JP6542718B2 - 変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラム - Google Patents

変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6542718B2
JP6542718B2 JP2016126453A JP2016126453A JP6542718B2 JP 6542718 B2 JP6542718 B2 JP 6542718B2 JP 2016126453 A JP2016126453 A JP 2016126453A JP 2016126453 A JP2016126453 A JP 2016126453A JP 6542718 B2 JP6542718 B2 JP 6542718B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
determination
data
change point
unit
change
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016126453A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018000232A (ja
Inventor
拓郎 宇田川
拓郎 宇田川
山中 章裕
章裕 山中
雅人 澤田
雅人 澤田
俊哉 山田
俊哉 山田
幹樹 堀
幹樹 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
NTT TechnoCross Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
NTT TechnoCross Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp, NTT TechnoCross Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2016126453A priority Critical patent/JP6542718B2/ja
Publication of JP2018000232A publication Critical patent/JP2018000232A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6542718B2 publication Critical patent/JP6542718B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Description

本発明は、変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラムに関する。
近年、人の身体に装着することができる情報処理端末いわゆるウェアラブル機器(以下、ウェアラブル機器)の利用が広がっている。ウェアラブル機器はユーザが日常的に身に着けて携帯することが可能であるという点から、ユーザの健康状態や生活習慣を継続的・長期的にモニタするためにも利用できる。また、ウェアラブル機器によって収集されたユーザの健康状態や生活習慣に関する情報を大規模に収集する技術も一般化しつつある。
ウェアラブル機器を用いてユーザの姿勢や運動状態を判定する場合には、たとえば以下のような処理が行われる(非特許文献1参照)。まず、ユーザに3軸加速度センサを備える計測装置を装着し、所定の姿勢で運動を行わせる。そして、ユーザが所定の姿勢をとったときや所定の運動を行ったときに計測装置によって計測された加速度情報を用いて行動推定アルゴリズムを作成する。その後ユーザに装着した計測装置が計測した加速度情報に、作成した行動推定アルゴリズムを適用して、ユーザの行動を推定する。
赤堀 顕光、岸本 圭史、小栗 宏次、「単一3軸加速度センサを用いた行動推定」、電子情報通信学会技術研究報告、MBE、MEとバイオサイバネティックス、一般社団法人電子情報通信学会、2005年12月2日、105巻、456号、p.49-52
また、本発明者らは、これまでに、ウェアラブル機器を用いて取得した加速度情報等に基づき、ユーザの姿勢や運動状態を機械学習して識別モデルを作成し、識別モデルに基づきその後のユーザの姿勢や運動状態を識別する技術を提案している(特願2015−028850号)。
本発明者らはさらに、ウェアラブル機器を用いてユーザの生体情報を測定し、測定結果と、別途識別したユーザの姿勢や運動状態とを対応付けて、ユーザの自律神経機能の状態を評価する技術も提案している。ウェアラブル機器で測定した加速度情報等からユーザの姿勢や運動状態を識別し、さらに、ウェアラブル機器で測定した生体情報と対応づけることで、ユーザの自律神経機能を逐次的かつ正確に評価することが出来ると考えられる。
ところで、姿勢や運動状態は、心臓循環器系に影響を与える要因である。したがって、自律神経機能を評価する際に用いる生体情報を、姿勢や運動状態についての情報と正確かつ綿密に対応づけることが、自律神経機能評価の精度向上に資すると考えられる。このため、自律神経機能評価において用いる姿勢や運動状態についての情報は、ユーザの日常生活の実態に即したものであることが望ましい。
しかし、上記の技術においては、ユーザの姿勢や運動状態を識別する場合に、各時点の状態が一意に識別され、前後の状態を加味して識別することが困難であった。すなわち、機械学習を通じて識別モデルを作成し、ウェアラブル機器から取得される加速度情報に識別モデルを適用した場合、各時点のユーザの姿勢や運動状態が一意に識別される。つまり、ユーザの姿勢や運動状態が継続的に安定しているときも、一時的な変化が生じたり、一つの姿勢や運動状態から他の姿勢や運動状態への移行的な動作が生じたりした場合も、その各時点について一意的な識別結果が付与される。
たとえば、ユーザが椅子に座っている状態(「静止、座位」と識別される)のときに、何かに驚いて体を大きく左右に動かした後、再び椅子に座って動かない状態に戻ったとする。この場合、識別モデルを用いて各時点の状態を識別すると、「静止、座位」から「運動」へ、その後、「静止、座位」へと識別結果が変化していく。しかし、こうして得られる識別結果をそのまま生体情報と対応づけると、自律神経機能の評価上は重要性が低い微細な姿勢変化もすべて検出されてしまう。そして、検出される微細な変化の各々とその時点の生体情報とを対応づけて自律神経機能を評価すると、自律神経機能の評価精度が低下すると予想される。したがって、ユーザの姿勢や運動状態が安定している状態と、変化部分とを区別して検知することが有用と考えられる。
また、日常生活においては、ユーザの姿勢や運動状態は、突然変化するのではなく、予備的な動作や中間的な姿勢への変化を経て、一つの姿勢から他の姿勢へ、一つの運動状態から他の運動状態へ、と変化することが多いと考えられる。たとえば、走っていたユーザが立ち止まって椅子に座る場合、「運動(走行)」から「運動(歩行)」、「静止、立位」、「運動(歩行)」、「静止、座位」等へと姿勢、運動状態の識別結果が変化していくと予想される。このとき、安定した状態である「運動(走行)」と「静止(座位)」との間の中間的な状態に対する識別結果をすべて抽出しそれぞれを切り離して自律神経機能の評価に用いると、評価精度が下がる可能性がある。したがって、ユーザの姿勢や運動状態が安定している状態と、予備的な動作や中間的な姿勢をとる変化中の状態と、を区別して検知することが有用と考えられる。
開示の実施形態は、上記に鑑みてなされたものであって、連続的なデータによって示される事象に変化が生じた変化点を、精度よく検知することを可能にする技術を提供することを目的とする。
開示する変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラムは、連続したデータに変化が生じた部分である変化点を検知する。開示する変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラムは、連続したデータから抽出される判定対象データと、比較データとの異同を判定する。さらに、開示する変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラムは、判定対象データの直前データが変化点と判定されたか否かを判定する。また、開示する変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラムは、判定対象データの直前までに連続して変化点が検知された数が、第1の閾値より大きいか否かを判定する。そして、開示する変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラムは、判定結果に基づき、判定対象データが変化点であるか否かを判定する。
開示する変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラムは、連続的なデータによって示される事象に変化が生じた変化点を、精度よく検知することを可能にするという効果を奏する。
図1は、第1の実施形態にかかる変化点検知装置を備える変化点検知システムの構成の一例を示す概略図である。 図2は、入力データ記憶部に記憶される情報の構成の一例を示す図である。 図3は、変化点情報記憶部に記憶される情報の構成の一例を示す図である。 図4は、第1の実施形態にかかる変化点検知処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図5は、第1の実施形態にかかる変化点検知処理について説明するための図である。 図6は、第1の実施形態にかかる変化点検知処理における判定パターンを説明するための図である。 図7は、第1の実施形態にかかる変化点検知装置における処理の流れの一例を説明するための図である。 図8は、第1の実施形態にかかる変化点検知処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。 図9は、第2の実施形態にかかる変化点検知装置の構成の一例を示す概略図である。 図10は、第2の実施形態にかかる変化点検知処理における判定対象グループの構成を説明するための図である。 図11は、第2の実施形態にかかる変化点検知処理における開始判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図12は、第2の実施形態にかかる変化点検知処理における判定パターンを説明するための図である。 図13は、第2の実施形態にかかる変化点検知処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。 図14は、第3の実施形態にかかる変化点検知装置の構成の一例を示す概略図である。 図15は、第3の実施形態にかかる変化点検知処理について説明するための図である。 図16は、第3の実施形態にかかる変化点検知処理における判定パターンを説明するための図である。 図17は、第3の実施形態にかかる変化点検知処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。 図18は、第4の実施形態にかかる変化点検知装置の構成の一例を示す概略図である。 図19は、第4の実施形態にかかる変化点検知処理について説明するための図である。 図20は、第4の実施形態にかかる変化点検知処理における判定パターンを説明するための図である。 図21は、第4の実施形態にかかる変化点検知処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。 図22は、第5の実施形態にかかる変化点検知装置の構成の一例を示す概略図である。 図23は、第5の実施形態にかかる変化点検知処理における判定パターンを説明するための図である。 図24は、第5の実施形態にかかる変化点検知処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。 図25は、開示の技術にかかる変化点検知プログラムによる情報処理がコンピュータを用いて具体的に実現されることを示す図である。
以下に、開示する変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、各実施形態は適宜組み合わせることができる。
(用語の説明)
まず、以下の説明において使用する用語について概説する。
(「連続的なデータ」)
「連続的なデータ」とは、たとえば時系列的に連続したデータである。また、「連続的なデータ」とは、たとえば取得される位置が連続したデータであってもよい。「連続的なデータ」は、少なくとも連続している前後のデータの間に関連性があり、全体として所定の状態や事象を示すデータであればよい。「連続的なデータ」は、複数の異なる種類の連続的なデータを含んでもよい。「連続的なデータ」は、連続する複数の点の各点に対応するデータを含んでもよい。また、「連続的なデータ」は、1種類のデータであって、連続する複数の点の各点に対応するデータを含み、当該データから各々が複数の事象に対応する複数のデータを導出できるものであってもよい。たとえば、「連続的なデータ」は、ユーザの身体運動について複数の方向において検知される加速度を示す加速度情報であってもよい。またたとえば、「連続的なデータ」は、ユーザの姿勢および運動状態を推定するために用いられ、所定の時間にわたってユーザから測定される加速度情報であってもよい。
「連続的なデータ」は、他の「連続的なデータ」に基づいて、連続する複数の点の各点における状態や事象を判定した判定結果であってもよい。たとえば、「連続的なデータ」は、複数の点のうち、第1の点における状態が第1の状態であるか第2の状態であるかを判定した判定結果であってもよい。たとえば、「連続的なデータ」は、他の連続的なデータを用いて、各点におけるユーザの姿勢が、第1の姿勢であるか、第2の姿勢であるか、を判定した判定結果であってもよい。また、「連続的なデータ」は、各点におけるユーザの運動状態が、「運動」状態であるか、「静止」状態であるか、を判定した判定結果であってもよい。
「連続的なデータ」を用いた判定はたとえば以下のように行われる。たとえば、「連続的なデータ」に基づき、当該連続的なデータの取得元であるユーザが、第1の姿勢であるか第2の姿勢であるかを判定する場合を考える。第1の姿勢と判定されるのは、「連続的なデータ」から導出され、第1の姿勢に対応する第1の数値データが、「連続的なデータ」から導出され、第2の姿勢に対応する第2の数値データよりも大きい場合である。また、第2の姿勢と判定されるのは、「連続的なデータ」から導出され、第1の姿勢に対応する第1の数値データが、「連続的なデータ」から導出され、第2の姿勢に対応する第2の数値データ以下の場合である。同様に、第1の状態であるか第2の状態であるかの判定も、「連続的なデータ」から導出される、第1の状態に対応する数値データと第2の状態に対応する数値データとの大小の比較結果に基づいて行われる。たとえば、所定の点の「臥位」に対応する数値データが、当該点の「臥位以外の姿勢」に対応する数値データよりも大きい場合、当該点におけるユーザの姿勢は「臥位」と判定される。
(「判定対象データ」)
以下の実施形態において、「判定対象データ」は、連続的なデータを構成する各データから選択される1つのデータである。各データは連続する時点のうち1つの時点に対応する。すなわち、「判定対象データ」は、連続する時点のうち一つの時点における事象を評価した結果を示す情報である。
「判定対象データ」はたとえば、ウェアラブル機器により測定されるユーザの身体運動に関する加速度情報に基づき判定されるユーザの姿勢および/または運動状態と、当該加速度情報が測定された日時と、を対応づけた情報である。
また、「判定対象データ」を含み、「判定対象データ」の前後所定数の判定結果を含む情報を、「判定対象グループ」と呼ぶ。
(「変化点」)
「変化点」とは、連続的なデータによって示される事象に変化が生じた時点、または、連続的なデータそのものに変化が生じた時点を指す。事象とは、所定の対象物の状態、活動内容等、数値データに基づいて検知できる情報を指す。「変化点」は、たとえば、ウェアラブル機器によって測定される連続的なデータによって示される、ウェアラブル機器を装着するユーザの姿勢および運動状態に変化が生じた時点である。またたとえば、「変化点」は、継続的にネットワークから測定されるパラメータによって示されるネットワーク上の攻撃状態に変化が生じた時点であってもよい。
「変化点」には、所定の期間にわたって徐々に進行していく変化も含まれる。また、「変化点」には、複数の種類の変化が連続して発生する場合も含まれる。「変化点」は、変化している状態が継続していると評価できる「変化状態の期間」も含む。すなわち、「変化点」は、「安定状態」と区別される「変化状態」を指してもよい。
以下の実施形態においては、「変化点」はたとえば、ウェアラブル機器のユーザの姿勢または運動状態に変化が生じた時点を指す。変化とは、安定した状態の姿勢および運動状態の間に位置する予備的な動作や中間的な姿勢である。すなわち、「変化点」は、姿勢や運動状態が一時的に過渡的な状態となった時点に対応する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかる変化点検知装置は、ウェアラブル機器のユーザの姿勢および運動状態を評価した評価結果に基づき、姿勢または運動状態が変化した変化点を検知する。変化点検知装置は、各時点における姿勢および運動状態の評価が進行するのに伴い、逐次的に変化点を検知する。また、変化点検知装置は、検知する変化の種類を限定することなく、全ての種類の変化に対応する変化点を検知することができる。第1の実施形態にかかる変化点検知装置は、変化点が開始した時点を検知し、検知後所定期間が経過すると変化状態が終了したと判定する。
