって遊技球を入賞に有利な方向へ導き、多くの遊技球を不正に入賞口に入賞させる不正行為が行われていた。
例えば、閉店後の遊技店に侵入し、扉枠を開けて直接工具等で障害釘を曲げる不正行為や、開店営業中においては、遊技中にピアノ線等を遊技領域に侵入させ、障害釘を曲げるなどして不正に遊技球を有利な方向に導くような不正行為が行われ、このような不正行為によって遊技店に多大な被害をもたらしていた。以降、説明する実施形態は、上記事情に鑑みてなされたものであり、障害釘に対する不正行為を未然に防ぐ手段を提供することを目的とする。
[35−1.遊技盤]
図577には第2実施形態における遊技盤5’の正面図が、図578には遊技盤5’の分解正面斜視図がそれぞれ図示されている。図示されるように、本実施形態における遊技盤5’は、表ユニット2000、遊技パネル1100、裏ユニット3000から主に構成されている。
裏ユニット3000は、主に各種可動部材によって可動演出を行う可動演出ユニット3600と、その背後に配置され、遊技情報の表示や演出表示等を映像として表示する遊技盤側演出表示装置1600などによって構成されている。そして、遊技盤側演出表示装置1600や、可動演出ユニット3600による演出は、遊技パネル1100の中央に形成される開口を介して遊技者に視認可能に構成されている。
図578に図示された遊技盤5’の分解正面斜視図および図579に図示された遊技パネル1100の分解正面斜視図に示されるように、パネル板1110には、その前面側に前構成部材1000や外レール1001、内レール1002が取り付けられ、さらに、複数の障害釘1200や各種入賞装置(一般入賞口2001、第一始動口2002)等が設けられるとともに、パネル板1110の中央部に広がる開口部には、表ユニット2000が前方から嵌め込まれて、当該パネル板1110に前方から図示されないビスにより固着されている。
[35−2.パネル板]
本実施形態におけるパネル板1110は、厚さ約10mmの無色透明なアクリル板材によって形成されている。なお、当該パネル板1110の素材としては、例えば、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂板等を挙げることができる。
また、本実施形態におけるパネル板1110には、複数の障害釘1200が植設されており、遊技球の発射方向に対応して左側遊技領域5’aと右側遊技領域5bが、パネル板1110の前面に構成されている。すなわち、図579の分解正面斜視図に図示されているように、遊技者による右打ちによって発射された遊技球の転動領域として右側遊技領域5bが形成されており、パネル板1110の右側から中央の開口部に向かって凸状のパネル凸部1117が、当該パネル板1110と一体的に形成されている。そして、当該パネル凸部1117の前面側には、図582の障害釘の配置平面図に図示されているように、障害釘1201〜1218が植設されている。
[35−3.表ユニット]
図579の遊技パネル1100の分解正面斜視図に図示されているように、本実施形態における表ユニット2000は、厚さ約2mmの無色透明なアクリル板材によって略環状に形成されており、主に、ステージ2530やワープ出口2522、大入賞口2005、流路装置2700、後述する領域カバー部材2600などから構成されている。
また、図580の遊技パネル1100の拡大正面斜視図および図581の領域カバー部材2600の分解正面斜視図に示されるように、表ユニット2000の正面視右側には、右打ちによって発射された遊技球を受け入れて流下させる、流路装置2700が設けられており、当該流路装置2700は、上記図581に図示されるように左右に並列して設けられる第一流路形成部材2720aと第二流路形成部材2720bとによって構成されている。
上記第一流路形成部材2720aと第二流路形成部材2720bの上部には、右打ちによって発射された遊技球を受け入れる、第一流路入球口2710aおよび第二流路入球口2710bをそれぞれ備えており、さらに、下部には第一流路出口2730aおよび第二流路出口2730bを備えている。したがって、右打ちによって発射された遊技球は、上記第一流路入球口2710aまたは第二流路入球口2710bに入球し、上記第一流路出口2730aまたは第二流路出口2730bから排出されて、前述のパネル板1110に形成された右側遊技領域5bへ遊技球が排出されるよう構成されている。
[35−4.右側遊技領域]
本実施形態では、前述したように右側遊技領域5bが構成されるパネル凸部1117には障害釘1201〜1218が植設されており、より具体的には、図582の障害釘の配置平面図に図示されるような配置態様で障害釘1201〜1218が植設されて、複数の遊技球の流路が形成されている。すなわち、パネル凸部1117の上方の左右方向には3本の障害釘1201、1202、1203がそれぞれ等間隔で植設され、その下方で12本の障害釘1204〜1215が略上下方向に2本の障害釘が近接する態様で植設されている。さらにその下方では、3本の障害釘1216〜1218が略斜め方向に近接して植設されている。なお、本実施形態では上記のような配置で障害釘を植設しているが、必ずしもこのような配置態様に限定されるものではなく、適宜、任意の位置に障害釘を植設することが可能である。
[35−5.領域カバー部材]
さらに、図580の遊技パネル1100の拡大正面斜視図および図581の領域カバー部材2600の分解正面斜視図に示されるように、本実施形態の表ユニット2000には、前述した流路装置2700および右側遊技領域5bを前面側から覆うようにして、領域カバー部材2600が取り付けられている。
本実施形態の領域カバー部材2600は図示されるように上下方向に延びる厚さ約2mmの無色透明なアクリル板材によって形成されている。このような構成によれば、流路装置2700や右側遊技領域5bを覆いつつも、当該領域カバー部材2600を介して背面側の遊技球の転動状態を視認することが可能となる。
なお、領域カバー部材2600の厚さは必ずしも本実施態様における厚さに限定されるものではなく、適宜変更することが可能であり、領域カバー部材2600を構成する素材についても、例えば、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の無色透明な合成樹脂板等で構成することも可能である。
また、領域カバー部材2600は、前面および背面ともに略平面状に形成されており、正面視下部位置には前後方向に貫通する複数の開口部として貫通部2611〜2620を含む貫通部2610が形成されている。そして、これら貫通部2611〜2620は、右側遊技領域5bのパネル凸部1117に植設された障害釘1201〜1218の釘頭部を収容可能な収容部として機能するように構成されている。
より具体的には、図580の遊技パネル1100の拡大正面斜視図および図583の領域カバー部材2600の分解背面斜視図に示されるように、領域カバー部材2600の正面視正円状の貫通部2611〜2613に対して、障害釘1201〜1203の釘頭部がそれぞれ収容され、長穴状の貫通部2614〜2618には、障害釘1204〜1209、1212〜1215のうち近接している障害釘が2本ずつ収容され、上記貫通部2614〜2618よりも長い長孔を有する貫通部2619には、3本の障害釘1216〜1218の釘頭部が収容されるように構成されている。また、領域カバー部材2600の正面視右側端部には一部に切り欠きを有する貫通部2620が形成されており、当該貫通部2620には、近接する2本の障害釘1210、1211の釘頭部が収容されるように構成されている。
また、図583の領域カバー部材2600の分解背面斜視図に示されるように、領域カバー部材2600の背面側には、複数の球規制突起2640が一体的に形成されており、当該領域カバー部材2600の背面側で転動する遊技球が上記球規制突起2640接触することによって、遊技球の流下速度を低下させたり、玉詰りの防止や転動方向を規制させたりすることが可能となっている。
また、図583の領域カバー部材2600の分解背面斜視図に示されるように、領域カバー部材2600の背面側には、取付ボス2630〜2633が一体的に設けられ、遊技パネル1100の前方からは取り外しできないよう、領域カバー部材2600の背面側で図示しないビスによって固定されている。さらに、図583に図示されるように、遊技パネル1100の背面側からも容易に領域カバー部材2600が取り外しできないよう、遊技パネル1100の後方から、取付ボス2630、2631、2633に螺着するビスにはアクセスできるものの、取付ボス2632に螺着するビスは、パネル板1110に阻まれて、ビスにアクセスできないように構成されている。より詳細には、取付ボス2630〜2633は、パネル板1110の前面に固着されている表ユニット2000にビスにより螺着されているので、領域カバー部材2600を取り外す際は、表ユニット2000自体を一旦パネル板1110から取り外さなければならないように構成されている。このような構成により、例えば、悪意のある遊技者等によって領域カバー部材2600が取り外され難くなり、不正に障害釘を曲げるような行為を抑制することが可能となる。
加えて、図581の領域カバー部材2600の分解正面斜視図に示されるように、第一流路入球口2710aおよび第二流路入球口2710b、第一流路出口2730aおよび第二流路出口2730bは、領域カバー部材2600が前面側に取り付けられて覆われることによってそれぞれの流路が形成されている。すなわち、領域カバー部材2600は遊技球の流路の一部を構成する必須の構成部材となっているため、例えば、悪意のある遊技者等が領域カバー部材2600を取り外し、右側遊技領域5bに植設された障害釘1201〜1218を不正に曲げてそのまま遊技を行ったとしても、領域カバー部材2600を取り外した状態では遊技球が設計上想定される動きをすることができず、玉詰りや周辺部品の破損等に繋がり、正常な遊技を行うことが難しくなるよう構成されている。このような構成により、領域カバー部材2600を取り外し、不正に障害釘を曲げるような行為を抑制することが可能となっている。
続いて、図584(a)〜(c)には、右側遊技領域5bにおける障害釘の植設部分の断面図が図示されている。具体的には、パネル凸部1117に植設された障害釘1201〜1209、1212〜1218の釘頭部が領域カバー部材2600の貫通部2610に収容される態様が図示されており、本実施形態では、各障害釘の釘頭部が、領域カバー部材2600の厚みの中で収容されるように構成されている。
なお、本実施形態では、前述したように領域カバー部材2600の厚さが2mmとされ、各障害釘が植設されるパネル凸部1117前面から上記領域カバー部材2600の前面までの寸法(h)は約18mmとなっている。また、各障害釘の釘頭部中心と領域カバー部材2600の各貫通部2610の端部との離間距離(w)は約4mmとなっている。したがって、障害釘の釘頭部の直径が約4mmであることから、釘頭部外周端部と上記各貫通部2610の開口端部との隙間は約2mmとなっている。
より具体的に本実施形態を説明すると、図584(a)の断面図には、貫通部2611〜2613に対する障害釘1201〜1203の釘頭部の収容態様が断面図で示されている。この場合、障害釘1201〜1203の釘頭部外周端部から、領域カバー部材2600に設けられた貫通部2611〜2613の開口端部までの隙間は前述したように約2mmとなっており、各釘頭部中心と各貫通部の中心は一致するように構成されている。
図584(b)の断面図には、貫通部2614〜2618に対する障害釘1204〜1209、1212〜1215の釘頭部の収容態様が断面図で示されている。この場合、一対の互いに近接する障害釘1204〜1209、1212〜1215の釘頭部外周端部から、領域カバー部材2600に設けられた貫通部2611〜2613の開口端部までの隙間は前述と同様約2mmとなっている。
図584(c)の断面図には、貫通部2619に対する障害釘1216〜1218の釘頭部の収容態様が断面図で示されている。この場合、障害釘1216〜1218の釘頭部外周端部から、領域カバー部材2600に設けられた貫通部2619の開口端部までの隙間は前述と同様約2mmとなっている。
上記したように、障害釘の釘頭部外周端部と、収容部を構成する貫通部2610の開口端部との間の隙間は、約2mm程度しかないため、障害釘を曲げるための工具を挿入することが困難になるとともに、たとえ何らかの方法で障害釘を不正に曲げたとしても、障害釘の釘頭部外周端部と貫通部2610の開口端部とが干渉することから、障害釘に対する曲げの程度はごくわずかに限られ、結果として不正に障害釘を曲げる行為を抑制することが可能となる。また、不正に障害釘が曲げられた際は、貫通部2610の中心位置と障害釘の釘頭部の中心位置とが偏心するため、正面から偏心態様を視認することによって、容易に不正行為を発見することが可能となる。
[35−6.その他の実施態様]
以上、本実施形態を各図面の記載にもとづいて説明したが、必ずしも上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような実施構成の変更が可能である。
例えば、障害釘と、当該障害釘の収容部を構成する貫通部2610と対応関係については、図584の断面図に示された実施形態にもとづいて前述したとおりであるが、必ずしもこのような実施形態に限られるものではなく、貫通部2610の内周面の形態を、以下のように種々変更することが可能である。
図597(a)〜(c)の断面図に図示される貫通部2610aの例では、貫通部2610aの内周面の内、領域カバー部材2600aの前方側およびパネル板1110側の2箇所に、断面の小さな凸状部を形成している。このような構成によれば、障害釘1220を不正に曲げるために無理やり工具等を差し込んだ際、当該凸状部に欠けや凹みなどの痕跡が残り易くなるので不正行為を容易に発見することができ、不正に障害釘を曲げる行為を抑制することが可能となる。
一方、図598(a)〜(g)の断面図に図示される貫通部2610aの例では、貫通部2610aの内周面の中央部分に、障害釘1220に対向する凸状部を形成している。このような構成によれば、障害釘1220を不正に曲げるために無理やり工具等を差し込んだ際、当該凸状部に欠けや凹みなどの痕跡が残るので不正行為を容易に発見することができ、不正に障害釘を曲げる行為を抑制することが可能となる。また、前述の図597(a)〜(c)の断面図に示された実施態様に比べ、容易に加工して上記凸状部を形成することが可能である。
また、図599(a)〜(d)や、図600(a)〜(d)の断面図に図示される貫通部2610aの例では、貫通部2610aの内周面の内、領域カバー部材2600aの前方側またはパネル板1110側、いずれか一方に断面の小さな凸状部を形成している。このような構成によれば、障害釘1220を不正に曲げるために無理やり工具等を差し込んだ際、当該凸状部に欠けや凹みなどの痕跡が残るので不正行為を容易に発見することができ、不正に障害釘を曲げる行為を抑制することが可能となる。
また、図601(a)〜(e)の断面図に図示される例では、貫通部2610aの内周面の内、領域カバー部材2600aの前方側を領域カバー部材2600aと一体的に閉塞し、釘頭部を収容する収容凹部2670を形成している。このような構成によれば、領域カバー部材2600aの前方側から障害釘1220にアクセスすることができないため、障害釘1220を不正に曲げる行為を未然に防ぐことが可能となる。さらに、上記した閉塞部分を破壊して工具等を差し込んだ場合には、その痕跡が残ることになるため、不正行為の発見が容易になり、不正に障害釘を曲げる行為を抑制することが可能となる。
また、図602(a)〜(c)の断面図に図示される例では、領域カバー部材2600aに設けられた貫通部2610aの開口端部に、数ミリ程度のリブを設けるようにしてもよく、このような構成によれば、当該貫通部2610aに収容された障害釘1220の釘頭部に対し、障害釘を不正に曲げるための工具やピアノ線等がアクセスし難くなるとともに、無理に工具等を差し込んだ際は当該リブに欠けや凹みなどの痕跡が残ることから、不正に障害釘を曲げる行為をさらに抑制することが可能となる。さらに、リブを設けることにより、貫通部2610aの強度を高めることができるほか、領域カバー部材2600a自体の剛性を高めることも可能となる。
なお、本実施形態および上記した別実施例において、障害釘の収容部を構成する貫通部の態様を様々例示したが、切り欠き部分を有する貫通部や複数の切り欠き部分を有する貫通部、様々な形状を有する貫通部を含め、正面視で障害釘の全部または一部を収容し、収容部として機能するものであれば様々な形態を採用することが可能である。
また、領域カバー部材2600の前面に、装飾柄が施された装飾シールを貼り付けるようにしてもよく、領域カバー部材2600自体の意匠性を向上させることができる他、障害釘の釘頭部外周端部と貫通部2610の開口端部との隙間に、無理に工具等を差し込んだ際は、当該装飾シールにキズや剥がれなどの痕跡が残ることにより、不正行為の発見が容易になることから、不正に障害釘を曲げる行為をさらに抑制することが可能となる。なお、貫通部2610に対応した貫通孔付きの装飾シールを領域カバー部材2600の表面に貼り付けるようにすることで、障害釘の後側位置で遊技領域の装飾(いわゆる遊技板に貼り付けられたセルシートによる装飾(セル装飾))がなされていただけの従来技術に対し、領域カバー部材2600に貼り付けられる貫通孔付きの装飾シールによって、障害釘の前面位置において当該障害釘に近接した遊技領域の装飾が実現できるようになる。また、こうした領域カバー部材2600に貼り付ける装飾シールを上記セル装飾と併せて採用することで、障害釘の後側と前側との両方で立体的な装飾が実現され、従来にない遊技領域での新たな装飾が可能となる。なおこの場合、領域カバー部材2600としては透明部材によって構成されるようにするとともに、領域カバー部材2600に貼り付けられる装飾シールとしては後方のセル装飾領域を視認可能な透光部を有するものを採用することが好ましい。なお、上記実施例ではシート状の装飾シールを例に説明したが、必ずしもこのようなものに限定されるものではなく、障害釘が植設される遊技領域や領域カバー部材2600に、塗装やメッキ加工などの方法により、直接装飾を施すようにしてもよい。
また、前述した実施例においては、領域カバー部材2600が単体で形成され、表ユニット2000の前面側に取り付けられていたが、必ずしも当該実施例に限定されるものではなく、例えば、遊技パネル1100に設けられている各種入賞装置や装飾部材等と一体的に形成するようにしても良い。このように構成されることで、遊技機の製造工程における領域カバー部材2600の取り付けの手間を抑制することが可能となる。
また、前述の実施例では、領域カバー部材2600を、流路装置2700と右側遊技領域5bとを覆う単一の部材として構成していたが、必ずしも当該実施例に限定されるものではなく、例えば、領域カバー部材2600を、流路装置2700を覆う部材と、右側遊技領域5bを覆う部材とに分けて、それぞれ表ユニット2000に取り付けられるように構成してもよい。
また、前述の実施例では、流路装置2700と右側遊技領域5bとを領域カバー部材2600で覆う構成としていたが、必ずしも当該実施例に限定されるものではなく、左側遊技領域5’a内の任意の箇所に、領域カバー部材2600を取り付けることも可能である。
例えば、図594(a)の正面図に示される遊技領域に対し、本発明の領域カバー部材2600aを図594(b)の正面図に示される態様で取り付けることも可能である。より具体的に説明すると、図示される実施例では、領域カバー部材2600aに、所謂ジャンプ釘1231の釘頭部を収容する略四角形状の貫通部2651と、所謂命釘1230の釘頭部を収容する切り欠き形状の貫通部2650と、2本の左側誘導釘1232の釘頭部を収容する切り欠き形状の貫通部2652と、4本の右側誘導釘1233の釘頭部を収容する長孔形状の貫通部2653とが形成され、当該領域カバー部材2600aに一体的に形成された4つのボス部2660に対し、パネル板1110の背面側から、ビス止め固定されている。このような構成によれば、第一始動口2002への遊技球の入賞率に大きく影響を及ぼす各障害釘に対し、不正に障害釘を曲げる行為を抑制することが可能となる。さらに、上記領域カバー部材2600aはパネル板1110の背面側からビス止め固定されているため、簡単にビスにアクセスすることができず、障害釘を不正に曲げる行為を未然に防ぐことが可能となっている。なお、当該実施例は、第一始動口2002の周囲に植設された障害釘を収容するように領域カバー部材2600aを設けているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他の遊技領域にも併せて領域カバー部材2600aを設けるようにしてもよく、さらに、遊技領域全体を単一の領域カバー部材2600aで覆うようにすることも可能である。
また、前述の実施例では、図580の拡大正面斜視図に示されるように、領域カバー部材2600に形成された切り欠き部分を有する貫通部2620は、遊技領域の外縁を形成する部材によって、上記切り欠き部分の断面が閉じられるように構成したが、このような実施例に限定されるものではなく、例えば、遊技領域に配置されるセンター役物や、各種入賞装置などの外壁面を利用し、貫通部が有する切り欠き部分を閉じるよう構成してもよい。また、貫通部における切り欠き部分は、領域カバー部材2600のどのような方向に向けて設けてもよく、この場合、切り欠き部分の対向する位置に存在する他の構成部材で、当該切り欠き部分を閉じるように構成すればよい。
また、図603には、別実施形態における領域カバー部材2600の設置態様が図示されている。この実施態様では、図603(a)に示されるように、障害釘1212、1213が、当該障害釘の収容部となる貫通部2617に収容され、当該貫通部2617の一部には切り欠き部分が設けられている。
そして、図603(a)に図示される態様では、障害釘1212、1213を含めて全ての障害釘が設計通りの状態位置にあることを示しており、貫通部2617にあっては、2つの切欠き端部2617aを結ぶ線をよりも内側に障害釘1213の釘頭部が位置することで、障害釘1213が設計通りの状態位置にあることが視認可能となっている。
