次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用した例を説明する。尚、以下では、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機を例に説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられており、この他、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は、遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。この画像表示装置7は、本発明の画像表示手段の一態様に相当する。
演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字を表した複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということがある。また、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が16R大当りや6R大当り等になった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(特定態様、特定表示結果)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が2R大当りとなった場合には、「135」などの予め設定したチャンス図柄(特定態様、特定表示結果)や「3★3」などの専用図柄(特定態様、特定表示結果)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(非特定態様、非特定表示結果)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などが表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
ここで、画像表示装置7の表示画面7aに表示される本実施例の代表的な演出画像について、図43を用いて説明する。本実施例の代表的な演出画像として、図43(a)に示す変動演出画像HEと、図43(b)に示す第1表示面破損画像EF1と、図43(c)に示す第2表示面破損画像EF2とが例示できる。変動演出画像HEは、演出図柄8(8L,8C,8R)と、背景画像(背景表示)Hと、演出図柄の変動表示中に表示される可能性のあるリーチ演出画像(図示せず)、演出保留9a,9bなど、演出図柄の変動表示(変動演出)に関連する画像から構成される。尚、図43(a)では、便宜上、演出図柄8が「777」のゾロ目で停止表示した場合を示すとともに、演出保留として4つの第1演出保留9aが表示されている場合を示している。
また、図43(a)では、晴天の町を描いた背景画像Hが表示されている場合を示しているが、この他にも、雨天の町を描いた背景画像や海辺を描いた背景画像等、複数の背景画像を備えている。そして、複数の背景画像のうち何れかが遊技状態や演出モードに応じて表示され、また、所定の背景変化条件の成立に基づいて表示される背景画像が変化するものとなっている。背景変化条件としては、後述のサブ制御部90での乱数抽選(背景変化抽選)に当選すること、所定の背景表示時間が経過すること、所定の外れリーチ演出が行われること等が例示できる。
また、図43(b)に示す第1表示面破損画像EF1および図43(c)に示す第2表示面破損画像EF2は、ともに遊技者の期待感を高めるための演出効果画像の一種であり、本実施例では、予告演出で用いることとしている。本実施例の第1表示面破損画像EF1および第2表示面破損画像EF2は、変動演出画像HEが表示される表示面(表示画面)を覆う無色透明のパネル(ディスプレイ)の破損を模した画像であり、第1表示面破損画像EF1は、パネルに亀裂(ひび)が入った様子を模した画像となっており、第2表示面破損画像EF2は、パネルの中央(一部)が割れて無くなった様子(破壊された様子)を模した画像となっている。これら第1表示面破損画像EF1や第2表示面破損画像EF2を変動演出画像HEに重畳して表示することで、あたかも、変動演出画像HEの表示面(表示画面)に亀裂が入ったように見せたり、表示面が割れたように見せたりすることが可能となっている。以下では、第1表示面破損画像EF1および第2表示面破損画像EF2のことを総じて「表示面破損画像」ともいう。
尚、変動演出画像HEに含まれる演出図柄8(8L,8C,8R)に関しては、3つの演出図柄が全て停止表示している画像や、3つの演出図柄が一斉に又は所定順序にしたがって変動表示を開始する画像(第1変動演出画像の一態様)、3つの演出図柄が全て変動表示している画像(第1変動演出画像の一態様)、3つの演出図柄のうち1つが停止表示(仮停止)して2つの演出図柄が変動表示している画像(第2変動演出画像の一態様)、3つの演出図柄のうち2つが停止表示(仮停止)して1つの演出図柄が変動表示している画像(第2変動演出画像の一態様)、3つの演出図柄が変動表示を終えて停止表示(確定表示)する画像、変動表示している演出図柄の変動速度が変化する様子を示す画像など、演出図柄8が変動表示を開始してから停止表示(確定表示)するまでの状況(変動演出の展開)に応じた様々な画像(動画像、静止画像)が予め用意されている。また、演出図柄8(8L,8C,8R)の表示サイズも、変動中の状況(変動演出の展開)に応じて変化させるべく、様々なサイズの画像が予め用意されている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。また、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらに、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、大当りの可能性が比較的高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材14が下方に落下し、当該可動装飾部材14が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は大当りへの期待感を高めることとなる。遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう)を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35(「第2可変入球口」ともいう)を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「5」、第2始動口21の賞球数は「3」、第1大入賞口20および第2大入賞口35の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。
また、図3および図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに、主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態か左打ちを行うべき状態かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる大当り遊技(特別遊技)が行われる。尚、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「16R第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」、「6R第4大当り」および「6R第5大当り」の5種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら5種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第1大当り図柄)、6R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第2大当り図柄)、6R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第3大当り図柄)、6R第4大当りとなった場合には「ijo」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第4大当り図柄)、6R第5大当りとなった場合には「jno」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(6R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
また、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「16R第6大当り」、「16第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」、「16R第11大当り」および「2R第12大当り」の7種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が16R第6大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第6大当り図柄)、16R第7大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第7大当り図柄)、12R第8大当りとなった場合には「abc」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(12R第8大当り図柄)、6R第9大当りとなった場合には「afg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第9大当り図柄)、2R第10大当りとなった場合には「abde」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(2R第10大当り図柄)、16R第11大当りとなった場合には「abe」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第11大当り図柄)、2R第12大当りとなった場合には「abdh」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(2R第12大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には、図4に示す通り、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、センサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。尚、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出等の各種演出を実行する演出実行手段として機能するものである。
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号がサブ制御基板90に入力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(取得情報判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、図6に示すように、大当りとして「16R(ラウンド)第1大当り」、「6R第2〜第5大当り」、「16R第6大当り」、「16R第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」、「16R第11大当り」および「2R第12大当り」の計12種類を設けている。これらの大当りのうち、第1特別図柄に係る大当りである「16R第1大当り」および「6R第2〜第5大当り」と、第2特別図柄に係る大当りである「16R第6大当り」および「16R第11大当り」は、何れも、第1大入賞口30(下アタッカー)を用いた大当り遊技に係る大当りである。具体的には、「16R第1大当り」、「16R第6大当り」および「16R第11大当り」は、何れも、第1大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が16回で、開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。また、「6R第2〜第5大当り」は、何れも、第1大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が6回で、開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
一方、第2特別図柄に係る大当りである「16R第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」および「2R第12大当り」は、第2大入賞口35(上アタッカー)を用いた大当り遊技に係る大当りである。具体的には、「16R第7大当り」、「12R第8大当り」および「6R第9大当り」は、第2大入賞口35の開放回数(ラウンド数)が夫々16回、12回、6回で、開放時間が何れも1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。また、「2R第10大当り」および「2R第12大当り」は、何れも、第2大入賞口35の開放回数(ラウンド数)が2回、開放時間が何れも1回の開放(1ラウンド)につき0.1秒の大当りである。特別図柄表示部41は、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。
尚、16R第1大当り、16R第6大当り、16R第7大当りおよび16R第11大当りのことを総じて「16R大当り」ともいい、6R第2〜第5大当りおよび6R第9大当りのことを総じて「6R大当り」ともいい、2R第10大当りおよび2R第12大当りのことを総じて「2R大当り」ともいう。また、12R第8大当りのことを単に「12R大当り」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の6R第3〜第5大当り、16R第11大当りおよび2R第12大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。このことから、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りは「確変大当り」として捉えることができ、6R第3〜第5大当り、16R第11大当りおよび2R第12大当りは「非確変大当り」(通常大当り、時短大当り)として捉えることができる。また、2R大当り(2R第10大当り、2R第12大当り)は、前述したように第2大入賞口35を1ラウンドにつき0.1秒で開放(一瞬開閉)させる大当りであり、このように極短時間で開放する第2大入賞口35に遊技球が入球する可能性は低く、したがって、第2大入賞口35への入球の基づく賞球を獲得できる可能性も低い。このような2R大当りは、所謂「出球なし大当り」ともいい、そのうち2R第10大当りのことを「出球なし確変大当り」ともいい、2R第12大当りのことを「出球なし通常(時短)大当り」ともいう。