ウェアラブル機器のユーザの姿勢および運動状態を評価した評価結果は、一定の間隔で変化点検知装置に入力されるものとする。一定の間隔はたとえば、1秒前後から数秒程度の間隔とする。
(第1の実施形態にかかる変化点検知システムの構成の一例)
まず、第1の実施形態にかかる変化点検知装置10を備える変化点検知システム1の構成について説明する。図1は、第1の実施形態にかかる変化点検知装置10を備える変化点検知システム1の構成の一例を示す概略図である。図1に示すように、変化点検知システム1は、変化点検知装置10と、ウェアラブル機器20と、逐次姿勢識別装置30と、を備える。ウェアラブル機器20と逐次姿勢識別装置30とは通信可能に接続される。逐次姿勢識別装置30と変化点検知装置10とも通信可能に接続される。なお、各装置の接続の態様は特に限定されず、相互に情報を送受信できる態様であれば、有線でも無線でもよく、必要に応じて接続できれば常時接続状態である必要はない。ただし、ウェアラブル機器20を装着するユーザの行動を妨げないためには、無線ネットワークはたとえば、Bluetooth(登録商標)で接続したスマートフォン等を利用したり、Wi−Fi等を利用することが好ましい。
(ウェアラブル機器20の構成の一例)
ウェアラブル機器20は、ユーザが装着して携帯することができる電子機器である。図1の例では、ウェアラブル機器20はユーザが着脱できるシャツ形状である。ただしウェアラブル機器20の形状はシャツに限定されず、たとえばベルト形状等、任意の形状でよい。また、ウェアラブル機器20として、プロセッサやメモリを備えるウェアラブルコンピュータを用い、計測した情報を適宜ウェアラブル機器20内に記憶するように構成してもよい。
ウェアラブル機器20は、加速度情報計測部21と、送受信部22と、を備える。
加速度情報計測部21は、ユーザの体の動きを検知、計測するセンシングデバイスである。加速度情報計測部21は、ユーザの体の加速度情報を計測する。たとえば、加速度情報計測部21は、ユーザの体幹近傍に配置される加速度センサたとえば3軸加速度センサである。加速度情報計測部21は、前後軸、左右軸、上下軸の3軸にそったユーザの体の動きの加速度を計測する。以下、前後・左右・上下というときは、ウェアラブル機器20をユーザが装着して起立している場合にユーザの体が向く方向を基準とする。
送受信部22は、加速度情報計測部21が計測した加速度情報をウェアラブル機器20の外部に送信する。また、送受信部22は、ウェアラブル機器20の外部から送信される信号を受信する。送受信部22は、加速度情報計測部21が情報を取得するとその都度外部に当該情報を送信する。たとえば、送受信部22は、無線通信機能により情報を送信する。具体的には、送受信部22は、加速度情報を逐次姿勢識別装置30に送信する。
ウェアラブル機器20は、加速度情報計測部21および送受信部22の他、ユーザの入力を受け付ける入力部や、生体信号を計測する生体信号計測部などを備えてもよい。
(逐次姿勢識別装置30の構成の一例)
逐次姿勢識別装置30は、送受信部31、特徴量抽出部32、特定部33および入力部34を備える。
送受信部31は、ウェアラブル機器20の送受信部22から送信される加速度情報を受信する。送受信部31は、送受信部22が逐次送信する加速度情報を受信して特徴量抽出部32に送る。
送受信部31はまた、特定部33による特定結果(後述)を、変化点検知装置10に送信する。送受信部31は、特定結果を、当該特定の基となる加速度情報が測定された日時と対応づけて送信する。送受信部31はまた、変化点検知装置10から変化点検知結果(後述)を受信する。
特徴量抽出部32は、加速度情報から、姿勢識別に用いる特徴量を抽出する。抽出された特徴量は、特定部33に送られる。
特定部33は、機械学習により作成された識別モデルと、特徴量抽出部32が抽出した特徴量と、を用いてユーザの姿勢および運動状態を特定する。特定部33による特定処理の手法は特に限定されない。特定部33による処理の結果、ウェアラブル機器20のユーザの姿勢および運動状態の特定結果が得られる。たとえば、ユーザが「運動」しており「歩行」中である等の特定結果が得られる。
入力部34は、逐次姿勢識別装置30の外部からの情報入力を受け付ける。入力部34はたとえば、キーボードやタッチパッド等の入力デバイスであってよい。入力部34は、ユーザによる入力を受け付けることができる。
なお、ウェアラブル機器20および逐次姿勢識別装置30の構成は特に限定されず、変化点検知装置10に、各時点に対応した姿勢および運動状態の特定結果を送信することができればよい。
(変化点検知装置10の構成の一例)
変化点検知装置10は、逐次姿勢識別装置30から、ユーザの姿勢および運動状態の特定結果を受信する。そして、変化点検知装置10は、受信した特定結果に基づき、ユーザの姿勢および運動状態が変化した変化点を検知する。
変化点検知装置10は、送受信部100と、制御部200と、記憶部300と、を備える。
送受信部100は、逐次姿勢識別装置30の送受信部31から特定部33による特定結果を受信する。また、送受信部100は、変化点検知装置10における変化点検知処理の結果を、逐次姿勢識別装置30の送受信部31に送信する。送受信部100の具体的な構成は特に限定されない。たとえば、送受信部100は、逐次姿勢識別装置30との間で情報を送受信することが出来る構成であれば、無線および有線の何れの態様で通信を実行してもよい。送受信部100が受信する逐次姿勢識別装置30における特定結果は、入力データ記憶部310(後述)に記憶される。
(制御部200の構成および機能の一例)
制御部200は、変化点検知装置10における変化点検知処理を制御する。制御部200としては、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を採用できる。制御部200は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部200は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
制御部200は、抽出部201と、第1の判定部(開始判定部)210と、第2の判定部(状態判定部)220と、第3の判定部(終了判定部)230と、検知部(変化点検知部)240と、を備える。
抽出部201は、逐次姿勢識別装置30から送信される姿勢および運動状態の特定結果から、変化点検知処理の対象となる判定対象データを抽出する。たとえば、抽出部201は、送受信部100を介して新たな特定結果を受信すると、当該特定結果を判定対象として抽出する。
第1の判定部210は開始判定処理を実行する。すなわち、第1の判定部210は、逐次姿勢識別装置30から受信した姿勢および運動状態の特定結果(逐次姿勢識別結果)に基づき、ユーザの姿勢および運動状態に変化が生じ始める開始点を特定する。
第1の判定部210は、比較部211を備える。比較部211は、比較データ記憶部320(後述)に記憶される比較データと、判定対象データとを比較する。比較データは、各時点の判定対象データの直前時点における判定対象データが記憶される。第1の判定部210は、比較部211の比較結果が不一致である場合、変化が生じ始める開始点であると判定する。また、第1の判定部210は、比較部211の比較結果が不一致である場合、比較データを判定対象データで置き換える。他方、比較部211の比較結果が一致である場合、変化が生じ始める開始点ではないと判定する。第1の判定部210の判定結果は、第3の判定部230および検知部240に送られる。
なお、判定対象データの直前に検知されている逐次姿勢識別結果のデータがない場合たとえば変化点検知処理開始直後には、判定対象データを比較データとして記憶するよう設定しておいてもよい。
第2の判定部220は状態判定処理を実行する。すなわち、第2の判定部220は、変化点検知装置10における変化点検知結果のうち、判定対象データの直前のデータに対する変化点検知結果を抽出する。変化点検知結果は、変化点情報記憶部330(後述)に記憶される。第2の判定部220の判定結果は、第3の判定部230および検知部240に送られる。
なお、判定対象データの直前のデータに対する変化点検知結果が記憶されていない場合、「変化点ではない」を第2の判定部220の判定結果とするよう設定しておいてもよい。
第3の判定部230は終了判定処理を実行する。すなわち、第3の判定部230は、第1の判定部210および第2の判定部220の判定結果と、逐次姿勢識別装置30から受信した姿勢および運動状態の特定結果と、に基づき、ユーザの姿勢および運動状態に生じた変化が終了したと評価できる終了点を特定する。
第3の判定部230は、第1のカウンタ231を備える。第1のカウンタ231のカウント値は、変化点であると判定された時点の継続期間を示す。すなわち、第1のカウンタ231は、「変化点である」という検知結果が継続している期間をカウントする。
第1のカウンタ231は、新しい変化点が検知されるタイミングでゼロにリセットされる。第1のカウンタ231は、新しい変化点が検知された後、続いて変化点が検知されるごとに1ずつカウントアップされる。第1のカウンタ231は、変化点が検知される状態が継続している間、変化点が検知されるごとにカウントアップされる。すなわち、判定対象データが変化しているか否かにかかわらず、変化点検知装置10における変化点検知の結果が「変化点である」である間は、第1のカウンタ231がカウントアップされる。
第1のカウンタ231には、所定の閾値が設定される。所定の閾値は、姿勢および運動状態に変化が生じた場合に変化後の所定の期間を変化中である、とみなすために、当該所定の期間に対応する数値に設定される。たとえば、人の姿勢は変化後通常30秒程度で安定する等の知見が得られている場合、変化点検知処理が1秒ごとに行われるのであれば、所定の閾値を「30」とする。また、姿勢変化における個人差を考慮して所定の閾値を設定してもよい。
第3の判定部230は、第1のカウンタ231のカウント値が所定の閾値より大きくなると、変化が終了する終了点であると判定する。他方、第3の判定部230は、第1のカウンタ231のカウント値が所定の閾値以下の間は終了点であると判定しない。第3の判定部230の判定結果は、検知部240に送られる。
検知部240は検知処理を実行する。すなわち、検知部240は、第1の判定部210、第2の判定部220および第3の判定部230における判定結果に基づき、逐次姿勢識別装置30から受信した姿勢および運動状態の特定結果に対応する時点が変化点であるか否かを判定する。この処理により、検知部240は、変化点を検知する。検知部240が検知した変化点の情報は、変化点情報記憶部330(後述)に記憶される。
第1の判定部210、第2の判定部220、第3の判定部230および検知部240による各処理の詳細についてはさらに後述する。
(記憶部300に記憶される情報の構成の一例)
記憶部300は、各種のデータを記憶する記憶デバイスである。例えば、記憶部300は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部300は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)などのデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。
記憶部300は、入力データ記憶部310と、比較データ記憶部320と、変化点情報記憶部330と、を備える。
入力データ記憶部310は、送受信部100が逐次姿勢識別装置30から受信した、逐次姿勢識別装置30における姿勢および運動状態の特定結果を記憶する。たとえば、図2は、入力データ記憶部310に記憶される情報の構成の一例を示す図である。図2に示すように、入力データ記憶部310は、「原データ取得日時」と「逐次姿勢識別結果」とを対応付けて記憶する。「原データ取得日時」は、逐次姿勢識別装置30における処理の対象となった、ウェアラブル機器20において測定された加速度情報が測定された日時を示す。また、「逐次姿勢識別結果」は、逐次姿勢識別装置30における逐次姿勢識別処理の結果(特定結果)を示す。
たとえば、図2の例では、「原データ取得日時、20160101/12:00:00」に対応づけて「逐次姿勢識別結果、立位」が記憶されている。これは、2016年1月1日の12時に測定された加速度情報に対する逐次姿勢識別処理の結果、ユーザの姿勢および運動状態は「立位」である、と特定されたことを示す。
比較データ記憶部320は、第1の判定部210が開始判定を実行する際に、判定対象データと比較する比較データを記憶する。比較データは、逐次姿勢識別結果のいずれか一つである。たとえば、逐次姿勢識別装置30において逐次姿勢識別結果として出力される情報が「立位」「座位」「臥位」「運動」の4つであるとする。この場合、比較データは、「立位」「座位」「臥位」「運動」のいずれか1つである。比較データとしては、各時点の判定対象データの直前時点の判定対象データが設定される。すなわち、比較データと一致しない判定対象データが検知されると、その時点で比較データが判定対象データに置き換えられる。
変化点情報記憶部330は、変化点検知処理の結果を記憶する。図3は、変化点情報記憶部330に記憶される情報の構成の一例を示す図である。図3の例では、「原データ取得日時」と「逐次姿勢識別結果」とに対応づけて、「変化点検知結果」が記憶される。「原データ取得日時」と「逐次姿勢識別結果」は、図2に示す「原データ取得日時」と「逐次姿勢識別結果」と同様である。「変化点検知結果」は、変化点検知装置10における変化点検知処理の結果すなわち検知部240による検知処理の結果を示す。すなわち、変化点と検知されたか否かを示す。図3の例では、変化点と検知された場合は「変化点」と記憶され、変化点ではないと判定された場合は「変化なし」と記憶される。
(変化点検知装置10における変化点検知処理の流れの一例)
図4は、第1の実施形態にかかる変化点検知処理の流れの一例を示すフローチャートである。変化点検知処理においてはまず、抽出部201は、変化点検知処理の対象となる判定対象データを抽出する(ステップS41)。そして、判定対象データと、比較データ記憶部320に記憶される比較データと、の比較に基づき、第1の判定部210は開始判定処理を実行する(ステップS42)。また、第2の判定部220は、判定対象データの直前時点の変化点検知結果を抽出して、状態判定処理を実行する(ステップS43)。また、第3の判定部230は、判定対象データと、第1の判定部210および第2の判定部220の判定結果と、に基づき、終了判定処理を実行する(ステップS44)。そして、検知部240は、ステップS42,43,44の判定結果に基づき、検知処理を実行する(ステップS45)。そして、変化点検知装置10は次の判定対象データがあるか否かを判定する(ステップS46)。変化点検知装置10は、次の判定対象データがなければ(ステップS46、否定)、変化点検知処理を終了する。他方、次の判定対象データがあれば(ステップS46、肯定)、抽出部201は次の判定対象データを抽出する(ステップS47)。そして、処理はステップS42に戻る。変化点検知処理は以上のように実行される。
(各処理の詳細)
次に変化点検知処理に含まれる各処理の詳細について図5を参照しつつ説明する。図5は、第1の実施形態にかかる変化点検知処理について説明するための図である。
(抽出処理)
まず、抽出部201は、送受信部100が逐次姿勢識別装置30から新たに逐次姿勢識別結果を受信すると、当該逐次姿勢識別結果を判定対象データとして抽出する。たとえば、図5の例において、現在時点が「t」であるとする。このとき、逐次姿勢識別装置30から変化点検知装置10へ、逐次姿勢識別結果である「B」(図5の「現在のデータ」)が送信される。抽出部201は、現在時点「t」の判定対象データとして、逐次姿勢識別結果「B」を抽出する。
(開始判定処理)
抽出部201が判定対象データを抽出すると、次に、第1の判定部210は開始判定処理を実行する。開始判定処理は、判定対象データに変化が生じ始めた時点を抽出する処理である。第1の判定部210は、開始判定処理において、判定対象データに1つの変化が生じた後さらに続けて他の変化が生じた場合も「開始点」として抽出する。
図5の例では、抽出部201が現在時点「t」に対応する判定対象データ「B」を抽出する前に、過去の時点「t−3」から「t−1」にわたり、変化点検知処理が行われている。時点「t−3」においては、逐次姿勢識別結果「A」が判定対象データである。このとき、比較データとして記憶されているデータは「A」である。時点「t−3」において行われる開始判定処理では、第1の判定部210の比較部211は、時点「t−3」の判定対象データ「A」と比較データ「A」とを比較する。比較結果は「一致」であるため、第1の判定部210は、判定結果「開始点ではない」を出力する。また、第1の判定部210は、比較部211の比較結果が「一致」の場合、比較データを変更せずに維持する。
次に、時点「t−2」において入力される逐次姿勢識別結果は「A」である。そして、比較データとして直前時点の比較データ「A」が維持されている。したがって、時点「t−2」において、第1の判定部210は、判定対象データ「A」と比較データ「A」との比較結果「一致」に基づき判定結果「開始点ではない」を出力する。
さらに、時点「t−1」において次に入力される逐次姿勢識別結果は「B」である。そして、比較データとして直前時点の比較データ「A」が維持されている。時点「t−1」において、第1の判定部210の比較部211は、判定対象データ「B」と比較データ「A」とを比較する。比較結果は「不一致」であるため、第1の判定部210は、判定結果「開始点である」を出力する。第1の判定部210は、比較部211による比較結果が「不一致」の場合、比較データをその時点の判定対象データで置き換える。つまり、第1の判定部210は、時点「t−1」の比較データ「A」を比較データ記憶部320から削除して、時点「t−1」の判定対象データ「B」を比較データ記憶部320に記憶する。
