次に、本発明に係る防護ユニットの各実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は本発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係る防護ユニットについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る防護ユニットの屈曲前の状態の斜視図(1A)および同状態を矢印Aから見た底面図(1B)をそれぞれ示す。図2は、図1の防護ユニットを構成する防護ブロック間の接合部分にて両防護ブロックを後方に屈曲させた状態の防護ユニットの斜視図(2A)および同状態を矢印Aから見た底面図(2B)をそれぞれ示す。図3は、図2(2A)の防護ユニットをその裏側から見た斜視図を示す。
第1の実施の形態に係る防護ユニット1は、同一形状の防護ブロック2を図1(1A)の紙面左右方向に接合して成る。防護ブロック2は、図1(1B)の紙面上方向(攻撃側)の防護板30と、図1(1B)の紙面下方向(防御側)の支持体10とを接続して成る。支持体10および防護板30は、好ましくは、金属から成る。金属としては、ステンレススチール、炭素鋼、合金鋼、ニッケル、ニッケル系合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、タングステン合金あるいはそれらの1以上を含む合金を好適に例示できる。また、支持体10および防護板30は、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化チタン、窒化チタンなどのセラミックス; あるいは当該セラミックスを含む複合材から構成されても良い。特に、防護板30は、金属、セラミックス、あるいは金属若しくはセラミックスを含む複合材を主として構成されるのが好ましい。ただし、防護板30は、金属やセラミックス以外の材料、例えば樹脂を含んでいても良い。
図3に示すように、支持体10は、長方形の第一平板部23と、第一平板部23の上辺部位から第一平板部23と略直交して延出する略台形の第二平板部(延出平板部ともいう)11と、第一平板部23の下辺部位から第一平板部23と略直交して延出する略台形の第三平板部(延出平板部ともいう)21とを備える。この実施の形態では、支持体10は、第一平板部23と、第二平板部11と、第三平板部21とを一体化した構造体であるが、第一平板部23、第二平板部11および第三平板部21の内の少なくとも1つを別体とし、ボルト締めにて他の平板部と接続して構成されていても良い。
第二平板部11は、図1(1B)に示すように、台形の下辺両端から上辺両端に向かう鋭角θを約45度とする外形を有する平板である。第三平板部21も、また、第二平板部11と同様に、台形の下辺両端から上辺両端に向かう鋭角θを約45度とする外形を有する平板である。鋭角θを約45度にすると、隣接する2つの防護ブロック2間の可動域を約90度に設定することができる。ただし、鋭角θは、45度に限定されるものではなく、30度、60度などのように90度未満の如何なる角度に設定しても良い。例えば、鋭角θを約60度に設定すると、隣接する2つの防護ブロック2間の可動域を約60度に設定することができる。また、鋭角θを約30度に設定すると、隣接する2つの防護ブロック2間の可動域を約120度に設定することができる。
第二平板部11は、その外側の面における台形の上辺近傍に、防護ブロック2の上方に向かって突出する第一U字管12を備える。第二平板部11は、その平面視にて略中央部分であって第一U字管12よりも台形の下辺側に、略楕円形状の貫通穴13を有する。第二平板部11は、その内側の面(第三平板部21と向かい合った面)であって第一U字管12と第二平板部11を挟んで対向する位置に、第二U字管14を備える。第二U字管14は、第一U字管12の内側に挿入可能な大きさの端部を有し、かつ第二平板部11の内側の面から第三平板部21の上辺端面まで延出する長さを有する。第二U字管14は、好ましくは、第三平板部21の上辺端面に溶接若しくは接着されている。防護ユニット1を図3の上下方向に積載して接合する際には、上方の防護ユニット1の第二U字管14を、下方の防護ユニット1の第一U字管12に挿入して、接続ピン、またはボルトとナット等で固定するのが好ましい。
第三平板部21は、第二平板部11と略同一長さの下辺、第二平板部11より長い上辺および第二平板部11より短い上辺・下辺間距離を有する略台形状の平板である。第三平板部21は、その平面視にて略中央部分であって、第二平板部11の貫通穴13の延直下方の位置に、略四角形状の貫通穴22を有する。貫通穴22は、その上方の貫通穴13から挿通されるロッド(不図示)を挿通可能であり、防護ブロック2を上下方向に積載する際に、第二U字管14と第一U字管12との接続に加えて、上記ロッドによる防護ブロック2間の接続強度を高めるのに役立つ。
