JP6606335B2 - 画像認識装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像認識装置に関し、詳しくは、人物の手首の位置を検出する画像認識装置に関する。
近年、様々な装置をジェスチャにより操作する方法が検討されている。例えば、ビデオの電源オフに対応する人間の手の形状として、ピースサインを予め対応付けておく。画像認識装置が、カメラにより撮影された画像からピースサインを検出した場合、ビデオは、画像認識装置の検出結果に応じて電源をオフにする。これにより、ユーザは、リモコンなどを用いなくても、ビデオなどの様々な機器を操作することが可能となる。
画像認識装置は、撮影画像において指先を検出し、検出した指先の位置に基づいて手の形状を認識する。具体的には、画像認識装置は、撮影画像内の肌色の画素を抽出することにより、撮影画像における肌色領域を特定する。画像認識装置は、一定の間隔で、肌色領域のエッジ上に位置する3つの画素を選択する。選択した3つの画素がなす角が鋭角である場合、画像認識装置は、選択した3つの画素が指先であると判断する。
しかし、このようにして特定した指先が、実際の指先ではない場合がある。例えば、手首及び洋服の袖口の位置関係によっては、鋭角が検出されることがある。また、撮影画像に含まれるノイズにより、実際の指先と異なる位置で鋭角が検出されることがある。
特開平9−102046号公報
従って、上記の方法で指先の位置を特定した場合、画像認識装置は、検出した指先が実際の指先に対応するか否かを判断しなければならない。例えば、画像認識装置は、撮影画像において手首の位置を特定し、特定した手首の位置を基準にすることで誤検出された指先を特定することができる。
上記特許文献1には、手首方向を推定する手形状認識方法が開示されている。この手形状認識方法は、肌色領域において得られる最大の長さの直線を基準軸として設定し、基準軸に平行な直線であり、かつ、肌色領域の重心を通る直線を重心線として設定する。この手形状認識方法は、重心線に垂直であり、かつ、重心を挟んで対向する2つの直線の長さを比較することにより、手首方向を推定する。
本発明の課題は、人間の手を含む画像において、手首の位置を特定することができる画像認識装置を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、画像認識装置であって、人物の手の範囲を示す手領域が特定された手領域特定画像を入力し、前記手領域特定画像において前記手領域に含まれる画素を用いて、前記手領域における手のひら又は手の甲の中心位置を特定する中心特定部と、前記中心特定部により特定された中心位置から前記手領域のエッジまでの距離に基づいて、前記手領域特定画像上に描かれる円の半径を決定する半径決定部と、前記中心特定部により特定された中心位置を中心とし、かつ、前記半径決定部により決定された半径を有する円を前記手領域特定画像上に描く描画部と、前記描画部により描かれた円のうち前記手領域と重なる複数の円弧を特定し、特定した複数の円弧に基づいて、前記手領域における手首の位置を決定する手首位置決定部と、を備える。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像認識装置であって、前記手首位置決定部は、前記特定した複数の円弧のうち、最大の長さを有する円弧の位置を前記手領域における手首の位置として決定する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像認識装置であって、前記半径決定部は、前記中心特定部により特定された中心位置から前記手領域のエッジまでの最短距離に基づいて、前記手領域特定画像上に描かれる円の半径を決定する。
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の画像認識装置であって、前記半径決定部は、前記最短距離に所定の係数の乗じて得た長さを、前記手領域特定画像上に描かれる円の半径として決定する。
請求項5記載の発明は、請求項3に記載の画像認識装置であって、前記手領域特定画像において、複数の指先が特定されており、前記半径決定部は、前記中心特定部により特定された中心位置に最も遠い指先を選択し、前記最短距離と前記中心位置から前記最も遠い指先までの距離とに基づいて、前記手領域特定画像上に描かれる円の半径を決定する。
請求項6記載の発明は、請求項2に記載の画像認識装置であって、前記手領域特定画像において、複数の指先が特定されており、前記半径決定部は、前記中心特定部により特定された中心位置から、前記複数の指先までのそれぞれの距離に基づいて、前記手領域特定画像に描かれる円の半径を決定する。
請求項7記載の発明は、請求項2に記載の画像認識装置であって、前記半径決定部は、前記中心特定部により特定された中心位置と、前記中心位置から見て第1方向に位置する手領域のエッジとの間の第1距離を計算し、前記中心位置と、前記中心位置から見て前記第1方向と異なる第2方向に位置する前記手領域のエッジとの間の第2距離を計算し、前記第1距離と前記第2距離とに基づいて、前記手領域特定画像に描かれる円の半径を決定する。
請求項8記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の画像認識装置であって、前記手領域特定画像において、複数の指先が特定されており、前記画像認識装置は、さらに、前記複数の指先のうち前記描画部により描画された円の外に位置する指先を、人物の指先として抽出する指先選択部、を備える。
請求項9記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の画像認識装置であって、前記手領域特定画像において、複数の指先が特定されており、前記画像認識装置は、さらに、前記複数の指先のうち、前記中心特定部により特定された中心位置から見て、前記手首位置決定部により決定された手首の位置に存在する指先を、人物の指先から除外する指先選択部、を備える。
