以下、本発明の実施形態について図1乃至図8を参照して説明する。図1乃至図6、図8は、照明器具を示し、図7は、光源部及び点灯装置を示している。各図においてリード線等による配線接続関係は省略して示している。なお、同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
本実施形態の照明器具は、器具取付面に設置された配線器具としての引掛けシーリングボディに取付けられて使用される一般住宅用のものであり、基板に実装された複数の発光素子を有する光源部から放射される光によって室内の照明を行うものである。
照明器具は、器具本体1と、光源部2と、点灯装置3と、センター部材4とを備えている。さらに、照明器具は、取付部5と、光センサ6と、セード7と、カバー部材8と、間接光光源部9と、弾性部材10とを備えている。また、器具取付面としての天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに電気的かつ機械的に接続されるアダプタAを備えている(図8参照)。このような照明器具は、丸形の円形状の外観に形成され、前面側を光の照射面とし、背面側を天井面Cへの取付面としている。これらの構成要素について順次説明する。
図2乃至図6に示すように、器具本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成された熱伝導性を有するシャーシであり、略中央部に、後述する取付部5が配置される円形状の開口11が形成されている。この開口11は、円形状の一部が外方に突出して取付部5の外形と略等しい形状に形成されている。
開口11の外周側には、四角形状で角部がR形状をなし、背面側へ突出した突出部12が形成されている。また、この突出部12の外周側には、前面側へ突出した円形環状の突出部13が形成されている。さらに、この突出部13の外周側には、突出部13と半径方向に連続するように背面側に突出、換言すれば、前面側に凹部を形成する円形環状の突出部14が形成されている。
突出部14によって形成される凹部には、セード7が着脱可能に取付けられるセード受金具75が配置されている。これら突出部12、13、14は、主としてシャーシに取付けられる部材の取付部として機能し、また、シャーシの強度を補強する機能や放熱面積を増加する機能を有している。
なお、本体1は、本実施形態においては、シャーシが該当するが、ケース、反射板やベースと指称されるものであってもよい。一般的には、光源部2が直接的又は間接的に配設される部材や部分を意味しており、格別限定的に解釈されるものではない。
光源部2は、図2、図4、図6及び図8に示すように、基板21と、この基板21に実装された複数の発光素子22とを備えている。基板21は、所定の幅寸法を有した円弧状の4枚の基板21が繋ぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状に形成されている。つまり、全体として略サークル状に形成された基板21は、4枚の分割された基板21から構成されている。
このように分割された基板21を用いることにより、基板21の分割部で熱的収縮を吸収して基板21の変形を抑制することができる。なお、複数に分割された基板21を用いることが好ましいが、略サークル状に一体的に形成された一枚の基板を用いるようにしてもよい。
基板21は、絶縁材であるガラスエポキシ樹脂(FR−4)の平板からなり、表面側には銅箔によって配線パターンが形成されている。発光素子22は、この配線パターンに電気的に接続されるようになっている。また、配線パターンの上、つまり、基板21の表面には反射層として作用する白色のレジスト層が施されている。
なお、基板21の材料は、絶縁材とする場合には、セラミックス材料又は合成樹脂材料を適用できる。さらに、金属製とする場合は、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたべース板の一面に絶縁層が積層された金属製のべース基板を適用できる。
発光素子22は、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。このLEDパッケージが複数個サークル状の基板21の周方向に沿って、複数列、本実施形態では、半径の異なる略同心円の周上に3列に亘って実装されている。つまり、内周側の列、外周側の列及び、これら内周側の列と外周側の列との中間の列に亘って実装されている。
LEDパッケージは、概略的にはセラミックスや合成樹脂で形成されたキャビティに配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ系樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とから構成されている。
内周側の列及び外周側の列に実装されているLEDパッケージには、発光色が昼白色(N)のものと電球色(L)のものとが用いられており、これらが円周上に略等間隔を空けて交互に並べられて配設されている。LEDチップは、青色光を発光するLEDチップである。透光性樹脂には、蛍光体が混入されており、昼白色(N)、電球色(L)の白色系の光を出射できるようにするために、主として青色の光とは補色の関係にある黄色系の光を放射する黄色蛍光体が使用されている。
