JP6538469B2 - 画像処理装置、画像処理方法、及びそれを用いた画像処理システム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、及びそれを用いた画像処理システム Download PDF

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Description

本発明は、画像を撮影する過程で生じたボケ(焦点ボケやカメラブレにより生じたボケ)を含む画像から、ボケの少ない画像を回復する画像処理に関し、特に、画像内にボケ方が異なる複数の被写体が存在する場合に適した画像処理装置及びその方法に関する。
カメラによって画像を撮影する際に、レンズの焦点がボケたりカメラがブレたりすることによって、画像にボケが生じることがあり、ボケを含む画像からボケの少ない画像を回復する画像処理システムの実現が望まれている。
このような画像処理は、画像回復(Image Restoration)やボケ修復(Image Debluring)などと呼ばれており、以下、これらをまとめて画像回復処理と称することにする。一般に、下記(数1)に示すように、ボケを含む画像(観測画像)は、ボケを含まない理想的な画像(潜在画像)に対してボケの特性を表す点広がり関数(PSF:Point Spread Function)が畳み込まれていると捉える。画像回復処理では、下記(数2)に示すように、観測画像に対してPSFの逆畳み込み演算を施すことによって潜在画像を推定する。
観測画像 = 潜在画像 * PSF …(数1)
(ただし、*は畳み込み演算(すなわち周波数領域での乗算)を示す)
潜在画像 = 観測画像 / PSF …(数2)
(ただし、/は逆畳み込み演算(すなわち周波数領域での除算)を示す)
画像回復処理に関し、これまでに数多くの技術が提案されている。
例えば、PSFが既知な場合に観測画像から潜在画像を推定するNon−blind法(Non−blind Deconvolution)が提案されており、Wiener Filterなどが良く知られている。また、一般的な画像ではPSFが未知であることから、観測画像からPSFと潜在画像の両方を推定するBlind法(Blind Deconvolution)が提案されており、AD法(Ayers−Dainty法)やRL法(Richardson−Lucy法)などが良く知られている。これらのBlind法では、いずれも観測画像と仮のPSF(第1世代のPSF)を用いてNon−blind法で第1世代の潜在画像を推定し、観測画像と第1世代の潜在画像を用いてNon−blind法で第2世代のPSFを推定し、観測画像と第2世代のPSFを用いてNon−blind法で第3世代の潜在画像を推定し、という処理を反復することにより、最終的な潜在画像を得る。これらの技術では、PSFは画像内で一定であるという前提に基づいて、画像回復処理を行う。
画像に含まれるボケは、特に、遠方にある被写体を望遠撮影したり拡大表示したりするときに顕著に知覚される。このため、遠方を撮影するための監視カメラなどで、画像回復による大きな画質改善効果が期待されている。その一方で、撮影するときの俯角や仰角が水平に近いと、1枚の画像に遠景と近景が同時に映り込むことが多くなり、ボケ方(すなわちPSF)が異なる複数の被写体が画像内に存在することが多くなるため、前述したような、PSFは画像内で一定であるという前提に基づいたBlind法の画像回復処理を用いると、画像回復の精度が低下してしまう課題があった。
Blind法を用いながらこの課題を解決する画像回復処理技術が、例えば、特開2012−155456号公報(特許文献1)およびWO2010/098054号公報(特許文献2)に開示されている。
特許文献1では、入力画像(観測画像)を複数の小領域画像に分割する小領域分割部と、前記小領域画像のPSFを推定する局所PSF推定部と、推定された前記PSFの形状を識別し、類似性の高いPSF形状の小領域画像が同一グループに属するように、前記小領域画像を分類するPSF形状識別部と、同一グループに分類され、かつ隣接する前記小領域画像をグループ毎に統合することで、各グループに分離された被写体画像を得る技術が開示されている。また、各被写体画像を用いて、各被写体画像のPSFを推定する被写体PSF推定部と、前記被写体PSF推定部によって推定されたPSFと、前記被写体画像と、を用いて、前記被写体画像の劣化を補正した回復画像(潜在画像)を得る技術が開示されている。
特許文献2では、入力画像(観測画像)を構成する画素の画素値に応じて、入力画像(観測画像)を複数の適応的領域に分割する適応的領域分割部と、分割された複数の適応的領域ごとに算出される、画像のブレの特徴を示すPSFを用いて、複数の適応的領域のそれぞれを代表する画素である代表画素間に位置する画素のPSFを補間するPSF補間部と、補間後のPSFを用いて入力画像(観測画像)を補正することにより、目的画像(潜在画像)を生成する技術が開示されている。また、ブレ(PSF)が共通する領域を1つの適応的領域として決定する技術が開示されている。
特開2012−155456号公報 WO2010/098054号公報
前述した特許文献1および2に開示されている技術は、いずれも入力画像(観測画像)を複数の小領域画像に分割し、分割された小領域画像ごとにPSFを推定したのちに、PSFが類似する小領域画像を1つの適応的領域(グループ)にまとめ、この適応的領域(グループ)ごとに再度PSFを推定することによって、より精度の高い最終的な回復画像(潜在画像)を得ようとしている。
しかしながら、分割された小領域画像ごとにPSFを推定する際に、小領域画像を構成する縦横の画素数が少ない場合、すなわち、小領域の面積が小さい場合や、小領域画像の中に明確なエッジなどの特徴的な絵柄を含まない場合、すなわち、小領域画像の中の輝度値の変化が少なく平坦な絵柄の場合などでは、PSFの推定精度が低下してしまい、誤ったPSFが得られてしまったり、あるいは反復演算の過程で結果が発散してしまいPSFを求めることができなかったりする課題がある。
