以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば、7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられており、画像表示装置5の前面側下方には、画像表示装置5よりも表示領域の小さいサブ画像表示装置5Sが設けられている。画像表示装置5およびサブ画像表示装置5Sは、例えば、LCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば、上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。また、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とし、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは、単に「導出」ともいう)する。なお、例えば、特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば、微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば、1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、第1保留表示部5HLと、第2保留表示部5HRと、アクティブ表示部AHAとが配置されている。第1保留表示部5HLは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。第2保留表示部5HRは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1始動入賞が発生したときに、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば、「4」)に達していれば、第1始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。また、第2始動入賞が発生したときに、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば、「4」)に達していれば、第2始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数および合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
第1保留表示部5HLでは、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第1保留表示部5HLは、例えば、右詰めで第1保留表示が行われるように構成されていればよい。第1保留表示部5HLには、第1特図保留記憶数の上限値である「4」にあわせた4つの表示部位が設けられ、右端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第1始動条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームの保留数が増加したときには、第1保留表示部5HLに他の第1保留表示がなければ、第1保留表示部5HLにおいて保留番号「1」に対応した右端の表示部位にて、増加分の第1特図保留記憶数に対応する保留表示として、新たな第1保留表示を追加する。第1保留表示部5HLに他の第1保留表示があれば、新たな第1保留表示を、他の第1保留表示が行われている表示部位の左隣にて非表示となっている表示部位(保留番号「2」〜「4」のいずれかに対応)に追加する。第1保留表示部5HLに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、第1保留表示部5HLにおいて保留番号「1」に対応した右端の表示部位における第1保留表示を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示のそれぞれを、消去した表示部位の方向(右側)に移動(シフト)させる。
第2保留表示部5HRでは、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第2保留表示部5HRは、例えば、左詰めで第2保留表示が行われるように構成されていればよい。第2保留表示部5HRには、第2特図保留記憶数の上限値である「4」にあわせた4つの表示部位が設けられ、左端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第2始動条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームの保留数が増加したときには、第2保留表示部5HRに他の第2保留表示がなければ、第2保留表示部5HRにおいて保留番号「1」に対応した左端の表示部位にて、増加分の第2特図保留記憶数に対応する保留表示として、新たな第2保留表示を追加する。第2保留表示部5HRに他の第2保留表示があれば、新たな第2保留表示を、他の第2保留表示が行われている表示部位の右隣にて非表示となっている表示部位(保留番号「2」〜「4」のいずれかに対応)に追加する。第2保留表示部5HRに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、第2保留表示部5HRにおいて保留番号「1」に対応した左端の表示部位における第2保留表示を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示のそれぞれを、消去した表示部位の方向(左側)に移動(シフト)させる。
アクティブ表示部AHAは、実行中の可変表示に対応して、保留表示と同一の演出画像または異なる演出画像を表示する。アクティブ表示部AHAにおける表示は、アクティブ表示(可変表示対応表示、消化時表示あるいは今回表示などともいう)と称する。アクティブ表示部AHAでは、例えば、第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、第1保留表示部5HLにて消去(消化)された第1保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。また、アクティブ表示部AHAでは、例えば、第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、第2保留表示部5HRにて消去(消化)された第2保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。なお、第1保留表示や第2保留表示とアクティブ表示とでは、色彩や模様が共通するものであればよく、例えば、アクティブ表示は第1保留表示や第2保留表示よりも大きく表示されるものであってもよい。また、アクティブ表示の表示態様は、アクティブ表示変化演出が実行されることにより、第1保留表示や第2保留表示の表示態様とは異なる表示態様に変化するものであってもよい。
図1に示すサブ画像表示装置5Sの表示領域には、第1保留表示部5HLと第2保留表示部5HRとの間にアクティブ表示部AHAが配置されている。これに対し、アクティブ表示部AHAは、第1保留表示部5HLと第2保留表示部5HRとの間に配置されるものに限定されず、画像表示装置5の表示領域における任意の位置に配置されていればよい。また、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRの配置も任意に変更可能であり、例えば、第1保留表示部5HLと第2保留表示部5HRとを入れ替えて配置したものでもよい。
第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRとともに、あるいは、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば、「4」)に対応した個数(例えば、4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が通過(進入)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(通過(進入)容易状態)と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態(通過(進入)困難(通過(進入)不可を含む)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に通過(進入)しやすい状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば、「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは、閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に通過(進入)した遊技球は、例えば、図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば、14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が通過(進入)可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、図2のゲートスイッチ21を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する普図保留表示器25Cが設けられている。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば、10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに、遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば、下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば、下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば、遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば、スティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作(所定の動作)を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば、図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述する演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えば、セグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、サブ画像表示装置5S、スピーカ8L、8Rおよび遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5及びサブ画像表示装置5Sにおける表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
また、演出制御基板12は、サブ画像表示装置5Sの表示制御を行うと共に、画像表示装置5に対して移動可能に構成されたサブ画像表示装置5Sの移動制御を行う。サブ画像表示装置5Sは、図示しない駆動機構(例えば、モータ、ギヤ機構、レール部材などを有する)を介して、画像表示装置5の前面側において移動可能に構成されている。この実施形態では、サブ画像表示装置5Sは、例えば、図1における上下方向に移動可能であり、且つ、進出位置(第1の位置)と後退位置(第2の位置)とで変位可能となっている。また、例えば、前記の駆動機構には、サブ画像表示装置5Sの位置を検出する位置センサ(例えばフォトセンサからなる。接触型センサであってもよい)が設けられ、当該位置センサからの検出信号に基づき、演出制御基板12は、サブ画像表示装置5Sの位置(特に、進出位置にあるか後退位置にあるか)を検出可能となっている。サブ画像表示装置5Sの進出位置と後退位置については、後に説明する。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(効果音信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば、電気信号として送信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドはいずれも、例えば、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば、乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む)が書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理(演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば、乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。一例として、演出制御基板12の側では、飾り図柄の可変表示における停止図柄決定用の乱数値や、予告演出決定用の乱数値といった、各種の演出決定用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えば、プロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む)が記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき(例えば、この指令によって、表示制御部123は、演出制御用CPU120に制御される)、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定して実行する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を画像表示装置5に実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば、主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される効果音信号、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば、数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば、大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば、「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば、「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば、「50」)よりも多い第1回数(例えば、「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば、1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば、「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば、「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば、回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が通過(進入)困難または通過(進入)不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20において普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば、前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば、変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば、29秒間)あるいは所定個数(例えば、9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に、「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば、14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば、「15」)に達するまで繰返し実行される。
可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「確変」または「非確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば、29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(本実施形態では、100回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの可変表示(特図ゲームなど)の残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態も遊技者にとって有利な状態である。
本実施形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。本実施形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態および確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えば、システムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態および確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば、「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば、「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これらの演出を、飾り図柄の可変表示とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示そのものも含む概念である。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などによる演出が含まれていてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。本実施形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、および全回転リーチが用意されている。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、可変表示結果が「大当り」となる可能性を、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。一例として、飾り図柄の可変表示中には「擬似連」の可変表示演出が実行可能であればよい。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば、最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に表示されている飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、一旦表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、例えば、擬似連変動(再変動)の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように設定されている。これにより、遊技者は、擬似連チャンス目が仮停止表示されることにより、「擬似連」の可変表示演出が行われることを認識でき、擬似連変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。本実施形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜2回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜3回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば、4回や5回としてもよい。
「擬似連」の可変表示演出が実行される際には、初回変動を含む複数回の変動表示(擬似連変動)に伴って、関連する表示演出などによる再変動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5において特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するようにしてもよい。また、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を行って最変動演出を実行してもよい。
なお、飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「擬似連」の他にも、例えば、「滑り」や「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、単一または複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば、「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば、「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。一方、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前(「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み演出ともいう)となるものが含まれている。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告可能な予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、例えば、始動入賞の発生による特図ゲームの保留記憶などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。また、先読み予告演出には、サブ画像表示装置5Sにおいて実行される「示唆演出」も含まれる(示唆演出については後述する)。なお、以下では、サブ画像表示装置5Sにおいて実行される示唆演出との区別において、単に「先読み予告演出」という用語が、画像表示装置5における飾り図柄の表示態様によって行われるものを指す場合がある。また、先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告、当該変動予告、あるいは可変表示中予告演出ともいう)と称される。
単独予告演出の一例として、アクティブ表示部AHAにおける演出画像の表示を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、開始条件が成立した可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する「アクティブ表示変化」の予告演出が実行される。より具体的には、アクティブ表示部AHAにおける表示色を、通常時における所定色(例えば、白色)とは異なる特定色(例えば、黄色、青色、赤色のいずれかなど)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、アクティブ表示部AHAに表示されるアイコンを、通常時における丸型無地とは異なる特定アイコンとすることにより、例えば、「?」、「チャンス」、「激熱」などのメッセージを報知して、可変表示結果が「大当り」となる可能性を示唆できればよい。その他、アクティブ表示部AHAに表示されるアイコンには、例えば「NEXT」などのメッセージを報知して、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動が実行されることを報知するアイコンがあってもよい。「アクティブ表示変化」の予告演出は、アクティブ表示変化演出ともいう。
