まず、本発明における遊技媒体取扱装置1及びサーバ装置2を含む遊技システムの基本概要について、図1を用いて説明する。同図に示すように、本実施形態に係る遊技システムは、少なくとも、遊技媒体取扱装置1と、サーバ装置2と、遊技機3と、表示装置4とから構成され、各々が同図に示すように接続されている。
なお、本実施形態においては、「記憶媒体」の例としてカードを用いて説明しているが、これに限られるものではなく、ICチップ等が搭載されたコイン、トークン等、本実施形態に係る発明に適用できるもの全てを含むものとする。
また、本実施形態においては、「貨幣」の例として紙幣を用いて説明しているが、これに限られるものではなく、紙幣、硬貨、コイン等、本実施形態に係る発明に適用できるもの全てを含むものとする。
また、本実施形態において、単に「カード」と記載した場合には、遊技店の会員となった遊技者に貸与される会員カード、及び一時的に遊技店により貸与される計数カード(ビジターカード)の双方を含むものとする。
また、本実施形態において、単に「持玉」と記載した場合には、会員カードに対応付けて記憶される貯玉、及び計数カードに対応付けて記憶される持玉の双方を含むものとする。
(遊技媒体の貸出機能)
遊技媒体取扱装置1は、スイッチングハブやコントローラ等を介してサーバ装置2と接続されており、遊技者によりカードが挿入されると、当該カードのICチップ等に付加されたカードIDや会員ID等の識別情報(以下、単に「識別情報」という。)をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2は、受信した識別情報に対応付けて記憶されたその遊技者の持玉情報を遊技媒体取扱装置1に送信する。そして、遊技者からの払出指示がある場合には、サーバ装置2は、持玉情報を更新し、遊技媒体取扱装置1は、後述する払出装置106を駆動させ、遊技媒体の払出制御を実行する。また、遊技者により紙幣が投入されると、その紙幣の額(投入金額)に応じた残額情報をサーバ装置2に送信する。そして、遊技者からの払出指示がある場合には、サーバ装置2は、残額情報を更新し、遊技媒体取扱装置1は、同様に遊技媒体の払出制御を実行する。
(遊技媒体の計数機能)
また、遊技媒体取扱装置1は、遊技者の動作により、又は遊技機3から直接的に、遊技媒体が後述する計数装置107に投入されると、投入された遊技媒体数を計数し、計数結果を遊技者の持玉情報としてサーバ装置2に送信し、サーバ装置2は、受信した持玉情報をカードに付加された識別情報と対応付けて記憶する。また、カードが挿入されていない場合には、遊技媒体取扱装置1に貯留されている計数カードに予め付加されている識別情報と対応付けて受信した持玉情報を記憶する。
なお、本実施形態においては、遊技者の持玉情報及び残額情報をサーバ装置2が管理することとしているが、これらの情報を遊技媒体取扱装置1が管理することとしてもよい。また、カードに識別情報を付加するだけでなく記憶領域をも設け、当該記憶領域にこれらの情報を記憶させ、これらの情報の管理を行うこととしてもよい。そして、これらの情報の更新については、サーバ装置2が行うこととしても、遊技媒体取扱装置1が行うこととしてもよい。さらには、持玉情報については、サーバ装置2又は遊技媒体取扱装置1が管理し、残額情報については、カードの記憶領域に直接記憶されることとしてもよい。
すなわち、識別情報、持玉情報及び残額情報が適切に管理、更新される態様であれば、それら全ての態様は、本発明に適用できるものとする。
加えて、本実施形態においては、カードが挿入されていない場合には、遊技媒体取扱装置1に貯留されている計数カードに予め付加されている識別情報と対応付けて持玉情報及び残額情報を記憶することとしているが、カードの返却要求があった場合に、サーバ装置2が、遊技媒体取扱装置1に貯留されている計数カードに識別情報を新たに付加することとし、この新たに付加された識別情報と持玉情報又は残額情報とを対応付けて記憶することとしてもよい。
すなわち、本発明における「持玉情報と対応する情報」とは、カードに付加される識別情報のみを指すもの、カードに付加及び記憶される識別情報及び持玉情報を指すもの、あるいは、「持玉情報」の態様として、持玉情報及び残額情報を含む態様である場合には、カードに付加及び記憶される識別情報、持玉情報及び残額情報を指すもの、これら全ての態様を含むことを意味する。
また、遊技媒体取扱装置1は、遊技機3に遊技球等貸出装置接続端子板(以下、「貸出端子板」という。)が設けられている場合には、後述する貸出端子板307とも接続され、当該貸出端子板307から出力される貸出要求信号や返却要求信号等を受信したことに基づいて、遊技機3への払出要求信号の送信やカードの返却等を行う。
すなわち、本発明における「遊技媒体の払出制御を実行する」とは、遊技媒体取扱装置1から直接的に遊技媒体の払い出しを行うものに限られず、遊技機3からの信号に基づいて遊技機3から遊技媒体の払い出しを行わせるものを含むことを意味する。
また、遊技媒体取扱装置1は、コンバータ等を介して表示装置4とも接続されており、遊技機3に設けられている後述する外部端子板308から出力される遊技情報信号やエラー信号等を受信するとともに、遊技者の持玉情報を表示装置4に送信する。
サーバ装置2は、前述したように、遊技媒体取扱装置1と接続されるほか、表示装置4とも接続されており、サーバ装置2において管理されている遊技結果管理情報(例えば、過去数日分を含めた出玉履歴情報や不正検知情報等)や遊技店に関する情報(例えば、新台情報や空き台情報等)を表示装置4に送信する。
また、サーバ装置2は、遊技店以外の第三者であるセンター事業者が管理する外部管理装置(図示せず)にも接続され、カードの識別情報や会員情報、遊技者の持玉情報を所定周期毎(例えば、1日に1回毎)に送信する。外部管理装置は、送信された各情報をバックアップする。サーバ装置2は、外部管理装置との接続が所定日数(例えば、15日)途絶した場合、遊技者の持玉情報の更新を停止する。
遊技機3は、前述したように、遊技媒体取扱装置1と接続される場合があるほか、表示装置4とも接続されており、1回の遊技毎に、又は内部状態に変化があった場合に、後述する外部端子板308から遊技情報信号やエラー信号等を表示装置4に出力する。
表示装置4は、前述したように、遊技媒体取扱装置1、サーバ装置2及び遊技機3と接続されており、入力された信号や受信した信号に基づき、あるいは遊技者の操作に基づいて各種の情報をその表示画面に表示する。
なお、遊技媒体取扱装置1、サーバ装置2、遊技機3及び表示装置4の接続方式は上記の方式に限られるものではない。例えば、サーバ装置2には、遊技媒体取扱装置1のみが接続されるように構成し、遊技媒体取扱装置1と表示装置4とがUSB接続され、相互に前述した各情報を送受信可能に構成することとしてもよい。また、この場合、表示装置に表示される表示内容を後述する遊技媒体取扱装置1の制御部100が制御することとしてもよく、その場合には、さらに画像出力用としてDVI方式、又はHDMI(登録商標)方式により接続されることとしてもよい。
以上のように、遊技者は、遊技店に入店すると、まず、表示装置4に表示される各種の情報を見ながら、所望の遊技機3に着席する。次に、その遊技者がその遊技店の会員である場合は、会員カードを遊技媒体取扱装置1に挿入し、本人確認(例えば、登録されている暗証番号の入力等)の後、サーバ装置2に持玉情報が記憶されている場合にはその持玉を使用し、持玉情報が記憶されていないか、持玉情報がその遊技機3で貸し出し不能な持玉数である場合には紙幣を投入し、貸出要求を行って遊技媒体の貸し出しを受け、遊技媒体を遊技機3に投入することで遊技を開始する。または、その遊技者がその遊技店の会員でない場合は、紙幣を投入し、貸出要求を行って遊技媒体の貸し出しを受け、遊技媒体を遊技機3に投入することで遊技を開始する。このとき、サーバ装置2に記憶されている持玉情報や残額情報が、貸し出された分だけ更新(減算)される。
そして、その遊技機3から遊技媒体の払い出しを受けることができずに、遊技を継続する場合には、貸出要求が行われる度に、サーバ装置2に記憶されている持玉情報や残額情報が、貸し出された分だけ順次更新(減算)されることとなる。一方、その遊技機3から遊技媒体の払い出しを受けることができた場合には、払い出された遊技媒体を遊技媒体取扱装置1に投入すると、投入された遊技媒体数を計数し、計数結果に基づいてサーバ装置2に記憶されている持玉情報が更新(加算)される。
その後、その遊技機3における遊技を終了する場合には、遊技者はカードの返却要求を行う。ここで、会員カードが遊技媒体取扱装置1に挿入されている場合には、本人確認(例えば、登録されている暗証番号の入力等)の後、そのまま会員カードを返却する。会員カードが遊技媒体取扱装置1に挿入されていない場合には、サーバ装置2に持玉情報が記憶されている場合、若しくは残額情報がある場合に、遊技媒体取扱装置1に貯留されている計数カードを返却(発行)する。サーバ装置2に持玉情報が記憶されておらず、かつ投入金額の残額もない場合には、計数カードは返却(発行)されない。
計数カードが返却(発行)された場合であって、かつ他の遊技機3で遊技を行いたい場合には、他の遊技機3に対応して設けられた遊技媒体取扱装置1にその計数カードを挿入することにより、会員カードと同様の手順(本人確認を除く)で遊技を開始(再プレイ)することができる。
図2は、遊技媒体取扱装置1の構成を示すブロック図である。遊技媒体取扱装置1は、後述する各構成部品と、それらを制御するCPU101、ROM102から構成される制御部100と、RAM103から構成される記憶部103とを備える。
制御部100は、ROM102に格納された制御ブログラムをCPU101が読み出し、当該制御プログラムに基づいてCPU101が制御を実行することにより、各構成部品の制御や、サーバ装置2、遊技機3及び表示装置4との通信制御を行う。また、制御部100は、これらの制御結果を記憶部103に記憶させる。具体的には、図3及び図9〜図18を用いて後述する。
カードリーダライタ104は、カード挿入口14からカードが挿入されると、その真贋判定及び使用可能判定を行う。正規のカードであると判定され、かつ使用可能であると判定した場合には、当該カードの種別及び識別情報を読み取る。そして、読み取られた情報は、制御部100によりIF110を介してサーバ装置2に送信される。一方、非正規のカードであると判定され、又は使用不能であると判定した場合には、制御部100によりその旨がタッチパネルLCD16等で報知されるとともに、IF110を介してサーバ装置2に送信される。また、この場合には、挿入されたカードを返却することとしてもよいし、所定の認証操作(例えば、非接触ICカードリーダライタ18への店員用ICカードの認証操作)や所定の認証信号(例えば、サーバ装置2からの認証信号)の送信があるまでカードを返却しないこととしてもよい。
ビルバリ105は、紙幣投入口15から紙幣が投入されると、その真贋判定を行う。正規の紙幣であると判定した場合には、当該紙幣の種別(金種情報)を読み取る。そして、読み取られた情報は、残額情報として、制御部100によりIF110を介してサーバ装置2に送信される。一方、非正規(又は、読み取り不能)の紙幣であると判定した場合には、制御部100によりその旨がタッチパネルLCD16等で報知されるとともに、IF110を介してサーバ装置2に送信される。また、この場合には、投入された紙幣を返却することとしてもよいし、所定の認証操作(例えば、非接触ICカードリーダライタ18への店員用ICカードの認証操作)や所定の認証信号(例えば、サーバ装置2からの認証信号)の送信があるまで紙幣を返却しないこととしてもよい。
タッチパネルLCD16は、遊技者に対して各種の情報を表示する表示部と、遊技者からの各種の操作を受け付ける受付部とを兼ねる機能を有する。例えば、カードが挿入されている場合に、タッチパネルLCD16の受付部に遊技者が現在の持玉情報を確認するための「持玉情報確認」の操作ボタンを表示し、遊技者が、操作ボタンが表示された箇所をタッチすることにより、レート別の現在の持玉情報をタッチパネルLCD16の表示部に表示する。この「持玉情報確認」の操作ボタンは、常に表示されていることが望ましい。このように構成することで、遊技者は、常にレート別の現在の持玉情報を確認することができる。もっとも、カードが挿入されている場合には、タッチパネルLCD16の表示部の所定の領域に、常にレート別の現在の持玉情報を表示しておくこととしてもよい。なお、他のタッチパネルLCD16が表示する各種の情報及び受け付ける各種の操作については後述する。
カメラ部17は、遊技機3の前方を撮影し、撮影範囲にある遊技者が着席状態にあるか否か(着席結果情報)を検出するものである。また、このカメラ部17は、着席状態にある遊技者のフェイシャルデータを検出するものである。これらの着席結果情報及びフェイシャルデータは、制御部100によりIF110を介してサーバ装置2に送信される。