また、Blind法では前述のような反復処理が必要であり、PSFを推定するために長い時間が必要であることが良く知られている。特許文献1および2に開示されている技術では、分割された小領域画像ごとにPSFを推定したのちに、PSFが類似する小領域画像を1つの適応的領域(グループ)にまとめ、この適応的領域(グループ)ごとに再度PSFを推定する、というように2段階でPSFを推定する必要があるため、最終的な潜在画像を得るために、非常に長い時間が必要となってしまう課題がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、画像内にボケ方が異なる複数の被写体が存在する場合でも、ボケの少ない潜在画像を安定して得ることができ、また比較的短時間で潜在画像が得られるようにするための画像処理装置及び画像処理方法、及びそれを用いた画像処理システムを提供するものである。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、画像処理方法であって、画像を入力するステップと、画像を複数の第1領域に分割し、第1領域ごとの周波数成分分布を求めるステップと、周波数成分分布どうしの類似度を算出し、類似度が所定値より高い第1領域を第2領域として統合するステップと、第2領域ごとに該第2領域以外の領域を所定値で塗りつぶした画像を生成するステップと、塗りつぶした画像を生成するステップで得た画像に第2領域ごとに画像回復処理を行うステップと、画像回復処理を行うステップの結果を一枚の画像に合成して出力するステップとで構成する。
本発明によれば、画像内にボケ方が異なる複数の被写体が存在する場合でも、ボケの少ない潜在画像を安定して得ることができ、また比較的短時間で潜在画像が得られる画像処理装置及び画像処理方法、及びそれを用いた画像処理システムを実現できる。
実施例1における画像処理装置の概略構成を示す図である。 実施例1における周波数成分分布解析部と類似領域統合部の各詳細構成の一例を示す図である。 実施例1における塗りつぶし部の動作を説明する図である。 実施例2における画像処理システムの概略構成図である。 実施例2における画像処理部の詳細を説明する図である。 実施例2における画像処理部の他の例を説明する図である。 実施例2における画像処理部の他の例を説明する図である。 実施例3における画像処理装置の概略構成を示す図である。 実施例4における画像処理装置の概略構成を示す図である。 実施例4におけるPSF補間部の構成例を示す図である。 実施例5における画像回復処理の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、各図において共通の構成については同一の参照番号が付される。また、本発明の実施例は、汎用コンピュータ上で稼動するソフトウェアで実装しても良いし専用ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装しても良い。
本実施例では、画像内にボケ方が異なる複数の被写体が存在する場合でも、ボケの少ない潜在画像を安定して得ることができ、また比較的短時間で潜在画像が得られるようにするための画像回復処理について説明する。本実施例では、前述した特許文献1および2に記載されている技術と同様に、入力された観測画像を小領域画像に分割し、特徴が類似している小領域をまとめて類似領域とし、類似領域ごとに独立して画像回復を行い、各画像回復結果を1枚の画像に合成することによって、最終的な潜在画像を出力する。
ここで、前述した特許文献1および2に記載されている技術では、小領域どうしが類似しているか否かを判別する特徴量として、小領域ごとに推定したPSFの形状を用いているが、このPSFの推定が不安定になったり、計算の途中で発散したり、長い時間が必要になったりすることが課題であった。
そこで、本実施例では、分割された小領域ごとにPSFを推定するのではなく、観測画像の小領域ごとの周波数成分分布を特徴量として、小領域どうしが類似しているか否かを判別し、周波数成分分布が類似した小領域をまとめて類似領域とする。すなわち、ほぼ同一距離にある同一の被写体が複数の小領域画像に写っていれば、各小領域の観測画像の周波数成分分布どうしも、潜在画像の周波数成分分布どうしも、PSFどうしも、互いに類似しているはずである、という仮定を導入する。これにより、前述した特許文献1および2に記載されている技術のように、分割された小領域ごとに潜在画像とPSFとを分離するための画像回復処理(PSF推定処理)が不要となるため、前述した課題を解決することができるようになる。
ただし、この仮定に誤りを含む例として、以下の2とおりのケースが考えられる。
(1)異なる小領域どうしの間で、本来のPSFが略同一であるにも関わらず、小領域ごとの潜在画像の絵柄に対応する周波数成分分布が互いに大きく異なることが原因で、小領域ごとの観測画像の周波数成分分布が互いに大きく異なってしまい、本来は同一の類似領域と判別されるべきなのに別々の類似領域と判別されてしまうケース。
(2)異なる小領域どうしの間で、本来のPSFが略同一でないにも関わらず、小領域ごとの潜在画像の絵柄に対応する周波数成分分布が互いに大きく異なることが原因で、数1に示したように、観測画像は潜在画像とPSFの掛け算なので、たまたま観測画像の周波数成分分布が略同一になってしまい、本来は別々の類似領域と判別されるべきなのに同一の類似領域と判別されてしまうケース。
前記(1)のケースでは、異なる小領域どうしが別々の類似領域と判別されるため、類似領域の大きさは本来あるべき類似画像の大きさよりも小さくなってしまうが、後述のように、類似領域ごとに別々に画像回復処理を行うため、大きな問題は生じない。
