JP6577106B2 - バッテリユニット - Google Patents

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本発明は、エアロゾル源を霧化するアトマイザと接続可能な接続部を含むバッテリユニットと、当該バッテリユニットを含む香味吸引器と、バッテリユニットを制御する方法と、当該方法を実行させるプログラムに関する。
シガレットに代わり、燃焼を伴わずに香味を吸引するための非燃焼型香味吸引器(電子シガレット)が提案されている(特許文献1〜6)。香味吸引器は、エアロゾル源と香味源の少なくとも一方、エアロゾル源と香味源の少なくとも一方に含まれる喫味成分を霧化させる電気負荷であるアトマイザ、アトマイザに電力を供給する電源、アトマイザや電源を制御する制御部を備える。
特許文献1には、アトマイザが電源及び制御部を備えたバッテリユニットに脱着可能に構成されることが記載されている。特許文献1は、IDのような識別情報を用いてバッテリユニットに接続されたアトマイザを識別可能にすることを開示している。
特許文献2は、バッテリユニットの共通の接続部(インターフェース)にアトマイザと充電器を代替的に接続可能な電子喫煙装置を開示している。
特許文献3は、電子シガレット内の電子回路に流れる過電流や短絡を検知することを開示している。特許文献4は、電子シガレット内のアトマイザの過加熱を防止するヒューズを開示している。特許文献5は、電気式喫煙具のようなエアロゾル生成装置におけるシステム異常時に、電子回路中のヒューズを溶断し、システムを使用不能にすることを開示している。特許文献6は、電子シガレットのバッテリユニットの充電中に過電流や過電圧を検知することを開示する。
また、特許文献7は、電池を充電する際に電池の充電状態を監視する充電監視装置を開示する。この充電監視装置は、充電される電池の電圧の時間に対する変化あるいは充電される電池の電圧の充電電気量に対する変化の監視と共に、電圧計測手段にて得られる電池の計測電圧値の監視をも併用することで、充電状態の異常を検出する。
引用文献8は、香味吸引器において、ユーザのパフ動作時の吸引圧に基づくユーザ認証技術を開示している。
引用文献9は、香味吸引器を簡易に使用不能にする技術を開示している。
米国特許第2016/0174076号明細書 国際公開第2016/119626号 米国特許第2014/0254055号明細書 米国特許2014/0283856号明細書 特表2014−501106号 米国特許第2015/0036250号明細書 特開2003−317811号公報 国際公開第2015/167000号明細書 特表平11−507718号
第1の特徴は、電源と、前記電源の出力電圧を検出する検出部と、エアロゾル源を霧化する又は香味源を加熱する負荷と前記電源を充電する充電器とを接続可能な接続部と、前記電源から前記負荷へ給電可能な給電モード及び前記充電器から前記電源へ充電可能な充電モードを実行可能な制御部と、を含み、前記充電モードにおける前記出力電圧の所定期間あたりの減少量が、前記給電モードにおける前記出力電圧の前記所定期間あたりの減少量に基づき設定される閾値以下である場合、前記制御部は、前記充電モードにおける異常を判断する、バッテリユニットを要旨とする。
第2の特徴は、第1の特徴において、前記閾値は、前記給電モードにおける前記出力電圧の前記所定期間あたりの減少量以下に設定されることを要旨とする。
第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴において、バッテリユニットが前記接続部に接続された前記負荷又は前記充電器に対し、前記電源と電気的に接続及び切断可能なスイッチを含み、前記制御部は、前記給電モードで第1条件が満たされた場合に前記スイッチをONにし、前記充電モードで前記第1条件と異なる第2条件が満たされた場合に前記スイッチをONにすることを要旨とする。
第4の特徴は、第3の特徴において、バッテリユニットが前記負荷の使用のための操作を検知する検知部を含み、前記第1条件は前記操作の検知に基づく条件 であることを要旨とする。
第5の特徴は、第3の特徴又は第4の特徴において、前記第2条件は、前記接続部に対する前記充電器の接続に基づく条件であることを要旨とする。
第6の特徴は、第1の特徴から第5の特徴のいずれか1項において、前記制御部は、前記電源の劣化に応じて前記閾値を変更することを要旨とする。
第7の特徴は、第1の特徴から第6の特徴のいずれかにおいて、前記充電モードの開始から起算した前記出力電圧を検出した回数が所定回数未満である場合、前記充電モードにおける前記出力電圧の前記所定期間あたりの前記減少量は、最新の検出における前記出力電圧の値と、前記最新の検出の1回前の検出における前記出力電圧の値と、の差分によって算出され、前記充電モードの開始から起算した前記出力電圧を検出した回数が所定回数以上である場合、前記充電モードにおける前記出力電圧の前記所定期間あたりの前記減少量は、最新の検出における前記出力電圧の値と、前記充電モードの開始から検出された複数の前記出力電圧に基づいて得た予測値と、の差分によって算出されることを要旨とする。
第8の特徴は、第1の特徴から第7の特徴のいずれかのバッテリユニットと、前記負荷と、を含む香味吸引器を要旨とする。
第9の特徴は、エアロゾル源を霧化又は香味源を加熱する負荷と電源を充電する充電器を接続可能な接続部を介して前記電源から前記負荷へ給電する給電モード、及び前記接続部を介して前記充電器から前記電源へ充電する充電モードを実行可能な制御部を含むバッテリユニットを制御する方法であって、前記電源の出力電圧を検出するステップと、前記充電モードにおける前記出力電圧の所定期間あたりの減少量が、前記給電モードにおける前記出力電圧の前記所定期間あたりの減少量に基づき設定される閾値以下である場合、前記充電モードにおける異常を判断するステップと、を含むことを要旨とする。
第10の特徴は、第9の特徴に係る方法をバッテリユニットに実行させるプログラムであることを要旨とする。
ここで請求の範囲に係る用語について補足しておく。「出力電圧の所定期間あたりの減少量」とは、所定期間において出力電圧がどの程度減少したかを示す量である。換言すれば、所定期間の終期における出力電圧が所定期間の始期における出力電圧に対してどの程度小さいのかを示す量である。例えば「出力電圧の所定期間あたりの減少量」は、例えば所定期間の終期における出力電圧から所定期間の始期における出力電圧を引くことで求められる。「出力電圧の所定期間あたりの減少量」がマイナスの値を示す場合は、所定期間において出力電圧が減少する。一方、「出力電圧の所定期間あたりの減少量」がプラスの値を示す場合は、所定期間において出力電圧が増加する。なお、量の異なる2つの「出力電圧の所定期間あたりの減少量」を比較する場合、小さい「出力電圧の所定期間あたりの減少量」は、所定期間における出力電圧がより多く減少した方、換言すれば、所定期間の終期における出力電圧が所定期間の始期における出力電圧に対してより小さい方を指す。
図1は、一実施形態に係る香味吸引器を示す分解図である。 図2は、一実施形態に係る霧化ユニットを示す図である。 図3は、バッテリユニットに設けられた電気回路を示す図である。 図4は、負荷が接続された状態の霧化ユニット及びバッテリユニットの電気回路を示す図である。 図5は、充電器が接続された状態の充電器及びバッテリユニットの電気回路を示す図である。 図6は、給電モード及び充電モードへ移行する制御フローを示すフローチャートである。 図7は、一実施形態に係る給電モードを示すフローチャートである。 図8は、一実施形態に係る負荷の認証処理の一例を示すフローチャートである。 図9は、一実施形態に係る充電モードを示すフローチャートである。 図10は、電源の劣化と電源の出力電圧との関係の一例を示すグラフである。 図11は、一実施形態に係る異常処理の一例を示すフローチャートである。 図12は、一実施形態に係る異常処理の別の例を示すフローチャートである。 図13は、第2実施形態に係る香味吸引器の電気回路を示す図である。
以下において、実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合があることは勿論である。
[開示の概要]
特許文献2に記載されたように、バッテリユニットの接続部(インターフェース)にアトマイザと充電器を代替的に接続可能な電子喫煙装置が存在する。すなわち、バッテリユニットの接続部は、充電中に充電器と接続され、放電中にアトマイザと接続される。電源の充電や放電を行う際には、バッテリユニットにおけるL(トランジスタ)をONにすることにより、電源が充電器又はアトマイザと電気的に接続される。