また、本実施例では、第2大入賞口35(上アタッカー)を開放させる大当りのうち、16R第7大当り、12R第8大当りおよび6R第9大当りについては、大当りの発生や大当り遊技の開始の際、何れのラウンド数の大当り遊技が行われるのかを、遊技者にとって分かり難いものとしている。すなわち、これらの大当りについては、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される演出図柄8の停止表示態様やその他の演出を通じて、これから行われる大当り遊技の正確なラウンド数を把握(判別)し難くしている。このため、これらの大当りは、ラウンドがどこまで続く分からない状況下でラウンドを消化しつつ、6ラウンドや12ラウンドの終了を迎えるタイミング(ラウンド分岐)で、ラウンドがさらに続くか否かに注目するといった遊技性となっている。このような大当りは、所謂「ランプアップボーナス」と呼ばれるもので、以下、この大当りのことを「RUB」と表記することもある。
第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第1大当りが5%、6R第2大当りが55%、6R第3大当りが5%、6R第4大当りが15%、6R第5大当りが20%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第6大当りが35%、16R第7大当り、12R第8大当りおよび6R第9大当りがそれぞれ8%(つまり、RUBが24%)、2R第10大当りが1%、16R第11大当りが20%、2R第12大当りが20%となっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく当否判定(特図2当否判定)により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特図1当否判定)により大当りとなった場合に比べ、16R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特図1当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特図2当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りの何れかの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態であり、遊技者にとってはいわゆる「確変状態」となる。
また、6R第3〜第5大当り、16R第11大当りおよび2R第12大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
ここで、発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a等(図5を参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317による判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、大当り種別は何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」と判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプ、6R用ランプ、12R用ランプ及び16R用ランプの4個のLEDで構成されている(図4を参照)。そして、例えば2R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R▲6△12△16R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、6R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、6R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6▲12△16R△」の様な表示態様となる。また、12R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、12R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6△12▲16R△」の様な表示態様となる。また、16R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、16R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6△12△16R▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図22)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4乃至P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8乃至P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12乃至P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15乃至P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」〜「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19乃至P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間(図22のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当りの種別が16R大当りであるか否かを判定し、16R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「16」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。一方、S2002で、大当りの種別が16R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当りの種別が12R大当りであるか否かを判定し(S2004)、12R大当りであると判定した場合(S2004でYES)、ラウンドカウンタの値に「12」をセットし(S2005)、S2009の処理に移行する。一方、S2004で、大当り種別が12R大当りでないと判定した場合(S2004でNO)、確定した大当りの種別が6R大当りであるか否かを判定し(S2006)、6R大当りであると判定した場合(S2006でYES)、ラウンドカウンタの値に「6」をセットし(S2007)、S2009の処理に移行する。一方、S2006で、大当りの種別が6R大当りでないと判定した場合(S2006でNO)、確定した大当りの種別は2R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「2」をセットし(S2008)、S2009の処理に移行する。
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められているので、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターンをセットする(図6を参照)。そして、夫々の大当り遊技において、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放動作が実行される。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、16R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、6R第2〜第5大当りに対応する第2オープニングコマンド、16R第6大当りに対応する第3オープニングコマンド、RUB(16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り)に対応する第4オープニングコマンド、2R大当り(2R第10大当り、2R第12大当り)に対応する第5オープニングコマンドおよび16R第11大当りに対応する第6オープニングコマンドの計6種類が設けられている。S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドがセットされる。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
オープニングコマンドをセットしたら、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。尚、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」において実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(つまり、大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)ではまず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行し、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放処理が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。
S2106で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターン、すなわち、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させるべく、開閉部材を動作(開動作)させる。
一方、S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば、25s)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば、10球)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
一方、S2113で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
S2115では、大入賞口閉鎖処理を行い(S2115)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開閉部材を動作(閉動作)させて、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態とする。また、大入賞口閉鎖処理では、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態に保つ閉鎖時間、すなわちインターバル時間をセットする。次いで、S2116でインターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、第1大入賞口30および第2大入賞口35は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
また、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。尚、以上の特別電動役物処理(S1108)を実行する遊技制御用マイコン81は、「特別遊技実行手段」として機能するものといえる。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りの7種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら7種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、処理を終える。
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。尚、本実施例の様に、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、S2201で、確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了したのが非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技である場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、処理を終える。本実施例では、前述したように、6R第3〜第5大当り、16R第11大当りおよび2R第12大当りの5種類を非確変大当りとしているので、これら5種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が、低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)となる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタおよび確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図37〜図42に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例1では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
次に、S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。尚、変動演出とは、演出図柄8の変動表示やリーチ演出など、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4408)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出(大当り遊技関連演出)の実行に係る処理を行う(S4406)。例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
最後にS4407の処理を行い、本処理を終える。S4407では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う(S4407)。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いで、S4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P22)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いで、S4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。本実施例では、演出モードA,Bは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードD,Eは低確高ベース状態および高確高ベース状態の何れかに制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Cの何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。一方、演出モードがDまたはEである場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードD,Eは、確率非報知モードといえる。