一方、図603(b)に図示される態様では、障害釘1213が不正に曲げられている状態を示しており、障害釘1213の釘頭部が、2つの切欠き端部2617aを結ぶ線を超えた状態で視認されることにより、不正に障害釘が曲げられていることを容易に視認することができるよう構成されている。なお、図603(a)では、障害釘1213が2つの切欠き端部2617aを結ぶ線よりも内側であることが設計通りの状態である例を示したが、障害釘1213が2つの切欠き端部2617aを結ぶ線上に(障害釘1213が正面視で2つの切欠き端部2617aを結ぶ線に重なるように)位置する状態が設計通りの状態でとなるように領域カバー部材2600を形成してもよく、この場合でも図603(b)のように、2つの切欠き端部2617aを結ぶ線を超えるようになれば、不正を容易に発見することが可能となる。
[36.釘位置確認の容易化対策]
ところで、遊技機としてのパチンコ機は、遊技盤の盤面に植設される障害釘の調整によって出玉率(入賞度合い)が大きく左右される。出玉率によっては、客の入りが大きく変わり遊技ホールの売上に大きく影響する。したがって、遊技機の設置時および設置後の適宜必要なタイミングで障害釘の状態確認を行い、必要に応じて障害釘の調整を行う必要がある。そこで従来、複数の障害釘の状態確認や釘調整などを容易に精度良く行うために釘シートが用いられていた。
釘シートは、半透明または透明のプラスチック素材のフィルムや紙素材のものが用いられ、薄いシート状に形成されている。そして、当該釘シートの表面には遊技盤に植設される障害釘のゲージ配列と同じ態様で各障害釘に対応する絵柄が印刷されている。
そして、実際に遊技盤に植設されている障害釘のゲージ配列と、釘シートに印刷された設計上のゲージ配列との整合性を確認するため、従来、上記ゲージ配列とともに釘シートに印刷された各種役物装置や各種入賞装置などを、実際に遊技盤に配置されている各種役物装置や各種入賞装置などの上面に位置合わせした上で重ね合わせ、遊技盤に植設される障害釘のゲージ配列を確認していた。
しかし、一般的に遊技盤上には障害釘のほか、複数の入賞装置や風車、ステージや装飾部材等々、種々の部材が配置されており、さらに各種部材は遊技機の前後方向への突出量も様々である。そうすると、薄く、自由に変形することのできる上記釘シートを遊技盤上に配置した場合、釘シート背面の凹凸により、釘シートにヨレが生じないように配置することは、熟練者でもかなり難しい。その結果、遊技盤に植設される障害釘のゲージ配列と、釘シートに印刷されたゲージ配列との整合性を正確に把握することができないという問題が生じていた。
以降、説明する実施形態は上記事情に鑑みてなされたものであり、障害釘の位置確認を比較的容易に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[36−1.釘シート]
図585には、本実施形態における遊技パネル1100に対応した釘シート5000の正面図が図示されている。当該釘シート5000は、A4サイズの透明なフィルムシート5100に対し、障害釘印刷体5200のゲージ配列と、障害釘印刷体5200周辺の各種配置部材の絵柄が黒色で印刷されている。
また、釘シート5000内の限られた範囲を利用して、遊技パネル1100上の複数箇所のゲージ配列が確認できるように、図585に図示される例では、釘シート5000に、第1エリア印刷体5110と、第2エリア印刷体5120とが印刷され、2つの障害釘植設エリアに対応するゲージ配列とその周辺配置部材が分けて印刷されている。
図585に図示される釘シート5000を使用して、実際に植設されている障害釘のゲージ配列を確認する場合、本実施形態では図586に図示されるように、第1エリア印刷体5110に印刷された領域カバー部材2600の外縁や複数の貫通部2610を正確に位置合わせして遊技パネル1100上に重ね合わせ、印刷された障害釘印刷体5200と、背面で植設されている障害釘との間にずれがないか確認する。
[36−2.領域カバー部材]
前述したように、本実施形態の領域カバー部材2600は、図580の遊技パネル1100の拡大正面斜視図、図582の障害釘の配置平面図および図583の領域カバー部材2600の分解背面斜視図に示されるように、領域カバー部材2600の正面視正円状の貫通部2611〜2613に対して、障害釘1201〜1203の釘頭部がそれぞれ収容され、長穴状の貫通部2614〜2618には、障害釘1204〜1209、1212〜1215のうち近接している障害釘が2本ずつ収容され、上記貫通部2614〜2618よりも長い長孔を有する貫通部2619には、3本の障害釘1216〜1218の釘頭部が収容されるように構成されている。また、領域カバー部材2600の正面視右側端部には一部の切り欠きを有する貫通部2620が形成されており、当該貫通部2620には、近接する2本の障害釘1210、1211の釘頭部が収容されるように構成されている。
また、図583の分解背面斜視図に示されるように、領域カバー部材2600の背面側には、取付ボス2630〜2633が一体的に設けられ、遊技パネル1100の前方からは取り外しできないよう、領域カバー部材2600の背面側でビス止めされている。さらに、図583に図示されるように、遊技パネル1100の背面側からも容易に領域カバー部材2600が取り外しできないよう、遊技パネル1100の後方から、取付ボス2630、2631、2633に螺着するビスにはアクセスできるものの、取付ボス2632に螺着するビスは、パネル板1110に阻まれて、ビスにアクセスできないように構成されている。より詳細には、取付ボス2630〜2633は、パネル板1110の前面に固着されている表ユニット2000にビスにより螺着されているので、領域カバー部材2600を取り外す際は、表ユニット2000自体を一旦パネル板1110から取り外さなければならないように構成されている。
また、図581の領域カバー部材2600の分解正面斜視図に示されるように、本実施形態の領域カバー部材2600は、流路装置2700および複数の障害釘が植設された右側遊技領域5bを覆うようにして遊技パネル1100上に設けられ、当該遊技パネル上に広く、平坦な面を形成している。このような特徴的な構成により、非常に柔らかい釘シート5000を遊技パネル1100上に配置する際、上記平坦な面に重ねられることで、前方への突出量が異なる各種部材や障害釘などに影響を受けること無く、熟練者でなくても容易に、さらにヨレを生じさせることなく、遊技パネル1100上に安定して釘シート5000を重ね合わせることが可能となっている。
加えて、本実施形態では、図577の正面図に示されるように、右側遊技領域5bの下方に大入賞口2005が配置されており、当該大入賞口2005の前面側には図示しない大入賞口カバー部材が設けられている。なお、大入賞口カバー部材は、領域カバー部材2600と同様に、前面側および背面側が平坦な面を有するように形成されており、大入賞口カバー部材の上方に設置されている領域カバー部材2600と前面側が面一となるように取り付けられている。このような構成によって、上記領域カバー部材2600と上記大入賞口カバー部材とによって、遊技パネル1100上にさらに広い範囲の平坦面を形成することが可能となり、遊技パネル1100上に釘シート5000を一層安定して重ね合わせることが可能となっている。
さらに、本実施形態の領域カバー部材2600には、図580の拡大正面斜視図および図583の遊技パネル1100の背面斜視図にもとづいて前述したように、障害釘の釘頭部を収容するとともに、形状の異なる複数の貫通部2610が形成されており、釘シート5000を重ね合わせる際の位置決めにおいて、釘シート5000に印刷された貫通部の形状を背面の貫通部2610に重ね合わせることで容易に、且つ、正確に釘シート5000の位置合わせし、障害釘と貫通部との偏心態様を見ながら、素早く障害釘のゲージ配列を確認することが可能となっている。
[36−3.その他の実施態様]
以上、本実施形態を各図面の記載にもとづいて説明したが、必ずしも上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような実施構成の変更が可能である。
前述の実施例では、領域カバー部材2600を流路装置2700と右側遊技領域5bとを覆う単一の部材として構成していたが、必ずしも当該実施例に限定されるものではなく、例えば、領域カバー部材2600を、流路装置2700を覆う部材と、右側遊技領域5bを覆う部材とに分けて遊技パネル1100上に設けるように構成してもよい。すなわち、前面側に平坦な面を有する領域カバー部材2600を分割して遊技パネル1100上に取り付けても、1つの大きな平坦面を形成することができるため、釘シート5000を安定して領域カバー部材2600の前面に重ねることが可能である。
また、領域カバー部材2600をさらに広範囲の遊技領域を覆うように大きく一体的に形成してもよく、このような構成によってさらに釘シート5000を安定して領域カバー部材2600の前面に重ねることが可能である。
また、前述の実施例における領域カバー部材2600は、流路装置2700と右側遊技領域5bとを覆うことのできる単一の部材で構成していたが、加えて、左側遊技領域5’a内の任意の範囲を単一の領域カバー部材または複数の領域カバー部材で覆うように構成してもよく、例えば、図594(b)の正面図に示されるように、第一始動口2002周辺の複数の障害釘を収容する領域カバー部材2600aを設けることもその一例である。このような構成によれば、遊技パネル1100上のあらゆる箇所において、釘シート5000の重ね合わせを容易に、且つ、正確に行うことが可能となり、素早く障害釘のゲージ配列を確認することが可能となる。
(第3実施形態)
以下では、図577〜図604に図示された実施の態様にもとづいて、本第3実施形態の説明を行う。
[37.障害釘の状態視認対策]
ところで、遊技機としてのパチンコ機は、複数の障害釘が設置されているわけであるが、悪意のある遊技者等によって不正に障害釘が曲げられ、多くの遊技球を不正に入賞口に入賞させる不正行為が行われていた。このような不正行為を防止する目的で、従来、入賞口装置の直上に植設される導入口用障害釘が不正に曲げられないよう、入賞口装置に装飾カバーを設けるとともに、当該装飾カバーの上記導入口用障害釘に対応する位置に、同心円の規制部を設けたていた。(例えば、特開2008−188259号公報)。
一般的に、遊技盤の盤面に植設される障害釘の調整によって出玉率(入賞度合い)が大きく左右されることから、多くの遊技者は自身が遊技する遊技台を選ぶ際に、障害釘の傾斜方向に対して大きな関心を持っており、障害釘の状態が遊技に対して不利な状態であれば、その遊技機で遊技を行わない傾向にある。
一方、上記したような従来技術では、例えば、特開2008−188259号公報の図8に示されるように、遊技者が正面から導入口用障害釘の状態を確認しようとして覗き込んだとき、当該導入口用障害釘と貫通部を形成する規制部との相対的位置関係が把握されることから、導入口用障害釘が遊技球の入賞に対して不利な方向に傾いていることを遊技者が認識した場合に、興趣の低下を招くおそれがあった。
以降、説明する実施形態は上記事情に鑑みてなされたものであり、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[37−1.領域カバー部材]
上記したような課題に対応するため、本実施形態では図587に図示された実施例のように、障害釘1219、1220の釘頭部を収容する貫通部2610aを備えた領域カバー部材2600aを設けた点を最大の特徴としている。
図587に例示される本実施形態における領域カバー部材2600aは、基本的な構成を前述の第2実施形態と共通としており、第2実施形態の領域カバー部材2600と同様の態様で、障害釘1219、1220の釘頭部を貫通部2610aに収容している。
一方で、本実施形態における領域カバー部材2600aは、上記した課題のもと、第一始動口2002への遊技球の入賞度合いに大きく影響する第一始動口2002近傍に植設される障害釘1219、1220の釘頭部を貫通部2610aに収容するものである。
より具体的には、図587(a)に図示されるように、領域カバー部材2600aを第一始動口2002の装飾部材に取り付け、併せて、障害釘1219、1220の釘頭部を図587(b)に図示される態様で貫通部2610aに収容している。
なお、領域カバー部材2600aの第一始動口2002への取り付け方法としては、図587(c)に図示されるように、第一始動口2002の装飾部材に周知の固着方法を用いて取り付けることが可能である。また、図587(d)に図示されるように、第一始動口2002の装飾部材と一体的に成形して取り付けられるようにすることも可能である。
本実施形態の一例として、図588には、領域カバー部材2600aに形成される貫通部2610aの中心位置を、障害釘1219、1220の釘頭部の中心位置からずらした複数の実施形態が図示されている。
すなわち、前述した従来課題を解決すべく、実際に植設されている障害釘1219、1220を曲げたり調整したりすることなく、領域カバー部材2600aに、障害釘1219、1220の釘頭部の中心位置からずらした位置を中心位置とする貫通部2610aを形成する(偏心させる)ことによって、実際の障害釘の植設状態(障害釘の曲がり具合など)よりも、有利または不利な状態であるかのように遊技者に視認させるものである。
例えば、図588(a)の正面図に図示した例では、正面視右側の貫通部2610aの中心位置を障害釘1220の釘頭部の中心位置よりも左側にずらして形成することにより、このような偏心態様を見た遊技者に、右側の障害釘1220が外側に広げられていると錯覚させ、当該遊技機に対する遊技意欲を誘発させることが可能となる。
また、図588(b)の正面図に図示した例では、正面視左側の貫通部2610aの中心位置を障害釘1219の釘頭部の中心位置よりも右側にずらして形成することにより、これを見た遊技者に、左側の障害釘1219が外側に広げられていると錯覚させ、当該遊技機に対する遊技意欲を誘発させることが可能となる。
さらに、図588(c)の正面図に図示した例では、両側の貫通部2610aの中心位置を障害釘1219、1220の釘頭部の中心位置よりも内側にずらして形成することにより、これを見た遊技者に、両側の障害釘1219、1220が外側に広げられていると錯覚させ、当該遊技機に対する遊技意欲を誘発させることが可能となる。
一方、図588(d)の正面図に図示した例では、正面視右側の貫通部2610aの中心位置を障害釘1220の釘頭部の中心位置よりも右側にずらして形成することにより、これを見た遊技者に、右側の障害釘1220が内側に曲げられていると錯覚させることが可能となっている。このような態様を視認した遊技者は、障害釘1219と障害釘1220との間の球通路が狭められ、第一始動口2002への遊技球の入賞に際して不利な状況にあると思い込むが、実際には右側の障害釘1220は内側に曲げられていないため通常の入賞頻度で第一始動口2002へ遊技球入賞することとなる。このような構成により、遊技者に対して意外性のある入賞態様を見せ、遊技に対する興趣向上を図ること可能となる。
また、図588(e)の正面図に図示した例では、正面視左側の貫通部2610aの中心位置を障害釘1219の釘頭部の中心位置よりも左側にずらして形成することにより、これを見た遊技者に、左側の障害釘1219が内側に曲げられていると錯覚させることが可能となっている。このような態様を視認した遊技者は、障害釘1219と障害釘1220との間の球通路が狭められ、第一始動口2002への遊技球の入賞に際して不利な状況にあると思い込むが、実際には左側の障害釘1219は内側に曲げられていないため通常の入賞頻度で第一始動口2002へ遊技球入賞することとなる。このような構成により、遊技者に対して意外性のある入賞態様を見せ、遊技に対する興趣向上を図ること可能となる。
さらに、図588(f)の正面図に図示した例では、両側の貫通部2610aの中心位置を障害釘1219、1220の釘頭部の中心位置よりも外側にずらして形成することにより、これを見た遊技者に、両側の障害釘1219、1220が内側に曲げられていると錯覚させることが可能となっている。このような態様を視認した遊技者は、障害釘1219と障害釘1220との間の球通路が狭められ、第一始動口2002への遊技球の入賞に際して不利な状況にあると思い込むが、実際には両側の障害釘1219、1220は内側に曲げられていないため通常の入賞頻度で第一始動口2002へ遊技球入賞することとなる。このような構成により、遊技者に対して意外性のある入賞態様を見せ、遊技に対する興趣向上を図ること可能となる。
上記した実施形態においては、図588(a)〜(f)に図示されるように、それぞれ貫通部2610aの形成位置の異なる領域カバー部材2600aを作製し、適宜、交換して第一始動口2002の装飾部に取り付ける必要があることから非常に手間がかかる。そこで、以下では、図589(a)〜(e)にもとづいて、領域カバー部材2600aを複数製作する手間、さらに、複数の領域カバー部材2600aを遊技店側で保管・交換する手間を低減可能な実施形態について説明する。
図589(a)の正面図に示されるように、本実施形態では一つの領域カバー部材2600aに4つの貫通部2610aが形成され、下方にある2つの貫通部2610aを上方にある2つの貫通部2610aよりも内側に形成している。そして、図示されている△形状の目印を上方に向けた状態で第一始動口2002の装飾部に取り付けた場合、図589(b)の正面図に示されるように、両側の貫通部2610aの中心位置と両側の障害釘1219、1220の釘頭部の中心位置とが一致した状態で遊技者に視認させることができる。さらに、領域カバー部材2600aを交換することなく、180度回転させて△形状の目印を下方に向けると、図589(c)の正面図に示されるように、両側の貫通部2610aの中心位置を両側の障害釘1219、1220の釘頭部の中心位置とよりも内側に配置することができ、これによって、遊技者に対し、両側の障害釘1219、1220が外側に広げられていると錯覚させることが可能となっている。
また、図589(d)に図示されるように、領域カバー部材2600aを右に90度回転させて△形状の目印を右側に向けて設置すると、左側の障害釘1219が外側に広げられていると遊技者に錯覚させることが可能となり、一方、図589(e)に図示されるように、領域カバー部材2600aを左に90度回転させて△形状の目印を左側に向けて設置すると、右側の障害釘1220が上方やや外側に広げられていると遊技者に錯覚させることが可能となっている。このような構成とすることにより、領域カバー部材2600aの部材点数を増やすことなく、1つの領域カバー部材2600aで遊技者に対する視認態様を様々に変更することが可能となる。
[37−3.その他の実施態様]
以上、本実施形態を各図面の記載にもとづいて説明したが、必ずしも本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような実施構成の変更が可能である。
例えば、図590(a)に図示されるように、領域カバー部材2600aに卵形の貫通部2610aを形成して第一始動口2002に取り付けることも可能であり、図590(b)に示される設置態様から、図590(c)に示される設置態様へ、領域カバー部材2600aを下方に移動させることによって、正面から視認した遊技者に、両側の障害釘1219、1220が外側に広げられているように錯覚させることが可能となる。このような構成により、遊技者に対して当該遊技機への遊技意欲を向上させることが可能となる。
また、貫通部2610aの形状は上記した実施形態に限られるものではなく、貫通部2610aと障害釘との相対位置関係を遊技者が視認できるものであれば、貫通部の2610aを種々の形状とすることができる。例えば、図591(a)に図示されるように、貫通部2610aの形状をR部を角部に配した略四角形状とすることも可能であり、また、図591(b)に図示されるように、正方形状とすることも可能である。
さらに、本発明の貫通部2610aは、必ずしも閉じた形状に限定されるものではなく、図591(c)に図示されるように、水平方向に切り欠き形状の貫通部を形成して障害釘1219、1220の釘頭部を収容するように構成してもよい。また、図591(d)に図示されるように、斜め方向に切り欠き形状の貫通部を形成して障害釘1219、1220の釘頭部を収容するように構成してもよい。
また、本発明の貫通部2610aは障害釘の状態を視認可能とする観点から、1つの貫通部2610aに複数の障害釘の釘頭部を収容してもよく、例えば、図592(a)に図示されるように、領域カバー部材2600aに設けられる貫通部2610aの形状を長孔とし、一つの貫通部2610a内に複数の障害釘1221、1222(または1223、1224)の釘頭部を収容するように構成することも可能である。そして、図592(b)に図示されるように、領域カバー部材2600aにおいて長孔形状の2つの貫通部2610aを内側位置に形成することによって、正面から視認した遊技者に、障害釘1221、1222、1223、1224が外側に広げられていると錯覚させることも可能である。このような構成により、遊技者に対して当該遊技機への遊技意欲を向上させることが可能となる。
また、上記した種々の実施形態では、第一始動口2002への入賞率に大きく影響を及ぼす所謂命釘など、第一始動口2002の近傍に植設された障害釘を対象として、領域カバー部材2600aの設置態様を説明したが、必ずしも上記のような障害釘に限定されるものではなく、遊技領域内に植設される障害釘であれば、どのような箇所の障害釘であっても、領域カバー部材2600aを設置して、貫通部2610a内に障害釘を収容するようにしてもよい。すなわち、遊技者に対して障害釘の釘頭部と、領域カバー部材2600aに設けられた貫通部2610aとの相対位置関係を視認させ、当該障害釘の状態が遊技に有利な状態なのか、不利な状態なのか等を認識させることができれば、当該遊技機への遊技意欲を向上させることが可能となる。
