JP6533942B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
従来よりパチンコ遊技機では、遊技者に有利な特別遊技状態に制御するかの判定が行われ、その判定の結果が示されるまでの間に、様々な演出が行われる。演出の中には、上記の判定よりも前に特別遊技状態になるかを判定し、その判定(事前判定)の結果に基づいて行われる演出がある。
例えば下記特許文献1には、事前判定の結果に基づく演出として、連続する複数回の図柄変動において同一のキャラクタを表示したり、同一種類のリーチを実行したりする遊技機が記載されている。
特開2004−33671号公報
ところで、事前判定の結果に基づく演出については、遊技の興趣向上のため、改善の余地がある。
本発明の課題は、演出を通じて遊技の興趣向上に寄与する遊技機を提供することである。
本発明の遊技機は、
第1条件の成立により、遊技者に有利な特別遊技状態にするかの第1判定に用いる判定情報を取得する取得手段と、
第2条件の成立により、前記取得手段によって取得された判定情報に基づいて、前記第1判定を行う第1判定手段と、
前記第1判定が行われたことに応じて、所定の図柄を変動表示させる図柄変動を行う図柄表示手段と、
前記第2条件が成立する前に、前記取得手段によって取得された判定情報に基づいて、前記特別遊技状態になるかの第2判定を行う第2判定手段と、
演出を制御可能な演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記取得手段によって取得された特定の判定情報に基づく前記第2判定の結果に基づいて、前記特定の判定情報よりも前に前記取得手段によって取得された判定情報に基づく前記第1判定が行われることに応じて、所定の演出要素を用いる第1事前演出と、前記演出要素とは異なる演出要素を用いる第2事前演出とを含む複数種類の事前演出のうちのいずれかを実行することと、
前記第1判定が行われることに応じて、複数種類の予告演出のうちのいずれかを実行することと、が可能であり、
前記第1事前演出及び前記第2事前演出は、前記特定の判定情報よりも前に取得された判定情報に基づく前記図柄変動から前記特定の判定情報に基づく前記図柄変動までの連続する各図柄変動において実行されることがある連続演出である遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記第1事前演出を実行していても前記第2事前演出を実行していても、共通の予告演出を行うことがあることを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、演出を通じて遊技の興趣向上に寄与する遊技機が提供される。
遊技機の斜視図である。 遊技機の正面図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 第2大入賞装置等を詳細に示す正面図である。 表示器類の正面図である。 (A)は盤後可動装置が待機状態のときの演出用ユニットの正面図、(B)は盤後下可動装置が作動したときの演出用ユニットの正面図、(C)は盤後上可動装置が作動したときの演出用ユニットの正面図、(D)は盤後下可動装置および盤後上可動装置が作動したときの演出用ユニットの正面図である。 主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 (A)は普図関係乱数を示す表であり、(B)は特図関係乱数を示す表である。 (A)は当たり判定テーブルであり、(B)は普図変動パターン判定テーブルであり、(C)は補助遊技制御テーブルである。 (A)は大当たり判定テーブルであり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルである。 特図1変動パターン判定テーブルである。 特図2変動パターン判定テーブルである。 先読み判定テーブルである。 大当たり遊技制御テーブルである。 遊技状態の説明図である。 客待ち演出モードの具体例を示す説明図である。 通常演出モード、確変演出モードおよび時短演出モードの具体例を示す説明図である。 大当たり演出モードの具体例を示す説明図である。 リーチ無しハズレの特図変動演出の具体例を示す説明図である。 特図変動演出が開始してからリーチになるまでの具体例を示す説明図である。 Nリーチからハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる場合と大当たりを示す演出図柄の停止表示が行われる場合の具体例を示す説明図である。 可動体演出の具体例を示す説明図である。 SPリーチの具体例を示す説明図である。 SPリーチの具体例であり、図24の続きを示す説明図である。 SPリーチの具体例であり、図25の続きを示す説明図である。 SPリーチの具体例であり、図26の続きを示す説明図である。 保留演出の具体例を示す説明図である。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 第1実施形態における演出の種類を例示する表である。 ゾーン演出を示す図である。 ロゴ可動体を用いた演出を示す図である。 チャンス目演出を示す図である。 図柄エフェクトを示す図である。 ミニキャラ予告を示す図である。 非時短状態における先読み演出抽選テーブルである。 非時短状態における変動時予告演出抽選テーブルである。 変動時予告演出の禁則関係を示す表である。 入賞コマンド受信時処理のフローチャートである。 変動開始コマンド受信時処理のフローチャートである。 連続演出処理のフローチャートである。 変動時予告演出処理のフローチャートである。 第1実施形態における演出の実行例を示す表である。 ロゴ可動体の昇降動作の連続演出を示す図である。 ロゴ可動体の上昇動作の変動時予告演出を示す図である。 同色チャンス目の連続演出を示す図である。 CHANCEゾーンの連続演出を示す図である。 図51(H)に続く演出を示す図である。 CHANCEゾーンの変動時予告演出を示す図である。 ミニキャラ予告の実行例を示す図である。 演出の複合的な実行例と大当たり期待度の関係を示す表である。 変更例に係るロゴ可動体の昇降動作と上昇動作の実行タイミングを説明するタイミングチャートである。
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の実施形態であるパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1〜図6を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠2Aに対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイド72sに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、下方に押下操作可能な第1入力装置(以下「半球型ボタン」)40が設けられている。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、下方に押下操作可能な第2入力装置(以下「剣型ボタン」)41が設けられている。
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に図3〜図6を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6における内側壁部1Bの中央直下には、上方が開口した第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11の左下には、右側方が開口した第2始動口12が設けられている。第2始動口12の右脇には、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは平面視で左斜め下方向に下降する略横長長方形状の舌状片からなる。平面視で、電チュー開閉部材12kの上面左端が、第2始動口12の最下点の右隣に位置する。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)その先端(前方側側面)が遊技領域6、すなわち遊技盤1の前面辺りに位置するよう、遊技盤1より後方に収納されている。電チュー開閉部材12kはその収納されている状態から前後方向に移動(進退)することができる。そして、特別状態になると、電チュー開閉部材12kが前方へ移動する。電チュー開閉部材12kが前方へ移動すると、電チュー開閉部材12kが第2始動口12への誘導する経路となる。よって、電チュー開閉部材12kが遊技領域6より後方に収納された通常状態では、この誘導する経路がないので、第2始動口12へ遊技球を入球させることはほとんど不可能である。このように、電チュー開閉部材12kが突出状態になることを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが収納されている状態を第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。このように、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの左側には、2つの一般入賞口10が設けられている。また、電チュー12Dの右側には、1つの一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技盤1の開口部1Aの右斜め下側に、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
また、遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の直下には、第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。
第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとる通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなり、通常は第1大入賞口14を塞いでいる。通常AT開閉部材14kは下端を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。通常AT開閉部材14kが回転すると、通常AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、流下する遊技球を受け止めて第1大入賞口14の中に入球させる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6における第1大入賞装置14Dの直下には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導ステージ12gの上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入賞することはできない。
遊技領域6におけるゲート13や第1大入賞口14の右斜め上方、換言すると、上流側に、第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは正面視で羽根のような形状を呈している棒状体であり、通常は水平方向に対して略90度の姿勢で保持され、第2大入賞口15を塞いでいる。VAT開閉部材15kは下端を中心に、上端が左側へ倒れるように略70度回転し、開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口15への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図4を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図4(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図4(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、後述する大当たり遊技の最後のラウンド遊技(16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。
また図3に示すように、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図5に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
次に、図6を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤前可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤後可動装置」)56、および第3盤可動装置(以下「ロゴ役物装置」)57が搭載されている。
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイ2枚で構成され、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。
盤前可動装置55は、例えばさらにその中で上に配置される盤前上可動装置55UL,55URと、下に配される盤前下可動装置55Dと、を備え、盤前上可動装置55ULは、移動可能に構成され、主に前面部分が立体的な装飾が施された盤前上左可動体55ULkを具備する。盤前上可動装置55URは、移動可能に構成され、主に前面部分が立体的な装飾が施された盤前上右可動体55URkを具備する。盤前下可動装置55Dは、移動可能に構成され、主に前面部分に立体的な装飾が施された盤前下可動体55Dkを具備する。
盤後可動装置56は、例えばさらにその中で上側に配置される盤後上可動装置56Uと、下側に配される盤後下可動装置56Dと、を備え、盤後上可動装置56Uは、移動可能に構成され、平面的な装飾が施された盤後上可動体56Ukを具備する。盤後下可動装置56Dは、移動可能に構成され、平面的な装飾が施された盤後下可動体56Dkを具備する。
ロゴ役物装置57は、例えばパチンコ遊技機PY1の題材である主人公キャラクタ「ロゴ」のロゴタイプ「L・O・G・O」が前面側に施されたロゴ可動体57kを備え、ロゴ可動体57kは、表示部50aに沿って平面的に上昇および下降が可能に構成される。
図6(A)は、盤後上可動体56Ukおよび盤後下可動体56Dkが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤後上可動体56Ukおよび盤後下可動体56Dkは、前後方向に略直交する平面上、言い換えると、画像表示装置50の表面に沿って上下方向に移動可能である(上昇および下降が可能である)。そして、盤後上可動装置56Uおよび盤後下可動装置56Dのそれぞれの駆動源が駆動すると、盤後下可動体56Dkは正面視でその上端が画像表示装置50の高さ方向中央あたりに位置するように上向きに移動する(上昇する)(図6(B)参照)。一方、盤後上可動体56Ukは正面視でその下端が画像表示装置50の高さ方向中央あたりに位置するよう下向きに移動する(下降する)(図6(C)参照)。その結果、正面視で画像表示装置50の高さ方向中央あたりで、盤後上可動体56Ukと盤後下可動体56Dkとが上下方向に接合して合体し、それぞれの表面に施された模様(デザイン)が全体で一つになり、パチンコ遊技機PY1の題材である主人公キャラクタの顔を表す(図6(D)参照)。このとき、画像表示装置50の大部分は合体した盤後上可動体56Ukと盤後下可動体56Dkに覆われるので、画像表示装置50は視認困難となる。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に、図7〜図8に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図7〜図8に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出)、客待ち演出、半球型ボタン40や剣型ボタン41の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56,57等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
図7に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。また、遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。
また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118、および遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ119が実装されている。
主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種ソレノイド類に信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類には、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、一般入賞口センサ10a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、特定領域センサ16a、および、非特定領域センサ17aが含まれている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13に設けられており、ゲート13を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ17aは、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエーター類には、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sおよび振分ソレノイド16sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する。振分ソレノイド16sは、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する。
