以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態の送信方法、送信装置、受信方法、受信装置について詳しく説明する。
本説明を行う前に、従来システムである空間多重MIMO伝送システムにおける、送信方法、復号方法の概要について説明する。
NtxNr空間多重MIMOシステムの構成を図1に示す。情報ベクトルzは、符号化およびインタリーブが施される。そして、インタリーブの出力として、符号化後ビットのベクトルu=(u1,…,uNt)が得られる。ただし、ui=(ui1,…,uiM)とする(M:シンボル当たりの送信ビット数)。送信ベクトルs=(s1,…,sNt)Tとすると送信アンテナ#iから送信信号si=map(ui)とあらわし、送信エネルギーを正規化するとE{|si|2}=Es/Ntとあらわされる(Es:チャネル当たりの総エネルギー)。そして、受信ベクトルをy=(y1,…,yNr)Tとすると、式(1)のようにあらわされる。
このとき、HNtNrはチャネル行列、n=(n1,…,nNr)Tはノイズベクトルであり、niは平均値0、分散σ2のi.i.d.複素ガウス雑音である。受信機で導入する送信シンボルと受信シンボルの関係から、受信ベクトルに関する確率は、式(2)のように多次元ガウス分布で与えることができる。
ここで、outer soft−in/soft−outデコーダとMIMO検波からなる図1のような反復復号を行う受信機を考える。図1における対数尤度比のベクトル(L−value)は式(3)−(5)のようにあらわされる。
<反復検波方法>
ここでは、NtxNr空間多重MIMOシステムにおけるMIMO信号の反復検波について述べる。
umnの対数尤度比を式(6)のように定義する。
ベイズの定理より、式(6)は、式(7)のようにあらわすことができる。
ただし、Umn,±1={u|umn=±1}とする。そして、lnΣaj〜max
ln ajで近似すると式(7)は式(8)のように近似することができる。なお、上の「〜」の記号は近似を意味する。
式(8)におけるP(u|umn)とln P(u|umn)は以下のようにあらわされる。
ところで、式(2)で定義した式の対数確率は式(12)のようにあらわされる。
したがって、式(7),(13)から、MAP、または、APP(a posteriori probability)では、事後のL−valueは、以下のようにあらわされる。
以降では、反復APP復号と呼ぶ。また、式(8),(12)から、Max−Log近似に基づく対数尤度比(Max−Log APP)では、事後のL−valueは、以下のようにあらわされる。
以降では、反復Max−log APP復号と呼ぶ。そして、反復復号のシステムで必要とする外部情報は、式(13)または(14)から事前入力を減算することで、求めることができる。
<システムモデル>
図23に、以降の説明につながるシステムの基本構成を示す。ここでは、2×2空間多重MIMOシステムとし、ストリームA,Bではそれぞれにouterエンコーダがあり、2つのouterエンコーダは同一のLDPC符号のエンコーダとする(ここではouterエンコーダとしてLDPC符号のエンコーダを用いる構成を例に挙げて説明するが、outerエンコーダが用いる誤り訂正符号はLDPC符号に限ったものではなく、ターボ符号、畳み込み符号、LDPC畳み込み符号等の他の誤り訂正符号を用いても同様に
実施することができる。また、outerエンコーダは、送信アンテナごとに有する構成としているがこれに限ったものではなく、送信アンテナが複数であっても、outerエンコーダは一つであってもよく、また、送信アンテナ数より多くのouterエンコーダを有していてもよい。)。そして、ストリームA,Bではそれぞれにインタリーバ(πa,πb)がある。ここでは、変調方式を2h−QAMとする(1シンボルでhビットを送信することになる。)。
受信機では、上述のMIMO信号の反復検波(反復APP(またはMax−log APP)復号)を行うものとする。そして、LDPC符号の復号としては、例えば、sum−product復号を行うものとする。
図2はフレーム構成を示しており、インタリーブ後のシンボルの順番を記載している。このとき、以下の式のように(ia,ja),(ib,jb)をあらわすものとする。
このとき、ia,ib:インタリーブ後のシンボルの順番、ja,jb:変調方式におけるビット位置(ja,jb=1,・・・,h)、πa,πb:ストリームA,Bのインタリーバ、Ωa ia,ja,Ωb ib,jb:ストリームA,Bのインタリーブ前のデータの順番、を示している。ただし、図2では、ia=ibのときのフレーム構成を示している。
<反復復号>
ここでは、受信機におけるLDPC符号の復号で用いるsum−product復号およびMIMO信号の反復検波のアルゴリズムについて詳しく述べる。
sum−product復号
2元MxN行列H={Hmn}を復号対象とするLDPC符号の検査行列とする。集合[1,N]={1,2,・・・,N}の部分集合A(m),B(n)を次式のように定義する。
このとき、A(m)は検査行列Hのm行目において、1である列インデックスの集合を意味し、B(n)は検査行列Hのn行目において1である行インデックスの集合である。sum−product復号のアルゴリズムは以下のとおりである。
Step A・1(初期化):Hmn=1を満たす全ての組(m,n)に対して事前値対数比βmn=0とする。ループ変数(反復回数)lsum=1とし、ループ最大回数をlsum,maxと設定する。
Step A・2(行処理):m=1,2,・・・,Mの順にHmn=1を満たす全ての組(m,n)に対して、以下の更新式を用いて外部値対数比αmnを更新する。
このとき、fはGallagerの関数である。そして、λnの求め方については以降で詳しく説明する。
Step A・3(列処理):n=1,2,・・・,Nの順にHmn=1を満たす全ての組(m,n)に対して、以下の更新式を用いて外部値対数比βmnを更新する。
Step A・4(対数尤度比の計算):n∈[1,N]について対数尤度比Lnを以下のように求める。
Step A・5(反復回数のカウント):もしlsum<lsum,maxならばlsumをインクリメントして、step A・2に戻る。lsum=lsum,maxの場合、この回のsum−product復号は終了する。
以上が、1回のsum−product復号の動作である。その後、MIMO信号の反復検波が行われる。上述のsum−product復号の動作の説明で用いた変数m,n,αmn,βmn,λn,Lnにおいて、ストリームAにおける変数をma,na,αa mana,βa mana,λna,Lna、ストリームBにおける変数をmb,nb,αb mbnb,βb mbnb,λnb,Lnbであらわすものとする。
<MIMO信号の反復検波>
ここでは、MIMO信号の反復検波におけるλnの求め方について詳しく説明する。
式(1)から、次式が成立する。
図2のフレーム構成から、式(16)(17)から、以下の関係式が成立する。
このとき、na,nb∈[1,N]となる。以降では、MIMO信号の反復検波の反復回数kのときのλna,Lna,λnb,Lnbをそれぞれλk,na,Lk,na,λk,nb,Lk,nbとあらわすものとする。
Step B・1(初期検波;k=0):初期検波のとき、λ0,na,λ0,nbを以下のように求める。
反復APP復号のとき:
反復Max−log APP復号のとき:
ただし、X=a,bとする。そして、MIMO信号の反復検波の反復回数をlmimo=0とし、反復回数の最大回数をlmimo,maxと設定する。
Step B・2(反復検波;反復回数k):反復回数kのときのλk,na,λk,nbは、式(11)(13)−(15)(16)(17)から式(31)−(34)のようにあらわされる。ただし、(X,Y)=(a,b)(b,a)となる。
反復APP復号のとき:
反復Max−log APP復号のとき:
Step B・3(反復回数のカウント、符号語推定):もしlmimo<lmimo,maxならばlmimoをインクリメントして、step B・2に戻る。lmimo=lmimo,maxの場合、推定符号語を以下のようにもとめる。
ただし、X=a,bとする。
図3は、本実施の形態における送信装置300の構成の一例である。符号化部302Aは、情報(データ)301A、フレーム構成信号313を入力とし、フレーム構成信号313(符号化部302Aがデータの誤り訂正符号化に使用する誤り訂正方式、符号化率、ブロック長等の情報が含まれており、フレーム構成信号313が指定した方式を用いることになる。また、誤り訂正方式は、切り替えても良い。)にしたがい、例えば、畳み込み符号、LDPC符号、ターボ符号等の誤り訂正符号化を行い、符号化後のデータ303Aを出力する。
インタリーバ304Aは、符号化後のデータ303A、フレーム構成信号313を入力とし、インタリーブ、つまり、順番の並び替えを行い、インタリーブ後のデータ305Aを出力する。(フレーム構成信号313に基づき、インタリーブの方法は、切り替えても良い。)
マッピング部306Aは、インタリーブ後のデータ305A、フレーム構成信号313を入力とし、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation)等の変調を施し、ベースバンド信号307Aを出力する。(フレーム構成信号313に基づき、変調方式は、切り替えても良い。)
図19は、QPSK変調におけるベースバンド信号を構成する同相成分Iと直交成分QのIQ平面におけるマッピング方法の一例としている。例えば、図19(A)のように、入力データが「00」の場合、I=1.0、Q=1.0が出力され、以下同様に、入力データが「01」の場合、I=―1.0、Q=1.0が出力され、・・・、が出力される。図19(B)は、図19(A)とは異なるQPSK変調のIQ平面におけるマッピング方法の例であり、図19(B)が図19(A)と異なる点は、図19(A)における信号点が、原点を中心に回転させることで図19(B)の信号点を得ることができる。このようなコンスタレーションの回転方法については、非特許文献9、非特許文献10に示されており、また、非特許文献9、非特許文献10に示されているCyclic Q Delayを適用してもよい。図19とは別の例として、図20に16QAMのときのIQ平面における信号点配置を示しており、図19(A)に相当する例が図20(A)であり、図19(B)に相当する例が図20(B)となる。
符号化部302Bは、情報(データ)301B、フレーム構成信号313を入力とし、フレーム構成信号313(使用する誤り訂正方式、符号化率、ブロック長等の情報が含まれており、フレーム構成信号313が指定した方式を用いることになる。また、誤り訂正方式は、切り替えても良い。)にしたがい、例えば、畳み込み符号、LDPC符号、ターボ符号等の誤り訂正符号化を行い、符号化後のデータ303Bを出力する。
インタリーバ304Bは、符号化後のデータ303B、フレーム構成信号313を入力とし、インタリーブ、つまり、順番の並び替えを行い、インタリーブ後のデータ305Bを出力する。(フレーム構成信号313に基づき、インタリーブの方法は、切り替えても良い。)
マッピング部306Bは、インタリーブ後のデータ305B、フレーム構成信号313を入力とし、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation)等の変調を施し、ベースバンド信号307Bを出力する。(フレーム構成信号313に基づき、変調方式は、切り替えても良い。)
信号処理方法情報生成部314は、フレーム構成信号313を入力とし、フレーム構成信号313に基づいた信号処理方法に関する情報315を出力する。なお、信号処理方法に関する情報315は、どのプリコーディング行列を固定的に用いるのかを指定する情報と、位相を変更する位相変更パターンの情報を含む。
重み付け合成部308Aは、ベースバンド信号307A、ベースバンド信号307B、信号処理方法に関する情報315を入力とし、信号処理方法に関する情報315に基づいて、ベースバンド信号307Aおよびベースバンド信号307Bを重み付け合成し、重み付け合成後の信号309Aを出力する。なお、重み付け合成の方法の詳細については、後で詳しく説明する。
無線部310Aは、重み付け合成後の信号309Aを入力とし、直交変調、帯域制限、周波数変換、増幅等の処理を施し、送信信号311Aを出力し、送信信号511Aは、アンテナ312Aから電波として出力される。
重み付け合成部308Bは、ベースバンド信号307A、ベースバンド信号307B、信号処理方法に関する情報315を入力とし、信号処理方法に関する情報315に基づいて、ベースバンド信号307Aおよびベースバンド信号307Bを重み付け合成し、重み付け合成後の信号316Bを出力する。
図21に重み付け合成部(308A、308B)の構成を示す。図21において点線で囲まれる領域が重み付け合成部となる。ベースバンド信号307Aは、w11と乗算し、w11・s1(t)を生成し、w21と乗算し、w21・s1(t)を生成する。同様に、ベースバンド信号307Bは、w12と乗算し、w12・s2(t)を生成し、w22と乗算し、w22・s2(t)を生成する。次に、z1(t)=w11・s1(t)+w12・s2(t)、z2(t)=w21・s1(t)+w22・s2(t)を得る。このとき、s1(t)およびs2(t)は、上記の説明からわかるように、BPSK(Binary
Phase Shift Keying)、QPSK、8PSK(8 Phase Shift Keying)、16QAM、
32QAM(32 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、256QAM、16APSK(16 Amplitude Phase Shift Keying)等の変調方式のベースバンド信号となる
。
ここで、両重み付け合成部は、固定のプリコーディング行列を用いて重み付けを実行するものとし、プリコーディング行列としては、一例として、下記式(37)又は式(38)の条件のもと、式(36)を用いる方法がある。但し、これは一例であり、αの値は、式(37)、式(38)に限ったものではなく、別の値、例えば、αを1、としてもよい。
なお、プリコーディング行列は、
但し、上記式(36)において、αは、
である。
あるいは、上記式(36)において、αは、
である。
なお、プリコーディング行列は、式(36)に限ったものではなく、式(39)に示すものを用いてもよい。
この式(39)において、a=Aejδ11、b=Bejδ12、c=Cejδ21、d=Dejδ22であらわされればよい。また、a、b、c、dのいずれか一つが「ゼロ」であってもよい。例えば、(1)aがゼロであり、b、c、dはゼロでない、(2)bがゼロであり、a、c、dはゼロでない、(3)cがゼロであり、a、b、dはゼロでない、(4)dがゼロであり、a、b、cはゼロでない、という構成であってもよい。
なお、変調方式、誤り訂正符号、その符号化率のいずれかを変更した時は、使用するプリコーディング行列を設定、変更し、そのプリコーディング行列を固定的に使用してもよい。
位相変更部312は、重み付け合成後の信号312B及び信号処理方法に関する情報315を入力とし、当該信号312Bの位相を規則的に変更して出力する。規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、下記実施の形態4において説明する。
無線部310Bは、位相変更後の信号309Bを入力とし、直交変調、帯域制限、周波数変換、増幅等の処理を施し、送信信号311Bを出力し、送信信号311Bは、アンテナ312Bから電波として出力される。
図4は、図3とは異なる送信装置400の構成例を示している。図4において、図3と異なる部分について説明する。
符号化部402は、情報(データ)401、フレーム構成信号313を入力とし、フレーム構成信号313に基づき、誤り訂正符号化を行い、符号化後のデータ402を出力する。
分配部404は符号化後のデータ403を入力とし、分配し、データ405Aおよびデータ405Bを出力する。なお、図4では、符号化部が一つの場合を記載したが、これに限ったものではなく、符号化部をm(mは1以上の整数)とし、各符号化部で作成された符号化データを分配部が、2系統のデータにわけて出力する場合についても、本発明は同様に実施することができる。
図5は、本実施の形態における送信装置の時間軸におけるフレーム構成の一例を示している。シンボル500_1は、受信装置に、送信方法を通知するためのシンボルであり、例えば、データシンボルを伝送するために用いる誤り訂正方式、その符号化率の情報、データシンボルを伝送するために用いる変調方式の情報等を伝送する。
シンボル501_1は、送信装置が送信する変調信号z1(t){ただし、tは時間}のチャネル変動を推定するためのシンボルである。シンボル502_1は変調信号z1(t)が(時間軸における)シンボル番号uに送信するデータシンボル、シンボル503_1は変調信号z1(t)がシンボル番号u+1に送信するデータシンボルである。
シンボル501_2は、送信装置が送信する変調信号z2(t){ただし、tは時間}のチャネル変動を推定するためのシンボルである。シンボル502_2は変調信号z2(t)がシンボル番号uに送信するデータシンボル、シンボル503_2は変調信号z2(t)がシンボル番号u+1に送信するデータシンボルである。
このとき、z1(t)におけるシンボルとz2(t)におけるシンボルにおいて、同一時刻(同一時間)のシンボルは、同一(共通)の周波数を用いて、送信アンテナから送信されることになる。
送信装置が送信する変調信号z1(t)と変調信号z2(t)、及び、受信装置における受信信号r1(t)、r2(t)の関係について説明する。
図5において、504#1、504#2は送信装置における送信アンテナ、505#1、505#2は受信装置における受信アンテナを示しており、送信装置は、変調信号z1(t)を送信アンテナ504#1、変調信号z2(t)を送信アンテナ504#2から送信する。このとき、変調信号z1(t)および変調信号z2(t)は、同一(共通の)周波数(帯域)を占有しているものとする。送信装置の各送信アンテナと受信装置の各アンテナのチャネル変動をそれぞれh11(t)、h12(t)、h21(t)、h22(t)とし、受信装置の受信アンテナ505#1が受信した受信信号をr1(t)、受信装置の受信アンテナ505#2が受信した受信信号をr2(t)とすると、以下の関係式が成立する。
図6は、本実施の形態における重み付け方法(プリコーディング(Precoding)方法)及び位相変更方法に関連する図であり、重み付け合成部600は、図3の重み付け合成部308Aと308Bの両者を統合した重み付け合成部である。図6に示すように、ストリームs1(t)およびストリームs2(t)は、図3のベースバンド信号307Aおよび307Bに相当する、つまり、QPSK、16QAM、64QAMなどの変調方式のマッピングにしたがったベースバンド信号の同相I成分、直交Q成分となる。そして、図6のフレーム構成のようにストリームs1(t)は、シンボル番号uの信号をs1(u)、シンボル番号u+1の信号をs1(u+1)、・・・とあらわす。同様に、ストリームs2(t)は、シンボル番号uの信号をs2(u)、シンボル番号u+1の信号をs2(u+1)、・・・とあらわす。そして、重み付け合成部600は、図3におけるベー
スバンド信号307A(s1(t))および307B(s2(t))、信号処理方法に関する情報315を入力とし、信号処理方法に関する情報315にしたがった重み付けを施し、図3の重み付け合成後の信号309A(z1(t))、309B(z2(t))を出力する。
このとき、z1(t)は、固定のプリコーディング行列Fにおける第1行のベクトルをW1=(w11,w12)とすると、以下の式(41)であらわすことができる。
一方、z2(t)は、固定のプリコーディング行列Fにおける第2行のベクトルをW2=(w21,w22)とし、位相変更部による位相変更式をy(t)とすると、以下の式(42)であらわすことができる。
ここで、y(t)は、予め定められた方式に従って、位相を変更するための式であり、例えば、周期を4とすると、時刻uの位相変更式は、例えば、式(43)であらわすことができる。
同様に時刻u+1の位相変更式は、例えば、式(44)であらわすことができる。
即ち、時刻u+kの位相変更式は、式(45)であらわすことができる。
なお、式(43)〜(45)に示した規則的な位相変更例は一例に過ぎない。
規則的な位相変更の周期は4に限ったものではない。この周期の数が多くなればその分だけ、受信装置の受信性能(より正確には誤り訂正性能)の向上を促すことができる可能性がある(周期が大きければよいというわけではないが、2のような小さい値は避ける方がよい可能性が高い。)。
また、上記式(43)〜(45)で示した位相変更例では逐次所定の位相(上記式では、π/2ずつ)だけ回転させていく構成を示したが、同じ位相量だけ回転させるのではなくランダムに位相を変更することとしてもよい。例えば、y(t)は予め定められた周期に従って、式(46)や式(47)に示すような順に乗じる位相が変更されてもよい。位相の規則的な変更において重要となるのは、変調信号の位相が規則的に変更されることであり、変更される位相の度合いについては、なるべく均等になる、例えば、−πラジアンからπラジアンに対し、一様分布となるのが望ましいもののランダムであってもよい。
このように、図6の重み付け合成部600は、予め定められた固定のプリコーディングウェイトを用いてプリコーディングを実行し、位相変更部は、入力された信号の位相を、その変更度合いを規則的に変えながら、変更する。
LOS環境では、特殊なプリコーディング行列を用いると、受信品質が大きく改善する可能性があるが、直接波の状況により、その特殊なプリコーディング行列は受信した際の直接波の位相、振幅成分により異なる。しかし、LOS環境には、ある規則があり、この規則に従い送信信号の位相を規則的に変更すれば、データの受信品質が大きく改善する。本発明は、LOS環境を改善する信号処理方法を提案している。
図7は、本実施の形態における受信装置700の構成の一例を示している。無線部703_Xは、アンテナ701_Xで受信された受信信号702_Xを入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号704_Xを出力する。
送信装置で送信された変調信号z1におけるチャネル変動推定部705_1は、ベースバンド信号704_Xを入力とし、図5におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル501_1を抽出し、式(40)のh11に相当する値を推定し、チャネル推定信号706_1を出力する。
送信装置で送信された変調信号z2におけるチャネル変動推定部705_2は、ベースバンド信号704_Xを入力とし、図5におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル501_2を抽出し、式(40)のh12に相当する値を推定し、チャネル推定信号706_2を出力する。
無線部703_Yは、アンテナ701_Yで受信された受信信号702_Yを入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号704_Yを出力する。
送信装置で送信された変調信号z1におけるチャネル変動推定部707_1は、ベースバンド信号704_Yを入力とし、図5におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル501_1を抽出し、式(40)のh21に相当する値を推定し、チャネル推定信号708_1を出力する。
送信装置で送信された変調信号z2におけるチャネル変動推定部707_2は、ベースバンド信号704_Yを入力とし、図5におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル501_2を抽出し、式(40)のh22に相当する値を推定し、チャネル推定信号708_2を出力する。
制御情報復号部709は、ベースバンド信号704_Xおよび704_Yを入力とし、図5の送信方法を通知するためのシンボル500_1を検出し、送信装置が通知した送信方法の情報に関する信号710を出力する。
信号処理部711は、ベースバンド信号704_X、704_Y、チャネル推定信号706_1、706_2、708_1、708_2、及び、送信装置が通知した送信方法の情報に関する信号710を入力とし、検波、復号を行い、受信データ712_1および712_2を出力する。