請求項10記載の発明は、人物の手の範囲を示す手領域が特定された手領域特定画像において、前記手領域内の手首の位置を特定する画像認識方法であって、前記手領域特定画像において前記手領域に含まれる画素を用いて、前記手領域における手のひら又は手の甲の中心位置を特定するステップと、特定された中心位置から前記手領域のエッジまでの距離に基づいて、前記手領域特定画像上に描かれる円の半径を決定するステップと、特定された中心位置を中心とし、かつ、決定された円の半径を有する円を前記手領域特定画像上に描くステップと、描かれた円の円周のうち前記手領域と重なる複数の円弧を特定し、特定した複数の円弧に基づいて、前記手領域における手首の位置を決定するステップと、を備える。
請求項11記載の発明は、人物の手の範囲を示す手領域が特定された手領域特定画像において、前記手領域内の手首の位置を特定する画像認識方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記手領域特定画像において前記手領域に含まれる画素を用いて、前記手領域における中心位置を特定するステップと、特定された中心位置から前記手領域のエッジまでの距離に基づいて、前記手領域特定画像上に描かれる円の半径を決定するステップと、特定された中心位置を中心とし、かつ、決定された円の半径を有する円を前記手領域特定画像上に描くステップと、描かれた円の円周のうち前記手領域と重なる複数の円弧を特定し、特定した複数の円弧に基づいて、前記手領域における手首の位置を決定するステップと、を実行させる。
本発明に係る画像認識装置は、手領域が特定された手領域特定画像を入力し、手領域における手のひらの中心位置を特定する。画像認識装置は、特定した中心位置から手領域のエッジまでの距離に基づいて、手領域特定画像上に描かれる円の半径を決定する。画像認識装置は、決定した半径を有する円を描画する。画像認識装置は、描画された円において手領域と重複する複数の円弧を検出し、検出した複数の円弧の長さに基づいて、手領域における円弧の位置を決定する。これにより、本発明に係る画像認識装置は、手領域が特定された手領域特定画像において手首の位置を特定することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る画像認識装置の構成を示す機能ブロック図である。 図1に示す画像認識装置のフローチャートである。 図1に示す手領域検出部により生成される手領域特定画像の一例を示す図である。 図3に示す手領域特定画像において特定された指先候補の位置を示す図である。 図1に示す中心特定部により実行される距離変換処理を説明する図である。 図1に示す描画部により手領域特定画像上に描かれた円の一例を示す図である。 図2に示す手首位置決定処理のフローチャートである。 図1に示す手首位置決定部15により特定された複数の円弧を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像認識装置の構成を示す機能ブロック図である。 図9に示す半径決定部の動作を説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態に係る画像認識装置の構成を示す機能ブロック図である。 図11に示す半径決定部の動作を説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
[第1の実施の形態]
{画像認識装置の構成}
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像認識装置100の構成を示す機能ブロック図である。図1に示す画像認識装置100は、カメラ9により撮影された動画像50を入力し、動画像50を構成する各フレーム51に含まれる手の形状を認識する。画像認識装置100は、手の形状の認識結果を示す結果データ57をフレーム51ごとに出力する。
以下の説明において、「手」とは、手首から指先にかけての人体の部位を指し、腕は含まない。
画像認識装置100は、手領域特定部11と、中心特定部12と、半径決定部13と、描画部14と、手首位置決定部15と、指先候補特定部16と、指先選択部17と、結果データ生成部18とを備える。
手領域特定部11は、カメラから入力したフレーム51から、人間の手の範囲を示す手領域が特定された手領域特定画像52を生成する。手領域特定部11は、フレーム51において肌色を有する画素を抽出し、肌色を有する画素により形成される手領域を特定した手領域特定画像52を生成する。
中心特定部12は、手領域特定画像52内の手領域に含まれる画素の画素値を用いて、手領域における手のひらの中心位置Pcを特定する。
半径決定部13は、中心特定部12により特定された中心位置Pcから、手領域のエッジまでの最短距離に基づいて、手領域上に描かれる円の半径R1を決定する。
描画部14は、中心特定部12により特定された中心位置Pcの座標と、半径決定部13により決定された円の半径R1とを用いて、手領域上に円を描画する。
手首位置決定部15は、描画部14により描かれた円のうち、手領域と重複する複数の円弧を特定する。手首位置決定部15は、特定した各円弧の長さを計算する。手首位置決定部15は、計算した各円弧の長さのうち最大の長さを有する円弧の位置を、その手領域における手首の位置として決定する。
指先候補特定部16は、手領域特定画像52内の手領域の形状に基づいて、指先の可能性がある1つ以上の指先候補を特定する。指先候補特定部16は、特定した指先候補のそれぞれの位置を示す指先候補データ54を生成し、生成した指先候補データ54を指先選択部17に出力する。
指先選択部17は、指先候補データ54により示される指先候補の位置と、描画部14により描かれた円の範囲とに基づいて、指先候補特定部16により特定された1つ以上の指先候補の中から、実際の指先に対応する指先候補を選択する。
結果データ生成部18は、中心特定部12により特定された手のひらの中心位置Pcと、手首位置決定部15により決定された手首の位置と、指先選択部17により選択された指先候補の位置とを含む結果データ57を生成する。結果データ57は、図示しない後処理部により、手領域における手の形状が決定される際に用いられる。
