JP6622411B2 - 振動台モデルボックスの三方向運動デカップリングに用いる周期的構造 - Google Patents

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Description

本発明は、土木工事分野に関するものであり、特に、振動台モデルボックスの三方向運動デカップリングに用いる周期的構造に関するものであり、前記周期的構造の三方向運動デカップリング振動台モデルボックスおよびその用途を含み、前記振動台の三方向運動デカップリングモデルボックス、特に超重力遠心機振動台に使用できる三方向運動デカップリングモデルボックスに関するものである。
土木工事分野において、人々は、通常、観測と予測によって土木工事対象物の動きを把握し、その動作性と安全性を判断し、対応策を講じる。観測とは、主に原型の観測を指し、竣工後の工事構造物中に埋設されたセンサを用いた測定により、工事構造物の性能情報を直接獲得するが、このような研究は事後の研究であって、事前に工事構造物の設計に対するアドバイスはできない。予測は二種類に分けられるが、その一はデータ分析であり、その二は物理モデリング(physical modelling)技術であり、相似則と原型状態(例えば、実際の建物状態)によって、モデルの限界条件を合理的に設定且つ制御し、仮想の設計荷重受け条件を模擬することによって、複数種の要素を組み合わせた状況における工事構造の力学的応答と動作の調子を予測または再現することができ、その破損の全過程さえも模擬することができる。物理的モデリングによって得られる情報は、詳細なものであり、設計に十分な技術的根拠または情報を提供することができ、データ分析の成果を検証する用途にも使用できる。
目下、通常使用されている土木工事の物理的モデリング方法としては、1g小規模モデル試験、1g大規模モデル試験、校正シリンダー試験、1g振動台試験、超重力遠心機振動台試験などがあり、ここで、1gは常重力を意味する。
建物の耐震性能モデリングは非常に重要な土木工事の物理学的モデリング試験である。一般的に、人間の暮らしに比較的大きな破壊力を持つ地震はいずれも浅発地震であり、浅発地震の深さは60km未満、通常見られる浅発地震の深さは5〜20kmである。地震による被害を低減させ、建・構造物の耐震性能を分析するために、振動台を利用して、振動台試験を行い、つまり、サイズを縮小した建・構造物モデルを振動台上に置き、模擬しようとする地震波をかけて、地震状態における建・構造物の地震に対する応答を観測することによって、実際の建・構造物の耐震性能を逆推理することができる。振動台試験は、常重力と超重力の2種類あり、つまり、1g振動台試験と超重力遠心機振動台試験である。
1g振動台試験は、主に地震作用による構造物の応答を模擬することに使用されるが、このような模擬方法はその他の模擬方法に比べて一定の利点があり、寸法や容量もだんだん大きくなってくる。その利点としては、地面運動の模擬に使えるということであり、地震周波数のスケールは必ずしも必要であることはなく、自由度は最大6であり、土と構造物との相互作用を模擬することができる。欠点としては、深さに比べて面積を注目し過ぎており、地表応力が正しくなく、境界に波の反射があって、現場周辺の地震を十分に模擬できないということである。常重力振動台は通常大型振動台(振動台作業台の寸法が比較的大きい)であり、遠心機を使用していない。
超重力遠心機試験は、遠心機を利用して行う模擬試験であり、サイズを縮小した土建工事モデルを高速に回転する遠心機の中に入れて、モデルに重力加速度より大きな作用力を加え、モデルの縮尺による土建構造物の自重損失を補正する。遠心試験モデルは定常な角速度ωで軸を中心として回転し、提供される遠心加速度はrω(rはモデルにおける任意の1点と回転中心との距離)である。モデルに原型場所(実際の場所)と同じ土体を使用した場合、遠心機の加速度がN倍の重力加速度(Ng=rω)であれば、モデルの深さh箇所の土体は原型h=Nh箇所の土体とほぼ同じ縦方向応力σ=σを持つようになる。これは超重力遠心模擬の最も基本的な相似率原理であり、即ち、サイズをN倍に縮小した土建工事モデルがN倍の重力加速度を受ける時に、試験土体の応力と原型土体の応力が一致しており、つまり、縮尺効果が現れる。例えば、N=10、つまり、加速度が10gである場合、モデルにおいて土体の深さ1mの箇所の応力レベルは、原型場所(実際の場所)の10mの箇所の応力レベルに接近しており、N=100、つまり、加速度が100gである場合、モデルにおいて土体の深さ1mの箇所の応力レベルは、原型場所(実際の場所)の100m箇所の応力レベルに接近しているということである。言い換えると、遠心加速度の倍数(N)を利用して縮尺を実現する。超重力遠心試験のメリットとしては、岩土体応力の深さに対応する変化を正しく模擬することができ、土の選択、応力履歴の設計、制御可能なローディングシステムを実現することができ、費用と時間を節約することができ、変形と破断のメカニズムを観測することができる。
超重力遠心機振動台試験では、超重力遠心機上に振動台を設置して、サイズを縮小した建・構造物をモデルボックス中に入れて、モデルボックスを振動台上に設置する。そして、上記超重力遠心試験原理を利用して、遠心加速度が所要のNg(Nは遠心加速度の倍数、N≧1)に達した時に、振動台に模擬に必要である地震波を入力し、この時に建・構造物の対応する地震における応答を取得することができ、つまり、建・構造物の耐震性能を知ることができる。超重力遠心機振動台は、通常小型振動台(振動台の作業台面積が比較的小さい)であり、遠心機を使用している。
良く見られる工事場所の深さはいずれも数十ないし数百メートルぐらいであるので、振動台試験を利用して、地震動による場所と建物に対する影響を模擬する場合、最も理想的な試験は実物サイズ試験であり、つまり、深さが数十ないし数百メートルぐらいの試験土サンプルを振動台上に置き、三方向(X、Y、Z方向)の地震波を加えて、地震の原型場所に対する本当の影響を反映することができる。しかし、実際の振動台の発振能力とサイズの制限を受けて、この実物サイズ試験は実施できない。常重力振動台試験を利用すれば、モデルボックスのサイズは高さ方向で通常2〜3mであり、つまり、深さ2〜3mの縮尺モデルで原型場所を模擬する。この縮尺モデルで一定の深さの工事場所を模擬する場合、モデルボックスの試験土サンプルの高さで原型の一定の深さを模擬するので、サイズ拡大倍数nは原型深さ/モデルボックス土サンプルの高さ(例えば、1m深さの試験土サンプルを利用して地下100m深さの原型場所を利用する場合、倍数=100/1=100)となり、常重力振動台相似率理論(寸法決定法)によって、原型場所の現場応答とモデル試験の地震動応答との関係を得ることができる。加速度拡大倍数は1、変位拡大倍数はn、速度拡大台数はn1/2となり、例えば、n=100である時に、試験によって測定された加速度は直接原型場所に利用することができ、試験によって測定された変位は100倍に拡大することで原型場所に利用することができ、試験によって測定された速度は10倍に拡大することで原型場所に利用することができる。そのため、この方法では、土体の地震動応答が著しく歪曲され、応力・歪み関係が不正確で、原型場所の力学的性質を事実上模擬することができない。そのため、超重力振動台模擬試験を利用することによってのみ、遠心力で原型重力場を回復することができ、また原型土体の応力・歪み関係を再現することができる。例えば、遠心加速度がNg=100gである場合、1m深さの縮尺モデルで深さ100mの原型場所を模擬することができる。
モデルボックスは、振動台試験において不可欠な専用の試験装置であり、その構造と形状、寸法は、通常、実際の試験の種々の要件に応じて決められる。モデルボックスは、リジッドモデルボックスとフレキシブルモデルボックスに分けられ、リジッドモデルボックスは主に静止試験に使用され、フレキシブルモデルボックス(剪断ボックス、剪断モデルボックス)は主に動的試験に使用される。目下、振動台モデル試験に使用されるモデルボックスは、使用条件によって常重力(1g)振動台モデルボックスと超重力振動台モデルボックスに分けられるが、常重力振動台モデルボックスは、通常大型で、材質が比較的重く、硬度が比較的高い材料(例えば、鋼材)で作られ、超重力振動台モデルボックスは、通常軽量で、強度の高い材料(例えば、アルミニウム合金)で作られる。常重力振動台モデルボックスは超重力振動台モデル試験に使用することができないが、超重力振動台モデルボックスは常重力振動台試験に使用することができる。
