JP6601465B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像装置に関する。
撮像素子の特定の撮像領域からのみ画素信号を部分的に読み出すことで、高速読み出しが可能なデジタルカメラが知られている(特許文献1参照)。
特開2012−58464号公報
上記従来技術では、撮像素子の特定の撮像領域からのみ画素信号を部分的に読み出すため、この部分読み出しのときには、撮像素子の全体の撮像領域から画像信号を読み出すことはできない。
本発明の一態様による撮像装置は、フォーカシングレンズを含む光学系を介して被写体を撮像する撮像素子であって、光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部で変換された電荷に基づく電圧信号を出力する出力部と、を有する複数の画素が行方向と列方向とにおいてそれぞれ配置される撮像素子と、前記撮像素子で撮像された被写体のうち特定被写体を検出する検出部と、前記複数の画素のうち、前記特定被写体からの光を電荷に変換する光電変換部を有する第1画素のフレームレートを、前記複数の画素のうち、前記第1画素とは異なる画素であって前記第1画素から前記行方向側に配置される第2画素のフレームレートとは異なるフレームレートで前記第1画素の前記出力部から電圧信号を出力するように制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1画素の前記出力部から出力された前記電圧信号に基づいて前記フォーカシングレンズを制御するための制御信号を出力する。
本発明によれば、撮像素子の全体の撮像領域から画像信号を読み出しても、撮像素子の特定の撮像領域から画素信号を高速に読み出すことができる。
カメラの構成を示すブロック図である。 撮像素子の断面図である。 撮像チップの画素配列と単位グループを説明する図である。 撮像チップの単位グループに対応する回路図である。 撮像素子の機能的構成を示すブロック図である。 撮影処理を説明するフローチャートである。 撮像素子の撮像面の一例を示す図である。 撮像素子の撮像面の一例を示す図である。 AF専用画素の一例を示す図である。
−第1の実施形態−
図面を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、撮像装置の一例であるカメラ100の構成を示すブロック図である。カメラ100は、撮像光学系としての撮影レンズ120及びカメラボディ110を備える。カメラボディ110には、撮影レンズ120が装着される。カメラ100は、カメラボディ110及び撮影レンズ120が一体として構成されていてもよい。撮影レンズ120は、光軸に沿って入射する被写体光束を撮像素子200へ導く。撮影レンズ120には、撮影レンズ120を駆動するためのレンズ駆動部121が設けられる。カメラボディ110は、撮像素子200、制御部101、撮像素子駆動部102、画像処理部103、ワークメモリ部104、記録部105及び表示部106を備える。
撮影レンズ120は、複数の光学レンズで構成され、シーンからの被写体光束を撮像素子200の受光面に結像させる。図1では仮想的な1枚のレンズで当該撮影レンズ120を代表して表している。
レンズ駆動部121は、制御部101からの指示に従って、撮影レンズ120のズームレンズやフォーカシングレンズなどを光軸方向に駆動する。
撮像素子駆動部102は、制御部101からの指示に従って撮像素子200のタイミング制御や撮像素子に含まれる撮像領域制御等の電荷蓄積制御を実行する制御回路である。撮像素子駆動部102は、撮像素子200に対して電荷蓄積を実行させて画素信号を出力させる撮像素子制御部の機能を担う。撮像素子駆動部102は、一部または全部が後述する撮像素子200に含まれる撮像チップ213に搭載されてもよい。撮像素子駆動部102は、一部または全部が信号処理チップ211に搭載されてもよい。制御部101は、一部が撮像チップ213または信号処理チップ211に搭載されてもよい。
撮像素子200から出力された画像信号は、画像処理部103へ入力される。画像処理部103は、ワークメモリ部104をワークスペースとして種々の画像処理を施し、画像データを生成する。例えば、JPEGファイル形式の画像データを生成する場合は、画像データを生成した後に圧縮処理を実行する。生成された画像データは、記録部105に記録されるとともに、表示信号に変換されて予め設定された時間の間、表示部106に表示される。
また画像処理部103は、機能ブロックとして、主要被写体検出部111及び注目領域決定部112を有する。これらの各機能は、後述する。
図2は、カメラボディ110が備える撮像素子200の断面図である。撮像素子200は、入射光に対応した画素信号を生成する撮像チップ213と、撮像チップ213から出力された画素信号を処理する信号処理チップ211と、画素信号を記憶するメモリチップ212とを備える。
撮像チップ213は、信号処理チップ211に積層されている。撮像チップ213は、例えば、Cu等の導電性を有するバンプ209により信号処理チップ211と互いに電気的に接続される。信号処理チップ211は、メモリチップ212に積層されている。信号処理チップ211は、例えば、Cu等の導電性を有するバンプ209によりメモリチップ212と互いに電気的に接続される。
図2に示すように、入射光は主に白抜き矢印で示され、Z軸プラス方向に沿って撮像素子200へ向かって入射する。また、座標軸に示すように、Z軸に直交する紙面左方向をX軸プラス方向、Z軸及びX軸に直交する紙面手前方向をY軸プラス方向とする。以降のいくつかの図においては、図2の座標軸を基準として、それぞれの図の向きがわかるように座標軸を表示する。
撮像チップ213の一例は、裏面照射型のCMOSイメージセンサである。撮像チップ213は、入射光が入射する側から順にZ軸プラス方向に沿って、マイクロレンズ201、カラーフィルタ202、パッシベーション膜203、受光層206及び配線層208を有する。受光層206は、入射光に応じた電荷を蓄積する複数のフォトダイオード204とフォトダイオード204で蓄積された電荷に応じた画素信号を読み出すための読出回路205とを有する。読出回路205は、複数のトランジスタを含む。