例えばアトマイザのような電気負荷を接続部に接続したときに発生するチャタリングのような現象によって、電気負荷が接続部に接続されているにもかかわらず充電器が接続部に接続されたと誤検知されることがある。このような誤検知が生じた場合、バッテリユニットにおけるスイッチが意図せずONとなり、電源の電力を無駄に消費する可能性がある。したがって、接続部に接続されたものを誤検知した場合であっても、電源の電力の無駄な消費を軽減することが望まれる。
開示の概要によれば、バッテリユニットは、電源と、電源の出力電圧を検出する検出部と、エアロゾル源を霧化する又は香味源を加熱する負荷と電源を充電する充電器とを接続可能な接続部と、電源から負荷へ給電する給電モード及び充電器から電源へ充電する充電モードを実行可能な制御部と、を含む。充電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量が、給電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量に基づき設定される閾値以下である場合、制御部は、前記充電モードにおける異常を判断する。
充電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量が、比較的小さい場合、すなわち給電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量に基づき設定される閾値以下である場合、電気負荷が接続部に接続されている可能性が高い。なぜならば、充電モードにおける出力電圧は、充電器による充電によって増加しているか、無負荷状態となることで変化しないことが想定される。検出部の検出誤差や無負荷状態における自己放電によって、充電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量が小さな値を示すことがあるが、これらも閾値をどの程度の値に設定するかによって、これら充電モードにおいて出力電圧が減少する場合と、給電モードにおいて出力電圧が減少する場合とを精度良く識別できる。したがって、制御部は充電モードにおける異常を判断する。これにより、負荷が接続部に接続されているにもかかわらず、充電器が接続部に接続されたと誤検知された場合であっても、充電モードにおいて当該誤検知を判断することができる。よって、誤ってバッテリユニットにおけるスイッチをONにし続けることを防止し、電源の電力の無駄な消費を軽減することができる。
[第1実施形態]
(非燃焼型香味吸引器)
以下において、第1実施形態に係る香味吸引器について説明する。図1は、一実施形態に係る香味吸引器を示す分解図である。図2は、一実施形態に係る霧化ユニットを示す図である。図3は、バッテリユニットに設けられた電気回路を示す図である。図4は、負荷が接続された状態の負荷及びバッテリユニットの電気回路を示す図である。図5は、充電器が接続された状態の充電器及びバッテリユニットの電気回路を示す図である。
香味吸引器100は、燃焼を伴わずに吸引成分(香喫味成分)を吸引するための非燃焼型の香味吸引器であってよい。香味吸引器100は、非吸口端E2から吸口端E1に向かう方向である所定方向Aに沿って延びる形状を有していてよい。
香味吸引器100は、バッテリユニット112及び霧化ユニット111を有していてよい。霧化ユニット111は、エアロゾルを発生するエアロゾル源、及び/又は香味成分を発生する香味源と、エアロゾル源を霧化又は香味源を加熱する電気的な負荷111Rと、を有していてよい。負荷111Rは、電力を受けることによってエアロゾル源及び/又は香味源からエアロゾル及び/又は香味成分を発生させることができる素子であればよい。
バッテリユニット112は、電源40及び制御部51を有する。電源40は、香味吸引器100の動作に必要な電力を蓄える。電源40は、制御部51や、霧化アセンブリ120の負荷に電力を供給する。電源40は、例えばリチウムイオン二次電池のような再充電可能な電池であってよい。
バッテリユニット112は、霧化ユニット111の負荷111Rと、電源40を充電する充電器200と、を接続可能な接続部120を有する。バッテリユニット112の接続部120は、負荷111Rと充電器200とを代替的に接続可能に構成されている。換言すれば、バッテリユニット112の接続部120には、充電器200又は負荷111Rが排他的に接続され、同時に充電器200と負荷111Rが接続されることはない。しかしながら、バッテリユニット112が複数の接続部120を有する場合はこの限りでない。
バッテリユニット112の接続部120は、霧化ユニット111の負荷111R及び充電器200に電気的に接続するための電気端子120tを有する。電気端子120tは、電源40及び制御部51と電気的に接続されている(図3参照)。
霧化ユニット111がバッテリユニット112の接続部120に接続されたとき、霧化ユニット111に設けられた負荷111Rは、電気端子120tを介してバッテリユニット112の電源40と電気的に接続される(図4参照)。また、充電器200がバッテリユニット112の接続部120に接続されたとき、充電器200は電気端子120tを介してバッテリユニット112の電源40と電気的に接続される(図5参照)。
バッテリユニット112は、外部から空気を流入するための流入孔112Aを有していてよい。流入孔112Aから流入した空気は、霧化ユニット111の内部に設けられた流路を経由して、香味吸引器100の吸口端E1に設けられた吸口に達する。なお、流入孔112Aに代えて又は流入孔112Aと共に用いるため、霧化ユニット111に別の流入孔を設けても良い。また他の変形例としては、霧化ユニット111とバッテリユニット112を接続した際に、接続箇所(境界箇所)に流入孔が形成されるように、霧化ユニット111とバッテリユニット112が構成されていても良い。
以下では、図1及び図2を参照しつつ、霧化ユニット111の詳細な一例について説明する。霧化ユニット111は、リザーバ111Pと、ウィック111Qと、負荷111Rとを有していてよい。リザーバ111Pは、液状のエアロゾル源を貯留する。例えば、リザーバ111Pは、樹脂ウェブ等材料によって構成される孔質体であってよい。ウィック111Qは、リザーバ111Pから毛管現象などを利用してエアロゾル源を引き込む液保持部材である。例えば、ウィック111Qは、ガラス繊維や多孔質セラミックなどによって構成される。
負荷111Rは、抵抗発熱体であってよい。この抵抗発熱体は、ウィック111Qに保持されるエアロゾル源を霧化する。抵抗発熱体は、例えば、ウィック111Qに巻き回される抵抗発熱体(例えば、電熱線)によって構成される。
流入孔112Aから流入した空気は、霧化ユニット111の内の負荷111R付近を通過する。負荷111Rによって生成されたエアロゾルは、空気とともに吸口の方へ流れる。
エアロゾル源は、常温で液体であってよい。例えば、エアロゾル源としては、多価アルコールを用いることができる。エアロゾル源自身が香味成分を有していてもよい。或いは、エアロゾル源は、加熱することによって香喫味成分を放出するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物を含んでいてもよい。
なお、上記実施形態では、常温で液体のエアロゾル源についての例を詳細に説明したが、この代わりに、エアロゾル源は、常温で固体のものを用いることもできる。
霧化ユニット111は、交換可能に構成された香味ユニット130を備えていてもよい。香味ユニット130は、筒体131と、香味源132と、網目133Aと、フィルタ133Bと、を有していてよい。筒体131は、所定方向Aに沿って延びる筒状形状を有する。筒体131は、香味源132を保持する保持部134を有する。
香味源132は、吸口から吸い込まれる空気の流路上において霧化ユニット111よりも吸口側に設けられる。香味源132は、霧化ユニット111の負荷111Rによって霧化されたエアロゾルに香喫味成分を付与する。香味源132によってエアロゾルに付与される香味は、香味吸引器100の吸口に運ばれる。
香味源132は、常温で固体であってよい。一例として、香味源132は、エアロゾルに香喫味成分を付与する植物材料の原料片によって構成される。香味源132を構成する原料片としては、刻みたばこやたばこ原料のようなたばこ材料を粒状に成形した成形体を用いることができる。この代わりに、香味源132は、たばこ材料をシート状に成形した成形体であってもよい。また、香味源132を構成する原料片は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源132には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。
