JP6479447B2 - 歩行状態判定方法、歩行状態判定装置、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

歩行状態判定方法、歩行状態判定装置、プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は歩行に関わる運動器官の活動状況及び健康状態等を推定するための特徴量の抽出方法及び歩行状態の判定方法に関する。
歩行状態を自動的に計測してその状況を判定できれば、高齢者の見守りや、生活状況の把握や、運動器官の健康管理などに有用である。
歩行状態を計測するための既存技術としては、加速度センサやジャイロセンサを内蔵した小型装置を歩行者が携行するもの(例えば特許文献1)や、床に圧力センサを設置するもの(例えば特許文献2)が一般的である。
ビデオカメラを用いれば歩行状態を直接観測できるが、プライバシー上の問題が多く日常生活環境には不向きである。
マイクを用いて歩行音(足音)を計測する技術も既に報告されている。歩行状態を直接観測した情報ではなく、歩行に付随して生じる音響情報から間接的に推定する技術の開発が必要となるが、プライバシーや設置コストなどの面で利点が多い。
特開2006−118909号公報「歩行計」 特開2014−094070号公報「歩行年齢評価方法」 特開2014−191616号公報「独居高齢者の見守り方法、装置およびサービス提供システム」 特開2002−197437号公報「歩行検出システム、歩行検出装置、デバイス、歩行検出方法」 特開2005−342254号公報「歩行周期検出装置」 特開2012−058340号公報「物音検知装置、物音検知方法および物音検知システム」 特開2013−215220号公報「歩行状態検知装置」
Alan de Cheveigne and Hideki Kawahara, "Yin, a fundamental frequency estimator for speech and music," Journal of the Acoustical Society of America, vol.111, no.4, pp.1917-1930, 2002. Sandra R. Hundzaand , William R. Hook, et al., "Accurate and reliable gait cycle detection in Parkinson’s disease," IEEE Transactions on Neural Systems and Rehabilitation Engineering, vol.22, no.1, pp.127-137, 2014.
歩行音(足音)から歩行状態を推定する既存技術としては、複数のマイクロフォンを組み合わせたマイクアレイを用いて歩行者の動線を推定するもの(例えば特許文献3)や歩行者の識別を行うものなどもあるが、本発明においては、足音から歩行周期を抽出し、それに基づいて歩行者の健康状態や活動状態などの歩行状態を判定する方法を提供することを課題とする。
歩行周期を推定する公知例として、加速度センサからの情報を用い、フーリエ変換によるスペクトルのピークを抽出する手法(例えば、特許文献1、5)などがあるが、音響センサからの情報にも適用可能な、精度の高い周期抽出方法を提案することを課題とする。
足音から歩行周期を抽出する公知例として、例えば特許文献6では、周期性を予め仮定した統計モデルを適用しているため、左右のバランスや周期性のずれを検出するには不向きと考えられるが、左右のバランスや周期性のずれも想定した周期抽出方法を提案することを課題とする。
歩行状態の推定においては、まずは歩行中か否かを判定することが課題となる。これにより、歩行運動の総量を推計可能になり、健康状態の指標になる。また、これによりそれ以降の歩行状態の判定のための分析対象を限定することができる。
さらに、歩行器官の関節の悪化等の健康管理や、歩行中の躓きなどの生活上の事故の防止などの観点からは、左右の歩行バランスのくずれを検出することが、それらの指標として重要である。
