JP6594111B2 - 被検体情報取得装置 - Google Patents

被検体情報取得装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6594111B2
JP6594111B2 JP2015169421A JP2015169421A JP6594111B2 JP 6594111 B2 JP6594111 B2 JP 6594111B2 JP 2015169421 A JP2015169421 A JP 2015169421A JP 2015169421 A JP2015169421 A JP 2015169421A JP 6594111 B2 JP6594111 B2 JP 6594111B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data collection
signal
subject
unit
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015169421A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017042534A (ja
Inventor
直人 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015169421A priority Critical patent/JP6594111B2/ja
Publication of JP2017042534A publication Critical patent/JP2017042534A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6594111B2 publication Critical patent/JP6594111B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Description

本発明は、被検体情報取得装置およびその制御方法に関する。
近年、光音響効果を利用して生体の内部を画像化する光音響イメージング装置が研究・開発されている。光音響イメージング装置は、生体内に照射されたパルスレーザ光のエネルギーを吸収した生体組織から光音響効果により発生する超音波(光音響波)を用いて、被検体内の画像を生成する。光音響イメージング装置は、例えば、乳癌を発見するための装置としての利用が期待されている。
特許文献1は、半球状の受信面に沿って複数の変換素子が配置された検出器をスパイラル状の軌道で走査し、各位置で受信した音響波を用いて画像再構成を行う装置が開示する。この装置は、変換素子からのアナログ信号をデジタル信号に変換して画像化に用いる。
特許文献2は、超音波探触子と装置本体との間における接続ケーブルのフレキシビリティを向上させることで、操作性及び作業効率を向上させる超音波撮像装置が開示する。この装置が備えるハンドヘルド型の超音波探触子には、光通信モジュールやCMUT素子を含むデバイス混載チップが設けられる。装置本体と超音波探触子は、光ファイバを介して信号を送受信する。
特開2015−085013号公報 特開2007−125225号公報
特許文献1では、半球の容器型の検出器に多くの超音波変換器(変換素子)が配置される。その結果、超音波変換器から電気信号が出力される信号配線の本数も多くなるため、広い実装領域が必要になる。さらに、検出器をスパイラル状などの軌道で走査する場合は、配線数に応じて機械的な抵抗が増加する。その結果、走査用アクチュエータの大型化、消費電力や騒音の増加といった問題が起きる。また、超音波変換器としてCMUT素子を用いる場合は電源配線が必要になるため、上記の課題が顕著になる。
また特許文献2の超音波探触子は、CMUT素子、A/D変換器、増幅器などが設けられた混載チップを用いて形成される。しかし、特許文献1の半球状の検出器には多くの超音波変換器が実装されるため、特許文献2の技術をそのまま適応することは難しい。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、音響波を受信する装置において、複数の超音波変換器が配置された検出器を簡易な構成で実現することにある。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、被検体から発生した音響波を受信してア
ナログ信号を出力する複数の素子と、前記複数の素子の少なくとも一部を、受信感度の高い方向が集まる高感度領域が形成されるように支持する支持体と、前記支持体の前記被検体に対する位置を移動させる走査部と、前記複数の素子から前記アナログ信号を受信してデジタル信号に変換するデータ変換部とバッテリーおよび無線モデムとを備え、前記支持体と一定の位置関係を取るデータ収集部と、前記デジタル信号を用いて前記被検体の特性情報を取得する信号処理部と、を有することを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、被検体に光を照射する光源と、光吸収体が配置された受信面を有し、前記光の照射により被検体から発生した光音響波を受信してアナログ信号を出力する複数の素子と、前記複数の素子の少なくとも一部を、受信感度の高い方向が集まる高感度領域が形成されるように支持する支持体と、前記支持体の前記被検体に対する位置を移動させる走査部と、前記複数の素子から前記アナログ信号を受信してデジタル信号に変換するデータ変換部を備え、前記支持体と一定の位置関係を取るデータ収集部と、前記デジタル信号を用いて前記被検体の特性情報を取得する信号処理部と、前記データ収集部が前記デジタル信号の処理に用いるトリガ信号を、前記光源から照射された光により前記光吸収体から発生した光音響波に基づいて生成するトリガ回路と、
を有することを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明によれば、音響波を受信する装置において、複数の超音波変換器が配置された検出器を簡易な構成で実現できる。
第1の実施形態の検出器の構成図 第1の実施形態のデータ収集ユニットの構成図 第1の実施形態のデータ変換部の構成図 第1の実施形態の検出器の構成図 第1の実施形態の光音響イメージング装置の全体図 第2の実施形態の検出器の構成図 第3の実施形態のデータ変換部の構成図 第3の実施形態の光音響イメージング装置の全体図 第4の実施形態の光音響イメージング装置の全体図 第5の実施形態のデータ収集ユニットの構成図 第5の実勢形態の動作を説明するフローチャート 第5の実勢形態の他の動作を説明するフローチャート 第6の実施形態のデータ変換部の構成図 CMUTプローブの構成図 光音響イメージング装置の概要図
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明は、被検体から伝播する音響波を検出し、被検体内部の特性情報を生成し、取得する技術に関する。よって本発明は、被検体情報取得装置またはその制御方法、あるいは被検体情報取得方法や信号処理方法として捉えられる。本発明はまた、これらの方法をCPUやメモリ等のハードウェア資源を備える情報処理装置に実行させるプログラムや、そのプログラムを格納した記憶媒体としても捉えられる。
