JP6560781B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置に関する。
近年、液晶表示装置や有機EL表示装置などの平面型ディスプレイの分野では、薄型化の進展と共に、表示素子の基材として極薄のガラス板やフィルム状の基材を用いた可撓性の表示パネルが普及し始めている。可撓性の表示パネルや厚さの極めて薄い表示パネルは、その用途に適した形状での保形性や機械的強度の付与などのために、たとえば、適度な剛性を有する支持体の表面に貼り付けられて用いられる。たとえば、特許文献1には、デジタルサイネージに用いられる窓ガラスに液晶表示パネルなどの画像表示パネルを貼り合せる方法が開示されている。特許文献1に開示の方法では、弾性体などを介して窓ガラスに対して離間して配置された画像表示パネルが、その一端から他端までのローラーの転動によって弾性変形を伴いながら窓ガラスに向って押圧される。その結果、光硬化性樹脂を含む層を介して画像表示パネルと窓ガラスが貼り合わされる。
特開2016−97650号公報
このように従来から、表示パネルは、光や熱などによって硬化する樹脂を含む接着剤を用いて窓ガラスなどの支持体に貼り付けられている。たとえば表示装置の製造において偏光板やタッチパネルの貼り合わせに用いられる接着剤などを用いて、表示パネルと支持体とが強固に接着されている。しかし両者は強固に接着されているため、一旦、支持体に貼り付けられた表示パネルを支持体から取り外すのは極めて困難である。たとえ取り外すことができたとしても、接着剤の残片や表示パネルまたは支持体の残骸がそれぞれの貼り付け面上に残ってしまうため、表示パネルや支持体を容易に再利用することができない。そのため、表示パネルおよび支持体のいずれかだけに欠陥が生じた場合でも、両方を廃棄または交換する必要がある。たとえば支持体が窓ガラスである場合、窓ガラスが割れたときには、たとえ表示パネルが正常であっても窓ガラスと共に表示パネルも廃棄されることになり、表示パネルに瑕疵が生じたときは、表示パネルと共に窓ガラスも廃棄される。特に支持体が自動車のフロントガラスなどである場合には、フロントガラスに貼り付けられている表示パネルの修理をメーカなどに依頼するのは困難なため、修復が可能な場合でさえ、表示パネルおよび高価なフロントガラスの両方の交換が必要になることがある。
そこで、本発明は、支持部材に固定されて用いられる表示パネルを、容易に支持部材から取り外すことができる表示装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態1の表示装置は、可撓性を有する基板の上にマトリクス状に配列された複数の表示素子を備える表示パネルと、前記表示パネルの前記基板が載置された表面を備える支持部材と、前記表示パネルを縁取るように前記表示パネルの外縁に沿って前記外縁の一部または全部に設けられていて前記支持部材の前記表面に前記表示パネルを保持する保持部材と、を備え、前記保持部材は、前記表示パネルの外周部と係合し、かつ、前記支持部材の前記表面に接合されており、前記基板が、前記保持部材と前記支持部材の前記表面との間の接着強度よりも弱い強度で前記支持部材の前記表面に密着している、ことを特徴とする。
また、本発明の実施形態2の表示装置は、可撓性を有する基板の上にマトリクス状に配列された複数の表示素子を備える表示パネルと、前記表示パネルを縁取るように前記表示パネルの外縁に沿って前記外縁の一部または全部に設けられている保持部材と、を備え、前記保持部材は可撓性を有すると共に前記基板よりも高い剛性を有しており、前記基板における前記表示素子に向く面の反対面に、粘着剤から構成される弱粘着層が形成されている、ことを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、支持部材に固定されて用いられる表示パネルを容易に支持部材から取り外すことができる表示装置が提供される。
本発明の実施形態1の表示装置の一例を示す正面図である。 図1のII−II線での断面図である。 本発明の実施形態1の表示装置において支持部材が自動車のフロントガラスである例を示す図である。 本発明の実施形態1の表示装置における表示パネルの内部構造およびバリア膜の一例を示す図である。 本発明の実施形態1の表示装置における支持部材の表面が二次曲面である例を示す模式図である。 二次曲面に載置された表示パネルの断面を示す図である。 本発明の実施形態1の表示装置における弱粘着層および強粘着層の一例を示す図である。 本発明の実施形態1の表示装置の他の例を示す正面図である。 図7AのVIIB−VIIB線での断面図である。 本発明の実施形態1の表示装置の他の例を示す断面図である。 図2のIXA部の拡大図である。 図7BのIXB部の拡大図である。 本発明の実施形態1の表示装置における保持部材の他の例を示す図である。 本発明の実施形態1の表示装置における保持部材の他の例を示す図である。 本発明の実施形態2の表示装置を示す正面図である。 図11AのXIB−XIB線での断面図である。 本発明の実施形態1の表示装置の製造方法の一例を示す図である。 図12Aの製造方法の一例における表示パネルと保持部材との係合方法の一例を示す図である。 図12Aの製造方法の一例における支持部材に表示パネルを密着させる工程の一例を示す図である。 本発明の実施形態1の表示装置の製造方法の他の例を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の表示装置を説明する。なお、以下に説明される実施形態における各構成要素の材質、形状、大きさ、および、それらの相対的な位置関係などは、あくまで例示に過ぎない。本発明の表示装置は、これらによって限定的に解釈されるものではない。
<実施形態1>
図1には、実施形態1の表示装置1の平面図が示され、図2には、図1に示されるII−II線における断面図が示されている。図1および図2に示されるように、表示装置1は、可撓性を有する基板2と、基板2の上にマトリクス状に配列された複数の表示素子(画素)3aを備える表示パネル3と、表示パネル3の基板2が載置された表面5aを備える支持部材5と、表示パネル3を縁取るように表示パネル3の外縁(図1では破線3bで示されている)に沿って設けられていて支持部材5の表面5aに表示パネル3を保持する保持部材4と、を備えている。保持部材4は、表示パネル3の外縁の一部または全部に設けられる。図1の例では、保持部材4は、表示パネル3の外縁の全部に、すなわち、表示パネル3の外縁に沿ってその外周の全周に渡って設けられており、全体として枠状の形状を有している。枠状の形状を有する保持部材4の内側に表示パネル3の複数の表示素子3aが露出している。そして保持部材4の内側に所望の画像が表示される。保持部材4は、表示パネル3の外周部と係合し、かつ、支持部材5の表面5aに接合されている。そして、表示パネル3の基板2が、保持部材4と支持部材5の表面5aとの間の接着強度よりも弱い強度で支持部材5の表面5aに密着している。
図1および図2の表示装置1は、粘着剤から構成される弱粘着層6を表示パネル3の基板2と支持部材5との間に備えており、基板2は弱粘着層6を介して支持部材5の表面5aに密着している。弱粘着層6が基板2と支持部材5の表面5aとの間に介在することによって、表示パネル3と支持部材5が確実に密着される。従って、表示装置1の使用中における表示パネル3の浮きや、表示パネル3と支持部材5との界面への気泡の巻き込みなどが防止される。しかし、本実施形態の表示装置1は、後述の例のように、弱粘着層6を必ずしも備えていなくてもよい。なお、符号30は表示素子3aを保護する封止膜を示している。封止膜30の一部または全部が、後述の第二バリア膜38(図4参照)であってもよい。
なお「弱粘着」は、被着体にぴったり付着するものの、剥離方向に力を加えられるだけで、被着体を破損させることなく、また、糊などを付着面に残さずに容易に剥離され得る程度の付着を意味している。
弱粘着層6と基板2および支持部材5のいずれかまたは両方との密着強度は、たとえば、0.02N/10mm以上、5.0N/10mm以下であり、好ましくは、1.5N/10mm以上、2.0N/10mm以下である。この範囲の密着強度が得られていれば、表示装置1の使用中に表示パネル3が支持部材5から剥離する可能性は低いと考えられる。そして、意図的に表示パネル3を支持部材5から剥離する際には、単に表示パネル3と支持部材5を適度な力で引っ張ったり、界面に薄板を差し込んで空気を入れたりするだけで容易に両者を分離することができると考えられる。
