JP6515450B2 - 空間線量率表示方法 - Google Patents

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Description

本発明は、指向性放射線検出器を用いた空間線量率表示方法、空間線量率測定方法、および指向性放射線検出器に関する。
放射能汚染を除染するに際して、汚染の程度や分布を判断するための指標として、放射線の線量率がある。通常の線量率測定では、所定高さ(例えば地表1m)における空間線量率を測定する。効率的に除染を行うためには、放射性物質が堆積している箇所(汚染源)を知る必要がある。しかしながら、通常の空間線量率測定ではほぼ全方位からの放射線を検出するため、その付近の線量が高いことが漠然とわかるに留まり、具体的な汚染源の位置がわかりにくい。
詳細に汚染源を特定するための1つの手法としては、地表面の線量率(地上高さ1cmにおける空間線量率)を広域にわたって測定し、面的な汚染分布を測定する手法がある。しかしながら汚染源は地表面に限らず、雨樋や壁面、木立など立体的に測定する必要がある。
ここで、放射線測定器として、指向性をもった放射線検出器が提案されている(特許文献1)。このような指向性を有する放射線検出器を用いれば、任意の方向の線量率を測定することが可能である。なお特許文献1には、主に人体を測定対象とする放射線検出器であって、放射線センサに筒状のコリメータ体(放射線遮蔽部材)をかぶせてあり、コリメータ体をスライドさせることによって検出視野(検知角度)の大きさを可変しうる放射線検出器が記載されている。
特開2002−214353号公報
指向性をもった放射線検出器を用いれば、測定方向を変えて測定することにより、特定の方向からの空間線量率を評価することができる。
しかしながら、指向性をもった放射線検出器を用いた場合、当然ながら検知角度の範囲内の放射線量しか測定することができない。すると複数の方向の放射線量を測定したとしても、まばらであれば空間線量率に影響の大きい方向の測定を省いてしまう可能性がある。一方、測定方向を過密にすると、測定範囲が重複するため作業に時間がかかり、また各測定方向からの空間線量率成分の総和がその場の空間線量率に一致しないという問題がある。
また、測定値を画像に重ね合わせて表示する場合、広範囲の表示となることから従来は魚眼レンズの画像を用いる場合が多かった。しかし魚眼画像では距離感や方向感をつかみにくく、画像を見ても除染すべき箇所がわかりにくいという問題があった。
さらに、空間線量率成分は、各汚染源からの直接的な影響いわゆる直接線影響と放射線(ガンマ線)が空気中の電子との衝突により散乱される間接的な影響いわゆる散乱線影響又はスカイシャインに分けられる。空間線量率のうち、直接線影響はおよそ80〜90%、散乱線影響はおよそ10〜20%であるとされている。直接線影響が測定される場合には、必ず測定方向に汚染源が存在するが、散乱線影響は、必ずしも測定方向に汚染源が存在するとは限らない。例えば、測定位置から地表面に平行な方向(以下、適宜「地表面方向」という。)で測定する場合、下方の主に地表面からの直接線影響と上方の空からの散乱線の影響の和として計測される。そのため、できるかぎり直接線影響と散乱線影響を分離して測定することが効果的に除染を行うための課題である。
そこで本発明は、ある測定位置から全方位を極力もれなく、かつ重複なく測定すると共に、一見してわかりやすく表示することが可能な空間線量率表示方法、空間線量率測定方法、および指向性放射線検出器を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる空間線量率表示方法の代表的な構成は、指向性放射線検出器を用いて、指向性放射線検出器の検知角度ごとに切り替えて複数の測定方向の空間線量率を測定し、空間線量率を測定した位置から各測定方向の画像を撮影し、指向性放射線検出器の検知角度と同じ画角の画像を測定方向に応じて配列して表示し、各画像に指向性放射線検出器による測定値を付記することを特徴とする。