本発明の被検体情報取得装置には、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波を受信して、被検体の特性情報を画像データとして取得する光音響効
果を利用した装置(光音響装置)を含む。本発明の特性情報とは、光音響波を受信することにより得られる受信信号を用いて生成される、被検体内の複数位置のそれぞれに対応する特性値の情報である。
本発明により取得される特性情報は、光エネルギーの吸収率を反映した値である。例えば、光照射によって生じた音響波の発生源、被検体内の初期音圧、あるいは初期音圧から導かれる光エネルギー吸収密度や吸収係数、これらは「光吸収に基づく特性情報」や「被検体内部の光学特性値に関する分布」とも言える。特性情報はまた、組織を構成する物質の濃度関連情報を含む。
濃度関連情報は、複数波長分の光吸収に基づく特性情報を用いて求められる、被検体内に存在する物質の濃度に関係する値を含む。具体的には、酸素飽和度、酸素飽和度に吸収係数等の強度を重み付けした値、トータルヘモグロビン濃度、オキシヘモグロビン濃度、デオキシヘモグロビン濃度などである。さらに、濃度関連情報は、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、脂肪や水の体積分率などでもよい。また、被検体内の各位置の濃度関連情報に基づいて、2次元または3次元の特性情報分布が得られる。分布データは画像データとして生成され得る。
本発明の被検体情報取得装置には、被検体に超音波を送信し、被検体内部で反射した反射波(エコー波)を受信して、被検体情報を画像データとして取得する超音波エコー技術を利用した装置を含む。この場合の特性情報は、被検体内部の組織の音響インピーダンスの違いを反映した情報である。
本発明でいう音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。探触子等により音響波から変換された電気信号を音響信号とも呼ぶ。ただし、本明細書における超音波または音響波という記載は、それらの弾性波の波長を限定する意図ではない。光音響効果により発生した音響波は、光音響波または光超音波と呼ばれる。光音響波に由来する電気信号を光音響信号とも呼ぶ。
以下の実施形態における光音響装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを主な目的とする。よって被検体としては生体の一部、具体的には人や動物の一部位(乳房、臓器、循環器、消化器、骨、筋肉、脂肪等)が想定される。検査対象の物質としては、ヘモグロビン、グルコース、また、体内に存在する水、メラニン、コラーゲン、脂質などを含む。さらには、体内に投与されたICG(インドシアニン・グリーン)等の造影剤等、光の吸収スペクトルが特徴的な物質であればよい。
本発明の適用対象は、以下に説明する光音響イメージング装置に限られない。本発明は複数の超音波変換器を検出器に配置し、その検出器を走査して特性情報を取得する装置に適用できる。例えば超音波エコー装置も、本発明の被検体情報取得装置に含まれる。
(CMUTプローブ)
まず、本発明に好適なCMUTプローブについて説明する。図14(a)はCMUTプローブの構成図である。CMUTプローブ21は、不図示の筺体の中にCMUT素子210、電流電圧変換回路211を備える。CMUT素子210の振動膜は、従来のピエゾ素子と比べて軽く、柔らかい。また、音響整合層を用いずともCMUT素子と被検体の間で良好な音響整合が実現できるので、広帯域の信号を受信できる。電流電圧変換回路211は、CMUT素子の静電容量変化を電圧に変換する。
電源配線212は、電流電圧変換回路211に電源供給するとともに、CMUT素子210にバイアス電圧を供給する。電流電圧変換回路211は、CMUT素子210の容量
変化を電圧変化に変換し、信号配線213から出力する。信号配線213には同軸ケーブルなどを使用できる。コネクタ214は、CMUTプローブを、データ収集ユニット(データ収集部)に接続する。なお三角形のマークは1ピンの位置を示す。
図14(b)はCMUTプローブ21の電気回路構成である。回路には、演算増幅器215、フィードバック抵抗216、位相補償コンデンサ217、出力インピーダンスを決定する抵抗218、電流電圧変換回路211の出力端子219等が含まれる。
CMUT素子210において、薄膜で形成された上部電極と下部電極で静電容量が形成される。この容量は、超音波の音圧の変化に対応して変化する。この容量変化は、バイアス電圧により、上部電極と下部電極の間の電荷の変化となる。電流電圧変換回路211は、この電荷を電圧変化に変換して出力端子219から出力する。これがCMUTプローブ21の出力信号として、出力端子219を経由して信号配線213から出力される。
ここで、CMUT素子210と電流電圧変換回路211はできるだけ近接させることが好ましい。その理由は、演算増幅器215のマイナス入力端子と接地電位間の不図示の浮遊容量を少なくするためである。別の理由は、演算増幅器215のマイナス入力端子と不図示のノイズ源との間での浮遊容量を抑制し、シグナルノイズ比(SN比)を向上させるためである。これにより、ピエゾ素子を用いた超音波変換器に比べ、広帯域でのSN比の向上と、大きな出力信号振幅を実現できる。なお、本明細書における「超音波」「超音波変換器」などの用語は、これらの弾性波(音響波)の波長を限定する趣旨ではない。
図14(c)は、CMUTプローブの他の構成を示す。ここでは2つのCMUT素子(210a、210b)と、それぞれに対応する電流電圧変換回路(211a、211b)がある。この構成では、電源配線212は共通であり、信号配線(213a、213b)は別々である。さらに多くのCMUT素子をCMUTプローブに配置してもよい。
CMUTプローブ21を用いた場合、良好な特性を得られる反面、電流電圧変換回路211をCMUT素子210の近くに配置する必要がある。そのため電源配線212が必要であり、配線数の増加と実装面積の拡大を招く。そのため、CMUTプローブ21の各超音波変換器は、比較的広い間隔(5mm以上)で配置することが好ましい。
(光音響イメージング装置の観察部分の構造)
次に、光音響イメージング装置の構成の一例を説明する。図15(a)において、被検者の左右方向をX軸、頭尾方向をY軸、腹背方向をZ軸とする。被検者が伏臥位で横たわる診察台10には、乳房を挿入するための開口部11が設けられている。なお、被検者が伏臥位ではなく立位や座位等となる装置構成でも構わない。
装置のA−B断面図を示す図15(b)において、X軸は紙面の垂直方向である。被検者の被検体(乳房)は、診察台10の開口部11から挿入される。乳房の形状を安定させるために、保持部材12を設けることが好ましい。検出器20は、支持部材14により支えられた検出器テーブル13に取り付けられている。検出器走査部15は、検出器20を所望の位置に移動させる。光ファイバ34はレーザ光を導光する。