前記(2)のケースでは、本来のPSFが略同一でない小領域どうしが同一の類似領域と判別されるため、このまま類似領域を画像回復処理してしまうと、正しいPSFが求められず、一見大きな問題となるように思える。しかし、潜在画像の絵柄に対応する周波数成分分布とボケ方に対応するPSFが互いに異なり、かつ、観測画像(数1参照)の周波数成分分布が互いに類似する確率は相当に低いと考えてよく、前記(2)のケースは稀にしか生じないと考えられる。
したがって、ほぼ同一距離にある同一の被写体が複数の小領域画像に写っていれば、各小領域の観測画像の周波数成分分布どうしも、潜在画像の周波数成分分布どうしも、PSFどうしも、互いに類似しているはずである、という仮定のもとで、観測画像の小領域ごとの周波数成分分布を特徴量として、小領域どうしが類似しているか否かを判別し、周波数成分分布が類似した小領域をまとめて類似領域とし、類似領域ごとに画像回復処理を行っても大きな問題は生じないと考えられる。
この考え方にしたがい、前述の課題を解決するために、本実施例では、以下に述べるような構成を有する画像処理装置を提案する。
図1は、本実施例における画像処理装置の概略構成を示す図である。図1において、入力された観測画像(107)は、領域分割部(101)にてm個(ただし、mは2以上の整数)の小領域画像(108)に分割する。続いて、周波数成分分布解析部(102)にて、分割された小領域画像(108)ごとに水平周波数と垂直周波数からなる2次元周波数成分の分布(109)を計算し、分割前の観測画像(107)の全体に対する小領域ごとの周波数分布(110)を求める。このとき、小領域の分割数(m)に合わせて、図1に示すように周波数成分分布解析部(102)をm個用意してもよいし、1個の周波数成分分布解析部(102)をm回繰り返して動作させてもよい。この周波数成分分布解析部(102)の詳細については、図2を用いて後述する。
図1における類似領域統合部(103)では、周波数成分分布解析部(102)にて求めた周波数分布が類似している小領域をまとめて、類似領域を生成する。ここで、例えば観測画像(107)では、遠くの船が写っている類似領域(111−1)と、海面だけが写っている類似領域(111−2)と、近くの船が写っている類似領域(111−n)で、それぞれの周波数分布が類似していて、領域分割部(101)から出力されたm個(図1の例ではm=12)の小領域をn個(ただし、nは1以上の整数。図1の例ではn=3)の類似領域にまとめたことを示している。この類似領域統合部(103)の詳細については、図2を用いて後述する。
図1における塗りつぶし部(104)では、類似領域(111)ごとに類似領域以外の領域を所定値、例えば黒色(輝度値=0)で塗りつぶした画像(112)を生成する。この塗りつぶしの動作の詳細については、図3を用いて後述する。
図1における画像回復部(105)では、塗りつぶされた画像(112)に対して、類似領域ごとに一般的なNon−blind法によって画像回復を行う。
図1における合成部(106)では、図示しない画像回復結果の画像のうち、それぞれの塗りつぶしていない領域を1枚の画像に合成し、最終的な潜在画像(113)を出力する。
図2に、前述した周波数成分分布解析部(102)と類似領域統合部(103)の各詳細構成の一例をまとめて示す。図2において、小領域ごとに用意したm個の周波数成分分布解析部(102−1〜m)は、それぞれフーリエ変換部(201)とレベル正規化部(202)で構成される。フーリエ変換部(201)では、入力された小領域画像をフーリエ変換し、周波数ごとの電力分布(すなわち、電力スペクトル)を求める。レベル正規化部(202)では、小領域どうしの電力スペクトルの類似度を判別しやすいように、電力スペクトルのピーク(最大値)が一定となるように正規化する。一般的な画像では、直流成分の電力が他の周波数成分の電力よりも大きくなるので、すべての周波数成分の電力値を直流成分の電力値で割り算すればよい。また、特定の周波数成分(例えば直流成分)の電力値が他の周波数成分の電力値よりも突出して大きいことが原因で、小領域どうしの電力スペクトルの類似度の判別が困難になることを防ぐために、各周波数成分の電力値の対数(log)を用いて電力スペクトルの類似度を判別してもよい。
図2における類似領域統合部(103)では、前述した周波数成分分布解析部(102)の結果をもとにして、類似した周波数成分分布を持った小領域どうしを1つの類似領域(クラスタ)に統合する。この類似領域統合部(103)として、例えば小領域ごとの電力スペクトル間の周波数ごとの相関値が、予め定めた閾値以下のときに類似領域としてもよい。また、一般に知られているクラスタリング技術(最短距離法、最長距離法、平均法、メジアン法、ward法、k−means法など)を用いて動的に閾値を求め、閾値以下のときに類似領域としてもよい。このとき、クラスタを形成する際に用いる距離として、例えば小領域ごとの電力スペクトル間の周波数ごとの相関値を用いてもよい。また、小領域の個数(m)が増えると、相関を計算する際の組合せの数(m(m+1)/2)が2乗のオーダーで増加するため、計算コストが非常に大きくなってしまう。そこで、計算コストを抑えるために処理を簡略化し、図2に示すように、平均値算出部(203)を用いてすべての周波数成分の電力値の平均値を小領域ごとに求め、この平均値の差を、クラスタを形成する際の距離としてもよい。このとき、例えば明確なエッジが多く存在する小領域、すなわち、ピントが比較的に合っている小領域では、直流成分から高周波成分までの全周波数帯で各成分の電力が比較的大きくなるため、直流成分の電力が一定値となるように正規化したあとの全周波数帯の電力値の平均値も比較的大きい値になる。一方、明確なエッジが少ない小領域、すなわち、ピントが比較的に合っていない小領域では、直流成分の電力に対して高周波成分の電力が比較的小さくなるため、直流成分の電力が一定値となるように正規化したあとの全周波数帯の電力値の平均値も比較的小さい値となる。
