以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.システムの構成
2.第1の実施の形態:シェアードPLPをPLPグループIDのビットマップ構造で設定
(1)本技術の第1の実施の形態の概要
(2)運用例
(A)運用例1:PLPが単一のPLPグループに属している場合の運用例
(B)運用例2:PLPを共有する場合の運用例
(3)シグナリングの伝送方法
(4)既存技術との関係
3.第2の実施の形態:シェアードPLPをフラグで設定
(1)本技術の第2の実施の形態の概要
(2)運用例
(A)運用例3:PLPが単一のPLPグループに属している場合の運用例
(B)運用例4:PLPを共有する場合の運用例
(3)シグナリングの伝送方法
(4)既存技術との関係
4.各装置の構成
5.各装置で実行される処理の流れ
6.コンピュータの構成
<1.システムの構成>
図1は、本技術を適用した伝送システムの一実施の形態の構成を示す図である。なお、システムとは、複数の装置が論理的に集合した物をいう。
図1において、伝送システム1は、送信装置10と受信装置20から構成される。この伝送システム1では、ATSC(Advanced Television Systems Committee)等のデジタル放送の規格に準拠したデータ伝送が行われる。
送信装置10は、テレビ番組等のコンテンツの送信を行う。すなわち、送信装置10は、コンテンツを構成するビデオやオーディオ等(のコンポーネント)のストリームを、デジタル放送信号として、伝送路30を介して送信(伝送)する。
受信装置20は、送信装置10から伝送路30を介して送信されてくる、テレビ番組等のコンテンツを受信して出力する。すなわち、受信装置20は、送信装置10から送信されるデジタル放送信号を受信して、コンテンツを構成するビデオやオーディオ等(のコンポーネント)のストリームを取得し、コンテンツの映像や音声を出力する。
なお、図1の伝送システム1は、ATSCに準拠したデータ伝送のほか、DVB(Digital Video Broadcasting)やISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)などの規格、その他のデータ伝送に適用することができる。また、伝送路30としては、地上波のほか、衛星回線やケーブルテレビジョン網(有線回線)等を利用することができる。
<2.第1の実施の形態>
(1)本技術の第1の実施の形態の概要
ところで、現在策定中のATSC3.0においては、LLS(Link Layer Signaling)シグナリング情報と、SLS(Service Level Signaling)シグナリング情報を規定して、先行して取得されるLLSシグナリング情報に記述される情報に従い、サービスごとのSLSシグナリング情報が取得されるようにしている。
ここで、LLSシグナリング情報としては、例えば、SLT(Service List Table),EAD(Emergency Alerting Description),RRD(Region Rating Description)等のメタデータが含まれる。SLTは、サービスの選局に必要な情報など、放送ネットワークにおけるストリームやサービスの構成を示す情報を含む。EADは、緊急警報に関する情報を含む。RRDは、レーティングに関する情報を含む。
SLSシグナリング情報としては、例えば、USD(User Service Description),MPD(Media Presentation Description),LSID(LCT Session Instance Description)等のメタデータが含まれる。USDは、他のメタデータの取得先などの情報を含む。MPDは、コンポーネントのストリームの再生を管理するための制御情報である。LSIDは、ROUTE(Real-time Object Delivery over Unidirectional Transport)プロトコルの制御情報である。
なお、ATSC3.0では、データ伝送に、TS(Transport Stream)パケットではなく、UDP/IP、すなわち、UDP(User Datagram Protocol)パケットを含むIP(Internet Protocol)パケットを用いることが決定されている。また、ATSC3.0以外の放送方式でも、将来的に、IPパケットを用いたIP伝送方式が用いられることが期待されている。
また、ATSC3.0では、例えば、複数のサービスで、特定のコンポーネントを共有したり、複数のPLPをグルーピングしたりするなど、各種の運用形態が想定されているが、シグナリング情報の存在の有無を示す情報などを、LLSシグナリング情報やSLSシグナリング情報が伝送される層よりも下位の層(物理層)で伝送して、先に通知されるようにすることで、より柔軟な運用を行うことができるようにしたい、という要請があった。
本技術では、このような要請に対応するための記述子(以下、本技術記述子ともいう)を定義して、より柔軟な運用を行うことができるようにする。なお、以下の説明では、説明の都合上、第1の実施の形態で説明する本技術記述子を、「本技術記述子1」と称する一方で、第2の実施の形態で説明する本技術記述子を、「本技術記述子2」と称して区別するものとする。
(本技術記述子1のシンタックス)
図2は、本技術記述子1のシンタックスの例を示す図である。
6ビットのNUM_PLPは、ある1つの周波数帯域(例えば6MHzの周波数帯域)に配置することができるPLPの個数を示す。NUM_PLPの次は、2ビットのリザーブド領域(reserved)が配置される。リザーブド領域の次には、NUM_PLPが示すPLPの個数に応じて、PLPループが繰り返される。
このPLPループには、次の内容が設定される。すなわち、1ビットのLLS_EXIST_FLAGは、対象のPLPにおいて、LLSシグナリング情報が存在するかどうか示すフラグである。例えば、LLS_EXIST_FLAG="1"である場合、対象のPLPは、LLSシグナリング情報を含んでいることを示す。
7ビットのPLP_GROUP_IDは、対象のPLPが属しているグループを識別するためのIDである。ただし、PLP_GROUP_IDは、ビット列表記(Mnemonic)として、"bslbf(bit string, left bit first)"が指定されており、ビット列として扱われることになる。
図3には、本技術記述子1の具体的な記述例を示している。
ATSC3.0では、1つの周波数帯域(例えば1チャンネルに対応した6MHzの周波数帯域)には、最大64個のPLPを配置可能となることが規定されているので、ここでは、NUM_PLP="64"が設定され、PLPを識別するためのPLP_IDとして、0〜63の値が設定されている場合が例示されている。また、LLS_EXIST_FLAGは、"1"が設定された場合、対象のPLPに、LLSシグナリング情報が存在することを示し、"0"が設定された場合、対象のPLPに、LLSシグナリング情報が存在しないことを示している。
PLP_GROUP_IDは、7ビットからなるビット列における各ビットにグループを割り当てたビットマップ構造で表されている。したがって、7ビットのうち、最下位ビット(LSB:Least Significant Bit)から最上位ビット(MSB:Most Significant Bit)までの各ビットを順番に、PLPグループ1乃至PLPグループ7に割り当てることができる。
図3において、"0"であるPLP_IDで識別されるPLPには、LLS_EXIST_FLAGとして"1"が設定され、PLP_GROUP_IDとして"000 0001"が設定されている。すなわち、このPLPは、LLSシグナリング情報が存在し、かつ、PLPグループ1に属していることになる。
また、"1"であるPLP_IDで識別されるPLPには、LLS_EXIST_FLAGとして"1"が設定され、PLP_GROUP_IDとして"000 0010"が設定されている。すなわち、このPLPは、LLSシグナリング情報が存在し、かつ、PLPグループ2に属していることになる。
また、"2"であるPLP_IDで識別されるPLPには、LLS_EXIST_FLAGとして"0"が設定され、PLP_GROUP_IDとして"000 0011"が設定されている。すなわち、このPLPは、LLSシグナリング情報が存在せず、かつ、PLPグループ1とPLPグループ2の両方に属していることになる。換言すれば、"2"であるPLP_IDのPLPは、PLPグループ1(の"0"であるPLP_IDのPLP)と、PLPグループ2(の"1"であるPLP_IDのPLP)とで、共有(シェアード)されているPLP(以下、シェアードPLPという)であるとも言える。
また、"3"であるPLP_IDで識別されるPLPには、LLS_EXIST_FLAGとして"1"が設定され、PLP_GROUP_IDとして"000 0000"が設定されている。すなわち、このPLPは、LLSシグナリング情報が存在し、かつ、単独のPLPとして構成されるため、PLPグループには属していないことになる。
なお、図3では、PLP_IDが"4"〜"63"となるPLPに対する、LLS_EXIST_FLAGと、PLP_GROUP_IDについては記載していないが、上述したPLPと同様に、LLSシグナリング情報が存在するのであれば、LLS_EXIST_FLAGとして"1"が設定され、PLPグループに属しているのであれば、ビットマップ構造で表されるPLP_GROUP_IDの対象のPLPグループに対応したビットが立てられることになる。また、PLP_GROUP_IDは、7ビットであるとして説明したが、PLP_GROUP_IDに割り当てるビット数は任意である。例えば、PLP_GROUP_IDに、15ビットを割り当てることで、15個のPLPグループを設定することが可能となる。
(2)運用例
次に、図2の本技術記述子1を用いた具体的な運用例を説明する。
(A)運用例1
(システムパイプモデル)
図4は、運用例1のシステムパイプモデルを示す図である。
図4において、所定の周波数帯域(例えば6MHz)を有する放送波(RF Channel)においては、"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)と、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)と、"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)が伝送されている。
図4において、3個のPLPのうち、PLP0では、IP/UDP上で、NTP(Network Time Protocol)、サービスチャンネル(サービス)、及び、ESG(Electronic Service Guide)サービスのストリームが伝送されている。
PLP0において、サービスチャンネルのストリームは、SLSシグナリング情報、並びにビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを含む。SLSシグナリング情報は、USDやMPD等のサービスごとのシグナリング情報である。また、ビデオ、オーディオ、及び、字幕のコンポーネントにより、当該サービスチャンネルにより提供されるコンテンツA(例えばテレビ番組)が構成される。なお、NTPは、時刻情報である。また、ESGサービスは、電子サービスガイドである。