検出器20は、半球状の支持体に超音波変換器が配置された構造である。半球内部の受信面には、複数の超音波変換器のうち少なくとも一部の超音波変換器の受信面がそれぞれ異なる角度となるように設けられる。より好ましくは、複数の超音波変換器の受信感度の高い方向(指向軸)が球の中心に向く。これにより、高感度領域が形成され、再構成画像の画質が向上する。このような配置は、被検体を周囲から測定できる点で好ましい。
一方、ハードウェアコストや再構成の計算量の観点から、超音波変換器の数には制約がある。従って、検出器20の支持体のサイズ、超音波変換器の個数や配置ピッチ、どのようなタイプのCMUT素子を用いるかなどは、被検体の種類や必要とされる画像精度などに応じて決定させるべきである。容器状の検出器には図14(a)のCMUTプローブが好適である。一方、図14(c)のCMUTプローブは、不等間隔で容器状の支持体に実装する場合や、容器状以外の検出器に好適である。
検出器走査部15は、例えば、ステッピングモータとXYZステージから構成できる。また、検出器20と保持部材12の間の空間、及び、保持部材12と不図示の乳房の間の空間には、インピーダンスマッチング材を充填することが好ましい。インピーダンスマッチング材としては乳房と超音波変換器に音響インピーダンスが近く、パルス光を透過する液体が望ましい。具体的には水、ひまし油、ジェルなどが用いられる。保持部材12も、光と超音波に対する透過性を持つ。
<第1の実施形態>
(装置構成)
第1の実施形態では、半球形の支持体にCMUTプローブを配置し、4つのデータ収集ユニット(データ収集部)を用いる。図1(a)は、検出器とその周辺を示す。図1(b)は、診察台10の下方向から検出器を見た様子を示す。検出器テーブル13に、検出器20が固定されている。16個のCMUTプローブ21は、受信感度の高い方向(指向軸)が球の中心に向くように配置される。また、データ収集ユニット4a〜4dは、検出器20と一定の位置関係となる。電源配線212と信号配線213はデータ収集ユニットに接続される。検出器20と各データ収集ユニットは検出器テーブル13に固定されることから、検出器20とデータ収集ユニット4a〜4dは、一定の位置関係を取る。なお、検出器とデータ収集ユニットの位置関係を一定にするための位置関係規定部材の構成は、テーブル形状には限られない。
各CMUTプローブは、破線のようにグループ分けされ、グループごとに設定されたデータ収集ユニットに接続される。例えば破線aで示したCMUTプローブ21群は、データ収集ユニット4aに電源配線212、信号配線213により接続される。同様に、破線b〜cで示されるグループはそれぞれ、データ収集ユニット4b〜4dに接続される。
各データ収集ユニットは、1枚のプリント基板に後述する機能を実装した部材や、複数のプリント基板を1つのケースにまとめた部材として構成される。各データ収集ユニットは、対応するグループに属するCMUTプローブの出力信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、信号処理部に出力する。本実施形態では、データ収集ユニットとCMUTプローブの間の信号配線の数より、データ収集ユニットと信号処理部の間の信号配線の数が少ない。また、CMUTプローブとデータ収集ユニットを接続する電源配線数より、データ収集ユニットと電源部を接続する電源配線数の方が少ない。
図1(b)は図1(a)のC−D断面図である。光ファイバ34の端部からは光が照射される。データ収集ユニット4b、4dはそれぞれ1枚のプリント基板であり、各プリント基板は取り付けねじにより検出器テーブル13に固定されている。すなわち検出器20と各データ収集ユニットは、検出器テーブル13が移動した場合でも一定の位置関係を取るように固定されている。したがって電源配線212と信号配線213も、検出器20に対して動くことが無い。そのためこれらの配線を検出器20の支持体や検出器テーブル13に固定し、実装領域を少なくしたり、移動時の抵抗を抑えたりできる。
(データ収集ユニット)
次に、図2を用いて、データ収集ユニット4a〜4dについて説明する。図2は1つの
データ収集ユニットの内部構成を示す。コネクタ(41−1〜41−4)には、それぞれCMUTプローブ21のコネクタ214が接続される。本実施形態では、1つのグループに属する4つのCMUTプローブ21と、1つのデータ収集ユニットが接続される。なお、データ収集ユニット毎に、接続されるCMUTプローブ21の数が異なっていても構わない。また、必ずしも、データ収集ユニットのコネクタ全てにCMUTプローブ21を繋がなくても構わない。これにより部品を共通化してコストを削減できる。
データ変換部40は、CMUTプローブ21からコネクタ41を経由して入力されたアナログ信号のそれぞれに対して、増幅処理とデジタル変換処理を施して、信号コネクタ440から信号処理部に出力する。このとき、LVDS伝送線等により高速な転送が可能である。入力されるパラレル信号を高速なシリアル信号に変換することによって、4つのCMUTプローブ21からの信号を1対の差動ラインで伝送できる。従って、信号配線の数を減らせる。また、AD変換を行う場所がCMUTプローブ21と近いので、ノイズの混入が低減され、SN比の向上や再構成画像の画質向上という効果が得られる。
一方、CMUTプローブ21の電源配線は各コネクタの1〜4ピンに相当する。これらの電源配線はまとめられ電源コネクタ44に接続される。本実施形態では、計16本の電源配線が4本にまとめられる。
CMUTプローブ21とデータ収集ユニット4a〜4dは、比較的多くの電源配線212と信号配線213で接続される。そこで、4つのデータ収集ユニットを、検出器20の周囲に円形かつ等間隔に配置することが好ましい。これにより、CMUTプローブ21と各データ収集ユニットをできるだけ近づけるとともに、配線を整理できる。その結果、検出器走査時のメカニカルな抵抗が小さくなり、装置の小型化や、消費電力および発熱量の低下が実現できる。
一方、この様な実装により、電源コネクタ44と電源部の間の配線での電圧降下が大きくなる可能性がある。これは、CMUTプローブ21の電源配線をまとめたことによる電流の増加と、電源コネクタ44から電源部までの配線が長くなることによる電気抵抗の増加に起因する。そこで、ローカルレギュレータ42、43を用いて電圧を安定化することが好ましい。なお、電源コネクタ44のバイアス電源(3ピン)に流れる電流は微弱なため、ローカルレギュレータは必要ない。また、電源コネクタ44から電源部への配線で混入するノイズを減衰させるために、ノイズフィルタを配置することが好ましい。
(データ変換部)
図3を参照して、データ変換部40について説明する。端子401には、CMUTプローブ21が接続される。アンプ402は、CMUTプローブ21からのアナログ信号を増幅する。A/D変換器403は、アンプ402の出力をデジタル信号に変換する。符号410の一点鎖線は、アンプ402とA/D変換器403を含むアナログフロントエンドを示す。アナログフロントエンド410として、4つのチャンネルを1つのシリコンチップに実装した集積回路が好適である。