また、保留表示の表示態様を変化させるときに、表示態様が変化することを示唆する作用演出が実行されることがある。作用演出が実行されると、作用演出の結果として、保留表示の表示態様が変化する。なお、作用演出は、例えば、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を含んでもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、RAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えば、スイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入または通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えば、パチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図6参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「900」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技や短期開放制御の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えば、セグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
ここで、コマンド制御処理により主基板11から演出制御基板12に送信される主な演出制御コマンドについて図3を参照して説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。本実施形態では、変動パターンのそれぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が割り振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1の場合には「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンドC4XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち表示結果を指定する演出制御コマンド(図柄判定結果指定コマンド)である。コマンドC5XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン判定結果指定コマンド)である。本実施形態では、後述するステップS101の処理において、第1始動入賞または第2始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜3が抽出される。抽出された乱数値MR1〜3に対応する可変表示について、可変表示の開始条件の成立前に、この抽出された乱数値MR1〜3のうちの乱数値MR1およびMR3に基づいて、可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否か、および、可変表示の変動パターンが判定される(図12参照)。始動入賞時の判定は、これらの判定のことをいい、ステップS213の入賞時乱数値判定処理において実行される。なお、所定の場合には、この判定が行われないことがある。表示結果についての判定結果(判定なしの場合も含む)には、一意の番号が割り振られ、その番号が図柄指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、「判定なし」の場合には「00」、「ハズレ」の場合には「01」、「大当り」の場合には「02」など)。変動パターンについての判定結果(判定なしの場合も含む)には、一意の番号が割り振られ、その番号が変動パターン判定結果指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、「判定なし」の場合には「00」、「PA1−1」の場合には「11」、「PA1−2」の場合には「12」など)。他のコマンドについては、図3に示すとおりである。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
図5は、ステップS101において実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定した場合(ステップS201;Yes)、CPU103は、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば、「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202において第1特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合(ステップS202;No)、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201の処理において第1始動口スイッチ22Aがオフであると判定した場合(ステップS201;No)や、ステップS202の処理において第1特図保留記憶数が上限値に達していると判定した場合(ステップS202;Yes)には、CPU103は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定した場合(ステップS204;Yes)、CPU103は、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば、「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205の処理において第2特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合(ステップS205;No)、CPU103は、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンではないと判定した場合(ステップS204;No)や、第2特図保留記憶数が上限値であると判定した場合(ステップS205;Yes)には、CPU103は、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203またはS206の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。CPU103は、例えば、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ(図6参照)が抽出する。CPU103は、こうして抽出した各乱数値を示す数値データを保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットすることで記憶させる(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図7(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図7(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図7(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。第1特図保留記憶部は、例えば、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば、「4」)に達するまで記憶する。こうして、第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えば、リーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第1特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される)とは、基本的に対応している。このため、第1特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第1保留表示部5HLの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第1保留表示部5HLの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
図7(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。第2特図保留記憶部は、例えば、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば、「4」)に達するまで記憶する。こうして、第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えば、リーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第2特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される)とは、基本的に対応している。このため、第2特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示部5HRの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示部5HRの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
ステップS210の処理を実行した後、CPU103は、予め用意された始動口入賞指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS211)。その後、CPU103は、予め用意された保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS212)。
続いて、CPU103は、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS213)。入賞時乱数値判定処理は、上述のように、始動入賞時の判定を行う処理であり、ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3のうちの乱数値MR1およびMR3に基づいて、当該乱数値の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否かおよび当該可変表示の変動パターン(図12参照)を判定する処理である。その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「2」であると判定した場合(ステップS214;「2」)、CPU103は、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であると判定した場合(ステップS214;「1」)、CPU103は、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、ステップS204に処理を進める。
図8は、図5に示すステップS213において実行される入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図4に示すステップS110)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図4に示すステップS111)において、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンの決定などが行われる。入賞時乱数値判定処理では、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、当該タイミングで抽出された乱数値(ステップS209の処理において抽出された乱数値)の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否かの判定)や、飾り図柄の可変表示の変動パターンがどれになるかの判定などを行う(いわゆる「先読み」)。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前(特図ゲームの開始条件成立前)に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の大まかな可変表示態様(変動パターン)を予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、保留表示図柄の表示態様などを決定することができる。
図8に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS301)。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定する。CPU103は、例えば、特図プロセスフラグの値が、「4」〜「7」である場合には、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であると特定すればよい。
ステップS301の処理に続いて、CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS302)。大当り中ではないと判定した場合(ステップS302;No)、CPU103は、確変状態や時短状態において時短制御に伴う高開放制御が行われている高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS303)。高ベース状態であると判定した場合(ステップS303;Yes)、または、ステップS302の処理において大当り中であると判定した場合(ステップS302;Yes)、CPU103は、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS304)。
ステップS303の処理において始動口バッファ値が「2」であると判定した場合(ステップS304;Yes)、CPU103は、大当り決定範囲を設定する(ステップS305)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述する特図表示結果決定テーブル(図10参照)のうち、ステップS301で特定した現在の遊技状態に対応して、特図表示結果を「大当り」に割り当てられた決定値の範囲を、大当り決定範囲として設定する。CPU103は、例えば、現在の遊技状態が確変状態であれば(確変フラグがオン状態であれば)、「8000」〜「9899」が大当り決定範囲として設定し、現在の遊技状態が非確変状態(確変状態でない状態)であれば(確変フラグがオフ状態であれば)、「8000」〜「8189」が大当り決定範囲として設定する(図10参照)。
その後、CPU103は、ステップS209で抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS305の処理により設定された大当り決定範囲とを比較する(ステップS306)。続いて、CPU103は、この比較結果に基づいて乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS307)。CPU103は、例えば、大当り決定範囲に含まれる個々の決定値と、図5に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1とを、逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定してもよい。あるいは、CPU103は、大当り決定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定し、乱数値MR1と大当り決定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。
なお、ステップS306の処理において、CPU103は、例えば、ステップS210で特図保留記憶部に格納した乱数値MR1を読み出し、読み出した乱数値MR1を使用して上記の判定を行えばよい。また、CPU103は、ステップS210とは別に乱数値MR1をRAM102の所定領域(特図保留記憶部以外の領域)やCPU103の記憶領域などに保持しておき、CPU103は保持した乱数値に基づいて前記判定を行ってもよい。これは、後述する乱数値MR3についても同様である。このように、入賞時乱数値判定処理で使用される乱数値は、特図保留記憶部に格納された乱数値でなくてもよい。
ステップS307の処理において大当り決定範囲内であると判定した場合(ステップS307;Yes)、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述する大当り変動パターン決定テーブル(図13(A)参照)を選択して使用テーブルに設定する(ステップS309)。大当り変動パターン決定テーブルは、可変表示結果が「大当り」になる可変表示の変動パターンを決定するためのテーブルであり、各変動パターンに乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられている。
図13(A)に示す変動パターン決定テーブルでは、変動パターンPB1−1には乱数値MR3と比較される決定値1〜27(3%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB1−2には乱数値MR3と比較される決定値28〜72(5%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB1−3には乱数値MR3と比較される決定値73〜135(7%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB1−4には乱数値MR3と比較される決定値136〜216(9%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB1−5には乱数値MR3と比較される決定値217〜315(11%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB1−6には乱数値MR3と比較される決定値316〜432(13%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB1−7には乱数値MR3と比較される決定値433〜567(15%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB1−8には乱数値MR3と比較される決定値568〜720(17%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB1−9には乱数値MR3と比較される決定値721〜900(20%の範囲)が割り当てられる。このようなことは、決定値を記載した他のテーブルについても同様である。
ステップS307の処理において大当り決定範囲内ではないと判定した場合(ステップS307;No)、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたハズレ変動パターン決定テーブル(図13(B),(C)参照)を選択して使用テーブルに設定する(ステップS308)。具体的には、ステップS301で特定した現在の遊技状態が非時短状態(低ベース状態)である場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図13(B)のハズレ変動パターン決定テーブルを使用テーブルに設定し、ステップS301で特定した現在の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合(時短フラグがオン状態のとき)には、図13(C)のハズレ変動パターン決定テーブルを使用テーブルに設定する。ハズレ変動パターン決定テーブルは、可変表示結果が「ハズレ」になる可変表示の変動パターンを決定するためのテーブルであり、各変動パターンに乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられている。
その後、ステップS308またはS309を実行した後、CPU103は、ステップS209で抽出された変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定されている大当り変動パターン決定テーブルまたはハズレ変動パターン決定テーブルを参照し、乱数値MR3と合致する決定値に割り当てられている変動パターンを判定する(ステップS310)。CPU103は、例えば、各変動パターンに割り当てられた個々の決定値と、乱数値MR3とを、逐一比較することにより、乱数値MR3と合致する決定値の有無を判定することで変動パターンを判定すればよい。
ステップS310を実行した後、または、ステップS304の処理において始動口バッファ値が「2」でないと判定した場合(ステップS304;No)、CPU103は、ステップS307やステップS310の判定結果に応じた内容の始動入賞時コマンドの送信設定を行い(ステップS311)、入賞時乱数値判定処理を終了する。始動入賞時コマンドは、始動口入賞指定コマンドと、特図保留記憶数指定コマンドと、図柄判定結果指定コマンドと、変動パターン判定結果指定コマンドと、から構成される。始動口バッファ値が「1」のときは、始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドと、第1特図保留記憶数指定コマンドと、図柄判定結果指定コマンドと、変動パターン判定結果指定コマンドと、の送信設定を行う。始動口バッファ値が「2」のときは、始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドと、第2特図保留記憶数指定コマンドと、図柄判定結果指定コマンドと、変動パターン判定結果指定コマンドと、の送信設定を行う。送信設定されたコマンドは、コマンド制御処理において送信される。なお、ステップS304の処理において始動口バッファ値が「2」でないと判定した場合(ステップS304;No)には、CPU103は、ステップS311の判定結果指定コマンドの送信設定を行うことなく入賞時乱数値判定処理を終了するようにしてもよい。
送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンド(各記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。送信設定する図柄指定コマンドは、ステップS306の判定結果が大当り決定範囲内である場合には(ステップS306;Yes)、可変表示結果の判定結果が「大当り」であることを指定するコマンド(「大当り」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS306の判定結果が大当り決定範囲外である場合には(ステップS306;No)、可変表示結果の判定結果が「ハズレ」であることを指定するコマンド(「ハズレ」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS303の判定結果が始動口バッファ値=1である場合には(ステップS303;No)、始動入賞時の判定を行っていない「判定なし」であることを指定するコマンド(「判定なし」に対応したEXTデータを含むコマンド)とすればよい。送信設定する変動パターン判定結果指定コマンドは、ステップS309で変動パターンを判定した場合には判定結果となる変動パターンを指定するコマンド(判定結果である変動パターンに対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS303の判定結果が始動口バッファ値=1である場合には(ステップS303;No)、始動入賞時の判定を行っていない「判定なし」であることを指定するコマンド(「判定なし」に対応したEXTデータを含むコマンド)とすればよい。
