JP6514078B2 - 海底探査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、海底探査装置に関する。
海底下に存在する金属鉱物資源(例えば、海底熱水鉱床など)の探査が盛んに行われている。例えば、特許文献1には、送信ループの周囲に電位測定用電極を配置して海底下の電磁探査を行う海底探査装置が開示されている。
特開2014−98669号公報
海底下の金属鉱物資源を電磁探査で探索する場合には、陸上とは異なり、低比抵抗の海水が媒質として存在する。そのため、送信コイルの近くに配置せざるを得ない、極めて低比抵抗な金属要素(潜水機(遠隔操作無人探査機(remotely operated vehicle;ROV)や自律型無人潜水機(autonomous underwater vehicle;AUV)など)や耐圧容器など)に生じる誘導電流に起因する磁場が大きなノイズ源となることが課題であった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置を提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る海底探査装置は、
送信コイルと、
前記送信コイルに送信電流を供給する送信電流供給源と、
前記送信コイルからの磁場を受ける金属要素における磁場が小さくなるように磁場を発生させる補償コイルと、
前記補償コイルに補償電流を供給する補償電流供給源と、
を含む、海底探査装置である。
本適用例によれば、補償コイルが生じる磁場によって、金属要素における磁場を小さくできるので、金属要素に発生する誘導電流を低減できる。したがって、金属要素の誘導電流に起因する影響を低減できるので、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置を実現できる。
[適用例2]
上述の海底探査装置において、
前記補償コイルは、平面視で、前記金属要素を囲むように設けられていてもよい。
本適用例によれば、簡易な構成で、金属要素の概ね全体にわたって磁場を小さくするこ
とができる。したがって、金属要素の誘導電流に起因する影響を低減できるので、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置を実現できる。
[適用例3]
上述の海底探査装置において、
前記補償コイルは、平面視で、前記金属要素よりも小さくてもよい。
本適用例によれば、小型の補償コイルで、金属要素の少なくとも一部に対して磁場を小さくすることができる。したがって、金属要素の誘導電流に起因する影響を低減できるので、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置を実現できる。
[適用例3]
上述の海底探査装置において、
前記補償電流供給源は、前記送信電流供給源が前記送信電流を遮断するタイミングと連動して、前記補償電流を遮断してもよい。
本適用例によれば、簡易な構成で金属要素に発生する1次誘導電流を低減できる。したがって、金属要素の誘導電流に起因する影響を低減できるので、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置を実現できる。
[適用例4]
上述の海底探査装置において、
前記金属要素に取り付けられている補償用磁場センサーをさらに含み、
前記補償電流供給源は、前記補償用磁場センサーで検出される磁場が0に近づくように、前記補償コイルに前記補償電流を供給してもよい。
本適用例によれば、金属要素に発生する誘導電流(1次誘導電流および2次誘導電流)を効果的に低減できる。したがって、金属要素の誘導電流に起因する影響を低減できるので、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置を実現できる。
[適用例5]
上述の海底探査装置において、
受信コイルをさらに含み、
平面視で、前記金属要素を囲むように前記送信コイルが配置され、前記送信コイルと重なるように、または、前記送信コイルを囲むように、前記受信コイルが配置されていてもよい。
金属要素の誘導電流に起因する磁束線のうち、受信コイルの内側で出入りする磁束線は、受信コイルでは検出されないのでノイズにはならない。本適用例によれば、平面視で、受信コイルが金属要素よりも大きいので、金属要素の誘導電流に起因する影響を低減できる。したがって、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置を実現できる。
