JP6599646B2 - 蛍光ガラス、及びuvb光の発光方法 - Google Patents

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Description

本発明は、紫外透明性に優れ、光励起によって高効率にUVB光を発光する蛍光ガラスに関する。
波長280nm〜320nmの紫外光はUVB光とよばれる。この波長域の光は、乾癬、白斑、円形脱毛症、アトピー性皮膚炎などの、自己免疫疾患が関与する皮膚疾患に対する治療効果を有するため注目を集めている。この治療効果は、UVB光が病因となっているT細胞をアポトーシスへ至らしめ、一方でこのT細胞を抑制するための抑制性T細胞を誘導することによって発現するとされている。実用上は、UVB光のうち、治療効果が高く、かつ日焼けの症状のひとつである紅斑反応を起こしにくい波長300nmより長波長のナローバンドUVB光源が求められている。
このため、従来、UVB蛍光体の開発が種々行われており、種々提案されている。特に、UVB光を発光する発光中心として、波長312nm付近で発光するGd3+イオンの7/2−>7/2遷移が良く用いられている。たとえば、特許文献1及び2には、それぞれ、UVB光を効率良く発光できるように、一般式Y1−x−yGdBiAl(BO(0<x<0.6,0<y<0.03)で表される組成を有する紫外線発光蛍光体およびそれを用いる発光素子、及び、各種の励起源が有効利用できる新しいタイプの紫外線発光蛍光体として、一般式A1−x−yGdBiPO(AはYおよび/またはLu,0<x<0.4,0<y<0.1)からなる紫外線を発光する蛍光体およびそれを用いる発光素子が、提案されている。また、特許文献3−5および非特許文献1及び2にはGd3+イオンの光増感剤としてPr3+イオンを用いた材料が報告されている。さらに、特許文献2および非特許文献1と2では希土類オルトリン酸塩REPO(REは希土類イオンを表す)をベースとした蛍光体が良好な発光特性を示すことが報告されている。
特開2013-231142 特開2014-129452 特開2001-172624 特開2010-520326 特開2013-139525 Y. Sato, T. Kumagai, S. Okamoto, H. Yamamoto, T. Kunimoto, Jpn. J. Appl. Phys. 43, 3456 (2004) S. Okamoto, R. Uchino, K. Kobayashi, H. Yamamoto, J. Appl. Phys. 106, 013522 (2009)
しかしながら、これらの蛍光体はいずれも粉末であり、粉末表面での光散乱によって励起効率や発光の取り出し効率が低下することが課題となっており、紫外透明性に優れ、光励起によってUVB光を効率的に得ることができる蛍光体の開発が要望されていた。
したがって、本発明の目的は、紫外透明性に優れ、光励起によって高効率にUVB光を発光する蛍光ガラスを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討を行った結果、透明媒質としてシリカガラスを使用し、特定の元素を組み合わせて含有させることで上記目的を達成しうることを知見し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.金属元素をドープしてなるシリカガラスからなる蛍光ガラスであって、
上記金属元素が、発光中心元素と該発光中心元素に対する光増感元素とを含み、両元素がリンの存在下にシリカガラスにドープされ
上記発光中心元素及び上記光増感元素を構成元素として含むリン酸塩ナノ結晶を含有することを特徴とする蛍光ガラス。
2.上記光増感元素の配合量は、上記発光中心元素との合計使用モル量中1〜50モル%であることを特徴とする1記載の蛍光ガラス。
3.上記発光中心元素が、Gdであり、
上記光増感元素が、Prである
ことを特徴とする1又は2記載の蛍光ガラス。