中間の列に実装されているLEDパッケージには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光するものが用いられている。したがって、LEDチップは、それぞれ赤色、緑色、青色の光に発光するLEDチップであり、これらLEDチップがモールド用の透光性樹脂によって封止されている。
これら赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光するLEDパッケージは、円周上に順次、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)と連続的に略等間隔を空けて配置されている。
なお、LEDパッケージにおける赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の配列は、特定されず順不同でよく、例えば、緑色(G)、赤色(R)、青色(B)の順に配列してもよい。また、隣接するLEDパッケージは、異なる発光色のものを配置するのが好ましいが、格別限定されるものではない。一例としては、赤色(R)、赤色(R)、緑色(G)、緑色(G)、青色(B)、青色(B)のように同色を2個ずつ連続的に配置することも可能である。
このように半径の異なる略同心円の周上に列をなして昼白色(N)、電球色(L)に発光する複数の発光素子22が配設され、前記円と略中心を同じくする円の周上であって、前記昼白色(N)、電球色(L)に発光する発光素子22の列間に列をなして赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光する複数の発光素子22が配設されている。
したがって、発光色の異なる複数の発光素子22、すなわち、昼白色(N)、電球色(L)赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光する発光素子22が配設されているので、これらが混光されることにより表現可能な光色の範囲が広く、発光素子22の出力を調整することにより光色を適宜調色することが可能となる。
なお、LEDは、LEDチップを直接基板21に実装するようにしてもよく、また、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、格別限定されるものではない。
このように構成された光源部2は、図4及び図6に代表して示すように、基板21が本体1の前面側であって開口11の周囲、換言すれば、後述する取付部5の周囲に位置して、発光素子22の実装面が前面側、すなわち、下方の照射方向に向けられて配設されている。また、基板21の裏面側が本体1の内面側に密着するように例えば、ねじ等の固定手段によって取付けられている。したがって、基板21は、本体1と熱的に結合され、基板21からの熱が裏面側から本体1に伝導され放熱されるようになっている。
なお、基板21は、本体1に直接的に取付けられて配設される場合であっても、他の部材を介して間接的に取付けられて配設される場合であってもよく、その配設態様が格別限定されるものではない。
図2及び図6に示すように、光源部2の前面側には、光源部カバー25が配設されている。光源部カバー25は、例えば、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の絶縁性を有する透明合成樹脂からなり、前記発光素子22の配置に沿って略サークル状に一体的に形成されていて、発光素子22を含めて基板21の全面を覆うように配設されている。
したがって、発光素子22から出射される光は、光源部カバー25を透過するようになる。また、基板21の全面を覆うようになっているので、充電部が光源部カバー25によって覆われ絶縁性が確保される。さらに、光源部カバー25は、本体1と接触してねじ止めにより取付けられているので、本体1からの熱が伝導され放熱されるようになっている。
点灯装置3は、図3、図6及び図7に代表して示すように、回路基板31と、この回路基板31に実装された回路部品32とを備えている。回路基板31は、ガラスエポキシ樹脂(FR−4)等から略四角形状に形成され、中央部に切欠き部31aが形成されている。この切欠き部31aは、円形状をなし、その一部が外方に突出するように連続して切欠かれて形成されている。この切欠き部31aは、後述する取付部5が挿通される部分である。
したがって、回路基板31は、中央部の周囲を囲むように板状に形成されていて、その表面側に回路部品32が実装されている。具体的には、回路基板31には、発光素子22を点灯制御するうえで必要な回路部品32が切欠き部31aの周囲に実装されており、例えば、制御用IC、抵抗素子、トランス、スイッチングトランジスタ、定電圧ダイオード、全波整流器、コンデンサ等が実装されている。
また、切欠き部31aの近傍には、回路部品32のうち、主として、制御用IC、抵抗素子やトランス等の比較的発熱量が大きな発熱部品32Hが実装されており、外周側には、比較的発熱量が小さな回路部品が実装されるようになっている。