既存研究事例としては、例えば非特許文献2があるが、ジャイロセンサを用いて足の動きを着地のしかたなども含めて詳細に分析するものであり、実装の簡便さや実用性の面で課題がある。
足音から歩行状態を検出する公知例として、例えば特許文献4や特許文献7があるが、前者は100Hz以下の低い周波数帯域の情報を利用するため、後者は対象歩行者とマイクロフォンとの距離に伴う音量の変化に基づいているため、いずれも日常生活環境では、足音以外の振動や、家具等の日用品の衝突音や、人の声などの影響を受けやすくなると考えられる。このような足音以外の日常生活音の影響に対して頑健な分析方法を提案することを課題とする。
これらの課題は、足音のような音響情報から歩行状態を推定するために掲げた課題であるが、その解決のための手法は、加速度センサや距離センサなどから得られるような、音響以外の情報に対しても共通性があって、他のセンサへ適用範囲を広げられる方法となるならばさらによい。
本発明においては、歩行状態に関連が深い特徴量として歩行周期に着目し、その推定方法及びそれに基づく歩行状態の判定方法を提供する。歩行状態の推定に用いる観測情報としては、好適にはマイクロフォンからの音響情報を想定するが、本発明で提案する方法は、加速度情報や関節位置情報など、音響情報以外にも同様に適用可能であり、観測情報の種類を限定するものではない。
(1)
歩行者の歩行時に生じる足音などの音響情報をマイクロフォンなどのセンサにより電気信号として入力し、
前記電気信号を解析して歩行に関連する特徴量の時間変化量に変換する特徴抽出処理と、
前記時間変化量を解析して該歩行周期(1歩分および2歩分)とその確からしさを推定する歩行周期抽出処理と、
を適用して得られた該歩行周期とその確からしさの推定値から、歩行者の歩行状態に関する情報を生成する歩行状態解析処理を適用することにより、
前記歩行者の歩行状態に関する情報を出力することを可能とする歩行状態判定方法を提供する。
(2)
前記特徴抽出処理は、前記電気信号の8kHz以上の周波数帯域の成分のパワー(平均エネルギー)の時間変化量に変換することにより、足音以外の生活音や人の音声などの影響を低減可能な、特徴抽出方法を提供する。
(3)
前記歩行周期抽出処理は、前記特徴抽出処理で得られる時間変化量を入力として、それを自己相関、ケプストラム、平均振幅誤差のいずれかの量に変換した上で、さらにそれを正規化する周期性抽出関数を適用することにより、歩行周期を推定しその確からしさを出力することを特徴とする、歩行周期推定方法を提供する。
(4)
前記歩行状態解析処理は、前記歩行周期抽出処理で得られる歩行周期と確からしさの値に基づいて、判定データベース(判定DB)において適切に設定された或る特定の基準値と比較することにより、入力された電気信号に該当する時間区間において歩行が為されているか否かを判定する歩行行為判定方法を提供する。
前記判定DBにおける基準値は、前記歩行周期抽出処理で得られる歩行周期と確からしさの値を蓄積し、それを予め若しくは逐次的に統計処理して得られる統計分布に基づいて適切に設定された関数値に対応して適切に設定された閾値として得られる。
(5)
前記歩行状態解析処理は、前記歩行周期抽出処理で得られる歩行周期と確からしさの値に基づいて、1歩ごとの周期に対応した確からしさと、2歩(左右足の組)分の周期に対応した確からしさとを抽出した上で、両者を比較する相対値に変換することにより、歩行時の左右のバランスの良し悪しを表す推定値を出力する歩行状態推定方法を提供する。
(6)
前記歩行状態解析処理で得られる推定値を一定期間以上にわたって保存し、その統計量を判定データベースにある基準値と比較して異常値を検出することにより、歩行の異常を検出する歩行異常検出方法を提供する。
前記において、歩行状態の推定のために入力される情報としては、マイクロフォンからの音響情報を想定したが、提案方法は、加速度情報や関節位置情報など、音響情報以外にも同様に適用可能であり、観測情報の種類を限定するものではない。
(7)