例えば、図594および図595の正面図に図示された別実施形態には、第一始動口2002の周辺に植設された複数の障害釘を収容する領域カバー部材2600aの設置態様が示されており、より具体的に説明すると、図示される実施例では、領域カバー部材2600aに、所謂ジャンプ釘1231の釘頭部を収容する略四角形状の貫通部2651と、所謂命釘1230の釘頭部を収容する切り欠き形状の貫通部2650と、2本の左側誘導釘1232の釘頭部を収容する切り欠き形状の貫通部2652と、4本の右側誘導釘1233の釘頭部を収容する長孔形状の貫通部2653とが形成され、当該領域カバー部材2600aに一体的に形成された4つのボス部2660に対し、パネル板1110の背面側から、ビス止め固定されている。
そして、図594(a)に図示される遊技領域に対し、図594(b)に図示される態様で、領域カバー部材2600aが設けられている。図594(b)において設けられている領域カバー部材2600aは、ジャンプ釘1231や命釘1230の状態が、有利でも不利でもない状態で遊技者に視認されるよう構成されたものであり、具体的には、ジャンプ釘1231の釘頭部は貫通部2651の中心に位置し、命釘1230の釘頭部は貫通部2650の下方に位置するように構成されている。
一方、図595(a)および図595(b)に図示される領域カバー部材2600aは、図594(b)の領域カバー部材2600aとそれぞれジャンプ釘1231の釘頭部を収容する貫通部2651と、命釘1230の釘頭部を収容する貫通部2650の形成対応が異なっており、図595(a)に図示される領域カバー部材2600aは、ジャンプ釘1231の釘頭部を収容する貫通部2651を下方にずらし、命釘1230の釘頭部を収容する貫通部2650を長めにそれぞれ形成している。このような構成により、図595(a)に示されるジャンプ釘1231や命釘1230の状態を視認した遊技者は、各貫通部との対応位置関係から、ジャンプ釘1231や命釘1230が第一始動口2002への入賞に有利な状態となっていると錯覚し、遊技者に対する遊技意欲を高めることが可能となる。
また逆に、図595(b)に図示される領域カバー部材2600aは、ジャンプ釘1231の釘頭部を収容する貫通部2651を上方にずらし、命釘1230の釘頭部を収容する貫通部2650を短めにそれぞれ形成している。このような構成により、図595(b)に示されるジャンプ釘1231や命釘1230の状態を視認した遊技者は、各貫通部との対応位置関係から、ジャンプ釘1231や命釘1230が第一始動口2002への入賞に不利な状態となっていると錯覚し、自身がプレイする遊技機選びに対する遊技者の興趣を高めることが可能となる。また、一見不利な状態で視認されたとしても、実際のジャンプ釘1231や命釘1230の状態は入賞に不利な状態で曲げられているわけではないので、第一始動口2002への入賞率が下るわけではない。したがって、ジャンプ釘1231や命釘1230の状態が不利な状態であると視認しながらも遊技を行った遊技者は、第一始動口2002への比較的良好な入賞率に対して意外性や高揚感を感じることができる。
また、命釘1230と貫通部2650との対応位置関係は、図594、図595に示される実施例に限られるものではなく、例えば、図604の正面図に示されるように、命釘1230の釘頭部が、貫通部2650が有する切り欠き部分の端部を結ぶ線よりも、内側に位置するのか、それとも上記端部を結ぶ線を超えて外側に位置するのかによって、遊技釘の状態を把握させるよう構成することも可能である。
また、領域カバー部材2600aの遊技パネル1100への設置方法については、前述した、第一始動口2002の装飾部材へ固着する方法に限定されるものではなく、例えば、図592(c)の正面図および図592(d)または(e)の断面図に図示されるように、領域カバー部材2600aの前面側からパネル板1110にビス等で固定することが可能である。なお、固定方法として、図592(d)の断面図に示されるようにパネル板1110に取付ボスを一体成型してもよいし、図592(e)の断面図に示されるように、パネル板1110側にビス穴を設けるようにしてもよく、その際、図592(c)の正面図に図示されるように遊技球の転動の妨げにならないよう、障害釘の下方に取付部を配置することが好ましい。
さらに、領域カバー部材2600aのパネル板1110への取付態様は上記した実施例に限られものではなく、図593(a)および(b)に示されるように、遊技パネル1100の背面側からビス止めして領域カバー部材2600aを固定することも可能であり、このような構成により、遊技機の前面側から容易に領域カバー部材2600aを取り外すことができないため、不正に障害釘を曲げるという行為を未然に防ぐことが可能となる。
なお、本実施形態および上記した別実施例において、障害釘の収容部を構成する貫通部の態様を様々例示したが、切り欠き部分を有する貫通部や複数の切り欠き部分を有する貫通部、様々な形状を有する貫通部を含め、正面視で障害釘の全部または一部を収容し、収容部として機能するものであれば様々な形態を採用することが可能である。
[38.枠可動体]
ところで、図523〜図576を参照して説明した遊技機や、特開2016−093655号公報記載の遊技機においては、所定の表示手段における表示内容によって遊技の進行状態を遊技者に示すとともに、所定のタイミングで遊技機の外形を構成する枠体に設けられた可動装飾手段を動作させることで遊技者に対して興趣を感じさせることが可能となっている。しかしながら、遊技者によっては、所定の表示手段から遊技機の外形を構成する枠体に設けられた可動装飾手段に視線を移動させることに面倒くささを感じ、動作した可動装飾手段に視線を移動しない場合があり、このような場合には、可動装飾手段を動作させたことによる興趣を遊技者に十分に感じさせることができないおそれがあった。
以下に、遊技者が遊技機の外形を構成する枠体に設けられた可動装飾手段に視線を移動することに面倒くささを感じて、遊技機の外形を構成する枠体に設けられた可動装飾手段に視線を移動しなかった場合でも、遊技者に十分な興趣を感じさせることが可能な遊技機の実施態様について説明する。
図605、図606は、図523を示して説明した実施形態を変形させた実施形態を示している。図605、図606に示す実施形態においては、扉枠トップユニット570内に、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200に加えて、根菜を模した形状の枠可動体であり、上下方向に移動可能な根菜枠可動体7800を有して構成されている。
図605(A)、図605(B)、図606(A)、図606(B)は、パチンコ機1の正面図である。図605(C)は、パチンコ機1の平面図である。図605(D)、図605(E)は、パチンコ機1の右側面図である。図606(C)は、根菜枠可動体7800の内部構造を示した正面図である。図605(A)、図605(C)、図605(D)は、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570内の待機位置に収納された状態を示している。図605(B)は、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570内の待機位置に収納され、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200が移動位置に移動した状態を示している。図606(A)は、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200が、扉枠トップユニット570内の待機位置に収納され、根菜枠可動体7800が移動位置に移動した状態を示している。図605(E)、図606(B)は、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、根菜枠可動体7800が移動位置に移動した状態を示している。
図606(C)に示すように、根菜枠可動体7800は、正面視で右側に根菜の葉を模した根菜枠可動体第1カバー部7802を有している。また、正面視で左側に根菜の根を模した根菜枠可動体第2カバー部7804を有している。根菜枠可動体第1カバー部7802と根菜枠可動体第2カバー部7804はそれぞれ白色半透明の合成樹脂により構成されており、内部には根菜枠可動体発光部7810が設けられている。
図605(A)、図605(B)等に示すように、根菜枠可動体7800の正面視で左側の所定位置には右側連結線状部材7820の下端部が取り付けられている。また、根菜枠可動体7800の正面視で右側の所定位置には左側連結線状部材7830の下端部が取り付けられている。一方、右側連結線状部材7820の上端部は右側上下動駆動機構7825に接続されている。また、左側連結線状部材7830の上端部は左側上下動駆動機構7835に接続されている。右側連結線状部材7820と左側連結線状部材7830は、ひも状で所定長の長さを有している。
右側連結線状部材7820と左側連結線状部材7830は、具体的には、筒状のケーブルにより構成されており、その内部には、周辺制御基板1510からの信号を根菜枠可動体7800に伝える図示しない信号線と、根菜枠可動体7800に電力を供給する図示しない給電線とが設けられている。この信号線と給電線は、右側連結線状部材7820と左側連結線状部材7830のいずれか一方の内部に設けるように構成してもよい。なお、有線により、根菜枠可動体7800に対して信号を送信したり電力を供給したりするのではなく、無線により根菜枠可動体7800に対して周辺制御基板1510からの信号を送信したり、ループアンテナ等を用いて非接触で扉枠3側から根菜枠可動体7800に対して給電を行うように構成してもよい。
右側上下動駆動機構7825と左側上下動駆動機構7835は、それぞれ図示しない回転機構を有しており、周辺制御基板1510による駆動制御に基づいて、この回転機構を回転させることで、筒状のケーブルにより構成される右側連結線状部材7820と左側連結線状部材7830とを巻き上げたり巻き下ろしたりすることが可能である。
扉枠トップユニット570の下面には、図示しない開口部が設けられており、その開口部を通過させることで、根菜枠可動体7800を扉枠トップユニット570に収納された状態から下方に移動させて遊技盤側演出表示装置1600の手前側に位置する状態としたり、遊技盤側演出表示装置1600の手前側に位置する状態から扉枠トップユニット570に収納された状態としたりすることが可能である。具体的には、例えば、図605(A)に示すように根菜枠可動体7800が扉枠トップユニット570に収納された待機位置に位置する状態において、回転機構を所定方向に回転させることで、図606(A)に示すように根菜枠可動体7800が遊技盤側演出表示装置1600の前方の移動位置に位置するように移動させることが可能である。また、回転機構を当該所定方向と逆の方向に回転させることで、根菜枠可動体7800を図606(A)に示す遊技盤側演出表示装置1600の前方の移動位置に位置する状態から、図605(A)に示す扉枠トップユニット570に収納された待機位置に位置するように移動させることが可能である。
図606(C)に示すように、根菜枠可動体7800は、内部に根菜枠可動体発光部7810を有している。根菜枠可動体発光部7810は、具体的には、根菜枠可動体7800の前面を構成する根菜枠可動体第1カバー部7802と根菜枠可動体第2カバー部7804の外形に沿った形状の白色のプリント基板から構成されている。根菜枠可動体発光部7810の具体的な構成としては、例えば、顔基板6020について上述した構成を採用するとよい。プリント基板の前面側に実装された複数の光源(例えば、フルカラーLED)を周辺制御基板1510により駆動制御することで、根菜枠可動体第1カバー部7802と根菜枠可動体第2カバー部7804を所定の発光色の発光装飾態様とさせることが可能である。
根菜枠可動体発光部7810の発光態様として、後壁基板6352について上述した発光態様と同様の発光態様を採用するように構成してもよい。例えば、根菜枠可動体発光部7810の根を模した部位である根菜枠可動体第2カバー部7804に対応する複数の光源を白色で発光させ、葉を模した部位である根菜枠可動体第1カバー部7802に対応する複数の光源を緑色で発光させることで、根菜枠可動体7800を、大根を模した発光装飾態様とすることが可能となる。一方、根を模した部位である根菜枠可動体第2カバー部7804に対応する複数の光源を赤色で発光させ、葉を模した部位である根菜枠可動体第1カバー部7802に対応する複数の光源を緑色で発光させることで、根菜枠可動体7800を、人参を模した発光装飾態様とすることが可能となる。
図523を参照して説明した実施形態を変形して、根菜枠可動体7800を設ける例を示したが、図528〜図532、図535〜図538、図541〜図547、図550〜図554を参照して説明した実施形態において、根菜枠可動体7800を設けた実施形態としてもよい。また、そのような実施形態において、以下に示す演出態様を実行するように構成してもよい。なお、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450を動作可能な実施形態においては、これらの枠可動体のうちの少なくとも1つの枠可動体の動作(待機位置から移動位置への移動や、停止状態から回転状態への変化等)に対応して、根菜枠可動体7800を移動させるように構成してもよい。
以下に、図607、図608を参照して根菜枠可動体7800を用いた演出態様について説明する。図607(A)、図607(B)は、第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)の移動状態、第1の可動装飾手段を模した模擬画像の表示態様、第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)の移動状態を示したタイムチャートである。また、図608(A)〜図608(C)は、このような演出態様の所定のタイミングにおける遊技機の状態を示した正面図である。
なお、図607に示すタイムチャートにおいては演出のタイミングを説明するために時間経過に応じてt0、t1〜t34、t35等と表記してある。各タイミング間の時間はそれぞれ1秒である。これらの点は、後述する図611、図613、図614、図618〜図622等の各図面に示すタイムチャートやこれらを変形させた演出態様においても同様である。
図607(A)は、図605、図606を参照して説明した遊技機を用いた演出態様を示している。まず、タイミングt0以前の所定のタイミングにおいて遊技盤側演出表示装置1600において装飾図柄の変動が開始され、タイミングt7において、左右の装飾図柄が同じ図柄で仮停止し、中央の装飾図柄のみが変動するリーチ状態(例えば「4↓4」)となる。
タイミングt7において、周辺制御基板1510による駆動制御によって、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が、扉枠トップユニット570内に収納された待機位置から上方の移動位置への移動を開始する。同時にタイミングt7において、遊技盤側演出表示装置1600において、扉枠トップユニット570、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示が開始される。
図608(A)はタイミングt7において、装飾図柄がリーチ状態となり、扉枠トップユニット570を模した模擬画像の表示が開始された状態を示している。なお、右耳枠可動体7100模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示はこの直後(0.1秒後等)から開始される。
タイミングt7からタイミングt9にかけて、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が移動位置へ移動していく駆動制御が行われる。同時に、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が移動位置へ移動していく態様を模した模擬画像が動的に表示される。
タイミングt9において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が移動位置への移動を完了する。同時に右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像も移動位置への移動を完了した状態を模した態様で表示される。
図608(B)はタイミングt9において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が移動位置への移動を完了した状態、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像が移動位置への移動を完了した状態を模した態様で表示されている状態を示している。
次いで、タイミングt13において、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570に収納された待機位置にある状態から、扉枠トップユニット570から下方に移動した移動位置にある状態への移動を開始する。タイミングt14においては、根菜枠可動体7800の移動位置への移動が完了する。この状態においては、根菜枠可動体7800は遊技盤側演出表示装置1600における右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示位置に正面視で重なる位置に静止した状態で位置することとなる。同時に、タイミングt14において、それまで表示されていた扉枠トップユニット570、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示が終了される。
図608(C)はタイミングt14において、根菜枠可動体7800が、遊技盤側演出表示装置1600における右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像が表示されていた位置に正面視で重なる位置に移動した状態を示している。
次いで、タイミングt18において、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570から下方に移動した移動位置にある状態から、扉枠トップユニット570に収納された待機位置にある状態への変化を開始する。タイミングt19において根菜枠可動体7800の待機位置への移動が完了する。
次いで、タイミングt22において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が上方の移動位置から、扉枠トップユニット570内に収納された待機位置への移動を開始する。タイミングt22からタイミングt24にかけて、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が待機位置へ移動していく駆動制御が行われる。この際、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が移動位置へ移動していく態様を模した模擬画像の表示は行われない。タイミングt24において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の待機位置への移動は完了する。
タイミングt24以降の所定のタイミングにおいて、変動中であった中央の装飾図柄の変動が終了して、特別抽選の結果が大当りであることを示す図柄(例えば「444」)か、特別抽選の結果がハズレであることを示す図柄(例えば「454」)が停止表示される。
図607(B)は、図605、図606を参照して説明した根菜枠可動体7800を、図532等のように回転可能な右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200を有する遊技機に適用した際の演出態様を示している。
まず、タイミングt0以前の所定のタイミングにおいて遊技盤側演出表示装置1600において装飾図柄の変動が開始され、タイミングt7において、左右の装飾図柄が同じ図柄で仮停止し、中央の装飾図柄のみが変動するリーチ状態となる。タイミングt7において、周辺制御基板1510による駆動制御によって、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が、扉枠トップユニット570内において停止した状態から、回転した状態へと変化する。同時にタイミングt7において、遊技盤側演出表示装置1600において、扉枠トップユニット570、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示が開始される。
次いで、タイミングt13において、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570に収納された待機位置にある状態から、扉枠トップユニット570から下方に移動した移動位置にある状態への移動を開始する。タイミングt14においては、根菜枠可動体7800の移動位置への移動が完了する。この状態においては、根菜枠可動体7800は遊技盤側演出表示装置1600における右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示位置に正面視で重なる位置に静止した状態で位置することとなる。同時に、タイミングt14において、それまで表示されていた扉枠トップユニット570、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示が終了される。
次いで、タイミングt18において、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570から下方に移動した移動位置にある状態から、扉枠トップユニット570に収納された待機位置にある状態への変化を開始する。タイミングt19において根菜枠可動体7800の待機位置への移動が完了する。タイミングt24において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の状態が、回転状態から扉枠トップユニット570に収納された停止状態へと変化する。
タイミングt24以降の所定のタイミングにおいて、変動中であった中央の装飾図柄の変動が終了して、特別抽選の結果が大当りであることを示す図柄(例えば「444」)か、特別抽選の結果がハズレであることを示す図柄(例えば「454」)が停止表示される。