クロックジェネレータ404は、サンプリングクロックを生成する。トリガ端子405は、パルス光発光タイミングの信号(トリガ信号)を入力する。書き込み制御回路406は、トリガ信号に基づいてA/D変換器403が出力するデジタル信号のメモリ407への書き込みを制御する、I/F回路408は、メモリ407に記憶されたデジタル信号を読み出し、高速なLVDS伝送線で出力する。信号コネクタ440は、デジタル信号を送信する。
次に、データ変換部40の動作について説明する。端子401に入力された4本のCM
UTプローブ21からの信号は、アナログフロントエンド410により、4チャンネル並列にデジタル変換される。具体的には、以下の動作が4チャンネル並列に行われる。
まず、アンプ402により信号が増幅される。このときタイムゲインコントロールを行っても良い。次に、A/D変換器403はクロックジェネレータ404の出力するサンプリングクロックに基づいてA/D変換を行う。トリガ端子405には、パルス光が発光した時刻の基準となるトリガ信号が入力される。そして、書き込み制御回路406が、このトリガ信号S2の入力時刻を起点として、デジタル信号をメモリ407に順次書き込む。次に、I/F回路408は、メモリ407に格納されたデジタル信号を、信号コネクタ440を経由して信号処理部へ出力する。なお、メモリ407への一時的な格納を行わず、デジタル信号をそのまま出力しても良い。
データ収集ユニット4と、CMUTプローブ21や電源部や信号処理部とを接続する際には、コネクタを用いることが好ましい。これによりCMUTプローブ21を容易に交換できる。より好ましくは、CMUTプローブ21の背面にもコネクタを実装し、配線をCMUTプローブ21から完全に分離できるようにする。これにより、保守等でのCMUTプローブ21の取り外しが容易になる。
次に、データ収集ユニット4からの配線の実装方法を説明する。図4は、検出器を下方向から見た模式図であり、ケーブルを強調している。フレーム16は、診察台10と固定されている。ケーブル24aは、データ収集ユニット4aとデータ収集ユニット4dの、電源コネクタ44および信号コネクタ440からの配線をまとめている。ケーブル24bは、データ収集ユニット4bとデータ収集ユニット4cの、電源コネクタ44および信号コネクタ440からの配線をまとめている。なお、個々の電源配線および信号配線は省略した。
ケーブル24aおよび24bは、検出器テーブル13およびフレーム16に、配線固定部材23で固定されている。そして、検出器20および検出器テーブル13と、診察台10に固定された保持部材12との相対的な位置関係は、走査により変化する。すなわち、検出器テーブル13はフレーム16に対して移動する。この時、ケーブル24a、24bの可動部分は、フレキシブルなケーブルのガイドの中に実装すると良い。移動を見越して、ケーブルには余裕(たるみ)を設けると良い。また、複数のデータ収集ユニットからの電源配線を、さらに別のプリント基板等でまとめて、可動部分であるケーブル24a、24bの線数を減らすことも好ましい。
(全体構成と動作)
図5を用いて、光音響イメージング装置の全体構成と動作を説明する。装置の測定対象は被検体1(乳房)である。レーザパルス送信部3は光源部となる。装置は大まかに言うと、上述した部材の他、システム制御部5、信号処理部6、電源部7、表示装置8を備える。
装置は光照射に関して、レーザ発光制御回路31、Qスイッチ32、レーザ装置33、導光用の光ファイバ34を備える。また、トリガ回路9には、別の光ファイバ35によりレーザ光が導かれる。レーザ発光制御回路31は、システム制御部5からのレーザ発光指示に従い、発振開始信号S1をレーザ装置33のQスイッチ32に出力する。するとレーザ装置33はレーザパルスを照射する。なお発光方式はQスイッチでなくても良い。例えば半導体レーザの場合、直接変調でも十分に高速な応答が可能である。
光ファイバ34の射出端からレーザパルスを照射された被検体1からは、光音響効果により光音響波が発生する。一方、光ファイバ35により分岐されたレーザパルスを受光し
たトリガ回路9は、レーザパルスの発光時刻に同期したトリガ信号S2を生成する。トリガ信号S2は、4つのデータ収集ユニットそれぞれにおけるA/D変換と、メモリ407へのデジタルデータ格納に利用される。なお、トリガ信号として例えば、発振開始信号S1を用いても良い。
信号処理部6は、受信したデジタル信号を用いて画像再構成を行い、被検体内の画像データ(特性情報)を作成する。そして、表示装置8に画像データを出力する。なお、画像データをネットワークに出力したり、不揮発性メモリに単に記憶したりする構成であっても良い。信号処理部6としては、CPU、GPU、記憶装置などの演算資源を備えたPCやワークステーション、または、FPGA等を用いた専用のハードウェアが好適である。画像再構成には、整相加算法、バックプロジェクション法、フーリエ変換法など、任意の既知の手法を適用できる。
電源部7は、CMUTプローブ21とデータ変換部40に電源を供給する。出力される電圧値は、ローカルレギュレータの有無や電力消費量、配線の電圧降下などを考慮して決定される。
本実施形態では、データ収集ユニット4a〜4dにA/D変換器が設けられ、デジタル信号をLVDS伝送線等の差動ラインで伝送することによって、信号線の数を少なくできる。さらに、データ収集ユニット4a〜4dで電源配線をまとめて線数を少なくできる。その結果、ケーブル24a、24bの実装領域を少なくできる。このような効果は、超音波変換器の数よりデータ収集ユニットの数が少ない場合に特に大きくなる。
さらに、検出器20を走査(移動)する場合には、各データ収集ユニットを検出器テーブル13に配置することにより、可動部分のケーブル24a、24bの線数が少なくなる。その結果、検出器テーブル13を動かすアクチエータの小型化、発熱の減少、消費電力の減少、コストの削減の効果がある。また、CMUTプローブ21からのアナログ信号を検出器20の近くでデジタル信号に変換できるので、ノイズの混入が防止される。その結果、SN比の向上や再構成画像の高画質化が期待できる。
なお、超音波変換器はCMUTプローブに限定されない。例えばピエゾ素子を利用してもよい。ピエゾ素子は電流電圧変換回路211を必要としないため、データ取得ユニット4には電源配線をまとめる回路は必要ない。また、ピエゾ素子には電源配線はないが、信号配線は有る。そのため、信号配線の数や、可動部分のケーブル24a、24bの線数を減らすという効果は享受できる。また、一般的にピエゾ素子は出力電圧が小さいため、SN比が悪くなる傾向にある。しかし本発明によればアナログ信号の配線長を短くできるので、ノイズの混入を防ぎ、SN比が向上する。
<第2の実施形態>
本実施形態では、データ収集ユニットの数が第1の実施形態とは異なる。図6(a)は、検出器を診察台10の下方向から見た図である。本実施形態の装置は、8つのデータ収集ユニット(4a〜4h)を備える。検出器20とデータ収集ユニット4a〜4hは、検出器テーブル13と一定の位置関係を取る。
本実施形態では、16個のCMUTプローブ21が2個ずつグループ分けされている。各グループ(a〜h)を、破線で示す。例えば破線aで示されたグループは、データ収集ユニット4aに、電源配線212、信号配線213により接続される。同様に、各グループ(a〜h)はそれぞれ、対応するデータ収集ユニット(4a〜4h)に接続される。なお、図の煩雑化を避けるため、一部の電源配線212および信号配線213のみを示した。