{画像認識装置の動作}
図2は、図1に示す画像認識装置100の動作を示すフローチャートである。以下、図2を参照しながら、画像認識装置100の動作について詳しく説明する。
画像認識装置100は、カメラ9から1つのフレーム51が入力された場合、図2に示す処理を開始する。
{手領域特定(ステップS1)}
手領域特定部11は、フレーム51から人物の手の範囲を示す手領域を特定する(ステップS1)。フレーム51は、RGB色空間を有するカラー画像である。手領域特定部11は、フレーム51の各画素の画素値に基づいて、各画素が肌色を有するか否かを判断する。手領域特定部11は、肌色を有する画素により形成される領域のうち、予め定められたしきい値以上の面積を有する領域を肌色領域として特定する。
手のひらをカメラ9に向けたユーザをカメラ9が撮影した場合、手領域特定部11は、フレーム51において3つの肌色領域を特定する。手領域特定部11は、3つの肌色領域を、ユーザの顔、右手、左手にそれぞれ対応づける。具体的には、手領域特定部11は、特定した3つの肌色領域のうち、中央の肌色領域をユーザの顔に対応すると判断する。手領域特定部11は、右に位置する肌色領域を左手領域に特定し、左に位置する肌色領域を右手領域に特定する。手領域特定部11は、手領域内に位置する画素の画素値を1に設定し、手領域外に位置する画素の画素値を0に設定することにより、手領域特定画像52を生成する。
図3は、フレーム51から生成される手領域特定画像52から、ユーザの右手に対応する手領域52Rを含む矩形領域52Aを切り出した図である。図3において、手領域52Rをハッチングで示している。手領域52Rは、フレーム51に含まれるノイズなどにより、実際の右手の形状と完全に一致しない。例えば、手領域52Rにおいて、人差し指及び薬指において窪みが存在し、手のひらの左側に突起が存在する。
以下のステップS2〜S6の説明では、図3に示す手領域52R(右手に対応する手領域)から指先及び手首を検出する場合を例に説明する。画像認識装置100は、左手に対応する手領域に対してもステップS2〜S6の処理を実行することにより、左手に対応する手領域から指先及び手首の位置を検出する。
{指先候補特定(ステップS2)}
次に、指先候補特定部16は、手領域特定部11から手領域特定画像52を入力する。指先候補特定部16は、入力した手領域特定画像52における手領域52Rのエッジ上に位置する3つの画素を用いて、手領域52Rにおける1つ以上の指先候補を特定する(ステップS2)。
図4は、図3に示す手領域52Rにおいて特定された指先候補を示す図である。図4を参照しながら、指先候補を特定する処理を説明する。指先候補特定部16は、手領域52Rのエッジ上に位置する3つの画素P1〜P3を選択する。画素P1から画素P2までの線分L1の長さ、画素P2から画素P3までの線分L2の長さは、例えば、10画素分である。線分L1,L2の長さは、10画素分でなくてもよく、線分L1の長さが線分L2の長さに一致していなくてもよい。線分L1及びL2の長さは、実際には、図4に示す長さよりも短く設定されるが、指先候補を特定する処理を分かりやすく説明するために、線分L1及びL2の長さを図4では大きく示している。
指先候補特定部16は、線分L1と線分L2とがなす二つの角のうち、手領域52Rの内側に位置する角A1が鋭角か否かを判断する。指先候補特定部16は、角A1が鋭角である場合、画素P1〜P3により形成される三角形が指先上に位置している可能性が高いと判断し、この三角形を指先候補として特定する。図4において、画素P1〜P3によりなす角A1が鈍角であるため、画素P1〜P3により形成される三角形は、指先候補とならない。
図4に示す三角形TR1〜TR7が、指先候補特定部16により特定された指先候補である。三角形TR2は、実際の指先の位置と異なる。つまり、三角形TR2は、ノイズの影響により誤って指先候補として特定される。また、三角形TR1の位置は、実際の指先の位置と異なる。この理由は、手首と洋服の袖口との位置関係によって、角A1が鋭角となり、三角形TR1が、手首近傍で指先候補として誤って特定されたためである。このように誤検出される指先候補については、後述する処理により、実際の指先ではないと判断される。
指先候補特定部16は、特定した指先候補の位置を示す指先候補データ54(三角形TR1〜TR7の座標データ)を生成する。生成された指先候補データ54は、指先選択部17に出力される。
{中心位置特定(ステップS3)}
中心特定部12は、手領域特定画像52を手領域特定部11から入力する。中心特定部12は、手領域52Rにおける手のひらの中心位置Pcを特定する(ステップS3)。具体的には、中心特定部12は、距離変換処理を実行して、手領域52R内の各画素の画素値を、各画素から手領域52Rのエッジまでの距離に置き換える。中心特定部12は、距離変換された画素のうち、最大の画素値を有する画素の位置を中心位置Pcとして特定する。
図5は、中心特定部12により実行される距離変換処理を説明する図である。図5に示す手領域Eを例にして距離変換処理を説明する。図5において、破線は手領域Eを構成する画素の境界を示し、太線は手領域Eのエッジである。各画素中に示す数値は、距離変換処理後における、手領域Eを構成する各画素の画素値である。
中心特定部12は、手領域E内の各画素の画素値を、各画素の現在位置から手領域Eの外の領域までの最短距離に変換する。最短距離は、画素単位で計算される。
例えば、画素P4は、左方向又は上方向へ1画素分移動することにより、手領域Eの外へ移動することができる。この場合、画素P4の画素値は、距離変換により「1」に変換される。画素P5は、左方向へ1画素分移動し、さらに上方向へ1画素分移動することにより、手領域Eの外へ移動することができる。この場合、移動回数が2回であるため、画素P5の画素値は、「2」に変換される。このようにして、手領域E内の各画素の画素値が、距離変換により得られる値に変更される。
この結果、図5に示すように、手領域Eを構成する画素の画素値の中で、画素P6の画素値が最大である。中心特定部12は、画素P6の位置が手領域Eにおける手のひらの中心位置Pcであると判断する。