例えば、距離センサを用いて歩行者の脚を観測した情報を電気信号に変換したものを入力信号とし、前記特徴抽出処理において、脚について得られた距離情報から歩行者の脚の関節の位置を推定し、推定された脚の関節の位置情報に基づいて脚の関節の運動距離の時間変化量に変換する、ことにより歩行状態を検出する方法を提供する。
(8)
さらに他の例として、入力される信号として、歩行者に装着した加速度センサを用いて歩行者の動きの情報を電気信号に変換し、前記特徴抽出処理としては、加速度を時間ごとに集計した総量の時間変化量に変換することにより、歩行状態を検出する方法を提供する。
(9)
(1)乃至(8)の歩行状態判定方法を実行することを特徴とする歩行状態判定プログラム、および該プログラムを記録した記憶媒体を提供する事ができる。
(10)
少なくともセンサ機器(マイクロフォン、距離センサ、加速度センサなど)、情報処理装置(表示装置を含む)を備え、(1)乃至(8)の歩行状態判定方法を実行することを特徴とする歩行状態判定装置として提供する事ができる。
(1)において、音響情報から歩行状態に関する情報が得られることにより、センサなどの機材の携行や装着を必要とせず、部屋に設置したマイクなどを通じて、歩行者の状況や歩行に伴う異常を従来よりも正確で簡便に把握できるようになる効果がある。
また、(2)において、センサとしてマイクを利用する形態において、音響データのうちでも一部の子音を除き音声情報をほとんど含まない8kHz以上の高周波成分のみを用い、さらにそのうちでも音波波形を直接用いず、数ミリ秒程度ごとのパワー情報のみに変換したデータを用いるため、プライバシー上の問題がほぼ解消する効果がある。特許文献4において提案されている、100Hz以下の低周波成分を利用する方法と比べても、そこに含まれる音声情報は大幅に少なくなるとともに、床の振動や生活騒音の影響による精度の低下も少ない。
また、(3)において、歩行周期抽出に最適化された正規化手法を含む周期性抽出関数を適用することにより、実際の生活環境においても頑健で精度の高い歩行周期が推定可能になるとともに、推定の確からしさの情報も同時に得られる効果がある。
また、(4)において、歩行周期とその確からしさの値を指標として、観測しているデータの中から歩行している期間とそれ以外の期間とが高精度に判定でき、生活状況や運動量などの安全や健康に関する指標となる情報が得られる効果がある。
また、(5)及び(6)において、左右の歩行バランスの判定が得られ、高齢者の加齢に伴う足関節の衰えなどのような、歩行器官の悪化を検知可能となり、さらには、歩行中のつまずきなど、歩行の際の事故等の検知も可能となる効果がある。
また、(7)及び(8)において、音響データの代わりに、加速度情報や関節位置情報を利用する形態においても、ほぼ共通した方法が適用可能であるため、プライバシーや実用性を考慮して目的に適した実装方法を選択して、歩行状態判定方法を利用できる効果がある。
処理過程の全体図 実施例1の全体構成 音響信号からの歩行周期抽出例 歩行周期抽出精度の評価実験結果 歩行バランスのくずれの検出例(音響センサによる) 歩行バランスのくずれの検出例(距離センサからの関節位置情報による)
図1を用いて本方法における処理の流れの全体を説明する。
処理の概略は次のようになる。入力された信号が特徴抽出部において特徴量に変換され、そこから歩行周期を抽出した後、その結果を利用して歩行状態を解析する。
これらの処理は、個々の処理を個々の装置で順次実行してもよいし、少なくとも入力装置(電気信号変換装置を含む)、処理装置あるいは演算処理装置、出力装置あるいは表示装置と記憶装置を備えた情報処理装置においてプログラム的に実行してもよいし、組み込みシステムに組み込んでもよい。
解析して得られた情報を予め用意した情報と統合して判定用DBを構築するとともに、判定用DBの情報に基づいて、解析結果から得られた判定結果を出力する。
この方法を用いて、例えば高齢者の見守り装置として実装することにより、歩行周期や歩行の総数や歩行状態の異常を判定することにより、運動量の低下や、生活様式の変化や、歩行器官の異常や、つまずきなどの事故を検知するような応用が考えられる。
