以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4と、を備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。前枠4上には、例えば上部に2個、下部に1個の計3個のスピーカ8が配置されている。
また、前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿9が上部側に配置され、またその上皿9の下側には、例えば上皿9が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿10が左側に、発射手段を作動させるために遊技者によって操作される発射ハンドル11(操作手段)が右側に夫々設けられている。
また、前面板6は、その上皿9を形成する上皿枠部9aの例えば手前側上面の左側及び中央箇所に、遊技者によって操作される演出ボタン20a,20bをそれぞれ備えている。左側の演出ボタン20aは例えば押下ボタンであり、中央の演出ボタン20bは例えばトラックボール(ボール型コントローラ)である。なお本実施形態では、2個の演出ボタン20a,20bを設けているが、3個以上としてもよいし、単数としてもよい。
また、前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤12が着脱自在に装着されている。遊技盤12の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール13が環状に装着されると共に、そのガイドレール13の内側の遊技領域14に、センターケース15、普通図柄始動手段16、特別図柄始動手段17、大入賞手段18、普通入賞手段19等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース15は、例えば遊技領域14の略中央に配置されており、発射手段により遊技領域14の上部側に打ち込まれた遊技球はこのセンターケース15の左右何れかを流下するようになっている。センターケース15には、液晶表示手段(液晶表示装置)21、普通図柄表示手段22、第1,第2特別図柄表示手段23a,23b、普通保留個数表示手段24等の各種表示手段の他、LED25、モータ26aにより作動する可動体26(可動演出手段)等の演出手段が設けられている。また、液晶表示手段21は、演出図柄表示手段27、第1,第2特別保留個数表示手段28a,28b、変動状態識別画像表示手段30等を構成している。なおこの実施形態では液晶表示手段21を採用しているが、プラズマ表示手段や有機EL表示手段など各種の表示手段を採用してもよい。
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段16が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段16による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段16が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段17は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口17a,17bと、下特別始動口17bを開閉する開閉手段29と、を備え、例えばセンターケース15の下側に配置されている。
上特別始動口17aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口17bは、開閉手段29により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段29が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
第1,第2特別図柄表示手段23a,23bは、夫々1個又は複数個、例えば各1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄表示手段23aは上特別始動口17a、第2特別図柄表示手段23bは下特別始動口17bに遊技球が入賞し、それら特別始動口17a,17bへの遊技球の入球検出を条件に第1,第2特別図柄を所定時間変動表示して、それら特別始動口17a,17bへの入賞時に取得された第1,第2大当たり判定用乱数値(第1乱数値)が予め定められた大当たり判定値(第1判定値)と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様(所定態様)で停止するようになっている。
第1,第2特別図柄は、例えば数字図柄等ではなく、それ自体としては特別な意味を持たない線と点の組み合わせ等よりなる複数種類の図柄で構成され、それらの図柄のうちの1又は複数が大当たり態様、それ以外が外れ態様に設定されている。
また、第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口17a,17bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、第1,第2特別保留個数表示手段28a,28bが夫々大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、第1,第2特別保留個数という)を表示して、その時点での第1,第2特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
なお、本実施形態では、特別利益状態中には第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御される。更に、本実施形態では、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、その保留記憶順に拘わらず、第1特別図柄表示手段23aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段23bの図柄変動を優先して行うように構成されている。
演出図柄表示手段27は、例えば第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄の変動表示と並行して(例えば時間的に同調して)演出図柄E(図柄画像であり単に「図柄」ともいう)を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄Eを例えば各種の演出画像と共に液晶表示手段21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段17の特別始動口17a,17bに遊技球が入賞することを条件に、第1,第2特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄Eの変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄Eを左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
演出図柄Eには、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄(ぞろ目)で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。また、演出図柄表示手段27による演出図柄Eの変動後の停止図柄は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄が大当たり態様で停止する場合には大当たり態様となり、第1,第2特別図柄が外れ態様で停止する場合には任意の外れ態様となる。なお、演出図柄表示手段27は、第1,第2特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
演出図柄Eの変動パターンには、大きく分けて、リーチ状態を経ることなく外れ態様となるリーチなし外れ変動パターン、リーチ状態を経由して外れ態様となるリーチ外れ変動パターン、リーチ状態を経由して大当たり態様となるリーチ大当たり変動パターンがあり、更に変動時間の違い等によって夫々複数種類用意される。
第1,第2特別保留個数表示手段28a,28bは、第1,第2特別保留個数分の第1,第2保留表示画像X,Yの表示個数により第1,第2特別保留個数を表示するもので、表示画面21aの所定箇所(例えば下部側箇所)に、第1,第2保留個数分の第1,第2保留表示画像X,Yを例えば横一列に表示するようになっている。
大入賞手段18は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板18aを備えた開閉式入賞手段で、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様となることに基づいて発生する特別利益状態中に、開閉板18aが例えば複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。なお、開閉板18aは単一種類の開放パターンで開放してもよい。
変動状態識別画像表示手段30は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bが変動実行中であるか否かを表示画面21aに表示するものである。例えば、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bに対応する2個の識別画像(第4図柄画像)Z1,Z2が表示画面21aの所定箇所(例えば右上隅部箇所)に横並びに表示され、第1特別図柄表示手段23aの変動表示中は左側の識別画像Z1を点滅表示し、かかる変動表示が終了すると点滅表示を終了し点灯表示状態とする。このように識別画像Z1が点滅表示されていることで、第1特別図柄表示手段23aが変動表示中であることが分かる。これと同様に、第2特別図柄表示手段23bの変動表示中は右側の識別画像Z2を点滅表示し、かかる変動表示が終了すると点滅表示を終了し点灯表示状態とする。このように識別画像Z2が点滅表示されていることで、第2特別図柄表示手段23bが変動表示中であることが分かる。なお、変動終了後に、保留を有する場合には点灯し、保留を有しない場合には消灯するとの構成としてもよい。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、主制御基板31、演出制御基板32は、例えば、遊技盤12に装着されたセンターケース15、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤12を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。演出制御基板32は主制御基板31の下位に接続されており、制御コマンドは上位の基板から下位の基板への一方向通信により送信されるようになっている。なお、図2では演出制御基板32以外のサブ制御基板、例えば払い出し制御基板等については省略している。
主制御基板31は、主に遊技盤12側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Member),RAM(Random Access Memory)等により構成される普通乱数作成処理手段41、普通始動口チェック処理手段42、普通乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通利益状態発生手段45、普通図柄表示制御手段46、特別乱数作成処理手段51、特別始動口チェック処理手段52、特別乱数記憶手段53、特別図柄処理手段54、特別利益状態発生手段55、特別図柄表示制御手段56、特別遊技状態発生手段57、コマンド送信手段58等を備えている。
普通乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段42は、普通図柄始動手段16による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段16が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段43に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
普通利益状態発生手段45は、普通図柄処理手段44による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、特別図柄始動手段17を構成する下特別始動口17bの開閉手段29を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
普通図柄表示制御手段46は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段44で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段44で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
特別乱数作成処理手段51は、変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、変動後の第1,第2特別図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄Eの変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段52は、特別図柄始動手段17への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段17が遊技球を検出すること、即ち特別始動口17a,17bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段51で作成された大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら当たり判定乱数値及び当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として特別乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段54は、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特別図柄表示手段23a,23bが変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段53に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(第1,第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第2特別保留個数が1以上である場合には特別乱数記憶手段53に第2特別保留個数のうちで最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、第2特別保留個数が0で且つ第1特別保留個数が1以上である場合には特別乱数記憶手段53に第1特別保留個数のうちで最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段53に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値又は新たに取得された外れ図柄乱数値とに基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果と新たに取得された変動パターン乱数値とに基づいて、演出図柄Eの変動パターンを複数種類の中から選択する変動パターン選択機能等を備えている。
特別利益状態発生手段55は、大入賞手段18を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるためのもので、特別図柄処理手段54による大当たり/外れの判定結果が大当たり判定となり、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態を発生させるようになっている。本実施形態の開放パターンは、大入賞手段18の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段18を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)繰り返すように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
特別図柄表示制御手段56は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの表示制御を行うもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に、選択された演出図柄Eの変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段57は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特別乱数記憶手段53に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に応じて、時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。
時短状態中は、例えば第1,第2特別図柄に関して特別図柄表示手段23a,23bの変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率 (例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口17bの開閉手段29の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後に第1,第2特別図柄が所定回数 (例えば50回)変動するか、次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。なお、確変状態は例えば次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
コマンド送信手段58は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32のサブワンチップマイコン800(図4参照)に送信して制御指令を与えるためのものである。各サブ制御基板のうちの演出制御基板32に対しては、例えば特別保留個数の増加時に、増加後の特別保留個数等を指定する保留加算コマンドが送信され、また第1,第2特別図柄の変動時には、まず変動開始時に、減少後の特別保留個数等を指定する保留減算コマンド、演出図柄Eの変動パターンを指定する変動パターンコマンド(変動パターン指定コマンドともいう)、第1,第2特別図柄の停止図柄を指定する図柄指定コマンド(装飾図柄指定コマンドともいう)が例えばこの順序で送信され、変動終了時に、演出図柄Eの変動停止を指示する変動停止コマンドが送信される等、所定のタイミングで各種コマンドが送信されるようになっている。
また、主制御基板31は、デモ画面を表示させるためのデモ表示コマンド、遊技球の発射位置を遊技者に報知するための発射位置報知コマンド(例えば、左打ち報知コマンド、右打ち報知コマンドなどが挙げられる)、その他のコマンドをコマンド送信手段58によって演出制御基板32のサブワンチップマイコン800に送信可能となっている。
デモ表示コマンドは、例えば、特別利益状態中ではなく、且つ、一定時間経過しても第1,第2特別図柄表示手段23a,23bに第1,第2特別図柄の変動表示が行われていない場合に、演出制御基板32に送信され、その送信タイミングは、一定時間経過しても上記特別図柄変動表示が行なわれていないと判断されたタイミングで送信される。
