[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態(実施の形態)を、図面を参照して説明する。
[パチンコ遊技機の構成]
本発明に係る遊技機を実施するための形態を以下に説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。なお、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。なお、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、表示手段としての演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aおよび第2保留表示器25Bのそれぞれでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶情報の個数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4Aでは、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる第1始動入賞に基づいて発生した保留記憶情報(第1保留記憶情報)の個数を特定可能な第1特図保留記憶数がLEDの点灯(点灯個数)により表示される。第2保留表示器25Bでは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる第2始動入賞に基づいて発生した保留記憶情報(第2保留記憶情報)の個数を特定可能な第2特図保留記憶数がLEDの点灯(点灯個数)により表示される。
演出表示装置5の表示領域における下部の左右2箇所には、第1保留表示エリア5D、第2保留表示エリア5Uが設定されている。第1保留表示エリア5Dでは、第1始動入賞に基づいて発生した第1保留記憶情報の個数を特定可能な第1特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。第2保留表示エリア5Uでは、第2始動入賞に基づいて発生した第2保留記憶情報の個数を特定可能な第2特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。
第1保留表示エリア5Dにおいては、第1保留記憶情報が発生するごとに左側に保留画像が増加する態様で保留画像Hが表示されていき、第1保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第1保留記憶情報に対応する右端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像Hが1つずつ右方向にシフトする表示が行なわれる。第2保留表示エリア5Uにおいては、第2保留記憶情報が発生するごとに右側に保留画像Hが増加する態様で保留画像が表示されていき、第2保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第2保留記憶情報に対応する左端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像が1つずつ左方向にシフトする表示が行なわれる。
第1保留表示エリア5Dおよび第2保留表示エリア5Uのそれぞれから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)AHを表示するアクティブ表示エリアAHAが保留表示エリアの中央部に形成される。アクティブ表示エリアAHAにおいては、第1保留表示エリア5Dまたは第2保留表示エリア5Uにおいて表示されていた保留画像Hが、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像AHが表示される。なお、アクティブ表示エリアAHAは、演出表示装置5における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリア5Dと第2保留表示エリア5Uとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
第1保留表示エリア5Dおよび第2保留表示エリア5Uのそれぞれにおいて表示された保留画像Hについては、対象となる保留記憶情報の変動表示が実行される以前に保留表示の態様を変化させる保留表示態様変化演出が実行される場合がある。保留表示態様変化演出においては、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。
たとえば、保留画像Hの色としては、青色、緑色、および、赤色に変化可能である。保留表示態様変化演出は、所定の割合で実行することが決定され、演出対象の保留記憶情報に基づく変動表示結果が大当り表示結果となるときには、青色<緑色<赤色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定され、一方、当該変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、赤色<緑色<青色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定される。これにより、保留表示態様変化演出が実行されたときにおける変化後の保留画像Hの色に基づく大当りへの期待度は、青色<緑色<赤色という関係の割合となるように設定されている。したがって、保留表示態様変化演出が実行されたときには、変化後の保留画像の色に基づいて、遊技者の大当りへの期待感を盛上げることが可能となる。
また、アクティブ画像AHについても、保留画像Hと同様に、表示態様変化演出が実行され、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。そのようなアクティブ表示の表示態様変化演出についても、保留表示態様変化演出と同様の選択割合で、大当りへの期待度が特定可能な態様で、変化後の色または形状等の表示態様が決定される。なお、アクティブ表示については、表示態様変化演出を実行しなくてもよい。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の外周には、前面枠に設けられた天枠LED9a、左枠LED9b、および右枠LED9cが設けられている。この実施の形態では、前面枠のうちの上方に天枠LED9aが設けられ、前面枠のうちの左方に左枠LED9bが設けられ、前面枠のうちの右方に右枠LED9cが設けられている。また、遊技盤2にも盤側LED9d,9eが設けられている。この実施の形態では、遊技盤2の左方に盤側LED9dが設けられ、遊技盤2の右方に盤側LED9eが設けられている。なお、パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態(有利状態)に制御される。
本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。なお、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」、「5」、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
なお、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eなどの発光体における点灯動作(点滅動作)、可動部材321の動作などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」、「大当り信頼度」、「期待度」、または、「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。なお、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「5」または「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「5」及び「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。なお、本実施の形態では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」、「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。なお、本実施の形態では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
なお、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。さらに、演出制御基板12との間で演出制御用中継基板16Aを介して接続された制御基板として、駆動制御基板16B、発光体制御基板16C〜16Fが、搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部302、可動部材321といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音出力動作の全部または一部、遊技枠側に設けられている天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9c、遊技盤2側に設けられている盤側LED9d,9eの点灯/消灯動作の全部または一部、可動部302や可動部材321の動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音声信号(効果音信号)を伝送するための配線などが接続されている。また、演出制御用中継基板16Aを介して駆動制御基板16Bや発光体制御基板16C、発光体制御基板16Dに各種信号を伝送するための配線も接続されている。
駆動制御基板16Bに伝送される情報信号は、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330の駆動により可動部302や可動部材321を動作させるための指令や制御データを示す駆動制御信号を含んでいればよい。
発光体制御基板16Cに伝送される情報信号は、盤側LED9d,9eとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
発光体制御基板16Dに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の左方に左枠LED9bとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板16Eに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の上方に天枠LED9aとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板16Fに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の右方に右枠LED9cとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
また、この実施の形態では、図2に示すように、発光体制御基板16Dに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120から演出制御用中継基板16Aのみを中継して伝送される。また、発光体制御基板16Eに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120から演出制御用中継基板16Aに加えて発光体制御基板16Dを中継して伝送される。さらに、発光体制御基板16Fに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120から演出制御用中継基板16Aに加えて発光体制御基板16Dおよび発光体制御基板16Eを中継して伝送される。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。
演出制御用中継基板16Aは、遊技盤2の裏面に取り付けられた裏パックなどに設置され、演出制御基板12から駆動制御基板16Bや発光体制御基板16C、発光体制御基板16Dに向けて伝送される各種信号を中継する。裏パックは、遊技盤2の裏面側の中央部分に取り付けられ、その中央には演出表示装置5が臨む開口が形成されていればよい。裏パックは、主基板11や音声制御基板13、駆動制御基板16B、発光体制御基板16Cなどを、後方から覆うように設けられてもよい。裏パックの後面側には、演出制御基板12が収容された演出制御基板ボックスが取り付けられてもよい。
駆動制御基板16Bは、演出制御基板12とは別個に設けられた駆動制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、可動部302の回動制御や、可動部材321の移動制御を行うためのドライバICなどが搭載されている。駆動制御基板16Bからの出力信号は、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330に向けて伝送される。
発光体制御基板16Cは、遊技盤2に搭載され、演出制御基板12とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、盤側LED9d,9eとして設けられている複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
発光体制御基板16D〜16Fは、遊技機用枠3に搭載され、演出制御基板12とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、天枠LED9a、左枠LED9b、および右枠LED9cとして設けられている複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
なお、パチンコ遊技機1には、発光体制御基板16C〜16F以外にも、例えば、可動部材321に設けられた発光部321Aの点灯制御を行うための基板なども配置されているが、図示は省略している。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連(本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示であり、1つの始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する演出表示。)の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドや、演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eの点灯動作などを制御するために用いられる発光体制御コマンド、可動部材321の動作などを制御するために用いられる駆動制御コマンドなどが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御基板12における演出制御用CPU120、ROM121、および、RAM122等の演出制御の実行に関わる電気部品は、演出制御用マイクロコンピュータとも呼ばれる。
また、本実施の形態では、演出表示装置5は遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。なお、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。また、遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には演出ユニット300が設けられており、演出制御基板12には、この演出ユニット300に設けられる各種モータ(第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)、ソレノイド、センサ、発光ダイオード(LED)等の複数の電子部品が接続されている。なお、図2において、これら電子部品のうち第1演出用モータ303、第2演出用モータ330以外の図示は省略している。
なお、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部材321や演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
なお、演出図柄の変動表示中において実行される予告演出としては、例えば、後述するように可動体(可動物)としての可動部材321が上昇する可動予告や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
図3(1)は、駆動制御基板16Bの構成例を示している。図3(1)に示すように、駆動制御基板16Bには、モータ駆動ドライバ412が搭載されている。モータ駆動ドライバ412には、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用CPU120からの制御信号が入力される。そして、モータ駆動ドライバ412は、入力された制御信号で示される駆動制御情報にもとづいて、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行う。
図3(2)は、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体制御基板16Cの構成例を示している。図3(2)に示すように、発光体制御基板16Cには、発光体ドライバ411a,411bが搭載されている。発光体ドライバ411aには、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用CPU120からの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ411aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、盤側LED9dの点灯制御を行う。また、発光体ドライバ411bには、演出制御用中継基板16Aを介して、さらに発光体ドライバ411aを経由して、シリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用CPU120からの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ411bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、盤側LED9eの点灯制御を行う。
なお、図3(2)に示すように、発光体制御基板16Cでは、演出制御基板12の演出制御用CPU120から伝送された制御信号が、同じ発光体制御基板16C上の発光体ドライバ間で順次伝送される(本例では、発光体ドライバ411aから発光体ドライバ411bに伝送される)ことによって、各発光体ドライバにそれぞれ伝送されるように構成されている。
図4は、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体制御基板16D〜16Fの構成例を示している。図4に示すように、発光体制御基板16Dには、発光体ドライバ413bが搭載されている。発光体ドライバ413bには、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用CPU120からの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ413bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、左枠LED9bの点灯制御を行う。なお、図4において、発光体制御基板16D〜16Fは、例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネスなどの配線部材を介して相互に接続されている。
また、図4に示すように、発光体制御基板16Eには、発光体ドライバ413aが搭載されている。発光体ドライバ413aには、演出制御基板12の演出制御用CPU120からの制御信号が、演出制御用中継基板16Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板16Dを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ413aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、天枠LED9aの点灯制御を行う。
また、図4に示すように、発光体制御基板16Fには、発光体ドライバ413cが搭載されている。発光体ドライバ413cには、演出制御基板12の演出制御用CPU120からの制御信号が、演出制御用中継基板16Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板16Dおよび発光体制御基板16Eを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ413cは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、右枠LED9cの点灯制御を行う。
なお、図4に示すように、発光体制御基板16D〜16Fでは、演出制御基板12の演出制御用CPU120から伝送された制御信号が、異なる発光体制御基板16D〜16Fにそれぞれ搭載された発光体ドライバ413a〜413c間で順次伝送されることによって、各発光体ドライバ413a〜413cにそれぞれ伝送されるように構成されている。
また、この実施の形態では、遊技盤2に設けられている各LEDをそれぞれ盤側LED9d,9eと包括的に表現しているが、具体的には、遊技盤2の左方に盤側LED9dとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技盤2の右方に盤側LED9eとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。また、この実施の形態では、遊技枠に設けられている各LEDをそれぞれ天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cと包括的に表現しているが、具体的には、遊技枠の上方に天枠LED9aとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技枠の左方に左枠LED9bとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技枠の右方に右枠LED9cとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。
また、この実施の形態では、モータ駆動ドライバ412、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411b、および天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、同じ種類のシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて実現される。図5は、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、および発光体ドライバ413a〜413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路の構成を示すブロック図である。また、図6は、図5に示すシリアル−パラレル変換回路に設けられている各入出力端子を説明するための説明図である。
なお、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、および発光体ドライバ413a〜413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路には、入力したシリアル信号形式の信号を24チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものと、入力したシリアル信号形式の信号を12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものとの2種類があるのであるが、一部の回路素子や端子の数が異なるだけで同様の構成および機能を備えるため、図5および図6に示す例では代表して24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路について説明することとし、12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路については相違する部分のみ説明することとする。なお、この実施の形態では、発光体ドライバ411a,411bは24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現され、モータ駆動ドライバ412および発光体ドライバ413a〜413cは12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図5および図6に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、演出制御用中継基板16Aや発光体制御基板16D,16Eを経由して演出制御用CPU120からのクロック信号を入力するCLK/I端子やデータを入力するDATA/I端子が設けられている。また、入力されたクロック信号とデータの一部はシリアル−パラレル変換回路内で分岐されて、そのままシリアル−パラレル変換回路からスルー出力可能であり、クロック信号をスルー出力するCLK/O端子とデータをスルー出力するDATA/O端子とが設けられている。
例えば、この実施の形態では、図4に示すように、発光体制御基板16Dの発光体ドライバ413bは、演出制御用中継基板16Aを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板16Eの発光体ドライバ413aに出力しているのであるが、発光体ドライバ413bを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ413aを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。また、例えば、この実施の形態では、図4に示すように、発光体制御基板16Eの発光体ドライバ413aは、演出制御用中継基板16Aおよび発光体制御基板16Dを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板16Fの発光体ドライバ413cに出力しているのであるが、発光体ドライバ413aを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ413cを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。
また、図5および図6に示すように、CLK/I端子から入力されたクロック信号およびDATA/I端子から入力されたデータの他の一部は、デコーダに入力されてシリアル信号形式から24チャネルのパラレル信号形式の信号にデコードされる。そして、レジスタブロックに設けられた各レジスタにそれぞれ一旦格納された後、内部発振クロック回路による内部クロック信号(本例では、6MHzの内部クロック信号)を用いてパルス幅変調(PWM)され、それぞれ各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力される。なお、12チャネルの回路である場合には、12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換されて各ドライブ出力端子Q0〜Q11から出力される。なお、各ドライブ出力端子Q0〜Q23や各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が、例えばLEDなどの発光体に供給されたり動作用モータに供給されたりすることになる。
また、図5および図6に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4(12チャネルの回路ではAD0〜AD5)が設けられており、端子AD0〜AD4をそれぞれH(ハイ)またはL(ロー)に設定することにより、シリアル−パラレル変換回路ごとにアドレスを設定することが可能である。DATA/Iから入力されるデータにはアドレス情報も含まれ、シリアル−パラレル変換回路は、入力したデータに含まれるアドレス情報が設定したアドレスと一致するデータのみパラレス信号形式の信号にデコードして各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する。
なお、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が5端子AD0〜AD4設けられているので、最大32種類のアドレスを設定可能であり、最大で32個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が6端子AD0〜AD5設けられているので、最大64種類のアドレスを設定可能であり、最大で64個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたS端子は、CLK/O端子から出力するクロック信号のスルー出力、およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力のスルーレートを設定するための設定端子である。S端子をL(ロー)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。
図7は、クロック信号およびデータのスルー出力のスルーレート設定を説明するための説明図である。図7(1)に示すように、S端子をL(ロー)に設定し通常のスルーレートの出力に設定すると、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾き(単位時間あたりの電圧変化量)がある程度大きい。これに対して、図7(2)に示すように、S端子をH(ハイ)に設定し低スルーレートの出力に設定すると、通常のスルーレートの設定の場合と比較して、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが緩やかとなる。
一般に、基板からの電波放射を抑制するためにはスルーレートを低く抑えた方がよく、図7(2)に示す低スルーレートの出力に設定した方がよい。一方、ノイズに対する耐性を確保するためには波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい方がよく、図7(1)に示す通常のスルーレートの出力設定した方がよい。
なお、S端子の設定は、単にCLK/O端子から出力するクロック信号およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力の波形を設定するだけではなく、CLK/I端子から入力したクロック信号およびDATA/I端子から入力したデータに対して出力波形を補償する機能を備えている。すなわち、一般に演出制御用CPU120などから出力されたクロック信号およびデータは、出力された段階では矩形波として出力されるのであるが、シリアル−パラレル変換回路のCLK/I端子およびDATA/I端子に到達するまでの間の配線による伝送損失が大きい場合などには、本来の矩形波から崩れた波形のクロック信号やデータが入力される場合がある。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路は、単に入力したクロック信号やデータをそのままスルー出力するのではなく、このように本来の矩形波から崩れた波形の状態で入力されたクロック信号やデータを本来の矩形波に近い波形に補償して出力する機能を備える。この場合、S端子の設定により通常のスルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい波形に補償して出力されるので、より本来の矩形波に近い状態の出力信号を出力することができ、外来ノイズによる影響を軽減することができる。ただし、そのように立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きいと瞬間的に電圧変化量が大きくなるので、基板外に対する電波放射が大きくなるおそれがある。一方で、S端子の設定により低スルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きがより小さい波形に補償して出力されるので、通常のスルーレートの出力と比較すると、外来ノイズによる影響に対しては弱くなるが、瞬間的な電圧変化量を小さくすることができ、基板外に対する電波放射が大きくなることを抑えることができる。
なお、上記の出力波形を補償する機能自体を有効とするか無効とするかを設定可能に構成し、上記の出力波形を補償する機能を全て無効とするように構成してもよい。また、上記の出力波形を補償する機能について、シリアル−パラレル変換回路の外部に増幅回路等を設けて、シリアル−パラレル変換回路の外部において実現してもよい。
さらに、上記の通常のスルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がり及び立ち下りの傾きよりも、出力波形の立ち上がり及び立ち下がりの傾きが大きいように補償するものであったが、通常のスルーレートの出力設定として、出力波形の補償を行わずに、入力波形をそのまま出力するようなものとしてもよい(即ち所定態様として入力波形の立ち上がりと同等の立ち上がりの出力波形とするもの)。この場合、低スルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がりよりも傾きが小さくなるような波形を出力すればよい。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたT端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のタイムアウトリセット機能を設定するための設定端子である。T端子をL(ロー)に設定するとタイムアウトリセット機能が無効状態に設定され、端子をH(ハイ)に設定するとタイムアウトリセット機能が有効状態に設定される。
T端子をH(ハイ)に設定しタイムアウトリセット機能を有効状態に設定すると、CLK/I端子およびDATA/I端子からクロック信号およびデータを入力し、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から信号の出力を開始した後、所定期間(本例では、1秒)を経過するとタイムアウトしたものとされて、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が自動的にリセット(出力停止)される。従って、タイムアウトリセット機能を有効状態に設定した場合には、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から継続して各LEDや動作モータに信号を供給したい場合には、例えば、演出制御用CPU120から少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する必要がある。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/S端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のドライブ方式を設定するための設定端子である。Q/S端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定される。また、Q/S端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/I端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号の出力論理を反転して出力するか否かを設定するための設定端子である。Q/I端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定される。また、Q/I端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたR端子は、電流リファレンス設定端子である。具体的には、図5に示すように、R端子は定電流回路を経由して各ドライブ出力端子A0〜A23と接続され、R端子とグランド(GND)との間に任意の抵抗値の外部抵抗を接続することによって、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値を所定の範囲(例えば、4mA〜20mA)で設定することができる。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたVP端子は、保護用の静電保護端子である。VP端子には、そのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧が接続される。すなわち、VP端子にそのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧を接続すれば、その電源電圧以上の過電圧を逃がすことができる。なお、シリアル−パラレル変換回路において複数種類の電源電圧が用いられる場合には、電圧値が高い方の電源電圧をVP端子に接続するようにすればよい。
次に、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットについて説明する。図8は、制御データフォーマットを説明するための説明図である。シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの基本的な制御データフォーマットは、図8(1)に示す共通フォーマットと、図8(2)に示す基本フォーマットとによって構成される。
図8(1)に示すように、共通フォーマットは、9ビットのヘッダ(HD)、4ビットのデバイスID(ID)、5ビットのデコードアドレスAD0〜AD4(図5および図6参照)、および1ビットのEXデータによって構成される。なお、EXデータは、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが基本フォーマットであるか、後述する拡張フォーマットであるかを設定するためのものであり、基本フォーマットではEX=0に設定される。
図8(2)に示すように、基本フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される。例えば、LEDの点灯制御を行うためのデータを伝送する場合、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとに時系列に6ビットのデータを設定して伝送することによって、LEDの諧調制御も含めた点灯制御を行うことができる。
また、制御データフォーマットとして、図8(2)に示す基本フォーマットに代えて拡張フォーマットを使用することも可能である。具体的には、図8(1)に示す共通フォーマットにおいてEX=1に設定されていれば、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが、図8(3)に示す拡張フォーマットとなる。
図8(3)に示すように、拡張フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される。拡張フォーマットでは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとのデータが1ビットで構成されるので、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットを小さくすることができる。例えば、シリアル−パラレル変換回路を用いて第1演出用モータ303や第2演出用モータ330を駆動制御する場合であれば、LEDなどの発光体の点灯制御を行う場合と異なり諧調制御などを行う必要がないので、図8(3)に示すような拡張フォーマットを用いることが有効である。
なお、図8では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットについて説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットでは、例えば、図8(1)に示す共通フォーマットが6ビットのデコードアドレスAD0〜AD5を含む点で異なる。また、例えば、図8(2)に示す基本フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される分短い点で異なる。さらに、例えば、図8(3)に示す拡張フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される分短い点で異なる。
また、シリアル−パラレル変換回路では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して電波放射を抑制できるように構成されている。図9は、シリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明するための説明図である。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路が内蔵する内部発振クロック回路では6MHzのクロック信号が出力されるので、図9に示すように、その6MHzの内部クロック信号を1MHzの6相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q23を1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
この実施の形態では、図9に示すように、ドライブ出力端子Q0〜Q3の4チャネルでグループ1が構成され、ドライブ出力端子Q4〜Q7の4チャネルでグループ2が構成され、ドライブ出力端子Q8〜Q11の4チャネルでグループ3が構成され、ドライブ出力端子Q12〜Q15の4チャネルでグループ4が構成され、ドライブ出力端子Q16〜Q19の4チャネルでグループ5が構成され、ドライブ出力端子Q20〜Q23の4チャネルでグループ6が構成される。そして、図9に示すように、同じグループ内のドライブ出力端子(例えば、グループ1内のドライブ出力端子Q0〜Q3)相互間では信号の出力タイミングは同じであるが、異なるグループのドライブ出力端子(例えば、グループ1のドライブ出力端子Q0とグループ2のドライブ出力端子Q4)間では出力タイミングが分散されている。
なお、図9では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、6MHzの内部クロック信号を1MHzの3相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q11を1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
次いで、図5〜図9を用いて説明したシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバ411a,411bや、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例について説明する。図10〜図12は、シリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。このうち、図10は、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例を示している。また、図11は、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例を示している。また、図12は、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例を示している。
まず、図10を用いて、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例を説明する。図10に示すように、この実施の形態では、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bは、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図10に示す例では、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4のうち、AD0およびAD1は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD2〜AD4はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが00011(B)に設定されている場合が示されている。なお、図10は、一例であり、2つの発光体ドライバ411a,411bが存在するのであるから、発光体ドライバ411a,411bごとに異なるデコードアドレスが設定されるものとする。
また、図10に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図3(2)に示すように、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bは、全て同じ発光体制御基板16C上に搭載され、発光体ドライバ間の制御信号の伝送は同じ発光体制御基板16C上で行われる(基板をまたがった伝送は行われない)ので、ノイズに対する耐性はそれ程気にする必要はない。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を低スルーレートの出力に設定することによって、むしろ基板からの電波放射を抑制するように構成している。
また、図10に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図10に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図10に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図10に示す例では、VP端子には電源電圧VCL(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図10に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23は、盤側LED9d,9eに接続されている。なお、図10に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されている図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよいし、発光体として単色LEDを用いるのであれば1つの端子が1つの単色LEDに接続されるように構成してもよい。また、例えば、1つの端子に複数の単色LEDが直列に複数接続されるように構成してもよい。
また、図10に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
次に、図11を用いて、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例を説明する。図11に示すように、この実施の形態では、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412は、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図11に示す例では、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD0〜AD2は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD3〜AD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが000111(B)に設定されている場合が示されている。なお、図11は、一例であり、デコードアドレスとして他の値が設定されていてもよい。
また、図11に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図3(1)に示すように、モータ駆動ドライバ412と他のドライバとの間で制御信号の伝送が行われることはないのであるから、S端子をグランド(GND)に接続(L(ロー)に設定)してクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力となるように設定してもよい。
また、図11に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図11に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともに電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、Q/S端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定され、Q/I端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定されている。
また、図11に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図11に示す例では、VP端子には電源電圧VCC(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図11に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ1のQ0〜Q3の4チャネルの端子が1つ目の第1演出用モータ303に接続されている。また、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ2のQ4〜Q7の4チャネルの端子が2つ目の第2演出用モータ330に接続されている。なお、この実施の形態では、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の2つの動作用モータの制御が行われ、グループ3のQ8〜Q11の端子は不要であることから、Q8〜Q11の端子はグランド(GND)に接続されている。
既に説明したように、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、グループ1〜3の3つのグループにグループ分けされてドライブ出力端子Q0〜Q11からの信号の出力タイミングが分散されているのであるが、同じ動作用モータ(本例では、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330)に出力される信号間で出力タイミングが異なっていたのでは、動作用モータの駆動精度を維持できないおそれがある。そこで、この実施の形態では、図11に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続するようにして、そのように動作用モータの駆動精度を維持できなくなる事態が発生することを防止ししている。
なお、逆に、例えば、図10で説明した盤側LED9d,9eに接続する場合や、後述する図12の天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9cに接続する場合など発光体に接続する場合には、上記のような駆動精度の問題などは生じないのであるから、各発光体に出力される信号間で出力タイミングが異なっていても、それ程支障が生じることはない。従って、ドライブ出力端子からの出力信号をLEDなどの発光体に接続する場合には、それ程出力タイミングを気にする必要はない。
次に、図12を用いて、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例を説明する。図12に示すように、この実施の形態では、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図12に示す例では、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD0〜AD3は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD4およびAD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが001111(B)に設定されている場合が示されている。なお、図12は、一例であり、3つの発光体ドライバ413a〜413cが存在するのであるから、発光体ドライバ413a〜413cごとに異なるデコードアドレスが設定されるものとする。
また、図12に示す例では、S端子はグランド(GND)に接続されている。すなわち、S端子をL(ロー)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図4に示すように、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、相互に異なる発光体制御基板16D〜16F上に搭載され、異なる基板上に搭載された発光体ドライバ間で制御信号の伝送が行われるので、ノイズの影響が大きい。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を通常のスルーレートの出力に設定することによって、ノイズに対する耐性を確保するように構成している。
また、図12に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図12に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図12に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図12に示す例では、VP端子には電源電圧VDL(12V)が接続されている。すなわち、図12に示す例では、シリアル−パラレル変換回路には12Vの電源電圧(VDL)と5Vの電源電圧(VCL、VCC)とが用いられているので、で電圧値が高い方の12Vの電源電圧VDLをV端子に接続し、12V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図12に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q11は、天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9cとしての複数の発光体に接続されている。なお、図12に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されていたり、同様の制御を行う3つの発光体(例えば、単色LED)が直列に接続されていたりする図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよい。
また、図12に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
また、図10〜図12に示すように、この実施の形態では、発光体ドライバ411やモータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cのT端子がそれぞれH(ハイ)に設定されタイムアウト機能が有効状態に設定されている。この実施の形態では、例えば、演出制御用CPU120は、後述する演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eを点灯制御するための制御信号を出力したり、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330を駆動制御するための制御信号を出力したりするのであるが、タイムアウト機能が有効状態に設定されているので、制御信号を1度出力しただけでは所定期間(本例では、1秒)経過後には各ドライブ出力端子からの出力信号が自動的にリセットされて点灯制御や駆動制御を継続できない。そこで、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、例えば、後述する演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cの点灯制御を継続して実行したり、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を継続して実行したりするように制御している。
なお、この実施の形態では、上記のようにタイムアウト機能を有効状態に設定するように構成し、所定期間(本例では、1秒)ごとに発光体ドライバ411a,411bやモータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cのドライブ出力端子からの出力が自動的に停止されるように構成しているので、例えば、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動制御を行った後、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330を停止させる制御を行ったにもかかわらず、信号の取りこぼしや誤動作によって第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動が停止せず、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の焼き付きを起こしてしまうような事態を防止できるようにしている。