入賞時乱数値判定処理では、上記のようにして、今回ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3に対応する可変表示について、当該可変表示(特図ゲーム)の可変表示結果が「大当り」になるか否か、および、当該可変表示の変動パターン(図13参照)が判定される。つまり、いわゆる先読みが行われる。また、入賞時乱数値判定処理では、ステップS302の処理において大当り中であると判定した場合や、ステップS303の処理において時短制御中であると判定されたことに基づいて、ステップS303の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS304などの処理を実行せずにステップS310の処理に進み、始動入賞時の判定を行わない。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が進入したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいて上記各判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、時短制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読みが実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図4に示す特別図柄プロセス処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS101において始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。特別図柄通常処理では、RAM102の所定領域に記憶されている第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部の保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が「1」に更新される。
図9は、図4に示すステップS110において実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理を開始すると、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231において第2特図保留記憶数が「0」以外であると判定した場合(ステップS231;No)、CPU103は、例えば、保留データとして、RAM102の所定領域に記憶されている第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば、保留番号「1」に対応する記憶領域)から所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば、変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、CPU103は、例えば、第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。CPU103は、例えば、第2特図保留記憶部における保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトさせる。また、CPU103は、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。次に、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231の処理において第2特図保留記憶数が「0」であると判定した場合(ステップS231;Yes)、CPU103は、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235の処理において第1特図保留記憶数が「0」以外であると判定した場合(ステップS235;No)、CPU103は、例えば、保留データとして、RAM102の所定領域に記憶されている第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば、保留番号「1」に対応する記憶領域)から所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば、変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、CPU103は、例えば、第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。CPU103は、例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトさせる。また、CPU103は、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。次に、CPU103は、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。CPU103は、例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された図10に示す特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルには、例えば、図10に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232またはS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、確変フラグがオン状態である場合に、確変状態であると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変状態のとき)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(非確変状態のとき)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図10(A)に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば、図4に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在の遊技状態が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」であると判定した場合(ステップS240;Yes)、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、CPU103は、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。CPU103は、例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された図10(B)に示す大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルには、例えば、図10(B)に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232またはS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
ステップS242の処理を実行した後、CPU103は、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でないと判定した場合(ステップS240;No)、CPU103は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。例えば、ステップS240において特図表示結果が「大当り」ではないと判定した場合、CPU103は、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240において特図表示結果が「大当り」であると判定した場合、CPU103は、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後、CPU103は、特図プロセスフラグの値を「1」に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245において特図プロセスフラグの値が「1」に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235の処理において、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」であると判定した場合(ステップS235;Yes)、CPU103は、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。
図4に示すステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が「2」に更新される。
図11は、図4に示すステップS111において実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理が開始されると、CPU103は、まず、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオン状態であると判定した場合(ステップS261;Yes)、CPU103は、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターン(図12参照)を決定する(ステップS262)。一方、ステップS261の処理において大当りフラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS261;No)、CPU103は、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターン(図12参照)を決定する(ステップS263)。
図11に示すステップS262の処理では、例えば、ROM101の所定領域に予め記憶されている、図13(A)に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回の変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図11に示すステップS263の処理では、例えば、ROM101の所定領域に予め記憶されている、図13(B),(C)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。遊技状態が非時短状態(時短フラグがオフ状態)であるときには、CPU103は、図13(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを参照する。遊技状態が時短状態(時短フラグがオン状態)であるときには、CPU103は、図13(C)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを参照する。一例として、各ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回の変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図13(A)に示すように、可変表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときには、擬似連変動において仮停止及び再変動を3回実行後にスーパーリーチCを実行する変動パターンPB1−9に最も多くの決定値が割り当てられており、擬似連変動において仮停止及び再変動を3回実行後にスーパーリーチBを実行する変動パターンPB1−8、擬似連変動において仮停止及び再変動を3回実行後にスーパーリーチAを実行する変動パターンPB1−7、スーパーリーチCの変動パターンPB1−6、スーパーリーチBの変動パターンPB1−5、スーパーリーチAの変動パターンPB1−4、擬似連変動において仮停止及び再変動を2回実行後にノーマルリーチを実行する変動パターンPB1−3、擬似連変動において仮停止及び再変動を1回実行後にノーマルリーチを実行する変動パターンPB1−2、ノーマルリーチの変動パターンPB1−1の順に割り当てられる決定値が少なくなっている。
図13(B),(C)に示すように、可変表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときには、非リーチの変動パターンPA1−1またはPA1−2に最も多くの決定値が割り当てられており、ノーマルリーチの変動パターンPA2−1、擬似連変動において仮停止及び再変動を1回実行後にノーマルリーチを実行する変動パターンPA2−2、スーパーリーチAの変動パターンPA2−4、スーパーリーチBの変動パターンPA2−5、スーパーリーチCの変動パターンPA2−6、擬似連変動において仮停止及び再変動を3回実行後にスーパーリーチAを実行する変動パターンPB2−7、擬似連変動において仮停止及び再変動を3回実行後にスーパーリーチBを実行する変動パターンPB2−8、擬似連変動において仮停止及び再変動を3回実行後にスーパーリーチCを実行する変動パターンPB2−9、の順に割り当てられる決定値が少なくなっている。
このように、図13(A)〜(C)に示す変動パターン決定テーブルにおいて決定値を割り当てることにより、擬似連変動において仮停止及び再変動を3回実行後にスーパーリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)を高めることができる。
ステップS262またはS263の処理を実行した後、CPU103は、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう)を設定する(ステップS264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図12に示すように、あらかじめ用意された複数の変動パターンに対応して、あらかじめ定められている。CPU103は、ステップS262またはS263の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS264の処理に続いて、CPU103は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS265)。CPU103は、例えば、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。これによって、特図ゲームが開始される。
ステップS265の処理を実行した後、CPU103は、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262またはS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS244で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262またはS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS244で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS233で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
ステップS266の処理を実行した後、CPU103は、特図プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS267において特図プロセスフラグの値が「2」に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図4に示すステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい)、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が「3」に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンドおよび現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド(ここでは通常状態を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、大当り遊技状態後に、遊技状態が変更されるので、ここで遊技状態指定コマンドを送信しなくてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、現在の遊技状態に基づいて遊技状態指定コマンド(ここでは、高確低ベース状態を指定するコマンド)を送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、または、遊技状態指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が「5」に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)および大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる)などによってカウントされればよい)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(または、一部開放状態であってもよい)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、または、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば、9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が「6」に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「7」に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が「5」に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「7」のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、大当り種別が「確変」であれば、時短フラグおよび確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「非確変」であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り終了処理では、このような設定のあと、設定に応じた遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を「0」に更新する。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えば、CTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば、2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば、所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば、RAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定が再度実行される。
図14は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から始動入賞時コマンド(始動口入賞指定コマンド、特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)の受信があったか否かを判定する(ステップS401)。
始動入賞時コマンドを受信したと判定した場合(ステップS401;Yes)、始動入賞時コマンドバッファに受信コマンドを格納する(ステップS402)。始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドや第1特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンド(第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)を、RAM122の所定領域に設けられた第1始動入賞時コマンドバッファに格納する。始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンド(第2始動口入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)を、RAM122の所定領域に設けられた第2始動入賞時コマンドバッファに格納する。
図15(A)は、第1始動入賞時コマンドバッファの構成例である。第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞時に受信した始動入賞時受信コマンドを構成する各種コマンドデータが記憶される。第1始動入賞時コマンドバッファには、第1特図保留記憶数の最大値(例えば、4)に対応する個数分の各種データを格納可能な格納領域(保留表示番号1〜4のそれぞれに対応する領域)が設けられている。
第1始動入賞口への始動入賞があったときは、第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドという4つのコマンドを1セットとした演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)が、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時コマンドバッファには、これらの第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドに加え、その他の情報を各保留記憶情報に対応付けて格納できるように格納領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドを特定するデータを、受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの空き領域の先頭から格納する。第1始動入賞時コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」となっている。したがって、始動入賞時コマンドを受信した場合、演出制御用CPU120は、第1始動入賞時コマンドバッファにおいて、始動入賞時コマンドの格納領域がすべて「0000(H)」である最小の保留表示番号に対応する格納領域に、第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドの順に各演出制御コマンドデータを格納する。
ここで、図15(C)は、変動パターン判定結果指定コマンドを特定する変動パターン判定結果指定コマンドデータと変動パターン判定結果とを対応付けた変動パターン判定結果指定コマンドデータ対応テーブルの構成例である。図15(C)に示すように、変動パターン判定結果には変動パターンに対応する一意の番号が割り振られており、その番号が変動パターン判定結果指定コマンド中の「XX」に設定され、変動パターン判定結果指定コマンドデータが構成されている。なお、始動入賞時に判定を行っていない「判定なし」の場合には、変動パターン判定結果指定コマンド中の「XX」は「00」が割り当てられ、変動パターン判定結果指定コマンドデータはC500(H)である。
また、図15(B)は、第2始動入賞時コマンドバッファの構成例である。第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞時に受信した始動入賞時受信コマンドを構成する各種コマンドデータが記憶される。第2始動入賞時コマンドバッファには、第2特図保留記憶数の最大値(例えば、4)に対応する個数分の各種データを格納可能な格納領域(保留表示番号1〜4のそれぞれに対応する領域)が設けられている。
第2始動入賞口への始動入賞があったときは、第2始動口入賞指定コマンド、第2特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドという4つのコマンドを1セットとした演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)が、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞時コマンドバッファには、これらの第2始動口入賞指定コマンド、第2特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドに加え、その他の情報を各保留記憶情報に対応付けて格納できるように格納領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドを特定するデータを、受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの空き領域の先頭から格納する。第2始動入賞時コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」となっている。したがって、始動入賞時コマンドを受信した場合、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファにおいて、始動入賞時コマンドの格納領域がすべて「0000(H)」である最小の保留表示番号に対応する格納領域に、第2始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドの順に各演出制御コマンドデータを格納する。