その後、前述のクラスタリング技術を実装したクラスタリング部(204)にて、平均値が類似している小領域に同一のクラスタID(206)を付与する。なお、クラスタ数n(205)は、「2」(遠景と近景)や「3」(遠景と近景とその中間)などのように予め定めておいてクラスタリング部(204)に入力してもよいし、広く知られている一般的なクラスタリング技術(x−means法など)を用いてクラスタ数n(205)を自動的に決定してもよい。
図3を用いて、前述した塗りつぶし部(104)の動作を説明する。一例として、前述した遠くの船が写っている類似領域(111−1)に対応した領域だけを残し、他の領域(111−2)(111−n)を所定値、例えば黒色(輝度値=0)で塗りつぶした画像(112−1)を生成する場合の動作を示す。
塗りつぶす場合に、他の領域(111−2)(111−n)を単純に黒色(輝度値=0)で塗りつぶしてしまうと、領域どうしの境界(301)の輝度値(信号レベル)が急峻に変化し、強い電力を持った高周波成分が発生してしまうことになり、後段の画像回復部(105)におけるPSFと潜在画像の分離が正しく行われなくなってしまう。
そこで、図3(a)に示すような、元の画像の信号レベルが境界(301)の付近で急峻に変化しないように、図3(b)(c)に示すような、位置とともに0.0と1.0の間を緩やかに変化する値を持った2個(1組)の信号(係数)を用い、境界(301)の左側では図3(a)の信号に図3(b)の信号(係数)を乗じて図3(d)の信号とし、これを後段の画像回復部(105−1)に入力する。一方、境界(301)の右側では図3(a)の信号に図3(c)の信号(係数)を乗じて図3(e)の信号とし、これを後段の画像回復部(105−2)に入力する。垂直方向の境界に対しても、同様の処理を行うことにより、水平方向・垂直方向ともに、境界の輝度値(信号レベル)が急峻に変化しないようにでき、後段の画像回復部におけるPSFと潜在画像の分離を正しく行なうことができる。
以上のように、本実施例は、画像処理装置であって、入力画像をm(ただし、mは2以上の整数)個の第1領域に分割する領域分割部と、第1領域ごとに周波数成分分布を求める周波数成分分布解析部と、周波数成分分布どうしの類似度を算出し、類似度が所定値より高い第1領域を第2領域として結合する類似領域結合部と、第2領域ごとに該第2領域以外の領域を所定値で塗りつぶした画像を生成する塗りつぶし部と、塗りつぶし部で得た画像に前記第2領域ごとに画像回復処理を行う画像回復部と、画像回復部の結果を一枚の画像に合成して出力する画像合成部とで構成する。
これにより、分割された小領域ごとに潜在画像とPSFとを分離するための画像回復処理(PSF推定処理)が不要となり、PSFの推定が不安定になったり、計算の途中で発散したり、長い時間が必要になったりする課題を解決できるようになる。すなわち、観測画像内にボケ方が異なる複数の被写体が存在する場合でも、ボケの少ない潜在画像を安定して得ることができ、また比較的短時間で潜在画像が得られるようにするための画像処理装置および画像処理方法を実現できる。
本実施例は、実施例1の画像回復処理を応用した画像拡大処理システムについて説明する。
図4に、本実施例による画像処理システムの概略構成を示す。図4において、飛行機などの移動体(401)に、カメラ(404)、後述する画像処理部−1(405)、符号化部(406)、および図示しない無線送信部などを備えた送信部(403)を装備し、遠くの被写体(402−1)を望遠撮影した観測画像(413)を、下り回線(415)を介して地上の監視所(407)に無線伝送することを想定する。監視所(407)では、アンテナ(408)で受信した無線信号を、図示しない無線受信部を介して復号部(409)で画像を復号し、後述する画像処理部−2(410)を介して、表示部(411)にて監視対象の被写体(402−1)の拡大画像(414)を表示する。また、一般的なキーボードやマウス等のポインティングシステムによる操作部(412)を備え、画像処理部−2(410)や、上り回線(416)を介した画像処理部−1(405)に対して、後述するコマンドやパラメータを送ることができるものとする。
このとき、移動体(401)に搭載されたカメラ(404)で被写体を撮影すると、移動体(401)が画像撮影中に移動したり、移動体(401)の振動がカメラに伝搬したりすることなどによって、画像にブレが生じることが多い。また、撮影する際の俯角や仰角が水平に近い場合には、カメラ(404)で撮影された観測画像(413)に、監視したい対象の被写体(402−1)以外にも、カメラとの距離が異なる被写体(402−2)(402−3)が写り込んでしまうことがあり、これらのすべての被写体に対してレンズの焦点を同時に合わせることは困難なため、被写体ごとに異なるボケが生じることが多い。
画像処理部−1(405)あるいは画像処理部−2(410)では、カメラで撮影した観測画像の一部の領域あるいは全部の領域を拡大し、前述した画像回復処理によってボケの少ない画像を回復し、表示に用いる拡大画像を得るための画像処理を行う。これらの画像処理は、符号化する前の画像に対して画像処理部−1(405)だけで行ってもよいし、符号化および復号化した後の画像に対して画像処理部−2(410)だけで行ってもよいし、画像処理部−1(405)および画像処理部−2(410)の両方で分担して処理してもよい。
前述したように、画像回復には反復処理を伴うため、時系列で連続する画像(動画)をオンライン(すなわち、リアルタイム)で処理することは比較的困難である。したがって、処理対象の画像(観測画像)を図示しないストレージ(半導体メモリ、ハードディスクドライブ(磁気ディスク)、光ディスク、等)に格納しておき、その中から1枚(1フレーム)ずつの画像(静止画)を取り出して、オフラインで画像回復するような使い方が想定される。
このとき、符号化および復号化によって生じる画質劣化が少なければ、画像処理部−1(405)あるいは画像処理部−2(410)のうち、どちら側で画像回復処理を行ってもよい。