上記構成によれば、検知角度ごとに測定方向を切り替えることから、ある測定位置から全方位を極力もれなく、かつ重複なく測定することができる。また検知角度と同じ画角の画像を配列し、測定値を付記して表示することにより、どの箇所からどの程度の放射線を受けているかを一見してわかりやすく表示することができる。
測定方向は、地表面に平行な方向で切り替えることが好ましい。検知角度が一定であっても、地表面に対する角度によって地表面上の評価面の面積は変わってしまう。これに対し本発明のように、測定方向を地表面に平行な方向で切り替えることにより、横方向に隣接した評価範囲の数値をそのまま比較することが可能となる。
本発明にかかる空間線量率測定方法の代表的な構成は、指向性放射線検出器を用いて、測定対象箇所の手前の位置から該測定対象箇所に向いた測定方向の空間線量率を測定し、測定対象箇所を越えた位置で同じ測定方向の空間線量率を測定し、手前の位置の測定値から越えた位置の測定値を引くことによって測定対象箇所からの空間線量率を測定することを特徴とする。
ある測定対象箇所の線量を知りたい場合に、指向性放射線検出器を用いることは有効ではあるが、測定対象箇所の先(向う側)から到来する放射線も検知してしまう。したがって指向性放射線検出器を使ったとしても、測定対象箇所のみの放射線量を検知することは難しい。しかし本発明のように、手前の位置の測定値から越えた位置の測定値を引くことによって、正確に測定対象箇所からの空間線量率を測定することが可能となる。
指向性放射線検出器は、1回目の測定を行った後に、放射線センサの前方に放射線遮蔽板を取り付けて2回目の測定を行い、1回目の測定値から2回目の測定値を引くことによって前方からの空間線量率を測定することが好ましい。
放射線センサの側方をコリメータで包んだとしても、放射線を完全に遮蔽することは難しい。例えば鉛によって放射線を遮蔽しようとした場合4cm程度の厚みが必要となり、サイズにもよるが全体で40kg程度の重量となってしまう。すると可搬性が低下し、取り回しも悪くなるため作業時間が長くなってしまうという問題がある。しかし本発明のように測定することによって、側方および後方からの空間線量率はキャンセルすることができるため、簡易な装置で極めて高い指向性を得ることができる。
なお、放射線センサの前方に取り付ける放射線遮蔽板は、円筒形状であり、断面を任意な形状に加工することができる。放射線遮蔽板の断面を半円形状として、放射線センサの前方下部又は上部に取り付けて計測することにより、下上半分又は上下半分からの線量率影響を測定することが可能となる。
指向性放射線検出器は、1回目の測定を行った後に、測定方向の断面形状が半円形の放射線遮蔽板を、放射線センサの前方下部又は上部に取り付けて2回目の測定を行い、1回目の測定値から2回目の測定値を引くことによって前方下半分又は上半分からの空間線量率を測定する下上ことが好ましい。
なお、放射線センサの前方右部又は左部に半円形の放射線遮蔽板を取り付けて測定することもできる。これにより、空間線量率を右左半分からの影響と左右半分からの影響に分離して評価することができる。
本発明にかかる指向性放射線検出器の代表的な構成は、放射線を電気信号に変換する放射線センサと、放射線センサの前方に着脱可能な放射線遮蔽板とを備え、1回目の測定を行った後に、放射線センサの前方に放射線遮蔽板を取り付けて2回目の測定を行い、1回目の測定値から2回目の測定値を引くことによって前方からの空間線量率を測定することを特徴とする。
本発明によれば、ある測定位置から全方位を極力もれなく、かつ重複なく測定すると共に、一見してわかりやすく表示することが可能な空間線量率表示方法、空間線量率測定方法、および指向性放射線検出器を提供することができる。
指向性放射線検出器の評価範囲を説明する図である。 地表の評価面を説明する図である。 上下方向の角度による評価面の面積を説明する図である。 比較例として測定方向が地表面方向でない場合の評価範囲を説明する図である。 空間線量率表示方法について説明する図である。 指向性放射線検出器を説明する図である。 指向特性を説明する図である。 指向性放射線検出器の活用例を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
