JP6491630B2 - 建物の外皮の断熱性能計算システム及び建物の外皮の断熱性能計算方法 - Google Patents

建物の外皮の断熱性能計算システム及び建物の外皮の断熱性能計算方法 Download PDF

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Description

本発明は、建物の外皮の断熱性能を計算するためのシステム及び方法に関する。
下記特許文献1は、建物の外皮の断熱性能を計算するためのシステムを提案している。下記特許文献1のシステムは、建物の各構成部材の断熱性能に関する断熱情報が予め記憶されたデータベースと、断熱情報を使用して建物の外皮の断熱性能を計算する算定手段とを含んで構成されている。
建物の構成部材は、例えば、天井部、外壁部、床部、及び、開口部を含んでいる。断熱情報は、構成部材の設計因子に関連付けて設定されている。また、断熱情報は、例えば、省エネルギー基準等に従って定義される。
特開2016−57654号公報
開口部の設計因子は、例えば、開口部に配置されるガラスの種類、サッシの種類、及び、建具の種別等を含んでいる。このような開口部の設計因子は、建物によってそれぞれ異なる。このため、開口部の実際の断熱性能は、上記基準に基づく断熱情報を使用して計算された開口部の断熱性能との間に大きな差が生じやすい。従って、上記特許文献1のシステムで計算される外皮の断熱性能が、実際の外皮の断熱性能よりも不利側に計算されるという問題があった。このように、外皮の断熱性能が実際の外皮の断熱性能よりも不利側に計算されると、過剰な設備によってエネルギー収支を整えるようなミスマッチが生じるおそれがあった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、建物の外皮の断熱性能が、実際の外皮の断熱性能よりも不利側に計算されるのを防ぎうるシステム及び方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、開口部を含む建物の外皮の断熱性能を計算するためのシステムであって、前記開口部の設計因子を記憶する設計因子記憶手段、予め定められた基準に従って前記設計因子毎の断熱性能である第1開口部断熱情報を記憶する第1記憶手段、前記開口部の設計因子毎の実際の断熱性能である第2開口部断熱情報を記憶する第2記憶手段、及び計算手段を含み、前記計算手段は、前記建物の前記開口部の設計因子に基づいて、前記第1記憶手段から前記第1開口部断熱情報を抽出し、抽出された前記第1開口部断熱情報を使用して、前記開口部の第1断熱性能を計算する第1計算部と、前記建物の前記開口部の設計因子に基づいて、前記第2記憶手段から前記第2開口部断熱情報を抽出し、抽出された前記第2開口部断熱情報を使用して、前記開口部の第2断熱性能を計算する第2計算部と、前記第1断熱性能及び前記第2断熱性能を比較して、断熱性能が優れている一方の性能を用いて、前記建物の外皮の断熱性能を計算する第3計算部と、計算された前記建物の外皮の断熱性能を出力する出力部とを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記建物の外皮の断熱性能計算システムにおいて、前記開口部の前記設計因子は、前記開口部に配置されるガラスの種類、サッシの種類、又は、建具の種別を含むのが望ましい。
本発明に係る前記建物の外皮の断熱性能計算システムにおいて、前記計算手段は、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を有する場合、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮しない第1エネルギー消費量、及び、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮した第2エネルギー消費量を計算する第4計算部を含み、前記出力部は、前記第1エネルギー消費量及び前記第2エネルギー消費量を比較して、エネルギー性能が劣っている一方の消費量を出力するのが望ましい。
本発明に係る前記建物の外皮の断熱性能計算システムにおいて、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子は、前記開口部以外の設計因子であり、前記建物の小屋裏収納、前記建物の基礎の深さ、又は、前記建物のエレベータの昇降路の上部を含むのが望ましい。
本発明に係る前記建物の外皮の断熱性能計算システムにおいて、前記第4計算部は、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を有しない場合、前記第1エネルギー消費量のみを計算し、前記出力部は、前記第1エネルギー消費量を出力するのが望ましい。
本発明は、開口部を含む建物の外皮の断熱性能を、コンピュータを用いて計算するための方法であって、前記開口部の設計因子を、前記コンピュータに記憶する工程、予め定められた基準に従って前記設計因子毎の断熱性能である第1開口部断熱情報を、前記コンピュータに記憶する工程、前記開口部の設計因子毎の実際の断熱性能である第2開口部断熱情報を、前記コンピュータに記憶する工程、前記コンピュータが、前記建物の外皮の断熱性能を計算する外皮断熱性能計算工程、及び前記コンピュータが、計算された前記建物の外皮の断熱性能を出力する工程を含み、前記外皮断熱性能計算工程は、前記建物の前記開口部の設計因子に基づいて、前記第1開口部断熱情報を抽出し、抽出された前記第1開口部断熱情報を使用して、前記開口部の第1断熱性能を計算する工程と、前記建物の前記開口部の設計因子に基づいて、前記第2開口部断熱情報を抽出し、抽出された前記第2開口部断熱情報を使用して、前記開口部の第2断熱性能を計算する工程と、前記第1断熱性能及び前記第2断熱性能を比較して、断熱性能が優れている一方の性能を用いて、前記建物の外皮の断熱性能を計算する工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記建物の外皮の断熱性能計算方法において、前記開口部の前記設計因子は、前記開口部に配置されるガラスの種類、サッシの種類、又は、建具の種類を含むのが望ましい。
本発明に係る前記建物の外皮の断熱性能計算方法において、前記コンピュータが、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を有すると判断した場合、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮しない第1エネルギー消費量と、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮した第2エネルギー消費量とを計算する工程とをさらに含み、前記建物の外皮の断熱性能を出力する工程は、前記第1エネルギー消費量及び前記第2エネルギー消費量を比較して、エネルギー性能が劣っている一方の消費量をさらに出力するのが望ましい。