次に、図7の信号処理部711の動作について詳しく説明する。図8は、本実施の形態における信号処理部711の構成の一例を示している。図8は、主にINNER MIMO検波部とsoft−in/soft−outデコーダ、係数生成部から構成されている。この構成における反復復号の方法については、非特許文献2、非特許文献3で詳細が述べられているが、非特許文献2、非特許文献3に記載されているMIMO伝送方式は空間多重MIMO伝送方式であるが、本実施の形態における伝送方式は、時間とともに信号の位相を規則的に変更し、かつ、プリコーディング行列が使用されているMIMO伝送方式である点が、非特許文献2、非特許文献3と異なる点である。式(36)における(チャネル)行列をH(t)、図6におけるプリコーディングウェイト行列をF(ここでプリコーディング行列は1の受信信号中においては変更されない固定のものである)、図6の位相変更部による位相変更式の行列をY(t)(ここでY(t)はtによって変化する)、受信ベクトルをR(t)=(r1(t),r2(t))T、ストリームベクトルS(t)=(s1(t),s2(t))Tとすると以下の関係式が成立する。
このとき、受信装置は、H(t)×Y(t)×Fを得ることで、受信ベクトルR(t)に対して非特許文献2、非特許文献3の復号方法を適用することができる。
したがって、図8の係数生成部819は、送信装置が通知した送信方法の情報(用いた固定のプリコーディング行列及び位相を変更していた場合の位相変更パターンを特定するための情報)に関する信号818(図7の710に相当)を入力とし、信号処理方法の情報に関する信号820を出力する。
INNER MIMO検波部803は、信号処理方法の情報に関する信号820を入力とし、この信号を利用して、式(48)の関係を利用することで、反復検波・復号を行うことになるがその動作について説明する。
図8に示す構成の信号処理部では、反復復号(反復検波)を行うため図10に示すような処理方法を行う必要がある。初めに、変調信号(ストリーム)s1の1符号語(または、1フレーム)、および、変調信号(ストリーム)s2の1符号語(または、1フレーム)の復号を行う。その結果、soft−in/soft−outデコーダから、変調信号(ストリーム)s1の1符号語(または、1フレーム)、および、変調信号(ストリーム)s2の1符号語(または、1フレーム)の各ビットの対数尤度比(LLR:Log−Likelihood Ratio)が得られる。そして、そのLLRを用いて再度、検波・復号が行われる。この操作が複数回行われる(この操作を反復復号(反復検波)と呼ぶ。)。以降では、1フレームにおける特定の時間のシンボルの対数尤度比(LLR)の作成方法を中心に説明する。
図8において、記憶部815は、ベースバンド信号801X(図7のベースバンド信号704_Xに相当する。)、チャネル推定信号群802X(図7のチャネル推定信号706_1、706_2に相当する。)、ベースバンド信号801Y(図7のベースバンド信号704_Yに相当する。)、チャネル推定信号群802Y(図7のチャネル推定信号708_1、708_2に相当する。)を入力とし、反復復号(反復検波)を実現するために、式(48)におけるH(t)×Y(t)×Fを実行(算出)し、算出した行列を変形チャネル信号群として記憶する。そして、記憶部815は、必要なときに上記信号を、ベースバンド信号816X、変形チャネル推定信号群817X、ベースバンド信号816Y、変形チャネル推定信号群817Yとして出力する。
その後の動作については、初期検波の場合と反復復号(反復検波)の場合を分けて説明する。
<初期検波の場合>
INNER MIMO検波部803は、ベースバンド信号801X、チャネル推定信号群802X、ベースバンド信号801Y、チャネル推定信号群802Yを入力とする。ここでは、変調信号(ストリーム)s1、変調信号(ストリーム)s2の変調方式が16QAMとして説明する。
INNER MIMO検波部803は、まず、チャネル推定信号群802X、チャネル推定信号群802YからH(t)×Y(t)×Fを実行し、ベースバンド信号801Xに
対応する候補信号点を求める。そのときの様子を図11に示す。図11において、●(黒丸)は、IQ平面における候補信号点であり、変調方式が16QAMのため、候補信号点は256個存在する。(ただし、図11では、イメージ図を示しているため、256個の候補信号点全ては示していない。)ここで、変調信号s1で伝送する4ビットをb0、b1、b2、b3、変調信号s2で伝送する4ビットをb4、b5、b6、b7とすると、図11において(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)に対応する候補信号点が存在することになる。そして、受信信号点1101(ベースバンド信号801Xに相当する。)と候補信号点それぞれとの2乗ユークリッド距離を求める。そして、それぞれの2乗ユークリッド距離をノイズの分散σ2で除算する。したがって、(b0,b1,
b2,b3,b4,b5,b6,b7)に対応する候補信号点と受信信号点2乗ユークリッド距離をノイズの分散で除算した値をEX(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b
6,b7)が求まることになる。なお、各ベースバンド信号、変調信号s1、s2は、複素信号である。
同様に、チャネル推定信号郡802X、チャネル推定信号郡802YからH(t)×F×Y(t)を実行し、ベースバンド信号801Yに対応する候補信号点をもとめ、受信信号点(ベースバンド信号801Yに相当する。)との2乗ユークリッド距離を求め、この2乗ユークリッド距離をノイズの分散σ2で除算する。したがって、(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)に対応する候補信号点と受信信号点2乗ユークリッド距離をノイズの分散で除算した値をEY(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)が求まることになる。
そして、EX(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)+EY(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)=E(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)を求める。
INNER MIMO検波部803は、E(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)を信号804として出力する。
対数尤度算出部805Aは、信号804を入力とし、ビットb0およびb1およびb2およびb3の対数尤度(log likelihood)を算出し、対数尤度信号806Aを出力する。ただし、対数尤度の算出では、“1”のときの対数尤度および“0”のときの対数尤度が算出される。その算出方法は、式(28)、式(29)、式(30)に示した通りであり、詳細については、非特許文献2、非特許文献3に示されている。
同様に、対数尤度算出部805Bは、信号804を入力とし、ビットb4およびb5およびb6およびb7の対数尤度を算出し、対数尤度信号806Bを出力する。
デインタリーバ(807A)は、対数尤度信号806Aを入力とし、インタリーバ(図3のインタリーバ(304A))に対応するデインタリーブを行い、デインタリーブ後の対数尤度信号808Aを出力する。
同様に、デインタリーバ(807B)は、対数尤度信号806Bを入力とし、インタリーバ(図3のインタリーバ(304B))に対応するデインタリーブを行い、デインタリーブ後の対数尤度信号808Bを出力する。
対数尤度比算出部809Aは、デインタリーブ後の対数尤度信号808Aを入力とし、図3の符号化器302Aで符号化されたビットの対数尤度比(LLR:Log−Likelihood Ratio)を算出し、対数尤度比信号810Aを出力する。
同様に、対数尤度比算出部809Bは、デインタリーブ後の対数尤度信号808Bを入力とし、図3の符号化器302Bで符号化されたビットの対数尤度比(LLR:Log−
Likelihood Ratio)を算出し、対数尤度比信号810Bを出力する。
Soft−in/soft−outデコーダ811Aは、対数尤度比信号810Aを入力とし、復号を行い、復号後の対数尤度比812Aを出力する。
同様に、Soft−in/soft−outデコーダ811Bは、対数尤度比信号810Bを入力とし、復号を行い、復号後の対数尤度比812Bを出力する。
<反復復号(反復検波)の場合、反復回数k>
インタリーバ(813A)は、k−1回目のsoft−in/soft−outデコードで得られた復号後の対数尤度比812Aを入力とし、インタリーブを行い、インタリーブ後の対数尤度比814Aを出力する。このとき、インタリーブ(813A)のインタリーブのパターンは、図3のインタリーバ(304A)のインタリーブパターンと同様である。
インタリーバ(813B)は、k−1回目のsoft−in/soft−outデコードで得られた復号後の対数尤度比812Bを入力とし、インタリーブを行い、インタリーブ後の対数尤度比814Bを出力する。このとき、インタリーブ(813B)のインタリーブのパターンは、図3のインタリーバ(304B)のインタリーブパターンと同様である。
INNER MIMO検波部803は、ベースバンド信号816X、変形チャネル推定信号群817X、ベースバンド信号816Y、変形チャネル推定信号群817Y、インタリーブ後の対数尤度比814A、インタリーブ後の対数尤度比814Bを入力とする。ここで、ベースバンド信号801X、チャネル推定信号群802X、ベースバンド信号801Y、チャネル推定信号群802Yではなく、ベースバンド信号816X、変形チャネル推定信号群817X、ベースバンド信号816Y、変形チャネル推定信号群817Yを用いているのは、反復復号のため、遅延時間が発生しているためである。
INNER MIMO検波部803の反復復号時の動作と、初期検波時の動作の異なる点は、インタリーブ後の対数尤度比814A、インタリーブ後の対数尤度比814Bを信号処理の際に用いていることである。INNER MIMO検波部803は、まず、初期検波のときと同様に、E(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)を求める。加えて、インタリーブ後の対数尤度比814A、インタリーブ後の対数尤度比814Bから、式(11)、式(32)に相当する係数を求める。そして、E(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)の値をこの求めた係数を用いて補正し、その値をE'
(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)とし、信号804として出力する。
対数尤度算出部805Aは、信号804を入力とし、ビットb0およびb1およびb2およびb3の対数尤度(log likelihood)を算出し、対数尤度信号806Aを出力する。ただし、対数尤度の算出では、“1”のときの対数尤度および“0”のときの対数尤度が算出される。その算出方法は、式(31)、式(32)、式(33)、式(34)、式(35)に示した通りであり、非特許文献2、非特許文献3に示されている。
同様に、対数尤度算出部805Bは、信号804を入力とし、ビットb4およびb5およびb6およびb7の対数尤度を算出し、対数尤度信号806Bを出力する。デインタリーバ以降の動作は、初期検波と同様である。
なお、図8では、反復検波を行う場合の、信号処理部の構成について示したが、反復検
波は必ずしも良好な受信品質を得る上で必須の構成ではなく、反復検波のみに必要とする構成部分、インタリーバ813A、813Bを有していない構成でもよい。このとき、INNER MIMO検波部803は、反復的な検波を行わないことになる。
そして、本実施の形態で重要な部分は、H(t)×Y(t)×Fの演算を行うことである。なお、非特許文献5等に示されているように、QR分解を用いて初期検波、反復検波を行ってもよい。
また、非特許文献11に示されているように、H(t)×Y(t)×Fに基づき、MMSE(Minimum Mean Square Error)、ZF(Zero Forcing)の線形演算を行い、初期検波を行
ってもよい。
図9は、図8と異なる信号処理部の構成であり、図4の送信装置が送信した変調信号のための信号処理部である。図8と異なる点は、soft−in/soft−outデコーダの数であり、soft−in/soft−outデコーダ901は、対数尤度比信号810A、810Bを入力とし、復号を行い、復号後の対数尤度比902を出力する。分配部903は、復号後の対数尤度比902を入力とし、分配を行う。それ以外の部分については、図8と同様の動作となる。
以上のように、本実施の形態のように、MIMO伝送システムの送信装置が複数アンテナから複数の変調信号を送信する際、プリコーディング行列を乗算するとともに、時間とともに位相を変更し、この位相の変更を規則的に行うことで、直接波が支配的なLOS環境において、従来の空間多重MIMO伝送を用いるときと比べ、受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
本実施の形態において、特に、受信装置の構成については、アンテナ数を限定して、動作を説明したが、アンテナ数が増えても、同様に実施することができる。つまり、受信装置におけるアンテナ数は、本実施の形態の動作、効果に影響を与えるものではない。
また、本実施の形態では、特にLDPC符号を例に説明したがこれに限ったものではなく、また、復号方法についても、soft−in/soft−outデコーダとして、sum−product復号を例に限ったものではなく、他のsoft−in/soft−outの復号方法、例えば、BCJRアルゴリズム、SOVAアルゴリズム、Msx−log−MAPアルゴリズムなどがある。詳細については、非特許文献6に示されている。
また、本実施の形態では、シングルキャリア方式を例に説明したが、これに限ったものではなく、マルチキャリア伝送を行った場合でも同様に実施することができる。したがって、例えば、スペクトル拡散通信方式、OFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)、SC−OFDM(Single Carrier Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、非特許文献7等で示されているウェーブレットOFDM方式等を用いた場合についても同様に実施することができる。また、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(プリアンブル、ユニークワード等)、制御情報の伝送用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。
以下では、マルチキャリア方式の一例として、OFDM方式を用いたときの例を説明する。
図12は、OFDM方式を用いたときの送信装置の構成を示している。図12において、図3と同様に動作するものについては、同一符号を付した。
OFDM方式関連処理部1201Aは、重み付け後の信号309Aを入力とし、OFDM方式関連の処理を施し、送信信号1202Aを出力する。同様に、OFDM方式関連処理部1201Bは、重み付け後の信号309Bを入力とし、送信信号1202Bを出力する。
図13は、図12のOFDM方式関連処理部1201A、1201B以降の構成の一例を示しており、図12の1201Aから312Aに関連する部分が、1301Aから1310Aであり、1201Bから312Bに関連する部分が1301Bから1310Bである。
シリアルパラレル変換部1302Aは、重み付け後の信号1301A(図12の重み付け後の信号309Aに相当する)シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号1303Aを出力する。
並び換え部1304Aは、パラレル信号1303Aを入力とし、並び換えを行い、並び換え後の信号1305Aを出力する。なお、並び換えについては、後で詳しく述べる。
逆高速フーリエ変換部1306Aは、並び換え後の信号1305Aを入力とし、逆高速フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換後の信号1307Aを出力する。
無線部1308Aは、逆フーリエ変換後の信号1307Aを入力とし、周波数変換、増幅等の処理を行い、変調信号1309Aを出力し、変調信号1309Aはアンテナ1310Aから電波として出力される。
シリアルパラレル変換部1302Bは、重み付けされ位相が変更された後の信号1301B(図12の位相変更後の信号309Bに相当する)に対し、シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号1303Bを出力する。
並び換え部1304Bは、パラレル信号1303Bを入力とし、並び換えを行い、並び換え後の信号1305Bを出力する。なお、並び換えについては、後で詳しく述べる。
逆高速フーリエ変換部1306Bは、並び換え後の信号1305Bを入力とし、逆高速フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換後の信号1307Bを出力する。
無線部1308Bは、逆フーリエ変換後の信号1307Bを入力とし、周波数変換、増幅等の処理を行い、変調信号1309Bを出力し、変調信号1309Bはアンテナ1310Bから電波として出力される。
図3の送信装置では、マルチキャリアを用いた伝送方式でないため、図6のように、4周期となるように位相を変更し、位相変更後のシンボルを時間軸方向に配置している。図12に示すようなOFDM方式のようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、当然、図3のようにプリコーディングし、位相を変更した後のシンボルを時間軸方向に配置し、それを各(サブ)キャリアごとに行う方式が考えられるが、マルチキャリア伝送方式の場合、周波数軸方向、または、周波数軸・時間軸両者を用いて配置する方法が考えられる。以降では、この点について説明する。
図14は、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、周波数軸は、(サブ)キャリア0から(サブ)キャリア9で構成されており、変調信号z1とz2は、同一時刻(時間)に同一の周波数帯域を使用しており、図14(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図14(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。シリアルパ
ラレル変換部1302Aが入力とする重み付けされた後の信号1301Aのシンボルに対し、順番に、#0、#1、#2、#3、・・・と番号をふる。ここでは、周期4の場合を考えているので、#0、#1、#2、#3が一周期分となる。同様に考えると、#4n、#4n+1、#4n+2、#4n+3(nは0以上の整数)が一周期分となる。
このとき、図14(a)のように、シンボル#0、#1、#2、#3、・・・をキャリア0から順番に配置し、シンボル#0から#9を時刻$1に配置し、その後、シンボル#10から#19を時刻$2に配置するというように規則的に配置するものとする。なお、変調信号z1とz2は、複素信号である。
同様に、シリアルパラレル変換部1302Bが入力とする重み付けされ位相が変更された後の信号1301Bのシンボルに対し、順番に、#0、#1、#2、#3、・・・と番号をふる。ここでは、周期4の場合を考えているので、#0、#1、#2、#3はそれぞれ異なる位相変更を行っていることになり、#0、#1、#2、#3が一周期分となる。同様に考えると、#4n、#4n+1、#4n+2、#4n+3(nは0以上の整数)はそれぞれ異なる位相変更を行っていることになり、#4n、#4n+1、#4n+2、#4n+3が一周期分となる。
このとき、図14(b)のように、シンボル#0、#1、#2、#3、・・・をキャリア0から順番に配置し、シンボル#0から#9を時刻$1に配置し、その後、シンボル#10から#19を時刻$2に配置するというように規則的に配置するものとする。
そして、図14(B)に示すシンボル群1402は、図6に示す位相変更方法を用いたときの1周期分のシンボルであり、シンボル#0は図6の時刻uの位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#1は図6の時刻u+1の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#2は図6の時刻u+2の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#3は図6の時刻u+3の位相を用いたときのシンボルである。したがって、シンボル#xにおいて、x mod 4が0(xを4で割ったときの余り、したがって、mod:modulo)のとき、シンボル#xは図6の時刻uの位相を用いたときのシンボルであり、x mod
4が1のとき、シンボル#xは図6の時刻u+1の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 4が2のとき、シンボル#xは図6の時刻u+2の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 4が3のとき、シンボル#xは図6の時刻u+3の位相を用いたときのシンボルである。
なお、本実施の形態においては、図14(A)に示す変調信号z1は位相を変更されていない。
このように、OFDM方式などのマルチキャリア伝送方式を用いた場合、シングルキャリア伝送のときとは異なり、シンボルを周波数軸方向に並べることができるという特徴を持つことになる。そして、シンボルの並べ方については、図14のような並べ方に限ったものではない。他の例について、図15、図16を用いて説明する。
図15は、図14とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図15(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図15(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。図15(A)(B)が図14と異なる点は、変調信号z1のシンボルの並び替え方法と変調信号z2のシンボルの並び替え方法が異なる点であり、図15(B)では、シンボル#0から#5をキャリア4からキャリア9に配置し、シンボル#6から#9をキャリア0から3に配置し、その後、同様の規則で、シンボル#10から#19を各キャリアに配置する。このとき、図14(B)と同様に、図15(B)に示すシンボル群1502は、図6に示す位相変更方法を用いたときの1周期分のシンボルであ
る。
図16は、図14と異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図16(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図16(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。図16(A)(B)が図14と異なる点は、図14では、シンボルをキャリアに順々に配置しているのに対し、図16では、シンボルをキャリアに順々に配置していない点である。当然であるが、図16において、図15と同様に、変調信号z1のシンボルの並び替え方法と変調信号z2の並び替え方法を異なるようにしてもよい。
図17は、図14〜16とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図17(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図17(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。図14〜16では、シンボルを周波数軸方向に並べているが、図17ではシンボルを周波数、時間軸の両者を利用して配置している。