なお、主制御基板100に接続されるアクチュエーターの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モーター73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図8に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエーター類、各種ランプ類が接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエーター類に信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類の点灯制御を行う。
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、半球型ボタン検出スイッチ40aおよび剣型ボタン検出スイッチ41aが含まれている。半球型ボタン検出スイッチ40aは、半球型ボタン40が押下操作されたことを検出する。剣型ボタン検出スイッチ41aは、剣型ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。
なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエーター類には、左枠可動体モーター58Lm、右枠可動体モーター58Rm、盤前上可動体モーター55Um、盤前下可動体モーター55Dm、盤後上可動体モーター56Um、盤後下可動体モーター56Dm、およびロゴ可動体モーター57mが含まれている。左枠可動体モーター58Lmは、左枠可動装置58Lを駆動して、所定の動作を行わせることが可能である。右枠可動体モーター58Rmは、右枠可動装置58Rを駆動して、所定の動作を行わせることが可能である。盤前上可動体モーター55Umは、盤前上可動体55ULk,55URkを駆動して、それぞれ所定の動作を行わせることが可能である。盤前下可動体モーター55Dmは、盤前下可動体55Dkを駆動して、表示部50a上をスライドさせることが可能である。盤後上可動体モーター56Umは、盤後上可動体56Ukを駆動して、表示部50a上をスライドさせることが可能である。盤後下可動体モーター56Dmは、盤後下可動体56Dkを駆動して、表示部50a上をスライドさせることが可能である。ロゴ可動体モーター57mは、ロゴ可動体57kを駆動して、所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、盤前上可動体55ULk,55URk、盤前下可動体55Dk、盤後上可動体56Uk、および盤後下可動体56Dkの動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、盤前上可動体55ULk,55URk、盤前下可動体55Dk、盤後上可動体56Uk、および盤後下可動体56Dkの動作を制御する。また演出制御用マイコン121は、ロゴ可動体57kの動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、ロゴ可動体57kの動作を制御する。
なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエーターの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類には、枠ランプ53(左枠発光装置53L、右枠発光装置53R)および盤ランプ54(盤後上点発光装置54Ua、盤後上面発光装置54Ub、盤後下点発光装置54Da、盤後下面発光装置54Db)が含まれる。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53および盤ランプ54の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53および盤ランプ54の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53および盤ランプ54等の点灯制御、および、盤前可動装置55、盤後可動装置56、ロゴ役物装置57および枠可動装置58等の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図9〜図16を用いて説明する。
3−1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図9(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3−1−1.当たり判定
当たり判定は、図10(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。また、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3−1−2.普図変動
普図変動パターン判定は、図10(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3−1−3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図10(C)に示すような補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。また、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
3−2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図9(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3−2−1.大当たり判定
大当たり判定は、図11(A)に示すような大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図11(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3−2−2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図11(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。また、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
例えば、図11(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Aが50%、大当たり図柄Bが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Cが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
3−2−3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図11(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図11(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3−2−4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、図12〜図13に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることが可能である。特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図12)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図13)とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図2保留数(U2)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンには、図12〜図13の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローに関連付けることが可能である。
なお、図12〜図13の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」といい。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」という。通常ハズレ変動には、変動時間が互いに異なる3種類の変動(通常Aハズレ変動、通常Bハズレ変動、通常Cハズレ変動)がある。
3−2−5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図14に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行う。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、がある。
また、先読み判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。なお、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
3−3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14および第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14および第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図15に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎に大当たり遊技構成要素が格納されている。大当たり遊技として、1種類又は複数種類の大当たり遊技を制御することが可能である。
例えば、図15に示すように、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14a,15aによって検出されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
また、各要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。なお、第1大入賞口14だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成、あるいは、第2大入賞口15だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成とする場合には、用いない方の大入賞口を備えない構成としてもよい。
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。このように、振分部材16kが一定の作動態様(特定領域16が一定の開閉態様)で制御されるが、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)が設定されることになる。なお、以下において、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいう。また、特定領域16が閉状態にあることを「V閉鎖」ともいう。
第2大入賞口の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図4(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、大当たり遊技には、当該大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、を実行することが可能である。このように、Vロング開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vロング大当たり」という。一方、Vショート開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vショート大当たり」という。
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図16に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することができる。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態に切り替える契機をV通過とするか、大当たり図柄の種別とするかは、実現したい遊技性に応じて適宜定めておけばよい。高確率状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.0秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われるようにすることも可能である(図12〜図13参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くすることが可能である。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くすることが可能である。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、当たり判定は行われるが大当たり判定は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図17〜図28を用いて説明する。
4−1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図17(A)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに半球型ボタン40が操作されると、図17(B)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、実行される演出の頻度設定などがある。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、図18(A)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、図18(B)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、図18(C)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1〜第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示部50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図18(D)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示部50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図18(E)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示部50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、図19(A)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、図19(B)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、図19(C)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
4−2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,57,58、半球型ボタン40、剣型ボタン41などの様々な演出装置を用いた演出を行うことが可能である。
4−2−1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図20(A)に示すように、表示部50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図20(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。
なお、図20(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは破線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
4−2−2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特図の可変表示が開始されると、例えば、図20(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、図20(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常ハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図20(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に図20(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で仮停止し、さらに、図20(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止する。そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で仮停止している演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が、図20(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる)。仮停止していた演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1,KZ2,KZ3が、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示も行われる。