図4において、PLP1では、IP/UDP上で、サービスチャンネル(サービス)、及び、LLSシグナリング情報のストリームが伝送されている。サービスチャンネルのストリームは、ロバスト性の高いロバストオーディオのストリームを含む。LLSシグナリング情報は、SLT等の特定のサービスに依存しないシグナリング情報である。
ここで、PLP0とPLP1は、同一のPLPグループ1に属している。すなわち、このPLPグループ1においては、PLP1で、LLSシグナリング情報のストリームが伝送されているので、受信装置20は、そこからSLTを取得し、選局情報として保持することができる。
また、受信装置20では、コンテンツAのサービスチャンネル(サービス)が選局された場合、選局情報(SLT)に記述されるブートストラップ情報に従い、PLP0で伝送されているSLSシグナリング情報を取得することができる。そして、受信装置20は、PLP0のSLSシグナリング情報に基づいて、ビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを取得して、PLP0のコンテンツAを再生することになる。
なお、ここでは、PLP1のサービスチャンネルのストリームで、ロバストオーディオのストリームが伝送されているので、PLP0のオーディオの代わりに、PLP1のロバストオーディオが再生されるようにしてもよい。
このように、PLP0とPLP1は、同一のPLPグループ1に属しているが、LLSシグナリング情報はPLP1で伝送される一方、SLSシグナリング情報はPLP0で伝送されている。すなわち、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報とが、異なるPLPで伝送されている。
また、図4において、PLP2では、IP/UDP上で、NTP、サービスチャンネル(サービス)、LLSシグナリング情報、及び、ESGサービスのストリームが伝送されている。PLP2において、サービスチャンネルのストリームは、SLSシグナリング情報、並びにビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを含む。ビデオ、オーディオ、及び、字幕のコンポーネントにより、当該サービスチャンネルにより提供されるコンテンツB(例えばテレビ番組)が構成される。
ここで、PLP2は、PLPグループには属さず、単独のPLPとして構成される。すなわち、このPLP2では、LLSシグナリング情報のストリームが伝送されているので、受信装置20は、そこからSLTを取得し、選局情報として保持することができる。
また、受信装置20では、コンテンツBのサービスチャンネル(サービス)が選局された場合、選局情報(SLT)に記述されるブートストラップ情報に従い、PLP2で伝送されているSLSシグナリング情報を取得することができる。そして、受信装置20は、PLP2のSLSシグナリング情報に基づいて、ビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを取得して、PLP2のコンテンツBを再生することになる。
このように、PLP2は、単独のPLPとして構成されているため、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報が共にPLP2で伝送されている。すなわち、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報とが、同一のPLPで伝送されている。
(本技術記述子1の記述例)
以上のように構成される運用例1のシステムパイプモデル(図4)について、図2の本技術記述子1により、PLPIDで識別されるPLPごとに、LLSシグナリング情報の存在の有無と、PLPグループの所属を表すと、図5に示すようになる。
図5においては、"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)では、LLSシグナリング情報(のストリーム)が伝送されていないので、LLS_EXIST_FLAGとして"0"が設定されている。一方で、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)と、"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)では、LLSシグナリング情報(のストリーム)が伝送されているので、LLS_EXIST_FLAGとして"1"が設定されている。
また、"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)と、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)は、同一のPLPグループ1に属しているので、PLP_GROUP_IDには、共に、PLPグループ1に属していることを表している"000 0001"が設定されている。一方で、"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)は、PLPグループには属しておらず、単独のPLPとなるので、PLP_GROUP_IDには、"000 0000"が設定されている。
なお、図4の運用例1のシステムパイプモデルにおいては、3個のPLP(PLP0乃至PLP2)のみが伝送されているので、PLP_IDが"3"〜"63"となるPLPに関する情報は記述する必要はない。
以上のように、運用例1では、図5の本技術記述子1が、ATSC3.0のプロトコルスタックにおける物理層で伝送されるようにすることで、受信装置20は、図5の本技術記述子1を取得した時点で、例えば、PLPグループ1に属するPLP0とPLP1のうち、PLP1でLLSシグナリング情報が伝送されていることを認識することができる。そのため、例えば、複数のサービスチャンネル(サービス)により特定のコンポーネントを共有したり、あるいは、複数のPLPをグルーピングしたりするなどの各種の運用形態に対しても、柔軟に対応することができる。
また、受信装置20では、図5の本技術記述子1を取得した時点で、物理層よりも上位の層で伝送されるシグナリング情報の存在を認識できるため、対象のシグナリング情報を迅速に取得して、処理時間を短縮することができる。
(B)運用例2
(システムパイプモデル)
図6は、運用例2のシステムパイプモデルを示す図である。
図6において、所定の周波数帯域(例えば6MHz)を有する放送波(RF Channel)においては、"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)と、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)と、"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)が伝送されている。
図6において、3個のPLPのうち、PLP0では、IP/UDP上で、サービスチャンネル(サービス)のストリームが伝送されている。
PLP0において、サービスチャンネルのストリームは、SLSシグナリング情報、並びにビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを含む。すなわち、ビデオ、オーディオ、及び、字幕等のコンポーネントにより、当該サービスチャンネルにより提供されるコンテンツC(例えばテレビ番組)が構成される。
図6において、PLP1では、IP/UDP上で、NTP、LLSシグナリング情報、及び、ESGサービスのストリームが伝送されている。ただし、PLP1は、シェアードPLPとされる。
ここで、PLP0とPLP1は、同一のPLPグループ1に属している。すなわち、このPLPグループ1においては、PLP1(シェアードPLP)で、LLSシグナリング情報のストリームが伝送されているので、受信装置20は、そこからSLTを取得し、選局情報として保持することができる。
また、受信装置20では、コンテンツCのサービスチャンネル(サービス)が選局された場合、選局情報(SLT)に記述されるブートストラップ情報に従い、PLP0で伝送されているSLSシグナリング情報を取得することができる。そして、受信装置20は、PLP0のSLSシグナリング情報に基づいて、ビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを取得して、PLP0のコンテンツCを再生することになる。
このように、PLP0とPLP1は、同一のPLPグループ1に属しているが、LLSシグナリング情報はPLP1(シェアードPLP)で伝送される一方、SLSシグナリング情報はPLP0で伝送されている。すなわち、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報とが、異なるPLPで伝送されている。
また、図6において、PLP2では、IP/UDP上で、サービスチャンネル(サービス)のストリームが伝送されている。PLP2において、サービスチャンネルのストリームは、SLSシグナリング情報、並びにビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを含む。すなわち、ビデオ、オーディオ、及び、字幕等のコンポーネントにより、当該サービスチャンネルにより提供されるコンテンツD(例えばテレビ番組)が構成される。
ここで、PLP2とPLP1は、同一のPLPグループ2に属している。すなわち、このPLPグループ2においては、PLP1(シェアードPLP)で、LLSシグナリング情報のストリームが伝送されているので、受信装置20は、そこからSLTを取得し、選局情報として保持することができる。
また、受信装置20では、コンテンツDのサービスチャンネル(サービス)が選局された場合、選局情報(SLT)に記述されるブートストラップ情報に従い、PLP2で伝送されているSLSシグナリング情報を取得することができる。そして、受信装置20は、PLP2のSLSシグナリング情報に基づいて、ビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを取得して、PLP2のコンテンツDを再生することになる。
このように、PLP2とPLP1は、同一のPLPグループ2に属しているが、LLSシグナリング情報はPLP1(シェアードPLP)で伝送される一方、SLSシグナリング情報はPLP2で伝送されている。すなわち、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報とが、異なるPLPで伝送されている。
また、PLP1は、PLPグループ1とPLPグループ2とで、共有されているシェアードPLPであって、PLPグループ1とPLPグループ2の両方のPLPグループに属し、PLPグループ1とPLPグループ2の両方で用いられるNTP、LLSシグナリング情報、及び、ESGサービスのストリームを伝送している。
