JP6535477B2 - 可変容量歯車ポンプ設計方法、その設計支援プログラム、及び、その設計支援装置、並びに可変容量歯車ポンプ - Google Patents

可変容量歯車ポンプ設計方法、その設計支援プログラム、及び、その設計支援装置、並びに可変容量歯車ポンプ Download PDF

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Description

本発明は、内接歯車タイプの可変容量歯車ポンプ設計方法、その設計支援プログラム、及び、その設計支援装置、並びに可変容量歯車ポンプに関する。
内接歯車タイプの可変容量歯車ポンプは、自動車のエンジンやトランスミッションなどに潤滑油を供給するのに利用されている。このポンプは、ポンプハウジング内で回転するインナーローターの外歯と、一定の偏心量を持ってこれに噛合うアウターローターの内歯によって形成される噛合い空間の拡大と縮小により、吸引ポートから吐出ポートへオイルを送るものである。そして、前記アウターローターの位置を移動させて偏心方向を変化させることでオイルの送量を調節することができる。
前記インナーローターは前記ポンプハウジングに対して固定した回転軸を有し、該回転軸を中心として回転する。一方、前記アウターローターはアウターリングに回転自在に保持される円板であって、その内歯の内部に前記インナーローターを収容する構成である。そして、前記アウターローターの回転中心は前記インナーローター回転軸から一定の偏心量eを維持するように、前記アウターリングの位置が調整されている。前記アウターリングは上記制約下で併進と回転を合成した動きをする。そしてこの動きは、該アウターリングに設けたレバーへ加えられる圧縮ばね力と流路等を通じて加えられる油圧との釣り合いによって自動的に調整される。例えば、特許文献1に上記のような可変容量歯車ポンプが記載されている。
WO2010/013625号公報
しかし、前記レバーと前記圧縮ばね端部の当接位置によっては前記レバーが直線的に移動しない。このため圧縮ばねの反発力がレバーに効率的に伝わらず、設計通りのオイル送量を実現できないという課題がある。これは前記アウターリングに設けたレバーの位置及び圧縮ばねの向きの適否によって生じる課題である。
そこで、本発明はアウターリングに設けたレバーへの圧縮ばねの当接点の移動を数値計算し、該演算結果に基づいて、前記レバーの適した位置と、前記圧縮ばねの適した方向を出力する、可変容量歯車ポンプ設計方法、その設計支援プログラム及び、その設計支援装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、インナーローターと、アウターローターと、該アウターローターを回転自在に収容保持するアウターリングと、該アウターリングの移動を制御する圧縮ばねを有する可変容量歯車ポンプの動作を計算する数値演算モデルを計算機上のメモリに構築し、該数値演算モデルにおいて、前記アウターリングに1または2以上の仮設レバーを設け、該仮設レバーには前記圧縮ばねの当接点を想定し、前記アウターリングを併進移動、回転移動、若しくは併進移動と回転移動させる移動ルールを定義したうえで前記計算機上のメモリに保持し、前記計算機の演算により、前記移動ルールに基づいて前記アウターリングを移動させて、前記移動した範囲に亘って前記当接点の位置座標値を算出して座標値集合とし、該座標値集合を統計処理した統計量に基づいて、前記仮設レバー位置の適否を判定することを特徴とする可変容量歯車ポンプ設計方法によって達成される。
本発明の可変容量歯車ポンプ設計方法は、偏心軸線方向を変えるに際しての該アウターリング外縁、若しくは、前記仮設レバーへのばね当接点の移動軌跡を算出し、直線に近い移動軌跡を生じる、前記アウターリング外縁、若しくは、前記仮設レバーへのばね当接点を見つけることができるという効果を有する。
直線に近い移動軌跡を生じる、前記アウターリング外縁部分に実際にレバーを設けて、前記直線に近い軌跡上に前記圧縮ばねを配置することで、該圧縮ばねの反発力を効率的に前記実際のレバーに伝えることができ、設計通りのオイル送量を実現できるという効果がある。
は本発明の可変容量歯車ポンプ設計方法のフローチャートの例を示す図である。 は本発明の可変容量歯車ポンプ設計方法における、アウターリングへの座標系の設定例を示す図である。 は本発明の可変容量歯車ポンプ設計方法における、ばねの想定当接点の軌跡の表の例である。 (A)は本発明の可変容量歯車ポンプ設計方法における、軌跡の具体例を示す図、(B)は他のアウターリング移動ルールによる、ピアソン相関係数二乗の直線性指標のプロファイルを示す図である。 は本発明の可変容量歯車ポンプ設計方法における、アウターリングの移動ルールの例を示す図である。 (A)は本発明の可変容量歯車ポンプの主要部を単純化した図であって、偏心軸線Laが初期位置にある図、(B)は同図において偏心軸線Laが90度の位置にある図である。 (A)は本発明の可変容量歯車ポンプの主要部を単純化した図であって、アウターリング移動前の図、(B)は同図においてインナーローター中心Paを中心として回転した図、(C)は同図において、アウターローター中心Pbを中心としてアウターリングを回転した図である。 (A)は本発明の可変容量歯車ポンプの主要部を単純化した図であって、偏心軸線Laを回転させた例を示す図、(B)は同図において偏心軸線Laを回転させたときの仮設レバーの移動軌跡の例を示す図である。 は本発明の可変容量歯車ポンプ設計支援装置の構成例を示す図である。 (A)は可変容量歯車ポンプにおける偏心軸線Laが初期位置にある図、(B)は同ポンプにおける偏心軸線Laが90度の角度にある図である。