第一平板部23は、図3の紙面における左辺に、上下方向に所定間隔をあけて2つの略円筒形状の接続管15を有する。また、第一平板部23は、図3の紙面における右辺に、上下方向に所定間隔をあけて2つの略円筒形状の接続管16を有する。上方の接続管15と、上方の接続管16とは、互いに上下方向に積載可能な位置にある。同様に、下方の接続管15と、下方の接続管16とも、互いに上下方向に積載可能な位置にある。このため、同一形状の防護ブロック2を図3の紙面左右方向にて接続すると、一方の防護ブロック2の接続管15と他方の防護ブロック2の接続管16とを、上下方向2箇所で上下積載することができる。接続管15と接続管16は、それぞれ略同一径の貫通孔を有する。貫通孔は、円柱、角柱のいずれでも良い。略柱状のピン17を接続管15および接続管16を貫通させることにより、2つの防護ブロック2を接続できる。また、ピン17は、接続管15および接続管16の各貫通孔よりわずかに小径に構成されているので、2つの防護ブロック2は、ピン17を軸として互いに回動可能である。したがって、この実施の形態に係る防護ユニット1は、2つの防護ブロック2間の角度を変更し、第二平板部11および第三平板部21の鋭角θによって規制される可動域内において、自由に曲げることができる。この実施の形態では、2つの防護ブロック2は、ピン17を回動軸として、図1に示す中心角略180度の状態から、図2に示す中心角略90度の状態まで、折り曲げ自在である。なお、ピン17は、単純な円柱若しくは角柱形状のもの以外に、上部に拡径した天面部を持つ断面T字形状のものであっても良い。
第二平板部11および第三平板部21は、好ましくは、その面内の1または複数の箇所に板厚方向に貫通する貫通孔(図示されているが矢示無し)が形成されていても良い。かかる貫通孔は、防護ブロック2同士を連結させる際に、連結部材を固定するために用いることができる。
支持体10は、第一平板部23の攻撃側の面に、防護板30を備える。この実施の形態に係る防護板30は、第一平板部23と同一の略長方形の板であるが、三角形、五角以上の多角形、円形、楕円形などの如何なる形状の板でも良い。防護板30は、第一平板部23と同一形状及び同一の大きさか、あるいは同一形状および第一平板部23より大きいのが好ましい。防護板30は、第一平板部23側に突出する4本のネジ部35を備える。これらネジ部35は、好ましくは、防護板30の四つ角近傍に形成される。第一平板部23は、その四つ角近傍であって、防護板30のネジ部35を貫通させる位置に、合計4つの貫通孔19を備える。ネジ部35を第一平板部23の貫通孔19に挿入し、ネジ部35の先端から根元に向かってナット36を締めることにより、防護板30と支持体10とを固定できる。なお、防護板30と支持体10との接合方法は、ネジ部35、貫通孔19およびナット36を用いた方法に限定されない。例えば、溶接、接着剤による接着、凹部と凸部による嵌め込み等の他の接合方法を採用しても良い。
防護板30は、その攻撃側の面、すなわち、図1(1B)の上方向の面に、平板形状の第一補助カバー部材31を備える。第一補助カバー部材31は、攻撃側から見て、防護板30の左辺に沿って、その幅の略半分の領域を重ねるように固定されている。また、防護板30は、その攻撃側の面に、平板形状の第三補助カバー部材32を備える。第三補助カバー部材32は、攻撃側から見て、防護板30の上辺の大部分の長さにわたって、その幅の略半分の領域を重ねるように固定されている。さらに、防護板30は、その攻撃側の面に、弧状に湾曲した形状のカバー部材33を備える。カバー部材33は、攻撃側から見て、防護板30の右辺に沿って、その幅方向の一辺を固定し、防護ブロック2間の隙間B(図2参照)を覆うように弧を描き、その幅方向の他辺をフリー(非接続)状態にしている。加えて、防護板30は、その攻撃側の面に、弧状に湾曲した形状の第四補助カバー部材34を備える。第四補助カバー部材34は、攻撃側から見て、防護板30の右上角に、カバー部材33を覆うように、カバー部材33に固定されている。より詳細には、第四補助カバー部材34は、その下方略半分の領域をカバー部材33に重ね、上方略半分の領域をフリー状態にして、カバー部材33に固定されている。カバー部材33、第一補助カバー部材31、第三補助カバー部材32および第四補助カバー部材34は、好ましくは金属から成り、例えば、ステンレススチール、炭素鋼、合金鋼、ニッケル、ニッケル系合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、タングステン合金あるいはそれらの1以上を含む合金から成る。また、上記金属に代えて、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化チタン、窒化チタンなどのセラミックス; あるいは当該セラミックスを含む複合材を用いることもできる。特に、カバー部材33は、金属、セラミックス、あるいは金属若しくはセラミックスを含む複合材を主として構成されるのが好ましい。ただし、カバー部材33は、金属やセラミックス以外の材料、例えば樹脂を含んでいても良い。以下、カバー部材33、第一補助カバー部材31、第三補助カバー部材32および第四補助カバー部材34について詳述する。