次いで、S4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)がサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いで、S4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数およびS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)等が決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。このようなリーチ演出のことを「特定演出」ともいう。
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が外れであって、リーチ有り外れの場合は「787」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目とされ、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされる。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りであって、16R第1大当り及び16R第6大当りの何れかの場合は「777」のゾロ目とされ、6R第2〜第5大当り及び16R第11大当りの何れかの場合は「777」以外の奇数図柄のゾロ目または「666」等の偶数図柄のゾロ目とされ、RUBに相当する大当りの場合は「3★3」等のRUB専用出目(専用図柄)とされる。また、2R大当りの場合は、外れのときと同じ態様(バラケ目)で3個の演出図柄8L、8C、8Rを停止表示するものとしている。但し、2R大当りについては、「135」等の予め定めたチャンス目を停止表示してもよい。尚、前述の演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
次いで、S4506では、予行演出の設定に係る予告演出設定処理を行う(S4506)。本実施例では、事前判定結果に基づく予告演出(保留先読み予告)や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(当該変動予告)など、種々の予告演出が実行可能となっていることから、S4506では、各予告演出について、実行するか否か(実行有無)を含めた予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定する。具体的には、S4501において取得した予告演出決定用乱数と、サブ制御基板90のROMに記憶された予告決定テーブルとに基づいて、予告演出パターンを、予告演出の実行有無を含めて決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。
尚、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果、すなわち、今回の特図変動表示に係る当否判定(大当り判定)の結果(大当り又は外れ)や、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報、すなわち、今回の特図変動表示に係る変動パターンによって、S4506で設定する予告演出パターン、すなわち、実行する予告演出の種類(予告種)や態様、予告演出の有無等は異なるものとなる。また、予告演出を実行する場合、複数の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を行うこともあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を複合して行うこと、すなわち、一の変動表示中(変動演出中)に複数種の予告演出を各々の実行タイミングで行うこともある。
次いで、S4507では、S4505で設定した変動演出パターンおよびS4506で設定した予告演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出(変動演出表示、予告演出等)を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データと、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出表示や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
ここで、本実施例では、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(当該変動予告)として、図43(b)に示す第1表示面破損画像EF1や図43(c)に示す第2表示面破損画像EF2を表示する表示面破損予告(画面破損予告)を設けている。そこで、以下では、S4506の処理に関し、表示面破損予告の設定を例に詳しく説明する。尚、表示面破損予告は、高ベース状態では出現せず低ベース状態にて出現し得る予告演出であり、低ベース状態にて出現し得る他の予告演出と複合し得る予告演出でもある。
予告演出設定処理(S4506)では、S4501において取得した予告演出決定用乱数および図44に示す表示面破損予告決定テーブルに基づいて、表示面破損予告の実行パターン(予告演出パターン)を、表示面破損予告を実行するか否かを含めて決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。表示面破損予告決定テーブルには、大当り用のテーブル(図44(a)を参照)と外れ用のテーブル(図44(b)を参照)とが存在し、S4502での変動開始コマンドの解析結果に基づいて特定される今回の特図変動表示に係る当否判定の結果(大当り又は外れ)に応じて、何れかのテーブルが用いられる(参照される)。
本実施例の表示面破損予告決定テーブルは、図44(a),(b)に示すように、表示面破損予告の実行対象となる変動パターン毎に、表示面破損予告の実行パターンを「なし(実行しない)」、「表示画亀裂」、「表示面割れ」、「表示面亀裂→割れ」の何れかに決定することが可能なデータ構造となっている。具体的には、表示面破損予告の実行対象となる変動パターン毎に、予告演出決定用乱数値を、予告演出パターンの判定種別である「なし(実行しない)」、「表示画亀裂」、「表示面割れ」、「表示面亀裂→割れ」の夫々について割り当てたものとなっている。本実施例では、予告演出決定用乱数の乱数範囲を「0〜99」としていることから、「0〜99」の範囲内で乱数値(判定用データ)を割り当てている。また、本実施例では、前述したように、表示面破損予告を低ベース状態でのみ出現し得る予告演出としていることから、表示面破損予告決定テーブルに定める変動パターンは、非時短状態用の変動パターンP1〜P11(図9を参照)を対象としている。尚、図44に示すテーブルの中で「−」としているのは、予告演出決定用乱数値を割り当てていないことを示しているもので、これに該当する予告演出パターンは選択対象とならない(選択されない)。
ここで、表示面破損予告の実行パターンのうち、「表示面亀裂」は第1表示面破損画像EF1(図43(b)を参照)を表示するもので、「表示面割れ」は第2表示面破損画像EF2(図43(c)を参照)を表示するもので、「表示面亀裂→割れ」は第1表示面破損画像EF1を先に表示した後、表示する画像を第1表示面破損画像EF1から第2表示面破損画像EF2に変更するもの(ステップアップ系)である。また、表示面破損予告での表示面破損画像EF1,EF2の表示は、所定の表示時間(表示面破損予告実行時間)が経過するまで行われるものとなっている。本実施例では、「表示面亀裂」および「表示面割れ」による表示面破損画像EF1,EF2の表示時間を5秒とし、「表示面亀裂→割れ」による先の第1表示面破損画像EF1の表示時間を、後の第2表示面破損画像EF2が表示されるまで、後の第2表示面破損画像EF2の表示時間を5秒としている。但し、表示面破損予告の実行対象となる特図変動表示の変動時間が、表示面破損画像の表示時間よりも短い場合には、変動時間の経過をもって表示面破損画像の表示は終了する。
表示面破損予告決定テーブルによる表示面破損予告の実行パターン決定態様は次のようになる。まず、図44(a)に示すように、特別図柄当否判定の結果が大当りであって、変動パターンがP1〜P3の何れかである場合、すなわち、変動パターンP1〜P3の何れかに対応する変動演出パターンに基づく変動演出が行われる場合、取得した予告演出決定用乱数の値が「0〜49」であると、予告演出パターンは「なし(実行しない)」に決定され(選択確率:50%)、「50〜59」であると、予告演出パターンは「表示面亀裂」に決定される(選択確率:10%)。尚、予告演出パターンが「なし(実行しない)」に決定された場合、表示面破損予告は実行されない。
また、変動パターンがP1である場合、すなわち、変動パターンP1に対応する変動演出パターンに基づく変動演出が行われる場合、取得した予告演出決定用乱数の値が「60〜79」であると、予告演出パターンは「表示面割れ」に決定され(選択確率:20%)、「80〜99」であると、予告演出パターンは「表示面亀裂→割れ」に決定される(選択確率:20%)。
また、変動パターンがP2である場合、すなわち、変動パターンP2に対応する変動演出パターンに基づく変動演出が行われる場合、取得した予告演出決定用乱数の値が「60〜84」であると、予告演出パターンは「表示面割れ」に決定され(選択確率:25%)、「85〜99」であると、予告演出パターンは「表示面亀裂→割れ」に決定される(選択確率:15%)。
また、変動パターンがP3である場合、すなわち、変動パターンP3に対応する変動演出パターンに基づく変動演出が行われる場合、取得した予告演出決定用乱数の値が「60〜99」であると、予告演出パターンは「表示面割れ」に決定され(選択確率:40%)、「表示面亀裂→割れ」については決定されることがない。
つまり、大当りの場合、変動パターンP1〜P3について、表示面破損予告の実行確率は50%となっており、そのうちの10%を「表示面亀裂」の予告演出パターンに割り当て、残りの40%を「表示面割れ」を含む予告演出パターンに割り当てている。そして、変動パターンP1では、「表示面割れ」と「表示面亀裂→割れ」をぞれぞれ同じ確率で選択(実行)し得るものとなっており、変動パターンP2では、「表示面亀裂→割れ」より「表示面割れ」の方を選択し易いものとなっている。
一方、図44(b)に示すように、特別図柄当否判定の結果が外れであって、変動パターンがP7またはP11である場合、すなわち、変動パターンP7に対応する変動演出パターンまたは変動パターンP11に対応する変動演出パターンに基づく変動演出が行われる場合、取得した予告演出決定用乱数の値が「0〜94」であると、予告演出パターンは「なし(実行しない)」に決定され(選択確率:95%)、「95〜99」であると、予告演出パターンは「表示面亀裂」に決定される(選択確率:10%)。
また、変動パターンが「P4,P8」、「P5,P9」、「P6,P10」の何れかである場合、すなわち、変動パターンP4〜P6,P8〜P10の何れかに対応する変動演出パターンに基づく変動演出が行われる場合、取得した予告演出決定用乱数の値が「0〜74」であると、予告演出パターンは「なし(実行しない)」に決定され(選択確率:75%)、「75〜84」であると、予告演出パターンは「表示面亀裂」に決定される(選択確率:20%)。
また、変動パターンが「P4,P8」である場合、すなわち、変動パターンP4または変動パターンP8に対応する変動演出パターンに基づく変動演出が行われる場合、取得した予告演出決定用乱数の値が「85〜94」であると、予告演出パターンは「表示面割れ」に決定され(選択確率:10%)、「95〜99」であると、予告演出パターンは「表示面亀裂→割れ」に決定される(選択確率:5%)。
また、変動パターンが「P5,P9」である場合、すなわち、変動パターンP5または変動パターンP9に対応する変動演出パターンに基づく変動演出が行われる場合、取得した予告演出決定用乱数の値が「85〜96」であると、予告演出パターンは「表示面割れ」に決定され(選択確率:12%)、「97〜99」であると、予告演出パターンは「表示面亀裂→割れ」に決定される(選択確率:3%)。
また、変動パターンが「P6,P10」である場合、すなわち、変動パターンP6または変動パターンP10に対応する変動演出パターンに基づく変動演出が行われる場合、取得した予告演出決定用乱数の値が「85〜99」であると、予告演出パターンは「表示面割れ」に決定され(選択確率:15%)、「表示面亀裂→割れ」については決定されることがない。
つまり、外れの場合であって選択可能性が比較的高い変動パターンP7,P11について、表示面破損予告の実行確率は5%となっており、その5%を「表示面亀裂」の予告演出パターンに割り当てている。また、外れの場合であって選択可能性が比較的低い高い変動パターン「P4,P8」、「P5,P9」、「P6,P10」について、表示面破損予告の実行確率は25%となっており、そのうちの10%を「表示面亀裂」の予告演出パターンに割り当て、残りの15%を「表示面割れ」を含む予告演出パターンに割り当てている。そして、変動パターンP4,P8,P5,P9では、「表示面亀裂→割れ」より「表示面割れ」の方を選択し易いものとなっている。
このような決定条件(表示面破損予告決定テーブル)に基づいて、予告演出設定処理(S4506)では表示面破損予告に関する設定が行われる。そして、表示面破損予告が実行される場合、その実行可能性(実行確率)は、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合の方が、外れの場合に比べ高くなっている。また、外れの場合の変動時間30000ms以上の変動パターン(P4〜P6,P8〜P10)は、大当りの場合の変動時間30000ms以上の変動パターン(P1〜P3)に比べ選択可能性が低く(図9の出現率を参照)、このような選択可能性の低い変動パターンの中での表示面破損予告の実行確率に比べ、大当り時の表示面破損予告の実行確率は高くなっている。さらに、表示面破損予告のうち「表示面割れ」と「表示面亀裂→割れ」について、ともに大当りの場合の方が外れの場合に比べ実行可能性が高くなっており、「表示面亀裂→割れ」の外れ時の実行可能性は極めて低いものとなっている(図44を参照)。このことから、表示面破損予告は、遊技者の大当りに対する期待感を高める演出(煽り演出)といえ、特に、「表示面割れ」または「表示面亀裂→割れ」の表示面破損予告は、その期待感をより高める演出(煽り演出)といえる。
尚、外れ時の変動パターンP4〜P11(外れ変動パターン)の夫々に対応する変動演出パターンのことを「第1変動演出パターン」または「第1変動態様」ともいい、大当り時の変動パターンP1〜P3(大当り変動パターン)の夫々に対応する変動演出パターンのことを「第2変動演出パターン」または「第2変動態様」ともいう。
また、予告演出設定処理(S4506)での表示面破損予告に関する設定では、表示面破損予告の実行パターンを「表示面亀裂」、「表示面割れ」、「表示面亀裂→割れ」の何れかとする場合、該当する実行パターンによる表示面破損予告の実行時期、すなわち、表示面破損画像の表示時期も併せて設定する。本実施例では、表示面破損予告の実行時期(表示面破損画像の表示時期)として複数の時期を予め用意してあり、この複数の時期の中から選択される時期を、決定した予告演出パターンによる表示面破損予告の実行時期(表示面破損画像の表示時期)として設定する。よって、表示面破損予告の実行に際しては、その設定された実行時期(表示時期)に基づいて表示面破損画像の表示が行われる。