[空間線量率表示方法]
図1は指向性放射線検出器の評価範囲を説明する図、図2は地表の評価面を説明する図、図3は上下方向の角度による評価面の面積を説明する図である。
図1(a)に示すように、本実施形態では、指向性放射線検出器100を使用することを前提とする。指向性放射線検出器100とは、測定方向を中心として所定の検知角度αの範囲内の放射線を特に検知することができる放射線検出器である。
指向性放射線検出器を用いて全方位の放射線を効率的に、かつ精度よく評価するためには、いかに全方位をもれなく、かつ重複なく測定するかが重要となる。またこれにあわせて、一見してわかりやすく表示する必要がある。
そこで本実施形態においては、指向性放射線検出器の検知角度ごとに切り替えて複数の測定方向の空間線量率を測定する。これにより、隣接する測定範囲との隙間をなくし、かつ重複なく最小限の回数で測定することができる。
ただし、図3に示すように、検知角度αが一定であっても地表面Gに対する角度によって地表面G上の評価面Aの面積は変わってしまう。例えば地上高さ1mにおいて、同じ検知角度45度で測定しても、真下を向けて測定したときと、斜め下、もしくは水平を向けて測定したときでは評価面Aの面積が全く異なる。放射性物質は主として地表面に堆積しているため、評価面Aの面積が異なると大幅に放射線の量が変わってしまう。すると検知角度αごとに切り替えて複数の測定方向の空間線量率を測定したとしても、評価面Aの面積が違っていては隣接する評価範囲と直接比較することが困難になってしまう。
そこで図1(b)に示すように、測定方向は、測定位置から地表面に平行な方向(以下、「地表面方向」という。)で切り替える。図1(b)は、放射線を測定する位置を中心とする仮想の球Cを想定したときの測定方向(矢印D)と評価範囲(球上の円R)を示す図である。球Cの中心に描いた円筒が指向性放射線検出器100を示していて、各測定方向Dごとに向きを変えて測定を行う。球Cの側面に赤道のように描いている線Lが地表面方向である。線Lは、測定位置である球Cの中心を通り地表面に平行なベクトルが球Cの表面と交差する点の集合である。
換言すれば、測定方向Dは、地表面方向Lを含むように検知角度αごとに切り替える。なお地表面方向とは、地面が水平である場合には水平方向であり、地面が傾斜地である場合には水平方向に対して傾斜角度に応じた角度をつけた方向である。
さらに上下方向においては、地表面方向Lを含む測定方向Dに対して、上下方向に検知角度αごとに測定方向Dを切り替える。なお上方向の評価範囲Rにおいては地表面G上の評価面Aが存在しないが、散乱線が検知されるため上方向も必要である。これにより、図2に示すように、横方向に隣接した評価範囲Rの地表面Gでの評価面Aの面積が同じになり、横方向に隣接した評価範囲Rの数値をそのまま比較することが可能となる。また、地表面Gの遠方方向(ガンマ線の平均飛程距離を考慮すると100m程度まで)では評価面Aの隙間が漸近し、もれなく、かつ重複のないように測定面が設定される。
図4は比較例として測定方向が地表面方向でない場合の評価範囲を説明する図である。図4(a)に例示する評価範囲Rでは、測定方向Dが地表面方向でない。すると測定方向Dを指向性放射線検出器の検知角度αごとに切り替えていても、図4(b)に示すように評価面Aに大きな重複が生じると共に、地表面Gの遠方方向では評価面Aの隙間が増大してしまう。
このことから、測定方向Dを地表面方向Lで切り替えることにより、測定位置から地表面の遠方方向の全方位を、極力もれなく、かつ重複なく測定することができることが理解できる。もれが少ないことから、線量率に影響の大きい箇所(方向)の測定見落としが殆ど生じない。また、測定方向が最小となるように分割することから、無駄な方向の測定をすることがないため、測定時間を最小限とすることができる。
次に、空間線量率表示方法について説明する。図5は空間線量率表示方法について説明する図である。
