JP6609620B2 - バイオマス細胞を破壊するための方法および装置 - Google Patents

バイオマス細胞を破壊するための方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、懸濁バイオマス材料を破壊するための方法、関連装置(および(並列)システムスタック)、ならびにその使用に関する。
また、本発明は、(破壊済みバイオマス材料からの)(有用)細胞状物質を可溶化するための方法、関連装置(および(並列)システムスタック)、ならびにその使用に関する。
本発明により、(破壊済みバイオマス材料から)得られた細胞状物質を続いて選択的抽出(または分離)することが可能となる。
生物学的ソース(細菌、酵母、藻類、植物組織、および動物組織を含む)由来の様々なバイオプロダクトを利用するためには、微生物構造により懸濁媒中に分泌されない細胞内産物の遊離が主に重要となる。細胞壁は、構造強度を与え、典型的には産物の遊離にとって主な障壁となる。また、細胞膜は、細胞壁が存在しない状態では容易に破壊される。
当技術では、細胞内産物の解放のために様々な破壊技法が既に利用可能である。
既知の機械的細胞破壊方法は、例えばボールミリング、ビーズミリング、高圧均質化、高速均質化、高圧での狭開口への試料の押し通し、また超音波ホモジナイザを用いて適用される方法などがある。
これらの機械的方法の主な欠点は、摩擦により細胞に作用する剪断力であり、この剪断力は、高速で細胞を克服しようと試みると、熱の生成に繋がり、結果として高温を発生させる。高温に加えて、キャビテーション細胞破壊方法(高速均質化、高圧均質化、および超音波均質化など)により、極度の圧力差が生じる。これらは、生成した細胞抽出物の成分に対して有害な影響を生じさせ得る。
より緩やかな方法は、例えば(従来の)爆発的減圧方法として当技術で知られる細胞の物理的減圧などにより実現される。ヘンリーの法則によれば、細胞中の気体は、より高い気体圧において増加し、したがって細胞膜は、急激な圧力解放により破裂される。これは、溶解気体が十分な速さで逃げることができず、増加する気泡の形態で細胞内に泡となって現れることによって生じる。結果として、細胞に対して作用する機械的負荷は、細胞が破裂し、細胞内容物が解放されるまで上昇する。
しかし、従来の爆発的減圧方法の欠点は、比較的容易に崩壊する細胞のみが効率的に破壊され得るため、これにより酵素の使用などの非機械的破壊プロセスの追加的な適用を必要とするという点にある。さらに、これにより、かかる破壊プロセスは大規模型の適用では不採算となる。
機械的方法は、非機械的方法に比べてより高い商業的適用性を見出している。なぜならば、非機械的方法は、プロセススケールでは動作面および経済面において制約が推察されるからである。しかし、機械的方法を利用する欠点としては、産物の非選択的な解放および細胞デブリの微粒子化が含まれ、これらによってさらに下流のプロセスが複雑化する。
さらに、細胞破壊を細胞内産物の形成および回収(抽出)と組み合わせることが重要である。
細胞内産物の抽出は、例えば超臨界流体などにより実行されることが当技術で知られている。この用語は、純物質の相対位相図において定義される臨界温度および臨界圧力を上回る気体または液体に関係している。利点は、超臨界領域においては溶解の困難な物質の可溶性が上昇する点である。さらに、可溶性は、圧力または温度の変化により依然として制御可能である。しかし、水中の超臨界形態の物質の可溶性は、一般的には液体形態の同物質の可溶性よりも低い。したがって、通常は、完全に乾燥したバイオマスが、当技術で既知の超臨界抽出方法では使用される。
一例としては、WO2008/05537A1に記載されるような超臨界CO2による茶のカフェイン除去が挙げられる。化学工業および食品工業における他の適用もまた、十分に確立された方法となっており、例えば超臨界CO2または超臨界プロパンによる油、ショウガ、ブラックペッパー、またはチリパウダーの抽出などがある。
米国特許第5,306,637号は、酵素破壊が続いて急激な圧力解放にリンクされることにより、細胞が破裂し、中に含まれる有用物質を効果的に解放する、細胞破壊のための方法について記載している。米国特許第5,306,637号は、微生物細胞の破壊のために、およびタンパク質または核酸などの細胞内成分の抽出のために、任意選択でエントレーナ剤を添加した超臨界またはほぼ超臨界の二酸化炭素を使用する。しかし、この場合には、使用される気体混合物の回収が、極めて大きな問題となり、したがってこのプロセスは、産業スケールでは適用されない。
米国特許出願公開第2011/0183403号は、後に続く細胞有用物質の選択的抽出および分離を含む加圧、霧化、および減圧の組合せによる生物起源懸濁原材料の細胞破壊のための方法について記載している。この方法により、生物起源懸濁原材料の細胞破壊および細胞有用物質の溶解の同時の実施が実現される。
WO2008/05537A1 米国特許第5,306,637号 米国特許出願公開第2011/0183403号
本発明の態様は、先行技術の方法および装置の欠点を解消する、懸濁バイオマス材料を破壊するための改良された方法と関連装置(および(並列)システムスタック)とを提供することを想定する。
より具体的には、懸濁バイオマス材料を物理的(非機械的)に穏当に破壊するための方法ならびに関連装置(および(並列)システムスタック)を提供することが想定される。
したがって、本発明の態様は、高スループットで(先行技術の方法および装置に比べて)懸濁バイオマス材料から(有用)細胞状物質を獲得(または生成)することを可能にする、かかる方法ならびに関連装置(および(並列)システムスタック)を提供することを想定する。
本発明の態様は、獲得した(有用)細胞状物質の可溶化および/または後に続く選択的抽出もしくは分離との統合を可能にする、懸濁バイオマス材料を破壊するためのかかる方法と、関連装置(および(並列)システムスタック)とを提供することを想定する。
より具体的には、懸濁バイオマス材料からの細胞状物質を続いて可溶化することと、好ましい産物または生化学物質の抽出率を調整することによる汚染負荷の最小限化とを実現することが想定される。可溶化後の、獲得した細胞状物質を続いて選択的抽出または分離することもまた想定される。
本発明の態様は、操業費用(OPEX)(もしくは総コスト)の削減(先行技術の方法および装置に比べて)を可能にし産業スケールでの適用性を与える、(任意選択による)獲得した細胞状物質の可溶化および/または後に続く選択的抽出もしくは分離と組み合わされた、懸濁バイオマス材料を破壊するためのかかる方法(および関連装置および(並列)システムスタック)を提供することを想定する。
したがって、本発明の態様によれば、添付の特許請求の範囲に示すような、懸濁バイオマス材料を破壊するための方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、添付の特許請求の範囲に示すような、懸濁バイオマス材料を破壊するための装置が提供される。
本発明の別の態様によれば、本発明の装置に基づく、懸濁バイオマス材料を破壊するための(並列)システムスタックが提供される。
本発明の他の態様によれば、添付の特許請求の範囲に示すような、本発明の装置の使用が提供される。
本発明の有利な態様は、従属請求項に示される。
同一の参照数字が同一の特徴部を示す添付の図面を参照として、本発明の態様がさらに詳細に説明される。図面においては、全ての代替およびオプションが示されるわけではなく、したがって本発明は、所与の図面の内容に限定されない。
懸濁バイオマス材料を破壊するための、および任意選択で(有用)細胞状物質を可溶化するための、本発明の一態様による装置の概略図である。 懸濁バイオマス材料を破壊するための、および任意選択で(有用)細胞状物質を可溶化するための、本発明の一態様による装置の概略図である。前記装置は、圧力振動システム(9)をさらに備える。 図1aおよび図1bの装置で使用されるスパージャシステム(7)の概略図である。 先行技術において公知の方法および本発明による方法を使用した未処理および処理済みのバイオマス懸濁物についての、種々の生化学組成物の可溶化率(%)の比較を示す図である。 本発明による破壊方法を使用した、CO2/バイオマス材料懸濁物比に対するエネルギー消費量(乾燥バイオマスのkWh/kg)を示す図である。
本発明の一態様によれば、懸濁バイオマス材料を破壊するための装置が提供される。
本発明の文脈において、(懸濁、処理済み)バイオマス材料の破壊は、バイオマス細胞の破壊を指す。本説明では、これは、細胞破壊とも呼ばれる。より具体的には、前記破壊中に、細胞膜ならびに細胞内膜構造体が破壊されることとなる。細胞内膜構造体は、例えばチラコイド膜または小胞体膜などである。
図1aに概略的に示すように、本発明による装置は、少なくとも1つのチューブ(3)により少なくとも1つの第1の高圧ポンプ(10)に連結された(未処理)バイオマス材料懸濁物を保持(または供給)するための少なくとも1つの第1の容器(1)であって、前記第1の高圧ポンプ(10)が、前記第1の容器(1)から来る(またはそれにより供給される)バイオマス材料の懸濁物を加圧するようになされた、少なくとも1つの第1の容器(1)と、少なくとも1つのチューブ(4)により少なくとも1つの第2の高圧ポンプ(20)に連結された(加圧)気体破壊剤および/または(加圧)液体破壊剤を保持(または供給)するための少なくとも1つの第2の容器(2)であって、前記第2の高圧ポンプ(20)が、前記第2の容器(2)から来る(またはそれにより供給される)気体破壊剤および/または液体破壊剤を(さらに)加圧するようになされる、少なくとも1つの第2の容器(2)とを備え(またはそれらからなり)、前記第1の高圧ポンプ(10)および前記第2の高圧ポンプ(20)はそれぞれ、少なくとも1つのチューブ((5、6)により少なくとも1つのスパージャシステム(7)に連結され、前記スパージャシステム(7)は、加圧破壊剤の第1の流れ(前記少なくとも1つのチューブ(6)を通して供給された)を加圧バイオマス材料懸濁物の第2の流れ(前記少なくとも1つのチューブ(5)を通して供給された)の中に注入するように、およびマイクロエマルションを形成するようになされ、前記スパージャシステム(7)は、前記第1の流れおよび第2の流れを混合するために配管システム(8)にさらに連結され、前記配管システム(8)は、(少なくとも1つの)主要チューブ(15)と少なくとも1つの流体力学的撹拌システム(11)とを備え、前記配管システム(8)は、リリーフ弁(13)にさらに連結される。
本説明では、破壊(または破壊するための)剤は、バイオマス細胞を破壊するために使用される化合物を指す。
本発明では、前記第2の容器(2)から来る(またはそれにより供給される)気体破壊剤および/または液体破壊剤は、第2の高圧ポンプ(20)の通過後には、液相(または液体状態)のみにおいて存在し、すなわち、第2の高圧ポンプ(20)により印加される圧力は、気体破壊剤が、第2の高圧ポンプ(20)の通過後にはシステム内に存在しないような圧力となる。したがって、加圧破壊剤の前記第1の流れは、液相(または液体状態、すなわち液化されている)のみにおいて存在する。
本発明では、第2の容器(2)に用意される破壊剤ならびに印加される温度および圧力は、超臨界流体が、システムユニット内におよび/またはリリーフ弁(13)の後において存在することが不可能となるようなものである。任意選択で、本発明では、獲得されるマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションの温度は、(破壊済みのバイオマス材料からの)(有用)細胞状物質(または細胞状抽出物)を(続いて)可溶化するために、リリーフ弁(13)から出てくるプロセス流を減圧または大気圧の第3の容器(35)に移送している間に、破壊剤の亜臨界点または臨界点までのみ上昇される。
有利には、この減圧は、(約)大気圧と、流体力学的撹拌システム(11)とリリーフ弁(13)との間の(システム内の)圧力との間に含まれる。
有利には、本発明による装置において、前記スパージャシステム(7)は、加圧破壊剤の第1の流れ(前記少なくとも1つのチューブ(6)を通して供給された)を加圧バイオマス材料の懸濁物の第2の流れ(前記少なくとも1つのチューブ(5)を通して供給された)の中に注入するように、およびマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを形成するようになされることになる。