図6は、図3に示す手領域52Rにおいて特定された手のひらの中心位置Pcを示す図である。中心特定部12は、距離変換された手領域52R内の全画素のうち最大の画素値を有する画素の位置を、手領域52Rにおける手のひらの中心位置Pcとして特定する。つまり、中心特定部12は、手領域52Rのエッジから最も遠い画素の位置を、手のひらの中心位置Pcとして特定する。一般的に、手のひらをカメラ9に向けた場合、図3に示す手領域52Rのように、手のひらの横幅は指の横幅より大きい。距離変換後の手領域内の各画素において、指部分に位置する画素が、最大値を有する可能性は小さい。中心特定部12は、距離変換処理を用いることにより、ユーザの指の形状の影響を受けることなく、手のひらの中心位置Pcを精度よく特定することができる。
中心特定部12は、中心位置Pcにおける画素の画素値(距離変換後の画素値)を、中心位置Pcから手領域52Rのエッジまでの最短距離Lsとして取得する。最短距離Lsは、後述する半径決定処理(ステップS4)で用いられる。
距離変換された手領域52Rにおいて、複数の画素が最大の画素値を有する場合、中心特定部12は、これら複数の画素の重心を計算する。計算された重心の位置が、手のひらの中心位置Pcとして特定される。この場合、中心特定部12は、重心の位置から手領域52Rまでの距離を最短距離Lsとして取得する。
{半径決定(ステップS4)}
半径決定部13は、中心特定部12により特定された手のひらの中心位置Pcと最短距離Lsとを取得する。半径決定部13は、予め設定された1以上の係数k(例えば、k=1.2)を最短距離Lsに乗じた値を、中心位置Pcを中心として手領域特定画像52上に描かれる円の半径R1として決定する。半径決定部13は、決定したR1を描画部14に出力する。
なお、半径決定部13は、後述するように、手首位置決定部15により半径R1の再計算を指示される場合がある。この場合、半径決定部13は、R1の計算に用いた係数に、予め設定された値(例えば、0.1)を加算して更新する。半径決定部13は、係数の初期値(k=1.2)を用いて半径R1を決定した後に、半径R1の再計算を手首位置決定部15により指示された場合、係数kの値を、1.3に変更する。
{円の描画(ステップS5)}
描画部14は、手領域特定部11により作成された手領域特定画像52を取得する。また、描画部14は、中心特定部12により特定された手領域52Rにおける手のひらの中心位置Pcと、半径決定部13により決定された半径R1とを取得する。
図6に示すように、描画部14は、手領域特定画像52上に新たなレイヤを配置し、新たなレイヤ上に、中心位置Pcを中心にした半径R1の円C1を描画する(ステップS6)。これにより、検出円画像53が、手領域特定画像52から生成される。描画部14は、検出円画像53を手首位置決定部15及び指先選択部17に出力する。
{手首位置決定(ステップS6)}
手首位置決定部15は、検出円画像53に描かれた円C1を用いて、手領域52Rにおける手首の位置を決定する(ステップS6)。手首位置決定部15は、円C1を走査することにより、円C1において手領域52Rと重複する複数の円弧を特定し、複数の円弧のうちいずれか1つの円弧の位置を手領域52Rにおける手首の位置として決定する。
図7は、手首位置決定処理(ステップS6)のフローチャートである。図8は、円C1のうち、手首位置決定部15により特定された複数の円弧を示す図である。以下、図7及び図8を参照しながら、手首位置決定部15の動作を具体的に説明する。
手首位置決定部15は、円C1上の画素を1つ選択する(ステップS601)。手首位置決定部15は、手首位置決定処理(ステップS6)の開始時には、走査の始点である画素Ps1(円C1と中心位置Pcから見て左方向に延びる直線との交点に位置する画素)を選択する。
過去に円C1上の画素が選択されていた場合、手首位置決定部15は、選択済みの画素の中で最後に選択された画素(直前選択画素)から反時計回り方向に位置する画素を選択する。具体的には、手首位置決定部15は、中心位置Pcと直前選択画素とを結ぶ直線を、中心位置Pcを中心にして1°反時計回りに回転させ、円C1と回転後の直線との交点に位置する画素を選択する。
手首位置決定部15は、ステップS601で選択された画素(選択画素)が手領域52R内に位置するか否かを判断する(ステップS602)。
選択画素が手領域52R内に位置する場合(ステップS602においてYes)、手首位置決定部15は、直前選択画素が手領域52R内に存在したか否かを確認する(ステップS603)。直前選択画素が手領域52R内に存在していない場合(ステップS603においてNo)、手首位置決定部15は、選択画素が手領域52Rに重複する円弧の始点であると判断する(ステップS604)。手首位置決定部15は、現在の選択画素を円弧の始点として登録し、ステップS610に進む。一方、直前選択画素が手領域52R内に存在している場合(ステップS603においてYes)、手首位置決定部15は、選択画素よりも前に選択された画素から、手領域52Rに重複する円弧が継続していると判断する(ステップS605)。その後、手首位置決定部15は、ステップS610に進む。
ステップS602において、選択画素が手領域52R内に位置しない場合(ステップS602においてNo)、手首位置決定部15は、直前選択画素が手領域52R内に存在したか否かを確認する(ステップS606)。
直前選択画素が手領域52R内に存在していた場合(ステップS606においてYes)、手首位置決定部15は、直前選択画素が手領域52Rと重複する円弧の終点であると判断する(ステップS607)。手首位置決定部15は、円弧の始点として最後に登録された画素の位置と、終点であると判断された直前選択画素の位置とに基づいて、円弧の長さを計算する(ステップS608)。手首位置決定部15は、終点を検出した円弧についてのデータ(始点及び終点の画素、円弧の長さ)を登録し(ステップS609)、ステップS610に進む。
