JP6605176B1 - 交通情報生成システム - Google Patents

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Abstract

本発明は交通情報生成システムに関し、プローブデータを受信するプローブデータ受信部、プローブデータを蓄積するプローブデータ記憶部、プローブ車両が搭載するセンサの検出精度と相関を持つ環境要素を含む検出環境をプローブデータから抽出する検出環境抽出部、交通事象を検出した対象車両から受信したプローブデータ、プローブデータ記憶部に蓄積された蓄積プローブデータとを比較して類似度を算出するプローブデータ比較部、類似度に基づいて、交通事象の検出の信頼度を表す車両信頼度を生成する車両信頼度生成部、車両信頼度と検出環境とを関連付けて蓄積する車両信頼度記憶部、交通事象の検出時における検出環境と車両信頼度とに基づいて、対象車両による交通事象の検出位置の信頼度を表す位置信頼度を算出する位置信頼度算出部、および位置信頼度と蓄積プローブデータとに基づいて、交通事象に関する情報を生成する交通事象生成部とを備えている。

Description

本発明は、交通事象を検出する複数のプローブ車両から交通事象を収集し、道路交通情報を生成する交通情報生成システムに関する。
近年、リアルタイムな道路交通情報を生成するための方法として、複数のプローブ車両により交通事象を検出する方法が開発されている。プローブ車両は通信機能を持ち、車両の周辺をセンシングすることで検出した交通事象をプローブデータとしてクラウドシステム等に送信する車両である。
複数のプローブデータに基づいて、正確な位置情報を持つ交通情報を生成するシステムとして、例えば特許文献1に開示されるように、ある道路状況および走行状況の下における自車位置の精度を予め想定しておく方法が挙げられる。この方法では、プローブデータに含まれる道路状況と、予め想定した自車位置の精度を用いてプローブデータの信頼度を評価し、信頼度に基づいて代表位置を決定する。
特開2011−215973号公報
特許文献1による交通情報生成システムでは、各プローブ車両に対して、道路状況および走行状況に応じた精度信頼度を予め算出しておく。しかしながら、予め全ての状況を網羅して精度信頼度を算出することは困難であるという問題がある。また、車両に搭載されるセンサの劣化に伴って、交通事象位置の検出精度が変化する場合に、その変化を考慮できないという問題がある。
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、プローブデータの位置信頼度を高め、正確な位置情報を有した交通情報の生成が可能な交通情報生成システムを提供することを目的とする。
本発明に係る交通情報生成システムは、道路上に存在する交通事象を検出するセンサを搭載した複数のプローブ車両から送られる前記交通事象の事象位置及び検出時刻を含む事象データを備えたプローブデータを受信するプローブデータ受信部と、前記プローブデータを蓄積するプローブデータ記憶部と、前記複数のプローブ車両が搭載するセンサの検出精度と相関を持つ環境要素を含む検出環境を抽出する検出環境抽出部と、前記プローブデータに基づいて前記交通事象の位置的特性および時間的特性を推定する事象特性推定部と、前記位置的特性および前記時間的特性に基づいて、前記プローブデータ記憶部の事象データと新たに受信した対象車両の前記事象データとの類似度を算出するプローブデータ比較部と、前記プローブデータ比較部が算出した前記類似度に基づいて、前記対象車両による前記交通事象の前記位置的特性及び前記時間的特性と前記検出環境とを関連付けて車両信頼度を生成し、前記車両信頼度を車両信頼度記憶部に格納する車両信頼度生成部と、前記対象車両の前記検出環境と類似している前記車両信頼度記憶部に蓄積された前記車両信頼度を用いて、前記対象車両の前記事象位置の位置信頼度を算出し前記プローブデータ記憶部に蓄積する位置信頼度算出部と、前記プローブデータ記憶部に蓄積された前記位置信頼度および記プローブデータを用いて前記交通事象に関する情報を生成する交通事象生成部と、を備えている。
対象車両から受信したプローブデータと、プローブデータ記憶部に蓄積された蓄積プローブデータとを比較し、対象車両による交通事象の検出の信頼度を表す車両信頼度を生成することで、対象車両に搭載されたセンサが、予め想定していない特性を持っている場合でも、プローブデータの位置信頼度を正確に算出することができる。これにより、劣化および故障等でセンサの特性が変化することを考慮した交通情報の生成が可能となる。また、高性能なセンサを搭載した車両と、性能が低いセンサを搭載した車両が混在している場合でも、車両ごと生成された車両信頼度に基づいて、交通事象の位置をロバストに推定できる。
本発明に係る実施の形態1の交通事象生成システムの構成を示す機能ブロック図である。 プローブデータの構成を示す図である。 検出環境の一例を示す図である。 事象データにおける類似度の算出方法の一例を示す図である。 車両信頼度の生成を説明する概念図である。 車両信頼度の生成を説明する概念図である。 位置信頼度の算出方法を説明する図である。 位置信頼度の算出方法を説明する図である。 位置信頼度の算出方法を説明する図である。 本発明に係る実施の形態1の交通事象生成システムにおける車両信頼度の算出処理を説明するフローチャートである。 新たに受信した事象データと事象データの集合との関係を説明する図である。 新たに受信した事象データと事象データの集合との関係を説明する図である。 