本発明に係る前記建物の外皮の断熱性能計算方法において、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子は、前記建物の小屋裏、又は、前記建物の基礎の深さを含むのが望ましい。
本発明に係る前記建物の外皮の断熱性能計算方法において、前記コンピュータが、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を有しないと判断した場合、前記第1エネルギー消費量のみを計算する工程をさらに含み、前記建物の外皮の断熱性能を出力する工程は、前記第1エネルギー消費量をさらに出力するのが望ましい。
本願の第1の発明の建物の外皮の断熱性能計算システムは、開口部の設計因子を記憶する設計因子記憶手段、予め定められた基準に従って設計因子毎の断熱性能である第1開口部断熱情報を記憶する第1記憶手段、開口部の設計因子毎の実際の断熱性能である第2開口部断熱情報を記憶する第2記憶手段、及び、計算手段を含んでいる。
計算手段は、建物の開口部の設計因子に基づいて、第1記憶手段から第1開口部断熱情報を抽出し、抽出された第1開口部断熱情報を使用して、開口部の第1断熱性能を計算する第1計算部を含んでいる。また、計算手段は、建物の開口部の設計因子に基づいて、第2記憶手段から第2開口部断熱情報を抽出し、抽出された第2開口部断熱情報を使用して、前記開口部の第2断熱性能を計算する第2計算部を含んでいる。
さらに、計算手段は、第1断熱性能及び第2断熱性能を比較して、断熱性能が優れている一方の性能を用いて、建物の外皮の断熱性能を計算する第3計算部と、計算された前記建物の外皮の断熱性能を出力する出力部とを含んでいる。このように、本願の第1の発明の建物の外皮の断熱性能計算システムは、外皮の断熱性能に有利な開口部の断熱性能を用いて、外皮の断熱性能が計算されるため、実際の外皮の断熱性能よりも、外皮の断熱性能が不利側に(小さく)計算されるのを防ぐことができる。
本願の第2の発明の建物の外皮の断熱性能計算方法は、開口部の設計因子を、コンピュータに記憶する工程、予め定められた基準に従って設計因子毎の断熱性能である第1開口部断熱情報を、コンピュータに記憶する工程、開口部の設計因子毎の実際の断熱性能である第2開口部断熱情報を、コンピュータに記憶する工程、コンピュータが、建物の外皮の断熱性能を計算する外皮断熱性能計算工程、及び、コンピュータが、計算された建物の外皮の断熱性能を出力する工程を含んでいる。
外皮断熱性能計算工程は、建物の開口部の設計因子に基づいて、第1開口部断熱情報を抽出し、抽出された第1開口部断熱情報を使用して、開口部の第1断熱性能を計算する工程と、建物の開口部の設計因子に基づいて、第2開口部断熱情報を抽出し、抽出された第2開口部断熱情報を使用して、開口部の第2断熱性能を計算する工程と、第1断熱性能及び第2断熱性能を比較して、断熱性能が優れている一方の性能を用いて、建物の外皮の断熱性能を計算する工程とを含んでいる。
このように、本願の第2の発明の建物の外皮の断熱性能計算方法は、外皮の断熱性能に有利な開口部の断熱性能を用いて、外皮の断熱性能が計算されるため、実際の外皮の断熱性能よりも、外皮の断熱性能が不利側に(小さく)計算されるのを防ぐことができる。
本実施形態の計算システムの構成の一例を示すブロック図である。 外皮の断熱性能が計算される建物の一例を示す断面図である。 建物の外皮の断熱性能の計算方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 設計因子記憶工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1開口部断熱情報の一例を示す図である。 第1断熱情報記憶工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2開口部断熱情報の一例を示す図である。 外皮断熱性能計算工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 エネルギー消費量計算工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 計算システムによる出力結果の一例を示す図である。 本発明の他の実施形態の計算方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態の計算システムによる出力結果の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態の建物の外皮の断熱性能計算システム(以下、単に「計算システム」ということがある。)は、例えば、建物の新築時やリフォーム時において、開口部を含む建物の外皮の断熱性能(以下、単に「外皮の断熱性能」ということがある。)を計算するために使用される。本実施形態の断熱性能計算システムは、外皮の断熱性能の計算、及び、建物のエネルギー消費量(以下、単に「エネルギー消費量」ということがある。)の計算に使用されるが、外皮の断熱性能の計算のみに使用されてもよい。
図1は、本実施形態の計算システムの構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の計算システム1Sは、例えば、一つのコンピュータ1の中に組み込まれる態様が例示される。
コンピュータ1は、入力デバイスとしての入力部2、出力デバイスとしての出力部3、及び、外皮の断熱性能等を計算する演算処理装置4を有している。
入力部2は、例えば、キーボード又はマウス等が用いられる。出力部3は、例えば、ディスプレイ装置又はプリンタ等が用いられる。演算処理装置4は、各種の演算を行う演算部(CPU)4A、データやプログラム等が記憶される記憶部4B、及び、作業用メモリ4Cが含まれている。
記憶部4Bは、例えば、磁気ディスク、光ディスク又はSSD等からなる不揮発性の情報記憶装置である。記憶部4Bには、データ部6及び計算手段(プログラム部)7が設けられている。
データ部6は、第1記憶手段6A、第2記憶手段6B、第3記憶手段6C、第4記憶手段6D、第5記憶手段6E、プラン記憶手段6F、設計因子記憶手段6G、及び、基本情報記憶手段6Hを含んでいる。
第1記憶手段6A〜第5記憶手段6Eは、外皮の断熱性能の計算結果等の情報を記憶するためのものである。プラン記憶手段6Fは、建物のプランを記憶するためのものである。設計因子記憶手段6Gは、外皮の断熱性能の計算に用いられる建物の構成部材の設計因子を記憶するためのものである。基本情報記憶手段6Hは、エネルギー消費量の計算に必要な基本情報を記憶するためのものである。