一方、ステップS606において、直前選択画素が手領域52R内に存在していなかった場合(ステップS606においてNo)、手首位置決定部15は、選択画素及び直前選択画素が手領域52Rに重複する円弧と無関係であると判断し、ステップS610に進む。
手首位置決定部15は、円C1の走査が終了したか否かを判断する(ステップS610)。円C1の走査が終了していない場合(ステップS610においてNo)、手首位置決定部15は、円C1上の次の画素を選択するために、ステップS601へ戻る。ステップS601〜S610が繰り返されることにより、円C1において手領域52Rと重複する複数の円弧が特定される。
一方、円C1の走査が終了した場合(ステップS610においてYes)、手首位置決定部15は、最初に検出された円弧と最後に検出された円弧とが連続した円弧を形成しているか否かを確認する(ステップS611)。連続した円弧が形成されている場合、手首位置決定部15は、最初に検出された円弧と最後に検出された円弧とを結合し、結合した円弧の情報を登録する。この場合、最初に検出された円弧と、最後に検出された円弧とは削除される。
次に、手首位置決定部15は、円C1の走査により特定された複数の円弧のうち、最大の長さを有する円弧の位置を手領域52Rにおける手首の位置と決定する(ステップS612)。
図8に示すように、手首位置決定部15は、円C1上の各画素を走査することにより(ステップS601〜S610)、円弧AR1〜AR6を検出する。円弧AR1は、右手の手首と重複しており、円弧AR2〜AR6は、右手の5本の指と重複している。
一般的に、人間の手首の幅は、指の幅よりも大きい。従って、図8に示すように、右手の手のひらをカメラ9に向けたときに得られる手領域52Rにおいて、手首の幅は、指の幅よりも大きくなると考えられる。この考えに基づいて、手首位置決定部15は、特定された円弧AR1〜AR6の長さの中で、最大の長さを有する円弧AR1を特定し、特定した円弧AR1の位置を手領域52Rにおける手首の位置であると決定する(ステップS612)。手首位置決定部15は、手領域52Rにおける手首位置を示すデータ(手首位置データ55)を指先選択部17及び結果データ生成部18に出力する。
ここで、半径決定処理(ステップS4)において、係数kが1以上の値に設定される理由を説明する。上述のように、画像認識装置100は、人間の手首の幅が指の幅よりも大きいという特徴を利用して、手領域52Rにおける手首位置を検出する。従って、ステップS5において描画される円C1が手首と少なくとも1本の指と重複しなければ、手領域52Rにおける手首の位置を特定することができない。
このため、半径決定部13は、手領域特定画像52に描画される円C1が手領域52Rにおける手のひらよりも大きくなるように、半径R1を決定する。図6に示すように、中心位置Pcから手領域52Rのエッジまでの最短距離Lsを形成する線分において、一方の端点は、中心位置Pcであり、他方の端点は、手領域52Rにおける手のひら部分のエッジである。最短距離Lsは、手のひらの形状が略円形であると仮定した場合、手のひらの半径に相当する。従って、円C1が手首と少なくとも一本の指と重複するようにするために、最短距離Lsに乗じる係数kは、1以上の値に設定される。
また、半径R1は、中心位置Pcから指先までの距離よりも短くなるように設定される。半径R1が中心位置Pcから指先までの距離以上に設定された場合、円C1が、手領域52Rと重複しない可能性がある。あるいは、手領域52Rに重複する円弧が、手首に対応する部分のみとなり、円弧の数が1つとなる可能性がある。この場合、手首位置決定部15は、円弧の長さを比較することができないため、手首位置を決定することができない。従って、係数kの上限値は、人間の一般的な手のひらの大きさと指の長さとの関係に基づいて決定される。
なお、手首位置決定部15は、ステップS601〜S610の処理により、円C1において手領域と重複する複数の円弧を特定することができなかった場合、半径決定部13に半径R1の再計算を指示する。上述のように、手首位置決定部15が複数の円弧の長さを比較することで円弧を決定するため、円弧の数が1つであるときには手首位置を決定することができないためである。この場合、描画部14は、再計算された半径R1を用いて円C1を再び描画する。手首位置決定部15は、半径を変えて再描画された円C1を用いて、手領域52Rにおける手首位置を決定する。
この場合、半径R1の再計算のたびに、半径R1が大きくなる。半径R1の再計算を繰り返すことにより、半径R1が、中心位置Pcから手領域52Rにおける実際の指先までの距離よりも大きくなることを防ぐために、半径R1の再計算を指示する回数に上限を設けてもよい。
{指先選択(ステップS7)}
指先選択部17は、指先候補特定部16から指先候補データ54を入力し、手首位置決定部15から手首位置データ55を入力する。さらに、指先選択部17は、描画部14から検出円画像53を入力する。指先選択部17は、指先候補データ54に登録された三角形TR1〜TR7の中から、手領域52Rにおける指先の条件を満たす指先候補を選択する(ステップS7)。以下、図8を参照しながら、指先の条件について説明する。
まず、指先選択部17は、指先候補(三角形TR1〜TR7)のうち、円C1内に位置する三角形TR2を除外する。上述のように、円C1の半径R1は、中心位置Pcから指先までの距離よりも短くなるように設定される。従って、円C1内に位置する指先候補は、手領域52Rにおける実際の指先に対応していない。あるいは、円C1内に位置する指先候補は、手領域52Rにおける実際の指先に対応していたとしても、手領域52Rの形状を判断するために使用することができない。これらの考えに基づいて、円C1内に位置する指先候補(三角形TR2)は、実際の指先でないと判断される。
次に、指先選択部17は、指先候補(三角形TR1〜TR7)のうち、中心位置Pcから見て、手首位置(円弧AR1)よりも外側に位置する指先候補を除外する。具体的には、指先候補が、中心位置Pcを起点として、円弧AR1の両端を通過する2本の直線により形成される領域のうち、中心位置Pcからの距離が半径R1よりも遠い位置にある領域にある場合、この指先候補は除外される。図8に示す例では、三角形TR1が指先候補から除外される。上述のように、指先候補が手首近傍で誤って特定される場合がある。従って、円C1の外側に位置する指先候補であっても、中心位置Pcから見て手首側に位置する指先候補は、指先選択部17により除外される。