図1および図2の例では、表示パネル3は、画像が表示される面(図1において正面に描かれている面)において矩形の形状を有している。表示パネル3は、その矩形の形状の二つの長辺および二つの短辺のいずれにおいても、側面、上面3c(支持部材5に向く面の反対面)および下面3d(支持部材5に向く面)で保持部材4と当接している。そして、その保持部材4が支持部材5に接合されている。本実施形態では、保持部材4は、接着剤8を用いて、容易に剥離しない接着力で支持部材5に接合されている。そのため、表示パネル3は、支持部材5の表面5aに沿った任意の方向および表面5aから離間する方向への動きを保持部材4によって規制され、支持部材5の表面5a上の所定の位置に固定されている。なお、図2(および後述の図7Bおよび図8)において、各構成要素は、見易さのために、表示パネル3の厚さ方向において適宜誇張して描かれている。従って、厚さに関して各構成要素は他の構成要素と必ずしも正確な比率で描かれていない。
一方、表示パネル3自体は、支持部材5と強固に接合されずに、基板2が支持部材5の表面5aと密着することによって支持部材5と単に密着している。前述のように、基板2は、保持部材4と支持部材5の表面5aとの間の接着強度よりも弱い強度で支持部材5の表面5aに密着している。従って、基板2と支持部材5との密着強度、および、保持部材4と支持部材5との接着強度を適切に選択することによって、通常の使用時には表示パネル3を支持部材5の上に保持しながら、必要に応じて、表示パネル3を容易に支持部材5から取り外すことができる。たとえば、保持部材4がシリコーン樹脂などを用いて形成された弾性体である場合、保持部材4を変形させて表示パネル3を保持部材4から取り外すだけで、表示パネル3を支持部材5から取り外すことができる。保持部材4が容易に変形し得ないものであっても、比較的安価に用意され得る保持部材4を塑性変形または損壊させることによって、表示パネル3や支持部材5に大きなダメージを与えることなく、支持部材5から表示パネル3を取り外すことができる。支持部材5および表示パネル3のいずれかに瑕疵が生じた場合に、瑕疵の無い支持部材5または表示パネル3を再利用することができる。
なお、表示パネル3と支持部材5における「密着」は、両者の付着状態を維持させる作用を受けながら、剥離の起点となるような隙間なく表示パネル3と支持部材5がぴったりくっついている状態を意味している。また、「密着」は、両者の分離のために何ら化学的作用を必要とせず単に剥離方向の力の付加だけで表示パネル3と支持部材5が分離され、かつ、分離後の両者の剥離面に相手方の残骸が残らないような付着状態を意味している。両者の付着状態を維持させる作用としては、たとえば、弱粘着層6による粘着作用が例示される。弱粘着層6が備えられない場合、表示パネル3と支持部材5の付着状態を維持させる作用は、保持部材4と支持部材5との接合によって付加され得る表示パネル3を支持部材5に向って押圧する力、両者の僅かな帯電による静電気作用、両者が一旦接触または近接することによって生じ得る減圧吸着作用やファンデルワールス力などによってもたらされてもよい。しかし、表示パネル3と支持部材5との間の「密着」をもたらすものはこれらに限定されない。
本実施形態では、表示パネル3は、支持部材5に接合されていないが、このように、支持部材5に密着している。そのため、表示パネル3と支持部材5との間の部分的な剥離が防止され得る。たとえば、表示パネル3が、透光性の材料を用いて形成された透明有機EL表示パネルである場合や、透明液晶表示パネルである場合、表示パネル3と支持部材5との間に剥離箇所があると、人の眼に映る画像にムラが生じ得る。しかし、本実施形態によれば、表示パネル3と支持部材5が密着しているため、そのようなムラを少なくすることができる。
図1および図2の例では、表示パネル3の周縁部は、表示パネル3の外周の全周に渡って、枠状の保持部材4の内壁に設けられた溝4dに挿入されている。すなわち、全体として枠状の形状を有する保持部材4の内壁の全周に渡って溝4dが設けられている。保持部材4は、その枠状の形状の全ての辺においてU字状の断面形状を有している。保持部材4は、その枠状の形状の全周に渡って、接着剤8によって支持部材5と接合されている。
表示装置1は、配線9を備えている。配線9は、表示パネル3に駆動信号を供給するドライバ(図示せず)と表示パネル3とを接続する。配線9は、配線9の一端において表示パネル3に接合されている。配線9の一端は、枠状の保持部材4の内側に露出する表示パネル3の上面3c上に設けられた接続パッド(図示せず)に、異方性導電フィルム(ACF)などを用いて接続されている。図1の例では、配線9は、表示パネル3の二つの長辺のうちの一つに沿った部分に接続されている。図2に示されるように、配線9は、表示装置1の側面が向く方向に引き出される場合、枠状の保持部材4の一辺の上方(支持部材5に向う方向と反対方向における領域)を通って引き出される。なお、配線9は、図1の例と異なり、表示パネル3の二つの短辺のうちの一つに沿った部分において、表示パネル3に接続されていてもよい。
配線9としては、ポリイミドやポリエチレンテレフタレートなどの樹脂によって形成された可撓性のフィルムと、このフィルム上に銅などの導電体によって形成された配線パターンとを有するフレキシブル配線基板(FPC)が例示される。しかし、配線9はFPCに限定されず、任意の配線部材が配線9に用いられ得る。配線9は、図1の例では、表示パネル3に接続されている一端と反対の端部において端子91を備えている。端子91は、前述の図示されないドライバに備えられたコネクタ(図示せず)に適合するように設けられている。すなわち端子91は、この図示されないコネクタの接触子と、嵌合または単に接触し得る形状および大きさを有している。配線9がたとえばFPCである場合、端子91は、たとえば、FPCの端部における、FPCに備えられる保護膜(カバーレイ)からの配線パターンの露出部である。配線9が個々のケーブルによって構成されている場合、端子91は、ケーブルを構成する導線の端部に取付けられた、コネクタとの嵌合用の金具であってもよい。そのような端子91を配線9が備えていると、表示パネル3が支持部材5から取り外されたときに、ドライバと表示パネル3とを容易に分離することができる。なお、配線9は、端子91に代えて、ドライバに備えられたコネクタに嵌合するコネクタを備えていてもよい。また、配線9は、表示パネル3に接続される一端にコネクタを備えていてもよく、表示パネル3と配線9とが、コネクタの嵌合によって接続されていてもよい。その場合、表示パネル3が破損したときに、配線9を、他の表示パネルに対して再利用することができる。
図3には、本実施形態において、支持部材5が自動車のフロントガラスである例が示されている。すなわち、表示パネル3は、保持部材4によって、支持部材5であるフロントガラスの車室に面する表面上に保持されている。また、図3の例における表示パネル3は、透光性の材料を用いて形成された透明有機EL表示パネルであり、表示パネル3の図3上、右側の領域では、表示素子3a(図1参照)の発光が停止されている。そのため、信号機S1や各種の道路標識S2などを含むフロントガラス越しの前方の景色が、表示パネル3の右側の領域に写っている。一方、表示パネル3の図3上、左側の領域には、表示素子3aを駆動することによって、ナビゲーションシステムによる画像が表示されている。なお、表示パネル3は、図3の例のように、その表示画面において部分的に画像を表示し得るものであってもよく、そのような部分的な表示を為し得ないものであってもよい。また、表示パネル3は、支持部材5であるフロントガラスの任意の位置に保持され得る。たとえばフロントガラスの全幅に相当する横幅を有する表示パネル3が、フロントガラスの上縁部付近や下縁部付近に車幅方向の全体に渡って保持されていてもよい。また、図3に示される表示パネル3に加えてフロントガラスにおける助手席の前方の領域に、図3の表示パネル3と別の表示パネルが、その表示画面を助手席に向けて保持されていてもよい。
図3の例では、配線9は、フロントガラスの上縁において車室の天井部の内装と自動車のルーフの間へと延びている。配線9は、天井部の内装と自動車のルーフとの間に配置されているコネクタ9aに挿入されている。コネクタ9aは、表示パネル3に駆動信号を供給するドライバDRに連結されている。このような配置にすることによって、配線9の配線長を短くすることができる。また、車室の内部における配線9の露出を少なくすることができる。
なお、表示パネル3には、ナビゲーションシステムによる画像に限らず、任意の画像が表示され得る。たとえば、テレビ画像、DVDなどの任意の媒体に記録された画像、および、表示パネル3に接続された撮像素子によって撮影された画像などが、表示パネル3に表示されてもよい。