本発明に係る実施の形態1の交通事象生成システムのハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態1の交通事象生成システムのハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態2の交通事象生成システムの構成を示す機能ブロック図である。 事象データにおける位置的特性を推定する方法の一例を説明する図である。 事象データにおける位置的特性を推定する方法の一例を説明する図である。 事象データの位置的特性に応じて類似度の算出方法を変更する例を説明する図である。 事象データの位置的特性に応じて類似度の算出方法を変更する例を説明する図である。 事象データにおける時間特性を推定する方法の一例を説明する図である。 事象データにおける時間的特性を推定する方法の一例を説明する図である。 本発明に係る実施の形態2の交通事象生成システムにおける車両信頼度の算出処理を説明するフローチャートである。
<実施の形態1>
図1は、本発明に係る実施の形態1の交通情報生成システム10の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように交通情報生成システム10は、プローブデータ受信部11、検出環境抽出部12、プローブデータ比較部13、車両信頼度生成部14、車両信頼度記憶部15、位置信頼度算出部16、プローブデータ記憶部17および交通事象生成部18を備え、複数のプローブ車両から収集したプローブデータを用いて、正確な位置情報を有した交通情報を生成する。
交通情報生成システム10で生成される交通情報は、主として自動運転システムおよび安全支援システム等の車載システムと、ドライバーに提供される道路交通情報であり、少なくとも交通情報の種別を表す情報種別と、当該事象の位置情報を含んでいる。加えて、最新の観測時刻および最も古い観測時刻等の時間に関する情報を含んでいても良いし、事象を詳細に表現するための詳細情報を含んでいても良い。例えば情報種別が故障車の場合は、詳細情報として車種、移動方向、移動速度が挙げられ、情報種別がスリップ発生区間の場合は、詳細情報として推奨走行速度が挙げられる。
故障車は、例えば、速度が法定速度よりも遙かに遅い速度で走行しているような車両をプローブ車両が検出した場合に故障車であると判定することができる。
スリップ発生区間は、例えば、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)が動作した場合に車両がスリップしたと判定することができ、また、前輪と後輪とでタイヤの回転数の差が閾値を超えた場合にスリップしたと判定することができ、プローブ車両がこれらの判定を行った場合は、スリップ発生区間であることを送信する。
推奨走行速度は、スリップ発生区間を走行したプローブ車両のうち、スリップを検出しなかった車両の当該区間における平均速度を用いても良く、また、スリップを検出したプローブ車両の当該区間における最低速度を用いても良い。
交通情報の種別には、故障車および障害物などの道路上に存在する物体の情報と、渋滞区間およびスリップ発生区間などの道路の属性として表される情報が含まれる。さらに、電柱、看板およびガードレールなどの、道路上に設置されて動かない物体の情報を含んでも良い。電柱、ガードレール等の情報は、自動運転車両が緊急時に路肩に停止する際および道路脇の施設に入る際に、当該事象と接触しないように自動制御を行うために活用できる。
以下、図1を参照しつつ、交通情報生成システム10における交通情報の生成手順を説明する。まず、プローブデータ受信部11が、複数のプローブ車両からプローブデータを受信する。プローブデータは、プローブ車両に搭載された各種センサを用いることにより交通事象を検出した際に生成され、公衆通信網等を介して交通情報生成システム10に送信される。
例えば、センサとしてカメラセンサの例を挙げるなら、カメラセンサで撮影された画像を画像認識の手法により解析することで、路上に停止した車両を検出した場合は、「停止車両」の存在が位置情報と共に送信される。
基本的には、プローブ車両が検出した交通事象を全て送信するようにしても良いが、情報量が大きくなり過ぎることを抑制するために、移動性が高い事象を優先的に送信するようにしても良いし、プローブ車両が予め所定のサーバシステムから走行経路上の交通事象に関する情報を受信しておき、当該情報と大きく位置が異なる交通事象を検出した場合に、その交通事象を送信するようにしても良い。
図2は、プローブデータの構成の一例を示す図である。図2に示すようにプローブデータは、各プローブ車両を識別するための車両識別子20と、少なくとも1つの事象データ22とを含んでいる。図2では事象データ22として事象データ1および事象データ2を示しているが、説明は事象データ1について行う。
事象データ22には、それぞれ検出時刻22a、事象種別22b、および事象位置22cの少なくとも3つのデータ項目が含まれる。検出時刻22aは、イベントを検出した時刻を表す項目である。事象種別22bは、検出した事象の種別を表す項目である。事象位置22cは、検出した事象の位置を表す項目であり、緯度経度を用いた絶対位置で表現されても良いし、車両の絶対位置と、車両と当該事象との相対位置で表現されても良い。また、車両が地図を搭載している場合は、車線リンクおよび道路リンクなどの道路地図を構成する要素との相対位置で表現されても良い。
