JP6550512B2 - ナット用の係止部材及びナット - Google Patents
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Description
第1に、緩み止め部に関しては、摩擦トルクによってナットの緩み止めをなすものであるが、この摩擦トルクは、ナットをボルトに締め付けていく際にも発生するため、締め付けに大きな力を必要とする。従って、緩み止めの機能を高めるために、緩み止め部を強いものにすると、通常の電動工具では締め付けができなかったり、作業性が悪くなったりするため、緩み止め部による緩み止め機能を高めるにも自ずと限界があった。
第2の目的は、係止爪による回り止め機能の確実性を向上させることにある。
この小抵抗部は、前記前辺が前記弧状辺に移行する部分である前角部分が、前記後辺が前記弧状辺に移行する後角部分よりも大きなアールとすることや、アールに代えて斜辺とすることで実施できる。
また、前記係止爪は、前記ナット本体の締付方向の後方に屈曲部を備え、前記屈曲部は、前記ナット本体の上面に対して近い側の下方部分と遠い側の上方部分とを備え、前記下方部分は前記上方部分に対して傾斜しているものであることが望ましい。これによって、より確実にボルトのノッチに係止爪を係合させることができる。特に、前記下方部分と前記上方部分とは頂部分を介して連続しており、前記上方部分は前記頂部分よりも径内側に位置しているようにすることが望ましい。
この実施の形態に係るの締結構造は、ボルト11とナット20との組合せからなる。
ボルト11は、雄ねじ13が設けられた軸部12と、雄ねじ13を含む軸部12に形成されたノッチ14とを備える。ノッチ14は、軸方向においては、軸部12の全長に渡って設けることもできるが、最低限、締付時にナット20と螺合する位置に設けられておれば足りる。また、周方向においては、1箇所に設ければ足りるが、複数箇所に設けることもできる。この例では、180度の間隔で2箇所に設けられている。
係止爪34は、傾斜した立ち上がり部35と延設部36とを備える。この係止爪32は、本例では、環状部32の一部を切り起こすことによって形成されたものである。
この実施の形態では、延設部36は、立ち上がり部35の後方側の側部37に連なる中間部分42と、中間部分42の略周方向の後方に連なる後端部分39とを備える。中間部分42は、軸方向からみて(即ち平面視)、立ち上がり部35の側部37から、ねじ穴22の実質的に周方向に伸びると共に、後端に向かうに従って漸次径内方向に進むものである。具体的には、中間部分42は、半径に対して、約25度の角度を有し、後端部分39は、半径に対して、約45緩み止め部度の角度を有するものであり、中間部分42と後端部分39との半径に対する角度の差は約20度となっている。この角度の差は適宜変更でき、0〜50度程度が望ましく、15〜23度程度がより望ましい。なお、角度の差が0度の場合には、後端部分39と中間部分42との小区分がなく、全体が一つの延設部36であると言える。反対に、3つ以上の小区分を設けることもでき、全体に曲線を描いて湾曲する形状であってもよい。図5(A)に、後端部分39と中間部分42との小区分が明確に区別できない例を示す。
詳しくは、まず、ナット20に螺合し、ねじ穴22を抜け出したボルト11の先端17の不完全ねじ部が、ねじ穴22の雌ねじの谷よりも内側(中心側)に位置している後端部分39に当接し、これを径外方向に弾性変形させながらボルト11は締付方向へのねじの進行を続ける。そして、ノッチ14に後端部分39が位置した状態で、係止爪34が弾性変形前の状態に戻るべく径内方向に動いて、後端部分39がノッチ14内に位置する。この状態で、さらにボルト11が締付方向Xに回転すると、後端部分39は案内面16を乗り越えて、ノッチ14から出て、ねじ山に沿った状態に戻る。
他方、前記ボルト・ナットが緩み方向(矢印Xと反対方向)に回転して、後端部分39がノッチ14に入ると、係合面15と係合することによって、係合面15を乗り越えて進むことができず、ノッチ14の位置で、回り止めとなり、ねじの確実な回り止めが実現する。
(係合不良の発生を抑制)
屈曲部61を設けることにより、設けない場合に比して、後端部分39の半径方向の幅を大きくすることができる。より具体的には、上方部分63を頂部分64から径内側により大きく傾斜させることができ。これによって、ノッチ14の係合面15に対して、より確実に係合するため、ノッチ14に対して係止爪34が係合できないという係合不良の発生を抑制することができる。