図6では、位相の変更を4スロットで切り替える場合の例を説明したが、ここでは、8スロットで切り替える場合を例に説明する。図17に示すシンボル群1702は、位相変更方法を用いたときの1周期分のシンボル(したがって、8シンボル)であり、シンボル#0は時刻uの位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#1は時刻u+1の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#2は時刻u+2の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#3は時刻u+3の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#4は時刻u+4の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#5は時刻u+5の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#6は時刻u+6の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#7は時刻u+7の位相を用いたときのシンボルである。したがって、シンボル#xにおいて、x mod 8が0のとき、シンボル#xは時刻uの位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が1のとき、シンボル#xは時刻u+1の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が2のとき、シンボル#xは時刻u+2の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が3のとき、シンボル#xは時刻u+3の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が4のとき、シンボル#xは時刻u+4の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が5のとき、シンボル#xは時刻u+5の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が6のとき、シンボル#xは時刻u+6の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が7のとき、シンボル#xは時刻u+7の位相を用いたときのシンボルである。図17のシンボルの並べ方では、時間軸方向に4スロット、周波数軸方向で2スロットの計4×2=8スロットを用いて、1周期分のシンボルを配置しているが、このとき、1周期分のシンボルの数をm×nシンボル(つまり、乗じる位相はm×n種類存在する。)1周期分のシンボルを配置するのに使用する周波数軸方向のスロット(キャリア数)をn、時間軸方向に使用するスロットをmとすると、m>nとするとよい。これは、直接波の位相は、時間軸方向の変動は、周波数軸方向の変動と比較し、緩やかである。したがって、定常的な直接波の影響を小さくするために本実施の形態の規則的な位相の変更を行うので、位相の変更を行う周期では直接波の変動を小さくしたい。したがって、m>nとするとよい。また、以上の点を考慮すると、周波数軸方向のみ、または、時間軸方向のみにシンボルを並び替えるより、図17のように周波数軸と時間軸の両者を用いて並び換えを行うほうが、直接波は定常的になる可能性が高く、本発明の効果を得やすいという効果が得られる。ただし、周波数軸方向に並べると、周波数軸の変動が急峻であるため、ダイバーシチゲインを得ることが出来る可能性があるので、必ずしも周波数軸と時間軸の両者を用いて並び換えを行う方法が最適な方法であるとは限らない。
図18は、図17とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図18(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図18(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。図18は、図17と同様、シンボルを周波数、時間軸の両者を利用して配置しているが、図17と異なる点は、図17では、周波数方向を優先し、その後、時間軸方向にシンボルを配置しているのに対し、図18では、時間軸方向を優先し、その後、時間軸方向にシンボルを配置している点である。図18において、シンボル群1802は、位相変更方法を用いたときの1周期分のシンボルである。
なお、図17、図18では、図15と同様に、変調信号z1のシンボルの配置方法と変調信号z2のシンボル配置方法が異なるように配置しても同様に実施することができ、また、高い受信品質を得ることができるという効果を得ることができる。また、図17、図18において、図16のようにシンボルを順々に配置していなくても、同様に実施することができ、また、高い受信品質を得ることができるという効果を得ることができる。
図22は、上記とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における図13の並び替え部1301A、130Bにおけるシンボルの並び換え方法の一例を示している。図6の時刻u〜u+3のような4スロットを用いて規則的に位相を変更する場合を考える。図22において特徴的な点は、周波数軸方向にシンボルを順に並べているが、時間軸方向に進めた場合、サイクリックにn(図22の例ではn=1)シンボルサイクリックシフトさせている点である。図22における周波数軸方向のシンボル群2210に示した4シンボルにおいて、図6の時刻u〜u+3の位相の変更を行うものとする。
このとき、#0のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#1では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#2では時刻u+2の位相を用いた位相変更、時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
周波数軸方向のシンボル群2220についても同様に、#4のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#5では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#6では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#7では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
時間$1のシンボルにおいて、上記のような位相の変更を行ったが、時間軸方向において、サイクリックシフトしているため、シンボル群2201、2202、2203、2204については以下のように位相の変更を行うことになる。
時間軸方向のシンボル群2201では、#0のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#9では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#18では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#27では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
時間軸方向のシンボル群2202では、#28のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#1では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#10では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#19では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
時間軸方向のシンボル群2203では、#20のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#29では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#21では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#11では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
時間軸方向のシンボル群2204では、#12のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#21では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#30では時刻u+2の位相を
用いた位相変更、#3では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
図22においての特徴は、例えば#11のシンボルに着目した場合、同一時刻の周波数軸方向の両隣のシンボル(#10と#12)は、ともに#11とは異なる位相を用いて位相の変更を行っているとともに、#11のシンボルの同一キャリアの時間軸方向の両隣のシンボル(#2と#20)は、ともに#11とは異なる位相を用いて位相の変更を行っていることである。そして、これは#11のシンボルに限ったものではなく、周波数軸方向および時間軸方向ともに両隣にシンボルが存在するシンボルすべてにおいて#11のシンボルと同様の特徴をもつことになる。これにより、効果的に位相を変更していることになり、直接波の定常的な状況に対する影響を受けづらくなるため、データの受信品質が改善される可能性が高くなる。
図22では、n=1として説明したが、これに限ったものではなく、n=3としても同様に実施することができる。また、図22では、周波数軸にシンボルを並べ、時間が軸方向にすすむ場合、シンボルの配置の順番をサイクリックシフトするという特徴を持たせることで、上記の特徴を実現したが、シンボルをランダム(規則的であってもよい)に配置することで上記特徴を実現するような方法もある。
(実施の形態2)
上記実施の形態1においては、重み付け合成された(固定のプリコーディング行列でプリコーディングされた)信号z(t)の位相を変更することとした。ここでは、上記実施の形態1と同等の効果を得られる位相変更方法の各種の実施形態について開示する。
上記実施の形態において、図3及び図6に示すように、位相変更部317Bは、重み付け合成部600からの一方の出力に対してのみ位相の変更を実行する構成となっている。
しかしながら、位相の変更を実行するタイミングとしては、重み付け合成部600によるプリコーディングの前に実行することとしてもよく、送信装置は、図6に示した構成に代えて、図25に示すように、位相変更部317Bを重み付け合成部600の前段に設ける構成としてもよい。
この場合、位相変更部317Bは、選択した変調方式のマッピングにしたがったベースバンド信号s2(t)に対して規則的な位相の変更を実行して、s2'(t)=s2(t
)y(t)(但し、y(t)はtにより変更される)を出力し、重み付け合成部600は、s2'(t)に対してプリコーディングを実行して、z2(t)(=W2s2'(t))(式(42)参照)を出力し、これを送信する構成としてもよい。
また、位相の変更は、両変調信号s1(t)、s2(t)の双方に対して実行してもよく、送信装置は、図6に示した構成に代えて、図26に示すように、重み付け合成部600の両方の出力に対して位相変更部を設ける構成をとってもよい。
位相変更部317Aは、位相変更部317Bと同様に入力された信号の位相を規則的に変更するものであり、重み付け合成部からのプリコーディングされた信号z1’(t)の位相を変更し、位相を変更した信号z1(t)を送信部に出力する。
ただし、位相変更部317A及び位相変更部317Bは互いに位相を変更する位相の度合いは、同じタイミングにおいては、図26に示すような位相の変更を行う。(ただし、以下は一つの例であり、位相の変更方法はこれに限ったものではない。)時刻uにおいて、図26の位相変更部317Aは、z1(t)=y1(t)z1'(t)となるように、ま
た、位相変更部317Bは、z2(t)=y2(t)z2'(t)となるように、位相の変
更を行う。例えば、図26に示すように、時刻uにおいて、y1(u)=ej0、y2(u)
=e-jπ/2、時刻u+1において、y1(u+1)=ejπ/4、y2(u+1)=e-j3π/4、・・・、時刻u+kにおいて、y1(u+k)=ejkπ/4、y2(u+k)=ej(-kπ/4-π/2)、として位相の変更を行う。なお、位相を規則的に変更する周期は、位相変更部317Aと位相変更部317Bとで同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
また、上述したとおり、位相を変更するタイミングは、重み付け合成部によるプリコーディングの実行前であってもよく、送信装置は、図26に示す構成に代えて、図27に示す構成としてもよい。
両変調信号の位相を規則的に変更する場合には、それぞれの送信信号には、例えば制御情報として、それぞれの位相変更パターンの情報が含まれることとし、受信装置は、この制御情報を得ることで、送信装置が規則的に切り替えた位相変更方法、つまり、位相変更パターンを知ることができ、これにより、正しい復調(検波)を実行することが可能となる。
次に、図6、図25の構成の変形例について図28、図29を用いて説明する。図28が図6と異なる点は、位相変更ON/OFFに関する情報2800が存在する点、および、位相変更をz1'(t)、z2'(t)のいずれかに位相変更を行う(同一時刻、または、同一周波数で、位相変更をz1'(t)、z2'(t)のいずれかに対し施す。)点である。したがって、位相変更をz1'(t)、z2'(t)のいずれかに位相変更を行うことになるため、図28の位相変更部317A、位相変更部317Bは、位相変更を行う(ON)場合と位相変更を行わない(OFF)場合がある。このON/OFFに関する制御情報が、位相変更ON/OFFに関する情報2800となる。この位相変更ON/OFFに関する情報2800は、図3に示
す信号処理方法情報生成部314から出力される。
図28の位相変更部317Aは、z1(t)=y1(t)z1'(t)となるように、ま
た、位相変更部317Bは、z2(t)=y2(t)z2'(t)となるように、位相の変
更を行うことになる。
このとき、例えば、z1'(t)は、周期4で位相変更を行うものとする。(このとき
、z2'(t)は位相変更を行わない。)したがって、時刻uにおいて、y1(u)=ej0、y2(u)=1、時刻u+1において、y1(u+1)=ejπ/2、y2(u+1)=1、時刻u+2において、y1(u+2)=ejπ、y2(u+2)=1、時刻u+3において
、y1(u+3)=ej3π/2、y2(u+3)=1とするものとする。
次に、例えば、z2'(t)は、周期4で位相変更を行うものとする。(このとき、z
1'(t)は位相変更を行わない。)したがって、時刻u+4において、y1(u+4)=1、y2(u+4)=ej0、時刻u+5において、y1(u+5)=1、y2(u+5)=
ejπ/2、時刻u+6において、y1(u+6)=1、y2(u+6)=ejπ、時刻u+7において、y1(u+7)=1、y2(u+7)=ej3π/2とするものとする。
したがって、上記の例では、
時刻8kのとき、y1(8k)=ej0、y2(8k)=1、
時刻8k+1のとき、y1(8k+1)=ejπ/2、y2(8k+1)=1、
時刻8k+2のとき、y1(8k+2)=ejπ、y2(8k+2)=1、
時刻8k+3のとき、y1(8k+3)=ej3π/2、y2(8k+3)=1、
時刻8k+4のとき、y1(8k+4)=1、y2(8k+4)=ej0、
時刻8k+5のとき、y1(8k+5)=1、y2(8k+5)=ejπ/2、
時刻8k+6のとき、y1(8k+6)=1、y2(8k+6)=ejπ、
時刻8k+7のとき、y1(8k+7)=1、y2(8k+7)=ej3π/2
となる。
上述のように、z1'(t)のみ位相変更する時間とz2'(t)のみ位相を変更する時間とが存在するようにする。また、z1'(t)のみ位相変更する時間とz2'(t)のみ位相を変更する時間とで、位相変更の周期を構成する。なお、上述では、z1'(t)の
み位相変更を行う場合の周期とz2'(t)のみ位相変更を行う場合の周期を同一にして
いるが、これに限ったものではなく、z1'(t)のみ位相変更を行う場合の周期とz2'(t)のみ位相変更を行う場合の周期が異なっていてもよい。また、上述の例では、z1'(t)を4周期で位相変更を行った後にz2'(t)を4周期で位相変更を行うように説明しているが、これに限ったものではなく、z1'(t)の位相変更とz2'(t)の位相変更の順番をどのようにしてもよい(例えば、z1'(t)の位相変更とz2'(t)の位相変更を交互に行っても良いし、ある規則にしたがった順番でもよいし、順番はランダムであってもよい。)
図29の位相変更部317Aは、s1'(t)=y1(t)s1(t)となるように、ま
た、位相変更部317Bは、s2'(t)=y2(t)s2(t)となるように、位相の変
更を行うことになる。
このとき、例えば、s1(t)は、周期4で位相変更を行うものとする。(このとき、s2(t)は位相変更を行わない。)したがって、時刻uにおいて、y1(u)=ej0、
y2(u)=1、時刻u+1において、y1(u+1)=ejπ/2、y2(u+1)=1、時刻u+2において、y1(u+2)=ejπ、y2(u+2)=1、時刻u+3において、
y1(u+3)=ej3π/2、y2(u+3)=1とするものとする。
次に、例えば、s2(t)は、周期4で位相変更を行うものとする。(このとき、s1(t)は位相変更を行わない。)したがって、時刻u+4において、y1(u+4)=1
、y2(u+4)=ej0、時刻u+5において、y1(u+5)=1、y2(u+5)=ejπ/2、時刻u+6において、y1(u+6)=1、y2(u+6)=ejπ、時刻u+7に
おいて、y1(u+7)=1、y2(u+7)=ej3π/2とするものとする。
したがって、上記の例では、
時刻8kのとき、y1(8k)=ej0、y2(8k)=1、
時刻8k+1のとき、y1(8k+1)=ejπ/2、y2(8k+1)=1、
時刻8k+2のとき、y1(8k+2)=ejπ、y2(8k+2)=1、
時刻8k+3のとき、y1(8k+3)=ej3π/2、y2(8k+3)=1、
時刻8k+4のとき、y1(8k+4)=1、y2(8k+4)=ej0、
時刻8k+5のとき、y1(8k+5)=1、y2(8k+5)=ejπ/2、
時刻8k+6のとき、y1(8k+6)=1、y2(8k+6)=ejπ、
時刻8k+7のとき、y1(8k+7)=1、y2(8k+7)=ej3π/2
となる。
上述のように、s1(t)のみ位相変更する時間とs2(t)のみ位相を変更する時間とが存在するようにする。また、s1(t)のみ位相変更する時間とs2(t)のみ位相を変更する時間とで、位相変更の周期を構成する。なお、上述では、s1(t)のみ位相変更を行う場合の周期とs2(t)のみ位相変更を行う場合の周期を同一にしているが、これに限ったものではなく、s1(t)のみ位相変更を行う場合の周期とs2(t)のみ位相変更を行う場合の周期が異なっていてもよい。また、上述の例では、s1(t)を4周期で位相変更を行った後にs2(t)を4周期で位相変更を行うように説明しているが、これに限ったものではなく、s1(t)の位相変更とs2(t)の位相変更の順番をどのようにしてもよい(例えば、s1(t)の位相変更とs2(t)の位相変更を交互に行っても良いし、ある規則にしたがった順番でもよいし、順番はランダムであってもよい。
)
これによって、受信装置側における送信信号z1(t)及びz2(t)を受信したときのそれぞれの受信状態を均等にすることができるとともに、受信した信号z1(t)及びz2(t)それぞれのシンボルにおいて位相が周期的に切り替えられることにより、誤り訂正復号後の誤り訂正能力を向上させることができるので、LOS環境における受信品質を向上させることができる。
以上、実施の形態2に示した構成でも、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
本実施の形態では、シングルキャリア方式を例、つまり、位相変更を時間軸に対して行う場合について説明したが、これに限ったものではなく、マルチキャリア伝送を行った場合でも同様に実施することができる。したがって、例えば、スペクトル拡散通信方式、OFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)、SC−OFDM(Single Carrier Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、非特許文献7等で示されているウェーブレットOFDM方式等を用いた場合についても同様に実施することができる。前述したように、本実施の形態では、位相変更を行う説明として、時間t軸方向で位相変更を行う場合で説明したが、実施の形態1と同様に、周波数軸方向に位相変更を行う、つまり、本実施の形態において、t方向での位相変更の説明において、tをf(f:周波数((サブ)キャリア))に置き換えて、考えることで、本実施の形態で説明した位相変更方法を、周波数方向に位相変更ことに適用することができることになる。また、本実施の形態の位相変更方法は、実施の形態1の説明と同様に、時間−周波数方向に対する位相変更に対して、適用することも可能である。
したがって、図6、図25、図26、図27では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図6、図25、図26、図27において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。
そして、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(プリアンブル、ユニークワード等)、制御情報の伝送用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。
(実施の形態3)
上記実施の形態1及び2においては、位相を規則的に変更することとした。本実施の形態3においては、送信装置から見て、各所に点在することになる受信装置において、受信装置がどこに配置されていても、各受信装置が良好なデータの受信品質を得るための手法について開示する。
本実施の形態3においては、位相を変更して得られる信号のシンボル配置を説明する。
図31は、規則的に位相を変更する送信方式において、OFDM方式のようなマルチキャリア方式を用いたときの、時間−周波数軸における信号の一部のシンボルのフレーム構成の一例を示している。
はじめに、実施の形態1で説明した、2つのプリコーディング後のベースバンド信号のうち、一方のベースバンド信号(図6参照)に位相変更を行った場合の例で説明する。
(なお、図6では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図6において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。)
図31は、図12に示した位相変更部317Bの入力である変調信号z2’のフレーム構成を示しており、1つの四角がシンボル(ただし、プリコーディングを行っているため、s1とs2の両者の信号を含んでいるのが通常であるが、プリコーディング行列の構成次第では、s1とs2の一方の信号のみであることもある。)を示している。
ここで、図31のキャリア2、時刻$2のシンボル3100について着目する。なお、ここではキャリアと記載しているが、サブキャリアと呼称することもある。キャリア2において、時刻$2に時間的に最も隣接するシンボル、つまりキャリア2の時刻$1のシンボル3103と時刻$3のシンボル3101のそれぞれのチャネル状態は、キャリア2、時刻$2のシンボル3100のチャネル状態と、非常に相関が高い。
同様に時刻$2において、周波数軸方向でキャリア2に最も隣接している周波数のシンボル、即ち、キャリア1、時刻$2のシンボル3104と時刻$2、キャリア3のシンボル3104とのチャネル状態は、ともに、キャリア2、時刻$2のシンボル3100のチャネル状態と、非常に相関が高い。
上述したように、シンボル3101、3102、3103、3104のそれぞれのチャネル状態は、シンボル3100のチャネル状態との相関が非常に高い。