なお、この実施の形態では、図10〜図12に示すように、一律にT端子をH(ハイ)に設定しタイムアウト機能を有効状態に設定する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、用途に応じてタイムアウト機能の有効状態と無効状態との設定を使い分けてもよい。例えば、モータ駆動ドライバについては第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の焼き付き防止の観点からタイムアウト機能を有効状態に設定する一方で、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cなどの発光体に関しては第1演出用モータ303や第2演出用モータ330と異なり焼き付きなどの問題は生じないのであるから、T端子をL(ロー)に設定しタイムアウト機能を無効状態に設定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、点灯制御や駆動制御を継続して実行するために、演出制御用CPU120が少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する場合を示しているが、そのような制御態様にかぎられない。例えば、演出制御用CPU120とは別に出力回路(出力IC)を設け(演出制御基板12上に設けてもよいし、演出制御用中継基板16Aなど他の基板上に設けてもよい)、演出制御用CPU120が制御信号を1回出力すると、出力回路が、その1回出力された制御信号にもとづいて、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図10〜図12に示すように、T端子が電源電圧VCC(5V)に接続され、ハードウェア上で物理的にT端子がH(ハイ)に設定されてタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、T端子設定用のレジスタにT端子を接続し、演出制御用CPU120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的にタイムアウト機能を有効状態とするか無効状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図10〜図12に示すように、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値(本例では、10kΩ)の外部抵抗が接続され、ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11の全出力の駆動電流値が15MAに設定されている。ここで、内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))も存在することから、そのような内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして用いて、内部リファレンス抵抗を用いるように設定することも考えられるが、一般にシリアル−パラレル変換回路が備える内蔵リファレンス抵抗は駆動電流値が固定(例えば、20mA固定)であったり誤差も大きい(例えば、誤差±30%)。そこで、この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に外部抵抗を接続して外部リファレンス抵抗を用いることによって、適切な駆動電流値(本例では、15MA)に設定するとともに、誤差も提言している(本例では、誤差±3%)。
なお、発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして、内部リファレンス抵抗と外部リファレンス抵抗との両方を利用可能なシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて、用途に応じて使い分けるように構成してもよい。例えば、演出用にLEDなどの複数の発光体が密集して設けられている場合には、発光がまばらとなると演出に支障が生じることから、外部リファレンス抵抗を用いるようにし誤差が小さくなるように構成してもよい。一方、エラー報知ようなど単独で用いられるLEDの点灯制御を行う場合には、そのような演出上の障害はなく多少誤差が大きくても構わないことから、内部リファレンス抵抗を用いるように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、電気部品(本例では、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、可動部302を動作させるための第1演出用モータ303、可動部材321を動作させるための第2演出用モータ330)を制御するための制御手段(本例では、演出制御用CPU120)と、制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(本例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(本例では、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413c)とを備える。また、出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、入力した制御信号と同程度以上の変化態様により波形が立ち上がる第1出力状態(本例では、通常のスルーレートの出力状態)と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(本例では、低スルーレートの出力状態)とのいずれかの出力状態に設定可能である(本例では、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される)。そのため、使用環境に応じた設定変更が可能となり、設定に応じて、基板からの電波放射を抑制できる一方、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。具体的には、低スルーレートの出力状態に設定すれば基板からの電波放射を抑制でき、通常のスルーレートの出力状態に設定すれば誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段と同一基板内に他の出力手段が設けられている(本例では、図3(2)に示すように、発光体制御基板16C上に複数の発光体ドライバ411a,411bが搭載されており、制御信号が同じ発光体制御基板16C上の発光体ドライバ411a,411b間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第2出力状態に設定されている(本例では、図10に示すように、発光体制御基板16C上に搭載された発光体ドライバ411a,411bではS端子がH(ハイ)に設定され低スルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、同一基板内に他の出力手段が設けられている場合には、基板からの電波放射を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段が設けられている基板と配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている(本例では、図4に示すように、発光体ドライバ413a〜413cはそれぞれ異なる発光体制御基板16D〜16F上に搭載されており、制御信号が異なる発光体制御基板16D〜16Fに搭載された発光体ドライバ413a〜413c間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第1出力状態に設定されている(本例では、図12に示すように、発光体制御基板16D〜16F上に搭載された発光体ドライバ413a〜413cではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、配線部材を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている場合には、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
上記のように、この実施の形態では、一般に回路基板はノイズ耐性が高いので回路基板内における接続関係では電波放射の抑制を優先して低スルーレートの出力状態に設定して緩やかな信号波形とし、逆に基板間に接続される配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)はノイズ耐性が低いので回路基板間の絶族関係ではノイズ耐性を優先して通常のスルーレートの出力状態として矩形波に近い信号波形としている。そのように構成することによって、この実施の形態では、遊技機外部に対する電波放射を抑制しつつ、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
なお、この実施の形態では、図10〜図12に示すように、S端子が電源電圧VCC(5V)に接続されたりグランド(GND)に接続され、ハードウェア上で物理的にS端子がH(ハイ)に設定されて低スルーレートの出力状態に設定されたりL(ロー)に設定されて通常のスルーレートの出力状態に設定されたりしている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、S端子設定用のレジスタにS端子を接続し、演出制御用CPU120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的に低スルーレートの出力状態とするか通常のスルーレートの出力状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、同一基板内に搭載された出力手段(本例では、発光体ドライバ)間での低スルーレートの出力状態による制御信号の伝送、または異なる基板に搭載された出力手段間での通常のスルーレートの出力状態による制御信号の伝送のいずれか一方のみが行われる基板(本例では、発光体制御基板16C〜16F)を備える場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、1つの発光体制御基板に複数の発光体ドライバが搭載されている場合であって、それらの発光体ドライバのうち同じ発光体制御基板上の発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものと、さらに他の発光体制御基板に搭載れた発光体ドライバに対して制御信号を伝送するものとが混在するように構成してもよい。この場合、例えば、同じ発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバであっても、発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものは低スルーレートの出力状態に設定し、他の発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバに対して制御信号を出力するものは通常のスルーレートの出力状態に設定するように構成してもよい。
また、同じ発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバ間で制御信号を伝送する場合であっても、必ずしも低スルーレートの出力状態に設定するのではなく、例えば、発光体制御基板上に搭載された1つの発光体ドライバが出力する制御信号を基板上で分岐する場合には、通常のスルーレートの出力状態に設定するようにしてもよい。図13は、発光体制御基板上に搭載された1つの発光体ドライバが出力する制御信号を基板上で分岐する場合の変形例を示す説明図である。
図13に示す変形例1では、発光体制御基板16G上に搭載された1つの発光体ドライバ413dが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板16G上の発光体ドライバ413eに伝送され、分岐した他方の制御信号が同じ発光体制御基板16G上の発光体ドライバ413fに伝送される場合が示されている。変形例1に示すように、同じ発光体制御基板16G上であっても、制御信号が分岐されてそれぞれ他の発光体ドライバ413e,413fに伝送される場合には、分岐によって制御信号が減衰してノイズの影響を受けやすくなる。そのため、図13に示すように、S端子をL(ロー)に設定して通常のスルーレートの出力状態に設定し、制御信号のノイズ耐性を高めるように構成してもよい。
すなわち、出力手段と同一基板内に設けられた複数の他の出力手段が該出力手段に並列に接続されている場合(本例では、図13に示す変形例1のように、発光体制御基板16G上に搭載された1つの発光体ドライバ413dが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板16G上の発光体ドライバ413eに伝送され、分岐した他方の制御信号が同じ発光体制御基板16G上の発光体ドライバ413fに伝送される場合)には、出力手段は、第1出力状態に設定される(本例では、図13に示す変形例1のように、発光体制御基板16G上に搭載された発光体ドライバ413dではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)ように構成してもよい。このように構成することにより、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
図13に示す変形例2では、発光体制御基板16H上に搭載された1つの発光体ドライバ413gが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板16H上の発光体ドライバ413hに伝送され、分岐した他方の制御信号が外部の発光体制御基板(図示せず)上の発光体ドライバ(図示せず)に伝送される場合が示されている。変形例2に示すように、分岐した他方の制御信号が外部基板に伝送される場合であっても、やはり変形例1と同様に、分岐によって制御信号が減衰してノイズの影響を受けやすくなる。そのため、図13に示すように、S端子をL(ロー)に設定して通常のスルーレートの出力状態に設定し、制御信号のノイズ耐性を高めるように構成してもよい。このように構成することにより、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
すなわち、出力手段が設けられた第1基板と、該第1基板と配線部材を介して接続された第2基板とのそれぞれに設けられた複数の他の出力手段が該出力手段に並列に接続されている場合(本例では、図13に示す変形例2のように、発光体制御基板16H上に搭載された1つの発光体ドライバ413gが出力する制御信号(クロック信号とデータのスルー出力)を基板上で分岐し、分岐した一方の制御信号が同じ発光体制御基板16H上の発光体ドライバ413hに伝送され、分岐した他方の制御信号が外部の発光体制御基板(図示せず)上の発光体ドライバ(図示せず)に伝送される場合)には、出力手段は、第1出力状態に設定される(本例では、図13に示す変形例2のように、発光体制御基板16H上に搭載された発光体ドライバ413gではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)ように構成してもよい。このように構成することにより、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、複数の異なるグループにグループ化された特定信号出力部(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11)からパラレル通信方式による特定信号(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する(本例では、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、図9に示すように、1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けされている。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けされている。)。そして、特定信号出力部からの特定信号の出力タイミングは、グループごとに異なる(本例では、図9に示すように、ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号の出力タイミングがグループごとに分散されている)。そのため、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して、基板からの電波放射をより一層抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、動作を行う可動部材(本例では、可動部302、可動部材321)を備える。また、可動部材を動作させる駆動手段(本例では、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)は、出力手段の同一グループの特定信号出力部から出力される特定信号にもとづいて駆動される(本例では、図11に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続される)。そのため、基板からの電波放射を抑制しつつ、駆動手段の駆動精度の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、制御信号を入力してから所定期間(本例では、1秒)経過後に特定信号の出力を停止する停止機能(本例では、タイムアウト機能)を有する(本例では、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図6参照。)。そのため、配線不具合などによる動作不具合を回避でき、電気部品を安定して制御することができる。
また、この実施の形態によれば、制御信号を継続して出力するための制御信号継続手段を備える(本例では、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cの点灯制御を継続して実行したり、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動制御を継続して実行したりするように制御している)。そのため、出力手段の停止機能に対応した制御を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、停止機能を有効または無効に設定可能である(本例では、T端子をL(ロー)に設定することによってタイムアウト機能が無効状態に設定され、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図6参照。)。そのため、用途に応じた出力手段の停止機能の設定変更が可能となり、部品共通化によりコストを削減することができる。
なお、この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路のうちクロック信号およびデータのスルー出力が同一基板内の他のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路411a,411bや、演出用モータ303,330が接続されるシリアル−パラレル変換回路412については、S端子がH(ハイ)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定され(図10および図11参照)、クロック信号およびデータのスルー出力が基板外のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路413a,413b,413cについては、S端子がL(ロー)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される(図12参照)場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されるように構成してもよい。以下、全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される変形例3について説明する。
図14および図15は、変形例3におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。図14に示すように、変形例3では、スルー出力が同一基板内の他のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路411a,411bについても、S端子がL(ロー)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される。また、図15に示すように、変形例3では、演出用モータ303,330が接続されるシリアル−パラレル変換回路412についても、S端子がL(ロー)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される。なお、変形例3において、スルー出力が基板外のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路413a,413b,413cについては図12に示した接続態様と同様であり、スルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される。従って、図14および図15に示す変形例3では、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路について、それぞれスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される。
図14および図15に示す変形例3によれば、全てのシリアル−パラレル変換回路について、それぞれスルー出力を通常のスルーレートの出力に設定するように統一化されているので、回路設定の共通化により設計ミスを抑制することができる。
また、逆に、例えば、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が低スルーレートの出力に設定されるように構成してもよい。以下、全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が低スルーレートの出力に設定される変形例4について説明する。
図16は、変形例4におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。図16に示すように、変形例4では、スルー出力が基板外のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路413a,413b,413cについても、S端子がH(ハイ)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。なお、変形例4において、スルー出力が同一基板内の他のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路411a,411bについては図10に示した接続態様と同様であり、スルー出力が低スルーレートの出力に設定される。また、変形例4において、演出用モータ303,330が接続されるシリアル−パラレル変換回路412については図11に示した接続態様と同様であり、スルー出力が低スルーレートの出力に設定される。従って、図16に示す変形例3では、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路について、それぞれスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。
図16に示す変形例4によれば、全てのシリアル−パラレル変換回路について、それぞれスルー出力を低スルーレートの出力に設定するように統一化されているので、回路設定の共通化により設計ミスを抑制することができる。
なお、全て低スルーレートの出力に設定するように構成すると、基板外のシリアル−パラレル変換回路にスルー出力する場合にはノイズに対する耐性を確保するのが難しくなるおそれがあるが、例えば、そのような場合には、スルー出力の出力先との間にアンプ内蔵のバッファ回路を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、バッファ回路が内蔵するアンプによってスルー出力が増幅され、低スルーレートの出力であってもノイズに対する耐性をある程度確保することができる。
また、この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路に演出用モータ303,330が接続される場合に、出力タイミングが同じであるグループのドライブ出力端子を接続する(図11参照)場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、発光体としてフルカラーLEDが用いられる場合に、同じフルカラーLEDの3つの端子(RGB端子)については、出力タイミングが同じであるグループのドライブ出力端子を接続するように構成してもよい。以下、フルカラーLEDに関して出力タイミングが同じであるグループのドライブ出力端子を接続する変形例5について説明する。
図17は、変形例5におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。図17に示すように、変形例5では、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ1のQ0〜Q3の4チャネルの端子の中のQ0〜Q2の3つの端子に1つ目のフルカラーLEDのR端子、G端子およびB端子がそれぞれ接続されている。また、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ2のQ4〜Q7の4チャネルの端子の中のQ4〜Q6の3つの端子に2つ目のフルカラーLEDのR端子、G端子およびB端子がそれぞれ接続されている。さらに、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ3のQ8〜Q11の4チャネルの端子の中のQ8〜Q10の3つの端子に3つ目のフルカラーLEDのR端子、G端子およびB端子がそれぞれ接続されている。
図17に示す変形例5によれば、同じフルカラーLEDに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続することによって、フルカラーLEDの発光精度を確保することができる。
なお、フルカラーLEDの接続に必要な端子数は3端子(R端子、G端子およびB端子)であることから、図17に示すように、グループ1、グループ2およびグループ3のそれぞれの4端子の中の1端子は接続に不要となる(図17に示す例では、Q3端子、Q7端子およびQ11端子)。この場合、図17に示すQ3端子およびQ7端子のように、フルカラーLEDの接続に不要な端子はグランド(GND)に接続されるようにしてもよい。
また、フルカラーLEDの接続に不要な端子を他の用途に用いるようにしてもよい。例えば、演出用の可動部材(演出役物)をソレノイドを駆動させることによって動作させるように構成する場合、その演出役物用のソレノイドの接続は1端子で可能であるので、図17に示すQ11に示すように、フルカラーLEDの接続に不要な端子に、演出役物用のソレノイド500を接続するように構成してもよい。
また、例えば、演出用の可動部材(演出役物)を複数備えた遊技機において、遊技領域に左右対称に設けられた演出役物を何らかの態様で同期して動作させるような場合に、それらの左右対称に設けられた演出役物用のソレノイドを同じグループのドライブ出力端子に接続するように構成してもよい。そのように構成すれば、左右対称に設けられた演出役物など同期して動作される可動部材の動作制度を確保することができる。
また、例えば、演出役物用のソレノイドを備える場合に、シリアル−パラレル変換回路のドライブ端子と演出役物用のロックソレノイドとの間に所定の電力制御ICを接続するように構成してもよい。この場合、所定の電力制御ICは、入力端子側に所定値以上の高電圧の入力があったときのみに出力端子側から電力を出力する電力スイッチ(いわゆるハイサイドスイッチであり、その入力側がシリアル−パラレル変換回路のドライブ端子に接続され、出力側が演出役物用のロックソレノイドに接続される。そして、例えば、複数の演出役物用のソレノイドを備える場合に、それらの演出役物用のハイサイドスイッチの入力側を同じグループのドライブ端子に接続し、それらの演出役物用のハイサイドスイッチとロックソレノイドとを同じグループのドライブ端子からの信号により制御されるように構成してもよい。また、例えば、同じグループの中でフルカラーLEDの接続に不要な端子(本例では、Q3端子、Q7端子およびQ11端子)にハイサイドスイッチを接続し、そのハイサイドスイッチの出力側に演出役物用のロックソレノイドを接続するように構成したりしてもよい。
また、例えば、7セグメントLEDやドット表示器の点灯制御を行う場合に、これら7セグメントLEDやドット表示器への入力を同じグループのドライブ端子に接続するように構成し、点灯制御用の信号の出力タイミングをあわせるように構成してもよい。
[パチンコ遊技機の動作]
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図29のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図29に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普図表示結果判定用の乱数値MR4を用いて普通図柄の変動表示態様を決定し、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図30は、特別図柄プロセス処理として、図29に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
始動入賞判定処理では、まず、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。そして、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部材321などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
なお、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部(図示略)に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施の形態では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図31は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。
次に、演出制御用CPU120は、可動部材321を移動させる慣らし動作を実行する可動部材慣らし処理を実行する(S51A)。可動部材慣らし処理については図33で後述する。そして、演出制御用CPU120は、予告演出などの演出における可動部材321の複数種類の動きのパターンの動作を確認したり、位置検出センサ333によって可動部材321の初期位置(本実施の形態では第1位置)を検出したり、その初期位置に可動部材321を移動させたりする可動部材初期化処理を実行する(S51B)。
その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図32は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、保留表示予告演出の有無とともに保留記憶表示の表示パターンを決定する保留表示予告演出決定処理を実行し(S71)、次いで、演出表示装置5の第1保留表示エリア5D及び第2保留表示エリア5Uにおける保留記憶表示を始動入賞時受信コマンドバッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
[演出ユニットの構造]
次に、図18〜図28に基づいて、演出ユニット300について説明する。図18は、(A)は演出ユニットを示す正面図、(B)は背面図である。図19は、演出ユニットを斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図20は、演出ユニットを斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図21は、(A)は可動部が傾倒位置にある状態、(B)は可動部が起立位置にある状態を示す正面図である。図22は、(A)はピニオンギヤ、(B)はラックギヤを示す背面図である。図23は、(A)は可動部材が第1位置にある状態、(B)は第2位置にある状態を示す概略図である。図25は、(A)はピニオンギヤがラックギヤに噛合した状態、(B)はラックギヤを移動させている状態、(C)はラックギヤが規制されている状態を示す概略図である。図26は、(A)〜(D)は規制状態となるまでのギヤの状態を示す要部拡大図である。図27は、(A)は規制状態、(B)はピニオンギヤを第1作動方向へ回転させることで規制解除状態へ変化した状態、(C)は駆動初期状態を示す概略図である。図28は、(A)は規制状態、(B)はピニオンギヤを第2作動方向へ回転させることで規制解除状態へ変化した状態、(C)は駆動初期状態を示す概略図である。
図18〜図21に示すように、演出ユニット300は、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間に設けられ、所定箇所に固設されたベース部301と、該ベース部301に対し回動可能に設けられた可動部302と、可動部302を横向きに傾倒する傾倒位置(図21(A)参照)と縦向きに起立する起立位置(図21(B)参照)と、の間で回動させる第1演出用モータ303と、を有する。
ベース部301には、軸受孔310が貫通して形成されているとともに、該軸受孔310の周辺には、軸受孔310を中心とする円弧形状をなすガイド溝311が形成されている。ベース部301の背面における軸受孔310の右下方位置には、可動部302を回動させる第1演出用モータ303が背面に固設されており、ベース部301を貫通して前側に突出した駆動軸(図示略)の先端には、回転盤312が固着されている。
回転盤312の周縁所定箇所には、前後方向を向く軸部材313が突設されており、該軸部材313には、リンク部材314の下端が回動可能に軸支されている。また、回転盤312の周縁における軸部材313の反対側には検出片315が突設されており、該検出片315が回転盤312の下方に設けられた位置検出センサ316により検出されることで、演出制御用CPU120は可動部302が傾倒位置に位置していることを特定できるようになっている。
可動部302は、回動部材320と、回動部材320の前面側に該回動部材320に対してスライド移動可能に設けられた可動部材321と、回動部材320の背面側にて可動部材321と一体に移動するラックギヤ322と、を有する。可動部材321は、回動部材320に対し回動軸325側の第1位置と該第1位置よりも回動軸325から離れる第2位置と、の間で往復移動可能とされている。
なお、本実施の形態では、演出制御用CPU120は、可動部302が起立位置にあるときに、可動部材321を第1位置と第2位置との間で移動させる可動演出を実行するようになっている。また、可動部材321は、第1位置にあるときには演出表示装置5の表示画面の下方に少なくとも一部が退避し、第2位置において演出表示装置5の表示画面の前面側に少なくとも一部が重畳するようになっている(図1参照)。
回動部材320は、左右方向に延びる略板状の部材からなり、前面右側には、軸受孔310に後側から挿入されることで回動軸325と、回動軸325の左側に突設されガイド溝311に後側から挿入される第1ガイド軸326と、回動軸325の右上に突設されガイド溝311に後側から挿入される第2ガイド軸327と、が突設されている。
ガイド溝311を挿通してベース部301の前面側に突出した第2ガイド軸327の先端には、リンク部材314の上端が回動可能に軸支されている。つまり、回転盤312と回動部材320とはリンク部材314を介して連結されている。また、回動軸325の外周には、回動部材320を常時起立位置側へ向けて付勢するコイルバネ328が設けられている。
第1ガイド軸326の左側には、可動部材321を左右方向に案内する直線状のスライド溝329が左右方向に向けて延設されている。回動部材320の前面におけるスライド溝329の上方には、可動部材321をスライドさせるための第2演出用モータ330が固設されており、ベース部301を貫通して後側に突出した駆動軸330aの先端には、ラックギヤ322を作動させるピニオンギヤ331が固着されている。なお、本実施の形態では、第2演出用モータ330としてステッピングモータが適用されている。
回動部材320の左側の背面には、ラックギヤ322を付勢するための引張バネ323の左端が係止されるフック332が後向きに突設されている。また、右側の背面には、ラックギヤ322の右端に形成された検出片334を検出する位置検出センサ333が設けられており、該検出片334が位置検出センサ333により検出されることで、演出制御用CPU120は可動部材321が第1位置に位置していることを特定できるようになっている。
可動部材321は、円盤状の発光部321Aと、発光部321Aから右側に延びる取付部321Bと、を有する。発光部321Aは、内部に図示しない複数の発光ダイオード(LED)が設けられ、前方に光を出射可能とされている。また、取付部321Bの背面には、2つのボス334a,334bが突設されており、該ボス334a,334bはスライド溝329に挿入され、ラックギヤ322の背面側から螺入されるネジN1によりラックギヤ322が止着されることで、回動部材320前側に配置された可動部材321と回動部材320の後側に配置されたラックギヤ322とが一体化されている。
一体化された可動部材321とラックギヤ322とは、2つのボス334a,334bがスライド溝329に挿入されていることで、回動部材320に対し左右方向にスライド移動可能に案内される。また、ラックギヤ322の右側には、左端が回動部材320のフック332に係止された引張バネ323の右端が係止されるフック335が後向きに突設されている。すなわち、引張バネ323は、一端が回動部材320のフック332に係止され、他端がラックギヤ322のフック335に係止されていることで、可動部材321を常時第2位置側へ向けて付勢する。
このように構成された演出ユニット300は、可動部302は、駆動初期状態において、図21(A)に示すように傾倒位置に位置している。そして、第1演出用モータ303により回転盤312が正面視右周りに回動することにより、リンク部材314により第2ガイド軸327が下方に引かれることで、回動軸325を中心として正面視時計回りに約90度回転し、図21(B)に示す起立位置まで回転する。なお、傾倒位置から起立位置へ回動する際に、コイルバネ328の付勢力が作用するため、第1演出用モータ303にかかる負荷が軽減される。また、第1演出用モータ303を逆駆動させることで、起立位置から傾倒位置へ回動する。
次に、ピニオンギヤ331とラックギヤ322の詳細な構造について説明する。図22(A)に示すように、ピニオンギヤ331は、円盤部材の周面の一部に複数の駆動歯が突設された回転ギヤである。駆動歯は、回転方向に向けて複数突設される駆動歯340Aと、駆動軸330aから歯が噛み合う位置までを半径とするピッチ円における歯厚寸法L2が駆動歯340Aの歯厚寸法L1よりも大きい駆動歯340Bと、ピッチ円における歯厚寸法L3が駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸の駆動歯340Cと、を有している(歯厚寸法L1<L2<L3)。
また、このように駆動歯340A,340B,340Cの歯厚寸法L1,L2,L3がそれぞれ異なることで、駆動歯340Aの先端面342A、駆動歯340Bの先端面342B及び駆動歯340Cの先端面342Cそれぞれにおける周方向の長さ寸法は、歯厚寸法L1,L2,L3の関係と同じである。つまり、先端面342Bの周方向の長さ寸法は、先端面342Aの周方向の長さ寸法より長寸とされ、先端面342Cの周方向の長さ寸法は、先端面342A,342Bの周方向の長さ寸法より長寸とされている。
なお、本実施の形態では、先端面342A,342Bは平坦面とされ、後述する規制部を構成する先端面342Cは、駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面とされている。
各駆動歯340Aと駆動歯340Aとの間の歯溝寸法L4と、駆動歯340Aと駆動歯340Bとの間の歯溝寸法L5とは同一とされ(歯溝寸法L4=L5)、駆動歯340Aと駆動歯340Cとの間の歯溝寸法L6は、歯溝寸法L4,L5より長寸とされている(L4,L5<L6)。これら駆動歯340A,340B,340Cは、周面の約1/3に亘り形成されており、周面の残りの2/3は、駆動歯を円周方向に欠落させた欠落部341とされている。つまり、ピニオンギヤ331は、駆動歯を有しラックギヤ322に噛合する噛合部と、駆動歯を有せずラックギヤ322に噛合しない非噛合部と、を周面に有する。
なお、本実施の形態では、ピニオンギヤ331は、図22(A)における時計回りがラックギヤ322を第2位置から第1位置へ、つまり、第1方向へ移動させる第1作動方向であり、反時計回りがラックギヤ322を第1位置から第2位置へ、つまり、第2方向へ移動させる第2作動方向である。
図22(B)に示すように、ラックギヤ322は、棒状部材の側面の一部に複数の従動歯が突設されたギヤである。従動歯は、ピニオンギヤ331側の側面に沿って複数突設される従動歯350Aと、駆動歯が噛み合う位置における歯厚寸法L12が従動歯350Aの歯厚寸法L11よりも大きい従動歯350Bと、歯厚寸法L13が従動歯350A,350Bの歯厚寸法L11,L12よりも長寸の従動歯350Cと、を有している(歯厚寸法L11<L12<L13)。また、各従動歯350A,350B,350Cの先端面は平坦面とされている。
各従動歯350Aと従動歯350Aとの間の歯溝寸法L14と、従動歯350Aと従動歯350Cとの間の歯溝寸法L15とは同一とされ(歯溝寸法L14=L15)、従動歯350Aと従動歯350Bとの間の歯溝寸法L16は、歯溝寸法L14,L15より長寸とされている(L14,L15<L16)。
なお、ラックギヤ322における歯溝寸法L14,L15は、駆動歯340Aの歯厚寸法L1に対応する寸法とされ、歯溝寸法L16は、駆動歯340Bの歯厚寸法L2に対応する寸法とされている。また、ピニオンギヤ331における歯溝寸法L4,L5は、従動歯350Aの歯厚寸法L11に対応する寸法とされ、歯溝寸法L6は、従動歯350Cの歯厚寸法L13に対応する寸法とされている。
これら従動歯350A,350B,350Cは、側面の長手方向の下部から上下方向の略中央まで形成されており、中央から上方は、従動歯を長手方向に欠落させた欠落部351とされている。つまり、ラックギヤ322は、従動歯を有しピニオンギヤ331に噛合する噛合部と、従動歯を有せずピニオンギヤ331に噛合しない非噛合部と、を側面に有する。
なお、本実施の形態では、ラックギヤ322は、図22(B)における上方の第2位置と下方の第1位置との間で移動する。つまり、ピニオンギヤ331が第1作動方向へ回転することで第2位置から第1位置へ、つまり、第1方向へ移動し、ピニオンギヤ331が第2作動方向へ回転することで第1位置から第2位置へ、つまり、第2方向へ移動するようになっている。
次に、ピニオンギヤ331とラックギヤ322の作動態様について、図23〜図28に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、可動部302が起立位置にあるときに可動部材321が第1位置と第2位置との間で往復動作するため、以下においては、可動部302が起立位置にあるときの上下左右方向を基準として説明する。
なお、本実施の形態では、可動部302が起立位置にあるときに可動部材321が第1位置と第2位置との間で往復動作する例について説明するが、可動部302が傾倒位置にあるときや回動中に可動部材321が第1位置と第2位置との間で往復動作するようにしてもよい。
図23(A)及び図23(B)に示すように、可動部材321(ラックギヤ322)は、回動部材320に対し、ボス334bがスライド溝329の下端に位置する下方の第1位置と、ボス334aがスライド溝329の上端に位置する上方の第2位置と、の間で上下方向に往復移動可能とされている。
図23(A)に示すように、可動部材321は、第1位置において引張バネ323による上方への付勢力が作用しているが、ピニオンギヤ331とラックギヤ322とが、後述するように駆動歯340Cの先端面342Cに従動歯350Cの歯先が当接することで引張バネ323の付勢力による可動部材321の上方への移動を規制する規制状態(ロック状態)へ変化することで、第2演出用モータ330がオフ状態であっても、可動部材321は第1位置に保持される。なお、規制状態(ロック状態)の詳細については後述する。
図23(B)に示すように、規制状態が解除されると、可動部材321は、引張バネ323の付勢力により上方に移動した後、該引張バネ323により第2位置に保持される。つまり、引張バネ323による付勢力は可動部材321の荷重を上回っている。
次いで、図25(A)に示すように、駆動歯340Bが対応する従動歯350Bに上方から噛合した状態で、図25(B)に示すように、ピニオンギヤ331が第1作動方向へ回動することで、駆動歯340Aと対応する従動歯350Aとが噛合し、ラックギヤ322が引張バネ323による上向きの付勢力に抗して第1方向(下方向)へ移動していく。そして、図25(C)に示すように、駆動歯340Cの先端面342Cに従動歯350Cの歯先が当接することで規制状態となり、ラックギヤ322、つまり、可動部材321が第1位置に保持される。
ここで、規制解除状態から規制状態(ロック状態)へ変化する際の詳細について説明する。図25(A)に示すように、可動部材321が第2位置にある状態において、ピニオンギヤ331が第1作動方向へ回転することで、駆動歯340A,340Bが従動歯350A、350Bに噛合することにより、引張バネ323による上向きの付勢力に抗してラックギヤ322が第1方向へ移動し、可動部材321が第1位置へ向けて下降する。
次いで、図26(A)に示すように、複数のうち駆動歯340Cに隣接する駆動歯340Aと複数のうち従動歯350Cに隣接する従動歯350Aとの噛合が解除される前に、駆動歯340Cと従動歯350Cとが噛合され、駆動歯340Aと従動歯350Aとの噛合が解除される。そして、図26(B)に示すように、駆動歯340Cがラックギヤ322の欠落部351に対向した後、駆動歯340Cの歯先が従動歯350Cの歯面の歯元から歯先へ向けて移動していく。
そして、図26(C)に示すように、ピニオンギヤ331の回転により駆動歯340Cの歯先が従動歯350Cの歯面から離れると、駆動歯340Cと従動歯350Cとの噛合が解除される。つまり、駆動歯340Cは欠落部341に隣接する隣接駆動歯であり、従動歯350Cは欠落部351に隣接する隣接従動歯である(駆動歯340Cは、複数の従動歯のうち第1方向の後側の端部の従動歯350Cに噛合する駆動歯である)ことで、後続の駆動歯と従動歯との噛合によりラックギヤ322を第1方向へ移動させる動力の伝達が途絶えるため、ピニオンギヤ331の回転により駆動歯340Cの歯先が従動歯350Cの歯面から離れ、駆動歯340Cと従動歯350Cとの噛合が解除されると、ラックギヤ322は引張バネ323の付勢力により第2方向へ移動しようとする。
そして、図26(C)に示すように、ピニオンギヤ331がさらに回転すると、駆動歯340Cの先端面342Cが、ラックギヤ322の各従動歯350A,350B,350Cの歯先を通る歯先線Tに交差する。このとき、上記したように、後続の駆動歯と従動歯との噛合によりラックギヤ322を第1方向へ移動させる動力の伝達が途絶えていることで、ラックギヤ322は、引張バネ323の付勢力により第2方向へ移動しようとするため、従動歯350Cの歯先が駆動歯340Cの先端面342Cに押し付けられるように当接する。
このように、従動歯350Cにおける駆動歯340Cに対する接触点Sは、駆動歯340Cの歯面から(図26(A)参照)、駆動歯340Cの歯先へ移動した後(図26(B)参照)、駆動歯340Cの先端面342Cへと移動する(図26(C)参照)。つまり、駆動歯340Cの歯面から歯先へ向けて摺接したまま滑るように先端面342Cへ乗り移る。
その後、従動歯350Cの歯先が先端面342Cにおける周方向の略中央位置に到達した際に第2演出用モータ330がオフ状態となりピニオンギヤ331の回転が停止される(図26(D)参照)。この状態において、先端面342Cが歯先線Tに対し交差するように、第2方向へ向けてラックギヤ322側に傾斜して配置され、また、ラックギヤ322は引張バネ323の付勢力により上方へ向けて付勢されていることで、従動歯350Cの歯先が先端面342Cに押し付けられ、ラックギヤ322の第2方向への移動が規制される規制状態(ロック状態)となる。すなわち、駆動歯340Cと従動歯350Cとは、ラックギヤ322を第2方向(上方向)への移動を規制する規制手段を構成している。
また、ピニオンギヤ331は第2演出用モータ330により回転するギヤであり、規制部を構成する先端面342Cは、ピニオンギヤ331の駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面にて構成されていることで、図26(C)に示すように、従動歯350Cにおける駆動歯340Cに対する接触点Sが駆動歯340Cの歯面から先端面342Cへ移動した後、図26(D)に示す位置までピニオンギヤ331が回転しても、従動歯350Cと先端面342Cとの接触点Sがラックギヤ322の第2方向へ変位することがないので、ピニオンギヤ331の回転に応じてラックギヤ322が微動、つまり、可動部材321が僅かに上昇して遊技者に違和感を与えることを防止できる。
例えば、規制部を構成する先端面342Cが平坦面である場合、図26(C)に示すように、従動歯350Cにおける駆動歯340Cに対する接触点Sが駆動歯340Cの歯面から先端面342Cへ移動した後、図26(D)に示す位置までピニオンギヤ331が回転すると、従動歯350Cと先端面342Cとの接触点S’がラックギヤ322の第2方向へ変位してしまう。また、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させて規制状態を解除しようとする際に、先端面342Cが湾曲面の場合に比べて、引張バネ323による付勢力が増大するため、第2演出用モータ330にかかる負荷が大きくなってしまう。よって、先端面342Cは、ピニオンギヤ331の駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面にて構成することが好ましい。
なお、本実施の形態では、第2演出用モータ330はステッピングモータであるため、基準位置からのステップ数(回転角度)により駆動歯340Cが図26(D)に示す規制位置に停止するようにピニオンギヤ331の回転を停止させることができるが、例えば、駆動歯340Cが図26(D)に示す規制位置にあることを検知するセンサ等を設け、該センサからの検出状況に基づいてピニオンギヤ331の回転を停止させるようにしてもよい。
また、規制状態に変化させる際にピニオンギヤ331の回転を停止する停止位置を、例えば、先端面342Cに従動歯350Cが当接する範囲内の複数個所に設定し、所定回数ごとに異なる個所に停止するようにすることで、繰り返しの停止により先端面342Cの局所が摩耗により変形することを回避することができる。この場合、例えば、先端面342Cを欠落部341の周方向に亘り延設すること等が考えられる。
次に、規制状態の解除方法について説明する。まず、図27(A)に示す規制状態において、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回動させることで、駆動歯340Cが移動して従動歯350Cの歯先が先端面342Cから離れ、欠落部341がラックギヤ322に対向して先端面342Cと歯先線Tとの交差が解除されることで、先端面342Cによる従動歯350Cの規制が解除され、規制状態から規制解除状態へ変化する。
図27(B)に示すように、規制解除状態となることで、ラックギヤ322は引張バネ323の引張力により第2方向へ上昇するため、可動部材321は第1位置から第2位置へ向けて高速で移動する。また、本実施の形態では、第1位置が駆動初期位置とされているため、図27(C)に示すように、規制解除状態へ変化した後もピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させて、駆動歯340Bが従動歯350Bに噛合する位置に到達したときに第2演出用モータ330をオフ状態としてピニオンギヤ331の回転を停止させる。
よって、可動部材321を第2位置から第1位置へ移動させる際には、ピニオンギヤ331をさらに第1作動方向へ回転させることで、駆動歯340B,340Aと従動歯350B,350Aとの噛合によりラックギヤ322を第1方向へ移動させることができる。このように、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させるだけで、可動部材321を第1位置から第2位置へ移動させることができるとともに、第2位置から第1位置へ移動させることもできるため、第2演出用モータ330を制御する演出制御用CPU120の制御負荷を軽減できる。
図28には、規制状態の解除方法の他の例が示されている。図28(A)に示す規制状態において、ピニオンギヤ331を第1作動方向と逆の第2作動方向へ回動させることで、駆動歯340Cが移動して従動歯350Cの歯先が先端面342Cから離れ、先端面342Cと歯先線Tとの交差が解除されるが、従動歯350Cが駆動歯340Cと駆動歯340Aとの間の歯溝に入り込み、図26(A)に示すように、従動歯350Cの歯面が駆動歯340Cの歯面に当接する噛合状態になるため、ラックギヤ322の引張バネ323による第2方向への移動が駆動歯340Cとの当接により規制される。
よって、ピニオンギヤ331をさらに第2作動方向へ回転させることで、ラックギヤ322をピニオンギヤ331の回転により上昇させることができる。すなわち、図27に示すように、規制状態においてピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させることで規制状態を解除した場合、可動部材321は引張バネ323の付勢力により所定速度で第1位置から第2位置へ移動するが、図28に示すように、規制状態においてピニオンギヤ331を第2作動方向へ回転させることで規制状態を解除した場合、可動部材321を任意の速度で第1位置から第2位置へ移動させることができる。
具体的には、ピニオンギヤ331を低速で回転させれば可動部材321を低速で、ピニオンギヤ331を高速で回転させれば可動部材321を高速で上昇させることができる。また、上昇させる途中で停止させたり、上下動させたりするなど、種々の態様にて上昇させることが可能となる。
以上説明したように、本発明の実施の形態としてのパチンコ遊技機1にあっては、駆動源としての第2演出用モータ330により回転(作動)する駆動ギヤとしてのピニオンギヤ331と、ピニオンギヤ331に噛合される従動ギヤとしてのラックギヤ322と、を備え、ラックギヤ322は、引張バネ323によって、ピニオンギヤ331により移動(作動)する第1方向と反対の第2方向へ付勢されており、ピニオンギヤ331は、駆動歯340A,340B,340Cを一部欠落させた欠落部341と、欠落部341に隣り合う隣接駆動歯としての駆動歯340Cの先端に設けられる規制部としての先端面342Cと、を有し、駆動歯340Cとラックギヤ322の従動歯350Cとの噛合が解除された後、該従動歯350Cが先端面342Cに当接することによりラックギヤ322の第2方向への移動が規制される。
すなわち、駆動歯340Cと従動歯350Cとの噛合が解除され、欠落部341がラックギヤ322に対向すると、第2方向へ付勢されているラックギヤ322の従動歯350Cが先端面342Cに当接することにより該第2方向への移動が規制される。このように、ピニオンギヤ331の駆動歯340Cに設けられた先端面342Cを用いてラックギヤ322の第2方向への移動を規制することができるので、ラックギヤ322や可動部材321の第1方向への移動を規制するための規制手段を別個に設けるなどして部品点数を増加させることなく、駆動ギヤと従動ギヤとによる簡素な構造でラックギヤ322の作動を停止させることができる。
また、前記実施の形態では、従動ギヤであるラックギヤ322は、引張バネ323により第2方向へ付勢されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、従動ギヤはバネ部材以外の付勢手段により第2方向へ付勢されていてもよい。また、例えば、可動部302を上下反転して設ける場合、ラックギヤ322は、可動部材321の荷重により常時下方(第2方向)へ付勢されることになるため、自重により第2方向へ付勢されるもの等も含まれる。
また、ピニオンギヤ331は第2演出用モータ330により回転するギヤであり、ラックギヤ322は、第1位置(図23(A)で示す位置)と該第1位置とは異なる第2位置(図23(C)で示す位置)との間で往復作動可能であり、ピニオンギヤ331がラックギヤ322を第1方向へ作動させる第1作動方向に回転することで、駆動歯340A,340B,340Cと従動歯350A,350B,350Cとの噛合により第2位置から第1位置へ移動した後、欠落部341が対向し駆動歯340A,340B,340Cと従動歯350A,350B,350Cとの噛合が解除されることにより、引張バネ323により第2方向へ付勢され、第1位置から第2位置へ作動する。
このように、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させるだけでラックギヤ322を往復作動させることができるので、第2演出用モータ330の制御負荷を軽減できる。
また、先端面342Cに従動歯350Cが当接することにより、ラックギヤ322の第2方向への移動が規制される規制状態は、ピニオンギヤ331を、図27に示すように、ラックギヤ322を第1方向へ作動させる第1作動方向または図28に示すように、第1作動方向とは反対の第2作動方向に作動させることで解除可能である。
このようにすることで、ピニオンギヤ331を第1作動方向と第2作動方向のうち一作動方向へ回転させても規制状態が解除されない場合、他方向へ作動させることで解除されるため、ラックギヤ322の従動歯350Cが先端面342Cに噛んでラックギヤ322を移動できなくなることを回避しやすくなる。
また、規制状態において、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させたときと第2作動方向へ回転させたときとで、ラックギヤ322の作動態様が異なる。具体的には、図27(B)に示すように、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させると、ラックギヤ322は引張バネ323の付勢力にて上昇し、図28(B)に示すように、ピニオンギヤ331を第2作動方向へ回転させると、ラックギヤ322はピニオンギヤ331の回転に応じて上昇することで、ラックギヤ322に一体化されている可動部材321の作動態様を多様化することができる。
