JP6556682B2 - 立体音響信号再生装置、立体音響信号再生方法及び立体音響信号再生プログラム - Google Patents

立体音響信号再生装置、立体音響信号再生方法及び立体音響信号再生プログラム Download PDF

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本発明は、立体音響信号を再生する立体音響信号再生装置、立体音響信号再生方法及び立体音響信号再生プログラムに関する。
人がヘッドフォン又はイヤホンを通じて音を聞く場合、音像の方向情報は失われ立体感は消失する。これは、空間に存在する音源から発せられる音が頭部、耳もしくは体などによる反射又は回折の影響を受けて変化するのに対し、ヘッドフォンから再生される音はこれらの影響が反映されていないためである。この音源から鼓膜又は外耳道入り口に到達するまでの音響伝達関数は、頭部伝達関数(Head Related Transfer Function)として知られている。
ヘッドフォンで立体的な音響空間を再現する手法として、予め頭部伝達関数を測定し、再生時に頭部伝達関数に基づくフィルタを音響信号に対して適用するバイノーラル合成が広く知られている。
あらゆる方位及び距離に対して頭部伝達関数を測定すれば、仮想的な音像の位置を自在に制御しながら信号を合成することが可能である。しかしながら、頭部伝達関数の測定は簡単に行えるものではなく、稠密なデータを測定することは非常に困難である。
そこで、人間の音空間知覚精度が高い水平面に限定し音響空間を再現しようとする試みがなされている。下記非特許文献1には、水平面上の一定距離で測定された頭部伝達関数から、水平面上の任意の距離の頭部伝達関数を合成する手法が開示されている。
G.Enzner,M.Krawczyk,F.−M. Hoffmann, and M.Weinert,"3d reconstruction of HRTF−fields from 1d continuous measurements,"in Proc.IEEE WASPAA,Oct.2011,pp.157-160
非特許文献1に示される手法では、水平面上の任意の距離における頭部伝達関数を算出することは可能であるが、頭部の前方と後方とで計算を分割する必要がある。このため、頭部の真正面の方位を0°としたとき、−90°と90°の方位において、HRTFに不連続点が生じることとなり、立体的な音響空間を再現する際に品質の低下を招く原因となっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、水平面上の任意の距離の頭部伝達関数を合成する場合であっても、不連続点に起因する品質低下を抑制して、高品質な立体音響の再生を可能とする立体音響信号再生装置、立体音響信号再生方法及び立体音響信号再生プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、立体音響信号を生成して再生する立体音響信号再生装置であって、第1の距離で測定された頭部伝達関数に対して方位角に沿ったフーリエ変換を行った後に、ハンケル関数を用いて前記第1の距離から第2の距離への変換処理を行い、さらに前記ハンケル関数の次数を変数とする逆フーリエ変換を行って前記第2の距離における頭部伝達関数を生成する第1の処理部と、入力された音響信号に対して前記第2の距離における頭部伝達関数をフィルタとして適用して前記立体音響信号を生成する第2の処理部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、水平面上の任意の距離のHRTFを合成する手法を用いる場合であっても、不連続点に起因する品質低下を抑制して、高品質な立体音響の再生が可能になるという効果を奏する。また、人間の知覚精度が高い水平面において、臨場感の高い立体音響信号再生装置を実現できるという効果を奏する。
本実施の形態に係る立体音響信号再生装置を実現するための一例を示す機能ブロック図 本実施の形態の説明で使用する球状座標系を示す図 頭部伝達関数合成処理部による合成処理の流れを示すフローチャート バンド幅制限手法の差異の説明に供する図 図4に示したそれぞれのフィルタを用いて実際に合成された頭部伝達関数の差異の説明に供する図 合成された頭部伝達関数の既存手法と本実施の形態に係る手法との差異の説明に供する図 本実施の形態に係る立体音響信号再生装置及び立体音響信号再生方法を実現するためのハードウェア構成の一例を示す図