カメラ部17により、着席結果情報を検出することで、例えば、持玉情報又は残額情報が残ったままのカードの取り忘れがあった場合に、その旨をタッチパネルLCD16や後述する状態表示灯13を用いて、遊技店の店員や遊技者に対して報知することもできる。これにより、カードの取り忘れを抑止することができる。
また、カメラ部17により、フェイシャルデータを検出することで、例えば、台移動をした際に、同一の遊技者であるか否かを判定することができ、仮に異なった遊技者であった場合に、その旨をタッチパネルLCD16や後述する状態表示灯13を用いて、遊技店の店員や遊技者に対して報知することもできる。これにより、不正行為が行われる可能性を抑止することができる。
ここで、カメラ部17は、赤外光を照射する赤外LED基板17A(図示せず)と、赤外光が被写体(遊技者)において反射して得られる反射光を受光することにより、被写体像を撮像するCMOSカメラ17B(図示せず)と、フィルタ17C(図示せず)とを有する。赤外LED基板17Aは、その赤外LEDにより、制御部100の制御に基づいて赤外光を照射する。CMOSカメラ17Bは、フェイシャルデータを制御部100に送出する。フィルタ17Cは、赤外光を透過し、それ以外の波長の光は通さないフィルタであり、赤外LED基板17Aから被写体に照射された赤外光の反射光のみを透過させてCMOSカメラ17Bに受光させるようになっている。これにより、遊技機3が設置されている遊技店の演出光の影響を抑制して、被写体(遊技者)の像を明瞭に撮像することができる。
なお、前述したフェイシャルデータを、図10を用いて後述する乗入判定処理の際に使用することとしてもよい。具体的には、乗入可能と判定された場合であっても、フェイシャルデータが一致しない場合には、乗入を行わないように制御部100により制御されることとしてもよい。これにより、例えば、他人のカードを用いて不正に遊技を行おうとしている不正行為者に対して、乗入の段階でこれを防止することができる。
非接触ICカードリーダライタ18は、遊技者が対応するICカードをかざすことにより、そのICカードに記憶された識別情報、あるいはICカード自体に記憶された持玉情報を読み取る。そして、読み取られた情報は、制御部100によりIF110を介してサーバ装置2に送信される。すなわち、前述したカードの挿入や紙幣の投入以外にも、遊技媒体の貸し出しを可能とするものである。または、遊技終了時に、遊技者が対応するICカードをかざすことにより、そのICカードに記憶された識別情報と現在の持玉情報とが対応付けられてサーバ装置2に記憶され、あるいはICカード自体に記憶させることで、持玉の返却を可能とするものである。
また、非接触ICカードリーダライタ18は、遊技店の店員が対応する店員用ICカードをかざすことにより、制御部100における各種のエラー状態の解除や、その他の認証を可能とするものである。
なお、非接触ICカードリーダライタ18は、さらに、遊技者が所有する携帯電話、スマートフォンその他の情報通信機器(以下、「携帯端末装置」という。)などともデータの送受信を行いうることとしてもよい。例えば、遊技者が、所有する携帯端末装置を非接触リーダライタ18の前方にかざしたときには、制御部100は、遊技店のホームページやメール会員登録ページのURLを携帯端末に送信することとしてもよい。また、携帯端末装置に搭載されているハードウェアやソフトウェアを用いて、携帯端末装置自体が会員カードとして機能するようにしてもよい。さらに、携帯端末装置に電子決済機能が実装されている場合には、当該機能により、紙幣を投入するのと同様に、残額情報が更新(加算)されることとしてもよい。
払出装置106は、遊技者からの払出指示(例えば、タッチパネルLCD16の受付部への貸出要求操作)があると、制御部100が駆動回路106aを駆動制御し、払出指示に基づいた数量の遊技媒体を払い出す。制御部100は、払い出された分の持玉情報や残額情報をサーバ装置2に送信する。
また、払出装置106は、遊技媒体取扱装置1が遊技機3の後述する貸出端子板307と接続されている場合には、遊技者からの払出指示(例えば、遊技機3側での貸出要求操作)があると、制御部100による制御により、遊技機3への払出要求信号の送信を行う。
計数装置107は、遊技機3から払い出された遊技媒体が遊技者により投入されると、制御部100が駆動回路107aを駆動制御し、投入された遊技媒体の数量を計数する。制御部100は、計数結果に基づく持玉情報をサーバ装置2に送信する。
スピーカ108は、遊技媒体取扱装置1における各構成部品の動作状態の変化に応じて(例えば、タッチパネルLCD16の表示部の表示や受付部への操作に応じて、あるいは後述する状態表示灯13の点灯態様に応じて)、制御部100が駆動回路108aを駆動制御し、音を出力する。もっとも、遊技媒体取扱装置1における各構成部品の動作状態の変化にかかわらず(例えば、遊技媒体取扱装置1に内蔵され、あるいは外付けされたRTCによる計時結果等に応じて)、音を出力することとしてもよい。
センサ群109は、払出装置106内に設けられ、計数装置107内に設けられ、あるいは後述する前面部11や筐体12の所定の部分に設けられた複数のセンサであり、遊技媒体の正確な払出結果や計数結果を検出するために設けられ、あるいは不正行為を検知するために設けられたセンサである。
状態表示灯13は、現在の遊技媒体取扱装置1における状態を外部に報知するためのランプである。内部にはフルカラーLEDが内蔵されており、制御部100が現在の状態に基づいて駆動回路109aを駆動制御し、現在の状態に応じた点灯色及び点灯態様(発光態様)にてフルカラーLEDを発光させる。なお、発光態様の例については、図19を用いて後述する。
図3は、遊技媒体取扱装置1及びサーバ装置2間の接続を示す機能ブロック図である。遊技媒体取扱装置1は、制御部100と記憶部103とから構成され、サーバ装置2は、持玉管理装置200と貯玉管理装置210とから構成されている。さらに、持玉管理装置200は、制御部201と記憶部202から構成され、貯玉管理装置210は、制御部211と記憶部212から構成されている。
なお、本実施形態においては、サーバ装置2が、持玉管理装置200と貯玉管理装置210とから構成されることとしているが、持玉管理装置200と貯玉管理装置210とが各々独立したサーバ装置として構成されることとしてもよい(例えば、サーバ装置2aとして持玉管理装置200を構成し、サーバ装置2bとして貯玉管理装置210を構成することとしてもよい)。
また、本実施形態においては、持玉管理装置200と貯玉管理装置210の機能を一部異ならせているが、まったく同一の機能を有することとしてもよく、あるいは貯玉管理装置210の機能のうちで持玉に関する機能(例えば、後述する制御部211における持玉分割制御部211dに係る機能、記憶部212におけるレート別持玉情報記憶部212bに係る機能)については、全て持玉管理装置200が担うように構成することとしてもよい。
遊技媒体取扱装置1における制御部100は、情報取得部100a、情報送信部100b、情報更新部100c、持玉分割制御部100d、乗入制御部100e、乗入不能判定部100f、報知制御部100gから構成されている。
遊技媒体取扱装置1における記憶部103は、カード情報記憶部103a、設定情報記憶部103b、レート別持玉情報記憶部103c、残額情報記憶部103dから構成されている。
持玉管理装置200における制御部201は、情報取得部201a、情報送信部201b、情報更新部201c、持玉分割制御部201d、情報設定部201eから構成されている。
持玉管理装置200における記憶部202は、カード情報記憶部202a、設定情報記憶部202b、レート別持玉情報記憶部202c、残額情報記憶部202dから構成されている。
貯玉管理装置210における制御部211は、情報取得部211a、情報送信部211b、情報更新部211c、持玉分割制御部211dから構成されている。
貯玉管理装置210における記憶部212は、会員情報記憶部212a、レート別持玉情報記憶部212bから構成されている。
情報取得部100a、201a、211aは、他の装置における情報送信部100b、201b、211bから送信された各種の情報を取得する。
情報送信部100b、201b、211bは、他の装置へ情報送信要求を行うとともに、他の装置から要求のあった各種の情報を情報取得部100a、201a、211aへ送信する。
情報更新部100c、201c、211cは、情報取得部100a、201a、211aで取得した情報に基づいて、あるいは後述する報知制御部100gにより制御されるタッチパネルLCD16の受付部への操作に応じて取得した情報に基づいて、各記憶部の情報を更新する。
持玉分割制御部100d、201d、211dは、図17、図18において後述する持玉分割時処理、持玉分割選択処理に係る制御を行う。
乗入制御部100e、乗入不能判定部100fは、図9〜図11、図15、図16、図25において後述する乗入判定処理、乗入先乗入不能判定処理、乗入元乗入不能判定処理に係る制御を行う。
なお、乗入制御部及び乗入不能判定部をサーバ装置2の制御部201側に設けることとしてもよく(例えば、「乗入制御部201f」、「乗入不能判定部201g」とする。)、この場合には、乗入制御部201fの制御結果、乗入不能判定部201gの判定結果を情報送信部201bから情報取得部100bに送信することとしてもよい。また、サーバ装置2の制御部211側も同様の構成としてもよい。
報知制御部100gは、タッチパネルLCD16の表示部に、状態に応じた表示を行うとともに、タッチパネルLCD16の受付部が状態に応じた操作を受け付けられるように制御する。また、報知制御部100gは、状態表示灯13の発光態様を制御する。また、報知制御部100gは、スピーカ108から出力される音を制御する。
情報設定部201eは、カードに付加された識別情報と持玉情報とを対応付けて設定情報として設定するとともに、その遊技媒体取扱装置1において許容されるレート情報を設定する。
なお、情報設定部を遊技媒体取扱装置1の制御部100側に設けることとしてもよく(例えば、「情報設定部100h」とする。)、この場合には、情報設定部100hで設定された設定情報及びレート情報を、情報送信部100bから情報取得部201a、211aに送信することとしてもよい。
カード情報記憶部103a、202aは、その遊技媒体取扱装置1に挿入され、あるいは貯留されているカードに付加された識別情報を記憶する。
会員情報記憶部212aは、カードが遊技媒体取扱装置1に挿入されているか否かにかかわらず、その会員の会員カードに付加された識別情報及び各種の会員情報(例えば、氏名、住所、生年月日、暗証番号等)を記憶する。
設定情報記憶部103b、202bは、前述した情報設定部201bにより設定された設定情報、レート情報を記憶する。
レート別持玉情報記憶部103c、202c、212bは、その遊技店が、異なるレートでの遊技を可能としている場合に、その異なるレート毎の持玉情報を記憶する。例えば、後述するパチンコ機3aにおいて、遊技球1玉あたりの価値が1円である1円レート、遊技球1玉あたりの価値が4円である4円レートといった異なるレート(以下、説明の便宜上、「貸出レート」とする。)での遊技が可能である場合、低レート(4円レートと比較した場合の1円レート)における持玉情報と、高レート(1円レートと比較した場合の4円レート)における持玉情報とを区別して記憶する。
残額情報記憶部103d、202dは、投入金額の残額を示す残額情報を記憶する。
制御部100と、制御部201と、制御部211とは各々の通信インターフェース(例えば、遊技媒体取扱装置1におけるIF110)を介して、同軸ケーブルにより相互に有線LAN接続されている。例えば、制御部100から制御部201へ各種の情報を送信する場合、情報送信部100bから情報取得部201aへと情報が送信され、制御部201から制御部100へ各種の情報を送信する場合、情報送信部201bから情報取得部100aへと情報が送信される。制御部100−制御部211間、制御部201−制御部211間も同様の構成を採る。
なお、本実施形態において、有線LAN接続の場合に、同軸ケーブルに替えて光ケーブルを採用することとしてもよく、また、無線LAN接続を採用することとしてもよい。無線LAN接続を採用する場合には、サーバ装置2にルーティング装置を別途設けてもよいし、持玉管理装置200がルーティング機能を備えることとしてもよい。そして、遊技機3を管理する所定台数(例えば、島単位)毎にアクセスポイントを設けることとしてもよい。