本明細書において、規則的に位相を変更する送信方法において、乗じる位相として、N種類の位相(但し、Nは2以上の整数)を用意しているものとする。図31に示したシンボルには、例えば、「ej0」という記載を付しているが、これは、このシンボルにおける図6における信号z2'に対し、「ej0」が乗じられて位相が変更されたことを意味する
。つまり、図31の各シンボルに記載している値は、式(42)におけるy(t)、および、実施の形態2で説明したz2(t)=y2(t)z2'(t)におけるy2(t)の値
となる。
本実施の形態においては、この周波数軸方向で隣接しあうシンボル及び/又は時間軸方向で隣接しあうシンボルのチャネル状態の相関性が高いことを利用して受信装置側において、高いデータの受信品質が得られる位相が変更されたシンボルのシンボル配置を開示する。
この受信側で高いデータの受信品質が得られる条件として、<条件#1>、<条件#2>が考えられる。
<条件#1>
図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、規則的に位相を変更する送信方法において、OFDMのようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、時間X・キャリアYがデータ伝送用のシンボル(以下、データシンボルと呼称する)であり、時間軸方向で隣接するシンボル、即ち、時間X−1・キャリアYおよび時間X+1・キャリアYがいずれもデータシンボルであり、これら3つのデータシンボルに対応するプリコーディング後のベースバンド信号z2’、つまり、時間X・キャリアY、時間X−1・キャリアYおよび時間X+1・キャリアYにおけるそれぞれのプリコーディング後のベースバンド信号z2’では、いずれも異なる位相変更が行われる。
<条件#2>
図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、規則的に位相を変更する送信方法において、OFDMのようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、
時間X・キャリアYがデータ伝送用のシンボル(以下、データシンボルと呼称する)であり、周波数軸方向で隣接するシンボル、即ち、時間X・キャリアY−1および時間X・キャリアY+1がいずれもデータシンボルである場合、これら3つのデータシンボルに対応するプリコーディング後のベースバンド信号z2’、つまり、時間X・キャリアY、時間X・キャリアY−1および時間X・キャリアY+1におけるそれぞれのプリコーディング後のベースバンド信号z2’では、いずれも異なる位相変更が行われる。
そして、<条件#1>を満たすデータシンボルが存在するとよい。同様に、<条件2>を満たすデータシンボルが存在するとよい。
この<条件#1><条件#2>が導出される理由は以下の通りである。
送信信号においてあるシンボル(以降、シンボルAと呼称する)があり、当該シンボルAに時間的に隣接したシンボルそれぞれのチャネル状態は、上述したとおり、シンボルAのチャネル状態との相関が高い。
したがって、時間的に隣接した3シンボルで、異なる位相を用いていると、LOS環境において、シンボルAが劣悪な受信品質(SNRとしては高い受信品質を得ているものの、直接波の位相関係が劣悪な状況であるため受信品質が悪い状態)であっても、残りのシンボルAに隣接する2シンボルでは、良好な受信品質を得ることができる可能性が非常に高く、その結果、誤り訂正復号後は良好な受信品質を得ることができる。
同様に、送信信号においてあるシンボル(以降、シンボルAと呼称する)があり、このシンボルAに周波数的に隣接したシンボルそれぞれのチャネル状態は、上述したとおり、シンボルAのチャネル状態との相関が高い。
したがって、周波数的に隣接した3シンボルで、異なる位相を用いていると、LOS環境において、シンボルAが劣悪な受信品質(SNRとしては高い受信品質を得ているものの、直接波の位相関係が劣悪な状況であるため受信品質が悪い状態)であっても、残りのシンボルAに隣接する2シンボルでは、良好な受信品質を得ることができる可能性が非常に高く、その結果、誤り訂正復号後は良好な受信品質を得ることができる。
また、<条件#1>と<条件#2>を組み合わせると、受信装置において、より、データの受信品質を向上させることができる可能性がある。したがって、以下の<条件#3>を導くことができる。
<条件#3>
図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、規則的に位相を変更する送信方法において、OFDMのようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、時間X・キャリアYがデータ伝送用のシンボル(以下、データシンボルと呼称する)であり、時間軸方向で隣接するシンボル、即ち、時間X−1・キャリアYおよび時間X+1・キャリアYがいずれもデータシンボルであり、かつ、周波数軸方向で隣接するシンボル、即ち、時間X・キャリアY−1および時間X・キャリアY+1がいずれもデータシンボルである場合、これら5つのデータシンボルに対応するプリコーディング後のベースバンド信号z2’、つまり、時間X・キャリアYおよび時間X−1・キャリアYおよび時間X+1・キャリアYおよび時間X・キャリアY−1および時間X・キャリアY+1におけるそれぞれのプリコーディング後のベースバンド信号z2’では、いずれも異なる位相変更が行われる。
ここで、「異なる位相変更」について、補足を行う。位相変更は、0ラジアンから2πラジアンで定義されることになる。例えば、時間X・キャリアYにおいて、図6のプリコ
ーディング後のベースバンド信号z2’に対して施す位相変更をejθX,Y、時間X−1
・キャリアYにおいて、図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’に対して施す位相変更をejθX−1,Y、時間X+1・キャリアYにおいて、図6のプリコーディン
グ後のベースバンド信号z2’に対して施す位相変更をejθX+1,Yとすると、0ラジ
アン≦θX,Y<2π、0ラジアン≦θX−1,Y<2π、0ラジアン≦θX+1,Y<2πとな
る。したがって、<条件#1>では、θX,Y≠θX−1,YかつθX,Y≠θX+1,YかつθX+
1,Y≠θX−1,Yが成立することになる。同様に考えると、<条件#2>では、θX,Y≠θX,Y−1かつθX,Y≠θX,Y+1かつθX,Y−1≠θX−1,Y+1が成立することになり、<
条件#3>では、θX,Y≠θX−1,YかつθX,Y≠θX+1,YかつθX,Y≠θX,Y−1かつθX,Y≠θX,Y+1かつθX−1,Y≠θX+1,YかつθX−1,Y≠θX,Y−1かつθX−1,Y≠θX,Y+1かつθX+1,Y≠θX,Y−1かつθX+1,Y≠θX,Y+1かつθX,Y−1≠θX,Y+1が成立することになる。
そして、<条件#3>を満たすデータシンボルが存在するとよい。
図31は<条件#3>の例であり、シンボルAに該当するシンボル3100に相当する図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’に乗じられている位相と、そのシンボル3100に時間的に隣接するシンボル3101に相当する図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’、3103に相当する図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’に乗じられている位相と、周波数的に隣接するシンボル3102に相当する図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’、3104に相当する図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’に乗じられている位相が互いに異なるように配されており、これによって、受信側においてシンボル3100の受信品質が劣悪であろうとも、その隣接するシンボルの受信品質は非常に高くなるため、誤り訂正復号後の高い受信品質を確保できる。
この条件のもとで、位相を変更して得られるシンボルの配置例を図32に示す。
図32を見ればわかるように、いずれのデータシンボルにおいても、その位相が周波数軸方向及び時間軸方向の双方において隣接しあうシンボルに対して変更された位相の度合いは互いに異なる位相変更量となっている。このようにすることで、受信装置における誤り訂正能力を更に向上させることができる。
つまり、図32では、時間軸方向で隣接するシンボルにデータシンボルが存在していた場合、<条件#1>がすべてのX、すべてのYで成立している。
同様に、図32では、周波数方向で隣接するシンボルにデータシンボルが存在していた場合、<条件#2>がすべてのX、すべてのYで成立している。
同様に、図32では、周波数方向で隣接するシンボルにデータシンボルが存在し、かつ、時間軸方向で隣接するシンボルにデータシンボルが存在していた場合、<条件#3>がすべてのX、すべてのYで成立している。
次に、実施の形態2で説明した、2つのプリコーディング後のベースバンド信号に位相変更を行った場合(図26参照)の例で説明する。
図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’、および、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の両者に位相変更を与える場合、位相変更方法について、いくつかの方法がある。その点について、詳しく説明する。
方法1として、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は、前述のように、図32のように位相変更を行うものとする。図32において、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10としている。しかし、前述で述べたように、<条件#1><条件#2><条件#3>を満たすようにするために、(サブ)キャリ
ア1で、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に施す位相変更を時間とともに変更している。(図32では、このような変更をほどこしているが、周期10をとし、別の位相変更方法であってもよい)そして、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更は、図33ように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10の1周期分の位相変更する値は一定とする。図33では、(プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更の)1周期分を含む時刻$1において、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更の値は、ej0としており、次の(プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更の)1周期分を含む時刻$2において、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更の値は、ejπ/9としており、・・・、としている。
なお、図33に示したシンボルには、例えば、「ej0」という記載を付しているが、これは、このシンボルにおける図26における信号z1'に対し、「ej0」が乗じられて位
相が変更されたことを意味する。つまり、図33の各シンボルに記載している値は、実施の形態2で説明したz1(t)=y1(t)z1'(t)におけるy1(t)の値となる。
プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更は、図33ように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10の1周期分の位相変更する値は一定とし、位相変更する値は、1周期分の番号とともに変更するようにする。(上述のように、図33では、第1の1周期分では、ej0とし、第2の1周期分ではejπ/9、・・・としている。)
以上のようにすることで、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10であるが、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更とプリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更の両者を考慮したときの周期は10より大きくすることができるという効果を得ることができる。これにより、受信装置のデータの受信品質が向上する可能性がある。
方法2として、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は、前述のように、図32のように位相変更を行うものとする。図32において、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10としている。しかし、前述で述べたように、<条件#1><条件#2><条件#3>を満たすようにするために、(サブ)キャリア1で、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に施す位相変更を時間とともに変更している。(図32では、このような変更をほどこしているが、周期10をとし、別の位相変更方法であってもよい)そして、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更は、図30に示すように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10とは異なる周期3での位相変更を行う。
なお、図30に示したシンボルには、例えば、「ej0」という記載を付しているが、これは、このシンボルにおける図26における信号z1'に対し、「ej0」が乗じられて位
相が変更されたことを意味する。つまり、図30の各シンボルに記載している値は、実施の形態2で説明したz1(t)=y1(t)z1'(t)におけるy1(t)の値となる。
以上のようにすることで、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10であるが、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更とプリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更の両者を考慮したときの周期は30となりプリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更とプリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更の両者を考慮したときの周期を10より大きくすることができるという効果を得ることができる。これにより、受信装置のデータの受信品質が向上する可能性がある。方法2の一つの有効な方法としては、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更の周期をNとし、プリコーディング後のベースバンド信号z2
’の位相変更の周期をMとしたとき、特に、NとMが互いに素の関係であると、プリコーデ
ィング後のベースバンド信号z1’の位相変更とプリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更の両者を考慮したときの周期はN×Mと容易に大きな周期に設定することができるという利点があるが、NとMが互いに素の関係でも、周期を大きくすることは可能である。
なお、本実施の形態3の位相変更方法は一例であり、これに限ったものではなく、実施の形態1、実施の形態2で説明したように、周波数軸方向で位相変更を行ったり、時間軸方向で位相変更を行ったり、時間−周波数のブロックで位相変更を行っても同様に、受信装置におけるデータの受信品質を向上させることができるという効果を持つことになる。
上記で説明したフレーム構成以外にも、データシンボル間にパイロットシンボル(SP(Scattered Pilot))や制御情報を伝送するシンボルなどが挿入されることも考えられ
る。この場合の位相変更について詳しく説明する。
図47は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z1またはz1’および変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成を示しており、図47(a)は、変調信号(プリコーディング後のベースバン
ド信号)z1またはz1’ の時間―周波数軸におけるフレーム構成、図47(b)は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成である。図47において、4701はパイロットシンボル、4702はデータシンボルを示しており、データシンボル4702は、プリコーディングまたはプリコーディングと位相変更を施したシンボルとなる。
図47は、図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、位相変更を行う場合のシンボル配置を示している(プリコーディング後のベースバンド信号z1には位相変更を行わない)。(なお、図6では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図6において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。)したがって、図47のプリコーディング後のベースバンド信号z2’のシンボルに記載されている数値は、位相の変更値を示している。なお、図47のプリコーディング後のベースバンド信号z1’(z1)のシンボルは、位相変更を行わないので、数値を記載していない。
図47において重要な点は、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングを施したシンボルに対して施している点である。(ここで、シンボルと記載しているが、ここで記載しているシンボルには、プリコーディングが施されているため、s1のシンボルとs2のシンボルの両者を含んでいることになる。)したがって、z2’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さないことになる。
図48は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z1またはz1’および変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成を示しており、図48(a)は、変調信号(プリコーディング後のベースバン
ド信号)z1またはz1’ の時間―周波数軸におけるフレーム構成、図48(b)は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成である。図48において、4701はパイロットシンボル、4702はデータシンボルを示しており、データシンボル4702は、プリコーディングと位相変更を施したシ
ンボルとなる。
図48は、図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’およびプリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、位相変更を行う場合のシンボル配置を示している。(なお、図26では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図26において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。)したがって、図48のプリコーディング後のベースバンド信号z1’およびプリコーディング後のベースバンド信号z2’のシンボルに記載されている数値は、位相の変更値を示している。
図48において重要な点は、プリコーディング後のベースバンド信号z1’に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングを施したシンボルに対して施している、また、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングを施したシンボルに対して施している点である。(ここで、シンボルと記載しているが、ここで記載しているシンボルには、プリコーディングが施されているため、s1のシンボルとs2のシンボルの両者を含んでいることになる。)したがって、z1’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さず、また、z2’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さないことになる。
図49は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z1またはz1’および変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成を示しており、図49(a)は、変調信号(プリコーディング後のベースバン
ド信号)z1またはz1’ の時間―周波数軸におけるフレーム構成、図49(b)は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成である。図49において、4701はパイロットシンボル、4702はデータシンボル、4901はヌルシンボルであり、ベースバンド信号の同相成分I=0であり、直交成
分Q=0となる。このとき、データシンボル4702は、プリコーディングまたはプリコーディングと位相変更を施したシンボルとなる。図49と図47の違いは、データシンボル以外のシンボルの構成方法であり、変調信号z1’でパイロットシンボルが挿入されている時間とキャリアにおいて、変調信号z2’はヌルシンボルとなっており、逆に、変調信号z2’でパイロットシンボルが挿入されている時間とキャリアにおいて、変調信号z1’はヌルシンボルとなっている点である。
図49は、図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、位相変更を行う場合のシンボル配置を示している(プリコーディング後のベースバンド信号z1には位相変更を行わない)。(なお、図6では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図6において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。)したがって、図49のプリコーディング後のベースバンド信号z2’のシンボルに記載されている数値は、位相の変更値を示している。なお、図49のプリコーディング後のベースバンド信号z1’(z1)のシンボルは、位相変更を行わないので、数値を記載していない。
図49において重要な点は、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングを施したシンボルに対して施している点である。(ここで、シンボルと記載しているが、ここで記載しているシンボルには、プリコーディングが施されているため、s1のシンボルとs2のシンボルの両者を含ん
でいることになる。)したがって、z2’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さないことになる。
図50は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z1またはz1’および変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成を示しており、図50(a)は、変調信号(プリコーディング後のベースバン
ド信号)z1またはz1’ の時間―周波数軸におけるフレーム構成、図50(b)は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成である。図50において、4701はパイロットシンボル、4702はデータシンボル、4901はヌルシンボルであり、ベースバンド信号の同相成分I=0であり、直交成