4.上記リン酸塩ナノ結晶が、(Gd Pr )PO (式中xは0.8〜0.95、yは0.05〜0.2を示す)の式で表される化合物として存在する
ことを特徴とする3記載の蛍光ガラス。
5.金属元素をドープしてなるシリカガラスからなる蛍光ガラスに対して、波長250nmより短波長側で光励起させる、UVB光の発光方法であって、
上記蛍光ガラスは、上記金属元素が、発光中心元素と該発光中心元素に対する光増感元素とを含み、両元素がリンの存在下にシリカガラスにドープされ、
上記発光中心元素及び上記光増感元素を構成元素として含むリン酸塩ナノ結晶を含有することを特徴とするUVB光の発光方法。
6.上記発光中心元素が、Gdであり、
上記光増感元素が、Prである
ことを特徴とする5記載のUVB光の発光方法。
本発明の蛍光ガラスは、紫外透明性に優れ、光励起によって高効率にUVB光を発光するものである。
図1は、実施例1で得られた蛍光ガラスの光吸収スペクトル、および吸収係数で表した、粒径Dが5、10、20、30nmのREPOナノ結晶の光散乱による光学損失の計算値である。 図2は実施例1で得られたガラスの粉末X線回折パターン、および単斜晶GdPOと正方晶GdPOの計算回折パターンである。 図3は実施例1で得られたガラスの励起波長275nmで測定した蛍光スペクトルである。 図3は実施例1で得られたガラスの励起波長240nmで測定した蛍光スペクトルである。 図3は実施例1で得られたガラスの励起波長230nmで測定した蛍光スペクトルである。 図4は比較例1で得られたREPO粉のX線回折パターン、および単斜晶GdPOと正方晶GdPOの計算回折パターンである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の蛍光ガラスは、
金属元素をドープしてなるシリカガラスからなり、
金属元素が、発光中心元素と該発光中心元素に対する光増感元素とを含み、両元素がリンの共存下にシリカガラスにドープされていることを特徴とする。
以下、さらに詳細に説明する。
<シリカガラス>
SiO2 からなる通常のシリカガラスを特に制限なく用いることができる。
<発光中心元素>
上記発光中心元素は、Gdであるのが好ましい。
<光増感元素>
上記光増感元素は、Pr、Tm、Ce、Biであるのが好ましく、中でもPrが特に好ましい。
上記光増感元素の配合量は、上記発光中心元素との合計使用モル量中1〜50モル%とするのが好ましく、5〜20モル%とするのがさらに好ましい。
また、上記発光中心元素及び上記光増感元素の合計使用量は、本発明の蛍光ガラス全体中0.1〜50重量%とするのが好ましい。
<リン>
リンの添加量は、上記発光中心元素及び上記光増感元素の合計モル量に対して0.1〜10モル量であるのが好ましく、等モルであるのが最も好ましい。すなわち、本発明の蛍光ガラス中、上記発光中心元素及び上記光増感元素は、(GdPr)PO(式中xは0.8〜0.95、yは0.05〜0.2を示す)の式で表される化合物として存在するのが好ましい。換言すると、本発明の蛍光ガラスは、上記発光中心元素のリン酸塩ナノ結晶及び上記光増感元素のリン酸塩ナノ結晶を含有するのが好ましい。ここでナノ結晶とは、通常100nm未満のサイズ、好ましくは10nm以下のサイズを有する結晶を意味する。ガラス中の結晶の好ましい粒子径は、吸収係数の測定において紫外域で光散乱が起こらないサイズを条件として計算することにより算出することができる。
<製造方法>
本発明の蛍光ガラスの製造方法は、
光増感元素導入用化合物及び/又は発光中心元素導入用化合物とガラス原料とを混合しゲル化し、焼結するゲル化焼結工程、を行うことにより実施することができる。
以下、説明する。
(ゲル化焼結工程)
本工程は、光増感元素導入用化合物及び/又は発光中心元素導入用化合物とガラス原料とを混合しゲル化し、焼結することにより行う。
この際用いることができる光増感元素導入用化合物としては、酢酸プラセオジム、硝酸プラセオジム、塩化プラセオジム、プラセオジムアセチルアセトナト錯体等を、
発光中心元素導入用化合物としては酢酸ガドリニウム、硝酸ガドリニウム、塩化ガドリニウム、ガドリニウムアセチルアセトナト錯体等を、