一方、図4に示す下り回線(415)の伝送帯域が狭い場合など、低いビットレートでしか画像を伝送できないような用途では、符号化および復号化による画質劣化が大きくなり、画像回復が困難になってしまう場合がある。このような場合には、カメラ(404)の直後に図示しないバッファメモリ(画像を一時的に格納しておくメモリ)を備え、このバッファメモリに格納された画像に対して、画像処理部−1(405)にて画像回復処理を行ってもよい。あるいは、通常の画像伝送モード(低画質)とは別に、高画質(低劣化)で画像を伝送する画像伝送モードを設け、画像回復を行うときには高画質(低劣化)で画像を伝送する画像伝送モードに変更するようにシステムを構成してもよい。
図5〜図7に、前述した画像処理部−1(405)あるいは画像処理部−2(410)の構成例を示す。
図5において、前述した画像処理部−1(405)あるいは画像処理部−2(410)では、端子(501)を介して観測画像(413)を入力し、画像拡大部(502)で画像を拡大したのちに、画像回復部(505)で前述した画像回復処理を行って、端子(506)を介して拡大画像(414)を出力する。また、端子(507)を介して入力されたコマンドおよびパラメータに基づき、画像拡大部(502)と画像回復部(505)を制御する。このコマンドは、画像拡大処理のオン(する)とオフ(しない)、画像回復処理のオン(する)とオフ(しない)を選択して各部(502)(505)に指示するための制御命令を含む。また、パラメータは、水平および垂直方向の拡大率(あるいは、対象領域と拡大画像の各画素数)や、画像拡大する対象領域(508)の座標を含む。水平および垂直方向の拡大率(あるいは、対象領域と拡大画像の各画素数)のパラメータは拡大率設定部(503)を介して、対象領域(508)の座標パラメータは対象領域設定部(504)を介して、それぞれ画像拡大部(502)に設定する。なお、画像拡大部(502)としては、一般的に知られているバイリニア拡大やバイキュービック拡大などのような、畳み込み演算を利用した線形フィルタ(ポリフェーズフィルタ)による画像拡大処理をそのまま用いることができるため、詳細な図示は省略する。また、画像回復部(505)として、前述した図1に示す構成や、後述する図8〜図10に示す構成を、そのまま用いることができる。
周波数特性図(509)は、一例として、拡大率を4倍に設定したときの一般的な線形フィルタにおける周波数と利得の関係を示した図である。画像拡大部(502)に一般的な線形フィルタを用いると、直流(f=0)からナイキスト周波数(f=fN)までの通過帯域特性が理想特性(510)にはならず、実際のフィルタ特性(511)と理想特性(510)の差が減衰成分(512)となって、画像にボケが生じることが良く知られている。このため、画像回復部(505)を画像拡大部(502)の後段に配置することによって、画像の撮影過程で生じるレンズ焦点ボケやカメラブレと、画像拡大部(502)で生じた画像ボケを併せて、画像回復することができるようになる。
図6は、図5に示した構成における画像回復部(505)と画像拡大部(502)の処理順序を交換し、画像回復のあとで画像拡大を行うようにした構成である。画像拡大部(502)に一般的な線形フィルタを用いる場合、フィルタの通過帯域を広く設定することによって画像ボケの原因のひとつとなる図5に示した減衰成分(512)を減らしたり、拡大率を大きくしたりすると、ナイキスト周波数(f)よりも高い周波数の成分が折返し成分(513)となり、画像の歪み(折返し歪み(エイリアシング))が増えることが良く知られている。このような折返し成分は、画像回復処理によって除去することができないだけでなく、画像回復処理の障害となって、画像回復の精度が低下してしまうことが多い。したがって、画像拡大処理に用いる線形フィルタの周波数特性を吟味し、折返し成分の電力が減衰成分の電力よりも大きくなるような画像拡大を行うときには、図6に示すように、画像回復を行ったあとで画像拡大を行ったほうが、画質劣化の少ない高画質の拡大画像が得られる。
図7に、図5と図6に示した各処理を統合し、画像回復部(505)の前に画像拡大−1(701)を備え、画像回復部(505)の後に画像拡大−2(702)を備えた構成を示す。前述のように、画像回復部(505)より前段の画像拡大−1(701)で生じた画像ボケは、画像回復部(505)で回復できる可能性がある一方で、画像拡大−1(701)で生じた折返し歪みは画像回復の障害となることもある。そこで、所望の拡大率(z)を行うためには、画像拡大−1(701)では画像回復の障害とならない範囲の拡大率(z1)で拡大し、画像回復部(505)で画像回復を行ったのちに、画像拡大部−2(702)で残りの拡大率(z2=z/z1)の拡大を行えばよい。具体的には、前述のように、画像拡大−1(701)に用いる線形フィルタの周波数特性を吟味し、折返し成分の電力が減衰成分の電力よりも小さくなるような固定倍率(z1、例えば1倍(等倍)、1.5倍、2倍、など)の画像拡大−1(701)を事前に設計して用意しておき、端子(507)を介して入力されたコマンドおよびパラメータに基づいて、拡大率設定部(703)にて所望の拡大率(z)を超えない最大の固定倍率(z1)を選択して、画像拡大部−1(701)に設定する。また、拡大率設定部(704)にて残りの拡大率(z2=z/z1)を計算し、画像拡大部−2(702)に設定することによって、所望の拡大率で拡大された高画質の拡大画像が得られるようになる。
なお、画像にブレが多く発生する場合の一例として移動体(例えば、有人の飛行機、自動操縦あるいは遠隔地からリモートで手動操縦される無人の飛行機、船、自動車、など)を挙げたが、本実施例の応用例はこれに限定されるわけではない。例えば、強風を受ける場所に設置された固定カメラ、長い棒の先に取り付けられたカメラ、手持ちのカメラなどによって撮影された画像にはブレが多く発生するため、本実施例による画像処理システムの好適な例となりうる。