カバー部材33は、防護ユニット1を構成する少なくとも1つの防護ブロック2の前面に、隣接する2つの防護ブロック2を180度未満の角度を付けて配置したときに存在する隙間Bを遮蔽する部材である。カバー部材33は、隣接する2つの防護ブロック2を所定の角度で曲げる前後で、隙間Bに対して、カバー部材33の位置を相対的に変化可能である。2つの防護ブロック2を左右方向に接続して約180度の角度をなす状態では、カバー部材33は、隙間Bを覆うように、一方の防護板30に固定されている。カバー部材33は、防護ブロック2の固定部位から隣の防護ブロック2に向かう方向に、湾曲部33aを備える。湾曲部33aは、隙間Bの前方(攻撃側)と所定距離(空間ともいう)を有し、当該前方に突出して湾曲する。湾曲部33aは、図1(1B)の状態では、隣の防護ブロック2に固定される第一補助カバー部材31の表側(攻撃側)の面を覆っている。図2(2B)に示すように、隣接する2つの防護ブロック2を、ピン17を軸として防御側に折り曲げると、それまで隙間Bを覆っていた第一補助カバー31は、それを固定している防護ブロック2の回動に従って回動し、隙間Bから退避していく。湾曲部33aも、また、カバー部材33を固定している別の防護ブロック2の回動に従って、隙間Bから退避していくが、2つの防護ブロック2をその回動域限界まで折り曲げても、なお、隙間Bの前側(攻撃側)を覆うのに十分な幅で湾曲している。より詳しくは、図1(1B)に示すように、湾曲部33aは、その解放された端部が隣の防護ブロック2の第一補助カバー部材31の幅を超えた位置に到達する程度の幅を有し、かつ約180度の中心角をもって湾曲している。
このように、この実施の形態に係る防護ユニット1は、隣接する2つの防護ブロック2の内の一方の防護ブロック2の縁(隙間B側の辺)に湾曲部33aを備えると共に、隣接する2つの防護ブロック2の内の他方の防護ブロック2の縁に平板形状の第一補助カバー部材31を備え、湾曲部33aと第一補助カバー部材31とを隙間B側に配置するように構成されている。隣接する2つの防護ブロック2を回動限界内の所定角度(ここでは、90度以内の角度)で曲げると、曲げる前に比べて、第一補助カバー部材31は隙間Bを開放するように移動する一方で、湾曲部33aは第一補助カバー部材31の移動を妨げないように移動して隙間Bを遮蔽し続ける。すなわち、湾曲部33aの防御側の湾曲面は、防護ブロック2の回動に伴う第一補助カバー部材31の辺部の描く弧と衝突しない形態を有する。この結果、カバー部材33は、隣の防護ブロック2の第一補助カバー部材31と接触せずに、スムーズに回動し、隙間Bに対し相対的に移動しながら、かつ隙間Bを遮蔽し続けることができる。
第一補助カバー部材31は、カバー部材33と略同一の長さを有し、その幅方向略半分を防護板30の図1(1A)の攻撃側から見て左辺に重ねて固定されている。2つの防護ブロック2間の角度が180度に近い角度であれば、第一補助カバー部材31は、隙間Bの前方(攻撃側)を完全に遮蔽した状態にある。しかし、2つの防護ブロック2間の角度を90度に近づけていくと、第一補助カバー部材31は隙間Bの前方から退避し、カバー部材33無しでは、隙間Bは、攻撃側に露出してしまう。カバー部材33は、そのような状況でも、隙間Bを遮蔽しつづけるので、銃弾等による攻撃から防護ユニット1の内側を有効に保護することができる。
第三補助カバー部材32および第四補助カバー部材34は、防護ユニット1の上に別の防護ユニット1若しくは防護ブロック2を積載したときに、その隙間を遮蔽する役割を有する。第三補助カバー部材32は、隣接する2つの防護ブロック2と異なる方向(この実施の形態では、上下方向)に別の防護ブロック2を接合する場合に、上下方向の2枚の防護板30同士の隙間の前方に位置し、その接合する辺部を攻撃側から守る機能を有する。第四補助カバー部材34は、隣接する2つの防護ブロック2と異なる方向(上下方向)に別の防護ブロック2を接合する場合に、4枚の防護板30の交差点近傍の前方に位置し、その接合する角部を攻撃側から守る機能を有する。第四補助カバー部材34は、好ましくは、その防御側(すなわち、内側)の面を、カバー部材33の攻撃側(すなわち、外側)の面に接する曲面形状とする。これによって、上下方向の防護ブロック2をガタつきなく積載可能である。なお、上述の「異なる方向」は、完全なる上下方向(すなわち、鉛直方向)に限定されない。例えば、防護板30が四角形以外の形状の場合には、異なる方向は、右斜め上方向、左斜め上方向、右斜め下方向、左斜め下方向といった鉛直方向以外の方向ともなりうる。
図4は、図1の防護ユニットを上方に積み上げる状況の斜視図を示す。
図4に示すように、防護ユニット1を上下方向に積載すると、防護板30の端面同士およびカバー部材33の端面同士を接触させ、第三補助カバー部材32および第四補助カバー部材34により、上下の防護ブロック2間の隙間を遮蔽することができる。
図5は、図1の防護ユニットの第一変形例の斜視図(5A)および第二変形例の斜視図(5B)をそれぞれ示す。