また、有線LAN接続、無線LAN接続にかかわらず、これらの装置間の通信は不正行為を防止するため暗号化されることが望ましい。具体的には、例えば、制御部100におけるROM102に、又は通信インターフェースであるIF110のRWMに、暗号化のためのシード情報を格納しておき、当該シード情報を含めて所定の暗号化方式(例えば、AES)により暗号化し、制御部201や制御部211に情報を送信する。情報を受信した制御部201や制御部211、あるいはこれらに係る通信インターフェースは、同一の暗号化方式により復号し、復号した情報に含まれるシード情報が予め登録しておいたシード情報と一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合のみ受信した情報が正当なものであると判断することとしてもよい。もちろん、制御部100−制御部211間、制御部201−制御部211間も同様の構成を採用することとしてもよい。
(持玉の乗入機能)
本実施形態における遊技システムには、持玉の乗入機能が実装されており、当該機能について説明する。持玉の乗入機能とは、その遊技店が、異なるレートでの遊技を可能としている場合に、1のレート(例えば、低レート)が設定された遊技媒体取扱装置1に対応する遊技機3において獲得した遊技媒体を、他のレート(例えば、高レート)が設定された他の遊技媒体取扱装置1に対応する他の遊技機3において使用することができる機能をいう。本実施形態においては、乗入制御部100eの制御により実現される。
例えば、1円レートに設定された遊技媒体取扱装置1に対応するパチンコ機3a(以下、「1パチ」という。)において、1,003玉の遊技球を獲得し、この獲得した遊技球を計数し、カードが返却された場合、そのカードに付加された識別情報と対応付けられた1,003玉分の持玉情報が、1円レートに対応するレート別持玉情報記憶部103c、202c、212bに記憶されることとなる。
ここで、そのカードを用いて、4円レートに設定された遊技媒体取扱装置1に対応するパチンコ機3a(以下、「4パチ」という。)において遊技を行おうとする場合、そのカードを4パチの後述するカード挿入口14aに挿入し、乗入指示を行うと、1円レートにおける1,003玉分の持玉情報のうち、1,000玉分の持玉情報については、4円レートにおける250玉分(1,000玉÷4)の持玉情報に換算して、遊技媒体を払い出し、遊技を可能とするものである。もっとも、この場合には、1円レートにおける3玉分の持玉情報については、4円レートでは払い出すことができないため、そのまま1円レートに対応するレート別持玉情報記憶部103c、202c、212bに記憶されることとなる。
なお、本実施形態においては、貸出レートとして、1円レートと4円レートとを例に挙げて説明しているが、その他の貸出レート(例えば、2円レート、3円レート)を設定可能とすることは言うまでもない。
また、本実施形態においては、カード挿入時に、乗入可能な持玉情報を一括で乗入先レートとして換算することとしてもよく、貸出要求時に、乗入先レートにおける所定数分の払出数(例えば、125玉)毎に乗入先レートとして換算することとしてもよい。さらに、これらを遊技者が選択可能とすることとしてもよく、遊技店側が予め設定可能とすることとしてもよい。
ここで、貸出要求時に、乗入先レートにおける所定数分の払出数(例えば、125玉)毎に乗入を行わせるように構成した場合には、その貸出要求のある度に、遊技者に対して乗入を行うか否かの同意を得るようにすることが望ましい。具体的には、タッチパネルLCD16aの表示部に、「今回の貸し出しについても乗入を行いますか?」と表示するとともに、タッチパネルLCD16aの受付部に、「同意する」「同意しない」という選択ボタンを表示し、「同意する」が表示された箇所を遊技者にタッチさせることで同意を得ることとしてもよい。もちろん、一度同意が得られた場合(例えば、最初の乗入時に上記の同意が得られた場合)には、所定の有効期限内(例えば、1日)では同意を不要とすることとしてもよい。
さらに、貸出要求のある度に同意を得ること、一度同意が得られた場合には所定の有効期限内では同意を不要とすることを遊技者が選択可能とすることとしてもよい。なぜならば、貸出要求のある度に遊技者の同意を得るようにすることで、遊技者は、払出指示毎に乗入をするかしないかを選択することができるが、その反面、遊技者に煩わしさを感じさせてしまうという可能性が生じてしまうこととなるからである。例えば、貸出要求のある度に同意を得るように構成している場合には、自己の持玉情報の全てを乗入したいと欲している遊技者であっても、貸出要求の度に、まず払出指示操作をして、さらに乗入同意操作をしなければならない。したがって、貸出要求のある度に同意を得ること、一度同意が得られた場合には所定の有効期限内では同意を不要とすることを遊技者が選択可能に構成することで、遊技者に煩わしさを感じさせることなく、より遊技者の意に沿った乗入機能を実現することができる。
具体的には、タッチパネルLCD16aの表示部に、「本日に限り、今後の貸し出しについては同意を不要としますか?」と表示するとともに、タッチパネルLCD16aの受付部に、「同意要」「同意不要」という選択ボタンを表示し、「同意不要」が表示された箇所を遊技者にタッチさせることで同意を不要とする選択が可能となるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、パチンコ機3aを例に挙げて説明しているが、パチスロ機3bにおいても乗入可能とすることは言うまでもない。
例えば、貸出レートとして、メダル1枚あたりの価値が5円である5円レート、メダル1枚あたりの価値が20円である20円レートといった異なるレートでの遊技を可能とする場合に、5円レートに設定された遊技媒体取扱装置1に対応するパチスロ機3b(以下、「5スロ」という。)において、1,003枚のメダルを獲得し、この獲得したメダルを計数し、カードが返却された場合、そのカードに付加された識別情報と対応付けられた1,003枚分の持玉情報が、5円レートに対応するレート別持玉情報記憶部103c、202c、212bに記憶されることとなる。
ここで、そのカードを用いて、20円レートに設定された遊技媒体取扱装置1に対応するパチスロ機3b(以下、「20スロ」という。)において遊技を行おうとする場合、そのカードを4パチの後述するカード挿入口14bに挿入し、乗入指示を行うと、5円レートにおける1,003枚分の持玉情報のうち、1,000枚分の持玉情報については、20円レートにおける250枚分(1,000枚÷4)の持玉情報に換算して、遊技媒体を払い出し、遊技を可能にするものである。もっとも、この場合には、5円レートにおける3枚分の持玉情報については、20円レートでは払い出すことができないため、そのまま5円レートに対応するレート別持玉情報記憶部103c、202c、212bに記憶されることとなる。
また、本実施形態においては、パチンコ機3a、パチスロ機3b間の乗入を可能とするように構成してもよい。例えば、レート別持玉情報記憶部103c、202c、212bを、1円レート(遊技球)、4円レート(遊技球)、5円レート(メダル)、20円レート(メダル)別に持玉情報が記憶されるように構成する。そして、1パチにおいて、1,005玉の遊技球を獲得し、この獲得した遊技球を計数し、カードが返却された場合、そのカードを用いて、5スロで遊技を行おうとする場合には、201枚分の持玉情報に換算され、遊技を行うことができる。また、20スロで遊技を行おうとする場合には、そのうちの1,000玉分の持玉情報が、50枚分の持玉情報に換算され、遊技を行うことができる。この場合、20スロで乗入不能な5玉分の持玉情報は、そのまま1円レート(遊技球)に対応するレート別持玉情報記憶部103c、202c、212bに記憶されることとなる。
また、本実施形態においては、乗入の態様を遊技店側が設定可能とするようにしてもよい。例えば、パチンコ機3aに対応して設けられた遊技媒体取扱装置1a間での乗入は可能であるが、パチスロ機3bに対応して設けられた遊技媒体取扱装置1b間での乗入は不可能というように設定可能としてもよく、会員カードでの乗入は可能であるが、計数カードでの乗入は不可能というように設定可能としてもよい。さらには、1パチ(5スロ)から4パチ(20スロ)への乗入は可能であるが、4パチ(20スロ)から1パチ(5スロ)への乗入は不可能というように設定可能としてもよく、4パチ(20スロ)から1パチ(5スロ)への乗入は可能であるが、1パチ(5スロ)から4パチ(20スロ)への乗入は不可能というように設定可能としてもよい。要するに、貸出レートの異なる遊技媒体取扱装置間で、片方向のみ乗入可能となるように設定することもできるし、両方向で乗入可能となるように設定することもできるように構成することとしてもよい。
さらに、本実施形態においては、乗入を行う際の手数料は考慮していないが、乗入を行う際に所定の手数料(例えば、10%の手数料)を徴収することとしてもよい。
(持玉の分割機能)
本実施形態における遊技システムには、持玉の分割機能が実装されており、当該機能について説明する。持玉の分割機能とは、遊技中に、レート別持玉情報記憶部103c、202c、212bに記憶されている持玉情報が0でない場合に、その持玉情報の全部又は一部を分割し、その分割した持玉情報と識別情報とを対応付けた計数カード(分割カード)を新たに発行することで、持玉の共有を可能とする機能をいう。遊技球やメダルそのものを共有する場合に比べて、持玉情報や売上情報の管理を容易にし、また、その遊技店で貸し出していない遊技球やメダルが持ち込まれるといった不正行為を防止することができる。本実施形態においては、持玉分割制御部100d、201d、211dの制御により実現される。
例えば、1パチにおいて、10,000玉の遊技球を獲得し、この獲得した遊技球を計数した場合、10,000玉分の持玉情報が、1円レートに対応するレート別持玉情報記憶部103c、202c、212bに記憶されることとなる。その後、その持玉情報と対応付けられた識別情報が付加されたカードが返却され、そのカードを用いて、4パチに乗入して遊技を行った場合において、10,000玉分の持玉情報のうち、8,000玉分の持玉情報を乗入して(すなわち、4パチにおける2,000玉分の持玉情報に換算して)遊技を行い、4パチにおいて、さらに30,000玉の遊技球を獲得し、この獲得した遊技球を計数したとする。この場合、1円レートに対応するレート別持玉情報記憶部103c、202c、212bには、2,000玉分の持玉情報が記憶され、4円レートに対応するレート別持玉情報記憶部103c、202c、212bには、30,000玉分の持玉情報が記憶されることとなる。
ここで、本実施形態における遊技システムでは、図18において後述するように、遊技者が、分割元レート、分割持玉数、分割先レートの各々を選択可能に構成している。
すなわち、上記の例の場合に、どのレートに対応する持玉情報から持玉分割を行うか(分割元レート)、分割元レートにおける持玉情報のうち何玉分の持玉情報を分割するか(分割持玉数)、持玉分割を行った持玉情報を、分割カードにおいてどのレートに対応する持玉情報として記憶させるか(分割先レート)、が遊技者により選択可能となっている。
このように構成することで、乗り入れ再プレイを可能とした場合に、持玉の分割に関する利便性をさらに向上させることができる。
具体的には、分割元レートを遊技者が選択可能な構成とすることで、持玉分割を行う側の遊技者(すなわち、分割カードを作成する側の遊技者)が、持玉分割の段階で、その遊技者にとって優先度の低いレートに対応した持玉情報を記憶させた分割カードを容易に作成することが可能となる。
例えば、4パチにおいて遊技を行っている遊技者が、4円レートの持玉情報も1円レートの持玉情報も有している場合には、その遊技者は、4円レートの持玉情報よりも1円レートの持玉情報のほうが優先度が低いと考えることが通常である。この場合に、1円レートの持玉情報のみを分割した分割カードを簡易な手順で作成可能とすることできるため、特に、分割カードを作成する側の遊技者にとって、持玉分割を行う際の利便性を向上させることができる。
また、分割持玉数を遊技者が選択可能な構成とすることで、上記に加え、現在遊技を行っている遊技機3では乗入不能な持玉情報を含めた持玉情報を分割することができるため、現在遊技を行っている遊技機3での遊技を終了させ、精算をする場合に、乗入又は精算不能な持玉情報の発生を防止することができ、持玉分割を行う際の利便性を向上させることができる。
また、分割先レートを遊技者が選択可能な構成とすることで、上記に加え、持玉分割の段階で、持玉分割が行われる側の遊技者(すなわち、分割カードの付与を受ける側の遊技者)が所望するレートの持玉情報を分割カードに記憶させることができることとなるので、分割カードの付与を受けて遊技を行う場合に、必要な操作の手間を省くことができる場合がある。