さらに、プローブデータに含んでも良い代表的な情報として、車両情報21、車両状態22d、詳細情報22eおよび位置精度22fが挙げられる。車両情報21は、車種および搭載するセンサの性能などのプローブ車両に関する静的な状態を表す項目である。車両状態22dは、当該事象を検出した時点におけるプローブ車両の速度、向き、加速度、ブレーキ状態などのプローブ車両に関する動的な状態を表す項目である。詳細情報22eは、交通情報の説明において上述した事象を詳細に表現するための詳細情報である。位置精度22fは、当該事象の事象位置22cに関する検出精度についての情報である。
検出精度は、センサが出力する精度に関する情報およびセンサの雑音となる情報に基づいて算出される。GPS受信センサであれば、衛星の使用数、位置精度低下率を用いて算出され、レーザーセンサであれば太陽光の強さを用いて算出される。
検出環境抽出部12は、受信したプローブデータから、事象を検出した際の検出環境として、プローブ車両が搭載するセンサの検出精度と相関を持つ環境要素を抽出する。上記センサの代表な例として、カメラセンサ、赤外線レーザーセンサおよびミリ波レーダセンサが挙げられる。カメラセンサは、夜間および逆光の環境においては検出精度が低下する傾向がある。一方で、赤外線レーザーセンサは、遠距離の物体検出時および悪天候時において検出精度が低下する傾向がある。また、GPS受信センサを用いて自車位置を測位する場合、電波の受信環境が悪化する都市部およびトンネル内では、その測位精度は大きく低下する。上述したように、センサはその方式によってそれぞれ異なる耐環境性を有する。そこで交通情報生成システム10においては、検出環境抽出部12により事象を検出した際の検出環境を抽出する。
図3には検出環境の一例を示す。図3に示すように、検出環境には、上述したセンサの検出精度と相関を持つ雨および霧などを示す天気、時刻、検出対象との距離、走行速度および道路種別などの環境要素を含んでいる。図3の例では、天気は「快晴」、時刻は「2018-03-01 16:20:00」、検出対象との距離は「20m」、走行速度は「63km/h」、道路種別は「トンネル」となっている。
上述した環境要素を抽出するにあたって、天気のようにプローブデータから直接取得できない要素がある場合は、事象位置と検出時刻に基づいて、システム外部の装置またはシステム内部のデータベースから上記要素を抽出する方法が考えられる。
また、プローブデータに、位置精度22fに関する情報が含まれている場合、当該情報も検出環境として含んでも良い。
また、プローブデータに車両情報21が含まれる場合および過去に当該プローブデータを送信したプローブ車両が車両情報21を送信していた場合は、これを検出環境として含んでも良い。これは、プローブ車両ごとに搭載するセンサの性能は異なるので、プローブ車両の性能を表す車両情報も1つの検出環境として扱うことができることを意味している。例えば、プローブ車両の情報から、カメラセンサおよびレーザーセンサを搭載しているという情報を得られるプローブ車両が送信した事象位置と、カメラセンサのみを搭載しているという情報を得られるプローブ車両が送信した事象位置とでは、前者のプローブ車両の方が検出精度が高いと言うことができる。
<類似度の算出>
プローブデータ比較部13は、新たに受信した事象データに対して、過去に蓄積した事象データ(蓄積プローブデータ)との類似度を算出する。事象データの類似度は、検出時刻22aの差異に基づいて算出される時間的な距離dtと、事象位置22cの差異に基づいて算出される空間的な距離dsを複合して算出する。その他にも、詳細情報22eに基づいて算出した上記の距離以外、例えば、詳細情報22eに事象の移動速度の情報が含まれる場合、「移動速度の差」の値を用いても良い。また、詳細情報22eに事象の大きさが含まれる場合、「大きさの差」を用いても良い。
図4は、時間的に前後する道路RD上の2つの事象データにおける類似度を算出する際の具体例を説明する図である。図4においては、過去に蓄積した事象データAと、新たに受信した事象データBとを示しており、プローブ車両PVが道路上の事象を検出したことを模式的に表している。図4に示すように、事象データAは、検出時刻t_A、事象種別は故障車、事象位置(x_A,y_A)の情報を有しており、事象データBは、検出時刻t_B、事象種別は故障車、事象位置(x_B,y_B)の情報を有している。なお、プローブ車両PVは、異なる時間でそれぞれ同じ事象を検出しているものであり、プローブ車両PV自体は異なる車両であるものとする。
過去に蓄積した事象と、新たに受信した事象との時間的な距離dtを算出する方法としては、例えば、2つの事象データの検出時刻の差(絶対値)を用いる方法が挙げられ、以下の数式(1)で算出される。
Figure 0006605176
同様に、空間的な距離dsを算出する方法としては、例えば、事象間のユークリッド距離を用いる方法が挙げられ、以下の数式(2)で算出される。
Figure 0006605176
ここでは、時間的な距離dtと空間的な距離dsの代表的な算出方法を記載したが、他の方法を用いて算出しても良い。類似度αの算出方法としては、上記距離に対する逆数の和を用いて以下の数式(3)で算出する方法が考えられる。
Figure 0006605176
このように、空間的な距離dsおよび時間的な距離dtを用いることで、比較的簡便に類似度αを算出することができる。
ただし、事象種別によって、その移動性は大きく異なる。例えば、故障車は移動性の高い事象であり、電柱は移動性の低い事象と言える。よって、類似度を算出する際には、事象種別に応じて時間的な距離dtと空間的な距離dsの重みを変化させることが好ましい。例えば「看板」は、短時間のうちに移動する可能性が低い。よって、検出する時刻によって検出位置が変わる可能性が低いので、時間的距離の重みは小さく設定する。「故障車」は短時間のうちに移動する可能性が高い。よって、検出する時刻によって検出位置が大きく変わる可能性が高いので、時間的距離の重みを大きく設定する。なお、この重みは、事前に事象種別に応じて定義しても良いし、収集したデータから算出しても良い。