以下に、本発明の実施の形態に係る立体音響信号再生装置、立体音響信号再生方法及び立体音響信号再生プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
図1は、本実施の形態に係る立体音響信号再生装置を実現するための一例を示す機能ブロック図である。図1に示すように、本実施の形態に係る立体音響信号再生装置1は、例えばモノラル信号である音響信号10を立体音響信号に変換して音響出力装置の一例であるヘッドフォン18で再生する装置であり、音像提示位置指示部12、頭部伝達関数データ14及び演算装置16を備える。また、演算装置16は、頭部伝達関数合成処理部16a及び第2の処理部であるバイノーラル信号合成処理部16bを備える。
立体音響信号とは、音を再生する際に音の方向、距離、広がりといった3次元的な要素を聴覚に与えることのできる音響信号である。
図1において、音像提示位置指示部12は、例えば、ヘッドフォン一体型の仮想現実(Virtual Reality:VR)デバイスにおいては仮想空間上の音源の位置を指し示す機能を有する処理部である。音源の位置は、視聴者からの距離、方位、水平面からの高さを含む情報である。
演算装置16では、2つの処理が行われる。まず、第1の処理部である頭部伝達関数合成処理部16aは、後述するコンピュータのストレージに蓄えられた頭部伝達関数データ14と、音像提示位置指示部12によって指定された音像の位置情報に基づいて、後述する本発明による変換処理を適用して目的の頭部伝達関数を合成する。また、第2の処理部であるバイノーラル信号合成処理部16bは、入力された音響信号10に対して、頭部伝達関数合成処理部16aにて合成された頭部伝達関数をフィルタとして適用して立体音響信号を生成する。バイノーラル信号合成処理部16bによって生成された立体音響信号は、ヘッドフォン18を通じて人の耳に届けられる。
以降では、本発明の核心部である頭部伝達関数合成処理部16aの処理内容について説明する。まず、本発明では、図2に示すように、rを半径、θを方位角、φを仰角とした球状座標系を採用する。また、半径r、方位角θ及び仰角φについて、それぞれ独立な関数R(r)、Θ(θ)及びΦ(φ)を用いる。そして、これらの独立な関数R(r)、Θ(θ)及びΦ(φ)によって、Ψ(r,θ,φ,t)∝R(r)Θ(θ)Φ(φ)exp(−jωt)という関係式が成立する音場について考える。
ここで、上記のように定義した音場関数Ψ(r,θ,φ,t)において、以下の(1)式に示される関係が成り立つ。
Figure 0006556682
上記(1)式の詳細については、以下の非特許文献2を参照されたい。
[非特許文献2]:E.G.ウィリアムズ著 吉川茂・西條献児訳 「フーリエ音響学」シュプリンガー・フェアラーク東京株式会社、2005年9月25日、P.222−223
なお、上記非特許文献2で示される数式は、文献中の図6.1に示された球面座標系のものであるのに対し、上記(1)式で示される数式は、図2に示した球状座標系のものである点に注意されたい。
本発明では、水平面上の頭部伝達関数を扱うので、仰角φが変化してもΦ(φ)は一定であると考える。従って、上記(1)式のΦに関する微分項については消去できる。また、整数mを導入し、Θ(θ)=exp(jmθ)としたときに、音場関数Ψ(r,θ,φ,t)が方位角θに沿って発振する波であると捉える。このとき、上記(1)式における左辺の第2項は“−m/cosφ”と置き換えることができる。加えて、R(r)=r(1/2)R(r)の関係を満たす第2のR関数を導入する。この第2のR関数R(r)を用いると、上記(1)式から以下の(2)式に示されるベッセル微分方程式が得られる。
Figure 0006556682
ここで、次数μを導入し、上記(2)式の括弧内を次の(3)式で置き換える。
Figure 0006556682
すると上記(2)式の解としてベッセル関数が得られ、ここでは次数μの第二種ハンケル関数Hμ(r)を採用する。すなわち、R(r)=Hμ{(ω/c)r}と表すことができる。
また、上記で定義したR(r)=r(1/2)R(r)の関係から、R(r)=r(−1/2)μ{(ω/c)r}の関係が成立する。
これまでの導出過程から、(1)式で求められる時間領域の音場関数Ψ(r,θ,φ,t)は、周波数領域において、以下の(4)式のように表すことができる。
Figure 0006556682
上記(4)式において、Ψ(r,θ,ω)は周波数領域の音場関数であり、式中のC(ω)は、ωについて変化する係数である。
また、複素指数関数の正規直交性から、係数C(ω)は、以下の(5)式のように定義することができる。