また、駆動歯340Cの歯厚寸法L3は、他の駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸とされている(例えば、歯厚寸法L1<L2<L3)。このようにすることで、従動歯350A,350B,350Cと噛合されていない非噛合状態から噛合状態となるときに駆動歯340Cにかかる負荷による破損等を防止できる。また、歯厚寸法L3が広くなることで規制部を構成する先端面342Cも広くなるので、従動歯350Cを規制しやすくなる。
ピニオンギヤ331は第2演出用モータ330により回転するギヤであり、規制部を構成する先端面342Cは、ピニオンギヤ331の駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面にて構成されていることで、従動歯350Cが先端面342Cに当接している状態においてピニオンギヤ331が回転しても、従動歯350Cと先端面342Cとの接触点Sがラックギヤ322の移動方向に変位することがないので、ピニオンギヤ331の回転に応じてラックギヤ322が微動することを防止できる。
また、従動歯において駆動歯340Cに噛合する従動歯350Cの歯厚寸法L13は、他の従動歯350B,350Cの歯厚寸法L11,L12よりも長寸とされている(歯厚寸法L11<L12<L13)このようにすることで、駆動歯340Cと噛合されていない非噛合状態から噛合状態となるときに従動歯350Cにかかる負荷による破損等を防止できる。また、規制部に当接している状態において第2方向へ付勢される力によりかかる負荷による破損等を防止できる。
[演出ユニットのケーブル]
図18、図23および図24を参照して、演出ユニット300には、可動部材321の発光部321AのLEDに電力を供給するケーブル361が設けられる。
図24(A)および図24(B)は、それぞれ、図23(A)および図23(B)の側面を模式的に表したものである。なお、図24においては、見易くするために、可動部材321と回動部材320との間隔、および、回動部材320とラックギヤ322との間隔は、広めに描いているが、実際は、図で示すよりも狭くなっている。
図1で示されるように、ケーブル361は、ベース部301の演出制御基板12からの中継基板に設けられるコネクタ363から、回動部材320に設けられるケーブル361の押さえ部材364を経て、可動部材321の発光部321AのLEDが搭載されるLED基板に設けられるコネクタ362に接続される。
図24(A)で示されるように、可動部材321が第1位置で待機している状態であるときには、ケーブル361の押さえ部材364とコネクタ362との間の部分は、かなり屈曲した状態である。
図24(B)で示されるように、可動部材321が第2位置に進出した状態であるときには、ケーブル361の押さえ部材364とコネクタ362との間の部分は、伸びて余裕が余り無い状態となる。
このため、可動部材321には、ケーブル361によって第2位置から第1位置へ向かう方向の力が掛かる。ケーブル361が伸びた状態においては、ケーブル361の被覆材は樹脂であるので、ケーブル361が冷えている状態のときは、冷えていない状態のときよりも、ケーブル361によって可動部材321に掛かる力は強くなる。
引張バネ323は、第2演出用モータ330によって可動部材321が第2位置になるまで引っ張られる。このため、第2演出用モータ330は、引張バネ323が最も引っ張られた状態の引張力(付勢力)よりも強い力を発生することが可能である。
前述したように、引張バネ323による付勢力は、可動部材321の荷重を上回っている。しかし、引張バネ323による付勢力を強くすると、引張バネ323を引っ張る第2演出用モータ330の出力も強くする必要がある。出力の大きいモータを用いると製造コストが上がるため、モータの出力は必要最小限であることが好ましい。
本実施の形態における引張バネ323としては、可動部材321の荷重だけではなく、ケーブル361が伸びた状態での可動部材321を引っ張る力、および、第2演出用モータ330のコストも考慮して、必要最小限の付勢力が得られるバネが用いられる。
このため、万一、品質の悪いケーブル361が用いられ、低温で硬くなるような場合、可動部材321を最初に移動させるときに、引張バネ323の付勢力が不足することが考えられる。通常は低温で想定以上に硬くなるようなケーブルが用いられることはない。
しかし、本実施の形態においては、引張バネ323の付勢力が不足するような事態が生じないようにするために、夜間に放置されて冷えたパチンコ遊技機1を起動するときに、後述の図33のステップS515で示すように、可動部材321の動きを慣らすための慣らし動作をする。可動部材321を第1位置から第2位置まで移動させる慣らし動作をすることによって、ケーブル361が屈伸させられることでケーブル361を柔軟に慣らすことができる。その結果、引張バネ323の付勢力が不足するような事態を未然に防止することができる。
また、本実施の形態においては、パチンコ遊技機1が起動されているときは、ケーブル361は、熱を発する物(演出表示装置5、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330)の近傍に設けられるため、ケーブル361が熱によって柔軟性が高い状態が保たれる。
図33は、演出制御メイン処理における可動部材慣らし処理(S51A)を示すフローチャートである。図33を参照して、演出制御用CPU120は、可動部302を起立位置に移動させるよう第1演出用モータ303を制御する(S511)。
そして、演出制御用CPU120は、この可動部302の移動において、異常が検出されたか否かを判定する(S512)。異常が検出された(S512でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、可動部302の異常を報知する(S513)。報知は、演出表示装置5での表示およびスピーカ8L,8Rからの音声出力によって行なわれる。
次に、演出制御用CPU120は、報知を停止させる操作が遊技店の店員によって行なわれたか否かを判定する(S514)。可動部302の移動の異常が検出されていない(S512でNO)と判定した場合、および、報知を停止させる操作が行なわれた(S514でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、可動部材321を第1位置に移動させるよう第2演出用モータ330を制御する(S515)。ここで、可動部材321を第2位置と第1位置との間で往復させるようにしてもよい。
このように、引張バネ323よりも力の強い第2演出用モータ330によって可動部材を移動させるので、より確実に、可動部材321を移動させることができる。これによって、ケーブル361が曲がった状態から伸ばされた状態とされることによってケーブル361および可動部材321の動きを慣らすことができる。
そして、演出制御用CPU120は、この可動部材321の移動において、異常が検出されたか否かを判定する(S516)。異常が検出された(S516でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、可動部材321の異常を報知する(S517)。報知は、演出表示装置5での表示およびスピーカ8L,8Rからの音声出力によって行なわれる。
次に、演出制御用CPU120は、報知を停止させる操作が遊技店の店員によって行なわれたか否かを判定する(S518)。可動部材321の移動の異常が検出されていない(S516でNO)と判定した場合、および、報知を停止させる操作が行なわれた(S518でYES)と判定した場合、演出制御用CPU120は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
[可動部駆動機構の変形例]
次に、可動部駆動機構の変形例について説明する。図34は、(A)〜(D)は可動部駆動機構の変形例1としての規制手段により規制状態へ変化する状況を示す説明図である。図35は、(A)〜(D)は可動部駆動機構の変形例2としての規制手段により規制状態へ変化する状況を示す説明図である。図36は、(A)〜(D)は可動部駆動機構の変形例3としての規制手段により規制状態へ変化する状況を示す説明図である。図37は、(A)は可動部駆動機構の変形例4としての規制部、(B)は可動部駆動機構の変形例5としての規制部を示す説明図である。
前記実施の形態では、駆動ギヤの一例としてピニオンギヤ331が適用され、従動ギヤの一例としてラックギヤ322が適用されていたが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、駆動ギヤと従動ギヤの種別は種々に変更可能である。
例えば、図34に示す変形例1のように、駆動ギヤG1及び従動ギヤG2の双方を回転ギヤとし、図34(A)〜(D)に示すように、駆動ギヤG1を第1作動方向へ回転させることで、複数の駆動歯のうち欠落部401に隣り合う駆動歯400の先端面402に従動歯410を当接させ、従動ギヤG2の第2方向への移動が規制される規制状態とすることができる。
このように、従動ギヤとして回転ギヤを適用してもよい。また、前記実施の形態では、隣接駆動歯としての駆動歯340Cに噛合する従動歯350Cの歯厚寸法L13が、他の従動歯350B,350Cの歯厚寸法L11,L12よりも長寸とされていたが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、隣接駆動歯としての駆動歯400に噛合する従動歯410の歯厚寸法L13が、他の従動歯の歯厚寸法L11,12よりも長寸とされていなくてもよい。
また、図35に示す変形例2のように、駆動ギヤG3をラックギヤ、従動ギヤG4を回転ギヤとし、図35(A)〜(D)に示すように、駆動ギヤG3を第1作動方向へ移動させることで、複数の駆動歯のうち欠落部401に隣り合う駆動歯400の先端面402に従動歯410が当接させ、従動ギヤG4の第2方向への移動を規制する規制状態とすることができる。このように、駆動ギヤとしてラックギヤを適用してもよい。
また、前記実施の形態では、規制部としての先端面342Cを有する隣接駆動歯としての駆動歯340Cの歯厚寸法L3は、他の駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸とされていたが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、駆動歯340Cの歯厚寸法L3は、他の駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸とされていなくてもよい。
具体的には、図36に示す変形例3のように、駆動ギヤG5を回転ギヤ、従動ギヤG6をラックギヤとし、図36(A)〜(D)に示すように、駆動ギヤG5を第1作動方向へ移動させることで、複数の駆動歯のうち欠落部401に隣り合う駆動歯400の先端面402に従動歯410が当接させ、従動ギヤG6の第2方向への移動が規制される規制状態とすることができる。このように、隣接駆動歯としての駆動歯400の先端面402の周方向の長さ寸法は、必ずしも他の駆動歯の先端面の周方向の長さ寸法よりも長寸とされなくてもよく、図36(D)に示すように、先端面402が歯先線Tを交差するようになれば、他の駆動歯の先端面の周方向の長さ寸法とほぼ同じまたは短寸であってもよい。
また、前記実施の形態では、規制部としての先端面342Cは、駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面とされていたが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、例えば、平坦面、球面あるいは凹状面等にて構成されていてもよい。また、図37(A)の変形例4に示すように、先端面の一部または先端面全域に、従動歯350Cが係止可能な係止凹部420等を形成することで、従動歯350Cが先端面342C上を滑っても、従動歯350Cの歯先が係止凹部420に係止されることで噛みやすくなるので、従動歯350Cが規制部としての先端面342C上を滑って規制状態に変化しにくくなることを抑制できる。
また、前記実施の形態では、規制部の一例として、欠落部341に隣接する駆動歯340Cの先端面342Cが適用されていたが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、規制部は駆動歯の先端面にて構成されるものに限定されるものではなく、図37(B)の変形例5に示すように、駆動歯340Cの先端面342Cと、該先端面342Cから欠落部341側へ延設された延設面430と、により構成される規制面としてもよい。すなわち、規制部は、駆動歯の先端面のみにより形成されるものだけでなく、先端面から欠落部側へ延設される延設面など、駆動歯として機能しない部位にて構成されていてもよい。
また、規制部を構成する先端面342C及び延設面430からなる規制面の作動方向の長さ寸法は、前記実施の形態や変形例に記載のものに限定されるものではなく、例えば、延設面430等の規制面が、欠落部341の長手方向に亘り延設されていてもよい。
また、前記実施の形態や変形例1〜4では、駆動ギヤは、隣接駆動歯の第1作動方向の後側に駆動歯が欠落した欠落部を有していたが、欠落部とは駆動歯が存在しない部分であり、例えば、扇状のギヤの円弧にのみ駆動歯が形成されているギヤや、隣接駆動歯が第1作動方向の後側の端部に形成されたラックギヤなども、欠落部を有していることになる。
また、従動ギヤにおいても、第1方向の後側に従動歯が欠落した欠落部を有していたが、例えば、扇状のギヤの円弧にのみ従動歯が形成されているギヤや、隣接駆動歯に噛合する従動歯が第1方向の後側の端部に形成されたラックギヤなども、欠落部を有していることになる。
また、前記実施の形態では、駆動ギヤと従動ギヤの種別として、ラックギヤとピニオンギヤを適用したが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、平歯車、かさ歯車及びはすば歯車等を適用してもよい。
また、前記実施の形態では、第2演出用モータ330の駆動軸330aに固着されたピニオンギヤ331が駆動ギヤとされ、可動部材321に一体化されたラックギヤ322が従動ギヤとされていたが、可動部駆動機構はこれに限定されるものではなく、駆動源により駆動する複数のギヤのうち互いに噛合する2つのギヤが駆動ギヤと従動ギヤとされていればよい。例えば、ピニオンギヤ331に直接または間接的に噛合するギヤを駆動ギヤとし、該駆動ギヤに噛合するギヤを従動ギヤとしてもよい。また、可動部材321は従動ギヤであるラックギヤ322に直接設けられていなくてもよく、例えば、可動部材321は、ラックギヤ322の動力を伝達する動力伝達機構の一部に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、回動部材320に対し可動部材321を第1位置と第2位置との間で移動させる駆動機構として、駆動ギヤと従動ギヤとを適用していたが、これに限定されるものではなく、例えば、可動部302を傾倒位置と起立位置との間で駆動させる駆動機構として、本発明の駆動ギヤと従動ギヤとを適用してもよいし、あるいは、他の可動演出ユニットの駆動機構として適用してもよい。また、このように演出用の可動部を駆動させる駆動機構に適用するものだけでなく、例えば、特別可変入賞球装置7の大入賞口用扉などを開閉させるための駆動機構等、遊技用可動部の駆動機構として適用してもよい。
[可動部材を用いた演出例]
次に、可動部材321を用いた演出例を説明する。図38は、バトルリーチ演出が実行されるときの演出表示装置5の表示画面図である。図39は、ストーリーリーチ演出が実行されるときの演出表示装置5の表示画面図である。
バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出は、演出制御用CPU120により実行される。バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出は、リーチ演出のうち、ノーマルリーチと呼ばれる通常のリーチ演出と比べて、大当り表示結果となるときに選択される割合が高く設定された複数種類の特別のリーチ演出(スーパーリーチ演出)のうちに含まれる特定のスーパーリーチ演出である。さらに、これらスーパーリーチ演出においては、大当り期待度が、たとえば、バトルリーチ演出<ストーリーリーチ演出という関係に設定されている。なお、バトルリーチ演出とストーリーリーチ演出との大当り期待度は、この逆の関係でもよい。
バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のそれぞれは、演出表示装置5の画像表示による演出表示と、可動部材321の演出動作とが組合せられた演出である。
図38に示すバトルリーチ演出を説明する。演出図柄の変動表示においては、「左」,「中」,「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄の変動表示が一斉に開始され、たとえば、「左」,「右」,「中」というような所定の停止順番に従って、演出図柄表示エリア5L,5R,5Cにおいて演出図柄の変動表示が順次停止されていき、最終的に全演出図柄表示エリアで演出図柄が停止して、表示結果が導出表示されたときに、変動表示が終了する。
演出図柄の変動表示が一斉に開始された後、図38(A)のように、「左」,「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rが停止した段階で、同一図柄が停止すると、リーチ状態となる。リーチ状態となるタイミングまでの変動表示は、ノーマルリーチとスーパーリーチとで異ならない、通常変動表示の演出態様で実行される。ノーマルリーチとスーパーリーチとでは、リーチ状態となった後の演出態様が異なる。
リーチ演出としてバトルリーチ演出が実行されるときには、図38(B)のように、「左」,「中」,「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける演出図柄が縮小された小図柄表示形式となって画面右上隅部に移動表示され、「バトルリーチ」という文字が示されたメッセージ画像53が画面中央部に表示される。これにより、バトルリーチ演出が実行されることが報知される。
バトルリーチ演出においては、図38(C)〜(E)に示すように、味方キャラクタ61(遊技者の味方側)と、敵キャラクタ62(遊技者の敵側)とが対戦(バトル)する動画像を表示する対戦演出(対戦時の効果音および対戦時の楽曲音の出力も含む演出)が実行される。
バトルリーチ演出において、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、図38(E)に示すように味方キャラクタ61が勝利する勝利演出画像表示がされ、さらに、図38(D),(E)に示すように勝利演出画像上に粒子エフェクト画像71を重畳表示する画像が表示され、かつ、可動部材321が起立位置に動作して、演出表示装置5の表示領域の前方に出現する勝利演出が実行される。
一方、バトルリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、味方キャラクタ61が敗北する画像表示をする敗北演出がされ、図38(D),(E)に示すような粒子エフェクト画像71および可動部材321を用いた演出が実行されない。
具体的に、対戦演出においては、図38(C)に示すように味方キャラクタ61および敵キャラクタ62が登場する表示がされた後、図38(D)に示すように、味方キャラクタ61と敵キャラクタ62とが対戦(バトル)する動画像が表示される。たとえば図38(D)では味方キャラクタ61が敵キャラクタ62を攻撃する場面が示されている。図38(D)に示すように、対戦演出において、味方キャラクタ61が攻撃する場面(勝利を示唆する場面)では、演出表示装置5の画面中央下部の領域で、演出効果表示としての粒子エフェクト画像71を出現させて、勝利演出表示に重畳表示する粒子エフェクト演出がされる。味方キャラクタ61が勝利する場合には、図38(E)に示すように、味方キャラクタ61が敵キャラクタ62を倒して味方キャラクタ61が勝利したことを特定可能な画像が表示される勝利演出が実行される。勝利演出においては、さらに、図38(E)に示すように、可動部材321が、起立位置に移動することにより、演出表示装置5の表示領域における中央部の領域に出現する可動体動作演出がされる。そして、出現した可動部材321は、発光させられる。
図38(E)に示すように、可動体動作演出により可動部材321が出現して起立位置に移動したときには、可動部材321の周囲で、重畳表示する粒子エフェクト画像71の出現表示数が増加して粒子エフェクト画像71の表示範囲が拡大するような表示態様を示す動画像が表示される。その動画像は、可動部材321の動作に基づく演出効果を高めるために粒子エフェクト画像71を用いて実行される演出であり、動作効果演出と呼ばれる。このような動作効果演出により、可動部材321の動作態様と、粒子エフェクト画像71の表示態様とが関連した演出が実行されることとなる。このような演出が実行されることにより、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出をすることができる。
そして、図38(F)のように、小図柄形式で表示されていた演出図柄において大当り表示結果(同一図柄停止)が導出表示され、「おめでとうございます」という文字が示されたメッセージ画像55が、リーチ状態の結果を示す演出であるリーチ結果演出として画面中央部に表示される。これにより、バトルリーチ演出に遊技者が勝利したこと(大当りとなったこと)が報知される。その後、図38(G)のように、小図柄形式で大当り表示結果が表示されていた演出図柄が、図39(A)のような元の大きさと元の位置に復帰して表示され、「大当り」という文字が示されたメッセージ画像74が演出図柄の下方に表示される停止図柄演出が行なわれる。
一方、バトルリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、前述した敗北演出が実行され、小図柄形式で表示されていた演出図柄においてはずれ表示結果が導出表示され、その演出図柄が、元の大きさと元の位置に復帰して表示されることとなる。
次に、図39に示すストーリーリーチ演出を説明する。演出図柄の変動表示が一斉に開始された後、図39(A)のように、「左」,「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rが停止してリーチ状態となった後、リーチ演出としてストーリーリーチ演出が実行されるときには、まず、図39(B)のように、「左」,「中」,「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける演出図柄が縮小された小図柄表示形式となって画面右上隅部に移動表示され、「ストーリー前半」という文字が示されたメッセージ画像54Aが画面中央部に表示される。これにより、ストーリーリーチ演出が実行されることが報知される。
ストーリーリーチ演出は、たとえば特定の物語のようなストーリー性がある動画像(ストーリー動画像)が表示される演出である。この例では、ストーリーリーチ演出が、前半部と後半部との2部構成とされている。ストーリーリーチ演出は、ストーリーが完結せずに途中で演出が終了してはずれ表示結果が導出表示される場合と、ストーリーが最後まで継続し演出が完結して大当り表示結果が導出表示される場合とがある。
なお、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、ストーリーリーチ演出が前半部で終了する演出が実行され、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、ストーリーリーチ演出が前半部から後半部に続き最後まで継続する演出が実行されるようにしてもよい。
また、ストーリーリーチ演出は、最後まで演出が実行された方が、前半部で演出が終了された場合よりも、大当りの期待度が高くなるように、演出が選択される設定がされてもよい。また、ストーリーリーチ演出は、前半部と後半部とに分かれていない1部構成であってもよい。
メッセージ画像54Aが表示された後、「ストーリー前半」に対応するストーリーに従って展開される動画像が表示される。「ストーリー前半」が終了し、「ストーリー後半」が続いて実行されるときに、図39(C)のように、「ストーリー後半」という文字が示されたメッセージ画像54Bが画面中央部に表示される。これにより、ストーリーリーチ演出が継続して実行されることが報知される。なお、ストーリーリーチ演出においては、メッセージ画像54A,54Bのようなストーリーリーチ演出であることを報知する画像は表示されなくてもよい。
メッセージ画像54Bが表示された後、「ストーリー後半」に対応するストーリーに従って展開される動画像が表示される。ストーリーリーチ演出において、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、ストーリーが完結したことが特定可能な画像表示として、図39(D)に示すような黒画像72上に炎エフェクト画像73を重畳表示する画像が表示され、かつ、図39(E)に示すように、可動部材321が起立位置に動作して、演出表示装置5の表示領域の前方に出現するストーリー完結演出が実行される。
一方、ストーリーリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、ストーリーが完結しないことが特定可能なストーリー未完結演出がされ、図39(D),(E)に示すような黒画像72、炎エフェクト画像73、および、可動部材321を用いた演出が実行されない。
具体的に、ストーリー完結演出においては、図39(D)に示すように、演出表示装置5の表示領域全体を黒色の黒画像72に変化させ、演出表示装置5の画面中央下部の領域で、演出効果表示としての炎エフェクト画像73を出現させて、黒画像72に重畳表示する演出がされる。ストーリー完結演出においては、さらに、図39(E)に示すように、可動部材321が、起立位置に移動することにより、演出表示装置5の表示領域における中央部の領域に出現する可動体動作演出がされる。そして、出現した可動部材321は、発光させられる。
図39(E)に示すように、可動体動作演出により可動部材321が出現して起立位置に移動したときには、可動部材321の周囲で、重畳表示する炎エフェクト画像73の炎が大きくなって炎エフェクト画像73の表示範囲が拡大するような表示態様を示す動画像が表示される。その動画像は、可動部材321の動作に基づく演出効果を高めるために炎エフェクト画像73を用いて実行される演出であり、図38の場合と同様に、動作効果演出と呼ばれる。このような動作効果演出により、可動部材321の動作態様と、炎エフェクト画像73の表示態様とが関連した演出が実行されることとなる。このような演出が実行されることにより、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出をすることができる。
そして、図39(F)のように、小図柄形式で表示されていた演出図柄において大当り表示結果(同一図柄停止)が導出表示され、「おめでとうございます」という文字が示されたメッセージ画像55が、リーチ状態の結果を示す演出であるリーチ結果演出として画面中央部に表示される。これにより、ストーリーリーチ演出が完結したことが報知される。その後、図39(G)のように、小図柄形式で大当り表示結果が表示されていた演出図柄が、図39(A)のような元の大きさと元の位置に復帰して表示され、「大当り」という文字が示されたメッセージ画像74が演出図柄の下方に表示される停止図柄演出が行なわれる。
ストーリーリーチ演出においては、バトルリーチ演出と同様にエフェクト画像を表示するが、バトルリーチ演出とは異なり、演出表示装置5の表示領域全体を黒画像とし、その黒画像上にエフェクト画像を重畳表示することにより、エフェクト画像をより一層強調して表示することができ、バトルリーチ演出よりも演出効果が高い画像表示を実行することができる。これにより、バトルリーチ演出よりも大当りへの期待度が高く設定されたストーリーリーチ演出の貴重感(プレミア感)を高めることができる。
一方、ストーリーリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、前述したストーリー未完結演出が実行され、小図柄形式で表示されていた演出図柄においてはずれ表示結果が導出表示され、その演出図柄が、元の大きさと元の位置に復帰して表示されることとなる。
なお、可動部材321は、円盤状の部分が、演出制御用CPU120により駆動制御されるモータ等の駆動手段により回転動作させることが可能に構成されてもよい。そのように可動部材321の円盤状の部分を回転制御可能な構成とする場合には、図38(E)または図39(E)のように、可動部材321が起立位置に動作して演出表示装置5の表示領域の前方に、出現するとき、または、出現したときに、円盤状の部分を回転させる制御をしてもよい。その場合には、可動部材321の回転動作に合せて、図38(E)の粒子エフェクト画像71および図39(E)の炎エフェクト画像73のようなエフェクト画像を動作させる画像を演出表示装置5において表示する演出制御を実行してもよい。そのようにすれば、可動部材321とエフェクト画像とを用いたことにより得られる演出効果をより高めることができる。
また、可動部材321は、回転動作に限らず、その構成部材の一部または全部が、演出制御用CPU120により駆動制御されるソレノイド等の駆動手段により、開閉または収縮する等の変形動作をする構成の可動部材としてもよく、そのような構成とする場合には、特定の演出場面において、演出表示装置5の表示領域の前に位置した可動部材の変形動作に合せて、演出表示装置5に表示するエフェクト画像を動作させる画像を表示する演出制御を実行してもよい。
次に、バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のような特定のスーパーリーチ演出におけるエフェクト演出と可動体演出との制御例をタイミングチャートを用いて説明する。
図40は、特定のスーパーリーチ演出におけるエフェクト演出と可動体演出との制御例を示すタイミングチャートである。図40(A)には、図38に示すようなバトルリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例が示されている。図40(B)には、図39に示すようなストーリーリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例が示されている。
まず、図40(A)を参照して、演出制御用CPU120により実行されるバトルリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例を説明する。バトルリーチ演出が実行されるときには、演出図柄(特別図柄)の変動表示の開始時からリーチ状態の発生時までの間に、図38(A)に示すような通常変動表示の演出態様で演出図柄の変動表示が演出表示装置5において実行される。
演出表示装置5においては、リーチ状態が発生すると、図38(B),(C)に示すように、メッセージ画像53が表示されるとともに、バトルリーチ演出に対応する対戦演出等の動画像が表示される。演出表示装置5において図38(D),(E)に示すような、対戦演出の画像表示から勝利演出の画像表示に変化するタイミングは、バトルリーチ演出に関する映像の第1回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなバトルリーチ演出に関する第1回目の映像の変化の節目となるタイミング(第1映像変化節目)においては、図38(D),(E)に示すような対戦演出画像上に粒子エフェクト画像71を重畳表示する画像を演出表示装置5において表示する粒子エフェクト演出と、可動部材321を動作させる可動体動作演出とが連携する態様で実行される。
演出表示装置5において図38(E),(F)に示すような、可動部材321が起立位置に移動するとともに、勝利演出の画像表示からリーチ結果演出の画像表示に変化するタイミングは、バトルリーチ演出に関する映像の第2回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなバトルリーチ演出に関する第2回目の映像の変化の節目となるタイミング(第2映像変化節目)においては、図38(E)に示すような勝利演出の画像上に粒子エフェクト画像71を重畳表示する画像等の動作効果演出が演出表示装置5において実行される。
そして、動作効果演出および可動体動作演出が終了すると、演出表示装置5において図38(F)に示すようなリーチ結果演出の画像表示が実行されることにより、リーチ結果が報知される。その後、リーチ結果演出が終了すると、演出表示装置5において図38(G)に示すような停止図柄演出が実行されることにより、演出図柄の停止図柄が確定する表示が行なわれるとともに、変動表示が終了する。
このように、バトルリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、黒画像72上に粒子エフェクト画像71を重畳表示するような演出効果表示が実行される。さらに、バトルリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、可動部材321のような可動体演出と演出効果表示とを連携させた演出が実行される。
次に、図40(B)を参照して、演出制御用CPU120により実行されるストーリーリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例を説明する。ストーリーリーチ演出が実行されるときには、演出図柄(特別図柄)の変動表示の開始時からリーチ状態の発生時までの間に、図39(A)に示すような通常変動表示の演出態様で演出図柄の変動表示が演出表示装置5において実行される。
演出表示装置5においては、リーチ状態が発生すると、図39(B),(C)に示すように、メッセージ画像54A,54Bが表示されるとともに、ストーリーリーチ演出に対応するストーリー動画像等の動画像が表示される。演出表示装置5において図39(D),(E)に示すような、ストーリー演出の画像表示からストーリー完結演出の画像表示に変化するタイミングは、ストーリーリーチ演出に関する映像の第1回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなストーリーリーチ演出に関する第1回目の映像の変化の節目となるタイミング(第1映像変化節目)においては、図39(D),(E)に示すような黒画像72上に炎エフェクト画像73を重畳表示する画像を演出表示装置5において表示する炎エフェクト演出と、可動部材321を動作させる可動体動作演出とが連携する態様で実行される。
演出表示装置5において図39(E),(F)に示すような、可動部材321が起立位置に移動するとともに、ストーリー完結演出の画像表示からリーチ結果演出の画像表示に変化するタイミングは、ストーリーリーチ演出に関する映像の第2回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなストーリーリーチ演出に関する第2回目の映像の変化の節目となるタイミング(第2映像変化節目)においては、図39(E)に示すような黒画像72上に炎エフェクト画像73を重畳表示する画像等の動作効果演出が演出表示装置5において実行される。
そして、動作効果演出および可動体動作演出が終了すると、演出表示装置5において図39(F)に示すようなリーチ結果演出の画像表示が実行されることにより、リーチ結果が報知される。その後、リーチ結果演出が終了すると、演出表示装置5において図39(G)に示すような停止図柄演出が実行されることにより、演出図柄の停止図柄が確定する表示が行なわれるとともに、変動表示が終了する。
このように、ストーリーリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、黒画像72上に炎エフェクト画像73を重畳表示するような演出効果表示が実行される。さらに、ストーリーリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、可動部材321のような可動体演出と演出効果表示とを連携させた演出が実行される。
図38,図40(A)に示すバトルリーチ演出、および、図39,図40(B)に示すストーリーリーチ演出は、具体的に、演出制御用CPU120において、次のような処理が実行されることにより実現される。
変動パターンコマンド(変動パターン指定コマンド)として、スーパーリーチの変動パターンコマンドのうち、バトルリーチ演出を実行する種類のスーパーリーチの変動パターンが指定された変動パターンコマンドが演出制御基板12において受信されると、演出制御用CPU120は、演出図柄変動開始処理(S74)において、図38および図40(A)に示すような、バトルリーチ演出をする演出表示装置5の画像表示制御および可動部材321の動作制御を行なうための演出制御データ(プロセスデータ等)を、予め記憶された複数種類の演出制御データから選択して、RAM122に設定(記憶)する。バトルリーチ演出は、変動表示結果が大当り表示結果となるときと、はずれ表示結果となるときとで一部が異なるため、変動表示結果が特定可能な変動パターンコマンドまたは表示結果指定コマンドを受信したときに、演出制御用CPU120が、受信したコマンド内容を解析することにより、変動表示結果を認識し、変動表示結果に応じた演出制御データを選択する。そして、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示を開始し、演出図柄変動中処理(S75)において、バトルリーチ演出を実行するために設定した演出制御データを用いて、可動体演出処理および演出効果表示処理等を実行することにより、演出表示装置5の画像表示制御および可動部材321の動作制御を行ない、図38および図40(A)に示すようなバトルリーチ演出を実行する。
変動パターンコマンド(変動パターン指定コマンド)として、スーパーリーチの変動パターンコマンドのうち、ストーリーリーチ演出を実行する種類のスーパーリーチの変動パターンが指定された変動パターンコマンドが演出制御基板12において受信されると、演出制御用CPU120は、演出図柄変動開始処理(S74)において、図39および図40(B)に示すような、ストーリーリーチ演出をする演出表示装置5の画像表示制御および可動部材321の動作制御を行なうための演出制御データ(プロセスデータ等)を、予め記憶された複数種類の演出制御データから選択して、RAM122に設定(記憶)する。ストーリーリーチ演出は、変動表示結果が大当り表示結果となるときと、はずれ表示結果となるときとで一部が異なるため、変動表示結果が特定可能な変動パターンコマンドまたは表示結果指定コマンドを受信したときに、演出制御用CPU120が、受信したコマンド内容を解析することにより、変動表示結果を認識し、変動表示結果に応じた演出制御データを選択する。そして、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示を開始し、演出図柄変動中処理(S75)において、ストーリーリーチ演出を実行するために設定した演出制御データを用いて、可動体演出処理および演出効果表示処理等を実行することにより、演出表示装置5の画像表示制御および可動部材321の動作制御を行ない、図39および図40(B)に示すようなストーリーリーチ演出を実行する。
図38および図40(A)に示すバトルリーチ演出と、図39および図40(B)に示すストーリーリーチ演出とのように、複数種類の演出表示において、可動体演出が実行可能であるときに、いずれの種類の演出表示が行なわれるかに応じて、エフェクト画像を黒画像上に重畳表示する態様の演出効果表示と、エフェクト画像を演出画像上に重畳表示する態様の演出効果表示というような、異なる態様の演出効果表示が表示可能であるので、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出効果を高めることができる。
また、図38(E)および図40(A)に示すように、可動部材321のような可動体を動作させる可動体演出が実行されるバトルリーチ演出のような特定種類の演出表示が実行されるときに、図38(D),(E)の粒子エフェクト画像71のような特定態様の演出効果表示を、勝利演出画像の表示のような特定種類の演出表示に重畳表示する演出が実行可能であるので、可動体演出が実行される特定種類の演出表示と演出表示装置5のような表示手段での演出効果表示とを連携させることが可能となり、特定種類の演出表示による可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出効果をより一層高めることができる。
また、図39(E)および図40(B)に示すように、可動部材321のような可動体を動作させる可動体演出が実行されるストーリーリーチ演出のような特定種類の演出表示が実行されるときに、図39(D),(E)の炎エフェクト画像73のような特定態様の演出効果表示を、黒画像72のような演出表示装置5の全表示領域で表示された所定画像に重畳表示する演出が実行可能であるので、可動体演出が実行される所定種類の所定演出と演出表示装置5のような表示手段での演出効果表示とを連携させることが可能となることに加えて、可動体演出を強調して遊技の興趣を向上させることができる。
なお、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出は、スーパーリーチ以外のリーチ演出において実行してもよく、リーチ演出以外の演出において実行してもよい。
また、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出は、演出に関する映像の変化の節目となるタイミングで実行する例を示したが、これに限らず、演出の実行開始時から所定時間経過後のタイミング等の演出に関する映像の変化の節目となるタイミング以外のタイミングで実行するようにしてもよい。
また、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出における演出効果表示として、粒子エフェクト画像と、炎エフェクト画像とを一例として説明したが、これに限らず、当該演出効果表示としては、光が放射する態様のエフェクト画像等のその他の種類の演出効果表示を用いてもよい。
また、図38および図39に示すように、バトルリーチ演出とストーリーリーチ演出との2種類の演出表示のうち、いずれの演出表示が行なわれるかに応じて、異なる態様の演出効果表示を表示可能とした例を示したが、これに限らず、3種類以上の複数種類の演出表示のうち、いずれの演出表示が行なわれるかに応じて、異なる態様の演出効果表示を表示可能としてもよい。
また、図38および図39に示すように、バトルリーチ演出とストーリーリーチ演出とのような複数の演出表示のうち、いずれの演出表示が行なわれるかに応じて、異なる態様の演出効果表示を表示可能とするときに、黒画像72を表示するか否かにより演出効果表示の態様を異ならせた例を示した。しかし、これに限らず、演出効果表示の態様を異ならせる例としては、どの種類の演出表示も黒画像を表示するが、エフェクト画像のような演出効果表示の種類が異なるようにしてもよい。その場合における演出効果表示の種類が異なるとは、演出効果表示の画像の形状、色、表示範囲、輝度等の演出効果表示の構成要素のいずれかが異なるものであればよい。
また、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出としては、図38および図39に示すような演出効果表示の画像を先に表示した後に可動体を動作させる演出に限らず、演出効果表示の画像表示と可動体の動作とを同じタイミングで実行する演出を用いてもよく、可動体を先に動作させた後に演出効果表示の画像を表示する演出を用いてもよい。
また、前述したストーリーリーチ演出のように黒画像72を用いる演出としては、演出表示装置5の表示領域全体に黒画像72を表示する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、エフェクト画像を表示する領域等の演出表示装置5における一部の表示領域に黒画像72を表示する制御をしてもよい。
また、前述した可動部材のような可動体とエフェクト画像のような演出効果表示とを連携させる演出として、演出表示の状況が異なる複数種類の演出表示がされるときのそれぞれにおいて可動体を動作させる演出をする場合には、可動体を動作させる演出表示の状況に応じて、異なる種類の演出効果表示としてのエフェクト画像表示を可動体の動作に連係させて表示する演出を実行するようにしてもよい。たとえば、次のような演出表示の状況において、異なる種類のエフェクト画像表示を実行するようにしてもよい。(a)演出図柄の変動表示中においてリーチ状態となる前に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(b)擬似連における仮停止時に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(c)ノーマルリーチの実行中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(d)スーパーリーチの演出の実行中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(e)演出内容が発展する発展演出形式のスーパーリーチの実行中における演出の発展時に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(f)大当り表示結果となったことを報知した後に再度抽選演出(たとえば、確変大当りとするか非確変大当りとするかを抽選する演出等)をするときに、可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(g)大当り遊技状態の演出中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(h)遊技が行なわれていないときに実行される客待ちデモ表示中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。なお、前述したような複数種類の演出表示の状況において実行するエフェクト画像表示のうち、少なくとも2つが異なっていればよい。
[可動部材を用いたその他の演出例]
次に、可動部材321のような可動体を用いたその他の演出例を説明する。以下に説明する演出は、演出制御用CPU120により実行される。図41は、特定のスーパーリーチ演出におけるエフェクト演出と可動体合体動作演出との制御例を示すタイミングチャートである。
前述した可動部材321のような可動体としては、複数の可動部材を含み、通常状態において分離状態にあり、特定状態において合体状態に動作する制御を行なうことが可能な合体可能可動部材を用いてもよい。合体可能可動部材は、複数の可動部材が複数の可動部材のそれぞれに対応して設けられた駆動手段(モータ、ソレノイド等)により連動させられるものであってもよく、複数の可動部材が1つの駆動手段(モータ、ソレノイド等)により連動させられるものであってもよい。
図41の制御例については、図40の制御例と重複した説明を省略し、図40の制御例と異なる部分を主に説明する。図41(A)には、図38に示すようなバトルリーチ演出でのエフェクト演出と可動体合体演出との制御例が示されている。図40(B)には、図39に示すようなストーリーリーチ演出でのエフェクト演出と可動体合体演出との制御例が示されている。
図41の制御例が図40の制御例と異なるのは、図40の可動体動作演出の代わりに、可動体合体動作演出が実行されることである。
図41(A)に示すバトルリーチ演出では、図38のようなバトル演出での図38(E)に示す可動部材321による可動体動作演出の代わりに、合体可能可動部材が分離状態から合体状態に動作する可動体合体演出が実行される。
図41(B)に示すストーリーリーチ演出では、図39のようなストーリーリーチ演出での図39(E)に示す可動部材321による可動体動作演出の代わりに、合体可能可動部材が分離状態から合体状態に動作する可動体合体演出が実行される。
また、図41(B)に示すストーリーリーチ演出では、図39(C)の「ストーリー後半」のメッセージ画像54Bが表示された後に実行されるストーリーリーチ演出の後半部の終了直前に、たとえば、演出表示装置5の特定の表示領域において、「ボタンを押せ」等のプッシュボタン31Bの操作を促進する操作促進表示を行なう操作促進演出が実行される。そして操作促進演出の開始時から所定期間内に遊技者によりプッシュボタン31Bが操作されたとき、または、当該所定期間内に当該操作がされずに所定期間が経過したときに、前述した可動体合体演出が実行される。
なお、このような操作促進演出に応じて可動体合体演出を実行する制御は、図41(A)のバトルリーチ演出におけるバトルリーチ画像表示の終了直前に実行させてもよい。このように、操作促進演出に応じて可動体合体演出を実行する制御は、特定のスーパーリーチ演出における第1映像変化節目で実行されてもよい。また、操作促進演出に応じて可動体合体演出を実行する制御は、特定のスーパーリーチ演出における第2映像変化節目等のその他の映像変化節目で実行されてもよい。また、操作手段の操作に応じて可動体合体演出を実行させるときの操作手段としては、プッシュボタン31B以外に、たとえば、スティックコントローラ31A等の他の操作手段が用いられてもよい。また、操作手段に限らず、モーションセンサ等の遊技者の動作を検出する検出手段により遊技者の特定の動作が検出されたことに応じて、可動体合体演出を実行させるようにしてもよい。つまり、遊技者の動作に応じて可動体合体演出を実行する演出制御であれば、どのような演出制御が実行されてもよい。
また、このような操作促進演出に応じて可動体合体演出を実行する制御は、実行されなくてもよい。このような操作促進演出に応じて可動体合体演出を実行する制御は、演出制御用CPU120が実行する所定の抽選処理により所定割合で実行するか否かを選択し、実行することが選択されたときに実行するようにしてもよい。
以上に説明したような合体可能可動部材を用いた可動体合体演出を実行する場合には、前述した可動部材321を用いた可動体合体演出を実行する場合と同様の効果を得ることができ、さらに、合体動作により演出の面白みを向上させることができる。
[保留表示等変化演出]
次に、保留表示およびアクティブ表示の表示態様を変化させることが可能な保留表示等変化演出について説明する。保留表示等変化演出は、演出制御用CPU120により実行される。保留表示等変化演出としては、保留記憶情報に基づいて保留表示とアクティブ表示とを実行し、対象となる保留記憶情報に対応する保留表示期間および変動表示期間の期間中における複数のタイミング(たとえば、保留表示中とアクティブ表示中との複数のタイミング)のうちのいずれかのタイミングで保留等変化演出を実行させる場合において、変化対象の表示の種別が、通常表示態様とは異なる第1特定表示態様と第2特定表示態様とのいずれであるかに応じて、表示態様変化を実行するタイミングの選択割合が異なる例を説明する。
保留表示等変化演出においては、新たに保留記憶情報が発生したときに、保留表示およびアクティブ表示の画像として、通常表示態様と、第1特定表示態様と、第2特定表示態様との3つのうちいずれかの表示態様の画像が選択され、選択された画像が表示される。たとえば、通常表示態様としては一般的な「球体(円形)」の形状の表示態様、第1特定表示態様としては「文字」を用いたアイコン形状の表示態様(文字アイコンとも呼ぶ)、第2特定表示態様としては、「人型キャラクタ」よりなる「キャラクタ」を用いたアイコン形状の表示態様(キャラクタアイコンとも呼ぶ)である。
保留表示等変化演出では、新たに保留記憶情報が発生したときに、所定の保留表示選択テーブルを用いて、出現させる保留表示として、通常表示態様の画像と、第1特定表示態様の画像と、第2特定表示態様の画像とのいずかが選択される。たとえば、第1特定表示態様、および、第2特定表示態様は、はずれとなるときよりも大当りとなるときに選択される割合が高く設定されている。
図42は、文字アイコン選択テーブルおよびキャラクタアイコン選択テーブルを示す図である。図42(A)に文字アイコン選択テーブルが示され、図42(B)にキャラクタ選択テーブルが示されている。
保留表示等変化演出では、通常表示態様の画像は、前述したような画像の色が選択可能であり、かつ、保留等変化演出により画像の色が変化可能である。そして、図42(A)のように、第1特定表示態様は、通常表示態様の画像は、前述したような複数色のうちから画像の色が選択可能であり、かつ、保留等変化演出により画像の色が変化可能である。
出現させる保留表示として第1特定表示態様が選択されたときには、図42(A)に示すように、出現時表示に「注意」という文字が示された文字アイコン(注意表示)が表示された後、文字アイコンが、第1変化表示として「好機」という文字が示された文字アイコン(好機表示)、または、第2変化表示として「激熱」という文字が示された文字アイコン(激熱表示)に変化可能である。対応する保留記憶情報に基づく変動表示の結果が大当り表示結果となる期待度は、注意表示<好機表示<激熱表示という関係が設定されている。
出現させる保留表示として第2特定表示態様が選択されたときには、図42(B)に示すように、出現時表示に「1匹」の動物キャラクタが示されたキャラクタアイコン(1匹表示)が表示された後、キャラクタアイコンが、第1変化表示として「2匹」の動物キャラクタが示されたキャラクタアイコン(2匹表示)、または、第2変化表示として「3匹」の動物キャラクタが示されたキャラクタアイコン(3匹表示)に変化可能である。対応する保留記憶情報に基づく変動表示の結果が大当り表示結果となる期待度は、1匹表示<2匹表示<3匹表示という関係が設定されている。
図43は、保留表示が文字アイコンまたはキャラクタアイコンのようなアイコン形状の表示態様に決定されたときにおいて、表示態様変化演出実行タイミング選択処理、表示態様変化演出種類選択処理、および、変化態様選択処理を実行するアイコン演出設定処理に用いられる各種データテーブルである。
図43(A)は、保留表示が文字アイコンの表示態様に決定されたときに用いる文字保留表示時変化演出タイミング選択テーブルである。図43(B)は、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様に決定されたときに用いるキャラクタ保留表示時変化演出タイミング選択テーブルである。図43(A),(B)では、保留表示中とアクティブ表示中という2種類の表示態様変化演出タイミングに、表示態様変化演出タイミング決定用の乱数値MR10が割振られている。
図43(A),(B)では、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときは、動物キャラクタアイコンの表示態様であるときと比べて、保留表示中の方がアクティブ表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高い。一方、保留表示が動物キャラクタアイコンの表示態様であるときは、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときと比べて、アクティブ表示中の方が保留表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高い。これにより、表示態様変化演出の変化対象の表示種別(例えば、文字アイコン、動物キャラクタアイコンという表示種別)および表示態様変化のタイミング(例えば、保留表示中、アクティブ表示中というタイミング)に遊技者を注目させることができ、保留表示の態様を変化させる演出について遊技の興趣を向上させることができる。
また、文字アイコンの表示、および、動物キャラクタアイコンの表示については、後述する図43(E)〜(L)のように、表示態様変化演出実行後に、実際に表示態様が変化する割合が、保留表示中とアクティブ表示中とで等しい。したがって、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときは、動物キャラクタアイコンの表示態様であるときと比べて、保留表示中の方がアクティブ表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高く、保留表示が動物キャラクタアイコンの表示態様であるときは、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときと比べて、アクティブ表示中の方が保留表示よりも表示態様変化演出が実行される割合が高いことに基づけば、保留表示が文字アイコン表示と、動物キャラクタアイコンの表示とのいずれで表示されるかに応じて、保留表示中とアクティブ表示中とで、アイコンの表示態様が変化する頻度が異なるので、保留表示中とアクティブ表示中とのいずれで表示態様を変化させるかを選択する割合が異なる。これにより、アイコン形状で表示された保留表示の表示態様の変化とアクティブ表示の表示態様変化とについて、変化対象の表示の種別および表示態様変化のタイミングに遊技者を注目させることができ、表示態様の変化について遊技の興趣を向上させることができる。
図43(C)は、保留表示が文字アイコンの表示態様に決定されたときに用いる文字保留変化演出種類選択テーブルである。文字アイコンによる保留表示が実行されるときの変化演出の種類としては、青色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第1変化演出と、赤色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第2変化演出とが、表示態様変化演出種類選択用の乱数値MR11の割振りにより選択可能に設けられている。
図43(D)は、保留表示が動物キャラクタアイコンの表示態様に決定されたときに用いる動物キャラクタ保留変化演出種類選択テーブルである。動物キャラクタアイコンによる保留表示が実行されるときの表示態様変化演出の種類としては、青色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第3変化演出と、赤色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第4変化演出とが、表示態様変化演出種類選択用の乱数値MR11の割振りにより選択可能に設けられている。
図43(E)〜(H)は、文字アイコンによる保留表示の変化演出について、図43(A)および図43(B)のデータテーブルにより選択決定された表示態様変化演出タイミングと表示態様変化演出種類との組合せ別に、アイコン表示の変化態様を選択決定するときに用いる変化選択テーブルである。