換言すれば、図1aで概略的に示すような本発明による装置は、少なくとも2つの高圧ポンプ(10、20)を備え、少なくとも1つの第1のポンプ(10)が、高圧スラリポンプとしての役割を果たし、少なくとも1つの第2のポンプ(20)が、高圧液体/気体ポンプとしての役割を果たす。前記ポンプ(10、20)はそれぞれ、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含む。前記第1のポンプ(10)および前記第2のポンプ(20)は、バイオマス材料(またはスラリ)懸濁物および気体/液体破壊剤をそれぞれ加圧するように、ならびにチューブ(5、6)を経由してシステム(7)へとさらにそれらを送給するように構成される(なされる)こととなる。さらに、この装置は、未処理バイオマス材料懸濁物の送給源としての役割を果たす少なくとも1つの第1の容器(1)を備え、前記少なくとも1つの第1の容器(1)は、チューブ(または導管)(3)を介して高圧スラリポンプ(10)の入口に連結された出口を有する。また、この装置は、加圧気体/液体破壊剤の送給源としての役割を果たす少なくとも1つの第2の容器(2)を備え、前記少なくとも1つの第2の容器(2)は、チューブ(または導管)(4)を介して高圧液体/気体ポンプ(20)の入口に連結された出口を有する。この装置は、加圧された未処理バイオマス材料懸濁物中への加圧(液化)破壊剤のインジェクタとしての役割を果たす(または高圧液体/気体ポンプ(20)から来る(それにより供給される)加圧(液化)破壊剤流を高圧スラリポンプ(10)から来る(それにより供給される)加圧バイオマス材料懸濁物流の中に注入するようになされた(構成された))、ならびにマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを形成するようになされることとなる、少なくとも1つのスパージャシステム(7)をさらに備える。次いで、スパージャシステム(7)は、主要チューブ(15)により少なくとも1つの流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)に順次連結される。
本発明の文脈において、気体/液体破壊剤という表現は、気体破壊剤(もしくは気相にある破壊剤)および/または液体破壊剤(もしくは液相にある破壊剤)を指す。換言すれば、システム内の温度および/または圧力に応じて、第2の容器(2)内の破壊剤は、気相(もしくは気体状態)および/または液相(もしくは液体状態)で存在する。
本発明の文脈において、第2の高圧ポンプ(20)から出てくる(チューブ(6)を通りスパージャシステム(7)に流れる)加圧破壊剤流は、液相(または液体状態、液化されている)のみにおいて存在する(すなわち、第2の高圧ポンプ(20)により印加される圧力は、気体破壊剤が、第2の高圧ポンプ(20)を通過した後にはシステム内にもはや存在しないようなものとなる)。
有利には、前記第1の容器(1)は、チューブ(3)により前記第1の高圧ポンプ(10)に連結される。
有利には、前記第2の容器(2)は、チューブ(4)により前記第2の高圧ポンプ(20)に連結される。
有利には、少なくとも1つの第2の容器(2)は、気密性容器である(すなわち周囲に対して密封される)。
本発明の一態様によれば、図1aに概略的に示される装置は、懸濁バイオマス材料を破壊するために使用され得る。
本発明の別の態様によれば、スパージャシステムが提供される。
本発明のスパージャシステムは、加圧(液化)破壊剤の第1の流れを加圧バイオマス材料懸濁物の第2の流れの中に注入することにより、(バイオマス懸濁物を含む破壊剤の)マイクロエマルションおよび/またはナノエマルション(の混合流)を形成するようになされることとなる。
本発明によるスパージャシステム(7)は、図2に概略的に示される。
本発明のスパージャシステムは、チューブ(21)の中に破壊剤流を供給するための第1の入口(24)を備える第1のチューブ(21)と、チューブ(22)を通してバイオマス材料懸濁物流を供給するための第2の入口(34)を備える第2のチューブ(22)とを備え、第2のチューブ(22)は、出口(28)を備え、第2のチューブ(22)は、第1のチューブ(21)を横断し、チューブ(22)の壁部を貫通する第1の開口(29〜32)の少なくとも1つのセット(23)を備え、第1の開口(29〜32)は、第1の開口(29〜32)を通り第2のチューブ(22)内に破壊剤流を追いやることによりエマルションが形成されるように、第1のチューブ(21)と流体連通状態にあり、第1の開口(29〜32)は、0.01mm〜1mmの間の直径(d3)を有する。
有利には、第1のチューブ(21)は、第2のチューブ(22)にて行き止まりとなる。
有利には、第2のチューブ(22)は、第1のチューブ(21)の(第1の)直径(d1)の1/2の小ささである(第2の)直径(d2)を有し、すなわち、第1のチューブ(21)の直径(d1)に対する第2のチューブ(22)の直径(d2)の比率は、0.5となる。
好ましくは、スパージャシステム(7)は、(第1の)直径(d1)を有するならびに2つの入口(24、34)および1つの出口(28)を有する第1のスパージャチューブ(21)を備える。前記第1のスパージャチューブ(21)は、入口(34)および出口(28)の一方により形成される方向に沿って配置された第2のスパージャチューブ(22)を備え(すなわち、第2のチューブ(22)が第1のチューブ(21)を横断し)、前記第2のスパージャチューブ(22)は、第1のスパージャチューブ(21)の(第1の)直径(d1)の1/2の小ささである(第2の)直径(d2)を有する(すなわち(d2)/(d1)の比は0.5である)。前記第2のスパージャチューブ(22)は、(第1のスパージャチューブ(21)の)幅(w)に沿って、第2のスパージャチューブ(22)の表面(壁部)を貫通する第1の開口の分布セット(23)(第1のチューブ(21)と流体連通状態にある第1の開口のセット(23))を備え、前記第1の開口は、(約)0.01mm〜(約)1mmの間、より好ましくは(約)0.01mm〜(約)0.2mmの間、さらにより好ましくは(約)0.025mm〜(約)0.085mmの間、最も好ましくは(約)0.05mm〜(約)0.06mmの間に含まれる(第3の)直径(d3)を有する。
本説明では、前記第1のスパージャチューブ(21)は、スパージャシェル(21)とも呼ばれ得る。
好ましくは、本発明のスパージャシステム(7)の前記第1のスパージャチューブ(21)は、T字形状またはY字形状であり、より好ましくは前記第1のスパージャチューブ(21)は、T字形状である。
有利には、前記第2のスパージャチューブ(22)は、(スパージャシェル(21)の)幅(w)に沿って第2のスパージャチューブ(22)の表面(壁部)を貫通する第1の開口の1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のセット(23)を備える。
さらに有利には、幅(w)の値は、第2のスパージャチューブ(22)の表面(壁部)を貫通する第1の開口の(第3の)直径(d3)の値と、第1のスパージャチューブ(21)の内部に位置する(内部からなる)第2のスパージャチューブ(22)の全長との間に含まれる。さらにより有利には、幅(w)の値は、(幅(w)に沿って相互に隣接する)第1の開口の全てのセット(23)を含むように可能な限り小さく、すなわち幅(w)の値は、等式w=Σw2を満たす。
さらに有利には、前記第2のスパージャチューブ(22)は、第2のスパージャチューブ(22)の表面(壁部)を貫通する第1の開口の1つ(のみ)のセット(23)を備える。換言すれば、第1の開口の1つ(のみ)のセット(23)が、第2のスパージャチューブ(22)の表面(壁部)を貫通して設けられる。
理論に縛られるものではないが、第1の開口のセット毎に3つ以上の第1の開口(すなわち4つ、6つ、もしくはそれ以上)を設けること、および/または第1の開口の2つ以上のセット(すなわち2つ、3つ、もしくはそれ以上)を設けることにより、パラメータ(1/第1の開口の個数)および比率(第1の開口の直径(d3))2/(第2のスパージャチューブの直径(d2))2に比例する見かけ速度が変化する。好ましくは、パラメータ(1/第1の開口の個数)は、比率(第1の開口の直径(d3))2/(第2のスパージャチューブの直径(d2))2によりも小さく選択される。この好ましい例では、破壊剤の見かけ速度が、上昇し、これにより、スパージャシステム(7)(の第2のスパージャチューブ(22))内で圧力降下がもたらされることとなる。破壊剤が前記第1の開口を通過することによる圧力降下が、破壊剤のポンプ圧力の50%超となる場合には(前記ポンプ圧力は、第2の高圧ポンプ(20)が第2の容器(2)から来る(それにより供給される)破壊剤を加圧することによって得られる)、さらに有利には、前記第2のスパージャチューブ(22)は、第2のスパージャチューブ(22)の表面(壁部)を貫通する第1の開口の2つ以上のセット(23)を備える(すなわち、この場合にさらに有利には、第1の開口の2つ以上のセット(23)が、第2のスパージャチューブ(22)の表面(壁部)を貫通して設けられる)。
さらにより有利には、幅(w)の値は、第2のスパージャチューブ(22)の表面(壁部)を貫通する第1の開口の(第3の)直径(d3)の値に等しい(またはそれに非常に近似する)。
好ましくは、前記第2のスパージャチューブ(22)は、第2のスパージャチューブ(22)の出口(28)に第2の開口(27)をさらに備え、前記第2の開口(27)は、(約)0.01mm〜(約)0.6mmの間、より好ましくは(約)0.1mm〜(約)0.6mmの間に含まれる直径(d4)を有する。
有利には、前記第1の高圧ポンプ(10)は、チューブ(5)によりスパージャシステム(7)に連結される。より具体的には、チューブ(5)は、スパージャシステム(7)の入口(34)に連結される。より具体的には、第1の高圧ポンプ(10)は、スパージャシステム(7)の入口(34)に連結される。より具体的には、第2のチューブ(22)は、チューブ(22)を通してバイオマス材料懸濁物流を供給するための第2の入口(34)を備える。
有利には、前記第2の高圧ポンプ(20)は、チューブ(6)によりスパージャシステム(7)に連結される。より具体的には、チューブ(6)は、スパージャシステム(7)の入口(24)に連結される。より具体的には、第2の高圧ポンプ(20)は、スパージャシステム(7)の入口(24)に連結される。より具体的には、第1のチューブ(21)は、チューブ(21)内に破壊剤流を供給するための第1の入口(24)を備える。
本発明のスパージャシステム(7)を使用することにより、加圧破壊剤の第1の流れ(前記少なくとも1つのチューブ(6)を通して供給された)が、加圧バイオマス材料懸濁物の第2の流れ(前記少なくとも1つのチューブ(5)を通して供給された)の中に注入され、マイクロエマルションおよび/またはナノエマルションが形成される。
好ましくは、第1のスパージャチューブ(21)の(第1の)直径(d1)は、(約)1.6mm(1/16インチ)〜(約)25.4mm(1インチ)の間、より好ましくは(約)3.2mm(1/8インチ)〜(約)12.7mm(1/2インチ)の間に含まれ、さらにより好ましくは第1のスパージャチューブ(21)の(第1の)直径(d1)は、(約)6.4mm(1/4インチ)である。
好ましくは、第2のスパージャチューブ(22)の(第2の)直径(d2)は、(約)0.8mm(1/32インチ)〜(約)12.7mm(1/2インチ)の間、より好ましくは(約)1.6mm(1/16インチ)〜(約)3.2mm(1/8インチ)の間に含まれ、さらにより好ましくは第2のスパージャチューブ(22)の(第2の)直径(d2)は、(約)3.2mm(1/8インチ)である。
好ましくは、チューブ(5)の直径(d5)は、(約)0.8mm(1/32インチ)〜(約)12.7mm(1/2インチ)の間、より好ましくは(約)1.6mm(1/16インチ)〜(約)3.2mm(1/8インチ)の間に含まれる。
好ましくは、チューブ(6)の直径(d6)は、(約)0.8mm(1/32インチ)〜(約)12.7mm(1/2インチ)の間、より好ましくは(約)1.6mm(1/16インチ)〜(約)3.2mm(1/8インチ)の間に含まれる。
有利には、第2のスパージャチューブ(22)の第1の開口の各セット(23)が、偶数個(すなわち2個、4個、6個、またはそれ以上)の第1の開口(または第1のオリフィス)を備え、前記開口は、1つの面内において2×2で相互に対向して位置し、前記面は、第2のスパージャチューブ(22)に対して垂直であり、各第1の開口は、第2のスパージャチューブ(22)の表面(壁部)を貫通して位置する。
さらに有利には、第2のスパージャチューブ(22)の第1の開口の各セット(23)が、少なくとも2つの第1の開口(または第1のオリフィス)(29、31)を備え、前記開口は、1つの面内で相互に対向側に位置し、前記面は第2のスパージャチューブ(22)に対して垂直であり、第1の開口(29、31)は、セットの隣の開口から等式D1=(第2のスパージャチューブの直径(d2)×Π)/2を満たす距離D1をおいて(または第1の開口(29、31)が相互から180°に位置して)、第2のスパージャチューブ(22)の表面(壁部)を貫通して位置することになる。さらにより有利には、第2のスパージャチューブ(22)の第1の開口の各セット(23)は、2つの第1の開口(または第1のオリフィス)(29、31)からなる。