なお、図20の例では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、図21(A)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されている状態から、特図の可変表示が開始されて、図21(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。そして、例えば図21(C)に示すように、数字「5」からなる左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に、図21(D)に示すように、同一の数字「5」からなる右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで仮停止して、リーチになる(リーチが発生または成立する)。演出図柄でリーチが成立しても、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示は継続して行われている。
なお、図21の例では、リーチが成立する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、仮停止する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
4−2−3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動の後にリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
リーチが成立すると、例えば、図21(D)に示すように、その時点からNリーチが行われる。Nリーチでは、図22(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図22(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、リーチが成立した状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止してハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。このとき、リーチが成立しているので、図22(C−1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図22(C−1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、図22(D−1)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。また、仮停止していた演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1,KZ2,KZ3が、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示も行われる。
一方、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たりの特図変動パターン(例えば、N大当たり変動)であると、図22(C−2)に示すように、例えば、リーチを構成する数字と同一の数字からなる中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止し、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、図22(D−2)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、ゾロ目などの大当たりに特有な当たり目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。また、仮停止していた演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりに特有な当たり目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1,KZ2,KZ3が、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と同一の大当たりに特有な当たり目で一斉に停止し、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示も行われる。
なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4−2−4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチの後に、例えば、図24(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、敵キャラクタAが出現し、図24(B)に示すように、主人公キャラクタと敵キャラクタAが対峙しているシーンが表示される。そして、図24(C)に示すように、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G1は、SPリーチのタイトルを表すタイトル画像G11「図24(C)において「敵Aを撃破せよ!」」と、タイトル画像G11を引き立てるエフェクト画像G12とで構成される。
そして、SPリーチにおけるバトルがさらに進み、図25(A)に示すように、SPリーチ用背景画像G113にて、特別状態に変身した主人公キャラクタの横顔のアップが表示され、図25(B)に示すように、敵キャラクタAの横顔のアップが表示されると、図25(C)に示すように、両者の剣が差し違えようとし、主人公キャラクタと敵キャラクタAとのバトルに決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、バトルで主人公キャラクタが勝利するか敗北するかの分岐点(勝敗分岐点)を構成する。そして、この勝敗分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たりの特図変動パターン(例えば、SP大当たり変動)であると、図27(A)に示すように、表示部50aに、バトルに勝利して仁王立ちしている特別状態の主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカ52から所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は大当たりを示す態様で仮停止表示している。このように、バトルに勝利して仁王立ちしている特別状態に変身した主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たりを報知する演出(大当たり報知演出)を構成する。その後、図27(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3および小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示が行われる。
一方、勝敗分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、SPハズレ変動)であると、大当たり報知演出が行われることなく、SPリーチ用背景画像G113にて、主人公キャラクタがバトルに敗北する映像が流れるハズレ報知演出が行われる。そして、例えば図22(C−1)に示すように、ハズレ目で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止表示が行われ、図22(D−1)に示すように、そのままハズレ目で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3および小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示が行われる。
なお、SPリーチの演出内容は、キャラクタ同士がバトルする内容に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、特図抽選の抽選結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、特図抽選の抽選結果が「ハズレ」の場合には10%とし、特図抽選の抽選結果が「大当たり」の場合には100%とした場合、SPリーチの実行確率を、特図抽選の抽選結果が「ハズレ」の場合には4%とし、特図抽選の抽選結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、特図抽選の抽選結果が「ハズレ」の場合には2%とし、特図抽選の抽選結果が「大当たり」の場合には20%とした場合、SPリーチBの実行確率を、特図抽選の抽選結果が「ハズレ」の場合には2%とし、特図抽選の抽選結果が「大当たり」の場合には30%とすれば、SPリーチBの大当たり期待度を、SPリーチAの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、特図抽選の抽選結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
4−2−5.Lリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性が、SPリーチよりは低いがNリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチのリーチ演出の実行時間は、SPリーチのリーチ演出の演出時間よりも短い(図12および図13)。よって、Lリーチのリーチ演出では、例えば、SPリーチのリーチ演出よりも短い動画が表示部50aに表示される。なお、Lリーチのリーチ演出の内容は適宜変更可能である。また、Lリーチのリーチ演出の後にSPリーチのリーチ演出が発展的に実行される特図変動パターンを設けてもよい。
4−3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図28(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図28(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。
4−3−1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
例えば、特図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、図28(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図28(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図28(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
4−4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイイングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,57,58、入力装置40,41等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
4−4−1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,57,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,57,58を作動させる演出であり、その後に行われる演出(例えばSPリーチ)への発展などを事前に示唆することが可能である。
例えば、特図変動パターン判定の結果がSP大当たり変動またはSPハズレ変動であった場合、NリーチからSPリーチに発展する際に、図23(A)に示すように、まず盤前可動装置55が作動して、盤前上左可動体55ULk、盤前上右可動体55URkおよび盤前下可動体55Dkが合体して、表示部50aに表示されている通常状態の主人公キャラクタを覆う。そして、図23(B)に示すように、盤後可動装置56が作動して、盤後上可動体56Ukおよび盤後下可動体56Dkが合体して、表示部50aに表示されている通常状態の主人公キャラクタと、合体して一体化している盤前上左可動体55ULk、盤前上右可動体55URkおよび盤前下可動体55Dkとの間に入り込み、通常状態の主人公キャラクタを覆う。そして、図23(C)に示すように、一旦、盤前上左可動体55ULk、盤前上右可動体55URkおよび盤前下可動体55Dkが通常の待機状態(初期位置)に戻る。このとき、表示部50aの全域では、消灯しているように黒い画像が表示(ブラックアウト)され、SPリーチに発展することが示唆される。
その後、図23(D)に示すように、再び、盤前可動装置55が作動して、盤前上左可動体55ULk、盤前上右可動体55URkおよび盤前下可動体55Dkが合体し、合体して一体化している盤後上可動体56Ukおよび盤後下可動体56Dkを覆い、図23(E)〜図23(F)に示すように、盤前可動装置55と盤後可動装置56とが通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。この可動体演出は、発展演出の一例である。
なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。また、演出が発展しない場合(例えばNリーチハズレ変動の場合)に、所謂ガセ演出として、可動体演出を行うようにすることも可能である。
4−4−2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、半球型ボタン40や剣型ボタン41を用いた操作促進演出および半球型ボタン40や剣型ボタン41の操作に応じた操作結果演出を含む操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者が半球型ボタン40や剣型ボタン41を操作する演出であり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止することを示唆することが可能である。
例えば、図25(C)に示すように、SPリーチにおいて、剣型ボタン41の押下操作が有効な期間(剣型ボタン操作有効期間)が発生し、この剣型ボタン操作有効期間の発生に伴って、図26(A)に示すように、剣型ボタン41の操作を促す演出(剣型ボタン操作促進演出)が行われる。剣型ボタン操作促進演出において、表示部50aに、剣型ボタン操作促進画像G3が表示される。剣型ボタン操作促進画像G3は、剣型ボタン41を表す画像(剣型ボタン画像)G31と、剣型ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G32と、剣型ボタン41の操作に係る操作有効期間(剣型ボタン操作有効期間)の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像)G33と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。図26(B)は、剣型ボタン操作有効期間が発生して、剣型ボタン操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
その後、大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合には、剣型ボタン操作有効期間において剣型ボタン41が押下操作された後、または、剣型ボタン操作有効期間において剣型ボタン41が操作されることなく操作有効期間の残り時間がなくなった後、特図の可変表示が終了する前に、図26(C)に示すように、盤前可動装置55が作動して、盤前上左可動体55ULk、盤前上右可動体55URkおよび盤前下可動体55Dkが合体し、盤後可動装置56が作動して、盤後上可動体56Uk、盤後下可動体56Dkが合体して一体化する操作結果演出(大当たり示唆演出)が行われる。一方、大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合には、剣型ボタン操作有効期間において剣型ボタン41が押下操作されても、または、剣型ボタン41が押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなっても、特図の可変表示が終了する前に、盤前可動装置55および盤後可動装置56が作動しない操作結果演出(ハズレ示唆演出)が行われる。
なお、操作結果演出については、盤前可動装置55や盤後可動装置56の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合と同じ操作結果演出を行うようにすることも可能である。
4−4−3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆することが可能である。
例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図28(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。
なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に図29〜図30に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図29に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9(A)および図9(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[2.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図30に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図29の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9(A)および図9(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
特別動作処理(S106)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を行う(S107)。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S108)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理を繰り返し実行し(図29参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[2−1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブル(図14参照)とを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブル(図14参照)とを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
[2−2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
[2−3.特別動作処理]
特別動作処理(S106)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[2−3−1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数に基づいて、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理を行うとともに、特図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数に基づいて、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理を行うとともに、特図1保留記憶部シフト処理を行う。
特図2判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図11(A)参照)と、を用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図2関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と特図2大当たり図柄種別判定テーブル(図11(B)参照)とを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
特図2変動パターン判定処理は、特図2判定処理の後に行われる処理である。特図2変動パターン判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図2変動パターンテーブル(図13参照)と、を用いて、特図2変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特図2変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特図2変動パターンが判定される。なお、特図2変動パターンの判定は、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特図2変動パターンを表す特図2変動開始コマンドを生成する。特図2変動開始コマンドには、特図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の可変表示を開始させる。
特図2保留記憶部シフト処理は、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図2保留記憶部シフト処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されていた特図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図2関係乱数を特図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図2保留数を表す特図2保留数コマンド生成する。
特図1判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図11(A)参照)と、を用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図1関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と特図1大当たり図柄種別判定テーブル(図11(B)参照)とを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
特図1変動パターン判定処理は、特図1判定処理の後に行われる処理である。特図1変動パターン判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図1変動パターンテーブル(図12参照)と、を用いて、特図1変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特図1変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特図1変動パターンが判定される。なお、特図1変動パターンの判定は、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特図1変動パターンを表す特図1変動開始コマンドを生成する。特図1変動開始コマンドには、特図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の可変表示を開始させる。
特図1保留記憶部シフト処理は、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図1保留記憶部シフト処理では、特図1保留記憶部105aに記憶されていた特図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図1関係乱数を特図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図1保留数を表す特図1保留数コマンド生成する。
なお、特図2保留数および特図1保留数の何れも存在する場合、特図2判定処理が優先して行われ、特図2の可変表示と特図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。
[2−3−2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
[2−3−3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特図2保留数および特図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
[2−3−4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブル(図15参照)を用いて、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間または閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり種別判定の結果に関する情報が含まれる。
[2−3−5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更することが可能である。
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、図31〜図33に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図31に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,57,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002〜ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[2.1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図32に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理では、半球型ボタン検出スイッチ40aや剣型ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,57,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,57,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[3.10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図33に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
<第1実施形態>
以下、第1実施形態として、本発明の特徴部を詳細にしたパチンコ遊技機PY1を説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1が実行可能な特徴的な演出の種類について、図34〜図39に基づいて説明する。本形態における特徴的な演出は、先読み演出と変動時予告演出の両方にある。先読み演出は、演出制御用マイコン121が第1始動入賞コマンドあるいは第2始動入賞コマンドを受信したときに、そのコマンドに基づく演出抽選(先読み演出の実行抽選)の結果に応じて行う演出である。また、変動時予告演出は、演出制御用マイコン121が特図1変動開始コマンドあるいは特図2変動開始コマンドを受信したときに、そのコマンドに基づく演出抽選(変動時予告演出の実行抽選)の結果に応じて行う演出である。先読み演出は、大当たり遊技が実行される可能性を変動開始前から示唆する演出として機能する。また、変動時予告演出は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになる可能性を示唆する演出として機能したり、大当たり遊技が実行される可能性を変動開始後に示唆する演出として機能したりする。変動時予告演出は、これらの両機能を発揮する演出であってもよいし、いずれか一方の機能を発揮する演出であってもよい。
図34に示すように本形態では、先読み演出として3種類の連続演出を行うことが可能である。連続演出とは、連続する複数回の特図変動にわたって実行され得る演出であり、演出内容が互いに関連する演出である。本形態では、連続演出として、演出モードをCHANCEゾーンに制御する演出(以下「ゾーン演出」)、ロゴ可動体57kに昇降動作を行わせる演出(以下「第1ロゴ演出」)、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を同色チャンス目で停止表示させる演出(以下「チャンス目演出」)、を行うことが可能である。複数の連続演出が重複して実行されることもある。なお、実行可能な先読み演出の種類や内容は適宜変更可能である。
具体的には、ゾーン演出は、「CHANCEゾーン」の文字を含むエンブレム画像G41を表示部50aの上下左右の略中央に表示し(図35(A))、その後、「CHANCE」と「ゾーン」の文字を含む帯画像G42を表示部50aの中央よりも上側と下側とに表示する演出である(図35(B))。
第1ロゴ演出は、ロゴ可動体57kを所定回数(本形態では2回)、昇降させる演出である。具体的には、ロゴ可動体57kを待機位置(図36(A))と第1の演出位置(図36(B))との間で一定速度で所定回数、往復移動させる演出である。第1の演出位置は、待機位置よりも上方で且つ後述の第2の演出位置(図36(C))よりも下方の位置である。第1ロゴ演出におけるロゴ可動体57kの動作パターンを動作パターン1という。動作パターン1をどのような動作にするかは適宜に変更可能である。
チャンス目演出は、3つの演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を同じ色の図柄で確定的に停止表示する演出である。本形態では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は、1〜9までの数字をデザインした数字図柄であり、「1」、「5」、「9」の数字図柄は緑色を基調とする図柄となっており、「2」、「4」、「6」、「8」は青色を基調とする図柄となっており、「3」、「7」は赤色を基調とする図柄となっている。よって例えば、「2・4・6」の出目は演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が青色で統一された同色チャンス目となり(図37(A)〜(C))、「1・5・9」の出目は演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が緑色で統一された同色チャンス目となり(図37(D))、「3・7・7」の出目は演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が赤色で統一された同色チャンス目となる(図37(E))。
なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が同色チャンス目で停止表示される場合、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の周りに、エフェクト画像G7が表示される。エフェクト画像G7は、同色チャンス目と同じ色で表示される。以下、エフェクト画像G7を、色エフェクト画像G7と称する。色エフェクト画像G7は、同色チャンス目が停止表示された次の変動演出において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動が定速に達するまで表示され続ける(図37(C)参照)。なお、色エフェクト画像G7の表示を一切行わない構成や、次の変動演出まで継続させない構成としてもよい。
また本形態では、図34に示すように、変動時予告演出として、演出モードをCHANCEゾーンに制御する演出(ゾーン演出)、ロゴ可動体57kに上昇動作を行わせる演出(以下「第2ロゴ演出」)、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動開始に合わせて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の周囲に炎のエフェクト画像を表示する演出(以下「図柄エフェクト」)、ミニキャラおよびセリフを表示する演出(以下「ミニキャラ予告」)を行うことが可能である。複数の変動時予告演出が重複して実行されることもある。なお、実行可能な変動時予告演出の種類や内容は、適宜変更可能である。
変動時予告演出としてのゾーン演出は、先読み演出としてのゾーン演出と同様、「CHANCEゾーン」の文字を含むエンブレム画像G41を表示部50aの上下左右の略中央に表示し、その後、「CHANCE」と「ゾーン」の文字を含む帯画像G42を表示部50aの中央よりも上側と下側とに表示する演出である(図35参照)。
第2ロゴ演出は、待機位置にあるロゴ可動体57kを第2の演出位置(図36(C))まで上昇させ、一定時間(第1ロゴ演出よりも長い時間、本形態では5秒)、第2の演出位置に位置させ続ける演出である。図36(C)に示すように、第2の演出位置は、表示部50aの中央よりも下方の位置である。なお、ロゴ可動体57kの第2の演出位置と、盤後下可動体56Dkの演出位置(図6(B))とは、上下方向の位置が略同じである。第2ロゴ演出におけるロゴ可動体57kの動作パターンを動作パターン2という。動作パターン2をどのような動作にするかは適宜に変更可能である。
図柄エフェクトは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示を開始する際に、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の周囲に炎のエフェクト画像G5を表示する演出である(図38(A)〜(C)参照)。以下では、炎のエフェクト画像G5を、炎エフェクト画像G5とも称する。なお、図柄エフェクトとして表示するエフェクト画像は、適宜変更可能である。
ミニキャラ予告は、まずミニキャラG61を表示させ(図39(A))、その後、そのミニキャラG61のセリフG62(例えば「ワクワク」)を表示させる演出である(図39(B))。ミニキャラ予告として表示させるミニキャラやセリフは、適宜変更可能である。また、表示可能なミニキャラやセリフの種類は、それぞれ複数種類あってもよい。この場合、ミニキャラの種類やセリフの種類によって、リーチ期待度(リーチになることに対する期待度)や大当たり期待度(大当たり遊技が実行されることに対する期待度)が異なるように構成してもよい。
次に、先読み演出の実行抽選について図40に基づいて説明する。図40は、非時短状態における先読み演出抽選テーブル(特図1用)を示している。非時短状態では演出制御用マイコン121は、第1始動口11への入賞に対して、各種の先読み演出を図40に示す実行確率で実行する。なお、非時短状態における第2始動口への入賞に対する先読み演出、及び、時短状態における先読み演出の実行抽選については、適宜に実行されるものとし、説明を省略する。図40に示す抽選テーブルを特図2や時短状態に係る先読み演出の抽選に応用してもよい。