例えば、分割カードを作成する側の遊技者が4パチで遊技を行っており、分割カードの付与を受ける側の遊技者が1パチでの遊技を所望している場合に、4円レートの持玉情報のまま持玉分割された分割カードが付与されたときには、分割カードの付与を受けた遊技者は、1パチにおいて持玉の乗入を行わなければ遊技することができないが、分割カードを作成する側の遊技者が、予め1円レートの持玉情報として持玉分割した分割カードを作成可能とすることで、分割カードの付与を受けた遊技者は、1パチにおいて持玉の乗入を行うことなく遊技することができるため、特に、分割カードの付与を受ける側の遊技者にとって、持玉分割を行った際の利便性を向上させることができる。
図4は、パチンコ機3aの構成を示すブロック図である。パチンコ機3aは、メインデバイス群303aを制御する主制御部301aと、サブデバイス群304aを制御する副制御部302aと、払出デバイス群306を制御する払出制御部305とを備え、主制御部301aから副制御部302aへは一方向通信で接続され、主制御部301aと払出制御部305とは双方向通信可能に接続されている。また、払出制御部305には、貸出端子板307が双方向通信可能に接続されるとともに、外部端子板308aが一方向通信で接続されている。
メインデバイス群303aは、例えば、始動口スイッチ、カウントスイッチ、入賞口スイッチ、普通電動役物ソレノイド、入賞口ソレノイド等から構成されており、主制御部301aは、これらのデバイスを制御することにより、パチンコ機3aにおける遊技の進行を制御する。また、主制御部301aは、遊技状態の変化等に応じたコマンドを副制御部302a及び払出制御部305に送信する。
サブデバイス群304aは、例えば、液晶モジュール、演出ボタンセンサ、役物制御回路、電飾制御回路、スピーカ制御回路等から構成されており、副制御部302aは、主制御部301aから送信されたコマンドに基づいて、これらのデバイスを制御することにより、パチンコ機3aにおける演出を制御する。
払出デバイス群306は、例えば、払出制御回路、払出球検知スイッチ、発射制御回路、タッチスイッチ等から構成されており、払出制御部305は、主制御部301aから送信されたコマンドに基づいて、これらのデバイスを制御し、あるいは自動的にこれらのデバイスを制御することにより、パチンコ機3aにおける遊技球の発射及び払出を制御する。
また、払出制御部305は、貸出端子板307を介して遊技媒体取扱装置1と接続されており、遊技者の操作に基づいて貸出要求信号や返却要求信号を出力する。
また、払出制御部305は、外部端子板308aを介して表示装置4と接続されており、1回の遊技毎に、又は内部状態に変化があった場合に、遊技情報信号やエラー信号等を出力する。
図5は、パチスロ機3bの構成を示すブロック図である。パチスロ機3bは、メインデバイス群303bを制御する主制御部301bと、サブデバイス群304bを制御する副制御部302bとを備え、主制御部301bから副制御部302bへは一方向通信で接続されている。また、主制御部301bには、外部端子板308bが一方向通信で接続されている。
メインデバイス群303bは、例えば、リール制御回路、メダルセンサ、スタートレバーセンサ、停止ボタンセンサ、ホッパー制御回路等から構成されており、主制御部301bは、これらのデバイスを制御することにより、パチスロ機3bにおける遊技の進行を制御する。また、主制御部301aは、遊技状態の変化等に応じたコマンドを副制御部302bに送信する。
サブデバイス群304bは、例えば、液晶モジュール、演出ボタンセンサ、役物制御回路、電飾制御回路、スピーカ制御回路等から構成されており、副制御部302bは、主制御部301bから送信されたコマンドに基づいて、これらのデバイスを制御することにより、パチスロ機3bにおける演出を制御する。
主制御部301bは、外部端子板308bを介して表示装置4と接続されており、1回の遊技毎に、又は内部状態に変化があった場合に、遊技情報信号やエラー信号等を出力する。
なお、前述したように、パチスロ機3bにおいても、主制御部301bが、貸出端子板307を介して遊技媒体取扱装置1と接続されており、遊技者の操作に基づいて貸出要求信号や返却要求信号を出力するように構成してもよい。
図6は、パチンコ機3aに用いられる遊技媒体取扱装置1aの外観図である。なお、図6においては、パチンコ機3aを省略している。図6に示すように、遊技媒体取扱装置1aは、前面部11aと筐体12aとから構成され、前面部11aには、状態表示灯13a、カード挿入口14a、紙幣を投入可能な紙幣投入口15a、タッチパネルLCD16a、カメラ部17a、非接触ICカードリーダライタ18a、スピーカカバー19a、計数用投入口20、端数用払出口21等が設けられている。
また、図6に示すように、遊技媒体取扱装置1aには、案内装置120が着脱可能に設けられている。案内装置120は、その一部に設けられた装着部121が計数用投入口20及び端数用払出口21を覆うように装着される。パチンコ機3aの下皿から案内装置120の案内皿123に落下した遊技球は、案内装置120内に設けられた計数用通路を介して、計数用投入口20に投入される。また、端数用払出口21から払い出された端数の遊技球は、案内装置120内に設けられた端数用通路を介して、端数用として専用に設けられた払出皿124に払い出される。遊技者は、この払出皿124に払い出された端数の遊技球をパチンコ機3aの上皿に移動させて遊技に用いることができる。そして、案内装置120の筐体122の上面部には、遊技者がパチンコ機3aのハンドルを操作する際に、操作する手を乗せるための手置部125が設けられている。
図7は、パチスロ機3bに用いられる遊技媒体取扱装置1bの外観図である。なお、図7においては、パチスロ機3bを省略している。図7に示すように、遊技媒体取扱装置1bは、前面部11bと筐体12bとから構成され、前面部11bには、状態表示灯13b、カード挿入口14b、紙幣を投入可能な紙幣投入口15b、タッチパネルLCD16b、カメラ部17b、非接触ICカードリーダライタ18b、スピーカカバー19b、前面パネル22、メダル払出口23、メダル計数用投入口24、メダルガイド部材25等が設けられている。
また、図7に示すように、遊技媒体取扱装置1bには、メダル払出部130が着脱可能に設けられている。メダル払出部130は、図7に示すような使用状態(使用位置)と、収納状態(収納位置)とに変移可能となっている。使用状態においては、メダル払出口23から払い出されたメダルがその自重によって傾斜面を滑り落ちるように設定され、当該傾斜面を滑り落ちたメダルは、パチスロ機3bの前面側であって、メダル投入口と下皿との間の高さ位置に貯留されるようになっている。なお、メダル払出口23の傾斜面を、円弧を描くように伸縮可能に構成するとともに、メダル払出部23を上方へ回動可能に構成することで、当該傾斜面を収縮させ、収縮したメダル払出部23を上方に回動させることにより、使用状態(使用位置)から収納状態(収納位置)への変移が行われる。
図8は、本発明に係る遊技システムのシステム構成図である。サーバ装置2には、複数の島コントローラ8及びHUB9がLAN接続されており、HUB9を介して、島端計数装置5、精算装置6、景品管理装置7がLAN接続されている。
また、サーバ装置2には、遊技媒体取扱装置1a、パチンコ機3a及び表示装置4を一単位とした場合(以下、「パチンコ遊技ユニット」という。)に、所定数毎のパチンコ遊技ユニットが、島コントローラ8及びHUB9を介してLAN接続されている。同様に、遊技媒体取扱装置1b、パチスロ機3b及び表示装置4を一単位とした場合(以下、「パチスロ遊技ユニット」という。)に、所定数毎のパチスロ遊技ユニットが、島コントローラ8及びHUB9を介してLAN接続されている。これらのパチンコ遊技ユニット、又はパチスロ遊技ユニットが接続される単位を、島単位という。
サーバ装置2は、通常、島単位毎にレート情報を設定するように構成されている。例えば、図8における島端計数装置5の直下に並列されて表されているパチンコ遊技ユニットには、4円レートを設定し、さらにその下に並列されて表されているパチンコ遊技ユニットには、1円レートを設定する。
島端計数機5は、遊技島端等に設けられ、遊技者が獲得した遊技球やメダルを計数し、計数値をレート情報とともにカードの識別情報と対応付ける。また、島端計数機5は、計数値及び貸出レートを示す情報をレシートへ印字し、発行する。なお、島端計数機5は、貸出レートごとに設けることとしてもよいし、遊技球やメダルを計数する際、関連付ける貸出レートを選択することができることとしてもよい。さらに、島端計数機5が、前述した持玉の乗入機能、持玉の分割機能を備えることとしてもよい。
精算機6は、残額情報がカードの識別情報と対応付けられている場合に、そのカードが挿入されると、残額情報に相当する現金の払出を行う。なお、精算機6が、残額情報のみならず、カードの識別情報に対応付けられているレート別の持玉情報に基づいて、これらの情報に相当する現金の払出を行うこととしてもよい。さらに、精算機6が、前述した持玉の乗入機能、持玉の分割機能を備えることとしてもよい。
景品管理装置7は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり、交換遊技媒体数管理情報(図示せず)を用いて獲得遊技媒体数と景品との交換を管理する。なお、交換遊技媒体数管理情報は、景品ごとに、景品との交換に要する遊技媒体数を対応付けた情報である。例えば、4円レートの場合、2玉分が最低単価景品との交換を要する遊技媒体数として対応付けられ、1円レートの場合、8玉分が最低単価景品との交換を要する遊技媒体数として対応付けられている。なお、最低単価景品との交換を要する遊技媒体数は上記の例に限られるものではなく、適宜設定することができる。
ここで、遊技者は、持玉情報が対応付けられたカードを持参し、カード処理機(図示せず)のカード挿入口へカードを挿入した場合に、レート別の持玉情報に応じた景品を受け取ることができるものとする。また、景品管理装置7では、遊技者がレシートを持参し、持参したレシートに印字された計数値及び貸出レートを示す情報によって景品の交換を行うこともできる。
その際、景品交換カウンタ内の店員が、遊技者により指定された景品に対応する交換ボタン(図示せず)を押下する。交換ボタンの押下を受け付けた景品管理装置7は、指定された景品に相当する遊技媒体数を計数値から減算する交換制御を実行する。その後、店員が手作業によって遊技者に指定された景品を渡すこととなる。なお、特殊景品については、景品管理装置7に接続される景品払出機(図示せず)から自動で払出すようにしてもよい。さらに、遊技者がカードを持参した場合には、景品管理装置7が、交換制御を実行する際に、前述した持玉の乗入機能、持玉の分割機能を備えることとしてもよい。
なお、本実施形態においては、レート別に持玉情報が記憶される構成となっていることから、景品交換装置7は、交換制御を実行する際に、これらの持玉情報を合算して景品交換を行いうることとしてもよい。
次に、本発明における遊技媒体取扱装置1及びサーバ装置2により実行される制御フローを、図9〜図18を用いて説明する。なお、図9、図12〜図15、図17において、左側に示す処理は、遊技媒体取扱装置1で実行される処理であり、右側に示す処理は、サーバ装置2で実行される処理である。
(カード挿入時処理)
図9は、遊技媒体取扱装置1及びサーバ装置2により行われるカード挿入時処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置1は、カード挿入口14からカードが挿入されると、カードリーダライタ104により挿入されたカード種別及び識別情報の読み取りを行う(ステップS101)。次に、遊技媒体取扱装置1は、読み取ったカード種別及び識別情報に応じて、状態表示灯13の発光態様を制御する(ステップS102)。次に、遊技媒体取扱装置1は、サーバ装置2に対して持玉情報の取得要求を行い(ステップS103)、読み取ったカード種別及び識別情報をサーバ装置2へ送信する。
サーバ装置2は、遊技媒体取扱装置1から送信されたカード種別及び識別情報を受信すると、レート別持玉情報記憶部202c、又は212bに記憶された持玉情報、及び設定情報記憶部202bに記憶された設定情報を遊技媒体取扱装置1へ送信する(ステップS201)。
次に、遊技媒体取扱装置1は、サーバ装置2から送信された持玉情報及び設定情報を受信すると、図10において後述する乗入判定処理(ステップS104)を行う。次に、遊技媒体取扱装置1は、遊技者による乗入指示があったか否かを判別する(ステップS105)。乗入指示がなかったと判別した場合には、図11において後述する乗入先乗入不能判定処理(ステップS107)に移る。