このように、比較部211における比較結果が「一致」である場合、第1の判定部210は、比較データを変更せずそのまま維持する。他方、比較部211における比較結果が「不一致」である場合、第1の判定部210は、比較データを、その時点の判定対象データで置き換える。
このようにして、第1の判定部210は、判定対象データと比較データとの比較に基づき、判定結果として「開始点である」(不一致)または「開始点ではない」(一致)を出力する。
(状態判定処理)
第2の判定部220は、抽出部201が抽出した判定対象データを受信すると、状態判定処理を実行する。状態判定処理は、その時点の判定対象データの直前の判定対象データに対する変化点検知結果を判定する処理である。たとえば、図5の時点「t−1」において、第2の判定部220は、時点「t−1」の判定対象データを抽出部201から受け取ると、その直前時点「t−2」の変化点検知結果である「NO」(変化点ではない)を、変化点情報記憶部330から抽出し判定結果として出力する。また、図5の時点「t」において、第2の判定部220は、時点「t」の判定対象データを抽出部201から受け取ると、その直前時点「t−1」の変化点検知結果である「YES」(変化点である)を、変化点情報記憶部330から抽出し判定結果として出力する。
(終了判定処理)
第3の判定部230は、抽出部201から判定対象データを受け取るとともに、第1の判定部210および第2の判定部220の判定結果を受信する。そして、第3の判定部230は、第1の判定部210の判定結果と第2の判定部220の判定結果に応じた処理を実行する。
(終了判定パターン1)
まず、(1)第1の判定部210の判定結果が、「開始点である」(不一致)であり、(2)第2の判定部220の判定結果が、「変化点ではない」である場合を説明する。この場合、第3の判定部230は、第1のカウンタ231の値をゼロにリセットする。そして、第3の判定部230は、判定結果として空データを出力する。
(終了判定パターン2)
次に、(1)第1の判定部210の判定結果が、「開始点ではない」(一致)であり、(2)第2の判定部220の判定結果が、「変化点ではない」である場合を説明する。この場合、第3の判定部230は、第1のカウンタ231の操作は実行せず、判定結果として空データを出力する。「空データ」は特に意味を持たないデータであれば何でもよい。
(終了判定パターン3)
次に、(1)第1の判定部210の判定結果が、「開始点である」(不一致)または「開始点ではない」(一致)のいずれかであり、(2)第2の判定部220の判定結果が、「変化点である」である場合を説明する。この場合、第3の判定部230は、第1のカウンタ231のカウント値と所定の閾値とを比較する。そして、カウント値が所定の閾値より大きい場合、第3の判定部230は、終了点を検知したと判定し、その旨出力する。
(終了判定パターン4)
次に、(1)第1の判定部210の判定結果が、「開始点である」(不一致)または「開始点ではない」(一致)のいずれかであり、(2)第2の判定部220の判定結果が、「変化点である」である場合に、カウンタ値が所定の閾値以下の場合を説明する。この場合、第3の判定部230は、終了点ではないと判定してその旨出力する。また、第3の判定部230は、第1のカウンタ231のカウント値を1だけカウントアップする。
たとえば、図5の例中、時点「t−1」においてカウンタ値は「0」と表示されている。これは、時点「t−1」において、第3の判定部230が、上記終了判定パターン1に該当する(「不一致」「変化点ではない」)と判定し、第1のカウンタ231の値をゼロにリセットしたことを示す。
また、図5の例中、時点「t」においてカウンタ値は「1」と表示されている。時点「t」においては、上記終了判定パターン4に該当する(「一致」「変化点である」「カウンタ値≦所定の閾値」)(ここでは、所定の閾値は「5」とする)ため、第3の判定部230は、第1のカウンタ231のカウント値を1だけカウントアップしている。
なお、上記終了判定パターン1、2において、第3の判定部230は空データを出力するものとした。これに限らず、終了判定パターン1、2においても、第2の判定部230は第1のカウンタ231のカウント値、またはカウント値と所定の閾値との比較結果を送信するよう構成してもよい。ただし、終了判定パターン1、2の場合、検知部240の検知処理において、第3の判定部230の判定結果は考慮されない(後述する図6の判定パターン(1)(4)参照)。
(検知処理)
検知部240は、第1の判定部210、第2の判定部220および第3の判定部230の判定結果を受信し、変化点を検知するための検知処理を実行する。図6は、第1の実施形態にかかる変化点検知処理における判定パターンを説明するための図である。
図6は、開始判定処理の結果と、終了判定処理の結果と、状態判定処理の結果の組み合わせに応じて、検知処理の結果が決定されることを示す。図6中、「開始判定」「状態判定」「終了判定」はそれぞれ、第1の判定部210、第2の判定部220および第3の判定部230の処理を示す。図6の最も左側の欄は、第1の判定部210が、開始判定処理として開始点か否か、すなわち、判定対象データと比較データが一致するか否か、を判定した判定結果を示す。図6の最も左側の欄中、「YES」は、判定対象データと比較データとが一致した場合、すなわち、開始点ではないと判定された場合を示す。また、「NO」は、判定対象データと比較データとが不一致の場合、すなわち、開始点であると判定された場合を示す。
また、図6の左から2番目の欄は、第2の判定部220が、状態判定処理として、判定対象データの直前のデータに対する変化点検知結果が変化点であったか否かを判定した判定結果を示す。図6の左から2番目の欄中、「YES」は、直前のデータに対する変化点検知結果が「変化点である」であったことを示す。また、「NO」は、直前のデータに対する変化点検知結果が「変化点ではない」であったことを示す。
さらに、図6の左から3番目の欄は、第3の判定部230が、終了判定処理として、終了点か否か、すなわち、第1のカウンタ231のカウント値と所定の閾値とを比較した判定結果を示す。図6の左から3番目の欄中、「YES」は、終了点であると判定された場合、すなわち、カウンタ値が閾値より大きいと判定された場合を示す。また、「NO」は、終了点ではないと判定された場合、すなわち、カウンタ値が閾値以下と判定された場合を示す。なお、「−」が記載された箇所は、空データが出力される場合、または、該当するデータが検知部240による検知処理において考慮されないことを示す。
そして、図6の最も右側の欄は、第1の判定部210、第2の判定部220および第3の判定部230の判定結果に基づく、検知部240の検知処理の検知結果を示す。以下、検知部240の判定パターン各々について説明する。
(判定パターン(1)−同じ状態が継続して安定しているとき)
図6の(1)は、第1の判定部210により、判定対象データと比較データとが一致すると判定され(開始判定、YES)、かつ、第2の判定部220により、直前のデータに対する変化点検知結果は「変化点ではない」(状態判定、NO)と判定された場合である。すなわち、現在の判定対象データよりも前の時点から同じ姿勢、運動状態が継続しており、変化は検知されていない安定した状態であることを意味する。この場合には、検知部240は、ユーザの姿勢、運動状態には変化は生じていないと判定し、検知結果「変化点ではない」(検知、NO)を出力する。
(判定パターン(2)−変化状態がしばらく続き変化後の状態で安定したと判定される場合)
図6の(2)は、第1の判定部210により、判定対象データと比較データとが一致と判定され(開始判定、YES)、第2の判定部220により、直前のデータに対する変化点検知結果は「変化点である」(状態判定、YES)と判定されている。さらに、第3の判定部230により、第1のカウンタ231のカウンタ値が閾値よりも大きいと判定されている(終了判定、YES)。すなわち、現在の判定対象データよりも前の時点から変化が開始して変化後の状態が継続しており、変化後の状態の継続期間が予め定められた閾値に対応する長さに達していることを示す。このような場合には、検知部240は、変化後の状態でユーザの姿勢や運動状態が安定したものと見なして、検知結果を「変化点ではない」(検知、NO)とする。
第1のカウンタ231は、姿勢や運動状態に、一つの状態から他の状態への変化が生じ、変化後の他の状態が所定期間にわたって継続した場合は、変化後の他の状態で安定状態に入ったとみなして、変化終了と判定するために設けられている。したがって、第1のカウンタ231のカウンタ値が閾値よりも大きい場合には、検知部240は「変化点ではない」と判定する。
また、この場合には、第1の判定部210による開始判定の結果は、「一致」であっても「不一致」であっても変化点の検知結果には影響しない(判定パターン(5)参照)。これは、仮に新しい変化が生じているとしても、変化状態がいったん終了したものと評価して、評価を安定させるためである。この場合に判定対象データにおいて新しい変化が生じていたとしても、次の判定対象データがさらに変化点と検知されなければ、いったん変化状態であるとの評価を終わらせても判定に不都合は生じないと考えられる。
(判定パターン(3)−変化が発生したがまだ変化後の状態で安定していない場合)
図6の(3)は、第1の判定部210により、判定対象データと比較データとが「一致」と判定され(開始判定、YES)、第2の判定部220により、直前のデータに対する変化点検知結果は「変化点である」(状態判定、YES)と判定されている。さらに、第3の判定部230により、第1のカウンタ231のカウンタ値は閾値以下と判定されている(終了判定、NO)。すなわち、現在の判定対象データよりも前の時点から変化が開始しているが、変化後の状態で安定したと評価できるほど、変化後の状態が継続していないことを示す。この場合には、検知部240は、変化後の状態でユーザの姿勢や運動状態が安定したとはまだみなせないため、検知結果を「変化点である」(検知、YES)とする。
この場合も判定パターン(2)と同様、第1の判定部210による開始判定の結果は、「一致」であっても「不一致」であっても検知結果には影響しない(判定パターン(6)参照)。仮に第1の判定部210による開始判定の結果が「一致」であったとすれば、変化中の状態が継続しており、かつ変化後の状態で安定していないと評価して問題がない。また、「一致」の場合は比較データが変化しないため、継続して現在の状態をベースにして安定状態に入ったか否かを判定できる。
他方、第1の判定部210による開始判定の結果が「不一致」であったとすれば、短期間にわたって変化後の状態が継続した後、さらに別の変化が開始したことになる。この場合は、1つの状態から他の状態へ、さらに他の状態へと変化が生じていることになり、他の状態とさらに他の状態との全体を変化中の期間と評価すればよい。したがって、「変化点である」と判定して、第1のカウンタ231によるカウントを継続する。
(判定パターン(4)−変化が新たに開始した場合)
図6の判定パターン(4)は、第1の判定部210による開始判定の結果が「不一致」であり(開始判定、NO)、第2の判定部220により、直前のデータに対する変化点検知結果は「変化点ではない」と判定された場合である(状態判定、NO)。すなわち、それまで継続的に検知されていた姿勢や運動状態とは異なる姿勢や運動状態が検知され、直前に変化が生じていない場合である。この場合には、新しい変化が開始したものと評価できるため、変化点検知結果は「変化点である」(検知、YES)となる。この場合は、前の時点から継続して変化点が検知されている状態ではないため、終了判定の結果は変化点検知結果に影響しない。
(変化点検知装置における各部の入出力関係の一例)
図7は、第1の実施形態にかかる変化点検知装置10における処理の流れの一例を説明するための図である。図7は、変化点検知装置10の各部の間の情報の入出力関係をおおまかに示す。図7の例中、抽出部201は表示を省略する。
まず、抽出部201が判定対象データを抽出し、第1の判定部210、第2の判定部220および第3の判定部230に渡す。第1の判定部210は開始判定処理を実行すると、判定結果を第3の判定部230と検知部240とに出力する。また、第2の判定部220は記憶部300(変化点情報記憶部330)を参照して状態判定処理を実行すると、判定結果を第3の判定部230と検知部240とに出力する。また、第3の判定部230は、第1の判定部210および第2の判定部220の出力と判定対象データとに基づき、終了判定処理を実行し、判定結果を検知部240に出力する。検知部240の検知結果は、記憶部300(変化点情報記憶部330)に記憶される。また、検知部240の検知結果は、変化点検知結果として変化点検知装置10の外部に出力することができる。以上が、変化点検知装置10における各部の情報の入出力関係の一例である。
(変化点検知処理の流れの一例)
図8は、第1の実施形態にかかる変化点検知処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
まず、逐次姿勢識別装置30において逐次姿勢識別処理が実行されると、処理の結果が変化点検知装置10に送信される。変化点検知装置10は、送受信部100を介して逐次姿勢識別装置30からデータを取得し、入力データ記憶部310に記憶する(ステップS801)。そして、変化点検知装置10の抽出部201は、データから判定対象データを抽出する(ステップS802)。抽出部201は、逐次姿勢識別装置30から新しい時点に対応する特定結果が送信されるごとに、当該特定結果を判定対象データとして抽出する。抽出部201は抽出した判定対象データを、第1の判定部210、第2の判定部220および第3の判定部230に送る。
第1の判定部210は、受信した判定対象データと、比較データ記憶部320に記憶される比較データとを比較する(ステップS803)。
第1の判定部210は、判定対象データと比較データとが同一ではないと判定すると(ステップS803、否定)、比較データ記憶部320に記憶される比較データを判定対象データで置き換える(ステップS804)。そして、第1の判定部210は、「不一致」すなわち「開始点である」という判定結果を、第3の判定部230および検知部240に出力する。
また、第1の判定部210は、判定対象データと比較データとが同一であると判定すると(ステップS803、肯定)、比較データ記憶部320に記憶される比較データをそのまま維持する。そして、第1の判定部210は、「一致」すなわち「開始点ではない」という判定結果を、第3の判定部230および検知部240に出力する。
第2の判定部220は、受信した判定対象データの直前時点の変化点検知結果を、変化点情報記憶部330を参照して判定する。第2の判定部220は、「変化点である」または「変化点ではない」との判定結果を第3の判定部230および検知部240に出力する(ステップS805、S808)。
第3の判定部230は、第1の判定部210および第2の判定部220からの判定結果を受信する。そして、第3の判定部230は、第1の判定部210の判定結果が「不一致」すなわち「開始点である」の場合(ステップS803、否定)に、第2の判定部220の判定結果が「変化点である」か否かを判定する(ステップS805)。第2の判定部220の判定結果が「変化点ではない」の場合(ステップS805、否定)、第3の判定部230は、第1のカウンタ231をゼロにリセットする(ステップS806)。そして、第3の判定部230は、空データを検知部240に出力する。この場合、検知部240は、第1の判定部210から「不一致」、第2の判定部220から「変化点である」、第3の判定部から「空データ」を受信する。そして、検知部240は、上述した判定パターンに基づき、当該時点の判定対象データは「変化点である」と判定する(「変化点」、ステップS807)。図8のステップS803否定、S804,S805否定、S806、S807のフローは、図6に示す判定パターン(4)に対応する。
ステップS805に戻り、第3の判定部230が受信した第1の判定部210の判定結果が「不一致」(ステップS803、否定)、第2の判定部220の判定結果が「変化点である」(ステップS805、肯定)の場合を説明する。この場合、第3の判定部230は、第1のカウンタ231のカウンタ値が所定の閾値より大きいか否かを判定する(ステップS810)。そして、カウンタ値が所定の閾値以下の場合(ステップS810、否定)、第3の判定部230は第1のカウンタ231のカウンタ値を1だけカウントアップする(ステップS811)。そして、第3の判定部230は「カウンタ値は閾値以下」すなわち「終了点ではない」との判定結果を検知部240に出力する。検知部240は、第1の判定部210の「不一致」との判定結果、第2の判定部220の「変化点である」との判定結果および第3の判定部230の「終了点ではない」との判定結果に基づき検知処理を実行する。すなわち、検知部240は、当該時点の判定対象データは「変化点である」と判定する(ステップS812)。図8のステップS803否定、S804、S805肯定、S810否定、S811、S812のフローは、図6に示す判定パターン(6)に対応する。
ステップS810に戻り、カウンタ値が所定の閾値より大きい場合(ステップS810、肯定)、第3の判定部230は、「カウンタ値は閾値より大きい」すなわち「終了点である」との判定結果を検知部240に出力する。検知部240は、第1の判定部210の「一致」との判定結果、第2の判定部220の「変化点である」との判定結果、第3の判定部230の「終了点である」との判定結果に基づき、検知処理を実行する。すなわち、検知部240は、「変化点ではない」と判定する(「変化なし」、ステップS813)。図8のステップS803否定、S804、S805肯定、S810肯定、S813のフローは、図6に示す判定パターン(5)に対応する。