(本技術記述子1の記述例)
以上のように構成される運用例2のシステムパイプモデル(図6)について、図2の本技術記述子1により、PLPIDで識別されるPLPごとに、LLSシグナリング情報の存在の有無と、PLPグループの所属を表すと、図7に示すようになる。
図7においては、"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)と、"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)では、LLSシグナリング情報(のストリーム)が伝送されていないので、LLS_EXIST_FLAGとして"0"が設定されている。一方で、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)では、LLSシグナリング情報(のストリーム)が伝送されているので、LLS_EXIST_FLAGとして"1"が設定されている。
また、"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)と、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)は、同一のPLPグループ1に属しているので、PLP0のPLP_GROUP_IDには、PLPグループ1に属していることを表している"000 0001"が設定され、PLP1のPLP_GROUP_IDには、PLPグループ1に属していることを表している"000 0011"が設定されている。すなわち、PLP0とPLP1のPLP_GROUP_IDにおいては、共に、PLPグループ1に属していることを表している最下位ビット(LSB)が立っている。
一方で、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)と、"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)は、同一のPLPグループ2に属しているので、PLP1のPLP_GROUP_IDには、PLPグループ2に属していることを表している"000 0011"が設定され、PLP2のPLP_GROUP_IDには、PLPグループ2に属していることを表している"000 0010"が設定されている。すなわち、PLP1とPLP2のPLP_GROUP_IDにおいては、共に、PLPグループ2に属していることを表している右側から2番目のビットが立っている。
また、PLP1は、PLP_GROUP_IDとして、"000 0011"が設定され、PLPグループ1とPLPグループ2の両方のPLPグループに属する(共有されている)シェアードPLPとされている。
なお、図6の運用例2のシステムパイプモデルにおいては、3個のPLP(PLP0乃至PLP2)のみが伝送されているので、PLP_IDが"3"〜"63"となるPLPに関する情報は記述する必要はない。
以上のように、運用例2では、図7の本技術記述子1が、ATSC3.0のプロトコルスタックにおける物理層で伝送されるようにすることで、受信装置20は、図7の本技術記述子1を取得した時点で、例えば、PLPグループ1とPLPグループ2の両方に属している(共有されている)PLP1(シェアードPLP)で、LLSシグナリング情報が伝送されていることを認識することができる。そのため、例えば、複数のサービスチャンネル(サービス)により特定のコンポーネントを共有したり、あるいは、複数のPLPをグルーピングしたりするなどの各種の運用形態に対しても、柔軟に対応することができる。
また、受信装置20では、図7の本技術記述子1を取得した時点で、物理層よりも上位の層で伝送されるシグナリング情報の存在を認識できるため、対象のシグナリング情報を迅速に取得して、処理時間を短縮することができる。
(3)シグナリングの伝送方法
(レイヤ構造)
図8は、ATSC3.0に対応したレイヤ構造の概念を説明する図である。
図8に示すように、レイヤ3(L3)では、IPパケット(IP Packet)が伝送される。IPパケットは、IPヘッダ(IP Header)と、UDPヘッダ(UDP Header)及びデータ(Data)から構成される。すなわち、IPパケットは、UDPパケットが含まれたIP/UDPパケットとされる。IPパケット(IP/UDPパケット)のデータには、ビデオやオーディオ等(のコンポーネント)のデータと、LLSやSLSのシグナリング情報などが配置される。
レイヤ2(L2)では、伝送パケットとしてのGenericパケット(Generic Packet)が伝送される。Genericパケットは、Genericヘッダ(Generic Header)とペイロード(Payload)から構成される。Genericパケットのペイロードには、1又は複数のIPパケット(IP/UDPパケット)が配置され、カプセル化(encapsulation)される。
物理層に相当するレイヤ1(L1)のBBフレーム(Baseband Frame)は、BBフレームヘッダ(Baseband Frame Header)とペイロード(Payload)から構成される。BBフレームのペイロードには、複数のGenericパケットが配置され、カプセル化される。また、レイヤ1においては、複数のBBフレームをスクランブルして得られるデータ(Data)がFECフレーム(FEC Frame)にマッピングされ、物理層のエラー訂正用のパリティ(Parity)が付加される。
レイヤ1(L1)の物理層フレーム(ATSC (Physical) Frame)は、ブートストラップ(Bootstrap)、プリアンブル(Preamble)、及び、データ部(Data)から構成される。そして、物理層フレームのデータ部には、複数のFECフレームに対して、ビットインターリーブを行った後に、マッピング処理を行い、さらに、時間方向と周波数方向にインターリーブを行うなどの物理層の処理が行われることで得られるデータがマッピングされる。
ここで、上述した本技術記述子1(図2)は、物理層フレームのプリアンブルに配置することができる。例えば、プリアンブルには、L1-postシグナリング情報が配置されるが、そこに、本技術記述子1の内容を記述することができる。
具体的には、図9に示したATSC3.0に対応したL1-postシグナリング情報において、PLPループ内に配置されている8ビットのPLP_GROUP_IDの代わりに、図2の本技術記述子1で規定されている、1ビットのLLS_EXIST_FLAGと、7ビットのPLP_GROUP_IDが配置されるようにする。これにより、LLSシグナリング情報の存在の有無とPLPグループの所属を、PLPIDで識別されるPLPごとに表した情報が、物理層のシグナリングとして伝送されることになる。
なお、図9では、本技術記述子1の内容が、L1-postシグナリング情報のPLPループ内に配置される場合を示したが、L1-postシグナリング情報に配置するのは一例であって、他の場所に配置されるようにしてもよい。
(4)既存技術との関係
(DVB-NGHとの関係)
図10は、DVB-NGHとの関係を示す図である。
図10の「logical channels」に示すように、DVB-NGHでは、STREAM_GROUP_IDを規定して、PLPをグルーピング(PLP cluster)できるようにしているが、複数のPLPグループを跨いで共有されるようなPLPを設定することはできない。また、物理層よりも上位の層に存在するシグナリング情報の存在の有無を通知するような規定も存在していない。
なお、DVB-NGHの詳細な内容は、下記の非特許文献2に開示されている。DVB-NGHにおいても、物理層のシグナリング情報に、本技術記述子1(図2)で規定されている、1ビットのLLS_EXIST_FLAGと、7ビットのPLP_GROUP_IDに相当する情報が配置されるようにすることができる。これにより、物理層よりも上位の層に存在するシグナリング情報の存在の有無とPLPグループの所属を、PLPIDで識別されるPLPごとに表した情報が、物理層のシグナリングとして伝送されるようにすることができる。
非特許文献2:DVB Document A160
(DVB-T2との関係)
図11は、DVB-T2との関係を示す図である。
図11のDVB-T2で規定されているL1-postシグナリング情報においては、PLPループ内に、8ビットのPLP_GROUP_IDが配置されている。このPLP_GROUP_IDは、同一のPLP_GROUP_IDを有するData PLPと、Common PLPとを関連付けるためのものである。したがって、現状のDVB-T2では、物理層よりも上位の層に存在するシグナリング情報の存在の有無や、複数のPLPグループを跨いで共有されたPLPを通知するための情報は規定されていない。
そこで、図11に示すように、DVB-T2で規定されているL1-postシグナリング情報においても、PLPループ内に配置されているPLP_GROUP_IDの代わりに、本技術記述子1(図2)で規定されている、1ビットのLLS_EXIST_FLAGと、7ビットのPLP_GROUP_IDが配置されるようにする。これにより、物理層よりも上位の層に存在するシグナリング情報の存在の有無とPLPグループの所属を、PLPIDで識別されるPLPごとに表した情報が、物理層のシグナリングとして伝送されるようにすることができる。
なお、DVB-T2に規定されたL1-postシグナリング情報の詳細な内容については、上述した非特許文献1に開示されている。また、DVB-T2と同様に、DVB-C2(ETSI EN 302 769)と、現在DVB-C2に基づき規格策定中の日本の超高精細度ケーブルテレビ規格における伝送においても適用可能である。
(ISDB-Sとの関係)
図12は、ISDB-Sとの関係を示す図である。
図12に示すように、ISDB-Sでは、48個のスロットを、1フレームとして規定しているが、図13の相対TS/スロット情報と、図14の相対TS/TS_ID対応表によって、各スロットのグルーピングを行っている。すなわち、図13において、各スロットは、同一の相対TS番号を有する他のスロットと同一のグループになる。また、相対TS番号は、図14の相対TS/TS_ID対応表により、TS_IDと関連付けられる。
このように、ISDB-Sでは、各スロットをグルーピングできるようにしているが、複数のグループを跨いで共有されるようなスロットを設定することはできない。また、物理層よりも上位の層に存在するシグナリング情報の存在の有無を通知するような規定も存在していない。
なお、ISDB-Sの詳細な内容は、下記の非特許文献3に開示されている。ISDB-Sにおいても、物理層のシグナリング情報に、本技術記述子1(図2)で規定されている、1ビットのLLS_EXIST_FLAGと、7ビットのPLP_GROUP_IDに相当する情報が配置されるようにすることができる。これにより、物理層よりも上位の層に存在するシグナリング情報の存在の有無とグループの所属を表した情報が、物理層のシグナリングとして伝送されるようにすることができる。
非特許文献3:ARIB STD-B20 3.0版 社団法人 電波産業会
<3.第2の実施の形態>
(1)本技術の第2の実施の形態の概要