一方、乗入指示があったと判別した場合には、サーバ装置2に対して乗入要求を行い(ステップS106)、カード種別、識別情報及びレート情報をサーバ装置2へ送信する。
サーバ装置2は、遊技媒体取扱装置1から送信されたカード種別、識別情報及びレート情報を受信すると、乗入要求に基づいてレート別持玉情報記憶部202c、又は212bに記憶された持玉情報を識別情報と対応付けて更新し(ステップS202)、更新情報を遊技媒体取扱装置1へ送信する。遊技媒体取扱装置1は、サーバ装置2から送信された更新情報を受信すると、図11において後述する乗入先乗入不能判定処理(ステップS107)を行う。
(乗入判定処理)
図10は、遊技媒体取扱装置1により行われる乗入判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置1は、レート別持玉情報記憶部103cに記憶された持玉情報として、当該遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートの持玉情報があるか否かを判別する(ステップS1041)。貸出レートの持玉情報があると判別した場合には、乗入判定処理を終了する。
一方、貸出レートの持玉情報がないと判別した場合には、さらに、当該遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートとは異なる貸出レート(別レート)の持玉情報があるか否かを判別する(ステップS1042)。別レートの持玉情報がないと判別した場合には、乗入判定処理を終了する。
一方、別レートの持玉情報があると判別した場合には、さらに、その別レートの持玉情報が、当該遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートへ乗入可能であるか否かを判別する(ステップS1043)。ここでは、当該遊技媒体取扱装置1で4円レートが設定されている場合であって、125玉毎の遊技媒体の貸出を許容している場合を例として説明する。
この場合、少なくとも1円レートの持玉情報として500玉分(125玉×4)以上の持玉情報が記憶されていることが必要となる。そして、1円レートの持玉情報として、500玉分以上の持玉情報が記憶されていれば乗入可能であると判別し、500玉分未満の持玉情報しか記憶されていなければ、乗入可能でないと判別する。なお、貸出を許容する遊技媒体の単位数として、125玉を設定した場合を例に挙げたが、当該単位数はこれに限られない。例えば、250玉でもよいし、1玉でもよい。特に、当該単位数を1玉とした場合には、乗入可能となる持玉数が増えるため、さらに乗入機能を発揮させやすいという利点がある。
また、遊技者により、当該単位数を選択可能とすることしてもよい。例えば、1パチにおいて、当該単位数を1〜3玉と選択可能とすることにより、乗入不能となる持玉情報が発生することを未然に防止することができるとともに、図16において後述する乗入元乗入不能判定処理を不要とすることができ、制御負担を低減させることができる。
遊技媒体取扱装置1は、乗入可能でないと判別した場合には、乗入判定処理を終了する。
一方、乗入可能であると判別した場合には、乗入指示受付処理(ステップS1044)を行う。具体的には、当該遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートとは別レートの持玉情報が乗入可能である旨をタッチパネルLCD16の表示部に表示するとともに、タッチパネルLCD16の受付部を乗入選択操作が可能となるように制御する。乗入選択操作により乗入することが選択されると、遊技媒体取扱装置1は、乗入指示が有ったと判別する。タッチパネルLCD16の表示例については、図20を用いて後述する。
なお、本実施形態の乗入判定処理では、ステップS1041において、貸出レートの持玉情報があると判別した場合には、乗入判定処理を終了することとしているが、当該判別を行うことなく、上記のステップS1042〜ステップS1044の処理を行うこととしてもよい。このように構成することで、先に別レートの持玉情報に応じた持玉数を使用したい遊技者の意に沿うような乗入機能を発揮させることができる。
また、この場合、ステップS1041の処理に替えて、遊技者がいずれのレートの持玉数を使用するかの選択操作を受け付け可能とすることとしてもよい。例えば、1円レートの持玉数情報として500玉分以上の持玉情報が記憶されており、4円レートの持玉情報として125玉分以上の持玉情報が記憶されている場合に、その旨をタッチパネルLCD16の表示部に表示するとともに、タッチパネルLCD16の受付部を当該選択操作が可能となるように制御するように構成することとしてもよい。
さらに、本実施形態においては、カード挿入時処理において、乗入判定処理を行うこととしているが、前述のとおり、遊技媒体の貸出要求時(すなわち、図13において後述する遊技媒体貸出時処理)において、当該乗入判定処理を行うこととしてもよいことは言うまでもない。
(乗入先乗入不能判定処理)
図11は、遊技媒体取扱装置1により行われる乗入判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置1は、レート別持玉情報記憶部103cに記憶された持玉情報として、当該遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートでは払出不能な持玉情報があるか否か(すなわち、乗入不能な持玉情報があるか否か)を判別する(ステップS1071)。ここでは、当該遊技媒体取扱装置1で4円レートが設定されている場合であって、1玉毎の遊技媒体の貸出を許容している場合を例として説明する。
この場合、当該遊技媒体取扱装置1は、1円レートの持玉情報が、4玉分の持玉情報(あるいは、4で割り切れる持玉情報)であれば、払出不能な持玉がない(すなわち、乗入不能な持玉がない)と判別し、1円レートの持玉情報が、4玉未満の持玉情報(あるいは、4で割り切れない持玉情報)であれば、払出不能な持玉がある(すなわち、乗入不能な持玉がある)と判別する。なお、貸出を許容する遊技媒体の単位数として、1玉を設定した場合を例に挙げたが、前述したように当該単位数はこれに限られないことは言うまでもない。遊技媒体取扱装置1は、払出不能な持玉情報がない(すなわち、乗入不能な持玉情報がない)と判別した場合には、乗入先乗入不能判定処理を終了する。
一方、払出不能な持玉がある(すなわち、乗入不能な持玉情報がある)と判別した場合には、状態表示灯制御処理(ステップS1072)を行う。具体的には、図9のステップS102における状態表示灯13の発光態様の制御とは異なる態様で、状態表示灯13の発光態様を制御する。発光態様の例については、図19を用いて後述する。
上記特許文献1に示した各台装置においては、低レート(例えば、1円)のパチンコ機から高レート(例えば、4円)のパチンコ機へ乗り入れする場合に、高レートのパチンコ機では払出数が1に満たない持玉(すなわち、1円で貸し出された場合の1〜3玉分の持玉)が発生する可能性がある。
この場合、遊技者の持玉が0となっているわけではないことから、遊技者によるカードの返却指示を受け付けると、上記持玉数が記録されたカードが遊技者に返却されることとなる。
しかしながら、このように返却されたカードは、会員カードであればよいが、非会員の一般カードにあっては、低レートのパチンコ機では払い出しを受けることができるにもかかわらず、捨てられたり、持ち帰られたりすることが多いため、ICチップ等が搭載されていて高価であるカードを遊技店が適切に回収することができず、遊技店の損失が大きいという問題があった。
このように、遊技媒体取扱装置1は、挿入されたカードに対応付けられた持玉情報に、当該遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートでは払出不能な持玉情報(すなわち、乗入不能な持玉情報)が含まれる場合には、状態表示灯13の発光態様により、遊技店の店員に対して報知を行うように構成されている。
このように構成することで、遊技店の店員は、挿入された計数カードが、捨てられたり、持ち帰られたりする可能性を認識することができ、計数カードの返却時に、遊技者に声を掛けたり、払出可能な遊技機での遊技を促したりすることができるため、カードを適切に回収し、遊技店の損失を防止することができる。
なお、本実施形態においては、状態表示灯13の発光態様により、挿入されたカードに対応付けられた持玉情報に、遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートでは払出不能な持玉情報(すなわち、乗入不能な持玉情報)が含まれることを報知することとしているが、報知する手段はこれに限られない。例えば、状態表示灯13の発光態様に替えて、あるいはこれとともに、スピーカ108から警告音を出力することとしてもよく、また、遊技者にも報知することを目的として、タッチパネルLCD16にその旨を表示することとしてもよい。
また、本実施形態においては、残額情報が残額情報記憶部103dに記憶されているか否かにかかわらず、上記の報知を行うこととしているが、残額情報が残額情報記憶部103dに記憶されているか否かを判別した上で、残額情報が残額情報記憶部103dに記憶されていないと判別した場合に、上記の報知を行うこととしてもよい。
このように構成することで、遊技店の店員は、挿入された計数カードが、捨てられたり、持ち帰られたりする可能性をより高い精度で認識することができる。
さらに、本実施形態においては、カード挿入時処理において、乗入先乗入不能判定処理を行うこととしているが、図13において後述する遊技媒体貸出時処理、又は図15において後述するカード返却時処理において、当該乗入先乗入不能判定処理を行うこととしてもよい。
例えば、遊技媒体貸出時処理において、当該乗入先乗入不能判定処理を行う場合には、上記のステップS1071の判別においては、貸し出された後の1円レートの持玉情報が、4玉未満の持玉情報(すなわち、1〜3玉分の持玉情報)である場合にのみ、貸出レートで払出不能な持玉があると判別することとしてもよい。
このように構成することで、遊技店の店員は、挿入された計数カードが、捨てられたり、持ち帰られたりする可能性をより高い精度で認識することができる。
また、例えば、カード返却時処理において、当該乗入先乗入不能判定処理を行う場合には、所定の認証操作(例えば、非接触ICカードリーダライタ18への店員用ICカードの認証操作)や所定の認証信号(例えば、サーバ装置2からの認証信号)の送信があるまでカードを返却しないこととしてもよい。
このように構成することで、カードを確実に回収し、遊技店の損失を防止することができる。
(紙幣投入時処理)
図12は、遊技媒体取扱装置1及びサーバ装置2により行われる紙幣投入時処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置1は、紙幣投入口15から紙幣が投入されると、ビルバリ105により投入された紙幣の金種情報の読み取りを行う(ステップS108)。次に、遊技媒体取扱装置1は、読み取った金種情報に応じた残額情報をサーバ装置2へ送信する。
サーバ装置2は、遊技媒体取扱装置1から送信された残額情報を受信すると、残額情報記憶部202dに記憶された残額情報を更新し(ステップS203)、更新情報を遊技媒体取扱装置1へ送信する。
(遊技媒体貸出時処理)
図13は、遊技媒体取扱装置1及びサーバ装置2により行われる遊技媒体貸出時処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置1は、払出指示(タッチパネルLCD16の受付部への貸出要求操作)があると、サーバ装置2に対して貸出要求を行い(ステップS109)、識別情報、残額情報及びレート情報をサーバ装置2へ送信する。
サーバ装置2は、遊技媒体取扱装置1から送信された識別情報、残額情報及びレート情報を受信すると、レート別持玉情報記憶部202c、又は212bに記憶された持玉情報、あるいは残額情報記憶部202dに記憶された残額情報を識別情報と対応付けて更新し(ステップS204)、更新情報を遊技媒体取扱装置1へ送信する。遊技媒体取扱装置1は、サーバ装置2から送信された更新情報を受信すると、遊技媒体の払い出しを行う(ステップS110)。
(遊技媒体計数時処理)
図14は、遊技媒体取扱装置1及びサーバ装置2により行われる遊技媒体計数時処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置1は、計数装置107への遊技媒体の投入があると、投入された遊技媒体数の計数を行う(ステップS111)。次に、遊技媒体取扱装置1は、計数装置107による計数結果に応じた計数情報及びレート情報をサーバ装置2へ送信する。