リン導入用化合物としてはトリフェニルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル等を、
ガラス原料としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を、
それぞれ用いることができる
この工程においては光増感元素導入用化合物及び発光中心元素導入用化合物のいずれを用いてもよいが、以下に光増感元素導入用化合物及び発光中心元素導入用化合物を用いる例をもって説明する。
まず、ガラス原料を、硝酸水溶液等を用いて部分加水分解させた後、トリフェニルホスフィンオキシド等のリン化合物と酢酸プラセオジム等の光増感元素導入用化合物、酢酸ガドリニウム等の発光中心元素導入用化合物とを水および酢酸アンモニウム又はイミダゾール等のブレンステッド塩基とともにガラス原料を含む上記溶液に添加し、室温下等の所定の条件下にて保持することで重縮合を進行させてゲル化させる。
ゲル化後、40〜80℃にて半日〜1週間熟成することが好ましい。
ついで、ゲル化により得られた湿潤ゲルを乾燥させる。乾燥は60〜80℃にて行うことが好ましい。得られた乾燥ゲルを焼結する。焼結は、100〜300℃/hrの昇温速度で管状炉中1000〜1400℃に加熱してその温度で2時間以下の時間保持することにより行われる。ゲルの焼結が進行する600℃以上ではヘリウム雰囲気を用いることが望ましい。
また、光増感元素導入用化合物及び発光中心元素導入用化合物は、それぞれ酢酸塩や硝酸塩などとしてではなく、(Gd,Pr)PO等のリン酸塩ナノ結晶としておいたものを添加した後ゲル化させ焼結してもよい。
上述のような製造方法にて得られる本発明の蛍光ガラスは、ガラス内に存在する蛍光体の粒子(結晶)を光の波長より十分小さいサイズに微細化して存在させることができるため、UVB波長域を含む紫外域での光散乱による光学損失を抑制でき、本発明の所望の効果をより高いレベルで得ることができる。
<用途、効果>
本発明の蛍光ガラスは下記の効果を奏する。
(1)紫外域の光損失が小さい。
(2)Gd3+イオンの313nmの発光の透過を妨害しない。
(2)ホストガラスのシリカガラスは励起光源として用いられるXeエキシマランプの発光波長である172nmで透明である。
(3)粉末蛍光体に比べて励起光の反射損失が少なく、吸収効率が高い。
(4)Gd3+イオンと光増感元素がナノ結晶中に凝集しているため光増感元素からGd3+イオンへのエネルギー移動効率が大きい。
(5)ナノ結晶中に含まれる希土類イオンの総数が少ないため、粉末蛍光体に比べて濃度消光が起こりにくく、Gd3+イオンの313nmの紫外光の発光効率が高い。このため、粉末蛍光体のようにナノ結晶中のGd3+イオンをLa3+イオンのような光学不活性な元素で希釈してGd3+イオン間のエネルギー移動を抑制せずとも高い発光効率を実現できる。
(7)透明であるため、厚さを増やすことで発光強度を大きくすることができる。
(8)エキシマランプの蛍光体として使用する場合、安定した放電を行うため蛍光体層の凹凸をなるべく小さくし、ガラス管と一体化させることが望ましい。本発明の蛍光ラスでは、ホストガラスとしてエキシマランプのガラス管の材料でもあるシリカガラスを用いているため、一体化に好都合である。
本発明の蛍光ガラスの230nmでの吸収率はかなり大きく、励起光の吸収効率が良い。また、172nmで励起した場合に(Gd、Pr、La)PO系結晶においてGd3+イオンの発光が最も強くなることが報告されているGd0.35Pr0.05La0.60PO粉末と比較した場合、230nm励起では本発明の蛍光ガラスの方が格段に外部量子効率が大きいことが分かった。発明の蛍光ガラスでは、含まれるREPOナノ結晶の粒子径が小さいためガラスと粒子の界面での光散乱がほとんどなく、光吸収が妨害されないためであると考えられる。