さらにより有利には、第2のスパージャチューブ(22)の第1の開口の各セット(23)が、2つ(のみ)の第1の開口(または第1のオリフィス)(29,31)を備える(またはそれらからなる)。換言すれば、2つ(のみ)の第1の開口(29、31)が、第2のスパージャチューブ(22)の第1の開口の各セット(23)に設けられる。
さらに有利には、第2のスパージャチューブ(22)の第1の開口の各セット(23)が、少なくとも4つの第1の開口(または第1のオリフィス)(29、30、31、32)を備え、前記開口は、1つの面内で2×2で相互に対向して位置することになり、前記面は、第2のスパージャチューブ(22)に対して垂直であり、各第1の開口(29、30、31、32)は、セットの隣の開口から等式D1=(第2のスパージャチューブの直径(d2)×Π)/4を満たす距離D1をおいて(または第1の開口(29、30、31、32)が相互から90°に位置して)、第2のスパージャチューブ(22)の表面(壁部)を貫通して位置することになる。さらにより有利には、第2のスパージャチューブ(22)の第1の開口の各セット(23)は、4つの第1の開口(または第1のオリフィス)(29、30、31、32)からなる。
さらにより有利には、第2のスパージャチューブ(22)の第1の開口の各セット(23)が、4つ(のみ)の第1の開口(または第1のオリフィス)(29、31)を備える(またはそれらからなる)。換言すれば、4つ(のみ)の第1の開口(29、31)が、第2のスパージャチューブ(22)の第1の開口の各セット(23)に設けられる。
有利には、第1の開口(29、30、31、32)は、レーザ穴あけ加工により作製される。
本説明では、第2のスパージャチューブ(22)の第1の開口(29、30、31、32)は、第1のオリフィス、(第1の)スパージャ穴、または(第1の)スパージング穴とも呼ばれる。
本説明では、第2のスパージャチューブ(22)の第1の開口(29、30、31、32)の(第3の)直径(d3)は、スパージング穴直径(スパージング穴の)とも呼ばれる。
有利には、本発明のスパージャシステム(7)は、高圧スパージャシステムである。
本発明においては、スパージャシステム(7)は、加圧バイオマス材料懸濁物中への加圧(液化)破壊剤のインジェクタとしての役割を果たす。換言すれば、スパージャシステム(7)は、高圧液体/気体ポンプ(20)から来る(それにより供給される)加圧(液化)破壊剤の第1の流れを、高圧スラリポンプ(10)から来る(それにより供給される)加圧バイオマス材料懸濁物の第2の流れの中に注入し、それにより前記第1の流れおよび前記第2の流れを一体化し(混合し)(前記流れが高圧となり)、1つの(混合)プロセス流を形成するようになされる(構成される)。
本発明の文脈において、混合は、2つの流れを一体化し、それにより2つの流れを相互に物理的接触状態(のみ)にすることを指す。換言すれば、混合は、前記2つの流れの間における(化学)反応を伴わずに2つの流れを(物理的に)「一体化する」ことにより、1つの(混合)プロセス流を形成するために実施される。
有利には、前記第2のスパージャチューブ(22)の第1の開口(29、30、31、32)は、前記注入中にマイクロ(液化)破壊剤液滴(気泡)を生成することにより、スパージャ内部でバイオマス懸濁物を含んだ混合(液化)破壊剤のマイクロエマルションを生成する(形成する)ようになされる(構成される)。したがって、本発明のスパージャを使用することにより、スパージャ内で混合されることとなる(液化)破壊剤と懸濁物との間の物質移動が比較的高い効率で得られる。マイクロエマルションでは、(液化)破壊剤(分散相)のマイクロ液滴(気泡)が、バイオマス材料懸濁物(連続相または分散媒)中に分散する。
本説明において、第2の高圧ポンプ(20)から出てくる(スパージャシステム(7)へとさらに流れる)加圧破壊剤流は、「液化破壊剤」とも呼ばれる。換言すれば、第2の高圧ポンプ(20)により印加される圧力は、気体破壊剤が、第2の高圧ポンプ(20)の通過後にはシステム内に存在しないような圧力となる(したがって、破壊剤は、第2の高圧ポンプ(20)の通過後には液相(または液体状態)のみにおいて存在する)。
有利には、本発明によるスパージャシステム(7)は、(スパージャ内で)マイクロエマルションを形成するようになされ、前記マイクロエマルションは、加圧(液化)破壊剤および加圧バイオマス材料懸濁物を含む。(液化)破壊剤は、分散相であり、バイオマス材料懸濁物は、マイクロエマルションの連続相(または分散媒)である。
さらに有利には、前記第2のスパージャチューブ(22)の第1の開口(29、30、31、32)は、前記注入中にマイクロ破壊剤液滴(気泡)および/またはナノ(液化)破壊剤液滴(気泡)を生成することにより、スパージャ内部でバイオマス懸濁物を含む混合(液化)破壊剤のマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを生成する(形成する)ようになされる(構成される)。したがって、本発明のスパージャを使用することにより、スパージャ内で混合されることとなる(液化)破壊剤と懸濁物との間の物質移動が比較的高い効率で得られる。マイクロエマルションおよび/またはナノエマルションでは、(液化)破壊剤(分散相)のマイクロ液滴(気泡)および/またはナノ液滴(気泡)が、バイオマス材料懸濁物(連続相または分散媒)中に分散する。
さらに有利には、本発明によるスパージャシステム(7)は、(スパージャ内で)マイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを形成するようになされ、前記マイクロエマルションおよび/またはナノエマルションは、加圧(液化)破壊剤および加圧バイオマス材料懸濁物を含む。(液化)破壊剤は、分散相であり、バイオマス材料懸濁物は、マイクロエマルションおよび/またはナノエマルションの連続相(または分散媒)である。
本発明のスパージャを使用した注入の最中に、マイクロ(液化)破壊剤液滴(気泡)および/またはナノ(液化)破壊剤液滴(気泡)は、第2のスパージャチューブ(22)内を流れる加圧バイオマス材料懸濁物を通過する(または破壊剤が発泡しつつ通過する)こととなる(それにより、破壊剤は、バイオマス材料懸濁物と(物理的)接触状態になる)。
本発明の文脈において、マイクロ((液化)破壊剤)液滴(気泡)は、1ミリメートル未満の直径であるが、1ミクロン超の液滴(気泡)である。
本発明の文脈において、ナノ((液化)破壊剤)液滴(気泡)は、1マイクロメートル未満の直径であるが、1ナノメートル超の液滴(気泡)である。
有利には、前記第2のスパージャチューブ(22)の第2の開口(27)は、マイクロ(液化)破壊剤液滴(気泡)および/またはナノ(液化)破壊剤液滴(気泡)を加圧バイオマス材料懸濁物とさらに(またはより効果的に)混合するようになされる(それにより、スパージャ内で形成されるマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションをさらに(またはより効果的に)混合する)。
有利には、前記第2のスパージャチューブ(22)の第2の開口(27)は、プロセス流のための出口(28)としての役割を果たす(プロセス流は、この出口(28)を通りスパージャシステム(7)から出て配管システム(8)に進入する)。
本発明の文脈において、プロセス流は、破壊剤およびバイオマス懸濁物の混合蒸気(スパージャ内で形成された)を指す。
本発明によるスパージャは、先行技術に既に説明されたものとは根本的に異なる点を指摘しておくことが好都合であろう。実際に、当技術で既述のスパージャシステムを使用して加圧(液化)破壊剤の第1の流れを加圧バイオマス材料懸濁物の第2の流れの中に注入する最中には、チューブ径と同等の直径を有する破壊剤の液滴のみが生成される(例えば、(約)3mm〜(約)6mmの直径を有する)。したがって、スパージャ内で混合されることとなる破壊剤と懸濁物との間の物質移動は、(非常に)低効率となる。換言すれば、懸濁物と混合された破壊剤のマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションは、当技術で公知のスパージャを使用した場合には形成されない。対照的に、本発明によるスパージャを使用した場合には、比較的高い効率の物質移動が実現され(マイクロ破壊剤液滴(気泡)および/またはナノ破壊剤液滴(気泡)の形成により)、それによりスパージャ内でバイオマス懸濁物と混合された破壊剤のマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションが形成される。
有利には、本発明のスパージャシステム(7)は、第2の開口(第2のオリフィス)(27)を有する(または経由する)第2のスパージャチューブ(22)を介して配管システム(8)の主要チューブ(15)にさらに連結される。
他の場合には、スパージャシステム(7)は、第2のスパージャチューブ(22)の出口(28)の第2の開口(27)を介して配管システム(8)の主要チューブ(15)に連結される。第2の開口(27)は、第2のスパージャチューブ(22)の出口としての役割を果たす。主要チューブ(15)は、流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)をさらに順次連結することになる。
好ましくは、主要チューブ(15)の直径(d7)は、(約)0.4mm(1/64インチ)〜(約)12.7mm(1/2インチ)の間、より好ましくは(約)0.8mm(1/32インチ)〜(約)12.7mm(1/2インチ)の間、さらにより好ましくは(約)1.6mm(1/16インチ)〜(約)3.2mm(1/8インチ)の間に含まれ、最も好ましくは主要チューブ(15)の直径(d7)は、(約)3.2mm(1/8インチ)である。
有利には、配管システム(8)は、スパージャシステム(7)から出るプロセス流をさらに混合することにより、(1つの)均質混合プロセス流(すなわち破壊剤およびバイオマス材料懸濁物の均質混合物、あるいはバイオマス懸濁物を含む破壊剤の均質マイクロエマルションおよび/またはナノエマルション)を形成するようになされる。
本発明の装置は、圧力振動システム(9)を備えてまたは備えることなく実現され得る。
さらに有利には、配管システム(8)は、1つの(または少なくとも1つの)流体力学的撹拌システム(11)の前(上流)に(少なくとも1つの)圧力振動システム(9)をさらに備える。さらに具体的には、スパージャシステム(7)は、主要チューブ(15)を介して1つの(または少なくとも1つの)圧力振動システム(9)に連結され、この圧力振動システム(9)はさらに、(前記チューブ(15)により)(少なくとも1つの)流体力学的撹拌システム(11)に連結される。
圧力振動システム(9)をさらに備える本発明の装置が、図1bに概略的に示される。
好ましくは、圧力振動システム(9)は、(主要チューブ(15)中にまたはその内部に)直列に連結された(チューブ(15)により少なくとも2つの(すなわち2つ、3つ、またはそれ以上の)オリフィスを備え、したがって主要チューブ(15)は圧力振動システム(9)の内部に備えられる)。圧力振動システム(9)のオリフィスは主要チューブ(15)と流体連通している。
より好ましくは、圧力振動システム(9)は、直列に連結された3つのオリフィスを備える(またはからなる)(チューブ(15)による連結、したがって主要チューブ(15)は圧力振動システム(9)の内部に備えられる)。
好ましくは、圧力振動システム(9)の各オリフィスが、直径(d8)を備え、前記直径(d8)は、主要チューブ(15)の直径(d7)の(約)1/4〜(約)1/64の小ささであり(すなわち比率(d8)/(d7)は(約)1/64〜(約)1/4の範囲に及ぶ)、より好ましくは(約)1/8〜(約)1/23の小ささであり(すなわち比率(d8)/(d7)は(約)1/32〜(約)1/8の範囲に及ぶ)である。
好ましくは、圧力振動システム(9)のオリフィスの直径(d8)は、(約)0.02〜(約)0.4mmの間、より好ましくは(約)0.2〜(約)0.4mmの間に含まれる。
より好ましくは、圧力振動システム(9)の1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のオリフィスの直径(d8)は、相互に同等であるまたは異なることが可能である。換言すれば、圧力振動システム(9)の(1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の)オリフィスが、同一のまたは異なる直径(d8)を有し得る。