回路基板32には、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続される。したがって、点灯装置3は、この交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を介してその直流出力を発光素子22に供給し、発光素子22を点灯制御するようになっている。
このような点灯装置3は、点灯装置カバー35に取付けられ覆われて、本体1の背面側に配置されるようになる。この場合、回路基板31は、回路部品32が前面側(図示上、下方側)に向けられて取付けられる。
点灯装置カバー35は、冷間圧延鋼板等の金属材料によって略四角形の短筒状に形成され、側壁35aは、前面側に向かって拡開するように傾斜状をなしており、背面壁35bの中央部には、開口35cが形成されている。
この点灯装置カバー35は、図3、図5及び図6に示すように、前面側のフランジが本体1であるシャーシの突出部12に載置されるとともに、ねじ止めされ熱的に結合されて取付けられる。
センター部材4は、図2、図4及び図6に示すように、PBT樹脂等の合成樹脂材料で作られ、略短円筒状に形成されており、中央部に引掛けシーリングボディCbに対向する開口41を有している。また、開口41の周囲には、環状の空間部42が形成されていて、この空間部42には、後述する光センサ6が配設されるようになっている。さらに、センター部材4の前面壁には、光センサ6の受光部と対向する受光窓43が形成されている。
このように構成されたセンター部材4は、主として図6に示すように、背面側のフランジが光源部カバー25を介してシャーシにねじ止めされて取付けられている。なお、センター部材4は、シャーシに直接的又は間接的に取付けることができ、その具体的な取付構成が限定されるものではない。
取付部5は、アダプタガイドであり、アダプタAが挿通し係合する部材であり、照明器具を天井面Cに取付けるための部材である。アダプタガイドは、図3及び図6に示すように、略円筒状に形成され、中央部には、アダプタAが挿通し、係合する係合口51が設けられている。このアダプタガイドは、本体1の中央部に形成された開口11に対応して配設されている。
なお、取付部5は、必ずしもアダプタガイド等と指称される部材である必要はない。例えば、本体1等に形成される開口であってもよく、要は、配線器具としての引掛けシーリングボディCbに対向し、アダプタAが係合される部材や部分を意味している。
光センサ6は、図6に示すように、照度センサであり、フォトダイオード等のセンサ素子からなっていて、周囲の明るさを検知して検出信号を出力するように動作する。これにより、周囲が明るい場合には、光源部2、すなわち、発光素子22を調光(減光)して点灯するように制御する。
光センサ6は、基板に実装され、その受光部が受光窓43に対向するようにセンター部材4の空間部42内に配設され取付けられている。
セード7は、アクリル樹脂等の透光性を有し、乳白色を呈する拡散性を備えた材料から略円形状に形成されており、中央部には円形状の開口71が形成されている。また、セード7の外周部には、セード化粧枠7aが取付けられていて、このセード化粧枠7aは、アクリル樹脂等からなる透明材料から形成されている。
そして、セード7は、光源部2を含めた本体1の前面側を覆うように本体1の外周縁部に着脱可能に取付けられるようになっている。具体的には、セード7を回動することによって、セード7に設けられたセード取付金具74を、本体1の突出部14によって形成された凹部に設けられたセード受金具75に係合することにより取付けられる。
また、セード7を取外す場合には、セード7を取付時とは反対方向に回動して、セード取付金具74とセード受金具75との係合を解くことにより、取外すことができる。
なお、セード7は、本体1の外周縁部に着脱可能に取付けられるように構成することが好ましいが、本体1にねじ等の固定手段によって固定するように構成してもよい。光源として発光素子22を用いて長寿命化が期待できる照明器具にあっては、メンテナンスのために光源を交換したり、内部を掃除したりする必要性が少ないためである。
また、前記光源部カバー25とセード7との間の距離は、20〜60mm、好ましくは30〜50mmに設定されている。これにより、照射光の均斉度が良好となり、本体1から光源部カバー25に伝導された熱がセード7を経由して効果的に放熱されるようになる。
さらに、セード7の内面側に熱伝導性を有するポリオレフィンシート等を貼着するようにしてもよい。この場合、セード7からの放熱性を高めることが可能となる。
カバー部材8は、図2及び図6に示すように、透明のアクリル樹脂等の材料から円形状に形成されている。このカバー部材8は、セード7の開口71に対応し、センター部材4の前面壁に取付けられて、センター部材4の開口41を覆って閉塞するように配設される。また、カバー部材8には、光センサ6の受光窓43と対向する円形状の透過部81が形成されている。
なお、カバー部材8の前面側には、少なくとも透過部81を残して不透光性のフィルム材等を貼着することが望ましい。