サーバ装置2は、遊技媒体取扱装置1から送信された計数情報及びレート情報を受信すると、レート別持玉情報記憶部202c、又は212bに記憶された持玉情報を更新し(ステップS205)、更新情報を遊技媒体取扱装置1へ送信する。
(カード返却時処理)
図15は、遊技媒体取扱装置1及びサーバ装置2により行われるカード返却時処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置1は、カード返却指示(タッチパネルLCD16の受付部への返却要求操作)があると、レート別持玉情報記憶部103cに記憶されている持玉情報及び残額情報記憶部103dに記憶されている残額情報が0であるか否かを判別する(ステップS112)。レート別持玉情報記憶部103cに記憶されている持玉情報及び残額情報記憶部103dに記憶されている残額情報の双方が0であると判別した場合には、カード返却時処理を終了する(すなわち、カードは返却されない)。なお、カードが会員カードである場合には、上記の場合であってもカードが返却される。
一方、レート別持玉情報記憶部103cに記憶されている持玉情報及び残額情報記憶部103dに記憶されている残額情報の双方が0でないと判別した場合には、さらに、レート別持玉情報記憶部103cに記憶されている持玉情報が0であるか否かを判別する(ステップS113)。レート別持玉情報記憶部103cに記憶されている持玉情報が0であると判別した場合には、ステップS115の処理に移る。
一方、レート別持玉情報記憶部103cに記憶されている持玉情報が0でないと判別した場合には、図16において後述する乗入元乗入不能判定処理(ステップS114)を行う。
次に、遊技媒体取扱装置1は、カードが挿入中であるか否かを判別する(ステップS115)。カードが挿入中であると判別した場合には、ステップS117の処理に移る。
一方、カードが挿入中でないと判別した場合には、計数カードの割り当てを行う(ステップS116)。具体的には、遊技媒体取扱装置1に貯留されている計数カードのうち、今回返却に用いる計数カードの割り当てを行う。
次に、遊技媒体取扱装置1は、サーバ装置2に対して返却要求を行い(ステップS117)、識別情報、持玉情報、残額情報及びレート情報をサーバ装置2へ送信する。
サーバ装置2は、遊技媒体取扱装置1から送信された識別情報、持玉情報、残額情報及びレート情報を受信すると、レート別持玉情報記憶部202c、又は212bに記憶された持玉情報、あるいは残額情報記憶部202dに記憶された残額情報を識別情報と対応付けて更新し(ステップS206)、更新情報を遊技媒体取扱装置1へ送信する。遊技媒体取扱装置1は、サーバ装置2から送信された更新情報を受信すると、カードの返却(発行)を行う(ステップS118)。
(乗入元乗入不能判定処理)
図16は、遊技媒体取扱装置1により行われる乗入元乗入不能判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置1は、持玉数演算処理(ステップS1141)を行う。具体的には、当該遊技媒体取扱装置1のレート別持玉情報記憶部103cに記憶された持玉情報を用いて、当該遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートとは異なる貸出レートが設定されている他の遊技媒体取扱装置1に対応する他の遊技機3で遊技を行おうとする場合に、払出不能な持玉情報(すなわち、乗入不能な持玉情報)が残存してしまうか否かを演算する。
例えば、1パチにおける遊技媒体取扱装置1のレート別持玉情報記憶部103cに、1,003玉の持玉情報が記憶されている場合に、その持玉を使用して(すなわち、乗入をして)4パチにおいて遊技を行おうとする場合、少なくとも3玉分の持玉情報が、払出不能な持玉情報(すなわち、乗入不能な持玉情報)として残存してしまうこととなるため、当該処理ではそれを事前に演算しておく。
次に、遊技媒体取扱装置1は、上記持玉数演算処理の演算結果に基づいて、別レートで払出不能な持玉情報があるか否か(すなわち、乗入不能な持玉情報があるか否か)を判別する(ステップS1142)。別レートで払出不能な持玉情報がない(すなわち、乗入不能な持玉情報がない)と判別した場合には、乗入元乗入不能判定処理を終了する。
一方、別レートで払出不能な持玉がある(すなわち、乗入不能な持玉情報がある)と判別した場合には、払出選択指示受付処理(ステップS1143)を行う。具体的には、当該遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートとは異なる貸出レートが設定されている他の遊技媒体取扱装置1に対応する他の遊技機3で遊技を行おうとする場合に、払出不能な持玉情報(すなわち、乗入不能な持玉情報)が残存してしまう旨をタッチパネルLCD16の表示部に表示するとともに、タッチパネルLCD16の受付部を、残存してしまう分の持玉情報に応じた遊技媒体を当該遊技媒体取扱装置1で払い出すか否かの払出選択操作が可能となるように制御する。払出選択操作により払出することが選択されると、遊技媒体取扱装置1は、払出選択が有ったと判別する。タッチパネルLCD16の表示例については、図21を用いて後述する。
次に、遊技媒体取扱装置1は、上記払出選択指示受付処理における払出選択があったか否かを判別する(ステップS1144)。払出選択がないと判別した場合には、乗入元乗入不能判定処理を終了する。
一方、払出選択があると判別した場合には、演算結果に基づいた持玉数の払出を行う(ステップS1145)。前述の例でいえば、1パチにおける遊技媒体取扱装置1のレート別持玉情報記憶部103cに、1,003玉の持玉情報が記憶されている場合に、当該遊技媒体取扱装置1で3玉分の遊技媒体の払出を行う。
このように、遊技媒体取扱装置1は、当該遊技媒体取扱装置1で記憶された持玉情報に、他の遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートでは払出不能な持玉情報(すなわち、乗入不能な持玉情報)が残存してしまう場合には、その旨をタッチパネルLCD16の表示部に表示することより、遊技者に対して報知を行うように構成されている。
このように構成することで、遊技者は、異なるレートが設定されている他の遊技媒体取扱装置1に対応する他の遊技機3で遊技を行おうとする場合には、払出不能な持玉情報(すなわち、乗入不能な持玉情報)が残存してしまうことを認識することができるため、遊技者と遊技店とのトラブルを未然に防止することが可能となる。
また、遊技媒体取扱装置1は、当該遊技媒体取扱装置1で記憶された持玉情報に、他の遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートでは払出不能な持玉情報(すなわち、乗入不能な持玉情報)が残存してしまう場合には、遊技者の払出選択操作により、その残存してしまう分の持玉情報に応じた遊技媒体を払い出すように構成されている。
このように構成することで、遊技者は、異なるレートが設定されている他の遊技媒体取扱装置1に対応する他の遊技機3で遊技を行おうとする場合には、その残存してしまう分の持玉情報に応じた遊技媒体を、当該遊技媒体取扱装置1に対応する遊技機3で使用するか否かを選択することができるため、他のレートに乗入を行おうとしている遊技者とっては無駄となる持玉情報が記憶されたまま乗入を行うことを防止することができ、遊技者と遊技店とのトラブルを未然に防止することが可能となる。
なお、本実施形態においては、当該遊技媒体取扱装置1で記憶された持玉情報に、他の遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートでは払出不能な持玉情報(すなわち、乗入不能な持玉情報)が残存してしまう場合には、遊技者の払出選択操作により、その残存してしまう分の持玉情報に応じた遊技媒体を払い出すこととしているが、これに替えて、あるいはこれとともに、当該遊技媒体取扱装置1で記憶された持玉情報が、最低単価景品との交換を要する遊技媒体数に対応する持玉情報に満たない場合にも、上記のステップS1143〜ステップ1145の処理を行うこととしてもよい。
例えば、前述した例の如く、4円レートの場合に、2玉分が最低単価景品との交換を要する遊技媒体数として対応付けられている場合には、4円レートに設定された遊技媒体取扱装置1で記憶された持玉情報が2玉未満であるときに、1円レートの場合に、8玉分が最低単価景品との交換を要する遊技媒体数として対応付けられている場合には、1円レートに設定された遊技媒体取扱装置1で記憶された持玉情報が8玉未満であるときに、上記のステップS1143〜ステップ1145の処理を行うこととしてもよい。加えて、当該処理における最低単価景品との交換を要する遊技媒体数を、前述した景品管理装置7により管理される交換遊技媒体数管理情報における最低単価景品との交換を要する遊技媒体数とは異ならせて設定可能とすることとしてもよい。この場合、4円レートで250玉分が交換を要する遊技媒体数として対応付けられ、1円レートで1,000玉分が交換を要する遊技媒体数として対応付けられた所定の景品(いわゆる、「特殊景品」と称される景品)を最低単価景品として設定可能とすることとしてもよい。
このように構成することで、景品交換を行おうとしている遊技者は、景品管理装置7により設定され、あるいはそれとは別に設定された最低単価景品と交換不能な持玉情報が残存してしまうことを認識することができ、また、払出選択操作により、無駄となる持玉数を使い切ってから遊技を終了することができるため、遊技者と遊技店とのトラブルを未然に防止することが可能となる。
また、本実施形態においては、当該遊技媒体取扱装置1で記憶された持玉情報に、他の遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートでは払出不能な持玉情報(すなわち、乗入不能な持玉情報)が残存してしまう場合には、遊技者の払出選択操作により、その残存してしまう分の持玉情報に応じた遊技媒体を払い出すこととしているが、遊技者の払出選択操作の有無にかかわらず、その残存してしまう分の持玉情報に応じた遊技媒体を自動的に払い出すこととしてもよい。すなわち、図16に示す乗入元乗入不能判定処理において、ステップS1143及びステップS1144の処理を行うことなく、ステップS1145の処理を行うこととしてもよい。
このように構成することで、他のレートに乗入を行おうとしている遊技者とっては無駄となる持玉情報が記憶されたまま乗入を行うことを防止することができ、遊技者と遊技店とのトラブルを未然に防止することが可能となる。
また、この場合、ステップS1145の処理の後に、その残存してしまう分の持玉情報に応じた遊技媒体を払い出した旨の報知を行う(図示しないが、「ステップS1146」とする。)こととしてもよい。例えば、上記の例の場合(1パチにおける遊技媒体取扱装置1のレート別持玉情報記憶部103cに、1,003玉の持玉情報が記憶されている場合)に、当該遊技媒体取扱装置1のタッチパネルLCD16の表示部に、「4パチに移動する場合に払出不能となる3玉を払い出しました。」と表示するようにしてもよい。
このように構成することで、遊技者が、持玉があるにもかかわらず離席してしまうことを防止することができ、遊技者と遊技店とのトラブルを未然に防止することが可能となる。
さらに、上記の場合、ステップS1143の処理に替えて、タッチパネルLCD16の受付部により、カードの返却目的の選択をさせるための操作(以下、「返却目的選択操作」という。)が可能となるような処理を行うこととしてもよい。具体的には、A「レートの異なる遊技機へ移動する」、B「同一のレートの遊技機へ移動する」、C「遊技を終了する」のいずれかを選択させる。そして、Aが選択された場合のみ、ステップS1145及びステップS1146の処理を行うこととしてもよい。
このように構成することで、他のレートに乗入を行おうとしている遊技者とっては無駄となる持玉情報が記憶されたまま乗入を行うことを防止することができ、また、他のレートに乗入を行おうとしていない遊技者とっては全ての持玉情報が記憶されたままカードの返却を行うことができるため、遊技者と遊技店とのトラブルを未然に防止することが可能となる。
さらに、本実施形態においては、前述した払出選択操作を受付可能とするか否か、返却目的選択操作を受付可能とするか否かを、遊技店側が選択的に予め設定可能に構成することとしてもよい。いずれの操作も受付可能と設定されない場合には、前述したように残存してしまう分の持玉情報に応じた遊技媒体が自動的に払い出されることとなる。
このように構成することで、遊技店が、残存してしまう分の持玉情報の管理について、自店にあった運用を行うことができるため、遊技者と遊技店とのトラブルを未然に防止することが可能となる。