実際には、地盤土体は半無限空間場所と見なすことができるが、振動台モデル試験では、限度のある寸法のモデルボックスに試験土体を入れて振動台試験を行うことができ、モデルボックス中の土体応力を利用して、原型場所の土体の応力を模擬しなければならないので、振動台のモデルボックスは、以下4つの最も基本的な条件を満たさなければならない。(a)振動中は、剪断波速度または剪断応力の伝達に影響がないようにし、なるべく水平剪断剛度をゼロとし、試験土体の変形に影響がないようにする。(b)振動中、モデルボックス水平断面の寸法に変動がないようにする。(c)モデルボックスの側壁は十分な剛度があるようにする。(d)モデルボックス壁の質量をなるべく減らして、境界の所の横方向の土圧力を低減する。今の段階では、多くの研究者たちが振動台モデルボックスを1g振動台試験または遠心機振動台試験に使用している。実際に、地震の土体に対する作用は三次元(X、Y、Z方向)のものであり、振動台試験中に入力される模擬地震波も三次元である場合のみ、原型状態(原型場所上に作用する実際の地震力)を正確に模擬することができる。理論上、モデルボックス土体の三次元振動を実現する場合のみ、地震作用における原型場所(実際の場所)の応答を模擬することができる。モデル試験において、振動台が地震動を多孔質の土体上に加えると原型場所の地震動応答を得ることはできないので、土体が多孔質の状態にならないように、土体を入れる装置(モデルボックス)が必要である。振動台に加えられる垂直方向作用力は、底部土層の上向き圧力によって上に伝えられ、水平作用力は、底部土層の水平剪断力によって上部土層に伝えられ、これらの作用力はいずれもモデルボックスによって伝えられるものではない。そのため、モデルボックスは、横方向制限(横方向制限とは、無限半空間から1つの小さなブロックを分けるが、無限半空間の力学要求を失ってはならず、モデルボックスはモデル土体の外側にカバーさせ、条件を満たしていても、動力荷重を加える時に、モデル土体の運動を妨害してはならない)用として使用されるので、モデルボックスが試験土体の運動に如何なる拘束があってもならない。そのため、理論的に言って、モデルボックスの三方向(X、Y、Z方向)運動デカップリングの実験が必要であり、つまり、モデルボックスと土体運動の協調性を確保する必要があり、前記運動協調性とはモデルボックスと試験土体運動の同期性、モデルボックスと試験土体はX、Y、Z三方向上運動の相互間干渉性無し、モデルボックスは試験土体に対する余分の作用力がなく、境界効果をなるべく回避するなど、4つの要素中、1つの条件を満たさないと運動の不協調となる。
前記モデルボックスと試験土体運動の同期性とは、振動中、試験土体がモデルボックスとともに、X、Y、Z三方向において一緒に運動し、試験土体とモデルボックスがX、Y、Z三方向上の相対運動がなく、同期性を有することを指す。前記X、Y、Zの3つの方向において運動の相互間干渉無しとは、振動中、モデルボックスの任意の一方向の変形はその他の2つ方向の変形に影響がないことを意味する。例えば、理論上、X方向の変形は10mm、Y方向の変形は9mm、Z方向の変形は2mmであるが、実際の振動変形で、X方向の変形が9mm、Y方向の変形が8mm、Z方向の変形が3.2mmになり、つまり、X、Y方向の変形エネルギーがZ方向の変形に吸収され、これによって、干渉が発生する。また、理論上、X方向の変形は10mm、Y方向の変形は9mm、Z方向の変形は2mmであるが、実際の振動変形で、X方向の変形が11mm、Y方向の変形が10mm、Z方向の変形が1.8mmになる場合もあり、つまり、Z方向の変形エネルギーがX、Y方向の変形によって吸収されている。また、理論上、X方向の変形は10mm、Y方向の変形は9mm、Z方向の変形は2mmであるが、実際の振動変形で、X方向の変形が12mm、Y方向の変形が8mm、Z方向の変形が1.8mmになる場合もあり、つまり、Z方向とY方向の変形エネルギーがX方向の変形によって吸収されている。前記モデルボックスと試験土体のX、Y、Z三方向運動の相互間干渉無しとは、モデルボックスのX、Y、Zのうち任意の一方向における変形が、試験土体のX、Y、Zのうち任意の一方向における変形に影響がなく、モデルボックスのX、Y、Zのうち任意の一方向における変形はその他の任意の一方向における変形に影響がないことを指す。例えば、モデルボックスのX方向の変形はモデルボックスのY、Z方向の変形に影響がなく、試験土体のX、Y、Zのうち任意の一方向の変形にも影響がない。
前記モデルボックスが試験土体に対する余分の作用力がないとは、土体のモデルボックス変形による変形中において、モデルボックスが試験土体の変形を制限しないことを意味する。試験土体は多孔質であるので、モデルボックスのような固定形状の空間内に入れると、モデルボックスは土体に対して付加作用力を形成し、例えば、モデルボックスの隣接2層の間には摩擦力が生じ、隣接2層の相対運動を阻害し、ある程度土体の変形を制限するので、試験結果に影響をもたらす。境界効果とは、モデルボックス側壁の摩擦抵抗の影響によって、必ず境界(試験土体とモデルボックスとの接触部分)の力受け条件または変形条件の変化を引き起こし、このような作用は試験結果の正確性に影響をもたらし、つまり、遠心モデル試験によって原型作動状況を模擬できるかどうかについて不確定性がある。一般的には、モデルサイズを大きくすることによって、常重力(1g)下振動台試験における境界効果を弱化するが、超重力振動台試験において、遠心機の荷重受け能力(遠心加速度×平行おもり)の制限によって、サイズ拡大などの措置による境界効果の弱化はほとんど不可能である。境界効果は不可避なものなので、超重力遠心機振動台試験では、縮尺効果によって原型状況を模擬する。そのため、試験結果がなるべく原型状況を正確に模擬するためには、なるべく境界効果を回避(境界効果の最小化)することが必要である。
運動の不協調につき、現在の技術の改善には限りがあり、一つまたは二つの要素だけを設計上考慮している。例えば、境界効果の影響を低減することだけを考慮し、前記運動協調性に影響をもたらす他の3つの要素は考慮せず、つまり、全体の角度から総合的な改善を行っていないので、運動協調性の改善効果が明らかでない。モデル試験において、運動の協調性に影響をもたらす4つの要素は、それぞれ対応する誤差を生じ、超重力場によって生じる縮尺効果により、各種誤差は重ね合わされ拡大する。遠心加速度の倍数(N)が大きければ大きいほど、誤差は大きく拡大(例えば、変位および地震加速度誤差とNは線形関係があり、土体固形化時間はNと線形関係があり、エネルギー誤差はNと線形関係がある)されるので、実際にモデルボックスの運動協調性問題を解決することより、実際状況を忠実に反映することができ、建物の構造設計に現実の客観的な根拠を提供することができる。実際には、モデルボックスの使用中において、常重力か超重力かを問わず、モデルボックスと土体の運動協調性はなかなか実現できない。モデルボックスと土体の運動協調性が実現できないと、模擬結果が不正確となり、実際状況に比べて大きいまたは小さくなる。土体の応答が実際状況に比べて大きければ、場所条件の評価が控えめになり過ぎて、設計の経済性を低下させる可能性があり、土体の応答が実際状況に比べて小さければ、場所条件の評価が高くなり過ぎて、設計の安全性を低下させる可能性がある。
超重力振動台モデル試験において、振動台の作業台に三方向地震波を入力し、三方向(X、Y、Z三方向)の地震動加速度がいずれも1.0m/sであり、モデルボックスがリジッドモデルボックスまたは三方向デカップリングが良くないモデルボックスである場合、境界条件は、地震波の伝達と反射に大きな影響をもたらして、干渉を引き起こす。例えば、X方向に伝播される地震波は、モデルボックスの側壁に衝撃を与え、Y方向とZ方向の地震波に反射されて引き続き伝播され、Y、Z方向地震波が重なり、さらにY、Z方向地震が大きくなり、例えば、X方向加速度は0.8m/s、Y、Z方向加速度は1.2m/sとなって、テスト結果が著しく歪曲され、場所条件の評価に非常に悪影響をもたらす。