図5(5A)に示す第一変形例に係る防護ユニット1aは、図1の防護ユニット1の攻撃側の下方部位にベース40を備える。具体的には、ベース40は、各防護板30の前側の下方にあって、各防護板30の下端と同じ高さにて前側に延出する底板と、その底板の上面両側と各防護板30とをつなぐ2枚の三角形の板とを備える。ベース40は、防護ユニット1aあるいは防護ブロック2aの接地安定性を高める部材である。防護ユニット1aは、ベース40を備える防護ブロック2aを2つ接合して成る。防護ユニット1aは、後述する防護壁の接地部位を構成する。
図5(5B)に示す第二変形例に係る防護ユニット1bは、図1の防護ユニット1の各防護板30の攻撃側の面に、銃口を貫通する開閉自在な銃口ポート41を備える。銃口ポート41は、防護ユニット1bの防御側(裏側)から攻撃側(表側)に向かって銃口を露出させるための部位であり、好ましくは、防護板30を貫通する貫通孔と、その貫通孔を開閉自在な蓋とを備える。この実施の形態では、当該蓋は、防護板30の裏側からの操作によって回動自在であるが、回動以外の方法で貫通孔を開閉自在とすることもできる。例えば、蓋を防護板30から完全に取り外して、貫通孔を露出させても良い。防護ユニット1bは、銃口ポート41を備える防護ブロック2bを2つ接合して成る。防護ユニット1bは、好ましくは、後述する防護壁の接地部位から上方の部位を構成する。なお、銃口ポート41は、防護ユニット1bにつき2個ではなく、1個あるいは3個以上でも良い。
図6は、図1および図5の各防護ユニットを上下左右に接続して構成された防護壁の斜視図を示す。
この実施の形態に係る防護壁45は、防護ユニット1,1a,1b(またはそれを構成する防護ブロック2,2a,2b)を上下左右に接続して成る。また、防護壁45は、さらに、その最上段に複数の防護ユニッット1cを左右に接続する。この実施の形態では、防護ユニット1cは、防護ブロック2cを2つ接合して成る。防護壁45は、最下段から最上段に向かって、防護ユニット1a、防護ユニット1、防護ユニット1b、防護ユニット1cの順に積載し、接続して成る。本願では、「上下左右」は、上、下、左または右を意味する。また、「左右」は、左または右を意味する。最上段の防護ブロック2cに設けられた窓部50は、防御側から攻撃側を視認するための部分であり、防弾ガラス、防弾プラスチック、さらにはその中に鉛やステンレススチール等の金属から成る網を埋め込んで強化した複合部材から好適に構成される。このように、防護ユニット1cは、窓部50を備えることもできる。防護ブロック2,2a,2b,2c同士がほぼ水平方向に接続されている場合には、カバー部材33は、第一補助カバー部材31と重複して隙間Bを遮蔽する。一方、防護ブロック2,2a,2b,2c同士が水平から深く折り曲げられている部分、例えば、図6の防護壁45の左右両端近傍の大きく湾曲した部分では、第一補助カバー部材31が隙間Bの前面から退避しているため、カバー部材33にて隙間Bを遮蔽しつづける意義が大きい。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係る防護ユニット1’,1a’,1b’,1c’および防護壁45’について説明する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と共通する部分については、その説明を省略し、また、同じ符号を付して、第1の実施の形態における説明に代えるものとし、重複した説明を省略する。第2の実施の形態に係る防護ユニット1’,1a’,1b’,1c’は、主に、支持体10の攻撃側に固定される部材とその固定方法を除き、第1の実施の形態に係る防護ユニット1,1a,1b,1cと同じ構造を有する。以下、第2の実施の形態に係る防護ユニット1’,1a’,1b’,1c’において、第1の実施の形態に係る防護ユニット1,1a,1b,1cと異なる部分について主に説明する。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る防護ユニットの屈曲後の状態の斜視図(7A)および同状態の隙間近傍を矢印Aから見た底面拡大図(7B)をそれぞれ示す。図8は、図7(7A)の防護ユニットをその裏側から見た斜視図を示す。
防護ブロック2’は、攻撃側の防護板30と、防御側の支持体10とを接続して成る。防護板30は、支持体10に対して可動自在に構成され、カバー部材として機能する部材である。防護ユニット1’を構成する2つの防護ブロック2’は、第一平板部23の四つ角近傍に、図7の紙面の略左右方向に細長い横長貫通孔39を有する。防護板30は、第一平板部23側に突出する4本のネジ部35を備える。ネジ部35を第一平板部23の横長貫通孔39に挿入し、ネジ部35の先端から根元に向かってナット36を締めることにより、防護板30と支持体10とを固定できる。横長貫通孔39の長さ方向にネジ部35の固定位置を変更することにより、防護板30を第一平板部23に対して相対的に移動させることができる。