分Q=0となる。このとき、データシンボル4702は、プリコーディングまたはプリコーディングと位相変更を施したシンボルとなる。図50と図48の違いは、データシンボル以外のシンボルの構成方法であり、変調信号z1’でパイロットシンボルが挿入されている時間とキャリアにおいて、変調信号z2’はヌルシンボルとなっており、逆に、変調信号z2’でパイロットシンボルが挿入されている時間とキャリアにおいて、変調信号z1’はヌルシンボルとなっている点である。
図50は、図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’およびプリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、位相変更を行う場合のシンボル配置を示している。(なお、図26では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図26において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。)したがって、図50のプリコーディング後のベースバンド信号z1’およびプリコーディング後のベースバンド信号z2’のシンボルに記載されている数値は、位相の変更値を示している。
図50において重要な点は、プリコーディング後のベースバンド信号z1’に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングを施したシンボルに対して施している、また、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングを施したシンボルに対して施している点である。(ここで、シンボルと記載しているが、ここで記載しているシンボルには、プリコーディングが施されているため、s1のシンボルとs2のシンボルの両者を含んでいることになる。)したがって、z1’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さず、また、z2’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さないことになる。
図51は、図47、図49のフレーム構成の変調信号を生成し、送信する送信装置の構成の一例を示しており、図4と同様に動作するものについては、同一符号を付している。
図51において、重み付け合成部308A、308B、および、位相変更部317Bは、
フレーム構成信号313がデータシンボルであるタイミングを示しているときのみ動作することになる。
図51のパイロットシンボル(ヌルシンボル生成を兼ねるものとする)生成部5101は、フレーム構成信号313がパイロットシンボル(かつヌルシンボル)であることをしめしていた場合、パイロットシンボルのベースバンド信号5102A、および5102Bを出力する。
図47から図50のフレーム構成では示していなかったが、プリコーディング(および、位相回転を施さない)を施さない、例えば、1アンテナから変調信号を送信する方式、(この場合、もう一方のアンテナからは信号を伝送しないことになる)、または、時空間
符号(特に時空間ブロック符号)を用いた伝送方式を用いて制御情報シンボルを送信する場合、制御情報シンボル5104は、制御情報5103、フレーム構成信号313を入力とし、フレーム構成信号313が制御情報シンボルであることを示している場合、制御情報シンボルのベースバンド信号5102A、5102Bを出力する。
図51の無線部310、310Bは、入力となる複数のベースバンド信号のうち、フレ
ーム構成信号313に基づき、複数のベースバンド信号から、所望のベースバンド信号を選択する。そして、OFDM関連の信号処理を施し、フレーム構成にしたがった変調信号311A、311Bをそれぞれ出力する。
図52は、図48、図50のフレーム構成の変調信号を生成し、送信する送信装置の構成の一例を示しており、図4、図51と同様に動作するものについては、同一符号を付している。図51に対して追加した位相変更部317Aは、フレーム構成信号313がデー
タシンボルであるタイミングを示しているときのみ動作することになる。その他については、図51と同様の動作となる。
図53は、図51とは異なる送信装置の構成方法である。以降では異なる点について説明する。位相変調部317Bは、図53のように、複数のベースバンド信号を入力とする
。そして、フレーム構成信号313が、データシンボルであることを示していた場合、位相変調部317Bは、プリコーディング後のベースバンド信号316Bに対し、位相変更を施す。そして、フレーム構成信号313が、パイロットシンボル(またはヌルシンボル)、または、制御情報シンボルであることを示していた場合、位相変調部317Bは、位相
変更の動作を停止し、各シンボルのベースバンド信号をそのまま出力する。(解釈としては、「ej0」に相当する位相回転を強制的に行っていると考えればよい。)
選択部5301は、複数のベースバンド信号を入力とし、フレーム構成信号313が示したシンボルのベースバンド信号を選択し、出力する。
図54は、図52とは異なる送信装置の構成方法である。以降では異なる点について説明する。位相変調部317Bは、図54のように、複数のベースバンド信号を入力とする
。そして、フレーム構成信号313が、データシンボルであることを示していた場合、位相変調部317Bは、プリコーディング後のベースバンド信号316Bに対し、位相変更を施す。そして、フレーム構成信号313が、パイロットシンボル(またはヌルシンボル)、または、制御情報シンボルであることを示していた場合、位相変調部317Bは、位相
変更の動作を停止し、各シンボルのベースバンド信号をそのまま出力する。(解釈としては、「ej0」に相当する位相回転を強制的に行っていると考えればよい。)
同様に、位相変調部5201は、図54のように、複数のベースバンド信号を入力とする。そして、フレーム構成信号313が、データシンボルであることを示していた場合、位相変調部5201は、プリコーディング後のベースバンド信号309Aに対し、位相変
更を施す。そして、フレーム構成信号313が、パイロットシンボル(またはヌルシンボル)、または、制御情報シンボルであることを示していた場合、位相変調部5201は、位相変更の動作を停止し、各シンボルのベースバンド信号をそのまま出力する。(解釈としては、「ej0」に相当する位相回転を強制的に行っていると考えればよい。)
上述の説明では、パイロットシンボルと制御シンボルとデータシンボルを例に説明したが、これに限ったものではなく、プリコーディングとは異なる伝送方法、例えば、1アンテナ送信、時空間ブロック符号を用いた伝送方式、等を用いて伝送するシンボルであれば、同様に、位相変更を与えない、ということが重要となり、これとは逆に、プリコーディングを行ったシンボルに対しては、位相変更を行うことが本発明では重要なこととなる。
したがって、時間−周波数軸におけるフレーム構成におけるすべてのシンボルで位相変更が行われるわけではなく、プリコーディングを行った信号のみに位相変更を与える点が
、本発明の特徴となる。
(実施の形態4)
上記実施の形態1及び2においては、位相を規則的に変更すること、実施の形態3においては、隣り合うシンボルの位相の変更の度合いを異ならせることを開示した。
本実施の形態4では、位相変更方法が、送信装置が使用する変調方式、誤り訂正符号の符号化率により、異なっていてもよいことを示す。
以下の表1には、送信装置が設定した各種設定パラメータに応じて設定する位相変更方法の一例を示している。
表1における#1は上記実施の形態1の変調信号s1(送信装置が設定した変調方式のベースバンド信号s1)、#2は変調信号s2(送信装置が設定した変調方式のベースバンド信号s2)を意味する。表1における符号化率の列は、#1, #2の変調方式に対し、誤り訂正符号の設定した符号化率を示している。表1における位相変更パターンの列は、実施の形態1から実施の形態3で説明したように、プリコーディング後のベースバンド信号z1(z1’)、z2(z2’)に対して施す位相変更方法を示しており、位相変更パターンをA、B、C、D、E、・・・というように定めているが、これは、実際には、位相を変更する度合いの変化を示す情報であり、例えば、上記式(46)や式(47)に示すような変更パターンを示すものとする。なお、表1における位相変更パターンの例において「‐」と記載しているが、これは、位相変更を行わないことを意味している。
なお、表1に示した変調方式や符号化率の組み合わせは、一例であり、表1に示す変調方式以外の変調方式(例えば、128QAMや256QAM等)や、符号化率(例えば、7/8等)が含まれてもよい。また、実施の形態1で示したように、誤り訂正符号は、s1、s2別々に設定してもよい(なお、表1の場合は、図4のように、一つの誤り訂正符
号の符号化を施している場合としている。)。また、同じ変調方式及び符号化率に、互いに異なる複数の位相変更パターンを対応付けることとしてもよい。送信装置は、各位相変更パターンを示す情報を受信装置に対して送信し、受信装置は当該情報と表1を参照することによって位相変更パターンを特定し、復調、および、復号を実行することとなる。なお、変調方式、および、誤り訂正方式に対し、位相変更パターンが一意に決定する場合、送信装置は、変調方式と誤り訂正方式の情報を受信装置に送信すれば、受信装置は、その情報を得ることで、位相変更パターンを知ることができるので、この場合は、位相変更パターンの情報は必ずしも必要としない。
実施の形態1から実施の形態3では、プリコーディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合について説明したが、位相のみでなく、振幅を位相変更と同様に周期をもって規則的に変更することも可能である。したがって、当該表1に、規則的に変調信号の振幅を変更する振幅変更パターンも対応させてもよい。この場合、送信装置には、図3や図4の重み付け合成部308Aの後に振幅を変更する振幅変更部、また、重み付け合
成部308Bの後に、振幅を変更する振幅変更部を備えればよい。なお、プリコーディン
グ後のベースバンド信号z1(t)、z2(t)の一方に対し、振幅変更を施しても良いし(この場合、重み付け合成部308A、308Bのいずれかの後に振幅変更部を備えればよい。)、両方に対し、振幅変更を施してもよい。
更に、上記表1においては示していないが、位相を規則的に変更するのではなく、マッピング部により規則的にマッピング方法を変更する構成としてもよい。
即ち、変調信号s1(t)のマッピング方式を16QAM、変調信号s2(t)のマッピング方式を16QAMであったものを、例えば、変調信号s2(t)に適用するマッピング方式を規則的に、16QAM→16APSK(16 Amplitude Phase Shift Keying)
→I-Q平面において16QAM、16APSKとは異なる信号点配置となる第1のマッピング方法→I-Q平面において16QAM、16APSKとは異なる信号点配置となる第2のマッピング方法→・・・というように変更することで、上述してきたように位相を規則的に変更する場合と同様に、受信装置において、データの受信品質を向上する効果を得ることができる。
また、本発明は、位相を規則的に変更する方法、マッピング方法を規則的に変更する方法、振幅を変更する方法のいずれかの組み合わせであってもよく、また、その全てを考慮にいれて送信信号を送信する構成としてもよい。
本実施の形態では、シングルキャリア方式、マルチキャリア伝送いずれの場合でも実施することができる。したがって、例えば、スペクトル拡散通信方式、OFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)、SC−OFDM(Single Carrier Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、非特許文献7等で示されているウェーブレットOFDM方式等を用いた場合についても実施することができる。前述したように、本実施の形態では、位相変更、振幅変更、マッピング変更を行う説明として、時間t軸方向で位相変更、振幅変更、マッピング変更を行う場合で説明したが、実施の形態1と同様に、周波数軸方向に位相変更を行うときと同様に、つまり、本実施の形態において、t方向での位相変更、振幅変更、マッピング変更の説明において、tをf(f:周波数((サブ)キャリア))に置き換えて、考えることで、本実施の形態で説明した位相変更、振幅変更、マッピング変更を、周波数方向に位相変更、振幅変更、マッピング変更ことに適用することができることになる。また、本実施の形態の位相変更、振幅変更、マッピング変更方法は、実施の形態1の説明と同様に、時間−周波数方向に対する位相変更、振幅変更、マッピング変更に対して、適用することも可能である。
そして、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(プリアンブル、ユニークワード等)、制御情報の伝送用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。
(実施の形態A1)
本実施の形態では、非特許文献12〜非特許文献15に示されているように、QC(Quasi Cyclic) LDPC(Low-Density Prity-Check)符号(QC−LDPC符号でない
、LDPC符号であってもよい)、LDPC符号とBCH符号(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem code)の連接符号、テイルバイティングを用いたターボ符号またはDuo-Binary Turbo Code等のブロック符号を用いたときの規則的に位相を変更する方法について詳しく説明する。ここでは、一例として、s1、s2の2つのストリームを送信する場合を例に説明する。ただし、ブロック符号を用いて符号化を行った際、制御情報等が必要でないとき、符号化後のブロックを構成するビット数は、ブロック符号を構成するビット数(ただし、この中に、以下で記載するような制御情報等が含まれていてもよい。)と一致する。ブロック符号を用いて符号化を行った際、制御情報等(例えば、CRC(cyclic redundancy check)、伝送パラメータ等)が必要であるとき、符号化後のブロックを構成するビット
数は、ブロック符号を構成するビット数と制御情報等のビット数の和であることもある。
図34は、ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図である。図34は、例えば、図4の送信装置に示したように、s1、s2の2つのストリームを送信し、かつ、送信装置が、1つの符号化器を有している場合の「ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図」である。(このとき、伝送方式としては、シングルキャリア伝送、OFDMのようなマルチキャリア伝送、いずれを用いてもよい。)
図34に示すように、ブロック符号における1つの符号化後のブロックを構成するビット数を6000ビットであるとする。この6000ビットを送信するためには、変調方式がQPSKのとき3000シンボル、16QAMのとき1500シンボル、64QAMのとき1000シンボルが必要となる。
そして、図4の送信装置では、2つのストリームを同時に送信することになるため、変調方式がQPSKのとき、前述の3000シンボルは、s1に1500シンボル、s2に1500シンボル割り当てられることになるため、s1で送信する1500シンボルとs2で送信する1500シンボルを送信するために1500スロット(ここでは「スロット」と名付ける。)が必要となる。
同様に考えると、変調方式が16QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために750スロットが必要となり、変調方式が64QAMのとき、1ブロックを構成するすべてのビットを送信するために500スロットが必要となる。
次に、規則的に位相を変更する方法において、上述で定義したスロットと乗じる位相との関係について説明する。
ここでは、規則的に位相を変更する方法のために用意する位相変更値(または、位相変更セット)の数を5とする。つまり、図4の送信装置の位相変更部のために、5つの位相変更値(または、位相変更セット)を用意するものとする(実施の形態1から実施の形態4における「周期」となる)(図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’のみに位相変更を行う場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更値を用意すればよい。また、図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’
およびz2’の両者に対し位相変更を行う場合、1スロットのために、2つの位相変更値が必要となる。この2つの位相変更値を位相変更セットとよぶ。したがって、この場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更セットを用意すればよい)。この5つの位相変更値(または、位相変更セット)をPHASE[0], PHASE[1], PHASE[2],PHASE[3], PHASE[4]とあらわすものとする。
変調方式がQPSKのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた1500スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが300スロットである必要がある。これは、使用する位相にかたよりがあると、多くの数を使用した位相の影響が大きく、受信装置において、この影響に依存したデータの受信品質となるからである。
同様に、変調方式が16QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた750スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが150スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが150スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが150スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが150スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが150スロットである必要がある。
同様に、変調方式が64QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた500スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが100スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが100スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが100スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが100スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが100スロットである必要がある。
以上のように、規則的に位相を変更する方法において、用意する位相変更値(または、位相変更セット)をN個(N個の異なる位相をPHASE[0], PHASE[1], PHASE[2],・・・, PHASE[N-2] , PHASE[N-1]とあらわすものとする)としたとき、1つの符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相PHASE[0]を使用するスロット数をK0, 位相PHASE[1]を使用するスロット数をK1、位相PHASE[i]を使用するスロット数をKi(i=0,1,2,・・・,N-1)、 位相PHASE[N-1] を使用するスロット数をKN-1としたとき、
<条件#A01>
K0=K1=・・・=Ki=・・・=KN-1、つまり、Ka=Kb、(for∀a、∀b、ただし
、a, b=0,1,2,・・・,N-1、a≠b)
であるとよい。
そして、通信システムが、複数の変調方式をサポートしており、サポートしている変調方式から選択して使用する場合、サポートしている変調方式において、<条件#A01>が成立するとよいことになる。
しかし、複数の変調方式をサポートしている場合、各変調方式により1シンボルで送信することができるビット数が異なるのが一般的であり(場合によっては、同一となることもあり得る。)、場合によっては、<条件#A01>を満たすことができない変調方式が存在することもある。この場合、<条件#A01>にかわり、以下の条件を満たすとよい。
<条件#A02>
KaとKbの差は0または1、つまり、|Ka―Kb|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1、a≠b)
図35は、ブロック符号を用いたとき、2つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図である。図35は、図3の送信装置および図12の送信装置に示したように、s1、s2の2つのストリームを送信し、かつ、送信装置が、2つの符号化器を有している場合の「ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図」である。(このとき、伝送方式としては、シングルキャリア伝送、OFDMのようなマルチキャリア伝送、いずれを用いてもよい。)
図35に示すように、ブロック符号における1つの符号化後のブロックを構成するビット数を6000ビットであるとする。この6000ビットを送信するためには、変調方式がQPSKのとき3000シンボル、16QAMのとき1500シンボル、64QAMのとき1000シンボルが必要となる。
そして、図3の送信装置および図12の送信装置では、2つのストリームを同時に送信することになり、また、2つの符号化器が存在するため、2つのストリームでは、異なる符号ブロックを伝送することになる。したがって、変調方式がQPSKのとき、s1、s2により、2つの符号化ブロックが同一区間内で送信されることから、例えば、s1により第1の符号化後のブロックが送信され、s2により、第2の符号化ブロックが送信されることになるので、第1、第2の符号化後のブロックを送信するために3000スロットが必要となる。
同様に考えると、変調方式が16QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために1500スロットが必要となり、変調方式が64QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために1000スロットが必要となる。
次に、規則的に位相を変更する方法において、上述で定義したスロットと乗じる位相との関係について説明する。
ここでは、規則的に位相を変更する方法のために用意する位相変更値(または、位相変更セット)の数を5とする。つまり、図3および図12の送信装置の位相変更部のために、5つの位相変更値(または、位相変更セット)を用意するものとする(実施の形態1から実施の形態4における「周期」となる)(図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’のみに位相変更を行う場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更値を用意すればよい。また、図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’およびz2’の両者に対し位相変更を行う場合、1スロットのために、2つの位相変更値が必要となる。この2つの位相変更値を位相変更セットとよぶ。したがって、この場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更セットを用意すればよい)。この5つの位相変更値(または、位相変更セット)をPHASE[0], PHASE[1], PHASE[2],PHASE[3], PHASE[4]とあらわすものとする。