網目133Aは、香味源132に対して非吸口側において筒体131の開口を塞ぐように設けられている。フィルタ133Bは、香味源132に対して吸口側において筒体131の開口を塞ぐように設けられている。網目133Aは、香味源132を構成する原料片が通過しない程度の粗さを有する。フィルタ133Bは、通気性を有する物質によって構成される。フィルタ133Bは、香味源132を構成する原料片が通過しない程度の粗さを有する。
本実施形態では、霧化ユニット111は、エアロゾル源と香味源の両方を有する。この代わりに、霧化ユニット111は、エアロゾル源と香味源のうちの一方のみを有していてもよい。
本実施形態では、フィルタ113Bの近傍に香味吸引器100の使用者が口を接することでエアロゾルを吸引するため、香味ユニット130がいわゆるマウスピースの役割を果たしている。この代わりに、香味ユニット130とは別体のマウスピースが設けられていてもよい。
また、本実施形態では、負荷111Rは、エアロゾル源を霧化する素子として設けられている。この代わりに、負荷111Rは、香味源132を加熱する素子として設けられていてもよい。また、負荷111Rは、エアロゾル源を霧化し、かつ香味源132を加熱する素子として設けられていてもよい。
また、本実施形態では、負荷111Rは、エアロゾル源を貯留するリザーバ111Pの近傍に設けられている。この代わりに、負荷111Rは、香味源132を収容する香味ユニット130の近傍に設けられてもよい。また、負荷111Rの数は1つに限定されず、リザーバ111Pと香味ユニット130の近傍にそれぞれ設けられてもよい。
負荷111Rは、抵抗発熱体に限定されず、エアロゾル源を霧化又は香味源を加熱することができる素子であればよい。例えば、負荷111Rは、ヒータのような発熱素子、又は超音波発生器のような素子であってよい。発熱素子としては、発熱抵抗体、セラミックヒータ、及び誘導加熱式のヒータ等が挙げられる。
次に、バッテリユニット112の構成の具体的一例について説明する。バッテリユニット112は、接続部120に接続された負荷111R又は充電器200に対し、電源40と電気的に接続及び切断可能なスイッチ140を含む。スイッチ140は、制御部51によって開閉される。スイッチ140は、例えばMOSFETにより構成されていてよい。
接続部120に負荷111Rが接続された状態でスイッチ140がONになると、電源40から負荷111Rへ電力が供給される(図4参照)。接続部120に充電器200が接続された状態でスイッチ140がONになると、充電器200によって電源40が充電される(図5参照)。
バッテリユニット112は、接続部120に充電器200が接続されたか否かを判定する判定部を有する。判定部は、例えば、接続部120に設けられた電気端子120tどうしの間の電位差に基づき、充電器が接続されたか否かを判定する手段であってよい。本実施形態では、判定部は、直列に配置された一対の電気抵抗器150,152を含む。一対の電気抵抗器150のうちの一方は、接続端子120tどうしを連結する位置に設けられている。一対の電気抵抗器のうちの他方152は、制御部51を構成する制御モジュールの一端子と連結されている。
一対の電気抵抗器の電気抵抗値150,152は既知であってよい。一対の電気抵抗器150,152の電気抵抗値は、負荷111Rに比べて十分に高く、例えば10kΩであってよい。
一対の電気抵抗器150,152どうしの間の点の電位は、電気端子120tに何も接続されていない場合と、電気端子120tに充電器200が接続されている場合で互いに異なる。したがって、制御部51は、一対の電気抵抗器のうちの他方152からの信号(以下、「WAKE信号」と称する。)を受け取ることにより、接続部120に何も接続されていない状態、接続部120に充電器200が接続された状態のいずれかを推定することができる。具体的には、制御部51は、第1レベル(例えばHIGH)のWAKE信号を検知すると、接続部120に充電器200が接続されていないと推定できる。また、制御部51は、第2レベル(例えばLOW)のWAKE信号を検知すると、接続部120に充電器200が接続されたと推定できる。
接続部120に負荷111Rが接続された場合のWAKE信号と、接続部120に充電器200が接続された場合のWAKE信号の差異についてさらに詳述する。
図3に示されたように、スイッチ140がOFF且つ接続部120に充電器200が接続されていない場合、電源40が待機電力として放電した暗電流は、電気抵抗器150,152を貫流する。この際の電気抵抗器150,152における電圧降下を、制御部51は第1レベルのWAKE信号として検知する。
一方、図5に示されたように、接続部120に充電器200が接続された場合、充電器200から電源40に充電される電流は、電気抵抗器150と電源40の並列回路のうち抵抗値の低い電源40へ優先的に充電される。この際に電気抵抗器152の電気抵抗器150とつながる端子における電位はグランド相当まで降下するため、電気抵抗器152での電圧降下は殆ど生じず、制御部51は第2レベルのWAKE信号を検知する。
第1レベル及び第2レベルは、互いに重複しない所定の範囲を有する値であってよい。
本実施形態では、判定部は接続部120に充電器200が接続されたか否かを判定している。この代わりに、判定部は、接続部120に充電器200と負荷111Rのいずれもが接続されていない状態と、接続部120に充電器200が接続されている状態と、接続部120に負荷111Rが接続されている状態とを判定してもよい。負荷111Rの電気抵抗値を電気抵抗器150と比べて十分に大きな値とすることで、制御部51が検知するWAKE信号がこれら3つの状態で異なったレベルを示す。
図4に示されたように、スイッチ140がOFF且つ接続部120に負荷111Rが接続された場合、電源40が放電した電流は、負荷111Rと電気抵抗器150の並列回路のうち抵抗値の低い負荷111Rを優先的に貫流した後、電気抵抗器152を貫流する。この際の負荷111Rと電気抵抗器152における電圧降下を、制御部51は、第1レベル及び第2レベルとは重複しない第3レベルのWAKE信号として検知する。
バッテリユニット112は、電源40の出力電圧を検出する検出部160を有していてよい。検出部160は、バッテリユニット112内の電気回路中に設けられていてよい。検出部160は、よく知られた任意の電気モジュールによって構成されていてよい。本実施形態では、制御部51と検出部160はそれぞれ別のモジュールで構成される。この代わりに、制御部51と検出部160を1つのモジュールで構成しても良い。
バッテリユニット112は、電源40から負荷111Rへの給電を少なくとも一時的に不能にする切断手段170を有していてよい。切断手段170は、バッテリユニット112の電気回路において電源40と電気端子120tとの間に設けられていてよい。
切断手段170は、電源40から負荷111Rへの給電を制御部51によって再開できるよう一時的に不能にする第1モードと、電源40から負荷111Rへの給電を制御部51によって再開できないように不可逆的に不能にする第2モードと、に切替え可能に構成されていることが好ましい。制御部51は、第1モードと第2モードとに切断手段170を制御可能に構成されていてよい。
具体的な構成の一例として、切断手段170は、ヒューズ172を含んでいてよい。切断手段170は、ヒューズ172が設けられているラインL1から、通常ラインL2と異常ラインL3とに並列に分岐していてよい。通常ラインL2では、第1電気抵抗器174と第1開閉器175とが互いに直列に接続されていてよい。異常ラインL3では、第2電気抵抗器176と第2開閉器177とが互いに直列に接続されていてよい。
第1開閉器175と第2開閉器177の両方がOFFの場合、電源40から電力を負荷111Rに供給することはできないし、充電器200によって電源40を充電することもできない。通常動作中、すなわち異常な状況が起こらない間には、第1開閉器175がONとなっており、かつ第2開閉器177がOFFとなっている。これにより、接続部120に接続された負荷111R又は充電器200は、通常ラインL2を介して電源40と接続される。
第1モードでは、第1開閉器175と第2開閉器177の両方がOFFとなっている。これにより、電源40と接続部120に接続された負荷111Rとが電気的に切断されるため、電源40から負荷111Rへの給電が一時的に不能になる。
第2モードでは、第1開閉器175と第2開閉器177がONとなる。これにより、通常ラインL2と異常ラインL3の両方に電流が流れ、通常動作中よりも大きい電流がヒューズ172に流れ、その結果、ヒューズ172が溶断する。ヒューズ172が溶断することによって、電源40から負荷111Rへの給電が制御部51によって再開できないように不可逆的に不能になる。