図15(A),(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファに格納される始動入賞時コマンド(始動口入賞指定コマンド、保留記憶数指定コマンド、図柄判定指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における先読み予告演出態様パターンが決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み予告演出の設定が行われないように制限される。こうした先読み予告演出の設定が制限される期間(先読み予告制限中)に始動入賞時コマンドを受信した場合に、その受信タイミングで先読み予告演出の設定が行われなかったものに対応して、未判定情報が「1」(あるいは、オン状態)にセットされ、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられた先読み予告制限フラグをセットする。なお、先読み予告演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み予告演出について、全部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
図14に示すコマンド解析処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS402を実行した後、または、始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS401;No)、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS403)。遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS403;Yes)、演出制御用CPU120は、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグおよび高ベースフラグのオン/オフ状態を切り替える(ステップS404)。
高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態/オフ状態の切り替えに対応して、オン状態/オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態/オフ状態の切り替えに対応して、オン状態/オフ状態が切り替わる。例えば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグおよび時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグおよび高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態/オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグおよび時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグおよび高ベースフラグをともにオフ状態にする。
ステップS404を実行した後、または、始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS403;No)、演出制御用CPU120は、その他の解析処理を実行し(ステップS405)、コマンド解析処理を終了する。
ここで、図16を参照して、コマンド解析処理において各演出制御コマンドの受信に応じて実行される処理について説明する。図16に示す「処理内容」の項目に示された内容は、例えば、ステップS405において実行される処理である。また、「処理内容」の項目に示されたステップ番号は、図14に示すフローチャート中のステップ番号を示し、該当するステップ処理が実行されることを意味する。また、「処理内容」の項目に示された各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることを意味する。
例えば、受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドの場合には、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAM122に形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する。そして、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド受信フラグをセットする。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドの場合には、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAM122に形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する。
図17は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、保留表示設定処理を実行する(ステップS161)。
図18は、保留表示設定処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、先読み予告演出として、予告対象となる可変表示(以下、「ターゲットの可変表示」ともいう)が実行されるまでの複数回の可変表示にわたって連続予告演出用のチャンス目(以下、先読みチャンス目ともいう)を構成する飾り図柄(例えば、奇数揃いまたは偶数揃いの飾り図柄など)を停止させるなどして、予告対象となる可変表示の可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する予告演出が実行される。また、未だ開始されていない可変表示に対応する保留表示を始動入賞のタイミングで表示し、その可変表示が開始された場合には保留表示をアクティブ表示として表示する保留予告演出が実行される。
図18に示す保留表示設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS501)。始動入賞時コマンドを受信したと判定した場合(ステップS501;Yes)、演出制御用CPU120は、先読み予告演出が実行中であるか否かを判定する(ステップS502)。演出制御用CPU120は、先読み予告の実行中/非実行中を示す先読み予告実行中フラグのオン/オフ状態を参照することにより、先読み予告演出が実行中であるか否かを判定すればよい。
ステップS502の処理において、先読み予告演出が実行中ではないと判定した場合(ステップS502;No)、演出制御用CPU120は、先読み予告演出が制限中であるか否かを判定する(ステップS503)。演出制御用CPU120は、先読み予告演出が制限中であるか否かを示す先読み予告制限フラグのオン/オフ状態を参照することにより、先読み予告演出が制限中であるか否かを判定すればよい。
ステップS503の処理において、先読み予告演出が制限中ではないと判定した場合(ステップS503;No)、演出制御用CPU120は、保留記憶数が「3」または「4」であり、かつ、従前の保留記憶に対応する変動パターン判定結果指定コマンドが非リーチハズレに対応する変動パターンを指定するもの(変動パターン判定結果指定コマンドC501(H)またはC501(H))のみであるか否かを判定する(ステップS504)。演出制御用CPU120は、ステップS501の処理において受信した始動入賞時コマンドに応じて、図15(A),(B)に示す第1始動入賞時コマンドバッファまたは第2始動入賞時コマンドバッファのいずれかを参照することにより、保留記憶数が「3」または「4」であり、かつ、従前の保留記憶に対応する変動パターン判定結果指定コマンドが非リーチハズレに対応する変動パターンを指定するもののみであるか否かを判定すればよい。
ステップS504の処理において、保留記憶数が「3」または「4」であり、かつ、従前の保留記憶に対応する変動パターン判定結果指定コマンドが非リーチハズレに対応する変動パターンを指定するもののみであると判定した場合(ステップS504;Yes)、演出制御用CPU120は、先読み予告演出の実行の有無、およびターゲットの可変表示が実行されるまでの複数回の可変表示において停止表示させる先読みチャンス目パターンを決定する(ステップS505)。演出制御用CPU120は、例えば、可変表示の可変表示結果および変動パターンに応じて、ROM101の所定領域に予め記憶されている図19に示す先読み予告演出実行決定テーブルや、図20,図21に示す先読みチャンス目決定テーブルを参照して、読み予告の実行の有無、および先読みチャンス目パターンを決定すればよい。
図19に示す先読み予告演出実行決定テーブルは、先読み予告演出の実行の有無を決定するために参照されるテーブルである。先読み予告演出実行決定テーブルには、可変表示の可変表示結果および変動パターンに応じて、先読み予告を実行することを示す「実行あり」と先読み予告演出を実行しないことを示す「実行なし」とに異なる決定割合が割り当てられている。図19に示すように、可変表示結果が「大当り」であってスーパーリーチCが実行される変動パターン(PB1−7〜PB1−9)には、「実行あり」に最も高い決定割合が割り当てられている。一方、可変表示結果が「ハズレ」であってリーチ演出が実行されない非リーチの変動パターン(PA1−1,PA1−2)には、「実行なし」に最も高い決定割合が割り当てられている。こうした決定割合に関する設定の一部または全部により、先読み予告演出が「実行あり」である場合には、先読み予告演出が「実行なし」である場合よりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高いことを示唆することができる。
図20および図21に示す先読みチャンス目決定テーブルは、先読み予告演出が実行される場合に、先読み予告の対象である可変表示(ターゲットの可変表示)よりも前に実行される可変表示において可変表示結果として停止される先読みチャンス目の組合せパターンを決定するために参照されるテーブルである。図20に示す先読みチャンス目決定テーブルは決定時の保留記憶数が3である場合に参照され、図21に示す先読みチャンス目決定テーブルは決定時の保留記憶数が4である場合に参照される。
図20に示す先読みチャンス目決定テーブルでは、第1変動および第2変動においてそれぞれ停止表示される先読みチャンス目の組合せとして先読みチャンス目パターンSCP1−01〜SCP1−09の9パターンが設定されている。ここでの第1変動は、先読み予告演出が開始されてから最初の可変表示を指す。図20は、第1変動に続いて第2変動が実行され、第2変動に続いてターゲットの可変表示(ターゲット変動)が実行される場合における第1及び第2変動の先読みチャンス目の決定例である。また、各先読みチャンス目パターンには、可変表示結果および変動パターンに応じて異なる決定割合が割り当てられている。ここで、図20、図21に示す先読みチャンス目決定テーブル内の「ハズレ(非R)」は変動パターンPA1−1,PA1−2を、「ハズレ(NR)」は変動パターンPA2−1を、「ハズレ(擬NR)」は変動パターンPA2−2,PA2−3を、「ハズレ(SR)」は変動パターンPA2−4〜PA2−6を、「ハズレ(擬SR)」は変動パターンPA2−7〜PA2−9を、それぞれ示すものとする。また、先読みチャンス目決定テーブル内の「大当り(NR)」は変動パターンPB1−1を、「大当り(擬NR)」は変動パターンPB1−2,PB1−3を、「大当り(SR)」は変動パターンPB1−4〜PB1−6を、「大当り(擬SR)」は変動パターンPB1−7〜PB1−9を、それぞれ示すものとする。なお、後述の図27、図34、図38においても同様である。
図20の先読みチャンス目決定テーブルに示すように、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、変動パターンによらず、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに、「左図柄−中図柄−右図柄」として、第1変動時および第2変動時に連続して「1−5−3」が停止表示される先読みチャンス目パターンSCP1−01に最も低い決定割合が割り当てられ、第1変動時および第2変動時に連続して「8−6−4」が停止表示される先読みチャンス目パターンSCP1−09に最も高い決定割合が割り当てられている。また、先読みチャンス目パターンSCP1−01からSCP1−09に向かうにつれて徐々に決定割合が高くなっており、「ハズレ(非R)」から「ハズレ(擬SR)」に向かうにつれて決定割合の最大値と最小値の差が小さくなっている。
一方、可変表示結果が「大当り」である場合には、変動パターンによらず、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに、「左図柄−中図柄−右図柄」として、第1変動時および第2変動時に連続して「1−5−3」が停止表示される先読みチャンス目パターンSCP1−01に最も高い決定割合が割り当てられ、第1変動時および第2変動時に連続して「8−6−4」が停止表示される先読みチャンス目パターンSCP1−09に最も低い決定割合が割り当てられている。また、先読みチャンス目パターンSCP1−01からSCP1−09に向かうにつれて徐々に決定割合が低くなっており、「大当り(擬SR)」から「大当り(NR)」に向かうにつれて決定割合の最大値と最小値の差が小さくなっている。
こうした決定割合に関する設定の一部または全部により、先読みチャンス目パターンSCP1−01により先読み予告演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も高く、先読みチャンス目パターンSCP1−09により先読み予告演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も低いことを示唆することができる。
図21に示す先読みチャンス目決定テーブルでは、第1変動から第3変動においてそれぞれ停止表示される先読みチャンス目の組合せとして先読みチャンス目パターンSCP2−01〜SCP2−12の12パターンが設定されている。図21は、第1変動、第2変動、第3変動の順で実行した後に、ターゲット変動が実行される場合における第1〜第3変動の先読みチャンス目の決定例である。また、各先読みチャンス目パターンには、可変表示結果および変動パターンに応じて異なる決定割合が割り当てられている。
図21の先読みチャンス目決定テーブルに示すように、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、変動パターンによらず、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに、「左図柄−中図柄−右図柄」として、第1変動時から第3変動時にわたって連続して「1−5−3」が停止表示される先読みチャンス目パターンSCP2−01に最も低い決定割合が割り当てられ、第1変動時から第3変動時にわたって連続して「8−6−4」が停止表示される先読みチャンス目パターンSCP2−12に最も高い決定割合が割り当てられている。また、先読みチャンス目パターンSCP2−01からSCP1−12に向かうにつれて徐々に決定割合が高くなっており、「ハズレ(非R)」から「ハズレ(擬SR)」に向かうにつれて決定割合の最大値と最小値の差が小さくなっている。
一方、可変表示結果が「大当り」である場合には、変動パターンによらず、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに、「左図柄−中図柄−右図柄」として、第1変動時から第3変動時にわたって連続して「1−5−3」が停止表示される先読みチャンス目パターンSCP2−01に最も高い決定割合が割り当てられ、第1変動時から第3変動時にわたって連続して「8−6−4」が停止表示される先読みチャンス目パターンSCP2−12に最も低い決定割合が割り当てられている。また、先読みチャンス目パターンSCP2−01からSCP1−12に向かうにつれて徐々に決定割合が低くなっており、「大当り(擬SR)」から「大当り(NR)」に向かうにつれて決定割合の最大値と最小値の差が小さくなっている。
こうした決定割合に関する設定の一部または全部により、先読みチャンス目パターンSCP2−01により先読み予告演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も高く、先読みチャンス目パターンSCP2−12により先読み予告演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も低いことを示唆することができる。
なお、図20および図21に示す先読みチャンス目決定テーブルにおいて、先読み予告演出の予告対象となる可変表示が実行されるまでの複数回の可変表示が実行されるにつれて、偶数図柄で構成される先読みチャンス目から大当り信頼度が高い奇数図柄で構成される先読みチャンス目へ移行するような先読みチャンス目パターンを多数取り入れてもよい。
図18に示す保留表示設定処理の説明に戻り、ステップS505の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読み予告演出が実行されるか否かを判定する(ステップS506)。演出制御用CPU120は、ステップS505の決定結果に基づいて、先読み予告演出が実行されるか否かを判定すればよい。先読み予告が実行されると判定した場合(ステップS506;Yes)、演出制御用CPU120は、先読み予告実行中フラグをオン状態にセットするとともに、保留記憶数に従って先読み予告実行カウンタにカウント値をセットするなどして、先読み予告演出を開始するための設定を行う(ステップS507)。先読み予告実行カウンタは、先読み予告演出において予告対象となる可変表示が開始されるより前に実行される可変表示の回数をカウントするためのカウンタである。
ステップS507の処理を実行した後、あるいは、ステップS502の処理においてYesと判定した場合、ステップS504の処理においてNoと判定した場合、ステップS506の処理においてNoと判定した場合のいずれかにおいて、演出制御用CPU120は、受信した始動入賞時コマンドに応じて、第1保留表示部5HLまたは第2保留表示部5HRに、第1保留表示または第2保留表示を追加表示させる(ステップS508)。
ステップS508の処理を実行した後、または、ステップS501の処理において始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS501;No)、演出制御用CPU120は、変動開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS509)。演出制御用CPU120は、例えば、第1変動開始指定コマンド受信フラグまたは第2変動開始指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされているか否かを参照することにより、変動開始指定コマンドを受信したか否かを判定すればよい。変動開始指定コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS509;No)、演出制御用CPU120は、保留表示設定処理を終了する。
一方、変動開始指定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS509;Yes)、演出制御用CPU120は、受信した変動指定コマンドに応じて第1保留表示部5HLまたは第2保留表示部5HRにおける保留表示番号「1」に対応する保留表示を消去し、可変表示対応表示部AHAにアクティブ表示として表示させる(ステップS510)。
ステップS510を実行した後、演出制御用CPU120は、第1保留表示部5HLまたは第2保留表示部5HRにおいて、保留表示番号「1」以外の保留表示番号「2」〜「4」に対応する各保留表示を、1つずつ右方向または左方向に移動(シフト)させるとともに、図15(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ内または図15(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ内の保留表示番号「1」に対応する記憶内容を消去し、保留表示番号「2」〜「4」に対応する記憶内容を1つずつシフトさせる(ステップS511)。ステップS511の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、保留表示設定処理を終了する。
図17に示す演出制御プロセス処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS161の保留表示設定処理を実行した後、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「0」のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理については、後に図22を用いて説明する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば、特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が「3」に更新される。可変表示中演出処理については、後に図28を用いて説明する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である「4」に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である「0」に更新する。
ステップS174の大入賞口開放時処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この大入賞口開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば、大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大入賞口開放時処理では、例えば、主基板11からの大当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である「5」に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば、大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である「0」に更新する。
図22は、図17のステップS171において実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS551)。特図表示結果が「ハズレ」となると判定した場合(ステップS551;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA1−2)であるか否かを判定する(ステップS552)。
