JP6525622B2 - コアシェル構造のマイクロカプセル - Google Patents
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Description
本発明のコアシェル構造のマイクロカプセルは、含水率が0.1重量%以下であることが好ましい。
以下、本発明を詳述する。
上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤を水溶性とすることにより、マイクロカプセルが硬化性樹脂組成物に配合された場合の硬化速度を高めることができる。また、上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤は水溶性であり、エポキシ樹脂との相溶性が低いために、貯蔵中に上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤が漏出したとしても漏出したエポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤が拡散しづらく、貯蔵中に硬化反応が進行しづらい。従って、上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤を水溶性とすることにより、マイクロカプセルが硬化性樹脂組成物に配合された場合の貯蔵安定性及び熱安定性を高めることができる。上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤の水への溶解度の好ましい下限は10重量%、より好ましい下限は15重量%、更に好ましい下限は20重量%である。上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤の水への溶解度の上限は特に限定されないが、入手容易性、均一硬化性等を考慮すると、好ましい上限は100重量%である。
なお、エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤の水への溶解度とは、20℃において100gの水へエポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤を加えたときに、溶液が不均一にも2相にもならないエポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤の最大量を意味する。なお、溶液が不均一になったり2相になったりしている状態は、エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤が水に完全に溶けていない状態である。
通常、上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤をそのまま硬化性樹脂組成物に配合すると、上述したように上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤は水溶性であり、エポキシ樹脂との相溶性が低いために、エポキシ樹脂中に拡散しづらく、貯蔵中に硬化反応が進行しづらい(急激な粘度上昇は起きない)。しかしながら、上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤の界面から徐々に硬化反応が進行していくため、充分な貯蔵安定性及び熱安定性が得られない。
一方、上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤をポリマーで被覆することにより、上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤とエポキシ樹脂との接触を抑制して、マイクロカプセルが硬化性樹脂組成物に配合された場合の貯蔵安定性及び熱安定性を高めることができる。なお、ポリマーとは、分子量が1000以上程度である化合物を意味する。
上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤を、水素結合可能な極性官能基を有するポリマーを50重量%以上含有するポリマーで被覆することで、ポリマー同士が水素結合により緻密なシェルを構築するため、漏出させることなく上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤をシェルが保持できる。このため、上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤とエポキシ樹脂との接触を更に抑制して、マイクロカプセルが硬化性樹脂組成物に配合された場合の貯蔵安定性及び熱安定性を高めることができる。また、水素結合によりシェルが硬くなるため、マイクロカプセルのせん断耐久性が向上し、プロセス中に加わる力でマイクロカプセルが破壊されることなく貯蔵安定性が更に向上する。加えて、上記水素結合可能な極性官能基を有するポリマーは高温で水素結合が切れることから、高温では上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤に上記水素結合可能な極性官能基を有するポリマーが溶解し、上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤が放出することから速硬化性が向上する。上記水素結合可能な極性官能基を有するポリマーの含有量の上限は特に限定されず、100重量%であってもよい。