なお、前述した態様の代わりに、第2モードでは、第1開閉器175がOFFであり、かつ第2開閉器177がONとなってもよい。この場合であっても、第1電気抵抗器174の抵抗値よりも第2電気抵抗器176の抵抗値の方が十分に小さければ、通常動作中よりも大きい電流がヒューズ172に流れ、その結果、ヒューズ172を溶断することができる。
なお、第1電気抵抗器174の抵抗値と第2電気抵抗器176の抵抗値は、第1モードにおいてヒューズ172が溶断することなく、第2モードにおいてヒューズ172が溶断するように設定されていればよい。
また、異常ラインL3は第2抵抗器176を有さずリード線の導線抵抗のみを有するいわゆる短絡ラインであっても良い。
図3〜図5に示す態様の代わりに、切断手段170は、電源40から負荷111Rへの給電を制御部51によって再開できるよう一時的に不能にする第1モードのみを実行可能な手段であってもよい。この場合、切断手段170は単一の開閉器のみによって構成し、ヒューズ172を含んでいなくてよい。
また、切断手段170は、電源40から負荷111Rへの給電を制御部51によって再開できないように不可逆的に不能にする第2モードのみを実行可能な手段であってもよい。この場合、切断手段170は、第1開閉器175を含んでいなくてよい。
切断手段170の別の例としては、DC−DCコンバータを用いてもよい。ヒューズ172を溶断する際には、DC−DCコンバータの出力電流を制御して、ヒューズ172が溶断する電流値以上の電流をヒューズ172に流せばよい。
香味吸引器100は、電源40の劣化状況(寿命)を推定する電源劣化推定手段を有していてよい。電源劣化検出手段は、例えば電流積算法のような公知の任意の手段であってよい。具体的一例として、電源40が充放電した電流の総積算値を算出することによって、電源40の劣化状況を推定することができる。なお、電源劣化推定手段は電流積算法に代えて、電源40の内部温度の上昇や、電源40の出力する電力値や電圧値の減少といった電源40のインピーダンス増大に伴う変化から、電源40の劣化状態を推定しても良い。
制御部51は、複数の動作モードを実行可能に構成されていてよい。動作モードとしては、給電モード及び充電モード等が挙げられる。給電モードは、電源40から負荷111Rへ給電可能なモードである。充電モードは、充電器200から電源40へ充電可能なモードである。
香味吸引器100は、負荷111Rの使用のための操作を検知する検知部20を含んでいてよい。検知部20は、バッテリユニット112に設けられていることが好ましい。検知部20からの信号は制御部51によって検知可能である。
検知部20は、例えばユーザによる香味吸引器100の吸口からの吸引を検知する吸引センサであってよい。吸引センサは、コンデンサを有するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサであってよく、吸引動作により流路内に生じた差圧に応じたコンデンサの電気容量を示す値(例えば、電圧値)を出力する。出力される値は圧力として認識されてもよく、また単位時間当たりの流量や流速として認識されてもよい。吸引センサの代わりに、検知部20は、例えばユーザによるボタンの押下を検知する押しボタンにより構成されていてもよい。
香味吸引器100は、報知手段30を有していてもよい。報知手段30は、バッテリユニット112に設けられていることが好ましい。報知手段30としては、例えば、LEDのような発光素子、音声出力デバイス、Haptics等の感覚フィードバックデバイス等が挙げられる。報知手段として感覚フィードバックデバイスを用いる場合には、例えば発振素子等を具備し、振動をユーザに伝達することによって報知を行うことができる。制御部51は、香味吸引器の動作モードの違いや香味吸引器に生じた異常等をユーザに報知するように報知手段30を制御することができる。
(給電モード又は充電モードへの移行)
図6は、給電モードM1及び充電モードM2へ移行する制御フローの一例を示している。
制御部51は、WAKE信号を監視しており、WAKE信号が第1レベルにあるとき、ステップS30に移行する(ステップS10)。そして検知部20が負荷111Rの使用のための操作を検知したか否かを判定し(ステップS30)、検知部20が負荷111Rの使用のための操作を検知した場合は給電モードM1に移行し(ステップS30がYesの場合)、検知部20が負荷111Rの使用のための操作を検知しない場合はステップS10の判断に戻る(ステップS30がNoの場合)。
また、制御部51は、WAKE信号が第2レベルにあるとき、充電モードM2に移行する(ステップS20)。
なお、本例に限らず、制御部51は、バッテリユニット112の接続部120に負荷111Rが取り付けられたことを示す任意の信号に基づいて給電モードM1に移行すればよい。同様に、制御部51は、バッテリユニット112の接続部120に充電器200が取り付けられたことを示す任意の信号に基づいて充電モードM2に移行すればよい。
(給電モード)
図7は、一実施形態に係る給電モードを示すフローチャートである。制御部51は、給電モードM1で第1条件が満たされた場合にスイッチ140をONにする(ステップS102)。スイッチ140をONにすることで、電源40から負荷111Rへの給電が開始される。また、スイッチ140をONにする前に、電源40の出力電圧を制御部51に記憶してもよい(ステップS100)。なお、電源40から負荷111Rへ供給する電力量は、任意に制御されていてよい。例えば、電源40から負荷111Rへ供給する電力量は、パルス幅制御によって調整されていてよい。パルス幅に関するデューティ比は、100%よりも小さい値であってよい。なお、パルス幅制御に代えてパルス周波数制御によって、電源40から負荷111Rへ供給する電力量を調整してもよい。
本実施形態では、第1条件は、負荷111Rの使用のための操作の検知に基づく条件であってよい。具体的一例として、第1条件は、負荷111Rの使用のための操作を検知することそのものであってよい。すなわち、検知部20が負荷111Rの使用のための操作を検知した際に、制御部51はスイッチ140をONにすればよい。例えば検知部20が吸引センサである場合、制御部51は、吸引センサによってユーザの吸引動作を検出したときに、スイッチ140をONにすればよい。また、検知部20が押しボタンである場合、制御部51は、ユーザによる押しボタンの押下を検出したときに、スイッチ140をONにすればよい。
上記具体例の代わりに、第1条件は、負荷111Rの使用のための操作を検知するとともに、さらに別の条件を満たす条件であってもよい。例えば、検知部20が負荷111Rの使用のための操作を検知した際に、ユーザが押しボタンを押しているという条件を満たしている場合に、制御部51はスイッチ140をONにすればよい。別の例として、検知部20が負荷111Rの使用のための操作を検知した際に、後述のように負荷111Rが認証されているという条件を満たしている場合に、制御部51はスイッチ140をONにすればよい。
負荷111Rへ給電する前(電源が無負荷状態)と負荷111Rへの給電中(電源が負荷状態)に、検出部160により電源40の出力電圧が所定の時間間隔で検出され、検出された電源40の出力電圧は制御部51に記憶される(ステップS100,S104,S106,S108)。給電モードM1中に検出部160によって検出された電源40の出力電圧は、制御部51に備えられたメモリに記憶される。
本実施形態において、制御部51は、給電モードM1中に、給電モードM1における電源40の出力電圧の所定期間あたりの変化量に基づき、負荷111Rへの給電とは異なる特定の制御を実行してもよい。一例として、特定の制御は、例えば負荷111Rの認証処理(ステップS110)であってよい。
図8に示すように、負荷111Rの認証処理では、具体的には、制御部51は、電源40の出力電圧の所定期間あたりの変化量が所定の範囲に含まれるかどうかを判定する(ステップS200)。ここで、電源40の出力電圧の所定期間あたりの変化量は、負荷111Rへの通電時の出力電圧と負荷111Rへの非通電時の出力電圧との差に相当してよいことに留意されたい。
電源40の出力電圧の所定期間あたりの変化量が所定の範囲に含まれる場合、負荷111Rの認証を継続し(ステップS202)、給電モードのステップS112へ移行する。