防護板30は、隙間Bを遮蔽可能に、支持体10に対して相対的に移動できるカバー部材として機能する。隣接する2つの防護ブロック2’の内の少なくとも一方の防護ブロック2’は、その縁に第二補助カバー部材37を備える。具体的には、第二補助カバー部材37は、その攻撃側の面、すなわち、図7(7A)の紙面表側の面であって、隙間B側に配置され、攻撃側から見て、防護板30の右辺に沿って、好ましくは、その幅の略三分の一の領域を重ねるように固定されている。また、防護板30は、その攻撃側の面に、平板形状の第三補助カバー部材32を備える。第三補助カバー部材32は、攻撃側から見て、防護板30の上辺の大部分の長さにわたって、その幅の略半分の領域を重ねるように固定されている。さらに、防護板30は、その攻撃側の面に、平板形状の第四補助カバー部材38を備える。第四補助カバー部材38は、攻撃側から見て、防護板30の右上角に、第二補助カバー部材37の一部および第三補助カバー部材32の一部を覆うように、第二補助カバー部材37および第三補助カバー部材32に固定されている。防護板30、第二補助カバー部材37、第三補助カバー部材32および第四補助カバー部材38は、好ましくは金属から成り、例えば、ステンレススチール、炭素鋼、合金鋼、ニッケル、ニッケル系合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、タングステン合金あるいはそれらの1以上を含む合金から成る。また、上記金属に代えて、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化チタン、窒化チタンなどのセラミックス; あるいは当該セラミックスを含む複合材を用いることもできる。特に、防護板30は、金属、セラミックス、あるいは金属若しくはセラミックスを含む複合材を主として構成されるのが好ましい。ただし、防護板30は、金属やセラミックス以外の材料、例えば樹脂を含んでいても良い。以下、カバー部材として機能する防護板30、第二補助カバー部材37、第三補助カバー部材32および第四補助カバー部材38について詳述する。
2つの防護ブロック2’を図7(7A)の紙面左右方向に接続し、その角度を約180度にした状態では、防護ブロック2’間の隙間Bはほとんど存在せず、かつ隙間Bが存在したとしてもその前方を第二補助カバー部材37および第四補助カバー部材38で遮蔽した状態におくことができる。この状態から2つの防護ブロック2’をその接続部位(ピン17の位置)を軸に裏側に向かって折り曲げていくと、隙間Bは広がり、かつ第二補助カバー部材37を固定した防護ブロック2’の回動に伴って、第二補助カバー部材37および第四補助カバー部材38は、隙間Bを露出するように退避していく。図7(7B)は、かかる状況をわかりやすく示しており、隙間Bの一部は第二補助カバー部材37および第四補助カバー部材38にて遮蔽されているものの、その一部は露出している。
防護板30は、先に説明したように、支持体10の第一平板部23に対して移動できる。このため、2つの防護ブロック2’間の隙間Bが露出しても、防護板30を隙間Bの方向に移動させて、第二補助カバー部材37および第四補助カバー部材38に近接させることにより、隙間Bの遮蔽度をより高めることができる。
図9は、図7(7A)の防護ユニットの内の1つの防護ブロックの防護板を移動して防護ブロック間の隙間を遮蔽した状態の斜視図(9A)および同状態の隙間近傍を矢印Aから見た底面拡大図(9B)をそれぞれ示す。図10は、図9(9A)の防護ユニットをその裏側から見た斜視図を示す。
図9(9A)の紙面右側の防護ブロック2’の4つのナット36を緩めて、当該防護ブロック2’の前面に位置する防護板30を図9の矢印Cに示す方向に移動してナット36を締めると、防護板30の移動方向の辺が隙間Bを遮蔽する状態にすることができる。隣接する2つの防護ブロック2’をその可動角度域内の所定角度で曲げると、曲げる前に比べて、一方の防護ブロック2’の第二補助カバー部材37は、隙間Bを開放するように移動する一方で、隙間Bを隔てて接続する他方の防護ブロック2’の防護板30を一方の防護ブロック2’の方向に移動すると、防護板30は第二補助カバー部材37に接し、隙間Bを遮蔽する。図9(9B)に示すように、防護板30は、その移動方向の辺を、もう一方の防護ブロック2’に固定された第二補助カバー部材37の内側の面に当接するまで移動される方が好ましいが、防護板30の当該辺と第二補助カバー部材37との間にわずかに隙間が存在していても良い。すなわち、カバー部材としての防護板30は、2つの防護ブロック2’間の隙間Bの一部若しくは全部を攻撃側から遮蔽する機能を持てば良い。