図3の例のように支持部材5が自動車のフロントガラスであり、表示パネル3が透明有機EL表示パネルである場合、表示素子3aによる発光を適宜制御することによって、車室の内部(たとえば運転席など)から表示パネル3越しに自動車の前方を見通すこともできるし、任意の情報を表示パネル3に表示させることもできる。そして本実施形態によれば、フロントガラス(支持部材5)および表示パネル3のいずれかが破損した場合には、破損していない表示パネル3またはフロントガラスに大きなダメージを与えずに、表示パネル3をフロントガラスから取り外すことができる。従って、破損していない表示パネル3またはフロントガラスを継続して使用することも可能となり得る。
再度、図1および図2を参照して本実施形態の表示装置1がさらに説明される。保持部材4は、必ずしも、表示パネル3の外周の全周に渡って設けられていなくてもよい。たとえば、図1に示されるように表示パネル3が矩形または正方形の形状を有する場合、保持部材4は、対向する、または、任意の2辺だけに設けられてもよく、任意の3辺もしくは1辺だけに設けられてもよい。たとえば、前述の図3の例において、フロントガラスの上縁に隣接する辺や、ピラーPに隣接する辺だけに、保持部材4が設けられるのが好ましいことがある。それらの辺は車室の内部の人の目に付き難いと考えられるからである。
保持部材4は、表示パネル3を保持することができる任意の材料で形成される。たとえば、エポキシ樹脂や汎用プラスチックなどの合成樹脂、天然ゴムなどの天然樹脂、およびゴムスポンジなどが、保持部材4の材料として例示される。保持部材4は、好ましくは、可撓性を有する材料で形成される。その場合、後述のように、可撓性を有する表示パネル3を支持部材5の上に載置する場合に、表示パネル3と共に湾曲させることによって、容易に、気泡を巻き込まずに、表示パネル3を支持部材5の上に載置することができる。また、保持部材4は、好ましくは、適度な弾性を有するように形成される。そうすることで、表示パネル3と保持部材4とを係合させる際に、たとえば、保持部材4の溝4dに表示パネル3を容易に挿入することができ、また取り外すこともできる。さらに、保持部材4は、好ましくは、透光性の材料を用いて形成される。その理由は、保持部材4が目に付き難いからであり、特に、支持部材5が透光性の材料(例えば、ガラス、透明ポリイミド、PET、PEN等)で形成され、表示パネル3が透明有機EL表示パネルである場合に、表示装置1に保持部材4による不透明部分が生じ難いからである。これらの点から、保持部材4は、透明シリコーンゴムを用いて形成されるのが、特に好ましい。
保持部材4と支持部材5との接合に用いられる接着剤8は、保持部材4を安定して支持部材5に接合できる接着強度を発現し得るものであれば、特に限定されない。任意のエポキシ系接着剤やアクリル系接着剤が接着剤8に用いられ得る。保持部材4は、好ましくは、透光性の接着剤8を用いて支持部材5の表面5aに接合される。前述のように保持部材4が透光性の材料を用いて形成されている場合、透光性の接着剤8を用いることは特に好ましい。たとえば、光学透明接着剤(OCA:Optical Clear Adhesive)や光学透明樹脂(OCR:Optical Clear Resin)などと呼ばれる、フィルム状やペースト状のアクリル系やシリコーン系またはウレタン系などの任意の接着剤が、接着剤8に用いられ得る。接着剤8によって得られる保持部材4と支持部材5との間の接着強度は、たとえば、5.0N/10mmよりも大きく、10N/10mm以下である。
表示パネル3としては、前述のように、有機EL表示パネルや液晶表示パネルが例示される。しかし、表示パネル3は、これらに限定されない。図4には、表示パネル3として用いられる有機EL表示パネルの構造の一例が拡大して示されている。
図4に示されるように、表示パネル3は、基板2と、基板2の上に形成された複数の表示素子3aを含んでいる。基板2は、たとえばポリイミド樹脂を用いて形成された樹脂フィルムである。表示パネル3が透明有機EL表示パネルである場合、基板2の材料には、たとえば透明なポリイミド樹脂が用いられる。各表示素子3aは、TFT(薄膜トランジスタ)31と、TFT31に接続された第一電極33と、第一電極33上に蒸着された有機材料によって形成されていて光を発する有機層34と、有機層34の上に形成された第二電極35と、を有している。各表示素子3aは、SiO2などを用いて形成されたバンク36によって分離されている。第一電極33およびバンク36は、TFT31を覆う平坦化膜32の上に形成されている。
TFT31は、たとえば、多結晶シリコンなどを用いて形成され、好ましくは、インジウム・ガリウム・亜鉛の酸化物のような、透明アモルファス酸化物半導体により形成される。また、TFT31は、ペンタセン、銅フタロシアニン、フッ素化フタロシアニンなどの有機半導体材料を用いて形成されてもよい。第一電極33は、たとえば、ITO膜などの透光性を備えた導電性材料により形成されている。有機層34は、図4では1層で示されているが、実際には、正孔輸送層、発光層、電子輸送層などを含む多層構造の積層膜として形成され得る。正孔輸送層はたとえばアミン系材料により形成され、発光層は、たとえば、ホスト材料であるAlq3やBAlqなどに、発光色に応じたドーパントをドープすることによって調製された材料を用いて形成され、電子輸送層は、たとえばAlq3などによって形成される。有機層34は、さらに、図示されない正孔注入層および電子注入層を含んでいてもよい。第二電極35は、効率よく電子注入を行うため、たとえばMg−Ag合金層やアルミニウム、またはアルカリ金属やアルカリ土類金属のような仕事関数の小さな金属によって形成され、好ましくは、これらの材料を光の波長よりも十分薄く形成することによって透明性を有するように形成される。なお、図4に示される断面構造は一例に過ぎず、表示パネル3を構成する有機EL表示パネルの構造や各構成要素の材料は、ここで説明された構造や材料に限定されない。
なお、図示されていないが、表示パネル3が液晶表示パネルである場合は、表示パネル3は、極薄いガラス板などを用いて形成された可撓性を有する第一基板と、第一基板と離間して配置された可撓性を有する第二基板と、第一および第二の基板の間の液晶層とを含んでいる。たとえば、表示パネル3は、第一基板上に形成されたTFTと、このTFTに接続される画素電極と、画素電極上に形成された第一配向膜と、を備えている。さらに、各液晶表示素子は、たとえば、第一基板から離間して配置された第二基板における第一基板を向く面の上に順に設けられた、カラーフィルタ、共通電極、および第二配向膜を備えている。液晶層は、第一および第二の配向膜の間に充填された液晶材料によって構成される。さらに、第一および第二の基板の液晶層を向く面と反対面それぞれには、偏光膜が備えられる。このような液晶表示パネルは、第一基板と支持部材5(図2参照)とが対向するように、支持部材5の上に載置される。なお、本実施形態の表示装置1における表示パネル3を構成し得る液晶表示パネルの構造は、ここで説明された構造に限定されない。可撓性を有する基板を備え、好ましくは透光性の材料で構成される任意の液晶表示パネルが、本実施形態の表示装置1における表示パネル3として用いられ得る。また、第一基板の支持部材5を向く面にエッジライトを備えた可撓性を有する導光シートが、バックライトユニットとして備えられていてもよい。
図4に示されるように、本実施形態の表示装置1は、表示素子3aと基板2との間、および、表示素子3aの上に、非透湿性の材料を用いて形成されたバリア膜37、38をさらに備えている。図4の例では、表示素子3aと基板2との間に第一バリア膜37が形成されている。第一バリア膜37は、具体的には、TFT31と基板2との間に設けられている。また、表示素子3aの上に第二バリア膜38が形成されている。第一バリア膜37および第二バリア膜38の水蒸気透過度は、たとえば、10-4g/m2/日以下である。このように第一および第二のバリア膜37、38が設けられることによって、水分との接触に伴って劣化し易い有機層34が保護されると共に、本実施形態では、表示パネル3の中を通って表示パネル3と支持部材5との界面まで達するような水分の浸透が厳重に防がれる。本実施形態の表示装置1では、表示パネル3と支持部材5(図2参照)とが、弱粘着層6を介して、または直接密着しているが、各要素間の界面に水分や気泡が入り込むと、その界面での密着力が低下することがある。特に、後述の例のように弱粘着層6が備えられていない場合は、少量の水分や気泡の侵入によって密着力が低下することが考えられる。しかし、図4に示される例では、第一バリア膜37および第二バリア膜38によって表示パネル3と支持部材5との界面への水分の浸入が防止されるので、一旦、密着状態にされた表示パネル3と支持部材5との間の密着力が維持され易いと考えられる。