上記のようにして空間線量率を測定する際に、空間線量率の測定位置から各測定方向の画像を撮影する。ここで撮影する画像は、魚眼画像ではなく、平面の標準画像である。そして図5(a)に示すように、指向性放射線検出器の検知角度と同じ画角の画像R1(評価範囲Rに対応する画像)を、測定方向に応じて配列して表示し、各画像R1に指向性放射線検出器による測定値を付記する。図5(a)に示す表示は、紙などに印刷してもよく、モニタなどの装置に電気的に表示してもよい。
上記の表示方法によれば、どの箇所からどの程度の放射線を受けているかを一見してわかりやすく表示することができる。特に、検知角度ごとに測定方向を切り替えていることから、地表での評価面の面積が同じになっているため、横方向で数値をそのまま比較することが可能である。したがって、空間線量率の方向による影響を容易に比較評価することができる。また魚眼画像ではなく通常の平面の標準画像であることから、距離感や方向感をつかみやすい。測定方向とその方向からの空間線量率成分を容易に理解できるため、除染すべき箇所を容易に把握することが可能である。
さらに、図5(b)に示すように、地表面方向の上下方向90度からの線量率影響を、下半分の主に地表面からの直接線影響と上半分の空からの散乱線影響に分離して表示することもできる。水平方向角度0度且つ上下方向角度が90度の場合、図5(c)の右側の図のように、下半分の地表面からの線量率影響が0.05μSv/h、上半分の線量率影響は0.00μSv/hであることが示される。このように分離して表示することにより、図5(c)の左側の図に示すような表示に比べて、背後の構造物からの線量率影響がなく、構造物背後の線量率影響も遮蔽され、測定点から構造物までの距離が近く散乱線の回折も無視できる程度に小さい等の情報を得ることができる。
上記表示方法によれば、線量率をより細かい範囲に分割して評価直接線影響を知ることができるため、該当方向の汚染源を除染することで直接的な線量率影響を低減することができる。さらに、地表面からの直接線影響を定量的に評価できるため、除染後の線量率予測をするうえでも効果的である。
[指向性放射線検出器]
図6は指向性放射線検出器を説明する図である。図1および図2に示した指向性放射線検出器100は、一般的な指向性放射線検出器であれば使用することができるが、評価範囲R以外の方向からの漏れ込みができる限り少ない方がよい。そこで、以下に述べる指向性放射線検出器100を用いることが好ましい。
図6(a)に示す指向性放射線検出器100は、放射線を電気信号に変換する放射線センサ102(シンチレータ)と、放射線センサ102の前方以外の方向を覆うコリメータ104と、放射線センサ102の前方に着脱可能な放射線遮蔽板106とを備えている。コリメータ104は鉛などの放射線遮蔽材によって形成されている。放射線遮蔽板106はコリメータ104と同様に鉛などの放射線遮蔽材によって形成されている。
図6(b)は、放射線遮蔽板106を取り外した状態を示している。放射線遮蔽板106を着脱するための構造については図6(a)に特に示していないが、簡単なフックや、コリメータ104にかぶせるスリーブ(筒)などでよい。
図6(c)は、図6(a)および図6(b)に示す円筒形の放射線性遮蔽板106を加工し、放射線センサ102の前方下部に断面を半円形状とした放射線性遮蔽板108を取り付けたものである。断面を半円形状とした放射線遮蔽板108は、図6(c)に示す以外にも、放射線センサ102前方上部、左部および右部に任意に取り付けることができ、測定地点の状況に応じた線量率のより細かい分割評価が可能となる。
放射線センサ102の側方をコリメータ104で包んだとしても、放射線を完全に遮蔽することは難しい。例えば鉛によって放射線を遮蔽しようとした場合4cm程度の厚みが必要となり、サイズにもよるが全体で40kg程度の重量となってしまう。すると可搬性が低下し、取り回しも悪くなるため作業時間が長くなってしまうという問題がある。
そこで本実施形態においては、上記の指向性放射線検出器100を用いて、放射線遮蔽板106を取り外した状態で1回目の測定を行った後に、放射線センサ102の前方に放射線遮蔽板106を取り付けて2回目の測定を行い、1回目の測定値から2回目の測定値を引くことによって前方からの空間線量率を測定する。1回目と2回目の測定の順序を逆転してもよい。なお、放射線遮蔽板106は小さな部品であるから、十分に放射線を遮蔽しうる程度に厚くすることができる。放射線遮蔽板106ではなく、放射線遮蔽板108を用いて同様に測定することができる。