電源40の出力電圧の所定期間あたりの変化量が所定の範囲に含まれない場合、スイッチ140をOFFにし(ステップS206)、負荷111Rの認証を解除する(ステップS208)。負荷111Rの認証が解除された場合、制御部51は、その旨をユーザに報知してもよい(ステップS210)。ユーザへの報知は、報知手段30によって行うことができる。
負荷111Rの認証が解除された状態では、制御部51は、検知部20が負荷111Rの使用のための操作を検知したとしても、スイッチ140をONにしない、すなわち負荷111Rへ電力を供給しないことが好ましい。
負荷111Rの認証が解除された後に、復帰動作(復帰信号)検知を契機に、制御部51は、負荷111Rの再認証処理を行ってもよい(ステップS214)。具体的には、制御部51が復帰信号を検知すると(ステップS212)、スイッチ140をONにし(ステップS213)、電源40の出力電圧を所定の時間おきに検出する。それから、電源40の出力電圧の所定期間あたりの変化量が所定の範囲に含まれない場合、負荷111Rの認証を解除したまま、ユーザへの報知を行う(ステップS210)。なお、電源40の出力電圧の変化を検出するためにステップS213でスイッチをONにする際は、負荷111Rに流れる電流によりエアロゾル源が霧化されないように、通電時間を短いものにするか、パルス幅制御又はパルス周波数制御によって電源40から負荷111Rに供給される電力を制限することが好ましい。換言すれば、給電モードにおいてエアロゾル源を霧化する際に負荷111Rに供給される電力より小さな電力を供給するように、スイッチ140が短時間ONにされることが好ましい。
電源40の出力電圧の所定期間あたりの変化量が所定の範囲に含まれる場合、負荷111Rを認証し(ステップS216)、給電モードの開始へ移行する。ここで、電源40の出力電圧の所定期間あたりの変化量は、復帰信号の検知後における、負荷111Rへの通電時の出力電圧と負荷111Rへの非通電時の出力電圧との差に相当してよいことに留意されたい。
復帰動作(信号)は、負荷111Rの再接続を検知した信号、所定パターンでの押しボタンの押下を検出する信号、所定パターンでの吸引動作を検知した信号、又は1回のパフ動作の終了を検知した信号等であってよい。
負荷の認証111Rは、例えばバッテリユニット112に接続された霧化ユニット111が使用可能なものであるかどうかを判断するために行われてよい。上記の態様では、例えば、負荷111Rの認証が解除された場合、制御部51は、バッテリユニット112に接続された負荷111Rが使用できないものであると判断し、負荷111Rの交換を促すことができる。例えば電源40の出力電圧の所定期間あたりの変化量が許容幅を超えた場合に、制御部51は、負荷111Rが劣化したと判断し、認証を解除して負荷111Rの交換を促すことができる。この代わりに、正規の霧化ユニット111とは異なる電圧降下量を有する非正規の霧化ユニットがバッテリユニット112に接続された場合に、制御部51は、認証を解除して非正規の負荷を正規の負荷111Rへ交換することを促すことができる。
負荷の認証処理において、負荷111Rの認証が継続されると(ステップS202)、給電モードのステップS112へ移行する(図7参照)。ステップS112では、制御部51は、負荷111Rへの電力供給の終了タイミングを検知したかどうか判定する。制御部51は、終了タイミングを検知すると、スイッチ140をOFFにし、給電モードM1を維持したまま、次の負荷111Rへの電力供給の開始まで待機する。再度、前述の第1条件が満たされると、制御部51は、スイッチ140をONにし(ステップS100,S102)、当該ステップS100,S102以降の処理を繰り返す。
負荷111Rへの電力供給の終了タイミングは、負荷111Rへの電力供給の開始から所定の時間が経過したことを検知したタイミングであってよい。この代わりに、負荷111Rへの電力供給の終了タイミングは、検知部20が負荷111Rの使用のための操作の終了を検知したタイミングであってもよい。例えば、検知部20が吸引センサである場合、負荷111Rへの電力供給の終了タイミングは、ユーザによる吸引動作の終了を検知したタイミングであってよい。
(所定の範囲)
前述した所定の範囲は、負荷111Rの通常時の電圧降下量に基づき設定される。具体的には、所定の範囲における下限値は、負荷111Rへの非給電時の電圧と負荷111Rへの給電時の電圧との差(電圧降下量)よりも小さい値に設定されていてもよい。その代わりに、所定の範囲における下限値は、正規の正常な負荷111Rが接続部120に接続されている状態において給電モードにおける所定の期間ごとの電源の出力電圧の減少量よりも小さい値に設定されていてもよい。この場合、正規の正常な負荷111Rが接続部120に接続されている場合、電源の出力電圧の変化量は所定の範囲における下限値より大きな値となることから所定の範囲に含まれるため、給電モードを継続することができる。
一方で、接続部120に非正規の負荷や激しく劣化した負荷が接続された場合には、電源の出力電圧の変化量は、正規の正常な負荷111Rが接続部120に接続されている場合とは異なる値を示す傾向にある。例えば非正規の負荷が用いられた場合、負荷そのものの抵抗値が正規の負荷と異なる点や、接続部120における接触不良を要因として、電源の出力電圧の変化量は固有の値を示す。これらの固有の値が除外され、且つ正規の正常な負荷111Rが接続部120に接続されている状態において給電モードにおける所定の期間ごとの電源の出力電圧の減少量が包含されるように所定の範囲を設定すれば、非正規の負荷の認証を解除できる。また、激しく劣化した負荷は、正規の負荷にも関わらずその抵抗値は正常な負荷と大きく異なる値である異常値を示す。この異常値が除外され、且つ正規の正常な負荷111Rが接続部120に接続されている状態において給電モードにおける所定の期間ごとの電源の出力電圧の減少量が包含されるように所定の範囲を設定すれば、激しく劣化した負荷の認証を解除できる。
(充電モード)
図9は、一実施形態に係る充電モードを示すフローチャートである。制御部51は、充電モードM2で、上記の第1条件と異なる第2条件が満たされた場合にスイッチをONにすることが好ましい。すなわち、充電モードと給電モードでスイッチをONにするための条件が異なる。スイッチ140をONにするための条件が、充電モードと給電モードにおいて互いに異なるため、誤動作を抑制し易くなる。
第2条件は、接続部120に対する充電器200の接続に基づく条件であってよい。ここで、接続部120に対する充電器200の接続に基づく条件は、接続部120に対する充電器200の接続を示す信号(第2レベルのWAKE信号)を検知したという条件そのものであってよい。例えば、接続部120に対する充電器200の接続に基づく条件は、第2レベルのWAKE信号を1回又は複数回連続で検知したという条件であってよい。
この代わりに、接続部120に対する充電器200の接続に基づく条件は、接続部120に対する充電器200の接続を示す信号(第2レベルのWAKE信号)の検知と、さらに別の信号の検知との組み合わせであってもよい。さらに別の信号としては、例えばユーザによる押ボタンの押下を検知する信号であってよい。なお、押ボタンはバッテリユニット112と充電器200のいずれかに設けられても、またはバッテリユニット112と充電器200の双方に設けられていてもよい。
制御部51がスイッチ140をONにしたときに、バッテリユニット112の接続部120に充電器200が接続されていれば、充電器200から電源40に電気が流れ、電源40が充電されることになる(ステップS300)。また、制御部51は、スイッチ140をONにするとともに、バッテリユニットに内蔵されたタイマを起動する(ステップS302)。タイマは、起動時に「0」にセットされている。タイマは、起動時からの時間を計測する。
制御部51は、タイマの起動時から所定の期間が経過したかどうか判定し(ステップS304)、所定の期間が経過したらスイッチ140をOFFにする(ステップS306)。この所定の期間は例えば100msであってよい。
制御部51は、スイッチ140をOFFにしてから所定の待機時間経過すると(ステップS308)、スイッチ140を再びONにする(ステップS310)。ここで、所定の待機時間は、例えば400μsであってよい。制御部51は、ステップS308とステップS310の間にWAKE信号の値を記憶する(ステップS309)。
制御部51は、ステップS306からステップS310までを所定の回数繰り返す。本実施形態では、所定の回数は10回である。次に、制御部51は、連続する所定の回数(ここでは10回)すべてでWAKE信号が第2レベルではないかどうか判定する(ステップS314)。