上述した第1の実施の形態では、本技術記述子1(図2)において、ビットマップ構造からなるPLPグループID(PLP_GROUP_ID)を規定して、同一のPLPグループに属するPLPに、共通のビットを立てることで、シェアードPLPを設定できるようにしていた。第2の実施の形態では、本技術記述子2において、PLPグループID(PLP_GROUP_ID)とは別に、対象のPLPが、シェアードPLPであるか否かを示すフラグをを規定することで、シェアードPLPを設定できるようにする。
(本技術記述子2のシンタックス)
図15は、本技術記述子2のシンタックスの例を示す図である。
6ビットのNUM_PLPは、ある1つの周波数帯域(例えば6MHzの周波数帯域)に配置することができるPLPの個数を示す。NUM_PLPの次は、2ビットのリザーブド領域(reserved)が配置される。リザーブド領域の次には、NUM_PLPが示すPLPの個数に応じて、PLPループが繰り返される。
このPLPループには、次の内容が設定される。すなわち、1ビットのLLS_EXIST_FLAGは、対象のPLPにおいて、LLSシグナリング情報が存在するかどうか示すフラグである。例えば、LLS_EXIST_FLAG="1"である場合、対象のPLPは、LLSシグナリング情報を含んでいることを示す。
1ビットのSHARED_PLP_FLAGは、対象のPLPが共有されたシェアードPLPであるかどうかを示すフラグである。例えば、SHARED_PLP_FLAG="1"である場合、対象のPLPは、シェアードPLPであることを示す。
6ビットのPLP_GROUP_IDは、対象のPLPが属しているグループを識別するためのIDである。ただし、PLP_GROUP_IDは、ビット列表記(Mnemonic)として、"uimsbf(unsigned integer most significant bit first)"が指定されており、ビット演算して整数として扱われる。
このように、本技術記述子2では、SHARED_PLP_FLAGが規定されている点で、上述した本技術記述子1(図2)と異なっている。また、本技術記述子2では、PLP_GROUP_IDに、ビット列表記として"uimsbf"が指定されているが、本技術記述子1(図2)では、PLP_GROUP_IDに、"bslbf"が指定されている点で異なっている。さらに、本技術記述子2では、PLP_GROUP_IDのビット数は、6ビットであるが、本技術記述子1(図2)では、PLP_GROUP_IDのビット数は、7ビットである点も異なっている。
図16には、本技術記述子2の具体的な記述例を示している。
ATSC3.0では、1つの周波数帯域(例えば1チャンネルに対応した6MHzの周波数帯域)には、最大64個のPLPを配置可能となることが規定されているので、ここでは、NUM_PLP="64"が設定され、PLPを識別するためのPLP_IDとして、0〜63の値が設定されている場合が例示されている。
LLS_EXIST_FLAGは、"1"が設定された場合、対象のPLPに、LLSシグナリング情報が存在することを示し、"0"が設定された場合、対象のPLPに、LLSシグナリング情報が存在しないことを示している。また、SHARED_PLP_FLAGは、"1"が設定された場合、対象のPLPがシェアードPLPであることを示し、"0"が設定された場合、対象のPLPがシェアードPLPではないことを示している。
図16において、"0"であるPLP_IDで識別されるPLP(PLP0)には、LLS_EXIST_FLAGとして"1"が設定され、SHARED_PLP_FLAGとして"0"が設定されている。また、"1"であるPLP_IDで識別されるPLP(PLP1)には、LLS_EXIST_FLAGとして"0"が設定され、SHARED_PLP_FLAGとして"0"が設定されている。
これらのPLP0とPLP1には、PLP_GROUP_IDとして"0"が設定されており、同一のPLPグループ(PLPグループ1)に属していることになる。すなわち、このPLPグループ1において、PLP0には、LLSシグナリング情報が存在するが、PLP1には、LLSシグナリング情報が存在せず、さらに、PLP0とPLP1は、シェアードPLPではないことになる。
また、図16において、"2"であるPLP_IDで識別されるPLP(PLP2)には、LLS_EXIST_FLAGとして"0"が設定され、SHARED_PLP_FLAGとして"1"が設定されている。また、"3"であるPLP_IDで識別されるPLP(PLP3)には、LLS_EXIST_FLAGとして"0"が設定され、SHARED_PLP_FLAGとして"1"が設定されている。
これらのPLP2とPLP3には、PLP_GROUP_IDとして"1"が設定されており、同一のPLPグループに属していることになる。すなわち、このPLPグループにおいて、PLP2とPLP3には、共にLLSシグナリング情報が存在せず、さらに、シェアードPLPとして共有されていることになる。
また、図16において、"4"であるPLP_IDで識別されるPLP(PLP4)には、LLS_EXIST_FLAGとして"1"が設定され、SHARED_PLP_FLAGとして"0"が設定されている。また、"5"であるPLP_IDで識別されるPLP(PLP5)には、LLS_EXIST_FLAGとして"0"が設定され、SHARED_PLP_FLAGとして"0"が設定されている。
これらのPLP4とPLP5には、PLP_GROUP_IDとして"2"が設定されており、同一のPLPグループ(PLPグループ2)に属していることになる。すなわち、このPLPグループ2において、PLP4には、LLSシグナリング情報が存在するが、PLP5には、LLSシグナリング情報が存在せず、さらに、PLP4とPLP5は、シェアードPLPではないことになる。
さらに、図16において、"6"であるPLP_IDで識別されるPLP(PLP6)には、LLS_EXIST_FLAGとして"1"が設定され、SHARED_PLP_FLAGとして"0"が設定されている。このPLP6には、PLP_GROUP_IDとして"3"が設定されているが、他のPLPには、PLP_GROUP_IDとして"3"が設定されているPLPは存在せず、単独のPLPとして構成されている。すなわち、単独で構成されるPLP6には、LLSシグナリング情報が存在するが、シェアードPLPではないことになる。
ここで、同一のPLPグループに属するPLP2とPLP3は、シェアードPLPであって、他のPLPに共有されているが、図16の例では、PLP0とPLP1が属するPLPグループ1、及び、PLP4とPLP5が属するPLPグループ2によって、共有されている。
すなわち、シェアードPLPであるPLP2とPLP3は、PLPグループ1とPLPグループ2の両方のPLPグループに属していることになる。換言すれば、PLPグループ1には、PLP0,PLP1,PLP2,PLP3が属する一方で、PLPグループ1には、PLP2,PLP3,PLP4,PLP5が属していると言える。なお、PLP6は、単独で構成されるため、シェアードPLPであるPLP2とPLP3を共有していない。
(2)運用例
次に、図15の本技術記述子2を用いた具体的な運用例を説明する。
(A)運用例3
(システムパイプモデル)
図17は、運用例3のシステムパイプモデルを示す図である。
図17において、所定の周波数帯域(例えば6MHz)を有する放送波(RF Channel)においては、"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)と、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)と、"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)が伝送されている。
図17において、3個のPLPのうち、PLP0では、IP/UDP上で、NTP、サービスチャンネル(サービス)、及び、ESGサービスのストリームが伝送されている。
PLP0において、サービスチャンネルのストリームは、SLSシグナリング情報、並びにビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを含む。SLSシグナリング情報は、USDやMPD等のサービスごとのシグナリング情報である。また、ビデオ、オーディオ、及び、字幕のコンポーネントにより、当該サービスチャンネルにより提供されるコンテンツA(例えばテレビ番組)が構成される。
図17において、PLP1では、IP/UDP上で、サービスチャンネル(サービス)、及び、LLSシグナリング情報のストリームが伝送されている。サービスチャンネルのストリームは、ロバスト性の高いロバストオーディオのストリームを含む。LLSシグナリング情報は、SLT等の特定のサービスに依存しないシグナリング情報である。
ここで、PLP0とPLP1は、同一のPLPグループ1に属している。すなわち、このPLPグループ1においては、PLP1で、LLSシグナリング情報のストリームが伝送されているので、受信装置20は、そこからSLTを取得し、選局情報として保持することができる。
また、受信装置20では、コンテンツAのサービスチャンネル(サービス)が選局された場合、選局情報(SLT)に記述されるブートストラップ情報に従い、PLP0で伝送されているSLSシグナリング情報を取得することができる。そして、受信装置20は、PLP0のSLSシグナリング情報に基づいて、ビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを取得して、PLP0のコンテンツAを再生することになる。
なお、ここでは、PLP1のサービスチャンネルのストリームで、ロバストオーディオのストリームが伝送されているので、PLP0のオーディオの代わりに、PLP1のロバストオーディオが再生されるようにしてもよい。
このように、PLP0とPLP1は、同一のPLPグループ1に属しているが、LLSシグナリング情報はPLP1で伝送される一方、SLSシグナリング情報はPLP0で伝送されている。すなわち、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報とが、異なるPLPで伝送されている。
また、図17において、PLP2では、IP/UDP上で、NTP、サービスチャンネル(サービス)、LLSシグナリング情報、及び、ESGサービスのストリームが伝送されている。PLP2において、サービスチャンネルのストリームは、SLSシグナリング情報、並びにビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを含む。ビデオ、オーディオ、及び、字幕のコンポーネントにより、当該サービスチャンネルにより提供されるコンテンツB(例えばテレビ番組)が構成される。
ここで、PLP2は、単独のPLPとして構成される。すなわち、このPLP2では、LLSシグナリング情報のストリームが伝送されているので、受信装置20は、そこからSLTを取得し、選局情報として保持することができる。