保留表示中に第1変化演出が実行される決定がされたときには、図43(E)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第1変化演出が実行される決定がされたときには、図43(F)のテーブルが用いられる。保留表示中に第2変化演出が実行される決定がされたときには、図43(G)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第2変化演出が実行される決定がされたときには、図43(H)のテーブルが用いられる。保留表示中に第3変化演出が実行される決定がされたときには、図43(I)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第3変化演出が実行される決定がされたときには、図43(J)のテーブルが用いられる。保留表示中に第4変化演出が実行される決定がされたときには、図43(K)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第4変化演出が実行される決定がされたときには、図43(L)のテーブルが用いられる。
これら変化選択テーブルでは、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときと、ハズレ表示結果となるときに分けて「変化なし」と「好機」表示と「激熱」表示とに、変化態様選択用の乱数値MR12が、異なる選択割合で割振られている。
図43(E)〜(H)において、「変化なし」は、文字アイコンが変化しない態様を示し、「好機」表示は、文字アイコンが「好機」という文字のアイコンに変化する態様を示し、「激熱」表示は、文字アイコンが「激熱」という文字のアイコンに変化することを示す。
図43(E)〜(H)では、変化選択用の乱数値MR12が、大当り表示結果となるときに「変化なし<好機+激熱(変化あり)」、ハズレ表示結果となるときに「変化なし>好機+激熱(変化あり)」という関係の選択割合で割振られている。また、図43(E)〜(H)では、大当り表示結果となるときに「好機<激熱」、ハズレ表示結果となるときに「好機>激熱」という関係の選択割合で乱数値MR12が割振られている。これにより、文字アイコンが変化したときは、文字アイコンが変化しないときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。また、文字アイコンが「激熱」に変化したときは、文字アイコンが「好機」に変化したときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。
文字アイコン表示については、図43(A),(B)のように、アクティブ表示中に保留表示中と比べて文字アイコンの表示態様変化が選択される割合が低いが、大当り表示結果となるときに、アクティブ表示中に保留表示中と比べて、「好機」表示よりも大当りとなる期待度のレベルが高い「激熱」表示となる表示態様変化が選択される割合が高い。これにより、表示態様変化対象の表示種別と、選択される変化タイミングとより、アイコン表示の表示態様変化の態様に遊技者をより一層注目させることができる。
図43(I)〜(L)は、動物キャラクタアイコンによる保留表示の表示態様変化演出について、図43(A)および図43(B)のデータテーブルにより選択決定された表示態様変化演出タイミングと表示態様変化演出種類との組合せ別に、アイコン表示の変化態様を選択決定するときに用いる変化選択テーブルである。これら演出選択テーブルでは、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときと、ハズレ表示結果となるときに分けて、「変化なし」と「2匹」表示と「3匹」表示とに、変化選択用の乱数値MR12が、異なる選択割合で割振られている。
図43(I)〜(L)において、「変化なし」は、動物キャラクタアイコンが変化しない態様を示し、「2匹」表示は、動物キャラクタアイコンが「2匹」のアイコンに変化する態様を示し、「3匹」表示は、動物キャラクタが「3匹」のアイコンに変化することを示す。
図43(I)〜(L)では、大当り表示結果となるときに「2匹<3匹」、ハズレ表示結果となるときに「2匹>3匹」という関係の選択割合で乱数値MR12が割振られている。これにより、動物キャラクタアイコンが変化したときは、動物キャラクタアイコンが変化しないときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。また、動物キャラクタアイコンが「3匹」に変化したときは、動物キャラクタアイコンが「2匹」に変化したときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。
動物キャラクタアイコン表示については、図43(B),(C)のように、保留表示中にアクティブ表示中と比べて動物キャラクタアイコンの表示態様変化が選択される割合が低いが、大当り表示結果となるときに、保留表示中にアクティブ表示中と比べて、「2匹」表示よりも大当りとなる期待度のレベルが高い「3匹」表示となる表示態様変化が選択される割合が高い。これにより、保留表示とアクティブ表示とついて、表示態様変化対象の表示種別と、選択される変化タイミングとより、アイコン表示の表示態様変化の態様に遊技者をより一層注目させることができる。
[ラウンド実行中の可動体動作演出]
前述したように、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしても良い。具体的には、特図ゲームにおける確定特別図柄として通常大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、100%の割合で通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示され、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、第1の割合(例えば60%)で確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示され、第2の割合(例えば40%)で通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されるように構成する。
このような構成において、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が停止表示される場合に、大当り遊技状態終了後に確変制御が行われるか否かを示唆する演出を、大当り表示処理(S77)、大当り遊技中処理(S78)、あるいは大当り終了演出処理(S79)等において実行する。本実施形態では、大当り遊技中処理(S78)において、所定のラウンド(例えば5回目のラウンド)が実行されているときに、当該大当り遊技状態終了後に確変制御が行われるか否かを示唆するラウンド中示唆演出を実行するものとする。この所定のラウンドは、大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い通常開放ラウンドであるものとする。
このラウンド中示唆演出では、図45(b)及び(d)に示すように、黒画像1001上に炎エフェクト画像1010又は雷エフェクト画像1020を重畳表示するエフェクト演出、及び、可動部材321を動作させる可動体動作演出が連携する態様で実行され、その後に、図45(f)〜(h)に示すように、キャラクタ1060がハンマー1061で岩1062を割るアクションを行い、その結果、岩1062が割れるか否かにより、当該大当り遊技状態終了後に確変制御が行われるか否かを報知するチャレンジ演出が実行される、という演出構成となっている。
ラウンド中示唆演出では、図44に示すように、A1〜A3、B1〜B2のいずれかの演出パターンにより、エフェクト演出及び可動体動作演出が連携する態様で実行される。エフェクト演出として、図45(b)に示すように、黒画像1001上に炎エフェクト画像1010を重畳表示するものを炎エフェクト演出と称し、図45(d)に示すように、黒画像1001上に雷エフェクト画像1020を重畳表示するものを雷エフェクト演出と称する。
大当り種別が確変大当りである場合、即ち、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示されている場合には、チャレンジ演出において確変制御を報知する成功態様となり(図45(g))、当該大当り遊技状態終了後に確変制御されることが報知される。大当り種別が非確変大当りである場合、即ち、特図ゲームにおける確定特別図柄として通常大当り図柄が停止表示されている場合には、チャレンジ演出において確変制御を報知しない失敗態様となり(図45(h))、当該大当り遊技状態終了後に確変制御されない(低確状態となる)ことが報知される。
演出パターンA1は、1回目の可動体動作演出を実行すると共に1回目のエフェクト演出として炎エフェクト演出を実行し、2回目の可動体動作演出及び2回目のエフェクト演出は実行することなく、チャレンジ演出に移行する演出パターンである。演出制御用CPU120は、大当り種別が確変大当りである場合には2%の割合で演出パターンA1を選択し、大当り種別が非確変大当りである場合には50%の割合で演出パターンA1を選択する。
演出パターンA2は、1回目の可動体動作演出を実行すると共に1回目のエフェクト演出として炎エフェクト演出を実行し、2回目の可動体動作演出を実行すると共に2回目のエフェクト演出として炎エフェクト演出を実行した後、チャレンジ演出に移行する演出パターンである。演出制御用CPU120は、大当り種別が確変大当りである場合には8%の割合で演出パターンA2を選択し、大当り種別が非確変大当りである場合には25%の割合で演出パターンA2を選択する。
演出パターンA3は、1回目の可動体動作演出を実行すると共に1回目のエフェクト演出として炎エフェクト演出を実行し、2回目の可動体動作演出を実行すると共に2回目のエフェクト演出として雷エフェクト演出を実行した後、チャレンジ演出に移行する演出パターンである。演出制御用CPU120は、大当り種別が確変大当りである場合には25%の割合で演出パターンA3を選択し、大当り種別が非確変大当りである場合には1%の割合で演出パターンA3を選択する。
演出パターンB1は、1回目の可動体動作演出を実行すると共に1回目のエフェクト演出として雷エフェクト演出を実行し、2回目の可動体動作演出及び2回目のエフェクト演出は実行することなく、チャレンジ演出に移行する演出パターンである。演出制御用CPU120は、大当り種別が確変大当りである場合には25%の割合で演出パターンB1を選択し、大当り種別が非確変大当りである場合には16%の割合で演出パターンB1を選択する。
演出パターンB2は、1回目の可動体動作演出を実行すると共に1回目のエフェクト演出として雷エフェクト演出を実行し、2回目の可動体動作演出を実行すると共に2回目のエフェクト演出として雷エフェクト演出を実行した後、チャレンジ演出に移行する演出パターンである。演出制御用CPU120は、大当り種別が確変大当りである場合には40%の割合で演出パターンB2を選択し、大当り種別が非確変大当りである場合には8%の割合で演出パターンB2を選択する。
これら演出パターンA1〜A3、及び、B1〜B2の各演出パターンで可動体動作演出及びエフェクト演出が実行された場合、大当り種別が確変大当りである期待度が高い順序に、A3、B2、B1、A2、A1となる。ここでいう期待度とは、例えば、当該演出パターンで演出が実行された場合に、[確変大当りとなる割合÷(確変大当りとなる割合+非確変大当りとなる割合)]により算出される。可動体動作演出及びエフェクト演出が1回のみ実行される演出パターン(A1,B1)よりも、可動体動作演出及びエフェクト演出が2回実行される演出パターン(A2,A3,B2)の方が期待度が高い。
そして、雷エフェクト演出を含む演出パターン(A3、B1、又はB2)により演出が実行された場合には、雷エフェクト演出を含まない演出パターン(A1又はA2)により演出が実行された場合よりも期待度が高い。また、1回目のエフェクト演出が雷エフェクト演出である場合には(B1又はB2)、1回目のエフェクト演出が炎エフェクト演出である場合(A1、A2、又はA3)よりも期待度が高い。ただし、1回目のエフェクト演出が炎エフェクト演出であり、2回目のエフェクト演出が雷エフェクト演出である場合、即ち成り上がりの演出となる場合には、1回目及び2回目のエフェクト演出がいずれも雷エフェクト演出である場合よりも期待度が高い。
なお、1回目のエフェクト演出が雷エフェクト演出であり、2回目のエフェクト演出が炎エフェクト演出となるような所謂成り下がりの演出パターンは設けられていない。このような成り下がりの演出を制限する(このような演出を禁止するか又はその実行割合をA3よりも低くする)ことにより、エフェクト演出の興趣を低下させないようにしている。
次に、図45を用いて、A1又はA3の演出パターンで可動体動作演出及びエフェクト演出が実行される場合の例を説明する。前述したリーチ結果演出が終了すると、演出表示装置5において図45(a)に示すような停止図柄演出が実行されることにより、演出図柄の停止図柄が確定する表示が行われるとともに、変動表示が終了する。この例では、特図ゲームにおける確定特別図柄として通常大当り図柄が停止表示される場合において演出図柄の変動表示結果として通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されているか、又は、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合において演出図柄の変動表示結果として通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されているものとする。
図45(a)の例では、確変図柄ではない図柄番号が「4」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5R,5Cにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されている。また、「大当り」という文字が示されたメッセージ画像74が演出図柄の下方に表示される停止図柄演出が行われている。演出制御用CPU120は、大当り遊技状態への制御に伴い、各ラウンドの実行に応じた演出を実行する。例えば、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御を行い、画面の右上部に「Round××」(××は当該大当り遊技状態におけるラウンドの回数を示す)という文字が示された画像1000を表示する。そして、5回目のラウンドの実行に応じた演出として、ラウンド中示唆演出を実行する。
図45(b)に示す1回目の可動体動作演出では、演出制御用CPU120は,可動部材321を傾倒位置から起立位置まで移動させる(起立1回目)。そして、可動部材321が起立位置に達したタイミング(起立状態となったタイミング)で、画像1000の背景画像を通常の背景画像から黒画像1001に変化させると同時に該黒画像1001上に炎エフェクト画像1010を重畳表示する炎エフェクト演出を実行する。
可動部材321が起立位置にある起立状態で炎エフェクト演出を所定期間継続すると、演出制御用CPU120は、図45(c)に示すように、画像1000の背景画像を黒画像1001から通常の背景画像に戻すと同時に炎エフェクト画像1010を消去することにより炎エフェクト演出を終了させる。そして、炎エフェクト演出が終了したタイミングで、可動部材321を起立位置から傾倒位置まで移動させる(傾倒1回目)。
演出パターンとしてA1が選択されていた場合には、可動部材321が傾倒位置に移動した後(傾倒1回目の後)、演出制御用CPU120はチャレンジ演出に移行する。一方、演出パターンとしてA3が選択されていた場合には、可動部材321が傾倒位置に移動した後(傾倒1回目の後)、図45(d)に示す2回目の可動体動作演出で、演出制御用CPU120は、可動部材321を傾倒位置から起立位置まで再び移動させる(起立2回目)。そして、可動部材321が起立位置に達したタイミング(起立状態となったタイミング)で、画像1000の背景画像を通常の背景画像から黒画像1001に変化させると同時に該黒画像1001上に雷エフェクト画像1020を重畳表示する雷エフェクト演出を実行する。
可動部材321が起立位置にある起立状態で雷エフェクト演出を所定期間継続すると、演出制御用CPU120は、図45(e)に示すように、画像1000の背景画像を黒画像1001から通常の背景画像に戻すと同時に雷エフェクト画像1020を消去することにより雷エフェクト演出を終了させる。そして、雷エフェクト演出が終了したタイミングで、可動部材321を起立位置から傾倒位置まで再び移動させる(傾倒2回目)。そして、可動部材321が傾倒位置に移動した後、演出制御用CPU120はチャレンジ演出に移行する。
なお、演出パターンとしてA2が選択されていた場合には、図45(d)に示す2回目の可動体動作演出で、演出制御用CPU120は、黒画像1001上に炎エフェクト画像1010を重畳表示する炎エフェクト演出を再び実行し、図45(e)で2回目の炎エフェクト演出を終了させて、チャレンジ演出に移行する。
図45(f)に示すように、演出制御用CPU120は、チャレンジ演出において、まず、大当り種別が確変大当りであるか又は非確変大当りであるかによらず、共通の演出画像を表示する。
この演出画像は、「チャレンジタイム」という文字が示された画像1050、及び、その下方に表示される「岩が割れたら確変昇格!!」という文字が示されたメッセージ画像1051、並びに、キャラクタ1060、ハンマー1061、及び、岩1062の各画像により構成されている。これにより、「キャラクタ1060がハンマー1061により岩1062を割ろうとする演出である」ことを遊技者に想起させ、さらに「岩が割れる態様となると、停止図柄演出によらず大当り種別が確変大当りである」ことを遊技者に認識させる。
大当り種別が確変大当りであった場合には、演出制御用CPU120は、図45(g)に示すように、キャラクタ1060がハンマー1061により岩1062を割ることに成功した成功態様の画像を表示すると共に、「確変昇格!!」という文字が示されたメッセージ画像1070を表示する。これにより、遊技者は、停止図柄演出においては通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されていたものの、特図ゲームにおける確定特別図柄としては確変大当り図柄が停止表示されていたことを把握する。
大当り種別が非確変大当りであった場合には、演出制御用CPU120は、図45(h)に示すように、キャラクタ1060がハンマー1061により岩1062を割ることに失敗してハンマー1061が壊れた失敗態様の画像を表示すると共に、「失敗!」という文字が示されたメッセージ画像1080を表示する。これにより、遊技者は、停止図柄演出において通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されていた通り、特図ゲームにおける確定特別図柄としても通常大当り図柄が停止表示されていたことを把握する。
図46(A)〜(C)は、演出パターンA1〜A3の各パターンが選択されたときの、可動体動作演出、エフェクト演出、及びチャレンジ演出の実行タイミング及び実行期間を示すタイミングチャートである。
演出パターンA1〜A3のいずれの場合であっても、タイミング(1)で確変図柄ではない図柄番号の演出図柄が所定の有効ライン上に揃って停止表示される停止図柄演出が実行されると、タイミング(2)で大当り表示処理(S77)が実行された後、大当り遊技中処理(S78)に移行する。また、大当り遊技中処理(S78)において、各ラウンドに応じた演出が実行され、5回目のラウンドに応じた演出として、前述したラウンド中示唆演出が実行される。5回目のラウンドが開始されると、タイミング(3)で可動部材321の1回目の起立動作が行われるときに炎エフェクト演出が実行され、タイミング(4)で可動部材321の1回目の傾倒動作が行われるときに炎エフェクト演出が終了する。
このように、1回目の可動体動作演出の実行期間では、演出パターンA1〜A3のいずれの場合にも共通態様のエフェクト演出が実行されることになる。そのため、遊技者は、1回目の可動体動作演出の実行期間において、いずれの演出パターンであるかを把握困難となっている。
演出パターンA1の場合には、その後に2回目の可動体動作演出が行われることなく、タイミング(7)でチャレンジ演出に移行する。演出パターンA2の場合には、タイミング(5)で可動部材321の2回目の起立動作が行われるときに2回目の炎エフェクト演出が実行され、タイミング(6)で可動部材321の2回目の傾倒動作が行われるときに2回目の炎エフェクト演出が終了する。そして、タイミング(7)でチャレンジ演出に移行する。演出パターンA3の場合には、タイミング(5)で可動部材321の2回目の起立動作が行われるときに雷エフェクト演出が実行され、タイミング(6)で可動部材321の2回目の傾倒動作が行われるときに雷エフェクト演出が終了する。そして、タイミング(7)でチャレンジ演出に移行する。
演出パターンA1〜A3のいずれの場合であっても、チャレンジ演出において(8)のタイミングで結果報知が行われ、成功態様となり当該大当り遊技状態終了後に高確状態となる旨が報知されるか、又は、失敗態様となり当該大当り遊技状態終了後に低確状態となる旨が報知される。
このように、演出パターンA3が選択された場合には、1回目の可動体動作演出が実行されるときと、2回目の可動体動作演出が実行されるときとで、異なる態様のエフェクト演出が実行されるようになっているため、可動体動作演出とエフェクト演出とが連携する演出の態様を多様化させ、興趣を向上させることができる。
また、演出パターンA3が選択された場合には、A3と同じく1回目の可動体動作演出で炎エフェクト演出が実行される演出パターンA1やA2が選択された場合と比較して期待度、即ち後に実行されるチャレンジ演出において成功態様となる割合が高い。そのため、遊技者は、2回目の可動体動作演出が実行されるか否か、また、2回目の可動体動作演出が実行されるとした場合に、これに伴い炎エフェクト演出と雷エフェクト演出のいずれか実行されるのかに注目することになり、可動体動作演出とエフェクト演出とが連携する演出の興趣を一層向上させることができる。
また、雷エフェクト演出が実行される演出パターンは、炎エフェクト演出のみが実行される演出パターンと比較して期待度が高いが、演出パターンA3のように、1回目の可動体動作演出で炎エフェクト演出が実行されたとしても、2回目の可動体動作演出で雷エフェクト演出が実行されるような演出パターンを設けておくことにより、1回目の可動体動作演出で炎エフェクト演出が実行された場合であっても遊技者を落胆させず、2回目の可動体動作演出で雷エフェクト演出が実行されることを期待させることができる。さらに、1回目の可動体動作演出で雷エフェクト演出が実行される演出パターンと比較しても、演出パターンA3の方が期待度が高いことにより、1回目の可動体動作演出で炎エフェクト演出が実行された場合に遊技者の興味を持続させることができる。
(変形例1)
エフェクト演出の実行中に、演出表示装置5の特定の表示領域において、プッシュボタン31Bの操作を促進する操作促進表示を行う操作促進演出を実行するようにしても良い。そして、操作促進演出の開始時から所定期間内に遊技者によりプッシュボタン31Bが操作されたときに、演出制御用CPU120が、エフェクト演出の態様を変化させるようにしても良い。
図47に具体例を示す。図47(a)〜(c)に関する説明は、図45(a)〜(c)と同様であり、説明を省略する。可動部材321が傾倒位置に移動した後(傾倒1回目の後)、図47(i)に示す2回目の可動体動作演出で、演出制御用CPU120は、可動部材321を傾倒位置から起立位置まで再び移動させる(起立2回目)。そして、可動部材321が起立位置に達したタイミング(起立状態となったタイミング)で、画像1000の背景画像を黒画像1001に変化させると同時に該黒画像1001上に炎エフェクト画像1010を重畳表示する炎エフェクト演出を再度実行する。
可動部材321が起立位置にある起立状態で炎エフェクト演出を所定期間継続すると、演出制御用CPU120は、図47(j)に示すように、黒画像1001及び炎エフェクト画像1010上に、プッシュボタン31Bを模した画像1090及び「押せ!」という文字が示されたメッセージ画像1091からなる操作促進画像が重畳表示される操作促進演出が実行される。
この操作促進画像は、表示開始からプッシュボタン31Bが操作されることなく予め定められた所定期間(例えば3秒間)を経過したときには、消去される(操作促進演出が終了する)ものである。操作促進画像が表示されている期間内にプッシュボタン31Bが操作されると、操作促進画像が消去される(操作促進演出が終了する)。そして、プッシュボタン31Bが操作されたとき、演出制御用CPU120は、演出パターンとして遊技者の操作に応じてエフェクト演出の態様を変更可能な演出パターンが選択されていた場合には、図47(k)のように、黒画像1001に重畳表示されるエフェクト画像を炎エフェクト画像1010から雷エフェクト画像1020に変化させる。一方、演出パターンとして遊技者の操作に応じてエフェクト演出の態様を変更させない演出パターンが選択されていた場合には、図47(l)のように、黒画像1001に重畳表示されるエフェクト画像を炎エフェクト画像1010のまま変化させない。
図48(A)は、遊技者の操作に応じてエフェクト演出の態様を変更可能な演出パターンが選択された場合における、可動体動作演出、エフェクト演出、及びチャレンジ演出の実行タイミング及び実行期間を示すタイミングチャートである。
タイミング(1)〜(4)に関する説明は、図46と同様であり、説明を省略する。タイミング(5)で可動部材321の2回目の起立動作が行われるときに2回目の炎エフェクト演出が実行される。そして、2回目の炎エフェクト演出期間内におけるタイミング(X)で操作促進画像が表示される。操作促進画像が表示されているときに、タイミング(Y)でプッシュボタン31Bが操作されたことに応じて、黒画像1001に重畳表示されるエフェクト画像を炎エフェクト画像1010から雷エフェクト画像1020に変化させる。タイミング(6)で可動部材321の2回目の傾倒動作が行われるときに雷エフェクト演出が終了する。そして、タイミング(7)でチャレンジ演出に移行する。
このように、エフェクト演出の態様を遊技者の操作に応じて変化させることを可能とするにより、エフェクト演出の興趣を一層向上させることができる。また、遊技者の操作に応じて、期待度の低い炎エフェクト画像1010から期待度の高い雷エフェクト画像1020に変化させることにより、演出に意外性を持たせることができる。
例えば、前述した演出パターンA2において、2回目の炎エフェクト演出が実行されている期間内に黒画像1001及び炎エフェクト画像1010に操作促進画像を重畳表示させる。そして、プッシュボタン31Bが操作されると、操作促進画像が消去される(操作促進演出が終了する)ものの、黒画像1001に重畳表示されているエフェクト画像は炎エフェクト画像1010のまま変化しないように演出制御するものとする。これにより、「遊技者の操作に応じてエフェクト演出の態様を変更させない演出パターン」を構成しても良い。
また、前述した演出パターンA3において、2回目の可動体動作演出が実行されるときに、エフェクト演出として、当初は黒画像1001に雷エフェクト画像1020ではなく炎エフェクト画像1010を重畳表示させるようにしておき、炎エフェクト画像1010が表示されている期間内に黒画像1001及び炎エフェクト画像1010に操作促進画像を重畳表示させる。そして、プッシュボタン31Bが操作されると、操作促進画像が消去される(操作促進演出が終了する)と共に、黒画像1001に重畳表示されるエフェクト画像が炎エフェクト画像1010から雷エフェクト画像1020に変化するように演出制御するものとする。これにより、「遊技者の操作に応じてエフェクト演出の態様を変更させる演出パターン」を構成しても良い。
なお、図48(A)に示す例では、プッシュボタン31Bの操作に応じて炎エフェクト演出から雷エフェクト演出に変化するときに、既に開始されている黒画像1001の表示を終了させることなく継続して、その黒画像1001に重畳表示させるエフェクト画像のみを炎エフェクト画像1010から雷エフェクト画像1020に変更するようにしている。即ち、エフェクト演出が、第1演出である黒画像1001と第2演出であるエフェクト画像とにより構成されているとすると、第1演出の態様を変更することなく第2演出の態様のみを変更することにより、一連の演出を実行中に遊技者の操作に応じてその態様が変化したかのような印象を与えることができる。
(変形例2)
前述した例では、可動体動作演出、エフェクト演出、及びチャレンジ演出が、ラウンドの実行中に実行される演出であり、大当り遊技状態終了後に確変制御されるか否かを示唆するものであったが、このような形態に限らず、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、演出図柄が変動表示されているときに実行されるリーチ演出として、可動体動作演出、エフェクト演出、及びチャレンジ演出が実行され、これらの演出パターンや演出態様によって大当り遊技状態に制御されるか否かを示唆するようにしても良い。
前述した演出パターンA1〜A3、及び、B1〜B2は、リーチ状態において実行される可動体動作演出及びエフェクト演出の演出パターンとして適用されるものとする。即ち、演出パターンA1〜A3、及び、B1〜B2の各演出パターンで、リーチ演出として可動体動作演出及びエフェクト演出が実行された場合、大当り遊技状態に制御される割合が高い順序に、A3、B2、B1、A2、A1となる。
図48(B)には、リーチ演出としての、エフェクト演出及び可動体演出、並びにチャレンジ演出の制御例が示されている。演出図柄(特別図柄)の変動表示の開始時(11)からリーチ状態の発生時(12)までの間に、図38(A)に示すような通常変動表示の演出態様で演出図柄の変動表示が演出表示装置5において実行される。
演出表示装置5においてタイミング(12)でリーチ状態が発生すると、リーチ演出に移行する。リーチ演出において、タイミング(13)で可動部材321の1回目の起立動作が行われるときに炎エフェクト演出が実行され、タイミング(14)で可動部材321の1回目の傾倒動作が行われるときに炎エフェクト演出が終了する(演出パターンA1〜A3の例)。
演出パターンA1の場合には、その後に2回目の可動体動作演出が行われることなく、タイミング(17)でチャレンジ演出に移行する。演出パターンA2の場合には、タイミング(15)で可動部材321の2回目の起立動作が行われるときに2回目の炎エフェクト演出が実行され、タイミング(16)で可動部材321の2回目の傾倒動作が行われるときに2回目の炎エフェクト演出が終了する。そして、タイミング(17)でチャレンジ演出に移行する。図48(B)に例示する演出パターンA3の場合には、タイミング(15)で可動部材321の2回目の起立動作が行われるときに雷エフェクト演出が実行され、タイミング(16)で可動部材321の2回目の傾倒動作が行われるときに雷エフェクト演出が終了する。そして、タイミング(17)でチャレンジ演出に移行する。
そして、演出図柄の変動表示結果として、大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されると決定されている場合には、チャレンジ演出においてタイミング(18)で成功態様になり、当該変動表示の結果として大当り遊技状態に制御されることが報知される。演出図柄の変動表示結果として、リーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されると決定されている場合には、チャレンジ演出においてタイミング(18)で失敗態様になり、大当り遊技状態に制御されないことが報知される。このように、タイミング(18)で演出表示装置5においてリーチ結果演出の画像表示が実行されることにより、リーチ結果が報知される。その後、リーチ結果演出が終了すると、タイミング(19)で演出表示装置5において図38(G)に示すような停止図柄演出が実行されることにより、演出図柄の停止図柄が確定する表示が行われるとともに、変動表示が終了する。
(その他の変形例)
上記の実施形態では、演出パターンA1〜A3及びB1〜B2に係る可動体動作演出が、可動部材321を傾倒位置(第1位置)から起立位置(第2位置)まで移動させる演出である例について説明したが、このような形態に限らず、遊技機が複数の可動部材を有しており、各可動部材をそれぞれに対応した第1位置から第2位置まで移動させることにより、各可動部材がそれぞれの第2位置に存在する状態で、各可動部材が集合していることにより特定形態(合体形態)が構成される可動体合体動作演出が実行されるようにしても良い。可動体動作演出の終了に伴い、各可動部材がそれぞれに対応した第2位置から第1位置まで移動することにより、特定形態(合体形態)が解除される。なお、可動体合体動作演出に関しては、後述する図41においても詳述する。
また、可動体動作演出は、可動部材の形態が変化する演出であっても良く、可動部材の位置が変化することなく所定の動作、例えば回転態様の動作を行う演出であっても良い。例えば、可動体動作演出は、可動部材が拡開・収縮態様に変化する演出、開放・閉鎖態様に変化する演出、伸長・縮小態様に変化する演出、あるいは、可動部材が他の役物(例えば遊技盤面に固定されており動作しない役物)と合体する演出であっても良い。
上記の実施形態では、可動体動作演出と連携する演出が、演出表示装置5において、黒画像1001上にエフェクト画像を重畳表示させるエフェクト演出である例について説明したが、このような形態に限らず、可動体動作演出と連携する演出は、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e又は可動部材321の発光部321Aを特定の態様で発光させる演出であっても良い。例えば、演出パターンA1〜A3,B1〜B2において、「炎エフェクト演出」に代えて「天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e又は発光部321Aを第1発光色(例えば青)で発光させる演出」を実行し、「雷エフェクト演出」に代えて「天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e又は発光部321Aを第2発光色(例えば赤)で発光させる演出」を実行すると良い。
また、可動体動作演出と連携する演出は、スピーカ8L,8Rから特定音(特定の効果音や特定の楽曲)を出力させる演出であっても良い。例えば、演出パターンA1〜A3,B1〜B2において、「炎エフェクト演出」に代えて「スピーカ8L,8Rから第1特定音(例えば低音域小音量の効果音)を出力させる演出」を実行し、「雷エフェクト演出」に代えて「スピーカ8L,8Rから第2特定音(例えば高音域大音量の効果音)を出力させる演出」を実行すると良い。
また、上記の実施形態では、可動体動作演出及びこれと連携して実行されるエフェクト演出の後に、演出表示装置5にてチャレンジ演出を実行することにより、所定状態(確変状態又は大当り遊技状態)に制御されるか否かを報知するようにしているが、このような形態に限らず、所定状態となるか否かを報知する報知演出は、先に実行された可動体動作演出において動作した可動部材321、あるいはこれとは異なる可動部材を動作させるか否かにより、所定状態となるか否かを報知する演出であっても良い。
例えば、演出パターンA1〜A3,B1〜B2の演出が終了した後に、所定状態(確変状態又は大当り遊技状態)となる旨を報知する場合には、可動部材321を傾倒位置から起立位置まで移動させると共に、黒画像1001上に炎エフェクト画像1010及び雷エフェクト画像1020とは異なる特殊画像を重畳表示させるようにしても良い。
上記の実施形態では、演出パターンA2、A3、及びB2のように、複数回の可動体動作演出が実行される場合には、1回目の可動体動作演出の終了に伴い、第1演出である黒画像1001及び第2演出であるエフェクト画像の両方が消去されて一旦は通常の背景画像に戻る例について説明したが、このような形態には限られない。例えば、1回目の可動体動作演出が終了するときに、1回目のエフェクト画像は消去される一方で、黒画像1001は継続して通常の背景画像には戻らず、2回目の可動体動作演出が実行されるときには、その継続している黒画像1001上に2回目のエフェクト画像が重畳表示されるようにしても良い。このような形態とすることより、遊技者は、1回目の可動体動作演出が終了した後にも黒画像1001が継続していることにより、2回目の可動体動作演出が実行されることを期待することができる。
さらに、このような形態とした場合には、可動体動作演出が1回のみ実行される演出パターン(A1及びB1)において、1回目の可動体動作演出が終了して黒画像1001に重畳表示されていたエフェクト画像が消去された後も、黒画像1001を所定期間(例えばチャレンジ演出に移行するまでは)継続させるようにしても良い。このようにすることで、1回目の可動体動作演出終了後にも所定期間は遊技者の興味を維持することができる。
また、1回目の可動体動作演出が実行される前から、第1演出としての黒画像1001を予め表示させておき、所定条件が成立したとき(例えば可動部材321が起立状態となったとき)に、その黒画像1001上に1回目のエフェクト画像を重畳表示させるようにしても良い。このように、エフェクト画像は黒画像1001の表示期間内において表示される(第2演出は第1演出の実行期間内において実行される)ものであれば良い。
また、1回目の可動体動作演出が終了するときに、黒画像1001及び1回目のエフェクト画像の両画像を継続して通常の背景画像には戻らず、2回目の可動体動作演出が実行されるときには、その継続している黒画像1001に重畳表示されるエフェクト画像を、1回目のエフェクト画像から2回目のエフェクト画像に変更するようにしても良い。
上記の実施形態では、可動部材321が起立状態となっている期間とエフェクト画像が表示される期間とが一致している例について説明したが、このような形態に限らず、可動部材321が傾倒位置から起立位置に移動する移動期間内又はその移動期間よりも前からエフェクト画像の表示が開始されるようにしても良く、可動部材321が起立位置から傾倒位置に移動する移動期間内又はその移動期間よりも後にエフェクト画像の表示が終了するようにしても良い。「可動部材321の動作に伴いエフェクト演出が実行される」とは、[可動部材321が傾倒位置から起立位置への移動を開始してから、起立状態となり、さらに起立位置から傾倒位置への移動を終了するまでの期間]のうちの少なくとも一部と、[エフェクト画像が表示されている期間]の少なくとも一部が重複していれば良い。
上記の実施形態では、可動体動作演出とエフェクト演出とが連携する態様の演出により、大当り遊技状態終了後に確変制御が行われるか否かを示唆したり、あるいは、演出図柄の変動表示が終了して表示結果が導出表示された後に大当り遊技状態に制御されるか否かを示唆するものであったが、このような形態に限らず、特殊なリーチ演出が実行されるか否かを示唆するものであっても良く、始動条件が成立しているが開始条件が成立していない変動表示(保留されている特図ゲーム)について、大当り遊技状態に制御されるか否かを示唆するもの(所謂先読み予告演出)であっても良い。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図38および図40(A)に示すバトルリーチ演出と、図39および図40(B)に示すストーリーリーチ演出とのように、複数種類の演出表示において、可動体演出が実行可能であるときに、いずれの種類の演出表示が行なわれるかに応じて、エフェクト画像を黒画像上に重畳表示する態様の演出効果表示と、エフェクト画像を演出画像上に重畳表示する態様の演出効果表示というような、異なる態様の演出効果表示が表示可能であるので、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出効果を高めることができる。
(2) 図38(E)および図40(A)に示すように、可動部材321のような可動体を動作させる可動体演出が実行されるバトルリーチ演出のような特定種類の演出表示が実行されるときに、図38(D),(E)の粒子エフェクト画像71のような特定態様の演出効果表示を、勝利演出画像の表示のような特定種類の演出表示に重畳表示する演出が実行可能であるので、可動体演出が実行される特定種類の演出表示と演出表示装置5のような表示手段での演出効果表示とを連携させることが可能となり、特定種類の演出表示による可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出効果をより一層高めることができる。
(3) 図39(E)および図40(B)に示すように、可動部材321のような可動体を動作させる可動体演出が実行されるストーリーリーチ演出のような特定種類の演出表示が実行されるときに、図39(D),(E)の炎エフェクト画像73のような特定態様の演出効果表示を、黒画像72のような演出表示装置5の全表示領域で表示された所定画像に重畳表示する演出が実行可能であるので、可動体演出が実行される所定種類の所定演出と演出表示装置5のような表示手段での演出効果表示とを連携させることが可能となることに加えて、可動体演出を強調して遊技の興趣を向上させることができる。
(4) パチンコ遊技機1が起動されたときに、図31のステップS51Bの可動部材初期化処理における初期動作のように、可動体の動作を確認するための確認動作と、図31のステップS51A,図33の可動部材慣らし処理における動作のように、可動体を移動させる慣らし動作とを実行させる。このため、可動体の動きが慣れていないため可動体の動作に影響を与えることを抑制することができる。その結果、可動体が良好に動作しないことを抑制することが可能とすることができる。
(5) [保留表示等変化演出]に示すように、図43(A),(B)のように、文字アイコン表示は保留表示中に変化演出実行割合が高く、動物キャラクタアイコン表示はアクティブ表示中に変化演出実行割合が高い。そして、図43(E)〜(L)のように、変化演出実行時に実際に表示態様が変化する割合が、保留表示中と、アクティブ表示中とで等しい。したがって、文字アイコン表示と、動物キャラクタアイコン表示とのいずれであるかに応じて、保留表示中とアクティブ表示中とで、アイコンの表示態様が変化する頻度が異なり、保留表示中とアクティブ表示中とのいずれで表示態様を変化させるかを選択する割合が異なるので、保留表示とアクティブ表示とについて、表示態様変化対象の表示種別と、選択される変化タイミングとより、アイコン表示の表示態様変化の態様に遊技者をより一層注目させることができ、保留表示の態様の変化について遊技の興趣を向上させることができる。
以上説明した遊技機は、以下のような特徴的な構成も備えている。
(1) 遊技を行なうことが可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン)であって、
待機位置(たとえば、図23,図24で示す第1位置)および進出位置(たとえば、図23,図24で示す第2位置)に移動可能な可動物(たとえば、可動部材321)と、
前記遊技機が起動されたときに、前記可動物の動作を確認するための確認動作(たとえば、図31のステップS51Bの可動部材初期化処理における初期動作、イニシャル動作ともいう)と、前記可動物を移動させる慣らし動作(たとえば、図31のステップS51A,図33の可動部材慣らし処理における動作、ショートイニシャル動作ともいう)とを実行させる制御手段(たとえば、演出制御用CPU120)とを備える。
このような構成によれば、可動物の動作を確認するための確認動作と、可動物を移動させる慣らし動作とを実行させる。このため、可動物の動きが慣れていないため可動物の動作に影響を与えることを抑制することができる。その結果、可動物が良好に動作しないことを抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記慣らし動作で前記可動物の動作に異常が検出された場合、エラー処理(たとえば、異常の報知)を実行するエラー処理手段(たとえば、図33のステップS513,ステップS517)をさらに備える。
このような構成によれば、慣らし動作で可動物の動作に異常が検出された場合、エラー処理が実行される。その結果、可動物が正常に動作しない状態に対応した処理を実行することができる。
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記制御手段は、前記確認動作よりも前に前記慣らし動作を実行させる(たとえば、図31参照)。
このような構成によれば、確認動作よりも前に慣らし動作が実行される。その結果、確認動作において可動物が良好に動作しないことを抑制できる。
(4) 上記(3)の遊技機において、
前記制御手段は、前記慣らし動作で前記可動物の動作に異常が検出された場合、前記確認動作の実行を禁止し(たとえば、図33のステップS514,ステップS518で報知停止操作がされるまでは、図31のステップS51Bの可動部材初期化処理が実行されない)。
このような構成によれば、慣らし動作で可動物の動作に異常が検出された場合、確認動作の実行が禁止される。その結果、可動物が正常に動作しない状態のまま確認動作が実行されてしまうことを抑制できる。
(5) 上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記可動物は、遊技中と前記慣らし動作の実行中とで異なる動力源によって前記進出位置まで動かされる。
このような構成によれば、遊技中と慣らし動作の実行中とで異なる動力源によって可動物が進出位置まで動かされる。その結果、慣らし動作を好適な動力源で実行することができる。
(6) 上記(5)の遊技機において、
前記可動物は、遊技中は弾性体(たとえば、引張バネ323。渦巻きバネ、板バネ、ゴムなどの他の弾性体であってもよい。)を、前記慣らし動作の実行中は前記弾性体よりも力の強いモータ(たとえば、第2演出用モータ330)を、動力源として前記進出位置まで動かされる。
このような構成によれば、慣らし動作は弾性体よりも力の強いモータが可動物の動力源とされる。その結果、慣らし動作において可動物をより確実に進出位置まで動かすことができる。
(7) 上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
前記可動物は、前記可動物の移動に伴って屈伸する電気ケーブル(たとえば、ケーブル361)を含み、
前記慣らし動作は、前記可動物を移動させることで前記電気ケーブルを屈伸させて慣らす動作である。
このような構成によれば、可動物の動作を確認するための確認動作と、可動物を移動させることで電気ケーブルを屈伸させて慣らす慣らし動作とを実行させる。このため、電気ケーブルの動きが慣れていないため可動物の動作に影響を与えることを抑制することができる。その結果、可動物が良好に動作しないことを抑制できる。
(8) 上記(7)の遊技機において、
前記電気ケーブルは、熱を発する物(たとえば、演出表示装置5のLCD、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)の近傍に設けられる。
このような構成によれば、電気ケーブルが熱によって柔軟性が高くなる。その結果、可動物をより確実に動かすことができる。
(9) 前述した実施の形態においては、慣らし動作が前記可動物を移動させることで前記電気ケーブルを屈伸させて慣らす動作であることとした。しかし、これに限定されず、可動物がレールに沿って動くように構成されている場合、可動物がボールねじやリニアガイドなどで動くように構成されている場合、および、可動物がすべり軸受やメタル軸受や樹脂軸受などの軸受によって回転などの動作をするように構成されている場合に、オイルやグリスなどの潤滑剤が馴染むように動かして慣らす動作であることとしてもよい。また、可動物に回転や直動などの摺動部分がある場合、摺動部分の固着を動かして滑らかにして慣らす動作であることとしてもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、慣らし動作を起動時に行なうようにした。しかし、これに限定されず、慣らし動作を起動後の遊技が行なわれていないデモ中などに定期的に行なってもよい。このようにしても、遊技中に可動物が良好に動作しないことを抑制することができる。
(11) 前述した実施の形態のケーブル361は、LEDに電力を供給するものであることとした。しかし、これに限定されず、他の電気部品(たとえば、可動物を動かすモータやソレノイドなどのアクチュエータや映像を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置)に電力または制御信号を供給するものであってもよい。
(12) ケーブル361は、フレキシブルフラットケーブルであってもよいし、被覆線を複数本並べて融着したフラットケーブルであってもよいし、1本の単線,撚線であってもよいし、撚対線であってもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、慣らし動作と確認動作とを分けて行なうようにした。しかし、これに限定されず、慣らし動作と確認動作とを一連の動作として実行するようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、確認動作において、可動物の初期位置を検出するようにした。しかし、これに限定されず、慣らし動作において、可動物の初期位置を検出するようにしてもよい。また、慣らし動作および確認動作とは別に、可動物の初期位置を検出するようにしてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態(第2の実施の形態)を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図49はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2Aを有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤2を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2Aの下部表面には打球供給皿(上皿)91がある。打球供給皿91の下部には、打球供給皿91に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿92や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)93が設けられている。また、ガラス扉枠2Aの背面には、遊技盤2が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤2は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤2の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
余剰球受皿(下皿)92を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。なお、スティックコントローラ31Aには、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン31C(図52を参照)が設けられ、スティックコントローラ31Aの操作桿の内部には、トリガボタン31Cに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ35C(図52を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット(コントローラセンサユニット)35A(図52を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ31Aには、スティックコントローラ31Aを振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図52を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)91を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35B(図52を参照)が設けられていればよい。図49に示す構成例では、プッシュボタン31Bとスティックコントローラ31Aの取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン31B及びスティックコントローラ31Aの取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン31Bとスティックコントローラ31Aの取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域10の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置5は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリア(演出図柄表示エリア)がある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置5の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置5は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器4Aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器4Bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置5において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置5に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置5の表示画面の右上方部には、第4図柄を表示する第4図柄表示領域5c,5dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域5cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域5dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ150側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置5を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置5の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域5cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域5dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域5c,5dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器4Aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域5cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器4Bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域5dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域5cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。また、第2特別図柄表示器4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域5dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置5の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置5とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
演出表示装置5の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)4Aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器4Aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器4Aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置5の右方(第1特別図柄表示器4Aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)4Bも設けられている。第2特別図柄表示器4Bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器4Bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aおよび第2特別図柄表示器4Bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器4A,4Bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(この実施の形態では、技球が第1始動入賞口21Aを通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、第1保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(この実施の形態では、遊技球が第2始動入賞口21Bまたは第2始動入賞口17を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、第2保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置5の下方には、流入した遊技球を振り分けるための振分装置200が設けられている。また、演出表示装置5の下方には、左右に並ぶように第1始動入賞口21Aおよび第2始動入賞口21Bが設けられている。第1始動入賞口21Aに入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。また、第2始動入賞口(第2始動口)21Bに入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第2始動口スイッチ22Bによって検出される。