そのような実施形態の例として、以下に2種類を取上げその詳細を説明する。
第1の実施例として、音響情報を利用した歩行状態判定装置について述べる。
図2を用いてその全体構成を説明する。
部屋に設置したマイクロフォンにより音響情報を電気信号に変換する。
その信号は、歩行状態分析処理装置に送られ処理される。
その出力信号を有線または無線で接続された表示装置等に送り、判定結果を知らせる。
以下で歩行状態分析処理装置の内部における処理過程の詳細を述べる。
各処理過程において得られる信号の例を図3に示す。
この信号は、実際の高齢者が住宅内で歩行した際に収録したもので、足音だけでなく家具の衝突音や人の音声も含んでいる。
信号は、標本化周波数48kHzで24bitに量子化して収録した。
その波形を図3(a)に示す。
次に、特徴抽出部においてこの信号を分析に適した特徴量に変換する。
ここでは、特徴量として,次の式(1)のように高周波数帯域の対数パワーに変換した。
Figure 0006479447
式(1)において、Si(f)はハミング窓等の窓関数で抽出したi番目のフレーム(短時間の区間)の時系列信号をフーリエ変換した周波数スペクトルを、Fh,Flは抽出する帯域範囲の上限を表す。
周波数分析の例として、上記の信号を窓長10.7ミリ秒, 周期5ミリ秒のハミング窓により512点のFFTでフーリエ変換したパワースペクトルを図3(b)に示す。
分析結果として得られる周波数の範囲はナイキスト周波数である24kHzまでであり、それが図3(b)の縦軸に表示された範囲となるが、人間の音声の周波数成分は一部の子音を除きほとんどが4kHz程度までであり、高くても8kHz以上の帯域にはほとんど含まれないのに対して、足音の周波数成分が、図3(b)の上半分以上の高い周波数の範囲にまで広く分布していることがわかる。
そこで、ここではFlとして12kHzを採用し、Fhとしては24kHzを採用した。
この周波数範囲には人間の音声帯域がほとんど含まれないため、プライバシー上の問題が低減される。
さらに、それを式(1)のように積分した量に変換することにより、そこからの音声情報の抽出はほぼ不可能となる。
この処理により、図3の信号例を変換したPiの値を図3(c)に示す。
特徴量に用いる周波数の範囲は、この例のように歩行者がスリッパを履いている場合では比較的高い帯域に分布するが、履物や床の状態などが異なる場合は、対象となる足音に応じて適した範囲を選択することにより精度が改善できる。
次に、歩行周期抽出部において、特徴抽出部で得られた特徴量から周期を抽出する。
周期の抽出方法としては、自己相関関数を用いる手法が一般的であり、式(2)のように時系列信号の自己相関関数を算出し、その極大値を抽出することにより、周期が推定される。
Figure 0006479447
他にも、式(3)に示すようなケプストラム係数を用いて、高域の極大値を抽出することにより周期を推定する手法も広く知られている。
式(3)においてFはフーリエ変換を表す。
Figure 0006479447
ここでは、自己相関関数の代わりに式(4)のような平均振幅差関数(AMDF)を用いた。
式(4)において、Mは算出する時間差の上限を、Lは時系列の長さを表している。
AMDFで得られる結果は自己相関関数と実質的に同じであるが、周期の位置がその極小値として得られる点と、計算効率とが異なる。
式(4)で絶対値をとる代わりに二乗値を用いる場合も実質は変わらない。
Figure 0006479447
図3の信号例におけるAMDF値Ajを図3(d)に示す。
jが極小値をとる位置が周期として推定され、そのjの値をフレーム周期と乗算して時間量に変換することにより、推定周期が得られる。
時間軸方向、即ちjを0から増やす方向にたどって最初の極小値が片足1歩分に相当する周期(片足周期)として、2番目の極小値が左右2歩分に相当する周期(両足周期)として推定される。
ここではMの値として、両足周期の上限と考えられる2秒に相当する400を用いた。