本発明の蛍光ガラスは、REPO4粒子(上記ナノ結晶)の直径が数nmと小さいため、欠陥サイト数は恐らく少なく、失活が起こりにくい。このため、一例として230nm励起で内部量子効率〜0.70、外部量子効率〜0.63が達成された。量子効率は、Pr3+イオンの光吸収が強い短波長側ではさらに高くなる可能性が高い。
これらの効果を奏する本発明の蛍光ガラスは、ナローバンドUVBランプへ応用できる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが本発明はこれらに制限されるものではない。
〔実施例1〕
テトラエトキシシラン25mmolに硝酸水溶液を加え20℃で55分間密閉されたプラスチック容器内で撹拌し、透明な溶液とした。テトラエトキシシラン:水:硝酸のモル比は1:1.85:0.002とした。得られた溶液にトリフェニルホスフィンオキシドを加え、5分間撹拌した後、さらに酢酸ガドリニウムと酢酸アンモニウムを含む水溶液を添加して撹拌し、前駆体溶液を得た。前駆体溶液を得るために用いたテトラエトキシシラン:水:硝酸:酢酸アンモニウム:トリフェニルホスフィンオキシド:酢酸ガドリニウムの最終的なモル比は1:10:0.002:0.01:0.01:0.01とした。得られた前駆体溶液をゲル化するまで20℃に維持した。ゲル化後、60℃で1日熟成した後、溶媒相を除去し、固形物を60℃で乾燥して、乾燥ゲルを得た。得られた乾燥ゲルは管状炉中で200℃/hrの昇温速度で昇温後、1200℃で5分保持して焼結した。焼成雰囲気は600℃以下では大気、それ以上ではヘリウムとした。
上記と同様の手順で、酢酸ガドリニウムに加えて酢酸プラセオジムを添加することでGd,Prドープガラスを作製した。最初の混合時のテトラエトキシシラン:水:硝酸のモル比は1:1.84:0.002とした。前駆体溶液を得るために用いたテトラエトキシシラン:水:硝酸:酢酸アンモニウム:トリフェニルホスフィンオキシド:酢酸ガドリニウム:酢酸プラセオジムの最終的なモル比は1:10:0.002:0.01:0.01:0.009:0.001とした。焼結時の昇温後の保持条件は1200℃、15分とした。その結果、本発明の蛍光ガラスを得た。
光吸収スペクトルを常法にしたがって測定したところ、図1に示すように、Gdドープガラスの吸収は275nmの4f―4f遷移(Gd3+イオンのS7/2‐>準位間の遷移)が最強であったのに対してGd、Prドープガラスには、波長250nmより短波長側にPr3+イオンの4f―5d遷移による光吸収帯が出現しており、この領域の光を強く吸収することがわかった。また、いずれのガラスもUVB波長域を含む紫外域で良好な透明性を示すことが分かった。図1には、計算で求めたREPOナノ結晶による光散乱と粒径Dとの関係をあわせて示した。計算には以下の式を用いた。
Figure 0006599646
ここでαは吸収係数として表した光散乱による光学損失、fは結晶相の体積分率、mは結晶相とホストガラスとの屈折率の比、λは波長を表す。
X線回折測定から、図2に示すように、これらのガラス中には単斜晶型のREPOナノ結晶が析出していることが確認された。Gdドープガラスにおいて回折角が29.5°のメインピークの幅からScherrer式を用いて見積もられたGdPOナノ粒子の粒径は〜9nmであった。Gd,PrドープガラスにおけるREPOナノ結晶の粒径はピークが不明瞭なため算出できなかったが、Gdドープガラスでの値に比べて小さいことが予想される。
また、得られた蛍光ガラスについて発光スペクトルを測定した。測定は積分球測定器(商品名「4P―GPS−053−SL」、 Labsphere社製)が接続されたCCD分光計(商品名「EPP2000C」StellarNet社製)を用いた。光強度はフォトダイオードパワーメーター(商品名「3A−P」OPHIR社製)を用いて校正した。