マイクロレンズ201は、対応するフォトダイオード204へ向けて入射光を集光する。カラーフィルタ202は、互いに異なる波長を透過する複数の種類を有しており、フォトダイオード204のそれぞれに対応して特定の配列を有している。カラーフィルタ202の配列については後述する。パッシベーション膜203は、受光層206を保護するとともに平坦化膜としての機能を有する。
配線層208は、それぞれのフォトダイオード204から読出回路205を介して読み出された画素信号を信号処理チップ211に出力するための配線207を有する。配線207は多層配線で構成されてもよく、また、受動素子及び能動素子が設けられてもよい。
配線層208における受光層206と反対側の面には複数のバンプ209が配される。当該複数のバンプ209は、信号処理チップ211の対向する面に設けられた複数のバンプ209と位置合わせされて、撮像チップ213と信号処理チップ211とが加圧等されることにより、位置合わせされたバンプ209同士が接合されて、電気的に接続される。
同様に、信号処理チップ211及びメモリチップ212の互いに対向する面には、複数のバンプ209が配される。これらのバンプ209は、互いに位置合わせされて、信号処理チップ211とメモリチップ212とが加圧等されることにより、位置合わせされたバンプ209同士が接合されて、電気的に接続される。
撮像チップ213と信号処理チップ211との間の接合は、固相拡散によるCuバンプ接合に限らず、はんだ溶融によるマイクロバンプ結合を採用してもよい。信号処理チップ211とメモリチップ212との間の接合は、固相拡散によるCuバンプ接合に限らず、はんだ溶融によるマイクロバンプ結合を採用してもよい。バンプ209は、例えば後述する一つの単位グループに対して一つ程度設ければよい。したがって、バンプ209の大きさは、隣り合うフォトダイオード204間のピッチよりも大きくてもよい。また、画素が配列された画素領域以外の周辺領域において、画素領域に対応するバンプ209よりも大きなバンプを併せて設けてもよい。
信号処理チップ211は、表裏面にそれぞれ設けられた回路を互いに接続するシリコン貫通電極(TSV)210を有する。シリコン貫通電極210は、周辺領域に設けられることが好ましい。また、シリコン貫通電極210は、撮像チップ213の周辺領域又はメモリチップ212にも設けられてもよい。
図3は、撮像チップ213の画素配列と単位グループ231を説明する図である。特に、撮像チップ213を入射面側から観察した様子を示す。撮像チップ213は、画素領域を有する。画素領域には複数の画素がマトリックス状に配列されている。本実施形態においては、隣接する4画素×4画素の16画素が一つの単位グループ231を形成する。一つの単位グループ231は、換言すれば一つの撮像領域であり、撮像チップ213は複数の撮像領域(単位グループ231)を有している。図の格子線は、隣接する画素がグループ化されて単位グループ231を形成する概念を示す。単位グループ231を形成する画素の数はこれに限られず2000個程度、例えば32画素×64画素でもよいし、それ以上でもそれ以下でもよい。
画素領域の部分拡大図に示すように、単位グループ231は、緑色画素Gb、緑色画素Gr、青色画素B及び赤色画素Rの4画素から成るいわゆるベイヤー配列で配列されている。緑色画素Gb及び緑色画素Grは、カラーフィルタ202として緑色フィルタを有する画素であり、入射光のうち緑色波長帯の光を受光する。青色画素Bは、カラーフィルタ202として青色フィルタを有する画素であって青色波長帯の光を受光する。赤色画素Rは、カラーフィルタ202として赤色フィルタを有する画素であって赤色波長帯の光を受光する。
本実施形態の撮像素子200では、特定の単位グループ231について、他の単位グループ231とは異なる撮像条件での撮像を行えるように構成されている。撮像条件とは、例えば、フレームレート、画素の間引き率、画素の加算数、画素信号のゲイン等である。
単位グループ231の画素の間引き率とは、単位グループ231に含まれる画素のうち、画素信号の読み出しを行わない画素の数を規定するものである。例えば、間引き率が「0」の場合には、単位グループ231に含まれる全ての画素から画素信号が読み出されるが、間引き率が「0.5」の場合には、単位グループ231に含まれる画素のうち、半分の画素については画素信号の読み出しが行われ、残り半分の画素については画素信号の読み出しが行われない。画素を間引く場合には、画像の情報が減るものの、消費電力を低減することができる。
また、単位グループ231の画素の加算数とは、単位グループ231に含まれる画素について、画素信号を加算する画素の数を規定するものである。例えば、加算数が「1」の場合には、隣接する画素同士で加算が行われずに画素信号の読み出しが行われるが、加算数が「2」の場合には、隣接する2つの画素同士で画素信号が加算されて読み出しが行われる。画素同士の画素信号を加算する場合には、画像の情報を維持しつつも画素数を減らすことができるので、その後の画像処理の演算量を低減することができる。
図4は、撮像チップ213の単位グループ231に対応する回路図である。図において、代表的に点線で囲む矩形が、1画素に対応する回路を表す。以下に説明する各トランジスタは、図2の読出回路205に含まれる。
上述のように、単位グループ231は、16画素から形成される。それぞれの画素に対応する16個のフォトダイオード204は、それぞれ転送トランジスタ302に接続され、各転送トランジスタ302の各ゲートには、転送パルスが供給されるTX配線307に接続される。本実施形態において、TX配線307は、16個の転送トランジスタ302の各ゲートに対して共通接続される。
各転送トランジスタ302のドレインは、対応する各リセットトランジスタ303のソースに接続されると共に、転送トランジスタ302のドレインとリセットトランジスタ303のソースとの間に形成されたいわゆるフローティングディフュージョンFDが増幅トランジスタ304のゲートに接続される。リセットトランジスタ303のドレインは電源電圧が供給されるVdd配線350に接続され、そのゲートはリセットパルスが供給されるリセット配線306に接続される。本実施形態において、リセット配線306は、16個のリセットトランジスタ303の各ゲートに対して共通接続される。