変調方式がQPSKのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた3000スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが600スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが600スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが600スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが600スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが600スロットである必要がある。これは、使用する位相にかたよりがあると、多くの数を使用した位相の影響が大きく、受信
装置において、この影響に依存したデータの受信品質となるからである。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが600回、位相PHASE[1]を使用するスロットが600回、位相PHASE[2]を使用するスロットが600回、位相PHASE[3]を使用するスロットが600回、位相PHASE[4]を使用するスロットが600回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが600回、位相PHASE[1]を使用するスロットが600回、位相PHASE[2]を使用するスロットが600回、位相PHASE[3]を使用するスロットが600回、位相PHASE[4]を使用するスロットが600回であるとよい。
同様に、変調方式が16QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた1500スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが300スロットである必要がある。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが300回、位相PHASE[1]を使用するスロットが300回、位相PHASE[2]を使用するスロットが300回、位相PHASE[3]を使用するスロットが300回、位相PHASE[4]を使用するスロットが300回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが300回、位相PHASE[1]を使用するスロットが300回、位相PHASE[2]を使用するスロットが300回、位相PHASE[3]を使用するスロットが300回、位相PHASE[4]を使用するスロットが300回であるとよい。
同様に、変調方式が64QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた1000スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが200スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが200スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが200スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが200スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが200スロットである必要がある。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが200回、位相PHASE[1]を使用するスロットが200回、位相PHASE[2]を使用するスロットが200回、位相PHASE[3]を使用するスロットが200回、位相PHASE[4]を使用するスロットが200回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが200回、位相PHASE[1]を使用するスロットが200回、位相PHASE[2]を使用するスロットが200回、位相PHASE[3]を使用するスロットが200回、位相PHASE[4]を使用するスロットが200回であるとよい。
以上のように、規則的に位相を変更する方法において、用意する位相変更値(または、位相変更セット)をPHASE[0], PHASE[1], PHASE[2],・・・, PHASE[N-2] , PHASE[N-1]とあらわすものとする)としたとき、2つの符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相PHASE[0]を使用するスロット数をK0, 位相PHASE[1]を使用するスロット数をK1、位相PHASE[i]を使用するスロット数をKi(i=0,1,2,・・・,N-1)、 位相PHASE[N-1] を使用するスロット数をKN-1としたとき、
<条件#A03>
K0=K1=・・・=Ki=・・・=KN-1、つまり、Ka=Kb、(for∀a、∀b、ただし
、a, b=0,1,2,・・・,N-1、a≠b)
であり、第1の符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相PHASE[0]を使用する回数をK0,1, 位相PHASE[1]を使用する回数をK1,1、位相PHASE[i]を使用する回数をKi,1(i=0,1,2,・・・,N-1)、 位相PHASE[N-1] を使用する回数をKN-1,1としたとき、
<条件#A04>
K0,1=K1,1=・・・=Ki,1=・・・=KN-1,1、つまり、Ka,1=Kb,1、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1、a≠b)
であり、第2の符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相PHASE[0]を使用する回数をK0,2, 位相PHASE[1]を使用する回数をK1,2、位相PHASE[i]を使用する回数をKi,2(i=0,1,2,・・・,N-1)、 位相PHASE[N-1] を使用する回数をKN-1,2としたとき、
<条件#A05>
K0,2=K1,2=・・・=Ki,2=・・・=KN-1,2、つまり、Ka,2=Kb,2、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1、a≠b)
であるとよい。
そして、通信システムが、複数の変調方式をサポートしており、サポートしている変調方式から選択して使用する場合、サポートしている変調方式において、<条件#A03><条件#A04><条件#A05>が成立するとよいことになる。
しかし、複数の変調方式をサポートしている場合、各変調方式により1シンボルで送信することができるビット数が異なるのが一般的であり(場合によっては、同一となることもあり得る。)、場合によっては、<条件#A03><条件#A04><条件#A05>を満たすことができない変調方式が存在することもある。この場合、<条件#A03><条件#A04><条件#A05>にかわり、以下の条件を満たすとよい。
<条件#A06>
KaとKbの差は0または1、つまり、|Ka―Kb|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1、a≠b)
<条件#A07>
Ka,1とKb,1の差は0または1、つまり、|Ka,1―Kb,1|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1、a≠b)
<条件#A08>
Ka,2とKb,2の差は0または1、つまり、|Ka,2―Kb,2|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1、a≠b)
以上のように、符号化後のブロックと乗じる位相の関係付けを行うことで、符号化ブロックを伝送するために使用する位相にかたよりがなくなるため、受信装置において、データの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
本実施の形態では、規則的に位相を変更する方法において、周期Nの位相変更方法のた
めには、N個の位相変更値(または、位相変更セット)が必要となる。このとき、N個の位相変更値(または、位相変更セット)として、PHASE[0]、PHASE[1]、PHASE[2]、・・・、
PHASE[N-2]、PHASE[N-1]を用意することになるが、周波数軸方向にPHASE[0]、PHASE[1]、PHASE[2]、・・・、PHASE[N-2]、PHASE[N-1]の順に並べる方法もあるが、必ずしもこれに限ったものではなく、N個の位相変更値(または、位相変更セット)PHASE[0]、PHASE[1]
、PHASE[2]、・・・、PHASE[N-2]、PHASE[N-1]を実施の形態1と同様に、時間軸、周波数―時間軸のブロックに対し、シンボルを配置することで、位相を変更することもできる。なお、周期Nの位相変更方法として説明しているが、N個の位相変更値(または、位相変更セット)をランダムに用いるようにしても同様の効果を得ることができる、つまり、必ずしも、規則的な周期を持つようにN個の位相変更値(または、位相変更セット)を用いる
必要はないが、上記で説明した条件を満たすことは、受信装置において、高いデータの受信品質を得る上では、重要となる。
また、空間多重MIMO伝送方式、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式、時空間ブロック符号化方式、1ストリームのみ送信、規則的に位相を変更する方法(実施の形態1から実施の形態4で説明した送信方法)のモードが存在し、送信装置(放送局、基地局)は、これらのモードから、いずれかの送信方法を選択することができるようにしてもよい。
なお、空間多重MIMO伝送方式とは、非特許文献3に示されているように、選択した変調方式でマッピングした信号s1、s2をそれぞれ異なるアンテナから送信する方法であり、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式とは、実施の形態1から実施の形態4において、プリコーディングのみを行う(位相変更を行わない)方式である。また、時空間ブロック符号化方式とは、非特許文献9、16、17に示されている伝送方式である。1ストリームのみ送信とは、選択した変調方式でマッピングした信号s1の信号を所定の処理を行いアンテナから送信する方法である。
また、OFDMのようなマルチキャリアの伝送方式を用いており、複数のキャリアで構成された第1キャリア群、複数のキャリアで構成された第1キャリア群とは異なる第2キャリア群、・・・というように複数のキャリア群でマルチキャリア伝送を実現しており、キャリア群ごとに、空間多重MIMO伝送方式、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式、時空間ブロック符号化方式、1ストリームのみ送信、規則的に位相を変更する方法のいずれかに設定してもよく、
特に、規則的に位相を変更する方法を選択した(サブ)キャリア群では、本実施の形態を実施するとよい。
なお、一方のプリコーディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合、例えば、PHASE[i]の位相変更値を「Xラジアン」とした場合、図3、図4、図6、図12,
図25、図29、図51、図53における位相変更部において、ejXをプリコーディン
グ後のベースバンド信号z2’に乗算することになる。そして、両者のプリコーディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合、例えば、PHASE[i]の位相変更セットを「Xラジアン」および「Yラジアン」とした場合、図26、図27、図28、図52、図54における位相変更部において、ejXをプリコーディング後のベースバンド信号z2
’に乗算することになり、ejYをプリコーディング後のベースバンド信号z1’に乗算
することになる。
(実施の形態B1)
以下では、上記各実施の形態で示した送信方法及び受信方法の応用例とそれを用いたシステムの構成例を説明する。
図36は、上記実施の形態で示した送信方法及び受信方法を実行する装置を含むシステムの構成例を示す図である。上記各実施の形態で示した送信方法及び受信方法は、図36
に示すような放送局と、テレビ(テレビジョン)3611、DVDレコーダ3612、STB(Set Top Box)3613、コンピュータ3620、車載のテレビ3641及び携帯
電話3630等の様々な種類の受信機を含むデジタル放送用システム3600において実施される。具体的には、放送局3601が、映像データや音声データ等が多重化された多重化データを上記各実施の形態で示した送信方法を用いて所定の伝送帯域に送信する。
放送局3601から送信された信号は、各受信機に内蔵された、または外部に設置され当該受信機と接続されたアンテナ(例えば、アンテナ3660、3640)で受信される。各受信機は、アンテナにおいて受信された信号を上記各実施の形態で示した受信方法を用いて復調し、多重化データを取得する。これにより、デジタル放送用システム3600は、上記各実施の形態で説明した本願発明の効果を得ることができる。
ここで、多重化データに含まれる映像データは、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)2、MPEG4−AVC(Advanced
Video Coding)、VC−1などの規格に準拠した動画符号化方法を用いて符号化されている。また、多重化データに含まれる音声データは例えばドルビーAC(Audio Coding)−3、Dolby Digital Plus、MLP(Meridian Lossless Packing)、DTS(Digital Theater Systems)、DTS−HD、リニアPCM(Pulse Coding
Modulation)等の音声符号化方法で符号化されている。
図37は、上記各実施の形態で説明した受信方法を実施する受信機7900の構成の一例を示す図である。図37に示す受信機3700は、図36に示したテレビ(テレビジョン)3611、DVDレコーダ3612、STB(Set Top Box)3613、コンピュー
タ3620、車載のテレビ3641及び携帯電話3630等が備える構成に相当する。受信機3700は、アンテナ3760で受信された高周波信号をベースバンド信号に変換するチューナ3701と、周波数変換されたベースバンド信号を復調して多重化データを取得する復調部3702とを備える。上記各実施の形態で示した受信方法は復調部3702において実施され、これにより上記各実施の形態で説明した本願発明の効果を得ることができる。
また、受信機3700は、復調部3702で得られた多重化データから映像データと音声データとを分離するストリーム入出力部3720と、分離された映像データに対応する動画像復号方法を用いて映像データを映像信号に復号し、分離された音声データに対応する音声復号方法を用いて音声データを音声信号に復号する信号処理部3704と、復号された音声信号を出力するスピーカ等の音声出力部3706と、復号された映像信号を表示するディスプレイ等の映像表示部3707とを有する。
例えば、ユーザは、リモコン(リモートコントローラ)3750を用いて、選局したチャネル(選局した(テレビ)番組、選局した音声放送)の情報を操作入力部3710に送信する。すると、受信機3700は、アンテナ3760で受信した受信信号において、選局したチャネルに相当する信号を復調、誤り訂正復号等の処理を行い、受信データを得ることになる。このとき、受信機3700は、選局したチャネルに相当する信号に含まれる伝送方法(上記の実施の形態で述べた伝送方式、変調方式、誤り訂正方式等)(これについては、図5、図41に記載のとおりである。)の情報を含む制御シンボルの情報を得ることで、受信動作、復調方法、誤り訂正復号等の方法を正しく設定することで、放送局(基地局)で送信したデータシンボルに含まれるデータを得ることが可能となる。上述では、ユーザは、リモコン3750によって、チャネルを選局する例を説明したが、受信機3700が搭載している選局キーを用いて、チャネルを選局しても、上記と同様の動作となる。
上記の構成により、ユーザは、受信機3700が上記各実施の形態で示した受信方法により受信した番組を視聴することができる。
また、本実施の形態の受信機3700は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データ(場合によっては、復調部3702で復調されて得られる信号に対して誤り訂正復号を行わないこともある。また、受信機3700は、誤り訂正復号後に他の信号処理が施されることもある。以降について、同様の表現を行っている部分についても、この点は同様である。)に含まれるデータ、または、そのデータに相当するデータ(例えば、データを圧縮することによって得られたデータ)や、動画、音声を加工して得られたデータを、磁気ディスク、光ディスク、不揮発性の半導体メモリ等の記録メディアに記録する記録部(ドライブ)3708を備える。ここで光ディスクとは、例えばDVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu−ray(登録商標) Disc)等の、レーザ光を用いて情報の記憶と読み出しがなされる記録メディアである。磁気ディスクとは、例えばFD(Floppy Disk)(登録商標)やハードディスク(Hard Disk)等の、磁束を用いて磁性体を磁化することにより情報を記憶する記録メディアである。不揮発性の半導体メモリとは、例えばフラッシュメモリや強誘電体メモリ(Ferroelectric Random Access Memory)等の、半導体素子により構成された記録メディアであり、フラッシュメモリを用いたSDカードやFlash SSD(Solid State Drive)などが挙げられる。なお、ここで挙げた記録メディアの種類はあくまでその一例であり、上記の記録メディア以外の記録メディアを用いて記録を行っても良いことは言うまでもない。
上記の構成により、ユーザは、受信機3700が上記各実施の形態で示した受信方法により受信した番組を記録して保存し、番組の放送されている時間以降の任意の時間に記録されたデータを読み出して視聴することが可能になる。
なお、上記の説明では、受信機3700は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データを記録部3708で記録するとしたが、多重化データに含まれるデータのうち一部のデータを抽出して記録しても良い。例えば、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに映像データや音声データ以外のデータ放送サービスのコンテンツ等が含まれる場合、記録部3708は、復調部3702で復調された多重化データから映像データや音声データを抽出して多重した新しい多重化データを記録しても良い。また、記録部3708は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる映像データ及び音声データのうち、どちらか一方のみを多重した新しい多重化データを記録しても良い。そして、上記で述べた多重化データに含まれるデータ放送サービスのコンテンツを記録部3708は、記録してもよい。
さらには、テレビ、記録装置(例えば、DVDレコーダ、Blu−ray(登録商標)レコーダ、HDDレコーダ、SDカード等)、携帯電話に、本発明で説明した受信機3700が搭載されている場合、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに、テレビや記録装置を動作させるのに使用するソフトウェアの欠陥(バグ)を修正するためのデータや個人情報や記録したデータの流出を防ぐためのソフトウェアの欠陥(バグ)を修正するためのデータが含まれている場合、これらのデータをインストールすることで、テレビや記録装置のソフトウェアの欠陥を修正してもよい。そして、データに、受信機3700のソフトウェアの欠陥(バグ)を修正するためのデータが含まれていた場合、このデータにより、受信機3700の欠陥を修正することもできる。これにより、受信機3700が搭載されているテレビ、記録装置、携帯電話が、より安定的の動作させることが可能となる。
ここで、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる複数のデータから一部のデータを抽出して多重する処理は、例えばストリーム入出力部3703で行われる。具体的には、ストリーム入出力部3703が、図示していないCPU等の制御部からの指示により、復調部3702で復調された多重化データを映像データ、音声データ、データ放送サービスのコンテンツ等の複数のデータに分離し、分離後のデータから指定されたデータのみを抽出して多重し、新しい多重化データを生成する。なお、分離後のデータからどのデータを抽出するかについては、例えばユーザが決定してもよいし、記録メディアの種類毎に予め決められていてもよい。
上記の構成により、受信機3700は記録された番組を視聴する際に必要なデータのみを抽出して記録することができるので、記録するデータのデータサイズを削減することができる。
また、上記の説明では、記録部3708は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データを記録するとしたが、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる映像データを、当該映像データよりもデータサイズまたはビットレートが低くなるよう、当該映像データに施された動画像符号化方法とは異なる動画像符号化方法で符号化された映像データに変換し、変換後の映像データを多重した新しい多重化データを記録してもよい。このとき、元の映像データに施された動画像符号化方法と変換後の映像データに施された動画像符号化方法とは、互いに異なる規格に準拠していてもよいし、同じ規格に準拠して符号化時に使用するパラメータのみが異なっていてもよい。同様に、記録部3708は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる音声データを、当該音声データよりもデータサイズまたはビットレートが低くなるよう、当該音声データに施された音声符号化方法とは異なる音声符号化方法で符号化された音声データに変換し、変換後の音声データを多重した新しい多重化データを記録してもよい。
ここで、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる映像データや音声データをデータサイズまたはビットレートが異なる映像データや音声データに変換する処理は、例えばストリーム入出力部3703及び信号処理部3704で行われる。具体的には、ストリーム入出力部3703が、CPU等の制御部からの指示により、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データを映像データ、音声データ、データ放送サービスのコンテンツ等の複数のデータに分離する。信号処理部3704は、制御部からの指示により、分離後の映像データを当該映像データに施された動画像符号化方法とは異なる動画像符号化方法で符号化された映像データに変換する処理、及び分離後の音声データを当該音声データに施された音声符号化方法とは異なる音声符号化方法で符号化された音声データに変換する処理を行う。ストリーム入出力部3703は、制御部からの指示により、変換後の映像データと変換後の音声データとを多重し、新しい多重化データを生成する。なお、信号処理部3704は制御部からの指示に応じて、映像データと音声データのうちいずれか一方に対してのみ変換の処理を行っても良いし、両方に対して変換の処理を行っても良い。また、変換後の映像データ及び音声データのデータサイズまたはビットレートは、ユーザが決定してもよいし、記録メディアの種類毎に予め決められていてもよい。
上記の構成により、受信機3700は、記録メディアに記録可能なデータサイズや記録部3708がデータの記録または読み出しを行う速度に合わせて映像データや音声データのデータサイズまたはビットレートを変更して記録することができる。これにより、記録メディアに記録可能なデータサイズが復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データのデータサイズよりも小さい場合や、記録部がデータの記録ま