(持玉分割時処理)
図17は、遊技媒体取扱装置1及びサーバ装置2により行われるカード返却時処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置1は、持玉分割指示(タッチパネルLCD16の受付部への持玉分割要求操作)があると、レート別持玉情報記憶部103cに記憶されている持玉情報が0であるか否かを判別する(ステップS119)。レート別持玉情報記憶部103cに記憶されている持玉情報が0であると判別した場合には、持玉分割時処理を終了する。
一方、レート別持玉情報記憶部103cに記憶されている持玉情報が0でないと判別した場合には、図18において後述する持玉分割選択処理(ステップS120)を行う。
次に、遊技媒体取扱装置1は、計数カードの割り当てを行う(ステップS121)。具体的には、遊技媒体取扱装置1に貯留されている計数カードのうち、今回分割に用いる計数カードの割り当てを行う。
次に、遊技媒体取扱装置1は、サーバ装置2に対して持玉分割要求を行い(ステップS122)、識別情報及び持玉分割情報をサーバ装置2へ送信する。
サーバ装置2は、遊技媒体取扱装置1から送信された識別情報及び持玉分割情報を受信すると、レート別持玉情報記憶部202c、又は212bに記憶された持玉情報を識別情報と対応付けて更新し(ステップS207)、更新情報を遊技媒体取扱装置1へ送信する。遊技媒体取扱装置1は、サーバ装置2から送信された更新情報を受信すると、分割カードの発行を行う(ステップS123)。
なお、本実施形態の持玉分割時処理では、ステップS123において、分割カードのみを発行することとしているが、持玉分割指示にしたがって、後述する持玉分割選択処理を行った後、持玉の分割元となるカード(分割元カード)を返却(発行)し、持玉の分割先となるとなるカード(分割カード)を発行することとしてもよい。
(持玉分割選択処理)
図18は、遊技媒体取扱装置1により行われる持玉分割選択処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、遊技媒体取扱装置1は、分割元レート指定受付処理(ステップS1201)を行う。具体的には、当該遊技媒体取扱装置1のレート別持玉情報記憶部103cに記憶された持玉情報を用いて、レート別の持玉数をタッチパネルLCD16の表示部に表示するとともに、タッチパネルLCD16の受付部を、いずれのレートの持玉数から分割するかを指定する分割元指定操作が可能となるように制御する。分割元指定操作により分割元レートが指定されると、遊技媒体取扱装置1は、分割元レートの指定が有ったと判別する。タッチパネルLCD16の表示例については、図22を用いて後述する。
次に、遊技媒体取扱装置1は、上記分割元レート指定受付処理における分割元レートの指定があったか否かを判別する(ステップS1202)。分割元レートの指定がないと判別した場合には、処理を待機する。
一方、分割元レートの指定があると判別した場合には、指定された分割元レートを持玉分割情報にセットする(ステップS1203)。
次に、遊技媒体取扱装置1は、分割持玉数指定受付処理(ステップS1204)を行う。
具体的には、分割元レート指定受付処理において指定された分割元レートの持玉数をタッチパネルLCD16の表示部に表示するとともに、タッチパネルLCD16の受付部を、分割元レートにおける持玉数のうち何玉分の持玉数を分割するかを指定する分割数指定操作が可能となるように制御する。分割数指定操作により分割持玉数が指定されると、遊技媒体取扱装置1は、分割持玉数の指定が有ったと判別する。タッチパネルLCD16の表示例については、図23を用いて後述する。
次に、遊技媒体取扱装置1は、上記分割持玉数指定受付処理における分割持玉数の指定があったか否かを判別する(ステップS1205)。分割持玉数の指定がないと判別した場合には、処理を待機する。
一方、分割持玉数の指定があると判別した場合には、指定された分割持玉数を持玉分割情報にセットする(ステップS1206)。
次に、遊技媒体取扱装置1は、分割先レート指定受付処理(ステップS1207)を行う。具体的には、分割持玉数指定受付処理において指定された分割持玉数をタッチパネルLCD16の表示部に表示するとともに、タッチパネルLCD16の受付部を、いずれのレートの持玉数に分割するかを指定する分割先指定操作が可能となるように制御する。分割先指定操作により分割先レートが指定されると、遊技媒体取扱装置1は、分割先レートの指定が有ったと判別する。タッチパネルLCD16の表示例については、図24を用いて後述する。
次に、遊技媒体取扱装置1は、上記分割先レート指定受付処理における分割先レートの指定があったか否かを判別する(ステップS1208)。分割先レートの指定があると判別した場合には、指定された分割先レートを持玉分割情報にセットし(ステップS1209)、持玉分割選択処理を終了する。
一方、分割先レートの指定がないと判別した場合には、分割元レートを分割先レートとして持玉分割情報にセットし(ステップS1210)、持玉分割選択処理を終了する。
なお、本実施形態の持玉分割選択処理では、ステップS1201において、分割元レートを指定させることとしているが、当該遊技媒体取扱装置1に設定されているレートが分割元レートとして基本設定されており、分割元レートを変更させる場合のみ、その旨を指定させることとしてもよい。この場合、タッチパネルLCD16aの表示部に、「分割元レートを変更しますか?」と表示するとともに、タッチパネルLCD16aの受付部に、「変更する」「変更しない」という選択ボタンを表示し、「変更する」が表示された箇所を遊技者にタッチさせることで分割元レートを変更させることとしてもよい。
次に、本発明における遊技媒体取扱装置1の状態表示灯13の発光態様の例を、図19を用いて説明する。同図において、「色」の列は、状態表示灯13の発光色を示し、「点灯」の列は、状態表示灯13が対応する「色」で点灯することを示し、「点滅」の列は、状態表示灯13が対応する「色」で点滅することを示している。
状態表示灯13が、白色で点灯している場合には、閉店中であることが報知され、白色で点滅している場合には、起動処理中であることが報知される。
状態表示灯13が、青色で点灯している場合には、開店中であることが報知され、青色で点滅している場合には、貯留されている計数カードの残数が少ない(例えば、2枚以下)、又は多い(例えば、10枚貯留で可能である場合に10枚)ことが報知される。
状態表示灯13が、緑色で点灯している場合には、計数カードが挿入中であること、又は残額情報があることが報知される。
状態表示灯13が、橙色で点灯している場合には、計数カードが挿入中であり、かつ持玉情報があることが報知され、橙色で点滅している場合には、持玉情報として貸出レートでは払出不能な持玉情報があることが報知される。図11において前述した乗入先乗入不能判定処理の状態表示灯制御処理(ステップS1072)においては、状態表示灯13が橙色で点滅するように制御される。
なお、残額情報があり、かつ持玉情報がある場合も想定されるが、この場合には、緑色の点灯と橙色の点灯とを交互に繰り返すように点灯させることで、双方の情報を報知することとしてもよいし、持玉情報の報知の優先順位を残額情報の報知よりも高くすることで、この場合であっても、橙色に点灯させるようにすることとしてもよい。
状態表示灯13が、黄色で点灯している場合には、会員カードが挿入中であることが報知される。
状態表示灯13が、紫色で点灯している場合には、カードロック状態(すなわち、カードの返却(発行)をしない状態)であることが報知される。
状態表示灯13が、赤色で点灯している場合には、オフライン中である(すなわち、サーバ装置2と接続状態でない)ことが報知され、赤色で点滅している場合には、エラー発生中であることが報知される。
次に、本発明における遊技媒体取扱装置1のタッチパネルLCD16の表示例を、図20〜図24を用いて説明する。なお、便宜上、パチンコ機3aに対応する遊技媒体取扱装置1aにおけるタッチパネルLCD16aの表示例として説明するが、本発明はこれに限られるものでない。
なお、図20〜24においては、図示を省略しているが、前述したように、タッチパネルLCD16の受付部に遊技者が現在の持玉情報を確認するための「持玉情報確認」の操作ボタンを常時表示し、遊技者が、操作ボタンが表示された箇所をタッチすることにより、レート別の現在の持玉情報をタッチパネルLCD16の表示部に表示するようにすることとしてもよい。また、同様に、カードが挿入されている場合には、タッチパネルLCD16の表示部の所定の領域に、常にレート別の現在の持玉情報を表示しておくこととしてもよい。
図20は、図10の説明において前述した乗入判定処理の乗入指示受付処理(ステップS1044)時における、遊技媒体取扱装置1のタッチパネルLCD16の表示例を示す図である。
タッチパネルLCD16aの上方には、そのパチンコ遊技ユニットで設定されている貸出レートを表示しており、その下方には、その貸出レートとは異なるレートの持玉情報が乗入可能である旨、及び乗入を行うかを表示している。
また、さらにその下方には、遊技者による乗入選択操作を受付可能な楕円形状の選択ボタンが表示されている。遊技者は、いずれかの選択ボタンが表示された箇所をタッチすることにより、乗入選択操作を行いうる。
なお、図20の表示例においては、さらに、乗入元レートの持玉数と乗入先レートの持玉数とをタッチパネルLCD16aに表示することとしてもよい。
図21は、図16の説明において前述した乗入元乗入不能判定処理の払出選択指示受付処理(ステップS1143)時における、遊技媒体取扱装置1のタッチパネルLCD16の表示例を示す図である。
タッチパネルLCD16aの上方には、そのパチンコ遊技ユニットで設定されている貸出レートを表示しており、その下方には、その貸出レートとは異なるレートでは払出不能となる持玉(すなわち、乗入不能な持玉)がある旨、及びその持玉を払い出すかを表示している。
また、さらにその下方には、遊技者による払出選択操作を受付可能な楕円形状の選択ボタンが表示されている。遊技者は、いずれかの選択ボタンが表示された箇所をタッチすることにより、払出選択操作を行いうる。
図22は、図18の説明において前述した持玉分割選択処理の分割元レート指定受付処理(ステップS1201)時における、遊技媒体取扱装置1のタッチパネルLCD16の表示例を示す図である。
タッチパネルLCD16aの上方には、持玉分割処理中である旨を表示しており、その下方には、レート毎に現在記憶されている持玉数、及びいずれのレートから持玉分割をするかを表示している。
また、さらにその下方には、遊技者による分割元指定操作を受付可能な楕円形状の選択ボタンが表示されている。遊技者は、いずれかの選択ボタンが表示された箇所をタッチすることにより、分割元指定操作を行いうる。
図23は、図18の説明において前述した持玉分割選択処理の分割持玉数指定受付処理(ステップS1204)時における、遊技媒体取扱装置1のタッチパネルLCD16の表示例を示す図である。
タッチパネルLCD16aの上方には、持玉分割処理中である旨を表示しており、その下方には、分割元レートの持玉数、及びそのうちから何玉分分割するかを表示している。
また、さらにその下方には、遊技者による分割数指定操作を受付可能な三角形状の数値増減ボタン及び楕円形状の決定ボタンが表示されている。遊技者は、数値増減ボタンが表示された箇所をタッチすることにより分割持玉数を表示させ、決定ボタンが表示された箇所をタッチすることにより、分割数指定操作を行いうる。
図24は、図18の説明において前述した持玉分割選択処理の分割先レート指定受付処理(ステップS1207)時における、遊技媒体取扱装置1のタッチパネルLCD16の表示例を示す図である。
タッチパネルLCD16aの上方には、持玉分割処理中である旨を表示しており、その下方には、分割元レートと分割持玉数、及びいずれのレートへ持玉分割をするかを表示している。
また、さらにその下方には、遊技者による分割先指定操作を受付可能な楕円形状の選択ボタンが表示されている。遊技者は、いずれかの選択ボタンが表示された箇所をタッチすることにより、分割先指定操作を行いうる。
以上のように、図1〜図24を用いて本実施形態について説明したが、本実施形態では以下のような変形例も考えられる。
(本実施形態の変形例1)
図25は、本実施形態の変形例1に係る、遊技媒体取扱装置1により行われる乗入元乗入不能判定処理の処理手順を示すフローチャートである。図15及び図16を用いて説明した乗入元乗入不能判定処理は、遊技者によるカードの返却指示があった場合に行われることとしていたが、図25を用いて説明する乗入元乗入不能判定処理は、図14を用いて説明した遊技媒体計数時処理において行われるものである。