ステップS552の処理において非リーチ変動パターンであると判定した場合(ステップS552;Yes)、演出制御用CPU120は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS553)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS552の処理において非リーチ変動パターンではないと判定した場合(ステップS552;No)、演出制御用CPU120は、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS554)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS551の処理において特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定した場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS555)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、主基板11から伝送された表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS553、S554、S555のいずれかの処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読み予告設定処理を実行する(ステップS557)。本実施形態では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、始動入賞の発生による特図ゲームの保留記憶に基づいて複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたって連続して先読みチャンス目を停止表示することにより、予告対象となる可変表示の可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する先読み予告演出が実行される。
図23は、図22のステップS557において実行される先読み予告設定処理の一例を示すフローチャートである。先読み予告設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告実行中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS601)。先読み予告実行中フラグがオフ状態である、すなわち、先読み予告演出が実行中ではないと判定した場合(ステップS601;No)、演出制御用CPU120は、先読み予告設定処理を終了する。
一方、先読み予告実行中フラグがオン状態である、すなわち、先読み予告演出が実行中であると判定した場合(ステップS601;Yes)、演出制御用CPU120は、先読み予告実行カウンタ値と先読みチャンス目パターンに基づいて先読み予告演出を実行するための演出実行設定を行う(ステップS602)。具体的には、演出制御用CPU120は、先読み予告実行カウンタ値と先読みチャンス目パターンに基づいて、今回の可変表示において停止させる先読みチャンス目を特定する。
ステップS602の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読み予告実行カウンタ値を1減算し(ステップS603)、先読み予告実行カウンタ値が0であるか否かを判定する(ステップS604)。先読み予告実行カウンタ値が0であると判定した場合(ステップS604;Yes)、演出制御用CPU120は、先読み予告実行中フラグをクリアする(ステップS605)。
ステップS605の処理を実行した後、または、ステップS604の処理において先読み予告実行カウンタ値が0ではないと判定した場合(ステップS604;No)、演出制御用CPU120は、先読み予告演出設定処理を終了する。
図22に示す可変表示開始設定処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS557の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、可変表示中演出設定処理を実行する(ステップS558)。本実施形態では、擬似連の可変表示演出が実行される場合には、初回変動を含む複数回の変動表示(擬似連変動)において擬似連チャンス目を仮停止表示させる。
図24は、図22のステップS558において実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、今回の可変表示が擬似連変動を伴う変動パターンであるか否かを判定する(ステップS701)。演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された変動パターン判定結果指定コマンドに基づいて擬似連変動を伴う変動パターンであるか否かを判定すればよい。
今回の可変表示が擬似連変動を伴う変動パターンであると判定した場合(ステップSS701;Yes)、演出制御用CPU120は、擬似連実行フラグをオン状態にセットする(ステップS702)。続いて、演出制御用CPU120は、擬似連変動の実行回数に応じて、擬似連チャンス目パターンを決定する(ステップS703)。演出制御用CPU120は、予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された、図25に示す擬似連チャンス目決定テーブルを参照して、擬似連チャンス目パターンを決定すればよい。
図25(A)〜(C)に示す擬似連チャンス目決定テーブルは、擬似連変動が実行される場合に、最後の擬似連変動(最終変動)よりも前に実行される擬似連変動(初回変動も含む)において仮停止される擬似連チャンス目の組合せパターンを決定するために参照されるテーブルである。図25(A)に示す擬似連チャンス目決定テーブルは擬似連における仮停止回数が1回である場合に参照され、図25(B)に示す擬似連チャンス目決定テーブルは擬似連における仮停止回数が2回である場合に参照され、図25(C)に示す擬似連チャンス目決定テーブルは擬似連における仮停止回数が3回である場合に参照される。
図25(A)に示す擬似連チャンス目決定テーブルでは、擬似連第1変動(擬似連の初回変動)において仮停止表示される擬似連チャンス目として擬似連チャンス目パターンGCP1−01〜GCP1−07の7パターンが設定されている。図25(A)に示す例では、擬似連第1変動後に実行される変動(最終変動)において最終停止図柄が導出表示されることになる。また、各擬似連チャンス目パターンには、可変表示結果および変動パターンに応じて異なる決定割合が割り当てられている。
図25(A)の擬似連チャンス目決定テーブルに示すように、変動パターンPA2−2を示す「ハズレ(NR)」には、擬似連第1変動において、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに、「左図柄−中図柄−右図柄」として、「1−2−3」が停止表示される擬似連チャンス目パターンGCP1−01に最も低い決定割合が割り当てられ、「7−8−9」が停止表示される擬似連チャンス目パターンGCP1−07に最も高い決定割合が割り当てられている。また、擬似連チャンス目パターンGCP1−01からGCP1−07に向かうにつれて徐々に決定割合が高くなっている。
一方、変動パターンPB1−2を示す「大当り(NR)」には、擬似連第1変動において、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに、「左図柄−中図柄−右図柄」として、「1−2−3」が停止表示される擬似連チャンス目パターンGCP1−01に最も高い決定割合が割り当てられ、「7−8−9」が停止表示される擬似連チャンス目パターンGCP1−07に最も低い決定割合が割り当てられている。また、擬似連チャンス目パターンGCP1−01からGCP1−07に向かうにつれて徐々に決定割合が低くなっている。
こうした決定割合に関する設定の一部または全部により、擬似連チャンス目パターンGCP1−01により擬似連演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も高く、擬似連チャンス目パターンGCP1−07により擬似連演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も低いことを示唆することができる。
図25(B)に示す擬似連チャンス目決定テーブルでは、擬似連第1変動および擬似連第2変動において仮停止表示される擬似連チャンス目として擬似連チャンス目パターンGCP2−01〜GCP2−07の7パターンが設定されている。図25(B)に示す例では、擬似連第1変動、擬似連第2変動後に実行される変動(最終変動)において最終停止図柄が導出表示されることになる。また、各擬似連チャンス目パターンには、可変表示結果および変動パターンに応じて異なる決定割合が割り当てられている。
図25(B)の擬似連チャンス目決定テーブルに示すように、変動パターンPA2−3を示す「ハズレ(NR)」には、擬似連第1変動および擬似連第2変動において、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに、「左図柄−中図柄−右図柄」として、「1−2−3」が連続して停止表示される擬似連チャンス目パターンGCP2−01に最も低い決定割合が割り当てられ、「7−8−9」が連続して停止表示される擬似連チャンス目パターンGCP2−07に最も高い決定割合が割り当てられている。また、擬似連チャンス目パターンGCP2−01からGCP2−07に向かうにつれて徐々に決定割合が高くなっている。
一方、変動パターンPB1−3を示す「大当り(NR)」には、擬似連第1変動および擬似連第2変動おいて、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに、「左図柄−中図柄−右図柄」として、「1−2−3」が連続して停止表示される擬似連チャンス目パターンGCP2−01に最も高い決定割合が割り当てられ、擬似連第1変動および擬似連第2変動において、「7−8−9」が停止表示される擬似連チャンス目パターンGCP1−07に最も低い決定割合が割り当てられている。また、擬似連チャンス目パターンGCP1−01からGCP1−07に向かうにつれて徐々に決定割合が低くなっている。
こうした決定割合に関する設定の一部または全部により、擬似連チャンス目パターンGCP1−01により擬似連演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も高く、擬似連チャンス目パターンGCP1−07により擬似連演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も低いことを示唆することができる。
図25(C)に示す擬似連チャンス目決定テーブルでは、擬似連第1変動から擬似連第3変動においてそれぞれ仮停止表示される擬似連チャンス目の組合せとして擬似連チャンス目パターンGCP3−01〜GCP3−12の12パターンが設定されている。図25(C)に示す例では、擬似連第1〜第3変動後に実行される変動(最終変動)において最終停止図柄が導出表示されることになる。また、各擬似連チャンス目パターンには、可変表示結果および変動パターンに応じて異なる決定割合が割り当てられている。
図25(C)の擬似連チャンス目決定テーブルに示すように、変動パターンPA2−7を示す「ハズレ(SRA)」、変動パターンPA2−8を示す「ハズレ(SRB)」、変動パターンPA2−9を示す「ハズレ(SRC)」のいずれにおいても、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに、「左図柄−中図柄−右図柄」として、擬似連第1変動から擬似連第3変動にわたって連続して「1−2−3」が停止表示される擬似連チャンス目パターンGCP3−01に最も低い決定割合が割り当てられ、擬似連第1変動から擬似連第3変動にわたって連続して「7−8−9」が停止表示される擬似連チャンス目パターンGCP3−12に最も高い決定割合が割り当てられている。また、擬似連チャンス目パターンGCP3−01からGCP3−12に向かうにつれて徐々に決定割合が高くなっている。
一方、変動パターンPB1−7を示す「大当り(SRA)」、変動パターンPB1−8を示す「大当り(SRB)」、変動パターンPB1−9を示す「大当り(SRC)」のいずれにおいても、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに、「左図柄−中図柄−右図柄」として、擬似連第1変動から擬似連第3変動にわたって連続して「1−2−3」が停止表示される擬似連チャンス目パターンGCP3−01に最も高い決定割合が割り当てられ、擬似連第1変動から擬似連第3変動にわたって連続して「7−8−9」が停止表示される擬似連チャンス目パターンGCP3−12に最も低い決定割合が割り当てられている。また、擬似連チャンス目パターンGCP3−01からGCP3−12に向かうにつれて徐々に決定割合が低くなっている。
こうした決定割合に関する設定の一部または全部により、擬似連チャンス目パターンGCP3−01により擬似連演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も高く、擬似連チャンス目パターンGCP3−12により擬似連演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が最も低いことを示唆することができる。
図24に示す可変表示中演出設定処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS703の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS703の処理における決定結果に基づいて、擬似連演出を実行するための演出実行設定を行う(ステップS704)。演出制御用CPU120は、擬似連チャンス目パターンに基づいて、仮停止表示される擬似連チャンス目を特定する。
ステップS704の処理を実行した後、または、ステップS701の処理において今回の可変表示が擬似連変動を伴う変動パターンではないと判定した場合(ステップSS701;No)には、演出制御用CPU120は、可変表示中演出設定処理を終了する。
図22に示す可変表示開始設定処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS558の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、示唆演出設定処理を実行する(ステップS559)。
図26は、図22のステップS559において実行され、示唆演出の実行設定を行う示唆演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
この実施形態では、示唆演出は、先読み予告実行時あるいは擬似連実行時に、サブ画像表示装置5Sにおいて実行される演出であり、所定の可変表示(変動)について大当り(有利状態の一例)となる可能性を報知する。なお、示唆演出は、先読み予告実行時においては、ターゲット変動について大当りとなる可能性を報知する。
示唆演出設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告実行中フラグがオン状態であるか否かを(つまり、先読み予告が実行中であるか否かを)判定する(ステップS691)。なお、先読み予告実行中フラグは、前述のように、ステップS507の処理(図18参照)でオン状態にセットされ、ステップS605の処理(図23参照)でオフ状態にクリアされる。
先読み予告実行中フラグがオン状態である場合(ステップS691;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、図27(A)に構成例を示す示唆演出態様パターン決定テーブルを参照し、先読み予告実行時において示唆演出を実行するか否かを決定すると共に、示唆演出の実行を決定した場合には示唆演出態様パターンを決定する(ステップS692)。なお、図27(A)に示す示唆演出態様パターン決定テーブルについては後に説明する。続いて、演出制御用CPU120は、ステップS692の処理における決定結果に応じた演出制御パターンをセットする(ステップS692A)。
ステップS691の処理で先読み予告実行中フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS691;No)、又はステップS692Aの処理の実行後に、演出制御用CPU120は、擬似連実行フラグがオン状態であるか否かを(つまり、今回の可変表示が擬似連を伴う変動パターンであるか否かを)判定する(ステップS693)。なお、擬似連実行フラグは、前述のように、ステップS702の処理(図24参照)でオン状態にセットされ、例えば後述のステップS809の処理以後に(図28参照)でオフ状態にクリアされる。
擬似連実行フラグがオン状態である場合(ステップS693;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、図27(B)に構成例を示す示唆演出態様パターン決定テーブルを参照し、擬似連実行時において示唆演出を実行するか否かを決定すると共に、示唆演出の実行を決定した場合には示唆演出態様パターンを決定する(ステップS694)。なお、図27(B)に示す示唆演出態様パターン決定テーブルについては後に説明する。続いて、演出制御用CPU120は、ステップS694の処理における決定結果に応じた演出制御パターンをセットする(ステップS695)。ステップS659の処理を実行した後、又はステップS693の処理で擬似連実行フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS693;No)、演出制御用CPU120は、示唆演出設定処理を終了する。
図27(A)は、ステップS692の処理で参照される示唆演出態様パターン決定テーブル(先読み予告実行時)の構成例を示している。図27(B)は、ステップS694の処理で参照される示唆演出態様パターン決定テーブル(擬似連実行時)の構成例を示している。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124などから抽出した示唆演出態様パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、ROM121に予め記憶された示唆演出態様パターン決定テーブルを参照することにより、示唆演出を実行するか否かを決定すると共に、示唆演出の実行を決定した場合には示唆演出態様パターンを決定すればよい。図27(A)、(B)に示す示唆演出態様パターン決定テーブルは、変動パターンに応じて割り当てられた決定割合で、示唆演出が実行される場合の示唆演出の態様を示す示唆演出態様パターンSE1〜SE3の各々と、「示唆演出実行なし」とのいずれかで決定されるように構成されている。
図27(C)は、示唆演出態様パターンSE1〜SE3の各々に対応した、表示内容の一例を示すものである。この実施形態における示唆演出は、次々と貯められていくポイント(pt)を表す画像を順次、サブ画像表示装置5Sに表示する態様で実行される。このようにポイントを表示することで、所定の変動(先読み予告実行時におけるターゲット変動、又は擬似連変動)の可変表示結果が「大当り」となる可能性を報知する。当該態様では、表示ポイントの最大値は「100pt」に定められており、表示ポイントが「100pt」の場合は、可変表示結果が「大当り」となることが確定することを表している。各示唆演出態様パターンSE1〜SE3は、示唆演出の実行対象の可変表示中において、表示ポイントが順次増加していくように計3回(「第1回」、「第2回」、「最終表示」)表示されるように設定されている。「最終表示」(示唆演出の実行対象の可変表示において最後に表示されるポイント)は、示唆演出態様パターンSE1、SE2、SE3の順で大きくなるように設定されている。
なお、図12に示した各変動パターンにおいては、特図変動時間に加えて、リーチを実行する変動パターンであればリーチ実行タイミングやスーパーリーチに発展するタイミングが、擬似連を実行する変動パターンであれば擬似連に関するタイミング(再可変表示や仮停止のタイミング)が予め定められている。このため、「第1回」、「第2回」、「最終表示」の各々におけるポイントを示す画像の表示タイミングは、変動パターン毎に適宜のタイミングが定められていれば良い。
図27(A)に示す示唆演出態様パターン決定テーブルを参照して実行が決定される示唆演出は、先読み予告実行時におけるターゲット変動が「大当り」、又は「リーチハズレ(可変表示態様がリーチ態様になるハズレ)」のときに、大当りの可能性を報知する。このため、図27(A)に示す示唆演出態様パターン決定テーブルでは、変動パターンが、非リーチの変動パターン(「ハズレ(非R)」)であるときと、擬似連の実行を伴う変動パターン(「ハズレ(擬NR)」、「ハズレ(擬SR)」、「大当り(擬NR)」、「大当り(擬SR)」)であるときには(図27(A)に示す「左記以外」)、示唆演出実行なしの決定割合が100%に設定されている。
一方で、変動パターンが、リーチハズレの変動パターン(「ハズレ(NR)」、「ハズレ(SR)」)であるとき、又は擬似連を伴わない大当りの変動パターン(「大当り(NR)」、「大当り(SR)」)であるときには、必ず示唆演出が実行されるように決定割合が割り当てられている。そして、最終表示において大当り確定を示す「100pt」を示す画像を表示する示唆演出パターンSE3の決定割合は、変動パターンが「大当り(NR)」や「大当り(SR)」のときには所定の割合が設定されている一方で、変動パターンが「ハズレ(NR)」や「ハズレ(SR)」のときには「−」(0%)となっている。このように決定割合が設定されることで、可変表示結果がハズレとなるにもかかわらず、大当り確定を示す「100pt」が表示されてしまうことが防止され、遊技者に誤認を与えることが防止される。
また、図27(A)に示す示唆演出態様パターン決定テーブルでは、変動パターンが「大当り(NR)」又は「大当り(SR)」である場合には、示唆演出態様パターンSE3が示す態様により示唆演出の実行が決定される割合が、他のパターンSE1、SE2に比べて大きく割り当てられている。また、示唆演出態様パターンSE3が示す態様により示唆演出の実行が決定される割合は、「大当り(NR)」のとき(70%)に比べて、「大当り(SR)」のとき(80%)のほうが大きく設定されている。
図27(B)に示す示唆演出態様パターン決定テーブルを参照して実行が決定される示唆演出は、擬似連の実行を伴う変動が「大当り」、又は「リーチハズレ(可変表示態様がリーチ態様になるハズレ)」のときに、大当りの可能性を報知する。このため、図27(B)に示す示唆演出態様パターン決定テーブルでは、変動パターンが、非リーチの変動パターン(「ハズレ(非R)」)であるときと、擬似連の実行を伴わない変動パターン(「ハズレ(NR)」、「ハズレ(SR)」、「大当り(NR)」、「大当り(SR)」)であるときには(図27(B)に示す「左記以外」)、示唆演出実行なしの決定割合が100%に設定されている。
一方で、変動パターンが擬似連の実行を伴うものであって、リーチハズレの変動パターン(「ハズレ(擬NR)」、「ハズレ(擬SR)」)であるとき、又は大当りの変動パターン(「大当り(擬NR)」、「大当り(擬SR)」)であるときには、必ず示唆演出が実行されるように決定割合が割り当てられている。そして、最終表示において大当り確定を示す「100pt」を示す画像を表示する示唆演出パターンSE3の決定割合は、変動パターンが「大当り(擬NR)」や「大当り(擬SR)」のときには所定の割合が設定されている一方で、変動パターンが「ハズレ(擬NR)」や「ハズレ(擬SR)」のときには「−」(0%)となっている。その他、各変動パターンに対応した示唆演出態様パターンの決定割合については、図27(A)と同様である。
なお、図27では、先読み予告実行時と擬似連実行時とで示唆演出態様パターンSE1〜SE3が共通する例を示したが、あくまで一例である。先読み予告実行時と擬似連実行時とで、別個の示唆演出態様パターンを設定してもよい。また、表示ポイントをサブ画像表示装置5Sに表示するタイミングも3回に限られない。例えば、表示ポイントの表示回数を、先読み予告実行時における変動回数や、擬似連実行時における仮停止(及び再変動)の回数に合わせて設定してもよい(例えば、先読み予告実行の決定時の保留記憶数が「3」である場合は表示ポイントの表示回数を「3回」、擬似連実行時における仮停止の回数が「2回」の場合は表示ポイントの表示回数を「2回」とするなど)。また、表示ポイントを増えるように切り替えて表示するタイミングは、変動パターン毎に適宜のタイミングを定めれば良いため、先読み予告実行時における変動回数や擬似連実行時における仮停止の回数にかかわらず、表示ポイントが漸増していく態様で示唆演出を実行してもよい。また、表示ポイントは、示唆演出の対象となる可変表示において、順次増加していく態様では無く、1回のみ表示されてもよい。
また、示唆演出の態様として、ポイントを表す画像をサブ画像表示5Sに表示する例を挙げたが、示唆演出の対象となる可変表示について大当り(有利状態の一例)となる可能性を遊技者に報知することができれば、示唆演出の態様は任意である。例えば、サブ画像表示装置5Sに表示される画像が、所定のアイコンを貯める態様(例えば「星」のマークが順次増えていく)や、大当り信頼度を示すパーセント表示の態様(例えば順次増えていく数値が「100%」で大当り確定)で表示されることで、示唆演出が実行されてもよい。