次に、第1の判定部210の判定結果が「一致」すなわち「開始点ではない」であり(ステップS803、肯定)、第2の判定部220の判定結果が「変化点ではない」の場合(ステップS808、否定)を説明する。この場合、第3の判定部230は、空データを検知部240に出力する。検知部240は、第1の判定部210、第2の判定部220および第3の判定部230の判定結果に基づき、当該時点の判定対象データは「変化点ではない」と判定する(「変化なし」、ステップS809)。図8のステップS803肯定、S808否定、S809のフローは、図6に示す判定パターン(1)に対応する。
次に、第1の判定部210の判定結果が「一致」すなわち「開始点ではない」であり(ステップS803、肯定)、第2の判定部220の判定結果が「変化点である」の場合(ステップS808、肯定)を説明する。この場合、第3の判定部230は、第1のカウンタ231のカウンタ値と所定の閾値とを比較する(ステップS810)。そして、カウンタ値が所定の閾値以下の場合(ステップS810、否定)、第3の判定部230は第1のカウンタ231のカウント値を1だけカウントアップする(ステップS811)。そして、第3の判定部230は「カウンタ値は閾値以下」すなわち「終了点ではない」との判定結果を検知部240に出力する。検知部240は、第1の判定部210の「一致」との判定結果、第2の判定部220の「変化点である」との判定結果および第3の判定部230の「終了点である」との判定結果に基づき検知処理を実行する(ステップS812)。すなわち、検知部240は、当該時点の判定対象データは「変化点である」と判定する(「変化点」、ステップS812)。図8のステップS803肯定、S808肯定、S810否定、S811、S812のフローは、図6に示す判定パターン(3)に対応する。
ステップS810に戻り、第3の判定部230が第1のカウンタ231のカウンタ値と所定の閾値とを比較した結果、カウンタ値が所定の閾値より大きい場合を説明する(ステップS810、肯定)。この場合、第3の判定部230は、「カウンタ値は閾値より大きい」すなわち「終了点である」との判定結果を検知部240に出力する。検知部240は、第1の判定部210の「一致」との判定結果、第2の判定部220の「変化点である」との判定結果、第3の判定部230の「終了点である」との判定結果に基づき、検知処理を実行する。すなわち、検知部240は、「変化点ではない」と判定する(「変化なし」ステップS813)。図8のステップS803肯定、S808肯定、S810肯定、S813のフローは、図6に示す判定パターン(2)に対応する。
検知部240が検知結果を出力すると(ステップS807、S809、S812、S813)、抽出部201は次の特定結果を逐次姿勢識別装置30から受信したか否か判定する(ステップS814)。次の特定結果を受信したと判定した場合(ステップS814、肯定)、抽出部201は、次の特定結果を次の判定対象データとして抽出する(ステップS815)。そして、ステップS803に戻り、第1の判定部210、第2の判定部220、第3の判定部230および検知部240による処理が繰り返される。他方、抽出部201が次の特定結果を受信していないと判定した場合(ステップS814、否定)、変化点検知装置10は処理を終了する。以上が、第1の実施形態における変化点検知処理の流れの一例である。
(第1の実施形態の効果)
上述のとおり、第1の実施形態にかかる変化点検知装置は、連続したデータに変化が生じた部分である変化点を検知する変化点検知装置であって、連続したデータから抽出される判定対象データと、比較データとの異同を判定する第1の判定部と、判定対象データの直前データが変化点と判定されたか否かを判定する第2の判定部と、判定対象データの直前までに連続して変化点が検知された数が、第1の閾値より大きいか否かを判定する第3の判定部と、第1、第2、第3の判定部の判定結果に基づき、判定対象データが変化点であるか否かを判定する検知部と、を備える。
このため、第1の実施形態にかかる変化点検知装置は、連続性を判定するための比較データと、各時点のデータとの比較に基づいて、当該時点が変化点であるか否かを判定することができる。また、第1の実施形態にかかる変化点検知装置は、比較データとの異同にもとづき変化点を検知するため、判定対象とする逐次姿勢識別結果がまだ蓄積されていない時点でも、逐次的に変化点検知を実行することができる。また、第1の実施形態にかかる変化点検知装置は、各時点のデータについて、直前のデータに対する変化点検知結果を加味して、当該時点が変化点であるか否かを判定することができる。さらに、第1の実施形態にかかる変化点検知装置は、直前までに継続している変化点の検知数を考慮して、各時点が変化点であるか否かを判定することができる。このため、第1の実施形態にかかる変化点検知装置は、各時点を切り離して、当該時点のデータを評価するのではなく、前後時点のデータを加味して、変化点を検知することができる。このため、第1の実施形態にかかる変化点検知装置は、連続的なデータによって示される事象に変化が生じた変化点を、精度よく検知することができる。また、第1の実施形態にかかる変化点検知装置は、姿勢の変化が開始してから終了するまでに所定期間かかる場合であっても、姿勢変化が開始した直後から変化点を検知することができる。さらに、第1の実施形態にかかる変化点検知装置は、姿勢変化が終了するまで逐次的に変化点検知を継続することができる。また、第1の実施形態の変化点検知装置は、変化の状態を限定せずに変化点を検知するため、姿勢や運動状態の多様な変化を、網羅的に検知することができる。
また、第1の実施形態にかかる変化点検知装置において、連続したデータは、第1の時点から最新の時点である第n(nは2以上の自然数)の時点までの各々の時点に対応する複数のデータを含み、変化点検知装置は、判定対象データとして、第nの時点のデータを抽出する抽出部をさらに備える。このため、変化点検知装置は、最新のデータを受信するとともに、変化点検知処理を実行することができ、逐次的にデータ評価を進行させることができる。このように、第1の実施形態にかかる変化点検知装置は、逐次姿勢識別装置での特定処理が実行されるごとに順次変化点検知処理を実行するため、ほぼリアルタイムでユーザの姿勢および運動状態が変化している期間と安定している期間とを検知することができる。
また、第1の実施形態にかかる変化点検知装置において、第3の判定部は、検知部による変化点であるとの判定が判定対象データの直前までに連続した数を、連続して変化点が検知された数として、第1の閾値より大きいか否かを判定する(第1のカウンタ)。すなわち、第1の実施形態の第3の判定部は、実際の判定対象データに変化があったか否かに関わらず、変化点として検知された数にもとづき、変化点との評価を終了するか否かを判定する。このため、変化点検知装置は、姿勢や運動状態の変化が継続していると評価できる期間の長さを予め算出して、第1のカウンタの閾値として設定することで、固定された長さの期間を変化期間として検知することができる。
たとえば、第1のカウンタの閾値として大きい値を設定すれば、一度変化が発生してから変化状態が安定したと判定されるまでの期間を長くすることになる。また、第1のカウンタの閾値として小さい値を設定すれば、変化状態を短い期間に固定することができる。したがって、第1のカウンタは、常に姿勢変化後の固定的な期間のデータを「変化状態」中のデータとみなすことが好ましい場面で用いると効果的である。
また、第1の実施形態にかかる変化点検知装置において、連続したデータは、第1の時点から第nの時点までの各々の時点における所定の事象に対する評価結果である。このため、第1の実施形態の変化点検知装置は、一定の評価基準に基づいて得られたデータの精度をさらに向上させることができる。
また、第1の実施形態にかかる変化点検知装置において、連続したデータは、人の身体運動に関する加速度情報に基づき推定される姿勢および運動状態の判定結果である。このため、変化点検知装置は、多様な変化パターンを含む人の姿勢および運動状態について、変化パターンを限定することなく、精度高く変化状態を抽出することができる。
また、第1の実施形態にかかる変化点検知装置において、連続したデータは各々、人の身体運動に関する加速度情報に基づき推定される姿勢および運動状態の判定結果であり、当該判定結果は、定質的なラベルまたは記号である。また、上記のように、判定結果は時系列的に取得される。また、判定結果は、定量的な数値ではなく、定質的なラベルまたは記号である。たとえば、判定結果は、「運動」、「立位」、「座位」、「臥位」等のラベルである。このため、変化点検知装置は、具体的な身体活動について、所定の基準に基づく判定結果から、変化状態と評価される部分をデータから抽出することができる。
日常の姿勢変化のパターンは非常に多岐にわたるため、座位から立位、立位から歩行といった特定の姿勢から特定の姿勢への変化を事前に機械学習させて、測定データ中から機械学習したパターンに合致する箇所を探す手法では煩雑である。第1の実施形態における変化点検知装置は、姿勢変化のパターンを特定せずに、判定の時点で、直前時点に検知された姿勢および運動状態と、判定時点に検知された姿勢および運動状態とが異なれば、変化が開始したと判定する。また、第1の実施形態の変化点検知装置は、姿勢および運動状態の変化開始が検知された後、変化後の姿勢および運動状態が所定期間継続して検知された場合に、変化が終了したと判定する。このため、第1の実施形態の変化点検知装置によれば、変化の前後の姿勢や運動状態および変化中の姿勢や運動状態が何であるかにかかわらず、変化点を検知することができる。
また、第1の実施形態にかかる変化点検知装置において、第1の判定部は、現在の判定対象データの直前時点の判定対象データを、現在の判定対象データと比較する比較データとする。このため、変化点検知装置は、直前の状態との比較に基づいて変化点を検知することができ、また、比較データが更新されるため、進行していく変化状態に即した検知を実現することができる。
また、第1の実施形態にかかる変化点検知装置において、第3の判定部が用いる第1の閾値は、変化の推定継続時間に応じて設定される。このため、第1の実施形態にかかる変化点検知装置は、実際の推定継続時間に応じて、変化状態と評価される期間を抽出することができ、検知精度を高めることができる。
(第2の実施形態)
次に図9乃至図13を参照して第2の実施形態について説明する。第1の実施形態にかかる変化点検知装置10は、逐次姿勢識別装置30から新たに送信される特定結果に基づき、姿勢および運動状態が変化する変化点を検知した。これに対して、第2の実施形態では、逐次姿勢識別装置30の特定結果に生じる誤差やノイズを除去しつつ変化点を検知する。そのため、第2の実施形態では、逐次姿勢識別装置30から受信した特定結果から、複数時点に対応する特定結果を抽出し、ひとまとまりの判定対象グループとして処理する。これによって、第2の実施形態にかかる変化点検知装置は判定対象グループ内のノイズや誤差を除去する。
(第2の実施形態にかかる変化点検知装置10Aの構成の一例)
図9は、第2の実施形態にかかる変化点検知装置10Aの構成の一例を示す概略図である。第2の実施形態にかかる変化点検知装置10Aも、第1の実施形態と同様、ウェアラブル機器20と接続される逐次姿勢識別装置30から逐次姿勢識別結果を受信して変化点を検知する。変化点検知装置10Aは、送受信部100Aと、制御部200Aと、記憶部300Aと、を備える。なお、以下の説明中、第1の実施形態と同様の構成および機能については説明を省略する。
送受信部100Aは、第1の実施形態の送受信部100と同様の機能および構成を有する。送受信部100Aは、逐次姿勢識別装置30から逐次姿勢識別処理の特定結果を受信して記憶部300Aに記憶する。
記憶部300Aは、入力データ記憶部310Aと、比較データ記憶部320Aと、変化点情報記憶部330Aと、修正データ記憶部340Aと、を備える。
入力データ記憶部310A、比較データ記憶部320Aおよび変化点情報記憶部330Aは、第1の実施形態の入力データ記憶部310、比較データ記憶部320および変化点情報記憶部330と同様である。入力データ記憶部310A、比較データ記憶部320Aおよび変化点情報記憶部330Aに記憶される情報の構成もそれぞれ、入力データ記憶部310、比較データ記憶部320および変化点情報記憶部330に記憶される情報の構成と同様である。
第2の実施形態の記憶部300Aは、修正データ記憶部340Aを備える点で、第1の実施形態の記憶部300と異なる。修正データ記憶部340Aについては後述する。
制御部200Aは、抽出部201Aと、第1の判定部210Aと、第2の判定部220A、第3の判定部230Aと、検知部240Aと、を備える。また、第2の実施形態では、抽出部201Aは、判定対象データとともに判定対象グループを抽出する点、第1の実施形態と異なる。
第1の判定部210A、第2の判定部220A、第3の判定部230Aはそれぞれ、開始判定処理、状態判定処理、終了判定処理を実行する。第2の実施形態にかかる状態判定処理および終了判定処理は、第1の実施形態にかかる状態判定処理および終了判定処理と同様である。ただし、開始判定処理の手法は第1の実施形態と第2の実施形態とで異なる。
まず、抽出部201Aにおける処理について説明する。抽出部201Aは、逐次姿勢識別装置30から新たに逐次姿勢識別処理の特定結果を送受信部100Aを介して受信すると、当該特定結果の時点より所定数だけ前の時点から当該特定結果の時点の直前の時点までの特定結果を記憶部300A(入力データ記憶部310A)から抽出する。抽出部201Aは、たとえば、新たに受信した特定結果の時点より10個前の時点から直前の時点までの特定結果を抽出する。抽出部201Aは、抽出した10個の特定結果と新たに受信した特定結果をひとまとまりの判定対象グループとする。
図10は、第2の実施形態にかかる変化点検知処理における判定対象グループの構成を説明するための図である。たとえば、図10の「t」時点のデータを、変化点検知装置10Aの送受信部100Aが逐次姿勢識別装置30から新たに受信したとする。すると、抽出部201Aは、「t」時点から所定数だけ前の時点から「t」時点の直前時点までのデータ(特定結果)を、入力データ記憶部310Aから抽出する。たとえば、図10の例では、抽出部201Aは、「t」時点から「k」だけ前の時点「t−k」時点のデータ、「t−k+1」時点のデータ、…、「t−2」時点のデータ、「t−1」時点のデータ、を抽出する。そして、抽出部201Aは、抽出したk個のデータと、「t」時点のデータとを組み合わせてひとまとまりの判定対象グループとする。さらに、抽出部201Aは、「t」時点の判定対象データを、「t」時点の判定対象グループの中から特定する。図8の例では、「t」時点の判定対象グループのうち先頭のデータである「t−k」時点のデータを「t」時点の判定対象データとする。
また、抽出部201Aは、「t+1」時点のデータが逐次姿勢識別装置30から新たに受信されると、「t−k+1」時点から「t」時点までのデータを、入力データ記憶部310Aから抽出する。そして、抽出部201Aは、抽出したデータと新たに受信した「t+1」時点のデータをひとまとまりの「t+1」時点の判定対象グループとする。そして、抽出部201Aは、「t+1」時点の判定対象グループ中の先頭データである「t−k+1」時点のデータを「t+1」時点の判定対象データとする。
抽出部201Aはこのように、新しい特定結果が逐次姿勢識別装置10Aから受信されるごとに、新しい判定対象グループを抽出し、判定対象データを特定する。抽出部201Aは、抽出した判定対象グループと判定対象データとを、第1の判定部210A、第2の判定部220A、第3の判定部230Aに渡す。
第1の判定部210Aは、比較部211Aと修正部212Aとを備える。
第1の判定部210Aにおける開始判定処理につき、図11を参照して説明する。図11は、第2の実施形態にかかる変化点検知処理における開始判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、比較部211Aは、抽出部201Aから判定対象グループと判定対象データとを受け取る(ステップS1101)。また、比較部211Aは、比較データ記憶部320Aから比較データを取り出す(ステップS1101)。比較部211Aは、判定対象データと、比較データとを比較する(ステップS1102)。比較部211Aは比較結果を修正部212Aに渡す。修正部212Aは、比較部211Aにおける比較結果が「一致」の場合は(ステップS1102、肯定)、そのまま比較結果「一致」を第1の判定部210Aの判定結果として出力する(ステップS1107)。
他方、修正部212Aは、比較部211Aにおける比較結果が「不一致」の場合は(ステップS1102、否定)、判定対象グループ中に比較データと同一のデータがあるか否かを判定する。さらに、修正部212Aは、比較データと同一のデータがある場合、その数と所定の閾値とを比較する(ステップS1103)。修正部212Aは同一のデータの数が所定の閾値より大きい場合(ステップS1103、肯定)、判定対象グループ中のデータをすべて比較データと同一のデータに修正する(ステップS1106)。修正したデータは、修正データ記憶部340Aに記憶される。さらに、修正部212Aは、比較部211Aの比較結果である「不一致」を「一致」に修正し(ステップS1106)、第1の判定部210Aの判定結果として出力する(ステップS1107)。
修正部212Aは、比較データと同一のデータの数が所定の閾値以下の場合は(ステップS1103、否定)、比較データ記憶部320Aに記憶される比較データを判定対象データで置き換える(ステップS1104)。そして、修正部212Aは、第1の判定部210Aの判定結果として「不一致」を出力する(ステップS1105)。