[可変容量歯車ポンプ]
まず、可変容量歯車ポンプの説明をする。図10(A)と図10(B)は可変容量歯車ポンプ要部の例を示す図である。可変容量歯車ポンプは、ポンプハウジング1に対して固定された回転軸Paを中心として回転するインナーローター2と、これを収容して回転自在なアウターローター3を有する。アウターローター3は軸支されているのでなく、アウターリング4に回転自在に周囲から保持されている。アウターリング4は所定の移動が可能なようにアウターリング支持歯部12で支持されている。
そして、アウターローター3の中心Pbは常に回転軸Paに対して固定量eだけ偏位している。さらに、アウターローター3に設けられた内歯31は、インナーローター2に設けられた外歯21と噛み合っていて、インナーローター2の回転がアウターローター3を回転させる。
外歯21と内歯31の噛み合いの隙間にはオイルで満たされている。また、外歯21と内歯31の接点ではオイルは通過することができない。そして、回転軸Paと中心Pbを結ぶ線分を偏心軸線Laとする。偏心軸線La下にある一方の隙間は、各隙間の中で最大の隙間容積を持ち(斜線部Sa)、他方は最小の隙間容積となる。図10(A)においては、Saの隙間容積が最大で、図面最上方の隙間容積が最小でほぼゼロになっている。
これらの配置でインナーローター2が反時計回りに回ると、アウターローター3も噛み合って反時計回りに回る。そうすると、両歯車の隙間が形成する隙間空間は図面上部から反時計回りに、容積が増加して最下方で最大となり、再び減少する。このとき、内部のオイルは前記最下方隙間の左側では負圧を生じて、右側では正圧を生じる。
アウターローター3を挟んで吸入ポート51と吐出ポート52が設けられている。両者の間には、仕切り壁53が設けられていて、吸入ポート51と吐出ポート52の間でオイルが直接行き来することはできない。両ポート間のオイルは、前記両歯車の隙間空間を経て行き来することができる。
ここで、左側の隙間に通じる吸入ポート51を通じてオイルパン5(図示せず)と接続しておけば、吸入ポート51を通じてオイルが前記左側の隙間に流れ込む。また、右側の隙間に通じる吐出ポート52を通じてオイルパン5に接続しておけば、吐出ポート52を通じてオイルが前記右側の隙間から流出する。
前述の通り、吸入ポート51と吐出ポート52間には直接のオイル通り道はない。オイルは前記歯車間の隙間を通じて両ポートが接続されている。以上の構成で、インナーローター2と、アウターローター3が反時計回りに回転すると、オイルが吸入ポート51から吐出ポート52へ流れる。そして、オイルパン5を介してオイル巡回路が形成される。この時のアウターローター3の偏位を初期偏位位置という。または、偏心軸線Laが初期位置にあるという。または、偏心軸線Laの角度が0であるという。
図10(B)に、偏心軸線Laが、回転軸Paを中心として時計回りに90度回転した場合を示す。この時は最左方に最大の隙間空間Saが生じて、最右方の隙間空間は最小になっている。この状態でインナーローター2とアウターローター3を反時計回りに回転させる。すると、図面左側では、隙間空間容積が反時計回りに回るにつれて大きくなって、最大容積になった後、小さくなって、最下方へ行ったときには最初の容積に戻っている。
一方、図面右側では、隙間空間容積が反時計回りに回るにつれて小さくなって、最小容積になった後、大きくなって、最上方へ行ったときには最初の容積に戻っている。つまり、左側と右側でそれぞれ隙間空間の容積は変動するものの、180度回転するごとに元の容積に戻っている。
この構成では、吸入ポート51からいったん吸い込まれたオイルは再び吸入ポート51を通って流出し、吐出ポート52から吸入されたオイルは再び吐出ポート52を通って流出する。これを180度回転ごとに繰り返すので、結局、インナーローター2とアウターローター3を反時計回りに回転させても、図10(A)のように、一定方向にオイルが流れることが無い。
前述の通りインナーローター2の回転軸Paの位置は、ポンプハウジング1に対して不変である。そこで、偏心軸線Laの向きは、アウターリング4を回転移動や併進移動若しくはこれらの組合せ移動によって、アウターローター3の中心Pbを移動して行う。偏心軸線Laが初期位置の場合のオイル送量が最も効率が良く、インナーローター2が1回転する間のオイル送量は最も多い。一方、偏心軸線Laが90度の場合のオイル送量がゼロである。偏心軸線Laの方向は、回転軸Paを起点とした回転角度で規定される。一般的には、偏心軸線Laを0〜90度の間で変化させることによって、可変容量歯車ポンプはインナーローター2の回転当たりのオイル送量を変化させることができる。