さらに、極小値を強調して抽出精度を向上するための周期性抽出関数として、次の式(5)のように最大値に基づいて極小値を正規化する処理を適用した。
この正規化処理は、人間の音声の基本周波数(周期)を抽出する手法(非特許文献1)を基に歩行周期に対応させた。
jの極大値の位置が推定周期となる。図3の信号例における正規化極小値Bjを図3(e)に示す。
Figure 0006479447
概略的には図3(e)において左から1番目の山が片足周期に相当し、2番目の山が両足周期に相当する。
それらを抽出する具体的な手順の例を述べる。
まず次式(6)に従ってBjの最大値Uを得る。
Figure 0006479447
次に、閾値としてUに比例定数Kh及びKlを乗じたTh=Kh U及びTl=Kl Uを用い、BjがTlより大きい値をとる連続した区間に探索範囲を絞る。
そのような領域の各々において最大値を求め、それに対応するjの値を周期候補とする。
その際に最大値がThより小さい場合は候補から除く。得られた周期候補の値を時間量に変換したものが、値の小さい順に片足周期M1及び両足周期M2として得られる。
同時に、その各々の最大値の値が各々の推定周期の確からしさの値L1及びL2として得られる。
周期の推定精度を確認するための実験結果の例を図4に示す。
ここでは、Kh及びKlの値として0.5及び0.25を用いた。
実験用試料として、男女各4名の高齢者の住宅内での生活行動の音をマイクロフォンで収録したデータの中から、歩行音が含まれる区間を切り出し、221のサンプルデータを得た。歩行周期の正解を与えるため、サンプルデータを人が聴取して、{速い、やや速い、普通、やや遅い、遅い}の5段階のカテゴリに分類した。
このカテゴリは、片足周期として各々{400ミリ秒、450ミリ秒、500ミリ秒、550ミリ秒、600ミリ秒}に対応させており、人手で分類する際には、それぞれの周期で合成した合成足音を用意して、それを基準として比較聴取しながら行った。
図4では、サンプルデータから提案手法で片足周期を抽出し、このカテゴリごとに上から順にヒストグラムとして表示している。概ね正しい周期を中心とした分布となっており、周期が概ね正しく抽出されていることがわかる。
誤差100ミリ秒以内での正解率は85.5%、平均誤差は59.7ミリ秒であった。
次に歩行状態判定部の処理ついて述べる。
解析結果のひとつとして、対象としているデータが歩行中の際のものか否かの判定ができる。
そのための閾値決定処理として、例えば上記により得られた、片足周期、両足周期並びに各々の確からしさに相当する(M1, M2, L1, L2)の計4個の値を歩行周期パラメータとして、足音とその他の音を含む多数のサンプルに適用したパラメータを判定用DBに蓄積した上で、これらのデータに対して判別分析等の多変量統計解析手法を適用することにより、得られた判別関数の係数等を判定用DB内に保存する。この関数を足音とその他の音の各サンプルに適用して得られる各々の関数値に関して、両者を最適に分離できるように閾値を設定し判定用DBに保存する。判定する際には、入力データをこの判別関数に適用した関数値を、この閾値と比較することにより、歩行時か否かの判定結果が得られる。
解析結果として得られるもうひとつの出力として、左右の歩行バランスのくずれの判定が得られる。
これにより、加齢に伴う膝関節や股関節の障害などの健康上の問題の検知などが可能になる。
図5を用いてその実験事例を説明する。
実験では、健常者で歩行器官の異常を模擬するために、おもりの入ったベルトを片足の足首に巻き、2名の被験者が約10平米の範囲で左回り、右回り、往復の3通りの歩行パターンで各30秒程度歩行して、その際の歩行音を収録し、上記の方法で分析した。
図5では、そのうちの例として、左回りで周回した際の足音のサンプルにおいて、(a)おもりを付けない場合、(b)1kgのおもりを付けた場合、(c)2kgのおもりを付けた場合、の分析結果を示す。各々の結果において、片足周期の確からしさL1と両足周期の確からしさL2とを比較すると、おもりを付けない場合(a)ではL2に比べてL1が大きい値をとるのに対し、(b)や(c)のようにおもりを付けた場合では、L2に比べてL1が小さい値となっていることがわかる。