さらにより好ましくは、圧力振動システム(9)の3つのオリフィスの直径(d8)が、相互に対して同等であるまたは異なることが可能である。換言すれば、圧力振動システム(9)の3つのオリフィスが、同一のまたは異なる直径(d8)を有し得る。
本発明において使用するための圧力振動システム(9)のオリフィスの適切な直径(d8)および主要チューブ(15)の適切な直径(d9)を見出すことはそれぞれ、使用される破壊剤およびバイオマス材料懸濁物の特徴に応じて決まる。
本発明の文脈において、圧力振動システム(9)のオリフィスは、ベンチュリ効果を誘起するための手段を指す。より具体的には、かかるオリフィスは、オリフィスから出る(および続いて次のオリフィスまたは主要チューブに進入する際の、流通する流れの特徴を制御する(特にベルヌーイ方程式による速度の上昇および圧力の降下のために)ように設計される。オリフィスが、可変的な断面積(主要チューブと比較した場合に)を有し、そこから出来する流れの流量、速度、および圧力を制御するために流体流を変更するように使用される。
本説明では、圧力振動システム(9)は、圧力および速度振動システム(または圧力/速度システムまたは圧力/速度ゾーン)とも呼ばれ得る。
有利には、圧力振動システム(9)は、スパージャ内で形成されたマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションをさらに混合することにより、圧力-速度-圧力振動間でエネルギーをさらに移行することによりスパージャ内で既に混合された(液化)破壊剤と懸濁物との間の物質移動効率をさらに上昇させ、(結果的に得られる)細胞破壊(すなわちマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションが流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)をさらに通過した場合に達成される細胞破壊)の効率を向上させるようになされる。
圧力振動システム(9)の使用は、プロセス流を混合するために流体力学的撹拌システム(11)のみを使用する場合に比べたとき、細胞数を減少させ(すなわちより多数の細胞が破壊されることになる)、したがって細胞状物質の最終解放率を変化させる(すなわち細胞状物質の可溶化を最適化する)ことになる。
より具体的には、バイオマス材料中に初めに含まれる細胞状物質の抽出率は、圧力振動システム(9)を備えるまたは備えない本発明の装置を使用してり調整することが可能である。
本発明においては、当技術で公知の標準的な流体力学的撹拌システム(11)が使用される。
有利には、流体力学的撹拌システム(11)は、(少なくとも1つの)主要チューブ(15)により連結された少なくとも1つの(すなわち1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の)副次的配管システム(16)を備え、副次的配管システム(16)のチューブの直径(d9)は、主要チューブ(15)の直径(d7)よりも1〜1/2だけさらに小さく(すなわち比率(d9)/(d7)は0.5〜1である)、より有利には1/2だけさらに小さい(すなわち比率(d9)/(d7)は0.5である)(プロセス流が2つに分流する場合)。
さらに有利には、流体力学的撹拌システム(11)は、(少なくとも1つの)主要チューブ(15)により連結された3つの副次的配管システム(16、17、18)を備え(またはそれらからなり)、副次的配管システム(16、17、18)のチューブの直径(d9)は、主要チューブ(15)の直径(d7)よりも1〜1/2だけさらに小さく(すなわち比率(d9)/(d7)は0.5〜1である)、さらにより有利には1/2だけさらに小さい(すなわち比率(d9)/(d7)は0.5である)(プロセス流が2つに分流する場合)。
さらに有利には、流体力学的撹拌システム(11)の1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の副次的配管システム(16)の直径(d9)は、相互に対して同等であるまたは異なることが可能である。換言すれば、流体力学的撹拌システム(11)の(1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の)副次的配管システム(16)は、同一のまたは異なる直径(d9)を有し得る。
さらにより有利には、流体力学的撹拌システム(11)の3つの配管システム(16)の直径(d9)が、相互に同等であるまたは異なることが可能である。換言すれば、流体力学的撹拌システム(11)の3つの副次的配管システム(16)が、同一のまたは異なる直径(d9)を有し得る。
好ましくは、副次的配管システム(16、17、18)のチューブの直径(d9)は、(約)0.4mm(1/64インチ)〜(約)12.7mm(1/2インチ)の間、より好ましくは(約)0.4mm(1/64インチ)〜(約)6.4mm(1/4インチ)の間に含まれ、さらにより好ましくは副次的配管システム(16、17、18)のチューブの直径(d9)は、(約)1.6mm(1/16インチ)である(プロセス流が2つに分流する場合)。
有利には、流体力学的撹拌システム(11)は、プロセス流をさらに混合する(または流体力学的に混合する)ことにより、バイオマス材料懸濁物への加圧破壊剤の物質移動を増加させ、より均質なマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを生成するようになされる。
本発明の文脈において、リリーフ弁(13)は、システムまたは容器内の圧力を制御または制限するための手段または弁を指す。
本発明の装置において、リリーフ弁(13)は、システム内の圧力を(急激に)降下させる、すなわちリリーフ弁(13)を通過しそこから出てくるプロセス流の圧力を減圧または大気圧まで降下させるようになされる。
本発明の装置を使用することにより、およびスパージャシステム(7)内で形成されるバイオマス懸濁物を含む(液化)破壊剤のマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)に順次通過させ、それによってバイオマス材料を爆発的減圧(または急減圧)(すなわち圧力の急激な降下)にさらすことにより、結果として処理済みバイオマス材料の破壊が得られる。
任意選択で、本発明の装置を使用することにより、スパージャシステム(7)内で形成されたバイオマス懸濁物を含む破壊剤のマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションは、初めに圧力振動システム(9)を通過し、その後流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)を順次通過する。それにより、バイオマス材料は、爆発的減圧(または急減圧)にさらされ、その結果として処理済みバイオマス材料の破壊が得られる。
有利には、本発明の装置において、配管システム(8)(スパージャシステム(7)の後の)は、圧力を測定するための少なくとも1つの手段(12)をさらに備える。
好ましくは、圧力を測定するための前記手段(12)は、(少なくとも1つの)流体力学的撹拌システム(11)とリリーフ弁(13)との間に備えられる(または存在する)(ならびに主要チューブ(15)を介してそれらに連結される)。
有利には、圧力を測定する(およびモニタリングする)ための少なくとも1つの手段(12)は、圧力計である。
有利には、本発明の装置において、第1の高圧ポンプ(10)および第2の高圧ポンプ(20)は、圧力計を備える。
有利には、本発明の装置において、リリーフ弁(13)は、配管システム(8)から出てくるプロセス流を加熱するための手段(14)を備える。
有利には、前記リリーフ弁(13)は、(流出)チューブ(33)により第3の容器(35)にさらに連結される。
有利には、前記第3の容器(35)は、リリーフ弁(13)から出てくるプロセス流を収集するために使用される。
本発明の文脈において、加熱するための手段(14)は、配管システム(8)から出てくる(均質に混合された)プロセス流(または流出流)を加熱するまたはその温度を上昇させるようになされた加熱システムを指す(前記加熱システムは、非常に高い圧力に対する耐性を有する)。
有利には、リリーフ弁(13)に備えられた加熱するための手段(14)は、急減圧の(想定される)凍結効果を回避するために(またはリリーフ弁(13)の使用に起因する圧力降下の凍結効果を回避して氷の形成を回避するために)、マイクロエマルションおよび/またはナノエマルション(配管システム(8)から出てくるプロセス流)の温度を上昇させるようになされる。
代替的には、リリーフ弁(13)に備えられた加熱するための手段(14)は、破壊剤の亜臨界点または臨界点(またはさらにはより高温)までマイクロエマルションおよび/またはナノエマルション(配管システム(8)から出てくるプロセス流)の温度を上昇させるようになされる。リリーフ弁(13)から出てくるプロセス流を減圧または大気圧の第3の容器(35)に(チューブ(33)を介して)移送する間に、破壊剤の亜臨界点または臨界点までマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションの温度を上昇させることにより、(破壊済みバイオマス材料からの)(有用)細胞状物質(または細胞状抽出物)を可溶化する。
したがって、本発明によれば、懸濁バイオマス材料を破壊し、(任意選択で)(破壊済みバイオマス材料からの)(有用)細胞状物質を可溶化するための装置が提供される。
好ましくは、流出チューブ(33)の直径(d10)は、(約)0.1mm〜(約)12.7mmの間、より好ましくは(約)0.1mm〜(約)3.175mmの間に含まれる。
有利には、本発明の装置のために使用される材料は、冷間製造されたステンレス鋼(すなわち304SS、304L SS、316SS、316L SS)である。
本発明の一態様によれば、図1aおよび図1bに概略的に示される装置は、懸濁バイオマス材料を破壊するために使用され得る。
有利には、図1aおよび図1bに概略的に示される装置は、懸濁バイオマス材料を破壊し、(任意選択で)(得られた、有用な)細胞状物質を可溶化するために使用され得る。
本発明において、(可溶化された)細胞状有用物質(破壊済みバイオマス材料からの)は、さらに(部分的に)単離(または(部分的に)分離)され、選択的に抽出され得る。
有利には、(可溶化された)タンパク質が、さらに(部分的に)単離(または(部分的に)分離)され、本発明の穏当な破壊方法により得られた破壊済みバイオマス材料から選択的に抽出され得る。
本発明の一態様によれば、懸濁バイオマス材料を破壊するための(並列)システム(デバイス、装置)スタック(または構成)が提供される。
有利には、(並列)システム(デバイス、装置)スタック(または構成)は、懸濁バイオマス材料を破壊し、(任意選択で)(得られた有用)細胞状物質を可溶化するために使用され得る。
有利には、前記(並列)システムスタック(または構成)は、上記で詳細に論じた本発明の装置に基づく。
本発明による(並列)システムスタック(または構成)は、(1つの)第1の高圧ポンプに連結された(未処理)バイオマス材料懸濁物を保持(または供給)するための(1つの)第1の容器であって、前記第1の高圧ポンプが前記第1の容器から来る(それにより供給される)バイオマス材料懸濁物を加圧するようになされる、(1つの)第1の容器と、(1つの)第2の高圧ポンプに連結された(加圧)気体破壊剤および/または(加圧)液体破壊剤を保持(または供給)するための(1つの)第2の容器であって、前記第2の高圧ポンプが前記第2の容器から来る(それにより供給される)気体破壊剤および/または液体破壊剤を(さらに)加圧するようになされる、(1つの)第2の容器とを備え、第1の高圧ポンプおよび第2の高圧ポンプは、送達マニホルドを介して(使用して)一連の(2つ、3つ、またはそれ以上の)(並列)システムに連結され、前記並列システムがそれぞれ、本発明の少なくとも1つのスパージャシステムを備え、前記スパージャシステムは、加圧破壊剤の第1の流れを加圧バイオマス材料懸濁物の第2の流れの中に注入するように、ならびにマイクロエマルション(および/またはナノエマルション)を形成するようになされ、前記スパージャシステムは、前記第1の流れおよび前記第2の流れを混合するための配管システムにさらに連結され、前記配管システムは、(少なくとも1つの)主要チューブおよび(1つの)少なくとも1つの流体力学的撹拌システムを備え、前記配管システムは、リリーフ弁にさらに連結される。
(2つ、3つ、またはそれ以上の)(並列)システムはそれぞれ、圧力振動システムを備えてまたは備えることなく実現され得る。
さらに有利には、(2つ、3つ、またはそれ以上の)(並列)システムのそれぞれにおける配管システムは、(少なくとも1つの)流体力学的撹拌システムの前(上流)に1つの(または少なくとも1つの)圧力振動システムをさらに備える。