<車両信頼度の算出>
車両信頼度生成部14は、プローブ車両が送信するプローブデータがどの程度信頼できるかを表す指標である車両信頼度を生成し、車両信頼度記憶部15に格納する。車両信頼度が高い車両は、精度の高いプローブデータを送信し、そうでない車両は精度の低いプローブデータを送信するものとみなすことができる。
車両信頼度は、プローブデータ比較部13が出力する類似度に基づいて生成され、車両信頼度を算出しようとしている事象データBを送信してきたプローブ車両である対象車両(対象プローブ車両)が検出した事象と、過去に蓄積した事象データAを送信したプローブ車両である他車両(非対象プローブ車両)が検出した事象との類似度が高ければ、車両信頼度の値は高くなる。従って、車両信頼度には類似度を用いることができ、算出数式も実質的に同じとなり、車両信頼度βは以下の数式(4)で算出することができる。
Figure 0006605176
車両信頼度生成部14は、検出環境抽出部12が抽出した検出環境を、生成した車両信頼度と関連付けて車両信頼度記憶部15に格納する。これにより、検出環境に応じた車両信頼度の値を、プローブデータを受信する度に生成することができる。
次に、図5および図6を用いて、車両信頼度を生成する例について説明する。図5は、対象車両PVが検出した事象(障害物)について、他車両が検出した同一の事象(障害物)との類似度が大きい場合を示している。一方、図6は、対象車両PVが検出した事象(障害物)について、他車両が検出した事象(障害物)との類似度が小さい場合を示している。
すなわち、図5および図6において、検出環境は同じであり、速度は「50km/h」、天気は「晴れ」、時間帯は「夜」であって、対象車両が検出した事象を実線で示し、他車両が検出した事象を破線で示している。図5の場合では、類似度が0.8であり、類似度に応じた車両信頼度0.8が新たに生成される。図6の場合では、類似度が0.6であり、類似度に応じた車両信頼度0.6が新たに生成される。
交通情報生成システム10は、以上説明した車両信頼度の算出処理を、各プローブ車両が事象を検出してプローブデータを送信してくる度に行う。
<位置信頼度の算出>
位置信頼度算出部16は、事象データ22に含まれる事象位置22cがどの程度信頼できるかを表す指標として、位置信頼度を算出する。位置信頼度は、検出環境抽出部12が抽出した検出環境と、車両信頼度記憶部15に蓄積した蓄積車両信頼度に基づいて算出する。以下、図7および図8を用いて、位置信頼度の代表的な算出方法を説明する。
図7は、検出環境が類似するデータのみを用いて車両信頼度を生成する方法を説明する図である。まず、車両信頼度記憶部15に格納されている複数の検出環境a〜nのうち、対象の事象データD1から抽出された検出環境D11と類似している検出環境のみを選択する。その後、車両信頼度記憶部15に格納されている複数の車両信頼度a〜nのうち、選択した検出環境に関連付けられた車両信頼度を用いて位置信頼度D12を算出する。これにより、対象車両の検出環境を考慮して位置信頼度D12を算出することができる。なお、位置信頼度の算出方法として、選択した車両信頼度の平均値を用いても良いし、検出時刻を用いて新しい情報に重みを付けた重み付け平均を用いても良い。例えば、選択した車両信頼度を検出時刻の降順に並べたものをC1、C2、C3、・・・Cnとして、最も古いCnの重みを0とする加重移動平均を用いても良い。
検出環境の類似性の判定方法としては、それぞれの環境要素に対して類似度を定義する方法が挙げられる。具体的には、時刻の類似度は、上述した時間的な距離dtの逆数である1/dtを用いて表すことができる。検出対象との距離および走行速度などの連続値で表される情報は、2値の差、すなわち距離の差(絶対値)および走行速度の差(絶対値)を取り、2値の差が小さい場合ほど高い類似度を算出するようにすれば良い。また、天気および道路種別などの離散値で表現される情報は、2値が一致した場合は類似度1、そうでない場合は類似度0とするなど、2値のパターンごとに定義しても良い。また、2値に限定されず、例えば天気に「快晴」、「晴れ」、「曇り」、「雨」の4値がある場合、快晴と晴れの類似度は1、快晴と雨の類似度は0.1、晴れと曇りの類似度は0.5のようにそれぞれの組み合わせごとに定義することができる。
このように、検出環境D11と車両信頼度記憶部15に格納されている検出環境a〜nのそれぞれとの比較を行い、最後に、それぞれの環境要素に対して算出した類似度の総和が、しきい値を超えている検出環境a〜nについては、検出環境D11と類似しているものとして選択する。
図8は、車両信頼度記憶部15に格納されている検出環境a〜nと、検出環境a〜nにそれぞれ関連付けられた車両信頼度a〜nの組から、位置信頼度推定関数を生成する方法を説明する図である。位置信頼度推定関数は、検出環境を入力として、位置信頼度を出力するように生成されており、生成にあたっては、検出環境a〜nと車両信頼度a〜nの組に対して回帰分析を行って生成しても良いし、機械学習およびニューラルネットワークによるディープラーニングを用いて生成しても良い。
重回帰分析を用いる場合、位置信頼度推定関数fは、例えば、図3に示した検出環境の要素を説明変数とし、「f=a・天気+b・時間帯+c・検出対象との距離+d・走行速度+e・道路種別」のように表現される。天気および道路種別のように離散値で表現される要素は、晴れ=1、曇り=2のようにラベル付けをするか、ダミー変数を用いることで説明変数を表現する。重回帰分析を行うことにより、各説明変数の係数(a、b、c、d、e)を算出することで、位置信頼度推定関数を生成する。ニューラルネットワークを用いる場合も同様に、検出環境の要素を入力層とするネットワークを生成する。