また、この実施形態では、リーチを実行する変動パターンの可変表示において示唆演出が実行可能である例を示したが、これに限られない。リーチの実行を伴わない変動パターン(「ハズレ(非R)」)の可変表示においても示唆演出が実行されてもよい。そして、示唆演出は、対象となる可変表示についてリーチ状態(有利状態の一例)となる可能性を報知するものであってもよい。
図22に示す可変表示開始設定処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS559の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS560)。演出制御用CPU120は、例えば、変動パターン判定結果指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS560の処理に続いて、演出制御用CPU120は、例えば、変動パターン判定結果指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS561)。そして、画像表示装置5の表示画面上において飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS562)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば、ステップS559の処理において決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS562の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である「2」に更新してから(ステップS563)、可変表示開始設定処理を終了する。
図28は、図17のステップS172において実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS801)。演出制御用CPU120は、例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば、1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS801の処理において可変表示時間が経過していないと判定した場合(ステップS801;No)、演出制御用CPU120は、示唆演出を実行するための示唆演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS802)。示唆演出実行期間は、例えば、変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。示唆演出実行期間であると判定した場合(ステップS802;Yes)、演出制御用CPU120は、示唆演出制御処理を実行する(ステップS803)。
図29は、図28のステップS803において実行される示唆演出制御処理の一例を示すフローチャートである。示唆演出制御処理を開始すると、演出制御用CPU120は、示唆演出実行決定フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS901)。なお、示唆演出実行決定フラグは、例えば、図26のステップS692、又はステップS694の処理で示唆演出の実行が決定されるとオン状態にセットされ、後述のステップS911の処理でオフ状態にクリアされる。
示唆演出実行決定フラグがオン状態である場合(ステップS901;Yes)、演出制御用CPU120は、ステップS692、又はステップS694の処理で決定された示唆演出態様パターンに基づいて、サブ画像表示装置5Sにおいて示唆演出を実行する(ステップS902)。
続いて、演出制御用CPU120は、示唆演出以外の所定演出を制限する(ステップS903)。この実施形態では、演出制御用CPU120は、画像表示装置5とサブ画像表示装置5Sとの双方において、示唆演出実行中は、その他の演出を制限する。以下に演出の制限例を示す。
(画像表示装置5における演出制限例)
画像表示装置5においては、飾り図柄の可変表示演出は継続する一方で、その他の、遊技者の認識度合いが高いと想定されるセリフ予告、ステップアップ予告、キャラクタ予告などの演出(以下では、説明便宜上「主予告演出」と言う)の実行が決定されていた場合には、当該主予告演出の実行をとりやめることで演出を制限する。なお、示唆演出実行中において、主予告演出の実行割合を低くしたり、主予告演出の実行抽選を行わないようにしてもよく、示唆演出の実行中において主予告演出を実行しないように制御すればよい。このようにすることで、示唆演出の注目度の低下を抑制することができる。
また、主予告演出の実行をやめるか、実行割合を低くする一方で、画像表示装置5において、遊技者の認識度合いが低いと想定される演出(例えば、遊技説明を示す画像表示)の実行割合を高くしたり、示唆演出の実行有無に関わらず実行割合を維持してもよい。
(サブ画像表示装置5Sにおける演出制限例)
サブ画像表示装置5Sにおいては、示唆演出の他の演出の少なくとも一部を制限する。例えば、演出制御用CPU120は、示唆演出実行中は、サブ画像表示装置5Sにおいて実行される他の演出を実行しないように制御する。例えば、アクティブ表示AHを消去したり、サブ画像表示装置5Sにおけるアクティブ表示変化演出や保留変化演出を実行しないように制御すればよい。このようにしても、示唆演出の注目度の低下を抑制することができる。
(その他の演出制御例)
また、演出制御用CPU120は、示唆演出の実行中は、役物(例えばプレート役物。図示略)などの他の可動体による演出を実行しないように制御する(当該可動体の動作を停止する、可動範囲を制限する等、可動体による演出の実行を制限する)。このようにしても、示唆演出の注目度の低下を抑制することができる。なお、前記他の可動体の可動範囲とサブ画像表示装置5Sの可動範囲との一部が重複する構成のパチンコ遊技機1においては、前記他の可動体とサブ画像表示装置5Sとが物理的に干渉することも回避できる。
ステップS903の処理において、上記に例示した演出の少なくともいずれかを制限すると、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5Sの後退位置から進出位置への移動開始タイミングである進出動作タイミングであるか否かを判定する(ステップS904)。なお、進出動作タイミングは、変動パターン毎に定められていれば良い(後述の後退動作タイミングも同様)。
ここで、進出位置(第1の位置)とは、サブ画像表示装置5Sが画像表示装置5の少なくとも一部と重なる位置である。また、後退位置(第2の位置)とは、進出位置と異なる位置である。なお、後退位置にあるときのサブ画像表示装置5Sは、画像表示装置5と重なっていない位置であってもよいし、進出位置と異なる位置であれば、画像表示装置5の少なくとも一部と重なる位置であってもよい。この実施形態では、後に説明する図30〜図33に例示するように、サブ画像表示装置5Sの進出位置は、画像表示装置5と完全に重なる位置に設定されている(図30(C)等における位置)。また、後退位置は、画像表示装置5と重ならない位置に設定されている(図30(A)等における位置)。なお、示唆演出実行時以外においては、サブ画像表示装置5Sは、後退位置にあるものとする。
ステップS904の処理において、サブ画像表示装置5Sの進出動作タイミングであると判定した場合(ステップS904;Yes)、演出制御用CPU120は、前記の駆動機構を介して、サブ画像表示装置5Sの進出位置に向けての移動(進出動作)を開始させ、進出動作中フラグをオン状態にセットする(ステップS905)。
一方、サブ画像表示装置5Sの進出動作タイミングでないと判定した場合(ステップS904;No)、演出制御用CPU120は、進出動作中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS904A)。
ステップS905の処理の実行後、又はステップS904Aの処理で進出動作中フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS904A;Yes)には、演出制御用CPU120は、進出移動完了フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS906)。なお、進出移動完了フラグは、例えば、サブ画像表示装置5Sの位置検出用の位置センサから、サブ画像表示装置5Sが進出位置にあることを示す検出信号を演出制御用CPU120が取得したことに基づいて、オン状態にセットされる。
進出移動完了フラグがオン状態であると判定すると(ステップS906;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5Sの進出動作を停止させ、進出移動完了フラグ及び進出動作中フラグをオフ状態にクリアする(ステップS907)。
ステップS907の処理の実行後、又はステップS904Aの処理で進出動作中フラグがオン状態ではないと判定した場合(ステップS904A;No)、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5Sの進出位置から後退位置への移動開始タイミングである後退動作タイミングであるか否かを判定する(ステップS908)。
サブ画像表示装置5Sの後退動作タイミングであると判定した場合(ステップS908;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5Sの後退位置に向けての移動(後退動作)を開始させ、後退動作中フラグをオン状態にセットする(ステップS909)。
一方、サブ画像表示装置5Sの後退動作タイミングでないと判定した場合(ステップS908;No)、演出制御用CPU120は、後退動作中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS908A)。
ステップS909の処理の実行後、又はステップS908Aの処理で後退動作中フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS908A;No)には、演出制御用CPU120は、後退移動完了フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS910)。なお、後退移動完了フラグは、例えば、サブ画像表示装置5Sの位置検出用の位置センサから、サブ画像表示装置5Sが後退位置にあることを示す検出信号を演出制御用CPU120が取得したことに基づいて、オン状態にセットされる。
後退移動完了フラグがオン状態であると判定すると(ステップS910;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5Sの後退動作を停止させ、後退移動完了フラグ、後退動作中フラグ、及び示唆演出実行決定フラグをオフ状態にクリアし、ステップS903の処理で開始した所定演出の制限を解除する(ステップS911)。
ステップS911の処理の実行後、又はステップS901、S906、S908A、S910のいずれかの処理においてNoと判定すると、演出制御用CPU120は、示唆演出制御処理を終了する。
図28に示す可変表示中演出処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS803において示唆演出制御処理を実行した後、または、ステップS802の処理において示唆演出実行期間ではないと判定した場合(ステップS802;No)には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS806)。リーチ演出期間は、例えば、変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出期間であると判定した場合(ステップS806;Yes)、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するための制御を行う(ステップS807)。
ステップS807の処理を実行した後、または、ステップS806の処理においてリーチ演出期間ではないと判定した場合(ステップS806;No)、演出制御用CPU120は、例えば、変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御を行う(ステップS808)。
ステップS801の処理において可変表示時間が経過したと判定した場合(ステップS801;Yes)、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS809)。図柄確定コマンドの受信がないと判定した場合(ステップS809;No)、演出制御用CPU120は、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
一方、ステップS809の処理において図柄確定コマンドの受信があったと判定した場合(ステップS809;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS810)。続いて、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS811)。次に、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である「3」に更新し(ステップS812)、可変表示中演出処理を終了する。
ここからは、図30及び図31を参照して、先読み予告演出において示唆演出が実行される場合の演出動作例について説明する。ここでは、演出動作例として、先読みチャンス目パターンSCP2−02、示唆演出態様パターンSE3に基づいて、先読み予告演出及び示唆演出が実行される場合について説明する。
図30(A)に示すように、画像表示装置5の表示画面では、先読みチャンス目パターンSCP2−02における「第1変動」が実行中であり、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて飾り図柄の可変表示が実行中である。また、サブ画像表示装置5Sには、実行中の可変表示に対応する可変表示対応表示としてアクティブ表示AHが表示され、第1保留表示部5HLには、保留表示番号「1」〜「3」に対応する第1保留表示H1〜H3が表示されている。なお、第2保留記憶数は「0」とし、第2保留表示部5HRにおける第2保留表示の表示はないものとする。また、「第1変動」の実行以前には、サブ画像表示装置5Sが後退位置にあるものとする。
画像表示装置5において「第1変動」が実行されると(図30(A))、図30(B)に示すように、サブ画像表示装置5Sにおいて示唆演出の実行が開始される(ステップS902に相当)。また、示唆演出が実行されると、サブ画像表示装置5Sを用いた他の演出が制限される(ステップS903に相当)。図30(B)では、一例としてサブ画像表示装置5Sの表示画面からアクティブ表示AHが消去される。なお、前記に例示したように、保留変化演出が実行されないようにしたり、画像表示装置5において前記した主予告演出が制限されたり、役物などの可動体の動作を制限したりしてもよい。また、サブ画像表示装置5Sが後退位置から進出位置に向け移動を開始し(ステップS905に相当)、図30(C)に示すように進出位置まで移動すると停止する(ステップS907に相当)。
続いて、図30(D)に示すように、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示が終了し、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて先読みチャンス目「3−7−5」が停止表示される。また、サブ画像表示5Sにおいては、示唆演出態様パターンSE3により定められた第1回目の表示ポイント「30pt」が表示される。
続いて、図30(E)に示すように、画像表示装置5において「第2変動」が実行される。その後、図30(F)に示すように、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示が終了し、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて先読みチャンス目「3−7−5」が停止表示される。また、サブ画像表示5Sにおいては、示唆演出態様パターンSE3により定められた第2回目の表示ポイント「50pt」が表示される。
続いて、図30(G)に示すように、画像表示装置5において「第3変動」が実行される。その後、図30(H)に示すように、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示が終了し、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて先読みチャンス目「1−5−3」が停止表示される。また、サブ画像表示5Sにおいては、示唆演出態様パターンSE3により定められた最終表示として、大当り確定を示す表示ポイント「100pt」が表示される。このように、この実施形態の示唆演出では、サブ画像表示装置5Sにおいて、増加していくように切り替わって表示される表示ポイントにより、大当りの可能性を報知する。
続いて、図31(I)に示すように、画像表示装置5において「ターゲット変動」が実行される。サブ画像表示装置5Sにおいて、表示ポイントが「100pt」に到達した場合にあっては、同図に示すように、大当り確定の旨を報知するメッセージ画像を表示してもよい。その後、図31(J)に示すように、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示がリーチ状態となる。また、リーチ状態となると、サブ画像表示装置5Sが進出位置から後退位置に向け移動(後退動作)を開始する(ステップS909に相当)。
その後、図31(K)に示すように、画像表示装置5において大当り組み合わせの最終停止図柄が導出表示され、サブ画像表示装置5Sが後退位置まで移動すると停止する(ステップS911に相当)。また、大当り組み合わせの最終停止図柄が導出表示されることに併せて、同図に示すように、サブ画像表示装置5Sにおいて、大当りとなった旨を報知するメッセージ画像を表示してもよい。
次に、図32及び図33を参照して、擬似連実行時において示唆演出が実行される場合の演出動作例について説明する。ここでは、演出動作例として、擬似連チャンス目パターンGCP2−04、示唆演出態様パターンSE2に基づいて、擬似連演出及び示唆演出が実行される場合について説明する。
図32(A)に示すように、画像表示装置5の表示画面では、擬似連チャンス目パターンGCP2−04における「擬似連第1変動」(初回変動)が実行中である。また、「擬似連第1変動」の実行以前には、サブ画像表示装置5Sが後退位置にあるものとする。
画像表示装置5において「擬似連第1変動」が実行されると(図32(A))、図32(B)に示すように、サブ画像表示装置5Sにおいて示唆演出の実行が開始される(ステップS902に相当)。また、示唆演出が実行されると、サブ画像表示装置5Sを用いた他の演出が制限される(ステップS903に相当)。なお、当該他の演出の制限については、図30(B)を参照して説明したのと同様である。また、サブ画像表示装置5Sが後退位置から進出位置に向け移動を開始し(ステップS905に相当)、図32(C)に示すように進出位置まで移動すると停止する(ステップS907に相当)。また、サブ画像表示5Sにおいては、示唆演出態様パターンSE2により定められた第1回目の表示ポイント「20pt」が表示される。
続いて、図32(D)に示すように、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて擬似連チャンス目「5−6−7」が仮停止表示される。
続いて、図32(E)に示すように、画像表示装置5において「擬似連第2変動」が実行されると共に、サブ画像表示5Sにおいては、示唆演出態様パターンSE2により定められた第2回目の表示ポイント「40pt」が表示される。その後、図32(F)に示すように、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて擬似連チャンス目「4−5−6」が仮停止表示される。
続いて、図32(G)に示すように、画像表示装置5において「擬似連第3変動(最終変動)」が実行されると共に、サブ画像表示5Sにおいては、示唆演出態様パターンSE2により定められた最終表示として、「80pt」が表示される。その後、図33(H)に示すように、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示がリーチ状態となる。また、リーチ状態となると、サブ画像表示装置5Sが進出位置から後退位置に向け移動(後退動作)を開始する(ステップS909に相当)。
その後、図33(I)に示すように、画像表示装置5において大当り組み合わせの最終停止図柄が導出表示され、サブ画像表示装置5Sが後退位置まで移動すると停止する(ステップS911に相当)。また、大当り組み合わせの最終停止図柄が導出表示されることに併せて、同図に示すように、サブ画像表示装置5Sにおいて、大当りとなった旨を報知するメッセージ画像を表示してもよい。
なお、図30及び図31に示す例では、先読みチャンス目の停止表示に併せて表示ポイントが表示され、図32及び図33に示す例では、初回変動中及び擬似連再変動の実行中に表示ポイントが表示される例を示したが、表示ポイントの表示タイミングは、前述のように任意である。
また、図30や図32においては、後退動作のタイミングまでは、サブ画像表示装置5Sが進出位置に留まったままの例を示したが、これに限られない。サブ画像表示装置5Sが、複数回の可変表示に跨がって、後退位置と進出位置とを複数回往復移動する構成としてもよい。例えば、(i)先読み予告実行時においては、先読みチャンス目の停止表示に合わせてサブ画像表示装置5Sを後退位置へと戻した後に、当該停止表示後の変動中に再び進出位置へと移動させるといったことを繰り返したり、(ii)擬似連実行時においては、擬似連チャンス目の仮停止表示に合わせてサブ画像表示装置5Sを後退位置へと戻した後に、当該仮停止後の擬似連再変動中に再び進出位置へと移動させるといったことを繰り返したりしてもよい。
また、サブ画像表示装置5Sの進出位置への変位のタイミングは、ターゲット変動までであればよく、ターゲット変動の実行前の複数回の変動のいずれかの実行中であってもよいし、ターゲット変動の実行中(ターゲット変動が終了するまでの期間内)であってもよい。擬似連実行時においても、サブ画像表示装置5Sの進出位置への変位のタイミングは、最終変動までであればよい(最終変動が終了するまでの期間内であればよい)。また、サブ画像表示装置5Sの後退動作開始のタイミングは、リーチ成立の直前や直後であってもよい。また、大当り組み合わせの最終停止図柄が導出表示された後に、サブ画像表示装置5Sが後退位置に復帰するようにしてもよい。
上記の実施形態では、先読み予告演出実行時や擬似連実行時にサブ画像表示装置5(第2表示部の一例)において示唆演出を実行すると共に、示唆演出の実行中に、複数回の可変表示に跨がってサブ画像表示装置5Sを後退位置(第2の位置の一例)から進出位置(第1の位置の一例)に変位させる例を示した。
以下では、先読み予告演出実行時や擬似連実行時に、サブ画像表示装置5Sに表示された画像を画像表示装置5に移動させるような態様で表示する特定演出を実行する変形例について説明する。なお、以下では、上記の実施形態と異なる点を主に説明する。
(変形例)
この変形例では、図18の保留表示設定処理のステップS505において、演出制御用CPU120は、先読み予告演出の実行の有無と先読みチャンス目パターンに加えて、先読み予告演出態様パターンも決定する。演出制御用CPU120は、例えば、可変表示の可変表示結果および変動パターンに応じて、ROM101の所定領域に予め記憶されている図34に示す先読み予告演出態様パターン決定テーブル、図35に示す先読みチャンス目対応テーブルを参照して、先読み予告演出態様パターンを決定すればよい。
図34に示す先読み予告演出態様パターン決定テーブルは、先読み予告演出が実行される場合に、その演出態様を決定するために参照されるテーブルである。図34(A)は、先読み予告演出を実行すると決定したときの保留記憶数が3である場合に参照される先読み予告演出態様パターン決定テーブルであり、図34(B)は、先読み予告演出を実行すると決定したときの保留記憶数が4である場合に参照される先読み予告演出態様パターン決定テーブルである。