図7は指向特性を説明する図である。図7(a)は、指向性放射線検出器100に対する線源の位置(角度)を変化させた場合の相対レスポンス(空間線量率検出感度)を示すグラフである。放射線遮蔽板106を取り外している場合を実線丸プロットで示し、放射線遮蔽板106を取り付けている場合を点線四角のプロットで示している。
図7(a)からわかるように、放射線センサ102の側方および後方においては、放射線遮蔽板106の有無にかかわらずほぼ同じ値を示しているため、線プロットが重なっている。これらは、コリメータ104を通過した放射線を検知した値である。一方、放射線センサ102の前方では、放射線遮蔽板106の有無によって顕著な差異が生じている。したがって、これらの測定値を引くことによって側方および後方からの空間線量率をキャンセルすることができ、放射線遮蔽板106によって遮蔽された前方からの空間線量率を知ることができる。
図7(b)は線源の角度に応じた相対レスポンス(空間線量率検出感度)を円グラフで表したものである。図7(b)からわかるように、測定方向(0°)を中心として所定の検知角度(図では約45°)の範囲内の放射線を特に検知できることがわかる。このように、簡易な装置で極めて高い指向性を得ることができる。
図8は指向性放射線検出器の活用例を説明する図である。図8(a)に示す例では、指向性放射線検出器100を用いて森林110の中で全方位測定を行うことで、各方向からの空間線量率成分を評価することができる。これにより、空間線量率に支配的な箇所を特定し、効率的に除染することが可能となる。
また、ある測定対象箇所の線量を知りたい場合に、指向性放射線検出器を用いることは有効ではあるが、測定対象箇所の先(向う側)から到来する放射線も検知してしまう。したがって指向性放射線検出器を使ったとしても、測定対象箇所のみの放射線量を検知することは難しい。
そこで図8(b)に示す例では、指向性放射線検出器100を用いて、測定対象箇所の例である屋敷林112の手前の位置から屋敷林112に向いた測定方向の空間線量率を測定し、次に屋敷林112を越えた位置で同じ測定方向の空間線量率を測定し、手前の位置の測定値から越えた位置の測定値を引くことによって測定対象箇所からの空間線量率を測定する。このように、手前の位置の測定値から越えた位置の測定値を引くことによって、正確に測定対象箇所からの空間線量率を測定することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、指向性放射線検出器を用いた空間線量率表示方法、空間線量率測定方法、および指向性放射線検出器として利用することができる。
100…指向性放射線検出器、102…放射線センサ、104…コリメータ、106…放射線遮蔽板、108…断面が形状放射線遮蔽板、110…森林、112…屋敷林、A…評価面、C…球、D…測定方向、G…地表面、L…地表面方向、R…評価範囲、R1 …画像

Claims (2)

  1. 指向性放射線検出器を用いて、
    前記指向性放射線検出器の検知角度ごとに水平方向および上下方向に切り替えて、全方位の測定方向について、1回目の測定を行った後に、放射線センサの前方に測定方向の断面形状が半円形の放射線遮蔽板を、放射線センサの前方下部又は前方上部に取り付けて2回目の測定を行い、1回目の測定値から2回目の測定値を引くことによって前方上半分又は下半分からの空間線量率を測定し、
    空間線量率を測定した位置から各測定方向の画像を撮影し、
    前記指向性放射線検出器の検知角度と同じ画角の画像を前記測定方向に応じて配列して表示し、各画像に前記指向性放射線検出器による測定値を付記することを特徴とする空間線量率表示方法。
  2. 前記測定方向は、水平方向に代えて地表面に平行な方向で切り替えることを特徴とする請求項1に記載の空間線量率表示方法。
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