有利には、(2つ、3つ、またはそれ以上の)(並列)システムのそれぞれのリリーフ弁が、送達マニホルドを介して(使用して)(1つの)第3の容器に連結される。
有利には、前記第3の容器は、((2つ、3つ、またはそれ以上の)(並列)システムのそれぞれの)各リリーフ弁から出てくるプロセス流を収集するために使用される。
本発明の(並行)システムスタック(構成)は、産業スケールで使用され得る。
本発明の一態様によれば、懸濁バイオマス材料を破壊するための方法が提供される。
懸濁バイオマス材料を破壊するための本発明による方法は、
第1の容器(1)内にバイオマス材料懸濁物を用意するステップであって、前記懸濁物が、0.1%〜15%(w/w)の間に含まれる乾燥細胞重量を有する、ステップと、
第1の高圧ポンプ(10)を使用することにより7500kPa〜450000kPaの間に含まれる(第1の)圧力(p1)まで前記懸濁物を加圧するステップと、
第2の容器(2)内に加圧気体破壊剤および/または加圧液体破壊剤を用意するステップと(第2の容器(2)内の気体破壊剤および/または液体破壊剤が、(約)5000kPa(50bar)〜(約)6000kPa(60bar)の間に含まれる圧力(p0)にある)、
第2の高圧ポンプ(20)を使用することにより7500kPa〜450000kPaの間に含まれる(第2の)圧力(p2)まで前記気体破壊剤および/または液体破壊剤を加圧するステップであって、前記(第2の)圧力(p2)が前記(第1の)圧力(p1)よりも高い、ステップと、
(スパージャシステム(7)を使用することにより)前記加圧バイオマス材料懸濁物の流れの中に前記加圧破壊剤の流れを注入することによって、前記2つの流れを一体化し、マイクロエマルションを形成するステップと、
流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)に前記マイクロエマルションを順次通過させるステップと
を含む。
本発明の方法において、(未処理)バイオマス材料懸濁物が、第1の容器(1)内に用意され、前記懸濁物は、(約)0.1%〜(約)15%(w/w)の間に含まれる乾燥細胞重量を有する。次いで、前記懸濁物の流れが、チューブ(3)を通り第1の高圧ポンプ(10)へと流れることとなる。次いで、前記懸濁物は、第1の高圧ポンプ(10)を使用することにより(約)7500kPa(75bar)〜(約)450000kPa(4500bar)の間に含まれる(第1の)圧力(p1)へと加圧される。さらに、加圧気体破壊剤および/または加圧液体破壊剤が、第2の容器(2)内に用意される。第2の容器(2)内の気体破壊剤および/または液体破壊剤は、(約)5000kPa(50bar)〜(約)6000kPa(60bar)の間に含まれる圧力(p0)にて前記容器(2)内に存在する。次いで、前記加圧気体破壊剤および/または前記加圧液体破壊剤の流れが、チューブ(4)を通り第2の高圧ポンプ(20)へと流れることになる。次いで、(第2の容器(2)から来る)前記気体破壊剤および/または前記液体破壊剤は、第2の高圧ポンプ(20)を使用することにより(約)7500kPa(75bar)〜(約)450000kPa(4500bar)の間に含まれる(第2の)圧力(p2)へと(さらに)加圧される。本発明の方法では、前記(第2の)圧力(p2)は、前記(第1の)圧力(p1)よりも高い。次いで、第1の高圧ポンプ(10)から出てくる前記加圧バイオマス材料懸濁物の流れが、チューブ(5)を通り流れることとなる。第2の高圧ポンプ(20)から出てくる前記加圧(液化)破壊剤の流れが、チューブ(6)を通り流れることになる。次いで、前記加圧(液化)破壊剤の流れは、前記加圧バイオマス材料懸濁物の流れの中に注入され(またはスパージャされ)(本発明によるスパージャシステム(7)を使用することにより、それによって前記2つの流れを一体化する)、(スパージャシステム(7)内で)マイクロエマルションを形成する。次いで、前記(形成された)マイクロエマルションは、流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)を順次通過する。
本発明においては、前記第2の容器(2)から来る(それにより供給される)気体破壊剤および/または液体破壊剤は、第2の高圧ポンプ(20)の通過後に液相(または液体状態)でのみにおいて存在し、したがって、第2の高圧ポンプ(20)の後に流れる(またはそこから出てくる)加圧破壊剤の前記流れは、液相(または液体状態、すなわち液化されている)のみにおいて存在する。
有利には、本発明の方法において、マイクロエマルションおよび/またはナノエマルション気体パージャシステム(7)内で形成される。次いで、前記(形成された)マイクロエマルションおよび/またはナノエマルションは、流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)を順次通過する。
好ましくは、(未処理)バイオマス懸濁物の乾燥細胞重量は、(約)0.1%〜(約)6%(w/w)の間、より好ましくは(約)0.5%〜(約)4%(w/w)の間、さらにより好ましくは(約)1.5%〜(約)2.5%(w/w)の間に含まれる。
好ましくは、前記(第1の)圧力(p1)は、(約)7500kPa〜(約)25000kPaの間、より好ましくは(約)20000kPa〜(約)25000kPaの間に含まれる。
好ましくは、前記(第2の)圧力(p2)は、(約)7500kPa〜(約)25000kPaの間、より好ましくは(約)20000kPa〜(約)25000kPaの間に含まれる。
本発明によれば、前記(第2の)圧力(p2)は、前記(第1の)圧力(p1)よりも高い。
本発明の方法において、第2の容器(2)内の破壊剤は、システム内の温度および/または圧力に応じて気相(もしくは気体状態)および/または液相(もしくは液体状態)において存在する。
本発明の方法においては、第2の高圧ポンプ(20)から出てくる(チューブ(6)を通りスパージャシステム(7)へと流れる)加圧破壊剤の流れが、液相(もしくは液体状態)のみにおいて存在する(すなわち、第2の高圧ポンプ(20)により印加される圧力は、気体破壊剤が第2の高圧ポンプ(20)の通過後にシステム内にもはや存在しないような圧力である)。
好ましくは、チューブ(15)内の破壊剤およびバイオマス材料懸濁物の混合流(またはプロセス流)の見かけ流速は、(約)0.51m/s未満で、より好ましくは(約)0.1m/s未満、さらにより好ましくは(約)0.05m/s未満、および最も好ましくは(約)0.03m/s未満である。
システム内の圧力を変化させることにより試料流量を変更することが可能である点は、当業者の実践の範囲内に十分に含まれる。
本発明の方法により、同一の細胞破壊率が、より低い流量と組み合わされたより高い圧力を使用して、またはより高い流量と組み合わされたより低い圧力を使用して達成され得る。
高スループット(および低接触時間)で懸濁バイオマス材料から(有用)細胞状物質を獲得する本発明の方法が提供される点に留意されたい。高スループット(および低接触時間)は、システムのチューブ(5、6)の内部における破壊剤および懸濁物の見かけ速度と、主要チューブ(15)の直径(d7)と、(流体力学的撹拌システム(11)における)副次的配管システム(16、17、18)のチューブの直径(d9)とに起因するものと考えられる。
バイオマス材料は、高価値生物活性分子を生成するために使用され得る。
有利には、本発明の方法において、バイオマス材料は、生物起源ソース材料を含む(またはからなる)。
さらに有利には、前記バイオマス材料は、単一細胞(または単細胞)バイオマス材料を含む(またはからなる)。
有利には、バイオマス材料は、水ベース環境中に懸濁する(すなわち水性懸濁物中に存在する)。
有利には、バイオマス材料懸濁物は、微細藻類、微生物、酵母/真菌細胞、植物細胞、動物細胞、昆虫細胞、または藍色細菌を含む(またはからなる)。
有利には、(懸濁物中の)バイオマス材料(細胞)の粒子のサイズは、(約)1μm超である。
好ましくは、バイオマス材料懸濁物に対する破壊剤の比率は、(約)0.001〜(約)0.95kg/kgの間、より好ましくは(約)0.005〜(約)0.95kg/kgの間、さらにより好ましくは(約)0.018kg/kg〜(約)0.5kg/kgの間、最も好ましくは(約)0.23kg/kg〜(約)0.45kg/kgの間に含まれる。
本発明の文脈において、(バイオマス材料の)懸濁物に対する破壊剤の比率は、(バイオマス材料)懸濁物質量流量に対する破壊剤質量流量の比率を指す。
本発明の方法において、使用される破壊剤の総量は、先行技術の方法と比較した場合に削減される点に留意されたい。その結果、本発明の方法は、それにより先行技術の方法と比べた場合に、エネルギー消費量が少なく、それにより総操業費用(または総コスト)が削減される。
有利には、本発明によるスパージャシステム(7)は、(スパージャ内で)マイクロエマルションを形成するようになされ、前記マイクロエマルションは、加圧破壊剤および加圧バイオマス材料懸濁物を含む。
さらに有利には、本発明によるスパージャシステム(7)は、(スパージャ内で)マイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを形成するようになされ、前記マイクロエマルションおよび/または前記ナノエマルションは、加圧破壊剤および加圧バイオマス材料懸濁物を含む。
本発明の方法によれば、および図2を参照すると、チューブ(6)内を流れる加圧(液化)破壊剤の流れは、スパージャシステム(7)を使用することによりチューブ(5)内を流れる加圧バイオマス材料懸濁物の流れの中に注入(または散布)され、それにより前記2つの流れが一体化される。チューブ(5)は、スパージャシステム(7)の入口(34)に連結される。チューブ(6)は、スパージャシステム(7)の入口(24)に連結される。
より具体的には、チューブ(6)内を流れる加圧(液化)破壊剤の流れは、スパージャシステム(7)の入口(24)を経由して第2のスパージャチューブ(22)の入口(34)を通り流れる加圧バイオマス材料懸濁物の流れの中に注入される。懸濁物中への破壊剤の注入は、第2のスパージャチューブ(22)の表面(壁部)を貫通する開口(29、30、31、32)を通して実施される。
有利には、本発明の方法において、前記加圧破壊剤の流れは、(約)0.01mm〜(約)1mmの間に含まれる(第3の)直径(d3)(を有する(第2の)スパージャチューブ(22))の(表面(壁部)を貫通する)開口(29、30、31、32)を通り前記加圧懸濁物の流れの中に注入される。
好ましくは、(第3の)直径(d3)は、(約)0.01mm〜(約)0.2mmの間、より好ましくは(約)0.025mm〜(約)0.085mmの間、さらにより好ましくは(約)0.05mm〜(約)0.06mmの間に含まれる。
有利には、本発明のスパージャシステム(7)は、高圧スパージャシステム(高圧プロセス用のスパージャシステム)である。スパージャシステム(7)内部の圧力は、第2の高圧ポンプ(20)により設定される(第2の)圧力(p2)であり、チューブ(6)内の破壊剤流量と(第1の)スパージャ穴の個数および直径とによりさらに依存する。
有利には、本発明の方法において、スパージャシステム(7)を使用するステップの後に(すなわちマイクロエマルションを形成するステップの後に)、および流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)を順次通過するステップの前に、前記マイクロエマルションは、圧力振動システム(9)を通過することになる。
さらに有利には、本発明の方法において、スパージャシステム(7)を使用するステップの後に(すなわちマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを形成するステップの後に)、および流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)を順次通過するステップの前に、前記マイクロエマルションおよび/または前記ナノエマルションは、圧力振動システム(9)を通過することになる。
有利には、次いで、前記マイクロエマルションおよび前記またはナノエマルションは、スパージャシステム(7)を通り、(前記チューブ(15)により)(少なくとも1つの)流体力学的撹拌システム(11)にさらに連結された圧力振動システム(9)の主要チューブ(15)へと通過することになる。より具体的には、前記マイクロエマルションおよび/または前記ナノエマルションは、直径(d4)を有するその第2のスパージャチューブ(22)の第2の開口(27)を通り、流体力学的撹拌システム(11)にさらに連結された圧力振動システム(9)の主要チューブ(15)へと通過することになる。
好ましくは、前記第2の開口(27)は、(約)0.01mm〜(約)0.6mmの間、より好ましくは(約)0.1mm〜(約)0.6mmの間に含まれる直径(d4)を有する。