Figure 0006556682
係数C(ω)は、ωには依存するが、距離rに関しては不変である。すなわち、ある距離において算出される係数C(ω)は、他のあらゆる距離においても同一の値をとる。これを利用して(5)式における距離をrとする。距離rは所定の距離である。なお、距離rと距離rとを符号無しで区別する場合を考慮し、距離rを適宜「第1の距離」と呼び、距離rを適宜「第2の距離」と呼ぶ。
ここで、上記(5)式の右辺を上記(4)式に代入すると、以下の(6)式が得られる。
Figure 0006556682
上記(6)式は、乗算記号“×”によって3つの項に分けられており、前から順に、第1項、第2項及び第3項とする。
まず、第3項は、距離rにおける方位角θに沿った周波数領域の音場関数Ψ(r,θ,ω)のフーリエ変換であると解釈できる。また、大括弧で括られた第2項は、(3)式で定義された次数μをパラメータとした距離rから任意の距離rへ変換するためのフィルタの役割を果たしている。そして、第1項は、複素指数関数の総和を求める逆フーリエ変換の式で表されている。上記(6)式を頭部伝達関数に適用すれば、頭部伝達関数における距離rを、任意の距離rに変換して再合成するフィルタ処理とみなすことができる。
以上の説明内容が、図1における頭部伝達関数合成処理部16aによる合成処理の詳細である。
図3は、頭部伝達関数合成処理部16aによる合成処理の流れを示すフローチャートである。図3では、頭部伝達関数を「HRTF」と表記している。以下、図1及び図3を参照して、処理の流れについて説明する。
まず、距離rで測定された頭部伝達関数は、頭部伝達関数合成処理部16aに入力される(ステップS101)。頭部伝達関数合成処理部16aでは、以下のステップS102〜S105の処理が実行される。
ステップS102では、方位角θに沿ったフーリエ変換が行われる。ステップS102の処理は、上記(6)式の第3項による演算に対応する。ステップS102の処理により、距離rにおける方位角スペクトルが算出される。
ステップS103では、ハンケル関数を用いて距離rから距離rへの変換処理が行われる。ステップS103の処理は、上記(6)式の第2項による演算に対応する。ステップS103の処理により、任意の距離rにおける方位角スペクトルが算出される。
ステップS104では、ステップS103の出力に対して、整数mを変化させた逆フーリエ変換が行われる。ステップS104の処理は、上記(6)式の第1項による演算に対応する。なお、整数mとハンケル関数の次数μとの間には、上記(3)式で示される関係があり、水平面内ではφの値も固定(φ=0)される。このため、整数mを変数とする逆フーリエ変換は、次数μを変数とする逆フーリエ変換と言い換えてもよい。
ステップS105では、ステップS104の出力、すなわち合成された距離rにおける頭部伝達関数が、バイノーラル信号合成処理部16bに出力される。ステップS105で生成された頭部伝達関数は、音響信号10に対してフィルタの役割りを果たす。このようにして、予め準備された音響信号10は、バイノーラル信号合成処理部16bによってバイノーラル合成され、目的とする立体音響信号が生成される。生成された立体音響信号は、ヘッドフォン18を通じて人の耳に届けられる。なお、バイノーラル合成については、多くの公知文献が存在しており、ここでの詳細な説明は割愛する。
次に、上述したハンケル関数による変換処理を距離変換フィルタと見立てたときのバンド幅について説明する。
実際面において、測定できる頭部伝達関数は、離散的なデータ群である。このため、連続体として算出した(6)式による距離変換フィルタを、そのまま適用することはできない。従って、方位角において制限されたバンド幅の領域にのみ、フィルタを適用する必要がある。
ここで、従来手法として、以下の非特許文献3には、周波数依存の閾値によりバンド幅を制限する手法が開示されている。
[非特許文献3]:N.A.Gumerov,A.E.O’Donovan,R.Duraiswami, and D.N.Zotkin,“Computation of the head−related transfer function viathe fast multipole accelerated boundary element method and its spherical harmonic representation,”J.Acoust.Soc.Am.,vol.127,no.1,pp.370−386,Jan.2010.