一方で、対象車両のプローブデータが十分に収集されていない段階においては、検出環境に基づいて生成される信頼度または位置信頼度推定関数fなどの信頼性は低い傾向となると考えられる。この場合、対象車両が持つ検出環境と検出精度の相関と類似した相関を持つと考えられる車両の蓄積プローブデータを用いても良い。
上記条件に合う車両として、例えば、対象車両が搭載するセンサと同一のセンサを搭載するプローブ車両または、対象車両と同一車種のプローブ車両が挙げられる。
条件に合うか否かの判定方法としては、検出環境の類似性の判定と同様の方法で、車両情報の類似性を判定する方法が挙げられる。例えば、センサの性能が、有効距離で表されている場合には、有効距離の逆数を用いて類似度を規定することができる。
図9は、対象車両が持つ検出環境と検出精度の相関と類似した相関を持つ車両(類似車両)のプローブデータを用いて車両信頼度を生成する方法を説明する図である。車両信頼度記憶部15に格納されている複数のプローブ車両1〜nのそれぞれから送られてきた複数の検出環境a〜nのうち、対象車両から送られてきたプローブデータD10の事象データから抽出された検出環境D11と類似している検出環境のみを選択するが、この場合、プローブデータD10から車両情報D13として、例えばセンサの性能のデータを抽出し、当該センサの性能と類似する車両を複数のプローブ車両1〜nから選択する。
そして、選択したプローブ車両に対応する複数の車両信頼度a〜nのうち、選択した検出環境に関連付けられた車両信頼度を用いて位置信頼度D12を算出する。これにより、対象車両が持つ検出環境と検出精度の相関と類似した相関を持つと考えられる車両のプローブデータを用いて、対象車両の検出環境を考慮した位置信頼度D12を算出することができ、対象車両のプローブデータが十分に収集されていない段階でも、位置信頼度を算出することができる。
なお、対象車両のプローブデータが十分に収集されているか否かの閾値として、予め決められた閾値を用いても良いし、例えば説明変数の数、ニューラルネットの層の数に基づいて算出された閾値を用いても良い。
以上説明したように、位置信頼度算出部16は、事象検出時における検出環境と、その際の検出精度が相関を持つという仮定に基づき、プローブデータの位置信頼度を算出する。対象車両のプローブデータと、蓄積した他車両のプローブデータとを比較するだけでなく、対象車両によるプローブデータの生成時と類似した検出環境下におけるプローブデータの信頼度を算出することで、位置信頼度のロバスト化を図ることができる。
位置信頼度算出部16で算出された位置信頼度は、プローブデータと共にプローブデータ記憶部17に格納される。
交通事象生成部18は、プローブデータ記憶部17に格納されたプローブデータと位置信頼度とを用いて交通事象に関する情報を生成する。
<車両信頼度の生成処理>
次に、新たにプローブデータを受信した際に、当該データを送信した車両に対する車両信頼度を生成する処理について、図10に示すフローチャートを用いて説明する。
プローブデータ比較部13は、新たに受信したプローブデータに含まれる事象データxの近隣に発生する事象データiを、プローブデータ記憶部17から取得する(ステップS101)。ここで、事象データxの近隣とは、例えば、位置的に近隣している事象であり、プローブデータ記憶部17内を検索して、事象位置22cが近いプローブデータを取得する。
その後、プローブデータ比較部13は、新たに受信した事象データxに対して、ステップS101において取得した事象データiとの類似度を算出する(ステップS102)。事象データiが複数存在する場合は、それぞれと事象データxとの比較を行い(ステップS103)、何れの類似度も予め定めた閾値を超えない場合(Noの場合)は、新たに受信した事象データxは、プローブデータ記憶部17に蓄積されている事象データの何れとも一致しないものと判断し、プローブデータ記憶部17に新規事象データとして格納し、処理を終了する。
一方、算出した類似度が閾値以上と判定される場合(Yesの場合)は、ステップS103において比較した事象データiのうち類似度が閾値以上の事象データiが示す事象を構成するデータ集合に、事象データxを追加する(ステップS104)。
ここで、図11および図12を用いて、上述したステップS102からステップS104の処理を模式的に説明する。
図11は、新たに受信した事象データxと、プローブデータ記憶部17から取得した近隣の複数の事象データiとの類似度が、何れも閾値を未満であった例を示している。すなわち、図11の上側に示されるように、道路RD上の新たに受信した事象データxと、その近隣の複数の事象データiの集合AGとは、破線の矢印で示されるように類似度が閾値未満であり、この場合は、図11の下側に示されるように、新たに受信した事象データxは、新たな事象を構成するデータ集合AGXを構成することとなる。なお、集合AG内の複数の事象データiは、事象間の類似度が閾値以上となっており同一事象を構成している。
図12は、新たに受信した事象データxと、プローブデータ記憶部17から取得した近隣の複数の事象データiのうち何れか1つとの類似度が、閾値を以上であった例を示している。すなわち、図12の上側に示されるように、道路RD上の新たに受信した事象データxと、その近隣の複数の事象データiの集合AGとは、実線の矢印で示されるように類似度が閾値以上であり、この場合は、図12の下側に示されるように、新たに受信した事象データxは、同一事象を構成する集合AGに追加される。