連続する所定の回数すべてでWAKE信号が第2レベルではない場合、制御部51は、バッテリユニット112から充電器200が外されたと認識し、スイッチ140をOFFにし(ステップS316)、それから一連の制御フローを終了する。連続する所定の回数のうち少なくとも1回でWAKE信号が第2レベルであった場合、制御部51は、充電モードM2を継続する。
次に、制御部51は、充電モードにおける異常を判定するステップを行う(ステップS318)。ここで、WAKE信号に基づいて接続部120に充電器200が接続されたと判断された場合であっても、当該判断が誤っていることがあり得る。例えば、接続部120に負荷111Rを取り付けたときに、チャタリングのような現象によって誤動作が生じ、誤って充電モードM2に移行してしまうことも想定される。充電モードM2における異常を判定するステップS318は、このように誤って充電モードに移行してしまった場合に、その異常を判断することを想定している。
具体的には、充電モードにおける異常を判定するステップでは、充電モードM2における電源40の出力電圧の所定期間あたりの減少量が、給電モードM1における出力電圧の当該所定期間あたりの減少量に基づき設定される第1閾値以下である場合、制御部51は、充電モードにおける異常を判断する。すなわち、制御部51は、この場合に、接続部120に接続された負荷111Rを誤って充電器200と判定したと推定する。言い換えると、制御部51は、接続部120へ負荷111Rが接続された状態で充電モードを実行されていると判断する。なお、電源40の出力電圧は、充電モードにおいて、所定期間ごとに計測され、記憶されていてよい。
制御部51が充電モードにおける異常が存在すると判断した場合には、特定の処理、例えば図11及び図12に示す後述の特定の処理に移行する。この代わりに、制御部が51充電モードにおける異常が存在すると判断した場合に、制御部51は、スイッチ140を停止し、報知手段にてユーザに異常を報知してもよい。
制御部が51充電モードにおける異常が存在しないと判断した場合には、制御部51は、充電モードを継続する。具体的には、制御部51は、タイマをリセットして起動し直し、ステップS302以降のプロセスを繰り返す。
(第1閾値について)
接続部120に負荷111Rが接続されている場合、スイッチ140がONの時の所定期間あたりの電源40の出力電圧は、負荷111Rの電気抵抗値に応じて低下していく。一方、接続部120に充電器200が接続されている場合、所定期間あたりの電源40の出力電圧は、理想的には減少しない。なぜならば、接続部120に充電器200が接続されている場合、電源40は充電器200による充電状態か無負荷状態にあり、前者であれば電源40の端子間電圧は増大し、後者であれば電源40の端子間電圧は理想的には変化しないからである。したがって、第1閾値は、接続部120に充電器200が接続された状態で実行される充電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量以下であってよい。
また、厳密には、接続部120に充電器200が接続されている場合、所定期間あたりの電源40の出力電圧は、電源40が自然放電した暗電流による電圧降下に応じて減少する。この場合、第1閾値は、暗電流による電圧降下に相当する値より大きいことが好ましい。さらに、第1閾値は、検出した出力電圧の値の誤差も考慮して設定されることが好ましい。
また、負荷111Rが接続されているにも関わらず誤って充電モードに移行した場合、給電モードM1で負荷111Rへ供給する電力よりも大きい電力が負荷111Rに供給され得る。この場合、出力電圧の所定期間あたりの減少量は、給電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量よりも小さくなる。このことを考慮すると、第1閾値は、給電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量と同じ値、又はそれよりも小さく設定されていてもよい。
第1閾値は、バッテリユニット112の製造時に予め設定されていてよい。ただし、第1閾値は、恒久的に予め設定された値に維持される必要はない。
一例として、第1閾値は、電源40の劣化や充放電の履歴に応じて変更されてもよい。具体的には、図10に示すように、一般に、電源40が劣化する、すなわち充放電のサイクル数が大きくなるとともに、電源40の出力電圧は低下し、電圧降下量も大きくなる。これは電解液の不可逆的な分解による蓄電容量の減少や、活物質や導電助材の凝集を原因とする電極構造の変化による内部抵抗の増大に拠るものである。したがって、接続部120に負荷111Rが接続されている場合、電源40が劣化するとともに所定期間における電源40の出力電圧の減少量は、より小さくなる。このことを考慮すると、電源40の劣化に応じて第1閾値を適切に変更することによって、充電モードにおける異常の判断の精度を向上させることができる。
具体的には、電源40の劣化に伴い、第1閾値を小さくすることが好ましい。一般に、電源40の劣化に伴い、接続部120に負荷111Rが接続されているときの所定期間における出力電圧の減少量は拡大する。したがって、第1閾値をより小さくしたとしても、充電モードにおける異常を判断することができる。その一方で、接続部120に充電器200が接続されているにもかかわらず、充電モードで検出した所定期間における電源40の出力電圧の減少量が出力電圧の検出値の誤差等によって第1閾値を下回ってしまうという不具合を、第1閾値を小さくすることによって抑制することができる。
なお、電源40にリチウムイオン二次電池を用いた場合、広く知られているように比較的初期の充放電のサイクルにおいては、電解質の分解に由来するSEI(Solid Electrolyte Interphase, 相間固体電解質)が負極表面を被膜するように形成される。このSEIは電気化学反応を安定化させるため、所定期間における電源40の出力電圧の減少に対する改善が期待できる。この様な場合においても充放電の履歴や回数に応じて第1閾値を変更すれば、充電モードにおける異常の判断の精度を向上させることができる。
さらに別の例として、第1閾値は、給電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量に基づいて変更されてもよい。前述したように、給電モードにおける出力電圧は、所定期間ごとに制御部51に記憶されている。したがって、給電モードにおいて記憶した電源40の出力電圧を用いて給電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量を算出することができる。制御部51は、この給電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量を、第1閾値にフィードバックすることができる。これにより、霧化ユニット111(負荷111R)が交換された場合にも、交換された新しい負荷111Rに関する電圧降下の値に基づき、適切な第1閾値を設定することができる。また、電源40が劣化し、出力電圧の降下量が増大したような場合であっても、電源40の劣化に伴う出力電圧の降下量を反映した第1閾値を設定できるため、充電モードにおける異常の検知の精度を向上させることができる。
制御部51は充電モードにおける異常を判断することにより、負荷111Rが接続部120に接続されているにもかかわらず、充電器200が接続部120に接続されたと誤検知された場合であっても、充電モードにおいて当該誤検知を判断することができる。よって、誤ってバッテリユニット112におけるスイッチ140をONにし続けることを防止し、電源の電力の無駄な消費を軽減することができる。
(充電モードにおける異常を判定するステップS318の具体例)
充電モードにおける異常を判定するステップでは、充電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量が、給電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量に基づき設定される閾値以下である場合、制御部51は、充電モードにおける異常を判断する。充電モードにおける電源の出力電圧の所定期間あたりの減少量を算出するため、充電モードにおいて電源40の出力電圧が所定期間おきに検知されている。
一例として、ステップS318において、充電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量は、最新の検出における出力電圧の値と、最新の検出の1回前の検出における出力電圧の値と、の差分によって算出される。すなわち、ステップS318では、最新の検出値とその1回前の検出値との差分と、第1閾値とが比較される。なお、最新の検出値と差分をとる検出値は、必ずしも最新の1回前の検出値でなくてもよく、最新の1回前より以前の検出値であってもよく、また充電モードの開始にあたってスイッチ140をONにする前(ステップS300の実行に先立って)の検出値でもよい。