上記架橋剤の含有量は特に限定されないが、後述するマイクロカプセルの破壊荷重を調整する観点から、上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤と、上記ポリマーとの合計100重量部に対する好ましい下限が1重量部、好ましい上限が30重量部であり、より好ましい下限が5重量部、より好ましい上限が15重量部である。
上記水素結合可能な極性官能基を有するポリマー以外のその他ポリマーとして、例えば、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、マイクロカプセルの破壊荷重とは、微小圧縮試験機(例えば、フィッシャー社製のフィッシャースコープH−100)を用いて、円柱(直径100μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、圧縮速度0.3mN/秒、最大試験荷重20mNの条件下でマイクロカプセルを圧縮したときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定し、このとき、荷重値に対して圧縮変位が平均粒子径と同じになった点の荷重を意味する。
なお、含水率とは、赤外線水分計(例えば、FD−800、ケツト科学研究所社製)により測定した水分量を、測定に使用したマイクロカプセル量で割った値の百分率を意味する。
なお、平均粒子径とは、走査型電子顕微鏡を用いて1視野に約100個のマイクロカプセルが観察できる倍率で観察し、任意に選択した50個のマイクロカプセルの最長径をノギスで測定した平均値を意味する。
平均粒子径Dを用いて下記式(1)によりマイクロカプセルの体積Vを算出する。
次いで、マイクロカプセル0.15mgを精秤し、熱分解装置(フロンティア・ラボ社製)を用いて熱分解後、ガスクロマトグラフィー装置(Q1000、日本電子社製)でエポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤の含有量Cを定量する。得られた含有量Cを用いて下記式(2)によりマイクロカプセルの内包体積比率を算出する。
次いで、算出した内包体積比率を用いて下記式(3)によりコアの直径を算出する。更に、算出したコアの直径を用いて下記式(4)によりシェル厚みを算出する。
内包体積比率(%)=(C(重量%)/G(g/cm3))/V(cm3) (2)
コアの直径=2×{(3×V×内包体積比率)/(4×π)}(1/3) (3)
シェル厚み=(D−コアの直径)/2 (4)
式(1)〜(4)中、Vはマイクロカプセルの体積を表し、Dはマイクロカプセルの平均粒子径を表し、Cは熱分解ガスクロマトグラフィーを用いて定量したエポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤の含有量を表し、Gはエポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤の比重を表す。
なお、コアシェル構造の確認方法としては、クロスセションポリッシャーによりマイクロカプセルの断面形状を露出した後、走査型電子顕微鏡により断面構造を観察する方法を用いることができる。
上記水性溶媒は、上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤と上記水素結合可能な極性官能基を有するポリマーとを溶解できれば特に限定されず、上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤と上記水素結合可能な極性官能基を有するポリマーとに合わせて適宜選択されるが、例えば、水、メタノール、水とメタノールとの混合溶媒等が挙げられる。
なお、シェルを構成する原料とは、水素結合可能な極性官能基を有するポリマーに、必要に応じてその他ポリマー、架橋剤等を合わせたものを意味する。
上記非極性媒体は特に限定されず、水性溶媒に合わせて適宜選択される。
上記水性溶媒と上記非極性媒体との関係としては、上記水性溶媒よりも非極性媒体の沸点が高く、上記水性溶媒の20℃での非極性媒体への溶解度が5重量%以下であることが好ましい。このような水性溶媒と非極性媒体とを用いることにより、安定な乳化液を調製することができるとともに、水性溶媒を除去する際に液滴の合一等を抑制することができるため、マイクロカプセルの粒子径の制御が可能となる。