前述した符号化部(406)、復号化部(409)については、一般に知られているMPEG(Moving Picture Expert Group)−1、MPEG−2、MPEG−4、H.264、VC−1、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、Motion JPEG、JPEG−2000などの標準規格化された符号化および復号化を行ってもよいし、非標準の符号化および復号化を行ってもよい。これらは、一般的な公知技術によって容易に実現可能なため、図示は省略する。
以上のように、本実施例は、実施例1に記載の画像処理装置を用いた画像処理システムであって、撮影した画像の画素数を増加して第1の画像サイズに拡大する第1の画像拡大部と、該第1の画像拡大部の出力を実施例1に記載の画像処理装置に入力して画像回復処理を行い、該画像処理装置の出力画像の画素数を増加して第2の画像サイズに拡大して出力する第2の画像拡大部とで構成する。
また、第1の画像拡大部によって生じる折返し歪み成分の電力が第1の画像拡大部によって減衰する信号成分の電力以下になるように第1の画像サイズを制御する拡大率設定部を有する構成とする。
これにより、画像拡大と画像回復を高画質で適切に行う画像処理システムを構成できる。
本実施例は、撮影距離の違いを近似した画像回復処理について説明する。
実施例2で図4を用いて説明したような望遠撮影では、画像の上部には概ね遠景が、画像の下部には概ね近景が写る。したがって、画像を横長の短冊状に分割すると、その短冊内では、カメラからの距離が概ね等しい被写体が写っており、PSFも略同一であると考えられる。
そこで、本実施例では、図8に示すように、観測画像(801)を横長の短冊状に分割して画像小領域(802)とし、この小領域の中ではPSFは一定であるとみなして、小領域ごとに用意した画像回復部(804)(805)(806)(807)(808)(809)によって各領域を画像回復し、合成部(810)によって1枚の画像を合成して、潜在画像(811)を出力する。図8では、一例として、垂直方向に6個の画像小領域に分割した場合の構成について示しているが、この分割数(6)に限定されるわけではなく、分割数を柔軟に増減してもよいことは明らかである。
この処理は、図1に示した構成における周波数分布解析部(102)と類似領域統合部(103)を省略し、観測画像の垂直座標に基づいて類似領域を作成する構成であり、処理が簡略化されることによって、処理に必要な時間を短縮できる効果がある。
さらに、図1に示した構成では、画像回復(105−1)(105−2)(105−n)で処理する画像(112−1)(112−2)(112−n)のトータルの画素数が、観測画像(107)の画素数のn倍になってしまうため、観測画像(107)をそのまま画像回復する処理と比べて、画像回復に必要な処理時間もほぼn倍になってしまう。一方、図8に示す構成では、画像回復部(804)(805)(806)(807)(808)(809) で処理する画像のトータルの画素数は、観測画像(107)の画素数とほぼ等しくなるため、図1に示した構成よりも処理時間を大幅(約1/n)に短縮できる。
なお、画像回復部(804)(805)(806)(807)(808)(809)として、前述した、観測画像からPSFと潜在画像の両方を推定するBlind法による反復処理をそのまま用いることができる。
また、図8における小領域(802)どうしの境界部分は、図3に示したような緩やかに変化する値を持った2個(1組)の信号(図3(b)(c))を乗じることにより、合成部(810)において境界部分を目立たないように合成することができる。
以上のように、本実施例は、画像処理装置であって、入力画像をm(ただし、mは2以上の整数)個の横長の領域に分割する領域分割部と、横長の領域ごとに画像回復処理を行う画像回復部と、画像回復部の結果を一枚の画像に合成して出力する画像合成部とで構成する。
また、画像処理方法であって、画像を入力するステップと、画像を複数個の横長の領域に分割するステップと、横長の領域ごとに画像回復処理を行うステップと、画像回復処理を行うステップの結果を一枚の画像に合成して出力するステップとで構成する。
これにより、観測画像の垂直座標に基づいて類似領域を簡略的に作成することにより、画像全体の画像回復を短時間で行う画像処理装置及び画像処理方法を構成できる。
本実施例は、撮影距離の違いを近似し、さらに処理時間を短縮した画像回復処理について説明する。
図9は、本実施例における画像回復処理の構成であって、図8に示した画像回復処理をベースとして、さらに処理時間を短縮できる。前述のように、画像の上部には概ね遠景が、画像の下部には概ね近景が写るため、画像を横長の短冊状に分割すると、カメラからの距離が概ね等しい被写体が写っていると考えられる。このとき、最上部と最下部の間の領域(中間部)の画像のボケ方は、最上部の画像のボケ方と、最下部の画像のボケ方の、中間的なボケ方になるとみなすことによって、処理時間の短縮を図ることができる。なお、図9では、一例として、垂直方向に6個の画像小領域に分割した場合の構成について示しているが、この分割数(6)に限定されるわけではなく、分割数を柔軟に増減してもよいことは明らかである。
図9に示すように、観測画像(801)を横長の短冊状に分割して画像小領域(802)とし、この小領域の中ではPSFは一定であるとみなす。続いて、画像の最上部と最下部の各小領域については、前述したBlind法による反復処理により画像回復部(804)(809)で、潜在画像とPSF(PSF−1およびPSF−6)を求める。
一方、画像の中間部については、Blind法による反復処理を行うのではなく、後述するPSF補間部(1002)により、先ほど求めた最上部のPSF(PSF−1)と最下部のPSF(PSF−6)から補間PSFを生成する。すなわち、画像の中間部については反復処理を行わないようにすることにより、画像全体の処理時間の短縮を図ることができる。