別の例として、充電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量は、所定期間ごとに検知した電源の複数の出力電圧の値から導出した予測値、すなわち近似直線又は近似曲線から得られた予測値によって規定されてもよい。例えば、所定期間ごとに検知した電源の複数の出力電圧の値から、最小二乗法によって出力電圧の減少を直線にて近似し、当該近似直線から、充電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量の予測値を算出することができる。最小二乗法を用いるためのデータ(出力電圧の値)の数は、任意であり、検出誤差の影響を十分に小さくできる程度に大きいことが好ましい。このように充電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量を、近似直線又は近似曲線から得られた予測値より導出すれば、近似直線の傾きや近似曲線の微分値が"0"で無い値を持つ場合、その値は無負荷時の電源40の自己放電による暗電流に起因する可能性が高いため、検出誤差の影響を小さくできる。
さらに別の例として、ステップS318において、充電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量は、充電モードの開始から起算した出力電圧を検出した回数が所定回数未満である場合と、充電モードの開始から起算した出力電圧を検出した回数が所定回数以上である場合とで、変更してもよい。例えば、充電モードの開始から起算した出力電圧を検出した回数が所定回数未満である場合、前述したように、充電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量は、最新の検出における出力電圧の値と、最新の検出の1回前の検出における出力電圧の値と、の差分によって算出されていてよい。ただし、充電モードの開始から起算した出力電圧を検出した回数が所定回数以上である場合、充電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量は、最新の検出における出力電圧の値と、充電モードの開始から検出された複数の出力電圧に基づいて得た予測値と、の差分によって算出されてもよい。当該予測値は、例えば前述したような最小二乗法が挙げられる。
ここで、所定回数は、予測値を用いる場合、予測値を算出するために用いたデータ(出力電圧の値)の数が多いほど、予測値の精度が上がる。広く知られているように最小二乗法では、近似直線や近似曲線に対する実データの偏差は、データ数の平方根の逆数に比例して小さくなるという性質を有しているためである。そのため、所定回数は、任意ではあるが、出力電圧の検出誤差の影響を十分に小さくできる程度に大きいことが好ましい。これにより、ステップS318における判定において、電源の出力電圧の検出誤差の影響を抑えることができる。
また別の例として、上述した近似直線や近似曲線を用いずとも、所定期間ごとに検知した電源の複数の出力電圧の値から傾きを導出し、この傾きを充電モードにおける出力電圧の所定期間あたりの減少量に用いてもよい。またはこれに代えて、複数の出力電圧の値から導出した移動平均値に基づいて充電モードにおける電源の出力電圧の所定期間あたりの減少量を推定してもよい。
(特定の処理の具体例1)
制御部51は、充電モードにおける異常を判定するステップS318において、充電モードにおける異常と判定すると、電源40から負荷111Rへの給電を少なくとも一時的に不能にすることを少なくとも選択的に実行可能な特定の処理を行う(図11)。図11は、そのような特定の処理の一例を示している。
まず、特定の処理が開始されると、特定の変数の値を「1」に設定する(ステップS400)。本例において、特定の変数は、特定の条件が満たされた回数を示す。本例では、特定の条件は、充電モードにおいて出力電圧の所定期間あたりの減少量が前述した第1閾値以下という条件である。
次に、特定の変数の値が第2閾値以上であるかどうか判定する(ステップS402)。第2閾値は、1以上の任意の自然数であってよい。一例として、第2閾値は、「1」であってよい。この代わりに、第2閾値は、2以上の自然数であってもよい。この場合、制御部51は、特定の処理において、電源40から負荷111Rへの給電を少なくとも一時的に不能にする前に、負荷111Rが接続部120に接続されているかどうかを再確認することができる。負荷111Rが接続部120に接続されているかどうかの再確認は、再度、特定の条件が満たされたかどうかによって判定することができる。
具体的一例として、特定の変数の値が第2閾値以上ではない場合、電源40の出力電圧を測定し(ステップS404)、出力電圧の所定期間あたりの減少量を再度算出する。それから、前述の特定の条件が満たされたかどうか、ここでは電源40の出力電圧の所定期間あたりの減少量が第1閾値以下であるかどうかを判定する(ステップS406)。ここで、電源40の出力電圧の所定期間あたりの減少量が第1閾値を越えるならば、充電モードにおける異常が存在しない可能性があるため、充電モードの開始からやり直すことができる。また、充電モードの開始からやり直す代わりに、電源40の出力電圧の所定期間あたりの減少量が第1閾値より大きいならば、充電モードの途中からやり直してもよい。一例として、充電モードにおけるタイマを起動するステップS302に戻ってもよい。
一方、電源40の出力電圧の所定期間あたりの減少量が再び第1閾値以下であった場合、特定の変数の値を「1」だけ増し(ステップS408)、それから特定の変数の値が第2閾値以上かどうかを判定する(ステップS402)。
特定の変数の値が第2閾値以上である場合、制御部51は、充電モードにおいて異常があったと仮に判断し、電源40から負荷111Rへの給電を制御部51によって再開可能なように一時的に不能にする第1モードを実施する(ステップS410)。なお、第1モードは、制御部51により前述の切断手段170を制御することによって実現できる。それから、制御部51は、第1モードを実施したことをユーザへ報知する(ステップS412)。ユーザへの報知は、報知手段30によって行うことができる。
第1モードを実施した後に、スイッチ140とスイッチ175をONにし(ステップS413)、電源40の出力電圧を測定し(ステップS414)、再び、前述の特定の条件が満たされたかどうか、ここでは電源40の出力電圧の所定期間あたりの減少量が第1閾値以下であるかどうかを判定してもよい(ステップS416)。なお、ユーザへの報知を行った後(ステップS412)、復帰動作(復帰信号)を検知したら、電源40の出力電圧を測定してもよい(ステップS414)。
ここで、電源40の出力電圧の所定期間あたりの減少量が第1閾値より大きいならば、充電モードにおける異常が存在しないまたは第1モードを実施した後に異常が解消した可能性があるため、第1モードを解除し(ステップS418)、充電モードの開始からやり直すことができる。また、充電モードの開始からやり直す代わりに、充電モードの途中からやり直してもよい。
一方、電源40の出力電圧の所定期間あたりの減少量が第1閾値以下であった場合、特定の変数の値を「1」だけ増し(ステップS420)、それから特定の変数の値が第3閾値以上かどうかを判定する(ステップS422)。ここで、第3閾値は、第2閾値よりも大きい自然数である。一例として、第3閾値は、第2閾値よりも「1」大きい自然数であってよい。
特定の変数の値が第3閾値未満の場合、電源40の出力電圧を測定し(ステップS414)、再び、前述の特定の条件が満たされたかどうか、ここでは電源40の出力電圧の所定期間あたりの減少量が第1閾値以下であるかどうかを判定する(ステップS416)。
特定の変数の値が第3閾値以上の場合、制御部51は、充電モードにおいて異常があったと断定又は異常の解消が困難と判断し、電源40から負荷111Rへの給電を制御部51によって再開できないように不可逆的に不能にする第2モードを実施する(ステップS424)。なお、第2モードは、制御部51により前述の切断手段170を制御することによって実現できる。それから、制御部51は、第2モードを実施したことをユーザへ報知する(ステップS426)。ユーザへの報知は、報知手段30によって行うことができる。