各々の増幅トランジスタ304のドレインは電源電圧が供給されるVdd配線350に接続される。また、各々の増幅トランジスタ304のソースは、対応する各々の選択トランジスタ305のドレインに接続される。選択トランジスタ305の各ゲートは、選択パルスが供給されるデコーダ配線308に接続される。本実施形態において、デコーダ配線308は、16個の選択トランジスタ305に対してそれぞれ独立に設けられる。そして、各々の選択トランジスタ305のソースは、共通の出力配線309に接続される。負荷電流源351は、出力配線309に電流を供給する。すなわち、選択トランジスタ305に対する出力配線309は、ソースフォロアにより形成される。負荷電流源351は、撮像チップ213側に設けてもよいし、信号処理チップ211側に設けてもよい。
ここで、電荷の蓄積開始から蓄積終了後の画素出力までの流れを説明する。リセット配線306を通じてリセットパルスがリセットトランジスタ303のゲートに印加され、同時にTX配線307を通じて転送パルスが転送トランジスタ302のゲートに印加されると、フォトダイオード204及びフローティングディフュージョンFDの電位は、電源電圧に対応した電圧であるリセット電位にリセットされる。
フォトダイオード204は、転送パルスの印加が解除されると、受光した入射光を電荷に変換して蓄積する。その後、リセットパルスがリセットトランジスタ303のゲートに印加されていない状態で再び転送パルスが転送トランジスタ302のゲートに印加されると、蓄積された電荷はフローティングディフュージョンFDへ転送され、フローティングディフュージョンFDの電位は、リセット電位から電荷蓄積後の信号電位になる。そして、デコーダ配線308を通じて選択パルスが選択トランジスタ305のゲートに印加されると、フローティングディフュージョンFDのリセット電圧から信号電位への変動に対応した画素信号が、増幅トランジスタ304及び選択トランジスタ305を介して出力配線309に伝わる。
図示するように、本実施形態においては、単位グループ231を形成する16画素に対して、リセット配線306とTX配線307が共通である。すなわち、リセットパルスと転送パルスはそれぞれ、16画素全てに対して同時に印加される。したがって、単位グループ231を形成する全ての画素は、同一のタイミングで電荷蓄積を開始し、同一のタイミングで電荷蓄積を終了する。ただし、蓄積された電荷に対応する画素信号は、それぞれの選択トランジスタ305が選択パルスによって順次印加されて、選択的に出力配線309に出力される。また、リセット配線306、TX配線307及び出力配線309は、単位グループ231毎に別個に設けられる。TX配線307は、本実施形態では16個の転送トランジスタ302の各ゲートに対して共通接続されるとしたが、これに限定されず、行方向に配列される画素に含まれる転送トランジスタ302の各ゲートに対して共通接続されてもよいし、16個それぞれの転送トランジスタ302の各ゲートに対して接続されてもよい。リセット配線306は、本実施形態では16個のリセットトランジスタ303の各ゲートに対して共通接続されるとしたが、これに限定されず、行方向に配列される画素に含まれるリセットトランジスタ303の各ゲートに対して共通接続されてもよいし、16個それぞれのリセットトランジスタ303の各ゲートに対して接続されてもよい。
このように単位グループ231を基準として回路を構成することにより、単位グループ231ごとに電荷蓄積時間を制御することができる。換言すると、隣接する単位グループ231同士で、異なった電荷蓄積時間による画素信号をそれぞれ出力させることができる。更に言えば、一方の単位グループ231に1回の電荷蓄積を行わせている間に、他方の単位グループ231に何回もの電荷蓄積を繰り返させてその都度画素信号を出力させることにより、これらの単位グループ231同士で異なるフレームレートで動画用の各フレームを出力することもできる。
図5は、撮像素子200の機能的構成を示すブロック図である。マルチプレクサ411は、単位グループ231を形成する16個のフォトダイオード204を順番に選択して、それぞれの画素信号を当該単位グループ231に対応して設けられた出力配線309へ出力させる。マルチプレクサ411は、フォトダイオード204と共に、撮像チップ213に形成される。
マルチプレクサ411を介して出力された画素信号は、信号処理チップ211に形成された、相関二重サンプリング(CDS)・アナログ/デジタル(A/D)変換を行う信号処理回路412により、CDS及びA/D変換が行われる。A/D変換された画素信号は、デマルチプレクサ413に引き渡され、それぞれの画素に対応する画素メモリ414に格納される。画素メモリ414のそれぞれは、後述する最大積算回数に対応する画素信号を格納できる容量を有する。デマルチプレクサ413及び画素メモリ414は、メモリチップ212に形成される。
演算回路415は、画素メモリ414に格納された画素信号を処理して後段の画像処理部に引き渡す。演算回路415は、信号処理チップ211に設けられてもよいし、メモリチップ212に設けられてもよい。図では1つの単位グループ231の分の接続を示すが、実際にはこれらが単位グループ231ごとに存在して、並列で動作する。ただし、演算回路415は単位グループ231ごとに存在しなくても良く、例えば、一つの演算回路415がそれぞれの単位グループ231に対応する画素メモリ414の値を順に参照しながらシーケンシャルに処理してもよい。
上記の通り、単位グループ231のそれぞれに対応して出力配線309が設けられている。撮像素子200は撮像チップ213、信号処理チップ211及びメモリチップ212を積層しているので、これら出力配線309にバンプ209を用いたチップ間の電気的接続を用いることにより、各チップを面方向に大きくすることなく配線を引き回すことができる。