即ち、左右のバランスに問題がない場合は、左右の足の周期がほぼ同じとなるため、片足単位で良好な周期性が得られるのに対し、左右の足の周期が異なる場合は、片足単位での周期性は崩れ、左右の2歩分を一組とした両足での周期性に比べて低くなるためと考えられる。
従って、L1とL2とを比較する量として、例えばL1とL2の比によりE=L1/L2のように定義した量を用いることにより、左右のバランスの判定が可能となる。
歩行器官に異常のある足音と、異常のない足音のサンプルを集めてこのEの値を算出し、判別分析等で統計的に学習した結果を歩行異常判定閾値として判定用DBに組み込むことにより、歩行器官の異常の判定結果を出力することが可能になる。
また、正常時の歩行音を長期的に入力して、長期間にわたる大量のEの正常値の統計をとり、平均値や分散などの統計分布情報を逐次的に算出した上で、それに基づいて決定した閾値を判定用DBに設定することにより、その分布から外れた異常値が観測された際に、歩行器官の異常やつまずき等の事故などの可能性があると検知し、出力することが可能となる。
第2の実施例として、距離センサから得られる関節位置情報を利用した歩行状態判定方法について述べる。
距離センサとして、ここではマイクロソフト(登録商標)社のキネクト(登録商標)センサを用いた。キネクトセンサからは観測対象の距離(深度)情報が2次元平面に配置された距離画像データとして得られ、それを時間的に連続して観測することにより、観測対象の立体形状が、ビデオカメラで撮影したのと同じような毎秒数十フレームの動画像データとして得られる。
さらに、この距離画像データから人間の主な関節の位置が推定され、3次元の座標値として得られる。
ここでは、関節位置情報のうち、左右の足首の座標値(xl, yl, zl)及び(xr, yr, zr)を用い、次式(7)のように両者の間のユークリッド距離を算出して、これを入力信号とした。
Figure 0006479447
この値を、実施例1の式(1)におけるPiと置き換え、それ以降は実施例1と同様の処理を適用することにより、歩行周期の推定や左右のバランス判定などが可能となる。
図6を用いてその例を説明する。実施例1と同様に、片足周期と両足周期の確からしさを比較することにより、左右バランスが判定可能であることがわかる。
本実施例では、左右の足首の位置を推定しその座標値を用いたが、代わりに左右の膝の位置を推定しその座標値を用いて実施してもよい。またこれらの座標値は歩行に際して足首や膝の脚部位と連動・連携して動くその近傍の脚部位(たとえば左右の大腿部や足の甲)を推定した座標値であってもよい。
また、この実施例における距離センサの代わりに、加速度センサ等他のセンサを用いる場合でも、例えば3次元の加速度ベクトルの大きさをPiとして用いることにより、同様の処理方法が適用可能である。
生活状況の異常や事故の検知などを検知する高齢者の見守りシステム、ロコモティブシンドロームと呼ばれるような高齢者の歩行機能の異常や衰えの早期発見、普段の生活における健康維持のための活動量の把握、運動器官の障害におけるリハビリテーションの支援システムなど、医療、介護、福祉機器、住宅機器、警備などに関連する産業分野で利用可能である。
1 周期性抽出の指標となる最大値からの減少量
2 1歩分の周期に対応する確からしさの極大値とその位置
3 2歩分の周期に対応する確からしさの極大値とその位置

Claims (9)

  1. 歩行者の歩行時に生じる音響情報をセンサにより電気信号として入力し、
    前記電気信号を解析して歩行に関連する特徴量の時間変化量に変換する特徴抽出処理と、
    前記時間変化量を入力として、前記時間変化量を平均振幅差関数の量に変換した上で、さらに前記量を最大値に基づいて極小値を正規化する周期性抽出関数を、適用することにより、片足周期と両足周期及び前記片足周期の確からしさと前記両足周期の確からしさを推定する歩行周期抽出処理と、