また、受信装置20では、コンテンツBのサービスチャンネル(サービス)が選局された場合、選局情報(SLT)に記述されるブートストラップ情報に従い、PLP2で伝送されているSLSシグナリング情報を取得することができる。そして、受信装置20は、PLP2のSLSシグナリング情報に基づいて、ビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを取得して、PLP2のコンテンツBを再生することになる。
このように、PLP2は、単独のPLPとして構成されているため、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報が共にPLP2で伝送されている。すなわち、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報とが、同一のPLPで伝送されている。
(本技術記述子2の記述例)
以上のように構成される運用例3のシステムパイプモデル(図17)について、図15の本技術記述子2により、PLPIDで識別されるPLPごとに、LLSシグナリング情報の存在の有無と、シェアードPLPであるか否かと、PLPグループの所属を表すと、図18に示すようになる。
図18においては、"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)では、LLSシグナリング情報(のストリーム)が伝送されていないので、LLS_EXIST_FLAGとして"0"が設定されている。一方で、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)と、"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)では、LLSシグナリング情報(のストリーム)が伝送されているので、LLS_EXIST_FLAGとして"1"が設定されている。
また、"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)、及び、"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)は、すべてシェアードPLPではないため、SHARED_PLP_FLAGとして"0"がそれぞれ設定されている。
さらに、"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)と、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)は、同一のPLPグループ1に属しているので、PLP_GROUP_IDには、共に、PLPグループ1に属していることを表している"0"が設定されている。一方で、"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)は、単独のPLPとなるので、PLP_GROUP_IDには、"1"が設定されている。
なお、図18の運用例3のシステムパイプモデルにおいては、3個のPLP(PLP0乃至PLP2)のみが伝送されているので、PLP_IDが"3"〜"63"となるPLPに関する情報は記述する必要はない。
以上のように、運用例3では、図18の本技術記述子2が、ATSC3.0のプロトコルスタックにおける物理層で伝送されるようにすることで、受信装置20は、図18の本技術記述子2を取得した時点で、例えば、PLPグループ1に属するPLP0とPLP1のうち、PLP1でLLSシグナリング情報が伝送されていることを認識することができる。そのため、例えば、複数のサービスチャンネル(サービス)により特定のコンポーネントを共有したり、あるいは、複数のPLPをグルーピングしたりするなどの各種の運用形態に対しても、柔軟に対応することができる。
また、受信装置20では、図18の本技術記述子2を取得した時点で、物理層よりも上位の層で伝送されるシグナリング情報の存在を認識できるため、対象のシグナリング情報を迅速に取得して、処理時間を短縮することができる。さらに、運用形態によっては、PLP_GROUP_IDのビット数を削減したいという要請が想定されるが、本技術記述子2を採用することで、その要請に応えることができる。
(B)運用例4
(システムパイプモデル)
図19は、運用例4のシステムパイプモデルを示す図である。
図19において、所定の周波数帯域(例えば6MHz)を有する放送波(RF Channel)においては、"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)と、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)と、"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)と、"3"であるPLPIDのPLP(PLP3)と、"4"であるPLPIDのPLP(PLP4)と、"5"であるPLPIDのPLP(PLP5)が伝送されている。
図19において、6個のPLPのうち、PLP0では、IP/UDP上で、NTP、LLSシグナリング情報、及び、サービスチャンネル(サービス)のストリームが伝送されている。
PLP0において、サービスチャンネルのストリームは、SLSシグナリング情報、並びにビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを含む。すなわち、ビデオ、オーディオ、及び、字幕等のコンポーネントにより、当該サービスチャンネルにより提供されるコンテンツC(例えばテレビ番組)が構成される。
また、PLP1では、IP/UDP上で、サービスチャンネル(サービス)のストリームが伝送されている。このPLP1のサービスチャンネルのストリームは、ロバストオーディオのストリームを含む。
ここで、PLP0とPLP1は、同一のPLPグループ1に属している。すなわち、このPLPグループ1においては、PLP0で、LLSシグナリング情報のストリームが伝送されているので、受信装置20は、そこからSLTを取得し、選局情報として保持することができる。
また、受信装置20では、コンテンツCのサービスチャンネル(サービス)が選局された場合、選局情報(SLT)に記述されるブートストラップ情報に従い、PLP0で伝送されているSLSシグナリング情報を取得することができる。そして、受信装置20は、PLP0のSLSシグナリング情報に基づいて、ビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを取得して、PLP0のコンテンツCを再生することになる。
なお、ここでは、PLP1のサービスチャンネルのストリームで、ロバストオーディオのストリームが伝送されているので、PLP0のオーディオの代わりに、PLP1のロバストオーディオが再生されるようにしてもよい。
図19において、PLP2とPLP3は、PLPグループ1とPLPグループ2で共有されるシェアードPLPであって、IP/UDP上で、サービスチャンネルのストリームが伝送されている。PLP2のサービスチャンネルのストリームは、緊急告知用オーディオのストリームを含む。また、PLP3のサービスチャンネルのストリームは、ESGサービスのストリームを含む。
すなわち、PLPグループ1には、PLP0とPLP1の他に、シェアードPLPとしてのPLP2とPLP3が属している。したがって、受信装置20は、PLP2で伝送されている、緊急告知用オーディオのストリームを取得することで、PLP0のコンテンツCの再生時に、緊急告知用の音声を再生することができる。また、受信装置20は、PLP3で伝送されている、ESGサービスのストリームを取得することで、電子サービスガイドを表示させることができる。
このように、PLP0、PLP1、PLP2、及び、PLP3は、同一のPLPグループ1に属し、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報が共にPLP0で伝送されている。また、PLPグループ1において、シェアードPLPとしてのPLP2とPLP3では、緊急告知用オーディオのストリームと、ESGサービスのストリームがそれぞれ伝送されている。受信装置20は、これらのPLPグループ1に属するPLPを、PLPグループ単位で処理することになる。
また、図19において、PLP4では、IP/UDP上で、NTP、LLSシグナリング情報、及び、サービスチャンネル(サービス)のストリームが伝送されている。
PLP4において、サービスチャンネルのストリームは、SLSシグナリング情報、並びにビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを含む。すなわち、ビデオ、オーディオ、及び、字幕等のコンポーネントにより、当該サービスチャンネルにより提供されるコンテンツD(例えばテレビ番組)が構成される。
ここで、PLP4は、PLPグループ2に属している。すなわち、このPLPグループ2においては、PLP4で、LLSシグナリング情報のストリームが伝送されているので、受信装置20は、そこからSLTを取得し、選局情報として保持することができる。
また、受信装置20では、コンテンツDのサービスチャンネル(サービス)が選局された場合、選局情報(SLT)に記述されるブートストラップ情報に従い、PLP4で伝送されているSLSシグナリング情報を取得することができる。そして、受信装置20は、PLP4のSLSシグナリング情報に基づいて、ビデオ、オーディオ、及び、字幕のストリームを取得して、PLP4のコンテンツDを再生することになる。
図19において、PLP2とPLP3は、PLPグループ1とPLPグループ2で共有されるシェアードPLPであって、PLP2のサービスチャンネルのストリームは、緊急告知用オーディオのストリームを含み、PLP3のサービスチャンネルのストリームは、ESGサービスのストリームを含む。
すなわち、PLPグループ2には、PLP4の他に、シェアードPLPとしてのPLP2とPLP3が属している。したがって、受信装置20は、PLP2で伝送されている、緊急告知用オーディオのストリームを取得することで、PLP4のコンテンツDの再生時に、緊急告知用の音声を再生することができる。また、受信装置20は、PLP3で伝送されている、ESGサービスのストリームを取得することで、電子サービスガイドを表示させることができる。
このように、PLP2、PLP3、及び、PLP4は、同一のPLPグループ2に属し、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報が共にPLP4で伝送されている。また、PLPグループ2において、シェアードPLPとしてのPLP2とPLP3では、緊急告知用オーディオのストリームと、ESGサービスのストリームがそれぞれ伝送されている。受信装置20は、これらのPLPグループ2に属するPLPを、PLPグループ単位で処理することになる。
さらに、図19において、PLP5では、IP/UDP上で、NTP、LLSシグナリング情報、ESGサービス、及び、サービスチャンネル(サービス)のストリームが伝送されている。PLP5において、サービスチャンネルのストリームは、SLSシグナリング情報、並びにビデオ、及び、オーディオのストリームを含む。ビデオ、及び、オーディオのコンポーネントにより、当該サービスチャンネルにより提供されるコンテンツE(例えばテレビ番組)が構成される。