図4の例では、第一バリア膜37は、窒化ケイ素膜37aと、酸化ケイ素膜37bとを含む多層膜である。酸化ケイ素膜37bは、二つの窒化ケイ素膜37aに挟まれており、第一バリア膜37は3層構造を有している。窒化ケイ素は水分に対するバリア性能が極めて良好であり、酸化ケイ素は窒化ケイ素よりも柔軟性を有する。従って、第一バリア膜37を窒化ケイ素膜37aと酸化ケイ素膜38aとを含む多層膜とすることによって、バリア性能が高く、かつ、クラックなどの生じ難いバリア膜を得ることができる。また、個々の膜において任意の位置に生じ得るピンホールが他の膜によって塞がれるため、いっそう高いバリア性能が得られる。しかし、第一バリア膜37は、単層膜であってもよい。また、第一バリア膜37は、一組の窒化ケイ素膜37aおよび酸化ケイ素膜37bで構成されるような、3層以外の複数の層を含む多層膜であってもよい。また、第一バリア膜37は、窒化ケイ素および酸化ケイ素以外の材料を用いて形成されていてもよい。
図4の例では、第二バリア膜38は、窒化ケイ素膜38aと、有機材料から構成される有機膜38cとを含む多層膜である。第二バリア膜38は、図4の例のように、窒化ケイ素膜38aと有機膜38cとの間に、酸化ケイ素膜38bをさらに含んでいてもよい。有機膜38cは、たとえば、エポキシ樹脂やアクリル樹脂を用いて形成され、二つの酸化ケイ素膜38bに挟まれている。そして、二つの酸化ケイ素膜38bそれぞれのさらに外側に窒化ケイ素膜38aがそれぞれ形成されており、図4に例示される第二バリア膜38は5層構造を有している。第二電極35の直上の窒化ケイ素膜38aおよびその直上の酸化ケイ素膜38bの断面形状は、バンク36と有機層34との高低差によって凹凸を有する形状となっている。このような凹凸や表示素子3aの表面に付着した図示されない異物などは、柔軟性を有し得る有機膜38cの内部に埋没し得る。その結果、有機膜38cの上に、窒化ケイ素膜38aなどを安定して形成することができる。また、酸化ケイ素膜38bを介在させることによって、窒化ケイ素膜38aと有機膜38cとの密着性を向上させることができる。しかし、酸化ケイ素膜38bは必ずしも必要とされる訳ではなく、窒化ケイ素膜38aおよび有機膜38cだけが形成されてもよい。また、有機膜38cや酸化ケイ素膜38bは設けられなくてもよい。また、窒化ケイ素膜38aに代えて、窒化ケイ素膜38aよりも早く成膜され得る窒化酸化ケイ素膜が設けられていてもよい。第二バリア膜38は、単層膜であってもよく、5層以外の複数の層を含む多層膜であってもよい。また、第二バリア膜38は、窒化ケイ素および酸化ケイ素以外の無機材料(例えば窒化酸化ケイ素、アルミナ等)や、エポキシ樹脂やアクリル樹脂以外の有機材料(例えばシリコーン樹脂、ウレタン樹脂等)を用いて形成されていてもよい。
第一バリア膜37の厚さ、および有機膜38cを含まない場合の第二バリア膜38の厚さは、たとえば、500nm以上であって、好ましくは、1μm以上、3μm以下である。第一バリア膜37および第二バリア膜38がこのような厚さを有していると、水分に対する十分なバリア性能が得られると共に、各バリア膜にクラックが入り難く、さらに、光の透過率への影響も少ないと考えられる。窒化ケイ素膜37a、38aの厚さは、たとえば、500nm以上、1.5μm以下であり、有機膜38cの厚さは、たとえば、10μm程度である。有機膜38cと窒化ケイ素膜38aの間の酸化ケイ素膜38bの厚さは、たとえば、10nm以上、30nm以下である。
支持部材5は、可撓性を有し得る表示パネル3を適切に支持し得るものであれば、その形状や材料について特に限定されない。たとえば、ガラス、金属、および合成樹脂などの任意の素材が、支持部材5に用いられ得る。また、支持部材5は、他の各種の装置、機器、用具または構造物を構成する任意の部材またはその一部であってもよい。たとえば、支持部材5は、住居の窓やショーウィンドウまたは展示用ケースなどに用いられているガラス板であってもよく、各種機器の筐体や、建造物の内壁や外壁を構成する部材であってもよい。そして、支持部材5は、前述のように、自動車のフロントガラスであってもよい。
支持部材5が自動車のフロントガラスである場合、表示パネル3が載置される支持部材5の表面5aは、図5Aに示されるように二次曲面であり得る。図5Aは、表示パネル3、および、二次曲面である表面5aを有する支持部材5を模式的に示している。また、図5Bには、二次曲面である表面5aに載置された表示パネル3と支持部材5を表示パネル3の厚さ方向と平行な平面で切断して得られる断面が概略的に示されている。図5Aにおいて、支持部材5は、X方向およびY方向の両方において表面5aが凹面となるように湾曲している。また、可撓性を有し得る表示パネル3も、支持部材5の湾曲形状に追随して湾曲している。しかし、支持部材5の表面5aが二次曲面であるため、表示パネル3は、支持部材5の湾曲形状と同じようには撓み得ないものと推察される。その場合、表示パネル3において、支持部材5から浮き上がる部分が生じ得る。
しかし、本実施形態では、図5Bに示されるように、表示パネル3内での位置毎に、弱粘着層6の厚さT6が二次曲面の湾曲形状に基づいて変化し、それにより、表示パネル3と支持部材5との間の弱粘着層6を介した密着状態を確保することができる。弱粘着層6は、表示パネル3と係合する保持部材4が支持部材5に接合されるときに、表示パネル3と支持部材5における湾曲形状の違いのために、表示パネル3に面する面内において不均一な圧力で加圧される。そのため、弱粘着層6は、表示パネル3と支持部材5の間隔が狭い部分では、両者の間隔が広い部分よりも多く収縮し得る。また、弱粘着層6を構成する弱粘着剤のうち表示パネル3と支持部材5の間隔が狭い部分に存在する弱粘着剤は、両者の間隔が広い部分に押し出され得る。その結果、弱粘着層6の厚さT6が、支持部材5の表面5aにおける二次曲面の湾曲形状に基づいて、表示パネル3内での位置毎に変化し得る。このように弱粘着層6を備えることによって、支持部材5の表面5aが二次曲面であっても、表示パネル3と支持部材5とを密着させることが可能になる。
弱粘着層6は、たとえば、アクリル系、シリコーン系またはウレタン系の樹脂を単独で、または複数組み合わせて主成分として含む粘着剤から構成される。アクリル系の樹脂は、対候性および耐熱性に優れており、さらに透明性にも優れている。前述のように、表示パネル3が透明有機EL表示パネルや透明液晶表示パネルであり、支持部材5がガラス板などである場合、透明性の高い弱粘着層6は、表示装置1の透光性への影響が少ない点で好ましい。シリコーン系の樹脂も対候性および透明性に優れ、さらに耐熱性に特に優れていて黄変し難いため、弱粘着層6の材料として好ましい。弱粘着層6は、たとえば粘着剤を所定の形状に成形することによって形成された弱粘着シートを、表示パネル3と支持部材5の間に配置することによって形成される。
図6には、本実施形態における基板2と支持部材5との界面部の他の例が拡大して示されている。図6の例では、弱粘着層6に加えて、弱粘着層6の粘着力以上の粘着力を有している強粘着層7が、基板2と支持部材5との間にさらに備えられている。強粘着層7は、弱粘着層6と基板2との間に備えられ、基板2と密着している。一方、弱粘着層6は、強粘着層7と支持部材5との間に備えられ、支持部材5と密着している。表示パネル3は、弱粘着層6および強粘着層7を介して、支持部材5の表面5aに密着している。強粘着層7は基材7aを介して弱粘着層6と接合されている。強粘着層7は、基材7aなどを介さずに弱粘着層6に直接接合されていてもよい。強粘着層7と弱粘着層6とは、少なくとも、弱粘着層6と支持部材5との密着力よりも強い強度で、直接または基材7aを介して接合されている。図6の例では、このように弱粘着層6と接合された強粘着層7が備えられているため、弱粘着層6を確実に基板2、すなわち表示パネル3に付着させた状態で、表示パネル3を支持部材5から取り外すことができる。
なお、図6の例と異なり、強粘着層7が、弱粘着層6と支持部材5との間に備えられることによって支持部材5と密着し、弱粘着層6が、強粘着層7と基板2との間に備えられることによって基板2と密着していてもよい。この場合、弱粘着層6を確実に支持部材5に付着させた状態で表示パネル3を支持部材5から取り外すことができる。強粘着層7は、好ましくは、表示パネル3および支持部材5のうちの故障率の低い方に密着される。強粘着層7を備えることによって、表示パネル3および支持部材5のどちらに弱粘着層6が残るかが明確になるため、表示パネル3の交換時の作業性が向上することがある。