その結果を図3および表1に示す。発光スペクトルは、励起波長275nm、240nm、230nmで測定した。図3のスペクトルで、試料を置いた状態での励起光および313nmの発光のピークの面積をそれぞれNexとNem、試料のない状態での励起光のピーク面積をNex とすると、光吸収率は(Nex −Nex)/Nex 、内部量子効率はNem/(Nex −Nex)、Nem/Nex から計算できる。Pr3+イオンの4f−5d遷移が起こる波長250nmより短波長側では、Gd,Prドープガラスの光吸収率、内部量子効率、外部量子効率はいずれもGdドープガラスの値より大きいことが示された。波長230nmで励起されたGd,Prドープガラスの光吸収率、内部量子効率、外部量子効率はそれぞれ〜0.91、〜0.70、〜0.63であった。
Figure 0006599646
〔比較例1〕
10mmolのリン酸二水素アンモニウムと水をモル比1:100で混合して作製した水溶液と、合計10mmolの酢酸ガドリニウム、酢酸プラセオジム、酢酸ランタンを水とモル比1:300で混合して作製した水溶液を混合して120分撹拌した。得られた懸濁液を80℃で乾燥した。得られた固形物を粉砕後、管状炉中で200℃/hrの昇温速度で昇温し、1200℃で5時間保持した。焼成雰囲気は大気とした。上記の条件で、ガラス試料と希土類比の等しいGdPO、Gd0.9Pr0.1PO粉末と、非特許文献2で、172nmで励起した場合にGd3+イオンの紫外発光強度が最も大きいことが示されているGd0.35Pr0.05LaPO粉末を合成した。X線回折測定からいずれの粉末も単斜晶型のREPOからなる単相試料であることがわかった。
得られた結果を表2に示す。発光に無関係なLa3+イオンで希釈しGd3+イオン間のエネルギー移動を抑えたGd0.35Pr0.05LaPO粉末では内部量子効率が比較的大きいのに対し、GdPO4粉末およびGd0.9Pr0.1PO粉末では内部量子効率は低いことが分かった。粒子に含まれる消光中心の総数は粒径が大きいほど多くなることが予想される。粉末試料の粒径は蛍光ガラス中に含まれるナノ結晶の粒径に比べてはるかに大きいため、Gd3+イオンの濃度が高くGd3+イオン間のエネルギー移動が顕著な系では、消光中心を経由した失活が促進されたと考えらえる。また、いずれの試料も光吸収率が小さいことが分かった。粉末の屈折率が〜1.8と高く、表面反射のため励起光が粉末内部に侵入しにくいためと考えられる。これらのため、外部量子効率はガラス試料での値に比べはるかに小さくなった。
Figure 0006599646

Claims (6)

  1. 金属元素をドープしてなるシリカガラスからなる蛍光ガラスであって、
    上記金属元素が、発光中心元素と該発光中心元素に対する光増感元素とを含み、両元素がリンの存在下にシリカガラスにドープされ
    上記発光中心元素及び上記光増感元素を構成元素として含むリン酸塩ナノ結晶を含有することを特徴とする蛍光ガラス。
  2. 上記光増感元素の配合量は、上記発光中心元素との合計使用モル量中1〜50モル%である
    ことを特徴とする請求項1記載の蛍光ガラス。
  3. 上記発光中心元素が、Gdであり、
    上記光増感元素が、Prである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光ガラス。
  4. 上記リン酸塩ナノ結晶が、(Gd Pr )PO (式中xは0.8〜0.95、yは0.05〜0.2を示す)の式で表される化合物として存在する
    ことを特徴とする請求項3記載の蛍光ガラス。
  5. 金属元素をドープしてなるシリカガラスからなる蛍光ガラスに対して、波長250nmより短波長側で光励起させる、UVB光の発光方法であって、
    上記蛍光ガラスは、上記金属元素が、発光中心元素と該発光中心元素に対する光増感元素とを含み、両元素がリンの存在下にシリカガラスにドープされ、上記発光中心元素及び上記光増感元素を構成元素として含むリン酸塩ナノ結晶を含有する
    ことを特徴とするUVB光の発光方法。
  6. 上記発光中心元素が、Gdであり、
    上記光増感元素が、Prである
    ことを特徴とする請求項5記載のUVB光の発光方法。
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