モデルボックスと試験土体の同期性が要求を満たさない、モデルボックスと試験土体の三方向における運動の相互干渉、モデルボックスの試験土体に対する余分の作用力および境界効果などは、試験結果に比較的大きな影響をもたらし、試験結果と原型状態のずれが大きくなり、実際の使用時のアドバイスを提供できないので、モデルボックスに対する三方向運動デカップリングを行い、原型場所の実際の特徴を最大限に復元しなければならない。
既存技術としての三方向運動デカップリングは、常重力振動台向けに実現したものであり、その目的は振動台のX、Y、Z三方向における運動の分離を実現することによって、振動台に提供される力のX、Y、Z三方向における独立を実現することである。その実現原理は機械原理による三方向運動のデカップリングであり、即ち、機械連動装置または油圧装置によって実現される。例えば、中国実用新案登録第202793722号は、平面静圧式振動伝達デカップリング装置および3軸方向振動複合試験台に関するものであり、平面静圧式振動伝達デカップリング装置はスライドブロックとスライドシートとの連結からなり、スライディング面にはスライディング隙間が設けられ、作動の際は、注油通路を通じてスライディング隙間に高圧油を注入して静圧油膜を形成させるが、静圧油膜は高圧条件下で優れた剛性を有するので、スライドブロックとスライドシートとの間の摺動に妨害とならない。同軸振動発生装置が高周波数振動と推力を発生する時に、静圧油膜に垂直な方向から振動周波数と推力を伝達し、異軸振動発生装置が高周波数振動と推力を発生する時に、スライドブロックとスライドシートとの間の摺動によってデカップリングを実現し、これによって、ロスレス伝達と有効なデカップリングを結合する目標を達成する。
既存技術では、まだ振動台モデルボックス(試験土体を含む)に対して三方向運動デカップリングを行う技術は見られず、超重力振動台モデルボックス(試験土体を含む)に対して三方向運動デカップリングを行う技術も見られない。振動台モデル試験において、運動不協調の問題につき、既存技術では改善方法が少なく、1つまたは2つの要素だけを考慮している。例えば、境界効果の影響を低減することだけを考慮しているが、前記運動協調性に影響をもたらす他の3つの要素は考慮されておらず、全体の角度から総合的な改善を行っていないので、運動協調性の改善状況の成果は明らかでない。中国特許出願公開番号第102323138号、中国特許出願公開第102494957号、中国実用新案登録第202362464号中では、ボックス体と土体の協調変形を得るために、いずれもボール(図7)またはローラー方式を使用するが、ボールまたはローラーの運動は制限を受け単一方向の運動しかできず、つまり、水平面での自由運動ができないので、単一方向振動台試験しかできない。改善手段として、中国特許出願公開番号第105675239号と中国実用新案登録第204286919号に記載された剪断モデルボックスは、主にボールとアルミニウムリングとの間の摩擦力を低減して、単一方向振動モデルボックスの性能を最適化し、さらにモデルボックスが単一方向振動の状況において土体とともに変形させることを目的とする。その手段としては、帯状の凹溝またはガイドスロット上にローラーを設置し、前記ボールは帯状凹溝またはガイドスロットの中で単一方向の自由運動しかできず、接触面積が小さいため、摩擦がより小さくなる。中国実用新案登録第204286731号では、スライドブロックを直線レール上で自由運動させることによって、土体とボックス体の単一方向における自由振動を実現する。中国実用新案登録第204389133号では、亜鈴型滑車がシュートの中で単一方向上でスライディングさせて、土体とボックス体との単一方向での自由振動を実現する。中国実用新案登録第204405424号に記載されたモデルボックスは、大型振動台試験(つまり常重力振動台試験)に使用されるもので、やはり滑車の滑り面上のスライディングによって運動の協調を実現し、やはり単一方向の地震動を模擬することしかできない。中国実用新案登録第204924601号は、深溝玉軸受を利用して剪断ボックスの水平単一方向運動を実現する。要するに、上記技術は単一方向振動台試験だけに使用することができ、両方向振動台試験中または三方向振動台試験には使用できない。
中国特許出願公開第103940977号は、プレストレスを加える方式によって、壁効果の影響を除去し、具体的な実施方法としては、スチールワイヤーのプレストレス値を調節することによって実現するが、当該方法には以下の問題が存在する。加えられるプレストレスはモデルボックスの水平剛度に影響をもたらし、つまり、垂直方向にプレストレスを加えた後、土体の変形による水平方向の変形が難しくなり、水平方向において硬くなったように見える。プレストレスを加えることによって、モデルボックスの垂直方向の剛度が土体の垂直方向の剛度と一致するようにさせるが、実は土体の垂直方向の剛度は変化するので、当該方法は境界を模擬する時に比較的大きな誤差が存在する。また、プレストレスを加える技術はかなり煩雑であり、精度も制御し難い。
中国特許出願公開第104865033号に記載された三方向剪断モデルボックスは、三方向地震動を受けた時の三方向上の自由移動を実現できるものの、境界効果を低減する問題だけを考慮し、前記運動の協調性に影響をもたらす他の3つの要素(例えば、垂直方向の剛度の土体変形に対する影響は考慮しない)は考慮せず、全体の角度から総合的な改善を行っておらず、三方向運動のデカップリング問題も考慮していないので、試験の誤差が比較的大きい。この他にも、このタイプのモデルボックスは常重力試験台試験だけに適合し、モデルボックスの寸法が大きくなった後、垂直方向の剛度の影響を無視した場合のみ、一定の使用性があり、このような所謂「三方向」剪断モデルボックスは、事実上一定の条件下で両方向振動台試験に使用することができる。
中国特許出願公開第105738196号は、大型振動台の垂直方向ローディングの多層剪断モデルボックスに関する常重力振動台であり、前記剪断モデルボックスは両方向振動(X、Z方向)を実現できるが、超重力条件下での三方向運動デカップリングは実現できない。
中国実用新案登録第201974280号は、大型地下構造振動台試験に用いる積層式両方向剪断モデルボックス装置に関する、常重力(大型)振動台試験に関するモデルボックスであり、前記モデルボックスの各積層フレームの下には3つ以上のスライディングカラムが均一に配置され、当該スライディングカラムの端部にはボールが嵌合される。前記スライディングカラムの対応する下層の積層フレーム上には縁が円形であるシュートが設置され、前記ボールはシュート内で環状運動をし、各積層フレームはスライディング装置によって連結されて、層状構造ボックス体の各層構造運動の独立性と関連性を確保するとともに、単一方向または両方向地震動の入力に適合するが、三方向地震動の入力には使用できず、三方向運動デカップリングも実現できない。
地震の人間の生産と生活に対する破壊的な影響がますます深刻になるにつれ、地震の原型場所の建物に対する影響を研究することが緊急に必要である。浅発地震は人間や建物に対する破壊力が最も大きく、その深さは一般的に5km以上であるため、常重力振動台と剪断ボックスは原型場所の地震の破壊を受ける状況を模擬することができないので、超重力遠心機振動台を用いて原型場所を模擬するしかない。モデル試験において、普遍的に土体応答の正確性は、土体構造システムの設計と評価を行う重要な要素であると認められており、実際の地震動は三方向(X、Y、Z三方向)なので、三方向の地震動を入力して実際の状況を模擬しなければならないが、目下使用されている両方向振動または単一方向振動は実際の状況を模擬することができない。そのため、模擬試験の正確性を実現するためには、超重力遠心機振動台のモデルボックスに三方向運動デカップリングを行わなければならないが、既存技術ではまだ実現できない。