遊技中において遊技者は、抽選手段の抽選結果に基づいた演出が行われる所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)を見続ける状態であるが、上述した構成によれば、枠体に設けられた第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)の駆動制御に合わせて、第1の可動装飾手段を模した模擬画像を所定の表示手段に表示することで、第1の可動装飾手段が駆動制御されていることが遊技者に対して報知されることとなるため、第1の可動装飾手段が駆動制御されていることに遊技者が気が付かずに、第1の可動装飾手段が駆動制御されたことによる興趣を遊技者に対して感じてもらうことができないといった事態や、第1の可動装飾手段に遊技者が不用意に接触してけがをするといった事態の発生を抑制することが可能となる。
一方、疲労感を感じているなどして、第1の可動装飾手段の駆動制御を視認することに対して消極的な遊技者は、第1の可動装飾手段が駆動制御されていることを直接視認することに代えて、所定の表示手段に表示された第1の可動装飾手段を模した模擬画像を見ることで仮想的に第1の可動装飾手段の動作を体験することが可能となる。
さらに、第1の可動装飾手段を模した模擬画像の表示位置に対して正面視で重なる位置に、第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)が移動してくるため、第1の可動装飾手段が駆動制御されていることに気が付いているにも関わらず、第1の可動装飾手段に対して視線を移動しない消極的な遊技者に対して、視線を移動するなどの負担をかけることなく、第2の可動装飾手段が移動したことによる興趣を感じてもらうことが可能となる。加えて、このような消極的な遊技者に、遊技に対する積極性を取り戻してもらうことが可能となる。
図607(A)、図607(B)を参照して示した実施形態において、タイミングt13において、根菜枠可動体7800が遊技盤側演出表示装置1600の前方に移動してくるように構成したが、根菜枠可動体7800が遊技盤側演出表示装置1600の前方に移動してくる演出態様に加えて、根菜枠可動体7800が遊技盤側演出表示装置1600の前方に移動せずに、扉枠トップユニット570内の待機位置に位置し続ける演出態様も実行可能に構成してもよい。このような構成とすることで、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示後に、根菜枠可動体7800が、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示位置に対して正面視で重なる位置に移動してくる演出態様と、根菜枠可動体7800が待機位置に位置し続ける演出態様とが実行されうることとなる。
さらに根菜枠可動体7800が移動する演出態様が実行された場合の方が、根菜枠可動体7800が移動しない演出態様が実行された場合よりも、大当り状態が発生する期待度が高くなるように構成してもよい。
このような構成とすることで、第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)を模した模擬画像の表示後に、第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)が駆動制御されて、第1の可動装飾手段を模した模擬画像の表示位置に対して正面視で重なる位置に移動してくる第1の演出態様と、第2の可動装飾手段が待機位置に位置し続ける第2の演出態様とが実行されることとなるため、第2の可動装飾手段が移動するか否かに遊技者の関心が寄せられることとなる。
また、第1の演出態様が実行された場合と第2の演出態様が実行された場合とで、第1の演出態様が実行された場合の方が遊技者に有利な状態(大当り状態)が発生する期待度を高くするように構成した場合には、第2の可動装飾手段が移動することに対する遊技者の関心をより高めることが可能となる。
図607(A)、図607(B)を参照して示した実施形態において、タイミングt13からタイミングt14にかけて、根菜枠可動体7800が遊技盤側演出表示装置1600の前方に移動してくるように構成したが、根菜枠可動体7800が遊技盤側演出表示装置1600の前方に移動してくる際の動作態様を複数設けるように構成してもよい。例えば、根菜枠可動体7800が待機位置と移動位置の中間の位置で一旦停止した状態となり(タイミングt13とタイミングt14の間)、その後、待機位置へと戻った状態となる(タイミングt15)演出態様や、根菜枠可動体7800が待機位置と移動位置の中間の位置で一旦停止した状態となり(タイミングt13とタイミングt14の間)、その後、移動位置へと移動した状態となる(タイミングt15)演出態様を実行するように構成してもよい。この場合、根菜枠可動体7800が移動位置へ移動した場合の方が、大当り状態が発生する期待度が高くなるように構成するとよい。
あるいは、根菜枠可動体7800が遊技盤側演出表示装置1600への移動を完了したのち扉枠トップユニット570内への移動を開始するまでの期間(タイミングt14〜タイミングt18)において、根菜枠可動体7800を遊技盤側演出表示装置1600の前方において停止している態様に加えて、遊技盤側演出表示装置1600の前方の範囲内で所定の動作態様で移動するように構成してもよい。
また、根菜枠可動体7800が扉枠トップユニット570内へ移動して戻る際の動作態様を複数設けるように構成してもよい。例えば、根菜枠可動体7800が、タイミングt18からタイミングt19にかけて移動位置から待機位置へと戻る演出態様に加えて、根菜枠可動体7800が待機位置と移動位置の中間の位置で一旦停止した状態となり(タイミングt18とタイミングt19の間)、その後、待機位置へと戻った状態となる(タイミングt20)演出態様を実行するように構成してもよい。
根菜枠可動体7800が待機位置から移動位置へと移動する態様、根菜枠可動体7800の移動位置における態様、根菜枠可動体7800が移動位置から待機位置へと移動する態様を示したが、これらの動作態様を組み合わせた動作態様を、根菜枠可動体7800を動作させる複数の動作態様として採用してもよい。さらに、それらの複数の動作態様によって、それぞれ大当り状態が発生する期待度が異なるように構成してもよい。
このような構成とすることで、第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)が動くか否かに加え、動いた場合には複数の動作態様のうちのいずれかの動作態様で駆動制御されることとなるため、第2の可動装飾手段が動くか否かに加え、第2の可動装飾手段がどのような動作態様で動くのかということに遊技者の関心が寄せられることとなる。
さらに、動作態様によって、遊技者に有利な状態(大当り状態)が発生する期待度を異なるように構成した場合には、第2の可動装飾手段がどのような態様で動くのかということに対する遊技者の期待感をより高めることが可能となる。
根菜枠可動体7800は、遊技盤側演出表示装置1600の前方への移動が完了するまでは消灯状態とし、移動位置への移動が完了した状態で発光装飾状態となるように構成してもよい。具体的には、タイミングt13からタイミングt14まで、根菜枠可動体7800を消灯状態とし、根菜枠可動体7800の移動位置への移動が完了したタイミングt14において、根菜枠可動体7800を発光装飾状態とし、根菜枠可動体7800が収納位置への移動を開始するタイミングt18まで発光装飾状態を継続するとよい。あるいは、根菜枠可動体7800が収納位置への移動を完了するタイミングt19まで発光装飾状態を継続するとよい。なお、発光装飾状態としては上述した大根を模した態様での発光態様や人参を模した態様での発光態様のいずれか一方を、特別抽選結果に基づいて選択するように構成するとよい。
このように、所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)の前方の移動位置へ第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)を消灯状態で移動させたのち、移動位置において発光装飾状態とすることで、遊技者に大きな驚きを与えることが可能となる。また、特別抽選結果に基づいた発光装飾状態とすることで、特別抽選結果が遊技者に有利な状態(大当たり)となるのではないかという期待感を遊技者に抱かせることができる。また、第2の可動装飾手段を待機位置に収納させる際に、発光装飾状態を継続させることで、第2の可動装飾手段の移動方向の延長線上に位置する第1の可動装飾手段に対する関心を遊技者に抱かせることが可能となる。
図607、図608を参照して説明した実施形態においては、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作の開始と同時に、遊技盤側演出表示装置1600の略中央の表示領域において、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示を開始するように構成している。また、図607(A)を参照して説明した実施形態においては、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の移動位置への移動の完了と同時に、遊技盤側演出表示装置1600の略中央の表示領域において、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の移動位置への移動を完了する表示を行うように構成している。また、図607(A)に示す実施形態におけるタイミングt9からタイミングt14や、図607(B)に示す実施形態におけるタイミングt7からタイミングt14のように、待機位置から移動位置に移動した右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200や、待機位置に位置する非回転状態から回転状態となった右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作状態と同じ態様で、これらの期間において、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示を行うとよい。
このような構成とすることで、第1の状態(待機位置に位置する状態)から第2の状態(移動位置に位置する状態や回転している状態)となった、第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)の状態が、所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)の視認によって正確に把握できるようになる。
一方、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作状態とは異なる態様で、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示を行うように構成してもよい。
例えば、図607(A)に示した例においては、タイミングt7からタイミングt9にかけて右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像が移動して出現する動的表示を行っているが、この動的表示をタイミングt9からタイミングt11にかけて、さらにはタイミングt11からタイミングt13にかけて、再度行うように構成してもよい。
このように、枠体に設けられた第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)が第1の状態(待機状態)から第2の状態(移動状態)へ変化したのちも、所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)において、第1の可動装飾手段の動作態様を模した模擬画像の動的表示を行うことで、遊技者に第1の可動装飾手段の動作に対する関心を持ってもらうことが可能となる。上述した例では、このような再度の動的表示を2回(タイミングt9からタイミングt11の期間とタイミングt11からタイミングt13の期間)行っているが、動的表示を行う回数は1回でもよいし3回以上としてもよい。
また、図607(A)に示した例におけるタイミングt9において、右耳枠可動体7100を模した模擬画像が、扉枠トップユニット570を模した模擬画像から分離して、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内において上方への移動を開始し、その後は表示領域内を上昇してタイミングt11において表示領域外への移動が完了するように構成してもよい。さらに、タイミングt11からタイミングt13にかけて、左耳枠可動体7200を模した模擬画像についても同様の動的表示を行うように構成してもよい。図609(A)は、このような実施形態におけるタイミングt10の状態を示した図であり、右耳枠可動体7100を模した模擬画像が扉枠トップユニット570を模した模擬画像から分離して上方に移動中の状態を示している。
この例においては、枠体に設けられた第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)が第1の状態(待機状態)から第2の状態(移動位置に位置する状態)へ変化したのち、所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)において、第1の可動装飾手段を模した模擬画像(右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像)を第1の可動装飾手段が設けられている位置を示唆する所定の方向へ移動させるように構成している。また、正面視において第1の可動装飾手段を模した模擬画像の移動方向の延長線上に第1の可動装飾手段が位置するように構成されている。
このような構成によれば、第1の可動装飾手段が動作して第1の状態から第2の状態となっていることを報知することが可能となる。また、第1の可動装飾手段が設けられている位置を直接的に示唆することができ、第1の可動装飾手段の動作に対する関心を遊技者に持ってもらうことが可能となる。また、第1の可動装飾手段の現実の動作ではありえない動作を、第1の可動装飾手段を模した模擬画像で行なっており、この点においても第1の可動装飾手段の動作に対する関心を遊技者に持ってもらうことが可能となる。
あるいは、図607(A)に示した例におけるタイミングt9からタイミングt14にかけて、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像を、扉枠トップユニット570を模した模擬画像から交互に出没するように動的表示するように構成してもよい。図609(B)は、右耳枠可動体7100を模した模擬画像が扉枠トップユニット570を模した模擬画像に対して半分収納された状態を示している。
この例においては、枠体に設けられた第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)が第1の状態(待機状態)から第2の状態(移動位置に位置する状態)へ変化したのち、所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)において、第1の可動装飾手段を模した模擬画像(右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像)を所定方向に対して往復して移動する態様で表示するように構成している。また、正面視において往復移動する方向の延長線上に第1の可動装飾手段が位置するように構成されている。
このような構成によれば、第1の可動装飾手段が動作して第1の状態から第2の状態になっていることを報知することが可能となる。また、第1の可動装飾手段が設けられている位置を示唆することができ、第1の可動装飾手段の動作に対する関心を遊技者に持ってもらうことが可能となる。また、第1の可動装飾手段を模した模擬画像のコミカルな表示により第1の可動装飾手段の動作に対する関心を遊技者に持ってもらうことが可能となる。
図609(A)、図609(B)を参照して説明した実施形態においては、枠体に設けられた第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)が第1の状態(待機状態)から第2の状態(移動位置に位置する状態)へ変化したのち、所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)において、第1の可動装飾手段が第1の状態から第2の状態へと変化する態様とは異なる態様で、第1の可動装飾手段を模した模擬画像の動的表示(耳が上方に飛び出す。耳がピョコピョコ動く等)を行うように構成している。
このような構成によれば、第1の可動装飾手段の実際の動作態様がどのようになっているのかという関心を遊技者に持ってもらうことが可能となる。
一方、図607(A)に示した演出態様におけるタイミングt9からタイミングt14にかけて、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像を所定色で動的表示するように構成してもよい。例えば、右耳枠可動体7100を模した模擬画像において、耳の内側を模した部分が赤色であり、耳の外側を模した部分が白色である画像を表示したのち、色を入れ替えて、耳の内側を模した部分が白色であり、耳の外側を模した部分が赤色である画像を表示するという表示動作を複数回(例えば1秒ごとに色を入れ替えて計5回)繰り返してもよい。また、このような表示動作を、左耳枠可動体7200を模した模擬画像において同時に行うように構成してもよい。図610(A)は、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像として、それぞれ、耳の内側を模した部分が白色であり、耳の外側を模した部分が赤色である画像を表示した状態を示した図である。
一方、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の色を変化させずに所定色で表示し続けるように構成してもよい。図610(B)は、右耳枠可動体7100を模した模擬画像として、耳の内側を模した部分と耳の外側を模した部分の双方が桃色である画像と、左耳枠可動体7200を模した模擬画像として、耳の内側を模した部分と耳の外側を模した部分の双方が桃色である画像とを継続して表示し続ける演出態様を示した図である。
このような構成によれば、第1の可動装飾手段の実際の発光演出態様がどのようになっているのかという関心を遊技者に持ってもらうことが可能となる。
図609や図610を参照して説明した各演出態様によって、それぞれ大当り状態が発生する期待度が異なるように構成してもよい。例えば、図609(B)を参照して説明した演出態様よりも、図609(A)を参照して説明した演出態様の方が、大当り状態が発生する期待度が高くなるように構成してもよい。また、図610(B)を参照して説明した演出態様よりも、図610(A)を参照して説明した演出態様の方が、大当り状態が発生する期待度が高くなるように構成してもよい。
さらに、図609を参照して説明した演出態様と、図610を参照して説明した演出態様とを組み合わせた演出態様を実行するように構成してもよい。例えば、図609(A)を参照して説明した演出態様と図610(A)を参照して説明した演出態様とを組み合わせた演出態様よりも、図609(B)を参照して説明した演出態様と図610(B)を参照して説明した演出態様とを組み合わせた演出態様の方が、大当り状態が発生する期待度が高くなるように構成してもよい。
さらに、大当り状態が発生する期待度が高い演出態様の方が、演出態様が実行される割合が低くなるように構成するとよい。例えば、大当り状態が発生する期待度が低い方の演出態様の実行回数と、大当り状態が発生する期待度が高い方の演出態様の実行回数との比が9対1となるように演出態様の実行割合を設定するとよい。
このような構成とすることで、所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)において表示される第1の可動装飾手段を模した模擬画像(右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像)の表示態様が複数となることで、演出としての単調さがなくなり、第1の可動装飾手段に対する関心を遊技者により持ってもらうことが可能となる。また、第1の可動装飾手段の動作そのものを直接視認するという行為と、第1の可動装飾手段を模した模擬画像を視認して遊技者に有利な状態が発生する期待度を知るという行為のいずれの行為を楽しむのかという興趣を遊技者に対して提供することが可能となる。
また、第1の可動装飾手段を模した模擬画像の表示態様によって、遊技者に有利な状態(大当り状態)が発生する期待度が遊技者に示されるため、第1の可動装飾手段を視認することに消極的な遊技者に対して、第1の可動装飾手段の存在感を改めて認識させることが可能となる。
また、遊技者に有利な状態(大当り状態)が発生する期待度が高いほど、その演出態様が実行される割合が低くなるように構成することで、通常は期待度が低く実行割合が高い演出態様が多く視認されるものの、まれに(例えば10回に1回)期待度が高く実行割合が低い演出態様が視認されることで驚きを感じることとなる。そして、後者の演出態様を視認した遊技者は期待度が高いということが示されたことによる興奮も相まって、より第1の可動装飾手段に対する関心を抱くこととなる。
右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の発光状態を、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像と同様に認識されるように発光させるように構成してもよい。例えば、図610(A)に示す状態においては、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の外側を赤色で発光させるようにしたり、図610(B)に示す状態においては、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の全体を桃色で発光させるように構成してもよい。