また、第1始動入賞口21Aおよび第2始動入賞口21Bの下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口17を有する可変入賞球装置6が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)17に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第2始動口スイッチ17aによって検出される。可変入賞球装置6は、ソレノイド81によって開状態とされる。可変入賞球装置6が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口17に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置6が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口17に入賞しない。なお、可変入賞球装置6が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口21Aおよび第2始動入賞口21B,17を総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器4Bの上方には、第2始動入賞口21B,17に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器(第2保留表示器)25Bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器25Bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器4Bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器25Bのさらに上方には、第1始動入賞口21Aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器25Aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器(第1保留表示器)25Aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器4Aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置5の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部5Gが設けられている。そのように、この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部5Gが設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部5Gにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口21Aおよび第2始動入賞口21B,17への入賞順に並べて表示される。第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶に対応する表示(以下、第1保留記憶表示ともいう)は赤色の丸形表示で表示され、第2保留記憶に対応する表示(以下、第2保留記憶表示ともいう)は青色の丸形表示で表示される)こととしてもよい。なお、合算保留記憶表示部5Gに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
合算保留記憶表示部5Gにおいて表示される保留表示の表示態様としては、表示色が白色である「白」(第1態様)と、表示色が青色である「青」および表示色が赤色である「赤」(第2態様)と、キャラクタが描かれた「キャラクタ」(特定態様)とが設けられている。大当りとなることに対する信頼度は、「白」<「青」<「赤」<「キャラクタ」となっている。また、詳細については後述するが、確変大当りとなる保留記憶に対応する場合のみ「キャラクタ」の保留表示が表示され得る構成となっており、すなわち、表示態様が「キャラクタ」に変化した場合には確変大当りとなることが遊技者に報知されるものである。
また、本実施の形態では、合算保留記憶表示部5Gにおいて、未だ変動が行われていない保留記憶に対する保留表示が行われるとともに、該保留記憶に対する変動表示を開始してから終了するまでの間、該保留記憶に対する保留表示を、合算保留記憶表示部5Gとは異なるアクティブ表示エリアAHAにおいて継続して表示し続ける。すなわち、該アクティブ表示エリアAHAにおいて、実行中の変動表示に対応したアクティブ表示(変動表示対応画像)が表示されることとなる。アクティブ表示は、実行中の変動にもとづいて大当りが発生することに対する信頼度を示す画像である。アクティブ表示の表示態様としては、上述した保留表示と同じ表示態様(「白」、「青」、「赤」、「キャラクタ」)が用いられる。なお、現在実行中の変動表示に対応した表示であることが認識できるものであれば、必ずしも保留表示と同様の態様の表示である必要はなく、他の図形やキャラクタなどを表示してもよい。
演出表示装置5は、第1特別図柄表示器4Aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器4Bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器4Aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置5における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置5における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置5において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
遊技盤2の左側方には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ21で検出されると、普通図柄表示器20の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器20における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置6が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置6の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口17に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器20の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器(普図保留表示器)25Cが設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ21によって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器25Cは点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器20の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。ただし、後述する高確率/低ベース状態を除く。)では、普通図柄表示器20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置6の開放時間と開放回数が高められる。
また、図49に示すように、第2始動入賞口17の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は開閉板を備え、第1特別図柄表示器4Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド82によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤2の下部には、入賞しなかった打球(アウト球)が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域10の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域10の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル93を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域10に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域10を囲むように円形状に形成された打球レール(図示せず)を通って遊技領域10に入り、その後、遊技領域10を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口21Aに入り第1始動口スイッチ22Aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器4Aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口21Aへの入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口21B,17に入り第2始動口スイッチ22B,17aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器4Bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口21B,17への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
次に、振分装置200について説明する。図50は、振分装置200を説明するための説明図である。図50に示すように、振分装置200上部には、遊技球が流入可能な流入口201が設けられている。また、振分装置200内部には、流入口201から振分装置200内に流入した遊技球を左側通路203と右側通路204とのいずれかに振り分けるための振分部材202が設けられている。また、振分装置200の下部には、左側通路203を通過した遊技球が振分装置200から流出可能な左側流出口205と、右側通路204を通過した遊技球が振分装置200から流出可能な右側流出口206とが設けられている。
図50(a)に示す例では、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技球が左側通路203を通過可能な状態が示されている。図50(a)に示す状態において遊技球が流入口201から振分装置200内に流入すると、図50(b)に示すように、流入口201から流入した遊技球は振分部材202によって左側通路203に振り分けられ、左側通路203を通過して左側流出口205から流出する。そして、左側流出口205の下方には第1始動入賞口21Aが位置しているので、左側流出口205から流出した遊技球は、第1始動入賞口21Aに入賞する。
また、遊技球が左側通路203を通過するときに、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技球があたり、遊技球の自重によって羽根部202aが押されることによって、図50(a)および図50(b)に示すように、振分部材202が右側に倒れている状態から左側に倒れている状態に変化する。そのように変化することにより、図50(b)に示すように、振分部材202によって振分装置200内の左側通路203が遮蔽され、遊技球が右側通路204を通過可能な状態となる。
次いで、そのような状態において、図50(c)に示すように、遊技球が流入口201から振分装置200内に流入すると、図50(d)に示すように、流入口201から流入した遊技球は振分部材202によって右側通路204に振り分けられ、右側通路204を通過して右側流出口206から流出する。そして、右側流出口206の下方には第2始動入賞口21Bが位置しているので、右側流出口206から流出した遊技球は、第2始動入賞口21Bに入賞する。
また、遊技球が右側通路204を通過するときに、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技球があたり、遊技球の自重によって羽根部202aが押されることによって、図50(c)および図50(d)に示すように、振分部材202が左側に倒れている状態から右側に倒れている状態に変化する。そのように変化することにより、図50(d)に示すように、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技球が左側通路203を通過可能な状態となる。
図50に示すような動作をすることにより、この実施の形態では、振分部材202によって振分装置200に流入した遊技球が左側通路203と右側通路204とに交互に振り分けられ、第1始動入賞口21Aと第2始動入賞口21Bとに交互に入賞可能となる。なお、振分装置200によって第1始動入賞口21Aと第2始動入賞口21Bとに交互に入賞可能とする場合にかぎらず、例えば、第1始動入賞口21A→第1始動入賞口21A→第1始動入賞口21A→第2始動入賞口21B→第1始動入賞口21A→第1始動入賞口21A→第1始動入賞口21A→第2始動入賞口21B・・・の順に入賞可能とする(すなわち、第1始動入賞口21Aに3つ入賞すると第2始動入賞口21Bに1つ入賞する動作を繰り返すもの)など、何らかの決まった順序に従って入賞可能とするものであってもよい。
また、この実施の形態では、図50に示したように、振分装置200の下方に第1始動入賞口21Aおよび第2始動入賞口21Bを設けるように構成することによって、左側通路203に振り分けられた遊技球は略100%で第1始動入賞口21Aに入賞し、右側通路204に振り分けられた遊技球は略100%で第2始動入賞口21Bに入賞する場合を示したが、左側通路203や右側通路204に振り分けられた遊技球が振分装置200の外にこぼれる場合があるように構成し、左側通路203や右側通路204に振り分けられても必ずしも第1始動入賞口21Aや第2始動入賞口21Bに入賞しない場合があるようにしてもよい。例えば、図50では左側流出口205および右側流出口206からダイレクトに真下に遊技球が落下するように構成したが、左側流出口205および右側流出口206に底面部材を設けて遊技者から見て奥側に一旦誘導されてから第1始動入賞口21Aや第2始動入賞口21Bに遊技球が流れるように構成するとともに、左側通路203や右側通路204の外側側面に開口部を設けて、左側通路203や右側通路204に振り分けられた遊技球の一部がその開口部から振分装置200の外にこぼれて第1始動入賞口21Aや第2始動入賞口21Bに入賞しない場合があるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口21Aおよび第2始動入賞口21Bが振分装置200の外部に設けられている(具体的には、図50に示すように、振分装置200の下方に設けられている)場合を示したが、第1始動入賞口21Aおよび第2始動入賞口21Bが振分装置200の内部に含まれているように構成してもよい。
また、この実施の形態では、振分装置200に2つの通路203,204が設けられている場合を示したが、2つである場合にかぎらず、3以上の通路が設けられていてもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口21Aまたは第2始動入賞口21Bのいずれか一方または両方に入賞可能な通路が複数存在するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、振分装置200の振分部材202が遊技球の自重によって物理的に左右に切り替わる場合を示したが、例えば、振分部材202を駆動するためのソレノイドやモータを設け、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの制御によって振分部材202を交互に切り替えるように構成してもよい。
図51は、主基板(遊技制御基板)11における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図51は、払出制御基板37および演出制御基板12等も示されている。主基板11には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)100が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM101、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM102、プログラムに従って制御動作を行うCPU103およびI/O105を含む。この実施の形態では、ROM101およびRAM102は遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU103のほかRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/O105は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ100には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路104が内蔵されている。
また、RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM102の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてCPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路104は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路104は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
また、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B,17a、ゲートスイッチ21およびカウントスイッチ23、からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に与える入力ドライバ回路58も主基板11に搭載されている。また、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7を開閉するソレノイド82および可変入賞球装置6を開閉するソレノイド81を遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板11に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、第1特別図柄保留記憶表示器25A、第2特別図柄保留記憶表示器25B、普通図柄表示器20および普通図柄保留記憶表示器25Cの表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板11に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置5の表示制御を行う。
また、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
なお、演出制御手段には、後述するように、スティックコントローラ31Aが備えるトリガセンサ35Cや傾倒方向センサユニット35A、バイブレータ用モータ126、およびプッシュボタン31Bが備えるプッシュセンサ35Bにも接続されているのであるが(図52参照)、図51では図示を省略している。
図52は、中継基板77、演出制御基板12、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図52に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板12のみを設けてもよい。
演出制御基板12は、演出制御用CPU120、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ150を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ150におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板12において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板11からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ152および入力ポート153を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置5の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ150と共動して演出表示装置5の表示制御を行うVDP109が演出制御基板12に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ150とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置5に出力する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置5に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU120の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板12において、まず、入力ドライバ152に入力する。入力ドライバ152は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板12の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板12の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板11から入力された信号を演出制御基板12に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板12から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路76が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図52には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板11から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板11の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板11の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ100側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図51に示されたI/O105の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aのトリガボタン31Cに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ35Cから、入力ポート156を介して入力する。また、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから、入力ポート156を介して入力する。また、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aの操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット35Aから、入力ポート156を介して入力する。また、演出制御用CPU120は、出力ポート155を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ31Aを振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU120は、出力ポート155を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU120は、出力ポート154を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ355を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて発光体(本例では、枠LED28)に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図53は、主基板11における遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS401以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU103は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS401)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS402)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS403)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS404)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS405)。なお、割込モード2は、CPU103が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU103は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS406)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU103は、通常の初期化処理(ステップS409〜S414)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS407)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU103は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU103は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS408)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS408では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU103は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS418〜S420の処理)を行う。具体的には、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS418)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定する(ステップS419)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS418およびS419の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU103は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS420)。また、CPU103は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板12に対して送信する(ステップS21)。そして、ステップS413に移行する。なお、ステップS421において、CPU103は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図62参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ150は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS421で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU103は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU103は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU103は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS409)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、大当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM102の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、大当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS410)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS411)。
ステップS410およびS411の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU103は、サブ基板(主基板11以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ100が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS412)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ150は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS413)。CPU103は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路104にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS414において、CPU103は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS409〜S414)が完了すると、CPU103は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS416)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS415)、表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS417)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置5において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ150である。
タイマ割込が発生すると、CPU103は、図54に示すステップS430〜S444のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS430)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU103は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B,17aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS431)。
次に、CPU103は、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、第1特別図柄保留記憶表示器25A、第2特別図柄保留記憶表示器25Bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS432)。第1特別図柄表示器4Aおよび第2特別図柄表示器4Bについては、ステップS442,S443で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS433)。CPU103は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS434,435)。
さらに、CPU103は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS436)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4Bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS437)。普通図柄プロセス処理では、CPU103は、普通図柄表示器20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータ150に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS438)。
さらに、CPU103は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS439)。
また、CPU103は、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B,17aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS440)。具体的には、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B,17aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU103は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS441:出力処理)。
また、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS442)。
さらに、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS443)。CPU103は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS432において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器20における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS444)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS431〜S443(ステップS439を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bおよび演出表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bおよび演出表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア5L、5C、5Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置5において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置5における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図55は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図55に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図55に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図55に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図55において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図55に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図55に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図56は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、通常大当りや確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図54に示された遊技制御処理におけるステップS433では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、(1)の大当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図57(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図57(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図57(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図57(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図57(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図57(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図57(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図57(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図9(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU103は、所定の時期に、乱数回路104のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図57(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図57(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図57(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図57(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図57(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口21Aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口21B,17に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図57(D),(E)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図57(D)は、遊技球が第1始動入賞口21Aに入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図57(E)は、遊技球が第2始動入賞口21B,17に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図57(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口21Aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口21B,17に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図57(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの通常大当りや確変大当りとに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図57(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS168,S137〜S140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
なお、突然確変大当りの態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや突然確変大当りと同じ15回(15ラウンド)とし、大入賞口の開放時間のみ0.1秒と極めて短くするようにしてもよい。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU103は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図58(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図58(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図58(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図58(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「通常大当り」または「確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、通常大当りや確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図58(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図58(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図59(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。このうち、図59(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が5未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図59(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が5以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図59(C)は、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図59に示す例では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が5以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B〜135Cを用いる場合を示しているが、確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が5以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図59(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が5未満である場合に用いるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が5以上である場合に用いるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば5以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図59(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図59(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図59(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、図58に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態や時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が5以上である場合に、図59(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図60(A),(B)は、ROM101に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図60(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図60(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図60(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図61は、ROM101に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図62および図63は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図62および図63に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置5において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図55に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ150は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置5において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ150は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ150は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」や「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A20A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」や「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口21Aと第2始動入賞口21B,17とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図70参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ150に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ150に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ150は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図64は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図64に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU103は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「通常大当り」となると判定された場合には、CPU103は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「確変大当り」となると判定された場合には、CPU103は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU103は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU103は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図65および図66は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図65および図66に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU103は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU103は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ150は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ150は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図59(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜10,21〜29についても同様であり、図58(A)〜(D)や図59(C)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が確変状態または時短状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU103は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU103は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態や時短状態である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、例えば、始動入賞時に、「通常大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU103は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU103は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU103は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU103は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU103は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU103は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU103は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくともスーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図58、図59参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して後述する先読み予告演出を実行することとしてもよい。なお、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図65および図66に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、非リーチCA2−1の変動パターン種別についても合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図59参照)、先読み予告演出(いわゆるガセの先読み予告演出)を実行するように構成してもよい。
なお、「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、後述するように、保留表示の表示態様を変化させる先読み予告演出を実行する場合を説明する。
なお、この実施の形態では、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、図64に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図65および図66に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ150は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する先読み予告を実行する。
演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ150(具体的には、演出制御用CPU120)は、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から上述した演出制御コマンドを受信すると、図62および図63に示された内容に応じて演出表示装置5の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞があり第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板11から中継基板77を介して演出制御基板12に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ150は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図62および図63に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器4Aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器4Bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置5などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用マイクロコンピュータ150に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図67は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22B,17aのいずれかがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口21Aまたは第2始動入賞口21B,17のいずれかへの始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B,17aのいずれもオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を実行することなく、そのまま、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ150に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ150に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ150は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置5において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図75参照)、ステップS432の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド82を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ150に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド82を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ150に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図68は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ22Aがオン状態でなければ、ステップS1222に移行する。第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば、CPU103は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。また、CPU103は、第1始動入賞口21Aおよび第2始動入賞口21B,17への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口21Aに遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ22B,17aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口21B,17に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ22B,17aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図69(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図69(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図69(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図69(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口21Aまたは第2始動入賞口21B,17への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口21Aおよび第2始動入賞口21B,17への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM102に形成されている。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図69(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1216)。なお、ステップS1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図69(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図69(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM102に形成されている。