第三補助カバー部材32および第四補助カバー部材38は、防護ユニット1’の上に別の防護ユニット1’若しくは防護ブロック2’を積載したときに、その隙間を遮蔽する役割を有する。第三補助カバー部材32は、隣接する2つの防護ブロック2’と異なる方向(この実施の形態では、上下方向)に別の防護ブロック2’を接合する場合に、上下方向の2枚の防護板30同士の隙間の前方に位置し、その接合する辺部を攻撃側から守る機能を有する。すなわち、第三補助カバー部材32により、隣接する2つの防護ブロック2’と異なる方向に別の防護ブロック2’を接合する場合にその接合する辺部を攻撃側から守ることができる。第四補助カバー部材38は、隣接する2つの防護ブロック2’と異なる方向(上下方向)に別の防護ブロック2’を接合する場合に、4枚の防護板30の交差点近傍の前方に位置し、その接合する角部を攻撃側から守る機能を有する。すなわち、第四補助カバー部材38により、隣接する2つの防護ブロック2’と異なる方向に別の防護ブロック2’を接合する場合にその接合する角部を攻撃側から守ることができる。なお、「異なる方向」は、第1の実施の形態で説明したように、完全なる上下方向に限定されない。
図11は、図10の支持体の第一平板部における防護板の移動前後の変化を示す。
図11に示すように、防護板30が隙間Bを遮蔽する方向に移動する前には、ネジ部35は、横長貫通孔39の図11の紙面左側に位置する。しかし、防護板30が隙間Bを遮蔽する方向に移動した後、ネジ部35は、横長貫通孔39の図11の紙面右側に位置する。このように、ネジ部35は横長貫通孔39内を移動自在に設計されており、ネジ部35の固定位置に応じて、防護板30を第一平板部23に対して相対移動できる。この実施の形態では、横長貫通孔39およびネジ部35は、ともに4個である。しかし、その個数に制限は無く、1〜3個、あるいは5個以上でも良い。防護板30を第一平板部23に安定かつ強固に固定でき、防護板30の移動を容易に実行するには、横長貫通孔39およびネジ部35は、2〜4個の範囲の数とする方が好ましい。
横長貫通孔39の図11の紙面左端にネジ部35が存在する際に、防護板30が第一平板部23と重なる面積を最も広くする正規位置とし、ネジ部35をその位置から横長貫通孔39の図11の紙面右側に移動させるに伴い、防護板30が隙間Bを遮蔽するようにしても良い。すなわち、横長貫通孔39は、防護板30を第一平板部23の正規位置から図11の紙面左側に移動させないように規制する孔とすることができる。これとは逆に、横長貫通孔39の図11の紙面右端にネジ部35が存在する際に、防護板30が隣の防護ブロック2’の第二補助カバー部材37に接する位置とし、ネジ部35をその位置から横長貫通孔39の図11の紙面左側に移動させるに伴い、防護板30が隙間Bから離れるようにすることもできる。さらには、1つの横長貫通孔39を第一平板部23の左右方向の長さの約半分の長さとし、防護板30の可動範囲をより長くしても良い。
図12は、図7の防護ユニットを上方に積み上げる状況の斜視図を示す。
図12に示すように、防護ユニット1’を上下方向に積載すると、防護板30の端面同士を接触させ、第三補助カバー部材32および第四補助カバー部材38により、上下の防護ブロック2’間の隙間を遮蔽することができる。
図13は、図7の防護ユニットの第一変形例の斜視図(13A)および第二変形例の斜視図(13B)をそれぞれ示す。
図13(13A)に示す第一変形例に係る防護ユニット1a’は、第1の実施の形態に係る防護ユニット1aと同様の形態を有し、図7の防護ユニット1’の攻撃側の下方部位にベース40を備える。ベース40の構造は、第1の実施の形態で説明したため、ここでは重複した説明を省略する。防護ユニット1a’は、ベース40を備える防護ブロック2a’を2つ接合して成る。防護ユニット1a’は、後述する防護壁の接地部位を構成する。
図13(13B)に示す第二変形例に係る防護ユニット1b’は、第1の実施の形態に係る防護ユニット1bと同様の形態を有し、図7の防護ユニット1’の各防護板30の攻撃側の面に、銃口を貫通する開閉自在な銃口ポート41を備える。銃口ポート41の構造は、第1の実施の形態で説明したため、ここでは重複した説明を省略する。防護ユニット1b’は、銃口ポート41を備える防護ブロック2b’を2つ接合して成る。防護ユニット1b’は、好ましくは、後述する防護壁の接地部位から上方の部位を構成する。
図14は、図7および図13の各防護ユニットを上下左右に接続して構成された防護壁の斜視図を示す。
この実施の形態に係る防護壁45’は、防護ユニット1’,1a’,1b’(またはそれを構成する防護ブロック2’,2a’,2b’)を上下左右に接続して成る。また、防護壁45’は、さらに、その最上段に複数の防護ユニッット1c’を左右に接続する。この実施の形態では、防護ユニット1c’は、防護ブロック2c’を2つ接合して成る。防護壁45’は、最下段から最上段に向かって、防護ユニット1a’、防護ユニット1’、防護ユニット1b’、防護ユニット1c’の順に積載し、接続して成る。最上段の防護ブロック2c’に設けられた窓部50は、防御側から攻撃側を視認するための部分であり、防弾ガラス、防弾プラスチック、さらにはその中に鉛やステンレススチール等の金属から成る網を埋め込んで強化した複合部材から好適に構成される。このように、防護ユニット1c’は、窓部50を備えることもできる。