また、発射位置報知コマンドとしての右打ち報知コマンドは、例えば、特別利益状態の発生の場合において遊技球の右打ちを推奨する構成(図1に示すように遊技領域14の右側下部箇所の大入賞手段18が配設された構成)において、当該特別利益状態の発生を契機として「遊技球の右打ち」を報知する場合に、演出制御基板32に送信される。
また、発射位置報知コマンドとしての左打ち報知コマンドは、例えば、前記の遊技球を右打ちする特別利益状態の終了を契機として「遊技球の左打ち」を報知する場合に、演出制御基板32に送信されるものであり、左打ち大報知コマンドと左打ち小報知コマンドとがある。
また、その他のコマンドとしては以下のコマンドが挙げられる。大当り中の演出を行わせる制御コマンドとして、特別図柄の停止後に送信される「大当り開始表示」コマンド、大入賞手段18の開閉板18aの開放時に送信される「開放表示」コマンド、開閉板18aの閉鎖時に送信される「開放インターバル表示」コマンド、最終ラウンドの開閉板18aの閉鎖後に開放インターバル表示コマンドの受信よりインターバル演出時間の経過後に送信される「大当り終了表示」コマンド、大当り終了後、大当り終了表示コマンドの受信より大当り終了演出時間経過後に送信される「遊技状態表示」コマンドなどがある。
なお、主制御基板31は、ケーブルを介して演出制御基板32と接続されており、コマンド送信手段58からの各制御コマンドは演出制御基板32のVDP803に出力される。
演出制御基板32は、液晶表示手段21、スピーカ8、LED25、可動体26等の各種演出手段を制御するものである。なお、スピーカ8、LED25、可動体26のモータ26a、液晶表示手段21についてはこの演出制御基板32によって直接制御される。
演出制御基板32は、図4に示すように、上記主制御基板31からのコマンドを受けて各種演出を実行制御すると共に、液晶表示手段21に表示される表示画像を制御するサブ制御CPU800aと、演出制御手順を記述した制御プログラムや図3に示す演出シナリオテーブルPR_TBL等が格納されているサブ制御ROM800bと、作業領域やバッファメモリ等として機能するサブ制御RAM800cとで構成されたサブワンチップマイコン800を搭載している。
さらに、演出制御基板32は、VDP(Video Display Processor)803と、静止画圧縮データと動画圧縮データが格納されているCGROM(character generator ROM)804と、動画圧縮データを伸張する作業領域と、液晶表示手段21に表示される画像データを一時的に保存するフレームバッファ領域とで構成されるDDR2SDRAM(Double-Data-Rate2 Synchronous Dynamic Random Access Memory)805と、が設けられている。VDP803は、演出制御基板32から送信されてきたコマンドに基づいて演出画像の画像データを生成して液晶表示手段21に送信する。なお、静止画とは、いわゆるスプライト画像であって、文字等のテキストデータや背景画像、あるいは、特別図柄等、単一の画像を示すものである。また、動画とは、連続的に変化する複数枚(複数フレーム分)の静止画の集合を意味し、液晶表示手段21に複数枚の静止画が連続して描画されることで、円滑な動作が再現されるものである。このスプライト画像の描画動作は図5と図6に基づいて後述する。なお、静止画圧縮データと、動画圧縮データは、一体的に作成されておらず、別々に作成され、それぞれ、別々にCGROM804内に格納されている。しかして、文字等のテキストデータである静止画圧縮データと、動画圧縮データとが別々に作成され、CGROM804内に別々に格納されることにより、綴り間違い等の不具合が発生しても、その文字等のテキストデータだけを修正すれば良いからデバックの精度を向上させることができ、さらには、作業工数を削減することができる。
まず、サブ制御ROM800b(図4参照)内に格納されている演出シナリオテーブルPR_TBLについて、図3を用いて詳しく説明する。図3(a)に示すように、演出シナリオテーブルPR_TBLには、サブ制御CPU800aにて決定された演出パターンに対応した複数の演出シナリオデータPS_DATAが格納されている。この演出シナリオデータPS_DATAには、液晶表示手段21に表示させる画像データを描画する際に使用される1レイヤ毎のデータである1レイヤデータPS_DATA1が複数格納されている。演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1は、優先順位が低いものから順に格納されている。優先順位の低い1レイヤデータPS_DATA1に相当する画像データ(後述するドットデータ)から順に内蔵VRAM8040またはDDR2SDRAM805にマッピングされ、複数の1レイヤデータPS_DATA1〜N、N+1、・・・が重畳された状態で液晶表示手段21に表示される。その1レイヤデータPS_DATAに相当する画像データは、静止画の例として示した図5で後述するように、16ドット×16ドットのデータが多数内蔵VRAM8040にマッピングされて1枚のフレームデータとなる。なお、1レイヤデータNの場合は、図6に基づいて詳述するが、液晶表示手段21の表示画面全体を覆う大きさ(960ドット×640ドット)のデータ(トーンダウンデータ)であり、1つのデータを内蔵VRAM8040に記憶させるだけで1枚のフレームデータとなる。
この1レイヤデータPS_DATA1には、図3(b)に示すように、1フレーム〜10フレーム描画する等のフレームデータPS_DATA10と、制御コードデータPS_DATA11と、液晶表示手段21に表示させる際の位置を示す座標データPS_DATA12と、画像の変形,拡大,縮小,透過度等の画素計算データPS_DATA13と、画像の拡大,縮小を示す拡縮データPS_DATA14とが格納されている。そしてさらには、スピーカ8より発せられる音を示す音データPS_DATA15と、可動体26を可動させるための可動役物データPS_DATA16と、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプやLED25を点灯又は消灯させるためのランプデータPS_DATA17とが格納されている。このランプデータPS_DATA17によりサブワンチップマイコン800がLED25を点灯又は消灯制御する。
また、制御コードデータPS_DATA11は、図3(c)に示す制御テーブルCH_TBLが格納されているサブ制御ROM800bのアドレス番地が格納されており、そのアドレス番地に示す内容のデータが参照されることとなる。すなわち、制御テーブルCH_TBLは、図3(c)に示すように、複数のキャラ用データCH_DATAが格納されており、このキャラ用データCH_DATAには、静止画か動画かを示すデータPS_DATA110と、CGROM804のアドレス番地を示すアドレスデータPS_DATA111と、画像サイズを示す画像サイズデータPS_DATA112と、演出ボタン20aの押下演出の有効/無効を示すボタンデータPS_DATA113と、可動体26の可動を開始するタイミングを示す可動役物タイミングデータPS_DATA114と、が格納されている。これにより、制御コードデータPS_DATA11は、図3(c)に示す制御テーブルCH_TBLに格納されている複数のキャラ用データCH_DATAから、一つのキャラ用データCH_DATAを参照することとなる。
例えば、図5で後述する16ドット×16ドットの同じ種類のデータ(同じパターンコードのデータ)を10行×10列内蔵VRAM8040にマッピングする際の一方法としては、その10行×10列のデータの内蔵VRAM8040へのマッピング位置(左上隅の座標)を座標データPS_DATA12で指定し、10行×10列のデータを構成する同じ種類の16ドット×16ドットデータをアドレスデータPS_DATA111で指定し、10行×10列の大きさのデータであることを画像サイズデータPS_DATA112で指定する。それを受けたVDP803が図5で後述するように、16ドット×16ドットデータを内蔵VRAM8040にマッピングする。
なお、演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1は、優先順位が低いものから順に格納されており、この優先順位が低い位置に、図3(c)に示す制御テーブルCH_TBLより動画を示すデータPS_DATA110が参照されるような制御コードデータPS_DATA11が格納され、優先順位が高い位置に、図3(c)に示す制御テーブルCH_TBLより静止画を示すデータPS_DATA110が参照されるような制御コードデータPS_DATA11が格納されている。
PS_DATA1は、優先順位の低い方から数えてN番目に「トーンダウンデータ」が格納されている。このトーンダウンデータは、例えば黒色半透明の画像(トーンダウン画像)を表示することにより、それよりも優先順位の低い画像(1番目〜N−1番目の1レイヤデータ)をトーンダウンさせてそれよりも優先順位の高い画像(N+1以降の番号の1レイヤデータ)を際立たせて視認性を上げるための画像データである。
ところで、液晶表示手段21に表示させる画像データを生成するVDP803は、図4に示すように構成されている。
図4に示すように、VDP803は、DDR2SDRAM805用のインターフェース回路(I/F)8030と、CGROM804用のインターフェース回路(I/F)8031と、サブワンチップマイコン800用のインターフェース回路(I/F)8032とが内蔵されている。そしてさらに、VDP803は、サブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)からインターフェース回路(I/F)8032を介してアクセスされるシステム制御レジスタ8033と、コマンドリストを記憶するコマンドメモリ8034と、コマンドリストを解析するコマンドパーサ8035と、CGROM804内のデータの読出しを制御するCGメモリコントローラ8036と、静止画圧縮データをデコードする静止画デコーダ8037と、動画圧縮データをデコードする動画デコーダ8038と、静止画デコーダ8037及び動画デコーダ8038にてデコード(伸張)された画像について、拡大・縮小・回転・移動などのアフィン変換や投影変換などを実行するジオメトリエンジン8039と、内蔵VRAM(単に「VRAM」ともいう)8040と、液晶表示手段21に表示される画像データを生成するレンダリングエンジン8041と、DDR2SDRAM805内のデータの読出し、及び、DDR2SDRAM805内へのデータの書き込みを制御するDDR2SDRAMコントローラ8042と、液晶表示手段21へレンダリングエンジン8041にて生成された画像データを表示させるタイミング等の制御を行うディスプレイコントローラ8043と、液晶表示手段21へ画像データを送信するにあたり、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)形式で送信するLVDS送信部8044とで構成されている。
システム制御レジスタ8033は、VDP803に対する指示データなどをサブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)が書き込むレジスタ群と、VDP803の動作状態などを示す情報をサブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)が読み出すレジスタ群とに大別される。これにより、サブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)は、所定の入力レジスタに必要な設定値を書き込むことで、VDP803を適宜動作させ、必要な出力レジスタの値を参照することで、VDP803の動作状態を把握することが可能となる。
一方、コマンドメモリ8034は、コマンドリストが記憶されるもので、このコマンドリストは、サブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)よりインターフェース回路(I/F)8032を介して送信されてくるものである。より具体的に説明すると、サブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)は、主制御基板60(主制御CPU600)にて受信した演出制御コマンドに対応した演出パターンを、サブ制御ROM800b内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定し、その決定した演出パターンに基づいて、コマンドリストを作成し、インターフェース回路(I/F)8032を介してコマンドメモリ8034に送信する。これを受けて、コマンドメモリ8034は、そのコマンドリストを記憶するというものである。
他方、コマンドパーサ8035は、上記コマンドメモリ8034に記憶されているコマンドリストを解析し、このコマンドリスト解析によって、毎フレーム描画動作が実行されることとなる。すなわち、静止画デコーダ8037は、コマンドパーサ8035によるコマンドリストの解析結果に基づいて、CGメモリコントローラ8036を用いて、アドレスデータPS_DATA111(図3(c)参照)にて示すCGROM804のアドレス番地より静止画圧縮データを読出し、その読み出した静止画圧縮データをデコード(伸張)する。そして、デコードされた静止画データは、内蔵VRAM8040内に一時保存されることとなる。
一方、動画デコーダ8038は、コマンドパーサ8035によるコマンドリストの解析結果に基づいて、CGメモリコントローラ8036を用いて、アドレスデータPS_DATA111(図3(c)参照)にて示すCGROM804のアドレス番地より動画圧縮データを読出し、その読み出した動画圧縮データをデコード(伸張)する。そして、デコードされた動画データは、DDR2SDRAM805内に一時保存されることとなる。
このようにして、デコード(伸張)された静止画や動画(1フレーム分の動画)は、コマンドパーサ8035によるコマンドリストの解析結果、すなわち、図3(b)に示す各種データ(フレームデータPS_DATA10,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14)に基づいて、ジオメトリエンジン8039が、拡大・縮小・回転・移動などのアフィン変換や、投影変換などの処理を施し、その処理が施された静止画データは、内蔵VRAM8040内に格納され、動画データは、DDR2SDRAM805内に格納されることとなる。
そして、その後、レンダリングエンジン8041が機能して、DDR2SDRAM805内に格納されている動画データが、DDR2SDRAMコントローラ8042によって読み出され、レンダリングエンジン8041によって、動画データが描画される。次いで、内蔵VRAM8040より静止画データが読み出され、静止画データが描画される。これにより、動画データ上に静止画データが上書き描画されることにより、液晶表示手段21に表示される画像データが生成されることとなる。なお、この生成された画像データは、DDR2SDRAMコントローラ8042によって、DDR2SDRAM805内のフレームバッファ領域内に書き込まれることとなる。
かくして、フレームバッファ領域内に書き込まれた画像データは、ディスプレイコントローラ8043によって、DDR2SDRAMコントローラ8042より読み出され、LVDS送信部8044によって液晶表示手段21に送信されることとなる。これにより、液晶表示手段21にレンダリングエンジン8041によって生成された画像データが表示されることとなる。
ところで、液晶表示手段21に表示される画像データは1フレーム毎に更新されるが、この1フレームの表示動作が終わったことをサブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)が把握できるように、図4に示すVSYNC(垂直同期信号)を割込み信号としてVDP803からサブ制御CPU800aに対して送信するようにしている。これにより、サブ制御CPU800aは、1フレーム分の画像データが液晶表示手段21に表示されたことを把握することができる。なお、このVSYNC割込み信号は、33ms毎に発生する。
図5は、1レイヤデータデータN−1(図3(a)参照)のフレーム描画動作を示したものであり、静止画としてのスプライト画像の描画原理を示すものである。CGROM804には、各キャラクタのパターンコード0000H〜0255H(Hは16進数を示す)に対応して16×16ドットのデータが圧縮されて記憶されている。この各16×16ドットの画像データをデコードした後内蔵VRAM8040の指定された各スプライト領域にマッピングして各スプライトを組合せることにより、内蔵VRAM8040内において表示画像のデータを作成し、そのデータにパレットテーブル173を利用して着色した上で実表示画像172として液晶表示手段21に表示させる。
1つの16×16ドットの画像データがマッピングされるスプライト領域の大きさは、小さければ小さいほど緻密で細かな映像を表示できる反面、全体としてスプライトの数が増加して表示制御動作の負担が増加して表示制御動作が遅くなる不都合が生じる。このような一長一短を考慮して本実施の形態においては16×16ドットの大きさのデータにしている。このCGROM804には、各種図柄を表示させるための画像データ(16×16ドットのデータ)や、液晶表示手段21の表示画面の背景を構成する画像データ(16×16ドットのデータ)等、各種画像データが圧縮されて記憶されているとともに、前述のトーンダウン画像を表示するためのトーンダウンデータも圧縮されて記憶されている(図6参照)。
パターン属性テーブル174には、液晶表示手段21の表示画面が切換えられる毎に切換えられた後の表示画面に必要な表示データがVDP803によって記憶される。なお、パターン属性テーブル174をサブワンチップマイコン800側で記憶してもよい。パターン属性テーブル174の記憶データは、液晶表示手段21の表示画面に表示される所定領域であるスプライトの表示位置(位置情報)と色情報と拡大率と画像の透過率とキャラクタのパターンコードとを含んでいる。このスプライトの表示位置(位置情報)は、図3で説明したように、アドレスデータPS_DATA111で指定された16ドット×16ドットデータについて、座標データPS_DATA12と画像サイズデータPS_DATA112とにより特定される。例えば、16ドット×16ドットの同じ種類のデータ(例えばパターンコード0000Hのドットデータ)を10行×10列内蔵VRAM8040にマッピングする場合に、その10行×10列のデータの左上隅の座標位置が座標データPS_DATA12で指定されれば、その10行×10列のデータ内の各16ドット×16ドットデータの左上隅の座標それぞれがパターン属性テーブル174の位置情報で指定される。
液晶表示手段21の表示画面上では、複数種類のスプライト領域が一部または全部重ね合わせられて表示される場合があり、その重ね合わせが内蔵VRAM8040上で行なわれる。その重ね合わせの際に、どちらのスプライトを優先して表示させるかが、図3(a)に示した優先順位で決まる。透過率は0.0〜1.0の数値となり、透明度を表す。透過率が高いとその画像は薄く表示されることになる。透過率1.0で完全な透明となる。拡大率はその表示データがもつ形状サイズの拡大率であり、1〜0の数値となる。
パレットテーブル173は、色データを0〜15の16種類にグループ分けして記憶しており、その1グループ(1パレット)内においてさらに0〜15の16種類の色データが二次元テーブルの形で記憶されている。パレット0〜パレット15のどのグループのパレットを選択指定するかがパターン属性テーブル174の色情報によって行なわれる。パターンコード(種類情報)とは、CGROM804に記憶されている複数種類の画像データ(16×16ドットのデータ)のうちのどの画像データを選択するかを指定するための識別用の番号のことである。