次いで、CPU103は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1217)。そして、CPU103は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行う(ステップS1218)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行う(ステップS1219)。
次いで、CPU103は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行う(ステップS1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行う(ステップS1221)。
次いで、CPU103は、第2始動口スイッチ22B,17aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1222)。第2始動口スイッチ22B,17aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ22B,17aがオン状態であれば、CPU103は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1225)。また、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS1226)。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図69(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1227)。なお、ステップS1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、入賞時演出処理を実行する(ステップS1228)。そして、CPU103は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行う(ステップS1229)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行う(ステップS1230)。
次いで、CPU103は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行う(ステップS1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行う(ステップS1232)。
図70は、ステップS1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU103は、まず、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図57(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口21Aや第2始動入賞口21B,17に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ150によって先読み予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU103は、遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU103は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図57(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU103は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図57(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU103は、第1始動入賞口21Aへの始動入賞があった場合(ステップS1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図57(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口21B,17への始動入賞があった場合(ステップS1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図57(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU103は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
次いで、CPU103は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU103は、ステップS225において、遊技状態が確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否か(具体的には、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU103は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図65および図66に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU103は、遊技状態が確変状態または時短状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU103は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図65参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図65参照)。
また、例えば、CPU103は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU103は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図65参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図65参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図65参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図65参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図65参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図65参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図65参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図65参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU103は、「小当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。
次いで、CPU103は、小当り用の閾値を設定する(ステップS228)。なお、この実施の形態では、CPU103は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図66参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU103は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU103は、第1始動入賞口21Aへの始動入賞があった場合(ステップS1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図57(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口21B,17への始動入賞があった場合(ステップS1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図57(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU103は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「通常大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「確変大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU103は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
例えば、CPU103は、「通常大当り」と判定した場合には、閾値74および149を設定する。この場合、CPU103は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図66参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図66参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図66参照)。
また、例えば、CPU103は、「確変大当り」と判定した場合には、閾値38および79を設定する。この場合、CPU103は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図66参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図66参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図66参照)。
また、例えば、CPU103は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU103は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図66参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図66参照)。
次いで、CPU103は、ステップS226,S228,S231で設定した閾値と、ステップS1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
なお、ステップS226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図58、図59参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU103は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU103は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図65および図66に示すような「00(H)」〜「09(H)」、「10(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ150は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
図71および図72は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS451)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ150に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS452)、処理を終了する。なお、例えば、CPU103は、ステップS452で客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU103は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS453)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS454)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS455)。
この実施の形態では、ステップS453〜S455の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
なお、この実施の形態で示したように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図70に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、通常状態や時短状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、確変状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS220の処理のみを実行し、ステップS221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(ステップS456)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS457)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU103は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU103は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS458)。なお、CPU103は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM102の所定の領域に保存する。
また、CPU103は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行う(ステップS459)。この場合、CPU103は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU103は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータ150に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ150に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ150に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口21Aを対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口21B,17を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU103は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1216や第2始動口スイッチ通過処理のステップS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図57参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態や時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM101における図57(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM101における図57(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU103は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図57(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS461)、ステップS464に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS461のN)、CPU103は、小当り判定テーブル(図57(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図57(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU103は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図57(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図57(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS462)、CPU103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS463)、ステップS468に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS462のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS468に移行する。
ステップS464では、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS465)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図57(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図57(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU103は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS466)。なお、この場合、CPU103は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1216や第2始動口スイッチ通過処理のステップS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図57(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102における大当り種別バッファに設定する(ステップS467)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS468)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS469)。
図73は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図58(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図58(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を確変状態や時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「通常大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。また、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において確変フラグがセットされるとともに時短フラグがセットされる。そして、次の大当りが発生した場合に、確変フラグとともに時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU103は、合算保留記憶数が5以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が5未満であれば(ステップS96のN)、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図59(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
合算保留記憶数が5以上である場合(ステップS96のY)には、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図59(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば(この実施の形態では、確変状態に移行される場合には必ず時短状態にも移行されるので(ステップS169,S170参照)、ステップS95でYと判定された場合には、確変状態の場合と時短状態のみに制御されている場合とがある)、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図59(C)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が5以上である場合には、図59(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が確変状態または時短状態である場合には、図59(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図61参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が5以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図59(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図59(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU103は、ステップS95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図59(A)参照)を選択するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ステップS96の処理が実行されることによって合算保留記憶数が5以上である場合に短縮変動の変動表示が行われる場合があるように構成しているのであるが、後述するように、合算保留記憶数が所定数(8個)となったことを契機としてキャラクタ変化を実行するように構成しているのであるから、例えば、合算保留記憶数が比較的少ない数でも短縮変動を実行可能に構成してしまうと、合算保留記憶数が所定数(8個)まで溜まりにくくキャラクタ変化が実行されにくくなってしまう。そこで、合算保留記憶数が比較的多い数のときに短縮変動を実行可能に構成するようにして、ある程度合算保留記憶数が所定数(8個)まで溜まりやすくしてキャラクタ変化が実行されやすくするように構成することが望ましい。ただし、短縮変動の実行頻度を低くしすぎてしまうと、却って合算保留記憶数が所定数(8個)近辺で高止まりして減少されないという弊害が生じてしまうので、合算保留記憶数が適度に増減するように短縮変動の実行頻度などを設定することが望ましい。
また、本実施の形態のように振分装置200が設けられているタイプの遊技機においては、合算保留記憶数が5以上である場合に短縮変動の変動表示が行われる場合があるように構成すると、合算保留記憶数が所定数(8個)まで溜まりにくくキャラクタ変化が実行されにくくなってしまう。そこで、振分装置200が設けられていないタイプの遊技機よりも短縮変動の選択割合を少なくすることとしてもよい。
例えば、振分装置200が設けられていないタイプの遊技機においては、非リーチはずれである場合、保留記憶数が「1」であるときには短縮変動を選択せず、保留記憶数が「2」または「3」であるときには特定割合で短縮変動を選択し、保留記憶数が「4」であるときには必ず短縮変動を選択するといったものが一般的であれば、振分装置200が設けられているタイプの遊技機においては、非リーチはずれである場合、合算保留記憶数が「1」〜「3」であるときには短縮変動を選択せず、合算保留記憶数が「4」〜「6」であるときには特定割合よりも少し低い割合で短縮変動を選択し、合算保留記憶数が「7」であるときには特定割合で短縮変動を選択し、合算保留記憶数が「8」であるときには必ず短縮変動を選択することとしてもよい。
また、合算保留記憶数が「7」であるときには、合算保留記憶数が「4」〜「6」であるときよりも短縮変動の選択割合を低くしてもよい。そうすることにより、合算保留記憶数が「7」である状態で始動入賞が発生しやすくなり、キャラクタ変化の実行頻度を向上させることができる。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU103は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図60参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図61参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU103は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU103は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU103は、RAM102に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S100の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図59に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図59に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU103は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して先読み予告演出を行うように構成することが好ましい。
図74は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU103は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図62参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU103は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS467で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU103は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS467で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU103は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU103は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU103は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU103は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図75は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU103は、まず、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に合算保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU103は、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行う(ステップS1122)。
次いで、CPU103は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ150に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図76は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、時短状態であることを示す時短フラグ、および時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ150に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」または「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM102に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU103は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU103は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU103は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータ150に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。また、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りのラウンド時間と同じ0.1秒が、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間としてセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図77は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「通常大当り」または「確変大当り」であった場合には大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU103は、今回終了する大当りが通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS467で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば、CPU103は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU103は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りであれば)、CPU103は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図78は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU103は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器4A,4Bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器4A,4Bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU103は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器4A,4Bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器4A,4Bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ150側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU103は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図79は、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ150(具体的には、演出制御用CPU120)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の第4図柄表示領域5c,5dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図80は、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図62および図63参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図81および図82は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU120は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS622)。
図83は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図83に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、図68の始動口スイッチ通過処理のステップS1218〜S1221,S1229〜S1232で示したように、第1始動入賞口21Aまたは第2始動入賞口21B,17への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドがセットで送信される。そのため、図83に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、図83に示すように、各格納領域1〜8に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる(なお、図83では、格納領域1〜5までコマンドが格納されている例が示されている)。
なお、図83に示す例では、前回の変動表示において7個までの保留記憶が発生して最新のコマンドが格納されている格納領域に合算保留記憶数7を指定する合算保留記憶数指定コマンド(C207(H))が格納され、その後、保留記憶が1つ消化されて2番目の保留記憶にもとづく変動表示が開始されている状況での始動入賞時コマンド格納領域の格納状態が示されている。
また、図83に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごと(合算保留記憶数減算指定コマンドを受信するごと)に、後述するステップS635dで1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、図83に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、格納領域1に格納されている内容(各コマンドおよび後述する変化パターンおよび変化タイミングパターン)が削除され、格納領域2に格納されている内容が格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている内容が格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている内容が格納領域3にシフトされ、格納領域5に格納されている内容が格納領域4にシフトされる。なお、内容が削除されるタイミングは、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで後述する演出図柄変動開始処理中であってもよい。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図70参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
また、図83に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、更に、変化パターンと変化タイミングパターンとが格納できるよう記憶領域が確保されている。変化パターンとは、保留表示の表示態様の変化態様をパターン化したもの(PT1A〜PT7B)であり、始動入賞時に決定される。ここで、図84を用いて、変化パターンの詳細について説明する。
図84は、本実施の形態における変化パターンテーブルを示す説明図である。図84に示すように、各変化パターンには、保留表示の表示態様の変化の態様を示す「変化態様」、保留表示の表示態様を変化させる回数(「キャラクタ」への変化を除外した回数)である「変化回数」、およびキャラクタ変化(表示態様を「キャラクタ」に変化させること)が可能な「○」、またはキャラクタ変化が不可能な「×」が対応づけられている。
例えば、PT1AおよびPT1Bは、「白」のまま変化しないことから変化回数が0回の変化パターンである。PT2AおよびPT2Bは、「白」から「青」へ変化することから変化回数が1回の変化パターンである。PT3AおよびPT3Bは、「青」のまま変化しないことから変化回数が0回の変化パターンである。PT4AおよびPT4Bは、「白」から「青」へ変化した後に「赤」へ変化することから変化回数が2回の変化パターンである。PT5AおよびPT5Bは、「白」から「赤」へ変化することから変化回数が1回の変化パターンである。PT6AおよびPT6Bは、「青」から「赤」へ変化することから変化回数が1回の変化パターンである。PT7AおよびPT7Bは、「赤」のまま変化しないことから変化回数が0回の変化パターンである。
以下、PT1AおよびPT1Bを「第1変化パターン種別」、PT2AおよびPT2Bを「第2変化パターン種別」、PT3AおよびPT3Bを「第3変化パターン種別」、PT4AおよびPT4Bを「第4変化パターン種別」、PT5AおよびPT5Bを「第5変化パターン種別」、PT6AおよびPT6Bを「第6変化パターン種別」、PT7AおよびPT7Bを「第7変化パターン種別」ということがある。
また、例えば、PT1A,2A,3A,4A,5A,6A,7Aは、キャラクタ変化をし得ない変化パターンである。PT1B,2B,3B,4B,5B,6B,7Bは、キャラクタ変化をし得る変化パターン(以下、「キャラクタ変化可能パターン」ということがある)である。本実施の形態では、キャラクタ変化可能パターンが記憶されているときに合算保留記憶数が8個になったことを条件として、キャラクタ変化可能パターンに対応する保留表示またはアクティブ表示の表示態様が「キャラクタ」に変化するものである。
また、いずれの変化パターンにおける「変化態様」にも、「キャラクタ」は含まれていないことから、合算保留記憶数が8個になった場合にのみ保留表示の表示態様を「キャラクタ」に変化可能な構成としている。
例えば、図83に示す例では、1つ目、2つ目および4つ目の保留表示の変化パターンとしてPT1A(「白」からいずれの表示態様にも変化し得ない変化パターン)が、3つ目の保留表示の変化パターンとしてPT2A(「白」から「青」に変化可能であり、「キャラクタ」には変化しない変化パターン)が、5つ目の保留表示の変化パターンとしてPT4B(「白」から「青」へ変化した後に「赤」に変化可能であり、「キャラクタ」にも変化可能な変化パターン)が、それぞれ記憶されている。
また、変化タイミングパターンとは、保留表示の表示態様を変化させる変化タイミングをパターン化したもの(T00〜T76)であり、始動入賞時に決定される。変化タイミングパターンは、変化回数(「キャラクタ」への変化を除外した回数)が1回である場合に選択されるT00〜T07と、該変化回数が2回である場合に選択されるT10〜T76とに大別できる。
変化タイミングパターンに含まれる変化タイミングの要素としては、対応するアクティブ表示を開始するタイミングである「アクティブ」、1個目の保留表示にシフトするタイミングである「1個目」、2個目の保留表示にシフトするタイミングである「2個目」、3個目の保留表示にシフトするタイミングである「3個目」、4個目の保留表示にシフトするタイミングである「4個目」、5個目の保留表示にシフトするタイミングである「5個目」、6個目の保留表示にシフトするタイミングである「6個目」および7個目の保留表示にシフトするタイミングである「7個目」がある。
例えば、T00は、変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T01は、変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンであり、T02は、変化タイミングが「2個目」である変化タイミングパターンであり、T03は、変化タイミングが「3個目」である変化タイミングパターンであり、T04は、変化タイミングが「4個目」である変化タイミングパターンであり、T05は、変化タイミングが「5個目」である変化タイミングパターンであり、T06は、変化タイミングが「6個目」である変化タイミングパターンであり、T07は、変化タイミングが「7個目」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T10は、1回目の変化タイミングが「1個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T20は、1回目の変化タイミングが「2個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T21は、1回目の変化タイミングが「2個目」、2回目の変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T30は、1回目の変化タイミングが「3個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T31は、1回目の変化タイミングが「3個目」、2回目の変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンであり、T32は、1回目の変化タイミングが「3個目」、2回目の変化タイミングが「2個目」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T40は、1回目の変化タイミングが「4個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T41は、1回目の変化タイミングが「4個目」、2回目の変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンであり、T42は、1回目の変化タイミングが「4個目」、2回目の変化タイミングが「2個目」である変化タイミングパターンであり、T43は、1回目の変化タイミングが「4個目」、2回目の変化タイミングが「3個目」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T50は、1回目の変化タイミングが「5個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T51は、1回目の変化タイミングが「5個目」、2回目の変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンであり、T52は、1回目の変化タイミングが「5個目」、2回目の変化タイミングが「2個目」である変化タイミングパターンであり、T53は、1回目の変化タイミングが「5個目」、2回目の変化タイミングが「3個目」である変化タイミングパターンであり、T54は、1回目の変化タイミングが「5個目」、2回目の変化タイミングが「4個目」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T60は、1回目の変化タイミングが「6個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T61は、1回目の変化タイミングが「6個目」、2回目の変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンであり、T62は、1回目の変化タイミングが「6個目」、2回目の変化タイミングが「2個目」である変化タイミングパターンであり、T63は、1回目の変化タイミングが「6個目」、2回目の変化タイミングが「3個目」である変化タイミングパターンであり、T64は、1回目の変化タイミングが「6個目」、2回目の変化タイミングが「4個目」である変化タイミングパターンであり、T65は、1回目の変化タイミングが「6個目」、2回目の変化タイミングが「5個目」である変化タイミングパターンである。
また、例えば、T70は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「アクティブ」である変化タイミングパターンであり、T71は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「1個目」である変化タイミングパターンであり、T72は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「2個目」である変化タイミングパターンであり、T73は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「3個目」である変化タイミングパターンであり、T74は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「4個目」である変化タイミングパターンであり、T75は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「5個目」である変化タイミングパターンであり、T76は、1回目の変化タイミングが「7個目」、2回目の変化タイミングが「6個目」である変化タイミングパターンである。
例えば、図83に示す例では、3つ目の保留表示の変化タイミングパターンとしてT02が、5つ目の保留表示の変化タイミングパターンとしてT32が、それぞれ記憶されている。なお、表示態様の変化回数(「キャラクタ」への変化は除外した回数)が0回である変化パターンが格納されている場合には、変化するタイミングがないことから、変動タイミングパターンは格納されていない(例えば、1つ目、2つ目および4つ目の格納領域を参照。)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU120は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU120は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS628)、演出制御用CPU120は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS629)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU120は、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)が格納されている格納領域に格納する(ステップS632)。また、演出制御用CPU120は、RAMに設けられた合算保留記憶数保存領域に、合算保留記憶数指定コマンドで指定された合算保留記憶数を格納する(ステップS633)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS634)、演出制御用CPU120は、合算保留記憶表示部5Gにおける保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている変化パターンおよび変化タイミングパターンにもとづいて、合算保留記憶表示部5Gにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS635)。具体的に、各格納領域に格納されている変化タイミングパターンを参照して、変化タイミングに至る保留表示があるか否かを判定し、変化タイミングに至る保留記憶がある場合には、変化パターンを参照して、保留表示の表示態様を変化させる。例えば、図83の格納領域3に対応する変化タイミングパターンはT02であることから、2個目の保留表示にシフトするタイミング(次にステップS635を実行するとき)において、対応する保留表示の表示態様を変化させることとなる。そのとき、格納されている変化パターンがPT2Aであることから、「白」から「青」に変化させることとなる。
なお、ステップS635において変化タイミングに至る保留表示であっても、該保留表示が既に「キャラクタ」に変化されている保留表示である場合には、保留表示の表示態様は変化しないこととする。
そして、演出制御用CPU120は、アクティブ表示を開始する(ステップS635a)。ここでは、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に記憶されている変化パターンおよび変化タイミングパターンにもとづいた表示態様にてアクティブ表示を開始する。例えば、格納領域1に、「アクティブ」を含む変化タイミングパターン(T00,10,20,30,40,50,60,70のいずれか)が記憶されている場合には、対応付けられている変化パターンにおける最後の表示態様(「青」または「赤」)にてアクティブ表示を開始する。また、例えば、格納領域1に、「アクティブ」を含まない変化タイミングパターン(T00,10,20,30,40,50,60,70以外のいずれか)が記憶されている場合には、合算保留記憶表示部5Gの1つ目の表示領域に表示されていた表示態様にてアクティブ表示を開始する。なお、1つ目の表示領域に表示されていた表示態様が「キャラクタ」であった場合には、格納領域1に、「アクティブ」を含む変化タイミングパターン(T00,10,20,30,40,50,60,70のいずれか)が記憶されている場合であっても、「キャラクタ」のアクティブ表示を開始することとする。
その後、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1の変化パターンは、キャラクタ変化可能パターン(PT1B,2B,3B,4B,5B,6B,7B)であるか否かを判定し(ステップS635b)、キャラクタ変化可能パターンでない場合には、ステップS635dへ移行する。キャラクタ変化可能パターンである場合には、アクティブ表示の表示態様を「キャラクタ」に変化可能であることを示すアクティブ変化可能フラグをセットする(ステップS635c)。
そして、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンド格納領域における格納領域1のデータを削除し、残りのデータをシフトして格納する(ステップS635d)。また、演出制御用CPU120は、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する(ステップS636)。
なお、ステップS635〜S636の処理については、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動開始時に送信されるコマンド(例えば、変動パターンコマンド)を受信することにもとづいて実行してもよい。その場合、合算保留記憶数減算指定コマンドについては、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されないものであってもよい。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS637)。例えば、受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットし、受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする。そして、ステップS611に移行する。
図85は、図79に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、保留表示に関する制御を行う保留表示制御処理を実行する(ステップS800A)。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図86は、保留表示制御処理を示すフローチャートである。保留表示制御処理において、演出制御用CPU120は、新たな始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS3501)、受信していない場合にはそのまま保留表示制御処理を終了する。新たな始動入賞時コマンドを受信した場合には、受信した始動入賞時コマンドに大当りまたは小当りとなることを示す情報が含まれているか否かを判定する(ステップS3502)。具体的には、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドのうち少なくともいずれか一方により、大当りまたは小当りとなるか否かを判定することができる。
大当りまたは小当りとなる場合、演出制御用CPU120は、演出モードAに制御されているか否かを判定する(ステップS3503)。本実施の形態では、保留表示の表示態様の変化パターンおよび変化タイミングパターンの選択傾向が異なる演出モードとして、演出モードAと演出モードBとが設けられている。例えば、演出モードAは、第1態様である「白」より、第2態様である「青」や「赤」の方が、特定態様である「キャラクタ」に変化しやすいとともに、「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンを選択しやすい演出モードである。一方、演出モードBは、第2態様である「青」や「赤」より、第1態様である「白」の方が、特定態様である「キャラクタ」に変化しやすいとともに、「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンを選択しにくい(すなわち、第1態様である「白」が継続されやすい)演出モードである。いずれの演出モードに制御されているかについては、フラグを用いることにより判定することができる。例えば、演出モードAであることを示すフラグを用いれば、該フラグがセットされているか否かを判定することにより、いずれの演出モードに制御されているかを判定することができる。該フラグは、演出モードAに制御するとき(例えば、後述するステップS8320C)にセットすることとすればよい。
ステップS3503において、演出モードAである場合には、演出制御用CPU120は、第1当り用変化パターン決定テーブルを選択する(ステップS3504)一方、演出モードBである場合には、第2当り用変化パターン決定テーブルを選択する(ステップS3505)。また、ステップS3502において、大当りまたは小当りとなる情報が含まれていない場合、すなわち、新たに発生した保留記憶がはずれ保留である場合、はずれ用変化パターン決定テーブルを選択する(ステップS3506)。
そして、演出制御用CPU120は、ステップS3504〜S3506のいずれかで選択した変化パターン決定テーブルを用いて、変化パターンを決定するための変化パターン決定抽選を行う(ステップS3507)。
ここで、図87〜図89を用いて、変化パターン決定テーブルについて説明する。各変化パターン決定テーブルには、変化パターンに対する入賞時判定結果毎の選択割合が含まれている。変化パターンの欄における括弧書きは、(○)であればキャラクタ変化が可能な変化パターン(キャラクタ変化パターン)であり、(×)であればキャラクタ変化が不可能な変化パターンであることを示している。また、合算保留記憶数が「1」である場合と、「2以上」である場合とで、異なる選択割合が設けられており、合算保留記憶数が「1」である場合には変化可能タイミングが1回しかないことから、変化回数が2回である変化パターンであるPT4A,4Bは選択しないようになっている。
また、入賞時判定結果が確変大当りである場合の選択割合における「A+B」の欄は、対応づけられている変化パターンとの選択割合の和を示している。例えば、図87に示す「A+B」の欄は、上から、合算保留記憶数が「1」である場合のPT1AおよびPT1Bの選択割合の和(すなわち、第1変化パターン種別の選択割合)、PT2AおよびPT2Bの選択割合の和(すなわち、第2変化パターン種別の選択割合)、PT3AおよびPT3Bの選択割合の和(すなわち、第3変化パターン種別の選択割合)、PT4AおよびPT4Bの選択割合の和(すなわち、第4変化パターン種別の選択割合)、PT5AおよびPT5Bの選択割合の和(すなわち、第5変化パターン種別の選択割合)、PT6AおよびPT6Bの選択割合の和(すなわち、第6変化パターン種別の選択割合)、PT7AおよびPT7Bの選択割合の和(すなわち、第7変化パターン種別の選択割合)、となっている。図87における合算保留記憶数が「2以上」である場合、および図88においても同様である。
図87は、演出モードがAであり、入賞時判定結果が大当りまたは小当りである場合に用いられる第1当り用変化パターン決定テーブルを示す説明図である。
まず、合算保留記憶数が「1」であるとき第1当り用変化パターン決定テーブルが用いられた場合について説明する。