一方、本実施の形態では、更なる精度向上のため、以下の(7)式で表される強度依存の閾値を距離変換フィルタに適用したフィルタリングを行う。
Figure 0006556682
上記(7)式において、“D(r,r,ω)”は、上記(6)式の第2項に示した式であり、ハンケル関数によるフィルタを意味している。より詳細に説明すると、(7)式は、頭部伝達関数が測定された距離rと変換する距離rとの比率の2乗値を閾値とし、D(r,r,ω)の大きさが閾値以下の範囲においてのみフィルタを適用することを意味している。
なお、(7)式の上段部における“r/r”のスケーリング、すなわちD(r,r,ω)の値に“r/r”を乗算しているのは、変換する距離が近距離でも遠距離でもフィルタとして機能するようにするためである。
図4は、バンド幅制限手法の差異を説明するための図である。横軸は周波数、縦軸は方位角θに関するモードであり、上述した整数mの値を示している。θに関するモードは、θに関する次元と言い替えてもよい。
図4において、(a)は従来手法である周波数依存の閾値を用いた場合のフィルタ特性であり、(b)は本実施の形態で用いる強度依存の閾値を用いた場合のフィルタ特性である。(a)及び(b)の何れの場合も、150cmの距離で測定された頭部伝達関数を、25cmの距離へと変換した場合のスペクトルが示されている。ハッチングの濃淡は、フィルタ特性におけるゲイン値の大小を表している。特徴的なのは、(a)におけるハッチングAで示した部位の殆どと、ハッチングBで示した部位の多くが、(b)では零(−∞[dB])に制限されて消失しているところにある。
図5は、図4に示したそれぞれのフィルタを用いて実際に合成された頭部伝達関数の差異を説明するための図である。横軸は周波数、縦軸は方位角である。(a)には周波数依存の閾値を用いたフィルタ特性によって合成された頭部伝達関数の大きさが示され、(b)には強度依存の閾値を用いたフィルタ特性によって合成された頭部伝達関数の大きさが示されている。
図5において、特徴的なのは、(a)では、ハッチングCで示した部位がノイズとなって表れるのに対し、(b)では、これに相当する部分が無い。これにより、強度依存の閾値を用いて合成した場合には、ノイズの少ない高精度な結果が得られていることが見て取れる。
なお、図5(a)において、ハッチンCの部分は、1.数kHz(ここではf[kHz]とする)以下の部分が方位角に沿って帯状に広がっている部分であり、この部分は、図1に示すバイノーラル信号合成処理部16bにおいて、フィルタ処理によって低減させてもよい。なお、再生したい音響信号の特性が、f[kHz]以下の成分を殆ど含まない場合であれば、周波数依存の閾値を用いた場合でも、ノイズの少ない結果を得ることは可能である。
図6は、合成された頭部伝達関数を既存手法と本実施の形態に係る手法との差異を説明するための図である。(a)及び(b)の何れも、150cmの距離で測定された頭部伝達関数を、25cmの距離へと変換した場合のスペクトルである。(b)は、本実施の形態におけるスペクトルであり、図5(b)に示したスペクトルを再掲したものである。一方、図6(a)は、非特許文献1に示された手法を用いて求めたスペクトルである。
既存手法を用いた(a)のスペクトルでは、90°と−90°の方位角において濃淡の不連続な部分が見られ、品質が低下する原因となることが読み取れる。これに対し、本実施の形態では、不連続のない高精度なスペクトルが得られていることが分かる。
以上説明したように、本実施の形態では、距離rで測定された頭部伝達関数データに対して方位角に沿ったフーリエ変換を行った後に、ハンケル関数を用いて距離rから距離rへの変換処理を行い、さらにハンケル関数の次数μを変数とする逆フーリエ変換を行って距離rにおける頭部伝達関数を生成すると共に、入力された音響信号に対して距離rにおける頭部伝達関数をフィルタとして適用してバイノーラル合成を行うこととしたので、水平面上の任意の位置に立体音響を高品質に再生することができる立体音響信号再生装置の実現が可能となる。
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。また、別の公知の技術と組み合わせることも可能である。
例えばクロストークキャンセラーの技術と組わせると、図1におけるヘッドフォン18の代わりにスピーカから音を出力する立体音響装置が実現可能である。
また、本実施の形態に係る頭部伝達関数の合成処理をプログラムとして実装し、スマートフォンなどのモバイル端末で動作するアプリケーションを構成すれば、モバイル端末の方位センサーに応じて音像の位置がリアルタイムに変化する拡張現実コンテンツの提供などが可能である。