防護ブロック2’,2a’,2b’,2c’同士がほぼ水平に接続されている場合には、第二補助カバー部材37は隙間Bを遮蔽する。一方、防護ブロック2’,2a’,2b’,2c’同士が水平から深く折り曲げられている部分、例えば、図14の防護壁45’の左右両端近傍の大きく湾曲した部分では、第二補助カバー部材37が隙間Bの前面から部分的あるいは完全に退避しているため、防護板30を隙間Bの方向に移動させることにより、隙間Bを攻撃側から遮蔽できる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態に係る防護ユニット1dおよびそれを接合した防護壁について説明する。第3の実施の形態において、前述の各実施の形態と共通する部分については、その説明を省略し、また、同じ符号を付して、前述の各実施の形態における説明に代えるものとし、重複した説明を省略する。
図15は、第3の実施の形態に係る防護ユニットを構成する2つの防護ブロックの内の一つをその裏側上方斜め方向から見た上方斜視図(15A)、当該上方斜視図(15A)中の防護ブロックのD−D線で切ったときのD−D線端面図(15B)、同防護ブロックのE−E線で切ったときのE−E線端面図(15C)および(15A)中の防護ブロックをその裏側下方斜め方向から見た下方斜視図(15D)をそれぞれ示す。
図15(15A)と図3とを比較すると明らかなように、第3の実施の形態に係る防護ユニット1dを構成する防護ブロック2dの支持体10は、第一平板部23と、第二平板部(延出平板部ともいう)61と、第三平板部71(延出平板部ともいう)とを一体化したU字状構造体である。第二平板部61は第一平板部23の上方に接続され、第三平板部71は第一平板部23の下方に接続され、かつ第二平板部61と第三平板部71とは略平行となっている。この点において、防護ブロック2dは、第1の実施の形態における防護ブロック2と共通する。第3の実施の形態と第1の実施の形態との最も異なる点は、第二平板部61および第三平板部71の各形状が平面視にて長方形の薄板であるのに対して、第二平板部11および第三平板部21の各形状が平面視にて三角形の薄板である点である。一般に、第二平板部61および第三平板部71の各形状が平面視にて長方形であると、2つの隣接する防護ブロック2dをそのライン状の接続部から内側に向かって折り曲げることが難しいとも考えられる。しかし、第3の実施の形態では、防護ブロック2dは、その上端に、防御側に向かって延出する延出平板部としての第二平板部61を備え、第二平板部61の両端部を薄厚にし、かつ隣り合う第二平板部61の端部同士が互いに重なる形状である。同様に、防護ブロック2dは、その下端に、防御側に向かって延出する延出平板部としての第三平板部71を備え、第三平板部71の両端部を薄厚にし、かつ隣り合う第三平板部71の端部同士が互いに重なる形状である。より具体的には、図15(15B)に示すように、第二平板部61の長手方向の中央部62を厚さtとし、その右端部63および左端部64をそれぞれ厚さt/2としている。加えて、右端部63は、その上面を中央部62から下方に段差のある面とし、左端部64は、その下面を中央部62から上方に段差のある面としている。したがって、中央部62の下面と右端部63の下面とは面一となっており、また、中央部62の上面と左端部64の上面とは面一となっている。このような構造は、第三平板部71も同様であり、図15(15C)に示すように、第三平板部71の長手方向の中央部72を厚さtとし、その右端部73および左端部74をそれぞれ厚さt/2としている。加えて、右端部73は、その上面を中央部72から下方に段差のある面とし、左端部74は、その下面を中央部72から上方に段差のある面としている。なお、右端部63の厚さおよび左端部64の厚さをそれぞれt/2に限定せず、例えば、右端部63の厚さをt/3、左端部64の厚さを2t/3としても良い。右端部73および左端部74も同様にt/2に限定されない。
図16は、第3の実施の形態に係る防護ユニットを二段に積載した状態を裏側上方から見た上方斜視図を示す。
隣り合う防護ブロック2dは、そのライン状の接続部から180度から90度の範囲で曲げることができる(太点線両矢印を参照)。防護ブロック2d同士をその内角が90度になるまで曲げていくと、一方の第二平板部61の右端部63の上に他方の第二平板部61の左端部64が乗り上がり、上下の厚さがtとなる。同様に、一方の第三平板部71の右端部73の上に他方の第三平板部71の左端部74が乗り上がり、上下の厚さがtとなる。この結果、防護ユニット1dの前方からの風圧、特に爆発物の爆風に対する防護ユニット1dの安定性が高まる。なお、図16に示す防護ユニット1dを上下左右に接続すると、防護壁45が出来上がる。
<その他の実施の形態>
以上、本発明の各実施の形態に係る防護ユニットおよび防護壁について説明してきたが、本発明は、上記各実施の形態に限定されることなく、種々の形態で実施し得る。