このように、枠体に設けられた第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)の第2の状態(移動位置に位置する状態)における発光態様を、所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)において表示される第1の可動装飾手段を模した模擬画像(右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像)の画像色と同一とすることで、所定の表示手段を視認していた遊技者が、第1の可動装飾手段を視認しようとした際に、第1の可動装飾手段を素早く認識することが可能となる。
遊技盤側演出表示装置1600の略中央の表示領域において、装飾図柄の変動を開始したのち特別抽選の結果に応じた態様で装飾図柄が停止表示される構成において、根菜枠可動体7800を移動させるように構成してもよい。
例えば、根菜枠可動体7800を動作させる場合には、遊技盤側演出表示装置1600の略中央において、装飾図柄の変動を開始し、装飾図柄の変動を行っている状態から、変動中の装飾図柄を遊技盤側演出表示装置1600の右上に移動させ、サイズを縮小した態様で変動表示し、遊技盤側演出表示装置1600の略中央の表示領域において、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示を開始するように構成してもよい。
その後、待機位置から遊技盤側演出表示装置1600の略中央の表示領域に重なる位置に根菜枠可動体7800を移動させ、さらに遊技盤側演出表示装置1600の略中央の表示領域に重なる位置から根菜枠可動体7800を扉枠トップユニット570に収納する方向に移動させたのち、それまで右上に表示していた装飾図柄を遊技盤側演出表示装置1600の略中央に移動させたのち元の大きさに拡大して変動表示を継続し、最終的に抽選結果を示唆する態様で停止表示するように構成するとよい。
このような装飾図柄の変動態様を採用した場合には、複数回の装飾図柄の変動が、遊技盤側演出表示装置1600の略中央において繰り返されることとなる。
このような構成とすることで、遊技者の視線が所定の表示手段の所定の位置(遊技盤側演出表示装置1600の略中央)に留まることとなり、第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)の駆動制御を視認することにストレスを感じるような消極的な遊技者に対して、第1の可動装飾手段を模した模擬画像の表示や第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)の移動によって、視線の移動を強要するように感じさせてしまい、遊技者がストレスを感じるといった事態の発生を抑制することが可能となる。
遊技盤側演出表示装置1600の略中央において装飾図柄の変動を開始するとともに、遊技盤側演出表示装置1600の右上において遊技盤側演出表示装置1600の略中央に表示する装飾図柄よりも小さいサイズの装飾図柄の変動を開始するとともに、それぞれの装飾図柄の変動を行っている状態から、遊技盤側演出表示装置1600の右上で変動中の装飾図柄の変動表示を継続させた状態で、遊技盤側演出表示装置1600の略中央に表示していた装飾図柄の表示を一旦終了し、遊技盤側演出表示装置1600の略中央において、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示を開始するように構成してもよい。
その後、待機位置から遊技盤側演出表示装置1600の略中央の表示領域に重なる位置に根菜枠可動体7800を移動させ、さらに、遊技盤側演出表示装置1600の略中央に重なる位置から根菜枠可動体7800を扉枠トップユニット570に収納する方向に移動させたのち、遊技盤側演出表示装置1600の略中央における装飾図柄の変動表示を再開し、最終的に右上に表示していた装飾図柄とともに、抽選結果を示唆する態様でそれぞれ停止表示するように構成するとよい。
このような装飾図柄の変動態様を採用した場合には、複数回の装飾図柄の変動が、遊技盤側演出表示装置1600の略中央と右上において繰り返されることとなる。
このような構成とすることで、遊技者の視線が所定の表示手段の所定の位置(相対的にサイズの大きい装飾図柄が表示される遊技盤側演出表示装置1600の略中央)に留まることとなり、第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)の駆動制御を視認することにストレスを感じるような消極的な遊技者に対して、第1の可動装飾手段を模した模擬画像の表示や第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)の移動によって、視線の移動を強要するように感じさせてしまい、遊技者がストレスを感じるといった事態の発生を抑制することが可能となる。
遊技盤側演出表示装置1600の右上にサイズの小さい装飾図柄を表示する例を示したが、遊技盤側演出表示装置1600の右下や左下に表示するように構成し、根菜枠可動体7800が待機位置から移動位置へ移動する期間(図607(A)、図607(B)におけるタイミングt13からタイミングt14)、移動位置に位置する期間(タイミングt14からタイミングt18)、根菜枠可動体7800が移動位置から待機位置へ移動する期間(図607(A)、図607(B)におけるタイミングt18からタイミングt19)において、サイズの小さい装飾図柄が根菜枠可動体7800によって隠されることがないように構成してもよい。具体的にはこれらの期間において、根菜枠可動体7800とサイズの小さい装飾図柄とが正面視で重なる状態とならないように構成するとよい。
このように、第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)の移動によって、所定の表示手段の所定の位置(相対的にサイズの小さい装飾図柄が表示される遊技盤側演出表示装置1600の右下や左下)に表示した装飾図柄が隠されないように構成することで、消極的な遊技者が演出が過剰であると感じるといった事態の発生を抑制することが可能となる。
図613、図614等を参照して後述する演出態様において、遊技盤側演出表示装置1600に造形体を模した模擬画像と装飾図柄を表示するに際し、これらの表示手法を採用してもよい。
右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示に対応して、遊技盤側演出表示装置1600において、根菜枠可動体7800がいつ移動するのかを示す待機時間を表示するように構成してもよい。以下に、図611(A)、図611(B)を参照して、複数の表示態様を示す。図611(A)は、図607(A)を参照して説明した実施態様の変形例を示している。また、図611(B)は、図607(B)を参照して説明した実施態様の変形例を示している。
待機時間の表示としては、例えば、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像との間の表示領域において、タイミングt8からタイミングt9にかけて「1」という数字を表示し、タイミングt9からタイミングt10にかけて「2」という数字を表示し、タイミングt10からタイミングt11にかけて「3」という数字を表示し、タイミングt11からタイミングt12にかけて「4」という数字を表示し、タイミングt12からタイミングt13にかけて「GO!!」(なお、図611(A)中においては表記を「GO」と省略している)という文字列を表示するように構成してもよい。また、このような数字と文字の表示に加えて、タイミングt7からタイミングt8にかけて「根菜が落下すれば・・?」という文字列を、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像との間の表示領域において表示するように構成してもよい。
あるいは、このような数字や文字を表示せずにタイミングt7からタイミングt13にかけて、「根菜が落下すれば・・?」という文字列を、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像との間の表示領域において表示するように構成してもよい。
このように第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)が動作するまでの待機時間を示唆する画像(「1」、「2」、「3」、「4」、「GO!!」)の表示を所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)において行う構成を採用することで、第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)を視認しようとする遊技者が、第2の可動装飾手段が動作するタイミングを認識することが可能となり、第1の可動装飾手段を模した模擬画像の表示によって、視線を第1の可動装飾手段に移動した遊技者が、第2の可動装飾手段の動作を見逃すといった事態の発生を抑制することが可能となる。また、第1の可動装飾手段に対して視線を移動しないような消極的な遊技者に対しては、第2の可動装飾手段の動作タイミングが示唆されるため、所定の表示手段から視線を移動させることなく、第2の可動装飾手段の動作を待たせることが可能となる。
また、第1の可動装飾手段を模した模擬画像を表示するタイミングと同じタイミング(タイミングt7)で、第2の可動装飾手段が所定のタイミングで動作することを示唆する画像(「根菜が落下すれば・・?」)の表示を行うことで、第1の可動装飾手段が動作したことと第2の可動装飾手段が動作することとを遊技者は同時に認識することができ、視線を移動することに積極的な遊技者が第1の可動装飾手段に対して先に視線を移動してしまい、第2の可動装飾手段が動作することを示唆する表示が行われていることに気が付かず、結果として第2の可動装飾手段の動作を見逃すといった事態の発生を抑制することが可能となる。
また、第1の可動装飾手段を模した模擬画像の近くに隣接して第2の可動装飾手段が動作するまでの待機時間を示唆する画像を表示することで、遊技者が第2の可動装飾手段が動作するまでの待機時間を示唆する画像が表示されていることに気が付かないといった事態の発生を抑制することが可能となる。
右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の間の表示領域に第2の可動装飾手段が動作するまでの待機時間を示唆する画像を表示する例を示したが、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像のいずれか一方または双方に対して上側に重なるように第2の可動装飾手段が動作するまでの待機時間を示唆する画像や第2の可動装飾手段が動作することを示唆する画像を表示するように構成してもよい。
このような構成を採用することで、遊技者が、第2の可動装飾手段が動作するまでの待機時間を示唆する画像や第2の可動装飾手段が動作することを示唆する画像が表示されていることに気が付かないといった事態の発生をより抑制することが可能となる。
右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像の表示に対応して、遊技盤側演出表示装置1600において、根菜枠可動体7800がいつ移動するのかを示す待機時間を表示する例を示したが、このような表示に代えて、あるいは加えて、音により同様の示唆を行うように構成してもよい。例えば、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像との間の表示領域において、図611(A)、図611(B)に示すように、タイミングt8からタイミングt9にかけて「いち」という音声を出力し、タイミングt9からタイミングt10にかけて「に」という音声を出力し、タイミングt10からタイミングt11にかけて「さん」という音声を出力し、タイミングt11からタイミングt12にかけて「よん」という音声を出力し、タイミングt12からタイミングt13にかけて「ごー」という音声を出力するように構成してもよい。あるいは、タイミングt7からタイミングt13にかけて、「こんさいがらっかすれば」というセリフを音声として出力したり、何らかのメロディー(6秒程度のメロディーで少なくともタイミングt13において出力が完了するもの)を出力するように構成してもよい。
このように第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)が動作するまでの待機時間を示唆する音を出力する構成を採用することで、第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200)を視認しようとする遊技者が、第1の可動装飾手段に視線を移動した状態においても、第2の可動装飾手段が動作するタイミングを聴覚によって認識することが可能となり、第2の可動装飾手段が動作する直前まで第1の可動装飾手段の動作を堪能することが可能となる。
さらに、第1の可動装飾手段に対して視線を移動しないような遊技者の場合、抽選手段の抽選結果に基づいた演出が行われる所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)を視認する行為自体についても携帯電話やスマートフォンを操作するなどして、必ずしも所定の表示手段への視認を継続するわけではないが、第2の可動装飾手段の動作タイミングが音により聴覚的に遊技者に示されるため、所定の表示手段や第2の可動装飾手段を視認することへの意欲を復帰させることが可能となる。
図607(A)、図607(B)を参照して、根菜枠可動体7800が左右の耳枠可動体を模した模擬画像と正面視で重なる位置に移動する実施形態を示したが、根菜枠可動体7800を移動位置へ移動させたのち、移動位置において上下に周期的に移動させるように構成してもよい。例えば、タイミングt14からタイミングt18の4秒間において、1秒に1回ずつ上に移動したのち下に移動するという動作を行うことで合計4回このような上下動を繰り返すように構成してもよい。この際の移動においては、根菜枠可動体7800の少なくとも一部が、右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像が表示されていた領域に正面視で重なる範囲で移動するように構成するとよい。
このように、第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)を第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)を模した模擬画像が表示されていた位置と正面視で重なる移動位置へと移動したのち、第2の可動装飾手段の少なくとも一部が第1の可動装飾手段を模した模擬画像が表示されていた領域と正面視で重なるように移動するように構成することで、第2の可動装飾手段の移動位置への移動後の動作によって、消極的な遊技者がストレスを感じるといった事態の発生を抑制することが可能となる。
図605、図606を参照して説明した実施形態においては、根菜枠可動体7800に対して遊技者が直接接触可能であるため、下方に落下した根菜枠可動体7800によって遊技者がけがをしたり、遊技者によって根菜枠可動体7800が下方に引っ張られ根菜枠可動体7800等が破壊されるといった事態が発生するおそれがあった。そこで、以下に、図605、図606を参照して説明した実施形態を変形した実施形態を、図612を参照して説明する。この実施形態においては、根菜枠可動体7800に遊技者が接触することが困難な実施形態となっている。
図612(A)、図612(B)は、パチンコ機1の正面図である。図612(C)は、パチンコ機1の平面図である。図612(D)、図612(E)は、パチンコ機1の右側面図である。図612(A)、図612(C)、図612(D)は、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570内の待機位置に収納された状態を示している。図612(B)、図612(E)は、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200が、根菜枠可動体7800が移動位置に移動した状態を示している。
図612に示すように本実施形態においては、根菜枠可動体7800の移動領域をカバーする根菜枠可動体カバーユニット7850が設けられている。根菜枠可動体カバーユニット7850は、扉枠ベースユニット100の前方、扉枠トップユニット570の下方に設けられており、正面視で正方形状、側面視で直角三角形形状をなすカバーユニットフレーム7852と、カバーユニットフレーム7852により正面に形成される正方形状部分を覆うカバーユニット正面部7854と、カバーユニットフレーム7852により左右の側面に形成される直角三角形状の部分を覆うカバーユニット右側面部7856とカバーユニット左側面部7858とから構成されている。
カバーユニットフレーム7852は有色(具体的には緑色)不透明の合成樹脂により形成されている。なお、カバーユニットフレーム7852の強度を高めるために金属製としてもよい。また、カバーユニットフレーム7852は、カバーユニット正面部7854、カバーユニット右側面部7856、カバーユニット左側面部7858を保持する機能を有している。
カバーユニット正面部7854、カバーユニット右側面部7856、カバーユニット左側面部7858は、それぞれ平板状で無色透明の合成樹脂により形成されている。カバーユニット正面部7854は側面視でその上部が手前側に位置するように傾いた状態でカバーユニットフレーム7852に取付けられるように構成されている。カバーユニット右側面部7856、カバーユニット左側面部7858は、遊技機の左右端部において相対するように設けられている。
遊技者は、無色透明のカバーユニット正面部7854を介して、遊技盤側演出表示装置1600や根菜枠可動体7800が動作した状態を視認することが可能である。また、隣接する遊技機において遊技を行う遊技者は、カバーユニット右側面部7856、カバーユニット左側面部7858を介して遊技盤側演出表示装置1600や根菜枠可動体7800が動作した状態を視認することが可能である。
このような構成を採用した遊技機において、図607などを参照して説明した演出態様を実行するように構成してもよい。
このように、第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)の移動領域を囲うように保護部材(カバーユニット正面部7854、カバーユニット右側面部7856、カバーユニット左側面部7858)を配置して、第2の可動装飾手段に対して遊技者が接触することを困難にするとともに、透明な保護部材を介して第2の可動装飾手段を遊技者が視認可能な構成を採用することで、第2の可動装飾手段の視認性や第2の可動装飾手段が動作した際に遊技者に与えるインパクトを維持しつつ、第2の可動装飾手段が移動することにより遊技者がけがをするといった事態や、遊技者によって第2の可動装飾手段が破壊されるといった事態の発生を抑制することが可能となる。
図523を参照して説明した実施形態を変形して、根菜枠可動体7800と根菜枠可動体カバーユニット7850を設ける例を示したが、図528〜図532、図535〜図538、図541〜図547、図550〜図554を参照して説明した実施形態において、根菜枠可動体7800と根菜枠可動体カバーユニット7850を設けた実施形態としてもよい。また、そのような実施形態において、本明細書に記載の各演出態様を実行するように構成してもよい。
カバーユニットフレーム7852が、カバーユニット正面部7854、カバーユニット右側面部7856、カバーユニット左側面部7858を保持する例を示したが、カバーユニット右側面部7856、カバーユニット左側面部7858のいずれか一方あるいは双方を設けないように構成してもよい。例えば、カバーユニットフレーム7852がカバーユニット正面部7854のみを有したり、カバーユニットフレーム7852がカバーユニット正面部7854とカバーユニット左側面部7858のみを有したりするように構成してもよい。
このように、第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)の移動領域を囲うように保護部材(カバーユニット正面部7854。あるいはカバーユニット正面部7854とカバーユニット右側面部7856。あるいはカバーユニット正面部7854とカバーユニット左側面部7858)を配置して、第2の可動装飾手段に対して側方から(右方と左方から。あるいは左方のみから。あるいは右方のみから)接触することを可能にするとともに、保護部材を介して第2の可動装飾手段を遊技者が視認可能な構成を採用することで、第2の可動装飾手段の視認性や第2の可動装飾手段が動作した際に遊技者に与えるインパクトを維持しつつ、第2の可動装飾手段が移動することにより遊技者がけがをするといった事態や、遊技者によって衝動的に第2の可動装飾手段が破壊されるといった事態の発生を抑制することが可能となる。さらに、保護部材を設けていない側面から第2の可動装飾手段に接触することが可能となるため、第2の可動装飾手段に何らかの異常が発生した場合でも、修理等のメンテナンスを遊技店の店員等が行うことが可能となる。
図605〜図612等を参照して示した実施形態によれば、遊技機の外形を構成する枠体に設けられた可動装飾手段を動作させたことによる興趣を遊技者に十分に感じさせることができない場合であっても、遊技者が感じる興趣が低下してしまうといった事態の発生を抑制することが可能となる。
[39.枠可動体]
ところで、図523〜図576を参照して説明した遊技機や、特開2016−093655号公報記載の遊技機においては、所定の表示手段における表示内容によって遊技の進行状態を遊技者に示すとともに、所定のタイミングで遊技機の外形を構成する枠体に設けられた造形体を駆動することで遊技者に対して興趣を感じさせることが可能となっている。しかしながら、枠体に複数の造形体を設けた場合の演出態様には改善の余地があった。
以下に、枠体が、駆動可能な造形体を複数有していても、遊技者に十分な興趣を感じさせることが可能な遊技機の実施形態について説明する。