強粘着層7と、基板2、または支持部材5の表面5aとの密着強度は、たとえば、2.5N/10mm以上、20N/10mm以下であり、好ましくは、5.0N/10mm以上、20N/10mm以下である。図6の例のように、強粘着層7が基板2と密着しているときの弱粘着層6と支持部材5との密着強度は、前述のように、たとえば、0.02N/10mm以上、5.0N/10mm以下である。ただし、強粘着層7と基板2との密着強度は、その基板2が載置される支持部材5の表面5aと弱粘着層6との密着強度よりも大きく、強粘着層7と支持部材5の表面5aとの密着強度は、その支持部材5の上に載置される基板2と弱粘着層6との密着強度よりも大きい。このような密着強度が得られていれば、弱粘着層6を確実に所望の要素(表示パネル3または支持部材5)に付着させた状態で表示パネル3を取り外すことができる。弱粘着層6は、たとえば、ポリエチレンテレフタレートなどを用いて形成されるフィルム状の基材7aの第一面に設けられ、基材7aにおける第一面の反対面である第二面に強粘着層7が設けられる。そして、弱粘着層6および強粘着層7は、基材7aを含む3層構造の両面粘着シートの状態で、表示パネル3と支持部材5との間に配置されてもよい。
図7Aおよび図7Bには、実施形態1の表示装置1の他の例が示されている。図7Aおよび図7Bの例は、弱粘着層6(図2参照)が設けられない例である。なお、図7A、図7Bおよび後述の図8において、図1および図2と同様の構成要素については同一の符号が付され、その詳細な説明は適宜省略される。表示パネル3は、弱粘着層6による粘着作用ではなく、前述のように、保持部材4による押圧、静電気作用、減圧吸着作用などによって支持部材5に密着されていてもよい。また、図7Aおよび図7Bの例では、保持部材4は、表示パネル3の外周部において、表示パネル3の上面3cおよび側面とだけ当接しており、表示パネル3の下面3dとは当接していない。すなわち、全体として枠状の形状の保持部材4は、その各辺において、略L字型の輪郭の断面形状を有しており、L字型の形状の内側を向く二つの面において表示パネル3の上面3cおよび側面と当接している。そして、表示パネル3の基板2は、下面3dの全面において支持部材5に密着している。
また、保持部材4は、配線9と対向する部分において、その枠状の形状の軸方向の厚さに関して他の部分より薄くすることによって設けられている凹部4aを備えている。そして、この凹部4aに、配線9と表示パネル3との接続部が収容されており、配線9は、凹部4aから表示装置1の外部に引き出されている。配線9と表示パネル3との接続部が、保持部材4によって外的なストレスから保護され得る。また、配線9と表示パネル3との接続部が保持部材4の内部に隠れることによって表示装置1の美観が向上することがある。保持部材4は各辺において支持部材5と表示パネル3との間に介在する部分を有していないので、保持部材4を表示パネル3の上面3cの上方から、容易に表示パネル3に組み合わせることができる。従って、配線9と表示パネル3との接続部を凹部4a内に容易に収容することができる。なお、図示されていないが、エポキシ樹脂などから構成される保護部材によって、配線9と表示パネル3との接続部が被覆されていてもよい。
図8には、図7Aおよび図7Bに示されるような各辺においてL字型の断面形状を有する保持部材4と弱粘着層6とを備える表示装置1の例が示されている。図8に示される例においても、図7Aおよび図7Bの例と同様に、保持部材4は、表示パネル3の上面3cおよび側面とだけ当接している。そして、基板2、すなわち、表示パネル3の下面3dは、保持部材4と接することなく、弱粘着層6を介して支持部材5の表面5aと密着している。また、図8の例の保持部材4にも、配線9と相対する部分において凹部4aが形成されており、配線9と表示パネル3との接続部が凹部4aに収容されている。
図9Aには、図2におけるIXA部の拡大図が示されている。保持部材4の各部の寸法は、弱粘着層6と表示パネル3および支持部材5とが確実に接するように決定される。たとえば、保持部材4における表示パネル3と支持部材5との間の部分の厚さT41は、表示パネル3に問題となる反りなどが生じないように、弱粘着層6の厚さT6に基づいて、かつ、必要に応じて接着剤8の厚さをも適宜勘案して設定される。たとえば、保持部材4における厚さT41は、0.2×T6以上、1.0×T6以下である。厚さT41がそのような厚さである場合、表示パネル3が弱粘着層6から容易に浮き上がることなく、かつ、表示パネル3が安定して保持されると考えられる。また、溝4dの幅W4dは、0.9×T3以上、1.0×T3以下である。なお、T3は表示パネル3の厚さである。溝4dの幅がこのような範囲であれば、弱粘着層6からの表示パネル3の浮き上がりが効果的に防止されると共に、表示パネル3の周縁部に過度なストレスが加わらないと考えられる。
また、保持部材4の各辺の幅W4は、たとえば、0.01×L3以上、0.2×L3以下であり、好ましくは、0.02×L3以上、0.05×L3以下である。なお、L3は、保持部材4の各辺の幅W4の方向における表示パネル3の長さ(幅)である。保持部材4の各辺がこのような幅を有していれば、接着剤8の接着力によって保持部材4および表示パネル3が支持部材5の表面5aの上に確実に保持されると共に、ユーザの視界において保持部材4が目立ち難いと考えられる。また、枠状の保持部材4の各辺において、溝4dの対向する二つの内壁を構成すると共に表示パネル3に当接する一対の当接部それぞれの長さW4UおよびW4Lは、たとえば、3.0×T3以上、8.0×T3以下である(図9Aでは、長さW4U、W4Lと、表示パネル3の厚さT3とを正確な比率で示すことは意図されていない)。このような長さを有する当接部によって、表示パネル3が確実に保持されると考えられる。なお、表示パネル3の上面3cに面して枠状の保持部材4の内側に延びる当接部の長さW4Uと、表示パネル3の下面3dに面して枠状の保持部材4の内側に延びる当接部の長さW4Lは、異なっていてもよい。その場合、後述のように、表示パネル3の周縁に保持部材4を取り付け易いことがある。
また、図9Bには、図7BにおけるIXB部の拡大図が示されている。図7Bに示される表示装置1では、図9Bにおける寸法L1を適切な長さに設定することによって、表示パネル3を支持部材5に向って押圧することができる。それにより、表示パネル3と支持部材5とを密着させることができる。なお、寸法L1は、保持部材4における支持部材5に向けられる面4bから、表示パネル3の上面3cとの当接面4cまでの長さである。ここで、表示パネル3を1hPa(Fa1)以上、1013hPa(Fa2)以下の圧力で押圧すると、表示パネル3に過剰な負荷を与えることなく、表示パネル3と支持部材5とを適切に密着させることができる。従って、接着剤8の厚さが無視できる程度に薄い場合は、寸法L1を、T3×E4/(Fa2×A3/A4+E4)mm以上、T3×E4/(Fa1×A3/A4+E4)mm以下の長さにすることによって、保持部材4で表示パネル3を適切に押圧することができる。なお、T3は表示パネル3の厚さ(単位:mm)であり、E4は保持部材4のヤング率(単位:hPa)であり、A3は、表示パネル3の面積(単位:m2)である。また、A4は、保持部材4が表示パネル3と係合した状態で支持部材5に接合されているときに保持部材4において伸長する部分の断面積(たとえば図7Bにおける矢印Cでの保持部材4の断面積)(単位:m2)である。
保持部材4の各辺の断面形状は、図2、図7B、および図8に示される形状に限定されず、表示パネル3の周縁部と係合し得る任意の形状であってよい。たとえば、保持部材4は、その各辺において、U字型やL字型などの、表示パネル3との係合に適した断面形状を特に備えていなくてもよい。たとえば、保持部材4が弾性体である場合、表示パネル3との係合時に表示パネル3の端縁が保持部材4の内壁に食い込むことによって表示パネル3が保持されてもよい。また、保持部材4は、単に、その内壁と表示パネル3の端縁との間の摩擦力によって表示パネル3を保持してもよい。
前述の図1および図2に示される例では、保持部材4は表示パネル3をその外縁の全周に渡って囲む枠状の形状を有している。そして、保持部材4と、支持部材5と、表示パネル3によって囲まれた空間S(図2および図9A参照)が表示パネル3と支持部材5との間に形成され、空間Sの内部に弱粘着層6が配置されている。空間Sは、保持部材4と表示パネル3とが気密に当接され、かつ、保持部材4と支持部材5とが気密に接合されることによって気密空間となり得る。その場合、弱粘着層6と表示パネル3および支持部材5との界面への水や空気の浸透が起こり難く、それらの界面における剥離が起こり難いと考えられる。