入賞時判定結果が確変大当りである場合(図柄指定コマンドがC402(H)である場合)、4%の割合でPT1Aが、6%の割合でPT2Aが、3%の割合でPT2Bが、10%の割合でPT3Aが、4%の割合でPT3Bが、15%の割合でPT5Aが、4%の割合でPT5Bが、19%の割合でPT6Aが、5%の割合でPT6Bが、20%の割合でPT7Aが、10%の割合でPT7Bが、それぞれ選択される。このとき、第1変化パターン種別の選択割合は4%であり、第2変化パターン種別の選択割合は9%であり、第3変化パターン種別の選択割合は14%であり、第4変化パターン種別の選択割合は0%であり、第5変化パターン種別の選択割合は19%であり、第6変化パターン種別の選択割合は24%であり、第7変化パターン種別の選択割合は30%である。
入賞時判定結果が通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)である場合)、5%の割合でPT1Aが、10%の割合でPT2Aが、15%の割合でPT3Aが、20%の割合でPT5Aが、25%の割合でPT6Aが、25%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、10%の割合でPT1Aが、10%の割合でPT2Aが、20%の割合でPT3Aが、20%の割合でPT5Aが、20%の割合でPT6Aが、20%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
次に、合算保留記憶数が「2以上」であるとき第1当り用変化パターン決定テーブルが用いられた場合について説明する。
入賞時判定結果が確変大当りである場合(図柄指定コマンドがC402(H)である場合)、1%の割合でPT1Aが、2%の割合でPT2Aが、1%の割合でPT2Bが、3%の割合でPT3Aが、2%の割合でPT3Bが、8%の割合でPT4Aが、2%の割合でPT4Bが、15%の割合でPT5Aが、5%の割合でPT5Bが、18%の割合でPT6Aが、10%の割合でPT6Bが、23%の割合でPT7Aが、10%の割合でPT7Bが、それぞれ選択される。このとき、第1変化パターン種別の選択割合は1%であり、第2変化パターン種別の選択割合は3%であり、第3変化パターン種別の選択割合は5%であり、第4変化パターン種別の選択割合は10%であり、第5変化パターン種別の選択割合は20%であり、第6変化パターン種別の選択割合は28%であり、第7変化パターン種別の選択割合は33%である。
入賞時判定結果が通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)である場合)、3%の割合でPT1Aが、6%の割合でPT2Aが、8%の割合でPT3Aが、10%の割合でPT4Aが、18%の割合でPT5Aが、25%の割合でPT6Aが、30%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、10%の割合でPT1Aが、10%の割合でPT2Aが、10%の割合でPT3Aが、10%の割合でPT4Aが、20%の割合でPT5Aが、20%の割合でPT6Aが、20%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
図88は、演出モードがBあり、入賞時判定結果が大当りまたは小当りである場合に用いられる第2当り用変化パターン決定テーブルを示す説明図である。
まず、合算保留記憶数が「1」であるとき第2当り用変化パターン決定テーブルが用いられた場合について説明する。
入賞時判定結果が確変大当りである場合(図柄指定コマンドがC402(H)である場合)、6%の割合でPT1Bが、4%の割合でPT2Aが、5%の割合でPT2Bが、10%の割合でPT3Aが、4%の割合でPT3Bが、16%の割合でPT5Aが、3%の割合でPT5Bが、22%の割合でPT6Aが、2%の割合でPT6Bが、27%の割合でPT7Aが、1%の割合でPT7Bが、それぞれ選択される。このとき、第1変化パターン種別の選択割合は6%であり、第2変化パターン種別の選択割合は9%であり、第3変化パターン種別の選択割合は14%であり、第4変化パターン種別の選択割合は0%であり、第5変化パターン種別の選択割合は19%であり、第6変化パターン種別の選択割合は24%であり、第7変化パターン種別の選択割合は28%である。
入賞時判定結果が通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)である場合)、5%の割合でPT1Aが、10%の割合でPT2Aが、15%の割合でPT3Aが、20%の割合でPT5Aが、25%の割合でPT6Aが、25%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、10%の割合でPT1Aが、10%の割合でPT2Aが、20%の割合でPT3Aが、20%の割合でPT5Aが、20%の割合でPT6Aが、20%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
次に、合算保留記憶数が「2以上」であるとき第2当り用変化パターン決定テーブルが用いられた場合について説明する。
入賞時判定結果が確変大当りである場合(図柄指定コマンドがC402(H)である場合)、7%の割合でPT1Bが、2%の割合でPT2Aが、6%の割合でPT2Bが、4%の割合でPT3Aが、5%の割合でPT3Bが、6%の割合でPT4Aが、4%の割合でPT4Bが、12%の割合でPT5Aが、3%の割合でPT5Bが、21%の割合でPT6Aが、2%の割合でPT6Bが、27%の割合でPT7Aが、1%の割合でPT7Bが、それぞれ選択される。このとき、第1変化パターン種別の選択割合は7%であり、第2変化パターン種別の選択割合は8%であり、第3変化パターン種別の選択割合は9%であり、第4変化パターン種別の選択割合は10%であり、第5変化パターン種別の選択割合は15%であり、第6変化パターン種別の選択割合は23%であり、第7変化パターン種別の選択割合は28%である。
入賞時判定結果が通常大当りである場合(図柄指定コマンドがC401(H)である場合)、3%の割合でPT1Aが、6%の割合でPT2Aが、8%の割合でPT3Aが、10%の割合でPT4Aが、18%の割合でPT5Aが、25%の割合でPT6Aが、30%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合(図柄指定コマンドがC403(H)またはC404(H)である場合)、10%の割合でPT1Aが、10%の割合でPT2Aが、10%の割合でPT3Aが、10%の割合でPT4Aが、20%の割合でPT5Aが、20%の割合でPT6Aが、20%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
図89は、入賞時判定結果がはずれである場合に用いられるはずれ用変化パターン決定テーブルを示す説明図である。
まず、合算保留記憶数が「1」であるときはずれ用変化パターン決定テーブルが用いられた場合について説明する。
入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H)またはC609(H)である場合)、30%の割合でPT1Aが、24%の割合でPT2Aが、19%の割合でPT3Aが、14%の割合でPT5Aが、9%の割合でPT6Aが、4%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
入賞時判定結果がその他である場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H),C609(H)以外である場合)、80%の割合でPT1Aが、15%の割合でPT2Aが、5%の割合でPT3Aが、それぞれ選択される。
次に、合算保留記憶数が「2以上」であるときはずれ用変化パターン決定テーブルが用いられた場合について説明する。
入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H)またはC609(H)である場合)、30%の割合でPT1Aが、20%の割合でPT2Aが、18%の割合でPT3Aが、15%の割合でPT4Aが、10%の割合でPT5Aが、5%の割合でPT6Aが、2%の割合でPT7Aが、それぞれ選択される。
入賞時判定結果がその他である場合(図柄指定コマンドがC400(H)であり、変動カテゴリコマンドがC607(H),C609(H)以外である場合)、80%の割合でPT1Aが、15%の割合でPT2Aが、5%の割合でPT3Aが、それぞれ選択される。
図87〜図89に示す変化パターン決定テーブルを比較すると、少なくとも、合算保留記憶数が2以上である場合、大当りまたは小当りである場合の変化パターン種別毎の選択割合は、第1変化パターン種別<第2変化パターン種別<第3変化パターン種別<第4変化パターン種別<第5変化パターン種別<第6変化パターン種別<第7変化パターン種別となっている。一方、はずれである場合の変化パターン種別毎の選択割合は、第1変化パターン種別>第2変化パターン種別>第3変化パターン種別>第4変化パターン種別>第5変化パターン種別>第6変化パターン種別>第7変化パターン種別となっている。したがって、大当りまたは小当りとなることに対する信頼度は、第1変化パターン種別<第2変化パターン種別<第3変化パターン種別<第4変化パターン種別<第5変化パターン種別<第6変化パターン種別<第7変化パターン種別となっている。
ここで、各変化パターン種別における変化態様(図84参照)に着目すると、「白」が含まれる変化パターン種別よりも、「青」が含まれる変化パターン種別の方が、大当りまたは小当りとなることに対する信頼度が高い。同様に、「青」が含まれる変化パターン種別よりも、「赤」が含まれる変化パターン種別の方が、大当りまたは小当りとなることに対する信頼度が高い。また、図87〜図89に示すように、キャラクタ変化可能パターンは、確変大当りである場合にのみ選択され得る変化パターンであることから、「キャラクタ」については、確変大当りとなる場合のみ変化し得る変化態様である。これにより、確変大当りとなることに対する信頼度は、「白」<「青」<「赤」<「キャラクタ」となっている。
また、図87に示す第1当り用変化パターン決定テーブルにおいては、入賞時判定結果が確変大当りであるとき、第1変化パターン種別の選択割合に対するキャラクタ変化パターンの選択割合(PT1B:0%)は0%であるとともに、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別の選択割合に対するキャラクタ変化パターンの選択割合は0%より高い。また、第1変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターンであるPT1Bの選択割合は、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターンであるPT2B,3B,4B,5B,6B,7Bの選択割合よりも低い。したがって、演出モードAにおいては、「白」により表示されており将来的に「青」や「赤」に変化する予定ではない保留表示が「キャラクタ」に変化する割合よりも、既に「青」や「赤」により表示されているか、または将来的に「青」や「赤」に変化する予定である保留表示が「キャラクタ」に変化する割合の方が高くなっている。これにより、演出モードAにおいては、「青」や「赤」に変化することにより、「キャラクタ」に変化することに対する期待感を遊技者に与えることができる。
また、図88に示す第2当り用変化パターン決定テーブルにおいては、入賞時判定結果が確変大当りであるとき、第2変化パターン種別の選択割合に対するキャラクタ変化パターンの選択割合(PT1B:6%)は100%であるとともに、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別の選択割合に対するキャラクタ変化パターンの選択割合は100%より低い。また、第1変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターンであるPT1Bの選択割合は、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターンであるPT2B,3B,4B,5B,6B,7Bの選択割合よりも高い。したがって、演出モードBにおいては、既に「青」や「赤」により表示されているか、または将来的に「青」や「赤」に変化する予定である保留表示が「キャラクタ」に変化する割合よりも、「白」により表示されており将来的に「青」や「赤」に変化する予定ではない保留表示が「キャラクタ」に変化する割合の方が高くなっている。これにより、演出モードBにおいては、「青」や「赤」に変化せずに「白」にて表示されている間、「キャラクタ」に変化することに対する期待感を遊技者に与えることができる。
次に、演出制御用CPU120は、変化タイミングパターンを決定するための変化タイミング決定抽選を行う(ステップS3508)。具体的には、ステップS3507において決定された変化パターン、および制御されている演出モードにもとづいて変化タイミング決定テーブルを選択し、合算保留記憶数にもとづいて変化タイミングを決定する。ここで、図90〜図92を用いて、変化タイミング決定テーブルについて説明する。
図90〜図92に示す各変化タイミング決定テーブルには、合算保留記憶数(1〜8)毎の変化タイミングパターンの選択割合が対応付けられている。各変化タイミングパターンには、具体的な変化タイミングが対応付けられている。
図90は、第1変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。図90(A)に示す第1変化タイミング決定テーブルAは、ステップS3507において決定された変化パターンの変化回数が「1」であり、演出モードAに制御されているときに用いられる変化タイミング決定テーブルである。
例えば、図90(A)に示す第1変化タイミング決定テーブルAでは、合算保留記憶数が「1」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が100%の割合で選択される。合算保留記憶数が「2」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が40%の割合で、T01が60%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「3」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が20%の割合で、T01が30%の割合で、T02が50%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「4」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が20%の割合で、T01が20%の割合で、T02が30%の割合で、T03が30%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「5」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が10%の割合で、T01が20%の割合で、T02が20%の割合で、T03が20%の割合で、T04が30%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「6」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が15%の割合で、T01が15%の割合で、T02が15%の割合で、T03が15%の割合で、T04が20%の割合で、T05が20%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「7」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が10%の割合で、T01が10%の割合で、T02が15%の割合で、T03が15%の割合で、T04が15%の割合で、T05が15%の割合で、T06が20%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「8」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が5%の割合で、T01が5%の割合で、T02が10%の割合で、T03が10%の割合で、T04が15%の割合で、T05が15%の割合で、T06が20%の割合で、T07が20%の割合で、選択される。
図90(B)に示す第1変化タイミング決定テーブルBは、ステップS3507において決定された変化パターンの変化回数が「1」であり、演出モードBに制御されているときに用いられる変化タイミング決定テーブルである。
例えば、図90(B)に示す第1変化タイミング決定テーブルBでは、合算保留記憶数が「1」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が100%の割合で選択される。合算保留記憶数が「2」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が60%の割合で、T01が40%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「3」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が50%の割合で、T01が30%の割合で、T02が20%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「4」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が30%の割合で、T01が30%の割合で、T02が20%の割合で、T03が20%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「5」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が30%の割合で、T01が20%の割合で、T02が20%の割合で、T03が20%の割合で、T04が10%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「6」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が20%の割合で、T01が20%の割合で、T02が15%の割合で、T03が15%の割合で、T04が15%の割合で、T05が15%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「7」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が20%の割合で、T01が20%の割合で、T02が15%の割合で、T03が15%の割合で、T04が15%の割合で、T05が10%の割合で、T06が5%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「8」である場合、変化タイミングパターンとして、T00が20%の割合で、T01が20%の割合で、T02が15%の割合で、T03が15%の割合で、T04が10%の割合で、T05が10%の割合で、T06が5%の割合で、T07が5%の割合で、選択される。
図91は、第2変化タイミング決定テーブルAを示す説明図である。図90に示す第2変化タイミング決定テーブルAは、ステップS3507において決定された変化パターンの変化回数が「2」であり、演出モードAに制御されているときに用いられる変化タイミング決定テーブルである。
例えば、図91に示す第2変化タイミング決定テーブルAでは、合算保留記憶数が「2」である場合、変化タイミングパターンとして、T10が100%の割合で選択される。合算保留記憶数が「3」である場合、変化タイミングパターンとして、T10が10%の割合で、T20が20%の割合で、T21が70%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「4」である場合、変化タイミングパターンとして、T10,T20がそれぞれ10%の割合で、T21〜T32がそれぞれ20%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「5」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T43がそれぞれ10%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「6」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T31がそれぞれ6%の割合で、T32〜T54がそれぞれ7%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「7」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T31がそれぞれ2%の割合で、T32〜T54がそれぞれ3%の割合で、T60〜T65がそれぞれ10%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「8」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T54がそれぞれ1%の割合で、T60〜T72がそれぞれ6%の割合で、T73〜T75がそれぞれ7%の割合で、T76が10%の割合で、選択される。
図92は、第2変化タイミング決定テーブルBを示す説明図である。図90に示す第2変化タイミング決定テーブルBは、ステップS3507において決定された変化パターンの変化回数が「2」であり、演出モードBに制御されているときに用いられる変化タイミング決定テーブルである。
例えば、図92に示す第2変化タイミング決定テーブルBでは、合算保留記憶数が「2」である場合、変化タイミングパターンとして、T10が100%の割合で選択される。合算保留記憶数が「3」である場合、変化タイミングパターンとして、T10が70%の割合で、T20が20%の割合で、T21が10%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「4」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T30がそれぞれ20%の割合で、T31,T32がそれぞれ10%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「5」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T43がそれぞれ10%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「6」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T43がそれぞれ7%の割合で、T50〜T54がそれぞれ6%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「7」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T54がそれぞれ6%の割合で、T60〜T63がそれぞれ3%の割合で、T64,T65がそれぞれ1%の割合で、選択される。合算保留記憶数が「8」である場合、変化タイミングパターンとして、T10〜T54がそれぞれ5%の割合で、T60〜T75がそれぞれ2%の割合で、T76が1%の割合で、選択される。
このように、演出モードAにおいて、比較的早いタイミングが変化タイミングとして決定されやすいようになっている(図90(A)および図91参照)。これにより、保留表示が開始されてから早い時期(例えば、始動入賞が発生した直後)に表示態様が「青」や「赤」に変化することに対する期待感を遊技者に与えることができる。
特に、合算保留記憶数が「7」または「8」である場合、変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンであるT06,T07,T60〜T76を選択しやすい。すなわち、6個目や7個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示の表示態様を「青」や「赤」に変化しやすいようになっている。上述したように、演出モードAにおいては「白」からキャラクタ変化する割合よりも「青」や「赤」からキャラクタ変化する割合の方が高いため、6個目や7個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示の表示態様を「青」や「赤」に変化しやすいようにすることで、残り少数の保留記憶を溜めることでキャラクタ変化が発生することの期待感を遊技者に与えることができ、積極的な遊技を促進することができる。
また、このように、演出モードBにおいて、比較的遅いタイミングが変化タイミングとして決定されやすいようになっている(図90(B)および図92参照)。これにより、保留表示が開始されてから遅い時期(例えば、対応する変動が開始される直前)に表示態様が「青」や「赤」に変化することに対する期待感を遊技者に与えることができる。
特に、合算保留記憶数が「7」または「8」である場合、変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンであるT06,T07,T60〜T76を選択しにくい。すなわち、6個目や7個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示の表示態様を「青」や「赤」に変化しにくい(「白」が継続しやすい)ようになっている。上述したように、演出モードBにおいては「青」や「赤」キャラクタ変化する割合よりも「白」からキャラクタ変化する割合の方が高いため、6個目や7個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示の表示態様を「青」や「赤」に変化しにくい(「白」が継続しやすい)ようにすることで、残り少数の保留記憶を溜めることでキャラクタ変化が発生することの期待感を遊技者に与えることができ、積極的な遊技を促進することができる。
ステップS3508の後、変化パターン決定抽選(ステップS3507)および変化タイミング決定抽選(ステップS3508)の抽選結果を始動入賞時コマンド格納領域に記憶し(ステップS3509)、決定した変化パターンに応じた表示態様にて新たな保留表示の表示を開始する(ステップS3510)。例えば、PT1A,1B,2A,2B,4A,4B,5A,5Bのいずれかが決定されていれば、「白」にて保留表示の表示を開始し、PT3A,3B,6A,6Bのいずれかが決定されていれば、「青」にて保留表示の表示を開始し、PT7A,7Bのいずれかが決定されていれば、「赤」にて保留表示の表示を開始する。その後、保留表示またはアクティブ表示の表示態様を「キャラクタ」に変化するためのキャラクタ変化処理を行い(ステップS3511)、保留表示制御処理を終了する。
図93は、キャラクタ変化処理を示すフローチャートである。キャラクタ変化処理において、演出制御用CPU120は、合算保留記憶数が「8」であるか否かを判定し(ステップS3701)、「8」でない場合にはそのままキャラクタ変化処理を終了する。「8」である場合、すなわち、新たに発生した保留記憶が8個目の保留記憶である場合には、実行していれば示唆演出の実行を終了する(ステップS3702)。示唆演出とは、キャラクタ変化し得る保留記憶が記憶されている可能性を示唆する演出である。
次に、演出制御用CPU120は、表示態様が「キャラクタ」に変化された保留表示が既に表示されていることを示す表示済フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3703)、セットされている場合にはそのままキャラクタ変化処理を終了する。このように、本実施の形態では、複数の保留表示またはアクティブ表示においてキャラクタ変化が発生することを制限しているが、複数の保留表示またはアクティブ表示においてキャラクタ変化が発生可能な構成であってもよい。
表示済フラグがセットされていない場合、演出制御用CPU120は、アクティブ変化可能フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3704)、セットされていない場合には、キャラクタ変化が可能な保留記憶が記憶されているか否かを判定する(ステップS3705)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域にキャラクタ変化パターンが記憶されているか否かを判定する。
キャラクタ変化が可能な保留記憶(以下、「変化可能保留記憶」ということがある)が記憶されている場合、演出制御用CPU120は、変化可能保留記憶より前に記憶された保留記憶は全て通常はずれ保留であるか否かを判定する(ステップS3706)。具体的に、キャラクタ変化パターンが記憶されている格納領域よりも前の格納領域において、図柄指定コマンドは全てC400(H)であり、変動カテゴリコマンドは全てC600(H)またはC608(H)である場合に、変化可能保留記憶より前に記憶された保留記憶は全て通常はずれ保留であると判定する。変化可能保留記憶より前に記憶された保留記憶が全て通常はずれ保留ではない場合、キャラクタ変化処理を終了する。このように、変化可能保留記憶より前に記憶された保留記憶に大当り保留またはリーチはずれ保留が含まれる場合には、キャラクタ変化の実行を制限することとしている。仮に、「キャラクタ」の保留表示が表示されているときに、該保留表示よりも前の変動において大当りとなった場合、キャラクタ変化の演出効果を低下させてしまう可能性がある。そこで、変化可能保留記憶より前に記憶された保留記憶に大当り保留またはリーチはずれ保留が含まれる場合には、キャラクタ変化の実行を制限することにより、キャラクタ変化の演出効果の低下を防止することができる。なお、変化可能保留記憶より前に記憶された保留記憶にリーチはずれ保留が含まれる場合には、キャラクタ変化の実行を制限しないこととしてもよい。
該当する保留記憶より前に記憶された保留記憶は全て通常はずれ保留である場合、演出制御用CPU120は、該当する保留表示(キャラクタ変化が可能な保留記憶に対応する保留表示)の表示態様を「キャラクタ」に変化させる(ステップS3707)。なお、キャラクタ変化が可能な保留記憶が複数記憶されている場合には、該当する保留表示のうち最先の保留表示(最も古いタイミングで記憶された保留記憶に対応する保留表示)における表示態様を「キャラクタ」に変化させるものとする。その後、演出制御用CPU120は、特殊背景の表示を開始することにより特別演出を実行し(ステップS3709)、表示済フラグをセットする(ステップS3710)。
また、ステップS3704において、アクティブ変化可能フラグがセットされている場合、演出制御用CPU120は、アクティブ表示の表示態様を「キャラクタ」に変化させ(ステップS3708)、ステップS3709へ移行する。ステップS3704,S3708を実行することにより、キャラクタ変化が可能な保留記憶が記憶されている場合であっても、アクティブ表示を優先的にキャラクタ変化させることとしている。
なお、本実施の形態では、既に合算保留記憶数が「8」である状態で始動入賞が発生したとき(すなわち、変動に寄与しない始動入賞が発生したとき)であっても、図93に示したキャラクタ変化処理を実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、合算保留記憶数が「7」である状態で始動入賞が発生したときにのみキャラクタ変化処理を実行することとしてもよい。
また、キャラクタ変化の発生条件としては、上述した条件(例えば、合算保留記憶数が特定数となること)の他、遊技者による動作(例えば、プッシュボタン31Bへの操作)を検出することを加えることとしてもよい。例えば、合算保留記憶数が「8」となったときにプッシュボタン31Bへの操作を促す操作促進表示を演出表示装置5に表示し、プッシュボタン31Bへの操作を検出した場合にのみステップS3704以降の処理を実行し、検出しなかった場合にはそのままキャラクタ変化処理を終了することとしてもよい。
また、キャラクタ変化の発生条件が成立した場合に所定割合の抽選を行い、該抽選結果にもとづいてキャラクタ変化を実行可能であることとしてもよい。例えば、ステップS3704のYである場合や、ステップS3706のYである場合に該抽選を行い、所定の割合にてステップS3707,S3708を実行し得ることとしてもよい。その際、キャラクタ変化の実行対象が保留表示であれば、何個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示であるかにもとづいて、キャラクタ変化の実行割合(該抽選において実行することが決定される割合)が異なることとしてもよい。例えば、キャラクタ変化の実行対象の保留表示が、1個目の保留記憶に対応する保留表示である場合の方が、8個目の保留記憶に対応する保留表示である場合よりも、高い割合でキャラクタ変化の実行が決定されることとしてもよいし、逆に、キャラクタ変化の実行対象の保留表示が、1個目の保留記憶に対応する保留表示である場合の方が、8個目の保留記憶に対応する保留表示である場合よりも、低い割合でキャラクタ変化の実行が決定されることとしてもよい。
図94は、図79に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図94に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図95は、図85に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU120は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。すなわち、演出制御用CPU120によってステップS8001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU120は、ステップS8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU120は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8001において、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図96は、演出表示装置5における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図96に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置5に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置5において予告演出(例えば、ステップアップ予告演出や、キャラクタ予告演出、群予告演出、ボタン予告演出。)を実行するか否かを決定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8002)。
その後、演出制御用CPU120は、表示済フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS8002A)、セットされていない場合、すなわち「キャラクタ」の保留表示の表示中でない場合には、示唆演出の実行の有無を決定するための示唆演出実行抽選を行う(ステップS8002B)。具体的に、図97に示す示唆演出実行抽選テーブルを用いて示唆演出の実行の有無を決定する。
図97は、示唆演出実行抽選テーブルを示す説明図である。図97に示す示唆演出実行抽選テーブルは、示唆演出の実行の有無に対する選択割合が、キャラクタ変化予定の有無毎に対応付けられている。キャラクタ変化し得る保留表示が存在する場合(いずれかの格納領域にキャラクタ変化パターンが記憶されている場合)に、キャラクタ変化予定が「有」とし、キャラクタ変化し得る保留表示が存在しない場合(いずれの格納領域にもキャラクタ変化パターンが記憶されていない場合)に、キャラクタ変化予定が「無」とするものである。
例えば、キャラクタ変化予定が「有」である場合、示唆演出を実行することを80%の割合で決定し、実行しないことを20%の割合で決定する。また、キャラクタ変化予定が「無」である場合、示唆演出を実行することを5%の割合で決定し、実行しないことを95%の割合で決定する。
なお、合算保留記憶数にもとづいて異なる割合にて示唆演出の実行の有無を決定することとしてもよい。例えば、合算保留記憶数が多いほど示唆演出の実行割合が高いこととしてもよいし、逆に、合算保留記憶数が少ないほど示唆演出の実行割合が高いこととしてもよい。
示唆演出実行抽選において、示唆演出を実行することが決定された場合(ステップS8002CのY)、示唆演出の実行を開始する(ステップS8002D)。具体的には、「保留を8個まで溜めるといいことあるかも」といった文字表示を行うものである(図102参照)。なお、制御されている演出モードに応じて異なる態様の示唆演出を実行するものであってもよい。ここで開始された示唆演出は、変動が終了するか、または合算保留記憶数が「8」になることにもとづいて終了するものである。
また、ステップS8002Aにおいて、演出制御用CPU120は、表示済フラグがセットされている場合にはステップS8003へ移行する。これにより、表示態様が「キャラクタ」に変化した保留表示が既に存在するときには、示唆演出を実行し得ないよう構成している。なお、既に合算保留記憶数が「8」である場合にも、ステップS8002B〜S8002Dの処理を実行しないものであってもよい。
なお、示唆演出の演出態様として複数の演出態様が設けられていることとしてもよい。その場合、キャラクタ変化の実行対象が保留表示であるかアクティブ表示であるかにもとづいて、示唆演出の演出態様の選択割合を異ならせることとしてもよい。また、キャラクタ変化が可能な保留表示またはアクティブ表示が存在するか否かにもとづいて、示唆演出の演出態様の選択割合を異ならせることとしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動パターンおよび予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8003)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8004)。
図98は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図98に示すプロセステーブルは、演出制御基板12におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、演出制御用CPU120は、予告演出を実行することに決定されている場合には、ステップS8003において予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8005)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8006)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8010)。
図99は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
そして、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8106)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8107)。
図100は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU120は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU120は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。そして、演出制御用CPU120は、アクティブ表示を消去し(ステップS8302A)、実行していれば示唆演出の実行を終了する(ステップS8302B)。なお、このタイミングで示唆演出を実行している場合とは、変動開始時に示唆演出の実行を開始したものの、保留記憶が8個まで溜まらなかった場合である。
その後、演出制御用CPU120は、ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU120は、ステップS8320Aに移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU120は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8304)、セットされていれば、表示済フラグおよびアクティブ変化可能フラグをリセットし(ステップS8304A)、表示されていれば特殊背景の表示を終了(すなわち、特別演出を終了)する(ステップS8304B)。なお、このタイミングで表示済フラグがセットされている場合、または特別演出の実行中である場合とは、実行を終了する変動において保留表示またはアクティブ表示の表示態様を「キャラクタ」に変化させた場合である。また、このタイミングでアクティブ変化可能フラグがセットされている場合とは、実行を終了する変動において保留記憶が8個まで溜まらなかった場合である。
そして、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。なお、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と演出羽根役物79a,79b)の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU120は、演出モードの移行の有無を決定するための演出モード移行抽選を実行する(ステップS8320A)。具体的には、図101に示す演出モード移行抽選テーブルを用いて演出モードの移行の有無を決定する。
図101は、演出モード移行抽選テーブルを示す説明図である。図101に示す演出モード移行抽選テーブルにおいては、演出モードを移行するか否かに対する選択割合が、可変表示結果毎に対応付けられている。
例えば、可変表示結果が大当りまたは小当りである場合、20%の割合で演出モードを移行することを決定し、80%の割合で演出モードを移行しないことを決定する。また、例えば、可変表示結果がはずれである場合、5%の割合で演出モードを移行することを決定し、95%の割合で演出モードを移行しないことを決定する。
演出モード移行抽選によって演出モードを移行することが決定された場合には(ステップS8320BのY)、演出モードを移行させる演出モード移行制御処理を行う(ステップS8320C)。例えば、演出モードAに制御されていた場合には、演出モードAに制御されていることを示す演出モードAフラグをリセットすることにより演出モードBに制御し、演出モードBに制御されていた場合には、演出モードAフラグをセットすることにより演出モードAに制御する。また、いずれの演出モードに制御されているかを遊技者が認識できるよう、制御されている演出モードを示すモード表示(図102参照)の切り替えを行う。
なお、本実施の形態では、1回の変動毎に演出モードを移行可能な構成としたが、これに限るものではない。例えば、演出モードの移行制御を行ってから所定回の変動が行われるまでの期間は、演出モードの移行制御を制限することとしてもよい。これにより、演出モードの移行が頻繁に発生することにより遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
また、演出モードの移行の有無は抽選によって決定するものでなくてもよく、例えば、遊技者の動作(例えば、プッシュボタン31Bの操作)を検出すること(遊技者が任意の演出モードを選択可能であることとしてもよい)や、大当りまたは小当りの発生や、予め定められた回数(例えば、100回)の変動を行うことを契機として演出モードを移行することとしてもよい。
また、ステップS8320A〜S8320Cの処理については、変動終了時に実行するものでなくてもよく、例えば、変動開始時に実行することとしてもよい。
そして、演出制御用CPU120は、所定のフラグをリセットする(ステップS8311)。例えば、演出制御用CPU120は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU120は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図86のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8312)。
図102は、キャラクタ変化が発生する場合における演出表示装置5の表示例を示す説明図である。図102に示す表示例は、タイミング毎の演出表示装置5の表示例を、制御されている演出モード毎に示すものである。
まず、演出モードAにおけるキャラクタ変化について説明する。まず、図102(A1)に示すように、保留表示58Aが「赤」にて表示されているときに、新たな変動が開始され、示唆演出58Bが開始される(図95参照)。なお、保留表示58Aに対応する始動入賞時コマンド格納領域には、キャラクタ変化パターンが記憶されているものである。このとき、演出モードAに制御されていることがモード表示58Cにより遊技者に報知されているとともに、演出モードAにおいてキャラクタ変化しやすい「赤」にて保留表示58Aが表示されていることから、キャラクタ変化が発生することに対する期待感を遊技者に与えることができ、積極的な遊技球の発射を促進することができる。
次に、図102(A2)に示すように、始動入賞が発生し、新たな保留表示58Dが表示される。このとき、合算保留記憶数が「8」となったため、示唆演出を終了する(図93参照)。そして、図102(A3)に示すように、保留表示58Aの表示態様を「キャラクタ」に変化させるとともに、特殊背景の表示を開始する(図93参照)。
次に、演出モードBにおけるキャラクタ変化について説明する。まず、図102(B1)に示すように、保留表示58Aを含む全ての保留表示が「白」にて表示されているときに、新たな変動が開始され、示唆演出58Bが開始される(図95参照)。なお、保留表示58Aに対応する始動入賞時コマンド格納領域には、キャラクタ変化パターンが記憶されているものである。このとき、演出モードBに制御されていることがモード表示58Cにより遊技者に報知されているとともに、演出モードBにおいてキャラクタ変化しやすい「白」にて全ての保留表示が表示されていることから、キャラクタ変化が発生することに対する期待感を遊技者に与えることができ、積極的な遊技球の発射を促進することができる。
次に、図102(B2)に示すように、始動入賞が発生し、新たな保留表示58Dが表示される。このとき、合算保留記憶数が「8」となったため、示唆演出を終了する(図93参照)。そして、図102(B3)に示すように、保留表示58Aの表示態様を「キャラクタ」に変化させるとともに、特殊背景の表示を開始する(図93参照)。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、可変表示に関する情報(本例では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値)を、保留記憶情報として記憶する保留記憶手段(本例では、第1保留記憶バッファ,第2保留記憶バッファ)と、保留記憶手段に記憶された保留記憶情報に対応する保留表示を行う保留表示手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150における、ステップS3510を実行する部分)と、保留表示の表示態様を変化可能な変化手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150における、ステップS635,S3707を実行する部分)とを備え、変化手段は、保留記憶手段に特定数(本例では、8個)の保留記憶情報が記憶されたことにもとづいて、第1態様(本例では、「白」)または該第1態様よりも遊技者にとって有利な第2態様(本例では、「青」や「赤」)により表示される保留表示の表示態様を特定態様(本例では、「キャラクタ」)に変化可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150は、ステップS3707を実行することにより、第1態様である「白」、または第2態様である「青」や「赤」から、特定態様である「キャラクタ」に保留表示の表示態様を変化可能である)こととした。
なお、本実施の形態では、合算保留記憶数が特定数(8個)となることを「保留記憶手段に特定数の保留記憶情報が記憶されたこと」としたが、これに限るものではなく、第1保留記憶数および第2保留記憶数の少なくともいずれか一方が特定数(例えば、4個)となることを「保留記憶手段に特定数の保留記憶情報が記憶されたこと」としてもよい。
また、本実施の形態では、各保留表示におけるキャラクタ変化の有無について始動入賞時に決定する(キャラクタ変化の有無に関する情報を含む変化パターンを始動入賞時に選択する)こととしたが、これに限るものではない。例えば、合算保留記憶数が特定数(8個)となったときに、所定の条件を満たす保留記憶(例えば、大当り保留、確変大当り保留、小当り保留、スーパーリーチ保留)が記憶されている場合には、該保留記憶に対応する保留表示を所定の割合(例えば、100%)で特定態様に変化することとしてもよい。
また、保留表示の表示態様の変化の態様については、予め定めるものに限られない。例えば、表示態様を変化するか否かを所定タイミング(例えば、保留表示のシフトタイミング)にて決定し、決定結果にもとづいて表示態様を変化可能であることとしてもよい。
また、本実施の形態では、キャラクタ変化が可能な保留表示またはアクティブ表示が表示されているときに合算保留記憶数が特定数(8個)となった場合には、常にキャラクタ変化を実行可能であることとしたが、これに限るものではない。例えば、合算保留記憶数が特定数(8個)となったとしても、所定の条件(例えば、キャラクタ変化の実行対象である保留表示が所定の表示態様にて表示されていることや、キャラクタ変化の実行対象である保留記憶の保留個数(何個目に記憶されている保留記憶であるか)が所定値であること)を満たさない場合にはキャラクタ変化の実行を制限することとしてもよい。具体的に、合算保留記憶数が特定数(8個)となったとしても、キャラクタ変化の実行対象である保留表示の表示態様が、将来的に「赤」に変化する予定であるにもかかわらず、現状では「白」や「青」である場合にはキャラクタ変化を実行しないこととしてもよい。また、キャラクタ変化の実行対象である保留記憶が7個目に記憶された直後(例えば、保留表示がシフトする前)に合算保留記憶数が8個になったとしても、キャラクタ変化を実行しないこととしてもよいし、または実行タイミングを所定のタイミング(例えば、保留表示を2回シフトした後のタイミング)に遅延させることとしてもよい。また、例えば、特定の遊技状態や、特定の演出モードに制御されているときは、合算保留記憶数が8個になったとしてもキャラクタ変化を実行しないこととしてもよい。
また、仮に、特定の演出(例えば、リーチ演出)の実行中にキャラクタ変化を実行した場合、該特定の演出の演出効果を低下させてしまう可能性がある。そこで、特定の演出の実行中に合算保留記憶数が特定数(8個)となった場合には、キャラクタ変化の実行を制限することとしてもよい。例えば、キャラクタ変化の実行を禁止することによる制限をすることとしてもよいし、キャラクタ変化の実行タイミングを遅延させることによる制限をすることとしてもよい。
また、以上に説明したように、この実施の形態によれば、第1態様により表示される保留表示(既に第1態様にて表示されている(第2態様への変化予定なし)か、または、現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示のこと。本例では、表示態様が「白」であり、将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化しない予定の保留表示(変化パターン種別:第1変化パターン種別)。本実施の形態のように、第1態様が変化後の表示態様として用いられない遊技機であれば、「現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示」は存在しないものであるが、第1態様が変化後の表示態様として用いられる遊技機であれば、現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示についても、「第1態様により表示される保留表示」に含まれるものである。)よりも高い割合にて、第2態様により表示される保留表示(既に第2態様にて表示されている(第1態様への変化予定なし)か、または、現状は第2態様ではないが将来的に第2態様に変化される予定の保留表示のこと。本例では、既に表示態様が「青」または「赤」の保留表示、または現状は「白」であるが将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化する予定の保留表示(変化パターン種別:第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別)。)の表示態様を特定態様に変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150は、演出モードAにおける保留表示の変化パターンとして、第1変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT1B)よりも高い割合で、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT2B,3B,4B,5B,6B,7B)を選択可能である。図84および図87参照。)こととした。これにより、保留記憶数が特定数に達することを契機として表示態様が特定態様に変化し得ることから、演出効果を向上させることができる。また、特定態様への変化を期待する遊技者に対して遊技球の打ち出しを促進し、遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、以上に説明したように、この実施の形態によれば、第2態様により表示される保留表示(既に第2態様にて表示されている(第1態様への変化予定なし)か、または、現状は第2態様ではないが将来的に第2態様に変化される予定の保留表示のこと。本例では、既に表示態様が「青」または「赤」の保留表示、または現状は「白」であるが将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化する予定の保留表示(変化パターン種別:第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別)。)よりも高い割合にて、第1態様により表示される保留表示(既に第1態様にて表示されている(第2態様への変化予定なし)か、または、現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示のこと。本例では、表示態様が「白」であり、将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化しない予定の保留表示(変化パターン種別:第1変化パターン種別)。なお、本実施の形態のように、第1態様が変化後の表示態様として用いられない遊技機であれば、「現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示」は存在しない。)の表示態様を特定態様に変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150は、演出モードBにおける保留表示の変化パターンとして、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT2B,3B,4B,5B,6B,7B)よりも高い割合で、第1変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT1B)を選択可能である。図84および図88参照。)こととした。これにより、第1態様の保留表示に対する期待感を高めることができ、演出効果の低下を防止することができる。また、特定態様への変化を期待する遊技者に対して遊技球の打ち出しを促進し、遊技機の稼働率を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、第1態様および特定態様としてそれぞれ単一の表示態様(第1態様:「白」、特定態様:「キャラクタ」)が設けられていることとしたが、これに限るものではなく、複数の表示態様が第1態様または特定態様として設けられていることとしてもよい。また、第2態様として複数の表示態様(「青」および「赤」)が設けられていることとしたが、これに限るものではなく、単一の表示態様が第2態様として設けられていることとしてもよい。また、第1態様、第2態様および特定態様として用いられる表示態様は、演出モード毎に異なることとしてもよい。
また、本実施の形態では、第1態様については、変化後の表示態様としては用いないこととした(他の表示態様から「白」に変化する変化パターンが設けられていない)が、これに限るものではない。例えば、第1態様以外の表示態様から第1態様に変化可能であることとしてもよい。
また、本実施の形態では、「特定数」を合算保留記憶数の上限数(8個)としたが、これに限るものではなく、任意の数であってよい。
また、本実施の形態では、入賞時判定結果が確変大当りである場合のみキャラクタ変化パターンを選択可能であることとしたため、キャラクタ変化が発生した場合には確変大当りとなることが確定する構成としたが、これに限るものではない。例えば、通常大当り、突然確変大当りまたは小当りである場合であってもキャラクタ変化可能であることとしてもよい。また、大当りまたは小当りでなくても、例えば、スーパーリーチはずれとなる保留記憶に対する保留表示であってもキャラクタ変化を実行可能であることとしてもよい。