アウターリング4に上記のような所望の移動をさせるために、該アウターリング4の移動を規制する必要がある。このために、図10(A)(B)に示すように、凸部からなるアウターリング支持歯部12が、ポンプハウジング1の内部に設けられて、アウターリング4の移動を規制している。これらの指示をした上で、アウターリング4の動きを制御するためには、適宜位置に設けられたレバー41と、これに付勢する圧縮ばね7が重要である。尚、オイルをシールするために、圧縮ばねを有するチップシール11も配置される。
[可変容量歯車ポンプの主要部の単純化表記]
以下では、アウターリング4の移動に伴い、これに設けたレバー41の移動軌跡がどうなるかが議論の中心となる。そこで、可変容量歯車ポンプの主要部を図6のように単純化表記とする。また、レバー41を設ける位置は、これから説明する解析の結果に基づいて決まるので、ここでは仮設レバー42,43,44,45,46が設定されているとする。また、インナーローター2は、外歯21の記載を省略し、該外歯21間の谷部の一番低い部分同士の包絡線としての円で表記する。アウターローター3は、内歯31の記載を省略し、該内歯31間の山部の一番高い部分同士の包絡線としての円で表記する。
図6(A)は偏心軸線Laが初期位置にあるときのインナーローター2とアウターローター3とアウターリング4の位置関係を示す。図面最下方に最大容積の隙間Saが生じる(図示せず)。この配置では、図示していないが、左側の吸入ポート51から右側の吐出ポート52に回転当たりのオイル最大送量となる。図6(B)は偏心軸線Laが、初期位置から90度をなす配置を示す。この場合、最大容積の隙間Saは図面左側に生じる。この配置では、吸入ポート51から吐出ポート52へのオイル送量はゼロである。
[アウターローターとアウターリングの移動例の説明]
次にアウターリング4を介したアウターローター3の移動を説明する。上述のように、インナーローター2は回転軸Paを中心に回転するのみで併進を伴う動きはない。一方、アウターローター3は、中心Pbと前記回転軸Paとの偏心量eを保つ条件の上で、回転運動と併進運動が可能である。
図7に基づいて、アウターローター3とアウターリング4の移動の一例を説明する。図7(A)は偏心軸線Laの移動前の状態である。例えば、偏心軸線Laを初期位置から時計回りに30度回転させる場合、まず、インナーローター2の回転軸Paを中心にアウターローター3とアウターリング4を回転させると考えると理解し易い。この移動で、図7(B)のように、偏心軸線Laは30度回転している。
ここで、アウターローター3に対して、アウターリング4は回転自在である。したがって、前記アウターローター3がインナーローター2と噛み合っていて回転が規制されていても、アウターリング4はPbを中心に回転自在である。そこで、アウターリング4を反時計回りに25度回転させると図7(C)の状態になる。つまり、アウターリング4を、回転軸Paを中心として時計回りに30度回転させた後に、Pbを中心として反時計回りに25度回転させた例を示した。この状態でも、偏心軸線Laの角度は30度を保っている。
説明のためにアウターリング4の移動を2段階に分けて説明したが、実際にはこれらの移動は同時に行ってもよい。このような動きによれば、回転軸Paを中心とした回転移動のみの移動よりも、アウターリング4の移動量を小さく納めることが可能で、可変容量歯車ポンプのコンパクト設計に有利である。勿論、アウターリング4の移動はこれに限るものでなく他の移動の仕方でもよい。
[アウターリングの仮設レバーの軌跡]
アウターリング4の、仮設レバーの軌跡について説明する。図8(A)は、偏心軸線Laが0度(初期位置)から、30度毎に、120度まで回転させた様子を示す。図8(B)に、これら0〜120度のアウターリング4を重ねて移動軌跡を矢印で示した。同図に示した矢印の向き、長さ、曲線形状の違いから、前記仮設レバーは場所によって動き方に差異があることがわかる。
ここでは、一定間隔ごとに仮設レバー42〜46までの5か所の軌跡を表示した。しかし、同様に、アウターリング4の周囲部には連続的に仮設レバーを設けて、その移動軌跡を計算することができる。これらの軌跡に沿って、アウターリング4を連続的に移動させれば、上記に例示の0,30,60,120度などの離散値でなく、連続的な角度で偏心軸線Laの角度を変えることができる。
例えば、図8(A)に示したアウターリング4の移動を実現するには、仮設レバー42〜46を設けた、該アウターリング4の周囲部が、同図(B)に示す移動軌跡に従って移動すればよい。このために、ポンプハウジング1の内部には、前記移動軌跡に沿って前記アウターリング4が移動するように歯形形状をした規制壁などのアウターリング支持歯部がポンプハウジング1の内部に設けられている。図10(A)(B)に示すアウターリング支持歯部12もこのアウターリング支持歯部の例である。