位置情報とは、選択された画像データを表示するスプライト領域を表示画面のどの位置に表示するかを決定するための座標データであり、具体的には、内蔵VRAM8040上にその画像データをマッピングする際の表示座標を指定するためのデータである。なお、図5では、内蔵VRAM8040の左上が座標(0,0)の原点である。
内蔵VRAM8040上にマッピングされた画像データに対してどのグループの色を使用するかが、パターン属性テーブル174の色情報によって選択指定される。この内蔵VRAM8040内にマッピングされた画像データが液晶表示手段21に表示されるべく出力され、その出力された画像データに対し前述した色情報によって選択指定されたグループのパレットの色データに従って着色処理がなされ、その着色処理された後の画像データが液晶表示手段21に表示される。
CGROM804には、前述したように、画素データが0〜15×0〜15のマトリックス状に配列された1単位の画像データが圧縮されて複数種類記憶されている。この16×16ドットのデータ毎にパターンコードが付されており、パターン属性テーブル174の種類情報(パターンコード)によってそのパターンコードが指定されて選択されるように構成されている。このパターンコードは、図3のアドレスデータPS_DATA111によって特定される。
16×16ドットの各ドットは、1画素(1ピクセル)に相当するものであり、この各ドット毎に0〜15の4bitの情報が記憶できるようになっている。この0〜15の4bitデータは、選択されたパレット(グループ)内に記憶されている0〜15の各色データを選択指定するものである。その結果、本実施の形態では、1画素(1ピクセル)毎に色データを指定してその指定された色データが液晶表示手段21に表示される。すなわち、色指定の最小単位は1画素(1ピクセル)である。
以上の構成において、所定の表示箇所にたとえば「●」を表示する制御がサブワンチップマイコン800によりなされた場合には、その表示制御用のデータがサブワンチップマイコン800からVDP803に伝送される。VDP803では、その伝送されてきた表示制御用データに含まれている「●」を表示する旨の指令に基づいて、「●」に対応する画像データ(16×16ドットデータ)のパターンコードを割出し、さらに伝送されてきた制御用データに含まれている実行カウント値に基づいてスプライトの表示位置を特定する。その特定されたパターンコードと表示位置との2つを満たしている属性データを記憶しているパターン属性テーブル174のアドレスを割出す。その割出されたアドレス(図5の場合にはアドレス0)に記憶されている属性データを用いて画像表示制御がなされる。具体的には、図5を参照して、「●」に対応するパターンコード0001Hに対応する画像データ(16×16ドットデータ)をCGROM804から読出して、そのデータをデコードした後内蔵VRAM8040上にマッピングする。そのマッピングの際には、パターン属性テーブル174のアドレス0に記憶されている位置情報(20,250)の座標データを用いて、内蔵VRAM8040上でスプライトの左上コーナ部分が座標(20,250)に位置するようにマッピングされる。
次に、パターン属性テーブル174のアドレス0に記憶されている色情報が「パレット15」であるために、パレットテーブル173のパレット15に記憶されているデータを用いて着色処理がなされる。具体的には、内蔵VRAM8040上にマッピングされた16×16ドットデータのスプライト領域にこのパレット15のデータが用いられ、16×16ドットの各画素を構成する4bitのデータがたとえば「2」の場合には、「2」のデータすなわち左から数えて3番目のデータであるR(レッド)が10でG(グリーン)が10でB(ブルー)が10のデータでその画素(ピクセル)が着色処理なされ、実表示画像172として表示される。また内蔵VRAM8040にマッピングされた16×16ドットのデータ中のあるドットデータが「14」のときには、パレット15における「14」すなわち右から数えて2番目のデータであるRが10でGが9でBが0のデータによりその画素(ピクセル)が着色処理される。このようにして例えば、「●」の画像が表示される。
なお、動画は複数枚(複数フレーム分)の静止画(スプライト画像)の集合を意味し、液晶表示手段21に複数枚の静止画が連続して描画されることで、円滑な動作が再現されるものである。この動画の場合には、前述したように、内蔵VRASM8040の代わりにDDR2SDRAM805を用いる。
次に、図3(a)に示した1レイヤデータN(トーンダウンデータ)のフレーム描画動作を図6に基づいて説明する。トーンダウンデータは内蔵VRAM8040全体の大きさである960×640ドットのデータからなり、そのトーンダウンデータが圧縮されてCGROM804に記憶されている。トーンダウン属性テーブル174bには、色情報として「パレット15」が記憶されており、透過率0.6が記憶されている。内蔵VRAM8040には1レイヤデータ1〜1レイヤデータN−1(図3(a)参照)が既にマッピングされている。
この状態で、CGROM804から960×640ドットのトーンダウンデータが読み出され、内蔵VRAM8040の1レイヤデータ1〜1レイヤデータN−1の前側(優先順位の高いレイヤ側)にさらに960×640ドットのトーンダウンデータが重ね合わせてマッピングされる。そして、色情報15によりパレット15が指定され、トーンダウンデータ960×640ドット全てが「15」であるためパレット15中の「15」のデータ即ちR(レッド)とG(グリーン)とB(ブルー)が全て6のデータで画素(ピクセル)が着色処理されて、実表示画像として表示される。その結果、1レイヤデータ1〜1レイヤデータN−1よりも1レイヤデータN(トーンダウンデータ)の方が優先順位が高いく表示され、1レイヤデータ1〜1レイヤデータN−1の画像がトーンダウンして表示されることになる。
この状態で、1レイヤデータN+1以降のデータをフレーム描画すれば、1レイヤデータN(トーンダウンデータ)よりも1レイヤデータN+1以降のデータの方が優先順位が高いく表示され、1レイヤデータN+1の画像が際立って視認性が高く表示されることになる。
図7は、サブワンチップマイコン800のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。サブワンチップマイコン800のサブCPU800aは、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図7に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、サブCPU800aは、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(S571)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動役物26の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
S571の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにS573〜S578のメインループ処理を行い、それ以外ではS80の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
S572の処理において、サブCPU800aは、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(S572)。上記メインループ更新周期用カウンタは、後述の演出制御側タイマ割込処理中のメインループ更新処理(図10のS696)で更新されるカウンタである。なお本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(S572:NO)、各種演出抽選用乱数の更新を行う(S579:各種演出用ソフト乱数更新処理)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(S572:YES)、サブCPU800aは、受信コマンド解析処理を行う(S573)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。この演出制御コマンドの中には、保留加算コマンド、保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、変動停止コマンドなどが含まれる。たとえば変動パターン指定コマンドが受信され、それが受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(特別図柄の変動時間、当選種別、および変動開始時の変動パターンなどの情報)と現在の作動保留球数情報とに基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより演出シナリオを構成する。そして、この演出シナリオのデータをサブ制御RAM800cのシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。なお、決定された演出シナリオの中に「ボタン予告演出」を組み込む場合、演出用の操作ボタン(演出ボタン)20aが操作されなかった場合の「非操作用演出シナリオ」を基本演出シナリオとして構築しておく。ボタン予告演出実行中に演出ボタン20aが操作された場合は、その非操作用演出シナリオを差し替えて、演出ボタン20aが操作された場合の「操作用演出シナリオ」に変更する必要が生じるが、このようなシナリオ変更に関する処理は、次に述べるS574の「シナリオ更新処理」で行うようになっている。
このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。たとえば、特別図柄が変動表示されている変動期間(特別図柄変動期間)内と実質的に同一期間内である、装飾図柄が変動表示されている変動期間(装飾図柄変動期間)内において、その時間軸上で、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、演出手段に現出させるかについての時間的なスケジュールがこのタイマにより管理される。斯様な演出シナリオタイマは、後述のランプデータ更新処理(S575)や可動役物データ更新処理(S577)においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、一の演出の発生時期が到来すると、スピーカ8用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをサブ制御RAM800cの指定領域に格納する。なお、光表示装置用のランプデータに関しては後述のランプデータ更新処理(S575)で、可動役物用のモータ制御データ(可動役物データ)に関しては後述の可動役物データ更新処理(ステップ577)で作成される。
またシナリオ更新処理では、上述の受信コマンド解析処理(S573)において決定された基本演出シナリオを必要に応じて書き換える場合がある。既に説明したように、基本演出シナリオの中に「ボタン予告演出」を組み込んだ場合は、現在の非操作用予告演出シナリオとは異なる操作用演出シナリオに変更する必要が生じる。ここでは、ボタン予告演出中に演出ボタン20aが操作されたことを確認した場合、「操作用演出シナリオ」に変更し(たとえば、パーツ演出を組み替える)、その変更した演出シナリオデータを上記シナリオ設定領域に再設定する。
次いで、ランプデータ更新処理を行う(S575)。このランプデータ更新処理では、演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ部やLEDなどの光表示装置用のランプデータを作成し、サブ制御RAM800cの指定領域に格納する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出LED管理処理で利用される。
次いで、サウンド出力処理を行う(S576)。このサウンド出力処理では、S074のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカ8から効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、可動役物データ更新処理を行う(S577)。この可動役物データ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動役物用のモータ制御データを作成する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の可動役物動作管理処理(図10のS694)で利用される。
次いで、音源LSIなどの誤作動を監視するノイズ対策管理処理を行う(S578)。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。これにより、メインループ処理を終了して、次のメインループ更新周期が到来するまで、S579の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
次に図8を参照して、コマンド受信割込処理について説明する。図8は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御基板31から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図10)よりも優先的に実行される。
まずサブCPU800aは、図7に示すメイン処理実行中に主制基板31側からのストローブ信号に基づく割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させて(S581)、受信した演出制御コマンドをサブ制御RAM800cのコマンド受信バッファに格納し(S582)、退避していたレジスタの内容を復帰させる(S583)。これにより、コマンド受信割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御部側メイン処理に戻り、次の上記ストローブ信号に基づく割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。このように、主制御基板31から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、このコマンド受信割込処理が実行されて、演出制御コマンドを受信した時点で、そのコマンドがコマンド受信バッファに格納される。
次に、図7のS573に示す受信コマンド解析処理の詳細を図9に基づいて説明する。まず、サブCPU800aは、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かの判定を行う(S590)。演出制御コマンドが格納されていない場合には、この受信コマンド解析処理を終了する。一方、受信コマンドが格納されている場合には、演出制御コマンドを読出す処理を行う(S591)。そして、読出した演出制御コマンドがどのようなコマンドであるかを判定する処理を行う。具体的には、保留加算コマンドであるか否か(S592)、保留減算コマンドであるか否か(S593)、変動パターンコマンドであるか否か(S594)、装飾図柄指定コマンドであるか否か(S595)、変動停止コマンドであるか否か(S596)の判定を行う。これらの各コマンドでないと判定された場合にはその他の演出制御コマンド受信処理を実行する(S597)。
一方、S591により読出された演出制御コマンドが保留加算コマンドであった場合には、制御がS598へ進み、保留加算コマンド受信処理を実行する。減算コマンドであった場合には、制御がS599へ進み、保留減算コマンド受信処理を実行する。変動パターンコマンドであった場合には制御がS600へ進み、変動パターンコマンド受信処理を実行する。装飾図柄指定コマンドであった場合には制御がS601へ進み、装飾図柄指定コマンド受信処理を実行する。変動停止コマンドであった場合には、制御がS602へ進み、変動停止コマンド受信処理を実行する。
次に図10を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図10は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms程度)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図10において、サブ制御CPU800aは、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(S691)、演出ボタン入力管理処理を行う(S692)。この演出ボタン入力管理処理では、演出ボタン20aからの操作(ON操作)検出信号の入力の有無を監視し、当該操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をサブ制御RAM800cの所定領域に格納する。この情報は、上記ボタン予告演出に利用される。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(S693)。この液晶コマンド送信処理では、図7の演出制御側メイン処理中のシナリオ更新処理(S574)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信して、液晶表示手段21に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、可動役物動作管理を行う(S694)。この可動役物動作管理では、可動役物データ更新処理(S577)で作成された可動役物用のモータ制御データに基づき、駆動制御部を通じて可動役物モータに制御信号を出力する。これにより、演出シナリオに沿った可動役物26による視覚的演出が実現される。
次いで、演出LED管理を行う(S695)。この演出LED管理では、ランプデータ更新処理(S575)で作成されたランプデータに基づき、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45やLEDを点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、メインループ更新周期を管理するメインループ更新処理を行う(S696)。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新する(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。
以上のS691〜S696の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させる(S697)。これにより、このタイマ割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。
図11〜図13は受信コマンド解析処理(図7のS573)で実行される処理のうち、先読み予告演出と関連性の深いものを示したものである。以下、「保留加算コマンド」、「変動パターン指定コマンド」、および「装飾図柄指定コマンド」を受信した場合についてそれぞれ説明する。
図11は、保留加算コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この保留加算コマンドは、特別図柄始動手段17の特別始動口17a,17bに遊技球が入賞したときに主制御基板31から送信されてくるコマンドである。