本実施形態は、グループ数やデータ収集ユニット数の違い以外は第1の実施形態と同様である。すなわち、複数のCMUTプローブ21の出力信号はデータ収集ユニット内で並列にA/D変換され、CMUTプローブ21に接続される出力信号の数より少ないデジタル信号線で信号処理部6に出力される。また、CMUTプローブ21の電源配線がまとめられ、CMUTプローブ21に接続される電源配線数より少ない数の電源配線で電源部7と接続される。
C−D断面図を示す図6(b)においても、データ収集ユニット4c、4gは不図示の取り付けねじにより検出器テーブル13に固定されており、位置関係は一定となっている。その結果、電源配線212、信号配線213は動くことが無いので、これらの配線を検出器20や検出器テーブル13に固定することが可能となる。その結果、実装領域が減少する。
なお、1つのデータ収集ユニットと接続されるCMUTプローブ21の個数は任意である。例えば8〜128個のCMUTプローブ21を一つのグループに含めても良い。より具体的には、検出器20に実装するCMUTプローブ21の数を512個、データ収集ユニットを8枚、一つのグループ内のCMUTプローブ数を64個としてもよい。
データ収集ユニットの数は、装置の実装可能領域等から決定するとよい。データ収集ユニットの数が多いと、それを実装する機構も多くなるため、機構の複雑化やコスト増加につながる。一般的に、データ収集ユニットの数は16個以下が好ましい。また、複数のデータ収集ユニットを、検出器20の周囲に円形かつ等間隔に配置すると良い。これにより配線のサイズを共通化できる。図6の構成によれば、データ収集ユニットと電源部7との電源配線に流れる電流が分散するため電圧降下が減少する。また、ローカルレギュレータ1つあたりの消費電力を下がるため、放熱機構を簡略化できる。
(変形例)
第2の実施形態では、データ収集ユニットを物理的に8つ実装した。しかし、データ収集ユニット数を、物理的には4つだが、電気回路的には8つにしても良い。この場合、図1のデータ収集ユニット4a〜4dがそれぞれ、2つの独立した電気回路を持つ構成とある。これによりデータ収集ユニットの物理的な数が減少するため、取り付け機構を簡略化できる。また、第2の実施形態の効果はそのまま享受できる。
本実施形態でも、電源配線および信号配線の削減、ケーブルの実装領域の低減、装置小型化、走査用アクチエータの小型化、発熱量や消費電力の減少、配線へのノイズ混入の防止、信号のSN比の向上、高画質化が期待できる。
<第3の実施形態>
第1の実施形態では、トリガ信号の基準としてレーザ発光やQスイッチ信号を用いた。しかしこの場合、データ収集ユニットとトリガ回路の間に配線が必要となる。そこで本実施形態では、配線を用いずにトリガ信号を生成する。以降、本実施形態に特徴的な部分を中心として説明する。図7に、本実施形態のデータ変換部40のブロック図を示す。図7を図3と比較すると、ホトデテクタ50(光センサ)、トリガ回路409が追加されている。なお、データ収集ユニットは4チャンネルとする。
次に、データ変換部40の動作を、特徴的な部分を中心に説明する。アナログフロントエンド410は、上と同様に、端子401に入力された4本のCMUTプローブ21からのアナログ信号を4チャンネル並列にデジタル変換する。
第3の実施形態におけるトリガ回路409は、データ変換部40ごとに(言い換えるとデータ取得ユニットごとに)、独立して実装される。ホトデテクタ50は、検出器内部に感度を持つように実装されたホトダイオードやホトトランジスタ等のデバイスである。レーザパルスが発光すると、ホトデテクタ50は検出器内部の光を検出して受光検出信号を出力する。トリガ回路409は、この受光検出信号を所定の閾値電圧と比較し、トリガ信号S2を出力する。後続処理においては上と同様に、トリガ信号S2に同期した書き込み制御が行われ、信号処理に用いられる。
図8に、本実施形態の光音響イメージング装置の構成を示す(図5と同じ構成についての説明は省略)。検出器20には、ホトデテクタ50が配置されている。レーザ装置33は発振開始信号S1のタイミングでレーザパルス光を照射する。続いて、ファイバ34により導かれた光の一部は被検体1に入射し、光音響波を発生させる。それと並行して、光の一部は検出器20の内部を伝搬し、ホトデテクタ50に検出される。そしてホトデテクタ50が受光検出信号を出力することにより、トリガ信号S2が生成される。
以上説明したトリガ信号の生成は、4つのデータ収集ユニットごとに行われる。ただし、各ホトデテクタ50にはほぼ同時刻にレーザパルスが入射するので、4つのデータ収集ユニットのデータ取得時刻は結果的には同期する。
本実施形態によれば、上記各実施形態の効果に加え、トリガ信号に関わる配線が不要なことによる、さらなる小型化やコスト低減効果が得られる。
<第4の実施形態>
第3の実施形態では、データ取得ユニット毎にトリガ信号を生成した。一方、本実施形態では、1つのトリガ回路がトリガ信号を生成して各データ収集ユニットに送信する。図9に示された本実施形態の装置において、トリガ回路9とクロックジェネレータ10は、ともに検出器テーブル13上に実装され、複数のデータ収集ユニットに対してトリガ信号S2やサンプリングクロックを送る。従って個々のデータ収集ユニットにはトリガ回路やクロックジェネレータが必要ない。なお、トリガ回路9とクロックジェネレータ10からの出力はバッファ回路等で分配すると良い。
本実施形態の大まかな動作は第3の実施形態と同様であるため、細かい説明は省略する。本実施形態ではホトデテクタ50が一つであるので、検出器20上でのホトデテクタ50の占有面積を狭くできる。その結果、多くのCMUTプローブを実装できる。また、クロックジェネレータ10も一つなので、A/D変換器のサンプリングクロックの位相が精度よく揃う。その結果、再構成画像の画質、特に高い周波数成分の画質が向上する。
なお、ホトデテクタ50とクロックジェネレータ10のいずれか一方を一つにしても良い。例えば、A/D変換器のサンプリングクロックの周波数が必要な信号の帯域に比べ十分高い時は、各々のデータ取得ユニットにクロックジェネレータを設けても良い。また、ホトデテクタ50とクロックジェネレータ10の個数を、一つではなく、データ収集ユニットよりも少ない数(例えば2つ)にしても良い。
<第5の実施形態>
本実施形態では、データ収集ユニットがバッテリーと無線モデムを有する。図10に示す本実施形態のデータ収集ユニットは、バッテリー(45、46、47)と、無線モデム48を含む。図2と同じ構成については詳しい説明を省略する。本実施形態の信号処理部6も無線モデムを備える(不図示)。
本実施形態では、信号配線を無線化する。すなわち、データ変換部40に入力され、増
幅およびデジタル化されたのち信号コネクタ440から出力されたデジタル信号は、無線モデム48を経由して信号処理部6に出力される。さらに本実施形態では、バッテリー45〜47を用いて電源配線を無くしている。その結果、検出器テーブルの走査時のメカニカルな抵抗が減少するので、走査用アクチエータを小型化できる。また電源配線、信号配線の可動部分が無くなるので、ケーブルガイド等の実装部品が不要となる。その結果、コストや実装サイズを低減できる。