図6は、本実施形態のカメラ100が静止画を撮影する処理の流れを説明するフローチャートである。また、図7は、撮像素子200の撮像面の一例を示す図である。図7では、格子線が単位グループ231の境目を示しており、一つの矩形領域が一つの単位グループ231の撮像領域に対応している。カメラ100は、ユーザにより不図示の電源ボタンが押下されると、図6に示す処理を開始する。
ステップS101において、制御部101は、撮像素子200による画像の撮影を開始する。撮像素子駆動部102が、制御部101の指示に従って、撮像素子200を駆動させ、所定のフレームレート(以下、通常フレームレートと呼ぶ)で光電変換を開始させる。また、制御部101は、撮像素子200からの画像信号に基づくスルー画を表示部106に表示する処理を開始する。
ステップS102において、画像処理部103の主要被写体検出部111は、撮像素子200からの画像信号に基づく画像データを取得し、当該画像データが示す画像に含まれる主要被写体を認識する。本実施形態において、主要被写体とは、人物の顔である。画像から人物の顔を検出する顔検出処理については、公知の手法を用いればよいため、説明を省略する。
ステップS103において、制御部101は、撮像画面内においてAF処理によりピントを調節する領域(AFエリア)の設定モードが、自動設定モードであるか否かを判定する。本実施形態では、AFエリアの設定モードとして、カメラ100が自動で設定する自動設定モードと、撮影者が不図示の操作部材を操作してAFエリアを指定する撮影者指定モードとが設けられている。撮影者は不図示の操作部材を操作して、予め所望のモードを設定しておく。
AFエリアの設定モードが自動設定モードである場合、制御部101は、ステップS103を肯定判定してステップS104へ進む。一方、自動設定モードではない場合、すなわち撮影者指定モードである場合には、制御部101は、ステップS103を肯定判定してステップS105へ進む。
自動設定モードである場合に進むステップS104において、画像処理部103は、主要被写体検出部111で検出した主要被写体の中から、優先する主要被写体(優先被写体)を自動で決定する。主要被写体検出部111で検出した主要被写体が1つである場合は、画像処理部103は、検出した主要被写体を優先被写体として決定する。一方、主要被写体検出部111で検出した主要被写体が複数である場合は、画像処理部103は、検出した複数の主要被写体の中から、1つの主要被写体を選択して優先被写体として決定する。例えば、撮像画面内における主要被写体の大きさや輝度などを評価して、複数の主要被写体の優先順位を決定し、最も優先順位の高い主要被写体を、優先被写体として選択する。
一方、撮影者指定モードである場合に進むステップS105において、画像処理部103は、撮影者の指示に応じて優先被写体を決定する。撮影者指定モードの場合、撮影者は撮像画面内の任意の箇所をAFエリアとして指定する。画像処理部103は、撮影者により指定された箇所に最も近い主要被写体を優先被写体として決定する。
ステップ106において、画像処理部103の注目領域決定部112は、図7に示すように、ステップS104またはステップS105で決定した優先被写体500から、特徴的な領域(特徴領域)510を検出する。本実施形態において、特徴領域510とは、人物の目の領域である。画像から人物の目を検出する処理については、公知の手法を用いればよいため、説明を省略する。
注目領域決定部112は、特徴領域510とその周辺とを含む領域を、注目領域520として決定する。そして、注目領域決定部112は、撮像素子200が有する複数の単位グループ231のうち、注目領域520の少なくとも一部を撮像する単位グループ231の集合を、注目領域単位グループ群として設定する。
ステップ107において、制御部101は、撮像素子200から得られる画像信号に基づいて公知の露出演算を行い、適正露出が得られるように絞り値とシャッター速度を決定する。
そして制御部101は、撮像条件として、注目領域単位グループ群に含まれる単位グループ231に適用するフレームレート、すなわち注目領域520を撮像するフレームレート(以下、注目領域用フレームレートと呼ぶ)を決定する。制御部101は、注目領域用フレームレートを、注目領域単位グループ群に含まれる単位グループ231以外の単位グループ231に適用するフレームレート、すなわち注目領域520以外の領域(周辺領域)を撮像するフレームレート(通常フレームレート)よりも高く設定する。たとえば、制御部101は、通常フレームレートが60fpsである場合、注目領域用フレームレートを120fpsに設定する。また制御部101は、上記露出演算に基づいて決定したシャッター速度に応じて注目領域用フレームレートの値を決定する。上記露出演算に基づいて決定したシャッター速度により、注目領域用フレームレートの上限値が決まるためである。
ステップS108において、制御部101は、撮影者によりレリーズボタンが半押し操作されたか否かを判定する。制御部101は、レリーズボタンが半押し操作されない間は、ステップS108を否定判定してステップS108の処理を繰り返し、レリーズボタンが半押し操作されると、ステップS108を肯定判定して、ステップS109へ進む。
ステップS109において、制御部101は、撮像素子駆動部102に対して、注目領域単位グループ群に含まれる単位グループ231については、フレームレートを通常フレームレートから注目領域用フレームレートに変更するよう指示する。撮像素子駆動部102は、制御部101の指示に従って、注目領域単位グループ群については、注目領域用フレームレートで、単位グループ231に含まれる画素の電荷蓄積及び画素信号の出力を実行させる。すなわち、注目領域520は、周辺領域よりも高いフレームレートで撮像される。撮像素子駆動部102は、注目領域単位グループ群に含まれる単位グループ231以外の単位グループ231については、フレームレートを変更せず、レリーズボタンの半押し操作前と同じ通常フレームレートのまま、単位グループ231に含まれる画素の電荷蓄積及び画素信号の出力を実行させる。すなわち、周辺領域は、レリーズボタンの半押し操作前と同じ通常フレームレートで撮像される。