図11において、サブCPU800aは、保留加算コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し、先読み判定結果情報を取得する(S711)。ここでは取得した情報を、サブ制御RAM800cの先読み情報記憶エリアに格納する。先読み情報記憶エリアにはサブ制御RAM800cの保留記憶エリアと同じように、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した先読み情報記憶エリア(特別図柄1側に対応する先読み情報記憶エリアと、特別図柄2側に対応する先読み情報記憶エリア)が設けられている。また、これら先読み情報記憶エリアには、作動保留球数に対応した保留1先読み情報記憶エリア〜保留n先読み情報記憶エリア(本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の先読み判定結果情報が格納可能となっている。たとえば、今回受信した保留加算コマンドが「B707H」というコマンドであった場合、サブCPU800aは、「特図1保留2個指定、強SPリーチA、およびハズレB」(先読み変動パターンX7)という内容を把握し、これを特別図柄1側の保留2先読み情報記憶エリアに格納する。これにより、現存する作動保留球がどのような先読み判定結果であったかが特定できるようになっている。
S713の処理に進み、「連続予告カウンタ」がゼロか否かを判定する(S713)。この「連続予告カウンタ」とは、重複して先読み予告演出が発生してしまうことを禁止する禁止期間を定めるためのカウンタである。具体的には、次に述べるS714の先読み予告抽選により今回の作動保留球が先読み予告演出の実行対象とされた場合(先読み予告抽選に当選した場合)、今回の作動保留球が消化される(変動表示動作に供される)までの間に、新たに生じた作動保留球が先読み演出の実行対象とされないようにするためのカウンタである。なお「連続予告カウンタ」には、上述の理由から、現在の作動保留球数の値が格納されるようになっている(後述のS717参照)。
上記連続予告カウンタがゼロでない場合(S713:NO)、先読み予告抽選禁止状態であるとして、何もしないでS718の処理に進む。
連続予告カウンタの値がゼロである場合(S713:YES)、先読み予告抽選許可状態であるとして、先読み予告抽選処理を行う(S714)。この先読み予告抽選処理では、先読み変動パターン情報に基づいて、「保留表示変化系(入賞時変化系)の先読み予告演出」(以下、「保留先読み予告演出」と称する)の実行可否と、「画像表示変化系(変動開始時変化系)の先読み予告演出」(以下、「背景先読み予告演出」と称する)の実行可否とを抽選により決定する。なお上記先読み予告抽選は、現存する作動保留球に係る先読み変動パターンの中に、リーチ有り変動パターン種別がないことを条件に行われる。リーチ有り変動パターンの有無の確認は、今回の保留加算コマンドが、特別図柄1側の作動保留球に係るものであれば特別図柄1側の先読み情報記憶エリア内の情報を確認し、特別図柄2側の作動保留球に係るものであれば特別図柄2側の先読み情報記憶エリア内の情報を確認することにより行うことができる。なお今回の先読み判定結果情報が「不定(通常変動・リーチ)」である場合は、変動開始時の変動パターンがリーチ有り変動パターンである可能性があるため、このときは、リーチ有り変動パターンとみなすことが好ましい。
本実施形態では、‘保留先読み予告演出’を発生させる場合に限り、‘背景先読み予告演出’を重複的に発生させて、どの作動保留球が先読み予告演出の対象となっているかを明確に示唆するとともに、大当り当選期待感を煽ることができるようになっている。したがって先読み予告抽選では、(I)保留先読み予告演出だけを実行可とするか、(II)保留先読み予告演出と背景先読み予告演出の双方を実行可とするか、(III)いずれの先読み予告も実行しないとするか、といった3つのケースが抽選により決定される。いずれのケースが決定されるかは、当選種別(本実施形態では、大当り種別、小当り種別、ハズレ種別)および/または先読み変動パターンの内容に関連付けられた「先読み予告抽選テーブル(図示せず)」により決定される。この先読み予告抽選テーブルには、上記(III)が大当り当選期待度が最も低く、また上記(I)のケースよりも(II)のケースの方が大当り当選期待度が高い傾向となるように、上記(I)〜(III)の選択率が定められている。具体的には、主制御基板31側で決定される当選種別や先読み変動パターンの選択率を考慮し、大当り当選期待度が相対的に低いリーチ種別(たとえば、弱SPリーチA種別または弱SPリーチB種別)の場合には上記(I)のケースの選択率が相対的に高く、大当り当選の場合や大当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別(たとえば、強SPリーチA種別または強SPリーチB種別)の場合には上記(II)のケースの選択率が相対的に高くなるように定められている。また通常変動パターン種別の場合には、上記(III)のケースの選択率が相対的に高くなるように定められている。
なお上記先読み予告抽選では、上記(I)〜(III)の他、(IV)背景先読み予告演出だけを実行するか否かを抽選する場合も含めても良い。また(V)可動役物26による先読み演出(役物先読み予告演出)を実行可能に構成している場合は、可動役物26を‘保留先読み予告演出’および/または‘背景先読み予告演出’とともに、あるいは単独で、実行可とするか否かを抽選する場合も含めても良い。上記(IV)および/または(V)を含む場合、(I)〜(V)のいずれのケースが発生した場合に、大当り当選期待度が高い傾向となるかは、主制御基板31側で決定される当選種別の選択率や先読み変動パターンの選択率を考慮して自由に定めることができる。
なお、上記(I)〜(V)のいずれの場合もあるいは(I)〜(V)のいずれかの場合に、大当りが発生しないにもかかわらず大当りの先読み予告を低確率で行う制御(ガセ予告制御)を行う。また、先読み予告が実行可能な状態であって大当りが発生するにもかかわらず大当りの先読み予告を行わない制御(間引き制御)を行う。なお、このガセ予告制御と間引き制御との双方あるいは一方を行わないようにしてもよい。
次いで、S714の先読み予告抽選の結果、先読み演出を実行可と決定した場合、上記(I)の場合は先読み動作ステータスに「01H」を、上記(II)の場合は先読み動作ステータスに「02H」を、上記(III)のいずれの先読み予告も実行しないと決定した場合には、先読み動作ステータスに「00H」をサブ制御RAM800cの所定領域に格納する(S715)。
次いで、先読み判定動作ステータスを判定する(ステップ716)。先読み動作ステータスが「00H」の場合(S716:=00H)、先読み予告演出は行われないので、何もせずにS718の処理に進む。
一方、先読み動作ステータスが「00H」以外である場合(S716:≠00H)、作動保留球数(保留記憶個数)を連続予告カウンタに格納する(S717)。たとえば、今回受信した保留加算コマンドが「B706H」というコマンドであった場合、当該コマンドは「特図1保留2個指定」であるので、連続予告カウンタには、その保留2個を示す「02H」が格納される。これにより、新たな作動保留球を対象とした先読み予告抽選が一定期間禁止される。なお、このカウンタ値は、後述の図13の装飾図柄指定コマンドを受信処理において、先に生じた古い作動保留球が消化されるごとに1つずつ減算されるようになっている。
S718の処理に進むと、保留加算表示処理を行う(S718)。この保留加算表示処理では、保留先読み予告抽選の結果に基づき、保留表示部28、29の保留表示に係る演出データをサブ制御RAM800cの保留表示データ記憶エリア(保留表示用シナリオ設定領域)に格納する。この保留表示データ記憶エリアにはサブ制御RAM800cの保留記憶エリアと同じように、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留表示データ記憶エリア(特別図柄1に対応する特図1保留表示データ記憶エリアと、特別図柄2に対応する特図2保留表示データ記憶エリア)が設けられている。これら保留表示データ記憶エリアには、保留1表示データ記憶エリア〜保留n表示データ記憶エリア(nは最大保留表示数:本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留表示用の演出シナリオデータが格納可能となっている。サブCPU800aは、この保留表示データ記憶エリア内の保留表示用演出シナリオデータを参照して、保留表示部28、29に対してどのような保留表示を行うかを特定できるようになっている。
上記保留表示用演出シナリオについては、S714の「先読み予告抽選」に非当選(ハズレ)であった場合には(先読み予告動作ステータス=00H)、通常保留表示用の演出データ(たとえば、保留アイコン「青色」の演出データ)が格納される。他方、先読み予告抽選に当選した場合には(先読み予告動作ステータス≠00H)、保留先読み予告(専用保留表示)用の演出データ(たとえば、保留アイコン「青色、黄色、緑色、赤色、または虹色」の演出データ)が格納される。なお何色の保留色にするのかは、当選種別(本実施形態では、大当り種別、小当り種別、ハズレ種別)および/または先読み変動パターンの内容に関連付けられた「保留色選択テーブル(図示せず)」により決定される。この保留色選択テーブルには、「青色<黄色<緑色<赤色<虹色」の関係で大当り当選期待度が高い傾向となるように、その保留色の選択率が定められている。たとえば「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また大当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が、大当り当選期待度の高い保留色が高確率で選択されるようになっている。
本実施形態では「先読み予告抽選」に当選した場合、先読み予告演出対象となった作動保留球に係る保留アイコンの色が、たとえば、黄色、緑色、赤色または虹色のいずれかの色(通常は青色)に変化し、当該作動保留球が消化されるまでの間(変動表示動作に供されるまでの間)、その保留表示が連続的に出現するようになっている。なお詳細は後述するが、「背景先読み予告演出」にも同時当選した場合、保留先読み予告演出とともに、専用予告画像による先読み予告演出が液晶表示手段21の画面内に出現し、専用予告画像による先読み予告演出が連続的に出現することになる。
上記S714の先読み予告抽選処理は、先読み判定手段(特図1側の第1の先読み判定手段または特図2側の第2の先読み判定手段)による先読み判定結果を演出開始条件に(先読み判定情報を含む演出制御コマンド(保留加算コマンド)を受信したことを条件に)、当該先読み判定結果に関連する情報を報知する先読み予告演出の実行可否を判定する予告実行判定手段として働く。また上記S718または後述のS755〜S760の処理は、上記予告実行判定手段により前記予告演出を実行可と判定された場合、液晶表示手段21に対して前記先読み予告演出を現出制御する予告演出制御手段として働く。
なお本実施形態では、液晶表示手段21における画像表示により、保留表示変化系と画像表示変化系の両方の先読み予告演出を発生させる形態を説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、保留表示系の先読み予告演出をパチンコ遊技機1の適所に設けた保留表示器により、画像表示変化系の先読み予告演出を液晶表示手段21により、別々の演出手段により現出可能に構成しても良い。この場合、上記予告演出制御手段は、専用の保留表示器(図示せず)に対して上記保留表示変化系の先読み予告演出を現出制御する保留先読み予告制御演出手段と、装飾図柄表示手段(液晶表示手段21)に対して上記画像表示変化系の先読み予告演出を現出制御する画像先読み予告制御手段としての機能部を含むことができる。また、先読み予告演出をパチンコ遊技機1の適所に設けた可動役物26の動作態様により表現しても良い。この場合、上記予告演出制御手段は、可動役物26に対して先読み予告演出を現出制御する可動体制御手段を含むことができる。
本実施形態では、前述の先読み演出の他に、いわゆる疑似連(疑似連続予告)も実行可能である。疑似連とは、図柄の変動開始から確定停止までの1回の抽選表示の間に、図柄を仮停止させた後再変動させる制御を1回または2回以上繰り返すことによって予告演出を行い、いかにも複数回の変動表示(抽選表示)に亘って連続予告演出を行っているよう見せかける演出である。主制御基板31のコマンド送信手段58から送信されてきた演出制御コマンド中に疑似連を実行する旨のコマンドが含まれていた場合に、演出制御基板32のサブワンチップマイコン800は、疑似連を液晶表示手段21に表示させる制御を行う。
図12は、変動パターン指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この変動パターン指定コマンドは、主制御基板31から送信されてくる演出制御コマンドである。
図12において、サブCPU800aは、変動パターン指定コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し(S731)、その内容である特別図柄の変動パターン情報を取得し、サブ制御RAM800cの所定領域に格納する(S725)。図柄変動表示ゲーム中の演出シナリオは、まだこの時点では決定せず、変動パターン指定コマンドに続いて送られてくる装飾図柄指定コマンドを受信した場合に決定される。つまり、ここで格納された変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる情報(特別図柄判定データ情報)とに基づき、図柄変動表示ゲーム中の演出シナリオが決定されるようになっている。
図13は、装飾図柄指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この装飾図柄指定コマンドは、主制御基板31から送信されてくる演出制御コマンドである。
図13において、サブCPU800aは、装飾図柄指定コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析して、その内容を取得する(S751)。
次いで、装飾図柄停止図柄抽選処理を行う(S752)。この停止装飾図柄抽選処理では、S732の処理で得られた変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる当選種別情報とに基づき、最終的に停止させる左図柄・中図柄・右図柄(装飾図柄停止図柄の組合せ)をそれぞれ抽選により決定する。たとえば、リーチ状態を伴う当り変動パターンで、そのときの大当り種別が16R開放確変大当りである場合、まず左図柄を抽選して、その左図柄とリーチ状態が形成可能な装飾図柄を右図柄として決定し、決定された左図柄と右図柄とに基づき、16R開放確変大当りに関連した装飾図柄列で最終的に停止されるように中図柄を決定する。これにより、今回の装飾図柄変動表示ゲームが完了したときの装飾図柄の組合せが定まる。そして、決定された装飾図柄データをサブ制御RAM800cの装飾図柄データ格納領域に格納する。
次いで、連続予告カウンタがゼロであるか否かを判定する(S753)。連続予告カウンタがゼロである場合(S753:YES)、何もしないでS757の処理に進む。
連続予告カウンタがゼロでない場合(S753:NO)、次いで、先読み動作ステータスを取得し判定する(S754)。先読み動作ステータスが「02H」以外であった場合(S754:≠02H)、何もしないでS757の処理に進む。
先読み動作ステータスが「02H」であった場合(S754:=02H)、この場合は背景先読み予告演出実行となるので、S755の処理に進み、背景先読み予告設定処理を行う(S755)。この背景先読み予告設定処理では、まず、S732の処理で得られた変動パターン情報に基づき、複数種類の背景先読み予告演出のうちからいずれか1つの背景先読み予告演出を抽選により決定する。たとえば、専用予告画像の一例として稲妻画像を表示する場合に落雷の強さレベルを表現した、強落雷の稲妻演出、中落雷の稲妻演出、弱落雷の稲妻演出を含む複数種類の専用予告演出(例えば稲妻演出)のうちからいずれかを1つ専用予告演出(例えば稲妻演出)を抽選により決定する。いずれの専用予告演出(例えば稲妻演出)を発生させるかは、変動パターンに関連付けられた「専用予告演出選択テーブル(図示せず)」により決定される。この専用予告演出選択テーブルには、「弱落雷<中落雷<強落雷」の関係で大当り当選期待度が高い傾向となるように、その専用予告演出(例えば稲妻演出)種の選択率が定められている。
なお既に説明したが、入賞時に定まる「先読み変動パターン」と変動開始時に定まる「変動開始時の変動パターンに係る基本パターン」とは、実質的に同一のパターン種が選択されるようになってので、保留アイコンの保留色による大当り当選期待度と専用予告演出(例えば稲妻演出)による大当り当選期待度とは、密接な関連性を持つ。より詳しくは、保留先読み予告演出が単独で出現した場合よりも保留先読み予告演出と背景先読み予告演出とが重複して出現した場合の方が、より明確に大当り当選期待度が示唆されるようになっている。たとえば、保留色が「赤色」で稲妻演出が「強稲妻」である場合には、大当り当選期待度が飛躍的に高まるが、保留色が「赤色」であっても稲妻演出が「弱稲妻」である場合には、それよりも大当り当選期待度が低下する。このように本実施形態では、単独の先読み予告演出が出現した場合よりも複数の先読み予告演出が混在した場合の方がより明確な大当り当選期待度が示唆されるようになっている。
また背景先読み予告設定処理では、背景先読み予告演出の実行回数を連続カウンタの値と同数値を設定し(背景予告実行カウンタに連続カウンタの値を格納)、先読み動作ステータスを「00H」に切り替える(先読み動作ステータスに00Hを格納)。これにより、一の保留加算コマンドが受信されて背景先読み予告演出を実行すると決定された場合、先に生じた最も古い作動保留球が変動開始時において上記背景先読み予告設定処理が行われるが、次回以降の他の保留加算コマンドが受信されたときに、連続予告カウンタがゼロで、かつ先読み動作ステータスが「02H」になっていない限り、この背景先読み予告設定処理は行われない。すなわち、本実施形態では、先読み予告演出の対象となった作動保留球が消化しない限り新たな先読み予告演出は発生せず、重複した先読み予告演出の発生が禁止されるようになっている。なお、先読み予告演出の対象となった作動保留球が消化する前から新たな先読み予告演出は発生させて重複した先読み予告演出を行うように制御してもよい。
次いで、S756に進むと、今回の作動保留球の消化分として、連続予告カウンタから1減算する(S756)。
次いで、背景予告実行カウンタがゼロであるか否かを判定する(S757)。背景予告実行カウンタがゼロでなければ(S757:NO)、今回の作動保留球の消化分として、背景予告実行カウンタから1減算し(S758)、背景先読み予告演出実行であるとして、S759の専用予告演出(例えば稲妻演出)有りの演出シナリオ設定処理に進む。一方、背景予告実行カウンタがゼロであれば(S757:YES)、背景先読み予告演出は実行されないとして、S761の専用予告演出(例えば稲妻演出)無しの演出シナリオ設定処理に進む。
上記S758の専用予告演出(例えば稲妻演出)有り演出シナリオ設定処理では、今回の装飾図柄変動表示ゲーム中に現出させる予告演出として、背景先読み予告である専用予告演出(例えば稲妻演出)を含めた演出シナリオを決定する。これにより、背景先読み予告演出として専用予告演出(例えば稲妻演出)の一つが選択された場合には、変動開始時に液晶表示手段21の画面内に専用予告画像が出現することになる。他方、S761の専用予告演出(例えば稲妻演出)無し演出シナリオ設定処理では、背景先読み予告である専用予告演出(例えば稲妻演出)を除いた演出シナリオを決定する。なお演出シナリオは、変動パターン指定コマンドや装飾図柄指定コマンドに含まれる情報(変動パターン情報や当選種別など)と、現在の演出モードとに基づき、パーツ演出としての複数種類の予告演出を決定して演出シナリオを構築し、このデータをサブ制御RAM800cのシナリオ設定領域に格納する。