既存技術の欠点を克服するために、本発明は、振動台モデルボックスに用いる三方向運動デカップリングの周期的構造および前記周期的構造の三方向運動デカップリング振動台モデルボックスおよびその用途を提供することを目的とする。本発明によって提供される周期的構造は、常重力または超重力振動台モデルボックスの三方向運動デカップリングに使用することができ、特に超重力振動台モデルボックスの三方向運動デカップリングに適する。
本発明は、下記構造からなる。すなわち、n個の周期的構造ユニットが順に重なってなり、前記周期的構造ユニットは第1サイドリミット層、平面デカップリング層、第2サイドリミット層、弾性層が順に重なってなり、nは2以上の正整数であり、前記第1サイドリミット層、弾性層、第2サイドリミット層、平面デカップリング層の断面形状は同じであり、前記第1サイドリミット層と第2サイドリミット層の材料は同様または異なり、前記周期的構造は地震動条件下での三方向運動デカップリングの実現に使用される、ことを特徴とする振動台モデルボックスの三方向運動デカップリングに用いる周期的構造である。
前記デカップリング層は、対称的に分布した複数のデカップリング部材を含み、前記デカップリング部材は、デカップリング素子やグリースおよび円形凹溝を含み、前記円形凹溝は、前記デカップリング部材の自由運動を実現し、且つ前記デカップリング部材の最大変位に対する制限を実現するために使用され、前記デカップリング素子とグリースは、モデルボックスと試験土体の水平方向運動同期化を実現するために使用され、前記デカップリング部材は、周期的構造ユニットの水平方向運動の相互不干渉を実現するために使用され、前記対称的に分布した複数のデカップリング部材は、水平方向の振動デカップリングを実現し、前記周期的構造ユニット同士の層間剪断歪みの一致性を確保することができる。
任意物体の運動は、いずれも三方向の運動に分解することができる。即ち、水平方向(X、Y方向)の運動と垂直方向(Z方向)の運動に分解できる。任意物体の変位は、いずれも当該三方向の運動を通じてベクトルの重なりとの組み合わせによって行われる。水平デカップリングのキーポイントは、モデルボックスが水平面上で試験土体と共に自由運動でき、つまり、水平方向の剪断強度が非常に低く、剪断強度がゼロであれば最も理想的な状況となる。そのため、発明者は、平面デカップリング層を設けて、第1サイドリミット層と第2サイドリミット層との間の連結部材とし、平面デカップリング層と二つのリミット層との間は転がり摩擦となっており、平面デカップリング層に含まれるグリースによって、水平方向剪断強度はほとんどゼロとなり、モデルボックスは試験土体に対して余分の作用力を発生させない。前記グリースをシリコーン油にすることもできる。
平面デカップリング層において、デカップリング素子は水平方向での変位制限は、第1サイドリミット層と第2サイドリミット層のそれぞれに、複数の円形凹溝を対称的に分布することによって実現され、その後、デカップリング素子を前記円形凹溝の中間に設置し、個々の円形凹溝中のデカップリング素子数は1つまたは複数個にすることができ、好ましい数は3つである。前記円形凹溝数は少なくとも3個とし、好ましくは12個とする。このような方式によって、水平方向の振動デカップリングを実現できるだけでなく、比較的優れた安定性を有し、サイドリミット層の水平方向における変位について一定の制限をおこなうことができ、一定の安全性を有する。好ましくは、前記デカップリング素子の形状は円形であり、さらに好ましくは、前記デカップリング素子はボールであり、さらに好ましくは、前記デカップリング素子はスチールボールまたはステンレスボールである。前記円形凹溝とデカップリング素子の寸法は、最大剪断変形:γmax=(R−r)/ΔHによって確定される。ここで、Rは円形凹溝の半径、rはデカップリング素子の半径、ΔHは二つの隣接する周期的構造の弾性層中心間の距離、γmaxは、試験土体の当該周期的構造の位置における最大剪断変形である。
前記弾性層は、モデルボックスの垂直方向の剛度を変えることに使用され、モデルボックスと試験土体の垂直方向運動の同期性を実現する。
前記平面デカップリング層と弾性層の協調作用によって、モデルボックスと試験土体の垂直方向と水平方向運動のデカップリングを実現する。
前記各周期的構造ユニットの平面デカップリング層のデカップリング部材は同様またはそれぞれ異なる。
さらに、前記サイドリミット層の材料は、密度≦7.85g/cm、弾性率≧40KN/mmであり、好ましくは、前記サイドリミット層の材料はアルミニウム合金である。
さらに、前記サイドリミット層は金属リングであり、好ましくは、前記金属リングはアルミニウム合金リングである。
前記サイドリミット層の材料は、軽量且つ高強度の性質を有すべきで、つまり、一方試験土体にサポート境界を提供し、一方モデルボックスが試験土体の土圧力によって生じる変形およびモデルボックスの振動慣性に対する影響を低減することができ、モデルボックスの振動が試験土体に影響を与える応答を避ける。そのため、前記サイドリミット層材料の密度≦7.85g/cm、弾性率≧40KN/mmである。
理想的には、サイドリミット層が土体によって生じる軸方向の力を受けるようにして、湾曲モーメント値を低減し、その第1の目的は、サイドリミット層の湾曲変形が試験土体に対する干渉を低減することである。そのため、前記サイドリミット層の形状は円形または正多角形であり、好ましくは、前記正多角形の辺数≧2m、mは正整数、m≧4であり、さらに好ましくは、前記正多角形の辺数=12である。
さらに、前記弾性層は、試験土体の弾性率によって材料を選定する必要がある。弾性層の主な作用はモデルボックスと土体垂直方向運動の同期性を確保することである。三方向振動台モデルボックスは周期的構造を使用しており、「第1サイドリミット層−平面デカップリング層−第2サイドリミット層−弾性層」を周期的構造ユニットとし、試験土体(モデル地盤土)は密度が均一であるが、応力は上から下に(剛度も増加)分布される土体である。試験土体とモデルボックス体の協調変形を実現するために、試験土体とモデルボックス体の垂直方向歪みの一致性を満たさなければならず、主に弾性層の垂直方向弾性率を制御することによって実現する。ボックス体の垂直方向変形同期性のキーポイントは、

である。
図7に示すとおり、第1サイドリミット層の弾性率はE、高さはh、平面デカップリング層の弾性率はE、高さはh、第2サイドリミット層の弾性率はE、高さはh、弾性層の弾性率はE、高さはh、土体の圧縮弾性率はE、試験土体の上方境界と弾性層との距離はhであり、垂直方向応力は、試験土体の深さ方向に沿って線形増大し、垂直応力=kh、ここで、kは線形係数であり、前記周期的構造の歪み:

は、試験土体の歪み:

と等しく、下記の計算式を満たす。

上記簡単な積分演算およびモデルボックスと試験土体の変形が等しいと、土体圧縮弾性率および2つのサイドリミット層と平面デカップリング層の弾性率を利用して、弾性層の垂直方向弾性率を逆に算出するとともに、当該弾性率値によって特定の弾性層材料を選定することができる。水平方向デカップリングは平面デカップリングによって実現され、弾性層は主に垂直方向の剛度を制御する役割を果たす。そのため、弾性層の各異方性パラメータは以下の条件を満たさなければならない。(i)弾性層の水平方向における剪断弾性率が小さければ小さいほど良く、最も理想的な状況は弾性層の剪断弾性率がゼロであることで、つまり、試験土体の剪断変形がモデルボックスによって抑制されないことである。(ii)弾性層の垂直方向における弾性率は、試験土体とモデルボックスとの協調変形を確保しなければならず、具体的なパラメータは上記3つの計算式で算出することができる。
さらに、前記弾性層材料はゴムである。
さらに、前記デカップリング材料は、弾性率≧160KN/mmを有し、好ましくは、前記デカップリング素子の材料はスチールまたはステンレスである。
さらに、前記デカップリング素子はスチールボールまたはステンレスボールである。