この結果、三角形TR3〜TR7が、手領域52Rにおける指先として選択される。指先選択部17は、三角形TR3〜TR7を示すデータ(指先データ56)を、結果データ生成部18に出力する。
結果データ生成部18は、手首位置決定部15から手首位置データ55を入力し、指先選択部17から指先データ56を入力する。結果データ生成部18は、手領域52Rにおける手首の位置(円弧AR1)を示すデータと、指先(三角形TR3〜TR7)を示すデータとを含む結果データ57を生成する。結果データ生成部18は、手領域52Rにおける手首位置及び指先位置を示すデータとして、結果データ57を出力する。
以上説明したように、画像認識装置100は、手領域における手のひらの中心位置Pcを特定し、特定した中心位置Pcを中心にした円を描画する。画像認識装置100は、描画された円において手領域と重複する複数の円弧を検出し、検出した複数の円弧の中で最大の長さを有する円弧の位置を手首位置に決定する。これにより、画像認識装置100は、手領域における手首の位置を精度よく決定することができる。
[第2の実施の形態]
図9は、第2の実施の形態に係る画像認識装置200の構成を示す機能ブロック図である。図9に示す画像認識装置200は、図1に示す画像認識装置100が備える半径決定部13に代えて、半径決定部23を備える。
なお、図9に示す画像認識装置200の構成要素のうち、画像認識装置100の構成要素と同じものについては、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
半径決定部23は、中心位置Pcから手領域のエッジまでの最短距離Lsに加えて、中心位置Pcから最も遠い指先候補までの距離を用いて、半径R2を決定する。描画部14は、半径決定部23により決定された半径R2を用いて、中心位置Pcを中心とした円を描画する。
図10は、半径決定部23が半径R2を決定する方法を説明するための図である。以下、図10を参照しながら、半径決定部23の動作について詳しく説明する。
半径決定部23は、指先候補特定部16から指先候補データ54を入力し、中心特定部12から中心位置Pcを入力する。半径決定部23は、中心位置Pcと指先候補データ54に記録された指先候補(三角形TR1〜TR7)との位置に基づいて、各指先候補から中心位置Pcまでの距離を計算する。半径決定部23は、計算した複数の距離の中で最大の値を有する距離Lmを特定する。
半径決定部23は、距離Lmと最短距離Lsとを用いた下記の式に従って、半径R2を計算する。下記式において、記号R2、Lm、及びLsは、半径R2、距離Lm及び最短距離Lsのそれぞれの値を示している。係数k2は、0以上1以下の実数である。
R2=Ls+k2×(Lm−Ls)
上記式において、距離Lmから最短距離Lsを減じた値は、手領域52Rにおいて最も長い指の長さに相当する。半径R2は、最も長い指の長さに係数k2を乗じた値を最短距離Lsに加算することにより得られる。従って、半径R2は、手のひらの半径(最短距離Ls)よりも長く、中心位置Pcから最も長い指先までの距離Lmよりも短くなる。
描画部14は、半径決定部23により計算される半径R2を用いて、中心位置Pcを中心とした円C2を描画する。
上述のように、半径R2が、最短距離Lsよりも長く、距離Lmよりも短いため、円C2は、手領域52Rにおける指の部分を通過するように描画される。従って、手首位置決定部15は、円C2において、手領域52Rと重複する複数の円弧を検出することができるため、上記第1の実施の形態と同様に、複数の円弧の長さを比較することにより手領域52Rにおける手首の位置を決定することができる。
なお、本実施の形態において、半径決定部23は、各指先候補から中心位置Pcまでの距離の平均値を用いて、半径R2を計算してもよい。半径決定部23は、計算した平均値を半径R2として取得する。この場合であっても、半径R2は、手のひらの半径(最短距離Ls)よりも長く、中心位置Pcから最も長い指先までの距離Lmよりも短くなる。
[第3の実施の形態]
図11は、第3の実施の形態に係る画像認識装置300の構成を示す機能ブロック図である。図11に示す画像認識装置300は、図1に示す画像認識装置100が備える半径決定部13に代えて、半径決定部33を備える。
なお、図11に示す画像認識装置300の構成要素のうち、画像認識装置100の構成要素と同じものについては、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
半径決定部33は、中心位置Pcから上下左右のそれぞれの方向に位置する手領域52Rのエッジまでの距離を用いて、半径R3を決定する。半径決定部33は、半径R3を決定する際に、中心位置Pcから手領域52Rのエッジまでの最短距離Lsを使用しない。
図12は、半径決定部13が半径R3を決定する方法を説明するための図である。以下、図12を参照しながら、半径決定部33の動作について詳しく説明する。
半径決定部33は、中心特定部12から中心位置Pcを入力する。半径決定部33は、中心位置Pcを起点にして左方向に延び、かつ、終点が手領域52Rのエッジである線分Laの長さを計算する。同様に、半径決定部33は、中心位置Pcを起点にして下方向に延びる線分Lbと、中心位置Pcを起点にして右方向に延びる線分Lcと、中心位置Pcを起点にして上方向に延びる線分Ldの長さを計算する。線分Lb、Lc及びLdの終点は、いずれも手領域52Rのエッジである。
半径決定部33は、線分La〜Ldのそれぞれの長さの平均値を計算し、計算した平均値を半径R3に決定する。描画部14は、中心位置Pcを中心にして、半径R3を有する円C3を描画する。