有利には、圧力振動システム(9)は、スパージャ内で形成されたマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションをさらに混合するようになされる(それにより圧力-速度-圧力振動間でエネルギーをさらに移行することによりスパージャ内で既に混合された(液化)破壊剤と懸濁物との間の物質移動効率をさらに上昇させ、(結果的に得られる)細胞破壊の効率を向上させる)。換言すれば、圧力振動システム(9)において、バイオマス材料(そこを通過しているマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションからなる)は、流体力学的撹拌システム(11)を順次通過しリリーフ弁(13)から退出する際に実際に破壊されるように調製される。圧力振動システム(9)の使用は、プロセス流を混合するために流体力学的撹拌システム(11)のみを使用する場合に比べて、細胞数を減少させ(すなわちより多数の細胞が破壊されることになる)、したがって細胞状物質の最終解放率を変化させる(すなわち細胞状物質の可溶化を最適化する)ことになる。
好ましくは、圧力振動システム(9)において、マイクロエマルションおよび/またはナノエマルションは、少なくとも2つのオリフィス(チューブ(15)により直列に連結された)を通過し、各オリフィスは、主要チューブ(15)の直径(d7)の(約)1/4〜(約)1/64の小ささである(すなわち比率(d8)/(d7)が(約)1/64〜(約)1/4の範囲に及ぶ)、より好ましくは(約)1/8〜(約)1/23の小ささである(すなわち比率(d8)/(d7)が(約)1/32〜(約)1/8の範囲に及ぶ)である、直径(d8)を有する。
有利には、流体力学的撹拌システム(11)は、プロセス流をさらに混合する(または流体力学的に混合する)ようになされる(それにより、バイオマス材料懸濁物への加圧破壊剤の物質移動を増加させ、より均質なマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを生成する)。
有利には、本発明の方法は、スパージャシステム(7)内で形成されたマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを、圧力を測定するための手段(12)に通過させるステップをさらに含む。
有利には、マイクロエマルションおよび/またはナノエマルションは、流体力学的撹拌システム(11)とリリーフ弁(13)との間において圧力を測定するための前記手段(12)を通過する。
より具体的には、本発明の方法において、スパージャシステム(7)内で形成されたマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションは、流体力学的撹拌システム(11)から出た後に、およびリリーフ弁(13)を通過する前に、圧力を測定するための手段(12)をさらに通過することになる。
本発明の方法において、リリーフ弁(13)は、システム内の圧力を(急激に)降下させる、すなわちリリーフ弁(13)を通過し出てくるプロセス流の圧力を減圧または大気圧まで降下させる。
本発明の文脈において、減圧は、大気圧超である、および流体力学的撹拌システム(11)とリリーフ弁(13)との間において圧力を測定するための手段(12)により(または圧力計(12)により)測定された圧力未満である圧力を指す。
スパージャシステム(7)内で形成されたバイオマス懸濁物を含む破壊剤のマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)に順次通過させ、それによりバイオマス材料を爆発的(または急)減圧にさらす(すなわち圧力が急降下する)ことにより、結果として処理済みバイオマス材料が破壊される。
有利には、リリーフ弁(13)は、配管システム(8)から出てくるおよびリリーフ弁(13)を通過するプロセス流を加熱するための手段(14)を備える。
換言すれば、本発明のスパージャシステム(7)内でマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを形成し、流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)に前記マイクロエマルションおよび/または前記ナノエマルションを順次通過させた後に、バイオマス材料(マイクロエマルションおよび/またはナノエマルションに含まれる)が破壊されることとなる。
任意選択で、スパージャシステム(7)内で形成されたバイオマス懸濁物を含む破壊剤のマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションは、初めに圧力振動システム(9)を通過し、その後流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)を順次通過する。それにより、バイオマス材料は、爆発的(または急)減圧にさらされ、結果として処理済みバイオマス材料が破壊される。
より具体的には、懸濁バイオマス材料を破壊するための方法が提供される。
本発明の方法においては、流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)に(スパージャシステム(7)内で形成された)マイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを順次通過させることによって、ならびに任意選択で初めに圧力振動システム(9)に通過させ、その後流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)に順次通過させることによって、剪断力(または応力)が、破壊されることとなるバイオマス材料に対して作用しない。したがって、本発明の方法を実施することにより、バイオマス材料の非機械的で物理的な穏当な(すなわちより緩やかな)破壊が実現される(当技術において既述の細胞破壊方法と比較した場合)。
好ましくは、本発明の方法において、バイオマス材料懸濁物は、流体力学的混合により加圧破壊剤で飽和される。
代替的には、バイオマス材料懸濁物は、流体力学的混合により加圧破壊剤で過飽和される。
代替的には、バイオマス材料懸濁物は、流体力学的混合により加圧破壊剤で飽和されない。
本発明の文脈において、前処理は、本発明の方法を実施するためのエネルギー必要量を(さらに)削減させ、細胞デブリの微粒子化を回避させ、細胞不活性化に影響を及ぼし得る。
好ましくは、本発明の方法において、バイオマス材料懸濁物は、第1の容器(1)内に用意される前に、遠心分離、スクラビング、ウォッシング、フィルタリング、圧搾、グラインディング、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザ、高速ホモジナイザ、超音波ホモジナイザ、マイクロ波、超音波槽、加圧型細胞破壊装置、パルス電界、パルスアーク、マイクロフルイダイザ、または熱のみによる処理によって前処理される。
より好ましくは、バイオマス材料懸濁物は、第1の容器(1)内に用意される前に、スクラビング、ビーズミル、高圧ホモジナイザ、高速ホモジナイザ、またはマイクロ波によって前処理される。
代替的には、本発明の方法において、バイオマス材料懸濁物は前処理されない。
有利には、本発明の方法において、リリーフ弁(13)を通過するマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションの温度は、急減圧の(想定される)凍結効果を回避するために(またはリリーフ弁(13)の使用に起因する圧力降下の凍結効果を回避して氷の形成を回避するために)、(前記リリーフ弁(13)内に備えられた加熱するための手段(14)により)上昇される。
代替的には、本発明の方法において、リリーフ弁(13)にマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションを通過させるステップと同時に(すなわちそれと一緒に同じ間に)マイクロエマルションおよび/またはナノエマルションの温度が、破壊剤の亜臨界点または臨界点(またはさらにはより高温)まで上昇され、リリーフ弁(13)から出てくるプロセス流が、(リリーフ弁(13)を使用して)減圧または大気圧の第3の容器(35)へ(チューブ(33)を経由して)移送される(それにより(有用)細胞状物質(または細胞状抽出物)を可溶化する)。マイクロエマルションおよび/またはナノエマルションの温度を破壊剤の亜臨界点または臨界点まで上昇させることは、前記リリーフ弁(13)内に備えられる加熱するための手段(14)によって実施される。
有利には、減圧は、(約)大気圧と、流体力学的撹拌システム(11)とリリーフ弁(13)との間の(システム内の)圧力との間に含まれる。
本発明によれば、したがって、懸濁バイオマス材料を破壊し、(任意選択で)(破壊されたバイオマス材料からの)(有用)細胞状物質を可溶化するための方法が提供される。
より具体的には、加圧および流体力学的混合と、(有用)細胞状物質を可溶化するための後に続く液体の超臨界相から気相への転移(すなわち超臨界相から続いて気相へ加圧液体破壊剤を相転移すること)との組合せによって、懸濁バイオマス材料を破壊するための方法が提供される。
より具体的には、懸濁バイオマス材料を破壊し、(任意選択で)それに続いて(破壊されたバイオマス材料からの)(有用)細胞状物質を可溶化するための方法が提供される。
有利には、本発明の方法において、バイオマス材料中に含まれる脂肪、油、および脂質の物質種からの有用細胞状抽出物(または細胞状物質)が可溶化される。
代替的には、バイオマス材料に含まれる炭水化物の物質種からの有用細胞状抽出物(または細胞状物質)が可溶化される。
代替的には、バイオマス材料に含まれるタンパク質の物質種からの有用細胞状抽出物(または細胞状物質)が可溶化される。
代替的には、バイオマス材料中に含まれるカロチノイドの物質種からの有用細胞状抽出物(または細胞状物質)が可溶化される。
得られた細胞状物質は、栄養素として、ビタミンとして、消化における細菌による転化用に、または食品工業および製薬産業(例えば抗生物質、酵素、生化学物質など)において使用され得る。
好ましくは、破壊剤の亜臨界点または臨界点まで温度を上昇させる方法のステップの前の本発明のステップは、(約)2℃から最大で(約)70℃までの間の温度範囲で、より好ましくは(約)20℃から最大で(約)70℃までの間の温度範囲で、さらにより好ましくは(約)20℃から最大で(約)25℃の間の温度範囲で、最も好ましくは室温で実施される。
より具体的には、バイオマス材料を破壊するための本発明の方法のステップは、(約)2℃から最大で(約)70℃までの間の温度範囲で、より好ましくは(約)20℃から最大で(約)70℃までの間の温度範囲で、さらにより好ましくは(約)20℃から最大で(約)25℃の間の温度範囲で、最も好ましくは室温で実施される。
バイオマス材料を破壊するための本発明の方法を実施することにより、極端な温度は印加されない。したがって、(破壊されることとなるバイオマス材料に作用する高い剪断力がないことに加えて)、バイオマス材料の穏当な(すなわちより緩やかな)破壊が実施される(当技術において説明されている細胞破壊方法と比較した場合に)。
有利には、本発明の方法において、破壊剤は、(第3の容器(35)から外にまたはそこから)回収され、第2のポンプ(20)内に戻される(再び加圧されることになる)。より具体的には、破壊剤は、リサイクルされる(それにより、先行技術の方法に比べて使用される破壊剤の総量が(さらに)削減され、総操業費用(または総コスト)が削減される)。
有利には、本発明の方法において使用される破壊剤は、冷却システムおよび/または超臨界流体抽出において使用されることが知られている。本発明(の方法)において使用するのに適した破壊剤は、バイオマス材料から獲得されることとなる産物に応じて決まる。
有利には、破壊剤は、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブチレン、他の飽和炭化水素または不飽和炭化水素、二酸化炭素、亜酸化窒素、ジメチルエーテル、六フッ化硫黄、フレオン、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
より有利には、フレオンは、R141bなどのクロロフルオロカーボン、またはR134a、R125もしくはR32などのハイドロフルオロカーボンを含むことになる。
代替的には、破壊剤は、炭化水素(完全に水素原子および炭素原子からなる)とはならない。
代替的には、破壊剤は、1つまたは複数のヘテロ原子をさらに含む炭化水素であり、前記ヘテロ原子は、(好ましくは)酸素、窒素、硫黄、および/または1つまたは複数のハロゲン元素からなる群より選択される。