アウターリング4の周囲部の移動軌跡の中の1箇所若しくは2箇所以上に圧縮ばねで付勢したり、あるいは、圧縮ばね7と対抗する油圧で付勢したりして、該アウターリング4の移動を制御することができる。このような圧縮ばね7等による付勢部を設ける箇所は、前記移動軌跡のうち、直線的な軌跡を有する部分であることが望ましい。直線的であるほうが、前記圧縮ばね7の反発力を効率的に作用させることができるからである。
そこで、本発明はアウターリング4の移動ルールに従って移動する、アウターリング4の周囲部の移動軌跡を算出して、その移動軌跡の直線性を判定し、前記アウターリング4を付勢するばねを取り付けるべき位置の適否を判定出力する、可変容量歯車ポンプ設計方法と、その設計支援プログラム及び、その設計支援装置を提供するものである。
図1は、計算機上で実行される、本発明の可変容量歯車ポンプ設計方法の一実施例のフローチャートを示す。処理フローの開始後、偏位量eを設定する(step1)。該偏位量eは、前述の通り、PbのPaからの偏位量である。前記インナーローター2の回転軸Paはポンプハウジング1に対して固定であるから、該偏位量eを設定することで、アウターローター3の中心Pb(アウターリングの回転中心でもある)の移動範囲を規定することになる。
次いで、アウターリングパラメータを設定する(step2)。アウターリングパラメータとは、アウターリング4の周囲部に仮想的に仮設したレバー上の仮想的な当接点の座標である。該当接点は前記圧縮ばね7が当接すると想定される地点である。設定の具体例は後記する。前記仮設レバーは1つでもよく、複数設けてもよい。
次いで、アウターリング移動ルールを設定する(step3)。該移動ルールは、偏心軸線Laを所定の角度だけ回転させるために、アウターリング4を移動させる際の移動の仕方を規定するものである。該移動ルールの具体例は後記する。
次いで、偏心軸線Laを回転させる角度範囲を設定する(step4)。一般的には、0〜90度であるが、これに限るものではなく、例えば、0〜120度でもよい。
次いで、直線性を示す指標のしきい値を設定する(step5)。軌跡データが直線的であるか否かの数値化としての指標には、ピアソンの相関係数を用いることができる。または、最小二乗法で直線近似して、該直線と前記軌跡データとの誤差を指標とすることもできる。適用する直線性評価指標に応じた値であって、本件発明に係る可変容量歯車ポンプの設計上許容できる直線性の下限に当たる数値をしきい値として設定する。以上step1〜5はユーザが、前記計算機に設けられた、データ入力のためのグラフィカルユーザインタフェース等を介して入力するものである。あるいはこれらの数値はファイル化されて磁気ディスク等に保存されているものを演算装置に読み込ませてもよい。
アウターリング4を初期位置にセットした時、すなわち、偏心軸線Laの角度が0度の時の、圧縮ばね7の前記当接点の座標値を記憶する(step6)。前述の通り、前記当接点は前記圧縮ばね7が当接すると想定される地点である。
step7は条件分岐処理である。step4で設定した、偏心軸線Laの、角度範囲の演算が全て完了した場合にはstep10に進むが、未だ完了していなければstep8に進む。ここでは、未だ完了していないので、step8に進む。
step3で定めた移動ルールに従って、所定ピッチだけ前記偏心軸線Laを回転させるべく、アウターリング4を移動させる(step8)。前記所定ピッチは例えば、1度毎でもよく、これ以上でも以下でもよい。step3またはstep4の設定処理の際に選択できるようにしてあってもよい。
前のstepで所定ピッチだけ回転した後の、前記当接点の座標値を記憶する(step9)。前記当接点とは、前記圧縮ばね7の想定当接位置であって、その座標値を記憶する。その後、step7の条件分岐で、条件を満たす、すなわち「真」であればstep10に進む。
前記設定範囲の演算が完了し、前記当接点の全ての座標値が記憶された後は、これらの座標値から、前記想定される当接点の軌跡を算出する。併せて、該軌跡が直線からどの程度逸脱するか、若しくは、直線上にどの程度近いのかを、直線性の指標として算出する(step10)。直線性の指標として算出具体例は後記する。
step11は条件分岐処理である。step10で算出した直線性指標が、step5で予め定めたしきい値範囲内であれば、直線性条件を充足するものとしてステップ12に進む。そうでなければ、すなわち、「偽」であれば、step13に進む。
step12は、前記軌跡の直線性が範囲内の場合である。この場合は、該当する仮設レバーの位置は、レバー41を設けるのに適した場所であるとして出力する。前記軌跡の近似直線の方向を適切なばねの方向として出力してもよい。以上を出力して処理フローを終了する。
step13は、前記軌跡の直線性が範囲外の場合である。この場合は、該当する仮設レバーの位置は、レバー41を設けるのに不適切な場所であるとして出力し、全処理フローを終了する。
