JP6619598B2 - プログラム、記録媒体、輝度演算装置及び輝度演算方法 - Google Patents
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Description
(ここで、Lin(x,ω')は入射放射輝度、fとnは物体表面のBRDFと法線)
をRSMの分解能レベルに限定したとしても演算量が多くなり得るため、VPLのランダムサンプリングを行って加重平均を行うモンテカルロ積分が採用される。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、輝度演算装置の一例としての、リアルタイムグローバルイルミネーションを適用した画面を描画可能なPCに、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、描画機能を有さずとも放射輝度の演算を行うことが可能な任意の機器に適用可能である。
図1は、本発明の実施形態に係るPC100の機能構成を示すブロック図である。
以下、上述の課題を解決するために、輝度演算処理に際し、寄与を考慮する光源数を低減しつつ、好適な輝度表現がなされる合成仮想光源の生成を行うクラスタリング手法について説明する。本手法では、クラスタリングにおいては演算量低減のためにk平均法は用いず、合成仮想光源のパラメータ取得も効率化するためにクラスタ内のVPLのパラメータの平均から求める。
ところで、輝度演算に係るモンテカルロ積分における分散を低減するために、Krivanekらが提案(Jaroslav Krivanek、外1名著、"Real-time shading with filtered importance sampling"、Eurographics Symposium on Rendering 2008、Volume 27 Number 4、pp.1147-1154、2008年)するFIS(Filtered Importance Sampling)がある。
で近似される(ここで、ωiはサンプリング方向のベクトル、fはBRDFとコサイン項の積、Leは環境マップから取得される放射輝度、pはPDF)ため、
であることが理想的となる。しかしながら、上記の式を満たすPDFを効率的に計算するのは難しい。そこで
という簡単なPDFを用いることが多い。しかしながら、画像で与えられる全周囲の環境マップから輝度を取得する場合、環境マップのダイナミックレンジが広くなり得るため上記条件が成立しがたく、ノイズの要因となる。
で近似される。なお、liは最大のミップレベル(最下層(分解能が高い)のミップレベル)をlmaxとすると
となる。即ち、密度(N・p(ωi))が高ければ分解能の高い環境マップから値取得がなされ、密度が低ければ分解能の低い環境マップから値取得がなされる。ここで、ミップマップから対応する領域のフィルタリングされた値を取得するためLeは1つのサンプリング方向あたり1つの値を参照すればよい。FISでは
であるとき、推定値がフィルタリングされた値のみとなるので、ノイズを低減することができる。
KrivanekらのFISでは、決定したサンプル点について、該サンプル点の確率密度に応じて参照するミップレベルの画像から値取得が行われる。本発明における合成光源のパラメータはRSMのクラスタ内の画素の平均値から求められるので、FISを用いることで重複や間隙のある近似的なクラスタリングが実現可能であるように思える。しかしながら実際には、KrivanekらのFISを単純にk平均法に代替して適用する場合、好適な輝度演算結果とならない場合がある。これは、PDFの二次元分布であるインポータンスマップに設定したクラスタの中心点の値(確率密度)に応じてクラスタサイズ(ミップレベルに対応)を定めるた場合、図4のようなk平均法で重複や間隙のないクラスタリングを行う場合とは異なり、クラスタの重複や間隙の度合いが極めて大きくなり得ることによる。
ここで、Ωiは1つのクラスタを指し、Nがクラスタ数またはサンプル数を示す。
のように近似される。
として近似することができる。
このような本実施形態のPC100において実行される合成仮想光源生成処理について、図2のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本合成仮想光源生成処理は、画面に係るシェーディング処理に先立って実行されるものとして説明する。また、以下の合成仮想光源生成処理では、RSMを参照して仮想光源の各種パラメータを取得するものとして説明する。
次に、合成仮想光源生成処理により生成されたクラスタ数のVSGLからの寄与を演算する輝度演算処理(シェーディング処理)について、図3のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより、輝度演算部106に実現させることができる。なお、本輝度演算処理は、例えば生成する画面の各画素に描画されるオブジェクトの情報が確定した後に開始されるものとして説明する。
上述した実施形態では、いずれのミップレベルのRSMからパラメータ取得を行うかの決定に際し、ミップマップ化されたインポータンスマップを用いて各クラスタの確率密度の総和を探索するものとして説明した。これは、各ミップレベルの画素がマップ内の正方領域に対応しており、拡がり(形状)を球状の合成仮想光源として近似しやすい側面があったが、本発明の実施は上記手法に限られるものではない。本発明は、インポータンスマップを用いた探索において、所定の矩形領域の画素の総和値を簡易的に(1オーダーで)取得可能なデータ構造を用いるものであれば適用可能であり、例えばSummed Area Table(SAT)等を用いても演算量の低減を実現することが可能である。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。また本発明に係る輝度演算装置は、コンピュータを該輝度演算装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