具体的には、表示面破損予告の実行時期(表示面破損画像の表示時期)として「変動開始時」、「第1図柄停止時」、「リーチ成立時」、「SP発展時」を設けており、これらの中から変動パターンに適した時期が設定される。例えば、リーチ演出を伴わない変動パターンP7,P11の場合、「表示面亀裂」の表示面破損予告の実行時期は、「全図柄変動時」および「第1図柄停止時」の何れかに設定する。尚、「変動開始時」とは、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される3つの演出図柄が変動表示を開始したタイミング(変動序盤)を指し、「第1図柄停止時」とは、3つの演出図柄のうち、変動表示開始後、原則、最初に停止表示するように定められた演出図柄(例えば、左演出図柄8L)が停止(仮停止)するタイミングを指し、「リーチ成立時」とは、3つの演出図柄のうち1つの演出図柄(例えば、中演出図柄8C)が変動表示している状態で2つの演出図柄(例えば、左演出図柄8Lと右演出図柄8R)が同じ図柄で停止(仮停止)するタイミングを指す。また、「SP発展時」とは、リーチ成立後、SPリーチ演出や疑似連演出等の特殊演出への発展(発展演出)が生ずるタイミングを指す。
また、原則、リーチ演出を伴うこととなる変動パターン(P1〜P6、P8〜P10)のうち、変動時間が30000msの変動パターンP3,P6,P10の場合、「表示面亀裂」または「表示面割れ」の表示面破損予告の実行時期は、「変動開始時」、「第1図柄停止時」、「リーチ成立時」の何れかに設定する。これは、変動時間が30000msの変動パターンに基づく変動演出では、リーチ成立後に、SPリーチ演出や疑似連演出等の特殊演出への発展(発展演出)を行うことがないからである。リーチ演出を伴うこととなる変動パターン(P1〜P6、P8〜P10)のうち、変動時間が45000msの変動パターンP2,P5,P9と、変動時間が75000msの変動パターンP1,P4,P8の場合、「表示面亀裂」または「表示面割れ」の表示面破損予告の実行時期は、「変動開始時」、「第1図柄停止時」、「リーチ成立時」、「SP発展時」の何れかに設定する。また、同変動パターンにおける「表示面亀裂→割れ」の表示面破損予告の実行時期は、「表示面亀裂」が先で「表示面割れ」が後となるように、夫々の実行時期を「変動開始時」、「第1図柄停止時」、「リーチ成立時」、「SP発展時」の何れかに設定する。例えば、「表示面亀裂」を「第1図柄停止時」として「表示面割れ」を「SP発展時」としたり、「表示面亀裂」を「変動開始時」として「表示面割れ」を「リーチ成立時」としたりする。
このような表示面破損予告の実行時期(表示面破損画像の表示時期)の設定は、前述の変動パターンと表示面破損予告の実行パターンとの対応によって許容される複数の時期の中から、ランダムに選択(決定)して行う。但し、当該実行時期(表示時期)の設定(選択)は、そのような方法に限られない。例えば、「変動開始時の表示面亀裂」の表示面破損予告を伴う変動演出パターン、「リーチ成立時の表示面割れ」の表示面破損予告を伴う変動演出パターン、「変動開始時の表示面亀裂とリーチ成立時の表示面割れ」の表示面破損予告を伴う変動演出パターンなど、所定実行時期での表示面破損予告を伴う変動演出パターン(表示面破損予告変動演出パターン)を予め定めておく。そして、主制御基板80からの変動開始コマンドに含まれる変動パターン情報に基づいて変動演出パターンを選択して設定する際(S4504,S4505)、その変動演出パターンが表示面破損予告変動演出パターンとなれば、この表示面破損予告変動演出パターンの設定により、表示面破損予告の実行パターン(表示面破損予告種)およびその実行時期も併せて(必然的に)設定されることとなる。このように、変動演出パターンの選択・設定が、表示面破損予告の実行パターンおよび実行時期の選択・設定を兼ねるようにしてもよい。
また、表示面破損予告の実行時期(表示面破損画像の表示時期)は、前述した4つの時期に限られるものではない。例えば、変動演出パターン(変動演出の展開、変動時間など)の種類(内容)に応じて、変動演出の開始から終了までの間に表示面破損予告が出現し得るポイントとしてより多くの出現ポイントを定め、表示面破損予告の実行時期(表示面破損画像の表示時期)をより多様化してもよい。
次に、図45および図46に基づいて、画像表示装置7の表示画面7a上で表示面破損予告が行われる場合の演出表示(変動演出)の態様について説明する。尚、図45は「表示面亀裂」の表示面破損予告を示しており、図46は「表示面割れ」の表示面破損予告を示している。
まず、前述のS4506で設定した表示面破損予告の実行パターンが「表示面亀裂」で、その実行時期が「変動開始時」である場合を例示する。図45(a)は、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示(上下方向のスクロール)を開始したときの変動演出画像HEを示している。このとき、3つの演出図柄8L,8C,8Rは変動表示している。この状況で、S4506で設定した表示面破損予告の実行パターンに基づく「表示面亀裂」の実行時期が到来すると、図45(b)に示すように、第1表示面破損画像EF1が変動演出画像HEに対して重畳して表示される。このとき、3つの演出図柄8L,8C,8Rの変動表示や背景画像H等を含む変動演出画像HEは、第1表示面破損画像EF1を通じて視認可能となる。このため、遊技者にしてみれば、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始して直ぐ、変動演出画像HEの表示面(パネル)に亀裂が入り、そのまま変動演出(演出図柄8の変動表示)が続けられる感覚で、遊技を進めることとなる。そして、このような表示面の亀裂の発生により、当該変動演出でのこれからの展開に対する遊技者の期待感を高める(煽る)ことが可能となる。尚、第1表示面破損画像EF1は、表示後、所定の消去時期(例えば、第1図柄停止時、第2図柄停止時、リーチ成立時、リーチ成立後、SPリーチ発展時など)の到来または所定の表示時間の経過に基づき、表示画面7a上から消去される。この消去の後、変動演出画像HEに含まれる演出図柄8が変動表示を経て所定の停止表示態様で停止表示される。
また、前述のS4506で設定した表示面破損予告の実行パターンが「表示面亀裂」で、その実行時期が「第1図柄停止時」である場合には、図45(a)に示す状態から、図45(c)に示すように、左演出図柄8Lが停止(仮停止)したタイミングで、第1表示面破損画像EF1が変動演出画像HEに対して重畳して表示される。このとき、左演出図柄8Lの停止表示(仮停止表示)および残り2つの演出図柄8C,8Rの変動表示や背景画像H等を含む変動演出画像HEは、第1表示面破損画像EF1を通じて視認可能となる。このため、遊技者にしてみれば、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した後、左演出図柄8Lが停止(仮停止)したところで変動演出画像HEの表示面(パネル)に亀裂が入り、そのまま変動演出(残りの演出図柄8の変動表示)が続けられる感覚で、遊技を進めることとなる。このような表示面の亀裂の発生により、当該変動演出でのリーチ発生やその後の展開に対する期待感を高める(煽る)ことが可能となる。尚、第1表示面破損画像EF1は、表示後、所定の消去時期(例えば、第2図柄停止時、リーチ成立時、リーチ成立後、SPリーチ発展時など)の到来または所定の表示時間の経過に基づき、表示画面7a上から消去される。この消去の後、変動演出画像HEに含まれる演出図柄8が変動表示を経て所定の停止表示態様で停止表示される。
次に、前述のS4506で設定した表示面破損予告の実行パターンが「表示面割れ」で、その実行時期が「リーチ成立時」である場合を例示する。図46(a)は、左演出図柄8Lが停止表示(仮停止表示)し、残り2つの演出図柄8C,8Rが変動表示している変動演出画像HEを示している。この状況で、S4506で設定した表示面破損予告の実行パターンに基づく「表示面割れ」の実行時期が到来すると、図46(b)に示すように、第2表示面破損画像EF2および剣先画像EF3が変動演出画像HEに対して重畳して表示される。
ここで、剣先を模した剣先画像EF3は演出効果画像の一種であり、「表示面割れ」の表示面破損予告では、第2表示面破損画像EF2の表示当初から数秒間(本実施例では1秒)だけ表示するものとしている。前述したように、第2表示面破損画像EF2は、変動演出画像HEが表示される表示面(表示画面)を覆う無色透明のパネル(ディスプレイ)の中央(一部)が割れて無くなった様子(破壊された様子)を模した画像である。このため、パネルが割れる様子を強調して演出することで、第2表示面破損画像EF2を表示することによる演出効果をより高めることができる。そこで、本実施例では、第2表示面破損画像EF2を表示する際、表示画面の略中央に奥側(裏側)から剣が突き刺さって、変動演出画像HEの表示面を覆うパネルが割られる(破壊される)様子を、剣先画像EF3の表示によって演出するものとしている。このような変動演出画像HEの表示面(パネル)を割る演出(破壊演出)を第2表示面破損画像EF2の表示に際して行うことで、遊技者によりインパクトを与えることが可能となる。
そして、図46(b)に示すように、第2表示面破損画像EF2および剣先画像EF3を表示した後、間もなくして剣先画像EF3だけが表示画面7a上から消去されると、図46(c)に示すように、第2表示面破損画像EF2が変動演出画像HEに対して重畳表示された状態となる。このとき、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rが同じ図柄で停止表示(仮停止表示)し、残り1つの演出図柄8Cが変動表示している変動演出画像HE、つまり、リーチ成立を示す変動演出画像HEが、第2表示面破損画像EF2を通じて視認可能となる。このため、遊技者にしてみれば、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した後、第1図柄停止(左演出図柄8Lの停止)を経て第2図柄停止(右演出図柄8Rの停止)のタイミングで変動演出画像HEの表示面(パネル)が剣によって割られ(破壊され)、そのまま変動演出(演出図柄8の変動表示)が続けられる感覚で、遊技を進めることとなる。そして、このような表示面の割れの発生により、当該変動演出でのリーチ成立後の展開に対する期待感を高める(煽る)ことが可能となる。尚、第2表示面破損画像EF2は、表示後、所定の消去時期(例えば、第2図柄停止時、リーチ成立時、リーチ成立後、SPリーチ発展時など)の到来または所定の表示時間の経過に基づき、表示画面7a上から消去される。この消去の後、変動演出画像HEに含まれる演出図柄8が変動表示を経て所定の停止表示態様で停止表示される。
また、前述のS4506で設定した表示面破損予告の実行パターンが「表示面亀裂→割れ」で、先の第1表示面破損画像EF1の表示時期が「変動開始時」で、後の第2表示面破損画像EF2の表示時期が「リーチ成立時」である場合、表示画面7aでの演出表示(変動演出)の態様として「図45(b)→図45(c)→図46(b)→図46(c)」の順で変遷していく態様を例示できる。つまり、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始して直ぐに変動演出画像HEの表示面(パネル)に亀裂が入り(図45(b))、そのままの状態で左演出図柄8Lが停止(仮停止)し(図45(c))、次いで、右演出図柄8Rが停止(仮停止)するところで変動演出画像HEの表示面(パネル)が剣によって割られ(図46(b))、表示面(パネル)の中央が割れて無くなったところでリーチ成立(図46(c))となる態様を例示できる。このように、変動演出画像HEの表示面(パネル)の破損が段階的に進んでいく態様の表示面破損予告は、いわゆるステップアップ予告といえる。尚、この場合も第2表示面破損画像EF2は、表示後、所定の消去時期(例えば、第2図柄停止時、リーチ成立時、リーチ成立後、SPリーチ発展時など)の到来または所定の表示時間の経過に基づき、表示画面7a上から消去される。この消去の後、変動演出画像HEに含まれる演出図柄8が変動表示を経て所定の停止表示態様で停止表示される。
以上、表示面破損予告が行われる場合の演出表示(変動演出)の態様について代表的なものを例示したが、これ以外にも、表示面破損予告の実行パターン、実行時期および変動パターン(変動演出パターン)の組み合わせにより、種々の態様を採り得る。
[実施例1の作用効果]
以上の実施例1のパチンコ遊技機1では、変動演出画像HEの表示中(演出図柄の変動表示中)に、当該変動演出画像HEに重畳して第1表示面破損画像EF1や第2表示面破損画像EF2を表示する表示面破損予告を実行することで、変動演出(演出図柄の変動表示)が行われている状況で、当該演出画像の表示面に亀裂が入ったように見せる演出(表示面亀裂)や、表示面が割れたように見せる演出(表示面割れ)が可能となる。そして、第1表示面破損画像EF1や第2表示面破損画像EF2を表示した状態でも、これらの破損画像を通して変動演出画像HEが視認可能となるので、遊技者にしてみれば、亀裂の入った表示面越しに変動演出(演出図柄の変動表示)を視認するといった状況や、一部が割れた表示面越しに変動演出(演出図柄の変動表示)を視認するといった状況を体感することが可能となる。このような、変動演出画像HEの表示中に表示面が破損して、そのまま変動演出(演出図柄の変動表示)が続けられるといった斬新な演出(表示面破損予告)により、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、表示面破損予告の実行する場合、すなわち、表示面破損画像を表示する場合、その表示面破損予告の実行パターンや変動パターン(変動演出パターン)に応じて予め定められた複数の表示時期(変動開始時やリーチ成立時など)の中から選択される所定の表示時期の到来に基づいて、表示面破損画像を表示するので、表示面破損画像の表示時期(表示面破損予告の実行時期)にバラツキを持たせることが可能となる。このような、変動演出画像HEの表示中(変動演出の実行中)の様々なタイミングで表示面が破損して、そのまま変動演出(識別情報の変動表示)が続けられるといった斬新な演出(表示面破損予告)により、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、「表示面割れ」を含む表示面破損予告における第2表示面破損画像EF2の表示に際し、表示画面の略中央に奥側(裏側)から剣が突き刺さって、変動演出画像HEの表示面を覆うパネルの略中央が割られる(破壊される)様子を表した演出(破壊演出)を行うものとなっている。これにより、変動演出画像HEの表示面(パネル)が割れる様子をより強調して演出することが可能となり、「表示面割れ」を含む表示面破損予告を、よりインパクトのある演出とすることが可能となる。この結果、遊技者の興味を一層惹きつけることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、演出図柄8が変動表示しているとき(例えば、変動開始時)や、演出図柄8の変動表示開始後に少なくとも1つの演出図柄(例えば、左演出図柄8L)が停止表示(仮停止表示)した後(例えば、リーチ成立時、SP発展時)等、演出図柄8が変動表示を開始した後の様々なタイミングで、表示面破損予告を行うことが可能となっている。これにより、変動演出の実行中(演出図柄8の変動表示中)、表示面破損予告が出現したタイミング(表示面破損画像の表示タイミング)に応じて、当該変動演出でのその後の展開に対する遊技者の期待感を高める(煽る)ことが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、表示中の変動演出画像に係る演出図柄8の変動表示(変動演出)が第2変動演出パターン(第2変動態様)に基づくものである場合、第1変動演出パターン(第1変動態様)に基づくものである場合に比べ、表示面破損予告の実行可能性(つまり、表示面破損画像の表示可能性)が高いものとなっている。このため、表示面破損予告の実行(つまり、表示面破損画像の表示)により、当該予告を伴う変動演出が第2変動演出パターン(第2変動態様)によるものではないかといった期待感を、遊技者に抱かせることが可能となる。つまり、表示中の変動演出画像に係る演出図柄8の変動表示態様が第2変動演出パターン(第2変動態様)によるものである可能性を示唆する演出(表示面破損予告)として、表示面破損画像の表示を行うことが可能となる。これにより、表示面破損画像の表示に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2のパチンコ遊技機1は、実施例1のパチンコ遊技機1に対して、特徴的な変動演出パターン(特殊変動演出パターン)を付加したものとなっている。以下では、その特殊変動演出パターンに係る構成等について詳しく説明し、実施例1と共通する構成や作用効果等についての説明は省略する。