図40に示すように、演出制御用マイコン121は、受信した第1始動入賞コマンドが示す先読み判定の結果が、何れの特図変動パターンであるかに応じて、各種の先読み演出を異なる確率で実行する。なお以下では、SP大当たり変動、L大当たり変動、N大当たり変動を「大当たり変動」と総称することがある。また、SPハズレ変動、Lハズレ変動、Nハズレ変動を「リーチ有りハズレ変動」と総称することがある。また、リーチ有りハズレ変動と通常ハズレ変動を「ハズレ変動」と総称することがある。また、SP大当たり変動とSPハズレ変動を「SPリーチ変動」と総称することがある。また、L大当たり変動とLハズレ変動を「Lリーチ変動」と総称することがある。また、N大当たり変動とNハズレ変動を「Nリーチ変動」と総称することがある。既に述べたが、各特図変動パターンの大当たり期待度の高さは、SPリーチ変動>Lリーチ変動>Nリーチ変動>通常ハズレ変動の関係となっている。
演出制御用マイコン121は、先読み判定の結果が「SP大当たり変動」又は「L大当たり変動」であった場合、「ゾーン演出」を50%の確率で実行し、「第1ロゴ演出(昇降動作)」を30%の確率で実行し、「チャンス目演出」を25%の確率で実行する。また、先読み判定の結果が「N大当たり変動」であった場合、「ゾーン演出」を実行することはなく、「第1ロゴ演出(昇降動作)」を30%の確率で実行し、「チャンス目演出」を25%の確率で実行する。
また演出制御用マイコン121は、先読み判定の結果が「SPハズレ変動」又は「Lハズレ変動」であった場合、「ゾーン演出」を10%の確率で実行し、「第1ロゴ演出(昇降動作)」を15%の確率で実行し、「チャンス目演出」を20%の確率で実行する。また、先読み判定の結果が「Nハズレ変動」であった場合、「ゾーン演出」を実行することはなく、「第1ロゴ演出(昇降動作)」を15%の確率で実行し、「チャンス目演出」を20%の確率で実行する。また、先読み判定の結果が「通常ハズレ変動」であった場合、「ゾーン演出」を実行することはなく、「第1ロゴ演出(昇降動作)」を3%の確率で実行し、「チャンス目演出」を7%の確率で実行する。
このように本形態では、CHANCEゾーンの先読み演出は、SPリーチあるいはLリーチが実行されることを示唆する演出として機能する。また、第1ロゴ演出(昇降動作)やチャンス目演出は、リーチになる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。また本形態では、各先読み演出の大当たり期待度の高さは、「ゾーン演出」>「第1ロゴ演出(昇降動作)」>「チャンス目演出」の関係となっている。なお、先読み演出の大当たり期待度は、大当たり当選の判定がなされたときに実行される確率が高いほど、また、ハズレの判定(大当たり非当選の判定)がなされたときに実行される確率が低いほど、高くなる。各演出の実行確率は適宜変更可能である。
次に、変動時予告演出の実行抽選について図41に基づいて説明する。図41は、非時短状態における変動時予告演出抽選テーブル(特図1用)を示している。非時短状態では演出制御用マイコン121は、特図1の変動に伴って、各種の変動時予告演出を図41に示す実行確率で実行する。なお、非時短状態における特図2の変動に伴う変動時予告演出、及び、時短状態における変動時予告演出の実行抽選については、適宜に実行されるものとし、説明を省略する。図41に示す抽選テーブルを特図2や時短状態に係る変動時予告演出の抽選に応用してもよい。
図41に示すように、演出制御用マイコン121は、受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、何れの特図変動パターンであるかに応じて、各種の変動時予告演出を異なる確率で実行する。
具体的には演出制御用マイコン121は、特図変動パターンが「SP大当たり変動」又は「L大当たり変動」であった場合、「ゾーン演出」を70%の確率で実行し、「第2ロゴ演出(上昇動作)」を50%の確率で実行し、「図柄エフェクト」を30%の確率で実行し、「ミニキャラ予告」を18%の確率で実行する。また、特図変動パターンが「N大当たり変動」であった場合、「ゾーン演出」を実行することはなく、「第2ロゴ演出(上昇動作)」を5%の確率で実行し、「図柄エフェクト」を30%の確率で実行し、「ミニキャラ予告」を18%の確率で実行する。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターンが「SPハズレ変動」又は「Lハズレ変動」であった場合、「ゾーン演出」を5%の確率で実行し、「第2ロゴ演出(上昇動作)」を10%の確率で実行し、「図柄エフェクト」を12%の確率で実行し、「ミニキャラ予告」を14%の確率で実行する。また、特図変動パターンが「Nハズレ変動」であった場合、「ゾーン演出」を実行することはなく、「第2ロゴ演出(上昇動作)」を3%の確率で実行し、「図柄エフェクト」を12%の確率で実行し、「ミニキャラ予告」を14%の確率で実行する。また、特図変動パターンが「通常ハズレ変動」(つまり「通常Aハズレ変動」、「通常Bハズレ変動」、又は「通常Cハズレ変動」)であった場合、「ゾーン演出」を実行することはなく、「第2ロゴ演出(上昇動作)」を1%の確率で実行し、「図柄エフェクト」を5%の確率で実行し、「ミニキャラ予告」を10%の確率で実行する。
このように本形態では、CHANCEゾーンの変動時予告演出は、特図変動パターンが「SPリーチ変動」あるいは「Lリーチ変動」である場合に限って実行される。よって、SPリーチあるいはLリーチが実行されることを示唆する演出として機能する。また、第2ロゴ演出(ロゴ可動体57kの上昇動作)は、CHANCEゾーンの変動時予告演出が実行される可能性のある特図変動パターン(つまり「SPリーチ変動」や「Lリーチ変動」)であったときの実行確率が、CHANCEゾーンの変動時予告演出が実行される可能性のない特図変動パターンであったときの実行確率よりも高い。よって、CHANCEゾーンが実行される可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
また、第2ロゴ演出(上昇動作)、図柄エフェクト、及びミニキャラ予告は、リーチになる特図変動パターン(つまり「大当たり変動」や「リーチ有りハズレ変動」)であったときの実行確率が、「通常ハズレ変動」であったときの実行確率よりも高い。よって、リーチになる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
また本形態では、各変動時予告演出の大当たり期待度の高さは、「ゾーン演出」>「第2ロゴ演出(上昇動作)」>「図柄エフェクト」>「ミニキャラ予告」の関係となっている。なお、変動時予告演出の大当たり期待度は、大当たり変動のときの実行確率が高いほど、また、ハズレ変動のときの実行確率が低いほど、高くなる。各演出の実行確率は適宜変更可能である。例えば、第2ロゴ演出(上昇動作)の大当たり期待度を最も高くしてもよいし、ゾーン演出の大当たり期待度を他の何れかの変動時予告演出と同等、あるいは最も低くしてもよい。
次に、先読み演出を実行している場合の変動時予告演出の禁則について図42に基づいて説明する。図42に示すように、演出制御用マイコン121は、CHANCEゾーンの先読み演出を実行している場合、変動時予告演出としてゾーン演出を実行することはない。既に演出モードをCHANCEゾーンに制御しているからである。
また演出制御用マイコン121は、チャンス目演出(同色チャンス目の先読み演出)を実行している場合、図柄エフェクトの変動時予告演出を実行することはない。チャンス目演出と図柄エフェクトは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を用いた演出という点で共通しており、チャンス目演出の実行中に図柄エフェクトを実行してしまうと、演出が煩雑になりこれらの演出の良さが遊技者に十分認識されない可能性があるからである。
また演出制御用マイコン121は、第1ロゴ演出(ロゴ可動体57kに昇降動作を行わせる先読み演出)を実行している場合であっても、変動時予告演出として第2ロゴ演出(ロゴ可動体57kに上昇動作を行わせる演出)を実行する。詳細には、演出制御用マイコン121は、第1ロゴ演出を実行しているときに第2ロゴ演出を実行すると決定した場合、その決定に係る変動では、ロゴ可動体57kに昇降動作を行わせることなく、上昇動作を行わせる。つまり本形態では、ロゴ可動体57kの上昇動作は昇降動作に優先して実行される。なお本形態では、ロゴ可動体57kの上昇動作の開始タイミングは、昇降動作を開始させるはずだったタイミングと同じである。
このように本形態では、比較的大当たり期待度の高い第2ロゴ演出が、第1ロゴ演出の実行中であっても、第1ロゴ演出を実行していないときと変わらない確率で実行される。よって、第2ロゴ演出の実行による遊技興趣を保つことが可能である。
なお、上記以外の先読み演出と変動時予告演出の組み合わせについては、両演出とも制限されることなく実行される。
次に上記の演出の実行に関する演出制御用マイコン121の処理について図43〜図46に基づいて説明する。
[始動入賞コマンドを受信したときの処理]演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201、図33参照)において、第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドを受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合には、図43に示す入賞コマンド受信時処理を行う。
[入賞コマンド受信時処理]図43に示すように、入賞コマンド受信時処理では演出制御用マイコン121はまず、連続演出の実行中であることを示す連続演出フラグがONであるか否かを判定する(S4801)。連続演出フラグがONであれば(S4801でYES)、直ちに本処理を終える。一方、連続演出フラグがONでなければ(S4801でNO)、先読み演出の抽選を行い、各種の先読み演出の実行の有無を決定する(S4802)。この処理において、ゾーン演出、第1ロゴ演出、チャンス目演出のそれぞれについて実行するか否かが決定される。各演出の実行確率は図40に示した通りである。
先読み演出を実行しない場合には(S4803でNO)、本処理を終えるが、先読み演出(複数種類の先読み演出のうち少なくとも1つ)を実行する場合には(S4803でYES)、連続演出フラグをONするとともに(S4804)、連続演出カウンタに、現在の特図1保留数(第1始動入賞コマンドの受信時)又は現在の特図2保留数(第2始動入賞コマンドの受信時)をセットする(S4805)。そして、ステップS4802の抽選で実行すると決定した先読み演出を示す先読み演出種別データをセットする(S4806)。つまり、ステップS4802の抽選でゾーン演出を実行すると決定した場合にはゾーン演出を示す先読み演出種別データをセットし、第1ロゴ演出を実行すると決定した場合には第1ロゴ演出を示す先読み演出種別データをセットし、チャンス目演出を実行すると決定した場合にはチャンス目演出を示す先読み演出種別データをセットする。
[変動開始コマンドを受信したときの処理]演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201、図33参照)において、特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンドを受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合には、図44に示す変動開始コマンド受信時処理を行う。
[変動開始コマンド受信時処理]変動開始コマンド受信時処理では、特別図柄の変動表示に伴ってどのような演出を行うかを決定する。図44に示すように、変動開始コマンド受信時処理では演出制御用マイコン121はまず、変動演出選択処理(S5001)を行う。変動演出選択処理(S5001)では、変動演出としてどのような演出パターンのものを行うか(リーチの有無、演出展開、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の最終的な停止態様等)を決定し、決定した変動演出の演出パターンをセットする。次に、演出制御用マイコン121は、連続演出の実行に係る連続演出処理(S5002)を行い、続いて、変動時予告演出(先読み演出以外の予告演出)の実行に係る変動時予告演出処理(S5003)を行う。
[連続演出処理]図45に示すように、連続演出処理(S5001)では演出制御用マイコン121はまず、連続演出フラグがONであるかを判定する(S5101)。ONでなければ(S5101でNO)、本処理を終える。ONであれば(S5101でYES)、連続演出カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S5102)、先読み演出種別データに対応する連続演出データをセットする(S5103)。例えば、ゾーン演出の先読み演出種別データがセットされていれば、CHANCEゾーンに制御することを指定する連続演出データをセットする。また、第1ロゴ演出の先読み演出種別データがセットされていれば、ロゴ可動体57kに昇降動作を行わせることを指定する連続演出データをセットする。また、チャンス目演出の先読み演出種別データがセットされていれば、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を同色チャンス目で確定的に停止表示させることを指定する連続演出データをセットする。
[変動時予告演出処理]図46に示すように、変動時予告演出処理(S5002)では演出制御用マイコン121はまず、変動時予告演出の抽選を行い、各種の変動時予告演出の実行の有無を決定する(S5201)。この処理において、変動時予告演出としてのゾーン演出、第2ロゴ演出、図柄エフェクト、ミニキャラ予告のそれぞれについて実行するか否かが決定される。各演出の実行確率は図41に示した通りである。
変動時予告演出を実行しない場合には(S5202でNO)、ステップS5206に進むが、変動時予告演出(複数種類の変動時予告演出のうち少なくとも1つ)を実行する場合には(S5202でYES)、ステップS5201で実行すると決定した変動時予告演出に図42に示した禁則対象の演出が含まれていないかを判定する(S5203)。つまり、先読み演出との関係で実行することができない変動時予告演出を選択していないかを判定する。
禁則対象の変動時予告演出を選択していなければ(S5203でYES)、ステップS5201の抽選結果の通りに、実行すると決定した変動時予告演出を示す変動時予告演出データをセットして(S5204)、ステップS5206に進む。
一方、禁則対象の変動時予告演出を選択していれば(S5203でNO)、ステップS5201の抽選にて実行すると決定した変動時予告演出のうち禁則対象の演出以外の変動時予告演出を示す変動時予告演出データをセットして(S5205)、ステップS5206に進む。この処理により、チャンス目演出中の図柄エフェクトの実行や、CHANCEゾーンの連続演出中に変動時予告演出としてゾーン演出が実行されることが禁止される。
ステップS5206では、演出制御用マイコン121は、連続演出カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」でなければ(S5206でNO)、本処理を終える。一方、「0」であれば(S5206でYES)、連続演出フラグをOFFするとともに(S5207)、先読み演出種別データをクリアして(S5208)、本処理を終える。
なお、上記処理にてセットされた変動演出の演出パターン、連続演出データ、変動時予告演出データの情報は、変動演出開始コマンドに含められ、コマンド送信処理(S4004、図31)にて画像制御基板140に送信される。これを受信した画像制御基板140は、そのコマンドが示す演出内容を実現するため、画像表示装置50を制御する。
また、上記処理にてセットされた変動演出の演出パターン、連続演出データ、変動時予告演出データに基づいて、発光データ出力処理(S4102、図32)、可動装置制御処理(S4103、図32)、音声制御処理(S4203、図33)が実行されることにより、選択した演出内容の発光演出、可動体演出(ロゴ可動体57kを用いた演出を含む)、音演出が実行される。なお、第1ロゴ演出(昇降動作)を示す連続演出データと、第2ロゴ演出(上昇動作)を示す変動時予告演出データとが共にセットされている場合には、可動装置制御処理(S4103、図32)では、演出制御用マイコン121は、ロゴ可動体57kに上昇動作を行わせる(つまり第2ロゴ演出を実行する)。
なお、保留アイコンHAや当該アイコンTAの表示(図28参照)は、演出制御用マイコン121が入賞コマンド(第1始動入賞コマンドや第2始動入賞コマンド)を受信したとき、及び、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドや特図2変動開始コマンド)を受信したときに行う。つまり、演出制御用マイコン121は、始動入賞時に保留アイコンHAの表示を開始し、変動開始時に保留アイコンHAをシフト表示したり、当該アイコンTAの表示を終了させたりする。保留アイコンHAや当該アイコンTAの表示制御については公知の技術を適宜採用することができる。
次に、本形態における特徴的な演出の実行例について図47〜図54に基づいて説明する。これらの演出実行例は、上記構成により実現される。
[先読み演出の単独例]まず先読み演出単独の実行例について図47(A)に基づいて説明する。図47(A)に示す演出実行例A〜Cはいずれも、4個目の特図1保留の発生時の先読み判定において連続演出を実行すると判定された例である。
なお、連続演出を実行する契機となった保留をターゲット保留と称することとする。また、図47の表では、ターゲット保留の位置が保留4(4個目の保留)、保留3(3個目の保留)、保留2(2個目の保留)、保留1(1個目の保留)、当該変動(ターゲット保留に基づく特図変動)と変化していく際の演出の実行状況を示している。なお、図47に示す表中の当該変動の欄におけるタイミング2は、タイミング1よりも後のタイミングである。具体的にはタイミング1は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示を開始したタイミングであり、タイミング2は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示を開始してから所定時間経過したタイミング(本形態では演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになった後のタイミング)である。タイミング1やタイミング2は適宜変更可能である。