[アウターリングパラメータ]
次にアウターリングパラメータの説明をする。アウターリングパラメータはアウターリング4の周囲部に仮想的に仮設したレバー上の仮想的な当接点の座標を規定するパラメータである。まず、図2は本発明の可変容量歯車ポンプ設計方法に係る、アウターリング座標系の例を示す図である。仮設レバーは1つでもよいし、複数設けてもよい。
図2には、簡略化されたインナーローター2と、アウターローター3と、アウターリング4が記載されている。Paはインナーローターの回転中心で、Pbはアウターローター3とアウターリング4の回転中心である。外歯21と内歯31の記載は省略されている。外歯21の谷部の一番低いところ同士の包絡線は円になるが、同図のインナーローター2の輪郭はこの円を表している。内歯31の山の一番高いところ同士の包絡線は円になるが、同図のアウターローター3の輪郭はこの円を表している。が、これらの歯の谷部の一番低い部分同士の包絡線は円である。
アウターリングの座標系は、Paを原点として、初期位置すなわち角度0度の時の偏心軸線Laの方向にY軸を取る。向きはPbからPaの向き(図面上方向)を正とする。X軸はPaを通り、Y軸に直交して図面右方を正とする。アウターリング4の外周48は真円とは限らないので、ここでは略楕円形状で表記する。
ところで、アウターリング4の外周部にレバー41を設けて圧縮ばね7で付勢する場合、該圧縮ばね7と前記レバー41の当接点は更に外側になる。その距離分を外側にとって、これを、ばね想定当接点列Fpとする。該Fpは想定されるレバーの、ばね想定当接点の点列である。アウターリング4が初期位置にある時の、前記はね想定当接点列Fpの中、仮設レバーを設けた位置の(X,Y)座標がアウターリングパラメータである。仮設レバーは複数設けてもよいから、該アウターリングパラメータは複数組の(X,Y)座標でもよい。
アウターリングパラメータは極座標に基づくものでもよい。Paを原点として、X軸からの偏角θで動径方向が決まり、Fp上の点は動径の距離ARr(θ)で決まる。この、ARr(θ)でアウターリングパラメータを表現してもよい。ただし、0≦θ<360度である。
[アウターリング4の移動ルール]
アウターリング4の移動ルールの例を説明する。アウターリング4の移動ルールの例として次のものが挙げられる。アウターリング4を、Paを中心に回転移動させる角度と、次いでPbを中心に回転させる角度を指定して、移動ルールとすることができる。更に、Pbを中心にする回転角度を、Paを中心にする回転角度の比率とすることもできる。
図5はアウターリング4の、移動ルールの例を示す図である。尚、ここでは、反時計回りを正の回転方向、時計回りを負の回転方向とする。図5(A)は、初期位置にあるアウターリング4の図であって、外歯21の記載を省略したインナーローター2と、内歯31の記載を省略したアウターローター3と、アウターリング4が記載されている。破線は、ばね想定当接点列Fpである。偏心軸線Laを−α度回転する場合、インナーローター2の回転軸Paを中心に−α度回転する(同図(B))。
次いで、アウターローター3の中心Pbを中心にβ度回転する(同図(C))。同図(C)は、前記移動ルールに従って、アウターリング4の移動が完了した図である。αとβ間には一定の比を定めてもよい。例えば、α=60、一定比を5/6とした場合、β=50となる。符号も含めて、α’=−60、比率=−5/6により、β’=50となるように前記移動ルールを定めてもよい。以上は偏心軸線Laをα度回転させるための、アウターリング4の移動ルールである。このルールに従い、アウターリング4を移動させれば、前記偏心軸線Laを所望の角度回転させることができる。
[当接点の軌跡算出]
前述の通り、当接点は、圧縮ばね7の想定当接位置であって、ばね想定当接点列Fp上にある。例えば、図5(A)において仮設レバー47を想定すると、当接点は点Fである。この座標を(X,Y)として、Paを中心とした−αの回転後の座標を(X’,Y’)とする。(X,Y)から(X’,Y’)への変換は回転行列を乗じることで変換できる。
前述の通り、PbはPaからeだけ偏位しているから、初期状態では、Pbの座標は、(0,−e)である。そして、上記−α回転後の座標も上記回転行列を乗じて得られる。
これは、同図(B)の状態である。
次にPbを中心に回転する。しかし、その前にPbを原点とする座標系へ変換する必要がある。変換はPbの座標値を減じればよい。次いで、Pbを中心にβ回転した後の当接点Fの座標は、回転行列を乗じて得られる。この座標値をF(X’’,Y’’)とする。
しかし、F(X’’,Y’’)は、Pbを原点としている。そこで、元の原点すなわち、Paを原点とする座標系に戻す必要がある。これは座標値の原点をPaからPbへ変換する際に減じた値を、符号付で加えればよい。こうして得た座標値が、同図(C)に示す当接点Fの最終的な座標F(X’’’,Y’’’)である。