    られた前記片足周期と前記両足周期と前記片足周期の確からしさと前記両足周期の確からしさの推定値から、歩行者の歩行状態に関する情報を生成する歩行状態解析処理を適用することにより、
    前記歩行者の歩行状態に関する情報を出力ることを特徴とする歩行状態判定方法。
  2. 前記特徴抽出処理において、前記電気信号の8kHz以上の周波数帯域の成分のパワーの時間変化量に変換することにより、足音以外の生活音や人の音声の影響を低減させることを特徴とする請求項1に記載する歩行状態判定方法。
  3. 離センサを用いて歩行者の脚を観測した情報を電気信号に変換して入力し、
    前記電気信号を解析して歩行に関連する特徴量の時間変化量に変換する特徴抽出処理であって、脚について得られた距離情報から脚の関節の位置を推定し、推定された脚の関節の位置情報に基づいた該脚の関節の運動距離の時間変化量に変換する特徴抽出処理と
    前記時間変化量を入力として、前記時間変化量を平均振幅差関数の量に変換した上で、さらに前記量を最大値に基づいて極小値を正規化する周期性抽出関数を、適用することにより、片足周期と両足周期及び前記片足周期の確からしさと前記両足周期の確からしさを推定する歩行周期抽出処理と
    得られた前記片足周期と前記両足周期と前記片足周期の確からしさと前記両足周期の確からしさの推定値から、歩行者の歩行状態に関する情報を生成する歩行状態解析処理を適用することにより
    前記歩行者の歩行状態に関する情報を出力することを特徴とする歩行状態判定方法。
  4. 前記歩行状態解析処理において、前記歩行周期抽出処理で得られる、片足周期と両足周期、及び前記片足周期の確からしさと前記両足周期の確からしさの値に基づいて、判定データベースにおいて設定された特定の基準値と比較することにより、入力された電気信号に該当する時間区間において歩行が為されているか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載する歩行状態判定方法。
  5. 前記歩行状態解析処理において、前記歩行周期抽出処理で得られた片足周期の確からしさと、両足周期の確からしさとを比較する相対値に変換することにより、歩行時の左右のバランスの良し悪しを表す推定値を出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載する歩行状態判定方法。
  6. 前記歩行状態解析処理で得られる推定値を一定期間以上にわたって保存し、統計量を判定データベースにある基準値と比較して異常値を検出することにより、歩行の異常を検出することを特徴とする請求項に記載する歩行状態判定方法。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の歩行状態判定方法を実行することを特徴とする歩行状態判定プログラ
  8. 請求項7記載の歩行状態判定プログラムを記録した記憶媒体。
  9. 音響センサ又は距離センサのいずれかのセンサ機器と、特徴抽出部と歩行周期抽出部と歩行状態判定部を有する歩行状態分析処理装置とを備える、歩行者の歩行状態に関する情報を出力する歩行状態判定装置であって
    前記特徴抽出部は、前記音響センサ又は前記距離センサにより入力された電気信号を解析して歩行に関連する特徴量の時間変化量に変換する特徴抽出処理を実行し
    前記歩行周期抽出部は、前記時間変化量を入力として、前記時間変化量を平均振幅差関数の量に変換した上で、さらに前記量を最大値に基づいて極小値を正規化する周期性抽出関数を、適用することにより、片足周期と両足周期及び前記片足周期の確からしさと前記両足周期の確からしさを推定する歩行周期抽出処理を実行し
    前記歩行状態判定部は、得られた前記片足周期と前記両足周期と前記片足周期の確からしさと前記両足周期の確からしさの推定値から、歩行者の歩行状態に関する情報を生成する歩行状態解析処理を実行する
    ことを特徴とする歩行状態判定装置。
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