また、この実施の形態によれば、特定態様は、第2態様よりも遊技者にとって有利である(本例では、「キャラクタ」の方が、「青」や「赤」よりも大当りに対する信頼度が高い)こととした。これにより、特定態様の保留表示に対する期待感を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、変化手段は、特定数に近似する所定数個目(本例では、6個目や7個目)に記憶された保留記憶情報に対応する保留表示を高い割合にて変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150は、演出モードAにおいて、変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターン(T06,T07,T60〜T76)を、他の変化タイミングパターン(T00〜T05,T10〜T54)よりも高い割合で決定することにより、6個目や7個目に記憶された保留記憶に対応する保留表示の表示態様を高い割合で第2態様に変化可能である。図90(A)および図91参照。なお、変化後の表示態様として第1態様を用いる遊技機であれば、他の表示態様にて表示を開始した保留表示の変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンを低い割合で選択することにより、6個目や7個目に記憶された保留記憶に対応する保留表示の表示態様を高い割合で第1態様に変化可能としてもよい。)こととした。これにより、特定数に近似する所定数個目まで保留記憶を溜めることを促進することができ、遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、変化手段は、特定数に近似する所定数個目(本例では、6個目や7個目)に記憶された保留記憶情報に対応する保留表示を高い割合にて第2態様により表示可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150は、演出モードAにおいて、変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターン(T06,T07,T60〜T76)を、他の変化タイミングパターン(T00〜T05,T10〜T54)よりも高い割合で決定することにより、6個目や7個目に記憶された保留記憶に対応する保留表示の表示態様を高い割合で第2態様に変化可能である。図90(A)および図91参照。なお、変化後の表示態様として第2態様を用いない遊技機であれば、第2態様にて表示を開始した保留表示の変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンを低い割合で選択することにより、6個目や7個目に記憶された保留記憶に対応する保留表示を高い割合で第2態様により表示可能としてもよい。)こととした。例えば、上述したように、演出モードAにおいては「白」からキャラクタ変化する割合よりも「青」や「赤」からキャラクタ変化する割合の方が高いため、6個目や7個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示を「青」や「赤」により表示しやすいようにすることで、残り少数の保留記憶を溜めることでキャラクタ変化が発生することの期待感を遊技者に与えることができ、積極的な遊技を促進することができ、遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、変化手段は、特定数に近似する所定数個目(本例では、6個目や7個目)に記憶された保留記憶情報に対応する保留表示を高い割合にて第1態様により表示可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150は、演出モードBにおいて、変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターン(T06,T07,T60〜T76)を、他の変化タイミングパターン(T00〜T05,T10〜T54)よりも低い割合で決定することにより、6個目や7個目に記憶された保留記憶に対応する保留表示を高い割合で第1態様により表示可能である。図90(B)および図92参照。なお、変化後の表示態様として第1態様を用いる遊技機であれば、演出モードBにおいて、他の表示態様にて表示を開始した保留表示の変化タイミングとして「6個目」や「7個目」を含む変化タイミングパターンを高い割合で選択することにより、6個目や7個目に記憶された保留記憶に対応する保留表示を高い割合で第1態様に変化可能としてもよい。)こととした。例えば、上述したように、演出モードBにおいては「青」や「赤」からキャラクタ変化する割合よりも「白」からキャラクタ変化する割合の方が高いため、6個目や7個目に記憶されている保留記憶に対応する保留表示を「白」により表示しやすいようにすることで、残り少数の保留記憶を溜めることでキャラクタ変化が発生することの期待感を遊技者に与えることができ、積極的な遊技を促進することができ、遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、特定態様に変化し得る保留記憶情報が記憶されたことを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150における、ステップS8002Dを実行する部分)を備えたこととした。これにより、遊技球の発射意欲を向上させることができ、遊技機の稼働率を向上させることができる。
本実施の形態では、特定態様に変化し得る保留記憶情報が記憶されていない場合であっても示唆演出を実行可能とすることにより、特定態様に変化することに対する期待感および変化しないことに対する不安感を示唆演出の開始後に遊技者に与えることができ、興趣の向上を図っている。なお、特定態様に変化し得る保留記憶情報が記憶されている場合にのみ示唆演出を実行可能であることとしてもよい。
また、合算保留記憶数が少ないときよりも、多いときの方が、8個まで保留記憶が溜まりやすいため、示唆演出の演出効果(遊技球の発射意欲の向上)を発揮しやすい。そこで、合算保留記憶数が少ないときよりも多いときの方が示唆演出を実行しやすい構成とすることとしてもよい。これにより、示唆演出の演出効果を十分に発揮することができる。
また、この実施の形態によれば、変化手段は、保留記憶手段に特定数の保留記憶情報が記憶された場合にのみ、保留表示の表示態様を特定態様に変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150は、ステップS3701のYである場合にのみステップS3707を実行可能である)こととした。これにより、特定態様の希少性が向上することから、遊技機の稼働率をより向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、保留記憶手段に特定数の保留記憶情報が記憶され、保留表示の表示態様が特定態様に変化されたことに応じて特別演出(本例では、特殊背景を表示する演出)を実行可能な特別演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150における、ステップS3701のYでありステップS3707を実行した場合に、ステップS3709を実行する部分)を備えたこととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、変化手段は、第1態様により表示されている保留表示の表示態様を第2態様に変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150は、変化パターンとしてPT2A,2B,4A,4B,5A,5Bのいずれかが選択された場合には、ステップS635を実行することにより、保留表示の表示態様を「白」から「青」または「赤」に変化させることが可能である)こととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
また、以上に説明したように、この実施の形態によれば、変化手段は、特定タイミング(本例では、「アクティブ」、「1個目」、「2個目」、「3個目」、「4個目」、「5個目」、「6個目」、「7個目」)において、第1態様(本例では、「白」)により表示される保留表示の表示態様を該第1態様よりも遊技者にとって有利な第2態様(本例では、「青」や「赤」)に変化することが決定されているとき(本例では、第2変化パターン種別、第4変化パターン種別、または第5変化パターン種別のうちいずれかに対応する変化パターンが決定されているとともに、いずれかの変化タイミングパターンが決定されているとき)に、保留記憶手段に特定数(本例では、8個)の保留記憶情報が記憶されたことにもとづいて、特定タイミングとは異なる特別タイミング(本例では、合算保留記憶数が「8」になったタイミング)において、第1態様により表示される保留表示の表示態様を第2態様よりも遊技者にとって有利な特定態様(本例では、「キャラクタ」)に変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150は、ステップS3701のYであるときにステップS3707を実行することにより、未だ変化タイミングに達していない状態において合算保留記憶数が「8」になった場合、合算保留記憶数が「8」になったタイミングにて「白」から「キャラクタ」に変化可能である)こととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、変化手段は、保留記憶手段に特定数の保留記憶情報が記憶されたことにもとづいて、第2態様により表示されている保留表示の表示態様を特定態様に変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ150は、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別のうちいずれかに対応する変化パターンが決定されている場合に、ステップS3701のYであるときにステップS3707を実行することにより、保留表示の表示態様を「青」または「赤」から「キャラクタ」に変化させることが可能である)こととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、変化パターンと変化タイミングパターンとをそれぞれ決定することとしたが、これに限るものではなく、変化態様および変化タイミングが予め定められた複数の保留制御パターンデータのうちいずれかを選択するものであってもよい。
なお、本実施の形態では、アクティブ表示の表示態様についても特定態様に変化可能(キャラクタ変化可能)であることとしたが、これに限るものではない。例えば、保留表示の表示態様のみ特定態様に変化可能であることとしてもよい。また、アクティブ表示自体を行わないものであってもよい。
また、本実施の形態では、複数の第2始動入賞口21B,17が設けられていることとしたが、単一の第2始動入賞口が設けられていることとしてもよい。また、振分装置200については、設けられていないものであってもよい。
また、第1演出装置および第2演出装置と、第1演出装置を用いて特定表示(例えば、保留表示、アクティブ表示)を表示可能な特定表示手段と、特定表示の表示態様を変化可能な変化演出を実行可能な変化演出実行手段とを備え、変化演出実行手段は、第1演出装置を用いて特定表示の表示態様を変化可能な第1変化演出と、第1演出装置と第2演出装置とを連動させた態様により特定表示の表示態様を変化可能な第2変化演出とを実行可能であり、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されて特定表示の表示態様が変化したかに応じて期待度が異なることとしてもよい。具体的には、以下の変形例を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
図103は、変形例におけるパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。この変形例では、上述した演出表示装置5の下方には、演出表示装置5を構成する液晶表示装置(LCD)よりも小さいサイズの液晶表示装置(LCD)で構成された副表示装置5Sが設けられている。副表示装置5Sの表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)5Gが設けられている。この変形例では、合計数を表示する合算保留記憶表示部5Gが設けられていることにより、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部5Gに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
また、副表示装置5Sの表示画面には、現在実行中の変動表示に対応した所定表示が表示されるアクティブ表示領域5A(上述した実施の形態におけるアクティブ表示エリアAHAと同様のもの)が設けられている。
この変形例では、先読み予告演出として、保留変化予告演出を実行可能である。保留変化予告演出は、保留表示を通常態様(本例では、黒色の丸形表示)とは異なる特殊表示態様(本例では、青色や赤色の丸形表示)に変化させる演出である。なお、この変形例では、保留変化予告演出を実行する場合、始動入賞が発生したタイミングで通常態様で保留表示の表示を開始し、その後、保留表示のシフトのタイミングで作用演出(後述する作用演出Aや作用演出B)が実行されて予告対象の保留表示がいずれかの特殊表示態様に変化する演出が実行される(従って、この変形例では、保留変化予告演出には、少なくとも、作用演出を実行する部分と予告対象の保留表示が変化する部分との両方が含まれる)。なお、保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化すると、その後、予告対象の変動表示が開始されるタイミングで、予告対象の保留記憶が消化されて、予告対象の特殊表示態様の保留表示が消去されるとともに、アクティブ表示領域5Aにおいて特殊表示態様のアクティブ表示が表示される。そして、予告対象の変動表示を終了すると、その特殊表示態様のアクティブ表示が消去される。従って、この変形例では、保留変化予告演出が実行されると、特殊表示態様の表示(保留表示、アクティブ表示)が予告対象の変動表示を終了するまで継続される。
変形例では、始動入賞が発生したときに、演出制御用CPU120は、保留表示制御処理(ステップS800A)において、保留変化予告演出の有無および種類を決定するための保留変化予告演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、保留変化予告演出の有無および種類を決定する。また、演出制御用CPU120は、演出図柄変動開始処理(ステップS801)において、設定した保留変化予告演出を実行する。
図104は、変形例における保留変化予告演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。図104に示すように、変形例では、保留変化予告演出決定テーブルには、保留変化予告演出なし、保留変化予告演出1〜6に対して、それぞれ判定値が割り振られている。また、図104に示すように、この変形例では、保留変化予告演出として、保留変化予告演出1〜6の6種類がある。
保留変化予告演出1は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Aを実行するだけで、保留表示の表示態様を通常態様(本例では、黒色の丸形表示)のまま変化させない保留変化予告演出である。また、保留変化予告演出2は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Bを実行するだけで、保留表示の表示態様を通常態様(本例では、黒色の丸形表示)のまま変化させない保留変化予告演出である。従って、この変形例では、保留変化予告演出1または保留変化予告演出2が実行される場合には、作用演出(作用演出Aまたは作用演出B)が実行されるだけで保留表示の表示態様は変化しないことから、いわゆるガセの保留変化予告演出に該当する。
保留変化予告演出3は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Aを実行するとともに、保留表示の表示態様を青色の丸形表示に変化させる保留変化予告演出である。また、保留変化予告演出4は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Bを実行するとともに、保留表示の表示態様を青色の丸形表示に変化させる保留変化予告演出である。また、保留変化予告演出5は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Aを実行するとともに、保留表示の表示態様を赤色の丸形表示に変化させる保留変化予告演出である。また、保留変化予告演出6は、保留表示のシフトのタイミングで作用演出Bを実行するとともに、保留表示の表示態様を赤色の丸形表示に変化させる保留変化予告演出である。
また、図104に示すように、この変形例では、保留変化予告演出において実行される作用演出として、作用演出Aおよび作用演出Bの2種類がある。作用演出Aは、副表示装置5S(サブ表示装置)のみを用いて行われる作用演出である。また、作用演出Bは、演出表示装置5(メイン表示装置)および副表示装置5S(サブ表示装置)を用いて行われる作用演出である。なお、作用演出を行う際に液晶表示装置のみを用いて行うのではなく、例えば、保留表示やアクティブ表示が変化するタイミングでスピーカから所定の変化音を出力したり、ランプやLEDなどを発光させたりするなど、他の演出装置による演出を伴うようにしてもよい。
図104に示すように、この変形例では、変動カテゴリコマンドで示される判定結果が非リーチはずれである場合や、スーパーリーチはずれである場合、変動カテゴリコマンドで示される判定結果がスーパーリーチ大当りである場合に、保留変化予告演出の実行が決定される場合がある。
この変形例では、保留変化予告演出は、副表示装置5Sを用いて保留表示の表示態様を変化可能な演出(本例では、作用演出Aを伴う保留変化予告演出1、保留変化予告演出3、および保留変化予告演出5。以下、第1保留変化予告演出ともいう)と、演出表示装置5と副表示装置5Sとを連動させた態様により保留表示の表示態様を変化可能な演出(本例では、作用演出Bを伴う保留変化予告演出2、保留変化予告演出4、および保留変化予告演出6。以下、第2保留変化予告演出ともいう)とに大別されるのであるが、図104に示すように、スーパーリーチ大当りとなる場合には、相対的に第2保留変化予告演出が実行される割合が第1保留変化予告演出が実行される割合よりも高くなっている。また、図104に示すように、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合には、相対的に第2保留変化予告演出が実行される割合が第1保留変化予告演出が実行される割合よりも低くなっている。従って、この変形例では、第2保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合には、第1保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
また、この変形例では、保留表示の表示態様の変化態様には、予告対象の保留表示が青色の丸形表示に変化する場合と赤色の丸形表示に変化する場合とがあるのであるが、図104に示すように、第1保留変化予告演出が実行された場合には、相対的に青色の丸形表示に変化する割合が赤色の丸形表示に変化する割合よりも高くなっている。また、図104に示すように、第2保留変化予告演出が実行された場合には、相対的に赤色の丸形表示に変化する割合が青色の丸形表示に変化する割合よりも高くなっている。従って、この変形例では、第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出のいずれが実行されて保留表示の表示態様が変化したかに応じて、予告対象の保留表示が青色の丸形表示と赤色の丸形表示とのいずれの表示態様に変化するかの割合が異なる。
また、この変形例では、保留変化予告演出が実行されても保留表示の表示態様が変化しない場合(すなわち、ガセの保留変化予告演出(保留変化予告演出1、保留変化予告演出2)を実行する場合)がある。また、図104に示すように、ガセの第1保留変化予告演出(本例では、保留変化予告演出1)が実行される割合の方が、ガセの第2保留変化予告演出(本例では、保留変化予告演出2)が実行される割合よりも高くなっている。従って、この変形例では、第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出のいずれが実行されるかに応じて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する割合が異なる。具体的には、この変形例では、ガセの第2保留変化予告演出(本例では、保留変化予告演出2)の方がガセの第1保留変化予告演出(本例では、保留変化予告演出1)よりも実行割合が低いので、相対的に第2保留変化予告演出が実行された場合の方が第1保留変化予告演出が実行された場合よりも、予告対象の保留表示が変化する割合が高い。なお、この変形例で示した態様にかぎらず、逆に第1保留変化予告演出が実行された場合の方が第2保留変化予告演出が実行された場合よりも、相対的に予告対象の保留表示が変化する割合が高くなるように構成してもよい。
なお、保留変化予告演出の決定の割り振りの仕方は、この変形例で示したものにかぎられない。例えば、保留表示が変化する前の段階で合算保留記憶表示部5Gにおけるいずれの保留表示が予告対象であるかを認識できる場合と認識できない場合とがあるように構成されている場合、予告対象の保留表示を認識できる場合と認識できない場合とで、異なる割合で第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出の実行を決定するようにしてもよい。この場合、例えば、保留変化予告演出における最終変化態様(本例では、青色または赤色の丸形表示)とは異なるが、通常態様とは異なる表示態様(例えば、白色の丸形表示)の保留表示であって、さらに表示態様が変化することを示唆する保留表示(いわゆる白保留表示)を表示可能に構成した場合には、白保留表示が表示されているか否かによって、いずれの保留表示が予告対象となりうるかを類推できる。従って、白保留表示が表示されているか否かによって、異なる割合で第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出の実行を決定するようにしてもよい。
また、この変形例では、保留変化予告演出において保留表示の表示態様を1回のみ変化させる場合を示しているが、保留表示の表示態様を複数回変化可能に構成してもよい(さらに、アクティブ表示となった後も含めて複数回変化可能に構成してもよい)。この場合、変化回数や、それぞれいずれのタイミングで変化させるか、それぞれいずれの表示態様(色など)に変化させるかの変化パターンを一括して決定するように構成してもよい。また、例えば、アクティブ表示となった後も含めて複数回変化可能に構成する場合には、保留変化予告演出決定処理において、アクティブ表示となった後の変化も含む変化パターンを一括して決定してもよいし、保留変化予告演出決定処理では保留表示の変化パターンのみを決定するようにし、アクティブ表示となった後の変化パターンについては変動開始時の演出図柄変動開始処理で決定するように構成してもよい。
また、この変形例では、保留変化予告演出において必ず作用演出が実行される場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、作用演出を行わずに保留表示の表示態様が変化する場合があるように構成してもよい。また、そのような作用演出を伴わない保留変化予告演出を実行する場合であって、上記のように保留表示(アクティブ表示も含めてよい)の表示態様を複数回変化可能に構成する場合、その複数回の変化タイミングのうちのいずれのタイミングで作用演出を実行するかや、作用演出の実行回数も決定するように構成してもよい。
また、この変形例では、作用演出Bが実行される場合の方が、作用演出Aが実行される場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高かったり、いわゆるガセの保留変化予告演出となる割合が少ないなど、有利度合いが高くなる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、逆に、作用演出Bが実行される場合の方が、作用演出Aが実行される場合と比較して、有利度合いが低くなるように構成してもよい。
次に、保留変化予告演出の演出態様の具体例について説明する。図105および図106は、変形例における保留変化予告演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図105は、第1保留変化予告演出(保留変化予告演出1、保留変化予告演出3、保留変化予告演出5)の演出態様の具体例を示している。また、図106は、第2保留変化予告演出(保留変化予告演出2、保留変化予告演出4、保留変化予告演出6)の演出態様の具体例を示している。なお、図105および図106において、(1)(2)(3)の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図105を用いて、第1保留変化予告演出の演出態様について説明する。図105(1)に示す例では、演出表示装置5(メイン表示装置)において左中右の演出図柄の変動表示を実行しているものとし、副表示装置5S(サブ表示装置)では、アクティブ表示領域5Aに現在実行中に変動表示に対応して所定表示(アクティブ表示)が表示されているとともに、合算保留記憶表示部5Gに2つの保留表示が表示されている(すなわち、保留記憶が2つ溜まっている)ものとする。次いで、図105(2)に示すように、新たな始動入賞が発生し、合算保留記憶表示部5Gにおいて保留表示が1つ増加して3つになったものとする。また、新たな始動入賞が発生したことにもとづいて、第1保留変化予告演出を実行することに決定したものとする。なお、図105に示す例では、保留変化予告演出3または保留変化予告演出5を実行することに決定したものとする。そして、図105(3)に示すように変動表示を終了し、保留記憶を1つ消化して、図105(4)に示すように次の変動表示を開始したものとする。また、図105(4)に示すように、保留記憶を1つ消化したことにより、合算保留記憶表示部5Gにおいて保留表示が1つ減少して2つになったものとする。
次いで、作用演出Aの開始タイミング(例えば、変動開始1秒後)となると、図105(4)に示すように、副表示装置5S(サブ表示装置)において作用演出Aが開始される。本例では、図105(4)に示すように、作用演出Aとして、副表示装置5S(サブ表示装置)においてアクティブ表示領域5Aおよび合算保留記憶表示部5Gの方向に向かって矢200Yが飛んでいくような態様の演出が実行される。そして、図105(5)に示すように、合算保留記憶表示部5Gにおいて、予告対象の保留表示に矢200Yが命中したような態様の演出が実行される。
そして、作用演出Aの終了タイミング(例えば、変動開始6秒後)となると、図105(6)に示すように、副表示装置5S(サブ表示装置)において作用演出Aが終了され、予告対象の保留表示の表示態様が変更される。例えば、保留変化予告演出3を実行した場合であれば、図105(6)において予告対象の保留表示が青色の丸形表示に変更され、保留変化予告演出5を実行した場合であれば、図105(6)において予告対象の保留表示が赤色の丸形表示に変更される。
なお、図105に示す例では、第1保留変化予告演出として保留変化予告演出3または保留変化予告演出5を実行する場合が示されているが、保留変化予告演出1が実行される場合には、図105(4)(5)と同様の態様で作用演出Aが実行されるのみで、図105(6)では、保留表示は通常態様(本例では、黒色の丸形表示)のまま変化しない(いわゆるガセの第1保留変化予告演出となる)ことになる。この場合、例えば、図105と同様の態様で矢が飛んでいくような演出を行うものの保留表示を反れて矢が命中しないような演出を実行してもよい。
次に、図106を用いて、第2保留変化予告演出の演出態様について説明する。図106(1)に示す例では、演出表示装置5(メイン表示装置)において左中右の演出図柄の変動表示を実行しているものとし、副表示装置5S(サブ表示装置)では、アクティブ表示領域5Aに現在実行中に変動表示に対応して所定表示(アクティブ表示)が表示されているとともに、合算保留記憶表示部5Gに2つの保留表示が表示されている(すなわち、保留記憶が2つ溜まっている)ものとする。次いで、図106(2)に示すように、新たな始動入賞が発生し、合算保留記憶表示部5Gにおいて保留表示が1つ増加して3つになったものとする。また、新たな始動入賞が発生したことにもとづいて、第2保留変化予告演出を実行することに決定したものとする。なお、図106に示す例では、保留変化予告演出4または保留変化予告演出6を実行することに決定したものとする。そして、図106(3)に示すように変動表示を終了し、保留記憶を1つ消化して、図106(4)に示すように次の変動表示を開始したものとする。また、図106(4)に示すように、保留記憶を1つ消化したことにより、合算保留記憶表示部5Gにおいて保留表示が1つ減少して2つになったものとする。
次いで、作用演出Bの開始タイミング(例えば、変動開始1秒後)となると、図106(4)に示すように、演出表示装置5(メイン表示装置)および副表示装置5S(サブ表示装置)を用いた作用演出Bが開始される。本例では、図106(4)に示すように、作用演出Bとして、恰も、副表示装置5S(サブ表示装置)のアクティブ表示領域5Aおよび合算保留記憶表示部5Gの方向に向かって、演出表示装置5(メイン表示装置)において矢201Yが飛んでいくような態様の演出が実行される。そして、図106(5)に示すように、恰も矢201Yが演出表示装置5(メン表示装置)から副表示装置5S(サブ表示装置)まで跨って飛んで行って、副表示装置5S(サブ表示装置)の合算保留記憶表示部5Gにおいて、予告対象の保留表示に矢201Yが命中したような態様の演出が実行される。
そして、作用演出Bの終了タイミング(例えば、変動開始6秒後)となると、図106(6)に示すように、演出表示装置5(メイン表示装置)および副表示装置5S(サブ表示装置)を用いた作用演出Bが終了され、予告対象の保留表示の表示態様が変更される。例えば、保留変化予告演出4を実行した場合であれば、図106(6)において予告対象の保留表示が青色の丸形表示に変更され、保留変化予告演出6を実行した場合であれば、図106(6)において予告対象の保留表示が赤色の丸形表示に変更される。
なお、図106に示す例では、第2保留変化予告演出として保留変化予告演出4または保留変化予告演出6を実行する場合が示されているが、保留変化予告演出2が実行される場合には、図106(4)(5)と同様の態様で作用演出Bが実行されるのみで、図106(6)では、保留表示は通常態様(本例では、黒色の丸形表示)のまま変化しない(いわゆるガセの第2保留変化予告演出となる)ことになる。この場合、例えば、図106と同様の態様で矢が飛んでいくような演出を行うものの保留表示を反れて矢が命中しないような演出を実行してもよい。
以上に説明したように、この変形例によれば、第1演出装置(本例では、副表示装置5S(サブ表示装置))および第2演出装置(本例では、演出表示装置5(メイン表示装置))を備え、第1演出装置を用いて特定表示(本例では、保留表示)を表示可能であり(本例では、副表示装置5Sに合算保留記憶表示部5Gがある)、特定表示の表示態様を変化可能な変化演出(本例では、保留変化予告演出)を実行可能である。この場合、第1演出装置を用いて特定表示の表示態様を変化可能な第1変化演出(本例では、第1保留変化予告演出(作用演出Aを伴う保留変化予告演出1、保留変化予告演出3、保留変化予告演出5))と、第1演出装置と第2演出装置とを連動させた態様により特定表示の表示態様を変化可能な第2変化演出(本例では、第2保留変化予告演出(作用演出Bを伴う保留変化予告演出2、保留変化予告演出4、保留変化予告演出6))とを実行可能である。そして、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されて特定表示の表示態様が変化したかに応じて期待度が異なる(本例では、図104に示すように、第2保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合には、第1保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する有利度(信頼度)が高い)。そのため、複数種類の変化演出を実行可能とすることにより、変化演出の演出効果を向上させることができる。また、いずれの変化演出が実行されるかによって期待度が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
なお、変形例では、保留表示を「特定表示」として説明したが、これに限るものではない。例えば、可変表示に対応する対応表示(アクティブ表示)を「特定表示」とするものであってもよい。具体的には、可変表示の実行中に第1演出装置を用いて該可変表示に対応する対応表示(例えば、現在実行中の変動表示に対応したアクティブ表示)を表示可能であり(例えば、副表示装置5Sにアクティブ表示が表示されるアクティブ表示領域がある)、対応表示の表示態様を変化可能な変化演出(例えば、アクティブ表示を通常態様(例えば、黒色の丸形表示)とは異なる特殊表示態様(例えば、青色や赤色の丸形表示)に変化させるアクティブ表示変化予告演出)を実行可能であり、第1演出装置を用いて対応表示の表示態様を変化可能な第1変化演出(例えば、副表示装置5Sを用いてアクティブ表示の表示態様を変化可能な演出第1アクティブ表示変化予告演出)と、第1演出装置と第2演出装置とを連動させた態様により対応表示の表示態様を変化可能な第2変化演出(例えば、演出表示装置5と副表示装置5Sとを連動させた態様によりアクティブ表示の表示態様を変化可能な第2アクティブ表示変化予告演出)とを実行可能であり、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されて対応表示の表示態様が変化したかに応じて期待度が異なる(例えば、第2アクティブ表示変化予告演出が実行されてアクティブ表示の表示態様が変化した場合には、第1アクティブ表示変化予告演出が実行されてアクティブ表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高い)こととしてもよい。そのため、複数種類の変化演出を実行可能とすることにより、変化演出の演出効果を向上させることができる。また、いずれの変化演出が実行されるかによって期待度が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
なお、変形例では、変化演出として保留変化予告演出とアクティブ表示変化予告演出との両方を実行可能(ただし、1つの変動表示では保留変化予告演出とアクティブ表示変化予告演出とが重複して実行されないように制御)に構成してもよいし、変化演出として保留変化予告演出またはアクティブ表示変化予告演出のいずれか一方のみを実行可能(他方の演出は、一切実行しない)に遊技機を構成してもよい。
また、変形例では、例えば、遊技状態や演出状態、遊技機における各種の設定状態が特定の状態である場合には、保留変化予告演出またはアクティブ表示変化予告演出のいずれか一方のみを実行するように構成し、特定の状態とは異なる状態では、他方の演出を実行するように構成してもよい。また、さらなる異なる状態では、保留変化予告演出とアクティブ表示変化予告演出との両方を実行可能に構成してもよく、様々な構成態様が考えられる。
また、変形例では、第1演出装置が副表示装置5S(サブ表示装置)であり、第2演出装置が演出表示装置5(メイン表示装置)である場合を示したが、第1演出装置および第2演出装置は、そのような液晶表示装置である場合にかぎられない。例えば、第1演出装置や第2演出装置を可動可能な可動部材(演出用役物)で構成してもよい。また、例えば、液晶表示装置を可動可能に構成し、その可動可能に構成した液晶表示装置によって第1演出装置や第2演出装置を構成してもよい。さらに、演出装置として、液晶表示装置や可動部材(演出用役物)だけでなく、ランプやLEDなどの発光体や、スピーカなどの音出力装置を用いてもよい。
また、変形例では、演出表示装置5(メイン表示装置)と副表示装置5S(サブ表示装置)との2つの演出装置を用いる場合を示したが、2つにかぎらず、3以上の演出装置を用いて、保留変化予告演出やアクティブ表示変化予告演出を実行可能に構成してもよい。
3つの演出装置を用いる例として、例えば、3つの液晶表示装置を用いて作用演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、1つ目の液晶表示装置を可動可能に構成し、その1つ目の液晶表示装置を可動させながら矢を表示して、その矢がメイン表示装置を経由して、サブ表示装置のアクティブ表示や保留表示に方に向かって飛んでいくような態様で作用演出を実行するように構成してもよい。
また、例えば、3つの演出装置として、液晶表示装置とLEDと演出用役物とを用いて作用演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、演出用役物が可動すると、その可動した演出用役物の近辺に位置するLEDから順にLEDが発光していき、液晶表示装置の近辺に位置するLEDまで発光が達すると、液晶表示装置の表示画面上のアクティブ表示や保留表示の表示態様が変化するような態様で作用演出を実行するように構成してもよい。
また、上記のように3以上の演出装置を用いて作用演出を実行可能に構成する場合、より多くの数の演出装置が連動して作用演出が実行するに従って、有利度合いが高くなる(例えば、ガセの演出となる割合を低くしたり、有利な変化態様に変化する)ように構成してもよい。また、逆に、より多くの数の演出装置が連動して作用演出が実行するに従って、有利度合いが低くなるように構成してもよい。
また、変形例では、「第1演出装置と第2演出装置とを連動させた態様により対応表示の表示態様を変化可能な第2変化演出」とは、第1演出装置と第2演出装置とが何らかの態様で作用することにより第2変化演出を実行することである。例えば、「第1演出装置と第2演出装置とを連動させた態様により対応表示の表示態様を変化可能な第2変化演出」とは、図106に示すように、演出表示装置5(メイン表示装置)の表示画面上において、恰も保留表示やアクティブ表示を表示する副表示装置5S(サブ表示装置)に向かって飛んでいくように矢などの画像を表示するなど、保留表示やアクティブ表示に作用するような演出表示を行うものであってもよい。また、例えば、メイン表示装置に代えて演出用役物を備えるように構成する場合に、保留表示やアクティブ表示に向かって演出用役物が可動することによって、物理的な動作により作用するように見せるものであってもよい。
また、変形例では、保留表示が変化可能な表示態様は複数種類(例えば、青色の丸形表示と赤色の丸形表示)あり、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されて保留表示の表示態様が変化したかに応じて、保留表示がいずれの表示態様に変化するかの割合が異なる(例えば、第1保留変化予告演出または第2保留変化予告演出のいずれが実行されて保留表示の表示態様が変化したかに応じて、予告対象の保留表示が青色の丸形表示と赤色の丸形表示とのいずれの表示態様に変化するかの割合が異なる)こととしてもよい。そのため、いずれの変化演出が実行されるかによって変化態様が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
また、対応表示が変化可能な表示態様は複数種類(例えば、青色の丸形表示と赤色の丸形表示)あり、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されて対応表示の表示態様が変化したかに応じて、対応表示がいずれの表示態様に変化するかの割合が異なる(例えば、第1アクティブ表示変化予告演出または第2アクティブ表示変化予告演出のいずれが実行されてアクティブ表示の表示態様が変化したかに応じて、アクティブ表示が青色の丸形表示と赤色の丸形表示とのいずれの表示態様に変化するかの割合が異なる)こととしてもよい。そのため、いずれの変化演出が実行されるかによって変化態様が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
また、変形例では、変化演出が実行されても保留表示の表示態様が変化しない場合(例えば、ガセの保留変化予告演出(保留変化予告演出1、保留変化予告演出2)が実行される場合)があり、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されるかに応じて、保留表示の表示態様が変化する割合が異なる(例えば、相対的に第2保留変化予告演出が実行された場合の方が第1保留変化予告演出が実行された場合よりも、予告対象の保留表示が変化する割合が高い)こととしてもよい。そのため、いずれの変化演出が実行されるかによって保留表示の表示態様が変化する割合が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
また、変化演出が実行されても対応表示の表示態様が変化しない場合(例えば、ガセのアクティブ表示変化予告演出が実行される場合)があり、第1変化演出または第2変化演出のいずれが実行されるかに応じて、対応表示の表示態様が変化する割合が異なる(例えば、相対的に第2アクティブ表示変化予告演出が実行された場合の方が第1アクティブ表示変化予告演出が実行された場合よりも、アクティブ表示が変化する割合が高い)こととしてもよい。そのため、いずれの変化演出が実行されるかによって対応表示の表示態様が変化する割合が異なるので、いずれの変化演出が実行されるかに対して遊技者に関心をもたせることができる。
また、変形例では、第2変化演出が実行されて表示態様が変化した場合には、第1変化演出が実行されて表示態様が変化した場合と比較して期待度が高くなる(例えば、第2保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合には、第1保留変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高い。また、第2アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合には、第1アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高い。)こととしてもよい。そのため、第2変化演出が実行されることにより遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、第2保留変化予告演出や第2アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化した場合に、第1保留変化予告演出や第1アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなることとしてもよいし、逆に、第1保留変化予告演出や第1アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化した場合に、第2保留変化予告演出や第2アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化した場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
また、変形例では、第2保留変化予告演出や第2アクティブ表示変化予告演出が実行されて保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化した場合の方が大当り期待度が高くなることとしてもよいし、大当り期待度にかぎらず、例えば、確変大当りに対する期待度や、リーチ期待度、擬似連が発生することに対する期待度が高くなるようにしてもよい。また、例えば、保留表示やアクティブ表示が変化するか否かに対する期待度や、複数種類の変化態様がある場合に保留表示やアクティブ表示がいずれの態様に変化するかに対する期待度が高くなるようにしてもよい。
また、この変形例によれば、第2演出装置は、主表示装置(本例では、演出表示装置5(メイン表示装置))であり、第1演出装置は、副表示装置(本例では、副表示装置5S(サブ表示装置))である。そのため、主表示装置と副表示装置とを用いることにより、変化演出の演出効果を向上させることができる。
また、保留表示の表示態様を変化させるときと対応表示の表示態様を変化させるときとで共通の変化演出を実行可能である(例えば、図105に示すように、第1保留変化予告演出を実行する場合と第1アクティブ表示変化予告演出を実行する場合とで、同様の演出態様で作用演出Aが実行される。また、図106に示すように、第2保留変化予告演出を実行する場合と第2アクティブ表示変化予告演出を実行する場合とで、同様の演出態様で作用演出Bが実行される。ただし、厳密には、いずれの保留表示またはアクティブ表示が予告対象であるかによって矢が命中する先が異なるので、一部が共通する演出となっている。)こととしてもよい。そのため、保留表示と対応表示とのいずれが変化するかに注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、変形例では、第1保留変化予告演出を実行する場合と第1アクティブ表示変化予告演出を実行する場合とで実行される作用演出Aと、第2保留変化予告演出を実行する場合と第2アクティブ表示変化予告演出とで実行される作用演出Bとの両方が同様の演出態様で実行されることとしてもよいし、いずれか一方のみが同様の態様で実行されるように構成してもよい。例えば、第1保留変化予告演出を実行する場合と第1アクティブ表示変化予告演出を実行する場合とで同様の演出態様で作用演出Aを実行する一方で、第2保留変化予告演出を実行する場合と第2アクティブ表示変化予告演出とでは異なる演出態様の作用演出Bを実行するように構成してもよい。また、逆に、例えば、第2保留変化予告演出を実行する場合と第2アクティブ表示変化予告演出を実行する場合とで同様の演出態様で作用演出Bを実行する一方で、第1保留変化予告演出を実行する場合と第1アクティブ表示変化予告演出とでは異なる演出態様の作用演出Aを実行するように構成してもよい。
また、合算保留記憶数が特定数(例えば、8個)となることを作用演出の実行条件としてもよい。その場合、合算保留記憶数が特定数(例えば、8個)となることを契機にキャラクタ変化を実行可能な遊技機であれば、キャラクタ変化を実行するときの方が、実行しないときよりも高い割合で作用演出Bを実行することとしてもよい。これにより、興趣の向上を図ることができる。
以上説明した第1実施形態と第2実施形態、または第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせた構成例について説明する。第1実施形態と第2実施形態、または第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせた構成例は、例えば、以下のとおりである。
本発明による遊技機は、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、電気部品(例えば、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、可動部302を回動させるための第1演出用モータ303、可動部材321をスライドさせるための第2演出用モータ330)を制御するための制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、前記制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(例えば、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(例えば、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413c)と、可変表示に関する情報(例えば、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値)を、保留記憶情報として記憶する保留記憶手段(例えば、第1保留記憶バッファ,第2保留記憶バッファ)と、前記保留記憶手段に記憶された保留記憶情報に対応する保留表示を行う保留表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ150における、ステップS3510を実行する部分)と、保留表示の表示態様を変化可能な変化手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ150における、ステップS635,S3707を実行する部分)とを備え、前記出力手段は、複数の異なるグループにグループ化された特定信号出力部からパラレル通信方式による特定信号を出力し、前記特定信号出力部からの特定信号の出力タイミングは、グループごとに異なり(例えば、図9に示すように、ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号の出力タイミングがグループごとに分散されている)、複数の発光素子を含む発光手段は、前記出力手段の同一グループの前記特定信号出力部から出力される特定信号にもとづいて発光制御され(例えば、図17に示す変形例5のように、同じフルカラーLEDに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続され)、前記変化手段は、前記保留記憶手段に特定数(例えば、8個)の保留記憶情報が記憶されたことにもとづいて、第1態様(例えば、「白」)または該第1態様よりも遊技者にとって有利な第2態様(例えば、「青」や「赤」)により表示される保留表示の表示態様を特定態様(例えば、「キャラクタ」)に変化可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ150は、ステップS3707を実行することにより、第1態様である「白」、または第2態様である「青」や「赤」から、特定態様である「キャラクタ」に保留表示の表示態様を変化可能であり)、記第1態様により表示される保留表示(既に第1態様にて表示されている(第2態様への変化予定なし)か、または、現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示のこと。例えば、表示態様が「白」であり、将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化しない予定の保留表示(変化パターン種別:第1変化パターン種別)。なお、第1態様が変化後の表示態様として用いられない遊技機であれば、「現状は第1態様ではないが将来的に第1態様に変化される予定の保留表示」は存在しない。)よりも高い割合にて、前記第2態様により表示される保留表示(既に第2態様にて表示されている(第1態様への変化予定なし)か、または、現状は第2態様ではないが将来的に第2態様に変化される予定の保留表示のこと。例えば、既に表示態様が「青」または「赤」の保留表示、または現状は「白」であるが将来的に表示態様が「青」または「赤」に変化する予定の保留表示(変化パターン種別:第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別)。)の表示態様を前記特定態様に変化可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ150は、演出モードAにおける保留表示の変化パターンとして、第1変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT1B)よりも高い割合で、第2変化パターン種別〜第7変化パターン種別におけるキャラクタ変化パターン(PT2B,3B,4B,5B,6B,7B)を選択可能である。図84および図87参照。)ことを特徴とする。
このような構成例によれば、複数の異なるグループにグループ化された特定信号出力部からパラレル通信方式によって特定信号が出力されている。このため、グループごとにおける発光タイミングのずれを抑制することができる。また、特定信号出力部からの特定信号の出力タイミングは、グループごとに異なり、複数の発光素子を含む発光手段は、出力手段の同一グループの特定信号にもとづいて発光制御される。このため、特定信号出力部からの出力信号の出力タイミングがグループごとに分散されてスペクトラム分散が図られているので、放射ノイズの発生を防止して電波放射を抑制できる。したがって、発光タイミングを一致させたい発光手段に対して、特定信号出力部をグループ化することにより、遊技機外部に対する電波放射を抑制しつつ、複数の発光素子を含む発光手段の発光タイミングのずれを抑制することができる。
また、上記の構成例の遊技機においては、保留表示の表示態様が第2態様となったときに、第1態様よりも特定態様に変化する割合が高くなる。このため、保留表示が第1態様で表示されるか第2態様で表示されるかによって保留表示が特定態様に対する変化の期待度を増減させることができる。したがって、演出効果を高めることができる。
また、電気部品の駆動と保留表示の変化とを対応付けて実行するようにしてもよい。例えば、電気部品が駆動したときに、電気部品が駆動しないときよりも保留表示が変化しやすくしてもよいし、電気部品が駆動しないときに、電気部品が駆動したときよりも保留表示が変化しやすくしてもよい。また、保留表示が第1態様で表示されているときには、電気部品が駆動したときに、電気部品が駆動しないときよりも保留表示が変化しやすく、保留表示が第2態様で表示されているときには、電気部品が駆動しないときに、電気部品が駆動したときよりも保留表示が変化しやすくしてもよい。また、保留表示が第1態様で表示されているときには、電気部品が駆動しないときに、電気部品が駆動したときよりも保留表示が変化しやすく、保留表示が第2態様で表示されているときには、電気部品が駆動したときに、電気部品が駆動しないときよりも保留表示が変化しやすくしてもよい。
また、電気部品の種類に応じて保留表示の変化の割合が異なるようにしてもよい。例えば、盤側LED9d,9eが点滅したときに、天枠LED9aが点滅したときよりも保留表示が変化しやすいようにしてもよい。また、盤側LED9d,9e、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cのうちの多くのLEDが点滅した方が、少ない種類のLEDが点滅したときよりも保留表示が変化しやすいようにしてもよい。また、盤側LED9d,9e、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cが点滅したときよりも、可動部302を回動させるための第1演出用モータ303、可動部材321をスライドさせるための第2演出用モータ330が駆動したときに、保留表示が変化しやすいようにしてもよい。その他、駆動するLEDや演出用モータの種類や保留表示の種類に応じて保留表示が変化しやすさが変化するようにしてもよい。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。なお、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。また、スロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施の形態では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ変動表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、変動表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
また、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板12、音声制御基板13、駆動制御基板16B、発光体制御基板16C〜16Fなどが設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置5等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(可動体、発光体、スピーカなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用マイクロコンピュータに対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ100が他の基板に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用マイクロコンピュータに送信されるようにしてもよい。その場
合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、可動体や発光体、スピーカなどに関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置5を制御する演出制御用マイクロコンピュータに送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータは、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で表示結果(大当りか否か)や変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞の発生時に抽出した乱数の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ150に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ150に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ150は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ150の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板12、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置5等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用マイクロコンピュータ150に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ100が他の基板(例えば、図52に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用マイクロコンピュータ150に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置5を制御する演出制御用マイクロコンピュータ150に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ150は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。