上述の演出シナリオ設定処理を終えると、装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定処理を行う(S760)。ここでは、保留表示シフト処理を含めた装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定を行う。上記保留表示シフト処理では、装飾図柄変動演出を開始するに伴い、保留表示データn記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留表示データ記憶エリア(保留2表示データ記憶エリア、保留3表示データ記憶エリア、保留4表示データ記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留表示データ記憶エリアに上書きし、保留4表示データ記憶エリアに空き領域を設ける。空き領域となっている保留表示データ記憶エリアには保留表示用の演出シナリオデータが格納されていないため、この場合は、保留表示演出は行われずに該当表示箇所は消灯状態として表示される。これによりサブCPU800aは、保留表示データ記憶エリア内に格納されている保留表示用演出シナリオを参照して、現存する保留表示部の位置が全体として古い記憶位置側に1つシフトされる演出表示を行い、装飾図柄変動表示ゲーム開始時には作動保留球が消化された状態を表現した保留表示を行うようになっている。なお、サブ制御RAM800cの先読み情報記憶エリアに関しても、上述の保留表示データ記憶エリアのシフト処理と同様にして、保留n先読み情報記憶エリア(n=2、3、4)に対応する先読み情報記憶エリアに格納されている先読み判定結果情報を、それぞれ‘n−1’に対応する先読み情報記憶エリアに上書きし、保留4先読み情報記憶エリアに空き領域を設け、次の保留加算コマンドを受信した場合の先読み判定結果情報を格納する領域を確保するようになっている。
S760の処理を終えると、装飾図柄指定コマンド受信処理を抜けて、以後、装飾図柄変動表示ゲームが開始されることになる。このようにサブ制御CPU800aは、第1の制御コマンド(保留加算コマンド)を受信したことを条件に、所定の変動開始条件が成立せずに未だ保留情報が消化されていない図柄遊技(図柄変動表示ゲーム)について、その保留情報に基づく図柄遊技の表示結果がどのような表示結果となるかについての情報を予告する予告演出(先読み予告演出)を現出制御する予告演出制御手段と、第2の制御コマンド(変動パターン指定コマンド)を受信したことを条件に(本実施形態では、変動パターン指定コマンドに続く装飾図柄指定コマンドを受信したことを条件に)、演出表示手段(たとえば、液晶表示手段21)における装飾図柄遊技(装飾図柄変動表示ゲーム)の実行を開始させる図柄遊技実行制御手段が含まれる。
次に、S692の演出ボタン入力管理処理の具体的制御動作を図14(a)に基づいて説明する。サブ制御CPU800aは、ボタン操作フラグがONになっているが否か判定する(S790)。このボタン操作フラグは後述するS795でONとなりS803でOFFになる。未だONになっていない場合には、背景予告実行カウンタが「0」であるか否か判定する(S791)。背景予告実行カウンタ「0」の場合にはこの演出ボタン入力管理処理が終了する。背景予告実行カウンタが「1」以上の場合には先読み予告演出がボタン操作を伴うボタン予告か否か判定する(S792)。ボタン予告の場合にはボタン操作を促す演出パターンを設定する(S793)。次に、ボタン操作があるか否か判定し(S794)、演出ボタン20aが操作されれば制御がS795へ進み、ボタン操作フラグをONにする。
次に、S574のシナリオ更新処理の具体的制御動作を図14(b)に基づいて説明する。サブ制御CPU800aは、ボタン操作フラグがONになっているか否か判定し(S800)、ONになっていない場合にはこのシナリオ更新処理が終了する。ボタン操作フラグがONになっている場合には、前述のS759により設定された演出シナリオをボタン操作時の演出シナリオに変更する処理を行う。その結果、遊技者がボタン操作したときのボタン予告演出のシナリオに変更され、そのボタン予告演出のシナリオに従った演出表示(ボタン装置押下時演出)が液晶表示手段21により表示される。次に、ボタン予告が終了したか否か判定し(S802)、終了した段階でボタン操作フラグをOFFにする(S803)。
続いて、図15(a)を参照して、S702のコマンドリスト生成処理にて詳述する。まず、サブ制御CPU800aは、S810にて、抽選により決定された演出パターンに対応する演出シナリオデータPS_DATA(図3(a)参照)を演出シナリオテーブルPR_TBLより選択し、その選択した演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1に格納されている各種データ(フレームデータPS_DATA10,制御コードデータPS_DATA11,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14)に基づき、VDP803に液晶表示手段21に表示させる画像データを生成するためのコマンドリストを生成する処理を行う(S811)。なお、遊技者の演出ボタン20aの操作によっては、演出ボタン装置押下時演出が発生する場合、演出ボタン装置押下時用のコマンドリストと、演出ボタン装置非押下時用のコマンドリストとが生成されることとなる。
次いで、サブ制御CPU800aは、上記選択された演出シナリオデータPS_DATAに格納されているボタンデータPS_DATA113(図3(c)参照)に組み込まれているボタン検出有効可能フラグBU_FLGの内容をサブ制御RAM800c内のメモリ領域に格納する。
そしてさらに、サブ制御CPU800aは、上記選択された演出シナリオデータPS_DATAに格納されているランプデータPS_DATA17(図3(b)参照)のデータ内容に基づき、光に関する制御信号を生成し、サブ制御RAM800c内に格納する処理を行う。なお、遊技者の演出ボタン20aの操作によっては、演出ボタン装置押下時演出が発生する場合、演出ボタン装置押下時用の制御信号と、演出ボタン装置非押下時用の制御信号とが生成されることとなる。
また、サブ制御CPU800aは、上記選択された演出シナリオデータPS_DATAに格納されている可動役物データPS_DATA16(図3(b)参照)のデータ内容に基づき、上・左・右・左上可動役物43a〜43dの動作内容を決定し、その決定した動作内容に応じた可動体26のモータ26aのモータデータを生成する。なお、遊技者の演出ボタン20aの操作によっては、演出ボタン装置押下時演出が発生する場合、演出ボタン装置押下時用のモータデータと、演出ボタン装置非押下時用のモータデータとが生成されることとなる。
またさらに、サブ制御CPU800aは、上記選択された演出シナリオデータPS_DATAに格納されている音データPS_DATA15(図3(b)参照)のデータ内容に基づき、音に関する制御信号を生成する(S812)。なお、遊技者の演出ボタン20aの操作によっては、演出ボタン装置押下時演出が発生する場合、演出ボタン装置押下時用の制御信号と、演出ボタン装置非押下時用の制御信号とが生成されることとなる。
かくして、サブ制御CPU800aは、S811にて抽選により決定した演出パターンに基づくデータを全て生成し終えるまで(S813:NO)、上記S811及びS812の処理を繰り返し行い、上記データを全て生成し終えると(S813:YES)、S814の処理に進む。
次いで、サブ制御CPU800aは、上記S812にてサブ制御RAM800c内に格納したボタン検出有効可能フラグBU_FLGの内容及びS804にて処理した演出ボタン20aの入力内容に基づき、演出ボタン装置有効時処理を行う(S814)。具体的には、ボタン検出有効可能フラグBU_FLGが有効に設定されており、且つ、演出ボタン20aが遊技者に押下された瞬間であれば、サブ制御CPU800aは、演出ボタン装置押下時演出を実行する。すなわち、サブ制御CPU800aは、S811にて生成した演出ボタン装置押下時用のコマンドリストをVDP803(図4参照)に送信する。これにより、VDP803は、CGROM804内に格納されている静止画圧縮データ並びに動画圧縮データを読み出し、その読み出した静止画圧縮データ並びに動画圧縮データをデコードし、そのデコード後の画像データを適宜変換処理した上で、DDR2SDRAM805のフレームバッファ領域に格納し、もって、その格納した画像データを液晶表示手段21に表示させる。この処理により、液晶表示手段21に演出ボタン20aの押下時演出が表示されることとなる。
一方、サブ制御CPU800aは、可動役物タイミングデータPS_DATA114(図3(c)参照)内に可動体26の可動を開始するタイミングを示すデータが格納されていると、そのタイミングに合せてS811にて生成した演出ボタン装置押下時用のモータデータを出力ポートよりシリアル転送で送信する。これにより、可動体26が、上記可動開始タイミングに応じてそのモータデータに基づいた動作をすることとなる。
また、サブ制御CPU800aは、S811にて生成した演出ボタン装置押下時用の音に関する制御信号に応じたBGMあるいは効果音を音ROM(図示せず)から読み出す。これにより、サブ制御CPU800aは、その読み出した音データに基づく処理を行い、音源データとしてスピーカ8へ出力する処理を行う。
そして、サブ制御CPU800aは、S811にて生成した演出ボタン装置押下時用の光に関する制御信号を選定し、サブ制御RAM800c内に記憶する処理を行う。この制御信号により、装飾ランプ(LED25)が点灯又は消灯制御されることとなる。
次に、S811の1レイヤデータに基づいたコマンドリストの生成処理を図15に基づいて説明する。このコマンドリストは、VDP803(コマンドパーサ8035)に対する指令を列記したコマンド列であるが、その記載内容や記載順序が、動画の描画を指示する場合と、静止画の描画を指示する場合とでやや相違する。
動画の描画をVDP803に指示する場合は、図15(b)の初期コマンドリストと、図15(c)の定常コマンドリストの構成となる。
図15(b)に示すように、サブ制御CPU800aは、先ず、フレームバッファ領域が設定されているDDR2SDRAM805のメモリ領域、並びに、DDR2SDRAM805の動画データを格納するメモリ領域の設定を行うコマンドを生成する(ステップS820)。なお、フレームバッファ領域が設定されているDDR2SDRAM805のメモリ領域を設定するにあたっては、図3(c)に示す画像サイズデータPS_DATA112が参照される。すなわち、サイズが例えば640×320であれば、それに応じたメモリ領域が設定されることなる。
次いで、動画のデコードを指示するコマンドを生成する(ステップS821)。具体的には、どの動画圧縮データをデコードするかの指示であり、該当する動画が格納されているCGROM804のアドレス番地やその動画のフレーム数などと共に指示する。なお、該当する動画が格納されているCGROM804のアドレス番地は、図3(c)に示すアドレスデータPS_DATA111が参照され、その動画のフレーム数は、図3(b)に示すフレームデータPS_DATA10が参照される。
次いで、終了処理用コマンドを記入して初期コマンドリストの生成を終える(S822)。
続いて、サブ制御CPU800aは、図15(c)に示す定常コマンドリストを生成する。
この定常コマンドリストは、図15(c)に示すように、動画の描画指示で構成されており、上記初期コマンドリストにおいて、デコードした動画データに関し、どのフレーム番号のデコードデータを、液晶表示手段21のどの座標位置に描画するかのコマンドを生成する(ステップS826)。次いで、終了処理用コマンドを記入して定常コマンドリストの生成を終える(ステップS827)。なお、この描画指示にあたってのコマンド生成は、図3(b)に示すフレームデータPS_DATA10,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14が参照される。
一方、静止画の描画をVDP803に指示する場合、図15(d)に示すとおり、サブ制御CPU800aは、先ず、フレームバッファ領域が設定されているDDR2SDRAM805のメモリ領域、並びに、静止画データを格納する内蔵VRAM8040のメモリ領域の設定を行うコマンドを生成する(ステップS830)。なお、フレームバッファ領域が設定されているDDR2SDRAM805のメモリ領域を設定するにあたっては、図3(c)に示す画像サイズデータPS_DATA112が参照される。すなわち、サイズが例えば640×320であれば、それに応じたメモリ領域が設定されることなる。
次いで、静止画のデコードを指示するコマンドを生成する(ステップS831)。具体的には、どの静止画圧縮データをデコードするかの指示であり、該当する静止画が格納されているCGROM804のアドレス番地やデータサイズなどと共に指示する。なお、該当する静止画が格納されているCGROM804のアドレス番地は、図3(c)に示すアドレスデータPS_DATA111が参照され、データサイズは、図3(c)に示す画像サイズデータPS_DATA112が参照される。
次いで、デコードされた静止画データを、液晶表示手段21のどの座標位置に、どのような態様(回転角度や縮小拡大等)で描画するかのコマンドを生成する(ステップS832)。次いで、終了処理用コマンドを記入して静止画に関するコマンドリストの生成を終える(ステップS833)。なお、この描画指示にあたってのコマンド生成は、図3(b)に示すフレームデータPS_DATA10,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14が参照される。
かくして、このような動画に関するコマンドリスト並びに静止画に関するコマンドリストは、VDP803(図4参照)に送信され、適宜処理された上で、液晶表示手段21に送信される。これにより、液晶表示手段21に所望の画像が表示されることとなる。
サブ制御CPU800aは、主制御CPU600より送信されてくる演出制御コマンドによって、図3(a)に示す演出シナリオテーブルPR_TBLに格納されている複数の演出シナリオデータPS_DATAのうち、何れかの演出シナリオデータPS_DATAを選択し、その選択した演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1を優先順位の低いものから順に参照し、コマンドリストを生成するためである。すなわち、本実施形態によれば、この優先順位が低い位置に、図3(c)に示す制御テーブルCH_TBLより動画を示すデータPS_DATA110(図3(c)参照)が参照されるような制御コードデータPS_DATA11が格納され、優先順位が高い位置に、図3(c)に示す制御テーブルCH_TBLより静止画を示すデータPS_DATA110(図3(c)参照)が参照されるような制御コードデータPS_DATA11が格納されている。
以下、液晶表示手段21への画像表示による演出の具体例を説明する。まず、特別図柄表示手段23a,23bの変動中に行われるボタン押下演出及びそのボタン押下演出を予告するボタン予告演出に関する演出画像を図16に基づいて説明する。
図16(a)に示すPR_TBLは、ボタン予告演出に対応するもので、優先順位の低いものから順に、背景、左図柄(停止)、中図柄(変動中)、右図柄(停止)、黒色半透明のトーンダウンデータ(図6参照),予告文字(「ボタン押してみる?」)、第4図柄、保留枠表示、保留表示、モード表示(Aモード)、発射誘導表示(右打ち)の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。
トーンダウンデータは、液晶表示手段21の表示画面21a全体を覆う大きさ(例えば960ドット×640ドット)で、例えば全面均一の透過率(例えば0.6)に設定された黒色半透明のトーンダウン画像(視認性抑制画像)を表示することにより、それよりも優先順位の低い画像をトーンダウンさせて視認性を低下させるようになっている。
液晶表示手段21の表示画面21aには、図16(b)に示すように、山、空等の背景画像W1と、その前側に重畳された停止中の左図柄画像(停止中識別情報)E1、変動中の中図柄画像(変動中識別情報)E2、停止中の右図柄画像(停止中識別情報)E3との各画像(非特定画像)が、その前側のトーンダウン画像(視認性抑制画像)によってトーンダウンされて表示され、視認性が低下する。一方、トーンダウン画像の前側に重畳された予告文字画像(「ボタン押してみる?」)W3、第4図柄画像Z1,Z2、保留枠画像V、保留表示画像X,Y、モード表示画像(Aモード)W2、発射誘導表示画像(右打ち)W4の各画像(特定画像)がトーンダウンされることなく表示される。
これにより、トーンダウンされた背景画像W1等に対してトーンダウンされていない予告文字画像W3等の視認性を相対的に高めてその存在を際立たせることができ、強調したいそれら予告文字画像W3等を遊技者に強く印象付けることができる。
なお、モード表示画像W2は遊技モードを報知するもので、図16(b)では複数種類のモードのうちのAモード中であることを示している。また、発射誘導表示画像W4は遊技領域14の左右何れを狙って発射するべきかを報知するもので、図16(b)では右側を狙って発射すべき右打ち期間中であることを示している。
図柄画像E1〜E3は、少なくとも変動中は半透明となり、その透過率(例えば0.4)はトーンダウン画像の透過率(例えば0.6)よりも低く、例えばトーンダウン画像と変動中の中図柄画像E2等とを介してその後側の背景画像W1が視認可能となっている。
また、予告文字画像W3はその内部(例えば赤色)とは異なる色(例えば白色)の輪郭部W3aを備えている。この輪郭部W3aの明度は、トーンダウンされた背景画像W1等より高く、また予告文字画像W3の内部よりも高く設定されている。これにより、予告文字画像W3を、その内部色に拘わらず更に際立たせることができる。この予告文字画像W3が、所定演出の出現を予告する予告画像の一例であり、また文字情報により所定演出の出現を予告する文字予告画像の一例である。
図16(b)に示すボタン予告演出の画像表示の後、ボタン押下演出に移行する。図16(c)に示すPR_TBLは、そのボタン押下演出に対応するもので、優先順位の低いものから順に、背景、左図柄(停止)、中図柄(変動中)、右図柄(停止)、黒色半透明のトーンダウンデータ,予告キャラ(カッパ)、予告構成パーツ(ボタン)、予告構成パーツ(矢印)、予告構成パーツ(「PUSH!」)、第4図柄、保留枠表示、保留表示、モード表示(Aモード)、発射誘導表示(右打ち)の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。
液晶表示手段21の表示画面21aには、図16(d)に示すように、山、空等の背景画像W1と、その前側に重畳された停止中の左図柄画像E1、変動中の中図柄画像E2、停止中の右図柄画像E3との各画像(非特定画像)が、その前側のトーンダウン画像(視認性抑制画像)によって引き続きトーンダウンされて表示される。一方、トーンダウン画像の前側に重畳された予告キャラ画像(カッパ)EC、予告構成パーツ画像(ボタン)E10、予告構成パーツ画像(矢印)E11、予告構成パーツ画像(「PUSH!」)E12、第4図柄画像Z1,Z2、保留枠表示画像V、保留表示画像X,Y、モード表示画像(Aモード)W2、発射誘導表示画像(右打ち)W4の各画像(特定画像)がトーンダウンされることなく表示される。なお、予告構成パーツ画像E10〜E12は、遊技者に演出ボタン(操作手段)20aの操作を促すための操作誘導画像を構成している。
これにより、トーンダウンされた背景画像W1等に対してトーンダウンされていない予告構成パーツ画像E10〜E12等の視認性を相対的に高めてその存在を際立たせることができ、強調したい操作誘導画像等を遊技者に強く印象付けることができる。