その後、後述するPSF補間部(1002)で生成した補間PSFと観測画像を用いて、図9に示した最終の推定部(908)にて最終的な潜在画像を推定し、先ほど求めた最上部の潜在画像と最下部の潜在画像を合成部(810)で併せることにより、全体の潜在画像(1007)を生成する。
図10に、前述したPSF補間部(1002)の構成例を示す。このPSF補間部(1002)では、入力された画像最上部のPSF(PSF−1)と画像最下部(PSF−6)から各画像小領域に対応した補間PSF(PSF−2〜PSF−5)を生成するために、各画像小領域に対応した加重加算部(1101−2〜1101−5)を用いる。加重加算部(1101−2)は、乗算器(1102)(1103)と係数演算器(1104)と加算器(1105)から構成される。ここで、加重加算部(1101−2)に対して後述する係数k2(1106−2)を設定し、係数演算器(1104)により係数k2を1.0から減じて生成した係数(1−k2)とPSF−1とを乗算器(1102)にて乗算した結果と、係数k2(1106−2)とPSF−6とを乗算器(1103)にて乗算した結果とを、加算器(1105)にて加算することによって、補間PSF(PSF−2)を得る。
すなわち、PSF−1とPSF−6を係数k2に応じて加重加算して補間PSF(PSF−2)を得る。他の画像小領域についても、加重加算部(1101−2)と同一構成の加重加算部(1101−3)(1101−4)(1101−5)を用いて、PSF−1とPSF−6をそれぞれの係数k3(1106−3)、係数k4(1106−4)、係数k5(1106−5) に応じて加重加算し、補間PSF(PSF−3〜PSF−5)を得る。
ここで、各係数k2(1106−2)〜k5(1106−5)は、各画像小領域の重心の垂直座標に応じて、最上部の小領域の重心の垂直座標を0.0(基準)とし、最下部の小領域の重心の垂直座標を1.0としたときの内分比とする。例えば、図9に示した一例のように、観測画像を垂直方向に6個の小領域に分割し、各小領域の垂直画素数をすべて同じ値に設定した場合には、係数k2=0.2(=1/(6−1))、係数k3=0.4(=2/(6−1))、係数k4=0.6(=3/(6−1))、係数k4=0.8(=4/(6−1))とすればよい。
以上のように、本実施例は、画像処理装置であって、入力画像を、画像最上部の横長の第1領域と、画像最下部の横長の第2領域と、第1領域と第2領域との間の画像中央部をm(ただし、mは1以上の整数)個の横長の第3領域とに分割する領域分割部と、第1領域に対して画像回復処理を行う第1の画像回復部と、第2領域に対して画像回復処理を行う第2の画像回復部と、第1の画像回復部から出力される第1の点広がり関数(PSF)と、第2の画像回復部から出力される第2の点広がり関数とを用いて第3の点広がり関数を求める点広がり関数補間部と、第3領域に対して第3の点広がり関数を用いて画像回復処理を行う第3の画像回復部と、第1、第2、第3の画像回復部の結果を一枚の画像に合成して出力する画像合成部とで構成する。
また、画像処理方法であって、画像を入力するステップと、画像を、画像最上部の横長の第1領域と、画像最下部の横長の第2領域と、第1領域と第2領域との間の画像中央部をm(ただし、mは1以上の整数)個の横長の第3領域とに分割するステップと、第1領域に対して画像回復処理を行うステップと、第2領域に対して画像回復処理を行うステップと、第1領域に対して画像回復処理を行うステップから出力される第1の点広がり関数(PSF)と、第2領域に対して画像回復処理を行うステップから出力される第2の点広がり関数とを用いて第3の点広がり関数を求めるステップと、第3領域に対して第3の点広がり関数を用いて画像回復処理を行うステップと、第1、第2、第3領域に対して画像回復処理を行った結果を一枚の画像に合成して出力するステップとで構成する。
これにより、観測画像の垂直座標に基づいて類似領域を簡略的に作成することに加え、画像の最上部と最下部を除く中間部の反復処理を省略することにより、画像全体の画像回復をさらに短時間で行う画像処理装置及び画像処理方法を構成できる。
本実施例は、画像回復処理の手順について説明する。前述の課題を解決するために、本実施例では、以下に述べるような手順を有する画像回復処理とする。
図11は、本実施例による画像回復処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図1に示した画像処理装置の構成における各部の動作を、各手順を示す処理ステップに対応させたものである。図11において、ステップ(1201)から画像回復処理を開始し、ステップ(1202)にて処理対象の画像(観測画像)を入力し、ステップ(1203)にて観測画像をm個の小領域に分割する。続いて、ステップ(1204)にて小領域ごとに周波数分布解析を行い、ステップ(1205)にて周波数分布解析の結果が類似した小領域どうしを統合してn個の類似領域を作成する。
ステップ(1206)で、類似領域ごとに類似領域以外の領域を所定値、例えば黒色(輝度値=0)で塗りつぶした画像を生成する。ステップ(1207)にて、塗りつぶされた画像に対して、n個の類似領域のそれぞれで一般的な画像回復処理を行い、ステップ(1208)にてn個の画像を1枚の潜在画像に合成し、ステップ(1209)にて画像(潜在画像)を出力し、ステップ(1210)にて画像回復処理を終了する。ここで述べた各ステップの詳細な動作については、前述した図1〜図3を用いて説明した各部の動作と同一なので、説明を省略する。
以上のように、本実施例は、画像処理方法であって、画像を入力するステップと、画像を複数の第1領域に分割し、第1領域ごとの周波数成分分布を求めるステップと、周波数成分分布どうしの類似度を算出し、類似度が所定値より高い第1領域を第2領域として統合するステップと、第2領域ごとに該第2領域以外の領域を所定値で塗りつぶした画像を生成するステップと、塗りつぶした画像を生成するステップで得た画像に第2領域ごとに画像回復処理を行うステップと、画像回復処理を行うステップの結果を一枚の画像に合成して出力するステップとで構成する。