例えば、通常フレームレートが60fpsであり、注目領域用フレームレートが120fpsであるとする。この場合、撮像素子駆動部102は、周辺領域から1フレーム分の画像信号を得る時間(1/60sec)の間に、注目領域520からは2フレーム分の画像信号を得る。このとき撮像素子駆動部102は、注目領域単位グループ群に含まれる単位グループ231のリセットトランジスタ303、転送トランジスタ302及び選択トランジスタ305の組と、この他の単位グループ231のリセットトランジスタ303、転送トランジスタ302及び選択トランジスタ305の組とを別個に駆動することにより、異なるフレームレートで画像信号を得る。
このようにして、注目領域520のフレームレートが変更されると、画像処理部103は、注目領域単位グループ群に含まれる単位グループ231からの画像信号と、この他の単位グループ231からの画像信号とを合成して、スルー画を生成する。画像処理部103は、注目領域単位グループ群に含まれる単位グループ231からの画像信号に基づくフレームを、この他の単位グループ231からの画像信号に基づくフレームの注目領域520に対応する箇所に嵌め込む。スルー画の表示フレームレートについては、注目領域用フレームレート及び通常フレームレートのどちらかのフレームレートにしてもよいし、この他のフレームレートにしてもよい。また、単位時間あたりにおけるフレーム数は、注目領域520と周辺領域とでそれぞれ異なるので、適宜フレームを間引いたり補完したりしてフレーム数を整合させるようにすればよい。
ステップS110において、制御部101は、注目領域520の画像信号(すなわち注目領域単位グループ群からの出力信号)を用いて、公知のコントラスト検出方式によるAF処理を行う。すなわち、注目領域520をAFエリアとして用いる。コントラスト検出方式では、像のボケの程度とコントラストとの間には相関があること、すなわち焦点が合ったときに像のコントラストが最大になることを利用して焦点合わせを行う。一般に、コントラストの大小は画像信号の高域空間周波数成分の大小により評価することができる。そのため、制御部101は、注目領域520の画像信号の高域空間周波数成分を抽出し、その高域空間周波数成分の絶対値を積分したものをコントラスト評価値として算出する。このコントラスト評価値は、注目領域520に対して撮影レンズ120のピントが合ってコントラストが最大となったときに最大値となる。
制御部101は、レンズ駆動部121により撮影レンズ120のフォーカシングレンズを光軸に沿って移動させながら所定時間ごとに上記コントラスト評価値を算出し、コントラスト評価値が最大になるレンズ位置をサーチする。そして制御部101は、レンズ駆動部121により、サーチしたレンズ位置へフォーカシングレンズを移動させることによって焦点調節を行う。
ステップS111において、制御部101は、AFモードが追尾AFモードに設定されているか否かを判定する。本実施形態では、AFモードとして、優先被写体を追尾してAF処理を継続する追尾AFモードと、レリーズボタンが半押しされると1回のみAF処理を実行してピントを固定するモードとが設けられている。撮影者は不図示の操作部材を操作して、予め所望のモードを設定しておく。
制御部101は、追尾AFモードに設定されている場合は、ステップS111を肯定判定してステップS112に進み、追尾AFモードに設定されていない場合は、ステップS111を否定判定してステップS113に進む。
ステップS112において、制御部101は、被写体追尾AF処理を開始する。この被写体追尾AF処理では、時系列で出力される撮像素子200からの画像信号に基づいて、優先被写体を追尾する被写体追尾処理を行う。被写体追尾処理については、例えば、特徴領域510の画像をテンプレート画像としてテンプレートマッチング処理を行う方法や、この他公知の方法を用いればよい。また、図7の上下の図で示すように、優先被写体500の移動に応じて特徴領域510が移動するので、注目領域520を移動させる。すなわち、被写体追尾処理によって優先被写体500の位置が更新されるごとに、注目領域520を更新する。そして、更新した注目領域520に対応する単位グループ231について、フレームレートを注目領域用フレームレートに変更する。優先被写体500の位置の更新前は注目領域520であったが、更新後には注目領域520ではなくなった単位グループ231については、通常フレームレートに戻す。そして、更新した注目領域520からの画像信号を用いて、コントラスト検出方式によるAF処理を行って、更新した優先被写体500に撮影レンズ120のピントを調節する。制御部101は、このような被写体追尾AF処理を、レリーズボタンが半押し操作されている間、継続して実行する。
ステップS113において、制御部101は、撮影者によりレリーズボタンが全押し操作されたか否かを判定する。制御部101は、レリーズボタンが全押し操作されない間は、ステップS113を否定判定してステップS113の処理を繰り返し、レリーズボタンが全押し操作されると、ステップS113を肯定判定して、ステップS114へ進む。
ステップS114において、制御部101は、静止画記録(静止画撮影)を行う。制御部101は、画像処理部103に、撮像素子200から得られる注目領域及び周辺領域のフレームを合成して1枚の静止画を生成させ、記録部105に記録させる。そして、制御部101は、図6の処理を終了する。
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)カメラ100は、複数の単位グループ231(撮像領域)を有し、単位グループ231に入射した光像に応じた画像信号を生成する撮像チップ213を有する。また、カメラ100は、撮像チップ213から出力された画像信号に基づいて、画像信号の示す画像の注目領域520を決定する注目領域決定部112と、複数の単位グループ231のうち注目領域520に対応する光像が入射した単位グループ231を通常フレームレートよりも高い注目領域用フレームレートで撮像を行うように制御し、複数の単位グループ231のうち注目領域520に対応する光像が入射した単位グループ231以外の単位グループ231を通常フレームレートで撮像を行うように制御する制御部101と、注目領域520の焦点調節状態を検出する制御部101とを含む信号処理チップ211を有する。これにより、撮像素子200の全体の撮像領域から画像信号を読み出しても、撮像素子200の特定の撮像領域(注目領域520に対応する光像が入射した単位グループ231)から画素信号を高速に読み出すことができる。ゆえに、撮像素子200の全体の撮像領域から画像信号を読み出しても、注目領域520の焦点調節状態を高速に検出することができ、AF処理の精度を向上することができる。