演出実行例Aは、連続演出としてゾーン演出を実行している例である。ターゲット保留が保留3にあるときの変動演出において、CHANCEゾーンのエンブレム画像G41が所定時間(例えば3秒)表示され(図35(A))、続いて「CHANCE」と「ゾーン」の文字を含む帯画像G42が表示される(図35(B))。帯画像G42の表示は、ターゲット保留に基づく変動演出における所定のタイミングまで(本形態では発展演出が開始されるまで)継続される。
演出実行例Bは、連続演出として第1ロゴ演出(ロゴ可動体57kの昇降動作)を実行している例である。ターゲット保留が保留3、保留2、保留1にあるときの変動演出、及び、ターゲット保留に基づく変動演出において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示を開始する際に、ロゴ可動体57kが昇降動作を行う第1ロゴ演出(図36(A)(B))が実行される。
演出実行例Cは、連続演出としてチャンス目演出を実行している例である。ターゲット保留が保留3〜保留1にあるときの変動演出において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が同色チャンス目(図37(B)(D)(E))で確定的に停止表示され、色エフェクト画像G7が表示される。また、同色チャンス目が停止表示された次の変動演出(ターゲット保留が保留2、保留1にあるときの変動演出およびターゲット保留に基づく変動演出)において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示を開始するときにも、色エフェクト画像G7は表示されている。
[変動時予告演出の単独例]次に変動時予告演出単独の実行例について図47(B)に基づいて説明する。変動時予告演出は、その演出を実行する契機となった入賞に基づく変動演出において実行される。図47(B)に示す演出実行例aは、変動時予告演出としてゾーン演出を実行している例である。演出実行例aでは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになった後のタイミング(タイミング2)で、ゾーン演出が実行される。
演出実行例bは、第2ロゴ演出(ロゴ可動体57kの上昇動作)を実行している例である。演出実行例bでは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の開始時に(タイミング1)、第2ロゴ演出(図36(A)(C))が実行される。
演出実行例cは、図柄エフェクトを実行している例である。演出実行例cでは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の開始時に(タイミング1)、図柄エフェクトが実行される。つまり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の周囲に炎エフェクト画像G5が表示される(図38(A)〜(C))。
演出実行例dは、ミニキャラ予告を実行している例である。演出実行例dでは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の開始時に(タイミング1)、ミニキャラ予告が実行される。つまり、ミニキャラG61が表示された後(図39(A))、セリフG62が表示される(図39(B))。
[先読み演出と変動時予告演出の複合例]次に先読み演出と変動時予告演出の複合的な実行例について説明する。図47(C)に示す演出実行例1〜5はいずれも、4個目の特図1保留の発生時の先読み判定において連続演出を実行すると判定された例である。なお、以下に示す演出実行例1〜5の説明においては、ターゲット保留に対応する保留アイコンHA及び当該アイコンTAを「☆」の表示態様で図示する。
図47(C)に示す演出実行例1では、ターゲット保留が保留3〜保留1にある間、ターゲット保留よりも前に記憶されている特図1保留に基づく各特図変動に対応する変動演出の開始に応じて、ロゴ可動体57kが昇降動作を行う第1ロゴ演出が実行される(図48(A)〜(G))。つまり、連続する3回の特図変動にわたって各変動の開始の際に、第1ロゴ演出が実行される。そして、ターゲット保留に基づく特図変動が開始されると、図柄エフェクト(炎エフェクト画像G5の表示)が実行され(図48(H))、続いて、ロゴ可動体57kが上昇動作を行う第2ロゴ演出が実行される(図49(A)(B))。
演出実行例2では、ターゲット保留が保留3〜保留1にある間、ターゲット保留よりも前に記憶されている特図1保留に基づく各特図変動に対応する変動演出において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を同色チャンス目で確定的に停止表示するとともに色エフェクト画像G7を表示するチャンス目演出が実行される(図50(A)〜(G))。つまり、連続する3回の特図変動にわたって、各変動の停止に際してチャンス目演出が実行される。この演出実行例2においても、ターゲット保留に基づく特図変動が開始されると(図50(H))、演出実行例1と同様、ロゴ可動体57kが上昇動作を行う第2ロゴ演出が実行される(図49(A)(B))。
つまり本形態では、先読み演出としてロゴ可動体57kを用いた演出(第1ロゴ演出)が実行された場合でも、ロゴ可動体57kを用いない演出(チャンス目演出)が実行された場合でも、ターゲット保留に基づく特図変動時の変動時予告演出として、ロゴ可動体57kを用いた演出(第2ロゴ演出)を実行することが可能である。なお、演出制御用マイコン121は、どちらの先読み演出を実行している場合でも、変動時予告演出として第2ロゴ演出を同じ確率で実行する(図41参照)。
演出実行例3では、ターゲット保留が保留3にあるときに実行されている変動演出において、CHANCEゾーンに突入させるゾーン演出が実行される(図51(A)〜(D))。CHANCEゾーンは、ターゲット保留に基づく特図変動に対応する変動演出まで継続される(図51(A)〜(H)及び図52(A)〜(C))。また、演出実行例3では、ターゲット保留に基づく特図変動が開始されると、図柄エフェクト(炎エフェクト画像G5の表示)が実行され(図52(A))、続いて、ロゴ可動体57kが上昇動作を行う第2ロゴ演出が実行される(図52(B))。
演出実行例4は、ターゲット保留が保留3にあるときからチャンス目演出が実行されること(図50)、ターゲット保留に基づく変動演出において第2ロゴ演出が実行されること(図49)までは、演出実行例2と同じである。演出実行例4では、第2ロゴ演出が実行された後、Nリーチの実行中に、ゾーン演出が実行される(図53(A)〜(C))。つまり、変動時予告演出としてゾーン演出が実行される。このゾーン演出では、まず、「CHANCEゾーン」に制御されることを示唆するエンブレム画像G41が表示され(図53(B))、その後、CHANCEゾーンであることを示唆する帯画像G42(「CHANCE ゾーン」の文字が右から左に流れるように表示される帯画像G42)が表示される(図53(C))。本形態では、変動時予告演出としてのゾーン演出と、先読み演出としてのゾーン演出は同じである。なお両演出は、CHANCEゾーンに移行したことを認識させることができる程度に類似していれば、演出内容に違い(例えばエンブレム画像G41の表示の有無や帯画像G42の色の違い等)があってもよい。
このように本形態では、先読み演出によりCHANCEゾーンに制御される場合と、先読み演出によるCHANCEゾーンへの制御はされなかったが、変動時予告演出としてCHANCEゾーンに制御される場合とがある。よって、ゾーン演出よりも大当たり期待度の低い先読み演出(チャンス目演出等)が実行された場合でも(図40参照)、変動時予告演出としてゾーン演出が実行されることに期待して遊技をすることが可能となっている。
演出実行例5では、ターゲット保留が保留3にあるときからチャンス目演出が実行される(図50)。これは、演出実行例4と同じである。但し、演出実行例5では、ターゲット保留に基づく変動演出において第2ロゴ演出が実行されず、ミニキャラ予告が実行される(図54(A)(B))。また、演出実行例5では、変動時予告演出としてのゾーン演出は実行されない。
本形態では演出制御用マイコン121は、変動時予告演出としてのゾーン演出(図53)を実行する場合、その前に実行する演出として、ミニキャラ予告よりも第2ロゴ演出を選択することが多い(図41)。つまり、第2ロゴ演出は、変動時予告演出としてのゾーン演出の実行示唆となっている。よって、第2ロゴ演出が実行された場合、遊技者はその後にゾーン演出が実行されることに期待することが可能となっている。
なお本形態では、演出制御用マイコン121は、先読み演出として第1ロゴ演出(昇降動作)やゾーン演出を実行している場合には、図柄エフェクトを実行することがあるが(図47(C)の演出実行例1、演出実行例3参照)、先読み演出としてチャンス目演出を実行している場合には、図柄エフェクトを実行することはない(図47(C)の演出実行例2、演出実行例4及び演出実行例5参照)。チャンス目演出も図柄エフェクトも演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を利用した演出であり、その点において紛らわしいと感じさせる可能性があるからである。
次に図47(C)に示した演出実行例1〜5について、図48から図54に基づいてより詳細に説明する。
演出実行例1:図48(A)は、昼モード(昼間通常用背景画像G102が表示される第1通常演出モード)において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が「1・4・9」の停止態様で確定的に停止表示されたときを示している。4個目の特図1保留としてターゲット保留が記憶されている。ターゲット保留を示す保留アイコンHAとして、「☆」の保留アイコンが表示されている。
演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると(つまりターゲット保留が保留3の位置にあるときの変動演出では)、第1ロゴ演出が実行される(図48(B))。この変動表示は、「2・3・9」のバラケ目で確定的に停止表示される(図48(C))。
次の変動演出(ターゲット保留が保留2の位置にあるときの変動演出)でも、第1ロゴ演出が実行される(図48(D))。この変動演出は、「4・9・5」のバラケ目で確定的に停止表示される(図48(E))。さらに次の変動演出(ターゲット保留が保留1の位置にあるときの変動演出)でも、第1ロゴ演出が実行される(図48(F))。この変動演出は、「3・5・6」のバラケ目で確定的に停止表示される(図48(G))。そして、ターゲット保留に基づく変動演出が開始される際に、図柄エフェクト(炎エフェクト画像G5の表示)が実行され(図48(H))、続いて、第2ロゴ演出が実行される(図49(A)(B))。
演出実行例2:図50(A)は、図48(A)と同じ状況を示している。ターゲット保留が保留3の位置にあるときの変動演出では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が同色チャンス目(この変動演出では「2・4・6」からなる青色の同色チャンス目)で確定的に停止表示され、色エフェクト画像G7が表示される(図50(B)(C))。次の変動演出(ターゲット保留が保留2の位置にあるときの変動演出)でも、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が同色チャンス目(この変動演出では「1・5・9」からなる緑色の同色チャンス目)で確定的に停止表示され、色エフェクト画像G7が表示される(図50(D)(E))。さらに次の変動演出(ターゲット保留が保留1の位置にあるときの変動演出)でも、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が同色チャンス目(この変動演出では「3・7・7」からなる赤色の同色チャンス目)で確定的に停止表示され、色エフェクト画像G7が表示される(図50(F)(G))。そして、ターゲット保留に基づく変動演出が開始されると、第2ロゴ演出が実行される(図50(H)→図49(A)(B))。
演出実行例3:図51(A)は、図48(A)と同じ状況を示している。ターゲット保留が保留3の位置にあるときの変動演出において、CHANCEゾーンのエンブレム画像G41(「CHANCEゾーン」に移行することを示す画像)が表示され(図51(B)(C))、その後は「CHANCE」と「ゾーン」の文字を含む帯画像G42(「CHANCEゾーン」中であることを示す画像)が表示され続け、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が「2・3・9」の停止態様で停止表示される(図51(D))。
次の変動演出(ターゲット保留が保留2の位置にあるときの変動演出)でも、「CHANCE」と「ゾーン」の文字を含む帯画像G42が表示され続ける(図51(E))。この変動演出では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が「4・9・5」の停止態様で停止表示される(図51(F))。さらに次の変動演出(ターゲット保留が保留1の位置にあるときの変動演出)でも、「CHANCE」と「ゾーン」の文字を含む帯画像G42が表示され続ける(図51(G))。この変動演出では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が「3・5・6」の停止態様で停止表示される(図51(H))。
そして、ターゲット保留に基づく変動演出においても、「CHANCE」と「ゾーン」の文字を含む帯画像G42が表示され続ける(図52(A)〜(C))。この変動演出では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示に際して図柄エフェクト(炎エフェクト画像G5の表示)が実行され(図52(A))、続いて、第2ロゴ演出が実行される(図52(B))。また、この変動演出では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチとなり(図52(C))、発展演出が実行される(図52(D))。以降の演出の流れは、図23〜図27に示した通りである。なお、帯画像G42の表示は、発展演出の実行直前まで行われる。
演出実行例4:ターゲット保留が保留4の位置にあるときからターゲット保留に基づく変動演出が開始されるまでの演出の流れは、図50(A)〜(H)及び図49(A)(B)に示した演出実行例2と同様である。つまり、ターゲット保留に基づく変動演出が開始されるまではチャンス目演出が実行され(図50)、ターゲット保留に基づく変動演出が開始されると第2ロゴ演出が実行される(図49)。この演出実行例4では、図49(B)の後、変動時予告演出としてゾーン演出が実行される。具体的には、図49(B)の後、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになると(図53(A))、「CHANCEゾーン」に移行することを示すエンブレム画像G41が表示される(図53(B))。その後、「CHANCE」と「ゾーン」の文字を含む帯画像G42が表示され、つまりNリーチがなされている中、帯画像G42が表示され(図53(C))、発展演出が実行される(図53(D))。発展演出が実行されることに伴って、帯画像G42の表示は終了する。つまり、発展演出の直前まで帯画像G42は表示される。なお、帯画像G42(つまり「CHANCEゾーン」中であることを示す画像)をいつまで表示するかは適宜変更可能である。
演出実行例5:ターゲット保留が保留4の位置にあるときからターゲット保留に基づく変動演出が開始されるまでの演出の流れは、図50(A)〜(H)に示した演出実行例2と同様である。つまり、チャンス目演出が実行される(図50)。この演出実行例5では、ターゲット保留に基づく変動演出が開始されると、ミニキャラ予告が実行される(図54(A)(B))。ミニキャラ予告では、ミニキャラG61およびセリフG62が表示される。なお本形態では、ミニキャラ予告は、図34に示した変動時予告演出の中で最も大当たり期待度が低い(図41参照)。演出実行例5では、ミニキャラ予告の後、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチにするが(図54(C))、Nリーチを経て、ハズレ目で確定的に停止表示する(図54(D))。
次に、先読み演出と変動時予告演出の複合的な実行例と大当たり期待度との関係について、図55に基づいて説明する。なお図47と同様、図55に示す演出実行例はいずれも、4個目の特図1保留の発生時の先読み判定において連続演出を実行すると判定された例であり、ターゲット保留の位置が保留4〜保留1、そして、当該変動(ターゲット保留に基づく特図変動)と変化していく際の演出の実行状況を示している。
図55に示す演出実行例11〜16は、先読み演出として第1ロゴ演出(ロゴ可動体57kの昇降動作)を実行している例である。演出実行例11〜14では、当該変動において、第1ロゴ演出に替えて第2ロゴ演出(ロゴ可動体57kの上昇動作)が実行される。これに対して、演出実行例15及び16では、当該変動においても、第1ロゴ演出が実行される。また、演出実行例11及び12では、当該変動においてゾーン演出が実行される。これに対して、演出実行例13〜16では、当該変動においてゾーン演出が実行されない。また、演出実行例11,13,15では、当該変動において図柄エフェクトが実行され、ミニキャラ予告は実行されない。これに対して、演出実行例12,14,16では、当該変動において図柄エフェクトは実行されず、ミニキャラ予告が実行される。そして、演出実行例11〜15は、SPリーチを行う特図変動パターンであり、演出実行例16は、Nリーチを行うがSPリーチを行わない特図変動パターンである。なお、演出実行例13は、図47(C)に示した演出実行例1と同じである。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、このような演出実行例11〜16が実行されることがある。各演出の実行確率を勘案すれば、これらの演出実行例における大当たり期待度の関係は、演出実行例11>演出実行例12>演出実行例13>演出実行例14>演出実行例15>演出実行例16である。