有利には、本発明の方法において、(破壊されたバイオマス材料からの)(可溶化された)細胞状有用物質を(部分的に)遊離(または(部分的に)分離)し、選択的に抽出するさらなるステップが実施される。
より具体的には、本発明の方法において、(破壊されたバイオマス材料からの)(可溶化された)タンパク質を(部分的に)遊離(または(部分的に)分離)し、選択的に抽出するさらなるステップが実施される。
より有利には、本発明の穏当な破壊方法および後に続く可溶化を実施した後に、(可溶化された)タンパク質は、破壊されたバイオマス材料からさらに(部分的に)遊離(または(部分的に)分離)され、選択的に抽出される。
より有利には、(最終)処理済み懸濁物(可溶化された細胞状有用物質を含むバイオマス材料の)(リリーフ弁(13)を通過している、または第3の容器(35)内に存在している)は、可溶性相(タンパク質および炭化水素を含む)および不溶性相(脂質を多く含む)を得るために、遠心分離および/または濾過により(部分的に)分離される。
換言すれば、細胞破壊および(任意選択の)可溶化の後に、上澄み相および固相が、遠心分離および/または濾過により分離される。
より有利には、(最終)処理済み懸濁物(リリーフ弁(13)を通過している、または第3の容器(35)内に存在している)は、遠心分離および/または濾過により脂質を多く含む不溶性相と、タンパク質および炭化水素を含む可溶性相とに分離される。
さらにより有利には、(最終)処理済み懸濁物は、遠心分離により分離される(脂質を多く含む不溶性相と、タンパク質および炭化水素を含む可溶性相とに)。
有利には、本発明の方法は、バイオマスの破壊効率を上昇させるための他の細胞破壊方法と組み合わされる(しかし、それによって全体の穏当な細胞破壊は依然として確保される)。
有利には、他の細胞破壊方法が、配管システム(8)から出てくるマイクロエマルションおよび/またはナノエマルションに対して、しかし(減圧または大気圧の第3の容器(35)にエマルションを移送する間に)破壊剤の亜臨界点または臨界点までエマルションの温度を上昇させるステップを実施する前に、実施される。本発明の方法と共に一体化するのに適した細胞破壊方法は、当業者には明らかであろう。
好ましくは、本発明の方法は、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザ、高速ホモジナイザ、超音波ホモジナイザ、マイクロ波、超音波槽、加圧型細胞破壊装置、パルス電界、パルスアーク、およびマイクロフルイダイザによる細胞破壊からなる機械的方法群より選択される他の細胞破壊方法と組み合わされる。より好ましくは、本発明の方法は、高圧ホモジナイザ、マイクロ波、超音波槽、パルス電界、およびマイクロフルイダイザによる細胞破壊から構成される機械的方法群より選択される他の細胞破壊方法と組み合わされる。
代替的には、本発明の方法は、抗生物質、キレート剤、カオトロープ、洗剤、次亜塩素酸塩、他の共溶媒、酸処理、およびアルカリ処理による細胞破壊からなる化学的方法群より選択される他の細胞破壊方法と組み合わされる。
代替的には、本発明の方法は、酵素、ファージ、および自己分解による細胞破壊からなる生物学的方法群より選択される他の細胞破壊方法と組み合わされる。
代替的には、本発明の方法は、凍結および解凍、熱分解、ならびに爆発的減圧による細胞破壊からなる物理的方法群より選択される他の細胞破壊方法と組み合わされ得る。
(実施例)
以下に述べる例においては、使用される本発明の装置の寸法(圧力振動システムおよびスパージャシステムを備える場合)は以下のとおりである。
第1のポンプからスパージャまでの距離=45cm
第2のポンプからスパージャまでの距離=45cm
圧力振動システムの長さ=10cm(すなわち、第1のオリフィスから始まり+3cmの主要チューブ+第2のオリフィス+3cmの主要チューブ+第3のオリフィス+4cmの主要チューブ)
流体力学的撹拌システムの長さ=間に2.5cmの主要チューブをそれぞれが有する、10*10cm2の3つの副次的配管システム
流体力学的撹拌ゾーンからリリーフ弁までの距離=45cm
本発明の方法において使用される装置の他の適切な寸法は、当業者には明らかであろう。
(実施例1:未処理バイオマス懸濁物と処理済みバイオマス懸濁物との間の可溶性率(%))
ネオクロリスオレオアブンダンス(Neochloris oleoabundans)バイオマス(単細胞、緑色微細藻類)の懸濁物を、従来のビーズミリング、従来の爆発的減圧方法、または本発明による爆発的(または急)減圧方法(圧力振動システムを用いてまたは用いずに実施)のいずれかによって処理した。また、この懸濁物を、本発明の予備爆発的(または急)減圧方法によって処理し、スパージャシステムおよび圧力振動システムは共に備えていなかった。細胞破壊および可溶化の後に、処理済み懸濁物を分析して、全体の生化学組成を判定した。すなわち、全体の脂質、タンパク質、および炭化水素の判定を実施した。また、緑色微細藻類バイオマスの未処理試料を分析した。図3に結果の概要を示す。
2.81%(w/w)、3.59%(w/w)、および5.84%(w/w)の乾燥細胞重量をそれぞれ有する藻類懸濁物に対して3回の従来のビーズミリングを実施した。DYNO(登録商標)Mill、Type MULTI LAB、(Willy A. Bachofen AG Maschinenfabrik、Muttenz、Switzerlandの供給)の撹拌ビーズミルのグラインディングチャンバ内で30分間にわたり1.5L/分のポンプ速度で藻類懸濁物を再循環させた。0.3Lグラインディングチャンバを最大量(約65%[v/v])の0.4〜0.6mmのイットリア安定化ジルコニアから作られたセラミックビーズで充填した。5℃に冷却された水を、グラインドチャンバの冷却ジャケット内で継続的に循環させて、チャンバ内部の温度の上昇を回避した。グラインディングチャンバ外部では、藻類懸濁物を5℃に維持した。これらのプロセス条件を使用することにより、ミル出口における藻類懸濁物の温度は20℃を決して超過しなかった。従来のビーズミリングの平均的結果が、図3において
によって示される。
従来の爆発的減圧方法を、100mlのプレメックス高圧撹拌容器リアクタの内部で、35℃の安定温度および10000〜20000kPa(100〜200bar)圧力において実施する。処理時間は、15〜45分であり、その間に6.4%(w/w)の(初期)乾燥細胞重量を有する懸濁物に対して100〜300rpmの撹拌が実施される。パラメータの影響を確認するために5回実施する。従来の爆発的減圧実施の中の最良の結果が、図3において
によって示される。
圧力振動システムを含まないおよびスパージャシステムを含まない、本発明の爆発的減圧方法(圧力振動システムを含まないおよびスパージャシステムを含まない、本発明の予備爆発的減圧方法とも呼ぶ)の実施により、241%のCO2/懸濁物比率(w/w)で最高のバイオマス可溶化を実施した。リリーフ弁温度を70℃に設定し、懸濁物は3.2%(w/w)の乾燥細胞重量を有し、細胞懸濁物流量は200barの圧力にて4.15g/分であり、いかなる共溶媒も添加しなかった。バイオマスの33.7%が可溶化される。可溶化された材料の生化学組成は、未処理バイオマスと同一(±3)であった。関連する実施の結果が、図3において
によって示される。
本発明の予備爆発的減圧方法では、スパージャシステムを含めて実施される本発明の方法と比較した場合に、使用される破壊剤の総量が大幅に増加する点に留意されたい。換言すれば、圧力振動を用いずスパージャを用いない本発明の予備爆発的減圧方法と比較した場合に、スパージャシステムを含む本発明の方法を実施することにより、使用される破壊剤の総量が削減される。
圧力振動を用いずに実施される本発明の方法(または換言すれば、圧力振動を用いない本発明の爆発的減圧方法)において、最高のバイオマスおよび脂質可溶化が達成された。20%のCO2/懸濁物比率(w/w)で最高のバイオマス可溶化を実施した。システム全体が室温であり、懸濁物は2.6%(w/w)の乾燥細胞重量を有し、細胞懸濁物流量は250barの圧力にて15g/分であり、いかなる共溶媒も添加しなかった。バイオマスの35.41%が可溶化される。可溶化された材料の45.73%がタンパク質である一方で、未処理バイオマスの35.22%のみがタンパク質であった。最高のバイオマス可溶化実施の中から最良の結果が、図3において
によって示される。19.46%のCO2/懸濁物比率(w/w)で最高の脂肪可溶化を実施した。流体力学的撹拌システムを4℃まで冷却し、リリーフ弁が室温であり、懸濁物は2.5%(w/w)の乾燥細胞重量を有し、細胞懸濁物流量は75barの圧力にて4.8g/分であり、共溶媒として8%(w/w)のイソプロパノールを添加した。脂質の43.43%が可溶化される。可溶化された材料の58.2%が脂質であった。最高の脂質可溶化実施から最良の結果が、図3において
によって示される。
圧力振動を用いて実施される本発明の方法(または換言すれば、圧力振動を用いる本発明の爆発的減圧方法)において、最高のタンパク質および炭化水素可溶化が達成された。25.08%のCO2/懸濁物比率(w/w)で最高のタンパク質可溶化を実施した。リリーフ弁は45℃であり、懸濁物は1.65%(w/w)の乾燥細胞重量を有し、細胞懸濁物流量は175barの圧力にて10.5g/分であり、いかなる共溶媒も添加しなかった。タンパク質の61.47%が可溶化される。可溶化された材料の77.7%がタンパク質である一方で、未処理バイオマスの40.86%のみがタンパク質であった。最高のタンパク質可溶化実施の中から最良の結果が、図3において
によって示される。50.71%のCO2/懸濁物比率(w/w)で最高の炭化水素可溶化を実施した。リリーフ弁は20℃であり、懸濁物は1.65%(w/w)の乾燥細胞重量を有し、細胞懸濁物流量は225barの圧力にて15g/分であり、いかなる共溶媒も添加しなかった。炭化水素の59.65%が可溶化される。可溶化された材料の41.9%が炭化水素である一方で、未処理バイオマスの20.6%のみが炭化水素であった。最高の炭化水素可溶化実施の中から最良の結果が、図3において
によって示される。
図3のデータは、生化学物質の配分が、プロセスパラメータ値を変化させることによりおよび/または設計パラメータを変更することにより調整され得ることを示す。従来の方法を使用することにより、システムは脂質にとって好都合となるが、脂質抽出率は十分ではなかった。
本発明の方法において、細胞は、先行技術における従来の爆発的減圧方法のように、高い(しかし依然として直接的な)気体圧よりもむしろより高い液化気体圧(液体CO2などの)で多刺激を被る。
したがって、この実施例から、本発明は、バイオマス材料中に初めに含まれる細胞状物質の抽出率を調整する(それにより汚染負荷を最小限に抑える)ための方法(および関連装置)を提供することになる。
(実施例2:CO2/バイオマス材料懸濁物比率に対するエネルギー消費量(kWh/kg乾燥バイオマスにおける))
2%のDCW(乾燥細胞重量)濃度を有するネオクロリスオレオアブンダンス(単細胞、緑色微細藻類)の懸濁物を、本発明の細胞破壊方法を使用して処理される。
ベルヌーイ方程式が、システムへの進入前およびシステム内に存在する時の流体のエネルギーを算出するために使用される。15g/分の単一細胞懸濁物および0.075〜15g/分のCO2の流れ(室温にて)に対して250barの圧力を印加するためにシステムに追加されるべきエネルギーは、システム内およびシステム前における合計エネルギーを減算することによって算出される。エネルギー算出について、単一細胞懸濁物およびCO2の両者の開始条件は、室温にて大気圧であると仮定する。
図4は、CO2/懸濁物比率に対するエネルギー消費量(kWh/kg乾燥バイオマスにおける)を表しており、本発明による方法を実施するエネルギー消費量は、(約)0.04kWh/kg乾燥バイオマス〜(約)3.54kWh/kg乾燥バイオマスの間に含まれる一方で、単一再細胞のバイオマス材料の懸濁物に対する破壊剤の比率は、(約)0.005〜(約)0.950kg/kgの間の範囲となることを示している。
対照的に、先行技術では、バイオマス(スラリ)材料の量に比べてはるかにより高い量の溶剤(破壊剤)が使用される。
実際に、例えば米国特許出願公開第2011/0183403号では、生物起源懸濁原材料(18.1%DCW)に対する溶剤(破壊剤)の比率が、1kg/kg〜90kg/kgの間の範囲となることが記載されている。前記文献の具体例は、90kg/kgおよび110kg/kg(CO2/懸濁生物起源原材料)(1500barの未知量および300barの未知量で)についてのみ述べており、これは、本発明の破壊方法に比べて、米国特許出願公開第2011/0183403号に記載されるバイオマス材料を破壊するための先行技術の方法を実施する場合には、より多くのエネルギーが消費されることを意味する。