以上、偏心軸線Laをα度回転させるために、アウターリング4の移動ルールに従って、アウターリング4を移動させる前後の、当接点Fの座標を示した。図1に示すフローチャートのstep6では、初期状態における、当接点Fの座標F(X,Y)を記憶することとなる。そして、step9では、所定の角度だけ回転させるための移動後の座標、すなわち、F(X’’’,Y’’’)の座標値を記憶することとなる。
[軌跡データ]
図1フローチャートのstep7分岐条件にあるように、設定範囲の演算、すなわち、アウターリング4移動後の当接点の座標算出と記憶が完了すると、該当接点の軌跡データが得られる(step10)。該軌跡データは、例えば図3の表に示すことができる。
図3は、ばねの想定当接点の軌跡を表す表であって、最左の縦欄は、偏心軸線Laの角度を表す。図3においては、1度間隔で0〜120度の範囲が示されている。勿論角度範囲と間隔は適宜決めてよい。同表の第1行目は、アウターリング4の初期位置、すなわち、偏心軸線Laの角度が0のときの、ばね想定当接点の位置を表している。同表では、θ=0〜359度まで、1度間隔で360個のばね想定当接点の位置を表している。これは、仮設レバーを1度間隔で360個想定したことでもある。軌跡も0〜359の360個が生じている。
図3において、最左欄と第1行目以外の□□は、座標値が記載されているものとする。該座標値は直交座標系によるものである。各軌跡データの最初の座標は、初期位置におけるばね想定当接点の位置であるが、これを極座標で表すと、第1行目の記載の通り、θ=0,1,2,・・・,358,359となる。
[直線性指標]
次に、step10でなされる、前記軌跡データからの直線性指標の算出の例を示す。これに先立ち、軌跡の具体例を図4(A)に示す。図4(A)は、偏心軸線Laを0〜120度回転させるために、アウターリング4を移動させるときに生じた当接点の軌跡である。軌跡60はアウターリング4のθ=0度の部分に仮設レバーを設けた場合の軌跡、軌跡61は同アウターリング4のθ=30度の部分に仮設レバーを設けた場合の軌跡、軌跡62は同アウターリング4のθ=217度の部分に仮設レバーを設けた場合の軌跡である。ただし、アウターリング4の移動ルールはPaを中心としてγ回転させた後、Pbを中心として逆方向にγ×2/3だけ回転させるというものである。
該軌跡データの直線性指標には、ピアソンの相関係数を適用することができる。ピアソンの相関係数は下記によって算出される。上部にバーつきのXとYはそれぞれ、平均値を表す。
前記軌跡データはX軸に関する座標値とY軸に関する座標値の集合と見なせる。そこで、[数1]にX座標値とY座標値を代入して、各軌跡データの相関係数rを求めて、これに基づいて直線性の指標とする。相関係数は正負の符号を有するので、相関係数rの二乗を、本発明の可変容量歯車ポンプの設計法では、軌跡データの直線性の指標として用いることができる。
上記の直線性指標は0〜1の値をとり、直線性が良いほど、1に近づく。例えば、図4(A)の軌跡60と、軌跡61と、軌跡62の、ピアソン相関係数二乗による直線性指標はそれぞれ、0.982,0.997,0.268である。前記指標によれば、軌跡61が0.997で最も1に近く、直線性が良いと評価されている。また、軌跡62は0.268で最も直線性が悪いと評価されている。軌跡60は0.982で直線性の良さは軌跡61に次ぐものと評価されている。このように、ピアソン相関係数の二乗による直線性評価は、外観に基づく直線性評価とも一致して、その効果は明らかである。
軌跡データのX,Y座標値集合の直線性指標として、該X,Y座標値に対して最小二乗法によって近似直線を求め、この直線上の座標値と、軌跡データの座標値の誤差絶対値や誤差二乗の総和をデータ数で除したものを直線性の指標としても良い。この場合、総和は少ない方が、直線性が良い。例えば、軌跡60、軌跡61、軌跡62の近似直線からの誤差二乗総和をデータ数で除したものはそれぞれ、0.923,0.215,36.38である。これから、直線性の良い軌跡ほど数値が小さいことが分かる。
図4(B)には、他のアウターリング移動ルールによるものであるが、ピアソン相関係数二乗の直線性指標のプロファイルを示す。横軸は仮設レバーの位置(角度)を示し、縦軸は直線性評価指標としての、ピアソン相関係数二乗である。例えば、本発明の可変容量歯車ポンプ設計方法では、ピアソン相関係数二乗の数値が0.9以上の値をとる仮設レバーの位置を、レバー41を設けるのに適した場所として出力することができる。以上、step10でなされる想定当接点の軌跡の直線性指標の算出例を説明した。
step12は、該軌跡データの直線性が許容できるしきい値範囲内の場合の処理である。この場合、該軌跡に対して最小二乗法等で近似直線を求め、この方向に圧縮ばね7を設ける旨を出力することができる。