図1(A)および図1(B)は、従来の海底探査装置を説明するための模式図である。 第1実施形態に係る海底探査装置1の機能ブロック図である。 図3(A)は、第1実施形態に係る海底探査装置1の配置を模式的に示す側面図、図3(B)は、第1実施形態に係る海底探査装置1の配置を模式的に示す平面図である。 図4(A)は、第1実施形態の変形例に係る海底探査装置1aの配置を模式的に示す側面図、図4(B)は、第1実施形態の変形例に係る海底探査装置1aの配置を模式的に示す平面図である。 第1実施形態に係る海底探査装置1を用いた海底探査方法の一例を示すフローチャートである。 図6(A)は、送信電流I1のタイミングチャート、図6(B)は、補償電流I2のタイミングチャート、図6(C)は、送信コイル10に生じる逆起電力Pのタイミングチャート、図6(D)は、送信コイル10が生じる磁場Hのタイミングチャートである。 送信コイル10が発生させる誘導電流を説明するための模式図である。 受信磁場センサー52で検出される磁場の応答の一例を示すグラフである。 第2実施形態に係る海底探査装置2の機能ブロック図である。 図10(A)は、第2実施形態に係る海底探査装置2の配置を模式的に示す側面図、図10(B)は、第2実施形態に係る海底探査装置2の配置を模式的に示す平面図である。 第2実施形態に係る海底探査装置2を用いた海底探査方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
図1(A)および図1(B)は、従来の海底探査装置を説明するための模式図である。図1(A)は、海底探査装置を海底に設置して、遠隔操作無人探査機(remotely operated vehicle;ROV)から離して測定する設置型の海底探査装置を表している。図1(B)は、海底探査装置を遠隔操作無人探査機(remotely operated vehicle;ROV)に搭載して移動しながら測定する移動型の海底探査装置を表している。
図1(A)に示される例では、送信コイルの上方に金属製の耐圧容器が配置されている。耐圧容器には、送信コイルに送信電流を供給するための電源および回路、磁場を受信するための磁場センサー、磁場センサーからの出力に基づいて測定を行う測定回路などが収容されている。
図1(B)に示される例では、送信コイルの上方に金属製の耐圧容器と、金属製の遠隔操作無人探査機が配置されている。
図1(A)および図1(B)のいずれにおいても、送信コイルの近くに配置せざるを得ない、極めて低比抵抗な金属要素(潜水機(遠隔操作無人探査機(remotely operated vehicle;ROV)や自律型無人潜水機(autonomous underwater vehicle;AUV)など)や耐圧容器など)に生じる誘導電流に起因する磁場が、海底下に存在する金属鉱物資源(例えば、海底熱水鉱床など)の探査においては大きなノイズ源となる。
1.第1実施形態
図2は、第1実施形態に係る海底探査装置1の機能ブロック図である。図3(A)は、第1実施形態に係る海底探査装置1の配置を模式的に示す側面図、図3(B)は、第1実施形態に係る海底探査装置1の配置を模式的に示す平面図である。なお、図3(A)および図3(B)においては、各構成を指示する部材については省略している。
本実施形態に係る海底探査装置1は、送信コイル10と、送信電流供給源20と、補償コイル30と、補償電流供給源40と、受信部50と、測定部60と、解析部70と、を含んで構成されている。
送信コイル10は、送信電流供給源20が出力する送信電流I1を流すコイルとして構成されている。送信コイル10を構成するケーブルは、絶縁膜で被覆されていてもよい。これによって、送信コイル10と海水とを絶縁した状態で海底下に誘導電流を流すことができる。図3(B)に示される例では、送信コイル10の巻き数は1回であるが、巻き数が複数回であってもよい。
本実施形態において、送信コイル10のコイル面は、海底に対向して配置されていてもよい。コイル面と海底とが対向する配置は、コイル面の法線方向に海底が存在するような配置である。
図3(A)に示される例では、送信コイル10は、金属要素100の下方側(探査対象となる海底に近い側)に配置されている。
金属要素100は、例えば、潜水機(遠隔操作無人探査機(remotely operated vehicle;ROV)や自律型無人潜水機(autonomous underwater vehicle;AUV)など)や耐圧容器などの、金属製の装置である。本実施形態においては、金属要素100としての耐圧容器に、送信電流供給源20、補償電流供給源40、測定部60および解析部70が収容されている。
本実施形態によれば、送信コイル10が発生させる誘導電流が、海底下の深さ方向に広がるので、海底下の深い位置の電気的な性質を探査できる。
送信電流供給源20は、送信コイル10に送信電流を供給する。本実施形態においては、送信電流供給源20は、送信コイル10に送信電流I1を供給する状態と、送信電流I1を遮断する状態とを繰り返している。送信コイル10に送信電流I1を供給した後に送信電流I1を遮断することによって、送信コイル10の周りに誘導電流を発生させる。送信電流供給源20が出力する送信電流I1は、探査目的などに応じて、例えば、数十アンペア程度としてもよい。
補償コイル30は、送信コイル10からの磁場を受ける金属要素100における磁場が小さくなるように磁場を発生させる。補償コイル30は、例えば、送信コイル10が発生させる磁場と概ね逆向きの磁場を発生させてもよい。
補償電流供給源40は、補償コイル30に補償電流I2を供給する。例えば、本実施形態においては、補償電流供給源40は、送信電流I1と逆向きの補償電流I2を供給する。上述したように、本実施形態においては、送信電流供給源20は、送信コイル10に送信電流I1を供給する状態と、送信電流I1を遮断する状態とを繰り返しているので、この場合には、補償電流供給源40も、補償コイル30に補償電流I2を供給する状態と、補償電流I2を遮断する状態とを繰り返す。
本実施形態によれば、補償コイル30が生じる磁場によって、金属要素100における磁場を小さくできるので、金属要素100に発生する誘導電流を低減できる。したがって、金属要素100の誘導電流に起因する影響を低減できるので、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置1を実現できる。
補償コイル30は、平面視で、送信コイル10からの磁場を受ける金属要素100を囲
むように設けられていてもよい。図3に示される例では、補償コイル30は、送信コイル10からの磁場を受ける金属要素100を囲むように設けられているが、金属要素100の上方または下方に設けられていてもよい。補償コイル30は、補償電流供給源40が出力する補償電流I2を流すコイルとして構成されている。補償コイル30を構成するケーブルは、絶縁膜で被覆されていてもよい。図3(B)に示される例では、補償コイル30の巻き数は1回であるが、巻き数が複数回であってもよい。また、補償コイル30は複数個であってもよい。また、本実施形態においては、補償コイル30は、補償コイル30のコイル面と送信コイル10のコイル面とが平行になるように設けられている。
本実施形態によれば、簡易な構成で、金属要素100の概ね全体にわたって磁場を小さくすることができる。したがって、金属要素100の誘導電流に起因する影響を低減できるので、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置1を実現できる。
図4(A)は、第1実施形態の変形例に係る海底探査装置1aの配置を模式的に示す側面図、図4(B)は、第1実施形態の変形例に係る海底探査装置1aの配置を模式的に示す平面図である。補償コイル30は、図3に示される構成に限らず、例えば、平面視で、金属要素100よりも小さくてもよい。例えば、補償コイル30のコイル面の面積が、金属要素100を平面視した場合の面積よりも小さくてもよい。図4に示される例では、補償コイル30が金属要素100の上方に設けられているが、金属要素100の下方に設けられていてもよい。
本実施形態によれば、小型の補償コイル30で、金属要素100の少なくとも一部に対して磁場を小さくすることができる。したがって、金属要素100の誘導電流に起因する影響を低減できるので、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置1を実現できる。
本実施形態において、補償電流供給源40は、送信電流供給源20が送信電流I1を遮断するタイミングと連動して、補償電流I2を遮断してもよい。例えば、補償電流供給源40は、送信電流供給源20が送信電流I1を遮断するタイミングと同時に、補償電流I2を遮断してもよい。
本実施形態によれば、簡易な構成で金属要素100に発生する1次誘導電流を低減できる。したがって、金属要素100の誘導電流に起因する影響を低減できるので、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置1を実現できる。
受信部50は、磁場の変化量(時間微分)または磁場の大きさそのものを検出する。本実施形態においては、受信部50は、磁場の変化量(時間微分)を検出する受信コイル51を含んで構成されている。本実施形態においては、受信コイル51は、受信コイル51のコイル面と送信コイル10のコイル面とが平行になるように設けられている。図3(B)に示される例では、受信コイル51の巻き数は1回であるが、巻き数が複数回であってもよい。また、受信部50は、磁場の大きさそのものを検出する受信磁場センサー52を含んで構成されていてもよい。図3に示される例では、受信磁場センサー52は、受信コイル51のコイル面の中心近傍に設けられている。
図3(B)に示されるように、本実施形態においては、平面視で、金属要素100を囲むように送信コイル10が配置され、送信コイル10を囲むように受信コイル51が配置されている。なお、受信コイル51は、送信コイル10と重なるように配置されていてもよい。
金属要素100の誘導電流に起因する磁束線のうち、受信コイル51の内側で出入りす
る磁束線は、受信コイル51では検出されないのでノイズにはならない。本実施形態によれば、平面視で、受信コイル51が金属要素100よりも大きいので、金属要素100の誘導電流に起因する影響を低減できる。したがって、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置1を実現できる。
測定部60は、受信コイル51で検出される磁場の経時的な変化に含まれる、送信電流I1の遮断後の過渡応答を測定する。特に、送信電流供給源20が送信コイル10に送信電流I1を供給した状態から送信電流I1を遮断した状態に切り換えた直後からその後の磁場の変化を経時的に測定することが好ましい。
本実施形態によれば、送信コイル10が発生させる誘導電流が海底下に流れるので、受信コイル51で検出される磁場の経時的な変化に含まれる、送信電流I1の遮断後の過渡応答を測定することによって、海底下の電気的な性質を探査できる。すなわち、本実施形態によれば、海底における時間領域の電磁探査を行うことができる。なお、海底探査装置1は、海底における周波数領域の電磁探査を行う場合にも適用できる。
解析部70は、受信コイル51で検出される磁場の経時的な変化に含まれる、送信電流I1の遮断後の過渡応答に基づいて、海底下の比抵抗を算出する。後述されるように、海底下の比抵抗が小さいほど、誘導電流はゆっくり減衰するので、誘導電流に起因する磁場もゆっくり減衰する。したがって、本実施形態によれば、受信コイル51で検出される磁場の経時的な変化に含まれる、送信電流I1の遮断後の過渡応答に基づいて、海底下の比抵抗を算出できる。
制御部90は、送信電流供給源20、補償電流供給源40および測定部60を制御する。例えば、制御部90は、送信電流I1の遮断するタイミングを制御したり、送信電流I1の遮断するタイミングに合わせて補償電流供給源40および測定部60の動作を制御したりする。
図5は、第1実施形態に係る海底探査装置1を用いた海底探査方法の一例を示すフローチャートである。
図5に示される例では、まず、送信電流供給源20が送信コイル10に送信電流I1を供給し、補償電流供給源40が補償コイル30に補償電流I2を供給した後に、送信電流I1および補償電流I2を遮断する(ステップS100)。
ステップS100では、送信コイル10に送信電流I1を供給した後に送信電流I1を遮断することによって、送信コイル10の周りに誘導電流を発生させる。
図6(A)は、送信電流I1のタイミングチャート、図6(B)は、補償電流I2のタイミングチャート、図6(C)は、送信コイル10に生じる逆起電力Pのタイミングチャート、図6(D)は、送信コイル10が生じる磁場Hのタイミングチャートである。図7は、送信コイル10が発生させる誘導電流を説明するための模式図である。図7において、送信電流I1が正である場合には、送信コイル10を矢印の向きに電流が流れるものとする。
まず、図6(A)に示すように、送信電流供給源20から送信コイル10に正の送信電流I1を出力する。次にこの送信電流I1を急激に遮断する。これによって、図6(C)に示すように、電磁誘導の法則によって遮断前の同じ磁場を維持しようとする起電力Eが発生し、海底面に誘導電流が発生する。その後、送信電流供給源20から送信コイル10に負の送信電流I1を出力する。次にこの送信電流I1を急激に遮断する。かかる動作を
周期Tで繰り返す。
この海底面の誘導電流は、海底下の比抵抗に応じて減衰するが、この電流の変化を妨げるような新しい誘導電流が地中に生じる。このプロセスが繰り返され、あたかも誘導電流500が、誘導電流501、誘導電流502へと海底下深部に伝播していくような現象が発生する。
これらの誘導電流は、電流経路地層の比抵抗に応じて減衰する。このため、海底近傍に配置された受信コイル51を用い、誘導電流の減衰を磁場の時間変化として図6(D)に示すように検出し、海底下の比抵抗を知ることができる。例えば、地下が高比抵抗の場合は、誘導電流は急速に減衰していくが、低比抵抗の場合はゆっくり減衰する。
図5に戻り、ステップS100の後に、送信電流I1の遮断後の磁場の過渡応答を測定する(ステップS102)。これによって、海底下の電気的な性質を探査できる。
ステップS102の後に、送信電流I1の遮断後の磁場の過渡応答に基づいて、海底下の比抵抗を算出する(ステップS104)。上述したように、海底下の比抵抗が小さいほど誘導電流はゆっくり減衰するので、誘導電流に起因する磁場もゆっくり減衰する。したがって、送信電流I1の遮断後の磁場の過渡応答に基づいて、海底下の比抵抗を算出できる。
図7においては海底下の誘導電流について説明したが、同様の原理で海水および金属要素100にも誘導電流が生じる。金属要素100は、比抵抗が小さいので、同様に比抵抗が小さい海底下の金属鉱物資源を探索する場合には大きなノイズとなる。
図6(B)に示されるように、本実施形態においては、送信電流I1と逆向きの補償電流I2が補償コイル30に供給されている。これによって、金属要素における磁場が小さくなる。したがって、金属要素100の誘導電流に起因する影響を低減できるので、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置1を実現できる。
図8は、受信磁場センサー52で検出される磁場の応答の一例を示すグラフである。図8の横軸は送信電流I1を遮断した後の経過時間(線形目盛り)、縦軸は磁場の応答(対数目盛り)を表す。
図8において、データ1001は、海水のみの場合(金属要素100および補償コイル30が存在しない場合)におけるシミュレーション結果、データ1002は、金属要素100が存在して補償コイル30が存在しない場合におけるシミュレーション結果、データ1003は、金属要素100および補償コイル30が存在する場合におけるシミュレーション結果を示している。
図8に示されるように、データ1002は、データ1001に比べて磁場がゆっくり減衰している。これは、金属要素100に誘導電流が生じることに起因する。一方、データ1003では、金属要素100に生じる誘導電流の影響が低減され、データ1001に近づいている。
このように、海底探査装置1が補償コイル30を備えることによって、金属要素100に生じる誘導電流に起因する影響を低減でき、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置1を実現できることが明らかとなった。
2.第2実施形態
図9は、第2実施形態に係る海底探査装置2の機能ブロック図である。図10(A)は、第2実施形態に係る海底探査装置2の配置を模式的に示す側面図、図10(B)は、第2実施形態に係る海底探査装置2の配置を模式的に示す平面図である。なお、図10(A)および図10(B)においては、各構成を指示する部材については省略している。また、第1実施形態に係る海底探査装置1と同様の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る海底探査装置2は、補償用磁場センサー80を含んで構成されている。補償用磁場センサー80は、金属要素100の近傍に取り付けられている。図10(A)および図10(B)に示される例では、補償用磁場センサー80は、金属要素100の中央に取り付けられている。また、補償用磁場センサー80は、平面視で、送信コイル10のコイル面の中心近傍に取り付けられている。
補償電流供給源40は、補償用磁場センサー80で検出される磁場が0に近づくように、補償コイル30に補償電流I2を供給する。本実施形態においては、送信電流供給源20が送信コイル10に送信電流I1を供給しているか否かにかかわらず、補償電流供給源40は、補償用磁場センサー80で検出される磁場が0に近づくように、補償コイル30に補償電流I2を供給する。
金属要素100には、送信コイル10に流れる送信電流I1に直接的に起因する誘導電流(1次誘導電流)のみならず、1次誘導電流に比べて小さいものの、誘導電流500などに起因する誘導電流(2次誘導電流)も流れる。本実施形態によれば、金属要素100に発生する誘導電流(1次誘導電流および2次誘導電流)を効果的に低減できる。したがって、金属要素100の誘導電流に起因する影響を低減できるので、海底下の金属鉱物資源を精度よく探索できる海底探査装置2を実現できる。
図11は、第2実施形態に係る海底探査装置2を用いた海底探査方法の一例を示すフローチャートである。図5と同様の工程には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図11に示される例では、まず、送信電流供給源20が送信コイル10に送信電流I1を供給し、補償電流供給源40が補償コイル30に補償電流I2を供給した後に、送信電流I1を遮断する(ステップS200)。ステップS200において、補償電流I2については遮断する制御を格別に行うことはせず、後のステップを通じて、補償電流供給源40は、補償用磁場センサー80で検出される磁場が0に近づくように、補償コイル30に補償電流I2を供給する。
ステップS200では、送信コイル10に送信電流I1を供給した後に送信電流I1を遮断することによって、送信コイル10の周りに誘導電流を発生させる。誘導電流の発生原理については、図7を用いて説明したとおりである。
ステップS200の後に、送信電流I1の遮断後の磁場の過渡応答を測定する(ステップS102)。これによって、海底下の電気的な性質を探査できる。
ステップS102の後に、送信電流I1の遮断後の磁場の過渡応答に基づいて、海底下の比抵抗を算出する(ステップS104)。上述したように、海底下の比抵抗が小さいほど誘導電流はゆっくり減衰するので、誘導電流に起因する磁場もゆっくり減衰する。したがって、送信電流I1の遮断後の磁場の過渡応答に基づいて、海底下の比抵抗を算出できる。
本実施形態に係る海底探査装置2は、上述の効果に加えて、第1実施形態に係る海底探
査装置1と同様の理由により、同様の効果を奏する。
以上、本実施形態あるいは変形例について説明したが、本発明はこれら本実施形態あるいは変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1,1a,2…海底探査装置、10…送信コイル、20…送信電流供給源、30…補償コイル、40…補償電流供給源、50…受信部、51…受信コイル、52…受信磁場センサー、60…測定部、70…解析部、80…補償用磁場センサー、90…制御部、100…金属要素、500,501,502…誘導電流、1001,1002,1003…データ

Claims (4)

  1. 送信コイルと、
    前記送信コイルに送信電流を供給する送信電流供給源と、
    前記送信コイルからの磁場を受ける金属要素における磁場が小さくなるように磁場を発生させる補償コイルと、
    前記補償コイルに補償電流を供給する補償電流供給源と、
    前記金属要素に取り付けられている補償用磁場センサーとを含み、
    前記補償電流供給源は、前記補償用磁場センサーで検出される磁場が0に近づくように、前記補償コイルに前記補償電流を供給する、海底探査装置。
  2. 請求項1に記載の海底探査装置において、
    前記補償コイルは、平面視で、前記金属要素を囲むように設けられている、海底探査装置。
  3. 請求項1に記載の海底探査装置において、
    前記補償コイルは、平面視で、前記金属要素よりも小さい、海底探査装置。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の海底探査装置において、
    受信コイルをさらに含み、
    平面視で、前記金属要素を囲むように前記送信コイルが配置され、前記送信コイルと重なるように、または、前記送信コイルを囲むように、前記受信コイルが配置されている、海底探査装置。
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