間接光光源部9は、本体1の背面側に配設されていて、主として天井面を明るく照らす機能を有している。図3、図5及び図6に示すように、間接光光源部9は、取付部5の周囲に位置して複数個配設されており、基板91と、この基板91に実装された複数の発光素子92とを備えている。
基板91は、略長方形状の平板に形成されており、発光素子92は、この基板91の長手方向に沿って直線状に並べられて実装されている。
この発光素子92が実装された基板91が前記点灯装置カバー35の側壁35aにおける4箇所に取付けられている。この場合、点灯装置カバー35は、略四角形に形成されており、基板91は、その側壁35aにおける直線状の平坦面に取付けられているので、取付けが安定的に行われることとなる。
また、基板91の取付部をなす側壁35aは、前面側に向かって拡開する傾斜状に形成されているため、基板91は、斜め上方、つまり、天井面方向に向けられることとなり、発光素子92から出射される光は、天井面方向に向かって効果的に照射されるようになる。
さらに、各間接光光源部9は、箱状の透光性のカバー93に覆われるようになっている。
発光素子92は、前記光源部2と同様に、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。そして、発光素子92は、点灯装置3に接続されて点灯制御されるようになっている。
弾性部材10は、前記複数の各間接光光源部9の取付位置に対応して、その近傍に取付けられている。弾性部材10は、照明器具が器具取付面としての天井面Cに取付けられた状態において、天井面Cとの間に介在するように配設される部材である(図8参照)。
具体的には、弾性部材10は、ステンレス鋼等の材料からなる金属製のばね部材であり、点灯装置カバー35の背面側に各間接光光源部9の取付位置に対応して取付けられている。弾性部材10は、横長の長方形状の板ばねを折曲して形成されており、中央部に固定部10aを有していて、この固定部10aの両側から斜め上方(背面側)へ向かって拡開するように延出部10bが形成されて、その先端側には、四角形状をなした当接部10cが形成されている。
また、固定部10aには、ねじ貫通孔が形成されており、このねじ貫通孔を貫通して、点灯装置カバー35の背面側にねじ込まれる取付ねじによって、弾性部材10は、点灯装置カバー35の背面側に固定される。
このような弾性部材10は、複数個、すなわち、4個とも同一形態であり、かつ同一の弾性力を有するものが用いられている。
弾性部材10の固定状態においては、図6に代表して示すように、点灯装置カバー35の背面側に配設された弾性部材10は、固定部10aを支点として前面側方向(図示矢印方向)にばね作用を伴って弾性変形可能となっている。
アダプタAは、図8に示すように、天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに、上面側に設けられた引掛刃によって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、周壁の両側には一対の係止部A1が、内蔵されたスプリングによって常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部A1は下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。また、このアダプタAからは、前記点灯装置3へ接続する図示しない電源コードが導出されていて、点灯装置3とコネクタを介して接続されるようになっている。
このように構成された照明器具において、図4、図6及び図7を参照して光源部2と点灯装置3との配置関係について説明する。なお、図7は、光源部2と点灯装置3との位置関係を平面的に示した説明図である。
光源部2は、略サークル状の基板21の周上に複数の発光素子22が実装されて構成されている。そして、この基板21は、裏面側が本体1に熱的に結合されて取付けられている。したがって、この複数の発光素子22は、取付部5の周囲に配設されていて、具体的には、主として図4及び図7に示すように、平面視、取付部5の周囲を囲むように配設されている。
一方、点灯装置3は、図6に示すように、本体1の背面側に配設されており、光源部2とは、背面方向に離間距離dを空けて点灯装置カバー35に取付けられている。さらに、回路部品32は、回路基板31の切欠き部31aを挿通する取付部5の周囲を囲むように配設されているとともに、図7に示すように、周上に並べられた複数の発光素子22の内側に位置するようになっている。
また、取付部5の近傍には、回路部品32のうち、比較的発熱量が大きな発熱部品32Hが配置されるようになる。
したがって、光源部2における発光素子22と点灯装置3における回路部品32とは、背面方向に離間距離dを空けて位置され、また、回路部品32は、発光素子22の内側に位置されている。つまり、発光素子22と回路部品32とは、垂直方向(前背方向)及び水平方向(半径方向)の双方について、ずれて配置されていることとなる。また、回路部品32のうち、発熱部品32Hは、発光素子22から遠ざけられて配置されるようになる。
このため、発光素子22と回路部品32とは、熱的に分離されるような配置となり、発光素子22と回路部品32とから発生する熱の相互の熱的干渉を抑制することができる。