本発明の可変容量歯車ポンプ設計方法は、偏心軸線Laの方向を変えるに際しての該アウターリング外縁に仮設したレバーへのばねの想定当接点の移動軌跡を算出し、直線に近い移動軌跡を生じる、前記仮設レバーの設置位置を計算によって見つけることができるという効果を有する。直線に近い移動軌跡を生じる、前記仮設レバー取り付け位置にレバーを設けて、前記直線に近い軌跡上に前記圧縮ばねを配置することで、該圧縮ばねの反発力を効率的に前記レバーに伝えることができ、設計通りのオイル送量を実現できるという効果がある。
本発明の可変容量歯車ポンプ設計方法は、図9に示す、可変容量歯車ポンプ設計支援装置によって実現することができる。本発明の可変容量歯車ポンプ設計支援装置は、少なくとも、データ及びコマンド入力部E2と、記憶部E3と、演算部E4と、出力部E5を有する。また、これらの要素を制御する制御部E1を有する。制御部E1は演算部E4と兼用していても良い。また、データ、コマンド入力部E2と、記憶部E3と、演算部E4と、出力部E5の間のデータ入出力はデータバスを介して行われる。処理は図1に示すフローチャートに従って行われる。
本発明の可変容量歯車ポンプの設計支援装置は、データ及びコマンド入力部E2から、step1〜step5で設定すべきデータを入力する。すなわち、偏位量e、アウターリングパラメータ、アウターリング移動ルール、計測すべき偏心軸線Laの角度範囲と角度ピッチ、直線性指標の選択と、「直線性あり」として許容できるしきい値を入力する。これらのデータは記憶部E3に記憶される。
ユーザがデータ及びコマンド入力部E2から、演算を開始すべくコマンドを入力すると、制御部E1を介して、そのコマンドが演算部E4に伝わる。該演算部E4が前記コマンドにより演算処理を開始し、偏心軸線Laが所定角度回転するときのばね想定当接点の移動軌跡を演算処理する。
演算部E4での演算に際しては、記憶部E3にあらかじめ記憶してある、アウターリングパラメータと、アウターリング移動ルールと、偏心軸線Laの角度計測範囲の情報が使用される。演算部E4の処理によって、前記ばね想定当接点の移動軌跡が算出されるので、移動軌跡データとして、記憶部E3に記憶される。移動軌跡データとしては、例えば、図3を使って先に説明した、ばね想定当接点の軌跡表からなるものである。
移動軌跡データが完成した後は、演算部E4にて、該軌跡データの直線性判定処理が行われる。処理に当たっては、記憶部E3に記憶の移動軌跡データの使用は勿論のこと、予め記憶部E3に記憶されていた直線性評価指標の算出法および、直線性としての許容範囲である、直線性指標のしきい値情報が使用される。この処理により、移動軌跡データの直線性が許容範囲ならば、該移動軌跡データに係る仮設レバーの位置は、レバー41を設ける場所としても可能であると出力部E5から出力し、併せて、該移動軌跡データの近似直線の方向を、圧縮ばね7を設置し得る方向として出力部E5から出力する。出力形式はテキストデータファイル、ディスプレイ、その他一般的な出力デバイスを介して出力することができる。
本発明の可変容量歯車ポンプ設計支援装置は、可変容量歯車ポンプ設計支援装置を構築できる。該可変容量歯車ポンプ設計支援装置は、偏心軸線Laの方向を変えるに際しての、該アウターリング外縁に仮設したレバーへのばねの想定当接点の移動軌跡を算出し、直線に近い移動軌跡を生じる、前記仮設レバーの設置位置を計算によって見つけることができるという効果を有する。直線に近い移動軌跡を生じる、前記仮設レバー取り付け位置にレバーを設けて、前記直線に近い軌跡上に前記圧縮ばね7を配置することで、該圧縮ばね7の反発力を効率的に前記レバーに伝えることができ、設計通りのオイル送量を実現できるという効果がある。
本発明の可変容量歯車ポンプ設計支援装置は、計算機上で動作するプログラムとして実現することができる。本発明の可変容量歯車ポンプの設計支援プログラムは、図1に示すフローチャートにしたがって、計算機上で動作する。該計算機は、少なくとも、データ及びコマンド入力部E2と、記憶部E3と、演算部E4と、出力部E5を有する。また、これらの要素を制御する制御部E1を有する。制御部E1は演算部E4と兼用していても良い。また、データ、コマンド入力部E2と、記憶部E3と、演算部E4と、出力部E5の間のデータ入出力はデータバスを介して行われる。
本発明の可変容量歯車ポンプ設計支援プログラムは、身近な計算機に該プログラムをインストールするだけで、可変容量歯車ポンプ設計支援装置を構築できる。該可変容量歯車ポンプ設計支援装置は、偏心軸線Laの方向を変えるに際しての、該アウターリング外縁に仮設したレバーへのばねの想定当接点の移動軌跡を算出し、直線に近い移動軌跡を生じる、前記仮設レバーの設置位置を計算によって見つけることができるという効果を有する。直線に近い移動軌跡を生じる、前記仮設レバー取り付け位置にレバー41を設けて、前記直線に近い軌跡上に前記圧縮ばね7を配置することで、該圧縮ばね7の反発力を効率的に前記レバー41に伝えることができ、設計通りのオイル送量を実現できるという効果がある。
尚、仮設レバーと圧縮ばね7との当接点、及び、レバー41と圧縮ばね7との当接点とは、前記レバー(仮設レバー又はレバー41)と前記圧縮ばね7が直接、接する場合を意味する。更に、図10(A),(B)に示すように、圧縮ばね7が、ピストン71を介すなど間接的に、レバー41に作用する場合も含んでいることとする。