さらに、前記周期的構造の断面形状は円形または正多角形であり、好ましくは、前記正多角形の辺数≧2m、ここで、mは正整数、m≧4、さらに好ましくは、前記正多角形の辺数=12である。前記第1サイドリミット層、弾性層、第2サイドリミット層、平面デカップリング層の断面形状は同じであり、前記周期的構造の断面形状と同じである。前記断面形状とは、前記振動台モデルボックスの俯瞰平面図の断面形状を指す。
さらに、前記周期的構造ユニットは、さらに少なくとも2つのリミット装置を含み、前記リミット装置は、前記平面デカップリング層に対して垂直方向のリミット保護を実現することに使用され、第2サイドリミット層と第1サイドリミット層との垂直方向での相対変位が大き過ぎて離脱することを防げる。
さらに、前記リミット装置は、余分の長さを有する薄鉄片である。第1サイドリミット層と第2サイドリミット層は試験中に相互離脱してはならず、2つのリミット層上に薄鉄片を固定(例えば、ボルトで固定)することができ、薄鉄片は一定の余分の長さを有し、第1サイドリミット層と第2サイドリミット層が垂直方向において互いに分離しようとすると、また、デカップリング素子が円形の凹溝から抜け出ようとすると、薄鉄片がぴんと引っ張られ、デカップリング素子が円形凹溝から転がり出ることを防げる。薄鉄片の余分の長さlは、以下の式によって確定される。
l=max{(R−r),(Δh′−Δh)}
ここで、Δh′は第1サイドリミット層上の円形凹溝の上表面と第2サイドリミット層上の円形凹溝の下表面との間の距離、Δhは第1サイドリミット層と第2サイドリミット層との間の隙間の距離、Rは円形凹溝の半径、rはデカップリング素子の半径である。より一層の安全のために、前記薄鉄片の余分の長さlに一定の安全係数を掛け算して、実際の応用時の余分の長さとすることができる。余分の長さに薄鉄片を固定するポイントまでの距離を加えると、薄鉄片の長さが得られる。薄鉄片の数量は相対的に少なくして、正多角形の間隔に沿って配置することができる。
本発明の前記周期的構造は、常重力または超重力振動台モデルボックスの三方向運動デカップリングの実現に使用することができ、好ましくは、本発明の前記周期的構造は、特に超重力振動台モデルボックスの三方向運動デカップリングの実現に適する。本分野の技術者なら良く知っているように、常重力振動台モデルボックスは、通常大型で、材質が重く、硬度が高い材料(例えば、鋼材)で作られ、超重力振動台モデルボックスは、通常軽量で、強度の高い材料(例えば、アルミニウム材)で作られる。常重力振動台モデルボックスは超重力振動台モデル試験に使用できないが、超重力振動台モデルボックスは常重力振動台モデル試験に使用することができる。
さらに、前記超重力振動台の超重力遠心加速度の倍数Nは、N≧20であり、好ましくは、N≧50であり、好ましくは、N≧100であり、さらに好ましくは、N≧150である。
本発明の第2の目的は、三方向運動デカップリング振動台モデルボックスを提供することであり、前記モデルボックスは、基板、補助デカップリング部材、リミッター、前記任意の一種形式の周期的構造を含み、前記基板は振動台上に固定され、前記周期的構造は基板上に固定され、前記リミッターは、周期的構造外周に固定されるとともに、基板と連結されて、モデルボックスのリミット保護を形成し、前記補助デカップリング部材は、境界条件の試験結果に対する影響を低減する用途に使用されるとともに、変形の大きい状況において三方向のデカップリングを補助する。前記補助デカップリング部材は、前記モデルボックスの裏表面に位置し、それぞれ試験土体とモデルボックスと接触しており、前記モデルボックスは、常重力振動台試験と超重力振動台試験の三方向運動デカップリングに使用することができる。
さらに、前記超重力振動台の超重力遠心加速度の倍数Nは、N≧20であり、好ましくは、N≧50であり、好ましくは、N≧100であり、さらに好ましくは、N≧150である。
さらに、前記補助デカップリング部材は2層のゴム膜であり、ゴム膜とゴム膜との間にはグリースを塗っている。試験土体の応力が深さに沿って不均一に変化、試験土体の弾性率、歪みの非線形、ボックス体の製造工程が不正確などによって、ボックス体と土体との運動協調性要求を満たすことがなかなか難しい状況が発生する可能性があり、例えば、試験土体の水平方向の変形はモデルボックスに衝撃を与え、前述した各種要素によって、水平方向の運動同期性が実現できず、水平方向と垂直方向の運動が干渉し合う。そのため、2層のゴム膜を使用することによって、デカップリングを補完し、垂直方向運動と水平方向運動が互いにほとんど干渉しないようにして、運動の同期性を維持する。ゴム膜とゴム膜との間にはグリースを塗っており、ゴム膜の他の一面にはそれぞれモデルボックスと試験土体がゴム膜の摩擦力によって連結されるので、ゴム膜とゴム膜との間の分離を実現することができる。つまり、水平運動を垂直運動からさらに分離することができる。そのため、二層ゴム膜は、水平方向変形の垂直方向変形に対する妨害を除去するさらなる補助手段として使用することができる。
前記グリースはシリコーン油を使用することができる。
さらに、前記モデルボックスの断面形状は円形または正多角形であり、前記正多角形の辺数≧2m、mは正整数、m≧4である。
さらに、前記リミッターは門形フレームであり、前記門形フレームは取り外しが可能であり、好ましくは、前記門形フレームは十字形門形フレームである。理想的には、モデルボックスは試験土体の変形によって変形し、このような変形は相対的に小さい。しかし、安全とモデルボックスの正常な作動を確保するために、リミッターを設置して安全を確保する必要がある。前記モデルボックスは門形フレームリミッターを使用しており、門形フレームは取り外しが可能であり、サンプルを取り付ける段階でモデルボックス基板から取り外して、サンプルの取り付けが便利になり、モデル試験の前に再度固定・保護することができる。モデルボックスの上部から門形フレームまでの距離Δmの上限と下限は以下の方法によって確定する。
下限:一般試験土体の垂直方向変形範囲によって確定する。
上限:弾性層および平面デカップリング層の最大変形量によって確定し、弾性層は材料が不可逆の破壊性変形が発生する時点を限界とし、つまり、弾性材料の弾性限界を超え、平面デカップリング層のデカップリング素子が配置された円形凹溝から離脱する時点を限界とする。
本発明の第3の目的は、常重力または超重力条件における前記いずれかの構造の周期的構造の使用を提供することである。
本発明の第4の目的は、常重力または超重力条件における前記いずれかの構造の三方向運動デカップリング振動台モデルボックスの使用を提供することである。
(1)三方向運動デカップリング振動台モデルボックスは、三方向振動台試験中に使用され、常重力振動台試験と超重力振動台試験にいずれも使用することができ、具体的なモデル寸法とパラメータは対応する試験の要件によって確定する。特に三方向地震動試験の超重力振動台試験に適し、特に遠心加速度の倍数(N≧100)が非常に大きい超重力振動台試験に適する。
(2)デカップリング素子を設置し、グリースで潤滑することによって、モデルボックスは任意の水平方向に沿って自由に変形することができ、試験土体の水平剪断変形にはほとんど制約がなく、モデルボックスと試験土体との運動同期化を実現することができ、モデルボックスと試験土体の水平方向における運動の相互干渉を避け、圧縮波の発生を低減する。グリースで潤滑することによって、デカップリング素子とサイドリミット層との間の転がり摩擦をさらに低減して、モデルボックスが試験土体に発生させる余分の作用力を低減することができる。また、モデルボックスは軽量且つ高強度の材料で作られ、サイドリミット層リングは中空構造であるので、モデルボックス全体の質量を軽減することができ、モデルボックス質量が試験土体に発生させる横方向の慣性力を最小にして、モデルボックスが試験土体に発生させる余分の作用力をほとんどゼロにする。隣接する2つの周期的構造間に弾性層を配置することによって、モデルボックスの垂直方向の剛度を変えることができ、モデルボックスと試験土体の剛度を一致させて、モデルボックスと試験土体の垂直方向における同期性を確保する。デカップリング層と弾性層との組み合わせ作用によって、モデルボックスと試験土体の運動の同期化を実現することができ、モデルボックスと試験土体の3つの運動方向における相互間干渉がない(二つの水平方向に沿って引き起こされるモデルボックスの剪断変形および垂直方向に沿って引き起こされるモデルボックスの引っ張りまたは圧縮変形に相互間の影響がほとんどない)ことによって、モデルボックスは試験土体に対して余分の作用力を発生させず、三方向振動の運動デカップリングを実現する。