以上述べたような手順を用いることにより、分割された小領域ごとに潜在画像とPSFとを分離するための画像回復処理(PSF推定処理)の手順が不要となり、PSFの推定が不安定になったり、計算の途中で発散したり、長い時間が必要になったりする課題を解決できるようになる。
なお、実施例2の図5〜図7を用いて説明した画像処理装置、実施例3の図8を用いて説明した画像処理装置、実施例4の図9、図10を用いて説明した画像処理装置についても同様に、各構成における各部の動作を処理ステップに容易に対応させることができるため、各手順を示す処理ステップの図示および説明を省略する。
以上、本発明の実施例を説明したが、上記実施例は、その機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或は装置に提供し、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
また、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現されるようにしてもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータ上のメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータのCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現されるようにしてもよい。
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することにより、それをシステム又は装置のハードディスクやメモリ等の記憶回路又はCD−RW、CD−R等の記憶媒体に格納し、使用時にそのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が当該記憶回路や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしても良い。なお、記述したソフトウェアは、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実現できる。
また、上記実施例は、その機能を実現するために、ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウエアを組み合わせてもよい。
さらに、上記実施例は、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
101・・・領域分割部
102・・・周波数成分分布解析部
103・・・類似領域統合部
104・・・塗りつぶし部
105・・・画像回復部
106・・・合成部
107・・・入力画像(観測画像)
110・・・小領域画像ごとの周波数成分分布
112・・・周波数成分分布が類似した小領域以外を塗りつぶした画像
113・・・出力画像(潜在画像)

Claims (5)

  1. 入力画像をm(ただし、mは2以上の整数)個の第1領域に分割する領域分割部と、
    前記第1領域ごとに周波数成分分布を求める周波数成分分布解析部と、
    前記周波数成分分布どうしの類似度を算出し、前記類似度が所定値より高い前記第1領域を第2領域として結合する類似領域結合部と、
    前記第2領域ごとに該第2領域以外の領域を所定値で塗りつぶした画像を生成する塗りつぶし部と、
    前記塗りつぶし部で得た画像に前記第2領域ごとに画像回復処理を行う画像回復部と、
    前記画像回復部の結果を一枚の画像に合成して出力する画像合成部と、を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置を用いた画像処理システムであって、
    撮影した画像の画素数を増加して第1の画像サイズに拡大する第1の画像拡大部と、該第1の画像拡大部の出力を前記画像処理装置に入力して画像回復処理を行い、前記画像処理装置の出力画像の画素数を増加して第2の画像サイズに拡大して出力する第2の画像拡大部と、を有することを特徴とする画像処理システム。
  3. 請求項2記載の画像処理システムであって、
    前記第1の画像拡大部によって生じる折返し歪み成分の電力が第1の画像拡大部によって減衰する信号成分の電力以下になるように第1の画像サイズを制御する拡大率設定部を有することを特徴とする画像処理システム。
  4. 入力画像をm(ただし、mは2以上の整数)個の横長の領域に分割する領域分割部と、
    前記横長の領域ごとに画像回復処理を行う画像回復部と、
    前記画像回復部の結果を一枚の画像に合成して出力する画像合成部と、を有することを特徴とする画像処理装置。
  5. 画像を入力するステップと、
    前記画像を、画像最上部の横長の第1領域と、画像最下部の横長の第2領域と、前記第1領域と第2領域との間の画像中央部をm(ただし、mは1以上の整数)個の横長の第3領域とに分割するステップと、
    前記第1領域に対して画像回復処理を行うステップと、
    前記第2領域に対して画像回復処理を行うステップと、
    前記第1領域に対して画像回復処理を行うステップから出力される第1の点広がり関数(PSF)と、前記第2領域に対して画像回復処理を行うステップから出力される第2の点広がり関数とを用いて第3の点広がり関数を求めるステップと、
    前記第3領域に対して前記第3の点広がり関数を用いて画像回復処理を行うステップと、
    前記第1、第2、第3領域に対して画像回復処理を行った結果を一枚の画像に合成して出力するステップと、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
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