本実施形態でも、検出器とデータ収集ユニットが検出器テーブル13に実装されている。そして、検出器走査部15で検出器テーブル13を移動させる。この構成によれば、測定を行わない時間に検出器テーブル13が止まる、所定の退避位置を設定できる。退避位置として例えば、測定がすぐ開始できる位置が好適である。退避位置としてまた、間違ってレーザパルスを照射した場合に外部に光が漏れにくいような位置(例えば、保持部材12の真下から外れた位置)も好適である。
本実施形態の装置は、検出器テーブル13が退避位置にいるときに、不図示の電源供給コネクタがバッテリー45〜47を充電する。データ収集ユニットが複数ある場合は、複数の電源コネクタ44をひとつにまとめて検出器テーブル13に固定すると良い。これにより、電源コネクタ44と電源供給コネクタの数を少なくできる。検出器走査部15の制御やバッテリーの充電制御は、システム制御部5が行う。
本実施形態の動作を、図11のフローを用いて説明する。まず、装置に電源が投入されると、検出器走査部15(ステージ)がイニシャライズされる(ST100)。これにより、ステージの原点位置等が初期化される。次にステージが検出器テーブル13を退避位置に移動させる(ST101)。これにより、電源コネクタ44と電源供給コネクタが接続し、バッテリーが充電される(ST102)。そして、システム制御部5は、測定開始を待つ(ST103)。
不図示のコンソール等から測定開始の指示を受けると、システム制御部5は、検出器テーブル13を測定位置に移動し、測定を開始する。そしてステージが走査された各位置で、光照射、光音響波の検出、およびデジタル信号の格納が行われる(ST104)。全ての位置で測定が終了すると、検出器テーブル13を退避位置に移動する(ST105)。そして再びバッテリーが充電される(ST106)。また、ST105、ST106と同時に、無線モデム48が、メモリ407に記憶されたデータを信号処理部6に送信する(ST107)。信号処理部6は画像再構成を行う。本フローによれば、測定中に無駄な電力が消費されない。また、無線モデム48のデジタル信号送信時のノイズの影響が低減される。
続いて、本実施形態の別の動作例を、図12のフローを用いて説明する。ST100〜ST103の動作は上と同様である。測定開始の指示を受けたシステム制御部5により、検出器テーブル13の測定位置への移動、光照射、光音響波の検出が制御される。そしてデジタルデータがメモリ407に記憶される(ST110)。続いて、無線モデム48が信号処理部6にデータを送信する(ST111)。次に、検出器20が全ての測定位置で計測を終えたか否かが判断される(ST112)。測定が終了していない場合は測定が続行され、測定が終了した場合、検出器テーブル13を退避位置に移動させる(ST113)。これによりバッテリーが充電され、待機状態に入る。本フローによっても、無線モデム48でデジタル信号を送信する際のノイズの影響を低減できる。
本実施形態によれば、信号配線や電気配線が不要となるため、装置全体を小型化できる。また、検出器を走査する場合、可動部分の配線が無くなる。よって、発熱の減少、消費電力の減少、コストの削減などの本発明の効果が増大する。
なお、超音波変換器としてCMUTプローブではなくピエゾ素子を用いた場合でも、本実施形態は効果を発揮する。これは、ピエゾ素子を用いる場合でも、データ収集ユニットは電力を消費するためである。また、バッテリーと無線モデムのいずれか一方を搭載する構成も採用できる。バッテリーを搭載した場合は電力配線を、無線モデムを搭載した場合は信号配線を、削減する効果がある。なお、第5の実施形態で説明した無線モデムは、電波によるものであっても良いし、例えば光による無線通信であってもかまわない。
<第6の実施形態>
従来、複数のCMUT素子を一つのベアチップに形成するとともに、アンプやA/D変換器をそれとは別のベアチップに形成し、各々のベアチップをワイヤボンド方式で接続する方式がある。また、異なるプロセスのベアチップを複数搭載するマルチチップの構成や、同一の半導体に複数のCMUT素子からA/D変換器までの機能を形成する方式もある。また、光変調器を含むマルチチップ化された超音波探触子もある。以降、少なくとも超音波検出器とA/D変換器を含む構成のことを、チップ化超音波探触子と称する。本実施形態では、複数のチップ化超音波探触子を、CMUT素子の受信感度の高い方向(指向軸)が球の中心に向くように、検出器の支持体にタイル状に張り付ける。
本実施形態のデータ変換部40を図13に示す。図7との相違点は、左上の部分である。すなわち、CMUT素子210が他の機能同様に半導体チップに形成されることで、マルチチップあるいはシングルチップ構成のチップ化超音波探触子を構成している点である。
ここでは、図7と同様に、各々のマルチチップ構成のチップ化超音波探触子がホトデテクタ50とトリガ回路409を有し、発光時刻に同期してメモリ407にデジタルデータを記憶するような構成とする。そして、信号コネクタ440を通して信号処理部6に画像再構成用のデジタルデータが送信される。このような構成により、複数の超音波探触子にレーザパルスが照射した時刻を示すトリガ信号を接続する必要が無くなる。その結果、トリガ信号を接続する実装の手間やコストを削減できる。なお、メモリ407は探触子側でなく信号処理部側に配置しても良い。この場合、発光タイミングに同期したトリガ信号S2を、デジタルデータとともに送信すると良い。
複数のチップ化超音波探触子を使用する場合、信号コネクタ440からの配線や電源コネクタ44が多くなる場合がある。そこで、信号コネクタ440のデジタルデータをさらにパラレル−シリアル変換し、より高速のLVDS伝送線等の差動信号で送信すると良い。また、電源配線をさらにまとめると良い。あるいは、第5の実施形態の構成も採用し得る。
本実施形態では、複数のマルチチップ構成のチップ化超音波探触子を、指向軸が半球の中心に向くように検出器に配置する。これにより、検出器を走査する場合の可動部分の配線数を低減できる。その結果、走査用アクチエータを小型化できるので、発熱量や消費電力の減少、コストの削減の効果がある。さらに、各超音波探触子がホトデテクタ50を備えることにより、トリガ信号の配線を省略できる。なお、本実施形態の効果は、チップ化超音波探触子を作成することだけでも得られる。
<第7の実施形態>
本実施形態では、光センサとして、受信面に光吸収体を実装した超音波変換器を用いる。以降、CMUTプローブを用いた超音波変換器を例にして説明するが、ピエゾ素子やその他の超音波変換器を用いてもよい。光センサとしてCMUTプローブを用いる場合、超音波受信面に光吸収体を実装することで、レーザパルスを受光したタイミングとほぼ同時
に光音響波が検出できる。光吸収体を実装する際には例えば、黒色の塗料を表面に塗布すると良い。
光センサとして用いるCMUTプローブは、表面に塗布された光吸収体から発生する光音響波の他に、被検体から発生する光音響波も受信する可能性がある。あるいは、被験体測定用のCMUTプローブが、光センサ用のCMUTプローブを兼ねる場合もある。しかし、被検体で発生し伝搬する信号強度は、塗布された光吸収体から発生する信号強度よりも小さい。そのため、所定の閾値処理を行うことで両者を識別できる。すなわち、閾値を超えた信号をトリガ信号として利用できる。