計算手段7は、演算部4Aによって実行されるプログラムである。計算手段7は、第1計算部7A、第2計算部7B、第3計算部7C、第4計算部7D、第5計算部7E、及び、設計因子特定部7Fを含んでいる。第1計算部7A〜第5計算部7E及び設計因子特定部7Fは、外皮の断熱性能やエネルギー消費量を計算するためのプログラムとして構成されている。
図2は、外皮の断熱性能が計算される建物11の一例を示す断面図である。本実施形態において、外皮の断熱性能の計算に用いられる建物11の構成部材(部位)12は、天井部13、外壁部14、床部15(又は基礎17)、及び、開口部16である。
外皮の断熱性能の計算において、天井部13は、例えば、建物11の内外の熱的境界となる上面の外皮のうち、天窓(図示省略)以外の部分として定義される。また、外壁部14は、例えば、建物の内外の熱的境界となる鉛直面の外皮のうち、開口部(窓等)16、基礎17、横架材(図示省略)、及び、土間床18以外の部分として定義される。
外皮の断熱性能の計算において、床部15は、例えば、建物の内外の熱的境界となる下面の外皮のうち、土間床18以外の部分として定義される。また、開口部16は、例えば、建物の内外の熱的境界に取り付く開口部分と定義される。開口部16の一例としては、例えば、玄関のドア、窓、及び、天窓等である。
これらの構成部材12は、建物11毎に、それぞれ異なる設計因子を有している。外皮の断熱性能の計算に用いられる設計因子の種類としては、例えば、予め定められた基準に基づいて、適宜設定することができる。開口部16の設計因子の一例としては、開口部16に配置されるガラスの種類、及び、サッシの種類を含んでいる。
前記基準は、外皮の断熱性能の計算や、建物のエネルギー消費量の計算に関して取り決められたものである。本実施形態の基準は、省エネルギー基準(即ち、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」及び「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」)である場合が例示される。
次に、本実施形態の計算システム1Sの作用(即ち、コンピュータ1を用いた建物11の外皮の断熱性能計算方法(以下、単に「計算方法」ということがある。))について説明する。図3は、外皮の断熱性能の計算方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の計算方法では、先ず、図1に示した計算システム1S(コンピュータ1)に、建物11(図2に示す)のプランが記憶される(工程S1)。プランは、建物11が施工される地域、方角、及び、間取り等に関する情報である。このようなプランとしては、例えば、建物11の設計に用いられたCADデータを使用することができる。プランは、プラン記憶手段6F(図1に示す)に記憶される。
次に、図3に示されるように、本実施形態の計算方法は、計算システム1S(コンピュータ1)に、図2に示した建物11の構成部材12の設計因子が記憶される(設計因子記憶工程S2)。本実施形態の設計因子記憶工程S2では、図1に示されるように、プラン記憶手段6Fに記憶されている建物11(図2に示す)のプランが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。さらに、設計因子特定部7Fが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。そして、設計因子特定部7Fが、演算部4Aによって実行される。
設計因子特定部7Fは、図2に示した建物11のプランに基づいて、外皮の断熱性能の計算に用いられる各構成部材12(本実施形態では、図2に示した天井部13、外壁部14、床部15(又は基礎17)、及び、開口部16)の設計因子を特定する。各構成部材12の設計因子については、上述のとおりである。これらの設計因子は、図1に示した設計因子記憶手段6Gに記憶される。なお、設計因子は、計算システム1Sの使用者が直接入力してもよいし、また、予め用意されている設計因子に関するデータを使用してもよい。
図4は、設計因子記憶工程S2の処理手順の一例を示すフローチャートである。設計因子記憶工程S2は、天井部13の設計因子が記憶される工程S21、外壁部14の設計因子が記憶される工程S22、床部15の設計因子が記憶される工程S23、及び、開口部16の設計因子が記憶される工程S24が実施される。これらの工程S21〜S24は、順次実施されてもよいし、同時に実施されてもよい。これにより、図2に示した建物11の構成部材12の設計因子が、計算システム1Sに記憶される。
次に、図3に示されるように、本実施形態の計算方法は、前記基準に従って、計算システム1S(コンピュータ1)に、各構成部材12の設計因子毎の断熱性能である第1断熱情報が記憶される(第1断熱情報記憶工程S3)。第1断熱情報は、各構成部材12(本実施形態では、図2に示した天井部13、外壁部14、床部15(又は基礎17)、及び、開口部16)の設計因子毎に、前記基準で定められた断熱性能である。これらの第1断熱情報は、第1記憶手段6A(図1に示す)に記憶される。
図5は、開口部16(図2に示す)の設計因子毎の断熱性能である第1開口部断熱情報の一例を示す図である。第1開口部断熱情報は、開口部16の設計因子(本実施形態では、開口部16に配置されるガラスの種類、及び、サッシの種類)毎に、断熱性能が関連付けられている。断熱性能としては、熱貫流率W/(m2K)が含まれている。この熱貫流率は、その数値が小さいほど、断熱性能に優れることを示している。このような第1開口部断熱情報は、各開口部16について、設計因子に一致する断熱性能を抽出することができる。
図6は、第1断熱情報記憶工程S3の処理手順の一例を示すフローチャートである。第1断熱情報記憶工程S3では、天井部13の設計因子毎の断熱性能である第1天井部断熱情報が記憶される工程S31、外壁部14の設計因子毎の断熱性能である第1外壁部断熱情報が記憶される工程S32、床部15の設計因子毎の断熱性能である第1床部断熱情報が記憶される工程S33、及び、開口部16の設計因子毎の断熱性能である第1開口部断熱情報が記憶される工程S34が実施される。これらの工程S31〜S34は、順次実施されてもよいし、同時に実施されてもよい。これにより、設計因子毎の断熱性能である第1断熱情報が、計算システム1Sに記憶される。