(2)カメラ100において、信号処理チップ211は、撮像チップ213から出力された画像信号の示す画像から主要被写体を検出する主要被写体検出部111を更に含み、注目領域決定部112は、主要被写体検出部111により検出された主要被写体の特徴領域510とその周辺とを含む領域を、注目領域520として決定する。このような構成により、主要被写体が移動した場合にも、主要被写体に対してピントを合わせることができる。
(3)カメラ100において、主要被写体検出部111は、撮像素子200により撮像された時系列の撮像画像間で主要被写体を追尾し、注目領域決定部112は、主要被写体の移動に応じて注目領域520を移動させる。このような構成により、主要被写体が動いている場合にも、主要被写体に対してピントを合わせることができる。
−第2の実施形態−
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態ではAF処理をコントラスト検出方式で行ったが、第2の実施形態ではAF処理を位相差検出方式で行う。この点について図8を用いて説明する。図8は、撮像素子200の撮像面の一例を示す図である。
第2の実施形態に係るカメラ100及び撮像素子200は、第1の実施形態と略同様の構成でなるが、撮像素子200に位相差検出方式による焦点検出専用の画素(以下、AF専用画素と呼ぶ)が設けられている点が第1の実施形態と異なっている。第2の実施形態に係る撮像素子200には、AF専用画素が、例えば、所定のライン数ごとに横一列に並んで設けられている。図8では、破線が、AF専用画素が配置されているラインを示している。また、図8では、格子線が単位グループ231の境目を示しており、一つの矩形領域が一つの単位グループ231の撮像領域に対応している。
AF専用画素240は、例えば、図9(a)に示すように、1つのAF専用画素240に対して2つの受光部(フォトダイオード)241,242が設けられた構成でなり、これらの受光部241,242は、撮影レンズ120の瞳の一対の領域を通過した一対の光束を受光する。
撮影レンズ120の合焦時は撮像素子200に鮮鋭像が結ばれる状態であるため、異なる瞳位置に瞳分割された光束による一対の像は撮像素子200上で一致する。つまり、複数のAF専用画素240における左側の受光部241から得られる信号波形と、複数のAF専用画素240における右側の受光部242から得られる信号波形とは、その形状が重なる。
一方、非合焦時は撮像素子200の手前で鮮鋭像を結ぶ状態、あるいは撮像素子200の後ろ側に鮮鋭像を結ぶ状態であるため、瞳分割された光束による一対の像は撮像素子200上では一致しない。この場合、複数のAF専用画素240における左側の受光部241から得られる信号波形と、複数のAF専用画素240における右側の受光部242から得られる信号波形とは、合焦状態からのずれ(デフォーカス量)に応じて、互いの位置関係(像ずれ方向及び像ずれ量)が異なる。
そこで、位相差検出方式のAF処理では、複数のAF専用画素240における左側の受光部241から得られる信号波形と、複数のAF専用画素240における右側の受光部242から得られる信号波形との位置関係に基づいて撮影レンズ120による焦点位置の調節状態(デフォーカス量)を算出する。そして、デフォーカス量に基づいて、撮影レンズ120のフォーカシングレンズを光軸方向へ進退移動させることで、撮影レンズ120の焦点調節を行うようになっている。
第2の実施形態に係るカメラ100は、静止画撮影の際、第1の実施形態と同様に図6に示す処理を実行するが、一部の処理が異なるため、この点について特に説明する。第2の実施形態において、制御部101は、ユーザにより不図示の電源ボタンが押下されると、第1の実施形態と同様に図6に示す処理を開始する。そして、画像処理部103は、ステップS101〜S105と同様の処理を実行して、優先被写体を決定する。
ステップS106において、画像処理部103の注目領域決定部112は、図8に示すように、第1の実施形態と同様に、優先被写体600から特徴領域610を検出する。その後、注目領域決定部112は、第1の実施形態とは異なり、特徴領域610に最も近いAF専用画素のライン621と、その周辺にある(例えば隣接する)AF専用画素のライン622,623とにより撮像される領域を、注目領域として決定する。そして、注目領域決定部112は、撮像素子200が有する複数の単位グループ231のうち、注目領域であるAF専用画素のライン621〜623を含む単位グループ231の集合を、注目領域単位グループ群として設定する。
ステップS107において、制御部101は、第1の実施形態と同様に注目領域用フレームレートを決定する。そして、制御部101は、レリーズボタンが半押し操作されると、ステップS108を肯定判定して、ステップS109へ進む。
ステップS109において、制御部101は、注目領域であるAF専用画素のライン621〜623を含む注目領域単位グループ群については、フレームレートを通常フレームレートから注目領域用フレームレートに変更するよう指示する。撮像素子駆動部102は、制御部101の指示に従って、注目領域単位グループ群については、注目領域用フレームレートで、単位グループ231に含まれる画素の電荷蓄積及び画素信号の出力を実行させる。すなわち、注目領域であるAF専用画素のライン621〜623については、周辺領域よりも高い注目領域用フレームレートで画素信号が出力される。撮像素子駆動部102は、注目領域単位グループ群に含まれる単位グループ231以外の単位グループ231については、フレームレートを変更せず、レリーズボタンの半押し操作前と同じ通常フレームレートのまま、単位グループ231に含まれる画素の電荷蓄積及び画素信号の出力を実行させる。