ここで、PLP5は、単独のPLPとして構成される。すなわち、このPLP5では、LLSシグナリング情報のストリームが伝送されているので、受信装置20は、そこからSLTを取得し、選局情報として保持することができる。
また、受信装置20では、コンテンツEのサービスチャンネル(サービス)が選局された場合、選局情報(SLT)に記述されるブートストラップ情報に従い、PLP5で伝送されているSLSシグナリング情報を取得することができる。そして、受信装置20は、PLP5のSLSシグナリング情報に基づいて、ビデオ、及び、オーディオのストリームを取得して、PLP5のコンテンツEを再生することになる。
このように、PLP5は、単独のPLPとして構成されているため、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報が共にPLP5で伝送されている。すなわち、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報とが、同一のPLPで伝送されている。
(本技術記述子2の記述例)
以上のように構成される運用例4のシステムパイプモデル(図19)について、図15の本技術記述子2により、PLPIDで識別されるPLPごとに、LLSシグナリング情報の存在の有無と、シェアードPLPであるか否かと、PLPグループの所属を表すと、図20に示すようになる。
図20においては、"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)では、LLSシグナリング情報(のストリーム)が伝送されているので、LLS_EXIST_FLAGとして"1"が設定されている。一方で、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)では、LLSシグナリング情報(のストリーム)が伝送されていないので、LLS_EXIST_FLAGとして"0"が設定されている。
"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)、及び、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)は、共にシェアードPLPではないため、SHARED_PLP_FLAGとして"0"がそれぞれ設定されている。また、"0"であるPLPIDのPLP(PLP0)と、"1"であるPLPIDのPLP(PLP1)は、同一のPLPグループ1に属しているので、PLP_GROUP_IDには、共に、PLPグループ1に属していることを表している"0"が設定されている。
"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)、及び、"3"であるPLPIDのPLP(PLP3)は、共にシェアードPLPであるため、SHARED_PLP_FLAGとして"1"がそれぞれ設定されている。また、"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)と、"3"であるPLPIDのPLP(PLP3)は、同一のPLPグループに属しているので、PLP_GROUP_IDとして"1"がそれぞれ設定されている。
なお、"2"であるPLPIDのPLP(PLP2)と、"3"であるPLPIDのPLP(PLP3)では、LLSシグナリング情報(のストリーム)が伝送されていないので、共に、LLS_EXIST_FLAGとして"0"が設定されている。
"4"であるPLPIDのPLP(PLP4)では、LLSシグナリング情報(のストリーム)が伝送されているので、LLS_EXIST_FLAGとして"1"が設定されている。また、"4"であるPLPIDのPLP(PLP4)は、シェアードPLPではないため、SHARED_PLP_FLAGとして"0"が設定されている。さらに、"4"であるPLPIDのPLP(PLP4)は、PLPグループ2に属しているため、PLP_GROUP_IDには、PLPグループ2に属していることを表している"2"が設定されている。
"5"であるPLPIDのPLP(PLP5)では、LLSシグナリング情報(のストリーム)が伝送されているので、LLS_EXIST_FLAGとして"1"が設定されている。また、"5"であるPLPIDのPLP(PLP5)は、シェアードPLPではないため、SHARED_PLP_FLAGとして"0"が設定されている。さらに、"5"であるPLPIDのPLP(PLP5)は、単独のPLPで構成されるが、PLP_GROUP_IDとして、"3"が設定されている。
なお、図19の運用例4のシステムパイプモデルにおいては、6個のPLP(PLP0乃至PLP5)のみが伝送されているので、PLP_IDが"6"〜"63"となるPLPに関する情報は記述する必要はない。
以上のように、運用例4では、図20の本技術記述子2が、ATSC3.0のプロトコルスタックにおける物理層で伝送されるようにすることで、受信装置20は、図20の本技術記述子2を取得した時点で、例えば、PLPグループ1に属するPLPのうち、PLP0でLLSシグナリング情報が伝送されていることを認識することができる。そのため、例えば、複数のサービスチャンネル(サービス)により特定のコンポーネントを共有したり、あるいは、複数のPLPをグルーピングしたりするなどの各種の運用形態に対しても、柔軟に対応することができる。
また、受信装置20では、図20の本技術記述子2を取得した時点で、物理層よりも上位の層で伝送されるシグナリング情報の存在を認識できるため、対象のシグナリング情報を迅速に取得して、処理時間を短縮することができる。さらに、運用形態によっては、PLP_GROUP_IDのビット数を削減したいという要請が想定されるが、本技術記述子2を採用することで、その要請に応えることができる。
ただし、この場合、受信装置20では、本技術記述子2のLLS_EXIST_FLAGにより特定される、LLSシグナリング情報が存在するPLPのシグナリング情報を解析した上で、共有されるPLP(シェアードPLP)を選局することになるため、2段階の処理が行われることになる。
(3)シグナリングの伝送方法
(レイヤ構造)
図21は、ATSC3.0に対応したレイヤ構造の概念を説明する図である。
図21に示すように、レイヤ3(L3)では、IPパケット(IP Packet)が伝送される。IPパケットは、IPヘッダ(IP Header)と、UDPヘッダ(UDP Header)及びデータ(Data)から構成される。すなわち、IPパケットは、UDPパケットが含まれたIP/UDPパケットとされる。IPパケット(IP/UDPパケット)のデータには、ビデオやオーディオ等(のコンポーネント)のデータと、LLSやSLSのシグナリング情報などが配置される。
レイヤ2(L2)では、伝送パケットとしてのGenericパケット(Generic Packet)が伝送される。Genericパケットは、Genericヘッダ(Generic Header)とペイロード(Payload)から構成される。Genericパケットのペイロードには、1又は複数のIPパケット(IP/UDPパケット)が配置され、カプセル化(encapsulation)される。
物理層に相当するレイヤ1(L1)のBBフレーム(Baseband Frame)は、BBフレームヘッダ(Baseband Frame Header)とペイロード(Payload)から構成される。BBフレームのペイロードには、複数のGenericパケットが配置され、カプセル化される。また、レイヤ1においては、複数のBBフレームをスクランブルして得られるデータ(Data)がFECフレーム(FEC Frame)にマッピングされ、物理層のエラー訂正用のパリティ(Parity)が付加される。
レイヤ1(L1)の物理層フレーム(ATSC (Physical) Frame)は、ブートストラップ(Bootstrap)、プリアンブル(Preamble)、及び、データ部(Data)から構成される。そして、物理層フレームのデータ部には、複数のFECフレームに対して、ビットインターリーブを行った後に、マッピング処理を行い、さらに、時間方向と周波数方向にインターリーブを行うなどの物理層の処理が行われることで得られるデータがマッピングされる。
ここで、上述した本技術記述子2(図15)は、物理層フレームのプリアンブルに配置することができる。例えば、プリアンブルには、L1-postシグナリング情報が配置されるが、そこに、本技術記述子2の内容を記述することができる。
具体的には、図22に示したATSC3.0に対応したL1-postシグナリング情報において、PLPループ内に配置されている8ビットのPLP_GROUP_IDの代わりに、図15の本技術記述子2で規定されている、1ビットのLLS_EXIST_FLAGと、1ビットのSHARED_PLP_FLAGと、6ビットのPLP_GROUP_IDが配置されるようにする。これにより、LLSシグナリング情報の存在の有無と、シェアードPLPであるか否かと、PLPグループの所属を、PLPIDで識別されるPLPごとに表した情報が、物理層のシグナリングとして伝送されることになる。
なお、図22では、本技術記述子2の内容が、L1-postシグナリング情報のPLPループ内に配置される場合を示したが、L1-postシグナリング情報に配置するのは一例であって、他の場所に配置されるようにしてもよい。
(4)既存技術との関係
(DVB-NGHとの関係)
上述した図10(DVB-NGHとの関係を示す図)の「logical channels」に示したように、DVB-NGHでは、STREAM_GROUP_IDを規定して、PLPをグルーピング(PLP cluster)できるようにしているが、複数のPLPグループを跨いで共有されるようなPLPを設定することはできない。また、物理層よりも上位の層に存在するシグナリング情報の存在の有無を通知するような規定も存在していない。
DVB-NGHにおいても、物理層のシグナリング情報に、本技術記述子2(図15)で規定されている、1ビットのLLS_EXIST_FLAGと、1ビットのSHARED_PLP_FLAGと、6ビットのPLP_GROUP_IDに相当する情報が配置されるようにすることができる。これにより、物理層よりも上位の層に存在するシグナリング情報の存在の有無と、シェアードPLPであるか否かと、PLPグループの所属を、PLPIDで識別されるPLPごとに表した情報が、物理層のシグナリングとして伝送されるようにすることができる。
(DVB-T2との関係)
図23は、DVB-T2との関係を示す図である。
図23のDVB-T2で規定されているL1-postシグナリング情報においては、PLPループ内に、8ビットのPLP_GROUP_IDが配置されている。このPLP_GROUP_IDは、同一のPLP_GROUP_IDを有するData PLPと、Common PLPとを関連付けるためのものである。したがって、現状のDVB-T2では、物理層よりも上位の層に存在するシグナリング情報の存在の有無や、複数のPLPグループを跨いで共有されたPLPを通知するための情報は規定されていない。