最後に、本実施の形態に係る立体音響信号再生装置及び立体音響信号再生方法を実現するためのハードウェア構成について説明する。図7は、本実施の形態に係る立体音響信号再生装置及び立体音響信号再生方法を実現するためのハードウェア構成の一例を示す図である。
図7において、CPU21は、全体的な制御を司るプロセッサである。ROM22は、制御プログラムを格納しているリード・オンリー・メモリである。RAM23は、作業用のメモリエリアなどとして利用されるランダム・アクセス・メモリである。ストレージ24は、ハードディスクやシリコンメモリなどの外部記憶装置である。本実施の形態の例であれば、頭部伝達関数データ14及び音響信号10の保持に用いられる。なお、頭部伝達関数データ14及び音響信号10は外部ネットワーク25に接続される図示しないサーバ装置を介して入力することも可能である。
音響出力装置26は、立体音響信号を再生するヘッドフォン又はスピーカなどで構成される。操作子群27は、立体音響信号の再生を制御するための操作ボタン及び操作アイコンのうちの少なくとも一つである。表示器28は、再生状態を表示する手段である。内部ネットワーク29は、各構成部間の通信を実現するための通信手段であり、内部バス、無線通信手段、ネットワークアダプタなどである。
本実施の形態に係る立体音響信号再生装置及び立体音響信号再生方法をプロセッサもしくはコンピュータにて実行させるための命令群で構成されるプログラムは、例えばROM22に記憶されるか、もしくは、RAM23内に保持される。ストレージ24に記憶された音響信号、もしくは、外部ネットワーク25を介して図示しないサーバから入力される音響信号に対し、CPU21がRAM23をワーキングメモリとして使用しながら上述の処理を行い、音響出力装置26から立体音響が再生される。以上の構成により、立体的な音響空間を構築し、構築した立体音響を再生することができる立体音響信号再生装置、立体音響信号再生方法を実現することができる。
1 立体音響信号再生装置、10 音響信号、12 音像提示位置指示部、14 頭部伝達関数データ、16 演算装置、16a 頭部伝達関数合成処理部、16b バイノーラル信号合成処理部、18 ヘッドフォン、24 ストレージ、25 外部ネットワーク、26 音響出力装置、27 操作子群、28 表示器、29 内部ネットワーク。

Claims (5)

  1. 立体音響信号を生成して再生する立体音響信号再生装置であって、
    第1の距離で測定された頭部伝達関数に対して方位角に沿ったフーリエ変換を行った後に、ハンケル関数を用いて前記第1の距離から第2の距離への変換処理を行い、さらに前記ハンケル関数の次数を変数とする逆フーリエ変換を行って前記第2の距離における頭部伝達関数を生成する第1の処理部と、
    入力された音響信号に対して前記第2の距離における頭部伝達関数をフィルタとして適用して前記立体音響信号を生成する第2の処理部と、
    を備えたことを特徴とする立体音響信号再生装置。
  2. 前記ハンケル関数を用いて前記第1の距離から第2の距離への変換処理を行う際に、前記フーリエ変換によって生成された前記第1の距離における方位角スペクトルに対して、強度依存の閾値を用いてフィルタリングすることを特徴とする請求項1に記載の立体音響信号再生装置。
  3. 立体音響信号を再生する立体音響信号再生方法であって、
    第1の距離で測定された頭部伝達関数に対して方位角に沿ったフーリエ変換を行って前記第1の距離における方位角スペクトルを算出する第1ステップと、
    前記第1の距離における方位角スペクトルに対してハンケル関数を用いて前記第1の距離から第2の距離への変換処理を行って前記第2の距離における方位角スペクトルを算出する第2ステップと、
    前記第2の距離における方位角スペクトルに対して前記ハンケル関数の次数を変数とする逆フーリエ変換を行って前記第2の距離における頭部伝達関数を生成する第3ステップと、
    入力された音響信号に対して前記第2の距離における頭部伝達関数をフィルタとして適用して前記立体音響信号を生成して再生する第4ステップと、
    を含むことを特徴とする立体音響信号再生方法。
  4. 前記第2ステップでは、前記第1ステップによって生成された前記第1の距離における方位角スペクトルに対して、強度依存の閾値を用いてフィルタリングすることで前記第2の距離における方位角スペクトルを算出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の立体音響信号再生方法。
  5. 請求項3又は請求項4に記載された立体音響信号再生方法をプロセッサ又はコンピュータに実行させる立体音響信号再生プログラム。
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