ステップS110において、制御部101は、注目領域用フレームレートで出力された、AF専用画素のライン621〜623の出力信号のうち、特徴領域610とその周辺に対応する出力信号を用いて、上述した位相差検出方式によるAF処理を行う。これにより、優先被写体600に対して撮影レンズ120のピントが調節される。
また制御部101は、ステップS111〜S112において、追尾AFモードの場合は、被写体追尾AF処理を実行する。ここでは、AF処理が位相差検出方式である点以外は、第1の実施形態と同様の処理を実行する。すなわち、図8の上下の図で示すように、優先被写体600の移動に応じて特徴領域610が移動するので、注目領域としてのAF専用画素のライン621〜623を移動させる。すなわち、被写体追尾処理によって優先被写体600の位置が更新されるごとに、注目領域としてのAF専用画素のライン621〜623を更新する。そして、更新したAF専用画素のライン621〜623を含む注目領域単位グループ群について、フレームレートを注目領域用フレームレートに変更する。優先被写体600の位置の更新前は注目領域であったが、更新後には注目領域ではなくなったAF専用画素のラインを含む単位グループ群については、通常フレームレートに戻す。そして、更新したAF専用画素のライン621〜623からの出力信号を用いて、位相差検出方式によるAF処理を行って、更新した優先被写体600に撮影レンズ120のピントを合わせる。
そして制御部101は、第1の実施形態と同様に、ステップS113〜114において、レリーズボタンが全押し操作された場合には、静止画の記録を行い、図6の処理を終了する。
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
カメラ100は、撮像素子200により撮像された撮像画像に基づいて主要被写体を検出し、主要被写体の検出結果に基づいて、撮像画像内における注目領域を決定する。カメラ100は、複数の単位グループ231のうちの注目領域としてのAF専用画素のライン621〜623を含む単位グループ231については、通常フレームレートよりも高い注目領域用フレームレートで撮像を行うように制御し、他の単位グループ231については、通常フレームレートで撮像を行うように制御する。カメラ100は注目領域としてのAF専用画素のライン621〜623から出力される画素信号に基づいて、撮影レンズ120の焦点調節状態を検出する。これにより、撮像素子200の全体の撮像領域から画像信号を読み出しても、撮像素子200の特定の撮像領域(注目領域に対応する光像が入射した単位グループ231)から画素信号を高速に読み出すことができる。ゆえに、撮像素子200の全体の撮像領域から画像信号を読み出しても、注目領域の焦点調節状態を高速に検出することができ、AF処理の精度を向上することができる。
(変形例1)
夜間の撮影など周囲が暗い撮影状況では、フレームレートが高いとシャッター速度が短くなって撮像画像が暗くなり、スルー画が見にくくなってしまう可能性がある。しかし、スルー画が見やすくなるシャッター速度に合わせてフレームレートを低くすると、AF処理の精度が低下してしまう可能性がある。そこで、上述した第1の実施形態において、制御部101は、周囲が暗い撮影状況の場合、注目領域に適用する注目領域用フレームレートについては、撮影レンズ120の焦点調節状態を検出するのに適したフレームレート(例えば、60fps)とし、周辺領域に適用する通常フレームレートについてはスルー画を表示部106に表示するのに適したフレームレート(例えば、15fps)とする。このようにすることで、スルー画が見にくくならずに、AF処理の精度を向上することができる。
(変形例2)
上述した実施の形態では、注目領域のフレームレートを高くする例について述べたが、注目領域のフレームレートを通常フレームレートのまま維持し、周辺領域のフレームレートを通常フレームレートよりも低くするようにしてもよい。こうすることにより、AF処理の精度を保ちながらも、消費電力や画像処理の負荷を低減させることができる。
(変形例3)
上述した第2の実施形態では、AF専用画素240に2つの受光部241,242が設けられている例について述べた。しかしながら、図9(b)に示すように、AF専用画素240は、1つの受光部243のみを有し、受光部243の半分が遮光金属膜244などで覆われた構成でなるようにしてもよい。この場合、受光部243の右半分が開口されたAF専用画素240と、受光部243の左半分が開口されたAF専用画素240とが交互に並んで配置され、この一対のAF専用画素240で、撮影レンズ120の瞳の一対の領域を通過した一対の光束を受光する。
(変形例4)
上述した第2の実施形態では、特徴領域610周辺のAF専用画素のライン621〜623を注目領域として注目領域用フレームレートを適用する例について述べた。しかしながら、AF専用画素のラインではなく、特徴領域610周辺のAF専用画素を含む部分的な領域を注目領域として注目領域用フレームレートを適用するようにしてもよい。
(変形例5)
上述した実施形態では、レリーズボタンが半押し操作されると、注目領域のフレームレートを変更してAF処理を実行する例について述べたが、注目領域のフレームレートを変更してAF処理を実行するタイミングについてはこれに限らなくてもよい。例えば、モード切り替えボタンなどで、静止画撮影に切り替えられたタイミングで、注目領域のフレームレートを変更してAF処理を実行するようにしてもよい。
(変形例6)
上述した実施形態では、コントラスト検出方式または位相差検出方式のいずれかでAF処理を実行する例について述べたが、コントラスト検出方式と位相差検出方式とを組み合わせたハイブリッド方式によりAF処理を実行するようにしてもよい。この場合、例えば、制御部101は、最初に位相差検出方式のAF処理を行い、この結果をもとに、ピントを合わせるためには、フォーカシングレンズをどの方向に駆動すればよいか決定する。そして、制御部101は、決定した方向にフォーカシングレンズを駆動しながら、コントラスト検出方式によるAF処理を実行する。また、例えば、制御部101は、通常は位相差検出方式のAF処理を行い、撮像画像の輝度が所定値よりも低い(すなわち暗い撮影状況)では、コントラスト検出方式のAF処理に切り替えるようにしてもよい。
(変形例7)