修正部212Aは、判定対象グループ中に所定数以上比較データと同一のデータが存在する場合は、判定対象グループ全体を比較データと同一とみなしてよいと判定して、判定対象グループ全体を比較データに書き換える。たとえば、ユーザの姿勢および運動状態が継続して「座位」と判定されているときに、一時点だけ「運動」と判定されたとする。しかし、その次の時点では、「座位」に戻り、その後も継続して「座位」と判定されたとする。この場合には「運動」と判定された時点は誤検知またはノイズである可能性がある。したがって、「運動」という判定結果を「座位」に修正することで、たとえば、ウェアラブル機器20から取得した生体信号情報と対応づけて自律神経機能評価を行う際に、より精度の高い評価を行うことができる。そこで、第2の実施形態では、逐次姿勢識別装置30の逐次姿勢識別結果に生じる誤差やノイズを除去するために、第1の判定部210Aに、比較部211Aに加えて、修正部212Aを設けている。
第2の判定部220Aの構成および機能は、第1の実施形態の第2の判定部220と同様である。
第3の判定部230Aは、第1のカウンタ231Aを備える。第3の判定部230Aおよび第1のカウンタ231Aの構成および機能は、第1の実施形態の第3の判定部230および第1のカウンタ231Aの構成および機能と同様である。
検知部240Aは、検知処理を実行する。検知部240Aは、第1の実施形態の検知部240と同様の構成および機能を有する。また、検知部240Aにおける判定パターンも第1の検知部240の判定パターンと同様である。ただし、第1の判定部210Aにおいて比較部211Aの比較結果が「不一致」である場合でも、第1の判定部210Aの判定結果が修正部212Aにより「一致」に修正される場合がある点が第1の実施形態と異なる。第1の判定部210Aは、修正部212Aにより判定対象グループ中比較データと同一のデータの数が所定の閾値より大きいと判定された場合は、判定結果を「一致」に修正する。このため、検知部240Aにおける判定パターンは実質的に第1の実施形態と同様となる。
(第2の実施形態の判定パターン)
図12は、第2の実施形態にかかる変化点検知処理における判定パターンを説明するための図である。図12に示す判定パターン(1)、(2)、(3)は、修正部212Aの処理が介在しないため、図6に示す判定パターン(1)、(2)、(3)と同様である。また、図12に示す判定パターン(1a)、(2a)、(3a)は、比較部211Aにより判定対象データと比較データが不一致と判定されたが、修正部212Aにより判定結果が修正される場合である。このため、「判定対象データと比較データは一致?」の欄は、それぞれ「NO」となっているが、「修正処理要?」の欄が「YES」であることにより、開始判定処理の結果出力は「一致」すなわち「開始点ではない」となる。したがって、検知部240Aにおける処理は、判定パターン(1a)、(2a)、(3a)と、判定パターン(1)、(2)、(3)とで同じになる。図12に示す判定パターン(4)、(5)、(6)は、修正部212Aにより修正処理が不要と判定される場合である。したがって、比較部211Aの比較結果がそのまま第1の判定部210Aの判定結果となり、図6の判定パターン(4)、(5)、(6)と同様となる。
このように、第2の実施形態では、第1の判定部210Aにおいて修正処理が実行されるが、第1の判定部210Aからの出力に修正処理の結果が反映されるため、検知部240Aにおける判定パターンは実質的に第1の実施形態と同様となる。
(第2の実施形態の変化点検知処理の詳細な流れの一例)
図13は、第2の実施形態にかかる変化点検知処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。図13中、ステップS1301、S1303、S1305〜S1308、S1310〜S1315の処理は、図8のステップS801、S803、S804〜S807、S808〜S813の処理と同様である。図13のフローは、図8のフローと、判定対象データではなく判定対象グループを抽出する点、および、判定対象データと比較データとが不一致の場合に修正処理を実行する点が異なる。以下、図8のフローと相違する点について図13のフローを説明する。
まず、判定対象グループを抽出する点について説明する。図13のフローでは、最初に送受信部100Aは逐次姿勢識別装置30からデータを取得する(S1301)。抽出部201Aは、新たに取得したデータの所定数前の時点のデータから新たに取得したデータの直前時点のデータまでを、入力データ記憶部310Aから抽出し、新たに取得したデータとあわせて判定対象グループとする(ステップS1302)。また、抽出部201Aは、判定対象グループの先頭のデータを判定対象データとして抽出する(ステップS1302)。抽出した判定対象グループと判定対象データとは、第1の判定部210A、第2の判定部220Aおよび第3の判定部230Aに渡される。
判定対象グループと判定対象データを受信した第1の判定部210Aの比較部211Aは、判定対象データと比較データとを比較する(ステップS1303)。比較結果が「不一致」の場合(ステップS1303、否定)に、修正部212Aによる修正処理が実行される。比較結果が「一致」の場合(ステップS1303、肯定)は、第1の実施形態の場合と同様に処理される。
比較結果が「不一致」の場合(ステップS1303、否定)、修正部212Aは、判定対象グループ中の比較データと同一のデータ数が所定の閾値より大きいか否かを判定する。すなわち、修正部212Aは、判定対象グループおよび比較結果の修正が必要か否かを判定する(ステップS1304)。そして、修正部212Aは、比較データと同一のデータ数が所定の閾値より大きいと判定した場合、すなわち修正が必要と判定した場合(ステップS1304、肯定)、修正処理を実行する(ステップS1309)。すなわち、修正部212Aは、判定対象グループに含まれるデータをすべて比較データと同じデータに書き換える。修正部212Aは、修正後のデータを修正データ記憶部340に記憶する。さらに、修正部212Aは、比較結果である「不一致」を「一致」に修正して、第1の判定部210Aの判定結果として出力する。修正部212Aが修正処理を実行した場合(ステップS1304肯定、ステップS1309の場合)は、最初から比較部121Aが「一致」と判定した場合(ステップS1303、肯定の場合)と同様に処理が進む。
(第2の実施形態の効果)
このように、第2の実施形態にかかる変化点検知装置においては、連続したデータは、第1の時点から最新の時点である第n(nは2以上の自然数)の時点までの各々の時点に対応する複数のデータを含み、判定対象データとして、第nの時点より所定数前の時点に対応するデータを抽出し、所定数前の時点から第nの時点までの各時点に対応する複数のデータを、判定対象グループとして抽出する抽出部をさらに備える。さらに、第1の判定部は、判定対象グループに含まれる比較データと同一のデータ数が、第2の閾値より大きい場合、判定対象データと比較データとの異同にかかわらず、判定対象データと比較データとは同一であると判定する(修正部)。このように、第2の実施形態にかかる変化点検知装置は、判定対象データに変化があった場合でも、その前後のデータの状態から、ノイズや誤差と判定できる場合には、判定結果を修正して出力する。逐次姿勢推定装置からの結果が、各時点の加速度情報等を基にする場合、その時点の加速度情報によっては、ちょっとした体の動きに合わせて通常の生活では起こりえないような短時間のみ別の姿勢になっていたかのように推定される場合が発生することが予想される。第2の実施形態にかかる変化点検知装置は、修正部を備えることにより、このような突発的な推定ノイズが変化点検知にあたえる影響を減ずることができる。
なお、修正部は、逐次姿勢推定処理の結果に生じる誤差に対処するものであるため、逐次姿勢推定処理の結果精度が十分に高い場合には、判定対象グループの抽出や修正部による修正処理は省略してもよい。
このほか、第2の実施形態にかかる変化点検知装置は、第1の実施形態にかかる変化点検知装置と同様の効果を奏する。
ところで、第2の実施形態においては、修正部212Aが修正したデータを修正データ記憶部340Aに記憶するものとした。修正部212Aによりデータが修正された場合には、以後の変化点検知処理において使用する逐次姿勢識別結果は、入力データ記憶部310Aに記憶されるデータではなく、修正データ記憶部340Aに記憶されるデータとしてもよい。また、変化点情報記憶部330Aに記憶される変化点検知処理の結果だけでなく、修正データ記憶部340Aに記憶されるデータを外部に出力できるように変化点検知装置を構成してもよい。
(第3の実施形態)
次に図14乃至図17を参照して第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の変化点検知装置は、第1および第2の実施形態の変化点検知装置が備える第1のカウンタに代えて第2のカウンタを備える。第1のカウンタは、変化点と検知されている状態が継続する期間をカウントしたが、第2のカウンタは、変化点であるか否かに関わらず、同じデータが連続している期間をカウントする。つまり、第1のカウンタは、変化後の姿勢や運動状態がさらに変化した場合に、二つの変化を区別せず全体として変化点としてカウントする。これに対し、第2のカウンタは、変化点の検知が続いているが、姿勢や運動状態自体はさらに変化した場合に、姿勢や運動状態が変化するたびにリセットされ、連続する変化それぞれを区別してカウントする。
(第3の実施形態にかかる変化点検知装置10Bの構成の一例)
図14は、第3の実施形態にかかる変化点検知装置10Bの構成の一例を示す概略図である。第3の実施形態にかかる変化点検知装置10Bも、第1、第2の実施形態と同様、ウェアラブル機器20と接続される逐次姿勢識別装置30から逐次姿勢識別結果を受信して変化点を検知する。変化点検知装置10Bは、送受信部100Bと、制御部200Bと、記憶部300Bと、を備える。なお、以下の説明中、第1、第2の実施形態と同様の構成および機能については説明を省略する。
送受信部100Bは、第1の実施形態の送受信部100と同様の機能および構成を有する。送受信部100Bは、逐次姿勢識別装置30から逐次姿勢識別処理の特定結果を受信して記憶部300Bに記憶する。
記憶部300Bは、入力データ記憶部310Bと、比較データ記憶部320Bと、変化点情報記憶部330Bと、を備える。
入力データ記憶部310B、比較データ記憶部320Bおよび変化点情報記憶部330Bは、第1の実施形態の入力データ記憶部310、比較データ記憶部320および変化点情報記憶部330と同様である。入力データ記憶部310B、比較データ記憶部320Bおよび変化点情報記憶部330Bに記憶される情報の構成もそれぞれ、入力データ記憶部310、比較データ記憶部320および変化点情報記憶部330に記憶される情報の構成と同様である。
制御部200Bは、抽出部201Bと、第1の判定部210Bと、第2の判定部220Bと、第3の判定部230Bと、検知部240Bと、を備える。
抽出部201Bの構成および機能は、第1の実施形態の抽出部201の構成および機能と同様である。
第1の判定部210B、第2の判定部220B、第3の判定部230Bはそれぞれ、開始判定処理、状態判定処理、終了判定処理を実行する。第3の実施形態の第1の判定部210Bおよび第2の判定部220Bにおける処理は、第1の実施形態の第1の判定部210および第2の判定部220における処理と同様である。
ただし、第3の実施形態における第3の判定部230Bは、第1のカウンタ231に代えて第2のカウンタ233Bを備える点で第1の実施形態と異なる。第2のカウンタ233Bは、変化点が継続して検知されている間にさらに姿勢および運動状態の変化が生じた場合、異なる変化として検知する。また、第2のカウンタ233Bは、変化状態か安定状態かに関わらず、所定の状態が継続している期間をカウントする。このため、終了判定処理の手法は、第1の実施形態と第3の実施形態とで異なる。また、検知部240Bにおける判定パターンは、第1の実施形態と第3の実施形態とで異なる。
抽出部201Bは、逐次姿勢識別装置30から送信される姿勢および運動状態の特定結果から、変化点検知処理の対象となる判定対象データを抽出する。抽出部201Bは、送受信部100Bを介して新たな特定結果を受信すると、当該特定結果を判定対象データとして抽出する。
第1の判定部210Bは開始判定処理を実行する。第1の判定部210Bは比較部211Bを備える。第1の判定部210Bおよび比較部211Bの構成および機能は、第1の実施形態の第1の判定部210および比較部211の構成および機能と同様である。
第2の判定部220Bは状態判定処理を実行する。第2の判定部220Bの構成および機能は、第1の実施形態の第2の判定部220の構成および機能と同様である。
(第3の判定部230Bの第2のカウンタ233Bにおける処理)
第3の実施形態は、第3の判定部230Bおよび検知部240Bの処理が第1の実施形態と異なる。第3の判定部230Bは、終了判定処理を実行する。第3の判定部230Bは、第2のカウンタ233Bを備える。第2のカウンタ233Bは、変化状態であるか安定状態であるかに関わらず、同じ姿勢および運動状態との評価が継続する期間をカウントする。第1、第2の実施形態の第1のカウンタ231,231Aは、変化点が検知され続けている期間をカウントした。たとえば、「立位」から「座位」への変化が検知された場合、第1のカウンタ231,231Aに対して設定されている所定の閾値を超えてカウンタ値が増加する前に、「座位」からさらに「臥位」への変化が検知されたとする。この場合、第1のカウンタ231,231Aは、カウンタ値をリセットすることなく、カウントアップする。これに対して、第2のカウンタ233Bは、「座位」から「臥位」への変化が検知された時点でカウンタ値をリセットする。そして第2のカウンタ233Bは新たにカウントを開始する。
つまり、第1、第2の実施形態の第1のカウンタ231,231Aは、姿勢および運動状態に変化が生じた場合、その後続いてさらに姿勢および運動状態に変化が生じたとしても、所定期間内であれば、徐々に進行する一連の変化として、まとめてカウントする。そして、第1、第2の実施形態の終了判定処理では、第3の判定部230,230Aは、最初に変化が生じてから予め設定された閾値により示される期間が経過すればさらに別の変化が生じていても、一連の変化状態は終了したものと評価する。
これに対して、第3の実施形態の第2のカウンタ233Bは、姿勢および運動状態に変化が生じた場合、その後続いてさらに姿勢および運動状態に変化が生じれば、別個の変化状態としてカウントする。
図15は、第3の実施形態にかかる変化点検知処理について説明するための図である。図15を参照し、第2のカウンタ233Bを用いた変化点検知処理についてさらに説明する。
図15の例では、「t−5」時点から「t」時点までの判定対象データについて変化点検知処理が終了している。そして、「t−4」時点において、判定対象データが「C」から「A」に変化している。このため、第2のカウンタ233Bは、「0」にリセットされている。また、「t−4」時点において、変化点が検知されている(「変化点検知結果、YES」)。そして、「t−4」時点から「t」時点まで、継続して逐次姿勢識別結果「A」が判定対象データとなっている。つまり変化後継続して同じ姿勢および運動状態が検知されている。このため、「t−4」時点から「t」時点まで、変化点検知結果は「YES」であり、第2のカウンタ233Bのカウンタ値は1ずつ増加している。ここで、第2のカウンタ233Bに対して閾値「5」が設定されており、第2のカウンタ233Bのカウンタ値が「5」を超えると第3の判定部230Bは変化状態が終了したと評価するものとする。
図15中、「t」時点では、カウンタ値は「4」であり閾値「5」以下である。次の「t+1」時点において、判定対象データは「B」である。つまり、「t+1」時点において、判定対象データは「t」時点の「A」から「B」に変化する。すると、第2のカウンタ233Bのカウンタ値は、変化点検知結果が「変化点である(図15の例で「YES」)」であっても、「0」にリセットされる。このように、第2のカウンタ233Bは、変化点が継続している期間ではなく、同じ状態が継続している期間をカウントする。
第1のカウンタ231を用いた場合は、変化状態と判定される期間が固定される。これに対して、第2のカウンタ233Bを用いた場合、一度に複数の変化が連続して生じた場合、各々の変化状態を別個にカウントすることができるため、変化状態と判定される期間を変動させることができる。
(第3の判定部230Bによる終了判定処理)
第3の判定部230Bは、第2のカウンタ233Bを用いて、終了判定処理を実行する。第3の判定部230Bは、第1の判定部210Bおよび第2の判定部220Bの判定結果を受信する。
第3の判定部230Bは、第1の判定部210Bの判定結果が「不一致」の場合、第2のカウンタ233Bのカウンタ値をゼロにリセットする。つまり、第3の判定部230Bは、判定対象データに変化が検知された場合、直前の変化点検知結果にかかわらず、第2のカウンタ233Bのカウンタ値をリセットする。そして、第3の判定部230Bの判定結果として空データを検知部240Bに送信する。
他方、第1の判定部210Bの判定結果が「一致」の場合、第3の判定部230Bは第2のカウンタ233Bのカウンタ値を1だけカウントアップする。すなわち、第3の判定部230Bは、変化状態であるか安定状態であるかにかかわらず、同じ状態が継続中は第2のカウンタ233Bのカウンタ値を増加させる。
そして、第1の判定部210Bの判定結果が「一致」であり、かつ、第2の判定部220Bの判定結果が「変化点である」の場合、第3の判定部230Bは、第2のカウンタ233Bのカウンタ値と所定の閾値とを比較する。カウンタ値が所定の閾値より大きい場合、第3の判定部230Bはその旨、つまり「終了点である」旨の判定結果を検知部240Bに出力する。他方、カウンタ値が所定の閾値以下の場合、第3の判定部230Bはその旨、つまり「終了点ではない」旨の判定結果を検知部240Bに出力する。