なお図16の例では、図柄画像E1〜E3の全ての優先順位をトーンダウン画像(視認性抑制画像)よりも低く設定したが、図17に示すように、例えば停止した図柄画像E1,E3等の優先順位をトーンダウン画像よりも高くしてもよい。またこの場合、リーチ状態が成立した場合に限り、既に停止した図柄、例えば右図柄画像E1,左図柄画像E3の優先順位をトーンダウン画像より高くしてもよい。図17の例では、既に停止した図柄画像E1,E3の優先順位は、トーンダウン画像より高く、予告文字画像W3(図17(a),(b)の場合)、操作誘導画像を構成する予告構成パーツ画像E10〜E12等(図17(c),(d)の場合)よりも低く設定されている。
また図16(a),(b)では、ボタン押下演出を予告するボタン予告演出に関する演出画像の例を示したが、文字予告画像を表示する予告演出はボタン押下演出に限られるものではなく、例えば図18に示すように、特別図柄表示手段23a,23bの変動中にその変動で大当たり態様となるか否かを予告する大当たり予告演出において文字予告画像を表示するようにしてもよい。
図18(a)に示すPR_TBLは、大当たり予告演出に対応するもので、優先順位の低いものから順に、背景、左図柄(変動中)、中図柄(変動中)、右図柄(変動中)、第4図柄、保留枠表示、保留表示、モード表示(Aモード)、黒色半透明のトーンダウンデータ、予告文字(「大当たり?」)、発射誘導表示(右打ち)の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。
トーンダウンデータは、液晶表示手段21の表示画面21a全体を覆う大きさ(例えば960ドット×640ドット)で、例えば全面均一の透過率(例えば0.6)に設定された黒色半透明のトーンダウン画像(視認性抑制画像)を表示することにより、それよりも優先順位の低い画像をトーンダウンさせて視認性を低下させるようになっている。
液晶表示手段21の表示画面21aには、図18(b)に示すように、山、空等の背景画像W1、変動中の左図柄画像E1、変動中の中図柄画像E2、変動中の右図柄画像E3、第4図柄画像Z1,Z2、保留枠表示画像V、保留表示画像X,Y、モード表示画像(Aモード)W2の各画像(非特定画像)が、その前側のトーンダウン画像(視認性抑制画像)によってトーンダウンされて表示され、視認性が低下する。一方、トーンダウン画像の前側に重畳された予告文字画像(「大当たり?」)W3、発射誘導表示画像(右打ち)W4の各画像(特定画像)がトーンダウンされることなく表示される。
これにより、トーンダウンされた背景画像W1等に対してトーンダウンされていない予告文字画像W3等の視認性を相対的に高めてその存在を際立たせることができ、強調したいそれら予告文字画像W3等を遊技者に強く印象付けることができる。
なお、例えば先読み判定情報に基づいて保留表示画像X,Yの色を変更する先読み予告演出を行う場合、トーンダウン画像の透過率は、保留表示画像X,Yの色変化が識別可能な範囲に設定することが望ましい。また図柄画像E1〜E3は、少なくとも変動中は半透明となり、その透過率(例えば0.4)はトーンダウン画像の透過率(例えば0.6)よりも低く、例えばトーンダウン画像と変動中の図柄画像E1〜E3とを介してその後側の背景画像W1が視認可能となっている。
また、予告文字画像W3はその内部(例えば赤色)とは異なる色(例えば白色)の輪郭部W3aを備えており、その輪郭部W3aの明度は、トーンダウンされた背景画像W1等より高く、また例えば予告文字画像W3の内部よりも高く設定されている。これにより、予告文字画像W3を、その内部色に拘わらず更に際立たせることができる。この予告文字画像W3が、所定演出の出現を予告する予告画像の一例であり、また文字情報により所定演出の出現を予告する文字予告画像の一例である。
続いて、所定のキャラクタのセリフを文字で表示するセリフ予告演出に関する演出画像を図19に基づいて説明する。図19(a)に示すPR_TBLは、セリフ予告演出の通常状態に対応するもので、優先順位の低いものから順に、背景、左図柄(変動中)、中図柄(変動中)、右図柄(変動中)、通常キャラクタ(ゾウ)、通常キャラクタ(ライオン)、保留枠表示、保留表示の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。
液晶表示手段21の表示画面21aには、図19(b)に示すように、山、空等の背景画像W1、変動中の左図柄画像E1、変動中の中図柄画像E2、変動中の右図柄画像E3、通常キャラクタ画像(ゾウ)E11、通常キャラクタ画像(ライオン)E12、保留枠表示画像V、保留表示画像X,Yがトーンダウンされることなく表示される。
ここで、通常キャラクタ画像(ゾウ)E11は、ゾウの顔のイラストで構成され、表示画面21aの例えば左下部に小さく表示されている。また、通常キャラクタ画像(ライオン)E12は、ライオンの顔のイラストで構成され、表示画面21aの例えば右下部に小さく表示されている。
図19(a),(b)に示す通常状態の後、所定のタイミングでセリフ準備状態に移行する。図19(c)に示すPR_TBLは、そのセリフ準備状態に対応するもので、優先順位の低いものから順に、背景、左図柄(変動中)、中図柄(変動中)、右図柄(変動中)、通常キャラクタ(ゾウ)、通常キャラクタ(ライオン)、黒色半透明のトーンダウンデータ、拡大キャラクタ(ライオン)、保留枠表示、保留表示の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。
トーンダウンデータは、液晶表示手段21の表示画面21a全体を覆う大きさ(例えば960ドット×640ドット)で、例えば全面均一の透過率(例えば0.6)に設定された黒色半透明のトーンダウン画像(視認性抑制画像)を表示することにより、それよりも優先順位の低い画像をトーンダウンさせて視認性を低下させるようになっている。
液晶表示手段21の表示画面21aには、図19(d)に示すように、山、空等の背景画像W1、変動中の左図柄画像E1、変動中の中図柄画像E2、変動中の右図柄画像E3、通常キャラクタ画像(ゾウ)E11、通常キャラクタ画像(ライオン)E12の各画像(非特定画像)が、その前側のトーンダウン画像(視認性抑制画像)によってトーンダウンされて表示され、視認性が低下する。一方、トーンダウン画像の前側に重畳された拡大キャラクタ画像(ライオン)E22、保留枠表示画像V、保留表示画像X,Yの各画像(特定画像)がトーンダウンされることなく表示される。
拡大キャラクタ画像(拡大演出画像)E22は、通常キャラクタ画像(通常演出画像)E11,E12の一方(ここでは通常キャラクタ画像(ライオン)E12)を拡大したもので、例えば通常キャラクタ画像(ライオン)E12に対して、例えば中心位置をずらして表示されている。図19(d)の例では、通常キャラクタ画像(ライオン)E12に対して拡大キャラクタ画像(拡大演出画像)E22が一部重なるように表示されている。
これにより、トーンダウンされた通常キャラクタ画像E11,E12等に対して、トーンダウンされていない拡大キャラクタ画像(ライオン)E22等の視認性を相対的に高めてその存在を際立たせることができ、強調したい拡大キャラクタ画像(ライオン)E22を遊技者に強く印象付けることができる。
図19(c),(d)に示すセリフ準備状態の後、その直後等の所定のタイミングでセリフ表示状態に移行する。図19(e)に示すPR_TBLは、そのセリフ表示状態に対応するもので、優先順位の低いものから順に、背景、左図柄(変動中)、中図柄(変動中)、右図柄(変動中)、通常キャラクタ(ゾウ)、通常キャラクタ(ライオン)、黒色半透明のトーンダウンデータ、拡大キャラクタ(ライオン)、セリフ(「大当たり?」)、保留枠表示、保留表示の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。なお、図19(e)に示すPR_TBLが図19(c)に示すPR_TBLと異なるのは、セリフ(「大当たり?」)の画像データが追加された点のみである。
このように図19(c)に示すPR_TBLから図19(e)に示すPR_TBLに変更されることにより、表示画面21aの表示は図19(d)から図19(f)のように変化する。即ち、拡大キャラクタ画像(ライオン)E22に対応して、例えばその側方にセリフ画像(「大当たり?」)E30がトーンダウンされることなく表示される。このセリフ画像(「大当たり?」)E30は、「大当たり?」等の文字情報と、その文字情報がセリフであることを示す「吹き出し」とで構成されている。
これにより、トーンダウンされた通常キャラクタ画像E11,E12等に対して、トーンダウンされていない拡大キャラクタ画像(ライオン)E22、セリフ画像(「大当たり?」)E30の視認性を相対的に高めてその存在を際立たせることができ、例えばライオンのキャラクタがセリフをしゃべっている様子を遊技者に強く印象付けることができる。
なお、図19の例では拡大キャラクタ画像(拡大演出画像)E22を通常キャラクタ画像(通常演出画像)E12に一部重なるように表示した例を示したが、拡大キャラクタ画像(拡大演出画像)を通常キャラクタ画像(通常演出画像)に重ならないようにずらして表示してもよい。
次に、リーチ中予告のボタン押下指示を目立たせる演出として、液晶表示手段21の周辺のLED25と連動して表示される演出を図20に基づいて説明する。先ず、黒半透明のトーンダウン画像が表示されていない状態が図20(a)(b)に示されている。PR_TBLに、優先順位の低いものから順に、背景、停止図柄(左図柄)、変動中図柄(中図柄)、変動中図柄(右図柄)、保留表示、の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。その結果、図20(b)に示すように、背景画像の前側に重畳された停止中の左図柄画像(停止中識別情報)E1、変動中の中図柄画像(変動中識別情報)E2、変動中の右図柄画像(変動中識別情報)E3、保留表示画像X,Yの、各画像がトーンダウンされることなく表示される。一方、この段階では、PS_DATA1のランプデータがONであるため、液晶表示手段21の周辺のLED25がサブワンチップマイコン800によって点灯制御される。
上記のような画像表示がなされて所定時間経過した後、変動中の右図柄画像(変動中識別情報)E3が停止してリーチとなった状態が図20(c)(d)に示されている。PR_TBLに、優先順位の低いものから順に、背景、黒半透明のトーンダウンデータ(図5参照)、ミニ停止図柄(左図柄)、ミニ変動中図柄(中図柄)、ミニ停止図柄(右図柄)、ボタン押下指示(プッシュボタンの絵)の、各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。その結果、図20(d)のグレースケールで示すように、背景画像W1がトーンダウンされて表示され視認性が低下する。黒半透明のトーンダウン画像の前側(優先順位の高いレイヤ側)に重畳されて、停止中のミニ左図柄画像(停止中識別情報)ES1、変動中のミニ中図柄画像(変動中識別情報)ES2、停止中のミニ右図柄画像(停止中識別情報)ES3、ボタン押下指示画像(プッシュボタンの絵)W7、の各画像がトーンダウンされることなく表示され、これら画像の視認性を相対的に高めてその存在を際立たせることができ、強調したいそれらボタン押下指示画像(プッシュボタンの絵)W7等を遊技者に強く印象付けることができる。なお、図20(b)の停止中の左図柄画像(停止中識別情報)E1、変動中の中図柄画像(変動中識別情報)E2、変動中の右図柄画像(変動中識別情報)E3に比べて図20(d)の停止中のミニ左図柄画像(停止中識別情報)ES1、変動中のミニ中図柄画像(変動中識別情報)ES2、停止中のミニ右図柄画像(停止中識別情報)ES3は縮小されて表示される。また、黒半透明のトーンダウン画像が表示された段階では、保留表示画像X,Yが表示されなくなる。
一方、この段階では、PS_DATA1のランプデータがOFFとなっているため、液晶表示手段21の周辺のLED25が演出制御基板32のサブワンチップマイコン800によって消灯制御される。その結果、液晶表示手段21の周辺が暗くなり、停止中のミニ左図柄画像(停止中識別情報)ES1、変動中のミニ中図柄画像(変動中識別情報)ES2、停止中のミニ右図柄画像(停止中識別情報)ES3、ボタン押下指示画像(プッシュボタンの絵)W7の各画像がより一層際立って表示される。なお、LED25を全て完全に消灯制御する代わりに、一部のLED25のみを消灯制御してもよく、また、各LED25の明度を低下させる制御であってもよく、液晶表示手段21の周辺が暗くなればどのような制御であってもよい。また、変動中のミニ中図柄画像(変動中識別情報)ES2の透過率は例えば0.4であり、黒半透明のトーンダウン画像の透過率(例えば0.6)の方が高い透過率に設定されている。
続いて、遊技者のボタン押下操作に基づいて複数の候補のうちの何れかを選択する候補選択式のボタン押下演出に関する演出画像を図21に基づいて説明する。なお、このボタン押下演出で選択対象となる複数の候補を、ゾウ、キリン、ライオンの3種類とする。
図21(a)に示すPR_TBLは、候補選択式のボタン押下演出に対応するもので、優先順位の低いものから順に、背景、縮小左図柄(変動中)、縮小中図柄(変動中)、縮小右図柄(変動中)、非選択候補(ゾウ)、非選択候補(キリン)、非選択候補(ライオン)、黒色半透明のトーンダウンデータ、選択候補(ゾウ)、ボタン押下指示表示、保留枠表示、保留表示の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。
トーンダウンデータは、液晶表示手段21の表示画面21a全体を覆う大きさ(例えば960ドット×640ドット)で、例えば全面均一の透過率(例えば0.6)に設定された黒色半透明のトーンダウン画像(視認性抑制画像)を表示することにより、それよりも優先順位の低い画像をトーンダウンさせて視認性を低下させるようになっている。
液晶表示手段21の表示画面21aには、図21(b)に示すように、山、空等の背景画像W1、変動中の縮小左図柄ES1、変動中の縮小中図柄ES2、変動中の縮小右図柄ES3、非選択候補画像(ゾウ)E21、非選択候補画像(キリン)E22、非選択候補画像(ライオン)E23の各画像(非特定画像)が、その前側のトーンダウン画像(視認性抑制画像)によってトーンダウンされて表示され、視認性が低下する。
ここで、非選択候補画像(ゾウ)E21は、例えばゾウのイラストと「ゾウ」の文字とで構成されている。同様に、非選択候補画像(キリン)E22はキリンのイラストと「キリン」の文字とで構成され、非選択候補画像(ライオン)E23はライオンのイラストと「ライオン」の文字とで構成されている。それら3つの非選択候補画像E21〜E23は、例えば画面中央を避けてその周囲に略等間隔で配置されている。
一方、トーンダウン画像の前側に重畳された選択候補画像(ゾウ)E31、ボタン押下指示表示画像E20、保留枠表示画像V、保留表示画像X,Yの各画像(特定画像)はトーンダウンされることなく表示される。ここで、選択候補画像(ゾウ)E31は、例えば非選択候補画像(ゾウ)E21と略同じ画像で構成されると共に、非選択候補画像(ゾウ)E21の前側に重なるように表示される。即ち、ゾウ、キリン、ライオンの3種類の選択候補のうち、キリン及びライオンについては非選択候補画像E22,E23がトーンダウンされた状態で表示されるのに対し、ゾウについては選択候補画像E31がトーンダウンされることなく表示されるため、選択候補画像(ゾウ)E31の視認性を相対的に高めてその存在を際立たせることができ、選択中の候補がゾウであることを遊技者に容易に認識させることができる。
また、ボタン押下指示表示画像E20は、遊技者に演出ボタン(操作手段)20aの操作を促すための操作誘導画像の一例であり、ボタンとそれに向かう矢印を示す画像及び「決定」の文字画像で構成されており、例えば画面中央に表示されている。このボタン押下指示表示画像E20についても、選択候補画像(ゾウ)E31と共にトーンダウンされることなく表示されるため、演出ボタン20aを押下することによって選択中の候補が決定されることを遊技者に容易に認識させることができる。
選択中の候補(選択候補)は、例えば所定時間(数秒)経過毎にゾウ→キリン→ライオン→ゾウ→…等の所定の順序で変更される。例えば図21(b)の状態が所定時間継続すると、選択中の候補はゾウからキリンに移行する。図21(c)に示すPR_TBLは、選択中の候補がゾウからキリンに移行した場合に対応するもので、図21(a)に示すPR_TBLと異なるのは、選択候補(ゾウ)の画像データが選択候補(キリン)の画像データに変更された点のみである。
このように図21(a)に示すPR_TBLから図21(c)に示すPR_TBLに変更されることにより、表示画面21aの表示は図21(b)から図21(d)のように変化する。即ち、非選択候補画像(ゾウ)E21の前側に重なるように表示されていた選択候補画像(ゾウ)E31が消去されると共に、新たに非選択候補画像(キリン)E22の前側に重なるように、その非選択候補画像(キリン)E22と略同じ画像で構成される選択候補画像(キリン)E32が表示される。これにより、視認性の高い部分がゾウからキリンに移動するため、選択中の候補がゾウからキリンに移行したことを遊技者に容易に認識させることができる。
なお、ボタン押下指示表示画像E20が表示されている状態、即ち演出ボタン20aの操作が有効な操作有効期間中に演出ボタン20aが押下されると、その時点で選択中となっている候補(例えばキリン)に決定され、例えばその候補に対応する演出が実行される。
図21の例では、選択候補画像E31等を、それに対応する非選択候補画像E21等に重ねて表示するように構成したが、選択候補画像に対応する非選択候補画像を表示しないように構成してもよい。即ち、例えば図21(a)に示すPR_TBLの場合には、選択候補(ゾウ)に対応する非選択候補(ゾウ)の画像データはなくてもよく、例えば図21(c)に示すPR_TBLの場合には、選択候補(キリン)に対応する非選択候補(キリン)の画像データはなくてもよい。
また、図21を一部変更した図22に示すように、選択中の候補(選択候補)以外の候補についても、その候補を示す文字情報についてはトーンダウン画像(視認性抑制画像)よりも優先順位を高くして前側に表示するようにしてもよい。即ち、非選択候補画像として、各候補を示すイラスト等よりなる非選択候補絵柄画像E21a,E22a,E23aと、各候補を示す文字情報よりなる非選択候補文字画像E21b,E22b,E23bとの2種類設け、例えば全ての非選択候補絵柄画像E21a,E22a,E23aの優先順位をトーンダウン画像(視認性抑制画像)よりも低く設定し、全ての非選択候補文字画像E21b,E22b,E23bの優先順位をトーンダウン画像(視認性抑制画像)よりも高く設定してもよい。
これにより、選択候補画像の視認性を相対的に高めてその存在を際立たせつつ、その他の候補に関しては非選択候補文字画像の視認性を高めることにより、遊技者は他の選択されていない候補についてもそれらがどのようなものであるかを常に容易に認識することができる。
続いて、大当たり予告演出中にエフェクト画像を用いた例を図23に基づいて説明する。エフェクトとは、或る効果を発揮するように表示される文字、図形、模様等の画像のことであり、遊技者の遊技上の期待感を盛り上げる演出によく用いられる。例えば、画像の輪郭が不規則に変化することによって遊技者の期待感を盛り上げるものがある。
図23(a)に示すPR_TBLは、大当たり予告演出に対応するもので、優先順位の低いものから順に、背景、縮小左図柄(停止中)、縮小中図柄(変動中)、縮小右図柄(停止中)、黒色半透明のトーンダウンデータ、予告キャラ(カッパ)、保留枠表示、保留表示、予告構成パーツ(花)、予告構成パーツ(輝きエフェクト)、予告構成パーツ(発光エフェクト)の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。
トーンダウンデータは、液晶表示手段21の表示画面21a全体を覆う大きさ(例えば960ドット×640ドット)で、例えば全面均一の透過率(例えば0.6)に設定された黒色半透明のトーンダウン画像(視認性抑制画像)を表示することにより、それよりも優先順位の低い画像をトーンダウンさせて視認性を低下させるようになっている。