本実施例の特殊変動演出パターンは、高ベース状態では設定されず、低ベース状態において設定され得る変動演出パターンであって、特別図柄の変動パターンがP1〜P10の何れかの場合(図9を参照)、すなわち、変動時間が12000ms以上の変動パターンである場合に、設定(選択)され得る変動演出パターンである。
変動演出パターンの選択および設定は、前述した変動演出開始処理(S4402)のS4501で取得した変動演出決定用乱数と、S4504でセットした変動演出パターン決定テーブルとに基づいて行われる。S4504では、現在の演出モードに対応する複数の変動演出パターン決定テーブルの中から選択してセットするが、本実施例では、低確低ベース状態に対応する演出モード(AまたはB)に対応する変動演出パターン決定テーブルの一つとして特殊変動演出パターン決定テーブルを備えている。
本実施例では、S4504にてセットする変動演出パターン決定テーブルを選択する過程で、変動開始コマンドにより特定される変動パターンが、特殊変動演出パターンと、特殊変動演出パターン以外の変動演出パターン(通常変動演出パターン)と、の何れにも対応している場合、特殊変動演出を実行するか否かを、S4501で取得した変動演出決定用乱数を用いた判定(抽選)により決定する。そして、特殊変動演出を実行する旨の判定結果が得られた場合、参照する変動演出パターン決定テーブルとして特殊変動演出パターン決定テーブルを選択し、これをセットする。
尚、セットする変動演出パターン決定テーブルの選択に際し、特殊変動演出を実行する旨の結果が得られる確率(当選確率)は、変動開始コマンドにより特定される特別図柄当否判定の結果が大当りであるか否か(もしくは変動パターンが大当り変動パターンであるか否か)によって、異なるものとなっている。すなわち、本実施例では、変動演出決定用乱数の乱数範囲を「0〜99」としており、特別図柄当否判定の結果が大当りである場合、変動演出決定用乱数の値が「41〜70」であれば、特殊変動演出を実行する旨の判定結果となり(実行確率30%)、それ以外は特殊変動演出を実行しない旨の判定結果となるものとしている。一方、特別図柄当否判定の結果が外れである場合、変動演出決定用乱数の値が「16〜25」であれば、特殊変動演出を実行する旨の判定結果となり(実行確率10%)、それ以外は特殊変動演出を実行しない旨の判定結果となるものとしている。
つまり、特別図柄の変動パターンが特殊変動演出パターンにも対応している場合、当該変動が大当り変動であれば、30%の確率で特殊変動演出を実行することとなるのに対し、当該変動が外れ変動であれば、10%の確率で特殊変動演出を実行することとなる。このことから、特殊変動演出の実行可能性は、外れの場合よりも大当りの場合の方が高いものとなっている。
ここで、本実施例の特殊変動演出パターン決定テーブルおよび特殊変動演出について説明する。本実施例の特殊変動演出パターン決定テーブルは、図47(a),(b)に示すように、特別図柄の変動パターン(P1〜P10)に応じて、実行する特殊変動演出パターンを「パターンA〜I」の何れかに決定することが可能なデータ構造となっている。具体的には、特殊変動演出の実行対象となる変動パターン毎に、変動演出決定用乱数値を、特殊変動演出パターンの判定種別である「パターンA〜E」(大当り時)、「パターンF〜I」(外れ時)の夫々について割り当てたものとなっている。本実施例では、前述のように変動演出決定用乱数の乱数範囲を「0〜99」としていることから、「0〜99」の範囲内で乱数値(判定用データ)を割り当てている。尚、図47に示すテーブルの中で「−」としているのは、変動演出決定用乱数値を割り当てていないことを示しているもので、これに該当する特殊変動演出パターンは選択対象とならない(選択されない)。
本実施例の特殊変動演出は、主に、前述した実施例1で例示した変動演出画像HE、第2表示面破損画像EF2(図43(c)を参照)および剣先画像EF3(図46(b)を参照)に加え、図48(a)に示すキャラクタ演出画像CEを用いて行われる演出である。この特殊変動演出の基本的な流れを、図49に基づいて説明する。
まず、画像表示装置7(表示画面7a)に変動演出画像HEを表示中(変動演出中、すなわち、演出図柄8の変動表示中)の所定時期に、前述した実施例1の「表示面割れ」の表示面破損予告(破壊演出を含む)と同様の演出(以下、「突き刺し演出」ともいう)を行い、第2表示面破損画像EF2および剣先画像EF3を変動演出画像HEに重畳して表示した状態を所定の第1維持時間が経過するまで維持する(図49(a),(b)を参照)。その後、第1維持時間が経過したタイミングで、第2表示面破損画像EF2を表示したまま、画像表示装置7の表示画面7a上の主たる表示を変動演出画像HEからキャラクタ演出画像CEに切り換える(差し替える)演出を行い、キャラクタ演出画像CEによる演出表示が主体の状態を所定の第2維持時間が経過するまで維持する(図49(c)を参照)。そして、第2維持時間が経過したタイミングで、画像表示装置7の表示画面7a上の主たる表示をキャラクタ演出画像CEから変動演出画像HEに切り換える(差し替える)とともに、第2表示面破損画像EF2を消去する演出を行う。
尚、本実施例における変動演出画像HE(および後述の変動演出画像HEs)のことを「第1演出画像」ともいい、キャラクタ演出画像CEのことを「第2演出画像」ともいう。また、画像表示装置7(表示画面7a)に表示する主たる演出画像が変動演出画像HE(第1演出画像)とされる演出表示態様のことを「第1表示態様」ともいい、画像表示装置7(表示画面7a)に表示する主たる演出画像がキャラクタ演出画像CE(第2演出画像)とされる演出表示態様のことを「第2表示態様」ともいう。また、画像表示装置7(表示画面7a)に表示する主たる演出画像を変動演出画像HE(第1演出画像)からキャラクタ演出画像CE(第2演出画像)に切り換える演出のことを「変更演出」ともいい、画像表示装置7(表示画面7a)に表示する主たる演出画像をキャラクタ演出画像CE(第2演出画像)から変動演出画像HE(第1演出画像)に切り換えるとともに第2表示面破損画像EF2を消去する演出のことを「復帰演出」ともいう。
ここで、「変更演出」、「キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示(第2表示態様による演出表示)」、「復帰演出」について説明する。まず、「変更演出」は次のような演出である。すなわち、変更演出の前に行われる突き刺し演出では、変動演出画像HEの表示面の略中央に剣が突き刺さる演出(第2表示面破損画像EF2および剣先画像EF3の表示)が行われるが、この突き刺さった剣を、その時点では非表示とされる所定のキャラクタが持っており、その剣を持っている手(腕)をキャラクタが表示面奥側(Z方向)に動かして、変動演出画像HE(第1演出画像)を表示する画面(表示装置)を引き剥がす(斜め後方に移動させる)ことによってキャラクタが露出する演出を、変更演出としている(図49(b)〜(c)を参照)。このような本実施例の変動演出のことを「引き剥がし演出」ともいう。
そして、引き剥がし演出(変更演出)の後、復帰演出が行われるまでは、画像表示装置7の表示画面7a上における演出表示は、図49(c)に示すように、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示(第2表示態様による演出表示)となる。この演出表示は、図48(a)に示すキャラクタ演出画像CE(後述の変動演出画像HEsを含む)に、図43(c)に示した第2表示面破損画EF2を重畳して表示したものである。
ここで、本実施例のキャラクタ演出画像CEは、図48(a)に示すように、主として、所定のキャラクタを模したキャラクタ画像CGと、キャラクタ(キャラクタ画像CG)の周りを彩る背景画像CHとからなり、このキャラクタ演出画像CEに変動演出画像HEsを付加した(含めた)ものを、変更演出の後、復帰演出が行われるまでの間、画像表示装置7(表示画面7a)に表示する。変動演出画像HEsは、キャラクタ(キャラクタ画像CG)により引き剥がされた「変動演出画像HEを表示中(変動演出進行中)の表示画面(表示装置)」を模したもので、キャラクタ演出画像CE(キャラクタ画像CG)よりも小さく表示される。
すなわち、変動演出画像HEsは、変更演出前に剣が突き刺さった状態で演出図柄8の変動表示(変動演出)を進行していた変動演出画像HE(図49(b)を参照)を、図48(b)に示すように、反転(表裏反対)かつ傾斜させたものである。この変動演出画像HEsを、図48(a)に示すように、背景画像CHの左上の部位(キャラクタ画像CGが右手に持つ剣の先)に、元の変動演出画像HEよりも(変更演出前よりも)小さく表示することで、引き剥がし演出(変更演出)の後の演出表示を具現化している。
変動演出画像HEsでは、引き剥がし演出前(変更演出前)の変動演出画像HEに含まれる演出図柄8の変動表示(変動演出)を継続して行っており、変更演出前に表示されていた背景画像や演出保留なども反転させて縮小表示している。また、本実施例では、変動演出画像HEsを表示している状態で当該変動演出画像HEsに含まれる背景画像の変化(背景変化)を行うことも可能となっている。つまり、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示中に、変動演出画像HEsに含まれる背景画像を変化させる背景変化条件が成立した場合、すなわち、変更演出前から変動演出画像HEで表示していた背景画像の変化条件が成立した場合、その背景画像の変化を変動演出画像HEsにて行うことが可能となっている。このような、引き剥がし演出前(変更演出前)から継続している演出図柄8の変動表示や背景表示を含む変動演出画像HEsを、キャラクタ演出画像CEに付加して(含めて)表示する演出(図48(a)を参照)は、いわゆるオフスクリーンレンダリングを用いることで実現可能である。
このように、変動演出を経てキャラクタ演出画像CEが主体の演出表示が画像表示装置7の表示画面7a上で行われるなか、変更演出前の変動演出画像HEにより行っていた演出図柄8の変動表示(変動演出)を、キャラクタ演出画像CE(キャラクタ画像CG)よりも小さく表示される変動演出画像HEsでも続けて行うことで、変更演出前(引き剥がし前)の変動演出画像HEがそのまま(演出図柄8の変動表示を続けたまま)引き剥がされて奥側(Z方向)に移動した様子を、忠実に表現したものとなっている。このため、遊技者は、図49(c)に示すキャラクタ演出画像CEが主体の演出表示中に、第2表示面破損画像EF2を通して変動演出画像HEsを注視することで、演出図柄8が変動表示していることを把握することが可能である。
尚、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示にて登場するキャラクタ(キャラクタ画像CG)や背景画像CHを、大当り信頼度(期待度)と対応付けて複数用意しておき、引き剥がし演出(変更演出)で使用する(表示する)キャラクタ画像CGや背景画像CHを、特殊変動演出パターン設定(S4504,S4505)の際に併せて選択して設定するようにしてもよい。こうすることで、引き剥がし演出(変更演出)によってキャラクタ演出画像CEが主体の演出表示となった際のキャラクタや背景にも、遊技者を注目させることが可能となる。
このようなキャラクタ演出画像CEが主体の演出表示を行った後(第2維持時間の経過後)、画像表示装置7の表示画面7a上では復帰演出が行われる。この復帰演出は、キャラクタ(キャラクタ演出画像CE)が、剣に突き刺さっている変動演出画像HEsを、先の突き刺し演出によって中央が割れたパネル(第2表示面破損画像EF2)に叩き付けて当該パネルを完全に破壊することで、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される主たる演出画像を、変更演出前と同様、変動演出画像HEに戻す演出である。このような本実施例の復帰演出のことを「叩き付け演出」ともいう。
尚、図示はしていないが、叩き付け演出(復帰演出)において、変動演出画像HEsをパネルに叩き付けて当該パネルを完全に破壊する様子は、第2表示面破損画像EF2によって表示しているパネルが粉々に割れて無くなるシーンを表示する。これにより、第2表示面破損画像EF2は画像表示装置7の表示画面7a上から消去される。
以上のような「変動演出画像HEが主体の演出表示→突き刺し演出→引き剥がし演出(変更演出)→キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示→叩き付け演出(復帰演出)」の順で変遷していく特殊変動演出の基本的な流れは、特殊変動演出パターンA〜Iの全てにおいて共通している。一方、突き刺し演出の実行タイミングや、引き剥がし演出の実行タイミング(第1維持時間の長さ)、叩き付け演出の実行タイミング(第2維持時間の長さ)、叩き付け演出後の変動演出態様等は、特殊変動演出パターン(特別図柄の変動パターン)によって異なるものとなっている。特に、叩き付け演出(復帰演出)の後は、通常の変動演出と同様、画像表示装置7の表示画面7a上では、変動演出画像HEが主体の演出表示(第1表示態様による演出表示)が展開されるが、このとき、演出図柄8の変動表示が続くこともあれば、叩き付け演出(復帰演出)の実行を契機として、演出図柄8が所定の停止表示態様で停止表示(仮停止表示または確定停止表示)することもある。
次に、本実施例の特殊変動演出パターンA〜Iについて説明する。大当り用の特殊変動演出パターンA〜Eのうち、パターンAについては変動パターンP2(変動時間45000ms)に対応するものと変動パターンP3(変動時間30000ms)に対応するものとがあり、パターンBについては変動パターンP1(変動時間75000ms)に対応するものと変動パターンP2に対応するものとがあり、パターンEについては変動パターンP1〜P3の各々に対応するものがある。また、パターンCは変動パターンP1に対応するものだけで、パターンDは変動パターンP3に対応するものだけである。
一方、外れ用の特殊変動演出パターンF〜Iのうち、パターンFについては変動パターンP5,P9(変動時間45000ms)に対応するものと変動パターンP6,P10(変動時間30000ms)に対応するものとがあり、パターンGについては変動パターンP4,P8(変動時間75000ms)に対応するものと変動パターンP5,P9に対応するものとがある。また、パターンHは変動パターンP4,P8に対応するものだけで、パターンIは変動パターンP7(変動時間12000ms)に対応するものだけである。