本実施形態によれば、CMUTプローブによりトリガ信号を生成できるので、装置構成の簡略化や部材の共通化が可能となる。特に、一つのCMUTプローブが被検体測定とトリガ信号生成を兼ねる場合、実装される光吸収体として音波の伝達損失の少ないものを選択することが好ましい。
以上の各実施形態で説明したように、本発明は、光音響イメージング装置や超音波エコー装置、あるいはそれらを兼用する装置に用いる音響波検出器に適用できる。特に、かかる検出器や園周辺の電気回路の実装技術に好適である。複数の超音波変換器を実装した半球状(容器状)の検出器と検出器近傍に、超音波変換器の数より少ない数のデータ収集ユニットの位置関係を固定して実装することにより、アナログ信号の配線長を短くできる。その結果、ノイズの混入を低減できる。またアナログ信号をデジタル信号に変換することにより、同等の情報量をもつ信号を、少ない線数でデータ変換部から信号処理手段に伝達できる。その結果、信号配線に必要な領域を少なくなるので、装置を小型化できる。また、容器状の検出器を走査する場合、可動部分の配線数減少により機械的な抵抗が少なくなる。その結果、アクチュエータの小型化、消費電力や騒音の低減が可能になる。
一般的に、超音波変換器としてCMUTプローブを使用する場合は、電圧を印加する必要があるため電源配線が増加し、実装領域が広くなる傾向がある。その結果、アクチュエータの大型化に伴う、消費電力や騒音が増加、コスト上昇という問題がある。しかし本発明の各実施形態によれば、CMUTプローブにおけるこれらの課題発生を効果的に抑止できる。
[その他の実施形態]
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した各実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、FPGAやASIC)によっても実現可能である。
4:データ収集ユニット、6:信号処理部、15:検出器走査部、20:検出器、21:CMUTプローブ、40:データ変換部、210:CMUT素子、403:A/D変換器

Claims (15)

  1. 被検体から発生した音響波を受信してアナログ信号を出力する複数の素子と、
    前記複数の素子の少なくとも一部を、受信感度の高い方向が集まる高感度領域が形成されるように支持する支持体と、
    前記支持体の前記被検体に対する位置を移動させる走査部と、
    前記複数の素子から前記アナログ信号を受信してデジタル信号に変換するデータ変換部とバッテリーおよび無線モデムとを備え、前記支持体と一定の位置関係を取るデータ収集部と、
    前記デジタル信号を用いて前記被検体の特性情報を取得する信号処理部と、
    を有することを特徴とする被検体情報取得装置。
  2. 前記データ収集部および前記支持体が固定される位置関係規定部材をさらに有し、
    前記走査部は、前記位置関係規定部材を移動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 複数の前記データ収集部を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
  4. 前記複数のデータ収集部は、前記支持体の周囲に等間隔に配置される
    ことを特徴とする請求項3に記載の被検体情報取得装置。
  5. 一つの前記データ収集部には、複数の前記素子からの前記アナログ信号が入力される
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の被検体情報取得装置。
  6. 複数の前記素子から前記一つのデータ収集部に前記アナログ信号が入力される信号配線の数より、前記一つのデータ収集部から前記信号処理部にデジタル信号が出力される信号配線の数が少ない
    ことを特徴とする請求項5に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記素子は、CMUT素子である
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  8. 電源部をさらに有し、
    一つの前記データ収集部には、複数の前記素子からの前記アナログ信号が入力され、
    複数の前記素子と前記一つのデータ収集部を接続する電源配線の数より、前記データ収集部と前記電源部を接続する電源配線の数が少ない
    ことを特徴とする請求項7に記載の被検体情報取得装置。
  9. 光源をさらに有し、
    前記音響波は、前記光源から光を照射された前記被検体から発生する光音響波である
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  10. 前記光が照射されるタイミングに基づいて、前記データ収集部が前記デジタル信号の処理に用いるトリガ信号を生成するトリガ回路をさらに有する
    ことを特徴とする請求項9に記載の被検体情報取得装置。
  11. 前記光源から照射された光を検出して受光検出信号を出力する光センサをさらに有し、
    前記トリガ回路は、前記受光検出信号に基づいて前記トリガ信号を生成する
    ことを特徴とする請求項10に記載の被検体情報取得装置。
  12. 前記光センサは、ホトデテクタである
    ことを特徴とする請求項11に記載の被検体情報取得装置。
  13. 前記素子の受信面には光吸収体が配置されており、
    前記トリガ回路は、前記光源から照射された光により前記光吸収体から発生した光音響波に基づいて前記トリガ信号を生成する光センサである
    ことを特徴とする請求項10に記載の被検体情報取得装置。
  14. 前記音響波は、前記素子から出力された音響波が前記被検体で反射したエコー波であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  15. 被検体に光を照射する光源と、
    光吸収体が配置された受信面を有し、前記光の照射により被検体から発生した光音響波を受信してアナログ信号を出力する複数の素子と、
    前記複数の素子の少なくとも一部を、受信感度の高い方向が集まる高感度領域が形成されるように支持する支持体と、
    前記支持体の前記被検体に対する位置を移動させる走査部と、
    前記複数の素子から前記アナログ信号を受信してデジタル信号に変換するデータ変換部を備え、前記支持体と一定の位置関係を取るデータ収集部と、
    前記デジタル信号を用いて前記被検体の特性情報を取得する信号処理部と、
    前記データ収集部が前記デジタル信号の処理に用いるトリガ信号を、前記光源から照射された光により前記光吸収体から発生した光音響波に基づいて生成するトリガ回路と、
    を有することを特徴とする被検体情報取得装置。