液晶表示手段21の表示画面21aには、図23(b)に示すように、山、空等の背景画像W1、停止中の縮小左図柄画像ES1、変動中の縮小中図柄画像ES2、停止中の縮小右図柄画像ES3の各画像(非特定画像)が、その前側のトーンダウン画像(視認性抑制画像)によってトーンダウンされて表示され、視認性が低下する。一方、トーンダウン画像の前側に重畳された予告キャラ画像(カッパ)EC、保留枠表示画像V、保留表示画像X,Y、予告構成パーツ画像(花)E10、予告構成パーツ画像(輝きエフェクト)E11、予告構成パーツ画像(発光エフェクト)E12の各画像(特定画像)がトーンダウンされることなく表示される。
これにより、トーンダウンされた背景画像W1等に対してトーンダウンされていない予告キャラ画像(カッパ)EC,予告構成パーツ画像E10〜E12等の視認性を相対的に高めてその存在を際立たせることができ、強調したいそれら予告キャラ画像(カッパ)EC等を遊技者に強く印象付けることができる。また、輝きや発光を表すエフェクト画像を構成する予告構成パーツ画像E11,E12の優先順位がトーンダウン画像の優先順位よりも高く、しかもそのエフェクト画像に対応するカッパの予告キャラ画像EC,花の予告構成パーツ画像E10の優先順位よりも高く設定されているため、エフェクト画像をより際立たせて遊技者に印象付けることができる。
また、エフェクト画像を構成する予告構成パーツ画像E11,E12は、例えばトーンダウンされた背景画像W1等よりも高い明度に設定すると共に、トーンダウン画像の色(ここでは黒色)に映える色(例えば互いに補色の関係となる色)に設定することにより、エフェクト画像の視認性をより高めることができる。黒色半透明のトーンダウン画像に対しては、エフェクト画像を例えば暖色系の色に設定してもよい。
なお、縮小図柄ES1〜ES3は、少なくとも変動中は半透明となり、その透過率(例えば0.4)はトーンダウン画像の透過率(例えば0.6)よりも低く、例えばトーンダウン画像と変動中の縮小図柄画像ES1〜ES3とを介してその後側の背景画像W1が視認可能となっている。
続いて、図柄変動開始時(又は図柄仮停止からの再変動開始時)からの図柄変動演出に関する演出画像を図24に基づいて説明する。図24(a)に示すPR_TBLは、図柄変動演出における図柄変動時の状態(第1表示状態)に対応するもので、優先順位の低いものから順に、背景、予告キャラ(飛行中)、黒色半透明のトーンダウンデータ、左図柄(変動中)、中図柄(変動中)、右図柄(変動中)、予告文字(「先読み」)、保留枠表示、保留表示の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。
トーンダウンデータは、液晶表示手段21の表示画面21a全体を覆う大きさ(例えば960ドット×640ドット)で、例えば全面均一の透過率(例えば0.6)に設定された黒色半透明のトーンダウン画像(視認性抑制画像)を表示することにより、それよりも優先順位の低い画像をトーンダウンさせて視認性を低下させるようになっている。
液晶表示手段21の表示画面21aには、図24(b)に示すように、山、空等の背景画像W1の他、例えば画面の上側から下側に向けて飛行するカッパのキャラクタよりなる予告キャラ画像(所定演出画像)ECの各画像(非特定画像)が、その前側のトーンダウン画像(視認性抑制画像)によってトーンダウンされて表示され、視認性が低下する。一方、トーンダウン画像の前側に重畳された変動中の左図柄画像(識別情報画像)E1、変動中の中図柄画像(識別情報画像)E2、変動中の右図柄画像(識別情報画像)E3、予告文字画像(「先読み」)W5、保留枠表示画像V、保留表示画像X,Yの各画像(特定画像)がトーンダウンされることなく表示される。
ここで、「先読み」の文字情報よりなる予告文字画像(予告画像)W5は、例えば先読み判定情報に基づいて保留表示画像X,Yの色を変更する先読み予告演出の開始を予告するものであり、この予告文字画像(「先読み」)W5と図柄画像E1〜E3とをトーンダウンさせることなく表示することにより、トーンダウンされた背景画像W1、予告キャラ画像(所定演出画像)ECに対して視認性を相対的に高めてその存在を際立たせることができ、強調したいそれら予告文字画像(「先読み」)W5等を遊技者に強く印象付けることができる。また、予告キャラ画像(所定演出画像)ECをトーンダウンさせた状態で表示することで、その後の演出への移行をスムーズに行うことができる。
図24(a),(b)に示す第1表示状態の後、所定のタイミングで第2表示状態に移行する。図24(c),(e)に示すPR_TBLは、その第2表示状態に対応するもので、優先順位の低いものから順に、背景、予告キャラ(飛行中→着地ポーズ中)、縮小左図柄(変動中)、縮小中図柄(変動中)、縮小右図柄(変動中)、保留枠表示、保留表示の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。
このように、図24(c),(e)に示すPR_TBLには、黒色半透明のトーンダウンデータが存在しないため、第1表示状態(図24(b))ではトーンダウンした状態で表示されていた山、空等の背景画像W1、予告キャラ画像(所定演出画像)ECが、図24(d),(f)ではそのトーンダウンが解消され、視認性が向上する。しかも、予告キャラ画像(所定演出画像)ECは、例えば第1表示状態から引き続き下向きに飛行した後、着地してポーズを決めるというように第1表示状態から第2表示状態にかけて連続性を有しているため、第2表示状態に移行した時点で予告キャラ画像ECにスポットを当てつつ、トーンダウンされていた第1表示状態からの演出の繋がりにより遊技者をスムーズにその予告キャラ画像ECによる演出に引き込むことができる。
次に、弾丸による穴の弾痕が表示される演出を図25に基づいて説明する。先ず、図25(a)(b)を参照し、弾痕が表示される前の状態を説明する。PR_TBLに、優先順位の低いものから順に、背景(キャラクタ)、左図柄(停止)、中図柄(変動中)、右図柄(停止)、黒色半透明のトーンダウンデータ0000、保留枠表示、保留表示、の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。このトーンダウンデータ0000は図26に基づいて後述するが、全面均一の透過率(例えば0.6)に設定されたトーンダウンデータを用いる。その結果、図25(b)のグレースケールで示すように、背景キャラクタ画像EC、停止中の左図柄画像(停止中識別情報)E1、変動中の中図柄画像(変動中識別情報)E2、停止中の右図柄画像(停止中識別情報)E3の各画像が、その前側のトーンダウン画像(視認性抑制画像)によってトーンダウンされて表示され、視認性が低下する。一方、トーンダウン画像の前側(優先順位の高いレイヤ側)に重畳された保留枠画像Vおよび保留表示画像X,Yの各画像(特定画像)がトーンダウンされることなく高い視認性で表示される。その結果、保留枠画像Vおよび保留表示画像X,Yの画像が他の画像に比べて際立って表示される。
上記のような画像表示がなされた後、次に、図25(c)(d)に示す弾丸による1つの穴の弾痕が画像表示される。図25(c)を参照し、PR_TBLに、優先順位の低いものから順に、背景(キャラクタ)、左図柄(停止)、中図柄(変動中)、右図柄(停止)、黒半透明のトーンダウンデータ0001、保留枠表示、保留表示、予告構成パーツ(穴回りの光るエフェクト)1の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳されて液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。このトーンダウンデータ0001は図26に基づいて後述するが、所定の透過率(例えば0.6)のトーンダウンデータの1箇所に透過率1の透明箇所を有する画像データを用いる。その結果、図25(d)に示すように、背景キャラクタECの拳銃から発射された弾丸による穴(弾痕)が1つ生じてその周りが光っているエフェクト画像E7が表示される。
上記のような画像表示がなされた後、次に、図25(e)(f)に示す弾丸による2つ穴の弾痕が画像表示される。図25(e)を参照し、PR_TBLに、優先順位の低いものから順に、背景(キャラクタ)、左図柄(停止)、中図柄(変動中)、右図柄(停止)、黒半透明のトーンダウンデータ0002、保留枠表示、保留表示、予告構成パーツ(穴回りの光るエフェクト)2の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳されて液晶表示手段21の表示画面21aに表示される。このトーンダウンデータ0002は図26に基づいて後述するが、所定の透過率(例えば0.6)のトーンダウンデータの2箇所に透過率1の透明箇所を有する画像データを用いる。その結果、図25(d)に示すように、背景キャラクタECの拳銃から発射された弾丸による穴(弾痕)が2つ生じてその周りが光っているエフェクト画像E8が表示される。
このように、トーンダウンされた背景キャラクタ画像EC等に対してトーンダウンされていない予告構成パーツ画像(穴回りの光るエフェクト)E7,E8等の視認性を相対的に高めてその存在を際立たせることができ、強調したいそれら予告構成パーツ画像(穴回りの光るエフェクト)E7,E8等を遊技者に強く印象付けることができる。
なお、中図柄画像(変動中識別情報)の透過率は例えば0.4に設定されており、トーンダウンデータ0000とトーンダウンデータ0001および0002の透明箇所以外の箇所の透過率(例えば0.6)の方が高い透過率に設定されている。また、トーンダウンデータ0000とトーンダウンデータ0001および0002の透明箇所以外の箇所の透過率を0.6よりも低い値(例えば0.5等)にすれば、強調したい予告構成パーツ画像(穴回りの光るエフェクト)E7,E8等がより一層際立ち遊技者に強く印象付けることができる。
前述の図25に示した弾丸等による穴の弾痕が表示される演出は、3種類のトーンダウンデータを用いる。図26を参照して、トーンダウン属性テーブル174bに、0〜2の3種類のデータが記憶されている。各記憶データにおける「色情報」と「透過率」はそれぞれ「パレット15」と「0.6」で共通しているが、トーンダウンコードはそれぞれ「0000H」「0001H」「0002H」となっている。そして、前述の図25(a)に示す段階で用いられるトーンダウンデータは、トーンダウンコード0000Hのものである。トーンダウン属性テーブル174bのアドレス0のデータによりCGROM804からトーンダウンコード0000Hのドットデータ(906×640ドット)が選択されてデコードされた後内蔵VRAM8040にマッピングされる。そして、色情報がパレット15であるため、パレットテーブル173中のパレット15が選択される。また、0000Hのドットデータ(906×640ドット)は全て「15」であるためパレット15中の15番目の色データ即ちRGBが全て「6」のものが選択されて画像表示される。その結果、全体が透過率0.6の黒色半透明の画像となり、トーンダウンデータよりも先に内蔵VRAM8040にマッピングされた画像データ全体がトーンダウンされて表示される。
次に、前述の図25(b)に示す段階では、トーンダウンコード0000Hのドットデータ(906×640ドット)を内蔵VRAM8040から消去した上でトーンダウンコード0001Hのものを用いる。トーンダウン属性テーブル174bのアドレス1のデータによりCGROM804からトーンダウンコード0001Hのドットデータ(906×640ドット)が選択されてデコードされた後内蔵VRAM8040にマッピングされる。そして、色情報がパレット15であるため、パレットテーブル173中のパレット15が選択される。また、0001Hのドットデータ(906×640ドット)は全体として「15」の中に1箇所「0」が含まれているため、全体的にパレット15中の15番目の色データ即ちRGBが全て「6」のものが選択されて画像表示されるとともに、「0」の1箇所だけRGBが全て「0」のものが選択されて画像表示される。このRGBが全て「0」の場合は透明となり、既に内蔵VRAM8040にマッピングされている画像が透けて見えることになる。その結果、全体が透過率0.6の黒色半透明の画像となると共に1箇所だけ穴の開いた弾痕の画像が表示されることになる。
次に、前述の図25(c)に示す段階では、トーンダウンコード0001Hのドットデータ(906×640ドット)を内蔵VRAM8040から消去した上でトーンダウンコード0002Hのものを用いる。トーンダウン属性テーブル174bのアドレス2のデータによりCGROM804からトーンダウンコード0002Hのドットデータ(906×640ドット)が選択されてデコードされた後内蔵VRAM8040にマッピングされる。そして、色情報がパレット15であるため、パレットテーブル173中のパレット15が選択される。また、0002のドットデータ(906×640ドット)は全体として「15」の中に2箇所「0」が含まれているため、全体的にパレット15中の15番目の色データ即ちRGBが全て「6」のものが選択されて画像表示されるとともに、「0」の2箇所だけRGBが全て「0」のものが選択されて画像表示される。その結果、全体が透過率0.6の黒色半透明の画像となると共に2箇所だけ穴の開いた弾痕の画像が表示されることになる。
なお、図25および図26に示した画像表示は、初めに全面均一の透過率(例えば0.6)のトーンダウンデータを用いた後、部分的に透過率の高い高透過率箇所(例えば透過率1.0)を有するトーンダウン画像データを用いたが、その逆で、初めに高透過率箇所(例えば透過率1.0)を有するトーンダウン画像データを用いた後、全面同じ透過率(例えば0.6)のトーンダウン画像データを用いてもよい。
図4に示したVDP803の変形例を図27に基づいて説明する。図4に示したVDP803との主な相違点は、液晶表示手段21がメイン液晶表示装置21mと下サブ液晶表示装置21sとの複数の液晶表装置となり、それら複数の液晶表装置21m,21sに対してVDP803が画像データ(LVDS)を送信する点である。そのため、メイン液晶表示装置21m用のディスプレイコントローラ8043bおよびLVDS送信部8044bと、下サブ液晶表示装置21s用のディスプレイコントローラ8043aおよびLVDS送信部8044aとが設けられている。
演出シナリオテーブル(PR_TBL)は、図28に示すように、メイン液晶表示装置21m用のPR_TBLと下サブ液晶表示装置21s用のPR_TBLとが作成され、図4で説明した手法に従ってVDP803がメイン液晶表示装置21m用の画像データと下サブ液晶表示装置21s用の画像データとを作成し、DDR2SDRAMコントローラ8042によって、DDR2SDRAM805内のフレームバッファ領域内に書き込まれる。書き込まれたメイン液晶表示装置21m用の画像データがメイン液晶表示装置21mに表示され、書き込まれた下サブ液晶表示装置21s用の画像データが下サブ液晶表示装置21sに表示さる。
次に、メイン液晶表示装置21mと下サブ液晶表示装置21sとを用いての疑似連(疑似連続予告)の演出を図28に基づいて説明する。図28(a)に示すように、PR_TBLをメイン液晶表示装置21b用と下サブ液晶表示装置21a用との2つ用いる。メイン液晶表示装置21b用のPR_TBLには、演出用に用いる演出画像が複数記憶されている。具体的には、優先順位の低いものから順に、背景、疑似連中の仮停止図柄(左図柄)、仮停止図柄(中図柄)、仮停止図柄(右図柄)、黒半透明のトーンダウンデータ、予告構成パーツ1(停止図柄予告「七」)、予告構成パーツ2(停止図柄予告「六」)の各画像データが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、メイン液晶表示装置21mの表示画面に表示される。
その結果、図28(b)のグレースケールで示すように、背景画像W1、テロップ画像E9、仮停止中の左図柄画像(停止中識別情報)E1、仮停止中の中図柄画像(変動中識別情報)E2、仮停止中の右図柄画像(停止中識別情報)E3がトーンダウンされて表示され視認性が低下する。黒半透明のトーンダウン画像の前側に重畳されて、停止図柄予告「七」を表示する予告構成パーツ画像E14、停止図柄予告「六」を表示する予告構成パーツ画像E15の各画像がトーンダウンされることなく表示され、これら画像の視認性を相対的に高めてその存在を際立たせることができ、強調したいそれら予告構成パーツ画像E14,E15等を遊技者に強く印象付けることができる。
これら予告構成パーツ画像E14,E15は、非特定画像の一部(仮停止中の左図柄画像「7」と中図柄画像「6」)と同じ画像(停止図柄予告「七」と「六」)であり、非特定画像の一部(仮停止中の左図柄画像「7」と中図柄画像「6」)と同じ場所に表示される。なお、非特定画像の一部は、上記図柄画像に限らず、例えば、背景画像W1の一部であってもよい。
下サブ液晶表示装置21a用のPR_TBLには、図28(a)に示すように、非演出画像が記憶されている。具体的には、優先順位の低いものから順に、保留枠表示データと保留表示データとが記憶されており、それら各画像データが優先順位に従って内蔵VRAM8040に重畳され、下サブ液晶表示装置21sの表示画面に表示される。
その結果、下サブ液晶表示装置21sの表示画面に、保留枠画像28a,28bと保留表示画像X,Yとが表示される。これにより、演出画像とは異なる非演出画像(例えば、保留枠画像28a,28bと保留表示画像X,Y)が下サブ液晶表示装置21sの表示画面に表示され、メイン液晶表示装置21mの表示画面には演出画像のみが表示されるため、演出表示における強調したい特定画像が遊技者の目に留まりにくくなる不都合を防止できる。この非演出画像の具体例としては、上記保留枠画像28a,28bと保留表示画像X,Y以外に、例えば、右打ち表示画像やいわゆる第4図柄等であってもよい。
なお、変動中の図柄画像(変動中識別情報)の透過率は例えば0.4であり、黒半透明のトーンダウン画像の透過率(例えば0.6)の方が高い透過率に設定されている。
次に、水槽が表示される演出を図29に基づいて説明する。先ず、図29(a)(b)を参照し、水槽内の上層部分まで明確に視認できる画像表示状態を説明する。PS_DATAとして、優先順位の低いものから順に、背景、左図柄(停止)、中図柄(変動中)、右図柄(停止)、水槽内低層部分、水槽内キャラクタ、水槽内中層部分、青半透明の第1トーンダウンデータ0001、水槽内上層部分、黒半透明の第2トーンダウンデータ0000、保留枠表示、保留表示、の各画像データが内蔵VRAM8040に重畳されて液晶表示手段21の表示画面21に表示される。第2トーンダウンデータ0000は、図30に基づいて後述するが、水槽に相当する部分だけ透過率1の透明箇所を有しそれ以外の箇所は所定の透過率(例えば0.6)のトーンダウンデータを用いる。第1トーンダウンデータ0001は、図30に基づいて後述するが、水槽に相当する部分だけ所定の透過率(例えば0.6)の青色のトーンダウンデータを用いる。このようにすることにより、水槽内低層部と水槽内キャラクタと水槽内中層部とが水に浸かって見えにくくなっている画像が表示される。具体的には、背景画像W1、停止中の左図柄画像(停止中識別情報)E1、変動中の中図柄画像(変動中識別情報)E2、停止中の右図柄画像(停止中識別情報)E3の各画像が、第2トーンダウン画像によってトーンダウンされて視認性が低下し、また、水槽内低層部画像W10、水槽内キャラクタ画像EC6、水槽内中層部画像W11の各画像が、第1トーンダウン画像によってトーンダウンされて視認性が低下する。
このような画像が表示された後、図29(c)(d)に示す水槽内の中層部分まで明確に視認できる画像表示状態となる。図29(c)(d)を参照し、PS_DATAとして、優先順位の低いものから順に、背景、左図柄(停止)、中図柄(変動中)、右図柄(停止)、水槽内低層部分、水槽内キャラクタ、青半透明の第1トーンダウンデータ0001、水槽内中層部分、水槽内上層部分、黒半透明の第2トーンダウンデータ0000、保留枠表示、保留表示、の各画像データが内蔵VRAM8040に重畳されて液晶表示手段21の表示画面21に表示される。上記図29(a)(b)との相違は、第1トーンダウンデータ0001の優先順位が水槽内中層部分データよりも低くなっている点である。これにより、水槽内低層部画像W11と水槽内キャラクタ画像EC6とが水に浸かって見えにくくなっている画像が表示される。