次に、図3に示されるように、本実施形態の計算方法は、計算システム1S(コンピュータ1)に、開口部16(図2に示す)の設計因子毎の実際の断熱性能である第2開口部断熱情報が記憶される(工程S4)。本実施形態の第2開口部断熱情報は、開口部16の設計因子毎に、実測された断熱性能である。断熱性能の測定方法については、公知の方法が用いられる。このような第2開口部断熱情報は、前記基準で定められている第1開口部断熱情報に比べて、開口部16の断熱性能を正確に得ることができる。
図7は、第2開口部断熱情報の一例を示す図である。第2開口部断熱情報は、開口部16の設計因子毎に、断熱性能が関連付けられている。本実施形態の設計因子は、図5に示した第1開口部断熱情報の設計因子(本実施形態では、開口部16に配置されるガラスの種類、及び、サッシの種類)に加えて、さらに、建具の種別が設定されている。建具の種別としては、例えば、「竪スベリ(即ち、竪スベリ出し窓)」、及び、「引き違い(即ち、引き違い窓)」を含んでいる。このような建具の種別の違いは、図7に示されるように、開口部16の断熱性能に大きな影響を及ぼすものである。このように、第2開口部断熱情報は、図5に示した第1開口部断熱情報に比べて、開口部16の設計因子が細分化されるため、開口部16の断熱性能をより正確に得ることができる。このような第2開口部断熱情報は、第2記憶手段6B(図1に示す)に記憶される。
次に、図3に示されるように、本実施形態の計算方法は、計算システム1S(コンピュータ1)によって、外皮の断熱性能が計算される(外皮断熱性能計算工程S5)。図8は、外皮断熱性能計算工程S5の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の外皮断熱性能計算工程S5は、先ず、図5に示した第1開口部断熱情報を使用して、開口部16(図2に示す)の第1断熱性能が計算される(工程S51)。第1断熱性能は、上記基準に基づいて求められるものであり、図2に示した建物11に設けられる全ての開口部16(図2に示す)の断熱性能を考慮したものである。工程S51では、先ず、図1に示されるように、設計因子記憶手段6Gに記憶されている各開口部16の設計因子が、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、第1計算部7Aが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。そして、第1計算部7Aが、演算部4Aによって実行される。
第1計算部7Aは、各開口部16(図2に示す)の設計因子(本実施形態では、ガラスの種類、及び、サッシの種類)に基づいて、図1に示した第1記憶手段6Aから第1開口部断熱情報(本実施形態では、図5に示した断熱性能)を抽出する。そして、第1計算部7Aは、抽出された各開口部16の第1開口部断熱情報を使用して、図2に示した建物11に設けられる全ての開口部16毎に、第1断熱性能を計算する。第1断熱性能の計算方法については、上記基準に基づいて行われる。第1断熱性能は、データ部6に記憶される。
次に、図8に示されるように、本実施形態の外皮断熱性能計算工程S5は、図7に示した第2開口部断熱情報を使用して、開口部16の第2断熱性能が計算される(工程S52)。第2断熱性能は、図2に示した建物11に設けられる全ての開口部16(図2に示す)を考慮した実際の断熱性能である。工程S52では、先ず、図1に示されるように、設計因子記憶手段6Gに記憶されている各開口部16の設計因子が、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、工程S52では、第2計算部7Bが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。そして、第2計算部7Bが、演算部4Aによって実行される。
第2計算部7Bは、各開口部16(図2に示す)の設計因子(本実施形態では、ガラスの種類、サッシの種類、及び、建具の種別)に基づいて、図1に示した第2記憶手段6Bから第2開口部断熱情報(本実施形態では、図7に示した断熱性能)を抽出する。そして、第2計算部7Bは、抽出された各開口部16の第2開口部断熱情報を使用して、図2に示した建物11に設けられる全ての開口部16毎に、第2断熱性能を計算する。第2断熱性能の計算方法については、第1断熱性能の計算方法と同一の手順で行われる。第2断熱性能は、データ部6に記憶される。
次に、図8に示されるように、本実施形態の外皮断熱性能計算工程S5は、第1断熱性能及び第2断熱性能が比較される(工程S53)。工程S53では、先ず、図1に示されるように、データ部6に記憶されている第1断熱性能及び第2断熱性能が、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、工程S53では、第3計算部7Cが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。そして、第3計算部7Cが、演算部4Aによって実行される。
第3計算部7Cは、第1断熱性能及び第2断熱性能の優劣を比較する。図8に示されるように、工程S53において、第1断熱性能が優れていると判断された場合(工程S53において、「<」)、第1断熱性能を用いて、建物の外皮の断熱性能を計算する工程S54が実施される。他方、第2断熱性能が優れている(又は等しい)と判断された場合(工程S53において、「≧」)、第2断熱性能を用いて、建物の外皮の断熱性能を計算する工程S55が実施される。
図8に示されるように、工程S54では、断熱性能に優れる第1断熱性能を用いて、建物の外皮の断熱性能が計算される。工程S54では、先ず、図1に示されるように、データ部6に記憶されている開口部16の第1断熱性能が、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、工程S54では、プラン記憶手段6Fに記憶されている建物11のプラン、設計因子記憶手段6Gに記憶されている天井部13の設計因子、設計因子記憶手段6Gに記憶されている外壁部14の設計因子、及び、設計因子記憶手段6Gに記憶されている床部15の設計因子が、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、工程S54では、第3計算部7Cが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。そして、第3計算部7Cが、演算部4Aによって実行される。
第3計算部7Cは、断熱性能に優れる第1断熱性能を使用して、建物の外皮の断熱性能を計算する。建物の外皮の断熱性能は、上記基準に基づいて、下記式(1)を使用して計算される。
A=(UB×SB+UC×SC+C×UD×SD+UE×SE)/SA …(1)
ここで、各変数は次のとおりである。
A:外皮の断熱性能(外皮平均熱貫流率)