図541等を参照して説明した実施形態における遊技機は、耳の内側を模した枠可動体である右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400(以下、「耳内側枠可動体」という場合がある)と、耳の外側を模した枠可動体である右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450(以下、「耳外側枠可動体という場合がある」)とを有しており、これらの4つの枠可動体はそれぞれ独立して、待機位置に位置する状態と移動位置に位置する状態とをとることが可能である。
以下に、図613、図614、図615、図616を参照して、耳外側枠可動体を用いた第1の演出態様と、耳内側枠可動体を用いた第2の演出態様について説明する。図613、図614は第1の演出態様、第2の演出態様についてのタイムチャートを、図615、図616はこのような演出態様の所定のタイミングにおける遊技機の状態を示した正面図である。
以下に、図613(A)、図615を参照して第1の演出態様について説明する。なお、図613(A)、図613(B)に示す演出態様は、図541を参照して説明した遊技機のように、移動可能な耳内側枠可動体と耳外側枠可動体とを有する遊技機に適用可能な演出態様を示している。
まず、タイミングt0以前の所定のタイミングにおいて遊技盤側演出表示装置1600において装飾図柄の変動が開始され、タイミングt4において、左右の装飾図柄が同じ図柄で仮停止し、中央の装飾図柄のみが変動するリーチ状態(例えば「4↓4」)となる。
タイミングt8において、周辺制御基板1510による駆動制御によって、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450が、扉枠トップユニット570内に収納された待機位置から上方の移動位置への移動を開始する。同時にタイミングt8において、遊技盤側演出表示装置1600において、扉枠トップユニット570、右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450を模した模擬画像の表示が開始される。
図615(A)はタイミングt8において、扉枠トップユニット570を模した模擬画像の表示が開始された状態を示している。なお、右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450を模した模擬画像の表示はこの直後(0.1秒後等)から開始される。
タイミングt8からタイミングt10にかけて、右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450が移動位置へ移動していく駆動制御が行われる。同時に、右耳外側枠可動体7350が移動位置へ移動していく態様を模した模擬画像と左耳外側枠可動体7450が移動位置へ移動していく態様を模した模擬画像が動的に表示される。
次いで、タイミングt10において、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450が移動位置への移動を完了する。同時に右耳外側枠可動体7350を模した模擬画像と左耳外側枠可動体7450を模した模擬画像も移動位置への移動を完了した状態を模した態様で表示される。
図615(B)はタイミングt10において、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450が移動位置への移動を完了した状態、右耳外側枠可動体7350を模した模擬画像と左耳外側枠可動体7450を模した模擬画像が移動位置への移動を完了した状態を模した態様で表示されている状態を示している。
タイミングt10からタイミングt16にかけて、右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450は移動位置に位置した状態が継続される。同時に、右耳外側枠可動体7350が移動位置に位置する態様を模した模擬画像と左耳外側枠可動体7450が移動位置に位置する態様を模した模擬画像の表示も継続される。
次いで、タイミングt16において、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450が上方の移動位置から、扉枠トップユニット570内に収納された待機位置への移動を開始する。同時に、右耳外側枠可動体7350を模した模擬画像と左耳外側枠可動体7450を模した模擬画像が待機位置への移動を開始する態様で動的に表示される。
タイミングt16からタイミングt18にかけて、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450が待機位置へ移動していく駆動制御が行われる。右耳外側枠可動体7350が待機位置へ移動していく態様を模した模擬画像と左耳外側枠可動体7450が待機位置へ移動していく態様を模した模擬画像が動的に表示される。
タイミングt18において、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450の待機位置への移動は完了し、扉枠トップユニット570内に収納された状態となる。同時に、右耳外側枠可動体7350を模した模擬画像と左耳外側枠可動体7450を模した模擬画像の表示態様が待機位置への移動を完了した表示態様となる。具体的には、扉枠トップユニット570を模した模擬画像のみが表示される状態が一瞬表示されたのち、扉枠トップユニット570を模した模擬画像の表示も終了する。
タイミングt18以降の所定のタイミングにおいて、変動中であった中央の装飾図柄の変動が終了して、特別抽選の結果が大当りであることを示す図柄(例えば「444」)か、特別抽選の結果がハズレであることを示す図柄(例えば「454」)が停止表示される。
以下に、図613(B)、図616を参照して第2の演出態様について説明する。まず、タイミングt0以前の所定のタイミングにおいて遊技盤側演出表示装置1600において装飾図柄の変動が開始され、タイミングt4において、左右の装飾図柄が同じ図柄で仮停止し、中央の装飾図柄のみが変動するリーチ状態(例えば「4↓4」)となる。
タイミングt5において、遊技盤側演出表示装置1600において、扉枠トップユニット570、右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400を模した模擬画像の表示が開始される。
図616(A)はタイミングt5において、扉枠トップユニット570を模した模擬画像の表示が開始された状態を示している。なお、右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400を模した模擬画像の表示はこの直後(0.1秒後等)から開始される。
タイミングt5からタイミングt7にかけて、右耳内側枠可動体7300が移動位置へ移動していく態様を模した模擬画像と左耳内側枠可動体7400が移動位置へ移動していく態様を模した模擬画像が動的に表示される。
タイミングt7において、右耳内側枠可動体7300を模した模擬画像と左耳内側枠可動体7400を模した模擬画像が移動位置への移動を完了した状態を模した態様で表示される。
図616(B)はタイミングt7において、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400が扉枠トップユニット570内に未だ収納されている状態、右耳内側枠可動体7300を模した模擬画像と左耳内側枠可動体7400を模した模擬画像が移動位置への移動を完了した状態を模した態様で表示されている状態を示している。
次いで、タイミングt8において、周辺制御基板1510による駆動制御によって、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400が、扉枠トップユニット570内に収納された待機位置から上方の移動位置への移動を開始する。
次いで、タイミングt10において、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400が移動位置への移動を完了する。
図616(C)はタイミングt10において、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400が移動位置への移動を完了した状態、右耳内側枠可動体7300を模した模擬画像と左耳内側枠可動体7400を模した模擬画像が移動位置への移動を完了した状態を模した態様で表示されている状態を示している。
タイミングt10からタイミングt16にかけて、右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400は移動位置に位置した状態が継続される。同時に、右耳内側枠可動体7300が移動位置に位置する態様を模した模擬画像と左耳内側枠可動体7400が移動位置に位置する態様を模した模擬画像が表示される。
次いで、タイミングt16において、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400が上方の移動位置から、扉枠トップユニット570内に収納された待機位置への移動を開始する。同時に、右耳内側枠可動体7300を模した模擬画像と左耳内側枠可動体7400を模した模擬画像が待機位置への移動を開始する態様で動的に表示される。
タイミングt16からタイミングt18にかけて、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400が待機位置へ移動していく駆動制御が行われる。右耳内側枠可動体7300が待機位置へ移動していく態様を模した模擬画像と左耳内側枠可動体7400が待機位置へ移動していく態様を模した模擬画像が動的に表示される。
タイミングt18において、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400の待機位置への移動は完了し、扉枠トップユニット570内に収納された状態となる。同時に、右耳内側枠可動体7300を模した模擬画像と左耳内側枠可動体7400を模した模擬画像の表示態様が待機位置への移動を完了した表示態様となる。具体的には、扉枠トップユニット570を模した模擬画像のみが表示される状態が一瞬表示されたのち、扉枠トップユニット570を模した模擬画像の表示も終了する。
タイミングt18以降の所定のタイミングにおいて、変動中であった中央の装飾図柄の変動が終了して、特別抽選の結果が大当りであることを示す図柄(例えば「444」)か、特別抽選の結果がハズレであることを示す図柄(例えば「454」)が停止表示される。
第2の演出態様において駆動制御される右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400は、第1の演出態様において駆動制御される右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450と比べると、移動位置へ移動した状態における正面視の面積が小さくなっている。そこで、第2の演出態様においては、右耳内側枠可動体7300を模した模擬画像と左耳内側枠可動体7400を模した模擬画像の表示を開始したのち所定時間の経過後に、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400の駆動制御を行うことで、演出としてのボリューム感を補うように構成している。
なお、図613(A)、図613(B)に示す第1の演出態様と第2の演出態様を、図541を参照して説明した遊技機のように、移動可能な耳内側枠可動体と耳外側枠可動体とを有する遊技機に適用する例を示したが、図542を参照して説明した遊技機に適用してもよい。この場合、耳内側枠可動体は上方の待機位置から下方の移動位置へと移動するため、耳内側枠可動体の模擬画像についても、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内において、上方から下方へ移動する表示態様となる。また、図543、図544を参照して説明した遊技機に適用してもよい。この場合、耳内側枠可動体と耳外側枠可動体を、それぞれ下方の待機位置から上方の移動位置へと移動するため、耳内側枠可動体と耳外側枠可動体の模擬画像についても、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内において下方から上方へ移動する表示態様となる。あるいは、耳内側枠可動体と耳外側枠可動体を、それぞれ上方の待機位置から下方の移動位置へと移動させ、耳内側枠可動体と耳外側枠可動体の模擬画像についても、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内において上方から下方へ移動する表示態様とする演出態様としてもよい。
以下に、図614(A)を参照して第1の演出態様について説明する。なお、図614(A)、図614(B)に示す演出態様は、図547、図550等のように回転可能な耳内側枠可動体と耳外側枠可動体とを有する遊技機に適用可能な演出態様を示している。
まず、タイミングt0以前の所定のタイミングにおいて遊技盤側演出表示装置1600において装飾図柄の変動が開始され、タイミングt4において、左右の装飾図柄が同じ図柄で仮停止し、中央の装飾図柄のみが変動するリーチ状態(例えば「4↓4」)となる。
タイミングt8において、周辺制御基板1510による駆動制御によって、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450が、扉枠トップユニット570内に収納された待機位置から回転した状態へと変化する。同時にタイミングt8において、遊技盤側演出表示装置1600において、扉枠トップユニット570、右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450を模した模擬画像の表示が開始される。右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450は回転した状態を模した動的な態様で遊技盤側演出表示装置1600において表示される。
タイミングt8からタイミングt18にかけて、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450の回転状態と、遊技盤側演出表示装置1600における扉枠トップユニット570、右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450を模した模擬画像の表示は継続される。
タイミングt18において、右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450の状態が、回転状態から扉枠トップユニット570に収納された停止状態へと変化する。同時に、扉枠トップユニット570、右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450を模した模擬画像の表示が終了する。
タイミングt24以降の所定のタイミングにおいて、変動中であった中央の装飾図柄の変動が終了して、特別抽選の結果が大当りであることを示す図柄(例えば「444」)か、特別抽選の結果がハズレであることを示す図柄(例えば「454」)が停止表示される。
以下に、図614(B)を参照して第2の演出態様について説明する。まず、タイミングt0以前の所定のタイミングにおいて遊技盤側演出表示装置1600において装飾図柄の変動が開始され、タイミングt4において、左右の装飾図柄が同じ図柄で仮停止し、中央の装飾図柄のみが変動するリーチ状態(例えば「4↓4」)となる。
タイミングt5において、遊技盤側演出表示装置1600において、扉枠トップユニット570、右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400を模した模擬画像の表示が開始される。右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400は回転した状態を模した動的な態様で遊技盤側演出表示装置1600において表示される。
タイミングt8において、周辺制御基板1510による駆動制御によって、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400が、扉枠トップユニット570内に収納された待機位置から回転した状態へと変化する。
タイミングt8からタイミングt18にかけて、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400の回転状態と、遊技盤側演出表示装置1600における扉枠トップユニット570、右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400を模した模擬画像の表示は継続される。
タイミングt18において、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400の状態が、回転状態から扉枠トップユニット570に収納された停止状態へと変化する。同時に、扉枠トップユニット570、右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400を模した模擬画像の表示が終了する。
タイミングt24以降の所定のタイミングにおいて、変動中であった中央の装飾図柄の変動が終了して、特別抽選の結果が大当りであることを示す図柄(例えば「444」)か、特別抽選の結果がハズレであることを示す図柄(例えば「454」)が停止表示される。
第2の演出態様において駆動制御される右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400は、第1の演出態様において駆動制御される右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450と比べると、回転した状態において正面視で視認される最大面積が小さくなっている。そこで、第2の演出態様においては、右耳内側枠可動体7300を模した模擬画像と左耳内側枠可動体7400を模した模擬画像の表示を開始したのち所定時間の経過後に、右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体の駆動制御を行うことで、演出としてのボリューム感を補うように構成している。
このように、枠体に設けた第1の造形体(右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450)と枠体に設けた第2の造形体(右耳内側枠可動体7300と左耳内側枠可動体7400)を駆動制御可能な遊技機において、所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)において、第2の造形体を模した模擬画像の表示を開始したのち所定時間が経過したタイミングで、第2の造形体の駆動を開始するように構成している。これにより、枠体に複数の造形体を設けた場合でも、第2の造形体を用いた演出について、視覚的にボリューム感を増やすことが可能となる。また、所定の表示手段において予め第2の造形体を模した模擬画像が表示されることで、第2の造形体の駆動制御を遊技者が見逃すといった事態の発生を抑制することが可能となる。
また、遊技機に設けられる複数の造形体(第1の造形体と第2の造形体)のうち、造形体自身の大きさや造形体が駆動制御された際の視覚的な変化量が相対的に小さく、駆動制御されていることが目立ちにくい第2の造形体の駆動制御を行うにあたり、第2の造形体を模した模擬画像の表示を開始したのち所定時間が経過したタイミングで、第2の造形体の駆動を開始するように構成している。これにより、大きさや駆動制御された際の視覚的な変化量が小さく、駆動制御されていることが目立ちにくい第2の造形体を用いた演出について、視覚的にボリューム感を増やすことが可能となる。また、所定の表示手段において予め第2の造形体を模した模擬画像が表示されることで、相対的に大きさ等が小さいことで駆動制御が見逃される恐れが高い第2の造形体の駆動制御を遊技者が見逃すといった事態の発生を抑制することが可能となる。
また、第1の造形体(右耳外側枠可動体7350と左耳外側枠可動体7450)の駆動に対応したタイミングで、第1の造形体を模した模擬画像を所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)に表示することによって、第1の造形体が駆動制御されていることを遊技者に示すことが可能となっている。
以下に、図613を参照して説明した第1の演出態様及び第2の演出態様の変形例を、図617を参照して説明する。
図617(A)は、図613(A)を参照して説明した第1の演出態様における第1の造形体の模擬画像の表示態様についての変形例を示している。変形例1においては、第1の造形体の模擬画像を第1の状態から第2の状態に変化させる表示をタイミングt7からタイミングt9にかけて行っている。また、変形例2においては、第1の造形体の模擬画像を第1の状態から第2の状態に変化させる表示をタイミングt9からタイミングt11にかけて行っている。また、変形例3においては、第1の造形体の模擬画像を第1の状態から第2の状態に変化させる表示をタイミングt7からタイミングt9にかけて行ったのち、第2の状態を模した表示についてはタイミングt11で終了し、タイミングt11からタイミングt13にかけて第1の造形体の模擬画像を第1の状態から第2の状態に変化させる表示を行っている。
このように、第1の造形体の駆動制御が開始されるタイミングに対して、第1の造形体を模した模擬画像の表示を開始するタイミングが多少前後するように構成してもよい。あるいは、第1の造形体を模した模擬画像の表示を終了するタイミングを第1の造形体が第1の状態となるタイミングよりも前のタイミングとしてもよい。このような構成を採用した場合でも同様の効果を奏することができる。
図617(B)は、図613(B)を参照して説明した第2の演出態様における第2の造形体の模擬画像の表示態様についての変形例を示している。変形例1においては、第2の状態となった第2の造形体の模擬画像の表示をタイミングt5からタイミングt8にかけて行っている。また、変形例2においては、第2の状態となった第2の造形体の模擬画像の表示をタイミングt5からタイミングt9にかけて行っている。