前述したように、第1モードと第2モードのそれぞれを実行するか否かを判断する第1条件(ステップS402)と第2条件(ステップS422)とが設けられていてよい。この場合、第2条件は第1条件に比べて厳しい。換言すれば、第2条件は第1条件に比べて満たしにくい。例えば、特定の変数の値が第2閾値以上かつ第3閾値未満の場合のように、第1条件は満たせても第2条件が満たせない場合がある。これにより、制御部51は、異常が存在する可能性を見つけた場合に電源から負荷への給電を一時的に不能にする第1モードを実施し、異常が存在する可能性が極めて高い場合に電源から負荷への給電を不可逆的に不能にする第2モードを実施することができる。
(特定の処理の具体例2)
図12は、図11に代わる特定の処理の別の例を示している。まず、特定の処理が開始されると、特定の変数の値を「最新の出力電圧の所定期間あたりの減少量」に設定する(ステップS500)。このように、本例において、特定の変数は、出力電圧の所定期間あたりの減少量を含む。
次に、特定の変数の値が第4閾値以下であるかどうか判定する(ステップS502)。第4閾値は、例えば前述の第1閾値と同じ値であってよく給電モードにおける電源40の出力電圧の所定期間あたりの減少量に基づき設定されていてよい。
特定の変数の値が第4閾値より大きいのであれば、充電モードにおける異常が存在しない可能性があるため、充電モードの開始からやり直すことができる。また、充電モードの開始からやり直す代わりに、充電モードの途中からやり直してもよい。
特定の変数の値が第4閾値以下であれば、当該特定の変数の値が第5閾値以下であるかどうか判定する(ステップS504)。ここで、第5閾値は、第4閾値よりも小さい値である。第5閾値は、例えば、正規の正常な負荷111Rを使用した場合において電源40の出力電圧の所定期間あたりの減少量の下限を下回る値、例えば電源40が満充電且つ負荷111Rへデューティ比100%で電力を供給した際の所定期間あたりの電源40の出力電圧の減少量に設定されていてもよい。
特定の変数の値が第4閾値以下、かつ第5閾値より大きい場合、制御部51は、充電モードにおいて異常があったと仮に判断し、電源40から負荷111Rへの給電を制御部51によって再開可能なように一時的に不能にする第1モードを実施する(ステップS510)。それから、制御部51は、第1モードを実施したことをユーザへ報知する(ステップS512)。
特定の変数の値が第5閾値以下の場合、制御部51は、充電モードにおいて異常があったと断定し、電源40から負荷111Rへの給電を制御部51によって再開できないように不可逆的に不能にする第2モードを実施する(ステップS524)。それから、制御部51は、第2モードを実施したことをユーザへ報知する(ステップS526)。
前述したように、第1モードと第2モードのそれぞれを実行するか否かを判断する第1条件(ステップS502)と第2条件(ステップS504)とが設けられていてよい。この場合、第2条件は第1条件に比べて厳しい。換言すれば、第2条件は第1条件に比べて満たしにくい。例えば、特定の変数の値が第4閾値以下且つ第5閾値より大きい場合のように、第1条件は満たせても第2条件が満たせない場合がある。
(切断手段の制御のタイミング)
前述した例では、接続部120への負荷111Rの接続時に充電モードを実行する場合、言い換えると、接続部120に接続された負荷111Rを誤って充電器200と判定した場合に、制御部51は、電源40から負荷111Rへの給電を少なくとも一時的に不能にすることを少なくとも選択的に実行可能な特定の処理を行う(図11及び図12参照)。
前述した例に限らず、制御部51は、負荷111R又は電源40の任意の異常を検知した場合に、電源40から負荷111Rへの給電を少なくとも一時的に不能にすることを少なくとも選択的に実行可能な特定の処理を行ってもよい。負荷111R又は電源40の異常としては、例えば、接続部120への非正規の負荷の接続、非正規ユーザによるバッテリユニットの使用(ユーザ認証の解除)、その他のバッテリユニットの不具合等が挙げられる。接続部120への非正規の負荷の接続は、例えば前述した負荷の認証処理によって検出することができる。
ユーザ認証は、例えば検知部20が押しボタンの場合、所定パターンにおける押しボタンの押下によって行うことができる。別の例として、ユーザ認証は、検知部20が吸引センサの場合、所定パターンにおける吸引動作の押下によって行うことができる。
(プログラム及び記憶媒体)
図6〜図9,図11及び図12に示された前述のフローは、制御部51が実行することができる。すなわち、制御部51は、バッテリユニット112及び香味吸引器100に前述の方法を実行させるプログラム、及び当該プログラムが格納された記憶媒体を有していてよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る香味吸引器について図13を参照して説明する。なお、前述の実施形態と同様の構成については、同様の符号が付されており、その説明を省略することがある。以下では、前述の実施形態と異なる構成について詳細に説明する。
本実施形態では、前述した切断手段170が、バッテリユニット112ではなく、霧化アセンブリ111、すなわち負荷111Rに設けられている。切断手段170を構成する第1開閉器175及び第2開閉器177は、接続部120に設けられた不図示の電気端子を介して制御部51と電気的に接続されるように構成されていてよい。制御部51は、負荷111Rが接続端子120tに接続されたときに、切断手段170の第1開閉器175及び第2開閉器177を制御可能となっている。これにより、制御部51は、図11及び図12に示す特定の処理を実行することができる。
本実施形態によれば、電源40から負荷111Rへの給電を制御部51によって再開できないように不可逆的に不能にする第2モードが実行された場合に、負荷111Rすなわち霧化アセンブリ111を新品に交換することによって、香味吸引器100を使用可能な状態に戻すことができる。一般的に電源40などの高価な部品を有するバッテリユニット112に比べて、霧化アセンブリ111は安価な傾向にある。したがって、本実施形態は特にコストの観点から優位である。また、切断手段170はバッテリユニット112と霧化アセンブリ111の双方に設けられても良い。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記の各実施形態に記載された構成は、可能な限り、互いに組み合わせ、及び/又は置き換えることができる。

Claims (4)

  1. 筐体と、
    電源と、
    前記電源の出力電圧を検出する検出部と、
    エアロゾル源を霧化又は香味源を加熱し且つ前記筐体とは別体の負荷と前記電源を充電する充電器とを接続可能な接続部と、
    前記電源から前記負荷へ給電可能な給電モード及び前記充電器から前記電源へ充電可能な充電モードを実行可能な制御部と、
    前記負荷の使用のための操作を検知する検知部と、
    前記接続部に接続された前記負荷又は前記充電器に対し、前記電源と電気的に接続及び切断可能なスイッチと、
    前記接続部に設けられた電気端子どうしを連結するように設けられる第1電気抵抗器と、
    前記第1電気抵抗器と直列に接続され、前記制御部と連結される第2電気抵抗器と、を含み、
    前記検知部は、吸引センサであり、
    前記接続部を長さ方向の一端に設け、前記検知部を長さ方向の他端に設け、
    前記電源は、前記接続部と前記検知部の間に配置され、
    前記制御部は、
    前記接続部に設けられた電気端子どうしの間の電位差に基づき、前記第2電気抵抗器からの信号のレベルを検知することにより、前記接続部に前記充電器が接続されたか否かの判定、又は前記充電モードを実行し、
    前記スイッチをOFFにした状態で、前記負荷の使用のための操作を検知し、
    前記負荷の使用のための操作の検知を契機として、前記給電モードを実行し、
    前記接続部に前記負荷が接続され、且つ、前記負荷の使用のための操作の検知した場合のみ、前記給電モードで前記スイッチをONにする、
    前記電源、前記検出部、前記制御部、前記検知部は、前記筐体内に収容されるバッテリユニット。
  2. 前記接続部は、前記充電器又は前記負荷が排他的に接続されるように構成される、請求項1に記載のバッテリユニット。
  3. 外部から空気を流入するための流入孔が、前記接続部、又は前記接続部の近傍に、設けられている、請求項1に記載のバッテリユニット。
  4. 前記制御部は、
    前記給電モードにおいて、前記出力電圧の所定期間あたりの変化量に基づき、前記負荷を認証する、請求項1から3のいずれか1項に記載のバッテリユニット。
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