また、図55に示す演出実行例21〜23は、先読み演出としてチャンス目演出を実行している場合の例である。演出実行例21及び22では、当該変動において、第2ロゴ演出(ロゴ可動体57kの上昇動作)が実行され、ミニキャラ予告は実行されない。これに対して、演出実行例23では、当該変動において第2ロゴ演出は実行されず、ミニキャラ予告が実行される。また、演出実行例21では、当該変動においてゾーン演出が実行される。これに対して、演出実行例22及び23では、当該変動においてゾーン演出は実行されない。そして、演出実行例21及び22は、SPリーチを行う特図変動パターンであり、演出実行例23は、Nリーチを行うがSPリーチを行わない特図変動パターンである。なお、演出実行例21は図47(C)に示した演出実行例4と、演出実行例22は図47(C)に示した演出実行例2と、演出実行例23は図47(C)に示した演出実行例5と、それぞれ同じである。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、このような演出実行例21〜23が実行されることがある。各演出の実行確率を勘案すれば、これらの演出実行例における大当たり期待度の関係は、演出実行例21>演出実行例22>演出実行例23である。
また、図55に示す演出実行例31〜33は、先読み演出としてゾーン演出を実行している場合の例である。演出実行例31及び32では、当該変動において、第2ロゴ演出(ロゴ可動体57kの上昇動作)が実行されるが、演出実行例33では、当該変動において第2ロゴ演出は実行されない。また、演出実行例31及び33では、当該変動において図柄エフェクトが実行されるが、演出実行例32では、当該変動において図柄エフェクトは実行されない。また、演出実行例32及び33では、当該変動においてミニキャラ予告が実行されるが、演出実行例31では、当該変動においてミニキャラ予告は実行されない。そして、演出実行例31〜33は何れも、SPリーチを行う特図変動パターンである。なお、演出実行例31は、図47(C)に示した演出実行例3と同じである。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、このような演出実行例31〜33が実行されることがある。各演出の実行確率を勘案すれば、これらの演出実行例における大当たり期待度の関係は、演出実行例31>演出実行例32>演出実行例33である。
このように本形態では、先読み演出、変動時予告演出、リーチ演出(SPリーチやNリーチ等)が複合的に実行されることで、遊技者が様々なタイミングで大当たりに期待できるようになっており、これにより高い遊技興趣が実現されている。
なお、各種の先読み演出の大当たり期待度や、変動時予告演出の大当たり期待度あるいはリーチ期待度は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。例えば、第1ロゴ演出よりもチャンス目演出の大当たり期待度を高くしたり、ゾーン演出の大当たり期待度を先読み演出として行う場合だけ高くしたり、あるいは変動時予告演出として行う場合だけ高くしたり、どちらの場合も同じように高くしたりすることが可能である。
<第1実施形態の効果>
以下、第1実施形態で説明したパチンコ遊技機PY1の効果について説明する。
(1)本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、先読み判定(第2判定)に基づいてロゴ可動体57kを用いた第1ロゴ演出(図48、第1事前演出)が行われていても、ロゴ可動体57kを用いないチャンス目演出(図50、第2事前演出)が行われているときと同様に、大当たり判定(第1判定)が行われることに応じて、ロゴ可動体57kを用いた第2ロゴ演出(図49、駆動予告演出)を行うことが可能である(図47に示す演出実行例1及び演出実行例2)。よって、大当たり判定が行われることに応じて、変動時予告演出として第2ロゴ演出が実行される面白さを保つことが可能であり、第2ロゴ演出が制限されることによる遊技興趣の低下を抑制することが可能である。言い換えれば、先読み演出として可動体演出が実行されていても、変動時予告演出として可動体演出が行われる面白さを維持することが可能である。
なお本形態では、先読み演出としての可動体演出(第1ロゴ演出、図36(B)参照)よりも、変動時予告演出としての可動体演出(第2ロゴ演出、図36(C)参照)の方が、ロゴ可動体57kを上方まで移動させる。このため、第1ロゴ演出は、第2ロゴ演出が実行されることに対する煽り演出としても機能する。よって、遊技興趣を向上可能である。
(2)また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第1ロゴ演出が行われていても、チャンス目演出が行われているときと変わらない実行確率で第2ロゴ演出が実行される(図41参照)。そのため、変動時予告演出として第2ロゴ演出が実行される面白さを一定に保つことが可能である。
(3)また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第2ロゴ演出(ロゴ可動体57kの上昇動作)は、大当たり遊技状態になる可能性が比較的高いことを示唆する演出として機能する(図41参照)。本形態では、このように演出として重要な第2ロゴ演出の実行が、先読み演出の実行状況で制限されるのを防止することが可能となっている。よって、遊技興趣の低下を防ぐことが可能である。
(4)また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第1ロゴ演出が実行されている場合でもチャンス目演出が実行されている場合でも、先読み演出(事前演出)の実行状況による制限を受けることなく、大当たり判定が行われることに応じて、共通の予告演出(例えば第2ロゴ演出)が実行され得る。よって、変動時予告演出による面白さを保つことが可能であり、変動時予告演出の実行が制限されることによる遊技興趣の低下を抑制することが可能である。
(5)特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、大当たり遊技状態になる可能性が比較的高いことを示唆する第2ロゴ演出(ロゴ可動体57kの上昇動作)の実行が、先読み演出の種類で制限されることがないため、遊技興趣の低下を防ぐことが可能である。
(6)なお本形態では、連続演出としてチャンス目演出が実行されたときには、変動時予告演出として図柄エフェクトを行わないこととしている(図42)。そのため、先読み演出の実行状況による制限を受けることなく第2ロゴ演出が実行されることの面白さを保ちつつも、図柄エフェクト(一部の変動時予告演出)については、先読み演出と変動時予告演出とが邪魔をし合ってそれぞれの演出効果を十分に発揮できないといった事態の発生を防止可能となっている。なお本形態では、図柄エフェクトは比較的大当たり期待度の低い演出であるため(図41参照)、図柄エフェクトの実行が制限されることによる遊技興趣の低下は小さい。
(7)また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、連続演出としてチャンス目演出が実行された場合でも、これよりも大当たり期待度が高い連続演出であるゾーン演出と同じ演出が、所謂当該変動用の演出として実行されることがある。つまり、変動時予告演出としてゾーン演出が実行されることがある(図53)。よって、遊技興趣を向上可能である。
(8)また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第2ロゴ演出が実行されたときの方がミニキャラ予告が実行されたときよりも、変動時予告演出としてのゾーン演出が実行され易い(図41)。よって、ゾーン演出が実行されるかどうかを、変動時予告演出の種類によって示唆することが可能となっている。よって、変動時予告演出の実行状況からゾーン演出の実行に期待させることが可能であり、遊技興趣を向上可能である。
(9)なお本形態における各種の連続演出および変動時予告演出は、それぞれ単独の演出としても、それぞれの演出内容、実行タイミング、実行確率等に応じた面白さを遊技者に与えるものである。
<第1実施形態の変更例>
以下、第1実施形態で説明したパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。
第1実施形態では、第2ロゴ演出(ロゴ可動体57kの上昇動作)が実行された場合の方が、ミニキャラ予告等の他の変動時予告演出が実行された場合よりも、変動時予告演出としてゾーン演出が実行され易い構成とした。これに対して、第2ロゴ演出が実行された場合の方が、実行されなかった場合よりも、変動時予告演出としてゾーン演出が実行され易い構成としてもよい。この構成とする場合、演出制御用マイコン121は、変動時予告演出としてゾーン演出を実行すると決定した場合に比較的高確率(例えば50%)で第2ロゴ演出を実行すると決定し、ゾーン演出を実行しないと決定した場合には比較的低確率(例えば10%)で第2ロゴ演出を実行すると決定するように構成することができる。
このような構成とすれば、変動時予告演出としてのゾーン演出が実行されるかどうかを、第2ロゴ演出の実行状況で示唆することが可能となるため、第2ロゴ演出の実行状況から変動時予告演出としてのゾーン演出の実行に期待させることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。またこのような構成とした場合、第2ロゴ演出は、チャンス目演出等のゾーン演出とは異なる先読み演出が行われた際にも実行され得るように構成するとよい。このように構成すれば、ゾーン演出とは異なる先読み演出が行われた場合に、第2ロゴ演出の後の演出展開に興味を持たせることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
また第1実施形態では、先読み演出の実行状況に関わらず、変動時予告演出として第2ロゴ演出(ロゴ可動体57kの上昇動作)が行われるように構成したが、第2ロゴ演出の実行確率が先読み演出の実行状況によって変化する構成としてもよい。例えば、第1ロゴ演出が実行された場合には変動時予告演出として第2ロゴ演出を30%で選択し、チャンス目演出が実行された場合には変動時予告演出として第2ロゴ演出を10%で選択する構成としてもよい。
また第1実施形態では、第2ロゴ演出の大当たり期待度を、変動時予告演出としてのゾーン演出の大当たり期待度よりも低くしたが、高くしてもよい。なお、各種の演出における大当たり期待度は適宜変更することが可能である。
また第1実施形態では、大当たり遊技状態を特別遊技状態としたが、特別遊技状態は遊技者に有利な遊技状態であれば、他の遊技状態(高確率状態、時短状態等)であってもよい。この場合、第1判定は、大当たり判定ではなく、高確率状態にするかの判定や時短状態にするかの判定であってもよい。また、第2判定は、大当たり遊技状態になるかについての先読み判定ではなく、高確率状態になるかの先読み判定や時短状態になるかの先読み判定であってもよい。
また第1実施形態では、第1判定(大当たり判定)に基づく演出を変動時予告演出とし、第2判定(先読み判定)に基づく演出を連続演出としたが、これらの演出は、大当たり遊技中の演出であってもよい。
また第1実施形態では、変動時予告演出や連続演出は、大当たり期待度を示唆する演出としたが、大当たり期待度を示唆しない演出としてもよい。具体的には例えば、単なるステージ変更等であってもよい。
また第1実施形態では、第1判定(大当たり判定)に基づく演出として複数種類の変動時予告演出を実行可能な構成としたが、必ずしも実行可能な変動時予告演出が複数種類ある必要はない。例えば、第2ロゴ演出(ロゴ可動体57kに上昇動作を行わせる演出)だけを実行可能な構成や、ゾーン演出(図53)だけを実行可能な構成などとしてもよい。
また第1実施形態では、第2ロゴ演出を「共通の予告演出」(第1ロゴ演出が実行されていてもチャンス目演出が実行されていても実行されることがある演出)としたが、「共通の予告演出」は、ロゴ可動体57k等の可動体を動作させる演出でなくてもよい。つまり、音演出であってもよいし、発光演出であってもよいし、表示部50aに画像を表示する画像表示演出であってもよい。
なお第1実施形態における各演出実行例(図47(C)や図55)では、ターゲット保留の位置が保留3〜保留1にある間、各種の変動時予告演出(第2ロゴ演出や図柄エフェクト、ミニキャラ予告)が何れも実行されていないが、ターゲット保留の位置が保留3〜保留1にある間であっても、演出制御用マイコン121は各種の変動時予告演出を実行することが可能である。この点は図46に示した通りである。
また第1実施形態では、先読み演出としての可動体演出(第1ロゴ演出、図36(B))と、変動時予告演出としての可動体演出(第2ロゴ演出、図36(C)参照)とは、異なる動作パターンとしたが、同じ動作パターン(例えばどちらの演出も図36(B)に示す動作パターン1等)としてもよい。
また第1実施形態では、先読み演出として第1ロゴ演出(ロゴ可動体57kの昇降動作)を行っているときに、変動時予告演出として第2ロゴ演出(ロゴ可動体57kの上昇動作)を行う場合には、特図変動の開始に際して、ロゴ可動体57kに昇降動作を行わせることなく、上昇動作を行わせる構成とした(図56(A)(B)参照)。これに対して、ロゴ可動体57kに昇降動作と上昇動作の両方を行わせる構成としてもよい。具体的には例えば、図56(C)に示すように、特図変動に際してロゴ可動体57kに昇降動作を行わせ(つまり連続演出としての第1ロゴ演出と同じタイミングで昇降動作を行わせ)、その昇降動作の後で上昇動作を行わせてもよい。なおこの構成では、第1ロゴ演出を実行していないときに変動時予告演出として第2ロゴ演出を実行する場合の該演出の実行タイミングも、図56(C)に示した第2ロゴ演出の実行タイミングと同じタイミングにするとよい。つまり、第2ロゴ演出の実行タイミングを、図56(D)に示すタイミング(第1ロゴ演出の実行期間に重ならないタイミング)にするとよい。
また第1実施形態において、図柄エフェクトはターゲット保留の位置が保留3〜保留1のときに実行されることがあってもよい。
また第1実施形態において、同色チャンス目の先読み演出が実行されている場合でも図柄エフェクトの変動時予告演出が実行される構成としてもよい。
また第1実施形態において、先読み演出にて移行される演出モードとして、CHANCEゾーンの他に、CHANCEゾーンよりも期待度の低い演出モード(YY演出モードとする)があってもよい。また、CHANCEゾーンよりも期待度の高い演出モード(MM演出モードとする)があってもよい。この場合、YY演出モードからCHANCEゾーンに移行したり、CHANCEゾーンからMM演出モードに移行したりすることがあってもよい。この演出モードの移行は、1変動内で行われてもよいし、複数の変動にわたって行われてもよい。
<その他の変更例>
以下、本発明の遊技機について、実施形態で説明したパチンコ遊技機PY1のその他の変更例について説明する。
実施形態では、特図可変表示に略同調して小図柄KZ1,KZ2,KZ3の可変表示が行われるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3のように3つの図柄で構成させるのではなく、2つなど3つ以外の図柄で構成させてもよい。例えば、特図1と特図2とで分けた2つの図柄を設けても良い。また、特図1と特図2とで共通の1つの図柄を設けても良い。そして、これらの場合、画像表示装置50の表示部50aで表示し、サブ制御基板120にその制御を行わせても良い。また、遊技盤1の遊技領域6以外の領域において、図柄を表示するLED装置を設けても良い。この場合、そのLED装置の制御を主制御基板100またはサブ制御基板120に行わせても良い。
また、実施形態では、特図2判定処理が優先的に行われるが、特図1判定処理が優先的に行われるように構成しても良い。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とについて、保留記憶部に記憶された順番で特図判定処理が行われるようにしても良い。
また、実施形態では、特図1の可変表示と特図2の可変表示とが並行して行われていないが、特図1の可変表示と特図2の可変表示とが並行して行われるように構成しても良い。
また、実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。
<本明細書に開示されている発明>
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明が開示されている。以下の説明では、実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1〜A4の総称であり、発明Bは、以下の発明B1〜B3の総称であり、発明Cは、以下の発明C1〜C4の総称である。
発明A1:
遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)にするかの第1判定(大当たり判定)を行う第1判定手段(遊技制御用マイコン101による大当たり判定に関する処理)と、
前記第1判定よりも前に、前記特別遊技状態になるかの第2判定(先読み判定)を行う第2判定手段(遊技制御用マイコン101による先読み判定に関する処理)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、
動作可能な演出用可動体(ロゴ可動体57k)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記第2判定の結果に基づいて、前記演出用可動体を用いた第1事前演出(第1ロゴ演出、図48)を実行するときと、前記演出用可動体を用いない第2事前演出(チャンス目演出、図50)を実行するときとがあり、