(3)高強度・軽量のサイドリミット層は、十分な剛度を有し、ボックス体に横方向の膨らみ変形(主に軸方向力で、湾曲モーメント作用は非常に小さい)が発生し難く、試験土体が横方向のゼロ変形条件を満たすようにさせる。
(4)試験土体とモデルボックスとの間に2層のゴム膜を配置することによって、モデルボックスの水平方向運動の垂直方向運動に対する干渉をさらに除去することができ、土体内部応力の原型に対する再分布を避けることができる。ゴム膜は、それぞれ試験土体およびモデルボックスと摩擦力によって接触し、2層のゴム膜の間にグリースを塗って、ゴム膜とゴム膜との自由な摺動を実現し、ゴム膜が試験土体およびモデルボックスと離脱しないようにし、モデルボックスの境界効果を低減することができる。
(5)周期的構造と2層のゴム膜との組み合わせ作用によって、振動モデルボックスの三方向運動デカップリングをより良く実現することができる。
(6)門形フレームの下部はモデルボックスの基板と連結され、自由に取付・取外しができ、超重力振動試験中においてモデルボックスに対するリミット保護をすることができる。
(7)異なるタイプの土壌サンプルにつき、ゴム層の材料性質を変えれば、垂直方向変形の一致性要求を満たすことができ、便利で実用的である。異なるタイプの土壌サンプルにつき、ボール層と正多角形金属リングは改めて材料を選定する必要がなく、繰り返して利用することができ、モデルボックスの適用性を向上し、材料を節約することができる。
本発明の前記三方向運動のデカップリング振動台モデルボックスの立体概略図である。 本発明の前記三方向運動のデカップリング振動台モデルボックスの正面図である。 本発明の前記三方向運動のデカップリング振動台モデルボックスの俯瞰図である。 本発明の前記周期的構造ユニットの概略図である。 本発明の前記周期的構造ユニットの寸法概略図である。 本発明の前記周期的構造ユニットの平面デカップリングの平面概略図である。 ボール軸受けの概略図である。 本発明の前記周期的構造の概略図である。
1 モデルボックス基板、2 正十二角形金属リング、3 リミット保護用門形フレーム、4 二層ゴム膜、5 ボール、6 円形凹溝、7 グリース、8 薄鉄片、9 ボルト、10 ゴム層、11 試験土体
図の中の各パラメータの意味:Δhは隣接する周期的構造の正十二角形アルミニウム合金リングと正十二角形アルミニウム合金リングとの間の隙間の距離、Δh′は同一の周期的構造の正十二角形アルミニウム合金リングの円形凹溝上表面と正十二角形アルミニウム合金リングの円形凹溝下表面との間の距離、Rは円形凹溝の半径、rはデカップリング素子の半径、lはボルト固定点間の距離、l+lは薄鉄片の長さ、Eは第1サイドリミット層の弾性率、hは第1サイドリミット層の高さ、Eは平面デカップリング層の弾性率、hは平面デカップリング層の高さ、Eは第2サイドリミット層の弾性率、hは第2サイドリミット層の高さ、Eは弾性層の弾性率、hは弾性層の高さ、Eは試験土体の圧縮弾性率、hは試験土体の上方境界と弾性層との間の距離。
以下では、添付図と実施例に組み合わせて、本発明についてさらに詳しく説明することにする。以下の実施例は本発明を説明するためだけであり、本発明の範囲を限定するものではない。また、本発明に記載された内容を読めば、本分野の技術者は本発明について各種変更や修正を行うことができるが、これらの等価形態は、同じく本願添付された特許請求の範囲の限定範囲に属することを理解されたい。
本発明は、振動台モデルボックスの三方向運動デカップリングに用いる周期的構造を提供し、前記周期的構造はn個の周期的構造ユニットが順に重なってなり、前記周期的構造ユニットは第1サイドリミット層、平面デカップリング層、第2サイドリミット層、弾性層が順に重なってなり、nは2以上の正整数であり、前記第1サイドリミット層、弾性層、第2サイドリミット層、平面デカップリング層の断面形状は同じであり、前記第1サイドリミット層と第2サイドリミット層の材料は同様または異なり、前記周期的構造は地震動条件下での三方向デカップリングを実現することができる。
前記デカップリング層は、対称的に分布した複数のデカップリング部材を含み、前記デカップリング部材はデカップリング素子やグリースおよび円形凹溝を含み、前記円形凹溝は前記デカップリング部材の自由運動を実現し、且つ前記デカップリング部材の最大変位に対する制限を実現するために使用され、前記デカップリング素子とグリースはモデルボックスと試験土体の水平方向運動同期化を実現するために使用され、前記デカップリング部材は周期的構造ユニットの水平方向運動の相互不干渉を実現するために使用され、前記対称的に分布した複数のデカップリング部材は、水平方向の振動デカップリングを実現し、前記周期的構造ユニット同士の層間剪断歪みの一致性を確保することができる。
前記平面デカップリング層は、第1サイドリミット層と第2サイドリミット層との間の連結部材となり、前記第1サイドリミット層と第2サイドリミット層上には、複数の円形凹溝が対称的に分布した状態で配置される。
前記弾性層は、モデルボックスの垂直方向の剛度を変えることに使用され、モデルボックスと試験土体の垂直方向運動の同期性を実現する。
前記平面デカップリング層と弾性層の協調作用によって、モデルボックスと試験土体の垂直方向運動と水平方向運動のデカップリングを実現する。
前記各周期的構造ユニットの平面デカップリング層のデカップリング部材は同様またはそれぞれ異なる。
好ましくは、前記サイドリミット層は正十二角形のアルミニウム合金リングであり、前記デカップリング素子はスチール製のボールであり、前記弾性層はゴム層であり、前記門形フレームはリミット保護用門形フレームであり、これらによって振動台モデル試験の三方向運動デカップリングモデルボックスの基本部材を構成する。
振動台試験に用いる三方向運動デカップリングモデルボックスは、モデルボックス基板1、正十二角形アルミニウム合金リング2、リミット保護用門形フレーム3、二層ゴム膜4、ボール5、円形凹溝6、グリース7、薄鉄片8、ボルト9、ゴム層10を含み、モデルボックス1は振動台上に固定され、周期的構造ユニットは「正十二角形アルミニウム合金リング2−ボール5−正十二角形アルミニウム合金リング2−ゴム層10」からなり、前記平面デカップリング層はボール5、グリース7、円形凹溝6からなる、ボルト9によって余分の長さが連結された薄鉄片8が周期的構造ユニットに対して安全保護を行い、幾つかの周期的構造ユニットは下から上へとモデルボックス基板1上に重なって、モデルボックス本体を構成する。各正十二角形アルミニウム合金リング2の間にボール5を配置することによって、モデルボックスの水平方向における自由変形を実現することができ、ボール5は円形凹溝6の中に置くとともに、グリース7で潤滑し、円形凹溝6はモデルボックスの水平方向変位を制限することができ、正十二角形アルミニウム合金リング2の間に特定のゴム層10を挟ませることによって、モデルボックスの垂直方向の剛度を変えることができ、隣接する正十二角形アルミニウム合金リング2上にはボルト9が設置され、ボルト9の下には余分の長さを有する薄鉄片8が押えられ、これによって、垂直方向の変位を制限する。平面デカップリング層とゴム層の組み合わせ作用によって、モデルボックスと試験土体の運動の同期化を実現し、モデルボックスと試験土体は3つの運動方向において相互間の干渉がなく(二つの水平方向に沿って引き起こされたモデルボックスの剪断変形と垂直方向に沿って引き起こされたモデルボックスの引っ張りまたは圧縮変形に相互間の影響がほとんどない)、モデルボックスが試験土体に対して余分の作用力を発生させず、三方向振動の運動デカップリングを実現する。
二層ゴム膜4は二層のゴム膜からなり、ゴム膜とゴム膜との間にはグリース7(シリコーン油も可)を充填し、ゴム膜のグリースを塗っていない面はそれぞれモデルボックスと試験土体11と接触し、これによってゴム膜とゴム膜との間の相対自由変形を実現し、境界効果の影響を低減するとともに、水平方向振動の垂直方向振動に対する影響を低減する。周期的構造と二層ゴム膜の組み合わせ作用によって、振動モデルボックスの三方向運動デカップリングをより良く実現することができる。