Claims (10)
- コンピュータに、シーンの大域照明に係り定められた複数の仮想光源の空間分布及び各仮想光源のパラメータを示す二次元マップに基づき行われる輝度演算であって、該複数の仮想光源をより少ない所定数の合成仮想光源に近似して行われる輝度演算について、前記所定数の合成仮想光源それぞれのパラメータを決定する処理を行わせるプログラムであって、
前記プログラムは、
前記二次元マップに対応して生成された、前記シーンのインポータンスマップであって、要求された領域のインポータンスの総和が得られるデータ構造を有するインポータンスマップを取得する処理と、
前記所定数の合成仮想光源の各々について、インポータンスの総和が所定値となる合成領域を前記インポータンスマップにおいて設定する処理と、
前記所定数の合成仮想光源の各々について、設定された前記合成領域に対応する前記二次元マップの領域に基づいて該合成仮想光源のパラメータを決定する処理と、を有し、
各合成仮想光源に設定された前記合成領域に係るインポータンスの総和を前記所定数の合成仮想光源について合計した値が、前記インポータンスマップ全域のインポータンスの総和と対応するプログラム。 - 各合成光源に設定された前記合成領域に係るインポータンスの総和が、前記インポータンスマップ全域のインポータンスの総和を前記所定数で除した値に対応する請求項1に記載のプログラム。
- 前記二次元マップも前記データ構造を有し、
各合成仮想光源のパラメータは、該合成仮想光源について設定された前記合成領域に対応する前記二次元マップの領域のパラメータの総和に基づいて決定される請求項1または2に記載のプログラム。 - 各合成仮想光源が、該合成仮想光源につき設定された前記合成領域の大きさと、該合成領域に対応する前記二次元マップの領域のパラメータの総和に基づく値に基づいて定められる、該合成仮想光源を定義する位置を中心とした仮想球光源である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプログラム。
- パラメータが決定された前記所定数の合成仮想光源に基づき、前記シーンの大域照明に係る輝度演算処理を、前記コンピュータにさらに実行させる請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプログラム。
- 前記データ構造が、空間分解能が異なる複数のレベルを有するミップマップであり、
ミップマップの各画素値が、最も空間分解能が高いレベルのミップマップの、該画素に対応する領域の画素値の総和に基づく請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプログラム。 - 前記二次元マップが、リフレクティブシャドウマップまたは環境マップである請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプログラム。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- シーンの大域照明に係り定められた複数の仮想光源の空間分布及び各仮想光源のパラメータを示す二次元マップに基づき行われる輝度演算であって、該複数の仮想光源をより少ない所定数の合成仮想光源に近似して行われる輝度演算を実行する輝度演算装置であって、
前記二次元マップに対応して生成された、前記シーンのインポータンスマップであって、要求された領域のインポータンスの総和が得られるデータ構造を有するインポータンスマップを取得する取得手段と、
前記所定数の合成仮想光源の各々について、インポータンスの総和が所定値となる合成領域を前記インポータンスマップにおいて設定する設定手段と、
前記所定数の合成仮想光源の各々について、設定された前記合成領域に対応する前記二次元マップの領域に基づいて該合成仮想光源のパラメータを決定する決定手段と、を有し、
各合成仮想光源に設定された前記合成領域に係るインポータンスの総和を前記所定数の合成仮想光源について合計した値が、前記インポータンスマップ全域のインポータンスの総和と対応する輝度演算装置。 - シーンの大域照明に係り定められた複数の仮想光源の空間分布及び各仮想光源のパラメータを示す二次元マップに基づき行われる輝度演算であって、該複数の仮想光源をより少ない所定数の合成仮想光源に近似して行われる輝度演算を実行する輝度演算方法であって、
前記二次元マップに対応して生成された、前記シーンのインポータンスマップであって、要求された領域のインポータンスの総和が得られるデータ構造を有するインポータンスマップを取得する取得工程と、
前記所定数の合成仮想光源の各々について、インポータンスの総和が所定値となる合成領域を前記インポータンスマップにおいて設定する設定工程と、
前記所定数の合成仮想光源の各々について、設定された前記合成領域に対応する前記二次元マップの領域に基づいて該合成仮想光源のパラメータを決定する決定工程と、を有し、
各合成仮想光源に設定された前記合成領域に係るインポータンスの総和を前記所定数の合成仮想光源について合計した値が、前記インポータンスマップ全域のインポータンスの総和と対応する輝度演算方法。
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