さらに、空間Sが形成されるような構造の場合、空間Sの内部の空気を表示装置1の外部に排出することによって、表示パネル3と支持部材5とを一層強固に密着させることができる。また、空間Sの内部の空気やその中の水分が、弱粘着層6と表示パネル3または支持部材5との界面に入り込むことも少なくすることができる。保持部材4は、そのような空間Sの内部の空気の排出のための手段を備えていてもよい。図10Aおよび図10Bに、そのような手段を備えた保持部材4の例が示されている。
図10Aおよび図10Bには、全体として枠状の形状の保持部材4における任意の一辺の断面が示されている。図10Aに示される例では、保持部材4は、保持部材4における枠状の形状の内側および外側に通じる貫通孔41aを備えている。貫通孔41aによって、空間Sの空気を排出するための吸気口が形成されている。貫通孔41aは、保持部材4の上面および枠状の保持部材4の内壁面に開口を有しており、L字状の断面形状を有している。なお、貫通孔41aは、保持部材4の外壁面と内壁面との間で保持部材を貫通するものであってもよい。保持部材4は、さらに、貫通孔41aによる通気を防ぐ閉塞部材44を、貫通孔41aにおける保持部材4の上面付近に備えている。
また、図10Bに示される例では、保持部材4は、保持部材4の上面と下面に開口を有する貫通孔41bと、保持部材4の下面に沿って形成されていて貫通孔41bに繋げられている溝42とを備えている。溝42および貫通孔41bは保持部材4の内側および外側に通じており、溝42および貫通孔41bによって、空間Sの空気を排出するための吸気口が形成されている。保持部材4は、さらに、貫通孔41bおよび溝42による通気を防ぐ閉塞部材44を、貫通孔41bにおける保持部材4の上面付近に備えている。
図10Aおよび図10Bの例では、閉塞部材44は、閉塞部材44を貫く通気路44aを有する弾性体であり、貫通孔41a、41bの内部に圧入されている。閉塞部材44は、たとえば、天然ゴム、ブタジエンゴムやスチレン・ブタジエンゴムなどの合成ゴム、またはシリコーンゴムなどによって形成され得る。通気路44aは、閉塞部材44が貫通孔41a、41b内に圧入されることによって周囲の閉塞部材44の内壁に圧迫され、通常は閉塞している。そのため、通常時は、貫通孔41a、41bおよび溝42による通気が閉塞部材44によって防がれている。空間Sの内部の空気が排出されるときは、針などの細身の管材(図示せず)が、周囲の閉塞部材44の内壁を押し退けながら通気路44aに挿入される。そして、図示されないポンプなどを用いて、通気路44aに挿入された針などの管材を介して空間Sの内部の空気が排出され得る。
なお、図10Aおよび図10Bに示される閉塞部材44は単なる一例に過ぎず、閉塞部材44は、これらの図面に示される例と異なる構造を有していてもよい。たとえば、閉塞部材44は、貫通孔41a、41bの開口への着脱が可能なように用意された蓋材であってもよい。また、閉塞部材44は、貫通孔41a、41bの内部に配置され、負圧状態にされた空間Sに引かれた際に、貫通孔41a、41bの内壁に設けられた段差部分に当接することによって貫通孔41a、41bを閉塞する逆止弁であってもよい。
<実施形態2>
つぎに、実施形態2の表示装置について、実施形態2の一例である表示装置1aを示す図11Aおよび図11Bを参照して説明する。なお、図11Aおよび図11Bにおいて、実施形態1の表示装置1に備えられている構成要素と同様の構成要素には同じ符号が付され、その詳細な説明は、適宜省略される。
実施形態2の表示装置1aは、可撓性を有する基板2と、基板2の上にマトリクス状に配列された複数の表示素子3aを備える表示パネル3と、表示パネル3を縁取るように表示パネル3の外縁に沿って設けられていている保持部材4と、を備えている。保持部材4は、表示パネル3の外縁の一部または全部に設けられる。図11Aの例では、保持部材4は、表示パネル3の外縁の全部に設けられており、全体として枠状の形状を有している。保持部材4は可撓性を有すると共に基板2よりも高い剛性を有している。また、基板2における表示素子3に向く面の反対面に、粘着剤から構成される弱粘着層6が形成されている。弱粘着層6は、たとえば、アクリル系、シリコーン系またはウレタン系の樹脂を単独で、または複数組み合わせて主成分として含む粘着剤から構成される。図11Aおよび図11Bに示されるように、実施形態2の表示装置1aは、実施形態1の表示装置1と異なり、支持部材5を備えていない。この点を除いて、実施形態2の表示装置1aは、図1および図2に示される実施形態1の表示装置1と略同じ構造を有している。
表示装置1aは、可撓性を有し得る表示パネル3を支持する部材を備えていないため、たとえば、任意のガラス板や各物品または建造物などの外部の支持体に載置されて用いられる。しかし、可撓性を有し得る表示パネル3は十分な保形性を有し難いため、外部の支持体に支持されるまで、その取り扱いが煩雑となる場合がある。そこで、実施形態2の表示装置1aは、表示パネル3が外部の支持体に支持されるまで容易に取り扱われ得るように、少なくとも基板2よりも高い剛性を有する保持部材4を備えている。
また、表示パネル3が外部の支持体に載置される際は、表示パネル3と外部の支持体との間に気泡などが巻き込まれないように、表示パネル3は、撓まされながら、その一端から順に外部の支持体に載置される(図12C)。実施形態2の表示装置1aは、たとえば、そのような方法が用いられ得るように、可撓性を有する保持部材4を備えている。
前述のように、実施形態1の保持部材4は、任意の合成樹脂や天然樹脂などによって形成され、好ましくは透明シリコーンゴムを用いて形成される。このような各種の材料は、保持部材4の形状に成型された場合に、たとえば約10μmの程度の厚さのポリイミドフィルムを用いて形成された基板2よりも高い剛性を十分に発現し得ると考えられる。また、各種ゴムやシリコーン樹脂は可撓性を有し得る。従って、実施形態2の表示装置1aにおける保持部材4も、実施形態1の保持部材4の材料と同様の材料であって、可撓性および基板2よりも高い剛性を発現し得る任意の材料を用いて形成され得る。
また、実施形態2の表示装置1aは、外部の任意の支持体に載置された場合でも、その支持体と良好に密着し得ることが好ましい。そこで、本実施形態の表示装置1aは、弱粘着層6を備えている。そのため、たとえば、外部の支持体が表示パネル3と密着し難い性状や表面状態を有していても、表示パネル3と外部の支持体とが密着し易い。しかも、両者は弱粘着層6を介して密着するため、表示装置1aの使用後には、表示パネル3をその支持体から容易に取り外して、別の支持体に載置して使用することができる。
実施形態2の表示装置1aを構成する個々の構成要素は、実施形態1の表示装置1において同じ符号が付された各構成要素と同様の構造を有し、同様の材料を用いて形成され得る。また、前述の実施形態1の説明において説明された各変形例は、支持部材5に関するものを除いて、実施形態2の表示装置1aにも適用され得る。たとえば、実施形態2の表示装置1aが第一バリア膜37および第二バリア膜38(図4参照)を備えていてもよく、表示装置1aの弱粘着層6に強粘着層7(図6参照)が接合されていてもよい。また、表示装置1aの保持部材4が図7Bや図8に示される断面形状を有していてもよく、従って配線9と表示パネル3との接続部が保持部材4に設けられた凹部4a(図7B参照)に収容されていてもよい。
<製造方法>
実施形態1の表示装置の製造方法について図12A〜図12Cおよび図13を参照して説明する。
図12Aに示されるように、実施形態1の表示装置の製造方法は、可撓性を有する基板2の上に複数の表示素子3aを形成することによって表示パネル3を形成し、表示パネル3の外縁に沿ってその外縁の一部または全部に、表示パネル3の外周部と係合する保持部材4を設けることを含んでいる。図12Aは、表示パネル3の外縁の全部に保持部材4を設ける例を示している。実施形態1の表示装置の製造方法は、さらに、表示パネル3の基板2が載置されるべき表面5aを有する支持部材5を用意し、支持部材5の表面5aに保持部材4を接合し、基板2を、保持部材4と支持部材5の表面5aとの間の接着強度よりも弱い強度で、支持部材5の表面5aに密着させる、ことを含んでいる。以下、さらに詳細に説明する。
まず、表示パネル3の形成について、前述の図4を参照して説明する。表示パネル3としては、有機EL表示パネルや液晶表示パネルが例示される。表示パネル3として有機EL表示パネルが形成される場合、ポリイミド樹脂などを用いてスロットダイコーティング法などによって形成された可撓性の基板2の上に、TFT31や有機層34を含む有機EL表示素子(表示素子3a)が形成される。この際、好ましくは、基板2と表示素子3aとの間に、非透湿性の材料を用いて少なくとも2層の膜を積層することによって第一バリア膜37が形成される。非透湿性の材料としては、窒化ケイ素および酸化ケイ素が例示される。図4の例では、基板2の上に3層の膜(酸化ケイ素膜37bおよび酸化ケイ素膜37bの上下両側における各窒化ケイ素膜37a)を形成することによって第一バリア膜37が形成されている。窒化ケイ素膜37aや酸化ケイ素膜37bは、たとえば、プラズマ励起化学気相成長(PECVD)法やスパッタリング法などによって形成される。