そこで、図23に示すように、DVB-T2で規定されているL1-postシグナリング情報においても、PLPループ内に配置されているPLP_GROUP_IDの代わりに、本技術記述子2(図15)で規定されている、1ビットのLLS_EXIST_FLAGと、1ビットのSHARED_PLP_FLAGと、6ビットのPLP_GROUP_IDが配置されるようにする。これにより、物理層よりも上位の層に存在するシグナリング情報の存在の有無と、シェアードPLPであるか否かと、PLPグループの所属を、PLPIDで識別されるPLPごとに表した情報が、物理層のシグナリングとして伝送されるようにすることができる。
なお、DVB-T2に規定されたL1-postシグナリング情報の詳細な内容については、上述した非特許文献1に開示されている。また、DVB-T2と同様に、DVB-C2(ETSI EN 302 769)と、現在DVB-C2に基づき規格策定中の日本の超高精細度ケーブルテレビ規格における伝送においても適用可能である。
(ISDB-Sとの関係)
上述した図12(ISDB-Sとの関係を示す図)に示したように、ISDB-Sでは、48個のスロットを、1フレームとして規定しているが、相対TS/スロット情報(図13)と、相対TS/TS_ID対応表(図14)によって、各スロットのグルーピングを行っている。すなわち、各スロットは、同一の相対TS番号を有する他のスロットと同一のグループになる。また、相対TS番号は、相対TS/TS_ID対応表(図14)により、TS_IDと関連付けられる。
このように、ISDB-Sでは、各スロットをグルーピングできるようにしているが、複数のグループを跨いで共有されるようなスロットを設定することはできない。また、物理層よりも上位の層に存在するシグナリング情報の存在の有無を通知するような規定も存在していない。
そこで、ISDB-Sにおいても、物理層のシグナリング情報に、本技術記述子2(図15)で規定されている、1ビットのLLS_EXIST_FLAGと、1ビットのSHARED_PLP_FLAGと、6ビットのPLP_GROUP_IDに相当する情報が配置されるようにすることができる。これにより、物理層よりも上位の層に存在するシグナリング情報の存在の有無と、シェアードPLPであるか否かと、グループの所属を表した情報が、物理層のシグナリングとして伝送されるようにすることができる。
<4.各装置の構成>
次に、図1の伝送システム1を構成する、送信装置10と受信装置20の詳細な構成を説明する。
(送信装置の構成)
図24は、図1の送信装置10の構成例を示す図である。
図24において、送信装置10は、制御部101、コンポーネント取得部102、エンコーダ103、シグナリング生成部104、シグナリング処理部105、パケット生成部106、物理層フレーム生成部107、及び、送信部108から構成される。
制御部101は、送信装置10の各部の動作を制御する。
コンポーネント取得部102は、特定のサービスにより提供されるコンテンツ(例えばテレビ番組)を構成するビデオやオーディオ、字幕等(のコンポーネント)のデータを取得し、エンコーダ103に供給する。エンコーダ103は、コンポーネント取得部102から供給される、ビデオやオーディオ等(のコンポーネント)のデータを、所定の符号化方式に従って符号化して、パケット生成部106に供給する。
なお、コンテンツとしては、例えば、既に収録されたコンテンツの保管場所から、放送時間帯に応じて該当するコンテンツが取得されたり、あるいはスタジオやロケーション場所からライブのコンテンツが取得されたりする。
シグナリング生成部104は、外部のサーバや内蔵するストレージ等から、シグナリング情報を生成するための素データを取得する。シグナリング生成部104は、シグナリング情報の素データを用いて、シグナリング情報を生成する。
ここでは、シグナリング情報として、例えば、L1-postシグナリング情報、LLSシグナリング情報、及び、SLSシグナリング情報などが生成される。シグナリング情報のうち、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報は、パケット生成部106に供給され、L1-postシグナリング情報は、物理層フレーム生成部107に供給される。
ただし、L1-postシグナリング情報には、例えば、PLPループ内に、本技術記述子1(図2)又は本技術記述子2(図15)が配置されることになる。ここで、本技術記述子1には、PLPごとに、LLSシグナリング情報の存在の有無と、PLPグループの所属を表した情報(LLS_EXIST_FLAG,PLP_GROUP_ID)が設定される。また、本技術記述子2には、PLPごとに、LLSシグナリング情報の存在の有無と、シェアードPLPであるか否かと、PLPグループの所属を表した情報(LLS_EXIST_FLAG,SHARED_PLP_FLAG,PLP_GROUP_ID)が設定される。
パケット生成部106は、エンコーダ103から供給されるビデオやオーディオ等(のコンポーネント)のデータと、シグナリング処理部105から供給されるLLSシグナリング情報及びSLSシグナリング情報を用い、IPパケット(IP/UDPパケット)を生成する。また、パケット生成部106は、1又は複数のIPパケットをカプセル化することで、Genericパケットを生成し、物理層フレーム生成部107に供給する。
物理層フレーム生成部107は、パケット生成部106から供給される、複数のGenericパケットをカプセル化などすることで、物理層フレームを生成し、送信部108に供給する。ただし、物理層フレームを構成するプリアンブルには、シグナリング処理部105から供給されるL1-postシグナリング情報が配置される。
送信部108は、物理層フレーム生成部107から供給される物理層フレームに対して、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調などの処理を行い、アンテナ111を介して、デジタル放送信号として送信する。
なお、図24の送信装置10において、すべての機能ブロックが、物理的に単一の装置内に配置される必要はなく、少なくとも一部の機能ブロックが、他の機能ブロックとは物理的に独立した装置として構成されるようにしてもよい。
(受信装置の構成)
図25は、図1の受信装置20の構成例を示す図である。
図25において、受信装置20は、制御部201、受信部202、物理層フレーム処理部203、パケット処理部204、シグナリング処理部205、デコーダ206、表示部207、及び、スピーカ208から構成される。
制御部201は、受信装置20の各部の動作を制御する。
受信部202は、送信装置10から送信されてくるデジタル放送信号を、アンテナ211を介して受信して、例えばOFDM復調などの処理を行い、それにより得られる物理層フレームを、物理層フレーム処理部203に供給する。
物理層フレーム処理部203は、受信部202から供給される物理層フレームに対する処理を行い、Genericパケットを抽出し、パケット処理部204に供給する。また、物理層フレーム処理部203は、物理層フレームのプリアンブルに配置されたL1-postシグナリング情報を取得して、シグナリング処理部205に供給する。
また、パケット処理部204は、物理層フレーム処理部203から供給されるGenericパケットから、IPパケット(IP/UDPパケット)を抽出して、コンポーネントのデータと、LLSシグナリング情報と、SLSシグナリング情報を取得する。ここで、LLSシグナリング情報とSLSシグナリング情報は、シグナリング処理部205に供給され、コンポーネントのデータは、デコーダ206に供給される。
シグナリング処理部205には、物理層フレーム処理部203からのL1-postシグナリング情報と、パケット処理部204からのLLSシグナリング情報及びSLSシグナリング情報が供給される。シグナリング処理部205は、L1-postシグナリング情報、LLSシグナリング情報、又は、SLSシグナリング情報を適宜処理して、制御部201に供給する。
制御部201は、シグナリング処理部205から供給されるシグナリング情報に基づいて、各部の動作を制御する。例えば、制御部201は、L1-postシグナリング情報に基づいて、物理層フレーム処理部203で行われる処理を制御する。また、例えば、制御部201は、LLSシグナリング情報及びSLSシグナリング情報に基づいて、パケット処理部204で行われるパケットのフィルタリングを制御し、ビデオやオーディオ等(のコンポーネント)のデータがデコーダ206に供給されるようにする。
ただし、L1-postシグナリング情報には、例えば、PLPループ内に、本技術記述子1(図2)又は本技術記述子2(図15)が配置されることになる。ここで、本技術記述子1には、PLPごとに、LLSシグナリング情報の存在の有無と、PLPグループの所属を表した情報(LLS_EXIST_FLAG,PLP_GROUP_ID)が設定される。また、本技術記述子2には、PLPごとに、LLSシグナリング情報の存在の有無と、シェアードPLPであるか否かと、PLPグループの所属を表した情報(LLS_EXIST_FLAG,SHARED_PLP_FLAG,PLP_GROUP_ID)が設定される。
デコーダ206は、パケット処理部204から供給される、ビデオやオーディオ等(のコンポーネント)のデータに対して、所定の復号方式に従って復号して、その結果得られるビデオデータを表示部207に供給し、オーディオデータをスピーカ208に供給する。
表示部207は、デコーダ206から供給されるビデオデータに対応する映像を表示する。また、スピーカ208は、デコーダ206から供給されるオーディオデータに対応する音声を出力する。これにより、受信装置20においては、ユーザにより選局されたサービスにより提供されるコンテンツ(例えばテレビ番組)の映像と音声が出力される。
なお、図25においては、受信装置20が、テレビ受像機等の固定受信機や、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル受信機である場合として、表示部207及びスピーカ208が内蔵されている場合の構成を示したが、例えば、録画機やセットトップボックス(STB:Set Top Box)などの場合には、表示部207及びスピーカ208が外部に設けられた構成となる。
<5.各装置で実行される処理の流れ>
次に、図26乃至図27のフローチャートを参照して、図1の伝送システム1を構成する各装置で実行される処理の流れを説明する。
(送信処理)
まず、図26のフローチャートを参照して、図1の送信装置10により実行される送信処理の流れを説明する。
ステップS101においては、コンポーネント・シグナリング取得処理が行われる。
このコンポーネント・シグナリング取得処理では、コンポーネント取得部102によりビデオやオーディオ等のコンポーネントが取得され、エンコーダ103によりビデオやオーディオ等のコンポーネントのデータが符号化される。また、コンポーネント・シグナリング取得処理では、シグナリング生成部104によりシグナリング情報が生成され、シグナリング処理部105によりシグナリング情報が処理される。