JP2015169421A 2015-08-28 2015-08-28 被検体情報取得装置 Expired - Fee Related JP6594111B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015169421A JP6594111B2 (ja) 2015-08-28 2015-08-28 被検体情報取得装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015169421A JP6594111B2 (ja) 2015-08-28 2015-08-28 被検体情報取得装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017042534A JP2017042534A (ja) 2017-03-02
JP6594111B2 true JP6594111B2 (ja) 2019-10-23

Family

ID=58209051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015169421A Expired - Fee Related JP6594111B2 (ja) 2015-08-28 2015-08-28 被検体情報取得装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6594111B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7293104B2 (ja) * 2019-12-23 2023-06-19 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 超音波診断装置及び超音波プローブ

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5782769A (en) * 1996-06-28 1998-07-21 Advanced Technology Laboratories, Inc. Ultrasonic diagnostic image flash suppression technique
US20080123083A1 (en) * 2006-11-29 2008-05-29 The Regents Of The University Of Michigan System and Method for Photoacoustic Guided Diffuse Optical Imaging
JP5939786B2 (ja) * 2011-02-10 2016-06-22 キヤノン株式会社 音響波取得装置
JP5959803B2 (ja) * 2011-05-02 2016-08-02 キヤノン株式会社 被検体情報取得装置およびその制御方法
EP2868279A1 (en) * 2013-10-31 2015-05-06 Canon Kabushiki Kaisha Subject information acquisition apparatus
JP6223129B2 (ja) * 2013-10-31 2017-11-01 キヤノン株式会社 被検体情報取得装置、表示方法、被検体情報取得方法、及びプログラム
JP2015085016A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 キヤノン株式会社 被検部位情報取得装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017042534A (ja) 2017-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100353910C (zh) 非探入式受检体信息成象装置
US6979292B2 (en) Method and apparatus for forming an image that shows information about a subject
US10571330B2 (en) Object information acquiring apparatus
JP2012053053A (ja) 散乱媒体の動的性質のトモグラフィ画像化システム及び方法
EP2742854A1 (en) Handheld device and method for tomographic optoacoustic imaging of an object
JP2019022808A (ja) 被検体情報取得装置
KR20100016338A (ko) 저 전력 초음파 시스템
JP2011167228A (ja) 生体情報処理装置
JP2014039801A (ja) 音響信号検出用のプローブおよびそれを備えた光音響計測装置
US20220133273A1 (en) Transparent ultrasound transducers for photoacoustic imaging
JP2015029550A (ja) 光音響画像化装置
JP6594111B2 (ja) 被検体情報取得装置
JP6456511B2 (ja) 光音響計測装置及び方法
JP6475369B2 (ja) 音響波画像生成装置および音響波画像生成方法
JP2018202089A (ja) 光音響装置および被検体情報取得方法
Özsoy et al. Towards a compact, high-speed optical linkbased 3D optoacoustic imager
JP2016137011A (ja) 光音響画像化装置
US20190000322A1 (en) Photoacoustic probe and photoacoustic apparatus including the same
CN116942200B (zh) 一种非复用式超声多模态成像系统及方法
US20170311927A1 (en) Apparatus
Enwia et al. An open-source ultrasound imaging system with wearable active probes
JP2012090862A (ja) 光音響検査用探触子および光音響検査装置
KR102324390B1 (ko) 휴대용 하이브리드 초음파 진단장치
CN107802239B (zh) 一种在生物体组织内成像的系统
US20190159760A1 (en) Photoacoustic probe

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180828

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20181116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190827

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190924

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6594111

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees