JP6504236B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、省電力、軽量、薄型等といった特徴を有していることから、従来のCRTディスプレイに替わり、近年急速に普及している。
一般的な液晶表示装置としては、例えば、バックライト光源、該バックライト側の偏光板、液晶セル、カラーフィルター及び表示側の偏光板を有する構造が挙げられる。
液晶表示装置の2枚の偏光板は、所定の振動方向の振動面を有する直線偏光のみを選択的に透過させるように構成されたものであり、それぞれの振動方向が相互に直角の関係になるようにクロスニコル状態で対向して配置されている。また、液晶セルは2枚の偏光板の間に配置されている。
近年、4K2K(水平画素数3840×垂直画素数2160)や8K4K(水平画素数7680×垂直画素数4320)と呼ばれる水平画素数が3000以上の超高精細な液晶表示装置が開発されているが、このような超高精細な液晶表示装置では、これまで以上に優れた輝度を有することが求められている。
液晶表示装置の輝度には、バックライト光源が直接的に関連しており、従来、液晶表示装置のバックライト光源としては、CCFL、EEFL、FFL、LED等が用いられており、LED光源は、CCFL光源に比べて応答速度が速く、色表現性が優れており、環境にやさしいということで採用が多くなっていた。
しかしながら、超精細な液晶表示装置の開発とともに、これまでよりも広い色域(国際規格、ITU−R勧告BT.2020)を満たす色表現が求められるところ、従来の白色LED光源(例えば、青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせたLED光源)を用いた液晶表示装置では、このような広色域の国際規格を充分にカバーすることはできなかった。
一方、より高輝度及び広色域化を可能とするバックライト光源として、量子ドット(Quantum dot (QD))を含む光透過層を備えたバックライト光源(以下、QD光源ともいう)が注目されている。
量子ドット(QD)とは、10億分の1メートルサイズの小さい粒子を意味する「ナノ(nano)」素材であり、量子サイズ効果によりバルク半導体とは異なる光学的特性を持つ。この量子ドットは、光を吸収して異なる波長の光を発生させることができ、サイズを調節することで、赤外から紫外の広い波長範囲の光を出すことができる。また、様々なサイズの量子ドットが共に存在するときに一つの波長で光を発するようにすると、様々な色を一度に出すこともできる。
この量子ドットを用いたQD光源では、従来の白色LED光源と比べて発光スペクトルの半値全幅(FWHM)が狭いため、色純度が高くカラーフィルターによる光ロスも少ない。また、量子ドットを用いたQD光源は、高い変換効率を有するため、高輝度、且つ広色域のバックライト光源となり得る。
ここで、液晶表示装置に用いられる偏光板保護フィルムとしては、従来、トリアセチルセルロースに代表されるセルロースエステルからなるフィルムが用いられていた。これは、セルロースエステルはリタデーション値が低いため、液晶表示装置の表示品質への影響が少ないことや、適度な透水性を有することから、偏光板製造時に偏光子に残留した水分を、偏光板保護フィルムを通して乾燥させることができる等の利点に基づくものである。また、セルロースエステルフィルムは比較的廉価であるという点も寄与している。
しかしながら、このようなセルロースエステルフィルムを、今後も拡大する液晶表示装置産業を支える部材として考えた場合、種々の問題点が存する。なかでも特に重大な問題点としては、次のようなものが指摘されている。
まず、セルロースエステルフィルムの製造は、有機溶媒にセルロースエステルを溶解した溶液を、支持体上にキャスティングし、溶媒を乾燥した後、これを剥離することによって製膜する、いわゆる溶液製膜法によって製造されるのが一般的である。しかしながら、このような溶液製膜法を実施するには、溶媒の乾燥工程等を含めて大規模な設備と特別な技術を要することから、特殊な技術を保有する者にしか製造することができず、拡大する液晶表示装置市場に対応する需給を満たすことができていない。このため、今後も偏光板保護フィルムとしてセルロースエステルフィルムに依存することは、今や我が国の主幹産業と言っても過言ではない液晶表示装置産業の発展を阻害することになりかねない。
また、一般的にセルロースエステルフィルムを上述した溶液製膜方法にて製造する場合、セルロースエステル溶液に用いられる有機溶媒としては、ジクロロメタンが主溶媒として用いられている。しかしながら、当該ジクロロメタンは、人体に対する危険性が疑われているものであるため、将来にわたってセルロースエステルフィルムに依存することは、液晶表示装置産業の発展に伴ってジクロロメタン使用量・排出量を増加させることになり、環境面においても望ましいものではなかった。
このようなセルロースエステルフィルムの問題点から、市場において入手が容易な、あるいは簡易な方法で製造することが可能な汎用性フィルムを偏光板保護フィルムとして用いることが望まれており、例えば、セルロースエステル代替フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムを利用する試みがなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、セルロースエステルフィルム代替フィルムとしてポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルムを用いた場合、液晶表示装置に色の異なるムラ(以下、「ニジムラ」ともいう)が、特に表示画面を斜めから観察したときに生じ、液晶表示装置の表示品質が損なわれてしまうという問題点があることが判明した。
特に、バックライト光源としてQD光源を用いた場合、該QD光源は、従来のLED光源よりも発光スペクトルの半値全幅が狭いため、ポリエステルフィルムのような面内に複屈折を有するフィルムを偏光板保護フィルムとして使用した場合にニジムラが見えやすくなっていた。
このため、液晶表示装置のバックライト光源としてQD光源を用いて充分な輝度が得られたとしても、ニジムラが生じてしまうという問題があった。
特開2004−205773号公報
本発明は、上記現状に鑑み、高輝度かつ広色域で表示画像にニジムラが生じることを極めて高度に抑制することができる液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、バックライト光源、液晶セル、カラーフィルター、偏光板及び偏光板保護フィルムがこの順序で配置された構成を有する液晶表示装置であって、上記バックライト光源は、量子ドットを含有する光透過層を含み、上記偏光板保護フィルムは、膜厚が20〜72μmの範囲内で、12000nm以上のリタデーションを有するものであり、かつ、上記偏光板の吸収軸と上記偏光板保護フィルムの遅相軸とのなす角度が、0°±10°又は90°±10°となるように配設されており、上記偏光板保護フィルムを構成する材料がポリエチレンナフタレートであることを特徴とする液晶表示装置である。
本発明の液晶表示装置において、上記偏光板保護フィルムは、面内において最も屈折率が大きい方向である遅相軸方向の屈折率(nx)と、上記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率(ny)との差(nx−ny)が、0.05以上であることが好ましい
また、本発明の液晶表示装置は、上記偏光板保護フィルムの偏光板側と反対側面上に、表面に凹凸形状を有する光学層が積層されており、上記偏光板保護フィルムと上記光学層とを有する光学積層体は、全ヘイズ値が0%以上5%以下であり、内部ヘイズ値が0%以上5%以下であり、0.125mm幅の光学くしを用いて測定される透過像鮮明度をC(0.125)とし、0.25mm幅の光学くしを用いて測定される透過像鮮明度をC(0.25)としたとき、下記式(1)及び式(2)を満たすことが好ましい。
C(0.25)−C(0.125)≧2% (1)
C(0.125)≧65% (2)
また、本発明の液晶表示装置は、上記偏光板保護フィルムの偏光板側と反対側面上に、表面に凹凸形状を有する光学層が積層されており、上記偏光板保護フィルムと上記光学層とを有する光学積層体は、全ヘイズ値が0%以上5%以下であり、内部ヘイズ値が0%以上5%以下であり、長波長カットオフ波長を100μmとしたときの上記光学積層体の表面の算術平均粗さをRa(100)[μm]とし、短波長カットオフ波長を100μmとし、かつ、長波長カットオフ波長を1000μmとしたときの上記光学積層体の表面の算術平均粗さをRa(100−1000)[μm]としたとき、下記式(3)及び式(4)を満たすことが好ましい。
Ra(100)/Ra(100−1000)≦0.5 (3)
0.04μm≦Ra(100−1000)≦0.12μm (4)
また、上記Ra(100)が下記式(5)を満たすことが好ましい。
Ra(100)≦0.03μm (5)
また、本発明の液晶表示装置において、上記光学層の凹凸面が光学積層体の表面となっていることが好ましい。
また、上記光学層上に設けられた機能層を更に備え、上記機能層の表面が上記光学積層体の表面となっていることが好ましい。
また、上記光学層は、バインダー樹脂と微粒子とを含むことが好ましく、上記微粒子は、無機酸化物微粒子であることが好ましい。
また、上記無機酸化物微粒子の平均一次粒径が1nm以上100nm以下であることが好ましく、上記無機酸化物微粒子は、表面が疎水化処理された無機酸化物微粒子であることが好ましい。
また、本発明の液晶表示装置において、上記光学積層体は、全ヘイズ値が0%以上1%以下であり、内部ヘイズ値が実質的に0%であることが好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、「樹脂」とは、特に言及しない限り、モノマー、オリゴマー等も包含する概念である。
本発明者らは、鋭意検討した結果、量子ドット(QD)を含有する光透過層を含むバックライト光源(QD光源)を用いることで、広い色域を再現でき、液晶表示装置の表示画面側の偏光板保護フィルムを、極めて高いリタデーションを有し、かつ、特定の方向に配置させることで、表示画像にニジムラが生じることを抑制できることを見出した。
ここで、ある程度高いリタデーション値を有するポリエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして用いた液晶表示装置としては、例えば、特開2011−107198号公報に記載の液晶表示装置が知られている。この液晶表示装置は、液晶セルの視認側に偏光板が設けられ、該偏光板の視認側に3000〜30000nmのリタデーションを有する高分子フィルムを配置し、該高分子フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角を凡そ45度とした液晶表示装置であって、高分子フィルムとして、配向ポリエステルフィルムを用いるものである。この液晶表示装置によればサングラス等の偏光板を介して表示画像を見た場合であっても、従来のポリエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして用いた場合と比較して、ニジムラの発生はある程度改善できるものと考えられる。
しかしながら、近年の超高精細な液晶表示装置に対しては、表示画面に生じるニジムラは極めて高度に抑制することが必要となってきている。
ところが、従来の偏光板保護フィルムでは、このような極めて高度なニジムラの抑制に充分に応えることができなかった。
これは、上述のように、QD光源は、従来のLED光源よりも発光スペクトルの半値全幅が狭いため、ポリエステルフィルムのような面内に複屈折を有するフィルムを偏光板保護フィルムとして使用した場合にニジムラが見えやすくなっていたことに加え、本発明者らの更なる検討の結果、従来のある程度高いリタデーション値を有する配向ポリエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして用いた液晶表示装置では、透過光であるバックライト光の影響に関してのみに着目して種々の研究がなされていたため、外光や蛍光灯の光のある環境下における液晶表示装置の外部からの光の影響を失念していたこと、及び、カラーフィルターによる波長均一性の変化を加味していなかったことが原因であることが判明した。
すなわち、従来のある程度高いリタデーション値を有する配向ポリエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして用いた液晶表示装置であっても、カラーフィルターによる波長均一性の変化、及び、外光や蛍光灯の光の反射光によりニジムラが発生し、表示品質を低下させるといった不具合が生じてしまい、高度なニジムラの抑制に充分応えることができなかった。
これに対して、本発明者らの研究によると、偏光板保護フィルムを、その遅相軸が偏光板の吸収軸に対してなす角度がほぼ0°又は90°となるように配設することで、外光や蛍光灯の光のある環境下で使用した場合であっても、表示画像にニジムラが生じることを極めて高度に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
図1は、本発明の液晶表示装置の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示したように、本発明の液晶表示装置10は、液晶セル11、カラーフィルター12、偏光板13及び偏光板保護フィルム14がこの順序で配置された構成を有する。
また、図1には示していないが、本発明の液晶表示措置10は、液晶セル11のカラーフィルター12と反対側にバックライト光源を有するものであり、更に、液晶セル11は、2つの偏光板で挟持された構造であってもよく、この場合、液晶セル11のカラーフィルター12と反対側面に偏光板13と同構成の偏光板が設けられることとなるが、これら2つの偏光板は、通常、互いの吸収軸が90°(クロスニコル)となるよう配設される。
本発明の液晶表示装置において、上記バックライト光源は、量子ドットを含有する光透過層を含むものである。
図2は、上記量子ドットを含有する光透過層を含むバックライト光源の一例を模式的に示す断面図である。
図2に示したように、上記バックライト光源は、光源部20と光透過層200とから構成されており、光源部20は、フレーム21と該フレーム21の光透過層200面上に設けられた凹部に青色LED22が実装されており、光透過層200は、バインダー樹脂210中に量子ドット(赤色量子ドット220及び緑色量子ドット230)が分散されている。なお、光源部20の青色LED22から放出された青色光は、光透過層200を透過することで白色光に変換される。
上記量子ドットとは、量子閉じ込め効果(quantum confinement effect)を有する所定の大きさの半導体粒子である。量子ドットは、励起源から光を吸収してエネルギー励起状態に達すると、量子ドットのエネルギーバンドギャップに応じたエネルギーを放出する。よって、量子ドットの粒径又は物質の組成を調節すると、エネルギーバンドギャップを調節することができ、様々なレベルの波長帯のエネルギーを得ることができる。
また、上記量子ドットは、通常、中心体と該中心体を被覆する殻で構成され、該殻の外表面に高分子コーティングされた構成を有する。
上記量子ドットの中心体及び殻としては特に限定されず、例えば、CdSe、CdTe、CdS、ZnO、ZnS、ZnSe、InP、PbSe等が挙げられる。
ここで、上記量子ドットは、粒径が小さいほど短い波長の光が発生し、粒子が大きいほど長い波長の光を発生するので、緑色量子ドット230は、赤色量子ドット220の粒径よりも小さく形成される。具体的には、赤色量子ドット220のサイズとしては、例えば、6〜10nmφが挙げられ、緑色量子ドット230のサイズとしては、例えば、2〜4nmφが挙げられる。
また、量子ドットの形状としては特に限定されず、例えば、球状、棒状、円盤状、その他の形状(例えば、断面形状が三角形、四角形又は楕円形となる形状等)が挙げられる。
なお、上記量子ドットの平均粒径は、上記光透過層の断面TEM又はSTEM観察にて測定された20個の量子ドットの粒径を平均した値である。
また、バインダー樹脂210としては特に限定されず、従来公知の材料が挙げられるが、具体的には、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を単独又は任意に組み合わせて用いることができる。
上記量子ドットを含有する光透過層を有するバックライト光源(QD光源)のその他の構成としては特に限定されず、従来公知のものと同様のものを用いることができる。
上記光透過層は、例えば、上述した量子ドット及びバインダー樹脂のモノマー成分に、必要に応じて公知の溶剤及び光重合開始剤等を添加した光透過層用組成物を調製し、該光透過層用組成物を、公知の方法で塗布、乾燥、硬化させることで製造することができる。
上述したように、本発明の画像表示装置は、バックライト光源が上記量子ドットを含有する光透過層を有するため、高輝度及び高色域化を図ることができる。
本発明の液晶表示装置において、上記偏光板保護フィルムは、最も視認側に配置されるものであり、12000nm以上のリタデーションを有する。リタデーションが12000nm未満であると、本発明の液晶表示装置の表示画像にニジムラが生じてしまう。一方、上記偏光板保護フィルムのリタデーションの上限としては特に限定されないが、3万nm程度であることが好ましい。3万nmを超えると、これ以上の表示画像のニジムラ改善効果の向上が見られず、また、膜厚が相当に厚くなるため好ましくない。
上記偏光板保護フィルムのリタデーションは、ニジムラ防止性及び薄膜化の観点から、15000〜2万nmであることが好ましい。
なお、上記リタデーションとは、偏光板保護フィルムの面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)と、偏光板保護フィルムの厚み(d)とにより、以下の式によって表わされるものである。
リタデーション(Re)=(nx−ny)×d
また、上記リタデーションは、例えば、王子計測機器社製KOBRA−WRによって測定(測定角0°、測定波長548.2nm)することができる。
なお、本発明では、上記nx−ny(以下、Δnとも表記する)は、0.05以上であることが好ましい。上記Δnが0.05未満であると、充分なニジムラの抑制効果が得られないことがある。また、上述したリタデーション値を得るために必要な膜厚が厚くなるため、好ましくない。上記Δnのより好ましい下限は0.07である。
上記偏光板保護フィルムを構成する材料としては、上述したリタデーションを充足するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、(メタ)アクロニトリル系樹脂、及び、シクロオレフィン系樹脂からなる群より選択される1種が好適に用いられる。なかでも、上記偏光板保護フィルムは、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので特に好ましい。特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは汎用性が高く、入手が容易であるからである。本発明においてはPETのような、汎用性が極めて高いフィルムであっても、表示品質の高い液晶表示装置を作製することが可能な、偏光板保護フィルムを得ることができる。更に、PETは、透明性、熱又は機械的特性に優れ、延伸加工によりリタデーションの制御が可能であり、固有複屈折が大きく、膜厚が薄くても比較的容易に大きなリタデーションが得られる。
ここで、本発明の液晶表示装置を、近年の超精細な液晶表示装置として用いるためには、バックライト光源であるQD光源により照射された光を、如何に効率よく表示画面まで透過させるかが重要となる。このため、液晶表示装置の偏光板保護フィルムには、高度な形状安定性が要求される。
上記偏光板保護フィルムは、液晶表示装置の表示画面側に配置されるため、該液晶表示装置の周囲の環境、特に湿度の影響を受けやすい。このため、上記偏光板保護フィルムがセルロースアセテートフィルムであると、該セルロースアセテートフィルムは、適度な透水性を有することから、液晶表示装置の周囲の湿度により膨潤してしまい、形状を安定的に保持することができず、その結果、QD光源により照射された光を、効率よく表示画面まで透過させることができなくなることがある。
これに対して、上記PETフィルムのようなポリエステルからなる偏光板保護フィルムは、液晶表示装置の周囲の湿度により膨潤することは殆どなく、形態安定性に極めて優れたものとなり、QD光源により照射された光を、極めて効率よく表示画面まで透過させることが可能となる。
上記偏光板保護フィルムを得る方法としては、上述したリタデーションを充足する方法であれば特に限定されないが、例えば、上記PET等のポリエステルからなる場合、材料のポリエステルを溶融し、シート状に押出し成形された未延伸ポリエステルをガラス転移温度以上の温度においてテンター等を用いて横延伸処理を施す方法が挙げられる。
上記横延伸温度としては、80〜130℃が好ましく、より好ましくは90〜120℃である。また、横延伸倍率は2.5〜6.0倍が好ましく、より好ましくは3.0〜5.5倍である。上記横延伸倍率が6.0倍を超えると、得られるポリエステルからなる偏光板保護フィルムの透明性が低下しやすくなり、横延伸倍率が2.5倍未満であると、延伸張力も小さくなるため、得られる偏光板保護フィルムの複屈折が小さくなり、リタデーションを12000nm以上とできないことがある。
また、本発明においては、二軸延伸試験装置を用いて、上記未延伸ポリエステルの横延伸を上記条件で行った後、該横延伸に対する流れ方向の延伸(以下、縦延伸ともいう)を行ってもよい。この場合、上記縦延伸は、延伸倍率が2倍以下であることが好ましい。上記縦延伸の延伸倍率が2倍を超えると、Δnの値を上述した好ましい範囲にできないことがある。
上述した方法で作製した偏光板保護フィルムのリタデーションを12000nm以上に制御する方法としては、延伸倍率や延伸温度、作製する偏光板保護フィルムの膜厚を適宜設定する方法が挙げられる。具体的には、例えば、延伸倍率が高いほど、延伸温度が低いほど、また、膜厚が厚いほど、高いリタデーションを得やすくなり、延伸倍率が低いほど、延伸温度が高いほど、また、膜厚が薄いほど、低いリタデーションを得やすくなる。
上記偏光板保護フィルムの厚みとしては、その構成材料等に応じて適宜決定されるが、20〜500μmの範囲内であることが好ましい。20μm未満であると、上記偏光板保護フィルムのリタデーションを12000nm以上にできないことがあり、また、力学特性の異方性が顕著となり、裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下することがある。一方、500μmを超えると、偏光板保護フィルムが非常に剛直であり、高分子フィルム特有のしなやかさが低下し、やはり工業材料としての実用性が低下するので好ましくない。上記偏光板保護フィルムの厚さのより好ましい下限は30μm、より好ましい上限は400μmであり、更により好ましい上限は300μmである。
また、上記偏光板保護フィルムは、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、84%以上であるものがより好ましい。なお、上記透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
本発明の液晶表示装置において、上記偏光板保護フィルムは、該偏光板保護フィルムの遅相軸と後述する偏光板(液晶セルの視認側に配置された偏光板)の吸収軸とのなす角度が、0°±10°又は90°±10°となるように配設される。上記偏光板保護フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角度が上記範囲内にあることで、本発明の液晶表示装置の表示画像にニジムラが生じることを極めて高度に抑制することができる。この理由は明確ではないが、以下の理由によると考えられる。
すなわち、外光や蛍光灯の光のない環境下(以下、このような環境下を「暗所」ともいう)では、本発明の液晶表示装置の偏光板保護フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角度は、0°及び90°、又は、45°に設置することで、ニジムラの発生を抑制できる。上記偏光板保護フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角度が0°及び90°の場合は、下記式における「sin2θ」が0となり、光が透過しなくなるためニジムラは発生しない。一方、上記偏光板保護フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角度が45°の場合は、光の透過率が最大となり、連続的な幅広いスペクトルを有するバックライト光源であれば、ニジムラの発生が抑制できる。なお、下記式において、I/Iは、クロスニコル状態に置かれた2枚の偏光板を透過する光の透過率を示し、Iは、クロスニコル状態に置かれた2枚の偏光板を透過した光の強度を、Iは、クロスニコル状態に置かれた2枚の偏光板に入射する光の強度を、それぞれ示す。
I/I=sin2θ・sin(πRe/λ)
しかしながら、外光や蛍光灯の光のある環境下(以下、このような環境下を「明所」ともいう)においては、外光や蛍光灯の光は、連続的な幅広いスペクトルを有するものばかりではないため、偏光板保護フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角度を上述の範囲にしないと、ニジムラが生じてしまい表示品位が低下してしまう。
この現象は、例えば、液晶表示画面に入射する蛍光灯の反射光が、S偏光(表示画面の左右方向に振動する光)が多いことが原因であると考えられる。S偏光が、偏光板保護フィルムを通過し、偏光子との界面で反射し、観測者側に戻ってくるのであるが、この時、偏光板保護フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角度を45°に設置した場合は、連続的な幅広いスペクトルを有さない光が位相差を受けることとなり、ニジムラが発生してしまうと考えられる。
更に、カラーフィルターを透過したバックライトの光も連続的な幅広いスペクトルを有するものばかりではないため、偏光板保護フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角度を上述の範囲にしないと、ニジムラが生じてしまい表示品位が低下してしまうと推測している。
上記偏光板としては、所望の偏光特性を備えるものであれば特に限定されず、一般的に液晶表示装置の偏光板に用いられるものを用いることができる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコールフィルムが延伸されてなり、ヨウ素を含有する偏光板が好適に用いられる。
上記液晶セルとしては特に限定されず、例えば、一般的に液晶表示装置用の液晶セルとして公知のものを用いることができる。また、液晶表示装置用の液晶セルとしては、TN、STN、VA、IPS及びOCB等の表示方式のものが知られているが、本発明においてはこれらのいずれの表示方式の液晶セルであっても用いることができる。
また、上記カラーフィルターとしては特に限定されず、例えば、一般的に液晶表示装置のカラーフィルターとして公知のものを用いることができる。このようなカラーフィルターは、通常、赤色、緑色及び青色の各色の透明着色パターンから構成され、それら各透明着色パターンは、着色剤が溶解又は分散、好ましくは顔料微粒子が分散された樹脂組成物から構成される。なお、上記カラーフィルターの形成は、所定の色に着色したインキ組成物を調製して、着色パターン毎に印刷することによって行なってもよいが、所定の色の着色剤を含有した塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ法によって行なうのがより好ましい。
本発明の液晶表示装置の表示画像は、上記バックライト光源から照射された光が上記カラーフィルターを透過することでカラー表示される。ところが、上記カラーフィルターを透過する光が単色表示となるように制御した場合、上記偏光板保護フィルムとして従来の配向ポリエステルフィルムを用いると、ニジムラがより強く生じる場合がある。これに対して、本発明の液晶表示装置は、上述した偏光板保護フィルムを有するため、このような単色表示とした場合であっても、ニジムラの発生を好適に抑制することができる。
本発明の液晶表示装置は、上述した偏光板の偏光板保護フィルムが設けられた反対側面に、別の偏光板保護フィルムが設けられたものであってもよい。このような別の偏光板保護フィルムが設けられていることで、上記偏光板が空気中の水分等に曝されることを防止したり、偏光板の寸法変化を防止したりすることができる。
上記別の偏光板保護フィルムとしては透明性を有するものであれば特に限定されないが、可視光領域における透過率が80%以上であるものが好ましく、90%以上であるものがより好ましい。ここで、上記透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
上記別の偏光板保護フィルムを構成する材料としては、例えば、セルロース誘導体、シクロオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類等の樹脂材料が挙げられる。なかでも、上記樹脂材料としてセルロース誘導体又はシクロオレフィン系ポリマーが好適に用いられる。
上記セルロース誘導体としては、所望の透明性、透湿性等を備えるものであれば特に限定されないが、なかでも、セルロースアセテートを特に好適に用いることができる。
上記セルロースアセテートとしては、平均酢化度が57.5〜62.5%(置換度:2.6〜3.0)のトリアセチルセルロースを用いることが最も好ましい。ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定及び計算により求めることができる。
上記シクロオレフィン系ポリマーとしては、環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する樹脂であれば特に限定されるものではない。このような環状オレフィンからなるモノマーとしては、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等が挙げられる。
なお、上記シクロオレフィン系ポリマーとしては、シクロオレフィンポリマー(COP)又はシクロオレフィンコポリマー(COC)のいずれであっても好適に用いることができる。上記シクロオレフィン系ポリマーは、上記環状オレフィンからなるモノマーの単独重合体であってもよく、共重合体であってもよい。
また、上記シクロオレフィン系ポリマーは、23℃における飽和吸水率が1質量%以下であるものが好ましく、なかでも0.1質量%〜0.7質量%の範囲内であるものが好ましい。このようなシクロオレフィン系ポリマーを用いることにより、上記別の偏光板保護フィルムを吸水による光学特性の変化や寸法の変化がより生じにくいものとすることができる。
ここで、上記飽和吸水率は、ASTMD570に準拠し23℃の水中で1週間浸漬して
増加重量を測定することにより求められる。
さらに、上記シクロオレフィン系ポリマーは、ガラス転移点が100〜200℃の範囲内であるものが好ましく、100〜180℃の範囲内であるものがより好ましく、100〜150℃の範囲内であるものが更に好ましい。ガラス転移点が上記範囲内であることにより、上記別の偏光板保護フィルムを耐熱性及び加工適性により優れたものにできる。
上記シクロオレフィン系ポリマーからなる別の偏光板保護フィルムの具体例としては、例えば、Ticona社製のTopas、ジェイエスアール社製のアートン、日本ゼオン社製のZEONOR、ZEONEX、三井化学社製のアペル等が挙げられる。
上記別の偏光板保護フィルムは、単一層からなるものであってもよく、複数層が積層された構成を有するものであってもよい。ここで、複数層が積層された構成としては、同一組成からなる層が複数積層された構成であってもよく、異なる組成からなる層が積層された構成であってもよい。
また、上記別の偏光板保護フィルムは、屈折率異方性を有することにより、光学補償機能を有するものであってもよい。
すなわち、本発明では、上記別の偏光板保護フィルムとして、液晶表装置用の光学補償フィルム(位相差フィルム)を用いることができる。上記別の偏光板保護フィルムが光学補償機能を有する態様としては、上述したような材料からなるフィルム中に、屈折率異方性を有する化合物が含有される態様や、上記フィルム上に、屈折率異方性を有する化合物を含有する層が形成された態様等が挙げられる。
本発明においてはこれらいずれの態様であっても好適に用いることができるが、用途に応じて屈折率異方性を任意に調整することが容易であるという点において、後者の態様が好適に用いられる。
上記屈折率異方性を有する化合物としては、例えば、棒状化合物、円盤状化合物及び液晶化合物等が挙げられる。また、これらの屈折率異方性を有する化合物は、規則的に配向させることによって優れた光学補償機能を発現し得るものであることから、配向安定性の観点から、重合性官能基を有する化合物が用いられることが好ましい。
このような偏光板保護フィルム及び別の偏光板保護フィルムと、偏光板とは、接着剤層を介して配置させることができる。
上記接着剤層に用いられる接着剤としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の親水性接着剤や、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤等が挙げられる。なかでも、例えば、PETのような疎水性である偏光板保護フィルムにおいては、紫外線硬化型の接着剤層であることが好ましい。
また、紫外線透過率の高い偏光板保護フィルムにおいては、上記接着剤層に紫外線吸収剤を含有させておくことも好ましい態様である。
本発明の液晶表示装置は、上記偏光板保護フィルムの偏光板側と反対側面上に、種々の光学的機能を付与された光学層が積層されていることが好ましい。
上記光学層としては、例えば、反射防止性、ハードコート性、防眩性、帯電防止性、又は、防汚性等の機能を発揮する層等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、上記偏光板保護フィルムの偏光板側と反対側面上に、表面に凹凸形状を有する光学層が積層されていることが好ましい。このような凹凸形状を有する光学層は、防眩層として機能し、本発明の液晶表示装置に、表示画面に観察者及び観察者の背景等の映り込みを抑制する防眩性を付与することができる。
本発明の液晶表示装置は、上記偏光板保護フィルムの偏光板側と反対側面上に、表面に凹凸形状を有する光学層が積層されており、上記偏光板保護フィルムと上記光学層とを有する光学積層体は、全ヘイズ値が0%以上5%以下であり、内部ヘイズ値が0%以上5%以下であり、0.125mm幅の光学くしを用いて測定される透過像鮮明度をC(0.125)とし、0.25mm幅の光学くしを用いて測定される透過像鮮明度をC(0.25)としたとき、下記式(1)及び式(2)を満たすことが好ましい。
C(0.25)−C(0.125)≧2% (1)
C(0.125)≧65% (2)
本発明において、光学積層体が上記式(1)及び(2)を満たすことが好ましいのは、以下の理由からである。
まず、上記光学積層体において、防眩性を得るために、光学層の表面に凹凸形状を形成するが、この凹凸形状における凹凸がレンズのように作用してしまうことがある(レンズ効果)。そして、このようなレンズ効果が生じると、液晶表示装置の画素を仕切るブラックマトリクスや画素からの透過光がランダムに強調されてしまい、これによりギラツキが生じるものと考えられる。透過像鮮明度が低い光学積層体は、透過像鮮明度が高い光学積層体よりも、レンズとして作用する凹凸が多くなり、ギラツキが悪化する傾向があると考えられる。この点について、本発明者らが鋭意研究を重ねたところ、具体的には、C(0.125)の値が65%未満であると、レンズとして作用する凹凸が多くなり過ぎてしまい、ギラツキが悪化してしまう。また、本発明者らがさらに鋭意研究を重ねたところ、理由は定かではないが、C(0.25)の値とC(0.125)の値の差が小さい防眩フィルムは、この差が大きい防眩フィルムよりも、レンズ効果が強くなり、ギラツキが悪化する傾向があることを見出した。具体的には、C(0.25)の値とC(0.125)の値の差が2%未満であると、レンズ効果が強くなり過ぎてしまい、ギラツキが悪化してしまう。このようなことから、防眩フィルムが、上記式(1)及び(2)を満たすことが必要であるとしている。なお、通常、当業者であれば、ギラツキを抑制する観点からは、C(0.25)の値とC(0.125)の値の差は小さい方がよく、この差が大きいと、ギラツキが悪化すると予測する。このことは、例えば、特開2010−269504号公報によっても裏付けられている。この公報には、ギラツキを抑制する観点から、0.125mmの光学くしを用いた透過像鮮明度と2.0mmの光学くしを用いた透過像鮮明度の比を0.70以上とすること、及び、この比を好ましくは0.80以上0.93以下とすることが記載されている。すなわち、この公報においては、0.25mmの光学くしを用いていないが、上記比は0.70以上より0.80以上である方が好ましいと記載されているので、0.125mmの光学くしを用いた透過像鮮明度と2.0mmの光学くしを用いた透過像鮮明度との差は小さい方が好ましいという方向性を示している。
これに対し、この予測とは逆に、本発明においては、ギラツキを抑制するために、C(0.25)の値とC(0.125)の値との差が2%以上であることを好ましい範囲にしている。したがって、上記(1)及び(2)を満たす光学積層体は、従来の防眩性を付与された光学積層体の技術水準に照らして、予測され得る範囲を超えたものであると言える。
上記C(0.25)の値とC(0.125)の値との差は3%以上であることが好ましく、4%以上であることがより好ましい。上記C(0.125)の値は、75%以上であることが好ましい。上記C(0.125)の値は、防眩性を担保する上で、90%以下であることが好ましく、85%以下であることがより好ましく、80%以下であることがさらに好ましい。
上記透過像鮮明度は、JIS K7374の像鮮明度の透過法に準拠した透過像鮮明度測定装置によって測定することができる。このような測定装置としては、スガ試験機社製の写像性測定器ICM−1T等が挙げられる。
透過像鮮明度測定装置100は、図3に示されるように、光源101、スリット102、レンズ103、レンズ104、光学くし105、及び、受光器106を備えるものである。透過像鮮明度測定装置100は、光源101から発せられ、かつ、スリット102を通過した光をレンズ103により平行光とし、この平行光を光学積層体107の基材(偏光板保護フィルム)側に照射させ、光学積層体107の光学層の凹凸面から透過した光をレンズ104により集光させ、光学くし105を通過した光を受光器106で受光するものであり、この受光器106で受光された光の量に基づいて、下記式(A)により透過像鮮明度Cを算出する。
C(n)={(M−m)/(M+m)}×100(%) (A)
上記式(A)中、C(n)は、光学くしの幅n(mm)のときの透過像鮮明度(%)、Mは光学くしの幅n(mm)のときの最高光量であり、mは光学くしの幅n(mm)のときの最低光量である。
光学くし105は、光学くし105の長手方向に沿って移動可能であり、遮光部分及び透過部分を有している。光学くし105の遮光部分及び透過部分の幅の比は1:1となっている。ここで、JIS K7374においては、光学くしとして、幅が、0.125mm、0.25mm、0.5mm、1.0mm、2.0mmの5種類の光学くしが定められている。
また、本発明の液晶表示装置は、偏光板保護フィルムの偏光板側と反対側面上に、表面に凹凸形状を有する光学層が積層されており、上記偏光板保護フィルムと上記光学層とを有する光学積層体は、全ヘイズ値が0%以上5%以下であり、内部ヘイズ値が0%以上5%以下であり、長波長カットオフ波長を100μmとしたときの上記光学積層体の表面の算術平均粗さをRa(100)[μm]とし、短波長カットオフ波長を100μmとし、かつ、長波長カットオフ波長を1000μmとしたときの上記光学積層体の表面の算術平均粗さをRa(100−1000)[μm]としたとき、下記式(3)及び式(4)を満たすことが好ましい。
Ra(100)/Ra(100−1000)≦0.5 (3)
0.04μm≦Ra(100−1000)≦0.12μm (4)
上記「長波長カットオフ波長」とは、光学積層体の表面における算術平均粗さを求める際に、このカットオフ波長よりも長い波長の凹凸を除外するために設定される波長である。従って、Ra(100)の測定に際しては、100μmよりも長い波長の凹凸は除外され、Ra(100−1000)の測定に際しては、1000μmよりも長い波長の凹凸は除外される。また、上記「短波長カットオフ波長」とは、光学積層体の表面における算術平均粗さを求める際に、このカットオフ波長よりも短い波長を有する凹凸を除外するために設定される波長である。したがって、Ra(100−1000)の測定に際しては、100μmよりも短い波長の凹凸は除外される。
また、上記「光学積層体の表面」とは、光学層上に低屈折率層等の機能層が形成されている場合には機能層の表面を意味し、光学層上に低屈折率層等の機能層が形成されていない場合には光学層の表面を意味する。また、上記「機能層の表面」とは、機能層における偏光板保護フィルム側の面(機能層の裏面)とは反対側の面を意味し、上記「光学層の表面」とは、光学層における偏光板保護フィルム側の面(光学層の裏面)とは反対側の面を意味するものとする。
本発明者らは、1000μmより長い波長を有する凹凸は防眩フィルムの全体的なうねりを表し、光学的特性とは直接関係なく、100μm〜1000μmの波長を有する凹凸は人間の目に光学的特性として映る領域であり、防眩性は主にこの範囲の波長を有する凹凸によって決まり、また100μm未満の波長を有する凹凸は直接人間の目には見えないものの、凹凸に微細な歪みをもたらし、ギラツキの原因となることを見出した。すなわち、100μm未満の波長を有する凹凸成分が強い程、ギラツキが発生しやすくなる。なお、凹凸の算術平均粗さが大きくなると、防眩性も強くなるが、ギラツキも強くなる傾向がある。そこで、本発明においては、ギラツキを抑制し、かつ画像表示面に映り込む像の輪郭をぼかすために、Ra(100)/Ra(100−1000)の値を0.5以下とし、かつRa(100−1000)の値を0.04μm以上0.12μm以下としている。Ra(100)/Ra(100−1000)の値を0.5以下としたのは、この値が0.5を超えると、Ra(100)の割合が多いため、ギラツキが発生してしまうおそれがあるからである。また、Ra(100−1000)の値を0.04μm以上0.12μm以下としたのは、Ra(100−1000)の値が0.04μm未満であると、防眩性が弱いので、映り込む像の輪郭をぼかすことができなくなり、またRa(100−1000)の値が0.12μmを超えると、防眩性は強くなるものの、ギラツキが発生してしまうからである。なお、JIS B0601−1994には、算術平均粗さを測定する際のカットオフ値が規定されているが、JIS B0601−1994で規定されているカットオフ値は0.08mm等であるので、本発明のカットオフ波長とは全く異なるものである。
本発明の液晶表示装置において、上記Ra(100)は、ギラツキをより抑制する観点から、下記式(5)を満たすことが好ましい。Ra(100)は0μmであってもよい。
Ra(100)≦0.03μm (5)
上記Ra(100−1000)の下限は、0.045μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましい。Ra(100−1000)の上限は、0.1μm以下であることが好ましく、0.08μm以下であることがより好ましい。
上記光学積層体の表面におけるRa(100)及びRa(100−1000)の測定は、光学積層体の表面形状を測定することにより得られる。表面形状を測定する装置としては、接触式表面粗さ計や非接触式の表面粗さ計(例えば、干渉顕微鏡、共焦点顕微鏡、原子間力顕微鏡等)が挙げられる。これらの中でも、測定の簡便性から干渉顕微鏡が好ましい。このような干渉顕微鏡としては、Zygo社製の「New View」シリーズ等が挙げられる。
表面形状を測定する際のサンプリング間隔は4μm以下であることが好ましい。サンプリング間隔が4μmより大きいと、ギラツキに影響を与える微細な歪みが正確に見積もることができなくなるおそれがある。測定面積は広い方が好ましく、少なくとも500μm×500μm以上、より好ましくは2mm×2mm以上の領域で測定されるのがよい。
上記光学層が、防眩性の他にハードコート性を発揮する層である場合、光学層は、JIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で「H」以上の硬度を有することが好ましい。
上記光学層の表面は、上述したように凹凸形状が形成された凹凸面となっていることが好ましい。なお、上記「光学層の表面」とは、光学層における偏光板保護フィルム側の面(光学層の裏面)とは反対側の面を意味するものとする。
また、内部ヘイズ値が0%以上5%以下の範囲内であれば、内部ヘイズ値は、透過像鮮明度に影響を与えないので、透過像鮮明度は、光学積層体の表面の凹凸形状に影響を受ける。一方、本発明では、光学積層体の表面は、光学層の凹凸面となっていることが好ましい。従って、本発明において、光学積層体の透過像鮮明度が上記式(1)及び式(2)を満たすか否か、又は、光学積層体の表面の算術平均粗さをRaが上記式(3)及び(4)を満たすか否かは、光学層の凹凸面の凹凸形状によって決まる。なお、以下、光学積層体が上記式(1)及び式(2)、又は、式(3)及び式(4)を満たすような光学層の凹凸面を「特異な凹凸面」と称する。
上記特異な凹凸面は、凹凸の数、凹凸の大きさ、又は、凹凸の傾斜角等を適宜調整することにより形成することができるが、これらを調整する方法としては、例えば、硬化後バインダー樹脂となる光重合性化合物及び微粒子を含む光学層用組成物を用いて凹凸面を形成する方法等が挙げられる。
上記凹凸面を形成する方法においては、光重合性化合物が重合(架橋)して、バインダー樹脂となる際に、微粒子が存在しない部分においては、光重合性化合物が硬化収縮を起こすため全体的に収縮する。これに対し、微粒子が存在する部分においては、微粒子は硬化収縮を起こさないため、微粒子の上下に存在する光重合性化合物のみ硬化収縮を起こす。これにより、微粒子が存在する部分は微粒子が存在しない部分に比べて光学層の膜厚が厚くなるので、光学層の表面が凹凸面となる。したがって、微粒子の種類や粒径及び光重合性化合物の種類を適宜選択し、塗膜形成条件を調整することにより、特異な凹凸面を有する光学層を形成することができる。
上記光学層は、バインダー樹脂及び微粒子を含んでおり、上述した方法によって形成されていることが好ましい。
上記バインダー樹脂は、光重合性化合物の重合物(架橋物)を含むものである。
上記バインダー樹脂は、光重合性化合物の重合物(架橋物)の他、溶剤乾燥型樹脂や熱硬化性樹脂を含んでいてもよい。
上記光重合性化合物は、光重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。なお、本明細書における、「光重合性官能基」とは、光照射により重合反応し得る官能基である。
このような光重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を含む官能基が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。
また、上記光重合性化合物を重合する際に照射される光としては、可視光線、並びに、紫外線、X線、電子線、α線、β線及びγ線のような電離放射線が挙げられる。
上記光重合性化合物としては、例えば、光重合性モノマー、光重合性オリゴマー、又は、光重合性ポリマーが挙げられ、これらを適宜調整して用いることができる。
上記光重合性化合物としては、光重合性モノマーと、光重合性オリゴマー又は光重合性ポリマーとの組み合わせが好ましい。
上記光重合性モノマーとしては、光重合性官能基を2つ(すなわち、2官能)以上有する多官能モノマーが好ましい。
上記2官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートや、これらをPO、EO等で変性したものが挙げられる。
これらの中でも硬度が高い光学層を得る観点から、上記光重合性モノマーとしては、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)等が好ましい。
上記光重合性オリゴマーは、重量平均分子量が1000を超え10000以下のものである。
上記光重合性オリゴマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記光重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましく、光重合性官能基が3つ(3官能)以上の多官能オリゴマーが好ましい。
上記光重合性ポリマーは、重量平均分子量が1万を超えるものであり、重量平均分子量としては1万以上8万以下が好ましく、1万以上4万以下がより好ましい。重量平均分子量が8万を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる光学積層体の外観が悪化するおそれがある。
上記光重合性ポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記溶剤乾燥型樹脂は、熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂である。溶剤乾燥型樹脂を添加した場合、光学層を形成する際に、塗液の塗布面の被膜欠陥を有効に防止することができる。溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、透明性や耐候性という観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
上記微粒子は、無機微粒子又は有機微粒子のいずれであってもよいが、なかでも、例えば、シリカ(SiO)微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子、酸化スズ微粒子、アンチモンドープ酸化スズ(略称;ATO)微粒子、酸化亜鉛微粒子等の無機酸化物微粒子が好ましい。上記無機酸化物微粒子は、光学層中で凝集体を形成することが可能となり、この凝集体の凝集度合により特異な凹凸面を形成することが可能となる。
上記有機微粒子としては、例えば、プラスチックビーズを挙げることができる。プラスチックビーズとしては、具体例としては、ポリスチレンビーズ、メラミン樹脂ビーズ、アクリルビーズ、アクリル−スチレンビーズ、シリコーンビーズ、ベンゾグアナミンビーズ、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合ビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等が挙げられる。
上記有機微粒子は、上述した硬化収縮において、微粒子が有する硬化収縮に対する抵抗力を適度に調整されていることが好ましい。この収縮に対する抵抗力を調整するには、事前に、三次元架橋の程度を変えて作成した、硬さの異なる有機微粒子を含む光学積層体を複数作成し、光学積層体の透過像鮮明度を評価することによって、特異な凹凸面となるに適した架橋度合いを選定しておくことが好ましい。
上記微粒子として無機酸化物粒子を用いる場合、無機酸化物粒子は表面処理が施されていることが好ましい。上記無機酸化物微粒子に表面処理を施すことにより、微粒子の光学層中での分布を好適に制御することができ、また、微粒子自体の耐薬品性及び耐鹸化性の向上を図ることもできる。
上記表面処理としては、無機酸化物粒子の表面を疎水性にする疎水化処理が好ましい。このような疎水化処理は、微粒子の表面にシラン類やシラザン類等の表面処理剤を化学的に反応させることにより、得ることができる。具体的な表面処理剤としては、例えば、ジメチルジクロロシランやシリコーンオイル、ヘキサメチルジシラザン、オクチルシラン、ヘキサデシルシラン、アミノシラン、メタクリルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。微粒子が無機酸化物微粒子の場合、無機酸化物微粒子の表面には水酸基が存在しているが、上記のような疎水化処理を施すことにより、無機酸化物微粒子の表面に存在する水酸基が少なくなり、無機酸化物微粒子のBET法により測定される比表面積が小さくなるとともに、無機酸化物微粒子が過度に凝集することを抑制でき、特異な凹凸面を有する機能層を形成することができる。
上記微粒子として無機酸化物粒子を用いる場合、無機酸化物微粒子は非晶質であることが好ましい。これは、無機酸化物粒子が結晶性である場合、その結晶構造中に含まれる格子欠陥により、無機酸化物微粒子のルイス酸塩が強くなってしまい、無機酸化物微粒子の過度の凝集を制御できなくなるおそれがあるからである。
上記光学層における微粒子の含有量は特に限定されないが、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。微粒子の含有量が0.1質量%以上であることで、特異な凹凸面をより確実に形成することができ、また微粒子の含有量が5.0質量%以下であることで、凝集体が過度に生じることもなく、内部拡散及び/又は機能層の表面に大きな凹凸が生じることを抑制でき、これにより白濁感を好適に抑制できる。微粒子の含有量の下限は0.2質量%であることがより好ましく、微粒子の含有量の上限は3.0質量%であることがより好ましい。
上記微粒子は、単粒子状態での形状が球状であることが好ましい。微粒子の単粒子がこのような球状であることにより、光学積層体を画像表示装置の画像表示面に配置したときに、コントラストに優れた画像を得ることができる。ここで、「球状」とは、例えば、真球状、楕円球状等が含まれるが、いわゆる不定形のものは含まれない意味である。
上記微粒子として有機微粒子を用いる場合、屈折率の異なる樹脂の共重合比率を変えることでバインダー樹脂との屈折率差を小さく、例えば、0.01未満とすることが、微粒子による光の拡散を抑制できる点で好ましい。有機微粒子の平均一次粒径は8.0μm未満であることが好ましく、5.0μm以下であることがより好ましい。
上記光学層は、緩やかな凝集体を形成する微粒子を用いて形成されたものであることが好ましい。「緩やかな凝集体」とは、微粒子の凝集体が塊状ではなく、一次粒子が連なることによって形成された屈曲部と、屈曲部で挟まれた内側領域とを含む構造を有する凝集体を意味する。ここで、本明細書においては、「屈曲部」とは、湾曲部をも含む概念である。屈曲部を有する形状としては、例えば、V字状、U字状、円弧状、C字状、糸毬状、籠状等が挙げられる。上記屈曲部の両端は、閉じていてもよく、例えば、屈曲部を有する環状構造であってもよい。
上記屈曲部は、一次粒子が連なることによって形成され、かつ、屈曲している1本の微粒子の凝集体から構成されていてもよいが、一次粒子が連なることによって形成された幹部と、幹部から分岐し、かつ、一次粒子が連なることによって形成された枝部とによって構成されていてもよく、また幹部から分岐し、かつ、幹部において連結した2本の枝部によって構成されていてもよい。なお、上記「幹部」とは、微粒子の凝集体において最も長い部分である。
上記内側領域は、バインダー樹脂で埋められている。上記屈曲部は、内側領域を光学層の厚み方向から挟むように存在していることが好ましい。
塊状に凝集している凝集体は、硬化後にバインダー樹脂となる光重合性化合物の硬化収縮(重合収縮)に際して単一の固体として作用するので、光学層の凹凸面は凝集体の形状に対応する。これに対し、微粒子が緩やかに凝集した凝集体は、屈曲部と、屈曲部によって挟まれた内側領域とを有しているので、硬化収縮に際して緩衝作用を有する固体として作用する。従って、微粒子が緩やかに凝集した凝集体は、硬化収縮の際に、容易に、かつ、均一性を持って潰れる。これにより、凹凸面の形状は、微粒子が塊状に凝集している場合に比べて緩やかであり、また、一部に大きな凹凸形状が生じにくくなる。
上記光学層が緩やかな凝集体により形成されている場合、膜厚を調整することによって緩やかな凝集体の大きさを調整することも可能である。すなわち、膜厚が大きいと緩やかな凝集体の大きさがより大きくなりやすい。それにより、凹凸の大きさをより大きく、凹凸の間隔をより広くすることができる。
また、緩やかな凝集体を形成する微粒子としては、例えば、平均一次粒径が1nm以上100nm以下の無機酸化物微粒子が好ましい。微粒子の平均一次粒径が1nm以上であることで、特異な凹凸面を有する光学層をより容易に形成することができ、また、平均一次粒径が100nm以下であることで、微粒子による光の拡散を抑制でき、優れた暗室コントラストを好適に得ることができる。微粒子の平均一次粒径の下限は5nm以上であることがより好ましく、微粒子の平均一次粒径の上限は50nm以下であることがより好ましい。なお、微粒子の平均一次粒径は、断面電子顕微鏡(TEM、STEM等の透過型で倍率が5万倍以上のものが好ましい)の画像から、画像処理ソフトウェアを用いて測定される値である。
上記緩やかな凝集体を形成する微粒子として無機酸化物微粒子を用いる場合、光学層の凹凸面における凹凸は、無機酸化物微粒子のみに起因して形成されていることが好ましい。「光学層の凹凸面における凹凸が無機酸化物微粒子のみに起因して形成されている」とは、光学層の凹凸面における凹凸が、無機酸化物微粒子の他に、無機酸化物微粒子以外の微粒子に起因して形成されている場合は実質的に含まれないという意味である。ここでいう、「実質的に含まれない」とは、光学層の凹凸面における凹凸を形成しないような微粒子であるか、凹凸を形成するとしても反射防止性に影響しないような僅かな量であれば、光学層は、無機酸化物微粒子以外の他の微粒子を含んでいてもよいことを意味する。
上記無機酸化物微粒子の中でも、緩やかな凝集体を形成し、容易に特異な凹凸面を形成することができる観点から、フュームドシリカが特に好ましい。
上記フュームドシリカとは、乾式法で作製された200nm以下の粒径を有する非晶質のシリカであり、ケイ素を含む揮発性化合物を気相で反応させることにより得ることができる。具体的には、例えば、四塩化ケイ素(SiCl)等のケイ素化合物を酸素と水素の炎中で加水分解して生成されたもの等が挙げられる。上記フュームドシリカの市販品としては、例えば、日本アエロジル社製のAEROSIL R805等が挙げられる。
上記フュームドシリカには、親水性を示すものと、疎水性を示すものがあるが、これらの中でも、水分吸収量が少なくなり、機能層用組成物中に分散し易くなる観点から、疎水性を示すものが好ましい。
疎水性のフュームドシリカは、フュームドシリカの表面に存在するシラノール基に上記のような表面処理剤を化学的に反応させることにより得ることができる。上記のような凝集体を容易に得るという観点からは、フュームドシリカはオクチルシラン処理されていることが最も好ましい。
上記フュームドシリカのBET比表面積は、100m/g以上200m/g以下が好ましい。フュームドシリカのBET比表面積を100m/g以上であることで、フュームドシリカが分散しすぎず、適度な凝集体を形成させやすくなり、またフュームドシリカのBET比表面積が200m/g以下であることで、フュームドシリカが過剰に大きな凝集体を形成しにくくなる。フュームドシリカのBET比表面積の下限は、より好ましくは120m/gであり、さらに好ましくは140m/gである。フュームドシリカのBET比表面積の上限は、より好ましくは180m/gであり、さらに好ましくは165m/gである。
このような光学層は、例えば、以下の方法によって形成することができる。
まず、上記偏光板保護フィルムの表面に、以下の光学層用組成物を塗布する。
上記光学層用組成物を塗布する方法としては、例えば、スピンコート、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。
上記光学層用組成物は、少なくとも、上記光重合性化合物、上記微粒子を含むものである。その他、必要に応じて、光学層用組成物に、上記熱可塑性樹脂、上記熱硬化性樹脂、溶剤、重合開始剤を添加してもよい。さらに、光学層用組成物には、光学層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御する等の目的に応じて、従来公知の分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、易滑剤等を添加していてもよい。
上記溶剤は、上記光学層用組成物を塗布しやすくするために粘度を調整する目的や、蒸発速度や微粒子に対する分散性を調整して、光学層形成時における微粒子の凝集度合を調整して特異な凹凸面を形成させやすくする目的で使用されうる。
このような溶剤としては、例えば、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘプタノン、ジエチルケトン等)、エーテル類(1,4−ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合物であってもよい。
上記重合開始剤は、光照射により分解されて、ラジカルを発生して光重合性化合物の重合(架橋)を開始または進行させる成分である。
このような重合開始剤は、光照射によりラジカル重合を開始させる物質を放出することが可能であれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、具体例には、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、上記バインダー樹脂がラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることが好ましい。
光学層用組成物における重合開始剤の含有量は、光重合性化合物100質量部に対して、0.5質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。重合開始剤の含有量をこの範囲内にすることにより、ハードコート性能が充分に保つことができ、かつ硬化阻害を抑制できる。
光学層用組成物中における原料の含有割合(固形分)としては特に限定されないが、通常は5質量%以上70質量%以下が好ましく、25質量%以上60質量%以下とすることがより好ましい。
上記レベリング剤としては、例えば、シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤等が、光学層がベナードセル構造となることを回避することから好ましい。溶剤を含む樹脂組成物を塗工し、乾燥する場合、塗膜内において塗膜表面と内面とに表面張力差等を生じ、それによって塗膜内に多数の対流が引き起こされる。この対流により生じる構造はベナードセル構造と呼ばれ、形成する光学層にゆず肌や塗工欠陥といった問題の原因となる。
上記ベナードセル構造は、光学層の表面の凹凸が大きくなりすぎてしまうおそれがある。前述のようなレベリング剤を用いると、この対流を防止することができるため、欠陥やムラのない光学層が得られるだけでなく、光学層の表面の凹凸形状の調整も容易となる。
上記光学層用組成物の調製方法としては、各成分を均一に混合できれば特に限定されず、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー、ミキサー等の公知の装置を使用して行うことができる。
上記偏光板保護フィルムの表面に、光学層用組成物を塗布した後、塗膜状の光学層用組成物を乾燥させるために加熱されたゾーンに搬送し、各種の公知の方法で光学層用組成物を乾燥させ溶剤を蒸発させる。ここで、溶剤相対蒸発速度、固形分濃度、塗布液温度、乾燥温度、乾燥風の風速、乾燥時間、乾燥ゾーンの溶剤雰囲気濃度等を選定することにより、微粒子の凝集状態や分布状態を調整できる。
特に、乾燥条件の選定によって微粒子の分布状態を調整する方法が簡便で好ましい。
例えば、乾燥温度を低く、及び/又は、乾燥風速を小さくすることで、乾燥速度を遅くすることにより、微粒子がより凝集しやすくなるため、凹凸が大きくかつ凹凸の間隔が広い形状としやすくすることができる。
具体的な乾燥温度としては、30〜120℃、乾燥風速では0.2〜50m/sであることが好ましく、この範囲内で適宜調整した乾燥処理を、1回又は複数回行うことで微粒子の分布状態を所望の状態に調整することができる。
また、その後、塗膜状の光学層用組成物に紫外線等の光を照射して、光重合性化合物を重合(架橋)させることにより光学層用組成物を硬化させて、光学層を形成する。
上記光学層用組成物を硬化させる際の光として、紫外線を用いる場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる紫外線等が利用できる。また、紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
なお、バインダー樹脂を形成する材料として、光重合性化合物と溶剤乾燥型樹脂とを用いることによっても、特異な凹凸面を有する光学層を形成することができる。
具体的には、例えば、光重合性化合物、溶剤乾燥型樹脂、及び、微粒子を含む光学層用組成物を用いて、上記と同様の方法により偏光板保護フィルム上に光学層用組成物の塗膜を形成し、上記と同様に光学層用組成物を硬化させる。
上記バインダー樹脂を形成する材料として、光重合性化合物と溶剤乾燥型樹脂とを併用した場合、光重合性化合物のみを用いた場合に比べて粘度を上昇させることができ、また、硬化収縮(重合収縮)を少なくすることができるので、乾燥時及び硬化時に、光学層の凹凸面が微粒子の形状に追随することなく形成され、特異な凹凸面を形成することができる。ただし、光学層の凹凸面の凹凸形状は、光学層の膜厚等の影響を受けるので、このような方法で光学層を形成する場合であっても、光学層の膜厚等を適宜調整する必要があることは言うまでもない。
また、本発明においては、上記光学層は、上記式(1)及び式(2)、又は、式(3)及び式(4)を満たすことが好ましいが、1層構造となっていても、2層以上の多層構造となっていてもよい。具体的には、光学層は、表面が凹凸面となった下地凹凸層と、下地凹凸層上に形成された表面調整層とからなる2層構造となっていてもよい。
上記下地凹凸層は、光学層であってもよい。
上記表面調整層は、上記下地凹凸層の表面に存在する微細な凹凸を埋めて、滑らかな凹凸面を得るため、及び/又は、凹凸層の表面に存在する凹凸の間隔、大きさ等を調整するための層である。上記表面調整層は、表面が凹凸面となっており、該表面調整層の凹凸面が特異な凹凸面となっている。ただし、光学層が多層構造の場合には、製造工程が複雑となり、また製造工程の管理が1層構造の場合に比べて困難となるおそれがあるので、光学層は1層構造が好ましい。
上記表面調整層の膜厚は、凹凸を調整する観点から、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。表面調整層の膜厚の上限は、12μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましい。表面調整層の膜厚の下限は、3μm以上であることが好ましい。
上記下地凹凸層及び表面調整層からなる光学層は、光学層用組成物として、下地凹凸層用組成物及び表面調整層用組成物を用いて、以下の方法によって形成することが可能である。
上記下地凹凸層用組成物としては、上記光学層用組成物の欄で説明した光学層用組成物と同様の組成物を用いることができる。また、表面調整層用組成物としては、上記バインダー樹脂の欄で説明した光重合性化合物と同様の光重合性化合物を少なくとも含む組成物を用いることができる。表面調整層用組成物は、光重合性化合物の他、上記光学層用組成物の欄で説明したレベリング剤や溶剤と同様のレベリング剤や溶剤等が含まれていてもよい。
上記下地凹凸層及び表面調整層からなる光学層を形成する際には、まず、透過性基材上に下地凹凸層用組成物を塗布して、偏光板保護フィルム上に下地凹凸層用組成物の塗膜を形成する。
そして、この塗膜を乾燥した後に、塗膜に紫外線等の光を照射して、光重合性化合物を重合(架橋)させることにより下地凹凸層用組成物を硬化させて、下地凹凸層を形成する。
その後、下地凹凸層上に、表面調整層用組成物を塗布し、表面調整層用組成物の塗膜を形成する。そして、この塗膜を乾燥した後、塗膜に紫外線等の光を照射して、光重合性化合物を重合(架橋)させることにより表面調整層用組成物を硬化させて、表面調整層を形成する。これにより、緩やかな凝集体を形成する微粒子を用いなくとも、特異な凹凸面を有する光学層を形成することができる。ただし、光学層の凹凸面の凹凸形状は、塗膜の乾燥条件、並びに、下地凹凸層及び表面調整層の膜厚等によっても影響を受けるので、このような方法で光学層を形成する場合であっても、塗膜の乾燥条件および下地凹凸層および表面調整層の膜厚等を適宜調整する必要があることは言うまでもない。
上記光学積層体は、全光線透過率が85%以上であることが好ましい。全光線透過率が85%以上であると、光学積層体を画像表示装置の表面に装着した場合において、色再現性や視認性をより向上させることができる。上記全光線透過率は、90%以上であることがより好ましい。全光線透過率は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K7361に準拠した方法により測定することができる。
また、本発明の液晶表示装置は、映り込み及びニュートンリングの発生をより好適に防止できることから、上記光学層は、表面に凹凸形状を有する凹凸層上に低屈折率層が積層された構成であることが好ましい。
上記凹凸層としては、上述したバインダー樹脂及び微粒子を含んでなる光学層と同様のもの組成及び方法で形成されたものが挙げられる。
上記低屈折率層は、外部からの光(例えば蛍光灯、自然光等)が光学積層体の表面にて反射する際、その反射率を低くするという役割を果たす層である。低屈折率層としては、好ましくは1)シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率粒子を含有する樹脂、2)低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、3)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂、4)シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率物質の薄膜等のいずれかで構成される。フッ素系樹脂以外の樹脂については、上述した光学層を構成するバインダー樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
また、上述したシリカは、中空シリカ微粒子であることが好ましく、このような中空シリカ微粒子は、例えば、特開2005−099778号公報の実施例に記載の製造方法にて作製できる。
これらの低屈折率層は、その屈折率が1.45以下、特に1.42以下であることが好ましい。
また、低屈折率層の厚みは限定されないが、通常は30nm〜1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。
また、上記低屈折率層は単層で効果が得られるが、より低い最低反射率、あるいはより高い最低反射率を調整する目的で、低屈折率層を2層以上設けることも適宜可能である。上記2層以上の低屈折率層を設ける場合、各々の低屈折率層の屈折率及び厚みに差異を設けることが好ましい。
上記フッ素系樹脂としては、少なくとも分子中にフッ素原子を含む重合性化合物又はその重合体を用いることができる。重合性化合物としては特に限定されないが、例えば、電離放射線で硬化する官能基、熱硬化する極性基等の硬化反応性の基を有するものが好ましい。また、これらの反応性の基を同時に併せ持つ化合物でもよい。この重合性化合物に対し、重合体とは、上記のような反応性基などを一切もたないものである。
上記電離放射線で硬化する官能基を有する重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーを広く用いることができる。より具体的には、フルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)を例示することができる。(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものとしては、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、α−トリフルオロメタクリル酸メチル、α−トリフルオロメタクリル酸エチルのような、分子中にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物;分子中に、フッ素原子を少なくとも3個持つ炭素数1〜14のフルオロアルキル基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロアルキレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物等もある。
上記熱硬化する極性基として好ましいのは、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の水素結合形成基である。これらは、塗膜との密着性だけでなく、シリカ等の無機超微粒子との親和性にも優れている。熱硬化性極性基を持つ重合性化合物としては、例えば、4−フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体;フルオロエチレン−炭化水素系ビニルエーテル共重合体;エポキシ、ポリウレタン、セルロース、フェノール、ポリイミド等の各樹脂のフッ素変性品等が挙げられる。
上記電離放射線で硬化する官能基と熱硬化する極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
また、フッ素系樹脂としては、例えば、次のようなものを挙げることができる。
上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;上記含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体など。これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も用いることができる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が例示される。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
更には、以下のような化合物からなる非重合体又は重合体も、フッ素系樹脂として用いることができる。すなわち、分子中に少なくとも1個のイソシアナト基を有する含フッ素化合物と、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基のようなイソシアナト基と反応する官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物とを反応させて得られる化合物;フッ素含有ポリエーテルポリオール、フッ素含有アルキルポリオール、フッ素含有ポリエステルポリオール、フッ素含有ε−カプロラクトン変性ポリオールのようなフッ素含有ポリオールと、イソシアナト基を有する化合物とを反応させて得られる化合物等を用いることができる。
また、上記したフッ素原子を持つ重合性化合物や重合体とともに、上記光学層に記載したような各バインダー樹脂を混合して使用することもできる。更に、反応性基等を硬化させるための硬化剤、塗工性を向上させたり、防汚性を付与させたりするために、各種添加剤、溶剤を適宜使用することができる。
上記低屈折率層の形成においては、低屈折率剤及び樹脂等を添加してなる低屈折率層用組成物の粘度を好ましい塗布性が得られる0.5〜5mPa・s(25℃)、好ましくは0.7〜3mPa・s(25℃)の範囲のものとすることが好ましい。可視光線の優れた光学層を実現でき、かつ、均一で塗布ムラのない薄膜を形成することができ、かつ、密着性に特に優れた低屈折率層を形成することができる。
樹脂の硬化手段は、上述した光学層で説明したものと同様であってよい。硬化処理のために加熱手段が利用される場合には、加熱により、例えばラジカルを発生して重合性化合物の重合を開始させる熱重合開始剤がフッ素系樹脂組成物に添加されることが好ましい。
低屈折率層の層厚(nm)dは、下記式(B):
=mλ/(4n) (B)
(上記式中、
は低屈折率層の屈折率を表し、
mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、
λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)
を満たすものが好ましい。
また、本発明にあっては、低屈折率層は下記式(C):
120<n<145 (C)
を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
本発明の液晶表示装置は、上述した構成を有するため、高輝度かつ広色域で表示画像にニジムラが生じることを極めて高度に抑制することができる。
本発明の液晶表示装置の一例を模式的に示す断面図である。 量子ドットを含有する光透過層を含むバックライト光源の一例を模式的に示す断面図である。 透過像鮮明度の算出方法を説明する図である。 実施例及び比較例で使用した液晶表示装置のバックライトの発光スペクトルを示すグラフである。
本発明の内容を下記の実施例により説明するが、本発明の内容はこれらの実施態様に限定して解釈されるものではない。特別に断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<光学層用組成物の調製>
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、光学層用組成物を得た。
(光学層用組成物)
シリカ微粒子(オクチルシラン処理フュームドシリカ、平均一次粒子径12nm、日本アエロジル社製) 0.5質量部
シリカ微粒子(メチルシラン処理フュームドシリカ、平均一次粒子径12nm、日本アエロジル社製) 0.2質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(製品名「PETA」、ダイセル・サイテック社製) 50質量部
ウレタンアクリレート(製品名「V−4000BA」、DIC社製) 50質量部
重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製) 5質量部
ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 0.025質量部
トルエン 70質量部
イソプロピルアルコール 40質量部
シクロヘキサノン 40質量部
<低屈折率層用組成物の調製>
次に、下記に示す組成となるように各成分を配合して、低屈折率層用組成物を得た。
(低屈折率層用組成物)
中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子の固形分:20質量%、溶液:メチルイソブチルケトン、平均粒径:50nm) 40質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製) 10質量部
重合開始剤(イルガキュア127;BASFジャパン社製) 0.35質量部
変性シリコーンオイル(X22164E;信越化学工業社製) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン(MIBK) 320質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) 161質量部
(偏光板保護フィルム1の作製)
ポリエチレンテレフタレート材料を290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機製)にて、120℃にて1分間予熱した後、120℃にて、延伸倍率4.5倍に延伸した後、片側にポリエステル樹脂の水分散体を固形分で28.0質量部と水72.0質量部とからなるプライマー層用樹脂組成物を、ロールコーターにて均一に塗布した。次いで、この塗布フィルムを95℃で乾燥し、先の延伸方向とは90度の方向に延伸倍率1.5倍にて延伸を行い、Δn=0.10、膜厚=50μm、リタデーション=5000nmの偏光板保護フィルム1を得た。
(光学積層体1の作製)
得られた偏光板保護フィルム1の片面に、光学層用組成物を塗布し、塗膜を形成した。
次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、更に10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が50mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、4μm厚み(硬化時)の防眩性能を有する光学層を形成した。
次いで、光学層の表面に、低屈折率層用組成物を、乾燥後(40℃×1分)の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて、積算光量100mJ/cmで紫外線照射を行って硬化させて低屈折率層を形成して光学積層体1を作製した。
(偏光板保護フィルム2及び光学積層体2の作製)
偏光板保護フィルム1と同様にして得られた未延伸フィルムの延伸倍率を調整して、Δn=0.10、膜厚=80μm、リタデーション=8000nmの偏光板保護フィルム2を作製した。
得られた偏光板保護フィルム2を用いた以外は実施例1と同様にして光学層と低屈折率層とが形成された光学積層体2を作製した。
(偏光板保護フィルム3及び光学積層体3の作製)
偏光板保護フィルム1と同様にして得られた未延伸フィルムの延伸倍率を調整して、Δn=0.10、膜厚=100μm、リタデーション=10000nmの偏光板保護フィルム3を作製した。
得られた偏光板保護フィルム3を用いた以外は実施例1と同様にして光学層と低屈折率層とが形成された光学積層体3を作製した。
(偏光板保護フィルム4及び光学積層体4の作製)
ポリエチレンナフタレート材料を290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機社製)にて、120℃にて1分間予熱した後、120℃にて、延伸倍率4.5倍に延伸した後、片側にポリエステル樹脂の水分散体を固形分で28.0質量部と水72.0質量部とからなるプライマー層用樹脂組成物を、ロールコーターにて均一に塗布した。次いで、この塗布フィルムを95℃で乾燥し、先の延伸方向とは90度の方向に延伸倍率1.5倍にて延伸を行い、Δn=0.21、膜厚58μm、リタデーション=12000nmの偏光板保護フィルム4を得た。
得られた偏光板保護フィルム4を用いた以外は実施例1と同様にして光学層と低屈折率層とが形成された光学積層体4を作製した。
(偏光板保護フィルム5及び光学積層体5の作製)
偏光板保護フィルム4と同様にして得られた未延伸フィルムの延伸倍率を調整して、Δn=0.21、膜厚72μm、リタデーション=15000nmの偏光板保護フィルム5を作製した。
得られた偏光板保護フィルム5を用いた以外は実施例1と同様にして光学層と低屈折率層とが形成された光学積層体5を作製した。
(液晶表示装置1)
液晶表示装置1として、バックライトに蛍光体を使用した白色LEDを備えた液晶表示装置(FLATORON IPS226V(LG Electronics Japan社製))を用いた。
(液晶表示装置2)
液晶表示装置2として、バックライトにQD光源を備えた液晶表示装置(Amazon社製、Kindle Fire HDX)を用いた。
上述した光学積層体1〜5を、表1に示した関係で液晶表示装置1又は2に適用し、偏光保護フィルムの遅相軸と、該偏光板保護フィルム側の偏光板の吸収軸とのなす角度が表1に示した値となるようにすることで、実施例1〜5、比較例1〜15に係る液晶表示装置を得た。
(ニジムラ評価)
実施例及び比較例にて作製した液晶表示装置を、暗所及び明所(液晶モニター周辺照度400ルクス)にて、5人の人間が、正面及び斜め方向(約50度)から目視及び偏光サングラス越しに表示画像の観測を行い、ニジムラの有無を以下の基準に従い評価した。
◎:ニジムラが観測されない。
○:ニジムラが観測されるが、薄く、実使用上問題ないレベル。
△:ニジムラが観測される。
×:ニジムラが強く観測される。
Figure 0006504236
表1に示したように、実施例に係る液晶表示装置は、目視及び偏光サングラス越しのいずれでもニジムラが観察されなかった。
これに対し、比較例1〜9に係る液晶表示装置では、比較例1及び比較例5に係る液晶表示装置のニジムラの評価に劣っていたが、それ以外の比較例ではニジムラの評価は実施例と同等であった。しかしながら、図4に示したように、比較例1〜9に係る液晶表示装置1のバックライト光源である蛍光体を使用したLEDの発光スペクトルは、実施例で使用した液晶表示装置2のバックライト光源であるQD光源の発光スペクトルと比較してピークが小さく半値全幅も広く、色純度が低いものであった。なお、図4は、実施例及び比較例で使用した液晶表示装置の正面での発光スペクトルを、分光放射計SR−UL1R(トプコン社製)にて測定したグラフである。
また、比較例10〜14に係る液晶表示装置は、偏光板保護フィルムのリタデーション値が小さく、また、比較例15に係る液晶表示装置は、偏光板保護フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角度が45°であったため、目視又は偏光サングラス越しの何れか又は両方の評価に劣っていた。
また、バックライトにQD光源を備えた液晶表示装置2を用いた実施例及び比較例10〜15では、いずれにおいても高輝度で高色域化を図ることができたが、バックライトに蛍光体を使用した白色LEDを備えた液晶表示装置1を用いた比較例1〜9では、液晶表示装置2を用いた実施例等と比較して高輝度で高色域化は図ることができなかった。
本発明の液晶表示装置は、上述した構成からなるため、高輝度かつ広色域で表示画像にニジムラが生じることを極めて高度に抑制することができる。
10 液晶表示装置
11 液晶セル
12 カラーフィルター
13 偏光板
14 偏光板保護フィルム
20 光源部
21 フレーム
22 青色LED
100 透過像鮮明度測定装置
101 光源
102 スリット
103、104 レンズ
105 光学くし
106 受光器
107 光学積層体
200 光透過層
210 バインダー樹脂
220 赤色量子ドット
230 緑色量子ドット

Claims (11)

  1. バックライト光源、液晶セル、カラーフィルター、偏光板及び偏光板保護フィルムがこの順序で配置された構成を有する液晶表示装置であって、
    前記バックライト光源は、量子ドットを含有する光透過層を含み、
    前記偏光板保護フィルムは、膜厚が20〜72μmの範囲内で、12000nm以上のリタデーションを有するものであり、かつ、前記偏光板の吸収軸と前記偏光板保護フィルムの遅相軸とのなす角度が、0°±10°又は90°±10°となるように配設されており、
    前記偏光板保護フィルムを構成する材料がポリエチレンナフタレートである
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 偏光板保護フィルムの偏光板側と反対側面上に、表面に凹凸形状を有する光学層が積層されており、前記偏光板保護フィルムと前記光学層とを有する光学積層体は、全ヘイズ値が0%以上5%以下であり、内部ヘイズ値が0%以上5%以下であり、0.125mm幅の光学くしを用いて測定される透過像鮮明度をC(0.125)とし、0.25mm幅の光学くしを用いて測定される透過像鮮明度をC(0.25)としたとき、下記式(1)及び式(2)を満たす請求項記載の液晶表示装置。
    C(0.25)−C(0.125)≧2% (1)
    C(0.125)≧65% (2)
  3. 偏光板保護フィルムの偏光板側と反対側面上に、表面に凹凸形状を有する光学層が積層されており、前記偏光板保護フィルムと前記光学層とを有する光学積層体は、全ヘイズ値が0%以上5%以下であり、内部ヘイズ値が0%以上5%以下であり、長波長カットオフ波長を100μmとしたときの前記光学積層体の表面の算術平均粗さをRa(100)[μm]とし、短波長カットオフ波長を100μmとし、かつ、長波長カットオフ波長を1000μmとしたときの前記光学積層体の表面の算術平均粗さをRa(100−1000)[μm]としたとき、下記式(3)及び式(4)を満たす請求項記載の液晶表示装置。
    Ra(100)/Ra(100−1000)≦0.5 (3)
    0.04μm≦Ra(100−1000)≦0.12μm (4)
  4. Ra(100)が下記式(5)を満たす請求項記載の液晶表示装置。
    Ra(100)≦0.03μm (5)
  5. 光学層の凹凸面が光学積層体の表面となっている、請求項2、3又は4記載の液晶表示装置。
  6. 光学層上に設けられた機能層を更に備え、前記機能層の表面が前記光学積層体の表面となっている請求項2、3又は4記載の液晶表示装置。
  7. 光学層は、バインダー樹脂と微粒子とを含む請求項2、3、4、5又は6記載の液晶表示装置。
  8. 微粒子は、無機酸化物微粒子である請求項載の液晶表示装置。
  9. 無機酸化物微粒子の平均一次粒径が1nm以上100nm以下である請求項記載の液晶表示装置。
  10. 無機酸化物微粒子は、表面が疎水化処理された無機酸化物微粒子である請求項又は記載の液晶表示装置。
  11. 光学積層体は、全ヘイズ値が0%以上1%以下であり、内部ヘイズ値が実質的に0%である請求項2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の液晶表示装置。
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