A:外皮の面積
B:天井部の熱貫流率
B:天井部の面積
C:外壁部の熱貫流率
C:外壁部の面積
D:床部の熱貫流率(又は、基礎の熱貫流率)
D:床部の面積(又は、基礎の面積)
E:開口部の熱貫流率
E:開口部の面積
C :係数
なお、係数Cは、床部の熱貫流率及び床部の面積が使用される場合「0.7」が代入され、基礎の熱貫流率及び基礎の面積が使用される場合「1」が代入される。
第3計算部7Cは、建物11(図2に示す)のプランに基づいて、外皮の面積SA、天井部の面積SB、外壁部の面積SC、床部の面積(基礎の面積)SD、及び、開口部の面積SEをそれぞれ計算する。なお、基礎の面積SDが使用される場合、外皮の面積Saの計算に用いられる基礎の面積は、床部の面積と、GL(グランドライン)から400mm下方の基礎の面積との和が使用される。
次に、第3計算部7Cは、天井部の面積SBに基づいて、天井部の断熱性能を求める。また、第3計算部7Cは、外壁部の面積SCに基づいて、外壁部の断熱性能を求める。さらに、第3計算部7Cは、床部の面積(基礎の面積)SDに基づいて、床部の断熱性能(又は、基礎の断熱性能)を求める。また、開口部の熱貫流率UEは、断熱性能が優れる第1断熱性能の熱貫流率である。
そして、第3計算部7Cは、各変数UB、SB、UC、SC、C、UD、SD、UE、SE及びSAが、上記式(1)に代入されることにより、外皮の断熱性能UAが計算される。外皮の断熱性能UAは、第3記憶手段6C(図1に示す)に記憶される。
図8に示されるように、工程S55では、断熱性能に優れる開口部16の第2断熱性能を用いて、建物の外皮の断熱性能が計算される。外皮の断熱性能の計算は、上述した第1断熱性能を用いる工程S54(図8に示す)と同一の手順で行われる。即ち、上記式(1)において、開口部の熱貫流率UEに、断熱性能が優れる第2断熱性能の熱貫流率が代入されて、建物の外皮の断熱性能が計算される。外皮の断熱性能UAは、第3記憶手段6C(図1に示す)に記憶される。
このように、本発明の計算システム1S及び計算方法は、上記基準に基づいて求められた開口部16の第1断熱性能、及び、開口部16の実際の第2断熱性能のうち、外皮の断熱性能に有利な断熱性能を用いて、外皮の断熱性能を計算することができる。開口部16の断熱性能は、他の構成部材12の断熱性能に比べて、外皮の断熱性能に大きな影響を及ぼすものである。従って、本発明の計算システム1S及び計算方法は、実際の外皮の断熱性能よりも、外皮の断熱性能が不利側に(小さく)計算されるのを防ぐことができる。このような外皮の断熱性能は、建物11のエネルギー消費量(本実施形態では、1次エネルギー消費量)が必要以上に低く計算されるのを防ぐことができる。さらに、不利な外皮の断熱性能に基づいて設定された過剰な設備によってエネルギー収支を整えるようなミスマッチが生じることを防ぎうる。
次に、図3に示されるように、本実施形態の計算方法は、計算システム1S(コンピュータ1)によって、建物のエネルギー消費量が計算される(エネルギー消費量計算工程S6)。建物のエネルギー消費量(本実施形態では、1次エネルギー消費量)は、上記基準に基づいて、建物のプラン、外皮の断熱性能、暖房、冷房、換気、照明及び給湯等を含む情報を使用して求められる。
図2に示されるように、建物11が施工される前に決定したプランは、施主の要望等に応じて、部分的に変更されることがある。例えば、外皮の断熱性能に影響する設計因子が変更されると、外皮の断熱性能が変化し、施工前に計算されたエネルギー消費量と、施工後の実際のエネルギー消費量とが一致しないおそれがある。外皮の断熱性能に影響する設計因子は、外皮の断熱性能の計算に用いられた構成部材12(本実施形態では、天井部13、外壁部14、床部15(又は基礎17)、及び、開口部16)の設計因子以外のものである。本実施形態の外皮の断熱性能に影響する設計因子は、建物11の小屋裏収納19である場合が例示される。
本実施形態の計算システム1Sは、外皮の断熱性能に影響する設計因子(本実施形態では、小屋裏収納19)を考慮しない第1エネルギー消費量、及び、外皮の断熱性能に影響する設計因子(本実施形態では、小屋裏収納19)を考慮した第2エネルギー消費量を計算して、エネルギー性能が劣っている一方の消費量を出力している。これにより、計算システム1Sは、施工前のプランが変更された場合であっても、施工後の実際の建物11のエネルギー消費量よりも上回るようなエネルギー消費量を表示することを防いでいる。
図9は、エネルギー消費量計算工程S6の処理手順の一例を示すフローチャートである。エネルギー消費量計算工程S6の一連の処理は、図1に示した第4計算部7Dによって計算される。
本実施形態のエネルギー消費量計算工程S6は、先ず、計算システム1S(コンピュータ1)に、エネルギー消費量の計算に必要な基本情報が記憶される(工程S61)。本実施形態の基本情報は、エネルギー消費量の計算に用いられる情報のうち、既に入力されている建物のプラン及び外皮の断熱性能を除いた、暖房、冷房、換気、照明及び給湯等を含む情報である。これらの基本情報は、基本情報記憶手段6H(図1に示す)に記憶される。
次に、図9に示されるように、本実施形態のエネルギー消費量計算工程S6は、計算システム1S(コンピュータ1)が、建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子(本実施形態では、小屋裏収納19)を有するか否かを判断する(工程S62)。工程S62では、先ず、図1に示されるように、プラン記憶手段6Fに記憶されている建物11のプランが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、第4計算部7Dが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。そして、第4計算部7Dが、演算部4Aによって実行される。
第4計算部7Dは、建物のプランに、建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子(本実施形態では、図2に示した小屋裏収納19)を有するか否かを判断する。図9に示されるように、工程S62において、建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を有すると判断された場合(工程S62で、「Y」)、外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮しない第1エネルギー消費量を計算する工程S63、及び、外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮した第2エネルギー消費量を計算する工程S64が実施される。他方、建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を有しないと判断された場合(工程S62で、「N」)、前記第1エネルギー消費量を計算する工程S65が実施される。