これらの特殊変動演出パターンによる演出内容(演出態様)は次の通りである。まず、特殊変動演出パターンA〜Iのうち、パターンA(大当り)およびパターンF(外れ)は、それぞれ演出図柄8の変動表示開始時(変動開始時)に突き刺し演出を行い(図49(a),(b))、その後、5秒(第1維持時間)が経過したタイミングで引き剥がし演出を行う(図49(c))。そして、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示(図49(c))を5秒間(第2維持時間)行った後、叩き付け演出を行い、演出表示の主体が変動演出画像HEによる演出表示に戻ったタイミングで、中演出図柄8Cを変動表示したまま左演出図柄8Lと右演出図柄8Rを同じ図柄で停止表示(仮停止)してリーチを成立させる(図50(a))。この後、残りの変動時間のなかで、特別図柄の変動パターン(P2,P3,P5,P9,P6,P10の何れか)に即したリーチ演出(ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出等)を行い、変動時間の経過に合わせて演出図柄8を大当り態様(特定態様)または外れ態様(非特定態様)で停止表示(確定停止)する。このように、パターンA(大当り)およびパターンF(外れ)は、叩き付け演出(復帰演出)の実行を契機としてリーチ演出に発展する態様である。
また、パターンB(大当り)およびパターンG(外れ)は、それぞれ演出図柄8の変動表示開始時(変動開始時)に突き刺し演出を行い(図49(a),(b))、その後、5秒(第1維持時間)が経過したタイミングで引き剥がし演出を行う(図49(c))。ここまではパターンA,Fと同様である。そして、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示(図49(c))を5秒間(第2維持時間)行った後、叩き付け演出を行い、演出表示の主体が変動演出画像HEによる演出表示に戻ったタイミングで、左演出図柄8Lと右演出図柄8Cを異なる図柄で停止表示(仮停止)するとともに、中演出図柄8CをSP図柄(特殊図柄)で停止表示(仮停止)する(図50(b))。ここで、SP図柄(特殊図柄)は、SPリーチ演出への発展を示す図柄であり、このSP図柄が停止表示(仮停止)されると(SP表示態様、特殊表示態様)、SPリーチ演出の実行が確定する。よって、SP図柄の停止表示(仮停止)後は、残りの変動時間のなかで、特別図柄の変動パターン(P1,P2,P4,P8,P5,P9の何れか)に即したSPリーチ演出を行い、変動時間の経過に合わせて演出図柄8を大当り態様(特定態様)または外れ態様(非特定態様)で停止表示(確定停止)する。このように、パターンB(大当り)およびパターンG(外れ)は、叩き付け演出(復帰演出)の実行を契機としてSP図柄が停止してSPリーチ演出に発展する態様であり、前述のパターンA,Fに比べ、大当りへの期待感が高まる演出内容(演出態様)となっている。
また、パターンC(大当り)およびパターンH(外れ)は、それぞれ演出図柄8の変動表示開始後(図49(a))、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rが同じ図柄で停止表示(仮停止)してリーチ成立となったタイミング(リーチ成立時)で突き刺し演出を行い(リーチ状態で図49(b))、その後、5秒(第1維持時間)が経過したタイミングで引き剥がし演出を行う(図49(c))。そして、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示(図49(c))を5秒間(第2維持時間)行った後、叩き付け演出を行い、演出表示の主体が変動演出画像HEによる演出表示に戻ったタイミングで、左演出図柄8Lと右演出図柄8Cを異なる図柄で停止表示(仮停止)するとともに、中演出図柄8Cを左演出図柄8Lと同じ図柄で停止表示(仮停止)する(図50(c))。本実施例では、図50(c)に示すような、左演出図柄8Lおよび中演出図柄8Cが同じ図柄で停止(仮停止)して右演出図柄8Cが他の図柄で停止(仮停止)する表示態様(出目)を、再度、演出図柄8の変動表示を開始して変動演出が初めから行われるように見せる所謂「疑似連演出」(「再変動演出」ともいう)への発展を示すチャンス表示態様(特別表示態様)としている。このようなチャンス表示態様で演出図柄8が停止表示(仮停止)されると、疑似連演出の実行が確定する。よって、チャンス表示態様の表示後は、残りの変動時間のなかで、特別図柄の変動パターン(P1,P4,P8の何れか)に即した1回または複数回の疑似連演出、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出等を行い、変動時間の経過に合わせて演出図柄8を大当り態様(特定態様)または外れ態様(非特定態様)で停止表示(確定停止)する。このように、パターンC(大当り)およびパターンH(外れ)は、叩き付け演出(復帰演出)の実行を契機として演出図柄8がチャンス表示態様で停止して疑似連演出に発展する態様であり、前述のパターンA,FやパターンB,Gに比べ、大当りへの期待感が高まる演出内容(演出態様)となっている。
また、パターンD(大当り)は、演出図柄8の変動表示開始後(図49(a))、何れの演出図柄も停止することなく5秒が経過したタイミングで突き刺し演出を行い(図49(b))、その後、5秒(第1維持時間)が経過したタイミングで引き剥がし演出を行う(図49(c))。そして、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示(図49(c))を10秒間(第2維持時間)行った後、叩き付け演出を行い、演出表示の主体が変動演出画像HEによる演出表示に戻ったタイミングで、演出図柄8を大当り態様(特定態様)で停止表示(仮停止→確定停止)する。このパターンD(大当り)は、叩き付け演出(復帰演出)の実行を契機として演出図柄8がいきなり大当り態様(特定態様)で停止する(図43(a))、所謂「直当り」の態様である。
また、パターンE(大当り)は、演出図柄8の変動表示開始後(図49(a))、所定のリーチ演出を経て演出図柄8が外れ態様(バラケ目)で停止表示(仮停止)したタイミングで突き刺し演出を行い(リーチ外れ停止の状態で図49(b))、その後すぐ、引き剥がし演出を行う(図49(c))。すなわち、パターンEでは、突き刺し演出から引き剥がし演出にかけて一連で進むものとなっている(つまり、第1維持時間がゼロ)。そして、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示(図49(c))を1秒間(第2維持時間)行った後、叩き付け演出を行う。パターンEでは、キャラクタ演出画像CEが主体となってから叩き付け演出までの時間(間隔)を、他のパターンに比べ短くしており、この結果、突き刺し演出から引き剥がし演出を経て叩き付け演出が行われるまでの時間は、他のパターンに比べ短くなっている。このように短期間のうちに発生した叩き付け演出を経て、演出表示の主体が変動演出画像HEによる演出表示に戻ったタイミングで、演出図柄8を大当り態様(特定態様)で停止表示(仮停止→確定停止)する。このパターンE(大当り)は、リーチ演出を経て外れと見せかけた後、叩き付け演出(復帰演出)の実行を契機として演出図柄8が大当り態様(特定態様)で停止する(図43(a))、所謂「逆転大当り」の態様である。
最後にパターンI(外れ)は、演出図柄8の変動表示開始時(変動開始時)に突き刺し演出を行い(図49(a),(b))、その後、5秒(第1維持時間)が経過したタイミングで引き剥がし演出を行う(図49(c))。ここまではパターンA,F等と同様である。そして、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示(図49(c))を5秒間(第2維持時間)行った後、叩き付け演出を行い、演出表示の主体が変動演出画像HEによる演出表示に戻ったタイミングで、演出図柄8を外れ態様(非特定態様)で停止表示(仮停止→確定停止)する。このパターンI(外れ)は、突き刺し演出や引き剥がし演出、叩き付け演出が行われたものの、リーチ演出に発展することなく、そのまま外れで変動演出を終える、単なる外れの態様(ガセ演出)である。
特殊変動演出パターン決定テーブルによる特殊変動演出パターン決定態様は次のようになる。まず、図47(a)に示すように、特別図柄当否判定の結果が大当りであって、変動パターンがP1である場合、取得した変動演出決定用乱数の値が「0〜39」であると、特殊変動演出パターンは「パターンB」に決定され(選択確率:40%)、同じく「40〜94」であると「パターンC」に決定され(選択確率:55%)、同じく「95〜99」であると「パターンE」に決定される(選択確率:5%)。つまり、大当り変動パターンP1の場合、パターンCの選択可能性が最も高く、以下、パターンB、パターンEの順で選択可能性が低くなる。但し、パターンEの選択確率はパターンC,Bに比べ格段に低くなっているので、多くの場合はパターンCまたはパターンBが選択され、パターンEが選択されるのは稀である。尚、パターンA,Dは選択されない。
また、変動パターンがP2である場合、取得した変動演出決定用乱数の値が「0〜39」であると、特殊変動演出パターンは「パターンA」に決定され(選択確率:40%)、同じく「40〜94」であると「パターンB」に決定され(選択確率:55%)、同じく「95〜99」であると「パターンE」に決定される(選択確率:5%)。つまり、大当り変動パターンP2の場合、パターンBの選択可能性が最も高く、以下、パターンA、パターンEの順で選択可能性が低くなる。但し、パターンEの選択確率はパターンB,Aに比べ格段に低くなっているので、多くの場合はパターンBまたはパターンAが選択され、パターンEが選択されるのは稀である。尚、パターンC,Dは選択されない。
また、変動パターンがP3である場合、取得した変動演出決定用乱数の値が「0〜89」であると、特殊変動演出パターンは「パターンA」に決定され(選択確率:90%)、同じく「90〜94」であると「パターンD」に決定され(選択確率:5%)、同じく「95〜99」であると「パターンE」に決定される(選択確率:5%)。つまり、大当り変動パターンP3の場合、パターンAの選択可能性が最も高く、以下、パターンD、パターンEの順で選択可能性が低くなる。但し、パターンD,Eの選択確率はパターンAに比べ格段に低くなっているので、多くの場合はパターンAが選択され、パターンD,Eが選択されるのは稀である。尚、パターンB,Cは選択されない。
一方、図47(b)に示すように、特別図柄当否判定の結果が外れであって、変動パターンが「P4,P8」である場合、取得した変動演出決定用乱数の値が「0〜59」であると、特殊変動演出パターンは「パターンG」に決定され(選択確率:60%)、同じく「60〜99」であると「パターンH」に決定される(選択確率:40%)。つまり、外れ変動パターンP4,P8の場合、パターンGの方がパターンHよりも選択されやすい。尚、パターンF,Iは選択されない。
また、変動パターンが「P5,P9」である場合、取得した変動演出決定用乱数の値が「0〜59」であると、特殊変動演出パターンは「パターンF」に決定され(選択確率:60%)、同じく「60〜99」であると「パターンG」に決定される(選択確率:40%)。つまり、外れ変動パターンP5,P9の場合、パターンFの方がパターンGよりも選択されやすい。尚、パターンH,Iは選択されない。
また、変動パターンが「P6,P10」である場合、特殊変動演出パターンは必ず「パターンF」に決定され(選択確率:100%)、変動パターンがP7である場合、特殊変動演出パターンは必ず「パターンI」に決定される(選択確率:100%)。
このような決定条件(特殊変動演出パターン決定テーブル)に基づく特殊変動演出パターンの選択・設定が、特殊変動演出の実行にあたりS4505で行われる。そして、前述のように、特殊変動演出の実行可能性は、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合の方が、外れの場合に比べ高くなっている。また、外れの場合の変動時間30000ms以上の変動パターン(P4〜P6,P8〜P10)は、大当りの場合の変動時間30000ms以上の変動パターン(P1〜P3)に比べ選択可能性が低くなっている(図9の出現率を参照)。さらに、特殊変動演出パターンは、パターンIを除き、リーチ演出への発展(パターンA,F)や、SPリーチ演出への発展(パターンB,G)、疑似連演出への発展(パターンC,H)、直当り(パターンD)、逆転大当り(パターンE)といったような、大当りへの期待感の高まる演出態様となっており、大当り場合は、外れの場合に比べ、より期待感の高まる演出態様が選択されやすいものとなっている。このことから、特殊変動演出は、遊技者の大当りに対する期待感を高める演出(煽り演出)といえる。特に、特殊変動演出を構成する突き刺し演出(実施例1の「表示面割れの表示面破損予告(破壊演出)」と同様)や引き剥がし演出(変更演出)は、その後の演出展開の示唆に繋がる叩き付け演出(復帰演出)の実行を前提として行われることから、煽り演出としての効果をより発揮する演出といえる。
また、本実施例では、突き刺し演出の実行から引き剥がし演出(変更演出)の実行に至るまでの時間、すなわち、変動演出画像HEが主体の演出表示を表示面の略中央に剣が突き刺さった状態(図49(b))で維持する時間(第1維持時間)や、引き剥がし演出(変更演出)の実行から叩き付け演出(復帰演出)の実行に至るまでの時間、すなわち、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示((図49(c))を維持する時間(第2維持時間)が、特殊変動演出パターンによって異なる場合がある。このため、特殊変動演出では、突き刺し演出の実行後、第1維持時間や第2維持時間の長短によって、その後の演出展開に係る期待度を示唆することも可能となっている。この点からも、本実施例の特殊変動演出は、効果的な煽り演出といえる。尚、引き剥がし演出(変更演出)の実行タイミングを定めることとなる第1維持時間や、叩き付け演出(復帰演出)の実行タイミングを定めることとなる第2維持時間は、本実施例で例示した時間に限定されるものではなく、演出内容や演出時間等の演出パターンに基づいて、適宜定めることが可能であり、その種類も本実施例で例示した時間種(0秒、1秒、5秒、10秒など)より多くしたり、あるいは少なくしたりすることが可能である。
以上、特殊変動演出パターンに基づく変動演出(特殊変動演出)の例を示したが、特殊変動演出の態様は、本実施例に限定されるものではない。特に、特殊変動演出を構成する演出のうち、画像表示装置7(表示画面7a)に表示する主たる演出画像を第1演出画像(変動演出画像HE)から第2演出画像(キャラクタ演出画像CE)に切り換えたり、その逆の第2演出画像(キャラクタ演出画像CE)から第1演出画像(変動演出画像HE)に切り換えたりする演出(変更演出、復帰演出)については、演出表示の主体となる演出画像の変化を遊技者に認識(把握)させることが可能であれば、その態様は特に問わない。例えば、第1演出画像や第2演出画像の縮小・拡大、色や透明度の変化(視認性の変化)、表示画面上の表示位置などにより、第1演出画像と第2演出画像の何れが演出表示の主体であるのかを認識(把握)させるようにすればよい。
[実施例2の作用効果]