たは読み出しを行う速度が復調部3702で復調された多重化データのビットレートよりも低い場合でも記録部が番組を記録することが可能となるので、ユーザは番組の放送されている時間以降の任意の時間に記録されたデータを読み出して視聴することが可能になる。
また、受信機3700は、復調部3702で復調された多重化データを外部機器に対して通信媒体3730を介して送信するストリーム出力IF(Interface:インターフェース)3709を備える。ストリーム出力IF3709の一例としては、Wi−Fi(登録商標)(IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n等)、WiGiG、WirelessHD、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)等の無線通信規格に準拠した無線通信方法を用いて変調した多重化データを、無線媒体(通信媒体3730に相当)を介して外部機器に送信する無線通信装置が挙げられる。また、ストリーム出力IF3709は、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)、PLC(Power Line
Communication)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)等の有線通信規格に準拠した通信方法を用いて変調された多重化データを当該ストリーム出力IF3709に接続された有線伝送路(通信媒体3730に相当)を介して外部機器に送信する有線通信装置であってもよい。
上記の構成により、ユーザは、受信機3700が上記各実施の形態で示した受信方法により受信した多重化データを外部機器で利用することができる。ここでいう多重化データの利用とは、ユーザが外部機器を用いて多重化データをリアルタイムで視聴することや、外部機器に備えられた記録部で多重化データを記録すること、外部機器からさらに別の外部機器に対して多重化データを送信すること等を含む。
なお、上記の説明では、受信機3700は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データをストリーム出力IF3709が出力するとしたが、多重化データに含まれるデータのうち一部のデータを抽出して出力しても良い。例えば、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに映像データや音声データ以外のデータ放送サービスのコンテンツ等が含まれる場合、ストリーム出力IF3709は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データから映像データや音声データを抽出して多重した新しい多重化データを出力しても良い。また、ストリーム出力IF3709は、復調部3702で復調された多重化データに含まれる映像データ及び音声データのうち、どちらか一方のみを多重した新しい多重化データを出力しても良い。
ここで、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる複数のデータから一部のデータを抽出して多重する処理は、例えばストリーム入出力部3703で行われる。具体的には、ストリーム入出力部3703が、図示していないCPU(Central Processing Unit)等の制御部からの指示により、復調部3702で復調された多重化データを映像データ、音声データ、データ放送サービスのコンテンツ等の複数のデータに分離し、分離後のデータから指定されたデータのみを抽出して多重し、新しい多重化データを生成する。なお、分離後のデータからどのデータを抽出するかについては、例えばユーザが決定してもよいし、ストリーム出力IF3709の種類毎に予め決められていてもよい。
上記の構成により、受信機3700は外部機器が必要なデータのみを抽出して出力することができるので、多重化データの出力により消費される通信帯域を削減することができ
る。
また、上記の説明では、ストリーム出力IF3709は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データを出力するとしたが、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる映像データを、当該映像データよりもデータサイズまたはビットレートが低くなるよう、当該映像データに施された動画像符号化方法とは異なる動画像符号化方法で符号化された映像データに変換し、変換後の映像データを多重した新しい多重化データを出力してもよい。このとき、元の映像データに施された動画像符号化方法と変換後の映像データに施された動画像符号化方法とは、互いに異なる規格に準拠していてもよいし、同じ規格に準拠して符号化時に使用するパラメータのみが異なっていてもよい。同様に、ストリーム出力IF3709は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる音声データを、当該音声データよりもデータサイズまたはビットレートが低くなるよう、当該音声データに施された音声符号化方法とは異なる音声符号化方法で符号化された音声データに変換し、変換後の音声データを多重した新しい多重化データを出力してもよい。
ここで、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる映像データや音声データをデータサイズまたはビットレートが異なる映像データや音声データに変換する処理は、例えばストリーム入出力部3703及び信号処理部3704で行われる。具体的には、ストリーム入出力部3703が、制御部からの指示により、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データを映像データ、音声データ、データ放送サービスのコンテンツ等の複数のデータに分離する。信号処理部3704は、制御部からの指示により、分離後の映像データを当該映像データに施された動画像符号化方法とは異なる動画像符号化方法で符号化された映像データに変換する処理、及び分離後の音声データを当該音声データに施された音声符号化方法とは異なる音声符号化方法で符号化された音声データに変換する処理を行う。ストリーム入出力部3703は、制御部からの指示により、変換後の映像データと変換後の音声データとを多重し、新しい多重化データを生成する。なお、信号処理部3704は制御部からの指示に応じて、映像データと音声データのうちいずれか一方に対してのみ変換の処理を行っても良いし、両方に対して変換の処理を行っても良い。また、変換後の映像データ及び音声データのデータサイズまたはビットレートは、ユーザが決定してもよいし、ストリーム出力IF3709の種類毎に予め決められていてもよい。
上記の構成により、受信機3700は、外部機器との間の通信速度に合わせて映像データや音声データのビットレートを変更して出力することができる。これにより、外部機器との間の通信速度が、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データのビットレートよりも低い場合でもストリーム出力IFから外部機器新しい多重化データを出力することが可能となるので、ユーザは他の通信装置において新しい多重化データを利用することが可能になる。
また、受信機3700は、外部機器に対して信号処理部3704で復号された映像信号及び音声信号を外部の通信媒体に対して出力するAV(Audio and Visual)出力IF(Interface)3711を備える。AV出力IF3711の一例としては、Wi−Fi(登録商標)(IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n等)、WiGiG、WirelessHD、Bluetooth(登録商標)、Gigbee等の無線通信規格に準拠した無線通信方法を用いて変調した映像信号及び音声信号を、無線媒体を介して外部機器に送信する無線通信装置が挙げられる。また、ストリーム出力IF3709は、イーサネット(登録商標)やUSB、PLC、HDMI(登録商標)等の有線通信規格に準拠した通信方法を用いて変調された映像信号及び音声信号を当該ストリーム出力IF3709に接続され
た有線伝送路を介して外部機器に送信する有線通信装置であってもよい。また、ストリーム出力IF3709は、映像信号及び音声信号をアナログ信号のまま出力するケーブルを接続する端子であってもよい。
上記の構成により、ユーザは、信号処理部3704で復号された映像信号及び音声信号を外部機器で利用することができる。
さらに、受信機3700は、ユーザ操作の入力を受け付ける操作入力部3710を備える。受信機3700は、ユーザの操作に応じて操作入力部3710に入力される制御信号に基づいて、電源のON/OFFの切り替えや、受信するチャネルの切り替え、字幕表示の有無や表示する言語の切り替え、音声出力部3706から出力される音量の変更等の様々な動作の切り替えや、受信可能なチャネルの設定等の設定の変更を行う。
また、受信機3700は、当該受信機3700で受信中の信号の受信品質を示すアンテナレベルを表示する機能を備えていてもよい。ここで、アンテナレベルとは、例えば受信機3700が受信した信号のRSSI(Received Signal Strength Indication、Received Signal Strength Indicator、受信信号強度)、受信電界強度、C/N(Carrier−to−noise power ratio)、BER(Bit Error Rate:ビットエラー率)、パケットエラー率、フレームエラー率、チャネル状態情報(Channel
State Information)等に基づいて算出される受信品質を示す指標であり、信号レベル、信号の優劣を示す信号である。この場合、復調部3702は受信した信号のRSSI、受信電界強度、C/N、BER、パケットエラー率、フレームエラー率、チャネル状態情報等を測定する受信品質測定部を備え、受信機3700はユーザの操作に応じてアンテナレベル(信号レベル、信号の優劣を示す信号)をユーザが識別可能な形式で映像表示部3707に表示する。アンテナレベル(信号レベル、信号の優劣を示す信号)の表示形式は、RSSI、受信電界強度、C/N、BER、パケットエラー率、フレームエラー率、チャネル状態情報等に応じた数値を表示するものであっても良いし、RSSI、受信電界強度、C/N、BER、パケットエラー率、フレームエラー率、チャネル状態情報等に応じて異なる画像を表示するようなものであっても良い。また、受信機3700は、上記各実施の形態で示した受信方法を用いて受信して分離された複数のストリームs1、s2、・・・毎に求めた複数のアンテナレベル(信号レベル、信号の優劣を示す信号)を表示しても良いし、複数のストリームs1、s2、・・・から求めた1つのアンテナレベル(信号レベル、信号の優劣を示す信号)を表示しても良い。また、番組を構成する映像データや音声データが階層伝送方式を用いて送信されている場合は、階層毎に信号のレベル(信号の優劣を示す信号)を示しても可能である。
上記の構成により、ユーザは上記各実施の形態で示した受信方法を用いて受信する場合のアンテナレベル(信号レベル、信号の優劣を示す信号)を数値的に、または、視覚的に把握することができる。
なお、上記の説明では受信機3700が、音声出力部3706、映像表示部3707、記録部3708、ストリーム出力IF3709、及びAV出力IF3711を備えている場合を例に挙げて説明したが、これらの構成の全てを備えている必要はない。受信機3700が上記の構成のうち少なくともいずれか一つを備えていれば、ユーザは復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データを利用することができるため、各受信機はその用途に合わせて上記の構成を任意に組み合わせて備えていれば良い。
(多重化データ)
次に、多重化データの構造の一例について詳細に説明する。放送に用いられるデータ構造としてはMPEG2−トランスポートストリーム(TS)が一般的であり、ここではM
PEG2−TSを例に挙げて説明する。しかし、上記各実施の形態で示した送信方法及び受信方法で伝送される多重化データのデータ構造はMPEG2−TSに限られず、他のいかなるデータ構造であっても上記の各実施の形態で説明した効果を得られることは言うまでもない。
図38は、多重化データの構成の一例を示す図である。図38に示すように多重化データは、各サービスで現在提供されている番組(programmeまたはその一部であるevent)を構成する要素である、例えばビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム(PG)、インタラクティブグラファイックスストリーム(IG)などのエレメンタリーストリームのうち、1つ以上を多重化することで得られる。多重化データで提供されている番組が映画の場合、ビデオストリームは映画の主映像および副映像を、オーディオストリームは映画の主音声部分と当該主音声とミキシングする副音声を、プレゼンテーショングラフィックスストリームとは映画の字幕をそれぞれ示している。ここで主映像とは画面に表示される通常の映像を示し、副映像とは主映像の中に小さな画面で表示する映像(例えば、映画のあらすじを示したテキストデータの映像など)のことである。また、インタラクティブグラフィックスストリームは、画面上にGUI部品を配置することにより作成される対話画面を示している。
多重化データに含まれる各ストリームは、各ストリームに割り当てられた識別子であるPIDによって識別される。例えば、映画の映像に利用するビデオストリームには0x1011が、オーディオストリームには0x1100から0x111Fまでが、プレゼンテーショングラフィックスには0x1200から0x121Fまでが、インタラクティブグラフィックスストリームには0x1400から0x141Fまでが、映画の副映像に利用するビデオストリームには0x1B00から0x1B1Fまで、主音声とミキシングする副音声に利用するオーディオストリームには0x1A00から0x1A1Fが、それぞれ割り当てられている。
図39は、多重化データがどのように多重化されているかの一例を模式的に示す図である。まず、複数のビデオフレームからなるビデオストリーム3901、複数のオーディオフレームからなるオーディオストリーム3904を、それぞれPESパケット列3902および3905に変換し、TSパケット3903および3906に変換する。同じくプレゼンテーショングラフィックスストリーム3911およびインタラクティブグラフィックス3914のデータをそれぞれPESパケット列3912および3915に変換し、さらにTSパケット3913および3916に変換する。多重化データ3917はこれらのTSパケット(3903、3906、3913、3916)を1本のストリームに多重化することで構成される。
図40は、PESパケット列に、ビデオストリームがどのように格納されるかをさらに詳しく示している。図40における第1段目はビデオストリームのビデオフレーム列を示す。第2段目は、PESパケット列を示す。図40の矢印yy1,yy2,yy3,yy4に示すように、ビデオストリームにおける複数のVideo Presentation UnitであるIピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャは、ピクチャ毎に分割され、PESパケットのペイロードに格納される。各PESパケットはPESヘッダを持ち、PESヘッダには、ピクチャの表示時刻であるPTS(Presentation Time−Stamp)やピクチャの復号時刻であるDTS(Decoding Time−Stamp)が格納される。
図41は、多重化データに最終的に書き込まれるTSパケットの形式を示している。TSパケットは、ストリームを識別するPIDなどの情報を持つ4ByteのTSヘッダとデータを格納する184ByteのTSペイロードから構成される188Byte固定長
のパケットであり、上記PESパケットは分割されTSペイロードに格納される。BD−ROMの場合、TSパケットには、4ByteのTP_Extra_Headerが付与され、192Byteのソースパケットを構成し、多重化データに書き込まれる。TP_Extra_HeaderにはATS(Arrival_Time_Stamp)などの情報が記載される。ATSは当該TSパケットのデコーダのPIDフィルタへの転送開始時刻を示す。多重化データには図41下段に示すようにソースパケットが並ぶこととなり、多重化データの先頭からインクリメントする番号はSPN(ソースパケットナンバー)と呼ばれる。
また、多重化データに含まれるTSパケットには、ビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリームなどの各ストリーム以外にもPAT(Program Association Table)、PMT(Program
Map Table)、PCR(Program Clock Reference)などがある。PATは多重化データ中に利用されるPMTのPIDが何であるかを示し、PAT自体のPIDは0で登録される。PMTは、多重化データ中に含まれる映像・音声・字幕などの各ストリームのPIDと各PIDに対応するストリームの属性情報(フレームレート、アスペクト比など)を持ち、また多重化データに関する各種ディスクリプタを持つ。ディスクリプタには多重化データのコピーを許可・不許可を指示するコピーコントロール情報などがある。PCRは、ATSの時間軸であるATC(Arrival Time Clock)とPTS・DTSの時間軸であるSTC(System Time Clock)の同期を取るために、そのPCRパケットがデコーダに転送されるATSに対応するSTC時間の情報を持つ。
図42はPMTのデータ構造を詳しく説明する図である。PMTの先頭には、そのPMTに含まれるデータの長さなどを記したPMTヘッダが配置される。その後ろには、多重化データに関するディスクリプタが複数配置される。上記コピーコントロール情報などが、ディスクリプタとして記載される。ディスクリプタの後には、多重化データに含まれる各ストリームに関するストリーム情報が複数配置される。ストリーム情報は、ストリームの圧縮コーデックなどを識別するためのストリームタイプ、ストリームのPID、ストリームの属性情報(フレームレート、アスペクト比など)が記載されたストリームディスクリプタから構成される。ストリームディスクリプタは多重化データに存在するストリームの数だけ存在する。
記録媒体などに記録する場合には、上記多重化データは、多重化データ情報ファイルと共に記録される。
図43は、その多重化データ情報ファイルの構成を示す図である。多重化データ情報ファイルは、図43に示すように多重化データの管理情報であり、多重化データと1対1に対応し、多重化データ情報、ストリーム属性情報とエントリマップから構成される。
多重化データ情報は図43に示すようにシステムレート、再生開始時刻、再生終了時刻から構成されている。システムレートは多重化データの、後述するシステムターゲットデコーダのPIDフィルタへの最大転送レートを示す。多重化データ中に含まれるATSの間隔はシステムレート以下になるように設定されている。再生開始時刻は多重化データの先頭のビデオフレームのPTSであり、再生終了時刻は多重化データの終端のビデオフレームのPTSに1フレーム分の再生間隔を足したものが設定される。
図44は、多重化データ情報ファイルに含まれるストリーム属性情報の構成を示す図である。ストリーム属性情報は図44に示すように、多重化データに含まれる各ストリームについての属性情報が、PID毎に登録される。属性情報はビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム、インタラクティブグラフ
ィックスストリーム毎に異なる情報を持つ。ビデオストリーム属性情報は、そのビデオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、ビデオストリームを構成する個々のピクチャデータの解像度がどれだけであるか、アスペクト比はどれだけであるか、フレームレートはどれだけであるかなどの情報を持つ。オーディオストリーム属性情報は、そのオーディオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、そのオーディオストリームに含まれるチャンネル数は何であるか、何の言語に対応するか、サンプリング周波数がどれだけであるかなどの情報を持つ。これらの情報は、プレーヤが再生する前のデコーダの初期化などに利用される。
本実施の形態においては、上記多重化データのうち、PMTに含まれるストリームタイプを利用する。また、記録媒体に多重化データが記録されている場合には、多重化データ情報に含まれる、ビデオストリーム属性情報を利用する。具体的には、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置において、PMTに含まれるストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に対し、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示す固有の情報を設定するステップまたは手段を設ける。この構成により、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成した映像データと、他の規格に準拠する映像データとを識別することが可能になる。
図45は、放送局(基地局)から送信された、映像および音声のデータ、または、データ放送のためのデータを含む変調信号を受信する受信装置4504を含む映像音声出力装置4500の構成の一例を示している。なお、受信装置4504の構成は、図37の受信装置3700に相当する。映像音声出力装置4500には、例えば、OS(Operating System:オペレーティングシステム)が搭載されており、また、インターネットに接続するための通信装置4506(例えば、無線LAN(Local Area Network)やイーザーネットのための通信装置)が搭載されている。これにより、映像を表示する部分4501では、映像および音声のデータ、または、データ放送のためのデータにおける映像4502、および、インターネット上で提供されるハイパーテキスト(World Wide Web(ワールド ワ
イド ウェブ:WWW))4503を同時に表示することが可能となる。そして、リモコン
(携帯電話やキーボードであってもよい)4507を操作することにより、データ放送のためのデータにおける映像4502、インターネット上で提供されるハイパーテキスト4503のいずれかを選択し、動作を変更することになる。例えば、インターネット上で提供されるハイパーテキスト4503が選択された場合、表示しているWWWのサイトを、リ
モコンを操作することにより、変更することになる。また、映像および音声のデータ、または、データ放送のためのデータにおける映像4502が選択されている場合、リモコン4507により、選局したチャネル(選局した(テレビ)番組、選局した音声放送)の情報を送信する。すると、IF4505は、リモコンで送信された情報を取得し、受信装置4504は、選局したチャネルに相当する信号を復調、誤り訂正復号等の処理を行い、受信データを得ることになる。このとき、受信装置4504は、選局したチャネルに相当する信号に含まれる伝送方法(これについては、図5に記載のとおりである。)の情報を含む制御シンボルの情報を得ることで、受信動作、復調方法、誤り訂正復号等の方法を正しく設定することで、放送局(基地局)で送信したデータシンボルに含まれるデータを得ることが可能となる。上述では、ユーザは、リモコン4507によって、チャネルを選局する例を説明したが、映像音声出力装置4500が搭載している選局キーを用いて、チャネルを選局しても、上記と同様の動作となる。
また、インターネットを用い、映像音声出力装置4500を操作してもよい。例えば、他のインターネット接続している端末から、映像音声出力装置4500に対し、録画(記憶)の予約を行う。(したがって、映像音声出力装置4500は、図37のように、記録部3708を有していることになる。)そして、録画を開始する前に、チャネルを選局す