つまり、第3の判定部230Bは、変化状態が発生した場合にさらに他の状態への変化が発生すれば、第2のカウンタ233Bを用いて異なる状態を別個にカウントし、安定したと評価できる期間だけ最新の状態が継続すれば、変化状態が終了したと判定する。
他方、第1の判定部210Bの判定結果が「一致」であり、かつ、第2の判定部220Bの判定結果が「変化点ではない」の場合、第3の判定部230Bは、空データを検知部240Bに送信する。
(第3の実施形態の判定パターン)
図16は、第3の実施形態にかかる変化点検知処理における判定パターンを説明するための図である。
(判定パターン(1)−同じ状態が継続して安定しているとき)
検知部240Bは、第1の判定部210B、第2の判定部220Bおよび第3の判定部230Bの各々から判定結果を受信する。まず、第1の判定部210Bの判定結果が「一致」(図16の「判定対象データと比較データは一致?、YES」の場合)であるとする。さらに、第2の判定部220Bの判定結果が「変化点ではない」(図16の「直前データの検知結果は変化点?、NO」の場合)であるとする。この場合は、直前の判定対象データと現在の判定対象データとが同一で、直前の変化点検知結果から、現在の判定対象データの時点で変化は生じていないことになる。すなわち、変化のない状態でユーザの姿勢および運動状態が安定しているということになる。
この場合、第3の判定部230Bは、第1の判定部210Bの判定結果が「一致」であるため、第2のカウンタ233Bのカウント値を1だけカウントアップする。この時点の第2のカウンタ233Bのカウント値は、ユーザの姿勢および運動状態が安定した状態で継続中の期間を示すことになる。さらに、第3の判定部230Bは、空データを検知部240Bに送信する。
検知部240Bは、受信した判定結果にもとづき、検知結果「変化点ではない」を出力する。
(判定パターン(2)−変化状態がしばらく続き変化後の状態で安定したと判定される場合)
次に、図16の(2)の場合を説明する。この場合は、第1の判定部210Bの判定結果は「一致」であり、第2の判定部220Bの判定結果は「変化点である」となっている。この場合、直前の判定対象データに対する変化点検知結果が「変化点である」ため、ユーザの姿勢および運動状態に変化が生じて、変化後の状態が続いている時点と評価できる。この場合、第3の判定部230Bは、第2のカウンタ233Bのカウンタ値と所定の閾値とを比較する。比較の結果、カウンタ値が所定の閾値より大きい場合は、変化後の状態が所定の閾値で表される期間だけ継続していることになる。この場合、検知部240Bは、ユーザの姿勢および運動状態がいったん変化した後、変化後の状態で安定したと判定する。そこで、検知部240Bは、変化は終了した、すなわち、「変化点ではない」と判定して検知結果として出力する。
(判定パターン(3)−変化が発生したがまだ変化後の状態で安定していない場合)
次に、図16の(3)の場合を説明する。この場合は、上記の判定パターン(2)と、第1の判定部210Bおよび第2の判定部220Bの判定結果は同じである。第3の判定部230Bの判定結果は、カウンタ値が所定の閾値以下である、すなわち「終了点ではない」である。つまり、ユーザの姿勢および運動状態に変化が生じて、変化後の状態が継続中であるが、変化後の状態で安定したといえるほどの時間が経過していない場合である。したがって、検知部240Bは、「変化点である」すなわち、変化状態が継続中である、と判定し検知結果として出力する。
(判定パターン(4)−変化が新たに開始した場合)
次に、図16の(4)の場合を説明する。この場合は、第1の判定部210Bの判定結果は「不一致」である。すなわち、直前の状態からユーザの姿勢および運動状態になんらかの変化が発生した時点と評価できる。この場合、検知部240Bは、第2の判定部220Bおよび第3の判定部230Bの判定結果に関わらず、「変化点である」を検知結果として出力する。
また、この場合には、第3の判定部230Bにおいて、第2のカウンタ233Bがゼロにリセットされている。このため、第3の実施形態においては、第2のカウンタ233Bを用いることで、一旦変化が開始した後、あまり時間が経過しないうちに新たな変化が発生した場合でもそれぞれを別個の変化として評価して期間をカウントする。
このように第3の実施形態では、開始判定処理において、判定対象データと比較データが「不一致」と判定された場合に、常に変化点と検知する。これに対して、第1の実施形態では、判定対象データと比較データが「不一致」と判定された場合でも、第1のカウンタ231に基づいて変化点の継続期間が所定期間に達していれば変化状態が終了したと判定する。このため、図16の判定パターン中、パターン(4)が、図6の判定パターン(5)、(6)と異なる。
(第3の実施形態における変化点検知処理の詳細な流れの一例)
図17は、第3の実施形態にかかる変化点検知処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。図17中、ステップS1701〜S1704、S1708〜S1710、S1712〜S1714は、図8のステップS801〜S804、S808〜S810、S813〜S815と同様である。図17のフローにおいては、第2のカウンタ233Bのカウントアップのタイミング(ステップS1707)が図8のフロー(ステップS811)と異なる。また、図17のフローでは、比較データと判定対象データとが不一致の場合(ステップS1703、否定)に、第2の判定部220Bの判定結果(「直前データは変化点か?」図8のステップS805)を考慮しない点が、図8のフローと異なる。
図17のフローにおいては、比較データと判定対象データとが一致する場合(ステップS1703、肯定)、同じデータが継続して検知されている期間を判定することなく、直ちにカウンタ値を1だけ増加させる(ステップS1707)。これは、第3の実施形態においては、第2のカウンタ233Bは、安定状態か変化状態かに関わらず、継続して同じ姿勢および運動状態が検知されている期間をカウントするためである。
また、図17のフローにおいては、比較データと判定対象データとが不一致の場合(ステップS1703、否定)、比較データを判定対象データで置き換えた(ステップS1704)後、第2の判定部220Bの判定結果に関わらずカウンタ値をリセットする(ステップS1705)。これは、第3の実施形態においては、ユーザの姿勢および運動状態の変化が検知されれば一律に新しい変化として評価し、異なる変化状態が連続して生じているか否かを考慮しないためである。したがって、この場合には、検知部240Bは直前の状態を考慮せず、「変化点である」と検知結果を出力する(ステップS1706)。
第2のカウンタ233Bは常に1つの状態(同じ姿勢および運動状態)が継続している期間をカウントする。したがって、第2の判定部220Bの判定結果から直前のデータが変化点である場合には、カウンタ値と所定の閾値の比較の結果、カウンタ値の方が大きければ(ステップS1710、肯定)、検知部240Bは変化が終了した(「変化なし」、ステップS1712)と評価する。他方、カウンタ値が所定の閾値以下なら(ステップS1710、否定)、検知部240Bはまだ変化状態が継続中である(「変化点」、ステップS1711)と評価する。
(変形例)
なお、上記判定パターン(1)および(4)において、第3の判定部230Bは空データを検知部240Bに送信するものとした。これに限らず、たとえば、図17のS1708で否定の場合も、第3の判定部230Bは第2のカウンタ233Bのカウント値を検知部240Bに送信するように構成してもよい。このように構成すれば、検知部240Bはカウンタ値に基づき、安定状態の継続期間を検知することができる。また、図17のステップS1706において、第3の判定部230Bはカウンタ値「0」を判定結果として検知部240Bに送信するようにしてもよい。カウンタ値をあわせて検知部240Bに送信することで、変化状態中に複数の変化が生じている場合、各々の開始点を検知することが可能となる。
(第3の実施形態の効果)
このように、第3の実施形態にかかる変化点検知装置において、第3の判定部は、検知部により同じ種類の判定対象データに対して変化点であるとの判定が判定対象データの直前までに連続した数を、連続して変化点が検知された数として、第1の閾値より大きいか否かを判定する。このため、第3の実施形態にかかる変化点検知装置は、複数の変化が短期間に連続して発生した場合に、それぞれの変化を別個に評価して、変化状態を検出することができる。
このほか、第3の実施形態にかかる変化点検知装置は、第1および第2の実施形態にかかる変化点検知装置と同様の効果を奏する。
(第4の実施形態)
次に図18乃至図21を参照して第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の変化点検知装置は、第3の実施形態の変化点検知装置の構成および機能にくわえて、姿勢および運動状態に所定の変化が検知された後、すぐに変化前の姿勢および運動状態に戻った場合、所定の期間同じ状態が継続するのを待たずに変化が終了したと判定する点が異なる。かかる処理を実現するため、第4の実施形態の変化点検知装置は、復元判定部(後述)と変化前データ記憶部(後述)とを備える。
(第4の実施形態の変化点検知装置10Cの構成の一例)
図18は、第4の実施形態にかかる変化点検知装置10Cの構成の一例を示す概略図である。第4の実施形態にかかる変化点検知装置10Cは、第1乃至第3の実施形態と同様、ウェアラブル機器20と接続される逐次姿勢識別装置30から逐次姿勢識別結果を受信して変化点を検知する。変化点検知装置10Cは、送受信部100Cと、制御部200Cと、記憶部300Cと、を備える。なお、以下の説明中、第1乃至第3の実施形態と同様の構成および機能については説明を省略する。
送受信部100Cは、第1の実施形態の送受信部100と同様の機能および構成を有する。送受信部100Cは、逐次姿勢識別装置30から逐次姿勢識別処理の特定結果を受信して記憶部300Cに記憶する。
(記憶部300Cに記憶される情報)
記憶部300Cは、入力データ記憶部310Cと、比較データ記憶部320Cと、変化点情報記憶部330Cと、変化前データ記憶部350Cと、を備える。
入力データ記憶部310C、比較データ記憶部320Cおよび変化点情報記憶部330Cは、第1の実施形態の入力データ記憶部310、比較データ記憶部320および変化点情報記憶部330と同様である。入力データ記憶部310C、比較データ記憶部320Cおよび変化点情報記憶部330Cに記憶される情報の構成もそれぞれ、入力データ記憶部310、比較データ記憶部320および変化点情報記憶部330に記憶される情報の構成と同様である。
第4の実施形態の変化点検知装置10Cは、変化前データ記憶部350Cを備える点で、第1乃至第3の実施形態の変化点検知装置と異なる。変化前データ記憶部350Cは、変化前データを記憶する。
「変化前データ」とは、変化なしの状態のときに新しい変化点が検知された場合に、変化前の姿勢および運動状態を記憶したものである。たとえば、安定した状態「座位」が継続しており、変化点が検知されていない状態のときに、「座位」から「立位」への変化が検知されたとする。このとき、変化前データとして、「座位」が記憶される。
いったん変化点が検知された後、変化点の検知が継続している間は、変化前データは更新されない。たとえば、「座位」から「立位」への変化点が検知された後、変化点が継続して検知されているが、その間に判定対象データが「立位」から「臥位」にさらに変化している場合でも、変化前データは「座位」のままである。つまり、変化前データは、変化点が検知されているときに、それまでに継続して検知されている変化点のうち最も古い変化点に対応する判定対象データの直前の判定対象データに対応する。変化前データ記憶部350Cに記憶される変化前データの更新については第3の判定部230Cの説明に関連して後述する。
(制御部200Cの構成と機能)
制御部200Cは、抽出部201Cと、第1の判定部210Cと、第2の判定部220Cと、第3の判定部230Cと、検知部240Cと、を備える。
抽出部201Cの構成および機能は、第1の実施形態の抽出部201の構成および機能と同様である。
第1の判定部210C、第2の判定部220C、第3の判定部230Cはそれぞれ、開始判定処理、状態判定処理、終了判定処理を実行する。第1の判定部210Cは、比較部211Cを備える。第1の判定部210C、比較部211Cおよび第2の判定部220Cの構成および機能は第1の実施形態の第1の判定部210、比較部211および第2の判定部220の構成および機能と同様である。ただし、第4の実施形態の第3の判定部230Cにおける終了判定処理は、第1乃至第3の実施形態における終了判定処理と異なる。
第4の実施形態の第3の判定部230Cは、第3の実施形態の第2のカウンタ233Bと同様の構成および機能を有する第2のカウンタ233Cを備える。また、第4の実施形態の第3の判定部230Cは、復元判定部234Cを備える。
第2のカウンタ233Cは、第3の実施形態の第2のカウンタ233Bと同様、判定対象データが同一である期間をカウントする。つまり、第2のカウンタ233Cは、変化状態であるか安定状態であるかに関わらず、同一の姿勢および運動状態が継続して検知される期間をカウントする。
復元判定部234Cは、判定対象データと変化前データとが同一か否かを判定する。
第3の判定部230Cは、第1の判定部210Cの判定結果が「一致」であり、第2の判定部220Cの判定結果が「変化点である」の場合に、復元判定処理を実行する。すなわち、第3の判定部230Cは、直前と同じ状態が検知されているが、直前の変化点検知結果が「変化点である」の場合に、復元判定処理を実行する。これは、直前と同じ状態が継続しているが、直前時点が変化点である場合、現在の状態に変化する前の状態よりもさらに前の状態に現在の状態が戻っている可能性があるからである。つまり、「A」から「B」、「B」から「A」へと短期間の間に状態が変動している場合、「A」に戻った時点で、変化状態が終了したと評価することが可能である。そこで、第3の判定部230Cは、状態が「A」に戻った後、次の判定対象データも「A」であれば、第2のカウンタ233Cのカウンタ値を考慮することなく変化状態が終了したと評価する。
このため、復元判定処理において、第3の判定部230Cの復元判定部234Cは、判定対象データと変化前データとが同一か否かを判定する。変化前データとは先述のとおり、その時点で継続中の変化点のうち最も古い変化点に対応する判定対象データの直前時点の判定対象データである。状態の変化が1回しか発生していなければ、変化前データと判定対象データは常に不一致である。他方、状態の変化が2回発生していれば、変化前データと判定対象データが一致する。つまり、状態がいったん変化したのち、変化前の状態に戻ったと判定できる。そこで、第1の判定部210Cの判定結果が「一致」であり、第2の判定部220Cの判定結果が「変化点である」であり、かつ、判定対象データと変化前データとが一致の場合、第3の判定部230Cは、カウンタ値をチェックせずに、空データを判定結果として検知部240Cに出力する。
他方、第1の判定部210Cの判定結果が「一致」であり、第2の判定部220Cの判定結果が「変化点である」であり、かつ、判定対象データと変化前データとが不一致の場合、第3の判定部230Cは、第2のカウンタ233Cのカウンタ値と所定の閾値とを比較する。この場合は、現在継続中の変化点には1回の変化しか含まれないことになるため、変化前の状態に戻っていることはありえない。したがって、第3の判定部230Cは、変化後の状態が安定状態に達しているか否かを判定する。カウンタ値が所定の閾値よりも大きい場合、第3の判定部230Cは、その旨つまり「終了点である」旨の判定結果を検知部240Cに出力する。また、カウンタ値が所定の閾値以下である場合、第3の判定部230Cは、その旨つまり「終了点ではない」旨の判定結果を検知部240Cに出力する。
また、第3の判定部230Cは、第1の判定部210Cの判定結果が「不一致」の場合には、第2のカウンタ233Cをゼロにリセットする。また、第1の判定部210Cの判定結果が「一致」で、かつ、第2の判定部220Cの判定結果が「変化点ではない」の場合、第3の判定部230Cは、空データを検知部240Cに出力する。
図19を参照して、第4の実施形態の終了判定処理についてさらに説明する。図19は、第4の実施形態にかかる変化点検知処理について説明するための図である。
図19の例では、時点「t−5」において、時点「t−6」の判定対象データ「B」から判定対象データが「A」に変化している。時点「t−6」の判定対象データはBであり、比較データも「B」であるため、時点「t−6」においては、姿勢および運動状態には変化なしとして「変化点検知結果、NO」が記憶されている。また、比較データとして「B」が維持されている。
この場合、姿勢および運動状態の特定結果は、「B」から「A」に変化しているため、変化点検知装置10Cは時点「t−5」を変化点であると検知する。そして、時点「t−4」、時点「t−3」においても判定対象データは「A」であるが第2のカウンタ233Cのカウンタ値が所定の閾値(ここでは「5」とする)を超えていないため、変化点検知装置10Cは、「変化点である」と判定する。
次に、時点「t−2」において、判定対象データは「A」から「B」に変化している。ここで、変化後の判定対象データ「B」は、「A」に変化する前の判定対象データと同じである。この場合、「A」が継続している期間が短く、すぐに変化前と同じ「B」に戻っていることから、BからA,さらにAからBへの変化により変化が終了したと評価することができる。このような評価を可能にするため、第3の判定部230Cは、変化点検知が継続している間は変化前データを更新せずに維持する。