以上の実施例2のパチンコ遊技機1では、変動演出画像HEが主体の演出表示中に引き剥がし演出(変更演出)が行われると、画像表示装置7(表示画面7a)における演出表示の態様が、変動演出画像HEが主体の演出表示(第1表示態様による演出表示)からキャラクタ演出画像CEが主体の演出表示(第2表示態様による演出表示)に変更される(図49(a)〜(c)を参照)。つまり、画像表示装置7(表示画面7a)に表示する主たる演出画像が変動演出画像HEからキャラクタ演出画像CEに変更される。そして、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示では、引き剥がし演出前(変更演出前)に主たる演出画像として表示していた変動演出画像HEが、キャラクタ演出画像CE(キャラクタ画像CG)よりも小さい変動演出画像HEsとして表示されるとともに、変動演出画像HEに含まれる演出図柄8(識別情報)の変動表示が変動演出画像HEsでも継続して行われる(図48を参照)。
このような斬新な演出、すなわち、引き剥がし演出(変更演出)を契機に演出表示の主体を変動演出画像HEからキャラクタ演出画像CEに変更し、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示では、引き剥がし演出前(変更演出前)の演出図柄8の変動表示を、縮小表示した変動演出画像HEsにて継続して行うといった演出により、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機1では、引き剥がし演出後(変更演出後)のキャラクタ演出画像CEが主体の演出表示中に叩き付け演出(復帰演出)が行われると、画像表示装置7(表示画面7a)における演出表示の態様が、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示(第2表示態様による演出表示)から変動演出画像HEが主体の演出表示(第1表示態様による演出表示)に変更される。つまり、先の引き剥がし演出(変更演出)によって画像表示装置7(表示画面7a)に表示されるようになった主たる演出画像(キャラクタ演出画像CE)が、叩き付け演出(復帰演出)によって変動演出画像HEに戻される。
そして、叩き付け演出(復帰演出)が行われると、これを契機に、叩き付け演出後の変動演出画像HEに含まれる演出図柄8をSP表示態様(SP)図柄やチャンス表示態様、外れ態様等で停止表示する停止演出が行われたり、演出図柄8のリーチ成立を経てリーチ演出が行われたりする場合がある。これにより、叩き付け演出(復帰演出)の前提となる引き剥がし演出(変更演出)や、引き剥がし演出後の叩き付け演出、更には叩き付け演出の実行を契機とする停止演出やリーチ演出に、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機1では、叩き付け演出の実行を契機とする停止演出において、演出図柄8が大当り態様で停止表示する場合もある。これにより、叩き付け演出(復帰演出)が行われる際の楽しみや期待感を遊技者に与えることが可能となり、遊技者の興味を一層惹きつけることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機1では、演出図柄8の変動表示を含む変動演出画像HEに背景画像H(背景表示)も含まれている。このため、引き剥がし演出後(変更演出後)、キャラクタ演出画像CEが主体となる演出表示でキャラクタ演出画像CE(キャラクタ画像CG)よりも小さく表示される変動演出画像HEsには、引き剥がし演出前の演出図柄8の変動表示とともに背景画像Hも表示されることとなる。これにより、引き剥がし演出前(変更演出前)の演出表示で主として表示していた変動演出画像HEが、引き剥がし演出後(変更演出後)、背景画像Hも含めて変動演出画像HEsとしてキャラクタ演出画像CE(キャラクタ画像CG)よりも小さく表示されるといった演出、つまり、引き剥がし演出前(変更演出前)の変動演出画像HEがそのまま縮小表示されるといった斬新な演出を実現することが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機1では変動演出画像HEが主体の演出表示中(引き剥がし演出前、叩き付け演出後)と、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示中(引き剥がし演出後、叩き付け演出前)との何れにおいても、変動演出画像(HE,HEs)に含まれる背景画像Hの変化(背景変化演出)が実行可能となっている。これにより、特に、引き剥がし演出後(叩き付け演出前)のキャラクタ演出画像CEが主体の演出表示中においては、キャラクタ演出画像CE(キャラクタ画像CG)よりも小さく表示される変動演出画像HEsが、引き剥がし演出前の変動演出画像HEを背景も含めてそのまま縮小表示したものであることを遊技者により強く印象付け、遊技者の興味を一層惹きつけることが可能となる。
以上、本発明の実施形態として実施例1,2を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述の実施例1では、表示面破損予告を当該変動予告として行う構成としていたが、事前判定結果に基づく保留先読み予告として、表示面破損予告を行うようにしてもよい。この場合、連続する複数の保留消化に基づく複数回の変動演出の各々で表示面破損予告を行ってもよい。つまり、表示面破損予告を所謂「連続予告」として行ってもよい。このように、表示面破損予告を保留先読み予告として行うことで、表示面破損予告が行われたときに記憶されている保留の消化に基づく変動演出に対する期待感を高め、複数変動に跨って遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、前述の実施例2では、変動演出パターン(演出図柄8の変動表示パターン)として特殊変動演出パターンを設け、当該演出パターンに基づく一回の特殊変動演出(一回の識別情報の変動表示)で、突き刺し演出や引き剥がし演出(変更演出)、叩き付け演出(復帰演出)を行う構成としていたが、これらの演出を、事前判定結果に基づく保留先読み演出として行うようにしてもよい。例えば、記憶されている特図保留の数が「4」で、保留数4に対応する特図保留が「大当り保留(特定保留の一種)」であるとした場合、最初に消化される保留数1に対応する保留消化に基づく変動演出で「突き刺し演出」を行い、続く保留数2に対応する保留消化に基づく変動演出で「引き剥がし演出(変更演出)」を行う。そして、続く保留数3に対応する保留消化に基づく変動演出を「キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示」として行い、最後の保留数4(特定保留)に対応する保留消化に基づく変動演出で「叩き付け演出(復帰演出)」を行う。このように、連続する複数回の変動演出(複数の保留)を利用して、特殊変動演出を構成する各演出を保留先読み演出として行うことで、複数変動に跨って遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
尚、ここでの特定保留は「大当り保留」でなくてもよく、例えば、高信頼度の変動演出が行われることとなる外れ保留であってもよい。また、特殊変動演出を構成する各演出を「一保留につき一演出」という形態で行う必要はなく、例えば、「突き刺し演出」と「引き剥がし演出(変更演出)」を一の保留消化に基づく変動演出で行ったり、「キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示」と「叩き付け演出(復帰演出)」を一の保留消化に基づく変動演出で行ったりするなど、様々な形態で行うことが可能である。
また、前述の実施例では、表示面破損予告(実施例1)や特殊変動演出(実施例2)を、高ベース状態では実行せず、低ベース状態(低確低ベース状態)で実行するものとしていたが、低ベース状態では実行せず、高ベース状態(低確高ベース状態および/または高確高ベース状態)で実行するとしてよい。あるいは、遊技状態を問わず、低ベース状態および高ベース状態の何れにおいても実行可能としてもよい。また、例えば、表示面破損予告を低ベース状態専用とし、特殊変動演出を高ベース状態専用とするなど、遊技状態専用の演出としてもよい。
また、前述の実施例では、変動演出画像HEに第2表示面破損画像EF2を重畳して表示する際に剣先画像EF3も併せて表示することで「破壊演出」(実施例1)や「突き刺し演出」(実施例2)を行うものとしていたが、表示面を破壊する演出はこれに限定されるものではない。例えば、表示面に向けて銃を撃ったり矢を放ったり、鈍器で叩いたりするなど、他の演出態様とすることも可能である。
また、前述の実施例では、変動演出画像HEが表示される表示面の破損を模した表示面破損画像として、表示面(表示画面)を覆う無色透明のパネル(ディスプレイ)に亀裂(ひび)が入った様子を模した第1表示面破損画像EF1と、パネルの中央(一部)が割れて無くなった様子(破壊された様子)を模した第2表示面破損画像EF2とを設けていたが、この他にも、亀裂(ひび)の入り方や割れ方等の破損の態様が異なる表示面破損画像を設けることも可能である。この場合、当否判定の結果や事前判定結果、乱数抽選の結果等に基づいて、複数の表示面破損画像の中うちの何れかを表示するようにればよい。
また、前述の実施例2では、引き剥がし演出後のキャラクタ演出画像CEが主体の演出表示中に、引き剥がし演出前の変動演出画像HEを反転させて(裏返して)縮小したものを変動演出画像HEsとして表示していたが、縮小表示の際に反転させる必要はなく、例えば、引き剥がし演出前の変動演出画像HEを反転させずに縮小して、該縮小した変動演出画像HEsを表示画面7aの隅に表示してもよい。あるいは、演出表示用の画像表示手段として、主として用いる画像表示装置7(主画像表示手段)とは別に、これよりもサイズの小さい副画像表示手段を設け、変動演出画像HEが主体の演出表示(第1表示態様による演出表示)を行う場合には、該変動演出画像HEを主画像表示手段に表示し、キャラクタ演出画像CEが主体の演出表示(第2表示態様による演出表示)を行う場合には、該キャラクタ演出画像CEを主画像表示手段に表示するとともに、変動演出画像HEを縮小した変動演出画像HEsを副画像表示手段に表示するようにしてもよい。
また、前述の実施例では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先消化の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留と第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とを並行して実行可能な制御処理としてもよい。
また、前述の実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口内に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
[その他]
本明細書に開示した実施形態(実施例)に基づいて導き出すことが可能な発明を、以下に開示しておく。
(1)所定条件の成立に基づいて行われる判定の結果が特定結果になることに基づいて、遊技者に所定の利益を付与し得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
所定の演出画像を表示可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を用いた演出表示を実行可能な演出実行手段と、
を備え、
前記演出画像として、少なくとも、前記判定の結果を示す識別情報の変動表示を含む変動演出画像と、所定の演出効果画像と、を有し、
前記演出実行手段は、前記変動演出画像の表示中に、前記演出効果画像として、前記変動演出画像を表示している表示面の破損を模した表示面破損画像を、前記変動演出画像に重畳して表示可能であり、
前記表示面破損画像の表示中は、該表示面破損画像を通して前記変動演出画像が視認可能となる
ことを特徴とする遊技機。
上記(1)の遊技機では、識別情報の変動表示を含む変動演出画像の表示中に、当該変動演出画像に重畳して表示面破損画像を表示することで、変動演出(識別情報の変動表示)が行われている状況で当該演出画像の表示面が破損したように見せるといった演出が可能となる。しかも、本遊技機では、表示面破損画像を表示した状態で当該破損画像を通して変動演出画像が視認可能となるので、遊技者にしてみれば、破損した表示面越しに変動演出(識別情報の変動表示)を視認するといった状況を演出によって体感することが可能となる。このような、変動演出画像の表示中(変動演出の実行中)に表示面が破損して、そのまま変動演出(識別情報の変動表示)が続けられるといった斬新な演出により、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
(2)所定条件の成立に基づいて行われる判定の結果が特定結果になることに基づいて、遊技者に所定の利益を付与し得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
所定の演出画像を表示可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を用いた演出表示を実行可能な演出実行手段と、
を備え、
前記演出画像として、少なくとも、前記判定の結果を示す識別表情の変動表示を含む変動演出画像と、前記変動演出画像を表示する表示面の破損を模した表示面破損画像と、を有し、
前記演出実行手段は、
前記変動演出画像の表示中であって前記識別情報の変動表示中に前記表示面破損画像を表示する場合、予め定められた複数の表示時期の中から選択される所定の表示時期の到来に基づいて、前記表示面破損画像を前記変動演出画像に重畳して表示する
ことを特徴とする遊技機。
上記(2)の遊技機では、変動演出画像の表示中であって該変動演出画像に含まれる識別情報の変動表示中に、表示面破損画像を当該変動演出画像に重畳して表示することで、変動演出(識別情報の変動表示)が行われている状況で当該演出画像の表示面が破損したように見せるといった演出が可能となる。しかも、本遊技機では、表示面破損画像を表示する場合、予め定められた複数の表示時期の中から選択される所定の表示時期の到来に基づいて表示するので、表示面破損画像の表示時期にバラツキを持たせることが可能となる。このような、変動演出画像の表示中(変動演出の実行中)の様々なタイミングで表示面が破損して、そのまま変動演出(識別情報の変動表示)が続けられるといった斬新な演出により、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
(3)所定条件の成立に基づいて行われる判定の結果が特定結果になることに基づいて、遊技者に所定の利益を付与し得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
所定の演出画像を表示可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を用いた演出表示を実行可能な演出実行手段と、
を備え、
前記演出画像として、少なくとも、前記判定の結果を示す識別情報の変動表示を含む変動演出画像と、前記変動演出画像を表示する表示面の破損を模した表示面破損画像と、を有し、
前記演出実行手段は、前記変動演出画像を表示中の所定時期に、前記表示面破損画像を前記変動演出画像に重畳して表示可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記(3)の遊技機では、識別情報の変動表示を含む変動演出画像の表示中に、当該変動演出画像に重畳して表示面破損画像を表示することで、変動演出(識別情報の変動表示)が行われている状況で当該演出画像の表示面が破損したように見せるといった演出が可能となり、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
(4)上記(2)または(3)の遊技機において、
前記表示面破損画像の表示中は、該表示面破損画像を通して前記変動演出画像が視認可能となる