具体的には、図14におけるステップS111の処理が完了したことに基づいて、乗入元乗入不能判定処理を行うように構成する。
最初に、遊技媒体取扱装置1は、計数装置107の計数結果に基づいて、持玉数演算処理(ステップS1241)を行う。これは、図16におけるステップS1141と同一の処理であるため、詳細は省略する。
次に、遊技媒体取扱装置1は、上記持玉数演算処理の演算結果に基づいて、別レートで払出不能な持玉情報があるか否か(すなわち、乗入不能な持玉情報があるか否か)を判別する(ステップS1242)。別レートで払出不能な持玉情報がない(すなわち、乗入不能な持玉情報がない)と判別した場合には、乗入元乗入不能判定処理を終了する。
一方、別レートで払出不能な持玉がある(すなわち、乗入不能な持玉情報がある)と判別した場合には、払出制御タイマをセットする(ステップS1243)。例えば、払出制御タイマの値として、約2秒が計時可能な値をセットする。
次に、遊技媒体取扱装置1は、タイマ更新処理(ステップS1244)を行う。例えば、定時割込処理などによってタイマの値を更新(減算)する。
次に、遊技媒体取扱装置1は、上記タイマ更新処理の更新(減算)結果に基づいて、払出制御タイマの値が0であるか否かを判別する(ステップS1245)。払出制御タイマの値が0でないと判別した場合には、処理を待機する。
一方、払出制御タイマの値が0であると判別した場合には、演算結果に基づいた持玉数の払出を行う(ステップS1246)。これは、図16におけるステップS1145と同一の処理であるため、詳細は省略する。
なお、計時手段として、タイマに値をセットし、セットされたタイマの値を減算する方式を採用しているが、タイマの値を加算する方式を採用してもよく、また、遊技媒体取扱装置1に内蔵され、あるいは外付けされたRTCによる計時方式を採用することしてもよい。
このように、本変形例1に係る、遊技媒体取扱装置1は、計数装置107により計数され、当該遊技媒体取扱装置1で記憶された持玉情報に、他の遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レートでは払出不能な持玉情報(すなわち、乗入不能な持玉情報)が残存してしまう場合には、計数されてから所定時間経過後に、その残存してしまう分の持玉情報に応じた遊技媒体を自動的に払い出すように構成されている。
このように構成することで、他のレートに乗入を行おうとしている遊技者とっては無駄となる持玉情報が記憶されたまま乗入を行うことを、遊技媒体の計数時において未然に防止することができ、遊技者と遊技店とのトラブルを未然に防止することが可能となる。
また、この場合、ステップS1246の処理の後に、その残存してしまう分の持玉情報に応じた遊技媒体を払い出した旨の報知を行うこととしてもよい。例えば、計数装置107により遊技媒体が計数された結果、1パチにおける遊技媒体取扱装置1のレート別持玉情報記憶部103cに、1,003玉の持玉情報が記憶されることとなった場合に、当該遊技媒体取扱装置1のタッチパネルLCD16の表示部に、「4パチに移動する場合に払出不能となる3玉を払い出しました。」と表示するようにしてもよい。
このように構成することで、遊技者が、持玉があるにもかかわらず離席してしまうことを防止することができ、遊技者と遊技店とのトラブルを未然に防止することが可能となる。
(本実施形態の変形例2)
次に、本実施形態の他の変形例である、変形例2について説明する。本実施形態においては、遊技媒体取扱装置1の情報設定部100h、又はサーバ装置2の情報設定部201eにより、レート情報の設定を可能としているが、本変形例では、それに加えて、乗入自体を許可するか、許可しないかを設定可能とする構成としている。この場合、利便性の観点から遊技媒体取扱装置1の内部に乗入許可スイッチを設け、遊技店の店員の操作により、乗入許可スイッチがオンとされた場合には、乗入が許可され、オフとされた場合には、乗入が許可されないようにすることとしてもよいし、サーバ装置2の情報設定部201eにより、乗入自体を許可するか、許可しないかを設定可能にすることとしてもよい。
また、乗入を許可しないと設定した場合であって、別レートの持玉情報が記憶されているカードが挿入された場合には、所定の操作(例えば、非接触ICカードリーダライタ18への店員カードの認証操作)があるまでカードを返却しないこととしてもよいし、自動的にカードが返却されるとともに、タッチパネルLCD16の表示部に、「一度精算して下さい。」と表示するようにしてもよい。
このように構成することで、乗入を許可するか否かを簡単に設定することができるとともに、乗入を許可しないと設定した場合であっても、遊技者と遊技店とのトラブルを未然に防止することが可能となる。
(本実施形態の変形例3)
次に、本実施形態の他の変形例である、変形例3について説明する。本実施形態においては、乗入量(例えば、乗入可能玉数、乗入可能金額)に制限を設けないこととしているが、本変形例では、所定の制限(例えば、1日あたりの乗入可能玉数又は乗入可能金額の上限)を設定可能な構成としている。
本変形例において、1日あたりの乗入可能玉数に上限を設定する構成を採用した場合、乗入によって再プレイできる持玉数を一定にすることができるため、乗入の利便性を担保しつつ、持玉を有する遊技者と、持玉を有しない遊技者(すなわち、現金を投入して遊技を行っている遊技者)との間の不公平感を緩和することができる。
例えば、1日あたりの乗入可能玉数の上限として2,000玉を設定した場合に、4円レートの持玉情報として125玉分の持玉情報を使用して1パチにおいて遊技を行うと、1パチにおいては500玉(125玉×4)が払い出されることとなる。この場合、残りの乗入可能玉数は、1,500玉(2,000玉−500玉)となる。その後、さらに、1円レートの持玉情報として1,000玉分の持玉情報を使用して4パチにおいて遊技を行うと、4パチにおいては250玉(1,000玉÷4)が払い出されることとなる。この場合、残りの乗入可能玉数は、1,250玉(1,500玉−250玉)となる。このように、様々な態様で乗入を行ったとしても、1日あたりの乗入可能玉数を一定することができる。
また、本変形例において、1日あたりの乗入可能金額に上限を設定する構成を採用した場合、乗入によって再プレイできる乗入可能金額を一定にすることができるため、乗入の利便性を担保しつつ、持玉を有する遊技者と、持玉を有しない遊技者(すなわち、現金を投入して遊技を行っている遊技者)との間の不公平感を緩和することができる。
例えば、1日あたりの乗入可能金額の上限として10,000円を設定した場合に、4円レートの持玉情報として1,000玉分の持玉情報を使用して1パチにおいて遊技を行うと、1パチにおいては4,000玉(1,000玉×4)が払い出されることとなり、これに相当する金額は4,000円となる。この場合、残りの乗入可能金額は、6,000円(10,000円−4,000円)となる。その後、さらに、1円レートの持玉情報として6,000玉分の持玉情報を使用して4パチにおいて遊技を行うと、4パチにおいては1,500玉(6,000玉÷4)が払い出されることとなるが、これに相当する金額は6,000円となる。この場合、残りの乗入可能金額は、0円(6,000円−6,000円)となって、乗入可能金額の上限に達することとなり、これ以上の乗入は制限されることとなる。このように、様々な態様で乗入を行ったとしても、1日あたりの乗入可能金額を一定することができる。
ここで、乗入可能玉数、又は乗入可能金額に上限を設定する構成を採用した場合には、その上限値に達するか否かは、カードの識別情報と対応付けられてサーバ装置2で判別されることとなるが、そのカードが計数カードであり、持玉情報が0となるとカードは返却されない(回収される)。この場合、再度その計数カードが別の遊技者の持玉情報と対応付けられて返却される可能性がある。そうすると、別の遊技者は、先にその計数カードを使用していた遊技者の上限をも引き継いでしまう可能性が生じることとなってしまう。
そこで、本変形例では、乗入可能玉数、又は乗入可能金額に上限を設定する構成を採用した場合に、サーバ装置2がその上限値に達するか否かを判別する上で、前述したフェイシャルデータを用いることとしてもよい。すなわち、サーバ装置2により、フェイシャルデータが一致するか否かを判別し、フェイシャルデータが一致すると判別された場合には、そのまま上限値に達するか否かの計数を継続し、フェイルシャルデータが一致しないと判別された場合には、上限値をリセットするように構成することとしてもよい。このように構成することで、乗入可能玉数又は乗入可能金額に上限を設定する構成を採用した場合であっても、その上限値に達するか否かの判別を正確に行うことができる。
なお、レート毎に、1日あたりの乗入可能玉数、又は乗入可能金額の上限を異ならせて設定可能とすることとしてもよい。例えば、乗入可能玉数の上限として、1円レートの持玉情報からは、1日あたり10,000玉分の乗入ができるが、4円レートの持玉情報からは、1日あたり1,000玉分の乗入しかできないように設定可能とすることとしてもよい。また、例えば、乗入可能金額の上限として、1円レートの持玉情報からは、1日あたり10,000円分(10,000玉分相当)の乗入ができるが、4円レートの持玉情報からは、1日あたり1,000円分(250玉分相当)の乗入しかできないように設定可能とすることとしてもよい。このように構成した場合、遊技店は自店の店舗の経営戦略に合わせた乗入を行わせることができる。
さらに、上記の例の場合に、遊技店が設定した乗入可能玉数、又は乗入可能金額の上限を遊技者が振り替えられるように選択しうる構成としてもよい(乗入上限振替機能)。例えば、乗入可能玉数を例に挙げて説明すると、1円レートの持玉情報からすでに10,000玉分の乗入を行ってしまった場合に、4円レートの乗入可能玉数の上限を1円レートの乗入可能玉数の上限として振り替えられるようにしてもよい。この場合、さらに1円レートの持玉情報から4,000玉分(1,000玉×4)の持玉情報を乗入することができ、乗入可能玉数の上限が設定されている遊技店にあっても、乗入の利便性をさらに向上させることができる。もちろん、当該乗入上限振替機能を有効とするか、無効とするかを遊技店が設定可能にすることとしてもよい。
(本実施形態の変形例4)
次に、本実施形態の他の変形例である、変形例4について説明する。本実施形態においては、主に、パチンコ機3aにおける1円レート及び4円レート間の乗入について説明したが、本変形例4では、パチンコ機3aにおける1円レート、2円レート及び4円レート間の乗入についての変形例について説明する。
具体的には、遊技媒体取扱装置1又はサーバ装置2において、1円レート、2円レート及び4円レートのレート設定を可能とし、レート別持玉情報記憶部103b、202c、212bには、それらに対応する持玉情報がそれぞれ別箇に記憶される場合に、図10を用いて説明した乗入判定処理において、別レートの持玉情報が、当該遊技媒体取扱装置1で設定されている貸出レート(乗入先レート)へ乗入可能であるか否かを判別する場合(ステップS1043)に、乗入先のレートに対して、他の2つのレートに対応する持玉情報を合算して、乗入可能であるか否かを判別するように構成する。
例えば、乗入先レートが4円レートである場合であって、1玉毎の乗入を可能としている場合に、1円レートの持玉情報として2玉分の持玉情報が記憶され、2円レートの持玉情報として1玉分の持玉情報が記憶されていたならば、これらを合算して、乗入可能と判別し、4パチで1玉の払出を可能とするように構成する。
このように構成することで、少なくとも、3つ以上の異なるレートが設定されている遊技店において、乗入の利便性をより高めることができる。
以上のように、本実施形態の変形例1〜4について説明したが、これらの変形例に係る発明を組み合わせて、あるいは本実施形態に係る発明と各変形例に記載された発明とを組み合わせて別箇の発明とすることができることは言うまでもない。
なお、本実施形態及び本実施形態の変形例においては、遊技媒体取扱装置1が、遊技媒体の貸出機能、遊技媒体の計数機能、持玉の乗入機能及び持玉の分割機能を有することを前提として説明しているが、本実施形態及び本実施形態の変形例に係る発明の趣旨を逸脱しない範囲で、これらの機能のうち一部の機能を有しない遊技媒体取扱装置1にも適用することができる。
また、遊技機3が、遊技者が遊技媒体の投入及び払出に直接的に関与することができない仕様の遊技機(いわゆる、封入式遊技機)である場合には、本実施形態及び本実施形態の変形例に係る発明の趣旨を逸脱しない範囲で、封入式遊技機に係る遊技ユニットであって、遊技媒体の投入及び払出に替わる各種の信号を送受信することで封入式遊技機において遊技を行わせる遊技ユニットにも適用することができる。