時点「t−2」において、判定対象データ「B」は、変化前データ「B」と同じである。すなわち、判定対象データはいったん変化した後、変化前のデータに戻っている。そこで、時点「t−1」において、第3の判定部230Cは、第2のカウンタ233Cのカウンタ値にかかわらず、終了点であると判定する。
(第4の実施形態の判定パターン)
図20は、第4の実施形態にかかる変化点検知処理における判定パターンを説明するための図である。図20に示す判定パターン(1)、(4)は、復元判定部234Cの処理が介在しないため、図16に示す第3の実施形態の判定パターン(1)、(4)と同様である。また、図20の判定パターン(2)、(3)は、復元判定部234Cにおいて変化前データと判定対象データが一致しないと判定される場合であるため、復元判定部234Cが介在しない場合の処理と同様になる。つまり、図16の判定パターン(2)、(3)と同様である。
図20に示す判定パターン(2a)は、復元判定部234Cにおいて判定対象データが変化前データと一致すると判定される場合である。復元判定部234Cにおいて判定対象データが変化前データと一致すると判定される場合とは、前提として、(a)比較データと判定対象データとが一致しており、(b)直前に変化点が検知されている場合である。つまり、短期間、変化状態が続いており、直前の状態からは変化がない場合である。このとき、判定対象データと変化前データとが一致する、ということは、いったん変化があった後、変化前の状態に戻ったことを意味する。そこで、判定パターン(2a)では、終了判定処理において第2のカウンタ233Cのカウント値を考慮することなく、直ちに変化終了と判定する(「変化点検知、NO」)。
(第4の実施形態の変化点検知処理の詳細な流れの一例)
図21は、第4の実施形態にかかる変化点検知処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。図21中、ステップS2101〜S2105、S2108〜S2111、S2116〜S2117の処理は、図17のステップS1701〜S1705、S1706〜S1709、S1713〜S1714の処理と同様である。図21のフローにおいては、変化前データの更新(ステップS2106〜S2107)および変化前データと判定対象データとの比較(ステップS2112〜S2115)に関する部分が、図17のフローと異なる。以下、図17と異なる部分について説明する。
まず、変化前データの更新に関する部分(ステップS2106〜S2107)について説明する。第4の実施形態では、第3の判定部230Cは、第1の判定部210Cの判定結果が「不一致」の場合(ステップS2103、否定)、第2のカウンタ233Cをゼロにリセットする(ステップS2105)。この点は、第3の実施形態と同様である。その後、第3の判定部230Cは、第2の判定部220Cの判定結果を参照する。第2の判定部220Cの判定結果が「変化点である」の場合(ステップS2106、肯定)は、第3の判定部230Cは追加の処理は実行せずに空データを検知部240Cに送信する。他方、第2の判定部220Cの判定結果が「変化点ではない」の場合(ステップS2106、否定)は、第3の判定部230Cは変化前データ記憶部350Cに記憶される変化前データを比較データで置き換える(ステップS2107)。この処理は、新しく始まった変化状態と、他の姿勢および運動状態での変化状態が続いていたときにさらに他の変化が開始したときと、を区別して、前者の場合にのみ変化前データを更新するために実行される。
次に、変化前データと判定対象データとの比較(ステップS2112〜S2115)に関する部分について説明する。第4の実施形態では、変化前データと判定対象データとが一致するか否かを判定し、一致する場合は、変化前の状態に戻ったと判定してすぐに変化点の検知を終了する。図21の例では、第1の判定部210Cによる判定結果が「一致」(ステップS2103、肯定)、第2の判定部220Cによる判定結果が「変化点である」(ステップS2110、肯定)の場合に、第3の判定部230C(復元判定部234C)は判定対象データと変化前データとを比較する(ステップS2112)。そして、判定対象データと変化前データとが不一致の場合(ステップS2112、否定)、第2のカウンタ233Cのカウンタ値と所定の閾値とを比較する(ステップS2113)。この場合は、変化が開始してその状態がまだ閾値に対応する期間だけ経過していないと考えられるため、カウンタ値と所定の閾値との比較結果に応じて変化点検知結果が変動する。カウンタ値が所定の閾値より大きい場合(ステップS2113、肯定)、第3の判定部230Cは、その旨すなわち「終了点である」旨を判定結果として検知部240Cに出力する。他方、カウンタ値が所定の閾値以下の場合(ステップS2113、否定)、第3の判定部230Cは、その旨すなわち「終了点ではない」旨を判定結果として検知部240Cに出力する。検知部240Cは、図20に示す判定パターンに基づき、変化点検知結果を出力する(ステップS2114、S2115)。他方、判定対象データと変化前データとが一致の場合(ステップS2112、肯定)、いったん姿勢および運動状態が変化したが、すぐに変化前の状態に戻ったことになる。したがって、検知部240Cは、変化状態が終了したものと評価し、「変化なし」の変化点検知結果を出力する(ステップS2115)。
(第4の実施形態の効果)
第4の実施形態にかかる変化点検知装置において、第3の判定部はさらに、第1の判定部が、判定対象データと比較データとは一致すると判定し、かつ、第2の判定部が、判定対象データの直前データは変化点と判定されたと判定した場合に、当該直前データまで連続して検知されている変化点のうち最先の変化点の直前時点の過去の判定対象データと現在の判定対象データとが同一か否かを判定する。また、検知部は、第3の判定部が過去の判定対象データと現在の判定対象データとが同一と判定した場合、当該判定対象データは変化点ではないと判定する。このため、第4の実施形態にかかる変化点検知装置は、短時間の間に、姿勢や運動状態が一つの状態から他の状態に変化し、すぐにもとの状態に戻ったような場合には、すぐに変化状態が終了したものと評価することができる。このため、第4の実施形態にかかる変化点検知装置は、日常生活の実態に即した変化点検知を実現することができる。
このほか、第4の実施形態にかかる変化点検知装置は、第1乃至第3の実施形態にかかる変化点検知装置と同様の効果を奏する。
(第5の実施形態)
次に図22乃至図24を参照して第5の実施形態について説明する。第5の実施形態の変化点検知装置は、第4の実施形態の変化点検知装置と同様の構成および機能を有する。ただし、第4の実施形態の変化点検知装置の構成および機能に加えて、第2の実施形態の変化点検知装置と同様に判定対象グループを抽出する機能および構成を備える。
(第5の実施形態の変化点検知装置10Dの構成の一例)
図22は、第5の実施形態にかかる変化点検知装置10Dの構成の一例を示す概略図である。第5の実施形態にかかる変化点検知装置10Dは、第1乃至第4の実施形態と同様、ウェアラブル機器20と接続される逐次姿勢識別装置30から逐次姿勢識別結果を受信して変化点を検知する。変化点検知装置10Dは、送受信部100Dと、制御部200Dと、記憶部300Dと、を備える。なお、以下の説明中、第1乃至第4の実施形態と同様の構成および機能については説明を省略する。
送受信部100Dは、第1の実施形態の送受信部100と同様の機能および構成を有する。送受信部100Dは、逐次姿勢識別装置30から逐次姿勢識別処理の特定結果を受信して記憶部300Dに記憶する。
(記憶部300Dに記憶される情報)
記憶部300Dは、入力データ記憶部310Dと、比較データ記憶部320Dと、変化点情報記憶部330Dと、修正データ記憶部340Dと、変化前データ記憶部350Dと、を備える。
入力データ記憶部310D、比較データ記憶部320Dおよび変化点情報記憶部330Dは、第1の実施形態の入力データ記憶部310、比較データ記憶部320および変化点情報記憶部330と同様である。入力データ記憶部310D、比較データ記憶部320Dおよび変化点情報記憶部330Dに記憶される情報の構成もそれぞれ、入力データ記憶部310、比較データ記憶部320および変化点情報記憶部330に記憶される情報の構成と同様である。また、変化前データ記憶部350Dの構成および機能は、第4の実施形態の変化前データ記憶部350Cと同様である。また、修正データ記憶部340Dの構成および機能は、第2の実施形態の修正データ記憶部340Aの構成および機能と同様である。
(制御部200Dの構成と機能)
制御部200Dは、抽出部201Dと、第1の判定部210Dと、第2の判定部220Dと、第3の判定部230Dと、検知部240Dと、を備える。
抽出部201Dの構成および機能は、第2の実施形態の抽出部201Aの構成および機能と同様である。すなわち、抽出部201Dは、新しい特定結果を送受信部100Dを介して逐次姿勢識別装置30から受信すると、当該特定結果より所定数だけ前の時点から直前時点までの特定結果を入力データ記憶部310Dから抽出する。そして、抽出部201Dは、抽出した特定結果と新しい特定結果をひとまとまりの判定対象グループとする。また、抽出部201Dは、判定対象グループの先頭のデータを判定対象データとする。
第1の判定部210D、第2の判定部220D、第3の判定部230Dはそれぞれ、開始判定処理、状態判定処理、終了判定処理を実行する。
第1の判定部210Dは、比較部211Dに加えて修正部212Dを備える。比較部211Dおよび修正部212Dの構成および機能は、第2の実施形態の比較部211Aおよび修正部212Aの構成および機能と同様である。
第1の判定部210Dの比較部211Dは、判定対象データと比較データとを比較する。そして、比較部211Dが判定対象データと比較データとが不一致と判定した場合、修正部212Dは、判定対象グループ内の比較データと同一のデータ数と、所定の閾値とを比較する。そして、修正部212Dは、同一のデータ数が所定の閾値より大きいと判定した場合、第1の判定部210Dの判定結果を、「不一致」から「一致」に修正するとともに、判定対象グループ内のデータを全て比較データと同一のデータに書き直し、修正データ記憶部340Dに記憶する。(以後の判定は修正データベースにするか、元データベースにするか確認)そして、第1の判定部210Dは、修正部212Dにおける処理結果に基づき、「不一致」(開始点である)または「一致」(開始点ではない)旨の判定結果を第3の判定部230Dおよび検知部240Dに出力する。
第2の判定部220Dおよび第3の判定部230Dの構成および機能は、第4の実施形態の第2の判定部220Cおよび第3の判定部230Cの構成および機能と同様である。
(第5の実施形態における判定パターン)
検知部240Dにおける検知処理は、実質的に第4の実施形態の検知部240Cの検知処理と同様である。図23は、第5の実施形態にかかる変化点検知処理における判定パターンを説明するための図である。図23には、判定パターン(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(1b)、(2b)、(3b)、(4b)を示す。第5の実施形態は、開始判定処理において、比較部211Dの比較結果が修正部212Dにより修正される場合がある点で、第4の実施形態と異なる。図23の判定パターン中、(1b)、(2b)、(3b)、(4b)が、修正部212Dにより比較部211Dの比較結果が修正される場合に該当する。判定パターン(1b)、(2b)、(3b)、(4b)では、比較部211Dが「不一致」との比較結果を出力し、修正部212Dが修正処理を実行する。その結果、修正部212Dは、修正処理が必要であると判定し、比較部212Dの比較結果「不一致」を「一致」に修正する。したがって、判定パターン(1b)、(2b)、(3b)、(4b)は「判定対象データと比較データは一致?、NO」が、「YES」に修正され、実質的に判定パターン(1)、(2)、(3)、(4)と同様になる。
また、図23の判定パターン(1)、(2)、(3)、(4)、(5)は、図20に示す第4の実施形態の判定パターン(1)、(2a)、(2)、(3)、(4)とそれぞれ実質的に同様である。
(第5の実施形態における変化点検知処理の詳細な流れの一例)
図24は、第5の実施形態にかかる変化点検知処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。図24中、ステップS2401、S2403、S2405〜S2418の処理は、図21のステップS2101、S2103、S2104〜S2117の処理と同様である。図24のフローにおいては、抽出部201Dが判定対象グループと判定対象データとを抽出する点(ステップS2402)と、修正部212Dが修正処理を実行する点(ステップS2404、S2408)が図21と異なる。図24のステップS2402、S2404、S2408はそれぞれ、図13に示す第2の実施形態のフロー中、ステップS1302、S1304、S1309と同様である。
なお、図24の例においては、修正部212Dによる修正処理が実行された場合に第2のカウンタ233Dのカウンタ値をカウントアップするものとした。しかし、同一の姿勢および運動状態が継続しているか否かを厳密に判定する場合、修正部212Dによる修正処理が実行された場合には、第2のカウンタ233Dのカウンタ値をカウントアップしないように構成してもよい。すなわち、図24において、ステップS2408の後、ステップS2410を経由せず直ちにステップS2411に進むようにフローを構成してもよい。
(第5の実施形態の効果)
第5の実施形態にかかる変化点検知装置は、上述した第1乃至第4の実施形態にかかる変化点検知装置のうち、同様の構成要素を備える変化点検知装置と同様の効果を奏する。
(その他の実施形態−種々の連続的なデータへの適用)
上記実施形態に係る変化点検知装置の変化点検知処理は、ユーザから測定した情報に対する評価値すなわち逐次姿勢識別装置により特定された姿勢および運動状態に対して適用するものとした。しかし、これに限らず、変化点検知装置を、他の情報の評価値に適用することも可能である。たとえば、ネットワーク上で検知される情報に対して、所定の基準に基づく評価をおこない、評価が大きく変化した時点を特定する場合等に適用できる。たとえば、ネットワーク上で検知されるパケットの内容に応じて所定の評価を行い、所定期間にわたる評価を蓄積し、当該評価が大きく変化した時点を特定する。評価に用いる基準を適宜選択することで、ネットワーク上の悪性通信の開始や、ノードの故障等の特定にも利用することができると考えられる。
また、時間の経過に伴って取得される時系列的なデータだけでなく、地理的なデータ等なんらかの連続性を有するデータの連続性が途切れた箇所を特定するために応用することも考えられる。すなわち、連続的なデータに基づき取得した、連続する各点に対する評価が変化した点を特定するために、上記各実施形態の変化点検知装置を適用することができる。
(システム構成)
また、上記各実施形態において、変化点検知装置は、逐次姿勢識別装置とは別体として説明した。ただし、これに限らず、変化点検知装置は、逐次姿勢識別装置と組み合わせて一体的に構成してもよい。
(プログラム)
図25は、開示の技術に係る変化点検知プログラムによる情報処理がコンピュータを用いて具体的に実現されることを示す図である。図25に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU(Central Processing Unit)1020と、ハードディスクドライブ1080と、ネットワークインタフェース1070とを有する。コンピュータ1000の各部はバス1100によって接続される。
メモリ1010は、図25に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011およびRAM(Random Access Memory)1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。
ここで、図25に例示するように、ハードディスクドライブ1080は、例えば、OS1081、アプリケーションプログラム1082、プログラムモジュール1083、プログラムデータ1084を記憶する。すなわち、開示の実施の形態に係る変化点検知プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュール1083として、例えばハードディスクドライブ1080に記憶される。例えば、制御部200の各部と同様の情報処理を実行する手順各々が記述されたプログラムモジュール1083が、ハードディスクドライブ1080に記憶される。
また、記憶部300に記憶されるデータのように、変化点検知プログラムによる情報処理に用いられるデータは、プログラムデータ1084として、例えばハードディスクドライブ1080に記憶される。そして、CPU1020が、ハードディスクドライブ1080に記憶されたプログラムモジュール1083やプログラムデータ1084を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種の手順を実行する。
なお、変化点検知プログラムに係るプログラムモジュール1083やプログラムデータ1084は、ハードディスクドライブ1080に記憶される場合に限られない。例えば、プログラムモジュール1083やプログラムデータ1084は、着脱可能な記憶媒体に記憶されてもよい。この場合、CPU1020は、ディスクドライブなどの着脱可能な記憶媒体を介してデータを読み出す。また、同様に、変化点検知プログラムに係るプログラムモジュール1083やプログラムデータ1084は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。この場合、CPU1020は、ネットワークインタフェース1070を介して他のコンピュータにアクセスすることで各種データを読み出す。