図34(A)に示す先読み予告演出態様パターン決定テーブルでは、特定演出の実行タイミングに応じて2つの先読み予告演出態様パターンが設定されている。先読み予告演出態様パターンSTP1−1では、先読み予告の対象である可変表示(ターゲットの可変表示)である第3変動が実行される前の第1変動および第2変動のうち、第1変動では、先読みチャンス目とは異なるハズレ図柄が仮停止され、特定演出が実行された後、先読みチャンス目が表示される。また、第2変動では、先読みチャンス目が直接停止される。さらに、第3変動では、可変表示結果である確定飾り図柄が導出表示される。先読み予告演出態様パターンSTP1−2では、先読み予告の対象である可変表示(ターゲットの可変表示)である第3変動が実行される前の第1変動および第2変動のうち、第1変動では、先読みチャンス目が直接停止され、第2変動では、先読みチャンス目とは異なるハズレ図柄が仮停止され、特定演出が実行された後、先読みチャンス目が表示される。さらに、第3変動では、可変表示結果である確定飾り図柄が導出表示される。
図34(B)に示す先読み予告演出態様パターン決定テーブルでは、特定演出の実行タイミングに応じて3つの先読み予告演出態様パターンが設定されている。先読み予告演出態様パターンSTP2−1では、先読み予告の対象である可変表示(ターゲットの可変表示)である第4変動が実行される前の第1変動〜第3変動のうち、第1変動では、先読みチャンス目とは異なるハズレ図柄が仮停止され、特定演出が実行された後、先読みチャンス目が表示される。また、第2変動および第3変動では、先読みチャンス目が直接停止される。先読み予告演出態様パターンSTP2−2では、先読み予告の対象である可変表示(ターゲットの可変表示)である第3変動が実行される前の第1変動〜第3変動のうち、第1変動および第3変動では、先読みチャンス目が直接停止され、第2変動では、先読みチャンス目とは異なるハズレ図柄が仮停止され、特定演出が実行された後、先読みチャンス目が表示される。先読み予告演出態様パターンSTP2−3では、先読み予告の対象である可変表示(ターゲットの可変表示)である第3変動が実行される前の第1変動〜第3変動のうち、第1変動および第2変動では、先読みチャンス目が直接停止され、第3変動では、先読みチャンス目とは異なるハズレ図柄が仮停止され、特定演出が実行された後、先読みチャンス目が表示される。なお、先読み予告演出態様パターンSTP2−1〜STP2−3のいずれにおいても、第4変動では、可変表示結果である確定飾り図柄が導出表示される。
図34(B)の先読み予告演出態様パターン決定テーブルに示すように、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、先読み予告演出態様パターンSTP2−1に最も高い決定割合が割り当てられ、先読み予告演出態様パターンSTP2−3に最も低い決定割合が割り当てられている。一方、可変表示結果が「大当り」である場合には、先読み予告演出態様パターンSTP2−3に最も高い決定割合が割り当てられ、先読み予告演出態様パターンSTP2−1に最も低い決定割合が割り当てられている。
こうした決定割合に関する設定の一部または全部により、先読み予告演出態様パターンSTP2−3により先読み予告演出が実行される場合、すなわち、先読み予告の対象である可変表示(ターゲットの可変表示)の直前の可変表示において特定演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高く、先読み予告演出態様パターンSTP2−1により先読み予告演出が実行される場合、すなわち、先読み予告演出が開始された直後の可変表示において特定演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が低いことを示唆することができる。
図35に示す先読みチャンス目対応テーブルは、先読み予告演出において、先読み予告の対象である可変表示(ターゲットの可変表示)が実行されるまでの複数回の可変表示において停止表示される先読みチャンス目と、先読み予告の対象である可変表示(ターゲットの可変表示)が実行されるまでの可変表示において特定演出が実行される場合に仮停止させる特定演出用仮停止図柄との対応例を示すテーブルである。ここで、特定演出が実行される場合に特定演出用仮停止図柄を仮停止させるとは、「擬似連」の可変表示演出において飾り図柄を一旦仮停止させることとは異なり、特定演出が実行されて差し替えられることを前提として特定演出用仮停止図柄を一旦停止させることである。図35に示すように、先読みチャンス目コードSC01〜SC09の9種類の先読みチャンス目が用意され、各先読みチャンス目は、奇数揃い、または、偶数揃いとなっている。ここで、先読みチャンス目コードSC01が最も大当たり期待度が高く、先読みチャンス目コードSC09に向かうにつれて大当たり期待度が低いものとする。すなわち、奇数図柄で構成される先読みチャンス目は、偶数図柄で構成される先読みチャンス目よりも大当り信頼度が高く、さらに、左図柄−中図柄−右図柄の各図柄を順に並べてなる3桁の数字が小さいほど大当り信頼度が高いものとする。
また、図35に示す先読みチャンス目対応テーブルには、先読みチャンス目コードSC01〜SC09の各々に対応する特定演出が実行される場合に仮停止させる特定演出用仮停止図柄(ハズレ図柄)として、特定演出用仮停止図柄コードSC01d〜SC09dが設定されている。例えば、図34(A)に示す先読み予告演出態様パターンSTP1−1の第1変動において先読みチャンス目コードSC01「1−5−3」を停止することが決定された場合、この先読みチャンス目とは中図柄のみが異なる特定演出用仮停止図柄コードSC01d「1−8−3」を一旦仮停止させた後、特定演出を実行した後に、先読みチャンス目コードSC01「1−5−3」が表示される。
また、変形例では、図23の先読み予告演出設定処理におけるステップS602において、演出制御用CPU120は、先読み予告実行カウンタ値と先読み予告演出態様パターンおよび先読みチャンス目パターンに基づいて先読み予告演出を実行するための演出実行設定を行う。演出制御用CPU120は、先読み予告実行カウンタ値と先読み予告演出態様パターンおよび先読みチャンス目パターンに基づいて、今回の可変表示において停止させる先読みチャンス目を特定する。また、特定演出を実行する可変表示である場合には、先読み予告演出において特定演出を実行することを示す先読み予告用特定演出実行フラグをオン状態にセットし、特定演出用仮停止図柄を特定する。
また、変形例では、図24の可変表示中演出設定処理におけるステップS703において、演出制御用CPU120は、擬似連演出態様パターンも決定する。演出制御用CPU120は、予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された、図36に示す擬似連演出態様決定テーブル、図37に示す擬似連チャンス目対応テーブルを参照して、擬似連演出態様パターンを決定すればよい。そして、ステップS704において、演出制御用CPU120は、擬似連演出態様パターンおよび擬似連チャンス目パターンに基づいて、初回変動又は再変動において仮停止させる擬似連チャンス目を特定し、また、演出制御用CPU120は、特定演出が実行される擬似連変動における特定演出用仮停止図柄を特定する。
図36に示す擬似連演出態様パターン決定テーブルは、擬似連演出が実行される場合に、その演出態様を決定するために参照されるテーブルである。図36(A)は、仮停止回数が1回である場合に参照される擬似連演出態様パターン決定テーブルであり、図36(B)は、仮停止回数が2回である場合に参照される擬似連演出態様パターン決定テーブルであり、図36(C)は、仮停止回数が3回である場合に参照される擬似連演出態様パターン決定テーブルである。
図36(A)に示す擬似連演出態様パターン決定テーブルでは、擬似連第1変動(初回変動)において、擬似連チャンス目とは異なるハズレ図柄が仮停止され、特定演出が実行された後、擬似連チャンス目が表示される擬似連演出パターンGTP1−1が設定されている。擬似連演出パターンGTP1−1では、擬似連第1変動に続く擬似連第2変動において、最終停止図柄が導出表示される。変動パターンPA2−2を示す「ハズレ(NR)」、および、変動パターンPB1−2を示す「大当り(NR)」には、いずれも100%の決定割合が割り当てられており、変動パターンPA2−2,PB1−2はいずれも擬似連第1変動において特定演出が実行される。
図36(B)に示す擬似連演出態様パターン決定テーブルでは、特定演出の実行タイミングに応じて2つの擬似連演出態様パターンが設定されている。擬似連演出態様パターンGTP2−1では、擬似連第1変動および擬似連第2変動のうち、第1変動では、擬似連チャンス目とは異なるハズレ図柄が仮停止され、特定演出が実行された後、擬似連チャンス目が表示される。また、第2変動では、擬似連チャンス目が直接停止される。擬似連演出態様パターンGTP2−2では、擬似連第1変動および擬似連第2変動のうち、第1変動では、擬似連チャンス目が直接停止され、第2変動では、擬似連チャンス目とは異なるハズレ図柄が仮停止され、特定演出が実行された後、擬似連チャンス目が表示される。なお、擬似連演出態様パターンGTP2−1およびGTP2−2のいずれにおいても、擬似連第3変動では、最終停止図柄が導出表示される。
図36(B)の擬似連演出態様パターン決定テーブルに示すように、変動パターンPA2−3を示す「ハズレ(NR)」には、擬似連演出態様パターンGTP2−1に擬似連演出態様パターンGTP2−2よりも高い決定割合が割り当てられている。一方、変動パターンPB1−3を示す「大当り(NR)」には、擬似連演出態様パターンGTP2−2に擬似連演出態様パターンGTP2−1よりも高い決定割合が割り当てられている。
こうした決定割合に関する設定の一部または全部により、擬似連演出態様パターンGTP2−2により擬似連演出が実行される場合、すなわち、最後の擬似連変動である擬似連第3変動の直前の擬似連第2変動において特定演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高く、擬似連演出態様パターンGTP2−1により擬似連演出が実行される場合、すなわち、擬似連演出が開始された直後の擬似連第1変動(初回変動)において特定演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が低いことを示唆することができる。
図36(C)に示す擬似連演出態様パターン決定テーブルでは、特定演出の実行タイミングに応じて3つの擬似連演出態様パターンが設定されている。擬似連演出態様パターンGTP3−1では、擬似連第1変動から擬似連第3変動のうち、第1変動では、擬似連チャンス目とは異なるハズレ図柄が仮停止され、特定演出が実行された後、擬似連チャンス目が表示される。また、擬似連第2変動および擬似連第3変動では、擬似連チャンス目が直接停止される。擬似連演出態様パターンSTP3−2では、擬似連第1変動から擬似連第3変動のうち、擬似連第1変動および擬似連第3変動では、先読みチャンス目が直接停止され、擬似連第2変動では、擬似連チャンス目とは異なるハズレ図柄が仮停止され、特定演出が実行された後、擬似連チャンス目が表示される。擬似連演出態様パターンGTP3−3では、擬似連第1変動から擬似連第3変動のうち、擬似連第1変動および擬似連第2変動では、先読みチャンス目が直接停止され、擬似連第3変動では、擬似連チャンス目とは異なるハズレ図柄が仮停止され、特定演出が実行された後、擬似連チャンス目が表示される。なお、擬似連演出態様パターンSTP3−1〜STP3−3のいずれにおいても、擬似連第4変動では、最終停止図柄が導出表示される。
図36(C)の擬似連演出態様パターン決定テーブルに示すように、変動パターンPA2−7を示す「ハズレ(SRA)」、変動パターンPA2−8を示す「ハズレ(SRB)」、変動パターンPA2−9を示す「ハズレ(SRC)」のいずれにおいても、擬似連演出態様パターンGTP3−1に最も高い決定割合が割り当てられ、擬似連演出態様パターンGTP3−3に最も低い決定割合が割り当てられている。一方、変動パターンPB1−7を示す「大当り(SRA)」、変動パターンPB1−8を示す「大当り(SRB)」、変動パターンPB1−8を示す「大当り(SRC)」のいずれにおいても、擬似連演出態様パターンGTP3−3に最も高い決定割合が割り当てられ、擬似連演出態様パターンGTP3−1に最も低い決定割合が割り当てられている。
こうした決定割合に関する設定の一部または全部により、擬似連演出態様パターンGTP3−3により擬似連演出が実行される場合、すなわち、最後の擬似連変動の直前の擬似連変動において特定演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高く、擬似連演出態様パターンSTP3−1により擬似連演出が実行される場合、すなわち、擬似連演出が開始された直後の擬似連変動(初回変動)において特定演出が実行される場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が低いことを示唆することができる。
図37に示す擬似連チャンス目対応テーブルは、擬似連演出において、最後の擬似連変動(最終変動)が実行されるまでの初回変動及び再変動において停止表示される擬似連チャンス目と、最後の擬似連変動が実行されるまでの擬似連変動において特定演出が実行される場合に仮停止させる仮停止図柄との対応例を示すテーブルである。図37に示すように、擬似連チャンス目コードGC01〜SC07の7種類の擬似連チャンス目が用意され、各擬似連チャンス目は、小さい数字図柄から大きい数字図柄に順に並ぶ昇順(いわゆる、順目)となっている。ここで、擬似連チャンス目コードGC01が最も大当たり期待度が高く、擬似連チャンス目コードGC07に向かうにつれて大当たり期待度が低いものとする。すなわち、左図柄−中図柄−右図柄の各図柄を順に並べてなる3桁の数字が小さいほど大当り信頼度が高いものとする。
また、図37に示す擬似連チャンス目対応テーブルには、擬似連チャンス目コードGC01〜GC07の各々に対応する特定演出が実行される場合の仮停止図柄(ハズレ図柄)として、特定演出用仮停止図柄コードGC01d〜GC07dが設定されている。例えば、図36(B)に示す擬似連演出態様パターンGTP2−2の擬似連第2変動において擬似連チャンス目コードGC03「3−4−5」を停止することが決定された場合、この擬似連チャンス目とは中図柄のみが異なる特定演出用仮停止図柄コードGC03d「3−2−5」が一旦仮停止された後、特定演出が実行された後に、擬似連チャンス目コードGC03「3−4−5」が表示される。
また、この変形例では、図22のステップS559において、演出制御用CPU120は、前記の示唆演出設定処理と共に、特定演出設定処理(図38)を実行する。また、図28のステップS802の判定処理と同様に、特定演出期間である場合には、ステップS803の処理において、特定演出制御処理(図39)を実行する。
図38は、特定演出設定処理の一例を示すフローチャートである。特定演出設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、擬似連実行フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS651)。擬似連実行フラグがオン状態ではない、すなわち、今回の可変表示が擬似連を伴う変動パターンではないと判定した場合(ステップS651;No)、演出制御用CPU120は、先読み予告用特定演出実行フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS652)。
ステップS651の処理において擬似連実行フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS651;Yes)、または、ステップS652の処理において先読み予告用特定演出実行フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS652;Yes)には、演出制御用CPU120は、各演出態様パターンに基づいて、特定演出の演出態様を決定する(ステップS653)。例えば、演出制御用CPU120は、擬似連実行フラグがオン状態である場合には、ステップS703の処理において決定された擬似連演出態様パターンおよび擬似連チャンス目パターンに基づいて、特定演出態様を決定すればよい。また、先読み予告用特定演出実行フラグがオン状態である場合には、ステップS505の処理において決定された先読み予告演出態様パターンおよび先読みチャンス目パターンに基づいて、特定演出態様を決定すればよい。
ステップS652の処理において先読み予告用特定演出実行フラグがオン状態ではないと判定した場合(ステップS652;No)、演出制御用CPU120は、変動パターンがPA1−1またはPA1−2のいずれかであるか否かを判定する(ステップS654)。PA1−1およびPA1−2はともに、可変表示結果が「ハズレ」であってリーチ演出を伴わない変動パターンである。演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された変動パターン判定結果指定コマンドに基づいて変動パターンがPA1−1またはPA1−2のいずれかであるか否かを判定すればよい。変動パターンがPA1−1またはPA1−2のいずれかであると判定した場合(ステップS654;Yes)、演出制御用CPU120は、いわゆるガセの特定演出(以下、ガセ特定演出ともいう)を実行するか否かを決定する(ステップS655)。演出制御用CPU120は、所定の決定割合(例えば、実行あり20%、実行なし80%など)でガセ特定演出を実行するか否かを決定すればよい。なお、ステップS654およびS655の処理は、擬似連および先読み予告演出に伴う特定演出がいずれも実行されない場合であって、非リーチのハズレ変動パターンの場合に限り、ガセ特定演出を実行するか否かを決定するものである。また、ガセ特定演出が実行される場合には、ハズレ図柄からチャンス図柄に変更させるといった本来の特定演出が実行されるのではない。いわゆるガセ特定演出が実行される場合、画像表示装置5に停止表示されたハズレ図柄の一部と差し替えたとしてもチャンス目を構成しない図柄がサブ画像表示装置5Sにおける可変表示後に停止表示される。このため、サブ画像表示装置5Sに停止表示された図柄を画像表示装置5に表示されたハズレ図柄の一部と差し替える演出は実行されない。
ステップS655の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、特定演出が実行されるか否かを判定する(ステップS656)。特定演出が実行されると判定した場合(ステップS656;Yes)、演出制御用CPU120は、ガセ特定演出の演出態様を決定する(ステップS657)。演出制御用CPU120は、例えば、図35に示す先読みチャンス目対応テーブルまたは図37に示す擬似連チャンス目対応テーブルに設定された特定演出用仮停止図柄のいずれかを選択すればよい。画像表示装置5には、選択された特定演出用仮停止図柄が最終停止図柄として表示される。また、サブ画像表示装置5Sには、特定演出用仮停止図柄の中図柄を差し替えても先読みチャンス目および擬似連チャンス目のいずれも構成しない図柄を選択して表示するようにすればよい。
なお、ステップS657の処理において選択される特定演出用仮停止図柄として、大当り信頼度の高い先読みチャンス目および擬似連チャンス目に対応する特定演出用仮停止図柄、例えば、先読みチャンス目「1−5−3」(SC01)に対応する特定演出用仮停止図柄「1−8−3」(SC01d)や擬似連チャンス目「1−2−3」(GC01)に対応する特定演出用仮停止図柄「1−8−3」(GC01d)の決定割合を低く設定してもよい。逆に、大当り信頼度の高い先読みチャンス目および擬似連チャンス目に対応する特定演出用仮停止図柄の決定割合を高く設定してもよい。
ステップS657の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ガセ特定演出実行フラグをオン状態にセットする(ステップS658)。ガセ特定演出実行フラグは、ガセ特定演出が実行されるか否かを示すフラグである。ステップS653またはS658のいずれかの処理を実行した後、演出制御用CPU120は、決定結果に応じた演出制御パターンをセットする(ステップS658)。ステップS659の処理を実行した後、または、ステップS654の処理においてNoと判定した場合には、演出制御用CPU120は、特定演出設定処理を終了する。
図39は、図28のステップS803において実行される特定演出制御処理の一例を示すフローチャートである。特定演出制御処理を開始すると、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5Sにおいて飾り図柄の可変表示を実行する(ステップS851)。次に、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において実行中の可変表示を終了させ、仮停止図柄を表示させる(ステップS852)。演出制御用CPU120は、例えば、ステップ602またはステップS704において特定されたハズレ図柄を仮停止図柄として画像表示装置5に表示させればよい。続いて、演出制御用CPU120は、ステップS851において開始したサブ画像表示装置5Sの可変表示を終了させ、飾り図柄を停止表示させる(ステップS853)。
ステップS853の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5Sにおいて停止表示された飾り図柄が画像表示装置5に移動するような態様で表示制御するとともに、この飾り図柄が移動するタイミングおよび方向に合わせてサブ画像表示装置5Sを動作制御する(ステップS854)。
ステップS854の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ガセ特定演出実行フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS855)。ガセ特定演出実行フラグは、擬似連変動を伴う変動パターンが実行されない場合、かつ、先読み予告演出において特定演出を実行する可変表示ではない場合に、特定演出を実行することが決定された場合にオン状態にセットされる。ガセ特定演出実行フラグがオン状態ではないと判定した場合(ステップS855;No)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に仮停止表示されたハズレ図柄を構成する中図柄をサブ画像表示装置5Sから移動してきた図柄に差し替えて表示する(ステップS856)。サブ画像表示装置5Sから移動してきた図柄を画像表示装置5に表示されたハズレ図柄を構成する中図柄に差し替えることにより、画像表示装置5に表示された仮停止図柄は、ハズレ図柄から擬似連チャンス目または先読みチャンス目のいずれかとなる。
ステップS855の処理において、ガセ特定演出実行フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS855;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5Sから移動してきた図柄を画像表示装置5に表示されたハズレ図柄を構成する中図柄に差し替えることなく、サブ画像表示装置5Sから移動してきた図柄を消去する。すなわち、画像表示装置5には、ステップS852の処理において仮停止されたハズレ図柄が確定飾り図柄として表示される。
ステップS856またはS857のいずれかの処理を実行した後、演出制御用CPU120は、特定演出制御処理を終了する。
ここからは、図40および図41を参照して、先読み予告演出において特定演出が実行される場合の演出動作例について説明する。ここで、演出動作例として、先読み予告演出態様パターンSTP1−2、先読みチャンス目パターンSCP1−02に基づいて先読み予告演出および特定演出が実行される場合について説明する。また、いわゆるガセの特定演出が実行される場合についても合わせて説明する。
図40(A)に示すように、画像表示装置5の表示画面では、先読み予告演出態様パターンSTP1−2における「第2変動」が実行中である。
続いて、図40(B)に示すように、画像表示装置5の表示画面では、図40(A)において実行中であった飾り図柄の可変表示が終了し、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいてハズレ図柄「3−2−5」が表示される。これは、先読み予告演出態様パターンSTP1−2、先読みチャンス目パターンSCP1−02に基づいて、先読みチャンス目コードSC02(「3−7−5」)に対応する特定演出用仮停止図柄コードSC02d(「3−2−5」)が仮停止されたものである。