ここで、図10のフローチャートの説明に戻る。次に、プローブデータ比較部13は、新たに受信した事象データと、近隣の複数の事象データの集合との類似度を算出する(ステップS105)。この処理は、近隣の複数の事象データの集合を構成する全ての事象データと、新たに受信した事象データとの類似度を算出する処理であり、算出結果の中で、最も類似度の大きい値を新たに受信した事象データの類似度としても良いし、算出結果の平均値を新たに受信した事象データの類似度としても良い。事象の種別によって、移動性が大きく異なることを考慮すると、事象の特性に応じて算出方法を変えても良い。
最後に、車両信頼度生成部14は、ステップS105で算出された類似度を車両信頼度として生成し(ステップS106)、生成した車両信頼度と検出環境抽出部12が抽出した検出環境とを関連付けて車両信頼度記憶部15に格納する。
以上説明したように、対象車両が送信してきたプローブデータと、蓄積された他車両が送信したプローブデータと比較し、対象車両に対する車両信頼度を算出することで、対象車両に搭載されるセンサが、予め想定していない特性を持っている場合でも、プローブデータの位置信頼度を正確に算出することができる。
以上説明した交通情報生成システム10の各構成はコンピュータを用いて構成することができ、これらの各構成はコンピュータがプログラムを実行することで実現される。すなわち、図1に示した交通情報生成システム10のプローブデータ受信部11、検出環境抽出部12、プローブデータ比較部13、車両信頼度生成部14、車両信頼度記憶部15、位置信頼度算出部16、プローブデータ記憶部17および交通事象生成部18は、例えば図13に示す処理回路120により実現される。処理回路120には、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサが適用され、記憶装置に格納されるプログラムを実行することで上記各構成の機能が実現される。
なお、処理回路120には専用のハードウェアが適用されても良い。処理回路120が専用のハードウェアである場合、処理回路120は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASCI(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)または、これらを組み合わせたものなどが該当する。
また、図14には、図1に示した交通情報生成システム10の各構成(プローブデータ受信部11、検出環境抽出部12、プローブデータ比較部13、車両信頼度生成部14、車両信頼度記憶部15、位置信頼度算出部16、プローブデータ記憶部17および交通事象生成部18)がプロセッサを用いて構成されている場合におけるハードウェア構成を示している。この場合、交通情報生成システム10の各構成の機能は、ソフトウェア等(ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェア)との組み合わせにより実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリ122に格納される。処理回路120として機能するプロセッサ121は、メモリ122(記憶装置)に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。
<実施の形態2>
図15は、本発明に係る実施の形態2の交通情報生成システム10Aの構成を示す機能ブロック図である。図15に示されるように、交通情報管理システム10Aは、図1を用いて説明した交通情報生成システム10の機能ブロックに加えて、事象特性推定部19を備えている。なお、図15においては、図1を用いて説明した交通情報生成システム10と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
事象特性推定部19は、プローブデータ記憶部17に蓄積されたプローブデータに基づいて、交通情報の種別ごとに異なる特性を推定する。上記特性として、位置的特性および時間的特性について説明する。
<位置的特性について>
位置的特性とは、交通情報の位置がどのように表されるかという特性である。例えば、故障車および看板であれば、交通情報の位置が点として表現されるのが適切であるし、渋滞区間およびスリップ区間であれば、交通情報の位置が範囲として表現されるのが適切である。
位置的特性を推定する方法の1つとして、事象データ間の類似度の分散を参照する方法がある。上記方法について図16および図17を用いて説明する。図16および図17では、便宜的に事象の位置を2次元で表している。
図16に示されるように、交通情報の位置が点で表される事象であれば、正しい場所を検出するプローブデータが最も多く、誤差が大きくなるにつれてデータ量が少なくなることが予想される。すなわち、図16の上側には、道路RD上に複数の事象データ(×印)が分散している状態が示され、図16の下側にはその分布図が示されている。分布図では横軸に位置を取り、縦軸に事象データ数を示しており、中央部分に事象データが集中している。このため、事象データが図16に示されるような分布を有する事象であれば、交通情報の位置が点で表される事象であると判断される。