図9に示されるように、工程S63では、計算システム1S(コンピュータ1)によって、外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮しない第1エネルギー消費量が計算される。工程S63では、先ず、図1に示されるように、プラン記憶手段6Fに記憶されている建物11のプランが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、第3記憶手段6Cに記憶されている外皮の断熱性能UAが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、基本情報記憶手段6Hに記憶されている基本情報が、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、第4計算部7Dが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。そして、第4計算部7Dが、演算部4Aによって実行される。
第4計算部7Dは、建物のプラン、外皮の断熱性能、暖房、冷房、換気、照明及び給湯等を含む情報を使用して、第1エネルギー消費量を計算する。なお、第3記憶手段6Cに記憶されている外皮の断熱性能は、外皮断熱性能計算工程S5において、建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子(本実施形態では、小屋裏収納19)を考慮せずに計算されたものである。このような外皮の断熱性能が使用されることにより、外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮しない第1エネルギー消費量を計算することができる。第1エネルギー消費量は、第4記憶手段6D(図1に示す)に記憶される。
図9に示されるように、工程S64では、計算システム1S(コンピュータ1)によって、外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮した第2エネルギー消費量が計算される。工程S64では、先ず、図1に示されるように、プラン記憶手段6Fに記憶されている建物11のプランが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、第3記憶手段6Cに記憶されている外皮の断熱性能UAが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、基本情報記憶手段6Hに記憶されている基本情報が、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、第4計算部7Dが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。そして、第4計算部7Dが、演算部4Aによって実行される。
第4計算部7Dは、先ず、建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子(本実施形態では、小屋裏収納19)を考慮した外皮の断熱性能が計算される。このような外皮の断熱性能の計算方法は、先ず、外皮の断熱性能に影響する設計因子(小屋裏収納19)を考慮して、上記式(1)の各変数UB、SB、UC、SC、UD、SD、UE、SE及びSAが再度求められる。そして、各変数UB、SB、UC、SC、UD、SD、UE、SE及びSAが、上記式(1)に代入されることにより、外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮した外皮の断熱性能UAが計算される。この外皮の断熱性能UAは、第3記憶手段6Cに記憶される。
次に、第4計算部7Dは、建物のプラン、建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子(本実施形態では、小屋裏収納19)を考慮した外皮の断熱性能、暖房、冷房、換気、照明及び給湯等を含む情報を使用して、第2エネルギー消費量を計算する。第2エネルギー消費量は、第4記憶手段6D(図1に示す)に記憶される。
次に、図9に示されるように、本実施形態のエネルギー消費量計算工程S6は、計算システム1S(コンピュータ1)が、第1エネルギー消費量及び第2エネルギー消費量を比較する(工程S66)。工程S66では、先ず、図1に示されるように、第4記憶手段6Dに記憶されている第1エネルギー消費量及び第2エネルギー消費量が、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、第4計算部7Dが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。そして、第4計算部7Dが、演算部4Aによって実行される。
第4計算部7Dは、第1エネルギー消費量及び第2エネルギー消費量の優劣を比較する。エネルギー消費量が小さいほど、良好であることを示している。図9に示されるように、工程S66において、第1エネルギー消費量が劣っていると判断された場合(工程S66において、「>」)、第1エネルギー消費量と、外皮の断熱性能とを出力する工程S67が実施される。他方、工程S66において、第2エネルギー消費量が劣っている(又は等しい)と判断された場合(工程S66において、「≦」)、第2エネルギー消費量と、外皮の断熱性能とを出力する工程S68が実施される。
図9に示されるように、工程S67では、第2エネルギー消費量よりも劣る第1エネルギー消費量と、外皮の断熱性能とが出力される。工程S67において、出力される外皮の断熱性能は、第1エネルギー消費量の計算に用いられたもの(即ち、建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮せずに計算されたもの)である。
工程S67では、先ず、図1に示されるように、第4記憶手段6Dに記憶されている第1エネルギー消費量が、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、工程S67では、第3記憶手段6Cに記憶されている外皮の断熱性能が、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、工程S67では、第4計算部7Dが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。そして、第4計算部7Dが、演算部4Aによって実行される。