その後、第一バリア膜37上に、複数の有機EL表示素子が形成される。有機EL表示素子を構成するTFT31や、第一および第二の電極33、35ならびに有機層34は、周知の方法を含む任意の方法で形成され得るため、その詳細な説明は省略する。また、表示パネル3として液晶表示パネルが形成される場合は、液晶表示素子を構成する各電極や配向膜および偏光膜ならびに液晶層は周知の方法を含む任意の方法で形成され得る。従って、その詳細な説明は省略する。
表示素子3aの形成後、好ましくは、表示素子3aの上に、非透湿性の材料を用いて少なくとも2層の膜を積層することによって第二バリア膜38が形成される。非透湿性の材料としては、窒化ケイ素、酸化ケイ素および窒化酸化ケイ素が例示される。図4の例では、表示素子3aの上に、順に、窒化ケイ素膜38a、酸化ケイ素膜38b、さらに有機膜38cが形成され、再度、酸化ケイ素膜38bおよび窒化ケイ素膜38aが形成されている。有機膜38cは、たとえば、インクジェットプリンタを用いてエポキシ樹脂やアクリル樹脂を印刷することによって形成される。窒化ケイ素膜37aや酸化ケイ素膜37bは、たとえば、PECVD法やスパッタリング法などによって形成される。なお、第二バリア膜38が形成される場合に、たとえば、窒化ケイ素膜38aおよび有機膜38cだけが形成されてもよい。このように、実施形態1の表示装置の製造方法では、好ましくは、基板2と表示素子3aとの間および表示素子3aの上のいずれかまたは両方にバリア膜(第一バリア膜37および第二バリア膜38)が形成される。
再度、図12Aを参照して、実施形態1の表示装置の製造方法について説明する。保持部材4を表示パネルの外縁に設ける前に、好ましくは、たとえばFPCによって構成される配線9が用意され、表示パネル3に配線9が接続される。具体的には、配線9の一端と、導電性材料を用いて表示パネル3に設けられた接続パッド3eとが、電気的および機械的に接続される。たとえば、異方性導電フィルム(ACF)を配線9と表示パネル3との間に挟んだ状態で加圧および加熱することによって配線9と表示パネル3とが接続される。保持部材4が表示パネル3に設けられる前であれば、配線9と表示パネル3を容易に加圧することができるし、保持部材4の耐熱性に制限されずに加熱することができる。
このように、好ましくは、配線9が表示パネル3に接続された後に、表示パネル3の外縁に、表示パネル3の外周部と係合する保持部材4が設けられる。保持部材4は、好ましくは、表示パネル3の外縁の全周に渡って枠状に設けられる。たとえば、図12Aに示されるように、全体として枠状の形状に形成され、内壁に溝4dを有する保持部材4が用意される。そして溝4dに表示パネル3の周縁部が挿入される。溝4dを備える保持部材4は、たとえば、合成樹脂や天然樹脂を成型加工することによって用意される。保持部材4は、好ましくは、シリコーン樹脂などを用いて弾性および可撓性を有するように形成される。保持部材4は、好ましくは、表示パネル3における配線9が接続された面の反対面と対向する位置から、表示パネル3に係合される。配線9が表示パネル3に既に接続されていても、溝4dに表示パネル3の周縁部を挿入することができる。また、保持部材4が弾性や可撓性を有していると、図12Bに示されるように、表示パネル3の周縁部を溝4dに挿入する際に、保持部材4を変形させることによって溝4dにパネル3の周縁部を容易に挿入することができる。なお、枠状の保持部材4の各辺において、溝4dの対向する二つの内壁を構成すると共に枠状の保持部材4の内側に延びる一対の当接部それぞれの長さW4UとW4Lとが異なっていてもよい。その場合、図12Bに示されるように溝4に表示パネル3の周縁部を挿入する際に、短い方の当接部を長い方の当接部よりも後から表示パネル3に宛てがうことによって、いっそう容易に表示パネル3の周縁部を溝4dに挿入することができる。
つぎに、表示パネル3の基板2が載置されるべき表面5aを有する支持部材5が用意され、支持部材5の表面5aに保持部材4が接合される。そして、好ましくはその接合と共に、表示パネル3の基板2が支持部材5の表面5aに密着される。基板2は、保持部材4と支持部材5の表面5aとの間の接着強度よりも弱い強度で密着される。支持部材5は、ガラス、金属、および樹脂などの任意の材料を任意の方法で加工することによって用意されてもよく、既存の物品が支持部材5として用意されてもよい。保持部材4は、たとえば、接着剤8を用いて、支持部材5に接合される。必要に応じて保持部材4が支持部材5に向って加圧される。また、必要な場合は、接着剤8の硬化のために加熱処理が行われる。接着剤8は、保持部材4の接合面および支持部材5の表面5aのいずれかまたは両方に塗布されてもよく、図12Aに示されるように、枠状のシートの形態に成型されたうえで、保持部材4と支持部材5との間に置かれてもよい。接着剤8は、アクリル系やシリコーン系またはウレタン系などの任意の接着剤が用いられる。
表示パネル3の基板2は、図12Aに示される例では、弱粘着層6を介して支持部材5の表面5aに密着される。すなわち、実施形態1の表示装置の製造方法は、支持部材5の表面5a、または、基板2における表示素子3aに向く面の反対面に、粘着剤から構成される弱粘着層6を形成することをさらに含んでいてもよい。弱粘着層6は、たとえば、粘着剤を用いて形成された弱粘着シートを、支持部材5の表面5a、または、基板2における表示素子3aに向く面の反対面に配置することによって形成され得る。弱粘着層6を構成する粘着剤は、アクリル系、シリコーン系またはウレタン系の樹脂を単独で、または複数組み合わせて主成分として含み得る。弱粘着層6を形成することによって、基板2は、弱粘着層6を介して、保持部材4と支持部材5の表面5aとの間の接着強度よりも弱い強度で、支持部材5の表面5aに密着される。
表示パネル3の基板2は、気泡などを巻き込まずに、支持部材5に密着されるのが好ましい。従って、図12Cに示されるように、表示パネル3は、撓まされた状態で、その一端から順に支持部材5の表面5aの上に載置される。この際、図12Cに示されるように、保持部材4も撓む必要がある。可撓性を有するように保持部材4を形成することは、このように気泡を巻き込み難い方法で表示パネル3が支持部材5に載置され得る点で好ましい。たとえば、以上の工程を経ることによって、表示装置1が完成する。
なお、枠状の保持部材4が用意される際に、保持部材4における枠状の形状の内側および外側に通じる貫通孔41a(図10A参照)、または貫通孔41bおよび溝42(図10B参照)が保持部材4に形成されてもよい。その場合、実施形態1の表示装置の製造方法は、保持部材4を支持部材5の表面5aに接合した後に、貫通孔41aまたは貫通孔41bおよび溝42を用いて、保持部材5における枠状の形状の内側から気体を吸引することを含んでいてもよい。そして、そのような吸引によって、基板2が支持部材5の表面5aに密着されてもよい。保持部材4に囲まれた空間Sが減圧状態乃至は真空状態となることによって、基板2がいっそう良好に支持部材5に密着し得る。また、空間Sの内部の空気やその中の水分が、表示パネル3と支持部材5との界面に入り込むことが防止され得る。なお、貫通孔41a、41bや溝42は、たとえば、保持部材4の形成時に用いられる成型用金型に、貫通孔41a、41bや溝42に対応した突起部を設けることや、保持部材4の形成後にドリルなどで切削加工を行うことなどによって形成され得る。また、枠状の保持部材5の内側からの気体の吸引は、たとえば、吸引ポンプなどの任意の吸引手段を用いて行われ得る。吸引後の空間Sの内部への空気の流入が、閉塞部材44(図10Aおよび図10B参照)によって防がれ得る。
図13には、実施形態1の表示装置の製造方法の他の例が示されている。図13に示される製造方法の例によって、たとえば図8に示される例の表示装置1が製造され得る。従って、図13に示される保持部材4は、その枠状の形状の各辺においてL字状の断面形状を有している。また、保持部材4と支持部材5との接合時には、表示パネル3と配線9との接続部は、保持部材4と配線9とが相対する部分に形成される凹部4a(図8)の内部に収容される。また、図13に示される例では、保持部材4は配線9と相対する部分において支持部材5と当接しないため、接着剤8は、表示パネル3の外縁の全周に渡って設けられずに不連続部分8aを有するように塗布または配置されている。