この実施の形態に係る防護ユニット1,1a,1b,1c,1d,1’,1a’,1b’,1c’は、2つの防護ブロック2,2a,2b,2c,2d,2’,2a’,2b’,2c’を接続(「接合」も同じ意味)して成るが、3つ以上の防護ブロック2,2a,2b,2c,2d,2’,2a’,2b’,2c’を接続して成るものでも良い。2つの防護ブロック2,2a,2b,2c,2d,2’,2a’,2b’,2c’間は、180度未満の角度で折り曲げることができれば良く、180度より小さく0度より大きな角度範囲内の任意の角度範囲にて折り曲げ自在とすることができる。したがって、当該角度は、例えば、179〜1度の範囲の如何なる角度をも含む。また、第1の実施の形態において、カバー部材33は、防護板30に固定され、防護板30と常に一体的に回動するが、防護板30とは別に回動できるものでも良い。例えば、カバー部材33は、防護板30に対して左右少なくともいずれか一方にスライド可能な部材、あるいは湾曲部33aを略180度の状態からさらに大きな角度(例えば、200度)まで回転スライド可能な部材であっても良い。湾曲部33aは、円弧の一部を形成する形態ではなく、角柱の一部の側面の形態でも良い。すなわち、湾曲部33aは、円弧のみならず、その他の湾形状であっても良い。また、カバー部材33の湾曲部33aは、中心角が略180度の弧状の部材に限られない。例えば、湾曲部33aを、180度以上の角度(例えば、200度)の弧状の部材としても良い。その場合、2つの防護ブロック2,2a,2b,2c,2dを水平に接続しようとするときに、湾曲部33aのフリーの端部が防護ブロック2,2a,2b,2c,2dの防護板30に接触して、水平接続の障害となる可能性がある。しかし、防護板30に、湾曲部33aの上記フリーの端部を挿入可能な溝を形成しておくことにより、かかる障害を回避することができる。
第一補助カバー部材31は、防護板30に固定される方が好ましいが、必須の部材ではない。例えば、カバー部材33にて隙間Bの大部分を遮蔽できる場合には、防護板30に第一補助カバー部材31を備えなくても良い。また、第二補助カバー部材37も、防護板30に備える方が好ましいが、必須の部材ではない。防護板30の移動のみで隙間Bを遮蔽できる場合には、防護板30に第二補助カバー部材37を備えなくても良い。
第三補助カバー部材32および第四補助カバー部材34,38は、防護板30に備える方が好ましいが、必須の部材ではない。第三補助カバー部材32および/または第四補助カバー部材34,38を防護板30に備えない場合、上下方向に防護ブロック2,2a,2b,2c,2d,2’,2a’,2b’,2c’を積載した場合の防護ブロック2,2a,2b,2c,2d,2’,2a’,2b’,2c’間の隙間から銃弾等が入り込む危険性はある。しかし、上下積載した防護ブロック2,2a,2b,2c,2d,2’,2a’,2b’,2c’がそれらの隙間で曲げられていない場合には、その隙間は極めて狭い。よって、第三補助カバー部材32および/または第四補助カバー部材34,38が仮に存在しない場合でも、甚大な被害が生じにくい。
防護ユニット1,1a,1b,1c,1dを構成する少なくとも2つの防護ブロック2,2a,2b,2c,2dは、必ずしも同一の防護ブロック2,2a,2b,2c,2dである必要はない。同様に、防護ユニット1’,1a’,1b’,1c’を構成する少なくとも2つの防護ブロック2’,2a’,2b’,2c’も、必ずしも同一の防護ブロック2’,2a’,2b’,2c’である必要はない。このため、第1の実施の形態におけるカバー部材33は、一方の防護ブロック2,2a,2b,2c,2dのみに備えられていても良い。同様に、第2の実施の形態に係るカバー部材として機能する可動の防護板30は、一方の防護ブロック2’,2a’,2b’,2c’のみに備えられていても良い。さらに、第1の実施の形態において、防護ブロック2と防護ブロック2c、防護ブロック2と防護ブロック2b、防護ブロック2と防護ブロック2dなど、異種の防護ブロックを左右に接続して防護ユニットを構成しても良い。同様に、第2の実施の形態において、防護ブロック2’と防護ブロック2c’、防護ブロック2’と防護ブロック2b’など、異種の防護ブロックを左右に接続して防護ユニットを構成しても良い。さらに、防護壁45は、ベース40を備える防護ユニット1aを最下段とする限り、それ以外の防護ユニット1,1b,1c,1dの内の任意の1つまたは2つ以上を如何なる順番で防護ユニット1aから上方に接続したものでも良い。同様に、防護壁45’も、また、ベース40を備える防護ユニット1a’を最下段とする限り、それ以外の防護ユニット1’,1b’,1c’の内の任意の1つまたは2つ以上を如何なる順番で防護ユニット1a’から上方に接続したものでも良い。
第二平板部11および第三平板部21は、下辺端部から上辺端部に向かう鋭角θを有する略台形の板であるが、台形以外の形状でも良い。さらには、第二平板部11および第三平板部21は、支持体10にとって必須の部材ではない。また、延出平板部として、第二平板部61のみ、第三平板部71のみ、あるいは第一平板部23の上端から下端までの間において、防御側に向かって延出形成される平板部を備えても良い。