第4計算部7Dは、第1エネルギー消費量、及び、外皮の断熱性能を、出力部3(ディスプレイ装置又はプリンタ等)に出力する。図10は、計算システム1S(コンピュータ1)による出力結果の一例を示す図である。図10において、第1エネルギー消費量は、「一次エネルギー消費量」として出力されている。また、外皮の断熱性能は、「外皮平均熱貫流率(UA)」として出力されている。
図9に示されるように、工程S68では、第1エネルギー消費量よりも劣る第2エネルギー消費量と、外皮の断熱性能とが出力される。工程S68において、外皮の断熱性能は、第2エネルギー消費量の計算に用いられたもの(即ち、建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮して再計算されたもの)である。出力の手順は、工程S67と同様の手順で行われる。
このように、本実施形態の計算システム1S及び計算方法は、外皮の断熱性能に影響する設計因子(本実施形態では、小屋裏収納19)を考慮しない第1エネルギー消費量、及び、外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮した第2エネルギー消費量を計算して、エネルギー性能が劣っている一方の消費量を出力することができる。従って、計算システム1S及び計算方法は、施工前のプランが変更された場合であっても、実際の建物11のエネルギー消費量よりも上回るようなエネルギー消費量を表示することを効果的に防ぐことができる。
上述したように、外皮の断熱性能は、外皮の断熱性能に有利な開口部の断熱性能を用いて計算されているため、実際の外皮の断熱性能よりも不利側に(小さく)計算されるのを防ぐことができる。このため、出力されたエネルギー消費量(第1エネルギー消費量又は第2エネルギー消費量)についても、必要以上に低く計算されるのを防ぐことができる。
図9に示されるように、工程S65では、第1エネルギー消費量が計算される。工程S65では、工程S63と同一の処理手順で実施される。
次に、エネルギー消費量計算工程S6では、第1エネルギー消費量と、外皮の断熱性能とが出力される(工程S69)。工程S69では、工程S67と同一の処理手順で実施される。上述したように、外皮の断熱性能は、実際の外皮の断熱性能よりも不利側に(小さく)計算されるのを防ぐことができる。このため、第1エネルギー消費量についても、必要以上に低く計算されるのを防ぐことができる。
本実施形態の外皮の断熱性能に影響する設計因子は、図2に示した建物11の小屋裏収納19である場合が例示されたが、このような態様に限定されない。例えば、建物11の基礎17の深さ、図示しない建物11のエレベータの昇降路の上部(空間)、又は、外壁部14側に設けられた収納空間(図示省略)が含まれてもよい。これにより、施工前のプラン(基礎17の設計因子等)が変更された場合であっても、実際よりも上回るエネルギー消費量を表示することを確実に防ぐことができる。
これまでの実施形態の計算システム1S及び計算方法では、外皮の断熱性能に有利な開口部の断熱性能を用いて、外皮の断熱性能が計算される態様が例示されたが、このような態様に限定されない。例えば、計算システム1S及び計算方法は、上記基準に基づく外皮の断熱性能を計算して、外皮の断熱性能が基準値を満たしているか否かを判断してもよい。本実施形態において、基準値は、上記基準の断熱等性能等級毎に定められている断熱性能(熱貫流率)の基準値である。これにより、建物11の外皮の断熱性能が、上記基準で定められた断熱等性能等級に適合しているかを、出力部3に出力することができる。
図11は、本発明の他の実施形態の計算方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。この実施形態において、前実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
この実施形態の計算方法は、計算システム1S(コンピュータ1)が、第1断熱情報記憶工程S3後に、上記基準に基づいて、外皮の断熱性能を計算する(工程S7)。工程S7では、先ず、図1に示されるように、プラン記憶手段6Fに記憶されている建物11のプラン、設計因子記憶手段6Gに記憶されている天井部13の設計因子、外壁部14の設計因子、床部15の設計因子、及び、開口部16の設計因子が、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、工程S7では、第5計算部7Eが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。そして、第5計算部7Eが、演算部4Aによって実行される。
第5計算部7Eは、上記式(1)を使用して、外皮の断熱性能を計算する。外皮の断熱性能の計算方法としては、上述のとおりである。これにより、工程S7では、上記基準に基づいた外皮の断熱性能を計算することができる。外皮の断熱性能は、第5記憶手段6Eに記憶される。
次に、図11に示されるように、この実施形態の計算方法は、計算システム1S(コンピュータ1)が、外皮の断熱性能が、予め定められた基準値を満たしているか否かを判断する(工程S8)。工程S8では、先ず、図1に示されるように、第5記憶手段6Eに記憶されている外皮の断熱性能が、作業用メモリ4Cに読み込まれる。次に、工程S8では、第5計算部7Eが、作業用メモリ4Cに読み込まれる。そして、第5計算部7Eが、演算部4Aによって実行される。
上述したように、基準値は、上記基準の断熱等性能等級(本実施形態では、「断熱等性能等級4」、及び、「断熱等性能等級3」)毎に定められている断熱性能(熱貫流率)の基準値である。第5計算部7Eは、外皮の断熱性能が、これらの基準値を満たしているか否かを判断する。
図11に示されるように、工程S8において、外皮の断熱性能が基準値を満たしていると判断された場合(工程S8において、「Y」)、第5計算部7Eが外皮の断熱性能が断熱等性能等級に適合していること(例えば、「適合」)を出力部3に出力する(工程S9)。他方、工程S8において、外皮の断熱性能が基準値を満たしていないと判断された場合(工程S8において、「N」)、第5計算部7Eが外皮の断熱性能が断熱等性能等級に適合していないこと(例えば、「不適合」)を、出力部3に出力する(工程S10)。図12は、本発明の他の実施形態の計算システム1S(コンピュータ1)による出力結果の一例を示す図である。本実施形態では、断熱等性能等級4、及び、断熱等性能等級3毎に、外皮の断熱性能が適合しているか判断され、各等級の基準値とともに結果が出力されている。
このように、この実施形態では、上記基準に基づいて、建物11の外皮の断熱性能が、上記基準で定められた断熱等性能等級に適合しているかを出力することができる。