一方、図17に示されるように、交通情報の位置が線または面で表される事象であれば、プローブデータの分布は一様な分布になることが予想される。すなわち、図17の上側には、道路RD上に複数の事象データ(×印)が分散している状態が示され、図17の下側にはその分布図が示されている。分布図では横軸に位置を取り、縦軸に事象データ数を示しており、事象データは分散している。このため、事象データが図17に示されるような分布を有する事象であれば、交通情報の位置が範囲として表される事象であると判断される。
このように、類似する事象データの分散を用いることで上記のように位置的特性を判定することができる。例えば、検出時刻の差異に基づいて算出される時間的な距離の逆数を時間的類似度とすると、その時間的類似度の分散σ_tは以下の数式(5)で表すことができる。なお、数式(5)において、t_avgは時間的類似度の平均値を表す。
Figure 0006605176
また、事象位置の差異に基づいて算出される空間的な距離の逆数を距離的類似度とすると、その距離的類似度の分散σ_dは以下の数式(6)で表すことができる。なお、数式(6)において、x_avgはx方向距離の距離的類似度の平均値を表し、y_avgはy方向距離の距離的類似度の平均値を表す。
Figure 0006605176
そして、上記時間的類似度の分散σ_tおよび距離的類似度の分散σ_dの和を類似度の分散としても良いし、その他の統計的な手法を用いても良い。
位置的特性を推定することにより、生成する交通情報における位置の表現方法を位置的特性に応じて変更することができる。これによって、対象の交通事象について位置の表現方法を予め定義しなくても、適切な表現方法を用いて位置を表現することができる。また、より適切に車両信頼度を算出することが可能となる。
例えば、図10を用いて説明したステップS105においてデータ集合との類似度を算出する際に、位置的特性に応じて適切な算出方法を選択する方法の一例について、図18および図19を用いて説明する。
図18および図19では、道路RD上に複数の事象データが分散している状態が示され、プローブデータ記憶部17に蓄積された事象データと、新たに受信した事象データとを示している。
図18は、交通情報の位置が点で表される事象を示しており、蓄積された事象データと新たに受信した事象データとの空間的な距離dsは、蓄積された複数の事象データにおける重心を交通情報の位置と規定し、当該重心との距離として算出している。これは、交通情報がある一点に存在している位置特性であると想定されるからである。
図19は、交通情報の位置が面で表される事象を示しており、蓄積された事象データと新たに受信した事象データとの空間的な距離dsは、蓄積された複数の事象データのそれぞれと新たに受信した事象データとの距離のうち、最も距離が小さくなるものを用いている。これは、交通情報がある面で表される位置特性であると想定されるからである。
このように、データ集合との類似度を算出する際に、位置的特性に応じて類似度を算出方法を変えることで、適切な表現方法を用いて位置を表現でき、それによって得られた類似度を用いることで、より適切に車両信頼度を算出することが可能となる。
データ集合との類似度を算出する方法は、図18および図19を用いて説明した方法に限定されず、位置的特性に応じて他の方法を用いて算出しても良い。
<時間的特性について>
時間的特性とは、交通事象が発生する位置がどの程度移動するかという特性である。例えば、電柱であれば数年間は移動しないと考えられ、渋滞区間であれば数分でその区間は移動すると考えられる。時間的特性を定量的に表す方法の一例を図20および図21を用いて説明する。
図20および図21では、同一事象を表す事象データの中で、データの空間的中心と、各事象データとの空間的距離について、時間経過による推移を道路RD上にプロットしている。
図20には移動性が低い交通事象を示しており、図20の上側には、道路RD上に分布する複数の事象データと、当該複数の事象データの空間的中心とを示しており、図20の下側にはデータの空間的中心からの距離の時間変化のグラフを示している。
図20に示されるように、移動性が低い電柱等の事象は、データの空間的中心からの距離の推移と、時間経過との相関は見られない。
図21には移動性が高い交通事象を示しており、図21の上側には、道路RD上に分布する複数の事象データと当該複数の事象データの空間的中心とを示しており、図21の下側にはデータの空間的中心からの距離の時間変化のグラフを示している。
図21に示されるように、移動性が高い事象の場合は、データの空間的中心からの距離の推移と、時間経過との相関が見られる。従って、データの空間的中心からの距離の推移と時間経過との相関係数は、時間的特性の定量的な値として用いることができる。
時間的特性の活用方法として、2つの事象間の類似度を算出する際の数式1/dt+1/dsに対して、それぞれの項に上記相関係数および回帰直線の傾きに応じた重みを付けることで、移動性を考慮した類似度の算出が可能となる。
相関係数が1に近いほど移動性があり、回帰直線の傾きが大きいほど移動性が高いと言える。例えば、相関係数rと回帰直線の傾きaを用いて、a・rを1/dtの係数にしても良いし、相関係数rが予め定めた閾値を上回った場合のみrを1/dtの係数としても良い。
このように、データ集合との類似度を算出する際に、時間的特性に応じて類似度の算出方法を変えることで、移動性を考慮した類似度の算出が可能となり、より適切に車両信頼度を算出することが可能となる。
<車両信頼度の生成処理>
最後に、実施の形態2における車両信頼度を生成する処理について、図22に示すフローチャートを用いて説明する。