1…ポンプハウジング、11…チップシール、12…アウターリング支持歯部、
Pa…インナーローター2の回転軸、2…インナーローター、
21…インナーローター外歯、3…アウターローター、31…アウターローター内歯、
Pb…アウターローター3の中心、4…アウターリング、41…レバー、
42,43,44,45,46,47…仮設レバー、48…アウターリング外周、
Fp…ばね想定当接点列、e…偏位量、La…偏心軸線、5…オイルパン、
51…吸入ポート、52…吐出ポート、53…仕切り壁、60,61,62…軌跡、
7…圧縮ばね、71…ピストン、E1…制御部、E2…データ及びコマンド入力部、
E3…記憶部、E4…演算部、E5…出力部。

Claims (9)

  1. インナーローターと、アウターローターと、該アウターローターを回転自在に収容保持するアウターリングと、該アウターリングの移動を制御する圧縮ばねを有する可変容量歯車ポンプの動作を計算する数値演算モデルを計算機上のメモリに構築し、該数値演算モデルにおいて、前記アウターリングに1または2以上の仮設レバーを設け、該仮設レバーには前記圧縮ばねの当接点を想定し、前記アウターリングを併進移動、回転移動、若しくは併進移動と回転移動させる移動ルールを定義したうえで前記計算機上のメモリに保持し、前記計算機の演算により、前記移動ルールに基づいて前記アウターリングを移動させて、該移動した範囲に亘って前記当接点の位置座標値を算出して座標値集合とし、該座標値集合を統計処理した統計量に基づいて、仮設レバー位置の適否を判定することを特徴とする可変容量歯車ポンプ設計方法。
  2. 請求項1において、前記座標値集合を移動軌跡とし、前記移動軌跡から直線性指標値を算出し、予め定めた直線性指標値範囲内への、前記直線性指標値の属否に基づいて、前記仮設レバー位置の適否を判定することを特徴とする可変容量歯車ポンプ設計方法。
  3. 請求項2において、前記直線性指標値が、座標値である変数間の直線近似誤差の絶対値の総和若しくは平均値であることを特徴とする可変容量歯車ポンプ設計方法。
  4. 請求項2において、前記直線性指標値が、座標値である変数間の直線近似誤差の二乗値の総和若しくは平均値であることを特徴とする可変容量歯車ポンプ設計方法。
  5. 請求項2において、前記直線性指標値が、座標値である変数間の相関係数二乗値であることを特徴とする可変容量歯車ポンプ設計方法。
  6. 請求項5において、前記予め定めた直線性指標値範囲内を前記相関係数二乗値が0.9以上であることを特徴とする可変容量歯車ポンプ設計方法。
  7. 請求項2,3,4,5または6のいずれか1項において、前記直線性指標値が前記予め定めた直線性指標値範囲内に属する場合は、座標値である変数間の近似直線の方向を前記圧縮ばねの方向とすることを特徴とする可変容量歯車ポンプ設計方法。
  8. インナーローターと、アウターローターと、該アウターローターを回転自在に収容保持するアウターリングと、該アウターリングの移動を制御する圧縮ばねを有する可変容量歯車ポンプの動作を計算する数値演算モデルにおいて、前記アウターリングに1または2以上の仮設レバーを設け、該仮設レバーには前記圧縮ばねの当接点を想定し、前記アウターリングを併進移動、回転移動、若しくは併進移動と回転移動させる移動ルールを定義し、該移動ルールに基づいて前記アウターリングを移動させて、該移動した範囲に亘って前記当接点の位置座標値を算出して移動軌跡とし、前記移動軌跡から直線性指標値を算出し、予め定めた直線性指標値範囲内への、前記直線性指標値の属否に基づいて、仮設レバー位置の適否を判定する機能を計算機に演算させることを特徴とする可変容量歯車ポンプ設計支援プログラム。
  9. 制御部と、データ・コマンド入力部と、記憶部と、演算部と、出力部を有する可変容量歯車ポンプ設計支援装置であって、インナーローターと、アウターローターと、該アウターローターを回転自在に収容保持するアウターリングと、該アウターリングの移動を制御する圧縮ばねを有する可変容量歯車ポンプの動作を計算する数値演算モデルを前記記憶部に構築し、該数値演算モデルにおいて、前記アウターリングに1または2以上の仮設レバーを設け、該仮設レバーには前記圧縮ばねの当接点を想定し、前記アウターリングを併進移動、回転移動、若しくは併進移動と回転移動させる移動ルールを定義したうえで前記記憶部に保持し、前記演算部により、前記移動ルールに基づいて前記アウターリングを移動させて、該移動した範囲に亘って前記当接点の位置座標値を算出して移動軌跡とし、前記演算部によって前記移動軌跡から直線性指標値を算出し、予め定めた直線性指標値範囲内への、前記直線性指標値の属否に基づいて、仮設レバー位置の適否を判定することを特徴とする可変容量歯車ポンプ設計支援装置。
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