屈曲部61を設けることにより、設けない場合に比して、延設部36(特に後端部分39)の周方向への強度が向上する。言い換えれば、頂部分64が伸びる方向(略前後方向)への強度が向上する。ノッチ14に対して係止爪34が係合した後、より大きな力が加わったときに、係止爪34が変形してしまうことを抑制することができる。
なお、屈曲部61この実施の形態では、屈曲部61を「く」の字状に屈曲させたものとして実施しているが、一部が弓状に湾曲したものであってもよく、全体が弧状に湾曲したものであってもよい。従って、下方部分62と上方部分63との間の頂部分64は明確な線として現れるものの他、現れないものであってもよい。また、屈曲部61は、半径方向の外側に張り出すように屈曲(湾曲を含む)したものの他、反対に半径方向の内側に張り出すように屈曲(湾曲を含む)したものとして実施することも可能である。
ここで、係止爪34は、前述のように環状の環状部32の内周辺から、外側に向けて切り起こして形成されているため、切り起こされた部分は、環状部32の内周辺から径外方向に凹んだ切り欠き部38となる。従って、この緩み止め部51は、切り欠き部38と切り欠き部38との間に挟まれた形態の弧状の突出片となっているものであり、係止爪34とは実質的に独立して動くものである。
アールの上限は特に制限はないが、前辺52全体がアールとなった状態が実質的な上限と言える。
このように、従前のナットにおいては前後方向に対称とされていた緩み止め部51の形状を、本発明のナットでは非対称とすることによって、締め付け時に発生する緩み止め部とボルト11の雄ねじ13との間の抵抗を小さなものとする一方、ねじが緩もうとする際の抵抗を、大きなものにすることができたものである。
12 軸部
13 雄ねじ
14 ノッチ
15 係合面
16 案内面
17 先端
20 ナット
21 ナット本体
22 ねじ穴
23 雌ねじ
23a 谷底
24 かしめ部
31 係止部材
32 環状部
33 支持部分
34 係止爪
35 立ち上がり部
36 延設部
37 側部
38 切り欠き部
39 後端部分
40 下端辺
41 上端辺
42 中間部分
51 緩み止め部
52 前辺
53 後辺
54 弧状辺
55 前角部分
56 後角部分
57 面取り
61 屈曲部
62 下方部分
63 上方部分
64 頂部分
X 締付方向
Claims (4)
- ボルトの雄ねじに螺合する雌ねじがねじ穴に設けられたナット本体の上面に固定される板状の係止部材において、
前記係止部材は、前記雄ねじに設けられたノッチに係合する係止爪と、前記ねじ穴の径内方向に突出した緩み止め部とを備え、
前記ボルトに前記ナット本体が螺合した状態で、前記緩み止め部が前記ナット本体から上方に遠ざかるように弾性変形することにより、ねじの緩み止めがなされるように構成され、
前記緩み止め部は、前記ナット本体の締付方向における前方側の前辺と、前記ナット本体の締付方向における後方側の後辺と、前記前辺と前記後辺との間の弧状辺とによって規定され、
前記前辺が前記弧状辺に移行する前角部分は、前記後辺が前記弧状辺に移行する後角部分よりも、アールの大きな湾曲状をなしていることを特徴とするナット用の係止部材。 - ボルトの雄ねじに螺合する雌ねじがねじ穴に設けられたナット本体の上面に固定される板状の係止部材において、
前記係止部材は、前記雄ねじに設けられたノッチに係合する係止爪と、前記ねじ穴の径内方向に突出した緩み止め部とを備え、
前記ボルトに前記ナット本体が螺合した状態で、前記緩み止め部が前記ナット本体から上方に遠ざかるように弾性変形することにより、ねじの緩み止めがなされるように構成され、
前記緩み止め部は、前記ナット本体の締付方向における前方側の前辺と、前記ナット本体の締付方向における後方側の後辺と、前記前辺と前記後辺との間の弧状辺とによって規定され、前記前辺の下面に面取りが施されたことを特徴とするナット用の係止部材。 - 前記係止爪は、前記ナット本体の締付方向の後方に屈曲部を備え、
前記屈曲部は、前記ナット本体の上面に対して近い側の下方部分と遠い側の上方部分とを備え、
前記下方部分は前記上方部分に対して傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載のナット用の係止部材。 - ボルトの雄ねじに螺合する雌ねじがねじ穴に設けられたナット本体と、前記ナット本体の上面に固定された請求項1〜3の何れかに記載の係止部材とを備えたナット。
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