(その他)
なお、本実施形態で説明した変化点検知プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、変化点検知プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読取可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
なお、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10,10A,10B,10C,10D 変化点検知装置
100,100A,100B,100C,100D 送受信部
200,200A,200B,200C,200D 制御部
201,201A,201B,201C,201D 抽出部
210,210A,210B,210C,210D 第1の判定部(開始判定部)
211,211A,211B,211C,211D 比較部
212A,212D 修正部
220,220A,220B,220C,220D 第2の判定部(状態判定部)
230,230A,230B,230C,230D 第3の判定部(終了判定部)
231,231A, 第1のカウンタ(安定化カウンタ)
233B,233C,233D 第2のカウンタ(継続中カウンタ)
234C,234D 復元判定部
240,240A,240B,240C,240D 検知部(変化点検知部)
300,300A,300B,300C,300D 記憶部
310,310A,310B,310C,310D 入力データ記憶部
320,320A,320B,320C,320D 比較データ記憶部
330,330A,330B,330C,330D 変化点情報記憶部
340A,340D 修正データ記憶部
350C,350D 変化前データ記憶部
20 ウェアラブル機器
21 加速度情報計測部
22 送受信部
30 逐次姿勢識別装置/自律神経機能情報取得装置
31 送受信部
32 特徴量抽出部
33 特定部
34 入力部

Claims (12)

  1. 連続したデータに変化が生じた部分である変化点を検知する変化点検知装置であって、
    前記連続したデータから抽出される判定対象データと、各時点の判定対象データの直前時点の判定対象データまたは各時点の判定対象データの直前時点の判定対象データがない場合には判定対象データである比較データとの異同を判定する第1の判定部と、
    前記判定対象データの直前データが変化点と判定されたか否かを判定する第2の判定部と、
    前記判定対象データの直前までに連続して変化点が検知された数が、第1の閾値より大きいか否かを判定する第3の判定部と、
    前記第1、第2、第3の判定部の判定結果に基づき、前記判定対象データが変化点であるか否かを判定する検知部と、
    を備えることを特徴とする変化点検知装置。
  2. 前記連続したデータは、第1の時点から最新の時点である第n(nは2以上の自然数)の時点までの各々の時点に対応する複数のデータを含み、
    前記判定対象データとして、前記第nの時点のデータを抽出する抽出部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の変化点検知装置。
  3. 前記連続したデータは、第1の時点から最新の時点である第n(nは2以上の自然数)の時点までの各々の時点に対応する複数のデータを含み、
    前記判定対象データとして、前記第nの時点より所定数前の時点に対応するデータを抽出し、前記所定数前の時点から前記第nの時点までの各時点に対応する複数のデータを、判定対象グループとして抽出する抽出部をさらに備え、
    前記第1の判定部は、前記判定対象グループに含まれる前記比較データと同一のデータ数が、第2の閾値より大きい場合、前記判定対象データと前記比較データとの異同にかかわらず、前記判定対象データと前記比較データとは同一であると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の変化点検知装置。
  4. 前記第3の判定部は、前記検知部による変化点であるとの判定が前記判定対象データの直前までに連続した数を、前記連続して変化点が検知された数として、前記第1の閾値より大きいか否かを判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の変化点検知装置。
  5. 前記第3の判定部は、前記検知部により同じ種類の判定対象データに対して変化点であるとの判定が前記判定対象データの直前までに連続した数を、前記連続して変化点が検知された数として、前記第1の閾値より大きいか否かを判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の変化点検知装置。
  6. 前記第3の判定部はさらに、前記第1の判定部が、前記判定対象データと前記比較データとは一致すると判定し、かつ、前記第2の判定部が、前記判定対象データの直前データは変化点と判定されたと判定した場合に、当該直前データまで連続して検知されている変化点のうち最先の変化点の直前時点の過去の判定対象データと前記判定対象データとが同一か否かを判定し、
    前記検知部は、前記第3の判定部が前記過去の判定対象データと前記判定対象データとが同一と判定した場合、当該判定対象データは変化点ではないと判定する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の変化点検知装置。
  7. 前記連続したデータは、前記第1の時点から前記第nの時点までの各々の時点における所定の事象に対する評価結果であることを特徴とする請求項2または3に記載の変化点検知装置。
  8. 前記連続したデータは、人の身体運動に関する加速度情報に基づき推定される姿勢および運動状態の判定結果であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の変化点検知装置。
  9. 前記姿勢および運動状態の判定結果は、定質的なラベルまたは記号であることを特徴とする請求項8に記載の変化点検知装置。
  10. 前記第1の閾値は、前記変化の推定継続時間に応じて設定されることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の変化点検知装置。
  11. 連続したデータに変化が生じた部分である変化点を検知する変化点検知方法であって、
    コンピュータにより、前記連続したデータから抽出される判定対象データと、各時点の判定対象データの直前時点の判定対象データまたは各時点の判定対象データの直前時点の判定対象データがない場合には判定対象データである比較データとの異同を判定する第1の判定工程と、
    コンピュータにより、前記判定対象データの直前データが変化点と判定されたか否かを判定する第2の判定工程と、
    コンピュータにより、前記判定対象データの直前までに連続して変化点が検知された数が、第1の閾値より大きいか否かを判定する第3の判定工程と、
    コンピュータにより、前記第1、第2、第3の判定工程の判定結果に基づき、前記判定対象データが変化点であるか否かを判定する検知工程と、
    を含んだことを特徴とする変化点検知方法。
  12. 連続したデータに変化が生じた部分である変化点をコンピュータに検知させる変化点検知プログラムであって、
    コンピュータにより、前記連続したデータから抽出される判定対象データと、各時点の判定対象データの直前時点の判定対象データまたは各時点の判定対象データの直前時点の判定対象データがない場合には判定対象データである比較データとの異同を判定する第1の判定手順と、
    コンピュータにより、前記判定対象データの直前データが変化点と判定されたか否かを判定する第2の判定手順と、
    コンピュータにより、前記判定対象データの直前までに連続して変化点が検知された数が、第1の閾値より大きいか否かを判定する第3の判定手順と、
    コンピュータにより、前記第1、第2、第3の判定手順の判定結果に基づき、前記判定対象データが変化点であるか否かを判定する検知手順と、
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とする変化点検知プログラム。
JP2016126453A 2016-06-27 2016-06-27 変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラム Active JP6542718B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016126453A JP6542718B2 (ja) 2016-06-27 2016-06-27 変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016126453A JP6542718B2 (ja) 2016-06-27 2016-06-27 変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018000232A JP2018000232A (ja) 2018-01-11
JP6542718B2 true JP6542718B2 (ja) 2019-07-10

Family

ID=60945937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016126453A Active JP6542718B2 (ja) 2016-06-27 2016-06-27 変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6542718B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7383440B2 (ja) * 2019-10-03 2023-11-20 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 診断支援システム、診断支援装置及びプログラム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5895476B2 (ja) * 2011-11-29 2016-03-30 富士通株式会社 呼吸計測方法および呼吸計測装置
WO2014083538A1 (en) * 2012-11-30 2014-06-05 Koninklijke Philips N.V. Method and apparatus for identifying transitions between sitting and standing postures
JP6189618B2 (ja) * 2013-04-02 2017-08-30 キッセイコムテック株式会社 睡眠状態判断システムおよび睡眠状態判断システムの作動方法
US9591996B2 (en) * 2013-06-07 2017-03-14 Lumo BodyTech, Inc System and method for detecting transitions between sitting and standing states
JPWO2015083411A1 (ja) * 2013-12-03 2017-03-16 ソニー株式会社 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
JP6322984B2 (ja) * 2013-12-06 2018-05-16 富士通株式会社 姿勢推定装置、方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018000232A (ja) 2018-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mannini et al. Online decoding of hidden Markov models for gait event detection using foot-mounted gyroscopes
EP3086320A1 (en) Method and device for associating frames in a video of an activity of a person with an event
JP6362521B2 (ja) 行動分類システム、行動分類装置及び行動分類方法
JP2016525383A (ja) 転倒検出システム及び方法
JP6724984B2 (ja) 情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
CN112617807A (zh) 一种预防和解除帕金森病患者冻结步态的装置和方法
US20200229736A1 (en) A method and apparatus for assessing the mobility of a subject
Reinfelder et al. Timed Up-and-Go phase segmentation in Parkinson's disease patients using unobtrusive inertial sensors
AU2020289033A1 (en) Non-contact identification of gait dynamics, patterns and abnormalities for elderly care
Atrsaei et al. Toward a remote assessment of walking bout and speed: application in patients with multiple sclerosis
Handelzalts et al. Detection of real-world trips in at-fall risk community dwelling older adults using wearable sensors
CN106725512B (zh) 运动监测方法、装置及可穿戴设备
JP6542718B2 (ja) 変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラム
Nguyen et al. Entropy-based analysis of rhythmic tapping for the quantitative assessment of cerebellar ataxia
Zhu et al. Validating an iOS-based rhythmic auditory cueing evaluation (iRACE) for Parkinson's disease
Wu et al. Human gait-labeling uncertainty and a hybrid model for gait segmentation
US20200245920A1 (en) System and method for self-assessment of physical capabilities and condition changes
Vadnerkar et al. Classification of gait quality for biofeedback to improve heel-to-toe gait
KR20170073541A (ko) 사용자의 자세나 자세의 변화에 기초하여 배뇨 또는 사정을 모니터링하기 위한 장치 내지 시스템, 배뇨 또는 사정을 모니터링하는 방법, 그리고 상기 방법을 실행하기 위한 컴퓨터 프로그램을 기록하는 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체
Yang et al. Empowering a gait feature-rich timed-up-and-go system for complex ecological environments
US20220111257A1 (en) System, Method and Computer Program Product Configured for Sensor-Based Enhancement of Physical Rehabilitation
Jovanov et al. Gender Differences in Mobility of Elderly: Measurements and Interventions to Improve Mobility
Gietzelt et al. Predicting falls in people with dementia using accelerometry–A one-year prospective multi-center field study
Granell Instrumented Timed Up and Go Test Using Inertial Sensors from Consumer Wearable Devices
Jovan et al. Indoor Localisation for Detecting Medication Use in Parkinson's Disease

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6542718

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250