線分La、Lb、Lc及びLdは、いずれも、最短距離Ls以上の長さであり、中心位置Pcから最も遠い位置にある指先候補までの距離(距離Lm)よりも短い。従って、線分La、Lb、Lc及びLdの長さの平均値(半径R3)は、最短距離Lsよりも長く、距離Lmよりも短くなる。円C3が手領域52Rにおける指の部分を通過するように描画されるため、手首位置決定部15は、円C3において、手領域52Rと重複する複数の円弧を検出する。この結果、手首位置決定部15は、上記第1の実施の形態と同様に、複数の円弧の長さを比較することにより手領域52Rにおける手首の位置を決定することができる。
なお、本実施の形態では、半径決定部33が、線分La〜Ldの平均値を半径R3に決定する例を説明したが、これに限られない。半径決定部33は、線分La〜Ldの中央値を半径R3として取得してもよい。つまり、半径決定部33は、線分La〜Ldの長さの代表値を半径R3として取得すればよい。
また、半径決定部33は、線分La〜Ldの一部のみを用いて半径R3を決定してもよい。例えば、半径決定部33は、中心位置Pcから下方向の延びる線分Lb及び中心位置Pcから上方向の延びる線分Ldの平均値を半径R3として取得してもよい。あるいは、半径決定部33は、線分Lb及びLdのうち大きい方の線分の長さを半径R3として取得してもよい。
また、半径決定部33は、線分La〜Ldのうち、最大の長さを有する線分を除く3つの線分の長さを用いて、半径R3を計算してもよい。具体的には、半径決定部33は、図12に示す線分La〜Ldのうち、線分Ldを除く線分La〜Lcの長さの平均値(又は中央値)を半径R3として取得してもよい。
このように、上記実施の形態において、手領域52Rにおける手のひらの中心位置Pcを中心にした円の半径の決定方法を説明したが、円の半径は、手領域52Rにおける手のひらの中心位置Pcから、手領域52Rのエッジまでの距離に基づいて決定されればよい。
なお、上記実施の形態において、手領域特定部11が、カラー画像であるフレーム51から肌色領域を抽出することにより、手領域を特定する例を説明したが、これに限られない。例えば、手領域特定部11は、被写体までの距離を計測することにより得られるデプス画像(距離画像)を用いて、手領域を特定してもよい。この場合、手領域特定部11は、予め定められた距離の範囲に対応する画素値を有する画素の領域を、手領域として特定すればよい。
上記実施の形態において、ユーザがカメラ9に向けて両手の手のひらを向ける例を説明したが、これに限られない。ユーザは、両手の少なくとも一方の手の甲をカメラ9に向けたとしても、本発明に係る画像認識装置は、上記と同様の処理により手首位置を決定することができる。
上記実施の形態において、画像認識装置が、手領域特定部11を備える例を説明したが、これに限られない。画像認識装置は、手領域特定部11を備えていなくてもよい。この場合、画像認識装置は、フレーム51に代えて、手領域が特定された手領域特定画像を入力すればよい。
上記実施の形態において、画像認識装置が、指先候補特定部16及び指先選択部17を備える例を説明したが、これに限られない。画像認識装置は、手領域特定画像における手領域の手首の位置のみを決定してもよい。この場合、画像認識装置は、指先候補特定部16及び指先選択部17を備えなくてもよい。
上記実施の形態において、中心特定部12が、距離変換処理を実行することにより手のひらの中心位置Pcを特定する例を説明したが、これに限られない。中心特定部12は、距離変換処理を用いずに、手のひらの中心位置Pcを決定してもよい。
例えば、中心特定部12は、手領域52Rの重心を、手のひらの中心位置Pcとして決定してもよい。中心特定部12は、手領域52Rに含まれる全画素のX座標の平均値と、Y座標の平均値とを計算し、計算したX座標の平均値とY座標の平均値とで特定される座標の位置が手のひらの中心位置Pcであると判断する。
あるいは、中心特定部12は、4辺の全てが手領域52Rに内接する矩形(矩形手領域)を特定し、特定した矩形手領域の中心(2本の対角線の交点)を手のひらの中心位置Pcとして特定してもよい。
あるいは、中心特定部12は、特定した矩形手領域を所定の比率(例えば、1/3)で縮小した矩形(探索用矩形)を、矩形手領域内でスキャンさせてもよい。この場合、中心特定部12は、手領域52Rと重複する面積が最も大きい探索用矩形の中心を手のひらの中心位置Pcとして特定する。中心特定部12は、特定した矩形手領域よりも小さい円(探索用円)を矩形手領域内でスキャンさせることにより、手のひらの中心位置Pcを特定してもよい。
上記実施の形態において、手首位置決定部15が、検出された複数の円弧の長さに基づいて、手首の位置を決定する例を説明したが、これに限られない。例えば、手首位置決定部15は、検出された複数の円弧の配置に基づいて、手首の位置を決定してもよい。具体的には、円弧AR2〜AR6は、指に対応しているため、これらの円弧間の距離は、比較的短い。一方、円弧AR1は、手首に対応しているため、円弧AR2〜AR6と比較的離れている。このように、円弧間の距離に基づいて、手首の位置を決定することも可能である。すなわち、手首位置決定部15は、検出された複数の円弧に基づいて、手領域における手首の位置を決定すればよい。
上記実施の形態の画像認識装置の一部または全部は、集積回路(例えば、LSI、システムLSI等)として実現されるものであってもよい。
上記実施の形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、プログラムにより実現されるものであってもよい。そして、上記実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。また、それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
また、上記実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。なお、上記実施形態に係る画像認識装置をハードウェアにより実現する場合、各処理を行うためのタイミング調整を行う必要があるのは言うまでもない。上記実施形態においては、説明便宜のため、実際のハードウェア設計で生じる各種信号のタイミング調整の詳細については省略している。