なお、水性溶媒の20℃での非極性媒体への溶解度とは、20℃において、非極性媒体と水性溶媒とを混合して1日撹拌した後に、非極性媒体をガスクロマトグラフィーにより分析したときの、非極性媒体中に含まれる水性溶媒の量を意味する。
なお、HLBとは、乳化剤の親油性と親水性とのバランスを示す指標であり、親水基を持たない場合をHLB=0、親油基を持たず親水基のみをもつ場合をHLB=20としたものであり、水、油等の溶媒に対する乳化剤の親和性を意味する。HLBの算出方法としては、グリフィン法、デイビス法等の既知の手法を用いることができる。
上記非極性溶液bに添加される架橋剤は特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、油溶性シランカップリング剤、チタンアルコキシド、チタンアルコキシラート、イソシアネート含有ポリマー、イソシアネート含有オリゴマー、シリコンアルコキシオリゴマー等が挙げられる。
上記水性溶媒を除去することにより、上記エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤と上記水素結合可能な極性官能基を有するポリマーとを相分離させながら上記水素結合可能な極性官能基を有するポリマーを析出させ、コアシェル構造を形成することができる。
なお、以下の実施例、参考例、及び、比較例で用いたポリマーの分子量とは、ポリマーの重量平均分子量(Mw)を意味する。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、カラムとしてフナコシ社製カラムSB−806MHQを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行い、ポリエチレングリコール換算による重量平均分子量(Mw)を測定することにより求めた。
水素結合可能な極性官能基を有するポリマーとしてアクリル酸−アクリルアミド共重合体(分子量4000)70重量部と、エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(20℃での水への溶解度45重量%)30重量部とを、水(沸点100℃、20℃でのイソパラフィン系溶剤アイソパーMへの溶解度0.1重量%以下)2250重量部に溶解させて、水性溶液を得た。
一方、非極性媒体としてのイソパラフィン系溶剤(アイソパーM、エクソンモービル社製)に乳化剤としてソルビタンセスキオレエートを1重量%含む非極性溶液を調製した。
2350重量部の水性溶液を、11250重量部の非極性溶液に加え、ホモジナイザーを用いて5000rpmで攪拌して乳化分散させた。その後、得られた乳化液を減圧装置付反応器で70℃、0.1MPaの条件で加熱及び減圧して水を除去することにより、コアシェル構造を有するマイクロカプセルの分散液を得た。得られたマイクロカプセル分散液中のマイクロカプセルを、シクロヘキサンを用いて繰り返して洗浄した後、真空乾燥機を用いて50℃、3日乾燥した。
水素結合可能な極性官能基を有するポリマーをポリアクリル酸(分子量5000)に変えたこと以外は実施例1と同様にして、マイクロカプセルを得た。
乳化液を減圧装置付反応器で40℃、0.1MPaの条件で加熱及び減圧したこと以外は実施例2と同様にして、マイクロカプセルを得た。
水性溶液に架橋剤としてチタンアルコキシラート25%水溶液(和光純薬工業社製)60重量部を添加したこと以外は実施例2と同様にして、マイクロカプセルを得た。
水性溶液に架橋剤としてチタンアルコキシラート25%水溶液(和光純薬工業社製)120重量部を添加したこと以外は実施例2と同様にして、マイクロカプセルを得た。
水素結合可能な極性官能基を有するポリマーをアクリル酸−メタクリル酸共重合体(分子量5000)に変えたこと以外は実施例1と同様にして、マイクロカプセルを得た。
水素結合可能な極性官能基を有するポリマー70重量部をゼラチン(和光純薬工業社製、分子量200000)70重量部に変え、架橋剤としてチタンアルコキシラート25%水溶液(和光純薬工業社製)30重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にして、マイクロカプセルを得た。
水素結合可能な極性官能基を有するポリマーをペクチン(分子量100000)に変えたこと以外は実施例1と同様にして、マイクロカプセルを得た。
被覆ポリマーを水素結合可能な極性官能基を有するポリマーであるポリアクリル酸(和光純薬工業社製)35重量部及びその他ポリマーであるポリエチレンオキシド(和光純薬工業社製、分子量6000)35重量部に変えたこと以外は実施例1と同様にして、マイクロカプセルを得た。
エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤をヘキサメチレンジアミン(20℃での水への溶解度33重量%)に変えたこと以外は実施例1と同様にして、マイクロカプセルを得た。
エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤をトリエチレンジアミン(20℃での水への溶解度45重量%)に変えたこと以外は実施例1と同様にして、マイクロカプセルを得た。
エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤をマロン酸ジヒドラジド(20℃での水への溶解度45重量%)に変えたこと以外は実施例1と同様にして、マイクロカプセルを得た。
水素結合可能な極性官能基を有するポリマーとしてメチルセルロース(SM−100、信越化学工業社製、分子量100000)70重量部と、エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(20℃での水への溶解度45重量%)30重量部とを、水(沸点100℃、20℃でのイソパラフィン系溶剤アイソパーMへの溶解度0.1重量%以下)2250重量部に溶解させて、水性溶液を得た。
一方、非極性媒体としてのイソパラフィン系溶剤(アイソパーM、エクソンモービル社製)に乳化剤としてソルビタンセスキオレエートを1重量%含む非極性溶液を調製した。
2350重量部の水性溶液を、11250重量部の非極性溶液に加え、ホモジナイザーを用いて5000rpmで攪拌して乳化分散させた。その後、得られた乳化液を減圧装置付反応器で60℃、0.1MPaの条件で加熱及び減圧して水を除去することにより、コアシェル構造を有するマイクロカプセルの分散液を得た。得られたマイクロカプセル分散液中のマイクロカプセルを、シクロヘキサンを用いて繰り返して洗浄した後、送風乾燥機を用いて40℃、1日乾燥した。
エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤として2−メチルイミダゾール30重量部を、水525重量部に溶解させて、水性溶液を得た。この水性溶液を、ポリスチレン(分子量35000)70重量部をジクロロメタンに溶解させた溶液(乳化剤としてソルビタンセスキオレエートを1重量%含む)に加え、ホモジナイザーを用いて7000rpmで攪拌して、水性溶液からなる液滴が分散した乳化液を調製した。
更に、この乳化液を、ポリビニルアルコール(GH−20、日本合成化学社製)を溶解させた水に加えて、ホモジナイザーを用いて2000rpmで撹拌して、w/o/w型エマルションを調製した。その後、得られたw/o/w型エマルションを減圧装置付反応器で室温及び30℃、0.09MPaの条件で加熱及び減圧し、ジクロロメタンを除去した。
被覆ポリマーを水素結合可能な極性官能基を有するポリマーであるポリアクリル酸(和光純薬工業社製)28重量部及びその他ポリマーであるポリエチレンオキシド(和光純薬工業社製)52重量部に変えたこと以外は実施例1と同様にして、マイクロカプセルを得た。
エポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール(20℃での水への溶解度0重量%)30重量部を、酢酸エチル525重量部に溶解させて、油性溶液を得た。この油性溶液を、ポリアクリル酸70重量部を水に溶解させた溶液(乳化剤としてソルビタンセスキオレエートを1重量%含む)に加え、ホモジナイザーを用いて7000rpmで攪拌して、油性溶液からなる液滴が分散した乳化液を調製した。
更に、この乳化液を、ソルスパース17000を溶解させたイソパラフィン系溶剤(アイソパーM、エクソンモービル社製)に加えて、ホモジナイザーを用いて2000rpmで撹拌して、o/w/o型エマルションを調製した。その後、得られたw/o/w型エマルションを減圧装置付反応器で室温及び55℃、0.09MPaの条件で加熱及び減圧し、酢酸エチル及び水を除去した。
実施例、参考例、及び、比較例で得られたマイクロカプセルについて以下の評価を行った。結果を表1及び2に示した。
走査型電子顕微鏡を用いて1視野に約100個のマイクロカプセルが観察できる倍率でマイクロカプセルを観察し、任意に選択した50個のマイクロカプセルの最長径をノギスで測定し、その平均値を平均粒子径とした。
平均粒子径Dを用いて下記式(1)によりマイクロカプセルの体積Vを算出した。
次いで、マイクロカプセル0.15mgを精秤し、熱分解装置(フロンティア・ラボ社製)を用いて熱分解後、ガスクロマトグラフィー装置(Q1000、日本電子社製)でエポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤の含有量Cを定量した。得られた含有量Cを用いて下記式(2)によりマイクロカプセルの内包体積比率を算出した。
次いで、算出した内包体積比率を用いて下記式(3)によりコアの直径を算出した。更に、算出したコアの直径を用いて下記式(4)によりシェル厚みを算出した。
内包体積比率(%)=(C(重量%)/G(g/cm3))/V(cm3) (2)