ことを特徴とする遊技機。
上記(4)の遊技機では、表示面破損画像を変動演出画像に重畳して表示しているときは、表示面破損画像を通して変動演出画像が視認可能となる。これにより、遊技者にしてみれば、破損した表示面越しに変動演出(識別情報の変動表示)を視認するといった状況を演出によって体感することが可能となる。
(5)上記(1)ないし(4)の何れか一つの遊技機において、
前記表示面破損画像として、前記表示面の破損の態様が異なる複数の表示面破損画像を有し、
前記演出実行手段は、前記複数の表示面破損画像のうちの何れかを前記変動演出画像に重畳して表示可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記(5)の遊技機では、表示面破損画像の表示に際し、破損の態様が異なる複数の表示面破損画像のうちの何れかが変動演出画像に重畳して表示されることとなるので、表示面破損画像の表示に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
(6)上記(1)ないし(4)の何れか一つの遊技機において、
前記表示面破損画像は、前記表示面の一部が破壊された態様で表示される
ことを特徴とする遊技機。
上記(6)の遊技機では、変動演出画像の表示面の一部につき破損の程度の重い様子(壊れ方の程度が重い状況、酷い壊れ方)を模した表示面破損画像が、変動演出画像に重畳して表示されることとなる。このような表示面の一部が破壊された態様の表示面破損画像を変動演出画像に重畳して表示することで、遊技者にしてみれば、一部破壊された表示面越しに変動演出(識別情報の変動表示)を視認するといった状況を演出によって体感することが可能となる。このような、変動演出画像の表示面が一部破壊されたまま変動演出(識別情報の変動表示)が続けられるといった斬新な演出により、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
(7)上記(1)ないし(6)の何れか一つの遊技機において、
前記演出実行手段は、前記表示面破損画像の表示に際し、前記表示面の一部が破壊される演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(7)の遊技機では、表示面破損画像の表示に際して、変動演出(識別情報の変動表示)が行われている状況で当該演出画像の表示面の一部が破壊されるといったインパクトのある演出が行われる。これにより、遊技者の興味を一層惹きつけることが可能となる。
(8)上記(1)ないし(7)の何れか一つの遊技機において、
前記識別情報として複数の図柄が設けられ、
前記変動演出画像として、少なくとも、前記複数の図柄の全てが変動表示する第1変動演出画像と、前記複数の図柄のうち少なくとも1つを除く他の図柄が変動表示する第2変動演出画像と、を有し、
前記演出実行手段は、前記第1変動演出画像の表示中および前記第2変動演出画像の表示中の少なくとも一方において、前記表示面破損画像を表示可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記(8)の遊技機では、複数の図柄の全ての変動表示中(つまり、第1変動演出画像の表示中)と、複数の図柄のうち少なくとも1つを除く他の図柄の変動表示中(つまり、第2変動演出画像の表示中)との少なくとも一方で、表示面破損画像を表示することが可能となっている。これにより、例えば、複数の図柄の変動表示開始後、最初の図柄停止(第一停止)が生ずるまでの間(変動演出の序盤)に表示面破損画像を表示したり、最初の図柄停止(第一停止)が生じた後(変動演出の中盤、終盤)に表示面破損画像を表示したりすることで、そのとき実行中の変動演出に対する期待感を高めることが可能となる。
(9)上記(1)ないし(8)の何れか一つの遊技機において、
前記識別情報の変動表示の態様として複数の変動態様を有し、
前記識別情報の変動表示は、前記複数の変動態様の中から選択される変動態様に基づいて行われるもので、
前記複数の変動態様には、少なくとも、第1変動態様と、前記第1変動態様よりも前記判定の結果が特定結果である場合に選択される可能性の高い第2変動態様とが含まれており、
前記演出実行手段は、表示中の前記変動演出画像に係る識別情報の変動表示の態様が前記第2変動態様である場合、前記第1変動態様である場合に比べ、前記表示面破損画像を表示する可能性が高い
ことを特徴とする遊技機。
上記(9)の遊技機では、表示中の変動演出画像に係る識別情報の変動表示が第2変動態様に基づくものである場合、第1変動態様に基づくものである場合に比べ、表示面破損画像の表示可能性が高いものとなっている。このため、表示面破損画像の表示により、当該表示の際に実行中の変動演出(識別情報の変動表示)が第2変動態様によるものではないかといった期待感を、遊技者に抱かせることが可能となる。つまり、表示中の変動演出画像に係る識別情報の変動表示態様(つまり、実行中の変動演出の態様)が第2変動態様である可能性を示唆する演出として、表示面破損画像の表示を行うことが可能となる。これにより、表示面破損画像の表示に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
(10)上記(1)ないし(9)の何れか一つの遊技機において、
前記演出実行手段は、前記表示面破損画像の表示後の所定時期に該表示面破損画像を消去し、該消去の後、前記変動演出画像に含まれる識別情報を所定の停止表示態様で停止表示する
ことを特徴とする遊技機。
上記(10)の遊技機では、変動演出画像に表示面破損画像が重畳して表示された後、変動演出画像に含まれる識別情報の変動表示が終了する前の所定時期に、表示面破損画像が消去され、その後、識別情報が所定の停止表示態様で停止表示されることとなる。これにより、表示面破損画像が消去された後の識別情報の変動表示や停止表示に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
尚、上記各発明における表示面破損画像は、変動演出画像の表示面を構成する部品や部材等の破損を模した演出上の画像(演出効果画像)を指し、例えば、変動演出画像を表示する表示画面(ディスプレイ)そのものの破損を模した画像や、表示画面(ディスプレイ)を視認可能に覆うカバーやフィルター等の破損を模した画像等が挙げられる。また、表示面の破損とは、表示面が傷ついたり壊れたりすることを指す。
(11)所定条件の成立に基づいて行われる判定の結果が特定結果になることに基づいて、遊技者に所定の利益を付与し得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
所定の演出画像を表示可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を用いた演出表示を実行可能な演出実行手段と、
を備え、
前記演出画像として、少なくとも第1演出画像と第2演出画像とを有し、
前記演出表示の表示態様として、少なくとも、前記画像表示手段に表示する主たる演出画像が前記第1演出画像とされる第1表示態様と、前記主たる演出画像が前記第2演出画像とされる第2表示態様と、を有し、
前記第1演出画像には、前記判定の結果を示す識別情報の変動表示が含まれており、
前記演出実行手段は、
前記第1表示態様による演出表示の実行中に表示態様を前記第2表示態様に変更する変更演出を実行可能であって、
前記変更演出後の第2表示態様による演出表示では、前記変更演出前の第1表示態様による演出表示で表示していた前記第1演出画像を前記第2演出画像よりも小さく表示するとともに、該第1演出画像に含まれる識別情報の変動表示を継続して実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(11)の遊技機では、第1表示態様による演出表示中に変更演出が行われると、演出表示の表示態様が第1表示態様から第2表示態様に変更される。つまり、演出表示の主体が第1演出画像から第2演出画像に切り換わる。そして、変更後の第2表示態様による演出表示では、変更前の第1表示態様による演出表示で表示していた第1演出画像が第2演出画像よりも小さく表示されるとともに、該第1演出画像に含まれる識別情報の変動表示が継続して行われる。つまり、変更演出後の画像表示手段では、第2演出画像が主体の演出表示が展開されるが、このとき、第1演出画像が第2演出画像よりも小さく表示され、この第1演出画像では変更演出前の識別情報の変動表示が継続して実行(表示)される。このような、変更演出を契機に演出表示の表示態様が第1表示態様から第2表示態様に変更され、変更後の演出表示が第2演出画像を主体に展開されるなか、第2演出画像よりも小さく表示される第1演出画像では変更前の識別情報の変動表示が継続されるといった斬新な演出により、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
尚、画像表示手段に表示する主たる演出画像とは、実行する演出表示の主体となる演出画像を指し、例えば、演出表示における演出上の位置づけ(役割)に応じた演出画像の色、大きさ、動き、視認性などによって、主たる演出画像を定めることが可能である。具体的には、例えば、実行する演出表示が識別情報の変動表示(変動演出)であれば、識別情報を構成する図柄を示す図柄画像や、識別情報の変動表示を表す変動画像、変動表示画面の背景として表示される背景画像、予告演出やリーチ演出等で登場するキャラクタ画像などが挙げられる。また、主たる演出画像の数は一つであっても複数であってもよい。
(12)上記(11)の遊技機において、
前記演出実行手段は、予め定められた複数の変更時期のうちの所定の変更時期の到来に基づいて、前記変更演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(12)の遊技機では、変更演出の実行時期、すなわち、演出表示の表示態様が第1表示態様から第2表示態様に変更される時期にバラツキを持たせることが可能となる。これにより、様々なタイミングで実行され得る変更演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
(13)上記(11)または(12)の遊技機において、
前記演出実行手段は、前記変更演出後の第2表示態様による演出表示の実行中に表示態様を前記第1表示態様に変更する復帰演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記(13)の遊技機では、変更演出を契機に演出表示の表示態様が第1表示態様から第2表示態様に変更された後、該第2表示態様による演出表示の実行中に復帰演出が行われると、演出表示の表示態様が第2表示態様から第1表示態様に変更される。つまり、先の変更演出によって第1表示態様から第2表示態様に変更された演出表示の表示態様が、復帰演出によって第1表示態様に戻される(演出表示の主体が第1演出画像に戻される)。こうして演出表示の表示態様が第1表示態様に戻されると、それまで(復帰演出が行われるまで)、第2演出画像よりも小さく表示された第1演出画像にて続けられていた識別情報の変動表示が、変更演出前の元の大きさで視認することが可能となる。これにより、復帰演出後の第1演出画像が主体の演出表示に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
(14)上記(13)の遊技機において、
前記演出実行手段は、予め定められた複数の復帰時期のうちの所定の復帰時期の到来に基づいて、前記復帰演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
上記(14)の遊技機では、復帰演出の実行時期、すなわち、演出表示の表示態様が第2表示態様から第1表示態様に変更される時期(戻される時期)にバラツキを持たせることが可能となる。これにより、様々なタイミングで実行され得る復帰演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
(15)上記(13)または(14)の遊技機において、
前記演出実行手段は、前記復帰演出の実行を契機として、前記識別情報を所定の停止表示態様で停止表示する停止演出を実行する場合がある
ことを特徴とする遊技機。
上記(15)の遊技機では、復帰演出が行われると、これを契機に、第1演出画像に含まれる識別情報を所定の停止表示態様で停止表示する停止演出が行われる場合がある。これにより、復帰演出の前提となる変更演出や、変更演出後の復帰演出、更には復帰演出の実行を契機とする停止演出に、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
(16)上記(15)の遊技機において、
前記演出実行手段は、前記復帰演出の実行を契機とする前記停止演出にて、前記識別情報を前記特定結果に対応する特定態様で停止表示する場合がある
ことを特徴とする遊技機。
上記(16)の遊技機では、復帰演出の実行を契機に停止演出が行われると、識別情報が特定結果に対応する特定態様、すなわち、特別遊技の実行契機となる特定態様で停止表示する場合がある。これにより、復帰演出が行われる際の楽しみや期待感を遊技者に与えることが可能となり、遊技者の興味を一層惹きつけることが可能となる。
(17)上記(13)ないし(16)の何れか一つの遊技機において、
前記演出実行手段は、前記復帰演出の実行を契機として、前記識別情報の停止表示態様が前記特定結果に対応する特定態様になるか否かを示す特定演出を実行する場合がある
ことを特徴とする遊技機。
上記(17)の遊技機では、復帰演出が行われると、これを契機に、識別情報の停止表示態様が特定態様になるか否かを示す特定演出が行われる場合がある。これにより、復帰演出の前提となる変更演出や、変更演出後の復帰演出、更には復帰演出の実行を契機とする特定演出に、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
(18)上記(11)ないし(17)の何れか一つの遊技機において、
前記第1演出画像には所定の背景表示が含まれている
ことを特徴とする遊技機。
上記(18)の遊技機では、識別情報の変動表示を含む第1演出画像に背景表示も含まれている。このため、前述の変更演出後、第2演出画像が主体となる演出表示で第2演出画像よりも小さく表示される第1演出画像には、変更演出前の識別情報の変動表示とともに背景表示も表示されることとなる。これにより、第1表示態様による演出表示で主として表示していた第1演出画像が、変更演出後、背景表示も含めて第2演出画像よりも小さく表示されるといった演出、つまり、変更演出前の第1演出画像がそのまま縮小表示されるといった斬新な演出を実現することが可能となる。
(19)上記(18)の遊技機において、
前記演出実行手段は、前記第1演出画像に含まれている背景表示を変化させる背景変化演出を、前記第1表示態様による演出表示の実行中と、前記第2表示態様による演出表示の実行中との何れにおいても実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記(19)の遊技機では、第1演出画像に含まれる背景表示の変化(背景変化演出)が、第1表示態様による演出表示中(変更演出前、復帰演出後)と、第2表示態様による演出表示中(変更演出後、復帰演出前)との何れにおいても実行可能となっている。これにより、特に、変更演出後(復帰演出前)の第2表示態様による演出表示中においては、第2演出画像よりも小さく表示される第1演出画像が、変更演出前の第1演出画像をそのまま縮小表示したものであることを遊技者により強く印象付け、遊技者の興味を一層惹きつけることが可能となる。