ることになり、受信装置4504は、選局したチャネルに相当する信号を復調、誤り訂正復号等の処理を行い、受信データを得ることになる。このとき、受信装置4504は、選局したチャネルに相当する信号に含まれる伝送方法(上記の実施の形態で述べた伝送方式、変調方式、誤り訂正方式等)(これについては、図5に記載のとおりである。)の情報を含む制御シンボルの情報を得ることで、受信動作、復調方法、誤り訂正復号等の方法を正しく設定することで、放送局(基地局)で送信したデータシンボルに含まれるデータを得ることが可能となる。
(その他補足)
本明細書において、送信装置を具備しているのは、例えば、放送局、基地局、アクセスポイント、端末、携帯電話(mobile phone)等の通信・放送機器であることが考えられ、このとき、受信装置を具備しているのは、テレビ、ラジオ、端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話、アクセスポイント、基地局等の通信機器であることが考えられる。また、本発明における送信装置、受信装置は、通信機能を有している機器であって、その機器が、テレビ、ラジオ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等のアプリケーションを実行するための装置に何らかのインターフェース(例えば、USB)を介して接続できるような形態であることも考えられる。
また、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(パイロットシンボルをプリアンブル、ユニークワード、ポストアンブル、リファレンスシンボル、スキャッタードパイロット等と呼んでもよい。)、制御情報用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。そして、ここでは、パイロットシンボル、制御情報用のシンボルと名付けているが、どのような名付け方を行ってもよく、機能自身が重要となっている。
パイロットシンボルは、例えば、送受信機において、PSK変調を用いて変調した既知のシンボル(または、受信機が同期をとることによって、受信機は、送信機が送信したシンボルを知ることができてもよい。)であればよく、受信機は、このシンボルを用いて、周波数同期、時間同期、(各変調信号の)チャネル推定(CSI(Channel State Information)の推定)、信号の検出等を行うことになる。
また、制御情報用のシンボルは、(アプリケーション等の)データ以外の通信を実現するための、通信相手に伝送する必要がある情報(例えば、通信に用いている変調方式・誤り訂正符号化方式・誤り訂正符号化方式の符号化率、上位レイヤーでの設定情報等)を伝送するためのシンボルである。
なお、本発明はすべての実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、通信装置として行う場合について説明しているが、これに限られるものではなく、この通信方法をソフトウェアとして行うことも可能である。
また、上記では、2つの変調信号を2つのアンテナから送信する方法における位相変更方法について説明したが、これに限ったものではなく、4つのマッピング後の信号に対し、プリコーディングを行うとともに位相を変更して、4つの変調信号を生成し、4つのアンテナから送信する方法、つまり、N個のマッピング後の信号に対し、プリコーディングを行い、N個の変調信号を生成し、N個のアンテナから送信する方法においても同様に位相を規則的に変更する、位相変更方法としても同様に実施することができる。
また、上記実施の形態に示したシステム例では、2つの変調信号を2つのアンテナから
送信し、それぞれを2つのアンテナで受信するMIMO方式の通信システムを開示したが、本発明は、当然にMISO(Multiple Input Single Output)方式の通信システムにも適用できる。MISO方式の場合、受信装置は、図7に示す構成のうち、アンテナ701_Y、無線部703_Y、変調信号z1のチャネル変動推定部707_1、変調信号z2のチャネル変動推定部707_2がない構成となるが、この場合であっても、上記実施の形態1に示した処理を実行することで、r1、r2それぞれを推定することができる。なお、同一周波数帯、同一時間において、送信された複数の信号を1つのアンテナで受信して復号できることは周知のことであり、本明細書においては、信号処理部における送信側で変更された位相を戻すための処理が従来技術に追加される処理となる。
また、本発明の説明で示したシステム例では、2つの変調信号を2つのアンテナから送信し、それぞれを2つのアンテナで受信するMIMO方式の通信システムを開示したが、本発明は、当然にMISO(Multiple Input Single Output)方式の通信システムにも適用できる。MISO方式の場合、送信装置において、プリコーディングと位相変更を適用している点は、これまでの説明のとおりである。一方で、受信装置は、図7に示す構成のうち、アンテナ701_Y、無線部703_Y、変調信号z1のチャネル変動推定部707_1、変調信号z2のチャネル変動推定部707_2がない構成となるが、この場合であっても、本明細書の中で示した処理を実行することで、送信装置が送信したデータを推定することができる。なお、同一周波数帯、同一時間において、送信された複数の信号を1つのアンテナで受信して復号できることは周知のこと(1アンテナ受信において、ML演算等(Max-log APP等)の処理を施せばよい。)であり、本発明では、図7の信号処理部
711において、送信側で用いたプリコーディングと位相変更を考慮した復調(検波)を行えばよいことになる。
本明細書では、「プリコーディング」「プリコーディングウェイト」「プリコーディング行列」等の用語を用いているが、呼び方自身は、どのようなものでもよく(例えば、コードブック(codebook)と呼んでもよい。)、本発明では、その信号処理自身が重要となる。
また、本明細書において、受信装置で、ML演算、APP、Max-log APP、ZF、MMSE等を用いて説明しているが、この結果、送信装置が送信したデータの各ビットの軟判定結果(対数尤度、対数尤度比)や硬判定結果(「0」または「1」)を得ることになるが、これらを総称して、検波、復調、検出、推定、分離と呼んでもよい。
ストリームs1(t)、s2(t)(s1(i)、s2(i))により、異なるデータを伝送してもよいし、同一のデータを伝送してもよい。
また、2ストリームのベースバンド信号s1(i)、s2(i)(ただし、iは、(時間、または、周波数(キャリア)の)順番をあらわす)に対し、規則的な位相変更およびプリコーディングを行い(順番はどちらが先であってもよい)生成された、両者の信号処理後のベースバンド信号z1(i)、z2(i)において、両者の信号処理後のベースバンド信号z1(i)の同相I成分をI1(i)、直交成分をQ1(i)とし、両者の信号処理後のベースバンド信号z2(i)の同相I成分をI2(i)、直交成分をQ2(i)とする。このとき、ベースバンド成分の入れ替えを行い、
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をQ2(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をQ1(i)
とし、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)に相当する変調信号を送信アンテナ1、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)に相当する変調信号を送信アンテナ2から、同一時刻に同一周波数を用いて送信する、というように、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)に相当する変調信号と入れ替え後のベースバンド信号r2(i)を異なるアンテナから、同一時刻に同一周波数を用いて送信するとしてもよい。また、
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をI2(i
)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をQ2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をI1(i
)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をQ2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をI2(i
)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をI1(i
)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をQ2(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をI2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をI1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をI1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をI2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をI2(i
)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をQ2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をI1(i
)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をQ2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をI2(i
)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をI1(i
)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をQ2(i)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をQ2(i)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をI2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をI1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をI1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をI2(i)
としてもよい。また、上述では、2ストリームの信号に対し両者の信号処理を行い、両者の信号処理後の信号の同相成分と直交成分の入れ替えについて説明したが、これに限ったものではなく、2ストリームより多い信号に対し両者の信号処理後を行い、両者の信号処理後の信号の同相成分と直交成分の入れ替えを行うことも可能である。
また、上記の例では、同一時刻(同一周波数((サブ)キャリア))のベースバンド信号の入れ替えを説明しているが、同一時刻のベースバンド信号の入れ替えでなくてもよい。例として、以下のように記述することができる
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をQ2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i+w)、直
交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をI2
(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i+v)、直
交成分をQ2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i+w)、直交成分をI1
(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i+v)、直
交成分をQ2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をI2
(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i+w)、直
交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i+w)、直交成分をI1
(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i+w)、直
交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をQ2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i+v)、直
交成分をI2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i+w)、直交成分をI1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i+w)、直
交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i+w)、直交成分をI1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i+v)、直
交成分をI2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をI2
(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i+v)、直
交成分をQ2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i+w)、直交成分をI1
(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i+v)、直
交成分をQ2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をI2
(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i+w)、直
交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i+w)、直交成分をI1
(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i+w)、直
交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をQ2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i+w)、直
交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をQ2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i+v)、直
交成分をI2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i+w)、直交成分をI1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i+w)、直
交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i+w)、直交成分をI1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i+v)、直
交成分をI2(i+w)
図55は、上記の記載を説明するためのベースバンド信号入れ替え部5502を示す図である。図55に示すように、両者の信号処理後のベースバンド信号z1(i)5501_1、z2(i)5501_2において、両者の信号処理後のベースバンド信号z1(i)5501_1の同相I成分をI1(i)、直交成分をQ1(i)とし、両者の信号処理後のベースバンド信号z2(i)5501_2の同相I成分をI2(i)、直交成分をQ2(i)とする。そして、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)5503_1の同相成分をIr1(i)、直交成分をQr1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)5503_2の同相成分をIr2(i)、直交成分をQr2(i)とすると、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)5503_1の同相成分Ir1(i)、直交成分Qr1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)5503_2の同相成分Ir2(i)、直交成分をQr2(i)は上述で説明したいずれかであらわされるものとする。なお、この例では、同一時刻(同一周波数((サブ)キャリア))の両者の信号処理後のベースバンド信号の入れ替えについて説明したが、上述のように、異なる時刻(異なる周波数((サブ)キャリア))の両者の信号処理後のベースバンド信号の入れ替えであってもよい。
送信装置の送信アンテナ、受信装置の受信アンテナ、共に、図面で記載されている1つのアンテナは、複数のアンテナにより構成されていても良い。
本明細書において、「∀」は全称記号(universal quantifier)をあらわしており、「∃」は存在記号(existential quantifier)をあらわしている。
また、本明細書において、複素平面における、例えば、偏角のような、位相の単位は、「ラジアン(radian)」としている。
複素平面を利用すると、複素数の極座標による表示として極形式で表示できる。複素数
z = a + jb (a、bはともに実数であり、jは虚数単位である)に、複素平面上の点 (a, b) を対応させたとき、この点が極座標で[r, θ] とあらわされるなら、
a=r×cosθ、
b=r×sinθ
が成り立ち、r は z の絶対値 (r = |z|) であり、θ が偏角 (argument)となる。そして、z = a + jbは、rejθとあらわされる。
本発明の説明において、ベースバンド信号、s1、s2、z1、z2は複素信号となるが、複素信号とは、同相信号をI、直交信号をQとしたとき、複素信号はI + jQ(jは
虚数単位)とあらわされることになる。このとき、Iがゼロとなってもよいし、Qがゼロとなってもよい。
本明細書で説明した位相変更方法を用いた放送システムの一例を図46に示す。図46において、映像符号化部4601は、映像を入力とし、映像符号化を行い、映像符号化後のデータ4602を出力する。音声符号化部4603は、音声を入力とし、音声符号化を行い、音声符号化後のデータ4604を出力する。データ符号化部4605は、データを入力とし、データの符号化(例えば、データ圧縮)を行い、データ符号化後のデータ4606を出力する。これらをまとめて、情報源符号化部4600とする。
送信部4607は、映像符号化後のデータ4602、音声符号化後のデータ4604、データ符号化後のデータ4606を入力とし、これらのデータのいずれか、または、これらのデータ全てを送信データとし、誤り訂正符号化、変調、プリコーディング、位相変更等の処理(例えば、図3の送信装置における信号処理)を施し、送信信号4608_1から4608_Nを出力する。そして、送信信号4608_1から4608_Nはそれぞれアンテナ4609_1から4609_Nにより、電波として送信される。
受信部4612は、アンテナ4610_1から4610_Mで受信した受信信号4611_1から4611_Mを入力とし、周波数変換、位相変更、プリコーディングのデコード、対数尤度比算出、誤り訂正復号等の処理(例えば、図7の受信装置における処理)を施し、受信データ4613、4615、4617を出力する。情報源復号部4619は、受信データ4613、4615、4617を入力とし、映像復号化部4614は、受信データ4613を入力とし、映像用の復号を行い、映像信号を出力し、映像は、テレビ、ディスプレーに表示される。また、音声復号化部4616は、受信データ4615を入力とし。音声用の復号を行い、音声信号を出力し、音声は、スピーカーから流れる。また、データ復号化部4618は、受信データ4617を入力とし、データ用の復号を行い、データの情報を出力する。
また、本発明の説明を行っている実施の形態において、以前にも説明したようにOFDM方式のようなマルチキャリア伝送方式において、送信装置が保有している符号化器の数は、いくつであってもよい。したがって、例えば、図4のように、送信装置が、符号化器を1つ具備し、出力を分配する方法を、OFDM方式のようなマルチキャリア伝送方式にも適用することも当然可能である。このとき、図4の無線部310A、310Bを図12のOFDM方式関連処理部1301A、1301Bに置き換えればよいことになる。このとき、OFDM方式関連処理部の説明は、実施の形態1のとおりである。
また、実施の形態1において、プリコーディング行列の例として、式(36)を与えたが、これとは別にプリコーディング行列として以下の式を用いる方法が考えられる。
なお、プリコーディング式(36)、式(50)において、αの値として、式(37)、式(38)を設定することを記載したが、これに限ったものではなく、α=1と設定すると、簡単なプリコーディング行列となるので、この値も有効な値の一つである。
また、実施の形態A1において、図3、図4、図6、図12,図25、図29、図51、図53における位相変更部において、周期Nのための位相変更値(図3、図4、図6、
図12,図25、図29、図51、図53では、一方のプリコーディング後のベースバンド信号にのみ、位相変更を与えることになるので、位相変更値となる。)として、PHASE[i](i=0,1,2,・・・,N-2,N-1)と表現した。そして、本明細書において、一方のプリコー
ディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合(つまり、図3、図4、図6、図12,図25、図29、図51、図53)、図3、図4、図6、図12,図25、図29、図51、図53において、プリコーディング後のベースバンド信号z2’のみに位相変更を与えている。このとき、PHASE[k]を以下のように与える。
このとき、k=0,1,2,・・・,N-2,N-1とする。そして、N=5, 7, 9, 11, 15とすると受信装置において、良好なデータの受信品質を得ることができる。
また、本明細書では、2つの変調信号を複数のアンテナで送信する場合における位相変更方法について詳しく説明したが、これに限ったものでは、なく、3つ以上の変調方式のマッピングを行ったベースバンド信号に対し、プリコーディング、位相変更を行い、プリコーディング、位相変更後のベースバンド信号に対し、所定の処理を行い、複数のアンテナから送信する場合についても、同様に実施することができる。
なお、例えば、上記通信方法を実行するプログラムを予めROM(Read Only
Memory)に格納しておき、そのプログラムをCPU(Central Processor Unit)によって動作させるようにしても良い。
また、上記通信方法を実行するプログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納し、記憶媒体に格納されたプログラムをコンピュータのRAM(Random Access Memory)に記録して、コンピュータをそのプログラムにしたがって動作させるようにしても良い。
そして、上記の各実施の形態などの各構成は、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、各実施の形態の全ての構成または一部の構成を含むように1チップ化されてもよい。 ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限られるものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
さらに、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適用等が可能性としてあり得る。