また、図13に示される例は、保持部材4が、表示パネル3において配線9が接続された面から表示パネル3に係合される点で図12Aに示される例と異なっている。図13に示される保持部材4は、前述のように各辺においてL字型の断面形状を有しているため、表示パネル3における配線9と接続されている面と対向する位置から、表示パネル3に係合され得る。従って、保持部材4と表示パネル3との係合、保持部材4と支持部材5との接合、および表示パネル3の基板2と支持部材5の表面5aとの密着が効率的に行われ得る。なお、実施形態1の表示装置の製造方法において、弱粘着層6は必ずしも形成されなくてもよい。すなわち、表示パネル3と支持部材5の「密着」は、前述のように、保持部材4による押圧、静電気作用、減圧吸着作用などによってもたらされてもよい。
<まとめ>
本発明の態様1の構成によると、支持部材に固定されて用いられる表示パネルを容易に支持部材から取り外すことができる。
本発明の態様2の構成によると、表示パネルの中を通って表示パネルと支持部材との界面まで達するような水分の浸透を少なくすることができる。
本発明の態様3の構成によると、表示パネルの中を通って表示パネルと支持部材との界面まで達するような水分の浸透を極めて少なくすることができる。
本発明の態様4の構成によると、バリア性能が高く、かつ、クラックなどの生じ難い第一バリア膜を得ることができる。
本発明の態様5の構成によると、表示素子上の異物などの影響を受け難い安定した品質の第二バリア膜を得ることができる。
本発明の態様6の構成によると、窒化ケイ素膜または窒化酸化ケイ素膜と有機膜との密着性を向上させることができる。
本発明の態様7の構成によると、表示パネルと支持部材とを略確実に密着させることができる。
本発明の態様8の構成によると、表示装置の使用中に表示パネルが支持部材から剥離し難く、かつ、意図的に表示パネルを支持部材から剥離する際には、容易に両者を分離することができる。
本発明の態様9の構成によると、表示パネルの取り外しの際に、表示パネルおよび支持部材のうちの所望のいずれかに弱粘着層を残すことができる。
本発明の態様10の構成によると、表示パネルの取り外しの際に、表示パネルおよび支持部材のうちの所望のいずれかに、弱粘着層をより確実に残すことができる。
本発明の態様11の構成によると、表示パネルの取り外しの際に表示パネルに弱粘着層を残すことができる。
本発明の態様12の構成によると、二次曲面である支持部材の表面に表示パネルを密着させることができる。
本発明の態様13の構成によると、保持部材が安定して支持部材に固定される。
本発明の態様14の構成によると、表示装置のユーザが、態様14の構成によらなければ表示装置によって視界が遮られてしまう領域の光景を見ることが可能となり得る。
本発明の態様15の構成によると、表示装置のユーザが、態様15の構成によらなければ保持部材によって視界が遮られてしまう領域の光景を見ることが可能となり得る。
本発明の態様16の構成によると、フロントガラスおよび表示パネルのいずれかが破損した場合には、破損していない表示パネルまたはフロントガラスに大きなダメージを与えずに、表示パネルをフロントガラスから取り外すことができる。
本発明の態様17の構成によると、表示パネルと支持部材とを一層強固に密着させることができる。
本発明の態様18の構成によると、ドライバと表示パネルとを容易に分離することができる。
本発明の態様19の構成によると、表示パネルを容易に外部の支持体に密着させて使用することができ、また、使用後に容易に支持体から取り外すことができる。
1、1a 表示装置
2 基板
3 表示パネル
37 第一バリア膜
37a 窒化ケイ素膜
37b 酸化ケイ素膜
38 第二バリア膜
38a 窒化ケイ素膜
38b 酸化ケイ素膜
38c 有機膜
3a 表示素子
4 保持部材
41a、41b 貫通孔
42 溝
44 閉塞部材
5 支持部材
5a 表面
6 弱粘着層
7 強粘着層
8 接着剤
9 配線
91 端子
9a コネクタ
DR ドライバ

Claims (18)

  1. 可撓性を有する基板の上にマトリクス状に配列された複数の表示素子を備える表示パネルと、
    前記表示パネルを縁取るように前記表示パネルの外縁に沿って前記外縁の一部または全部に設けられている保持部材と、を備え、
    前記保持部材は可撓性を有すると共に前記基板よりも高い剛性を有しており、
    前記基板における前記表示素子に向く面の反対面に、粘着剤から構成される弱粘着層が形成されており、
    前記保持部材は前記表示パネルを前記外縁の全周に渡って囲む枠状の形状を有しており、
    前記保持部材は、前記保持部材における前記枠状の形状の内側および外側に通じる貫通孔または溝と、前記貫通孔または前記溝による通気を防ぐ閉塞部材とを備えている、表示装置。
  2. 前記表示素子と前記基板との間および前記表示素子の上に、非透湿性の材料を用いて形成されたバリア膜をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記バリア膜の水蒸気透過度が、10-4g/m2/日以下である、請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記表示素子と前記基板との間に前記バリア膜として第一バリア膜が形成されており、
    前記第一バリア膜が、窒化ケイ素膜と酸化ケイ素膜とを含む多層膜である、請求項2または3に記載の表示装置。
  5. 前記表示素子の上に前記バリア膜として第二バリア膜が形成されており、
    前記第二バリア膜が、窒化ケイ素膜または窒化酸化ケイ素膜と、有機材料から構成される有機膜とを含む多層膜である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
  6. 前記第二バリア膜が、前記窒化ケイ素膜または前記窒化酸化ケイ素膜と前記有機膜との間に酸化ケイ素膜をさらに含んでいる、請求項5に記載の表示装置。
  7. 前記表示パネルの前記基板が、自動車のフロントガラスの表面に載置されるように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
  8. 前記表示パネルの前記基板が、前記フロントガラスの車幅方向の全体にわたって保持されるように構成されている、請求項7に記載の表示装置。
  9. 前記弱粘着層は前記基板と前記フロントガラスとの間に備えられており、
    前記基板は前記弱粘着層を介して前記フロントガラスの前記表面に密着している、請求項7または8に記載の表示装置。
  10. 前記弱粘着層と、前記基板および前記フロントガラスのいずれかまたは両方との密着強度が、0.02N/10mm以上、5.0N/10mm以下である、請求項9に記載の表示装置。
  11. 前記弱粘着層に接合されていて前記弱粘着層の粘着力以上の粘着力を有している強粘着層をさらに備えている、請求項9または10に記載の表示装置。
  12. 前記強粘着層と、前記基板または前記フロントガラスとの密着強度が5.0N/10mm以上、20N/10mm以下である、請求項11に記載の表示装置。
  13. 前記強粘着層が前記弱粘着層と前記基板との間に備えられており、
    前記弱粘着層と、前記フロントガラスとの密着強度が、0.02N/10mm以上、5.0N/10mm以下である、請求項11または12に記載の表示装置。
  14. 前記フロントガラスの前記表面が二次曲面であり、
    前記弱粘着層の厚さが、前記二次曲面における湾曲形状に基づいて変化している、請求項9〜13のいずれか1項に記載の表示装置。
  15. 前記保持部材と前記フロントガラスの前記表面との間の接着強度が5.0N/10mmよりも大きく、10N/10mm以下である、請求項9〜14のいずれか1項に記載の表示装置。
  16. 前記保持部材が透光性の材料を用いて形成され、かつ、透光性の接着剤を用いて前記フロントガラスの前記表面に接合されている、請求項9〜15のいずれか1項に記載の表示装置。
  17. 前記表示パネルが、透光性の材料を用いて形成された透明有機EL表示パネルである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の表示装置。
  18. 前記表示パネルに駆動信号を供給するドライバと前記表示パネルとを接続する配線をさらに備え、
    前記配線は、その一端において前記表示パネルに接合され、かつ、前記一端と反対の端部において、前記ドライバに備えられたコネクタに適合すべく設けられた端子を備えている、請求項1〜17のいずれか1項に記載の表示装置。
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