実施の形態2の交通情報生成システム10Aは、図15に示されるように、図1を用いて説明した交通情報生成システム10の機能ブロックに加えて、事象特性推定部19を備えているこのため、図10を用いて説明したステップS102の類似度を算出する前に、事象特性推定部19において、交通情報の種別ごとに位置的特性および時間的特性を推定する処理を行い、ステップS105においてデータ集合との類似度を算出する前に位置的特性に応じて適切な算出方法を選択する処理が加わる。
図22に示すフローチャートにおいては、ステップS201、S203〜S205、S207およびS208が、図10に示したステップS101〜S106に相当し、重複する説明は省略する。
車両信頼度の生成においては、プローブデータ比較部13が、新たに受信したプローブデータに含まれる事象データxの近隣に発生する事象データiを、プローブデータ記憶部17から取得し(ステップS201)、事象特性推定部19が、プローブデータ記憶部17に蓄積されたプローブデータに基づいて、交通情報の種別ごとに位置的特性および時間的特性を推定する(ステップS202)。
ステップS202で推定された位置的特性および時間的特性に基づいて決定された類似度の算出方法を用いて、ステップS201において取得した事象データiとの類似度を算出する(ステップS203)。
また、ステップS202で推定された位置的特性および時間的特性は、ステップS207において、新たに受信した事象データと、近隣の複数の事象データの集合との類似度を算出する処理で使用される算出方法を決定する際に使用される(ステップS206)。
以上説明したように、事象特性推定部19において推定した位置的特性および時間的特性に基づいて決定された類似度の算出方法を用いて、事象データとの類似度を算出し、また、データ集合との類似度を算出する際に、位置的特性および時間的特性に応じて類似度の算出方法を変えることで、より適切に車両信頼度を算出することが可能となる。
以上説明した交通情報生成システム10Aの各構成(プローブデータ受信部11、検出環境抽出部12、プローブデータ比較部13、車両信頼度生成部14、車両信頼度記憶部15、位置信頼度算出部16、プローブデータ記憶部17、交通事象生成部18および事象特性推定部19)はコンピュータを用いて構成することができ、これらの各構成はコンピュータがプログラムを実行することで実現されることは、図13を用いて説明した実施の形態1と同じである。
また、交通情報生成システム10Aの各構成(プローブデータ受信部11、検出環境抽出部12、プローブデータ比較部13、車両信頼度生成部14、車両信頼度記憶部15、位置信頼度算出部16、プローブデータ記憶部17、交通事象生成部18および事象特性推定部19)がプロセッサを用いて構成されている場合におけるハードウェア構成は、図14を用いて説明した実施の形態1と同じである。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。

Claims (5)

  1. 道路上に存在する交通事象を検出するセンサを搭載した複数のプローブ車両から送られる前記交通事象の事象位置及び検出時刻を含む事象データを備えたプローブデータを受信するプローブデータ受信部と
    記プローブデータを蓄積するプローブデータ記憶部と、
    前記複数のプローブ車両が搭載するセンサの検出精度と相関を持つ環境要素を含む検出環境を抽出する検出環境抽出部と、
    前記プローブデータに基づいて前記交通事象の位置的特性および時間的特性を推定する事象特性推定部と、
    前記位置的特性および前記時間的特性に基づいて、前記プローブデータ記憶部の事象データと新たに受信した対象車両の前記事象データとの類似度を算出するプローブデータ比較部と、
    前記プローブデータ比較部が算出した前記類似度に基づいて、前記対象車両による前記交通事象の前記位置的特性及び前記時間的特性と前記検出環境とを関連付けて車両信頼度を生成し、前記車両信頼度を車両信頼度記憶部に格納する車両信頼度生成部と、
    前記対象車両の前記検出環境と類似している前記車両信頼度記憶部に蓄積された前記車両信頼度を用いて、前記対象車両の前記事象位置の位置信頼度を算出し前記プローブデータ記憶部に蓄積する位置信頼度算出部と、
    前記プローブデータ記憶部に蓄積された前記位置信頼度および記プローブデータを用いて前記交通事象に関する情報を生成する交通事象生成部と、を備える交通情報生成システム。
  2. 前記位置信頼度算出部は、
    前記対象車両の前記検出環境と、前記車両信頼度記憶部に蓄積された前記プローブデータに含まれる前記検出環境のそれぞれの要素に対して、算出した前記類似度の総和があらかじめ定めたしきい値を超えている場合において類似していると判断する、請求項1記載の交通情報生成システム。
  3. 前記位置信頼度算出部は、
    前記対象車両に類似している前記車両信頼度記憶部に蓄積された前記検出環境と、前記検出環境にそれぞれ関連付けられた前記車両信頼度の組を複数用いて前記位置信頼度の推定関数を生成する、請求項1または請求項2記載の交通情報生成システム。
  4. 前記位置信頼度算出部は、
    前記対象車両の前記検出環境と前記検出精度の相関と類似した相関を持つと考えられる前記プローブデータを用い、請求項1または請求項2記載の交通情報生成システム。
  5. 前記プローブデータ比較部は、
    前記対象車両の前記事象データと、前記プローブデータ記憶部に蓄積された前記事象データとの、前記検出時刻の差異に基づいて算出される時間的な距離および前記事象位置の差異に基づいて算出される空間的な距離を複合して前記類似度を算出する、請求項1または請求項2記載の交通情報生成システム。
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