このように、第2の造形体の模擬画像として、第2の造形体が駆動制御されて第2の状態となった状態を模した画像をいきなり表示し、第2の造形体の駆動制御が開始されるタイミングまで表示し続けるように構成してもよい。このような構成を採用した場合でも同様の効果を奏することができる。
以下に、図614を参照して説明した第1の演出態様及び第2の演出態様の変形例を、図618を参照して説明する。
図618(A)は、図614(A)を参照して説明した第1の演出態様における第1の造形体の模擬画像の表示態様についての変形例を示している。変形例1においては、第1の造形体の模擬画像の表示をタイミングt7からタイミングt18にかけて行っている。また、変形例2においては、第1の造形体の模擬画像の表示をタイミングt9からタイミングt18にかけて行っている。また、変形例3においては、第1の造形体の模擬画像の表示をタイミングt7からタイミングt13にかけて行っている。
このように、第1の造形体の駆動制御が開始されるタイミングに対して、第1の造形体を模した模擬画像の表示を開始するタイミングが多少前後するように構成してもよい。あるいは、第1の造形体を模した模擬画像の表示を終了するタイミングを第1の造形体が第1の状態となるタイミングよりも前のタイミングとしてもよい。このような構成を採用した場合でも同様の効果を奏することができる。
図618(B)は、図614(B)を参照して説明した第2の演出態様における第2の造形体の模擬画像の表示態様についての変形例を示している。変形例1においては、第2の状態となった第2の造形体の模擬画像の表示をタイミングt5からタイミングt8にかけて行っている。また、変形例2においては、第2の状態となった第2の造形体の模擬画像の表示をタイミングt5からタイミングt9にかけて行っている。
このように、第2の造形体の模擬画像として、第2の造形体が駆動制御されて第2の状態となった状態を模した画像を表示し、第2の造形体の駆動制御が開始されるタイミングまで表示し続けるように構成してもよい。このような構成を採用した場合でも同様の効果を奏することができる。
図613(A)、図614(A)を参照して説明した実施形態においては、第1の演出態様において第1の造形体を模した模擬画像を遊技盤側演出表示装置1600に表示するように構成していたが、第1の演出態様において第1の造形体を模した模擬画像を表示しないように構成してもよい。
この様な構成とすることで、所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)における表示領域を確保することが可能となり、例えば、装飾図柄を縮小せずに所定の表示手段の中央付近に表示し続けることが可能となる。
あるいは、第1の演出態様において第1の造形体を模した模擬画像の表示に代えて、第1の造形体が駆動制御されていることを示す表示を行うように構成してもよい。例えば、遊技盤側演出表示装置1600に「耳が飛び出したかも?!」という表示や「上を見れば?!」という表示を行うように構成してもよい。
この様な構成とすることで、第1の造形体が駆動制御されていることに遊技者が気が付かないといった事態の発生を抑制することが可能となる。
第1の造形体と第2の造形体とでは、第2の造形体の方が、駆動制御された状態における正面視における面積が小さく目立ちにくいため、演出としてのボリューム感を確保するために、第2の造形体が駆動制御される前に、第2の造形体を模した模擬画像を表示しているが、第2の造形体が他の態様で目立ちにくい場合においても同様に第2の造形体を模した模擬画像を表示するように構成してもよい。
駆動制御された際の上下方向あるいは左右方向の移動量が、第1の造形体よりも第2の造形体の方が短い場合には、第2の造形体は目立ちにくい。例えば、図615、図616を参照して示した実施形態において、第1の造形体(右耳外側枠可動体7350、左耳外側枠可動体7450)が駆動制御されて、待機位置から上方へ10cm、第2の造形体(右耳内側枠可動体7300、左耳内側枠可動体7400)が駆動制御されて待機位置から上方へ5cm移動する場合には、第2の造形体の駆動制御は第1の造形体と比べて目立ちにくい。このような場合、第2の造形体の模擬画像を表示することで、演出としてのボリューム感を確保することが可能となる。
このように、駆動制御された際の第1の造形体の移動距離よりも第2の造形体の移動距離が小さい場合に、第2の造形体の駆動制御に先立って、第2の造形体の模擬画像を表示することで、演出としてのボリューム感を確保することが可能となる。
あるいは、第1の造形体と第2の造形体において駆動制御された際の移動速度が第2の造形体の方が遅い場合、回転可能な第1の造形体と第2の造形体において駆動制御により回転した際の角速度が第2の造形体の方が遅い場合、第1の造形体と第2の造形体において駆動制御されている時間が第2の造形体の方が短い場合などにおいて、第2の造形体の駆動制御に先立って、第2の造形体の模擬画像を表示するように構成してもよい。この場合も第2の造形体を用いた演出において、演出としてのボリューム感を確保することが可能となる。
第2の造形体を模した模擬画像の動的表示を複数回行うように構成し、動的表示の回数によって特別抽選結果が大当たりとなる期待度を遊技者に対して示すように構成してもよい。例えば、図613(B)を参照して説明した実施形態において、タイミングt5からタイミングt7にかけて行う動的表示に加えて、タイミングt3からタイミングt5にかけて、同様の動的表示を行う演出態様を実行可能に構成してもよい。さらに、タイミングt1からタイミングt3にかけて、同様の動的表示を行う演出態様を実行可能に構成してもよい。また、タイミングt5からタイミングt7にかけて行う動的表示に加えて、タイミングt7からタイミングt9にかけて、同様の動的表示を行う演出態様を実行可能に構成してもよい。さらに、タイミングt9からタイミングt11にかけて、同様の動的表示を行う演出態様を実行可能に構成してもよい。
このように第2の造形体を模した模擬画像の動的表示を、第2の造形体の駆動制御前あるいは駆動制御後において、繰り返し実行し、繰り返した回数によって遊技者に有利な状態が発生する期待度を示唆する構成とすることで、第2の造形体についての演出としてのボリューム感をさらに増加させることが可能となることに加え、枠体に設けられた第2の造形体の動作そのものを直接視認するという行為と、所定の表示手段に表示される第2の造形体を模した模擬画像を視認して遊技者に有利な状態が発生する期待度を知るという行為のいずれの行為を楽しむのかという興趣を遊技者に対して提供することが可能となる。
また、第2の造形体を模した模擬画像として表示態様の異なる模擬画像を予め複数用意しておき、表示された模擬画像の種類によって特別抽選結果が大当たりとなる期待度を遊技者に対して示すように構成してもよい。例えば、第2の造形体を模した大きな模擬画像と、第2の造形体を模した小さな模擬画像とをあらかじめ用意しておき、第2の造形体を模した大きな模擬画像が表示された場合の方が、特別抽選結果が大当たりとなる期待度が高くなるように構成してもよい。あるいは、第2の造形体を模した白色の模擬画像と、第2の造形体を模した赤色の模擬画像とをあらかじめ用意しておき、第2の造形体を模した赤色の模擬画像が表示された場合の方が、特別抽選結果が大当たりとなる期待度が高くなるように構成してもよい。
このように第2の造形体を模した模擬画像の動的表示態様として複数の異なる表示態様を実行可能と、表示された模擬画像の種類によって遊技者に有利な状態が発生する期待度を示唆する構成とすることで、第2の造形体を模した模擬画像の表示態様のバリエーションが増加することとなり、演出としてのボリューム感をさらに増加させることが可能となることに加え、枠体に設けられた第2の造形体の動作そのものを直接視認するという行為と、所定の表示手段に表示される第2の造形体を模した模擬画像を視認して遊技者に有利な状態が発生する期待度を知るという行為のいずれの行為を楽しむのかという興趣を遊技者に対して提供することが可能となる。
なお、このように第2の造形体を模した模擬画像の表示態様によって遊技者に有利な状態が発生する期待度を示唆する際には、第2の造形体を駆動制御して行われる第2の造形体の動作自体は同一の動作態様としているが、第2の造形体の動作態様を異ならせて、第2の造形体の動作態様によって、遊技者に有利な状態が発生する期待度を示唆する構成としてもよい。
第2の演出態様において、第2の造形体を模した模擬画像を表示したのち、第2の造形体を駆動制御していたが、模擬画像を表示しない演出態様も実行可能に構成してもよい。例えば、図613(B)、図614(B)を参照して説明した第2の演出態様におけるタイミングt5からタイミングt18において、第2の造形体の模擬画像の表示態様を非表示のまま継続するように構成するとよい。
このように、第2の造形体の模擬画像の表示を伴わない第3の演出態様を、第1の演出態様、第2の演出態様に加えて、実行可能に構成することで、第1の造形体と比べて相対的に目立ちにくい第2の造形体がいつのまにか駆動しているという、意外性や緊張感を持った演出態様を遊技者に提供することが可能となる。
第1の造形体を駆動させるにあたり、第1の造形体が駆動されることを示す喚起音を出力するように構成してもよい。例えば、図613(A)、図614(A)を参照して説明した第1の演出態様において、第1の造形体が駆動制御される前のタイミングであるタイミングt6からタイミングt8にかけて、第1の造形体が駆動されることを示す喚起音の出力を行うように構成するとよい。あるいは、第1の造形体が駆動制御されたのちも喚起音が出力されるように、タイミングt6からタイミングt10にかけて、第1の造形体が駆動されることを示す喚起音の出力を行うように構成するとよい。あるいは、第1の造形体の駆動制御が開始されてから喚起音が出力されるように、タイミングt8からタイミングt12にかけて、第1の造形体が駆動されていることを示す喚起音の出力を行うように構成するとよい。
このような構成とすることで、複数の造形体(第1の造形体と第2の造形体)のうち、相対的にサイズや移動量が大きい第1の造形体の駆動によって、遊技者がけがをするといった事態の発生を抑制することが可能となる。なお、第2の造形体の駆動に際しては、第2の造形体を模した模擬画像の表示が行われるため、このような喚起音の出力を行わないように構成している。
図613(A)、図614(A)等を参照して、所定の期間(タイミングt6〜タイミングt8やタイミングt6〜タイミングt10)において喚起音を出力する例を示したが、喚起音に係る構成として、図569や図570等を参照して上述した特別喚起音に係る構成を採用するように構成してもよい。
第2の造形体を駆動させるにあたり、第2の造形体を模した模擬画像の表示期間、あるいは第2の造形体の駆動制御中の期間のいずれか一方、あるいは双方において、変動中にBGMとして出力される変動演出音の音量を抑制するように構成してもよい。例えば、図613(A)、図613(B)を参照して説明した第2の演出態様において、タイミングt5までは変動演出音を通常の態様で出力し、第2の造形体を模した模擬画像が表示されてから、第2の造形体の駆動制御が開始されるまでの期間であるタイミングt5からタイミングt8までの期間において変動演出音を通常の態様よりも抑制した態様で出力するように構成するとよい。あるいは、タイミングt5までは変動演出音を通常の態様で出力し、第2の造形体を模した模擬画像が表示されてから、第2の造形体の駆動制御が終了されるまでの期間であるタイミングt5からタイミングt18までの期間において変動演出音を通常の態様よりも抑制した態様で出力するように構成するとよい。なお、抑制状態においては、通常状態と比べて音量を半分以下の大きさにするとよい。
このように第2の造形体を模した模擬画像の表示に伴って、変動演出音の出力状態を通常状態から抑制状態とすることで、複数の造形体(第1の造形体と第2の造形体)のうち、相対的にサイズが小さい第2の造形体が駆動されることあるいは駆動されていることに遊技者が集中することが可能となる。
図613〜図616等を参照して示した実施形態によれば、枠体に複数の造形体を設けることで、個々の造形体の大きさや個々の造形体を駆動させた際の可動範囲が制限された場合であっても、個々の造形体を単体で駆動させたときに遊技者が感じる興趣が低下してしまうといった事態の発生を抑制することが可能となる。
[40.枠可動体]
ところで、図523〜図576を参照して説明した遊技機や、特開2016−093655号公報記載の遊技機においては、遊技機の外形を構成する枠体に設けられた可動装飾手段を動作させることで遊技者に対して興趣を感じさせることが可能となっている。しかしながら、このような可動装飾手段の動作に遊技者が気が付かなかった場合には、遊技者が頭部や指を可動装飾手段に接触させて遊技者がけがをしてしまう事態が発生するおそれがあった。
以下に、可動装飾手段によって遊技者がけがをしてしまうという事態の発生を抑制することが可能な遊技機の実施形態について説明する。
以下に、図612を参照して説明した遊技機に対して適用可能な第1の演出態様と第2の演出態様を図619(A)、図619(B)を参照して説明する。なお、本実施形態における根菜枠可動体7800は、図612(A)〜図612(E)を参照して説明したように根菜枠可動体カバーユニット7850内に設けられ、遊技者が接触することが困難に構成されている。
以下に、図619(A)を参照して右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、根菜枠可動体7800を用いた第1の演出態様について説明する。
第1の演出態様においては、まず、タイミングt0以前の所定のタイミングにおいて遊技盤側演出表示装置1600において装飾図柄の変動が開始され、タイミングt4において、左右の装飾図柄が同じ図柄で仮停止し、中央の装飾図柄のみが変動するリーチ状態(例えば「4↓4」)となる。
次いで、タイミングt5において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が動作することを報知する喚起音の出力が開始される。次いで、タイミングt7において、周辺制御基板1510による駆動制御によって、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が、扉枠トップユニット570内に収納された待機位置から上方の移動位置への移動を開始する。
タイミングt7からタイミングt9にかけて、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が移動位置へ移動していく駆動制御が行われる。このとき喚起音も継続して出力され続けている。
タイミングt9において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が移動位置への移動を完了する。同時にタイミングt5から継続して出力されていた喚起音の出力が終了する。
次いで、タイミングt21において、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570に収納された待機位置にある状態から、扉枠トップユニット570から下方に移動した移動位置にある状態への移動を開始する。タイミングt22においては、根菜枠可動体7800の移動位置への移動が完了する。タイミングt22からタイミングt25にかけて、根菜枠可動体7800は遊技盤側演出表示装置1600の略中央に正面視で重なる位置に静止した状態で位置することとなる。
次いで、タイミングt25において、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570から下方に移動した移動位置にある状態から、扉枠トップユニット570に収納された待機位置にある状態への変化を開始する。タイミングt26において根菜枠可動体7800の待機位置への移動が完了する。
次いで、タイミングt28において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が上方の移動位置から、扉枠トップユニット570内に収納された待機位置への移動を開始する。
タイミングt28からタイミングt30にかけて、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が待機位置へ移動していく駆動制御が行われる。タイミングt30において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の待機位置への移動は完了する。
タイミングt30以降の所定のタイミングにおいて、変動中であった中央の装飾図柄の変動が終了して、特別抽選の結果が大当りであることを示す図柄(例えば「444」)か、特別抽選の結果がハズレであることを示す図柄(例えば「454」)が停止表示される。
以下に、図619(B)を参照して右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、根菜枠可動体7800を用いた第2の演出態様について説明する。なお、第2の演出態様においては、第1の演出態様とは異なり、喚起音は出力されない。また、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、根菜枠可動体7800が同時に動作を開始するように構成されている。
第2の演出態様においては、まず、タイミングt0以前の所定のタイミングにおいて遊技盤側演出表示装置1600において装飾図柄の変動が開始され、タイミングt4において、左右の装飾図柄が同じ図柄で仮停止し、中央の装飾図柄のみが変動するリーチ状態(例えば「4↓4」)となる。
次いで、タイミングt21において、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570に収納された待機位置にある状態から、扉枠トップユニット570から下方に移動した移動位置にある状態への移動を開始する。同時に、周辺制御基板1510による駆動制御によって、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が、扉枠トップユニット570内に収納された待機位置から上方の移動位置への移動を開始する。
タイミングt22においては、根菜枠可動体7800の移動位置への移動が完了する。タイミングt22からタイミングt25にかけて、根菜枠可動体7800は遊技盤側演出表示装置1600の略中央に正面視で重なる位置に静止した状態で位置することとなる。一方、タイミングt23において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の移動位置への移動が完了する。
次いで、タイミングt25において、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570から下方に移動した移動位置にある状態から、扉枠トップユニット570に収納された待機位置にある状態への変化を開始する。タイミングt26において根菜枠可動体7800の待機位置への移動が完了する。
次いで、タイミングt28において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が上方の移動位置から、扉枠トップユニット570内に収納された待機位置への移動を開始する。
タイミングt28からタイミングt30にかけて、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が待機位置へ移動していく駆動制御が行われる。タイミングt30において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の待機位置への移動は完了する。
タイミングt30以降の所定のタイミングにおいて、変動中であった中央の装飾図柄の変動が終了して、特別抽選の結果が大当りであることを示す図柄(例えば「444」)か、特別抽選の結果がハズレであることを示す図柄(例えば「454」)が停止表示される。
以下に、図612を参照して説明した遊技機が有する根菜枠可動体7800、根菜枠可動体カバーユニット7850を、図532を参照して説明した回転可能な右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200を有した遊技機に適用し、当該適用した遊技機において実行可能な第1の演出態様と第2の演出態様を図620(A)、図620(B)を参照して説明する。
以下に、図620(A)を参照して右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、根菜枠可動体7800を用いた第1の演出態様について説明する。
第1の演出態様においては、まず、タイミングt0以前の所定のタイミングにおいて遊技盤側演出表示装置1600において装飾図柄の変動が開始され、タイミングt4において、左右の装飾図柄が同じ図柄で仮停止し、中央の装飾図柄のみが変動するリーチ状態(例えば「4↓4」)となる。
次いで、タイミングt5において、その後右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が動作することを報知する喚起音の出力が開始される。次いで、タイミングt7において、周辺制御基板1510による駆動制御によって、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が、扉枠トップユニット570内に収納された待機状態から回転状態へと状態を変化させる。
タイミングt9において、タイミングt5から継続して出力されていた喚起音の出力が終了する。
次いで、タイミングt21において、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570に収納された待機位置にある状態から、扉枠トップユニット570から下方に移動した移動位置にある状態への移動を開始する。タイミングt22において、根菜枠可動体7800の移動位置への移動が完了する。タイミングt22からタイミングt25にかけて、根菜枠可動体7800は遊技盤側演出表示装置1600の略中央に正面視で重なる位置に静止した状態で位置することとなる。