また、発光素子22及び回路部品32は、取付部5を中心とする周囲に配設されているのでコンパクトに構成することが可能となる。さらに、点灯装置3は、本体1の背面側に配設されているので、光源部2から出射される光の範囲を狭めることなく、所定の配光範囲を確保することが可能となる。
次に、照明器具の天井面Cへの取付状態について図8を参照して説明する。まず、予め天井面Cに設置されている引掛けシーリングボディCbにアダプタAを電気的かつ機械的に接続する。照明器具のカバー部材8を取外した状態において、アダプタガイドの係合口51をアダプタAに合わせながら、アダプタAの係止部A1がアダプタガイドの係合口51に確実に係合するまで器具本体1を弾性部材10の弾性力に抗して下方から手で押し上げて取付け操作を行う。
次いで、カバー部材8を取付け、引掛けシーリングボディCbに対向するセンター部材4の中央部の開口41を覆って閉塞する。
この状態においては、弾性部材10が弾性変形して、当接部10cが天井面Cに弾性的に当接している。そして、当接部10cは、天井面Cに略平面的に平行又は先端部が少しばかり鉛直方向に向かうように当接することが可能となる。
したがって、弾性部材10が器具本体1の背面側である点灯装置カバー35の背面側と天井面Cとの間に、圧縮方向の弾性変形を伴って介在され、照明器具本体1は、弾性部材10のばね作用によって天井面Cに確実に保持されて取付けられた状態となる。
より詳しくは、弾性部材10の作用によって、天井面Cと各間接光光源部9との間隔を一定に保持することが可能となり、各間接光光源部9から照射される光の出射角を一定にすることができる。その結果、配光特性の安定化を図ることができ、天井面Cを効果的に照射して間接照明を行うことが可能となる。しかも、弾性部材10は、各間接光光源部9に対応するとともに、その近傍に配設されているので、天井面Cと各間接光光源部9との間隔の一定化がより確実となる効果が期待できる。
また、照明器具を取外す場合には、カバー部材8を取外し、センター部材4の開口41を通じてアダプタAに設けられているレバーを操作してアダプタAの係止部A1の係合を解くことにより取外すことができる。
照明器具の天井面Cへの取付状態において、点灯装置3に電力が供給されると、光源部2における基板21を介して発光素子22に通電され、各発光素子22が点灯する。発光素子22から前面側へ出射された光は、光源部カバー25を透過し、セード7によって拡散され透過して外方へ照射される。したがって、所定の配光範囲で下方が照明されるようになる。
また、これと同時に、間接光光源部9に通電されると、各発光素子92が点灯し、発光素子92から斜め上方に出射された光は、透光性のカバー93を透過し、アダプタガイド5の周囲から放射されるように、主として天井面に照射される。したがって、天井面が明るくなり、空間の明るさ感を向上させることができる。
この場合、間接光光源部9から照射される光の配光特性の安定化が実現でき、効果的な間接照明を行うことが可能となる。
このように光源部2における光源として発光素子22を用いた場合、発光素子22から出射される光は指向性が強いため、配光範囲が狭くなる傾向となるが、本実施形態のように本体1の背面側に間接光光源部9を設けることによって、空間の明るさ感を向上させることができる。したがって、間接光光源部9を設けることは、光源部2の光源を発光素子22とした場合に有効な手段となる。
さらに、これら光源部2及び間接光光源部9は、周囲の明るさを検知して検出信号を出力する光センサ6によって、その点灯状態が制御される。
発光素子22から発生する熱は、基板21の裏面側が本体1と熱的に結合しているため、本体1に効果的に伝導され、広い面積で放熱されるようになる。また、本体1には、突出部12、13、14が形成されているため、放熱面積を増大させることができ、一層放熱効果を高めることが可能となる。
加えて、本体1の突出部12には、点灯装置カバー35が載置され取付けられているので、本体1から点灯装置カバー35に熱が伝導され放熱が促進される。
一方、点灯装置3から発生する熱は、主として点灯装置カバー35内における空間の対流によって放熱される。
この場合、発光素子22と回路部品32とは、背面方向に離間距離dを空けて位置され、また、回路部品32は、発光素子22の内側に位置されているので、熱的に分離されるように配置されており、相互の熱的干渉を抑制することができる。したがって、発光素子22及び回路部品32の過度の温度上昇を抑制することが可能となる。
さらに、回路部品32における発熱部品32Hは、発光素子22から遠ざけられて配置されるので、相互の熱的干渉を一層効果的に抑制することができる。
また、間接光光源部9の発光素子92から発生する熱は、基板91の裏面側から点灯装置カバー35の側壁35aに伝導され、さらに、弾性部材10へも伝わり、放熱される。
以上のように本実施形態によれば、光源部における発光素子と点灯装置における回路部品との相互の熱的干渉を抑制することができる照明器具を提供することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また、上記実施形態は、一例として提示したものであり
、発明の範囲を限定することは意図していない。