本実施形態の計算システム1Sは、一つのコンピュータ1の中に組み込まれる態様が例示されたが、このような態様に限定されない。計算システム1Sは、例えば、図1に示した入力部2及び出力部3を有するクライアント(端末)と、演算処理装置4を有するサーバとを接続したクライアント・サーバシステムや、クライアントとサーバとをインターネットを介して接続したクラウドコンピューティング等によって構成されてもよい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
1S 計算システム
3 出力部
6A 第1記憶手段
6B 第2記憶手段
6G 設計因子記憶手段
7 計算手段
7A 第1計算部
7B 第2計算部
7C 第3計算部

Claims (10)

  1. 開口部を含む建物の外皮の断熱性能を計算するためのシステムであって、
    前記開口部の設計因子を記憶する設計因子記憶手段、
    予め定められた基準に従って前記設計因子毎の断熱性能である第1開口部断熱情報を記憶する第1記憶手段、
    前記開口部の設計因子毎の実際の断熱性能である第2開口部断熱情報を記憶する第2記憶手段、及び
    計算手段を含み、
    前記計算手段は、
    前記建物の前記開口部の設計因子に基づいて、前記第1記憶手段から前記第1開口部断熱情報を抽出し、抽出された前記第1開口部断熱情報を使用して、前記開口部の第1断熱性能を計算する第1計算部と、
    前記建物の前記開口部の設計因子に基づいて、前記第2記憶手段から前記第2開口部断熱情報を抽出し、抽出された前記第2開口部断熱情報を使用して、前記開口部の第2断熱性能を計算する第2計算部と、
    前記第1断熱性能及び前記第2断熱性能を比較して、断熱性能が優れている一方の性能を用いて、前記建物の外皮の断熱性能を計算する第3計算部と、
    計算された前記建物の外皮の断熱性能を出力する出力部とを含むことを特徴とする建物の外皮の断熱性能計算システム。
  2. 前記開口部の前記設計因子は、前記開口部に配置されるガラスの種類、サッシの種類、又は、建具の種別を含む請求項1記載の建物の外皮の断熱性能計算システム。
  3. 前記計算手段は、
    前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を有する場合、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮しない第1エネルギー消費量、及び、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮した第2エネルギー消費量を計算する第4計算部を含み、
    前記出力部は、前記第1エネルギー消費量及び前記第2エネルギー消費量を比較して、エネルギー性能が劣っている一方の消費量を出力する請求項1又は2記載の建物の外皮の断熱性能計算システム。
  4. 前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子は、前記開口部以外の設計因子であり、前記建物の小屋裏収納、前記建物の基礎の深さ、又は、前記建物のエレベータの昇降路の上部を含む請求項3記載の建物の外皮の断熱性能計算システム。
  5. 前記第4計算部は、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を有しない場合、前記第1エネルギー消費量のみを計算し、
    前記出力部は、前記第1エネルギー消費量を出力する請求項3又は4記載の建物の外皮の断熱性能計算システム。
  6. 開口部を含む建物の外皮の断熱性能を、コンピュータを用いて計算するための方法であって、
    前記開口部の設計因子を、前記コンピュータに記憶する工程、
    予め定められた基準に従って前記設計因子毎の断熱性能である第1開口部断熱情報を、前記コンピュータに記憶する工程、
    前記開口部の設計因子毎の実際の断熱性能である第2開口部断熱情報を、前記コンピュータに記憶する工程、
    前記コンピュータが、前記建物の外皮の断熱性能を計算する外皮断熱性能計算工程、及び
    前記コンピュータが、計算された前記建物の外皮の断熱性能を出力する工程を含み、
    前記外皮断熱性能計算工程は、前記建物の前記開口部の設計因子に基づいて、前記第1開口部断熱情報を抽出し、抽出された前記第1開口部断熱情報を使用して、前記開口部の第1断熱性能を計算する工程と、
    前記建物の前記開口部の設計因子に基づいて、前記第2開口部断熱情報を抽出し、抽出された前記第2開口部断熱情報を使用して、前記開口部の第2断熱性能を計算する工程と、
    前記第1断熱性能及び前記第2断熱性能を比較して、断熱性能が優れている一方の性能を用いて、前記建物の外皮の断熱性能を計算する工程とを含むことを特徴とする建物の外皮の断熱性能計算方法。
  7. 前記開口部の前記設計因子は、前記開口部に配置されるガラスの種類、サッシの種類、又は、建具の種類を含む請求項6記載の建物の外皮の断熱性能計算方法。
  8. 前記コンピュータが、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を有すると判断した場合、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮しない第1エネルギー消費量と、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を考慮した第2エネルギー消費量とを計算する工程とをさらに含み、
    前記建物の外皮の断熱性能を出力する工程は、前記第1エネルギー消費量及び前記第2エネルギー消費量を比較して、エネルギー性能が劣っている一方の消費量をさらに出力する請求項6又は7記載の建物の外皮の断熱性能計算方法。
  9. 前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子は、前記開口部以外の設計因子であり、前記建物の小屋裏収納、前記建物の基礎の深さ、又は、前記建物のエレベータの昇降路の上部を含む請求項8記載の建物の外皮の断熱性能計算方法。
  10. 前記コンピュータが、前記建物の外皮の断熱性能に影響する設計因子を有しないと判断した場合、前記第1エネルギー消費量のみを計算する工程をさらに含み、
    前記建物の外皮の断熱性能を出力する工程は、前記第1エネルギー消費量をさらに出力する請求項8又は9記載の建物の外皮の断熱性能計算方法。
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