次いで、タイミングt25において、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570から下方に移動した移動位置にある状態から、扉枠トップユニット570に収納された待機位置にある状態への変化を開始する。タイミングt26において根菜枠可動体7800の待機位置への移動が完了する。次いで、タイミングt30において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が回転状態から、回転が停止して待機位置に収納された状態へと変化する。
タイミングt30以降の所定のタイミングにおいて、変動中であった中央の装飾図柄の変動が終了して、特別抽選の結果が大当りであることを示す図柄(例えば「444」)か、特別抽選の結果がハズレであることを示す図柄(例えば「454」)が停止表示される。
以下に、図620(B)を参照して右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、根菜枠可動体7800を用いた第2の演出態様について説明する。なお、第2の演出態様においては、第1の演出態様とは異なり、喚起音は出力されない。また、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、根菜枠可動体7800が同時に動作を開始するように構成されている。
第2の演出態様においては、まず、タイミングt0以前の所定のタイミングにおいて遊技盤側演出表示装置1600において装飾図柄の変動が開始され、タイミングt4において、左右の装飾図柄が同じ図柄で仮停止し、中央の装飾図柄のみが変動するリーチ状態(例えば「4↓4」)となる。
次いで、タイミングt21において、周辺制御基板1510による駆動制御によって、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が、扉枠トップユニット570内に収納された待機状態から回転状態へと状態を変化させる。
タイミングt21においては同時に、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570に収納された待機位置にある状態から、扉枠トップユニット570から下方に移動した移動位置にある状態への移動を開始する。タイミングt22においては、根菜枠可動体7800の移動位置への移動が完了する。タイミングt22からタイミングt25にかけて、根菜枠可動体7800は遊技盤側演出表示装置1600の略中央に正面視で重なる位置に静止した状態で位置することとなる。
次いで、タイミングt25において、根菜枠可動体7800が、扉枠トップユニット570から下方に移動した移動位置にある状態から、扉枠トップユニット570に収納された待機位置にある状態への変化を開始する。タイミングt26において根菜枠可動体7800の待機位置への移動が完了する。次いで、タイミングt30において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が回転状態から、回転が停止して待機位置に収納された状態へと変化する。
タイミングt30以降の所定のタイミングにおいて、変動中であった中央の装飾図柄の変動が終了して、特別抽選の結果が大当りであることを示す図柄(例えば「444」)か、特別抽選の結果がハズレであることを示す図柄(例えば「454」)が停止表示される。
図619(A)、図619(B)を参照して説明した第1の演出態様と第2の演出態様において、あるいは図620(A)、図620(B)を参照して説明した第1の演出態様と第2の演出態様において、根菜枠可動体7800の動作態様は共通である。一方、第1の演出態様においては、喚起音の出力を伴って右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が動作したのち、所定時間の経過後、根菜枠可動体7800が動作するのに対し、第2の演出態様においては、喚起音の出力を伴なわずに右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が、根菜枠可動体7800と同じタイミングで動作を開始するように構成されている。
このように、枠体に設けられた第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)が単独で動作する場合には、予め喚起音が出力されるため、遊技者は第1の可動装飾手段に対して注意するため、遊技者の不用意な動作(例えば立ち上がるなど)によって、遊技者が第1の可動装飾手段に接触してけがをしてしまうという事態の発生を抑制することが可能となる。
一方、第1の可動装飾手段とともに第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)を動作させる際には、喚起音を出力しないように構成している。これは、第2の可動装飾手段が所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)に正面視で重なる位置に移動することで、遊技者の意識が所定の表示手段近傍に向くため、遊技者が不用意な動作を行いにくくなり、枠体に設けられた第1の可動装飾手段が動作をしていたとしても、遊技者がけがをしにくくなるからである。
図619(A)、図620(A)等を参照して、所定の期間(タイミングt5〜タイミングt9)において喚起音を出力する例を示したが、喚起音に係る構成として、図569や図570等を参照して上述した特別喚起音に係る構成を採用するように構成してもよい。
図621は、図619を参照して説明した演出態様の変形例を示している。また、図622は、図620を参照して説明した演出態様の変形例を示している。これらの変形例においては、第2の演出態様において、根菜枠可動体7800の移動位置への移動が完了したタイミングt22において、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200の移動位置への移動動作が開始されるように構成されている。
このように、第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)が動作を開始して、所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)に正面視で重なる位置に移動したタイミングで、第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)の動作を開始することで、遊技者の意識が所定の表示手段近傍により向けられることとなり、遊技者が不用意な動作を行いにくくなり、枠体に設けられた第1の可動装飾手段が動作をしたとしても、遊技者がけがをしにくくなる。
第1の演出態様よりも第2の演出態様の方が特別抽選の結果が大当りとなる期待度が高くなるように構成してもよい。また、第1の演出態様が実行される頻度の方が、第2の演出態様が実行される頻度よりも高くなるように構成してもよい。例えば、特別抽選が100回行われるうち、第1の演出態様が5回程度(5%の確率で実行される)行われ、第2の演出態様が1回程度(1%の確率で実行される)行われるように構成してもよい。
このように、実行頻度が高く大当りとなる期待度の低い第1の演出態様においては、喚起音を出力することで、頻繁に起きる第1の可動装飾手段(右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200)の動作を、遊技者に対して喚起している。特に期待度が低いこともあり遊技者の第1の可動装飾手段に対する注意意識が散漫とした状態となっているため、このような喚起を行うことは効果的である。
一方、実行頻度が低く大当りとなる期待度が高い第2の演出態様においては、喚起音を出力せず、第1の可動装飾手段と共に第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)の動作させている。この場合、大当りの期待度が高いため、第2の可動装飾手段が移動してくる所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)近傍に遊技者の視線が集中し、不用意な動作(立ち上がるなど)、を行いにくくなるため、第1の可動装飾手段を動作させる際には、喚起音を出力する必要がない。
一方で、遊技店の店員にとっては、第1の可動装飾手段が動作したことを遠方から視認することができるため、遊技者に有利な状態(一例として大当たり状態)が発生する可能性が高いことが認識でき、遊技者に対して所定のサービス(ドル箱の交換や定量制の遊技機においては打ち止めの処理など)を提供することが可能となる。
また、期待度が高い状態において喚起音を出力した場合には、遊技者が興ざめな状態となってしまう事態も想定しうるが、喚起音を出力しないことで、このような事態の発生を抑制することが可能となる。
装飾図柄の変動序盤や中盤では喚起音を出力するが、装飾図柄の変動中盤では喚起音を出力しないように構成するとよい。
このような構成とすることで、装飾図柄の変動結果が示される変動終盤に余計な音が出力されず、所定の表示手段における装飾図柄の停止表示される態様に遊技者が集中することができる。
第1の演出態様において、喚起音を出力する際には、変動演出音の抑制を行うよう構成してもよい。例えば、図619、図620に示した第1の演出態様におけるタイミングt5からタイミングt9までの期間やタイミングt4からタイミングt10までの期間において、変動演出音の出力状態を通常状態から音量の小さい抑制状態とするとよい。
一方、第2の演出態様においては、根菜枠可動体7800が下方へ移動するまでは変動演出音を抑制し、根菜枠可動体7800の落下移動と同時に変動演出音の抑制を解除するように構成してもよい。例えば、図619、図620に示した第2の演出態様におけるタイミングt18からタイミングt21までの期間やタイミングt18からタイミングt26までの期間において、変動演出音の出力状態を通常状態から音量の小さい抑制状態とするとよい。
このような構成とすることで、第1の演出態様においては、変動演出音が抑制された状態で喚起音が出力されることとなるため、第1の可動装飾手段が動作することが遊技者に対して効果的に報知されることとなる。
また、第2の演出態様においては、第2の可動装飾手段が移動を開始する前の所定の期間において、変動演出音が抑制された状態とすることで、第2の可動装飾手段の移動が遊技者により伝わりやすくなる。
図619、図620等を参照して、所定の期間において変動演出音を抑制する例を示したが、変動演出音や喚起音に係る構成として、図569や図570等を参照して上述した変動演出音や特別喚起音に係る構成を採用するように構成してもよい。
第1の演出態様において、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200が動作することを遊技盤側演出表示装置1600に表示するように構成してもよい。例えば、図609(A)を参照して説明した実施形態のように遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内において右耳枠可動体7100を模した模擬画像と左耳枠可動体7200を模した模擬画像を上方へ移動させる表示を、図619、図620を参照して説明した第1の演出態様におけるタイミングt5からタイミングt9にかけて表示するように構成してもよい。
一方、第2の演出態様においては、右耳枠可動体7100と左耳枠可動体7200の動作に際して遊技盤側演出表示装置1600でこのような表示を行わないように構成してもよい。
このような表示を行うことで、第1の演出態様において、第1の可動装飾手段が動作することを遊技者にわかりやすく伝えることが可能となる。一方、第2の演出態様において、第1の可動装飾手段が動作する際にはこのような表示を行わないようにすることで、所定の表示手段周辺における演出が過剰になることを抑止することができる。なお、第1の可動装飾手段を模した模擬画像に限らず、他の画像(例えば上向きの矢印の画像)を第1の可動装飾手段の設けられている位置を示唆する態様で所定の表示手段に表示するように構成してもよい。
第1の演出態様や第2の演出態様において、遊技者による所定の操作部(押ボタンやレバー等)への操作に基づいて、移動位置へ移動した根菜枠可動体7800を待機位置へ移動させることができるように構成してもよい。例えば、第1の演出態様や第2の演出態様において、タイミングt23において遊技者が所定の操作部への操作を行った場合には、タイミングt23からタイミングt24にかけて根菜枠可動体7800を移動位置から待機位置へと移動させるとよい。
このように、遊技者による操作に応じて、第2の可動装飾手段(根菜枠可動体7800)が移動位置に位置する時間を変更できるように構成してもよい。これにより、第2の可動装飾手段が動作していることを他の遊技者に気が付かれにくくなり、他の遊技者から遊技者に有利な状態(大当たり状態)が発生する期待度が高いことによるひがみに基づくいやがらせ行為等を受けるといった事態の発生を抑制することが可能となる。
図621、図622における第1の演出態様や第2の演出態様の変形例において、遊技者による所定の操作部への操作があった場合、所定の操作部への操作がない場合に比べて第1の可動装飾手段が早期に駆動するように構成してもよい。すなわち、図621、図622における変形例において、第1の可装飾手段の動作よりも先に動作開始される第2の可動装飾手段については繰り返し遊技を行う遊技者は何度もこの演出を見ることになるため第1の可動装飾手段の動作が待ち遠しくなる。このため、第2の可動装飾手段の動作を、必ずある決まった期間行ったのち第1の可動装飾手段が動作するようにするのではなく、ボタン操作によって第2の可動装飾手段の動作が開始されてから適宜のタイミングで第1の可動装飾手段の駆動が可能とするようにすることで、何度も同演出を見ている遊技者に対しては、いち早く第1の可動装飾手段を動作させる機会を与えることができ興趣の低下を抑制することができるようになる。なお、このような所定の操作によって、第2の可動装飾手段を待機位置へ戻す処理を開始するように構成してもよいし、所定の操作があった場合でも、あらかじめ定められたタイミングで第2の可動装飾手段を待機位置へ戻す処理を開始するように構成してもよい。
図619、図620等を参照して示した実施形態によれば、第1の可動装飾手段を動作させる際に喚起音を出力しなくても、遊技者の注意を抽選結果に基づいた演出が行われる所定の表示手段近傍に遊技者の意識を向けさせることができ、第1の可動装飾手段によって遊技者がけがをしてしまうという事態の発生を抑制することが可能となる。
上述した実施形態においては、複数の異なる演出態様のうちの所定の演出態様を実行することにより、遊技者に有利な状態である大当りが発生する期待度が高いことを、左右の耳枠可動体を動作させることで遊技者に対して報知することを示したが、大当りが発生する期待度以外の他の遊技内容が発生することについての期待度を遊技者に対して報知するように構成してもよい。
例えば、大当りになることは確定しているが、大当たり中に遊技者に対して付与される利益の内容を報知するように構成してもよい。利益の内容としては、例えば、利益の種類を報知するように構成してもよいし、利益の量を報知するように構成してもよい。
あるいは、大当り後に遊技者に対して付与される利益の内容を報知するように構成してもよい。例えば、大当り後に遊技者に対して付与される利益の種類を報知するように構成してもよいし、大当り後に遊技者に対して付与される利益の量を報知するように構成してもよい。
このように、遊技者に有利な状態(一例として大当り状態)が発生することの期待度に限らず、遊技者に有利な状態において遊技者に付与される利益の量(一例として遊技者に付与される出玉数や大入賞口の開放回数など)についての期待度、遊技者に有利な状態が終了したのちに新たに発生しうる遊技者に有利な状態(一例として確変状態や電チューサポート状態)が発生することの期待度、遊技者に有利な状態が終了したのち新たに発生する遊技において遊技者に付与される利益の種類(一例として、確変状態や電チューサポート状態)や量(一例として、確変状態が継続される変動回数や電チューサポートが継続される変動回数)を報知するように構成した場合でも、上述した各実施形態と同様の効果を発揮することが可能となる。
複数の異なる演出態様のうちの所定の演出態様を実行することにより、遊技者に有利な状態である大当りが発生する期待度が高いことを、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450などを動作させることで遊技者に対して報知することを示したが、大当りが発生する期待度として大当たりとなることが確定していること(100%大当りが発生すること)を含むように構成してもよい。例えば、上述した各実施形態において、第1の演出態様が実行された場合には、50%大当りが発生するように構成し、第2の演出態様が実行された場合には、100%大当りが発生するように構成してもよい。
上述した実施形態においては、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450等を模した模擬画像を遊技盤側演出表示装置1600に表示する際に、扉枠トップユニット570を模した模擬画像も同時に表示するように構成しているが、扉枠トップユニット570を模した模擬画像を数秒程度(例えば2秒間)、事前に表示したのち、右耳枠可動体7100〜左耳外側枠可動体7450を模した模擬画像の表示を開始するように構成してもよい。例えば、図607(A)を参照して説明した実施形態においては、タイミングt5からタイミングt7にかけて扉枠トップユニット570を模した模擬画像を表示するように構成してもよい。
また、扉枠トップユニット570を模した模擬画像を、遊技盤側演出表示装置1600において固定的に表示したまま移動せず、扉枠トップユニット570を模した模擬画像に対して、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450を模した模擬画像が上方に移動するように構成するとよい。
このように、動作可能な可動装飾手段や駆動可能な造形体(右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450)を模した模擬画像の表示とともに、動作可能な可動装飾手段や駆動可能な造形体を収納したり保持したりするユニット(扉枠トップユニット570)を模した模擬画像を表示するように構成することで、動作可能な可動装飾手段や駆動可能な造形体の動作態様や駆動態様を遊技者が理解しやすくなる。
特に、動作可能な可動装飾手段や駆動可能な造形体を収納したり保持したりするユニット(扉枠トップユニット570)を模した模擬画像を所定の表示手段(遊技盤側演出表示装置1600)の所定の領域において、固定的に表示することで、より動作可能な可動装飾手段や駆動可能な造形体の動作態様や駆動態様を遊技者が理解しやすくすることが可能となる。
また、動作可能な可動装飾手段や駆動可能な造形体を模した模擬画像を表示するタイミングよりも前のタイミングにおいて動作可能な可動装飾手段や駆動可能な造形体を収納したり保持したりするユニット(扉枠トップユニット570)を模した模擬画像を表示することで、可動装飾手段の動作や造形体の駆動に対して遊技者の期待感が高まることとなる。また、可動装飾手段の動作や造形体の駆動が開始されるタイミングから、可動装飾手段の動作や造形体の駆動を遊技者が視認できるため、可動装飾手段の動作や造形体の駆動を遊技者がより長時間楽しむことが可能となる。
なお、上述した各実施態様において、扉枠トップユニット570を模した模擬画像を表示しないように構成してもよい。
なお、根菜枠可動体7800の動作に代えて、図487等を参照して説明したウサギ役物6000を同様に(例えば上下方向に)動作させるように構成し、上述した各種の演出態様を実行するように構成してもよい。この場合も上述した各演出態様と同様の効果を奏することが可能となる。
右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200、右耳内側枠可動体7300、右耳外側枠可動体7350、左耳内側枠可動体7400、左耳外側枠可動体7450が扉枠トップユニット570内に収納された状態と、扉枠トップユニット570から上方に突出した状態との間で動作する例を示してきたが、このような状態の変化のみに限らず他の状態の変化でもよい。例えば、右耳枠可動体7100、左耳枠可動体7200が、扉枠トップユニット570から半分飛び出した状態から、扉枠トップユニット570から全部飛び出した状態へ動作するように構成してもよい。
このように、第1の可動装飾手段が第1位置に位置する第1状態(扉枠トップユニット570内に収納された状態、扉枠トップユニット570から半分飛び出した状態)から、第2位置に位置する第2状態(扉枠トップユニット570から全部飛び出した状態)との間で動作するように構成した場合でも上述した効果を奏することが可能となる。
図607、図619などを参照して説明した実施形態において、根菜枠可動体7800が扉枠トップユニット570内に収納された状態と、遊技盤側演出表示装置1600の略中央に対して正面視で重なる位置に位置する状態との間で動作する例を示してきたが、このような状態の変化に限らず他の状態の変化でもよい。例えば、根菜枠可動体7800が、遊技盤側演出表示装置1600の略下部に対して正面視で重なる位置に位置する状態から、遊技盤側演出表示装置1600の略中央に対して正面視で重なる位置に位置する状態へ動作するように構成してもよい。
このように、第2の可動装飾手段が第1位置に位置する第1状態(扉枠トップユニット570内に収納された状態、遊技盤側演出表示装置1600の略下部に対して正面視で重なる位置に位置する状態)から、第2位置に位置する第2状態(遊技盤側演出表示装置1600の略中央に対して正面視で重なる位置に位置する状態)との間で動作するように構成した場合でも上述した効果を奏することが可能となる。
実施形態における、遊技機の構造における各技術的事項を組合せて適用して実施形態としても良い。また、各演出例や各演出例における各技術的事項を組合せて適用して実施形態としても良い。また、各役物構成における各技術的事項を組合せて適用して実施形態としても良い。また、これらの各技術的事項を組合せて適用して実施形態としても良い。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、同様の作用効果を奏することができる。