また、上記実施形態における処理方法の実行順序は、必ずしも、上記実施形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えることができるものである。
前述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、大容量DVD、次世代DVD、半導体メモリを挙げることができる。
上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
100,200,300 画像認識装置
11 手領域特定部
12 中心特定部
13,23,33 半径決定部
14 描画部
15 手首位置決定部
16 指先候補特定部
17 指先選択部
18 結果データ生成部

Claims (10)

  1. 人物の手の範囲を示す手領域が特定された手領域特定画像を入力し、前記手領域特定画像において前記手領域に含まれる画素を用いて、前記手領域における手のひら又は手の甲の中心位置を特定する中心特定部と、
    前記中心特定部により特定された中心位置から前記手領域のエッジまでの距離に基づいて、前記手領域特定画像上に描かれる円の半径を決定する半径決定部と、
    前記中心特定部により特定された中心位置を中心とし、かつ、前記半径決定部により決定された半径を有する円を前記手領域特定画像上に描く描画部と、
    前記描画部により描かれた円のうち前記手領域と重なる複数の円弧を特定し、特定された複数の円弧のうち、最大の長さを有する円弧の位置を前記手領域における手首の位置として決定する手首位置決定部と、
    を備える画像認識装置。
  2. 請求項1に記載の画像認識装置であって、
    前記半径決定部は、前記中心特定部により特定された中心位置から前記手領域のエッジまでの最短距離に基づいて、前記手領域特定画像上に描かれる円の半径を決定する画像認識装置。
  3. 請求項2に記載の画像認識装置であって、
    前記半径決定部は、前記最短距離に所定の係数の乗じて得た長さを、前記手領域特定画像上に描かれる円の半径として決定する画像認識装置。
  4. 請求項2に記載の画像認識装置であって、
    前記手領域特定画像において、複数の指先が特定されており、
    前記半径決定部は、前記中心特定部により特定された中心位置に最も遠い指先を選択し、前記最短距離と前記中心位置から前記最も遠い指先までの距離とに基づいて、前記手領域特定画像上に描かれる円の半径を決定する画像認識装置。
  5. 請求項1に記載の画像認識装置であって、
    前記手領域特定画像において、複数の指先が特定されており、
    前記半径決定部は、前記中心特定部により特定された中心位置から、前記複数の指先までのそれぞれの距離に基づいて、前記手領域特定画像に描かれる円の半径を決定する画像認識装置。
  6. 請求項1に記載の画像認識装置であって、
    前記半径決定部は、前記中心特定部により特定された中心位置と、前記中心位置から見て第1方向に位置する手領域のエッジとの間の第1距離を計算し、前記中心位置と、前記中心位置から見て前記第1方向と異なる第2方向に位置する前記手領域のエッジとの間の第2距離を計算し、前記第1距離と前記第2距離とに基づいて、前記手領域特定画像に描かれる円の半径を決定する画像認識装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の画像認識装置であって、
    前記手領域特定画像において、複数の指先が特定されており、
    前記画像認識装置は、さらに、
    前記複数の指先のうち前記描画部により描画された円の外に位置する指先を、人物の指先として抽出する指先選択部、
    を備える画像認識装置。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の画像認識装置であって、
    前記手領域特定画像において、複数の指先が特定されており、
    前記画像認識装置は、さらに、
    前記複数の指先のうち、前記中心特定部により特定された中心位置から見て、前記手首位置決定部により決定された手首の位置に存在する指先を、人物の指先から除外する指先選択部、
    を備える画像認識装置。
  9. 人物の手の範囲を示す手領域が特定された手領域特定画像において、前記手領域内の手首の位置を特定する画像認識方法であって、
    前記手領域特定画像において前記手領域に含まれる画素を用いて、前記手領域における手のひら又は手の甲の中心位置を特定するステップと、
    特定された中心位置から前記手領域のエッジまでの距離に基づいて、前記手領域特定画像上に描かれる円の半径を決定するステップと、
    特定された中心位置を中心とし、かつ、決定された円の半径を有する円を前記手領域特定画像上に描くステップと、
    描かれた円の円周のうち前記手領域と重なる複数の円弧を特定し、特定された複数の円弧のうち、最大の長さを有する円弧の位置を前記手領域における手首の位置として決定するステップと、
    を備える画像認識方法。
  10. 人物の手の範囲を示す手領域が特定された手領域特定画像において、前記手領域内の手首の位置を特定する画像認識方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記手領域特定画像において前記手領域に含まれる画素を用いて、前記手領域における中心位置を特定するステップと、
    特定された中心位置から前記手領域のエッジまでの距離に基づいて、前記手領域特定画像上に描かれる円の半径を決定するステップと、
    特定された中心位置を中心とし、かつ、決定された円の半径を有する円を前記手領域特定画像上に描くステップと、
    描かれた円の円周のうち前記手領域と重なる複数の円弧を特定し、特定された複数の円弧のうち、最大の長さを有する円弧の位置を前記手領域における手首の位置として決定するステップと、
    を実行させるプログラム。
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