モデルボックスの上部には、十字形のリミット保護用門形フレームが設置され、リミット保護用門形フレーム3はモデルボックス基板1と連結され、モデルボックスの垂直方向変形に対するリミット保護を行う。
ゴム層の材料選定において、
に従って、下記計算式によってゴム層の弾性率を推算する。

ここで、第1サイドリミット層の弾性率はE、高さはh、平面デカップリング層の弾性率はE、高さはh、第2サイドリミット層の弾性率はE、高さはh、弾性層の弾性率はE、高さはh、土体の圧縮弾性率はE、試験土体の上方境界と弾性層との距離はhであり、垂直方向応力の試験土体の深さ方向に沿って線形増大し、垂直応力=khであり、kは線形係数である。上記簡単な積分演算によって、モデルボックスと試験土体の変形が同じであれば、土体の圧縮弾性率および二つの正十二角形アルミニウム合金リングとボールの弾性率および対応する高さによって、ゴム層の垂直方向の弾性率を逆算出するとともに、当該弾性率値によって、特定のゴム材料を選定することができる。
円形凹溝の寸法は、土体の当該周期的構造の位置における最大剪断歪みによって確定し、γmax=(R−r)/ΔHである。ここで、Rは円形凹溝の半径、rはデカップリング素子の半径、ΔHは2つの隣接周期的構造の弾性層中心間の距離、γmaxは、試験土体の当該周期的構造の位置における最大剪断変形である。γmaxは土体の性質によって事前に推量することができ、その後、選定されたボールの寸法によって、円形凹溝の寸法を逆算出することができる。
薄鉄片の余分の長さlは、以下の式によって確定することができる。
l=max{(R−r),(Δh′−Δh)}
ここで、Δh′は第1サイドリミット層上の円形凹溝の上表面と第2サイドリミット層上の円形凹溝の下表面との間の距離、Δhは第1サイドリミット層と第2サイドリミット層との間の隙間の距離、Rは円形凹溝の半径、rはデカップリング素子の半径である。より一層の安全のために、前記薄鉄片の余分の長さlに一定の安全係数を掛け算することができる。例えば、安全係数を1.1とする。
モデルボックスの上部から門形フレームまでの距離Δmの上限と下限は以下の方法によって確定する。
下限:一般試験土台の垂直方向変形範囲によって確定する。一般土体の地震状態での垂直方向の歪み範囲に、試験土体の高さを掛けることによって土体の垂直方向変形が得られる。
上限:弾性層および平面デカップリング層の最大変形量によって確定し、弾性層は材料が不可逆の破壊性変形が発生する時点を限界とし、つまり、弾性材料の弾性限界を超え、平面デカップリング層のデカップリング素子が配置された円形凹溝から離脱する時点を限界とする。
以下は3つの具体的な剪断モデルボックスである。
(実施例1)
剪断モデルボックス1は、正十二角形リングの周期的構造を重ねて形成され、周期的構造の外周の各辺の長さは13.1cm、内接円の半径は50cm、各層の周期的構造は高強度の軽量Al−Mg合金で作られ、モデルボックス全体の高さは61cmである。三方向振動台モデルボックスは、合計10個の周期的構造からなり、正十二角形Al−Mg合金リングの高さは25mm/層であり、隣接する周期的構造は10mm厚さの特製のゴムで連結し、圧力成形され、正十二角形Al−Mg合金リングの間の隙間幅は1mmであり、周期的構造の正十二角形Al−Mg合金リングには、各辺の中心に円形の凹溝が形成され、合計12個の円形凹溝が形成されている。各円形凹溝の中にはスチール製のボール1個が配置されている。層の間の最大許容変位は2.5mmである。薄鉄片の余分の長さは2mmである。モデルボックスの上部には十字形の門形フレームが架設され、門形フレームの下部はモデルボックスの基板と連結され、モデルボックスのリミット保護を形成し、二層のゴム膜を利用して垂直方向と水平方向デカップリングの補助手段とする。
(実施例2)
剪断モデルボックス2は、円形リングの周期的構造を重ねて形成され、内接円半径は60cm、外接円半径は62cmである。各層の周期的構造は高強度の軽量B−Al合金で作られ、モデルボックス全体の高さは51cmである。三方向振動台モデルボックスは、合計10個の周期的構造からなり、正十二角形アルミニウム合金リングの高さは20mm/層であり、隣接する周期的構造は10mm厚さの特製ゴムで連結し、圧力成形され、円形B−Al合金リングの間の隙間幅は1mmであり、周期的構造の円形B−Al合金リングの各辺の中心に均一に円形の凹溝が形成され、合計16個の円形溝が形成されている。各円形凹溝の中にはスチール製のボール1個が配置されている。層の間の最大許容変位は2.5mmである。薄鉄片の余分の長さは2.2mmである。モデルボックスの上部には十字形の門形フレームが架設され、門形フレームの下部はモデルボックスの基板と連結され、モデルボックスのリミット保護を形成し、二層のゴム膜を利用して垂直方向と水平方向デカップリングの補助手段とする。
(実施例3)
剪断モデルボックス3は、正八角形リングの周期的構造を重ねて形成され、周期的構造の外周の各辺の長さは14.2cm、内接円の半径は45cm、各層の周期的構造は高強度の炭素繊維にエポキシ樹脂を充填して成形され、モデルボックス全体の高さは71cmである。三方向振動台モデルボックスは合計10個の周期的構造からなり、正八角形の高強度炭素繊維リングの高さは30mm/層であり、隣接する周期的構造は10mm厚さの特製ゴムで連結し、圧力成形され、正八角形の高強度炭素繊維リング間の隙間の幅は1mmであり、周期的構造の正八角形の高強度炭素繊維リングの各辺の中心に円形の凹溝が形成され、合計8個の円形凹溝が形成されている。各円形凹溝の中にはスチール製のボール1個が配置されている。層の間の最大許容変位は2.5mmであり、薄鉄片の余分の長さは1mmである。モデルボックスの上部には十字形の門形フレームが架設され、門形フレームの下部はモデルボックスの基板と連結され、モデルボックスのリミット保護を形成し、二層のゴム膜を利用して垂直方向と水平方向デカップリングの補助手段とする。
センサを利用してモデルボックスと土体の変形に対するモニタリングを行い、モデルボックスとモデル土体の協調性を反映することができ、つまり、三方向運動デカップリング周期的構造のデカップリング特性が示される。具体的には、レーザー変位計を利用してモデル土体とモデルボックスの垂直方向変位を測定して、垂直方向運動の協調性を反映し、三方向加速度計を利用してモデル土体中部の加速度とモデル土体境界の加速度を測定して、水平両方向運動の協調性を反映する。モデルボックスに優れたデカップリング特性がなければ、同期変位誤差も大きくなり、加速度の誤差も大きくなり、三方向振動に厳重な相互間干渉が発生する。
常重力と、20g、50gおよび100gの超重力環境のそれぞれにおける、本発明のモデルボックスの三方向運動デカップリング効果を測定した。その結果、本発明のモデルボックスとモデル土体は超重力三方向振動の環境において、垂直方向誤差を10%以内に制御することができ、モデル土体中部と境界土体の三方向加速度誤差を10%以内に制御することができ、許容誤差範囲内において、優れた三方向デカップリング効果が得られた。常重力環境においては、更に優れたデカップリング特性があり、その変位誤差と三方向加速度誤差は5%以内に制御することができた。

Claims (24)

  1. 振動台モデルボックスのX、Y、Z三方向における運動の分離を実現するための三方向運動デカップリングに用いる前記振動台モデルボックスの周期的構造であって、
    n個の周期的構造ユニットが順に重なってなり、前記周期的構造ユニットは第1サイドリミット層、平面デカップリング層、第2サイドリミット層、弾性層が順に重なってなり、nは2以上の正整数であり、前記第1サイドリミット層、弾性層、第2サイドリミット層、平面デカップリング層の前記振動台モデルボックスの中心線と直交する面での断面形状は同じであり、前記第1サイドリミット層と第2サイドリミット層の材料は同様または異なり、前記周期的構造は地震動条件下での三方向運動デカップリングの実現に使用されること、また、前記周期的構造ユニットは、前記振動台モデルボックスの側壁を形成しており、試験土体が、前記側壁内に内蔵されていること、