最後に、図29(e)(f)に示す水槽内の低層部分まで明確に視認できる画像表示状態となる。図29(e)(f)を参照し、PS_DATAとして、優先順位の低いものから順に、背景、左図柄(停止)、中図柄(変動中)、右図柄(停止)、水槽内低層部、青半透明の第1トーンダウンデータ0001、水槽内キャラクタ、水槽内中層部分、水槽内上層部分、黒半透明の第2トーンダウンデータ0000、保留枠表示、保留表示、の各画像データが内蔵VRAM8040に重畳されて液晶表示手段21の表示画面21に表示される。上記図29(a)(b)との相違は、第1トーンダウンデータ0001の優先順位が水槽内キャラクタデータよりも低くなっている点である。これにより、水槽内キャラクタ画像EC6が明確に見える画像が表示される。この水槽内キャラクタ画像EC6の種類やポーズ等によって予告演出の期待度を示唆するように制御する。
前述の図29に示した水槽内が表示される演出は、2種類のトーンダウンデータを用いる。図30を参照して、トーンダウン属性テーブル174bに、0と1の2種類のデータが記憶されている。各記憶データにおける「色情報」と「透過率」はそれぞれ「パレット15」と「0.6」で共通しているが、トーンダウンコードはそれぞれ「0000H」「0001H」となっている。そして、前述の図29(a)(c)(e)に示す第1トーンダウンデータは、トーンダウンコード0001Hのものである。トーンダウン属性テーブル174bのアドレス0のデータによりCGROM804からトーンダウンコード0001Hのドットデータ(906×640ドット)が選択されてデコードされた後内蔵VRAM8040にマッピングされる。そして、色情報がパレット15であるため、パレットテーブル173中のパレット15が選択される。また、0001Hのドットデータ(906×640ドット)は、水槽の表示箇所に相当する部分が「1」であるためパレット15中の1番目の色データ即ちRとGが「0」でBが「6」のものが選択されて青色半透明(透過率0.6)の画像となる。一方、0001Hのドットデータ(906×640ドット)における水槽以外の表示箇所に相当する部分は「0」であるため、パレット15中の0番目の色データ即ちRGBが全て「0」の透明(透過率1.0)の画像となる。
前述の図29(a)(c)(e)に示す第2トーンダウンデータは、トーンダウンコードが「0000H」のものである。トーンダウン属性テーブル174bのアドレス0のデータによりCGROM804からトーンダウンコード0000Hのドットデータ(906×640ドット)が選択されてデコードされた後内蔵VRAM8040にマッピングされる。そして、色情報がパレット15であるため、パレットテーブル173中のパレット15が選択される。また、0000Hのドットデータ(906×640ドット)は、水槽の表示箇所に相当する部分が「0」であるため、パレット15中の0番目の色データ即ちRGBが全て「0」の透明(透過率1.0)の画像となる。一方、0000Hのドットデータ(906×640ドット)における水槽以外の表示箇所に相当する部分は「15」であるため、パレット15中の15番目の色データ即ちRGBが全て「6」のものが選択されて画像表示される。その結果、全体が透過率0.6の黒色半透明の画像となる。
図29(a)(b)では、背景、左図柄(停止)、中図柄(変動中)、右図柄(停止)、水槽内低層部分、水槽内キャラクタ、水槽内中層部分の、各画像データの前側(優先順位の高いレイヤ側)に、青半透明の第1トーンダウンデータが重畳され、青半透明の第1トーンダウンデータと黒半透明の第2トーンダウンデータとの間に水槽内上層部分の画像データが重畳され、さらに、その前側(優先順位の高いレイヤ)に保留枠表示、保留表示、の各画像データが重畳されているが、図30では、第1トーンダウンデータおよび第2トーンダウンデータ以外は、図示を省略している。
そして、第1トーンダウンデータが時間の経過とともに上記の位置(レイヤ)から後ろの位置(優先順位の低いレイヤ)に変化することにより、図29(c)(d)および図29(e)(f)のような画像表示がなされる。
次に、以上説明した実施形態の変形例を列挙する。
(1)上記実施形態では、第1トーンダウンデータおよび第2トーンダウンデータ等の複数のトーンダウンデータを持いて重畳制御を行い、その複数のトーンダウンデータのいずれかのレイヤが変動するものを示したが、全てのトーンダウンデータのレイヤが変動するものであってもよく、また全てのトーンダウンデータのレイヤが変動しない固定のものであってもよい。さらに1つのトーンダウンデータのみを用いてそのレイヤが変動するものであってもよい。
(2)上記実施形態では、内蔵VRAM8040の画像マッピング領域と同じ大きさのドットデータ(960×640ドット)からなるトーンダウンデータを圧縮してCGROM804が記憶しているが、このトーンダウンデータも他の一般的画像データと同様に、例えば16ドット×16ドットのデータを60×40個並べて内蔵VRAM8040にマッピングするように制御してもよい。このように制御した場合には、トーンダウンデータのマッピングのためにVDP803の負担が増加するが、CGROM804の記憶容量が節減される利点がある。
(3)トーンダウン画像は、黒半透明または青半透明のものを用いたが、それら以外の色のものを用いてもよい。また、経時的に色および透過率の少なくとも一方が変化するものを用いてもよい。
(4)上記実施形態では、演出シナリオテーブルPR_TBLのN番目に格納された「トーンダウンデータ」には、図3(b)に示すように、フレームデータ、制御コードデータ、音データ、可動役物データ、ランプデータの他に「透過率データ」を含んでおり、この透過率データによりトーンダウン画像の透過率が例えば0.6等に指定される(図6参照)。この透過率を指定する制御を行っているサブワンチップマイコン800により、視認性抑制画像(トーンダウン画像)の透過率を設定する透過率設定手段が構成されている。この透過率設定手段は、図25、図26に示したように、第1の視認性抑制画像(例えば、図25と図22のトーンダウンコード0001Hおよび0002Hのトーンダウン(黒半透明))と第2の視認性抑制画像(例えば、図25と図22のトーンダウンコード0000Hのトーンダウン(黒半透明))の透過率を別々に設定する。また、PS_DATA1のN番目以外に格納されたレイヤデータについても、「透過率データ」を含ませて、透過率設定手段(サブワンチップマイコン800)により、表示画像の透過率を設定するようにしてもよい。
また、この透過率設定手段は、視認性抑制画像の透過率を複数種類の透過率から選択する透過率選択手段を含んでもよい。この透過率選択手段は、例えば図柄変動の経過に応じて高い透過率を選択する等のように、所定状態に応じて選択する透過率を変化させる(例えば第1透過率から第2透過率へ)制御を行ってもよい。
さらに、非特定画像(トーンダウン画像よりも低い優先順位に設定された画像)の表示を規制する非特定画像規制手段を設けてもよい。具体的には、視認性抑制画像の透過率を0.0等の特定透過率に設定して、特定画像(トーンダウン画像よりも低い優先順位に設定された画像)は視認可能であるが非特定画像は視認不能となるように制御する。このような非特定画像規制制御は、例えば図柄変動の経過に応じて非特定画像を視認不能に制御する等のように、所定状態に応じて実行するように制御する。非特定画像規制制御は、0.0の透過率を含む複数種類の透過率から前記透過率選択手段により0.0の透過率を選択させることにより、非特定画像を視認不能に制御している。また、これ以外の方法、例えば非特定画像の透過率を1.0に設定して非特定画像を視認不能に制御してもよい。
(5)視認性抑制画像が出現した場合は、出現しない場合に比べて、利益状態を発生させるように定められた特定態様の表示結果(ぞろ目等)となる割合が高くなるように制御してもよい。具体的には、大当たり図柄が確定表示されるときには高い割合で視認性抑制画像が出現し外れ図柄が確定表示されるときには低い割合で視認性抑制画像が出現するように設定された確率テーブルをサブ制御ROM800bに記憶させ、サブワンチップマイコン800が装飾図柄指定コマンドに含まれる当選種別情報を解析し(S751)、その解析結果に応じて確率テーブルを検索して視認性抑制画像を出現させるか否か制御する。
(6)図29、図30に示したように、第2トーンダウンデータ0000は、水槽の相当する部分が透明に設定されており、水槽以外の領域に視認性抑制画像を重畳表示する制御が行われている。また、第1トーンダウンデータ0001は、水槽以外の領域が透明に設定されており、水槽に相当する領域に視認性抑制画像を重畳表示する制御が行われている。このように、本実施形態では、視認性抑制画像を表示する領域を設定する画像領域設定手段を備えている。また、図29、図30では、第1トーンダウンデータ1の優先順位が変動することにより水槽内のトーンダウン領域を変化させているが、その代わりに、第1トーンダウンデータ1の優先順位を変動させることなく第1トーンダウンデータ1を表示する領域を変動させることにより、水槽内のトーンダウン領域を変化させてもよい。つまり、上記画像領域設定手段が、視認性抑制画像を表示する領域の設定を変化させる制御を行うようにしてもよい。もちろん、図29、図30以外の場合でも、画像領域設定手段により、視認性抑制画像を表示する領域を全部領域ではなく一部の領域に限定する制御を行ってもよい。
上記実施形態に記載した発明は、以下の発明特定事項を有している。
[1] 画像表示手段と、
前記画像表示手段による画像表示を制御する画像表示制御手段と
を備えた遊技機において、
前記画像表示制御手段は、複数の画像を優先順位に従って重畳して前記画像表示手段に表示する重畳表示制御が可能であり、
前記複数の画像は、特定画像と、該特定画像よりも低い優先順位に設定された非特定画像と、前記特定画像よりも低く前記非特定画像よりも高い優先順位に設定され且つ前記非特定画像の視認性を抑制する視認性抑制画像とを含み、
前記視認性抑制画像は、透過率の高い高透過率箇所を有する視認性抑制画像を複数含むことを特徴とする、遊技機。
[2] 上記[1]に記載の遊技機において、前記第視認性抑制画像の透過率を設定する透過率設定手段を備えた
ことを特徴とする。
[3] 上記[2]に記載の遊技機において、前記透過率設定手段は、設定する透過率を複数種類の透過率から選択する透過率選択手段を含む
ことを特徴とする。
[4] 上記[3]に記載の遊技機において、前記複数種類の透過率は、第1透過率と第2透過率とを含み、
前記透過率選択手段は、前記第1透過率を選択した後前記第2透過率を選択する
ことを特徴とする。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかに記載の遊技機において、前記非特定画像を視認不能に制御する非特定画像規制手段をさらに備える
ことを特徴とする。
[6] 上記[1]〜[5]に記載の遊技機において、前記視認性抑制画像を重畳表示する領域を設定する画像領域設定手段をさらに備え、
前記画像表示制御手段は、前記画像領域設定手段により設定された領域に前記視認性抑制画像を重畳表示する制御を行う
ことを特徴とする。
[7] 上記[1]〜[6]に記載の遊技機において、前記画像表示制御手段は、前記複数の視認性抑制画像の全てまたは一部について、優先順位を変更して重畳する制御が可能であることを特徴とする。
[8] 画像を表示可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段による画像表示を制御する画像表示制御手段と
を備えた遊技機において、
前記画像表示制御手段は、複数の画像を優先順位に従って重畳して前記画像表示手段に表示する重畳表示制御が可能であり、
前記複数の画像は、特定画像と、該特定画像よりも低い優先順位に設定された非特定画像と、前記特定画像よりも低く前記非特定画像よりも高い優先順位に設定され且つ前記非特定画像の視認性を抑制する視認性抑制画像とを含み、
前記画像表示制御手段は、前記視認性抑制画像の優先順位を変更して重畳する制御が可能であることを特徴とする、遊技機。
[9] 上記[8]に記載の遊技機において、前記第視認性抑制画像の透過率を設定する透過率設定手段を備えた
ことを特徴とする。
[10] 上記[9]に記載の遊技機において、前記透過率設定手段は、設定する透過率を複数種類の透過率から選択する透過率選択手段を含む
ことを特徴とする。
[11] 上記[10]に記載の遊技機において、前記複数種類の透過率は、第1透過率と第2透過率とを含み、
前記透過率選択手段は、前記第1透過率を選択した後前記第2透過率を選択する
ことを特徴とする。
[12] 上記[8]〜[12]のいずれかに記載の遊技機において、前記非特定画像を視認不能に制御する非特定画像規制手段をさらに備える
ことを特徴とする。
[13] 上記[8]〜[12]に記載の遊技機において、前記視認性抑制画像を重畳表示する領域を設定する画像領域設定手段をさらに備え、
前記画像表示制御手段は、前記画像領域設定手段により設定された領域に前記視認性抑制画像を重畳表示する制御を行う
ことを特徴とする。
[14] 所定の図柄始動条件が成立することに基づいて遊技図柄を複数種類の変動パターンの何れかに従って変動させる図柄表示手段(例えば、液晶表示手段21)と、前記図柄表示手段による変動後の停止図柄が特定態様となることに基づいて遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段(例えば、大入賞手段18)とを備えた、遊技機。
[15] 非開閉式の第1始動手段(例えば、特別始動口17a)に遊技球が進入した場合に行われる第1抽選の結果に基づいて第1図柄を変動表示する第1図柄表示手段(例えば、第1特別図柄表示手段23a)と、
前記第1抽選で当選することに基づいて前記第1図柄表示手段の変動後の停止図柄が第1特定態様となった場合に第1利益状態を発生させる第1利益状態発生手段(例えば、大入賞手段18)と、
所定開放条件の成立に基づいて遊技球が入球不可能または入球困難な閉状態からそれよりも入球容易な開状態へと開放される第2開閉式始動手段(例えば、特別始動口17b)と、
前記第2開閉式始動手段に遊技球が進入したことを条件に行われる第2抽選の結果に基づいて第2図柄を変動表示する第2図柄表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置38)と、
前記第2抽選で当選することに基づいて前記第2図柄表示手段の変動後の停止図柄が第2特定態様となった場合に第2利益状態を発生させる第2利益状態発生手段(例えば、大入賞口22)と、
前記第1利益状態及び前記第2利益状態の終了後に所定の確率で特別遊技状態(例えば、確率向上状態:確変)を発生させる特別遊技状態発生手段
とを備え、
前記特別遊技状態中は、前記第1抽選及び前記第2抽選の当選確率が通常よりも高くなる高確率状態と、前記第2開閉式始動手段の開放時間が通常よりも長くなる開放延長状態(例えば2秒×3回開放)との少なくとも一方が発生するように構成した、遊技機。
[16] 図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報に基づいて遊技図柄を複数種類の変動パターンの何れかに従って変動表示する遊技図柄表示手段(例えば、液晶表示段21)と、
前記変動記憶情報を前記遊技図柄表示手段による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する情報記憶手段(例えば、特別乱数記憶手段53)と、
前記変動記憶情報に含まれる特定判定乱数値が予め定められた特定判定値と一致するか否かにより前記遊技図柄の変動後の停止図柄を特定態様とするか否かを判定する特定判定手段(例えば、特別図柄処理手段54)と、
前記特定判定手段の判定結果に応じて、変動パターン選択乱数値と前記変動パターンとの対応関係を規定する変動パターン選択テーブルに基づいて前記変動パターンを選択する変動パターン選択手段と、
前記遊技図柄の変動後の停止図柄が前記特定態様となった場合に特定利益状態を発生させる特定利益状態発生手段(例えば、大入賞手段18)とを備え、
前記変動パターン選択テーブルは、前記変動記憶情報の記憶数である保留個数に応じた複数種類の保留個数別変動パターン選択テーブル(を含むように構成された
遊技機において、
前記情報記憶手段に記憶されている前記変動記憶情報のうちの特定変動記憶情報に対応する特定図柄変動までの複数回の図柄変動にわたって所定の予告演出を行う連続予告状態を発生させるか否かを判定する連続予告制御手段(例えば、図11の保留加算コマンド受信処理、図13の装飾図柄指定コマンド受信処理、図14(a)の演出ボタン入力管理処理、図14(b)のシナリオ更新処理)を備え、
前記変動パターン選択テーブルは、全ての前記保留個数に共通の共通変動パターン選択テーブルを含む、遊技機。
[17] 図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報に基づいて図柄を変動表示する図柄表示手段(例えば、液晶表示手段21、第1特別図柄表示手段23a、第2特別図柄表示手段23b)と、
前記変動記憶情報を前記図柄表示手段による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する情報記憶手段(例えば、特別図柄乱数記憶手段54)と、
前記図柄表示手段による変動後の停止図柄が予め定められた特定態様となった場合に利益状態を発生させる利益状態発生手段(例えば、大入賞手段18)と、
前記情報記憶手段に記憶された前記変動記憶情報の個数である保留個数を示す保留個数報知画像を画像表示手段上に表示させる保留個数表示制御手段(例えば、液晶表示手段21)と
を備え、
前記保留個数表示制御手段は、前記保留個数が増加した旨の保留増加指令を受けることに基づいて保留を増加して表示する制御を行うとともに(例えば、S598)、前記保留個数が減少した旨の保留減少指令を受けることに基づいて保留個数を減少して表示する制御を行う(例えば、S599)、遊技機。
[18] 所定条件が成立することに基づいて、乱数抽選により普図当選か否かの判定を行う普図当選判定手段(例えば、普通図柄処理手段44)と、
前記普図当選判定手段による判定結果に基づいて普図変動演出手段(例えば、普通図柄表示手段22)による普図変動演出を実行させる普図変動演出制御手段(例えば、普通図柄表示制御手段46)と、
前記普図変動演出手段が前記普図変動演出の終了時に前記普図当選に対応する普図当選態様を表示した場合に、遊技球が入球不可能または入球困難な閉状態から入球容易な開状態に所定時間変化する作動式始動入球手段(例えば、特別始動口17b)と、
前記作動式始動入球手段を含む特図始動手段に遊技球が入球することに基づいて、乱数抽選により特図当選か否かの判定を行う特図当選判定手段(例えば、特別図柄処理手段54)と、
前記特図当選判定手段による判定結果に基づいて特図変動演出手段(例えば、液晶表示手段21)による特図変動演出を実行させる特図変動演出制御手段(例えば、演出制御基板32)と、
前記特図変動演出手段が前記特図変動演出の終了時に前記特図当選に対応する特図当選態様を表示した場合に利益状態を発生させる利益状態発生手段(例えば、大入賞手段18)と、を備えた、遊技機。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
また実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、アレンジボール機等の他の弾球遊技機を含め、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施可能であることは言うまでもない。