コアの直径=2×{(3×V×内包体積比率)/(4×π)}(1/3) (3)
シェル厚み=(D−コアの直径)/2 (4)
式(1)〜(4)中、Vはマイクロカプセルの体積を表し、Dはマイクロカプセルの平均粒子径を表し、Cは熱分解ガスクロマトグラフィーを用いて定量したエポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤の含有量を表し、Gはエポキシ樹脂用硬化剤及び/又は硬化促進剤の比重を表す。
乾燥後のマイクロカプセルを0.5g量り取り、赤外線水分計(FD−800、株式会社ケツト科学研究所社製)により水分量を測定した。測定した水分量をマイクロカプセル量で割ることで含水率(重量%)を算出した。
微小圧縮試験機(フィッシャー社製、フィッシャースコープH−100)を用いて、円柱(直径100μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、圧縮速度0.3mN/秒、最大試験荷重20mNの条件下でマイクロカプセルを圧縮した。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定した。このとき、荷重値に対して圧縮変位が平均粒子径と同じになった点を破壊荷重とした。
得られたマイクロカプセル0.13重量部をエポキシ樹脂(YL980、jER社製)0.58重量部中に添加して、公転自転撹拌機で3000rpm、5分撹拌した後、得られたエポキシ樹脂組成物を酢酸エチルにより洗浄及びろ過し、マイクロカプセルを回収した。回収したマイクロカプセルを走査型電子顕微鏡を用いて1視野に約100個のマイクロカプセルが観察できる倍率で5回観察し、破壊されたマイクロカプセルの個数を評価した。なお、せん断耐久性については下記の基準で評価した。
○:破壊されたマイクロカプセルが観察されなかった。
△:破壊されたマイクロカプセルが1〜3個観察された。
×:破壊されたマイクロカプセルが4個以上観察された。
実施例、参考例、及び、比較例で得られたマイクロカプセルを配合したエポキシ樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1及び2に示した。
実施例1〜4、6〜9、参考例5、及び、比較例1〜4で得られたマイクロカプセル0.13重量部をエポキシ樹脂(YL980、jER社製)0.58重量部中に添加して、公転自転撹拌機で3000rpm、5分撹拌した後、得られたエポキシ樹脂組成物を200℃に熱したホットプレート上に置いたスライドガラスの上に滴下して、エポキシ樹脂組成物が硬化するまでの時間を測定した。
また、実施例10〜12で得られたマイクロカプセル0.32重量部をエポキシ樹脂(YL980、jER社製)0.58重量部中に添加して、公転自転撹拌機で3000rpm、5分撹拌した後、得られたエポキシ樹脂組成物を200℃に熱したホットプレート上に置いたスライドガラスの上に滴下して、エポキシ樹脂組成物が硬化するまでの時間を測定した。
実施例1〜4、6〜9、参考例5、及び、比較例1〜4で得られたマイクロカプセル0.13重量部をエポキシ樹脂(YL980、jER社製)0.58重量部中に添加して、公転自転撹拌機で3000rpm、5分撹拌した後、得られたエポキシ樹脂組成物を100℃のオーブンにおいて、粘度が初期粘度の2倍になる時間を測定した。
また、実施例10〜12で得られたマイクロカプセル0.32重量部をエポキシ樹脂(YL980、jER社製)0.58重量部中に添加して、公転自転撹拌機で3000rpm、5分撹拌した後、得られたエポキシ樹脂組成物を100℃のオーブンにおいて、粘度が初期粘度の2倍になる時間を測定した。
実施例1〜4、6〜9、参考例5、及び、比較例1〜4で得られたマイクロカプセル0.13重量部をエポキシ樹脂(YL980、jER社製)0.58重量部中に添加して、公転自転撹拌機で3000rpm、5分撹拌した後、得られたエポキシ樹脂組成物を40℃のオーブンにおいて、粘度が初期粘度の2倍になる時間を測定した。
また、実施例10〜12で得られたマイクロカプセル0.32重量部をエポキシ樹脂(YL980、jER社製)0.58重量部中に添加して、公転自転撹拌機で3000rpm、5分撹拌した後、得られたエポキシ樹脂組成物を40℃のオーブンにおいて、粘度が初期粘度の2倍になる時間を測定した。
Claims (2)
- 水への溶解度が5重量%以上であるエポキシ樹脂用硬化剤及び/又はエポキシ樹脂用硬化促進剤が、ポリマーで被覆されていて、
前記ポリマーは、水素結合可能な極性官能基を有するポリマーを50重量%以上含有しており、
破壊荷重が1mN以上、4mN以下である
ことを特徴とするコアシェル構造のマイクロカプセル。 - 含水率が0.1重量%以下であることを特徴とする請求項1記載のコアシェル構造のマイクロカプセル。
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