ステップS102においては、パケット・フレーム生成処理が行われる。
このパケット・フレーム生成処理では、パケット生成部106によりIPパケットやGenericパケットが生成され、物理層フレーム生成部107により物理層フレームが生成される。ここでは、物理層フレームのプリアンブルに配置されるL1-postシグナリング情報のPLPループ内に、本技術記述子1(図2)又は本技術記述子2(図15)が配置される。
ただし、本技術記述子1には、PLPごとに、LLSシグナリング情報の存在の有無と、PLPグループの所属を表した情報(LLS_EXIST_FLAG,PLP_GROUP_ID)が設定される。また、本技術記述子2には、PLPごとに、LLSシグナリング情報の存在の有無と、シェアードPLPであるか否かと、PLPグループの所属を表した情報(LLS_EXIST_FLAG,SHARED_PLP_FLAG,PLP_GROUP_ID)が設定される。
ステップS103においては、デジタル放送信号送信処理が行われる。
このデジタル放送信号送信処理では、送信部108により、物理層フレームに対する処理が行われ、アンテナ111を介してデジタル放送信号として送信される。
以上、送信処理の流れについて説明した。
(受信処理)
次に、図27のフローチャートを参照して、図1の受信装置20により実行される受信処理の流れを説明する。
ステップS201においては、デジタル放送信号受信処理が行われる。
このデジタル放送信号受信処理では、受信部202により、アンテナ211を介してデジタル放送信号が受信される。
ステップS202においては、パケット・フレーム処理が行われる。
このパケット・フレーム処理では、物理層フレーム処理部203により、物理層フレームからGenericパケットやL1-postシグナリング情報が抽出され、パケット処理部204により、GenericパケットからIPパケットやLLSシグナリング情報が抽出される。また、パケット処理部204は、IPパケットからコンポーネントのデータ、LLSシグナリング情報やSLSシグナリング情報を抽出する。
ただし、L1-postシグナリング情報のPLPループ内には、本技術記述子1(図2)又は本技術記述子2(図15)が配置されている。ここで、本技術記述子1には、PLPごとに、LLSシグナリング情報の存在の有無と、PLPグループの所属を表した情報(LLS_EXIST_FLAG,PLP_GROUP_ID)が設定される。また、本技術記述子2には、PLPごとに、LLSシグナリング情報の存在の有無と、シェアードPLPであるか否かと、PLPグループの所属を表した情報(LLS_EXIST_FLAG,SHARED_PLP_FLAG,PLP_GROUP_ID)が設定される。
制御部201は、LLS_EXIST_FLAGやPLP_GROUP_ID,SHARED_PLP_FLAGに基づいて、パケット処理部204やシグナリング処理部205等を制御して、例えば、PLPグループに属するPLPのうち、特定のPLPからLLSシグナリング情報が取得されるようにするための処理などが行われるようにする。
ステップS203においては、シグナリング・コンポーネント処理が行われる。
このシグナリング・コンポーネント処理では、制御部201により、LLSシグナリング情報やSLSシグナリング情報に基づいて、各部の動作が制御され、デコーダ206により、ビデオやオーディオ等のコンポーネントのデータが復号される。これにより、コンテンツの映像が表示部207に表示され、その音声がスピーカ208から出力される。
以上、受信処理の流れについて説明した。
<6.コンピュータの構成>
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。図28は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示す図である。
コンピュータ900において、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。バス904には、さらに、入出力インターフェース905が接続されている。入出力インターフェース905には、入力部906、出力部907、記録部908、通信部909、及び、ドライブ910が接続されている。
入力部906は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部907は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部908は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部909は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ910は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア911を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータ900では、CPU901が、ROM902や記録部908に記録されているプログラムを、入出力インターフェース905及びバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ900(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア911に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータ900では、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インターフェース905を介して、記録部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記録部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記録部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
ここで、本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
また、本技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)
IP(Internet Protocol)伝送方式で伝送されるコンテンツを受信する受信部と、
前記IP伝送方式のプロトコルスタックにおける物理層で伝送される第1の制御情報に基づいて、前記物理層よりも上位の層で伝送される第2の制御情報を取得する取得部と、
前記第2の制御情報に基づいて、前記コンテンツを処理する各部の動作を制御する制御部と
を備え、
前記物理層では、グルーピングすることが可能な1又は複数のPLP(Physical Layer Pipe)ごとにデータが伝送され、
前記第1の制御情報は、前記PLPごとに、
前記第2の制御情報が存在するか否かを示す第1の情報と、
前記PLPのグループであるPLPグループを識別するための第2の情報と、
前記PLPが共有されたシェアードPLPであるか否かを示す第3の情報と
を含んでいる
受信装置。
(2)
前記シェアードPLPは、複数の前記PLPグループに属している
(1)に記載の受信装置。
(3)
前記第2の制御情報は、前記PLPグループごとに伝送される
(1)又は(2)に記載の受信装置。
(4)
前記IP伝送方式は、ATSC(Advanced Television Systems Committee)3.0に準拠しており、
前記第1の制御情報は、プリアンブルとデータ部から構成される物理層フレームにおける前記プリアンブルに配置される
(1)乃至(3)のいずれかに記載の受信装置。
(5)
前記第1の制御情報は、前記ATSC3.0で規定されるL1-postシグナリング情報であり、
前記第2の制御情報は、前記コンテンツを選局するための情報を含むLLS(Link Layer Signaling)シグナリング情報である
(4)に記載の受信装置。
(6)
受信装置の受信方法において、
前記受信装置が、
IP伝送方式で伝送されるコンテンツを受信し、
前記IP伝送方式のプロトコルスタックにおける物理層で伝送される第1の制御情報に基づいて、前記物理層よりも上位の層で伝送される第2の制御情報を取得し、
前記第2の制御情報に基づいて、前記コンテンツを処理する各部の動作を制御する
ステップを含み、
前記物理層では、グルーピングすることが可能な1又は複数のPLPごとにデータが伝送され、
前記第1の制御情報は、前記PLPごとに、
前記第2の制御情報が存在するか否かを示す第1の情報と、
前記PLPのグループであるPLPグループを識別するための第2の情報と、
前記PLPが共有されたシェアードPLPであるか否かを示す第3の情報と
を含んでいる
受信方法。
(7)
IP伝送方式で伝送されるコンテンツを取得する取得部と、
前記IP伝送方式のプロトコルスタックにおける物理層で伝送される第1の制御情報を生成する生成部と、
前記IP伝送方式に従い、前記コンテンツとともに、前記第1の制御情報及び前記物理層よりも上位の層で伝送される第2の制御情報を送信する送信部と
を備え、
前記物理層では、グルーピングすることが可能な1又は複数のPLPごとにデータが伝送され、
前記第1の制御情報は、前記PLPごとに、
前記第2の制御情報が存在するか否かを示す第1の情報と、
前記PLPのグループであるPLPグループを識別するための第2の情報と、
前記PLPが共有されたシェアードPLPであるか否かを示す第3の情報と
を含んでいる
送信装置。
(8)
前記シェアードPLPは、複数の前記PLPグループに属している
(7)に記載の送信装置。
(9)
前記第2の制御情報は、前記PLPグループごとに伝送される
(7)又は(8)に記載の送信装置。
(10)
前記IP伝送方式は、ATSC3.0に準拠しており、
前記第1の制御情報は、プリアンブルとデータ部から構成される物理層フレームにおける前記プリアンブルに配置される
(7)乃至(9)のいずれかに記載の送信装置。
(11)
前記第1の制御情報は、前記ATSC3.0で規定されるL1-postシグナリング情報であり、
前記第2の制御情報は、前記コンテンツを選局するための情報を含むLLSシグナリング情報である
(10)に記載の送信装置。
(12)
送信装置の送信方法において、
前記送信装置が、
IP伝送方式で伝送されるコンテンツを取得し、
前記IP伝送方式のプロトコルスタックにおける物理層で伝送される第1の制御情報を生成し、
前記IP伝送方式に従い、前記コンテンツとともに、前記第1の制御情報及び前記物理層よりも上位の層で伝送される第2の制御情報を送信する
ステップを含み、
前記物理層では、グルーピングすることが可能な1又は複数のPLPごとにデータが伝送され、
前記第1の制御情報は、前記PLPごとに、
前記第2の制御情報が存在するか否かを示す第1の情報と、
前記PLPのグループであるPLPグループを識別するための第2の情報と、
前記PLPが共有されたシェアードPLPであるか否かを示す第3の情報と
を含んでいる
送信方法。