    前記サイドリミット層とは金属リングであること、
    前記デカップリング層は、対称的に分布した複数のデカップリング部材を含み、前記デカップリング部材は、デカップリング素子、グリースおよび円形凹溝を含み、前記円形凹溝は、前記デカップリング部材の自由運動を実現し、且つ前記デカップリング部材の最大変位に対する制限を実現するために使用され、前記デカップリング素子とグリースは、前記試験土体の水平方向運動同期化を実現するために使用され、前記デカップリング部材は、周期的構造ユニットの水平方向運動の相互不干渉を実現するために使用され、前記対称的に分布した複数のデカップリング部材は、水平方向の振動デカップリングを実現し、前記周期的構造ユニット同士の層間剪断歪みの一致性を確保すること、
    前記平面デカップリング層は、第1サイドリミット層と第2サイドリミット層との間の連結部材となり、前記第1サイドリミット層と第2サイドリミット層上には、複数の円形凹溝が対称的に分布した状態で配置されること、
    前記弾性層は、モデルボックスの垂直方向の剛度を変えることに使用され、モデルボックスと試験土体の垂直方向運動の同期性を実現すること、
    前記平面デカップリング層と弾性層の協調作用によって、モデルボックスの三方向運動デカップリングを実現すること、
    前記各周期的構造ユニットの平面デカップリング層のデカップリング部材は同様またはそれぞれ異なること、
    を特徴とする振動台モデルボックスの三方向運動デカップリングに用いる周期的構造。
  2. 超重力振動台モデルボックスの三方向運動デカップリングを実現することを特徴とする請求項1に記載の周期的構造。
  3. 前記超重力振動台モデルボックスの超重力遠心加速度の倍数Nは、N≧20であることを特徴とする請求項2に記載の周期的構造。
  4. 前記サイドリミット層の材料は、密度≦7.85g/cm、弾性率≧40KN/mmであり、前記サイドリミット層の材料はアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1に記載の周期的構造。
  5. 前記サイドリミット層の形状は、円形または正多角形であり、前記正多角形の辺数≧2m、mは正整数、m≧4であることを特徴とする請求項1に記載の周期的構造。
  6. 前記周期的構造の歪みは、試験土体の歪みと等しく、下記の計算式を満たし、
    そのうち、
    は、周期的構造の歪みであり、
    は、試験土体の歪みであり、
    第1サイドリミット層の弾性率はE、高さはh、平面デカップリング層の弾性率はE、高さはh、第2サイドリミット層の弾性率はE、高さはh、弾性層の弾性率はE、高さはh、土体の圧縮弾性率はE、試験土体の上方境界と弾性層との距離はhであり、垂直方向応力は、試験土体の深さ方向に沿って線形増大し、垂直応力=kh、ここで、kは線形係数であることを特徴とする請求項1に記載の周期的構造。
  7. 前記弾性層材料はゴムであることを特徴とする請求項1に記載の周期的構造。
  8. 前記デカップリング材料は、弾性率≧160KN/mmを有し、前記デカップリング素子の材料はスチールまたはステンレスであることを特徴とする請求項1に記載の周期的構造。
  9. 前記デカップリング素子の形状は円形であることを特徴とする請求項1に記載の周期的構造。
  10. 前記デカップリング素子はボールであることを特徴とする請求項1に記載の周期的構造。
  11. 前記円形凹溝とデカップリング素子の寸法は、最大剪断歪みによって確定し、γmax=(R−r)/ΔHであり、そのうち、Rは円形凹溝の半径であり、rはデカップリング素子の半径であり、ΔHは2つの隣接周期的構造の弾性層中心間の距離であり、γmaxは試験土体の当該周期的構造の位置における最大剪断変形であることを特徴とする請求項9または10に記載の周期的構造。
  12. 前記デカップリング素子数は1つまたは複数個であることを特徴とする請求項1に記載の周期的構造。
  13. 前記円形凹溝数は少なくとも3個以上であることを特徴とする請求項1に記載の周期的構造。
  14. 前記周期的構造の前記断面形状は円形または正多角形であり、前記正多角形の辺数≧2m、mは正整数、m≧4であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の周期的構造。
  15. 前記周期的構造ユニットは、前記第1サイドリミット層と前記第2サイドリミット層とを連結する薄鉄片形状のリミット装置を含み、前記リミット装置は、前記平面デカップリング層に対して垂直方向のリミット保護を実現することに使用され、第2サイドリミット層と第1サイドリミット層との垂直方向での相対変位が大き過ぎて離脱することを防げることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の周期的構造。
  16. 前記リミット装置は、余分の長さを有する薄鉄片であることを特徴とする請求項15に記載の周期的構造。
  17. 前記薄鉄片の余分の長さlは、以下の式:
    l=max{(R−r),(Δh′−Δh)}
    によって確定され、
    ここで、Δh′は第1サイドリミット層上の円形凹溝の上表面と第2サイドリミット層上の円形凹溝の下表面との間の距離であり、Δhは第1サイドリミット層と第2サイドリミット層との間の隙間の距離であり、Rは円形凹溝の半径であり、rはデカップリング素子の半径であることを特徴とする請求項16に記載の周期的構造。
  18. 三方向運動デカップリング振動台モデルボックスであって、
    前記モデルボックスは、基板、補助デカップリング部材、リミッター、請求項1〜17のいずれか1つに記載の周期的構造を含み、前記基板は振動台上に固定され、前記周期的構造は基板上に固定され、前記リミッターは、前記周期的構造を囲んで設けられると共に、基板と連結されて、前記周期的構造がX、Y、Z三方向に大きく変形したときに当接して、それ以上の変形を防止すること、
    前記補助デカップリング部材は、境界条件の試験結果に対する影響を低減する用途に使用されるとともに、変形の大きい状況において三方向のデカップリングを補助すること、
    前記補助デカップリング部材はゴム膜であって、前記周期的構造と前記試験土体の間に位置し、それぞれの表面が前記試験土体と前記周期的構造と接触すること、
    前記モデルボックスは、常重力振動台試験と超重力振動台試験の三方向運動デカップリングに使用すること、
    を特徴とする三方向運動デカップリング振動台モデルボックス。
  19. 前記超重力振動台モデルボックスの超重力遠心加速度の倍数Nは、N≧20であることを特徴とする請求項18に記載の三方向運動デカップリング振動台モデルボックス。
  20. 前記補助デカップリング部材は2層のゴム膜であり、ゴム膜とゴム膜との間にはグリースを塗っていることを特徴とする請求項18または19に記載の三方向運動デカップリング振動台モデルボックス。
  21. 前記モデルボックスの前記断面形状は円形または正多角形であり、前記正多角形の辺数≧2m、mは正整数、m≧4であることを特徴とする請求項18または19に記載の三方向運動デカップリング振動台モデルボックス。
  22. 前記リミッターは門形フレームであり、前記門形フレームは取り外しが可能であることを特徴とする請求項18〜21のいずれか1つに記載の三方向運動デカップリング振動台モデルボックス。
  23. 常重力または超重力条件において使用することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1つに記載の周期的構造。
  24. 常重力または超重力条件において使用することを特徴とする請求項18〜22のいずれか1つに記載の三方向運動デカップリング振動台モデルボックス。
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