したがって、本発明の方法により、使用される破壊剤の総量の削減が可能となり、結果としてより少量のエネルギーが消費され、それによって先行技術の方法に比べて総操業費用(または総コスト)が削減される。
したがって、上記の説明および実施例から、本発明は、先行技術の方法および装置の欠点を克服した、懸濁バイオマス材料を破壊するための改良された方法および関連装置を提供することになる。
特に、本発明は、先行技術の方法および装置に比べて物理的で非機械的で穏当な懸濁バイオマス材料の破壊のための方法および関連装置を提供する。
さらに、本発明は、高スループット(および低接触時間)で懸濁バイオマス材料から(有用)細胞状物質を獲得するかかる方法および関連装置を提供する。
本発明は、(任意選択で)獲得した(有用)細胞状物質の可溶化および/または後に続く選択的抽出もしくは分離と一体化した、懸濁バイオマス材料を破壊するための方法および関連装置を提供する。
より具体的には、好ましい産物または生化学物質の抽出率を調整することにより、懸濁バイオマス材料からの細胞状物質の可溶化と、汚染負荷の最小限化とが実現される。
さらに、本発明は、先行技術の方法および装置に比べて総操業費用(または総コスト)を低く抑え、産業スケールでの適用を可能にする、獲得した細胞状物質の可溶化および/または後に続く選択的抽出もしくは分離を伴う懸濁バイオマス材料を破壊するための方法(および関連装置)を提供する。
したがって、本発明は、先行技術の方法に比べて効率性のより高い方法を提供する。
本発明による(並列)システムスタック(前記スタックは本発明の装置に基づく)は、先行技術の装置の欠点も克服することが明らかであろう。
1 第1の容器
2 第2の容器
3 チューブ、導管
4 チューブ
5 チューブ
6 チューブ
7 スパージャシステム
8 配管システム
9 圧力振動システム
10 第1の高圧ポンプ
11 流体力学的撹拌システム
12 圧力を測定するための手段
13 リリーフ弁
14 加熱するための手段
15 主要チューブ
16 副次的配管システム
17 副次的配管システム
18 副次的配管システム
20 第2の高圧ポンプ
21 第1のチューブ、第1のスパージャチューブ、スパージャシェル
22 第2のチューブ、第2のスパージャチューブ
23 第1の開口のセット
24 入口
27 第2の開口
28 出口
29 第1の開口
30 第1の開口
31 第1の開口
32 第1の開口
33 チューブ
34 入口
35 第3の容器

Claims (22)

  1. 懸濁バイオマス材料を破壊するための方法であって、
    バイオマス材料の懸濁物を第1の容器(1)内に提供するステップであって、前記懸濁物が、0.1%〜15%(w/w)の間に含まれる乾燥細胞重量を有する、ステップと、
    第1の高圧ポンプ(10)を使用することによって、前記懸濁物を7500kPa〜450000kPaの間に含まれる第1の圧力(p1)まで加圧するステップと、
    加圧された気体の破壊剤および加圧された液体の破壊剤のうちのいずれか一方又は両方を第2の容器(2)内に提供するステップと、
    第2の高圧ポンプ(20)を使用することによって、前記気体の破壊剤および前記液体の破壊剤のうちのいずれか一方又は両方を7500kPa〜450000kPaの間に含まれる第2の圧力(p2)まで加圧するステップであって、前記第2の圧力(p2)が前記第1の圧力(p1)よりも高い、ステップと、
    加圧された前記破壊剤の流れを、加圧された前記バイオマス材料の懸濁物の流れの中に注入し、マイクロエマルションを形成するステップと、
    前記マイクロエマルションを流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)に順次通過させるステップと
    を含む、方法。
  2. 前記マイクロエマルションを形成する前記ステップの後および前記流体力学的撹拌システム(11)およびリリーフ弁(13)に順次通過させるステップの前に、前記マイクロエマルションは、圧力振動システム(9)を通過することになる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記リリーフ弁(13)に前記マイクロエマルションを通過させる前記ステップと同時に、前記マイクロエマルションの温度が、前記破壊剤の亜臨界点または臨界点まで上昇され、前記リリーフ弁(13)から出てくるプロセス流が、減圧または大気圧の第3の容器(35)に移送され、それにより細胞状物質が可溶化される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記破壊剤の亜臨界点または前記臨界点まで温度を上昇させる前記ステップの前の前記方法の各前記ステップは、2℃から最高で70℃までの間の温度範囲にて実施される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 処理済みの前記バイオマス材料の懸濁物は、可溶性相および不溶性相を得るために遠心分離および/または濾過により分離される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記破壊剤は、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブチレン、他の飽和炭化水素または不飽和炭化水素、二酸化炭素、亜酸化窒素、ジメチルエーテル、六フッ化硫黄、フレオン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 加圧された前記破壊剤の前記流れは、0.01mm〜1mmの間に含まれる直径(d3)の開口(29、30、31、32)を通して、加圧された前記懸濁物の前記流れの中に注入される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記バイオマス材料の懸濁物に対する前記破壊剤の比率は、0.001〜0.95kg/kgの間に含まれる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 懸濁バイオマス材料を破壊するための装置であって、
    少なくとも1つの第1の高圧ポンプ(10)に連結されたバイオマス材料の懸濁物を保持するための少なくとも1つの第1の容器(1)であって、前記第1の高圧ポンプ(10)は、前記第1の容器(1)により供給される前記バイオマス材料の懸濁物を加圧するようになされる、少なくとも1つの第1の容器(1)と、少なくとも1つの第2の高圧ポンプ(20)に連結された気体の破壊剤および液体の破壊剤のうちのいずれか一方又は両方を保持するための少なくとも1つの第2の容器(2)であって、前記第2の高圧ポンプ(20)は、前記第2の容器(2)により供給される前記気体の破壊剤および前記液体の破壊剤のうちのいずれか一方又は両方を加圧するようになされる、少なくとも1つの第2の容器(2)とを備え、前記第1の高圧ポンプ(10)および前記第2の高圧ポンプ(20)のそれぞれが、少なくとも1つのスパージャシステム(7)に連結され、前記スパージャシステム(7)は、加圧された前記破壊剤の第1の流れを、加圧された前記バイオマス材料の懸濁物の第2の流れの中に注入するように、およびマイクロエマルションを形成するようになされ、前記スパージャシステム(7)は、前記第1の流れおよび前記第2の流れを混合するための配管システム(8)にさらに連結され、前記配管システム(8)は、主要チューブ(15)および少なくとも1つの流体力学的撹拌システム(11)を備え、前記配管システム(8)は、リリーフ弁(13)にさらに連結される、装置。
  10. 前記スパージャシステム(7)は、第1の直径(d1)を有するならびに2つの入口(24、34)および1つの出口(28)を有する第1のスパージャチューブ(21)を備え、前記第1のスパージャチューブ(21)は、前記入口(34)および前記出口(28)の一方により形成される方向に沿って配置された第2のスパージャチューブ(22)を備え、前記第2のスパージャチューブ(22)は、前記第1のスパージャチューブ(21)の前記第1の直径(d1)の1/2の小ささである第2の直径(d2)を有し、前記第2のスパージャチューブ(22)は、幅(w)に沿って前記第2のスパージャチューブ(22)の壁部を貫通する第1の開口の分布セット(23)を備え、前記第1の開口は、0.01mm〜1mmの間に含まれる第3の直径(d3)を有する、請求項9に記載の装置。
  11. 前記配管システム(8)は、前記少なくとも1つの流体力学的撹拌システム(11)の上流に少なくとも1つの圧力振動システム(9)を備える、請求項9または10に記載の装置。
  12. 前記圧力振動システム(9)は、直列で連結された少なくとも2つのオリフィスを主要チューブ(15)に備え、各オリフィスは、直径(d8)を有し、前記直径(d8)は、前記主要チューブ(15)の直径(d7)の1/4〜1/64の小ささである、請求項11に記載の装置。
  13. 前記流体力学的撹拌システム(11)は、前記主要チューブ(15)に連結された少なくとも1つの副次的配管システム(16)を備え、前記副次的配管システム(16)のチューブは、前記主要チューブ(15)の直径(d7)の少なくとも1/2以下の小ささの直径(d9)を有する、請求項9から12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記リリーフ弁(13)は、前記配管システム(8)から出てくる流れを加熱するための手段(14)を備え、前記リリーフ弁(13)は、第3の容器(35)にさらに連結される、請求項9から13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記スパージャシステム(7)は、
    第1のチューブ(21)であって、前記第1のチューブ(21)の中に破壊剤流を供給するための第1の入口(24)を備える第1のチューブ(21)と、
    第2のチューブ(22)であって、前記第2のチューブ(22)の中にバイオマス材料懸濁物流を通すことにより供給するための第2の入口(34)を備えると共に、出口(28)を備える第2のチューブ(22)と
    を備え、
    前記第2のチューブ(22)は、前記第1のチューブ(21)を横断し、前記第2のチューブ(22)の壁部を貫通する第1の開口(29〜32)の少なくとも1つのセット(23)を備え、前記第1の開口(29〜32)は、前記破壊剤流を前記第1の開口(29〜32)に通して前記第2のチューブ(22)内に追いやることによりエマルションが形成されるように、前記第1のチューブ(21)と流体連通状態にあり、
    前記第1の開口(29〜32)は、0.01mm〜1mmの間の第3の直径(d3)を有する、請求項9に記載の装置
  16. 前記第1のチューブ(21)は、前記第2のチューブ(22)において行き止まりとなる、請求項15に記載の装置
  17. 前記第1のチューブ(21)は、1.6mm〜25.4mmの間に含まれる第1の直径(d1)を有する、請求項15または16に記載の装置
  18. 前記第2のチューブ(22)は、0.8mm〜12.7mmの間に含まれる第2の直径(d2)を有する、請求項15から17のいずれか一項に記載の装置
  19. 前記第1のチューブ(21)の第1の直径(d1)に対する前記第2のチューブ(22)の第2の直径(d2)の比率が0.5である、請求項15または18に記載の装置
  20. 前記第2のチューブ(22)は、前記第2のチューブ(22)の前記出口(28)に第2の開口(27)を備え、前記第2の開口(27)は、0.01mm〜0.6mmの間に含まれる直径(d4)を有する、請求項15から19のいずれか一項に記載の装置
  21. 前記第2のチューブ(22)の第1の開口の各セット(23)が、少なくとも2つの第1の開口(29、31)を備え、前記第1の開口は、1つの面内において相互に対向して位置し、前記面は、前記第2のチューブ(22)に対して垂直であり、前記第1の開口(29、31)は、前記セットの隣の開口から等式D1=(第2のチューブの直径(d2)×Π)/2を満たす距離D1をおいて前記第2のチューブ(22)の前記壁部を貫通して位置する、請求項15から20のいずれか一項に記載の装置
  22. 前記第2のチューブ(22)の第1の開口の各セット(23)が、少なくとも4つの第1の開口(29〜32)を備え、前記第1の開口は、1つの面内において2×2で相互に対向して位置し、前記面は、前記第2のチューブ(22)に対して垂直であり、前記第1の開口(29〜32)のそれぞれが、前記セットの隣の開口から等式D1=(第2のスパージャチューブの直径(d2)×Π)/4を満たす距離D1をおいて前記第2のチューブ(22)の前記壁部を貫通して位置する、請求項15から21のいずれか一項に記載の装置
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