図40(B)において画像表示装置5の表示画面に特定演出用仮停止図柄が表示されたことに伴って、図40(C)に示すように、サブ画像表示装置5Sの表示画面では、保留表示が消去され、飾り図柄の可変表示が開始される。
所定時間経過後、図40(D)に示すように、サブ画像表示装置5Sにおける飾り図柄の可変表示が終了し、飾り図柄が停止表示される。図40(D)に示すように、サブ画像表示装置5Sの表示画面には、先読みチャンス目「3−7−5」の中図柄である数字図柄「7」が停止表示されている。
図40(D)に続く、図41(E)〜(H)は、先読み予告演出において特定演出が実行される場合の演出画面を示している。一方、図40(D)に続く、図41(I)〜(L)は、いわゆるガセの特定演出が実行される場合の演出画面を示している。
まず、図41(E)〜(H)を参照して、先読み予告演出において特定演出が実行される場合の演出動作例について説明する。図41(E)に示すように、サブ画像表示装置5Sの表示画面に表示されていた数字図柄「7」が上方に動き、画像表示装置5に移動するような態様で表示される。また、サブ画像表示装置5Sは、所定位置から数字図柄「7」の移動に併せて上方に跳ね上がるような動作を行い、図40(A)〜(D)に示す後退位置(移動前の位置)から、進出位置へと移動する。なお、この変形例においては、サブ画像表示装置5Sの後退位置は、前記の実施形態とは異なり、図40(A)などに示すように画像表示装置5の一部と重なる位置となっている。また、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5Cに表示されていた数字図柄「2」の大きさが徐々に小さくなるように表示される。
図41(F)に示すように、サブ画像表示装置5Sの表示画面に表示されていた数字図柄「7」はさらに上方に移動し、同様に、サブ画像表示装置5Sもさらに上方に移動する。また、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5Cの数字図柄「2」は、サブ画像表示装置5Sから移動してきた数字図柄「7」に押し上げられるように上方に移動している。
次に、図41(G)に示すように、画像表示装置5の表示画面では、数字図柄「2」が消去され、サブ画像表示装置5Sに表示されていた数字図柄「7」が飾り図柄表示エリア5Cに表示される。これにより、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、先読みチャンス目「3−7−5」が表示される。また、サブ画像表示装置5Sは所定位置に移動(降下)し、その表示画面には保留表示およびアクティブ表示が表示されている。
続いて、図41(H)に示すように、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて保留表示H1に対応する飾り図柄の可変表示が開始され、これに伴ってアクティブ表示エリアAHAには保留表示H1に対応するアクティブ表示AHが新たに表示される。開始された可変表示は、予告対象となる可変表示(ターゲットの可変表示)であって、特図変動時間の経過後、可変表示結果が導出表示される。
次に、図41(I)〜(L)を参照して、いわゆるガセの特定演出が実行される場合の演出動作例について説明する。なお、上述の図40(A)〜(D)を参照した説明は、先読み予告演出において特定演出が実行されることを前提として行ったが、演出動作については、いわゆるガセの特定演出が実行される場合についてもほぼ同様である。
図41(I)に示すように、サブ画像表示装置5Sの表示画面に表示されていた数字図柄「7」が上方に動き、画像表示装置5に移動するような態様で表示される。また、サブ画像表示装置5Sは、数字図柄「7」の移動に併せて所定位置から上方に跳ね上がるような動作を行う。また、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5Cにおける数字図柄「2」の大きさが徐々に小さくなるように表示される。
続いて、図41(J)に示すように、サブ画像表示装置5Sの表示画面に表示されていた数字図柄「7」は画像表示装置5の表示画像に向かってさらに上方に移動するが、図41(I)と比較してあまり上昇していない。同様に、サブ画像表示装置5Sもさほど動作に変化が見受けられない。このように、いわゆるガセの特定演出が実行される場合には、先読み予告演出において特定演出が実行される場合と比べて、サブ画像表示装置5Sに表示された画像およびサブ画像表示装置5S自体の移動(動作)が小規模である。一方、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5Cの数字図柄「2」は、図41(I)において一旦小さく表示されたが、その大きさが徐々に元の大きさに戻りつつある。
次に、図41(K)に示すように、画像表示装置5の表示画面では、数字図柄「7」が消去され、図柄表示エリア5Cに表示されていた数字図柄「2」が元の大きさで表示される。これにより、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、ハズレ図柄「3−2−5」が可変表示結果として表示される。また、サブ画像表示装置5Sは所定位置に移動(降下)し、その表示画面には保留表示およびアクティブ表示が表示される。
続いて、図41(L)に示すように、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて保留表示H1に対応する飾り図柄の可変表示が開始され、これに伴ってアクティブ表示エリアAHAには保留表示H1に対応するアクティブ表示AHが新たに表示される。
次に、図42を参照して、擬似連変動を伴う変動パターンが実行されるときに特定演出が実行される場合の演出動作例について説明する。ここで、演出動作例として、擬似連演出態様パターンGTP2−2、擬似連先読みチャンス目パターンGCP2−04に基づいて擬似連演出および特定演出が実行される場合について説明する。
図42(A)に示すように、画像表示装置5の表示画面では、擬似連演出態様パターンGTP2−2における「擬似連第2変動」が実行中であり、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて飾り図柄の可変表示が実行中である。また、サブ画像表示装置5Sには、実行中の可変表示に対応する可変表示対応表示としてアクティブ表示AHがアクティブ表示エリアAHAに表示され、第1保留表示部5HLには、保留表示番号「1」〜「3」に対応する第1保留表示H1〜H3が表示されている。なお、第2保留記憶数は「0」とし、第2保留表示部5HRにおける第2保留表示の表示はないものとする。
続いて、図42(B)に示すように、画像表示装置5の表示画面では、図42(A)において実行中であった飾り図柄の可変表示が終了し、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいてハズレ図柄「4−3−6」が表示される。これは、擬似連演出態様パターンGTP2−2、擬似連チャンス目パターンGCP2−04に基づいて、擬似連チャンス目コードGC04(「4−5−6」)に対応する特定演出用仮停止図柄コードGC04d(「4−3−6」)が仮停止されたものである。
図42(B)において画像表示装置5の表示画面に特定演出用仮停止図柄が表示されたことに伴って、図42(C)に示すように、サブ画像表示装置5Sの表示画面では、保留表示が消去され、飾り図柄の可変表示が開始される。
所定時間経過後、図42(D)に示すように、サブ画像表示装置5Sにおける飾り図柄の可変表示が終了し、飾り図柄が停止表示される。図42(D)に示すように、サブ画像表示装置5Sの表示画面には、先読みチャンス目「4−5−6」の中図柄である数字図柄「5」が停止表示されている。
次に、図42(E)に示すように、サブ画像表示装置5Sの表示画面に表示されていた数字図柄「5」が上方に動き、画像表示装置5に移動するような態様で表示される。また、サブ画像表示装置5Sは、所定位置から数字図柄「5」の移動に併せて上方に跳ね上がるような動作を行う。また、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5Cに表示されていた数字図柄「3」の大きさが徐々に小さくなるように表示される。
次に、図42(F)に示すように、画像表示装置5の表示画面では、数字図柄「3」が消去され、サブ画像表示装置5Sに表示されていた数字図柄「5」が飾り図柄表示エリア5Cに表示される。これにより、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、擬似連チャンス目「4−5−6」が表示される。また、サブ画像表示装置5Sは所定位置に移動(降下)し、その表示画面には保留表示およびアクティブ表示が表示されている。
続いて、図42(G)に示すように、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて最後の擬似連変動が開始される。最後の擬似連変動時間が経過した後、最終的に可変表示結果が導出表示される。
(1−1)上記の実施形態、変形例に係るパチンコ遊技機1は、演出制御用CPU120が各部と協働し、所定の可変表示(例えば、先読み予告演出におけるターゲット変動や、擬似連変動における最終変動など)について有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御されることを示唆する示唆演出を、所定の可変表示の実行以前の複数回の可変表示で、サブ画像表示装置5Sにおいて実行する。そして、示唆演出の実行中に、複数回の可変表示に跨がってサブ画像表示装置5Sを後退位置(第2の位置)から進出位置(第1の位置)に変位させる。
(1−2)また、示唆演出の実行中は、サブ画像表示装置5Sを用いた他の演出の少なくとも一部を制限するようにしてもよい。
このような構成によれば、第2表示部を用いた複数の可変表示に跨がる演出(示唆演出)に関して、注目度合いを高めて、興趣を向上できる。
なお、以上では、サブ画像表示装置5Sが上下方向に移動する例を示したが、左右方向や斜め方向に移動可能であってもよい。また、サブ画像表示装置5Sは、直線移動に限らず、曲線状に移動可能(例えば円弧状に移動)であってもよい。また、表示画面の視認性が損なわれない限りにおいては、サブ画像表示装置5Sが画像表示装置5の背面側からせり出すように移動可能となっていてもよい。
また、以上では、複数回の可変表示に跨がってサブ画像表示装置5Sが後退位置から進出位置に変位する例として、図30や図32に示したように、後退動作のタイミングまでは、サブ画像表示装置5Sが進出位置に留まったままの例を示したが、前述したように、サブ画像表示装置5Sが、複数回の可変表示に跨がって、後退位置と進出位置とを複数回往復移動する構成としてもよい。
(2)また、所定の可変表示(ターゲット変動、擬似連における最終変動など)の実行前に実行される可変表示から、所定の可変表示までサブ画像表示装置5S(第2表示部)を進出位置(第1の位置)に変位させるようにしてもよい。このようにすれば、所定の可変表示(ターゲット変動など)を明確化させることができ、所定の可変表示に注目させることができる。なお、サブ画像表示装置5Sの進出位置への変位のタイミングも、前述したようにターゲット変動までであれば任意である。
(3)また、示唆演出の実行中は、画像表示装置5(第1表示部)による演出を制限してもよい(例えば、前記の主予告演出を制限することなど)。
(4)また、示唆演出の実行中は、他の可動体による演出を制限するようにしてもよい(例えば、前記のように役物の動作を制限することなど)。
このようにすれば、遊技者が示唆演出以外の演出に必要以上に注目してしまうことを抑制することができるため、示唆演出の注目度の低下を抑制できる。
(5)また、画像表示装置5(第1表示部)は、装飾用識別情報(例えば飾り図柄)の可変表示を行い、進出位置(第1の位置)にあるサブ画像表示装置5S(第2表示部)とは重ならない領域で、可変表示の表示結果を導出表示するようにしてもよい。このようにすれば、可変表示結果の視認性を確保することができるため、可変表示結果の誤認を回避できる。
これを実現する態様としては、以上で示したように、進出位置又は進出移動途中にあるサブ画像表示装置5Sに覆われない領域に、単に飾り図柄を表示するといっただけでなく、(i)画像表示装置5において飾り図柄を縮小表示に変形したり、(ii)通常の飾り図柄と併せて、画像表示装置5の表示画面の端部などに飾り図柄と同様の内容を示す小図柄を表示したりしてもよい。また、可変表示結果の視認性を確保するため、サブ画像表示装置5Sに小図柄を表示してもよい。
(6)また、変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、先読みの連続予告演出が実行される場合に、サブ画像表示装置5Sに表示された画像が画像表示装置5に移動するような態様で表示する特定演出を実行可能である。このような構成によれば、特定演出に対する期待感を向上させることができる。また、上記の変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、擬似連を伴う変動パターンによる可変表示が実行される場合に、サブ画像表示装置5Sに表示された画像が画像表示装置5に移動するような態様で表示する特定演出を実行可能である。このような構成によれば、特定演出に対する期待感を向上させることができる。また、擬似連の可変表示演出において仮停止表示される擬似連チャンス目を構成する少なくとも一部の図柄をサブ画像表示装置5Sから画像表示装置5に移動するような態様で表示するようにしてもよい。こうすれば、仮停止態様を構成する画像が移動するため、演出効果を向上させることができる。また、変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、サブ画像表示装置5Sに表示された画像を画像表示装置5に移動するような態様で表示する際、サブ画像表示装置5Sを画像が移動する方向に合わせて動作可能である。このような構成によれば、画像の移動に合わせてサブ画像表示装置の動作を実行するため、演出効果を向上させることができる。また、変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに飾り図柄が停止表示された後に、サブ画像表示装置5Sに表示された飾り図柄を画像表示装置5に移動するような態様で表示させ、飾り図柄表示5Cに表示された飾り図柄と差し替える特定演出を実行可能である。このような構成によれば、飾り図柄が停止表示された後における期待感を向上させることができる。
以上、図面を参照して、本発明の一実施形態及び変形例を説明してきたが、具体的な構成は以上に説明したものに限られものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、本発明は、上記の(1−1)、(1−2)、(2)〜(6)において説明したパチンコ遊技機1の各構成の全てを備えていなくともよく、目的を達成することができれば、構成要素の削除や追加は任意である。
なお、以上では、サブ画像表示5S(第2表示部)が、画像表示装置5(第1表示部)の少なくとも一部と重なる第1の位置(進出位置)と、第1の位置と異なる第2の位置(後退位置)とで変位可能であると説明したが、第1の位置と第2の位置との関係はこれに限られない。サブ画像表示装置5Sが変位可能な第1の位置と第2の位置とは、互いに、画像表示装置5に対してのサブ画像表示装置5Sの進出量(距離)が異なる位置として規定されてもよい。
上記の実施形態では、例えば、先読み予告演出を実行する場合、図20または図21に示す先読みチャンス目決定テーブルを参照して、予告対象となる可変表示までに実行される複数回の可変表示において停止表示させる先読みチャンス目を一括して決定するようにした。しかし、予告対象となる可変表示までに実行される可変表示ごとに停止表示させる先読みチャンス目を決定するようにしてもよい。この際には、奇数図柄で構成される先読みチャンス目の後に大当り信頼度が低い奇数図柄で構成される先読みチャンス目が選択されないように規制することが望ましい。また、別途、大当り信頼度が高い先読みチャンス目で構成される先読みチャンス目決定テーブルを用意し、特定演出が実行される可変表示については、このテーブルを参照して先読みチャンス目を決定するようにしてもよい。擬似連を伴う変動パターンによる可変表示が実行される場合も、同様に、図25(B),(C)に示す擬似連チャンス目決定テーブルを参照して一括決定せずに、成り下がらないように、擬似連変動ごとに仮停止表示させる擬似連チャンス目を決定するようにしてもよい。また、別途、大当り信頼度が高い擬似連チャンス目で構成される先読みチャンス目決定テーブルを用意し、特定演出が実行される擬似連変動については、このテーブルを参照して擬似連チャンス目を決定するようにしてもよい。
上記の実施形態では、先読み予告での示唆演出が3変動(当該変動及びその手前2変動)に跨って実行されるものであったが、先読み予告が実行される変動数についてはこれに限るものではなく、2変動であっても4変動以上であってもよい。
また、上記の実施形態では、示唆演出がポイントを加算する演出例であったが、示唆演出はこの演出例に限るものではなく、サブ画像表示装置5Sに表示される背景画像を通常背景画像とは異なる特殊背景画像に変化させる演出であってもよい。
さらに、上記の実施形態では、示唆演出と先読みチャンス目演出とが複合して実行されたものとなっていたが、先読みチャンス目演出と複合せずに単独で実行してもよい。
上記の実施形態では、例えば、先読みチャンス目および擬似連チャンス目は、数字図柄によって構成されるものとして説明した。しかし、先読みチャンス目および擬似連チャンス目は特殊図柄で構成されるようにしてもよい。例えば、中図柄が「S」を示す英字図柄であれば、左図柄および右図柄はどのような図柄であってもチャンス目であるとしてもよい。
上記の変形例では、例えば、先読み予告演出においては、予告対象となる可変表示が実行されるまでの複数回の可変表示にわたって先読みチャンス目を停止表示させる際に特定演出を実行した。しかし、予告対象となる可変表示においても特定演出を実行するようにしてもよい。
上記の変形例では、例えば、画像表示装置5において仮停止表示させた中図柄をサブ画像表示装置5Sに表示された図柄に差し替える特定演出を実行したが、差し替える図柄は画像表示装置5において仮停止表示させた中図柄に限らず、左図柄または右図柄であってもよい。また、特定演出によって差し替える図柄は1つに限らず、2つの図柄または全ての図柄を差し替えるようにしてもよい。また、特定演出によってサブ画像表示装置5Sから画像表示装置5に移動させる画像は、例えば、飾り図柄の可変表示中などに、保留表示を変化させる保留変化演出が実行される可能性があることを予告または示唆する保留変化図柄や、スーパーリーチへの発展の可能性があることなどを予告または示唆する発展図柄などであってもよい。
上記の変形例では、例えば、先読み予告演出において特定演出を実行する場合、図34に示すように、先読み予告演出の予告対象となる可変表示が実行されるまでの複数回の可変表示のうちのいずれかにおいて、特定演出を1回実行するように設定した。しかし、特定演出の実行頻度を高め、予告対象となる可変表示が実行されるまでの複数回の可変表示において、特定演出を複数回実行するようにしてもよい。さらに、予告対象となる可変表示が実行されるまでのすべての可変表示において、特定演出を実行するようにしてもよい。この場合、先読み予告演出の予告対象となる可変表示が実行されるまでのすべての可変表示において特定演出が実行された後に先読みチャンス目が停止表示されることとなるため、特定演出は先読み予告演出に含まれる演出の一部であり、特定演出は先読み予告演出と同義とみなすことができる。
上記の変形例では、例えば、擬似連を伴う変動パターンによる可変表示が実行されるときに特定演出を実行する場合、図36に示すように、最後の擬似連変動(最終変動)よりも前に実行される初回変動(同図中、擬似連第1変動)及び再変動のうちのいずれかにおいて、特定演出を1回実行するように設定した。しかし、特定演出の実行頻度を高め、最後の擬似連変動よりも前に実行される、複数回の擬似連変動または全擬似連変動(初回変動も含む)において、特定演出を実行するようにしてもよい。
上記の変形例では、例えば、図34に示すように、本実施形態において用意された全変動パターンに対して決定割合を割り当てることにより、予告対象となる可変表示がいずれの変動パターンであっても先読み演出が実行されるように設定した。しかし、例えば、「ハズレ(非R)」、「ハズレ(NR)」、「大当り(NR)」に対して決定割合を割り当てずに先読み予告演出が実行されないようにしてもよい。このようにすれば、先読み予告が実行された場合、すなわち、先読みチャンス目が停止表示された場合には、将来的にスーパーリーチ以上の可変表示が実行されることを確定するようにしてもよい。
なお、例えば、2次元コード読み取り機能およびインターネット網への接続機能を備える携帯端末等を介して、パチンコ遊技機1および管理サーバとデータのやり取りを行なうようにしてもよい。こうすれば、遊技者は、携帯端末等を用いて管理サーバに接続し、予め遊技者自身のID等の発行を受け、自己の選択により、遊技中の自己の成績に関する報知を受信したり、過去の遊技履歴を反映させた遊技モードで遊技を行なったりすることが可能である。
また、以上では、主基板11において実行される始動入賞判定処理において入賞時乱数値判定処理を実行することにより、可変表示の可変表示結果が「大当り」となるか否かなどの判定を行い、演出制御基板12において、主基板11から受信した判定結果指定コマンドに基づいて、先読み予告の内容などを決定する例を示したが、主基板11が「大当り」となるか否かなどの判定を行うものに限られない。例えば、主基板11が、入賞時に抽出した乱数値を示すコマンドを演出制御基板12に送信し、演出制御基板12が、主基板11から受信した乱数値を示すコマンドに基づいて、「大当り」となるか否かなどを判定し、この判定結果に基づいて先読み予告の内容などを決定してもよい。すなわち、先読み予告の内容を決定するために必要となる「大当り」となるか否かなどの判定処理は、主基板11または演出制御基板12のいずれかによって実行されればよい。
なお、上記の実施形態や変形例で例示した、割合(決定割合等を含む。確率についても同じ)などは、0割を含むものであってもよい。つまり、割合や確率は0〜10割の間であればよい。例えば、一方の割合と他方の割合とを異ならせるとは、一方の割合を例えば3割として、他方の割合を7割とする他、一方の割合を例えば0割として、他方の割合を10割とすることも含む。また、一方の割合と他方の割合との合算が10割とならなくてもよい(一方と他方とのいずれにも含まれないものが存在して、所定割合を有してもよい)。また、一方の割合よりも他方の割合の方が高い割合とする場合には、一方の割合を0割とし、他方の割合を10割とすることを含む。例えば、上記において、特定遊技状態のあとの特定期間における可変表示パターンの決定割合と、特定期間以外における可変表示パターンの決定割合とを異ならせるとは、一方で選ばれる可変表示パターンが他方では選ばれないようなことや一方で選ばれる可変表示パターンと他方で選ばれる可変表示パターンとが一部重複するか完全に重複しない場合も含む。これらは、割合を規定するテーブルの内容などによって規定されればよい。
また、以上では、パチンコ遊技機1は、特別図柄の可変表示結果として、所定の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる確変制御を行うものとしたが、例えば、遊技領域に設けられたアタッカ内の特定領域を遊技球が通過したことに基づいて確変制御が行われる、確変判定装置型のパチンコ遊技機でもよい。
また、以上では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。例えば、スロットマシンに適用する場合、ボーナス、AT又はARTの開始以前や、AT又はART中における上乗せ報知演出を実行する以前に、複数回の可変表示に渡ってこれらの実行を示唆する示唆演出を実行する場合に、複数回の可変表示に跨ってサブ画像表示装置を第1位置から第2位置に変位させてもよい。
また、以上では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドをサブ側に送信した例を示したが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。