上述した実施形態では、静止画撮影におけるAF処理に本発明を適用する例について述べたが、動画撮影におけるAF処理に本発明を適用するようにしてもよい。
(変形例8)
上述した実施形態では、人物の顔を主要被写体として検出する例について説明したが、この他の被写体を主要被写体として検出するようにしてもよい。例えば、動物を主要被写体として検出するようにしてもよい。この場合、例えば、動物の目、口、鼻、耳、尾などを特徴領域として上述した実施形態と同様の制御を行う。
また、主要被写体は、人工物であってもよい。この場合は、人工物の色情報やパターン情報などから特徴領域を検出する。例えば、色や輝度のコントラストが大きい部分を特徴領域として上述した実施形態と同様の制御を行う。
(変形例9)
上述した実施形態では、複数の画素から構成される単位グループ231ごとにフレームレートを変更可能な撮像素子200を用いる例について説明したが、1つの画素ごとに個別にフレームレートを変更可能である撮像素子を用いるようにしてもよい。
(変形例10)
本発明による撮像装置は、デジタルカメラだけに限定されない。例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末なども本発明による撮像装置に含まれる。
(変形例11)
上述した実施の形態では、各画素に対応してフローティングディフュージョンが設けられた撮像素子を用いる例を説明した。しかしながら、少なくとも2つの画素でフローティングディフュージョンを共有する撮像素子を用いるようにしてもよい。
以上の説明はあくまで一例であり、上記実施形態の構成に何ら限定されるものではない。また、上記実施形態に各変形例の構成を適宜組み合わせてもかまわない。
100…カメラ、101…制御部、102…撮像素子駆動部、103…画像処理部、111…主要被写体検出部、112…注目領域決定部、120…撮影レンズ、121…レンズ駆動部、200…撮像素子、204…フォトダイオード、209…バンプ、211…信号処理チップ、213…撮像チップ、FD…フローティングディフュージョン

Claims (12)

  1. フォーカシングレンズを含む光学系を介して被写体を撮像する撮像素子であって、光を電荷に変換する光電変換部と、前記光電変換部で変換された電荷に基づく電圧信号を出力する出力部と、を有する複数の画素が方向と方向とにおいてそれぞれ配置される撮像素子と、
    前記撮像素子で撮像され被写体のうち特定被写体を検出する検出部と、
    前記複数の画素のうち、前記特定被写体からの光を電荷に変換する光電変換部を有する第1画素のフレームレートを、前記複数の画素のうち、前記第1画素とは異なる画素であって前記第1画素から前記行方向側に配置される第2画素のフレームレートとは異なるフレームレートで前記第1画素の前記出力部から電圧信号を出力するように制御する制御部と、を備え
    前記制御部は、前記第1画素の前記出力部から出力された前記電圧信号に基づいて前記フォーカシングレンズを制御するための制御信号を出力する撮像装置。
  2. 前記制御部は、前記フォーカシングレンズを前記光学系の光軸方向に移動させるための制御信号を出力する請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記第1画素は、前記光学系からの光が入射される第1マイクロレンズと、前記第1マイクロレンズの光軸方向において前記第1マイクロレンズと前記第1画素の前記光電変換部との間に配置され、前記第1マイクロレンズからの光が通る第1開口部を有する第1部材と、が配置され、
    前記第2画素は、前記光学系からの光が入射される第2マイクロレンズと、前記第2マイクロレンズの光軸方向において前記第2マイクロレンズと前記第2画素の前記光電変換部との間に配置され、前記第2マイクロレンズからの光が通る、前記第1開口部よりも開口が大きい第2開口部を有する第2部材と、が配置される請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記光電変換部は、複数の光電変換領域を有する請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
  5. 前記第2画素は、前記撮像素子において前記第1画素から前記方向側と前記第1画素から前記方向側とにそれぞれ配置される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の撮像装置。
  6. 前記複数の画素は、前記光電変換部の電荷をフローティングディフュージョンに転送する転送部をそれぞれ有し、
    前記出力部は、前記フローティングディフュージョンに転送された電荷に基づく前記電圧信号を出力する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  7. 前記検出部は、前記電圧信号を用いて前記撮像素子で撮像された被写体を検出する請求項1から請求項のいずれか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記制御部は、前記第1画素のフレームレートを前記第2画素のフレームレートよりも高くする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の撮像装置。
  9. 前記制御部は、前記第1画素のフレームレートを前記第2画素のフレームレートよりも低くする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の撮像装置。
  10. 前記撮像素子は、前記電圧信号をデジタル信号に変換するための変換回路を有する請求項1から請求項のいずれか一項に記載の撮像装置。
  11. 前記撮像素子は、前記光電変換部を有する撮像チップと、前記変換回路を有する信号処理チップと、を有する請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記撮像チップは、前記信号処理チップにより積層される請求項11に記載の撮像装置。
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