前記第1事前演出を実行していても前記第2事前演出を実行していても、前記第1判定が行われることに応じて、前記演出用可動体を用いた駆動予告演出(第2ロゴ演出、図49)を実行することがある(図47(C)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、演出用可動体を用いた第1事前演出が行われていても、演出用可動体を用いない第2事前演出が行われているときと同様に、第1判定が行われることに応じて、演出用可動体を用いた駆動予告演出を行うことがある。よって、第1判定が行われることに応じて駆動予告演出が実行される面白さを保つことが可能であり、駆動予告演出が制限されることによる遊技興趣の低下を抑制することが可能である。
発明A2:
発明A1に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記第1事前演出を実行していても前記第2事前演出を実行していても、同じ確率(図41参照)で前記駆動予告演出を実行することを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、演出用可動体を用いた第1事前演出が行われていても、演出用可動体を用いない第2事前演出が行われているときと変わらない確率で駆動予告演出が実行されるため、第1判定が行われることに応じて駆動予告演出が実行される面白さを一定に保つことが可能である。
発明A3:
発明A1又は発明A2に記載の遊技機であって、
前記駆動予告演出(ロゴ可動体57kの上昇動作)は、前記特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する演出である(図41参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する駆動予告演出の実行が、事前演出の種類で制限されるのを防止することが可能であり、遊技興趣の低下を防ぐことが可能である。
発明A4:
第1条件(第1始動口11又は第2始動口12への入賞)の成立により、遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)にするかの第1判定(大当たり判定)に用いる判定情報(大当たり乱数等)を取得する取得手段(遊技制御用マイコン101による特図関係乱数の取得に関する処理)と、
第2条件(特図変動や大当たり遊技の実行中でなく特図保留があること)の成立により、前記取得手段によって取得された判定情報に基づいて、前記第1判定を行う第1判定手段(遊技制御用マイコン101による大当たり判定に関する処理)と、
前記第2条件が成立する前に、前記取得手段によって取得された判定情報に基づいて、前記特別遊技状態になるかの第2判定(先読み判定)を行う第2判定手段(遊技制御用マイコン101による先読み判定に関する処理)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、
動作可能な演出用可動体(ロゴ可動体57k)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記取得手段によって取得された特定の判定情報(例えば実施形態のターゲット保留)に基づく前記第2判定の結果に基づいて、前記特定の判定情報よりも前に前記取得手段によって取得された判定情報に基づく前記第1判定が行われることに応じて、前記演出用可動体を用いた第1事前演出(第1ロゴ演出、図48)を実行するときと、前記演出用可動体を用いない第2事前演出(チャンス目演出、図50)を実行するときとがあり、
前記第1事前演出を実行していても前記第2事前演出を実行していても、前記特定の判定情報に基づく前記第1判定が行われることに応じて、前記演出用可動体を用いた駆動予告演出(第2ロゴ演出、図49)を実行することがある(図47(C)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、演出用可動体を用いた第1事前演出が行われていても、演出用可動体を用いない第2事前演出が行われているときと同様に、特定の判定情報に基づく第1判定が行われることに応じて、演出用可動体を用いた駆動予告演出を行うことがある。よって、特定の判定情報に基づく第1判定が行われることに応じて駆動予告演出が実行される面白さを保つことが可能であり、駆動予告演出が制限されることによる遊技興趣の低下を抑制することが可能である。
ところで、従来よりパチンコ遊技機では、遊技者に有利な特別遊技状態に制御するかの判定が行われ、その判定の結果が示されるまでの間に、様々な演出が行われる。演出の中には、上記の判定よりも前に特別遊技状態になるかを判定し、その判定(事前判定)の結果に基づいて行われる演出がある。例えば特開2004−33671号公報には、事前判定の結果に基づく演出として、連続する複数回の図柄変動において同一のキャラクタを表示したり、同一種類のリーチを実行したりする遊技機が記載されている。しかしながら、事前判定の結果に基づく演出については、遊技の興趣向上のため、改善の余地がある。上記した発明Aは、特開2004−33671号公報に記載の遊技機に対して、「演出制御手段は、第2判定の結果に基づいて、演出用可動体を用いた第1事前演出を実行するときと、演出用可動体を用いない第2事前演出を実行するときとがあり、第1事前演出を実行していても第2事前演出を実行していても、第1判定が行われることに応じて、演出用可動体を用いた駆動予告演出を実行することがある」という点で相違している。これにより、「演出を通じて遊技の興趣向上に寄与する遊技機を提供する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
発明B1:
遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)にするかの第1判定(大当たり判定)を行う第1判定手段(遊技制御用マイコン101による大当たり判定に関する処理)と、
前記第1判定よりも前に、前記特別遊技状態になるかの第2判定(先読み判定)を行う第2判定手段(遊技制御用マイコン101による先読み判定に関する処理)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記第2判定の結果に基づいて、第1事前演出(第1ロゴ演出、図48)と第2事前演出(チャンス目演出、図50)とを含む複数種類の事前演出のうちのいずれかを実行することと、
前記第1判定が行われることに応じて、複数種類の予告演出(第2ロゴ演出、図柄エフェクト、ミニキャラ予告など)のうちのいずれかを実行することと、が可能であり、
前記第1事前演出を実行していても前記第2事前演出を実行していても、共通の予告演出(第2ロゴ演出)を行うことがある(図47(C)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1事前演出が実行されている場合でも第2事前演出が実行されている場合でも、事前演出の実行状況による制限を受けることなく、第1判定が行われることに応じて共通の予告演出が実行され得る。よって、予告演出による面白さを保つことが可能であり、予告演出が制限されることによる遊技興趣の低下を抑制することが可能である。
発明B2:
発明B1に記載の遊技機であって、
前記共通の予告演出(ロゴ可動体57kに上昇動作を行わせる第2ロゴ演出)は、前記特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する演出である(図41参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する予告演出の実行が、事前演出の種類で制限されるのを防止することが可能であり、遊技興趣の低下を防ぐことが可能である。
発明B3:
発明B1又は発明B2に記載の遊技機であって、
前記複数種類の予告演出には、前記共通の予告演出とは異なる特定の予告演出(図柄エフェクト、図38)が含まれ、
前記演出制御手段は、前記第2事前演出(チャンス目演出)を実行している場合には、前記特定の予告演出を実行しない(図42参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2事前演出が実行されたときには、特定の予告演出を行わないこととしている。そのため、事前演出の実行状況による制限を受けることなく共通の予告演出が実行されることの面白さを保ちつつも、特定の予告演出については、事前演出と予告演出とが邪魔をし合ってそれぞれの演出効果を十分に発揮できないといった事態の発生を防止可能である。
ところで、従来よりパチンコ遊技機では、遊技者に有利な特別遊技状態に制御するかの判定が行われ、その判定の結果が示されるまでの間に、様々な演出が行われる。演出の中には、上記の判定よりも前に特別遊技状態になるかを判定し、その判定(事前判定)の結果に基づいて行われる演出がある。例えば特開2004−33671号公報には、事前判定の結果に基づく演出として、連続する複数回の図柄変動において同一のキャラクタを表示したり、同一種類のリーチを実行したりする遊技機が記載されている。しかしながら、事前判定の結果に基づく演出については、遊技の興趣向上のため、改善の余地がある。上記した発明Bは、特開2004−33671号公報に記載の遊技機に対して、「演出制御手段は、第1事前演出を実行していても第2事前演出を実行していても、共通の予告演出を行うことがある」という点で相違している。これにより、「演出を通じて遊技の興趣向上に寄与する遊技機を提供する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
発明C1:
遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)にするかの第1判定(大当たり判定)を行う第1判定手段(遊技制御用マイコン101による大当たり判定に関する処理)と、
前記第1判定よりも前に、前記特別遊技状態になるかの第2判定(先読み判定)を行う第2判定手段(遊技制御用マイコン101による先読み判定に関する処理)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記第2判定の結果に基づいて、前記特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する特定の事前演出(ゾーン演出、図51)を含む複数種類の事前演出(ゾーン演出、チャンス目演出など)のうちのいずれかを実行することがあり、
前記特定の事前演出とは異なる他の事前演出(チャンス目演出、図50)を実行した場合に、前記第1判定が行われた後で、前記特定の事前演出と同じ又は類似する演出(ゾーン演出、図53)を行うことがある(図47(C)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、他の事前演出が実行された場合でも、特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する特定の事前演出と同じ演出(若しくは特定の事前演出と類似する演出)の実行に期待させることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
発明C2:
発明C1に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記第1判定が行われたことに応じて、特定の予告演出(ロゴ可動体57kに上昇動作を行わせる第2ロゴ演出)を実行することがあり、
前記特定の予告演出が実行されたときと、実行されなかったときとで、前記特定の事前演出と同じ又は類似する演出(ゾーン演出、図53)が実行される確率が異なることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特定の事前演出と同じ演出(若しくは特定の事前演出と類似する演出)が実行されるかどうかを、特定の予告演出の実行状況で示唆することが可能となる。よって、特定の予告演出の実行状況から特定の事前演出と同じ演出(若しくは特定の事前演出と類似する演出)の実行に期待させることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
発明C3:
発明C2に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記特定の事前演出(ゾーン演出、図51)を実行していても前記他の事前演出(チャンス目演出、図50)を実行していても、前記特定の予告演出(ロゴ可動体57kに上昇動作を行わせる第2ロゴ演出)を実行することがある(図47(C)に示す演出実行例3、演出実行例4)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、他の事前演出が行われた際にも実行され得る特定の予告演出が、特定の事前演出と同じ演出(若しくは特定の事前演出と類似する演出)の実行示唆として機能するため、特定の予告演出の後の演出展開に興味を持たせることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
発明C4:
発明C1に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記第1判定が行われたことに応じて、複数種類の予告演出(第2ロゴ演出、ミニキャラ予告など)のうちのいずれかを実行することが可能であり、
実行された前記予告演出の種類に応じて、前記特定の事前演出と同じ又は類似する演出(ゾーン演出、図53)が実行される確率が異なる(図41参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特定の事前演出と同じ演出(若しくは特定の事前演出と類似する演出)が実行されるかどうかを、予告演出の種類によって示唆することが可能となる。よって、予告演出の実行状況から特定の事前演出と同じ演出(若しくは特定の事前演出と類似する演出)の実行に期待させることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
ところで、従来よりパチンコ遊技機では、遊技者に有利な特別遊技状態に制御するかの判定が行われ、その判定の結果が示されるまでの間に、様々な演出が行われる。演出の中には、上記の判定よりも前に特別遊技状態になるかを判定し、その判定(事前判定)の結果に基づいて行われる演出がある。例えば特開2004−33671号公報には、事前判定の結果に基づく演出として、連続する複数回の図柄変動において同一のキャラクタを表示したり、同一種類のリーチを実行したりする遊技機が記載されている。しかしながら、事前判定の結果に基づく演出については、遊技の興趣向上のため、改善の余地がある。上記した発明Cは、特開2004−33671号公報に記載の遊技機に対して、「演出制御手段は、第1判定よりも前に行われる第2判定の結果に基づいて、特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する特定の事前演出を含む複数種類の事前演出のうちのいずれかを実行することがあり、特定の事前演出とは異なる他の事前演出を実行した場合に、特別遊技状態にするかの第1判定が行われた後で、特定の事前演出と同じ又は類似する演出を行うことがある」という点で相違している。これにより、「演出を通じて遊技の興趣向上に寄与する遊技機を提供する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
PY1…パチンコ遊技機
50…画像表示装置
57k…ロゴ可動体
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン

Claims (3)

  1. 第1条件の成立により、遊技者に有利な特別遊技状態にするかの第1判定に用いる判定情報を取得する取得手段と、
    第2条件の成立により、前記取得手段によって取得された判定情報に基づいて、前記第1判定を行う第1判定手段と、
    前記第1判定が行われたことに応じて、所定の図柄を変動表示させる図柄変動を行う図柄表示手段と、
    前記第2条件が成立する前に、前記取得手段によって取得された判定情報に基づいて、前記特別遊技状態になるかの第2判定を行う第2判定手段と、
    演出を制御可能な演出制御手段と、を備え、
    前記演出制御手段は、
    前記取得手段によって取得された特定の判定情報に基づく前記第2判定の結果に基づいて、前記特定の判定情報よりも前に前記取得手段によって取得された判定情報に基づく前記第1判定が行われることに応じて、所定の演出要素を用いる第1事前演出と、前記演出要素とは異なる演出要素を用いる第2事前演出とを含む複数種類の事前演出のうちのいずれかを実行することと、
    前記第1判定が行われることに応じて、複数種類の予告演出のうちのいずれかを実行することと、が可能であり、
    前記第1事前演出及び前記第2事前演出は、前記特定の判定情報よりも前に取得された判定情報に基づく前記図柄変動から前記特定の判定情報に基づく前記図柄変動までの連続する各図柄変動において実行されることがある連続演出である遊技機であって、
    前記演出制御手段は、前記第1事前演出を実行していても前記第2事前演出を実行していても、共通の予告演出を行うことがあることを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機であって、
    前記複数種類の予告演出には、前記共通の予告演出とは異なる特定の予告演出が含まれ、
    前記演出制御手段は、前記第2事前演出を実行している場合には、前記特定の予告演出を実行しないことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項2に記載の遊技機であって、
    前記特定の予告演出は、前記第2事前演出で用いる演出要素と同じ演出要素を用いる演出であることを特徴とする遊技機。
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